議事ロックス -地方議会議事録検索-


山口県 山口県

平成 26年 9月定例会 09月29日−02号




平成 26年 9月定例会 − 09月29日−02号









平成 26年 9月定例会


   平成二十六年九月山口県議会定例会会議録 第二号

      平成二十六年九月二十九日(月曜日)
  ────────────────────
        議事日程 第二号
      平成二十六年九月二十九日(月曜日)午前十時開議
  第一 代表質問
  第二 議案第一号から第十六号まで(質疑)
  ────────────────────
        本日の会議に付した事件
  日程第二 議案第一号から第十六号まで
                会議に出席した議員(四十九人)
                          柳   居   俊   学 君
                          吉   井   利   行 君
                          吉   田   和   幸 君
                          塩   満   久   雄 君
                          林       哲   也 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          有   福   精 一 郎 君
                          木 佐 木   大   助 君
                          先   城   憲   尚 君
                          友   田       有 君
                          曽   田       聡 君
                          平   岡       望 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          小   泉   利   治 君
                          岡   村   精   二 君
                          二   木   健   治 君
                          藤   本   一   規 君
                          篠   ?   圭   二 君
                          藤   生   通   陽 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          西   嶋   裕   作 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          吉   田   充   宏 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          神   田   義   満 君
                          島   田   教   明 君
                          石   丸   典   子さん
                          井   上       剛 君
                          国   井   益   雄 君
                          守   田   宗   治 君
                          山   手   卓   男 君
                          槙   本   利   光 君
                          畑   原   基   成 君
                          井   原   寿 加 子さん
                          橋   本   尚   理 君
                          秋   野   哲   範 君
                          河   野       亨 君
                          笠   本   俊   也 君
                          星   出   拓   也 君
                          森   中   克   彦 君
                          河   村   敏   夫 君
                          藤   井   律   子さん
                          友   広       巌 君
                          戸   倉   多 香 子さん
                          上   岡   康   彦 君
                          新   藤   精   二 君
                          江   本   郁   夫 君

                会議に欠席した議員(なし)

                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          村 岡 嗣 政 君
                    副知事         藤 部 秀 則 君
                    総務部長        渡 邉 繁 樹 君
                    総務部理事       大 谷 恒 雄 君
                    総合企画部長      上 野   清 君
                    産業戦略部長      宮 地   理 君
                    環境生活部長      半 田 健 二 君
                    健康福祉部長      小 松 一 彦 君
                    商工労働部長      木 村   進 君
                    農林水産部長      野 村 雅 史 君
                    土木建築部長      北 ? 孝 洋 君
                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君
                    財政課長        松 本 典 久 君
                    公営企業管理者     弘 中 勝 久 君
                    企業局長        市 原 充 之 君
                    教育委員長       山 縣 俊 郎 君
                    教育長         浅 原   司 君
                    公安委員長       倉 田 惠 子さん
                    警察本部長       藤 村 博 之 君
                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君
                    監査委員事務局長    高 杉 和 典 君
                    労働委員会事務局長   藤 井   勝 君
                    人事委員会事務局長   村 田 常 雄 君

                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        高 松 昇 志 君
                    事務局次長       河 村 邦 彦 君
                    審議監兼議事調査課長  田 中   肇 君
                    総務課長        田 平   ? 君
                    政務企画室長      岡 村 達 也 君
                    秘書室長        繁 吉 健 志 君
                    議事調査課主幹     山 本 秀 樹 君
                    主査          石 橋 教 幸 君
                    議事記録係長      三 好   政 君
                    主任主事        藤 村 紘 子さん
                    主事          竹 井 由利香さん
                    主事          福 田 直 也 君






   ─────────────

    午前十時開議



○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。

   ─────────────



△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第十六号まで



○議長(柳居俊学君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十六号までを議題とし、質疑に入ります。

 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。

 藤井律子さん。

    〔藤井律子さん登壇〕(拍手)



◆(藤井律子さん) 皆様、おはようございます。

 自由民主党の藤井律子でございます。平成二十六年九月定例会に当たり、自由民主党会派を代表いたしまして、県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 質問に先立ち、一言申し上げます。

 まず、先月は全国各地で、台風や前線の影響による大雨災害が発生し、甚大な被害をもたらしました。県内では、八月六日に岩国市や和木町を中心とする県東部地域が猛烈な雨に見舞われ、土砂崩れや河川の氾濫、住宅の浸水被害が相次いで発生し、今なお深刻な傷跡を残しております。

 お亡くなりになられました方々に対し、謹んで御冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 県では、知事を本部長とする災害対策本部を設置され、被災状況の的確な把握や応急復旧対策等に取り組まれたほか、職員を派遣し、家財道具の搬出を支援されるなど、迅速な対応されましたことに敬意を表するとともに、被災地域の一日も早い復旧に向けての御尽力を強く期待いたしております。

 さて、安倍総理は、今月三日の第二次改造内閣発足に際しまして、引き続き経済最優先で、デフレからの脱却を目指すと力強く宣言され、アベノミクスをさらに進めていく姿勢を示されました。

 同時に、人口減少や企業活動の停滞など、多くの課題を抱える地方に、アベノミクスによる景気浮揚の効果などを十分に波及させるべく、「地方創生」を最重要課題として打ち出されたところであり、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、早速、内閣に、まち・ひと・しごと創生本部を設置されました。

 安倍総理におかれては、地方の創生について、地方の熱意や創意・自主性を十分に尊重していただいた上で、国民からの大きな期待に応え、実行実現内閣の名にふさわしい成果をぜひとも示していただきたいと切に願います。

 また、内閣改造のもう一つの目玉として、五人もの女性閣僚が登用されました。これまでも安倍総理は、女性の活躍促進を成長戦略の中核として位置づけ、二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%にするという数値目標を掲げてこられましたが、みずから率先して実行に移されたことは、成長戦略を着実に実行・実現していく強い決意のあらわれと受けとめているところであります。

 県におかれましても、安倍内閣が景気回復の実感を全国津々浦々まで広げるべく、信念を貫き、全力で進められている政策に呼応し、県政の振興に取り組んでいかれることと思いますが、我が会派といたしましても、引き続き、村岡県政をしっかりと支え、知事とともに県勢発展に全力を尽くしてまいる所存でありますことを申し上げ、通告に従い質問をいたします。

 まず、未来開拓チャレンジプランについてお尋ねをいたします。

 村岡知事は、さきの六月定例会において、チャレンジプランを作成していくに当たり、県民誰もが、はつらつと暮らすことができる「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、チャレンジプランが実効性のあるものになるよう、全力で作成に取り組むとの強い決意を示されました。

 その後、チャレンジプランの骨子案をもとに、競争力のある産業の育成や、底力のある中山間地域づくり、さらには子育て環境の充実など、本県が直面している喫緊の課題や重要な課題に対して、正面から応えていくために、知事みずからを本部長とする庁内の策定本部等において、これらの課題の解決に向けた議論を深めてこられました。

 さらには、県民の皆様との直接の意見交換の場である「元気創出!どこでもトーク」を引き続き開催されるとともに、地域で活躍されている方々からの御意見を伺う地域懇談会を集中的に実施して、地域の実情の把握に努められるなど、まさに知事が先頭に立って、チャレンジプランの作成に精力的に取り組まれております。

 そして、今月十九日に開催された第三回目の策定本部会議において、チャレンジプランの素案が示されたところです。

 この素案は、本県の実情と課題を把握された上で、元気を創出する攻めの取り組みである産業、地域、人材の活力創造、そして、その基盤を支える県民の安心・安全の確保、さらには、これらの取り組みを着実に推進するための県政の基盤の強化の五つを重要な政策の柱として、これからの山口県が目指すべき方向性を明確に示すものとなっております。

 そして、示された方向性に沿って、早急に取り組むべき具体的な施策をしっかりと素案に盛り込まれるとともに、チャレンジプランの進捗が把握できるよう、プロジェクトごとに活力指標を設けられるなど、非常に実効性の高いものになっていると思います。

 本県を取り巻く社会情勢は、人口減少や少子高齢化が急速に進行するなど、一層厳しさを増しておりますが、今回示されたチャレンジプランの素案は、未来に向かって活力ある元気な山口県を、何とかしてつくっていきたいという知事の熱い思いがひしひしと伝わってまいります。

 そこでお尋ねいたします。知事は、新たな県政運営の指針となるチャレンジプランの素案をどのような考え方で作成されたのか。そして、チャレンジプランの作成に、今後、どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。

 次に、少子化対策についてお尋ねをいたします。

 日本の人口は二〇〇八年の一億二千八百八万人をピークに減少しており、このまま出生率が低い状態が続くと、三十四年後の二〇四八年には一億人を切り、二〇六〇年には八千六百七十四万人に減ってしまうと推計されております。

 生まれる子供の数が少なくなっていることが、人口減少の大きな要因ですが、厚生労働省の人口動態統計速報によると、ことし上半期に生まれた赤ちゃんは四十九万六千四百人で、昨年の同時期に比べると二・七%減少しており、下半期の動向によっては年間の出生数が初めて百万人を下回る可能性があります。

 また、日本の人口を維持するために必要な合計特殊出生率の水準は、二・〇七とされておりますが、二〇一三年における合計特殊出生率は一・四三です。

 少子化を加速させる一因に、未婚化や晩婚化の進行が挙げられますが、内閣府の統計によりますと、五十歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す生涯未婚率は、二〇一〇年で男性が二〇・一%、女性が一〇・六%であり、三十年前に比べ、男性は約七倍、女性は約二倍になっております。

 このまま少子化に歯どめがかからなければ、人口減少の一途をたどることになり、産業、経済を初め、地域の活力や生活に深刻な影響を及ぼします。

 こうしたことから、政府はこのたび、二〇六〇年時点で一億人の人口を維持することを目標に、中長期の戦略を打ち出す方針であり、先ほども御紹介しました、まち・ひと・しごと創生本部においても、抜本的な子育て支援対策を打ち出されるとのことであり、我が会派といたしましても、期待をしているところでございます。

 一方、山口県の状況を見ますと、二〇一三年における合計特殊出生率は一・五六と全国平均よりも高くなっておりますが、出生数は、昨年一万七百五人と過去最低を更新しており、このままでは、知事が目指される「活力みなぎる山口県」の実現に影響を与えかねません。

 今後、人口減少に歯どめをかけるためにも、出生率の向上に結びつく有効な少子化対策を講じることが極めて重要であると考えます。

 こうした中、県でも新たな少子化対策を進められており、村岡知事は、志をともにする十一県の知事による子育て同盟に加盟されるとともに、先月二十四日には、全県的な組織として「やまぐち子育て連盟」を設立し、知事みずからがそのキャプテンに就任され、子供や子育て家庭を支援する活動を広げていく決意を表明されたところです。

 子供は社会の宝です。その宝を育むお父さん、お母さんも社会の宝です。

 知事の今後の対応に期待をいたしますが、他県では、結婚に対する支援に積極的に取り組む自治体もふえており、本県においても、一歩踏み込んだ取り組みを進めていく必要があると考えます。

 また同時に、子育て環境は、複雑・多様化しておりますので、子供に関する相談への対応強化や保育サービスにおける質や量の確保など、安心して子供を産み育てられる環境の整備も、少子化対策には重要です。

 そこでお尋ねいたします。「やまぐち子育て連盟」の設立を契機として、安心して、結婚、妊娠、出産、子育てができる支援を積極的に推進していく必要があると考えますが、知事は今後、少子化対策の強化にどのように取り組まれるのかお伺いいたします。

 次に、防災対策についてお尋ねをいたします。

 冒頭でも述べましたが、八月六日の大雨災害においては、未明から一時間に七十ミリを超える非常に激しい雨が降り、岩国市や和木町を中心として、土砂災害や浸水などの深刻な被害をもたらしました。

 さらに、八月二十日未明には、隣県の広島市において、雨を降らす積乱雲が同じ場所に次々とできるバックビルディング現象が発生し、三時間雨量が二百ミリを超す局地的豪雨により、土石流が発生するなど、甚大な被害が発生しております。

 とりわけ、広島市の土砂災害では、花崗岩が風化してできた真砂土と呼ばれる崩れやすい特殊土壌であったことに加え、被災地の多くが土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域などに指定されていなかったことから、地元住民からは「説明会などがあれば、土砂災害に敏感になっていたかもしれない」と対策のおくれを指摘する声もありました。

 一方、本県では、既に全十九市町で警戒区域の指定を終えており、さらに、今回、村岡知事は、より危険度の高い特別警戒区域の指定について、計画を一年前倒しし、平成二十八年度までに県内全ての市町で指定を完了するため、基礎調査に係る追加の予算措置を講じられました。

 このことは、地域の安心・安全の確保はもとより、地域住民のさらなる防災意識を高めるための適切かつ効果的な対策であり、知事の迅速な御判断を高く評価いたすものでありますが、土砂災害が毎年のように全国各地で発生し、そしてとうとい命が奪われている状況を踏まえますと、私は、特別警戒区域の指定に当たっては、指定の目的や指定による制限等について住民の理解を深め、その効果が確実に発揮されるよう、これまで以上に住民に知らせる対策を講じていかなければならないと考えております。

 また、今回の災害では、市町の避難勧告の発令のおくれを指摘する声も上がっております。避難勧告の発令は一義的には、市町の責において実施されるものではありますが、避難勧告は地域住民にとって重要な情報であり、適切に発令され、迅速かつ確実に伝達されるべきものです。

 したがいまして、県においては、このたびの被災地域に限らず、県内全ての地域で、避難勧告を発令する判断基準の再検証を行うなど、市町がより迅速かつ的確な警戒避難体制がとれるような対策を講じていくことが必要と考えるものです。

 今さら申し上げるまでもありませんが、災害発生時に住民みずからが適切な避難を行うためには、そうした体制の確保だけではなく、日ごろから居住地域における危険箇所や早期避難の重要性について理解しておくことが、いざというときの適切な行動に直接結びつき、地域防災力を向上させることとなります。

 そこでお尋ねいたします。こうした状況を踏まえ、県は、今後、防災対策の充実にどのように取り組まれるのかお伺いいたします。

 次に、米軍岩国基地問題についてお尋ねをいたします。

 去る八月二十六日、七月十五日から行われてきた、普天間基地に所属するKC130空中給油機十五機の岩国基地への移駐が、同日に完了したと、岩国基地から発表されました。これを受けて、八月二十九日には小野寺前防衛大臣が、そして今月十八日には菅内閣官房長官が、相次いで山口県を訪問され、村岡知事や基地周辺自治体の首長に対し、政府を代表して謝意を伝えられたところです。

 これに先立つ七月十五日、佐賀県で開催された全国知事会議におきましては、仲井眞沖縄県知事から公式の場で、「山口県と岩国市に対し、沖縄県民を代表して感謝する」との御発言があったと聞き及んでおります。

 さらに、七月三十日に来県された自民党沖縄県連所属の県議会議員十一名の方々は、村岡知事に対し、丁重なる感謝の言葉を述べられたところです。

 こうしたことから、これまで沖縄の負担軽減の必要性を十分に理解し、普天間基地の早期移設などに向けて全力で取り組んできた我が党といたしましては、このたびのKC130の移駐完了を、沖縄に集中する基地負担を全国で分かち合う取り組みの大きな一歩と、高く評価するものでありますが、今後とも引き続き、普天間基地が継続的に使用されることとならないよう、政府に求めていく必要があると考えます。

 一方、日米安保体制の一翼を担う自負のもと、基地と共存共栄の地域づくりに取り組み、米軍再編に理解を示してきた岩国地域には、安心・安全対策を初めとして、負担軽減の不十分な状況が、厳然として存在します。そのため、我が党としては、本土で唯一強いられる著しい負担増と我が国の平和と安全への絶大な貢献に見合う格段の振興策がぜひとも必要であるとの思いから、基地議連を母体に、平成二十三年から政府に対して、特別措置法の制定などを求める要望活動を展開してまいりました。これを受け、村岡知事におかれても、春の政府要望においては、同様の要望を行われたところです。

 こうした中、先般、山口県を訪問された菅内閣官房長官から、「米軍再編に関連して、騒音などさまざまな問題で都道府県全体にも負担や迷惑をかけることになるため、基地が所在する都道府県に対して必要となる措置を予算編成過程で検討しており、国として必要な措置を講じたい」との御発言が公式にあったと伺いました。

 そこでお尋ねをいたします。先週二十二日、知事就任後初めて岩国基地、愛宕山地区などを視察された村岡知事は、基地の存在という負担の現状を肌で感じられたことと拝察いたしますが、このたび菅内閣官房長官から示された基地所在都道府県に対する新たな措置について、どのように受けとめられ、また、どのように生かしていかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、教育行政についてお尋ねをいたします。

 防長教育という言葉は、議会の場におきましても、たびたび耳にいたしますが、本県は、豊かな先見性や進取の気質など、人づくりを重んじるすぐれた教育風土を持つ教育県であります。

 江戸時代に寺子屋の数が全国で二番目であったことなど、教育県たるゆえんについてはいろいろな御意見がありますが、教育に熱心な土壌を育んでくれた先人たちの思いを大切にし、県民性として受け継いできたことが、今日の教育県の重要な礎となっていると考えております。

 さて、小中学校の運動会シーズンもそろそろ終わりを迎えますが、運動会といえば、昔は地域の一大イベントであり、保護者だけでなく、地域に住む者同士、地域の子供たちの成長を喜び合い、つながりを感じることができる場でありました。

 しかしながら、地域コミュニティーの希薄化に連れ、昨今の運動会は、児童生徒数の減少を差し引いても、盛り上がりに欠けるように感じることがありますが、やはり、今も昔も、学校が地域コミュニティーの核であることは変わらないと思います。

 こうした中、県教委におかれましては、地域ぐるみで子供を育てる仕組みづくりを進める地域協育ネットや、保護者や地域の方々がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させるコミュニティ・スクールなど、学校、家庭、地域の連携に積極的に取り組んでおられます。

 地域の子供は地域で育てるという、以前の地域コミュニティーには至極当然に備わっていた、いわゆる地域の教育力が、もはや当たり前とは言えなくなっている今の時代において、こうした取り組みの効果は、学校という枠を超えて、地域のつながりづくりにまで及ぶことが期待されるものです。

 我が会派といたしましても、県教委の取り組みに大いに賛同いたしますが、先ほど申し上げました、教育に熱心な県民性を引き出し、それを地域の教育力という確かな形としていくことこそが、とりもなおさず、本県教育を牽引する大きな力となってくれるものと考えております。

 そこでお尋ねをいたします。県教委では、昨年十月に策定された山口県教育振興基本計画のもと、本県教育の推進に取り組んでおられますが、県教委が掲げておられる社会総がかりでの教育の推進にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、警察行政についてお尋ねをいたします。

 議会初日に御紹介がありましたが、本年八月、第三十三代山口県本部長として、藤村本部長が着任されました。

 御就任の記者会見において、藤村本部長は、「県警察の総合力を発揮して犯罪抑止対策に取り組み、県民の安心・安全確保に向けて努力したい」と力強く抱負を語られました。また、本部長は山陽小野田市の御出身で、就学前まで県内で過ごされたとお伺いし、親近感を持ったのは私だけではないと思います。今後、百四十万県民の安心・安全を担う山口県警察のトップとして、その手腕を発揮していただきたいと願っております。

 さて、県内の治安情勢を見てみますと、刑法犯認知件数は平成十五年以降十一年連続で減少し、戦後最小の記録を更新しているところであり、本年上半期も約一二%減少しております。

 また、少年非行については、刑法犯で検挙・補導された少年の数は七年連続で減少し、統計が残る昭和二十四年以降最小の補導人数とのことです。

 さらに、昨年の交通事故の死者数は、前年比では九人増加したものの、過去二番目に少ない死者数でありました。

 いずれにいたしましても、数字上の治安情勢は年々向上しているところであり、犯罪のない安心・安全な社会の実現に一歩一歩近づきつつあります。これも第一線の現場で日夜、職務に励んでおられる警察官の方々のおかげだと感謝申し上げます。

 しかしながら、先日の報道によりますと、架空請求詐欺を初めとする特殊詐欺事件は、手を変え、品を変え、その卑劣な犯行は後を絶たず、被害額は既に過去最悪を上回っているとのことでした。また、社会的弱者と言われる、子供、女性、高齢者が被害者となる犯罪も依然として発生しており、県民が不安を感じる要因となっているところです。

 さらに、最近では、徘回高齢者の問題が大きくクローズアップされており、中には交通事故に遭われたり、長期間、行方不明になる方もおられるなど、特に高齢化率の高い本県においては、今後の大きな課題と言えます。

 こうした現状の中で、全ての県民の願いである、犯罪や事故のない、安心して安全に暮らせる社会を実現していくためには、社会情勢や犯罪情勢の変化に応じた治安体制を構築し、これらを踏まえた活動を強化することが必要です。

 そこでお尋ねいたします。県民は、犯罪に巻き込まれず事故に遭わない、安心して安全に暮らせる社会の実現を期待していますが、この期待に応え、県民一人一人が山口県は治安がよく、安心して暮らせると実感してもらえるために、今後、どのように取り組まれるのか、本部長の御所見をお伺いいたしまして、代表質問を終えさせていただきます。

 御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 藤井議員の代表質問にお答えします。

 まず、未来開拓チャレンジプランについてのお尋ねです。

 本県では全国より早く人口減少や少子高齢化が進行するとともに、産業構造の大きな変化に伴う地域間、国際間競争の激化や、頻発する自然災害への対応が求められるなど、本県を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。

 特に、県人口は、このままの趨勢で推移すれば、今後三十年間で生産年齢人口を中心に約四十万人も減少することが見込まれ、本県の経済活動や県民生活の各分野において、これまでにない大きな影響が生じると予想されています。

 このため、私は新たな県づくりに向けては、本県の未来をしっかりと見据え、目の前に立ちはだかる困難な課題に正面から向き合い、今なすべきことに総力を結集して取り組んでまいります。これにより、県づくりの推進力である人口の流出を全力で食いとめるとともに、人口減少や少子高齢化社会にあっても、元気な産業や活力ある地域の中で県民誰もがはつらつと暮らしていける山口県をつくっていかなければならないと考えています。

 こうした観点のもと、チャレンジプランの素案の取りまとめに当たりましては、県づくりの主役である県民の皆様と精力的に意見を交わし、諸課題を共有してまいりました。その上で、それらをともに克服していくために、例えば、戦略的な企業誘致の展開や日本一を目指す農林水産業の担い手支援の充実、新たな観光需要をつくり出すやまぐち観光維新、中山間地域の集落を守る元気生活圏構想、社会全体での子育て支援や地域教育力日本一の実現、医療・介護の連携による地域包括ケアシステムの構築など、六十二の重点施策により集中的に取り組みを進めることにしています。

 今後、本年度末までのプランの策定・公表に向けては、県議会の御意見を初め、県政世論調査やパブリックコメントを通じた県民の皆様からの幅広い声をプランに反映するとともに、国が最重要課題として進めている「地方創生」の動向も踏まえながら新たな国の取り組みとも連携し、施策内容の一層の充実を図ってまいります。

 また、プランの着実な実施に向け、計画期間内での取り組みの成果をはかる活力指標の具体的な目標値の設定や、年次スケジュールのさらなる精査を行うとともに、諸施策を計画的に進めるため、明年度の予算編成時に財政収支の見通しについてもお示しをしたいと考えています。

 私は、基本目標に掲げた「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、チャレンジプランが新たな県づくりを協働で進めていくための指針として、市町はもとより、企業、団体、そして県民の皆様の期待にしっかりと応えられるよう、実効性のあるプランの策定に努めてまいります。

 次に、少子化対策についてのお尋ねにお答えします。

 急速な少子化の進行は、地域活力の低下はもとより、社会保障制度の持続等にも大きく影響を及ぼすことから、少子化対策を強化することが極めて重要と考えています。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランの「突破プロジェクト」に子育てしやすい環境づくりを掲げ、社会全体で子供や子育てを支える、みんなで子育て応援山口県の推進、妊娠、出産、健やかな成長のための保健医療サービスの充実、子供の安全確保、健全育成を図る子どもを守る取組の推進を重点施策として位置づけ、少子化対策に積極的に取り組むこととしています。

 具体的には、全県的組織として新たに設立した「やまぐち子育て連盟」を中心に、企業、関係団体等と連携しながら、結婚から、妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援を強化することとしています。

 まず、お尋ねの結婚に対する支援につきましては、独身の男女に新たな出会いの場を創出するとともに、結婚に向けた相談・仲介等を行う婚活サポーターの養成により、地域・企業ぐるみの支援体制の構築を図るなど、新たな取り組みを進めてまいります。

 次に、安心して子供を産み育てられる環境の整備については、子育て家庭の多様なニーズに対応するため、事業の実施主体である市町と連携しながら、保育施設や放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点等の整備充実を計画的に進め、これにあわせて、新たに子育て支援員を養成するなど人材の確保に努めるとともに、企業等を巻き込んだ多子世帯への支援を充実するなど子育て家庭の経済的負担の軽減を図ってまいります。

 また、複雑・多様化する相談に対応するため、児童相談体制を充実強化するとともに、産科医・小児科医の確保等による周産期・小児医療体制の充実や不妊治療費助成等による不妊治療に対する支援の充実を図ってまいります。

 私は、県議会の人口減少・地域活力維持対策特別委員会の審議も踏まえ、市町や企業、関係団体と連携し、若い世代が希望をかなえ、安心して結婚し、妊娠、出産、子育てをすることができる山口県の実現に向けて、子育て連盟のキャプテンとして、私みずから先頭に立って、少子化対策に全力で取り組んでまいります。

 次に、防災対策についてのお尋ねにお答えします。

 今回の県東部及び広島市における大雨災害では、深夜から早朝にかけての、極めて短時間かつ局地的な集中豪雨により、甚大な被害が発生したことから、災害はいつでもどこでも起こり得ると、改めて認識したところです。

 とりわけ、本県は、地形的特性等から全国に比べて多くの土砂災害危険箇所を有しており、また同様の災害が、近年全国で頻発していることから、砂防ダムの整備等ハード対策はもちろんのこと、ソフト対策も含めた総合的な防災対策を、充実強化していくことが重要と考えています。

 このため、私は、危険箇所に住んでいる住民が、その危険性を理解し、災害時に適切に避難できるよう、既に、指定を終えている警戒区域に加え、現在進めている、より危険度の高い特別警戒区域の指定について、このたび、前倒しを図ることとしたところです。

 この特別警戒区域の指定に当たっては、新規住宅の立地抑制、建物の安全確保など、指定の目的や制限等を説明したリーフレットを新たに作成し、説明会等さまざまな機会を通じて、住民の理解を深めるとともに、指定後も、市町と連携を図り、土砂災害ハザードマップの速やかな更新を行うなど、積極的な周知に努めてまいります。

 また、今回の災害を踏まえ、市町に対し、避難勧告等の発令・伝達体制の再検証と住民の自発的な避難行動等の周知を、改めて要請したところであり、特に、土砂災害警戒区域においては、市町と連携して、警戒避難体制の緊急点検等を実施し、必要に応じ助言を行うこととしています。

 こうした取り組みに加え、被害を最小限に抑えるためには、みずからの命はみずからが守る、自分たちの地域は自分たちで守るという自助・共助の精神に基づく地域防災力を、充実強化していくことが重要であると考えています。

 このため、いざというときに、住民みずからが的確に避難行動がとれるよう、ハザードマップを活用した危険箇所、避難場所の把握や、屋外への避難が困難な場合には二階への垂直避難など、正しい防災知識の普及啓発に努め、県民一人一人の防災意識の醸成を図ってまいります。

 さらに、災害時において、住民への連絡や避難等に大きな役割を果たす自主防災組織の育成強化や、地区防災計画の策定等を通じて、地域における防災活動の一層の促進に努めてまいります。

 私は、県民の暮らしの安心・安全はあらゆることの基本であるとの認識のもと、現在策定中のチャレンジプランに、災害に強い県づくりの推進プロジェクトを掲げ、市町や関係機関と緊密に連携をし、防災対策のさらなる充実強化に、全力で取り組んでまいります。

 次に、米軍岩国基地問題についてのお尋ねにお答えします。

 私は、このたび、初めて岩国基地を視察し、その規模や配置、立地条件などを具体的に把握することにより、地域住民や地元自治体にとって、基地の存在そのものが負担であることを改めて認識したところです。

 これに加え岩国基地については、米軍再編が予定どおり実施されますと、倍増する航空機による騒音被害や、米兵犯罪等への不安を抱え続けること、地元自治体では上下水道などの基盤整備を初め新たに財政需要が生じることなど、さまざまな負担を引き受けることになります。

 このため、県ではこれまで、基地周辺住民の平穏で安全な生活を確保するため、住民の不安解消につながる安心・安全対策や、負担と国防への貢献に見合う特段の地域振興策を、国に対し繰り返し要望してまいりました。

 このうち、地域振興策に関して私は、本年六月、防衛大臣などに対し、お示しのあった基地議連のこれまでの国への要望趣旨とも歩調を合わせ、基地周辺地域の振興を包括的に図るための特別措置法の制定や、既存法制度の拡充など地元の実情に応じた施策の展開を要望したところです。

 一方で、現行の国の措置が、住民に身近な市町を対象とし、基地の存在に起因する障害の除去や緩和など、基地負担の軽減を図るものがほとんどである現状を踏まえると、私は、広域自治体である県が、基地があるがゆえに発展を阻まれてきた産業の振興を一層推進してこそ、真の基地周辺地域の振興が果たされるものと考えています。

 こうした中、菅内閣官房長官が来県され、お示しのように、基地が所在する都道府県に対して必要な措置を講じる旨、明らかにされました。

 このことについては、これまで国の配慮が十分とは言えなかった基地所在都道府県の財政需要等の負担に、しっかり目を向けていただいたものと私は受けとめており、米軍再編にとどまらない基地の存在そのものの負担に見合う地域振興策という点からは、道半ばではありますが、一定の評価をしているところです。

 今後、国においては、基地を抱える本県の負担を十分に御理解いただき、地域の実情に応じた制度となるようしっかり検討していただきたいと考えています。

 いずれにしても、私としては、都道府県に対する新たな措置が、産業インフラの整備や広域観光の振興など、岩国地域のさらなる発展につながるよう、県議会や地元自治体の御意見も伺いながら、十二分に活用してまいりたいと考えています。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育行政についてのお尋ねにお答えいたします。

 本県教育の特色は、人づくりを重んじるすぐれた教育風土に代表されると言われており、子供たちが、人として生きる上での基本を身につけ、未知なるものへ進んで挑戦するとともに、積極的に社会の形成に参画し、その発展に貢献する人材を育成していくためには、学校、家庭、地域が一体となった社会総がかりでの教育を推進していくことが重要です。

 このため、県教委では、「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」を教育目標として掲げた山口県教育振興基本計画に基づき、確かな学力や豊かな心の育成、グローバル社会で活躍できる人材の育成のほか、地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールの設置に加え、おおむね中学校区を一つの単位として、学校関係者、地域住民がネットワークを形成し、地域ぐるみで教育を支援する地域協育ネットの取り組みなどを推進しているところです。

 中でも、小中学校におけるコミュニティ・スクールの設置率については、全国一となるなど、子供たちが抱える課題を地域ぐるみで解決する仕組みづくりが構築されつつあり、現在、夢や目標に向かって挑戦する心を持ち、人の役に立つ人間になりたいと考える子供たちの割合が、全国の平均を上回る傾向が見られますとともに、学力につきましても着実に向上しているところです。

 こうした中、人口減少、少子高齢社会にあって、核家族化や地域のつながりの希薄化が進行しており、お示しのように、地域の教育力の向上は、地域のつながりづくりにも資することから、このたび、未来開拓チャレンジプランの素案において、社会総がかりによる地域教育力日本一の取り組みの推進を掲げ、学校を核とした地域の教育力の強化に向けたより一層の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 具体的には、コミュニティ・スクールを市町教委と連携しながら、全ての小中学校に設置するとともに、本県独自の取り組みである地域協育ネットにつきましても、全ての中学校区に整備してまいります。

 また、地域と学校をつなぐコーディネーターの全中学校区への配置や表彰制度の創設等による好事例の全県への普及を進めることにより、地域内の人材や学校間の連携を強化し、地域協育ネット等の活動をより一層充実してまいります。

 さらに、こうした取り組みを通じて、学習指導や家庭教育支援による全国トップクラスの学力を目指す取り組みの強化や、ふるさとにゆかりのある人材に学ぶ道徳教育の充実、地域のスポーツ人材による授業や運動部活動の支援、地域ぐるみのいじめ防止の取り組みなど、さまざまな学習活動等により、社会が人を育み、人が社会をつくるための諸施策を推進してまいります。

 県教委といたしましては、学校を地域コミュニティーの核として、人づくり、地域づくりの好循環を創出し、社会総がかりで本県の将来を担う子供たちの育成に全力で取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 県民が安心して安全に暮らせる社会の実現に向けた取り組みについてお答えします。

 県内の治安情勢につきましては、議員お示しのとおり、数値から見た治安水準は改善傾向にありますが、ストーカー・DV事案や特殊詐欺など女性や高齢者が被害に遭う犯罪が増加傾向にあるほか、高齢者の交通死亡事故が多発していることや、大規模自然災害への脅威が高まっていることなど、警察を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識しております。

 全ての県民が安心して暮らせると実感してもらえるためには、これら諸課題に対し、組織を挙げ、抑止と検挙の両面から迅速・的確に対応していく必要があると考えています。

 具体的には、犯罪抑止のための重点対策として、少年安全サポーター制度の活性化を図るなど、いじめや児童虐待から子供を守る対策や、インターネット有害環境から子供たちを守る対策、本年四月に設置した、ストーカー・配偶者暴力対策本部の機能強化や女性警察官の採用拡大を図るなど、ストーカー・DV事案から女性を守る対策、高齢者宅への防犯指導や金融機関、民間コールセンターなどと連携して特殊詐欺から高齢者を守る対策など、実効ある取り組みを推進していきます。

 さらに、犯罪等の被害に遭われた方に対しては、自治体や関係機関と連携した、きめ細かな支援対策を講じてまいります。

 次に、子供や高齢者を交通事故から守る重点対策としては、年齢やライフスタイルに応じた、参加・体験型の交通安全教室の開催、通学路におけるゾーン30の整備やLED式信号機の設置など交通安全施設の整備、街頭活動の強化による飲酒運転等悪質危険ドライバーの排除など、効果的な取り組みを推進していきます。

 また、これらの対策を進めていく中で、とりわけ県民が警察に強く期待し求めていることは、県民の目の前に生命、身体、財産の危険が迫っているときに、警察が素早く立ち上がり、県民の立場に立って的確に対処していくことにあると考えています。

 このため、各種事案の初動対応に当たる地域警察部門の体制を整備するなど有事即応体制の一層の強化を図るとともに、事態に応じ、危害の危険性・切迫性を迅速に判断するなど、緊張感を持った職務執行に努めていきます。

 また、さまざまな対策を推進するに当たっては、部内で情報を共有しながら、組織一丸となって対応していくことはもとより、自治体、関係機関、ボランティア団体とも連携の強化を図ることとしています。

 県民が安心して安全に暮らせることは、社会生活の基盤であることから、犯罪や事故のない社会の実現を目指し、県警察の総力を挙げ、全力で取り組んでまいります。

 以上でございます。



○議長(柳居俊学君) 末貞伴治郎君。

    〔末貞伴治郎君登壇〕(拍手)



◆(末貞伴治郎君) おはようございます。自由民主党新生会の末貞伴治郎でございます。平成二十六年九月定例会に当たり、当面する県政の諸課題につきまして、会派を代表いたしまして、知事、教育長並びに警察本部長に質問いたします。

 質問に先立ちまして、一言申し上げます。

 先ごろ、全国の自治体の約半数が二○四○年に消滅のおそれがあるという衝撃的な報告がなされたところでありますが、今月三日に発足した第二次安倍改造内閣においては、こうした状況を踏まえ、「地方創生」を内閣の最重要課題として打ち出されました。早速、今月十二日には、東京一極集中に歯どめをかけ、地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服することを基本方針として、安倍総理を本部長とする、まち・ひと・しごと創生本部を設置されたところであります。

 この「地方創生」を初めとして、引き続き、地方の活性化に積極的に取り組む姿勢を示されたことに対しましては、地方からの、また国民からの大きな期待が集まっておりますが、我々といたしましても、今後、安倍総理の強いリーダーシップのもと、必ずや「地方創生」を実現していただけるものと確信しているところであります。

 一方、県はこのたび、山口県の目指すべき姿を明らかにし、その実現に向けて取り組む政策、施策を戦略的・計画的に進めていくための総合計画であります「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案を公表されました。いよいよ村岡知事が目指す「活力みなぎる山口県」の姿が明らかとなってきたわけでありまして、我が会派といたしましては、若き村岡知事の未来を拓く「突破力」に期待し、村岡知事とともに、そして市町や県民の皆様と一丸となり、生まれてよかったと心から思える、ふるさと山口県の実現に、なお一層努めてまいりたいと考えております。

 それでは、通告に従い質問をいたします。

 まず、土砂災害対策の推進についてお尋ねいたします。

 先月、全国各地で深刻な被害を発生させた平成二十六年八月豪雨は、岩国市で二名、広島市で七十四名の方がとうとい命を奪われるなど、日本中に改めて大規模災害の恐ろしさを知らしめました。

 今回の災害では、特に土石流や崖崩れ等の土砂災害により、多くの犠牲者が出てしまう結果となりましたが、本県においても、山裾に住宅が建ち並ぶ地域が県内至るところに広がっておりますことから、こうした災害から人命や財産を守っていくためには、今後、土砂災害対策を強力に推進していかなければなりません。

 これまで、県では、土砂災害防止法に基づき、土砂災害のおそれがある土砂災害警戒区域について、全国でもいち早く、平成二十四年度に県内全市町において指定を完了され、市町におけるハザードマップの作成や警戒避難体制の整備への支援を行われるなど、適切な対策を講じてこられました。

 また、より危険度が高い土砂災害特別警戒区域についても、五市で指定を完了されていますが、このたび、全市町での指定完了予定を一年前倒しし、平成二十八年度までの指定完了を目指すとされた村岡知事の積極的な対応は、局地的な大雨がふえ、今回のような大規模な土砂災害がいつどこでも発生し得ることを考えますと、緊急性や即効性を踏まえた、地域住民の大切な命を守るための最優先かつ最重要の対策であり、地域防災力の向上の観点から高く評価いたしております。

 しかしながら、私は、一度大規模災害が発生いたしますと、地域の社会経済活動にはかり知れない影響を与えるだけでなく、その復旧・復興には多大な労力と時間を要しますことから、被害を未然に防ぐという点から、こうしたソフト対策に加え、砂防ダム等の施設整備等の予防的な対策を実施していくことも重要であると考えています。

 現在、県におかれましては、砂防ダム等の土砂災害防止施設の整備を鋭意進めておられますが、県土の多くが山地や丘陵地で占められ、脆弱な地質が広く分布しております本県は、全国で三番目に多い二万二千二百四十八カ所の土砂災害危険箇所を抱えているため、土砂災害防止施設の整備がなかなか追いついていないのが現状です。

 したがいまして、県民の安心・安全の確保の面から、根幹的な土砂災害対策として、砂防ダム等の土砂災害防止施設の整備の加速化を図ることが求められますし、危険度に応じ土石流センサーの設置等により監視体制を強化するなど、地域の安全性の向上に寄与するさまざまなハード対策やソフト対策を効果的に組み合わせて土砂災害対策の強化につなげていくことも必要であると考えています。

 そこでお尋ねいたします。近年の災害の発生状況を考慮した上で、将来を見据えた県土の強靱化に向け、県では、今後どのように土砂災害対策を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、中山間地域の振興についてお尋ねいたします。

 中山間地域は、澄んだ空気と清らかな水、そして美しい豊かな自然に囲まれています。これから秋が深まるにつれて、木々は赤く染まり、童謡「紅葉」の歌詞にあるように色鮮やかな紅葉に包まれていきます。こうした美しい中山間地域は、ふるさとの原風景とも言えるものであり、後の世代にもしっかりと引き継いでゆくべき、かけがえのない県民共有の財産であると考えております。

 しかしながら、県全体でも人口の減少や高齢化が、全国的に比べ速いスピードで進行している中で、県土の約七割を占める中山間地域においては、それがさらに加速している状況にあります。

 民間の有識者でつくる日本創成会議が今年五月に行った推計によりますと、将来消滅するおそれがあるとされた本県の七市町が、いずれも全域中山間地域であったことは、この地域の大変厳しい現状を物語っているのではないでしょうか。

 こうした中で、県は、昨年度、県議会からの提言や地域の方々からの貴重な御意見や、これまでの取り組み成果などを踏まえ、中山間地域づくりの指針となる、山口県中山間地域づくりビジョンを七年ぶりに改定され、市町や地域と連携・協働しながら総合的・戦略的に中山間地域対策に取り組まれております。

 さらに、今年度から、知事を隊長に、県職員みずからが中山間地域に赴いて地域の活性化に向けた取り組みを直接支援する県庁中山間応援隊を創設され、順次活動に入られるとともに、さきの六月補正予算においては、地域の課題や特性を踏まえたさらなる支援措置を講じるなど、県のこれまでの中山間地域の振興のための積極的な取り組みについては、改めて敬意を表するものであります。

 しかしながら、歯どめが一向にかからない人口の減少や高齢化により、地域を支える貴重な担い手がさらに減少していく中で、伝統行事や地域活動、冠婚葬祭などの実施が困難となる地域は、今後、加速的に増加することが懸念されております。

 知事は、今月十九日の三回目となる未来開拓チャレンジプランの策定本部会議で示された素案において、活力ある地域づくりの推進を「未来開拓戦略」の一つとして掲げられておられますが、県土の大部分を占める中山間地域の活力を維持向上させていくことは、山口県全体の活性化にもおのずとつながっていくのではないかと考えるのであります。

 そのためには、県みずからがこれまで以上に、市町や地域に寄り添いながら、地元のニーズに沿ったきめ細やかな対策を講じていくことが肝要であると思いますが、今後、どのように中山間地域の振興を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、県民活動の促進についてお尋ねいたします。

 一昨年四月に、公益財団法人山口きらめき財団が設立され、今年は三年目という節目の年に当たります。

 御案内のとおり、この財団はやまぐち県民活動きらめき財団、やまぐち女性財団、山口県文化振興財団の三つの財団が合併して設立され、県民活動の支援や男女共同参画社会の形成、文化芸術活動の振興などを総合的に推進し、県民一人一人がきらめき、元気で活力ある住みよい社会の実現を図ることを目的とされております。

 この目的のもと、設立後、財団では県と連携の上、各団体の活動経費の助成や運営に関する助言、各種支援施策の情報提供等の支援を進めてこられたものと承知しております。

 こうした中、村岡知事はこの六月に財団の理事長に就任されました。村岡知事は就任後一貫して、県民の力を結集し、「活力みなぎる山口県」を実現することを掲げられており、このたび県が発表されたチャレンジプランの素案では、地域活力創造戦略の中で、県内各地域の活性化の推進力となる、多様な県民活動を促進すると位置づけられております。

 このたびの理事長就任も、こうした考えのもと、県民との協働による県づくりを推進するという知事の姿勢のあらわれかと推察いたします。

 さきの質問で触れましたとおり、中山間地域を初めとする県内各地域では、人口減少、高齢化の進行により、担い手不足や地域活力の減少といった現実に直面しております。

 各地域が抱えるさまざまな課題の解決を図り、活力を維持していく上で、老若男女を問わず、県民の皆さんの力を発揮していただくことが求められており、目的と熱意を持って活動し、地域を支えている民間団体との連携・協力は、今後も県行政にとって欠かせないものであります。

 このたび県が報告された県民活動白書では、県民活動への参加状況や団体の活動状況、支援機関の状況、NPO法人の認証・認定状況といった、県民活動団体を取り巻く現状や課題が示されております。

 県民活動団体に共通する課題から、各分野固有の専門的な課題、または任意団体から認定NPOまで組織体制に関する課題など、各団体にとっての課題はさまざまでありましょう。

 こうした各団体が抱える諸課題に対し、県として、きらめき財団や県民活動支援センターなどとも連携したきめ細やかな支援を進め、県民活動のさらなる活性化を図っていくことが必要と考えます。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は本県における県民活動のさらなる促進を図る上で、どのように現状や課題を認識され、今後どのように取り組みを進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、女性の再チャレンジの促進についてお尋ねいたします。

 冒頭でも御紹介しましたように、安倍総理は「地方創生」を最重要課題と位置づけるとともに、まち・ひと・しごと創生本部の設置を契機に、誇りある日本を取り戻すため、推し進められる施策の一つに、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会をつくり上げる。また、家事や育児に専念してきた女性が、その経験を生かしながら活躍できる環境を整えると、女性が輝く社会の実現を掲げられているところであります。

 しかしながら、本県の女性の年齢階級別の有業率を見ると、二十歳から二十四歳までは七四・四%であるのに対し、二十五歳から二十九歳までは七一・三%、三十歳から三十四歳までが六七・一%と、二十歳代後半から低下し、三十歳代前半を底に、三十五歳から三十九歳までが六七・六%、四十五歳から四十九歳までが七五・八%と、その後四十歳代後半まで上昇するなど、全体としてM字カーブを描いていることから、多くの女性が、結婚、出産、育児等を契機に退職し、子育て等が一段落したところで再び就業している状況にあります。

 こうした中、村岡知事は、国の動きに呼応し、あるいは先駆ける形で、「活力みなぎる山口県」の実現を目指すため、このたび示された「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案の中で、「突破プロジェクト」の一つとして、女性を初め、若者、高齢者、障害者など多様な人が生き生きと活躍できるよう、みんなが活躍できる地域社会の実現プロジェクトを掲げられ、この中で、女性が輝く地域社会の実現を重点施策に位置づけられ、子育て等でブランクのある女性の再チャレンジの促進に取り組まれようとされています。

 私は、出産、育児等を契機に退職し、長期間職についていないが働く意欲のある女性や、子育て中ではあるが就職を希望する女性、また、新たに創業を目指す女性などのように意欲ある女性の新たな活力を引き出し、女性の活躍の促進を図ることが、子育て期に当たる女性労働力率の低下の解消につながっていくのではないかと考えます。

 そこでお尋ねいたします。県では、女性が輝く地域社会の実現に向けて、再就職支援や創業支援の充実を図り、子育て等でブランクのある女性の再チャレンジを促進していくことが必要であると思いますが、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、教育行政についてお尋ねいたします。

 道徳教育については、昨年二月の教育再生実行会議の第一次提言において、その重要性を改めて認識し、新たな枠組みで教科化することが盛り込まれました。

 道徳の教科化については、これまでも、その方向性が打ち出されてきましたが、教科書のあり方や成績評価の問題などから、実現には至りませんでした。

 しかしながら、いじめ問題への対応から、心と体の調和のとれた人間の育成に社会全体で取り組むとしたこの第一次提言を受け、本年二月、文部科学大臣から中央教育審議会に対し、道徳に係る教育課程の改善等について諮問され、現在、その議論が進んでいるところであります。

 さて、皆さんも似たような経験をお持ちかと思いますが、先日、私が、ある洋服の量販店を訪れたところ、土足のまま試着室を歩いている幼児を見かけました。そばには母親もいたのですが、それをとめる様子もなかったので、私が一言注意をしたところ、その母親は私をにらみつけ、無言のままその場から連れ去っていきました。

 私は、決して厳しい言い方をしたわけではなく、叱りつけたわけでもありませんでしたので、礼までは言われなくても、わびの言葉の一つぐらいあってもいいと思ったのですが、その母親にとっては、私は余計なことをするおじさんくらいにしか映らなかったのでありましょう。

 これを行政的に言うならば、家庭の教育力の低下であるとか、地域の教育力の低下といった表現になるのでしょうが、要は親自身の規範意識が欠けているのですから、その子供に事の善悪など身につくはずもなく、また、そうした意識の親たちが地域の中心世代となっていけば、地域の教育力が低下していくのは当然のことであります。

 しかしながら、この状況は、どこかで何かを変えなければ、規範意識も常識もない社会となってしまいます。

 現在議論されている道徳の教科化が、全てを解決してくれるわけではありませんし、学校教育にしつけの全てを押しつけるものでもありませんが、やはり国を挙げての取り組みは、こうした現状を変えてくれる起爆剤になってくれるのではないかと期待するのであります。

 県教委におかれましては、豊かな心を育む教育の推進を全県共通テーマとして、全ての学校において心の教育に重点的に取り組んでおられます。

 私は、こうした取り組みを評価するからこそ、道徳教育を充実させようという動きを、学校、家庭、地域の連携の中で受けとめることで、それぞれの力が及ばない部分を補完し合い、そして、それぞれの教育力を蓄積し、お互いが高め合う関係になってほしいと願うものであります。

 そこでお尋ねいたします。子供たちが、変化の激しいこれからの社会をたくましく生き抜いていくためには、責任感や協調性、規範意識といったものをしっかりと身につけておくべきであり、その原点とも言うべき道徳教育の充実は、一つ教室の中で完結させるのではなく、学校、家庭、地域の連携の中で取り組むべき課題であると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、警察行政についてお尋ねいたします。

 敬老の日を前に総務省が発表した人口推計によると、六十五歳以上の高齢者が総人口に占める割合は約二六%で、ほぼ四人に一人の計算になり、人数、割合とも過去最高を更新したとのことです。また、七十五歳以上の高齢者も一二・五%で八人に一人の割合で、今後も高齢者は増加し、二十年後には、三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上になると予測しております。

 私は、本会議や委員会の場で、少子高齢化の進行に伴い、交通事故や徘回高齢者など認知症に関する問題が、今後、警察活動に大きな影響を及ぼすと訴えてまいりましたが、いよいよそのときが来たと実感しております。

 さて、昨年の全国における交通事故による死者数は四千三百七十三人で、十三年連続で減少し、人身事故の発生件数や負傷者の数も九年連続で減少しています。

 この状況は本県においても同様で、死者数は昨年より増加しましたが、統計の残る昭和二十六年以降では二番目に少ない六十五人で、人身事故の発生件数は十四年連続で減少し、負傷者数も十三年連続で減少しています。

 これも関係各位による懸命な取り組みや積極的な交通安全施設の整備が功を奏した結果であり、悲惨な交通事故を一件でも減らそうとする強い決意のあらわれだと思います。

 このような中、交通死亡事故の特徴を見てみますと、昨年、交通事故で亡くなられた方のうち半数近くが高齢者で占められています。特に歩行中や自転車に乗車中に亡くなられた方の約九割が運転免許を持っておられないとのことで、こういった方々をいかにして交通安全教室などに参加していただくかが今後の課題になるのではないでしょうか。

 また、高速道路六社が出した統計では、高速道路の逆走事案のうち約七割が六十五歳以上の高齢者が運転しており、その中の約五四%は認知症の疑いがあったとのことです。今後、道路管理者による対策が講じられるようですが、やはりハード面のみならずソフト面での対策も必要と思います。

 さらに、県内の運転免許の保有状況を見てみますと、若年層と壮年層の運転免許保有者は年々減少しておりますが、高齢者は年々増加し、昨年末現在では、県内の運転免許保有者の約二三%が高齢者で、今後も増加していくと予想され、交通社会においても高齢化が進んでいるのです。

 このように、道路交通の現場では高齢化による課題が山積しておりますが、今の世の中を築き上げられたお年寄りの方々が、交通事故に遭わず、交通事故を起こさず、安心して安全に暮らせる社会の実現を願うのは私だけではないと思います。

 そこで、本部長にお伺いいたします。高齢者が日々安心して暮らせるよう、高齢者を交通事故から守る対策をどのように推進されるのかお尋ねいたしまして、私の代表質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 末貞議員の代表質問にお答えします。

 まず、土砂災害対策の推進についてのお尋ねです。

 本県は、県土の八割以上を山地や丘陵地が占めるなど、地形的特性から、多くの土砂災害危険箇所を有しており、近年、頻発する集中豪雨により、県内各地で土砂災害に見舞われ、とりわけ平成二十一年七月には県央部で甚大な土砂災害が発生しました。

 このため県では、これらの土砂災害を貴重な教訓として、被害を最小限に食いとめるには、事前防災の取り組みが極めて重要との認識のもと、県民の皆様の安心・安全の確保に向けて、砂防ダムなどの整備や土砂災害警戒区域の全市町での指定完了など、ハード・ソフト両面から積極的に土砂災害対策に取り組んでまいりました。

 こうした中、去る八月六日に岩国地区において土石流や崖崩れが発生しましたが、既に土砂災害防止施設を設置していた箇所では、崩壊した土砂などが砂防ダムやコンクリート擁壁により食いとめられ、人家への被害を免れた事例も多く見られたことから、ハード対策の有効性や必要性が改めて確認されました。

 私は、県民の生命・財産を守るために、土石流・崖崩れ・地すべり対策などの土砂災害防止施設の整備を着実に進めることとし、特に、過去に土砂災害が発生した箇所や災害時要援護者関連施設・避難施設が立地する箇所など、危険度や緊急性の高い箇所から重点的・計画的に対策を進めてまいります。

 また、これらの土砂災害防止施設を整備するためには、膨大な費用が必要となることから、政府要望などあらゆる機会を通じて、施設整備予算の確保等に努めてまいります。

 さらに、これらのハード対策とあわせて、ソフト対策も進める必要があることから、お示しのとおり、平成二十九年度完了予定としていた土砂災害特別警戒区域指定の一年前倒しや、甚大な被害が想定される場所への土石流センサーの設置等による監視体制の強化を進めるとともに、県ホームページにおいて土砂災害発生危険度などをリアルタイムで提供している、土砂災害ポータルについて、住民の警戒避難行動に一層活用していただけるように、さらに充実を図ってまいります。

 一たび発生すると人命に危険をもたらす土砂災害から県民の皆様をしっかり守るため、私は、現在策定中のチャレンジプランに、災害対応力の強化を重点施策として掲げ、国や市町などの関係機関と連携を図りながら、ハード対策とソフト対策を組み合わせた総合的な土砂災害対策に取り組んでまいります。

 次に、中山間地域の振興についてのお尋ねにお答えします。

 人口減少や高齢化が急速に進む中山間地域において、人々の暮らしを守り、地域に活力を取り戻すためには、県、市町、そして地域が一体となって、それぞれの役割分担のもと、さまざまな課題の解決に向けた住民主体の意欲的な地域づくりを推進していくことが必要です。

 このため、県では、昨年七月に改定した、中山間地域づくりビジョンに基づき、市町と連携・協働して、住民みずからが地域の将来像を描く夢プランづくりを促進するとともに、その実現を目指す取り組みに対し、専門のアドバイザー等の派遣や活動拠点となる施設整備への助成、お示しの県庁中山間応援隊による支援など、ハード・ソフト両面から対策を講じているところです。

 今後、中山間地域では、さらなる人口の減少や高齢化が見込まれ、集落の維持すら難しくなる地域も生じるなど、厳しい現実が立ちはだかっています。この困難を乗り越えていくためには、地域の課題やニーズをしっかりと踏まえながら、持続可能な地域社会の仕組みをつくり、住民の手による活力ある地域づくりを一層進めなければならないと考えています。

 こうした考え方のもと、私は、このたび素案をお示ししたチャレンジプランにおいて、今後の中山間地域対策の目指すべき方向として、中山間地域の集落機能を維持・活性化していくため、新たにやまぐち元気生活圏構想を掲げたところです。

 この構想では、旧小学校区等の広域的な範囲で複数の集落が支え合う、基礎生活圏の形成を進め、日常生活に必要なサービス等の拠点化とネットワーク化を図るとともに、近隣の中心都市とも連携しながら、地域産業の振興や人口定住の促進を目指してまいります。

 構想の具体化に当たっては、国で検討されている「地方創生」の動向を注視し、国の施策の活用も視野に入れながら、基礎生活圏を支える地域コミュニティー組織づくりを加速化し、これを活動の母体として、見守り・支え合いによる地域のきずなづくりや、中山間地域ならではの資源や特性を生かした新たなビジネスづくりに取り組んでいくこととしています。

 そして、これらの取り組み成果を都市部からの移住・定住の拡大へとつなげ、地域づくりの担い手の確保を図ることにより、中山間地域の新たな活力をつくり出していきたいと考えています。

 私は、県土の七割を占める中山間地域の活性化なくして、「活力みなぎる山口県」の実現を果たすことはできないと考えており、今後とも、市町や地域と一層緊密に連携し、地域の実情に即したきめ細かな支援に努めながら、底力のある中山間地域づくりに全力で取り組んでまいります。

 次に、県民活動の促進についてのお尋ねにお答えします。

 本県では、これまで県民活動促進条例に基づき、市町や関係団体等と連携しながら、NPO活動やボランティア活動など、県民活動を促進するための環境づくりに取り組んできたところであり、現在では、二千を超える団体が、幅広い分野で多彩な活動を展開しています。

 私は、県政の重要課題である中山間地域の活性化や子育て支援を初めとする地域のさまざまな課題解決に向け、県民が自主的・主体的に取り組む県民活動は、活力ある地域づくりを進めていく上で、極めて重要な役割を果たしていると認識しています。

 また、人口減少や少子高齢化が急速に進行し、地域のコミュニティー機能の低下や担い手不足が深刻化する中、地域を支える県民活動への期待はますます高まっております。

 しかしながら、今議会へ提出しております、県民活動の年次報告のとおり、団体の活動基盤が総じて脆弱であることから、こうした時代の期待に十分応えていくためには、今後、団体の自立的活動へのさらなる支援や県民活動への一層の参加拡大が課題であると考えています。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランにおいて、県民活動を活力ある地域づくりの推進力と位置づけ、団体への活動助成等を行う山口きらめき財団や地域共生に取り組む大学等とも連携をしながら、県民活動のさらなる活性化を図っていくこととしています。

 具体的には、団体の自立的活動への支援に向けては、マネジメント研修等による中核的人材の育成、活動財源となる寄附を促進するためのフォーラムの開催による寄附文化の醸成、地域貢献意欲のある企業等との協働の取り組みを進めてまいります。

 また、県民活動への参加拡大に向けては、今後、増加が見込まれる社会貢献意欲の高い高齢者を初め、全ての県民が参加しやすい環境づくりを進めるため、県民活動支援センターを核に、団体の活動内容等の情報発信や、県民の活動への参加希望に応えられるコーディネート機能の拡充などに取り組んでまいります。

 こうした取り組みも進めながら、来年開催の世界スカウトジャンボリーやねんりんピックにおいては、おもてなしやボランティア等、多くの県民の参加・協力を得て、大会の成功へとつなげてまいりたいと考えています。

 私は、今後とも、市町や関係団体等と連携しながら、県民の各界各層において、県民活動を一層促進し、活力ある地域づくりにつながるよう積極的に取り組んでまいります。

 次に、女性の再チャレンジの促進についてのお尋ねにお答えします。

 女性が輝く地域社会の実現を図るため、国においては、社会全体に活力を与える女性の力を最大限発揮できるよう、日本再興戦略に基づき、女性のさらなる活躍促進に向けた取り組みが進められているところです。

 こうした中、人口減少、少子高齢化が急速に進行する本県においては、活力みなぎる県づくりに向けて、地域の活力源となる強い産業づくりや、介護・医療など新たな成長分野を支える人材の確保を図る上においても、女性の活躍は不可欠と考えています。

 特に、本県は、全国に比べ、女性の二十五歳から三十四歳までの有業率が低いことから、働く意欲はあるものの、子育て等でブランクのある女性が、就業の場において、希望をかなえ、十分に力を発揮できるよう、女性の再チャレンジの促進に向けた、再就職支援や創業支援の取り組みを積極的に進めることが重要です。

 このため、子育て等でブランクのある女性の再チャレンジに向けた取り組みを、現在策定中のチャレンジプランの重点施策である、女性が輝く地域社会の実現に位置づけたところです。

 まず、子育て等でブランクのある女性の再就職支援については、再就職に当たって障害となっている、女性の不安解消に向け、きめ細かなキャリアカウンセリングの実施や、職場実習等の再就職実践研修の充実に努めることとしています。また、介護などの資格の取得や技能・技術の習得を生かして、就職につなげていけるよう、職業訓練の受講機会の拡大や、若者就職支援センターを中心にハローワークと連携した、就職相談から職業紹介までの一貫した支援の充実等に積極的に取り組むこととしています。

 次に、創業支援ついては、創業意欲の醸成から創業の実現まで一貫した支援が必要です。このため、新たに女性を対象としたセミナーを開始したところであり、先般、多くの女性に創業への理解と関心を高めていただけるよう、国の輝く女性応援会議の女性創業分野の代表を招き、女性起業家による事例紹介等を行う講演会を開催し、私みずからも女性の創業の意義や必要性を強く訴えたところです。

 こうした創業意欲の醸成に向けた取り組みに加え、このセミナーにおいては、本県独自の新たな取り組みとして、創業に必要となる経営ノウハウの取得や継続的な相談、起業家同士のネットワークの形成、地元金融機関と連携した円滑な資金提供まで、きめ細かな支援を積極的に進めることとしています。

 私は、子育て等でブランクのある女性の再チャレンジに向け、関係機関、団体との緊密な連携のもと、女性の再就職支援や創業支援の強化に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育行政についてのお尋ねにお答えいたします。

 子供たちが、変化の激しいこれからの社会をたくましく生き抜いていくためには、学力や体力の向上はもとより、他者への思いやりや社会性、規範意識や倫理観、感動する心など、豊かな人間性を育むことが不可欠であり、その基盤となる道徳教育を、学校が家庭や地域と緊密に連携し、一体となって展開していくことが極めて重要であると考えております。

 このため、県教委では、昨年十月に策定した山口県教育振興基本計画において、豊かな心の育成を重点プロジェクトの一つに位置づけ、教員の指導力の向上に向けたセミナーの開催や、ふるさと山口に関連の深い指導資料の活用の促進、新たな道徳教材の開発などを行うとともに、豊かな心を育む教育の推進を全県共通テーマとして掲げ、全ての学校において、重点的な取り組みを行うことにより、子供たちの発達の段階に応じた道徳教育を推進しているところであります。

 県内の先進的な事例としては、保護者や地域の人々が学校運営に参画するコミュニティ・スクールや、地域ぐるみで子供の育ちを支援する地域協育ネットの仕組みを活用し、学校と家庭、地域が協議を重ねることにより、道徳の授業に地域の人々が指導者として参加した事例や、朝の挨拶運動が地域ぐるみの取り組みに広がった事例など、地域の人々との出会いやふれあいを通して、子供たちが道徳性を養う取り組みが行われております。

 さらに、命の大切さや、挨拶・礼儀などをテーマとして、大人を対象とした道徳講座や、保護者や地域の人々が子供たちとともに受ける道徳の授業など、地域の人々が学校で学ぶ試みも始まっております。

 今後、こうした地域を巻き込んだ取り組みを全県的なものとしていくことが重要でありますことから、コミュニティ・スクールや地域協育ネットの取り組みのさらなる充実を図ることにより、地域の人々との共通理解を深め、連携・協力体制を強化することとしております。

 その中で、道徳教育の全体計画の作成に当たり、家庭や地域の参加を得ることや、道徳教育に関する情報をホームページや学校だより等で積極的に発信し、家庭や地域と共有すること、さらに、地域の人々も参加できる授業を工夫することなど、地域と一体となった道徳教育を推進してまいります。

 県教委といたしましては、社会全体で道徳教育に取り組む機運を高めることが重要でありますことから、現在策定中の未来開拓チャレンジプランにふるさと山口の心に学ぶ道徳教育の充実を掲げ、国における道徳教育の改善・充実に向けた動向も踏まえながら、市町教委と連携し、学校、家庭、地域が連携・協働した県民総がかりによる道徳教育の一層の充実に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 高齢者を交通事故から守る対策についてお答えします。

 県内の高齢者に係る交通事故情勢は議員お示しのとおりであり、本年に入っても、高齢者の交通事故死者数が全体の半数を占めています。

 そして、このうちの八割が歩行者及び自転車利用者であり、その大半が運転免許証を取得していない方であり、夜間の横断事故の死者全員が反射材を着用していなかったという実態です。

 また、高速道路における逆走事案についても、その多くが高齢ドライバーであり、高齢ドライバーが年々ふえる中で、今後、認知症や身体機能の低下を原因とした交通事故の増加も懸念されます。

 こうした情勢を踏まえ、県警察では、今後も引き続いて、歩行者・自転車利用者及びドライバーの両面から高齢者の交通事故防止対策を強化していきます。

 まず、歩行者・自転車対策については、高齢者が身体機能や注意力が低下していることを自覚して、安全に通行することができるよう、各地域で高齢者を対象とした交通安全教室を開催していますが、とりわけ運転免許証を取得していない方に受講していただくため、交通安全教室を受講した方には、スーパーマーケットの御協力を得て、購入した商品の配送料金が免除される支援を開始いたしました。

 また、多発している道路横断中の事故を防止するため、重大事故の現場で地域の高齢者に安全な横断方法や反射材の活用を指導する、現場講習会を実施しています。

 さらに、社会福祉協議会や老人クラブなど、高齢者とかかわりの深い団体と協働した高齢者宅への戸別訪問により、反射材の配付や生活実態に応じた細やかな安全指導を実施しています。

 そのほか、高齢者の利用が多い薬局等とも連携し、訪れる高齢者にチラシを配布して事故防止のワンポイントアドバイスを行っていただくなど、安全教育の機会をふやす取り組みにも努めています。

 一方、高齢ドライバーへの対策については、運転に危険が認められたり、不安を感じている高齢者に対し、県内の自動車学校と連携し、実際に車を運転する実技講習を行い、自己の身体機能の低下を自覚していただき、各自の技能に応じた安全運転について指導しています。

 また、身体機能の低下等により運転免許を自主返納された高齢者の生活支援を行うため、事業所などの協力を得て、運転卒業証制度の充実にも努めています。

 さらに、認知症などの方からの運転に関する問い合わせ等に適切に対応するため、相談体制の充実強化にも努めています。

 県警察といたしましては、今後も高齢者の交通事故防止対策をより丁寧着実に進め、悲惨な交通事故を一件でも少なくするよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

   ─────────────



○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は午後一時の予定でございます。

    午前十一時四十六分休憩

   ─────────────

    午後一時開議



○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

   ─────────────



△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第十六号まで



○副議長(畑原基成君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第十六号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。

 先城憲尚君。

    〔先城憲尚君登壇〕(拍手)



◆(先城憲尚君) 公明党の先城憲尚でございます。早速質問に入らさせていただきます。

 午前中でも取り上げられましたが、災害対策については、公明党としても全く同様の意見でございます。

 村岡知事が、特別警戒区域の指定について、一年前倒しするための予算措置を決断されたことは大いに評価したいと思いますし、住民への周知や避難勧告の迅速化等、的確な避難対策の実行及び砂防ダムなど、将来を見据えた県土の強靱化に向けた災害対策について、公明党としても重ねて要望しておきたいと思います。

 その上で、被災者の生活支援対策についてお尋ねをいたします。

 今回の記録的な豪雨により、岩国市、和木町では、家屋の全半壊を初め、浸水被害など五百三十棟の家屋が被害を受けました。我が家を失い避難生活を余儀なくされている方や、床上浸水により住宅や家財等に被害を受けた方など、今後の生活再建に大きな不安を抱えておられる方がいらっしゃいます。

 そこで、県では、こうした被災者の方に対し、住まいの確保、家財の購入、生活の立て直しなど、個々の事情に応じてどのような生活支援を行われるのか、お伺いをいたします。

 次に、公会計改革についてお尋ねをいたします。

 私は、平成十五年、初当選して以来、議会質問において、このテーマを既に四回取り上げてまいりました。ようやく道筋が見えてきたように思います。

 日本の官庁会計は、明治二十二年、現金主義・単式簿記会計が導入されて以来、大きな改善がないまま、現在に至っています。しかし、海外先進国においては、財政危機を背景に、発生主義・複式簿記会計の導入が進められ、現時点で取り残されているのは、どうもドイツと日本だけのようです。

 そもそも、現金主義・単式簿記会計とは何かと申しますと、一言で言えば、入金と出金の二種類にしか仕分けをしないということであります。

 入金でいえば、税収も起債も両方現金が入ってくるわけですから、区別せず同じ入金として処理してしまいます。しかし、よく見ると、税収はちゃんと使えばそれで終わりですけれども、起債は借金ですから、使った後、利息と一緒に返済していく必要があります。ストックの観念です。

 このように、同じ入金でも、お金には必ず色があります。その後の価値に応じて仕分けし、処理するほうが透明で効率的な運営に適していることは言うまでもありません。この手法が発生主義・複式簿記会計です。複式簿記に転換すれば、県の資産、負債といったストック情報が明確になり、事業ごとの進捗状況や目標の達成度合いがわかりやすくなります。

 続きまして、コストの観点から発生主義の特徴を探るとすぐれた要素が二点あります。減価償却と引当金です。

 例えば、公共施設を建設した場合、耐用年数に応じた価値の目減り分をコストとして計上します。これが減価償却です。減価償却の累計額を見れば、今後、公共インフラの改修にどの程度の予算が必要となるか、把握が可能となります。現在、政府から我々地方自治体に対して、これを早く計算し報告せよとの矢の催促が来ているようですが、全国の自治体が減価償却を実施していれば、その必要はありませんでした。

 引当金については、銀行を舞台にしたテレビドラマ「半沢直樹」でもやっていましたが、融資先のホテルが倒産しそうな状況になると、銀行の融資金が焦げつく可能性が出てくるといったストーリーでした。そうなると回収不能が予想される金額を引当金としてコスト計上し、利益と資産から差っ引いておかないと、我が社の実態はわかりません。県も同じです。一般会計からの貸付金だけでも七百億円あるわけですから、引当金を計上し、財務をより透明にすべきです。

 やはり税金は使いっ放しではいけません。なけなしの予算から使ったものは、今後の管理と追跡調査をきちんとしなければいけない、そういう時代に入っていると私は思います。

 私は、この会計改革こそ、県の行財政改革の近道であり王道であると確信をしています。

 かつての政権が行政改革の目玉として事業仕分けに取り組み、テレビキャスター出身の蓮舫議員は一躍脚光を浴びましたが、何もそんなに手間暇かけて派手なパフォーマンスをしなくても、発生主義・複式簿記会計を採用し、決算を連結していれば、ほとんどのケースは初めから一目瞭然になっていたはずであります。

 元財務省官僚の高橋洋一氏は、五十兆円の埋蔵金を発見したと言って有名になりましたけれども、これも連結をしていれば埋蔵ではなく、初めから表に出ていた話です。

 そこで、本年五月、総務省は大臣名で通達を出し、公会計改革に必要な固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提に、原則として平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間で全ての地方公共団体において、統一的な基準による財務書類の作成を要請する方針を示しました。

 公会計改革は大きな転換点を迎えようとしていますが、県は、今後、どのような方針で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、アジアとの交流促進についてお尋ねいたします。

 昨今、領土問題や歴史問題をめぐって多くの議論が行われています。この問題で日本との意思疎通が十分でない中国や韓国との関係ですが、実際は経済がその中心をなしていると言っても過言でなく、お互いに強く依存しており、現実に民間の企業経営者は「そんなことを議論している場合か。協力してもっともうけてお互いにウィンウィンの関係を築こう」というのが本音ではないかと思います。伊藤忠商事の元社長で中国の特命全権大使を務めた丹羽宇一郎さんは、批判もありましたけれども、そんなことを考えておられました。

 紛争解決の方法について、防衛の視点から抑止力を考えることも必要でしょう。しかし、本来は、そういう状態にならないようにするために、どう行動するのかが第一義のはずです。安倍政権も広範なアジア外交を展開しているのはそのことであると思います。

 かつて日本は、大東亜共栄圏を唱え、アジア主義をとっていました。欧米列強の奴隷的支配からアジアの自主独立と解放を実現しようとするものでしたが、戦争により破綻をしました。

 しかし、戦後は、アジア諸国のナショナリズムは、植民地からの解放を果たし、現在に至ると、二十一世紀はアジアの世紀とうたわれるようになりました。欧米諸国は、長引く不況にあえいでいますが、アジア諸国はいずれも高い経済成長を続けており、元気いっぱいです。

 その上で、私は、国家間、特にアジアにおける交流の促進は、三つの方法があると考えています。

 第一に、観光も含め経済交流をもっと盛んにし、文化や芸術にも太いパイプを民間レベルで築いていくこと。

 第二は、昨今著しい異常気象や災害について、事前対策から復旧・復興支援に至るまでの一貫した協力体制をアジアの隣国同士で築き上げていくことです。二○○八年五月、中国の四川省で大地震が発生し、死者七万人、行方不明二万人、負傷者三十七万人という未曽有の災害が発生しました。

 このとき、日本政府も即時救助隊を結成し現地入りしましたが、その真摯な姿勢に中国大使館は感謝の集いを持ったと言います。その救助隊のリーダーを務めたのが、誰あろう村岡知事でございます。このように、復興を含め災害における協力体制においても、良好な関係をどんどんつくっていくのです。

 第三は、国だけでなく、むしろ地方自治体が中心となってアジア諸国との交流に取り組んでいくことが重要であると思います。現在、日中で三百五十四、日韓で百五十四、その他アジア諸国・地域との間で七十の姉妹都市提携が結ばれています。国家同士ですと、国家観や歴史認識が最初に出てきてしまい、争いになりがちですが、地方自治体同士ですと、お互いの顔が見える上に、生活にリアリティーがあり、地に足のついた、より効果的な取り組みが進むのではないでしょうか。

 そこで、アジアの現実を少し見ていきたいと思います。

 まずは、先日、村岡知事がみずから乗り込まれた台湾。戦前、日本は、電気、上下水道、道路、鉄道などを整備し、台湾人の生活の向上を実現しました。日本の技術者によるダム建設では、住むにも適さない嘉南平野は台湾最大の穀倉地として生まれ変わりました。目の当たりにした台湾の人々は驚き、日本に対して感謝の念を持つようになったと言われています。そして、東日本大震災のときは、人口わずか二千三百万人の台湾で二十九億円もの義援金が集まりましたが、これは、人口三億人のアメリカから寄せられた義援金と同額です。今でもたくさんの親日家が多いことは間違いありません。

 次に、人口が二億四千万人のインドネシア。政情不安を乗り越え、経済成長が期待される地域として、日本からも多くの企業が進出をしています。戦後、インドネシアの若者は、独立戦争を戦いましたが、このとき、二千人以上の日本軍将兵がインドネシアに残ってともに戦い、命を落としました。そんな日本兵が眠る国立英雄墓地があり、毎年八月十七日には、大統領が参拝すると言います。

 次に、政治的リスクは小さく、ビジネスの拠点として注目され始めたタイ。思い起こせば、一九九三年米騒動という事件がありました。この年の日本は天候不良で、主食の米が不足し、一時騒然となりましたが、このときすぐ対応してくれたのがタイ政府で、日本へ米が緊急輸出をされました。

 続いて、日本との密接な交流が続くマレーシア。一九八一年にマハティール首相が提唱したルック・イースト政策、つまり敗戦後、奇跡的な成長を遂げた日本を見習おうというものです。これまでに、累計一万四千人以上の留学生や研修生が日本に来ています。結果、日本からの企業進出も千四百社を超えました。もちろん山口県からも進出をしています。

 切りがないので、この辺にしますが、アジアに近い山口県として、アジアとの交流を深めていくことは欠かせないし、条件もそろっています。加えて、海外拠点の設置によって顔を突き合わせて、情報収集や交渉のチャンスを広げることもそろそろ検討すべきではないでしょうか。

 県がこれまでに国際的ネットワークづくり、地域経済の国際化推進、人材交流、国際交流協会を通じての県民活動の支援等、国際交流を積み重ねてこられたことについては十分評価しているところです。

 その上で、今後の国際交流、特にアジアとの交流について県の方針をお伺いいたします。

 次に、肝炎対策の推進についてお尋ねをいたします。

 毎年七月二十八日は世界肝炎デー。本年もフォーラムが東京都内で開催され、出席者はいずれも肝炎対策の重要性を訴えていました。

 肝炎ウイルスには、AからE型まで五種類ありますが、日本で多いのはA・B・C型、中でもB型とC型に感染した人は合計三百五十万人と推定されています。日本にB型とC型の感染者が広がったのは、肝炎訴訟で争われていたとおり、国が適切な対応を怠ったことに原因があると言われています。

 B型肝炎は、集団予防接種における注射器の使い回しにより感染が拡大しました。ところが、一九五三年に世界保健機構(WHO)が警告を出しているにもかかわらず、自治体への指導は徹底されませんでした。特定の地域に患者が集中している傾向が見られるのは、このためだと言われています。

 また、C型肝炎は、汚染された血液製剤により感染が広がっています。血液製剤によって感染した疑いのある人の名簿、いわゆる四百十八人リストが厚労省の地下倉庫に放置されていた問題で、「厚労省は知っていたのにも何もしなかったのか」と、国の責任が問われました。

 このように、B型とC型は主に血液を介した感染です。握手や食器の共用など、日常生活では感染することはほとんどありませんが、こういった正しい知識を広めることも大事で、患者への差別や偏見の解消につながります。

 また、B型感染者の一割から二割、C型感染者の七割程度が慢性肝炎に移行すると言われています。しかし、検査などで感染を確認し、医療機関を受診しているのは三分の一程度しかいません。ここが大きな問題です。

 肝臓は沈黙の臓器と言われ、症状が重くなるまで自覚症状が出ないまま、治療しないまま放置するケースが多く、より重篤な肝硬変や肝がんへと進行するおそれがあります。より多くの人が検査を受け、感染の有無を確認することが大事です。がんと宣告されてからでは遅いのです。

 にもかかわらず、肝炎対策がなかなか進んでいないのが実情です。肝炎イコール国の責任というイメージが強いことは確かですが、実際の肝炎対策は、地方自治体の推進によるところが大きいと思います。

 特に肝炎検査や受診奨励については、県が実施する肝炎対策推進事業や市町が実施する健康増進事業がありますが、山口県内では無料化が行われていない市町もあるようです。

 また、肝がんによる死亡率は西高東低で西日本では高くなっています。山口県も決して低いというわけではありません。肝炎対策のより一層の充実は必要で、特に肝炎の普及啓発や相談支援の充実などの方策が必要と考えます。

 肝炎対策の充実に向け、県はどのように取り組まれるのか、所見をお伺いいたします。

 次に、中小企業の成長支援についてお尋ねします。

 人口減少が急速に進行するとともに、産業構造も大きく変化し、地域間、国際間の競争が激化するなど、本県を取り巻く環境は厳しさを増しています。

 こうした状況の中、本県の企業数のうち九九・九%を占める中小企業は、地域の経済や雇用を支えているところですが、昨今の経営環境の大きな変化に伴い、経営課題が複雑化している状況です。

 また、長期の景気低迷によって、開業・創業が伸び悩んでおり、開業率が廃業率を大幅に下回っている状況でもあります。

 今月一日、日本銀行下関支店が発表しました本年八月の県内景況では、「県内景気は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が一巡しつつあり、基調としては回復している」とのことであり、緩やかではありますが、回復に向かっていると感じられるところであります。

 しかしながら、経営環境が厳しい中小企業においては、慢性的な資金不足などさまざまな問題があり、中小企業の多様化した支援ニーズにきめ細かく、的確に対応できるような低利・長期の制度融資の充実などが必要となっている状況が続いています。

 こうした中、村岡知事は、「活力みなぎる山口県」の実現を目指すため、このたび、示された「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案において、中堅・中小企業が厳しい経営環境の中で、経営基盤を強化し、成長していけるよう、挑戦する中堅・中小企業応援プロジェクトを掲げられ、地域の経済と雇用を支える中小企業の成長支援や創業支援のさらなる強化に取り組まれようとされています。

 私は、創業者に対するきめ細かな支援によって、円滑な創業を進め、さらに新商品の開発の相談・助言から事業化への助成金や制度融資などの資金支援、販路開拓のための商談会の開催など、成長段階に応じた支援によって、中小企業が成長していくことが、本県の地域の活力源となり、強い産業づくりにつながっていくのではないかと考えています。

 そこで、地域の経済・雇用を支える中堅・中小企業が経営基盤を強化し、力強く成長していけるよう、創業への支援を初め、新商品の開発から事業化、販路開拓などの成長の各段階に応じた総合的な支援が必要であると思いますが、今後、県は、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いをいたします。

 次に、六次産業化と農商工連携の一体的な推進についてお尋ねをいたします。

 国は、各県に農地中間管理機構を設置し、山口県においても農地の貸し付けが始まっています。耕作放棄地や分散した農地を、担い手に集約することで、攻めの農業・所得の倍増の実現を目指しています。

 農業を大型化すれば、春から秋は稲作、裏作には野菜を取り入れ、場合によってはビニールハウスや植物工場を活用、さらには、二次製品の加工販売やレストランの展開など、一年中、皆が働ける場をつくり、収益を得る可能性が広がります。

 水産についても、県内各地で、水産加工、水産物直売、漁家レストラン等、さまざまな取り組みにより、雇用と収益の安定化を目指した動きが活発化をしてきております。

 その付加価値を実現するための支援策こそ六次産業化政策であり、農林水産振興の鍵を握ると言っても過言ではありません。

 米は一俵当たり約一万三千円、販売しているおにぎりは一個百円。おにぎり一個は米の量にして四十グラムですから、一俵で千五百個のおにぎりができます。一俵一万三千円の米が、おにぎりにすると十五万円の売り上げとなります。もちろん経費もかかりますが、付加価値をつけることで価格は一気に上がりますし、そこに安定した雇用も生まれます。魚の加工販売もほとんど同じ計算です。

 しかし、推進上の一番のネックは、生産が専門であったことから、加工や販売のノウハウが蓄積されていないことにあります。特に販売については、食品メーカーと異なり、販売する営業体制もルートも持っていません。

 このように、六次産業化が促進されるには、農商工連携による起業家のサポートや県の強力な支援が欠かせません。

 そこで県では、七月、やまぐち農林振興公社にやまぐち六次産業化・農商工連携サポートセンターを全国に先駆けて設置し、商工業者と農林漁業者のマッチングを行い、新商品開発や販路開拓を総合的に支援することとしています。

 また、総合的な産業力強化を図るため、本県独自に設置した、やまぐち夢づくり産業支援ファンドでも、昨年の十月に続き、ことし七月には、農林漁業者に二件目の投資が決定したと聞いております。

 これらの先進的な取り組みが成功し、本県の農林漁業者の所得向上につながっていくことを期待をしています。

 そこで、六次産業化・農商工連携の一体的な推進について、県は今後、どのように支援をしていくのか、その取り組みについてお伺いをいたします。

 次に、定時制高校のあり方についてお尋ねをいたします。

 定時制高校は、今、取り巻く社会環境の変化から、その役割を大きく変えようとしています。

 そもそも定時制高校は、昼間働く勤労少年のための教育の場として、大きな役割を果たしてきましたが、現在、山口県内の定時制における定職者の割合は、およそ二十年間で約二十分の一に減少しています。

 このことが、志願倍率にも反映され、最近五年間の夜間の志願倍率は約○・三倍と低迷していますし、在籍者数も十年間で三二%減少しています。需要と供給がマッチしていないと言わざるを得ません。

 一方、生徒のニーズは大きく変化し、進路変更に伴う転入や、環境になじめず学校へ行けなかった生徒たちの学び直し等、さまざまな入学動機を持っている生徒が多くなっています。

 余談ですが、日本全国で高校を中退する生徒が五万人に及んでいます。先日、私もハローワークに行きましたが、中卒の求人は本当にわずかしかないのが実態です。十代で人生の選択肢をわざわざ狭めてしまうことは、何としても避けなけなくてはいけません。

 政府も、環境変化に対応した制度改正を行い、全国的にも午前・午後・夜間の三部制の導入、単位制の採用、修業年限の弾力化などが進んでいます。

 私ども公明党県議団としても、同様の問題意識から、二十四年には東京都立六本木高校、山形県立霞城学園高校、そして本年は、東京都立稔ヶ丘高校、練馬工業高校と視察を重ね、校長先生を初め多くの教員や生徒たちの意見を伺ってまいりました。

 さまざまな意見を乗り越えながらも、学び直しにチャレンジし、和気あいあいと授業が行われている風景が印象的でしたし、進路についても、進学や就職で成果が上がっていました。

 山口県における中学生への進路希望調査でも、「新たに多部制の定時制高校ができれば入学したい」と答えた生徒は中学校三年生で二三%もあり、その大半が午前・午後を希望をしています。

 定時制高校は、社会環境の変化に対応して、多様な学習動機に応え、社会的自立へのサポートをかなえるべきときに来ていると思います。

 そこで、定時制高校のあり方について、教育長の見解をお尋ねをいたします。

 最後に、高齢者の事件・事故対策についてお尋ねいたします。

 地域における連帯意識の希薄化や核家族化は、家庭や地域が伝統的に有していた犯罪抑止機能の低下を招いています。特に、判断力や体力の低下した高齢者は、多くの問題にさらされています。

 例えば、高齢者を対象とした悪質な商法の横行、高齢者に係る交通事故の多発等は、家庭や地域において今や深刻な問題となりつつあり、早急に有効な対策を講ずることが求められています。

 八月四日、山口県警察本部の発表を聞いて驚きました。山口県内で、高齢者をターゲットにした犯罪がほぼ同時に四件発生していました。いずれも七十代から八十代の女性高齢者で、被害総額は一千九百四万円に上りました。

 高齢者の被害は、政府の推計によると、件数で九十一万件、総額は八千億円にも上っていますし、年々三○%近く上昇している状況です。

 山口県内でも、オレオレ詐欺の被害者は全て六十歳以上、還付金詐欺の被害者は全て七十歳以上というショッキングな結果も出ています。

 高齢者の問題は詐欺事件だけではありません。午前中も取り上げられておりましたけれども、交通事故関係についても、死亡事故の約半数四九%が高齢者であり、負傷者についても圧倒的に高い割合を占めています。

 いずれにせよ、県内も、高齢化率が今後も上昇を続けることは間違いないことから、高齢者人口比率の増加に比例して、事件事故の被害者が増加する懸念が十分あります。

 急ピッチで進む高齢化社会の中で、事件事故を防ぐための体制づくりが急務の課題と思いますが、警察本部の取り組み方針についてお伺いをいたしまして、公明党を代表しての質問とさせていただきます。

 以上、御清聴、大変にありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 先城議員の代表質問にお答えします。

 まず、被災者の生活支援対策についてのお尋ねです。

 今回の県東部を中心とした局地的豪雨による災害に際し、私は、速やかに災害対策本部を設置し、人命救助を最優先に、災害応急対策や被災者支援対策に全庁を挙げて取り組んできました。

 災害発生から二カ月近く経過しましたが、被災されました皆様が、一日も早く安心した生活に戻ることができるよう、生活再建への支援をしっかりと進めていかなければならないと考えています。

 このため、県では、発災二日後には、岩国県民局などの関係出先機関や本庁関係課に相談窓口を設置したところであり、各種支援制度の紹介や税の減免など、被災された方々からの幅広い相談に対応してまいりました。

 このたびの災害では、お示しのように、住宅に大きな被害が生じていることから、被災者の生活再建を進める上で、住まいの確保や家財の購入等に対する支援が極めて重要です。

 このため、災害で住居に被害を受けられた方々が、県営住宅に臨時的に入居することができるよう必要な戸数を確保するとともに、被災家屋の土砂の除去等のボランティア活動による支援を行うなど、被災者の住まいの確保に取り組んでまいりました。

 また、住宅が全壊した世帯等に対して支援金を支給するため、国とも協議の上、和木町において、被災者生活再建支援法を適用したところです。

 さらに、県独自制度として、同法の対象外である岩国市の被災世帯に対する国制度と同様の支援金や、家屋の全・半壊世帯に対する災害見舞金を支給するとともに、生活再建に必要な資金の無利子貸し付けを行うこととしており、このたびの補正予算で所要の経費を計上したところです。

 私は、今後とも、被災された方々の一日も早い生活再建に向け、市町や関係機関と緊密に連携し、相談窓口での対応や各種支援制度の周知など、被災者の個々の事情も考慮しながら、きめ細かな支援に取り組んでまいります。

 次に、公会計改革についてのお尋ねにお答えします。

 地方公会計制度の充実は、県民の皆様に、県財政の実態をわかりやすく、正確にお伝えすることで説明責任を果たすとともに、コストやストック情報が把握できるなど、持続可能な財政構造の確立に資するものであり、重要な取り組みであると考えています。

 このため、県では、従来の予算や決算の資料に加え、バランスシートや行政コスト計算書など、新たな地方公会計による財務書類の整備について、国と歩調を合わせながら取り組んでまいりました。

 しかしながら、現行の取り組みでは、各地方自治体の財務書類の作成方式が一様でなく団体間の比較が困難なことや、多額の費用が必要なことなどから、本格的な発生主義・複式簿記の導入や、公共施設等のマネジメントにも活用可能な固定資産台帳の整備が進んでいないこと等が課題とされています。

 こうした中、国においては、これらの課題に対応し、地方公会計整備の一層の推進を図るため、本年四月、有識者による研究会の報告書を取りまとめ、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした財務書類の統一的な作成基準を示したところです。

 今後、国は、具体的なマニュアルを作成した上で、標準的なソフトウエアを提供し、お示しのように、来年度からの三年間で全ての自治体に、統一基準による財務書類等を作成するように要請する予定と承知しています。

 これらの取り組みの具体化に当たっては、作成する財務書類等を決算審議に活用するための環境整備や、国からの技術的・財政的な支援措置等の課題があることから、私は、これらについて、全国知事会等を通じて国に強く働きかけるとともに、今後の国の動向を注視しながら、必要な地方公会計の整備と、その活用による効率的な財政運営に努めてまいります。

 次に、アジアとの交流促進についてのお尋ねにお答えします。

 経済・社会のグローバル化が進展する中、広く世界に目を向け、特に近接するアジアの国や地域との交流を積極的に進めていくことは、大変重要と考えています。

 このため、本県では、これまで友好姉妹提携先である中国・山東省や韓国・慶尚南道と経済、教育、文化など幅広い分野で交流を積み重ねるとともに、アジアをターゲットとした観光客誘致や県内企業との商談会の開催、県産品の売り込みなどのプロモーション活動を展開してまいりました。

 また、今月上旬、私みずからトップセールスのため台湾を訪問した際には、現地において日本酒や県産の水産加工品に対する高い評価をいただくなど、本県に対する関心の高さを肌で感じたところです。

 こうした中、お示しのように、アジア諸国は、近年、著しい経済成長を遂げており、本県とは地理的に近く、歴史的にも深い関係があることから、今後、友好姉妹提携先との交流にとどまらず、他の国・地域との新たな交流を進めていくことは、アジアの巨大市場を取り込むことによる経済の活性化など、本県にとってより効果のある交流へ発展できるものと考えています。

 このため、現在策定中のチャレンジプランにおいて、外国人観光客拡大のための国際観光の推進や、県内、中堅・中小企業の成長・活力向上に向けた海外展開支援、県産農林水産物の輸出促進などを重点施策に掲げたところです。

 今後、具体的な取り組みを進める中で、お示しの海外拠点のあり方の検討を含め、アジアへの国際戦略の展開を図っていきたいと考えています。

 また、こうした取り組みを通じて、人材や文化面での交流を広げていくとともに、来年夏、アジアの国・地域からも多くのスカウトが参加する世界スカウトジャンボリーを契機に、アジアへの理解を深め、県民や地域の国際交流をさらに進めていくこととしています。

 私は、今後も中長期的な視点に立ち、市町や関係機関、団体、事業者等と連携しながら、経済を初めとするさまざまな分野において、アジアとの交流を積極的に進め、その活力を生かし、本県の元気創出につなげてまいります。

 次に、肝炎対策の推進についてのお尋ねにお答えします。

 肝炎は、国内最大の感染症であり、肝硬変や肝がんといった重篤な疾病へと進行するおそれがあることから、早期に発見し、適切な治療を受けることが極めて重要です。

 このため、県としては、これまで早期発見、診療体制の整備、相談支援の充実を三つの柱とし、無料の肝炎ウイルス検査の実施や治療にかかる医療費の助成、また、肝炎の正しい知識の啓発に向けた肝炎ハンドブックの作成・配布など、肝炎対策に積極的に取り組んできたところです。

 しかしながら、国民の二分の一が肝炎ウイルス検査を受けておらず、また、お示しのように、検査などで感染が確認された方の三分の一程度しか医療機関を受診せず、適切な治療を受けていないという状況であり、私としては、肝炎の早期発見、重症化予防などに係る普及啓発や相談支援の充実などに向けた、さらなる取り組みの推進が必要と考えています。

 このため、本年度から新たに、肝炎ウイルス検査の受診促進に向けて、県広報誌への掲載やラジオCM放送、約五百カ所のコンビニエンスストア等でのチラシの配布等により、広く県民への普及啓発に努めているところです。

 また、肝炎の重症化予防に向け、検査で陽性となった方に対し、精密検査や定期検査の受診を個別に勧奨するとともに、それら検査費用の助成を行う、フォローアップを開始したところです。

 さらに、相談支援の充実に向け、患者や家族の利便性に配慮して相談窓口を設置する医療機関をふやし、相談しやすい体制を整備するとともに、患者のニーズに応じた施策の強化に向けて、アンケート調査を実施することとしています。

 私は、これまでの早期発見、診療体制の整備などの取り組みに加えて、こうした肝炎の普及啓発や相談支援の強化などによる、新たな取り組みを推進し、肝炎対策のより一層の充実に努めてまいります。

 次に、中小企業の成長支援についてのお尋ねにお答えします。

 地域経済の好循環や雇用の場の創出を図るため、国においては、中堅・中小企業の収益性・生産性が向上できるよう、日本再興戦略に基づき、企業の経営革新や新陳代謝に向けた取り組みが進められているところです。

 こうした中、本県においても、中小企業は、県内企業の大多数を占め、また、雇用の大きな受け皿となっていることから、活力みなぎる県づくりに向け、経営革新による成長はもとより、中小企業の源泉となる新たな創業への取り組みを支援するなど、国の動きに呼応した積極的な取り組みが重要です。

 このため、経営革新の促進に向けては、これまでも、お示しのように新商品の開発から、事業化、販路開拓に至るまで、企業の成長段階に応じた支援を実施をしているところです。今後は、さらに、的確な支援策を迅速かつ切れ目なく提供できるよう、関係支援機関と緊密に連携した支援や、県制度融資の充実による円滑な資金提供に努めるとともに、意欲ある企業に対して、伴走しながら支えるハンズオン支援を強化していくこととしています。

 また、創業の促進については、これまでも、商工会議所等と連携してセミナーや窓口相談などを実施しているところですが、今後は、関係支援機関とのネットワークの強化により、創業準備から創業後の経営安定が図られるまでの一貫した支援を行う体制を充実するとともに、本年度から新たに取り組んでいる創業の夢を実現したい女性に対する支援を充実するなど、きめ細かな創業支援を進めることとしています。

 私は、こうした取り組みを現在策定中のチャレンジプランの挑戦する中堅・中小企業応援プロジェクトの重点施策に掲げ、関係支援機関との緊密な連携のもと、中小企業の成長や創業の促進に積極的に取り組んでまいります。

 次に、六次産業化と農商工連携の一体的な推進についてのお尋ねにお答えします。

 私は、「活力みなぎる山口県」の実現には、農林水産業の振興による地域の活性化が重要であり、地域資源を生かした所得の確保や雇用の創出につながる六次産業化、農商工連携の取り組みを強化する必要があると考えています。

 このため、さきの六月補正予算では、六次産業化や農商工連携の取り組みを一体的に進めるための総合的な支援制度を創設し、今回お示ししたチャレンジプランの素案においても、重点施策として位置づけたところです。

 お示しのとおり、七月には、全国に先駆けて六次産業化・農商工連携サポートセンターを開設し、二名の総合コーディネーターを配置するなど、支援体制の整備とともに、推進セミナーや個別相談会の開催、プランナーの派遣など、一元的な相談・支援活動を開始したところです。

 その結果、農林漁業者や商工業者などから、これまで八十一件の相談が寄せられ、現在、自社生産の野菜を活用した商品開発など三件の総合化事業計画が国に申請されるとともに、地元農林水産物のよさを生かした魅力ある商品開発の取り組みが進むなど、着実に成果が上がっているものと考えています。

 今後は、こうした事業計画が速やかに実現できるよう、商品開発や施設整備を支援する県独自の補助制度、やまぐち夢づくり産業支援ファンドも活用しながら、県産農林水産物を生かした商品開発の加速化を図ってまいります。

 さらに、事業者からの要望が強い販路開拓については、道の駅でのテスト販売、首都圏における商談会や各種フェアへの出展などを通じ、私みずからが売り込み隊長として、県内外に向けたPR対策を充実強化してまいります。

 私は、関係団体と連携しながら、全国に誇れる六次産業化と農商工連携の一体的な取り組みを強化し、元気な農林水産業の育成に積極的に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 定時制高校のあり方についてのお尋ねにお答えいたします。

 現在、定時制におきましては、お示しのように、勤労青少年が減少する中、不登校や中途退学を経験した生徒や、スポーツ・芸術等の専門的な技能を伸ばしながら学びたい生徒など、さまざまな入学動機や学習歴を持つ生徒が入学しており、こうした生徒の多様な学習ニーズに対応した弾力的な教育機能が求められております。

 このため、平成二十四年三月に策定した県立高校再編整備計画における定時制の再編整備の方向性に従って、定時制に対する中学生のニーズ調査や先進校視察等を継続的に実施し、定時制の教育活動の一層の充実に向けた検討を行っているところであります。

 こうした中で、今後の定時制教育におきましては、働きながら学びたい生徒はもとより、自分のペースで学びたい生徒や再チャレンジしたい生徒などが、自分の生活スタイルに合せて学ぶことができるよう、昼間と夜間の学習時間帯から生徒が希望に応じて選択できるフレキシブルな学習システムを備えるとともに、生徒の社会的自立を支援するため、大学や専門学校、企業等と連携した体験活動を充実させ、進学だけでなく就労にもつながる実践的な教育活動を展開できる新しいタイプの多部制定時制高校が必要であると考えております。

 また、現在、定時制夜間部において、各学年とも在籍生徒数が十人前後という状況がありますことから、学校規模を確保し、活力ある教育活動を展開するため、入学状況や交通の利便性等を考慮しながら、定時制の再編統合も進める必要があると考えております。

 さらに、教育課程につきましては、学び直しなど多様な学習動機を持った生徒に対応するため、これまでに他の学校で修得した単位の積み重ねが可能となる単位制の導入を進めるとともに、多部制における異なる学習時間帯等での単位修得を認めることにより、最短三年で卒業が可能となるよう修業年限の弾力化を図るなど、より一層柔軟な教育課程の編成に努めてまいりたいと考えております。

 県教委といたしましては、今後とも、こうした考え方に立って、鋭意検討を進め、多様な学びのニーズへの受け皿としての機能を十分提供できるよう、定時制教育のさらなる充実に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 高齢者の事件・事故防止に向けた体制づくりについてお答えします。

 県内の刑法犯認知件数は十一年連続で減少し、本年八月末でも、戦後最小を記録した昨年をさらに下回っているほか、交通事故についても、死者、負傷者ともに減少するなど、治安水準は改善傾向にあります。

 しかしながら、高齢者が被害者となる特殊詐欺の認知件数は昨年の二倍、被害額は三倍の約四億円に迫り、極めて憂慮すべき状況にあるほか、交通事故で亡くなられた方も、高齢者が半数を占めるなど、議員お示しのとおり、高齢者の事件・事故防止は喫緊の課題となっています。

 このため、県警察では、総力を挙げて各種対策を進めていますが、その中でも高齢者の防犯意識や交通安全意識の向上を図ることが重要であることから、さまざまな機会や媒体を通じて広報啓発を行うとともに、犯罪の手口や交通事故の原因などが高齢者にわかりやすい講習会の開催にも取り組んでいます。

 しかしながら、これらの対策は、警察のみの力では十分とは言えず、希薄化しつつある家族のきずなや地域のきずなを取り戻し、社会全体で高齢者を守り、支えていくためには、行政機関や関係団体、ボランティアなどとの連携、協力が必要不可欠であると考えています。

 現在、県内においては、数多くのボランティアの方々による高齢者の見守り活動や、さまざまなキャンペーンによる広報啓発活動など、それぞれの地域の実情に応じた活動が警察と協働して展開されています。

 また、これらの活動を活性化させるため、県下九大学で組織された大学生ボランティアを対象とした研修会を開催したり、ボランティア間の世代を超えた交流も行っています。

 さらに、各市町の高齢者福祉担当課や民生委員、介護・医療機関などで構成された高齢者安全安心ネットワークと連携した訪問指導等にも取り組んでいます。

 県警察としましては、今後とも行政機関や関係団体、ボランティアなどと連携し、重層的なネットワークづくりを推進するなど、県民総ぐるみで、高齢者が安心して安全に暮らせる社会の実現を目指してまいります。

 以上でございます。



○副議長(畑原基成君) 戸倉多香子さん。

    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手)



◆(戸倉多香子さん) 皆様お疲れさまです。民主・連合の会の戸倉多香子です。本日、最後の代表質問となりますので、よろしくお願いいたします。

 質問に先立ちまして、岩国市、和木町を初めとした全国で起きました豪雨災害により命を落とされた皆様方に心から御冥福をお祈りしたいと思います。そして、遺族の皆様方や被災された皆様に心からお見舞い申し上げ、通告に従いまして質問させていただきます。

 初めに、未来開拓チャレンジプランについてお尋ねいたします。

 私たち民主・連合の会では、これまでたびたび、やまぐち未来デザイン21以降の長期ビジョンが必要だと申し上げてまいりました。先日、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案が発表されましたが、このプランは、新たな県政運営の指針として、今後、県が進める政策の基本的な方向を取りまとめた総合計画であると同時に、具体的な施策を掲げた実行計画としての性格も兼ね備えており、素案の中身はとてもわかりやすい計画になっていると感じました。

 村岡知事の強いリーダーシップと、短い期間でここまでまとめられました担当職員さんに心から敬意を表したいと思います。

 私は、昨年の九月議会でも、ことしの三月議会でも、中長期ビジョンについて質問しています。日ごろ県民にとっては遠い存在であると言われている県政について県民に関心を持っていただき、理解を深めていただく絶好のチャンスなので、時間がかかったとしても、さまざまな立場の県民の参画によってつくり上げていただきたいと要望しました。ビジョンやプランをつくる、その過程こそが大事なのだと思っています。

 しかし、今回は、やまぐち未来デザイン21の計画期間が切れて、そのままになっていたこともあり、急ぐ必要もあったと思います。

 そんな中、知事は、県民との直接の意見交換の場である「元気創出!どこでもトーク」や地域懇談会において、県内各地域の実情を把握されたとお聞きしていますが、今回示されたチャレンジプランの素案にどのように生かされているのか、お尋ねいたします。

 次に、安心して子供を産み育てることができる環境の整備について五点お尋ねいたします。

 未来開拓チャレンジプランには、県の目指すべき姿として、「活力みなぎる山口県」と掲げられていますが、その姿が具体的に五つに分けて書かれています。その中でも、四項目めにある安心して子供を産み育てることができる環境の整備については、村岡知事御自身も子育て世代でいらっしゃることから、最も力を入れていただきたいと思っています。

 知事は、お二人のお子さんのお父さんということで、山口県で子育てをする皆様のお気持ちを代弁してくださると期待しております。

 国の平成二十七年度予算の概算要求には、引き続き、新しい日本のための優先課題推進枠が設けられました。厚労省の女性の活躍推進や少子化対策、文科省の安心して子供を産み育てられる学びのセーフティーネットの構築などの推進枠で要望されている施策の項目を見ますと、国も同じ方向性で進んでいると感じますが、山口県は特にこれが日本一だと誇れるような子育て支援策を打ち出していただきたいと思います。

 例えば、企業間連携による事業所内保育施設の整備を県が支援することはできませんでしょうか。

 先日、周南総合庁舎で開催された産業戦略本部の分野別会合で、「瀬戸内産業の活性化と企業間連携」をテーマとした意見交換を傍聴させていただきましたところ、最近は、工場内にも女性の採用がふえたので、企業間連携により事業所内託児所があれば、女性も勤めやすいのではないかという御意見が出ておりました。

 また、別の場所でも製造工場で働いている方と話しておりましたら、最近は、女性も男性と同じように深夜勤務があるので、工場内に入る下請企業や関連企業で働く女性も利用できる二十四時間保育の事業所内保育があれば、女性が安心して働き続けることができるのではないかという話も出たことがあります。

 六月議会では、我が会派の加藤県議から、事業所内に保育所を設置し、保育士を派遣したり、人件費を補助したりする事業の提案がありましたが、県からは、国に助成制度があり、それを受けるために必要な一般事業主行動計画の策定を支援するアドバイザー派遣を行ったり、山口労働局と連携し、国の助成制度の周知を図りながら事業所の主体的な取り組みが促進されるように努めるとのお答えがありました。

 しかし、それだけでは、大手企業であっても、なかなか設置してみようという意欲にはつながらないと思います。ましてや、企業間連携、特に、大手企業と協力企業や下請企業との企業間連携による事業所内保育所を実現しようとすれば、いろんな調整も必要となってくると思います。

 愛知県では、事業所内保育施設の先進事例集を作成して、商工会議所や関心のある企業に無料で配付しているそうです。低コストで設置した事例や中小企業協同組合や労働組合等が設置・運営している事例など、全国のさまざまな事例が紹介されています。また、助成金の詳しい内容や相談窓口の一覧表も掲載されているようです。

 埼玉県でも先進事例集がつくられていましたが、こちらは国の助成制度のほかに、県の助成制度もありました。複数の事業所が共同で設置する共同型の事業所内保育所の提案もされています。

 冊子の最後に、各企業内保育所の担当者の思いが書かれていましたが、産休育休後に短時間勤務で復帰したりと多様な働き方ができた、また、企業内保育は社員への投資などと書かれていました。

 山口県でも県が積極的に支援して、事業所内保育施設の設置を進めてほしいと思います。特に、大企業と中小企業の連携により、中小企業や小規模事業所で働く方も利用できる保育施設が実現できると、中小企業支援にもつながると思いますが、知事はどうお考えでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、給付型奨学金制度の創設についてお尋ねいたします。

 日本一の子育て支援策を打ち出してほしいと申しましたが、山口県独自の政策を始めるためには、財源も必要となってくると思います。以前、山本前知事は、中国電力株式の配当金を活用した基金による給付型の奨学金制度を導入したいとの思いで検討を進めていきたいと言われていました。

 返済義務のない給付型の奨学金制度については、子ども手当や高校無償化とともに、民主党政権下で進めてきた政策でもありますので、昨年の九月議会で給付型奨学金制度の創設について質問させていただきました。その際、山本前知事は、「給付型奨学金制度の創設に向け、実務レベルでの検討を進めている」とお答えになっていますが、その後、村岡知事のもとでは、どのように進められておりますでしょうか。未来開拓チャレンジプランの素案には記載されていないようですが、知事のお考えをお尋ねいたします。

 平成二十五年度子育て支援・少子化対策に関する県民意識調査報告書によれば、二○一三年十一月から十二月に行われた調査でも、子育ての負担感についての質問では、子供にかかる金銭的負担が大きいと答える方が、「よくそう思う」が三二・九%、「ややそう思う」が四四・三%と一番多く、その子育て費用の負担感の中でも「大学などの高等教育費が負担」と答えられた方が四二・九%と最も多く、次いで、「塾や習い事にかかる費用」の四二・六%という結果となっています。

 国の国民生活基礎調査でも子供の貧困率は一六・三%と、これは六人に一人ですが、過去最悪を更新したとの報道がありました。

 二十五日のNHKの番組は、貧困家庭の子供が満足に食事をとれなくなっている問題を取り上げましたが、アベノミクスと浮かれている間に、格差は広がる一方です。これらの貧困の連鎖を断ち切るためにも、給付型奨学金制度の創設を実現していただきたいと思います。

 次に、学校司書の配置についてお尋ねします。

 未来開拓チャレンジプランの素案の重点施策では、子供たちや若者を育成するため、社会総がかりによる地域教育力日本一の取り組みの推進や、未来を切り拓く確かな学力の育成が掲げられていますが、子供たちの知る自由を保障し、学校教育を豊かにする学校図書館への言及がないのは残念です。

 六月二十七日に、学校図書館法の一部改正があり、学校司書が法律上、初めて位置づけられることになりました。来年の四月一日から施行され、国は、施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格のあり方、その養成のあり方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものするとされています。この動きを見てみましても、今、学校司書の役割が大変注目されているということは間違いありません。

 片山善博元総務大臣が、鳥取県知事に就任されたときに、全ての県立高校に正規職員で司書資格を持った学校司書を配置されたのは有名な話です。

 正規職員を採用することにして公募をかけましたら、全国から五十倍くらいの応募があり、優秀な人材がより取り見取りで採用できたと講演会では話されていました。

 片山氏は、財政は貧しくても学校司書は採用できる。要はお金をどこに使うかという選択の問題と言われています。

 子育て世代の村岡知事も、教育委員会の判断を尊重しながらも、ぜひ知事のお考えとして、専任、専門、正規の学校司書の配置方針を未来開拓チャレンジプランに盛り込んでいただきたいと思います。その上で、活力指標も示し、計画的な配置計画を策定していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。知事にお尋ねいたします。

 次に、いじめ対策についてお尋ねします。

 ある方から高校生の子供さんのいじめ問題について相談を受けました。長いこと親子で苦しまれていたのだと思いますけれども、相談を受けたときは、既にある程度解決に向けて動き出しているときでした。

 学校との話し合いに同行したときは、詳しい経緯までは確認できなかったので、学校側の言い分も聞いてみないとわかりませんが、やはり初期対応に問題があったのではないかと感じました。

 担任の先生が一人で抱え込む、または、校長先生に報告しても、なかなか重大な事態だと認識してもらえない。学校以外の相談窓口に何度も相談しているのに、踏み込んではいけないと思われたのか、教育委員会や学校と連携した対応につながらない。結局、全て親御さんが、御自分でいろんなことを調べて、子供さんと話し合いながら、新しいスタートを切られたのですが、子供さんは、通っていた学校からも育った地域からも離れた場所で暮らす道を選ばざるを得ませんでした。

 子供の命を救えただけでもよかったと言われるその方は、精神的にも経済的にも本当に大変だったと思います。今後、ほかのお子さんが同じような目に遭わないように、県はいじめ対策に本気で取り組んでほしいと言われていました。

 山口県では、平成二十五年六月に、いじめ防止対策推進法が成立したことを受けて、十一月に山口県いじめ問題対策会議を設置され、ことしの二月、山口県いじめ防止基本方針を策定されています。

 さらに六月議会において制定した、山口県いじめ問題対策協議会などの設置に関する条例に基づいて、社会総がかりでいじめ問題に的確に対応する組織体制を整備し、まさに、今、動き出そうとしているところだと思います。

 県教委では、全ての県立学校からいじめ防止基本方針の提出を受け、内容の点検を行っているそうですが、これらの体制や対策マニュアルができたとしても、それに当たる現場の校長先生を初めとした先生方が心から納得して、いじめに対応できるのか、心配しています。

 まず、いじめの兆候が少しでも感じられたら、すぐにチームで対応できるような仕組みになっているのか。担任の先生が抱え込むことにならないのか。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーがまだまだ不足している状況で、緊急の対応ができるのか。問題は山積していると感じます。

 新たに設置された山口県いじめ問題対策協議会や山口県いじめ問題調査委員会において、それぞれの組織体制やそれらを実効性あるものとするために、どのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。

 朝鮮学校の補助金再開についてお尋ねします。

 安心して子供を産み育てることができる環境の実現のためには、いじめや差別は絶対に許さないという姿勢で臨むべきだと考えます。そこで、国連から人種差別問題として日本政府に是正が求められている朝鮮学校の補助金問題についてお尋ねします。

 ジュネーブで開催された国連の人種差別撤廃委員会は、日本政府の人種差別撤廃条約の実施状況に関する報告書を審査して、ヘイトスピーチ及びヘイトクライムへの適切な措置を求める勧告など、約三十項目に及ぶ総括所見を採択し、八月二十九日に公表しました。

 その十九番目の項目に、朝鮮学校への地方自治体の補助金凍結や縮減についての懸念が示され、補助金支給を再開、もしくは維持するよう、国が地方自治体に要請することを求める内容が盛り込まれています。

 朝鮮学校への補助金を凍結している一部の地方自治体の対応にも注目が集まっていますが、山口県もそうですが、このことを受けて、村岡知事の見解をお尋ねします。

 大きく三点目として、若者の雇用対策についてお尋ねします。

 親の立場に卒業という文字はないのでしょうが、やはり子供たちが就職し、自立してくれたときに初めて親としてやっと肩の荷がおろせる気持ちになるのは、多くの方々が経験されているところです。できれば、県内で就職してくれたらと考える親御さんは多いと思いますが、県内の雇用情勢は、昨年の十一月に有効求人倍率が一倍を超えてから緩やかに回復しているとの報道はありますが、地域や業種によって、いまだ厳しい状況が続いています。

 リーマンショック以降の急激な景気後退の影響により、県内にある高校や大学の新卒者の就職率は減少したとお聞きしました。その後、回復傾向となったものの、就職活動、いわゆる就活で多くの企業を回っても内定が得られず、就職への意欲や自信を喪失し、就職できないまま卒業する学生や、就職はしたものの職場環境になじめず三年以内に離職してしまう若者も多く、社会問題化しています。

 一方、国勢調査などをもとにした県の試算によると、二○一○年に約百四十五万人だった県の人口は、二○四○年には約四十三万人減少し、百二万になると推定されています。

 その中でも山口県の産業を支える十五歳から六十四歳の生産年齢人口は、約三十二万人減少すると見込まれております。このように、生産年齢人口が減少するということは、山口県の産業を支える人材の不足や質の低下につながり、本県の産業に大きな影響を及ぼすことになります。

 こうした中、県では、やまぐち雇用・人材育成計画に基づき、若者の雇用対策として、求職者の就業支援や地域産業のニーズに応じた人材育成・人材確保に積極的に取り組まれています。

 また、村岡知事は、このたび示された未来開拓チャレンジプランの素案において、若者を中心とした雇用の場の確保を重点施策に位置づけ、高校生や大学生など、若者の就職支援のさらなる強化に取り組まれようとしています。

 誰もが生き生きと働いて、安心して将来設計を思い描けるような働くことを軸とする安心社会を実現するためには、その受け皿となる山口県の産業を支える人材確保の取り組みは重要です。

 インターネットを活用して就活をする若者が多いと聞きましたが、地元企業の情報は不足しているとの若者の意見も聞きました。まずは、県内の若者と県内企業との結びつきの強化などを進め、同時に県内企業の情報がなかなか届きにくい県外に進学した学生に山口県に帰ってもらえるようUターン就職対策の強化を図ることが、山口県の活力源となる強い産業づくりを支える人材の確保につながっていくのではないかと考えます。

 そこでお尋ねします。県においては、本県の産業を支える人材の確保に向けて、県内の若者と県内企業との結びつきの強化や、山口県出身の学生などへのUターン就職対策に、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 四点目に、土砂災害対策についてお伺いします。

 土砂災害防止法は、平成十一年の広島県での土砂災害を教訓に、土砂災害から国民の生命を守るためには、ハード対策とあわせてソフト対策の充実が大切であるとの考えに基づき、十二年に制定され、翌年から施行されていますが、今回もまた広島県で大きな土砂災害が起き、七十四名もの方々の命が奪われてしまったことは本当に残念です。

 災害が起きた場所は、広島県が平成十七年当時、土砂災害警戒区域に指定する作業に着手していたにもかかわらず、県が策定したマニュアルに不備があり、指定を見送った場所だったことが明らかになりました。

 全国にも法律の制定から十四年たっているにもかかわらず、指定作業が完了していない都道府県があることを受け、国では法律を改正する動きがあると報道されています。

 山口県は、平成十七年度に基礎調査に着手し、二十七年度には指定を完了する予定だったそうですが、平成二十一年の中国・九州北部豪雨により、県央部で大規模な土砂災害が発生したことにより、県下全域における警戒避難体制を整備するために、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンですが、これの指定を前倒しし、特別警戒区域の指定は先延ばしする方針に変更されたそうです。

 これにより、イエローゾーンの指定と市町によるハザードマップの整備は二十四年度に完了したそうですが、近年、県内や全国各地で甚大な土砂災害が多発していることを踏まえ、特別警戒区域、これはレッドゾーンと申しますが、この指定を一年前倒しして二十八年度中の指定完了を目指すこととされ、全体で十億円を措置し、これに基づく債務負担行為を設定するとともに、本年度分として二億円が本議会の補正予算として計上されました。

 このたびの大災害を踏まえ、地域住民の防災意識は高まっていると思いますので、土砂災害特別警戒区域の指定にあわせ、今後指定予定の十四市町はもちろん、県下の全ての市町でも改めてハザードマップについての説明とともに、危険な箇所や避難場所の周知を図り、避難訓練への参加を促す意識啓発等が必要だと思いますが、避難場所自体が警戒区域の中にあるケースも多いとの課題も指摘されていますので、市町と連携して、県としては、どのような支援ができるとお考えなのか、お尋ねいたします。

 また、県民の命や財産を守るためには、特別警戒区域に指定された場所へは、砂防堰堤や擁壁の築造等を優先的に整備していくしかないと考えますが、県内には、特別警戒区域に学校や保育園、幼稚園、グループホームや養護老人ホームなどが幾つもあります。指定の終わっていない場所も含め、早急に点検をした上で、こうした場所へ優先的にハード面での対策を実施していただきたいと考えますが、県ではどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。

 最後に、上関原発予定地の公有水面埋立免許延長申請についてお尋ねします。

 上関原発の公有水面埋立免許延長申請については、六月議会で、我が会派の秋野県議より、知事が中国電力に六度目の補足説明を求めたことについての質問がありました。知事は、「中国電力からは、新しいエネルギー基本計画においては、原子力を重要なベースロード電源と位置づけるとともに、エネルギーミックスについて速やかに示すとされていることなど、新たな主張がなされています。こうした主張により、中国電力から一定の説明がなされたと受けとめていますが、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが変わらないことについて、十分な説明が尽くされているとは言えず、さらに補足説明を求めたところです」と答えられました。

 この「新たな主張」という部分ですが、土木建築委員会では港湾課長より、さらに詳しく説明されております。「まず、新しいエネルギー基本計画においては、原子力を重要なベースロード電源と位置づけるとともに、エネルギーミックスについて速やかに示すとされていること、それから、上関原発が指定されている重要電源開発地点制度に関して、現時点では見直すことを想定していないとの国の見解を得ております。そして、今後の原発の新増設が全く認められないということではなく、エネルギーミックスの構築等さまざまな検討において、上関原発も当然位置づけられるものとして認識しているという主張がございました」と四月十一日付で県に提出された中国電力からの回答内容が明らかにされました。

 しかし、公有水面埋立免許の延長申請については、あくまでも二○一二年十月五日の延長申請の出された時点で、その申請内容に正当な事由があるかどうかの審査を公有水面埋立法にのっとり、粛々と行うというのが県の方針だったと思いますので、そのことに変更ないかどうかお尋ねします。

 東日本大震災による福島原発事故から三年半が過ぎましたが、改めて振り返ってみますと、二○一一年十月二十一日の閣議決定に基づいて設置された国家戦略会議の決定を根拠とするエネルギー・環境会議において、二○一二年九月十四日に決定された革新的エネルギー・環境戦略には、原発に依存しない社会の実現に向けた三つの原則が示されており、「原発の新設・増設は行わない」と明記されました。そして、二○一二年九月十九日、今後のエネルギー・環境政策については、革新的エネルギー・環境戦略を踏まえて、関係自治体や国際社会などと責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行すると閣議決定されました。

 その後、二○一二年十月五日に、埋立免許延長申請が提出されましたが、四日後の二○一二年十月九日の経済産業大臣の記者会見録が経済産業省のホームページで読めます。中国電力から埋立免許の延長申請が出されたことについて記者からの質問がありましたが、それに対して「既に繰り返し申し上げておりますとおり、原発に依存しない社会の実現に向けた三つの原則の中の、原発の新設、増設は行わないという原則の対象にこの原発も含まれていることは明確に申し上げているところでございます」と答えておられるのが確認できます。

 これらのことを無視して、二○一二年十月五日付の延長申請を審査できるはずはないと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

 以上をもちまして、民主・連合の会を代表しての質問を終わります。

 御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 戸倉議員の代表質問にお答えします。

 まず、未来開拓チャレンジプランについてのお尋ねです。

 私は、新たな山口県をつくり上げていくためには、市町はもとより、企業、団体、そして、県民の皆様と課題を共有した上で、同じ意識のもとで協働して県政を推進することが重要であると考えています。

 したがいまして、その指針となるチャレンジプランについては、さまざまな意見を真摯に受けとめ、ともにプランの策定を進めていきたいと考え、プランの枠組みを検討する段階から、積極的に現場に出向き、県民の皆様の意見を直接お聞きし、地域の実情の把握に努めてきたところです。

 お示しの「元気創出!どこでもトーク」では、農林水産業や中小企業、地域づくり、医療、女性や子育てなど各分野での課題やその対策について活発な議論を交わすとともに、県内八地域での意見交換の場でも、それぞれの地域の状況や課題等についてさまざまな御意見をいただきました。

 特に、さらなる人口減少や少子高齢化が経済活動や住民生活に大きな影響を及ぼすことの懸念が多く示され、プランの素案の作成に当たっては、人口減少対策を重視した上で、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、今何をなすべきかの観点から徹底した検討を積み重ねてきたところです。

 このたび取りまとめた素案では、意見交換の場でのさまざまな御意見を踏まえ、各分野や地域が抱える諸課題を解決していく施策に反映することとし、例えば、若者定住につなげる戦略的な企業誘致や農林水産業の後継者不足に対応した担い手支援の充実、中山間地域の集落の維持・活性化に向けたやまぐち元気生活圏構想の推進、地域資源を生かした新たな観光需要を生み出すやまぐち観光維新の推進などを掲げています。

 また、社会全体で子供を育んでいくためのみんなで子育て応援やまぐちや、地域ぐるみでの地域教育力日本一の実現を目指すなど、現場の実情に即した施策を重点的に進めることとしています。

 私は、チャレンジプランが県民の皆様とともに新たな県づくりを進めるための指針となり、そして、県政がより身近な存在ともなるよう、パブリックコメント等を活用して施策内容のさらなる充実を図るとともに、いただいた貴重な御意見は今後の県政運営にもしっかりと生かしてまいります。

 次に、安心して子供を産み育てることができる環境の整備について、数点のお尋ねにお答えします。

 まず、事業所内保育施設についてです。

 仕事と子育ての両立に向けては、子育てしながら安心して働くことができる雇用環境づくりを進める必要があり、こうした環境づくりについては、特に、企業においての主体的な取り組みが重要です。

 県内企業においては、両立支援に向けて、育児休業制度や短時間勤務制度等の導入を初め、有給休暇制度やフレックスタイム制度の導入など、さまざまな取り組みが行われています。

 保育施設に関する支援についても、お示しの事業所内保育施設の設置や、他の保育施設を利用する場合の保育料の一部助成等の事例があります。

 事業所内保育施設については、設置者である企業にとっては、人材を確保し、離職率を抑えることができるなど、また、従業員にとっては、仕事と育児を両立しやすいなどの利点がある一方で、設置・運営に関する企業の費用負担や、安定的な利用児童数の確保などの課題もあると言われています。

 こうした中で、事業所内保育施設の設置については、お示しの企業間連携も含め、従業員のニーズや、将来にわたる安定した運営の見通し、地域の保育施設の状況などの実情を総合的に勘案し、主体的に選択されるものであると考えています。

 県としては、仕事と子育ての両立支援に向けた企業の主体的な取り組みが進むよう、事業所内保育施設については、その設置・運営についての国の助成制度の周知に努めるとともに、企業から制度改善等の要望があれば、国に伝えてまいりたいと考えています。また、御提案のありました大企業と中小企業等が連携して設置する事例等も含め、事業所内保育施設の設置・運営に資する情報につきましては、収集に努め、適宜、情報提供を行ってまいりたいと考えています。

 次に、給付型奨学金制度の創設についてのお尋ねにお答えします。

 返済義務のない奨学金制度につきましては、高い志を持ちながら経済的な不安を抱える若者に対する進学支援が必要ではないかとの観点から、現行の貸与型奨学金利用者との公平性の確保、新たな制度を継続していくための中長期的な財源問題など必要性を含めた制度のあり方や、対象となる学生の評価基準や保護者の所得要件、支給金額、支給方法、効果の担保などの制度面での課題について、これまで検討を進めてきたものです。

 こうした中、国においては、本年度予算において、意欲と能力のある学生等が経済的理由により進学を断念することのないよう、従来の貸与型の奨学金制度を見直し、低所得者世帯の学生等に対する無利子奨学金の貸与人数枠の拡大や返済が困難になった場合における返済猶予期限の延長等の救済措置の拡充が図られるとともに、大学の授業料減免の充実などにより、経済的負担が軽減されています。

 また、平成二十七年度予算に向けた概算要求においても、制度の一層の拡充が盛り込まれています。

 その一方で、給付型の奨学金については、対象となる学生の選定等における公平性の担保や制度を継続するための所要財源の確保などの課題があり、国においては将来的に検討を進めるべきものと整理されているところです。

 このように、国の貸与型奨学金制度の拡充等により、進学に係る学びのセーフティーネットの環境が整備されつつある中、県独自で返済義務のない奨学金制度を創設することは、県としても直ちに解決することが困難な問題も残されており、私としては、まずは、今後の国の動向を見きわめてまいりたいと考えています。

 次に、県立高校への学校司書の配置についてのお尋ねにお答えします。

 本県の元気を創出していくのは人であるとの認識のもと、次代を拓く子供たちを育成するために、社会総がかりでの地域教育力日本一の取り組みによる確かな学力や豊かな心など、知・徳・体の調和のとれた教育を推進していくことが必要であり、中でも、豊かな心を育むために、読書活動の充実は重要であると考えています。

 とりわけ、子供たちの読書活動、学習活動、情報収集等の拠点として学校図書館は大きな役割を担っていますことから、私といたしましても、その利用促進が一層図られることを期待しているところです。

 このためチャレンジプランの素案の中に、全校一斉の読書活動や学校図書館の活用など本に親しむ機会の充実を盛り込み、確かな学力や豊かな心の育成に向けた取り組みを総合的に推進することとしています。

 このような中、今回の学校図書館法の改正により、学校には、専ら学校図書館の職務に従事する職員、すなわち学校司書を配置するように努めることが定められたところですが、県立高校への学校司書の配置につきましては、各県でさまざまな方式があるものと認識しています。

 本県におきましては、専任の学校司書は配置されていませんが、全ての県立高校に学校司書業務を兼ねる事務職員が配置され、司書教諭や図書館担当教員と連携・協力して、学校図書館の運営に当たることにより、昼休みや放課後における開館はもとより、授業等での生徒の主体的学習の支援を行える体制が構築されていると聞いており、学校図書館としての機能は確保されているものと承知しています。

 したがって、お尋ねの専任、専門、正規の学校司書の配置方針やこれに係る活力指標につきましては、チャレンジプランに盛り込んでいないところですが、改正法施行後の財源措置を含む国の動向を注視をするとともに、教育委員会と連携しながら、引き続き学校図書館の充実に努めてまいります。

 次に、朝鮮学校の補助金再開についてのお尋ねにお答えします。

 国連の人種差別撤廃委員会から、先月、日本政府の報告に対する総括所見が表明され、その中で朝鮮を起源とする子供の教育権の侵害への懸念から、朝鮮学校への補助金支給を再開または維持するよう日本政府が地方自治体に勧めることが示されたことは承知をしています。

 県としては、本県の朝鮮学校への補助金は、県民との相互理解の増進を目的として交付してきたものであり、これを予算計上しないことが、教育を受ける権利についての差別的取り扱いに当たるとは考えていません。(発言する者あり)

 朝鮮学校への補助金の取り扱いについては、今後の朝鮮学校をめぐる状況を総合的に勘案して検討してまいります。

 次に、若者の雇用対策についてのお尋ねにお答えします。

 少子高齢化や生産年齢人口の減少が進む中、産業を支える人材の確保、とりわけ本県の将来を担う若者の雇用の確保は、地域経済の維持・発展の観点からも極めて重要です。

 こうした若者の雇用の確保を着実に進めるためには、県内の若者への就職相談から職場定着までの一貫した支援により、県内企業との結びつきの強化を図るとともに、県内企業の就職関連情報が届きにくい県出身大学生等のUターン就職の促進に向け、県内企業情報の発信強化に努める必要があります。

 このため、まず、県内の若者に対しては、企業とのきめ細かなマッチングにより県内就職が進むよう、若者就職支援センターを中心に、就職相談を初め、ホームページ「YYジョブナビ」による情報発信や、就職説明会、職場定着支援セミナーの開催など、一貫した支援に努めることとしています。

 また、若者に提供する企業情報の拡充、就職説明会の効果的な開催や、インターンシップの受け入れ企業の拡大等により、若者と県内企業を結びつける取り組みの一層の強化を図ることとしています。

 次に、県出身大学生等に対しては、より多くの学生に、Uターン就職に資する有用な県内企業の魅力情報や就職関連情報が提供できるよう、高校卒業時や大学在学中の若者就職支援センターへの利用登録を初め、その保護者への働きかけを行うなど、利用登録者の拡大を図ることにしています。

 また、県外大学等との連携の一層の強化や、県内企業の参加による県外での就職説明会等の拡充に努めることとしています。

 私は、こうした若者の県内就職を支援する取り組みを、現在策定中のチャレンジプランの重点施策である若者を中心とした雇用の場の確保に掲げ、山口労働局等関係機関との緊密な連携のもと、若者の雇用対策に取り組んでまいります。

 次に、土砂災害対策についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、危険な箇所の周知等に係る市町への支援についてです。

 私は、今回の甚大な土砂災害を踏まえ、まずは、県民みずからが地域の土砂災害の危険性を理解し、災害時に適切な避難を行っていただくことが重要であると改めて認識したところです。

 このため、県では、全市町に対して、土砂災害警戒区域・特別警戒区域及び避難場所等について、改めて住民に周知徹底を図るよう要請するとともに、県のホームページや広報誌を通じて、これら危険な箇所等の再確認を広く県民に呼びかけているところです。

 また、特別警戒区域の指定に伴い、今後実施するハザードマップの更新に当たっては、各市町にデータ提供や助言を行うなど、引き続き積極的に支援してまいります。

 さらに、適切な避難につながるよう、毎年六月の土砂災害防止月間を中心に、各市町で実施される防災訓練への地域住民の積極的な参加を市町と連携し、働きかけてまいります。

 なお、避難場所については、お示しの警戒区域内を含め、現在、各市町において、土砂災害や洪水等、災害種別ごとの指定に向け、見直しが進められており、県としても、必要に応じて助言してまいります。

 次に、特別警戒区域内のハード対策についてです。

 県では、土砂災害防止施設の整備に当たっては、過去に土砂災害が発生した箇所や災害時要援護者関連施設・避難施設が立地する箇所など、危険度や緊急性の高い箇所から重点的・計画的に進めています。

 この方針のもと、特別警戒区域内における施設整備については、お示しの学校等の立地状況を勘案するとともに、区域指定に伴う基礎調査のデータに加え、現地の地質や詳細な地形等の調査結果により、危険度が高いと判断した箇所について、優先的に進めてまいります。

 また、今後、特別警戒区域を指定する地域については、このたびの補正予算に計上した基礎調査の結果を踏まえ、施設整備の優先順位を検討してまいります。

 次に、上関原発の公有水面埋立免許延長申請についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、公有水面埋立免許の延長申請が出された時点で審査を行うことに変更がないかとのお尋ねです。

 これまでも答弁しておりますとおり、実際に申請があった時点において、埋立免許権者が、申請内容について正当な事由があるかどうか審査することとしています。

 その審査に当たっては、お示しの申請時点のみならず、将来においても、上関原発が国のエネルギー政策に位置づけられていることが事業者の主張を通じて説明できているかどうかを確認しなければ、正当な事由の有無を判断できないと考え、審査を継続しているところであり、これらの考え方に変更はありません。(発言する者あり)

 次に、申請当時の国の動向との関連についてです。

 お示しの申請当時の国の動向は承知していますが、事業者である中国電力からは、上関原発を位置づける国の重要電源開発地点の指定について現時点に至るまで何ら変更はないとの主張がなされています。

 したがって、県としては、申請及び補足説明の内容の審査に当たり、事業者の主張を通じて、上関原発が申請時点及び将来においても国のエネルギー政策に位置づけられているかどうかの確認を行っているところです。その結果、正当な事由の有無を判断できるようになれば、許可・不許可の処分ができると考えています。



○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) いじめ対策についてのお尋ねにお答えいたします。

 いじめは、児童生徒の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、不登校や命にかかわる重大な事態の背景となるおそれがあることから、その防止・解消は喫緊の教育課題であります。

 このため県教委では、総合的ないじめ対策の推進に向け、本年六月議会で制定した条例に基づき、関係機関等の連携強化を図る山口県いじめ問題対策協議会及び県立学校における重大事態発生時の調査・検証等を行う山口県いじめ問題調査委員会を設置したところであります。

 各学校においては、いじめ防止の基本方針を策定するとともに、取り組みの中核組織として、いじめ対策委員会を設置し、校長のリーダーシップのもと、教職員の共通理解を深めながら、未然防止、早期発見・早期対応の取り組みの強化を図っております。

 今後、いじめ問題の解決に当たっては、お示しのように、初期対応や連携体制等のさまざまな課題もありますことから、まずは、学校の対応力の向上のため、教職員のスキルアップに向けた学校内外の研修を一層充実させるとともに、スクールソーシャルワーカーを全市町に配置するなど、相談支援体制のさらなる充実に取り組んでまいります。

 また、コミュニティ・スクール、地域協育ネット等を有効に活用し、地域ぐるみでのいじめ対策を強化するとともに、学校評価等を活用して、学校の取り組みを検証・改善してまいります。

 さらに、深刻ないじめ相談があったときなど、関係機関等が、速やかに情報を共有し、相互に連携して適切に対応できるよう、山口県いじめ問題対策協議会の実務担当者によるネットワークを強化するとともに、山口県いじめ問題調査委員会が迅速・的確に対応できるよう、事案に応じて専門部会を設置するなど、いじめ対策をより実効性あるものにしたいと考えております。

 県教委といたしましては、新たに設置した組織をしっかりと機能させ、市町教委や、家庭、地域、関係機関等と一層の連携を図りながら、現在策定中の未来開拓チャレンジプランに掲げる、いじめの未然防止、早期発見・早期対応によるいじめ解消率一○○%を目指し、全力で取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) これをもって代表質問を終わります。

   ─────────────



○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時四十六分散会



   ─────────────

     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。


             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学

                   副  議  長   畑   原   基   成

                   会議録署名議員   江   本   郁   夫

                   会議録署名議員   石   丸   典   子