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平成20年11月定例会(第3号) 本文




2008年11月28日:平成20年11月定例会(第3号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
 これより、代表質問を行っていただきます。
 10番福本竜平議員


◯10番(福本竜平君)(登壇、拍手)議場の皆様、傍聴の皆様、おはようございます。鳥取県議会自由民主党の福本竜平です。
 平成20年11月定例会に当たり、鳥取県議会自由民主党を代表し、県政に対する基本姿勢及び諸課題とその取り組みについて質問いたします。
 本日、本鳥取県議会において、歴史と伝統ある県議会自由民主党を代表して登壇させていただく機会を得たことは、まさに光栄のきわみであり、我が人生の誉れであります。願わくば、同じ理念、政治信条のもと、我が愛する自由民主党に集うすべての議員諸兄諸氏、皆さんの大自民党のもとにこの場に立ちたいという思いもございましたが、間もなく鳥取県政も、そして国政も強い強い自民党が復活するでありましょうことを信じつつ質問いたしますので、どうぞ応援をよろしくお願いします。
 去る11月4日、次期アメリカ合衆国第44代大統領に、バラク・オバマ氏が選ばれました。米国史上初の黒人大統領の誕生であります。同時多発テロからイラク戦争、先行きが見通せないアフガン情勢、そしてサブプライムローン問題からこのたびの金融危機と、閉塞感が急速に高まるアメリカ社会において、米国民は人種の壁を越えて、オバマ氏の若さと、そして変革を選択いたしました。
 勝利を確実にした夜、「今晩ほど希望を持ったことはない。約束しよう。我々はやり遂げる」と、力強く訴えた氏の変革への強い意志は、米国民に希望とアメリカという国が見る夢を抱かせました。
 そして一昨年、オバマ氏と同じように、時代が変わる、鳥取を変えると次世代改革をうたい、鳥取県政の変革を訴えて当選を果たした平井知事は、くしくも、この若き次期米国大統領と同い年であります。現在、県民に不透明な将来に対する閉塞感が蔓延する中、いみじくも、オバマ氏が米国民にアメリカという国が見る夢を示し、希望を与えたように、知事は、今後、鳥取県民に、どのような夢を見ていただこうとしているのでしょうか。
 グローバル化が進む世界情勢の中で、この同世代の新しい大統領が世界に、そして我が国に及ぼす影響についての認識とあわせて、まずは知事の率直な御感想をお聞かせいただき、質問に入りたいと思います。
 県政における知事の基本姿勢として、混迷をきわめる世界、そして日本経済の中での鳥取県政の指針を問います。
 悪化する経済環境の影響についてお尋ねします。
 米国のサブプライムローン問題に始まる世界的な金融不安から、原油高に起因する物価高騰、加えて昨今の急激な円高による我が国貿易黒字の大幅な縮小と世界同時株安が及ぼす金融危機から金融メルトダウン。現在の我が国を取り巻く経済環境は、まさに100年に一度あるかないかの非常事態であると言えます。
 実体経済の多くを貿易に頼る我が国にとって、資材資源高騰で製品原価が上昇する中、追い打ちをかけるように進む円高は、輸出産業とそれを取り巻く周辺産業に深刻な影響を及ぼしております。本県においても輸出関連企業のすそ野は広く、県内の多くの中小機械部品工場等においてもその影響は少なくないものと思われます。
 世界的規模での景気減速や為替相場について、一地方自治体が行う個別施策で根本的解決を図ることは困難ですが、県内経済に少なからぬ影響が生じる可能性がある以上、何らかの対応も必要になるものと考えられます。
 知事は、まずこのたびの金融危機、金融メルトダウンを主因とした世界の逼迫した経済状況に対し、どのような危機意識をお持ちか、またこれらの経済状況の変化が県内経済に及ぼす影響につき、どのように認識され、今後どう対処していこうとされているのか、所見をお伺いします。
 次に、金融機関の信用収縮の影響についてお尋ねします。
 世界的な株式市場の混乱と相場の続落に伴い、金融機関の自己資本比率は急速な低下傾向を示しております。これを受けて、現在、金融機関には、自己資本比率を維持するために不良債権処理を進めたり、企業への貸し出し資産の圧縮を図る傾向が見られます。
 県内でも、信用収縮による貸し渋りや貸し金回収などが懸念され、県も先ごろ、県内金融機関の貸し渋りについての調査を行い、その結果を踏まえて金融機関と意見交換を行ったところと伺っております。もとより貸し渋りや貸し金回収などは、県内の実体経済を悪化させるものであり、これらが行われれば、ただでさえ冷え込んだ県内経済は壊滅的状況に陥ることが懸念されます。
 このような中、先ごろ金融危機に伴う株価の下落を受け、金融庁は自己資本比率規制の緩和を発表しました。これにより、各金融機関は保有株式の評価損を自己資本比率の低下に反映されないことで経営が健全化し、もって融資が円滑に行われるものと期待されます。
 しかしながら、一方で金融機関が金融危機という経済環境の悪化に伴い、内部留保の充実を図り、自己資本を充実することでみずからの経営の健全性を高めるべく、依然貸し渋りと貸しはがしを続けることも想定されます。
 知事は、これらを踏まえ、先ごろ実施した県内金融機関の貸し渋り調査の結果と金融機関との意見交換を通じて、信用収縮による県内企業への影響をどのようにとらえ、またどう対処されようとしているのか、所見をお伺いします。
 次に、大手電機メーカーの再編についてお尋ねします。
 先ごろ、大手電機メーカーで売上高国内2位のパナソニックが、三洋電機を株式公開買い付けにより買収子会社化することが明らかになりました。両社の統合により、売上高は11兆円超となり、国内最大、世界でも第2位の巨大電機会社が誕生します。
 両社の提携のねらいは、パナソニックの大坪社長によりますと、経営ノウハウや経営資源の強化による国際競争力の向上とのことでありますが、一方で、必要な構造改革はやり遂げたいと、リストラの可能性を示唆した発言もあり、今後、子会社化される三洋電機の雇用や、重複する家電部門や各種事業の取り扱いなどについては、予断を許さない状況にあります。
 これらの扱いについては、来月末をめどにその大枠が示されるとのことでありますが、三洋電機グループの重要拠点である三洋電機コンシューマエレクトロニクス、三洋CEを県内企業として有する本県としても、その影響と今後の方針に不安と危機感を示す声が上がっております。三洋CEの現在の雇用は1,500人と、その存在が地域の雇用に及ぼす影響は大きく、また下請企業等の実経済に与える影響も懸念されるところであります。このように、買収子会社化後のあり方によっては、本県経済にとっても多大なダメージを受けることは想像にかたくありません。
 知事は、パナソニックによる三洋電機子会社化後の三洋CEへの影響をどう分析しておられるか、まずは所見を伺うとともに、あわせてそれを踏まえて今後、パナソニック並びに三洋電機に対し、地元自治体としてどのように働きかけをなさるおつもりなのか、所見をお伺いします。
 次に、平成21年度当初予算編成についてお尋ねします。
 平井県政初めての予算であった今年度の予算編成では、自主財源に乏しく、県内経済の低迷により県税収入の増加も見込まれない中で、選挙戦で公約したマニフェストや次世代改革推進など、随所に新鮮な個別カラーを打ち出すことで、県民に多くの期待と希望を抱かせる予算内容でありました。
 今日、知事の任期も折り返し点を迎えようとする中、平成21年度の当初予算においては、そろそろ予算措置されたさまざまな施策について、県民利益のため、目に見える形でより高い実効性を担保することが求められております。
 一方、現在の財政を取り巻く状況は依然厳しさを増しており、本年度にも増して非常に厳しい財政状況が予測されます。地方税収の地域間格差は依然解消されておらず、また地方交付税も概算要求において6,000億円削減される見通しであります。加えて、折からの金融危機や原油高に起因する経済困窮の現状から、県税収入の悪化は避けて通れない現況にかんがみ、本県としては県税収入の減額及び地方交付税減額分をどの程度見込んだ上で歳入予算に織り込むお考えなのか、お尋ねします。
 また、先ごろ麻生総理は、地方再生を首相主導で進めるべく、2009年度からの道路特定財源の一般財源化に伴い、地方自治体に1兆3,000億円を超す額を配分する意向を表明し、さらにこのうちの1兆円は使途を限定しない地方交付税の配分を考えていることを明言いたしました。
 現在、道路特定財源のうち、地方へ配分される臨時交付金7,000億円と補助金6,000億円超の計1兆3,000億円からどれくらい積み増されるのか、その動向は予断を許しませんが、いずれにしても、知事はこの期待される新たな歳入をどの程度見込み、またどう予算に織り込むお考えか、その所見をお伺いします。
 いずれにしても、このような困窮する財政状況のもとで、さらに財政運営の誘導目標を掲げ、その達成に向けて財政健全化を進めなければならない現状において、県民が納得する財政効果を達成するためには、より実効性が高く、かつ幅広い副次効果が期待される事業を集中的に行う必要があると思われます。緊縮予算の中で、いわゆるパンチのきいた予算措置が求められる現状において、少ない原資をどのように有効に使っていこうとお考えか、知事の所見をお伺いするとともに、あわせて、それら予算措置の中でも何を最重要課題ととらえ、予算編成に取り組まれるのか、お伺いします。
 次に、情報公開と教育のあり方についてお尋ねします。
 まずは、去る9月定例会以降、教育委員会の情報公開条例改正に向けた一連の過程につき、教育委員長並びに教育長に質問いたします。
 9月定例会で教育委員長は、条例改正の必要性につき言及、その後の開示を求める議会決議を受け、教育委員会事務局において開示に向けた条例改正の検討作業に着手されました。その後、条例案は紆余曲折を経て、ようやく知事に改正依頼され、それを受けた知事より、過日、本議会に正式に改正条例案として提案されたところであります。
 これら、このたびの余りにも忙しい一連の条例改正の検討から議会への提案までの過程を顧みるとき、その検討作業の進め方、加えてその進行管理の適切性に、議会を初め多くの県民は教育委員会に一種の疑念を抱いております。
 本来、条例改正は県議会の議を経るものであります。政務調査会、議会運営委員会などでの十分な説明がなされ、議員に対して十分な審議ができるよう適切な時期に案を示し、慎重に審議を行っていくべきものであります。
 このたびのように、議会開会日直前までパブリックコメントを実施し、異例とも言える休日開催の委員会での決定には、極めて拙速の感が否めません。また、各種団体や多くの県民からその都度御批判を受けたとはいえ、条例案に確固たる方針を示すことなく、日がわりのごとく改正内容を変更したその作業は、場当たり的ととらえられても仕方がありません。
 教育委員長としては、このたびの情報公開条例改正に際し、適切な準備、慎重な検討を十分に果たしたとお考えか、また、事務方の作業を監督する責任を十分果たせたのか、その所見を求めます。
 また、教育長におかれましては、なぜ、本11月定例会で条例改正を行う必要があるのか、係る重大な条例の改正に当たっては、このように拙速に条例改正を急ぐのではなく、十分検討、議論する期間をとって、2月定例会に提案すべきではなかったか、その所見を問います。加えて、本改正条例案策定の事務方責任者として、作業に遺漏はなかったのか、なぜもっと早く作業を進めなかったのか、その経過説明及び釈明を求めます。
 次に、上程された情報公開条例改正案について知事にお尋ねします。
 改正案の内容は、第9条第2項第7号を県独自のテストで児童らの数が10人以下の学級を除いて結果を開示できるとの取り決めを全国学力テストにも広げること。そして、第18条の2において、「全国学力調査情報の使用に当たっての配慮」を新設し、全国学力調査情報に関する情報のうち、「開示決定を受けた者は、この条例の目的及び第4条の規定の趣旨を踏まえ、成長段階にある児童等の心情に配慮し、特定の学校又は学級が識別されることにより学校の序列化、過度の競争等が生じることのないように当該全国学力調査情報を使用しなければならない」とする、いわゆる情報の使用に当たっての配慮を明文化するものであります。
 県教育委員会としては、開示に当たっても、学校の序列化のおそれや子供たちへの心情に配慮すべきとの市町村教育委員会、結果の非公表を迫る文部科学省へ最大限配慮しつつ、情報公開条例の立法趣旨に沿って開示を行うべく考えられた熟考の末の改正案であろうとしんしゃくいたします。
 第9条2項7号の改正に関しては、条例制定当時、全国学力調査を予定していなかった本条例の補完を果たす意味からも問題はないものと考えます。しかしながら、一方で新設される第18条の2において、本来情報公開条例で保障された県民の知る権利に、その知り得た情報の扱いに個別の配慮を定め、明文化されることにいささか違和感と疑問を覚えるのも事実であります。
 もとより、本条例は第4条においてその適正使用を規定しているものであり、このたびの改正案で明文化される配慮は、この第4条の解釈でもって十分事足り得るものであり、この改正の必要性に疑問を覚えますが、まずはこの改正条例案を提案された知事は、この点いかなる見解をお持ちか、その所見を問います。また、当県においては、県の行う学力調査も存在するのに、なぜここにあえて全国の学力調査のみ、その使用に当たっての配慮を明文化する必要があるのか、重ねて知事の所見を問います。
 以上、壇上での第1回目の質問は終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本竜平議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福本議員の代表質問に対しお答えを申し上げたいと存じます。
 まず冒頭、バラク・オバマ氏が第44代アメリカ大統領に選出をされた。このオバマ氏につきまして、世界に、そして我が国に及ぼす影響について、いかに認識をしているか、また率直な感想を聞かせてほしいということでございます。
 バラク・オバマ氏は、今回の大統領選挙、民主党の予備選挙の中ですい星のごとくあらわれてきました。正直申し上げまして、最初は本命の候補ではなくて、私もニューヨークにいたときにその演説を聞いたりもしましたけれども、ヒラリー・クリントンさん初め有力な候補が並ぶ中で、シカゴの市民弁護士という立場から頭角をあらわされたわけであります。上院議員としての実績もまだ浅いわけでありますけれども、何が今回オバマ氏をあれほど大統領選挙で押し上げていく要因になったのか。私は、彼がマイノリティーゆえであったからではないかという気がいたします。黒人という肌の色を持っているわけでありますが、これはアメリカ社会の中で、ある意味、そのこと自体がいろいろと論議の対象になり得る、そういう性質のものでございます。しかし、アメリカ社会も成熟をしている中で、彼は、だからこそアメリカ人は団結しなければならない、そして今の閉塞状況に置かれているアメリカという国を、世界を変えていこうではないか、率直に呼びかけたのが共感を呼んだのだと思います。
 「Yes we can」、それから、彼は最後の演説でも、「America can change」というふうに言いました。アメリカは変わることができる。そして「This is our time」、私たちのときがやってきたのだと、こういうように聴衆に当選の喜びを語ったわけであります。
 アメリカの選挙のいいところは、対立をして、共和党と民主党とが分かれて、あるいは民主党の中でお互いに予備選挙を戦う場合であっても、その過程では相当ネガティブキャンペーンをやって相手側を攻撃をするのですけれども、最後に当選が決まったときには、お互いに称賛をし合い、そしてそれぞれの実績を評価し合って、融合へと進んでいくことだと思います。
 オバマ次期大統領は、11月の初めに行った選挙後の演説におきましても、マケイン候補をたたえ、あるいはペイリン副大統領候補をたたえ、そして今こそアメリカは団結するときであるというように呼びかけたわけであります。私たちの前にはやるべきことはたくさんあると、これを皆でやっていこうではないか、「Yes we can」、私たちはできる、アメリカは変わることができる、こういうように呼びかけたわけであります。
 オバマ次期大統領は、その演説の中でも世界との融和といいますか、世界情勢についても言及があったわけであります。彼はテロの廃絶をするということを願っていますし、その意味でイラクよりはアフガニスタンのほうに重点を置いて対処していくべきだというような方針も出しているわけであります。
 それにつけても、まことに遺憾なのは、昨日インドのムンバイで多くのとうとい命がテロリストによって失われたことであります。同時多発テロで100名を超える命が失われました。その中には、県境を挟んですぐ向こう側、岡山県の真庭市の御出身でいらっしゃいます津田尚志さんの命もあったわけでございます。出張でたまたまホテルを訪れ、そしてロビーにいたところを無防備なまま襲撃をされてしまったということでございます。こういうことはあってはならないことであり、世界としても強く糾弾していかなければならないものだと思います。恐らくオバマ氏は、そうした先頭にも立てる人材ではないかと思います。
 私は、オバマさんがこうしてマイノリティーからの出発であるがゆえに、広くすべてを取りまとめようという志向性を持っていること、これに着目をしたいと思います。多様な価値観というものを包摂をして、まとめ上げていこうという、そういう多様な価値観を前提としていること。彼自身もインドネシアに住んでいたこともありますし、恐らく日本も含めたアジアに対する考え方、親和性の高いものもあるだろうと思いますし、価値観も異なった価値観として受容できる人物ではないかと期待をいたしております。
 また、そうした多様なものをまとめ上げて大統領選挙を戦っていった、そういうことから、求心力が非常に強い人物ではないかと思います。現に現在、ブッシュ政権からのトランスフォーメーションといいますか、政権移行期にございますけれども、今後に対する期待は世界じゅうでも高まっているわけであります。これを上手に利用していけば、あたかもビッグウエーブを迎えた上で波乗りをするがごとく、すばらしいパフォーマンスを上げることができる政治家たり得るのではないかと思います。
 ケネディがあらわれたときとダブらせて見る人が多いと思いますが、私もそういう感じがいたします。ケネディ自身がニューフロンティア政策を掲げて、新しいフロンティアをみんなでやっていこう、戦っていこうというように呼びかけたのと、今回の「Yes we can」、そうやってアメリカ国民に、そして世界に呼びかける姿というのは、私は共感を持っていますし、私自身もそうした意味でその戦列に加わっていってもいいのではないかと考えているところでございます。
 次に、このたびの金融危機を主因とした世界の逼迫した経済状況に福本議員が憂いを持たれておられ、そしてその危機意識を訴えられました。私自身について、その危機意識を持っているのか、また県内経済への影響について、どういうふうに考えているかというお尋ねをいただきました。
 この世界の金融危機、かつて日本も平成に入ってバブルを享受していた後、崩壊をしました。あのときは日本の経済だけが沈んでいったわけでありますが、今回は世界じゅうが同時に沈み込み始めている。そういう意味でインパクトは大きいですし、立ち直るためにはかなり幅広く努力が必要である。そういう特殊な状況に今置かれているのではないかと思います。100年に一度という表現を麻生総理もおっしゃいますけれども、まさにそういう状況にあるのではないか、私自身も憂慮をいたしているところであります。
 OECDのアウトルック、今後の経済見通しもこのたび修正をされました。日本は来年0.1%マイナスの経済成長、停滞を見るであろうというふうに予測をしていますし、アメリカもマイナス0.9%と停滞をする。それからEUも0.6%のマイナスということでございますし、中国も従来よりは景気が失速をしまして、8.0%成長にとどまるであろうというのがOECDのアウトルック、経済予測でございます。こういうように、急速に今景気が変わってきて、そのブレーキのかかり方が急でありますので、大変なインパクトがところどころで発生をしている状況になってきたと思います。
 県内経済への影響は、限定的なところから始まっていたとは思います。9月ごろから、こうした世界同時不況が顕在化をしてきて、いよいよ政府自体も景気後退を認めざるを得なくなった。そして、県内景気、県内経済への影響も懸念をされていましたが、少しずつでありますけれども、その兆候が見えるようになってきたと考えております。
 例えば紙パルプで注文が減ってきて生産が滞り始めているとか、あるいは象徴的な例ではアメリカから始まった不況でありますけれども、世界じゅうで話題になっているGMがこれからどうなるか。そのGMの受注がぱったりと世界同時にとまってきているわけであります。鳥取県内にも、そうしたGMからの受注を受けて生産ラインを動かしているところもあるわけでありますが、こういうところにも個別の企業で影響が深刻化しているというような話も聞こえてきております。このように、世界同時に景気の後退が見られてきて、これが輸出、すなわち製造業、こういう我々の地域の産業の実情にも影響が及び始めているのが今日の状況ではないかと、そういうふうに認識をいたしております。
 現実問題として、県が独自に今後、景気はどうなるだろう、企業の状況はどうなるだろうかということを問い合わせをいたしました。これからよくなると言う人と悪くなるという企業と、これを差し引きをいたしますと、今、30ポイントほどマイナスに沈み込むようになりました。1・四半期前であれば、△でありますけれども、若干数ポイント沈む程度でありましたものが、これが30ポイントほど沈むようになってきています。これが今の県内景気の足元を示しているのではないかと認識をいたしております。
 次に、金融機関の信用収縮の影響とその対応についてというお尋ねでございます。
 これにつきましては、議員が御指摘になりましたように県として10月の末にアンケート調査を行いました。その結果、34%の企業さんが貸し出しについて厳格化されているという、そういう感覚を報告されています。この厳格化自体が貸し渋りに直結するものかというと、分析をしますと必ずしもそうではありません。御自身の会社自体に影響の原因があるというのが3割ありました。あるいは経済全体の状況に原因があるというふうにお答えになった企業なんかもございまして、金融機関側の変化を上げるのはその中では小さな割合にとどまっていますので、厳格化によることでの貸し渋りと直結するわけでありませんけれども、ただ金融を受けるのは厳しくなってきていると、10月の後半のアンケートでは報告が出てきているところであります。
 これについて今、世界同時金融不況ということが起こり始めているわけでありますから、まずは金融のところで影響が出てくるだろう。特にこれから年末を迎えまして、これからの資金繰りが課題になるだろう、こういう予測を私どもといたしましても持っておりました。9月議会でも、この辺は皆様と議論をしたところでございまして、議会でもお認めいただいたような資金繰り対策の緊急融資、あるいは貸し出し期間の延長とか、そうしたメニューもつくらさせていただきましたし、国のほうも1次補正の段階で、この金融対策としてのセーフティーネット保証などを実施をしたところであります。
 我々としては、10月31日にその相談窓口を開設いたしまして、そしてその前日、10月30日には金融機関の代表の方々、それから県内の商工団体の代表の方々、それから私ども鳥取県が一堂に会しまして、私も出席をいたしましたが、これからの貸し渋り対策といいますか、金融の円滑化、弾力的な運用などについて話し合ったところであります。
 金融機関の皆様にお願いを申し上げましたのは、こうした非常に厳しい状況下でありますので、弾力的な貸し出しをぜひ行ってもらいたいと。我々行政側でも、こうした新しい金融メニューをつくったのでありますから、我々も宣伝しますし、皆さんもやってほしいということを申し上げました。
 金融機関の皆様からも、当然、そうした県内経済の状況を踏まえて、柔軟に対処したいという言葉が相次ぎました。また、片一方でそれぞれの企業が成長力を持って伸びていっていただけることこそが本当の意味の対策なのであって、そういうことを企業自身も考えていただきたいし、行政にもその視点を持ってもらいたいというお話もございまして、これもそういうことだろうと思います。そうした意味での今後の施策も期待をされるところであります。
 10月31日から新たな金融対策をスタートさせていただきました。現在までのところ新規に設定をいたしました小規模融資の制度、既に15件の御利用をいただきました。それから特別利率1.67%という利率を9月議会でお認めいただいた制度で運用し始めましたが、これも既に35件の御利用をいただいております。あわせて、貸し出し期間を事実上延長するそういう借りかえの運用、30年までというものも15件の御利用をいただいてございまして、順次、私どもの準備してきたそうした対策が利用され始めているところだというところでございます。
 次に、三洋電機コンシューマエレクトロニクスに対するお尋ねがございました。
 このたびパナソニックが三洋電機を子会社化するということが明らかになったと。三洋電機コンシューマエレクトロニクスに対する影響をどう分析をしているか、あわせて今後、パナソニック、それから三洋電機に対して、どういうふうに働きかけをしていくか、その所見を問うというお話がございました。
 11月、今月に入りまして、まず報道で三洋電機がパナソニックの子会社化されることになったという報道がありました。その報道を受けて、直ちに私どもとして、結局、鳥取の竹内市長も一緒にやってこられましたけれども、パナソニックとの子会社化による影響を懸念をいたしまして、三洋電機コンシューマエレクトロニクスを訪ねさせていただきました。松岡社長と意見交換をさせていただきました。当時は余り情報がないというのが正直なところでありました。その後、11月7日になりまして、パナソニックと三洋電機とで同時に記者発表を行い、三洋電機がパナソニックの子会社となることを前提として、資本業務提携の交渉を開始をする、そういう発表があったわけであります。それを受けまして、私自身も11月12日に三洋電機の佐野社長を訪ねさせていただいたところであります。
 現在、この状況について、どう分析しているかということでございますけれども、報道で知るところが主でありますけれども、まだまだこの話が進展をしていくのかどうかは注意深く見守らなければならないと思います。
 その要因というのは、子会社化するためには、優先株式を買収をしていくということが必要になりますが、報道で示されているところでパナソニック側が提示しているのが、現在1株120円という価格を提示していますけれども、片方でパナソニックの買収相手でありますゴールドマン・サックス、それから大和証券SMBC、それから三井住友銀行、こうした買収相手方との価格の折り合いが難航しているという趣旨の報道があります。その中でもゴールドマン・サックスは高い、200円台でも50円を上回るような、そういう買収価格を想定しているというような報道もありまして、ゴールドマン・サックスは交渉がこのままではできないと通告をしているという報道になっています。また、三井住友、それから大和証券SMBC、これらはその交渉のテーブルに残って今折衝をしているのだと思われますが、まだまだこれからどうなるか、それはわからない状況だろうと思います。
 この片方で、恐らくパナソニック側と三洋電機との間で、両者間の今後の業務提携、資本提携についての話し合いの作業は行われていると思います。
 私が佐野社長をお訪ねを申し上げましたときに、佐野社長のほうに申し上げましたのは、今、三洋電機コンシューマエレクトロニクスを初めとした三洋グループが鳥取県内で持っている経済的な地位は非常に大きなものがある。特に若い人があこがれて入るような、そういう企業であることを認識をしてもらいたい、いわばナンバーワン企業と言っていい企業さんですと。この企業が今後、鳥取の地で事業活動を継続をすること、そして願わくばそれが発展をしていくこと、そういうことによって雇用が確保されること、これを地域として応援をしていきたいという話を申し上げたわけであります。
 三洋電機の佐野社長がおっしゃっておられましたのは、今はパナソニックの傘下に丸ごと三洋電機グループが入るという交渉を始めたところなのですと。これから具体の作業は詰めをやっていきます。詳細は決まっていない。しかし、パナソニックの傘下に丸ごと入るということは、三洋電機というグループがいわば解体をされるような形で切り売りをされるとか、そういう状況になることを回避したことも意味しているのだという趣旨のお話がございました。ですから、三洋グループとしては、総体としての雇用も含めて、あるいは地域とのつながりも含めて、今後に向けて継続していくためのぎりぎりの選択ということだったのだろうと思います。
 三洋電機コンシューマエレクトロニクスという鳥取で立地をしている企業の重みについては理解をしていると。これについて、現在経営改善の計画を遂行中であると。この経営改善がなるかならないかが重要なポイントになってくるだろうと。要は会社でございますので、企業体でございますので、そこがペイする、採算に乗っていく、またこれから発展をしていくということになれば、事業体として、これはパナソニックであろうが、あるいは三洋電機であろうが、それが継続をしていくことになるわけであります。まずはそこをやらなければならないというような認識が示されたわけであります。その上で、パナソニックの大坪社長にも自分のほうから三洋電機コンシューマエレクトロニクスについても話し合ってみたいというようなお話もあったわけでございます。ですから、これからの戦略を我々で考えるということであれば、まずは今、地元の三洋電機コンシューマエレクトロニクスが立ち向かっている経営改善、この後押しをすることではないかと考えております。
 三洋電機の本体はもちろんでありますけれども、もし資本業務提携がバックにあります金融資本との話し合いがまとまって、子会社化が実現するという運びになれば、これについてパナソニックに直接私も申し入れに行く必要があるだろうと考えております。
 なお、これと関連をして、三洋電機フォトニクスという会社がございます。これも三洋電機コンシューマエレクトロニクスの敷地の中に立地をしていて、かつては鳥取三洋の中にいたのですけれども、分社化をされて、これはどちらかというと三洋電機本社と直結をしている部門であります。ここで、これから来年の3月に向けて雇用の整理をする必要があると、これは中国といいますか、海外との事業分担を行うということだという報道がありました。これについては、まだ詳しい情報入っておりません。私どものほうでも、その情報をとってみたいと思います。
 今後もこうした三洋グループ全体で、三洋グループ全体をスリム化をしたり、あるいは事業としての強みを増すことで、今後に生き延びていく算段をまずやっているのだろうと推察をいたしております。それは中長期的に見なければならないことも私は多々あるのではないかと思います。短期的には、今の荒波、ただでさえ景気が停滞をしてきまして、三洋電機コンシューマエレクトロニクスも新たな課題をこの秋以降抱え込んだ状態になってきているのが現実だと思いますが、そうした意味での当面の荒波ということもあります。それに対する対応ということも出てくるかもしれません。ただ、我々大切なのは、中長期的に、ここで旧鳥取三洋が事業体として生き残っていくと、その最後の一番肝心なところをどうやって確保していくか、そのために地域がどういう応援をできるか、これが焦点なのではないかと思っております。
 次に、地方交付税が6,000億削減される見通しになっている、また税収も折からの金融危機などで厳しい、ですから県税収入の減額、地方交付税の減額をどの程度見込んだ上で歳入予算に取り組むのかというお尋ねでございます。
 これについては、詳細は総務部長からお答えを申し上げたいと存じますけれども、今現在でも今年度の税収、鳥取県で10億円、見込みよりも落ちる見通しになってきております。それから、国は今年度6兆円の減収だと言っております。ただ、この分については今年度の交付税に影響を与えないように措置をすると政府は言っていますので、それを信頼申し上げたいと思いますが、この減収は、すなわち来年の鳥取県の法人関係税収にも影響してまいります。
 現在、アンケートをいたしておりますけれども、中間的に見てみますと、これから決算が行われまして、それでその業績見通しを問うアンケートなのですけれども、おおむね3分の2が来年度悪化するというふうに言っていますから、ことしよりも税収は悪くなると見込まなければいけないと思います。ただ、それがどれほどになるかは、これからさらに状況を分析しなければならないと思いますし、交付税も6,000億減額されるということが国全体では言われているわけでありますが、その影響については、これから地方財政対策が最終的に策定される中で、この6,000億の減額自体がどうなるかもわかりませんし、また、それがどういう需要額、それから収入額とのあい差の中で検討されるのかという見通しも今ないものですから、正確にどの程度これが影響するかというのは見込みにくい状況にあります。
 これとあわせて、来年度道路特定財源の一般財源化に伴って1兆円地方へ配分すると言っていることなど、新たな歳入をどう見込んで予算に織り込むかということでありますが、これも現在、見通しがなかなか難しいところであります。
 麻生総理が毎日のようにコメントを変えられるものですから、私どももやや混乱をしているのですけれども、知事会に出たときは、麻生総理はかなり明快に、これはもう地方交付税で1兆円を配分するのだと。それから従来、道路特定財源の中から出ておりました7,000億円の交付金、それから6,000億円の補助金というものにさらに上乗せをするような形で、つまり1兆3,000億が既に地方に配られていますから、それを上回っていくような話でないと意味がないのではないかと、こういうように言っていました。
 ですから、パイが地方側でふえるというお話ではあるのだろうと思うのですけれども、それが交付税という形になるのか、あるいはそのほかの交付金を模索されるのかというのは、現在、与党の中でも谷垣さんが中心となって取りまとめをされているようでありまして、それを政府としても、まずは見ているというところではないかと思います。その結論が出たところで判断をするということになってくるだろうと思います。
 ただ、福本議員がおっしゃったように、新たな財源はこのほかにも既に見込まれているものがあります。例えば東京都などの地方法人税収が大きいものですから、これを地方部のほうに振り向けようということで、一たん国が吸い上げて配分をするという、地方法人特別税の制度がいよいよ21年度から本格化してスタートするわけであります。これは我々のほうでは30億ほど地方法人課税がへこみますけれども、逆に60億ほど地方法人特別税で国から配分されてくる譲与税の部分がふえてくる、差し引き30億円ふえてくるという勘定になります。ただ、交付税で基準財政収入額に算定される関係がありますので、7.5億円ぐらいしか、実はふえないだろうというように見込んでおります。
 あと、このたび麻生総理の構想の中で示されておりますけれども、地域活性化・生活対策臨時交付金というものを配分をしようと、6,000億配分をしようということになります。これは特に地方部のほうに重点的に配ってくれと、このたび私ども若手の5県知事でも国に要望したのですけれども、どうもそういう方向で検討がなされるのではないかと期待をいたしております。ですから、これはある程度の額が6,000億の中から鳥取県分としても配分が受けられるのではないかと期待をいたしております。このような新たな財源も見え始めているというのが現在の状況であります。
 次に、非常に税収の見通しも厳しい、それから交付税も見込めない、少ない原資をどういうふうに有効に使っていこうというふうに考えるのか、それから予算措置の中で、何を最重要課題ととらえて予算編成に取り組むのかというお尋ねがございました。
 議員が御指摘になりましたように、今、非常に不透明な状況になっております。特に経済の地合いが悪いですから、税収だとか、あるいは交付税など、あるいはそのほかの交付金や補助金、県に入ってくるお金についての見通しは不透明であります。ただ、片方で麻生総理は2,200億円の社会保障関係の毎年定期的に切っているようなお金も見直そうではないかとか言い始めていまして、予算の組み方が景気対策も含めて変わってくるだろうという期待も持ってはおります。ただ、経済の地合いも悪いですから、明か暗かといえばかなり苦しいほうに、暗いほうに収入のほうはあるだろうと思います。
 ですから、そういう意味で、やりくり財政が必要になるだろう、以前、議場でもお話がございましたけれども、新規財源を考える必要があるのではないか。鳥取県にも埋蔵金が多少なりともあるのではないかというような御指摘もありました。こういうこともやはり点検を緊急的にせざるを得ないだろうと思っております。東京だとか、そうしたところにある、ある程度の額の資産なんかの売却だとかということもやってみたり、また改めてネーミングライツの新しいテーマも探してみるとか、財源の開拓が必要であろうかと思います。
 あと事業の効率化を進めなければならない。これはいろいろな手法があります。それをやっていく必要があると思います。一つの例としては、若い職員が現場で頑張って働いてくれています。そういう県庁職員の現場の目から見て、こういう無駄があるのではないかとか、こういうスリム化ができるのではないか、そういう提案を私は受け付けたいと、このたび申し上げました。予算編成作業の最初に、そういう事務事業の見直しのコンテスト、コンペティションをやろうではないか、こういう呼びかけをいたしております。こういう若手のアイデアなんかも入れて、できるだけ効率的な事務事業につなげていきたいと考えております。
 予算措置の中で何を重点課題と考えるかということでございます。
 先般も全員協議会で皆様に御審議をいただきましたけれども、現在、将来ビジョンを県として最終的に取りまとめようとしています。これは1年以上かけまして、県民の皆様、そして議会の皆様から寄せられた意見を一通り取りまとめたものであります。その中で浮き彫りになってきましたのは、「活力あんしん鳥取県」、活力と安心を生み出していこう、それを県民の手で生み出していこう。価値が充足できるような、そういう社会にしていこうという視点であります。これを実現するためには、人材を育成しなければならない、その人材を育成することとあわせて、地域の中で顔が見えるネットワークを活用して、真の意味の協働連携社会をつくっていく必要があるではないか、こういう御意見が数多く寄せられたわけであります。私はこのあたりが、来年度の予算の一つの重点課題になろうかと思います。
 また、国のほうも今非常に不透明になってきておりますが、道路の計画が今まとまろうとしております。つい先日も宮崎県の東国原知事とともに東京へ行ってまいりまして、それで金子一義国交大臣に要望を申し上げまして、その金子大臣にも2人で高速道路の整備に今取りかかり始めた地域があるのだと。確かに地方に対する財源配分も大切なのですけれども、それとあわせて国として直轄事業でやってもらうべき必要な地域もあるのだということを訴えさせていただいたところであります。これに国のほうがどれだけこたえてくれるかどうかということはありますが、新たに道路財源を組み直して出てくる交付金なり、そうした姿、またそうした道路ネットワークを重点的に整備をしてくれることになれば、それに地方としても応分にこたえていかなければならないこともあろうかと思います。この辺はタイミングを得てやっていかなければならないと思いますので、そうした道路ネットワークを初めとした公共投資についても、私は一定の配分をきちんと考えなければならないだろうと思っております。
 人材育成との関係で、教育の問題も重要だと思っております。特に地域の創意工夫を踏まえた教育改革、これを後押ししていくことがこれからのテーマではないかと、今回の将来ビジョンでつくづく思いました。そのことも重点に置きたいと考えております。
 あと、沈滞していく、沈み込んでいく経済に対する手当て、これは臨機応変に考えなければならないと思います。それも国から打ち出されてくることとあわせて、我々は東・中・西でキャビネットをつくったりしておりますし、現場を歩いたり、商工団体あるいは農林水産業団体から寄せられるさまざまな御意見もあります。そうしたものに機敏にこたえていくことも必要ではないか、こういう厳しい時期であるからこそ、今のピンチをチャンスに変えていく努力も必要ではないかと考えております。その一つとして、北東アジア・ゲートウェイを開いていくこと、これも明年度の大きなテーマになってくるだろうと思っております。
 次に、県の情報公開条例の改正案、追加提案をさせていただきましたことについて、数点お尋ねをいただきました。
 この点につきましては、立案に当たっておりました教育委員会の意向を踏まえて、私どもなりの分析もして提出に至りました。総務部長のほうから詳細はお答えを申し上げたいと思います。
 基本的なところだけ、私のほうから若干コメントをさせていただきたいと思います。教育委員会はさまざまな議論を経て今回結論を出して、私ども知事部局のほうに条例提案の要請をいただきました。この過程は新聞報道、テレビの報道など、メディアでも十分に公開をされております。議員の皆様にもその過程は伝わっていたと思います。いわば開かれた形で議論をしておられました。そして、その過程でも民意をとらえてさまざまな意見が寄せられましたので、柔軟にそれに対応していこうという姿勢で、最終的な取りまとめ案に至ったわけであります。移り変わっていくのは、それは住民の意思と合致したところを目指そうとした結果ではないかと私は思っております。
 今回の教育委員会の決断というものは、全国でも最先端の情報公開をやっていく必要があるのではないか、その前提として、周辺環境の整備といいますか、必要な条件整備というものもあわせて一定程度お願いをしたいということだったのだと思います。私はこの姿勢自体は理解できるところがあると考えておりましたので、当初から申し上げておりましたが、そうした教育委員会の申し出があれば、私はその相談に応じていきたいと、9月議会でも重ねてこの議場で申し上げていたところでございます。
 また、地方自治法上の仕組みもあえて言及をさせていただきますと、教育委員会がこの教育全般についての企画立案をし、執行する権限を自治法上持っています。私、知事部局のほうには、その権限は与えられておりません。情報公開も含めて教育行政の一環でございますので、情報公開の開示決定については、教育委員会がその制度の立案に携わるべきものであろうかと思います。
 ただ、条例提出の権限は与えられていないわけでありますから、その限りにおいて、私どもは、いわば受託するような形で提案をするという必要があろうかと思います。ただ、我々のほうでも条例の総合調整を行う権能は自治法上認められているわけでありまして、条例が全体として整合的なものだろうか、それについて問題があるだろうか、教育行政の中身に立ち入ることはあえて避けた上で、その範囲内で私たちは審査をし、提出をするという立場だろうと考えております。その観点に立ちまして、今回、私どもなりに検証をした結果、提出をさせていただいているということであります。
 今回のことで数点ございますけれども、一つは議員からも評価をいただいておりましたけれども、開示の対象範囲を明確に、国の学力テストのところも県の学力調査、全県調査と同じレベルでの公開の可能性というものを明示をしたことであろうかと思います。この点が一つでありましたし、それをやる前提として、教育委員会のほうから提示をされましたのが配慮規定のところでありました。この点について福本議員から議論をいただいたところでございます。
 この配慮規定でありますけれども、私どもが条文を拝見させていただき、それについてよくよく見させていただきましたが、第4条という、もともと持っている規定と体裁といいますか、考え方はよく似ている、恐らくというか、我々の理解としては4条の延長線上として、この規定をつくろうとされているのではないかと思います。
 条文を子細に拝見をすれば、情報公開条例の趣旨、それから第4条の適正利用、この趣旨を踏まえて、子供たちに配慮をしてかくかく使用しなければならない、こういうように書いてあるわけでございます。第4条も何々、適正に使用しなければならないと書いてあるわけでありまして、これといわばパラレルな形で条文をつくっている。すなわち具体的なカテゴリーをこの18条の2として表現をしたのではないかと、我々は理解をいたしております。ですから、そういう意味で、途中段階で検討がなされていました制限を行うとか、あるいは罰条を付すとか、そうしたものに比べて、その開示を受けた方に対する侵害の可能性というものは極めて低くなっている、あるいはないと言っていいぐらいに軽減をされた状態になっているというふうに私どもはとらえています。それは第4条との関連でいえば、そういうことになるのではないかと考えております。
 それで、なぜそこだけ切り取ってきたのかという疑問もわくわけでございます。これもお尋ねの中にあるわけでございますけれども、これは、私どもは情報公開条例に対して、いささかなりとも制約の可能性がある条文は必要最小限でなければならないと考えております。ですから、そういう我々の観点に立てば、教育委員会のほうで提示してきたのは、県の学力調査だとか、そういうところではなくて、必要最小限で見ている範囲内での提案だというように理解をいたしております。
 以前、平成15年度だったと思いますが、県の学力調査についてもここで大分議論いたしました。同じような過程をたどっているわけでありまして、あのときも当時の教育委員会から原案の提示を受けまして、知事部局でもそれはそれでいいだろうということで議会のほうに提示をいたしました。ただ、その学級段階での開示の必要性をめぐって議会と我々の出した案との間で議論が闘わされたわけでありまして、最終的には現在のような9条2項7号の案になっているということでございます。そのときも我々としては最小限ここだけはということでありましたので、それを非開示条項として加えるということに同意をして提出をしたわけでありますが、今回も同じような考え方に立つものであるわけであります。
 詳細につきましては、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)それでは、補足して答弁をさせていただきます。
 まず、21年度の当初予算編成に絡みまして、税収見込みあるいは交付税の見込み、減額分をどの程度見込むのかというお尋ねに対する補足であります。
 現時点で来年度の県税収入あるいは交付税収入を見込むのは大変困難でございますけれども、あえて展望するとすれば、21年度税収に関しましては、景気の先行きが大変不透明でございますし、消費の低迷ですとか、あるいは企業業績の悪化等の情勢から、税収の好転する要素というのは余り見込めないのではないかというふうに現時点では考えているところでございます。
 例えて言いますと、知事も少しお触れになりましたけれども、法人二税は県税収入全体の27%を占めているわけでございますけれども、現在、主要法人に対して業績見通しのアンケートを税務当局のほうからとっております。まだ中間的な集計でありますけれども、そのアンケート結果を見ますと、当期利益の減見込みを立てておられる法人が67%ということで約3分の2ぐらいございます。そういった点から、なかなか来年度に向けての法人二税の収入見込みも厳しいものにならざるを得ないなというふうに考えているところでございます。
 自動車税という項目があります。税収全体の14%を占めておるわけでありますけれども、今年度10月末の実績を見ましても、対前年で約2.4億円の減となってございます。この原因を分析してみますと、経済性の重視ということから、普通自動車から軽自動車へシフトするという動きになってございます。軽自動車のほうは市町村の税収になりますので、県税から市町村税へのシフトが見られる。そういった普通車から軽自動車へのシフトというのは今後とも続いていくのではないかというふうに考えております。
 もう1つ例を挙げますと、軽油引取税でございます。税収全体の10%を占めておりますが、この税におきましても10月末実績を見ますと、対前年で4.6億円の減となってございます。原油価格、鎮静化してきてまいっておりますけれども、やはり景気低迷により物流の停滞が税収を圧迫しているというふうに見ておりまして、このあたりが今後どういうふうに動いていくか、注視していきたいというふうに考えているところであります。
 交付税の見込みであります。交付税は、21年度の見込みにつきましては、概算要求で全体で6,000億円の減となっているわけでございますけれども、そのほかに今年度、国税収入が全体で6兆円の減収見込みというふうに聞いておりますけれども、その6兆円のうち、交付税に連動するものが約2兆円ございます。その2兆円の減収は20年度の交付税については補てんされる見込みですけれども、これまでの通例でいきますと後年度に精算をされるということがございます。まだ、その点は決まっておりませんけれども、もしそういうふうなことになりますと、21年度の交付税に響いてくる事態になるかと思います。
 いずれにいたしましても、今後、12月末の県税収入、あるいは例年国が12月下旬に地方財政対策を示されますけれども、そういったものを勘案して推計をしていくことになろうかと思っております。
 情報公開条例に関する御質問につきまして補足答弁をさせていただきます。
 まず、情報公開条例では、第4条において、適正使用を規定しており、このたびの改正案で明文化される配慮規定18条の2は4条の解釈で十分事足りると思うがどうかという御質問でございました。
 これにつきましては、教育委員会が条例改正案をまとめられる経緯につきましては、知事もお触れになりましたけれども、また後ほど詳しく教育委員会からお話があると思いますけれども、教育委員会はこれまでの県議会での議論ですとか、あるいは教育現場の意見、パブリックコメント等の結果等を踏まえまして、教育委員長のもとで幾度となく議論、考え方を整理されまして、今回の条例案での改正を申し出られたということであります。その案については尊重すべきものであるというふうに考えております。
 配慮規定の立法理由でございますけれども、かつて行っておりました県の学力調査の結果の開示によりまして、これまで大きな支障は生じていないと聞いておりますが、教育委員会に確認をいたしましたところ、ある学校では県の基礎学力調査で学校の結果が悪かったことから、生徒が荒れて子供たちが投げやりになってしまった。暴力行為に及ぶなどの事例が校長等からの聞き取りであったということを伺っております。
 そうした事例を踏まえて、今回、全国学力・学習状況調査への関心の高さを考えてみますと、こうした事例、現象が増幅されるおそれがあるということとともに、開示が公開につながって、ひいては序列化や過度の競争による児童生徒への心情の影響が危惧されるということにつきましては、こうした考えは十分理解できるものであるというふうに考えております。
 こうした中で、今まで教育委員会で非開示理由とされていた子供たちへの心情に対する教育的な配慮ですとか、あるいは教育現場での過度な競争について知る権利とのバランスを考慮しながら、情報公開条例との整合性も考慮して、今回、全国に先駆けての開示を前提として、学校別等のデータの使用に限って、一定の配慮規定を18条の2として設けられた、そういう提案をいただいたわけでございます。
 知る権利は大切なことでございます。しかしながら、適正使用もあわせて必要なことだというふうに考えております。18条の2は国の調査に当たって4条を具体化するその例示というふうに考えておりますけれども、これがなければ市町村の懸念が払拭できないと県教委から聞いているところでございます。
 教育委員会での検討の途中経過では、使用制限という表現も考えられていたようでございますけれども、配慮規定に変更されました。そういった経過をたどっております。知る権利や表現の自由の侵害にも当たらないというふうに考えておりまして、18条の2を提案させていただいたという状況でございます。
 次に、本県においては県の学力調査もあるのに、なぜここであえて全国の学力調査のみ、その使用に当たって配慮を明文化する必要があるのかというお尋ねがございました。
 このたびの条例改正は、今後21年度以降に実施される学力調査を対象とするというふうに考えております。
 先ほどもお話ししましたように、これまで県が実施した基礎学力調査におきましては、調査結果を開示したことにより大きな障害は生じておりませんけれども、トラブルは生じているというふうに聞いております。全国学力調査への関心の高さからトラブルが増幅されるおそれ、さらには結果の開示が公表につながる可能性が高くて、それによって子供たちの心情を害する懸念が非常に高いというふうに考えております。このようなことから、県民の知る権利を尊重しながら、全国学力調査結果の開示に当たりまして、学校別等のデータの使用に一定の配慮規定を設けようとするものであります。
 なお、これまで14年度から18年度までに県が実施をいたしました基礎学力調査につきましては、結果の開示によりまして、これまで大きな支障は出ていないというふうに聞いておりますので、このたびは配慮規定を設けることはしないという取り扱いにしたところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)(登壇)福本議員から、今回の条例改正の提案がおくれたことに対しての御指摘がありました。限られた時間で一生懸命やってきたのですけれども、おくれたことに関してまず、率直に申しわけなく思います。
 私たち、もう何度も御説明をいたしましたけれども、8月11日に臨時教育委員会の中で、19年度、20年度の全国学力・学習調査結果については、市町村別、学校別、非開示とする。ただし、21年度については、これから検討するという、こういう決定をいたしました。その後、この9月議会で多くの議員の方から御質問を受け、答弁あるいは説明という形でその内容をお話をさせていただきました。そして10月14日、最終日だったでしょうか、議会で開示決議というのがなされました。我々は、やはりそうした決議というのは重く受けとめております。
 その間もずっと検討してまいりましたけれども、でもというようなことで、10月30日、協議会の中で、仮に先ほどから出ていますように、子供たちの発達段階のそうした心情に配慮できる、あるいは我々が懸念する過度な競争あるいは序列化ということに対して、生じないような配慮を条例の中で何らかの形で織り込まれるならば、市町村はもちろん、学校別も開示しようと、こういうような方針を決定いたしました。その間に、市町村あるいは学校の校長会等にも御説明をし、そして御意見もいただきました。
 当初、我々は、そうした情報開示者に対して使用制限というようなことをやっていましたが、知る権利との兼ね合い云々というようなことで、その整合性というのでいろいろな検討で、正直、制限から責務、そして配慮ということに変わってきました。そのために随分時間がかかったのも事実であります。一応、条例案というのができたとしても、やっぱりパブリックコメントというので、11月6日から20日までコメント、あるいは電子アンケート、そういう結果をもって結論を出すということで、まとめをするということで11月22日に正式にまとめ、そして知事にお願いをしたところであります。
 この間に、こうした条例案をつくるに当たって、教育委員会の事務局が中心になりながら、県民室あるいは政策法務室と御相談をしたり、御助言を受けたり、連携をしながらこうした案をつくってきました。
 確かに、そういう手続を経ましたので随分時間がかかってしまいました。でもやっぱり非常に重要なことなので、どうしても詰めた、こうした内容になり、ちょっとおくれたことは申しわけなく思っております。ただ、そうしたいろいろな思いを込めての今度の条例改正の提案です。どうぞ御理解、御支援いただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)(登壇)福本議員から全国学力・学習状況調査について2点お尋ねがございました。山田委員長のほうと一部重複するような部分もあるかもしれませんけれども、なるべく簡潔にお答え申し上げたいというふうに思います。
 1点目に、なぜ今定例会で条例改正を急ぐのかと、もう少し時間を十分とって検討、議論をしてからでもいいのではないかと、そういう意味で2月の定例会でもいいのではないかというふうな御質問であります。
 これにつきましては、ずっと議会のほうでもたくさんの議論をいただきました。そして、先ほどありましたように、9月の議会で開示の方向に向けての決議をいただきました。これを踏まえた段階で、なるべく早くその決議にこたえる、今までの議論にこたえる必要があるので、これを早くしなければいけないというふうに考えたのが一つでございます。
 もう1つございます。これは参加する市町村が、我々の開示、非開示の考え方をもとに参加、不参加を決めますので、これについては早く我々は示さなければならないというふうなことがございました。その2つの点が今回急いだ理由であります。
 ただ、その後、国のほうもこの実施要領の見直しも少し検討しているようでございます。例年ならば今までの2年間の形でいきますと、参加、不参加を市町村が決めて、それを我々が取りまとめて国のほうに出しますのが大体12月の20日前後ぐらいであったのですけれども、今回、国のほうにちょっと聞いてみまして、もちろんまだ決定はされていませんけれども、あくまで予定ですけれども、1月に入って参加、不参加を国のほうに我々が届け出るといいますか、報告するというようなことになりそうですので、昨年、一昨年よりは少しずれていくような感じがしております。この2点でございます。
 2点目でございます。教育長は、条例改正の事務方の責任者として作業に遺漏はなかったのか、もっと早く作業を進める必要はなかったのかと、その経過説明を求めるというふうな御質問でございました。
 先ほども山田委員長のほうから答弁がありましたけれども、21年度以降について、今後検討するというふうなことを決めた8月11日の臨時教育委員会以降、検討を重ねました。開示の方向を決めながら、慎重に条例改正の準備を進めてきたところであります。この条例改正の作業を行うに当たりましては、まず条例改正の具体的な方向、具体的な考え方、これをきちんとまず決めなければいけませんので、この考え方を決めるということに時間をある程度使いました。その上で市町村や校長会などの意見も聞く必要がございましたので、これも聞きました。そういう意味で時間がかかったというふうに考えております。
 また、その後、パブリックコメントとか県政参画の電子アンケート等の御意見等も見ながら考えたところであります。あわせて、初めそれほど予想を強くしていなかった知る権利との整合性の問題が大きく起こりましたので、これも先ほどありますように、規制的な力をどんどん弱めながら抵触することのないようにしたことであります。こういうふうなことから、本議会に提出するに当たって、全体としてみればかなり厳しい日程の中で作業を行うというふうなことになりました。御指摘のような印象を与えてしまいましたことにつきましては、私のほうもおわびを申し上げたいというふうに思います。
 ただ、県の教育委員会としましては議会の決議を受けて、先ほどの知事の答弁にもありましたけれども、都道府県としては全国初めてのことに今向かっていこうというふうに考えているところでございます。さまざまな意見や立場をしっかり考慮しながら、最大限の努力はしてきているつもりでございます。この点については御理解をいただきたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それぞれ御丁寧な答弁いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、まず悪化する経済環境の影響について追及をさせていただきます。
 私の質問もざっくり大ざっぱなものですから、世界的な金融危機の対処などというものは、確かに地方自治体で明確に打てるものではないと思います。具体的な対処等を求めるのも難しいかもしれませんが、ここでちょっと私なりの危惧をお伝えいたします。
 昨今、毎日のように自動車メーカー等の減産が伝えられております。電機メーカーもしかりでございます。本県でも電子デバイス、また情報通信機器、電気機械、また知事もおっしゃいましたように、自動車部品としては金型ミッションやハーネス、レーダー、センサーなど、車載用電子部品など、また情報家電や自動車部品が東アジアを中心に多く世界に輸出、出荷されています。これだけ大手のメーカーが減産を行えば、これだけの円高の市況でございます、当然、その影響が心配されるわけです。
 このような中、私なりに実際の雇用についてこの鳥取でどのような現状なのか、生の声を聞くために、先日、ハローワークの求人窓口に直接お邪魔して、最近の雇用情勢につき生の声を聞いてまいりました。厳しさを増す雇用情勢の中でも、特にここ最近はさらにその危機感が増してきているとのことであります。といいますのも、従来の正規雇用からパート雇用への流れというものがございましたが、今は正規雇用はおろか、パートすらその求人が減少傾向にあるのだそうでございます。また、9月の産業別の新規求人数の動向を見ますと、これは恐らく10月の数字が今ごろ出ておると思いますが、一月データが古いのですが御容赦ください。製造業全体の求人比率が対前年比、同月比マイナス23.9%、そしてサービス業のその比率が実にマイナス52.3%という数字です。これが示しますのは、要するにサービス業といいましても、そこに分類されるのは人材派遣会社の派遣労働者の求人ということです。これが急速に減っていることが、この数字が示していると思います。
 これにつきましては、間近に迫った例の雇用、2009年問題等の影響も考えられますので、製造業の不振による余剰人員の削減の結果として、企業が派遣延長を行っていない状況かどうかは確約がとれるものではありません。しかしながら、昨今の自動車メーカー、大手電機メーカーなどの相次ぐ減産と、それに伴う派遣労働者の契約の打ち切りの方針を示しています。また、本日の報道でもありましたが、三洋のLED部門、こちらで200名の派遣労働者の契約の延長が10月で打ち切られるとの報道がございました。このように、本県でも従来であれば秋口に更新されるその派遣労働者契約を更新しない中小、また大きな製造業者が確実にふえているとのことであります。この傾向は月を追うごとに顕著に見られて、このままいくと、今から年末年始にかけて職を失う派遣労働者が急激に増加する懸念を抱いているとのことでありました。これは急激な悪化が予想される派遣労働者の雇用環境の維持のために、何らかの対策も必要ではないかと考えますが、知事の所見を求めます。
 次に、信用収縮の金融機関の問題です。
 このたび、中小企業庁が原材料価格高騰対応緊急保証で、その指定業種を545業種にふやしたことは一定の評価に値します。しかしながら、審査の基準が従来と同じである以上、営業実績や財務内容の悪化、また担保の不足などにより、まさに今、借り入れを必要としている中小企業者の救済にはならず、制度の有効利用が図られていないことが懸念されます。
 確かに金融機関側の理屈もよくわかるのです。金融機関は日ごろより金融庁の指導のもとに業務を行っています。金融庁は金融機関の業務の健全性並びに適切性の確保のために金融検査を実施しております。金融検査では金融機関の健全な中小企業への資金供給を検証する一方で、貸出金の安全性の自己評価など、いわゆるリスク管理も検証しております。金融庁はみずからの金融検査が金融機関の貸し出し判断に全く関与しないと言い切りますが、検査でリスク管理の検証を行う以上、そこには関与はなくとも貸し出し判断に少なからぬ影響を与えることが考えられるのであります。
 経営状態や将来性の評価が余り高くない企業への貸し出しのリスクは、おのずと高くなってまいります。そして金融機関としても、金融調査で金融庁に指摘を受けるようなリスクの高い融資はおのずと行わないものと考えるのが通常であります。要するに、自己資本比率の低下による信用収縮の結果生じる貸し渋りや貸しはがしの心配の前に、根本原因として金融庁の金融調査による指導体制が機能する以上、本当に融資を必要としている、いわゆるリスクの高い企業への貸し渋りは、その解決が難しいと思うのであります。
 今般のごとき経済情勢悪化の折には、押しなべて融資を必要としている企業というのは収益が悪化しております。おのずとそれらの企業の貸し出しリスクも上昇しているものと考えられるものです。金融機関の貸し出し条件に著しい変更が生じていないとするならば、今、問題とするべきは、いわゆる貸し渋りの増加ではなく、貸し出しリスクの高い企業が増加しているその現状であるのかもしれません。
 いずれにしても、金融機関から思うように融資を受けられない中小企業が増加している現実は明らかであります。県としても直接的な金融政策だけでなく、金融機関を監督する金融庁に、金融検査で行う貸出金の安全性の自己評価の基準を変更するなど、疲弊する地域経済の中で金融機関が貸し出しリスクに萎縮しない指導を行うよう要望してはと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、大手電機メーカーの再編についても質問いたします。
 確かにパナソニックと三洋電機の競合する製品群の中で、三洋CEの製造するカーナビや炊飯器などの秀逸な性能により製品の評価の高い商品は、そのラインナップの充実をうたって重複しながらもパナソニック製品と共存を図ることが可能かもしれません、パナソニックの子会社化になったとしても。しかしながら、これら得意分野を見ても、例えば「ゴリラ」でございましたか、カーナビですが、昨今の、鳥取市で何台か買ったとか、末端で後づけのカーナビを買うような施策を行ったと聞いておりますが、実は一番大きなのは自動車に最初からついているカーナビ、もとからついているカーナビを大量に生産しておるわけです。ところが自動車メーカー減産のあおりを受けて、カーナビの受注は今もって全く低迷していると聞きます。炊飯器などはもともと売り上げ規模も小さいものですから、三洋CE自体への売り上げの寄与は薄いものと思われます。
 また、今、派遣の200名減が報じられたデバイス関連のレーザー部品のような、県はこれに集積をすると言われておりますが、このような独自性が見られない、いわゆる競争力の低い部門は、当然、合理化の対象となる可能性が高いと考えられます。このように三洋CE製品の行く末は決して安穏としてはおられません。
 また、かつて三洋エプソンになった折も、初期においては人的な問題で松本への人的移動が行われた例が示すように、パナソニックの子会社化と相なりましたら、三洋グループ内、大阪や群馬や、またパナソニックへの大幅な配置転換も想像されます。
 いずれにしても、三洋CEに集う皆さんの雇用の維持を第一に考えるなら、まずは鳥取が生産拠点として残ることが大事であると考えます。そのために生産品の転換など、大幅な変革が求められるならば、それを受け、県としても全力でその転換体制の構築を支えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 むしろ世界的電機事業会社再編の中で、世界のパナソニックの一員になったことを慶事ととらえて、さらなるIT産業の集約を図るべく、パナソニックに物づくり鳥取を売り込み、産業強化を図ってはと考えますが、知事の所見を伺います。とりあえず以上、ここまで。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福本議員からの重ねての御質問をいただきました。
 まず、経済についてでありますけれども、自動車の減産ですとか、それからパートですら厳しいというような雇用情勢、そういう状況が今県内でも出てきている、それで全国でもあらわれているということでございまして、これに対する対策を講ずるべきではないかということのお話がございました。
 おっしゃるように、今世界を駆けめぐって景気が悪くなった、消費が進まない、消費が進まないので生産を減退をする、この流れが加速しているように思います。それも今回の特徴として、もともとはウォール街が発端だったのだと思いますが、それがあっという間に世界に同時的に進んでいる。しかもマインドも手伝って急ブレーキがかかるような状況になっているということだと思います。
 今、議員がおっしゃるように、自動車の減産による雇用不安というのも広がりつつあるように我々も感じてきております。折しも本日、有効求人倍率が発表されたわけであります。鳥取県は0.68でありましたものが、△0.04ポイントの0.64ということになりました。これは全国平均でも0.04下がっておりますので、全国並みに下がったということでありますし、それから全国での有効求人倍率の順位も33位で前回とは変わりません。したがいまして、全国が落ち込む中で私どもも落ち込んでいるという状況があるのだと思います。
 その中に福本議員が詳細に調べに行かれたとおっしゃいましたけれども、パート労働者の問題だとか、そういうものがこの数字の中に内在をされているのだと思います。
 その中で、今回、特徴は、県外、他県を見ますと、愛知県で0.16ポイント下がっている、あるいは広島県で0.07ポイント下がっている。鳥取県のようなところとは際立って落ち込みが激しい県が出てきております。愛知はトヨタ、それから広島はマツダ、こういうように自動車関連で今まで雇用をふやしてきていたところが、逆に今バックシフトがかかってきているというのが現状ではないかと思います。
 これは自動車産業が直接立地をしていない県でも波及効果が出てくるわけでありまして、先ほど三洋の「ゴリラ」の話もありましたが、鳥取県内でもGMだとか、あるいはトヨタとか三菱自動車、そういうところに納品しているところもございます。特に部品産業で結構最近、工場を造成してきたところもありまして、我々もその辺の今後の先行きを懸念をいたしております。
 そういうわけで、私どもこのたび提案をさせていただきましたのは、経済対策として緊急に総額12億円のものを提案させていただきました。これは事業費ベースでいきますと44億円にも上るものになっております。一つは金融対策ということが大切だと思っておりまして、今回提案をいたしております。
 さらに議員のほうからお話がございましたが、これから年末にかけて雇用不安が発生するのではないかということでございますので、これは私ども商工労働部のほうと、それから労働局と、ちょっと後で指示をしたいと思いますけれども、そうした雇用不安が起きることがないように、行政側でもフォローアップができる体制を年末に向けて、私どもも構築する必要があるだろうと思います。その辺は議員の御指摘の趣旨に従いまして対応してまいりたいと思います。
 2点目として、今回の経済情勢の悪化の背景には金融庁の指導があるのではないか。金融庁の調査指標があって、これが金融機関に貸し出しを停滞をさせるマインドになっているのではないか、こういう御指摘でございます。これらについても、県として要望するなり対応を起こすべきではないかということであります。
 実は、我々も議員と気持ちを同じくいたしております。だからこそ、10月31日に緊急融資の窓口を県庁内に開いたのですが、それに先立って10月30日に金融機関の皆様にもあえて入っていただいて、それから金融機関を御利用されている商工団体の方にもあえて入っていただいて、そこでこれからの金融の弾力化について話し合うという場を持ったわけであります。金融機関のほうも状況は認識をされたというように私どもは受けとめました。ですから、これからもよくウオッチをさせていただきまして、もし貸し渋りだとか、そういうような動き、情報があれば、また改めて会議を開くだとか対応をとっていきたいと思います。
 その根源が国の指導にあるのではないかというのは、私もかねて思っておりました。かつて日本は金融バブルの崩壊で苦しんだわけでありまして、銀行が倒産をする、そこに公的資金を注入しなければならない、これで金融庁が強化をされたわけです。これは確かに現在、世界的に見て日本の金融機関が比較的健全な状態に置かれているという、その土台にはなったという面はありますけれども、ただ金融機関だけが栄えて産業が滅びては何の意味もないだろうと思います。ですから、その意味で金融庁のやり方に対して問題があるのであれば正していただくべきではないかと我々もかねて考えております。
 そういう意味で、鉄永議長にも行っていただきまして、国会議員の皆さんとか、それから経済産業省にもお伺いをいたしましたし、そして国の各省庁も先週回らさせていただきました。その中に鉄永議長のほうからも説明して、要望していただいた項目がこの経済対策のところでありまして、そのうちに金融の弾力化というものをぜひ図ってもらいたいということも書いております。すなわちBIS規制の関係がございまして、自己資本比率の規制がかかっている。これが金融バブルがはじけるということになりますと、自己資本規制の問題が顕在化しますので、これについて緩和をすべきだというのが一つあります。それとあわせて、これにとどまらず金融機関での、せっかく我々も融資を緩和するわけでありますから、融資制度をつくるわけでありますから、金融機関でも弾力的に融資を行うように、国としてもちゃんと指導をすべきだと、あるいは国のほうの体制を改めるべきだということも要望の中に入れさせていただいたところであります。
 これからも議員が御指摘になりました金融円滑化を図る視点に立ちまして、我々のほうでも県内の金融機関との連携を図ったり、また国に対する働きかけもしていきたいと思います。
 3点目として、三洋電機コンシューマエレクトロニクスについての重ねてのお尋ねをいただきました。
 「ゴリラ」など、あるいはそのほかの家電系統などにつきましても、パナソニックの傘下に入った場合に事業重複が起こってしまうことでの不安があるのではないか。また、ここから他の地域への人事異動だとか、あるいは生産調整だとか、そういう不安があるのではないか。その意味で、三洋電機コンシューマエレクトロニクス自体の生産構造を現在よりも向上させる対策を我々はとっていくべきではないかという御意見、御指摘でありました。
 私も全く同感であります。先ほども申し上げましたように、今一番私たちがやらなければならないのは、ある程度、中長期的な視点に立ちながら、ここの鳥取の地で三洋電機コンシューマエレクトロニクスという我が県のリーディングカンパニーが生産軌道を円滑にしていく、そして伸ばしていく、それに乗せていくことだと思います。そのためには、現在やっているままでは赤字的な体質にならざるを得ないのではないかと、これは経営陣の皆様は三洋の人も思っていますし、それからパナソニックの人も思っている。ですから、競争力のある商品をここで開発をしたりつくっていく必要がある。そのためにはラインの設置のあり方なども含めて、転換が多かれ少なかれ必要なのだと私も考えております。それが三洋電機コンシューマエレクトロニクスの今取り組もうとしている経営改善の取り組みであって、それを応援するのが本質的な部分ではないかと、私どもも考えています。
 ですから、メッセージとして三洋側に申し上げておりますのは、これから経営改善を図っていく過程で事業転換を行おうという局面になれば、我々は三洋に即したような支援メニューを考えてもいいと、そうやってここにしっかりと根をおろして雇用も守ってほしいと、こういうことを訴えているわけであります。
 もちろん鳥取市が行っているような商品購入などのそういう支援もありますし、それも我々もこれまでもやってまいりましたけれども、ただ、それは本質的ではあり得ないと思うのです。いっとき400万、500万買ったからといって、それでこれからの事業活動が継続するということまでは直結はいたしません。ですから、とりあえずそういうことで地元としての姿勢を示したり、地元の製品の愛用運動をやろうではないかということは私どもとしてそれもやっていきたいと思いますけれども、一番本質なのは議員がおっしゃった、ここで事業構造を変えていって、今まさに荒波がやってきました、経済環境の中で乗り越えていく、そしてパナソニックと提携をしたとしても、なるほど鳥取における三洋部門というのは世界的に見ても必要な事業部門だと、パナソニックとの提携の中でも必要な事業部門だと、万人がわかってもらえるようにしていくことが大切ではないかと思います。そのための支援を我々も検討してまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)明快な御答弁をいただきました。
 それでは、若干追及させていただきます。追及といいますか、ちょっと情報を披瀝させていただきましょう。
 先日ある弱電組合の会長さんに、昨今の受注量から今後の見通しをこれもまた聞いてまいりました。受注量は10月以降、前月比で優に30%減、来年以降の見通しは全く立っていないとのことであります。昨年まで出していた賞与も、ことしの夏には寸志に変わり、ことしの冬はそれすらない、これが現状であるそうです。このような現状です。県民の悲鳴にも似た叫びが聞こえてまいります。知事には今後とも困窮する県民の叫びに真摯に耳を傾けて、可能な限りの経済対策の実行をお願いしたいと思います。答弁は結構です。
 次に、信用収縮です。先ごろ、県は原材料価格高騰対応など、緊急保証について平成10年から13年まで実施した中小企業金融安定化特別保証制度同様に、保証対象外事由の設定、信用保証協会が積極的な保証承諾を行えるような環境整備を金融庁に要望したと聞いております。今後も国の施策が使いやすい制度に移行するように、適時要望活動を行ってもらいたいと思います。これも答弁は結構です。
 大手電機メーカーの再編について。今から20年ほど前であったでしょうか、私、イギリスのロンドンをひとり旅したことがございました。そのとき、かの有名なピカデリーサーカスのど真ん中にSANYOという大きな電気、イルミネーションの看板があったのをふと思い出します。ひとり旅で寂しい異国の地で、あのかの有名なピカデリーサーカスで堂々と輝く我がふるさと電機メーカーのSANYOの文字を見たとき、誇らしさと同時に世界で羽ばたく日本のメーカーのその勇ましさに深く感動を覚えたのをきのうのことのように思い出します。まさに三洋は我々鳥取県民にとっても、日本人にとっても、そして世界じゅうの人々にとっても世界の三洋でありました。
 世は移り、その三洋電機も経営危機を乗り越え、このたび同じく世界に羽ばたく我が国の押しも押されぬ電機トップメーカー、パナソニックの子会社になることになりました。我々鳥取県民としても愛着のある三洋ブランドが残ることを希望しますが、たとえそのブランドが変わったとしても、ふるさとの誇る、おらが町の電機メーカーとして、いついつまでも県民挙げて応援していきたいと思うものであります。これも答弁は結構です。
 それでは、情報公開と教育のあり方について追及させていただきます。
 教育委員長にも教育長にも適時説明をいただきました。丁寧な説明ありがとうございました。ただ、私はこのような大事な条例改正を、そもそもそのように泥縄式に進める内容なものか、それが問いたかったのであります。
 そのことを踏まえまして、教育長、教育委員長から、このたびのせわしない条例改正の手続のお話がありましたが、ここに知事に重ねて質問いたします。
 まずは、審議会の答申についてです。教育委員会が示した開示を受けた者の責務を定めた2回目の修正案では、その条例案の是非につき、県情報公開審議会の答申を得ております。くしくも責務を定める改正は必要ないとした審議会の答申に従う形で、結果的に責務条項をあきらめ、このたびの配慮規定に変えた条例案提出と相なったわけであります。しかし、私はこの配慮規定に変えた条例案も、より慎重な審議を経る必要からも、議会に提出する前に、あくまで情報公開審議会にその意見を求めてから議会提出するべきではなかったかと考えます。この点についても知事の所見を問います。
 また、知事は、先ほどパブリックコメントが十分になされたとの答弁をなさいましたが、この手続についてお聞かせください。
 鳥取県のパブリックコメント実施要領によりますと、県民からの意見の募集期間は1カ月程度とすることになっておりますが、先ほど委員長からもございましたように、このたびの改正に当たっては、11月6日から20日と15日間しか行われておりません。また、同要領によりますと、担当課は公表しようとする政策案等の検討段階、県民に求める内容を考慮し、意見募集と意見集約に時間的余裕を持って適切に政策案を示すこととしておりますが、このたび政策案がホームページや新聞、県の各機関に提示され、県民が把握できるようになったのはいつからでございましたでしょうか。新聞は7日以降ですし、ホームページも6日時点ではその内容は確認できておりません。当然、このような一連のせわしない時間の流れの中では、意見集約の時間的余裕もなかったわけで、今回の手続が十分に時間的余裕を持っていたとは到底考えられません。
 そもそもパブリックコメントの目的は、県の主要な施策や重要な条例案に当たって、その趣旨や内容を広く県民に公表して意見を求め、それら県民の意見を参考にして最終的な意思決定を行うことで、県民の県政参画への推進を図るとともに、県の意思決定過程における公正の確保と、そして透明性の向上に資することと同要領には規定されております。これは当然パブリックコメントに寄せられたすべての意見を県の最終的な意思決定に反映させることが求められていると解せられます。にもかかわらず、パブリックコメントに意見を求め、提示された制限つき開示規定は、パブコメ期間中の11月14日に教育委員会により責務規定にその姿を変えて、さらに11月26日に議会運営委員会に提案されたときは配慮規定に変わっておりました。パブコメは20日まで募集しておりましたが、このような時間の経過からは、最終案である配慮規定の条例案にパブコメの意見を反映したとは到底思われないわけであります。パブコメの目的を十分果たした手続とは到底考えられません。
 以上、これらを踏まえて、今回のパブリックコメントは適正な手続を踏まえて行われたと考えるのか、あわせて知事に所見を求めます。まず、ここまででお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)景気関係での幾つかのお尋ねにつきましては、おっしゃる趣旨を体して県民の懐といいますか、なりわい、それから地域が守られるように身を挺してやっていきたいというように考えております。
 情報公開条例について、重ねてのお尋ねがございました。
 詳細、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、情報公開の審議会の開催、それからパブリックコメントにつきましても、それぞれの手続について従来からのやり方がありまして、今回その手続の行使については従来から定められている方法に従ってなしているわけでございまして、特段、今回、特殊な事情があったといいますか、これでパブリックコメントが無効になるとか、あるいは審議会の手続について法的な瑕疵があったということではないというように理解はいたしております。詳細は部長からお答え申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)それでは、補足して答弁させていただきます。
 まず、情報公開審議会の意見、条例改正の最終案について聞くべきではないかということでございます。
 情報公開審議会は、制度の基本的事項の改正等に際しまして、知事に意見を述べることができるということで、県情報公開条例の22条に規定をしてございます。ただし、これは義務規定ではございません。必ず聞くということでもないわけでございますけれども、今回の条例改正案の作成過程につきましては、この手続を踏んで情報公開審議会に意見を求めたという経過がございました。
 今回、その情報公開審議会の意見に沿った改正内容に必ずしもなっていないわけでございますけれども、それは先ほども申し上げましたように、配慮規定を設ける必要があるということで、さまざまな観点から県の教育委員会のほうで検討をされて、その結果、情報開示を進めるということとセットでこの配慮規定を設けられたものでございます。
 そうしたことを考慮いたしまして、条例のその趣旨等も踏まえまして、今後、また改めて条例改正の最終案について審議会の意見を聞くということは現在のところは特に考えていないところであります。
 パブリックコメントの関係でありますけれども、私どものほうで標準期間1カ月ということを一応目安に書いておりますけれども、今回、教育委員会のほうでそのスケジュールを考えられまして、教育委員会の審議の経過に対応して、その設定期間を設定されてパブリックコメントをとられたというふうに思っております。そのことが標準期間より短いことによって、作成過程に致命的な瑕疵があったというふうには考えておりません。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)答弁いただきました。どうもやはり教育委員会の行うパブリックコメントは、他の所属部署から見ましても異様に短いようであります。例えば本年7月30日から8月7日まで全国学力・学習状況調査結果の取り扱いに関する意見募集、小中学校課が行ったパブリックコメントは実にこれは8日間ですね。ほかの課もございますが、最低でも大概3週間はとっておるようでございます。要するにパブリックコメントがこの最終案に反映されているかいないかという問題以前に、余りにも拙速に条例改正が急がれたのではないか、こんな大切な条例にこのようなパブリックコメントの適用でよいのか、私は非常に疑問を覚えます。
 この点は以上にして、次の質問に移ります。
 さて、それでは改正案の内容について質問いたします。
 先ほど知事、総務部長の答弁にもございましたが、4条の適正使用で足りるのではないかとの問いに対して、4条の延長上でつくろうとしていると、具体的なカテゴリーを表記したものという答弁でございました。しかしながら、この4条の適正使用条項というのは、国の情報公開法には存在しない条項であります。すなわち情報公開制度は、行政の保有する情報は県民が広く共有することで、県政に対する県民の理解と協力を深め、県民と県との信頼関係の確立に寄与し、もって県民参加による開かれた公正な県政の推進に資することを目的とするのであって、開示された情報をどのように使うかは、それぞれの県民の見識に任されていると解せざるを得ません。要するにこの4条の規定すら何ら法的な意味を持たない倫理規定であると考えます。であるにもかかわらず、具体的な18条の2でもって具体化する、要するに例示するということになりますと、これはもう倫理規定にならない、法的意味を持つものになりはしないかという懸念が生じるわけでございます。この点について、また御答弁をいただきたいと思います。
 次の質問です。本改正案は、確かに開示請求者の情報使用の制約を責務から配慮とすることで、一見穏やかな表現になったように見えます。しかしながらその中身は、4条の趣旨を踏まえ、成長段階にある児童等の心情に配慮し、特定の学校または学級が識別されることにより、学校の序列化、過度の競争等が生じることがないように、当該全国学力調査情報を使用しなければならないと配慮を求めつつも、かつ明確にその使用の制限を求めております。これはある意味、前修正案である責務条項を飛び越え、逆行して、その開示された情報の使用に際し、より強い使用の制限を深く感じ取らせる内容でございます。
 知事は、この配慮をしつつも、開示請求者に使用の制限を強く感じ取らせる本条項の文言をどのように解釈されるのか、その所見をお聞かせください。
 また、数多くの県行政の中で、この全国学力調査情報の使用にのみ、これだけに特別の条項をつくって、その開示請求者へ情報使用の配慮を求めることは、条例の構成上、整合性を欠くものであります。このように個別の事象に配慮規定を付すならば、すべての行政項目の中を検討した上で条例改正を行うべきではないかと考えますが、重ねて知事の所見を求めます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)情報公開条例について3点お尋ねをいただきました。
 まず、第1点目としては、第4条の延長線上というけれども、そもそも4条自体が倫理規定であって、あるいはこれが必要ないのではないかという御趣旨かもしれませんが、これについて疑義があるのではないか。ですから、それとの兼ね合いで18条の2も不要だというお話なのだろうと思います。
 この点でございますけれども、憲法上、表現の自由が保障されています。それから、私たち地方自治体のあり方として、住民の皆様と向き合って、その住民の皆様の意思に従って我々が政策決定していかなければならない。こういうようなことで、私たち鳥取県としては情報公開条例を制定をしました。全国でも比較的早い時期にこの条例化をさせていただいておりますし、その第1条の中でも知る権利を記載をさせていただいている。この意味でも特徴のある条例として当時評価をされたというふうに考えております。
 この憲法上の表現の自由でございますけれども、これは表現をするほうの自由というのが本来でございます。すなわち国のあり方だとか、あるいは今後の国政だとか意思決定、そういうものについて意見表明を行うことは国家の基本をなすものであろうと。ですから、表現の自由については、憲法上も高い地位を与えられているわけであります。その派生したものとして、例えば知る権利だとか、あるいは情報アクセス請求権だとか、こういうものが憲法上議論をされるわけであります。
 最高裁の判例では、一貫して知る権利だとか、情報に対するアクセス権という、このカテゴリーは、これは憲法の表現の自由から直接来るものではない。しかし、それをいわば支援をするといいますか、補佐をするものとして、これについては条例なり、あるいは法律なりで書いて、それに基づいて条例解釈や法律解釈によって認められてくる、そういう請求権であるというように考えています。これが通説的な、この理解だと思うのです。
 我々のところもそうでありまして、情報公開条例というものを設定をして、これで初めて情報公開、情報開示を受けることについての請求権が確立をしたのだと思います。ただ、これは最高裁の一貫した判例でも言われていることでありますが、いわばその自治体の立法裁量の中でその細則については決められるべき事柄であるということであります。
 私ども鳥取県の場合は、情報公開条例を設定をするときに、適正使用ということは盛り込もうではないかという考え方で第4条をつくらさせていただいたわけであります。
 この第4条で、適正に使用するよう配慮するということを書きまして、その後、今日まで運用してきているわけでありますが、我々、この条文の第4条の運用としては、もし適正に使用していないということが認められる場合であれば、それは行政側としてこれはメッセージということ、強制力のあるものではありませんが、それについては配慮義務があるのでこういうふうにしてくださいと、行政側から働きかけることも必要ではないかというのが、我々の解釈運用で今までやっていることです。
 この意味で考えますと、2点目のお尋ねにかかわってくるようなことかもしれませんが、第4条との関係でいくと、今回の国の学力テストのものについて、当然ながらこの第4条の中で読めばいいというような御議論もあるわけでありますけれども、しかし、それは開示を受けた人にはわからないわけでありますので、開示を受けた人に対して不意打ちを食らわすわけにはならないわけでありますから、これはいけない、やってもらいたくないというものが我々の条例の中に内在するものとして考えるべきなのであれば、それは明記をしておくほうが開示を受ける人、住民に対して親切といいますか、私どもの行政のほうのあるべき姿ではないかと思います。
 特に条例として極めてステータスの高い情報公開条例の関係でありますので、それは明記をして、適正使用に当たらないといって急に教育委員会のほうで考えて、不意打ち的にこれはやめてくださいということを言うのではなくて、あらかじめ書いておいて、それでこういうカテゴリーのものについては注意してくださいねと示しておくのが立法としての筋道ではないかと思うのです。そういう意味で、今回、この18条の2は4条から切り出して、あえて明記をしたということではないかと思います。
 そのほか、個別の事務、個別のものを取り出すのであれば、ほかについて調査をしたのかどうかなど、そのほかのお尋ねもございますが、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)それでは、補足して答弁させていただきます。
 全国学力・学習状況調査結果の開示についてのみ配慮規定を新設する、その場合に他の同様の情報との整合性をどう考えるのか、あるいは他の同様の情報について調査をしたのかという点について補足をさせていただきます。
 先ほども答弁申し上げましたように、全国学力調査結果について、社会的に非常に関心が高くなっていると。そういうことの中で、例えば学校別のランキングのようなものが公表されるようなことになりましたら、それによって子供たちの心情を害する懸念が非常に高いという特異な情報であるということを考えまして、配慮規定を設けたものであります。
 他の同様の分野の、他の同様の情報との整合性のお話、あるいはどのような情報がほかにあるのかということも含めて、具体的に調査を行っているわけではございませんけれども、今回の改正は、従来、非開示だった情報を配慮規定を設けることによって開示しようとするものでございます。
 現在、ほかにこうした、例えて言いますと全国規模で学年のすべての児童生徒を対象とした学力の把握といったような、そういったことを把握するという情報はございません。ないものと判断しております。
 また、既に開示されている情報につきましては、新たに配慮規定を設けるということは考えておりません。あくまで今回のケースは特異なケースであるというふうに考えておるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)御答弁いただきました。
 堂々めぐりになりますが、要するに18条の2を4条の延長上につくろうとなさっているのであれば、あくまでこれは倫理規定を逸脱するものであってはならないと私は考えます。今後の議論に期待したいと思います。
 それでは、これにちなみまして、もう1点質問申し上げます。
 教育委員会は、教育現場での過度な競争、序列化のおそれゆえに、本条例の改正を上程しているところであります。
 先ほど部長答弁にもございましたし、さきの9月定例会における稲田議員の代表質問においても、県の実施した基礎学力調査のときに教育現場での実際の序列化があったかという問いに対して、教育委員長ははっきりと幾つかの事例は報告されていると、その具体的な事象の存在を認められました。まさにここでも総務部長もその存在を認められました。
 しかしながら、一方で先日の我が会派、自由民主党の政調会において、教育長は、県の実施した調査時において開示したことによる支障はなかったこと、また地教委や校長会が危惧するような序列化の実態は実際の教育現場にはないと、はっきりとその序列化の存在を否定されておられます。ちなみに7月の情報公開審議会においても、県実施の学力調査時における過度な競争や序列化の実態はないとの答申を示しております。
 このように、教育委員長と教育長、同じく教育委員会の委員であるお二人の序列化の存在の有無の見解に関し、かくのごとき相違があるのはなぜでありましょうか。開示に向けて弊害とされる序列化等の事実確認すら明確にされていないのに、条例改正を求めるのは余りにも拙速ではないかと思うのであります。この点についても答弁があればお聞かせください。教育委員長、お願いします。
 実は私の知り合いの弁護士に、素人判断をしてもなりませんので、きのうからけさ方、意見を求めて勉強させていただきました。お名前は伏しますが法曹界のプロの見解といいますか、お考えを披瀝させていただきます。
 条例第18条の2は、第4条の詳細規定版とも言うべきものです。非常に異例な規定です。第18条の2は、第4条と同様に法的意味を持たない倫理規定と解されるべきですが、いろいろ書いてあるがゆえに問題が生じるおそれがあります。過去に第18条の2に反する行為をしたことを理由に、新たにした開示請求を拒否できるかという問題であります。また法的意味を持たせるには漠然とした内容過ぎて適用不可能であること、また情報を使用した行為と学校の序列化、過度の競争等が生じた結果との因果関係をどのように判断するのか、また成長段階にある児童等の心情に配慮して情報を使用したか、これをどのように判断するのか、以上のような懸念が払拭されないということであります。
 ちなみに、これはそもそも県民のための規定であるのか、そうではないのではないか、開示された情報を知るチャンスが少なくなることは悲しむべきことであると。教育委員会のための規定ではないのか、開示した後、どうなっても教育委員会の責任ではないですよ、開示を受けた者の責任ですよということを念のため規定しているように思えてならない。情報公開条例は、県民の情報公開請求権を具体的に規定した条例であって、一部実施機関のための規定を設けることは筋が違う、このように言っておられます。意見がございましたらお聞かせください。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)初めにお尋ねの基礎学力テストの支障云々というお話ですけれども、従来、我々はそうした支障はないと思っていました。ところが8月5日、市町村教育委員会とか校長会との意見交換会のときに幾つか事例が出てきたのは事実です。ただ、その場合に、オフレコでお話をしたいということで、それを前提にお話を聞きましたので、ここでは差しさわりのない程度のお話の仕方でお許しいただきたいと思いますけれども、ある町の中学校です。
 こういうテスト結果が明らかになった結果、随分学校が荒れたという事例です。具体的には、生徒から先生への暴力、あるいは生徒間の暴力が多発した。それからその学年は従前と比べると、こういう言葉がいいかどうかわかりませんが、進学校へ行く、中学校から高校へ行くその数が半減をしたということ。それから、町議会が物すごい叱責を学校に向けたという、こういうような事案であります。こういうようなことを受けて、校長先生のお話ですけれども、一生懸命テスト結果だけではないのだということをフォローしたり説明するのですが、どうしても数字がひとり歩きをしてしまった。それから、あげくの果ては保護者の方が、だれが成績を落としているのだという、これも言葉は非常に悪いのですけれども、犯人捜しが行われ始めたと。こういうようなことで、どうしても数字が出ることは子供たちの心情にプラスとは思えないと、こういうような述懐をされていました。
 非常につらい事案で申しわけないのですけれども、ですから、我々やっぱりこうしたものを扱うときには、数字だけがひとり歩きしないような、そうした配慮を十分しないといけないのではないかと、こう思っています。
 何度も出てきますけれども、基礎学力と違って国の今回のテストは、非常に大きな影響力とか関心も高いので、それだけに十分な配慮をした上での開示ということが大切ではないかと。ぜひ御理解いただければと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)ありがとうございました。
 どうも釈然としませんのは、それらの事案が、町議会から、例えばテストの点数に限って成績が悪いのではないか、そういうことで現場に叱責が行った、これは確かにその影響であろうと思われます。しかしながら、今、報告のございました生徒間、または生徒から教師とおっしゃいましたか、この荒れた現状と、この学力調査の因果関係が証明できるでしょうか。こんなことはだれもできないと私は思うわけです。このような不確かな、恣意的な事実に基づいて条例改正を提案なされるのは、非常に危険だと私は考えます。
 長くもなります、本議会始まったばかりでございますので、後の議論にバトンをゆだねまして、私の午前中の質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、午後1時10分再開予定といたします。
       午後0時10分休憩
   ────────────────
       午後1時10分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 10番福本議員


◯10番(福本竜平君)(登壇)午後しばらくおつき合いください。
 それでは、県政における諸課題とその取り組みについて質問いたします。
 まず、企業立地の促進についてお尋ねいたします。
 本県では、昨年4月の企業立地促進法制定を受けて、同年10月に地域産業活性化基本計画の国同意を得て、電子デバイス、情報通信機器、液晶関連産業などを中心に、県内産業のさらなる集積に向けた取り組みを行っているところであります。しかしながら、元来、産業基盤の弱い当県のような地方自治体が実施する企業誘致にはおのずと限界が生じ、近年の大型投資を見ても、産業基盤の確立した人口集積地に偏る傾向は顕著であり、一方で地方では企業立地どころか、産業集積地に人材を奪われるという、まさに負の連鎖が進行しています。
 企業立地促進法では、基本計画に基づく企業立地に対しては、条件不利地域に一定の配慮はされてはいるものの、人口が集積する大都市と過疎化が進行する地方都市が入りまじって企業誘致を競い合う現制度では、おのずと地域間格差が生じています。
 このように、ただでさえ苦戦を強いられている本県産業振興策、企業誘致についても、折からの悪化する経済環境の中では、企業そのものの投資意欲が減退することも懸念され、その企業誘致にも、さらなる困難が生じるおそれがあります。
 係る現状を前に、知事は本県の企業立地促進において、地域間格差を払拭すべく、どのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いします。
 次に、環日本海交流時代における取り組みについて質問いたします。
 まず、DBSクルーズ貨客船就航についてであります。
 現在、環日本海交流のかけ声のもと、日本海側の港湾を有する自治体は、極東ロシア沿海州、中国、韓国との交流促進に注力しています。国の重要港湾の指定を受ける新潟港、伏木富山港はもとより、秋田港、金沢港、浜田港など、近年発展が著しい極東ロシアとの完成自動車、いわゆる中古自動車の輸出貿易や、中国からの雑貨を積み荷としたコンテナ輸入などを中心として、貿易量が増加しています。
 そして、このように日本海側の港湾が次々にロシアとの交易を確立し、貿易量を拡大する中、本県においても長らくその実交流の実現が希求されておりましたが、ようやくこのたびのDBSクルーズの就航により、ロシアを中心とする対岸諸国との経済交流が現実のものとなろうとしており、ここまでにこぎつけた関係各位の御努力に対し、県民の一人として深く敬意を表するものであります。
 しかしながら、来年2月に予定されている航路開設に向け、運航会社であるDBSクルーズ社の航路開設準備状況を見るとき、さまざまな点において一抹の不安を覚えるのもまた事実であります。
 運航会社であるDBSクルーズ社も新会社であること、また目下の金融不安の中、ウォン安円高が資本金の確保や入金準備に影響を及ぼすことの懸念、手付金を入金済みであるとされる予定船舶の確保の見通し、また、東海港に予定するターミナルの工事進捗や肝心かなめのロシア側との貨物確保等、貿易実体の確立、イン・アウトを通じた旅客の確保など、当面の課題は山積しており、多くの県民も期待とともに不安も抱えてこの航路の開設までの推移を眺めています。
 よって、運航開始に向けた現在の進捗状況と今後の展望につき、県民の不安を払拭するべく改めて知事に今後の見通しをお伺いします。
 次に、アシアナ航空米子~ソウル便についてお尋ねします。
 アシアナ航空による昨年の突然の運航休止発表から、本年3月まで実施された緊急運航支援、並びに各種の搭乗率向上への取り組みにより、米子~ソウル便は今現在も何とかその路線は維持されているところであります。10月までの平均搭乗率は61.1%と、アシアナ航空が基準とした70%には届かないものの、10月を除くすべての月において前年を上回る数字で推移しており、当面は順調であると認識しております。このことは、一連の搭乗率向上策が一応の成果として数字にあらわれたものであり、一定の評価をしたいと思います。
 しかしながら、昨今の世界的経済低迷による円高、殊にウォン安傾向はインバウンドにおいてもてきめんにその影響があらわれ、観光庁の調べによりますと全国の9月、10月の韓国人来訪者数は実に23%減と劇的にその数を減らしております。また、世界的な景気減速と急速な円高の影響で、9月の訪日外国人全体の数も、前年同月比6.9%減の64万1,500人と大幅に落ち込みを見せています。現在、このように韓国人旅行者だけでなく外国人観光客の誘致、いわゆるインバウンド自体が大きな難局に直面していると言えます。
 まず知事は、目下のウォン安による韓国人旅行客の減少による米子~ソウル便の搭乗率の低下にどのように対処されるか、その所見をお伺いします。
 次に、国際交流のあり方についてお尋ねします。
 現在、本県は環日本海交流のもと、中国の吉林省、河北省、モンゴルの中央県、ロシアの沿海州、そして韓国の江原道と友好的な国際交流を行っています。また、ブラジルとは鳥取県人会との交流を通じて、留学生や技術交流員の受け入れや、文化交流、加えて第2アリアンサに教員を派遣するなど、その交流は多岐にわたっています。さらに、台湾では台中県と二十世紀ナシなどの農産品の輸出を初め、観光客の受け入れなど、民間レベルで活発な交流が行われております。文化的にも経済的にもグローバリズムが進む中、我が鳥取県としても異国の自治体とさまざまな交流を図ることは、文化や経済を初め、幅広い民間交流を生み出すきっかけになるものとして期待されるところであります。しかしながら、風習や文化、歴史観の異なる他国の自治体と交流を図ることは、時に我々に悩ましい問題を生じさせるのも事実であります。
 先ごろ、文部科学省が示した中学校の竹島をめぐる学習指導要領の記述をめぐり、本県のみならず全国の自治体と韓国の自治体との交流や学校間での交流が、先方の一方的意思により中止を余儀なくされたことは我々の記憶に新しいところであります。地域間の交流と国益の問題はおのずと別にとらえられるべきではありますが、残念ながら我々がそうとらえて行動しても、国柄や相手国の事情によっては相手自治体や人々が、同じ国際交流の価値観に沿って行動しているとは言えない事案が見受けられます。このように地域間交流を推進する中で、本来、国と国とで解決すべき双方の国益上の問題が火種となって、交流相手から一方的に交流の中止を余儀なくされる現状に対し、それら特殊な国民感情により冷静な行動をとれない国柄にある地域とあえて交流を図る必要性につき、疑問を抱いている県民は決して少なくはありません。
 これらのことについて、知事の所見をお伺いするとともに、それらを踏まえてもなお進めるべき地域間交流と国際交流の意味があるとするならば、その価値を県民にお示しいただきたいと思います。
 次に、平成22年羽田空港拡張を前にした東京便対策についてお尋ねします。
 近年、我が国の航空ネットワークの推移は路線数が減少傾向にある一方、1路線当たりの年間平均運航回数は増加傾向にあります。このような中、首都の国内航空の拠点である羽田空港は、年々国内線発着回数も増加し、あわせて国内旅客数も大幅に増加、平成18年度にはついに6,216万人を記録するまでに至りました。このように路線が集中する中で、羽田空港は既に能力の限界に達しており、今後とも増加が予想される航空需要と利用者増に対応するため、またその都心へのアクセスのよさと、国際線の飽和状況にある成田空港の補完を果たす意味からも、国際定期便の受け入れを可能にするべく、平成22年完成を目途に羽田空港を沖合展開し、新滑走路を増設する拡張工事が進められているところであります。
 現在、羽田空港と全国49空港の間には、平成19年8月のダイヤで1日約420往復の航空ネットワークが形成されています。我が鳥取県においても、鳥取空港で1日4往復8便、米子空港で1日5往復10便が、全日空の単独路線としてその発着枠を確保しております。東京への移動の多くを航空機に頼る本県にとって、東京便の増便は県民の利便性向上、経済活動の向上を図るためにも、県民希求の一大案件であります。今まで官民挙げて鳥取、米子各空港の利用促進懇話会を通じ、積極的に増便に向けた利用促進事業を展開し、事あるごとに国土交通省や全日空に要請活動を行っているところでありますが、発着枠が現実に増加するこのたびの平成22年の羽田空港拡張は、本県と東京便増便にとっても千載一遇のチャンスであると言えます。係る状況を前にして、知事には増便に向けどのような策を講じられる用意があるのかお伺いいたします。
 次に、関西広域連合に対する鳥取県の今後の方針と課題についてお尋ねします。
 現在、我が国では地方分権推進法が施行されて以来、さまざまな権限移譲と財源の見直しが図られていますが、真の地方の自立にはいまだその道は遠く、分権改革は道半ばと言わざるを得ません。そのような中、この国が長くとってきた中央集権による画一的な行政システムの弊害が顕在化し、中央集権は一種の制度疲労を起こしています。このような現状を打開するには、中央の権限を徹底的に絞り込み、地域ごとのニーズに立った行政の確立を図る必要があると考えます。そのような意味から、広域行政は現行の都道府県の枠を超えた広域的課題についてその権限を持ち得るならば、あるべき行政の姿としてその期待に沿うことができる注目すべき新しい行政単位と言えるかもしれません。
 このような中、関西広域機構では、本年7月30日に開催された第3回分権改革推進本部会議において、広域行政組織である関西広域連合の設立を図るべく、検討段階から具体的準備段階に移行することを申し合わせたところであります。かねてより、近畿ブロック知事会へ加入するなど、積極的に関西圏とのかかわりを高めていた本県は、同日の会議後の理事会で関西広域機構への加入が承認され、今後、鳥取県としてこの関西広域連合への参加の可能性を判断するため、個別の事務事業に関する検討などに参加しているところとお聞きしておりますが、この関西広域機構への加入の意図と、あわせて今後の関西広域連合への本県のスタンスをどうとるおつもりなのか知事の所見をお伺いいたします。
 また、道州制との関係において、この広域連合をどう見据えておられるのかその所見をあわせてお伺いいたします。
 次に、業務効率化と行政改革について質問いたします。
 まず、行政経営品質向上についてお尋ねします。
 本県では、本年度より行政経営品質の向上を図るべく各部署がみずからの評価を行い、その結果を予算編成などへ反映させることにより、県の業務を効果的・効率的に実施し、その円滑な推進を図るべく、各部署に工程表の作成を義務づけたところであります。これは自己評価を取り入れ、目的実現のために行っている活動の本来の課題を正しく個々が認識することで、行政の経営品質の向上を推進するためのものであるとのことであります。現在、各部署が指標に照らし達成度を検証しつつ、みずからの事業実施の成果を自己評価し、チェックを行っているところであると聞いております。
 思うに、工程表の作成により各部署がみずからの評価を行うことで、確かに内的には今後の目標を定めやすくなり、業務の進捗を確認できるなどの点ではその機能を果たすとは思いますが、一方で人的なスキル不足や適性に応じていない人材配置のために生じる業務の能率低下や非効率化も、この工程表の作成から浮き彫りにできるのか否か、疑問を覚えるところであります。それができなければ、業務の根本的能率向上、効率化は図れないのではないかと考えますが、知事は工程表の作成からこれら人材活用のあり方をどう導き出すおつもりなのか、その所見をお伺いします。
 そして平成21年度予算編成に当たり、この工程表から浮き彫りにされる各部署の主体的な政策意図を、具体的に予算に反映していくとのことでありますが、それぞれの政策目標達成の年次工程表の中から導き出される予算要求に対し、どのような具体的な判断材料に基づき、実際の予算措置をしていくおつもりかお伺いいたします。
 次に、鳥取県版集中改革プランについてお尋ねします。
 景気低迷による県税収入の低下や、折からの国の交付税削減など、将来的な歳入の安定確保に困難が予想され、財政硬直の傾向が顕著な昨今の財政状況の中、本県においては住民ニーズに適切に対応するため、鳥取県型行財政改革を進めてきたところであります。そして先ごろ、その行財政改革の中の職員定数の削減、給与構造改革の取り組みについて、鳥取県版集中改革プランとして定数削減規模とその手法が明らかにされました。これは、知事がマニフェストでうたった4年間で5%以上とした定員抑制が初めて実際の数値として県民に示されたものであり、県民としてもその削減規模の大きさを初めて実数値で認識することとなりました。
 平成23年度の定数を、平成19年度比で一般行政部門において200人、学校職員において300人、計500人削減するとのことですが、この削減規模は県の考えによる削減が制約される警察部門や、経営状況に応じ定数も伸縮する病院事業を除いて、国の求める集中改革プランを置きかえた場合でも、その削減率は一般行政部門で8.4%、学校職員で5.5%、全体で6.5%と、国の目標である5.7%を上回る削減率の高さと言えます。このように大胆に定数を削減する以上、業務の停滞や行政サービスの低下を生じさせないためには、より業務の機能性を高め、重複事務を排除するような大幅な組織全体の見直しが必要であると考えます。
 また、民間との関係の見直しや、市町村との役割分担の明確化についても積極的に進める必要があると考えますが、このようなより行政効率の高い職員組織をどう構築していかれるのか、またスリム化した県庁の組織において、今後どのように県民サービスの低下を招くことのない行政を主導されていくおつもりなのか知事の所見をお伺いいたします。
 森林の育成保全についてお伺いいたします。
 まず、地球温暖化対策の視点からの森林育成保全対策についてお尋ねします。
 我が国は国土の68%、先進国ではフィンランドに次いで2位の森林率を誇る押しも押されぬ森林国であります。ところが、国内の林業は輸入材に押され不振が続き、その結果、林業の衰退とともに放置林がふえ、森林が荒廃しています。このような中、現在地球温暖化防止対策に絡むCO2削減効果を発現する森林の整備がにわかに注目を集めています。
 京都議定書で約束した我が国の平成20年から5年間の温室効果ガス排出削減目標は、1990年度対比6%削減ですが、平成13年に開催された気候変動枠組条約第7回締約国会議で、森林による二酸化炭素吸収量の算入ルールが定められ、我が国では1,300万炭素トンがその上限として認められました。このことは一方で、我が国が京都議定書で約束した6%の削減目標を達成するために、森林吸収量の目標値1,300万炭素トンを達成することが必要不可欠となったことを意味しています。ところが、林野庁のデータによると、現状水準の森林整備の状況では、1,300万炭素トンの目標に対し110万炭素トン不足しており、第1約束期間終了の平成24年度までに毎年20万ヘクタールの追加整備が必要となっています。これに伴い、国においても本年5月16日に間伐等促進法が施行され、平成24年度までの5年間に集中した間伐を促進することが定められたところであります。
 まさに国を挙げてのCO2削減の機運の高まりの中、適正な森林の整備保護が求められている現況は、ある意味、長らく斜陽産業の憂き目を負っていた林業にとっては、その復活の起爆剤になる慶事とも言えるでしょう。このような中、森林率84%と全国一の森林県ながら放置林が少なくない高知県が、間伐材の有効活用を図るべく国内VER認証発行事業を開始したことは、その排出権クレジットの汎用性の問題は残るものの、森林の再生と地域との共生、そしてひいてはCO2の削減努力の意味においても、先進的取り組みとして高く評価されます。
 本県は県土35万ヘクタールのうち、実にその74%に当たる26万ヘクタールが森林である林野率全国13位の高知県に負けない森林県であります。知事は、これら高知県におけるバイオマスを利用した排出削減プロジェクト、並びにこのプロジェクトからVERを活用したカーボン・オフセット事業につき、国内の排出権取引制度が先送りになっている現状を踏まえ、かつどのような感想をお持ちかお聞かせください。
 次に、間伐材の有効活用による新産業の育成についてお尋ねします。
 先ごろ、当議会の森林・林業・林産業活性化促進議員連盟の視察で株式会社「オロチ」を見学いたしました。この会社は杉材だけを使うLVL製造ラインでは国内初であり、間伐材を加工、付加価値をつけて販売するなど、森林資源の有効活用、地域林業の振興の中核を担うものとして期待されております。
 現在、国内の林業は輸入材に押されて長く不振が続き、結果、放置林がふえて多くの森林は荒廃を余儀なくされています。一方、現在木材の国際価格が高騰し、国内林業は再生のチャンスを迎えています。この「オロチ」の挑戦は本県のみならず、間伐材の川下での利用拡大を図るすべての林業関係者にとっても、まさに試金石とも言える取り組みであります。県としては、森林の保全整備に向けては、低コスト林業推進の名のもとに、森林施業の団地化、高密度路網化、鳥取式作業道開設士認定事業、間伐材搬出促進事業、機械化の推進等を進めており、これら施策により着実に低コスト林業の実現を図っていることは、一定の評価をするものであります。
 しかしながら、今後CO2の吸収源としての森林保全の必要性の増大や、バイオマスエネルギーへの利用、外材の不安定な市場供給体制からも、国内材の需要はますます伸びることが想定されることから、さらなる収入間伐推進が求められるところであります。にわかな需要の拡大から、現在、全国的には既に国産材の奪い合いが始まっており、東北や九州などの一部の林業地では、伐採すれば伐採するほど売れる好況を呈しています。一方で、集約化によるコスト削減を図っていない林業地では、現在の木材価格に供給体制を合わせることができず、依然市場に木材を出すこともかなわぬ状況に置かれているのも現実であります。
 これらのことは、要するに林業地にもいわゆる勝ち組、負け組の地域差が顕著にあらわれ始めていることを示しており、国産材の需要が増している今こそ自治体の林業施策もその高い実効性が求められると言えます。このような我が国の林業を取り巻く環境の変化を踏まえ、今後低コスト林業のさらなる推進、そして収入間伐推進による素材生産量の増大のために、どのような施策を展開しその実効性を上げていくのか、知事の所見をお伺いします。
 次に、地場産業の復活育成についてお尋ねします。
 古くは江戸時代に起源を有し、殖産興業の一環の中、藩の産業政策として育成が図られた地場産業ですが、近年の大量生産、大量消費の市場構造への転換や効率重視の社会の中で、日本各地の多くの地場産業はその姿を消していきました。かつて本県においても、これら地場産業は地域経済で力強い地位を占めていた時代がありました。鳥取では、旧鳥取県工業試験場で、木工、和紙、酒、窯業、産業工芸が研究され、境港では縫製染色などがあり、特に木工と和紙は基幹産業として多くの研究者を有するなど、全国的にもその名をとどろかせていたものであります。しかしながら、本県においても時代の波にあらがうことかなわず、現在そのほとんどが産地としての存立がならず消滅し、今ではわずかな事業者が近隣固定客向けに製造する体制を残すのみとなっています。地場産業にはその地域が築き上げた文化が根づき、独自個性があり、住民の誇りや活力となり得る要素があり、いわば文化性の高い産業であると言えましょう。地場産業が衰退することはある意味、地域がその文化と活力を失うことにほかなりません。
 県内の経済が低迷を続ける中、新たな企業誘致を図り、もって地域経済の活性化や雇用の創出を図ることも確かに大切ですが、本県としても地場産業を単に伝統産業としてだけとらえるのではなく、一定の地域に集積する文化であり、伝統が確かな技術や技能を有する労働力に裏打ちされて初めて昇華する地域資源であり、れっきとした現代産業であることを再確認し、積極的にその復活や育成を図る必要があると考えます。
 また近年、人々の価値観の多様化に伴い、効率重視で生産されるものから、より味わいや安らぎを抱ける手づくりの風合いを感じさせるものに耳目が集まるようになっています。値段が高くても、そのものの価値が高ければどんどん売れる本物志向のいわゆる熟成した消費社会が誕生しています。このことはある意味、本物回帰の中、地場産業復活の可能性が高まってきていると言えます。新たな産業の育成を図り、打って出る鳥取県を標傍する本県としましても、これら地場産業復活に向けた積極的な取り組みを推進すべきと考えますが知事の所見を伺います。
 次に、入札制度についてお尋ねします。
 公共工事が大幅に削減する中、少ないパイを熾烈な競争で業者が奪い合う過酷な現況にかんがみ、本県においてはたび重なる入札制度の改正が行われてきました。全国的に公共工事が激減する中、本県においても建設業の倒産が相次ぎ、平成19年度の全倒産件数に占める建設業の倒産割合は実に40%を占めるに至っております。また、建設従事者の給与をピーク時の平成15年と比較したところ、中国5県の中では、島根県が113.7%、山口県が110.3%、広島県が105.3%、岡山県が94.1%であり、これらと比較しても本県の79.8%という数字は、ひときわ目立ってその状況の悲惨さを物語っています。これらは全国的に公共事業が冷え込む中にあっても、他県に比しても、突出して本県の建設業界がのっぴきならない状況に置かれていることを示すものであります。県としても係る状況を前に、縮小する土木予算の中でも真摯に業界団体や建設業者の声に耳を傾け、少しでもその状況改善に結びつく入札制度の再構築を随時図っていくべきと考えます。
 このような中、今月12日には鳥取県建設業協会と県土整備部の意見交換がなされ、総合評価入札や予定価格の事後公表、平成21年、22年の格付について協議されたと聞いております。この中で、総合評価の評価項目の一つである災害対応については検討する方向が示されたとのことでありますが、同じく意見が出された倒産などにより、もはや事業者数が120社を切らんとする土木一般A級の定数削減や、協会が事後公表を決める予定価格については、踏み込んだ議論がなされなかったと聞いております。
 昨今の熾烈をきわめる建設業界の現状を前に、今後これら一般土木Aクラスの定数削減についてどうあるべきとお考えか知事の所見をお伺いいたします。
 次に、北朝鮮問題についてお尋ねします。
 まずは、北朝鮮による拉致問題についてお尋ねします。
 平井知事におかれましては、引き続き本年も北朝鮮における拉致問題解決、殊に本県出身の松本京子さんを初め、拉致されたすべての方々の早期帰国実現に向け精力的な活動を行っていただいており、その誠の行動に心から感謝申し上げます。
 さて、去る10月12日、北朝鮮への制裁強化によって被害者救済を求める多くの同胞の願いもむなしく、米国による北朝鮮に対するテロ指定国家指定解除がなされ、このことにより今後、拉致問題進展に対し悪影響が生じることが懸念されております。このように拉致問題を取り巻く世界的状況も変化を生じつつある中、このたび平井知事におかれましては、松本京子さんらすべての拉致被害者の救出問題解決を政府に働きかけるため、都道府県知事の有志で組織される拉致被害者を救出する知事の会に参加する意向を示されました。
 知事の会は石原慎太郎東京都知事などを発起人に、年内の設立を目指しているとのことでありますが、知事は今後、この知事の会において県民に拉致被害者を有する本県知事としていかなる発信を行い、拉致事件解決と被害者早期帰国に向け政府にどのような働きかけを行っていくおつもりかお伺いします。
 また先ごろ、特定失踪者問題調査会に松本京子さんが北朝鮮で生存していることをうかがわせる情報が寄せられ、兄の孟さんらが政府に情報の確認を要請されました。調査会によると、この情報は中朝貿易をしている中国人から得た信頼性の高いものであるとのことであります。情報が正確なものであるならば、松本京子さんの入境すら否定している北朝鮮の主張を根底から覆す証拠となり得るものであり、今後松本さんの早期帰国に向けての北朝鮮との交渉に有利に働くものと期待されます。
 そこで、県としては現在この新情報につきどのようにとらえているのか、また、知事はこの新情報をもとに、今後松本京子さんの早期帰国に向けどのような具体的行動をお考えなのかあわせてお伺いします。
 次に、北朝鮮有事における本県治安維持対策について、県警本部長にお尋ねいたします。
 本年8月14日、北朝鮮の金正日総書記が、脳疾患によって病に伏したとの未確認の情報が世界を駆けめぐりました。もとより独裁的政治体制をしくかの国において、その強大な権力を集中させる金正日総書記の動静は、極東アジアのみならず世界の一大関心事であります。極度に経済的に疲弊するとされる北朝鮮において、その政治的パワーバランスが崩れることは、すなわち体制の崩壊をも想像させるものであります。金正日総書記の動静についてはいまだベールに包まれ、その健康状態は確認はできませんが、その指導力が維持できない状況に陥った場合、かの国の政治体制が大きく動揺、場合によってはその体制が崩壊し、多くの難民が発生する事態が想像されます。東西に約100キロ、比較的上陸に適した海岸線を有し大都市圏である関西圏ともほど近い本県は、ある意味絶好の密航、難民漂着目標地点となる危険があります。
 他国の体制崩壊を想定し、かつ難民、密航対策を練ることは平時においては不要不急な対策であるかもしれませんが、あらゆる事態を想定し、県民の安全を確保する責務を有する県警としては、起こり得る県民の生命、財産への侵害に対しあらゆる想定のもとに対策を講じておく必要があると考えますが、県警本部長のこの案件に対する危機意識と、その対処に向けた意気込みについてお伺いします。
 最後に、教育問題についてお伺いいたします。
 まず、メディアリテラシーについて教育委員長にお尋ねします。
 今日、私たちの周りにはたくさんの情報があふれています。新聞やラジオ、テレビといった報道による情報はもとより、インターネット、携帯電話の普及により身の回りの情報量は爆発的に増加しています。このように洪水のごとく情報が垂れ流される今日、情報を主体的に読み解いて情報の真偽を見抜き、必要な情報を抽出し活用できる能力であるいわゆるメディアリテラシーの必要性が取りざたされております。
 我々は、物心ついたときから新聞やラジオ、テレビなどのメディア機関が報道する情報を一方的に受けて日々生活しています。報道で受け取る情報は常に正しいものと思い込み何のためらいもなく受け入れていますが、果たして情報とはそんなに簡単に信じてもよいものなのでしょうか。一つの事象を情報として人に伝えるとき、その事象のすべてを伝えることは困難です。また同じ事象の情報についても、発信者によりその情報は少なからず形を変えて報じられます。時に同じ事象でも、発信者の表現の違いにより全く異質な情報として伝えられることがあります。報道される情報の中にも、うそや、誇張や、偏りや、時に間違った情報も含まれる危険があることをあらかじめ承知しておく必要があります。これらのことからも、我々は報道される情報を受け取るときに情報発信者の意図を読み解く能力を高める必要があると感じます。
 このように、我々大人は情報発信者の意図を的確に読み取ることで、ある程度情報の信憑性を自分で判断して情報を扱うことができますが、いまだ社会経験もなく、幅広いものの価値観で事象を読み解くことができず、またもって情報発信者の意図も読み解くことができない子供たちは、今日のような情報があふれ返り理解に苦しむような反社会的、非道徳的な事件が蔓延する、何が善で、何が悪かわからない社会においては、時に物事の価値基準を見失い、情報を誤信し、社会生活やその後の精神性発達に著しい不利益をこうむる危険があります。また、昨今の情報は報道機関が流すものだけではなく、携帯電話やインターネットの爆発的普及により、とてつもない量でありとあらゆる種類の情報が日々流し続けられています。いかに偏りがあるとはいえ、ある程度の良識を持って流される報道機関の情報と異なり、インターネットや携帯電話を媒体として流される情報は、まさに無法秩序の中での情報であり、子供はおろか私たち大人もその扱いに注意しなければならない状況です。
 よって、これら多様化する情報社会における子供たちへのメディアリテラシーの教育の充実は焦眉の急であると認識しますが、教育委員長の所見をお伺いします。
 次に、教科書採択についてお尋ねします。
 本年度は4年に一回の中学校教科書の検定の年に当たり、いよいよ来年はそれら教科書の採択作業に取りかかります。本来、教科書の採択は学校で使用する教科書を検定することで、その権限は、公立学校で使用される教科書については市町村や都道府県の教育委員会にあります。よって、このたび採択される義務教育である中学校の教科書の採択の権限は市町村教育委員会にありますが、適切な採択を確保するため、都道府県教育委員会は採択の対象となる教科書について調査研究し、採択権者に指導助言、援助することとなっております。
 この調査研究を行うに当たっては、都道府県教育委員会は専門的知識を有する学校の校長及び教員、教育委員会関係者、学識経験者から構成される教科用図書選定審議会を設置し、専門的かつ膨大な調査研究を行うこととされております。義務教育のただ中にあり、大人の思考の途端につく期間である中学生が使用学習する中学校の教科書の果たす役割は大きく、その採択に当たっては慎重かつ適正で、中立的な判断のもとに行われる必要があります。
 県教育委員会には、これら中学校の教科書採択における重要性にかんがみ、その選定審議会において、中立性が確保された公平公正な調査研究を行い、市町村教育委員会に誤りのない指導助言をする責任があると考えますが、教育長におかれましては、市町村教育委員会への助言指導を行うに当たり、どのような点に留意してその教科書採択の指導助言を行うことがよいとお考えか、その所見をお伺いいたします。
 以上、壇上からの質問は終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福本議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、企業立地の促進についてお尋ねがございました。ただでさえ苦戦を強いられている本県産業施策の振興、企業誘致について折からの経済環境の悪化があり、投資意欲が減退すると懸念されるのではないか。このような現状を前に企業立地促進で地域間格差を払拭すべく、どのように取り組んでいくのかというお尋ねをいただきました。
 午前中も議論を交わさせていただきましたけれども、確かに今非常に厳しい状況に入ってきました。塗炭の苦しみと言ってよいのだと思います。9月ごろから急速に冷え込んできて、その動きはいよいよ雇用調整に入ってきている。それが自動車産業の立地のところだけではなくて、電機関連のところにも手が及びつつあるのではないか、それを思わせるような状況になってきております。話題になっておりましたパナソニックですら純利益が今年度90%減の予測修正を行うという、そういうような状況になってきておりまして、勝ち組と言われていた電機産業ですらそういう状況にあるということであります。これは私どもの企業立地促進戦略に影響を与えつつあると言わざるを得ないと思います。しかし、私どももいろいろな振興策を講じつつ、ぜひとも鳥取県に企業立地をしていただきたい。そういう意味で誘致をしたり、既存の企業の立地拡大をお願いをしたい。これを今後とも引き続き精力的にしていきたいと思います。
 これまでの取り組みでありますが、この議場でもいろいろ御議論をいただきまして地域産業活性化基本計画をつくらさせていただきました。企業立地促進法に基づくメリットを受けられることを全域に対して適用いたしまして、これで誘致を図るという戦略に私ども1年間打って出たわけであります。当初、企業誘致の目標件数は70件と立てておりましたが、これまでのところ既に26件の立地を達成をいたしておりまして、その意味では順調な状況に今まではあったということです。それから雇用の面でも520人の計画雇用人数というところまでやってきておりまして、そういう意味でそれなりの成果をこれまで上げてきたわけであります。
 議会の皆様にも御協力いただきましたし、県の職員にもそれぞれの立場で大変に汗をかいていただいたわけであります。ただ悔しいかな、今こういう経済情勢になってきまして、我々がかねてアタックしている企業の中でも今投資を冷静に判断できる環境ではないと、こういう言葉も聞かれるようになってまいりました。しかし、私どもとしては精力的にこの営みを続けて、何とか雇用をふやしてまいりたいと考えております。
 この点につきまして、議会でも先般経済産業省の二階大臣に経済産業常任委員会から要望活動をしていただきました。お礼を申し上げたいと思います。その際に、皆様のほうからも強調していただいたのは、我々がかねて国に要望していることでありますが、地域間格差が拡大している今日、その企業の立地を、誘因を与えるような、地方部に対してある意味差別化をするような産業政策を求めたいと、こういう要望をしていただいたと伺っております。私どももその気持ちで今融資を各地域に募っているという状況です。
 過去にさかのぼってみますと、小泉構造改革には表裏一体、表と裏、陰とひなたとがあるのだと思います。そして、平成14年には工場立地制限法を撤廃をしました。それから平成18年には工業再配置促進法をこれも廃止をしております。工業再配置促進法は我々のほうの鳥取県は再配置で持っていくべきところと位置づけられて、優遇促進策がとられていたのですが、こういうものが順次廃止をされてきたわけであります。確かに国全体としての競争力を確保するためには、ある程度集積をしていこうということがあったのかもしれませんし、海外に立地するぐらいならば国内での立地を促進すべきだということでの規制緩和だったのだろうとは思います。しかし、現実問題としてはまだら模様の発展になってしまって、地域間の格差が拡大してしまった。これを解消しなければならないのだと思います。ですから、税制上の優遇措置であるとか、あるいは工業再配置促進法でやっていたような、補助を絡めたような促進策というものも本来は国で検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。他の自治体とも連携をしてこうした訴えかけを今後とも展開をしてまいりたいと考えております。
 次に、DBSクルーズ社の航路開設準備状況について、一抹の不安を覚えるのも事実であるので、今後の展望について見通しを問うというお尋ねをいただいたところであります。
 かねて皆様とも御議論申し上げておりますが、これからは北東アジアに向かってゲートウエーを開く土地としての鳥取県でなければならないと思います。他の地域との産業振興の競争を行っていく上でも、このことが差別化の最大の要因になる可能性があると思います。これとあわせて関西圏との鳥取自動車道開通、あるいは山陰自動車道という東西の地区、こういう道路ネットワークとがかみ合わさってくれば、新しい物流、そして人流、そしてお金、こういう集積が我々のところにも起こってくる可能性が開けてくるということでございます。そういう意味で、21世紀を真の意味で扉を開くのにふさわしいのが北東アジア・ゲートウェイという考え方ではないかと思っております。
 その一つの結実として、DBSクルーズフェリー社により来年の2月に航路を開設するという計画が浮上してきたわけであります。これの現状でありますけれども、いろいろと情報は海の向こうの韓国で動いているものですから、日々刻々と伝わってくるわけではありませんけれども、先般も忙しい時間を割いて出納長に韓国に行っていただきまして、それで詳細な情報を手に入れてきたところであります。貯金通帳でも確認をしたということでありますが、53億ウォンの資本金の払い込みは確認できたということであります。韓国政府での航路開設許可の条件は50億ウォンの資本金ということでありましたから、この点はクリアしたということになります。さらにコンソーシアムをきちんと組もうということで、民間の会社、あるいは個人の出資者での最終確定をまだやっておられると伺っております。近々これは確定してくるだろうという運びになってきておりまして、会社の設立のところまではまずは決まっていると。
 次は就航させる船でございますが、これについてDBSクルーズ社で継続して今努力をしているところであります。さらに寄港地が必要になりますので、ウラジオストク、それから東海、境港のそれぞれに拠点をつくったり、施設整備が図られなければなりません。境港については先般、境港管理組合の議会を開きまして、ここで1月末までにそれを進捗させること、それから、その後管理を行うための使用料等の扱いについての承認もいただいているところでありまして、こちらのほうはめどが立ってきております。それからDBSクルーズフェリー社から打診をされながら、少しずつではありますけれども、地元境港で日本での受け皿法人といいますか、受け皿組織をつくる、その動きも具体化してきておりまして、ジェトロ鳥取がその手続に関与してきております。それから韓国の東海のほうでございますけれども、こちらでも港湾を建設をする段取りが整いました。公的な補助金のめども立って、それを整備を進めて2月の開設に間に合わそうという状況でありますし、現地法人はソウルに本社があり、東海にも事務所がありという体裁で成り立ってきております。ウラジオストクでもロシア側でありますが、港湾の施設の中にDBSクルーズフェリー社の事務所が開設をされていると伺っております。こういう意味で一歩一歩でありますけれども、2月の就航に向けた準備が着実に進みつつあるというのが現状ではないかと思います。
 先般、出納長がDBSクルーズフェリー社の幹部の皆さんと話をした折に話題になっておりましたのは、一応の方向性が出てきたらDBSクルーズフェリーのトップなどの主要な皆様が、一度鳥取県のほうにも行きたいというような話もあったと伺っております。そうした動きをにらみながら、私どもも応援の体制を組んでいくべきではないかと考えている次第でございます。
 次に、韓国人旅行客の減少に伴って、米子~ソウル便の搭乗率が低下してきている、今後この路線が常に高搭乗率を維持するためどのような策が必要であるのかなどお尋ねがございました。
 詳細は文化観光局長から御答弁申し上げたいと思いますが、一つはアウトバウンドのほうを促進をすること。こちらから韓国へ行く、あるいは韓国を経由してタイだとか香港だとか、そうした各地へ出かけて行く人を誘因することだと思います。
 これについて、ウォン安でお買い物がお得になりますよというキャンペーンもさせていただき、旅行商品も造成が進んできておりまして、その意味で搭乗率は若干戻ってきております。10月は64.6%、それから11月も62~63%ぐらいのところまで来ておりまして、それで12月も今、5割弱ぐらいまで予約が入っているわけであります。
 ただ、まだまだ安心できる材料にはないと思います。アシアナ航空とのこれまでの話し合いがございますので、本来下半期で目標にしていた65%というのは達成をしたいというのが我々の気持ちでありますし、そういう地元努力があってこそ運航継続が図られるというふうに考えておりますので、今後ともそうしたアウトバウンド対策もしっかりとやっていきたいと思います。
 インバウンドのほうでありますけれども、1月の下旬から新しいテレビショッピングによる旅の売り込みを図ろうとか、また、韓国の大手企業なども一緒になりながら登山のお客さんを呼ぶ構想が浮上してきたり、こちらのほうの動きも出てきております。詳細、文化観光局長から申し上げたいと思います。
 次に、地域間交流を推進する上で、国と国とで解決すべき双方の国益上の問題が火種となって、交流相手から交流中止を余儀なくされるような現状がある、冷静な行動をとれない国柄にある地域と交流を図る必要性に疑問もある、その価値を示してもらいたいと、こういう御質問がございました。
 私は地域間交流というのは、単なる外交とは違った意味を持っていると思っておりまして、かねてこの議場でも申し上げました。国と国との間にはいろいろな歴史や、あるいは置かれた状況もあって論争がある。なかなか相互理解が進み切れない、そういう事柄も当然あろうかと思います。しかし、地域間交流がもし意義を持つとしたらば、そういう国と国との関係以前に同じ地球社会の上に我々は暮らしているわけでありまして、人と人とが理解をし合い、地域同士が結び合うことで相互の理解を実質上進めて、平和な世界を築いていく。また、経済的にも国を越えた繁栄を築いていく、文化交流を盛んにして芸術を高めていく、そういう効果が結ばれてくることだと思います。地域間交流はその一つのモデルになるようなものであり、総体としてお互いに交流をしていこうという合意なのだと思います。この地域間交流の意義、今、御指摘のようなお話の背景にあるようなことかもしれませんけれども、私はもし韓国のことであれば、韓国の李明博大統領も未来志向で日本と韓国との交流をしようとかねて表明をしておられます。そして、日本側のほうもやはりお互いのおつき合いをやっていこうということなのだと思うのです。最近、若干その国際交流について、教育関係でも通常どおりのおつき合いをするようにというような指示が国レベルでも出ているという、そういう情報も耳にいたしておりまして、環境は急変してきているのではないかと思います。
 先般も江原道からスポーツ交流の皆さんがやってこられました。フェンシングあるいはバドミントン、こうした種目でお互いに競技をし、なかなか江原道の選手強いなというような印象を持ったり、そういう感想も述べられています。子供たちにとって国境を越えてそうしたスポーツマンシップを持って、お互いに競技を行うという機会はそうめったにあることではありません。恐らく、後々の人格形成にも役立ってくるだろうと思いますし、そういう仲間意識がこれから一生を通じた宝物になってくるだろうと思います。
 また、経済的な波及を考えた場合、このたび運休騒動もあった米子~ソウル便でありますけれども、あの窮地を救ったのは地域間交流であったと思っております。すなわち、米子市長や境港市長が韓国の束草市長と面談をしておりまして、束草市長から江原道の金振先先知事に、このアシアナ航空問題があるので運休をとめてほしいという要請をされた。それがアシアナ本社のほうにも伝わった。これも運休がとまった一つの原因だったと思います。それとあわせて、県議会の皆様にもお出かけをいただいて、地域の熱意をアシアナ航空が理解することになっただろうと思っております。
 また、DBSクルーズフェリー社の新しい就航も、非常に経済的な波風の高い時期でありますけれども、今なおこうしてその火を絶やさずにいるのは、韓国側の我々の友好団体であります江原道、あるいは東海市といった地元自治体の熱意もあるからだと思います。それと呼応して私どもも一緒になってこれを支えていこうという意思を明らかにしておりますし、先般の北東アジア地域・地方政府サミットがウラジオストクで開かれた際も、ロシアの沿海地方のダリキン知事も交えてロジスティックス、この3つを結ぶ航路についてこれを促進をしていこうという決意を固め合ったことにもなりました。こういうことがなければDBSクルーズフェリー社による航路構想というのも進展をしていないのだろうと思います。あるいは学術とか、そうした面での交流もあるわけでありまして、環境問題でありますとか、あるいはそのほか、例えば農業の技術だとか、さまざまな分野において学術研究交流もなされ得るわけでございまして、こういうことも地域間交流のメリットになるのではないかと考えております。
 いずれにせよ、私たちは国ということだけの中で生活をしていないのだと私たちはもう一度思わなければならないのだと思います。どうせ日本海でお互いの地域が結ばれているわけでありますし、経済のことを考えてみれば何々国の製品というものが流通をし合ったり、お金が飛び回り、情報も共有をされ、文化だって歌謡曲も含めてお互いに共有をするというそういう時代であります。ですから、いたずらに国境の間に境を立てて戸を立ててやること以前に、人と人として、地域と地域として、理解のきずなを結び合うことは私は意義があることだと考えております。
 次に、東京への飛行機便でございますが、鳥取、米子各空港からの飛行機便について増便をする千載一遇のチャンスではないか、これに向けてどういう策を講じるのかというお尋ねでございます。
 これは羽田での滑走路の沖合展開が予定をされていまして、これが平成22年の10月にでき上がることになっております。国のほうで今その便数をふやす検討をしているようでありますが、一遍に全部ふえるということでなくて、どうも段階的にふやしていくということになりそうだというのが最近の報道からわかることであります。来年の今ごろになりますとそうした状況がはっきりとしてきて、どれほど国内便で、国際便でふやすのかという話が見えてきて、各社ごとにどうだというのがおいおい固まってくる。その後、それぞれの社がどこの飛行機便をふやそうか、これが出てくる、そういう段階になってくるのだと思います。
 国内便と国際便の両方があるわけでありまして、今の段階で我々にとって必要なのは、国内便の枠をしっかりと確保してもらうことが必要ではないかと思います。実は関東の自治体なども国際便派でございまして、これは地域間で温度差があります。我々地方のほうでは羽田へ飛んで行く便をふやすというニーズが高いわけでありまして、私たちとしては地方便を増枠をすべきだという論陣を張っております。中国地方知事会でも私どものほうで提案をしたのを受けて、これを国のほうへ要望をしていただいておりまして、こういう運動を一つにはやっていかなければならないと思っています。あわせて鳥取、米子両便とも搭乗率はそこそこいいわけであります。60%台の半ばぐらい、70%にはちょっと最近いっていませんけれども、そうしたところで全国のANAの便の中では低位ではない、中位以上の部類だと思っております。しかも収益率が恐らくはいいはずでありますから、この路線の重要性というのはANAとして理解をしてほしい、増便をしてもらいたい、こういう要請活動をこれからも精力的にやっていきたいと思います。先般も署名を集めて鳥取~羽田便の増便や料金の適正化を市民の皆さんが訴えに行きました。私自身も11月21日にANAの本社を訪ねまして、鉄永議長とともにその必要性を訴えたところであります。こうした取り組みをこれからもしっかりとやっていく必要があると思います。
 次に、関西広域機構についてのお尋ねがありました。関西広域機構への加入の意図、あわせて関西広域連合へのスタンスを問うというお話でございます。
 11月24日に新しい高速道路が兵庫県と鳥取県との間で開通をしました。東浜居組道路でありまして、わずか3.5キロの距離ではありますけれども、七坂八峠を越えて行っていた今までとは全く違う短絡ルートが登場したわけであります。その向こう側にある香住道路、既に開通済みの道路とあわせまして、かなり豊岡方面への利便性は高まったと思います。さらに、こうした120キロに及ぶ鳥取豊岡宮津自動車道をつなげていかなければならない。あわせて、今年度末までに河原インターチェンジまで鳥取自動車道が延び、来年度いっぱいでほぼ鳥取自動車道が全通に近い状態になる。このことで関西圏との結びつきは一層鳥取県は強まると考えられています。ですから、私たちは中国地方の中の一員として役割を果たすことはもちろんでありますが、グレーター近畿の一員として私たちの地域がメリットを受けられるようにしなければならないと思います。その意味で近畿の中にいる立場も必要ではないか。それで関西広域機構、また近畿ブロック知事会に加入をさせていただきました。早速来年の6月2日には鳥取県で初めて近畿ブロック知事会を開くということの承諾も得ているところでございまして、いよいよ近畿との結びつきが深まってくる。高速道路の開通とあわせて、その手ごたえを県民の皆様に持っていただく時期に入ってくるのではないかと期待をいたしております。
 関西広域機構はいろいろと広域的に取り組むべきことをやっています。一つは観光であったり、そのほかにも経済界の皆様がお互いに知り合うチャンス、あるいは共同して売り込んでいく、また、環境対策も関西一円でやっていく、いろいろな取り組みをしております。こういうことに入っていくことは、地域の住民や企業の皆さん、各種団体にもメリットがあることだと私どもは考えておりますので、関西広域機構を活用したらいいと思っています。もっともっと活用できるチャンスはあるわけであります。先般も橋下大阪府知事から提案をいただきましたのは、大阪府は上海万博へ出展をするということでありますが、その大阪府の出展の一部に、関西の各県から出展してもいいよという話がありました。その費用も大阪府が出したのと比べると、格段に安い値段で出展のスペースをもらえるという話も舞い込んできております。こういうことで関西と一体となって観光の魅力を鳥取県が上海という大消費地に売り込むチャンスもあるのではないかと思っていまして、こういうことを一つ一つ実績を得ていくのが、関西広域機構の場ではないかと思っております。
 関西広域連合でありますが、その発展形として議論をなされているわけであります。私たちは関西広域機構に加入をする直前に、この構想が示されました。そして我々が入る前にお互いで合意といいますか、一つのメッセージが出てきたわけでございますけれども、正直申し上げて、今確定した話ではないと受けとめております。関西広域連合で今やろうとしておりますのは、ドクターヘリなどの医療、あるいは各種資格試験、また観光、こうした分野で広域的に複数の都道府県、あるいは政令市も含めまして共同の機関をつくってやれないだろうか、これを検討してみようというのが関西広域連合の考え方であります。ですから私どもとしては、それぞれ1つずつ提案が今出ている事柄について、どういう内容かその協議の場に入っているというのが現状であります。最終的にはコストパフォーマンスの問題ですとか、それからそのほかもちろん、これはすべてのそうした関係自治体が合意をしてやっていくものでありますから、他の府県の動き、動向も見ながら検討を進めていくべき課題だろうと思っております。いずれにせよ、広域連合ということになりますと、最終的には議会の同意ももちろん必要になりますし、この議会の中から広域連合議会へ議員を選出していくということにもなってくるだろうと思いますので、最終的には議会の場で議論をすべき課題だと考えております。今はそのための情報収集をさせていただいているところであります。
 次に、道州制との関係で広域連合をどう見ているのかというお尋ねでございますが、これは別物と思っています。
 そのわけは、関西広域連合をつくろうと言っている府県の間で道州制の賛否がきれいに分かれているからです。中国地方と違いまして関西の場合は、その辺の対立があります。大阪府のようにはっきりと道州制を早くやるべきだという立場をとるところもあれば、兵庫県のようにそれに反対をしているところもあります。ただ、その道州制の議論はさておいて、地方分権の考え方から共同してやっていけることをやって、住民サービスに安いコストで還元できることはすべきではないか。二重行政に当たるようなものがあれば、これを排除するようなことをする受け皿をつくるべきではないか。これが広域連合の考え方でありますので、道州制とは必ずしもリンクをしていないと思います。ただ道州制を主張しておられる方々は関西広域連合に熱心であると、こちらのほうの方程式は成り立つようでありますので、その辺も注視しながらおつき合いをしていけばいい課題ではないかと思っています。
 次に工程表について幾つかお尋ねをいただきました。
 まず一つは工程表を作成をして、人材活用をどうやっていくのかというお尋ねでございますが、この工程表はもともと片山県政時代、ミッションということをやっていました。ミッションというのは、こういう姿を目指しますという究極の自分たちの自己像を描くものでありまして、それはどちらかというと静的なもの、動かないものであります。それを動かそうと思うと、こういう工程で達成していきましょうということは必要だろうと、その意味で工程表をつくる。これはオープンにして県民の皆様にも見ていただく、またPDCAサイクルを回して自己評価の対象にもしよう、これが考え方であります。
 モデルになりましたのは行政経営品質を向上させていこうという運動でありまして、顧客主義、それから絶えず不断のイノベーションをPDCAサイクルでやっていくこと。これによって行政経営の品質を上げていこうという考え方を実現しようというものであります。したがいまして、職員の個々の能力開発とかそういうこととはちょっとレベルを異にしていまして、目標が違いますので、これをそのまま人材開発や組織の活性化につなげることまではできない筋合いのものだと考えております。そちらのほうについては、勤務評定制度ですとか、あるいは自己開発のための研修制度、また異動についての自己申告、管理職評価、こうしたものを組み合わせながらやっていくべきものだろうと思います。ただもちろん工程表を見ながらその達成度を見ることは可能でありまして、そういう意味で大きな組織論を考えるときの参考指標にはなり得るかもしれませんけれども、これをてこにして能率アップというところまではちょっとできない仕組みかなと思っています。
 次に、予算との関係でございますけれども、どういう予算措置をこの工程表と絡んでやっていくのかということでございますが、予算査定に当たって恐らく参考になりますのは、そのPDCAサイクルを回す過程で、みずからこの施策は役に立っているか役に立っていないかという自己評価を組織にさせます。この部分は今やっている施策が妥当するかどうかの判断材料の一つになると思います。またこれではなくて、ではその反省を生かしてこういう施策をやる必要がある、そういう解決策等を書く項目がございまして、こういうのは新しい施策を判断する上での参考になろうかと思います。またベンチマークを書かせますので具体の指標がどういうように経年的に流れてくるか、これも客観的に見て効果のある事業がなされているかどうか、つまり必要な事業か否かを査定をする判断材料になると思います。こういう観点で工程表も予算査定の中で活用していこうと考えております。
 次に行財政改革を進めていくために鳥取県版の集中改革プランを行っています。これとの関係で民間との関係見直し、市町村との役割分担の明確化などを行っていくべきだ。スリム化した県庁組織でも、県民サービスの低下を招くことのないような行政をどうやってつくっていくのかということであります。これについては、詳細は行財政改革局長からお答えを申し上げたいと存じます。
 今、集中改革プランは6.5%人を減らすということで、国のほうの目標数値であります5.7よりも大分大きな数字になっておりまして、我々としては大胆な改革プランを出させていただいていると思っております。ただそれをいたずらに実行するだけでは、行政ががたがたになってしまいます。ですから議員がおっしゃるように、市町村との重複に当たるものがないだろうか、あれば一緒にやるようにできないだろうか、あるいは移譲することはできないだろうか、あるいは民間との関係においてこれは民間にお任せしたほうが効率的だ、しかも住民サービスがかなうというものがないだろうか、こうしたことを点検しながら進めていきたいと思っております。
 次に環境との関係で高知県のバイオマスを利用した排出削減プロジェクト、またVERによるオフセット事業について、どういうふうに感想を持つかというお尋ねをいただきました。
 福本議員のおっしゃる高知県の例というのは、私は非常にパイオニアとしての値打ちのある取り組みだろうと思いますし、ぜひ鳥取県でもこれを参考にさせていただいて取り組まさせていただいたらどうだろうかと考えております。高知県の施策のポイントというのは、セメント工場の発電を従来石炭でやっていたわけでありますが、これを木質バイオマスでやりましょうと。その分、県のほうで補助金を出すといいますか委託料を出しまして、その委託料の500万円分というものをこれを証券化をして認証を受けた上で、民間の会社に販売をするといいますか引き受けてもらう。これで実際にこちらのほうは販売を、買ったほうの会社は、これでカーボンオフセットを行ったということになりますし、また木質バイオマスの活用促進にもつながる、非常に効率的でおもしろい合理的な取り組みだと思います。そういう意味で、ぜひ私どもとしても参考にさせていただきたいと考えております。
 次に国内材の需要増が想定をされる、そういう意味で低コスト林業や収入間伐推進を図る必要があるのではないか、その実効性を上げていくための施策いかんというお尋ねでございます。詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
 平成19年度ですと、こうした素材の生産量が14.8万立米だったものが、平成20年度27.5万立米になっていますので、大分施策が功を奏して、我々が進めてきた低コスト林業の推進だとか、あるいは機械化の推進が役立ってきたと思っております。さらにこれを加速させていかなければならないと思います。その詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、地場産業の活性化についてのお尋ねがございました。地場産業を現代産業として本物回帰の志向性が出てくる中で積極的に推進すべきではないか、現状についての認識とその推進についてお尋ねがあったところでございます。
 これも全く同感でありまして、ぜひ推進を図るべきだと思います。和紙の産業も我々の地場の伝統産業でありましたけれども、事業所数にしてもそうでありますし、それから生産ということにしてもそうでありますが、平成元年ぐらいからすると3割ほど減少している格好になっております。ですからそうした衰退といいますか、停滞にあることは事実であります。でもそれを見直す動きがないかといったらそうではない。例えば因幡ブランドでやっていこうという動きを商工団体と一緒になってやっておりますけれども、立体ですいた和紙で造型的なデザインの家具をつくっていく、電気製品をつくっていく、そういう動きも出てきていますし、さらに新しい取り組みとして、家具の会社と和紙の会社とが融合してデザイナーも加わって製品化をシリーズでやっていこうではないかという動きも出てきています。そうした動きをぜひ推進をしていかなければならないと思います。現代産業として余地があるというのも私も同感でありまして、かつて「BEAMS」という若い人のブランドでこの伝統産業を売りに行ったことがあります。今、若干取捨選択はされていますが、今でも中井窯の染め分け皿などは高い人気でありまして、かなり高い値段で高価な製品として若い人が買っていかれます。入荷が追いつかないぐらいになっていると伺っております。あるいは先般も淀江傘の、砂丘で干すというプロジェクトがありました。これも全国で報道されて話題を呼びました。いろいろと販路開拓だとか新商品開発だとか、鳥取県でも地場産業振興のためのそうしたファンドをつくって応援をする形になっておりますので、活用しながらやっていきたいと思います。
 次に、建設業の関係で入札での土木一般A級の定数削減についてお尋ねがございましたが、これについては県土整備部長からお答えを申し上げたいと思います。
 基本的には、議員の御趣旨も踏まえて定員について抑制をする方向で検討していいのではないかと思っております。
 次に、拉致被害者を救出する関係で、知事会でどうやって発信をして政府に働きかけるか。あわせて、松本京子さんについての新情報について、どのようにとらえてどのように具体的行動を起こそうと考えているのかというお尋ねをいただきました。
 松本京子さんについては、新しい情報が示されました。確度が高いとすべてを断定するわけにはなかなかならないと思っています。それは情報の精査が必要だと思っています。しかし、その中で「稲ちゃんによろしく」という言葉が伝えられています。これは本人でなければわからない、「稲ちゃん」という呼び名が入っているわけであります。稲田議員と同じ稲田さんなのですけれども、米子方面によくあるお名前だと思いますが、その「稲ちゃんに」という言葉が入っているものですから、これは生きているのではないかと私も思いますし、御家族もそう直観されるわけです。ですから、ぜひ救出しなければならない。ですから、政府に重ねてお願いをしていますのは、まず漆間官房副長官にも参りましたし、警察庁長官にも重ねてお願いをしましたが、ぜひ情報を確かめてもらいたい。昨日も官房長官のほうにも同じ趣旨を申し上げました。これについては、現在警察庁のほうで調べていただいていると伺っております。それを見守る必要があるだろうと思います。そして、そうしてもし本当だということが一部でも情報があれば、今まで入ったこともないという北朝鮮の見解がおかしくなるわけでありますので、これを一つの武器として相手国に迫る材料になるだろうと思いますし、そういう交渉をぜひやっていただきたいと思っております。そして、こういう動きを行う上で、私一人で、あるいは一地域でということではなくて、もっと幅を広げてやる必要があるのではないかと最近考えておりまして、東京都の石原都知事が会長になり、それから新潟県の泉田知事が副会長になっていただきまして、我々有志の知事できのう5人で会を結成をいたしました。そして官邸にまずお伺いをさせていただき、官房長官のほうにお願いをさせていただきました。その際に申し上げましたのは、総理にぜひリーダーシップをとってやってもらいたい。これは松本孟さんもその趣旨のことをおっしゃっていましたので、それをお伝えするかたがた要望の中に盛り込まさせていただきました。また従来の外交に頼り切ったルートでなくて、外交以外のルートも開拓してもらいたい。その心は、外交というのは正式なルートでありますが、北朝鮮側の外交ルートというそのルートの対象者が拉致の実行、行動部隊ではないわけです。そこにややこしさがあるわけでありまして、その本体のほうに迫る努力をしてもらわないと意味がないだろうと。だからそういう意味で新しいルートも政府は考えるべきではないかと申し上げているわけであります。それから昨日5人で合意をいたしましたのは、アメリカも巻き込まなければならない。アメリカだって無縁ではありませんし、北朝鮮との交渉の当事者の一つでもあります。オバマ新政権になったわけでありますが、オバマ大統領にも人道上の観点で協力をしてもらいたい、こういうふうに考えております。それで、賛同者の知事を募ってみんなでオバマ大統領に手紙を書こうということになりました。これも近々準備をさせていただきたいと思っております。国連のほうでも動きがあります。私も先般、夏に国連大使にお会いをさせていただきましてお願いをさせていただきました。その成果かどうかはわかりませんけれども、このたび国連でもまた拉致事件の非難決議が出ています。こうして国際社会でも対応を強めていただくこと、いろいろと手を尽くして何とか御帰国いただいて、よわいを重ねておられます三江お母様、それから待ち望んでおられる孟さんに会わせてあげたいと、こういうように考えております。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁を求めます。
 鹿田農林水産部長


◯農林水産部長(鹿田道夫君)低コスト林業の推進についてでありますけれども、現在重点施策として、団地化、作業道開設、機械化を推進しているところであります。一定の成果も出まして、平成20年見込みで17万5,000立米の素材生産量を見込んでおります。これも平成19年から取り入れております低コスト林業の団地化、低コスト団地の設定ということで、平成19年に29団地、平成20年に24団地、計53団地ができていましてその成果かなと。あと日南町や若桜町のほうで素材生産、それを林業事業体自体がグループ化して取り組もうという動きがありまして、日南町の木材生産事業協同組合については、構成員、林業事業体23社集まりまして、計画4万立米。現在2万5,000立米ほどですが、それを「オロチ」のほうに納入するというふうな取り組みをしております。一方、若桜町の素材生産事業体、これはことし6月設立されたのですが、ここは森林組合とか木材市場もないものですから、自分らのところで集めた木材を使って製材するという取り組みをしたいということで、構成員7名が役割分担をしながらいろいろ事業を活用し取り組もうということで、事業体を設立しました。これについては、本格的な活動は来年になるわけですけれども、ことしは9月ごろから現地に入りまして、いろいろな町有林のほうで実験的にモデルで伐採に取り組んで、いろいろなデータを集めて実際にやれる検討材料にしようということで取り組み始めたところでございます。また県の西部のほうで日新さんのほうが操業を拡大するということで、計画的には4万3,000立米、ここら辺の需要がこれから増してまいります。ついては東部のほうからも、その需要でそちらのほうに行くと予想されますので、先ほどの若桜の素材生産事業体の取り組みなどが期待されるところでございます。あわせて、県ではこれからも団地化、これを進めたいということで施業提案、森林組合が営業活動で回る施業提案、いろいろな収入があってそれをどのぐらい費用がかかる、そういうのを森林所有者の方に説明して間伐に取り組んでもらおうという、そういう取り組みをこれから進めようとしております。まだ実績としては余り上がっておりませんが、この事業の要件を来年度に向けて緩和しながら、そういう取り組みがしやすいように、あわせて国のほうでも森林境界の明確化、そういう事業が来年出そうなので、それを活用しながら低コスト林業を進めてまいりたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)次に、谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)入札制度、土木A級の定数削減について補足説明をさせていただきます。
 格付ということで、今、発注する工事の規模、それから難易度に応じまして、現在、県ではAからDまで4ランクに資金力、技術力等の業者の能力を勘案して区分をしているという状況でございます。ただ、昨今、公共事業費の削減によりまして、1社当たりの受注額が減少しております。それから低価格受注が続いているということによる原価割れ等で、大変会社経営が圧迫されて、倒産件数が増加しているという状況でございます。特に土木一般のA級におきましては、近年、倒産件数が大変多いと、増加していると。それとまた技術者のリストラによるB級への降格というようなものがありまして、現在定数は140に対しまして122というところまで減少しておるということで、経営状況は厳しい状況だというふうに思っております。
 会社の規模の大きな土木一般のA級の倒産といいますのは、大量の失業者や、それから下請業者、取引業者の関連倒産が生じまして、県の雇用経済に与える影響は大きいというふうに考えます。したがいまして、このような状況を勘案しまして、平成21、22年度のA級の定数というものの削減というものを検討したいというふうに考えます。
 ただ、B級以下への影響というものを考慮する必要がございますので、こういうことも業界の意見、それから議会、入契審の意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)次に、中山行財政改革局長


◯行財政改革局長(中山貴雄君)鳥取県版集中改革プランの進め方などにつきまして補足説明をいたします。
 先般、鳥取県版の集中改革プラン、具体的な定数削減の数値も含めましてお示しさせていただいたところでございますけれども、こういった業務の停滞や行政サービスの低下を来さない形での定数削減を進めていく必要があるかと考えています。そのために組織間の業務ですとか、あるいは機能の重複の排除、あるいは役割の整理、また内部管理等の後方支援部門の見直しや組織構造の簡素化といったような手法によって、内部組織の効率化を図ることが必要と思っております。また、そのほかに民間委託の推進、市町村との共同処理や施設の民営化などを幅広く検討いたしまして、民間や市町村との役割分担を明確にして見通しを持ったスリムな県庁を目指す気持ちでございます。そうした中で、県民の生活に直接影響する部門などにつきましては、人的資源を重点的に再配分するなど、行政サービスが低下しない体制づくりを図っていく必要があると考えております。
 また、民間委託あるいは共同処理につきまして現在の状況を御報告いたしますと、民間委託につきましては従来の漫然とした提案を受ける形ではなく、県の業務をある程度特定して人件費や事業費、あるいはサービスを含めた内容を提示した形で官民比較を行うような手法を構築してまいりたいというふうに考えておりますし、市町村との共同処理につきましては、先般11月5日に市町村長との行政懇談会で共同処理のある概略のモデル案を御説明いたしました。今後、税務につきましては、東・中・西のブロックごとに詳細な説明を行い、賛同していただける地区で勉強会を立ち上げたいと思っておりますし、土木業務につきましては12月中旬にも日野郡の3町と県の勉強会を立ち上げて、共同計画の実施計画を練ってまいりたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)次に、衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)米子~ソウル便対策につきまして補足をさせていただきます。
 本年7月以降、韓国内のウォン高、燃油高あるいは物価高という影響を受けまして、韓国国内の旅行マインドが低下しております。そういったこともありまして、韓国人旅行者につきましても対前年25%減ということになっております。そういったこともあるものですから、現在アウトバウンド対策を中心として重点的に強化をしているところであります。アウトバウンド対策につきましては幾つか御紹介いたしますが、テレビ、新聞等のメディアを通じまして、ウォン安あるいは韓国の観光情報、それから仁川空港から世界各地への乗り継ぎ利用、こういったことを重点的に紹介PRをさせていただいております。現在もテレビで放映中でございます。それと、シンガポール、タイ、香港の3カ国の政府観光局主催の説明会等も米子で先日開催いたしまして、新たな旅行ツアーの造成もお願いしておるところでございます。また、島根県側の旅行会社でありますとか、商工団体、企業等への働きかけも島根県観光振興課等を通じまして、一緒になって企業訪問等もさせていただいているところであります。また、インバウンド対策でございますが、山陰と関西、山陽との広域旅行商品の共同開発。現在ちょうどこちらに来ておられまして、鳥取、兵庫、大阪、これを回ってもらうようなファムツアーも今現在実施しております。
 さらに12月3日には韓国の教育旅行商談会がございますので、それにも参加をさせていただいて誘客を進めていきたいというふうに思っております。さらに、昨年、ことしの春、非常に好評でした現代ホームショッピングの旅行販売、これも来年1月からちょっとリニューアルをいたしまして再度行う予定にしております。こういったいろいろな取り組みを複合して行うことによりまして、下半期65%の達成、さらには年間70%の搭乗率にできるだけ近づけるように全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)次に、山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)(登壇)福本議員からメディアリテラシーの教育の推進についての御質問をいただきました。
 確かに今、情報の時代ということで、ある意味で過多過ぎるような情報、あるいは多様な情報、特にマスコミ情報というのは、お話にもありましたように、我々はそのまま受けとめ、そして主体的に読み解かないという、こういう場合が非常に多いような気がいたします。今回の学力調査に関しても、私どもも随分情報を発信する側だったのですけれども、正しく県民の方に受けとめていただいたかどうか、そこら辺も非常に心配になるようなこともありました。またネット情報、携帯情報というときに、かなりいかがわしい情報、それをうのみにして、いかがわしい事件、つらい事件が起こっているのも事実です。こういう中で我々は本当に何が真実なのか、事実なのか、そしてどの情報を選択するのかしないのか、そしてその情報をどう活用するのか、そして時としてみずから情報をどう発信するのか、こういう情報の対応、リテラシーが今求められているのだと思います。それは、子供以前にまず我々がやらないとだめではないかと思います。我々ができないのに子供たちにさあということは難しいのではないかと、このように思います。
 そのことを前提としながら、私はこのメディアリテラシーのキーワードを2つ置いています。1つはやっぱり総合的な人間力の向上だろうと。もう1つは主体性の確立だと思います。情報とかメディアといいますけれども、単に知的な問題ではなくて、やっぱり人間の総合力をいかに向上させていくかということがまずは大事ではないか。そのためには人と人がどうかかわるのか、人と自然がどうかかわるのか、あるいは芸術や文化とどうかかわるのか。そして家庭においては保護者が、親が、あるいは学校においては教員がもっと死生観を、人生観を語らないといけないと思います。そして総合的な人間力をアップすること、これが第1です。
 2つ目は、やっぱり主体的な人間をどうつくっていくのか、確立するのか。私は精神と体は一体化していると思います。要は姿勢をきちっとすること、腰骨を立てること。背筋が曲がっていてあっち行ったりこっち行ったりではなく、きちっとした姿勢をしているときに主体性は確立できるのではないか、このように思います。そうした人間の総合力を向上させ主体性を確立した上で、子供たちの発達段階に応じてどう情報にかかわるのか、メディアにかかわるのか、こういうことを考えることが必要ではないか、このように思っています。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)(登壇)福本議員から教科書採択について御質問がございましたのでお答え申し上げます。
 質問ですけれども、県の教育委員会は中学校の教科書採択において、市町村教育委員会に指導助言をする責任があるけれども、どのような点に留意して指導助言をするのがよいと考えているのかと、こういうお尋ねでございました。
 教科書は申すまでもありませんで、子供たちにとっては一番身近な、しかも最も大切な教材であります。どういう教科書を使うかということにつきましては、子供たちは当然ですけれども、保護者とか教員のほうも非常に重要なことというふうな認識を持っております。
 お話がありましたように、公立の中学校の教科書を採択するのは、市町村の教育委員会でございます。本県においては、その市町村の教育委員会が構成します東・中・西の3地区の採択地区の協議会、ここが使用する教科書を選定いたします。その選定した上で最終的には市町村の教育委員会がどの教科書を使うかというふうなことを採択するということになっております。この地区の採択協議会ですけれども、選定委員とか、それから調査員を置いて教科書の内容等について調査研究をして、そして選定をしているところでございます。その際、その選定に当たります選定委員ですとか、この選定委員というのは市町村の教育機関の教育長さん方が多く当たっておられます。それから調査員のほうは、各教科ごとに4~5名ぐらいの教員が当たっておりますけれども、こういうふうな選定委員とか調査員はそれぞれ専門性が高うございますし、それから児童生徒の実態ですとか、それから地区の特性みたいなものをよく理解している人、そして公正な立場で調査、選定ができるという方を選任しているところというふうに聞いております。県の教育委員会もまた、お話がありましたように、県の教科用図書選定審議会というのを設けておりまして、ここで選定資料を作成してそれを採択地区協議会とか市町村の教育委員会のほうに資料としてお送りしております。それをもとにして指導助言をさせていただいているところです。
 お尋ねのありました県の教育委員会で市町村教育委員会に対して、選定資料の作成ですとか指導助言をどういうふうにするかということですけれども、これは文部科学省のほうから通知等も参ります。そういうふうなものも参考にしながら、例えば教科書の発行者のほうの宣伝行為に左右されることなく、採択の公正確保を一層徹底することですとか、それから外部からの働きかけに左右されることなく公正かつ適正な採択がなされるようにというふうな、こういうふうな点に留意して指導しているところでございます。今後も引き続いて適切な教科書採択はできるように、必要な指導助言をしてまいりたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)(登壇)北朝鮮有事における本県治安維持対策についてということで御質問をいただきました。
 本県は砂浜の海岸線を多く有しておりますことなどから、いわゆる集団密航事件や避難民漂着事案といったものが、沿岸地域やその沖合において起こり得る可能性というものを県警察といたしましても十分に認識しておく必要があると考えております。本県では過去にも北朝鮮関連ではございませんが、船舶を利用した集団密航事件が平成13年まではたびたび発生しておりました。平成14年以降は発生が見られず全国的にも近年減少傾向にあるところとは申しますものの、議員がお触れになりましたような近隣国等の諸般の情勢などに照らしますと、決して気を緩めることはできませんし、そうした危機意識というものを県警察の職員が共有してまいるように導いていくことも私の務めであると考えております。
 もっとも、いわゆる密航事件と避難民のケースとでは性格の異なる部分もございまして、もとより集団密航事件は本県そして我が国の治安を著しく脅かしかねない事案であり、法令にのっとりこれを防止し、あるいは検挙していかなければならないものであります。
 一方、大量避難民の漂着事案については、治安に及ぼし得る影響にも的確に対処しつつ、いわゆる入管法等の法令に基づき入国管理局を初めとした国や県などの関係機関と緊密な連携を図りながら、人道的見地に立った対応を講ずることが求められることにもなります。ただ、いずれにしましても、これらの事象に迅速に対応し、県民の皆さんの安全安心を守っていくためには、まずは水際での警戒監視が大変重要でございます。現在も沿岸パトロール活動のほか、海上保安庁や入国管理局などの関係機関との緊密な連携に心がけておりますし、漁協や沿岸住民の方々の御協力もいただけるような体制を構築しておりますが、近隣国の政治情勢等によりまして、こうした警戒警備を大幅に強化していく必要が生ずるようなケースもあり得ると考えます。また常日ごろからいざというときに備え、通訳人の確保や装備資器材の手配準備、また機動隊を初めとする精強な警察力の錬磨や地域の警察官への意識づけ等を怠りなく行ってまいりたいと思います。
 そしてこのような備えは、議員御指摘のようなケースはもとより、あらゆる種類の危機、重大事案への対処に際して有効に機能し得るものであると考えます。一朝有事の際、県民の皆さんの期待にこたえ困難に毅然と立ち向かっていける県警察であるためには、職員の精神や知識の面の錬磨、鍛錬だけでなく、議員のおっしゃるとおり、あらゆる想定のもとに実践的な訓練を積み上げていくことが肝要であると思います。
 今後とも県警察部内の訓練のみならず、国や県が企画実施をされる危機対処訓練等に積極的に参加することなども通じて、一層多様な危機を想定に含めた警察力の整備強化にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。


◯副議長(上村忠史君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それでは、追及に移らせていただきます。
 まず、企業立地の促進についてお尋ねいたします。
 先ごろの経済産業常任委員会での要望活動にもあったようでございますが、工場立地に関する法制度の再整備や法人税の低減、地方の企業立地に対する優遇助成制度等の財政支援措置の導入などは、今後も県としても国に強く働きかけていただきたいと思います。一方で、本県としても、ワンストップサービスの充実、また進出しようとする企業の進出意欲を初期段階で高めるような、企業の満足度を高める努力を行っていただきたいと存じます。
 また、例えば中国管内、場合によっては、後述しますこのたび仲間入りを果たしました関西圏、こちらの自治体とも、ともに競い合うライバル関係だけではなく対峙することなく情報を共有化するなど、協調しながら連携を図っていくべきと考えますが、企業誘致における他県との連携について知事の所見を求めます。
 次に、DBSクルーズ貨客船就航についてお尋ねいたします。
 いずれにしましても、昨今のウォン安進行の現状であります。韓国経済自体の悪化に伴うDBS社、新会社の経営リスクの増大や使用船舶の確保など、まだまだ2月までには紆余曲折も予想されるところであります。このような中で、先ごろの報道によりますと、知事は就航のタイミングを逃すリスクの大きさから、初動の支援の検討を行うとのことでありました。具体的にはどのような支援をお考えか、その所見を求めます。
 また、私が調べましたところによりますと、当初予定しておりました船は明後日、11月30日19時半、那覇港入港をもってその役目を終えると聞いております。新しい船は12月3日から就航ということですが、従来のお話ですと11月末をめどにこの船を買い上げて、1億2,000万の手付金を打っておるDBSクルーズフェリー社でございますから、この船のもとで計画を立てておるとのことですが、この現状につき違いがございませんでしょうか、その点重ねて質問いたします。
 それともう1点、実は企画土木常任委員会におきまして、先ごろも富山県伏木富山港を視察いたしました。この周辺は当然我が県より先進県でありまして、貨客船ルーシー号がウラジオストクと直行で結んでおります。約1万2,000トンほどの大きな船でございますが、富山港の周りにはおびただしい数の中古車ディーラー、これが群れをなしておりました。本県でももしロシアとの貿易を果たすということになりましたら、当然その荷は中古自動車が大きなウエートを占めてくると思いますが、例えば境港の周辺に現況で中古自動車を海外にあっせんするような業者が今そんなに数はないかと思います。行政主導でこのような業者を集めてくるような努力も必要ではないか、荷を確保する努力も要るのではないかと思いますが、重ねてお尋ねいたします。
 それともう1点、先般の報道でもございましたが、この点に関しまして実はDBSクルーズ社に出資した会社ですか、個人ですかは存じませんが、その一番多くの出資者、この大株主が韓国の精密電気部品の会社との報道を仄聞いたしました。この会社がウラジオストクでみずから多角経営する農場と東海との物流のパイプとして、このDBSクルーズフェリー社に出資したものと考えられますが、もしこれを是とするならば、そのような小さい船で農産品をウラジオストクから東海に持ってくるということですと、果たして鳥取県がその船を使ってウラジオストク・ロシアと交易をするのに十分なスペックがあるのだろうか、現実面でこのような疑問を抱きますが、今時点でわかっていることがありましたらお聞かせください。DBSクルーズフェリー社については以上です。
 それと、アシアナ航空米子~ソウル便については、ただいまも文化観光局長からお示しいただきましたが、例えば福島空港の例をとりますと、アシアナの路線で羽田、関空、成田、こういった大きな空港以外の地方空港では一番の70%を超える高搭乗率と聞いております。こちらはやはりゴルフツアーを誘客したインバウンドで非常に伸びておるそうでございます。昨今のインバウンド危機の状況ではありますから、この数字も下降ぎみではあると思いますが、地方の海外との航空便を維持するにはインバウンドに重点を置くのか、アウトバウンドに重点を置くのかでその施策が変わってくると思います。本県も11月以降この米子便については時間が改定されましたが、今後インバウンド、アウトバウンドどちらに重きを置いてこの路線を維持していくお考えか。はたまた中庸のままいかれるのか、その点の、当然これは航空会社の意図するところでありますから、県の希望としてはどういったところにあるのかお聞かせ願えればと思います。とりあえずここまで。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず先般、経済産業常任委員会で二階大臣のほうへ御要望いただいたことに関連をして、県としてもワンストップサービスなどを充実をして企業誘致を図るべきだというお話があり、それとの関連で中国、関西圏で他県との連携をどう図っていくのかというお尋ねがありました。
 詳細は商工労働部長からお答え申し上げたいと思いますが、これまでも例えばトヨタというような大企業がありますけれども、トヨタへの商談で初めて中国地方の5県で一緒になって商談会をさせていただきました。そうしますと先方との売り込みを図る上で、こうした協調してそれで商談会をやることでの効果が出たと思います。トヨタ側も渡辺社長が出てくるということにつながりました。それから関西との連携でありますが、先般も姫路と商談会といいますか、交流を深めようというようなことをやったり、それから大阪の商工会議所なんかとの連携事業も進めつつあります。そのようにして、せっかく交通網が広がってくること、さらにはDBSクルーズフェリー社による北東アジアへの道が開けてくるなど、鳥取県を取り巻く環境も変わってきますので、それを活用してもらうという面でもそうした連携を進めていきたいと思います。
 次に、北東アジア航路についてお尋ねがございました。
 まず1点目といたしまして、北東アジア航路の初動について支援を検討するのかどうかということでございますけれども、先ほど申しましたように1年前と比べますとウォンが随分安くなってきました。円との関係でいくと1.9倍に円がはね上がっていますし、ドルとの関係でいきますと1.6倍であります。こういった海運会社の常として、やっぱりドル建ての相場というのは結構ありますので、ウォンだけで始末をしていないものですから、そういう外貨の水準が変わってくることは少なからず影響があると思います。その意味で経営圧迫要因になっているというように伺っております。それからあと、大切なのは対岸の韓国側がどういう体制を組むかということでございまして、この韓国側の実際の助成のあり方なんかも拝見をさせていただきながら、私どもも境港市が地元でありますが、境港市とかあるいは中海4市だとか、そういうところと協調して一定の初動に限ったような支援を検討する必要があるかなと考えております。これから長い目で見てこの航路が実際に動き出すかどうか、頓挫するか否かでは地元経済に与える影響というのはかなり違ってくると思います。こうした航路があるということで、鳥取県はほかと違った産業立地の可能性が高まる、あるいは文化観光の交流の可能性が高まる、そういう時代ではないかと思っておりますので、私としてはそうした検討も必要性を勘案しながらやっていきたいと思っています。
 次に、船のことでございますが、これは現在国内で就航しているクイーンコーラルという船でありまして、議員御指摘のとおりこれによる就航というものを検討していました。しかし経営環境が変わってきまして、そこの確定ができていないということだと思います。この点につきましては、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、伏木富山港でございますが、中古自動車がたくさんディーラーが張りついていると、こうしたものを行政主導で展開をすべきではないかというお話でございますけれども、DBSクルーズフェリーの就航による北東アジア航路については、我々かねて関西とか西日本まで食指を伸ばしてこの荷主を探しているという状況でございます。現状でも名古屋方面とか、そうした企業さんも中古車関係ではこの航路の活用について興味を示していただいたりしております。そうしたポートセールスにつきましても、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、アシアナ航空の米子~ソウル便についてでありますが、ゴルフツアーなどが有効なことを私どもも認知をいたしておりまして、最近は西部のゴルフ場だけでなくて中部のゴルフ場も三朝温泉と組んで活用されるようになってきております。それがインバウンドのほうでいい効果を上げたのは事実でありますが、現在ウォン安の傾向があってこの6月、7月ごろから急に減りつつあるといううらみがございます。今後、ではインバウンドとアウトバウンドとどちらに重きを置くのかということでありますが、私はその両方を追求するのが筋道だろうと考えております。アウトバウンドで実際県民の皆様や山陰県域の方々に旅行していただく面での御活用も当然あると思います。これも促進を図るべきでありますけれども、インバウンドで外国、これも韓国に限らず香港だとか中国だとかも経由便で入ってくる方を開拓をするなど、そうしたインバウンドを連れてくることが鳥取県内の観光産業などによい影響をもたらすと考えておりますので、こちらのほうも一つ力点を持ってやっていきたいと思っております。
 ただ、この両方が相互に関連するのも確かに事実でありまして、アウトバウンドがはやるようなときはインバウンドは貨幣価値の関係で入りにくくなってくる。インバウンドがはやるようなときはアウトバウンドがやや低調になってくるという関係がございます。この双方をバランスよくとっていくことができるようになれば、この路線はひとり立ちできるのではないかと思っております。
 現在、山陰国際観光協議会という協議会と、それから利用促進の仕組みがございますけれども、ここも実際には合体をしてインバウンド、アウトバウンド両方を組み合わせながら振興策が図れるように組織を改めることも視野に入れてみてはどうかと考えております。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)それでは、何点か補足の答弁をさせていただきます。
 まず1点目は、特に企業立地について他県と連携してはどうかというお話だったと思います。
 企業立地につきましては、正直申し上げまして他県と競争関係にあるものが多いわけでございまして、私どもが今進めている幾つかの案件でも特に近県と競合しているというのが事実でございます。ただ他方で、例えば地震リスクを回避をするために、太平洋岸の地域から日本海側へ企業を立地をすることを検討するというような企業なども出てきておりまして、そういった意味で連携できる可能性もないことはないというふうに考えておりまして、島根の商工労働部長といろいろ打ち合わせをする中でそういったことも検討させていただいているところでございます。
 ただ他方、先ほど知事からもございましたけれども、特に他県との連携においては、商談会でありますとか受発注の開拓、こういったことについて他県と連携を進めることがより現実的ではないかというように思っております。例えば鳥取県の西部でありますとか、中海圏域については機械金属の技術の集積があるというところでもございまして、そういった技術力を持って他地域に打って出ると、こういった取り組みなんかもあるのではないかというように考えておりまして、そういった意味からの取り組みを今後強めてまいりたいというように考えているところでございます。
 2点目、DBSクルーズフェリー社に関連をいたしまして、投入船の状況ということで補足の答弁をさせていただきます。
 投入船舶の確保につきましては、先ほどからお話ございますように特に韓国の経済が非常に混乱をしていると。特にウォン安というような状況がございまして、今ぎりぎりの交渉をされているというように認識をいたしておりまして、そういった中で、先ほどお話ありましたクイーンコーラルでの就航なども含めて、最善の方法を今検討をされているというように伺っておりまして、近日中に決定をされるのではないかというように期待をいたしているところでございます。
 また、韓国側の出資者のお話もございましたけれども、お話がございましたとおり携帯電話部品の開発製造を行っておる、かつ沿海地方で農場を行っているというようなことではございますけれども、この船にどういった期待を込めて出資をされているのかということにつきましてはまだ確認できておりませんので、先ほどお話ございましたように、来週12月上旬にでもこちらに来てお話があるというようにお伺いをしておりますので、そういった中で戦略については確認をし、私どもも可能な限りの対策を講じていきたいというように考えております。
 3点目、DBSクルーズフェリー社に関連するポートセールスということでございますが、西日本唯一の航路になるということでございまして、ポートセールスを積極的に行っておりまして、例えばトヨタでありますとか松下でありますとか、大きな企業を中心に現在ポートセールスをさせていただいております。また先般は、ウラジオストクの最大の小売業者でございますヴィラゼル社が来られたところでございまして、そのヴィラゼル社との商談会には山陰圏また首都圏の企業なども参加をしていただいております。トライアルの輸出を即決をしていただくというようなこともございましたけれども、そういったことも含めて、今後も荷物を集めることにつきましては、積極的に県としても対応していきたいというように考えておるところでございます。


◯副議長(上村忠史君)暫時休憩いたします。
 10分後に再開いたします。
       午後3時11分休憩
   ────────────────
       午後3時25分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 10番福本議員


◯10番(福本竜平君)重ねて、先ほどDBSクルーズフェリー社に関しまして、若干残りましたので追及させていただきます。
 いずれにしましても、このたびのクルーズ、無から有を起こし出す定期貨客船の就航でありますから、県民の未知なるものへの期待も大変大きいものがございます。初動に対しても支援を行う以上、今々とは言わないまでも、ある程度この航路が生み出す経済効果について担保しつつも、県民に説明をしていく時期が必要であろうかと思いますので、その都度、またそのときになりましたら御説明をいただければと思います。いずれにしましても、一日も早い2月の無事就航を県民の一人として期待するものでございます。
 これにあわせまして、同じ港の振興の話でございますので、若干関連で質問させていただきます。今後の活性化がこのように期待される境港ではありますが、県都鳥取では皆さん御承知の鳥取港がございます。こちらの振興も忘れてはなりません。姫路鳥取線の開通も間近に迫り、物流、観光多くの側面から活性化が期待される鳥取港ですが、先ごろの報道によりますと、知事は鳥取市長とともに日本海を航行するクルーズ客船の寄港を促すため、東京の船会社へ赴かれたとのことでありますが、鳥取港の活性化の起爆剤ともなり得るこのクルーズ客船の鳥取港への就航の可能性と実現に向けた手ごたえ、今後の展開をお聞かせください。お願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)北東アジア航路につきましては、議員御指摘のとおり、県民の皆様にも随時その情報を提供申し上げ、また経済効果が地域にもたらされるように私たちも最大限努力をさせていただきたいと考えております。
 次に、クルーズ客船の誘致を鳥取港にということにつきましてのお尋ねでございます。
 先般11月21日に竹内鳥取市長とともに東京のほうにお伺いをした際に、このクルーズ会社2社を回りました。1つは商船三井客船でございまして、こちらは「にっぽん丸」という船を有しております。それからもう1つは日本チャータークルーズというところでございまして、こちらは旅行会社の受託を受けながら、それで船を出してクルーズ船を展開をすると、そういう会社でございます。こちらのほうは「ふじ丸」という船を持っております。この「にっぽん丸」、「ふじ丸」の寄港につきまして要請にお伺いをいたしました。私どものほうから申し上げましたのは、ここは鳥取砂丘と目の前のところに港があること。それから同じ港内にフィッシャーマンズ・ワーフとでも言うべき賀露のマリンピアがありますということ。近在には温泉ですとか、あるいは町並みの美しいところですとか、県境を挟んで但馬のほうにも近い観光地があります。そうした魅力をいろいろと御説明を申し上げました。明快に、では就航しますということになかなかならないものでありますけれども、ただ手ごたえは感じて帰ってまいりました。恐らく具体的な計画を検討していただけるのではないかと期待をいたしているところであります。ただ、「にっぽん丸」は明年の秋から修理に入るそうでありまして、そのあとの2010年に新装なった「にっぽん丸」が日本でクルーズを楽しむ旅を始める。その象徴のような形で日本海側の鳥取港あるいは境港なんかもあわせて、こういう港もありますということを申し上げてきたのですが、鳥取港などおいでいただくような、そうしたコースを検討されるのではないかと期待をいたしております。また、「ふじ丸」のほうについても、スポンサーとなる旅行会社と一緒に検討をしていただけるものと期待をいたしております。
 いずれにいたしましても、新しい旅の形としてのこうした船旅でありますが、最近とみに人気が高まってきております。それから鳥取港も近在に魅力のある観光地もありますので日帰りでも、あるいは1泊でも楽しんでいただける土地柄でございますので、こうした船旅にもふさわしいと思っています。船会社のほうもおっしゃっていましたけれども、最近の港は市街地や観光地から遠い新港がふえてきているわけでありますけれども、鳥取港の場合は本当に目の前に砂丘があって砂丘を見ながら入り船で入ってくるというわけでありますので、そうしたところも珍しい。こういうこともセールスポイントではないかと私どもも売り込まさせていただきました。そうした最近ブームになってきておりますクルーズ客船による観光振興も、これから鳥取港など手がけてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)重ねて質問いたします。
 国際交流のあり方について、るる答弁をいただきました。確かに、このたび図らずも県内各自治体や学校と韓国の自治体、学校間の交流事業が、我が国の学習指導要領の竹島の記述により一方的に中断されたことは、まことに残念なことでありました。確かに知事おっしゃるように領土問題は国家間の問題であり、その解決は国家の外交によりなされるべきものであり、自治体間の交流はおのずと領土問題とは別々としてとらえられるべきであると私も思います。しかし、韓国の人たちの領土問題への思い、これはある意味、私はこちらのほうが正しいのだと思うのです。といいますのが、悲しいかなその国の国民は少なからず関心を持つべきであるのに、我が国においては領土問題、竹島問題への国民の関心は低く、その認識たるや、まるで他人事のごとくであります。地方自治体も国家の構成自治体である以上、知事はおっしゃいましたが、地球社会、国を越える、こういったことは私も理解いたします。そのようにあるべきかとは思いますが、全く国家の領土問題、国益の問題に無関心でいいかというとそうではないと私は思います。双方の領土問題の主張が異なる交流相手に殊さら大上段に構えて領有権をはやし立てる必要もございませんが、黙っていることはある意味認めることになります。あえてみずからの領土の認識を封印して、いわゆる臭い物にふたをしてつき合う交流が真に成熟した自治体交流であるとは、私には到底思われないのであります。ましてや日本海側最大の境港を抱え、産業としての漁業を営む多くの県民を有する本県としては、竹島問題周辺をめぐる暫定水域問題は国益の問題以前に漁業権、生活権にかかわる大きな県民利益の問題であることを忘れてはなりません。要するに、我々鳥取県民にとって竹島問題は単に領土問題、国益上だけの問題ではないのであります。
 以上のことからも、本県が真に隣人として成熟した韓国の自治体と交流促進を図ろうとするならば、あえて本県にとっても我が国にとっても変わらず譲ることのできない竹島の領有に関する問題は、堂々と我々の認識を発信するべきと考えます。真の隣人としてのパートナーシップは、これらお互いの譲れない領土問題をもお互いの異なる相互認識と理解することで、そのかたいきずなを高めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。そして、これらの考えを是とするならば、あえてここに竹島の領有につき知事の基本認識を求めます。
 次に、羽田空港拡張を前にした東京便対策について追及いたします。
 本県は人口が約60万足らず、東西にして約100キロという地勢にございます。その狭い鳥取に鳥取、米子という2つの空港を持って、1日9往復18便の飛行機が東京と結んでおるわけです。これによく比較しますと岡山空港、岡山県は人口195万人、ダブルトラックで鳥取県と同じく1日9往復18便の航空路線が確保されております。これを単純に人口カバーでカバー率を見ますと、本県が1便当たり3万3,000人足らずであるのに対し、岡山県は何と10万8,000人余りと、単純に便数を人口割りすると岡山県より鳥取県は3倍以上の航空機による利便性が確保されていることになります。確かにノーマル運賃も特割運賃も非常に割高な設定でありますが、その利便性の維持を確保しているキャリア、全日空、こちらに県民としても一定の評価をすべきと私は考えます。
 従来、鳥取空港、米子空港、東京便に対して増便、機材の大型化、運賃の低廉化という3本柱でその要望活動を行ってきましたが、このたび2010年の羽田拡張に当たっては全国49空港がしのぎを削って虎視たんたんとその枠をねらっております。このような現状にかんがみますに、一つ鳥取県としては、鳥取空港、米子空港がともに一つになって、いわゆる戦略を立てて増便対策を練る必要があろうかと思います。
 いささか独善的な私の私案でございますが、例えば現在、米子空港はこれから2,500メーター化を迎えます。ところが、今入っておる飛行機は最大でB767、県内、また山陰地方で東京などから周遊で観光で入ってくるお客さんは鳥取空港にはほとんど入ってこられません。大概が米子空港または出雲空港に入ってきます。ということは、米子空港には一つ何とか2,500メーター化を目途にして、ぜひ何とかB777、こちらぐらいの太い機材を引っ張ってくる交渉をしたほうがいいのではないかと思います。
 逆に鳥取空港といいますと、一概には言えませんが、そういった大きな団体の枠がございませんので、大型化をお願いするよりもむしろ増便をお願いして、全日空機に余るであろう、例えば今B737─800が入っていますが、これをお昼の暇な時間ではB737─700でもいい、小型化にするから1便ふやしてほしいというようなテクニカルな交渉も必要ではないかと思います。
 このような、いろいろな方策を民間や各種働きかけをしている皆さんと相談し合いながら、実利のある方法で増便をお願いしていってはどうかと思いますが、知事の所見を求めます。
 次に、関西広域連合に対する鳥取県の今後の方針と課題について質問いたします。
 知事がおっしゃいましたように、例えば大阪府の橋下知事は府議会で関西広域連合の道州制の実現に向けた具体的なステップとその認識を示し、関西連合イコール道州制との認識を示しております。これに対して兵庫県の井戸知事は、道州制そのものをして権限や財源に対する中央省庁の現在の姿勢からは、自治立法権や自治財政権を有する地方分権の確立は極めて困難と否定的な見解を示しておられます。いわゆるこれから共同して取り組もうという仲間同士が、いわば同床異夢を抱いているこの現状は、ある意味、関西広域連合の目指す将来像に一抹の不安を覚えるのも事実でございます。
 先ほどと重複するかもわかりませんが、平井知事としましては道州制と関西広域連合の関係をどのようにとらえて関西広域連合にかかわっていくおつもりか、重ねて質問いたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、国際交流との関係で韓国の領土問題などについてのお尋ねがございました。これについて一方的に中断をされたのは残念ではないかとか、韓国との領土問題についての我が国における認識が低く、地方として、自治体としても情報発信をすべきではないかとか、また竹島の領有についての認識いかんというお尋ねがあったわけであります。
 これについては、これも何度も議場で私も申し上げてきていることの繰り返しになりますけれども、我が国と韓国との間に領土問題が現にあることは事実でありますし、私としても竹島が我が国の固有の領土であると、こういう我が国の政府の立場といささかも異にするものではありません。ただ、これについての解決能力を知事という立場や鳥取県という立場で与えられているかと申し上げれば、外交一元化の原則というのが国際関係の常識でありますし、ポリシーであります。したがいまして、国が一元的にこうした領土問題を扱うというのがこれは一つの道筋でございまして、これ以外には解決策はないわけです。県境問題を争うのとは違って国と国との間の問題でございますので、国家間で解決をしていただかざるを得ない。
 それについて、議場でも何度も取り上げられているような漁業問題のような話もございますので、両国政府できちんと話し合いをしていただきたい。これを漁業関係でも要望させていただいておりますし、中国5県の要望の中でも同様の要望をこれまでもさせていただいているところであります。むしろこうしたところを早く正常化して、気持ちよく交流ができる環境を国は整えるべきだと思いますし、それで苦しんでいる漁業者の皆様を早く解放してあげなければならないと思っております。
 次に、航空路線のことで具体的なお尋ねがございました。先ほど私のほうから増便の運動をすべきというお話を申し上げましたが、実利に立って鳥取空港は便数をふやす、米子空港は便数をそのままにして機材を大型化するというような要望を考えて交渉してはいかがかというお尋ねでございます。
 いろいろな戦略は確かに交渉テクニックとしてはあるのかもしれません。しかし、今、非常に厄介なのは景気が悪くなってきていること、それから羽田の増便、増枠の問題があることでございます。航空会社のほうは地方の路線を整理をしにかかっているのは大きな流れだろうと思います。ローカル・ツー・ローカルもそうでありますし、羽田との間でも効果が見られないのであれば縮小していくということで経営を立て直さなければならない。JALはそういう状況に置かれていますし、ANAもそういう意味では同じテーゼを負っていると言っていました。なぜなら、新幹線がこれから登場するわけでありまして、九州新幹線ができますと航空需要に大きく影響すると考えられます。また、国際的にも安売り路線が参入をしてきておりまして、これで競争力を試されるような状態になっております。ですから、経営体力としてはANAもJALも厳しくなってきておりまして、彼らの論理としては採算性や経営効率性を考えて路線を整理していく、あるいは便数を減らしていくという方向に働きかねないわけでございます。
 ですから、私は基本戦略としては今搭乗率もしっかりとしている鳥取~羽田便、それから米子~羽田便については双方で増便を求めていくというのが筋合いだろうと思います。特に現在羽田での増枠が予定をされておって、これについて競争が始まっているわけです。このタイミングで増便よりも大型化という交渉をすると、そちらで整理をされてしまうことに相なってしまうのではないか。だから、私どもとしては現段階で交渉すべきは、まずは増便の話であろうかと考えております。
 次に、道州制との関係で広域連合をどう考えているかという重ねてのお尋ねであります。
 今、議員のほうからも御指摘ございましたように、橋下大阪府知事は一刻も早く道州制をすべきだという立場でありまして、その意味で広域連合をとらえておられると思いますけれども、ただ兵庫のように広域連合に行かないがためにこうした地方分権の受け皿としての連合を都道府県とは別の枠組みとして設置すべきだという考え方に立っているところがあります。ですから、先ほども申し上げましたが、広域連合と道州制とは必ずしもリンクをしていないと私は認識をいたしております。道州制の議論はそもそも地方分権の議論の次の課題でありますし、政府もそう位置づけていると私は理解をいたしております。
 まずは現在やっているような地方支分部局、国の出先機関の整理ができるかどうか、こういうのをまずは議論をする、その次の段階として中央省庁を再編整理するのとあわせて地方政府の究極の姿である道州をそれぞれのブロックでつくっていくかどうか、こういう議論だと思います。しかしながら、中央省庁の解体再編まで到底議論が行かないのではないかと思わせるような地方分権論議の混乱ぶりが今ありますので、私はやや距離を置いてこの問題を見ざるを得ないのかなと思っております。いずれにいたしましても、道州制についてはその可否、また設定をするとすればどういうリージョン、区域で行うか、これは県民の重大な利益にかかわるところでありますので、大いに議論をした上でないと結論が出せない課題であると考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それでは、鳥取県版集中改革プランについて追及いたします。
 この集中改革プランで定数削減や給与構造改革を断行する一方で、このたび本県人事委員会は先ごろ本年の職員の給与に関する報告をまとめて県職員の給与を3.2%引き下げるよう勧告したところであります。その引き下げ率は平成14年の1.88%を大幅に上回るもので、また他県に据え置き勧告が多い中、このたびの引き下げ率の大きさや人事委員会の給与決定要素であるラスパイレス方式による民間給与との比較に疑問を呈する声も一部にございます。他県と違い、鳥取県のこのたびの人事委員会の勧告が大きな下げ率となったことは、きょうも午前中の議論にありましたが、それだけ本県の民間経済が疲弊していることを端的に裏づけるものであります。また、執行部としても独立した公正中立機関が下した勧告に従う必要から主事級は据え置くこととしながらも、基本的にこの下げ率を是認することとしたことは当然の行政上の判断ではあります。
 しかしながら、公務員の財布に消費経済を負うところが大きい本県消費経済においては、全公務員約1万1,000人余りもの給与が月額平均で1万円以上も下がることはそのまま直接的に消費が冷え込むことが懸念され、ただでさえ冷え込んだ地場消費経済が壊滅的状況に陥りはしないかと危惧する声も町中からは聞こえてくるのも事実であります。本県は不断の努力により、他県に先駆け給与構造改革を断行し、行政職においてはわたり廃止、より職務職責に応じた給与改革を実施し、総量的には大分給与削減が行われていることは県民は周知であり、高く評価しております。係る現状の中、官民格差解消のため、さらなる給与の引き下げがなされることは疲弊する経済環境にある民間の納税者からすれば、それは確かにありがたいことではありますが、一方で本県にとって余りにも大きい公務員の給料がさらに大幅に下がることで実体経済に悪影響が及ばないか、実質的な地域経済の冷え込みを危惧する県民も多く存在します。
 このような現状を踏まえ、知事は一連の集中改革プランによる行政改革からこのたびの人事委員会勧告に基づくさらなる公務員給与の引き下げにつき、どのような率直な感想をお持ちか、またこのことが実体経済に及ぼす影響についてどのようにとらえておいでか、お聞かせください。
 加えて、集中改革プランについて質問いたします。
 先ごろ、二重行政による行政的無駄を排除するべく19市町村と、国から地方への税源移譲での滞納整理に対する策を一元化するなどの勉強会を立ち上げることに合意したとのことであります。私はこのほかにも、例えば福祉保健局にございます福祉事務所の効率化を訴えたいと思います。福祉事務所は現在、社会福祉法により都道府県と市に必置することとされております。これと同時に町村は条例によって福祉事務所を設置することができるとされております。福祉事務所での業務は生活保護、母子福祉、母子寡婦福祉資金事務、社会福祉法人施設の相談、指導、監査など多岐に及び、県においては福祉保健局がその業務を所管しております。
 昨今、行政の効率化、市町村への権限移譲の流れの中で、県の福祉事務所が担当した福祉事務所業務を新たに町村へ設置される福祉事務所に移管する例が見受けられます。お隣、島根県では来年4月ですべての町村へ福祉事務所業務を移管させます。これらにより県としては一層の業務のスリム化が図れると同時に、町村住民としてもより身近に福祉事務のサービスを受けられることとなり、地域住民の利便性の向上が期待されるところであります。財源的にも国の予算と交付税で措置されるために、町村にとっても新たな財政負担を生じないことから予算を有効に人的利用することなど、より効率的な町村としての財政運用に寄与するのではないかと考えられます。
 本県としても行政改革を進めて無駄の排除に努める以上、これらは福祉事務所を町村に移管するべく、各町村にその利便性の向上等、財政的負担がないことを周知せしめて、権限移譲に向け、強力に町村自治体に働きかけて行政のスリム化を図るべきではないかと考えますが、知事の所見を問います。
 このほかにも福祉、保健などという、いわゆる専門的な部署の公共サービスにおいては自治法ですとか地域保健法などの法的根拠に依存することで、何かもやもやとその業務の市町村と県の役割分担が明確でありません。県民にとってはいまだ多くの二重行政ともとれる一見無駄に見える行政の姿であるのではないでしょうか。例えば市町村や県民ニーズに的確にこたえるためとされています母子保健や健康づくりなど、保健上の業務にかかわる県の精度管理上必要とされる広域的、専門的とか指導、管理などの業務においては、その中身は連絡調整業務とか広域的な普及啓発業務とされていますが、我々県民からすれば、これらの業務に市町村と県が別個に対処する必要性が認められません。言いかえるなら、全くそのニーズにそぐわない無駄な行政行為としてしか映らないのであります。業務の専門性や広域対応の必要性から県がどうしてもかかわらざるを得ない事業も多々ありますが、これら母子保健や健康づくりなどはすべからく住民の近しいところで提供される業務と考えております。
 広域的な普及啓発や連絡調整事業といったような一見もっともらしいその業務の役割は、少なくとも私には無駄な業務と見えますが、間違いでしょうか。知事にはこれらすみ分けが不明瞭であり、その重複が疑われる事業につきどのような認識をお持ちかお聞かせください。そして無駄のない行政運営の必要からも、県民に理解されがたい市町村との二重行政や重複処理事案が疑われる業務については、とことん洗い出しを行って徹底して無駄を排除する必要があると考えますが、所見を問います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取県の集中改革プランに関連をいたしまして、3点お尋ねをいただきました。
 1つは、今回の給与改定で追加提案をいたしました条例についてであります。県職員の皆さんにも理解をしていただいた上で、このたび合意に基づいて県職員の給与を引き下げる条例案を提案をさせていただいております。これについての感想でございますけれども、今回は私どもとしても非常に悩ましい部分がありますけれども、ただ地方公務員法の仕組みからしまして第三者機関である人事委員会があり、ここが給与の水準を民間の給与実態を調査をした上で国や他の地方自治体との均衡も考慮して勧告を行う。これは議会にも勧告が来ておりますし、私のほうにも勧告が同時に来ることになっています。これに従って給与水準というものを適正に保っていく、それで団体交渉権のない公務員の特殊性にこたえていこう、これが制度の仕組みであります。
 ですから、私としてはこうした人事院勧告を最大限尊重して受け入れることが今のそうした法制にかなう姿だろうと考えております。ですから、今回御提案申し上げましたのはその勧告をおおむね受け入れた上で立案をし、提出をさせていただいたわけでございます。ただ、その際に職員ともいろいろと話し合いを重ねました。その中で、今回民間との給与の格差がある部分で、特に若手の給与のところでは逆に民間よりも低い給与という公務員給与の実態が調査の中ではあったと、このことが後から明らかになってまいりまして、この点については私どもも今回引き下げを見送るべきではないかと考え、このたびの提案に至った次第でございます。
 民間経済に与える影響ということでありますけれども、これは公務員の給与の水準をどこにとるかでありますが、結局その納税者である方々の御理解を得るという意味で民間の給与をベースにして考える、その際に他の公務員との均衡も一定程度考慮して考えるという仕組みになっておりまして、このこと自体は一つの決め方として妥当性はあるのではないかと私は思っております。確かにその給与が下がった分だけ県内の消費に与える影響というものはゼロとは言えないと思いますけれども、これは給与決定の仕組みから来る裏腹なものでございまして、この程度はやむを得ない部分もあるのではないかと考えております。いずれにいたしましても、公明正大に議会で議論していただき、最後は条例で定律をすることで給与の適正な水準を図ってまいりたいと考えております。
 次に、共同処理のターゲットとして福祉分野を考えるべきではないかというお話でございます。特に町村に福祉事務所をつくるなどの改革があっていいのではないかと、こういう御指摘であります。
 私も傾聴に値する考えと受けとめさせていただきました。県と市町村との間の二重でやっているような部分というのは極力排除していったほうがいいと思いますし、それが可能であるならば住民に身近な市町村のほうにまとめていくのがよいかと思います。ただ、残念ながら町村のほうに、町村ぐらいの小さな団体になりますと能力といいますか、経験とか知識、専門性を有した人がいるかどうか、あとスケールメリットが働く部分がありますので、どうしてもそういう行政ニーズが人を配置するほどにあるかどうか、こういうことはどうしても生じてきます。ですから、そこは現場で考えていかなければならないことだと思います。
 一つのやり方として町村に福祉事務所を移すということを検討してはどうかということでありますが、今、島根県はすべての町村に福祉事務所を設置するということで合意がなされました。ですから、来年度からはすべての町村に福祉事務所がある形になります。広島も来年度の当初になりますと1つの団体を除いてはすべて福祉事務所が置かれることになりますし、岡山も1町1村で福祉事務所が設置をされる。ですから、だんだんと中国各県でこの福祉事務所の設置が一般化しつつあるように思います。鳥取県でもこれを検討してみる必要があると思いますし、今までも町村と現場同士での話し合いをしてきておりますが、きょうの御質問もありますので、そうした協議をさらに加速をさせていきたいと思います。議員が御指摘になりましたように交付税が町村側に措置されますので、財源的には十分な形になると考えられます。県のもらっている交付税がその分減って町村に移るわけでありますが、それは一つの行政スタイルとして無駄も省けるのであればよいのではないかと思います。福祉について県と町村とで重複があるといいますか、純粋な重複ではなくて似たような仕事、ですから同じ人が両方こなせるのではないかということで私は処理できるのではないかと思います。
 あと保健の話もいただきました。保健についても同様だと思います。母子保健だとか健康づくりについて重複があるのではないかということでありますが、これは我々の内部で福祉保健の担当職員と議論をしますと、違いを事細かに説明をしてくださいます。山ほど違いがあるように説明が来るわけでありますが、ただ冷静に考えてみますと程度問題なのだと思うのです。例えば保健のほうでいきますと精神保健、非常に難しい行政分野ということは御理解いただけると思います。その中でも比較的軽微なもの、簡単なもの、一般的なものは町村の窓口のほうで受けることになっていますが、困難なもの、これについては県のほうでお受けをするというようになっているのです。ですから、こういうふうに一応すみ分けといいますか、県と市町村との区別はできているわけであります。母子保健なんかでも同じようにそうした区分けはなされているわけです。
 では、これを同時にやることが1つの機関でできないだろうかというと、私はそうではないだろうと思うのです。それをすべて、では町村単位でやれるかどうかということになりますが、福祉事務所のほうですと生活保護なんかやってきまして、生活保護は絶対できないかというと、できないわけではないと思います。それに公営住宅だとか、ほかの福祉業務だとかをあわせますと情報の流通もよくなりますので、適切な福祉サービスの提供というのは可能かなと思います。保健のほうになりますと、重い精神保健のような人が何人いるかというと、そうたくさんいるわけではないかもしれないし、難しいわけでありますので、専門的な人材を県で雇ってもらってやるのがいいのだというのはわからないでもないのです。
 ですから、では町村と県とが一緒になって一つのグループとしての行政体をつくってやること、これも可能ではないかと思うのです。そういうふうに二重行政と言うと職員が必ず猛反発してくるのですけれども、似たような業務をやっているところを取りまとめて市町村と県との垣根を払ったような形、あるいは市町村のほうに事務を移譲するような形でそうした合理化を図るといいますか、住民サービスの向上を図る、その道は私は検討されていいと思いますので、これから福祉、保健の両面についても今おっしゃるような行財政改革のテーマに据えてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)答弁いただきました。福祉事務所移管につきましては、進めていくという前向きな答弁いただきまして、ありがとうございます。ただ、小さい町村などもあろうかと思います。ただ、お隣、島根県でできて当県でできないことはないかと思います。島根県では市町村合併の折にその初動がうまくいって進んだというような状況もあるように聞いておりますが、本県でも果敢に進めていっていただきたいと思います。
 それと福祉行政の件です。知事も今おっしゃいましたように、私も正直このたび勉強会をさせていただきまして福祉保健部の皆様といろいろ勉強させていただきましたが、知事おっしゃるとおり、いろいろ出してこられます。その都度、納得はさせていただいております、ない頭でも。ただ何か釈然としない、もやもやとした中に地域保健法という網の中に引きずり込まれていくような、妙な感覚を覚えました。この点につきましては、私、大変このたび不勉強で間に合いませんでしたので、いずれその白い巨塔に踏み込んでいきたいと思いますから、(笑声)またよろしくお願いいたします。
 続きまして、森林の育成保全について重ねて追及いたします。
 知事からは高知県版VERの取り組みを進めていきたいとの前向きな答弁をいただきました。高知県はかねてより専門のCO2担当の課長を置いていろいろな企業と、東京の企業なんかとコンタクトをとったり、頑張っておるようです。中でもこの高知県版VERの取り組みの中には東京の工学院大学のたしか小林先生とおっしゃるスペシャリストがいらっしゃるようです。私も時間があったらお会いしてお話をお伺いしたいのですが、このようなCO2削減に向けたスペシャリストの助言をいただくことも必要ではないかと思いますので、申し添えたいと思います。
 それと、先日も「オロチ」の森社長とお話しする機会があったのですが、県内で生産された木製品などにCO2の排出権を附帯するようなカーボンオフセットのシステムが構築できないかと。外材、県外材と差別化を図ることが可能となって木材産業の発展が期待されるのではないかというお話をさせていただきました。また、森林保全に限らず、みずから排出するCO2排出権の附帯されるカーボンオフセットの取り組みが広がっております。これらの新たな取り組みであるカーボンオフセットを本県としても森林育成のみならず、さまざまな実社会の取り組みの中で温暖化対策の一つの手法としてはどうかと思います。
 また、先ごろ環境省ではカーボンオフセットの取り組みを普及促進するために国内排出削減の吸収プロジェクトによって実現された排出削減吸収量カーボンオフセットに用いられるクレジットとして認証するオフセット・クレジット、いわゆるJ─VER制度を策定いたしました。平成20年度事業として本格的に事業展開するようであります。これらについても幅広い研究を行って、本県としても取り組むべきものは取り組んでいっていただきたいと思います。
 続いて、間伐材の有効活用による新産業の育成について追及いたします。
 県が単県措置として平成13年から行っておりますいわゆる間伐材の持ち出し支援、これは確かに間伐材を単に切り出すだけでなく、山土場から市場、または保管場所や製材加工施設までの搬出だけでなく、運搬経費をもその補助対象としたことで非常に使い勝手がいいものと聞いております。その効果も確認できております。しかしながら、いまだ間伐を必要とする山がその搬出のための作業道の未整備や人材不足により手つかずのまま放置されている現状を見るにつけ、これら持ち出し支援の必要性は理解しつつも、今後の産業としての林業の育成を考えるならば、条件整備である作業道、林道の整備事業または機械化の推進など、いわゆる低コスト林業推進事業のほうにもさらなる予算の加重配分が必要ではないかと考えます。これを言いますと、卵と鶏の話ではありませんが、幾ら持ち出し支援に予算を傾注し続けても、抜本的に低コスト林業を推進し、お金になる林業の構築を急がなければ、いつまでたっても林業の発展はないかと思います。
 このような考えから、必要な範囲で持ち出し支援による間伐材搬出の実経費を支援を維持しながらも、低コスト林業の推進を一大目標として、さらなる産業としての林業自立の支援に傾注して予算配分をするべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 また、この林業に関しまして、産業としての林業を育成するには、今現在林業に当たる人材を育成することが急務であると思います。現在、機械化や路網整備を進めている日本の林業を活性化するために、今の5万人いる林業従事者では到底人的不足であると言われております。ここで先ほど来話がありましたが、折からの公共事業の減にあえぐ建設会社の作業従事者を充てて新産業である林業の復活を図る、林業と建設業の共同が一部で唱えられております。元来、山間部で砂防治山事業の経験を持つ建設従事者は、低コスト林業推進のための路網整備はお手の物であるかと思います。また、建設業で使用する建設機械も物にはよりますが、つめですとかアタッチメントをかえるだけで林業用機械に利用できる利点もございます。
 県としても絶対的な公共工事の縮小により、その先行きが不安視される建設業者に新たな活路を見出すべく、林業の産業としての安定性を高める努力とあわせて、建設業から林業へ業種転換する者に対して必要な助言をなすことで、産業としての林業の復活と不況にあえぐ建設業に新規展開という二重の効果を生むものと考えますが、この点、知事の所見を伺います。
 次に、地場産業の復活育成についても重ねて質問いたします。
 昭和30年代には本県の家具産業が盛んな時代がありました。その当時の売り上げ規模は当時のお金で約300億円もあったそうであります。まさに一大産業でありました。そこには地域産業としての人的資源があって、かつ工芸としての技術もありました。現在では往時の家具産業の隆盛は今は昔のこととなっており、確かな技術に裏づけられた地場産業の中での卓越した技術は、民工芸というジャンルでかすかに趣味のような需要を受けて残るのみであります。
 これを受けまして、私先ごろ東京のビッグサイトで開催されましたIFFT、インテリアライフスタイルリビングの見本市に本県から参加されている智頭のサカモトさん、そしてこれを共同でデザインされるヒョウデザインさんの合同展示の応援と他県の地場産業の実態調査に行ってまいりました。当日はほかのホールで青谷の谷口和紙さんの出展もあり、鳥取県の発信を熱心になさっておられました。ここで私も初めて地場産業の復興に力を入れる他県の状況を勉強した次第でございます。
 例えば、かつて国内一を不動のものとして年間売り上げ5,000億を誇っていた九州大川、その名をとどろかせた九州の大川の取り組みは、昨今の国内家具業界不振の影響から、出荷額ではかつての勢いを失っております。現在、その復興を図るべく大川総合インテリア産業振興センター、略称TIPCOの取り組みの中で大川ブランドの確立事業を組織しております。統一ブランドである「SAJIKA」、これは都会地でひとりで暮らす人のために小さいさじかげん、ちょうどいいさじかげんの家具をつくろうというトータルコンセプトのもとにつくられたネーミングであるそうです。この「SAJIKA」を生み出してブランド開発にあわせて販路開拓、そして人材育成と、広域にわたって地場産業の復活としての大川ブランドの確立を図っておられました。
 また、中でも私が最も注目した地域は新潟県の取り組みでありました。100%出資で運営される財団法人にいがた産業創造機構NICOという組織がございます。こちらにつきましては、先日、市場開拓局長のほうにその資料を提出しておきました。NICOでの地場産業への取り組みは本県としても大いに参考になるものと、価値のあるものだったと思います。NICOは新潟の産業すべてを金融、また経営相談、商品開発、そして市場開拓、そして首都圏に本県でも同じようなアンテナショップとして表参道に居を構えて、すべて新潟の発信や世界への販路開拓まで総合的に新潟の産業をサポートするワンストップ商工窓口ともいうべき組織であります。その中で地場産業の復活を図るべく、さまざまな個別プロデュースがなされ、例えば今言いましたような新潟三条の手づくり品を三条ジャパンとしてブランディングして世界に売り込んだり、県内のすぐれた道具を集めてその名も百年物語としてトータル的にブランド化し、日本はおろか世界に売り出すような取り組みをなさっておられます。
 このような地域下の地場産業を守り立てて産業化しようとする動きは、先進的な地域では活発に既にその行動がなされております。このような中、昨今、本県でも戦略を立てて地場産業を守り立てようとする動きが生まれております。本県としても、これら地場産業を産業として復活せしめ、盛り上げようとする民間の取り組みに助力をなすべく、新たな行政的枠組みを構築してでも世界に通用するメイドin鳥取のブランド化、地域資源のトータルコーディネートをなすべきと考えますが、知事の所見を伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、地球温暖化対策についてでありますけれども、高知県の取り組みとしてのJ─VERを使った取り組み、これについてCO2担当課長だとかスペシャリストを活用されているというお話がありました。そしてJ─VERとか、こういうものに取り組んでいくべきではないかということでございますし、「オロチ」の森社長のほうから森を活用した、同じ森という文字になりますけれども、森林を活用した、そういうカーボンオフセットの事業を考えてはどうかというお話であります。
 先ほども申しましたように、地球環境対策をスムーズにこれから円滑に進めていく上では、二酸化炭素排出権取引が進むようでなかなか進んでおりませんが、ああいうような形で民間の活力というものを環境対策に、経費的にも投入していくという姿をつくっていかなければならないと思っています。高知県はこの意味でVERの先進地としていいモデルを今つくりつつあるという御報告でございまして、非常に共感を覚えるわけでありますが、鳥取県の場合も一つ他県に大分勝ってきているのが共生の森の事業であります。これは私もマニフェストで書いておったのですが、職員に全国飛び回っていただきまして共生の森があっという間に10を超える数の企業との提携が成り立ってきております。これは高知も驚くぐらい速いスピードで進んできているわけです。
 その経験からわかるのですが、企業も環境推進活動に取り組まなければならない、CSRを果たさなければならないという、そういう意識が強くなってきておりますし、環境に対する貢献をすることをコスト的にも価格などに乗せても世間がそれをむしろ買ってくれるという時代になってきているわけだろうと思います。ですから、今回の高知の場合も東京のルミネがこれを買うわけでありますけれども、その分を価格に転嫁することになったとしても十分に引き合う、そういうことではないかと考えています。ですから、鳥取県でもそうした取り組みを起こしてみたいと思います。
 実は、若手で森林を活用してVERのシステムを鳥取県版でつくってやれないだろうかというアイデアを今膨らませてきておりまして、当初予算の中でそれも事業化を考えてみたいなと思っております。もちろんこれは本格的なものの前段階の実験的なものになるかもしれませんけれども、まずはそういう取り組みが一つは必要ではないかと考えています。あるいはそのほかにもVER、カーボンオフセットの玉になるような、そういう例を開拓をさせていただきまして、鳥取県から環境推進活動のモデルができるように検討をさせていただきたいと思います。
 次に、間伐材の有効活用について重ねてのお尋ねがございました。作業道だとか機械化などのインフラ整備を推進をする必要があるのではないか、持ち出し支援もよいけれども、そういうことを中長期的に行うべきではないかというお尋ねでございます。
 詳細、農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますが、最近少し材価が上がってきていること、それから低コスト化がそれでも県内でも進展してきていることから、かつて持ち出し経費なんかも含めた価格差が4,000円を超えていたようなものが今大分縮小してきているのは事実であります。だけれども、やはり持ち出し支援のようなことは、単価をどうするかということはともかくとして、一定程度もうしばらくはやらなければいけないかなという感覚を持っています。ただ、これだけでは単に価格差を埋めるということにしかなりません。むしろ本当の意味での競争力を林業に与えて国際的にも材を輸出していけるようにならなければならない、その意味で持ち出し支援以上にそうした作業道だとか、低コスト化のための機械化整備が求められるというのは私も同感であります。そういう視点で今、政策の立案に入っているところであります。
 あわせて、建設業から林業への参入についても農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますけれども、いろいろと議論はあるようではありますけれども、上手にコーディネートしながらその連携をしてみたいという、そういう森林組合も出てきておりますので、モデルをつくりながら事業化を図っていきたいと思います。
 国のほうでも、路網整備に建設業の方に入ってもらうという新しい事業を考えているようでありますので、今、鳥取県でもそういうことを始めることは平仄がとれてくるように思います。
 次に、地場産業の復活についてであります。議員のほうから詳細なレポートをいただきました。九州の大川ブランド、あるいは新潟の地場産業のブランドをつくろう、NICOとかいうそういう試みなどのお話がありました。また、県内でもビッグサイトに展示をされていたような事業者さんやデザイナーの活躍も見え始めたということであります。
 これについても先ほども本答弁のほうで申し上げましたけれども、かつて「BEAMS」などで実際に事業化に成功してきている例もあります。ですから、ぜひ鳥取からの地場産業のブランドを形成していくことを強めていく必要があると思います。例えば酒造メーカーなどであれば、最近海外で販売展開をなさる事業者さんがふえてきております。その応援を、例えば来年ニューヨークなんかでもさらに後押しでやってみてもいいのではないかというような気もいたしますが、そういう展開をいろいろと考えていけばできようかと思います。
 難しいのはやはりビジネスベースでありますので、消費者から支持されるところを最後は目指さなければならないわけであります。アンテナショップでも、このたび伝統工芸品を販売、展示させていただいております。残念ながら食料品に比べるとやはり売れ行きがそんなに芳しいわけではありません。ですから、やはり消費者に対して訴えかけるものを持たなければならないと思いますし、その売り方も考えなければいけないのだと思います。従来とは違った味つけを、デザイナーを加えることでやっていくとか、ブランドイメージを形成していくことで解決をしていくとか、そうした展開を専門の方も入っていただいてアドバイザーなんかも使いながらやっていってはいかがかというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 鹿田農林水産部長


◯農林水産部長(鹿田道夫君)持ち出し支援の関係でありますけれども、今調査中であります。それで、傾向としまして13年ごろに比べて経費がやっぱり若干少なくなっています。これは低コスト林業を推進した影響でそれぞれ機械化がかなり進んできたと。ただ、結局機械が高いものですから、これについてさらに支援することの検討を今始めているところでございます。
 それと、労働力の確保についてでありますが、やはり今の林業労働力ではちょっと不足するという見込みを私ども立てておりますので、できれば建設業界の方が林業のほうの仕事に携わってもらえればなと。ただ、なかなか平場と違って山のほうになりますと危険も伴いますので、いろいろノウハウもありますので、そこは森林組合なり林業事業体のほうがそこら辺はかなりなれておられますので、そこら辺と両方一緒になってできるような体制の研修活動を検討しているところでございます。国のほうでも作業道を一緒に建設業者と林業事業体がやるというような取り組みも計画されておりまして、県のほうでも間伐も含めて一緒にできるような事業を組みたいなということで今検討しているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)入札制度について、部長答弁によりますと、Aクラスの定数は削減していくが具体的な数字はなかったわけですが、部長がおっしゃったようにAクラスの定数を削減すれば、その分B、C、Dと下へ下へのしわ寄せが行くわけで、削減に当たっては慎重かつ合理性を担保した上でなされるべきと考えます。一部のクラスの業者のみの利益に偏ることがないよう、慎重な判断で行っていただきたいと思います。答弁は結構です。
 続きまして、北朝鮮による拉致問題について追及いたします。
 知事には数々の、昨日も首相官邸への働きかけなど、さまざまな運動を展開していただいております。今後、県としてもさらなる拉致問題解決に向けた県民世論の高まりを誘発させるためにも、例えば県庁の総合庁舎やギャラリー、県有施設をフル活用して拉致問題解決を訴える展示や情報発信のコーナーを設けるなど、拉致問題を風化させない今以上の取り組みを行ってはと考えます。ちなみに日本一の議会図書室には現在、北朝鮮拉致問題の特設コーナーがございます。披瀝しておきます。
 ここで、1978年、恋人の増元るみ子さんとともに鹿児島県で拉致された市川修一さんの御家族のお話を紹介しておきます。事件から17年後、半ばその生存をあきらめていた1995年のある日、市川家に韓国から国際電話が鳴りました。ある日本の報道陣が元北朝鮮工作員に会って取材したところ、市川さんが北朝鮮で生きている可能性が高いとの証言を得たとの内容でありました。電話で話す修一さんのお兄さんは、話中で発する修一という声を聞いたお母さんがさっと耳を傾けるのを察知したそうです。電話を置いてから、お母さん、修一が北朝鮮で生きているよと伝えたところ、見る見る大きな涙をぽろぽろ流し、どこにおってもいい、元気でいてくれたらそれでいいとびっくりするぐらいの大声で泣き出されたそうであります。修一さんのお母さんも、初めて母親があのように大声で泣くのを見て本当に母親の愛の深さに涙したと言います。市川修一さんの帰りを心待ちにしたそのお母さんもこの11月、最愛の息子に相まみえることなく失意のうちにこの世を去りました。
 皆さん、このような不条理を許してよいのでしょうか。本県の拉致被害者、松本京子さんのお母さんも御年89歳、幸い今も健在で京子さんの帰りを待っておられます。これ以上、不幸を続けてはなりません。くしくも京子さんの兄は述べられています、行動が欲しいと。県民一人一人の声が行動です。必ず同胞を奪還しましょう。明後日の11月30日14時から、米子市文化ホールに松本さんを初め、増元るみ子さんの兄の増元照明さん、横田めぐみさんの弟、横田哲也さんを迎え、拉致問題の早期解決を願う県民のつどいが催されます。県民の皆さんの御参加と行動を本議場を通じてお願いしておきます。
 続いて、北朝鮮有事における本県治安維持対策について追及いたします。
 このたびの県警への質問に当たり、防災局危機管理チームとも有事における国民保護に関する地方公共団体の役割とその問題点について勉強させていただきました。その中で、地方にも県民の保護のため措置を的確かつ迅速に実施することが求められているが、国の安全保障にかかわる事項のため、国から各種の具体的な情報が地方に提供されず、措置の準備ができない可能性や、事態認定や避難措置の指示は国が行うものの、決定に至るまでに時間を要し、その間にも現場レベルでは事態が進行して対処、措置がおくれる可能性が問題点として上がっておりました。我々県民は、治安出動や防衛出動に至らない身近に起こり得る有事においては、力強い警察力の発揮を期待しております。
 このたび指摘したような北朝鮮の体制崩壊に伴う大量難民の発生など、外的要因による社会秩序の混乱については一義的に政府が対応すべき事項ではありますが、県警としましても県や政府と連携をとり、県民の安全と安心を確実に確保していただきたいと思うものであります。答弁は結構です。
 続きまして、メディアリテラシー教育について質問いたします。
 教育委員長の答弁にもありましたが、キーワードとして総合的人間力の向上、主体性の確立を図りながらリテラシー教育をしていきたいとの答弁がございました。教育長におかれましては今後これら配慮した、より具体的なリテラシー教育を推進すべきと考えますが、その具体的教育の中身についてお考えを披瀝ください。


◯議長(鉄永幸紀君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)具体的なメディアリテラシー教育についてですけれども、教育長のほうからお答えいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)学校におけるメディアリテラシーの教育を今後どういうふうに進めていくのかというお尋ねでございます。
 私も本当にメディアリテラシーの教育というのは極めて大事だということを考えています。これは私なりには、メディアから発信される情報を的確に読み取る、それを分析して評価する、そしてそれを活用していくという、こういうふうな段階だろうと思っています。学校では実は、今後という話でしたけれども、今たくさんこういうふうなことをやっています。私は学校全体の教育活動がこのメディアリテラシー全体にかかっているのではないかなというふうに思うくらい、いろいろなところでやっていると思います。
 例えば総合的な学習の時間ですとか、それから最近中学校や高校でよく使いますけれどもNIE教育、新聞を使った教育ですね、こういうふうなところですとか、それから国語における作文や小論文ですとか、もう少し具体的に言いますと中学校で情報教育を扱います技術家庭という教科がありますけれどもこういうふうな中だとか、高等学校における教科の中の情報です。それから国語表現という科目ですとか、こういうようなところにたくさんあります。こういうふうな中で、おっしゃったように例えば一つの新聞の記事を持ってきても、ある出来事を報じた新聞であっても細かくそれを比べて読んでみると、その表現の仕方や考え方なんかに少しずつの違いがあるのだというふうなことを学びます。これも小学校や中学校や高等学校で毎日の授業の中で積み重ねている中の一つであります。そういうふうなことがたくさんなされていますので、これをしっかりやっていくことかなというふうに思っています。
 最近はメディアリテラシーだけではなくて、情報モラルの問題が非常に大きくなっておりますので、こういうふうな取り組みもあわせてやっていく必要があるかなと思っています。教員の指導力も非常に大事ですので、この充実もしていきたいと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)答弁いただきました。メディアリテラシー問題、なぜこのたび私がこの問題を質問したかといいますと、現在あらゆることで子供たちはおろか、我々大人にも著しく偏った公平性と真実性を欠く誤った情報が余りにも多く垂れ流されている現実に憂いを抱いたためであります。それは時にマスコミの報道であり、事実を覆い隠した歴史教科書であるかもしれません。
 例えばこのたびの田母神前空幕長の論文、本当の近現代史が世間を騒がせた問題、確かに公の身分、しかも我が国の防衛の現場の空幕の総指揮者であるその人物が、政府の公式見解と異なる論文を世に出す行為は厳に戒められなければなりません。しかしながら、このたびのマスコミが流す一方的な報道を見るとき、逆に一種の異様な全体主義的な一方向への偏りを感じ取ったのは私だけでありましょうか。マスコミの報道は前空幕長の立場上の問題に終始し、彼が訴えている、いわゆる史観については事実誤認、論理矛盾、時には稚拙な内容と、その論理の完全否定に終始し、是非を問うどころか論外のものとされ、無視され、その論文の多角的な検証を試みた論談は皆無に等しいものでありました。日本はいつからこんな偏った意図的な世論誘導を甘受する全体主義国家になったのでありましょう。
 物事にはさまざまな考えがあり、人々にはそれぞれ異なった多様な価値観があります。それらを認め合い、お互いが異なる意見を尊重しながら平和的に世の中を処するのが民主主義であります。この民主主義の基本はひとしく日本における近現代の歴史の検証においても、すべからく尊重されなければなりません。我が国の近現代における侵略戦に呪縛され、自由な議論すら許されない風潮が一部組織やマスコミにより意図的につくり出されているとするならば、それこそ民主主義の後退と言わざるを得ません。我々はこの民主主義の根本にのっとり、あらゆる価値観を公平な目で眺め、かつ正しい情報を取捨選択することができ、いかなる意図的な情報に遭遇しても堂々と真実を見抜ける力を備えられるような、そんな教育を子供たちへ与えるべきと考えます。
 教育長におかれましては、本県の子供たちがメディアのとらえ方だけでなく、世の中のあらゆる事象を公平な目で眺められる、そんな豊かな知性を養うような教育の実現を図っていただきたいと思いますが、所見を求めます。
 教科書採択について質問いたします。
 教育委員会から、実はこのたびの勉強に当たりまして中学校の歴史と公民と地理の教科書を提出いただき、私なりに勉強させていただきました。このメディアリテラシー問題ではありませんが、複数の教科書を見比べる中で、同じ中学生に与える教科書でもこれほどまでにその記述に違いがあるものかと正直驚かされました。これほどまでの違いがある以上、その使用教科書の採択に当たっては、教育委員会の役割とされる教科書の調査、研究、採択権者を指導助言、援助することとされる役割は極めて重大であると考えます。
 教育長におかれましては、教科書の採択における指導助言に当たっては、その中立性の確保はもとより、子供たちにこの地域やこの国を支える自覚をもたらすような心をはぐくむことを主眼に、より適した教科書の採択をなされることを期待するものでありますが、あわせて所見を問います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)では、教育長のほうからお答えいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)メディアリテラシーの関係と教科書採択のことについてあわせてですけれども、先ほどお話ししましたように学校の中でいろいろな教育の場面を通じて本当に公正で公平な、そして社会的な常識といいますか、教養にきちんと沿ったような、そういうふうな考え方での教育をきちんと進めていくというようなことを今でもやっているつもりでありますし、これからもそれを続けていきたいというふうに考えているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)さて皆様、本日、私の稚拙な質問にかくも長き時間おつき合いいただきましてありがとうございました。まずは代表質問を終えるに当たりまして、このたび議会図書室を通じましてレファレンスにより多くの資料検索、提供をいただきました県立図書館の司書の皆様にこの場をかりまして御礼申し上げます。
 このたび代表質問という大役をちょうだいするに当たり、私なりに今後の鳥取県のあり方につき、さまざまな思考をめぐらせました。人口も全国一少なく、産業も乏しく、交通網も全国1~2を争う不便性、こんな八方ふさがりの本県はこの先どうしたらいいのか、そんな自問自答をみずからで行いながら質問を考えました。そんな中で私自身、このふるさと鳥取県を実にネガティブにとらえていることに改めて気がつきました。我々鳥取県民はある意味、どこかでみずからをあきらめていないでしょうか。どうせこんな小さい県だからとか、しょせん田舎だからとか、みずからをあきらめてはいないでしょうか。
 私はこの5月、ここにいらっしゃいます廣江議員と上村副議長とともに台湾に赴き、李登輝閣下にお会いしました。その場で李登輝閣下がおっしゃったことは、いみじくも本日、教育委員長が死生観が必要であることを述べられました。李登輝閣下は我々日本人に今足らないのは死生観、そしてアイデンティティーだとおっしゃいました。この言葉が示すように、我々鳥取県民にも必要なのは鳥取県民としてのアイデンティティーの確立であると私は思います。そのような県民性をはぐくむような県政を目指していきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後4時35分散会
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