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平成20年9月定例会(第9号) 本文




2008年10月08日:平成20年9月定例会(第9号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 去る9月25日に行われた稲田寿久議員の代表質問において、答弁の一部を文書で回答するよう求めておりましたが、その回答はお手元に配付のとおりであります。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案第1号から第47号までに対する質疑であります。
 なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。
 それでは、議案第1号「平成20年度鳥取県一般会計補正予算」から第47号「専決処分の承認について」までを一括して議題といたします。
 これより、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 14番藤縄喜和議員


◯14番(藤縄喜和君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 大変すばらしいニュースが飛び込んでまいりました。ノーベル物理学賞、日本の3人の先生方、南部先生、小林先生、益川先生と3人もの方々が大変すばらしい栄誉を受けられました。以前化学賞を受賞された野依先生が、日の丸が3本上がったようだというふうに言われたのが大変印象深く思います。日本人の底力が見えたというようなことではないでしょうか。皆さんとともに3人の先生にお祝いを申し上げたいと思います。
 それでは早速質問に入ります。県民の安心と安全についてという非常に漠としたタイトルですが、具体の内容は、防災における車の両輪をなす消防団の活性化と常備消防の一元化についてであります。
 一昨日の10月6日は8年前の平成12年、鳥取県西部地震が発生した日であります。県西部の自治体など多くの団体、グループは、防災訓練などにより当時の体験や教訓を後世に伝え防災意識の風化を防ぐため、熱心に取り組まれたと仄聞いたしております。関係者の皆さんに深く敬意を表するものであります。
 県西部がこのように大きな被害を受けたことで、大規模地震に対する防災活動、減災活動は地域密着型の人海戦術に頼るところが大きかったということを改めて認識させられたところであります。
 近年は局地的集中豪雨が発生するなど、自然災害の多様化も指摘される中、地域の住民に最も身近であらゆる災害への防波堤となってきた消防団員は減少の一途をたどり、かつては県内で8,000人を超える勢力を誇っていましたが、今では5,000人すら切ろうかという状況であります。防災体制の充実強化を図るためには、何としても減少傾向に歯どめをかけなければなりません。消防団員の確保と消防団の活性化のため、県として力強く支援する必要があると考えます。知事の所見を伺います。
 消防団活動は歴史と伝統のある、まさに地域におけるボランティア活動であります。次の世代にきちんとした形で確実に伝えていかなければならない、そう確信するものであります。
 次に、常備消防について、知事並びに防災監にお尋ねをいたします。
 去る7月31日、東部広域組合の管理者である鳥取市長を初め、岩美、若桜、智頭、八頭の5市町長が広域化に反対する申し入れを知事あてに提出されました。また、同日付で東部広域組合議会も臨時議会において、広域化推進計画の策定に反対する意見書を採択したところであります。当然、東部の市町、市町議会そのものも広域化に反対しており、事態は極めて異例であり、かつ深刻であると言わざるを得ません。7月31日には藤井副知事が5市町長の申し入れに対応され、さらに8月22日は平井知事が直接東部広域組合議会の上杉議長並びに谷川副議長と面談されたと伺っております。今回このように反対の申し入れ、また意見書の提出にまで至ったのはいかなる事情があったのか、知事の所見を伺います。あわせて、それぞれにどのように対応されたのか、本議場において御披瀝願うものであります。
 昨年12月27日、暮れも押し迫った中、鳥取県の消防の在り方検討会の第1回目の会議が開催されました。職務とはいえ年の瀬にもかかわらず集まられた委員の皆様、事務局である防災局の皆様には頭の下がる思いであり、心から敬意を表したいと思います。その後、3回の検討会を開かれ、ことし5月26日、第4回の会議で報告書をまとめられたと伺っておりますが、さきの東部広域組合の申し入れ等に散見されるのはこの報告書のまとめの部分であります。この検討会でどのような議論がなされまとめに至ったのか、その経過について防災監にお尋ねいたします。くれぐれも簡潔な答弁を求めるものであります。
 以上、壇上での質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)藤縄議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、昨晩大変なニュースが飛び込みました。シカゴの南部先生、それから益川先生、小林先生がそれぞれ理論物理学の領域における業績が認められまして、ノーベル物理学賞を受賞されることが決まりました。これは日本国民にとっても誉れでありますし、これからの科学技術の振興についても大きな意味を持つものだと思います。
 南部先生の仕事というのは、1961年のお仕事だということでございまして、実に50年近い前の仕事であります。考えてみれば、南部先生は日本のアインシュタインのような方であり、理論的にこの世の中の仕組みを素粒子の世界から解き明かそうとされたわけであります。対称性に揺らぎが生じる、それを解明をすることで宇宙の始まりまで突きとめていこうと、それも頭の中で構築していく世界でありますので、大変なものだと思います。
 益川先生、小林先生もきのうテレビのほうに登場されまして話がありました。私も伺っていて非常に感銘を受けましたのは、益川先生が今回のノーベル受賞は余りうれしくないと、本当にうれしかったのは2002年に自分の理論が正しかったことが実験で確かめられたことだと。科学者というのはこういうものだなと思いました。人類の歴史の中に自分がやってきた業績を残すことに誉れがあるのであって、ノーベル賞というのは本当の誉れではない、そういう意味だろうと思いました。鳥取県にも若い力があります。科学者を目指し、そして、この世の仕組みを明らかにすることにぜひ挑戦していただければ大変にありがたいと思います。日本はこの素粒子論の領域では世界に比類のないものを持っている。これが明らかになった今回の受賞であると喜んでおります。
 次に、消防団員の確保につきましてお尋ねがございました。
 消防団員の確保につき先行きを心配をしていると、今後の消防団員の確保の取り組みについて伺うというお話でございます。
 消防団も、例えば昭和40年ごろは1万人を超えていたものが、今では5,100人程度まで落ち込んでしまっている。大変に寂しい状況でありますし、地域の基本的な守りとしてこれでいいのだろうかという疑問を持たざるを得ません。ですから、鳥取県としては今せめて昭和50年代の6,000人ぐらいのベースを目指そうではないか、それを回復しようではないかということで目標を掲げて取り組むこととさせていただいております。
 ただ、消防団員の確保は市町村のお仕事の領域でございまして、県がすべて旗を振って集めるというものではありません。むしろ、コミュニティーの中で納得していただいて、自発的に消防団の戦列に加わっていただくことが大切でございますし、それがなければなりません。そういう意味で幾つかアイデアを持って進むべきだと思います。
 女性消防団員が少しずつふえてきております。男女の比率は1対1でありますが、消防団の世界でいえばほぼ男性の世界であります。ただ、比較的に見れば、地域に昼間もおられる可能性が高い人数が多いのは女性のほうでありますので、女性消防団というのを確立していくことが求められるのではないか。これも、地域によって既に隊の発足が始まってきております。
 事業所の中で消防団をやろうではないかと、これは機能別消防団とでも言うべきものでありますが、事業所の中で消防活動にも携われるような、そういう組織を昼間人口の中で確保できないだろうか、こういう取り組みも非常に重要になってくるのではないかと思います。
 県としましては、市町村に対する交付金ですとか、あるいは消防学校で訓練を受け入れるなど、いろいろと支援の手だてを講じてまいりたいと思います。一義的には市町村のほうの分野になりますので、市町村とよく連絡をとって相談しながら、そうした6,000人を目指す新しい安心の体制づくりを行っていきたいと思います。
 次に、鳥取県の常備消防の在り方に関する検討結果報告書で、東部広域管理組合、また同議会から反対の申し入れがあったけれども、その間の事情とか、それから対応についての考え方を問うというお尋ねでございます。その間の事情、詳細は防災監のほうが詳しいと思いますので、防災監のほうで詳細をお話しをさせていただきたいと思います。
 今回、私どもがこの広域消防のあり方について問うておりますのは、消防力がまだまだ充足率5割台という状況であります。さらに近々見通されますのは、電波についての規制が変わってくることでありまして、消防も電波をデジタル化しなければならない、これが平成28年と言われております。さらに、それぞれの3消防がこの電波通信と関連のある指令設備を有しております。これも永遠の命があるわけではありませんので、更新時期がちょうど同じようなころにやってきます。こういう段階で効率的な消防体制を整えること、あるいは消防力を今不足がちであるところを強化していくことについて、スケールメリットを目指すことは考えられるだろうか、こういう観点で消防のあり方についての検討会を行ってきたところであります。
 私、伺っておりますところでは、防災監が多分正確な話をされると思うのですが、今は中間的な協議を行って、それで、とりあえずの考え方の骨格のようなものを取りまとめたと伺っております。私も実際、物を委員会のほうからいただきましたけれども、その際の結論としての説明は、もし一体化するのであれば、既に鳥取県の場合は3つにまとまっているので、県下1消防ということになるのではないかと。ただ、それについてはいろいろメリットやデメリットもありますので、検討すべき課題が多いと、そういうのを引き続き検討する必要があるというそんなことでありました。ですから、この間申し入れに東部の広域の皆さんがお見えになりましたけれども、私たちは別に広域化をやらなければならない、つまり一元化をやると決めて走っているものでもありません。冷静に何が今後の消防体制にとっていいことかということを話し合ってきているわけでございます。そのことを申し上げました。
 また、これからの行き方でありますけれども、東部はそういう意味で否定的な御意見をお持ちでありますけれども、中部や西部という県下2つの消防領域もございます。それから、実際に研究会の中でも示されていましたが、一番大切なのは安全・安心を熱望しておられる住民の皆様でありますので、そうした住民の皆様の意識も調査するなどの必要もあるかもしれません。最終的な結論をいつ出そうというめどを今立てているわけではありませんが、各消防やあるいは消防の協議会だとか、また、住民の皆様の御意向を踏まえながら県としてこの問題をどこかで結論は出したいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)今回の消防の在り方検討会の検討経過、あるいは進め方というようなことについて、どうだったのかということでお尋ねがございました。
 昨年12月にこの在り方検討会を設置いたしまして、5カ月間に4回会議を開催して、鳥取大学の小野教授に会長をお願いしたのですけれども、非常に短期間に多様な意見をよく集約して、報告書をまとめていただいたというふうに感謝しております。
 第1回から2回の検討会の中では、消防の現状ですとか、それから課題、在り方検討会の中で検討すべき課題、こういったものを整理するというようなことをやってまいりました。その間、検討会からいろいろな資料の要求がありましたので、作業部会をやったり、それから消防職員や県政参画のモニターへのアンケート、こういったことをやったり、あるいはシンポジウムなども開催したところでございます。それから、その間にも各委員に意見の照会などもしております。
 そういったことを踏まえまして、第3回検討委員会に報告書の骨子を提出いたしまして、その中で、こういうまとめをしたらどうかということもしたのですけれども、なかなかいろいろな意見があるということがありました。そのときにはまとめに至らなかったということでございまして、その後皆さんに改めて意見照会したり、それから代表して出てこられている市町村長の皆さん、町村会の皆さんだとか市長会の方、こういった方にもいろいろこういった議論ですよという説明は別途やらせていただいたということでございます。
 そういったことで、第4回目の検討会を開催するに当たりまして、前もって検討結果の報告書みたいなものの案を事前に配付いたしまして意見を伺っていたということで、それで第4回を開いたということでございます。それで、第4回の中でもいろいろ意見はございました。ただ、最終的には字句の修正とかというようなことで、まとめについてもこれで異論はありませんねということも非常に丁寧に確認していただいたのですけれども、基本的には異論がないということでまとめさせていただいたということでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)御答弁いただきました。
 まず、消防団について重ねてお尋ねしたいと思います。減った原因についていろいろ分析させていただきました。鳥取市の団長さん、米子の団長さんにもお会いしましたし、私の地元の分団の団長さんともお話ししました。減っていく原因としては、常備消防の充実、カバー化もあるだろうと。そしてもう1つ、皆さんが口をそろえて言われるのが、サラリーマン団員に移行していったということをどなたも言っておられました。いわゆる団員さんの被雇用化率というのがありますけれども、19年度では全国は69.7%、県内では78.4%、ちなみに私の地元の湖山分団では多いときは72人いたのですけれども、今では30人に減っております。30人全員勤務しておられるサラリーマンの方だそうでして、そういった状況があると思っております。ことしの出初め式も出させていただきましたけれども、非常に欠席者が多くて出初め式の中でも話題になりました。私はあいさつの中で、いろいろな事情があって出られない方もまたこれはつらいのではなかろうかというようなお話をさせていただきましたけれども、この欠席が多いのもやはり、日曜日ではありましたけれども、勤務ほかいろいろな情勢の関係であろうかというふうに思っております。
 湖山分団の話を出したものですから、せっかくですから、ちょっと湖山分団の話をさせていただきますと、毎年消防フェアというのを開催しております。ことしは10月26日の日曜日にやるのですけれども、湖東中のグラウンドでやります。主催は湖山地区の自主防災会がやることになりました。以前は、最初のときは湖山分団が主催でしておりましたけれども、地域全体で消防団の実情を理解してほしいということで、そういったことで自治会、あるいは自主防災会のほうに主催が移行したということであります。起震車、はしご車、初期消火、煙体験など、こういった体験活動や、救急救命講習会やAEDの講習などもやっております。
 もう1つ特徴的な湖山分団の事業は広報誌を発行しておりまして、これを年2回2,700部、自治会に参加している湖山町全戸に配布しておりまして、この広報誌のタイトルが「纏」というタイトルで、これが20号ぐらいになっておりまして、非常に私は優秀な湖山分団だというふうに思っております。私のように進化する湖山分団だということを言っておりますけれども、そうした中で、先ほど消防団は基本的には市町村ということで、あと県としてはそのほかの2~3の支援のことが出ましたけれども、私は先ほど言いましたように、減少に至る大きな原因がサラリーマン化であるとすれば、従業員の消防団活動を支援する事業者に支援をしていく、具体的には税制面で支援ができないだろうかというふうに考えておりまして、事業税を減免することで消防団活動を支援する企業、事業者がふえれば、これは私は有効な手段、施策ではなかろうかと思っております。
 昨年の3月に長野県でこの条例が成立いたしました。長野県は村井知事、元防災担当大臣でありますし、板倉副知事は元消防庁の長官だったそうでして、こんなことで非常に熱心に取り組んでおられるということですので、この税制面の支援を御提案したいと思いますけれども、知事の所見を伺いたいと思います。
 常備消防の件ですけれども、知事のほうで在り方検討会の状況を、まだ中間的であって決めていないというようなことで御答弁いただきました。ちょっとある意味で安心しております。といいますのが、今回の在り方検討会の報告書の中のまとめにこういうふうに出ております。広域化が有効な手段であるとの共通理解は得られたのではなかろうかと考えるというようなことがまとめの中に入っておりまして、このことについて東部の首長さん、議会が疑問を呈したというふうなことだろうと思っております。
 今、防災監のほうから御答弁いただきました。事前に資料もお配りして検討していただいたということをおっしゃられましたけれども、私はどうも検討会の会議録とか、東部広域にも西部広域にも行きました、中部にも行きました。いろいろな方々のお声を聞いた中で、東、中、西、若干の温度差はありますけれども、本当に十分な議論があったのだろうかと疑問であります。例えば4回目に最終的なまとめ、今言った共通理解が得られたというまとめが届いたのが5月23日の金曜日でしょう。4回目の最後のまとめを決定したのが5月26日の月曜日ですよ。5月23日の金曜日に5月26日のまとめの案が届いておるのです。町村会さんだとかいろいろな団体の代表者が来ておられて、第3回の会議でも持ち帰っていろいろな検討をしたいと言っておられる中で、23日の金曜日に届いて、26日の昼からの会議にどうやって検討してこられるのですか。防災監は異論はなかったというふうな御答弁でしたけれども、3回目でいろいろな意見が出ています。まして小野会長は皆さんが意見を共有化しているとは思わないと3回目で言っておられるのですよ。それでありながら、第4回の資料を金曜日に送られて、しかも、西部広域が言っておられましたけれども、23日に届いた資料を持って月曜日の朝米子を出た、そして着いてみたら会議の資料が変わっていたと、中身が。後でわかったことだけれども、米子を出てから資料が届いていたと、そんな状況だったのですよ。これで私は本当に議論ができたのだろうかという疑問があります。この点について、防災監に伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)消防団につきましていろいろ御提言がありましたし、あと、湖山の消防分団のお披瀝をいただきました。私も非常に今感銘を受けながら伺っておりました。やはり消防団活動というのは地域で支えられなければならないと思います。ですから、私たちも今、安全・安心のまちづくりをそうした自主的な活動を基盤として我々の地域で組み直すことができないだろうか、そういう条例づくりなんかもやっているところなのですけれども、今の湖山のケースというのはそのモデルのようなお話だと思います。それぞれの各個別の世帯に消防団活動、「纏」というそういうチラシをお配りをして、日ごろの防火活動に留意すべき事柄でありますとか、あるいは消防団活動というのはこういうことで地域を支えているというようなこと、そういう情報を提供していることがふだんから行われているわけでありまして、一つの推奨に値するような状況であろうかと思います。
 議員が御指摘になりましたように、今消防団の組織はほぼサラリーマンで支えられるようになってきた。これは私たちの現実の地域社会を投影をするものであります。サラリーマンという構成世帯がふえたわけであります。県の統計でも、ちょうど藤縄議員が感想で言われたのとほぼ一緒でありまして、県全体でも77%ぐらいがサラリーマンだという状況になってきました。残りが自営業者とかその他の方々なのですが、このようになってきております。また、消防団の構成も20代30代がかつては中心でありましたけれども、40代の方々の比率がじわじわ高くなってきております。こういう状況からしますと、やはり事業所のほうの協力を仰がなければならないというのは一つの方向性だと私も同意いたします。先ほど申しましたように、事業所の中で消防分団をつくるとか、こうしたモデルの取り組みを推奨したいという気持ちがございますし、あと、今鳥取市が検討に入られているそうですが、消防団に協力をする事業所の表彰を行おうと、表彰というかプレートをつくりまして、シルバーのプレートをつくってそれを掲示したり、あるいはそういうことで顕彰しましょうという事業に取りかかろうとされています。これは全国で始まってきたところであります。場合によってはこうしたものを市町村単独でなくて、県全域をまたがるような企業さんでやってみたいというところがあったら、県のほうで、これは国の制度があるわけではありませんが、独自のそうした顕彰制度をつくることなども検討に値するのかなと思っております。
 御質問の中心であります事業税の減免でありますが、長野のケースは非常に興味深いサンプルだと思いますので、私どものほうもまた調査をさせていただきたいと思います。ただ、若干気になりますのは同じようにいろいろな社会活動、CSRとして御貢献いただいている企業さんについて、鳥取県で言えば男女共同参画推進とか、あるいはISOを取ったとか、鳥取県の環境基準を満たしているだとか、そうした幾つかパターンがございますけれども、そうした各種の社会貢献事業とこうした消防団の協力事業との関係をどう見るかというのもあると思うのです。課税は公平でなければなりませんので、なぜ消防団の活動だけ事業税をまけられるのかというのはちょっと説明は難しいかもしれません。ですからむしろ、NPO活動に対する推奨とか、そうしたCSR活動に対する推奨として税制という形がいいのか、あるいはその他のインセンティブを与えるような形式がいいのか、そこはいろいろ議論の余地があると思うのですけれども、何らかの形で応援をする仕組みをつくるべきかなと思います。消防団に限らずそのほかも含めて検討すると。その中には事業税の減免という選択肢もありましょうけれども、何らかのインセンティブを与える、あるいは補助金という助成を考えるとか、そうした方策をまた検討していきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)第4回目の検討委員会をやるときに資料が非常に間際になってしまったということ、この辺については率直におわびを申し上げたいと思います。これは委員の方におわびを申し上げたいと思います。
 事務局のほうでいろいろ難しい議論をどういうふうに取りまとめるかということになかなか四苦八苦しておりまして、大体1週間前をめどに資料を送ろうとしておったのですけれども、事務的になかなかまとまらないということで、その間資料の差し替え、いろいろなものが作業がありまして間際になったというようなことで、申しわけなく思っておりますけれども、ただ、第4回目をやるときに、会長もそのことを十分承知されておりまして、非常に丁寧な審議をしていただいたというふうに思っております。といいますのは、報告書案について一つ一つ文章を読み上げながら、ここはこれでいいですねということを確認とりながら非常に丁寧な審議をしていただいたというふうに思っております。その中で、確かにいろいろな質疑がございました。まとめ方についてもそういった共通理解が得られたというところについてやっぱり偏りがあるのではないかという議論もありました。そのことについても、そこだけを取り上げると確かにそういう面もあるかもしれませんけれども、報告書の案の中で問題点も確かに指摘しておるわけです。それで、十分な議論というものが、まだこれから詰めないといけないことがたくさんあるのだということの課題もお示ししておりますので、一つの方法としては有効だということについての理解は得られたのではないかということを言っておるにすぎないのだというような説明をして、では報告書についていいですかということについて最終的には異論がなかったと、こういうふうに理解しておる次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)知事、消防団の答弁いただきました。
 おっしゃるとおりだと思います。減税というのは非常に難しいものだろうとは思っております。長野県の板倉副知事が去年の「近代消防」5月号でこういったことを言っておられます。筆者は、これは板倉副知事ですが、地方税を担当していた時期がある。税の立場からはどんな場合であっても税の軽減(不均一な課税)は税の公平を崩すことになるから、必要性について慎重の上にも慎重に検討することが求められるということを言っておられまして、この条例の提案にはちゅうちょされておられたそうです。ところが、村井知事が消防団は大変大切なことなのだと、安心・安全、住民の安全を確保することであるから、遠慮しなくていいから提案するようにというようなことがあったようでありますから、御披露させていただいて、前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。
 在り方検討委員会で防災監から答弁いただきました。
 気になるのですよ、これ。まとめをしたにすぎないだとか、こういった意識なのでしょうか。ずっと見てみると、部会のことであったり、そこで随分と議論された方面本部のことだとか、あるいは消防を一元化することになれば、今の3つの複合組合から消防事務を抜き出して一部事務組合をつくらないとだめでしょう。また、そういうことだとか、話が出ているのですよ。それを検討委員会でみんなシャットアウトしていますよ。検討委員会の俎上にのせていないではないですか。少なくとも会議録を見ると。メリットの中で効率化を言っておられるのですけれども、この効率化のメリットの例として管理部門だけの効率化の試算をしておられるのですよ、21人減るという。減る部分だけ試算しておられるのですよ。時間がない時間がないと会議の中で随分言っておられる。これはどうですかと言うと、それは時間がない。これはどうですかと言うと、時間がないと言ってこれもシャットアウトしておられる。その中で、管理部門の21人減らすところだけはちゃんとやっておるのですよ、減る分だけは。目分量だと言いながらそれをやっているのですよ。だから、部会でも出て新しい組合に係る経費だとか、消防組織の方面本部のことであるとか、方面本部も一元化すれば60万の地域になるのですから、全く広大な消防組織になるわけでしょう。北海道だとか、今でも3番目4番目の非常に優秀な広域ですよ。実績もある模範的な、30年も前から模範的に合併した広域が今実際にあるわけです。それをまた1つにするということになれば、方面本部のことが議論されていないではないですか。数字的にも。こういったことが報告書の中に文言だけで出てきている。まとめたにすぎないというような意識でやるようなことなのですか、これだけ重要な案件を。防災監の認識をお伺いします。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)部会等でいろいろな問題が出たことは確かです。それで、方面本部ですとか、それから広域行政組合の組織の問題、それを統合したときに新たな消防だけの組織をつくらなければいけないというような問題も出ました。報告書の中にも若干触れているのですけれども、方面本部等の問題については基本的には方面本部という名前を使うかどうかということは、これから具体的な議論の中でやっていくべき話でしょうと。それで、基本的にはやっぱりその中核になる消防署というようなところ、こういったところがそういった機能というのを担っていく、そういった現場の機能の拡充ということをやっぱりしていく必要があるのでしょうという認識は報告書の中でも示しておるつもりでございます。
 それで、それを方面本部という言葉遣いにするのかどうかということは、具体的なそういった組織をつくるときの議論でしょうということでございます。
 マイナスだけしか出していないのではないかということなのですけれども、それは、マイナスのところはこれだけ出ますと、それで、広域組織をどういうふうにつくりかえるかについては、今の現段階ではまだ議論が十分されていないということについて、今回の段階ではそこまで至っていないという認識でございます。決してここで全体の組織をどうするかということを具体的に決めていこうという性格のものではありませんでした、この検討会自体は。今の消防のあり方を、現状をきちっと分析して、これからどういうあり方が消防に求められるか、どういう課題があるかということを整理しましょうということでやったものでございまして、なかなかそういう具体的に最終的な詰めのところまで至っていないことは確かですけれども、在り方検討会が目指したものというのは、ある程度達成できているのではないかというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)気になるのですね、名前のことだけではないと思うのです。名前のことだけ、方面本部だとか、これも消防組織法9条第1項で、広大になれば有効な手段だというふうになっておるわけですよ。これが管理部門だけ図面にかいて、絵にかいて、あとは消防組織のことは何も出ないで文言だけで検討したようなことになっているではないですか。デジタル化のことは知事のほうから答弁がありましたけれども、このことも大きな今回の問題だと思っております。
 デジタル化のことにつきましては、ことしの6月23日に第2回の無線の広域・共同化整備検討委員会がありまして、そのときに財政措置要件のことで照会されるというふうに言っておられますね。財政要件等措置、重要な部分であるので消防庁への照会については各本部へ文書で通知するといったようなことも言っておられます。それとデジタル化については、19年の2月2日に東京麹町で全国消防長会議があっているのです。この中で消防庁の見解が出ておりまして、広域化をお願いしているのは云々で、圏域1ブロックを含めてできるだけ広域化していただきたいものの、必ず圏域1ブロックでなければならないとまでお願いしているわけではないというような見解があるのですよ。
 このデジタル化を、効率化ですね、言ってみれば。このことと非常にあいまいな感じで僕は今回検討されておるような気がしてならないのです。スタートは消防の本当のあり方をと言いながら、重ねて言いますが、結論的には広域、一元化のことがかなり強くにじんでおるというようなことに皆さん思っておられるわけですよ。少なくとも東部は。西部もきのうこの件で副市町村長等会議をやっております。私も西部局長、浦木さんと話したときに、東部ほどのアクションはまだ起こさないけれども、スタンスは同じだと言っていましたから。今のままでは反対だと。そのこともお伝えしておきますけれども。
 時間がなくなりましたので、このデジタル化のことですけれども、知事。今、申しましたように、今までは3局で共同調達の方向で進んでいますので、この方向で今の時点では最良の方策を求められるのが私はいいのではないかと思うのです。知事は冷静な議論をと言われますけれども、ちょっと冷静になっておれませんよ、今のままでは冷静な議論はできないと思う。僕も冷静ではないけれども。そのことについて。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)藤縄議員の御指摘いただきましたデジタル化について、あるいはそのほか、例えば消防指令のシステムの更新などの物理的な課題があるのは事実です。デジタル化の共同化により調達のコストを安くしようというのは、検討に値することであります。デジタルにする場合に結局中部と西部、あるいは中部と東部の間にまたがるような鉄塔を設置をすると、そうしますと県全域として1つのデジタル化のエリアといいますか、そういうことが設定されてかえって安上がりだということになるわけでありまして、例えば中山と赤碕の間のあたりだとか、そういうところで検討はされていると私どもも伺っております。ただ、3消防できっちり共同化が決まったという状況でもないと私たちは伺っています。これからいろいろと検討が進む中でこうした少し冷静な時間が必要なのかもしれませんけれども、デジタル化だとか、あるいは資材の共同購入とかいろいろな手だてがあり得ようかと思います。
 私も今、改めてお話を聞きながら報告書を拝見をさせていただきますと、中には、例えば中海圏域でまとまった消防圏を持ってはどうかというような議論だとか、それから、機材の共同化だとか部分的な共同化なども検討に値すると報告書の中にも書いてあります。あれは多分いろいろなシーズが入っているわけでありまして、そういう中で共同化というのは、一元化は広域化して消防力を強化する上で一つの有力な選択肢だというような言い方をしているというのが実情ではないかと思っています。
 いずれにいたしましても、最終的には県全体での消防力をどういうふうにこれから力強く構築していくか、さらに財政が厳しい中で持続可能なシステムをつくり上げる、そして、住民の皆様の意思にも合ったようなそういうものにしていく、こういうスタンスで検討を続けてまいりたいと思います。いずれにせよ、共同のことなので市町村の意見を切り離して我々が見切り発車的に進むものではありません。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)一言だけ。平井知事には一元化に対する野心はないでしょうから、市町村の皆さんの、住民の皆さんの意見をしっかりと聞いていただいてこのことを進めていただきたいと思います。終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤保議員


◯18番(伊藤保君)(登壇、拍手)おはようございます。
 今議会では、学力テストや汚染米など、今新聞紙上で話題になっておる事項が活発に議論をされてまいりましたが、私は事前に通告に従いまして、地味ではありますけれども3点の県政の課題について知事に質問し、認識を問いたいと思います。
 まずは、指定管理者制度についてから質問をいたします。
 指定管理者制度は平成15年、地方自治法の改正を受けて民間企業の経営感覚、ノウハウを取り入れることによって施設の効用を最大限に発揮させ、住民サービスの向上や行政コストの削減などを期待し、これまで公共団体、公共的団体などに限定されていた管理委託制度から民間事業者、NPOも参入できる制度として始まったもので、本県におきましても、平成17年度のみなと温泉館を皮切りに、18年度には30施設が指定管理者制度として適用をされております。
 そうした中、18年度に指定をされた数多くの施設が今年度末には指定管理者制度の指定期間の満了を迎えます。期間更新を迎えた今、指定管理者制度が当初の目的どおりの成果を上げることができたのか、どう分析され総括されているのかお伺いをいたします。また、このたびの更新に当たり募集や評価等についてどのような観点から見直しをされ、何を具体的に変更されたのかお聞かせください。
 次に、栽培漁業センターの調査船についてお伺いをいたします。
 湯梨浜町にある鳥取県栽培漁業センターでは、安定した海洋資源を継続的に、しかも安定的に確保するため、魚介類を初め海藻などの種苗の育成、放流、追跡調査、生物環境調査、沿岸海洋観察などを行っており、アワビ、サザエ、カキ等の種苗育成、放流を初めワカメの養殖育成、潮やけ対策としてアラメなどによる藻場の再生を行うなど、育てる漁業と沿岸の環境整備に向け成果は着実に上がってきているものと私自身は認識をいたしております。
 ところが、昨年11月、当センターの調査船第二鳥取丸、平成2年建造、10トンが老朽化し、更新時期を迎えるに当たり廃止され、以後の資源調査、海洋調査についてはその都度民間の漁船を用船として借り上げ、いろいろな業務が行われております。したがって、こうした背景の中、20年度は県下8地域で調査の用途に応じて13隻の用船契約が行われ、143項目もの各種調査が計画され実施されております。県としては、調査船を県所有船から用船に切りかえられ間もなく1年になるわけでありますが、今日までのメリット、デメリットをどのように総括され、今後の対応をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 最後に、橋梁の耐震化についてお伺いいたします。
 平成7年の阪神大震災で、橋脚の倒壊を初め橋げたの落下など甚大な被害が発生し、平成8年にはこの大震災を教訓として橋梁の耐震基準が全面的に改定され、今日まで本県においても橋梁の耐震化に向け鋭意努力をされてまいりました。平成18年3月の斉木議員の一般質問において、当時の県土整備部長は、本県の橋梁の耐震補強の状況について、平成15年度末で全国が33%であるのに対し、本県は89%と全国でもトップクラスと答弁をされています。このことは、耐震基準が改定された平成8年に、災害時の緊急輸送路確保、並びに落橋による二次災害を防ぐ観点から、本県でも防災幹線道路ネットワークがいち早く策定され、県の防災計画に掲載されるとともに、積極的に耐震補強工事が取り組まれてきた結果であると思います。
 議員の皆さんは既に御承知かと思いますが、せっかくでありますので議長のお許しをいただきまして、議員各位の机の上にこの防災基幹道路ネットワーク図を配付させていただきましたので、この図面をごらんいただきながら以後の質問を進めてまいりたいと思います。
 本県の防災基幹道路ネットワークは、県庁及び県内外の地方中心都市を連絡し、それらと主要港湾、空港を結ぶルートとして国道を中心とする第1次ルート。第1次ルートと市町村役場及び主要な防災拠点を連絡するルートとして、県管理の国道並びに県道を中心とする第2次ルート。第1次ルート、第2次ルートの代替機能を有する道路として、広域農道や農免道路などの第3次ルートと、優先度に応じてネットワークルートが設定されておりますが、この防災基幹道路ネットワークの第1次ルート、第2次ルート、第3次ルートそれぞれの耐震補強工事の進捗率についてお伺いをいたします。
 中でも、鳥取と島根両県にかかる境水道大橋は震災以外にも原子力防災の観点からも大変重要な橋でありますが、この橋の耐震補強対策はどのような計画になっているのかお伺いをいたします。
 もう一度ネットワーク図を見ていただきたいと思います。中部から西部に物資を輸送する場合、第1次ルートに災害が発生したとき、第2次ルートは岡山県を迂回するコースとなっております。代替コースとして直近の広域農道は第3次ルートとして設定されております。一般的には第2次ルートとしての機能が極めて高い第3次ルートでありますが、なぜ第3次ルートなのか単純な疑問が生じますが、知事の所見をお伺いし、壇上での質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤保議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、第1点目といたしまして、指定管理者制度について期間更新の時期を迎えたわけでありますが、当初のねらいどおりの成果をおさめたかどうか、どう分析しているのかというお尋ねでございます。
 詳細は行財政改革局長からお答えを申し上げたいと存じますけれども、例えば経費を縮減する、県民の皆様からお預かりした大切な税金を無駄なく使うという意味では一つの効果がありました。年間で大体4億5,000万ほど削減をするということもかないました。また、サービスの向上こそが大切でありますけれども、この点でも、例えばゆめみなと温泉館では入湯時間を延ばすことができましたし、それから、これはもちろん事業者のほうの御好意ということでしょうけれども、ポイントカードをつくってリピーターをふやすなどやりました。この温泉館の場合ですと、そうしてリピーターもふえて入湯客がふえて、料金も下がったわけでありますけれども、しかし、その売り上げといいますか、収入はふえて、ですから、支出を上回る黒字化をすることが達成できたということでありまして、そういういいケースも報告をされています。
 ただ、その片方で私どももこの議場で御議論申し上げましたけれども、遵守すべき法令が守られていないようなケースがあるとか、それから利用者の方々から苦情をいただくようなケースがあるとか、サービスの提供において問題が発生したような事例もないわけではありません。ですから、陰の部分とひなたの部分と両方の部分がある状況ではないかと思っていますが、ただ、当県の場合はおおむね費用の節減には役立ちましたし、まず、全体監査をさせていただきましたけれども、おおむね適正以上の評価ばかりになっていますので、特段の大きな問題はなく移行が進んだというふうに考えております。
 次に、募集や評価等についてどのような観点で見直しをし変更したかということであります。
 今回変更をいたしましたのは、いずれもこの議場での議論に基づくものばかりです。まず、雇用が不安定になるということが大分この議会でも議論されました。ですからそれに対する対策といたしまして、従来ですと3年間の契約期間を5年間に延長するというような取り組みを今回させていただいております。さらに、法令などの遵守事項を審査事項の中に加えさせていただこうと。例えば、労働基準法とか、そうした関係法令の遵守だとか、それから環境対策、環境推進活動をしっかりやっているかとか、男女共同参画の観点とか、そういうものをプラスの審査基準として採用させていただきました。あわせて、実際に人が運営するのが施設なのでありますが、その有為な人材が育成されるようにしなければならないわけでありまして、これも議場での議論に基づきますけれども、今雇っている人を引き続き雇用していくような、そういう継続的な雇用の計画というものがいかがであろうか。これも、審査項目として入れさせていただいたわけであります。
 こうしたことで見直しをさせていただきまして、サービスの内容だとか、それから運営する団体の社会的な貢献だとか、いろいろなことを審査の対象として厳正に指定管理団体を選定をしていくことにいたしたいと思っております。
 次に、栽培漁業センターの調査船、第二鳥取丸の廃止問題についてであります。
 これも、詳細、水産振興局長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、調査船を県所有船から用船に切りかえて1年になるけれども、メリット、デメリットをどう総括し、今後の対応をどうするかということであります。
 これもトータルコストの削減にはとりあえず役に立っています。1,400万円ほど削減効果はありました。さらに、これは別に想定していたわけではありませんけれども、イカ釣り漁船の油代が高くなって大変に困られたわけであります。ですから、我々のほうで漁場調査をしましょうと、県としてしましょうということにいたしました。今、用船ということでありまして、漁船が現実には借り上げられて出動していただくということでありますので、たった1そうではなくて複数の船でその漁場の調査に出かけることができた。これは非常に好評だったと思います。こうした意味で、用船であったことのメリットがございましたけれども、ただ、その片方でやはり従来とは違った状況になります。我々のほうの調査といいますと、海に潜って潜水調査をするということになりますが、そういう目的のために漁船がつくられているわけではありません。また、調査項目によってはデリケートな調査が漁船ではできないものもあるわけでございまして、メリット、デメリット両方があったと思います。これを今後、総括をしたり、当面は今のデメリットになるようなことを克服するための対策を考えたりいたしまして、そしてこうした対応がいいのかどうかということは、検討の俎上に今後も上げていきたいと思っております。
 次に、防災幹線道路ネットワーク上の橋梁等につきましての御質問いただきましたが、その第1点目といたしまして、第1次ルート、第2次ルート、第3次ルートのそれぞれの耐震補強工事の進捗率を問うということでございます。これは県土整備部長からお答えを申し上げたいと思います。議員のほうから御指摘いただきましたが、県全体では81%の進捗率で、県民の皆様にも安心していただける水準に近づきつつあると思っております。特に、県管理でやっているところはかなり手を打ってございまして、97%の進捗率まで来ております。
 次に、境水道大橋についてであります。この橋の耐震補強対策はどういう計画になっているかというお尋ねでございます。
 境水道大橋は昭和47年の7月に完成をいたしました。夢のかけ橋でありまして、島根半島と境港の市街地を鉄骨で結ぶ大きな大きな橋梁でございます。当初、これは道路公団の有料橋として開通をいたしました。それから30年がたち、平成14年の7月に無料橋として我々のほうに引き継がれました。島根県と鳥取県とで3年ごとに交互に移管しながら管理をするという形態でやってきております。現在は鳥取県のほうが管理中の期間ということになります。
 この境水道大橋も耐震性能において補修すべき点があるというように分析をされておりました。ただ、何せ事業費がかかる橋になりますので、どういうふうに取り組もうかということで、島根と鳥取と両県の間で話し合いを続けてきました。このたび両県の意思のすり合わせができてきたところでございまして、大体18億円ほどかかる工事になってしまうのですけれども、国の助成制度などを十分活用して、そして両県でこの補修に当たっていこうというめどが立ったところでございます。これから5年間ぐらいで18億円ぐらいかかりますけれども、平成21年度の事業着手を目指して、これから予算編成時期に入ってまいりますけれども、話し合いを詰めてまいりたいと考えております。
 最後に、第3次ルートとして広域農道が位置づけられているけれども、なぜなのだろうかということであります。これは、恐らく国道9号に対する代替性ということで3次ルート、その代替というのを3次ルートという意味だと思います。2次ルートというのはまた別の観点で設定しているものだと思いますが、考え方の詳細は県土整備部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)2点のお尋ねに対して補足説明をさせていただきます。
 まず、第1点でございます。耐震補強工事の進捗率ということでございます。
 県内の15メーター以上の道路橋梁というのは、平成18年度末の時点でございますが、1,042橋ございます。このうちの防災幹線道路上にありますものは、国、県、町合わせまして537橋ということになっております。この537のうちの耐震補強が未着手の橋梁、これが104橋ございまして、全体としては81%の進捗率でございます。
 ルート別でございますが、第1次のルート上にある橋梁389橋、うち未着手が90橋ということで進捗率が77%ということでございます。この第1次ルート上には国管理の橋梁が含まれておりまして、これがまだちょっと進捗率が悪い、83橋残っているというような状況で、ちょっと全体の進捗率が悪くなっている。それから、第2次ルート上でございます。これは90橋ありまして未着手が1橋、進捗率が99%。第3次ルート上、58橋のうちの未着手が13橋で78%ということになっております。
 続きまして、先ほど1次・2次・3次ルートのお話がございまして、このルートの選定についてということでございますが、先ほど議員のほうで1次、2次、3次のルートの、例えば中心都市を連携して港湾、空港と結ぶとか、こういう御説明がありましたので、これは省略させていただきたいと思います。
 特に3次ルートが今問題になっているというふうに見ておりますが、3次ルートといいますのは1次、2次のルートの代替となる補完、代替するという道路で、これがちょうど9号と平行する区間の農道ですね、ここに3次ルートというものが指定されているということになりますが、先ほどの御質問の中で第2次ルートとして岡山県側に国道482号というものがございますが、これは9号が被災したときにこの岡山側の道路を通りなさいというものではございませんで、あくまでもこのルートは第2次ルートとしての役場や防災拠点を結ぶという役割を果たしている。
 それで、この農道でございますが、これは9号が被災したときには、必ず9号を代替するという道路でございます。もちろんこの9号を代替する道路の中には第2次ルートに指定されております県道等も含まれております。そのために別に2次、3次で優先度をつけているというものではございません。9号を代替するということでは重要な路線ということで認識をしております。その枠組みのいかんにかかわらず、常にやはり1次、2次、3次のルートが機能するということが一番大事なことでございますので、それも耐震化を含めた維持管理を国、市町村と連携しながら、しっかりやっていこうということでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中山行財政改革局長


◯行財政改革局長(中山貴雄君)指定管理者制度の導入の成果につきまして、補足の答弁をいたします。
 まず、経費の縮減の面でございますが、これは知事も申し上げましたように指定管理の導入施設31施設ございますが、18年度の県費負担額を指定管理者制度導入前の17年度と比較いたしまして、単年度で約4億5,000万の削減を果たしております。また、今回、今議会で御審議をお願いしております19施設分の21年度の県費負担につきましては、18年度の制度導入のときに比べまして約2,800万の削減が見込まれるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 さらに利用者サービスの面でございますが、開館時間の延長ということでみなと温泉館のほかに障害者体育センターにおきましても開館時間の延長を行いましたほか、倉吉体育文化会館、あるいは武道館におきまして、休館日を削減して利用者サービスの向上を図っております。また、利用料金も生涯学習センター、あるいは夢みなとタワーの一部の料金におきまして利用料金を値下げしたほか、布勢総合運動公園、あるいは鳥取砂丘こどもの国におきまして、例えばスポーツ教室をふやしたり、あるいはイベントを増加したりといったような利用者サービスの向上を果たしているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)海洋調査に当たっての用船による調査のメリット、デメリットにつきまして、補足答弁をいたします。
 老朽化が進みました第二鳥取丸の代船建造とアウトソーシング等の業務の効率化を比較検討いたしまして、昨年の9月に用船による調査に切りかえたところでございます。約1年たちますけれども、検証した結果、メリット、デメリットを御説明いたします。
 まず、メリットでございますが、同時に複数船による調査が可能になったという形で、ことしの春のイカの調査あたりがその例に当たります。それから、漁業者と研究員との情報交換が活発になったということがございます。調査活動を漁業者の方と一緒にやっておるものですから、こういう成果があったと。それからトータルコストの削減ができたということでございます。
 また、デメリットといたしまして、海上業務での安全性の確保に不安があると。これは漁船を借りてやるものですから、船が小型なものですからいろいろ安全性の問題があるというようなことも出ております。それから調査ごとに観測機器等を載せる必要があるものですから、ここに手間暇がかかるということがデメリットであります。また、そのほか調査データの精度が低下するということで、13隻の船を借りておるものですから、それぞれの技量がありますので、精度は若干落ちるかなと。それから漁業者の方は漁業を中心にやっておられますから、調査とのタイミングがなかなか合いにくいことも時たまあったようでございます。また、漁船ではできない調査という形で、超微速で網を引かなければいけないという調査もありますので、こういう部分はどうしてもできませんので、今は中止しております。
 こういうデメリットに対しまして、今現在は漁船の乗船業務安全管理マニュアル等で安全性の確保、徹底を昨年の11月からやっています。それから業務の分担、整備ということで、第一鳥取丸にも海洋観測を担うような形を進めております。それから安全性等の問題で、海上支援職員をことしの4月から採用いたしまして、こういうものを補完いたしております。今後も、さらに検証しながら進めてまいりたいというぐあいに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)知事、御答弁ありがとうございました。
 それでは、順次追及をしてまいりたいと思います。
 まず、指定管理者制度の問題でありますけれども、この議会でもいろいろな部分で不安が出されまして、選定項目の中にもいろいろ入れておられます。法人の社会的責任遂行という状況を見るということで、例えば障害者雇用の状況、男女共同参画推進企業の認定状況とか、環境への配慮の状況、これらがこのたびの選定基準の中に新たに設けられております。したがいまして、このたびの常任委員会の中で、それぞれの担当部局が所管する施設の指定管理者候補者の選定状況が報告されました。そして、このたび、それぞれ議案が提出されています。
 その中で、障害者雇用、それから男女共同参画推進企業の認定、それから環境への配慮、要するにISOとかTEASとか、これらはまさに県が重点施策としてこの数年間取り組んできた大変大きな私どもの課題であると認識をしているわけでありますけれども、このたびの指定管理を受ける予定の事業者の一部には、まだ全く取り組まれていないという状況が散見されました。そのことから、私も常任委員会の中で担当部長に、なめられているのではないかと厳しく言いましたけれども、知事の所見をお伺いするとともに、今後の対応策についてお伺いをしたいと思います。
 次に、栽培漁業センターの調査船について質問いたします。
 メリット、デメリットわかりました。今日の漁業の状況は、あえて私が申し上げなくても燃油価格の高騰など大変な状況にあります。特に沖合漁業も、暫定水域の問題も絡み大変であります。しかし、県内漁業者の大半は沿岸漁業であり、しかも零細漁業者がほとんどで、日々の生活にも大きな影響も心配もされています。
 逆に言いますと、こうした時期だからこそ、過去のように魚がとれなくても漁に出てみようかという漁業ではもう立ち行かなくなってしまったと。したがって、ある程度魚の回遊状況や海洋資源の状況をしっかり把握して漁業者に提供することが県に課せられた非常に大きな役割であるというふうに私は考えています。
 そこで、先ほどありましたけれども、私もこの用船に乗船させていただきました。最初の予定は、海が荒れてだめになりました。2回目に乗りました。このように、現在の用船方式では船を、要するに用船を係留している港まで、例えば泊から赤碕なら片道が1時間以上、それに荷物の揚げおろしに本当に時間を要することになっておりますし、それから先ほど申し上げましたように借りる船が漁業者のものですので、本当は午前中に調査をしたいのだけれども、午後しかできないとか、調査が制限される。私は、そういう状況の中で本当に満足な調査が到底できるとも思えないし、これまで栽培漁業センターが続けてきた調査のデータがこの1年間で私狂ってしまうというふうに思っておるのです。やっぱり県の調査船を整備をして、本当に県の役割というものを真剣に私は考えるべきだと思いますけれども、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、橋梁の耐震化に行きますけれども、先ほどありましたけれども、1次・2次・3次ルート、これは同等というふうな発言がありましたけれども、しかし一般的に見たら、1次の次は2次でしょう、2次の次は3次でしょう。しかも、第3次ルートは1次の代替ルートになっているでしょう。もし県土整備部長の考え方とするならば、第1ルート、第2ルート、第3ルートにされたほうが私はいいと思いますけれども。1次、2次、3次なら、1次の次は2次でしょう、2次の次は3次でしょう、これが普通でしょう。私はちょっと違和感を持っているのですけれども、意見があればお伺いしたいと思いますけれども、こだわるわけではないですけれども。(笑声)
 次に橋梁の耐震化工事、これは防災計画に位置づけられた防災幹線道路ネットワークによって順次進められておりますけれども、県道並びに県管理の国道の改修率は非常に高くなっているわけでありますけれども、第3次ルートに指定されている広域農道、農免道路等の農道に目を向けるとその状況は、先ほど答弁にもありました、国よりも若干高いのですけれども、県ほどではありません。
 本県の広域農道、農免道路、ふるさと農道のうち15メートル以上の橋梁は本年3月末で全部で105橋あります。そのうち耐震済みは23橋で、その23橋すべてが耐震基準の見直しが行われた平成8年以降に設計ということであります。つまり、旧基準で設置された農道の橋梁は、全く耐震補強の措置が講じられていないということであり、第3次ルートとはいえ、先ほど同等と言われましたけれども、1次の次の重要な迂回ルートと言われましたけれども、防災幹線に指定されている農道の橋梁の耐震補強工事が行われていないようでは、本当に災害時に心配であります。
 このことについて、私は非常に大きな問題があると思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 そして、あわせまして農道に関しましては、平成5年の4月に当時の農林水産部長から鳥取県土地改良財産の管理及び処分に関する要綱が出されております。この要綱に基づいて工事が完了したときには、土地改良区並びに市町村へ財産の移管が進められてまいりました。広域農道、農免道路、ふるさと農道は、これまで工事施工中のものを含め94路線が整備され、そのうち51路線が財産譲与されております。
 さらに、平成8年の基準改定後に財産譲与されたもののうち橋梁がある17路線では、いずれも耐震補強はなされておりません。したがって、どうするかというと、もう移管されていますから基本的には市町村の責任でしょう。
 しかし、財政力が弱い市町村にそういう農道を譲与されているわけでありますけれども、耐震基準が改定される前でありますので、改修に当たっての負担はやっぱり移譲元である県がすべきものと思いますけれども、知事の所感をお伺いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、第1点目の指定管理者制度についてでございますが、CSR、社会的な企業の責任を果たすことを今回加点項目として審査の中で入れさせていただいたわけでありますが、そうした審査項目について予定事業者の一部でまだ取り組まれていないということが問題ではないかということでございます。
 私どもも今回、審査は審査として、プラス要素だとかマイナス要素がいろいろ総合して客観的に可否を決するわけでありますが、それはそれとしてさせていただきましたけれども、ただ男女共同参画の推進、あるいは環境基準の設定など取り組みができていない企業が見られること、非常に残念だと思います。今回、議案のほうに指定管理については提出をさせていただいておりますけれども、これはこれといたしまして、企業の社会的責任の中でも鳥取県として遵守をお願いをしている、男女共同参画などの項目につきまして、それを果たしていただくようにきちんと指導を行ってまいりたい、協力を呼びかけてまいりたいと考えております。
 現状、まだ指定ができていない、協力企業となっていない、そういう状況ではありますけれども、ただ、こうした審査項目があることもあってだろうと思いますが、チャレンジをしてみようということで認定を求めて動いている企業といいますか、団体も出てきております。そうした状況につきまして、行財政改革局長から補足をさせていただきたいと思います。
 次に、栽培漁業センターの第二鳥取丸の廃止問題についてでありますけれども、議員におかれましては、荒天の中、出かけようと港に行ったり、また、実際に乗船をされて見聞をされたということであります。かなり小さな船でございますので、研究員の苦労もおわかりいただけただろうというように拝察をいたしております。
 このことでございますけれども、栽培漁業センターの調査に支障がないように、我々としては代替のやり方でやってみようということで1年やってみました。先ほど水産振興局長からも申し上げましたけれども、今13隻ぐらい用船をしているのですが、そうでなくていつも乗る船ということにしておけば、機材のことだかですね、あるいは今後改造して専用船のように変えていこうかということもあり得ようかと思います。そうしたことで運用をまずはいろいろ試してみたいというのが率直なところです。
 ただ、議員が御指摘のように、ではそれで研究が果たせるかどうか、それから大きな欠陥があるのではないか、この辺は十分検証させていただきたいと思っています。現場のほうから絶対にこれではだめだというようなことではないという報告は来ているようなのですけれども、ただ研究員もかなり四苦八苦しながら、新しい体制に適応しようとしているのも事実でございますので、そこは謙虚に現場のお話も聞きながら検討をさせていただきたいと思います。当面は、今の運用の改善をできる限りやる、先ほど御説明したような方向で試させていただきまして、その上で調査船問題、どうしていくかどうか、さらに検討してみたいと思います。
 次に、防災幹線道路ネットワークでございますが、言葉として1次、2次、3次となっていると。1次の次は2次を整備すべき、2次の次は3次を整備すべきとなるのではないかと、今のこの言葉はおかしいのではないかということでございます。
 私どももこの言葉にこだわるものではございませんけれども、1次、2次の区別のところは1次幹線ルートにつなげていく、市町村役場などからつなげていく道路という意味で2次という言葉を使っています。3次という言葉がちょっとわかりづらいのかもしれないなと思いました。3次は、1次、2次の代替機能を有するものでありまして、その中でも重要だというふうに考えているものです。ですから、3次ルートという言葉を使うときに、例えば私どものほうでは重要代替ルートとか、そうした言葉にかえさせていただくとか、あるいは括弧書きをつけさせていただくとか、混乱のないようにしてはいかがと思っております。
 次に、第3次ルートとはいえ、防災幹線道路ネットワークに指定されている農道の橋梁の耐震補強が行われていない、これでは災害時に心もとないではないかという御指摘でございます。
 私どもも重要な代替機能を有するルートとして路線を考えておりますので、この12橋の手当てができていないところはぜひ可及的速やかに補修を行うべきだと考えております。その意味で、これは今市町村が管理をしている農道でございます。大山広域だとか中部広域の農道なのですけれども、大山広域で5橋、中部広域で7橋あるわけです。この分はぜひ早急に体制を整えたいと思っていまして、市町村と話し合ってみたいと思います。市町村の管理農道となっていますので、市町村のほうでやるのが筋合いかもしれませんけれども、防災としての重要性ということもありますので、県として御支援するといいますか、一定の役割を果たす、財政的にも一定の役割を果たすことを研究してみたいと思います。市町村の実情も伺ったり、どういう財政措置が一番得策であるかということも見きわめながら考えていきたいと思います。
 次に、農道は工事完了後に土地改良区、市町村へ財産移管が進められていると、51路線が財産譲与されているということでありますが、まだ橋梁のある路線が17路線あると、それについて応分の経費を移譲元として負担すべきではないかということであります。
 基本的な考え方としては、やはり事業完了後は市町村に移管をするという約束事で、市町村から要望をいただいたり、我々のほうで補助したりして、そうして農道の整備を行ってきているところです。ですから、市町村が管理をする、中には市町村道に認定がえをして管理をするなども行われているところでございまして、それは交付税の問題もあるわけでありますから、そういうふうにされているところでありまして、市町村は市町村として管理していただくのが基本だろうと思います。
 ただ、先ほど御指摘いただいたような防災上の幹線、ネットワーク上の橋梁だとか、全県的な配慮が必要ではないかというところは理解できますので、先ほども申し上げましたが、一定の県の役割を果たすことも今後検討をさせていただきたいと思います。これも市町村と相談をさせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中山行財政改革局長


◯行財政改革局長(中山貴雄君)指定管理者制度の社会的責任条項の取り組み状況と今後の見込みにつきまして、補足の答弁をいたします。
 まず、今議会に指定を提案中の団体、9団体ございますが、この社会的責任条項の遂行状況につきましては、まず障害者雇用につきましては雇用義務違反の団体はございません。また、男女共同参画推進企業認定につきましては、9団体中4団体が認定を受けておられます。次に、ISO14001を初めとしました環境環境の条項でございますが、これにつきましては1団体がTEASのII種の認証を受けておられますが、その他については認証を受けておられないという状況でございます。
 今回、選定の際に面接審査等で今後の状況とか、各部局におきまして聞き取り等を行っていただいたところでございますけれども、申請時点では認定を受けておりませんが、審査項目につけ加えられましたことによりまして、TEASですとか、あるいは男女共同参画推進企業の認定の準備等を始めたところがございます。例えば男女共同参画推進企業につきましては、未認定の5団体のうち2団体で検討を始められましたほか、TEASにつきましても3団体で検討を始められているところでございます。こういったような状況なり、あるいは取り組みの状況を見ながら、個別にそういったような団体につきまして御協力をお願いしてまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)知事、ありがとうございました。
 もう一度ちょっと、それぞれ質問したいと思います。
 指定管理者制度なのですけれども、確かに先ほどありましたように経費の削減を主な成果として上げられておりますけれども、ただ経費削減の中身を見てみれば職員、要するにそこで働く職員の皆さんの人件費が6割、7割掛けになっているのです。そのことが一番大きな経費削減なのです。結局そこにいる職員一人一人の生活給が大幅に下げられたということです。それと、これまで単年度契約されていた各種委託料、これが複数年契約にされたことによってかなりの金額が浮いてきました。私はざっと見ますと、経費的にはこの2つが一番削減の大きな要因になっているなと思っております。
 ですから、コストダウン、それでいいでしょうけれども、逆に言いますと、このことはどこにつながるかということを私は真剣に考えなければならないと思うのです。つまり、地域の経済が今本当に疲弊しているということで問題になっています。この人件費の削減、それから各種委託料、業者の皆さんの金額を下げることによって、地域の疲弊にますます拍車をかけるのではないかなということを心配をしておりまして、もしこの程度なら──この程度という表現はよくないのですけれども、これだったら指定管理者にしなくても、これまでの状況でもそれだけの汗をかけば、ある程度コストダウンにつながったのではないかなと私は思っておりますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 栽培漁業センターなのですけれども、トータルコストで議論をされておりますけれども、予算編成もそうなのですけれども、漁業、農業はトータルコストで今してほしくないのです。本当に農業の皆さん、漁業の皆さん、大変なのですよ。トータルコストで議論をされてしまうと、政策ができないのですよ。栽培漁業センターの調査船は、やっぱり自然を相手に本当に日々の天候に左右される中での作業が求められておりますし、やっぱり調査のタイミングというのは大変重要であります。
 私は、現在行われている用船調査では、複数の調査というのは別にやればいいのですよ、一斉に。どっちみち調査船1隻ではできませんから。それは切り離して、私は今の体制では十分な調査ができないと思っております。漁業センターの調査船というのは、農業試験場に例えるとトラクターなのです。今後もトータルコストで議論すれば、トラクターも一般農家から借りるのですか。私はやっぱりそういうトータルコストだけで議論してほしくない。知事に感想を求めたいと思います。
 橋梁の耐震化でありますけれども、市町村と議論をしていただくということで、お礼を申し上げたいと思います。過去にもこの議場で天神川の、いわゆる国交省から県に移管する議論がございました。当時も知事は整備が終わっていない天神川を今県として受けるわけにはいかないと答弁されています。市町村に移譲されたときには耐震基準が行われていない8年前ですから、当然耐震基準はクリアされていないわけでありますけれども、基本的には私は天神川の議論と同じだと思っております。やはり、きちんと耐震化基準がクリアされたものを受けたと市町村は思っているわけですから、結果的には耐震基準をクリアしていないということであれば、防災幹線路線でもありますので、ぜひとも市町村と協議をしていただいて、本当に有事の際には安心してその道路が有効に生かせる、そういう形をぜひとも知事に果たしていただきたいなと思っております。知事に感想があれば、所見があればお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、指定管理者制度の運用につきましてお話がございました。
 このたび、議場での御議論を踏まえて、いろいろと指定管理のやり方、選定のやり方を変えさせていただきました。そういう意味で議場の議論が我々の運用に役立ったというように認識をいたしております。その際にも議論がされたのは人件費などの副次的な効果の問題もここで提起をされて議論をしました。そういう中で継続雇用のことだとか、あるいは職員の配置計画だとか、そういうものも私たちのほうで審査基準にしましょうということを申し上げたわけであります。
 そもそも、この指定管理者制度が導入されましたのは、官と民との関係を境界線を少しずらしてはどうだろうかと、こういう議論だったと思います。すべて公が独占をしてしまうのではなくて、民間のやり方というものを入れれば、例えば施設の使い方について、お役所だと全部規則で決まっていまして9時から5時までしかあけませんということかもしれません。しかし、現にみなと温泉館で言えば2時間も入湯時間を長くすることになりました。これは、サラリーマンの方にとって家に帰ってからおふろに行くことができるようになった。今までですと、御飯を食べている間にもうおふろは閉まってしまうということだったわけでありますが、だからこそ利用も進んで逆に黒字化が達成された。こういうような事例も出てきているわけであります。
 ですから、私はあながち民間、あるいは公的な財団法人なんかもございますが、そういうところで一定の競争をしてもらいながら、価格だけでなくてサービスの内容も競い合っていただくこと、この制度自体は否定し去るものでもないだろうと思います。もちろん中にはとても行政的なものだから、単に人件費の切り下げだとか、それから複数年契約による切り下げということだったら役所でもできるではないかと、ただそれだけの指定管理だったらやめたらいいというものも中にはあるかもしれませんけれども、今回御提案申し上げておりますようなところは、そうした一定の競争性を課しながらサービス内容や価格についてのトータルな競争をしてもらうにふさわしいところだということで選定作業を進めたところでございます。絶対のものではありません。ですから、今後も内容によって指定管理に付すかどうか、随時見直しをして点検をしたいと思います。
 次に、栽培漁業センターの船についてでございます。トータルコストだけで議論すべきではない、単にリース料だとか建造費の節約ということだけで片づけるべきではないと、こういう御主張でありまして、私もそのとおりだと思います。これは、平成18年で私が就任する前にサマーレビューという事務事業の見直しの中で決定されてきたことであります。その際は、いろいろなデメリットまではちょっと想像できなかったところもあったようです。ですから、今回デメリットも報告をされておりますので、今後、冷静にメリット、デメリットを考えて、この調査船をどうするか、検討したいと思います。ただ、当面はまだ始まったばかりでして、用船によるメリットも逆にありますので、今のところの改善をまずやってみて、それで妥当するかどうか考えてみたいと思っております。
 ゆめゆめコストだけの問題とは考えませんので、実際にできる調査ができなくなって、これが致命的だというのであれば、やはり調査船だとか、あるいは専用船を借り上げることなども選択肢には当然入ってこようかと思います。私どもとしては、現場とよく話し合って今後の方針を決めていきたいと思います。
 最後に、市町村の橋梁についてでありますけれども、私どものほうで農道をつくった責任があるから全部橋梁をかけかえなければならないかということでありますが、これは一応最初の約束がございますので、農道にしたら市町村に移管するというルールでこれはやっておりますので、このことはまずは御理解いただきたいと思います。ただ、やはり災害時だとかいうことを考えて、さはさりながら全県的な対応が必要ではないかと言えるところは、これは別の観点での手当てがなされてしかるべきだと思いますし、最初にこれを生んだ責任というのはあるでしょうから、その責任は感じていきたいと考えております。
 今御指摘のありました天神川でありますけれども、国全体では河川と道路の管理移管、これを議論しています。地方分権改革推進委員会のほうの報告の中にも河川と道路について移管すべきということが提示をされました。国土交通省がこれに反論をして、国土交通省と委員会との間で協議がなされてきたり、また、それから地方団体との協議も今なされております。現在の仕組みは、全国知事会が統一窓口になりまして相談をするということになってきたわけでありますけれども、全国知事会のほうとの協議も一定の整理ができつつあります。
 その中で国のほうが今譲ってきておりますのは、今まさにおっしゃったような災害時においては国が責任持って対応する制度を考えようということを言ってきています。あと、実際にその管理に関する費用、それから人材やノウハウの問題、こういうところもきちんと移譲されるのかどうか、これも焦点になってきております。こういうような個別具体の議論に落ちてきていまして、それで協議対象として個別の河川や道路を掲げて自治体と話し合いをするという段階に来ております。当県の場合、天神川もその俎上に上がってくる対象の河川だと思います。私は、これまでいろいろな議論もありましたけれども、国が災害時、責任をとるとか、あるいはきちんとお金の面の不安がないかどうか、この辺を見きわめてこの問題に当たっていきたいと思います。
 今、知事会のほうではできるだけ多くのというか、基本的にはすべてと言っていいのだろうと思うのですけれども、多くの河川や道路を自治体、県のほうで受け入れるのが分権の本旨ではないかという御主張をされているのですが、現実問題としては恐らくその天神川とか一定のところが協議対象に入ってくるはずであります。そういうときに個別具体の議論をして、この辺を我々も整理をしていきたいと思っております。今回の橋梁の問題も、本来は県がつくったわけでありますけれども、農道の場合は市町村が後は管理するという約束になっているわけであります。ただ、災害時だとかそういうところで全県的な損害なんかを考えれば、全県的立場で考える部分もあるだろうと。ですから、財政的支援については、まずはそこから考えて検討させていただき、枠組みを市町村と設定させていただきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)御答弁ありがとうございました。
 最後に指定管理者制度、このたびが2回目の切りかえになるわけですけれども、少し心配するのは労働者派遣法と少し似てきたのかなという思いが私はしております。といいますのは、労働者派遣法で派遣された職員の皆さんはその仕事についた時点で次の仕事を探さなければならないわけです。指定管理者制度、確かに3年から5年というスパンに延びたのですけれども、しかしながら、そこに働く皆さん、いわゆる将来が見えないという部分を非常に不安を抱えている中のお仕事で、次が指定管理が受けられるか受けられないかわからない。それで、今現在でも、要するに指定管理者制度になったために本当に待遇が悪いということで優秀な技能を持った職員はやめてしまわれたということも聞いております。
 しかも、最初の指定管理のときには年間たくさんのいわゆる経費の削減ができましたね。大きな成果がありました。それからサービスも、温泉館ばかり言っておられますけれども、ほかのことがどこも出てこないから、ほかのところはどうかなと心配しておるのですけれども、結局サービスも最初の年はごろっと変わるのです。ああ、よかったなという感激ができますね、成果として出ます。それが次の更新、次の更新になったら経費の削減するところもないのです。汗をかいて売り上げが伸びればいいのですよ。しかし、一般的には人口が減りますから、利用者も減る。そうした中でサービスをよくしようと思ったら、経費もかかる。どこを削減するかといったら、人件費を削減するしかないのです。
 当然、我々も気をつけなければならないのですけれども、やはり我々としてもその成果として指定管理者制として、更新のたびにやはりどれくらい経費が削減できたかということを目に見える形で求めてしまうわけですから、逆に言うと本当にそこで働く皆さんが、県民の皆さんですけれども、本当に十分な生活できる環境にあるのかないのか、その辺の保障というものも、やっぱりしっかりこの制度の中で私どもも見ていかなければならない、関心を持っていかなければならないというふうに思っております。そういうものも含めて、逆に言いますと指定管理者制度が労働派遣法と同じように、働く皆さんが不安に陥らないようにすべきだと私は思います。やっぱり、地域の経済、非常に疲弊しておりますけれども、このことが逆にそのスパイラルの一環にならないようにしていただきたいと思いますけれども、最後に知事の感想を求めて質問を終わりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員がおっしゃるように、指定管理者制度を導入すること自体が自己目的化してしまって、そして肝心の地域のための公共施設であるという本質が抜け落ちてしまうことを我々は戒めなければならないと思います。私どもは今こうして指定管理者制度をやってきましたけれども、それはやはり民間のノウハウといいますか、役所ではできなかったことができるようになるのではないかという期待も込めています。これは利用者、住民の方の利便にも合致をすることです。
 みなと温泉館に限らず、例えば障害者の体育センター、これも午後8時閉館であったものが午後9時まで延びたとか、あるいは生涯学習センターも利用料金を下げることができたとか、また氷ノ山では自然観察の機会がふえたとか、また布勢の体育館も単なる器具の説明ということではなくて指導を行うようになったとか、いろいろと皆張り切って、我々は県から委託されて任されているのだから、こういうように利用者に役に立つようにしようということも現実にできてきております。それが利用者増につながったりファンがふえたりしまして収入が上がってくる。収入が上がってくれば、その分はもちろん人件費も含めて運営のほうには回り得るわけではありますし、現にそうなった例も出てきているわけであります。
 ですから、役所が規則で縛って直営でがんじがらめにした上で施設の運営をすることの是非は、やはり問われていいだろうと思いますので、指定管理者制度も一定の領域を持っていいのではないかと私は思っています。その中で議場でもたびたび言われていることでありますが、極端にそこで働く人たちに不利益を与えるようなことがないようにしなければならないわけでありまして、ここでの議論を踏まえて実際にこれから雇用計画、どうしますかというのもヒアリング対象の中に入れさせていただいたわけです。継続して雇用するとか、技能を持った人をちゃんと優遇しておくという計画になっていれば、その分は評価をしていこうという仕組みに改めてきております。まだまだ試行錯誤の面はあるかもしれませんけれども、私たちとしては民間の手法を公共施設の運営に導入をしながら、かつ地域に対して例えば雇用だとか、そうしたことも含めて負の影響を最小限にするように努力をしてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は午後1時再開予定といたします。
       午前11時52分休憩
   ────────────────
       午後1時20分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 35番横山隆義議員


◯35番(横山隆義君)(登壇、拍手)昼過ぎの眠たい時刻に入ってまいりますが、しばらくおつき合いいただきたいと思います。
 サブプライムローンに端を発したアメリカ発の世界不況で、世界じゅうが混乱しております。もともとアメリカはGDPが日本の3倍、それから少し離れて中国でありますが、したがって世界じゅうに影響が及ぶものと理解しております。こういう暗い話の中にあって、きょうの新聞によるとノーベル物理学賞に南部、小林、益川の3氏が選ばれるという快挙がありました。うれしいことであります。日本は賢い者がたくさんいるなと、これを世界に発信できるだけでもいいなと思っております。
 それで「元気な産業 しっかり雇用」というキャッチフレーズで、平井知事は日夜東奔西走、県政発展のため努力されておられます。日本一の努力に敬意を表します。毎日、実に多忙な日程をこなしておられるので、心配なのは知事の健康のことであります。今後も元気でやっていただきたいと思います。
 麻生新総裁が誕生して国政も一新しました。まず、麻生内閣について知事の感想をお聞かせください。麻生首相は秋葉原で若者に大変な人気ですが、それはあの明るい感じが今日の日本にマッチするからでありましょう。モントリオールオリンピックのクレー射撃日本代表選手でもあり、全日本バスケットボール協会の会長でもあります。また、本議場の中にも明るい鍵谷議員がおられます。鍵谷議員は甲子園で主将として活躍され、たしか2回戦までいかれたと思います。監督としても甲子園出場を果たされるなど、活躍されました。だから、元気で明るいのであります。(笑声)
 このたび、新閣僚に本県選出の石破茂議員が農林水産大臣として抜てきされました。次の総理として大いに期待しているところであります。農政については今までも大変お世話になりました。石破議員の手腕に大いに期待しているところであります。格差是正に頑張っていただけるものと確信しております。田舎を理解しておられるので大いに期待できると考えます。
 それでは本題に入ります。昨今は原油高騰でいろいろな産業に悪影響が出ております。その中でも物価高騰が一番であります。本日は農林水産業、運送業の苦境の中、農業に的を絞って知事に伺いたいと思います。もちろん、漁業の苦境も理解しております。伊藤県漁連会長も魚価低迷と原油高騰による漁業の危機打開に奮闘しておられます。
 農業では燃料価格、肥料価格、飼料価格、資材価格の高騰で農家の皆さんが苦境に立っておられます。この件に関しては、会派要望においてさきにお願いし、補正予算で考慮していただいたところであります。特に、農機具を使用する農家は大変であります。加えて、肥料価格は1.6倍、農業資材は2倍になったそうであります。飼料価格は、以前にも補助していただきましたが、悲惨な状況は変わりません。国も補正予算を組んで対応されることになっております。その規模は、農林水産業だけで2,602億円と聞いております。これについて知事の所見を伺います。
 次に、地産地消について伺います。学校給食、病院、福祉施設等、公共性の高い施設においては県内産の野菜や果物、魚介類を少しでも多く使用するべきであります。計画栽培を指導することが重要であります。そのことが県内の第1次産業の発展にも寄与することになります。これについて知事の所見を伺います。
 次に、販売戦略のさらなる拡充について伺います。鳥取県では「食のみやこ」と銘打って、多方面で鳥取県の物産品をPRし販売を促進しておられます。特に東京で開店されたアンテナショップはいかがだったでしょうか。順調であることを願っております。また、大阪、名古屋などの販売促進も気にかかるところであります。現状をお聞かせください。台湾、中国、最近では中東ドバイにスイカ、さらにナシの輸出も計画されていると聞きます。大変喜ばしい限りであります。県では認証食品を決めて頑張っておられ、その効果が着々とあらわれております。さらなる発展につながることを期待しております。
 最後に、農業所得向上政策について伺います。農業の実所得は一部を除き減少の一途をたどっております。最近もうかって何ぼの農業、いわゆるもうかる農業に目線を向けた農業振興を行政は図らなければならないという声をよく耳にします。10年くらい前までは生産規模と所得バランスはおおむねつり合っておりましたが、現在は必ずしもそうではありません。農業は鳥取県の基幹産業に位置づけられておりますが、このような現況を打開しなければ県内の経済環境はますます疲弊することはだれもが予測しているところであります。知事が公約されている経済基盤の充実そのものが揺らぐと危倶するのは私だけではありません。当然のことですが、農が栄えれば多面的効果が芽生え、ひいては県人口の減少にも歯どめがかかります。私は常に農業振興、すなわち農家の所得向上に尽きると考えております。今こそ所得重視の政策を打たなければならないときだと考えます。これについて、知事の所見を伺います。
 次に、少々具体論に入ります。県では、農業試験場、園芸試験場、畜産試験場、普及所の連係プレーによって生産技術の提供及び営農指導等、日々懸命に取り組んでおられますが、それは一体だれのため、何のためなのか、そして何を求めているのか。また、求めているものに対する検証はどうなっているのか、私にはよく見えません。これについて、知事の所見を伺います。また、もうかる農業を実現するために、どのような計画、工程、手段を考えられるのか、あわせて伺います。
 最後に、販路拡大についての知事の努力を高く評価しております。販路の安定拡大は短期では結論は出せませんが、常に初心を忘れず継続していただきたいと要望します。販売は生産があって成立するものであり、逆に生産は販路があって成り立ちます。そこで他県との違いが品質にあらわれなければ、消費者がやがて遠のくと思います。農家のために販路の基盤をつくり、生産基盤づくりをもっと重要視してほしいと考えます。今はもちろん大事でありますが、過去の実績の積み重ねが今なのであります。さきに質問した、だれのため、何のため、何を目標にしているのか、それぞれの視点ではっきりさせながら研究に励むことが将来のもうかる農業の今となります。
 もうかる農業の確立は国策から見ても非常に困難な現実があります。農業に本気で取り組んでおられる農林水産大臣の石破議員や赤沢議員と一緒になって農業の発展に頑張ってほしいと考えます。
 次に、医師確保対策について伺います。
 2004年に必修化された臨床研修制度によって、研修医は病院を選べるようになったため、都市部の病院に集中しました。地方大学は人材確保が困難になりました。医局制度が機能していた時代には僻地の病院にも医師が派遣できたが、人材供給力は診療科を問わず低下し、関連病院から医師を引き揚げざるを得なくなり、その結果、診療縮小が切実な問題となったのであります。
 鳥取県では、医学部の定員増や奨学金などの対策がとられ、対応に全力を挙げておられるのは皆さん御承知と思います。先回の県外研修で、千葉県の東金病院に研修に行きました。そこでいろいろ勉強をさせていただきました。
 問題点として幾つか提起されました。1つは、すぐれた研修医を育てること。1つは、学会ごとの認定教育施設が必要であること。鳥取県では認定教育施設が7病院あるとのことでした。この7つの病院で研修すれば内科の認定医になれるそうであります。内分泌学会では2病院、日本家庭医療学会では生協病院だけであると聞きました。
 結論的に言うと、認定病院になるような努力が必要であるとのことです。さらに言えば、鳥取県では内科学会の教育施設の認定をふやすべきであり、人口60万人規模なら研修を県一つでしてもいいくらいであると言われました。また、教育資源、いわゆる認定施設がどのくらいあるかを学科別にマップに落として偏在を確認すれば、そこから対応策が見えてくるのではないか、60万人に7病院あるのが鳥取県のポイントで、魅力的である、あと一歩だと激励されました。最後に、県の施策として指導医をふやし、認定施設をふやす仕組みを考えることである。つけ加えると臨床研修病院として教育機能を充実させることで若手医師の確保が可能になると助言されました。
 また、診療分野別の診療に限定される内科系専門医よりも、内科疾患を全人的に診療できる総合医、家庭医の育成を目指すべきであると言われました。東金病院では、スペシャリストではなくプライマリーケアのできるゼネラリストを育成した結果として若手医師が集まり始めたそうです。
 鳥取県の医療充実は喫緊の課題であります。これについて知事の所見を伺います。
 壇上での質問は終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、サブプライムローン問題など非常に厳しい経済状況にあるという御認識でありますが、きょうもやはり株価が1万円を切ったというスタートになっておりまして、世界同時株安の状況はいまだ解消されたわけではないわけであります。今後G7によって各国が集まって対策を練ろうという動きになってきておりますが、ぜひ実効ある対策を打ち出していただき、この金融危機打開を図っていただきたいと私も念願する次第であります。
 ノーベル賞につきましては、先ほどコメントをいたしましたとおり、国民として今回の慶事をまことに心から喜びたいと思いますし、後に続く若い人たちの育成に鳥取県としても力を注ぐべきだと考えております。
 また、鍵谷議員を引き合いに出されましてスポーツから元気で明るい、そういうことというお話もございました。謙虚な横山議員は御自身のことをおっしゃいませんでしたけれども、横山議員も陸上の選手として、そしてコーチとして、そして元気で明るい県政を引っ張っておられるというふうに認識をいたしております。
 さて、麻生総理についての感想ということでございます。麻生総理は確かに今、非常に厳しい政治的な不透明な状況の中で、よく総理という仕事を引き受けられて頑張っておられるというように思っております。今、国会の論戦もスタートをいたしております。まず所信表明演説を行い、代表質問、また予算委員会と議論が進んできております。麻生総理のキャッチフレーズは、日本は強くあらねばならない、明るくなければならないと、こういうように説いておられるわけであります。確かに今の日本はどうも内向きになっているのだろうと思うのです。経済情勢が決していいわけではありませんけれども、昨晩のノーベル賞の受賞に象徴されますように、やはり日本人が切り開いてきた知恵、そして勤勉性、こういうものはいま一度十分考え直してしかるべきものだと思います。
 そういう技術力だとか、それから、それぞれの人間の持つ光り輝くような能力を十二分に引き出すことで、国際社会の荒波、景気の荒波を乗り切っていく、これこそが新しい姿勢だと思います。その意味で強くあらねばならない、明るくなければならないというその一つのキャッチフレーズには私も賛同させていただきたいと思います。
 そして、現在の麻生政権の初めの政策でございますけれども、従来の構造改革、改革だけでやっていくということではなくて、やはり景気が第一だとはっきりと明言をしてわかりやすく議論を起こしていることは評価に値すると思います。
 現在、国会の予算委員会の議論も進んでいて、採決という運びではないかと思いますけれども、民主党も賛成をして補正予算を衆議院を通過させようかという動きになっておりますことは、国会が現在の経済状況を正面から受けとめて、正常に機能しているあかしではないかと考えております。
 また麻生総理のキャラクターでございますが、秋葉原という御紹介がございました。スポーツ選手ということに加えて、ポップカルチャーを趣味といいますか御自身楽しんでおられるということであります。
 これは、私は日本のこれからの売りを考えたときに、ポップカルチャーというのは決して無視できないと思っています。鳥取県も実はそのメッカになり得る資格があると思っています。水木しげる先生ですとか青山剛昌先生、これに代表されますように漫画をはぐくんできた地でありますし、いろいろな舞台にもなってまいりました。さらに今度は新しい映画を撮影をしようということにもなりました。昨日発表されたところで「銀色の雨」という映画を鳥取県の米子市を舞台として撮ろうではないかと。あの朝日町の少しタイムスリップしたようにも見える、余りいい言葉ではないですが、やや陰のあるといいますか、見ようによってはそういうように見える、そういうのがちょうどその映画のシーンのイメージと合うのだろうと思うのです。それを見直して米子のいろいろな町並みと重ね合わせて、人間ドラマを描き上げようというプロジェクトが進んでいるわけでありまして、「ゲゲゲの鬼太郎」のような映画とか「妖怪大戦争」に加えて、こうした本格的な映画の舞台になることも喜ばしいことだと思います。
 こういうポップカルチャーといいますか、大衆文化といいますか、そういうものを私たちも大事にしながら、鳥取県を打ち出していく戦略は考えられていいのではないかと思いますので、麻生総理のキャラクター、麻生総理の今引っ張ろうとしている日本の政策誘導についても、我々も合致していく面があるのではないかと思っています。
 石破茂大臣のお話もございました。農林水産大臣として抜てきをされました。これは議場で既に述べたことでありますが、鳥取県の農業、中山間地域、また漁業の状況、さらに林業が迎えている非常に厳しいシチュエーション、こういうものを深く地元で理解をしておられる石破大臣にこれから農政を組み立て直していただきまして、現場主義の我々のような地域が発展をするような農林水産業政策に導いていただきたいと念願をいたしております。
 あわせて、食品問題、相変わらず絶えない問題がございます。このたびも県内でもお菓子で汚染されていたと言われるものが流通していた、そういう報道もなされております。健康への害悪はないとされておりますけれども、この温床となるような食品の流通の問題に深くメスを入れていただきたい、これもお願いをしたいと思います。
 次に、農業につきまして、燃料、肥料、飼料、資材の価格高騰で農家が不況に陥っている。県も補正予算で会派要望を受けて打ち出したところでありますが、国も農林水産業だけで2,602億円の補正予算を組んだわけであると、これに対する所見を問うということであります。
 農業も漁業などほかの産業と同じように燃料や肥料、原材料高に悩んでいます。議員が御指摘になりました中でも、特に肥料でありますが、7月をベースにして計算してみますと4,400円ぐらい10アール当たり高い計算になるだろうというように言われておりまして、このぐらい影響が出てきております。燃料も農業の形態によりますけれども、やはり2,000数百円ぐらいの影響はあるのではないかと言われておりますが、それを上回るのが肥料高の問題であろうと思います。
 今回の2,600億円の補正予算の中に、新たに入れられましたのが農業についての価格補てんの考え方であります。当県としても、そういった趣旨の要望をいたしておりましたが、盛り込まれたところであります。価格補てんを、その肥料の使用を2割カットした場合には7割の価格高騰の補てんまでやりましょうというそういう事業でございまして、500億円が盛り込まれているところであります。これは大いに期待できると思いますし、当県が今回、この議会のほうに提案をさせていただいております肥料を減量してやっていくコストのかからない農業のプロジェクトとも合致するわけでありまして、相乗効果でいい影響が出るのではないかと期待できるものであります。
 今出て予算審議中でございますので、本議会には間に合わないと思いますけれども、きちんと整理をして12月の議会には所要の予算を提出させていただきたいと考えております。このほかにも、畜産農家が非常に苦しんでおりました飼料高を補てんする基金がございますけれども、これについても85億円の予算増が認められているなど、大変に評価できる内容が含まれていると思います。予算が成立すれば、私どもよくよく精査をさせていただきまして、JAだとか生産農家の方々にも周知をいたし、きちんと我々の対応策も考えて12月の議会に向かってまいりたいと思います。
 次に、学校給食、病院、福祉施設、公共性の高い施設について、県産の野菜、果物、魚介類を使うべきであると。その意味で計画栽培を実施すべきであるという御指摘でございます。
 地産地消を推し進めようということで私ども、「食のみやこ鳥取」の一環としてぜひに議員の御指示に従って進めていきたいと思います。学校給食におきましては、今のところ54%が自給、県内産のものであるということでありますし、福祉施設でありましたら、県立の社会福祉施設でしたら60%というような水準になってきております。少しずつ上がってきておりまして、我々としてはただこれに満足することなくさらに上を目指そうと具体的な取り組みをやっています。今までやってみて効果がありましたのは、学校給食などで栄養士さんに理解をしてもらうことです。栄養士さんのほうで、地元でとれる農業生産物を使えるようなメニューを組んでもらう、もちろんロットの問題もありますので、そういうタイアップができたところは地産地消が非常によく進んでおります。こういうような経験を県下一円に広めていくことが一つだと思います。
 議員がおっしゃるように計画栽培をして、これだけのロットのものをつくりましょうというのも効果はあるとは思うのですけれども、一番隘路になりますのは規格に合ったものを大量に用意をすることでございます。ですから栽培以上にその加工だとか貯蔵だとか、こういうことが大切になってまいります。
 現在JA鳥取中央では、そうした貯蔵などで学校給食とタイアップしたプロジェクトを考えられないかとしておりますし、西部のほうでは業者さんが凍菜加工、葉っぱ物の野菜を凍らせてそれで加工して貯蔵して、ある命じられた時間に命じられた給食センターのほうへ供給をすると、そういうことはできないだろうかと模索を今しております。その辺の施設が実は県内にちゃんとございませんで、岡山から買っていたとかそういうことで、結局は岡山県産の野菜を使っていたような事情もございました。こういうように具体的に手を打って地産地消を給食について進めてまいりたいと考えております。
 次に、「食のみやこ」として物産品のPR販売を促進していく、東京のアンテナショップの状況でありますとか、大阪、名古屋の販売促進の現状を問うということでございます。
 詳細は市場開拓局長のほうからお話を申し上げたいと存じますが、おかげさまで東京のアンテナショップ「食のみやこ鳥取プラザ」は順調にスタートを切れたと伺っております。例えば物産の1階のフロアも9月いっぱい、決算をとってみますと、月間で1,000万を超える売り上げになりまして、目標を大きく上回った状況になっております。ですから、順調にスタートを切れているということでございまして、これもひとえに議会の皆様、また関係者の皆様の御尽力のたまものと感謝を申し上げたいと思います。
 我々は委託方式をしておりますので、実際には委託をした業者さん、事業者の方に汗をかいていただく部分は多いわけでありますけれども、県もこうしてせっかく開いた東京の窓を活用できるように、これからさらに改めて商談会をやる予定にしておりますし、つまりそこに出店する事業者さんの候補者の皆さんとの商談会をやるとか、きちんと展開を図っていきたいと思いますし、例えばポイントカードみたいなものとか利便性を図るような仕掛けについても、委託事業者も交えて話し合っていきたいと思っております。
 大阪ではナシとかスイカの販売促進をやったり、私も、県議会の皆様にも御視察をいただきましたが、幼稚園のほうに出かけて食育かたがたPRをさせていただく機会を持たさせていただくなど取り組みを進めております。今では大阪のスーパーマーケットでも奥日野のコシヒカリを定常的に取り扱うとか、さらに梨酢を定常商品として使おうというお店が出てくるとか、徐々に拡大をしてきているなという手ごたえも感じるようになりました。
 名古屋とか福岡でも物産展をやっております。福岡では、コカ・コーラウエストのCEOにもお出ましをいただいたり、また、県政顧問の米濱顧問にもおいでをいただきまして、CEOや米濱さんにも一緒になってグッズを配っていただきながら、物産展、私も岩田屋本店でやってまいりました。そこでもいろいろと反応がよかったと言われています。例えば中部のお団子がよく売れたとか、具体的に数字も上がってきております。東京の三越の銀座店でも同じような物産展をさせていただきました。八頭郡の鶏卵業者のお菓子など、これも非常に手ごたえのある売り上げがあったという成果も出ています。私もそちらのほうに伺わさせていただきました。詳細はまた報告をさせていただきますが、これからもこうした各地での商談会など活発にやっていきたいと思いますし、議員から御指摘いただきましたドバイだとか、あるいはロシアの沿海地方へのナシの売り込みだとか、そういうスケジュールもございます。県も一緒になってこうした打って出る農業の振興に努めてまいりたいと思います。
 次に、もうかる農業につきましてお尋ねをいただきました。今こそ農が栄えれば多面的効果が芽生える以上、所得重視の政策を打ち出すべきではないかということでございまして、これはごもっともなことだと思います。県もまさに同じ思いを持って今突き進もうとしているところであります。具体的には、やはり品目別に進行していくということになろうかと思いまして、ナシだとか、それから米とか牛とか、そのように品目別のプランをつくってきております。米や牛はまだもう少し時間がかかりますけれども、そこの時間がかかっている中で実はお米の販路をどういうふうに開拓をしていったらいいだろうか、新しい販売体制というのはどう構築すべきかという議論をかなり精力的にやっておりましたり、あるいは牛で言えば今非常に子牛の値段が下がってきたり、それから肉の値段が下がってきたりしておりますので、そういうものをはね返していくだけの力を持たなければならないだろう。そのための具体的な対策も含めて今話し合いが進んでいるところでございますので、やや時間はかかっておりますが、こうした取り組みを進めてまいりたいと考えております。所得をふやしていくためには、チャレンジプランだとかいろいろと持てるツールを積極的に活用していきたいと思います。そしてその具体的な取り組みとして議員のほうから今強調されたのが、農業試験場などの試験場と普及所の連係プレーがきちんとできているのだろうか、これが所得向上のもうかる農業につながっているのだろうかという御指摘がございまして、しっかりと計画をつくったり、それから戦略を練ったりしなければいけないのではないかという御叱咤をいただいていたわけでございます。
 この点につきましては、詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと存じますけれども、例えば幾つかのテーマがあると思うのです。例えば品種改良をやって付加価値の高い、要は高く売れるような産物を出していこうとか、それから今の消費者ニーズに従いまして、安全安心なものを、例えば有機栽培だとかそういう取り組みをさらに強化していこうとか、また市場競争力を高めるような低コストの生産なんかを進めていただく、こういろいろな研究テーマはあると思います。
 1つ例をとってみれば、品種の問題では長年かかって生育させてまいりました「新甘泉」、それから「なつひめ」、これをことしから市場にテスト的に出させてもらいました。まだテスト段階なので順調にいっているとは明確には申せないと思います。例えば、「なつひめ」であれば我々のほうで糖度11.5の基準を設定したのですけれども、なかなかこれを全部がクリアすることはできません。むしろ多くはクリアできずに海外などへ出させていただくほうへ回させていただいたとか、苦労をしております。しかし、そういう中でも「新甘泉」など市場のほうで一定の評価をいただいております。東京のアンテナショップでも出させてもらいました。最初は一玉1,000円で売っていたのですけれども、1,000円ではさすがに売れなかったみたいでして、ただ700円に下げましたらしっかり売れたということであります。かなり単価が高く評価をしていただける。大阪でもこの9月に入りまして、こういうフルーツだとか野菜などのマイスターの皆さんに試食をしていただきました。これも好評でございまして手ごたえがありました。市場関係者のほうでも、テスト販売で実際にやっていただいたところのお話も入ってきておりますけれども、いろいろとまだ欲をいえば課題はないわけではありませんけれども、ただこれが定常的に供給されて品質の一定のものが入ってくれば有力なものではないかという話は入ってきております。こうしたもうかる農業につながるような試験研究体制、これからも強化をしてまいりたいと思います。
 最後に医師確保についてお話をいただきました。議員のほうでは千葉の東金病院を視察をされ、具体的な取り組みについて見聞を広められたとともに、アドバイスをもらって帰ってきたというお話がございました。
 今の課題にありましたように、指導医を確保するとか、それから病院としての認定診療機関の資格を取る、あるいは研修に入ってくるようなちゃんとした誘い込みをやるとか、体制づくりの問題だとか、いろいろと我々のほうで手がけなければならないことはあろうかと思います。
 総合医、家庭医につきましても、平成22年度になればプライマリーケアとか総合医とか家庭医も学会が一つになりまして、一つの資格になってくると思うのですけれども、それを目指して日南病院だとかいろいろなところでも取り組みが始まってきております。いずれにせよ、現在確かに人口当たりの医師数、全県で見れば充足しているように見えなくはないのですけれども、ただ子細に診療科目ごとを見るとか地域を見るということになりますと、現実に医師不足が発生している状況にあります。その大きな原因は研修医の受け入れが十分できていないということに尽きるわけであります。
 この近在で言えば、倉敷の病院とか人気もあって入ってくる病院もたくさんあります。そうした先進的な病院の状況なんかもよく把握をさせていただいて、県内にある7病院のネットワークをもっと組んでというお話がございました。そういうことを進めて医師の確保に努めてまいりたいと思いますが、その状況などにつきまして部長のほうから御報告申し上げます。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁を求めます。
 磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)医師確保の施策の補足答弁をいたします。
 議員のほうで東金病院に行かれて視察され、先ほど御提案のありましたことはごもっともだと思います。確かに研修医70人募集していても、今半数もいない30人しか集まっておりません、7施設で。その原因は鳥取大学においでになっている学生さんが地元のほうで研修なさる、出身地の地元のほうで研修されたりとか、いろいろな要素がございますけれども、鳥取県といたしましても臨床研修指定病院協議会、先ほどの7病院でつくっておりまして、会長は武田県立中央病院長ですが、いろいろ努力をしております。関西の研修医の集まるところでPRをしたりとか、また指導医につきましても現在、県下で157名おります。その中堅の層の先生というのはお忙しくて、指導医になるためにはまたさらに指導医のための研修を受けに行かなくてはなりません。そこのところもふやしていただくように、関係機関と連絡をとっているところでございます。また、おっしゃったプライマリーケアのできる先生につきましても、先ほど知事が御答弁したように22年には学会が一つになりますし、そちらに向けても取り組んでまいります。
 いずれにいたしましても、鳥取大学を初めとして関係施設と連絡をとってさらに充実に努めてまいりたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)次に、河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)補足答弁をいたします。
 農林関係の試験研究機関のミッションをどう考えているのだと、それで今後もうかる農業を実現するためにどういうふうにしていくのだというお尋ねだったと思います。
 試験研究の目的というのは、今さら言うまでもなく新しい品種ですとか技術を開発し、品質の向上、それから収量のアップと安定、こういったことをやって農家の所得を伸ばすこと。結果としてもうかる農業を実現するということで、全くこれについては議員と同感であります。もっと言えば、消費者、生産者のニーズに沿った試験研究を効率的に行って、その研究の成果を速やかに現場への普及につなげるということだろうと思っております。
 これまでも試験研究機関の成果が普及した例というのは地味ながらも多々あるわけでございます。ちょっと名誉のためにも2~3紹介をさせていただきたいと思いますけれども、農業試験場で言えば、種もみの段階で農薬を使って消毒をしていたということが以前はあったわけですけれども、これをお湯で温湯消毒をする、こういう技術を確立して普及して、今大半の米についてはこの温湯消毒のもみを利用しているとか、それから園芸試験場で言えば「ねばりっこ」の開発ですとか、それから今たくさん話が出ていますけれども、ナシの新品種の開発でございます。
 畜産試験場で申し上げれば、DNA解析の技術ということを活用して種雄牛の候補牛というようなものを選抜をしていると。結果として「勝安波」といういい種雄牛が出て、後代検定もどうもクリアしそうだというような成果も出ているところであります。
 中小家畜試験場につきましては、古くなりますけれども、大山地鶏のもとであります「鳥取ピヨ」と、こういうものを作出いたしております。
 また林業試験場につきましては、従来、杉というのは合板とか集成材の加工に余り使われていなかったのでありますけれども、県下の工場と共同研究等をいたしまして、杉を使った集成材、合板、こういったものの技術の開発、こういったことはやってきているわけでございます。
 さらに、今後効率的、効果的に試験研究をやるために、実はこの4月に農林総合研究所を立ち上げまして、5つの農林関係の試験所を統合いたしました。その中で基本方向というのを定めております。大事なことはこういうことですよというのを定めております。1番目は市場に打って出る魅力のあるオリジナル品種の育成、それから高付加価値化技術の開発ということで、具体的には品種の育成ですとか、例えばおいしい鳥取和牛の創出、こんなことであります。
 2番目には、消費者の求める安全安心、それから高品質な農林産物の生産技術の開発ということで、有機ですとか特別栽培の農産物の技術研究、あるいは天敵を利用した技術ですとか、こういうことをやる。
 3番目には、市場競争力を高める低コスト生産、経営管理技術の開発ということで、これについては多収米ですとか加工用の野菜の生産技術、こういったことにも取り組むということにしております。
 最後4番目でありますけれども、自然環境と調和をした資源循環システムの開発ということで、有機質資源のリサイクル、こういったものにも力を入れていくと。4つの重点項目に一応絞ってやっていくということです。さらにこの研究の質を高めるという意味で、今年度外部評価制度を創設しております。これは、生産者、それから消費者、それから学識経験者、それから他分野ですね、工業とか他分野の研究施設の関係者の方、こういった第三者の評価委員会を立ち上げまして、質を高めるために審査をしていただくというようなことを始めておるところであります。
 いずれにいたしましても、もうかる農業の実現のためには、農家からの意見をよく聞くということがまず第一でございますし、現場の課題を多く取り上げることが必要だというふうにも認識しております。その課題を解決するということで試験研究をなるべく早く実施する、品種を育成する、技術を確立するということだと思います。また、その先に普及所がございますけれども、その普及所はその品種ですとか技術を農家へ伝達して、高品質で安定栽培のための指導の徹底、及び経営のほうのアドバイス、こんなこともやっていく必要があるというふうに思っております。
 以上のようなことを心構えとして持って今後も取り組んでいきたいというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)次に、森安市場開拓局長


◯市場開拓局長(森安保君)販路拡大の現状につきまして、補足の答弁をいたしたいと思います。
 まず、「食のみやこ鳥取プラザ」でございますけれども、8月29日にオープンいたしました。9月末現在で物産販売につきまして、お買い物いただいたお客様の数が1万人を若干上回っております。それから売り上げにつきましても、今まで9月末で1,200万円を若干上回るというようなところまできております。レストランにつきましても、来店客数で2,400人余り、売上高につきましては700万円を若干下回ると。まずまず順調なスタートを切れたものと思っております。中でも大山のソフトクリームですとか二十世紀ナシ、それからちくわですとかラッキョウの漬物といった、鳥取県を感じさせるものが実際に売り上げの上位に来ております。こういった品物は鳥取県の豊かな自然ですとか安全安心といった商品の特性を持っております。今後の首都圏での販路拡大の可能性を十分秘めて、今の段階を示しているものと思っております。
 ただ、現在の状況は実際に開業効果というのが見逃せません。実際マスコミにも頻繁に取り上げていただいておりまして、今の結果が出ております。そういったことをかんがみてみますと、できるだけ話題性を絶やさないようにつくっていきたいというぐあいに思っております。
 その一つといたしまして、第2回目の鳥取県のアンテナショップの商談会、県内の産物を掘り起こすような商談会を10月の、今月の27、28日でございますけれども、倉吉市におきまして開催をし、鳥取のいいものをぜひ発掘して商品の充実に努めてまいりたいと思っております。
 県外での物産展などでございますけれども、先ほど知事の答弁にもありましたが、百貨店などで年間に10回、今開催をいたしております。大手の三越さんでございますとか、あと岩田屋ですとか、そういった話題性のあるところ、販売が伸びるところを中心に物産展を開催をいたしております。関西におきましても、大丸ピーコックにおいて月に1回ずつ必ず定期的なフェアを開催いたしまして、商品の拡大を図っております。実際にお米ですとか、それから漬物ですとか、今度11月からは若桜町のハムとかソーセージなどについても、常設化といいますか定番化が図られる予定となっております。今後も引き続きまして、鳥取県のそういう良質なイメージを持ったいい商品を県外に販路拡大を図って、「食のみやこ鳥取県」が広まっていくように努力してまいりたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)35番横山議員


◯35番(横山隆義君)答弁をいただきました。では、続けてちょっとだけ質問をしたいと思います。
 議長の許可をいただいて皆さんの机上に本県の主要農産物の過去の出荷量のピークと現在の比較を配付しました。この資料によりますと、二十世紀ナシは昭和49年がピークで出荷量が約8万9,710トン、現在は約8,558トン、実に最盛期の11%であります。販売額も121億円から現在は27億円余であり、ピーク時の23%であります。同様にスイカでも昭和51年のピーク時から出荷量で24%減、販売額で57%であります。ナガイモが昭和59年ピーク時で今11%、販売額は10%であります。そして白ネギが20%で販売額が44億から31億の71%であります。少子高齢化の波が押し寄せたとしても、何とかする必要があると考えます。生産体制の再構築について、知事の所見を伺います。ブロッコリーは新顔でなかなか健闘しております。ラッキョウは昨年はやや豊作貧乏ぎみですが、加工でもっと頑張らなくてはいけないというぐあいに思います。
 ロシアのレストランでは、鳥取県の食材、特に二十世紀ナシ、さらにスイカが人気であると昨日言っておられました。チャンスを生かすためにも生産を考える必要があります。これについて、何か知事の所見を伺います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)農産物の生産振興について重ねてのお尋ねをいただきました。
 確かに二十世紀ナシ、かつてのピークに比べますと11%の出荷量、販売額が23%と、本県の顔のような生産物でありますけれども、こういう状況にあるということであります。中には確かにナガイモみたいなものは、中部だとラッキョウのほうに植えかえが進んでいるような面もありまして、必ずしも一概には言えないと思うのですけれども、ただそれぞれにやはり魅力のある商品として市場に打って出なければならないだろうと思っております。そのためには、先ほども申しましたがナシであればナシについてのビジョンを考えようではないかと、それについてやっていこうということでやっていまして、ことしも当初予算の中で組まさせていただいておりますけれども、網をかけて余り手間のかからないようにして、しかも袋かけを少なくして糖度を増すようなそういう生産方法を試してみようとか、いろいろとやっております。特に新しい品種への転換というのも大きなモチベーションになるのではないかというように考えております。
 スイカも「どんなもん台」という台木をつくったりいたしておりますけれども、「極実」スイカなどは東京市場でも随分認知をされるようになってきました。やはり外に持っていって付加価値をつけてもらう、評価をしてもらうこともこれも必要だと思いますし、議員のほうでお話がありました外国へ売ってみるというのも、翻って日本のほうの市場の評価を高めることにもなりますし、注目しなければならない手法だろうと思います。現在、いろいろと悩みが多く、特に肥料高だとかそういう問題が発生しておりますので、今々はそこの解消に努めなければならないだろうと思っています。
 この9月から私どものほうでプロジェクトを立ち上げまして、こうした肥料高などに対応するものだとか、それから新しい生産物ができないかとか、プロジェクトをつくって庁内で検討を始めたところであります。これからもJAの皆さんなどと意見交換をさせていただきながら生産振興を図っていきたい。そうやって中山間地の耕作地を失わないように力を出していきたいと思います。
 具体的なプロジェクトの取り組みにつきまして、農林水産部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)この7月から取り組んでおります穀物、飼料、資材、燃油高騰に対応する農業緊急プロジェクトの概要についてお話をしたい思います。
 今回のプロジェクトは、こういった資材の高騰、一方で自給率が下がっているという、それで耕作放棄地がふえているという、こういったいろいろな要素、それに加えて海外との穀物の価格差がひっついてきたということがありまして、何とか鳥取県の農地を有効に活用しようというのがもとでございます。
 プロジェクトは5つございまして、そのうちの4つはいずれも飼料用の米をつくるですとか、和牛を水田に放牧をする、それから水田で米粉用の米をつくれないか、多収の米をつくれないか、あるいは水田に今まで大豆とか小麦というようなもので転作を進めてきておりますが、条件の悪いところの水田ではつくるのもなかなか難しいということがあって、そこで新たな新規作物、中山間地でも水田でちょっと稼げると、そういった作物が検索できないかなと、そういったことを検討するプロジェクトでございます。
 最後の5番目でございますけれども、肥料、燃油が高いわけですから、これをいかに削減していくか、省エネ型の農業ができないかということで、今特に肥料の節減プロジェクトに取り組んでおるところであります。
 ぜひとも、来年の21年作から安い肥料のコスト体系で取り組めるように頑張っていきたいというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)35番横山議員


◯35番(横山隆義君)この間、新聞を見ていましたらなかなか手厳しい投稿があったりして、ちょっと紹介しますが、農業が基幹産業だと標榜する政治家や評論家には困ったものだとの投稿が新聞に掲載されておりました。結果的に普及しない新品種や技術開発だけが目立つ公的研究機関、相変わらず市場流通に偏った販売形態であると意見を述べておられます。かなり手厳しい投稿でした。しかしながら、考えさせられることもありました。それは次のような意見です。
 これからは、消費者の都合を重視、または逆にファンになってくれる消費者そのものを産地が育てる、この実践こそが最大の販売戦略となるはずである。以上このことについて知事の所見を伺いたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員から重ねて農業についてをお尋ねをいただきました。
 今の新聞投稿のお話を伺いますと、私は我々が今悩んでいることの本質をついた投稿ではないかと思っております。新品種につきまして研究者の、我々のほうの要は研究しやすいもの、あるいは研究したいものを研究するのではなくて、市場のほうを向いて、あるいは農家のほうの、例えばコスト低減だったらば農家のほうを向いて現場に即した研究テーマを設定したりしなければならないのではないか。これはおっしゃるとおりだと思うのです。それで昨年は大議論をしまして、農業関係の農業試験場だとか園試だとか、こうしたものが農業の技術員として改組されておりましたけれども、これを独立法人化するかどうかで大騒ぎをさせていただきました。
 その結果として、行政の直営としてやろうということにはするけれども、しかしそのためにはコストダウンも図り、それから現場で農家の方々の御意見を聞くような研究体制にしようではないかと、それで実際に会議もつくりまして、農業者との協議の場だとか外部評価をいただくような仕組みに切りかえてきているところであります。ぜひその投稿者の意図に沿うような方向へ転換をしてまいりたいと思います。
 あわせまして、市場の流通に頼り切った形態がいけないのではないかと。これもおっしゃるとおりです。だからこそアンテナショップをやったり、あるいは物産展をやったりしまして、新しい販路開拓に我々も応援をさせていただこうといたしております。現実問題、農業者の方がいろいろなところとタイアップをして組んでやっていることもふえてまいりました。先般は、京都大学の前の総長の尾池さんに来ていただいたのですけれども、そのときにお話をさせていただいたことは、ビールをつくっていると。これは早稲田大学と京都大学で共同でビールを開発した。その名は「ホワイトナイル」とか幾つかブランドがあるのですけれども、このビールは要はエジプトのナイルで古代文明の中で育てられた麦からつくったビールをつくろうではないかと。早稲田には高名なエジプト学の先生がおられます。京都大学の農学部なんかとタイアップをしてそういうことをやろうと。ここに麦を供給しているのが県内の八頭郡の農場でございまして、そんな話もさせていただきました。これは全く直接の相対のものでございます。有機栽培でしっかりとした栽培をやるということで、信頼されて納入をしているというケースになります。
 このようなことで、私たちは直接送り込むということを考えなければならないだろうと思うのです。スーパーマーケットなども市場を通しながら価格設定をしてやるというようなケースもありますが、直接送るようなケースもあります。非常に喜ばれるのは、生産者がだれかがわかるケースでありまして、こういうことは私たちも肝に銘じなければならないと思います。それが3点目にお話しになりました鳥取県の産物に対するファンを消費者の中にふやしていくことこそ王道ではないかという御指摘であります。
 私たちはやはり鳥取ということで人口が少ない、ある意味田舎ではないかというレッテルを張られがちであります。しかし、これは逆手にとってみれば大山の水はおいしいというイメージがあるように、私たちが生み出す農産物というのは清らかな大地と水にはぐくまれ良心的な人たちにつくられた農作物であるというイメージが自然にあるわけであります。ですからこういうことを生かして私たちのこの鳥取ブランドで売っていく、それを消費者のファン獲得につなげていくことが大切だと思います。
 一つ一つ地道な取り組みが要ると思うのです。例えば神戸女子大学で鳥取県の中部からスイカを持っていきまして、スイカフェアをやります。これは大学の学長さんもお勧めのイベントになっていまして、卒業生は当然、将来は鳥取のスイカのファンになるでしょう。その方々が御家庭に入ったり、あるいは職場で活躍されたりして、そういうときにいろいろとコミュニケーションで広げていただくことにもなるのではないかと思うのです。こういういろいろなPRの取り組みなんかを具体的にやることで、今投稿者がおっしゃるような問題意識にこたえていく農政の転換が必要だと思います。


◯副議長(上村忠史君)35番横山議員


◯35番(横山隆義君)最近は世界じゅうが不況になるだろうと思いますが、円高、株安で大変なことになったと思っておりますけれども、その中にあっても雇用確保を農林水産業で考えられないかなと思っております。場当たり的な補助よりも後継者の確保、担い手を創意工夫で従事させることができれば雇用の確保と大規模農家の育成につながると思います。兼業農家、零細農家を助けながら、そういうことを考えると働くところがないというような話はないというように考えます。これについて知事の考えをちょっと教えていただければいいなと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)人間の生活は衣食住であると言われるわけです。すなわち食は絶対に欠かせないものであります。ですから人類がこの世に生きとし生ける限り農というものは必ず必要な産業である。日本が今失いかけているのはこの農であると私も思います。農業の食料自給率がカロリーベースで現在40%というふうに言われます。非常に悲しいことだと思いますし、この現実を打破していかなければならないわけであります。
 実際に、各国で食料の争奪戦がこれから始まろうということになると思います。日本もうかうかしておれませんのは、すぐ近くに人口の集積地があることです。中国しかり、あるいは東南アジア、またインド、こういうところに世界じゅうの人口が集中をしているわけであります。これと向き合ったところで食料を確保するためには、自給生産をふやしていかなければならないのが、国家としての大命題だろうと思います。しかしながら、最近ここに目が必ずしも行っておりませんで、要は農業もひとり立ちしなさいと、この議場でも随分そういう議論もしたわけでありますけれども、その農業のひとり立ち論に目を奪われて、本当に現実可能な生活を営めるような農業のあり方に対して、十分な配慮がなかったのではないかと私は思っております。したがいまして、今順々に農政の転換を図っていただきたいという気持ちであるわけでありまして、その中心的な課題はその兼業・零細農家のところにあると思います。
 米づくりをしておられることからいえば、今までは大規模農家中心でありました。しかし、もっと集落営農とかそういうやり方も考えなければならないと思います。これを後押しするような施策を県でも機械化などにひっかけましてこの予算に組まさせていただいておりますが、国も従来の助成事業に乗る集落営農だけではなくて、基盤安定とかいうことではなくて、そういう幅広い集落営農なんかの支援なんかも本当はやるべきであろうというふうに思います。そうやって農業のあり方の構造転換を図っていくような施策を国に対して求めていきたいと思います。
 県としては少しでも農業者の所得をふやすために、先ほど申しましたように品種改良だとかあるいはさまざまなところに販路開拓を求めて、鳥取のブランド力を上げるような営みをやっていきたいと思います。私は「食のみやこ鳥取」という名前が徐々に県内外に浸透しつつあると思っています。これを大切にしながら、今おっしゃるように農業でも食べていけるような、そういう社会を目指したいと思います。
 現実には、農業とあわせてやはりサラリーマンをやりながらという方が多いものですから、「元気な産業 しっかり雇用」、そうした職場の確保、企業誘致やあるいは既存の企業の拡大などもあわせてやるとともに、農業をしっかりと振興する、これがあるべき姿ではないかと思います。


◯副議長(上村忠史君)35番横山議員


◯35番(横山隆義君)いろいろ多方面で質問をさせていただきました。知事の向かわれる方向も大体よくわかりますし、頑張ってほしいと思いますし、知事の味方はいっぱいおりますから、全力で鳥取県のために、知事は県外から来ておられて頑張ってくれるわけですから、鳥取県の出身者はもっと頑張らなくてはいけないと思っております。頑張って協力しますので、ぜひ頑張ってください。質問を終わります。ありがとうございました。


◯副議長(上村忠史君)暫時休憩いたします。
       午後2時26分休憩
   ────────────────
       午後2時59分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 5番浜田妙子議員


◯5番(浜田妙子君)(登壇、拍手)お疲れのことと思います。今議会、これまでに21人の皆様が一般質問に立たれました。そしてお二人の代表質問を合わせますと、23人の議員の皆さんの活発な御議論が展開されました。最後になりました。あと一息ですので執行部の皆さんもお疲れだと思いますが、よろしくお願いをいたします。
 通告に従いまして、きょうは障害者福祉について、知事とそして教育長にお尋ねいたします。
 先ごろ北京オリンピックが大きな話題を呼びました。そのあと開催されました北京パラリンピックも3週間ほど前の9月17日に多くの感動を残して閉幕いたしました。障害のある皆様があれほどまでに御自分の限界を、可能性を広げられるものかと感嘆いたしました。まさに「果てしなく可能性への挑戦」のテーマそのものでした。
 障害者のスポーツは私たちの身近にも多く見聞きするようになりました。9月23日から28日にかけて、トルコで開催されました第1回世界ろう者陸上競技選手権大会には、この鳥取県の前島兄弟が参加されました。弟の博之選手はハイジャンプで7位入賞、そしてお兄さんの浩二選手はやはりやり投げで9位と活躍されたのです。健闘をたたえたいと思います。また10月5日には、残念ながらちょっとお天気に恵まれませんでしたけれども、米子市で第46回の鳥取県身体障害者体育大会が開かれました。今月13日には障害者のための複合競技大会、全日本チャレンジド・アクアスロン皆生大会が予定されています。11月1日には第16回鳥取県手をつなぐスポーツ祭りがこの鳥取市布勢のコカ・コーラウエストスポーツパークで開催されます。
 障害のある皆様が参加されるイベントは確実にふえています。過去、家族から座敷牢に入れられ、外から遮断された生活を強いられた例もあったと聞かされた時代から、今うちから外へ、学校へ、社会参加へ、就労へと地域で暮らすノーマライゼーションがキャッチフレーズに使われる時代へと変化してきています。鳥取県もその時代の流れの中で着実に変わりつつあります。町ぐるみで就労支援に取り組み、ともに喜びを分かち合おうという地域も出てきています。
 現在、鳥取県では障害者手帳のある方が、3障害合わせて4万人以上いらっしゃいます。手帳を持たない方、発達障害の方々を合わせますと、その数はもっともっとふえてまいります。隣り合わせに暮らす県内のこの方々の日々はどんなものであるのか、私には気になるところです。
 障害のある皆様の日々に目を向け、その方々の生活の充実を図ることは、成熟社会への近道になると言われています。今議会でも障害のある皆様への配慮を澤議員は観光の視点から指摘されましたし、聴覚障害者の皆様の問題は銀杏議員も取り上げられました。過去多くの議員の皆様が、障害者の視点で社会を見直す議論をしてこられました。その一つ一つが効果を上げることで私たちの環境が豊かに広がっていくのだと思っています。
 偶然にも、障害のない状態で生まれたとしても、私たちはその後の生活で事故や病気や災害に遭わない保証もなく、そしてまた必ずや年をとっていくわけです。健康に年をとったとしても、いずれ機能低下を招くことになり、障害は常に私たちにつきまとう問題でもあるわけです。だからこそ自分の問題として、また社会全体の問題として、考え続けねばならないのでしょう。その立場に立たされたときの直面しなければならない状況を、障害のある皆様は身をもって示してくださっていることになるわけです。社会の問題や矛盾を一身に受けた子供たちが集まる学校現場、困難を今現在たくさん抱えていらっしゃる状況です。その一つ一つの解決の糸口、ノウハウは、特別支援教育の中に多くちりばめられていると言われています。それらを会得することは、その問題解決に具体的に役立つことになっていきます。どのような問題を抱えたとしても、基本は個人の人権が守られ、個人の生活が豊かに保証され、最終的にはそれぞれの自己実現への援助行動が高いレベルでされるよう目指さねばならないからです。
 そのためには、より弱い立場の人たちにどう目を向け政策を打っていくかが、社会を暮らしやすい場所にしていくことになるからでしょう。その意味でも、鳥取県の障害者計画は高い理想を掲げ、つくられています。最終目標は自己実現です。そうあってほしいと願います。そのためには、障害者自立支援法で目指す一人一人の人生プランが確実に実行され、必要な援助が提供されねばなりません。
 ノーマライゼーションや共生社会といったキャッチフレーズが飛び交いますが、声高に言われれば言われるほど今の社会が道半ばであり、今後の努力が必要だというあかしなのだと知ります。
 そこで知事にまずお聞きしたいのですが、知事にとって障害のある皆様は社会にとってどのような存在だとお考えでしょうか。共生社会が実現した理想の姿をどのようにイメージしていらっしゃるのでしょう。もしモデルとしてお考えの国や地域があれば、あわせてお示しいただき、御紹介ください。
 また教育長には、学校教育の中でこれまで障害児教育と言われた特別支援教育をどう位置づけ、どのように展開していこうとされているのか、お考えをお示しください。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員の一般質問にお答え申し上げます。
 冒頭お話がございましたように、北京のパラリンピック、さらに9月23日から始まりました第1回世界ろう者陸上競技選手権大会、それにおきまして前島兄弟が大活躍をされた。本当に県民に勇気を与えることでありますし、さらにこれは御自身、また御家族の皆様にとりましても大きな喜びであったと思います。
 このような場が、障害者の体育大会が先ほど米子で開催されたとお話がございました。10月の5日に開催されました。これは県も支援をさせていただいております。この週末にはアクアスロンのチャレンジド・アクアスロン大会の第2回が開かれるということで、藤井副知事も出席をさせていただこうと計画をさせていただいております。こういうように、随分時代が変わったなと思います。20年前ぐらいには考えられなかったこと、スポーツといえば健常者の大会でありました。しかし、今では健常者の大会と同じように障害者の大会もこうして広く報道をされ、さらに注目を集めるぐらいになってきている。
 例えばバスケットボールとか、あるいは先般も湖山池のあたりのマラソンがございましたけれども、こうした大会とか、通常の健常者の大会とはまた別の意味の魅力すら感じる人たちもふえてくるわけでありまして、ノーマライゼーションが進展していく支援といいますか、貢献するスポーツとしての役割が果たされようとしているのだなと私も感じた次第であります。
 次に御質問ございましたのは、障害のある方々が社会にとってどんな存在だろうか、また共生社会としてはどういう姿を追い求めていくべきか、また諸外国の例などで参考になるようなものは何かあるだろうかと、こういうお話でございます。
 私は障害のある方、そして健常者、ひとしく同じ人間であること、これを出発点にしなければならないと思います。そして、社会を構成するにはそれぞれがイコールな、対等な参加者であると、このことにまず思いをいたすべきだと思います。
 戦前、戦後のしばらくの間はやはり福祉というと、そもそもヨーロッパにおいてもそうだったのでしょう、教会なんかが大きな舞台になりまして、それで福祉というものが政策上形成されてきたという歴史があるわけでありますけれども、そうした福祉の考え方というのは、もともとは措置、日本の法律でいえば措置という世界でありました。すなわち政府としての施策の対象者としての、施策の客体としての障害者という見方があったのだと思います。これは高齢者の世界もそうでありますし、児童においてもそうでありました。
 しかし、今はもっと別の考え方をすべき時代に入ってきたと思います。ノーマライゼーションということは語られて久しいわけでありますけれども、一人一人が通常の人間と同じように一社会参画者として尊重され、その自立した生活が送れるようにしていく。これを支えていくのが地域社会の役割、行政の役割だと言われるようになってきたわけであります。
 こういう意味で、共生社会という言葉をお使いになりましたけれども、ひとしく同じ生活を享受できる、それを目指すべきだろうと思います。悪評もある障害者自立支援法ではありますけれども、目標としているのは恐らくそういう世界であると思います。すなわち障害者も含めて皆さんが職業を持つ、仕事を持つ、もちろんそれはできることに応じた仕事ということになると思いますが、そういう仕事を持つ、また教育もひとしく同じように受ける、そして自立した生活を営むことができる。今まででしたらコロニーのようなところに囲われてといいますか、その中に居住区を制限されて、そこで措置としての福祉を受けることが幸せなんだと教えられてきたのかもしれませんけれども、そうではない、むしろ社会生活の中、地域社会の中で自分たちも同じように生活できる喜びを感じながら生きていく、これこそ人間の人生としてのあるべき姿ではないか、それは障害者においても同等に認められるべきものであって、施策も組み直さなければならない。これが障害者自立支援法の目指したところだったと思うのです。ですから、その考え方は私も重ねて申しておりますけれども、賛成をいたしております。
 こういうことを我々は実践的にやっていかなければならないわけでございます。今、現実に障害者自立支援法の仕組みなんかも活用しながら、また、県のほうで積まれた基金なんかも活用して、パンづくりを生き生きとされる皆さんなんか出てきています。皆生のあたりでも新しいパン工場をつくって、近所にグループホームで住んで本当にうれしそうな表情を浮かべる障害者の方々の笑顔に接しますと、胸打たれるような思いがしますし、これが人間としての暮しだよなあと自分自身も再確認させていただくわけであります。
 いろいろな例があると思うのです。戦前の日本みたいな例もあるでしょうし、それから大局をいえば、私たちが目指すべき一つのプロトタイプと言えるのは、北欧型のようなシステムであろうかと思います。そもそも自由主義的に、アメリカだとかそういうところのように本来それぞれの自己責任でやってくれというような国もあれば、またドイツのように介護保険の仕組みを使いまして、障害者サービスを提供するという国もあります。日本も今、実はそれを目指しかけているのかなと政策的にも思います。最初に高齢者の介護保険制度を導入したときに、一部障害者が入っています。これは、いずれは障害者施策も含んだ介護保険制度というものを概念しかけたのだろうと立案の経過としては思います。介護保険のモデルをドイツにとればそういうことになるわけでありまして、それはそれで一つの行き方かもしれません。この場合、介護保険の保険料をみんなが国民全体で払いながら支えていくというシステムになりますし、もちろん御自身の御努力も必要、自立のために御自身も応分の負担をされるということだと思います。こういう、いわばコーポレイトされたような、そうした団体なんかも活用したりした保守的な社会政策をとっている国もあります。私どもが今一つのプロトタイプと考え得るかなと思いますのは北欧のようなところでありまして、例えば、スウェーデンをとってみれば社会サービス法という法律に基づいて、障害者に対する介護サービスがひとしく提供されるようになっています。
 また、障害者についての特別の法律も別途ございまして、こちらのほうに基づくサービス提供もあるわけでございます。この北欧型の場合はそれぞれの人が自立できるように、サービスを地域が提供することがいわば義務づけられたような世界であります。これは県とか市町村、特に市町村になりますけれども、そういうコムーネが供給をする社会サービスでございます。この原資は基本的に税でやるということになっています。この税金があるものですから、これは高福祉でありますけれども高負担ということになります。現実の社会保障負担も含めた国民負担率は70%をスウェーデンは超えると言われています。日本が40%でありますから、随分格段に違うわけです。ただ、スウェーデンは長いこと議論してこういう道筋を選んできたわけでありますが、それは、もし万が一のことがあれば健常者と同じように暮らせないということがあるかもしれないと議員おっしゃいましたが、そういうことだとか、あるいは高齢者、あるいは児童に対するサービス、これは職業を持とうとする若い人たちを支えることにもなりますが、こうした者に対してひとしく社会サービスを提供することをルールにしようという考え方で社会を構成しているわけです。ですから、それに対する負担もかかるわけでありますけれども、それがかかったところで国民も満足をしている世界があるわけです。ここまで行き着けば本当の意味で障害者の自立が完全に図られる、そういうことになろうかと思います。例えば手話サービスだとかも含めまして、あるいは普通の介護にしてもそうですし、家族介護に対する金銭給付だとか、本当に手厚い措置がなされる世界があります。ここを目指すのか、あるいはドイツ的な姿を目指すのか、アメリカ型を目指すのか、この辺は国民世論で、このたび選挙も予定されるようでありますが、しっかりと議論をしていく値打ちのある話だろうと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)浜田議員の御質問にお答えを申し上げます。
 御質問ですけれども、学校教育の中で特別支援教育をどう位置づけるのか、どのように展開していくのかというお尋ねでございます。
 特別支援教育の大きなねらいといいますか、目標ですけれども、これは障害のある子供たちがやがて自立をしていく、あるいは社会参加をしていくということを可能にするように、子供たち1人ずつがそれぞれいろいろなニーズを持っていますので、そのニーズに合うように適切な指導とか支援を教育という中で行っていくべきものというふうに考えているところであります。これが1つの理念的なものであろうというふうに思っています。
 そういう意味で、理念をもとにして学校でいろいろな教育を進めていきますけれども、最近、学校教育法もこの特別支援教育のほうのかかわりと一緒になりまして、昨年の4月1日から学校教育法が改正になりました。その中で特別支援教育という、こういうふうな新しい形での学校教育が始まったことは御案内のとおりであります。その特別支援教育の中ですけれども、これは以前、対象としていた障害のある子供たちだけではなくて、LDやADHDなんかの発達障害のある子供たちも含めて教育のほうに入れていこうと、取り込んでいこうというふうな、そういうふうな観点から進められているものであります。すべての学校の、すべての学級の、すべての子供たち、障害のある子供たちを対象にして進めていく、やっぱり非常に幅の広くなった、私は大事な観点を持った改正をというふうにとっています。
 こういうふうな特別支援教育ですけれども、先ほど共生社会とかノーマライゼーションというふうにお話がありましたけれども、私も障害のある子供たちと障害のない子供たちとが一緒に学ぶということの非常に利点が幾つかあると思っています。例えば1つは障害というものに対して、正しい理解とか認識を子供たち同士がきちんと身につけるというのが1つだろうと思っています。それからもう1つは、同じ社会に生きているのだと、みんなが生きているのだから、同じように支え合って、同じように生きていくんだよということをこういうふうに考える、先ほどの共生社会ということの基礎的な考え方を身につけるというふうな、そういうふうな力が私はあると思っています。そういう意味では、そういう視点から鳥取県の特別支援教育もこれからしっかりやっていく必要があると思っています。
 鳥取県の教育審議会が今部会を設けています。特別支援教育部会という部会を設けて、具体的な政策なんかにつながるようなことも含めて今審議をしていただいています。間もなく答申もいただきます。その答申とか、今パブリックコメントもやっていますけれども、パブリックコメントでいただいた県民の皆さんの幅広い御意見を中に入れて、本県の特別支援教育のこれからの推進に具体的な形が見えてくるような、そういう取り組みを積極的にしていきたいというふうに考えておるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。北欧のお話がありましたけれども、税を初めとして社会システムが違いますので、同じように同じ思いで形をというわけにはなかなかいきませんけれども、国の形そのものも一から考え直さなければならない部分もいっぱい含んでいるかと思いますが、自立とそれから自己実現という方向については、ひとしく私たちも同じようにそこを目指さなければならないかと思いますが、スウェーデンだとかデンマークなど私も訪ねさせていただきまして、税制度も全然違いますので、70%とか60%とか取られていく中で自分の一生を保障されていくということで、それこそ安心と安全をどう手に入れていくかという問題にかかわってきますので、その中で私たちも、健常の人もそうでない人たちもそこで同じ支援をもらえるということが保障されていくのだというふうに思いますが、とはいっても日本もその精神だとか理念は底に流れるものは一緒ではないかなというふうに思います。
 今、教育長のほうから一緒に学ぶことの利点ということをいみじくもおっしゃっていただきましたけれども、これまで私は障害のある皆様から多くの感動と学びをいただきました。子供たちが小学校のころの話なのですけれども、障害児との交流指定校としてPTA活動を私もさせていただいた経験がございます。小児麻痺のお子様をクラスに受け入れるに当たって迷惑との思いを口に出された保護者の方も実はいらっしゃいました。子供たちの反応も本当にさまざまで、そのお子様に対する意地悪もなかったわけではないのです。しかし、先生の御指導でそのお子様を巻き込んだミニ運動会が予定されまして、すべての子が楽しむことを考えようという目標を持たれたのです。そのときお子様が勝つ計画をしようと子供たちが言い出しまして、小児麻痺のお子様の勝つ競技をみんなで頭をめぐらせて考え出したのです。それがハイハイ競技だったわけです。当日その競技が始まりますと、本当に盛り上がりました。自分たちが考え出した競技でそのお子様に勝ってもらわなければいけないわけですから、お子様を応援するためクラス全員が本当に声を上げて大声援をいたしまして、結果、もくろみどおりそのお子様が優勝されました。そのお子様はもちろんのこと、クラス全員の子供たちが大喜びしたわけです。その姿を見て親たちはみずからを振り返ることになりました。そのお子様のおかげで子供たちの優しさ、団結力、それから人に役立つという意味を知らされることになりました。以来そのクラスはどんどん変わっていきました。よく勉強もするようになりましたし、教え合うようにもなりました。教育というのは、教育現場というのはそういうものかなと私はそのとき考えさせていただきました。以前にも御紹介しましたが、鳥取県が生んだ障害者福祉の父と言われた糸賀一雄先生の「この子らを世の光に」の意味がそのときによくわかりました。
 今の社会に蔓延するいじめや暴力、殺人といった弱い者を排除しようという風潮、自分を見出すことのできないまま非行に走る青少年、性犯罪やネット犯罪、はたまた教育界ですら平均点を上げるため成績の悪い子の点数を除外しようとする動き、点数に惑わされ、翻弄される姿、それが教育者のプロ集団である教育界にもあるとすれば、本当に悲しいことだなというふうに思います。
 ここに全国学力テスト開示・非開示問題の中で教職員組合から出されました「全国学力・学習状況調査結果の取り扱いに関する要望書」と鳥取県基礎学力調査についての教育現場の声があります。読ませていただきました。ちょっと御紹介いたします。
 地教委が基礎学力調査の結果を得点順に一覧表にし、あなたの学校はここですと指さし、校長初め教職員に対して競争をあおっている地教委があった。得点の低かった学級の担任に対して、これは人災ですと発言する管理職もいた。県基礎学力調査のときに実際、担任に校長から圧力がかけられた。得点の低かった子供を集計から外してはと教務主任に持ちかけられた。本当に残念ですが、この間の学力テストブームによって勉強が苦手な子供に対して、他の保護者から学級の平均点を下げている、勉強の邪魔をしているなど批判の声がふだんから聞こえるようになってきている。テスト監督中にここが違うと指摘する教員もいた。ここに至っては、これは本当のことなのでしょうか。これが実態だということになりますと、このことこそが問題ではないか。こうした問題を共有し合い、放置せず、教育界が社会を巻き込んで解決自体に、この事態そのものに解決に向かうという力をみんなで注ぐべきではないかと私は思います。そうでなければ根本的な解決は無理でしょう。この教育現場の声に対して知事はどのような感想をお持ちになりますでしょう。もし、感想をお聞かせいただけるのであれば、お聞かせください。
 そして、こうした一連の全国学力テストの開示・非開示問題の裏にちらちら見え隠れする世の中の不安や差別等、子供たちを取り巻く状況を踏まえて、教育長はそうした事柄とあわせて鳥取県教育をどう導こうとお考えなのか、お考えをお聞かせください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)学力テストについて、過去の基礎学力調査のときの例なのでしょうか、いろいろと報告例もあるということでありますが、今お伺いしたところでは、学校の先生に対して校長のほうからいろいろ言われたというようなことが中心だったと思います。これはいろいろ評価は分かれるかもしれません。また余り余計なことを言うと後でしかられるかもしれませんけれども、それぞれの学校が学力の向上だとか体力の向上だとか、教育目標に向かってチーム一丸となって底上げをしていくことが必要なことだと思います。ですから、管理職である校長先生が担任の先生に、成績が悪いところはちゃんとやれと言っていろいろと工夫しなさいとか指導されたとか、そういうことが一概にすべて悪いことだというようなことも言えないのではないかと思います。ただ、私が疑問を持ちますのは、それについて意図的な作為をしようとか、およそ教育界にあるまじきルール違反を奨励をするだとかいうことがあるのであれば、私事実が確認できませんので、教育長なりなんなりでコメントしてもらったほうがいいのかもしれませんけれども、もしあるのであれば、そういうことは正していかなければならないだろうと思います。
 また、学校現場は教育力の向上のために努力しなければならないことは自明の理でありますけれども、子供たちに過重な負担がかかることは避けなければならないと思います。ですから、その取り扱いによって子供たちに過度の競争や序列化ということが本当に起こらないようにするための手当ても片方で考えながらしなければならないことだと思います。ただ私たちが基本としなければならないのは、今は情報公開の世の中になっております。ですからある程度、行政である教育機関がどういう状況にあるかを納税者の方々が知る権利は基本的にあるということは認知しなければならないと思います。ただそれが、教育的な悪影響が起こらないように工夫をすること、それも同時に行うことが私はこの問題に対するアプローチではないかと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)お答えを申し上げます。
 先ほどお話しになられた学校現場での話ですけれども、これは今回の全国学力調査ではなくて、多分基礎学力調査のときのものではないかとは思いますけれども、私、具体的にこれはどこの学校で、いつ、どういうふうな状況の中であったのかということが全然わかりませんので、今のところは具体的に調べようがないです。そういうふうな観点を一つ踏まえておいて話をしていきますけれども、もしそういうふうな点数を気にする余り、点がなかなかとれない子供たちを排除するようなことがあるとか、今のようなお話があるとするならこれは大変な問題ですから、これはきちんとその場ですぐに市町村の教育委員会なり、あるいは学校なりで対応なされてしかるべきだと私は思いますし、しかも我々にもそれを教えていただいても当然だろうと思っています。我々はそれがはっきりわかりましたら、具体的な対応を、我々でできるところはしていくと思いますし、していったはずであります。それをまず最初に申し上げておきたいと思っています。
 先ほどから鳥取県の教育をどういうふうに方向づけていくのかというふうなお尋ねでございます。それについては、私が別に方向づけるわけではありませんで、県民の皆さんが方向づけられるし、県の教育委員会も市町村の教育委員会も一緒になって、具体的なことには取り組んでいくというふうなことだろうと思っていますけれども、ただ、話が若干それますけれども、これも以前、稲田議員とか山田議員の御質問のときにお答えしたことに少し重なりますけれども、私かなり気になっている部分があります。これは多分今浜田議員がおっしゃられたこととちょっと共通する部分があると思っています。それは何かといいますと、この議論をする中で子供たちが非常に学力に左右されるから、すぐに劣等感を抱いてしまうよ、あるいはそれをもとにしていじめが起こるよというふうな発言が結構あったのです。これはもし仮に学校ごとの点が開示されたとして、開示ですから公表とは違います。だけれども、もしこれが万一公表みたいな形に利用されてしまったとしたときに、学校ごとのものがすぐ子供たちのほうに響いて、自分の学校はつまらない学校だと、自分たちは劣等感を持つような子供たちなんだということにどうしてつながっていくのかなというのが、私はいま一つきちんとわからないのです。私も現場出身の教員でして、私も子供たち、高校生ですけれども、たくさんの子供たちと接しました。勉強が得意の子もありますし、そうではない子もあります。だけれども私はそういうふうな教育をしたつもりは全然ありませんし、そのときの学校の先生方は、点数によって子供たちを差別するようなそんなことはしていないと私は自信を持って言いたいと思っています。ですから、そういうふうな考え方で一方的に言われるのは、ちょっと私はどうかなというのが私が疑問に思うというところの一つであります。
 これも少し繰り返しになりますけれども、今回の学力テストでも基礎学力テストでもそうですけれども、勉強をしてみて、点が十分とれなかったときには、学ぶ意欲だとか、それから基礎的な学力なんかがついていないということもありますから、それはきちんとそこを分析して、学力を身につけるところはきちんとつけるというのは私は大事だと思っています。勉強は広い意味できちんとしていくときにはしなければいけない、これは大事だと思っています。勉強をしなくてもいいよという話は絶対ないと思っています。そういう意味で広い意味での学力をしっかり身につけて、伸ばすところは伸ばす、よかったら褒めてやればいいのではないかなと私は思っています。それが1つです。
 2教科でもし今回学力の問題について話が進んでいるとすると、2教科ですよね。ある学年ですよね。これでもって自分の学校は2教科でちょっと点が低かったから自分の学校は教育がだめだと、自分の学校はとんでもない教育をしているのだなんてそんなこと思う学校がもしあったとしたら、それは大変なことだと思うのです。そんなことはあるはずないと私は思っています。もし、点がその年度若干低かったとしても、それは頑張ってやりなさいよということを教えていくべきものだと私は思っていますし、それ以外には、いつも言いますけれどもスポーツだとかいろいろな活動に、芸術活動とかいろいろなことに力を持っていますし、そんなことで先回りをして子供たちが全部弱いからだめだというふうなことを考えてしまうことは、必ずしも私はよくないというふうな、そういう考え方をずっと持っています。社会に出たら、学力だけでもないです。学力も大事なことですけれども、それ以外の豊かなたくましさだとか、優しさだとか、物に挑戦していく力だとか、人を思いやる力とか、いろいろなものがたくさんあると思います。そういうものが総合的に私は理解されていかなければいけないというふうに考えておるところでございます。ちょっと長い答弁になっていますけれども、そういう意味であえて言っていますけれども、本県の教育をもう少し何といいますか、子供たちの心に敏感である必要はあります。子供たちの悩んでいることに気づく教師であるということは絶対私は大事だと思っていますけれども、いじめに遭うとか劣等感を持つというふうなことを最初から掲げて、おそれだけを前面に出していく教育というのは、私は必ずしもよくないなと思っています。もっとダイナミックに、子供たちをもっと信じて大きな力を引き出すような、そういうふうな前向きの教育をしてほしい、もっと言うと骨太の教育を私はしてほしいなと、それが鳥取県が人材を育てていって、企業の方が鳥取県に来られても、しっかりした人材がいるというふうなことのもとになると私は思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。
 骨太の教育ということですけれども、確かに教育現場は大変です。先生同士が支え合うような、仲間として力強い人間関係が築けているかどうかという問題も含めて、それを見ている子供たちが何を学んでいくのかという問題も含めて、とても幅が広くて深い問題があるなあというふうに思いますが、仮に開示しますと耳にしただけで起こり得るであろう差別や圧力を、予測しなければならない状況そのことが問題だというふうに私には思えます。社会の病理の深さと深刻さを思わないわけにはいかないわけですが、なぜこんなことを申し上げますかと言いますと、このような状況では障害のある子供たちへの教育はもっともっと除外されていくのではないかと不安になります。もっと許容量を、包容力をしっかり持っていただいて、きちっと支え合うような、そんな教育現場であってほしいというふうに思います。教育現場の皆様が本当に力を合わせて一つ一つの問題に丁寧に向き合って問題解決に向かおうという、そういう前向きな行動のできる集団であってほしいというふうに思います。そんな教師集団をつくってほしいと願います。その行動があれば、その行動こそが風土をつくって、子供たちへの無言の教育につながっていくのではないかと思わないわけではありません。
 翻って、障害のある皆様は弱い立場だから助けてあげるとか助けてもらう、あるいはしてもらう、してあげるという関係ではなくて、むしろ学ぶチャンスを与えてくださる方としての存在が大きいのだというふうに思います。障害のある人たちは、みずからの障害を突きつけられて悩み、苦しんでいらっしゃいます。そしてそれを乗り越えられた分、強くて、生きることに真剣なのだと知らされます。残された能力を集中的に磨く必要に迫られて、より自分らしく生きることを求められる。そうして、自己実現を手に入れられる。そのような方を私も随分たくさん知っています。音楽の分野・陶芸・絵画・写真・書、その他、文化芸術の分野もあれば、パラリンピックに見られるスポーツの分野まで本当にさまざまで、その世界は幅広くあります。あとは、どのような出会いのチャンスがあるか、用意されているかが問われているのだと思います。
 鳥取県はいかがでしょうか。障害のある皆様が望まれたときに、その世界に障害なくつながっていけるかどうかが気になります。学校や施設の枠にとどまることなく、広く社会につながっていかなければなりません。学校や施設ですら、十分とは言えないのではないか、そんな思いがいたします。例えば、米子に聾学校のひまわり分校があります。ここには運動場もプールもありません。もともと計画的に先を見越した取り組みがなされなかったことを上げて悔やんでみても仕方がない。スポーツへの親しみのチャンスを取り上げられているこの今の現実を何とかしてほしいと思います。関係者の方々が本当に精いっぱいこれまで多くの努力をしてこられたことは知っています。それは知っているのですけれども、道を探らねばなりません。聾の子供さんが陸上の選手として出ようとしても、日々身近に練習する場がなく、駐車場や空き地で練習するしかない、小学生であっても片やこのような現実が今あるのです。1つの事例ですが、探ればもっともっと出てくるでしょう。この問題についてどのような善後策を、そして将来的にはどのようにしたいとお考えなのか、教育長に伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)米子にあります鳥取聾学校のひまわり分校、こちらのほうに運動場もプールもない、だからスポーツに接する機会が非常に限られるというふうなこと、それをもとにしてどういうふうな善後策を考えるのか、将来どういうふうにしたいと考えているのかというお尋ねだと思います。
 鳥取聾学校のひまわり分校ですけれども、平成6年度に米子の皆生養護学校に隣接した場所、すぐ隣であります。一つの学校の敷地のような感じの、すぐ隣接しているところでありますけれども、そこに幼稚部を開設しました、平成6年度です。それから平成16年度に小学部を設置いたしました。現在、幼稚部4名、小学部9名で13名の子供たちがそこで学んでいるということであります。
 このひまわり分校ですけれども、御指摘がありましたように、運動場とかプールというのは自前では持っておりません。ですけれども、全然運動場も何もないのかといいますとそうではありませんで、運動する場所としては、主としては皆生養護学校、すぐ隣ですけれども皆生養護学校の体育館、立派な体育館ができました、広い体育館ができましたのでこれを使えるように、もちろん時間をとってそこで使えるような週のカリキュラムをつくっていますけれども、そういうふうなことをしています。それから、総合療育センターの中庭も利用させていただくことももちろんあります。それから、プールについてですけれども、これもやはり、隣接の皆生養護学校の、これは夏の季節ですけれども、必要なときにプールを使わせていただけるようにしているところであります。それから、近くの県営の米子屋内プールもございますので、こちらのほうも行って使えるようにしているところでございます。そういうふうな意味で、全く使うところがないというふうなことではなくて隣接したところに、かなり配慮しながら使えるようにしているということでございます。そういう意味で隣接した体育館とかプールが使えるようにしてあるということ。それから、探そうと思ってもプールや体育館を建てる場所が今のところにはないのです。全く別なところへつくればいいのですけれども、そういうふうなことができないのでこれも大分探したり、いろいろ話もしてみたのですけれども、見つからないのです。こういうふうなことがありますので、現在のところ、運動場やプールを今のところにつくるというのは難しいと思っています。しかし、今後も保護者の皆さん方とか学校の意見を聞いて、今、小学部までですけれども、中学部の設置を今検討しておりますので、そういうふうな中学部の設置というふうな形での教育の充実はしっかりしていきたいというふうに思っているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。
 現状をわかっていただけたらと思いますので、日常に支障が出ないように最大限の配慮をしていただきますように、これは予算の面もありますので知事にもお願いしておきたいと思います。
 先般、知事も先ほど触れてくださいましたけれども、第20回の鳥取さわやか車いすマラソン&湖山池ハーフマラソン大会が開かれました。これまで障害のある方だけに偏っていたこの大会も、今回は健常者も車いすに乗れば参加できるということでとても楽しい大会になりました。種目もいろいろ考えられておりました。瀬古選手や車いすマラソンの畑中和さん、それから川上耕作両選手を招待選手としまして、障害者、健常者入り乱れて1,000人以上の大会になったわけで、とってもさわやかな会でした。
 鳥取県の障害者スポーツは、障害者スポーツ協会がそのお世話を一手に引き受けていらっしゃいます。この大会のみならず、指導員の育成、スポーツ団体の育成や支援、その上、障害者の悩みや困り事の相談にまで、本当に少ない人数で駆けずり回っていらっしゃいます。この車いすマラソン大会に向けても休み返上で残業もいとわず、精いっぱい頑張っておられてその熱意に頭が下がる思いがいたしました。犠牲と言っても過言でないほどの働きぶりだったわけです。鳥取県下の障害者スポーツの下支えをされる数少ない指導者が非常勤で、その方の熱意に甘えてしまい、過剰に働かされたとしても交通費も残業代も用意できないのでは、障害のある皆さんの支援は思うようにはできないのではないか、そんな思いがいたしました。指導員ボランティアの方が鳥取県下150人ほどいらっしゃいます。この議場の福間議員もそのお一人だというふうに聞いておりますけれども、その人たちがどのような場所でどんな形でいらして、どう声かければすぐ集まってもらえるのか、そういう情報整理もなかなかできていない状況なのだそうです。今後、予算に裏打ちされた人材の育成と確保がとりあえず必要な現状になっておりますが、知事はどのようにお考えでしょうか。
 障害者福祉のキーワードで鳥取県の予算推移を拝見させていただきました。すべてがヒットしたわけではありませんが、ざっと打ち出してみますと平成16年度が78億3,000万円余、17年度が64億円、平成18、19年度がそれぞれ39億円余と半分になってきています。多少漏れもあり、正しい数字とは言いがたいかもしれませんが、傾向は読めるかと思います。鳥取県の障害者福祉政策もハードからソフトへと移っているのではないかというふうに読み取らせていただきました。今は、軸は内容の充実、人材育成や配置また組織やネットワークの構築等、環境整備や取り組みの強化が課題となっている。文化芸術・スポーツや学術分野等のいずれの分野も、人が中心の福祉施策に移っていくのかというふうに判断いたしております。今後は人材育成や確保、拠点づくりに配慮した予算づくりが必要だと考えますが、知事の御所見を伺わせてください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねての障害者福祉についてのお尋ねをいただきました。
 第20回鳥取さわやか車いすマラソン&湖山池ハーフマラソン大会につきましては、この議場でも、福間議員だったと思いますが取り上げていただきまして、前も議論いたしました。今回の大会、瀬古利彦選手といいますかOBになりますけれども、瀬古さんとか、それから畑中さんとか川上さんのような選手もやってこられまして、非常ににぎやかな大会になったと思います。瀬古選手も個人的なつながりでボランティアで来ていただいたようなものでございまして、善意に支えられながら盛り上がった大会であったというように総括できようかと思います。
 こうしたすばらしい企画がございましたけれども、予算に裏打ちをされたような人材の育成確保など予算づくりの配慮が必要ではないかというのはおっしゃるとおりだろうと思います。今、予算が随分減っているように見えましたけれども、ただそれは、現実問題としてはこれまではかちみ園を鹿野でつくっていたり、また、小児療育センターを建てていたりしたもので、その分でハードで随分事業費がかさんでいるように見えていましたけれども、それが抜けてきましたので落ちついた額になっているなという印象をとられるかもしれませんけれども、それはそういうことでありましてしっかりと、福祉でございますのでソフト中心の経費ということになろうかと思います。人材育成とかそうしたスポーツ振興事業なんかも含めましてやっております。今回のマラソンも200万円ほど助成をさせていただいたわけでございます。そうした詳細につきまして、福祉保健部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)障害福祉関係の予算について補足を答弁いたします。
 先日ありました車いすのマラソンは、ことしから健常者の方も一緒に参加というとても盛大な会になっております。その経費も補助金は200万出しておりますが、680万ほどかかっておりまして、民間からの寄附だったり、いろいろなことで賄われたり、また支えられるほうもボランティアの方が800人、その中には高校生とか特別支援学校の生徒もおられまして、随分盛大な会となっておりました。
 その中で予算関係でございますが、議員おっしゃるように障害者のスポーツ指導員の方ですね、それは身障者スポーツ協会のほうに平成17年度から設置しておりますし、また常勤の専門の先生を平成19年度から新たに雇用いたしまして、充実の方向になっております。さわやか車いすマラソンは全国からおいでになっていますし、年々充実の方向になりつつありますし、またその辺のところも含めて関係者の方に聞きながら強化をしてまいりたいと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。
 東部のほうには障害者スポーツ協会があります。中部あるいは西部を見ますと、拠点もありませんので、とても貧弱です。これからそちらのほうの充実もぜひお考えいただきたいと思います。
 私は過去、交通事故に遭って脊髄損傷のみならず手の指の筋を損傷され、車いす生活になった上に、大好きだったピアノも十分に弾けなくなった女性と本当に長いおつき合いをさせていただきました。自分との闘いの中で時間を経てあきらめていたピアノに、医師の勧めでリハビリのため向き合われたのです。長い努力の積み重ねの末、見事復活されまして、指が動くようになっただけでなく、車いすのピアニストとして、また教師として、多くのお弟子さんをお育てになりました。先生は自立と自己実現を手に入れられたばかりではなく、生徒の皆様たちは車いすの人たちとどのようにつき合ったらいいのかを十分に身につけていらっしゃいました。障害のある皆様にとって、リハビリから入る御自分の世界は、好きでやりたいことだからこそ大きな効果を生み、自己実現にもつながるのだと学ばせていただきました。
 障害者スポーツもレクリエーション的側面、競技的側面、それにリハビリ的側面があると言われています。特にリハビリ的側面を求める方は多くて、一定のリハビリを済ませ、病院から退院された方は引き続き体を訓練し続けることで、機能の低下を防ぐ必要があるわけです。病院では、家庭に帰ってからのリハビリ的な生涯スポーツがどこで手に入るのか、もちろんスポーツだけでなく音楽や演劇の分野も考えられるでしょうが、そうした社会資源を十分に把握していないために退院時、当事者に情報を伝えることができにくいというふうにお話しくださいました。ネットワークが必要だというふうに思いました。障害者スポーツ協会では、時間のない中でもそうした方の相談にも乗り、わざわざ出向いて状況を把握し、その方のやりたいことを聞き、ニーズに合ったスポーツにつないでいらっしゃいます。文化面でもそのような人が必要だというふうに考えています。病院とのネットワークをいかにつくり出すか、それは行政の役割としてやれないか、御検討をお願いしたいと思います。知事に御所見を伺います。
 また今、車いすバスケットや車いすマラソンの世界では、障害者の皆様の活躍を見て、楽しくておもしろくてやりがいがあると魅力を感じて健常の大学生たちがクラブ活動としてやり始めています。湖山池の車いすマラソンも健常の子供たちが大喜びで車いすに乗って試していました。その顔は本当生き生きしておりまして、今回は畑中選手の御厚意でそのチャンスが持てましたが、マラソン用の車いすが何台か鳥取県にあれば、そんなチャンスも広がるなあと思わせていただきました。障害者のためのスポーツが健常者の領域にまで広がっていく、健常者の領域に障害者が参画する、お互いの顔が見える中でお互いへの親しみと尊敬が生まれたとき、本当の意味でのノーマライゼーションが生み出されるものと考えます。これまで御紹介いただきました、知事の障害者福祉に対するイメージを県民の皆様に共有していただき、10年後の鳥取県共生社会実現につなぐために、より丁寧に将来ビジョンに盛り込んでほしいと思いますが、知事の御所見を伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、障害者スポーツについては、リハビリなどいろいろと役に立つ側面があるわけでありまして、これを考えれば病院と福祉とのネットワークをより充実すべきではないかと、これは行政の役割ではないかということであります。
 正直申し上げて、行政ですべて一人一人をつなぐというのは、まずそれは無理だと思いますし、福祉といっても障害者の場合ですと、市町村がどうしても中心になります。そういうことをまずちょっと横に置いておいてお話を申し上げれば、やはり福祉と医療との連携が今まで十分でなかったという面はあります。それは福祉のほうも施設の福祉が中心でありまして、在宅が中心というわけではありませんでした。ですから、どちらかというと外の病院とくっついていくことが余り上手ではなかったという面があろうかと思います。また病院側にもそうしたスタッフがいなかったわけであります。したがいましてMSWといいますメディカルのほうの、病院側のソーシャルワーカーというものも今置かれている病院も出てきていますし、それから、今度は福祉のほうでも今障害者自立支援法の世界になってきまして、そのサービスの計画を立てるとか、ケアプランをつくるというようなことになってきておりまして、そこで結びつくチャンスは今ふえてきているのだろうと思います。現実にそうしたリハビリに役立つようなスポーツなんかも障害者のサービス計画をつくる上での作成費の対象になり得る部分もございますので、こういうものを活用して民間ベースでちゃんとしっかりと医療と福祉とが結びついていけるようにする必要があるだろうと思います。我々行政としても、市町村が福祉の中心にはなりますけれども市町村とタイアップをして、こうした医療と福祉との連携が図られて、その中に障害者スポーツというのも位置づけられる、そういうことを啓発するといいますか、PRをやっていきたいというように思う次第であります。
 また、次に将来ビジョンの中に障害者福祉について、より充実して書き込むべきではないかという御指摘がございました。
 私どもも各地域を回りましてタウンミーティングをやりましたけれども、必ず障害者の方々の団体が出てこられるわけであります。それほどまでに県政に対する期待感が強いわけでありますし、さらに自分たちが今訴えかけなければならないというものを持っておられると思います。それを将来ビジョンの中で私どももきちんと書き加えていくのが我々の責務だと思います。冒頭申し上げましたように、ノーマライゼーションというのをこの鳥取県の地域社会の中で温かい社会的なセーフティーネットを張って実現していかなければならないと思います。その姿を具体的にスポーツのことも含めて将来ビジョンの中で表現をさせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。
 これより議案を付託いたします。
 まず、議案第45号「平成19年度鳥取県営企業決算の認定について」及び第46号「平成19年度鳥取県営病院事業決算の認定について」は、決算審査特別委員会に付託することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認めます。よって、議案第45号及び第46号の2議案は、決算審査特別委員会に付託することに決定いたしました。
 次に、議案第1号から第44号まで及び第47号の諸議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これもそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 次に、議案第48号「鳥取県教育委員会委員の任命について」から第50号「鳥取県公安委員会委員の任命について」までを一括して議題といたします。
 お諮りいたします。
 議案第48号から第50号までは、委員会付託等を省略することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
 議員提出議案1件が提出されております。
 お諮りいたします。
 この際、これを本日の議事日程に追加することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
 それでは、小谷茂議員及び前田宏議員外16名提出の議員提出議案第3号「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例」を議題といたします。
 本件について、提案理由の説明を求めます。
 36番稲田寿久議員


◯36番(稲田寿久君)(登壇)議員提出議案第3号「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等を廃止する条例」について、提案理由の説明をいたします。提案理由の要旨については、先般の私の代表質問でも申し上げておりますが、重ねて申し上げます。
 平成8年に制定された鳥取県人権尊重の社会づくり条例に基づいて、我が県としては差別、偏見のない社会づくりを目指してさまざまな取り組みをしてきたところであります。しかし、依然として差別と偏見による人権侵害の事実は後を絶たず、その具体的救済のために簡易で迅速な処理解決をする目的で、平成17年10月に人権侵害救済推進及び手続に関する条例を成立させました。
 しかしながら、理念は理念として条例成立の前後から県内外を通じて賛否両論、多数の意見が寄せられました。わけて県弁護士会からの法的側面について、理念達成の方法論、憲法上の問題、人権侵害の定義、人権侵害の事実確認、条例の構成面などの不備、欠陥、稚拙な部分などに関して指摘、批判が相次ぎ、改めてこれらの検討を行って条例を見直す必要があるとの判断をし、平成18年2月定例県議会において条例の施行停止と見直し事業を行うことになりました。そして見直し検討委員会の設置から1年半、平成19年11月、委員会は議論を経てまとめられた意見書を平井知事に提出されたのであります。県ではこの意見を受けて条例を凍結し、庁内関係課による見直しに関する検討会議を設けて、引き続き慎重に検討を行っているところであります。聞くところによると、庁内の検討会議においては既に子供のための人権救済条例とか、差別行為に限定した差別禁止条例、公務員による人権侵害に限定した人権救済条例などにつき、検討を始められているところであります。それならば、なおのこと一日も早く現在凍結している条例を廃止して、新しい出発をすべきではないかと思います。
 よって、ここに「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」、「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等の廃止に関する条例」の廃止を、かつての条文検討委員の一人として、まことにじくじたる思いと葬送の辞を添えて提案をいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)以上で提案理由の説明は終わりました。
 この際、議事日程の変更についてお諮りいたします。
 10月10日は本会議を開催しない日程になっておりますが、都合により日程を変更して、鳥取県議会会議規則第11条第3項の規定により、特に会議を開くことにいたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認めます。よって、10月10日は、特に会議を開くことに決定いたしました。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後4時02分散会
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