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平成20年9月定例会(第10号) 本文




2008年10月10日:平成20年9月定例会(第10号) 本文

       午前10時10分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、議員提出議案第3号に対する質疑であります。
 なお、質疑終結の後、本件を委員会に付託いたしたいと思います。
 それでは、議員提出議案第3号「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例」を議題といたします。
 これより、議員提出議案第3号に対する質疑を行っていただきます。
 24番初田勲議員


◯24番(初田勲君)(拍手)自席でさせていただきます。よろしくお願いします。
 議員提出議案第3号、鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例について、提案者にお尋ねいたします。
 平成17年10月に鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例が稲田議員を含む35名の議員の賛成により可決されました。その後、種々の問題点が弁護士会などから指摘され、本条例では施行することが困難であるとのことで、平成18年2月には執行部より施行を停止する条例が提案され、人権を侵害され救済を求める県民が多数おられることは明らかである。検討の過程に透明性、公平性を確保しながら見直しを要する期間は必要最小限とし、速やかに実効ある条例を施行することと附帯意見を付した上で議会も賛同したところであります。
 執行部では、平成18年5月に県内の有職者10名による人権救済条例見直し検討委員会が設けられ、県内の人権侵害の事実の調査とその救済のための適切な方法が検討され、平成19年11月に人権救済条例の見直しに関する意見がまとめられ、現在は検討委員会での結果を踏まえ、庁内でありますが、人権救済に関する検討会議を設けて、今慎重に検討が行われているところであります。
 さらに先日の稲田議員の代表質問に対する知事答弁で、執行部としては停止条例の中で言われている改正その他所要の措置について、検討した上で現条例を廃止する条例を改めて提案することが誠実な対応とのことでありましたが、この知事の誠実な対応を無視してまでこのたびこの条例を提案された判断、根拠を明確にしていただきたいのであります。
 また、附帯意見にのっとり速やかに実効性のある条例を施行するよう執行部に求めるのであればともかく、現条例の問題点について慎重に分析しながら、現在代替案について検討している執行部に対して、なぜ今、議会が進んで廃止する必要があるのか、そのお考えもお尋ねいたします。
 条例の提案者である稲田議員が自分でつくったものを、自分で今の段階で廃止しようとされることはいかがなものかと誠実を問われるところがありはしないかと私は思いますが、稲田議員はいかがお考えですか。
 以上、よろしくお願いいたします。(笑声)


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)初田議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 まず最初に議員発議の条例の始末に関して、質問に対する答えをこうして述べさせてもらうことに対し、心から御礼を申し上げたいと思っております。
 その理由をお尋ねになりました。それから執行部との関係を申されましたので、それについてお答えを申し上げたいと思います。
 この理由に関して、3つの点から私は申し上げたいというように思うわけであります。それは1つは心情的な点、それからもう1点が手続上の点、そして法的な立場からという3点について、その理由を申し上げたいというように思います。
 まず1点目は、世評で言われておりますように、「自ら省みてなおくんば 千万人とも我行かん」、しかしながら「過ちをあらたむるに憚ることなかれ」ということわざもあるとおりであります。加えて言うならば、松田議員が日ごろからおっしゃっておられます武士道、そして武士道としての作法というものがあるわけでありまして、危殆に瀕したもの、そしてもう今や死を迎えんとする条例に対して、見苦しいそのむくろをさらし、残骸をさらすということは、やはりそれを見る者には非常に耐えられない、そういう気持ちが私自身はしておるわけであります。
 手続上の問題につきましては、この条例はもともとその動機づけは前片山知事からの発議でありまして、それに加えて議員の皆さん方で知恵を絞って、形の上ではこれは議員発議ということになったわけであります。議員が責任を持ってこの条例をどうするのかということに決着をつけるべきときが今来ておるというように思うわけであります。
 漏れ承るところによりますと、議員の議決の尊厳というものはどうなるのかということが問われておることもよく承知をしておるわけでありますが、議会の議決の尊厳ということが強く言われるのであれば、今や死に体を迎えたこの条例に対して、議会の議決の尊厳を持ってこれを廃止すべきであるというように私は強く思うところであります。
 法的な見地からいたしますと、私も総務警察の常任委員会に属しておるわけですが、弁護士のほうからも陳情が私の記憶が間違いがなければ、これで3回出てきております。その内容につきましては、何点か問題点があります。全体の趣旨としては私は賛成をするわけでありますが、問題点があります。それは議会として、このままこの条例をたなざらしにしておるのではないのか、議会は本当にこの条例についてそれなりの検討をしているのかどうかということが陳情、請願の中にそういう文字が散見されるわけであります。
 これはやはり何らかの形で議会がこの言葉を真摯に受けとめて、これに対してきちんとした返事をするということが議会の責務であろうというように考えております。
 執行部との関係でありますが、知事から非常に真摯な態度でこの条例の取り扱いについて検討するという答弁がございました。これは私は知事は大変優しいお方でありますから、片山知事ならばこうはいかなかったのだろうと思っております。丁寧で非常に理性的な平井知事でありますので、こういう答弁はもちろんそうであろう、むべなるかなというように私は思うわけであります。私が答弁者の立場でありましても、この条例は議会発議であります。ですから、議会に対する尊崇の念も知事にはあろうかと思うわけでありまして、そういう意味からこの知事の答弁はなるほどなと私は読み取ったことであります。
 しかしながら、たとえ停止になったとはいえ、法的な欠陥のある、そして現在凍結状態にあるこの人権条例を、同じ種類のそれを細分化した下位の条例、例えば今検討中でありますが子供、差別、公権力の条例をつくろうとする、こういう二重の同じ人権という大きなジャンルの中にある3つの細分化された条例の検討を行う。そして、それがもし議決を得て条例化される、そしてそれと同時に入れかわりにその大もとにあった条例を廃止するという、こういう法制上の実例を私は知らないのであります。ですから、その点がもし私の知識不足かもわかりませんので、そういう実例があるのであれば、お示しをいただきたいというように思っておる次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)全く理解できません。この条例の目的は何ぞやということがわかっておられますか。この条例は人権侵害で困っている人をいっときも早く救おうではないかということで皆さん賛成してできた子供なのですよ。その子供が病気だからちょっとかわいそうだなと、しばらく病院に入っておってくださいなと今病院におるところではないですか。それを治らないうちにどうだこうだということはおかしい論理ではないですか。目的をちゃんとわきまえておっていただきたいです。
 知事も、検討委員会で新しい条例ができたら、素直にこの条例の廃止を議会に出しますよと言っておられるのですよ。議会が産んだ子を今さら自分でどうだこうだと言わないといけないのですか。理屈が全然理解できないです。本当にもう一回、稲田議員、自分でつくった条例ということをわきまえて物を言ってもらいたい。本当に政治理念、信念があるかなしか疑われますよ。お願いいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)お答えを申し上げたいと思います。
 先ほどの、病気になって布団の中におやすみになっておる、その赤子の手をひねる、あるいは首を絞めるようなことではないのかという発言でありますが、(初田勲君「そうではないです。ひねるとかそんなことは言ってない」と呼ぶ)それは訂正をいたします。とにかくそれをそういう形をとるということについてでありますが、この赤子という表現はよくありませんので、普通どおりの話をさせていただきますと、既にこの条例は死に体であります。これは常任委員会でも申し上げましたように(発言する者あり)既に停止をしておるわけですが、常任委員会で人権局に私が問い合わせましたところ、この条例をいろいろいじくって改正をしたり手直しをしたりして、再びこの条例は生き返ることはないという言葉を私自身はいただいておるわけであります。ですから、それをどうだということではありません。
 私は、もとよりこの人権条例について、人権というものの尊重ということにいささかの、そういった今発言がありましたようにどう考えておるのだということではなくて、人権を尊重しなければならない、そして提案理由でも説明をいたしましたとおり、現在も人権侵害の事実というものは厳然と存在しておるわけでありまして、これに対するどういう処理をすべきか。理想は大変立派なものです。ところが、それに対する事柄というものは理念や目的があって、その下にそれを達成するための方法や手段があるわけであります。その方法や手段を間違えると、たとえどんなに立派な理念や目的であっても、デュー・プロセスの原理という言葉があるように、その全体がおかしげなものになってくるということであります。
 ですから目的と理念、そしてそれを達成するための手段、方法というものもまた同時に適正なものでなければ、その全体というものが欠陥が起きてくる。そういう事実が今この条例に起こっているということであります。もとより、その法的な問題についてどこに欠陥があるのかないのかということは、時間もそうありませんから私は詳しくは申し上げませんが、欠陥があるということだけは事実であります。
 私が条例をつくった人間の、条例をつくったというよりも、条文検討委員の一人としてこれに加わったことは事実であります。これは、提案理由の説明でも申し上げたとおりであります。私自身は、皆さんも、多分そうであろうと思いますが、私はやはり真実や事実の前には謙虚でなければならない、このことをいつも思っておるわけであります。私自身も大変未熟者であります。いささかの法律はかじりましたけれども、法の全体を知っているわけではありませんし、全部が理解できているわけではありません。大変未熟者であるという自覚を持っております。そして、この今凍結をされております条例の作成に当たって、私自身もよかれがしと思ってこの条例の検討委員の一人として意見を申し述べたということは、事実であります。
 しかしながら、その後に弁護士という法の専門家からその欠陥について指摘を受け、そしてその後の指摘に基づいた見直し検討委員会の逐次、逐次の報告書についても、これも精読をいたしました。そしてだんだんそれについて、この条例には欠陥があるなと私自身も薄々は感じておりましたけれども、やはりこの条例には欠陥があるのだなと、これでは本当に人権を尊重する社会づくりというものについてはできないという結論に次第に達していった。ですから、今ここで早い時期にこの条例を廃止をして新たな、今単行法的に3本の条例の検討をされておるようでありますけれども、それについて逐次の検討がなされれば、それはそれでいいと思っております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、ちょうどこういうことであります。石村議員が大変おもしろい例え話をされたわけですが、議長ちょっと長くなりますが、みんなで車をつくろうと思って、みんなで車をつくったのですね。ところがそれを車の専門家、整備士に見せたら、実はそれは欠陥があって車が走らない、だからこれをとりあえず車庫に置いておいて、一方でそういうようなものをつくっている。そういうものをつくろうとしているのであればその車庫があかないわけですから、新しくつくろうとする3本の条例を入れる場所をつくる必要があるわけであります。(発言する者あり)
 加えて、見直し検討委員会がこの3本の条例を示唆的に子供と差別と公権力の条例をつくったら、単行法にしたらどうですかということを言っておるわけですが、私はあくまでも示唆的にそういうことを申し入れておられるのだなと思っております。しかしながら、本来見直し検討委員会の役目というのは、現在凍結しております条例がいいのか悪いのかという判断が見直し検討委員会の本来の権限であるのではないのかと思っております。その部分だけは非常に蛇足的ではありますが、示唆的にそういう御提示をいただいたわけですから、現在庁内検討会議の中でそれを検討をしておられるという状況であります。もしそれが真に条例化されるということであるならば、これは明らかにその前にはこの凍結されております条例は廃止しなければならない、そしてこれが議員発議である。その責務において、議員の発議においてこれを廃止するということであります。(発言する者あり)


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)後に優秀な福間議員が控えておりますので、そちらに譲らせていただきますけれども、最後に私が言っておきたいのは、とにかく早く成立させてくださいと頼むのが筋ではないですか。困った人がいるのですよ。人権侵害で困っている人がいるのですよ、事実。今のこんなものは成立する前にするのか、後から廃止するのか、時期の問題だけです、よく考えれば。時期の問題ですよ。待っていればいいのではないか。何の実害もないです。とにかく早くしてくださいというのを私は言って福間議員に譲ります。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)21番福間裕隆議員


◯21番(福間裕隆君)(登壇、拍手)先ほどの初田議員とかなり重なるところがあると思いますが、御容赦をいただきまして、改めて私なりの思いを御披露申し上げたいのでお答えをお願いしたい、このように思います。
 議員提出議案第3号、鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例について、提案者であります稲田議員にお尋ねをいたします。
 本件議案の提案者の多くの議員の賛成も得て、平成17年10月に人権侵害救済推進及び手続に関する条例がこの議場で可決されました。その後、この条例の問題点等を踏まえ、その施行を停止する条例が執行部から提案されましたが、このときも提案者の稲田議員を初め多くの議員が賛成の上、当該条例を可決し、執行部において現在見直しが行われているところであります。
 このような経過がある中で、このたび廃止条例を提案されるということは、みずからの手でみずからの顔に泥を塗る所作に等しく、私は全くの自己矛盾を起こしていると思うのでありますが、この点いかがお考えかお伺いをいたします。
 なお、先日の稲田議員の代表質問に対して執行部は停止条例の中で言われている改正、その他所要の措置について、検討した上で現条例を廃止する条例を提案することが誠実な対応であると答弁をしております。すなわち、執行部は議会が制定した条例を停止させてもらうがその間代案を策定し、提示をすると言っているわけであります。私はこのことを尊重すべきだと思っており、今このタイミングで廃止条例がなぜ必要なのか、全く理解ができません。この廃止条例をこのタイミングで提案された必要性を明らかにしていただきたいのであります。
 また、提案理由説明において、なおのこと一日も早く現在凍結している条例を廃止して新しい出発をすべきではないかとの発言がございました。これは議会ではなく、執行部に向けて発せられたものと考えますが、そうであるなら、既に執行部において代案策定に向け検討が進められている現段階で、なぜ新しい出発をすべきと発言されたのか、これまで執行部が積み上げてきた検討をリセットして、新たに出発すべきということなのか、その真意が全く理解できません。この点についても提案の真意をお尋ねいたします。
 また、停止条例を可決した平成18年2月定例会において、人権を侵害され救済を求める県民が多数おられることは明らかであり、検討の過程の透明性、公平性を確保しながら見直しに要する期間は必要最小限とし、速やかに実効性ある条例を施行することとの附帯意見を当議会で決定をしております。これは、停止条例を可決するかわりに、議会として執行部にいわばたがをはめたものであり、人権条例はいわば代案の担保となるものであります。人権救済条例見直し検討委員会の報告でも、人権侵害のケースに応じた救済検討の必要性が示されており、条例の理念はその価値を失ってはおりません。現に存在する人権侵害の救済を求める人々の痛切な叫びにこたえるため、凍結中の人権条例の代案の速やかな策定を執行部に促し、適正な救済制度を世に送り出していくことが我々議会に課せられた使命であります。
 このようなことを考えますと、廃止条例により、あえて代案策定の担保を外す行為は、執行部の見直しをいわば放置するとともに、条例制定の理念さえもないがしろにすることになると思うのですが、いかがでしょうか。


◯議長(鉄永幸紀君)36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)福間議員の質問にお答えをいたしたいと思います。
 先ほどの、初田議員の質問と重複をする部分がありまして、私も多分同じような答弁をするかもわかりませんが、お許しをいただきたいと思います。
 第1点目が、自己矛盾ではないのかというお話であります。
 私も先ほど申し上げましたように、自分の心の中には、確かに条文の検討委員の一人として条文の検討に加わった。ですから、その部分では非常に私自身にじくじたるものがあることはこれは当然のことであります。しかしながら、冒頭にも申し上げましたように「過ちをあらたむるに憚ることなかれ」という言葉が私の信念であります。したがいまして、その自己矛盾を乗り越える、超克をしていく、乗り越えていくということもまた必要ではないかというように私自身は思っております。
 同じ概念の中で、人権の、要するに大もとの人権と小さな今単行法にした人権とのそのかかわりはどうなのだという御質問だったと思いますが、先ほども申し上げましたように、そういう法制実例を私が知らないということであります。もし、そういう法制実例があるのであれば、私も未熟者ですからぜひ教えていただきたいというように思っております。説明は先ほど初田議員に申し上げたとおりであります。
 代案のことについての御質問がありました。
 この代案については、議員発議になるのか、あるいは執行部発議になるのかということはまだわかっていないのであります。多分、今の状態からいきますと、庁内の見直し検討会議の中で検討しておられますから、執行部発議になるのかなあという予測は立ちます。しかし、凍結しております条例のときにも当初は執行部の発議であったように思います。その後に議員の皆さん方がそれを持ち帰って検討して、今度は議員発議というように衣を変えていったという経過があるわけでして、これはどういう形になるのかということは、まだこれからつぶさな検討を加えていく必要があるというように思っております。
 子供の人権、大人の人権、この人権の定義をどう定めるか、非常に幅広い人権の定義があいまいであるという指摘を弁護士会から受けておるわけですが、子供の人権の定義につきましてもなかなか厄介な問題が残るだろうというように思っております。
 附帯決議、先ほど福間議員が条例の価値は終わっていないのだということをおっしゃいまた。条例の価値が終わっていない、もちろん私自身があたかも何かその人権を踏みにじるようなそういう人間かのような御発言がここで相次いでおりますが、決してそうではない。それは代表質問でもそれから提案理由でも申し上げましたように、この人権の尊重ということは大事なことであります。基本的人権の13条のまず冒頭はそのことをうたっておるわけであります。ですから、それにもとるような行為をするつもりは私は毛頭ないのであります。
 そして、もう1点加えておくと、その条例の価値というものが残っておるからこそ、我が鳥取県議会の議員発議たるこの条例の価値が残っておるからこそ、新たにその条例下の中でそういった単行法をつくっていくという、そしてそのあきがないところにそういうものをまた持っていくということが、法制上、実例を私が知らない。ですから、それは執行部でもよくその実例を研究をされて、そして我々、私ももちろんその実例については調べますので、そういう意味でこの問題については何ら統一性、整合性を欠くものではないというように私は言いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)一つ稲田さんに誤解があるようでありますから、そのことの指摘をしておきたいと思いますけれども、この議論の中で、初田議員もそうだろうと思いますけれども、稲田さんに私どもの思いをお尋ねをしていますけれども、その過程の中で稲田さんを初め今回の提案をされています議員が人権問題を軽々しくとらまえておられるとか、基本的人権の理念に否定的なスタンスなのかということを私どもは決して思っておりません。逆に言うと、すべての皆さんが基本的人権の尊重ということを最大限にとらまえてこの議論を続けておられるという、これが第一前提でありますから、先ほど稲田さんがおっしゃったように、あたかも私どもの発言が、あなたのスタンスが、基本的人権の問題について否定をしておるスタンスととっておるかのような発言がありましたが、それは違うということをまず御理解をいただきたい。これが1点。
 施行を停止された条例が存在することで何か具体的な支障があるのかどうなのか。今、法律論もおっしゃった、前例があるかないかおっしゃっていましたが、この鳥取県議会の中で、施行停止の条例が存在することで私どもの日常生活に何か重大な支障があるのか、県民生活の中に。そのことをひとつ明らかにしていただきたい。これが1点。ぐるぐる回っておっても同じようなことですので。
 私は稲田さん、こう思っているのですよ。車庫論ではないのですよ。車庫論はなじまないと。先ほどあなたは初田さんの答弁でおっしゃっていましたけれども車庫論。自動車をつくったけれども、次の新しい車をつくるために入れ場がないから、もうその自動車を処分して、そのために廃止が先ですよというこれはなじまない。なぜならば、見直し検討委員会を設けて執行部が弁護士を初め、専門家の皆さんの貴重な御意見を承るという行為を行っておられます。このことは停止条例の存在があって初めて成り立つことだろうと、この経過を忘れてはならない。しかも、停止条例の前段には先ほど来申し上げておりますようにいわゆる人権条例、私どもがこの議会で議決をした人権条例がさん然とあるわけでありますから、内容的にはごらんになる人によってはいろいろ異論、反論あるかもしれませんが、少なくともその理念においてはそのことが存在をして、その内容で皆さんの意見を受けとめるということで見直し論が出てきたわけですから、そういう意味では停止条例の存在があって初めて見直し検討委員会の存在が出てきた。だから一連の作業であるので、役割を終えたとか終えていないとかということには私はならない。なぜならば、一番大事である理念をつくってやっぱり最後まで貫き通すということが非常に重要だろう、こういうぐあいに思っています。したがって、車庫論ではなじまない。私はそう理解をしています。
 最終的にこれは私の思いになると思うのですけれども、人権を侵害され救済を求めておられる県民が多数おられるのです。この人たちは、当初鳥取県議会で策定をした人権条例に大いに期待を寄せられた。何年も何十年も待ち焦がれて、法律の専門家の弁護士ですらどうしても救済できなかった人権問題についてようやくよすがができた、寄るところができたな、そんな思いでいらっしゃる皆さんの心のよりどころがこの条例であったというぐあいに私は思っているのです。それを今の段階でなぜ切るのか。私はそのことも私どもは心を大きく開く必要があると、このように思っています。とりあえずここで。


◯議長(鉄永幸紀君)36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)お答えを申し上げたいと思います。
 施行停止条例が今そのまま存在をして、それがそのままであってどんな支障があるのかという御質問でありますが、この問題について現在特別な支障があるとは私も正直言って思ってはおりません。ただ、私が先ほど初田議員の御質問に申し上げたとおり、これが議員発議であるというここなのです、かかって1点、この問題であります。これが執行部発議であれば、執行部に任せておけばいいわいということになりますが、議員発議でありますので、議員が発議をして議員が議決をした。しからばそれをどうするか、その始末をどうするかという問題になったときには、やはり議員が発議をしてやはりこれを停止をする時期だということであります。(発言する者あり)
 車庫入れでありますが、車庫入れの例えを出しましたのはどういうことかといいますと、これで、きょう3回目の同じようなことを言うわけですが、同じ人権という大きな概念の中に、さらにそれを細分化した子供の人権とか差別発言とか公権力による人権の侵害とかという、そういう同じジャンルの法的ジャンルのもとにおける、そういう大きな枠の中にそういうものをそっくりそのまま持ってこようと思うと、前にあったものを廃止をして、そしてそういうものを、もしそれができるのであればそれを持ってくる。だから、その入れ場がないとできないということで車庫入れの例えをしたわけであります。そして、話が少し返りますけれども、そういう法制の実例があるのだろうかなあということを私自身は思っております。ですから、その実例があるのならぜひ教えていただきたいというぐあいに私は思っておるわけであります。
 今の凍結をしておる人権が現実に人権の侵害があるのだ、そしてそれが心のよりどころになっておるのだということは、私もよく承知をしておるところであります。そしてそれに対してどんな救済手段がいいのか、どうしたら人権侵害というのがこの世の中から払拭できるのかということは、その思い、悩みは当然のことであります。私もそう思っております。しかしながら、その思いは思いとして、理念は理念として、現実に今の条例が停止をしておるわけでありますから、その停止をしておる条例には有効性がない、効力がないということであります。だから嘆かわしいから新たな、もし3本による単行法でもできるというのであれば、それでもって人権の侵害をできるだけ未然に防止をしていくということを思っておるわけであります。
 そして、加えていわゆるローカル法でこの種のものを定めていく、準司法的な効力があるこの種の条例を定めていくということについて、より私たちは慎重でなければならないということを申し添えておきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)今、同僚の伊藤議員がちょっと情報として入れてくれましたが、中身が重複した場合、新たに条例をつくるとき、条例は同日に廃止し、同日に新たに制定することが可能であると。これまで各種条例で行われているというケースがあるようでありますから、そういう意味では、今までの条例を先行して廃止をしなければならないということにはならないと思いますね。だから、今執行部が進めている見直し検討委員会の結論を踏まえながら、幾つかのジャンルに分かれての法整備をしようとしている、そのことができ上がってから私どもここで議論をして、成立してから同じ日にちにその条例を廃止するということは、それが一番いいことではないでしょうか。そう思います。
 昨日私のところへ電話をかけてこられた方があるのです。表現としては非常に妥当でないかもしれませんが、議会で今ある条例を廃止をするという動きがあると聞いた。あなたの役割はもう一応終わりましたから、ちょっとそこでしばらくあなたは休んでおってください。その人を引きずり出して、もうちょっとわかりやすく言うと、役割が終わったということでそこにいてもらっておったけれども、それではだめだと、あなたの存在が目ざわりですからということで、焼却処分にせいと迫られているような感じがしますねと、そういうとらまえ方をしていらっしゃる方もあるのですよ。
 だから私はそのことも含めて、先ほど申し上げたように、時期的に、私も今の条例を永遠に維持すべきだとは思っていません。やっぱりいつかは廃止はすべきだろうと、そう思っています。だから申し上げたように、なぜ今廃止なのかがどうしても理解できない。どうしてもできない。そのことをお答えがいただければと思っています。
 私はこんなぐあいに思うのですよ。今必要とされているのは、いたずらに条例を早く廃止するということではなくて、指摘、助言などを受けた凍結中の人権条例の見直しを基本に、本来からいけば見直し検討委員会の検討結果を尊重した新たな人権侵害救済のための条例を議会も含めて策定すべきなのです。そのことが今一番求められていることであって、現存する人権条例を廃止することではない。私はこのように思いますが、稲田さんいかがでしょうか。(発言する者あり)


◯議長(鉄永幸紀君)36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)御質問にお答えを申し上げます。
 先ほど、同じ法的ジャンルの中の条例があって、そして同時に一方を即時廃止をして次を持ってくる。次を持ってくる前にそういうさまざまな検討するということの実例があるというぐあいにおっしゃいましたが、それは、本当に同じ法的ジャンルの実例なのでありましょうか。例えば法の趣旨、法の概念、それから立法理由、そういったようなものをもろもろひっくるめたもので同じものがあって、そして一方をひっくるめて次を出すというそういうものがあれば、それは私も初めて聞く話ですのでぜひ教えていただきたいというようには思っております。
 福間議員のところにもそういう話が参ったということでありますが、私も代表質問でこの質問をいたしましてから、私のところにもメールやら電話やらたくさん参りました。法的な欠陥のある条例で、要するにもう動かない条例をもって人権の救済をしてほしくない。条例廃止は当然のことなのだという賛意が寄せられることもまた記憶をしておいていただきたいというように思っております。
 この見直し検討委員会が検討をしておりますこの条例は既に廃止をしておる、そしてそれについてはもう、法的な欠陥があってだめですよということを見直し検討委員会は言っておるわけです。報告書を精読をしてみてください。そうしますと、今の見直し検討委員会がやっておりますこの条例については、これにどんな改正を加えてみても、文言を加えてみましても再びこれが生き返るということはあり得ない、余りにもその法的欠陥が大き過ぎるということを言っておるわけであります。ですから、本当に正しい人権尊重の社会づくりをする、そして現実に人権の侵害を受けておる皆様方を正しく救済をするためには、法的な欠陥がある条例を使って人権の救済はできないと私は信じております。


◯議長(鉄永幸紀君)これをもって議員提出議案第3号に対する質疑を終結いたします。
 それでは、本件は総務警察常任委員会に付託いたします。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午前10時57分散会
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