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平成 26年 6月定例会 06月30日−02号




平成 26年 6月定例会 − 06月30日−02号









平成 26年 6月定例会


   平成二十六年六月山口県議会定例会会議録 第二号

      平成二十六年六月三十日(月曜日)
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        議事日程 第二号
      平成二十六年六月三十日(月曜日)午前十時開議
  第一 代表質問
  第二 議案第一号から第二十号まで(質疑)
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        本日の会議に付した事件
  日程第二 議案第一号から第二十号まで
                会議に出席した議員(四十九人)
                          柳   居   俊   学 君
                          吉   井   利   行 君
                          吉   田   和   幸 君
                          塩   満   久   雄 君
                          林       哲   也 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          有   福   精 一 郎 君
                          木 佐 木   大   助 君
                          先   城   憲   尚 君
                          友   田       有 君
                          曽   田       聡 君
                          平   岡       望 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          小   泉   利   治 君
                          岡   村   精   二 君
                          二   木   健   治 君
                          藤   本   一   規 君
                          篠   ?   圭   二 君
                          藤   生   通   陽 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          西   嶋   裕   作 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          吉   田   充   宏 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          神   田   義   満 君
                          島   田   教   明 君
                          石   丸   典   子さん
                          井   上       剛 君
                          国   井   益   雄 君
                          守   田   宗   治 君
                          山   手   卓   男 君
                          槙   本   利   光 君
                          畑   原   基   成 君
                          井   原   寿 加 子さん
                          橋   本   尚   理 君
                          秋   野   哲   範 君
                          河   野       亨 君
                          笠   本   俊   也 君
                          星   出   拓   也 君
                          森   中   克   彦 君
                          河   村   敏   夫 君
                          藤   井   律   子さん
                          友   広       巌 君
                          戸   倉   多 香 子さん
                          上   岡   康   彦 君
                          新   藤   精   二 君
                          江   本   郁   夫 君

                会議に欠席した議員(なし)

                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          村 岡 嗣 政 君
                    副知事         藤 部 秀 則 君
                    総務部長        渡 邉 繁 樹 君
                    総務部理事       大 谷 恒 雄 君
                    総合企画部長      上 野   清 君
                    産業戦略部長      宮 地   理 君
                    環境生活部長      半 田 健 二 君
                    健康福祉部長      小 松 一 彦 君
                    商工労働部長      木 村   進 君
                    農林水産部長      野 村 雅 史 君
                    土木建築部長      北 ? 孝 洋 君
                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君
                    財政課長        松 本 典 久 君
                    公営企業管理者     弘 中 勝 久 君
                    企業局長        市 原 充 之 君
                    教育委員長       山 縣 俊 郎 君
                    教育長         浅 原   司 君
                    公安委員長       光 井 一 膈 君
                    警察本部長       中 村 範 明 君
                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君
                    監査委員事務局長    高 杉 和 典 君
                    労働委員会事務局長   藤 井   勝 君
                    人事委員会事務局長   村 田 常 雄 君

                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        高 松 昇 志 君
                    事務局次長       河 村 邦 彦 君
                    審議監兼議事調査課長  田 中   肇 君
                    総務課長        田 平   ? 君
                    政務企画室長      岡 村 達 也 君
                    秘書室長        繁 吉 健 志 君
                    議事調査課主幹     山 本 秀 樹 君
                    主査          石 橋 教 幸 君
                    議事記録係長      三 好   政 君
                    主任主事        藤 村 紘 子さん
                    主事          福 田 直 也 君






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    午前十時開議



○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。

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    諸般の報告



○議長(柳居俊学君) この際、諸般の報告をいたします。

 報告事項は、お手元に配付のとおりでございます。

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△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第二十号まで



○議長(柳居俊学君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑に入ります。

 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。

 新谷和彦君。

    〔新谷和彦君登壇〕(拍手)



◆(新谷和彦君) おはようございます。自由民主党の新谷和彦でございます。

 平成二十六年六月定例会に当たり、自由民主党会派を代表いたしまして、県政の諸課題について、知事及び教育長に質問をいたします。

 質問に先立ち、一言申し上げます。

 「体は私なり、心は公なり。私を役して公に殉う者を大人と為し、公を役にして私に殉う者を小人と為す」、これは、我が郷土の誇りであり、村岡知事も尊敬する人物の一人として挙げておられました吉田松陰先生のお言葉であります。

 萩藩校明倫館の跡地に建つ明倫小学校では、こうした吉田松陰先生の言葉を、毎朝、各教室で子供たち全員が声高らかに朗唱しております。中には小学生にとっては難しい言葉もありますが、心に刻まれた教えは、今はわからずとも、成長するにしたがって意味を理解し、立派な人格形成に役立っていくと確信しております。

 私は、県政に携わる者として、冒頭の言葉を胸に刻み、日々、郷土のために微力を尽くしているところでありますが、村岡知事におかれましても、滅私奉公の精神で、県民生活の向上、県勢の振興・発展に取り組まれることを切望するものであります。

 さて、昨年十二月に、吉田松陰先生の妹、文を主人公とするNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が、平成二十七年一月から放映されることが決定いたしました。

 この放映決定を契機といたしまして、四年後、平成三十年に迎える「明治維新百五十年」に向け、全国に誇る食、温泉、歴史文化など、本県の魅力を生かしたプロモーションが展開されることと思われます。

 維新胎動の地、萩では、松下村塾や萩反射炉を初めとした八県十一市の二十三資産で構成する「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」につきまして、平成二十七年の世界遺産登録に向けて準備が進められていることも相まって、早くも大きな機運の盛り上がりを感じているところでございます。

 この千載一遇のチャンスを一過性のものに終わらせることなく、広く県内全域に効果を波及させるよう、県を挙げて観光振興に取り組まれることを期待するものであります。

 それでは、質問通告に従いまして、順次質問をいたします。

 最初に、未来開拓チャレンジプランについてお尋ねをいたします。

 村岡知事は、さきの三月議会において、今後の県政運営や新しい県づくりの方向性を示されました。

 そして、県政を推進するに当たり、県が置かれている現状をしっかりと把握するとともに、今なすべきことを十分に見きわめた上で、今後四年間の県政運営の指針となる中期的ビジョンを作成されるとされたところであります。

 早速、四月上旬には、一回目となるビジョンの策定本部会議を開催し、策定をスタートされるとともに、知事御自身が県内各地に出向いて、さまざまな分野で活動を行っている県民の皆さんの生の声をしっかりと聞く「元気創出!どこでもトーク」を実施されるなど、まさに知事みずからが先頭に立って、ビジョンの作成に精力的に努めておられます。

 また、今議会には、ビジョンの骨子案の方向性に沿った施策について補正予算案が提出されるなど、知事の新たな県づくりに向けた強い熱意を感じるものであります。

 こうした取り組みを進められる中で、先日行われた二回目の策定本部会議におきましては、ビジョンの名称を「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」とし、その骨子案を示されたところであります。

 この骨子案には、政策の柱となります五つの戦略と、それらを推進するために重点的に取り組むべき十五のプロジェクトを掲げられておられますが、人口減少や少子高齢化が急速に進行するとともに、地域間、国際間の競争が激化するなど、本県を取り巻く社会経済情勢が一段と厳しくなる状況にある中で、いずれも本県が待ったなしで重点的に進めていくべき施策であると思います。

 知事におかれましては、若さと持ち前の行動力、そして情熱を持って、これらの施策を積極的に推進していただきたいと思いますが、そのためには今後の県政推進の基盤となるチャレンジプランを今ここでしっかりとつくり上げて、県民が将来に向けて希望に満ちた大きな夢を描けるようにしていくことが重要であると考えます。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は、県政推進の目標である「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、チャレンジプランの作成にどのように取り組んでいかれるお考えか、御所見をお伺いいたします。

 次に、産業戦略の推進についてお尋ねをいたします。

 村岡知事は、御自身が産業戦略本部の本部長に就任されるとともに、産業戦略に関連する全部局長を本部員として参画させるなど、全庁一丸となった推進体制を整備され、産業戦略本部の機能強化を図られたところであります。

 この新体制のもと、戦略の指針である「やまぐち産業戦略推進計画」の一層の充実を図るため、さらに検討を深めるべき分野とされた農林水産業、人材、観光について、有識者を加えた各分野別会合を順次開催され、新たな視点による戦略やプロジェクトの検討を進めてこられました。

 そして、今月二十日に開催された第二回全体会合において、策定後、初めてとなる改定計画案が示されました。

 このたびの改定案は、瀬戸内産業再生等の重点戦略の着実な推進を第一としつつ、産業を支える人づくりを進めるための新たな戦略の創設を初め、成長分野である医療・環境関連産業におけるプロジェクトの拡充、さらに観光や農林水産業の振興を図るための狙いを絞った攻めのプロジェクトが多く掲げられています。

 山口県を元気で活力のある県にしたいとの知事の熱意がひしひしと伝わる積極的な改定案であり、まことに心強く思います。本部長である知事の若さとバイタリティーにより、今後、産業戦略が一層強力に推進されることを期待しており、我々自由民主党としましてもしっかりと支えてまいる考えであります。

 そこでお尋ねいたします。知事は、どのような考え方で今回の改定案を策定され、今後どのように本県の産業戦略を進めていかれようとするのか、お伺いいたします。

 次に、平成二十六年度補正予算についてお尋ねをいたします。

 私ども自由民主党では、県内各界各層からいただいた多数の御意見、御要望について、個別に検討を行った上で、五十項目にわたる超重点要望事項として取りまとめ、本年一月初めに県に要望いたしました。

 平成二十六年度の当初予算につきましては、村岡知事の就任後、短い期間での編成となりましたことから、通常の通年予算ではなく骨格予算とされたところでありますが、そのような中にありましても、我が党の要望に対しまして、可能な限りの御配慮をいただいたところであります。

 しかしながら、かねてより我が党が要望しております私立学校運営費助成の拡充や、産業力の増強に向けた企業立地促進補助金制度の見直しにつきましては、骨格予算においては政策的な判断を留保されました。

 また、北浦地区を初めとする本県水産業の振興に欠かすことのできない下関漁港の振興拠点整備など、直ちに取り組むべき課題は山積しているところであります。

 今議会に提案されております補正予算案は、村岡知事の意向に反映された、実質的に初めての予算ということになりますが、当初予算において十分に検討ができなかった県政の諸課題につきましても、しっかりと対応していただけるものと大いに期待をしております。

 折しも、国においては、安倍総理のもと、新たな成長戦略と骨太の方針が取りまとめられ、アベノミクスの成果による経済好循環をさらに拡大させ、デフレからの脱却を確実なものとするとともに、持続的成長を実現するため、予算、税制、規制改革など、政府を挙げて取り組んでいくとの決意を示されました。

 こうした国の成長戦略にも呼応し、地域経済の活性化や人口減少社会への対応などを進めていく上でも、補正予算を通じた積極的な取り組みを期待するものであります。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は、このたびの補正予算をどのような考え方で編成され、施策の構築を図られたのか、お伺いをいたします。

 次に、幹線道路網の整備促進についてお尋ねをいたします。

 県土の骨格をなす幹線道路は、災害に強い県土の形成、広域交流の促進はもとより、産業活動の活性化や観光振興など、本県経済の発展には欠くことのできない基礎的な社会基盤であります。

 中でも、私は、広域的な産業、観光等の振興を通じた山陰地域の自立的発展だけでなく、県勢の活力向上を図る上でも根幹となる幹線道路が山陰道及び小郡萩道路であり、最も早期に整備されるべき幹線道路であると考えています。

 山陰道につきましては、昨年、国において優先区間の絞り込み調査が開始されるなど、県のこれまでの国への積極的な要望等に対しましては大いに評価いたすものでありますが、山口県内においては、島根県境から下関市までの延長約百十五キロのうち未着手区間がいまだ八割を超えており、一日も早い山陰道全線の整備が求められています。

 このため、県議会といたしましても、山陰道建設促進山口県議会議員連盟を設立し、県や期成同盟会等と連携した取り組みを進めております。

 先月の二十二日にも、野上国土交通副大臣に対し早期事業化に向けた要望を行ったところでありますが、明治維新の歴史的遺産等を活用した観光や産業振興の重要性はますます高まってきておりますことから、県議連といたしましても、今後、国等への一層の要望活動の強化を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、小郡萩道路につきましては、今年度、絵堂−萩間が国において補助事業採択され、美東から萩までの全線整備に向け大きな一歩を踏み出しましたことはまことに喜ばしい限りであります。

 山陰道と並んで山陰地域の骨格を形成する小郡萩道路は、萩市と県央部を連結する幹線道路であり、県全体の高速道路ネットワークを考えたときに、観光振興や物流等基盤の強化を図る上で欠くことのできない幹線道路でありますことから、早期整備が強く望まれています。

 地元、さらには県を挙げての長年の悲願であり、この小郡萩道路の建設促進に向け、県におかれましてはこれまで以上に力を注いでいただきたいと考えています。

 また、幹線道路は、実用的なネットワークを形成して初めて高い整備効果を生み出すものでありますが、下関北九州道路は、国内はもとよりアジアとの貿易・交流の玄関口として、産業活動の活性化やさらなる観光振興のために必要な道路であり、また、関門都市圏の経済発展のために極めて重要な産業基盤として、本県経済の発展に大きく寄与する重要な幹線道路であります。

 昨年七月、地元経済界などが構成員となっている関門海峡道路建設促進協議会の総会が七年ぶりに開催されましたが、こうした地元の機運が高まっている今こそ、県としても目に見える形で、これまで以上に積極的に取り組むことが求められているのではないでしょうか。

 そこでお尋ねいたします。知事が、「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、産業力の強化、観光力の強化に向けた基盤整備を推進される中で、山陰道、小郡萩道路及び下関北九州道路を初めとした幹線道路網の整備促進について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、米軍岩国基地問題についてのお尋ねをいたします。

 本年四月、国賓として来日されたオバマ大統領と安倍総理との日米首脳会談が行われ、安全保障やTPPなど、さまざまな問題について率直な話し合いが行われました。

 その後、発表された共同声明では、特に安全保障に関し、「日米両国は、防衛協力のための指針の見直しを含め同盟を強化している。そして、普天間飛行場の早期移設や沖縄の基地統合は、長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものにする」と、今後の方向性が確認されております。

 こうした日米同盟強化の中にあって、我が自由民主党は、在日米軍基地の七割以上が沖縄に集中している現状に鑑み、その重い基地負担を軽減する必要性について十二分に理解した上で、普天間基地の早期移設などに向けて、全力で取り組んでいるところであります。

 とりわけ、昨年十月、国から本県や岩国市などに申し出のあった、本年六月から九月の間の普天間基地に所属するKC130空中給油機の十五機の岩国基地への移駐について、県と岩国市など一市二町は、昨年十二月、普天間基地の危険性の除去に向け、できるところから実行するという観点から、普天間基地が継続的に使用されることがないよう、政府が責任を持って取り組むとの不退転の決意を確認した上で移駐時期を容認されたことについては、我が会派としても了としたところであります。

 これを受け、先月二十七日には、国から、KC130の具体的な移駐時期について、七月上旬から八月下旬までの間に段階的に行われる見込みになったとの説明がありました。

 また、先週二十四日に開催された普天間飛行場負担軽減推進会議において、安倍総理みずから、今後も目に見える形で基地負担軽減を実現するため、政府一丸となって取り組んでいくとの決意を力強く示されるとともに、KC130の岩国基地への移駐が七月八日から開始されると表明され、さらには本県や岩国市など地元自治体が沖縄負担軽減の必要性を理解して、移駐を受け入れたことに対する感謝の意まで表されたところであります。

 そこでお尋ねいたします。平成十八年に合意された日米ロードマップのうち、国内初の取り組みとなる沖縄以外の地域への本格移駐がいよいよ目前となり、我が会派は沖縄に集中する基地負担を全国で分かち合う取り組みの大きな一歩がここに踏み出されるものと評価しておりますが、KC130の移駐を受け、知事は今後どのように対応されるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、上関原発建設計画についてお尋ねをいたします。

 安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスにより、我が国経済に再生の兆しが見える中、不安要素の一つがエネルギー問題であります。

 東日本大震災後、原発が停止していることから、全国的に火力発電所をフル稼働させた結果、天然ガスなどの化石燃料の輸入がふえ、貿易収支は平成二十三年から赤字に転じ、平成二十五年の貿易収支はマイナス十一兆五千億円と大幅な赤字となり、まさに危機的状況にあります。

 こうした中、安定かつ低廉なエネルギーを確保することは国策の重要課題であることから、安倍政権は国のエネルギー政策について、前政権のエネルギー・環境戦略についてはゼロベースで見直し、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築するとされ、この方針のもと、国の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、エネルギー基本計画の改定に向けた議論が進められ、本年四月十一日に第四次エネルギー基本計画が閣議決定されました。

 その中で、原子力について、すぐれた安定供給性と効率性を有しており、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると位置づけ、安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提のもと、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原子力発電の再稼働を進めるとされており、私は現実を見据えた実現可能かつバランスのとれたエネルギー政策であると評価しております。

 一方、本県においては、上関原発建設予定地の埋立免許の変更申請に関して、中国電力から五回目の補足説明が県に提出され、これを受けて村岡知事は慎重に審査をされ、五月十四日に、中国電力に対して、一年後を期限に六回目の補足説明の照会をされました。

 私どもとしては、今回の知事の対応は、国のエネルギー政策において原子力発電を引き続き活用する方針が示され、再稼働に向けた手続が進む一方で、新増設計画の取り扱いが明らかにされていない中での判断であり、また、公有水面埋立法に基づき適正に審査をする責務がある免許権者として、事業者の主張について審査を尽くさなければならないという点からも、妥当なものとして受けとめております。

 そこでお尋ねいたします。知事は、どのような考え方により中国電力に六回目の補足説明を求め、また、今後どのように対応しようとされているのか、改めてお伺いいたします。

 最後に、教育行政についてお尋ねをいたします。

 「教育を取り巻く環境は激しく変化し」という言葉は、皆さんもさまざまな場面で耳にされていると思いますが、来春から、教育を取り巻く環境だけではなく、地方教育行政の枠組みそのものが大きく変わることとなりました。

 去る六月十三日の参議院本会議において、改正地方教育行政法が我が党などの賛成多数により可決・成立し、来年四月から新しい教育委員会制度がスタートすることになったものであります。

 教育委員会制度改革につきましては、現行制度における責任の所在の不明確さや、教育委員会の危機管理体制などが問題視される一方で、教育の中立性の確保が強く求められるなど、さまざまな議論がありましたが、「教育再生」を政権の最重要課題の一つに掲げる安倍首相のリーダーシップのもと、約六十年ぶりの大きな改革に至りました。

 県教委では、現行制度におきましても、円滑な教育行政の運営に努めてこられましたが、今回の改革は将来を担う子供たちの教育の再生につながるものであり、新制度のもとでも引き続き本県教育の推進に尽力されるよう願うものであります。

 さて、こうした中、本県におきましては、昨年十月に策定された山口県教育振興基本計画が実質的な初年度を迎えるとともに、本年四月、浅原新教育長が就任されるなど、節目となる春を迎えました。

 しかしながら、いつの時代にも教育現場には課題が山積しているものであり、本県におきましても、いじめ問題を初め学力向上や高校改革の推進、また、学校施設の耐震化など、重点的に対応しなければならない課題が少なからず存在しております。

 さらに、来年夏に行われる世界スカウトジャンボリーの取り組みの推進など、新教育長として大仕事は待ったなしの状況にあります。

 特に、高校改革の推進につきましては、平成十七年に策定した県立高校将来構想が今年度末で終期を迎えますことから、引き続き進んでいく少子化という現実問題の中にあっては、再度、中長期的な視点に立って、県立高校のあり方について議論することが必要ではないかと考えております。

 浅原新教育長におかれましては、いろいろな意味で大きな節目を迎える時期に就任されましたが、県教委では、「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」という教育目標を掲げておられるのですから、難題に当たっても常に未来志向に立ち、教育課題を突破していただきたいと考えております。

 そこでお尋ねいたしますが、未来の人材育成という大役を担う本県教育の推進にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたしまして、代表質問を終えさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 新谷議員の代表質問にお答えします。

 まず、未来開拓チャレンジプランについてのお尋ねです。

 人口減少や少子高齢化の急速な進行など、本県を取り巻く環境が厳しさを増す中、私は、さまざまな困難に対して果敢に挑戦し、将来にわたって元気な山口県をつくり上げていくために、新たな県政運営の指針となる「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の策定に着手し、先般、その基本的な考え方や枠組み等を示す骨子案をまとめました。

 プランでは、「活力みなぎる山口県」の実現を基本目標として掲げ、未来を力強く切り開いていくために、本県の元気の源となる産業を初め、地域や人材の活力の創造など、五つの「未来開拓戦略」のもと、諸課題の克服をしていくための十五の「突破プロジェクト」を設け、選択と集中の視点に立ち、重点的に取り組んでいくこととしています。

 今後、プランの策定に向け、競争力のある産業の育成や六次産業化の推進、「明治維新百五十年」等を踏まえた観光力の強化や底力のある中山間地域づくり、社会総ぐるみでの子育て環境の充実や女性が活躍できる社会づくりなど、本県が直面する喫緊の課題や重要な課題に正面から応えていくため、私を本部長とする庁内の策定本部等において、課題解決に向けて何をなすべきかについて議論を深め、具体的な施策をプランに盛り込んでいく考えです。

 また、県民の皆様との意見交換の場である「元気創出!どこでもトーク」や民間有識者からなる懇談会等を引き続き開催し、各分野や地域の現状、課題等に関する意見や提案などを私みずから直接お聞きした上でプランに反映していくことにより、地域の実情や現場感覚に即した内容となるよう努めていきたいと考えています。

 さらに、施策の進捗を具体的に把握し、目に見える形で取り組みの成果をはかっていくため、プロジェクトごとに数値目標として活力指標を設けるとともに、施策の評価・改善手法の効果的な仕組みづくり等により、プランの実効性を高めていきたいと考えています。

 チャレンジプランは、今後の山口県の形や県政の方向性を定める重要なものであり、私は、県議会の皆様の御意見をしっかりとお聞きしながら、元気な産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことができる「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、実効性のあるプランの策定に全力で取り組んでまいります。

 次に、産業戦略の推進についてのお尋ねにお答えします。

 私は、山口県を元気にするためには、地域の活力源となる強い産業をつくることが極めて重要であると考えています。

 このため、四月以降、私みずから産業戦略本部長となり、「やまぐち産業戦略推進計画」の充実を図ることとし、新たに開催した分野別会合等における委員や有識者の御意見等を踏まえ、第一次改定案を取りまとめたところです。

 今回の改定は、現計画の基本的な枠組みをしっかりと承継した上で、本県産業の強みを生かし、さらに伸ばすとともに、新たな動きにも的確に対応しつつ、県内全ての地域に活力がみなぎるよう、直面する人口減少や中山間地域対策等の諸課題の解決に、産業面から積極果敢に取り組もうとするものであります。

 具体的には、まずは本県の強みである瀬戸内産業の再生強化を工程表に沿って着実に推進するとともに、新たに産業インフラの長寿命化にも取り組みます。

 また、成長分野である医療関連産業と環境・エネルギー産業において、その育成・集積をさらに伸ばすためのクラスター形成を強力に推進します。

 さらに、中山間地域を支える農林水産業の振興に向け、六次産業化と農商工連携の一体的な推進や水産業振興基盤の強化・充実等に取り組みます。

 観光振興では、大河ドラマの放映決定も追い風に、四年後の「明治維新百五十年」に向け、継続した全県的なキャンペーンを展開するとともに、多くの良港を有する強みを生かしたクルーズ船の誘致にも取り組みます。

 また、人口減少が進む中で、産業人材の確保・育成が極めて重要と考え、新たに産業を支える人づくり戦略を創設し、女性の活躍促進プロジェクトを立ち上げたところです。

 私としては、六月補正予算において、産業戦略の推進を重視した予算編成を行うとともに、先般、国に対しても政策の提案や推進に関する要望を行ったところであり、今後、この改定計画をスピード感を持って実行するとともに、進化する計画として、年度末を目途とする第二次改定案に向け、さらなる充実にも努めてまいります。

 私は、産業界や市町との連携のもと、産業戦略本部を中心に全庁一丸となって、本県の産業戦略を強力に推進してまいります。

 次に、補正予算についてのお尋ねにお答えします。

 本年度の当初予算は、お示しのように、時間的な制約から継続事業等を中心とした骨格予算としたところであり、新規事業や政策的な判断を要する経費については追加の補正予算措置を行うこととしました。

 このため、このたびの補正予算はいわゆる肉づけ予算として、県として直ちに取り組むべきことの優先順位を見きわめ、また、国の政策にも呼応しながら、新たな県づくりに向けた施策の構築を図っています。

 具体の編成作業においては、チャレンジプランの策定と補正予算の編成を同時に並行して取り組む必要があることから、県政の諸課題の現状や今後の展開方向、さらにはプランに掲げる重点的な施策等について、年度当初から庁内での議論を深めてまいりました。

 これにあわせ、どこでもトークなどを通じて、県民の皆様から御意見もお聞きし、予算への反映に努めたところです。

 このようにして編成した補正予算は、私の目指す県づくりの実現に向けた第一歩として、プランの方向性に沿って、必要性が高く、直ちに取り組むべきと判断した具体的な施策について、前倒しして予算措置を講じています。

 とりわけ、国の成長戦略の柱にも掲げられた六次産業化を含めた農林水産業の取り組みや女性の活躍促進を初めとして、子育て支援や中山間地域の振興など、本県において積極的な取り組みが必要である諸施策について、重点的な予算措置を行ったところです。

 また、お示しのありました私立学校運営費については補助単価の引き上げを、企業立地促進補助金については補助率の引き上げ等を行うほか、下関漁港の活性化に向けた取り組みなど、緊急的・政策的な対応が必要な課題については、所要の経費を計上しています。

 これら必要な予算措置を講じる一方、「やまぐち産業戦略推進計画」の関連事業につきましても、五つの重点戦略の推進を重視した編成を行っています。

 私としては、こうした取り組みにより、県政運営の基盤となる本年度予算をより確かな形にすることができたと考えており、まずはその速やかな事業実施と効果の早期発現に全力で取り組み、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、新たな県づくりを本格始動させてまいります。

 次に、幹線道路網の整備についてのお尋ねにお答えします。

 私は、本県の未来をしっかりと切り開いていくため、産業や地域の活力創造、安心・安全の確保等に全力で取り組むこととしており、これらの取り組みを確実に推進していくためにも、その基盤となる幹線道路網の計画的な整備が必要不可欠であると考えています。

 お示しの山陰道については、山陰地域の活性化を担う重要な基盤であることから、未着手区間の事業化にめどをつけ、全線の整備を一日も早く実現することが重要です。

 このため、今月二十四日の中国地方整備局長との懇談の際には、事業中の長門・俵山道路の整備促進はもちろんのこと、未着手区間の早期事業化についてもより一層のスピード感を持って取り組んでいただくよう私みずから強く訴え、局長からは「しっかりと取り組んでいく」旨、お応えいただいたところです。

 県としても、全線の早期整備につなげるため、引き続きアクセス道路の検討を行うなど、積極的に取り組んでまいります。

 また、小郡萩道路については、広域的な観光ネットワークの形成等に資する重要な基盤であることから、県としては、一日も早い完成に向け、現在、詳細な測量や設計を進めているところであり、引き続き精力的に取り組んでまいります。

 さらに、下関北九州道路については、災害時における代替性を確保するとともに、経済や人の交流・連携による関門地域の一体的発展を担う重要な基盤であることから、実現すべきものと考えています。

 このため、県では、昨年度から、福岡県や下関市、北九州市と連携して、当該道路の整備によるさまざまな効果を明らかにするための調査・分析を開始したところであり、本年度も引き続きこれらを進めるとともに、早期実現に向けた機運をさらに醸成するため、八月六日には官民一体となって整備促進大会を開催します。

 県としては、こうした取り組みにより、当該道路の必要性を広く周知をし、コンセンサスの形成に努めるとともに、引き続き関係県市や民間団体とも連携しながら、あらゆる機会を通じ、早期事業化を国に働きかけてまいります。

 私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、地域の実情や県民ニーズをしっかりと踏まえながら、本県の活力源である産業力や観光力の強化に資する県内全域の幹線道路網の整備に積極的に取り組んでまいります。

 次に、米軍岩国基地問題についてのお尋ねにお答えします。

 昨年十月、国は、普天間基地のKC130空中給油機の岩国基地への移駐時期を本年六月から九月の間としたいと提示してきました。これに対し本県は、昨年末、普天間基地の危険性の除去に向け、できるところから実行していくことも必要という地元一市二町の意向を踏まえ、普天間基地が継続的に使用されることがないよう責任を持って取り組むという国の不退転の決意を確認した上で、これを容認いたしました。

 その後、お示しのように、今月二十四日の普天間飛行場負担軽減推進会議において、移駐は七月八日から開始されると安倍総理がみずから表明されるなど、KC130の移駐は実施の段階に入ってまいりました。

 こうした中、私は、KC130を受け入れる以上は、真に沖縄の基地負担が軽減されなければならないと考えており、五月二十七日に国から具体的な移駐時期の事前説明があった際も、国に対し、普天間基地の一日も早い危険性の除去に向けて、引き続き全力で取り組むよう改めて要請いたしました。

 また、移駐後において、岩国基地の航空機数の増加に伴う影響を緩和するため、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋基地やグアムへKC130を定期的にローテーションで展開させることが日米間で合意されていますが、これについては、岩国基地周辺住民の負担を軽減する観点から、引き続き、内容の具体化に向けて、日米協議をしっかりと進めるよう要請しました。

 さらに、米軍機の安全運用の確保や隊員の綱紀の保持について万全を期すること、また、岩国基地関連の安心・安全対策や地域振興策に最大限の配慮をすることについても要請を行ったところです。

 今後、移駐は段階的に進められる予定となっていますが、私はその経過をしっかり注視するとともに、十五機全機の移駐完了後は、在来部隊と同様、航空機の安全運用や騒音などの状況の把握に努め、県民の安全で平穏な生活を確保する観点から、国に対し言うべきことは言うとの姿勢で対処してまいります。

 また、ローテーション展開など、引き続き日米間で検討が行われる事柄については、それが確実に具体化されるよう、日米協議の動向や政府の対応をしっかり見きわめ、適切に対応してまいります。

 次に、上関原発建設計画についてのお尋ねにお答えします。

 中国電力からの上関原発建設計画に係る公有水面埋立免許の変更申請については、県として、昨年三月の五回目の補足説明の照会において、事業者の主張の根幹である、重要電源開発地点に指定された上関原発の位置づけが形式的にではなく、実質的に何ら変わらないことについて補足説明を求めたところです。

 これに対して、四月に提出された回答の中で、中国電力からは、このたび策定された新しいエネルギー基本計画においては、原子力を重要なベースロード電源と位置づけるとともに、エネルギーミックスについて速やかに示すとされていること、また、上関原発が指定されている重要電源開発地点制度に関して、現時点では見直すことを想定していない旨の国の見解を得ていること、さらに、今後の原発の新増設が全く認められないということではなく、エネルギーミックスの構築等さまざまな検討において、上関原発も当然位置づけられるものと認識しているとの新たな主張がなされました。

 こうした新たな主張により、私は中国電力から一定の説明がなされたものと受けとめていますが、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが変わらないことについて、十分な説明が尽くされているとは言えず、さらに確認が必要と考えたところです。

 このことから、県として、法律上の要件である正当な事由の有無を判断できる段階に至らず、今後も審査を継続することとし、中国電力に対して、一年後を期限に、六回目の補足説明を求めたところです。

 今後、県としては、申請及び補足説明の内容を十分に審査する中で、事業者の主張によって、上関原発が国のエネルギー政策に位置づけられていることを説明できているかどうかの確認をし、土地利用計画が確定していることなど、法律上の要件である正当な事由の有無を判断できるようになれば、埋立免許権者として、許可・不許可の判断ができると考えています。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育長に就任をいたしまして初めての答弁でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)

 教育行政についてのお尋ねでございます。

 社会経済情勢が急速に変化する中で、子供たちの学ぶ意欲や学力の向上、生活習慣の定着や問題行動の複雑・多様化など、さまざまな教育課題が生じており、本県の次代を担う子供たちの夢や目標を志に高めながら、しっかりとした生きる力を育んでいくことがますます重要になっております。

 このため、県教委では、昨年十月に策定をした教育振興基本計画に基づき、「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」を目指して、本県の実情に即した諸施策を計画的に進めているところであります。

 また、国におきましては、教育委員会制度の改正を初め、さまざまな教育改革の取り組みが進められております。

 こうした中、私は、このたび教育長の重責を担うこととなりましたが、これまでの教員と行政での経験を生かしながら、子供たちが学び続ける力や困難を乗り越えるたくましさ、他者を思いやり感謝する心など、人として生きる上での基本を身につけ、さらに未知なるものへ進んで挑戦するとともに、積極的に社会の形成に参画し、その発展に貢献していく人材を育成することにより、教育長の職責を果たしてまいりたいと考えております。

 お示しの高校改革については、中長期的視点に立って、目指すべき高校づくりの方向性や、生徒のニーズ等に対応した魅力ある学校・学科の設置などについて、外部の有識者の御意見もお聞きしながら検討を重ね、今後十年間の本県高校改革の指針となる次期県立高校将来構想を今年度中に策定し、これに基づき、より質の高い高校教育の実現に向けて着実に取り組んでまいります。

 また、来年夏に開催される世界スカウトジャンボリーは、本県青少年の健全育成や豊かな国際感覚の醸成につながる絶好の機会となりますことから、本大会を活用し、グローバルな視点やリーダーシップを持って行動できる人材の育成に努めてまいります。

 私といたしましては、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、市町教委等の関係機関との緊密な連携のもと、学校、家庭、地域が一体となった社会総がかりでの本県教育の推進に全力で取り組んでまいる所存であります。

 どうか、皆様方の御協力と御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 岡村精二君。

    〔岡村精二君登壇〕(拍手)



◆(岡村精二君) おはようございます。自由民主党新生会の岡村精二です。

 会派を代表いたしまして、質問をさせていただきます。

 さて、サッカーワールドカップでは、日本は予選敗退という悔しい思いをしました。しかし、日本人としてサッカーで勝利する以上に、喜ぶべきことが話題となりました。

 それは、日本人サポーターのマナーのよさです。敗れたにもかかわらず、サポーターが観客席を掃除している様子が海外メディアやツイッターで紹介されると、全世界から絶賛の声であふれました。しかも、前回のワールドカップでも話題になっていたそうです。

 東日本大震災のとき、略奪や暴動が全く起こらず、自分のこと以上に他人のことを気遣う日本人の礼節の高さは世界を驚かせました。

 人とすれ違うときに肩を斜めにし、傘を差しているときは雨の滴が相手に当たらないように斜めにするなど、見ず知らぬ人をも気遣う江戸しぐさ、また、電話をかけるときには見えない相手にも頭を下げる、日本人特有のすばらしい国民性であり、大切にしたいものです。

 先日、日本青年会議所東海地区協議会が主催する「青年の船」に、講師として乗船する機会をいただきました。六百二十名の青年男女が乗船する八日間の船旅でしたが、九回に及ぶ研修を真剣なまなざしで受講し、夜の自由時間での飲食も大騒ぎせず、きれいに後片づけをする今どきの若者たちの姿に感動しました。

 私は、「親からの手紙」を題材にした研修を担当いたしました。研修中、母からの手紙に感動して涙していた若者の一人が、下船直前に私を訪ねてきました。真剣な顔で、「先生、家に帰ったら、心配ばかりかけてきた母さんに真っ先にありがとうと言います」と言ったので、私は「きょう、必ずね」とくぎを刺しました。大きくうなずいて笑顔で去っていく彼の後姿に、私は思わず手を合わせました。

 翌朝、私の携帯電話に、「先生、言えました。恥ずかしいから、台所にいた母さんの後ろから、両肩に手を置いてありがとうと言ったら、母さんは何も答えずに、肩を震わせて泣いていました」というメールが入っていました。

 サッカーのサポーターや「青年の船」での出会った若者たちを見ていると、未来は明るい、そんな気がしてなりません。

 景気は上向いてきましたが、財政や年金など、将来への不安を払拭できない時代です。大切なことは未来を信じる心ではないでしょうか。

 山口県は、四十一歳の若い村岡知事が就任されました。山口県の未来に大きな期待を持ち、通告に従い代表質問を行います。

 まず初めに、次世代産業の育成・集積についてお尋ねいたします。

 山口県は、瀬戸内海の沿岸地域を中心に、全国トップクラスの基礎素材型産業の集積を誇っています。環境・エネルギー分野においては、太陽電池や太陽光発電システム、リチウムイオン電池用の部材、また、医療関連分野においては、医薬品の原薬、バイオ医薬品、臨床検査機器など、多彩な部材、製品が開発・製造されています。

 こうした本県特有の基礎素材型産業の集積を通じて、部材・素材、化学工業技術、中小ものづくり技術に象徴される全国屈指のせとうち・ものづくり技術基盤が育まれています。これらの技術基盤は、次世代を担う新たな成長分野である環境・エネルギー及び医療関連分野との親和性が極めて高く、同分野への応用・発展について大きな潜在的な可能性を有しています。

 県では、こうした産業の特性とその潜在的な可能性を生かすため、「やまぐち産業戦略推進計画」の重点戦略として、次代を担う水素等環境関連産業育成・集積戦略及び全国をリードする医療関連産業育成・集積戦略を掲げています。そして、全県的な推進協議会として、やまぐち医療関連成長戦略推進協議会などを創設されるとともに、環境・エネルギーや医療関連分野を対象として、補助額、期間ともに全国トップレベルの補助制度となるやまぐち産業戦略研究開発等補助金を創設されました。

 また、ことし四月には、産学公金連携により、次世代産業の集積を図るための指針として、環境・エネルギー産業クラスター構想と医療関連産業クラスター構想を策定されました。

 さらに、新規立地・拡大投資の促進として、全国トップクラスの優遇制度や積極的な情報発信による企業誘致に取り組み、前年を上回る成果を上げられているとのことです。

 そこでお尋ねいたします。こうした本県の強みを最大限に生かした戦略的な研究開発・事業化を推進するとともに、次世代産業クラスターの形成を強力に進めることが極めて重要と考えますが、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、土木建築行政に関し、建設産業の担い手の確保・育成についてお尋ねをいたします。

 建設産業は、県民生活や経済活動に必要不可欠な道路等の社会資本の整備や維持管理等、社会的役割を担うとともに、大規模災害時には中核的な存在として現場の第一線で緊急対応や復旧作業を行うなど、さまざまな役割を果たしてまいりました。

 しかしながら、本県の建設産業の現状は、公共事業費の減少等に伴う就労環境の悪化等により、二十九歳以下の若年就業者の割合がピーク時の平成七年から約六割減少し、現在、建設就業者数は五十五歳以上の割合が約三八%と高く、二十九歳以下の割合が約一一%と低くなっており、高齢化の進行による次世代への技術・技能の継承が大きな課題となっています。

 こうした状況が続けば、後継者不足による廃業、倒産、そして建設業者の不足によって、社会的役割が果たせなくなることも懸念されています。将来にわたって地域を支えることができる建設産業を構築するためには、若い人材の確保・育成に向けた取り組みを強化していく必要があります。

 こうした中、県では、予定価格の事後公表への移行や調査基準価格の引き上げなど、適正な競争環境の整備等を通じた建設産業の経営安定・強化に取り組まれてきたことは大いに評価いたします。

 しかし、こうした取り組みによって、建設産業の実態が改善されたとしても、古くからの厳しいイメージを理由に建設業を敬遠する若者は多く、そのことが担い手の確保を難しくしているのではないでしょうか。

 したがって、建設産業の将来を担う若い人材の確保・育成に向けては、まず業界自身が一層魅力的な産業にしていく努力をしなければならないことは当然ですが、同時に魅力的な産業だという強いメッセージを効果的に発信していくことが重要です。

 近年、本県でも学校におけるキャリア教育が進んでおり、早い時期から自分の将来や職業に関心を持つ子供たちがふえています。

 そこで、将来の職業として建設業を考える高校生、大学生に対し、即効性のある対策に加え、中長期的な視点に立って、早い段階から効果的なイメージアップを図る活動などを行うなど、戦略的な取り組みが必要です。

 あわせて、生産年齢人口の減少が見込まれる中、建設産業の活性化のためには女性の就業促進も重要な視点であると思われます。

 県は、今後、どのように建設産業の担い手確保・育成に取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、水産業施策についてお尋ねいたします。

 私たちの地球は、地表の七割を海が、残り三割を陸地が占めています。地球は一つのサイクルで成り立っており、熱せられた海水は水蒸気として海面から空に立ち上って雲を形成し、雨となって海に帰ります。その過程で海水温や地熱を下げ、あるいは陸地から流れ出た栄養分により、多くの水産動植物を育んできました。

 こうした中で、近年、世界的に異常気象が発生しています。身近なところでは、昨年七月二十八日に本県を襲った大雨災害がありますが、その後も全国各地で記録的な豪雨が続きました。

 こうした陸上における異常気象は、実際に被災したり、報道等により強烈な印象をつけられるのですが、海の変化は総じて緩やかで、なかなか気づきません。

 しかし、最近、顕在化してきたのが海水の温度上昇です。県の水産研究センターの調査によると、瀬戸内海では昭和五十年代後半から水温が徐々に上昇しており、十年くらい前からナルトビエイという南方系のエイが大量に繁殖し、アサリを食い荒らし、また、漁業者が設置した網を破るなど、重大な被害を与えています。

 海水温の上昇は、山口県の日本海側も同様に、一九九○年以降、右肩上がりに上昇を続けています。こうした影響もあり、漁業者からは、「最近、海の様子がおかしい、狙った魚がとれる時期にとれない、これまでとれていた場所で魚がとれない」との声をよく聞きます。

 さらに、追い打ちをかけるように、燃料費が過去とは比較にならないほど上昇し、経営悪化に拍車をかけており、事態は深刻です。

 こうした中、昨年は異常な高水温により、山口県の日本海沿岸の広い範囲で、藻場が壊滅的被害を受けたという報道がありました。

 藻は、海中の二酸化炭素を吸収して酸素を排出し、また、窒素分を吸収して海中の環境を整えるなど、環境面で重要な機能を有しています。何より、漁業面では、魚の産卵や生育の場になったり、アワビ、サザエ、ウニの餌になったりと、極めて大きな役割を果たしています。

 現在も藻が全く生えていない場所もあり、北浦海岸の風物詩であるウニとりは、ことしはさっぱりとの声も聞いております。現状の藻場の状態が長く続けば、環境面でも漁業面でも大変なことになると危惧しています。

 山口県は、歴史ある水産県です。この地位を継続して、今後も全国的にもすぐれた水産物を確保・提供していくためには、海水温など海域環境の変化について、県はしっかりと取り組んでいくべきだと考えます。

 そこでお尋ねしますが、県は海域の環境変化が続く中、どのように対策を講じていかれるのか、お伺いいたします。

 次に、介護サービスの充実についてお尋ねいたします。

 いわゆる団塊の世代が高齢期を迎え、日本の総人口のうち四人に一人が六十五歳以上になっており、世界的にも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。

 総務省が発表した人口推計によると、平成二十五年十月現在、日本の総人口は前年より二十一万七千人減り、約一億二千七百三十万人であり、六十五歳以上の高齢化率は初めて二五%を超えました。

 高齢化に伴い、医療や介護などの社会保障費は膨張していきます。一方で、減少する働く世代には、社会保障制度を維持するための負担が重くのしかかってまいります。このままでいくと、制度を維持できず、深刻な事態に陥ります。

 団塊の世代が七十五歳以上となる平成三十七年には、医療や介護を必要とする人がさらにふえることが予想されます。

 今後の対策として、高齢者の方が可能な限り自宅で暮らせるよう、家庭で介護を受けたり、医療を在宅で受けることができるなどのサービスを一体的に提供する体制づくりが必要ではないでしょうか。

 特に、家族の手助けのない高齢者は、体の調子が悪くなった場合、自立生活が困難になります。そういう場合には、家族のかわりに地域で支え合う仕組みも求められています。全国より約十年早く高齢化が進行している本県においては、より深刻な問題です。

 今後、高齢者の方が安心して地域で暮らせるよう、在宅における医療の充実と、いざというときの介護の連携が必要です。

 そこで、県では、高齢化問題に直面し、介護のあり方を今後どのようにすべきであると考え、県の役割として具体的にどう取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。

 次に、防災対策についてお尋ねいたします。

 南海トラフ巨大地震に対する山口県の被害想定が行われ、その対応が各分野で急がれています。山口県の場合、地震、津波による被害は、努力すれば被害を最小限にとどめることが可能であると思われます。

 県の被害想定の見直しがなされれば、それに合わせて市町における防災計画の見直しも行われることになり、ハザードマップの作成・見直しの支援も必要です。

 その結果、山口県は、津波については死者をゼロにすることが十分可能であり、そのためには防災教育の充実が必要と考えます。

 ただ、周防灘断層群が地震源になった場合、秋穂地区などで最高津波水位が発生後二十分で到達するなどといった課題もありますが、克服できる課題でもあります。

 地震については、家屋の倒壊、家具の転倒などにより、三十名程度の死者が予測されています。しかし、家屋の耐震化、家具の転倒防止対策等の充実を図れば、これもゼロにすることが可能です。

 個人的には、活断層では、山口県の中心部、山口市から宇部市東部を縦断する大原湖断層系の詳しい調査がいまだ行われていないことが気になっているものの、幸い山口県は自衛隊の駐屯地も多く、四つの空港を持ち、大震災発生時には情報収集の基地としての役割を果たすことが可能です。

 さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の持つ衛星からの受信基地を誘致すれば、航空機との情報収集とあわせて、南海トラフ地震における被災地支援のベースキャンプになり得る地勢でもあります。

 南海トラフ地震では、四国地方は甚大な被害が予想されていることから、山口県はまず足元をしっかりやった上で、薩長土肥の同盟県であり、知事もかつてお世話になった高知県に対して、ぜひとも支援を行うべきであると考えます。

 そこでお尋ねいたしますが、県は、これまで他県との災害時応援協定の締結など、広域応援体制を整備されているとのことですが、今後、大規模災害が発生した際にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

 次に、教育行政について二点、まず「第二十三回世界スカウトジャンボリー」の開催に向けた取り組みの推進についてお尋ねをいたします。

 皇太子殿下の御臨席を仰ぎ、一万人を超えるスカウトたちの熱気の中、成功裏に終わった日本ジャンボリーからはや一年がたとうとしています。期間中、豪雨というハプニングもありましたが、スタッフの皆さんの迅速かつ的確な対応で大きな混乱もなく、私もスカウトたちの熱気を間近で感じることができ、来る世界スカウトジャンボリーへの期待感を大きく膨らませています。

 さて、来年夏の世界スカウトジャンボリーは、世界の百六十二の国と地域から三万人のスカウトが集まります。その規模の大きさもさることながら、国際性という点においては、本県では恐らく後にも先にも経験することができないであろう大イベントでもあります。

 「世界が山口にやってくる!」というフレーズは、ジャンボリーの広報用ののぼりで見かけたものですが、まさに文字どおり、真夏の二週間、山口県がジャンボリー一色になるということについて、私たちはその意義の大きさを認識し、機運を盛り上げていかなければならないと感じています。

 特に、今回のジャンボリーの目玉である地域プログラムでは、スカウトたちが県内全ての市町を訪れることとなっています。子供たちの国際理解を深めるという観点からも、また、山口県の魅力を世界に発信するという観点からも、これほど効果的な時間と場所を与えてもらえる機会はほかにはないと思います。

 そこでお尋ねいたしますが、一年後に迫ったこの世界レベルのビッグイベントを県民力と地域力を発揮する場として、また、その教育効果を本県の子供たちが最大限享受できるように取り組むべきと考えますが、県教委は世界スカウトジャンボリーの開催支援にどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。

 次に、いじめ対策の充実についてお尋ねをいたします。

 平成二十三年に起こった滋賀県大津市での中学生の自殺事案以降、大きな社会問題となっているいじめ問題ですが、全国的にはいまだ痛ましい事案が続いています。

 昨年、文部科学省が行った平成二十四年度児童生徒の問題行動等に関する調査結果では、全国では約十九万一千件、本県においても七百七十一件のいじめが認知されています。

 県教委は、本年二月、山口県いじめ防止基本方針を策定し、また、四月には全ての学校においてそれぞれのいじめ防止基本方針を策定するなど、いじめ防止対策推進法のもとで新たな体制が整えられました。

 しかし、昨今のいじめ事案は、複雑・多様化する社会情勢や家庭環境の変化、また、急速なネット環境の普及などを背景に、我々の世代からは想像できないような実態があると認識しています。

 当然、いじめ対策の強化に当たっては、学校現場でのいじめに対する認知力や対応能力を向上させることが重要です。

 しかし、いじめ防止対策推進法の制定の趣旨は、社会総がかりでいじめに対峙していくということです。いじめ問題を学校だけの問題として捉えるのではなく、地域、専門家からのサポートを受けながら、一体となって対処していくことが求められています。

 県教委では、これまでもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充など、学校へのサポート体制の強化に努めてこられました。特に、スクールソーシャルワーカーについては、複雑な背景や非常に難しい状況にある事案等に直接介入し、大きな効果を上げていると伺っています。

 一方で、同時に複数の事案を抱えていることや、一つ一つの事案に時間を問わず対応されていることなど、本業である社会福祉士や精神保健福祉士としての業務への影響が懸念されるほどの多忙さです。

 いじめの根絶に向けては、何よりも社会全体がいじめは絶対に許されないという認識を共有し、子供たちに対していけないことはいけないと、毅然とした態度で教えることが重要です。

 しかし、一方で、いじめはどの学校にも起こり得るとの認識を持つことも必要であり、いじめ事案への体制づくりにおいては、地域や専門家からのサポートを有機的に組み込んでいくことが重要です。

 そこでお尋ねいたしますが、学校現場でのいじめ対策をより実効性あるものとするためには、専門家によるサポートを柔軟的に活用でき、かつ事案の解決に必要十分な時間と人材を確保するよう、学校に対するサポートの充実強化を図る必要があると考えますが、県教委はどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。

 最後に、女性の犯罪被害防止対策についてお尋ねをいたします。

 六月十七日早朝、千葉県市原市で、中学二年生の女子生徒が自転車で登校していたところ、車に乗った男性から突然声をかけられて車内に連れ込まれ、手足を縛られ、誘拐されそうになる事件が発生いたしました。幸い、通りがかった車の運転手の機転によって、難を逃れることができました。

 近年、たび重なる女性に対する犯罪の急増は、大きな社会的不安とともに、県民に強い危機意識を与えています。

 恋愛感情のもつれに起因する各種のトラブルや、特に被害者やその親族等に危害が及ぶおそれのある暴力的事案は、事態が急展開して殺人事件など、生命にかかわる重大事件に発展する可能性が大きく、こうした特徴を踏まえ、危険性や切迫性を的確に判断した対策が求められています。

 昨年、山口県内で県警に寄せられたストーカー被害の相談件数は前年より二十一件多い二百七十八件であり、ストーカー規制法が施行された二○○○年以降で最も多く、相談の九割が女性です。そのうち、二十代と三十代の女性が三割ずつを占め、また、ストーカー行為をした加害者は、交際相手が四割、知人・友人が一割の順になっています。DVの相談件数は九百七十件で前年より減少しているものの、過去二番目に多い件数とのことです。

 県警では、ストーカー、DVなどを命に係る相談と位置づけ、悩んでいる方々に対して積極的に相談するよう働きかけており、その結果、相談件数が増加したものと思いますが、今後も引き続き相談者の立場に立った対応をしていただきたいと思います。

 特に、不幸にも性的被害に遭われた女性は心理的にも傷ついておられ、事情聴取等に当たってはその心情に十分配慮した対応が必要となります。届け出ることによって、二次的な被害に遭ってはなりません。

 以上の状況を踏まえ、女性の犯罪被害防止対策に対する県警の取り組みについてお伺いいたします。

 最後に、先日、小笠原諸島の西之島新島を海上から視察する機会をいただきました。空高く上る噴煙と轟音、そして間欠泉のように吹き上がる火山活動を目の当たりにして、地球の持つ巨大なエネルギーと地球は生きているという生命力、そしてあふれる胎動を強く感じました。

 村岡県政はスタートしたばかりですが、新しい島が誕生するような「活力みなぎる山口県」の実現に大きな期待をさせていただき、代表質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 岡村議員の代表質問にお答えします。

 まず、次世代産業の育成・集積についてのお尋ねです。

 活力みなぎる県づくりには、活力源となる強い産業づくりが不可欠であり、付加価値が高く、成長が期待される次世代産業の育成・集積を図ることが極めて重要と考えています。

 このため、「やまぐち産業戦略推進計画」の重点戦略に掲げた環境及び医療関連分野での次世代産業クラスター形成を図る構想を本年四月に策定し、本県特有の地域資源を生かし、エネルギー多消費や高い高齢化率など、本県の特性を踏まえたイノベーションを創出するとともに、両分野における重点的な企業誘致を推進することとしています。

 具体的には、イノベーションの創出に向け、環境分野では水素等の資源を生かしたエネルギーの創造や利活用などを、医療関連分野では疾病の未然防止や死亡率の高い疾病の高度治療などを進める研究開発・事業化に、産学公金連携により取り組むこととしています。

 こうした取り組みを進めるため、本年四月、県産業技術センターにイノベーション推進センターを設置し、医療関連成長戦略推進協議会等との連携のもと、企業や大学等が有するニーズとシーズのマッチングに努めてまいります。

 さらに、マッチングによる研究開発等を加速化するため、本県独自の産業戦略研究開発補助金や国のイノベーション地域指定により優先採択される競争的資金、このたびの補正予算に計上している金属積層式3Dプリンター等を活用することとしています。

 また、新規立地・拡大投資の促進に向けては、企業立地補助制度の見直し・拡充を行うとともに、災害の少なさや充実した産業インフラ、豊かな産業人材など、本県のすぐれた立地環境等を私みずから全国に発信し、一社でも多くの企業誘致を実現してまいります。

 私は、企業、大学、関係機関が持つ力を結集し、これからの日本をリードする次世代産業クラスターの形成に積極的に取り組んでまいります。

 次に、建設産業の担い手の確保・育成についてのお尋ねにお答えします。

 本県建設産業における若者就業者の大幅な減少は、近い将来、熟練技術・技能の次の世代への承継を困難とし、社会資本の整備・維持管理や災害対応等に支障が生じるおそれがあることから、まさに喫緊の課題であると認識しています。

 このため、私は、産業戦略推進計画に掲げた建設産業の再生・強化の実現に向けて、今年度から若年就業者の確保・育成対策に総合的に取り組むことといたしました。

 具体的には、技能労働者の適切な賃金水準の確保などの就労環境の改善に努めるほか、若者等に建設産業の魅力を伝えるための広報や、建設業に特化した求人・求職活動の支援などの取り組みを行います。

 また、本年四月、産学官の関係団体による担い手確保・育成協議会を設立したところであり、今後、関係団体と相互に連携・協力し、一体的な取り組みを進めてまいります。

 こうした中、お示しの建設産業のイメージアップについては、私も重要な課題と考えており、高校生等を対象とした現場見学会の開催や、若者向けのプロモーションビデオの作成を行うほか、将来の建設産業の担い手と期待する小中学生向けの体験イベントを関係団体と協力して開催するなど、さまざまな取り組みを戦略的に展開していくことによって、建設産業が魅力的な産業であることを広く発信していきたいと考えています。

 また、女性の就業促進については、既に女性の雇用に配慮した企業に入札参加資格審査で加点するなどの取り組みを行っているところであり、今後とも女性の活躍を前面に出した広報を行うなど、女性の就業が進むよう努めてまいります。

 建設産業の再生・強化は、産業基盤の整備、県民の安心・安全の確保など、「活力みなぎる山口県」の実現に欠かせないものでありますので、私はその担い手となる若者の確保・育成に向け、今後とも着実に取り組んでまいります。

 次に、水産業施策についてのお尋ねにお答えします。

 担い手の高齢化や漁獲量の減少など、本県水産業が厳しさを増す中、お示しのように、海域環境の変化が深刻な影響をもたらしており、漁業経営の安定化を図るためには、この課題に的確に対応することが重要であると考えています。

 このため、瀬戸内海では、平成十九年から関係各県と共同でナルトビエイの駆除に取り組み、個体数が減少するなどの一定の成果を得ていますが、依然として被害も続いていることから、今後ともさらにこの取り組みを進めてまいります。

 また、日本海については、効率的な漁場探索が可能となるよう、昨年度から、マアジやケンサキイカなど主要な魚種について漁場を予測する技術開発を進めており、より精度の高い海域調査を行うため、新たな調査船建造に向けた基本設計に着手します。

 一方、御指摘のように、昨年は平年を三度も上回る高水温が本県の日本海沿岸を直撃し、アワビやウニなどの餌となる海藻が広範囲にわたって枯れるという、これまでにない被害が発生しました。

 私も、どこでもトークを初めさまざまな機会において、藻場枯死が問題になっているとお聞きし、このたび藻場の再生とアワビ資源の回復について緊急対策を実施することといたしました。

 具体的には、短期間で成長する海藻を大量に生産し、漁業者の皆さんと協働して移植することで、藻場の早期再生を図るとともに、アワビ資源の回復については、種苗を安定的に生産するため、海水殺菌装置を新たに整備し、生産能力の倍増に向けた取り組みを進めてまいります。

 私は、海域の環境変化など新たな課題にも対応しながら、市町や漁業関係団体と密接に連携し、本県水産業が地域の活力源として強い産業となるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、介護サービスの充実についてのお尋ねにお答えします。

 高齢化が進行し、医療や介護の需要の増大が見込まれる中、全ての高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めることが重要であると考えています。

 このため、私は、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の骨子案の安心の保健・医療・介護充実プロジェクトに地域包括ケアシステムの構築を掲げ、取り組みを強化することとしています。

 このシステムの構築に当たり、県としては、地域のコーディネート役となる人材の育成や、県民の理解と参加を促進するための普及啓発、医療と介護の連携強化に向けた関係者間の相互理解に取り組むこととしています。

 具体的には、まず高齢者に対する総合相談・支援の窓口である地域包括支援センターの機能強化に向け、職員の資質向上を目的とした研修会を開催するとともに、困難事例や地域課題の解決のため、医師や弁護士等の専門職を派遣するなど、人材の育成を進めてまいります。

 次に、地域での見守りや家事援助などの生活支援サービスの充実に向けて、その担い手となる地域住民を対象としたフォーラムの開催やリーフレットの作成などにより、普及啓発や参加意識の醸成に努めてまいります。

 さらに、医療・介護関係者からなる県在宅医療推進協議会を設置し、医療と介護の一体的なサービスの提供について検討を行うとともに、情報共有に向けた事例研修会など、関係機関が連携して行う取り組みを支援し、医療と介護の連携の強化を図ってまいります。

 私は、こうした取り組みを通じ、市町や医療・介護関係団体等と連携し、高齢者が住みなれた地域で安心して生活できるよう、介護サービスの充実に積極的に取り組んでまいります。

 次に、防災対策についてのお尋ねにお答えします。

 今後、発生が懸念される南海トラフ地震など、大規模で広域的な災害に備えるためには、本県における災害対応力の強化はもとより、被災県だけでは十分な対応ができないことも想定されることから、近隣県が相互に連携し、県境を越えた広域支援体制を構築しておくことが重要です。

 このため、中国四国各県との間で災害時応援協定を締結し、あらかじめ支援を行う相手方を定めたカウンターパート制の導入や、支援の総合調整を行う広域支援本部の設置など、災害発生直後から迅速かつ的確に支援を実施する体制を整備してまいりました。

 お示しの高知県に対しては、この協定に基づき、本県が島根県とともに支援することになっており、被災後、直ちに連絡員を派遣するなど、速やかに支援を開始することとしています。

 今後は、こうした被災県のニーズに応じた支援がより円滑に実施できるよう、協定の実効性を一層高めることが重要と考えています。

 このため、本年一月に、初めて中国四国九県合同で訓練を実施し、被災県のニーズに応じて各県の支援内容の調整などを行いましたが、引き続きこうした訓練を重ねながら、広域支援に係る調整機能の向上に努めてまいります。

 去る五月に開催した中国地方知事会においても、本県が中心となって作成している支援・受援マニュアルを早期に完成させ、さらなる連携強化に向けた訓練を通じて、より実践的な実施体制の確保を図ることを確認したところです。

 私は、大規模で広域的な災害はいつでもどこでも起こり得るとの認識のもと、本県における災害対応力を強化し、県民の安心・安全をしっかりと確保するとともに、引き続き知事会等を通じて各県との連携を密にし、被災県へのきめ細かな支援が実施できるよう、広域支援体制の充実を図ってまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育行政の二点のお尋ねのうち、まず世界スカウトジャンボリーの開催に向けた取り組みの推進についてです。

 お示しのありましたように、いよいよ来年夏に開催が迫りました世界スカウトジャンボリーは、日本での開催は四十四年ぶり二回目となる国内外から多数のスカウトが集う国際大会であり、県民の皆様がその心と力を結集し、本県の魅力を世界にアピールする大きな舞台でありますとともに、次代を担う本県青少年の国際理解を深める絶好の機会であると考えております。

 このため、まず、県民の力・地域の力を発揮する取り組みとしては、ジャンボリー史上初の試みとなる県内全ての市町で実施される地域プログラムにおいて、地域住民や学校、企業等が一体となって、地域を挙げた歓迎はもとより、学校訪問や史跡・工場等の見学、地域ならではの伝統芸能の披露など、多彩な交流活動を展開することとしております。

 さらに、主会場であるきらら浜においても、スカウトと県民の国際交流の場や、産業、観光、文化など、多方面にわたり本県の魅力を発信する場となるやまぐちジャンボリーフェスタを開催することで、多くの県民の皆様の協力と参加を得て、スカウトと県民の双方にとって実り多い大会となるよう取り組んでまいります。

 次に、教育効果を本県の子供たちが享受できる取り組みとしては、県内の全ての小・中・高等学校をスカウトが訪問することから、各学校において、郷土を初め日本や参加国の伝統・文化などについて事前学習に取り組むほか、児童生徒の自主的、主体的な企画・運営により、学校ごとに趣向を凝らした活発な交流が実施できるよう準備を進めてまいります。

 また、高校生を中心に、大会期間中におけるスカウトと県民の皆様との交流をサポートする語学ボランティアの育成の取り組みなども進めているところであり、こうした多彩な体験の機会を提供することによって、本県青少年が、将来、広い視野を持ってグローバル社会で活躍できるよう努めてまいりたいと考えております。

 県教委といたしましては、市町、学校を初め、地域や関係団体等ともこれまで以上に連携し、県民総参加によるすばらしい大会となるよう全力で開催支援に取り組み、その成果を今後の本県教育の振興にしっかりと生かしてまいります。

 次に、いじめ対策の充実についてのお尋ねにお答えします。

 近年の社会情勢の急激な変化やネット環境の普及などを背景に、いじめ問題を初めとする児童生徒が抱える課題は、多様化、複雑化、深刻化する状況にあります。

 とりわけ、いじめ問題は児童生徒の生命にもかかわる喫緊の課題であることから、いじめは絶対に許されない、いじめはどの学校にも起こり得るという認識のもと、学校の未然防止、早期発見・早期対応の取り組みに加え、地域や専門家による学校の支援体制の強化が重要であると考えております。

 このため、県教委では、今年度、スクールソーシャルワーカーの市町配置を拡充し、福祉に関する専門的な見地から児童生徒を取り巻く家庭環境等の改善に努め、課題の解決を目指すとともに、学校のいじめ防止対策の中核組織となるいじめ対策委員会にスクールカウンセラー等の専門家が参加できるよう、体制の整備を図っているところです。

 今後は、専門家のサポート体制の一層の充実を図るため、いじめに起因する不登校が発生した際、中立的な立場での事態の調査や、児童生徒の心のケア等を行うスクールカウンセラーを学校に追加派遣することとしております。

 また、社会総がかりでの取り組みを推進するため、山口県いじめ対策協議会を設置し、関係機関・団体間の連携を一層強化することにより、いじめ対策をより効果的なものにするとともに、それぞれの地域で子供たちを育む地域協育ネット等も活用し、地域からのサポートを得られる体制づくりを推進してまいります。

 さらに、十月のいじめ防止・根絶強調月間において、県民を対象としたフォーラムを開催し、社会全体でいじめ問題に取り組む機運の醸成を図ってまいります。

 県教委といたしましては、学校現場でのいじめ対策がより実効性のあるものとなりますよう、市町教委と一体となって、学校、家庭、地域、関係機関のさらなる連携を図り、いじめ防止・根絶に向け、全力で取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 中村警察本部長。

    〔警察本部長 中村範明君登壇〕



◎警察本部長(中村範明君) 女性の犯罪被害防止対策に関する県警察の取り組みについてお答えします。

 県内における本年五月末現在のストーカー事案の相談件数は百八件で、前年同期に比べて四件増加しており、また、DV事案の相談件数についても三百九十三件で、前年同期に比べて十二件増加しています。

 県警察では、このように増加傾向にあるストーカー・DV事案に対し、認知段階から迅速、的確に対応するため、本年四月、警察本部に九十九人体制のストーカー・配偶者暴力対策本部を設置し、行為者に対する事件検挙を初め文書警告等の行政措置、被害者の保護対策等に関する警察署への指導・助言などを行っています。

 各警察署においても、従来の体制に加え、女性警察官を増員指定するなど、体制を拡充させています。

 また、昨年度の予算により、監視カメラ、防犯ブザー等の各種装備資機材の整備充実を図ったほか、県の関係各課とも連携し、従来のDV被害者だけでなく、ストーカー被害者についてもシェルターへの入所避難、県営住宅への優先入居を可能にするなど、多面的な被害防止対策にも努めています。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、性的被害に遭われた女性は心理的にも傷ついておられることから、その心情を十分理解した警察官が親身になって対応することが必要です。

 そこで、県警察では、被害者心理に配意したヒアリング技術の向上を図るため、性犯罪を初めストーカー、DVの捜査、相談業務に従事する女性警察官等を対象に、女性犯罪被害防止スペシャリストに養成する女性犯罪被害防止対策事業を実施する予定です。

 これにより、被害者心理に配意した質の高いきめ細やかな相談対応、被害者対策はもとより、被害者支援方法にまで深化した防犯講習等を女性に提供し、防犯意識の向上、犯罪抵抗力の強化、さらには事件化への早期意思決定を支援できるものと考えています。

 県警察では、今後も警察官の能力向上を図りながら、女性の心情に配意した対策を積極的に推進してまいります。

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○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。

    午前十一時四十七分休憩

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    午後一時開議



○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

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△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第二十号まで



○副議長(畑原基成君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。

 秋野哲範君。

    〔秋野哲範君登壇〕(拍手)



◆(秋野哲範君) 民主・連合の会の秋野哲範です。

 県政の諸課題について、会派を代表して村岡知事に質問いたします。

 まず最初に、未来開拓チャレンジプランについてお伺いします。

 村岡知事の県政運営の指針となる県の中期ビジョン、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の骨子案が公表されました。

 チャレンジプランでは、基本目標を「活力みなぎる山口県」の実現を目指すとされ、その実現のために、産業、地域、人材の各分野の活力創造に、安心・安全確保、行財政基盤強化の五つの重点戦略を設定し、合計十五の「突破プロジェクト」を掲げるとのことであります。

 また、それぞれのプロジェクトに数値目標を設定して、PDCAサイクルによる進行管理をしっかりとされる意向であります。

 今後、知事を本部長とする新県政推進ビジョン策定本部会議及び民間有識者で構成される新県政推進ビジョン懇談会を重ね、一年以内に取りまとめをされる予定だと伺っております。

 いよいよ新県政推進ビジョンの作成に着手されましたことは、村岡県政が本格的にスタートしたという実感とともに、どのように村岡カラーが打ち出されるのかという関心と期待感を抱くものであります。

 私は、産業戦略を初め県政ビジョンの基本は、地域にある資源をいかに有効に活用できるかにかかっていると思います。また、埋もれている知識や技術をいかに掘り起し、新たな分野に発展的に活用していくことが大切であると思います。その典型が、農業と工業、商業を組み合わせた六次産業という新たな発想であり、まさに古きを温めて新しきを知ることから生まれたのであります。

 すなわち、県政ビジョンは、できるだけ多くの知恵を集め、可能性のある新しい発想をいかに目標として掲げるかがそのできばえを左右するものと考えます。まさに、困難を抱えるからこそ、「突破力」のある野心的な目標を掲げ、それの達成に挑戦してこそ、気鋭の村岡知事の真骨頂があると思うのであります。

 そこでお尋ねしますが、チャレンジプランにどのように村岡カラーを出そうとされているのか、また、今後、広く英知を結集し、「突破力」のある野心的な目標とするために、県民各層の御意見をどのように集約されるのか、お伺いします。

 また、山本前知事のまさに遺産となった「やまぐち産業戦略推進計画」とチャレンジプランとの整合性をどのようにとられるのか、伺います。

 さらに、示しておられる施策体系は、計画策定後、実質三年間で解決できないものも数多くあると想定されることから、より長期のビジョンも策定すべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 次に、財政改革についてお尋ねします。

 慶応大学の土居教授は、今後、我が国の財政健全化の取り組みがどの程度必要とされるのか、定量的に分析されております。およそ百年後の二一○五年末の政府債務対GDP比が、二○一○年末の政府債務対GDP比と同水準に維持できることをもって財政を持続可能と仮定し、予測される政府支出のもとで、財政の持続可能性を担保するに足る政府収入対GDP比が幾らであるのか、推計されました。

 結果、今後百年間にわたり、毎年度対GDP比で約一一%ずつ政府収入をふやす必要があると分析されました。我が国のGDPは、現在約四百七十兆円でありますから、約五十二兆円ずつ収入をふやす必要があるとのことです。

 経済成長に伴う自然増収もあるものの、それはせいぜい一%から三%程度と見られることから、約一一%の収入確保には到底及ばない見込みであり、徹底した歳出削減と大幅な税率引き上げの二つを実施しなければ、我が国は財政破綻に陥ってしまうことになりかねないのであります。もはや、一刻も早い財政健全化が求められていることは、疑う余地がありません。

 本県の財政状況も、決して安穏としていられる状況ではありません。本年度当初予算では、骨格予算編成に伴い、県債発行額が特別分と合わせて二百三十七億円減少しているものの、本年度末の県債残高見込み額は一兆二千八百七十億円となり、歳入予算の約二倍になろうとしております。

 さらに、今回の肉づけ予算である補正予算の県債発行額を加えると、本年度末の県債残高は過去最高の一兆三千二十七億円となり、昨年度末から百八十五億円増加することになります。

 今後、人口減少社会が到来する中、それに伴う県税収入の減少がもたらされる可能性は高く、産業戦略推進計画の実現による法人県民税の増収がどの程度見込めるかなど、中長期の財政状況を分析しなければならないと考えます。

 村岡知事は、チャレンジプランでも行財政基盤強化戦略を五つの「未来開拓戦略」の一つに掲げられておりますが、本県財政状況をどのように捉えられ、また、今後の財政状況についてどのような目標を設定されているのか、お尋ねします。

 さらに、本県財政が持続可能な状況を維持できるように、どのような決意で財政改革に取り組まれるのか、県民の皆様へ宣言していただきたいと思いますが、お考えをお示しください。

 次に、人口減少下の県づくりについて、二点お伺いします。

 まず、少子化対策についてです。

 増田元総務大臣が座長を務められる日本創成会議・人口減少問題検討分科会から、衝撃的な未来予想図が公表されました。その内容は、全国千八百市区町村のおよそ半数に当たる八百九十六自治体で、子供を産む人の大多数を占める二十から三十九歳の女性人口が、二○一○年からの三十年間で五割以上減る自治体を消滅可能性都市と位置づけ、将来、消える可能性を指摘したのであります。

 また、このうち五百二十三の自治体は、二○四○年の人口が一万人を割り、消滅の可能性が高いとしました。この分析では、本県では十九市町のうち七自治体が、消滅可能性都市に挙げられております。

 こうした中、このままでは二○六○年に人口は八千七百万人を割り込む見通しであることに危機感を抱いた国は、経済財政諮問会議下に設置された専門部会で、出生率を高める環境を整え、初めて五十年後に人口一億人程度の維持を目指すとの目標を盛り込みました。

 急激な人口減少は、社会保障の土台が揺らぎ、コミュニティーの崩壊が進むなど、経済、社会、文化など多方面にひずみをもたらします。少子化対策をさらに強化しなければなりません。

 我が国の子育て環境は、保育所や育休補償の拡充、職場の理解、夫の育児参加を促す対策などが特におくれています。育児や教育費負担が重いため、子供が欲しくても、二人以上の子供を持つことを諦めざるを得ない状況なのであります。

 村岡知事は、去る五月三十一日に長野県松本市で開催された、十一県の知事が加盟する子育て同盟のサミットに、山口県として初めて参加されました。サミットでは、各県が結婚支援や移住促進、子育て支援に取り組むとする、ながの子育て声明が取りまとめられたとのことであります。

 また、各県の知事からは、子育て支援策の状況が紹介され、地方の実情に応じた施策が必要だとの意見が出たと伺っております。

 そこでお尋ねでありますが、私は、十九道府県が出生率や出生数の目標値を設定しておりますが、本県も具体的な目標を掲げ、実効性の高い少子化対策へと強化すべきと考えます。

 村岡知事は、どのような思いを持たれて子育て同盟のサミットに参加されたのか、また、今後の本県の少子化対策をどのように強化されようとしているのか、御決意をお聞かせください。

 二点目は、県づくりの方向性についてです。

 現在、多くの地方都市では、駅前商店街やアーケード街など、以前の繁華街と呼ばれた地域が衰退し、いわゆるシャッター街と化しています。

 一方で、モータリゼーション社会に対応し、充実した駐車場を備えた大型の商業施設が、まとまった農地を造成して、郊外に立地するケースは枚挙にいとまがありません。

 こうした現象は、都市サービス機能の都市から郊外への流出であり、結果、都市中心部における空洞化と郊外における農地の蚕食的な減少が同時進行しつつあります。こうした事態は、都市のスプロール化と呼ばれております。

 この都市のスプロール化を解決するために、高度人口集積圏、いわゆるコンパクトシティと呼ばれる新しい都市像が提唱されております。コンパクトシティは、郊外に拡散しようとする住居や商業施設などを空洞化した都市中心部に凝縮させて形成する、空間的に引き締まった形態の都市であると定義されております。

 東洋大学の川崎教授の研究によれば、コンパクト性の指針としてDID地区の人口密度が最も有効だとされ、DID地区の人口密度をいかに高めていくかが重要だと指摘されております。

 DIDとは人口集中地区のことであり、国勢調査の基本単位区等を基礎単位として、原則人口密度が一平方キロメートル当たり四千人以上の基本単位区が市区町村の中で互いに隣接しており、かつそれらの隣接した地域の人口の合計が国勢調査時に五千人以上を有することと定義されております。

 本県のDID人口密度は一平方キロメートル当たり三千三百十七・四人であり、全国平均の六千七百五十八人を大きく下回っており、全都道府県の中で最も低くなっております。

 これまで、本県は、伝統的に過疎なく過密なくを暗黙の了解事項とし、分散型の県づくりを進めてきたのではないでしょうか。人口減少下にある今日、多極分散や一極集中ではなく、人口集積地域をいかに多くつくるかという多極集中の県づくりが求められていると考えます。

 県は、柳井市、光市、山陽小野田市で、コンパクトなまちづくりモデル事業の地区指定を行い、本年度はまちづくり構想と基本計画の立案がなされ、既に計画が公表された地区もあります。

 私は、このモデル事業をぜひとも成功させ、将来、全県下に同様のまちづくりをしていくことが、人口減少下で効率的で快適な暮らしのできる地域づくりのために不可欠だと考えます。

 知事は、どのような県づくりの方向性をもって、コンパクトなまちづくりの推進に取り組まれているのか、また、このモデル地区での取り組みの成果を今後どのようなシナリオで全県的に広めようとされているのか、お尋ねいたします。

 次に、農業振興についてお尋ねします。

 我が国農業の最大の懸案事項は、少子高齢化と人口減少が同時進行し、市場規模が縮小しつつあることであり、いわば日本人の胃袋が縮小することにどのように立ち向かっていくのかという問いに、農業も答えを見出すことが求められております。

 我が国農業を再生させ、農家の所得をふやすためには、市場を開拓し、付加価値をふやすしか道はないと思います。

 そのためには、農家が主導する作物別の全国組織で、年間の出荷やマーケティング戦略を策定し、国内の値下げ圧力の高い市場の開拓、輸入品にシェアを奪われている市場の開拓、海外市場という三つの市場を開拓することが必要であります。中でも、最も市場拡大の可能性の高いのは、海外市場の開拓ではないでしょうか。

 これまで、我が国は、海外顧客開拓を全くしてこなかったと言われても仕方がない状況でありました。

 欧州先進国の農産物輸出額は、一九六五年時点で日本とほぼ同じレベルでありました。それが、二○○五年までの四十年間で、英国は二百億ドル増の二十倍に、ドイツは四百二十億ドル増の七十倍にも輸出をふやしました。それに対し日本は、十七億ドル増のわずか九・五倍にとどまっております。

 私は、これからの農業の振興には、海外へのチャンネルをふやしていくことが重要であると思います。

 しかし、気をつけなければならないことは、農産物の輸出は県単位で進められているため、例えば台湾のデパートの日本米コーナーには、新潟県産もあれば、宮城県産も千葉県産もあるといった状況が起こっております。さながら、国内の産地間競争を海外に持ち込んでいる感すらするのであります。

 日本産を海外マーケットに売り込むという一致団結した全国マーケティング組織のもとで輸出戦略を展開したほうが、効果的なのは明らかでありましょう。

 また、人材育成も欠かせません。全国の優良農家を調べると、若いときに欧米の農場で研修してきた経営者が多いと聞きます。農業先進国で学んだ経験を日本で生かし、経営や顧客サービスにつなげているとのことです。意欲ある若手農家や学生を世界に派遣することは、海外での農産物の展開にどれほど有益かわかりません。

 そこでお伺いしますが、本県農業の振興のためには農業の国際化が必要であり、本県農産物の海外でのプロモーションを効果的に進めるとともに、国際化に通用する人材育成にも取り組むべきだと考えますが、見解をお示しください。

 次は、雇用対策についてであります。

 現在、デフレ脱却を最優先にする安倍政権は、日本を世界で一番企業が活動しやすい国にすると宣言され、再び有期雇用をいつまでも延長できるようにすることや、働く時間を自由に選べるかわりに、残業代支払いなどの労働時間規制が適用されないホワイトカラー・エグゼンプションの導入など、再び労働分野の規制緩和を検討しております。

 雇用の安定は見えてこないのであります。私は、経済は資本と労働で成り立っていますから、その成長は資本のみの成長では成り立たず、むしろ資本はふえても、本当の意味の成長ができるのは人でありますから、人、すなわち労働力の成長こそが真に幸せをもたらす経済成長だと考えております。

 バブル崩壊後の人件費や投資の抑制はデフレを助長したのであり、働く人々の士気や待遇をないがしろにした改悪は、再び縮小均衡のわなに陥ることになりかねないと危惧いたします。

 また、労働政策と一体となった産業政策、経済政策を早期に講じていく必要があると考えます。

 本県では、二○一二年の五月に、シルトロニックジャパン光工場の閉鎖を初め、各地で大型の事業所閉鎖が相次ぎ、およそ二千人もの雇用が失われるという危機的な状況を経験いたしました。

 幸い、シルトロニックジャパンの皆さんは九八%の方が再就職され、関係者の御尽力に心から感謝申し上げます。その後の事業所閉鎖により、いまだ再就職できていない方々がおられますことから、雇用のセーフティーネットをしっかりと確立し、早期の再就職が可能となりますように、関係者の皆さんの各段の御尽力をお願い申し上げます。

 さて、雇用情勢は改善を続けていると言われておりますが、いまだに県内では求職者が二万四千人を超えています。加えて、建設等の一部の業種では労働力不足にあることや、若年者の入社三年未満の離職率が高いことが社会問題化しています。

 現在、実施されている、失業者が無料で職業訓練を受けられ、生活費などの手当も支給される国の求職者支援制度で計画されたいわゆる求職者支援訓練については、希望者が少なく、訓練を実施する側の負担増となることから、講座が中止になるケースも多く、一方的な中止で受講予定者が不利益をこうむっている実情が散見されます。

 また、制度をめぐっては、このほかにもPR不足のほか、地域の求人情報に合った講座が少なかったり、開講が地域によって偏ったりしているとの指摘が出ております。

 県内の求人状況では、建設業、製造業や、それに関連する運輸業などが伸びている一方で、成長分野として位置づけられている医療・福祉、サービス業は減少しているのが実態で、現在実施されている求職者支援訓練メニューは、現在の求人状況にマッチングしていないのではないかと受けとめています。

 そこでお尋ねしますが、これらの課題を解決していくためにも、国の求職者支援制度について、国に対して柔軟な対応が図られるように求めていくとともに、本県の雇用対策においても、求職者への職業訓練や求人状況とのマッチングについて、より効果的なものへと改善し、一人でも多くの方々が職場での戦力として活躍いただきたいものだと思いますが、今後どのように雇用対策を強化されるのか、お伺いいたします。

 次に、防災・減災対策についてお尋ねします。

 県では、昨年三月にまとめた県地域防災計画の原子力災害対策編を初めて改定され、原子力災害が発生した場合などに、国が四国電力伊方原発の周辺に設ける緊急モニタリングセンターへ職員を派遣することなどを盛り込まれました。

 また、南海トラフを震源とする巨大地震で、県内の死者数が最大六百十四人になるとした独自の被害想定を震災対策編に盛り込むことも決められたところです。

 私は、大災害が発生した場合、広域的な団体として、都道府県が第一次的に危機対応を行う市町村と連携し、危機対応の中心となる必要があり、県が被害想定など新たな知見に基づき、防災計画を不断に見直すことは大切なことであると考えます。

 とりわけ、危機管理に機動的に対応できる組織を構築するとともに、実践的な防災教育や訓練を実施することにより、県民の皆様が災害への備えを忘れないようにしていくことが重要であると思います。

 かつて、鳥取県の片山元知事は、就任当初から防災体制の強化に取り組まれました。片山元知事は、それまで鳥取県の防災専任責任者のトップが生活環境部の防災係長であったのを部長級の防災監というポストをつくり、その下に防災系の組織を充実して、防災対策を強化されました。

 そして、消防、警察、自衛隊、海上保安庁などの防災関係機関を招集し、意見交換を行い、お互いがどのような機能を持っているのかという情報共有の機会を設けられ、実践的な防災訓練も実施されました。

 さらに、県の地域防災計画をより実践的なものへと変更されました。

 実際、その防災訓練の二カ月後の平成十二年十月に鳥取県西部地震が発生しましたが、その際の県の対応は大方の県民の評価を得るものであったと受けとめられています。片山元知事も、防災体制の強化を行って以降の一連の準備の成果であると、述懐されております。

 本県においても、防災・危機管理に関する専門的な知識と技能を有する部長級の危機管理監を設け、その配下に危機管理組織を整えておくべきだと思います。

 また、大災害から住民の生命・財産を守ることは、それを果たせるだけの教育訓練が必要です。

 しかしながら、防災専門職員にはその職員向け、防災ボランティアには防災ボランティア向け、学生には学生向けといった、それぞれの段階に応じた防災・危機管理教育が十分になされているかといえば、必ずしもそうではないように思います。その際は、県民の皆さんに、防災に関する知識を普及させることが大切だと考えます。

 我々日本人は、いざというときに自分の身を守るすべを、全くと言っていいほど教えられていないのではないでしょうか。知事は、防災・減災対策を今後どのように強化されるのか、お伺いします。

 最後に、エネルギー問題についてお伺いします。

 県は、中国電力の上関原発建設予定地の公有水面埋立免許の延長申請に対し、先月十四日に中国電力に六度目の補足説明を求め、その回答期限を来年五月十五日までとすることを決められました。上関原発に係る公有水面埋立免許の延長申請の可否判断を、再び一年間先送りすることにされたのであります。

 二月に就任された村岡知事が、延長申請をめぐる判断を示されるのは初めてであり、「中電から一定の説明はあったが、許可・不許可を判断できる十分な材料はなかった」と述べられました。すなわち、国が上関原発を引き続いて重要電源開発地点に位置づけているのか明確になっていないため、県としての判断ができないと考えられたのであります。

 本年四月に閣議決定された国のエネルギー基本計画では、原発は重要なベースロード電源と位置づけられましたが、新増設に関しては明確な方針が示されなかったものと理解しております。

 民主党政権下では、二○一二年九月十四日に、エネルギー・環境会議において決定された革新的エネルギー・環境戦略で、原発に依存しない社会の一日も早い実現のために、二○三○年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策手段を投入することが明記されました。

 エネルギー政策は国の根幹をなすのでありますから、国の責任で明確な方針が示されるべきでありますし、政権がかわるたびに大きく変わるようであってはいけないと思うのであります。

 また、公有水面埋立免許の延長申請をめぐり、庁内で行われた協議の議事録が存在しないことが報道されております。上関原発に関する決定は県民の皆様が注視していることでありますから、県がどのように決定したのか検証されるべきであり、そのための客観的な資料がきちんと整理され、保存されるべきだと思います。

 上関原発の公有水面埋立免許の延長申請に対する判断に関し、その重要な判断基準となる国のエネルギー基本計画についてどのように認識をされ、六度目の補足説明を求めることとされたのか、また、判断材料となる客観的な資料や協議内容を整理し、保存する必要性については改善すべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いをいたしまして、私の代表質問を終わります。

 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 秋野議員の代表質問にお答えします。

 まず、未来開拓チャレンジプランについてのお尋ねのうち、プランに私のカラーをどう出すかについてであります。

 県政が直面するさまざまな困難を乗り越え、「活力みなぎる山口県」の実現を目指していくためには、まずは本県の元気を創出する取り組みである産業、地域、人材の三つの活力創造、そしてその基盤を支える県民の安心・安全の確保が重要と考えています。

 そのため、プランの策定に向けては、地域の資源や特性を生かし、強い産業をつくるとともに、観光力の強化や中山間地域の振興、子育て環境の充実や女性の活躍促進、医療と介護の連携強化などの緊急・重点課題にしっかりと対応していくことを重視して、施策の内容を高めていきたいと考えています。

 次に、県民の意見の集約についてですが、今後とも、私が直接県民の皆様の声をお聞きするどこでもトークなどを精力的に実施した上で、貴重な御意見等をプランに反映し、地域が抱える諸課題の克服や新たな活力の創造に努めていきたいと考えています。

 次に、「やまぐち産業戦略推進計画」との整合性の確保についてです。

 「やまぐち産業戦略推進計画」は、本県の強みを生かし、力を伸ばす分野に狙いを定め、重点的に取り組むべき施策の推進計画として作成したものであり、具体的な工程表に沿い、スピード感を持って産業戦略の取り組みを進めています。

 新たな県政運営の指針となるチャレンジプランは、県全体の施策の方向性を示す総合計画として策定を進めているものであり、プランでは、県内の産業を強くし、経済の活力を高めることにより山口県を元気にするとの山本前知事の強い志を承継し、「活力みなぎる山口県」を実現していくための重要な戦略の柱として、産業活力創造戦略を位置づけています。

 次に、より長期のビジョンも策定すべきではないかとのお尋ねです。

 社会経済情勢は今後も極めて早いスピードで変化し、県政を取り巻く環境も急激な変化が予測される中で、長期的な施策を構築していくことは大変難しい状況下にあります。

 このため、チャレンジプランでは、将来も見据えた本県のあるべき姿を明確に描いた上で、その実現に向けては、中期的な視点から取り組むべき施策を掲げる実行計画的な性格を持つものとして、四年間という期間設定を行ったものであり、今後、プランを策定していく中で、施策体系に沿って四年間で取り組む事業を明らかにしていきたいと考えています。

 次に、財政改革についてのお尋ねにお答えします。

 私は、県政が抱えるさまざまな課題に果敢に挑戦し、新たな県づくりを進めていくためには、将来にわたって持続可能な財政基盤を築かなければならないと考えています。

 そのためには、多額の県債残高を抱え、財政調整基金等の残高も減少するなど、厳しい現状を突破する財政の健全化が不可欠であり、とりわけ財政硬直化の要因となる公債費負担を軽減し、財政運営の自由度を高めるため、県債残高の縮減を図ることが重要です。

 このうち、県の判断で発行し、公共事業等の財源に充当する一般分の県債については、必要な投資的経費の確保を図りながら、発行額を公債費以下とするプライマリーバランスの黒字を堅持し、残高の減少基調を継続していく必要があります。

 また、年度間の財源調整等に活用する基金の残高は、最低限の水準としている百億円以上は維持しているものの、さらなる残高の確保に向けた取り組みが必要であると考えています。

 こうした考えで取り組んでいる財政の健全化は、行政改革とともに、これからの県づくりにおいて重点的に取り組むべき課題であり、お示しのように、チャレンジプランの骨子案では、行財政基盤強化戦略を「未来開拓戦略」の一つに位置づけたところです。

 今後、プラン全体の策定を進める中で、産業活力創造戦略など他の戦略の推進が、税収の増加や地域の活性化等を通じて、最終的に財政健全化に寄与するという点にも十分留意しながら、行財政基盤強化戦略の具体的な取り組みについて、お尋ねの財政状況の目標設定とあわせ検討していく考えです。

 私は、県づくりの推進と財政健全化の両立を目指し、プランの取り組みを県民の皆様にお示ししながら、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、持続可能で揺るぎない財政基盤の構築に全力で取り組んでまいります。

 次に、人口減少下の県づくりについての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、少子化対策についてです。

 お示しのように、急速な人口減少は、社会保障制度の持続や経済成長への深刻な影響が懸念されることから、県では子育て文化創造条例に基づき、社会全体で子供や子育て家庭を支える取り組みを推進してきたところですが、依然として少子化に歯どめがかからない厳しい状況となっています。

 このため、私は、子育て同盟の志を同じくする知事の間でしっかりと議論を行い、全国に向けたアピールや国への提言につなげていきたい、そしてその成果を本県の子育て施策に反映させたい、そのような思いで今回の子育て同盟サミットに参加したところです。

 次に、今後の本県の少子化対策についてです。

 私は、チャレンジプランの骨子案に、子育てしやすい環境づくりを十五の「突破プロジェクト」の一つに掲げ、少子化対策を強化することとしています。

 具体的には、まず新たに全県的な組織として「やまぐち子育て連盟」を設立し、地域団体や企業などと連携した取り組みを進めるとともに、結婚から子育てまで一貫した相談を受ける「結婚・子育て応援デスク」の設置や多様な保育サービスの充実など、社会全体で子育て家庭を支える環境づくりを推進してまいります。

 さらに、誰もが安心して出産、子育てができるよう、小児救急医療の電話相談時間の翌朝までの延長や産科・小児科医の確保など、保健医療サービスの充実に努めてまいります。

 こうした取り組みの実効性を確保するため、チャレンジプランを策定する中で、できるだけ具体的な目標値を設定することとしていますが、お示しの出生率や出生数については、個人の考え方にかかわる問題でもあることから、今後、慎重に検討してまいります。

 私は、県議会の人口減少・地域活力維持対策特別委員会の審議も踏まえ、市町や関係団体と連携し、安心して子供を産み育てられる環境の実現に向けて、少子化対策にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、県づくりの方向性についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、コンパクトなまちづくりの推進への取り組みについてです。

 私は、人口減少、少子高齢化などの厳しい状況の中、これからの県づくりには、将来を見据えて地域が維持・発展できる、活力ある地域づくりを進めていくことが重要であると考えています。

 しかしながら、現在の郊外に拡散した都市構造では、地域の活力が損なわれるだけではなく、医療、福祉、公共交通などのサービスの維持が困難となることが懸念されることから、住宅や福祉・商業施設等を集約した、利便性が高く、暮らしやすいコンパクトなまちづくりを推進しているところです。

 具体的には、昨年創設したコンパクトなまちづくりモデル事業を着実に進めるとともに、まちの核となる市街地のポテンシャルを高め、その再生を図るため、交通の拠点となる主要駅の強化や中心市街地の活性化に、市町とも連携し取り組んでいるところです。

 次に、モデル地区での取り組みの成果の全県的な普及についてです。

 コンパクトなまちづくりを全県的に広げていくには、まず、三市でのモデル事業を着実に進め、その上で、その成果や蓄積したノウハウを広くお示しすることで、他の市町に取り組みをつなげていくことが重要です。

 このため、今年度、三市の取り組みを支援するため、まちづくりアドバイザーを派遣するほか、県内市町の職員や住民の皆様を対象としたシンポジウムを開催し、まちづくり構想や先進事例の紹介などを行うこととしており、今後とも事業の進捗に応じて効果的に啓発を行ってまいります。

 また、国においては、先月、コンパクトなまちづくりを加速化するため、都市再生特別措置法等を改正し、都市の再構築を進めるための補助制度の創設・拡充や税制優遇措置がなされたところであり、市町とも連携し、その有効活用が図られるよう努めてまいります。

 私は、コンパクトなまちづくりを全県下で進めることにより、人口減少下にあっても、持続可能な活力ある地域社会の形成に努めてまいります。

 次に、農業振興についてのお尋ねにお答えします。

 私は、本県農業を振興するためには、県産農林水産物の需要を拡大していくことが不可欠であり、県民ニーズの高い地産地消の取り組みを着実に推進することに加えて、首都圏等国内での販路拡大や、お尋ねの海外展開についても、今後、取り組みを充実する必要があると考えています。

 このため、産業戦略の指針である「やまぐち産業戦略推進計画」のプロジェクトとして、台湾を初めとするアジアに向けた輸出拡大の取り組みを強化することなどにより、農林水産業の活力向上を図ることとしています。

 具体的には、本年九月に、ジェトロ山口など関係団体と連携し、台湾での日本酒と県産食材を組み合わせたやまぐちフェア、十一月には下関市でアジア各国のバイヤーとの商談会を開催するほか、九州貿易振興協議会と連携した商談会など、海外に向けた県産農林水産物等の販路開拓に取り組んでまいります。

 さらに、来年五月にイタリアのミラノで、「食」や「食文化」を主なテーマとした国際博覧会が開催されることから、県として、来場者との交流の場となる日本館のイベント広場に出展し、将来的に輸出拡大にもつながるよう、本県のすばらしい農林水産物等の魅力を世界に向けて発信していく考えです。

 また、人材育成については、米国やヨーロッパへ長期派遣する国の研修制度を活用して、意欲ある若い農業者の研修機会を確保するとともに、セミナーや異業種交流などを通じ、高品質生産や付加価値の高い加工品開発技術の習得を支援するなど、国際感覚にすぐれた農業経営者を育成してまいります。

 私としては、海外市場の効果的な開拓に向け、このたび、国の新たな成長戦略において示された品目別輸出団体の設立などの動向を注視するとともに、各県や関係団体と連携した取り組みを展開することにより、国際化に対応した本県農業の振興に努めてまいります。

 次に、雇用対策についてのお尋ねにお答えします。

 活力みなぎる県づくりには、産業を支える人材の確保・育成が重要であり、やまぐち雇用・人材育成計画に基づき、求職者の就業支援や地域産業ニーズに応じた人材育成等に取り組んでいるところです。

 こうした中、県内の雇用情勢は、有効求人倍率が一倍を超えているものの、業種等により求人と求職のミスマッチが生じていることから、特にマッチングや職業訓練において、より効果的な取り組みが必要と考えています。

 このため、県では、マッチングについて、若者就職支援センターを中心に、ハローワークとの求人開拓等の連携を一層図り、就職相談から職場定着まで一貫したきめ細かな支援に努めるとともに、センターの体制拡充により、建設業の若年就業者の確保・定着に取り組むなど、人手不足の企業の求人活動や情報発信への支援を強化してまいります。

 また、職業訓練については、県高等産業技術学校のものづくり訓練や民間機関を活用した実務訓練において、企業や求職者のニーズに即応したものとなるよう、その充実強化に努めることとしています。

 お示しの国の求職者支援訓練については、各地域の訓練希望者の受講機会が確保されるよう、県実施の実務訓練を含め、開催時期、規模、周知方法等を山口労働局と協議してまいります。

 なお、求人ニーズが高まっている製造業等のものづくり訓練については、設備が必要であることから、県高等産業技術学校等が実施する訓練の周知に努めてまいります。

 また、女性の活躍促進も重要でありますことから、新たに職場体験研修等により子育て女性等の再就職を支援するとともに、補正予算に計上した女性創業サポート事業により、起業化支援にも努めることとしています。

 私は、一人でも多くの求職者が本県産業を支える人材として活躍できるよう、今後とも、山口労働局等関係機関との緊密な連携のもと、雇用対策に積極的に取り組んでまいります。

 次に、防災・減災対策についてのお尋ねにお答えします。

 私は、一人一人の命が大切にされ、不安なく暮らせるという安心はあらゆることの基本であるとの認識のもと、いつでも起こり得る災害から県民の生命・財産を守るため、防災・減災対策の充実強化を進めていくことは極めて重要であると考えています。

 このため、本県では、平成十八年度から危機管理を専門に担う部次長級の危機管理監を配置し、災害や事故等に迅速かつ的確に対応できる体制を確保しています。

 また、災害による被害を最小限に抑えるためには、県民一人一人の取り組みが重要であり、地域や家庭での実践的な取り組みを促す防災ガイドブックの作成や、防災関係者を中心に多数の県民が参加する総合防災訓練の実施等を通じて、幅広く防災知識の普及を図っているところです。

 こうした中、近年、多発している豪雨災害や、今後、発生が懸念される南海トラフ地震など、大規模災害への備えが必要であることから、今回お示ししたチャレンジプランの骨子案においても、取り組むべき政策の柱の一つに安心・安全確保戦略を掲げており、災害対応力の強化や地域防災力の充実など、災害に強い県づくりを進めていきたいと考えています。

 そのためには、行政による公助はもとより、住民や地域による自発的な防災活動である自助、共助が重要であることから、このたび、地域コミュニティ防災活動推進事業を創設し、地域の実情に応じた各種訓練の実施や防災学習への取り組み等、地域ぐるみによる防災力の向上に努めることとしています。

 今後、県議会を初め県民の皆様の御意見もお聞きしながら、安心・安全の確保に向けて、危機管理体制の充実や防災知識の普及など、必要な対策の検討を進め、防災・減災対策の充実強化に取り組んでまいります。

 次に、エネルギー問題についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、埋立免許の延長申請に対する判断に関しての国のエネルギー基本計画に対する認識についてです。

 埋立免許権者である県としては、公有水面埋立法に基づき適正に審査する責務があることから、国のエネルギー基本計画に記載されている内容について審査するのではなく、あくまでも申請及び補足説明の内容について審査しているところです。

 こうした考え方に基づき、県としては、上関原発の国のエネルギー政策における位置づけに関して五回目の補足説明を求め、その回答の中で、中国電力からは、新しいエネルギー基本計画においては、原子力を重要なベースロード電源と位置づけるとともに、エネルギーミックスについて速やかに示すとされていること等、新たな主張がなされています。

 こうした主張により、私は、中国電力から一定の説明がなされたと受けとめていますが、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが変わらないことについて、十分な説明が尽くされているとは言えず、さらに補足説明を求めたところです。

 次に、判断材料となる客観的な資料や協議内容を整理し、保存する必要性についてです。

 中国電力に今回の補足説明を求めた際に、私は、県民の皆様への説明責任を果たすため、申請者の了解を得て、補足説明の内容を一部公表しながら、県としての考え方をできる限りお示ししたところです。

 お示しの協議の議事録については、公文書取扱規程に定めがなく、作成しておりませんが、申請書及び補足説明のやりとりに係る文書や、許可・不許可の行政処分に当たっての決裁文書は適切に保管することとなります。

 したがって、行政処分を行った後に、法人の不利益情報等、開示できないものを除き、これらの文書を客観的な資料として開示することは可能であり、県として行政処分に至った経緯はお示しできるものと考えています。



○副議長(畑原基成君) 石丸典子さん。

    〔石丸典子さん登壇〕(拍手)



◆(石丸典子さん) 公明党の石丸典子でございます。

 知事は当選より四カ月、連日、県内至る所へ足を運び、さまざまな方々の御意見に耳を傾け、県政の課題解決にスピーディーに取り組もうとされております。その真摯な姿勢は、県議会議員として、また県民の一人として大変うれしく期待するものであります。

 また、このたびの就任後初めてとなる補正予算案に、知事はできることを最大限盛り込んだ、今できること、早急にやるべきことは何かを議論して事業を計上したと説明されたように、一つ一つが緊急性のある現場の声であり、この現場第一、堅実な手腕こそ村岡県政であり、私ども公明党も高く評価するものであります。

 私も現場第一の公明党議員として、県内各地域、各分野で頑張っている若者や女性の方々、そして本日、聴力に障害のある方が要約筆記の方々のサポートを受けて傍聴に来ていただいています。その方々の声を大切に届け、知事の目指す、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、頑張ってまいりたいと思います。

 それでは、通告に従い代表質問いたします。

 まず初めに、女性が輝く社会の実現に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 政府は、急激な人口減少・少子高齢化、そして日本経済の支え手として、女性の活躍を成長戦略の一丁目一番地に上げ、二〇二〇年に指導的立場に占める女性の割合を三〇%にするという目標を掲げて取り組んでいます。結婚、妊娠、出産、育児への切れ目ない支援策を打ち出し、出産を機に六割の女性が退職していた社会から、働きながら三人の子供を育てられる社会を目指そうとしています。

 私たち公明党女性委員会は、女性が輝く社会の実現に向けて、全国九百名の女性議員が各地で頑張っておられる女性の方々に御意見をお聞きし、女性の元気応援プランとし、先月、安倍総理へ手渡しました。その内容は、女性活躍推進加速化法の制定や在宅テレワークの推進など四十四項目にわたり、女性の活用ではなく、女性の活躍、すなわち真のワーク・ライフ・バランスを目指した提言を行い、先週二十四日に発表された成長戦略と骨太の方針に、その多くが盛り込まれたところであります。

 このたび、山口県に女性課長が二人誕生し、話題になっています。大いに期待しておりますし、政府の掲げた三〇%の目標に向け、頑張っていただきたいと思います。

 そこで、四月に女性の活躍促進プロジェクトチームを立ち上げ、職場、学校、地域、家庭など各分野での女性の活躍を促進されようとされている村岡知事にお伺いいたします。

 一点目、女性の活躍促進についてお伺いいたします。

 女性が輝く社会の構築には、あらゆる分野の人の参加と協力が必要です。県は、県民へ男女共同参画実現に向けた情報発信や学習、交流の場の提供に取り組まなければなりません。

 しかし、本県は、県庁内の男女共同参画課による啓発活動と一般財団法人山口県婦人教育文化会館が運営するカリエンテ山口に一室を借りて相談を受けている状況です。私が視察してまいりました島根県や福岡県の男女共同参画センターのように専門的な研修を受け、幅広い知識と人脈を持つNPOや団体等に運営を委託し、一年中、県民や団体の方々、企業さんや地域の方々が集い、学び、連携して活動する機能を持った交流拠点が必要と思います。

 そこで、民間団体のノウハウの活用による、交流や人材育成の場としての男女共同参画センターの機能の充実も含め、仕事と子育ての両立支援や女性の登用など、女性の活躍に向けてどのように進められるのか御所見をお尋ねいたします。

 二点目、子供を産み育てやすい環境の整備についてお尋ねいたします。

 晩婚化が進み、不妊や不育症に悩む御夫婦はふえています。不妊というと女性側に問題があり、女性が治療を受けるものと思われてきましたが、実際は、不妊の原因の半数が男性にもあり、男性の不妊治療に関心が持たれています。三重県や福井県では、男性不妊治療助成制度を始められ、男性の治療が受けやすくなり、少子化対策の進むことを期待されています。

 先日、不妊治療を受けている三十代の女性の方が、「経済的に厳しいので一旦治療をやめて働こうと思う」と言うのです。平成二十八年度から特定不妊治療の助成対象が四十三歳未満とされており、彼女にとってつらい決断です。このように所得の低い方には不妊治療助成のさらなるサポートも必要と思いますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 三点目、女性警察官の働きやすい環境整備についてお伺いいたします。

 ストーカー事件の女性被害者への対応など活躍の場はふえておりますが、事件や事故など警察業務は特殊で、男性でも厳しい環境の中、国の方針で女性管理職を二〇二〇年までに三〇%登用、警察庁では二〇二五年までに女性警察官の割合を一〇%にするなどの目標に向けて取り組みも進んでいます。

 本県では、六月一日現在、女性警察官は二百十三人で、条例定数三千百五人に対し占める割合は六・九%で、現在九人の方が育児休業をとられています。全ての方に復帰後も志を持って進まれた道に頑張っていただきたいですが、特殊な勤務であるがゆえに、出産や育児、子育てを優先しにくいところもあると思います。

 そこで、警察本部長にお伺いいたします。女性警察官が現場に気兼ねなく出産し、復帰後も子育てをしながら働くためには、仕事と育児の両立に向けた環境づくりが必要と思いますが、どのように取り組まれるのかお伺いいたします。

 次に、安心して暮らせる医療・介護についてお尋ねいたします。

 今国会で、医療や介護が必要になっても住みなれた地域で、そして自宅で暮らせるための環境を整える地域包括ケアシステムの構築を進める医療・介護総合確保推進法が成立いたしました。

 県の役割として、このたび消費税増収分を活用して創設された基金をもとに、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年を見据え、これからの約十年間で医療、介護の連携強化が求められます。

 団塊の世代の方々が後期高齢者に加わる十年後の二〇二五年には後期高齢者が二千百七十九万人、介護保険制度を利用している認知症高齢者四百七十万人と予想されるなど、地域包括ケアシステムの構築は、関係者だけではなく県民一人一人の取り組みが最も重要であると思います。

 そこで一点目、県の役割の大きな柱の医療連携体制の整備についてお尋ねいたします。

 県民が住みなれた地域で安心して暮らすには、かかりつけ医などの在宅療養支援診療所から大きな急性期病床へ、そしてまたかかりつけ医へと二十四時間三百六十五日、安心の医療連携は重要です。

 本県では、ドクターヘリの導入など医師不足が深刻な離島や中山間地域の医療体制の整備に取り組んでおられますが、急性期に限らず、在宅療養支援診療所の医師が急性期医療の現場の医師と画像診断や電子カルテ、レントゲンなど医療情報の連携により治療ができることや、急性期病床から慢性期病床がスムーズに提供されることは、離島や中山間地域に限らず大変重要なことです。

 そこでお伺いいたします。在宅医療を進めるため、県はどのように医療機関の連携について取り組んでいかれるのかお聞かせください。また、離島や中山間地域を初め診療所・病院間における医療情報の連携をどのように今後進めていかれるのか御所見をお聞かせください。

 二点目、認知症対策についてお尋ねいたします。

 認知症対策も地域包括ケアシステムの構築に大事な取り組みです。認知症とは脳の神経細胞が死んだり、働きが悪くなったりして生活に支障が出ている状態がおよそ六カ月以上継続している場合を言いますが、行方不明の認知症の方が七年ぶりに家族と再会されたニュースを見て、認知症への恐怖とその対策が追いついていない状況に不安を感じたのは、私だけではないと思います。

 本県の認知症高齢者の方は約六万人で、二〇一三年中に行方不明で捜索願が出されている方は百二人で、現在百一人の方が発見され、お一人の方がいまだ行方不明だそうです。

 全国では、二〇一三年に約一万人の捜索願が出され、所在確認された方の約四%の三百八十八人は山林や河川、用水路などで死亡しており、所在確認までの期間では当日発見が六三%、一週間までが九八%だそうです。これからひとり暮らしの高齢者がふえる中、早期発見・早期捜索に向けて、関係者や警察だけではなく、県民総ぐるみによる認知症高齢者を支える仕組みが必要です。

 全国でも不明者情報をメールでサポーターに送信し市民が捜索に協力するとか、次の世代に認知症を理解してもらうため、小・中・高校生キッズ・ヤングサポーター養成事業など、町ぐるみの取り組みが始まっています。私も兆しがあれば病院に行こうと思いますが、症状が出る前に予防やその知識を持っておきたいと思います。

 そこでお伺いいたします。高齢化が進む本県の認知症の予防、発見、治療、そして見守り体制にどのように取り組まれるのかお伺いいたします。

 次に、道路の予防保全型の維持管理についてお尋ねいたします。

 東日本大震災の発生後、大地震などに対する防災意識が高まる一方で、トンネル、橋梁など老朽化した社会インフラや公共建築物の保全、維持管理の対策が急務となる中、私たち公明党は、防災・減災対策を集中的に講じる防災・減災ニューディール政策を提唱し、国の平成二十四年度補正予算以降、随所に政策を盛り込み、社会インフラの総点検と老朽化対策を全国的に推進してまいりました。

 本県においても、こうした国の取り組みに呼応しインフラの総点検が進められていますが、道路延長の大半を占める橋梁以外の道路の路面下については調査が進んでいないようです。

 そこで、公明党山口県本部では、計画的で質の高い点検によってふぐあいをいち早く見つけ、傷みの少ないうちに修繕を繰り返す予防保全型の維持管理を推進していくため、五月七日に道路の総点検プロジェクトチームを立ち上げ、早速、五月十日、十一日に、業者の御協力を得ながら、一般車両をとめることもなく探査車を時速六十キロで走らせ、新技術を用いた空洞探査機により、路面下の空洞や劣化箇所を調査した結果、県が管理する道路及び市町が管理する主な道路の延長約七千三百キロのうち三十二キロ、総延長のわずか〇・四%ながら、四十八カ所の空洞が見つかり、先日、夜間、防府市内中心部の交差点の路面を開削したところ、予想以上の大きな空洞が見つかりました。すぐに適切な処理がなされ、開削から二時間でもとの状態に戻りました。改めて予防保全の重要性を認識いたしました。

 路面下が空洞化する原因としては、下水道管等の劣化に起因するものが多いそうですが、現在ではゲリラ豪雨や大型台風による大量の雨が道路に染み込み、劣化した下水道の亀裂に雨と土が一気に流れ込み、空洞がつくられて道路の陥没に至ることもあるということがわかりました。

 東日本大震災では、大きな揺れによる路面下の空洞等が原因となって、道路の陥没が多発し、物資輸送や救援のための緊急輸送道路の利用に大きな影響があり、路面下の空洞化現象の危険性が改めて認識されていることから、本県においても、道路の陥没防止の早期対策が必要と思います。

 そこでお伺いいたします。国や他都市においては、本格的に路面下の空洞調査に取り組んでいるところもあります。道路の陥没等を未然に防ぎ、災害に強い、安全で安心なまちづくりを進めていくためには、本県においても、こうした新技術等の積極的な活用により、災害時に重要な役割を担う緊急輸送道路などの空洞調査を計画的に行い、効果的な予防保全型維持管理が求められていると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。

 次に、林業の活性化についてお尋ねいたします。

 二月、私は、男性の職場であろうと思っていた林業に若い女性が頑張っておられるとお聞きし、ある森林組合を訪ね、緑の雇用、三年目になる彼女に会わせていただきました。

 冷たく静まり返った山の中、誰の声も聞こえません。どこで作業しているのだろうと思っていると、ぬかるむ山道をヘルメットに地下足袋、泥だらけに汚れた作業服を着た、とても小柄なかわいい女性が歩いてこられ、ヘルメットをとってにこっと笑みを見せてくれました。女性とは全くわからないその姿とその姿勢に驚きと感動を覚えました。「トイレはどうしているの」「余り水は飲まないようにしています」「休憩はどこで」「みんなと車の中です」と答えてくれました。また、力仕事については、伐採から搬送まで機械化が進む今の林業は、彼女のような女性でも大丈夫ということでしたが、トイレがないことやチェーンソーの体への負担や蜂や蛇、暑さ、寒さは、若い女性に限らずとも、厳しい環境であることは言うまでもありません。彼女の将来の夢は、事業全体を頭に入れながら現場で作業できる技術者、フォレストマネージャーになることだそうです。

 緑の雇用制度は、映画「WOOD JOB!」で紹介されていますが、平成十五年からスタートした林野庁の補助事業で、給付金を受けながら三年間の研修を受け林業作業士(フォレストワーカー)へと育成する事業です。本県でも平成二十三年に十三人、二十四年に六人、昨年二十五年は八人と新規就業者の四人に一人以上が、この緑の雇用によるものです。しかし、彼女のような林業作業士のことや、林業が女性も働ける職場であることについて、まだまだ知られていないと思いますので、担い手確保のために普及啓発に取り組むことも重要だと思います。

 そして、林業の道に入った若者たちや彼女たちの夢を実現するためには、山口林業の活性化が重要であり、県産木材の需要を伸ばすしかありません。国もコンクリートや鉄、石油製品などを木材に置きかえて、木材基軸の循環型社会を目指し、公共建築物の木造化の推進や木材利用ポイント事業の利用拡大を進めており、本県にも、優良県産木材使用の新築一戸建てに限り五十万円支給される制度がありますが、昨年は目標三百戸分に対し七割の二百十戸の申請にとどまっており、制度の周知が広がっていないように思います。私は、国の制度も活用しながら、本県独自の取り組みも強化し、県産木材の需要拡大に積極的に取り組むべきだと考えます。

 そこでお尋ねいたします。林業の活性化のため、女性も活躍できる職場づくり・担い手確保対策にどう取り組むのか。また、担い手の所得向上につながる県産木材の需要拡大に今後どのように取り組むのか、御所見をお聞かせください。

 次に、動物の殺処分ゼロに向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 昨年九月に、改正動物愛護管理法が施行され、環境省は、十年後の平成三十五年度の全国の犬猫の引き取り数を今の約半分を目指し、動物取り扱い業者に対する規制の強化や愛護動物の無登録等への罰則強化等を行いました。全国の自治体で引き取られた犬と猫は、平成二十四年二十一万頭余りで、その約八〇%が殺処分されており、本県では、同年度、県動物愛護センターに犬千二百六十九頭、猫三千七匹、下関市動物愛護管理センターに犬三百十七頭、猫千百七匹が収容されています。

 私は、先日、殺処分ゼロに向けた取り組みで全国に注目されている熊本市動物愛護センターに視察に行ってまいりました。獣医でもある女性のセンター長さんから、十年前より前センター長とともに取り組んできた殺処分ゼロへの熱い思いを聞かせていただきました。前センター長は、みずからの殺処分をしたくないという強い思いを職員に伝え、職員全員も同じ思いであることを確認し、平成十四年から市民に対しての安易な引き取り拒否を本格化し、飼い主の責任の徹底をしたそうです。

 引き取りを断られた市民からは、厳しい声を浴びせられることも多かったそうですが、説得を繰り返し、愛護係の設置や市のホームページへの掲載、譲渡に関する情報誌の発行などの普及啓発にも力を入れ、さらに平成十九年一月にガス殺処分を中止し、昨年の殺処分は犬五頭、猫八匹だったそうです。センター長からは、「処分せず預かるために施設をふやす取り組みを続けても限界がある。こちらの捨てさせない、持ち込ませないという強い意志で、飼い主の意識を変えるしかない」と取り組みの重要な柱を教えていただきました。

 熊本に続けと神奈川県動物保護センターも、飼い主への返還や譲渡などの地道な取り組みを進め、昨年度、犬の殺処分ゼロを達成しています。

 人と同じように動物の命の尊厳を守り、安易に殺処分の道を選択することのないよう、行政、県民、獣医師会、愛護団体の方々などが連携・協力して、さらなる取り組みを進めることが必要と改めて感じたところです。

 これまでも動物愛護センターや保健所などにおいて、殺処分の削減に取り組まれてきたことは承知していますが、引き取り窓口での説得の体制強化、各保健所単位での譲渡会の開催、さらなる普及啓発の推進、最も効果が期待される不妊や去勢手術への助成制度の推進など、一歩も二歩も進んだ今後の取り組みに期待しています。

 そこでお伺いいたします。動物愛護の重要課題である引き取り頭数の削減、殺処分ゼロに向けてどのように取り組まれるのかお伺いいたします。

 最後に、全ての子供が夢をかなえる教育についてお尋ねいたします。

 国は、これからの日本を支える担い手として女性と若者に期待を寄せ、支援をしようとしています。本県も高齢化・人口減少の問題解決には、若者に大いに期待し、山口県での夢の実現に私も全力で支援をしてまいりたいと思っています。

 私は、議会で毎回のように発達障害や学習障害など特別支援教育の充実や不登校生徒への支援を訴えてまいりました。特別支援学級や通級指導教室の設置、ICTによるデイジー教科書の導入、多種多様な選択コースをそろえる定時制昼間部の設置、また、県立の全日制高校で発達障害や不登校経験のある生徒を受け入れている佐賀県立太良高校などを紹介し、導入の検討も要望してまいりました。

 昨年の六月、代表質問で紹介した佐賀県立太良高校は、既存の全日制高校では対応が厳しいとされている発達障害や不登校経験のある生徒を一般選考とは別枠で県内全域から募集し、単位制による多様なカリキュラムをもとに、個性に応じたきめ細かい真の自立に向けた教育を実践しています。発達障害のある子にとってわかりやすい授業は、ほかの全ての子にとってもわかりやすい授業であるという非常に納得のできる教育方針です。

 また、佐賀県は、二〇一四年度から県立高校三十六校の全新入生に携帯情報端末を配付するなど、特別支援教育だけでなく、県内のICTを活用した教育は進んでいます。

 以前御紹介させていただいたお子様が学習障害のお母様は、「子供にわかる授業を受けさせてほしい。どこでもいいので高校生活をさせてやりたい」と親として当然の思いを私に聞かせてくれました。

 昨年、中学三年生だった一人は、この春から、みずからハローワークで探した土木関係の仕事につき、元気に働いています。一昨年度の県内中学校卒業後の進路状況は、進学一万二千七百九十四人、そのうち定時制への進学が百十四人、就職九十一人、それ以外が百四十五人です。

 もちろん義務教育修了後の高校進学の選択は自由です。しかし、彼のように真面目に小学校六年間、中学校三年間学校に通い、みんなと同じように授業を受けても学習障害により漢字が書けない、数字の意味がわからないまま高校受験の時期を迎え、進学を諦めざるを得なかった生徒はほかにもいらっしゃったのではないかと思います。

 このように彼らは、ぎりぎりまで悩み、進学指導も就職支援も十分にないまま、厳しい十五歳の春を迎えています。また、進学しない不登校の生徒の多くも、将来が見えないまま中学校で学校との縁が切れることに不安を感じています。

 お伺いいたします。多様な可能性を秘めた山口県の未来を担う彼らの将来のために、県教委は、義務教育の九年間に責任を持つべきであり、発達障害や不登校の生徒の夢の実現に向けて、県はどのように取り組まれるのか、教育長に御所見をお伺いいたしまして、代表質問を終わらせていただきます。

 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 石丸議員の代表質問にお答えします。

 最初に、女性が輝く社会の実現に向けた取り組みについての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、女性の活躍促進についてです。

 国は、骨太の方針において女性が輝く社会を目指すとされ、男女が意欲や能力に応じて労働参加と出産・育児等の双方の実現を促す仕組みを構築していくこととしています。

 本県においても、少子高齢化が進む中、地域の活力源となる強い産業づくりや、介護・医療など新たな成長分野を支える人材の確保が喫緊の課題となっており、女性の活躍を促進するため、ポジティブ・アクションやワーク・ライフ・バランスなどの取り組みを加速化する必要があると考えています。

 このため、お示しのプロジェクトチームでの議論も踏まえ、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の骨子案に女性の活躍促進を「突破プロジェクト」の一つとして掲げるとともに、このたびの補正予算に、キャリアアップに向けた女性交流会の開催や女性を対象とした起業化支援、幅広い団体、企業と連携する新たな全県的組織である「やまぐち子育て連盟」設立などの事業を盛り込んだところです。

 また、男女共同参画センターについては、本県は、カリエンテ山口を拠点として位置づけ、県や山口市、山口きらめき財団及び婦人教育文化会館が役割分担をしながら、相談や各種研修会の開催などに取り組んできたところです。

 今後、さらに幅広い分野で女性の活躍を促進するためには、議員の御指摘のように、女性の社会参画や地域づくりを進める女性団体の一層の活性化や団体を支える人材育成等が重要と考えています。

 このため、カリエンテ山口を引き続き本県の男女共同参画センターとして位置づけ、交流・人材育成等の機能強化を検討していくこととしています。

 私は、今後とも、国の骨太の方針の具現化も注視しつつ、県民の皆様の声をお聞きしながら、市町や関係団体と一体となって、女性の活躍促進に取り組んでまいります。

 次に、子供を産み育てやすい環境の整備についてです。

 子供を産みたいと望む方が安心して妊娠・出産できる環境づくりは、子育て・少子化対策を進める上で極めて重要です。

 このため県では、経済的負担が大きい不妊治療について、国の事業である体外受精などの特定不妊治療費への助成に加えて、県独自で薬物療法などの一般不妊治療費、人工授精費にも助成して治療の流れを全てカバーをしており、さらに、これまで助成額の増額や助成期間の延長などの拡充を行い、全国トップレベルの助成制度を整備しております。

 しかしながら、お示しのとおり、男性不妊治療や特定不妊治療を中心に治療費が高額で、所得の低い方を初め、助成が十分に行き届いていない状況であり、希望する誰もが個々の状況に応じて、安心して不妊治療を受けることができるよう支援する必要があります。

 このため、不妊対策は、まずは国が医学的な知見も踏まえ、必要な支援を講ずるべきものであることから、国に男性不妊治療など不妊治療への支援の拡充を要望したところであり、今後も必要に応じて国に働きかけてまいります。

 私は、今後とも、より安心・安全な妊娠・出産に向けて不妊対策の充実に取り組み、子供を産み育てやすい環境の整備に努めてまいります。

 次に、安心して暮らせる医療・介護についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、医療連携体制の整備についてです。

 高齢化の進行に伴う医療需要の増大に対応するためには、限られた医療資源の中で、かかりつけ医と高度・専門医療機関が役割分担と連携を進め、疾病の状態に応じた医療提供体制を構築していくことが重要です。

 このため、私は、チャレンジプランの骨子案の安心の保健・医療・介護充実プロジェクトに医療機能の分化・連携の推進を掲げ、医療連携体制の整備に積極的に取り組むこととしています。

 まず、医療機関の連携については、かかりつけ医と高度・専門医療機関が連携し、疾病の状態に応じ、相互の紹介が進むよう、合同症例検討会等を通じた顔の見える関係づくりを進めるとともに、患者にかかわる複数の医療機関が診療計画を共有する地域連携クリティカルパスについて、新たに協議会を設置し、導入を促進してまいります。

 次に、医療情報の連携については、現在、県下四医療圏において、地域のかかりつけ医と中核病院が、電子カルテやレントゲン画像等の情報を共有する地域医療連携情報システムが整備されていますが、今後、医師会等と連携し、離島・中山間地域も含め、システムへの参加を促進するとともに、未整備圏域での構築の検討を進めてまいります。

 私は、こうした取り組みを通じ、急性期から回復期、慢性期、在宅移行後においても、安心で適切な医療の提供が行われるよう、医療連携体制の整備に取り組んでまいります。

 次に、認知症対策についてです。

 高齢者の増加が見込まれる中、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で安心して暮らし続けられることが重要であると考えています。

 このため、まず、認知症高齢者やその家族を地域で見守り支えていくことができるよう、県民を対象とした講演会や、病院や事業所等の職員向け研修を開催し、正しい理解を深めるとともに、身近な地域での生きがいづくり活動や、食習慣を改善するための健康教育など、予防対策を促進してまいります。

 また、早い段階での適切な対応により、症状の改善や進行防止が見込まれることから、二次医療圏ごとの専門的な医療の拠点となる認知症疾患医療センターの指定や、専門医による巡回相談の実施、かかりつけ医への相談助言を行う認知症サポート医の養成などを進めてまいります。

 さらに、認知症高齢者が安心して安全に暮らすためには、地域包括支援センターを中心とした見守り支援体制の充実が必要であることから、新たに、保健・医療・福祉等の連携を強化する会議を圏域ごとに開催するとともに、地域で見守り支援する認知症サポーターの養成を引き続き促進してまいります。

 私は、今後とも、市町や医療・介護関係機関、警察等と連携し、高齢者が安心して生活できるよう、認知症対策の充実に積極的に取り組んでまいります。

 次に、道路の予防保全型の維持管理についてのお尋ねにお答えします。

 道路は、安全で円滑な交通を確保し、県民生活や地域の産業活動、さらに救急・救命活動などを支える重要な社会資本であることから、これらの機能を効果的に発揮させるためには、これまでに整備された道路を、適切に維持管理することが重要です。

 こうした考え方のもと、県では、路面については、日常の道路パトロール時に目視による点検を行い、沈下等の異常が認められた場合は、速やかな補修や路面下の緊急的点検を行うなど、道路を常に良好な状態に維持するよう努めてきたところです。

 しかしながら、目視での点検が困難な路面下の空洞は、そのまま放置すれば、陥没を引き起こす危険性があり、平時の安心・安全な交通の確保のみならず、災害時の緊急物資の輸送交通の確保等にも支障を来すおそれがあることから、早期発見が重要であり、お示しのような予防保全型の維持管理に向けた対応が求められています。

 このため、県では、国の補正予算を活用し、平成二十五年度から、過去の陥没の発生状況等を踏まえて抽出した区間について、空洞探査機を用いた路面下の調査を実施するなど、予防保全的な取り組みを始めたところです。

 今後とも、交通量、緊急輸送道路の指定状況などを勘案し、空洞が生じやすい沿岸部や地下埋設物の多い都市部の道路等から、計画的・効率的な調査や補修を実施することにより、適切な維持管理を行い、県民の安心・安全の確保に努めてまいります。

 次に、林業の活性化についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、女性も活躍できる職場づくり・担い手確保対策についてです。

 私は、本県の元気を創造していくのは人であるとの認識のもと、女性を初めとするあらゆる人材が活躍できる場づくりの推進が重要であり、林業分野についても、女性が就労しやすい環境づくりが大切であると考えています。

 お示しのように、林業現場の作業環境には厳しいものがありますが、関係団体のホームページで女性の就業事例も紹介するとともに、国の緑の雇用への上乗せとなる県独自の支援措置などにより、新規就業者の確保に努めてきたところです。

 今後も、これらの取り組みに加えて、県の新規就業ガイダンスにおいて、森で働くことの魅力や支援制度について情報発信を行うとともに、高性能林業機械の導入等による労力の負担軽減や作業の効率化、労働安全対策の推進など、意欲ある女性の就業にもつながる環境づくりを積極的に推進してまいります。

 次に、県産木材の需要拡大についてです。

 お示しのように、公共施設の木造化や国の木材利用ポイント、本県独自のやまぐち木の家の取り組みを推進してきた結果、県産木材の需要量は、着実に増加しているところですが、御指摘のとおり、なお一層、制度の周知が必要であると考えています。

 このため、先般発足した生産者団体や工務店、消費者、学識経験者等で構成するやまぐち木の家等推進協議会を通じて、県内各地で幅広く普及宣伝キャンペーンを行うとともに、県内縦断イベントフェアでのやまぐち木の家応援サポーターによるPRを行うなど、県産木材の需要拡大に向けた取り組みをさらに強化してまいります。

 私としては、今後とも、こうした取り組みを通じて、林業事業体の育成強化や森林資源の利用拡大を図り、本県林業の活性化に努めてまいります。

 次に、動物の殺処分ゼロに向けた取り組みについてのお尋ねにお答えします。

 本県では、動物愛護と適正飼養について、市町、関係団体と連携・協働して、命を全うするまで責任を持って飼う終生飼養や適切な繁殖制限など、飼い主のモラル向上に向けた普及啓発に努めてきたところです。

 この結果、犬猫の引き取り・殺処分数は着実に減少し、平成二十五年度においては、十年前に比べ約半数となっていますが、動物の命の尊厳を守ることは、動物愛護の基本であり、動物愛護管理法の趣旨を体し、引き取り・殺処分数を限りなく減少させることが重要です。

 このため、県では、本年三月、県民、動物愛護団体などの御意見を踏まえ、平成三十五年度までの新たな動物愛護管理推進計画を策定しました。

 具体的には、市町と連携し、引き取り窓口での拒否も含めた終生飼養などの説得の強化、動物愛護センターや市町による個人への譲渡に加え、新たに各地域で譲渡活動を行う団体の育成に取り組むこととしています。

 また、ボランティアとして活動いただく動物愛護推進員を七十八人から倍増し、終生飼養や繁殖制限などの普及啓発を一層進めてまいります。

 さらに、猫の引き取り数の約九割を占める飼い主のいない猫対策が急務であることから、今回の補正予算において、地域ぐるみで餌やりや繁殖制限などの適正管理に取り組む地域猫対策に着手することとしています。

 私は、本計画に基づき、県民、獣医師会、動物愛護団体、市町などと連携を図りながら、動物の引き取り・殺処分数の削減に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 中村警察本部長。

    〔警察本部長 中村範明君登壇〕



◎警察本部長(中村範明君) 女性警察官の働きやすい職場環境づくりについてお答えします。

 昨今の治安情勢の変化に柔軟に対応し、また、増加傾向にあるDV・ストーカー事案などの相談や、その被害女性に対して的確な対応を進めていくには、女性の視点をより一層、業務に反映させるなど、女性警察官が活躍できる勤務環境を整備していくことが重要であると認識しています。

 このため、県警察では、女性警察官がその能力を十分に発揮し、安心して働くことができるよう、採用の拡大や育児支援へのさまざまな取り組みを行っています。

 女性警察官の採用の拡大については、現在の女性警察官の割合が約七%のところ、平成三十三年度をめどに約十%まで増加させることを、当座の目標として取り組むこととしているほか、本年一月には、退職した女性警察官の再採用の募集を実施したところです。

 さらに、育児をする女性警察官の支援対策として、山口県地方警察職員定数条例を本年改正し、従来の育児休業中の女性警察官への定数外措置に加え、職場復帰後一年を超えない期間についても、引き続き、その職員を定数外とし、これによって、現場の執行力を確保するとともに、必要以上に職場に気兼ねすることなく、安心して育児に専念できる環境を整えています。

 加えて、育児休業をする職員に対する職場復帰支援要綱を本年定め、女性相談員と幹部職員らが、出産前から職場復帰までの各節目において、面接や電話によりさまざまな相談に応じたり、必要な教養を行うなど、女性警察官が安心して出産・子育てをし、スムーズに職場復帰できるよう配慮した運用を行っています。

 このほか、育児休業から職場復帰した際には、当直勤務や深夜勤務の免除を認めるなど、育児に当たる女性警察官の負担軽減にも努めています。

 県警察では、引き続き、女性警察官や職場の声を適切に反映させながら、女性警察官がさらに働きやすい職場環境づくりを推進し、警察の組織力を質的に強化してまいります。



○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 全ての子供が夢をかなえる教育についてのお尋ねにお答えいたします。

 お示しの発達障害や不登校の生徒の夢の実現のためには、一人一人の状況に応じた、きめ細かな進学指導や就職支援の充実が重要であると考えております。

 このため、まず、発達障害のある生徒の指導・支援については、公立高校への進学を希望する際の入学者選抜に当たって、障害等のあることをもって不合理な取り扱いをすることがないよう十分に留意しているところであり、受験に際しては中学校と高校において連絡を取り合い、別室受験などの必要な配慮を行っております。

 そうした結果、高校に入学した生徒に対しては、安心して実習等に取り組めるよう、拠点校に特別支援教育支援員を配置するとともに、各学校では組織的な支援体制により、きめ細かい指導・支援を行っております。

 また、就職支援に当たっては、生徒一人一人の特性に応じた生き方を考えることができるよう、職場体験などを行うとともに、就職相談などを行うハローワーク等の関係機関と連携を図っております。

 今後は、進学に際しては、発達障害のある生徒への指導・支援について専門性の高い地域コーディネーターが、生徒やその保護者と、自立につながる教育相談を行うことで、適切な進路選択に向けた支援に努めるとともに、就職に関しては、特別支援学校との連携を進める中で、必要な情報の提供や、職業教育に関する授業研究への中学校教員の参画などにより、就職に結びつく指導の充実に努めてまいります。

 次に、不登校の生徒の指導・支援については、担任等の家庭訪問により、学習支援や進路情報の提供に努めており、スクールソーシャルワーカーなどの専門家による支援体制の充実を図ることなどにより、円滑な学校への適応や社会的な自立を促す取り組みを進めております。

 また、高校の入学者選抜に当たって、欠席日数が多い場合などには、自己申告書の提出やそれに伴う面接の実施など、一定の配慮を行っているところであり、引き続き、学習意欲や目的意識を持った生徒を一人でも多く受け入れるよう努力してまいります。

 県教委といたしましては、市町教委や地域、関係機関と連携・協力しながら、全ての子供たちの夢や希望の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) これをもって代表質問を終わります。

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○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時四十七分散会

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     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。


             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学

                   副  議  長   畑   原   基   成

                   会議録署名議員   平   岡       望

                   会議録署名議員   小   泉   利   治