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広島県 尾道市

平成17年第1回 2月定例会 03月10日−03号




平成17年第1回 2月定例会 − 03月10日−03号







平成17年第1回 2月定例会



              平成17年3月10日(木曜日)

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                 議事日程第3号

           (平成17年3月10日 午前10時開議)

第1 平成17年度各会計予算案及び関連議案等の総体説明に対する総体質問

                                    以 上

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本日の会議に付した事件

日程第1 平成17年度各会計予算案及び関連議案等の総体説明に対する総体質問

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出席議員(26名)

    1番 高 橋 紀 昭             2番 杉 原 璋 憲

    3番 三 浦 幸 広             4番 奥 田 徳 康

    5番 越 智 征 士             6番 山 戸 重 治

    7番 植 田   稔             8番 荒 川 京 子

    9番 寺 本 真 一            10番 魚 谷   悟

   11番 藤 本 友 行            12番 佐 藤 志 行

   13番 井 上 文 伸            14番 山 中 善 和

   15番 村 上 俊 昭            16番 檀 上 正 光

   17番 東 山 松 一            18番 平 田 久 司

   19番 金 口   巖            20番 永 田 明 光

   21番 松 谷 成 人            22番 神 田 誠 規

   23番 木 曽   勇            24番 助 永 一 男

   25番 高 垣   等            26番 宇円田 良 孝

欠席議員(なし)

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説明のため出席した者

   市長      亀 田 良 一     助役      若 住 久 吾

   収入役     村 上 康 則     教育長     平 谷 祐 宏

   企画部長    村 上 年 久     財務部長    藤 井 正 喜

   総務部長    西 岡 伸 夫     市民生活部長  田 頭 敬 康

   福祉保健部長兼福祉事務所長       産業部長    中 司 孝 秀

           杉ノ原 憲 之

   建設部長    小田原 輝 志     都市部長    石 田 雅 和

   参事(消防団・消防水利担当)      参事(都市観光担当)

           岡 本 英 明             柚 木 延 敏

   教育次長    瓜 生 八百実     市民病院事務部長加 納   彰

   水道局長    本 山 勝 美     交通局長    吉 本 宗 雄

   財務課長    岩 井   誠     総務課長    門 田 昭一郎

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事務局出席者

   事務局長    林 原   純     事務局次長   吉 原 敏 夫

   議事調査係長  村 上 慶 弘     議事調査係主任 坂 本 節 子

   議事調査係主任 杉 原 勝 志







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                午前10時0分 開議



○議長(松谷成人) ただいま出席議員26名であります。

 定足数に達しておりますから、これより本日の会議を開きます。

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△議事日程



○議長(松谷成人) 本日の議事日程は、お手元に印刷、配付のとおりであります。

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  会議録署名議員の指名



○議長(松谷成人) 本日の会議録署名議員は、会議規則第79条の規定により、議長において6番山戸議員及び8番荒川議員を指名いたします。

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△日程第1 平成17年度各会計予算案及び関連議案等の総体説明に対する総体質問



○議長(松谷成人) これより日程に入ります。

 日程第1、平成17年度一般会計、各特別会計及び各企業会計予算並びにこれが関連議案等51案を一括議題といたします。

 これより市長の総体説明に対する総体質問を行います。

 順次、通告者の発言を許可いたします。

 22番、神田議員。



◆22番(神田誠規) (登壇)皆さんおはようございます。

 誠友会を代表して総体質問を行います。しばらくの間、御清聴賜りますようにお願い申し上げます。

 通告書に従いまして、順次質問をさせていただきます。

 初めに、平成17年度の予算編成についてお尋ねをいたします。

 歳出の抑制という国の基本方針や地方財政規模の縮減、投資的経費の減額など、平成17年度の地方財政計画がさきの2月8日閣議決定され、地方財政計画の規模が約83兆8,000億円、対前年度比で1.1%の減となり、4年連続の削減となっております。地方の財政の不足は約11兆2,000億円で、このうち通常収支の不足は7兆5,000億円の見込みとなっておりますが、平成15年度から3年連続しての減少ということになっております。

 歳入において地方税が約33兆3,000億円、前年度比3.1%の増となっており、地方債依存度も前年の11.8%から10.8%にわずかながら改善し、明るい兆しも見受けられます。しかしながら、投資的経費は7.7%減の約19兆7,000億円となっており、このうち単独分は8.2%減の12兆3,700億円の計画となっております。一般行政経費と投資的経費の決算の乖離の是正措置を除くと実質的には3%の減となるようでございますが、いずれにいたしましても投資的経費は6年連続してマイナスとなっております。尾道商工会議所が発表した昨年12月の景気の状況は、前年度と比較して14.2%下降し、広島県全体のマイナス10.1%と比較しても悪い水準に推移しておる状況であります。

 国の基本的な姿勢は、聖域なき歳出改革として歳出の抑制という方向にありますが、このような国の基本姿勢や地方財政規模の縮減、投資的経費の減額など、市長はどのように考えておられるのか、まずお聞きをいたします。

 次に、普通会計予算と新市建設計画の財政計画についてお尋ねをいたします。

 さて、このような状況の中で、本市においては、平成17年度は実質的に合併初年度の予算ということになるわけであります。自治体の合併は、合併するまでにも大きな困難が伴いますが、合併直後の数年間が非常に重要な時期になると考えております。

 市長が常々言われるように、いつ合併したかわからないような自然体の合併が理想であり、速やかな両町との一体性が望まれるところであります。市長におかれましては、「新市建設計画の事業を初めとし、合併に係る諸事業を着実に行っていく」と述べておられますことは大変心強く思っており、歓迎するところであります。

 平成17年度の予算は、予算規模も一般会計で425億4,000万円となり、特別会計、企業会計を単純に合計すれば1,021億円を超える規模となっております。一般会計から特別会計への繰り出しなど重複しておるところがあるわけですが、新市建設計画の財政計画は、普通会計ベースで計画されておりますので、平成17年度予算は普通会計では幾らの額になるのかお尋ねします。

 また、計画額と相違があれば、その要因にはどのようなものがあり、そのことをどのようにお考えかお聞かせください。

 次に、地方交付税についてお尋ねをいたします。

 地方交付税は、国全体では対前年0.1%の微増でありますが、平成17年度予算においては総額104億5,000万円で、構成比が前年より4.2%の増、対前年伸び率も47.3%と大きな伸びを見込んでおられますが、この要因とこれには合併の効果が入っているのか、入っているならどのように算定されておるのかお尋ねをいたします。

 次に、基金について一、二点、お尋ねをいたします。

 財政調整基金は因島市・瀬戸田町との合併を控えている中、非常に重要な財源になるものと思われます。17年度の取り崩し額を3億2,700万円、減債基金も4億6,200万円の取り崩しとなっておりますが、それぞれ年度末の残高の見込みは幾らになるのでしょうか。また、地域振興基金を新たに設置されておりますが、取り崩しの使途をお聞きいたします。

 厳しい財政状況であるものと推察しておりますが、効率的・効果的な財政運営を決意されておられます。合併初年度の新尾道市のかじ取りを市長の手腕に大きく期待しておることを表明いたしておきたいと考えておるものであります。

 次に、合併についてお尋ねをいたします。

 昭和の大合併以降、昭和37年「市の合併の特例に関する法律」、さらに昭和40年「市町村の合併の特例に関する法律」、いわゆる合併特例法が施行され、10年ごとに延長されてきました。この間、我が国は高度経済成長を遂げ、都市化の進展、モータリゼーションの発達が見られました。このため都市圏域の拡大という面での周辺市町村との合併が行われたケースが見られたところであります。

 平成に入りまして、市町村を取り巻く社会情勢は大きく変化し、地方分権社会の推進や少子・高齢化への対応、さらには国・地方の厳しい財政状況への対応が求められるようになりました。このため、市町村の行財政基盤の強化、効率化を図るため合併が進められるようになり、あわせて多様化・高度化する住民ニーズへの対応、生活圏の広域化への対応も合併に求められることになってまいりました。平成7年に「合併特例法」が改正され、さらに平成11年には地方交付税の特例措置の拡充や住民発議制度の拡充、合併特例債の創設など、合併をめぐるさまざまな障害を除去するための措置が講じられたところであります。

 また、近年における行政を取り巻く環境の変化に対応する必要性から、自立した自治体を目指すための手段として、全国で市町村合併が進められてきておるのも当然とも言えると思います。

 さて、今年1月31日には、総務省から合併協議会の設置状況について公表されておりますが、その資料によりますと3,000を超えていた市町村が平成17年1月1日時点で2,869市町村になっております。また、1月26日時点で、既に総務省が告示済みの市町村が合併した場合は、2,374の市町村になるとの見込みが提示されているところであります。

 さて、尾道市・御調町及び向島町との合併につきましては、平成14年3月に任意協議会を設置し、合併協議を開始された後、法定協議会での協議を重ねられたところであります。途中、合併期日の問題や新市建設計画の内容等で関係市町の間で意見の相違が生じ、難しい時期もあったようでございますが、亀田市長の粘り強い調整等により、この難局を乗り切り、1市2町の合併を迎えることができたものと推察しております。これも関係者の理解と協力があったことは事実といたしましても、いち早く地方分権に対応できる自治体づくりを目指した亀田市長の先見性と強いリーダーシップによるところが大きいものと認識をいたしております。

 こうした経過を踏まえて、3月28日の合併期日まであとわずかとなっておりますが、これまでの1市2町の合併協議に関する総括と合併後の平成17年度以降に向けた新たな尾道市を運営していく亀田市長の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、因島市・瀬戸田町との合併協議についてお尋ねをしたいと思いますが、昨年8月に亀田市長が尾道広域市町村圏事務組合の長としての立場もあることから、苦渋しておる因島市及び瀬戸田町の合併協議の解決のためアドバイスをされました。その後、因島市長及び瀬戸田町長から合併協議の申し入れがされたものであります。これに基づき、それぞれ合併協議が開始され、一時難航した時期もありましたが、極めて限られた時間内で合併協議を調えられたところであります。これも1市2町の合併協議の経験を十分に生かしつつ、地域事情に配慮した協議を進められたものと思っております。3月5日、藤田広島県知事をお迎えして関係者同席のもと、無事に合併協定調印式が行われ、因島市及び瀬戸田町との協議については、一定の区切りがついたものと認識しております。

 そこで、お尋ねいたしますが、今後、因島市及び瀬戸田町との合併準備に向けた具体的な作業やスケジュールはどのように考えておられるのかお聞かせください。

 続いて、合併後の一体化促進についてお尋ねをいたします。

 広域合併に向けて、この間、幾多の課題や曲折があったとはいえ、今月28日にはいよいよ御調・向島2町の合併はスタートすることになりました。大変喜ばしいことであり、市長におかれては3市町の関係者の理解と支援がある中、そのリーダーとして職責を果たされたたまものと評価するところであります。

 さて、これから11万7,000人で構成する新尾道市を一日も早く一体感の醸成を進め、個性ある豊かなまちづくりへ発展できるかどうかということになろうかと思います。幸い今議会に提案された新年度予算案は、そうしたことが着実に進展している内容となっているものであると信じております。

 そこで、市長に伺いますが、両町との一体化に向けた具体的事業を取り上げています。その手段としましては、まず基盤整備が一番に求められることになると思います。つまり、御調町にあってはほぼ整備が完了した184号線から長江線の整備促進が急務でありましょう。幸いこの路線は県の施行で大きく前進しつつあると認識しておりますが、これが建設計画期間中にどの程度進むでありましょうかお尋ねをいたします。

 また、向東地区との一体化では、既に渋滞が日常化しておる国道317号をバイパスする(仮称)堤線と東西を連結する肥浜新開江奥線と田尻江奥線の整備促進が最も重要ではないかと考えられます。このことは、向島全島市民2万7,000人にとって一日も早く解決が図られ、国道317号と相まって向島地区交流促進の大動脈となるものであろうかと考えます。この317号線は毎日交通渋滞が続いております。先ほど申しましたこの路線のバイパス、そして改良事業ができれば、向島・向東の市民は本当に合併してよかったと賞賛いただける事業であることに間違いありません。新年度予算との関係からして、合併初年度からどのような進捗が見られるのか実施計画についてお聞かせください。

 続いて、道路網の整備についてお尋ねをいたします。

 さきの12月議会において、私ども会派の三浦議員から県道福山尾道線と国道317号線の尾道大橋通行料金の無料化と交通渋滞についてお尋ねをし、それぞれ回答をいただいておりますので、そのことに関連して、尾道市の主要プロジェクトの一つであります中国横断自動車道尾道松江線と瀬戸内しまなみ海道を有効に結節するルートについてお尋ねをいたします。

 初めに、中国横断自動車道尾道松江線の早期建設についてお伺いをします。

 中国横断自動車道尾道松江線は、山陽自動車道・中国縦貫自動車道・山陰自動車道と接続し、西瀬戸自動車道と一体となって中四国地方の広域的交通ネットワークを形成することで、中国山地の2つの山を越え、日本海・瀬戸内海・太平洋の3つの海に広がる中四国地域連携軸構想の推進に極めて有益な高速自動車道であります。

 また本路線は、昭和62年、我が国が21世紀に向けて目指した「多極分散型国土」形成のために必要な路線として位置づけられたものであり、「道路関係四公団改革」において、新たな時代における高速道路整備のあり方について論議がされる中で、平成15年12月に開催された「国土開発幹線自動車道建設会議」において、改めてその整備の必要性が確認されたものであります。

 尾道−三次間50キロ、三次−三刀屋間の61キロの整備には、国が4分の3、県が4分の1を負担する新直轄方式で整備することが決定されております。日本海から中国山地を経て瀬戸内海に至る変化に富んだ本地域は、古くから「道」を媒介とした「人」・「もの」の交流により形成された歴史・文化を有する大小さまざまな土地が分布分散する地域構造を呈しており、全国でも有数の高齢化・過疎化が進展する中で、目前の市町村合併や将来の道州制導入を見据えた「個性と活力ある分権型社会」を実現するための礎として、本路線は、まさに沿線24市町村が共有する夢と希望を未来につなぐ社会インフラの象徴であります。ついては、高速道路ネットワークの早期構築といった国家プロジェクトの一翼を担う中国横断自動車道尾道松江線が本地域のみならず、我が国が新たな時代に目指すべき「自立広域圏連帯型国土」の形成に必要不可欠な路線として、一刻も早く全線開通されるよう願っております。

 この事業の促進については、私ども議会は中国横断自動車道促進協議会を設置し、この事業の促進に取り組んでまいりました。平成15年12月25日の国幹審開催までには大型事業は凍結あるいは見直しという論議がされておりましたが、国幹審開催がされる前、12月18日には亀田市長、19日には藤田県知事の方々が関係省庁へ陳情されておられます。私どもも12月18日、地元選出の国会議員の方に事業促進について陳情してまいりました。これらのことが大きく実を結び、12月25日の国土開発幹線自動車道建設会議において中国横断自動車道は国土交通省の直轄事業となり、通行料金は無料になっております。さらに、続いて3月末に私どもは三次までの現地調査を行い、日本道路公団へこの事業の促進について要望してまいりました。日本道路公団より進捗状況についての説明もいただきました。先般3月3日には、国土交通省福山工事事務所と広島県土木部長へも事業促進について要望してまいりました。

 この路線の平成16年度の事業費は228億円で、そのうち広島県側206億円、島根県側22億円となっております。この予算をすべて執行した場合の進捗率は全体で10.6%、広島県では12.5%になるようであります。そのうち、特に私ども地元尾道−甲山間の16年度の執行予定額17億7,100万円で全額執行した場合の進捗率は58.2%になると伺っております。

 なお、尾道−甲山間の用地は99%買収されておるとも伺っており、他の地域のどこよりも早く事業が進んでおるようであります。広島県と尾道市が連携して事業促進に努められた成果だとありがたく思っております。その努力に敬意を表します。

 そのような中でお尋ねしますが、先ほど申しましたとおり、尾道−甲山間の16年度事業費は17億7,100万円と伺っておりますが、その執行状況についてお聞かせください。

 これまでの整備スピードが落ちることのないよう、今後も所要の予算を確保するなど、本路線の早期整備に必要な措置を賜りたいと思いますが、これからの要望活動についていかがお考えでしょうかお伺いをいたします。

 次に、結節ルートの建設計画についてお尋ねをいたします。

 10年ほど前に私どもは政策協議会をつくって、県の道路建設課へ直接ルートの計画、事業の促進について要望してまいりました。その1週間後には、県庁において説明会も持っていただきました。当日示されたのが現在要望しておる図面であります。その後、新尾道大橋道路の起工式には亀田市長、向井町長の御両人が出席され、当時出席された亀井建設大臣にルートの調査・建設について要望書が提出されております。そのことを受けて、平成12年度には国土交通省福山工事事務所ではこのルートの調査をされたと伺っております。その後、小泉総理による従来型の高速道路建設の廃止やコスト削減計画などが提案されておりますが、調査の結果が知らされておりません。尾道市といたしましては、市の主要プロジェクトの中の最も主要な事業として毎年県、国へ要望されておられますが、この事業の建設の見通しについてどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。

 次に、公共下水道事業についてお尋ねをいたします。

 本市の公共下水道事業は昭和50年代の初め計画され、昭和57年度に事業認可がされております。全体計画の面積は1,194.1ヘクタール、計画処理人口は7万9,500人、これは向東町を除く市内市街化区域の全域であります。平成15年度末までの整備面積は175ヘクタールであります。着工以来23年になりますが、計画面積の14.7%であります。これから計画面積の半分を整備するにしても前どおりの進捗率では50年以上かかります。

 平成15年度末の公共下水道の普及率を調べてみましたが、それによると全国平均は66.7%、政令都市の平均は98.1%であります。広島県平均では62.3%であります。広島県下の旧11市の中では大竹市がトップで92.7%、2位は広島市92.4%、3位は呉市90.1%、4位は福山市65.6%、続いて5位が東広島市、6位庄原市、7位府中市、8位三原市、9位三次市、10位廿日市市、11位が私ども尾道市で10.6%と県下最低であります。しかも、県平均の6分の1であります。

 公共下水道は、そのまちの文化度を示すと言われております。尾道市は、文化のまち、観光のまち、商業のまちと言われております。公共下水道は市民生活の向上と清潔で美しい環境づくりのため、ぜひとも必要であります。関係住民は一日も早く公共下水道が整備されることを望んでおります。いつごろまでに整備されようとしておるのか、整備計画についてお伺いをいたします。

 質問の最後は、教育問題についてお伺いをいたします。

 教育委員会では、先般、来年度からの教育計画である「尾道教育さくらプラン」を公表されました。「夢と志を抱く子どもの育成」と「学び・高め・生かす生涯学習の推進」の2つを大きなテーマに掲げ、尾道の花であり、日本人の心でもあるサクラに託して、新しい尾道教育を全国に発信していこうとする熱い思いが込められたプランであると感じております。平谷教育長のリーダーシップのもと、このプランに基づく諸施策が着実に展開されることを大いに期待をしております。

 そこで、「尾道教育さくらプラン」にかかわって基本的な事柄を数点お伺いします。

 質問の第1は、学力問題についてであります。

 昨年末、2つの国際学力調査の結果が公表され、我が国の子どもたちの学力が低下していることが明らかになりました。文部科学省も「我が国の学力は国際的に見て上位にはあるが、読解力など最上位にあるとは言えない状況」というコメントを出しております。そして、指導内容を3割削減した現在の「ゆとり教育」の見直しなど、教育の立て直しを進めております。

 一方、本市では、さきの12月議会において教育長は、「全般的に学力の向上が見られる」とした上で、例えば「中学校の国語と数学は県平均に達していない結果もあり、今後も教職員の指導力の向上に努める」旨の答弁をされました。確かに、尾道市の学校では、先生も子どもたちも真剣に授業に取り組む姿勢が多く見られるようになりましたが、まだまだ課題があると思っております。

 また、この国際調査では、得点以外にも調査をしております。例えば「数学・理科への自信」は、参加国中最下位、一方で「テレビを見る時間」は最も長く、逆に「自宅で宿題に取り組む時間」は最も短いなど、我が国の子どもたちの実情を明らかにしております。この状況では、尾道の子どもたちも同様の傾向にあると思います。

 私は、ある意味で得点よりも学習に対する自信や意欲が乏しいことの方が深刻な課題であると考えております。これらの学力問題について、「さくらプラン」ではどのような認識のもと、どのような具体的な施策を行おうとしているのかお尋ねをいたします。

 質問の第2は、中学校教育についてであります。

 先日、教育委員会事務局から、本市の中学生の卒業の進路などに関する資料を提供いただきました。これによりますと、昨年3月に尾道市立中学校を卒業した生徒のうち617人が尾道東高校、尾道北高校、尾道工業高校、尾道商業高校、尾道南高校、そして私学の尾道高校に進学しております。これは進学者の73.1%に当たります。つまり、尾道の中学校を卒業した生徒の7割強が、いわゆる地元の高校へ進学していることになります。この地元進学率は、4年前は8割を超えていましたが徐々に低下し、近年では最低の状況です。さらに、学校別で見てみますと、例えば尾道東高校の新入生のうち、尾道市からの進学者が占める割合は、昨年度は60.4%、今年度は62.1%になっています。尾道北高校の場合も48.8%から42.9%と低くなっております。高校の先生によりますと、この数字は立地条件などを考慮しても低過ぎ、地域の活性化を進める上でも大きな課題があるとのことでございました。

 また、別の資料に尾道小学校から尾道中学校へ入学した状況があります。これによりますと、本市の小学校を卒業生のうち、平成14年度91.5%、15年度90.4%、16年度90.1%と、5割程度が市内の中学校へ入学しておりますが、年々低くなっております。ある小学校では約8割しか市内の中学校へ入学しないとのことであります。

 これらの事実から何が見えてくるのでしょうか。尾道では、小学校から中学校へ入学する際、約1割が、中学校から高校へ進学する際、3割近くが尾道以外へ進んでおり、しかもその傾向は年々強くなっております。保護者の思い込みや誤解もあると思いますが、小学校を卒業する際、「尾道の中学校に行っても高校進学に期待できない」という見方をされているのではないでしょうか。この数値の背景には、中学校教育に対する保護者の不信感があると関係者は真摯に受けとめる必要があります。

 あす11日は中学校の卒業式です。そして、来週の月曜日には公立高校の合格発表があります。すべての子どもたちが「夢と志」を抱いて新しい旅立ちをすることを切に願っております。

 本市の中学校教育について教育委員会ではどのように認識し、その改善のため「さくらプラン」ではどのような取り組みを進めようとしているのかお尋ねをいたします。

 質問の第3は、尾道教育の基本的なあり方についてお伺いします。

 「さくらプラン」では、「学ぶ基盤の確立と社会の変化に対応した教育の推進を展開する」とされております。このこと自体はよしとしますが、これはいわば現状からの治療や回復を目指したものにすぎません。国際化、グローバル化、ボーダーレス化が急速に進んでおる今日、国の担い手である国民に国のあり方を考えさせることが非常に重要であると思います。厳しさが増す世界の中で、日本人が、日本がどう生きるのかという観点を持った教育が求められております。しかし、実際には国に対して無関心や嫌悪感を育て、誇りや愛着を持たせないように教育する方もおられるようであります。これでは子どもたちに国を思う心、国を愛する心が育つはずがありません。世のため人のために生きようとする気持ちを失うだけであります。

 現在の日本は、明治維新や敗戦のときと同様、国家存亡の危機に直面しておると言われております。維新や敗戦の際、日本人、特に若者はそれぞれに使命感や責任感を抱いて国家の再建に挺身しましたが、その彼らを支えたのは自分の国に対する熱い思い、志でした。

 一方、今日の子どもたちには学力低下、社会ルールの無視、自分の国を語れないなど、悲観的な指摘が多くされております。しかし、このことは子どもたちにいかに生きるかという志が育っていないことに大きな原因があると思います。その教育混迷の原因をすべて教育に負わせるのは酷ですが、教育が社会の基盤である限り、自立心やたくましい心を持った若者を育成することが教育に課せられた最も大きな課題であると思います。教育長の御見解をお伺いいたします。

 教育問題の最後の質問は、「尾道教育さくらプラン」の周知などについてであります。

 「さくらプラン」は、来年度から3カ年を実施期間とされております。今月28日には御調町と向島町を合併しますし、来年の1月には因島市と瀬戸田町との合併も予定されております。教育エリアも「さくらプラン」を実施中に大きく拡大していくことになります。

 そこで、「さくらプラン」ではこの合併を視野に入れ、合併後も円滑に事業展開ができる内容であるのか、まずお尋ねをします。

 また、新しい尾道へ仲間入りをする関係者にも「さくらプラン」の周知を今から十分に行うことが大切だと思いますが、この点での取り組み状況をあわせてお尋ねをいたします。

 以上で誠友会を代表しての総体質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)



○議長(松谷成人) 理事者より答弁を求めます。

 亀田市長。



◎市長(亀田良一) (登壇)おはようございます。

 誠友会議員団を代表されました神田議員からの御質問に順次お答え申し上げます。

 まず最初に、地方財政規模の縮減、投資的経費の減額という国の基本姿勢についてのお尋ねでございますが、低成長時代のもとで国、地方とも多額の借り入れ残がある現状と、さらに進行する少子・高齢化などにより、やむを得ないものと思っております。しかしながら、地方における社会基盤の整備はまだまだ不十分であり、また社会福祉に係る経費の増加も避けがたい状況にございますので、地方に対する的確な施策を強く望むものでございます。

 次に、2005年度予算の普通会計の規模でございますが、438億6,202万3,000円となっております。新市建設計画の財政計画では、463億1,600万円が計画額となっておりますので、約24億5,000万円の乖離が生じております。これは向島町内に建設を予定しております(仮称)市民センターむかいしまの建設事業を、計画では2005年度と2006年度の2カ年事業といたしておりましたが、2005年度予算では実施設計のみを行い、用地の取得を土地開発公社によることとしたことなどが主な原因でございます。計画と乖離しておりますが、着実な計画の実施を行うことに変わりはなく、計画額を上回ることなく予算を組むことができ、安堵いたしているところでございます。

 次に、地方交付税が大きく伸びた要因でございますが、新尾道市を一つの団体として算定するのではなく、1市2町を別々の団体として算定する合併算定がえを行っております。また、普通交付税の合併補正や特別交付税における3年間の合併にかかわる措置などが要因でございます。

 次に、基金についてのお尋ねでございますが、2005年度末の残高見込みには財政調整基金が9億2,590万円、減債基金が8億4,939万円の見込みとなっております。また、地域振興基金につきましては、御調地域の振興を図るべく各種の地域づくり活動に必要な費用に充てるため設置をする予定といたしております。

 具体的な使途につきましては、秋祭りや町民運動会、生きがい対策、健康づくりなど地域づくりの活動支援事業補助金を予定しているものでございます。

 次に、御調町・向島町との合併協議の総括と合併後の市政運営に対する基本的な姿勢についてのお尋ねでございますが、両町とは2002年3月に任意協議会を設置して以来、約2年間慎重に協議を行い、多少困難な局面もございましたが、私の目標としておりました「ぎくしゃくしない、いつ合併したかわからないようなスムーズな合併」がおおむね達成できたのではなかろうかと思っております。合併後は、合併の主要な目的の一つであります効率的な行財政運営を基本に置き、新市建設計画に定められた事業を着実に実施することにより、新市の速やかな一体性の確保と均衡ある発展に努めまして、住民の皆様に合併してよかったと評価される市政運営に努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、因島市及び瀬戸田町との合併に向けたスケジュールについてのお尋ねでございますが、極めて限られた期間内ではございましたが、両市町との合併協議は議会や関係各位の御理解と御協力により無事終了し、先日、予定どおり調印式をとり行うことができました。現在、行政運営の根幹とも言える例規の統一や電算システムの統合、その他組織・機構等、行政事務全般にわたり、来年1月10日の合併に向け、遺漏なきよう事務レベルでの協議を鋭意行っているところでございます。

 今議会において合併関連議案の議決をいただきますと、今月末には県知事への合併申請を行い、遅くとも2005年12月定例会までには合併に伴い必要な条例等の議案を御審議いただく予定にしております。

 次に、合併後の一体化に伴う基盤整備についてでございますが、県道栗原長江線につきましては本年度から用地買収に入っております。県及び本市の積極的な取り組みと地元関係者の御理解、御協力を得て予定を上回る進捗を見ております。この国道2号バイパス交差部分を含む長江中学校までの区間、約880メートルについては、2010年度までに完了予定と伺っており、引き続きまして区間についても順次整備されるものと思っております。

 次に、向島地区の一体化の促進でございますが、現在広島県においては国道317号、東西橋交差点から西に約500メートル、交通安全施設整備事業が進められており、歩行者の安全確保はかなり改善をされました。しかし、車両につきましては相変わらず朝夕の渋滞緩和にはつながっておりません。この対策といたしまして、(仮称)市道堤線の整備が早急に必要と考えております。この路線は、本四公団用地を使用するため、新年度において測量及び概略設計を行い、本四公団と協議を始めてまいります。向島地区の交流促進の大動脈となる(仮称)市道肥浜新開江奥線と田尻江奥線の整備につきましては、両路線の交差点調整を行い、新年度より測量及び一部用地買収を実施する予定でございます。

 次に、中国横断自動車道尾道松江線のうち、尾道−甲山間の本年度事業の執行状況についてでございますが、当初の予定どおり順調に進捗しております。本年度予定されております工事は、年度内にすべて発注できる見込みと聞いております。

 次に、今後の要望活動についてでございますが、国土交通省を初め関係機関に対しまして、早期に全線開通が図られるよう、引き続き官民一体となって働きかけてまいりますので、議会におかれましても変わらぬ御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、中国横断自動車道尾道松江線としまなみ海道を結節するルートの建設の見通しについてでございますが、本ルートの重要性から事あるごとに要望をいたしているところでございます。国土交通省におかれましては、引き続きまして路線や整備手法などの調査検討を進められていると聞いております。なかなか目に見えて事業が進展しないことに若干のもどかしさも感じておりますが、まずは中国横断自動車道尾道松江線の早期全線開通へ向けた営みが肝要かと考えております。

 次に、公共下水道事業の整備計画についてでございますが、御所論のとおり、公共下水道は生活環境の改善、公共用水域の水質保全のため不可欠な都市基盤施設でございます。本市の公共下水道の整備状況は、厳しい財政状況や家屋密集地等の悪条件のもとでの施工による面整備費の増大などにより、整備計画におくれが生じております。今後の整備計画につきましては、浄化センターや幹線などの膨大な初期投資を生かすためにも限られた予算の中、効率的な投資に努め、普及率の向上を図ってまいりたいと考えております。

 以上で市長答弁といたします。



○議長(松谷成人) 平谷教育長。



◎教育長(平谷祐宏) (登壇)おはようございます。

 教育委員会にかかわる御質問には私からお答えさせていただきます。

 まず最初に、学力問題についてでございますが、御所論のように学力は単なる得点結果ではなく、「自信」や「意欲」が伴った学ぶ力、すなわち確かな学力を身につけることが肝要であります。このため、「尾道教育さくらプラン」におきましては、目的を持った学習習慣を確立させ、「学ぶ意欲」を高めることに取り組むなど、「学ぶ基盤」を確立し、確かな学力の向上を図ってまいります。

 具体的には、児童・生徒の習熟の程度や興味・関心など、個に応じたきめ細かな指導を充実することにより、「学ぶ喜びや成就感を体得させる授業の創造」に努めてまいります。

 また、広島県科学賞への挑戦や俳句・論文コンクールへの参加など、目標に向かって努力する機会を充実し、児童・生徒に「自信」と「意欲」をつけることを図ってまいります。

 なお、学ぶ意欲の向上のためには、学習の質の向上が重要であります。このため、学校の教育活動の組織化・体系化を推進し、教師の資質、指導力の向上に意を配してまいります。

 次に、中学校教育についてでございますが、保護者の期待にこたえる中学校教育の充実が急務であると考えております。このため、これまでの学力定着実態調査を継続するとともに、その詳細な分析を踏まえた着実な学力向上のための計画を策定し、学校全体で取り組んでまいります。

 また、生徒一人一人の実態に応じて基礎的な事項を重点的に指導したり、発展的な学習に挑戦させるなど、きめ細かな指導を充実し、一人一人の確かな学力の向上を図ってまいります。

 さらに、これらの学力向上のための指導計画や具体的な数値目標などは、各中学校がホームページなどで公表し、保護者・市民の皆様に信頼される中学校教育の充実を図ってまいります。

 次に、尾道教育の基本的なあり方についてでございますが、今日の子どもたちには、御指摘のように悲観的な状況があることは否定できません。先ほど御答弁いたしました「学習意欲」の問題のほか「社会性」や「規範意識」の低下や「働く意味」がわからないなど、物質的な豊かさの中での心の貧困とも言うべき状況があります。

 学校には、将来の社会人や職業人としての基盤を形成する役割も期待されており、子どもたちに未来を開く能力や行動力などの人間力を形成することが重要であると認識しております。

 このため、「尾道教育さくらプラン」では、「夢と志を抱く子どもの育成」を目指す中核的な取り組みとして、尾道版のキャリア教育を展開することとしております。

 キャリア教育は、将来社会人・職業人として自立していくために必要な意欲・態度や能力を身につけることを目指した教育活動であり、学校、家庭、地域社会との協働により充実してまいります。来年度は、中学生の職場体験を充実するほか、各校でのキャリア教育実施の模範となる「キャリア教育パイロット校」を指定するなど、子どもたちのキャリア発達の支援を進めてまいります。このほか、公共心・公徳心の涵養を図る「おのみち『心の元気』ウィーク」の実施や社会貢献活動の充実、さらにはすべての中学生が一堂に集う「中学生スポーツフェスティバル」や中学生の代表がみずからの志に向かい精進することを宣言する「おのみち立志式」を開催することとしております。このような諸施策を実施することにより、将来を見据え、夢と志を抱き、これからの人生をたくましく生き抜こうとする子どもの育成を目指してまいります。

 次に、「尾道教育さくらプラン」の周知などについてのお尋ねでございますが、このプランは平成17年度から3カ年で推進する新たな教育計画であり、御調町・向島町との合併を視野に入れて策定したものであります。既に御調町・向島町の教育委員会や学校に対しては、本市内の場合と同様にプランの考え方や具体的な事業について説明しております。現在、両町を含め各学校では、来年度の教育計画策定に向けて動き始めており、新年度からは円滑に事業展開ができるものと考えております。

 なお、因島市・瀬戸田町についても、プランの送付や教育施策などの情報提供を行っておりますが、新年度に入り本格的な調整をしてまいりたいと考えております。

 「尾道教育さくらプラン」は3年間の大枠であり、2市3町の実態や取り組みの状況を考慮しながら柔軟に対応し、新しい尾道を担う子どもたちの育成に万全を期してまいる所存です。

 以上、答弁とさせていただきます。



○議長(松谷成人) 15番、村上議員。



◆15番(村上俊昭) (登壇)皆さんおはようございます。

 政経クラブを代表いたしまして、市長の総体説明に対しまして総体質問を行います。しばらくの間、御清聴のほどよろしくお願いをいたします。

 それでは、通告書のとおり随時質問をいたします。

 まず、新尾道市についてお伺いをいたします。

 御承知のとおり、2000年4月の地方分権一括法の施行により、国と地方は対等の関係になりました。ところが、地方自治体は市町村合併、三位一体改革など国が強力に推し進める施策にいや応なく翻弄されております。大多数の自治体が依存する地方交付税は減額の一途をたどることは疑いようもありません。地方自治体は、「住民の福祉の増進を図ること」に対して、地方自治法第1条の2項を役割といたしております。財源の減少に比して住民福祉も縮小するものか、それとも自助努力や住民との協働などで自律・自立への道を切り開くか。地方自治体における自律とは、基本的には自治体の組織が地域社会の実態に即したものとして組み立てられ、また地域社会における社会的需要に対応した政策や事業が地域社会の各セクター間の協働によって展開され、さらにその諸活動を支える財政が健全に運営され、住民本位の地域経営が展開されるところ、すなわち組織、政策、財政が挙げられます。

 地方分権と広域行政化は必ずしも連動してはおりませんが、尾道広域圏内合併を含む行政制度改革は、基本的には社会的諸条件の時代的変化に伴って、当該行政システムが生活領域や生活条件の変化に適応できなくなった時期にそのシステムの最適化を目的に拙速を避け、相互理解を深め、信頼関係を築き、自然に実施された亀田市長に対して深く敬意をあらわすものであります。

 合併後の自治体像として、従来の基本的要件でありました「フルセット型行政」から再編に基づく自治体事務事業の地域社会の各主体への展開・開放による公共サービスの協働化と、そして自治体内分権など、各地域への実情に即して自治体が主体的に組み合わせる自律的な自治組織が求められております。行政の広域化、合併において期待される効率と専門性の確保と同時に、住民とのパートナーシップを確立して、住民生活に即したきめ細かい公共サービスを提供し、住民の社会活動への参加を確立することが欠かせません。

 また、地域独自の社会性と歴史性を踏まえた独自性を帯びた地域再生に向けた強い自律的な自治組織が必要であると思いますが、新尾道市の組織改革においての御意見をお伺いいたします。

 そして、昨年11月26日には、国と地方の税財源を見直す「三位一体改革」の全体像が合意されました。改革の本来の理念は、「国庫補助金」「負担金の削減」「地方への税源移譲」「地方交付税」の見直しを一体的に行い、地方分権を進めるものであります。政府は、「2006年度におおむね3兆円規模の税源移譲を目指す」とし、目標はほぼ達成できたとしております。

 地方交付税についての全体像は、税源移譲に伴って確実に生じる地方自治体間の財政力格差を埋める方策を具体的にイメージし、地方財政の少ない財政力の弱い自治体に対して、より手厚く交付税を配分する期限的な仕組みを導入したことが最大のポイントであると言われております。現在の地方交付税制度は、税収だけでは賄えない地方自治体の財政事情を満たす一方、各自治体は税収の一部を独自の施策に使える仕組みであります。税収の豊かな自治体ほど独自な施策を行う幅が広がる制度であり、改革は税源移譲の増収分に限っては、独自の施策に使える分を「当面」の間ゼロにし、過疎で税収不足に悩む自治体などが交付税の配分で有利になるように工夫しました。

 財務省は、当初交付税を算定する基礎となる地方財政計画に7兆円から8兆円の過大計上があると指摘し、2006年度までの2年間で是正を求めましたが、地方は歳出削減は交付税の大幅な圧縮につながり、税収不足の自治体が危機的な状況に陥ると反対し、調整は最終的に交付税の総額抑制のかわりに財政力の弱い自治体への対応を前面に押し出すことで、地方の理解を得るという決着に落ちつきました。

 全体像では、2005年度、2006年度に地方交付税、地方税など、一般財源の総額を確保すると明記し、その一方で2005年度以降も地方財政計画の過大計上を是正するよう要請しております。2007年度以降に交付税総額の抑制が進んでも、財政力の弱い自治体にしわ寄せが行かないよう配慮したとしております。しかし、地方が強く拒否してる生活保護費の負担削減も本年秋までに設置する国と地方との協議会にゆだねて決着を先送りし、地方が削減を求めていた公共事業関係の補助金については、大半は交付税に衣がえをし、原則として税源移譲の対象にしてはおりません。また、地方の裁量を発揮することにも限界がある国民健康保険の負担金7,000億円は削減しております。このままでは地方にどこまで権限を移譲するのか、補助金だけが削減されるのではないかなどの懸念は募ります。

 補助金削減と表裏の関係にある地方への税源移譲に向け、財務省・総務省両省は1カ年をかけ所得税(国)から個人住民税(地方)に税源を移す制度を設計するとしております。税源移譲が膨らむのは人口が多い都市部であり、財源確保を求める地方側の主張はどうなるのか大変気がかりであります。国と地方それぞれの財政再建を進める必要があるということは言うまでもありません。

 財政のむだをなくし、決断と選択を求めることが財政の再建につながります。重要案件は先送りされ、地方への権限移譲に関する事項が合併が進む中、地方の将来を左右する改革──三位一体改革についての市長の御意見をお伺いいたします。

 また、三位一体改革で最大の焦点となりました義務教育費についてであります。

 義務教育費国庫負担金は2005年、2006年度両年でそれぞれ4,250億円、計8,500億円を削減することになり、「地方案を真摯に受けとめる」との小泉首相の発言により、実施されることになりました。2006年度までに地方が主張していた8,500億円が削減され、地方に税源が移譲されることになりました。しかし、2005年度は暫定措置とされ、恒久措置については、「今年秋の中央教育審議会の結論を待つ」とされており、今回の削減方針は地方が最終的に目指す国庫負担制度の廃止に不安を残す結果となっております。現場を抱えているのは地方であります。国は求めに応じて地方を支援する形に転換すべきであります。

 地域の人材は地域で育てる。すなわち、義務教育は地方が力をつけてこそ地域の底上げになります。地方が改革に求めたのは、国の介入を受けずに自由に使える財源であります。国の画一的な基準による補助金行政は、地方の創意工夫の芽を摘み、必要性の薄い事業を強いられ、むだを生み出す温床ともされております。市長の義務教育に対する三位一体改革にどのように評価をしておいででございますか、お伺いをいたします。

 引き続きまして、新尾道市の経済財政状況についてお尋ねをいたします。

 先月16日に内閣府は2004年10月から12月期の国内総生産(GDP)を発表いたしました。速報は、物価変動分を除いた実質で前期(7月〜9月期)と比較し0.1%、年率換算で0.5%それぞれ減少し、3・四半期連続マイナス成長であります。

 景気が減速した最大の要因は内需の柱である個人消費の落ち込みで、暖冬や石油高騰など一時的要因との見方もありますが、消費の限界との指摘もあります。リストラの一巡で雇用不安は薄らいでおりますが、企業の賃金抑制姿勢は変わらず、定期昇給が2001年から4カ年連続で前年を下回っております。年金保険料の引き上げや定率減税の縮小など国民負担の増加による消費心理の変化も懸念材料であります。全国の百貨店、スーパーの既存店売上高は、昨年12月で10カ年連続で前年を割り込んでおります。収入はふえず、高失業率や年金など将来不安が消えない中で、全体の消費は増加しないと指摘されております。

 また、先々月の1月15日には、尾道商工会議所において業種別経済動向調査(DI方式)の報告書が発表されました。製造業では、造船・同関連、機械・金属製品、合成樹脂、ゴム製品、食品の4業種すべてで悪化を示し、内容は原材料仕入れ価格の値上げが続く一方で、販売額が消費不振で下降ぎみであります。非製造業においての建設・生産財、資本財卸、運輸・サービスの3業種で好転を示しておりますが、消費財卸売、小売で悪化をしております。

 改善要因の建設関連においては、台風被害の補修・改修工事の増加でありましたが、資材仕入れにおいては、特に石油化学製品の値上がりが顕著であり、収益性は低いとし、小規模工事の増加に伴い、やや人手不足の感があるとしております。また、小売業においては不況感、暖冬等でバーゲンが早期化する等、極めて経営環境は厳しいと指摘されております。

 少子・高齢化が急速に進む将来、地域経済の成長をどのような見方をしておいででございますか。政府は、構造改革の進展で2006年度にはデフレを克服するシナリオを書いております。市長の率直な御意見をお伺いいたします。

 次に、財政状況についてお伺いいたします。

 政府におかれましては、先ほどの三位一体改革に伴って、2005年、2006年の両年度で総額2兆8,380億円の補助金削減し、このうち地方への財源移譲額は1兆7,600億円で、2004年度分を合わせて2兆4,160億円であります。いずれも3兆円の目標には届かず、補助金削減では約4,700億円が事業の縮小、廃止に充てられ、約6,000億円は交付金となり、計1兆円余りが税源移譲されませんでした。中国地方の各知事は不満をあらわし、本県藤田県知事は税源移譲額が3兆円規模に達してないとし、評価に値しないと厳しい見方をしておいででございます。

 こうした国の財政事情の中で、広島県は一般会計を1兆12億円と本年度当初予算に比べ2.1%減で、4年連続のマイナスとなっております。緊縮財政の中で、財政健全化に向けて既定の具体化方策に沿い、職員給与や公共事業の削減に取り組み、さらに事業を見直し、歳出と歳入の差額である財政不足額を計300億円に圧縮しております。しかし、本年度の地方交付税の大幅削減により財源不足は420億円に達し、償還期を迎える県債の借りかえによる借金返済の先送りや財政調整基金の取り崩しで穴埋めをしております。県債残高は一般会計予算の1.8倍の1兆7,953億円に達する見込みで、一層の「選択と集中」とともに、歳入の一般財源規模をベースにした「身の丈」編成に心がける決意で進めていくようであります。

 尾道市もこのたびの平成17年度当初予算において一般会計は425億4,000万円で、合併に伴い対前年当初比22.2%増の過去最大規模になり、歳入は合併や一部企業業績のアップなどで市税が21.5%ふえ、137億600万円であります。また、財源不足のための財政調整基金など取り崩しは4,300万円増加し、8億4,700万円とし、歳出は職員数の増加に伴い、人件費が34.6%増の77億2,300万円で、投資的経費は新市建設計画への配分で11.3%増の66億9,000万円であります。

 御調・向島両町との合併による過去最大規模の予算とはいえ、市長が就任以来、行財政運営の効率化により、財政の健全化に努めた結果と評価いたしております。しかし、今後合併に伴ってまちづくりに目配りをした新市建設計画事業が実施される中、尾道市の運営についてどのようにお考えかお伺いいたします。

 将来の公債費比率や経常収支比率など、財政指数の推移をどのように見込まれておられますか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、人事行政の運営等の状況の公表に関する条例についてお尋ねをいたします。

 今日的に少子・高齢化、地方分権、国、地方自治体、また双方にまたがる未曾有の財政危機など、自治体を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。地方分権の進展に伴い、自治体職員の能力開発が喫緊の課題であります。地方分権は政策決定に対する地方の関与を拡大する政治的手法でありますが、地方に政策決定の権限を移せば、地方は負担と受益の関係を真剣に考え、責任を持って政策決定に当たらなければなりません。その際に、特に重要なのは自治体職員の政策形成能力とマネジメント能力であります。地域課題は公共サービスの民間化だけでは解消されるものではありません。求められているのは公共の利益の担い手として的確に地域の課題をとらえ、効率的に対応できる自治体組織の創造であります。

 2004年6月9日、法律第85号として「地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任用付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、8月1日より及び2005年4月1日から施行される状況にあります。この改正の趣旨は、「任期付採用の拡大等任用・勤務形態の多様化」「計画的な人材の育成」「人事行政運営における公正性・透明性の確保」、そして「人事委員会、公平委員会の機能の充実等」と説明されております。

 具体的には、一定期間で終了する業務などに関して、専門的知識、経験を有する外部付採用職員の対象範囲を拡大したこと、またパートタイム就業を認め、同時に任期なし、フルタイムの職員も大学等において自発的に専門的な業務知識を身につけやすくするため、就学部分休業の制度を設けることとしたことなどがあります。このような職員を取り巻く環境の変化に伴って、尾道市の条例の制定であろうと思っております。

 職員はみずからの何をすべきか、そして首長を中心とした自治体リーダーは、自治体組織のあり方をどのように運営されようとしておりますか、市長の条例制定に対する思い及び意義は何なのでありましょうか、お伺いをいたします。

 自治体の使命は住民福祉の向上であり、総合計画の実施を通して社会に貢献することであります。そのためには、自治体は政策、施策、事務事業の計画を設定し、組織を編成して、職員の分業と協業の仕組みづくりであります。自治体の業務は職員一人一人に割り振られ、業務の立案、実施、そして年度末には年度の計画の達成状況が評価され、また不十分な点については、その教訓や課題を整理し、次年度の計画に反映させることであります。

 自治体の業務は、このほとんどが職員によって行われますが、その内容と結果は、当然すべての職員が同じではありません。「成果を上げた職員」「力を発揮した職員」「頑張った職員」などいろいろな職員がいることであります。人事評価とは、それらの度合いを評価し、さまざまな面に生かすことであります。

 人事評価制度はそれだけが単独で存在しているわけではなく、住民福祉の向上のため各種計画がつくられ、そして具体的に遂行する組織運営の仕組みと職員の業務遂行であり、その結果として人事評価がなされるものであります。人事評価は、自治体の各種計画に加え、組織運営や職員の業務遂行の仕組みがあってこそ成立する制度であります。

 この組織運営や職員の業務遂行の仕組みとして、目標管理が存在いたします。職員が年度当初に目標を立てて仕事をするのではなく、人事評価のために自治体の各種計画が必要なのではありません。

 「勤務評定」とは、地方公務員法第40条によりますと、「人事管理の基礎資料とするため、職員の勤務成績を評定し、記録することであり、その結果に応じた措置をとる」とされております。つまり、「勤務評定」は勤務の事実確認であり、「評価」とその結果を処理する「査定」が中心となりがちであります。

 一方、「人事評価」は、本来勤務評定よりも広い概念であります。目標を設定する、評価を行う、その結果をフィードバックして能力開発や意欲向上につなげるといった一連の流れを意味しております。人事評価も評価した結果を処遇に結びつけることを含みますが、勤務評価か評価の断面だけの制度であるのに対して、人事評価は人に関するトータルな制度であると言えます。公務員制度改革が目指す評価は「勤務評価」ではなく、「人事評価」であります。職員の能力開発と意欲向上を図り、組織成果の向上に寄与する「人事評価」を導入、展開するために、「目標」と「評価」を持つ人を育てる作用を理解した上で、制度設計や運用を検討する必要があると思います。職員のモラルアップを図る人事評価とは、給与やポストといった物的報酬に過度に頼ることなく、仕事を達成する喜びや効力感、自分のやりたい仕事に取り組み、成長しているとの実感等心理的報酬の提供が重要であります。

 地方自治が困難な状況にあるにもかかわらず、業務に精励している多くの職員の努力を正当に評価し、それに報いるためにも人事評価制度は地域や住民のために自治体職員を元気にする制度だと思いますが、市長の人事評価制度についてのお考えをお聞かせください。

 伝統的な人事管理手法でも立派な職員は育つかもしれません。また、競争試験を導入したからといって職員の能力の飛躍的な向上が図られるとも限りません。政策決定能力やマネジメント能力の向上には、全庁的かつ計画的な取り組みが必要であります。求められる職員像、客観的な能力基準、それを実現するためのプログラムを作成し、能力開発の成果を的確に評価して人事管理に反映させることであります。

 職員能力開発を進めるためには、職員研修を含む人事管理の改革は避けて通ることはできない問題であります。地方公務員法は、「勤務効率の発揮及び増進のため、職員に研修を受ける機会を与えなければならない」と定めております。これは研修と人材育成との密接な連携が必要になることを示しております。このような観点から、総務省においては2004年度地方公務員法において、地方自治体における職員研修の基本方針の策定を義務づけております。

 市町村合併に伴って、新たな職員全員が積極的に取り組めるような新たな職員研修基本方針を作成することで職員の間に一体感が生じることであると思いますが、市長の合併に伴っての職員研修基本方針の策定についての御意見をお伺いをいたします。

 次に、自治体の環境政策についてお伺いをいたします。

 環境問題は、かっての産業公害の時代から「都市型・生活型公害」、そして「地球環境」へと変貌しております。地下水汚染、環境ホルモン、地球の温暖化、またオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少、そして事業活動に伴って生ずる大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭など新しい問題が次々と起こっております。

 環境対策のための投資は利潤を伴わない投資であり、結果としては資本の効率を低める方向に作用します。しかし、産業活動において環境や地域との調和を軽視することを続けていくならば、結果としてその活動全体を否定されます。産業活動は、環境に対していろいろな側面で影響を与えます。産業活動が環境に大きな影響を与えるのは、産業活動の第一次的な側面として自然に働きかけ、農産物や林産物あるいは鉱物、鉱産物などの原料や資源として取得する過程であります。

 もう一つ大きな側面は、これらの資源を加工する過程あるいは生産活動の後で直接目的として要る物以外の種々の物質(副産物、廃棄物等)をその生産の体系外に出すことによってであります。例えば農業生産というのはある意味では自然環境を破壊し、人間の生存にとって必要な農産物の獲得は都合のよいよう自然環境をつくり変えたものであります。環境にとって問題なのは、自然環境はそのまま維持されるというのではなく、我々が生産活動を行っている環境が人間の生存にとってどのような影響を持つかということであります。環境問題の本質は、人間の諸活動において都合のよいようにつくり変えられた第二次的な環境が果たして自然の循環や人間の生活にとって本当に好ましいのかどうかということが基本であります。

 農業や林業等のいわゆる第1次産業と言われているものは、人間のつくり変えた環境がある意味で循環的であり、またそのための第二次的な環境がそれ自体として一つのまとまりを持っており、その産業の外部の環境の変動をもたらすということが特色であります。農業生産を行うために、山野を掘り起こし、そこに生産の目的に役立つ特定の植物を栽培すること、あるいは河川の流れを変えて洪水を防止し、あるいはかんがいに便利にすることなど、自然環境に対する重大な変更であります。しかし、このように破壊されてつくり直された環境は、一般的には第一次的な環境よりも、むしろ人間生活の都合とした形となっております。

 ここで大切なことは、このような第二次的な環境は、自然的な法則を抜きにして決して成立するものではありません。治山や治水のあり方がそれ自体いかに重要であったとしても、どのようなやり方をしてもよいというものではありません。つまり第二次的環境をつくることが第一次環境よりも人間生活にとって有意義であるといっても、その方法がおのずから適正な方法とより大きな環境破壊につながったり、大きな災害につながるような方法があることを忘れてはならないと思います。

 一部の道路をダムによる農業用水、工業用水など自治体の公共事業が環境を破壊した経緯がありますが、持続的可能な環境社会にするために環境基本条例をどのように政策を実施されようとされるのかお伺いをいたします。

 あわせて今後、個々の政策、都市計画から産業政策、消費者政策、教育政策、福祉政策等にどうこの環境への配慮が反映されるのでありましょうか、市長の環境に対する御意見をお伺いをいたします。

 以上で政経クラブを代表いたしましての総体質問とします。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(松谷成人) 理事者より答弁を求めます。

 亀田市長。



◎市長(亀田良一) (登壇)政経クラブ議員団を代表されました村上議員からの御質問に順次お答え申し上げます。

 まず最初に、新尾道市における組織改革についてでございますが、地方分権時代における各種行政課題へ柔軟かつ的確に対応できる組織・市民の声を適正に反映することができる組織・市民が利用しやすくわかりやすい組織・簡素で効率的な組織・指揮命令系統、責任の所在が明確な組織の5つの整備方針にのっとり、行政課題に対応できる組織を整えたつもりでございます。今後も改善に努めてまいります。

 次に、三位一体改革についての御所見でございますが、この改革は地方の権限と責任を大幅に拡大し、歳入歳出両面での地方の自由度を高めることで真に住民に必要な行政サービスを地方がみずからの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図るとされております。この趣旨に異論はございません。しかし、実施については国庫補助負担金の交付金化など賛同できかねるところもございます。本改革の趣旨が実行可能な税源の移譲を強く望んでいるものでございます。

 義務教育に対する三位一体改革への評価についてでございますが、御案内のとおり中央教育審議会において、義務教育費国庫負担制度のあり方についての検討が始まっております。

 私といたしましては、地方の独創性と教育水準の維持・向上の観点から、慎重かつ適切な議論がされることを期待をしているところでございます。

 次に、これからの地域経済の見方についてでございますが、一部企業の業績が好調に推移していることや設備投資についても尾道流通団地を中心に増加していること、さらにはハローワーク尾道管内の有効求人倍率も上昇しているなど明るい材料も多くなってきており、新年度におきましても、基本的にはこの傾向が伸展されるものと期待をするものでございます。

 一方、景気回復を市民感覚として実感できているかと言えば甚だ疑問でございます。国におかれましては、個人所得の増加や個人消費の上昇につながる政策を実施されることを強く望むものでございます。

 市といたしましては、新年度においても地域経済の発展に直接つながる事業への予算配分を心がけるなど、引き続き最大限の努力を続ける決意でございます。

 次に、合併に伴い、新市建設計画事業を実施する中、尾道市の行財政運営についての考え方でございますが、合併により直ちに効果があらわれる事項は、特別職の給与や議員報酬などに限られております。当面は非常に厳しい財政運営が余儀なくされるものと考えておりますが、今まで以上の行財政の効率化、スリム化を進めてまいります。あわせまして、国の動向等も見きわめながら合併後の新尾道市の運営を行ってまいる覚悟をいたしております。

 将来の財政指標について、推計値ではございますが2町との合併後の2005年度は、経常収支比率が85.1%、公債費比率が17.3%、起債制限比率は12.0%と見込んでおります。また、因島・瀬戸田と合併後の2006年度は、経常収支比率が89.2%、公債費比率が16.3%、起債制限比率は11.1%と見込んでおり、10年後の2015年度には経常収支比率が92.0%、公債費比率が18.0%、起債制限比率は13.0%程度になるものと見込んでおります。

 次に、尾道市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例制定の意義についてでございますが、職員の任用や給与等の状況を住民の方々に公表することにより、地方公共団体の人事行政運営における公平性・透明性を確保しようとするものでございます。このことにより、公務の能率的かつ適正な運営がより一層図られるものと考えております。

 次に、人事評価制度についてでございますが、人材育成や効率的な行政運営を図る観点から、公正かつ科学的な人事評価制度は重要であると認識をしております。研究をしているところでございます。

 国においても能力、実績主義による人事評価制度を2005年度から試験的に導入する方針を固められた状況もあり、その手法等、国の今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、研修に関する基本的な方針についてでございますが、昨年6月の地方公務員法改正により、研修に関する基本的な方針について制定することが法律上、責務とされたところでございます。

 本市におきましては、1998年3月に既に策定をいたしております。

 この目的は、住民ニーズを踏まえた施策を職員みずからの力で創造し、質の高い行政サービスを効率的に提供できる行政体制を構築しようとするものでございます。さらに、今後も充実したものに改善してまいります。

 次に、環境政策についてでございますが、今日の大量生産、大量消費、大量廃棄を基調とした社会経済活動は環境に大きな負荷を与えております。環境は、我々の人類にとってかけがえのないものであり、行政、事業者、市民及び滞在者が相互に協力し、負荷の少ない持続的で発展可能な尾道を目指さなければならないと考えております。あわせまして、本市の健全で恵み豊かな環境を保全、創造し、世界に誇れる文化遺産を保存、整備するとともに、将来の世代に引き継いでいくことを旨として環境基本条例を制定したいと考えております。

 これに伴う具体的な施策については、新年度から策定する尾道市総合計画との整合を図り、環境基本計画に盛り込みたいと考えております。

 以上で市長答弁といたします。



○議長(松谷成人) 午前の会議はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。

                午前11時37分 休憩

  ────────────────── * ──────────────────

                午後1時0分 再開



○副議長(植田稔) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 総体質問を続行いたします。

 16番、檀上議員。



◆16番(檀上正光) (登壇)皆さんこんにちは。午前に引き続き大変御苦労さまでございます。

 市民連合を代表いたしまして、市長の総体説明に関する総体質問を行います。しばらくの間、御清聴よろしくお願いをいたします。

 まず、国の新年度予算に対する市長の所見について質問をいたします。

 政府のことしの経済見通しによりますと、世界経済は回復が続き、企業部門が改善することにより、景気回復が雇用・所得環境を改善し、家計部門へ波及することにより、デフレからの脱却に向けて進展が見られるとのことであります。

 しかし、一方で政府が発表した昨年10月から12月のGDP速報によりますと、前期比0.1%減で、年率換算0.5%減となっていまして、3・四半期連続マイナス成長であります。9カ月ものマイナス成長は明らかに景気の失速であり、踊り場論は欺瞞ではないのでしょうか。つまり政府の発表は、米国・中国向けの輸出増が主な原因であり、大企業の業績向上にすぎず、下請の犠牲や従業員をリストラした結果にすぎないのであります。中小企業・小売業者の業績はさっぱりで、商店街のシャッター通りは相変わらずであります。個人所得もリストラのしわ寄せで低迷したままであり、個人の消費行動を示す民間最終消費支出が0.3%マイナスというのも当然のことであります。

 政府は、「ことし後半から再び景気は上昇する」と楽観論を振りまいていますが、日米の動きを見ると必ずしもそうはならないのではないでしょうか。つまり米国はブッシュ大統領が財政赤字を縮小するために緊縮予算を編成、金融政策も連続的に金利引き下げ、引き締めを強化していますし、日本は言うまでもなく小泉改革路線で財政再建を最優先し、歳出削減と所得増で定率減税の半減を骨子とする緊縮予算を組んでいます。したがって、景気は政府の発表とは裏腹にことし後半から一段と失速する懸念が強いと思うのであります。しかも、私たちの生活基盤は日々侵食されていることを実感しています。新年度予算が成立すれば、さらに年金負担や税負担は一層増すこともわかっているのであり、そんな景況感の中で個人消費が増大するわけがなく、景気は今後一段と下降するという見方ができるのであります。

 所得・資産の二極分化、格差拡大も進んでいます。厚生労働省が2月にまとめた昨年10月現在の全国の生活保護世帯は100万2,000世帯となり、1950年の制度発足以来、初めて100万台を突破しました。過去最低だった1992年度の58万6,000世帯に比べると、実に1.7倍と大幅に増加しています。また、受給者数も昨年10月現在の142万8,000人は過去最多でありまして、1995年の88万2,000人に比べても1.6倍を記録し、厚生労働省は不況の深刻化と高齢化が背景にあると分析しています。将来の社会保障や税収に関係の深いニート問題やフリーターなどの非正規雇用の増大も大きな問題となっています。

 したがって、ことしの政府予算は雇用や福祉などに大胆な予算配分を行い、国民の生活不安や将来不安を解消することが必要のはずでありました。ところが、不要不急の公共事業の見直し、軍事力によらない安全保障、生活再建最優先の雇用・失業対策、安心・安全の社会保障などに重点化するという課題は後退化し、歳出は切り詰める一方、国税では実質1,710億円の増税を見込み、歳入歳出両面から国民への犠牲と痛みの強要が際立っているのであります。

 市長は、国の新年度予算についてどのように思っておられるのか所見をお伺いをいたします。

 次の質問に入ります。

 政府は、昨年厚生年金、国民年金の改悪を行い、保険料の引き上げ、支給率の引き下げを行いました。そして、平成18年からの定率減税の縮小・廃止による実質増税が国民に重くのしかかってくるのであります。さらに、年金生活者、フリーターなどの低所得者層への課税、あげくの果てには消費税増税も打ち出すなどしています。

 今までの減税では、個人所得税で高額所得層の負担軽減が中心に行われ、最高70%だった最高税率も、今では37%にまで引き下げられています。同時に、法人課税も国際的なバランスをとることを名目にしてはいますが、企業にも応分の負担を求めているヨーロッパの例は無視され、アメリカや途上国を比較対象として実効税率で40%程度まで軽減されているのであります。その結果、低所得者には一層の重税感と高額所得者優遇、景気が回復し、企業の業績が好調でも法人税収はさほど伸びないという結果となり、現状の税構造では増収といっても限度があるということになります。

 租税国家を再興する上で欠かせないのは税体系のバランスであります。つまり、今急いで定率減税をいじるのではなく、法人課税の適正化と個人所得税の最高税率の引き上げが先に行われるべきであります。そうしないと、所得・資産の二極分化は一層進み、景気回復、消費拡大、税収増にはつながらないと思うのであります。

 市長は、この年金を中心とする社会保障の問題と定率減税の縮減・廃止や低所得者層への増税問題をどのようにとらえておられるのかお答えください。

 次に、新尾道市における新年度予算にかかわってお尋ねをいたします。

 市長は、新年度予算の編成に当たって「地方財政、とりわけ本市の財政状況は厳しい中にも増収は見込めるが、市債残高も多額であることや義務的経費の増加、新市建設計画事業の実施などにより、引き続いて厳しい財政運営を余儀なくされる。しかし、全尾道市民の幸せを願って安定した住民サービスを継続し、みんなが合併してよかったと思ってもらえるような自己完結型の自治体づくりを目指していく」との決意を述べられています。

 新市建設計画の序論には、合併の必要性が6項目述べてあります。つまり、1、地方分権、2、広域行政、3、少子・高齢化、4、国・地方の厳しい財政状況、5、時代の変化と多様な住民ニーズ、6、21世紀のまちづくりなどなどへの対応であります。その中でも主体となるのは地方自治の確立であり、地方の自立であります。それに向かって住民主体、住民との協働によるまちづくりであり、成熟社会における生活の質の向上と多彩なまちづくりの展開であります。しかし、この時期をとらえて、さらに権限と財源の移譲を求めることとあわせての受け皿づくり、つまり地方が自立し、自己完結型自治体となっていかなくてはなりません。そういう意味からも、新市建設計画における新年度に向かっての市長の決意と予算編成には一定の評価もいたすものであります。

 新尾道市として初めての予算は一般・特別・企業各会計の総合計が1,021億1,844万4,000円で、私たち市民にとっても初めて1,000億円の大台となった予算であります。今後1年間、尾道市において1,021億1,800万円余が動くことの重さも認識しなくてはならないと思います。

 今回の予算における私たちの見方として、その第1は新規事業は昨年の約半分の件数となり、24事業で6億8,585万3,000円、新市建設計画に係る事業が93事業、73億1,776万9,000円という数字であります。つまり、両町との早期なる一体化を目指すあかしとしての事業に着手され、それらは一般・特別・企業の各会計にほぼ示されているものと思うのであります。

 第2は、新市建設計画における財政計画の中で普通建設事業を極力抑えたものとなっていることがうかがえます。

 歳入歳出面だけで見ますと市民税は旧両町分、昨年度約18億円に増収分及び増税分を加えたものと思われます。また、地方交付税は旧両町分は約34億円でありましたが、補正や市税増収により横ばいであります。市債については、事業にもよりますが思ったほど増額はなく、むしろ減額となっています。

 歳出のうち、義務的経費による扶助費は高齢化や長引く不況でやむを得ないものと思います。投資的経費においては、新市建設計画による事業を含む単独事業は地方財政計画より前年比で5.7%の増となっています。

 尾道市だけでは昨年比2.7%の増ですが、合併に伴う特例債の関係がどのようになっているのかが気になるところであります。

 また、市債残高も一般会計は一気に108億2,400万円余の増加となり、544億1,500万円で将来への不安は増すのであります。

 いずれにいたしましても、新しい予算が新市建設計画における新市の均衡ある発展と、特に今からの成熟社会における生活の質の向上に一層の効果が出るよう、その執行に当たってはさらなる意を用いるよう求めるものであります。

 そこで、お尋ねをいたします。

 まず、新市建設計画事業において合併特例債は、主としてどのような事業に使われているのでしょうか、項目と金額をあわせてお答えください。

 2、新市建設計画事業では、旧尾道市と旧両町との比率はどのようになっているのでしょうかお答えください。

 3、普通建設事業は、新市建設計画の財政計画よりマイナス33億円となっていますが、その主な理由は何でしょうかお答えください。

 4、新市建設計画と新年度予算で着手する新市建設計画事業の実行率はどのようになっているのかお答えください。

 合併に伴い、今までの諸施設の引き継ぎに加え、新たに諸施設ができることは否定できませんが、今後これらの維持管理についてそのコストが増大し、財政を圧迫することになると思いますが、市長はこのことについてどのように考えておられるのでしょうかお答えください。

 次に、教育問題について質問をいたします。

 初めに、我が国の義務教育全体を取り巻く状況についてお尋ねをいたします。

 文部科学大臣は、2月15日に開かれた中央教育審議会の総会で「ゆとり教育」を柱とした現行の学習指導要領について、ことし秋までに全面的に見直すよう要請しました。

 見直しの内容については、「現行の学習指導要領が知識や技能を詰め込むものではなく、みずから学び考える力をはぐくむとした理念に誤りはない」としながらも、「そのねらいが十分達成されていないし、必要な手だても講じられていないので、各教科及び総合的学習の授業時数のあり方や学校週5日制や長期休業日についても検討を求めた」とのことであります。

 この背景には、日本の子どもの学力が世界のトップ水準ではなくなったという結果となった、昨年12月に出された経済協力開発機構(OECD)の「国際的学習到達度調査(PISA)などがあります。

 今回の文部科学大臣の発言を受けて、土曜日も以前のように授業をしたり、「総合的な学習」で「主体的に学習に取り組む力を育てる」よりも、国語や理科や数学、さらに外国語などの教科学習を強化する方向が示されたと受けとめる教育関係者もあり、気の早いところでは、既に正式な学習指導要領の改訂前に授業時間をふやしたり、「総合的な学習」に重点を置かない指導計画を立てるところが出ていると報道されています。

 学習指導要領は、本来は拘束力のない大綱的なものと考えますが、実際には学校で教える内容や量、教科書の中身までも影響を及ぼしているという実態があります。

 今回の文部科学大臣の要請によって、2002年度から実施されている現在の学習指導要領は、早ければ2006年度にも改訂することになるのではないかと言われています。これまで改訂された学習指導要領に基づいた授業が全国各地の学校で始まるまでには二、三年の移行期間が必要であると言われています。学習指導要領がわずか4年ほどで変更されることになると、教師や学校現場は大変であります。何よりも子どもたちへのしわ寄せが大きいと考えます。

 小学校や中学校では、1970年代後半に詰め込み教育や受験競争の過熱に対する反省から、「ゆとり教育」という言葉が生まれて授業時間も少しずつ削減されてきたことは事実であります。統計では1977年に1,015時数(1時数は45分)であった小学校6年生の総授業時数は、1998年には945時数となっています。中学校3年生の総授業時数は1977年に1,050時数(1時数は50分)であったものが1998年には980時数となっています。

 そして、2002年4月には、「ゆとり教育」を目指して学校5日制と「総合的な学習」が導入されました。しかし、実際には学校週5日制で土曜日が休みとなったものの、その授業時間を平日に持ってきたため、平日の授業時間が延びたり、過密になったりして子どもたちは毎日しんどい思いをしているのが現状であります。

 また、授業時間の確保と称して、教科学習以外の社会見学や地域活動など、さまざまな活動や行事が切り捨てられている傾向もあります。もう少し授業時間全体を減らして、本当にゆとりを持った学校生活を送れないものかと思うわけであります。

 今回の文部科学大臣の見直し発言のきっかけとなった学習到達度調査でトップの成績を上げたフィンランドにおける年間平均標準授業時間は、7、8歳では、日本が709時間に対してフィンランドは530時間、9から11歳では、日本が761時間に対してフィンランドは673時間、12から14歳では、日本が875時間に対してフィンランドは815時間となっており、全体的に少ない状況と言われています。

 さらに、フィンランドの教育に詳しい専門家によりますと、「日本や韓国が高得点を上げていた従来の国際調査は詰め込まれた知識量を見るものであった。それを見直して、生涯にわたって学習する能力を身につけているかどうかを見るための指標として始まったのが国際的な学習到達度調査である。したがって、暗記や暗唱が中心の教育に戻したり、授業時間をふやしたりする方法では、日本の教育が抱えている課題は解決できない。授業の組み立て方や教科書の選定など、教育内容の大部分を現場の裁量に任せたのがフィンランドの教育制度で、落ちこぼれをつくらないというだけではなく、楽しんで学ぶことがフィンランドの教育の特徴である」と述べています。

 学習到達度調査の結果を日本の子どもの極端な学力低下に結びつけたり、その原因として「ゆとり教育」の推進や学校週5日制導入を上げることは、余りにも短絡的な発想と考えます。

 今回の学習指導要領の見直し検討で、今以上に教科学習をふやして土曜日に授業をしたり、夏休みなどの長期休業も短くするとなれば詰め込み時代の再来となり、不登校などの課題を持つ子どもがふえてくるのではないかと危惧するところであります。

 このことについて尾道市教育委員会としての見解を求めておきます。

 次に、尾道市の教育についてお尋ねいたします。

 尾道市教育委員会は、2002年度から3年計画で「尾道市教育プラン21」を進めてきました。今年度が最終年となっています。年度中途で十分な検証やまとめはされてないかもわかりませんが、次の3カ年の新しい計画も出されているようですので、この機会に「尾道教育プラン21」についてお尋ねいたします。

 第1に、この3年間の総括的なまとめはどのようにとらえていますか、成果や課題、全体的にかかった経費や主な事業も含めてお答えください。

 第2に、「尾道市教育プラン21」の基本的な目的としていた3項目、つまり「確かな学力と体力をつける」「豊かな心を育む」「信頼される学校をつくる」ということについては、それぞれの目的達成に向けて、この3年間で具体的にどのような事業を実施してきたのか改めてお伺いいたします。また、その結果どのような成果が上がったのでしょうかお示しください。さらに、今後に引き継ぐ課題についてもあわせてお答えください。

 次に、来年度より3年計画で進める新たな計画として策定されました「尾道さくらプラン」についてお伺いいたします。

 この「尾道さくらプラン」は、学校教育と生涯教育の2本立てで構成されており、学校教育においては「キャリア教育」の推進や子どもの安全確保などに万全を期して取り組むとしています。重点目標として、「おのみちキャリア教育」の展開が掲げられています。

 そして、尾道市内の中学校でこれまでも実施している「中学校2年生での職場体験の拡充を図る」としています。これまでの職場体験について一定の評価がされているからこそ「拡充を図る」となっていると思うのでありますが、どのような評価をしているのでしょうかお答えください。

 キャリア教育では、「適切な職業観や勤労観を育み、将来への夢と社会の一員として志を抱く子どもの育成を推進する」ことを目的に掲げています。

 今日の我が国の大きな問題に若者の雇用対策があります。

 文部科学省の「学校基本調査」によれば、卒業後の進学も就職もしてない子どもが10年前の1993年には、高卒で5.2%、大卒で7.1%であったものが、2004年度には高卒で7.5%、大卒で20%となっており、高卒で1.5倍に、大卒では3倍近くになっています。

 また、15歳から24歳の就業形態についての調査では、正規社員は10年前は77.7%であったものが2004年は53.6%となり、24.1%も減少している反面、アルバイトは18.3%から32.1%に、パートも2.5%から7.1%に激増し、不安定雇用は拡大しているのであります。それを裏づけように過去3年間で若者を採用しなかった企業は、1,000人以上の事業所で4.7%、100人以上の事業所では12.7%、100人未満の事業所では34.1%となっています。

 尾道市教育委員会がキャリア教育の目的として掲げる「適切な職業観や勤労観を育み、将来への夢と社会の一員として志を抱く子ども」を育てるには、現在のような若者の雇用状況を解決することと同時に、リストラや倒産などの不安におびえながらの生活ではなく、最低限の文化的な生活を営むことのできる賃金や労働時間、休暇などの諸条件が保障され、勤労者としての基本的な権利が守られる社会の実現も必要ではないでしょうか。家族や兄弟姉妹や周りの大人たちがそれぞれの希望する職業につき、自信と誇りを持って生き生きと働いている姿を見せることこそ一番のキャリア教育と思うのであります。このことについてのお考えをお聞かせください。

 また、この機会に尾道市としての雇用対策や勤労者への対策を持つべきであることと、さらには国に対しての働きかけも必要であることを提言しておきます。

 次に、重点目標である「生涯学習拠点の確立」についてお伺いいたします。

 おのみち生涯学習センターは、「市民の生涯にわたる学習活動の促進と援助」を目的に、旧筒湯小学校へ2003年4月に設置され、2カ年が経過いたします。これまでの実情は、十分な役割や機能が果たされていたとは言えず、生涯学習センターの名前やその場所さえも市民の間に十分周知されているとは言えない状況にあると思います。

 今回は、生涯学習センター機能の充実を目的に「事務局の設置」「研修室などの整備」「駐車場の整備」など具体的な取り組みが掲げられていることは評価いたしますし、積極的に進めていただきたいと思います。そして、尾道市民は言うに及ばず、3月28日には新しく尾道市民となられる御調町・向島町の皆さんにも気軽に活用いただける施設となることを期待いたしまして、その中枢となる事務局の設置についてお伺いいたします。

 事務局の位置づけや人員体制、具体的な所管業務はどのようになるのでしょうかお答えください。

 また、生涯学習センターの機能の一つとして、「公民館機能の統括」が出されています。

 そこで、生涯学習センターと中央公民館の役割について、次にお伺いいたします。

 このたびの御調町・向島町との合併によって地域における生涯学習の拠点である公民館がふえています。これまで尾道市には、中央公民館1館と地区館が18館、御調町には地区館7館、向島町には中央公民館が1館あり、それぞれ重要な役割を果たしてきました。

 今回の定例議会では、これらの施設について尾道市の施設として一定の条例整備がなされたところであります。しかし、実情を見ますと尾道市の中央公民館は栗原北公民館の中にあり、独立した中央公民館ではありません。一方、向島町にはさまざまな機能を併設した中央公民館があります。これを一つの地区館としてのみ位置づけるのではなく、もっと有効に活用する方法を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 合併によって同じような機能を持った施設がいろいろとふえることとなりますが、より効率的かつ機能的な活用が求められています。旧市町の枠組みをできるだけ早く取り払うためにも、同じ機能を持つ施設の活用について、この機会にぜひとも抜本的に検討すべきであることを提言しておきます。

 最後に、男女共同参画社会の実現に向けてお尋ねをいたします。

 尾道市は、1995年3月、「女性プランおのみち」“ともに生きる21世紀の道”を策定、発表しました。以来10年が経過したところであります。

 その「女性プランおのみち」策定に当たっては、我が国が女子差別撤廃条約を批准した1985年に原点があります。つまり、冊子「女性プランおのみち」の発行における「はじめに」の項で、「今日、女性問題は、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の批准を契機として、国内的にも新たな行政問題として受けとめ、法制度面の整備を中心に取り組まれてきました。このような中、尾道市においても1991年に策定の総合計画の中で男女共同参画社会の実現を位置づけ、1993年には青少年女性課を設置し、女性行政の推進を図ってまいりました。しかしながら、長年にわたって形成された性別役割分業の意識や習慣・社会構造は一朝一夕に変革できるものではなく、総合的・長期的な展望に立った粘り強い女性行政の推進が必要であります。このため本女性プランでは、男女が社会の対等な構成員として社会のあらゆる分野へ共同に参画し、共同して責任を担う社会「男女共同参画社会」の実現を目指し、21世紀に向けて取り組む基本方針を示しました。──中略──そして、「男女共同参画社会」の実現は、行政としての努力はもちろんですが、市民・地域・企業・行政が一体となり進めていかねばならない大きな課題であります」と述べてあります。

 国連の「女子差別撤廃条約」発効は1981年ですが、その前には1979年の第34回国連総会において「女子差別撤廃条約」が採択されています。その条約に対し、日本は1980年7月に署名をいたしましたが、最終的に批准したのは、さきに述べました1985年であります。以来、国内的には関係法整備を行ってきたところであります。

 つまり1986年「男女雇用機会均等法」、同じく1992年「育児休業法」、同じく1993年「パートタイム労働法」等々の施行、1996年「男女共同参画2000年プラン」策定、同1999年「男女共同参画社会基本法」施行、2001年「DV防止法」施行、この間、関連法律の改正も行われました。2003年には、「次世代育成対策推進法」も施行、そして「少子化社会対策基本法」も公布されたところです。さらに、昨年2004年6月には「DV防止法」の改正が行われ、今日に至っています。

 また、広島県においても1988年「広島県女性プラン」策定、同1992年「広島県女性プラン(第1次改定)」策定、同1998年には「広島県男女共同参画プラン」を策定、あわせて「広島県男女共同参画推進本部」を設置しました。さらに、2001年には「広島県男女共同参画推進条例」を制定、翌2002年に施行、2003年「広島県男女共同参画基本計画」を策定し、今日に至っています。

 さて、我が尾道市は、この「女性プランおのみち」を策定するに当たっては、行政として尾道市長の私的諮問機関である「尾道市女性行動計画審議委員会」を設置し、また『女性に関する市民意識調査』も実施し、資料を作成しながら諮問機関で検討・討議がなされ、市民に明らかにされ、行動計画が実行されてきたところです。

 また、10年を経過した今日、新たに合併という問題も発生し、新たな行動計画も策定する必要とあわせ、尾道市・御調町・向島町の住民に対し、「男女共同参画社会」に関する住民意識調査が行われ、その結果も発表されました。そして、この2年間において男女共同参画プランの策定作業が行われてきたところであります。

 そこで、幾つかお尋ねをいたしますが、この「女性プラン」における実施状況はどのようなものであったのでしょうかお答えください。

 このプランの中には、A.1995年度から実施するもの(既に実施されているもの)、B.1999年度までに実施するもの、そしてC.2004年度までに実施するものと3段階に分けてありました。また、推進体制を整備することや必要に応じて見直しなどについても行われることとなっています。この間の状況は、私たちの身の回りを見ても確かに法整備は行われましたが、女性の労働条件、社会参加、家庭内における状況、地域における状況が計画どおり改善あるいは共同参加にどれほど近づいているのか県の年次報告を読んでもよく見えてきません。この10年間の総括をどのようにされているのかお答えください。そして、この間、見直しは行われましたのでしょうか、あわせてお答えください。

 次に、国の基本方針に沿って、県においても行動計画等が策定され、推進条例も制定し、各市町村に対し指導、協力など推進されているところであります。しかし、尾道市においては法にのっとって制定の必要はないにしても、取り組む姿勢としての条例の制定はなされていません。県内においては、因島市を初め5市において条例が制定されています。基本計画が策定されているものは19市町となっています。この間の経過と条例制定がなされていない理由についてお答えください。

 また、2003年には青少年女性課が設置されていましたが、2004年には生涯学習課の一つの係として「男女共同参画推進係」とされ、2005年、つまり新年度からは同課の「人づくり推進係」と名称変更されることになりますが、今なぜ名称変更なのか、内容はどのようなものなのかお答えください。

 また、今日までの経過を見るとき、そして御調町・向島町との合併、さらには因島市・瀬戸田町との合併も控えている中での新年度事業についてまことに消極的であると言わざるを得ません。今後の考え方もあわせてお答えください。

 この項の終わりに、今日まで尾道市女性問題懇話会が設置され、その任務として調査研究、施策の推進・検討、女性行政に関し必要と認められることなどが取り組まれてきましたが、2005年度には「尾道市男女共同参画推進懇話会」として名称も変え設置されています。内容はほとんど変わらないようですが、予算は削減され、人員は増加(10人以内から12人以内)となっています。これについてはどのような考え方から新名称となったのかお答えください。

 また、懇話会の委員の委嘱や任命については、地方分権時代を迎え、住民参加、住民と協働によるまちづくりが求められていることからも、公募することも検討すべきであると思うのですが、いかがでしょうかお答えください。

 以上で市民連合会派を代表しての総体質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(植田稔) 理事者より答弁を求めます。

 亀田市長。



◎市長(亀田良一) (登壇)市民連合議員団を代表されました檀上議員からの御質問に順次お答え申し上げます。

 まず最初に、国の新年度予算についての所見でございますが、税収が改善したとはいえ、国及び地方の長期債務残高は依然増加しており、今年度末には740兆円程度に達する状況になっております。公債費依存度を44.6%から41.8%に改善されておられますことは、長期債務残高をほうっておくわけにはいかないという決意のあらわれであろうと思っております。一般歳出は47兆2,829億円で、対前年マイナス3,491億円となっておりますが、公共事業関係費の前年対比マイナス3.6%など、政府の方針を改めて強く感じているところでございます。

 次に、年金を中心とする社会保障の問題と定率減税の縮減・廃止や低所得者層への増税問題についてでございますが、このことは直接的には関連性はないと考えております。

 御承知のとおり、国の財政は極めて厳しい状況に直面をしておりますが、2005年度税制改正の定率減税については、減税が実施された1999年当時と比較して、経済状況等が好転しているということで見直し等があったものと理解をしております。

 また、フリーターやアルバイトなどの短期就労者に対する課税についてでございますが、本来課税となる者が現在は企業から課税資料の提出義務がないため、課税漏れとなっているケースがあり、今回の改正で給与支払い報告書が提出されることになったものでございます。

 なお、2006年度から住民税に影響します年金生活者に対する課税強化については、所得額に関係なく、すべての65歳以上の老年者に対して、老年者控除の廃止とあわせて公的年金等控除見直しの二重の課税強化となり、年金生活者の多くは非課税から課税になるため、今回の改正には疑問を感じているところでございます。

 一方、法人課税の適正化と個人所得税の最高税率の引き上げ等については、国会での議論を待つことになりますが、税などの国民負担率に関しては、国際的に比較しますと租税負担率は日本は欧米の先進国と比べますと低い位置にあります。したがいまして、今後も税制の見直しは行われるであろうと予測しているところでございます。

 次に、新市建設計画事業における主な合併特例債事業でございますが、平原公園線道路改良事業や向島運動公園整備事業、神貝ケ原線道路改良事業など15事業に充当しており、事業費は13億9,886万円となっております。

 次に、新市建設計画事業における旧尾道市と旧両町との比較についてでございますが、事業費でおおむね尾道市が70.2%で、両町の占める割合は29.8%となっております。

 次に、一般会計の普通建設事業が新市建設計画の財政計画よりマイナス約33億円となっている主な理由でございますが、(仮称)市民センターむかいしまの建設につきましては、計画では2005年度より着工することとなっておりましたが、建物の実施設計のみの予算としており、用地の取得につきましては土地開発公社による先行取得を予定したことが主な理由でございます。

 次に、新年度予算で着手する新市建設計画事業の実行率でございますが、予算要求があった事業につきましては、100%着手することといたしております。

 次に、合併に伴います諸施設の維持管理についてでございますが、御指摘のようにコストが増大し、財政負担が増加することとなりますが、施設設置に至る今日までの経緯や地域の実情などがございます。身の丈に合った行財政の運営を行うことが重要でありますから、統合などにより整理が可能なものにつきましては、順次行ってまいりたいと考えております。

 以上で市長答弁といたします。



○副議長(植田稔) 平谷教育長。



◎教育長(平谷祐宏) (登壇)教育委員会にかかわる御質問には私からお答えさせていただきます。

 まず最初に、義務教育についてでございますが、学習指導要領は全国的な教育の水準を維持するために必要な基準であり、現在中央教育審議会において、その見直しも含めた審議が始まっております。ここでの審議結果は、我が国のこれからの義務教育の大枠を形づくるものであり、その経過を注視しているところです。

 尾道市教育委員会としましては、このたびの「尾道教育さくらプラン」に基づく諸事業を展開することにより、保護者、市民の皆様の期待にこたえる教育の質の向上に努めてまいります。

 次に、「尾道教育プラン21」の総括的なまとめについてでございますが、「尾道教育プラン21」では、すべての学校が研究体制を確立することを目指す「一校一研究」を主な事業として、3年間で1億円余りの予算を投入いたしました。この3年間、各学校が独自の研究テーマのもと教育研究を推進し、特色ある学校づくりや教育の質の向上に取り組んでまいりました。その中で教職員の教えるプロとしての自覚と授業改善への意欲が高まり、教職員の資質・指導力が向上しております。また、子どもたちの学力も向上し、問題行動などの数も減少しております。このように本市の教育は、全体としては着実に前進しておりますが、各学校や教職員一人一人に目を転じますと、意識と実践の状況に格差があるなど課題もあります。「尾道教育プラン21」による成果を大切に、さらに発展した取り組みを進めていくことが必要であると考えております。

 次に、「尾道教育プラン21」の重点目標に基づいて実施した事業と成果・課題についてでございます。

 まず、「確かな学力と体力をつける」では、学力検査や体力運動能力調査を実施して、子どもたちの現状を踏まえた具体的な改善策に取り組んでまいりました。その結果、子どもたちの基礎学力は着実に伸び、体力も向上しております。

 「豊かな心を育む」では、すべての小・中学校での道徳の地域公開、体験活動を重視した道徳教育の充実に努める中で、全国的には増加傾向にある「いじめ」「暴力行為」が本市では減少し、子どもたちの生活態度も落ちついております。

 「信頼される学校をつくる」では、校長のリーダーシップによる学校体制づくりや教職員の研修を充実させるとともに、各学校の研究成果を積極的に公開してきました。多くの方から肯定的な評価をいただけるようになっております。

 先ほども述べましたように、各学校や教職員一人一人の格差の課題は残っております。この成果や課題を踏まえ、保護者の「子どもに力をつけてほしい」という願いにこたえられるよう、より質の高い教育活動の推進に向けた新たな事業展開を行い、本市教育の充実を図ってまいります。

 次に、本年度まで実施しておりました職場体験の評価についてでございますが、尾道青年会議所の協力を得て、平成14年度より「トライWORK尾道」として、中学校2年生が6月に2日間、全校一斉に実施してまいりました。この3年間で約2,600名の生徒が722カ所での職場体験に参加しております。

 各学校においては、「職場体験」を核として、「マナー研修」「事前訪問」「体験活動の自己評価」「お礼の取り組み」など、多様な活動を実施してきました。生徒は、礼儀・マナー・言葉使いの大切さなど、社会の厳しさを感じたり、仕事の厳しさとおもしろさ・やりがいを知ったり、受け入れてくれた事業所の方々の優しさに感謝することができるようになりました。

 また、保護者・学校からは生徒たちが「一回り成長した」「幅広く物を見ることができるようになった」という感想が出ております。

 こうした結果などから、職場体験は将来の社会人となる基盤を形成する上で大きな意義があると評価しております。このため、今後職場体験を「拡充」し、子どもたちに適切な職業観・勤労観をはぐくんでまいります。

 次に、キャリア教育についてでございますが、御所論のとおり、家族や周りの大人たちが生き生きと働いている姿を子どもたちに見せることは、適切な勤労観や職業観をはぐくむ上で重要であると考えております。子どもたちにとっては、そうした姿を見ることができにくくなった社会であるだけに、教育の場において職場体験を含めたキャリア教育の充実を図ることが求められていると考えております。

 次に、生涯学習センターの事務局体制などについてでございますが、活力ある社会を築く基盤となる市民の生涯学習活動を支援するためには、生涯学習拠点の確立が重要であると考えております。しかし、現在の「おのみち生涯学習センター」は、御指摘のように改善すべき点がございます。このため、多様な生涯学習情報の収集・提供やボランティア支援センターの充実、指導者の育成などを統括するよう機能の充実を3年計画で推進することとし、来年度はまず生涯学習センターに事務局を設置いたします。

 なお、人員につきましては、これらの諸機能の充実とあわせ検討を進めてまいります。

 次に、生涯学習センターと中央公民館の役割についてでございますが、生涯学習センターは中央公民館を含め、生涯学習活動を支援する拠点施設でございます。

 一方、公民館はさまざまな講座や地域学習、交流の場として利用されており、中央公民館はそれぞれの公民館が地域性を生かし、より有効に利用していただくよう指導する役割を担当しております。

 次に、公民館を有効に活用することについてでございますが、合併を機にそれぞれの地域にある公民館について、これまで果たしてきた役割や今後期待される機能などを含め、そのあり方について研究していくことが必要と考えております。

 次に、「女性プラン」における実施状況についてでございますが、平成7年に策定した「女性プランおのみち」に基づいて、男女共同参画推進懇話会や男女共同参画行政推進協議会の設置など推進体制を整備し、市民の意識啓発、学習機会の提供、市民参加の事業運営など、男女共同参画社会の実現に向けたさまざまな施策を推進してきました。

 次に、10年間の総括についてでございますが、先ほど申し上げました諸施策を実施し、例えば市の審議会における女性の登用状況におきましては、10年前8.7%であったものが、現在20.7%となるなど一定の成果もありました。しかし、社会の制度や慣行、人々の意識の中には男女の社会における活動の選択を限定するものもあり、さまざまな分野でいまだ課題が存在してると認識しております。

 次に、必要に応じた見直しについてでございますが、諸課題の解決を図るため、男女共同参画推進懇話会から4度にわたる提言や住民意識調査を実施し、新たなプランを策定するに至っております。

 次に、男女共同参画推進条例の制定についてでございますが、現在合併も視野に入れた新しいエリアでの男女共同参画社会の実現を目指したプランを年度内に策定することに取り組んでおります。理念的なものを示す条例などの制定については、今後の検討課題であると考えております。

 次に、担当部署のあり方についてでございますが、生涯学習を推進するためには人づくりが重要な要素であり、このことは男女共同参画を推進する上でも不可欠なものと考えております。したがいまして、来年度は現行の男女共同参画推進係の人員を増員した「人づくり推進係」を設置し、男女共同参画を含めた生涯学習社会の実現を推進してまいります。

 次に、今後に向けた基本的な考え方についてでございますが、新年度以降はこのたび策定いたします「尾道市男女共同参画プラン」に基づき、教育委員会だけでなく、市全体として男女共同参画社会の実現に向けた事業展開を進めてまいります。

 次に、尾道市男女共同参画推進懇話会についてでございますが、その名称変更は平成11年の男女共同参画社会基本法の施行に基づくものでございます。先ほどお答えしましたように、本年度でプランの策定を終了いたしますので、今後懇話会では新尾道市を視野に入れた男女共同参画にかかわる諸課題について幅広く議論していただくよう人員をふやす一方、開催日数は従来のペースに戻すこととしております。

 次に、懇話会委員の公募についてでございますが、現在の委員の任期は平成17年11月18日までとなっております。それ以降の委嘱・選出方法については、今後研究してまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(植田稔) 16番、檀上議員。



◆16番(檀上正光) それぞれ答弁いただいたところでありますが、時間がありませんから予算特別委員会でまた議論を行いたいと思います。

 以上で終わります。



○副議長(植田稔) 8番、荒川議員。



◆8番(荒川京子) (登壇)公明党議員団を代表して亀田市長の総体説明に対する総体質問をさせていただきます。午後から2番目ということで、一番お疲れの出る時間帯ではありますが、最後まで御清聴いただけますようよろしくお願いいたします。

 最初に、これからのまちづくりについてお伺いします。

 総体説明の中に、「瀬戸内の十字路に輝く宝石のような価値あるまち」という表現があります。何と夢のあるフレーズでしょう。合併によって宝石に新たな光が加わり、硬度の高い石となる可能性を秘めています。その石の輝きの方向はそれぞれ違っても、新尾道市構築に対し、市民一人一人が前向きに歩んでいけばその宝石がますますの輝きを増していく、それがまちづくりなのではと考えています。

 ところで、21世紀は「徒歩」の時代と言われています。まさに尾道の時代ではありませんか。歩いてみて本当の尾道のよさはわかります。「歩いて暮らせるまちづくり」、地域の個性を生かす「観光のまちづくり」、そのまちに住む人が「住み続けたい」、他市からは「訪れたいまちづくり」が必要です。これからの観光は従来型と異なり、町中やまちの歴史資産、自然などをゆっくりと眺めながらそぞろ歩きを楽しむ旅となってきます。今日のストレス社会に疲れた旅人には、尾道はオアシスになれる魅力を持ったまちなのです。

 高齢化が進む中、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりには、ユニバーサルデザインの視点を外すわけにはいきません。

 交通バリア法の制定や一定規模のホテルやデパートなどにバリアフリー化を義務づけるハートビル法の改正があります。それらを視点に入れて、これからのまちづくりをしていく必要があると思います。その一つに、バリアフリーのまちづくりの一環として、移動円滑化基本構想の策定に予算計上がしてあることは評価できると思います。JR駅構内のエレベーター設置と駅周辺の整備ということは、住民にとっても観光客にとってもありがたいことです。

 これまでの旅行と言えば、元気な人が忙しい日程で各地へ出かける旅でしたが、高齢社会の急速な進展で大きくさま変わりしようとしています。高齢者や身障者の人たちの旅、すなわち「バリアフリー旅行」を満喫できるように企画サポートする会社がふえ、介助のできるホームヘルパーの資格を持つ人や手話のできる添乗員の人材不足という現象も出てきています。こうした旅行をサポートする「トラベルボランティア」を組織するNPO法人が各地に生まれ、旅行会社はこれを活用しているそうです。

 総体説明の中に、「広島県が中心となって行う大型観光キャンペーンに積極的に参加し、尾道の観光宣伝を強力に展開するとともに」とあります。観光の成功度はいかにリピーターをふやすかだと言われております。バリアフリー旅行者がリピーターとして尾道を訪れてくださればうれしいことです。我々の心のバリアも取り払い、温かいもてなしの心で旅の人たちを迎えたいものです。

 バリアフリーのまちづくりの課題の一つにトイレがあります。車いすで利用できるトイレを備えた宿泊先、交通機関、休憩所、公共施設の整備が必要で、オストメイト対応にも積極的に、また計画的に整備が必要と考えます。直腸がん、膀胱がんの増加、高齢化などでオストメイトの数は年々ふえ続けております。広島県の数は、平成15年4月1日で2,951人、平成16年4月1日現在で3,292人で1年間で341人の増加となっています。尾道市では、市役所内の身障者用トイレをオストメイトに対応していただきました。向島町には、既に2カ所設置され、まちのホームページの観光案内にはトイレ情報として車いす、オストメイト対応の有無が掲載されています。新尾道市でも観光のページに掲載されてはいかがでしょうか。

 ここ尾道はゆっくりとした時間の流れに身を任せられるまち、散策しながら歴史と文化の薫りを満喫できるまち、穏やかな瀬戸内の海に点在する島々を眺めれば、旅人をいやしてくれる心優しい、心温かいまちでありたいと思うのは市民みんなの願いだと思います。

 その誇れる歴史がよみがえる施策に(仮称)尾道商業会議所記念館等整備費があり、2億1,938万7,000円が計上されておりますが、これは旧西日本銀行跡地整備、ふらっと館と旧市内を回遊できる中心市街地計画事業と認識しておりますが、具体的にはいつごろから改修に入り、中身、オープン時期などをお聞かせください。

 また、旧広島銀行東支店が(仮称)尾道歴史博物館として由緒ある建物が次々とよみがえることは市民としてもとても楽しみなことです。小路や坂道の多い「徒歩」のまちとバリアフリーのまちは一見相反するようですが、古きよき尾道の風情を一辺倒のバリアフリーにしようというものでは決してありません。ゆっくりとした時の流れに身を任せたい旅人や住民に配慮あるまちづくりをしていけば、住みたい人をふやし、訪れたい人をリピーターとしてふやしていけるのではと考えますが、これからのまちづくりについて市長の御所見をお聞かせください。

 次に、少子化、子育て対策についてお伺いします。

 少子化の流れを変えるため、子どもが心身ともに健やかに育つ社会、子どもを産み、育てることに喜びを感じることができる社会を構築していく必要性があります。

 内閣府は、平成16年11月調査の「男女共同参画社会に関する世論調査」を発表しました。その結果を見ますと、女性の社会進出に対する意識がより肯定的になっていることがわかります。「一般的に女性が職業を持つことに対する女性の意識変化の調査」では、「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」という「中断・再就職」支持よりも、「子どもができてもずっと働き続ける方がよい」という「継続就業」支持が今回初めて上回りました。女性の回答で、継続就業支持が最多になるのは、昭和48年の調査開始以来のことです。また、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考えに対して、初めて「反対」が「賛成」を上回っています。女性も困難な状況でも働き続けたいという職業意識が高まるとともに、経済的に働かなければならないという事情もあります。

 国勢調査2000年によりますと、全国の人口は1億2,692万6,000人、中国地方は773万3,000人ですが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、2030年には全国の人口が1億1,758万人、中国地方は約14%減少して663万6,000人になると見られています。

 総体説明の中で、予算編成の基本第2に、「少子化が進む中、子どもたちの健やかな成長を願いまして支援施策の充実を図る」とあります。非常に厳しい本市の財政状況の中でも、未来を背負う子どもたちを持つ家庭の子育て生活に配慮した施策をお願いしたいと思います。

 2003年の史上最低の合計特殊出生率1.29に対して、国は育児しやすい環境整備を企業に求める次世代育成支援対策推進法を施行し、従業員301人以上の企業に対して行動計画の提出を義務づけております。仕事と育児とが両立できる「さまざまな制度、取り組み」、例えば事業所内に託児所施設を設置、運営するとか育児休業、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ制度、育児休業代替要員確保、育児休業復帰プログラムなどを導入するよう指導しております。

 本市におきましても、尾道市役所はもちろん職員数301人以上になりますので、本年3月31日までに行動計画を策定しなければなりませんが、進捗状況はいかがでしょうか、またどのような内容になるのでしょうか。次世代育成を推進する上で、企業の果たす役割は大変重要であると思います。まず、市役所が範を示すべく率先して策定し、具体的な実践が行われることを望みます。お答えください。

 現在、既に市内のすべての公立保育所では延長保育がなされておりますが、新規に延長保育事業補助として予算計上してあります。これでどのくらいカバーできるようになるのでしょうか。本市として延長保育を初め、保育サービスの充実に努力されていることは、親たちの要望が聞き入れられてるということで評価されると思います。

 次に、北久保児童館ですが、平成17年4月1日からリニューアルオープンされると聞いております。現在、市内には子育てサークルが十数団体あるそうで、総合福祉センター内の子育て支援室も手狭となっており、これらの活動、交流の場、乳幼児の遊び場など、各種の企画事業の場所が必要となっています。

 新しい児童館はどのような機能を持ったどのような運営を、またどういうイメージの児童館に生まれ変わるのでしょうか。指導員も予算計上されていますが、どのような資格を持った人が配置されるのでしょうか。予算書では、人権推進課の所管になっておりますが、市内の子育て支援関係は児童課へ窓口を一本化して統一を図られる方がいいと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、筒湯小学校跡の子育て支援センターについてお伺いします。

 開設以来2年になりますが、利用状況はいかがでしょうか。2003年の9月議会の一般質問で、ファミリーサポートセンターの必要性について述べましたが、この子育て支援センター内に尾道版ファミリーサポートセンター機能を持たせてはいかがでしょうか。尾道市のシルバー人材センターは非常に成功していますが、この会員の中には元保育士、元教師、またベテラン子育てお母さんもたくさん登録されているはずです。この方たちの応援をいただき、子育て中の親たちのニーズにこたえていけないのでしょうか。子育て中の親たちは、さまざまな機会に助けが必要です。突然の病気、葬儀、出張、入院などに対する一時特定保育も必要でしょう。

 また、サービス業の人たちは、日曜・祝日出勤に対しての休日保育も必要となるでしょう。昔のような3世代同居、近隣同士の助け合いも少なくなってきている今日の子育てに対応していくための支援が必要だと考えます。

 子育て支援センターにファミリーサポートセンター機能を付加して幅広いサポートのできるセンターとして運営されることが本市に必要と思いますが、どのようにお考えかお聞かせください。

 次に、総体説明の中に児童福祉法改正に伴う相談体制の整備を予定されているという点についてお伺いします。

 平成16年12月3日に児童福祉法の一部を改正する法律が厚生労働省から発令されております。これによりますと、市の業務として「児童の福祉に関し、必要な実情の把握及び情報の提供を行うとともに、家庭、その他からの相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと」となっております。「要保護児童の適切な保護を図るため、必要な情報収集を行うとともに、要保護児童などに対し、支援の内容に関する協議を行う要保護児童対策地域協議会を設置できる」とあります。

 市内には、先進的に民間で虐待防止ネットワークが設立されたと伺っておりますが、本市として改正児童福祉法にある協議会を設置される予定はありますか。協議会メンバー、協議会の働きなどはどうなるか、また定期的協議はなどの概要をお知らせください。また、民間のネットワークとの関連はどのようにお考えでしょうかお聞かせください。

 次に、市民病院についてお伺いします。

 総体説明の中に増改築事業として、「3カ年をかけて内科、消化器科を初めとする各外来の充実」とあります。全体としてどのくらいの規模の事業になるのでしょうか、またどのような病院像のイメージで事業を進められるのか、具体的にどのような形態となるのかお聞かせください。

 以前、市民の方より外来の中待ちで自分より前の患者と医師の話が聞こえ、もう少しプライバシーに配慮できないのかとの声がありました。増改築に際して、こうしたプライバシーを考慮された、また高齢者、身障者に配慮のある設計をお願いしたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 次に、少子化対策に関連しての病院関係の質問です。

 不妊治療対策としては、県は県内指定病院と日本産科婦人科学会が認定・登録した全国約600カ所の特定不妊治療・産婦人科においての治療に対し、今年度から2年継続で10万円の助成金を出しています。市民病院、みつぎ病院では、対象になる治療を受けられないのでしょうか。総体説明の中に「高度化する医療ニーズ、住民要望にこたえていきたい」とありますが、今後の計画があればお聞かせください。

 次は、健康づくりについてお伺いします。

 成人健康診査の中の乳がん対策でありますが、御存じのように、現在我が国の女性のがん罹患率第1位で年間3.5万人が発症し、約1万人が死亡しており、残念ながらこの数は年々増加の傾向にあります。早期発見のため、40歳以上の女性に対して視触診に加えてマンモグラフィー検査を本市では本年度より早急に実施されたことを大いに評価するものであります。加えて、以前成人式に自己検診用の啓発パンフレットを配布してはどうかというお願いもことし早速実施されておりました。あとは女性の意識改革でありますが、まだまだ手おくれの人が後を絶たないということを聞くたびに、より一層の啓発活動に努めていただきたく要望をしておきます。

 国も新規事業として、42億円を導入してマンモグラフィー整備、啓発活動を指導しています。本市のマンモグラフィーの検診状況ですが、8日間、計10回、1回に20名の定員で実施されましたが、希望者が多く抽選になったということをお聞きしております。詳しい今年度の実施状況についてお知らせください。すべての希望者の願いにどのようにこたえていかれるのか、また次年度よりどのような取り組みをされるのかお示しください。

 最後に、教育問題についてお尋ねします。

 21世紀を迎えた今日、国際化・情報化の進展や少子・高齢化の進行など変化が極めて大きい状況で、市民一人一人が心豊かに充実した生活を送っていくためには、生涯を通じてみずから学び、自己を高め、さらには学んだ成果を社会で生かすことができるシステムをつくることが求められております。特に、本市は合併により新たな枠組みを構築することが課題ですが、一方でこれまでの地域社会での連帯の希薄化も懸念されます。この意味でも地域社会をベースとした生涯学習への期待は大きいものがあると思います。

 この生涯学習を推進するためには、「人づくり」が重要なキーワードではないでしょうか。

 すなわち、「生涯学習を支援する人づくり」と「生涯学習をリードする人づくり」が市民一人一人の生涯学習を支援する基盤であると思います。

 このたび発表されました「尾道教育さくらプラン」では、生涯学習拠点の確立や生涯学習講座の拡充などが重点目標に掲げられております。「人づくり」の観点では、どのような取り組みをされるのかお伺いします。

 また、本市がエリアを拡大することを踏まえますと、各地区の公民館を中心としたコミュニティーの形成やNPO、ボランティアグループの活動が活性化することが必要だと思いますが、具体的な取り組みについてお伺いします。

 次に、家庭の教育力の充実についてお尋ねします。

 昨今、子どもの命や安全を脅かす事件が頻発し、良識ある市民の心を痛めております。先日も市内の保護者家庭に子どもを誘拐したという電話があったことをニュースで知りました。いたずら電話ということでほっとしましたが、子どもの安全にかかわる緊急情報を早く知ることが大切だと思います。小・中学校生徒の保護者で登録されている携帯電話のメールアドレスにこうした緊急情報を一斉送信するシステムを導入されてはいかがでしょうか。

 犯罪者が一番嫌がるのは、地域の連帯と信頼感と言われております。安全対策については、2004年6月議会でお願いしたこども110番シール、110番パトロールの車用のマグネットプレート、自転車用のプレートを作成中とのことで早急に対応していただき、保護者家庭から感謝の声が届いております。

 安全対策は、学校・地域・家庭が協働していかなければなりませんが、子どもがむやみに人を警戒したり、他人への信頼感をなくさないようにするために、「尾道教育さくらプラン」では、学校教育の現場でどのように取り組まれるのかお伺いします。

 また、本県の刑法犯少年の少年人口1,000人当たりの補導人員は、平成9年、12年が全国ワースト1位、10年と11年が2位、13年はワースト9位というデータが示すように、凶悪化、粗暴化、低年齢化など深刻化しております。このような子どもをめぐる問題にはさまざまな原因があると思いますが、家庭の教育力が低下し、「過保護、甘やかし過ぎの親」「しつけや教育に無関心な親」が増加したことも大きいと思います。

 家庭は、子どもが体験する初めての社会です。家庭教育はすべての教育の出発点で、どんな時代になっても、どんな社会体制であろうとも、家族の形態は多様化すれども、子どもは家庭の中で言葉を覚え、基本的な生活習慣を身につけ、愛し愛される人間関係の中で「人」としての生きる力をはぐくみます。また、健やかな成長が保障される家庭での教育を必要としています。家庭教育は、地域とのつながりの大切さを教え、地域社会の人間関係の中で自制心、自立心、また他人への思いやりの心を培う教育の原点です。

 先日、京都議定書発効を記念して来日した環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイ女史は、日本人の「もったいない」という心、価値観に注目していました。日本人でも忘れがちな価値観です。こういう心は家庭教育の中ではぐくまれてきたものです。ところが、このような家庭の機能が低下し、本来「私」的な領域である家庭のあり方が社会全体の課題となっております。

 家庭の教育力を再生させることは、新しい尾道の教育をつくっていく上で、また尾道の「心」を受け継いでくれる「人」を育てる上で重要な課題であると思います。本市における家庭の教育力を充実されるための方策について具体的な対策をお聞かせください。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(植田稔) 理事者より答弁を求めます。

 亀田市長。



◎市長(亀田良一) (登壇)公明党議員団を代表されました荒川議員からの御質問に順次お答え申し上げます。

 まず最初に、これからのまちづくりについての御質問でございますが、トイレ情報の観光ページ掲載についてでございますが、現在観光パンフレットにはトイレ情報を掲載しておりますが、合併を機にホームページを初めとして観光情報の充実に努めてまいります。

 次に、(仮称)尾道商業会議所記念館等の整備についてでございますが、新年度に入りましたら速やかに取りかかり、来年3月にはオープンをしたいと考えております。

 また、事業内容についてでございますが、記念館につきましては1階は商都尾道の歴史資料展示と観光等の案内を、また2階は階段状議場を復元し、会議や各種催し物の会場として広く御利用いただきたいと思っております。

 また、広場につきましては、さまざまなイベントの利用ができるようオープンスペースを確保し、公衆用トイレや休憩施設の設置等を予定しております。

 なお、旧ふらっと館につきましては、市民の文化芸術活動の発表の場として、主に1階の展示施設部分を充実させてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、まちづくりにはバリアフリーの視点は欠かせないものであり、高齢者や障害のある方等すべての人が快適な環境で安心した生活が送れ、すべての人が訪れやすいまちづくりに努めてまいりたいと思います。

 次に、一事業主としての尾道市の行動計画策定の進捗状況についてでございますが、行動計画策定のための職員アンケートを昨年12月に実施をしております。その内容も参考にしながら部内協議を進め、3月中の策定に向け、現在最終の調整を行っているところでございます。

 行動計画の内容についてでございますが、本市では妊娠中の職員の時間外勤務の制限や出産後における育児休業の取得等、職員の職務環境に関するものにつきましては、法令等に基づきほとんどの制度を活用できる状況でございます。このことから、計画では制度の内容はもちろんのこと、制度の周知徹底、制度の活用推進等、一体的なものとなるよう策定をし、各制度が次世代育成支援に一層役立つよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、延長保育についてでございますが、本年度から実施をしております公立保育所7所に加え、新年度では法人4園及び御調町2園で延長保育を計画をしております。

 また、その対象人員につきましては、525名ふえて1,115名となります。

 次に、リニューアルする北久保児童館についてでございますが、新しい児童館では従来の事業に加えまして、子育て相談や母親サークル等の地域組織活動の育成及び助長を行いたいと考えております。そのため、保育士、幼稚園教諭、小学校教諭などの資格のある児童厚生員を配置して運営に当たります。

 また、この児童館の所管については、設置経過や改修に当たってのこともあり、従前どおりの人権推進課の所管として運営をいたします。

 なお、今後のあり方については研究してみたいと考えております。

 次に、お尋ねの子育て支援センターにつきましては、2003年度の利用件数は4,609人で、2004年度は2月末現在で4,852人の利用となっております。子育てに関する相談件数も年間700件を超え、虐待や育児相談、栄養相談など多岐にわたっての内容となっております。

 次に、ファミリーサポートセンターについての御提言でございますが、これは家庭での育児と保育所などの保育施設のサービスのはざまを埋めるものとして、近隣の市でも実施をされていることは内容も含めて承知をしております。

 本市においては、この事業にかかわる実態の把握や対象者及びサービスの提供者などの現状を勘案しながら事業化について研究しており、御提言は参考にさせていただきます。

 次に、児童福祉法改正に伴う相談体制の整備についてでございますが、御所論のとおり、法改正に伴う新たな業務については、児童課で的確に対応できるよう必要な体制を整えることとしております。

 第2点目としてお尋ねの要保護児童対策地域協議会の設置については、新年度に設置をしたいと考えております。

 要保護児童の早期発見、早期対応のためには、関係機関との緊密な連携が不可欠でございますので、会のメンバーとして市行政、教育委員会、児童相談所、医師会、民生児童委員、警察、児童福祉施設などを想定をしております。

 この運営については、各機関の代表者会議と実務者会議に分けて、必要に応じてそれぞれの会議を開催する方向で調整をしていきたいと考えております。

 現在の民間で取り組まれている「尾道地区子ども虐待防止ネットワーク会議」とは、今後協議を深めてまいります。

 次に、今年度のマンモグラフィー検査状況についてでございますが、御承知のように本市の健康診査事業は、集団検診と医療機関検診の2種類があります。集団検診による検査は、定員200人に対して542人の申し込みがありました。できるだけ多くの要望にこたえるため、状況を見ながら定員をふやし、抽選の結果、252人の方に検査を受けていただきました。

 一方、医療機関検診では、800人程度の検査が可能でございますが、2004年12月現在では42人の方が受診されております。

 次に、新年度からの取り組みについてでございますが、国の方針に沿って40歳以上の女性を対象にマンモグラフィー検査と視触診の併用検診とし、偶数年齢の方を対象とします。これにより2年に1回検査を受けることができます。

 集団検診における検査は、検査時間の延長等により、1回当たり45人の検査が可能になったことや実施回数を29回計画しております。抽選をせずに希望者の要望にこたえられると考えております。

 また、受診を促すためにも個人負担の軽減を図ることを検討しております。

 御指摘のとおり、乳がんは女性のがんの罹患率第1位となっております。早期発見、早期治療のためにマンモグラフィー検査と視触診の併用検診をぜひとも受診していただくよう啓発に努めてまいりたいと考えております。

 次に、市民病院についてのお尋ねでございますが、3年間で約10億円を投資して3階建ての救急棟や内科、外来などの増築2,130平方メートル、既存部分の改修2,580平方メートルに取り組む予定でございます。高齢化や食生活の変化などによる疾病構造の変化への対応とプライバシーの保護、バリアフリー化の促進など考えております。

 具体的には、夜間救急診療所を含む救急棟を整備し、ふえ続ける搬送患者を受け入れやすくし、3階部分では手術室に直結した集中治療室や手術直後の重症患者用の病床を整備する予定としております。外来改修では、内科外来で通路を隔てて待ち合いがあり混雑しておりますが、各外来の待ち合いスペースの確保や中待ち合いの廃止、消化器外来の設置などに取り組み、明るく落ちついた雰囲気を醸し出すこととわかりやすい動線、院内の案内表示にも取り組みます。そのほかトイレ改修、人工透析ベッドの増床、点滴室の充実など予定をしております。

 次に、不妊治療についてでございますが、現在市民病院、みつぎ総合病院ではホルモン療法を実施しており、体外受精、顕微授精は行っておりません。ホルモン療法では妊娠しにくく、体外受精などを希望される患者さんには、該当の医療機関を紹介しておりますが、ほとんどの方が大規模な都市で専門的に不妊治療を取り組んでいる医療機関を望まれる傾向となっております。

 なお、体外受精の相談件数は、両院を合わせて年間4〜5件程度となっております。

 以上で市長答弁といたします。



○副議長(植田稔) 平谷教育長。



◎教育長(平谷祐宏) (登壇)教育委員会にかかわる御質問には、私からお答えさせていただきます。

 まず最初に、生涯学習における「人づくり」の取り組みについてでございますが、「尾道教育さくらプラン」において、「生涯学習を支援する人づくり」では、各種団体やサークルの情報及び地域で活躍してる人材情報を集約し、活動できる場所の情報提供を行う「生涯学習人材バンク」を創設いたします。また、「生涯学習をリードする人づくり」では、NPO、社会教育団体との連携を強化するとともに、地域ボランティア活動推進事業を実施してまいります。

 次に、公民館やNPO等の活性化についてでございますが、公民館はそれぞれ地域の特性を生かした豊かな地域文化の拠点として、その機能の充実を図ってまいります。

 次に、各NPO法人の情報交換や相互連携を促進するため、NPO法人連絡協議会を設立するとともに、ボランティア支援センターを中心に各種団体との連携・協力を強化して、市民の自発的な活動の活性化に努めてまいります。

 次に、緊急情報の一斉送信システムの導入についてでございますが、大変すぐれた緊急情報提供の手段であると思います。学校現場での導入については、情報管理の手法なども含めて、今後研究してまいります。

 次に、子どもがむやみに人を警戒したり、他人に対して信頼感をなくさないようにするためにはどのようにするのかというお尋ねでございます。

 今日の社会状況は、子どもあるいは教育にとっても困難で大変な環境となっております。この中で、学校におきましては「信頼」こそが他者とのかかわり、社会での自立に不可欠であるという観点で取り組みを充実したいと考えております。

 具体的には、道徳の時間の充実とともに、道徳教育と体験活動を関連させるなど、豊かな道徳性の育成を図ってまいります。また、「おのみち『心の元気』ウィーク」では、市内全校で道徳の地域公開を行い、その後で保護者や地域の方と一緒にボランティア活動を行います。こうした取り組みを通して、実際に信頼できる人間関係づくりを経験することで、人と自分を大切にする子どもの育成に努めてまいります。

 次に、家庭教育力の再生についてでございますが、御所論のとおり、家庭は教育の原点であり、子どもは地域の宝であります。家庭教育力の再生は、本市の教育全体を充実するためにも今日的な重要課題であると認識しております。このため、家庭・学校・地域との協働で「おはよう、ただいま、おかえり」の「あいさつ・声かけ運動」を行い、地域交流と子どもの安全確保をするなど、社会全体で家庭教育を支えるための取り組みを充実いたします。

 また、家庭教育学級や子育てネットおのみちサークル、幼稚園の開放など、保護者を対象とした学習機会を充実し、家庭教育力の再生、向上に努めてまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(植田稔) 24番、助永議員。



◆24番(助永一男) (登壇)こんにちは。それでは、自治クラブを代表して総体質問を行います。今議会は新年度予算議会であり、各会派フルエントリーであります。平素の一般質問と違い、多少イレギュラーをした本日5番目の登壇であります。クリーンアップの一角を担っている意識をして質問に入ります。

 まず最初に、自衛隊のイラク派遣延長についてであります。

 アメリカがイラク戦争の大義名分に掲げた大量破壊兵器はもともと存在しなかったことがアメリカ政府自身の調査で明らかにされています。大義なき戦争で10万人を超える死者が出ていることを一体どう考えればよいのでしょうか。昨年11月には、人口30万人都市のファルージャを包囲無差別攻撃し、民衆やモスク、商店を破壊し、民間人5,000人以上を殺害しています。そのほとんどが子どもや女性、高齢者であり、負傷者や病人を死に至らしめたと言われています。こうしたファルージャでの作戦はイラク情勢を好転させたのでしょうか、それとも悪化させたのでありましょうか。

 昨年12月9日、日本政府が自衛隊のイラク派遣延長を決定したその時点で、イラクには日本を含む30カ国、16万人以上が多国籍軍として駐留しています。多国籍軍の大半を占めるのはアメリカの約13万8,000人、続いてイギリスの8,500人、韓国の3,600人、イタリアの3,085人、フランスやドイツは参加をしていません。国連加盟国191カ国のうち、軍隊を派遣したのは37カ国で、そのうち7カ国が既に撤退をし、30カ国が軍隊がイラクに残っているのであります。この3月からオランダが撤退を始めているところであります。

 日本政府が自衛隊のイラク派遣延長を決定したのは、今後のイラク情勢を十分検討してのことでしょうか。本来あるべき支援形態を考える必要があるのではと思うのであります。

 一説によりますと、サマワでの自衛隊の存在は、過去の世論調査からも歓迎されている。だが、これは日本に対する期待度が高いということで、当初から地元では雇用の確保と地元経済の底上げが期待されているのであり、自衛隊ではその期待度が薄いというのであります。自衛隊が実施している給水活動よりも上水道の整備を、道路補修も宿営地周辺より幹線道路を、そして学校より工場建設をというのが地元の希望であるというのであります。それでも自衛隊に対する排斥運動が起きないのは、自衛隊の駐屯が続く限り日本からの援助が入るだろう、そういうことを見越してのことで、サマワ住民にとって現在の生活上の最大の障害は電力不足とガソリンなど石油製品の不足で、移動式発電機の供与など、文民分野での支援の方が結局は貢献度が高いというのであります。こうした支援も波及効果がサマワにとどまるだけでなく、イラク全体の復興に効果の大きな事業に着手し、初めて日本の対イラク関与が納得してもらえるものと思うのであります。

 一刻も早く自衛隊中心の支援体制から文民分野での総合的な経済復興支援に切りかえる必要があると思うのであります。市長の御所見をお伺いするところであります。

 次に、郵政民営化について市長の所見を伺うものであります。

 小泉首相の就任以前からの持論であり、また明治以来の大改革である郵政民営化は、2003年、昨年9月経済財政諮問会議において小泉総理大臣は竹中大臣に対し、郵政公社の民営化方針の検討を指示し、それ以来1年間、「郵政民営化ありき」の論議がなされ、2004年、昨年9月10日に経済財政諮問会議において民営化の基本方針が取りまとめられました。同日、閣議決定されたところであります。

 その基本方針は、「明治以来の大改革である郵政民営化は国民に大きな利益をもたらす」と題し、1つには郵政公社の4機能、すなわち窓口サービス・郵便・郵便貯金・簡易保険が有する潜在力が十分に発揮され、市場における経営の自由度の拡大を通じて、良質で多様なサービスが安い料金で提供が可能になり、国民の利便性を最大限向上させるとしています。2つとして、郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、それによって利用可能となる資源を国民経済的な観点から活用することが可能になる。3つとして、公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。こうした国民の利益を実現するため、民営化を進める上で5つの基本原則(活性化原則、整合性原則、利便性原則、資源活用原則、配慮原則)を踏まえ、基本方針に従って2007年に日本郵便公社を民営化し、移行期を経て最終的な民営化を実現するとしています。

 基本的な視点として、4機能が民営化を通じてそれぞれの市場に吸収、統合され、市場原理のもとで自立することが重要で、そのための必要条件は経営の自由度の拡大、民間とのイコールフッティングの確保、事業毎の損益の明確化と事業間のリスク遮断の徹底であり、最終的な民営化時点における組織形態の枠組みは、機能ごとに株式会社を設立する。地域会社への分割、持ち株会社の設立や公社承継法人であります。また、最終的な民営化時点における各事業会社のあり方は、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社、公社承継法人であります。おおむね以上が民営化の基本方針であります。

 さて皆さん、いま一度振り返って、2003年9月に小泉総理大臣は竹中大臣に郵政民営化の指示を出しています。既に同じ年4月には、生田総裁のもと「日本郵政公社」がスタートをしているのであります。独立採算制のもと自律的、弾力的な運営がなされ、中期経営目標の達成に向かって労使が一体となり懸命に努力し、公社初年度の2003年度決算では、3事業とも黒字決算であります。その努力経過や業績結果を見ずして、小泉総理大臣は郵政民営化の方針を決定したことは、国民に対して「何のための民営化なのか、だれのための民営化なのか」を政府の責任において国民に明らかにする必要があると考えるところであります。

 郵政事業を民営化することは国民インフラにかかわる重要な問題であります。国民の視点に立ってフェアに民営化論議がなされるべきであると考えるところであります。

 また、小泉総理大臣が言う「民間でできるものは民間で」、こういうことについてはある程度理解するものであります。しかし、公共性を持つ企業すべて市場にさらけ出すことは理解がなかなか難しいのであります。

 郵政事業は、生活インフラを担う企業であります。利益が得られなくてもあまねく公平にサービスを提供し、事業を継続していく義務を担っています。現に郵政公社として企業性も追求し、独立採算制のもとで自律的、弾力的な事業運営を図っています。社会のセーフティーネットとしての役割を十分果たしていると考えるところであります。

 郵政民営化基本方針の中で、「見えない国民負担が最小化される」としています。いかにも税金が投入されているかのごとく思われますが、日本郵政公社はユニバーサルサービスの提供や預入限度額、加入限度額などの業務が制限されています。このことから公平性は担保されていると思うのであります。

 民間金融機関の店舗が減少している今日、尾道も広銀東支店が廃止されています。身近なところに金融機関の店舗が存在することは、市民にとって切実な願いであると思うのであります。不採算地域においてサービスの低下は目に見えて明らかです。尾道市として合併を迎え、離島から中山間地域へと市域が拡大します。当然、不採算地域がふえていきます。昨年9月定例議会において、全会派満場一致で郵政民営化反対の意見書を採決しています。こうした状況の中での亀田市長の所見をお伺いするものであります。

 次に、環境問題についてお伺いをいたします。

 昨年12月16日に京都議定書が発効されました。先進国に温室効果ガスの排出削減が義務づけられたのであります。1997年12月に開かれた気候変動枠組条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)で議定書が採択されてから7年余りであります。世界最大の排出国であるアメリカが議定書から離脱し、中国など途上国には削減義務がないなど、課題を残しつつも人類は環境と経済の両立に向けた歴史的第一歩を踏み出したのであります。

 京都議定書発効までの歴史をかいつまんでみますと、18年前の1987年、国連で「環境と開発に関する世界委員会」が「持続可能な開発」を提唱して以来、1992年6月のブラジルでの地球サミットの開催、1994年3月、気候変動枠組条約の発効、続いて1995年の3月には、その条約第1回締約国会議が開催され、1997年12月京都議定書が採択されたのであります。2001年3月にはアメリカが京都議定書から離脱を表明しています。2002年5月にはEUが京都議定書を批准し、続いて6月には日本が批准をしました。2004年11月にはロシアが批准し、ことし2月京都議定書が発効となったのであります。

 地球の温暖化は既に始まっているのであります。国連環境計画と世界気象機関が1988年に共同で設置した専門家グループ「気候変動に関する政府間パネル」は、2001年地球の平均気温はこの100年で約0.6度上がったと発表しています。日本の平均気温も同じく約1度上がったとしています。また、何の対策もとらなければ21世紀末には最大で5.8度上昇すると指摘しています。水温の上昇によって海水面も最大で88センチ上昇すると予測しています。専門家によると、温暖化が進むと干ばつや豪雨など、異常気象が多発するとしています。島嶼諸国は水没の危機に瀕し、マラリアなど熱帯性の病気が中緯度を中心に広がる懸念もあるとしています。人間活動による温暖化が異常気象の原因となっていることは確実であるとしているのであります。京都議定書の発効を受けて、多くの国が温室効果ガスの削減に取り組むことになると思うのであります。

 日本が2003年度に排出した温室効果ガスは1990年比で8%ふえています。1990年比6%の削減を求められているので、達成のためには現在より14%も減らさなくてはなりません。最大の課題は総排出量の94%を占めるCO2の削減です。

 排出源別では、工場など産業部門が37.9%で1990年度比0.2%の減であります。トラックやマイカーなど運輸部門は20.7%で20%の増、オフィスなど業務その他部門で15.7%で37%の増であります。家庭部門13.3%で29%の増で、産業部門以外の伸び率が著しいのであります。

 京都議定書の発効を受けて削減対策計画は国に任すといたしましても、産業部門では京都議定書の特例を利して、先進国が削減義務のない途上国に温暖化ガス排出を抑える技術を提供し、削減分を排出削減量として保有するものであります。経済大国が削減努力をするのにコストがかかり、他国で減らしても地球全体の温暖化防止効果は同じということであります。既に日本では、企業ではタイでのもみ殻発電事業やチリでの養豚場のメタンガスのCO2化など14件が日本政府の正式な承認を受けているのであります。伸び率が著しい家庭部門においては、地方自治体が大きくかかわりを持つものと思うのであります。地球環境問題をテーマとした講演会や環境に優しいライフスタイルの普及・啓発活動が中心になると思うのであります。

 そのためには、行政みずから低公害車の増大も必要と考えるところであります。

 いま一つ、水環境の保全、とりわけ富栄養化の対策についてであります。

 国土交通省は、富栄養化のおそれがある海域や湖沼で原因となる窒素や燐を大幅に減らすため、下水処理場での高度処理を流域の自治体に義務づけるとしています。対象となる海域などの候補は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海のほか湖沼水質保全特別措置法で下水処理などが求められている中海、宍道湖、児島湖、琵琶湖など10の湖沼であります。国土交通省は、この中から高度処理によって富栄養化の緩和が見込まれる地域を選び、政令で指定する方針であります。

 削減方法としては、流域を選び下水処理場からの排出される処理水の窒素など基準を厳しくするとしています。排出基準を守らない場合は、水質汚濁防止法違反で処罰するなど厳格に対応するとしています。高度処理をしないと下水処理場の全面改修に国の補助金を受けられないようにするなどであります。

 広島県としても富栄養化対策として、下水道の高度処理の導入について検討することとしています。尾道的に見ても、この種施設は御調町分を含めて4施設になろうと思います。すべての施設で高度処理はなされてないものと思っているところであります。

 時あたかも尾道市環境基本条例が提案されています。特徴的なのは「滞在者」、観光客にも責務をかけている点であります。世界遺産登録を前進さすためにも必要と思われているのであります。具体的な施策については、条例の趣旨を具体化する他の条例や基本計画などに盛り込むようであります。基本計画策定に大きな期待をしているところであります。

 次に、三位一体改革についてお伺いをします。

 この三位一体改革は、2004年度を初年度として2006年度までの3カ年間に4兆円程度を目途に廃止や縮減等の改革を行うというものであります。2004年度──初年度の削減額は1兆300

億円、これに対し税源移譲額4,249億円であります。そして、今年度は2005年度と2006年度2カ年で3兆円程度の廃止や縮減等改革を行うというものであります。2005年度の削減の全体像は、国民健康保険国庫負担金5,449億円、義務教育費国庫負担金4,250億円、養護老人ホームなど保護費負担金567億円、公営住宅家賃対策など補助金320億円で、総額1兆1,239億円が削減されています。これに対し、6,910億円が所得譲与税として税源移譲されます。この結果、2004年度に税源移譲された4,249億円と合わせ、2005年度については1兆1,159億円が所得譲与税として税源移譲されることになっているのであります。

 そこで、尾道市の2004年度の所得譲与税は1億5,479万2,000円で、2005年度は4億1,260万円となっています。国は1兆1,239億円の削減額に対し、1兆1,159億円の移譲額です。これに対して尾道市4億1,260万円で不利益を受けている部分は額にしていかほどになるのでしょうか、また移譲額が少ない分、どう理解されているのでしょうか、お伺いするものであります。

 年々移譲額はふえてくると思います。その反面、今年度を見ますと国庫負担金で老人保護費負担金5,319万7,000円と国民健康保険基盤安定負担金2億675万9,000円、それに母子保健事業費負担金83万6,000円で、合計3件で額にして2億6,079万2,000円が廃止されます。県負担金では、老人保護費負担金4,020万円と母子保健事業費負担金83万6,000円の2件が廃止され、今後少しずつではありますが、税源移譲が進んできますと各自治体の力量が問われてくると思います。各自治体の特徴が出てくるものではないかと思うところであります。

 ほんの一例ではありますが、精神保健福祉法32条で公費医療負担割合について、現在本人負担5%でありますが、ことしの10月には10%の負担増になる見込みです。島根県や大都市では100%の公費負担であります。各自治体の差が出てきているのであります。

 合併によって尾道市・御調町・向島町にも運動公園、尾道市・御調町・向島町にも会館ホールであります。自治体ワンセット施設であります。従来型の考えでは、この三位一体改革の意義がないのではと思うところでありますが、いかがでありましょうか。

 いま一つ、今回の尾道市・御調町・向島町の合併の総括を尾道市的にし、今後2市1町の合併にどう生かすかであります。日本の縮図とも言える中山間地域から離島まで尾道市であります。早い段階で三位一体改革をチャンスととらえて、その視点から特色あるまちづくりに向けて話し合われることが得策かと思いますが、いかがでありましょうか。

 次に、キャリア教育についてお伺いをします。

 キャリア教育パイロット校を指定して、中学2年生時での職場体験を行うというものであります。指定校は5日以上実施するとしています。

 初めに表明しておきますが、非常によいことだと思っています。若いころ、いろんな体験や経験をすることで記憶に残るのではないかと思っているところであります。私は、若いときの苦労やつらいことは年をとって必ず楽しい思い出に変わってくると思っているのであります。

 そこで、全国の公立中学校で職場体験を実施している数を見ますと、1年生から3年生までで1日のみが47.3%、2日間が23.9%、3日間が18.5%で4日間が2.6%、5日間が6.8%、6日以上が0.9%であります。ほとんどが3日以内の職場体験であります。しかし、関係者の間では職場体験による影響が生徒たちにあらわれるのは3日目を過ぎたころからといいます。3日目、4日目ぐらいから子どもたちの表情が変わってくるといいます。

 県別で5日以上実施している公立中学校を見ますと、全国1万334校のうち806校で7.8%であります。中国地方では鳥取県が60校中46校76.7%、島根県が110校中3校で2.7%、山口県185校中4校で2.2%、岡山県172校中ゼロ、広島県252校中ゼロであります。実施率100%の県は2県で、富山県が85校中すべて、兵庫県が360校中すべてであります。

 職場体験に取り組むきっかけはそれぞれでしょうが、とりわけ兵庫県の場合は、大震災の記憶がまだ生々しい1997年6月に神戸市連続児童殺傷事件で一人の中学生男子が逮捕されたことがきっかけと聞きます。富山県の場合は特徴はなく、教育に対する熱心さは、単に教室の中だけにとどまらず、地域社会の中で育てることが子どもたちの将来にとってプラスになるという確信を大人たちが持っているということであります。高校卒業後に無業者になる率が低いのもそうした思いの結果と言われております。

 一方、中学生を子どもに持つ親としては、兵庫県や富山県のように5日間も学校に通わず地域の中で働く体験をするということになれば、勉強する時間がますます削られるのに、本音を言えば反対という人も数あると思うのであります。

 中学生ぐらいになるとほとんどの家庭で、とりわけ男の子の場合でありますが、親子の会話がないということをよく聞きます。我が家もそうでありましたが、子どもが話すことと言えば、「飯、ふろ、うるさい」、この3語ぐらいであります。こうした中で子どもたちは大きくなっているのであります。それであるがゆえに社会に学ぶこと、地域に学ぶこと、人間に学ぶことが大切であろうと思うのであります。

 尾道市教育委員会として、この職場体験に取り組む熱い思いを語っていただきたいものであります。

 以上で自治クラブを代表しての総体質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(植田稔) 理事者より答弁を求めます。

 亀田市長。



◎市長(亀田良一) (登壇)自治クラブ議員団を代表されました助永議員からの御質問に順次お答え申し上げます。

 自衛隊のイラク派遣についてでございますが、イラクでは国土の復興と民主国家の建設が本格化していく中で、1月30日に国民議会選挙が実施され、約58%の投票率であったと聞いております。このことはイラク国民が自分たちの手で国づくりを進めたいという期待のあらわれと受けとめております。そうした中で、イラクの戦後復興支援には自衛隊の派遣のみでなく、文民の派遣も必要ではないかと考えております。

 いずれにいたしましても、一日も早く民主的で安定したイラクの復興が実現することを願っております。

 次に、郵政民営化についてでございますが、小泉内閣の進める改革の本丸と位置づけられて進められているこれまでの営みにつきましては、いささか拙速の感は否めないものと感じております。まず、国民が今政府に何を期待しているかといった観点からも疑問に思うわけでございます。

 いずれにいたしましても、新尾道市において広がった市域の隅々まで納得のできるサービスの提供が受けられる方向で議論が進められていくことを期待をしております。

 次に、京都議定書の発効を受けて尾道市の取り組み体制についてでございますが、本市では2003年3月に地球温暖化対策実行計画を策定しております。この計画では、市の業務を通じまして2003年度から2007年度までの5カ年計画で、2001年度を基準として温室効果ガスの5%削減目標を掲げております。この目標につきましては、計画初年度で、既に大幅に上回る実績を上げております。今後とも、引き続きまして温室効果ガスの削減に向けて努力をしてまいります。

 次に、富栄養化対策の今後の見通しについてでございますが、御指摘の下水道高度処理導入については、現在国会において審議中であり、県においても検討中と聞いております。しかしながら、重要港湾を抱える本市として、また世界遺産登録を目指しておりますまちづくりを進める都市として、水環境の保全は非常に重要なことだと考えております。その対策についての考え方は、現在上程している環境基本条例の制定を受けて、今後策定する環境基本計画の中に盛り込みたいと思っております。

 次に、三位一体改革による国庫補助負担金の削減と税源移譲の本市における実態についてでございますが、2005年度の改革により約1億8,300万円の減額、2004年度の改革の影響は約4億2,000万円の減額で、合計6億300万円の減額となっております。対しまして、所得譲与税は約4億1,300万円で、差し引き1,900万円の不足になるものと見込んでおります。

 移譲額が少ない結果となっておりますが、国庫補助負担金の交付金化が全国レベルで3,430億円でございます。交付金化につきましては、いまだ詳細が明らかでない部分がございますが、いずれにいたしましても減税の移譲額が相当に少ない額になっております。政府におかれましては、地方が必要とする所要額を地方交付税などにより措置してあると説明をされておりますが、補助金改革と税源移譲の問題を地方交付税と絡めることなく、わかりやすい説明と納得ができる改革をしてもらいたいものと不満を感じているところでございます。

 次に、公共施設のあり方にかかわっての御質問でございますが、それぞれ独立した自治体として住民福祉の向上を図るため、各種の公共施設を整備してこられた経過がございます。これが合併に伴い、新たな市域内に同種の施設が重複して存在することにもなります。合併後は地域バランスに配慮しながら、こうした施設の統廃合も行うなど効率化を進めます。今後も引き続きまして効率的な行財政運営を行ってまいりたいと考えております。

 次に、三位一体をチャンスととらえ、特色あるまちづくりを行ってはとの御提言でございますが、三位一体の改革が実現しますと国から地方へと権限と税税源が移譲され、従来にも増して地方が主体性を持って地域の特性に合った施策を展開することが可能になります。

 尾道市は、長い歴史に培われた他のまちにはない個性がございます。私はそうした個性を生かした特色あるまちづくりに全力で取り組んできたと自負をいたしておりますし、日本経済新聞の「何でもランキング」の3部門でベストテンに入るなど一定の評価もいただいているところでございます。合併により新たな市域となる地域にもそれぞれ個性や魅力ある資源もございます。今後もそうした個性や資源を生かした特色あるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。

 以上で市長答弁といたします。



○副議長(植田稔) 平谷教育長。



◎教育長(平谷祐宏) (登壇)教育委員会にかかわる御質問には私からお答えさせていただきます。

 キャリア教育についてでございますが、本市では「夢と志を抱く子どもの育成」を目指し、その中核的施策としてキャリア教育を推進してまいります。その中で、御所論のようにキャリア教育パイロット校を指定し、中学2年生に職場体験を5日以上実施することとしております。

 本市では、本年度までに2日間の職場体験を全中学2年生が行ってまいりました。短い期間ではありましたが、生徒たちには礼儀・マナーなどの社会の厳しさを感じたり、仕事のおもしろさと厳しさを知ったなどの成果が出ております。しかしながら、「学ぶ意欲」の低下や「働く意義」がわからないなどの今日の子どもたちの状況を踏まえますと、将来の社会人、職業人としての基盤を形成するためには、この職場体験を拡充することが非常に効果があると考えております。このため、来年度においてもすべての中学校で職場体験を行いますが、パイロット校では先進的に5日以上実施し、その効果などの検証を経て段階的に拡充してまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。



○副議長(植田稔) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問については明日午後1時開議してこれを行いたいと思います。これに御異議ありませんか。

                〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(植田稔) 御異議なしと認め、そのように取り計らいます。

 本日はこれをもって延会いたします。御苦労さまでした。

                午後3時12分 延会

  ────────────────── * ──────────────────

   地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。



     尾 道 市 議 会 議 長







     尾 道 市 議 会 副議長







     尾 道 市 議 会 議 員







     尾 道 市 議 会 議 員