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平成20年9月定例会(第5号) 本文




2008年09月30日:平成20年9月定例会(第5号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案第1号から第47号までに対する質疑であります。
 それでは、議案第1号「平成20年度鳥取県一般質問補正予算」から第47号「専決処分の承認について」までを一括して議題といたします。
 これより、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 3番森岡俊夫議員


◯3番(森岡俊夫君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 本議会では、通告のとおり、6月の一般質問に引き続き日韓漁業協定問題について質問をいたします。
 議長の許可を得て配付しております資料と、このパネルに基づき説明をいたします。
 6月議会では、暫定水域内、図面でいいますと、このA区域と、それからこのB区域、それとこのCの区域を合わせた部分のことですが、無秩序な操業が繰り返され、暫定水域内が無法地帯化している。その結果として資源が枯渇し、壊滅的状況にあり、暫定水域に隣接する山陰3県の漁業に重大な影響を及ぼしていること、さらにこの9年の間に多額の被害額が発生していることを主張いたしました。
 もう一度、論点を整理してみます。
 1つ目には、日韓漁業協定書附属書に義務づけられた暫定水域内の資源保護措置が履行されていないことから、その運用実態は国連海洋法条約に違反している。
 2点目には、その結果として資源が壊滅的、危機的状況となっている。
 3点目には、暫定水域設定の際、不透明な経緯があり、山陰3県にとって余りにも不条理な暫定水域の範囲となっている。その結果として沖合漁業者に多額の被害額が発生し、その額は400億円以上にも及んでいるという点であります。
 したがって、その責任は、不平等な暫定水域を設定し、かつ暫定水域内の資源保護措置をとらなかった国にあり、9年間で山陰3県の漁業者がこうむった被害相当額を損害賠償すべきであるというのが私の主張でありました。
 これに対し、平井知事は、暫定水域の設定などは両国間で取り決めをすることが認められている、国連海洋法条約第74条に基づくもので、合意を結ぶことは国連海洋法に違反していない、日韓漁業協定で定めた暫定水域の存在や管理方法は海洋法条約の精神からも大きく逸脱していない。よって違反していないとの見解を示されました。
 以下、私の問いに次のように答弁をされております。
 暫定水域の範囲、先ほど示しましたAの区域、B、Cを足した区域でありますが、暫定水域の範囲に対しては、今の暫定水域が放置されれば、鳥取県だけでなく島根県や兵庫県の漁業権益にとって非常に大きな影響がある。しかし、現実には国連海洋法第74条に基づいて暫定水域が決められており、その結果は私どもとしても残念に思っている。ぜひ即刻解消してもらいたい。
 次に、被害実態からして、暫定水域を日韓両国が主張し合っているA水域に見直すよう要望すべきではないかという私の問いに対し、知事は、最終的にはA水域も含めてここは日本、ここは韓国ということをきちんと決めるべきで、それが本来の要求の道筋である。我々としては、竹島の問題もあり、我々なりの立場をとった上で国として交渉してもらいたい。そして、一刻も早くEEZの再画定をしなければならない。我々としてはB水域という不利益な状況もあり、早急にEEZを引き直して我が国の漁業者の権益を確立するよう働きかけるとの答弁でありました。
 このことは、お配りしている図面で言いますと、知事のお考えが竹島と鬱陵島の間に中間線を引く、このA区域の一番北側になります──ということと解釈してよいのかということをまず確認しておきます。後々の議論の中でこの考え方が大きな意味を持ってくるので、あえて初めに質問をしておきます。
 また、これまでの国の姿勢に対する知事の対応はとの問いに対し、今の日韓の間の漁業資源の問題を不条理に山陰に押しつけられ、私どもも憤りを感じている。きょうのエネルギーを政府に向けた要求の場に持ち込んでいきたいと思うので、ぜひとも応援していただきたい。
 さらに、山陰の漁業者がこうむった被害額について国に損害請求すべきではないかとの問いに対し、知事は、250億の基金の使い方も北のほうの人たちも一緒になって使う基金になっており、山陰として権利を主張すべきと考える。山陰に特化した日韓基金に仕立て上げていただくよう、強く運動を展開していきたい。暫定水域で被害をこうむったところに重点的に回るようにしなければならないと答えられたのであります。
 つまり、暫定水域内の無秩序操業による資源枯渇を憂慮し、山陰の漁業者の被害も認め、暫定水域の範囲も今のままではだめだとおっしゃっており、私の主張とそんなに変わらないのではとの認識を持ったのであります。
 しかしながら、ここまで影響を与えている国の管理実態を知事が国連海洋法違反と考えない理由が私にはわからないのであります。私が知事なら、海洋法違反としたほうが問題解決に近づき、県民の利益になるとの思いから、自分は専門家ではないが国の見解はこうなっているとした上で、細かいところまではわからないが事実としては海洋法の趣旨に反していると答えるでしょう。
 なぜ、被害を最もこうむっている県の知事がやる気のない国のお先棒を担ぐのか、理解に苦しむのであります。なぜなら、国際条約や法律、国際協定に違反していないのに、被害があるからといって国が責任を認め、損害賠償や暫定水域の範囲の変更に応じるわけはないからであります。
 幸いなことに、9月26日の日本海新聞によれば、本県の石破茂農林水産大臣の抱負の中で暫定水域問題に触れ、領土問題があって進まないが、協定の明確化に両国は努力すべき、日本の漁業者に損害が生じても補償しないのは国家のとるべき態度ではないとの考えを示されており、この問題の解決に向け、一歩どころか百歩ぐらい前進したと感じたのは私だけではないと思っております。この談話に対する知事の所感を伺っておきます。
 知事は、6月の議会で、国連海洋法第74条を引き合いに、暫定水域が日韓両国の暫定的な合意に基づいて設定されたものであり、日韓両国の新しい漁業秩序を確立し、協力関係をさらに発展させることを希望して締結されたものなので、暫定水域の存在や資源の管理方法は海洋法条約の精神を大きく逸脱していないものと考える。また、日韓両国の政府関与のもとで民間レベル協議が行われており、今の状況では違反ではないと答弁されました。つまり、国としては海洋法の精神をもとに日韓漁業協定を締結し、民間協議も行っているので了とするとの見解を示しました。
 しかし、海洋法第74条は、向かい合っているか、または隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定を規定するもので、これは単に境界画定へ向けた努力義務と、その間の暫定措置を認めたものであり、暫定水域におけるでたらめな資源管理を正当化するものではありません。暫定水域の資源管理や漁業秩序の問題が第74条のどの項目に該当するのか、知事の見解をお聞きします。
 次に、国がこの海洋法第74条に規定する境界画定へ向けた努力義務を果たしているかという点についてであります。
 知事は、平成11年の協定締結以降、政府関与の民間協議が行われているから、第74条には違反していないとの見解を示しました。しかし、民間協議が海洋法に規定する2国間協議に本当に該当するのでしょうか。海洋法は国家間の約束事を決めたものであり、そこで定めた権利義務の履行は締約国が責任を持つことが前提となっています。例えば全漁連がEEZを管理しますので海洋法を批准させてくださいと言ったら、世界の笑い物になるだけです。なぜなら、民間では罰則を伴う強制力の行使が不可能であるからです。日韓暫定水域が、第三国が自由に操業できる公海扱いの水域なら、そこでどう操業するかは民間に任せても海洋法違反にはなりません。しかし、そこに排他的権利を主張するなら、それに見合う資源管理義務を負うのは国であり、民間団体ではその主体になり得ないからであります。日韓漁業協定附属書にも明確に、政府間協議で資源管理を行うこととなっており、それを履行していない以上、国は責任を果たしていないのです。知事は民間協議を正当化されておられますが、民間協議がこの努力義務に本当に該当するのでしょうか、知事の考え方を伺います。
 前段で申し上げたとおり、私が日本の漁業被害を少なくするため暫定水域の範囲をこのA水域に変更すべきとの主張に対し、知事は、我が国の竹島の領有権の主張を損なうとの見解を示しました。これこそ韓国の思うつぼではないでしょうか。なぜなら、北方四島と異なり、日本は教科書で自国の子供たちに竹島は日本のものと教えることすらはばかるほど腰が引けており、竹島を実効支配する韓国から見れば、日本外交が本気になり領有権を強く主張するはずがないことは百も承知だからです。つまり、現実に基づけば、日本の形だけの理想論は現状の固定化を進めるだけで、韓国は何ら痛みを感じないのです。この理想論は、日本外務省の、一応の領有権主張の体制は整えるが、実際は必要以上に海洋法上の正当な権利をも韓国に与え、自国の漁民を苦しめ続ける体制が永遠に続くことをサポートするだけではないでしょうか。知事がその応援団となるのは、何とも皮肉な結果と言えるでしょう。この点について知事の所見を求めます。
 以上、6月と今議会の2回にわたり日韓暫定水域問題に対する質問を行いましたが、前回の答弁でも、国に対する思いは私と同じであると感じております。向かうべき方向は共通でありますが、この問題について県民や議員の皆さんにさらに深く理解していただきたいと思い、あえて今回も質問いたしました。
 鳥取県沖に設定された不条理な暫定水域が漁民を苦しめていることをわかっていただきたい一心であり、国にその責任を認めさせ、損害を補償させることが私どもの使命であります。知事の誠意ある答弁をお願いして、壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、一番最後に森岡議員がおっしゃいましたけれども、思いは共通ではないかと。この暫定水域の存在が漁民を苦しめていること、そしてその一刻も早い解消を求めなければならない、被害が及んでいる原因は国家間の交渉の未熟さにある、不成熟にある。ですから、それを打開すべく国もきちんと対応するべきだと、こういう趣旨だというお話でありまして、その点については全く同感であります。このことをまず申し上げておきたいと思います。
 それで、非常に細部の議論を展開されたわけでありますが、これから一つ一つお答えを申し上げますけれども、私がこの議場で答弁したこともございますけれども、森岡議員が所属されている経済産業常任委員会で恐らく議論されたこともあって、それと混同して話が入っているのではないかなと思われることが多々あります。そういう意味で、本議場でも議論しようということなので、私もあえてここで見解を述べさせていただきたいと思いますが、ただ、恐らく常任委員会でやっている議論と私が答弁しているのと、微妙に異なっているのかもしれませんし、議員の受け取り方が違うのかもしれません。その点、ちょっと一つ一つお断りをしながら御答弁申し上げたいと思います。
 まず、日韓漁業協定についてでありますけれども、先ほどAという区域が示されまして、そこに私どもからいえば韓国側のほうに延びている竹島と、それから鬱陵島との中間線を引くラインというもの、こういうものがあると。それについて、我々の主張ということで理解していいのかということであります。
 議論を整理してみますと、国際法の問題と国内法の問題と、2つあります。国内法の観点で申し上げる、これは日本の立場の主張でありますが、国内法としては排他的経済水域及び大陸棚に関する法律という、いわゆるEEZ法というのがあります。これは私どもの領土から200海里のところ、これと同じことは海洋法条約にも書いてありますが、この200海里については私どもはEEZを主張するのだと、そういうことですよという国内法をつくってあります。これを政府公式見解として出しておりますところによれば、それは竹島と鬱陵島との中間線、これが日本と韓国との間のEEZの境目ということで引かれているわけです。正確に言えば日本側が主張する、日本が決めたEEZ、国内法で決めたEEZはここですよという、そういう線引きをしてあります。そういう意味におきまして、これは国家間で解決すべき課題であり、両国政府は責任を持って交渉すべきでありますけれども、当然そういう、これまで国会でも議論をされているものに従って粛々と交渉がなされるべきであると私も思っております。
 しかるに、ではこれが国内法でここに書いてあるからこれがEEZなのかというと、実行問題として、現実にやる問題としては国際的な条約がありまして、まずは国連海洋法条約というものがある。さらに、その精神に基づいて、今回問題になっております日韓漁業協定というものが両国間で結ばれている。こういう協定が結ばれて、これが国際法的にも効力が働いているものになっている以上は、これが現在のところの両国間の取り決めということになってしまうわけであります。
 例えば、日本はここまで自分のところの国内法は行けるというふうに書いてありますから、ここまで行ったらどうだということになりますと、今度は韓国側は韓国側の自分のところの国内法が恐らくありまして、ここまでは我々のところだと思っているのでということで、今度は取り締まりにやってくると。結局拿捕されたりして苦しむ漁民が発生すると、こういうことになるわけであります。ですから、こうした国家間の問題については両国の間できちんと発効しているそういう国際的な取り決めの重要性というものがあるわけでありまして、これを無視するわけにはならないのが残念ながら現状であるということであります。
 次に、石破大臣の談話についてでございますけれども、日本の漁業者に損害が生じても補償しないのは国家のとるべき態度ではないと、こういうように新聞のインタビューでお答えになった記事、私も拝見させていただきました。
 直接この件、大臣にお話を聞いたわけではありませんが、ふだんから鳥取県内の漁業者の切実な思い、さらには山陰通じて兵庫、島根、そして鳥取県、3県で合同して、いつもこの問題を国会議員に強烈に訴えかけておりますので、この思いをわかっていただいていると思います。それに基づいた御発言だと思っておりますので、非常に私も期待をさせていただきたいと思います。ただ、新聞の書き方によって、ちょうどいいところだけ切り取られて書かれることはよくあることなものですから、そこは、真意はいろいろ確認してみなければならないかもしれませんけれども、ちょうどこれから日韓暫定水域についての基金の枯渇といいますか期限切れが到来しようという時期になってまいりますので、この時期にこうした発言が出てくることの意義は、私は非常に大きいと思います。
 このたびは本当にEEZ問題、日韓暫定水域問題で被害をこうむっている山陰に対してしかるべくメリットのある、そういう基金がまたつくられて、補償といいますか、補償的な事業を少なくとも考えていただく流れができてくればなと期待を寄せております。
 次に、国連海洋法74条について、今の暫定水域の存在や資源管理方法は海洋法条約の精神を大きく逸脱したものではないというような答弁を私がしたと。それは国連海洋法の74条のどの項目に該当するのかというお尋ねでございます。
 ここが恐らく私の答弁とほかのいろいろな議論とがごっちゃになっているところではないかと思うのですが、私が申し上げましたのは、国連海洋法74条によりまして、相対する沿岸国、これの間のEEZについては両者で国際法的な取り決めに従ってきちんと境界をつくりましょうと。これができないときには暫定的な考え方で取り決めをしてもらっても結構です。しかし、その暫定的な取り決めというのは、最終的に引かれるEEZの境界には何ら影響を及ぼしませんと。だから、とりあえず折り合えることは折り合ってもらって結構です、その上で協議をしてもらったらいいというのが国連海洋法74条の精神だと思います。
 これを直接そのまま適用したかどうかは、正確にはよくわからないところはありますけれども、ただ漁業の問題については、少なくとも漁船が安心して操業できなければなりませんので、一定の取り決めが必要だろうということで、日韓漁業協定が結ばれたのだと私は理解をいたしております。これは、その前文にも国連海洋法の趣旨にのっとりましてつくるのだと、こういうように締約の理由も述べておりますので、恐らくはそういうことではないかと解釈ができようかと思っております。
 国連海洋法74条はここまでのところでありまして、その漁業秩序だとか資源の管理については、本来国連海洋法条約でEEZについてそれぞれの沿岸国が資源の管理について責任を持ってやると。ですから、漁業の割り当てなどもやるのだというような条約になっています。ですから、そういうことで一定のルールはあるわけでありますが、特別のルールをここで、2国間で決めてしまったわけです。
 日韓漁業協定の中ではどうなっているかといいますと、まず9条の第1項で暫定水域が、私どもの目の前の先ほどの水域について、先ほどB区域、C区域と書いてありましたが、定められております。この区域につきましては日韓漁業協定の12条1項の中で、その資源の保全などのことも含めまして、両国政府が設置をする日韓漁業共同委員会で話し合って、そういう資源保全についての勧告を行うという取り決めになっているわけです。その勧告を行うという取り決めが12条の中にあって、さらにこれが附属書1の第2項で、両締約国は、この協定の第9条第1項に定める水域で海洋生物資源の維持が過度な開発により脅かされないようにするため、次の規定に従い協力すると、こういうことになっているわけです。それで、この附属書1の2項の中で、例えば日韓漁業共同委員会に基づいて出された結論、これが勧告になるわけでありますが、これを尊重して両国政府が両国の漁船に適用していくとか、それから相手国に違反があった場合にはそれを相手国に通報して、それでしかるべき措置をとってもらうのだとか、こういうようなルールが定められているわけであります。こうした一連の取り決めが、本来海洋法の中で資源保全について語られていること、これのパラレルな存在としてあるのだろうと、私はその条文上は読めると思っております。
 こういうような取り決めになっているということでありまして、その実態として日韓漁業共同委員会が責務をきちんと果たして、資源の保全管理についての勧告を適宜、適切に行っているかどうか、これが本来問われるのだということだと思います。ですから、74条のそのままの帰結として、今の状態が資源保全の観点上、いい状態なのかというと、そういう結論は何も出てこないわけです。問題は、日韓両国政府がきちんと取り決めに従ってやるべきことをやってくださっているかどうか、このことだろうと思うのです。
 これについて、漁民の皆様はおかしいのではないかと、こういうふうに主張しているのが、今まで数年間わっさかもっさか私たちが国会議員のところに毎年出かけていっている理由なわけであります。ですから、私は今の状態が国連海洋法の趣旨に合っているとか、それから大きく逸脱はしていないということを言ったことは一切ありません。議事録も見ていただいたら結構だと思いますけれども、そういうことを言っているわけではありません。どこかの議論でそういうやりとりがあったのかもしれませんけれども、そういう趣旨を申し上げたことではないということであります。
 次に、国連海洋法74条1項と関連をいたしまして、境界画定に向けた努力義務を誠実に実行しているとは思えない。それから、執行部は政府関与の民間協議が行われているから74条に違反していないと言っていると。それから、私が民間協議を正当化しているけれども、民間協議がこの海洋法が2国間協議をやっている、その義務に該当するのかということでありますが、いずれも私の答弁していることとはちょっと違います。
 今申し上げたことで大体おわかりいただけたとは思うのですけれども、私が申し上げておりますのは、そうした国連海洋法74条の趣旨というものがあって、それに基づいて日韓漁業協定がありまして、これの中で資源保護・保全についても一定の規定があるのだけれども、これが実効性を持って、両国政府が構成する日韓漁業共同委員会をやっていないという、この問題点を指摘しているわけであります。ただ、これではらちが明きませんので、平成11年にこの日韓漁業協定が発効したその翌年から民間レベルで話し合いをしたほうがいいということで話し合いがスタートしている、これが民間協議であります。これは、この協定とは関係のない世界と言ったら失礼に当たりますけれども、協定のためにやっているものではありますけれども、しかし協定上権限を与えられた、そういう民間協議ということではないということであります。ですから、民間協議をやっているから日韓漁業共同委員会がやることは何もないのだということには、条約上もなっていないと思います。ですから、民間協議に任せている姿勢自体は、確かに最初に指弾されるべきだろうと思います。しかし、現実問題として民間協議が進んでいまして、漁場によっては交代操業を実現してきたりとか少しずつ実効性が出てきているところもありますし、それから我々がわあわあ毎年言っていることの一つの成果として、政府がこの民間協議の中にも立ち入って、漁業共同委員会とは違いますけれども、民間協議の中でも話し合いをする土壌をつくってきている、このことも一歩前進ではあるかなとは考えられるところだと思います。しかし、これが十分ではありませんし、民間協議ができたからといってEEZの問題が解決することには法的にも何らなっていないと思います。
 最後に、先ほどおっしゃったA水域──A水域というのが世の中に存在するわけでありません、議員が表現する図面上でA水域と言っているわけでありますが、このA水域と先ほど示された水域に戻すように主張をすべきではないかという、前回と同じ御質問でございます。
 これは前回と同じような御答弁になるかと思うのですけれども、今まで漁業者とともに政府に対して我々が一貫して申し上げてきておりますのは、EEZをきちんとまず画定してもらいたいと。先ほど議員は再画定とおっしゃいましたけれども、再画定ではなくて、まだできていないものですから、画定をしてもらいたいと。その区画を定めることをまず求めているわけです。それが最大の解決になると我々は思っているから、そういう主張をしております。しかし、それに至らないのであれば、今は国連海洋法条約の趣旨に基づいた日韓漁業協定が発効してしまっていますので、せめてその暫定水域の中の、この水域の中の安定操業を、あるいは資源の保護の確立を求めると、こういう主張を我々はたび重ねてやってきているわけであります。
 そこで、一たん水域を変えようという主張ができるかどうかでありますが、現実の国際法上の状況からいいますと、B水域、C水域と先ほど書かれていたこの水域で両国間で合意がなされてしまっている、それについての資源保護管理についても一定の手続が条文上規定をされている、そういう状況でありますので、これは有効に作用していると法的にはなってしまっているわけであります。ですから、これをひっくり返してA水域ということをしよう、先ほど申し上げた日韓漁業協定の9条の1を変えようという交渉が果たしてできるかというと、恐らくこれは現実の可能性として難しい。それをやるくらいだったらば、いっそEEZの問題を片づけてもらったほうがいいと。こういうような私どもなりの長年ずっと伝統的にやってきた要求でありますが、そういう考え方がありますので、それを私も前回申し上げたところでございます。
 そういう意味で、いずれにせよ最後は議員がおっしゃったように、この暫定水域の存在自体が漁業者に対する不利益をもたらしている最大の原因の一つになっており、山陰特有の事情でありますので、国に対して今後もしかるべく働きかけを強力に行っていきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)今、御答弁を聞いておりまして、平井知事としては、何かすごく歯切れの悪い御答弁だったような気がしております。
 恐らく共通認識は持っておられると思うのですが、この問題の焦点は、被害をこうむった漁業者に対して国が損害賠償をしてほしいという思いと、それから今後さらに被害が拡大しないようにすること、この2点がこの問題の焦点ではないかなというふうに思います。
 それで、先ほど知事が、要はこのA区域は図面上だけのものだというふうにおっしゃっておられますが、このA区域というのは日本が主張しているEEZのライン、それから韓国側が主張しているEEZのラインの要は相中をとったラインであります。ここは北朝鮮の関係がありますので、ここは入りませんけれども、要はこれはお互いの国が主張し合っている中間線を引いたラインであります。ということから、ここまでこのB水域であります、これは日本側にぐっと張り出している水域でありますから、ここまで引かれている暫定水域は非常に不平等であるということはもう一目瞭然でわかりますよね。ということから、先ほど言いました、これからどうやって被害の拡大を防ぐのかということを考えたときには、少なくともお互い韓国と日本が主張し合っている中間線をもとにした、基点にしたこのA水域を暫定水域とすべきではないかというのが私の意見であります。それは御理解いただけるものと思っております。
 A水域に限定しようとすることと、国がおっしゃっている竹島問題があって、領有権との兼ね合いがあって、そういったことが竹島の主張を緩めるのではないかという懸念があるように思えるのです。先ほど国際法と国内法の説明をいただきましたけれども、国は竹島の向こうまでEEZのラインを既に国内法で設定しているというふうに私は考えております。漁業だけがこういう日韓漁業協定という特別な枠組みの中でこういう変なB水域という暫定水域を設けられておるわけです。ということから、それがどうなろうとも私は領土問題と直接関係ない、このように思っております。
 海洋法第74条3項にも、先ほど知事もおっしゃいましたけれども、暫定的な取り決めは最終的な境界画定に影響を及ぼすものではないと書いてあります。したがって、この暫定水域をA水域に変更しようと主張することは、何ら竹島の主張を、我々日本側の主張を弱めることはないというふうに考えます。ですから、国内法と国際法との関連からして、漁業だけがこういう特別な枠組みを設定されていることは不条理ではないかということで質問させていただきました。知事のお考えをもう一回聞かせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)一つ、大体今のお話、私は筋合いとしてA水域のほうがB水域よりも定性的には有利だろうというのはわからないでもないのです。というかわかります。ただ、それが実現可能かどうか、国際的な主張として政府に対して要求していくのに妥当なやり方かどうかということだと思います。
 このA水域、B水域、C水域と書いてありますが、やはり国際法の世界ですから、現実的にどういう取り決めがあるかといったら、B、Cのところで取り決めができてしまっているわけです。それを今度はひっくり返してAにしようと思うと、恐らく国際的に日本として何らかの主張をしなければならない、それに理屈づけをしなければならないわけです。そうすると、いかにも竹島の問題があるけれどもこれについては結果的に棚上げということを主張しているに近いような、というかそういうように先方にも国際的にも受け取られるそういう主張にならざるを得ないといううらみがあるわけです。ですから、本来はB、Cをかく前にAの議論をしておいてもらったらよかったのだと思いますけれども、ところが現実にはB、Cでかいてしまったものですから、今の段階で果たしてどういう主張が国益にかなうのかというのを政府も考えざるを得ない状況になるのではないかと思います。私はそのB、Cがいいとは思っていません。なぜこんな水域を引いたのかなと今でも非常に不思議に思いますし、正直憤りも感じるところでありますけれども、これは繰り言になるのだろうと思います。
 それで、一つちょっと正確に申し上げなければならないのですが、森岡議員は今、漁業だけがこのB、CというEEZを押しつけられていると、そしてそれ以外のところはA水域の向こう側のところで線が引かれていると、こういうように御主張されるわけでありますが、国内法的には漁業も含めてA水域の向こう側のところで線が引かれているわけです。しかし、それは実効性がないわけですね。ですから、国際的な取り決めをしようということで、漁業について安心して操業できるように暫定水域を設けたというのが実際のところであります。そして、ではEEZは引かれているのかというと、今、日本と韓国との間では引かれていないのです。国内法として日本は勝手にというか、日本としての主張を国内法上表現をしている。韓国は恐らく同じように自分のところの国内法でも表現をされているのかもしれないと思います。そういうのがぶつかり合っているというのが今の状況でありまして、EEZが国連海洋法の74条に基づいて画定された状態には至っていません。ですから、全般にわたりましてEEZを引くべく外務省も交渉をしているというのが現状であります。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)知事のおっしゃるように、今の暫定水域をこのAに変えようという主張をすれば、恐らく韓国側はノーだというふうに言うと思います。ただ、以前の日韓漁業協定もですが、要はこれを日本側から破棄したわけですね。新しい枠組みとして新日韓漁業協定というものができたわけです。ということからしても、無協定の状況になるという覚悟をしないと、これはなかなか難しいというふうに私も考えております。
 知事がおっしゃる第74条1項に規定する、要は日韓両国の合意がなければ境界画定ができないかという問題であります。よく外務省が使う逃げ口上として、第1項を根拠に境界は一方的に決められないとしておりますが、そんなことはないと私は思っております。隣接し、向かい合っている国としてロシアがあるわけですが、合意したEEZの境界はないのであります。しかし、しっかりと境界は実在しております。それは、日本もロシアも境界画定は中間線が公平としているから、合意などなくても実質的に決まっているというふうに思うのです。恐らく境界画定において韓国側は現状の広い暫定水域を自国水域に組み入れようということで、竹島基点の中間線を越えた無理難題を押しつけてくることは明白であります。韓国との間で現実、境界画定の合意ができるとは私も思っておりません。だから、日本はロシアとの間と同様に中間線を実効上ここを使用すればよいと思っております。日本海の山口県の西側に存在するラインでありますけれども、これは中間線で境界は画定されております。韓国として、竹島周辺が突然日本側が言うような形で主張すれば、当然彼らはこの中間線ラインよりもはみ出した形の主張をしてきますが、こういうことを主張してくるのは恐らく困難な状況ではないかというふうに思っております。韓国側が逆にこちらを主張するということは問題であるというふうに思います。ということから、日本側がこのA水域を持ち出したら、合意がなくても実質それでB水域は取り戻せるというふうに私は思っているのですが、知事の見解を求めます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)最後のあたりが、ちょっと趣旨がよくとれなかったかもしれません。もしあれだったら訂正なり、また御質問いただければと思います。
 まず、ロシアとの関係につきましてですけれども、ロシアについてはやはりEEZがきちんと画定されているわけではありません。それについて、それぞれの思いがあるわけです。日本側はここだと思っている、ロシア側はここだと思っている、それから漁業者はここから先は立ち入るまいと考えている、そういういろいろな当事者がいまして、それぞれに自分たちの思いで動いているというのが現状なのだと思うのです。いわば動物の縄張りみたいなものでして、ここまでは自分の縄張りだと、ここから先に入ったらかみつきにいこうと、しかしここから向こう側のところはもう向こう側のものだから知らぬと、そうやってお互いにこの辺で向き合って帰ってくると、今こういうタイプの状況なのではないかと思います。ですから、EEZを自然的に国内法でつくって取り決めたとおりでやっているかというと、そういうわけではありません。これについては安住水産振興局長から御答弁を申し上げたいと思います。
 さらに山口のほうの、これもEEZが引かれているとおっしゃいましたけれども、正確にはここもEEZは引かれていません。国連海洋法74条に基づく合意はいまだない状況でございまして、ここも先ほど申し上げましたロシアとの間と似ているのかもしれませんけれども、何となくここが境界線だということで、双方に余り異存がないものですからトラブルが起こる状況にないというのが現実であります。
 それで、今のここのところでありますけれども、Aのところについて、やはりここをひっくり返そうということにかかれば、これはまた同じことの蒸し返しになりますので、なかなかこちらの思うような結論が引き出せるかどうかというのは非常に怪しいと思います。むしろ、いずれはEEZの問題を解決しなければならないので、本交渉であるEEZを画定するという交渉をやる中で、最後にその交渉の結果として新々日韓漁業協定みたいなものが例えばAの区域で引かれるということは将来的にあるかもしれません。ただ、我々としては、そういう意味で、とにかくEEZを早く画定をしようということ、そして現行の日韓漁業協定に基づくこの水域における資源の保全管理について国は万全を果たすべきだ。それから、議員がおっしゃったように、山陰地方は特に損害を受けているわけでありますから、それについての補償的な措置を国に求めていく、こういう、これまで漁業者の皆さん、漁協の皆さんがみんなで政府に申し上げてきたこと、これを我々も応援しながらやっていくのが筋道ではないかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)ロシアとの関係でございますけれども、補足答弁いたします。
 日露間の排他的経済水域の境界はどういうぐあいに決めてあるかということなのですけれども、我が国の排他的経済水域の範囲というのは国内法、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律でございます。これによって我が国の基線から相対国の基線との距離が400海里以上ある場合だったら200海里まで。相対国との間が400海里未満でしたらその中間とか、あるいは合意線というようなことが決まっております。具体的に、ロシアとはソ連連邦最高会議幹部会令とかいう形で経済水域を設定しているということがございます。日本についても先ほど言いました国内法で決めていますけれども、ロシアと我が国の間では排他的経済水域の境界画定というものの合意というものはございません。だから、実質的には、日本は国内法で決めた中間線が排他的経済水域の範囲というようなことになっているのではないかと思います。
 さらに、漁業はどうしているかということなのでございますが、漁業は我が国の国内法、あるいは国際約束によって操業が行われておるということでございまして、ソ連との間では日ソ地先沖合漁業協定とか、日ソ漁業協力協定とか、そういう形で具体的に漁業の取り決めについては別途なされておるというような状況でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)知事から、先ほど共同委員会のお話がございました。日本のEEZの中を国がきちんと管理しているのです。韓国も国がやる。ところが、この暫定水域は民間で協議をしてくださいというふうになっていますね、民間協議で取り決めをしてくださいというふうになっています。
 私は、前回の議論のときに、国連海洋法の56条の、資源保護の観点の意味合いから海洋法違反ではないかという指摘をしたつもりだったのですが、知事のほうから74条というふうなことを持ち出されたときに、これは先ほどもおっしゃいましたけれども、国家間の境界画定を規定する項目であります。ですから、漁業とは全く何ら関係のない部分でありましたけれども、74条でということであって、共同委員会が実質的に平成11年から8年間も全く行われていないといいますか、政府間の協議が行われていないわけです。ところが、海洋法の74条では国と国が話し合いをしなさいというふうになっています。ということからして、要は国が民間にゆだねたことが、本当にこれが海洋法違反逃れの理由になるのかなというふうに、海洋法の趣旨に反していないのかと、国が民間にゆだねていることが海洋法の趣旨に反していないのかという点について、また質問したいと思います。
 百歩譲りまして、この民間協議を国が正当化しようとするならば、民間団体の長を政府代表として内閣が任命し、そして民間協議の場を政府間協議の場とするような新たな取り決めが韓国側との間で必要ではないかというふうに思います。そしてまた、それは国会の承認を受けなければならないというふうに考えます。また、国会は、政府が責任を持って協議し、暫定水域の管理を行うと約束をしたから日韓漁業協定を承認したというふうに私は思っております。国の権利義務を民間人が勝手に決めてくるなど、そういうことは到底国会として承認できるわけないというふうに思います。この民間協議が正当化の根拠になるのでしたら、相互のEEZ内の入漁も大水であったり韓国の水産会に任せればいいというふうに思っております。ところが今、現実にはここは水産庁があり、こちらのほうは韓国の政府がやるというふうになっております。ということから、民間協議が海洋法違反逃れの理由にはならないと私は考えておるのですが、国の姿勢として、知事はどういうふうな見解を持っておられますか。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、海洋法も確かに資源管理について定めています。これは、沿岸国の権利であり義務であるような形ですか、とにかく漁獲割り当てをこうするとか、それについて専門家の意見を聞くとか、そういう定めがあります。しかし、今回、日韓の漁業協定に基づく暫定水域の中におきましては、先ほど申しましたように、日韓漁業協定の中で12条1項や、あるいはその附属書の1の2の中で定められている。そうした一連の手続の中で、しかるべく資源管理についての措置は講じられなければならないのですが、その水準が我々が求めているレベルに達していないというふうに万人が思っているというのが現実だと思うのです。これを何とかしなければならない。協定の手続に従えば、日韓漁業共同委員会が勧告をして、最終的には協議をしまして、これは日本と韓国の政府代表なのですが、そして勧告をして、それに基づいていく。また、専門的な知見に基づく資源管理についての協議機関もあります。こういうところが機能して初めて本来は暫定水域の中で入会的な漁業が成立をするのだろうと思いますが、現実問題としてそうなっていないということだと思います。日韓漁業共同委員会がなかなか機能し得ない状況にあるものですから、ですから民間のほうでともかく、平成12年から我々のほうでお互いの協議をしましょうということになったわけです。これは恐らく政府も関与してつくらせているのだと思います。政府間では話がつかない、しかしほうっておいては漁業もできないような状況になりますので、漁業者同士でまずは話し合ってくれというのが本音ではないかなと思います。詳細は当事者に聞いてみないとよくわからないところです。
 いずれにせよ、そういうような存在でありますので、ここの暫定水域の中は民間で決めろということで任せたということにはなっていないわけです。ただ、ここで合意されたことはお互いの漁業者が守るでしょうから、操業をお互いにこういう節度を持ってやろうという中で資源管理に資するとか、あるいはお互いの漁獲が得られるとか、こういう帰結になればいいと。それをやってくれる分には、両国の政府はそれを応援しましょうというのが今の行き方なのだと思うのです。
 ただこれは、民間での協議は実効性に疑問があります。お互いに権力があるわけではありません、EEZの画定までできるわけでもありませんので、ですからそういう意味では取り締まりもできないし、そういう意味では両国間ではもっと本当はレベルの高い交渉をすべきだということで、我々としては政府がきちんとこの交渉をすべきだということを伊藤組合長を初めみんなで政府側のほうにこれまでも言ってきたというのが実情なわけであります。
 日韓漁業共同委員会が現実どんなことをしているか、最近の例もあります。一応は資源管理にかかわることも話し合いはしている状況にはありますが、確たる成果を上げているというよりは、民間の委員会のほうがむしろ実効ある成果を上げつつあるという状況ではないかと思っています。
 日韓漁業共同委員会の状況につきましては、水産振興局長のほうから御答弁申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)日韓漁業共同委員会の開催状況等につきまして補足答弁いたします。
 日韓漁業共同委員会は日韓漁業協定の中で設けられたものでございまして、協議事項といたしまして相手国経済水域における翌年の操業条件を両国政府に勧告、あるいは暫定水域の資源管理措置等について協議ということが協議事項になっております。第1回は平成11年7月に開いて、毎年1回ずつぐらいやっておりまして、直近は19年12月に開いておられます。
 19年12月の内容でございますけれども、2つございます。1つは平成20年度の操業条件、総割り当て量、総許可隻数等につきまして合意した。それから、暫定水域の資源管理に係る合意事項といたしまして、ベニズワイガニ、ズワイガニ資源の保護のため、両国は必要かつ可能なあらゆる措置を実施すると。2つ目が、現在進められている民間協議が進展するよう、特に浜田沖の懸案事項について早急に合意に達するよう両国政府は積極的に支援、指導、助言をすべきと。3つ目が、上記に関連して問題が発生した場合は、その解決のために両国政府が対応すると。4点目といたしましては、韓国政府による我が国EEZ内における韓国漁船の無許可操業を予防するための措置の強化ということが直近の委員会で話し合われました。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)最後になります。安住局長が平成19年12月の日韓の共同委員会の話をされますが、要は平成11年の日韓漁業協定の締結時からそういったことは既に決まっているのですよ。お互いが個々の国の操業をきちんと決めましょうと。それが平成11年から8年間放置されていて、国は8年間もこれを放置したのですよ。我々はそれを認めるわけにはならないのですよ、はっきり言って。
 冒頭私が申し上げたとおり、この問題は、これまで8年間この水域で被害をこうむった山陰の漁業者に国が賠償責任を負ってほしいという点と、それからこれまでのこの範囲がずっとまだ続くのであれば、要はここでまた被害が拡大しないような形でA水域にしてほしいと。これができない場合には当然損害をこれからも国は補償してほしいと、この2点が私は我々が要求すべき問題ではないかなというふうに思っております。
 最近の農水省の事故米のこと、それから社会保険庁の徴収率向上のための基本報酬減額問題と同じように暫定水域問題も放置されて、基本は同じ構造であるというふうに私は思っております。後で実情を知った国民から、なぜやるべきことをやらなかったのかと責められたときに、ただ甘かったとか適当でなかったとしか答えられないのであります。
 国連海洋法違反の状況を見て見ぬふりをして自国の漁民に多額の損失を発生させながら、国としてやるべきことをやらず、その場が何とかしのげればよいというような国の姿勢を絶対放置してはならないと思っております。
 そういったことから、石破大臣が農水大臣になられ、暫定水域問題にも言及されております。私も水産議員の端くれとして、この議会が終われば一人ででも石破大臣のもとに行って、こういう活動を行っていきたいというふうに思っております。ですから、議員の方もこの問題に対して賛同していただける方がおれば一緒に行っていただければなというふうに思います。ただ、これは地元向けのリップサービスかもしれないという不安もあるのですが、大臣が発言した言葉ですから重みは違うと信じております。
 ということから、大臣の発言をフォローする行動や、それから知事や議会という連携をしっかり図っていければというふうに考えております。これからの知事の行動について、また何か新しいこういうことをやるのだという意気込みがあれば、皆さんの前でコメントをいただければと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今、年々海は荒れてきていると思います。特に暫定水域の中の資源管理については、状況は深刻化しつつあると思います。だからこそ、伊藤組合長を初め、また森岡議員も関係者でありますが、漁業者の皆さんの悲痛な思いは高まるばかりだと思います。
 このたび石破茂農林水産大臣が誕生したわけでありますから、兵庫、そして鳥取、また島根、この3県が共通して持っている悲痛な思い、これを御認識いただき、これから暫定水域問題についての基金の再設置でありますとか、それから暫定水域についての漁業資源の管理の適正化、また他国の違法操業の取り締まりの問題、そうしたことに英断を持って切り込んでいただくよう、我々も働きかけをしていきたいというふうに考えております。
 これまでもそれぞれの県で協力していろいろな要望活動をさせていただいてきております。その効果があって、一歩一歩水産庁を引き込んで、政府間の交渉的に民間協議を後押しするような動きになり始めているとは思うのですけれども、まだまだ不十分であります。この際、また決意を新たにいたしまして、皆様の思いが国政に届くよう、私も微力を尽くしてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、16番銀杏泰利議員


◯16番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)おはようございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 初めに、鳥取県の経済雇用対策について質問をいたします。
 県民の皆様から、ここ何年も厳しい経済、厳しい雇用、苦しい生活の声を聞きます。全国的な不景気の影響というよりも、経済指標など全国一下降幅が大きいことを考えれば、これは決して国のせいではなくて鳥取県独自の問題であることがわかります。つまり県の経済政策の失敗が原因であります。
 昨年9月議会で、浜崎議員の質問に対し、行政としてブラッシュアップ、支えることがあってもよかったのではないかという答弁をされておりました。経済の自立を標榜し、独自の思い切った対策を打たれなかった前知事に、公明党会派として幾度となく経済対策を申し入れいたしましたが、聞き入れられることはありませんでした。
 さて昨年、平井知事は、マニフェストの中で「元気な産業 しっかり雇用」を重点事項の最初に入れられました。知事のイの一番、一丁目一番地の施策が産業の振興と雇用対策だということで、私ども公明党は意を強くし、早速応援をさせていただくことにいたしました。
 不幸にも、平井知事誕生以来、サブプライムローンの問題、原油・穀物価格の高騰など世界的な物価高、不景気の影響もあったのか、1年半を過ぎても鳥取県経済の回復の兆しがなかなか見えてまいりません。県民の皆様にも大いに期待されてきた方が多かったというふうに思います。残念であります。
 知事には、就任以来の経済活性化策とその結果について自己評価をしていただきたい、そして今後、鳥取県経済の回復の展望は開けるのか、そのための対策はどうされるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 次に、知事に雇用についてお尋ねをいたします。
 鳥取県では若者仕事ぷらざが県内に2カ所設置され、全国先進の対策を打たれています。また、地域若者サポートステーションが6月から若者仕事ぷらざに併設という形でオープンしております。さらに、女性の再就職を後押しするマザーズハローワークが鳥取県で2カ所設置されています。八頭と境港のハローワーク閉鎖のときには鳥取県ふるさとハローワーク設置を決断されるなど、鳥取県雇用に力を入れておられる証左であります。雇用をふやすには経済、産業の拡大が本筋でありますが、このような雇用の対策は欠かせないところであります。
 残念ながら、こうした各種対策にもかかわらず、雇用の状況は低迷を続けております。今後の雇用対策を知事にお尋ねをいたします。
 以前から指摘をされ、また提案をしてきていることでありますが、県内の求人と応募にはアンバランスがありまして、これを解消する必要があります。全国一律の職業訓練には無駄が多い、鳥取県には鳥取県の産業構造に合った求人があり、そのための職業訓練が必要でありますが、偏りがあったり不十分だったのではないかと思います。今ある求人に十分こたえることができる人材の育成、職業訓練の場が必要で、県として一層力を入れていくべきであると思いますが、知事の所見を伺います。
 私は、問題は、今まで言われてきていながら十分な対応ができていなかったところにあるのではないかと思います。特区の申請をするなどの手を打つこともなく、国の縄張りに県は手を出せないでいた、このあたりにも問題があったのではないかと思っております。
 次に、美しい鳥取砂丘を守り育てる条例設定について知事に質問いたします。
 この条例に対しては請願が出されております。私が紹介議員にならせていただいた関係上、昨日の前田議員と重複する点もあるかと思いますが、質問させていただきたいと思います。法律上の問題などは請願書によく書いてありますので、それ以外の私個人の意見を中心にして述べてみたいと思います。
 まず、自然保護の観点で罰則を設けるのはおかしいのではないかということです。
 今回の条例におけるいわゆる落書きへの罰則は、自然保護という観点で設けられているようでありますが、本当にそうなのでありましょうか。私は観光の観点から罰則を設けたのだと思っています。1日で消える落書きが自然破壊とは言えません。それよりも馬の背へ上がる観光客の足跡は同じ道筋を歩きますので、そのコースだけ自然が変形をします。自然破壊となる可能性が大きいのです。本当の理由は、観光客に、せっかく来たのに真っさらな砂丘が見られなくて残念だという思いをさせないと、そのための規制ではないかと思います。単なる観光目的では、罰則として重過ぎるのではないかと思いますが、知事の所見を伺います。
 砂丘の自然保護というのであれば、もとの雄大な姿に戻すのが本来の解決法で、鳥取大砂丘に砂を供給する、砂をもっと動かすことが必要であります。そのためにも沿岸への砂の供給と人工林の伐木が絶対条件であります。決して観光客がジクザクに歩いたり円を描くように歩くことが砂丘をやせさせることにはなりません。
 次に、砂丘の落書きは道徳の問題で、規制よりも皆で守る運動が必要だという点を話させていただきます。
 砂丘の自然は独特であります。緑豊かにするのが自然だなどという通常の概念は通用いたしません。消えるキャンバスになるのも砂丘の自然の特徴であります。1日で消える砂丘への落書きは道徳の問題で、罰金を科してまで取り締まる、処罰するのはいかがかと思います。マナーの問題であり、砂丘を愛する人たちが主体的に皆で砂丘を守る善意の運動を起こすほうがよりベターだと確信しておりますが、知事の所見を伺います。
 大山の一木一石運動のような皆で協力してできる運動を考えて取り組むほうが、本当の意味で愛される砂丘になると思います。警備員がハンドマイクを持って通行経路をはみ出る観光客に注意するようでは何のための観光かと、見るだけの観光か。砂丘では体験をしてもらいたいし、訪れる人は体験したいのではないかと思います。私は、むしろ砂丘条例で罰則をかけることをやめましたということを売りにすべきであると思います。罰則をやめたからみんなで守りましょうとアピールすべきであります。皆に砂丘を守る意識が生まれれば砂丘への愛着が生まれ、保護の運動が一層進むことになります。そして、何よりこういう議論が全国の皆さんへ砂丘を守り愛するというメッセージになるのではないかと思います。議論を起こしたという意味では、この条例自体は大変意義があったと思います。
 また、罰則以外のところでは実によくできておりまして、砂丘憲章としてそのまま残したいと私は思います。実にすばらしい内容で、砂丘にかかわってきた者として感謝をしております。罰則を入れない砂丘憲章として出すおつもりはなかったのか、知事にお尋ねをいたします。
 次に、砂丘に描かれたものが必ずしも美観を壊すとは限らないといった点について申し上げます。
 砂丘に人が足跡を残す、文字を残す。時にはそれが人情であったり、風に吹かれるまで人の思いが一瞬書き残されることも、それも鳥取砂丘の自然なのではないでしょうか。
 かつて兄弟のきずなを砂丘に書き記した体験を請願者へ寄せた方がいらっしゃいます。本人の許しを得て、また議長の許しを得て、打ち直して配付させていただきました。読ませていただきたいと思います。
 「一概に落書きと申しましても、もちろんしてはいけないことには間違いがありません。ただ、こんなケースもありますというエピソードをお伝えしたく、メールをいたしました。
 私は、奈良県で設計事務所を営んでおります。先祖の墓が丸山にある関係で幾度と鳥取を訪れております。下の弟が亡くなったときに鳥取を訪れ、鳥取砂丘に立ち寄りました。夕暮れ時で、砂丘を夕日が真っ赤に染めておりました。私は、弟との思い出の干渉に浸りながら砂丘にこう記しました、「いつか会おうな」と。犯罪を犯したのですね。今も私の脳裏にはあのときの真っ赤な砂丘の文字が焼きついています。「いつか会おうな」の文字は、海からの風で何時間かで消えていることでしょう。でも、私は覚えています。
 法と倫理は社会の永遠のテーマでしょう。落書きはいけないことです。議会で審議することもいいでしょう。でも一番大事なことは、条例を定めることより、見る、聞くに耐えないような落書きが平然と行われる社会を構築した我々がいま一度反省するのが先にせねばならないことではないでしょうか。
 砂丘に関しては、小さいころからの思い出の場所、私も大切にしてほしいと思いますし、守ってほしいと思います。」
 こういった内容です。この「いつか会おうな」というのは文字であります。条例では処罰の対象です。知事、コメントをぜひいただきたいと思います。
 最後に、聴覚障害者施策について知事にお尋ねをいたします。
 聴覚障害の方にとって、手話は生きていく上で、生活する上で欠かすことのできない意思伝達手段であります。言葉によるコミュニケーションがとれない、手話もわかってもらえないし、周りに使う人がいない。さらに、生まれながら手話で育って、文字はよくわからないという方もいらっしゃいます。大変な苦労であるし、外に出ていくにも勇気が必要です。我が国の自国語は手話だと、そういった国は事実上ありませんので、移り住むこともできません。聴覚障害のグループの方が、手話は私たちの言葉なのだ、言語なのだ、それを認めてほしいと。テロップで字幕が出ればいいというわけではないとおっしゃっていました。
 言葉で会話する人とそうでない人、そういう分け方ではなくて、言葉で話す人たち、片や手話で話す人たちというふうに独立して見ていくことが必要だと教わりました。言葉で会話する人に合わせるのではないということです。手話に対して、言葉が出る私たちの意識を変えていく必要を感じましたが、知事はどう思われるのか、お伺いをいたします。
 さて、現状では手話通訳者を初めとして手話がわかる、使える人は大変少ないということです。聴覚障害の方にとって、生活する上でいろいろな不便と困難に向き合っていらっしゃるということです。
 県では聴覚障害者相談員設置事業や手話通訳者等養成研修事業に力を入れてきており、評価をするところであります。県内の手話通訳者登録数は昨年より2名ふえて22名、手話奉仕員登録数は昨年より6名ふえて33名であります。合わせて55名の方が手話で聴覚障害の方を支援をされています。果たしてこの人数をどう見るのか、多いと見るのか、少ないと見るのか。日常的にももっと手助けをしてほしいと、そのためにももっと多くの通訳者が必要との声、強い要望があります。私もふやしていく必要があるというふうに思いますが、県は目標をどの辺に置いておられるのでしょうか。知事にお尋ねをいたします。
 今や大きな講演会などでは手話通訳者の方が活躍をされています。それだけ社会が必要と認めてきたわけでありまして、通訳の専門家の増員と同時に、より手話が一般の間で使われるように働きかけを強める。例えば手話の講座などを身近なところでふやすとか、手話を用いた文化芸術、芸能など取り組みはいろいろと考えられます。最近は、歌手の方が歌いながら手話で歌詞を訴えられるのを見たりいたします。手話が私たちの表現を豊かにすることも可能ではないかと思います。
 日常生活の場で多くの人が片言でも使えるようになれば、聴覚障害者の皆さんにとってみれば劇的に利便が向上し、生活上のハンデが相当少なくなってまいります。通訳者などの育成と同時に、手話をより一般に広げるような取り組みに力を入れるべきと思いますが、知事の所見を伺います。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、鳥取県の経済雇用につきまして、経済活性化対策とその結果について自己評価すべしと、回復の展望や対策についていかがかというお尋ねでございます。
 銀杏議員のほうからも御質問の中でお話がございましたが、実は私たちは今、大きくかじを切ろうとしています。確かにまだ1年半のことでありますので、かじを切ったところでどれほど曲がり切れたかどうか、これは評価の分かれるところだとは思いますけれども、私たちは今、県庁の職員も一丸となりまして、今まで突き放していた産業経済というものを自分たちのパートナーといいますか、自分たちがよって立つべきそういう地平であるというふうに考えまして、一緒になって行動を起こせることはやっていこうではないか、こういうように方向を転換をしつつあります。そういう意味で、いろいろな意味でアプローチをかけておりまして、幾つか変わってきていることを御認識いただきたいと思います。
 一つは、手法を変えてきていること。手法を変えてきておりまして、企業家の方々、あるいは現場の皆さんのお話をぜひ聞く機会を持とうではないか。それに基づいて我々のほうの政策も改めるべきところがあればやっていこう。その典型的なものが経済雇用の振興キャビネットでございますが、こういうところでいろいろな意見を吸収しようというようなことを一つにはやっております。
 商工会議所だとか商工会だとか中央会だとか、いろいろな商工団体があります。そういう商工団体の皆様ともお話をしてきておりますし、さらには連携してプラットホームをつくろうと。お互い協力をして、個々の事業者の支援になること、産業振興機構だとかを巻き込んでやっていきましょうという、そういう取り組みをやっております。
 また、県庁職員もみずから動くようにいたしておりまして、企業誘致に出かけていく。私もいろいろと企業のトップも含めまして随分と足を使って歩かさせていただいております。もちろんこれは、まずは人間関係づくりからというようなところがあったり、それから口説きに行ったところでこちらの思いどおりには企業の状態がないということも当然ありますので、釣りをしているようなものでありますが、釣れるときもあれば釣れないときもあると、そういう状況でありますけれども、今までは釣りにも余り行かなかったというのが実情であります。ですから、我々は手法を今変えている。このことを1年半かけて今やりつつあることであります。
 2つ目には、いろいろな産業構造を転換しようと思いまして、私どもなりの方向性を打ち出したり、それに民間の皆さんも呼応して進んできている。そういうことであります。一つは打って出るということです。単に県の中だけで商売をするということではなくて、これはもちろん今までも企業家はやっておられたのですけれども、それをさらに慫慂しようという意味でありますが、山陽だとか近畿だとか、それから海外だとか、東京でも勝負にいこう、アンテナショップをやったりしているのもその一つでありますが、打って出ていこうということであります。
 また、他地域との連携によりまして新しい企業の地平が開けないだろうか。現在、鳥取自動車道は開通をし、さらに但馬との間で11月24日に鳥取豊岡宮津自動車道ができる。近畿は隣というよりも近畿に含まれかけている、それが今の鳥取県の状況ではないかと思います。これに正直に即応することでビジネスの展開が図れるかもしれない。また、海外へ向けても北東アジア、あるいは台湾、欧米に行こうという人たちもいるかと思います。我々は日本海に面しておりますので、海に向かって突き進む可能性を持っている。ですから、北東アジア・ゲートウェイ構想という、この議場でも御議論いただきましたが、そういう構想も私どもも追いかけようとして、意識的に打ち出してきております。
 産業構造も変えようではないか、付加価値の高い産業にしようではないか、そのために応援できるスキームをつくろうではないか。鳥取大学にも賛同していただき、企業にも賛同していただきまして、このたび鳥取大学の中に電子ディスプレイ研究センターというものがオープンをすることになりましたのもそういう動きの一環であります。
 さらに、私どもは農林水産業が盛んな地域である、これを生かしていけないだろうか。農商工連携という、国も追いかけて同じような施策を始めておりますけれども、こういう考え方で産業の高度化を図っていく、6次産業化を図っていく、そういうこともあるのではないか。
 いろいろ我々なりに産業についてのビジョンを提起をさせていただきました。地域経済活性化基本計画をつくらせていただいたのもその一環であります。2つ目には、こういう産業構造の転換に向けて踏み出していること。このことを私たちが意識的にやっていることであります。
 そういう中で、3点目でありますが、個別の施策も産業界の御意見、個別の企業家の御意見をお伺いして始めてきております。例えば動産担保融資をできないだろうかということにおこたえをして、ことしから事業化をさせていただいたり、あるいは打って出ることを支援してほしいと、いろいろなところでメッセがあるので、そういうところに県も引っ張っていって参画の場を、企業が出展の場を与えてもらえないだろうかと、こういうお話もありました。これも昨年の補正予算から事業化をして始めているところであります。いろいろとそういう産業界の実情に即した施策展開をきめ細かにやろうということで出させていただいております。
 このように、私たちは産業変革を目指した経済振興のビジョン、そして具体的な施策を展開しておりますけれども、その実情として、まだはかばかしい成果が必ずしもあらわれたわけではありません。ですから、私たちはなお一層気を引き締めてやっていきたいと思いますが、ただ今までやってきたことが全部間違いだったかというと、私はそうではない状況もあらわれてきていると思っております。例えば企業誘致の件数ですね、これを見ていただきますと、平成18年は2件でありましたものが平成19年は5件に、そしてことしの見込みは今のところ6件を見込んでいるわけでありまして、19年度以降ふえてきております。それから、新増設の件数もでありますけれども、平成18年には14件でありましたものが平成19年には19件、平成20年には29件を今見込んでおります。
 ですから、いろいろと誘いをかけにいって企業誘致をしたり、それからいろいろな意味で産業のバックアップをしようとして、持てる力を総動員してやっていること、この方向性自体は私は間違っていたということにはなっていないのではないかと思っております。ですから、職員の皆さんにも自信を持って一層進めてもらいたいと思っておりますし、アンテナショップもおかげさまで繁盛しているのは、鳥取にいいものがあるからでありますので、企業家の皆さんにも自信を持ってチャレンジをやっていただきたいと思っております。
 次に、雇用の振興についてでございますけれども、具体策については商工労働部長のほうからお話を申し上げたいと思います。
 きょう、8月の有効求人倍率が明らかになりました。数字自体は7月と変わらず0.68という水準であります。残念ながら、昨年と比べてちょっと下がっているかな、大体0.7前後のところで行ったり来たりというのが続いておりまして、内心じくじたるものがあります。しかし、全国は結構下がっています。0.07ポイントだったか、8月は下がってきておりまして、国のほうが全体として下がってきております。ですから、昨年は実は有効求人倍率の順位、ちょうど今ごろは全国で37位でありましたけれども、このたびの8月の発表で33位まで全国レベルでの順位は鳥取県は上げてきております。7月と8月との間では宮城と福島を抜きまして35位から33位に上がってきているわけであります。ですから、全国的な経済状況が厳しい中で、我々はそのぎりぎりのところで企業の皆さんの頑張りをいただきながら踏みとどまっていると、じわじわと力を出そうと頑張っているという状況であると推察されます。
 それをなお一層雇用対策の場面でも充実すべきでありまして、ハローワークをふるさとハローワークという形で私ども独自に出し、これが国も非常にモデル的なケースだと評価をしていただいているようであります。さらに若者仕事ぷらざだとか、そうした取り組みも広げてきておりまして、お客さんも来るようになってきています。特にふるさとハローワークは紹介が多いと思っております。
 さらに、鳥取県の地域雇用創造計画を今つくっているところでありまして、これは国の認証を得ようといたしております。ここでは、鳥取県のいろいろな人材育成、コーディネートしてやっていこうとしているところでありまして、詳細は部長のほうからも御報告を申し上げたいと思っております。
 次に、美しい鳥取砂丘を守り育てる条例について、何点かお尋ねをいただきました。
 昨日も前田八壽彦議員と議論をさせていただきました。銀杏議員も今御指摘がありましたけれども、私はこの場で議論することが一番鳥取砂丘を高めていく要因になると思っています。ですから、異論があることはあるだろうと思ってこちらも出している面もありますけれども、異論も闘わせながら私は議論していくことこそが、全国の皆様にこれだけ本気で鳥取県が考えていること、これをアピールする材料にもなってくるのだろうと思いますし、県民の皆様もこの議論を見ていただいて、そうだ鳥取砂丘は鳥取の顔だと、では我々もこういうことで立ち上がろうではないかと、そういうモチベーションが高まれば、それはそれで鳥取県の砂丘、そして浦富海岸とか含めた東部のジオパーク構想、いろいろなところにいい効果が出てくるのではないかと期待をいたしております。
 まず、最初の問いとして、落書きは自然破壊とは思えない、ですから観光対策なのであろうと。観光対策として考えれば、罰則は重過ぎるのではないかというお尋ねでございます。
 私は、砂丘は確かにいろいろな意味でほうっておいても崩れる、風が吹いても形が変わるわけでありますから、そういう意味で、ある意味自然破壊で言えば、落書きは不可塑性のある直しがたい、そういうダメージを与えるものだというところまではないというのは、私はそのとおりだと思います。事実としてはそのとおりだと思います。しかし、昨今のいろいろな社会的に行われている報道だとか落書き問題、世界を飛び回って駆けめぐっているいろいろな話からしますと、これについての社会的問題というものが高まっているのだろうと思うのです。
 そして、私どもの砂丘からいうと、非常に特徴的なのが、きのう阿刀田高さんのお話もさせていただきましたけれども、すり鉢状の中に入っていきますと、目の前に大きく広がる馬の背がある。これがまず目に入るわけでありまして、それが高く、どこまでも遠く続いていくという、ここに砂丘の本質とも言えるような景観があるわけであります。観光というよりも、こうした景観自体が自然の一部をなすものであって、その価値というものは私どもは称揚しなければならない、それを深く深く認識しなければならないのではないかと思います。
 その雄大さに打たれるからこそ、いろいろな名文句が生まれてくるわけです。「浜坂の遠き砂丘の中にしてさびしき我を見出でけるかも」という有島武郎の歌とか、それに触発されてさらに与謝野晶子が、「沙丘踏みさびしき夢に与かれるわれと覚えて涙流るる」と、こういうふうに詠んだりすると。こういういろいろなやりとりができてくる。それは、やはり真っさらなキャンバスという話を議員がされましたけれども、何もない砂丘がそこにあるからこそ感動して、その中で思わず自分も触発されて、大自然の中にいる自分が何を今感じるか、それを文字にしてみよう、そういう意味で歌が生まれてきているわけであります。
 ですから、これは単なる観光資源、つまり観光地の落書きと同視する以上のものがそこにはあるのではないかと思いますし、その意味で私は景観というものの一つのシンボルとして、全国に問うてもいいようなシンボルとして、この景観を保全する決意をこの議場で固めるべきだと思っております。そういう意味で、砂丘条例の中にあえてこの落書きの一項も入れさせていただいたわけであります。
 罰則について、重いか軽いかという議論につきましては、生活環境部長のほうから、こうした量刑をさせていただいている考え方を説明をさせていただきたいと思います。
 そして、皆で守る運動こそ大切ではないか、善意の運動こそベターではないかということでございまして、私、その理想に全く共感します。砂丘についてのそういう条例をつくること、今回の条例、ごらんいただければおわかりいただけますように、決して罰則のための条例ではありません。砂丘を守り育てるための、日本一の砂丘にするための条例であるわけでありますが、そのことの一環として、この落書き問題もあえて取り上げざるを得なかった。これは社会的に砂丘といえば落書きでしょうと言われかねない風潮が今あるわけです。現に8月に入りまして84件も落書きが確認されているという、非常に残念な状況であります。
 善意を守る運動を我々も起こそうとしています。3,300人の方があそこに入られて草を取っていただきました、3,400人の方がごみを拾いました。こういうことも報道はされていますけれども、それに触発されて、では私たちは落書きをやめようということに残念ながらなっていないのもまた事実であります。ですから、ほかに選択肢がないのであれば、そうした禁止規定を設けることも必要ではないかというふうに考えている次第でございます。
 次に、罰則以外のところは実によくできていて、砂丘憲章としてそのまま残したいと、砂丘憲章として出すつもりはなかったのか、所見を問うというお話でございます。
 罰則以外のところを大変にお褒めいただきまして、まことにありがとうございました。感謝を申し上げたいと思います。そういうふうに読んでいただければおわかりいただけると思うのですけれども、条例全体としては、我々の貴重な財産であり人類全体に問うてもいいような、そういう砂丘を守っていこうという決意のあらわれであり、具体的な方途を示す道しるべを書き記した条例であります。非常に前文も散文的に書いてありまして、情緒的に書いてありますけれども、それもそういう思いも込めて、理解していただこうということで、あえて職員の皆さんに筆をとっていただいた次第なのです。そういう意味で、砂丘についてはぜひこのたびの議会でお認めをいただいて、条例化をいただきたいと思っております。
 砂丘憲章のような形で考えていただいても結構です。それはそういうものかもしれません。ただ、その中で実効性のある施策も幾つか入れておかなければならないと思っております。私たちは、落書きについて世情報道されていますし、世間の人もよくよく知っています。鳥取砂丘の落書きの話は子供たちまで知っています。だからこそ連鎖反応を呼んでいる面があります。この議場で、割れ窓理論という理論を提起された方がおられました。ニューヨークでもそういうことがあるというふうに私御紹介申し上げましたけれども、割れ窓が一つあれば、その割れ窓に触発されて周りの環境がだんだん悪くなってくると、その地域の値打ちが下がってくる、これを解消するために割れ窓をなくそうということで、いろいろなことを手を打っていく、これが実効性がある道筋なのだよという理論であります。私は正しいと思うのです。この落書きの問題も一つの証左でありまして、落書きから始まりましてだんだんと砂丘が持つ価値が失われていってしまうのではないか。今、片方でジオパークの申請をしようということでありますから、私たちとしてはとれるべき手段を考えなければならないのではないか。レンジャーも出かけていって実際に監視をしてもらっていますが、それでやむわけではなくてふえてきているとも言える状況にある。ですから、一定の禁止規定をつくり、それに対して抑止力も与えることは、私はそんなに暴論ではないと思っております。そういうような思いでありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 そして、最後に、切々と文章を読み上げられました。体験として天に上ったと思われる弟の魂に向けて「いつか会おうな」と読めるように書いたというその一項でありまして、それ自体、私も胸にじんとくるものがあります。少年の日に私も砂浜に行って、これは犯罪になったわけではありませんけれども、大きな落書きをしてみたり、それからお城をつくってみたり、やったこともあります。それは一つの自分の自己表現として砂の持つ意味合いというのは確かにあるのだろうと思うのです。
 しかし、片方でこういう切々としたお手紙も寄せられるわけです。せっかく砂丘に出かけたけれども、とても写真を撮る気にはなれなかったと、一生に一度と思って砂丘に行ったのに何でだと、こういうお便りをいただくことも片方であるわけです。
 いろいろと落書きにも状況があります。今のようにだれが見ても、──だれが見てもというわけにはならないかもしれません、大きく書けばやはり不快感を持つ人はいるかもしれませんが、いろいろなものはあるかとは思います。しかし、中にはとてもこの議場では表現できないようないかがわしい象形を描いてしまう、そういう落書きだって現実にあるわけであります。そういうのが果たして放置されていいのだろうか。このことは地元の私たちは考えなければならないと思うのです。
 そのための手法を私なりにいろいろ考えました。何がいいのかと考えたのですが、ここに砂丘の憲法のようなものをつくろうではないか。議員は砂丘憲章とおっしゃいました。砂丘に入られる人は、ここの崇高な価値をぜひ認識してもらいたいと、この景観が保全されるように万人に協力していただきたいと。恐らく来た人はそれに感動を覚えるはずです、皆同じような思いを持つはずです。ですから、例えばごみがあれば拾って帰ろうとか、抜くべき草があるなら私たちも抜いて帰ろうではないかとか、そういうのが全国的に行われるようになる、その資格があるところだと思いますし、日本に一つぐらいそういう場所があってもいいのではないかと思うのです。
 例えば尾瀬に行きます。尾瀬にハイカーがたくさん来ます。ハイカーにはおきてがあるわけです。決してここでごみを捨てるまいと、あるいは木道がある以外のところには踏み込むまい、決して草花は摘むまい、もちろん条例なんかの規制もあります。そういうことで、満足して皆さん帰られるわけです、これがここのおきてだと。そういうのが鳥取砂丘にもあっていいのではないかと私は思うのです。
 先般、非常に感動を覚えたことがありました。大山のほうに参りまして、あそこで山頂の汚泥を持って下がろうではないかというボランティアを募集させていただいたのです。この日曜日でした。私もボランティアの方とお会いをいたしました。皆さん、本当に顔を輝かせているのですね。自分はいいことをやったという思いもありますし、それから、何よりそういうことに貢献して大山が美しくなっていくこと、これに喜びを感じておられたのだと思うのです。実は、ボランティアが集まり過ぎるぐらい集まりまして、持って下がるカプセルが足りなくなるぐらい人に来ていただいたというのが実情なのです。
 まだまだ皆さんに誤解があるかもしれませんが、環境に貢献しなければならないという国民の願いは非常に強いところまできています。だからこそ、ヤフーが勝手にアンケートしたら51%の人が賛成をしたと。県外の人がむしろ賛成をするという状況なのだと思うのです。
 次に、障害者の施策についてお話がございました。手話は、生きていく上で欠くことができない意思伝達手段だと、私たちの意識を変える必要があるのではないか。
 これは、「皆さん、こんにちは」と言ったのですね。口話もつけて手話で表現するとこうなります。ただ、大方の方はわからないのではないかと思います。これが実情なのですね。私が多少手話をたしなんでおりますのは、実は職場といいますか最初職業についたときにボランティアとして手話サークルに入りまして、そのボランティアスクールを卒業させていただいたということがあるのです。そういうような経験があって、そのとき仲間の、もちろん聾唖者の方も含めて、いろいろなコミュニケーションとらさせていただきまして、つくづく思いましたのは、これを日本語と思ったら間違うなということです。覚えるときに、日本語と思わないでくださいと最初に先生から言われました。それは、日本語と思って入るとどうしても、例えば指文字があります、「ひらい」と書いたりして、指文字で表現して、ずっと延々と書くことはできるのですが、聾唖者の世界ではそういうコミュニケーションというのはまず不可能であります。ですから、日本語のように語るのではなくて、手話として語らなければならない。そういうものでありますから、その認識をやはり万人にも持っていただく必要は私もあると思うのです。
 先般、将来ビジョンのタウンミーティングをさせていただいたときに、聾唖者の方から御意見をいただきました。それは何と多文化共生で聾唖者を認識してもらいたいということなのです。これはなぜかというと、言語が違う、我々と違う言語があって、手話文化というのがある。それを違う文化として存在することを理解してもらいたい。私はそのとおりだと思うのです。ですから、それも将来ビジョンの中に書いてはいかがかと今事務局のほうに申し上げているのですけれども、そういう意識改革がぜひ必要だと思います。それは議員のお考えに同感であります。
 次に、手話通訳者の目標のこと、それから手話を一般に広げるような取り組みについて、これは福祉保健部長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、今ちょうど障害者についての施策の計画見直しをやっているところでございまして、平成21年から3カ年の計画目標をつくっているところであります。きょうの議場での御議論も入れて、障害者の皆さんの実情もお伺いをして、私は前向きに取り組んでいくべきだと思いますし、広く、手話を理解する人のすそ野を広げていくべきだと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)手話通訳者等の登録者数の目標についての補足答弁をいたします。
 平成18年度から20年度までの障害者福祉計画の中で、20年度までの通訳者25人、手話奉仕員35人というような目標を掲げておりまして、一応現在までの登録者は通訳者が22人、手話奉仕員が33人となっております。ことし、21年からまた23年度までの計画を今策定をいたしておるところでございますが、これではまだまだ足りないといいますか、需要はたくさんふえてまいりますし、今後ますます必要となってまいりますので、そこの辺においては計画の中でしっかりと皆さんの御意見をお聞きしながら立ててまいりたいと思います。
 奉仕員まではなられても通訳者になるハードルが高くて、なかなかそこに登録をなされませんので、そこのところの講習とか必要なことを打って、ぜひ通訳のほうに進んでいただくようにまた取り組んでまいりたいと思っております。
 続きまして、手話を一般に広げる取り組みでございますが、議員もおっしゃっておりましたが、手話のコーラスでありますとか手話劇でありますとか、いろいろな面もあると思いますけれども、もっともっといろいろな方が、知事は上手に手話をいたしますが、最初にちょっとしたあいさつでもすると距離が短くなってまいりますので、そこのところを広めてまいりたいと思います。ですから、接客者のおられるホテルだとか、そういうところで最初のあいさつでもできればより身近に感じますし、一方ではユニバーサルサービスの観点からも取り組んでおりますし、また大学の医学部等においても1年のうちに10数回なさったりとか、高校とか公民館等でも取り組みが進んでおります。もっともっとそういう手話が出ることによってそういう多文化共生といいますか、進んでまいりますので、そういう観点で一層より取り組んでまいりたいと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)美しい鳥取砂丘を守り育てる条例の罰則についての考え方でございますけれども、この条例の適用範囲というのが国立公園内ということで、自然公園法と重なる面がございます。ということで、自然公園法の罰金額を参考に決めさせていただきました。
 自然公園法では2通りの罰金の設定になっておりまして、1つが広告物、これは許可を要する行為になっていますが、許可を得ずに広告を表示した際には罰金といいますか刑罰が6月以下の懲役または50万円以下の罰金というふうになっています。それから、もう一つが、公園の利用者に著しく迷惑をかける行為ということで、これが30万円以下の罰金というふうになっております。こういった点を勘案しまして、この条例では低いほうの30万円以下の罰金ということを適用させていただいたわけでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)雇用関係につきまして2点補足をさせていただきます。
 まず、1点目が、今後の雇用対策ということでございます。
 8月の有効求人倍率、先ほど知事から答弁ございましたけれども、本県0.68倍となってきておりますが、そういう中にありまして、特に建設業の離職者の方、また中高年の求職者の方、さらにはフリーターやニートと言われる若者、こういったような就職がより困難な方が増加をしてきている状況にございます。そうした状況にありましては、ハローワークによる就職支援とは別に、議員から御指摘いただきました就職困難者就業支援でありますとか若者仕事ぷらざ、若者サポートステーションなど、個別にきめ細やかな支援を行うことができる、こういった就業支援というのは非常に重要だというように認識をいたしております。履歴書の書き方の指導でありますとか面接への同行など、きめ細かな支援を行わさせていただくことで、より多くの就職に結びつけているというのも実態としてございます。
 ただ、まだまだ課題があるというように私どもも認識をいたしておりまして、例えばより多くの方に利用していただけるような、そういった周知、PRをさらに徹底をすることでありますとか、支援員のさらなるスキルアップを図るということ、さらには人的な面も含めて体制の充実を図っていく、こういったことが課題としてあるというように認識をいたしておりまして、今後も引き続き改善をしてまいりたいというように考えているところでございます。
 2点目でございます。求人に対応できるような職業訓練をしていくべきではないかという御指摘でございます。
 実際、企業のニーズと求職者のニーズとの間にミスマッチがあるのは事実でございまして、中でも製造業などにおきます専門的な技術者の不足は大きいわけでございます。有効求人倍率、専門的・技術的職業で見てみますと1.36倍というようになっておりまして、人材を確保したい企業でもなかなか人材を確保できないという状況にございます。
 このため、私どもの高等技術専門校の訓練科目も見直しをさせていただいておりまして、企業の求める人材にマッチングできるような、そういう訓練科の設定をさせていただいております。例えば倉吉の専門校ではコンピューター制御科というものを設定をさせていただいておりまして、広く製造業の電気技術者の育成をするでありますとか、そういった形で訓練科も見直しをしてきておりますし、今後も例えば機械システム科などの訓練科が設定できないかということも考えておりまして、企業ニーズにマッチングできるような、そういう職業訓練を図っていきたいというように考えております。
 さらに、先ほど知事からもございました、現在取り組んでおります地域雇用創造計画におきましても3年間で2,000人の人材を育成をしようと考えておりますが、これも企業のニーズ、求人企業と一緒になって企業ニーズに沿うような人材を育成をするというようなことで、2,000人の人材育成ができないかということで国のほうに今事業申請をいたしているところでございます。
 いずれにいたしましても、高等技術専門校の訓練科目の見直し、さらにはいろいろな人材育成事業につきましては、企業ニーズという出口を見据えながら取り組んでいくことが必要だというように認識をいたしております。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)引き続き質問をしたいと思います。
 手話通訳者につきましては、平成21年から3カ年の計画を検討しておって、現状ではまだまだ足りないと、ふやしていきたいというお話でありました。
 砂丘の条例につきましては、議論することが大事で、また砂丘憲章でも結構だと、議会でもんでいただきたいというふうなお話だったかと思います。
 初めに、砂丘につきまして少しさらに質問したいと思います。
 真っさらな砂丘というのでありましたら、請願者も言っておられましたが、ぜひ1泊して、早朝だれも足を踏み入れていない砂丘を見ていただきたいというふうなお言葉もありまして、それが1泊ふやす施策にもなるのではないかと、そういうふうな話もありました。
 それで、この落書きの罰則、全国的に注目を浴びているというお話もありましたが、そのとおりでありまして、私もこういう条例を議論することで注目を上げたいというふうにも思っておりましたが、罰則まではどうかなというふうに思っておりました。
 では、一体私たち鳥取県民にとってこの鳥取大砂丘とはどういう姿が望まれるのかと、ここをちょっと話をしてみたいなと思います。決して箱庭庭園のように眺めるだけでいいのかと、何といっても地域に愛される鳥取大砂丘でなくてはいけないというふうに思います。知事からも少しありましたが、今の条例で規定されている砂丘の範囲というのは有島武郎の碑あたりも実は範囲に入っておる、本当に広い範囲が設定されておりまして、地元の幼稚園や保育園、それから小・中学生が遠足に行った場所も含まれております、十六本松の辺も含まれているのではないかと思いますが、砂丘で遊んで走り回り、スキーをして絵をかいた、これは私たちの砂丘であります。身近な砂丘のままであってほしいなと。大きな砂丘を自由に歩く、これが鳥取大砂丘のだいご味だというふうに思うのです。余り規制をかけるべきではないというふうに思っております。これは、答弁ございましたらお知らせいただきたいと思います。
 もう2点。罰金というのは、やっぱりこれは大きいなというふうに思っています。命じられても従わなかったら、例えば公的な資格の停止など本人への影響もある場合も出てくると思います。請願者も述べていますように、1万円以下の科料がせいぜいではないかというふうにも思います。それから、もう一つ考え方もありまして、罰金ではなくて罰則として砂丘の草取りとか、それからごみ拾い、こういった作業を科すのはどうだろうかというふうなことです。それにも従わなかったらどうするのだといった議論にもなりますけれども、この点について知事の所見も伺いたいと思います。
 先ほど知事は、この議会でというふうなお話もございました。私はこの条例についてはもう少し世論が成熟するのを待ってもいいかなというふうにも思っております。今議会で急いで結論を出す必要はないのではないかと。この点についても知事の率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
 経済対策につきましてですが、今までの平井知事の行われました施策は決して間違ってはいないのだと、これからよくなることかなと、よくなるということを言われたいのかなと思いました。雇用につきましては、絶対値はともかくとして、33位に上昇してきたのだというふうなお話がありました。
 一つ、今おっしゃいました中期的な経済対策と同時に、今大変に景気が低迷していまして、物価も上がってきておりまして、そういったことで即効性のある経済対策が必要であるというふうに思っております。これは国の話でありますけれども、政府が発表いたしました緊急の総合対策、8月29日だったでしょうか。その中で、生活防衛策としての定額減税が組み入れられております。まさしく物価の上昇に苦しむ庶民に対して即効性のある経済対策でもありますし、これが景気への効果もあるだろうというふうに思っております。
 それで、そのほかにも政府が発表しました緊急の総合対策では、中小企業へのセーフティーネットの貸し付けの強化とか、それから原材料価格高騰に対応した新たな保証制度の導入とか、トラック運送業や海運業など燃料費負担の大きい特定業種への支援の強化等々含まれておりますし、また太陽光発電導入への支援とか住宅ローン減税の延長・拡充などなど、企業や家庭への支援策も含まれております。公共事業の分野でも、学校の耐震化で小・中学校約1万棟の耐震化をするのだというふうなことも入っておるようであります。
 そういった総合対策の多くの部分を取り入れた補正予算がきのう出てきたわけでありますけれども、早急に可決、成立させて、この対策を強力に推進すべきだというふうに私どもは考えておるわけですが、これらの対策につきまして知事の御所見をいただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、障害者の問題につきましては、手話通訳の養成につきまして、前向きにきちんと計画の中でも位置づけて推進をしてまいりたいと思います。
 2点目として、鳥取砂丘の条例に関して3点お尋ねをいただきました。
 まず、1つ目としては、庭園のように眺めるだけでなくて、大きな砂丘を自由に歩くというのが大切ではないか、そのため余り規制をかけるべきではないという御指摘でございます。
 これは、本質のところは全く一緒の考え方であります。先ほど紹介ありました有島武郎の碑がありますけれども、私はどちらかというとあちらのほうから馬の背目指して歩いたほうがきれいな砂丘の風紋が見られますので、私はそっちのほうが好いているのですけれども、妻とも出かけたりするわけでありますが、のろけているわけではありませんけれども。そういうように、やはり砂丘というのはいろいろな歩き方があると思うのです。いろいろなところから入れますし、そしてその中を歩くことで日々違った発見がある。ですから、子供たちにも知的な刺激を与えることにもなります。鳥取の子供たちは大体あそこで遠足をしたりして、ふうふういって歩いていくわけでありますけれども、そういうのが一生の思い出になるわけです。ですから、私はそれはすばらしいことだと思いますし、単に眺めるだけの砂丘でなくて体験できる砂丘を、もしこの砂丘の条例ができた後は目指して、そういう推奨もしたらいいと思うのです。
 前、国民文化祭のときは、砂丘でウオーキングをしようというイベントをやりました。群馬大学の先生に来ていただきましてそういうイベントをいたしました。砂丘の場合、足腰に対する負担が少ないのだそうです。足を使ってしっかり歩くわけでありますから、第二の心臓と言われる足を使った体の循環は高まりますけれども、ひざに対する負担が弱いもので、長くやっても悪い影響が出ない。いわば砂丘でダイエットというアイデアもあってもいいのではないかと思うのです。いろいろなことが砂丘を活用してできるのではないかと、私は直観的に思っているのです。ですから、そうした活用を図るために、その前提として砂丘をしっかり保全して受け継いでいく体制をとろうではないかというのが今回の条例の趣旨であります。
 規制をかけるべきではないということでありますが、そういう中で私は最低限の規制が必要ではないかと思いまして、鳥取市とも協議をさせていただきました。その中で出てきたのは、ロケット花火を打ち上げてそれが残っていると、はだしで歩いている人に非常に危ないというお話がありました。それから、打ちっ放しをしている人がいると、これも危ないと。私も出会ったことがあります。バンカーショットの練習を一生懸命やっている人がおられまして、危ないなと思いました。ですから、そういう最低限の規制といいますか禁止条項はつくっておかないといけないのではないかと思うのです。そういう意味で、保全のこととあわせて書かさせていただいているわけであります。
 罰金が高いのではないかというのは、先ほど部長のほうから御答弁申し上げました考え方で、私どもは他の法令との均衡で今回御提案をさせていただいておる次第でございます。これについては、きのう紹介したヤフーの中で高過ぎるのではないかというのが24%あったりしましたけれども、51%の方は30万ぐらいいいではないかという賛成の状況でありました。いろいろと考え方はあろうかとは思います。ただ、私は少なくとも一定の抑止力がないと禁止条項を定める意味がないと思っております。
 そして、3番目でありますが、今急いで議論すべきだろうかというお話でありますが、砂丘のこの条例については、随分長いこと世情伝えられてきております。だからこそ全国でも勝手にインターネットでアンケートをやったりした状況が生まれたわけでありまして、議論はかなり成熟してきているのではないかと思います。あとはどういう決断をしていただけるのかどうか、私どもとしては、原案を提出させていただいておりますので、ぜひそうした御審議を賜りたいと思っております。
 次に、景気対策についてのお話がございました。先ほど私のほうで申し上げましたのは、今やっていることで万全だというつもりではありません。むしろ謙虚に、決していい状況ではないので、これからも頑張っていきたいという決意を申し上げたつもりであります。そういう中で、中長期的なことではなくて即効性のあることをやるべきではないか。国がこのたび打ち出した経済対策についての所見を問う、これを決定、推進すべきではないか、こういうお尋ねでございます。
 私は、全くこれも同感であります。昨日、麻生総理が所信表明演説をしたり、またこの経済対策も昨日国会のほうへ上程をされました。初めて我々、その状況を見させていただきましたけれども、まだ詳細、詳しいところまでわかり切っていません。ただ、書いてあることからしますと、今おっしゃる定額減税とか、それから燃油対策のようなことだとか、またセーフティーネットを張るために中小企業者も安心して経済活動ができる、そのバックボーンとなるような金融制度が書かれているとか、概要はつかみつつありますけれども、評価できる部分が多分にあると思います。これで十分かといえば、それこそ中長期的なことも含めて議論を進めるべきであろうかと思いますが、現在の経済状況を考えれば猶予はないと私は思います。
 けさの新聞でも報道されていて、シティーバンクのグループが銀行買収に走るとか、またちょっと前はワシントン・ミューチュアルという金融機関の一種が倒産をするという報道があったり、アメリカのほうでそういう騒ぎになっているのに加えまして、ドイツでもしかり、ベネルクス3国でもしかり、またイギリスでもしかり、金融機関の救済というのが国の立場から差し伸べられている、こんな状況になってきております。ですから、余り余裕はないのだと思うのです。国としては、しっかりと今やるべきことを結論を出していただいて、それから政権の問題もありましょう、これを選択することも国民にとって大切なことでありましょうから、そういうことで臨んでいただきたいとは思うのですけれども、まずはやるべきことをやっていただきたいというのが、現場で苦しんでいる私どもの思いであります。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)砂丘に対しましては、知事のうんちくをお聞きいたしました。これでやめたいと思います。これからは議員の皆様でしっかりと議論をされたらいいのかなというふうに思っております。
 先ほどの補正予算でありますけれども、定額減税のお話をされましたが、定額減税は今回の補正予算には入っておりません。もう少し後になろうかと思いますが、どちらにしても緊急の対策をとっていただきたいという思いを述べられておりました。
 それでは、もう少し経済・雇用対策につきまして質問をいたします。
 何回か、知事も答弁の中で打って出るという対策をお話されておりました。鳥取県人というのは大変引っ込み思案といいますか、正直者で率直でということで、余り商売には向いていない、こういうふうにも言われております。西部の方はどうも違うかもわかりませんが、東部はそのようでありまして、しかしながら、外に打って出ないことには話にならないわけでありまして、今までも打って出るためのいろいろな対策をとられているのは先ほどのお話のとおりでありますけれども、さらに強力に推進されるべきというふうに思います。コメントがございましたら、よろしくお願いします。
 あと、地域の中で、例えば鳥取県は電子・機械・液晶関連分野が集積をしているというメリットを強調しておるわけでありますけれども、鳥取県東部、加工産業の集積が本当に進んでおります。一大加工地域として生き残る道を模索しなければいけないと私は思っておりますが、実際、鳥取県内の企業と取引をしようとしましても、小さい企業が多いものですから、なかなか発注しづらいといった場合があるのではないかなと思っております。解決策といたしましては、例えば共同受注体制を構築するとか、規模の小ささをカバーする工夫など取り組む課題があるのではないかというふうに思います。この点につきまして答弁をいただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、打って出ることについてのお話がございました。
 先ほどは定額減税と混同しまして、所信表明などのいろいろなお話とちょっと混同いたしまして、失礼をいたしました。
 打って出るための各種商談会、展示会など、チャンスの場を強力に推進すべきということでありまして、これを重点的に我々も取り組んでいるところであります。
 昨年の補正で、キャビネットのお話なんかもいただいて始めたのがこういう商談会などの展示会を県が設営をいたしまして、そこに県内企業に入っていただくという試みであります。それ以来合計でもう13回やってきておりまして、おかげさまで商談として成立をしているものも22件来ております。ですから、やはりやっただけの値打ちはあったのかなと思っています。
 ただ、いろいろ反省もございまして、この手のメッセはすごく効果があるという評判の高いものと、いろいろと評価の分かれるものとございます。それから、あと商談会などに参加していただける企業さんにやはり限りがあるといいますか、いつも顔ぶれが決まってきてしまう。ですから、私どもとしてはぜひ多くの方に、企業さんに参加していただきたいとPRを一層する必要があるということでありますし、また特に効果の高い商談会については、場所の問題もありますので早くからエントリーをしていくなどの工夫が必要ではないかと思っています。
 トヨタと、またダイハツと相次いで、これも展示商談会をさせていただきました。トヨタの渡辺社長や、それからダイハツの箕浦社長さんにも、直接私も展示会場で企業さんと一緒に御説明をさせていただいたりいたしてきたところであります。そうしますと、やはり企業側も、あれほどの企業さんであっても、こういう会社や技術があるとは知らなかったと、ぜひ話を進めてみたいというのが少なからずあります。現に商談が成立しつつあるという状況であります。
 ですから、やはり自信を持ってこれは──ただ企業側も努力が必要です。採用してもらうためには、その会社の立場に立って提案をしていかなければなりませんので、そういう努力もしていただいて、参画していただくことはぜひお願いを申し上げたいと思っております。これからも、せっかくの銀杏議員の御提案でございますので、さらに推進をしてまいりたいと思います。
 次に、共同受注体制の構築についてでありますけれども、これもいろいろとやってきているところでありまして、商工労働部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
 一つ御紹介申し上げると、鳥取県こだわり物産販売協同組合というのがこのたびできました。これは県内の特産品をつくっているところであります。いろいろなこだわりを持った商品であります。豆腐関係とか、あるいはお米などもあるのですけれども、それから健康食品とか、お茶とか。こういうところで共同受注をしようではないかと。例えば遠くのほうへ売りに行くと、一つ一つ経理をしたりして大変手間がかかる。いろいろと商談を進める上ではリスクといいますか制約もあるわけでありまして、そういうのを、面倒くさいことを束ねてやろうではないか、こういう協同組合をつくったのですね。これで商談会をしてやってきておりまして、徐々に現実にこの仕組みを利用して販売ルートが成立しつつあります。ですから、こうした共同受注の取り組みは非常に大切だと思うのですが、製造関係のほうになりますと、なかなか呼吸を合わせて一つのものをつくって、その成果物、中間生産品などを持ち込むことにはまだまだ難しいところもあるようでございます。実情について、商工労働部長からお答え申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)共同受注体制の構築につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
 私どもも、共同受注体制の構築を図っていくということは、小規模な企業が多い中にあっては大変有効な取り組みだというように認識をいたしておりまして、共同化支援を行います中小企業団体中央会、それと発注開拓を主な仕事としております産業振興機構、ここをマッチングをしていただきまして、連携支援体制の構築に向けて調整を図ったところでございまして、昨年度から両機関でそういった共同受注体制の構築に向けて支援を行わさせていただいているところでございます。
 具体的には、県内中小企業の3グループでございますけれども、商談会への参加の支援でありますとか、広報ツールの作成支援でありますとか、こういった取り組みを通じて共同受注の活動を促進させていただいているというところでございますし、また今年度からは、新しく共同受注に取り組もうとしているグループに対しまして、組織化についても支援を行わさせていただいているところでございます。
 ただ、いろいろ展示会なども出展をさせていただいておりますけれども、現時点におきましては小ロットや試作依頼でコストが合わないでありますとか、そもそもそのグループとしての売りは何なのだと、特徴は何なのだというようなところが明確になっていないということなど、具体的な共同受注をいただけるような段階にまでは至っていないというのが実態でございます。
 こういったような課題も見えてきたところでございまして、引き続きまして中央会、また機構、関係団体とも連携をしながらこういう取り組みを進めてまいりたいというように考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)それでは、最後に、経済の対策につきまして伺いします。
 鳥取県東部におきましては、知事からもジオパークのお話とか道路のインフラ整備等のお話もありました。今後、東部地域、但馬地域、協働して一つの圏域のような格好で観光を中心としたり、また交易を中心とした、そういった地域にして、しっかりと投資を招いていくと、呼び込んでいくといったふうなことも大事だと思います。そんな中で、特に鳥取港につきまして質問をしたいと思います。
 日本海側の主要港湾の貿易量を見ますと、博多、浜田、境港、舞鶴、敦賀、伏木富山港、新潟港、そのうちほとんどが貿易量が最近たくさんふえております。その中で鳥取港というのは、今まで平成12年、13年ごろ8万トンぐらいの貿易量があったのが今0.2万トン、約2%まで落ちておると。これは問題がちょっとあるのではないかなというふうに思っております。鳥取港のポートセールスをしっかりする必要があると思いますけれども、その利用促進について、また新しい交易の道を探ることについて知事の所見を伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取港の活用についてのお尋ねがございました。
 議員がおっしゃった論点のとおり、今、鳥取県の東部の地域は交通の状況が変わろうとしています。すなわち鳥取自動車道が南北に伸びて、これが山陽、近畿と結ぶようになる。しかもこれは無料の高速道路である。それから、東のほうに目を転じてみますと、但馬との間で鳥取豊岡宮津自動車道が岩美から浜坂のほうに抜けようとしています。これも11月24日に盛大に祝賀が行われると思いますが、その先のほうで香住の道路がもう既に通っていますし、さらに向こうのほうに行きますと和田山のほうから近畿に向けて、これもいい道がついているという状況でございます。ですから、物流ルートがかなり変わってくる局面にあると思います。
 この中で、鳥取港が持つ意味合いが変貌を遂げようとしているのが現状ではないかと思います。例えば最近舞鶴の港もそれなりに貨物量、伸びている状況があります。やはり舞鶴自動車道が通っているからではないかと私は思います。鳥取自動車道ができることで鳥取港の活用の道がいろいろな企業さんに、山陽側だとか、開けてくる可能性はあるのではないかというように考えます。そういう意味で、鳥取港のポートセールスをしっかりと展開をする必要があります。
 議員がおっしゃるように、いっときは中国からの砂の輸入などで随分貿易量は高かった時期はございますが、今はそれが途絶えてきてございまして、余り活用されていないわけであります。しかし、先般も鳥取市内の鉄工関係の企業が、ぐるっと大阪の堺のほうに鋼材を運ぶのにこの港を活用してくださっているわけでありまして、そういう需要も出てきています。
 また、私どもでは分譲をしておりまして、鳥取港だとか、あとは賀露のあたりですね、この辺も含めて西浜の分譲もやっていまして、リースなどの条件も従来よりは緩和をしてやっていますが、これは既に9社の方から応募が来ております。中にはそうした貿易のメリットも考えてかなという会社もないわけではありませんけれども、いろいろな会社がありますが、そういうように今、活用しようという動きも地元のほうで生まれてきている、そういう状況であります。
 現在、貨物についていろいろなセールスをしていまして、これは鳥取市と鳥取県とで鳥取港の振興協会をつくりまして、市長も出かけていきますし、私ら職員も行ったりするのですが、そういうポートセールスをしておりまして、精力的にやっていますが、これから新しい航路の使い道として貨物の需要を考えてくださっている企業さんも出始めてきております。ですから、私たちはこの機会にポートセールスを精力的にやりたいと思っています。
 これは、貨物に限らず旅客もそうでありまして、今「飛鳥II」が境港に入ってまいりました。すばらしい大きな船体をのぞかせています。ああいうクルーズの旅、あれほど大きなものはちょっと無理なのですけれども、小さなクルーズ船であれば鳥取港も可能性がないわけではありません。そうした引き合いを私どもも探しておりまして、これも船会社のほうに市長さんと一緒に当たってまいりたいと考えております。
 決して筋が悪いわけではありません。目の前に鳥取砂丘はありますし、それから浦富海岸だとか、湖山池だとか、さらに智頭のほうだとか、いろいろな観光資源が周りにあります、温泉もあります。ですから、私たちはそれは自信を持って売り込んでいけると思いますし、売り込みにかかりますとそれなりの手ごたえが出てきております。ですから、そうしたポートセールス、しっかりと議員の御指摘に従いまして進めてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は午後1時20分再開予定といたします。
       午後0時17分休憩
   ────────────────
       午後1時19分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 20番鍵谷純三議員


◯20番(鍵谷純三君)(登壇、拍手)質問に入ります前に一言申し上げます。
 先日、代表質問において稲田議員より、私の同僚議員でありました湯原議員に対する的確な(笑声)惜別の言葉がございました。本人にかわり、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。(笑声)
 湯原君は、毎議会、県民の目線で論戦をしてまいりました。このような有能な人材をこの議場から失ったことはまことに残念でありますが、今度は活躍の場を国会に変え、しっかり頑張っていただけるものと私は確信をいたしております。さらにこのような論客を国会へ送り、国家的な視点に合わせ、地方からの目線で活躍をさせなければならないと心から強く感じたところであります。
 さて、通告に基づき順次質問をいたしたいと思います。
 まず、汚染米問題について質問をいたします。食の安心・安全に対する信頼をまたもや大きく傷つけた汚染米問題を取り上げたいと思います。
 汚染米問題の影響は、連日の報道によれば収束どころかとどまるところを知らず、拡大の一途をたどっているように感じます。本県では、県内の菓子店等、数店に汚染の可能性のある米が流通したということが判明したかと思えば、厚焼き卵のつなぎに使われた可能性があるということで、学校給食にまでその影響が及んできております。このようなことが明るみに出るたびに県民の不安がどんどん増幅していることは疑いようがなく、一刻も早く事態を収束させ、食に対する安心・安全を確立する必要があることは衆目一致の願いだと考えます。
 さて、この汚染米問題について、まず初めに国の対応状況について触れてみたいと思います。
 三笠フーズが事故米を食用に転用していたと農林水産省が公表したのは9月5日でございますが、このきっかけとなったのは、報道によれば、8月末の同省への匿名の通報であったとのことであります。しかし、そのずっと以前の昨年1月にも不正の告発がありながら、その時点では不正を確認できなかったということで、結果的に2年近くも恐ろしい状態が放置されていたことになります。また、農林水産省は、不正転用を公表した際、混乱の懸念を理由に流通先を公表しない方針を出したのでありますが、その後、政府内では消費者行政担当の野田大臣が指揮をとるなど紆余曲折があり、9月16日にようやく農林水産省は流通先を公表したということであります。
 私は、今回の一件で、やはり省庁間の縦割り、また国民、現場との乖離を強く感じた次第ですが、このたびの国の対応について知事はどのような感想をお持ちか、まずお伺いをいたします。
 次に、今となっては非常に影が薄くなった福田前総理ですが、前総理の肝いりで設置された消費行政推進会議の本年6月の報告では、消費者庁の設置を柱としてさまざまな観点から方策が取りまとめられております。例えば中国産冷凍ギョーザ事件に関しては、医師から保健所への届け出が適正に行われなかったこと、保健所から地方公共団体、厚生労働省への連絡が適切に行われなかったことが問題点に上げられ、その対応として、1つ、一元的な情報集約、危険情報の早期発信のシステムづくり、2つ、事業者からの報告、公表制度の整備、3つ、行政の早急な対応を可能にする法整備を含めた仕組みづくりが記述されております。
 ここで報告されているとおり制度化され、システムが十分機能すれば、本件ももっと円滑に解決が図られたかもしれません。しかし、私自身は今回の一件を踏まえ、報告書の方策には若干の疑義を感じております。それは、新設する消費者庁にある程度の権限と情報を集約するものの、現場から離れている、そして巨大な組織である政府で本当に十分な機能を発揮できるのかということであります。もちろん食品に関しては全国的な対応や検疫等、海外との取引等のこともあり、政府の責任で対応すべきとの感がないわけではありません。しかし、一方で事件の覚知から調査、処分までの機動性、あるいは現場との距離感を考えると、地方の権限で対処するほうが国民、県民にとって幸せなのではと思うのであります。消費者の安心・安全に関する国と地方の役割について、知事はどのような見解をお持ちかお伺いをいたします。
 次に、先日9月17日に開催された教育民生常任委員会において、生活環境部から、非食用の事故米穀の鳥取県内の流通について報告がなされております。9月12日に国からの連絡を受け、同日立入調査を行い、流通経路をはっきりさせ、速やかに公表した一連の対応を私は評価をしたいと思います。しかし、聞くところによれば、今回の立入調査は食品衛生法を根拠に実施されたようでありますが、直接の健康被害が確認されていない、いわば疑わしいといった段階で同法に基づき調査を行えるかどうかは、実はあいまいなのではないかと思います。
 今回の事件のようなことは今後二度と発生してほしくありませんが、万一同様の事案が発生した場合に、現在の食品衛生法の規定、権限で県民の不安解消を図ることが十分可能か、あるいは不十分とすれば国に対して改善を要望すべきと思いますが、知事の御所見を伺います。
 今回の件でも、以前の船場吉兆、ミートホープでも、不祥事を起こした事業者は社会的制裁として市場からの撤退が待っているわけですが、それでも不祥事が後を絶たないことを考えると、住民感情からすれば刑事的な責任追及、法による罰則をもっと強化すべきではないかとの思いも非常に強いのではないでしょうか。
 例えば廃棄物処理法では、不法投棄に対して最高で1億円の罰金と最高5年間の懲役の刑が規定されております。一方今回の件では、法律違反として問われているのは食品衛生法及び不正競争防止法であり、廃棄物処理法に比べるとペナルティーは非常に甘いとの印象があります。知事は、こうした不正防止の観点からペナルティーについてどのような認識をお持ちかお伺いをいたします。
 なお、もし強化が必要との認識であれば、国への働きかけも必要ではないかと思いますが、この点についても御所見をお伺いをいたします。
 次に、ブラジルとの交流について知事、教育長にお伺いをいたします。
 本年6月に9日間の行程で議長、知事、教育長などと一緒にブラジル移民100周年記念式典に出席をさせていただきました。片道26時間の機中を初め、9日間びっしりとお歴々の皆さんと過ごすというまたとない経験を積ませていただきました。肉体的にも精神的にも少しは鍛えられたのではないかと思っております。
 さて、現地では第2アリアンサ鳥取村の皆さんを初め、日系人の皆さんからさまざまなお話を伺うことができました。コーヒー園経営の失敗談や豊富な資源を活用した事業展開などの活躍談など、100年前サントス港に到着されて以来の日系人の激動の歴史に触れることができました。それに加えて、ブラジルという広大で無限の力を秘めた国を肌で直接感じることができたことは、議員として非常に貴重な体験ができたと感謝しております。
 日本人、鳥取県人が故郷を後にし、はるかかなたのブラジルに移住し、立派に活躍されていることを知ることは、日本人、鳥取県人の可能性、力強さを理解する上での貴重な教材だと思います。我々大人を含め、特に子供たちにこうしたことを伝えることにより、自分たちにはすごい可能性があるということを再認識する絶好のチャンスであり、そういうことがブラジルとの交流の一つの意義ではないかと私は思うのです。
 そして現在、食料、資源の高騰が著しく、輸入に頼っている日本の脆弱さが指摘されておりますが、そういうときにあって広大な国土、豊富な資源を有する国との友好関係の構築は、将来非常に重要な意味を持つものと思います。もちろん一義的には政府による国家間での協調体制が重要なことは論をまちませんが、地方政府レベルでも地道な交流を継続すべきと私は思います。
 以上、幾つか私のブラジル交流の意義についての感想を述べましたが、知事、教育長に、今回の訪問に際し何を感じられたか、そして交流の意義をどう思っておられるかについて所見を伺いたいと思います。
 第2アリアンサ鳥取村訪問に際し感じたのでありますけれども、現在は日系三世の方が中心となっており、三世となると日本語も話せなくなっている方が多いようでした。鳥取村には日本語学校が開設され、これまで県から日本語指導員が派遣され、日本語の学習にあわせ日本文化の継承の活動が続けられております。現在も今年度末までの期限で指導員が派遣されておりますが、現地からは派遣継続について強い要望がありました。私は、交流を確かなものとしていくために派遣を継続すべきと思いますが、知事のお考えをお伺いをし、壇上からの質問は終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鍵谷議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 冒頭、湯原議員に対して大変に大きな声で、湯原議員に届くような声を出してエールが送られました。私も御活躍をお祈りを申し上げたいと思います。
 さて、御質問でありますが、まず第1点として事故米問題、たび重ねてこの議場でもお問い合わせが来ておりますが、この問題についての御指摘がございました。
 議員のほうから、学校給食にすら入り込んでいる、こうした重要な事態であるけれども、昨年の1月、あるいはこの8月末、そうした告発や情報提供、こういうものがありながら随分対応が遅いではないか。国の省庁間の縦割り、現場との乖離ということを感じるが、国の対応いかんというようにお尋ねをいただきました。
 私も、このたびの展開を見ておりますと、余りにも国のほうの対応が遅きに失した感があると思います。それは、いろいろとふくそう的な事情があったのだろうと思うのです。まずは、事故米が流通してくる経路が存在をする、その背景として、ガット・ウルグアイ・ラウンドで大騒ぎをして各国と協定を結んで輸入しなければならなくなったこと。その始末を農林水産省の職員が右往左往しながらやらざるを得ない、そういう状況にありますので、そこで彼らなりの役所の論理ができてしまったのではないかと思うことです。とにかく販売してしまえばいい、特に事故米のようなものですと始末のしようがないものですから、買ってくれるところを何とか探して、随契ででも売ってしまおうと、こういう仕組みになっていたわけでありまして、そのことがこういうトラブルが発生し得る可能性があるのに予想もしていなかった。そういう余りにも稚拙な行政運営があったのではないかと思います。
 さらに申し上げれば、今回、私どもも調査に入るなどの対応をとらざるを得ない状況でやっておりましたが、感じておりましたのは、厚生労働省と農林水産省と、2つの当事者が国の中にあるわけです。農林水産省のほうは流通米を流通させてしまったと、ですからその流通の経路を一生懸命になって調べるということでありますが、彼らは食品衛生法上の権限を持っているわけではありません。ですから、その中で、こういう含まれている状況があります、こういう危険性がありますというところの調査を保健所のようにやることができていないまま、情報だけがひとり歩きするような感じになりました。しかもその際、これは流通の経路を調べるということであったものですから、まず流通した対象者の人たちの同意を得てから公表しようというようなスタンスで最初はいたわけであります。しかし、同じ政府の中に厚生労働省という役所がありまして、こちらは国民の健康を守るために食品の衛生を担保しなければならない役所であります。ですから、こちらのほうにしかるべく情報が行って、こういうことも調査しなければならない。食品衛生法の観点でいきますと、我々都道府県もその一つの調査機関として位置づけられているものですから、我々のほうにも厚生労働省のほうから情報があったり、こういうものがこの段階で含まれているとか、そういう情報提供があってもいいのですけれども、一切これがないのです。ですから、どうも今議員がおっしゃるように、省庁間の縦割りですとか、それから役所仕事の怠慢さとも言うべき状況、これを私は否めなかったのではないかと思っております。
 ですから、ぜひ国において、今回、石破大臣が農林水産省に抜本的なメスを入れるとおっしゃっていますが、きちんと毅然として二度と起こらないように、そして今後の担保がとれるように、消費者庁もできることですから、今後のシステムづくりも的確にやっていただきたいと思う次第であります。
 2点目として、消費者庁の創設についてのお話がございました。食品に関しては全国的な対応、輸入の検疫などのこともあって政府で対応すべき部分もあるけれども、地方の権限でこうしたことをやるほうが合理的なのではないかというお尋ねでございます。
 私もある程度同意いたします。現に現在の食品衛生法の中では、国のほうは私ども県のほうに技術的な指導や援助ということはありますが、実際に現場で食品を収去して調べる、立入検査をするというのは都道府県のほうの仕事になっています。しかもこれは自治事務ということでありますので、私たちの日ごろの公共の利益のための事務ということになります。ですから、こういう意味で既に地方と国との分業体制ができてきております。さらに、農水省のほうのJAS法とか、あるいは景表法みたいな法律だとか、そういうものもいろいろございますので、国のほうでは一元的な制度の運用をしながら地方のほうが現場で活躍する、そしてその情報の流通などがどうしても必要になりますので国の存在も介して行う、そういうシステムを構築すべきではないかと思います。ですから、ある意味分権的に構成をしながら情報の共有などは全国ベースで行ったり、それから国として特に外国から入ってくるもの、これを水際でシャットアウトするところは国がむしろ精力的に責任を持ってやっていただく、そういう役割分担が峻別された制度ができることが私は望ましいと考えております。
 次に、県内事業者に食品衛生法を根拠として立入調査を実施しているけれども、その考え方はどうだったのか、また現行の食品衛生法の規定で十分かどうかというお尋ねがございました。これは、食品衛生法に基づいて今回入っているものでありますが、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
 次に、食品衛生法、不正競争防止法は、廃棄物処理法に比べて余りにも罰則が低い、これについての認識を問うという御指摘でございます。
 思いますに、食品衛生法は、本来想定していましたのは、町の料理屋さんで日ごろ料理を出します、それを食べられる方がおられます。不幸にしてそこに細菌がまざっていたりして食中毒が起こる。このような典型的なケースを念頭に置いてつくってあるのだと思うのです。その意味で、罰則は現在定められている3年以下の懲役だとか、300万円以下の罰金だとか、こういう世界になっていまして、今回の莫大な利益を上げた三笠フーズにかんがみますと、余りにも適用される罰則が低過ぎはしないかと、こういう疑念が生じます。恐らく全国的にこうして流通をさせて、食品衛生に危害を加え、国民を不安に陥れる、具体的危険にさらすということは想定していなかったのだと思います。ですから、こうした事象に対応するように、私は、しかるべく法律改正も含めて取り締まりの強化だとか、それからこういうことが再発されないような体制づくりについて、これは国として責任持って取り組むべきだと考えます。
 例として今挙げられましたのは、廃棄物処理法の例を挙げられました。また、今回のケースに近いので言えばJAS法などもそうです。これも企業責任を問うような場合には1億円以下の罰金ということになっています。このように、今の3年以下の懲役とか300万円以下というのは、想定しているのはそうした町で普通にあり得るような、そういう食中毒などの事案を念頭に置いていると思いますので、実情にそぐわない部分は見直しをすればよろしいのではないかと思います。
 次に、ブラジル移民100周年記念式典に出席しての感想を問われたわけであります。
 今回のこの式典でありますけれども、私自身も初めてブラジルに渡らさせていただきましたし、鉄永議長、そして鍵谷議員初め議会の皆様とも訪ねさせていただきました。まことに盛大な会でありました。それもそのはずであります。さかのぼってみれば、1908年に笠戸丸が勇躍人々の夢と希望を乗せてブラジルへ渡ってから100周年。その100年の間にブラジルを生きた日本人の皆さんが大活躍をされた。しかし、その裏には例えようもない苦労があった。命を落とされる方々もおられた。そういう歴史を、この100周年で総括をしよう、そしてこれから先の日本とブラジルとの交流やブラジルの発展に、住民の皆さんの発展につなげていこうという思いがみんな詰まっていたものですから、先方へ参りますと、日本からの各種の代表団ございましたが大歓迎でありますし、そして友好ムードでいっぱいであったのがまことに印象的であります。
 今回のこの式典には皇太子殿下も御臨席なさいまして、お言葉も賜りました。親しく住民の皆様による100周年の記念パレードをごらんいただいたり、それから私もサンパウロ知事さんのパーティーで御一緒させていただきました。そのときに、日本でも報道されたそうでありますが、皇太子殿下みずからが演奏団の中に入られましてビオラを弾かれて、ブラジルの皆さんとともに同じ曲を奏でたという感動的なシーンにも遭遇をさせていただきました。
 日本の歴史として非常に重要な年でありましたけれども、鳥取県人にとっても一つの節目であったと思います。鳥取県の場合は、1906年に明穂梅吉さんが向こうに渡られました。明穂さんはあちらでいわば移民の受け入れの仕事をなさっていた方でございまして、愛されることもあればにらまれることもある、複雑なお仕事だったと思います。しかし、明穂さんのような方が何人か向こうで受け入れをされて、開拓が徐々に進んでいったことは事実であろうと思います。そして、鳥取県から向こうへ移民を送り出そうではないか、それが県のほうの富の発展にもつながるということで、1926年に長野県と共同して第2アリアンサの購入に至るわけであります。翌年、橋浦さんが向こうに渡られまして、村長という職を捨てて御活躍をされました。これまた、あちらであつれきに悩むことになります。
 行ってみた方々の当時の記憶をたどって、このたび中南米移住史を作成をさせていただき、向こうにも贈呈をさせていただきましたが、その中で思いがつぶさにつづられております。要するにだまされたに近い状況であったと。確かに皆、夢を持って行くわけであります。第2アリアンサもそうでありますが、当時の移民は銀ブラ移民とも言われたそうであります。ある程度お金を持っている人たちが、向こうでコーヒー園でも経営して、これからまた一もうけをして、そして10年もすれば日本に帰って、家族にそれを上げようではないかと、地域で富を増すためにブラジルで一稼ぎしてこようと、それだけの魅力ある土地だという約束をもらって渡っているわけです。しかし、必ずしもコーヒー栽培に適している土地ばかりではないわけであります。いろいろな苦労をして、点々と職を渡ったり、借金を重ねたために土地に縛られてしまって動きようがなくなったり、そういうものを乗り越えての100年だったわけであります。
 ただ、私たちは誇るべきだと思いますが、同じ日本人がそういう苦難の中であったにせよ、ブラジルでジャポネーズ・ギャランチードと呼ばれるほどに、信頼できる日本人、信頼できる日本製、そういう言葉ができるほどに日本に対する信頼感をかち得る社会的な地位の向上に至ったわけでございます。こういう歴史を考えれば、私たちはブラジルという国を大切にしなければならない。特にあちらで日本人は非常に評価をされていて、社会の枢要な地位も占めておられるわけであります。ですから、ブラジルという大変な資源国、そして今、新興国として工業も産業も大発展を遂げている国と、地球の裏側ではありますが結びつくことによりまして日本の経済繁栄だとか文化の発展などにもつながってくるだろうと思う次第であります。
 そういう中で、今回鳥取県団として訪問させていただき、向こうで鳥取県人会の100周年記念式典にも出席をさせていただきました。あちらでは加藤会長さんだとか、それから本橋副会長さん、そうした方々にお世話になりました。皆さんがおっしゃるには、これだけ多くの人が集まったことはないというぐらい会場がいっぱいになりました。それで、日本の伝統芸能をそこで教室をされているそうでありまして、現地のブラジルの方々もそれに入られるようなことになっていまして、大変に驚きました。皇太子殿下が御光来いただいたパレードの際も、私は実は傘踊りを向こうの200人ほどのブラジルの日本人会の方々と一緒に踊らさせていただきました。鳥取県人だけかと思いきや、実はそうではなくて、鳥取県人は10名足らずでございまして、残りは全部鳥取県人以外でした。なぜかというと、鳥取県人会の前の会長の西谷会長さんが、日本のすばらしいお祭りとしてしゃんしゃん傘踊りをあちこちで広めて歩かれたそうであります。ですから、傘踊りがあちこちで踊られる。だからそれをみんなの前で、日本人会こぞって踊るということになったわけであります。そのように、鳥取の文化が地球の真反対のところで、鳥取県人とゆかりのある方々ばかりではなくてほかの方々にも親しまれて広がっていること、これに本当に感動を覚えた次第であります。
 確かに距離的な問題もありまして、いろいろと課題は多いわけでありますけれども、私は向こうにいる鳥取県人会の皆さん、御活躍をされていますので、この鳥取県人会や、あるいは第2アリアンサとのつながりを一つのてことして、ブラジルと日本との交流に鳥取県も参画をしていくべきではないかと考えております。それは、これまでの御苦労に報いる道であると同時に、新しい時代のためにはブラジルのような国と上手につき合っていかなければならない。そのための非常に貴重なツールがしゃんしゃん傘踊りが広まっている、鳥取県人会が元気でやっている、そういうものを生かしていけば、私たちはブラジルとのチャンネルを太くしていくことも可能ではないかと思う次第であります。
 次に、日本語学校のお尋ねがございました。第2アリアンサのお話でございました。第2アリアンサも佐藤自治会長さん初め、皆さんで御歓迎をいただきました。子供たちが一生懸命日本語の歌を歌ったりするのが、胸が熱くなる思いがして伺っておりました。これは、鳥取県から教師を派遣してやっているわけであります。平成6年からこの取り組みをいたしております。確かに小さな教室かもしれませんけれども、日本語が愛されて、それが向こうで使われること、学ばれること、これは日本にとっても国益にかなうことだと思いますし、第2アリアンサという土地柄は鳥取県が開いた土地、そこで過去には大変な御苦労を皆さんにおかけしているという歴史もあることから、私たちとしては応分の責任といいますか、私たちが果たすべき役割として教師の派遣について今後も継続してやっていってはどうかと考えております。これはもちろん教育委員会の御賛同も得なければなりませんし、予算の問題もありますが、私はそのように考えており、皆様の御協力を願いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)食品衛生法の権限についてでございますけれども、今回、鳥取農政事務所の通報を受けて立入調査を行いましたのは、農水省のほうの検査でメタミドホスが検出されたという情報を受けて、本県に流通している食品についてもその可能性があるということで、食品衛生法28条に基づいた調査を行っております。
 この28条といいますのは、知事は必要があると認めるときは職員に検査させることができる、こういう規定でございます。これに基づいて行っているわけですけれども、もともと食品衛生法自体が飲食に起因する衛生上の危害を防止するというのが大きな目的でございます。そのために、第6条で販売してはならないという状態の食品が例示されておりますけれども、その中で、有害な物質が含まれるのはもちろんですけれども、その疑いのあるものというものも対象になっています。そういう意味で、私どもとしては幅広く健康確保の観点で運用をしていっているところでございます。現にスーパー等で通常売られているものについても収去等の検査もできるようになっております。問題のある食品は被害が出る前から排除をするという姿勢で我々としても臨んでおりますので、そういう観点で運用していけば、格別不都合はないのではないかなというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)鍵谷議員からブラジル訪問に関してお尋ねがございました。お答えを申し上げます。御質問は、ブラジルを訪問して何を感じたのか、その交流の意義をどう思っているかというお尋ねでございます。
 去る6月ですけれども、私もお話ありましたようにブラジル訪問団の一員として初めてブラジルを訪問させていただきました。日本移民の100周年の記念式典ですとか、それからブラジル鳥取県人会の式典、あるいは祝賀会、あるいは先ほども知事のお話もありましたけれども、第2アリアンサの鳥取村入植82周年の記念式典ですとか祝賀会、これも出席をさせていただきました。本当にたくさんの移住された方、あるいは子孫の方々と、たくさんの方とお話をすることができました。極めて得がたい経験をしたと私は思っています。時間を惜しんで、いろいろな話をたくさんお聞きすることができたと思っています。
 その中で、幾つかのことを私としては感じました。簡単に幾つか申し上げますと、まず一つには、ふるさとを本当にはるか遠く離れて、予想していなかった過酷な労働環境があったと思います。それから、生活や文化も日本とは全然違うものがあったというふうに思います。言葉も違っていたと思っています。そういうふうなものがありましたけれども、そういうふうな困難とか苦労を乗り越えて、自信を持ってしっかり力を尽くしていかれて、やがてブラジルの大地に根を生やすようにして生きてこられたというふうなことです。不撓不屈の精神といいますか、苦労を苦労とも考えない、本当にたくましい生き方というものを私は本当に心から感服をしたところであります。
 子供たちの様子も見ましたけれども、子供たち、よく家の手伝いをしているように私は話をしていて感じました。兄弟の世話もよくしていたというふうなことであります。実際、子供たち、小さい弟、妹の世話をして、遊んでいるところなども見たりしました。そういう意味で、家族の中で役割がきちんと担わされて、それを進んで果たしているような、そういう子供たちの様子を私は見ました。家族が強いきずなで結ばれているような、そういう感じも改めてしたところです。
 また別ですけれども、生け花とか、それから書道とか、こういうふうな日本文化に対するあこがれとか関心が非常に強いということも感じました。日ごろから皆さん集まられて、そういうふうな日本文化に親しむ場面をたくさん設けていらっしゃるということを感じました。そういう意味で、非常に感動を得たところであります。
 先ほどもありました第2アリアンサ村の鳥取村を訪ねまして、そこで日本語学校の子供たちと接する機会を得ました。本県から派遣しています木下孝子先生ですけれども、木下先生が非常にいい指導をしていらっしゃったというふうなことがあって、子供たちは一生懸命学ぶ姿勢を持っていました。私も簡単なテキストをつくって、6月の議会の合間を縫いながら簡単なテキストをつくったのですけれども、つくって持っていって、それをもとにして授業をさせてもらいました。45分か50分ぐらいの授業でした。短歌とか俳句とか現代史とか、なるべく簡単なもの、わかりやすいものということでやりましたけれども、一生懸命聞いていました。日本の子供たちも、よく頑張っている子もいますけれども、集中の度合いが違うのではないかなと思うくらい、よく授業を聞いてくれたというふうに私は感じました。
 そういうふうな意味で、訪問全体で、今日我々が少し失いかけているような、そういうとても大事なものというものにふっと気づかされる場面がたくさんあったというふうに私は思います。それが私の大きな収穫だったというふうに考えています。
 こういうふうなことがございましたので、鍵谷議員が今御指摘になりましたけれども、ブラジル移住の歴史ですとか、それから移住された方の苦労とか活躍ぶり、こういうふうなことを本県の子供たちにも伝えていく必要があるというふうに考えておりまして、今、簡単なリーフレットですけれども、これをつくって、学校のほうのそういう指導に生かしてもらえるような、そういうふうなことを今考えて取り組んでいるところでございます。
 今後もぜひ第2アリアンサの鳥取村の日本語学校への教員派遣、先ほど知事の答弁にもありましたけれども、ぜひできる限り続けて、支援とか交流が深まっていったらいいなというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)20番鍵谷議員


◯20番(鍵谷純三君)それぞれ御答弁をいただきました。
 汚染米問題については、昨日も伊藤美都夫議員のほうから述べられました。本当にとんでもない話ですね、これは。本当に国が責任を持ってやるべきことをほったらかしてやってきた。それから、特に公表された菓子業者の皆さんも、米子の業者もおられましたけれども、実際に風評被害というのはかなりやっぱりあると思うのです。ですから、石破大臣も消費者の目線でこれからはどんどんメスを入れていくのだと言っておられるから、そういうことに期待しますけれども、しかし、何でこんなことになるのだろうかなというのは、本当にやりきれない気持ちです。県民の多くの皆さんは、やっぱり食に対して安心ができない、安全なものかどうかということ、これを見きわめられないというような思いを持っておられると思っております。したがいまして、知事もおっしゃったように、昨日も述べられましたけれども、やっぱり県内で生産したものを県内で消費する、こういう地産地消の精神を県民の皆さんに本当に理解をしていただいて、こういった問題にも惑わされることなく、安心して食が進んでいくという方向にぜひ努力して頑張っていただきたいな、このように思います。
 給食についても一緒です。確かに材料の問題などもあるとは思いますけれども、できるだけそういう努力をして、給食でも賄うのだ、そういう方向でぜひ頑張っていただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。
 ブラジルの交流のことについても、知事、教育長から、教師派遣を継続をしていきたいというふうにおっしゃいましたから、本当にうれしく思います。今回の訪問が、知事並びに教育長が来られた、一緒に行かれたということが、今後の交流にすごく大きな意味を持ったと私は思いました。知事も大変お疲れだったですけれども、本当に一生懸命で現地の皆さんに話しかけられ、いろいろなお話をしておられました。そういう姿を見て、こういう広大な土地、豊富な資源、豊富な食料を持っている国というのはそうざらにないわけですから、そういうところと本当に密接な交流を続けていける、そういう下地が僕はできたと思います。そういう面で知事は大変でした、教育長も大変でしたけれども、教育長のほうもそういう特別講義をしていただいて、本当に歓待を受けられた。このことは今後に必ず生きると私は信じております。そういう意味で、ぜひとも、特に先生のことはありがとうございました。
 日本というのは本当に狭い土地の中で暮らしておりますけれども、やっぱり非常に高い技術力というのを持っていると思うのです。したがいまして、この技術力をブラジルで生かしてもらうための支援というものも友好関係構築の大きな手段だと思っております。現地で日本の技術を根づかせるためには、日本人の技術者を派遣することや、そして現地の日系人を研修生として日本で育成する、そういったこともやっぱり鳥取県としてでき得ることではないでしょうか。そういう意味で、現在、鳥取県における研修生の受け入れ状況、まずそれを伺って、今後この育成について知事はどういうふうにお考えになっておられるかということをお聞きをして、私の質問を終わりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、事故米問題について重ねてのお話をいただきました。
 議員がおっしゃるように、国が責任を持ってこのことはきちんとやるべきだと思いますし、それから菓子業者さんへの被害、これも重視をしなければならないと思います。この点については、例えば安全・安心のために私どもで協力できることがあれば、個別の業者さんにお伺いをさせていただきまして、考えてみたいと思っております。
 そして、県内での健康のための地産地消のライフスタイルをつくっていくこと、これこそ重要ではないかというのは、まさにおっしゃるとおりだと思います。給食のお話もございました。これも今食材の加工の仕方をいろいろ考えながら何とかふやしていこう、6割を目指していこうとやっております。このようにして、私たちのライフスタイルを海外依存型から国内依存、さらには県内で、地産地消の考え方でやっていくというように持っていかなければならないだろうと思います。
 これは私たち自身の健康にも役立つのだと思うのです。それから、子供たちの成長を考えてもそうだと思うのです。もともと体と土地とは二つならずと、身土不二という言葉なわけでありまして、私たちのこの体というのは土の中から、この地面の中から、この土地においてこそ生きられるのだということだと思うのです。子供たちもそれをわかっていますので、食農教育とか、そういうのも大変に効果があるのだろうと思います。せんだっても、私は伯耆町の丸山のほうでのフェスタに行きましたけれども、非常に子供たちも、また母親の皆さんも大変に喜んで稲刈りに参加しておられました。ああいうようなことを私はもっとふやしていかなければならないと思います。
 最近でこそ地産地消の市場が随分のぼりが目立つようになりました。こういうことで、本当に私たちが鳥取県に住んでいてよかったと言えるような食生活が導けるように「食のみやこ鳥取県」のアクションプランをこれからつくっていくなど、取り組みを深めてまいりたいと思います。
 次に、ブラジルについてお話をいただきました。過分なお言葉もいただきましたけれども、鍵谷県議も非常にお疲れの御様子も時々見せながら、よくあれだけのスケジュールをついていっていただいたと思います。ほとんど寝る間もないぐらい、時には夕べも寝れなかったわと鍵谷議員がおっしゃるのを心配して伺っていたこともありました。ただ、そうしてたどり着いた随分遠い土地ではありましたが、第2アリアンサぐらいまで参りますと、周りは今言われるようなバイオエタノールの原料になるようなサトウキビを植えているところでありますし、正直、日本のある一つの時間にタイムスリップしたかのような、そういう感覚すら覚えるところであります。そこにいた人たちが確かに日本のDNAを持っているな、ですから我々とこういう本音の話ができるのだなという、そういう時間も持たさせていただきました。そういう意味で、私たちはどういう貢献をブラジルで苦労した方々、その子孫たちにできるか、これからきずなを深め合って、私たちの暮らしにも還元できるかを考えなければいけないと思います。
 今、御指摘いただきました研修生、それから海外からの留学生、県費留学生につきましては、文化観光局長からその状況について御報告申し上げたいと思いますが、先般、議員の皆さんとも御一緒にその卒業生といいますか、体験者の方々と懇談をさせていただきました。その折にいろいろな御意見が出ました。例えば10カ月研修というのは、語学のことなども考えれば十分でないとか、そうしたいろいろな御意見を踏まえて、改善すべきところは改善しながら継続してやっていくことが必要だと思います。
 そして、さらにもう少し長い目で考えるならば、今、日本はいずれ労働力が不足する状況になってくると思われます。これは議論が分かれるところではありますが、現象面では全国で始まっております。例えば、このたび政令都市になりました浜松市では3万人を数える外国人の方がおられて、そのうちの1万6,000人とか1万7,000人という方はブラジル人でいらっしゃいます。日系のブラジル人であれば、日本のほうに比較的手続もたやすく入ることができますし、そしてこちらで合法的に労働を行うことも可能であります。これは、日本にとっても労働力ということになりますが、彼らもここで研修を積んで、それを持って帰って、あちらで生かすこともできるわけであります。こうした意味での人的な交流は、いずれ深まっていくことはあっても衰えていくことはないと思います。ですから、今はそうした交流事業としての研修生、留学生の受け入れをやりますけれども、さらに企業側が動態的に動きますので、それにあわせて私たちもブラジルの研修生などとのつき合い方も今後変わってくるかもしれないと思っておりまして、その際にはそれを受け入れられるだけの多文化共生の我々の社会を構築していかなければならないと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)ブラジルからの研修生の受け入れ状況について補足を申し上げます。
 海外技術研修生の受け入れにつきましては、県出身者子弟が県内の先端技術などを習得することによりまして、ブラジルにおきます社会的、文化的、経済的地位の向上でありますとか、鳥取県とブラジル県人会の交流のかけ橋となっていただくために、昭和63年度から実施しているところであります。現在まで鳥取大学、米子工業高等専門学校を初めといたしまして県立中央病院、あるいは民間企業などにおいても土木建築、福祉医療、企業会計、報道など、さまざまな分野で31名の研修生を受け入れているところであります。今年度につきましてもさかいみなと貿易センターでマルガレッチ・タエコ・フクサカさんが貿易、あるいは観光の勉強をなさっておられます。
 なお、この海外技術研修生とは別に、昭和40年度から県内高等教育機関におきましても53名の留学生を受け入れているところであります。今年度はファビオ・ユウジ・ニシザカさんが鳥大で機械工学の勉強をしていただいているという状況でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後2時09分散会
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