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平成20年9月定例会(第4号) 本文




2008年09月29日:平成20年9月定例会(第4号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 本議会に提案されております議案第10号「公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部改正について」に対し、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておきましたところ、同委員会から、お手元に配付している写しのとおり回答がありました。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案第1号から第47号までに対する質疑であります。
 それでは、議案第1号「平成20年度鳥取県一般会計補正予算」から第47号「専決処分の承認について」までを一括して議題といたします。
 これより、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 きょうから一般質問に入るわけでございますが、トップバッターとして2点通告をさせていただいておりますが、議長のお許しをいただきまして、通告しておりました項目に加えまして、このたびの中山国土交通大臣の辞任につきまして、まず知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 麻生政権が発足してわずか5日にして、みずからの失言により中山国土交通大臣がその職を辞するという非常に情けなく、また政治不信を増幅させる異常事態が昨日起きました。大臣辞任のきっかけとなった失言は、成田空港拡張にかかわる地元のごね得発言、日本を内向きな単一民族とする発言に加えて、日教組が強いところは学力が低いという発言でありました。前2つの発言は舌足らずとの理由で撤回、謝罪をされましたが、日教組発言につきましては撤回どころか、さらに日本教育のガンは日教組などという、もはや軽率などではなく偏見に満ちた、まことに悪質な発言を繰り返される始末であります。中山氏の大臣としての資質が不適格なことは言うまでもございませんが、閣僚人事を編成した麻生総理の責任についてもとても重いものがあると思います。
 平井知事はこのたびの大臣辞任のてんまつをどのようにお感じになり、また、首相の任命責任をどう思われるのかお伺いをいたします。
 さて、通告しておりました2つのことにつきまして順次お伺いをいたします。
 解散・総選挙が間近と報じられる今日でありますが、知事に政治に対する所見につきまして何点かお伺いをいたします。
 さて、私は政治は振り子のようなものだと常々感じております。振り子は説明するまでもなく右に左に揺れてバランスをとりながら安定を保っているのでございますが、国の運営もこのようにあるべきと思っております。これまで、日本の政治は自由民主党を中心とした政権の中で、総理がかわることにより、そのバランスが保たれているように錯覚をしてきたのではないかと思うのでございます。しかし、世界的にはこれは異例のことであり、バランスを保つ方法はやはり選挙による政権交代が一般的であります。一つの組織が自在にいろいろな方向を向いてバランスをとることには限界があることを国民は意識し始めたのではないかと思うのでございますが、知事はいかがお考えでしょう。現政権が多くの国民の期待に沿えないときは、国民の審判により二大政党制のもとに当然のように政権交代が行われることこそ成熟した民主社会だと思いますが、この点につきましても御所見をお伺いをいたします。
 去る9月1日の福田首相の辞意表明は突然のことであり、まことに驚きでありました。安心実現内閣として出発した福田丸は国民目線で改革の方向性は打ち出したものの、民主党の抵抗で前に進むことができない、新しい体制で臨んだほうが政策の実現ができるという理由での辞任でございました。しかし、これには大方のマスコミが説明になっていないとの論調で酷評しておりましたが、私も同感であります。
 2005年に郵政民営化を単一争点とした総選挙で自由民主党が歴史的な勝利を飾りながら、この3年間に日本のリーダーが3人も入れかわるというのは異常であり、特に北朝鮮の拉致問題では再調査の日程が延期されるなど本県にも直接の影響が及んでおり、国益を損なっていることは紛れもない事実であります。さらに、新内閣の重要課題でもあり、総選挙の争点になっていくと見られる後期高齢者医療制度の見直し問題も急浮上し、制度を運用する自治体からは突然の方向転換に困惑を隠せない声も上がっているのでございます。これらの点について、知事はいかがお考えでございましょう。
 また、平然と2度も途中で責任をほうり出す姿に国民は半ばあきれ、一層の政治不信を増幅させたことは間違いなく、総理及び与党の責任は極めて大きいと思いますが、この点につきましても知事の御所見をお伺いをいたします。
 全国学力テストについてお伺いをいたします。
 8月11日に、県教育委員会は全国学力テストの市町村別、学校別の結果の開示を求めた不服申し立てに対しまして、鳥取県情報公開審議会の開示が妥当との答申とは異なり、2007年度結果及び2008年度結果の非開示並びに2009年度以降の情報公開対応の今後検討を多数決で決定をされました。このたびの問題に関しては、県教育委員会は情報公開の重要性を認識しつつ、テストが非公開を前提に実施されており、学校現場、市町村教育委員会との信頼関係に深刻な影響を与える懸念があること、過度な競争、序列化が惹起される懸念があることといった観点を含め、単に情報公開のあるべき姿というだけではなく、教育行政遂行の総合的な面から悩み抜いた上で決定が下されたものと私は理解をいたしております。情報公開条例第19条第2項では、情報公開審議会の答申があったときは、実施機関はこれを尊重して速やかに不服申し立てに対する決定をすべき旨を規定をしておりますが、決定に際しては審議会答申に従うことまで求めてはおりません。
 今回の件について、県教育委員会に閉鎖的体質があるとか、情報公開に関して無理解といった観点だけで批評がなされている感がございますが、これだけ開示に関する圧力がある中で総合的な判断として合議の上、冷静に非開示を決定したことは、委員会が組織として健全に機能いたしており、存在感を発揮したのではないかと私は評価をするのでございますが、知事、教育委員長はいかがお考えか御所見をお伺いをいたします。また、教育委員会の中で唯一開示に賛成の意を示された教育長にもあわせてお伺いをしたいと思います。
 知事や教育長はかねがね学力テストの結果を開示し、学校だけに教育を任せるのではなく、県民・地域住民・保護者と情報を共有化し一体となって教育に携わっていくことが必要という旨の発言をされておりますが、しかし、学力テスト結果の情報を共有化して一体どうされようというのか、その具体的なイメージが私にはわきません。お二人はそれは結果を出してから関係者間で話し合って具体化すべきものとお考えなのかもしれませんが、それでは開示に積極姿勢を示される者として説明を果たしていないと私は思うのでございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、情報を共有化し具体的にどのような活用をイメージされているのか、知事、教育長にお伺いをいたします。
 去る8月21日の会見で知事は、将来的には教育委員会の廃止論、あるいは全体的見直し論を述べられ、さらに9月9日にも市町村の開示度合いによる予算の傾斜配分をしたい旨の発言をされております。この発言の趣旨は今定例会の代表質問で既にお二人の方が議論をされておるところでございますが、何か釈然としないのでございます。
 そこで、改めてお尋ねしてみたいと思います。教育委員会は戦後、政治からの中立公正性を保つため、首長部局とは分離独立してきた歴史がございます。知事は当然これらを御承知の上で発言、コメントをされているわけでございますが、知事は県民から負託を受けた首長であり、最高政治責任者としての権力者でもございます。今回の発言は最高政治責任者の立場からしても極めて不用意な発言であり、教育行政の根幹を揺るがしかねない発言であったとの印象を私自身は払拭できないのでございます。このことにつきまして、教育委員長はいかが思われたのでございましょう。御所見をお伺いいたします。
 また、開示度合いによる予算の傾斜配分の発言につきましても、教育の機会均等を否定しており、能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有するとする憲法第26条第1項に抵触するものと思います。
 さらに、地方分権の旗振りの一方で、自身が財源を背景にした権力で市町村に揺さぶりをかけるようなやり方をとることは、地方分権の観点からも看過できない発言でございます。今回の発言は全く問題はないとの認識に立っておられるのかどうか、いま一度県民に納得のいく説明を知事に求めるものでございます。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)山田議員の一般質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、昨日、中山国土交通大臣がやめるということになりました。わずか約90時間という在任期間でありまして、そういう意味で非常に短い、あっという間の大臣期間だったわけでありますが、その原因となったさまざまな発言、そして、任命責任についての議論が闘わされているわけであります。このことについて所見を問うということでございます。
 私は中山国土交通大臣、とりわけ成田空港も所管をされる大臣でありますから、それについては、まずは事務局の皆さん方、あるいは地元の方々とよく話をした上で、例えばごね得であるかどうか、そういう発言をなさるべきであったと結果論としては思っております。
 同じように、他の事象についても政治家としてよくよく検証しながら、御自身の信念のことを述べる自由は私はあるとは思うのですけれども、ただ、その表現の方法なりなんなり、いろいろなところについて配慮をしながら発言をするという態度も必要ではないかとは思います。
 ただ、今回の事象について、特に成田空港の問題など、所管にまたがることも含めて、事実をよく確認せずに行っているのではないかという、そういう疑念を私はぬぐい去ることはできません。
 そして、任命責任についてのお話もございましたが、麻生総理がみずから認めて任命したこと自体は事実でありまして、その限りにおいて、責任はあるとは思います。ただ、今回、これまでとは違いまして、きょうから所信表明演説、いよいよ本格論戦が始まるわけでありますが、それに先立って大臣の任を解いて、そして、金子新大臣を任命したと、非常に速やかな対応であったと思います。そういう意味で、国政の混乱を最小限に抑えようという、そういう意味での責任ある態度は貫いておられたのではないかなと私は今のところ思っております。
 いずれにいたしましても、こうした舌禍事件だとか、舌禍が起こるのではないかということで、はらはらどきどきして世間が注目をするというのは、私は民主主義の政治としてはまだまだ未成熟な部分があるのかなと思います。
 むしろそうしたことをまずは卒業して、今、当面の経済対策など、急がれる課題について国会全体として取り組んでいただきたい、それが現場の切なる願いであります。
 次に、民主政治の政権交代についてのお話がございました。
 これまでの日本は自由民主党を中心とした政権の中で総理がかわることでそのバランスがとられていたわけであるが、これは世界的には異例なことであると。一つの組織がいろいろな方向を向いてバランスをとることに限界があることを国民が意識し始めたのではないか。また、国民の審判によって二大政党制のもとに政権交代が行われることこそ成熟した社会のあり方ではないか、こういうように議員のほうで説かれたわけであります。これについての所見をということでございますけれども、私はいろいろな政治タイプが世界じゅうには存していると思います。
 これまでの自民党中心の与党のつくり方について、今御指摘はあったわけでありますけれども、これまで長いこと日本国は大正14年普通選挙の導入以来ずっと中選挙区制を一つの基軸として持ってきました。戦後初めての選挙のときには、2人定員制という特異な選挙制度をとりましたけれども、3人から5人で選挙区をこしらえてくる、こういう制度をとってきたわけであります。これは世界的に見れば異質な制度でありまして、その効果は、比例代表に非常に近い効果であったというように総括をされております。すなわち、例えば3人区であれば4分の1の投票を得れば当選ができる。5人区であれば6分の1の投票を得れば当選ができるという可能性があるわけでありまして、そういう意味からいたしますと、これは少数派であっても国会議員としての議席を得て、国政における政策形成に参与できると、そういう仕組みでありまして、セミプロポーショナルといいますか、準比例代表制の仕組みであったと言われています。こういう比例代表の制度をとっているのは、今日、西側諸国でいえばヨーロッパを中心として非常に活発に行われているわけであります。
 この比例代表選挙のいいところは、議会の構成として国民の民意が比例的に反映できるということでありますが、その他方におきまして、与党が形成しにくい、単独の選挙で単純多数をとることが難しいという、そういうデメリットがありまして、だから、政治選択を国民が表現しにくいという、そういうデメリットがあると言われています。
 このような比例代表選挙のもとで、ヨーロッパではえてして連立政権が組まれることが多いです。ドイツなどは典型的に見られるわけであります。少数与党が分離する可能性があるわけですね。それを排除しようと思って、例えば5%得票を得ないと議席を得られないというような阻止条項という条項を設ける工夫などもなされますけれども、それでも限界があるわけでありまして、小規模の政党が分立をする。これがお互いに選挙後に話し合って政権をつくるという、そういうパターンが多いわけであります。
 これと対照的に小選挙区制の場合ですと、一般的には二大政党制を導くと。2つの政治勢力が勝った負けたで国民の信を問うという選挙形態が定着をしてくると言われているわけであります。
 自民党の戦後長い55年体制と言われる後の政権の樹立の仕方でありますけれども、かなり広い分野の政治勢力を背景にしていたと政治的には分析をされているわけであります。保守と中道とが合わさって一つの政党の体をなしている。ですから、その中にはいろいろな考えの方の人たちがいるわけでありまして、そこがお互いに連合を組んだりしながら、自民党という中でのヘゲモニーを争うということになってきたわけであります。
 ですから、これはそのたびに総選挙がありまして、小党分立に近い派閥のようなものがお互いに分立をしまして、それで選挙を戦い、選挙後に多数派を形成して首相を選ぶというやり方でありますので、私は決してこれは民主政治に反するものであったとは思いません。これ自体も一種の民主的なやり方でありますし、保守、中道の連立政権がずっと樹立をされてきたというのがこれまでであったのかなと思います。
 ただ、その中におきまして、政治改革を行おうという議論が起きたわけでありまして、それで、小選挙区比例代表並立制が平成6年に導入をされたわけであります。これによりまして、小選挙区制が約6割の決定権を持つ、ですから、国民は政治的な多数を国会のどの政党が形成すべきか、これを握るチャンスがふえたわけであります。
 また、比例代表も同時に導入をしておりますので、少数政党であっても議席を得ることができ、国会での発言の資格が与えられる。日本的な思想で、小選挙区のいいところと比例代表のいいところをそれぞれ組み合わせたような制度をつくりたいというのがこのやり方だと思います。
 新しい選挙制度になりましたので、これからは二大政党制へ向かっていくモチベーションは高まると思います。比例代表がある範囲におきましては小政党であっても議席を送り続ける可能性はあるわけでありますが、国民の関心がだんだんと大きな政党の意見の違いへと注目をしてくるようになるわけでありまして、二大政党制へと向かっていき、政権交代が定期的に行われる可能性が出てくる。そういう時代になってきているのではないかと思います。
 この二大政党制ができて政権交代が行われることこそ成熟した政治形態ではないかと山田議員はおっしゃるわけではありますが、私はそれだけでは多分足りないと思います。今の政治状況を見てもやや不安があります。結局それぞれの大きな政党がお互いのとりでの中に立てこもってしまって、国民の生活だとか、あるいは経済の発展だとか、あるいは外交だとか、大きな大きな政治課題を議論すべき場が国会であるのに、それが単なる政権抗争のための場に転化をしてしまうという危険性をはらむからであります。
 二大政党制の欠点の一つとして言われますのは、結局政権交代のたびに、先ほど山田議員は振り子という表現を使いましたが、振り子のように振れてしまう。この振り子の幅が大きいと社会は大変革をするわけでありまして、これはメリットとして大きな政治的な転換を図ることができるというものもありますけれども、また、小泉構造改革でよく言われるわけでありますが、大きな改革を起こすと痛みも大変に大きくなるというデメリットもあるわけであります。また、この振り子の振れを大きくやろうと思うがために政権抗争を精力的に行うと。それで政治的な精力を使い果たしてしまって、本当の意味の政策を争う国民のための政治がなされなくなってしまう危険がある。また、意見の違いがあることは当然でありますが、その意見の違いというものを前提として本当の意味で国民、国家のために妥協を行っていく、そのための討議を行う、これが失われる危険があるのも二大政党制の弊害の一つではないかと考えます。
 ですから、政治的な成熟ということでおっしゃるのであれば、私はあわせて政治的な討議を国民目線、あるいは国家の大局の上でやっていく、そういう政治文化が醸成されることが必要でありますし、妥協するということも、協議の上で妥協して国民の最大幸福のための結論を導いていく、そういう文化も政治的には必要ではないかと思います。この点において、まだ日本の国政というのは成熟さが欠けている点があるのではないかと思います。
 次に、福田内閣について御指摘がございまして、この3年間で日本のリーダーが3人も入れかわると、そういうことで国益を損なっているのではないか。また、後期高齢者医療制度の見直し問題が浮上しているなど、現場の混乱があるのではないか。総理、与党の責任は重いのではないかという、こういう御質問でございます。
 私も短期的にころころと政権がかわっていくのは不正常な状態だと思います。そういう意味で、今の国政の状況というのは、国民生活にとって、また、国にとっても不幸なことではないかと思います。特に大きな政治決定が今スムーズになされていない。当面経済対策を総合的に行うことが必要でありますが、これができ得ていない、今日なおでき得ていない。だからこそ国会を開こうとしているわけでありますが、そういう状況もあるわけであります。
 ですから、今は決して評価できる状況ではないと思います。ただ、この原因をつくったのは、先ほども申しました、まだ国政における民主政治の未成熟の部分があるのではないか。二大政党制が制度というか、現実問題としてはクローズアップをされて、それがほぼできつつあるように見えますけれども、その弊害のほうが目立っている面があるのではないか。ですから、ただ単に与党側、政権側のほうに責任を押しつけるわけにはいかない状況ではないかと思います。
 後期高齢者医療制度の見直しなどを行うことが混乱になるのではないかという点でありますけれども、私はぜひ後期高齢者医療制度を見直されたらいいと思います。出直し的な見直しを行って、今、国民の間で支持を失いかけている面については、すっぱりと改める必要があるだろうと思います。だからこそ、総選挙という機会もあるので、この機会に論戦を張って具体的な論議をしていただきたいと思います。これにかかわりません、今、行き過ぎたいろいろな改革があるのであれば、その辺は見直していただくことは、私は、現場は混乱するかもしれませんが、国民のためにはいいことではないかと思います。ただ、その際に市町村とか、あるいは県も巻き込んで制度改正が次々と行われてきていますので、そうした地方に対する配慮、また、現場が混乱しないための施策、応急手当もぜひあわせて議論していただきたいと思います。
 総理、与党の責任は極めて重いではないかというふうにおっしゃるわけでありますが、私は与野党こぞって国難に対処する姿勢こそ必要ではないかという気持ちもあります。
 このたび、アメリカにおいて景気が非常に悪くなってきている端緒があらわれました。これは金融不安であります。これについて、ホワイトハウスに大統領が与野党両方の大統領候補を呼びました。マケイン候補、そして、オバマ候補を呼んで議論をしたわけであります。そのかいあってかどうかわかりませんけれども、今、与野党という壁を乗り越えて、7,000億ドルと巨額のものでありますが、最高そのぐらいになるかと思われる金融対策を今打とうとされているわけであります。
 こういう柔軟さが、今の日本の国政の中に欠けているのではないかと思います。近々選挙が行われることで硬直さが増しているのかもしれませんけれども、選挙後も同じような状態になってしまったら、国民の不幸は覆いぬぐえないものがあるだろうと思います。そういう意味で、私は与野党ともに国政についての考え方をよくよく改めていただきたいと思う次第であります。
 次に、全国学力テストについてのお話がございました。
 まず、第1点目として、県の教育委員会がこのたび全国学力テストの開示問題につき、合議の上、冷静に非開示決定をして、存在感を発揮したのではないかと、所見を問うというお話でございます。
 これは教育委員会の中のことですので、余り私のほうであれこれコメントすべき立場ではないだろうと思います。しかし、お尋ねでございますので若干申し上げれば、今回私は議論として成果があったといえば、これは全国の注目がこの鳥取県の教育に集まったことではないかと思いますし、なかんずく県民の皆さんがこれを契機に教育について語る、そういうきっかけができたことではないかと思っています。
 その非開示決定自体は教育委員会の権限の中でありますので、これについて私のほうであれこれ申し上げるべきことではないかもしれませんけれども、この中でいろいろな議論がなされて、条例の考え方でありますとか、県民の知る権利にかかわることでありますとか、教育の現場のことや、さまざまな環境について話し合いが持たれたと伺っています。そういう意味ではいい機会であったと思いますし、教育委員会で苦労されて結論を出されたこと自体は、私は率直に評価をさせていただいております。
 ただ、この結果で私は存在感がすべて高まって、よかった、よかったということではないと思います。むしろ、これから先が大切なのではないかと思います。
 ここに至る過程でも幾つか不可解なこともあります。例えば、定点観測でしております県民アンケートでは4分の3の人が開示をしろと言っていました。ですから、広く県民の中では4分の3の方々は開示に賛成というような考え方であったのではないかと思うのですが。パブリックコメントになりますと9割の人が、わずかの期間でありますけれども、大変多くの意見が集まって、反対というようなことになったわけです。余りにも顕著に分かれる、これは何でか。恐らくいろいろな思いの人たちが大量に意見を送られてきているという面もあるのではないかと思うのです。
 ですから、私は冷静に判断ができたのかどうかというのはまだまだ検証が必要なのではないかと思います。その是非については教育委員会の考え方でありますので、最終的には権限は向こうにあるということをあえて申し上げたいと思いますが、私はこれで解決していない。これから先、では本当に開示をするということの必要性はないのかどうか。私はこの場でも大分議論がありましたけれども、教育行政といえども行政の一端でありますので、ですから、県民の皆様が納税者として私たちの教育の状況はどうなっているのか知りたいと言えば、最大限の情報開示の努力はされるべきではないかというのが基本的なものだと思います。ただ、その上でこういう面で教育的な弊害が起こるのだということであれば、具体的なその弊害というものを御指摘をいただいて、そして条例の条文に問題があるのであれば、それを変更すべきだという議論を教育委員会のほうで考えていただきたい、私はこれを教育委員会のほうに申し上げましたし、その相談にはぜひ乗りたいと思います。
 あと、開示に当たる環境整備が必要かどうかというような議論とか、今後の道行きでありますけれども、相変わらず開示請求は出てくるわけでありまして、そういうものに対してどうやって恒久的に対処していくのか、そういう基本的な方針などはまだ21年度の問題として決めておられないわけでありますが、その中に、いろいろと改めてもう少し時間を置いて議論をしていただくことも必要ではないかと思っております。ですから、私は今のままで評価が固まるような、教育委員会が存在感を発揮できた状況だという段階ではまだないだろうと思っております。
 次に、同じく学力テストについてでありますけれども、学力テストの結果を開示をしてその情報を共有化していくということだけれども、具体的なイメージがわかないというお話でございます。
 それはどういうことかということでありますが、これはたびたびここの議場でも申し上げていますけれども、私は一つのモデル的な支援のあり方として、情報を地域、あるいは保護者の皆さんと共有をされて、その上で学力向上だとか、あるいは徳育だとか、あるいは体力の育成など各般にわたることで結構でありますけれども、学校の現場とタイアップして、地域が一緒になって教育力を上げる取り組みをされるところ、私はこういうのを応援していってもいいのではないかというふうに申し上げているわけであります。もちろん、これは教育委員会の権限のことでありますので、教育委員会でよく考えていただき、予算の案とかあれば私は率直に相談に乗りたいということを申し上げているわけであります。
 そういう中で、情報の共有化ということを申し上げたわけでありますが、あえて共有化という言葉を使っているわけです。これは、開示請求というのは納税者の方などがこの情報を開示してもらいたいということで開示請求が来てお知らせをするという内容であります。これは個別的なものでありますし、その範囲というのは限られたものだと思います。
 公表といえば、これは市町村の教育委員会などが世間に大っぴらにすべてを明らかにするということであります。私は市町村も一定の公表すべき情報は今回の学力テストでもあると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それとあわせて、私が使っております共有というのは、そういう形にとらわれずに、それぞれの地域や学校で考え得る共有の仕方というのはあるのではないかと思います。
 例えば、この間教育委員長のお話にもありましたけれども、特別支援を必要としているような子供さんもいるではないかということであれば、そういうところはあえてデータの上から外して、共有をするような情報をつくるということも可能かもしれません。あるいは、いろいろな学力テストの中の背景にあるような、データを分析をするのに必要な参考情報などもあわせて開示をするというようなこともできるかもしれません。それは、共有される情報の使い方についてはこういうようにしてくださいねと地域や家庭の皆さんに呼びかけることも可能ではないかと思います。
 そういうような努力を私はぜひこれから考えられてもいいのではないかと思うのです。一律に学校の現場だけで情報を独占してしまうのが、私は正しいとは思いません。大分県の教育委員会などと言うとまた中山大臣になぞられそうですけれども、大分県の教育委員会などは典型的でありまして、やはり教育現場と言われる教育委員会と学校との結びつきの中で、教員中心の情報のやりとりだけがある。そして、外には余り開示をされない。その中ではいろいろな不正が起こるかもしれない。こういう余地はあるわけでありますから、私はむしろ学校の現場といえども聖域ではないのでありますから、地域と一定の情報の共有化が図られる、そういうことがあってもいいのではないかと思っています。ただ、いきなりは無理かもしれません。ですから、モデル的な事業などで、そうした地域の協力が得られるところでやっていく、そういう取り組みがモデル的に始まってもいいのではないか、そうであれば応援する余地はあるのではないかというように申し上げておるわけであります。
 次に、同じく教育委員会関係でありますけれども、一つは教育委員会の制度の存廃も含めて見直しをすべきと言ったこと、開示の度合いによって予算の傾斜配分を行うと言ったこと、これらは失言ではないか、そして、地方分権の観点に反するのではないかと、こういう御質問でございます。
 これもこの議場でたび重ねて申し上げたことでありますので、詳細は余り深入り申し上げるつもりはございませんけれども、戦後、政治的な中立性を保とうということで教育委員会制度が始まった。それ自体は事実であります。しかし、その後いろいろな制度改正もありまして、公選制はなくなり、教育委員会の制度だけが残ってきております。教育委員会の制度があれば政治的な中立があり、なければ政治的な中立がないのかというのは、私は必ずしもそうとも言い切れないと思います。
 例えば、先ほども問題にされた中山国交大臣でありますけれども、中山国交大臣は文科大臣も務められていたわけであります。政治が介入する余地は国のほうにおいてむしろ大きい状況になっているわけであります。地方のほうでは教育委員会を強制して、国のほうでは何もない、これはやはり制度として一貫性がないのではないかと思います。ですから、私はこれは率直に言って、納得できないといいますか、よくわからないところだなとつくづく思います。
 政治的中立性を保つということであれば、そのための仕組みはいろいろあるわけです。例えば私たち執行部の側でいえば、執行部はすべて、教育委員会もそうでありますが、政治的中立性というものを公務遂行の中に求められ、地方公務員法上の制限があったり、あるいは公務員としての規律の問題があったりしております。これは教育委員会でも今もあるわけであります。なお政治的中立性を担保すべきだと言えば、例えば、特に政治的なカリキュラムだとか、教育内容に問題があるのでしたら諮問機関を設けるとか、一定の縛りをかけることも可能かもしれませんが、一から十まですべての意思決定を委員会でなさなければならない必要が本当にあるのかどうか、政治的中立性との関係からいえば、そこは私はさらから議論されてもいいのではないかと思っております。
 結局、今の教育委員会制度が予算権だとか、人事権だとか、いろいろな意味で中途半端になっています。それは厄介なことであります。だからこそ、今の学テの公開問題についても、教育委員会で私は話し合わなければ最終的には結論が出ないのではないかと思うのですけれども、予算だとかさまざまなことも含めた権能が今与えられている状況になっていないとか、教育委員会制度は市町村と県との関係も含めて、問い直されてもいいのではないかと思っています。私は、これは地方制度調査会などでも議論されていることでもありますから、何ら議論されることには不都合はなかろうと思います。
 次に、今回の私の発言についてでありますけれども、私は開示の度合いだけで教育予算を減額したり増額したりということを申し上げているわけではないのです。モデル的なところがあったら、そういう予算を教育委員会が考えるのであれば、私はその応援の予算、私のほうでもそれ相応の検討をさせていただきたいと、こういうふうに申し上げているわけでありますから、やや、議員の御指摘のところはちょっと私の本意とは違うのではないかと思っています。
 また、地方分権の観点に反するのではないかとおっしゃいますけれども、私は教育こそ分権的に処理されるべき課題だろうと思うのです。ですから、教育現場が地域と結びつく中で私たちの地域はこういう教育をしたいという、そういう動きをもっともっと強めるべきだろうと思うのです。
 最終的には一人一人の子供の幸せでありますから、国のほうから流れてくることだけで決めるべきではない。そうした分権的な教育を促進させるという意味で私は提案申し上げているわけでありますので、分権の観点に反するとは思っておりません。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)山田議員から、まず、我々の今回の学力調査の対応について評価をいただきました。ありがとうございます。
 実際、今回の問題というのは非常に大変でした。さまざまな視点があり、それぞれがやっぱり事実に基づきながら意見を言う、それをどうまとめるかというのは、なかなか大変なことでした。ただ、我々そのときに思ったのは、少なくとも今回の議論はきちっと公の場でそれぞれが信念に基づいて話そうということで、いろいろなマイクの前で話し合いました。なかなかなれない我々がそうしたことをするのは大変だったのですけれども、その大きなねらいは、もちろん非開示、開示ということを決定しなければなりませんが、それと同時に、先ほども知事がおっしゃっていたように、多くの県民の方に教育に関心を持っていただき、そして、この学力調査一つとっても、どう考えたらいいかということをみんなで考えていただきたい、そういう思いがあって、できるだけ公開で話そうということにいたしました。
 残念なのは、ややもすると、今回は仕方がないのですけれども、非開示、開示ということだけの議論に分かれて、マスコミ等もそちらの話になりましたけれども、本来はこの学力調査をどう使って、そして、それを子供たちの教育にどう生かしていくのか、あるいはこれは使えないのかというのを県レベル、市町村、学校レベルできちっとやっていく、そういうことは、これから我々第2ステージ、セカンドステージの中でやるべきことかなと、このように思っています。
 いずれにしても、今回そうしたことを次のステージできちっとやっていきたいと思います。県議会の皆さん方にもぜひ御理解、御支援いただければありがたいと思っております。
 知事の御発言についての所感ということでした。
 1つは教育委員会制度、もう1つは今回の市町村、学校でのそうした情報共有について県が支援すること、こういうようなことについてどう思うかという、こういう御質問だったと思います。
 正直、私、記者会見の内容、両方についてということは、マスコミを通してしか知っていないので、ちょっと申しわけない言い方ですけれども、マスコミの場合、今回のことは、ややもすると非常にセンセーショナルな見出しというようなことで、真意が伝わらないということが非常に多かったような気がいたします。
 きょう、改めて山田議員からの御質問、あるいは前回内田議員とか稲田議員からの御質問に答弁に立たれた、そうした知事の答弁についての所感を述べさせていただきたいと思います。
 まず、教育委員会制度についてですけれども、同感だなと思うところもたくさんあります。一つは、例えば知事部局、あるいは市長部局とこうした教育委員会という中で、独立性と言いながら実態はかなり中途半端だなという感じがいたしました。予算権の問題であるとか、あるいはその他いろいろな部分で中途半端な状態であるなということを一つ感じていました。
 もう1つ、教育委員会と言うときに一般県民の方から見てわかりにくいなと思うのは、いわゆる事務局という教育委員会と狭い意味の教育委員会、我々教育委員だけでこうというレイマンコントロールの部分とこういう部分がごちゃまぜになっていて、なかなかわかりにくいのだろうなというこういう感じを受けました。戦後何十年間こうして培ってきた一つのよさとしてレイマンコントロールがあると思うのですけれども、私はその一人としてかかわっているのですけれども、これも実際大変だなと思ったのは、例えば、このところいろいろな教育委員会にかかわる仕事ということに関して、時間的にも、労力的にも、精神的にもいろいろな部分で本当に教育委員会べったりというのは事実です。これは、非常勤職のレイマンという形、一般職でやれる仕事なのだろうか。ここら辺はちょっと整理しないといけないのではないか。確かにこれは各都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会によって物すごく温度差があるような気がいたします。一生懸命やればやるほど、今言ったようにレイマンということではやっていけなくなっていく、こういうものをどう考えたらいいのだろうというのを、もうちょっと整理をしていく。とはいえ、戦後何十年培ってきた中立性とか、あるいはレイマンのよさとか、あるいは継続性というのを担保しながらどうつくっていくかというのは、やっぱりいろいろなところで議論し合っていいのではないか。これが私の考えであります。
 2つ目に、市町村や、あるいは学校が、学校だけではなくて保護者の方、あるいは一般のそうした住民の方が情報を共有する。そういうことに対してモデルをつくって支援をするということ、これは知事がお話しになりました。当初我々に聞こえてきたのは、ややもするとそれを非開示、開示ということにひっかけてという御発言がいろいろなところから聞こえてきたのですけれども、お話を聞いたら決してそういう意味ではないという、そういう意味であれば我々が一生懸命やっているところを支援するということは、これは一方で一つのあり方としてあっていいのではないかと、このように思います。
 しかし、一方で私が思うのは、これからもっと支援を必要とするというときに、教育的な視点からいえば、前回もお話をさせていただいたのですけれども、特別支援、あるいはそれに近い子供たちがたくさんいて、なかなか悪戦苦闘しているところ、あるいは経済的に、あるいは社会的にいろいろな意味でまだまだつらい状況にあるそうした学校、こういうものにいかに目配りをしていくかという、こういう支援のあり方というのがもう一つ必要なことではないかと、このようにも思っております。
 いずれにしても、これから教育委員会として一生懸命こうした支援をするに当たっても、知事といろいろと御相談をさせていただきながら御理解、御支援いただきながら進めていって、県全体の教育力が充実するように努めていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)山田議員から2点御質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。
 まず1点目ですけれども、全国学力・学習状況調査のこの開示、非開示の問題に関連して、県の教育委員会として非開示というふうな決定をしたのだけれども、これについての教育長の所見をという、そういうお尋ねでございます。
 これについては、非開示を決定した経緯ですとか考え方については以前から教育委員長さん答弁しておられますので、それに譲りたいと思います。
 ただ、私はこれも少し述べましたけれども、今回の開示、非開示の協議をするに当たっては、もちろん教育長でありますけれども、教育委員でもありますので、教育委員の一人として自分の考え方をしっかり持ちながら、その協議の中に入らせていただいたということでございます。
 2つ、私は柱がございました。
 1つは、鳥取県の情報公開条例というのは、極めて高い理念で私はできているというふうに思っております。そこで、設置が認められている情報公開審議会、その答申を、内容を見たときに、その内容についても私は首肯できる部分が大きいというふうなことから、これについては尊重すべきという、そういうふうな考え方を私としては持っておったというのが一つでございます。
 もう1つは、今日的な教育をめぐるいろいろな課題というのがありますけれども、これは、絶対に学校関係者、あるいは教育委員会関係者だけでは私は対応し切れないものがあると、これについては本当にみんなで教育を何とかしようというふうなことで、その方向性で情報をしっかりみんなで共有して、みんなのものとしてそこからいろいろな検討をして、課題を見つけ出して、その課題についてみんなで向かっていこうと、対応を考えていこうというふうな、そういうふうな考え方というのは基本的には絶対大事だというふうな、そういう信念を私は持っておりましたので、それについて、その柱に沿ってお話をしたところであります。
 これも先ほどからお話出ていますけれども、開示と公表とが今ごちゃまぜになっているような感じがありますけれども、開示は開示請求を個々の方が請求されて、それにこたえるというような形であります。公表はもっとたくさんの人に公表していくということであります。今回は開示を請求された方にも、それはだめですよと、非開示になることも私は今のみんなで情報を共有するという点においては、たった1人であってもそれは、例えば家族の方が自分の子供の行っている学校とか、市町村のほうの状況を知りたいというときに、それについても開示をしませんよということは、1人であっても、あるいは2人であっても、3人であってもそれは情報を共有するということにはつながらないのではないかなという意味でありますので、できるだけ公表を広くしていくというのが一番でありますけれども、あわせて両方の点から私は必要なこととして考えているところであります。
 そういうふうなことで、議論する中で私は申し上げましたけれども、ただ、これも申し上げましたけれども、最終的に教育委員会で決定をしましたので、私はその非開示の決定はきちんと尊重して、これに従って教育長としての業務を適切に遂行していくという、こういう考え方を持っているところでございます。
 もう1点目です。全国学力・学習状況調査の結果の情報を共有して、具体的にどういうふうな活用をしていくというのか、イメージがわかないというふうなことのお尋ねでございました。
 この調査は2つ御存じのとおりあります。1つは教科に関する知識ですとか活用力を問うというふうな意味での学力の調査。もう1つは生活習慣とか学習状況に関していろいろなことを問う、質問紙の調査というこの2つでございます。
 この2つがあるのが私はとても大事な調査だと思っているところであります。このものを、この調査を各学校とか市町村の教育委員会では使って、課題をいろいろ検討されて、その結果いろいろな対策を考えられて、授業改善などに取り組んでいらっしゃるというところは私はとてもすばらしいなというふうに思っているところであります。
 そういう意味で、いろいろな状況がありますけれども、この効果をより広く本当に効果あるものにするためには、さっきから言っていますように、保護者、地域、県民が一体になって取り組んでいくと、その際に漠然とした情報だけではなくて、やはり細かい情報を提供するというのは一緒に考えていくための必要な基本的なことだろうと思っています。
 情報を具体的にどのように使うのかというお尋ねでありますけれども、例えばこれは私が考えたりしているところでありますけれども、幾つか申し上げます。
 一つは、例えば家庭学習の時間が少ないというようなことが背景にあるというふうなことがわかってきた場合、あるいは授業に子供たちが集中しにくいというふうなことが分析の中でわかってきた場合は、それは学校と家庭、これが連携して、家庭では宿題をちゃんとしましょうね、自主的な勉強をしましょうねというふうな、そういうふうなことの取り組みを行うことに使えると私は思っています。
 あるいは、国語のほうがどうも苦手でしたねというふうなことがあったときに、学校、地域、家庭なんかで協力して、例えば、国語の力は一つは読書と関係があるねというふうな、そういうふうな分析がなされたら、読書をしっかりやりましょうねというふうなことにつなげていったらいいのではないかなと思っています。
 あるいはまた、教員の指導法がまだまだもうちょっと工夫がされてもいいのだなというふうな、そういうふうな結果が出たら、校内外への研修等を通じて、指導法の工夫をさらにしていくというふうなことにも私はつながるというふうに思っています。
 今、ちょっと必ずしもよくない場合のことを言いましたけれども、いい場合ももちろんあるわけで、自分たちとしてはなかなか頑張っているねというふうなことがあったら、よかった原因や理由を分析して、学校のより一層いい教育活動のほうに生かしていったらいいのではないかなと、そういうふうなことも考えているのであります。
 そういう意味で、県、市町村、学校がそれぞれの立場で、できるだけ公表をしていくことが望ましいというふうに私は考えているところであります。
 教育委員会としても、御案内のとおり、東、中、西の3地区ごととか、郡部、市部ですとか、規模別の学校とか、こういうふうなことを分析してお示ししました。そういう違いがほとんどなかったというふうに私は考えていますので、そういうことの活用の仕方もあるのではないかなと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)御答弁をいただきましたが、何点か追及なりお尋ねをしてみたいと思います。
 まず、政権交代の関係でございます。いろいろ知事のほうから示唆に富んだ御答弁をいただいたように思います。
 確かに、私は党利党略といいましょうか、派利派略でこうした政治が行われるものでなくて、国家国民のためにされるということが大前提であるという、そのことは同感でございます。ただ、60有余年、自民党政権が我々が承知をしておる範囲では、例えば角福戦争に始まり、あるいは小泉政権に至るまで、その与党の政権内で疑似政権交代というふうなものが行われてきたと。しかし、そのことがある意味では国民や県民は錯覚をされて、政権が交代されたような感じで受けとめてこられたのではないか、しかし、今日の世論調査、いろいろマスコミで見ますと、自民中心の政権、あるいは民主中心の政権、これが拮抗しておるわけですね。そういう意味で、私は非常に、有権者の政治的な一つの参画といいましょうか、関心というものは高まってきておるのではないかなと、このように思いますし、憲法の前文でも、いわゆる主権在民の民主主義を宣言、いわゆるこの政治権力システムというのを国民主権で実現をしていくという、こういうこともうたわれておるわけでございまして、だんだんそういう方向に近づいてきておるのかなと、このように考えております。
 角度を変えて言いますと、よどんだこの川の水をやはり流していくという、清流ですか、こういうものを滞留でなくて還流をしていくというふうなこういう流れ、ダイナミズムというのでしょうか、こういう政治のだいご味というものが政権選択、交代によって可能になるのではなかろうかなと。またそのことによって、国民、県民がこちらの与党、野党の政策、政権、比較対照といいましょうか、検証ができるという、そういう大きなメリットがあるのではなかろうかなというふうに考えております。
 残念にしまして中山前国土交通大臣の発言、本当にこれは確信犯的な発言であったのかなというふうに思いますし、安倍内閣以来繰り返されておるわけですね、この閣僚の失言、撤回、陳謝、辞任。ある面では日本の政治の水準の貧困さを物語っておるのではなかろうかなと、あるいはよどみというのでしょうか、大臣そのものの資質もありましょうけれども、体質的なものも私は一方で醸成されてきたのではなかろうかなと、そういうよどみというものをやっぱりなくしていくといいましょうか、ダイナミズムを取り返すためにも政権選択や交代というものは大事ではなかろうかなと思いますが、知事、いかがお考えでしょうか、改めてお尋ねをしてみたいと思います。
 教育行政の関係についてでございます。教育長、いろいろ御答弁いただきました。
 山田委員長の答弁は先般来の議論で、条例にのっとり、あるいは、実証に基づいた判断をされてきたということの答弁もございましたし、了としたいというふうに思いますが、教育長のほうに1~2お尋ねをしてみたいと思いますが、点数が悪かったがあなたはボランティアを頑張っていると言ってほしいという先般の代表質問での議論もあったように思います。しかし、今、それで納得する社会があるのか。御案内のとおりに、昨年、一昨年、結果公表後マスコミは大きくランキングに走っております。大阪、沖縄、秋田、御案内のとおりでございます。それが大きく取り上げられ、調査結果が大きく注目されることになっておるわけでございます。あわせて、教育長は2007年度の結果発表のときに本県の結果が平均以上だったことに対して、ほっとしたと。調査結果に非常に関心を寄せている証拠ではなかったかと。ほっとしたというようなことをコメントされておるように思います。
 そのときに、教育長は私は学力調査はたかが2教科、それだけで子供を評価することが本当にできるのか、点数は悪かったがあなたはボランティア等を頑張っている、いいところがある、こういうふうに言うべきだったのではなかろうかなと。そのような議論ということはいかがなものかなという感じがいたしておりますし、それと、この学力調査の弊害、実証ということにもなるかと思いますけれども、私が教育関係者の方々に伺った点を、時間が迫っておりますので、ポイントだけ申し上げますと、県の基礎学力調査、管理職からのプレッシャーが強かった。子供一人一人より数字のほうに目が向いた。調査結果を得点順に一覧表にして、あなたの学校はここです。得点の低かった学級の担任に対してこれは人災です。当時の教育事務所長は、あなたの学校は県下で成績が悪かったから何とかしてくれ、校長に話に来られた。実際に6年の担任に校長から圧力がかけられた。小教研の診断テストはテスト対策が横行している。得点の低かった子供を集計から外してはと教務主任に持ちかけられた。
 こういう具体的なことを聞かせていただいておりますが、教育長のほうにも実証への要請ということで、こういうお話を事前にされておるということも伺いました。
 劣等感を持ついじめが起こるとは思わない。こういうふうに言われておりますけれども、そこらあたりもう一度お尋ねしてみたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)政治姿勢について、政権交代の重ねてのお尋ねがございました。
 政権交代について議員のほうから、自民党の疑似政権交代ということではなくて、二大政党間のというお話がございました。政治の貧困を打破するためにも政権交代があるべきではないかと、こういうお尋ねでございます。
 先ほど申し上げたことと重なったような話になりますが、私はその自民党の疑似政権交代と議員が評されるものも、やはり民主的な制度であったと私は思います。と申しますのも、それは保守と中道の連立政権的なものが長く自民党の実態であったのではないかと思えること。それから、現実にこの枠組みの中での政権の交代というものが評価されないのであれば、選挙を通じてノーを突きつけるチャンスはこれまでもあったことです。例えば、平成元年の山が動いたと評されるような参議院議員選挙でありますとか、平成5年の政治改革の動乱の中で起こった、これは連立与党が細川内閣結成されましたけれども、あのときの選挙でありますとか、従来の仕組みの中でも、やはりこれはおかしいということになれば国民はノーを突きつけていたわけでありまして、全く健全に機能していないということでもないだろうと思います。
 ただ、その後小選挙区比例代表制ができましたので、新しい中で成熟した民主的な討議がなされ、また、政治的なコンセンサスを生んでいく度量も政治家の皆さんに持っていただいて、二大政党制的に政権交代も含めた政治運営がなされること、これ自体は必要なことだろうと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)山田議員から追及の御質問ということでございます。
 1つは、全国学力・学習状況調査の結果についての問題に関して、私が昨年度ほっとしたというふうな言葉を発しているけれども、これはどういう意味かというふうなこと、それから、弊害や報告いろいろあっておるように言われているのに、十分に確かめようともしないというふうなこと、これはどういう考え方かという、そういうお尋ねだと思います。
 まず、1点でありますけれども、ほっとしたというふうな発言ですけれども、これは私が具体的にほっとしたという言い方をしたのかどうか、ちょっと私もはっきり自分の頭の中で覚えていないのですけれども、多分そう言っただろうと思います。それはなぜかといったら、日ごろからやっぱり子供たちの学力というのは日常的な学校の中、あるいは家庭の中でしっかり行われるべきものだというふうに私は基本的に考えておるところであります。そういう意味で、学校とか市町村の教育委員会、あるいは市町村のほうで皆さん方で一生懸命取り組んでくださったというのは、私はこういうふうな結果、心配するような状況でない、かなり評価できるような状態であったということは、これは喜ぶべきことだというふうな意味で私はそれはほっとしたというふうな言い方をしても、それは努力がそこに効果としてあらわれているのだったら、それは必要なことではないかなと思っているところであります。よかったと思っても、それは悪いことではないと私は考えております。
 もう1つですけれども、学校ごと、市町村ごとの結果を開示し、あるいは公表したときに必ずしも子供たちが劣等感を持つとか、いじめが起こるとは言い切れないというふうに言ったというふうなことについて、どう考えるかということについてですけれども、私は学力というのはいつも言っていますけれども、知・徳・体、みんなのバランスの中で論じなければいけないものだというふうに考えています。知だけが先行してしまってはだめであります。徳だとか体もバランスを持ちながら、しかし、それぞれできるだけ伸ばしていくというふうなことが教育だろうというふうに思っているところであります。それが今回学力の点だけが、しかもこれは2学年の2教科ですね、これがすべての学力をあらわしているかのようにどんどん言われてしまったというのは少し問題があるのではないかなと私は思っていたからであります。ただ、学力はさっき言いましたように日々の中でこつこつと積み上げて、幅広い人間の生き方なんかを含めた人間力を基本に置いた、根底に置いた、そういう学力としてとらえる必要がありますから、幅広い意味での学力というふうなことで考えなければいけませんけれども、それをただただ2学年の2教科だけでとらえて、すべての学力が学校で、そこであらわされているというふうなことを考えるまではないのではないかなと。私はもっと、それ以外に例えば勉強が苦手な子たちでもスポーツだとか文化活動だとかボランティアとか、いろいろなことをやっているわけでありますから、そういうふうなところで力を発揮できる子供たちがもしいるとすると、勉強は少しそのときには苦手だったかもしれないけれども、それを大事にしながらちゃんと力をつけて、勉強も頑張りながら大人になっていくのですよということを教育としては言うべきだろうと思っています。そういうことが私は教育の大事な部分だというふうなことを考えていますので、そういう観点から申し上げたつもりであります。
 弊害ということですけれども、これまで県が行いました4回の基礎学力調査で開示請求がございました。これは全部で9件あっています。開示請求ですので、これは個々で開示請求されたのですから、個々の方に学校別というふうなことでお返しをしています。そのことによって、開示したことがもとになって、それが社会にどんどん出ていって現場でのいろいろな問題に支障とか大きな混乱があったというふうに私は受けとめていません。そういうふうな観点から私は申し上げたところであります。ただ、先ほどありましたように、いろいろなことでそれぞれの学校の中で全然何にもなかったということはないのではないかなということは、それは推測がつきますし、私は幾つかそういうお話も聞いているのは聞いておりますけれども、繰り返しますけれども、支障とか大きな混乱があって業務を遂行する上で問題だというふうな、そこまでいっているというふうなとらえ方はしていないところであります。
 そういう意味で、何度も申し上げますけれども、子供たちの変化とか子供たちの心をしっかり受けとめて、そこに敏感であるというふうなことは必要ですけれども、最初からおそれだけを前面に出して子供たちが全人格的にこれから成長していくのに必要ないろいろ状況を、みんなが情報を共有しながら伸ばしていくというようなことにちゅうちょするような、そういうふうなことは私は好ましくないと思っています。教育はもっと子供たちの力を信じて、子供たちの力を出すべくダイナミックに、前向きに進めていく必要があるというふうに考えておるところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)どうも教育長と現場の思いというものがかみ合わないところがあるようでございますが、引き続いてお尋ねしてみたいと思います。
 いわゆる情報の共有化の問題でございまして、それぞれ知事なり教育長なり答弁いただきました。学校や地教委や県教委いろいろ、あるいは保護者ですか、連携をとりながら対応をするということで、当然そのことは私は過去も現在もやられてきたのではないかなというふうに思っております。さらに分析や課題改善策、これを出されて具体的にされておられる、公開授業とか評議員制とか個別懇談、いろいろなことを含めて、私は具体的にやられておるのではないかというふうに理解をしておるわけです。数字を開示することがそれで本当に必要だろうかなと、こういう観点で質問をさせていただきました。
 市町村教育委員会、あるいは学校でも全国学力・学習状況調査分析資料、鳥取市の関係をちょっと入手しておりますが、本当に細かく分析をされておられまして、時間がございませんから細かくは申し上げませんが、この中にさらに地域との連携というのでしょうか、小学校6年生、中学校3年生、質問紙調査というふうなことで家庭学習の習慣づくり、学習の基礎となる忍耐力・集中力、自分のよいところ、将来の夢や目標について、家庭・地域と学校が連携して取り組む内容、こういうことで本当に一生懸命やられておられるというふうに私は思うのです。だから、あえてそのことで、どういうのでしょうか、数字そのものを公開する必要があるのかどうなのか、どう生かすか、あいまいなままに開示をされては数字がひとり歩きをするというふうに思いますし、開示されて、使い方は自由でございます。学力調査結果にマスコミや教育産業や住宅産業が大きな関心を寄せておるのに、基礎学力調査のときも開示請求があり、開示されたが何も起こらなかったから今回も起こらない、こういうことを稲田議員ではございませんが、逆に伝聞・推定・仮定ではないかなと、私はそういう受けとめ方をしておりますが、いかがなものでございましょう。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)伝聞・推定だけではだめではないかなという、そういうお尋ねでございます。
 さっきも申し上げましたけれども、開示を基礎学力調査のときに行いました。行いましたけれども、具体的に開示をもとにして大きな問題がそこで出てきたというふうな報告は受けておりません。何をもとにして考えるかというのは、今一番近い、一番、形の似たようなものをもとにして考えなければいけませんから、我々が行いました4回の基礎学力調査というのは一つの根拠になる、判断をしていく上で大事なものであるということは多分皆さん認めていただけるのではないかなと思っていますので、それに基づいて私は申し上げておるわけであります。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)知事の発言につきまして、改めてお尋ねをしてみたいと思います。
 知事は9月9日のマスコミとのやりとりの中で30人学級の関係について、そうですね、例えば教員配置についての応援とか、ドラスチックなことを言えば30人学級をそこで情報の公開、非公開をメルクマールにして支援のやり方を考えるというのはあると思う、こういう発言というかコメントをされておられるようでございます。私は本来、知事なりも国のほうにしてもそうですが、市町村に対する学力の底上げ、少人数学級を含めて財源の手当てをするというのが本来知事の責任、市町村に対する指導なり責任ではないかなと思うのですけれども、何かこれに逆行するような発言があっておるように私は見させていただきました。したがって、9月9日の定例会見における知事発言は、やっぱり結果を公表、開示する自治体に対して教育予算の優遇を検討するという旨の発言をされておられるということも含めまして、教育委員会制度の否定と、あるいは憲法や、いわゆる教育基本法ですね、このものに保障された教育を、ひとしく受ける教育の機会均等ですか、これを奪うという発言ではなかったのか。あるいは地教委に責任を押しつけてお金で公表や開示を迫るゆゆしき発言であったというふうに思いますが、いかがなものだったのか。そして、あわせて、言われるように教育委員会そのものは、私はすべてそれでいいということも思っておりません。言われるように、予算の関係や人事の関係でいろいろ議論されるべきところはあってもいいのではないかなと。そこのところとの話は別に今私が言った視点での思いはどうだったのか、お尋ねしてみたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、9月9日の記者会見でモデル的なところを支援するという話の中で、30人学級についてその情報の開示、非開示というのも一つのメルクマールかもしれませんねということを言ったというお話でありますけれども、そういう表現をした部分はあるかもしれません。ただ、前後をよく読んでいただきたいと思うのですけれども、必ずそうではなくて、家庭だとか地域だとかでそういうのを応援するそういう仕組みのあるところ、そういうモデル事業みたいなところを支援するかどうか、そんな議論を教育委員会と始めましたという、そういう流れですべて話をしております。そういう意味で、ちょっと今の点は私の真意とは若干違う質問の部分があるのではないかというように思います。
 教育委員会の制度につきましては先ほど申し上げたところでありますけれども、この機会にどういうあり方が本当に機能的で地域の皆さんに役に立つ教育委員会になり得るのか、これは議論をしてみる値打ちはあるだろうと思っております。そういう観点から、こうした問題提起をさせていただいているわけでありますので、ぜひ皆さんでも御議論をいただく契機にしていただければと思います。今、こうして鳥取県のほうに教育についての関心が集中しております。世間が注目している中で私たちは、なるほど鳥取県、小回りきかせてこういう教育の現場改革をやっているなあということにつながる、そういう実践をこれからは積んでいって本当の意味の人材養成につなげていく必要があるだろうと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)どうも今の知事の答弁では本当に釈然としないといいましょうか、納得のでき得ないところがございます。またの機会にこの議論はしたいと思いますけれども、県民が納得できた、こういうことに私は恐らくなっていないというふうに思いますので、御指摘だけはさせていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になろうかと思います。
 今、自民党の中でもこの全国学力テスト無駄遣い撲滅プロジェクトチーム、こういうのがあるようでございまして、学力テストは無駄な事業、コストと目的とが見合っていない、文科省は達成水準だけを定めて手段や財源は自治体に落とせばいい、例えば生活習慣アンケートの結果は昨年と同じ結果になる、読書好きな国語の正答率が高い傾向がある、テレビを見る時間が短い子の正答率は高い、自明の結論だと。2年続けて同じなら、毎年やる必要はないのではないかと、こういう議論もあるようでございます。
 それと、前にもちょっと触れたと思いますが、世界の視点から見ますと、フィンランドの教育ですね、競争しなくても世界一だと、こういうことだそうでございまして、要約しますと、教師の力量の向上と社会的な尊敬、優秀な教師を育て個々の教師の専門性を信頼し、教育活動を全面的にゆだねる、そのための教師が働きやすい教育環境をつくる。行政も、教師は専門性を持った大切な働き手だから、学校を評価する場合に我々の目的は教職員に支援的なものである、あるいは教職員が発達することを助ける。したがって、調査内容を公開したり、よい学校とか悪い学校を示す一覧表もつくらない。テストと序列づけをなくして発達の視点に立った生徒評価をする。こういうフィンランドの教育がなされておるようでございます。
 あわせて、このほど発表された経済協力開発機構、OECDの調査で教育への公的支出の国内総生産、これがGDPというのですか、28カ国中で最下位、こういう現状を踏まえていきますと、私は要するに学力調査の続行、順位づけにこだわるより、教育への投資をふやして学校の先生と子供たちの時間をしっかりと確保し、そしてより教育環境を整える、このことが一番今日本に私は、あるいは鳥取県の一番求められておることではないかなと。大事だと思います、公表は。開示という議論も大事だと思いますが、それ以上に大事なことは、やっぱりそちらのほうが私は大事な議論ではないかなと思います。したがって、学力調査そのものを中断、廃止の方向で検討して、場合によっては国に対しても、どうもこのたび問題を起こされた中山前大臣が復活されたようでございますが、日教組の強いところの子供が、生徒が学力は高いだの低いだの、どうも発想が不純な発想でされておられるようでございまして、いろいろなことを組み合わせて考えていきますと、どうなのでしょう。本当に真剣に子供たちや教職員のことを考えていくならば、私は国に対しても物申すべきではないかなというふうに思いますけれども、これは教育長のほうにお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)全国学力・学習状況調査は意味がないから、これをやめてはどうかというそういうお尋ねでございます。
 これについては、文科省のほうも言っていますようにその時々の子供たちの、個々の子供たちの様子をしっかり把握するというふうな意味ですとか、それをしっかり受けとめて教育行政、政策等に反映するというふうな意味で言っていますけれども、私はその考え方というのは大事だろうと思っています。特に最近、子供たちの学力の面でいきますと、いつもお話ししていますように二極化の傾向が非常に私は憂慮すべき状況に今なりつつあるのではないかなと思って、この二極化を何とかして食いとめるというふうな意味で市町村の教育委員会とか学校とか県の教育委員会、一緒になって食いとめる方法を考えていかなければいけないなと思っているところであります。
 これは学校の先生方からも聞きますけれども、やはり子供たちの学習意欲に、これも単なる学力の形にあらわれたものだけではなくて、意欲的な面でも少し違いが出てきているなと、二極化もあるなというふうなことであります、そういうふうな意味。それから、先ほど議員からお話がありましたように生活リズム、これと学力との関係というのは非常に大きな問題というふうなことを考えています。
 そういう意味から、繰り返しますけれども、その時々の、そのときそのときの子供たちの1人ずつの学習なり、あるいは生活なり、そういうふうな状況をしっかり把握するという意味で私は意味があるというふうに思っていますので、悉皆で調査するというのはいましばらく進める必要があると思っています。一定期間行っていったら、その中で単年度ではない、もう少し幅の広いいろいろな対応の仕方等も見つかると思っていますので、そういう意味でも継続して実施することが望ましいというふうに考えておるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)続きまして、26番前田八壽彦議員


◯26番(前田八壽彦君)(登壇、拍手)私は、9月定例会に当たり、本県の文化財行政について知事及び教育長、そして鳥取砂丘の保全と活用及び美しい鳥取砂丘を守り育てる条例について知事と議論を行いたいと思います。
 まず初めに、本県の文化財行政についてであります。
 今月の初め、青谷上寺地遺跡から出土した木製盾の2点に、緑土という緑色の顔料が塗られていたという発表があり、全国的な話題となりました。東アジア最古の発見で、従来より約200年もさかのぼるということで、またしても青谷上寺地遺跡から重要な発見がなされたわけでありますが、日本列島にとどまらない世界史的な価値を持つ遺跡が郷土鳥取県にあるということで、私たちは大いに誇りに思うところであります。
 世界史的な価値を持つということでは、三徳山も同様に私たちの誇りとするところであります。先週26日の文化庁の発表では、残念ながら世界遺産暫定一覧表記載文化資産とはならず、暫定一覧表候補の文化資産とされ、さらなる検証が必要であるとの課題が示されたところであります。世界遺産の登録までは幾つものハードルがあり、なかなか大変ではありますが、ぜひとも継続して取り組んでいただきたいと思います。また、山陰海岸も世界ジオパークネットワークへの平成21年度中の加盟を目指し、兵庫県や京都府、関係市町と連携して、広域で取り組まれ、努力されているところであります。
 どちらも鳥取県の文化的景観、自然景観を広く県外に、世界に発信する取り組みであり、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 しかしながら、文化行政、文化財行政の基本は、地域に伝わる文化・文化財を、地域として、県としてきちんと評価していくことにあると思います。文化財とは、建造物・美術工芸品等の有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、埋蔵文化財、さらには文化的景観、伝統的建造物群、文化財保存技術等々幅広いものであります。現代に生きる私たちには、先人から受け継いだこれらの貴重な文化や文化遺産を、後世に守り伝えていく責務があると思います。長い時の流れの中で、その地域の生活の中から生まれ、伝わった文化や文化財を誇りに思う、そのような地域づくりが今必要とされているのではないでしょうか。
 このような認識、問題意識のもとに議論を進めたいと思います。
 私は、平成17年2月定例会でもこの問題を取り上げました。そのときの論点は、建造物の文化財の指定については、昭和49年以前になされているものが84%となっているが、本県には文化財の指定をすべきものがもうないのかということと、文化財保護行政が学術面だけを強調したものになっていないのかという2点についてであり、当時の片山知事及び藤井教育長と議論をしたところであります。
 そのときの私の質問に対して、片山前知事は、従来の文化行政の反省点として、1つとして、従来の文化財行政が埋蔵文化財行政に偏り過ぎていたとの印象を持っている。2つ目として、建物、祭りや行事、伝統文化の技術や芸能を保有する人などに余り着目してこなかった。3つ目として、仏教美術、神社仏閣等非常に貴重なものが県内には数多くあるが、文化財行政の視野の中に十分に入れてこなかったという反省点もある。4番目として、その延長として、文化財の指定にかかわらず、文化財的価値があるものを県の地域振興とか県の観光面等にも生かし切れていないと答弁されていました。
 平井知事は、従来、教育委員会文化課で担当していた県展を知事部局に移管し、文化課の所掌事務を文化財行政に特化させ、また、知事部局に観光資源振興室を設ける等、広義で言えば教育委員会と連携して文化財行政を推進されていますが、知事の文化財行政に対する基本的な認識をまずお伺いいたします。
 また、片山前知事も当時、教育委員会としても先ほど述べた反省点を踏まえてだんだんと変わっていると答弁されていましたが、教育長として文化財行政に対してどのような視点で取り組まれているのか、あわせてお伺いをいたします。
 次に、文化財行政推進に向けての体系化について、教育長にお尋ねします。
 まず、平成17年2月定例会において、私は建造物の文化財指定が少な過ぎると指摘しましたが、現状はどのようになっているのかお伺いします。
 文化財は、先ほど述べたように幅広く、それぞれが奥深いものであり、そのために全県的に詳しく把握することがなかなか容易ではありません。場合によっては時間的に急がれる指定案件もあります。こうした状況にあって、文化財行政を適切に進めていくためには、未着手の調査に積極的に取り組み、文化財指定に向けての優先劣後を把握していくことが肝要であります。このことが効率的な文化財行政の推進につながるものではないかと思いますが、あわせて教育長の所見をお伺いします。
 次に、文化財行政に係る業務体制についてお尋ねします。
 前回の私の質問に際して、当時の教育長は、昨年度、これは平成15年度ですが──から20年ぶりに文化課文化財係の文化財主事を1名増員して5名体制にしたと答弁されていました。しかしながら、指定後の適切な管理等に係る指導や相談に文化財主事が追われるなど、文化財指定に向けての調査や、文化財主事の手薄な市町村への支援や連携がままならない現状があり、一層の専門職員の張りつけを検討すべきと思いますが、知事及び教育長の所見をお伺いいたします。
 次に、文化財行政の財源確保についてお尋ねします。
 本年度の文化財保護に要している事業費を大まかに見ますと、妻木晩田遺跡調査整備事業費関係2億7,682万4,000円、青谷上寺地遺跡関係2億9,105万3,000円、鳥取城跡復原保存修理事業など文化財の保存修理等に係る県補助金である文化財助成費1億618万9,000円、池田家墓所整備活用促進事業費6,028万6,000円が主なものとなっております。冒頭に申しましたとおり、文化財行政は幅広いにもかかわらず、文化財指定に向けての調査費は1,020万3,000円となっており、余りにも少ない感じがするのは否めないと思います。県財政の厳しさは私も十二分に承知をしていますが、知恵を絞り文化財行政にさらに力を入れるべきであると考えます。
 そこで、唐突ではありますが、法定外の目的県税として、現在、産業廃棄物処分場税と森林環境保全税がありますが、私は文化財を県民が守り後世に引き継いでいくことに資する目的税ならば、県民の理解が得られるのではないかと思います。文化財保護税の検討を提言するものであり、知事の所見をお伺いします。
 次に、今後の文化財行政の課題を私なりに申し上げたいと思います。
 今春、我が会派の有志で京都府の文化財行政について調査を行いました。全国的にも文化財行政の先進県である京都府としては、国の重要文化財(建造物)の300棟の耐震対策が一番の課題と申されていました。
 平成20年8月16日付の日本海新聞では、県内における国の重要文化財32棟のうち、耐震診断を終了しているのは、後藤家住宅と美歎水源地水道施設堰堤の2棟のみと報道されていました。
 例えば、耐震調査などについては国の補助を活用するなど、積極的に文化財の耐震対策を進めるべきと思いますが、教育長の所見をお伺いをいたします。
 次に、鳥取砂丘の保全と活用について知事にお尋ねをします。
 私は、これまで幾度となくこの問題を取り上げていますが、何ら目に見える進展もなく、まことに残念な思いをしているのであります。このたび、平井知事とこの問題について、初めて議論をしたいと思います。
 平成18年9月定例会で片山前知事は、鳥取砂丘の保全と活用について、全体像を早急に検討すべきである旨の私の質問に対して、今までは、個別、具体的な取り組みをしてきたが、全体像を検討することは必要であり、県と鳥取市の役割を点検しながら検討していくと答弁されています。行政は、知事が交代されても継続していくものでありますから、それ以後、検討されていると思いますので、その状況と、あわせて平井知事のお考えを改めてお尋ねをいたします。
 次に、鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内の砂丘地の草原化についてお尋ねをします。知事、お手元に写真をお配りをしておりますが、鳥取砂丘全体図、Aの1という写真が右側は鳥取大学の敷地、左側が浜坂地区の財産区の土地であります。Aの2が乾燥地研究センターの全景図で草が生え繁っているということでございます。シナダレスズメガヤというのが下にございます。B1が有島武郎の地域でして、このシナダレスズメガヤがこういうふうにして繁茂しておると。Bの2が浜坂地区の方がボランティアでこれを1本ずつ引き抜いておるということでございます。Cの2がここの合せヶ谷スリバチ付近の草原化の様子でございます。それを見ていただきながら、質問をいたします。
 鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内の砂丘地の草原化についてお尋ねをします。
 この問題についても、県は積極的に取り組む姿勢が全く見られず、私は何が鳥取砂丘の保全なのかと申し上げたいのであります。私がこの乾燥地研究センターの敷地内の草原化をなぜ取り上げるのかといいますと、その理由は2点あります。まず第1点は、この敷地、砂丘地は、市街地側から鳥取砂丘を見ることができる唯一の場所であり、鳥取砂丘のPRのためにも草原化をなくすべきであること。第2点は、この敷地から砂丘の周囲へ外来種のシナダレスズメガヤの種子が飛散し、砂丘の草原化の原因の一つとなっているのではないかという点であります。このことについて、まず知事の所見を伺うものであります。
 次に、本定例会に提案されている美しい鳥取砂丘を守り育てる条例について、知事にお尋ねをいたします。
 まず、この条例の提案理由の一つとして、河川と港湾の整備等により砂の供給が減少するとともに、保安林の整備等の影響で草原化が進むなど、従来の手法による自然保護の限界を感じさせる事態も生じているということが上げられておりますが、それこそ、今まで県が砂丘の保全に本気で取り組んできたのかと疑問を生じるところであります。草原化防止等に余り取り組んでこなかったのではないでしょうか。その結果、限界を感じるようになったのではないかと推察いたしますが、知事の所見を伺うものであります。
 次に、この条例案では、禁止行為として3点規定してありますが、そのうちの一つに「文字、図形又は記号(最小の長方形または円の面積が10平方メートルを超えるもの)を鳥取砂丘の地面に表示すること」があります。端的に申しますと、落書きのことであると思いますが、建造物の落書きと違い、砂丘において自然に及ぼす影響は全くなく、砂丘を訪れる人は、むしろこの規制に対して不快に感じることであろうと思います。まずは、行政機関や県民が一緒になってモラル向上運動を盛り上げ、県内外の観光客に理解を得るような取り組みを進めるべきであると思いますが、条例化を急ぐ真意は何なのか知事にお伺いします。
 次に、この条例の対象範囲は、自然公園法の特別保護地区でもあり、種々法規制がなされています。環境省のレンジャーが日々巡回監視されている地域であるにもかかわらず、なぜ、県がこのことについて突出して条例で規制するのか、理解しがたいのであります。知事の所見をお伺いします。
 さらに、条項の中に県の責務とありますが、この条例は県と鳥取市が共同で行うべきものであります。鳥取市の理解を得て、県と鳥取市の責務として内容を変更すべきであると考えますが、知事の所見をあわせて伺います。
 これで第1回の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)前田八壽彦県議の御質問にお答え申し上げます。
 まず、文化財行政について何点かお尋ねをいただきました。第1点目として文化財行政全般に対する基本的な認識を問うというお尋ねでございます。
 議員のほうから御指摘がございましたとおり、このたび緑色の顔料といいますか、染料が発見をされた、そういう青谷上寺地遺跡は今や世界に向けて誇ってもいい、そういう遺跡になりつつあります。しかし、こうした遺跡も分析なくしてはPRのしようもありませんし、その価値もわからない、単に地中に眠ったままということになってしまいます。ですから、それを世に明らかにしていくという責務をやはり公的には負っている面があって、これが文化財行政ではないかと思います。そして、その対象となるのも単にそういう埋蔵物の世界だけでなくて、建造物でありますとか、あるいは自然系なども含めて広く考えられるべきではないかという議員の御主張にも私は全く同感でございます。
 このたび、三徳山の世界遺産の登録が見送られるという事態になりました。非常に残念であり、しかもこれはカテゴリーIIという分野になっておりまして、道のりが遠い、根本から考え方を見直さなければならないという、そういうカテゴリーに入っています。仲間はたくさん全国におるのですけれども、しかし、それが現状でありまして、平泉の世界遺産登録がとまった状況を考えますと、相当長期的な、抜本的な検討を求められることだろうと思います。しかし、私たちが大切に考えなければならないのは、だからといって、すべてほうり出してもいいというわけではなくて、三徳山の価値を再認識をする。その研究活動をやったり、あるいは世界遺産に限らず、ほかのさまざまな制度もあるかもしれません。そういうところにチャレンジをしていくこともありましょうし、世界遺産に再チャレンジをするということを地元と一緒にやっていくこともあるでしょうし、そうしたことを続けていくことが否定されたわけではない。むしろ、それがなされなければ世界からも認められる遺産にはならないということがわかったことであったと思います。ですから、私どもとしてそうした建造物だとか、あるいは自然系、これは山陰海岸のジオパークもそうであります。そうしたことに取り組んでいく重要性というのは、今なお増しているのだと思います。
 議員のほうから御指摘がございましたように、このたび4月から文化観光局のほうに文化関係の事業を教育委員会から持ってきております。これは国のほうの制度改正でそういうことができるようになったものですから、重複的な事務事業を見直す、あるいは効率化、一体化して文化観光を見ていこうという、そういう観点でやったものであります。しかし、文化財は国のほうもこれは教育委員会の事務として固有に残したわけでありまして、これはあえてそうしているのだと思います。文化財は、むしろ現代的な文化というよりも歴史だとか、あるいは伝統だとか、そうしたまた違った分野であるので、これは教育的な配慮が必要だという判断ではないかと私は思います。そういう観点で文化財行政が教育委員会に残ったわけでありますが、私ども知事部局としてもこれからも協力してやっていきたいと思っております。
 次に、文化財指定に向けての調査、あるいは市町村への支援などを考えれば、一層の専門職員の張りつけをすべきではないかということでございます。
 この点につきましては、実はこれまでも随分充実を図ってきました。恐らく前田県議の質問なんかもあって、そういう流れになってきたのではないかと思います。平成13年から平成20年の間に何と13人もふえて、今文化財主事が45人という体制になっています。これは他の分野で考えられないぐらい充実をしてきているところでありまして、この点はぜひ御理解をいただきたいと思います。そういう中で質を高めたり、またどうしても足りない分野の充実など、私どもとして教育委員会と話し合って、これからも一層の高度化に努めてまいりたい、協力をしてまいりたいと考えております。これまでも埋蔵文化財センターに集中したりして効率化を高めてきた面もありますけれども、こういう議会の場でも議論していただき、教育委員会のお話もいただきながら今後の検討を進めてまいりたいと思います。
 次に、文化財行政についてはどうしても財源的な問題があると。したがいまして、産業廃棄物処分場税だとか森林環境保全税のように、文化財保護税という法定外目的税を創設すべきではないかという御指摘でございます。
 私は議員の情熱、熱意、非常に理解できるところがあります。そして、先ほどは山田議員のほうから教育予算の話がありましたけれども、今の我が国全体の財政資源の配分で文化だとか教育だとか、そうしたところへの資源配分が乏しいという面があります。鳥取県も含めて県下市町村、財政状況が豊かなわけではありません。そういう中で我々は13人も文化財主事をふやしてきたりと努力をやってきておりますが、それでもなお足り苦しいというのが現状なのではないかと思います。したがいまして、ぜひ国のほうでそうした資源配分について再考していただいたり、何だったら社会福祉の状況も踏まえて抜本的な税源改革を行う中でこうした議論もしていただきたいと思います。
 こういう中で議員の提案でありますけれども、状況に関して全く認識を共有するのでありますけれども、では、さてその鳥取県で独自に文化財保護のためにそうした法定外目的税をつくれるだけの環境があるか、それを県民と議論していく素地があるか、それについてはまだまだ検証は必要ではないかと私は思います。目的税でありますので、受益と負担という関係を明確にしなければなりません。例えば、文化財行政で足りないところは何かといえば、そうした人的なものでありましょうけれども、文化財主事を雇うのでこういう観点での税金をつくりたいのだと、どういうところに課税を求めるか、非常に難しい面があるのではないかと思います。それから、そのロットという点でも、どれほどのロットにするかなども含めて、相当な議論をしないといけないだろうと思います。これまで森林環境保全税だとか産業廃棄物処分場税など、先進的な法定外税を鳥取県でもつくってまいりました。その際も随分七転八倒の議論をいたしました。森林環境保全税もそうであります。最初は水道に課税をしようといたしましたら、大変に反対が多うございまして、結局は住民税の割り増しということで処理をしたわけでありますが、この場合はかなり広い、水ということでありますので、県内全域の人に受益は及ぶあろうという、そういう説明が非常にしやすかった面がありました。
 今回、この文化財保護税で文化財主事だとか、そうした費用を賄う課税客体をどこに求められるか、今ちょっとすっきりとした思いが浮かんできません。したがいまして、財源が足り苦しいので、もしどこかに受益と負担というようなことがあって住民の皆様の御理解を得られるということであれば、チャレンジをしてみる値打ちはある議論だろうと思いますけれども、今、簡単に御理解を得られるような筋合いではないかなというのが正直な感想であります。
 次に、鳥取砂丘についてであります。この鳥取砂丘の保全のことも片山知事時代から、私はおりませんでしたけれども、お話があったということで、ぜひこれも今後、発展方向を目指していかなければならないと思いますし、その意味で美しい鳥取砂丘を守り育てる条例という、非常に理念的な部分と、それから現実的な部分と重ね合わせたような条例を提案させていただいておりますので、ぜひ議会でも御議論をいただきたいと思います。詳細、生活環境部長から御答弁申し上げたいと思いますが、その片山知事との議論の中で県と鳥取市の役割を点検しながら検討していくということで、その状況について御報告を申し上げたいと思います。
 私は聞いておりますところでは、鳥取市のほうでも合併後、鳥取砂丘室をつくったり、いろいろと動いておりますし、今も砂の美術館という取り組みも非常にヒットする取り組みではないかと思っております。いろいろと世の中、動き出していると思いますけれども、ただ、そういう中で最近クローズアップされてきたのが、砂丘の保全の問題ではないかと思っておりまして、そういう意味でこのたび提案をさせていただいております。いずれにせよ、議員のおっしゃりたいのは恐らく鳥取砂丘について全体的な構想をしっかり持ってやっていきなさいということであろうかと思います。今、ちょっと報告があると思いますが、もし欠けているということであれば、この条例が制定されれば、それを機会に国や市とよく話もしてみたいと思います。
 次に、鳥取大学乾燥地研究センターの敷地の草原化対策につきまして取り組み姿勢が不十分であると、砂丘のPRのために草原化をなくすべきではないか、シナダレスズメガヤの飛散という状況があると、これが原因になっているのではないかという御質問であります。
 このことにつきましては、地元の浜坂の皆さんが、先ほど写真で拝見させていただきましたけれども、献身的にシナダレスズメガヤの駆除に努めていただいていること、本当に感謝を申し上げたいと思います。こうした県民一丸となった砂丘保全の努力こそが崇高なのだと思いますし、このことを世に、全国の皆さんに知っていただきたいと思っております。
 この砂丘地の草原化についてでありますが、鳥取大学乾燥地研究センターの問題につきまして生活環境部長から詳細、御答弁を申し上げたいと思いますが、草原化を防止するということは、一般論としては私は必要なことではないかと思います。ただ、片方で、鳥取大学のほうで研究目的でやっている事業もいろいろあるのではないかと思います。それとの調整の課題でありますとか、それから地元の集落が今草原化しているところを砂丘地に戻すということ、これは砂丘地全体としてみれば統一性のある話だと思いますけれども、それについてどういうふうにお考えになるか、こういうことも検証が必要ではないかと思います。
 次に、今回の条例の提案理由として草原化が進むなど従来の手法による自然保護の限界があるのではないかと言うが、草原化防止に余り取り組んでいなかったのではないかという御指摘でございます。
 これは、今回の条例の提案理由で従来の制度に限界があると書いてあるくだりは、この草原化などのいろいろな対策を組むことをこれからもっとやらなければならないという、そういう思いとあわせて、従前の制度では規制的な部分に不十分な部分があったのではないかと、これを念頭に置いて記載をさせていただいているわけであります。いずれにいたしましても、草原化の防止についてまだ必要なやるべきことがあることは、これは全くおっしゃるとおりだろうと思います。
 昨日も3,400人の方が出られて鳥取砂丘の一斉清掃が行われました。それから、この夏のシーズンにも砂丘の草原化防止に向けて草を抜いていくというボランティアを募集させていただいて、やりました。これも3,300人から御応募いただいて実施をいたしております。こうした取り組みも、議員とこうした議場でなされてきた議論の結実ではないかと思います。最近はアダプト・プログラムも始めておりまして、これも非常に効果があるのではないかと思います。この地域については、企業の従業員の皆さんだとか団体の皆さんが責任を持ってやりましょうと、そういう分野も取り入れてきております。こうしたことをいろいろと取り組みながら草原化防止対策をやるべきであろうかと思いますが、いまだなお先ほどおっしゃったシナダレスズメガヤのような新しい問題も発生しているということでありまして、そうした新しい課題もまた現況をきちんと調査をしてやっていく必要があるだろうと思います。現在、鳥取砂丘景観保全協議会が県、あるいは市、それから鳥取大学だとか地元のいろいろな方々、入ってやっています。ここで対策を考えながら、ボランティアの皆さんにお手伝いいただきながらの人力による草の駆除であるとか、それから機械的な駆除などを行っているところであります。
 今回、条例を提案させていただいておりますが、こういう条例がもし制定していただけましたら、それも契機にして、さらにこの協議会でもう一度話をしてみたり、もっと私はてこ入れすべきではないかと直観的に思っていまして、そういうことも国や市との役割分担もありましょうが、話し合っていきたいと思っております。
 次に、その条例の中で書いてあることでありますが、砂丘での落書きについてモラル向上運動を盛り上げて取り組むべき課題ではないか、条例化を急ぐ真意は何なのかということでございます。
 この落書きでございますけれども、確かに風紋と一緒でありまして砂の上に描かれるものでありますから、これは永続性がずっとあるものではないという特性があります。しかし、私たちにとって鳥取砂丘というのは、いわば鳥取県の顔のようなものではないかと思います。今、例えば水木しげるロードとか大山とか、いろいろな顔があるとは思いますけれども、全国でアンケートをしてみて鳥取といえば何を思い出すかといえば、砂丘であるという回答がやっぱり多いわけでございまして、この鳥取砂丘というものをきちんと私たちは守り育てていく、そして外から来る方々にもそれに協力をしていただいて、砂丘の今の絵姿というものを保存していく、そういう崇高な取り組みが必要なのではないかと思うのです。
 その一つのシンボルとして昨今非常に報道されるようになりまして、砂丘に落書きがなされることが社会問題化してきたこと、これは事実であります。この砂丘への落書きでありますけれども、その後、環境省のほうでも例えばレンジャー的な方を配置をしていただいたりして、呼びかけもしていただいてはおりますけれども、むしろ、この砂丘の落書きはふえてきているぐらいの状況であると。この8月でも84件の落書きが残念なことに確認をされています、7月は30件だったということでありますけれども。ですから、後を絶たないどころか、愉快犯的にふえてきているのも事実です。これに対してモラル向上運動、今も看板を立てたりしてやるようになりましたし、呼びかけもやっておりますし、テレビや新聞でもこうした砂丘の落書きはいけないというキャンペーンが事実上張られているわけでありますが、実効性に欠けている面が否定できないのではないかと思っております。
 現在、自然公園法の規定がございます。これで一定の取り締まりは可能であろうかと思います。しかし、取り締まることができますのは、広告物という定義に当たるものでありまして、広告物という定義に当たるような落書きでなければ取り締まりの対象と法的にすることは難しいわけであります。ですから、中部地方の大学生とか、あるいはある放送機関とか、そういうところに対して環境省のほうで警告的な指導を行ったことがありますけれども、それは広告物に該当するという、そういう部分にひっかけてやるしかなかったわけです。ですから、それ以外のところに有効に公の警告的なことをやることは現在では難しい面もないわけではありません。ですから、明らかにするためにこのたび砂丘について落書きをしてはいけませんとはっきり決まりとしてつくって、さらにそれに対して一定のサンクションもありますよという制度を提案をさせていただいているわけであります。今、後を絶たないどころか、ふえてきているとも言えるような状況でありますので、あえてこうした提案をさせていただいているわけであります。
 次に、今私が申し上げたことと重なりますけれども、環境省のレンジャーが巡回、監視しているにもかかわらず、なぜ県が突出して条例で規制するかというのは、今申し上げたところでありますし、県と鳥取市の責務として条例の中に書き込むべきではないかということでありますが、これについては県の条例でありますので、県の責務として書き、その一つの工夫として市や国と連携してやっていくと、こう書いてあるわけでございます。もちろん市も市の責務として、鳥取市の土地というのは非常に広大にありますので、一義的な責務もあると思いますし、特に利用や観光やらというようなところ、今回保全のことを申し上げていますが、そうした面で鳥取市の果たすべき責務は多かろうと思います。この辺は今後条例制定を契機として、なお一層協調、共同を図っていきたいということを書き込む意味で、県の責務の条文にも市と連携してやっていくのが県の責務だと書いてあるわけであります。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)それでは、前田八壽彦議員の御質問について2点補足をさせていただきます。
 まず、第1点目は18年の9月議会で全体像を検討すると言ったけれどもということで、その検討状況ということでございますけれども、砂丘の保全につきましては平成16年の5月に鳥取砂丘景観保全協議会の中で、昭和30年代に鳥取砂丘が天然記念物及び国立公園に指定された当時の景観にできるだけ近づけるという、そういう基本方針といいますか、そういう目標のもとに当面の景観の再生に向けた取り組みをしてきているというのが現状だと思います。それに基づいて除草作業ですとか、県道からの眺望改善のための樹木の伐採だとか、あるいはサンドリサイクルのような取り組み、こういったものがやられてきているということだというふうに思います。それから、知事もちょっと申し上げましたけれども、合併後の鳥取市として17年3月に鳥取砂丘整備構想を策定しておられます。砂丘の景観保全、復元を図るとともに、特に多彩な観光メニューを集約することが提案されておりまして、ことしの1月には鳥取砂丘室というものが鳥取市の中に設置をされ、県と連携をしながら保全活用の取り組みを進めておられるという状況でございます。その一つの取り組みとして、砂像を展示した砂の美術館などの開館も行われていることだというふうに思います。
 これらの取り組みに当たりましては、その都度、県と鳥取市で協議を行って役割分担を決めてきておりますけれども、議員が御指摘になった全体像というところまでは至っていないのではないかというふうに思っています。県と市の役割分担をどこまで明確にできるかというのは難しい面もあろうかと、一体となってやらなければいけない面が多々あるだろうというふうに思っていますけれども、今回、美しい鳥取砂丘を守り育てる条例も提案させていただいておりますので、県と市との連携ということもそこにも明記をさせていただいていますから、そういう観点でさらに具体的な取り組みや連携のあり方について、今後よく検討していきたいというふうに思います。
 次に、乾燥地研究センターのシナダレスズメガヤの種子が飛んで草原化の原因になっているということについてでございますけれども、確かに市街地のほうからあちらのほうを見ますと、年々草原化が進んでいるように感じております。ただ、乾燥地研究センターにおいては砂丘地における長期的な植生変化を研究するというのも一つのテーマになっているようで、そういう意味では敷地内の植生について自然な状態で管理をし、見てきているということであるようですけれども、ただ、センターとしても教育研究だけではなくて、地域との接点ということで、地域なくしてはあり得ないというそういう視点もお持ちのようでございます。地元の総意があれば、対応を考えたいというふうにも伺っているところでございます。
 ただ、一方で乾地研に隣接して団地もかなり整備されてきております。乾燥地研究センターとしても、周辺の住宅地に砂が飛んでいくという、飛砂の問題というのもかなり懸念されておられます。そういう意味で、どういった方策があるのかということも含めて関係者とよくお話をしていきたいというふうに思います。
 シナダレスズメガヤですけれども、特別保護地区あたりには余り繁茂している状況はないだろうと思いますけれども、ただ、乾燥地研究センターに隣接しております市道ののり面とか、いわゆる旧砲台跡、あの辺にはかなり繁茂しておりますし、保安林の中にもかなり茂っているという状況がございます。先ほど議員なり知事のほうからもお答えの中にもありましたが、この地域については従来、地元のほうで自主的に除草をしていただいているという現状がございまして、景観保全協議会の除草区域には入っていないという現状もございます。そういう意味でシナダレスズメガヤが広範に繁茂している状況がありますので、乾燥地研究センターの中も含めて、あるいは市道とか保安林なり砲台周辺も含めて、周辺一帯の除草のあり方について、乾燥地研究センターや市などとも今後よく意見交換を行って対応を考えていきたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)前田八壽彦議員から5点御質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。
 まず、第1点ですけれども、教育長として文化財行政に対してどのような視点で取り組んでいくのかというお尋ねでございます。文化財のほうですけれども、これは御案内のとおりでして例えば建造物などの有形文化財、これが平成17年の2月の定例会でもって議員のほうから御指摘があった、これが少ないではないかというふうなことでありますけれども、あるいは工芸技術などの無形文化財、それから年中行事などの民俗文化財、それから史跡とか庭園とかさまざまございます。いずれも、それぞれ県の貴重な財産であります。県民の財産であります。それから、やはり地域の誇りにもつながるものというふうな、そういう認識を持っておりますので、積極的にこれを保存して活用していく必要があるというふうな、そういう認識を持っているところであります。以前、ややもすると埋蔵文化財のほうに全体的な取り組みの比重が重たくなっていましたけれども、近年は埋蔵文化財以外のものについても保存活用、あるいはそのための調査に一生懸命取り組んできているところでございます。
 具体例を申し上げますと、例えば天然記念物としては平成15年度から18年度ぐらいに行いましたオオサンショウオの調査ですね、これによって保存を図っているところとか、あるいは近代化遺産とか近代和風建築というふうなことの調査も行っております。その建造物の指定とか登録も少しずつ進んでおるところであります。若桜鉄道も地域の活性化に役立っている一つの代表的な例というふうに考えておるところでございます。そのほか、木工芸やかすりといった伝統技術ですね、これもございますので、これについては無形の文化財指定にも積極的に取り組んで、この認定を行っているところでございます。
 続いて2点目です。平成17年2月の定例議会において本県の建造物の文化財指定が少な過ぎると指摘したけれども、現状はどうなっているかということのお尋ねでございます。
 これについては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。平成17年の2月以降の指定の状況を調べてみましたけれども、国の重要文化財は1件でございます。これは旧美歎水源地の水道施設でございます。それから、県の保護文化財は4件でございまして、摩尼寺の仁王門とか籠守神社の本殿とか、それから長谷寺の本堂及び仁王門ですとか、それから豊乗寺の大師堂及び山門とか、こういうふうなことでございます。少しずつ指定は進めてきているというふうに考えております。それから、今年度から近代化遺産の総合調査の結果をもとにして3年間で指定候補物件を選定して、より詳しい調査を行っていきたいというふうに考えておるところであります。こういうふうな国や県の文化財の指定ももちろんございますけれども、平成8年度から規制の緩やかな国の登録文化財制度というのができました。この制度に基づいて建造物では現在126件の国登録というふうなことになっておりまして、こういうふうな制度も活用して保護とか保存に取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。
 3点目でございます。文化財行政を進めていくには、未着手の調査に積極的に取り組んで、指定に向けて優先順位をつけて取り組むことが肝要だと思うけれども、どうかというお尋ねでございます。
 御指摘のとおりでございます。調査を積極的に行ってその中から優先順位をつけて、優先劣後というお話でしたけれども、取り組んでいくというのは大事だというふうに認識をしております。そのためにも、最近は国の国庫補助事業をできるだけ活用するとかして建造物などの分野ごとの調査を行っているところであります。
 ただ、一方、指定を急がなければならないものもございます。例えば、伝統工芸の保持者の認定などの調査はこれは急ぐ必要があると思っていますので、これも優先的に進めているところでございます。美術工芸品等のように、個人所有のために調査が難しいものもございますので、できる限り情報を把握するように努めていきたいと考えておるところでございます。
 4点目でございます。文化財主事が文化財の指定後、管理とか指導のために、あるいは相談のために忙しくて、新たな指定のための調査とかあるいは市町村への支援とか相談ですね、こういうふうなことがなかなかままならない状態にあるのではないか、専門職員の配置をもっとふやすように検討すべきと考えるけれども、どうかというお尋ねでございます。
 御指摘のとおり、文化財を指定した後の管理の指導とか相談に追われて市町村への支援が十分でないという現状はあります。ありますので、職員体制を充実させることは望ましいというふうな認識は持っておるところでございます。こうしたことから、最近では建造物や民俗の分野の専門職員を採用いたしました。市町村との連携を図りながら文化財行政を進めているところであります。
 中国、四国地方の建造物とか民俗などの専門職員の配置をちょっと見てみましたけれども、中国、四国ではやはりそういう事例は余りありません。近畿地方ではお話がありましたように、京都府とか奈良県では非常に進んでいるというふうなことであります。鳥取県としては、ある程度今取り組みを進めつつあるのかなというふうな、そういうふうなことであります。
 今後の専門職員の体制ということですけれども、山陰道の建設に伴って発掘調査が今たくさんになっています。非常にふえていますので、そちらのほうへの職員の配置というふうなことも、しばらくは必要というようなこともありますので、その辺の絡みも含めて考えなければならない、検討しなければならないことかなというふうなことも考えています。
 最後に5点目でございます。県内の国の重要文化財の耐震対策は進んでいないと先般報道されていたけれども、耐震調査など国の補助を活用しながら、積極的に対策を進めるべきと考えるけれども、どうかというお尋ねでございます。
 御指摘のように、重要文化財の耐震診断は確かに進んでいないというふうな認識は持っております。このため、所有者に対して周知を図っていく必要があります。所有者といいますのは個人が多うございますけれども、市町村の場合も中にはあるというふうなことでございます。
 この実施が少ないのは経費、所有者の経費がかさむというふうなことであると思っていますので、その意味でも第1段階として、経費負担が少なくて国の定めた項目について、所有者自身がまず第1段階として診断をしていただくというようなことを働きかけていきたいと思っております。
 ただ、なかなか専門的なことも必要でありますので、それだけではおさまらないと思っています。必要であれば第2段階として専門家による診断を国や県の補助を活用して実施するように、これを助言をしていきたいというふうに思っています。
 また第3段階として、専門家の診断の結果、補強が必要というふうなことに判定がなされた場合は、その補強工事についても国や県の補助を活用して行われるように指導、助言をしていきたいというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)追及質問させていただきます。まず、文化財保護行政でございます。
 私、唐突に法定外の目的税を申し上げたのですけれども、今回調べてみて、本当にさっきも言いましたけれども、たった調査費が1,000万しか充当できていないという状況を見て心配した点がありますし、さらに職員の充実ですけれども、いろいろしてこられたのは事実なのですが、例えば文化財課の職員の状態を見ますと、建造物担当の専門職員は平成21年度までの任期づきの職員であって、その後の建造物に係る文化財保護行政の質的な継続は担保されておりません。
 また天然記念物担当や美術工芸担当に至っては専門職員が採用されておらず、専門職以外の職員が対応している状況であります。ぜひともこれらの財源並びに質的充実を図るべきだと思います。
 さらに、教育長は日常業務が最近特に忙しいようでございまして、専門の次長級の文化財保護官を設けて専門的にやられたらどうかなということを提言をいたします。
 さらに文化財課の職員だけでは、非常に対応は難しいと思います。県内にはいろいろな人材がいらっしゃると思いますので、文化財支援のための人材バンクを設置するよう提言をいたします。これは、指導者あるいは協力者として県民の中であるいは県外でも、いろいろな豊富な知識を持った人を人材バンクとして登録させていただいて支援を受ける、そういうことを制度をつくったらと思いますが、教育長の御所見を求めます。
 さらに、現在鳥取のシンボルというべき鳥取城跡の復元、保存、修理も大分進みまして、目に見えて石垣がきれいになりました。しかしながら、今後鳥取西高の改築工事もあるわけでありますが、鳥取城跡の復元に対して県は市に対してどのような協力をしていくのか、教育長の御所見を伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)4点御質問をいただいたと思います。
 まず1点目ですけれども、建造物担当の専門職員というのが期限つき、任期つきの職員であるというふうなことも含めて、この充実が必要だというふうに考えるけれどもどうかというお尋ねがまず1点目であったと思います。
 これについては、先ほど申しましたように、建造物のほうの専門の職員を採用しまして任期つきで進めておりますけれども、できるだけこれは任期つきでない建造物担当の専門職員の配置が望ましいというふうに考えているところでございます。
 天然記念物や美術工芸担当の専門職員の配置につきましても、配置ができたほうがいいというふうなそういう認識は持っておりますけれども、ただ県庁全体で組織とか定数の関係のものも、また1つは一方のほうで大事な問題としてありますので、この辺の状態をよく見ながら検討することもあわせて必要かなというふうな気もいたしておるところでございます。
 2点目でございます。文化財保護官を配置してみてはどうかということでございます。将来的には文化財保護官、これは次長級になりますか、必要かなというふうな気もしますけれども、他県の様子を見ますけれども、そこまでは次長級のそういうものは配置していないです。ただ、そういうことの意味もないことはないと思いますけれども、むしろ急ぐのは建造物担当等がさっき配置されたといいますけれども、そのほかまだできていないものもありますので、そちらのほうの配置をまず優先課題としてすべきかなと思っています。私が忙しいというふうなことを、いろいろ気遣っていただいたというのは非常にありがたいと思いますけれども、ちょっとそういうふうなことかなと思っております。
 3点目でございます。文化財指定を進めるためには、その支援のための人材バンクを設置して専門家を登録してはどうかというお尋ねでございます。
 これは非常に大事な御指摘かなというふうに私は基本的に考えておるところでございます。教育委員会の担当の職員だけでは評価ですとか調査ですとか、これが全部し切れない場合がございます。すぐに対応しなければいけないときもございますが、そのときには、文化財保護審議会の委員の皆さんにいろいろ御指導いただいたりして助けていただくというふうなことがあって、即時的に対応しているところでありますけれども、これだけでは足りませんので、この委員以外にも助言いただける方を専門調査員として依頼できるようにして今いきつつあるところであります。
 今後、他の自治体とかあるいは大学等にも広くそういうふうなことをお話しして、候補者リストを充実させて、お話にありました人材バンク、こういうふうな形として取り組んで充実のほうに努めていきたいというふうに考えているところございます。
 最後に、4点目は鳥取市が鳥取城跡の復元保存の事業を進めているけれども、今後は鳥取西高の改築との関係で十分に調整しながら行っているかどうかというお尋ねだったと思います。
 鳥取城跡の整備は史跡の管理団体が鳥取市でございますので、鳥取市のほうが石垣の修理事業等を中心にして行っておられましたけれども、これから大手筋ですね、一番正面のところですけれども、大手筋の本格的な整備のための調査に今取り組んでいかれているところでございます。
 この城跡の復元、保存の修理事業というのは何段階かありますけれども、第1段階として平成30年度までの予定ということで、門ですとかやぐらというふうな建物の復元を含んで、大手筋から鳥取西高のある三の丸周辺の整備が今計画されているところであります。
 西高の改築については、お尋ねがありましたけれども、国の史跡ということで地下遺構がたくさんございます。地下遺構を傷めないようにする必要がありますので、そういうふうなことでいろいろ苦労もありますけれども、地下遺構の保護を前提としながら、文化庁の指導をいただいて鳥取市と十分に連携をとりながら進めているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)文化財行政について質問をします。他県に比較して人材が張りつけてあるとか、他県はそういうポストは設けていないとおっしゃいますけれども、私はやっぱり地方分権の中で教育長みずから考えられたらどうでしょうか。それを受けて知事が判断されるでしょうから、ぜひとも強い姿勢で知事に要求していただきたい、このように思います。私は本県の文化財行政、かなり進んでるとは思いますけれども、ただ先ほど言いましたように財源的にはかなり窮屈な状況ですから、知事もさっき、どうも税金についてはあんまり検討しなさそうな気もしたのですけれども、ぜひとも検討課題の一つとして県民に積極的に働きかけていただきたいと、このように思います。
 最後ですが、文化財は本県にたくさんあります。例えば、例示を言いますと、我が国を代表するクロームの大鉱床を抱える日南町の若松鉱山、あるいは江戸幕府直轄の金山であった鳥取市福部の旧栗谷武庫山金山、これらには創業時の施設や坑道がそのまま残されておりまして、鳥取県のみならず日本の近代化を支えた貴重な歴史遺産として評価すべきであります。また、琴浦町の民家を鮮やかに飾るこて絵やなまこ壁についても、地域の文化や文化財を誇りに思う地域づくりの貴重な資源であるとこのように思っております。このような文化遺産の掘り起こしについても、他県と比較するのではなくして県独自として掘り起こしていって、ぜひとも鳥取の文化を私たちが後世に伝えようではありませんか。教育長の答弁を求めます。
 次に、鳥取砂丘の保全と活用について伺います。今、部長のほうからいろいろ検討するという結論だったのですが、検討する前にちょっと確認したいことがございます。
 鳥取砂丘景観保全調査研究会では、乾燥地研究センター敷地から砂丘外に外来種の種子が飛散するのではないかという私のこの議場での質問に対して、砂丘内で主な除草対象になっている種の現状では多くない、またこの敷地から砂丘までは240メートルから400メートル離れているので、センターが草原化したことで種子の供給源になっている可能性は低いという検討結果を明らかにされておりますが、非常にこの結論は違和感がございます。なぜかというと、このシナダレスズメガヤは戦後あの乾燥地研究センターに植えたのが始まりなのですよ。何でこんなに砂丘に蔓延したのですか。種の供給源になっているのではないでしょうか。再度、回答をお願いします。
 鳥取砂丘景観保全調査研究会は、乾燥地研究センターの草原化に関して守備範囲に入れることは無理があるということをおっしゃっているようですが、なぜ無理があるのですか。鳥取砂丘というのは特別保護地域だけが鳥取砂丘なのでしょうか。鳥取砂丘というのは福部から千代川の右岸までを鳥取砂丘と言っているのですよ。なぜこういう狭隘な地域のことを言われるのでしょうか、非常に見識を疑いたいと思います。
 次に、美しい砂丘を守り育てるという条例でありますが、1つ私は奇異に感じるのはこの条例で規制される禁止行為について、一体だれがどのように現地を確認して人を特定するのか、県職員を張りつけて警察に告発するのか、実際の運営に当たっては問題が多々あると思うのです。知事の所見を伺います。
 この条例案に対して、現在、鳥取市の寺垣弁護士から請願が出されておりまして読ませていただきました。なるほどと思いました。道徳的に悪いことだから罰するというのは危険だということをおっしゃっておりますし、この条例に規定する文字、図形または記号また10平方メートルについても罰則を前提とする証拠として確認することは困難だと、こうおっしゃっておりますが、知事の見解を伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、文化財行政について基本的な考え方を問われるお話がありました。今、調査費で1,000万でこれで十分かどうかということに端を発して、そもそもそうした新しい財源として法定外の目的税をこしらえるべきではないかという御主張であります。
 私は先ほど申しましたように、今まで十分だとも思っておりません。ですからチャンスといいますか、何とか工夫してやるべきことはやっていくと、こういう姿勢で臨みたいと思います。予算のことも先ほど教育長のお話がありましたけれども、教育長のお考えも聞いて適切に対処してまいりたいと考えております。
 2つ目でありますが、鳥取砂丘について何点かお尋ねがありました。シナダレスズメガヤにつきましてとか、あと乾燥地研究センターのことについては生活環境部長からお答えを申し上げたいと思いますが、もし条例を制定、お認めいただく場合には、その範囲をどうするかというのは改めて議論の対象になっていいのではないかと思います。
 乾燥地研究センターも言わばその砂丘の一部であるからこそ、あそこに研究所を設けられたのだと思います。もちろん国の財産であって管理をされているわけでありますから、研究の目的と完全に矛盾したことを先方が了解するとも思えませんし、我々に強制力があるわけではありませんが、ただ全体としての砂丘の草原化防止のために何をやっていくべきか、初めからこの議論の対象から除く必要も本当はないかもしれません。議員の御指摘のところ、わかるところもございますので、もしこの条例問題が決着しましたら、改めてそうした話し合いの機会を持つべきかなと考えております。
 次に、鳥取砂丘について落書きをした場合の、落書きをしてはいけないという禁止行為を書き、これに罰則のある条例を今回御提案申し上げているのですが、これについて県職員を張りつけて行うのか、その体制についての問題点の御指摘があり、それから寺垣弁護士からの請願についてのお話がございました。
 まず、今回の条例でありますけれども、もし施行されるということになれば当然ながらその規制について一定の対策を考えなければならないと思いますが、私は何が目的かといえば美しい砂丘を育てて伝えていく、引き継いでいく、このことであると考えております。
 そして、ここに来られるお客さん方がいます。観光客、あるいは砂丘に興味を持たれてやってこられる方、いろいろな方々がおられると思いますが、そういう方々にも砂丘のとうとさを知っていただき、守り育てる運動に参画してもらうことが必要だと考えております。ですから、これはすべて決着した後できちんと詰めた話はしなければなりませんけれども、砂丘についてその価値を説明をしたり、それからそこで行われる県民運動なんかの組織化なんかにタッチをしたり、そしてあわせて実際に違反行為があった場合にその取り締まりにも当たる、そういう体制が必要ではないかと思います。もちろんその中には県職員の身分を持った者、こういうものも考えられていいと思います。
 かつて砂丘保安官という名前の方々がおられました。この砂丘保安官は福部村が補助をしたりしてやっていまして、鳥取市になって結局今はなくなっていますけれども、砂丘を守ること、あるいは砂丘についての解説を行ったりして、その認知度を高めること、こういうことを主として仕事をしていたと思います。こうした存在の方は今も環境省のレンジャーとして臨時的に11月まで設置はされていますが、その後の保証はございません。ですから、国とか市と協議をした上でですけれども、そうした体制づくり、県もその中核となってやっていく必要があるのではないかと思っております。
 次に、請願のお話がございましたが、これで罰則、要は今禁止をすることとあわせて罰則を科することについて問題があるという請願の1つの趣旨が述べられておりました。
 私は先ほど申し上げましたように、まずは禁止行為が明確に今自然公園法上出されていない、罰則を伴う禁止行為が実は自然公園法もあるのですが、これの明確な対象となっていない。ですから、抑止力を持たせる意味でほかになかなか手段も考えにくい部分もあるものですから、そうした決まりをローカルでつくっていく条例を制定する意義は私はあると考えております。その際、単に禁止行為ということだけでは実効性のある規制にならないかもしれません。ですから自然公園法並みの罰則はいかがかという、そういう御提案を今回出させていただいているわけであります。もちろんいろいろな議論はあろうかと思いますが、これは世間のほうでも随分議論をされ得ると思います。
 私はこの際、十分議論を闘わせてそれで結論をしかるべく出すのが筋合いだと思っています。それが民主的な地方自治のやり方だと思いますので、大いに議論していただきたいと思います。おもしろいことで、我々がこうして議論している横で、全国でヤフーがインターネットで、我々が頼んだわけではないのですが、勝手にアンケート調査をされました。ヤフーが全国の皆さんにアンケート調査をしていただいて、2万6,000通の意見が集まったそうです。今回、提案させていただいている罰則つきの落書き禁止ということを条例で定めることをどう思うかという問いについては、賛成が51%だったそうです。それから率直に申し上げて、罰則はちょっと高いかなと、こういうのが24%あったそうでありますが、禁止自体は罰則の程度問題はあるにしても大体4分の3の方が、全国調査の、これはインターネット調査でありますので対象者の限定はあると思いますが、そういう結果が出されたりしています。
 私は、今世の中が変わってきたのだと思うのです。ちょっと前であれば、規制をすることが非常に厄介な話、とんでもない話というふうに思われた時代はあったと思うのですけれども、しかし今、崇高な自然環境を守るためにこれだけのことを、地元では例えばボランティアが3,400人も出て掃除をやっている。3,300人も出て草を抜いている、それにあわせてさらにこうして条例でも本気で考えているわけですと、こういうことを出すメッセージが全国に向けても必要なのではないか。鳥取砂丘はこうした取り組みをしていることがむしろジオパーク構想なりなんなり、観光客の誘客というインセンティブとしても働く時代になってきているのではないか、だからこそ、そうしたインターネット調査を勝手にヤフーがされたわけでありますが、それでも意外に好意的に見ていただいている、そういう結果が出ているゆえんではないかと思います。
 証拠として採取をすることが難しいのではないかという点でございます。これは我々も内部で議論するとき随分ここは思い悩みました。と申しますのも、砂の上にかくものですから流転する可能性はあるわけであります。それで、最初は遠くから見たときにこれが落書きと言えるようなもの、そういう意味でいろいろな印象を見る人に与えるようなもの、それはやめようではないかという書き方をしたのですが、最終的に今回御提案申し上げておりますのは、大きさをしっかりと書いて測定ができる、そういう意味でもし罰するというようなことになるとしても、そこの立証を立証側としてできるそういう仕掛けにさせていただきました。そういう意味での工夫はさせていただいたところでありましたので、ぜひその辺も御議論をいただきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)2点補足をさせていただきます。
 まずは1点、乾燥地研究センターがシナダレスズメガヤの種子の供給源になっているのではないかという御趣旨の御質問だったと思いますけれども、平成19年度、議員のほうからも御紹介のありました調査研究会の調査では、乾燥地研究センター内の草原化はオニシバとシナダレスズメガヤを主にして進んでいると。このうちオニシバは本来の砂丘植物でありますけれども、シナダレスズメガヤは外来種でありますので除草対象の植物となっておりまして、特別保護地区でもこれが生えておれば当然除草をしているという状況でございます。ただ、旧砲台周辺は従来から地元の方々が自主的にやっていただいていたということで、除草対象区域にはなっていないということで、外面的にはシナダレスズメガヤが除草対象になっていないような印象を受けていた可能性はあるなというふうには思っております。ただ、はっきりと除草対象植物であるというふうには位置づけておりますので、そういった取り扱いをしていきたいと思います。
 今回、議員の御質問の趣旨もあって鳥取大学にもちょっと聞いてみました。ただ、乾燥地研究センターのほうの導入作物についての文献の中には、このシナダレスズメガヤの記述はないということでした。あわせて前の所長さんなどにも確認をさせていただきましたけれども、その限りでは導入したという事実は判明しませんでした。ただ、乾燥地研究センターが一番最初の導入地であったかないかは別にしましても、現にかなり繁茂していますので、その取り扱いはやはりよく検討しないといけないというふうに思っております。地元の皆さんなり、乾燥地研究センター、鳥取市などともよく話をしていきたいというふうに思います。
 もう1点、特別保護地区だけが砂丘ではないよというのは御趣旨のとおりだと思います。ただ一方で先ほども申し上げましたように、隣接して団地もかなり広がってきています。やっぱり飛砂の影響というものもよく検討しないといけないと思いますので、あわせてこの辺も含めて検討していきたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)2点お尋ねいただきましたので、お答え申し上げます。まず1点目ですけれども、遠慮しないで知事部局のほうに必要な文化財の調査とか保存のための専門職員の配置をもっと要求してはどうかというお尋ねでございます。
 先ほど知事の答弁にもありましたので、県の教育委員会のほうとよく話をしてというふうに御答弁がありましたので意を強くしましたので、ぜひこの辺のところを今の建造物の任期なしの職員ですとか、天然記念物ですとか美術工芸ですね、こういうふうなことにも配置ができないかどうかお願いをしてみたいというふうに思っております。
 2点目でございます。県内には近代化にかかわるいろいろな文化財の遺産がある、歴史的な遺産があるけれども、それをどういうふうに掘り起こすのかというお尋ねでございました。
 お話にありましたとおりでして、近代化に非常に役立ちましたいろいろな歴史的な文化遺産ですね、このようなものもたくさんあります。評価が高まってきております。お話がありました日南の若松鉱山ですとか福部のほうの旧栗谷の武庫山金山などについては、平成8年度から9年度にかけて近代化遺産総合調査を行っております。この中で重要な点がわかってきておりますので、こういうふうなことをもとにしていろいろな取り組みを進めていく必要があるなと思っています。
 若桜鉄道の国文化財の登録なども、こういうふうなことも成果が上がっているというのはさっき申し上げたとおりでございますので、近代の文化財というのは力を入れていきたい分野でございますので、先ほど申しましたような形で近代化、産業遺産への認定というふうなことを経済産業省が考えておられるようでありますので、そういうふうなものを含めて積極的に取り組んでいきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)最後といたします。部長、ありがとうございます、検討する検討するということで。検討するというのはこの件については3回目なのですよ、この質問が。検討していなかったのですよ。再度要求しますよ、検討とはどういう意味なのですか。しないという検討、するという検討。過去3回目で何もしていないのですよ。
 知事に、鳥取砂丘の基本スタンスを聞きたいのですよ、今回この質問する上で執行部に資料要求したのですよ。ところが窓口がなかったのです、本庁に。財政課に要求しましたよ。よくよく調べてみたら砂丘問題については東部総合事務所、県民局だそうですね。知事、こういうことでいいのでしょうか。知事は崇高な思いをおっしゃいました、鳥取砂丘に対して。でも現実、実働部隊は東部県民局なのですか、知事の所見を伺います。
 最後に、美しい鳥取砂丘を守り育てる条例ですけれども、美しい鳥取砂丘というよりも、何なら日本一の鳥取砂丘を守り育ててもらいたい、このように思います。私は、この条例案に対して非常に奇異に感じるのですよ。落書きで30万円取るのでしょうか。この条例が、全国からはるばる鳥取砂丘を訪れる人たちに対して、観光客に対して鳥取砂丘は条例違反で摘発される恐ろしいところだという印象を与えかねないと思うのです。私の思いはこの罰則規定を廃止すべきだと思っていますけれども、今後議会の中で十分議論をして検討したいと、これこそ検討したいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず組織についてのお尋ねがございました。
 いろいろな組織改正、多分今までもやってきているようでありまして、片山さんの時代から。それでめぐりめぐって今県民局のほうに行っているようであります。現場主義でありますから、それも一つの考え方かもしれません。ただ、私は今回この条例を提出させていただいてどういう御議論になるのか、それは私も皆様の検討を見させていただきたいと思うのですけれども、その結果として答えが出た後は再整理を組織についてすべきだと思います。本庁で責任持ってそれに対して対応する、そういう役割を果たす仕事がどこかの部局になければならないかもしれません。ただ、さはさりながら私は鳥取砂丘が見えるところでちゃんと解説ができたり、それからこれはいけないよというモラルの問題を説いたり、住民の方と一緒になってやっていく部隊が必要な気がいたします。それは総合事務所の中であるのは適切かどうかというのは議論はあると思います。そういう意味で、組織については改めて見直しを考えたいと思います。
 次に、条例について今議員の思いをいただいたので、それで終わりなのかもしれませんけれども、阿刀田高さんが小説の中で、「壜詰の恋」の中で書いています。いぶかしく思いながらリフトに乗って砂丘が見えるところまで来てみると、突如として雄大な風景が広がってきたと。それは足元に砂のくぼみが褶曲しながらずっと続いていてその向こう側に砂山が立っている、大きな壁をつくっていて見渡す限り遠くまで高くそびえ立っている。これに心打たれまして、これが本当に日本の風景だろうかというふうに言わせているわけですね。こういう鳥取砂丘の雄大さ、日本一の性格というものを私たちはぜひとも後世へと伝えていかなければならないと思いますし、これは県民みんなで守り育てる運動に参加をしたり、あるいは多くの人に共感を呼んでいただいて環境保全のメッカのように鳥取砂丘がなっていく、そういう資格を持っていると私は思うのです。だからこそ、このたび条例を提案をさせていただきました。実効性のある規制が今自然公園法の中でできていないのです。その罰則を伴った規制が自然公園法の中にきちんと書けていないうらみがあって、今のような事態に結びついている面もあると思いますので、私たちとしてはこのように提案をさせていただいておりますけれども、ぜひその趣旨をお酌み取りいただきながら御審議を賜りたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、午後1時40分再開予定といたします。
       午後0時42分休憩
   ────────────────
       午後1時40分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問並びに質疑を行っていただきます。
 31番石村祐輔議員


◯31番(石村祐輔君)(登壇、拍手)ありがとうございます。自由民主党クラブの石村でございます。というような気持ちのよいあいさつが県庁や出先機関に電話をすれば返ってまいります。これを聞きますと、県で取り組んでいるCS研修の成果があらわれ、県民目線での県政が浸透しているように感じるのであります。
 しかし一方では、県民の皆さんから県や職員のやり方についての不満や苦言が私のところに届いてまいります。県のホームページの県民の声を開いても同じような意見があります。主なものを上げれば、職員の高飛車な態度、不適切な事務処理、説明不足や情報伝達方法の不備などであります。ほんの一部のことでありましょうが、実際これらを背景にさまざまな問題が浮上しております。
 最近、特に目につくのが指名停止の報道であります。これは建設事業に限らず、他の公共調達でも見受けられます。私は、この指名停止の背景や内容について今回調査をいたしました。この過程で疑問に感じた公共調達に係る問題について質問するものであります。
 公共調達部門では仕事量そのものが減少していることに加え、過当競争により企業経営が大きく圧迫されております。このような中では、以前はそれほど大きな問題とならなかった県の事務処理も、一歩誤れば会社の存廃に直接つながるおそれもあります。指名停止や資格停止の理由を見れば、受注者の法令違反や手抜き、管理不足が多くを占めておりますが、中には本当に受注者だけの責任であろうかと首をかしげるような事例もあります。
 例えば、県が指名競争入札を実施し、受注者を決定しておきながら、その後受注者に業務資格がなかったことが判明したことによるもの、建設事業の設計や施工にかかわるものについては、私の所属している企画土木常任委員会でも議論をしておりますが、私が指名停止業務についての調査を進める過程で、私の考えに反応したかどうかは定かではありませんけれども、最近になって県土整備部では当該業務の実施方針を改定しております。このことからも県も応分の責任を感じているのではと考えるものであります。
 また、発注者と受注者は対等であるとの意識の欠如から、みずからの正当性のみを主張し、場合によっては圧力を感じるような言動もあるようであります。そして、職員に責任が及べば処分されるので、これを組織全体で回避するために受注者にすべての責任を押しつけるということを組織的に行っているような事例もあるのではと考えます。
 いずれにしても、指名停止や資格停止の事務が発注者側の理論を主体に処理される現在の仕組みそのものに問題があり、第三者を含めた審査会のようなもので透明性の高い公平、公正な事務処理を行うべきと考えますが、知事にお伺いをいたします。
 次に、各総合事務所で発注している特殊自動車の車検整備についてであります。この発注状況を調査したところ、所要経費の積算や単価、契約方法等についての県で統一された基準がなく、その判断は担当者にゆだねられており、各事務所間で大きな開きがあります。そして、このことが入札の不透明感や不信感を助長したり、一部の業者に落札が偏ってしまうことにつながっているのではと考える事例がありました。そして、これ以外の公共調達での問題も、人事・評価室が高い専門性を必要とすると位置づけている業務で多く見られます。これらの問題を起こさないためには県民目線での行政はもちろんですが、職員が専門知識を身につけ、これを実務で十分に生かすための仕組みづくりが必要だと考えます。
 その対策として研修がなされておりますけれども、研修で幾ら知識を吸収しても、これを実務を通じて消化吸収しなければ本当の力にはならないと考えます。このためには人事異動のサイクルや職員配置にも十分な配慮が必要であります。かつての人事異動では、チームのほとんどが異動となり、しばらく組織が機能しなかったという事例もあります。知事は人事異動のサイクルを3年にしたいと答弁しておられますけれども、これら専門性を要する業務についての異動サイクルや組織体制をどう考えるのか、また職員が専門知識を身につけるための機会や時間をどのようにして確保されるのかをお伺いいたします。
 さらに、公平性や透明性を確保しながら円滑に業務を進めるためには、特殊自動車の車検整備業務の事例からも、可能な限り業務のマニュアル化を進めるべきと考えますが、これについても知事にお伺いを申し上げます。
 次に、学校の耐震化についてであります。学校施設が倒壊し、多くの子供たちが犠牲になった中国四川省大地震には大きな衝撃を受けました。そして世界最大の地震大国である我が国では、地震の規模には差はあるものの、震度6強の岩手・宮城内陸地震を初めとして地震が頻発しております。平成7年の阪神・淡路大震災以降、西日本は地震の活動期に入ったと言われております。西日本の日本海沿岸では最大級の震度6強の鳥取県西部地震では、死者は出なかったものの大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいわけでありますし、ことしは鳥取大震災から65年がたちます。これらから考えれば、今後も本県での大規模な地震の発生は当然に予測すべきであり、地震災害のリスクを可能な限り低減するためのハード、ソフト両面での対応が必要だと考えます。
 特に多くの児童生徒が日常的に集合している学校現場では、施設の耐震化とあわせて地震から身を守るための防災知識の向上と防災訓練の充実も急がれます。教育委員会の資料によれば、本県の平成20年4月1日現在の耐震化率は小学校では58.7%、高等学校47%、特別支援学校82.6%、幼稚園55.6%で、特別支援学校を除いては全国平均を下回っております。文部科学省では、大規模な地震時に倒壊等の危険性の高い公立小・中学校のIs値0.3未満の建物の補強や改修等を急ぐこととして、地震防災対策特別措置法を改正し、平成20年から22年度の3カ年間に限って補助率のかさ上げを行うこととしております。県内の公立小・中学校のIs値0.3未満のものは、耐震性がないとされた249棟のうちの約13%の32棟であり、この数字を見る限りでは今後3年間での整備は可能と考えますが、市町村の財政状況を含め、県教委はこれをどう見込んでいるのか、また今後の耐震化整備についての市町村への働きかけや、県の支援についての方向を教育長にお伺いをいたします。
 次に、県立学校での耐震診断結果によれば、診断対象の28校139棟のうち、Is値0.3未満またはq値が0.5未満で、大規模な地震の振動及び衝撃に対して倒壊または崩落する危険性が高い緊急度判定で1にランクされているものは、36棟であります。このうち現在までに耐震化工事に着手した、または着手予定のものは5棟、実施設計に着手しているものが6棟あり、この11棟については早い時期に耐震化工事が完了するものと考えます。しかし、この11棟のうち緊急度1にランクされているものは6棟であり、残り30棟には緊急度1でありながら、現時点では具体的な動きはなく、危険度1の建物でさえ耐震化には相当の期間を要するのではと考えます。
 平成17年3月議会で防災監は今後10年間で耐震化率100%を目指すと答弁しており、平成27年度までにはすべての耐震化工事が完成することを示唆しておりました。しかし、その後の教育長の答弁では、できるだけ速やかに計画的に耐震化を図っていきたいという思いは持っているとの答弁に大きくトーンダウンしており、これは県財政との兼ね合いに配慮してのことだと思います。しかし、生徒の安全性確保においては財政的な視点を優先すべきではないと考えます。文部科学省も公立の小・中学校の危険性の高い建物ついては3年以内での改修を目指しており、少なくとも緊急度1の30棟については早急に補強工事に着手すべきと考えますが、これについての考え方を知事と教育長にお伺いいたします。
 耐震診断で補強の必要ありとされた建物についての補強設計は、今年度でほぼ完了いたします。これをもとに補強改修の着工年度や事業費の見通しを示した計画を作成し、公表すべきと考えますが、教育長にお伺いいたします。
 震災のリスクを軽減するためには、適切な防災行動も大きな効果をもたらします。平成19年度の各県立学校の地震に対する防災訓練は、高等学校では24校中16校、特別支援学校では全校で行われております。訓練を実施していない高等学校の中には危険度1の建物のある学校もあります。また訓練で想定した地震の規模も、県内で過去に観測されたものよりも小さいものもあり、震災に対する意識が低いと感じる部分もあります。県内の地震情報や自校の耐震診断結果を教職員や生徒に周知することや、建物の危険度に応じた適正な防災訓練は防災上大きな意味を持ちます。さらに、訓練内容については専門家の指導を受けてはと考えるものですが、防災訓練についての考えを教育長にお伺いいたします。
 次に、振り込め詐欺についてであります。
 先日発行された平成20年度版の警察白書によれば、刑事警察を取り巻く状況と課題については、犯罪が悪質化、巧妙化し広域化の一途をたどっている。地域社会の連帯感や人間関係の希薄化により人からの捜査を困難にし、経済のグローバル化や物流の活発化は物からの捜査を難しくしているとしております。このことは、ここ数年、横ばい傾向であった全国の振り込め詐欺の被害総額がことしになって急増していることや、鳥取県においても被害金額は6,100万円余で、昨年同期の6割程度ですが、被害件数は54件と2割近く増加していることからも明らかであります。振り込め詐欺の場合、携帯電話や銀行口座等が偽名で契約開設されることが多く、また通話記録等の保存が事業者等にゆだねられていることもあり、犯人にたどり着くことが他の犯罪に比べて困難な場合が多いことなど、匿名性の高い犯罪の捜査環境の厳しさを物語っております。また、おれおれ詐欺から始まって最近では公的機関を装った還付金詐欺等、次々に新しい巧妙化した手口が使われております。このため、自分だけはだまされないと思っていても、ついつい犯人の口座に振り込んだ事例もあり、過去の詐欺事例を後追いしたような捜査方法や県民への啓発では十分な効果が得られないのではと素人的には考えております。
 そこで本部長にお伺いいたしますが、現在なお大きな被害が続いているこの振り込め詐欺の現状とその背景について、さらにはこれを防止するための対策と課題についてお伺いをいたします。
 平井知事は、「安全・安心いきいき地域」の中で、安心して暮らせる地域社会を重視するとともに、振り込め詐欺等から消費者を守る相談窓口の充実を掲げておられますが、今なお振り込め詐欺に高齢者が次々と被害を受けている現状を見て、現在の相談窓口の効果と警察との連携を含めた今後の相談体制のあり方についてお伺いをいたします。
 ある新聞社のアンケートでは32%の人が自分の親、これは70歳以上のようですが──は振り込め詐欺にひっかかる可能性があるとしております。その主な理由を、年をとって判断が鈍っている、人を信じやすいとしております。また、振り込め詐欺はどうやったら減るかと思うかとの問いに対しては、口座の確認や監視、窓口での注意喚起等の金融機関での取り組み強化が警察による犯人摘発や広報啓発活動を上回っております。このことから銀行等の金融機関、ATMの設置者等への協力依頼を行うなど、関係機関と連携した水際防止対策が必要と考えますが、現状と今後の方向について警察本部長にお伺いいたします。
 さらに、現在の振り込め詐欺は携帯電話とATMがセットで行われている事例が多いと思います。このため、島根県では携帯電話識別センサーの導入が既に始まっているようでありますが、鳥取県での見通しについて警察本部長にお伺いし、壇上での質問といたします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)石村県議の御質問にお答え申し上げます。
 まず、職員のいろいろな仕事のやり方に関連しまして、公共調達について公平、公正な事務処理ができていないのではないかというお話がございました。資格停止の中に受注者だけの責任だろうかと首をかしげるものがあると、第三者を含めた審査会のようなもので透明性の高い公平、公正な事務処理を行うべきではないかということであります。
 私も当選して、やはり県庁をもっと県民に親しまれる存在にならなければならないと思いますし、特にコミニュケーション能力がおかしかったり、それから職員が独善的に物事を決めにかかって、ひょっとすると現場感覚を離れて、相手方の住民の方の意識とずれを生じているのではないか、こういうものを正していこうという運動をさせていただいております。そういう意味で、先ほどのあいさつなど改善が一つ一つ図られているわけでありますが、今回お取り上げいただきました資格停止の事務でありますけれども、これは私どもは発注者側の立場であると同時に資格停止について、その発注のシステムの中で決めていく、ですから資格停止しますよというのもこちら側が決める。そういう意味で、一方当事者に偏ったやり方になっているという嫌いがあると思います。そういう意味で今議員がおっしゃいましたとおり、公平、中立な第三者的な意見を聞きながら資格停止するようなシステムを導入すべきではないかというのも傾聴に値することだと思いますし、そうした検討もしてみたいと思います。今は事後的に不服審査があれば入札契約審議会で当たるというようなことがありますけれども、それを事前に、資格停止する前に意見を聞くというようなシステムも可能ではないかと思いますので、研究をさせていただきたい思います。
 次に、人事異動サイクルを3年にしようと私どもで目指しているわけでありますが、専門性の高い業務についてどうするのか、また専門知識を身につけるための機会や時間をどう確保するのかということでございます。
 これは重要な課題でありまして、私どもでは職員の資質を高め即効能力の高い、応用力の高い人づくりをしていかなければならないと思います。今、片方で総枠の定員を削減をしていこうと、今までにはなかった削減の定数目標をつくっております。ですから、片方で住民サービスを低下させないためには、今おっしゃるような公共調達などの専門性の高い職場に配慮する必要があるだろうということでございます。
 現状申し上げますと、3年を超える平均の在職年数に今のルーチンはなってきておりまして、以前よりは改善されたと思いますが、専門性の高いところはさらに上乗せをして置いておくということも可能ではないかと思います。個別、具体の職場の状況を見ながら、人事をさせていただきたいと思います。それから、研修のための機会や時間のとり方などにつきましては、行財政改革局長のほうから御答弁を申し上げたいと思います。
 それと関連しまして、業務のマニュアル化のお話がございました。これは従来からも、例えば税金に関する、地方税に関する業務、これはかなり詳細なマニュアルをつくっております。あるいは食品検査とか、あるいは表示の検査でありますとか、あるいは建築関係の仕事のマニュアルとか、そういうマニュアルがある業務体ごとにできてきております。ただ、これも不断の見直しをしなければならないと思いますし、今おっしゃるような公共調達のようなところで今までと仕事のやり方が変わってきて、組織が変わってきたものですから、別々の人がやるようになったりというものも出てきておりますので、マニュアル化をさらに進めてまいりたいと考えております。詳細、行財政局長から御答弁申し上げたいと思います。
 次に、学校の耐震化についてお話がございました。県立学校の耐震診断緊急度1と判定されるようなところについては、財政的な視点を優先すべきではなくて早急に補強工事に着手すべきと考えると、これについての所見を問うという、そういう御指摘でございます。
 私も、子供たちの問題でありますし、建物の安全性というのは子供たちだけではなくて回りにも影響を及ぼしますので、周囲に対する影響もかんがみて緊急性は高い事業だと思います。特に耐震度が高いものは優先して取り組まれるべきものであろうかと思います。そういう意味で、今後も教育委員会の御意見をお伺いしながら、緊急度の高いものについては精力的に財政支援を傾けるようにやってまいりたいと思います。現在、そうした耐震補強などは財政上の手当てもございまして、そういうものを活用していけば、それなりの財政影響はございますけれども、普通につくるよりは安く上がるという面もありますので、決してその財政的な観点でストップをさせようというものではありません。ただ、むしろ学校現場のほうの事情としてアスベスト対策が必要な部分があるとか、そういうところでは一たんとめなくてはいけないとか、教室を使い回すための年数がどうしてもかかるとか、現場は現場なりの大変さがあるようでございまして、今後とも教育委員会のお話を伺いながら、できるだけ早く緊急性の高いところは手当てをするようにいたしたいと思います。
 最後に振り込め詐欺についてのお尋ねがございました。振り込め詐欺に高齢者が次々被害を受けている現状から、相談窓口を強化していくべきではないか、警察との連携を強めるべきではないかという御指摘でございます。
 近年の傾向としては、相談件数はやや減っているというふうに数字は出ておりますけれども、ただ悪質化、巧妙化しておりまして、その対策を高齢者の方とかいろいろな方々にPRしていかなければならないと思います。特に、巧妙化しているがゆえに、なかなか人に相談できないような形にしておいてやっていく、典型的には息子さんが交通事故を起こしたとか言えば、そうすれば結局周りの人には相談しにくいだろうから本人が思い悩むと、そのうち振り込むと、追い込まれると、こういうようなことになってくるわけでありますが、私どもとしては消費生活相談室のような相談窓口をしっかりと開いて、それをPRして、何かあったら安心して御相談くださいと、秘密は守りますと、そういう広報をやっていきたいと思います。
 このたび国において、志半ばで福田内閣は終わってしまいましたが、消費者庁をつくろうという構想があります。これは消費者庁は国のほうのセンター機能を有する、片方で地方のほうの消費生活相談室のようなポストを、場所をもっと充実して強化して使いやすくしましょうと、これが連携をすることによりまして、消費者の皆さんが安心して過ごせるようにいたしましょうと、そういう体制をつくましょうという構想であります。私はこれに基本的に賛同いたしておりますし、法案がこれからどうなるかでありますけれども、法案の審議なんかを見ながら鳥取県側のほうでも充実強化を図っていく必要があると思います。一つには使い勝手のよい窓口にすることは必要だと思います。例えば、休日とかそうしたときにも相談が、電話などでは少なくともできるとか、そうしたアクセスを広げることは必要だと思いますし、市町村にも理解を得ながら市町村でそうした消費生活相談をきちんと受けていただける、そのための折衝といいますか、連携の場づくりをする必要があると思いますし、あわせて警察と犯罪に直結するものが多いわけでありますから、振り込め詐欺など今後とも連携を強めたいと思います。
 来月にも、その振り込め詐欺につきましては警察との協議の場をつくりたいというように考えておりますが、今後とも精力的にこうした警察の連携の中で効果的な消費者相談を行っていきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)中山行財政改革局長


◯行財政改革局長(中山貴雄君)職員の専門性の確保とマニュアル化につきまして、補足答弁を申し上げます。
 まず、職員の専門性の確保でございますが、知事が申し上げましたように、人事異動のほか、県庁におきましては例えば法制、税務、用地取得といった業務につきまして庁内公募をして専門職員の確保に努めているところでございます。また、限られた人員の中で所属内の応援体制を確保するため、何よりも重要なのは、OJT、日常の職務遂行の中で行われる教育訓練が一番大事かと思っております。このため、新任者に対する先輩職員からの専門知識や技能などの伝達指導を行うためのトレーニングを行う制度や、あるいは過去の成功例や失敗例などの情報共有などのシステムをつくろうとしているところでございます。
 また、平成20年度は管理職全員に対しまして、部下職員の育成も含めたコーチング研修を新たに実施を始めたところでございます。引き続き、業務の安定的かつ効率的な処理のための職場の実情や実態をきめ細かく点検して、こういった養成を行ってまいりたいと考えております。
 次に、マニュアル化でございますが、不適切な事務処理をなくして業務を適切かつ円滑に進めるためには、業務のマニュアル化というのは非常に大事なものと認識しております。このため、各所属に業務引き継ぎにおきます留意事項ですとか、あるいは引き継ぎ書等を作成させるほか、業務別のマニュアルの作成例等を紹介いたしまして、業務のマニュアル化を奨励しているところでございます。例えば、食の安全対応マニュアルですとか、あるいは用地関係の事務マニュアル等、幾つか現在も作成して職員のほうで利用を進めております。
 こういった職員一人一人の資質の向上や業務をマニュアル化するということは、今後限られた体制の中で業務を的確に実施するためには、一番重要となるものと認識しておりますので、御指摘のありました公共調達など全庁共通的な事務につきまして、具体的な問題点等を点検しながらマニュアル化を検討したいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)石村議員から3点御質問いただきましたので、お答えを申し上げます。
 まず1点目です。県内の公立の小・中学校の耐震性の低い建物の整備について、県はどのように見込んでいるのか、今後市町村への整備の働きかけや支援をどのようにしようと考えているのかという御質問でございます。
 私が申し上げるまでもありませんで、公立の小・中学校の耐震化整備については、基本的には学校の設置者である市町村で責任を持ってなされていることというふうに認識をしております。今の公立小・中学校のIs値の0.3未満のものですけれども、お話がありましたが、建物全部で32棟あります。その32棟のうちの26棟は各市町村のほうにおいて今後3年間、22年度までに整備がされる予定であります。あと残り6棟がございますけれども、これについても翌年の23年度には整備がされるというふうに聞いているところでございます。これが今回地震防災の対策特別措置法が改正になりまして国庫補助率がかさ上げになったというふうなこと等から、私ども県のほうでも市町村さんのほうにいろいろお話をさせていただきましたけれども、市町村さんのほうで努力をされたその結果というふうに考えているところでございます。
 今度は公立小・中学校でIs値の0.3以上ですけれども、以上の建物も含めて市町村において計画的に耐震化が図られているというふうに考えているところですけれども、ただ今後、小・中学校の統合等の問題が起こってきます。この統合ですとか移転等の構想から、耐震診断がまだなされていないという建物も74棟あるようにこちらのほうでは把握をしているところでございます。
 こういうふうなこともありますので、この特別措置法の改正によって耐震診断の実施ですとか診断結果の公表というのが義務づけられておりますので、こういうふうなこともあって県の教育委員会としては市町村との行政懇談会の席などでお願いをするように働きかけているところです。今年度も春の1回目の会議でもって私も申し上げました。今後とも働きかけをしていきたいと思っておりますし、それから技術的な面で技術者の紹介とかあっせんみたいなものも必要ならば支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 2点目でございます。県立学校の耐震性の面で緊急度の高い建物については早急に補強工事に着手すべきというふうに考えるけれどもどうかと。また補強計画は今年度で完了するので、これをもとに工事の着手の年度や事業費の見通しなどを示した計画を作成して公表すべきではないかと考えるけれどもどうかというお尋ねでございます。
 初めの緊急度の高い県立学校の建物の工事着手についてでございますけれども、これについては17年度から19年度耐震診断を行いました。その結果139棟のうち補強の必要があるものというのは98棟でございます。これも御案内と思います。そのうちの98棟のうちの36棟が大規模な地震の際に倒壊等の危険性が高いというふうに診断されているものでございます。これを受けて、これもお話がありましたけれども18年度から今年度にかけて耐震補強設計を今行っているところでございます。耐震工事についてはすべての補強設計ができてからというのでは遅くなりますので、現在耐震補強設計の完了したものから優先順位をつけながら順次実施しているところでございます。今後も基本的にIs値の低い建物から着工していきたいというふうには考えているところでございます。
 ただ、しかしながら学校というふうなことの特性がちょっとございます。教室を工事で使用する場合は授業を行っておりますのでこの授業のない長期の休業中ですね、そういうようなことがあります。それから学校ですので安全確保のため、授業なんかのために一定量の安全のためのスペースみたいなものも必要になりますので、同じ学校で同時に幾つかの棟を工事するというようなことはできにくいというふうな、そういうような特性もございます。そういう学校運営上の制約がございますので、時間がどうしても多くなってしまうという傾向がございます。しかしながらできるだけ早く速やかに対応したいというふうな気持ちで向かっておりますので、決してトーンダウンしているのではないというふうなことでお酌み取りをいただきたいと思っております。
 2つ目の補強、改修の計画作成というふうなお話がございましたけれども、現在行っておりますこの耐震補強設計の結果に基づいて、学校の現状を把握した上で棟ごとに施工時期ですとか、それから概算の事業費などを盛り込んだ耐震化の全体計画を作成する予定にしております。ただ、補強設計が今年度いっぱいかかりますので、この計画は急ぎますけれども来年度に入っていくというふうに考えておるところでございます。できるだけ速やかにこの全体計画を作成、公表して不安を解消していくように努めていきたいというふうに思っているところでございます。
 3点目です。県立学校においては県内の地震情報とか自校の耐震診断結果を教職員や児童生徒にもっと示して、あるいは専門家の指導を受けながら防災訓練をするのが必要ではないかというお尋ねでございます。
 私もそのとおりだと思っております。県立学校では防災訓練を、学校管理規則に基づいて年に2回するようにしております。各学校では実態はいろいろありますけれども、大体2回のうちの1回は火災、1回は地震というふうな形におおむね位置づけて、地域の消防署の方に御協力をいただいて、消防署の方に何名か来ていただいて取り組んでいるというところでございます。
 お尋ねの地震のほうの防災訓練についても、これは今でも地震が発生したらまず身を隠すもののところにとりあえずはここに隠れなさいと。それから地震がおさまってから避難をしなさいというふうなこと、そういうふうなこと等を指導しているところでございます。それから地震に関しての訓練のときには、さっき言いました消防署の方の指導あるいは講話をいただいたり、学校によっては起震車の体験を取り入れているところもございますけれども、ただそうはいいましてもよく聞いてみますと、地震に関する防災訓練を隔年でやっている学校も中にはあります。それから火災が中心になってしまったとか、地震のほうの防災をやっていたのだけれども台風等が来て天候が悪くなって中止にしてしまったというのも2~3あるように聞いています。そういう意味で、ちょっとその辺のところの取り組みがまだ十分でない学校もあるように把握をしていますので、しっかりその辺のことも指導していきたいと思っています。それから自校の耐震診断結果とか専門家の具体的な指導を受けるということも非常に大事なことだというふうに考えておりますので、そういうことも含めて学校安全担当者の研修会ですとか県立学校長とか、そういうところを通して指導していきたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)振り込め詐欺についての御質問にお答えいたします。
 まず現状につきましては、今日全国的に振り込め詐欺が大きな問題となっておりまして、本県におきましても8月末現在の最新の統計では、議員がおっしゃった数値よりさらに若干ふえまして認知件数56件、被害総額約6,500万円に達しております。前年同期と比べますと件数は6件増加している一方、被害総額では約4割減少しているなど、対策の成果がかいま見られながらもいまだ道半ばという状況であると思います。特に最近では税金等の還付を装って被害者を誘い出し、ATMを操作させて振り込みをさせる還付金詐欺が増加しております。振り込め詐欺は携帯電話や預金口座名などを悪用して被害者に面接することなく組織的に犯行を行うという、いわば現代社会の利便性の盲点を突いた犯罪であります。しかも犯行を繰り返す中で次第に手口を進化させている状況もうかがわれます。このような犯罪類型としての特徴と、議員が先ほど警察白書を引きながら御指摘なさいましたような最近の社会情勢を背景とした捜査の困難化傾向等が相まって、全国的な振り込め詐欺被害の増加につながっているものと見ております。
 県警察ではさきに私自身が本部長を務める振り込め詐欺総合対策推進本部を設置し、組織を挙げて振り込め詐欺の防止に取り組む体制を構築いたしました。また、知事部局を初めとする高齢者福祉に関する機関、団体や金融機関の方々との協議を深め、相互に機密に連携した取り組みを推進してきております。
 幾つか例を挙げさせていただきますと、金融機関に対しましては不審な口座開設の排除、高齢の顧客に対する水際防止の推進などの取り組みをお願い申し上げております。また、県老人クラブ連合会などの御協力をいただいて、お年寄りがお集まりになる場におきまして警察職員による寸劇を通して還付金詐欺の手口を紹介し、警戒を呼びかけるといった新しい形の啓発活動を展開しております。さらに携帯電話が犯行ツールとして悪用されることを防ぐため、県内に所在する通信3事業者の支店に対しまして、契約時における本人確認の徹底等の偽名契約対策について協力を要請申し上げております。なお、携帯電話の通信履歴保存期間の延長ということにつきましては、現在与党のプロジェクトチームにおいて関係省庁、関係業界も参加して検討が行われているものと承知しており、その協議の状況を注視してまいりたいと考えております。
 対策のごく一端だけを御紹介いたしましたが、今後も高齢者に対する広報啓発活動を充実させますとともに、金融機関等の関係事業者や防犯ボランティア団体などのお力添えをお願いしながら、抑止と検挙を両輪として振り込め詐欺撲滅に向けて取り組んでまいります。そして来月10月は、振り込め詐欺撲滅のための取り締まり活動及び予防活動の強化推進期間として、全国警察を挙げて振り込め詐欺グループとまさに対決する月として設定されております。本県内の振り込め詐欺は7月は14件、8月は2件、9月は昨日までに3件の発生であります。10月はかけ声や単なるスローガンとしてではなく、本気で県内の被害ゼロを目指していきたいと考えております。
 さて次に、石村議員からの御質問の中で特に具体的に御指摘のあった2点についてお答え申し上げたいと思います。
 まず第1点の銀行等の金融機関、ATMの設置者等への協力依頼、関係機関と連携した水際防止対策についてであります。
 本県警察におきましても、平素からの鳥取県金融機関防犯協議会を通じての協力要請に加え、先ごろは地元金融機関に対して不審な口座開設の排除等の対策につき、個別に文書でのお願いも申し上げました。その他あらゆる機会を活用して金融機関、ATM設置者との連携を緊密に保ちながら被害を水際で防止するための情報の共有等に努めているところでございます。また先ほど触れました10月の全国一斉の取り締まり活動及び予防活動の強化推進期間におきましては、ATM設置場所周辺における制服警察官の重点警戒等もあわせ、金融機関、ATM設置者等と警察とが一体となって利用者の被害防止措置を徹底していくこととしております。
 次に、御指摘の第2点のATMコーナーにおける携帯電話識別センサーの導入についてであります。
 振り込め詐欺被害者の多くは、銀行店舗以外のスーパーマーケット等の無人のATMコーナーにおいて犯人側の指定する銀行口座に現金を振り込んでおり、ATMコーナーにおける被害防止はまさに対策のかなめであります。お隣の島根県では、8月初めに山陰合同銀行が複数のATMコーナーへの携帯電話電波感受装置を導入なさったものと承知しております。この携帯電話電波感受装置におきましてはATMコーナーで携帯電話を使用しますと感受装置が携帯電話からの通話電波を感知し、警告灯が点滅し警告文言がスピーカーから流れるようになっています。そして、ATMの設置先であるスーパーマーケットの事務所などにいる従業員に対しても携帯受信機の警告音や振動により通報がなされ、現場への急行を促す仕組みになっており、ATM利用客に振り込め詐欺ではないですかとの確認をすることができるわけです。
 この話を伺いまして、その後、鳥取県内のATMコーナーにもこの装置の設置をしてくださるようにと私どもからもお願いをしておりましたが、先般、御快諾をいただき県内の複数のATMコーナーにも設置をしていただくことができました。このうち鳥取市内のあるスーパーのATMコーナーでの現場での報道対応の折には私自身も出向きまして、その効果、威力のほどをこの目で確かめてまいりました。またその際、合銀の本店からおいでになった担当幹部の方に対し、ぜひ今後とも鳥取県内のATMコーナーへのこの装置の設置につき御配慮くださいとお願いを申し上げてまいった次第でございます。今後、県内の各金融機関に対しましてもこの種装置の設置の御検討を広く働きかけてまいりたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)31番石村議員


◯31番(石村祐輔君)先ほど知事のほうからも前向きな答弁をいただきました。ただ一つだけ言っておきたいのは、資格停止については異議申し立ての機会があるのだとおっしゃいますけれども、やっぱり1回資格停止処分を受けて、そしてまた新聞等にも報道された後に、異議申し立てをやって仮に処分が消えたとしても、大変なイメージダウンというのも残るということもあります。それからまた聞くところによると、その異議申し立てのシステムがない制度もあるようでありますので、事前に、先ほど言いました知事が検討するとおっしゃった第三者を入れての公平、公正なやり方というのをぜひ採用していただきたい。これは答弁は結構でございます。
 もう1つ、私いろいろ先ほど問題を列挙いたしましたが、やはりこの背景には職員の処分を恐れた行動というのがその原因になっているのではないのかな、こんな気がしてならないわけであります。幸いにして平井知事が就任されてからは処分件数はデータを見ますと減っているようでありますが、やはり私は職員の中には処分を恐れる余りに、見ざる言わざる聞かざるではありませんけれども、見ていません、私は知りません、そんなこと言っていません。それから聞かざるのほうは、皆さんから御意見があればそれは聞きますよというような、何か積極的に民意を酌み取ろうというそういう意識が薄れて待ちの姿勢が強くなった場面が多くある。そんなこともこの問題の背景になっているのではないのかなと、こんなふうに思っております。したがいましては職員、いろいろな処分事例はありますけれども、それを見ますとやっぱり業務量が多かった、そのために疲れて事故でも起きた、それから業務量が多いために十分な精査や外部との調整も図れなかった、こんなこともあるのだろうと思います。いつの議会か申し上げましたけれども、やはり業務の量と質を超えることによって発生するリスクというのは、職員個人ではなく県庁全体でこれを処理するという、そういうような視点での問題評価や責任評価を行う必要があるのではないのかな、こんな気がしておりますが、これについて知事の御意見を伺いたいと、このように思っております。
 もう1つ、教育委員会は後にしますが、警察本部長にお伺いいたします。
 先ほど非常にいろいろな対策を講じられて振り込め詐欺防止に精力的に取り組んでおられるというのは非常によく理解をしております。私はやっぱり金融機関との協力関係というのがまず第一だろうと思いますし、犯人の摘発というのも大きな効果を上げるのだろうと思いますが、やはり被害をお受けになる方がいかにその振り込め詐欺に対する知識といいますか、それをきちっと持っていただくかということも大切だろうと思っております。したがいまして、公民館等での一声運動というような声かけのやり方というのも大切だと思いますし、先ほど本部長のほうからありました寸劇の話、私もちょっとテレビで見たのですが、実際にどんな手口で振り込め詐欺がやられるのかということは、耳で聞くよりも実際映像や寸劇を見て理解するのが最も効果的だと思っているわけであります。そこで1つだけ、今県ではホームページでいろいろインターネット放送をやっているわけでありまして、その寸劇を、振り込め詐欺をインプットするとその寸劇が出るようなインターネット放送をやられてはどうかと思いますが、その可能性についてまず本部長にお伺いをいたします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず公平、公正な事務処理との関連で、異議申し立てだけでなくて事前に第三者にという話はぜひそれで検討させていただきたいと思います。イメージダウンになることももちろんでありますし事後的な不服申し立ての場合、不服申し立て期間が終わって結果が出るころにはもう既に資格停止期間が終わっていたりするというような不合理もありますので、それはそのように検討させていただきたいと思います。
 次に、県職員の状況として処分を恐れた行動でこうした事象が発生するのではないかとか、業務の量と質を超えることによって発生するリスクは県庁全体で処理すべきではないかと、こういうお尋ねでございます。
 まず処分についての考え方でありますが、単純な業務上の過失というのは私は、起こってはいけないのですが起こり得ないことではないと、そういう目で見なければいけないと思います。もちろん重大な過失をしてほったらかしにしていたとか、故意な不作為とか、いろいろと悪質な場合はあるかもしれません。そういう場合は厳正な処分が必要でありますけれども、過失の場合は文書訓告とかそうした程度の処分になるべきものではないかと思っております。そういうような意味で職員の皆さんは思いっきり仕事をしていただいて、それで組織のほうでもきちんとその、もし抜けた穴があったらちゃんとフォローするというのを職場の中で体制をつくっていくのが大切だと思います。
 現在、残念なことに職場内のコミュニケーションがやや不足しているのではないかと思っております。そういう意味で今はパソコンと向き合っているだけでなく隣同士声をかけようとか、朝は朝礼をしようとか、従来DOプロジェクトといってあいさつの励行をやっていましたけれども、それだけでなくて、今度はそうしたパソコンだけに頼ることのない仕事のやり方や直接のコミュニケーションをとる仕事のやり方、こちらのほうに次のプロジェクトを進めていきたいと思っております。フラット制になって上司がいなくなったことが、かえって組織としての研修能力を妨げているという面があるのでありまして、斜めに研修をするとかそういうことも可能だと思いますし、いろいろと工夫を今後もやって、議員がおっしゃるような事態が生じないようにいたしたいと考えております。それからその業務量が人の張りつけを超えるような場合には大きな所属の中で、例えば部の中で、あるいは全庁的に適宜、適切に応援できる体制づくり、これもあわせてやっていきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)振り込め詐欺の被害防止のための活動についてお答えいたします。
 県警察ではかねてよりホームページ、広報啓発用チラシなどを活用して広く県民の皆さんに対して振り込め詐欺の最新の手口等に関する情報を提供しているほか、各警察署においては被害防止講習会を開催するなどしております。自治公民館などでの一声運動というお話をいただきましたが、まさにそのような趣旨を込めて被害防止講習会を公民館等を利用して実施し効果的な注意喚起に努めているところでございます。また、そのような機会に、最近では具体的な手口を一層わかりやすく伝えるための方策として、議員もお触れくださいました寸劇を導入するなど視聴覚にも訴えるインパクトのある広報活動を企画、推進しているところでございます。今後とも訴求力のある広報活動により、さらなる被害減少を目指してまいる所存でございます。
 次に、振り込め詐欺被害防止寸劇をインターネット放送したらどうかという御提言をいただきました。この振り込め詐欺防止寸劇は視聴者にわかりやすく印象に強く残るという点で被害抑止対策として効果の高いものと期待しておりますが、幸い石村議員からも御好評いただきましてありがとうございます。今後とも犯行手口のバリエーションや社会情勢に照らしつつ、随時寸劇に工夫を加えたりもしながらお年寄りの会合などの際にお楽しみいただきながら役立てていただける、啓発効果の高いものを追求してまいりたいですし、御指摘のインターネットによる広報ということを含めて、効果的な情報発信のあり方につきましてもさらに工夫をしてまいりたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)31番石村議員


◯31番(石村祐輔君)次に耐震化についてお伺いいたします。
 まず公立の小・中学校、先ほど教育長の答弁では6棟については23年度中ということでありましたが、22年度までしか例の補助率の上乗せはないのですよね。市町村のことですから教育長に言ってもしようがないのですが、何で22年度中にやるような方向で市町村とお話しにならないのかな。もう少し親切に今の補助制度の優位性というのを市町村にPRされるべきだなと、こんなふうに思いますが、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
 危険度1のものについても学校の教室の使い回しであるとか、それから長期休業中でなくてはできないであるとか、安全のためのスペースが必要だとおっしゃいますけれども、それは学校を分散してやれば可能だと思うのですよ。私はそれは補強が長期化する理由にはならないだろうと思います。実際本当にできないのでしょうかということなのです。なぜかといえば、現在でも本当にできないのかなと思うのが、危険度が2であるとか3であるとかという建物も現在実施設計等やられておりますよね。ということになれば、本当に教育長のおっしゃるように学校の都合でできないのかなとは思いますけれども、だけれども今の話を聞いていると1校で1棟だったらできるはずですから、危険度ランク1のやつを何カ所かを学校を分散してやれば案外早く済むのではないのかなと思います。ということが1点。
 もう1つは、可及的に速やかにとおっしゃいますけれども、非常に危険性が高い建物を何年で終わるのですか。やはり一つ、何年以内に終わりたい。市町村でも、先ほどちょっと言いましたけれども23年までには終わると言っているのですよね、Is値0.3未満については。県立学校も何年間ぐらいで終わるぐらいなことはおっしゃっていただきたいと思うのです。
 もう1つ、私は教育委員会では先ほどちょっと言いましたけれども防災監が10年以内の完了を目指すということを議会で答弁されたと言いましたけれども、教育委員会の平成17年の予算要求資料を見れば、今後10年間に耐震化率100%を目指して耐震診断を行うのだということでかかっておられます。それで耐震診断を行って、その後ことしじゅうですべて補強計画も終わるのでしょう、ほとんどが。私は10年も15年も先の補強計画を何でことしじゅうに立てなければいけないのかなという気もしているのですよ。要は教育委員会は早く耐震化工事を終わりたいのだけれども、財政的なものがあって、補強計画も早くつくって早く終わりたいのだけれども、とてもそこまで県財政が回らないのだということなのかどうなのか。やはり教育委員会としては危険度1のものもそれ以外のものについてもいつまでに耐震化工事を終わりたいのだという、それぐらいな意気込みをお伺いしなければ、何か消極的過ぎる、計画性がなさ過ぎる、そんな気がしてならないのですが、教育長にお伺いします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)4点御質問があったと思います。
 まず1つは市町村の小学校、中学校のほうですけれども、23年度に回るものが6棟あるというふうなことでなぜ早くそれをできないのかと、補助対象にもならないのではないかというお尋ねでございますけれども、補助対象は確かに22年度まででございます。その話は市町村のほうにもお話しさせていただいています。ただこれはちょっと具体的に言いますと鳥取市のほうでして、鳥取市のほうは校数が多いものですからどうしても一遍にいかないということで、23年度に幾つか入っていくというふうなことになっているというふうに承知をしております。
 2つ目ですけれども、学校を、建物をいろいろ分散してやれば工期も短くなるのではないかというふうなことでのお尋ねだったと思いますけれども、これについても先ほどお話ししましたようにできるだけ早くということですけれども、どうしても授業がございます。最近は夏も県立学校、県立高校なんか特に、エアコンを入れていただいたこともありまして、授業をかなり進めていくというふうなことがございますので、これも工事をして授業に支障があるというふうなことになっても学校は困るということで、学校の意見もしっかり聞いた上で、しかし御指摘のように早くということは非常に大事なことでありますので、それを含めながら学校のほうと話をしてできるだけ早くということで進めているつもりでございます。
 3点目に、何年以内に県立学校の耐震化が完了するということの計画ができるのではないかというお尋ねだと思いますけれども、これについてもさっきお話ししました補強設計が今年度いっぱいかかります。これを受けて具体的にどうするかというふうなことを考えますけれども、優先度がございますので優先度を大事にしながらこれも本当に必要なもの、例えば特別支援学校なんかは早くしていくというふうなことが必要でありますし、そういうふうなことを考えながら我々はやっているつもりでございます。
 4点目ですけれども、4点目は財政的な意味合いもあるのではないかというふうなお尋ねだったように私は受けとめましたけれども、財政的な面では私は特にこちらのほうに影響があっているというふうに思っていません。財政的な面での予算的なものは大体確保されているというふうに思っておりますので、そういう意味で財政当局とのそごはないというふうに考えております。さっき言いましたように、優先度をつけながら、何か緩いように受けとめておられますけれども、こちらのほうとしては本当に急ぎながらいろいろな要件を状況も考えながら一生懸命進めているというふうに考えているところでございます。


◯副議長(上村忠史君)31番石村議員


◯31番(石村祐輔君)余り時間がありませんから簡単に聞きますけれども、何かさっきの教育長の答弁を聞いていますと、夏休みも授業があってできないということは未来永劫できないということですから、どうやったら授業があっても工事ができるかと。今の教育長の答弁は授業があったり夏休みも授業をしているから工事ができないということはいつまでたってもできないわけですから、どうやったらその工事ができるかという手法をもっともっと真剣に検討してきちっと早く耐震化が終わるようにやっていただきたいというのが1点であります。
 防災訓練ですけれども、先ほど1年に2回やることになっているけれどもやっていないのだということですが、必ずやってほしいなと思います。
 もう1つ、私一番心配していますのは、耐震診断で最大震度予測というのを出していますよね。それよりもはるかに低い震度での防災訓練、そしてまたこの防災訓練も火災が発生したから逃げましょうという。特別支援学校では机の下に身を隠すような訓練はやっておりますけれども、県立学校ではやっていないように思うのですが、そのあたりもきちっと対応を図っていただくように要望いたします。答弁をお願いします。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)夏休みの話をしましたけれども、夏休みに全然できないというふうに申し上げているわけでは決してございませんで、別にやりますけれども、どうしても授業をやっていますときに隣から大きな音が入ってきたら本当に授業ができにくいというようなことがありますので、学校の考え方もしっかり受けとめながら、こちらが一方的にやりなさいと言ってやってしまうのではないということもあわせて考えないといけない部分があるのではないかなということで申し上げたつもりでありますので、夏休みを利用してできるだけ早くやるような方向は持っておりますので、これは御了解をいただきたいというふうに思います。
 もう1点目の防災訓練のほうですけれども、防災訓練2回ということでしたけれども、これは確かに火災と、それから地震のほうと2回やっていきたいというふうに思っています。ただ、その防災訓練をするときにお話しのように認識がちょっと緩かったりするところがあるかもしれませんので、やるからにはやっぱり実質的な実効のあるものが必要だというふうなことを考えておりますので、工夫をしていきたいと思っています。


◯副議長(上村忠史君)次に、30番伊藤美都夫議員


◯30番(伊藤美都夫君)(登壇、拍手)通告しておりました2点について質問いたします。
 まずミニマムアクセス米等輸入食品の偽装と流通、いわゆる汚染米等についての質問であります。
 知事、全くひどい話ですね。加工、工業用を条件として買った安い1キロが10円前後、そのような安い米を食用に転じ、それが学校給食やあるいは高齢者の養護施設で使っていた。しかも農林水産省はその確認もろくにしていなかった。私は許せない話でありますし、今怒りを込めて、改めて私はきょうの質問には汚染米という言葉で表現させていただきます。
 思えばこの1月、有機燐系殺虫剤メタミドホスが混入した中国産の冷凍ギョーザ中毒事件が明るみに出ました。マスコミは連日、農産物、加工食品の輸入に依存し切った現在の日本の食料事情に警鐘を鳴らし、食料輸入大国の危うさ、中国に余りにも依存し切った日本の食卓に、改めてその危険性を叫んだのであります。安易な食品輸入の検査体制に行政の責任を問い、企業のモラルを問い、輸入食品に潜む危険性を私たちは余りにも安易に、無節操に取り入れてしまったことを反省させられたのであります。それから9カ月であります。私たちに最も身近であるはずのお米にメタミドホスが混入し、カビに侵されたまま、工業用に限定された汚染米が巧妙に形を変え、食品としてしょうちゅうやお菓子、さらには学校給食や高齢者の養護施設、病院などまで多様な施設で大量に使われている事実に唖然とするのであります。まさか日本で余っているはずの米でこのような事件が起こることは、予想をはるかに超えて余りにも想定外の事件であります。
 農林水産省は、汚染米として販売しながら食用に転用する危険性に無関心とも言える検査体制と検査の実態、三笠フーズ等などの食品企業はここまでモラルが落ちたのか。このたびのミニマムアクセス米の流通について、汚染米を工業用から食用に転じての流通は、国の米の流通管理制度の緩和と、それに伴って農林水産省の無責任さの反映であり、企業の確信犯的な犯罪そのものであると言えないでしょうか。
 平成5年、ウルグアイ・ラウンド合意により、米の最低輸入義務が生じ、平成18年まで合計約850万トン前後もの米がミニマムアクセス米として輸入されているのであります。そのうち農薬やカビ毒が検出されたミニマムアクセス汚染米のうち、最近5カ年で約5,300トンが、用途を工業用に使う条件で農水省が民間企業に販売されたのであります。しかし、その多くが食用に転用されて流通し、農水省もおざなり的な検査で確認を怠っていたのであります。全くひどい話であります。余りにも国民の安心・安全を無視した行政であり、企業であります。
 農水省は、9月16日、三笠フーズ関連等の汚染米を取り扱った全国377業者、施設を公表しましたが、その汚染米は食用としてあらゆる分野に使われており、まさに汚染米列島そのものの様相を呈しているのであります。
 当初、酒造会社、和菓子製造加工業者、さらに給食、コンビニおにぎり等々にも使用されており、その拡大はとどまるところを知らないかのように広がり、鳥取県でも汚染米加工品を加えた卵製品を中心に学校給食で大きく広がりを見せ、汚染米給食とも表現されているのであります。さらに9月20日、丸大食品は、中国企業が製造した有害物質メラミンの混入した牛乳を使った商品を国内で販売しており、現在、回収に乗り出したと発表していました。9月21日は、この商品が鳥取県も含めて全国で3,054施設に給食用として提供されていたことが判明したのであります。
 このところ、中国製ギョーザ中毒事件、汚染米不正転売事件、さらにメラミン混入食品と続き、輸入食品の安全性のチェックがいかに困難であるか、行政の検査体制がいかに貧弱でおざなり的であったのか、輸入食品大国日本の危機を改めて思い知らされたのであります。
 このような背景の中で汚染米事件であります。この一連の事件を通じて、ふえ続ける輸入食品や、その安全性確保について、知事の所感をまず伺いたいと思います。
 また、輸入食品に対する国の検査体制と責任、企業のモラルについて、知事はどう考えておられるのか、国に対して国民が安心できる、責任ある検査体制づくりを早急に整備すべきということを強力に求めるべきではないのかと伺いたいのであります。
 次に、このたび、本県選出の石破代議士が農林水産大臣に就任されました。まず、農業県である鳥取県として、石破大臣に何を期待されるのでしょうか。さらに汚染米問題であります。泥沼のような昨今の米の流通現場であります。石破大臣は、米の流通実態を徹底的に究明して対応すること、食糧管理のあり方を再検討して農林水産省の組織改正と米の流通管理の強化に乗り出すと発言しておられるのであります。鳥取県にも被害が及んでいることもあり、汚染米問題の解決に向けて、石破大臣に強く要望あるいは要求してほしいのであります。知事に伺います。
 次に、2点目。日本海の竹島を明記した学習指導要領、解説書についてであります。
 文部科学省は、7月14日、2012年度から実施される中学校の新学習指導要領について各教科ごとの解説書を公表しました。社会科では日韓両国が領有権を主張する日本海の竹島について、我が国と韓国の間に主張の相違があり、北方領土と同様に我が国の領土、領域について理解を深めさせることも必要であると記述し、間接的な表現ながら竹島が日本の領土であると教えるように求めたのであります。
 当時の福田首相は、我が国の領土の問題について、しっかりした考え方を持つのは当然である、我が国として必要なことだと述べておられるのであります。さらに韓国の反発について、お互いの立場はある、しかし立場を乗り越えてお互いの理解を深めることが必要だとして、韓国側に理解と冷静な対応を求めたのであります。
 これに対して、韓国の李明博大統領は深い失望と遺憾を表明し、韓国外交通商省は抗議と同時に声明を出し、日本政府は、これまで教科書検定で歴史を歪曲してきたが、今度は教科書の解説書の記述を通して、我が国固有の領土を損ねようと不当に企てたと。このような企てを即刻中断するように強く求めると表明されたと報道されているのであります。
 日本と同様に学習指導要領を持つ韓国では、竹島を日本が不法に領土に編入したと教え、自国の主張を学ばせる姿勢を強めていると聞いております。国の将来を担う子供たちに自分の国の領土や歴史をきちんと教えていくことは学校教育の重要な責務であります。領土問題や、そのことを国民にどう教育するか、国の主権にかかわる問題であります。外交上の配慮と、主権国家としての歴史や領土を次の世代に正しく伝えていくことは、次元が異なるのではないかとも思えるのであります。竹島の領有権をめぐる両国の主張は、問題の解決に困難が伴うことは当然であります。だからこそ、国民が正しく理解し、国際社会に日本の立場を明確に主張することは極めて大切だと思うわけであります。
 竹島の明記が公表されると同時に、韓国では国民レベルで猛烈な反日運動が起きているということでございます。私は、この解説書には竹島の領有権をめぐり日韓の間の主張に相違があることが明記されており、お互いの主張に違いがあることは事実であり、そのことを認め合うことこそ国の将来を担う子供たちへの教育の責務だと思いますが、教育委員長の基本認識を伺います。
 次に、竹島についての韓国の教育であります。韓国では、小学校、中学校、高等学校の教科書には一貫して竹島が歴史的にも国際法上も韓国の固有の領土と記述され、竹島に対する韓国の教育姿勢は国土を愛する心として明記、決定しているようであります。このたびの日本の中学校学習指導要領、解説書は、初めて竹島問題に触れたのであります。私は、竹島について、政府の公式見解、日本固有の領土から見れば、このたびの解説書はかなり後退しているとも思われ、韓国への配慮がうかがわれるのであります。この解説書の記述について、どのように認識し、教育現場でどう教えていかれようとされるのか、教育長の所見を伺いたいのであります。
 演壇の質問は以上であります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、食の安全についてお尋ねが何点かございました。
 議員が御指摘のとおり、今、事故米対策は焦眉の課題でありますし、また、さかのぼれば冷凍ギョーザ問題、このたびのメラミンの混入が指摘されています牛乳、それによる乳製品、これは丸大食品から間接的に流れてしまってきている。そういう問題が次々と多発をしているわけでありまして、本当に国民は、また住民は、私たちの食がどうやって守られているのか不安を囲っているというのが現状ではないかと思います。また、これに右往左往させられている流通にかかわっているような業者の方々にも、ある意味、被害者としての影響が及んでいるわけでありまして、決して看過できる状況ではないというのが現状ではないかと思います。
 このように、輸入食品の安全性のチェックの問題、輸入食品大国として日本というものが持つ課題について、議員のほうから御指摘があったわけでありますが、相当に根が深い課題だろうと私も認識をいたしております。
 例えばカロリーベースの食料自給率、よく言われることですが40%しかない。しかもフードマイレージという、実際に遠くから運んできて、そのエネルギーをどれほど使っているかということからいえば、日本の場合は9,000億トンキロメートルということでございまして大変に大きいものです。これは韓国だとか、あるいはアメリカのように3,000億トンキロメートルから比べますと3倍ぐらいありますし、急速に自給率を伸ばしてきたドイツが1,700億トンキロメートルでございますから、それと比べますと、またさらに大きいという値になっています。こういうことで、果たして日本の食が守られていると言えるのだろうか。輸入食品に限って言えば、相手先の国というのは限られているわけでありまして、アメリカだとかオーストラリアだとか中国だとか、そうした限られた国々に私たちの食料が握られてしまっているという現実があります。
 ただ、一朝一夕で改善できないのも事実だろうとは思います。すなわち今の輸入食品を全部国内の農地で賄おうとすれば2.7倍もの農地が必要になってしまう。それほどまで我々の食生活が変わってしまって、海外からの輸入に頼らざるを得ない、そういう状況もあるというのもまた一方で事実であります。
 ですから、私たちが考えなければならないのは、一つには、こうした輸入大国の汚名を返上して、現在、遊休農地がどんどんふえてきている、それの矛盾を解消するために国内で安心して食料が生産できる、そういう農政の転換が必要ではないかというのが一つだと思いますし、あともう一つは、どうしても輸入して入ってこざるを得ないものですから、その輸入食品に対する検査体制、これは正直申し上げて十分でないからこそ、こういう問題が起こっているわけでありますので、それについて、ぜひ安全性確保の取り組みを国として抜本的に図っていただきたい、向上していただきたいと存じる次第であります。
 次に、国に対して国民が安心できる、責任ある検査体制づくりを求めるべきではないかということであります。これはおっしゃるとおりでありまして、私たちも実は何度もこれを繰り返しました。水際で入ってくる食品の安全衛生の検査を徹底してもらいたいと、そのための仕組みを強化してもらいたいと、これを申し上げているところであります。
 しかし今日、やはり限界があるような状況になっていまして、例えば農薬で検査対象になっているのは46品目しかないとか、それから、全国でそうしたものを検査できるところというものが、ごく限られた検疫所になっているとか、ふやしましたよと国は言うのですけれども、7人しか検査官をふやしていない。これで果たして大丈夫だろうか。検査を受けたものは11%にすぎない、1割という状態でありまして、これも十分とは言えない。ですから、そういうようなことをいろいろと考えてみますと、もうこのように輸入というもので食品に対する安全性が脅かされているのですから、ぜひ国で体制整備を強力に進めてもらいたいと考えております。これは今、消費者庁をつくろうという構想もありますので、それとも絡めて実効ある措置を求めたいと思います。
 次に、石破新農林水産大臣が就任されたことに関連をしまして、2点お尋ねがありました。1つは農業県である鳥取県として何を期待するのか。あともう1点は、事故米問題解決に対してどういう要望をするのかということでございます。
 まず、前者のほうでありますが、私は、石破大臣が県内をつぶさに回られて農林水産業の実態をよく熟知しておられる方でありますから、鳥取県で問題となるような、そうしたさまざまな矛盾に対して答えを出していただく農政の改革を求めたいと思います。中山間地域が疲弊をして、現在どんどん人が住まなくなってきている、このままでは崩壊しかねない、それも大臣は総裁選挙の中で訴えておられました。それから、農業について言えば、北海道とか東北のように大規模な米作地帯ならば別でありますけれども、中国・四国地方のように小規模な米作で、しかも他の畜産だとか果樹園芸だとか組み合わせて農業をしているところの実情、これにふさうような農業対策もあるのではないか。そういうものを考えていただきたいとか、水産について申し上げれば、燃油対策が今、非常に難しい喫緊の課題でありますが、さらに一歩進んで我が国の漁業構造を変えていただく、これも鳥取県のような水産県にふさわしい対策を生み出していただくことは必要だと思います。あわせて林業も、智頭だとか日南だとか中部、いろいろなところで森林があるわけであります。そうした森林も生かされていない、間伐も進まない、これに対する林業の構造的な転換も図っていただきたい。こういうことを現場感覚で、鳥取県の実情に即した農政の転換をお願いできないだろうか。これをぜひに期待を申し上げたいと思います。
 あわせて事故米対策でありますが、これは、先般、大臣にも直接申し上げる機会がありまして申し上げましたけれども、農林水産省の仕事、組織をきちんと、この際、直していただきたい。これがまず第一だと思います。
 今の問題の発端というのは、ミニマムアクセス米が入ってくる、輸入しなければならない。これを抱えるだけでもお金がかかるわけでありますが、これをさばかなければならない。そこに事故米が生じてきているわけでありますが、これも売り払ってしまわなければならないということです。しかし、考えてみれば、工業用でも米をのりに使う。それが限られた需要であるわけでありますから、今の制度設計自体に無理があるわけです。ですから、そうした事故米が流通するようなことを農林水産省が制度としてとるのにどれほどの意味合いがあるのか、その辺からも解き起こして考え直していただく必要があると思います。また、現場の職員にしてみれば、とにかく売らなければならないということで、それでセールスに歩くわけでありますが、それが、こうしたゆがんだ流通の実態を生んでいたり、ひょっとするとおざなりな検査にもつながっているかもしれないわけでございまして、こういう面にもメスを入れていただく必要があるだろうと考えております。ですから、そういう意味で抜本的な対策を一つには求めたいと思います。
 あと、実際に問題が起こってしまって、全国で非常に多くの方々、多くの業者さんが事故米を扱っていたということで苦しんでおられます。実は、こうした方々も被害者でありまして、そうした面での手当てもフォローアップとして大切なのではないかというように思います。こうしたことも今、経産省で少し始まっていますが、農林水産省のベースでも考えていただくべき課題ではないかと思っております。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)ただいま伊藤議員から指導要領の解説の竹島についての記述に関しての基本認識という、そうした御質問をいただきました。
 考えれば、こうした領土の領有に関しては古今東西必ず紛争の種になっているというのは一番大きな問題だろうと、こう思っています。この竹島に関しても日韓両国が領有を主張している。ただ、その場合に、それぞれの主張のトーンが物すごく違うし、それから、いろいろなことがあった場合にも、この対応の仕方に非常にギャップがあるなというふうに思います。
 私は、こうした中で、子供たちの発達段階や状況に応じてきちんと日本の立場を述べ、そしてそれを伝えていくべきだと、まずは思っています。それと同時に、先ほど議員が御指摘になりましたように、韓国のそうした主張ということにも配慮しながら、そうしたことも何らかの形できちんと伝えるという、これも必要だろうと思います。それは、国際協調という立場もありますが、子供たちに複眼的な、あるいは多面的な物の見方というのを伝えるという意味でも大切なことかなと、このようにも思っています。
 以下は私の希望ですけれども、望むらくは、韓国のほうの指導要領の解説にも、韓国の主張はもちろんですけれども、一方で日本のそうしたことにも触れていただく。そういうことが本当の意味の未来志向の第一歩になるのではないかと、このように思っています。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)伊藤美都夫議員の御質問ですけれども、お答え申し上げます。
 このたび改訂された中学校の学習指導要領の解説書の中の竹島に関する記述について、どのように認識をしているのか、それから教育現場ではどのように教えていこうとするのかという、こういうお尋ねでございます。
 まず、公立の中学校での様子ですけれども、これまでも社会科の地理ですとか、あるいは公民という科目の中で竹島の位置、あるいはそれが日本固有の領土であること、あるいは経済水域の設定による豊かな水産資源とか鉱物資源をめぐって領土問題になっていることなど、こういうふうなことについて学習をしているところでございます。
 少し紹介をしますと、これは現在中学校で使われている教科書ですけれども、まず1~2年生で使われます地理ですね。これですけれども、これはこう書いてあります。東西南北の端以外にも、日本には竹島や尖閣諸島など離島があります。地図帳で位置を調べてみましょうというふうな形になっています。それから、3年生の公民の記述ですけれども、島根県隠岐諸島の北西に位置する竹島、沖縄県先島諸島の北に位置する尖閣諸島は、いずれも日本固有の領土ですというふうな、ほかにもまだありますけれども、そういうふうな記述が教科書に具体的にされています。
 お話がありましたように、今回の改訂ですけれども、教科書が実際に中学校で使われていくのは24年度からになりますけれども、領土問題についての学習指導要領そのものの記述は変わっていません。ただ解説の部分が変わっているというふうなことであります。この解説は、教員が指導に用いるときに使うものであります。その意味で、ここにはこう書いてあります。また、我が国と韓国の間に、竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土、領域について理解を深めさせることも必要であると、こういうふうに解説書には書いてあるところが、先ほど御指摘になったところだと思っているところであります。
 この解説書に基づいて、県内の教職員を対象にした説明会をこの夏から始めております。実際に使われるまでに、この講習会といいますか説明会を必ずどの教員も受けることになっていますけれども、これの中で解説書の変更点ですね、これを中心にして説明しているところでございます。
 この解説書の記述表現について、御指摘のように少し国として韓国への配慮もあったのかなというふうな感じは、私も個人的にはするところでございます。学校においては学習指導要領に基づいて指導をするというふうなことになっておりますので、この指導要領や解説書の記述に即して、お互いの主張に違いがあるというふうなことなどに触れて、我が国の領土とか領域について理解を深めさせるように適切に指導していくことが必要であるというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)追及させていただきます。
 まず、汚染米についてであります。ミニマムアクセス米は、汚染米であったことを理由に輸出国に送り返すことができるのかできないのか、そういう問題がございます。これは送り返すこともできますけれども、同じ量の輸入が義務づけられると。このことは平成6年、政府は、これは細川政権、羽田孜外務大臣のときの政府見解ですけれども、義務化の見解であります。私はそう認識しております。ですから、この汚染米という厄介者をコストをかけずに処理したい、早く販売したい、これは先ほど知事の申された農林水産省であります。さらに、一般に米の業者というのはかなり利幅が低い、薄いと。ですから、業者が目をつけたのは、この輸入が義務づけられたミニマムアクセス米の存在であり、特に安い汚染米を不正転売する、そして利益をもくろむ三笠フーズなどの購入者、まさに利害が一致したわけであります。
 こういうことが事件の背景にあったと思いますが、私は、先般、鳥取農政事務所に出かけてみました。いわく、鳥取県内では、この5年間、汚染米を直接販売したことはないと言い切られました。また入札に参加した民間業者も鳥取県にはないと、こう言っておられるわけです。ですから、政府から民間業者に売り買いする関係は、鳥取県ではないということだったのだろうと思っております。
 それらを踏まえて、いろいろと新聞等でこの汚染米の隠ぺい工作については述べてありますけれども、私は一つ、旧食糧管理法時代のことを実は思い出すわけであります。米の流通は、極めて過剰とも言える厳格な管理をやってきました、主食用の米は。一俵一俵の検査までやられました。しかし、加工用米、いわゆるくず米は特定米穀と呼ばれて、管理が非常に甘かった。玄米は厳格な品質管理、しかし米粉等に使う特定米穀は、とにかく民間業者の自己裁量の部分にゆだねられていた部分が非常に多い。その延長線上に目をつけられたのが、このたびの事故だろうと思っております。
 そのことを踏まえて、私は、先ほど知事が申されました、このたび公表された県内の末端業者、これは普通の流通ルートの中で汚染米だとは知らずに購入したケース。この業者は結果的には汚染米を使用していることになっています。しかし、風評被害も含めて大変な災害、非常に困惑している、そういうこともお聞きしました。先般、このお店に行ってみますと、お客様各位、こういうチラシが配ってあります。
 先日、9月の10日ごろだと思いますけれども、中国四国農政局より、昨年11月に菓子材料取扱店より納品されたモチ粉に事故米が含まれている可能性があるとの御指摘を受けました。当店には現物はございませんが、そのときに納入されたものと同じであろうと思われるモチ米の粉が島根県に残っており、検査した結果は残留農薬は検出されませんでした。これは島根県の県環境保健公社で調べてあるようです。農水省は、正確な結果が出ないにもかかわらず、末端業者だけを全国に公表する形でしわ寄せがすべて小売業者に押しつけられたと。この業者は、モチ米の粉が安かったかと聞かれると、全く安いことはなかったと。今までどおりの値段で納入しましたと。
 ですから、知事、あなたは昨年の11月にタイを食べましたか、かろいちからタイを買いましたかと言われても、確かに買ったような気がしますけれども、しかし、それは汚染されたタイだったですよなんていうようなことを言われてみても、もうそれこそ目をぱちくりするばかり。そういう実態ではなかったかと思っております。
 私は、これを聞いて、先ほど知事が、やはりこの辺には支援をする必要があるなと思いましたけれども、きょうはじっくり聞き取り調査をやられたという話を聞いておりますので、実態はどうだったのかと。そして県として、このような業者に何らかの支援や救済策も必要だと思うのですけれども、これは石破大臣が先日話しておられましたけれども、もう十把一からげに公表してしまったと。しかし、それぞれが違った立場でやっていると。この辺を徹底して農水省も調査すると言っておりますけれども、その辺を踏まえながら、ひとつ支援というのをやっていく必要があるのではないかと思っております。
 2点目は、今、平井知事が積極的に取り組んでいる「食のみやこ鳥取県」、本物志向が看板であり、鳥取県ならではの食づくりでありますけれども、私は県民からこういう電話をもらいました。この際、プラス思考でもって安心・安全志向の中でアンテナショップを含めて、今の「食のみやこ鳥取県」づくりをさらに大々的に取り組むべきと思います。鳥取県産食品の安全宣言ができるような調査をやってほしいと。そして、それをもとにした「食のみやこ鳥取県」づくりの一大県民運動をさらに徹底してほしいと、そういうプラス思考の電話であります。
 次に、学校給食について。これは地産地消を徹底して、すべての給食が国産、県産で賄われ、その負担のためには市町村を支援し、日本一の安全・安心な給食を目指すべきだと、このことは「食のみやこ鳥取県」の名実ともにスタートラインになると思いますけれども、知事の所見を伺いたいと思います。
 次に、このたびの汚染米を使った商品は、県内の多くの学校給食に使われているということであります。厚焼き卵。私は厚焼き卵は食べたことがございませんけれども、卵焼きというのは大好きなのです。学校給食では厚焼き卵が中心だったそうです。私は、こういうチェックというのは非常に難しいなと思いますけれども、その食材を大量に購入しているというのでしょうか供給している学校給食会等は、こういう食品のチェックというのはどういう格好でなされているのでしょうか。チェックをすり抜けていたとすれば、私は再度学校給食会のあり方を再検討すると同時に、やはり身土不二と申しましょうか、地産地消の考え方を大幅に取り入れた学校給食を目指してほしい、これを教育長の所見として伺いたいと思います。
 3つ目。もう一つ、三笠フーズ等が農薬などで汚染された工業用の汚染米を食用に転用した問題で、大阪、福岡、熊本の3府県警は、9月24日に7府県の関係先28カ所を家宅捜査した、これは新聞報道であります。この事件について、容疑は、それこそ食品衛生法違反、不正競争防止法違反ということでありますけれども、県警本部長はどういう見解をしておられるか伺いたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、事故米問題について重ねてのお尋ねがございました。事故米を無理して売っている、この背景には旧食管制度があるのではないかという議員の御指摘。私もそういうことではないかと思います。くず米が流通をするのと同じような感覚で今回取り扱ってしまっている、そういう錯覚がひょっとすると職員の中にあったのかもしれない。今回の場合は、カビですとか農薬ですとか、とてもとても看過できない、流通させてはならない事情があるわけでありますが、それがまかり通ってしまったことに猛省を求めたいと思います。
 議員の御指摘にありましたが、鳥取の農政事務所のほうでは、ここで直接売ったものはないという情報だというお話がございました。そうであることを本当に願いたいと思います。
 この事故米について、県のほうで聞き取り調査を実施いたしましたけれども、その実態はどうだったのか、これについては生活環境部長からお答えを申し上げたいと思います。
 2点目といたしまして、現にこれを扱っておられた事業者の方、これはモチ粉として仕入れたという今のお話でございますが、現物はないし、島根で調べてみたら検出はされていないと。安くもないし、とんでもない被害に遭ったと。これが実情ではないかということでございます。私もそういう状況だろうと思いますし、全国のいろいろな事業者も同じような怒りを今回のことに覚えているのではないかと思います。片方で、実は農水省のほうは販売ルートを調査したのです。この事故米がどういうふうに流れたかという販売ルートの調査でありまして、それは、厚労省が音頭を取って県が協力してやるような食品衛生上の調査とはちょっと違うものだったのです。本来は、こういうものがこの段階で検出されたから、これについてはしっかり調べなければいけない、それについて県も巻き込んでやってもらう、それが本来なのでありましょうけれども、今回の流れは、農水省のほうが集めてきたこの情報というものが何らかの形で私どものほうに入ってくる、これはかなり遅いタイミングだと思うのですが、入ってきまして、それが厚労省のほうともうまく連携できていない。ですから、実際に入ってきたのかどうかわかりませんけれども公表だけはされてしまうという、そういうケースにつながっているわけでありまして、私は、これは反省すべき課題が残っているのではないかと思います。
 これについて、実際に被害を受けられたお店について、経済産業省のほうではセーフティーネットの対策とか、あるいは融資関係とか、いろいろ打ち出されてはいますけれども、私は、それで十分かどうかという気がいたします。事の事情からして、国のほうでも何らかの対策を考えていいのではないかと思います。ただ、県のほうでも、事業者から直接まだそういうお話はいただいておりませんが、もし私どもでお役に立てるようなことがあるかどうか、あればまた考える必要があるだろうと思います。例えば、うちの店は大丈夫ですよということを証明してもらいたいということであれば、現在、農水省のほうもそうした再検査といいますか、そういう仕組みを無料でやろうということになりましたけれども、県のほうで取り急ぎ結果を出すような検査のお手伝いはできるだろうと思います。あるいは、県の職員のほうで、台風災害のときに落ちた果実とかそういうものをあっせんしたりして販売したこともありましたけれども、武士の情け的なそういう私どもなりの協力も可能かもしれないと思ったりします。もし、事業者のほうのお話があれば検討させていただきたいと思います。
 次に、こういうときだからこそ「食のみやこ鳥取県」づくりに大々的に取り組むべきではないかということでありまして、おっしゃるとおりだと思います。安全で安心な食材があふれる鳥取県、しかもおいしいものが多い。ですから、それに磨きをかけて全国あるいは世界に打って出る、そういうことをなお一層進めていく必要があるだろうと思います。これとあわせて、食育のように、安全で食べることの喜び、また食事を家族ですることの喜びだとか、農業とのかかわりだとか、そうした鳥取県ならではの「食のみやこ」づくりも進めていく必要があるだろうと思います。
 今、将来ビジョンの取りまとめをしておりますけれども、それがまた一段落つきましたら、こうした「食のみやこ鳥取県」のアクションプログラムみたいなことをこの際考えてみて、関係者と一丸となって盛り上げていく、そういう体制も必要ではないかと思っております。
 次に、給食についてでありますが、すべての給食が国産、県産で賄われる、そういう地産地消型の学校給食が「食のみやこ鳥取県」のスタートラインではないかという御指摘であります。これもおっしゃるとおりでありまして、私どもとしては、何とか今の学校の給食の地産地消率を60%へと引き上げていきたいと考えております。
 今、現実に市町村といろいろな協議をさせていただきまして、その推進に当たっているところでありますが、いろいろと隘路は確かにあります。例えば、食材を大量に使わなければならない。ですから加工した、規格に合ったようなニンジンとかジャガイモだとか、そういうものが必要になりますけれども、その生産体制がうまく整っているかどうか。そこはなかなか疑問があるところなのです。ですから、例えばJA鳥取いなばでは、野菜畑のシンデレラという加工場がありますので、学校給食と連動させて自分たちで加工できないかということを試みておられますが、例えば、刻みラッキョウを提供するとか、そういうことは可能なのですけれども、さらに凍菜の加工などの施設がないものですから、一歩踏み出すことができないような状況があったりします。そうした隘路を解消していくような取り組みが、私たちは次の手として必要ではないかと思っています。中部のほうでは、倉吉市と相談してJA鳥取中央さんのほうで冷蔵施設なんかを生かして、そうした大量の食材供給ができるような体制をつくれないだろうか、こんなことも始まっているわけでありますが、具体的に今ボトルネックになっていることを解消することも検討させていただきまして、乗り越えていって、議員がおっしゃるように、まずスタートラインに立つために学校の地産地消を進めてまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)汚染米の聞き取り調査の状況でございますけれども、三笠フーズからの汚染米の流通につきましては、9月の12日に鳥取農政事務所のほうから通報がございました。即日、私どものほうで食材の卸業者と、そこからさらに転売された菓子製造業者合計3社に対しまして立入調査を実施いたしました。
 まず、食材の卸業者のほうですけれども、これにつきましては兵庫県内の米穀加工業者から入ってきたということで、これは、三笠フーズの事故米が使用されたとされる袋のロット番号が伝票に記載されておりましたので、この食材卸業者のほうに入ってきたことは確認ができました。その確認できた米の袋は11袋220キロ相当でございます。この卸業者のほうは県内の業者を含む5つの、これは島根県と広島県も含めてですけれども、菓子製造業者に販売をしておりましたけれども、こちらの伝票にはその袋のロット番号が記載されておりませんので、どこの製造業者に何袋行ったかというのは判明いたしませんでした。それからまた、当該品の在庫はなかったという状況でございます。
 一方、菓子製造業者につきましては、米子と倉吉ですけれども、それぞれ食材卸業者からの納入はありましたけれども、先ほど申し上げたようにロット番号が記載されておりませんので、袋の特定はできなかったということでありますし、両業者とも、ことしの8月までに納入されたものはすべて消費されてしまっておりましたので、もう袋もなかったということで、最終的にどの業者がどれだけの事故米を含むモチ米粉を使用したかということはわからないという結論でございました。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)伊藤議員の追及にお答えを申し上げます。
 御質問は、このたび事故米を使った商品が県内の多くの学校給食等に流通していたと、どういうふうなチェックを学校給食会等はしていたのだろうかということ。それから、そういうふうなことから地産地消による安心・安全な学校給食をもっと進めてほしいという、こういうお尋ねでございます。
 最初のほうの流通の関係のことですけれども、今回問題となっている事故米を使用した可能性のある厚焼き卵ですけれども、これは、ある会社がでん粉をつくったのです。そのでん粉をこの卵焼きのときに使って製品にしているわけですけれども、そのでん粉をつくるときに今の事故米が原材料の中に混入していたというふうな、こういうふうなことでございます。
 学校給食への使用状況ですけれども、こちらのほうで調べたりしてみました。9月25日現在、平成15年度以降のものでどれくらい今の卵焼きが使われていたかということですけれども、15市町村、ですから4市町はないのですけれども、15市町村の小学校、中学校、幼稚園及び県立の特別支援学校で約26万食というふうなことでありますから、非常に膨大な量だというふうなことになる。ただ15年度からでございます。健康被害は直接、今まで出てはおりませんけれども。食の安全・安心というのが最も求められなければならないものの一つが学校給食だろうと私は思っております。そういう意味で、学校給食も非常に複雑な流通の仕組みの中に組み込まれてしまっている危険性があるのだということを改めて認識したつもりでございます。
 その流通ですけれども、今回のものについては、市町村の学校給食会とか給食センターでは、野菜とか生鮮食品などの大部分のものは独自に仕入れをしておられます。県のほうにも県の学校給食会というのがございまして、そこから供給することもありますけれども、県の学校給食会から市町村の学校給食会や給食センターに供給しているのは2割くらいというふうなことでございます。それで、今回の卵焼きについても市町村の学校給食会や給食センターが卸業者から直接購入されたということでございました。
 チェックの問題が非常に大事なことでありますけれども、県の学校給食会とか先ほどの市町村のほうですけれども、食材の購入に当たっては2つあります。1つは、原材料のものについては仕入れ業者が定期的に実施しています理化学検査ですとか、それから農薬検査等の検査成績書の提出をきちんと求めるということであります。それから2つ目の、今度は原材料ではなくて加工食品については、内容や品質の表示、それから製造業者名の明らかなものをきちんと確認して使用するというふうなことで安全性の確保に努めているところでございます。また、県の学校給食会では、独自に全国の学校給食会の連合会とか、それから近県の学校給食会などの全国の給食会のネットワークを通して安全で安心な食品を提供する、時には検査をするというふうな努力をしているところでございます。しかし、そういいながら今回の加工食品については、給食センターや市町村の給食会というのも、一つは加工食品ですので何か消費者的な立場にあるというふうな感じもどうしてもあります。それを何とか防ぐために自前で検査をしようとすると、これまた種類としても量としても膨大なものになってきますので、なかなか食材や原材料をすべて自前でチェックするというのは難しいというふうに考えています。
 そういうふうなことでありますので、全国的なレベルでの仕組みをきちんとしていただいて、そういう危険なものが入らないようにという、こういうふうな仕組みが一つは根本的には大事かなというふうに思っているところであります。
 最後に、安心・安全な学校給食というふうな御意見ですけれども、全く同感でございます。前回からいろいろな問題が起こっていますので、この機会をとらえて市町村さんのほうにも話を十分にして、生産者の顔の見える安心・安全なものをさらにさらに使ってくださいということを引き続いてやっていきたいと思っています。ことしもいろいろな会を持ちましたので、会の中でもお話をしていますけれども、それをさらに進めていきたいと思っています。


◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)お答えいたします。
 米粉加工販売会社、三笠フーズによる汚染米の不正販売では、議員がおっしゃいましたように、9月24日、大阪、福岡、熊本の3府県警察が合同捜査本部を設置、同日、有害食品の販売に係る食品衛生法違反と、誤認表示に係る不正競争防止法違反の疑いで、関係先の一斉捜索を実施したものと承知しております。
 このたびの事案につきましては、私もまずは一消費者として強い憤りを覚えております。そして、食の安全は国民、県民の安全・安心を築く原点でございますので、県警察をお預かりする立場から、重大な関心を持って合同捜査本部の捜査経過を注視しているところでございます。そして、この鳥取県内にも汚染米が米粉として納入されたり、汚染米の混入した厚焼き卵が学校給食などさまざまな場で使用された可能性があるという実態が明らかになってきております。今後とも、大阪など3府県警察合同捜査本部の捜査状況のフォローとともに、県内の関係機関である鳥取農政事務所や知事部局等と緊密に連携をしながら、関連情報の収集に努めてまいります。そしてまた、県内、県外を問わず、仮に何らかの刑罰法令違反の疑いがあるケースを認知するようなことがあれば、警察として法と証拠に基づいて、しっかりと対処していくということになると思います。


◯副議長(上村忠史君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)もう1点、追及させていただきます。竹島問題であります。
 このたびの竹島の記述をめぐりまして、全国各地の自治体との交流事業が中止、あるいは延期されております。鳥取県では、昨年12月、将来を見据えた新しい地域間交流に踏み出すということで、中断されていた交流が再開されて7カ月になります。そして、このたび一部交流中止、または延期であります。
 県の教育委員会も同様に韓国の教育監からの一方的な交流中断の通知があったことを発表されました。金知事あるいは教育監ともに、中断の理由として、竹島問題を理由に両道県の交流を推進しがたい世論が形成されており、一部中止せざるを得ないというような、言ってみれば間接的な交流中止というような考え方もできますけれども、江原道と鳥取県に中断しなければならない特段の問題はないとしながら、道民の気持ちに配慮しなければならない、そういうことで伝えておられますけれども、このように交流再開に大変なエネルギーを集中された平井知事の所見をまず伺いたいと思います。
 次に、昨年12月、交流再開に際して金振先先知事は、領土問題のような国家間で解決すべき問題について両道県の地方の代表者、県議会、社会団体などから、地方政府間の交流協力に否定的な影響を及ぼすおそれのある言及、報道をしないということを前提に交流再開が始まったと私は認識しております。ただ、金知事の発言にもあるように、地方自治体間には特段の問題があったわけでもないのに多くの事業が中断され延期されたということは、これからの交流事業に何らかの新しい道をつくるべしと私は思うわけであります。
 昨年、李明博大統領の就任時のときの未来志向の理念、これを両者でかみしめる必要があるのではないかと思うわけであります。昨年の李明博大統領の就任の言葉は、これからの日韓関係は理念の時代を越え、実用の時代に向かわねばならないと。過去の束縛から抜け出し、具体的な要求をするよりも成熟した日韓関係を進めていく、まさに未来志向でありますけれども、平井知事は、これにこたえて、李明博大統領も金振先先知事も未来志向という言葉を話しておられると、交流を考えるときには未来志向で考えよう、それがキーワードになって交流再開ができたのだ、そう3月の県議会で平井知事は表明されているわけであります。
 私なりに解すると、竹島の問題については、主権を主張することは当然でありますけれども、よく覚えませんけれども、以前どなたかが申された言葉があります。解決せざるをもって解決とみなす。そんなおおらかさも地域間、地方自治体間交流には必要ではないのかなと思ったりもします。そして、地道な交流の積み重ねこそが両道県、国家間の交流につながると思いますけれども、道民、県民の世論、これで中断、延期に追い込まれる、このようなことはもう卒業したいと思います。率直に金知事に呼びかける、話をされることも必要ではないか、知事の所見を伺いたいと思います。
 幸い先月、9月19日、北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミットが行われて、江原道との会談で、金振先先知事は冒頭で鳥取県との交流は世論の批判を受けて一部中断しているが、正常な交流をやる必要があると、みずから交流正常化の意向を切り出されたそうでありますけれども、私も江原道金知事も一歩を踏み出せと、そういう素地を平井知事はつくられたらどうでしょうか。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)日韓関係について2点お尋ねがありました。
 まず、1つとして、議員のほうからお話がございましたのは、竹島の問題があるわけでありますが、国家間の問題と言いながら、特段の問題が地方団体間でないにもかかわらず交流が中断するという事態、これは異常なことではないか、所見を問うということであります。
 これは、私も非常に残念な展開だと思います。議員が今おっしゃったように、こうしたことは卒業したほうがいいというのは正直私も全く同感であります。今回のいろいろな展開には、相互のやりとりがあったりしておりますけれども、ただ、これは何が本質かを見なければならないだろうと思うのです。私たちは隣り合わせの国同士でありますから、国家間でさまざまな問題を惹起することは、それはあろうかと思いますけれども、ただ、そういう国家間の問題は問題として、今一番求められているのは、こうした環日本海地域が結びつき合いながら、お互いの経済的な交流だとか子供たちの交流だとか、さまざまな自治体でできるおつき合いをして、地域レベルのそうしたおつき合いが人と人と、地域と地域の相互理解を結び、今後の北東アジア地域の発展の中で鳥取県が成長していく軌道を描くきっかけになる基盤になると考えるわけです。恐らく先方の江原道側も同じ気持ちであるので、努めて冷静に対処をしようとされているのだと私は思っております。ですから、そういう意味で事態が好転してくることを望んでいるわけです。
 第2点目として、李明博大統領がおっしゃるような未来志向で考えていくべきではないか、その旨の呼びかけを鳥取県側から江原道側にすべきではないかというお話でございます。
 私は先般、ロシアで金振先先知事とお会いをしまして、率直な意見交換、この点もさせていただいたところであります。恐らくこちらの気持ちは受けとめていただいているのだろうと思っております。
 今の状況を申し上げれば、確かに幾つかの事業は中断しました。県でいえば、県の農水部が向こうへ行く事業が中断をいたしたわけでありまして、向こうで受け入れないということになったり、それから教育ベースの交流が中断しているものがあります。この教育ベースは、韓国の場合は地方自治体とはまた別の組織で、国家行政組織の末端組織でありますので、日本と同じように考えるとやや間違うのですけれども、ただ、そういう意味で、向こうの国家行政の中の都合もあったのでしょうか、中断の申し入れがあったと。ただ、地方自治体である道政府のほうは、うちに中断の申し入れということはしてきているわけではありません。幾つかの事業を今やることは遠慮したいといいますか、やめたいということでありまして、交流をやめるというお話はあえて来ていないというのが現状だと思います。
 そういう中ですので、8月には、例えば美術家の皆さんが江原道に行って、向こうで交流行事をしております。それには金振先先知事のメッセージが来たり、江原道庁としてもその便宜を図って、2地域間の交流でありますが、ちゃんとそれも進んできております。やはり写真家の関係の芸術的交流についても同じように行われております。それから、これからも私どものほうで、日韓親善協会の連合会の皆さんが春川のほうに出かけていきまして幾つか交流行事をやろうという計画が進んでおりまして、特に中断せよという話は来ておりません。それから、中部のNPO法人の皆さんを中心として、韓国江原道の原州で開催されます国際ウオーキングラリー、これに参画をするということで、これも事業自体は進行してきております。ですから、私は冷静に見ればいいのだろうと思うのです。
 金振先先知事とお話をしたところでは、私が申し上げましたのは、この交流事業というのは、せっかく県議会の皆さんも決議をされるなど、みんなの力を合わせて何とか回復したものだから、これはぜひ続けなければならないのではないでしょうかと。未来のことを考えれば交流の意義は高いということを申しましたら、向こう側も全く同じ気持ちであるという、そういうような返答だったと記憶をいたしております。
 それで、これからのいろいろな交流スケジュールも向こうから示されまして、例えばEATOFが来年は江原道で開かれますけれども、それに平井のほうに出席しないかというお話がその場でも出されましたし、これは正式な招待でありますから、交流を続けていくというその決意でもあろうかと思っております。また、DBSクルーズフェリーを協力してやっていこうというように、かなり明快なお話が当日もございました。それまでの江原道とは若干ニュアンスの違う話だったと私は思っています。そういうDBSクルーズフェリーのこともお互いに協力してやっていこうということになっていますので、基本的な未来志向の関係は保たれているというように考えております。
 私たちは地域として、また人として、韓国と向き合って交流していって、それで将来の大きな財産をつかんでいかなければならないと思います。今、非常に厄介な状況の中で、「10月の広場」を意味する「シオレマダン」というという事業を韓国の在日の民団の方々が今企画をしようとしています。それも中部で論争のあった場所であえてそうした行事をやって、日韓の友好を確かめ合おうではないかと、こういう動きであります。ですから、少しずつ風向きは変わりつつあると思いますし、韓国側も理解をしていると思われます。
 例えば、この週末だったと思いますが、ソウルで大きな日韓交流行事がありました。これは日韓のお祭りの合同行事なのですけれども、日本からは日野高校の荒神神楽が出かけていって、向こうで公演をして喝采を浴びたわけであります。これはテレビでも全国放送で流れていました。その背景説明として、韓国側でこの行事をやるかどうかという議論は確かにあったそうでありますが、そういうことを乗り越えて日本と韓国の合同のこのお祭りをソウルでやろうではないかと。だから決行したといいますか、勇気を出して、こういうときだからこそやるのだと、こういう気概であったと伺っております。
 そういうさなかに、麻生新総理大臣のほうに李明博大統領からもメッセージが寄せられていて、未来志向の関係をつくろうと、こういうメッセージが送られてきております。私は、このような形で事態が収れんしていくことを願っているものであります。


◯副議長(上村忠史君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時45分散会
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