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平成20年9月定例会(第8号) 本文




2008年10月07日:平成20年9月定例会(第8号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、諸般の御報告を申し上げます。
 昨日、人事委員会から地方公務員法第8条第2項及び第26条の規定に基づき、職員の給与等に関する報告及び勧告並びに人事管理に関する報告について議長のもとに申し出がありましたが、その写しはお手元に配付のとおりであります。
 次に、監査委員から平成20年8月の例月現金出納検査の報告が議長のもとに提出されましたが、その報告書は既に配付している写しのとおりであります。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案第1号から第47号までに対する質疑であります。
 それでは、議案第1号「平成20年度鳥取県一般会計補正予算」から第47号「専決処分の承認について」までを一括して議題といたします。
 これより一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 9番浜崎晋一議員


◯9番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)おはようございます。鳥取県議会自由民主党の浜崎晋一です。通告に従いまして、中山間地域の振興について知事に、雇用拡大と人材育成について知事並びに出納長にお尋ねしたいと思います。
 初めに、過疎・中山間地域の振興ですが、私は、この問題を昨年の11月定例会での一般質問、また、ことし5月定例会での代表質問でも取り上げさせていただいたところであります。
 昨年の11月定例会では、平井知事から条例制定を検討したいとの御答弁をいただき、今定例会に「鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例」として案が提出されているところであります。1年足らずで成案を取りまとめられました執行部の熱意に対して、まず敬意を表したいと存じます。条例自体に「みんなで取り組む」との文言がつけられたことで、条例制定のねらいが明確に示されたことも高く評価したいと思います。
 さきに会派自由民主の稲田寿久議員の代表質問で、本当にこの条例が必要不可欠なのかとの質問が提示されました。深刻な現状にあるにしても、中山間地という特定地域に着目した条例は、ほかの特定地域の振興に向けた条例づくりを誘発し、結局は意味をなさないのではないかとの趣旨と承りました。地域を思う気持ちは一緒でございますが、いささか私は考えを異にするものであります。過疎・中山間地の振興は、今早急に、条例名に冠されたように県民総ぐるみ、みんなで取り組むべき緊急性があり、そのことを市街地に住む県民であれ海岸部に住む県民であれ、すべての県民が認識を共有すべきだと考えるからであります。そして、その必要性は国政の動向を見ても一層増していると思うからであります。
 福田康夫前総理の突然の辞意表明に伴って行われた自民党の総裁選挙は、麻生太郎新総裁の誕生と麻生内閣の発足、新首相の所信表明演説とそれに対する代表質問を終え、まさに激動の1カ月であります。本県選出の石破茂農林水産大臣も出馬された総裁選挙では、まことに残念でありますが、過疎・中山間地域振興は大きな論点にならなかったように思います。緊急経済対策や増税論議のはざまで、ポスト過疎法のポの字もなかったというのが私の正直な感想であります。しかし、現行の過疎地域自立促進特別措置法の時限切れまであと1年半ほどしか残っておりません。総選挙で発足した麻生内閣にとっても、ゆるがせにできない課題の1つだと思います。現行法を含めて、これまで議員立法で制定された法律であり、私たち県議会議員も県選出の国会議員へ強く働きかける必要がありますが、執行部にも一段の取り組みを要請したいというふうに思います。
 私がこのところの地方自治をめぐる国政の動向で注目しておりますのは、基礎自治体をめぐる論議であります。1つは総務省が新たに打ち出した定住自立圏構想です。骨太の方針2008にも盛り込まれ、総務省の概算要求でも約160億円が要求されております。総務省の概算要求概要では、有識者によるアドバイザリーボードを設置し、先行的実施団体の取り組み等における協定・圏域・支援措置等に係る課題について研究するとともに、本構想についての地方公共団体の理解を深める会議等の実施としております。釈迦に説法を承知の上で雑駁な浜崎流の解釈をさせていただければ、この構想は、もはやすべての市町村にフルセットの生活機能を整備することは困難だから、人口5万人以上の中心市と、その周辺の市町村が自主的に結ぶ協定によって集約とネットワーク化した定住自立圏をつくるというものであります。
 もう1つは地方分権改革推進委員会の第1次勧告です。この中で都道府県から市町村への事務権限の移譲について、市町村合併の推進等により行政体制の整備が進んでいることを踏まえて、市に優先的に移譲を進めることとするとしています。第1次地方分権改革で都道府県から市町村への事務移譲が進まなかったのは、地方六団体の総意形成を重んじて事務処理能力のない町村の反対に遭ったからという理由によるものです。
 さらに、麻生内閣の発足に伴う自民党と公明党との政権合意で、道州制基本法の制定に向け、内閣に検討機関を設置するとされております。私も所属しております自民党政権の方針でありますから、閣内には石破農林水産大臣もおられますので杞憂かもしれませんが、よほど注意深く見守らなければ、地方切り捨てになりかねません。
 この3つを私流に読み砕くと、町村には今以上の行政体制の整備ができなくなってきた。だから今後は集約とネットワーク化だ。町村には金も権限も渡さなくていい、早く道州制を導入して国の荷をおろしたいと言っているようにも思えるのであります。非常に乱暴な言い方をさせていただきましたが、知事はこの3点についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いします。そして、こうした視点も加えて、改めて中山間地振興条例の必要性をわかりやすく説明いただきたいと思います。
 答弁を先取りするようで恐縮でございますが、条例で定められた中山間地域は、山村振興法に規定する山村、特定農山村法に規定する特定農山村、過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域となっております。企画部地域づくり支援局の説明では、対象面積は2,628平方キロ、対象市町村は一部指定も含めて15市町村、人口では約14万3,000人とのことです。面積では圏域の約75%に当たるのです。人口は23.5%にしかなりません。改めて極めて広い地域が少ない県民の手で維持されていることに驚きを禁じ得ません。そして、だからこそ振興条例を定め、みんなで取り組むことが一層大切なのだと私は考える次第です。
 続いて、雇用拡大と人材育成について伺います。
 鳥取県内の経済状況の厳しさは、既に先輩議員諸氏が代表質問や一般質問でも取り上げられたところであります。私は、できるだけ重複を避けながら、主に雇用の維持拡大と人材育成について知事並びに出納長にお尋ねをしたいと思います。
 最初に、県内経済の状況についてでありますが、企画部統計課がまとめた直近の指標から見た最近の県経済の動向や日銀松江支店の山陰の金融経済動向、鳥取財務事務所の法人企業景気予測調査、そして県の中小企業団体中央会によります情報連絡員報告などに目を通しましても、非常に厳しい現実が浮かび上がってまいります。これらはいずれも統計指標から経済実態をフォローする形ですから、現在もおさまっておりませんアメリカのサブプライム住宅ローンに源を発する米国発の金融危機などによる影響は、まだ表面化しておりません。したがって、現下の県内経済の実態は一層深刻になっているというふうに懸念しております。まず、知事に現下の県内経済をどのようにとらえていらっしゃるのか、そして今はどういうベクトルが働いているとお考えなのか、伺っておきたいと思います。
 さて、来春の高校新卒予定者の採用試験の解禁日の9月16日に鳥取労働局が発表しました県内求人・求職状況は非常に衝撃的でした。これは7月末現在で、学校、公共職業安定所の紹介を希望する生徒と求人の状況をまとめたものです。求職者は1,474人と、前年同月に比べまして51人3.6%ふえました。しかしながら県内求人数は740人で、前年同月比で126人14.5%の大幅減となっております。産業別で見ますと、製造業、卸売・小売業、医療・福祉、サービス業と、主要業種が軒並み減少しております。求職状況を見ましても、県内希望者が1,155人と全体の78.4%として依然として高いのですが、実はこの割合は平成6年の77%以来の低水準というレベルであります。ここからは、県内就職を希望してもかなわず、あるいは給与を含めて希望する労働条件とのミスマッチから、今や初めから県外に職を求める、そういう高校生がふえているのではないかと推察されます。
 実際、商工労働部からいただいた資料で、この10年間の年度末就職状況を見ますと、ことし3月末の県外就職者の割合は23.1%と最高になっています。平成16年3月が11.3%ですから、わずか4年で2倍以上に急増している。少子化に加えて、さらに人材流出が続けば、本県の活力低下に拍車をかけてしまうというふうに強く懸念をしております。県外からは製造業を中心に上場企業からの求人も多く、生徒の目が県外に向く環境が生まれているのは確かではないでしょうか。県外就職した先輩がふえたことで情報に身近に接する機会も増し、県外就職への抵抗感が薄れてきたとのお話も関係者から多々聞いております。しかし、本音はできれば県内に就職したい、これが本音です。今春の県内就職者数は992人ですが、昨年7月末段階では1,202人の人が県内希望だったということも明らかです。こうした現状を知事はどのように見ておられるのか、所見をお伺いします。
 また、ことし5月に有効求人倍率の低下に直ちに対応され、鳥取労働局、教育委員会と連携され、雇用拡大キャラバンを率いて県内企業を訪問された出納長には、さきの定例会で私の質問に対し、キャラバンを継続する旨の御答弁をいただきました。その立場から現状をどうお考えなのか、県内企業への新たな働きかけをされるのかを含めて、お尋ねをしたいと思います。
 続いて、人材育成について知事に伺います。
 「雇用は最大の福祉だ」というのは、けだし名言であります。働くことで得られる賃金が生活する上で必要だというだけではありません。雇用、つまり労働は社会とつながる太いパイプです。人としての尊厳や自己実現と深くかかわり、自分が社会に必要とされていることの証明でもあります。もちろん所得に対する課税や消費活動などを通じた財政的な貢献も、逆に働けなくて生活保護などの社会保障を必要とする場合を考えると、極めて大きいものがあるのです。それだけに雇用の維持と拡大は国政でも県政でも喫緊の課題で、ひとり高校新卒者にとどまる問題ではありません。失業率が少しずつ高まる中でも、出納長に5月定例会で御答弁いただいたように、建設業、製造業、情報産業など、技能を要する事業所では人材不足も現実にあるわけで、人材育成は雇用拡大に向けて欠かせない事業であります。
 そこに持ち上がってきたのが雇用・能力開発機構の解体論議であります。これは対応を誤ると第二のハローワークになるおそれがあります。
 御高承のとおり、雇用・能力開発機構は昨年の独立行政法人の整理合理化計画では、存廃を1年をめどに検討するとされております。辞任表明前の福田前首相が結論を急ぐように行革担当大臣に指示され、これを受けて行政減量・効率化有識者会議が機構組織を解体する方針を固めたものであります。
 有識者会議の議事次第にも当たってみましたが、機構の見直しの背景には、事業費の大半を賄う雇用保険料が無駄遣いされているのではないかという懸念があるようです。確かに京都府にあります「私のしごと館」の大赤字などは、放漫経営のそしりは免れません。無駄は排除し、組織のスリム化を図ることに異議はございません。しかしながら、機構の主要業務であります職業訓練は、景気後退が明確になった今日、その必要性は一層増していると考えます。とりわけ大企業もたくさんあって、社内でのスキルアップが図られたり、民間にもすぐれた職業訓練施設がある大都市圏と鳥取県のような地方とは条件が全く違います。この違いに目をつぶって機構本体を解体してしまっては、鳥取県のような地域は産業人材の育成でも大きくおくれをとってしまうと考えるのであります。
 鳥取県にも倉吉と米子に県立高等技術専門校があります。国と県の二重行政の側面がなくはないとは思いますが、ただ、実際は技術専門校は主に新卒者、機構は離職者訓練を担う機能分担ができていると承知しております。有識者会議の方針どおりだと、県内では鳥取と米子の職業能力開発促進センター、ポリテクセンターを県に移管することになろうかと思います。しかし、ものづくり系を主体とする機構の訓練には、フライス盤であるとか溶接であるとか、多額の設備投資が欠かせないものです。こうした施設の更新を財政力の弱い本県のような自治体が担えるのか、今から懸念をするところであります。厚生労働省の雇用・能力開発機構あり方検討委員会が有識者会議とは違った中間報告をまとめていることも承知しておりますが、厚生労働省の思惑どおりに進むのか、先行きは見通しできません。知事はこの問題をどのようにとらえ、どう対応していこうとされているのか伺って、壇上での質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎晋一議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず冒頭、中山間地の振興につきまして何点かお尋ねをいただきました。
 思い起こせば昨年11月議会で浜崎議員から御質問いただくなど、県議会でのさまざまな御提言を踏まえまして、私どものほうで、このたび中山間地域の振興に対する条例案を取りまとめさせていただいたものであります。その質問の最初におっしゃいましたのは、過疎・中山間地域の衰退は著しいものがあると。したがいまして、現在の過疎法の向こう5年間のさらなる成立を目指して、議員立法を目指して議会としてもやっていくけれども、知事部局のほうでもそういう思いでいてほしいと、こういうお尋ねがありました。
 現在の状況を申し上げますと、確かにかつて過疎という言葉が生まれたころからは様相を異にしているという面はあります。過疎という言葉が言われたころは三ちゃん農業とか言いまして、そして若い働き手の男性が外へ出ていった、そういう過疎の時代でありました。しかし、今はお年寄りだけが残されて、そのほかの方々がみんな出ていってしまうということでございます。したがいまして、過疎を取り巻く状況、さらには特に中山間地域の状況というのは厳しさを増しているのが今日ではないかと思います。ですから、例えば過疎の市町村の枠組みをどういうふうにしようかとか、また振興対策として道路づくりや、あるいはハード物を中心にやるのか、それともソフトを中心にやるのか、スタンスの違いはあろうかと思いますけれども、過疎に対する取り組みが国として、全体として求められること、これにはいささかも変わりがないと思います。ですから、私ども執行部といたしましても、全国知事会の過疎対策の委員会などを通じまして、国に対して積極的に過疎法のさらなる成立を目指すよう、国会議員の皆様に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、中山間地域の検討をする前提としておっしゃいましたのが基礎自治体をめぐる議論についてでございました。定住自立圏構想、さらにこのたび地方分権改革推進委員会のほうで示されました町村ではなくて市に優先的に移譲を進めるという考え方、また道州制基本法の制定に向けて検討機関を設置するとされた麻生内閣の基本方針、こういうものについて、議員のほうでは、要は町村というものを切り捨てて道州制を導入して、国のほうが軽量化したいと、減量したいということではないかという御指摘でございます。
 私は、議員のおっしゃるような面もあるかもしれないと思う面もあります。ただ、恐らくは、この3つはそれぞればらばらの観点から出てきているのではないかと思っています。まず定住自立圏構想についてでありますけれども、中心的な市街地を有する中核的な都市、この鳥取県内にもそういう都市がございます。さらにその都市と結びつくように存在している、働き手が通ってくる、あるいは近郊的な農業をやる、またそのほかにも地域としての一体性を持って水道事業をやるだとか、あるいは下水道をやるとか、そうした取り組みをやっているわけでございます。このような一つの圏域が持たれるようなところ、こういう定住的な、定住圏を構築する上で欠かせない市町村の結びつきを強めていこうという定住自立圏構想自体は、私は否定されるものでもないだろうと思います。ただ、その際に注意しなければならないのは、全く取り残される地域が出てくるかもしれませんし、それから中心的な都市と、それからその縁辺部の町村との存在というものを区分けをおのずからしてしまうことによりまして、縁辺部の町村と位置づけられたところの発展を阻害することにならないだろうかということであります。
 例えば鳥取県の中部でも、倉吉という中心都市がありますけれども、北栄町などはそこに新しい商業的な中核地域をつくれないだろうかという模索をしていると、市町村との個別の懇談会の場で伺いました。それぞれに思いがあるわけでありまして、何か全国一律で中心と縁辺というような割り切りをするのでもないのだろうと思うのです。その辺の個性的な地域の実情というものを踏まえた対応をしなければ、間違うのではないかと思います。
 次に、市に優先的に移譲を進めるということでありますけれども、これは確かに市町村合併が進んで、大きな都市には一定の行政サービスを提供するだけの水準が出てきつつあるとは思います。ただ、町村と、一律に町村という名前だから区分けをして、こちらには移譲しないのだという、そういう国の地方分権推進委員会の態度というものは、必ずしも妥当しないのではないかと思います。
 例えば福祉行政で言えば、高齢者の福祉を考えた場合、例えば人口3万人とか5万人とか、そういう圏域をつくれば一定の高齢者に対するサービスがスケールメリットとしてペイする水準があるだろうと、コストはだんだんスケールメリットで下がってくる面があります。それとの兼ね合いからして、適正水準というものをとる意味で、ある程度の人口圏域というのは考えられ得るとは思います。ただ、それより小さなところだからといって、すべて切り捨てていいのだろうか、町村もまとまって連合体を組むことでやっている面もございます。例えば南部箕蚊屋広域連合なんかをつくって介護保険の受け皿をつくっていったところもございました。こういうような観点からすれば、余り町村だから一律に受け皿になり得ないというものでもないのだろうと本当は思います。
 最近の地方分権改革の動向を見ておりますと、正直申し上げて、よくよく見なければならない段階に入ってきたと思います。初期の地方分権の段階で言えば、要は地方に対して財源を与えよう、それからだれが見てもこれは地方だと思うような事務移譲が起こってきたわけであります。しかし今、こうして選別をして、こういう事務を地方に移すべきだけれども市町村に一律に移せないと、だから市だけ移そうという、こういう取り組み、構想が始まったわけです。ですから地方分権の議論は次の段階に入ってきていると思うのです。そういう意味で、この地方分権の議論について無制限に賛成できるという状況でもなくなってきたのだろうと思うのです。現に町村会は、今回のこの地方分権改革推進委員会の提言に対してはひどく反発をしているわけであります。それもむべなるかなだと思います。
 また、個別の事務事業の移譲をめぐっては、このたび鳥取県も含めて都道府県のほうに河川だとか道路だとか、そういうものを移譲しようかとか、あるいは労働局をどうしようかと、こういう議論が個別に始まってきております。こういうそれぞれの事務事業の移管についてもいろいろな議論が分かれてきておりまして、知事会でもいろいろ甲論乙駁分かれる議論も始まってきております。ですから、今の地方分権は是々非々で臨むべきものも中には出てきているということでありまして、この町村への事務移譲というのもその一つなのだろうと思います。
 さらに、道州制基本法の制定という問題でありますけれども、私はかねて申し上げておりますように、まずは検討機関を設置するということで、それを見守りたいと思いますが、基本となる議論、中央政府を解体するという議論をまずやっていただく必要があるだろうと思っております。単なる道州制を目指すがために都道府県が数合わせ的に一緒になるというのは余り意味がないわけであります。
 全国町村会は、このたび初めて道州制に反対という全国的な意思表示をいたしました。非常に重いことだと思っています。これは中身によっては、市町村合併が成功したとか失敗したとか、いろいろ評価があるようでありますが、縁辺部が切り捨てられてしまったという思いを持っているところもございます。そういう経験を踏まえて道州制反対というのが地方六団体の中からも上がり始めている状況にありますので、まずは検討機関でだれもが納得できるような、国の形を変える道州制の議論なのだということから、まず始めていただきたいと思います。その状況を見て、我々も道州制に賛成するかどうか、賛成するとしたらどういう状況でやっていくか、そういう議論に次の段階として入っていくのだろうと思うのです。まだ今はその検討機関を見守るべきではないかと思っております。
 そういう意味で、議員がおっしゃるように、小さな団体を切り捨てるというような、そういう面が地方分権の議論の中には見え隠れするところはあると思います。特に財政当局が主導をとってやるような局面に入りますと、注意をすべきだと思います。ただ、一つ一つは別々の議論でございますので、定住自立圏構想など鳥取県内で始まっている議論もございます。そういうのも拝見すれば、よくよくいいところ、悪いところ、取捨選択をしてつき合っていくことが必要ではないかと思います。
 次に、中山間地域振興条例の必要性についての御議論をいただきました。本県におきましては75%という広い地域を中山間地が占めている。その中で人口は23.5%。そうした少ない人口で広大な地域を支えなければならないわけであって、中山間地域振興の条例の必要性はあるのだと、こういうように訴えられました。
 私も、そういう思いを共有して、議会での議論を踏まえて、このたび執行部としての議論を出させていただきました。このたびの中山間地域振興条例についてでありますけれども、その基本的な筋としては、やはり市町村がその中山間地域の中核的な振興自治体になろうと思います。ただ、そうではなくてみんなでやろうと、みんなで中山間地域の振興を進めようということをあえて申し上げておりますのは、多様な主体がかかわらなければならない、地縁団体だとかNPOだとか、あるいは住民の皆様、あるいはそれは都市と農村部との交流、地域間交流だとか大都市部との交流ということも含めてでありますけれども、多様な主体がかかわって、学術研究機関などもかかわって中山間地域の振興を行っていくべきではないだろうか。また、その中には、例えば安全・安心に対する不安だとか、産業基盤が失われていくことへの不安だとか、そうした個別の課題もございます。こういう課題も皆で確認し合いながら条例の条文をつくらせていただきました。基本方針を県としても定めて、その振興に当たっての施策も県独自にも打っていく必要があるだろう、これも条例の中に書き込ませていただいたところであります。そういう意味で、私どもとしては、議員が訴えられるような今の痛切な中山間地域の情報に対する処方せんとして、今回の条例は機能し得ると考えております。何とぞ御審議を賜りたいと考えております。
 次に、県内の経済状況についてどのようにとらえているか、そして今はどういうベクトルが働いていると考えているかというお尋ねでございます。
 現在の経済状況につきましては、例えば有効求人倍率が、このたび発表されたのが0.68であります。そういう意味で0.7を下回る水準でいまだに進んでおります。ただ、全国のほうの水準が下がってきておりますので、全国との格差は縮まってきてはおりますけれども、なお満足できない状況であると言わざるを得ません。さらに、倒産の件数も平成20年度に入りまして57件、大きな件数になってきております。これも実体経済の厳しさをあらわしているだろうと考えております。その辺の詳細につきましては、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。
 さらに、今はどういうベクトルが働いていると考えているかということでございます。
 けさもショッキングなニュースが入ってまいりました。それは東京の株式市場が1万円の水準、大台を割り込んだというニュースであります。さらに日本時間でいいますと夜中、夜明け前まででありますけれども、アメリカのニューヨークのほうでも市場があいておりました。そのニューヨークの市場のほうも、株式はやはり1万ドルを割り込んで9,955ドルという水準まで落ち込んだということであります。
 今、まさに世界の同時株安が起こっているという、その朝であろうかと思います。私どもはそうした厳しい状況に立たされつつあるわけであります。この原因となったのは幾つか複合的にあると思いますが、非常に不幸だったのは、投機筋が原油高だとか、あるいは恐らく飼料高もそれにかかわっているのではないか、シカゴの相場も言われておりますが、原油高、飼料高という原材料高を生み出したわけであります。これで、原油で言えば1バレル147ドルまで上がってしまった。こういうようなことで産業の体力が非常に衰えたところにもってきて、アメリカにおいて住宅、そして金融のバブルがはじけてしまった。これが瞬く間に世界へ広がっていって、ただでさえ実体経済がぎくしゃくし始めたところにバブル崩壊が世界的に波及していったという状況なのだろうと思います。
 原油のほうは、実体経済が今悪くなるという見込みが立っているものですから、147ドルだったものが、きのうの、要は日本時間のけさまでの間では87ドル、ついに1バレル90ドルを割り込むほどに逆にこれは戻ってきてしまっている、こういうように激変を迎えているわけであります。
 アメリカのほうでは、そもそもリーマン・ブラザーズの破綻というショッキングなことに始まりまして、それがワコビアとか金融機関全般に広がってきている。さらに問題なのは、今回はヨーロッパに波及してきていることだと思います。イギリスで、ルクセンブルクを初めとしたベネルクス三国で、それからドイツでもしかり、このように金融不安が広がってきていて、国有化をせざるを得ないとか、大きな公金を出動させざるを得ないと、こういう状況になってきています。ヨーロッパの場合ですと、アメリカとか日本と違いまして、それぞれの国の経済規模というものをはるかに超える金融機関というのが存在し得るわけでございまして、各国が話し合って基金をつくろうかとしながら、まだ実現していないという状況であります。
 アジアのほうは、金融不安が直接波及する段階にはなってきておりません。先ほど浜崎議員がおっしゃったように、県内経済で直ちにサブプライムローン問題から波及したと考えられるような深刻な状況が明確にあらわれているわけではありません。ただ、恐らくこの状況は我が国の実体経済にも影響してくるだろうと思います。
 鳥取県の場合、下請の経済も強いわけでございまして、大企業が海外への輸出が冷え込んでくる、これに伴って生産を減退をする、この傾向が県内各地の下請のほうに波及してくる可能性があります。さらに、国とか地方の財政余力に乏しい状況は相変わらず続くことは火を見るより明らかな状況になってきました。ですから公共投資に対する、その上昇ということもなかなか見込みづらい状況になってきている。ですから、じわじわとこうしたものがきいてきて、いわゆる下振れリスクというのが県内でも見受けられる状況になってくるだろうと考えております。
 次に、来春の高校新卒予定者についてでありますけれども、県内で就職を希望する人の割合が減ってきている、それから県内での就職の状況も非常に憂慮すべき状況ではないかと、こういう現状をどう見ているかということでございます。
 詳細は商工労働部長のほうから申し上げたいと思いますけれども、現段階で来春の高校新卒予定者で県内を希望している方が78%台と、9年ぶりに8割を切っているというのは非常に残念なことだと思います。この背景として考えられますのは、県外からの求人が子供たちに魅力的に見える面がどうしてもあると。最近、県外志望が強まっておりましたので、県外と県内との景気回復の差が影響していた状況は今も続いているというようなところだろうと思います。
 あともう1つは、県内企業のほうの求人に対して陰りが見られるのもまた事実だろうと思います。現に高卒の有効求人倍率が50%程度というふうに発表されました。かなり低い水準ではあります。ただ、冷静に見ますと、おととしとかその前と余り変わらない水準であります。去年が60%台でちょっと多目だったものですから、やや悪く見えているという面もあります。ですから、出納長だとか皆さんに出かけていただきましてキャラバンを今やっているわけでありますが、そういうキャラバンをやることなどで県内高校生の就職先を発掘をしていく、これを学校と共同してやることで、子供たちにも県内就職の希望を開いていただくと、こういう努力が必要ではないかと思います。その余地は十分にあるのではないかと思っております。
 次に、雇用・能力開発機構についての御質問がございました。ポリテクセンターを県に移管する方針を国が固めているのではないか、これをどうとらえて対応しようと考えるかということでございます。
 浜崎議員は第二のハローワークになるのではないかと懸念を持っているとおっしゃいました。この雇用・能力開発機構は、1つには無駄遣いが指摘されています。私のしごと館、議員の御指摘もございましたが、あれだけのものを大きなお金をかけてつくって運営する必要があるのだろうかと、全国的な世論も注目をされているわけであります。ただ、この雇用・能力開発機構はいろいろな機能を持っていまして、企業に対する給付金とか、それから私どもの県内でも職業能力開発の事業をやっているわけであります。その舞台となっているのがポリテクセンターであります。
 国のほうの行政減量・効率化有識者会議におきましては、ポリテクセンターを廃止して都道府県のほうに移管するという方針を出しました。片や厚生労働省のほうは、これと考えを一にしておりません。むしろ存続させたいということだと思いますけれども、省内であり方についての検討をするのだと、こういう流れになってきておりまして、方向性がはっきりとまだ見えません。ただ、前の福田内閣のときの動向からすれば、それを今後も引き継いでいくとするならば、ポリテクセンターは都道府県へ移管されるということは十分に考えられようかと思います。
 ただ、前のハローワークと違いますのは、境港、そして郡家のハローワークを単純に廃止しますと言ったのと違いまして、今回は移管するというのが基本的な線になろうと思いますので、職業能力開発のための研修事業は機能としてそれぞれの地域で残っていくことを前提にした検討だろうと思っております。
 ただ、問題なのは、県でも現在、職業能力開発の研修事業をやっていますし、国のほうもポリテクセンターでやっているという、これが二重行政的に重複しているものですから、もし引き継ぐということになれば、そこの調整をする必要があるだろうということであります。県は中部、西部で持っていますし、国のほうは東部、西部でその機能を持っている。確かに議員おっしゃるように一応のすみ分けはありますけれども、同じ職業能力開発のための研修であること自体には大きな変わりはないと思っています。ですから、例えば東部、中部、西部でそれぞれに機能を取りまとめながら有機的に効率的な研修事業を行っていく、そういうスタイルを整えていくような調整が必要になってくるというのが1つあろうかと思います。
 あと、ポリテクセンターも年間6億ぐらいのお金を使ってこの研修をやっているわけであります。そのお金が果たして県で確保できるかどうか。本当のことを言えばというか、当たり前のことでありますけれども、国のほうがこの6億円のお金を、原資としているものを地方に移管して、それをもとにして研修を続けるというのが筋合いだろうと思います。ただ、そういう思いがどうも国のほうに今はない。その辺がありますので、この点はきちんと国のほうに訴えかけなければならないだろうと思います。
 あと、人間のこととか機材のことなどもそうでありまして、先ほどフライス盤の話などもございましたけれども、そうした機材なども高うございますので、また研修人材のこともございます。ですから一定の機材だとか人員は県のほうに移行するということになるのだろうと思います。ただ、片方で無駄な、無駄なと言っては失礼になりますけれども、余剰になるような人員を抱える必要も県のほうはないわけでありますから、その辺の調整も必要になろうかと思います。
 このように、私は地方分権の時代でありますので、国と地方との機能を整理するという意味で、移管ということも私は肯定的にとらえてもいいのではないかとは思っています。ただ、その前提として整理すべき課題がありますので、今後の議論を見守る必要があるだろうと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)経済、雇用に関して2点、補足をさせていただきたいと思います。
 1点目が、現在の県内の経済の現状についての認識ということで補足をさせていただきます。
 幾つか指標を上げさせていただきますと、例えば鉱工業生産指数という指標がございますが、こちらにつきましては昨年の4月が66.0ということでございましたけれども、ことしの6月には66.7ということで、全国最下位ではございますけれども、若干上がってきてございます。と申しますのも、本県のウエートが高い鉄鋼業でありますとか、また電気機械工業、こういった一部の業種で好調なところがあるというところで、ほかが下がっているところを補っているという面がございます。
 また、雇用の面で見ますと、有効求人倍率という私どもがいつも判断材料にさせていただいている指標がございますが、先ほど知事からもございました、0.68ということでございまして、全国第33位ということでございます。特に数値の悪い理由の1つとして、在職求職者がふえてきているという状況がございまして、求職者数約1万3,000人のうち2,000人前後が在職求職者になっているということで、先行きの不透明感から在職をしながら求職活動をされているという方がふえているという実態にあることも大変心配をしているところでございます。
 また、企業の倒産件数ということでございますが、先ほど知事からもございましたが、ことしの8月末現在で57件、負債総額も大変多うございまして、昨年の倒産件数を超える勢いというような状況になってございまして、大変私どもも憂慮いたしております。
 また今回、補正予算を検討するに当たりまして、幾つもの企業現場の方々からお話を伺いましたけれども、やはり原油高騰も含めて収益性が悪化をしているということでございまして、下振れリスクがあるものというように認識をいたしております。現在、国のほうで補正予算が議論されておりますが、こういった議論も見つつ、私どもも現場の声を大切にしながら、今後も機動的に対策については検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。
 次に、2点目でございます。県内就職希望者の減少ということでございまして、先ほど御指摘ございましたように、今年度におきましては、7月の段階で県内就職希望者が8割を割ったというような状況になってございまして、大変憂慮いたしてございます。その理由といたしましては、県内求人が減少しているということ、あわせて条件のよい県外求人がふえているというような状況にございまして、当初から県外企業を選択する生徒さんがふえておられるというような実態にあるものというように考えております。
 特に県内は中小企業が多いということもございまして、先行きの不透明感から、採用の判断を当面留保されているというような企業が多いというような実態がございます。これまでも過去、月を追うごとに求人数というのはふえてきておりまして、7月の求人倍率は0.5と少し衝撃的に報道されましたけれども、8月末では0.60まで上昇いたしております。今後も労働局や教育委員会とともに要請活動を一層強化をする中で、求人の拡大に努めてまいりたいというように考えております。
 また、県内にはすぐれた技術を持ったすばらしい企業があるにもかかわらず、まだまだ知られていないというような現状から、県外の有名な企業に就職希望されるというような生徒さんが多いというのも事実だろうというように考えております。県内に優良企業があるということを生徒、また保護者の方々に知っていただくというような取り組みも重要だと考えておりまして、職場見学会、また各種の説明会など、今後もこういった機会を充実をさせていきたいというように考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 青木出納長


◯出納長(青木茂君)雇用拡大に向けた県内企業への新たな働きかけについてのお尋ねでございます。
 3月の有効求人倍率が4年7カ月ぶりに0.7倍を割るという、そういう事態を踏まえまして、5月に県庁を挙げて労働局とキャラバン隊を編成して企業に要請活動をしてまいりました。その結果、290社訪問いたしまして、89社から240数名の増員計画という前向きな回答をいただきました。それから求人要請のキャラバンの第2弾目としまして、来春の高校新卒者の企業への求人要請を行っております。労働局と教育委員会、そして商工労働部とがキャラバンを編成しまして、例年8月末から実施しますけれども、今年度は一月前倒しをしまして7月から、現在までに100社を訪問いたしております。そういうことを努力はしております。企業の皆さんにも理解をいただき、本当に頑張っていただいておりますけれども、議員からも紹介がありましたように、そして知事からも厳しい労働環境の説明がありましたように、本当に厳しい状況が続いております。改めて本当に県内経済の活性化、そしてさらなる雇用の場の確保ということが急務になっていると考えております。県で今設置しています企業誘致立地本部、ここで取り組んでおります進行中の県外からの誘致案件、そして県内の増設案件について早急に実現させたいというふうに今考えております。できるだけ全力投球して、これを実現させたいというふうに考えております。
 また、有効求人倍率の低迷の大きな要因に雇用のミスマッチというのがあります。これは企業が求めています専門性、そして技術的な人材というものが不足いたしております。この育成というものが、1つは企業とのマッチングということも必要でありますけれども、これをきめ細かくやっていきますけれども、人材の育成というものが喫緊の課題であるというふうに考えております。企業に要請するだけではなくて、県としても新たに市町村と、そして経済団体と協議会を設置しまして、鳥取県の地域雇用創造計画というものを今作成いたしております。企業のニーズに合った、そして技術、知識を持ったそういう人材を養成すべく、計画を今国に提出して承認を求めているという状況にございます。できるだけこれの実行を早くやっていきたいというふうに考えています。
 企業訪問につきましては、キャラバン隊を編成するかはおきまして、機会あるごとに雇用支援制度を説明しながら、継続して企業等に雇用の要請はしていきたいというふうに考えておりますし、私もできるだけ暇をつくって現場に出かけて、現場の生の声を聞き、そして現場の声を吸収して雇用改善に努めてまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)それぞれに御答弁をいただきました。
 まず中山間地域の振興ですけれども、知事の答弁、本当に私が期待した答弁に近い御答弁をいただいたというふうに思います。ただ、本当に国の動向も踏まえ、また地域も今知事がおっしゃったように、いろいろな状況、条件がございます。また市と町村というものがそういった自立圏構想の流れで非常に分断されるようなことになっても絶対いけないわけですから、しっかりと今のこの状況というものを、さっき中部の話も知事から御答弁の中でいただきましたけれども、しっかりと見据えた上でやっていかなければいけないというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 条例の必要性というものが一層明確になったと確信をしております。国の動向についても、今申し上げたように、しっかりと対応していただきたいというふうに思うわけですし、知事の御答弁で、今の現状では、今の状況では安心もさせていただいたということでありますが、これから不安がいっぱいまた出てくるような状況もあるかもしれません。よろしくお願いしたいと思います。
 麻生総理は、さきの所信表明で地域の再生と地方分権に触れられまして、最終的には地域主権型道州制を目指すと述べられました。我が鳥取県でも、やはりそういった道州制の議論というのはいろいろ出てこようかと思います。先ほど知事もおっしゃいました。やはり国の解体的な再編というのが大前提ということになろうかと思います。ただ、現実にはお尋ねしました3点、総理の所信表明演説を加えると4点かもしれませんけれども、地方の懸念というのは大変強まらざるを得ないという状況だと思います。そうであるなら、過疎・中山間地の振興対策を担う主体は市町村でありますが、県も当然全力で支援する必要があります。今もお話がありましたけれども、規模も違います。施策の優先順位も違いがあると思います。県のほうが得やすい利点ということで言えば、先進国や国の情報というのは県のほうが得やすいわけであります。条例の実を上げるために重点的に取り組む施策として7項目上げられました。一つ一つ具体の事業に仕上げることが大切であります。そのためにはアクションプログラムといいますか、行動指針のようなものも必要かと思います。もちろんその策定に向けては、県と市町村が当然綿密な連携を図ることは言うまでもありません。そうした体制を県、そして市町村、それぞれが築く必要があろうかと思いますが、知事はどのように取り組まれるのか、重複する部分もあるかもしれません、お伺いしたいと思います。
 次に、条例自体について確認しておきたいことがあります。
 条例案では、中山間地に過疎法など三法に規定される地域のほかに、これらの地域に類する地域として規則で定める地域、こういうふうに書いてあります。これは具体的にはどういうような地域を想定されるのか。やはり漁村はどうだ、市街地はどうだというような、そういった思いも皆さんあると思うのです。そういった中で、この類するという部分がどうなのかということも知事にお聞きしたいというふうに思います。
 もう1点は、条例上の地域住民、中山間地域に居住する県民とされておりますけれども、この地域の住民団体というのはどういう位置づけになるのかということをお聞きしたいと思います。
 さきの5月議会で、私は地縁団体の強化が必要だということを、意見を申し上げました。知事からは、策定中の条例で地縁団体が果たす役割についても言及したいということで御答弁いただきました。もちろん重点的に取り組む施策の中には人材、団体等の育成が盛られております。忘れ去られたわけではないというふうに思っておりますが、しかし、過疎・中山間地域をともに支えていただく県、市町村、県民等、NPOも含めまして向き合うには、当該地域の住民の何らかの組織というのが必要だと思うのです。地縁団体にこだわるわけではありませんが、この点について知事の所見を伺いたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、中山間地域の振興に当たりましての体制づくりについてのお話がございました。市町村が中核を担うことはもちろんであるけれども、県のほうが国や、あるいは外国の状況なんかも情報は得やすいだろう、また体力にも違いがあるだろう、条例上も7項目書いておりますけれども、それに従った行動指針を市町村と共同して作成していく、そういう手順を踏んでいくための体制づくりが必要ではないかという御指摘であります。
 ごもっともなことであります。今まで、実は案をつくる段階でも過疎・中山間地域についての研究会を市町村の実務者の方、そして県の実務者でたび重ねて協議をしてまいりまして、こういう成案をさせていただきました。また、もちろんパブリックコメントもやりまして、住民の皆様の御意見もいただいたというのが今日までの姿であります。もし御可決いただきましたら、これからいよいよ、その絵に目を入れるということになります。その目を入れる段階で基本となるのは、市町村が中心的な主役でありますので、市町村とも十分連携をとって行動指針をつくり、さらに実行へと移していくことが大切であります。そういう意味で、例えば東部、中部、西部でそれぞれに中山間地域の振興を語るような市町村と県との協議会みたいなものをやって、例えば副知事だとか、そういう何か一つの組織をこしらえて推進体制をつくっていくことは必要だと思います。その中に市町村の顔も入ってやっていくべきだと思います。
 実は従来、西尾県政の時代に中山間地域の振興を一生懸命やった時期がございまして、この時期には副知事がトップで庁内の幹部が集まって中山間地域活性化協議会というのをつくっていました。それでどん詰まり集落と言われるような、当時、そういう言葉を使っていたのですが、ここで行きどまりになるようなところを中心にして、本当に支えが必要な集落にふさわしい施策を考えていた時代がありました。これは県庁の中だけでやっていましたのですけれども、私は浜崎議員がおっしゃるように、市町村との対話の中で進めていくという姿勢が必要だと思いますので、新しい体制をもちろん考えていく必要があるだろうと思います。
 次に、中山間地域の定義についてであります。
 現在の条例については、山村振興法だとか過疎法だとか、そうした法律での指定地域を中心として条例の中に書き込んでおります。さらに規則で準ずる地域を定めるとなっております。現在の検討している状況内容につきまして、地域づくり支援局長のほうから御答弁申し上げたいと思いますが、この議場でもいろいろな議論が出ていますので、また恐らく常任委員会でも所管のほうで御意見が出れば、そうした意見の内容なんかもきちんと踏まえながら、ある意味、目配りをして遺漏のないような地域の指定の仕方を考えたいと思っております。
 実は今でも条例上過疎法の指定地域に入っています。過疎法というのは中山間地に限りません。例えば旧泊村は過疎地域でございまして、全域がこの条例のままだと適用されます。ですから実は漁村的な地域も今の条例上も明示的に入っている格好になっています。そういう意味で、どこまでが目配りすべき地域かという観点で、広く議会の御議論も踏まえた上で、最終的には規則制定をしていきたいと考えております。
 次に、地縁団体の果たす役割についてということでございます。
 これにつきましては、議員のほうから御指摘ございましたが、今回の条例案の7条の2号の中で書かせていただいておりまして、人材だとか団体だとかの養成をする、さらに同じ条文の中でネットワークをしていく、そして中山間地域の応援をしていこうと、こういうスタイルの施策の体系になっております。もちろんこの中で地縁団体を読ませていただいて支援をしていくということになろうかと思います。
 ただ、現実問題、市町村とこれまでも話し合いを重ねてきておりますけれども、例えば三朝町だとか、あるいは南部町とか、そうしたところでは地縁団体をさらに包括するような大きなくくりの地域団体を設定をして、そこを中心としたまちづくりをすることで中山間地の振興も進めていこうという考え方が出てきております。これはそうした、やや広域的なものを設定するところに限りません。どこの市町村も、まずは町内会だとか集落での活動というものを重視します。掲げております7項目を見ても、例えばお年寄りの方が安全で安心して暮らせるような体制をつくりましょうということが書いてあります。これをやろうと思ったら、地域の地縁団体の御支援といいますか、協力なくしてできる話でもありません。ですから、おのずから地縁団体というものが一つのコアとして中山間地域の振興の中では位置づけられてくるだろうと思っています。行動指針をこれから県として作成することになりますが、その中でも地縁団体の役割について言及をさせていただいて、議員の御指摘の方向に沿った施策体系づくりに努めてまいりたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 林地域づくり支援局長


◯地域づくり支援局長(林昭男君)条例で定めておりますところの規則で定める地域につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
 条例では、中山間地域といたしまして議員からもお話がありましたけれども、山村振興法に規定する山村、それから特定農山村法に規定する特定農山村、過疎法に規定する過疎地域、これらを定めているところでございますが、これらの地域のほかにも類似の条件不利地域というものがございます。こうした地域がある場合に、それらに柔軟に対応するために規則でそうした地域を定めることができるようにしているところでございます。
 規則で定める地域として現在我々のほうで想定しておりますのは、中山間地域等直接支払い制度が対象としております農林水産省の農林統計でいいます農業地域類型の区分がありまして、その中の中間農業地域、あるいは山間農業地域というものを考えているところでございます。これらを入れますと、非常に県土の広範な地域に及ぶことになるわけでございますが、具体の施策を実施するに当たりましては、それぞれの地域の必要性に応じて個々の事業で対象地域を定めながら実施をすることとしたいと考えております。その際には、地域の実情に応じて、この中山間地域以外の地域であっても同様な課題のある地域については柔軟に対応してまいりたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)中山間地域の振興について御答弁をいただきました。目配りをしていただいて、柔軟に本当に対応していただきたいというふうに思います。
 時間の関係もありますので、それでは雇用と人材育成について重ねてお尋ねをしたいと思います。
 県経済と雇用をめぐる状況の認識は、知事並びに出納長と共有ができたというふうに思っております。時間の制約がありますので雇用・能力開発機構の実情については触れませんが、本県における職業能力部門での存在価値は極めて大きいものがあると、先ほどのお話もございました。麻生さんも所信で、地域の活力を呼び覚ます処方せんは地域によって1つずつ違うのが当たり前。中央で考えた一律の施策はむしろ有害であるというふうにも述べられております。まさにそのとおりであると思います。鳥取県における雇用・能力開発機構の役割は、大都市圏と一律にははかれないのです。それがハローワーク問題でも本県の主張の根拠であったというふうに私は記憶しております。独立行政法人の合理化計画も一緒であります。百歩譲って機構の業務を県に移管せざるを得なくなったとしても、先ほど知事もおっしゃいましたが、民間に教育訓練施設がある県と同じ対応では納得できないのであります。決して成り行き任せにせず、有識者会議の動向にも目配りをしながら、事前に厚労省との踏み込んだ協議をする必要があると思いますので、それにつきまして改めて知事の決意をお願いしたいと思います。
 本県の雇用の拡大を考える上で最も大事なのは、先ほどもお話がありましたけれども、事業所の98%が50人未満。そうした事業所の雇用が全体の68%を占めておるという実態を考えると、我が県の中小企業の振興策は一番大事なのです。そこでもっと注目されて期待が集まってもおかしくないのが鳥取県成長力底上げ戦略推進円卓会議。非常に長い名前ですが、先月12日に第3回の会議を開かれました。ほとんど注目されておりません。これといった成果も上がっていないでしょう。なぜでしょうか。実は聞き取りの段階で担当課から、あれは厚生労働省の労働局の会議ですからというふうなニュアンスが出ました。確かに中央円卓会議があり、その鳥取県版ですから事務局は労働局。しかし、会議は副知事、教育長が県を代表され、労働界からは連合鳥取の会長、産業界から経営者協会の会長、教育・訓練機関や国の出先、責任者も出席して、そうそうたるメンバーなのです。座長は鳥取大学の名誉教授。県内の政労使が一堂に集まる会議であります。これほどの会議を労働局が段取りをしてくれたのだったら、もっと有効活用したらどうでしょうか。会議は開けばいい、出席すればいいではなく、会議の設置目的を果たすことが重要なのです。円卓会議は国の基本構想の効果を発揮するための推進組織ですが、単なる中央円卓会議の伝達機関であってはいけないと思うのです。国の下請に使いたいとの厚労省の思惑はあると思います。県の雇用拡大の実を上げるという、そういうことからすれば、そのことに活用するぐらいのしたたかさがぜひ欲しいのです。実際に会議がジョブ・カードの普及、推進のための組織に堕しておるという話も聞こえてきます。あえて知事にこの会議の評価と活用策についての御所見を承りたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)ポリテクセンターについて重ねてのお尋ねがございました。雇用・能力開発機構の解体論議を成り行きに任せていてはいけないのではないか、大都市と違った考慮というものがこうした鳥取県のような地域にはあっていいのではないかという御指摘でございます。
 私もそのように思います。中央の省庁の再編だとかこうした独立行政法人の再編だとか、税金の無駄遣いが叫ばれている今でありますから、私は避けられない面があろうかと思います。ですから、予断なくいろいろな組織を俎上に上げて議論をすること、これは必要なことだろうと思います。ただ、その際に地域の実情が捨象されてしまうというのはいかにも不合理です。大都市部と地方部でこうした職業能力の開発に携わっている機能がどうなっているか、議員が御指摘になるように、確かに大都市部ですといろいろな民間の研修機関があります。看護師の養成だとか、あるいはアナウンサーの養成だとか、あるいはもちろんそうした建築関係だとか、いろいろな養成のセンターというものは民間レベルでも存在し得るわけでありますし、それがペイしているわけであります。しかし、地方のほうに参りますと、例えば料理人を養成する講座がどれほどあるか。都会へ行けば幾つもクッキングスクールみたいなものはいろいろあるわけでありますけれども、こういうところではそういう機能はやはり公が一定程度担わざるを得ないという状況もあったりします。ですから、そういうように地域の実情に応じた対応が必要なのだろうと思います。それは講座の数が地方のほうが充実せざるを得ないのであれば国のほうで支えてもらう必要があるではないか。公費として出すものが国の一般財源ではなくて、これは特会のほうから回ってくるお金であります。それが結局、国のほうが今、扉を閉ざして地方に譲るお金は一つもないと言っているゆえんではないかと思うのですけれども、そんな狭い了見ではいけないと思うのです。むしろ地方のほうに労働行政も一定程度移すと。例えば保育の環境を整えるだとか、いろいろなことも含めて、地方のほうにそうした特会のお金も回していけばいいわけであります。そうした議論を国ともぜひさせていただいて、この雇用・能力開発機構の解体論議に県としても声を上げてまいりたいと考えております。
 次に、鳥取県成長力底上げ戦略推進円卓会議について、すばらしいメンバーが集まっているし、県としてもこれを活用すべきではないかという御指摘でございます。
 この成長力底上げ戦略推進円卓会議でありますが、これは厚生労働省のほうが事務局になりまして、労働局がいろいろと進行をしまして、そして会議を開催し、そこで議論をするわけであります。タイトルとしては成長力底上げの戦略を練るのだと、こういうことになっておりまして、私も最初、これが発足するときはおもしろいことを国がやるなと思っていました。これは使用者側だけでなくて労働者側も入りますので、いろいろな幅のある議論もできるのではないかと私も期待をさせていただいたところであります。
 しかし、残念ながら開始して実際に会議を開いてみますと、必ずしもそういう状況にございません。その状況につきましては、商工労働部長のほうから御報告を申し上げたいと思います。
 例えば前回は副知事が私にかわりまして出席をさせていただきました。その状況をちょっとお伺いしましたけれども、終始議論になったのはジョブ・カードの話だったと。成長力の戦略を練るのであれば、ジョブ・カードの話という厚生労働省の施策の1つだけをとらえて議論をする必要はないわけであります。ですから、その場でも経済界の代表者からも、また副知事もその旨の発言をされたそうでありますけれども、こんなことでは何も役に立たないではないかと、ちゃんと本質的な議論をやるべきではないかということで、当日は議論がまとまらずに閉会をしたということだったようであります。
 その前にも会議をやっておりますけれども、中央のほうの円卓会議、あるいは厚生労働省の施策の伝達になっている、それを承認するような仕掛けではないかという印象をぬぐえません。ですから、成長力底上げ戦略推進円卓会議ではなくて、成長力底上げ推進伝達会議ではないかと私なんかは本当に思うわけであります。ですから厚生労働省もここはやや頭を冷やして運営の仕方を考え直すべきだと思います。私どももメンバーに入っておりますので、議員がおっしゃるように、せっかくこれだけのメンバーが入っているわけでありますから、これを活用して議論を起こすように、私たちとしても一員としてやっていきたい、声を上げていきたいと思います。
 これがどうしても機能しないのであれば、また同じような枠組みで別途会議をつくるなども必要になるかもしれません。いずれにせよ、まずはこの会議がありますので、議員がおっしゃるように、活用できるように私たちも最大限、力を発揮してまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)成長力底上げ戦略円卓会議につきまして、若干補足をさせていただきます。
 もともとの目的は、経済成長を下支えする基盤であります人材でありますとか雇用でありますとか中小企業の向上を目指すということを目的といたしまして、政労使の代表がメンバーとなって開催をされているということでございます。また、お話ございましたけれども、この円卓会議は中央レベルでの会議と各都道府県ごとの地方レベルの会議の2段階の構成になっておりまして、地方の円卓会議につきましては、中央レベルで合意した内容を周知するというようなことも大きな目的になっておりまして、そういった形で運営をされてきているというのが実態だというふうに認識をいたしております。
 これまでも3回開催をされてきておりまして、直近であればことしの9月12日に第3回目の会が開催をされておりますけれども、やはり議論の間口が広過ぎるということで議論が深まらないなどの御意見や、先ほど知事からもございましたが、ジョブ・カードの普及のための議論だけになっているというようなことなども御指摘のあったところでございます。
 ただ、これは政労使の代表が会合する会議ということでもございますので、私ども鳥取県といたしましても実情、課題について積極的な発言を行い、その結果が国に届くようにさせていただきたいとも思っておりますし、また議題の選定ということにつきましても、事前の段階から我々も一緒になって検討させていただくなど、この会議が有効に機能するように、私どもとしても取り組んでまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)最後に、人材育成について、1つ紹介したい事例を申し上げます。その学校は山形県立長井工業高校。長井市というのは米沢藩時代からものづくりの伝統がありまして、それから製糸工業、それから大正時代にはグンゼ、1942年には東芝長井工場の誘致に成功しました。しかし、1990年代になりますと大手企業も海外にシフトという状況がありまして、最盛期2,000人おった従業員が4分の1に削減されました。そんな中で市内企業家や専門家が立ち上げしたのが産業立地指針策定委員会ということであります。実業高校離れや少子化で統廃合問題が浮上していた長井工業高校の高い評価というのがその委員会で持ち上がりました。市は、市長自身が会長に就任して統廃合の反対だけではなしに、むしろ同校を地域の宝に位置づけてということで、市長自身が会長になられまして、その高校を盛り上げたということであります。この学校の努力というのは目をみはるものがあります。何と技能士試験に挑戦して3級合格者が100人、建築配管で2級も12人誕生しておる。学んだ技術を地域に還元する活動は見事であります。
 ものづくり伝承塾、こういうのもあるのです。これは県内の専門家が着目したのがロボットであります。このロボットのプロジェクトというのが工業高校にできまして、複数の大学をパートナーに加え、小・中学生を対象としたロボット教室、こういうものを開いて連携と人材育成のすそ野を広げているということであります。山形大学の工学部なんかも入っております。ROBO-ONEにも参戦して、2体が参加していると、高校がですよ。本県でも専門高校離れが顕著と言われておりますが、地域と学校が連携すれば、こんな奇跡のような実績を上げることができるのです。中堅技術者の育成をスローガンにしてきた工業教育は、その名に値する教育機能を果たせなくなったと言われ、企業側も、もう高度化で基礎技能の価値が下がったと言われております。しかし、本当にそうでしょうか。まだまだ方法はあるのだということを長井工業高校が教えてくれたように思うのです。本来は教育長に伺いたいところでございますが、所属常任委員会の所管する事項でございますので、あえて知事の御所見を賜り、質問を終わります。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)山形県立長井工業高校の例を引きながら、これからの職業高校のあり方についてのお尋ねをいただきました。
 今、お話をお伺いいたしますと、非常におもしろい学校だなと思います。技能士の検定試験がすばらしい突破率であるとか、あるいはロボットのことでありますとか、子供たちの興味も引きつけながら、ものづくりの技術を磨いていこうということであります。
 今、世界的に同時株安の不況に陥りつつありますけれども、日本が勝ち残るとしたら、やはり技術力、またものづくりに対する情熱だろうと思います。これは江戸時代の昔から職人かたぎというものがあり、それこそが国を支えているものであり、地域を支えるものだと思います。鳥取県もそうした技術力というものがあり、それを教えられる人材も民間の中にもおられます。そういう意味で、これからも職業高校とそれから企業さんとの連携を強める必要があるだろうと思います。今も鳥取県の場合、そうした高校におきましてものづくりを推進するために、例えば中小企業の皆さんと話し合いをしてカリキュラムを相談をしたり、それから実際に先生として、講師として来ていただいて教えていただく、そういう取り組みも始めてきております。ただ、やはり長井工業高校の場合は、実はこういうことをやってみて、それがあるからこそ企業進出をしてきたというところもあるそうでございますので、私はやはり人づくりから産業を興していくという見本だろうと思います。
 鳥取県もエプソンイメージングデバイスがこのたび、10月2日に調印式をして、岐阜だとか、あるいは安曇野とあわせて拠点を鳥取のほうに生産部門を移していこう、研究開発部門を移してこようという、そういう協定を結ばせていただきました。これは勝ち残りの厳しい業界の中で、あえて鳥取を戦場として選んでくださったわけであります。地域としても応援しなければいけないと思います。ただ、こうした思い切った決断を経済状況の中でされた背景には、鳥取県が液晶関係での人材育成に熱心だということを評価してくれたからにほかなりません。エプソンイメージングデバイスも我々の液晶人材づくりの教材にもタッチしておられますし、また今回、鳥取大学のほうで電子ディスプレイ研究センターを立ち上げましたけれども、これにも協力をされています。やはり人づくりと結びついた企業の活動というものがあるわけであります。そういう意味で、この長井工業高校のほうにも、近々米子工業高校が訪ねて、研修といいますか、視察をさせていただくという機会があるそうであります。我々の商工労働部でも、では、人も派遣させていただくなどしまして実情を見てきて、またこれから教育委員会と工業高校を初めとした教育機関の活用について話し合う大きな材料にさせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、24番初田勲議員


◯24番(初田勲君)(登壇、拍手)我が会派のホープであります浜崎議員に続いて質問させていただきます。
 国際交流のあり方について及び中小企業支援団体のあり方についての2点について、さらっと、しかし真剣に質問させていただきます。
 まず1点目は、国際交流のあり方についてであります。
 私は、今まで北欧を初め世界数十カ国を視察してきた中で、我が日本、特に我が鳥取県は本当に有効な国際交流や国際支援を行ってきたのだろうかと疑問に思うようになってきました。ただ単に金銭的な経済援助や大人たちの人的交流ばかりでは、一時的には喜ばれても長続きはせず、一過性に終わり、将来に向かっては効果が続かないのではないかと考えるようになりました。これからの交流は、子供や若い人たちがお互いの国の歴史や文化、そして国独特の考え方を理解し合える教育的援助を重点的に行うことが、地味ではありますが、将来に向かって有効で確実な方策であると、このたびブラジルを訪問して確信いたしました。
 私は、本年6月にブラジル移民100周年記念式典に出席のため、知事、教育長を初め、我々県議会議員5名ともどもブラジルに行き、その折には第二アリアンサ鳥取村にも訪問してまいりました。この訪問については、先日、鍵谷議員及び野田議員がブラジルの現状や100周年までの経過を詳しく述べられましたので重複は避けて、私はこれからの国際交流の観点から、多少の感想と、私の思いや考え方を述べた上で質問させていただきます。
 ブラジルは、人口約2億人、国土面積は日本の約23倍、国内総生産は世界10位であって、ロシア、中国、インドとともに新興経済国BRICsの一角を占め、経済は年4%の安定成長を続け、食料資源、鉄鉱石等エネルギー、エタノール資源を有する将来有望な大国になってきております。また現在、推定150万人の日系人が住み、そのうち我が鳥取県からの移住者は戦前戦後を合わせて約2,300人、県人会は今約380家族で構成されており、第二アリアンサ鳥取村には県出身者が何と3世帯ほど生活しているとのことでありました。
 このたびの移民100周年記念式典において、私が感動し、心に深く刻み込まれた忘れられない一こまを、ここで紹介させていただきます。
 雨上がりで、まだ小雨が降りしきる夕暮れどき、皇太子殿下が乗られた車が会場に入ってきたとき、私たちのいる最前列でアスファルトの中に雨だまりがあるにもかかわらず、その中に日系2世ぐらいの70から80歳ぐらいのおじいさん、おばあさんたち3人が正座をして、節くれ立った真っ黒な手で、皇太子殿下に向かって一生懸命拝んでいる姿がありました。この光景を見たとき、私は不思議な感動を覚え、自然と涙が込み上げてまいりました。この1世、2世の方々は何を思って拝んでおられたのでしょうか。若くして祖国を離れ、祖国日本を、そしてその象徴である天皇をいっときも忘れず、死ぬ思いで働き、子供たちを育ててきたその長年の苦労と強い愛国心を察するとき、今、日本に住む私たち日本人のありさまを思うとき、いろいろと考えさせられるものがありました。
 また、式典の翌日、鳥取県人会主催の記念祝賀会において、年老いた幹部の方があいさつの中で、この70数年、本当に大変でした、大変苦労しました。しかし、ここまで生きてこられたのは、一言で言うと日本人として恥をかかない、この一心で努力してきたとのことであります。また、懇談の中でも多くの方々から、この「恥」という言葉を何度も聞かされました。私はこの言葉を聞いたとき、はっと胸を打たれ、本当に感銘を受け、武士道に通じるこの精神を日本人は今忘れ去っていることを反省すべきであると強く感じると同時に、自分自身にも相聞かせた次第であります。
 第二アリアンサ鳥取村にも平井知事、中永教育長、そして我々県議団で訪問し、大歓迎を受けてまいりました。ここには日本語学校があり、鳥取県から若い木下孝子先生が派遣されてきており、子供たち21人、社会人、夜間でありますが11人、計32人に日本語を中心に教えておられました。彼女は村の人たちの中にすっかり溶け込んで生活しており、みんなから大変信頼され、かわいがられている様子でした。村の方々は、日常はポルトガル語なので、若い人たちはほとんど日本語がわからなくなっているとのことでした。子供たちや孫たちはこのように鳥取県の先生から日本語を学び、そして祖国日本の現状や日本人の心を教えてもらうことは、経済的な援助よりも一番望んでいることであると皆さんが口々におっしゃっておりました。この言葉を聞いたとき、これこそが本当の国際交流であり、地味ではありますが、我が鳥取県の今後の援助のあり方であると確信いたしました。
 我々が訪問した農園は、全体面積5,000町歩、これは旧船岡町や旧東郷町の面積と同じくらいであるとのことですが、実に30万羽の養鶏やサトウキビ、ゴム等の栽培が行われており、以前と比べて今は経済的にはさほど困っていないとのことでありました。先祖代々、どんなに苦しくても子供たちの教育には一番力を注ぎ、努力してきたおかげで、今日ではサンパウロ市等の都市部で弁護士や医者、そして学校の先生等になり、立派にブラジルのために働いていることは、我々第二アリアンサの誇りであると力強く話しておられました。しかし、日本同様、後継者がだんだんいなくなり、これからのアリアンサの農業は心配であると、少し寂しそうに言っておられたのが印象的でした。
 また、移民100周年記念式典では、各閣僚や日系2世のサイトウ空軍総司令官と各国の要人、日系社会の代表者ら約500人の出席のもと、皇太子殿下の前でルラ・ブラジル大統領は、日本人市民は、ブラジルという国家をつくり上げるのを助けた努力家で、創造的で勤勉な人々であると、勤勉な日本人が果たした役割を高く評価され、ブラジル新聞でも大きく報道されておりました。これらのことからわかるとおり、ブラジルにおいて日系社会は政治、経済、文化等、広い分野で実力者を輩出しており、このたびの訪問でもその日系人に対する信望と期待は揺るぎなく、ブラジル社会の中核をなしている現状をつぶさに見聞した次第であります。
 現在の日系人は、混血率が70%ぐらいとなり、新しく6世が生まれてきていると聞きましたが、ブラジル社会で絶大な信頼を築き上げた根幹は、やはり確固たる教育により培われた美徳とたゆまぬ努力によるものであると私は考えます。お互いの国の歴史や文化を子供のときから学ぶことこそが信頼と親近感を生み、子供たちが大人になってからも末永い交流ができることになると、このブラジル移民100周年記念式典がはっきりと証明していると思った次第であります。
 以上、このたび訪問したブラジルを例にとって、本県の国際交流、国際支援の施策を行っていく上で、子供たちへの教育的援助を重点に置くべきであるという私なりの提言を申し上げました。
 平成20年度の本県の文化観光局交流推進課の国際交流関係予算は、約2億5,000万円が計上されておりますが、来年度予算編成に当たり、この内容をよく精査され、海外の子供や若者との教育中心の交流や支援に重点を置いたものにすべきであると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、教育長は第二アリアンサの日本語学校で子供たちへ1時間程度の授業をされましたが、教育的見地からの国際交流に対する所見をお聞かせください。
 次に、中小企業支援団体のあり方についてであります。
 私は、昨年9月定例会自由民主党代表質問で、このことについて知事のお考えを伺ったところでありますが、その後1年経過し、さまざまな新しい動きがありますので、改めて知事のお考えを伺います。
 まず、鳥取県内の中小企業の実態についてですが、平成18年度総務省事業所・企業統計調査によりますと、県内の商工業者数が2万8,609事業所、そこで働く従業員は約24万7,000人であります。そのうち中小企業は2万8,435事業所であり、全体の99%を占め、そこで働く従業員、約21万人で、全体の85%を占めております。この数字が示すように、県内の大企業はごく一部であり、県内経済・雇用を支えているのは中小企業によるところが大きいのであります。これら中小企業の経営上のさまざまな課題を解決するために、国、県から財政支援、指導を受けながら商工会議所、商工会、中小企業団体中央会などの商工支援団体が中小企業、とりわけ小規模零細事業者の経営支援を初め、後継者育成、経営安定対策などのさまざまな企業支援活動を行っておりますし、今年度から新たに国の経済再生プログラムとして打ち出された地域力連携拠点事業、農商工連携などにも積極的に取り組まれていることは御承知のとおりであります。
 特に経済活性化が急務である本県においては、ことし4月、県の肝いりで県内中小企業の発展、地域産業の活性化を図るため、商工会議所、商工会連合会などの企業支援機関9団体と知事との間にとっとり企業支援ネットワークに関する協定書を締結し、それぞれがその持ち味を生かし連携、協力することによって、より高度で強力な企業支援体制が構築され、その成果が大いに期待されているのであります。
 また、県内商工会では昨年4月、商工会の組織パワーを発揮させる商工会づくりを目指して商工会産業支援センターを県下5地域に設置するとともに、県の小規模事業者等経営支援交付金を受けて取り組んでおるところであります。この交付金の目的は、小規模事業者の経営上のさまざまな課題を解決し、小規模事業者の自立と向上発展を促進し、もって自立型経済の構築、地域の振興及び活性化に寄与することを目的に交付されております。県商工会連合会の関係者に聞いたところでは、産業支援センター体制を敷いてから、平成19年度、昨年度の交付金事業による経営支援実績を見ますと、経営支援の基本である巡回による経営相談は延べ3万1,000回、体制前の前年度比135%、この成果として企業診断件数、経営革新計画の知事承認件数、新規開業・創業支援件数など、いずれも前年度センター体制前を大幅に上回り、センター体制を推進してよかったとのことであります。このような状況の中で、商工会を取り巻く最近の動きについて、2点、知事に御所見をお伺いいたします。
 まず1点目は、地方分権改革推進委員会第1次勧告についてであります。
 去る5月28日、内閣府の地方分権改革推進委員会は、商工会議所と商工会の一元化、すなわち統合を含めた新たな商工団体制度を設けるなど、地域の商工団体のあり方について必要な検討を行い、平成20年度中に結論を得ることと、第1次の勧告を行ったところであります。また、これを受けて政府の地方分権改革推進本部、本部長は内閣総理大臣において、第1次勧告を最大限に尊重し、仮称新分権一括法案の平成21年度中の国会提出など、地方分権改革の推進に強力に取り組むことを決定されたのであります。この勧告を受けて商工関係者、とりわけ全国の商工会では、その検討の成り行きに戦々恐々としているところであるとのことであります。本県では商工会連合会臨時総会において、商工会会員の総意で現行の商工会議所、商工会、中小企業団体中央会等がそれぞれの役割を果たしていくことが重要であると再認識した上で、商工会と商工会議所との合併不要に対する決議を満場一致で承認されたところであります。こうした地方の実情を顧みない地方分権改革推進委員会の動きに対して、知事はどのようにお考えなのか、所見をお伺いいたします。
 次に、2点目として、平成21年度国の施策に関する提案(中国地方知事会)についてであります。
 去る7月、中国地方知事会では、地域の商工業の実情に応じた広域的な連携協力体制の整備や組織再編・合併などにより、各団体が主体的にその機能強化を図っていくことが必要とされ、商工会、商工会議所の機能強化に係る法制面の整備を行うよう国に提案をされたところであります。あくまでも当事者が機能強化に向かう場合の法制面の整備を行うということで、よく理解できるものでありますが、私はあわせて地域経済を下支えしている小規模零細企業を支援していくためには、国や県、市町村の財政支援のもとで現在行われている経営改善普及事業や地域振興事業の堅持が一層重要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、県内でも市町村合併により行政区域が広域化する一方で、旧町村地域では産業や生活基盤などが疲弊し、同一行政区域内にあっても旧市街地と旧町村部との格差が広がりつつあります。中山間地を含む旧町村部の地域経済団体である商工会として、また国や県、市町村の地域経済振興策に取り組む受け皿として、商工会は必要不可欠であると考えているものですが、全国知事会は地方分権改革推進委員会への大きな影響力があると仄聞しております。本県と同様に地方経済を抱える各県知事とタッグを組んで、平井知事に大いに発言をしていただき、合併等の当事者である両団体の議論を尊重するよう、全国知事会を通じて地方分権推進委員会へ提言していただきたいのでありますが、あわせて知事の所見をお伺いいたします。
 以上で壇上での質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)初田議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、ブラジルを訪問していただきました初田議員のほうから、さまざま体験を通してのお話をいただきました。一つ一つのエピソードが胸に迫るものがあると思います。確かに皇太子殿下を前にして合わせる両手、1世、2世の方と思われる方々が一体何を考えていたのか。それは望郷の念でありましょうし、今まで自分が苦労してきたこと、あるいは国を愛する気持ち、日本人が忘れかけているそうしたものがそこに詰まって凝縮されていたのではないかと思います。
 また、鳥取県人会の会場におきましても、日本人が外で恥をかかない、私はそのために頑張ってきたのだというお話も胸に迫るものがあります。私もニューヨークでしばらく暮らしていた時期がありましたけれども、やはり意外と外に出てみますと、日本人であるという看板を背負っている、そういう気持ちが高ぶってまいります。そういうことをずっと引っ張りながら誇り高く暮らしてこられたこと、それは御慰労するに余りあるものがあると思います。そうしたブラジルでのさまざまな交流事業やお話を一つの基盤といたしまして、今、初田議員からお話がございましたのは、私たちの国際交流事業も青少年の交流を軸として組んでいく必要があるのではないかという御提言であります。
 私も、これからの長いスパンで考えてみますと、やはり交流をしていくことは、せつな的であってはいけないと思います。地域と地域とが理解をし合う上では、小さなころから交流をして友達同士になっていくこと、これが大切だろうと思います。その対象地域は東アジアに限らず、ブラジルだとか、あるいは北米なんかやヨーロッパ、いろいろなところに広げていっていいと思いますし、市町村の交流事業も各方面としているところであります。
 鳥取県は、御指摘のように2億数千万国際交流推進の事業がございますけれども、そのほかにもいろいろな事業がございます。現状を申し上げれば、さまざまな予算を組み合わせていけば、大体3割ぐらいが青少年交流の関係に今使っている関係になります。その中で非常にウエートが高いのは、もちろんALTといいまして、英語圏の人がこちらのほうに入ってきて、こちらで教鞭をとられて子供たちに言葉を教える、あるいは外国の暮らしを教える、そして帰っていく。向こうで国際交流のかけ橋として日本の交流を進めていただく、こういう事業がその中でもウエートが高いわけであります。ただ、子供たちにとっては、例えば台湾の媽祖祭という晴れやかな場所で太鼓をたたいた。このたびはソウルの広場でお神楽を演じた。この記憶は長くとどまるものでありまして、価値は高いと思います。そういう意味で、積極的にそうした国際交流の事業を、メニューをふやしたり現場の方々の御希望を聞いて展開をしていく必要があると思います。
 このたびブラジルの帰りにバーモントのほうへ私は寄ってまいりました。バーモントは県の国際交流の財団と向こう側の日米協会とが姉妹提携をしています。そういう関係もありまして、これからの事業も展開しようと、バーモント州のダグラス知事とも話をさせていただきました。高校生が環境を語り合う交流をやるとか、そういうアイデアも向こうから出てきました。1年、2年ぐらいかかるかもしれませんが、そうした交流プログラムも育てていけばいいと思います。交流事業の現状や詳細につきまして、文化観光局長から補足をさせていただきたいと思います。
 次に、内閣府の地方分権改革推進委員会の現在の提言についてお話がございました。商工会と商工会議所の一元化という提言であるというお話でございまして、地方の実情を顧みないこの動きに対してどう考えるかということでございます。
 今回の地方分権改革推進委員会の勧告は、ややあいまいなところがあります。単純に商工会と商工会議所を全国で合併せよと言っているわけでもないようにも見えます。ただ、商工会と商工会議所という、こうした団体があることからして、全国的な制度を検討すべきではないかと言っているようであります。
 ただ、私も気になりますのは、議員がおっしゃるように、全国一律にこういうことをやっていく、しかも商工会と商工会議所のように自治的な組織として成熟してきているもの、それぞれにいろいろな活動を地域で展開しているもの、これをただ単に合併せよという内容であれば、これは反対されても仕方ない内容ではないかと思います。
 いろいろな議論が確かにこの分野についてはあるのだろうと思いますけれども、鳥取県の場合は議員の御指摘の中にも入っておりましたけれども、商工会連合会が各商工会と話し合って、他県にはない味を出しているわけであります。特に最近は、私が就任してからということかもしれませんけれども、商工会議所や中小企業団体中央会なんかとネットワークを組みまして、中小企業の支援のネットワークを立ち上げております。ですから商工会と商工会議所の間で厳密な垣根が個々の支援のケースについてあるわけではなくなってきています。
 あと、商工会がお互いに連携しようではないかということで、県内を5つの地域にまとめ上げて、他の県ではやっておりませんが、産業支援センターをつくっております。こういうことで結構力が出されてきつつあるところで、単に合併せよというのは、どうもいかがかなと。例えば鳥取市の市域の中で商工会と商工会議所とが合併しろということかもしれませんけれども、ただ、それは先ほど申しました産業支援センターというネットワークが別途今、商工会同士で組まれているところであります。それは市町村の区域とはまた別の意味で組まれているところでありまして、そういう取り組みとも合致しない面もあります。ですから、単純な合併論にならないように、この地方分権改革推進委員会には求める必要があるだろうと思います。
 次に、中国地方知事会のほうで法制面の整備を提言をさせていただいているところでありますが、地域の零細企業を支援していくために現在行われている経営改善普及事業、また地域振興事業の堅持が重要ではないかという点でございます。
 これももっともなことでありまして、今、私がちょっと申し上げかけたこととややオーバーラップいたしますけれども、商工会の皆さんには地域のそれぞれの企業を支援する、そういうバックアップ機能を強化してきていただいております。特に産業支援センターをつくりまして以来、こうした取り組みも強化されてきております。例えば経営革新計画の数も平成18年度は10だったものが、平成19年度は19という実績になりました。それから企業診断の件数も平成18年度は177でありましたものが25件もふえて、平成19年度は202になっているわけであります。やはり成果があらわれているのだと思うのです。
 今、私も力を入れて商工会の皆さんと同じような話をいつもするわけでありますが、せっかく持っている人材がいて、地域でのネットワークもあるわけでありますから、もっと企業さんの役に立つように我々も変わっていこうと、それを今、商工会がしてくださっていると思います。
 さらに、地域のまちづくりの支援を行う、市町村だけではできないことを商工会が結構いろいろな行事だとかをされているわけです。例えば貝殻節の盛り上げをやろうとか、あるいはサントリーの工場ができましたけれども、あの近所では水とフルーツで里づくりをやろうではないか、ブルーベリーの農場なんかもあります。そうした展開を図ろうという動きになったり、あるいは琴浦町のほうでも観光振興とひっかけて若だんなが頑張ろうと、そういう動きも出てきているわけであります。
 こういうように、商工会というのが地域で、人がネットワークを組んでまちづくりをやっていく原動力になっている面がありまして、この面も強化されていってこそすれ、これを排除してはならないというように思います。今後ともそうした事業を推進するお手伝いを県のほうもさせていただければなと考えております。
 次に、商工会は必要不可欠ではないか、全国知事会で同様な議論を行っている他の知事ともタッグを組んで大いに発言をすべきではないかと。合併等の当事者である商工会、商工会議所の議論を尊重すべきではないかという議論を張っていただきたいというお話でございます。
 私もこれまで、例えば中国地方知事会の場でも単純な合併論ではなくて、もしやるとしたら自主的に合併をする場合に不動産取得税がかかるとか、そういう隘路があってはならないと。商工会同士の合併であれば、隘路は外されるように特例措置がありますけれども、商工会と商工会議所の間ではないものですから、こういうものについては法的手当てをしましょうと、そういうのが本来ではないかという主張をさせてきていただいております。
 全国知事会でもこうした議論はされてきております。私自身も発言したことはありますけれども、ただ、中にはいろいろな知事がおられまして、ある知事は、かなり商工団体を整理すべきだという論陣を張っておられる方もおられます。ですから、全国知事会は割とコンセンサス方式でありますので、全国知事会でまとめてそうした声を発信できるかどうかわかりませんけれども、ただ、少なくとも地域の実情というものがそれぞれの地域にあるではないかと、だから一律に合併を強制するようなことではなくて、地域の実情を踏まえた議論を望むというぐらいの展開は可能かもしれないと思います。ですから、今後とも全国知事会の場で、この議場の御議論を伝えてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)国際交流事業の現状について補足をさせていただきます。
 20年度の鳥取県の国際交流事業の総額でいきますと、約6億円になります。そのうち、先ほど知事が申し上げましたように、青少年関係が約3分の1を占めるということでございます。青少年関係、幾つか知事も申し上げましたが、それ以外に幾つか御紹介しますが、海外での研修旅行、こういったものを13校で20年度に行われるということになっておりますし、7月には台湾の台中県に中学生の交流団を派遣ということもございました。それから河北省との友好交流ということで子供の卓球団を派遣するというようなこともやってきておるところでございます。
 また、青少年交流以外に外国人の観光客の誘致、あるいは情報発信という部分で、国際観光の部分での授業もございますし、それから国際交流環境の整備という点では、県内に13人の国際交流員を配置しておりますが、そういった職員の招致の経費であるとか、それから友好交流地域等との幅広い交流という部分でいきますと、職員の海外研修ということにも多くを派遣をしております。江原道との職員の相互派遣というのもございます。こういったことで幅広い交流事業を現在行っているということでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)初田議員の御質問にお答えを申し上げます。
 御質問ですけれども、教育長はブラジルの第二アリアンサの日本語学校で日本語の授業をしたけれども、それも含めて教育的な見地から国際交流をどう考えるかという、そういうお尋ねでございました。
 初田議員もおっしゃいましたように、国際交流を進める上で、それぞれの国の歴史とか文化とか、こういうふうなことについて小さいころから学んでいく、それが本当に信頼とか親近感とかをつくっていくのだという、そしてさらに末永い交流につながるのだというこの御指摘は、私も全く同感でございます。そのとおりだともちろん思っております。
 私も実際、アリアンサの鳥取村で皆さんとお話をしたときに、皆さんも、いろいろな交流の仕方があるけれども、やはり子供たちに日本語、あるいは日本語を通して日本の文化とか歴史とか日本人の考え方とか、そういうふうなものが教えてもらえるととってもいいですねという話を聞きましたし、実際それをしてよかったですねというふうに言っていただいたのは、議員の御指摘のところと全く合致するところだというふうに考えているところであります。鳥取県から今、木下孝子先生を派遣していますけれども、歴代の派遣しました先生方は、皆さんそういう観点から国際交流の一翼を担って活動されているというふうに私は考えております。
 授業の話がありましたけれども、これも鍵谷議員、野田議員のときに少し触れましたけれども、授業の中で、さっきからお話を聞いています日本人の考え方とか、それから感じ方とか、それから心情、こういうふうなものが少しでも子供たちと共有できればいいなという、そういう思いで授業をいたしました。
 少し紹介しますと、例えば短歌を持っていきました。短歌は、いろいろな「万葉集」とか「古今集」なんかも幾つかずつ抜いていきましたけれども、「万葉集」の防人の歌を取り出して、東北から九州のほうに派遣されている防人が故郷を遠く離れていったときに、どうしても忘れられないのがお父さんとお母さんのことだというふうな、そういうふうな短歌がありますけれども、それはブラジルのほうに日本から行かれていろいろな苦労をなされている皆さん方の心情と同じですよという話をしたら、子供たちも、ふうん、なるほどねという感じでうなずいてくれたのを覚えています。それから石川啄木の有名な「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢっと手を見る」というのがありますけれども、これも同じように苦労なされたこともあるのですよと、日本人も同じような感じで苦労しながら生きてきたのですよという話をしました。
 俳句のほうでは、「鐵(くろがね)のあきの風鈴鳴りにけり」という飯田蛇笏の俳句があるのですけれども、秋、しまい忘れてある風鈴のことを言っているのですけれども、風鈴を取り上げて、私は日本人というのは涼しさをいろいろ感じる方法というのを物理的に、ただ単に空気を涼しくするだけではないのですよ、風を通して涼しさを感じて、そこから季節を読み取っていくのですよと、そういう文化が日本の文化の一つですよということを言いましたら、なるほどねと言いました。風鈴がわからないといけないので、風鈴も私、持っていって聞いてもらいましたけれども、ああ、これ、どこかで聞いたことがあると言った子が1人いました。そういうふうなこともありました。
 現代詩として山村暮鳥の、これまた教科書によく載っているのですけれども、「いちめんのなのはな」というのがあるのですけれども、「いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな」とずっと平仮名で書いてあって、「かすかなるむぎぶえ」とか、そういうのが中にちょっと入っているのですけれども、一面の菜の花の様子を想像してもらえたらと思いました。
 鳥取県の風景の写真集がありましたので、これも持っていって、菜の花の風景を子供たちに見てもらって、鳥取県とか日本というのはこういうふうな風景があるのですよと、これが一つの鳥取県や日本が持っている大事な風景なのですよという話をしたら、それもなるほどねとわかってくれたように私は思っています。
 そういう意味で、子供たちがそういうふうなことを含めて、仕事や交流でこれから日本にやってくることがあると思いますけれども、そのときの一つの基盤になるようなことに授業もつながっていったらいいなと思いながら、私は授業をしました。
 そういう意味で、本県でもいろいろな交流は行っていますけれども、議員お話のように、子供たちがしっかり内面のほうに取り込んで、その内面に取り込んだものをもとにして交流が深まっていくというようなことが教育的な見地からとても大事ではないかなというふうに改めて思ったところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)どうもありがとうございました。本論が長くなって、追及も2~3用意しておったのですが、時間もありませんので簡潔に追及をさせていただきますが、外国とつき合いをするということになると、根本的にはどうしてもその国の、英語なら英語、ポルトガル語ならポルトガル語がないと人間関係が、意思の疎通が、そしてその国の独特の制度がなかなかわかりづらいと思うのです。私もちょいちょい外国に行って1人になったときには知事や尾崎さんがうらやましくて、べらべらしゃべられる英語を、本当に心細く思って、もっとしゃべれたらどんどん外国に行くのだがなと思って大変うらやましく思うところなのですが、それはあれとして、先ほどから私が述べていますように、私のような、もう死ぬ前になってから英語を覚えようだとか外国語を覚えるといったって、覚え切れるものではないのです。どうか幼いときから、言葉なんていうのは教育ではないのですね。僕が日本語をしゃべるというのは、生まれたときから日本語をしゃべっている。だから幼いときから外国語に接したり、そういうことが必要ではないかということからいって、国際交流もなるべく小さいときからしたほうがいいのではないかということで提言申し上げました。そういう意味で、鳥取県の国際交流財団と連携してもっともっと、特に子供たちの交流事業を今以上に推進すべきではないかと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。
 また、教育長には、小学校の英語の授業が学校で始まって半年たっておりますが、半年たった現在、国際交流の観点から見て、この授業の現状と課題について教育長にお伺いいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)初田議員がおっしゃるように、言語こそコミュニケーションで人と人とをつなぐパイプになるわけであります。その言語を学ぶという意味からも、またその言語の背景にある他国の人の異文化を知る意味からも、幼いころから親しむことが必要だろうと思います。
 鳥取県では他県に先駆けまして、本来、平成23年度からやるべき小学校での英語授業を前倒ししてやってきております。今年度に入りまして予算もつけて、各市町村にモデル的な取り組みを奨励をさせていただき、始めているところです。そういうところでの子供たちの意見を聞きますと、いろいろと他国のことが知れてよかったとか、また様子を見ていますと、ちょっとした言葉はやっぱりしゃべるようになると。それが大切なのだと思うのです。やはり生活の中で外国の言葉を体得をしていく、それから外国の文化に自然な形で触れて、自分たちは相対的な存在なのだということを改めて知らなければならない。これは国際人としての今後の素養として欠かせないものだと思います。そういう意味で、国際交流財団などを活用して幼いころから異文化や外国語に触れる機会をもっとつくってはどうかということは、まさにおっしゃるとおりでありますので、予算編成の中でも工夫をしてまいりたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)初田議員から追及の御質問をいただきましたので、お答え申し上げます。
 御質問ですけれども、小学校における英語活動について、国際交流の観点から現状と課題は何かというお尋ねでございます。
 お話にあります小学校における英語活動ですけれども、これは以前も申し上げたことがありますけれども、中学校で学ぶような文法なんかを中心にした、きちんとした体系的なものではございません。英語にやっぱりなれ親しむという、そういう観点で進められているものであります。
 例えば英語を用いて積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとか、それから日本と外国の言語や文化について体験的に理解を深めるとか、そういうふうなねらいで英語に親しむという、そういうふうな考え方で取り組まれています。総合的な学習の時間などで、そして小学校ですので英語の専門の先生はいませんから、小学校の担任の先生等が全体をアレンジされて、実際に英語を指導されるのは地域の英語に堪能な方とか、それから中学校のほうに配置されているALTの方がたくさん出ていかれますけれども、そういう方が先生と一緒になってやっていらっしゃるというところであります。子供たちが小学校の段階から世界で最もよく使われている英語に親しむという意味は、私はあるというふうに考えています。
 県の教育委員会では23年度から、新しい学習指導要領に沿って小学校5~6年生における英語活動が完全実施になりますので、それに向けてそれぞれの学校のほうに、その前の段階から時間数を確保して、そういうふうに取り組むように努めてくださいねということをお願いしているところであります。さらに先ほど知事の答弁にもありましたけれども、本県では全国に先駆けて小学校英語活動を全県的に推進しようという、そういう観点から、全市町村に1校以上の拠点校を設けているところであります。
 具体的な活動ですけれども、自己紹介を英語でやってみるとか、それから英語の歌を歌ってみるとか、ゲームやクイズなんかをしてみる、それから先生やALTの皆さんと、あるいは友達と英語で簡単なやりとりをしてみるとか、そんなふうなことをしています。
 成果ですけれども、なれてきましたので、英語を使ってALTの方とか地域の指導者の方に話しかけたりなんかするようなことが少しでき出したとか、それから外国の生活とか文化に少しずつ興味を持ち始めて、自分で調べてみようかななんていうふうに動いてくる子供たちもいるというふうなことも聞いています。
 ただ、課題ですけれども、やはり英語活動の理解を深めるというようなことで、ALTや地域の指導者の方の力をかりますけれども、小学校の先生方のそれをうまくアレンジしていくそういう指導力みたいなものも必要かなというふうな気がします。それから英語活動の授業に必要な教材とか機器ですね、こういうものもまだ十分ではありませんので、こういうものを整備するとか、それからALTの方や地域の方なんかの協力を仰ぐために協力者の確保をきちんとしておくというふうなことも1つの課題であり、まだまだあります。かなり協力をしてくださっていますけれども、もう少し必要があります。
 ただ、こういうふうに英語活動を進めていますけれども、これもいつも申し上げていますけれども、英語活動のためには、やはり母国語としての日本語というものがきちんと基礎には学ばれないといけないというふうに思っています。日本語がきちんとなされた上で英語活動はあるだろうと思っていますので、そういう意味で学校における国語の授業ですとか、もちろん読書ですとか、小さいころからの読み聞かせとか、こういうふうなものがきちんとなされるということもあわせて必要だというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)ありがとうございました。
 あと1点、外国語の大切さということで追及させていただきますが、反対に今度は我々の鳥取県から外国に行って日本語を教えるということを、特に日本語学校なんかに行って教えるというようなことをどんどん国の制度を利用して行っていただき、先生を派遣していただいて、その先生が帰ってきて、またお互いのかけ橋となっていただくということを今後もやっていただきたい。特にブラジルだけに特化したような交流という形でなしに、これからおつき合いが広がる近隣諸国、その他北欧等々も含めて、これはお願いをしておきます。
 中小企業についてでございますが、私の意図するところを知事、よく酌んでいただいて前向きな発言をしていただきましてありがとうございました。ただ、言っておきたいのは、個々の例えばJAとか、農協、漁協、それから商工団体、商工会とか商工会議所、そういうことを通じてでないと末端までの人に指導等々ができないのです。ですから鳥取県が直接末端まで行って指導したりできるわけではありませんので、今後とも各支援団体に対して緻密な指導なり支援なりをしていただきたい。これも要望しておきます。
 時間が迫ってまいりましたので、最後に私から中永教育長にエールを送って、私の質問を終わらせていただきます。
 ちょうど1年前に、9月定例議会において私が行った我が会派自民党代表質問に対して、学力テストの結果を開示すべきとの私の主張に対して、教育長は頑として聞き入れず、開示を拒否され、平行線に終わりました。しかし、このたび審議委員会の答申を受けての教育委員会では、一転して法治国家の我が日本では教育よりは法律を守ることが優先されるべきだとして、開示すべきと強力に主張されました。まことに見事でした。自分の非を認め改める、この行為こそが勇者であり、真の教育者であり、勇気ある本当の指導者であると私は高く評価するものであります。中永教育長が教育長である限り、我が教育県・鳥取は盤石であります。将来に明るい希望が持てる教育県になると考えます。少し褒め過ぎたかもわかりませんけれども、(笑声)本当に期待しておりますので、今後の活躍を祈っております。
 以上をもって私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、午後1時05分再開予定といたします。
       午後0時05分休憩
   ────────────────
       午後1時05分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 10番福本竜平議員


◯10番(福本竜平君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の福本竜平です。9月定例会に当たり、鳥取県教育の再検証と題して、まず知事に質問いたします。
 文部科学省が昨年度から実施した全国学力・学習状況調査結果に対する本県教育委員会の市町村別・学校別結果をめぐっての一連の騒動、そして時を隔てずに明るみになった大分県教育委員会の教員採用汚職事件は、改めて我々に教育行政への不信を抱かせるに十分な出来事でありました。
 児童生徒の学力低下、不登校やいじめ問題など、教育が果たさねばならない課題が山積し、子供たちのために今必要な教育改革の実行が求められている中、これらの事象は長くこの国がとってきた教育委員会制度という教育システムの疲弊と機能不全を浮き彫りにするとともに、我々に今日の教育における地方自治のあり方を改めて考えさせられる契機となりました。
 そのような中、折しも平井知事におかれては、8月21日の定例記者会見において教育委員の公選制の是非を求める記者質問に対し、公選制の是非を飛び越え、今日的な教育委員会の合理的存続意義の乏しさから、将来的な教育委員会の廃止も含めた見直しの議論の必要性を説かれたところであります。
 私は、かねてより現教育委員会制度の制度的限界と矛盾を感じ、その制度がもたらす弊害に深い憂慮を覚える者の一人として、知事があえて今まさにこのタイミングで教育委員会制度の今後のあり方に言及され、議論のきっかけを与えていただいたことに深く感謝申し上げたいと思います。よって、本日は教育委員会制度が抱える問題点について、まずは私なりの問題提起を行いますので、意見をお聞かせいただきたく思います。
 記者会見や、さきの内田議員の代表質問でも、知事の御指摘のとおり、教育委員会制度にはその現在的存在意義に加え、多くの制度、機能上の問題点が指摘されていますが、私は大きく3つの問題点に絞って指摘いたします。
 1つ目は、教育委員会制度、その政治的中立性の維持の困難であります。
 まず私たちは、そもそも論として教育委員会制度が担保しているとされる教育における政治的中立性はあくまで地方政治に対するものであり、国の議院内閣制に基づいた政党の影響は想定していないことを認識しなければなりません。この国の教育の最高責任者は文部科学大臣であります。議院内閣制をとる我が国では、一部例外を除き、大臣は政権政党に所属します。つまり現行の教育委員会制度は議院内閣制における、時の政権が定めた国の教育方針を忠実に履行させることを目的としていると言えます。ところが、現行の教育委員会制度は、国の教育政策を進めるために地方の政治的影響力を排除することで教育の政治的中立性を保とうとする一方で、国の政権政党の影響を少なからず受けているために、本質的にはその政治的中立性は担保されていないことが言えるのであります。
 また、教育委員会が委員の合議によってその運営がなされる行政委員会の1つであることをもって首長から完全に独立しているとし、そのことをもって教育委員会制度が政治的中立性を保っているとする考え方は、首長が予算編成権と教育委員の任命権を保持している以上、実質的には首長が合法的に教育行政をコントロールすることが可能であることから、真に教育委員会が首長から独立しているとは言えず、その論理には矛盾が生じます。このように教育委員会は、現行の制度の枠組みの中では、厳密な意味においては地方政治の首長からも国政の政権政党、文部科学大臣からも完全に独立して政治的中立性を保つことはできないのであります。
 2つ目は、教育委員会制度は住民の意思が教育行政に反映されるよう十分にそのシステムが構築されていない点であります。
 本来、教育委員会は多様な経験と知識を持つ委員で構成されており、いわゆるレイマンコントロール機能が発揮されるために住民の意思が正しく反映され、多様な視点から教育行政が行われる特性が期待されるところであります。しかし、現実には教育委員の数はわずか5人、本県の場合は教育長を含め6人。会議も原則月1回から2回という頻度であり、また非常勤という限られた職務時間においては、残念ながら、個々の教育委員がいかに優秀であっても、教育現場で巻き起こるさまざまな専門的教育事象のすべてに的確に対応し、処理することは困難が予想されます。このことは、結果的に教育委員会が専門職である常勤の教育長を筆頭とする教育委員会事務局の展開する教育行政の事後承認機関としてしか機能し得ていない危険性をも示しています。
 また、多様な経験と知識を持つ委員で構成されるとする教育委員会ですが、全国的に首長の行う教育委員の人選には、なぜか教育関係者に偏った委員への任命が目立ちます。平成19年の教育行政調査によると、全国の都道府県教委の19.8%が、そして市町村に至っては実に31.3%と高い割合で教育経験者が認められます。本県におきましても教育委員6名のうち、教員出身の教育長を含め、実に4名が教育関係者、経験者によって占められています。このことは、委員の多数を占める教育関係者の恣意的意図に合議が支配されることで、図らずも偏った合議の結果が、あたかもレイマンコントロールにより住民の意思を的確に反映したかのごとく住民に示される危険性を示しています。また、さらには市町村の教育委員職においては、その地位が退職後の教員の名誉職化に陥っていることが懸念され、問題視されているところであります。
 また、教育委員会制度が現在のように都道府県から市町村に至るまで全国均一に張りめぐらされた文部科学省を頂点とする中央集権的な教育行政のネットワークとして構築されている以上、教育委員会が行う教育行政は、国のさまざまな法規制や指導、助言という、いわば国の権力に去勢され、住民の多様な視点からはほど遠い、いわゆる専門的な見地と前例主義によって行われる専門行政と化し、住民の意思を反映しにくいものになっている事実も看過することはできません。これらのことから、教育委員会制度は本来期待されるように住民の意思を的確に反映することができていないことをうかがわせるのであります。
 3つ目は、教育委員会制度では教育行政における責任の所在が不明確である問題です。
 民間でも公でも、一つの事業を遂行する以上、その事業に自己責任が附帯され、責任の主体が明確にされることは当然であります。ところが、教育委員会のようにさまざまな意見や立場を集約して意思決定を行う合議制をとる場合、その性質上、責任の主体は個ではなく教育委員会という機関になります。その結果、責任の主体が個別に指定されないことで結果責任の所在があいまいになってしまうことが指摘されます。
 昨今、数多く発生する教育現場での諸問題に対し、教育委員会がそれぞれ保護者や社会に説明責任を果たしていない事実を見るにつけ、教育委員会が責任を果たし得る組織として機能していないことは一目瞭然であります。
 以上、私なりに考える現教育委員会制度の問題点を挙げましたが、これら私の指摘する問題点につき、まず知事はいかなる御意見をお持ちかお聞かせいただきますとともに、知事の考える現在の教育委員会制度の問題点につき御意見をお聞かせください。
 加えて、それらを踏まえ、地方分権の時代にあり、地方自治はそれら問題解決のためにどう機能すべきか、さらには本来どんな教育行政が望ましいとお考えか、その所見をお聞かせください。
 次に、本県における地球温暖化対策のあり方について質問いたします。
 ことし5月、ミャンマーを襲い10万人以上の死者を出したサイクロン被害に見られるように、昨今、台風やサイクロンの大型化が目立ちます。これは海水温の上昇に伴い水蒸気の蓄積量が増し、供給されるエネルギーが増大されるためで、地球温暖化がその最大の原因であると言われています。我が国においてもこの夏、日本全国で発生したゲリラ豪雨の猛威が、地球温暖化が原因として疑われる自然環境の変化の驚異を改めて我々に知らしめているところです。
 気候変動に関する政府間パネルの第4次報告書によると、地球の平均地上気温は平成17年までの100年間に0.74度上昇したとされ、さらに今世紀末までに最大で6.4度上昇すると予測しています。また気象庁の調べによると、我が国でも1980年代後半から急速に気温は上昇し、90年代以降は過去100年間で最も気温が高くなっており、100年でおよそ1.07度上昇していることが明らかになっています。現在、米国前副大統領アル・ゴアの唱える地球温暖化への警鐘や、それに伴う誤った情報に基づく世界的地球温暖化への報道のあり方、さらには気候学的見地からIPCCの唱える炭酸ガスによる地球温暖化の原因に関する誤りを指摘する学問的論争も存在し、温暖化の原因が人為的な炭酸ガスの排出増によるものか、地球の自然変動の一環であるかは、その専門的学問の論争と研究を待たねばなりませんが、人為的な炭酸ガスの排出が地球温暖化の主たる原因でないとしても、少なからずその温暖化に影響を及ぼしていることは世界共通の認識と事実であることからも、確実にふえている温室効果ガス削減の努力を行うことは、いわば今を生きる地球人、人類の務めであると言えます。温暖化の原因が何であれ、人為的な炭酸ガスの排出が異常な割合でふえ続け、そのために少なからず我々の自然環境に影響を及ぼしていることは紛れもない事実であります。環境問題においては、ある一線を越えたら一気にあらゆるリスクが高まることを認識しつつ、地球温暖化防止に向けた実効的対策を行う必要があります。今、まさに我々は人類存亡の危機、そのときにあるのであります。
 このような世界的課題である地球温暖化防止に向けた国際的な取り組みを進めるべく、平成9年に京都議定書が採択、温室効果ガス排出量の削減目標が法的拘束力のある国際的な約束として定められました。我が国は、この京都議定書で、いよいよ第1次拘束期間である平成20年から24年まで5年間における各年の平均として、基準年である平成2年水準比で6%の削減を約束いたしました。この削減目標の達成に向け、国も自治体も我々住民も総力を挙げて排出削減の実効的取り組みを行わなければなりません。
 さらに今夏、我が国で、我が国が議長国として開催された北海道洞爺湖サミットにおいては、その議長総括で2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%削減を達成する目標ビジョンを国連気候変動枠組み条約のすべての締結国と共有することがうたわれました。このような中、本県では、平成11年3月には鳥取県環境の保全及び創造に関する基本条例を策定。本県の環境行政施策の骨格をあらわすとともに、その理念を明示しました。これに基づき、鳥取県環境基本計画を策定し、具体的な目標を定め、数々の環境施策を進めているところであります。その後の環境を取り巻く世上の流動スピードに合わせて、この基本計画は平成17年2月に改定。重点推進施策として環境アクションプログラムを策定し、11項目にわたり、3年後の目標設定と、その達成に向けた具体的施策を掲げ、その計画、実行、点検、見直しを行ってきたところであります。
 このプログラムは、風力発電や自然エネルギーの導入など一定の成果も見られますが、CO2排出量の削減については、2010年度の2000年度比16%削減目標に対し、2004年度時点で7.3%増と、逆にその排出量は増加しています。この厳しい現実の数字を見るにつけ、CO2排出量削減対策に限って見れば、環境アクションプログラムが十分にその効果を発揮していなかったことが考えられますが、知事の所見をお聞かせください。
 また、本年5月から取り組まれているこの環境アクションプログラムにかわる実行計画である環境先進県に向けた次世代プログラムにおいては、CO2排出量削減に向けてどのようにして確実な実効性を担保していかれるのか、お聞かせください。
 以上、壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福本議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、第1点目といたしまして、教育関係について再検証しようという御質問をいただきました。議員のほうからるる体系立ったお考えが示されました。教育委員会制度が政治的中立性の維持との関係でどうだろうか、問題があるのではないか、住民の意思が反映されないという弊害があるのではないか、また、教育行政における責任の所在が不明確となるうらみがあるのではないか、議員のお考えになる教育委員会の問題点についての所見などを問われたわけでございます。
 福本議員が冒頭、御紹介がありましたように、最近、この教育委員会制度のあり方についての関心が再び高まってきたかなと思いました。それは大分県の事象であります。大分県の場合、教員採用における不正が明らかになりました。その不正を行った当事者というのは、実は教育委員会の事務局の中にいる人たちであります。ここは教員の皆さんが多く任命されているところでありますし、いろいろな報道でも明らかになってきましたが、学校現場、そして教育委員会に無言のハイラーキーというものがある。その中でさらに人事を握る人たちのところに権力が集中をしたのではないだろうか、不正の温床になったのではないかということであります。
 これ自体は他山の石なのだろうと思います。鳥取県で同じことが行われる環境にあったとは私は思っておりません。しかし、問題の温床があるとしたら、それを私たちは正していかなければならないのではないか、そういう思いがあります。教育委員会の制度につきましては、今、議員がおっしゃいましたように、非常に特殊な制度になっており、他の行政領域とは随分と趣を異にいたしております。その結果としてあらわれていますのが、例えば責任の所在だとか、あるいは民意だとか政治的中立性、そういう問題があるのではないかという御指摘をるるいただきました。私は、議員の議論お一つお一つはそういう考え方だろうなというように思いながらお伺いをいたしておりました。若干自分の考え方をということでありますが、それを前提として申し上げれば、私はやはり制度を組みかえてきているけれども不十分になっているのではないかということです。
 そもそも、これは釈迦に説法でありますが、昭和23年に教育委員会制度は発足をしたわけであります。最初にできたときは公選制の委員でありました。それが昭和31年に公選制が廃止をされました。その後ずっと同じような制度が続いてきているわけであります。この過程がやや不十分だったのではないか。もともと昭和23年に導入されましたときは、戦前、戦中の教育に対する反省があったと思います。国家がすべての教育を握ることで、そして政治的に影響されることで子供たちに対する教育がゆがめられてはならないだろう、こういう反省があって教育委員会の制度がアメリカを模して導入されたわけであります。
 アメリカの、特に市町村レベルで顕著でありますけれども、そうしたスクールボードといいますか、エデュケーションボードというような教育委員会の制度が発達をしてきました。ただ、これは自治体であります。教育委員は議会の議員と同じように、一般的には選挙で選ばれて、そして合議制の機関を構成しますが、この下に事務局があり、そして学校があるわけであります。その学校を経営するための自治体を特別につくるわけで、固定資産税を課税したり、そういうことも権能として持っているわけであります。
 これを日本で導入をしようとしたのだと思います。昭和23年に導入をされましたのは、公選制による教育委員の制度であり、それとあわせて、これは余り多く語られてきておりませんけれども、実は予算の編成権もこの教育委員会に与えられていたわけです。最初に導入をされたときには、予算編成権を教育委員会自身が持って、首長側の出す予算と、いわば二本立てで議場で審議をしてもらって可決、否決をいただいていた、こういう仕組みでありました。ですから教育委員は、そういう意味で責任をとり得る存在であり、しかも住民との関係でいえば公選制で選ばれるわけでありますが、党派性こそ極端にないような工夫はなされておりましたが、そういう意味で民意を反映するには的確な、わかりやすい仕組みであったことは事実だと思います。これが伝承されまして、今でも政治的中立性とか、あるいはレイマンコントロールや民意の反映という標語は残っているわけでありますが、ただ、制度の実質は変わりました。昭和31年に公選制自体が廃止をされて任命制になりました。また、このときに予算の提出権も教育委員会には認められないようになりました。首長部局のほうで、つまりここで言えば知事部局のほうで予算を編成するという権限を独占をしたわけであります。これは自治体の中で財政権が幾つもあるという不整合があってはならないという、これはこれの一つの理念でありまして、そういうふうに設定をされたのですが、こういう意味で制度が組みかえられたわけです。教育委員会の実質的な決定権能が著しく制限をされたという状況だったと思います。
 あわせて注意をしなければなりませんのは、昭和31年のときに、国は県の教育長を任命するときの同意権を得ました。私たち県のほうは市町村の教育長の任命の同意権を得る。つまり一定の権限が制約をされた教育委員会がある、これは住民から直接選出されたのではない教育委員会がありまして、しかもここには国から県へ、県から市町村へという上意下達型の中央集権的な教育行政をする仕組みがビルトインされたわけです。しかし、それでもレイマンコントロールだとか、いろいろと教育委員会の独立性だとか、そういう標語は残ったわけです。
 だから、私が申し上げておりますのは、ここらでもう一回素直に考えて、本当の意味で住民の意向というものも見ながら、地域に根差した教育活動ができるような教育委員会、学校の体制を整えるべきではないか。県と市町村との間でも、いわば人事権は県が持っているとか、不整合な関係もあります。あるいは予算編成権がないとか、教育委員会の皆さんも苦労して仕事をしなければいけない実情にあります。ですから、私はその教育委員会のあり方というものを、もう一度根本から問い直してもいい時期に来たのではないかと申し上げているわけであります。
 そういう意味で、分権的な手法というものをもっともっと導入していいと思います。特に学校現場に近いところで家庭教育や地域との連携を保つ必要があると思います。今も学校の地域支援本部というものが予算上は措置されていますけれども、もっとこういう仕組みを強化してもいいと思います。本来、教育というのはすぐれて地方分権的なものであり、戦後、昭和23年に日本がアメリカに倣って導入しようとしたのは、そういう地方分権的な教育委員会制度であったはずであります。しかし、実態が極めて中央集権的な色彩も残るようなことになっているという意味で、残念であります。
 きょうも報道がされておりますけれども、やや口幅ったいですが、あえて申し上げれば、塩谷文部科学大臣がコメントを出されています。鳥取県の南部町が情報公開で学力テストの結果を情報公開請求に従って開示したこと、これは適切でないという、そういうコメントをされています。一体どこの国のことだろうかなと私は思うのです。この国は地方分権を主張してきているわけでありますし、教育というのも本来それぞれの教育委員会が持っている情報を自分で管理して、それを子供たちの教育のために生かそうとして仕事をしているはずであります。そして市町村が地方自治の原則に基づいた条例にのっとって、情報公開条例に基づき開示をしたというのが今回のことであれば、それに対して文部科学大臣が口を挟む道理は本来ないのだろうと思うのです。それほどまでにして学力テストを全国一斉にやらなければならないということ、一体何なのだろうかという思いがあります。この辺はよくよくこれからも議論しなければいけないだろうと思うのですけれども、事ほどさように何かと国のほうが今でも県とか市町村の教育委員会は自分のところの配下だと、こういうように思っている意識が強い。これを本来は改めなければならないということだと思います。先ほど議員がおっしゃったような理論的なこととあわせて、歴史的な経緯だとか、あるいは実態として中央集権的なものが残っていることに対する疑念を私のほうでつけ加えさせていただきたいと思います。
 なお、付言させていただければ、今、鳥取県の教育委員会は、ここ数年、随分変わってきていると認識をいたしております。これは、この議場でも教育委員会制度のあり方について数重ねて議論がなされてきました。例えば会議を公開したらどうだとか、いろいろと議論がございまして、それを酌んで、私は鳥取県の教育委員会は運用を変えてきていると思います。それで活発な議論も行うようになってきているという実情もありますので、他の県の教育委員会とは趣を異にしていることがあること、だからこそ、今回情報開示をめぐって大論争が起きるわけであります。ほかの県だったら起き得ないわけであります。全部文部科学大臣の意向のままに、地方自治的な考え方も抜きでやれば何も議論はない。しかし、我が県がこういう状況にあるのは、鳥取県の教育委員会としてのいわば一つの見識ある運営がなされているものと、私はその点は評価をいたしております。
 次に、環境立県につきましてのお尋ねをいただきました。議員のほうから地球的規模で起こっている事象について御紹介、御披瀝をいただきまして、さらに環境についての県の取り組みについて御指摘をいただきました。私どもは、環境基本計画、そして環境立県アクションプログラムとやってまいりましたけれども、その効果はあらわれただろうか、そのお尋ねでありますし、さらに今後、環境先進県に向けた次世代プログラムにおいて、CO2削減に向けてどういうふうに実効的に行っていくのかと、こういうお尋ねでございます。
 環境立県アクションプログラムの成果でありますが、詳細、生活環境部長からお話を申し上げたいと思います。ただ、議員が御指摘になった、本質はそういうことだと思いますが、これでCO2の削減が非常によく進んだという結果には残念ながらなっていないだろうと私も認めたいと思います。その原因としては、例えば大規模な店舗ができましてたくさん電気代を使うようになるとか、あるいは自動車の台数が決して減るわけではないとか、こうした、いわば市民生活、我々のライフスタイルと大きくかかわるところ、ここが影響しておりまして、必ずしも削減に結びついていない。産業活動なんかは、例えばコージェネレーションの発電をやるだとか、いろいろな手だてをして下げることはできるのですが、結構民生部門、生活にかかわる部門の削減に苦労しているというのが1つの原因であろうかと思います。ただ、その片方で県の環境管理基準の推進とか環境教育とか、一定の県民運動を巻き込んだ分野も進んできているところではありますけれども、まだまだ十分ではなかった。
 今後でございますが、アクションプログラムにかえて次世代プログラムというものを策定をしてやっていこうといたしております。これも詳細、生活環境部長から申し上げたいと思いますが、従来のような手法、省エネ運動をやろうとか、そうしたことに加えまして、やはり森林でCO2を吸収していくという視点だとか、また新エネルギーの促進を行いまして、この新エネルギーのほうでCO2にかわるエネルギーの形態を模索していく、これをCO2削減の中にカウントしていくということで、一つには実効性を上げていく新しい筋道があるのではないかと考えております。
 あと、あわせまして県民運動と一緒になりまして、例えばことしはレジ袋削減のキャンペーンを大々的にやろうとしています。これも東部、中部、西部の事業所の皆さんとお話し合いをさせていただきまして、日を決めてノーレジ袋の日をつくろうと。行く行くはレジ袋が要らないとみんなが言えるようになっていく、そんな鳥取県を目指していきたいと思いますが、これも県民運動を巻き込んでやっていかなければなりません。今、大きく事業者だとか消費者団体だとか、そうした皆さんとの連携のもとに組織を立ち上げて進み始めたところであります。
 こうした住民、NPO、市町村と結びついた運動を展開することが実効性の上で1つ重要なことでありますし、あと、これはこれからの検討課題であります、議会でも検討が始まったと伺っておりますが、他県では一部で、例えば企業にCO2の削減計画を義務づけるような、そういう条例をつくる法規制を伴うところも出てきております。そうした例も研究させていただきながら、実効ある次世代プログラムの推進、CO2の削減目標、当面7.7%削減を目標としておりますが、目指してまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)温暖化について補足をさせていただきます。
 大まかなところを知事のほうで答弁しておりますので、少し重複する部分もあろうかと思いますけれども、お答えをさせていただきます。
 まず、環境立県アクションプログラムの効果なり成果なりということですけれども、今、知事も申し上げましたように、残念ながらアクションプログラム16%削減という目標は達成することはできなかったということでございます。
 一つの理由としまして、若干知事も申し上げましたが、1つは家電製品がやっぱり依然として非常にふえてきております。テレビ、あるいはパソコン、エアコン、特に最近はDVDプレーヤー、これが急速に伸びていると、こういったことがございますし、それから自動車の台数もここ4年で、本県で3万台ふえております。それから店舗面積、大型店舗がふえてきているということで、これも5年間で約10万平米店舗面積がふえていると、こういう状況があります中での削減ということで、非常に難しかったという現状がございます。それともう1つは、世帯数が増加をしてきています。世帯分離がふえてきているということで、これも一つの要素になっているのかなと、こんな感じもしています。一方では、自然エネルギーにつきましては5万キロワットの目標に対して7万4,000キロワットということで導入が進んだ面もございます。こういった状況を踏まえて、このたび次世代プログラムを策定させていただきました。これも先ほど知事も申し上げましたが、この次世代プログラムの中では新エネルギーなどもカウントさせていただいて、それから京都議定書でも組み入れが認められている森林吸収についてもカウントさせていただくというような形で目標数値をつくらせていただいています。
 この次世代プログラム、大きく分けて3本柱でやろうと思っています。1つは、従来からの継続になりますけれども、省資源、省エネ、こういったことに取り組んでいく必要があるだろうというふうに思っています。具体的には、例えば冷暖房の温度設定を適正にするとか、あるいは省エネ製品の導入をしていただく、それから小まめに電源を切るといった、非常に細やかな取り組みをそれぞれの家庭なり事業所でやっていくと、そういった取り組みをしていかなければいけないだろうというふうに思っています。あわせて環境教育ですとか鳥取県版の環境管理システムでありますTEASの普及、アイドリングストップ、エコドライブ、こういった運動を着実に進めていきたいというふうに思っております。
 もう1本の柱が自然エネルギー、あるいは新エネルギーの導入促進ということで、県としての率先行動、従来から進めておりますバイオマス系のペレットボイラーとかペレットストーブの導入、こういった取り組みでありますとか住宅用の太陽光発電、これは市町村と一緒になって支援をする、そういう枠組みを持っていますので、そういった活用をしながらふやしていく。それからバイオディーゼル燃料の普及、こういったものも進めていきたいなというふうに思っています。
 ただ、一方で中国電力などの電力会社の買い取り枠が少ないためになかなか進まない風力発電、こういった購入枠の拡大をしていただくという作業も一方で必要になってくるだろうというふうに思っています。先般も中国電力のほうには要望させていただいていますけれども、そういう働きかけも並行しながら進めていきたいというふうに思っております。
 もう1つの柱が二酸化炭素の吸収源としての森林整備、森林吸収の促進という意味で間伐の促進ですとか、あるいは森林環境保全税を活用した取り組み、CSRとして取り組んでいただいていますとっとり共生の森の取り組み、こういったものを広げていくことで森林吸収、森林整備を進めていきたいというふうに思っております。
 そのほか新しい取り組みで、最近少しずつふえています二酸化炭素を相殺をする仕組みでありますカーボンオフセット、こういったものについてもこれから研究して、可能な範囲で取り組んでいきたいなというふうに思っているところでございます。いずれにしても、県民運動として市町村やNPOその他、県民の皆さんと一緒になって可能な取り組みをしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っています。


◯副議長(上村忠史君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)答弁いただきました。
 まず環境のほうですが、今、生活環境部長からるる答弁ございましたが、新しい次世代プログラムではグリーンエネルギーの購入、今おっしゃいましたカーボンオフセット、またエコポイント制度など、新しいこういったCO2削減に寄与するであろう項目も研究していきたいということが入っております。ぜひこれらの新しい枠組みでCO2削減に役立てるように努力していただきたいと思います。
 そして、教育委員会制度であります。るる答弁いただきまして、知事の御所見は伺ったのですが、一つここで、慶應大学のある有名な教授などの主張によりますと、形骸化した機能不全を起こした教育委員会を、首長による委員の更迭だったり、選任される委員の議会による同意を行う際に、我々が同意を行う際に、よりチェック機能を働かせるなど、地方自治の自律機能を高めることで改善に導くという考え方もあります。確かにこの考えも一理あって、私たち議会も、もっと責任を持って教育委員選任の際には、その同意に当たって委員の適性を熟考する必要があるのではないかと思います。ちなみに我が会派自民党におきましては、このたびの教育委員再任に当たっては、執行部のより詳しい人選理由の説明を別途に求め、同意への判断の材料としたところであります。それはそれとしましても、いずれにしても、これら地方自治の自律機能の向上だけでは教育委員の質の確保は行えたとしても、教育委員会の無責任体質の改善、またそれを裏支えする中央集権的な体質、こちらまでも変えることはできないと考えます。要するに私は現行制度を、その運用をもって機能強化を図る、このことには限界があると感じます。極論的には開かれた教育、地域と連携して行われる教育の実現、そして的確な民意の反映のためにも首長の教育行政へのかかわりの強化を、その政治的中立性の維持は当然担保しつつも行っていく、こういうスタイルが地方分権の時代の中で求められる教育行政の姿ではないのかと、そう思うのでありますが、知事の御意見をお聞かせください。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、環境問題につきましては、カーボンオフセットなど、新しい仕組みを積極的に検討させていただきまして、まだまだ新しい仕組みなもので確立していない部分もございますが、我々なりの工夫なんかもしまして、CO2の削減に努力をしてまいりたいと思います。
 教育委員会制度につきましてでありますけれども、1つには運用上私たちにできるところを変えていくのは、それは当然のことだろうと思います。ですから教育委員の選任という、あるいは場合によっては更迭とさっきおっしゃいましたけれども、そうしたルールを使うなどして我々のほうでコントロールすることもできましょうし、あるいは予算上、ここで審議をすることで可能な面もあろうかと思います。
 教育委員会も、鳥取県の場合はそれに対する一応の答えといいますか、工夫も見せてきているのが今日の状況ではないかと私は感じております。ただ、こうした運用上のことに限界があるというのは議員が御指摘なさるとおりでありまして、これまでたび重ねて地方制度調査会だとか、それから全国市長会なんかも教育委員会制度というものは必置規制にすべきではない、これは置くか置かないか、少なくともそれぞれの自治体が選ぶべきだという、こういう議論を展開されています。
 諸外国をごらんいただいても、アメリカは確かにそうした委員会制度をとっているところは多いわけではありますけれども、それでも任命制によるところだとか、あるいは単に独任制の部局をやっているところもないわけではありませんし、さらにヨーロッパも教育水準は非常に高い教育を行っているわけでありますけれども、ドイツだとかフランスだとかイギリスだとか、いずれも委員会制度によっているわけではありません。しかし、それでも政治的に中立性を保ったり、また実りの多い教育カリキュラムを実行しているところであります。そういうように、いろいろな例があるわけでありますから、私はこの際、もっと心を開いた議論をすべきではないかと思います。
 文部科学省もこれに呼応しまして、こうした世の中の、市長会なんかの議論にも呼応して、教育委員会制度改革を今さらのように言い始めたわけです。それで教育委員会の議事を公開せよとか、うちとしては余計なお世話なのですけれども、そういうことを言ったりして、慌ててやっているわけでありますが、まだまだ不十分という印象を持っています。ですからこの際、大分県の教育委員会の事件もあったことですから、ここに世間の関心も向いた、このきっかけで議論を深めていただきたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それでは、教育委員長、お待たせいたしました。お伺いいたします。本議会ではたくさん、お忙しい中おいでいただきまして、あと1日、一般質問を残すのみとなりましたが、恐らく、たしか私と松田議員で終わりかと思います。大変お疲れさまでございました。もうしばらくおつき合いください。
 教育委員会制度の問題点や今日的意義について、教育委員長の見解は、去る5月議会の稲田議員の質問に対する答弁でおおむねその方向性は知ることができました。当時、現在の妻である中央集権とのかかわりは大切にしつつ、別れた妻である地方分権という本質はちゃんと押さえて、両方のバランスをいかにとるかが大切であるという、例えだけで判断するならば、倫理的には教育者としていかがかと思うその内容でありましたが、知事にも質問いたしましたけれども、委員会制度を議論する前に大事なことは、基本的に地方分権の時代にあって、地方自治において重要なこの教育行政をどうとらえるかであるということだと思います。ある意味この国は長らく教育の独立性を盾に、地方政治のかかわりを排除することで教育行政の中央集権体制を維持してまいりました。先ほど知事からもお言葉がございました。さらに昨今では、現在、地方教育行政法の改正にも見られるように、諸問題に対する教育委員会の機能不全を理由にして、国はその権限強化を図ってきております。
 現在の委員会制度の性質や教育委員長の職責上、時に文科省の指導等が中央集権的に作用したとしても、原則的にはあらがえないことはしんしゃくいたしますが、教育委員長には中央集権の力におびえることなく、地方分権という本質に忠実にそのベクトルを向けていただきたいと思うのであります。
 そして委員の皆さんにおかれては、みずからの選任の任命権者が知事であって、また議会がそれを同意して初めて自分たちが委員、その職にあることをゆめゆめ忘れないでいただきたい、その職に当たっていただきたいと思うのであります。言いかえるなら、地方分権の時代、地方自治の重みを決して忘れてはいただきたくないと思うのであります。
 そこで、例えばこのたびの一連のいきさつに目を転じてみましょう。地方分権の時代にあって、今問題となっております我々鳥取県が持つこの情報公開条例の意義、これは非常に大きいものがあると思います。というのも、情報公開がなされる以前、かつての行政職ではどうであったでしょうか。ともすれば役所内で上司や国や、上ばかりを向いて予算をとることに一生懸命になって、地域住民、県民のほうに目線が行っていなかったのではないでしょうか。ところが、情報を公開することによって、そのベクトルが180度転換して、県民にその目線が行くようになったと私は理解しております。要するにそれは役所の閉鎖性からの脱却であり、言うなれば地方分権の中での我々鳥取県自治の真の自立への産声でもあったように思うのであります。
 このたびの議会答弁で、教育委員長も教育においての情報公開の必要性もお認めになっておられます。教育現場も多くの情報を公開し、県民と共有することで現場の教員は校長へ、そして校長は市町村教委、市町村教委は県教委、そして県教委は国、文科省へ向いていた、この内向きの意識が子供たちや地域へ向かうようになって、もって教育界の閉鎖性が改善されるのではないでしょうか。だからこそ、このたびの学力テストの結果も、その情報の共有化が必要であると思われるのでありますが、どのようなお考えをお持ちでしょうか、教育委員長。そして、情報公開条例の理念はこういうところにあって、地方自治の中であり、すべからく鳥取県教育委員会、教育行政もその理念にのっとり、積極的に情報を公開するべきであったことを申し添えておきます。
 そして、このたびの学力テストの非開示問題、その法律的解釈などは、行政訴訟も起こっております、ほかにゆだねるといたしましょう。しかしながら、教育委員会がいかなる理由を付したとしても、地方分権の中、崇高な理念を持って地方自治で定められたこの条例に反する可能性のある結論を下してしまったその行為は、地方分権の理念に反するばかりか、残念ながら地方自治を軽視したものであると言わざるを得ません。教育がいかに崇高な使命を帯びている行政行為であるとしても、それが地方自治という、いわば地方分権時代における絶対的自治体制にあらがえる性質のものでないことを本県教育委員会は深く認識するべきであります。
 そして今、教育委員会においては開示・非開示問題につき法律的解釈は行政訴訟にゆだね、そしてみずからが下した結論においては、条例の改正を求めることで、みずから行った地方自治への反抗に決着をつけないまま、その解決を図ろうとなさっております。真摯に地方自治を預かる議会としては、今後、このたびの委員会判断をあくまで現行条例に照らした上で、あえてそれを地方自治への挑戦ととらえ、議会と地方自治の権威を守るために、議会の意思を世に示すこともその手段として考えられます。教育委員長におかれましては、かかる事態に陥る前に自分たちがお下しになったこの非開示、この結論に対して、いま一度委員会で再考を図る用意がないか、最終最後のお伺いをいたします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)ちょっと初めに、御質問に答える前に、7月の初めだったでしょうか、大分県で全国の教育委員長会議と教育長会議がありました。そのときに、大分県でそういう問題が起こっていたので、本当に今度の全国学力調査の比ではない報道陣がずらっと来て、そして教育長も私もマイクを突きつけられて、どこですか、鳥取県だと。鳥取県ではそういうことはないのですか、ないですと。当たり前の話なのですけれども、申し上げたいことは、初めに福本議員が大分県の問題と我々の決定に関して一緒にして、だから教育委員会制度は見直さなければというような一緒の議論をされましたけれども、私は非常に心外です。私は自信を持って今回の決定を出したと思っています。
 情報公開条例というのは非常に大切なことは十分わかっています。それから、今議員がおっしゃったように、それは行政が持っている情報を自分たちで勝手に使えない、県民特有の、みんなの共有のものにする、その理念は本当に大切だと思います。そのときに我々が、では、ああした全国のデータを隠したのは我々の何かのためか、全くそんなことはない。教育委員会のそうしたものではなくて、行き着くところは市町村、さらにいけば一番のところ、我々がきちんと守らないといけないと思ったのは子供たちのことであり、むしろ地方分権で、そこの中に生きる子供たちを守った、そういう信念のもとにやったので、地方自治の精神をむしろ我々は生かしたと信じています。


◯副議長(上村忠史君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)お怒りはよくわかりました。しかしながら委員長、一般的にお考えください。教育委員会制度は、先ほど知事からもありましたが、国の意思でもって、全国プロトタイプだと私は思うのです。大分県でも起こっている。例えば愛媛県でもたしか訴訟が起こされたというように思っておりますが、我々一般国民、一般市民からしたら、みんな同じに映るのですよ、教育委員会制度というものは、教育委員というものも。要するに大分での問題でもこのたびの開示・非開示の問題でも、私が問いたいのは、その教育委員会制度、そしてまた教員の、教育現場にも共通するかもしれませんが、やはり閉鎖性であると思います。その閉鎖性があるからああいうことが起こったのであり、そしてこのたびの学力テストの開示、情報公開条例へのあらがいも、ではなぜその閉鎖性を打開するために公開をしてくれないのかと。私も親ですが、非常に見てみたいと思うのです。それを県のベクトルとして情報公開条例という理念があるわけですから、包み隠さず出せるものは出して、ともにいい教育現場を、教育行政をつくっていこうというのが趣旨だったのではないでしょうか。私は大分の問題も、この本県の学力テストの問題も、根は共通であると思っております。お言葉があればどうぞ。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)子供たちのそうしたデータをできるだけ共有しようというスタンスは大切だと思います。その場合に、私はそのデータを共有する範囲と、そのデータの活用の仕方というのは非常に大きな問題だと思っています。こうしたデータの活用というのは先が見えていないので、学校のそうした学校関係者、地域の方々の中でどう生かすかという、そういう本気の具体的な教育論がないと全体の情報をどうだというのは生きてこないだろうと、そういう判断をしています。


◯副議長(上村忠史君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それでは結構です。ちょっと時間がないようですので足早に。
 要するに再考する意思があるのかないのか、その点を1つ伺いたいのと、では、例えば条例を改正して新しいものを次年度からつくっていきたいとおっしゃいましたが、それは当然ながら開示を前提とされた条例の改正を視野に入れておられますね。それと条例の中身、今出せるものはここで出してください。情報を公開してください。重ねてお願いします。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)今後のことは、前もお話ししましたように非開示、開示、両面から検討していますが、開示という場合に、具体的に条例の中で開示された方が不適切な情報の利用をされないような、そういう制約条件をきちんとつけたものにできるならば、それも開示の方向はあるのではないかと、こういう方向でやっています。条例上で言えば第4条のところにつけるのか、ほかの例えば9条の一番端の終わりのところにつけるのか、それはまだこれからのことですけれども、要は開示された方が責任を持ってデータを使うという、そういう部分をきちんとしたいなというのが我々のスタンスです。


◯副議長(上村忠史君)次に、22番松田一三議員


◯22番(松田一三君)(登壇、拍手)武士道は廃れず。先ほどは初田議員が嘆いておられましたが、長きにわたり会派をともにした湯原俊二君に対し、武士道に言う惻隠の情にも通ずる惜別の辞をいただき、私からも自由民主、稲田寿久議員に衷心より御礼申し上げます。鳥取県議会が全国に名をはせているとするならば、議会改革にイニシアチブをとってきた湯原俊二君の功績大なるものがあり、まさに議会の申し子であります。花は愛惜に散るのであります。今後の活躍を祈りたいと思います。
 本題に入ります。
 8月22日、そして9月10日、その日の朝刊を見たとき、まさに殿、御乱心と率直に思ったのであります。教育委員会廃止論、学力テスト公表に絡んで教育予算差別論、新聞記事を見た限りでは、聡明でバランス感覚に富んだ平井知事にして、よくもここまで言い切ったものよと、稲田議員の言葉をかりれば勇み足と、勇み足もいいところだと感じたのでありますが、この定例議会に入ってこの問題に関しての知事の答弁、説明を聞きながら、それなりに納得してまいりました。
 しかしされば、さればです。マスコミの報道が殊さらに橋下知事発言と連動してセンセーショナルに書き上げたのか、記者会見での知事の説明不足なのか、そのあたりについて記者会見の議事録を見ますと、山田議員からも指摘がありましたが、そのときの説明と議場での説明とでは多少ニュアンスの違いがあり、あのように報道されてもいたし方なかったと思います。綸言汗のごとしであります。老婆心ながら諫言を申し上げたい。片山前知事のような発言手法は平井知事には似合わないと思いますが、この流れについて所感があればお願いします。
 さて、学力テスト関連の議論は7人もの議員が質問に立って大方出尽くして、知事、教育委員長も食傷ぎみでありましょうから質問を辞退しようと思いましたものの、名乗りを上げたからにはと臨んだ次第であります。また、直前に福本議員が質問されましたので、かなり重なる部分はあると思いますけれども、だしがらになってしまって、かつての片山発言、鳥がら発言がほうふつといたします。鳥がらも煮詰めるとおいしいスープになりますから、(笑声)最後までおつき合いをお願いいたします。
 なお、知事のおっしゃるように、学力テスト開示・非開示については、教育の本質から見れば、いわば薄っぺらい議論、知事も言われるごとく、ちょっと表現は悪いのですけれども、ということにもなりますので、屋上屋を重ねることは本意ではありませんが、重複を避けながら私自身の幾つかの疑問を呈してみたいと思います。
 まず、今回の教育委員会の結論は正しかった、そして非常にまじめに真剣に議論されていると申し上げておきたいと思います。何にも増して約束を守ったということであります。子供たちの教育にとって大切なことは、情報公開条例ではなくて約束を守る、信頼を裏切らないということであって、まさにそれが教育の原点なのであります。知事はこのたび情報の共有という言葉をよく使われました。その意味、意義を確認させていただきたく、御説明ください。
 情報公開条例は、全国に先駆けて平成12年に施行されました。政治、行政が透明性を持つということは何よりも大切であります。我々はその条例の持つ意味をしっかりと理解し、守らねばなりません。がしかし、不磨の大典ではなく、また先行してできたがゆえに、歳月とともに対応できない部分も生じてくるでしょうし、現に今回の場合も審議会で答申はなされたものの、条文解釈に違いが出ているのであります。また、審議会においても教育に関しての議論が深まっていない点もあり、果たして審議会の答申が重い意味を持つのかも疑わしく思うのであります。実際、審議会において教育関係者から参考意見を聞かれたのか、あるいは説明書的なものが提出されていたのか、お尋ねいたします。
 条例は、時代時代に合った形で解釈し、先例を積み重ねていくものであると思います。記者会見においてもこのたびの答弁においても、条例の手直しについて言及され、既に改正の方向で進んでいると理解しますので、この際、非開示条項をさらに具体化することも含めて、条例の点検、検討をお願いいたしますとともに、もっとこの条例が教育現場をも含めて県民に認知、理解されるような方策をとられるべきと思いますが、いかがでありましょう。
 次に、知事が教育委員会制度に言及されたことについてただしたいと思います。
 8月22日の教育委員会廃止を含む全面見直しの記事を見たとき、一瞬、これは学力テスト非開示を決定した教育委員会への意趣返しではないかとさえ思ったのであります。後ほど記者会見の内容を見ても、かなり思い切ったことを言っておられる。この分だと、すべて自分の掌中におさめないと気が済まない、何か思い詰めたような雰囲気さえ感じられたのであります。
 実は私自身も平成8年以来、一般質問、代表質問において教育委員会の形骸化を嘆き、文科省の御用機関ではなく、もっと地方独自の自主的な教育機関であってほしいと質問をし、提言もしてまいりました。平成11年、片山知事になってからは、知事自身が積極的に教育委員会の活性化を目指して教育委員の人選を初め、現場主義の徹底等を図られたのであります。教育の良否は学校の経営者である教育委員会の力量と自主性にかかっていると言っても過言ではありません。教育は未来への投資で、かつ最大の公共事業であります。そして問題は、教育に関する予算は首長が握っていることであり、首長の見識が最も問われるところであります。
 また、首長は教育の専門家ではありません。首長の主張がそのまま教育施策につながるのは適切ではなく、教育委員会が地域の要求を真摯に受けとめ、教育の本質を見失うことなく施策を展開する機能を果たさなければなりません。機能を十分に果たした上で首長と教育委員会のお互いの立場を心得た役割分担が重要になると思うのであります。地域の教育をしっかりと担うことのできる機能を十分果たす教育委員会をつくり上げるのは、教育委員の任命権を持つ首長の重要な仕事なのであります。そういった意味で、知事は教育委員会に対し隔靴掻痒の思いがあるかもしれません。ただ、私が思うに鳥取県教育委員会は片山改革の洗礼を受けて活性化され、活発な議論、そして現場に出かけて把握する現場主義が徹底され、全国にも誇れる教育委員会であると思います。現に今回の対応、そして結論においては、しっかりとした見識が示されたと私は思っています。
 そこで知事、将来的には廃止というか、全面的な見直しが必要という発言は、教育委員会制度そのものに対してなのか、あるいはそれをも含めて現在の鳥取県教育委員会、そして県内市町村教育委員会のありように対する疑問があるのか、率直なお考えをお聞かせください。なお、あわせて教育委員の人選についても言及されていますが、その思いはいかがなものがあるのでしょうか、お尋ねしておきたいと思います。このたびの知事の発言は、鳥取県の教育を育てる上で非常に大きなインパクトを与えたと思います。これを機に鳥取県の教育について県民みんなで議論を深めていってほしいのであります。
 さて、希望に燃え、明るく豊かな新世紀であるはずの21世紀が、かくも無残に、いわゆる世紀末的様相を呈してきていることに、世の中の人々は何となく厭世的な思いを抱き始め、地球社会の限界をさえ感じ始めているのではないでしょうか。日本の国にとって何としても恐るべきは、物理的現象もさることながら、人々の心の荒廃でありましょう。今、社会の中に怒りと無気力が広がっています。地球の終わりを予想させるような異常気象、そして環境問題、投機マネーによる石油価格、そして穀物、食糧価格の高騰、果てはサブプライムローン問題に始まる金融危機、軍事紛争も多発しております。汚染米流通、霞が関の腐敗・堕落等々、数え上げれば切りのない負の社会事象が次から次へと起きてきている現実があるからであります。
 このようないびつな構造を生み出した大きな要因は、アメリカの推し進めたグローバル化にほかなりません。グローバル化は経済のみならず、あらゆるレベル、日本人の精神的風土、心の中まで市場原理を持ち込んでまいりました。私は片山前知事時代、市場原理主義を取り上げて、その危惧を申し上げました。共産党宣言になぞらえて、市場原理主義という妖怪が世界を徘回しているとまで申し上げ、現代社会の様相を嘆いたのであります。そして経済原理での市場原理は、アダム・スミスの言うように有効に働くことによって神の手となる一方で、市場での思いやりという道徳が強く必要とされることを忘れてはなりません。本来、その部分を政治と行政が対応しなければならないのですが、みずから小泉・竹中改革によってするべきこととしてはならないことを峻別し得ず、現在の状況をつくり出してしまったのであります。経済のみならず教育、そして日本の精神的風土をも含めて、日本型のモデルを再構築しなければならないと痛切に思います。知事、アメリカン・グローバリズム、市場原理主義の行く末について、知事の御意見を承りたいと思います。
 最近、伝統ある、誠実で定評のあるしにせの建築設計事務所が幕を閉じました。しかも法的整理を余儀なくされました。彼は、まじめに誠実にやってきたのですけれどもねと、ぼそりと言葉少なにこぼしました。仕事が減ったことが大きな原因でありました。厳しい建設業界の中で上手に立ち回ることができず競争に敗れた、確かに敗者であります。しかし、まじめに誠実に生き、しっかりと市民、県民としての役割も果たしてきた人たちが報われない社会とは、国家とは一体何なのでありましょう。政治の貧困を憂えざるを得ないのであります。
 さて、そこで鳥取県の経済環境、経済政策についてもお尋ねするはずでしたありましたけれども、この部分も銀杏議員、澤議員、そしてきょうの浜崎議員も指摘されておりますので省略いたします。経済政策にコルホーズ政策はとらないと突き放した片山前知事と違って、面かじを大きく切られ、積極的な産業政策へのアプローチ、商工団体、企業現場との話し合い等々、はかばかしい成果はいまだあらわれてはいないがと真摯に取り組んでいる姿勢を申されました。私も評価いたします。しかし、将来を見据えたアシアナ対策、DBS対策、あるいは先端企業のような日の当たる企業へのアプローチは鳥取県の将来にとって大変重要ではありますが、一方で忘れてならないのは、取り残された日の当たらない石油高、材料高による経営圧迫にもただただじっと我慢して苦しく呻吟を続ける中小零細企業、しかも鳥取県内の企業の大部分を占めると思うのでありますが、知事はこの現状認識及び対策について、大きな視点、懐の深い思いを語っていただきたいと思います。
 以上で壇上の質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員の一般質問に対しましてお答えを申し上げます。
 まず、教育問題について数点お尋ねをいただきました。
 第1点目は、私の発言についての御指摘でございまして、記者会見のときの説明、そして議場での説明、いろいろな報道がありましたけれども、諫言すると、こういうお話でございます。
 御心配いただきまして、まことにありがとうございました。ただ、たび重ねて申し上げておりますけれども、私、お話ししていることは実は一貫しておりまして、記者会見のときも、この議場でも包み隠さず問われたことに対してお答えを申し上げていることをぜひ御理解をいただきたいと思います。
 何か言葉の効果をねらってというようなことではないので、多分前任者とはちょっと違う展開になっているだろうと思いますけれども、もたもたしたように見えるかもしれませんが、私なりに一生懸命県政に取り組んでいることを御理解をいただきたいと思います。
 このたび、いろいろな取り上げられ方をしましたけれども、結果論から申し上げれば、私は報道の取り上げ方、あえて静観をしておったのです。と申しますのも、教育について、もちろん教育の、学力テストの情報公開の云々については是非の議論があったり、あるいは教育委員会のあり方についてもいろいろ議論があることは承知なのですけれども、ただ、こうした議論を世の中に提起をして、それでこれから地域から本当の意味で地方自治的に教育を変えていこうという議論が進展するのであれば、私は一つの捨て石になっても構わないだろうと思っています。ですから、あえて反論をしたり、妙な訂正をしたりということは余りやることなく、淡々と自分の語ったことを繰り返して申し上げている次第であります。
 おかげさまで今回のこの9月の県議会も教育論議を大きく取り上げていただきまして、県民の皆様の間でも、この問題の根の深さといいますか、大切さに対して認識も深まったと思っております。そういう意味では、私なりに発言したかいもあったかなと、いろいろ損もありましたけれども、得もあっただろうと思っております。
 次に、教育委員会の今回の結論は正しかったのではないか。私が常々情報の共有と言っているけれども、その意義を再確認したいということでございます。
 私は、ここで情報の共有という言葉を使いましたのは、1つの例示として、これからモデル的な学力向上の取り組みだとか、そういうものを地域で考えた場合に、県も応援する、財政的な支援も含めて応援できないだろうか、こういうことを考えてもいいですよという提言をしたことであります。そのときに家庭も協力する、それから地域でも、例えばボランティアで学校のお手伝いをするとか、そうした中で情報の共有をして、こういう点について手当てをしなければいけない、では、みんなでこうやりましょうという取り組みを応援したいと、こう申し上げたわけであります。ですから、この情報の共有という言葉は、公開とも開示とも違う意味で、あえて使っております。
 情報の開示というのは、今回の南部町もそうでありますけれども、納税者の方が典型的でありますが、自分のお金がどう使われているか、すなわち教育行政の現状はどうだろうか、それについて情報公開を申し出て開示の請求を個別に受けるというものであります。そして公開というのは、教育委員会が積極的にこういう状況ですよというのを、典型的な今の議論でいえば学校別だとか、そうしたところまで公表するというのが公表ということであります。私は、そういうようなパターンにとらわれることはないだろうと。例えばクラスで集めて、みんなで今回のテストの結果というものを、これはもちろん個別の生徒のことではありませんけれども、我がクラスはこういう問題があると、ですから家庭教育でもこういうところを応援してもらいたいというようなことがあってもいいのではないかということです。大体いろいろなパターンがあるようでありまして、いろいろな対策のとり方も考え得るだろうと思うのです。
 私は、ある高校のほうに視察にお伺いをさせていただいたときに感銘を受けたのは、やはり同窓会というような場で保護者の方に訴えたのだそうです。このままではうちの学校、ひょっとすると地盤沈下するかもしれないと。子供たちのことを考えれば、家庭学習でもしっかりと応援してもらいたいと。それにあわせて実際に地域ぐるみの取り組みへつながっていった結果で成果が出ている学校があるという話で、大変感銘を受けました。
 私たちは今まで学校現場だけがすべてだと思っていたのかもしれませんけれども、実は子供たちは24時間という時間を持っているわけです。就寝している時間を除けば、ほかの時間は子供たちは成長のために与えられているような時間であると言っても差し支えないと思います。ですから家庭だとか地域と学校とが一体化してやっていく取り組みがいかにとうといか、私はそこにもう一度思いをいたすべきではないかと思い、あえてこういう共有というものの必要性を説いたところであります。
 次に、情報公開条例は不磨の大典ではないと。情報公開審議会で一たん開示という結論が出たわけでありますけれども、この決定に際しては、審議会で教育に関しての議論が深まっていないのではないか、重い意味を持つか疑わしく思うと、その状況について聞くというお尋ねでございます。
 その情報公開審議会での議論の状況などにつきましては、総務部長から御報告を申し上げたいと思いますが、我々の制定しております情報公開条例、これは県民の知る権利を実現するための道具ということです。先ほど福本県議が高らかにおっしゃいましたけれども、情報を公開することで役所の閉鎖性を排する、いろいろな人に批判をしてもらう、そして政策の提言をしてもらい、こうして議場で万機公論のもとに決していくと、これがデモクラシーのあり方であります。しかし、どうも明治以来、官僚主義の国家というものは閉鎖性があったのではないか。これを打破しようということで情報公開条例をつくったわけです。
 この情報公開条例に基づく公開の、その適正を担保せんがために情報公開審議会というものが置かれています。これは知事部局のものであれ、それから教育関係者であれ、教育委員会であれ、いろいろなところに上がってくる不服申し立てについてこちらのほうでも処理をする、そして第三者的な意見を客観的に申し上げる場をつくろうではないかということで設置をしているわけです。いわば情報公開の番人のようなところであり、その中には法律家ですとか、いろいろな方々が入りまして、それこそ真剣にここでも議論をしているわけであります。
 私は、ここで議論が深まっていないのではないかというのは、やや、奥ゆかしい松田議員にしてはよくおっしゃったものだと思うのですけれども、(笑声)私は、ここは確かに教育的な議論だけで裁くべきではない、彼らは条例の解釈をまずはやりますし、それから実情についてもいろいろと調査をした上で決定をされていると思います。ですから、今回もそうした結論が出たことは、基本的には尊重されるべきものであっただろうと思います。最終的には教育委員会の権限でありますので、今回の結論に至ったというように受けとめております。
 次に、非開示条項をさらに具体化することも含めて条例の点検、検討をすべきではないか、これを周知、理解するような方策をとるべきではないかということであります。
 これはおっしゃるとおりだと思います。今、山田委員長のほうでも言葉を選んで御答弁がるるございましたけれども、まだどうも開示・非開示ということを決めておられるわけではないわけでありまして、来年度以降の取り扱いの前提として条例改正、どういうものができるだろうか、検証してみたいということであります。
 議員のほうでもおっしゃいましたとおり、知事部局と教育委員会と相補い合う関係だと思うのです。条例や予算のことを考えれば、そうしなければ県民のためになりません。ですから、今回も条例の検討に当たりまして、私どもも誠実に相談に乗らせていただき、点検、検討を行うことといたしたいと思いますし、また、条例が可決されてくると、そういうことになってくれば、その周知、理解の徹底についても当然ながら汗をかきたいと思います。
 次に、将来的には教育委員会というものが廃止、全面的な見直しが必要と言うけれども、それは教育委員会制度自体に対することなのか、それとも県の教育委員会、市町村の教育委員会のありように対することなのかということです。
 私が申し上げておりますのは、教育委員会制度がもうかなり古びた制度になってきておりますので、この古い革袋を取りかえるべきときになったのではないかと。この中に新しき酒を注いで、そしてこれからの子供たちの役に立てようと、そういう趣旨であります。ですから、これは制度論でありますので、一朝一夕でできることではありません。国民的議論の上に決していくべきことだろうと思います。その前に、議員もそういう御趣旨でございましょうが、県とか市町村の教育委員会もぜひ活性化をしていただいて、県民のために役に立つような組織として役割を果たしていただきたいと思っております。
 次に、今の経済状況、社会状況を慨嘆されまして、市場原理主義が濶歩していると、共産主義の言葉を引かれておっしゃったというお話でございまして、ただ、これには市場での思いやりというものが欠けているのではないか、日本型のモデルを再構築しなければならないのではないかという痛切な訴えであります。
 私、非常に共感を覚えてお伺いをいたしておりました。確かに資本主義、市場主義というものは経済の発展に貢献をしましたし、その経済成長に貢献することを通じてそれぞれの国の国民生活が豊かになり、世界が豊かになってきた面はあります。それにはアダム・スミスがおっしゃったような、神の見えざる手とおっしゃいましたけれども、予定調和によってユートピアが開かれるという理屈はあるわけであります。ただ、この市場が失敗をしてひずみを生んできたことは、産業革命の後、次々と明らかになったわけでありまして、それに対する社会民主主義的な修正が加えられてきたのが今日までだったわけです。
 ところが、アメリカのレーガノミックスとか、あるいはイギリスのサッチャリズムとか、そういう新しい考え方が登場してきて、もともとの、余り市場に関与すべきでないと、それに任せるべきだという新自由主義的な観念が大きく力を持ってきたわけであります。
 確かにこの新自由主義的な観点は、一定の景気刺激などの効果は持ったかと思いますし、行き過ぎた政府の干渉を排除する意味でも一つの論理的な指標になっただろうと評価できるところもあります。ただ、つまるところ、今、松田議員がおっしゃったように思いやりという、かつて単なる資本主義に対して社会民主主義的修正を加えたような思いやりという部分が失われてきているのではないか、それを感じざるを得ないところがあります。格差がどんどんと開いてきますし、これは社会階層内での格差もございますし、地域間での格差もございます。こういう格差がどんどんと広がっていって、それを放置するがごとく最近の政治が動いていたように思います。私はこの点は反省すべきではないかと思っています。
 そして、もう一つ情けないと思いますのは、世界がまるでカジノのようになってきている。拝金主義に踊らされて世界じゅうをマネーが走り回る。これが投機に使われてそれぞれの国の国民生活を攪乱し、経済を疲弊をさせてくる。それが一握りの人たちにお金が集まってきてしまっているのではないかと思わせるところであります。
 現在の世界的な金融不安というのは、その一つのあらわれではないか。これについて人類が反省をするきっかけを与えるようなモチベーションになるモメントなのではないかというように感じるところであります。
 私たちは日本で、先般もこの議場で議論がありました二宮尊徳の報徳とかという思想なんかも取り上げられましたけれども、勤勉に一生懸命働いて汗をかく、これで後世、子孫のために残していこう、社会に貢献しようというのを我々の国民性のよりどころにしてきたはずであります。それが思うように生かされない。働いたはいいけれども何も評価されない。単に階層の中では下に下がっていくだけでは、これでは浮かばれないわけでありまして、もっと社会的構成に軸足を置いた改革が行われなければならないのではないかと私も思います。
 そういう中で、日本のシステムというもので評価されるところはいろいろあるだろうと思います。もともと集団主義的な国民でありますから、お互いに助け合うということがありますし、組織みんなで支えていこうというようなところもあるわけであります。さらに言えば、私は北欧型といいますか、そうしたヨーロッパ型の社会システムをもっと導入したほうがいいのではないかと思うのです。確かに資本主義、新自由主義的なことで、いろいろな意味で差が開いてくるかもしれない。では、ここで失われたところに対してお金を提供するとか、いろいろなサービスを提供するということになります。特に社会的サービスを提供するのが北欧型のやり方であろうと私は理解をいたしております。例えば老人福祉のサービスだとか障害者福祉のサービスでありますとか教育のサービスとか、こうしたことでみんなが安心して働くことができる、そういう下支えをしていく、これに対しては、もちろん国民負担を求めることが片方であるわけでありますが、そういうシステムを築き上げてきたのがヨーロッパのほうに見られるわけでありまして、その辺も一つの私たちの目指すべき指標にしてもいいのではないかと思います。そういう意味で、単なるアメリカ的やり方ではない日本的なやり方、あるいはアメリカ以外でこしらえてきているようなシステム、私たちは方向を転換していってもいいのではないかと思います。
 次に、身近な方の事業を整理されたお話を披瀝をされまして、これから確かにいろいろな経済対策を考えるだろうけれども、中小零細企業の方々、そうしたところに対する手当てをしっかりとやらなければならないのではないかという御指摘でございます。
 これはまさにおっしゃるとおりでございまして、鳥取県内の場合、事業所ベースで99.8%がそうした中小零細企業ということになるわけであります。この圧倒的多数の企業のところが私たちの経済を支えていることを考えなければなりません。確かに、1つは、私たちとしては伸びゆく産業をしっかり支えて、そこで雇用をふやしていくことは重要なことだと思いますし、また海外と結びついていく将来を夢見て環日本海航路だとか、大きな取り組みをやっていかなければならないと思います。それと、また同時並行的に一つ一つの企業がもがき苦しみながらも新しいビジネスへと展開をしていくとか、また実際にそこのすばらしい技術だとか商品が外で評価されるように打って出る、そういうところを支援してあげるとか、そうした仕組みも重要なことだと思います。
 午前中、初田議員のほうから商工会が産業支援のネットワークを、センターをつくってやっているというお話がございました。こういう地域の総力を挙げて中小企業対策をしっかりやっていかなければならないと思います。
 鳥取県ではキャビネットなどの機会を通じまして中小企業者の御意見を一つ一つ伺いながら施策をつくってきております。例えば動産担保による金融の仕組みを導入しようとか、また中小企業に対する金融も随時変えてきております。今般の9月議会にも中小企業向けの融資を充実、拡充するための借りかえを認めるとか、そうしたセーフティーネットを張る融資の仕組みも提案をさせていただいているところであります。こうしたさまざまな手当てや、また産業が生まれ変わるような仕組み、例えば建設産業の方が次の事業展開をしていく、従来ですと調査のお金を100万円出して終わりということだったのですが、そうではなくて販路開拓をするとか、それから新商品を開発するとか、そういうのに対する、お支えをするような支援事業なんかも打ち出したりいたしております。こういうのを現場主義で政策をこしらえてはつくっていき、何とかきめの細かいネットワーク、セーフティーネットを張る、そういう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 また、公共投資についてのお話もございましたが、公共投資も下がるばかりで、今までですとかなり大きく下がってきましたけれども、この平成20年度の当初予算からは、せめて国の大枠並み、△3%でありましたが、そういうところでとどめる努力をさせていただきました。何とか踏みとどまって地域の経済がしっかりと持ちこたえて、何とか成長軌道へ乗っていくように、我々も全力を振り絞ってやってまいりたいと思っております。
 教育委員の人選につきましては、私は人物本位で今回提案をさせていただいております。1つの視点で今回お願いしたかったのは、やはり親として子供を持っている世代、さっき福本議員もおっしゃいましたけれども、そういう世代の目線をふやしたいという思いがあります。ですから、そういう世代の代表的な方という思いがございました。また、お一人は中小企業を経営されて、漁業でも頑張っておられて、青年の取りまとめをされる、そういうお仕事もされたり、PTAの会長もされる方。あともうお一人は文化・芸術活動に長く携わられて、地域の振興にも貢献をされておられる。そういう御見識を持った方だと思い、私としては指名をさせていただきましたので、御審議をいただきたいと思います。
 ただ、あわせて、その教育委員の人選に当たりまして、教育委員の中で教育関係者の数がふえてきていること、これを、結果的にはそうなりましたけれども、私としては少しずつ是正していくべきだろうと思っております。大分の教育委員会の事件でも出てきたようなことがございますが、鳥取県がそうだというわけではありませんけれども、レイマンコントロールというからにはレイマンの数を主体的なものとしてふやさなければならないわけであります。しかし平成17年から、実は今3人の教職員出身者と、あと大学の先生をどう見るかということはありますけれども、教育関係者、合わせますと6人のうちの4人が現在の教育委員のうちの教育界関係者の方になっています。過半数というのはいかにもどうかなと思っておりますので、それはいずれ、要は人物本位でやっていくわけでありますけれども、そういう中で是正していく必要はあるだろうと思っておりました。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)情報公開審議会につきまして、補足して答弁をさせていただきます。
 今回の事案について、情報公開審議会において教育関係者から参考意見を聞いたのか、あるいは説明書的なものが提出されていたのかということのお尋ねであったと思います。
 今回の情報公開審議会の審議、3回実施されております。その経過の中で不服申立人、あるいは県教育委員会からの不服申し立て書あるいは理由説明書、補足説明書、そういったものの説明が行われておりますし、その他の意見陳述、それから教育委員会から提出されましたさまざまな説明資料が提出されておりますけれども、そういったものをもとに、情報公開条例にのっとり審議が行われてきたものでございます。
 関係者からの意見陳述ということでございますけれども、確かに情報公開条例では、必要があればそうした関係者からの意見陳述ができるという規定はございますけれども、今回は申立人、あるいは県教育委員会からもそうした関係者からの意見陳述の希望は特にございませんでした。ということもあって、そうした参考意見の聴取は特に行われていないというふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、審議会の審議は、その当事者の意見陳述、あるいは提出された説明書、資料等をもとに、情報公開条例にのっとり適正に、慎重に導き出されておりまして、その結果は尊重されるべきものであるというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)最初に山田委員長、お断り申し上げます。先ほど申し上げましたように、もう何人もの議員が呼び出しまして、お願いして、今回はもう私はいいだろうと思っておったわけですが、たまたま福本議員がされましたので、それではついでにということで残っていただきまして、そういうようなことで、所属委員会におりますので直接的な質問はできませんので、その点は知事に対して、どう考えられるかという格好になると思います。こういう議会ルールはちょっと不自然でありますけれども、また議会運営委員長にお願いして、所属委員会に所属する人間の質問の仕方をもう一遍議論してもらって、内容的に小さなものは委員会でやればいいですけれども、大きい、みんなで、議員で共有したいものがあれば、それはそれで、やはり本会議場でやったほうがいいというふうに思いますし、そして、良識を超えたような質問を議員がする場合は、議長の裁量でそれは点検していくと、それが議長の資質だろうと思いますので、(笑声)よろしくお願いいたします。
 御答弁いただきました最初の項ですが、知事の思いはわかりました。自分は捨て石になるという覚悟があったということでああいう発言になったということで、それはそれでいいと思います。ただ、そういう誤解を受けるような発言には、どうぞ御注意ください。
 情報公開の徹底は、行政の不正とか腐敗、無駄、ずれなどに対する万能薬、防腐剤であることは大前提であります。しかし、今回の問題は法律論と教育論の相克にあると思うのです。訴訟では恐らく負けるかもしれませんが、しかし、前段で申し上げましたように、教育者として筋を通した、そのことは評価されるべきだし、したがって奥行きのある教育問題に配慮した条例に改正されなければならないと思いますので、よろしくお願いします。
 情報の共有化についてお話しいただきました。そういった広い意味での考えを持ってその言葉を使われたということで、それはそれなりに私も了とします。ただ、私が思うのは、テストの点数、そして学校の序列という客観的なデータを一般納税者や地域が共有して、一体どんな意味を持つのかという思いがあるのであります。成熟していない保護者、例えばモンスターペアレントとか、地域においては評論家気取りの百家争鳴、あるいはマスコミの取材の仕方一つでやじ馬根性されてしまうというのが落ちではないでしょうか。そういった点を恐れるわけであります。
 知事は、記者会見の答弁なんかで客観的なデータが必要であって、子供たちをサポートするためにそれを使ってはどうかともおっしゃっているわけでありますけれども、そのデータが成績の悪かった、あるいはよくても、その学校現場と教育委員会がしっかりと話し合って対策を立てればいいことだと私は思います。そして、その結果については教育委員会が責任を持つと、そういった気構えを持って教育委員会が対処すればいいと、そういう私自身は考え方を持っているわけであります。一般の人たちが点数とか学校の序列とかの情報を共有する必要はまずないと僕は思います。
 南部町や三朝町が地域に情報提供をというふうに言われて公開をされるわけでありますけれども、私は、教育はそんなに単純なものではないと思っています。開示や公開ということによって、どうしてもやっぱり競争心をあおるのであります。子供も先生も、過度な競争があったほうがよいという意見がその中に出てくるわけであります。知事の記者会見の中にも多少そのニュアンスの言葉がありましたが、教育の中に、特に義務教育の中にこの市場原理主義を持ち込むというのは、私はよくないと。そしてまた開示、公開したほうがいいと言う人たちの中には、そして競争があったほうがいい、刺激があったほうがいいという考え方の人たちの意見は、おおむねできる側、成績がよくてできる側の人たちの論理であります。
 変な例であれですけれども、中山前文科省時代に、このテストを始められたということを聞いておりますけれども、その中で競争が必要という考え方が根底にある。そういったことで、皮肉を込めて言いますれば、競争に打ち勝って東大、そして大蔵省に彼は進んだわけでありますけれども、その結果があのような失言に至るのか、それも日教組の教育のおかげなのかと言いたいところであります。
 また、今の官僚の不祥事や不始末、やはりこれも競争のみで上がってきた人たちの象徴なのでありましょうか。そこにいらっしゃる執行部の東大出の皆様は違います。立派な、むしろそういう方が霞が関に帰って、立派に出世されるような霞が関であってほしいと思います。
 そういったできる側の論理ではなくて、できなかった子供たちの受ける傷に思いをはせなければならないと私は思っています。先ほども前段で申し上げました武士道で言う惻隠の情、やっぱり敗者、弱者、劣者への共感、同情、そういった視点を忘れてはならないというふうに思います。
 そういうような考えで、本当に学ぶ喜びを教えていくということで進んでいかなければいけないというふうに思うわけでありまして、こういったことを申し上げましたけれども、こういったテスト結果に踊らされるような今回の教育背景にしてはならないというふうに私は思っておりますけれども、そういった意味での情報の共有ということとあわせて、知事の所感があればお願いします。
 審議会の答申と条例に基づき開示したことで市町村、学校、教員の序列化、過度の競争が起きた場合、それによって児童生徒に悪影響を、いじめとか劣等感とか自殺等々があるわけですが、及ぼした場合、一体だれの責任になるのかと、そういった点での御見解があればお願いいたします。
 アンケート問題ですけれども、このたびのアンケート、パブリックコメントと県政参画電子アンケートとの対照的な違いが出たわけでありますけれども、この結果を知事はどのように分析されるのか。そしてまた、こういったアンケート方法がこれからの県政においてどのように扱われるのか、この際、聞いておきたいと思います。とりあえずお願いします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、情報公開条例につきまして、法律論と教育論との相克が今回の開示をめぐる論争ではないかと。その教育論に配慮した上の条例改正を行うべきではないかという御指摘でございます。
 これはぜひ教育委員会のほうで具体的な問題点を出していただきまして議論してみたいと思います。現場に近い教育委員会のほうが、こういうような、本当に現実的な明白な危険があるのではないかというのを考えていただきまして、そこにかかわるようなところをカットしていく、その上での条例改正が考えられるのであれば、私どもも協力してやっていきたいと考えております。
 2つ目として、情報公開をすることについての議員のいろいろな考え方が示されました。点数とか学校の序列を共有する必要があるのかということでありますが、先ほど私が申し上げました共有というのは、むしろ自分のかかわった子供たち、つまり自分の子供とか、それからあるいはクラスをどうやって運営していこうかということでの、あるいは学校をどう運営していこうかということでの必要な情報があれば、私は十分なのだろうと思うのです。全国的な位置としてこのぐらいということはあっても、例えば隣の学校、あっちの学校はこうだというのがどれほど必要かというのはみんなで議論してもらって、情報の共有の仕方を考えてもらえばいいのではないかと思います。ですから、一般の人たちが点数とか学校の序列をいたずらに共有しろということを言っているわけではございません。
 ただ、これとちょっと峻別して考えなければなりませんのは、情報公開請求に基づく情報公開のことでありますけれども、教育行政といえども行政サービスでありますから、それについて納税者の側で一定の情報を知る権利はやはり認めなければならないのではないか。こういう意味での情報公開を進めてきたからこそ、地方自治が成熟して今日に至っているということを私たちは忘れてはいけないわけでありまして、一定の制限だとか方法の工夫はあるにしても、そうした場合の情報公開請求に対するこたえ方、これはまたこれで工夫の余地はあるのではないかと思っています。私が申し上げている共有というのは、そういうのを全部のべつ幕なしに共有しようということではありません。
 また、学校現場と教育委員会がしっかり話し合えば足りるのではないかという御指摘でございますけれども、私は教育界の中だけに情報を閉じ込めるその必然性がむしろ理解できないところがあるのです。もちろんこれは教育委員会の権限のことですから余り深く申し上げるべきものでもないと思いますので、個人的な考えということかもしれませんけれども、やはり教育界の中だけで情報を持っていなければならないという必然性まではないだろうと。すなわち情報公開請求があったときに、親御さんが自分の学校はどういう状況か知ってみたいと言って、それで必要な情報を提供しなければいけないのが本来の行政側のスタイルではないかと思います。これは別に教育に限らず、あるいは福祉だとか産業政策だとか、いろいろなところにいろいろな情報があるわけでありますけれども、常に行政側は、今はベンチマークを公開したりして、行政の効率が今こういう状況であるということを納税者の方にお知らせをするわけでありますので、そういう意味での情報公開のあり方というのは別途考えられるべきものはあるのではないかと思うのです。ただ、教育関係者の中で情報を独占することが目的のようになってしまうのはいささか行き過ぎではないかという気がいたします。
 義務教育に市場原理を持ち込むべきではないということであります。これは競争主義を持ち込むということでしょうか。私の聞いていた理解で、義務教育の中に過度の競争を持ち込むなということ、それはそういうことだろうと思います。
 私は、今回ここの議場で行われた議論からすれば、いろいろと情報公開を行政側でやったとして、開示請求におこたえをしたとして、それが子供たちの中で、子供たちのそれぞれの成績まで明らかにしようということでは一切ないものですから、ですから、それが過度の競争につながるというロジックがもう一つわからないところがあります。ただ、いろいろな不適当な影響がないように工夫をすべきだというのはおっしゃるとおりでありまして、それについては教育委員会で工夫ができるかどうか、まずは考えて開示・非開示問題を議論しようではないかとおっしゃっているのだと思います。
 学ぶ喜びというものを基本に置くべきだろうというのも、これもおっしゃるとおりだと思うのです。ですから、そういう意味で私は単に競争して、できる子だけが上に行けばいいということではないのだろうと思うのです。今、我々の教育の現状からいって、よく言われるのはM字型のカーブになっていると。できる子とそうでない子との差が開き始めて、そこに2つのこぶがあらわれている。この状況はどうにかしなければいけないということであります。ですからそのためには、なかなか理解が進まない子を何とかもう一つの山のほうへ持っていかなければならないわけですね。そのために補習をするとか、足らざるところを補ってあげる必要があると思います。諸外国でもそういう取り組みは行われているわけであります。私はそういう手当てをきちんとしてあげたりというのを地域から起こしていければいいのではないか、そのきっかけとして客観的なこういう現状ですよという一定の情報を共有することが適当ではないかと思っているところであります。
 次に、審議会の答申と条例に基づき、開示をしたことで過度の競争が起きた場合に一体だれの責任になるのかということでありますが、私はそういうことがもし起こる危険性があるのであれば、それについては情報公開条例で現実にシャットアウトし得ることは当然あるわけであります、そういう条項もありますから。それからあと必要な条文上の手当てを置くのであれば、それを議論しようではないかというのが今の流れでございまして、そういうことで処理をしていけばよいのではないかと思います。
 ただ、今回言われているように、例えば市町村別の平均点が開示をされました、あるいは学校別の平均点が開示をされましたということで、そして過度の競争が起こるかどうかというのは、まだ現実にやっているわけではないわけでありますけれども、稲田議員の御議論にもございましたけれども、果たしてどれほど蓋然性があるのかという検証もないままに言われ過ぎているような気もいたします。いずれにせよ、問題が起こることを意図しているわけではありませんので、それをシャットアウトできる道があるのであれば、それを考えるべきだと思っております。
 次に、アンケート結果とパブリックコメントについてお尋ねがございました。
 県民アンケートは、いろいろな県政上の問題がありますので、あらかじめアンケートに答えていただく方を設定をした上で、いわば定点観測を行う、そういうアンケートの手法でございます。パブリックコメントというのは、そのときのイシューについて御意見を募集しますということで公募をさせていただくというやり方であります。
 アンケート結果、定点的な世論を調査する県民アンケートというのは、これはいわば定性的な、安定的な相手になりますので、ですからある意味客観的な意識のデータを得るのに活用し得ると思います。それからパブリックコメントのほうは、時の課題に対する意見を募集するという意味で、また別の切り口で意見募集ができるだろうと思います。ですから、それぞれに効能はあると思います。ただ、特徴がございますので、県民アンケートの場合であれば、もう人が決まった上でやっていることでありますけれども、ただ、これは数が全世帯というわけでもありませんので、ですから決まった人に対してしか調査ができないという限界があります。ただ、一般の傾向はわかるだろうと。それからパブリックコメントのほうは、その意味ではだれでもお寄せいただけるという意味で広い対象にはなりますけれども、何か組織的に意見を送れという号令がかかった場合には極端な結果が出る、そういう性格も持っていると思います。その辺は実態の実情として出てきたデータを見て、行政側がそれを政策に活用する際にそんたくをさせていただければよいのではないかと思います。


◯副議長(上村忠史君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)今の情報の共有を中心とした知事の答弁について、山田委員長、所感があればお願いします。
 教育委員会制度でありますが、国は改正教育基本法に基づいて、ことしの7月1日付で教育振興基本計画を策定いたしました。その中で教育委員会の機能を強化するとして、地方の自主性や自律性を尊重し、適切な役割分担を踏まえつつ教育委員会の機能の強化と学校の組織運営体制の確立に向けた積極的な取り組みを促すとうたっていますが、この国の方針と知事の言われる教育委員会制度の見直しとの整合性はどうなのでしょう。その点について知事のお考えをお聞かせください。
 教育委員の人選について、現在の教育委員の人選を別段どうこうということではなしに、これからの問題も含めて、教員OBの排除が記者会見等いろいろなところで、排除と言うと言葉は悪いですけれども言われております。確かにこの教育委員会の内向きな議論とか視野が狭いとか、あるいはいい意味でも悪い意味でも村社会的なところがあり、組織防衛という点があることは確かでありましょう。ただ、そういった教育委員の中に教育の専門家も僕は必要だろうと思うのです。例えば幼児教育、義務教育についてはやっぱりベテランがいて、それによってその意見を集約して教育行政に生かしていくということが僕は大変大事だろうと思うので、一概にそういった色目で見てしまうということは僕は避けるべきだというふうに思います。もう一度その辺のお考えについてお願いします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、教育委員会の制度につきまして、平成20年7月1日付で示された教育振興基本計画と私が申し上げている教育委員会制度の見直しとの関係はどうだというお尋ねでございます。
 国のほうは、改正教育基本法を教育の再生会議などの議論なんかを踏まえて出してきている。その中で教育委員会の活性化という議論が出てきました。恐らくこの背景には、教育委員会制度のところについて言えば、例えば市長会が教育委員会は必置規制をなくしてくれと、置きたい市町村が置けばいいではないかという議論を提起して、これは決議もしています。また、地方分権のさまざまな組織からも同じような提言が来ているわけでありまして、恐らくそれに対する文部科学省側の答えだったのだろうと思います。そういう意味で、平成20年7月1日の文科省のほうがつくりました振興計画の中では、教育委員会制度を前提として、それを活性化させるというスタンスで書かれているわけであります。ただ、私はそういう議論がわからないわけでもないわけでありますし、現に鳥取県の教育委員会もその意味での改革はもう既にやってきているところでありますけれども、もっと踏み込んで、本来は市長会が提起しているような正面切っての教育委員会制度の議論もすべきではないかと思っておるわけです。そういう意味で、この教育振興基本計画というのは、私はまだまだ不十分なものではないかと思っております。
 次に、教育委員の人選につきまして、教員OBのあり方というものをどう考えるか、教員OBの存在も必要ではないかということでございます。
 私が先ほど申しましたように、かなり極端に今教育関係者がふえてきております。他県と比べても非常に多い状況です。そこは行財政改革局長から近県の状況もちょっとお知らせをさせていただければと思いますけれども、突出して多いのです。ですから、ここは制限する必要があるかなと思います。
 それを全くゼロにしてしまうかどうかは、実際、教育委員会の運営も見ながら考えたいと思います。一つ前提になりますのは、教育委員会の事務局の中に義務教育の教員の方もたくさん入っていますし、高校教育の方も入っていますし、そういう意味で教員関係者の人材は教育委員会の事務局の中にたくさんいるわけであります。ですから、あとは教育委員会という最終的な意思決定をする場にどの程度そうした経験者を入れておくかという考量要素なのだろうと思います。全くすべて排除すべきということを申し上げているわけではありません。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 中山行財政改革局長


◯行財政改革局長(中山貴雄君)教育委員の近県の構成につきまして補足答弁を申し上げます。
 中四国各県の状況を見ますと、教育関係者の数、大学教授等を含めてでございますけれども、おおむね1~2名程度の構成になっております。例えば中国各県の例を詳しく申し上げますと、例えば島根県ですと団体役員の方、あるいは元町長の方とかはございますが、教育関係者の方は1名もございません。また広島県、山口県におきましては大学の教授の方が1名入っておられます。また岡山県につきましては大学教授の方が2名入っておられまして、こういったような隣県との比較をいたしますと、鳥取県の教育関係者の構成は比較的多い構成になっております。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)情報の共有についての考え方という御質問だったのですけれども、僕は、この情報の共有というときに2つの視点から考えたいと思っています。1つは、やっぱり何度も言いますように、どの範囲で情報を共有するのだろうと。今回の全国学力テストに合わせれば、国レベルで全体で把握する部分と、それから各市町村、あるいは各学校の中の情報の共有という部分とがあると。県の場合にそれを共有するというのにちょっと無理があるのではないかと、それは利用の仕方の話です。
 もう1つは評価というもののとらえ方で、評価というときに一般に言われるのは相対評価と絶対評価ということで、相対といったら全体の中のどうだという、こういうとらえ方と、それからもう1つは達成度とか、それぞれの中でどうなのだと、自分は去年はこうだったけれどもことしはこうだったのだという、こういう評価の両面のとらえ方があると思っています。そのときに、やっぱり達成度評価というのを一番前提にはしたいと。だけれども、その達成度を自分たちがどうだというときには、全体の中の位置づけは自分たちとしては知るべきではないかと。そういう意味では全体のことは、県全体のことを知っておきながら自分たちはこう分析をするという、こういうようなことが必要かなと。
 そういうときに、範囲と言いましたけれども、学校が、あるいはそこの保護者が、あるいはそこの地域の方が持っていても、そういう絶対評価をきちんと把握しながら分析できるような風土をどうつくっていくのかというのが大前提になると。また、そういうことをやりつつ風土をつくっていくのかなということで、やっぱりそこら辺の範囲というのは非常に重要になってくるのではないかと、こんなふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)山田委員長、先ほどの知事の教育振興計画における教育委員会制度の考え方について、いずれにしても県でも振興計画を立てられるということになりますので、それも合わせてお願いします。
 鳥取県の教育を考えるということで、前段で知事の発言が非常にインパクトがあって、これからの教育問題についていろいろみんなで考えるという提言があったわけでありますので、こういった点について、どういうふうに鳥取県の教育、あるいは教育委員会制度、教育委員会も含めて議論を構築していくか、そういった仕組みはどういうふうなものを考えていらっしゃるのか、将来の鳥取県の教育についての仕組みづくりはどのようにお考えになっているか、ちょっとその辺、お考えがあればお願いいたします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取県の教育のこれからのあり方に今回の議論がかかわっていく、影響を与えていけばいいなと思っています。
 今回議論されていますのは、地域と行政が持っている教育についての情報とのかかわりが随分議論されました。それをめぐって市町村でも動きが出てきているというのが今日の状況だと思います。
 私は、こうした議論の展開の次のステージとしては、地域それぞれで工夫をして学校をバックアップして盛り上げていく、この体制づくりにつながっていけばいいのではないかというふうに思っています。
 すぐれて教育は分権的でなければならないと思います。最終的には一つ一つの教室、教鞭をとっている教師と生徒とのかかわりでありますし、それを周りで支える地域ということだと思います。決して霞が関の文部科学省が差配すべきものではないし、コントロールのしようもないわけです。個々の子供たちが輝くような存在へと成長していくためには、それぞれの子供に対する手当てをしていかなければなりません。ちょっと履修がおくれた子であれば、それに対して補習をしてあげるとか、それを家庭教育で補ってあげるとか、そうした手当てがなければならない。これを地域で一定の情報共有、その範囲等については十分注意が必要だというのは山田委員長がおっしゃるとおりなのでしょう、ある一定の考え方で、これが現状なのでこういうところを是正していきましょうという目標を持って取り組んでいく、こういう姿というものを将来鳥取からモデル的にも起こせないかなというように思っています。
 東京の杉並区で夜スペとかいって物議を醸しながらも動き出したプロジェクトがありました。ああいうことはあちこちであってもいいのだろうと思うのです。ところが、どうも今の教育というのは全国一律に考えがちなところがありまして、ややもすると、それからはみ出すことを嫌う傾向があるわけでありますが、私たち鳥取県では今南部町とか三朝町とか議論を醸しているのかもしれませんけれども、そうした取り組みが始まったりして活性化してくる現状にあると思います。それを次のステージに生かせるかどうかが今回の議論の値打ちが出てくるかどうかだというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)教育委員制度と振興計画のお話、御質問いただきました。
 教育委員制度、先ほど知事が歴史とか、でも不十分なところはたくさんあるのではないかとか、そういうようなことで見直して、それは私も同じ認識を持っています。特に中途半端だなという感じのことはよく思います。知事部局と、それから教育委員会の関係、市町村と県のあれ、いろいろな部分がある。いろいろな見直しをしないといけないというときに、そのときに、例えば先ほど知事、革袋というお話をされましたけれども、私は例えば家というのに例えると、築何十年たってきた家を完全に建て直すという、これも1つのアイデア。しかし、もう1つはブラッシュアップで磨き上げようという部分と、でもブラッシュアップだけでは足りないのでリフォームをしないといけないというこういう話と、3つぐらいレベルがあるのかなというふうに思っています。その中で、今教育委員制度の中にいる自分としては、やっぱりもっと磨けるところは大いに磨こう、そして先ほどいろいろなところで中途半端という改革、リフォームのできるところはやっていくべきではないかと、こういうように思っています。
 そういう中で、振興計画、国のは7月1日に閣議決定しております。鳥取県も今年度つくろうと思っている。その中に教育委員会制度というのの、要はリフォームはどの程度どういうことにできるかわかりませんが、教育委員制度というものに目をつけて、そして一生懸命それの案を出し、また県民の方からも広く意見をいただきながら、よりよい教育委員会制度というのを考えていきたいと、このように思っています。


◯副議長(上村忠史君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)まだたくさんありますけれども、時間がありませんのではしょります。
 最後に、いみじくも知事は、フィンランドは競争しなくても世界一というふうにおっしゃいました。まさにそうであります。ここで最後に、学力テストを情報公開で小規模校の個人情報が守れない、競争意識をあおるとして信念を持って頑固に受け入れを拒んでいる犬山市の瀬見井久教育長の言葉を紹介しておきたいと思います。
 時代の趨勢だからといって、教育に市場原理がなじまないことを理解しない人々の提言を安易に教育に持ち込み、競争と評価で、とりわけ義務教育の活性化を図ろうとするのはいささか短絡的で深い危惧を覚えます。これまで市場原理を軸とした構造改革は必然的に社会の格差を大きくしました。これを取り入れた国は、どこにも格差が広がりました。この格差社会の問題を教育の分野に持ち込めば、これまで守られてきた教育機会の階層格差は確実に拡大します。教育で格差が進むと、社会の基本にかかわる問題をめぐって判断を求められるときに判断を放棄する層が生じ、国の存立にかかわることになります。お手本のイギリスでは、結果的に学校間、地域の間の格差を生み、学校の序列が固定し、基礎学力の底上げにもならなかったとの批判があります。教育は次世代へつながるもので、やり直しのきかない分野であることを改めて肝に銘じたいという発言があります。知事、この瀬見井教育長のお考えについて所感があれば。そして教育委員長、その知事のお考えについて、また所感があればお願いします。これをもって最後にします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)教育について、日ごろ知見を御披露されています松田議員らしくいろいろと御提言をいただきました。私は恐らく考え方はよく似ているのだろうなと思いながら、議論をずっと拝聴させていただきました。
 フィンランドがすばらしいのは、競争しなくていいということというよりも、実際競争は激しいのです、ある意味。それは例えば、あそこだと落第することはある意味当たり前のようにあります。つまり履修して、習得して次の学年へ上がっていく、次の学校へと上がっていく仕組みになっておりまして、それが徹底をされていますので、本人も頑張らなければならないというものがあります。
 ただ、フィンランドのすばらしいのは、教育改革をやって現場主義を徹底したことです。カリキュラムの編成だとか、それから時間割りだとか、すべて現場のほうに決定権を与えたわけであります。さらに地域の皆さんの意見を聞いて、例えばことしはドイツ語をしっかりやろうとか、そういう議論ができて、その上に教育を地域で運営するという、そういう伝統ができ上がったことです。ですからフィンランドは、特に優秀な子が多いというよりも、むしろおくれていってしまう子供がいない。ですからさっきのM字カーブでいえば片方に寄ったような形になるので、OECDの各国の中で言えば学力が高いという評価になっているわけであります。これはフィンランドという小国でできることでありますから、鳥取県という小県でもできるはずだと私は思うのです。ちょっとした教育現場と地域との結びつきで変わってくるきっかけはあると思いますし、何だったら日本を変えていくものにもなるのではないかと思います。
 犬山市の教育長のお話、今ざっと聞きかけたところで、多分おっしゃりたいのは現場主義で、学校の教員の資質とか、そういうものを高めていくべきではないかと、それこそが競争よりも本来ではないかということをおっしゃりたいのではないかと思います。単なる市場主義とかいうことではないと。それはそのとおりだと思います。ですから、私はこうした鳥取型の教育振興をやっていけばよいのではないかと。
 1756年に、このすぐ近くに尚徳館を池田藩が開校させました。特に幕末になりまして池田慶徳公が学問を非常に熱心にやったこともありまして、多くの有為な人材を世へと送り出したわけであります。例えば「波留麻和解」、蘭学の名著と言われるものを書いた稲村三伯とか、そうした数々の有為の人材を輩出した教育県・鳥取でございます。その伝統をもう一度現代に呼び起こすことが今を生きる私たちの使命ではないかと思い、教育委員会とともに邁進してまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)犬山市の教育長のお話、一つの卓見だと思います。それからイギリスのそうした、公表して、その後、格差が出ていたというのは私も承知をいたしております。ただ、私は犬山市の教育長のように、こうした全国のテストをしないほうがいいとか、あるいはというようなふうには思っていません。それは、先ほど申し上げたように、範囲とか上手な活用ということをすれば、やっぱりそれはプラスになるだろうと、このようには思っています。
 多分きょうお話をさせていただくのに最後になると思うので、私の教育観というか、子供観みたいなことをちょっとお話をさせていただきたいのですけれども、私は子供を3つの特徴でとらえています。1つは、子供というのは大人とか親のいろいろな保護がなければ弱い存在、傷つきやすい存在だと思います。2つ目は、でも、すべての子供に無限の発達の成長の可能性があると思っています。3つ目には、でも、そういう子供たちは、親にとっても授かった命、預かった命、もちろん学校にとっても地域にとってもそうした授かりものだというふうに思っています。そして、弱い存在である子供たちを、これを守るというのは福祉の視点だと思います。そして無限の発達の成長を後押しするのは教育だと思います。ところで、そうした子供に関する福祉というのは、鉄則なのですけれども、起こってしまってからの事後の対応ではなくて、事前の対応が鉄則です。
 今回、例えば教育というときに知る権利の話がたくさんありました。大切だと思います。しかし、知る権利の後にどう教育になっていくのかということがまずないといけないと思う。それからその教育の前に、やっぱり福祉の視点という、弱い子供たちを傷つけないという視点がないといけないと。こうした福祉や教育や知る権利が相まって、これからのことを考える必要があるのではないかと、こう思っています。


◯副議長(上村忠史君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時13分散会
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