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平成20年9月定例会(第2号) 本文




2008年09月22日:平成20年9月定例会(第2号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
 これより、代表質問を行っていただきます。
 12番内田博長議員


◯12番(内田博長君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 このたび、我が鳥取県から初めて自由民主党総裁選挙に石破茂代議士が立候補されました。本日の選挙結果において、鳥取県の政治史にさん然と輝く新たな1ページが刻まれることを祈りつつ、自由民主党クラブを代表して、知事並びに教育委員長、教育長、病院事業管理者、警察本部長、人事委員会事務局長に質問いたします。
 まず最初に、本日行われております自由民主党総裁選挙について知事に伺います。
 今月1日に、福田内閣総理大臣が突如総理大臣の職を辞任されると表明されました。突然の辞意表明に国民はもちろん私ども地方の議員も唖然としたのでありますが、昨年の安倍総理に続く極めて異例の事態であり、国民の政治不信を招いたことは否めません。
 昨年のサブプライムローン問題に端を発し、世界的金融不安に続き、国内でも原油や食料価格の高騰によって、物価高騰と景気減速が同時進行するスタグフレーションという極めて憂慮すべき事態に突入していると推測されます。本県においても、原材料や資材等の価格が上昇するにもかかわらず農水産物、物流コストなどは価格に転嫁できず、中小企業は倒産寸前に陥っております。
 政府は、消費者の不安解消と地域間格差の是正、新たな成長戦略の構築を求め、ようやく12兆円に及ぶ緊急総合対策をまとめ、この臨時国会で成立することを期待していたやさきの総理辞任であり、このような緊急時に政治的空白が生じることはまことに残念であります。
 なぜ辞任を決意されたのか、私なりに考えてまいりました。
 政治は、国民が求めることの後始末ではなく、先取りをすることであります。昨年7月の参議院選挙の結果、自民党が大敗を喫し、衆・参が異なる議決を行ういわゆるねじれ現象が生じ、問題を先送りしてスピーディーに対応することができない状況であります。国会は最高の議決機関であり唯一の立法機関でありながら、野党は議案の審議を放棄して衆議院の解散を求めるなど政局に連動させ、結果的に国会は機能不全に陥っているのであります。かかる国会運営と国会議員の良識を国民に問うために、辞任という苦渋の選択をしたものと思います。
 知事、現今の経済社会、我が国と地方の現状を踏まえて、今必要な施策は何か、国会運営の現状をどう認識されているのか、福田総理大臣の辞任の要因をどう考えるのか、そして新しい内閣へ何を期待されるのか、お考えをお伺いいたします。
 また、自由民主党総裁選挙に当たって、財政規律を厳守する上げ潮派と積極財政運用派に分かれ、総勢5人の総裁候補が日本の将来像を表明されました。共通した政策や、それぞれの地域色や政策集団の考え等も披瀝されています。
 私は、一つには持続的な経済発展を進めること、当面の景気対策と今後の経済発展のあり方、健全な財政運営を図ること、小泉内閣の構造改革路線によって生じ、顕在化した格差とひずみを是正すること、医療、年金、介護の3本柱を充実すること、国際社会における日本の役割と責任を明らかにすることなど、各候補によって力点は異なりますが、基本的にはそんなに変わりはないと思いますが、知事の所感をお尋ねします。
 また、私の質問時間内に新総裁が決まりましたら、新総裁に対する知事の所感を披瀝をしていただきますようにお願いをいたします。
 それでは、ここから私の本論を始めさせていただきます。
 私は、前回代表質問に立ったのは今から3年前になりますが、そのときは、幕末の偉人、山田方谷を取り上げました。窮乏に瀕する備中松山藩をわずか8年で再建したという敏腕の財政家でありましたが、今回は、今からさかのぼること400年前、毛利に敗れた尼子家再興のため山中鹿之助らとともに活躍した槍の新十郎こと亀井茲矩を取り上げます。
 時は戦国の世、亀井茲矩は羽柴秀吉に仕えて数々の武勲を上げ、1581年に気多郡に入り、さらに1600年の関ヶ原の合戦では徳川家康に仕え、高草郡を加増され、3万8,000石の大名となりました鹿野城主であります。
 28年間、領内で善政をしき、多くの業績を残しました。鳥取県の人物史で、まず第一に上げられるのがこの亀井茲矩であります。その偉業については、おいおい質問の中で触れていきますが、その後、2代政矩が石見国津和野に転封するまで亀井茲矩、政矩親子で統治した37年間は、鳥取の鹿野の歴史の中で一番輝いた時代ではなかったかと思います。
 ちなみに私のふるさとでもある日南町神戸上の裏山に、亀井茲矩みずからが開発した銀山跡が残されております。私にとっても身近な存在であることから今回取り上げた次第であります。
 茲矩は世界にも視野を広げ、内外ですぐれた行政的手腕を発揮したと言われておりますが、平井知事も後世に平井伸治ありと言われるような政治をしていただくことを、私も知事を支援した-人として望んでおることを最初に申し上げます。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 知事は、マニフェストに自立と連携による県政を掲げられ、当選以来、精力的に県内を回られ、県民及び各方面の方々と意見交換をされてきました。
 昨年6月6日、初の定例県議会の所信表明において、知事は、自立と連携に関して、地域としての競争力を高めるには、自立を前提としながらもそれ以上に連携を重視していかなければならない。そのためには、市町村や国との連携はもとより経済活動や観光にも着目した他地域との連携も進める。また、県内の企業、住民団体、大学など、いろいろなセクションとも連携しながら県の施策を実行すると述べられています。
 他地域との連携につきましては、折に触れ島根県の溝口知事との会談を持たれるなど、多方面で強いつながりができつつある。例えば8月上旬には両県の若手職員同士が平井知事、溝口知事を交えて山陰の魅力をいかにアピールするかについて意見交換を行うなど、今後の両県の連携に強い意欲を持たれているのを感じております。
 また、近畿知事会にも積極的にアプローチされ、6月に加入が承認されました。特に、間もなく開通する鳥取自動車道により、一層近畿圏との連携を強め、県内経済の振興など具体的な成果を上げる必要があると思います。
 さらに、昨年鳥取県で開催された環日本海地方政府サミットにおいても大成功でありました。砂漠化、黄砂への対応を初めとする地球環境問題の解決や、圏域の交通基盤の充実確保、人的交流の促進などについても合意されておられます。そして、途絶していた江原道との交流も、平井知事と金知事の強い意志により昨年11月末に再開されたのであります。
 これ以外にも定期的に鳥取大学との意見交換を行われるなど、多方面との連携に平井知事は特に意を払っておられると感じております。
 今後も周辺自治体や沿岸諸国との連携をより一層強化する必要があり、そしてその成果を具体的に県民に示すべきと思いますが、知事の所見を伺います。
 また、市町村との連携についても、先ほど取り上げた知事の初めての所信表明で、地域の課題を共有できるよう、市町村が一堂に会する従来型の行政懇談会ではなく、2年間かけて個別にすべての市町村と協議を行うと述べられています。
 本年8月末までに、県内19市町村のうち14の市や町と個別に協議の場を設けられたようですが、いずれの市や町も財政的に厳しい状況の中で自立に向けた努力をされているものの、特に山間地域を有する自治体では少子高齢化で税収も落ち込み、人口減と将来の見通しが立たないのが現状ではないかと思います。
 亀井茲矩の時代、彼が支配したのは気高郡と高草郡と言われる現在の鳥取市西部であり市町村の範囲でありますが、与えられた石高の中で、不足分は産業や貿易による財源を確保してさまざまな産業振興策や公共事業を行うなど、現在とは比べ物にならないほど自立度は高かったのであります。
 当時とは社会構造自体も違うとはいえ、地方の活力を取り戻すためにも市町村の自立を進めるべきであろうと思います。厳しい現状の中で、市町村の自立に向けてどのような問題を感じておられるのか、県としてどのように市町村と連携されようとしているのか、知事の所見を伺います。
 次に、現在策定中の将来ビジョンについて伺います。
 私は常々、県民の皆様が将来を展望し、地域づくりを語ることが大切だと考えておりますが、県民の中には、将来の鳥取県の方向性が見えない、夢を持てないなどとの声があるのも事実であります。まことに残念なことだと思います。
 ちなみに、亀井茲矩の夢は東アジアへの進出だったそうであります。豊臣秀吉に鳥取城攻略の恩賞の望みを聞かれた際、琉球守に任じてほしいと望んだという話が残っております。これもまた大きな夢、グランドデザインであったのであります。
 話を戻しますと、県民と鳥取県のグランドデザインを共有することによって、それぞれの立場で地域の発展に取り組む目安となるものをつくることは、非常に意義があると考えます。
 知事は、就任後初の所信表明で将来ビジョンの策定を宣言されました。本年5月には鳥取県の将来ビジョン骨子案を発表され、本年度中にまとめると述べておられます。
 近い将来の目標として、「ひらく」、「つながる」、「守る」、「楽しむ」、「支え合う」、「育む」を大きな柱として、考え得る施策を網羅しておられます。
 これまで将来ビジョン懇談会やタウンミーティング、パブリックコメントなど各方面から数多くの意見が寄せられておりますが、これらの意見を今後どのようにビジョンに反映されようとしているのか伺います。
 また、ビジョンに掲げられた施策を具体化するに当たっては財源の確保が避けて通れないわけでありますが、県の財政状況は今もって予断を許さない状況にあります。ビジョンに書かれていても毎年の予算がどうなるかわからないということでは、将来の夢が本当に絵にかいたもちになってしまうと思います。逆にビジョンに書いた施策を約束するというのであれば、財源を確実なものにする、極端に言えば将来ビジョンに関連した施策の債務負担行為をとって議会の議決を得るということも必要になろうかと思います。
 そこまでは行かないとしても、ビジョンに書かれた施策を実現するための財源を捻出するためには、ビジョンに乗らない施策を縮小して財源を捻出する、ビジョンが光とすれば、影の部分も必要になるのではないかと考えます。ビジョンの中にどこまで実現可能な内容が書き込めるのか、知事の見通しをお聞かせください。あわせて、ビジョンで生ずる影の部分、縮小する施策の県民への周知についても伺っておきます。
 また、7月に関西本部と東京本部で鳥取県の県政顧問会議が開催され、将来ビジョンの骨子案等を提示し、意見を伺われたようでありますが、この中で、県政顧問の皆様が鳥取県にどのような将来像を期待されておられるのか、またそれについて知事はどのような感想を持ち、どのようにビジョンに反映させようとされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
 本年6月、近畿知事会に加入された際、大阪府の橋下知事とツーショットでマスコミにも登場され、注目を集めておられますが、その橋下知事は就任以来「大阪維新」と銘打って、平成20年度の収支改善1,100億円、9年間で7,700億円という膨大な目標を掲げ、全事業をゼロベースで見直したり、職員給与を最大15%カットするなど、府民全体が痛みを共有する大胆な行財政改革を進められています。
 また、隣の岡山県も今後10年で毎年400億円の財源不足が見込まれており、先月末にも9.5%など職員給与削減の方針が出されたところであります。
 鳥取県財政は平成19年度決算で実質公債費比率12%と、全国的に見れば比較的よい状況にありますが、経常収支比率が94.7%で、18年度決算より1.9%増加しております。財政構造の硬直化が進んでおります。
 特に原油を初めとする資源や穀物価格の高騰による物価の急上昇、それに伴う消費の減退等から一段と景気の先行きが不透明になり、国、地方とも税収の大幅な減少が避けられないことから、県財政のさらなる悪化は避けられないと思います。
 本年度については、19年度決算の実質収支52億円が補正財源として確保されていますので、今後よほど大きな災害等が起こらない限り減収には対応できると思いますが、来年度の予算編成において大きく影響すると思います。そのためには、大阪府がやったような全事業をゼロベースで再点検し、県民や職員に痛みを求めるということも考える必要がありますし、特に痛みを伴う場合は早期に関係者の合意を取りつけることも考えておくべきです。
 来年度の当初予算編成へ向けて財源の減少にどのように対処されるのか、知事のお考えをお聞きします。
 知事は、本年度当初予算における重点課題の第1番に「元気な産業 しっかり雇用」を上げられ、県内産業の振興、雇用の確保に向けて、企業等が積極的に県外や国外に打って出る取り組みの支援、県内産業の高付加価値化の取り組みの積極的な展開、県産材の需要拡大等を図ると同時に、「食のみやこ鳥取県」として県内農産物の市場価格の向上を図るとされています。
 400年前の亀井茲矩にしても、幕末期の山田方谷にしても、領民の生活の安定と藩財政確立に向けて産業振興を重点課題として取り組んでおられます。茲矩は、当時自前の船で朱印船貿易をして、貿易品として刀剣、金銀の細工物、まき絵の道具などを買い入れて輸出し、絹織物、毛織物、動物の角や毛皮、象牙、サンゴ、香木、白檀、黒檀、紫檀などを輸入するなど、産業振興と文化の醸成にも遺産を残しています。
 私は、ロシアのウラジオストク、韓国の東海と境港を結ぶ定期貨客船の誘致に大いに期待をしております。船主であるDBSクルーズの資本金集めが難航し、就航が大幅におくれるのではないかと心配しておりましたが、11月にはめどがつきそうということで安心をしております。次には、利用する乗客や貨物をいかに安定的に確保するかが問われるところです。
 本年5月に経済交流団を派遣しておられますし、つい先日、北東アジア地方政府サミットがウラジオストクで開催され、知事みずから現地の実情を見聞きしてこられたと思います。これらの情報を分析して、知事は今後どのような交易対策を図られようとしておられるのか、考えを伺います。
 次に、隣国の韓国、ロシア等からの企業誘致について伺います。
 ロシアのサンクトペテルブルクでは日本のトヨタ自動車が進出し、現地生産も行っていますが、一部のロシア人は、幾らトヨタでもロシア人がつくった自動車は信用できない。メード・イン・ジャパンの自動車でないと買わないと言われるほど、日本製品に対するブランドイメージは極めて高いようです。
 また、お隣の韓国は日本から大量の製造部品や素材を輸入しており、ここ10数年続く対日貿易赤字の一因ともなっています。
 そこで提案ですが、わざわざ部品を輸入して現地で組み立てるより、いっそ本県に企業進出をしてもらい、メード・イン・ジャパンとして輸出していただいたらいかがでしょうか。知事のトップセールスで外国からの企業誘致に乗り出してはどうかと思いますが、知事の所見を伺います。
 鳥取県の液晶人材育成プログラムについてお尋ねをしたいところですが、時間も余りないようでございますので、この液晶関連産業の集積と雇用の拡大を目指しておられる中、今後の目標達成に向けての意気込みを伺っておきます。
 次に、農業政策についてですが、今や世界的に穀物価格が高騰し、日本国内では加工食品のみならず食料品全体が軒並み値上げの局面に来ています。特に米の価格上昇は、東南アジアにおける稲の病気やサイクロンの被害に加え、バイオ燃料の需要増加等さまざまな原因が上げられますが、こうした食料インフレの動きに呼応して、各国が次々と輸出規制をかけるなどして国内市場の確保を優先したのに対し、世界一の農産物輸入大国である我が国はなすすべを持たず、食糧安全保障体制のまずさを露呈したのであります。
 農林水産省が発表した昨年度の食料自給率は前年より1ポイント上昇して40%となりましたが、欧米の自給率に比べると余りにも貧弱であり、このままでは将来的に国民の食の安全確保は無理があるのではないかと思います。
 今日まで我が国の産業政策は、工業原材料を海外から輸入して、これに付加価値をつけて再び海外に輸出する、輸出超過になる部分は農産物を輸入してバランスを回復するというものでありましたが、事故米やメラミン混入等で食の安全・安心が揺らいでいる現在、この政策は大きな転換を迫られています。
 亀井茲矩の時代は、まずもって米の増産に取り組んでいます。1588年から日光池の干拓に着手し、半年で300石の良田を得ています。また、白兎海岸から山側に入った内海地区でありますが、ここも池を開削して干拓し、新田25町歩を得ています。
 つい最近まで日本は米を大切にして、中山間地の急斜面まで田んぼを開墾して米の増産に励んでいたわけですが、減反政策や農業従事者の高齢化により、その多くが耕作放棄地として見捨てられようとしているのであります。
 前農林水産省農村振興局次長の山下一仁氏は、減反政策をやめ、増産を目指せと新聞紙上に発表され、生産調整と価格維持を軸とした従来の米政策は誤りである、現下の穀物価格の高騰で国内価格と国外価格が接近しており、生産調整をやめれば国内の米価は中国産輸入米価格を下回る。米価が下がった分は、生産調整により農家に支払っている補助金相当を農家に直接補てんすればよいと主張されています。しかも、今後日本の人口は減少するが、逆に世界の人口は増加すると言われています。
 減反政策をやめ、生産調整を廃止して、今後は需要先を海外に広げ、輸出によって我が国の農業を縮小から拡大に転じること、これが食糧難時代に行える国際貢献であり、かつ日本の食糧安全保障につながる政策であると言っておりますが、平井知事はどのような見解をお持ちか伺います。
 次に、穀物、飼料、資材、燃油高騰に対応する農業緊急プロジェクトについて伺います。
 穀物や燃油など世界的な価格高騰を受け、県は7月上旬に「農業緊急プロジェクト」と銘打って自給飼料生産拡大、和牛放牧、米粉活用、新規作物導入、農林産物生産コスト縮減対策という5つのプロジェクトチームを立ち上げました。
 さまざまな社会情勢の変化に対応できる鳥取県の新たな水田活用モデルを実践・検証し、将来に備えるとともに、著しい資材高騰を念頭に置いた持続可能な低コスト農業経営、農業技術のモデル的な仕組みを提案することが目的のようであります。
 これらの5つのプロジェクトについて、当面は9月中旬に中間取りまとめを行う予定とのことでありますが、現在行われている国、県の農業施策にどのような問題があり、どういう方向性を見出そうとしておられるのか、基本的な考えを知事に伺います。
 次に、森林と林業再生についてですが、茲矩は法慶書の中で「村々切らざる木」のおきてをつくり、漆の木、カヤの木、ガンピの木、コウゾ、ツバキなど11種類の木の盗伐を禁じ、これらの木を材料とした木製品を製造したほか、薩摩から良質な杉の苗を仕入れて鷲峰山に移植させるなど、森林の保全に力を注いだと言われています。
 そこで、続いては林産業の振興に目を転じたいと思います。多くの課題もありますので、それぞれ知事のお考えを伺いたいと思います。
 御存じのとおり、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法が本年5月16日に公布、施行されました。この法律は、京都議定書の第一約束期間における森林吸収目標1,300万炭素トンの達成に向けて、平成24年度までの5年間に集中的に間伐を促進することを目的としております。京都議定書の目標達成には、現状の年間35万ヘクタールの間伐に加え、さらに毎年20万ヘクタールの追加的な間伐を行う必要があると言いますから、国のみならず県及び市町村においても、目標達成に向けてしっかりと計画的に進めていく必要があります。
 本県においても同法の施行に伴って鳥取県産材利用推進指針を策定し、県内の素材生産量を現在の数値の40%増の20万立米、県産材製材品生産量も40%増の3万立米などの目標値を設定し、平成22年度までのおおむね3年間で実現することを目指しておられます。
 これらの目標達成に向けて、高性能機械の整備による作業効率の向上と搬出コストの低減が不可欠でありますが、それだけではなく、不足している林業後継者の育成や低コストの労働者の雇用確保のための施策も同時に講じていく必要があると思います。
 そこで、一例として日野川流域の状況を取り上げたいと思います。
 岡山県北部から鳥取県にかけての日野川流域は、人工林面積、人工林率などデータの上では林業の中心的地域ではありますが、中国山地であるがゆえに20%から39%が傾斜地という非常に作業効率の悪い、要するにコストがかかる地域であります。
 今年度は、国、県の支援を受けて日野川の森木材団地が完成し、最新鋭の機器を備えたLVL、単板積層材製造の新会社も稼働を始めました。平井知事も竣工式にも御出席いただきましたので現状はお聞きのことと思いますが、この団地内で県の指針に基づく目標値を達成するには、木材市場、チップ工場のほか、新たにLVL等加工用も加えて年間10万立米という木材生産が必要となります。
 現在、当地区の1人当たりの生産量は平均5立米ですが、目標の10万立米の素材生産量を確保するには、今よりも生産効率を2倍にし、専門従事者50人の雇用が必要となります。しかもこの素材生産体制を確立するには高性能機械など多大な設備投資が必要になると思いますが、多くの生産事業体は自力で導入できる資力、経営力を持ち合わせていないのが実態であります。
 県内森林の間伐を促進し、間伐材を有効に活用していくためにも、行政による支援の拡充が不可欠であろうかと思いますが、知事のお考えを伺います。
 水産業の振興と原油価格高騰対策についてでありますが、「食のみやこ鳥取県」が誇る特産物の一つ、天然の岩ガキ「夏輝」がありますが、産地の一つ、夏泊では、今も昔と変わらぬ海女による漁が行われていますが、この海女の漁法は、文禄の役で朝鮮に向かった亀井茲矩が朝鮮半島への水先案内人として雇った筑前の漁師を夏泊に一家で住まわせ、後にその妻によって伝えられて今に続いている400年の伝統を持つ文化であります。
 そこで、水産業の振興について伺いたいと思います。
 この1年、水産業は漁船用の燃油価格の高騰に大きく揺れ動きました。7月15日、全国の漁船20万隻、鳥取県の漁船820隻は、一斉に出漁を取りやめ休漁したのであります。
 また、東京で行われた漁業経営危機突破全国漁民大会では、全国から3,600人の漁業関係者が集まり、燃油価格の暴騰から日本の水産食料、漁船、漁民を守れと声を上げる姿がテレビや新聞で大きく報じられました。
 その中で、私たち漁師は海に出て漁をしたいんや、しかし今の暴騰した燃油価格では出るに出られないんや、漁師が海に出られないこの無念さを知ってほしい、これは北陸地域を代表した漁民の率直な叫びでありました。全国の漁業者が一致団結してこのような行動を起こしたことは、いまだかつてなかったことであります。
 鳥取県漁協の実態を見ますと、漁船が使う燃油価格はこの5年間で3倍に達しており、特にこの1年間の値上がりは、まさに激甚災害並みと表現をされるほど異常な暴騰ぶりであります。
 現在1リットル当たり125円台にも達しており、90円になると廃業せざるを得ない漁業者も出始めているのであります。全国の漁業、漁村は、まさに息の根をとめられようとしているのです。
 特に、漁船漁業は操業コストに占める燃油代のウエートが高く、コストの30%から40%に達する水準になっておりますが、卸売市場法のもとでは競り取引が主体でコスト上昇分を価格に転嫁できないため、燃油高騰の打撃を直接大きく受けているのです。
 この7月28日、政府はこのような燃油高騰に苦しむ漁業者の叫びを受けて、総事業費745億円の緊急対策を決定し、燃油代高騰分の9割を補てんするなどを中心とした新しい事業を打ち出され、漁業者はひとまず安堵したところでありますが、ここに至る一連の漁業者の行動に対し知事はどのような所感を持っておられるのか、また政府の緊急対策をどう評価しておられるのか伺いたいのです。
 次に、今回の緊急対策は、この1~2年のまさに緊急対策であります。
 中長期的に見ると、漁業の構造再編に素早く取り組むべきとの声も多く、今後の省エネを軸とした漁業再編をどう考えておられるのか。鳥取県の漁業にどのような新しいビジョンを描いておられるのか伺います。
 次に、農業委員会制度について伺います。
 本年5月28日の地方分権改革推進委員会の第1次勧告においては、農業委員会が農地の無秩序な開発に対する監視抑制という役割を果たすためには、国が一律の規制で行うのではなく、地方の自主的な判断による弾力的な運用を図るべきであり、地方自治体が地域の実情に応じ農業委員会の設置を任意に決定できるようすべきであると勧告しています。
 これを受けて、政府は第1次勧告の内容を最大限に尊重し、地方分権改革の推進に強力に取り組むとした上で、農業委員会の組織運営に係る規制について、地方公共団体のより弾力的な運用を図る観点から必要な措置を講じるとしています。将来、農業経営が広域化、大型化する過程において、農業委員会の広域化を模索する必要性を感じたところです。
 私は、県の農業会議の指導のもとに農業委員会の広域化を図るべきと思いますが、知事の所見を伺います。
 第1回目の壇上からの質問は以上です。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田博長議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)内田議員の代表質問にお答えを申し上げます。
 まず、このたび行われております自民党の総裁選挙につきまして、何点かお尋ねをいただきました。福田総理が突然辞任をされたということ、それについて必要な施策は何だろうか、また国会運営の現状だとか辞任の要因についてどう考えているか、また新しい内閣に何を期待をしているかというお尋ねがございました。
 まず、今急速に事情が動いているということだと思います。ここ1週間、2週間を見てみますと、リーマン・ブラザーズが倒れるという事態になりました。これは、サブプライムローンの問題が浮上して以来、常に心配をされていたことでありますけれども、アメリカ政府が最後に救いの手を差し伸べなかった。また、同僚である金融機関も、それに対して何の手も最終的には打たなかった。こういうことで、リーマン・ブラザーズは崩壊をしたということがありました。早速今、アメリカ政府のほうで最高7,000億ドルに上る公的支援を行おうという報道も始まっているような状況であります。これは、ひとりアメリカ大陸のみならずアジアにも、そしてヨーロッパにも大きな波及を与えるような金融上の危機であり、また経済上も影響の大きな、甚大な事柄であろうかと思います。例えばこうしたことに対する対処が緊急に求められる状況に急速になってきていると思います。
 また、事故米問題で明らかになりつつありますが、やはり国のほうの食糧についての政策、食糧政策のあり方、またそれに対する官僚の関与のあり方、業界のモラルの問題、また地方も通じて消費者をどうやって守っていくか、そのための施策などが、これもまた緊急に求められるような状況になっているだろうと思います。
 こうした急速な事情の変化に伴って、当面政府として打ち出すべきことを機敏に打ち出す、そういうスピード感が今求められているのではないかと思います。
 あわせて、小泉構造改革以来、やはり地域間における格差ですとか、またそれぞれの地域における所得の格差でありますとか、そうした格差社会の進行は進んでいるように思われます。これに対して抜本的な手を打たなければならない。
 あわせて景気の状況もどんどんと悪化しているという報告があるわけであります。これも少なくとも急速な、そうした事態の進行も踏まえながら、例えばリーマン・ブラザーズ問題なんかも踏まえながら効果的な経済対策を打ち出さなければならないということであろうかと思います。そういう意味で今、新しい状況に対処することが、まず一つには求められると思います。
 あと社会保障制度、あるいは子育て社会の充実、こうしたセーフティーネットを張りめぐらすことで抜本的な社会構造、システムを変えていくべき時代に入りつつあるのではないかと思います。
 現在、後期高齢者医療制度問題をとっても、あるいは障害者の自立支援の問題をとっても、また子育ての対応などを考えても、今のままやっていってはなかなか立ち行かない、やはりシステムの変換が必要であるというのは国民的なコンセンサスになりつつあるのではないかと思います。これは短期的な景気対策だとかそういうこととはやや事態を異にするかもしれませんが、抜本的な税制改正などの議論とも相まってこうしたことへの対処も必要になってきている、これが現在の政策上の要点ではないかと私は感じております。
 そして、福田総理がなぜ辞任に追い込まれたかということでありますが、私は、2大政党政治が今少しずつ成熟しかけているけれども、まだ成熟し切っていない、未熟な部分があるのではないか、これが背景にあるように思います。
 そもそも平成5年、6年ごろに大議論をしまして政治改革を国は行ったわけです。小選挙区比例代表並立制度を導入して、特に小選挙区のほうにウエートの高い制度にしました。これは、何となれば国民が主権者であり、その意思によって国政の選択をすることができる制度にしようではないか、それが眼目であったと思います。あわせて、比例代表を入れたということは、多様な民意というものもやはり吸収をした、そういう穏当な政府をつくってもらいたい、この思いがあったのだろうと思うのです。
 しかるに、このたび参議院の選挙がありまして、これは小選挙区比例代表並立制に近いものでありますから、結果として野党側の大勝になったわけでありますが、その後、与党と野党との対立が国会の両院の議決の違いに持ち込まれ、またコミュニケーションの不足にも至ったのではないかと思っております。
 本来、こうした選挙制度を導入したわけでありますから、政党の中でも例えば中で候補者を選ぶとか、また民主的な政党運営、それは透明性のある財務運営も含めてでありますが、そうした改革を行っていくことが必要でありますけれども、今日、我が国において政党法が制定されているわけではありません。
 また、国会運営において与党と野党で意見が異なることは、これは当然のこととしてあるわけでありますが、最後は国民の目線でそれを調整していくという、その大所高所の議論を行うという基本的なコンセンサスが与野党間ででき上がっているかどうか、今なお疑問があるわけであります。
 政権を争うのが政治でありますから、政権抗争のために議論を行うことは、これはいたし方ないのかもしれません。しかし、私は、政権抗争のために、かえって、国民の目線で政治を行うという基本姿勢でありますとか、本来国民や国家が必要としている対処すべき事態への答えを出すこと、これを怠ってはならないというように思うわけであります。
 「高き屋にのぼりて見れば煙立つ 民のかまどは賑ひにけり」。これは仁徳天皇がつくられたと伝えられている新古今集に含まれている歌でありますけれども、そうした歌に言われているように、最終的には、政権抗争もいいのですけれども、まずは目の前のことを片づけながら政権抗争をやろうではないかと、そういう大人の政治をしていただきたいと思います。ただ、福田総理が今まだ在任をされているわけでありますが、福田総理の在任期間中にはこうした状況はまだ解消されていない、したがって行き詰まったというのが正直なところかなと私は思っております。
 新しい内閣への期待ということでありますけれども、当面は、緊急になすべきことは私は素直にやっていただいたらどうかと思います。12兆円にわたる総合経済対策を打ち出している、それが目前で今わからなくなったと内田議員が御指摘になりましたけれども、そういうことにまずは答えを出すことも一つ必要ではないかと思います。政権選択の選挙を行うということは、これは国家として大事なことでありますが、リーマン・ブラザーズの崩壊だとか、あるいは事故米問題だとか、緊急な課題も対処した上で行うべき時期ではないかなというようにも思っております。
 そして、新しい内閣への期待ですが、先ほど申しましたような地域間格差の解消だとかというような課題にぜひ取り組んでいただきたいとは思いますが、まず近々選挙があるでしょうから、それまでに片づけるべきことはまずはやっていただきたいというのが正直な感想であります。
 次に、自民党の総裁選挙に当たりまして、財政規律を重視する上げ潮派、積極財政運用派などに分かれる選挙になったけれども、余り大差がなかったようにも思うが、その辺はいかが考えているかというお尋ねであります。
 私も当初、新聞紙上で言われていましたように上げ潮派、あるいは積極財政派、あるいは財政規律派と峻別するのは、余り結果論としては、そこまで違いはなかったかなと思います。ただ、大切なことは、従来の小泉構造改革で示されていたような新自由主義的なやり方一辺倒でいいということには、余り共感が得られなかったのではないかと今回の総裁選挙は見ております。どちらかというと、麻生候補が今地方票を集めているというように報道されていますし、2番手が今のところ石破候補だそうでありまして、4票集めておられるということでありますが、そういう方々は積極財政派のほうに例えられておられる方々であります。今までのようなやり方ではどんどん地方の疲弊は深まるばかりだということへのメッセージがこの中にあらわれているのではないかと思っております。
 次に、亀井茲矩公のお話をされながら、マニフェストの中で私が示した事柄、自立と連携についてお尋ねがございました。周辺自治体や沿岸諸国との連携をより一層強化する必要があり、その成果を具体的に県民の皆様に示すべきではないかというお尋ねでございます。
 まず、亀井茲矩公についてお話がございました。1581年に鹿野のほうに来られて、さらに1600年には関ケ原の戦いで東軍のほうについて加増される。そして、3万石を超える一かどの大名になったわけであります。その後の領民経営といいますか領国経営については、後世語り継ぐべきものが多かっただろうと私も思います。
 るる例を質問のたびに挙げておられました。そのとおりであろうと私も思います。一つには、今、鳥取県でいえば地域の中で自立を求めてうごめいている、もがいている、苦しんでいる、その営みをぜひ昇華させなければならない。これは経済の上でもそうでありますし、セーフティーネットを張ろうという、その苦しみもそうでありますし、中山間地域を支えていこうということもそうだろうと思います。
 これは、当時、江戸時代の初めのころも戦乱で疲弊した地域であったでありましょう。そこに米づくりを導入しよう、そのために例えば大井手の用水なんかを切り開いたり、先ほどおっしゃったような干拓を行ったり、そういうことも取り組まれましたし、また日野のほうでの銀山の経営にも乗り出される。こういう意味で内需といいますか、地域内の経営をしっかりとやろうと、まず自立をやろうということを求められたと思います。
 あともう一つとして、連携をすべきだということにも目を開かれたわけであります。単に気高の一角ということではなくて、他との交易を目指そう。さらには外に向かっていこう。それは、アジアに向かっていくということも求められたわけでありまして、朱印船貿易を3度にわたって行ったわけであります。これは、当時としては非常に思い切ったことだったと思います。また、みずから城の中にやぐらをつくって、それをオランダやぐらとか朝鮮やぐらというふうに名づけられたり、地域の中に暮らしながら、目線は外にも開いていたわけであります。
 こういう連携の姿勢も、自立を目指すと同時に他と連携することによって領国を豊かにしていこう、領民に幸せを与えようということでありまして、これは後世語り継ぐべき姿勢であろうかと思います。
 私もそうしたことでマニフェストの中にも書かさせていただきましたし、今そのための事業進捗を図っているわけであります。
 連携についてでありますけれども、隣の島根県ともたびたび会談をさせていただいたり、いろいろな意味で政策的な整合性をとろうということをしております。具体的に今、中海、宍道湖、大山、こういう圏域で広域観光圏をセットしようという動きをしております。これは、中部、西部ぐらいまで含めて鳥取県側は考えようではないか、また西のほうでは、島根のほうは銀山のあたりまで含めて考えようではないか、大体同じような面積になるかもしれません。目指したいのは、ここに滞在する日数をふやす、そういう観光振興を図る、それによって地域の豊かさへとつなげていくことができないだろうか。今、連続テレビ小説の「だんだん」が始まります。また、石見銀山も相変わらず観光客を集めている。そういう島根県側と一体となることで鳥取県の観光振興にも役に立つと思われます。そうした道を、私はいろいろな意味で考えていきたいと思っております。
 また、岡山県とも真庭地域と倉吉とが民間でも連携をし始めていますが、県同士でも連携をしましょうと、観光振興だとかの話し合いを始めたところでありますし、今度は広島のほうに西条柿を売りにいこうかと思っております。
 そのように、中国圏内での動き、連携を強めようということで、具体的な成果を出そうとしております。
 あわせて、近畿圏とも今、鳥取自動車道が結ばれること、さらに東浜居組道路のところのトンネルが今開通をしようとしています。これは11月24日に開通をしようとしておりますが、こういうことで新しい近畿とのパイプが開かれるわけであります。これは、鳥取県にとって非常に大きなインパクトを与えると思いますが、この機会に近畿の中、あるいは近畿とくっついている、そうした鳥取県として育っていく、成長過程へと結びつけていくことが必要だと思います。
 6月に近畿知事会に加入をいたしましたし、7月30日には関西の広域機構のほうに加入をさせていただきました。早速7月31日から、KUと言われる関西広域機構のホームページの中で私ども鳥取県の紹介が始まっております。観光地の紹介もなされています。外国の特派員記者だとか海外にも配信をする、そういう事業をやっておりまして、その中では、境港の水木しげるロードの紹介記事がこの夏に早速関西の一角として配信されております。
 このような動きが今出てきているわけでありまして、10月には「御堂筋kappo」といいますが、今度、橋下知事が提唱されまして、大阪市と一緒に御堂筋で、パレードのかわりに地域の物産展なんかをやって、にぎやかなまちづくりをしようではないかということであります。これにも鳥取県、早速出店をさせていただき、参加をしようというようになっております。こういうふうに、関西と結びついた連携を具体的に進めている途上でございます。
 さらに御指摘いただきましたように、北東アジア地方政府サミット、先週行ってまいりました。私どもが提唱させていただいております新しい環日本海の航路の設置につきましても関係地域から賛同いただきました。さらに環境についての実務レベルでの協議機関をつくる、これが8月に、やはりウラジオストクで設置をされたところであります。このように海外との連携も進めております。
 台湾でも台湾週間がございまして、そちらにも行ってまいりました。昨日、台湾からのお客さんがこちらのほうに来ておりまして、鬼太郎なんかが出迎えたようでありますが、我々のほうでは台湾週間に出向きまして、台中県のほうで地元のものを売りました。例えば砂丘のナガイモがあっという間に売れまして、1日で売り切ったとか、いろいろと成果も出てきていると思います。
 こういうように内外における連携を強めていくことで、具体的に県民の皆様に還元していく、成果を出していきたいと考えております。
 次に、市町村との連携についてでありますけれども、市町村とは14の市町と個別に協議をいたしたところであります。市町村の自立に向けてどんな問題を感じたか、これからどういうふうに進めていくかというお話でございました。
 一通り回りかけて、もう大体14までいきましたので、3分の2といいますか、そういう段階まで来ておりますけれども、それぞれの市町村の個別の地域の悩みというものをつぶさにお伺いすることができて、県行政と市町村行政との信頼関係、相互理解を深めることができたと思います。今までそうしたパイプがやや目詰まりしていたかなと思うことがございましたので、その意味では進歩があったと思います。
 そこでいろいろな具体的な提案もいただきました。例えば観光振興にかける思いとか、それから危ない、道路の上に木が落ちてくるのではないか、危ないのではないかと、そのような指摘を具体的にいただいたり、それから日南町と話し合いをさせていただいたときも、地域づくりにかける思いもつぶさに伺いました。
 日南町の場合は、鳥取大学だとか島根大学だとか、そうした学術機関と一緒になりまして過疎地域対策をやっていこうという、非常にユニークな取り組みもされておられまして、その意味でのいろいろな御指摘がございました。例えば交通政策としてバス、公共交通をどうやっていくか。それは具体的に市町村のほうで一度アイデアを出してくださいと、我々のほうでそれについて協働してやっていけるところは助成金などで対処していきたいというお話を申し上げたり、そんなやりとりを具体的にいたしたところであります。小学校の統合問題だとか、男女共同参画の問題とか、多岐にわたる議論、日南町ともさせていただきました。
 やはり鳥取県内、東西も長うございますし、海から山まで行くわけでありますから、バラエティーに富んだ地域づくりが必要なのだと思います。それぞれの地域で、現場でフロントを預かる者として市町村が住民と向き合って行政をする。そこでいろいろなアイデアを出していただき、県とも情報交換を密にしまして、それを支えていく。そういうしなやかな関係を築いていきたいと思います。
 市町村と話す中でつくづく思いましたのは、行政だけの解決レベルを超える問題がふえてきたなということです。NPOだとか、あるいは企業活動だとか、そうした活動を活発化させていくこと、これは市町村にとっても地域づくりで必要であるし、また県としてもこれを広い意味で促進していく材料が必要だなという思いがいたしました。
 こういう民の力を活用しながら、それをサポートする形で市町村と県とが連携をしていく、こういうスタイルがこれからの行政なのかなというふうに思ったところであります。
 次に、将来ビジョンについてでありますけれども、これについて数多くの意見が寄せられている、この意見について将来ビジョンにどう反映させていくかというお話でございます。
 これは、寄せられた意見など詳細は企画部長のほうから申し上げたいと思います。それで、どういうように盛り込もうとしているか、具体の話もそちらのほうでさせていただきたいと思いますが、手順といたしまして、今たくさんの意見をいただいております。これを盛り込んで、先般の議会でお示しをいたしましたものをバージョンアップして、将来ビジョンの素案を今議会の中で示させていただきたいと考えております。そして、さらにパブリックコメントなんかも経て、年末の議会で確定するような手続をさせていただければなと思っております。
 将来ビジョンに掲げられた施策の中で、どこまで実現可能な内容が書けるのか、またあわせて、影の部分、縮小する施策についていかがかということであります。
 今回の将来ビジョンでございますけれども、これは従来の5カ年計画とは違うものだと申し上げております。それは、県民の皆様、あるいは市町村だとか、NPOだとか、関係者の方々と将来に対する目線を共有しようということであります。ですから、個別の具体的な事業をつぶさにこの中で書き切ってしまうわけではありません。ですから、債務負担行為を直ちに出さなければならないというものではないと考えております。ただ、向こう10年ぐらいの間を見通してみて、このぐらいは実現可能ではないだろうかと、そういう思いも持って中身を精査をさせていただくという考え方でございます。したがいまして、基本的には実現可能なものをベースとして書いてあるというようにお考えをいただきたいと思います。
 その際に、この将来ビジョンを実現するために切り捨てていくべき部分、それも明示すべきではないかということでありますけれども、今その作業中でありますが、今書いているような内容のことであれば、何とか私どもでも努力をして行財政改革を行ったり、またその地域でのなすべき施策も年々歳々点検をすることで、見直しをしていくことで乗り切っていきたいというレベルだと思います。ですから、ドラスチックにこれだけざっぱり切りますというようなものにする必要もないだろうと考えております。
 次に、県政顧問の皆さんとの会議をしたわけでありますが、その中で鳥取県にどのような将来像を期待されていたか、またそれに対してどんな感想を持って将来ビジョンに反映しようとしているのかということであります。
 4回にわたりまして東京、あるいは大阪、また名古屋で県政顧問の皆さんと話をさせていただき、その際に将来ビジョンを御説明を申し上げまして、御意見を賜りました。私どもが県民の皆さんと今つくりかけていた将来ビジョン、それはおおむね御理解いただける内容だったという感触であります。ただ、それについて県政顧問の皆さんからそれぞれ独自の立場でお話もいただきました。
 例えばやはり60万県民という小さな世帯でありますので、人づくり、教育、人材育成ということに注力してはどうだろうかというお話がございました。実は県政顧問の皆さんだけでなくて、先般開いたタウンミーティングの中でも繰り返し出された話でございまして、県民の皆さんの願いでもあるというふうに感じております。ですから、将来ビジョンの中でもこのことをきちんと書く必要があるだろうと思いますし、さらに具体的な施策を予算編成作業に向けて考えていくべき段階かなというように思います。
 また、鳥取県はすばらしい食材がある、その「食のみやこ」をぜひ大宣伝してもらいたいとか、また産業振興について具体的なお話、特に環日本海時代をにらんで物流なんかも興しながらやっていくことについてのアドバイスなんかもちょうだいをいたしました。そうしたことは今回、将来ビジョンの中に書き込んでいきたいと思います。
 具体的な施策もちょうだいしておりまして、「食のみやこ」との関係で言えば、売るための組織を東京とか大消費地でつくる必要があるのではないかということがございまして、これはなるほどなと思いました。もちろん将来ビジョンの中でも書く内容だと思いますが、具体的な施策の中でも提案に向けて考えていきたいと思った次第であります。
 次に、景気の先行きが不透明になっている、来年度の当初予算編成に向けて財源の減少にどう対応するのかということでございます。
 今、景気の動向が不透明になってきて、税収が落ちてきております。これは国もそうですし、地方もそうでありまして、このことは我々の地方税収にも響きますし、それから地方交付税全体にも影響するわけであります。現在、交付税の原資の税収も落ちているものですから、今、総務省が交付税の概算要求をいたしておりますが、これは6,000億の削減という内容になっております。これはいささか割り切れないものがあるわけでありまして、ぜひこうした要求は撤回する、あるいはきちんと見直す議論をこれからやっていただきたいと思います。地方も税収が減って厳しい中で、せっかくことしはやや交付税がふえるという、今までの減少一辺倒から戻ったところでございます。この軌道を維持していただきたいというように思います。
 事ほどさような状況でございますから、財源については来年度予算編成に向けて不透明感が非常に強い状況だと思います。ですから、交付税の確保に向けた議論の喚起だとか、私どもでもサマーレビューを今やっておりますけれども、事務事業の見直しを大胆に行うとか、組織上の見直しも行って定数管理を厳格に行うとか、財源を生み出す努力もしていく必要があるだろうと思っております。
 6月の議会で議論になりましたけれども、集中改革プランを鳥取県としても示すべきだというお話がございました。今その作業をしておりますけれども、これは私のマニフェストで、もともと5%定員抑制という話がございますが、そういうものの延長線で書かさせていただきたいと思っております。
 こうした集中改革プランの中でも、そうした今の不透明な財政見通しの中で我々のほうで財政改革を行っていく、そのビジョンをお示しを申し上げたいと考えております。
 その一環として、給与の問題なんかもございますけれども、先ほど橋下知事のお話もございましたけれども、私は鳥取は鳥取の道行きでいいのだと思うのです。鳥取は、他県とは違った行財政改革のアプローチを今やりつつありまして、いわば鳥取型の給与構造改革、あるいは鳥取型の行財政改革というべきものなのだろうと思うのです。それは、定員の抑制ということはもとよりといたしまして、給与については他県とは違って職に沿った給料を出す仕組み、これは当たり前のことなのですが、これが他県でできていないわけです。ここからまず直していこう、これをやっているところでありますし、さらに民間との給与格差を、今から人事委員会も勧告をされると思うのですけれども、民間との給与格差を正直に調査をしてくださっているところでありますので、我々もそういうものに基づいてやっていけば、おのずから給与の適正化といいますか、鳥取県なりの水準というものがはじき出されてくるのではないかと思っているのです。これは、他県の場合は10%カットとか非常にきらびやかに数字は出てくるわけでありますが、あれは永続的なものではありません。しかも、その根拠がよくわからないところがあります。ですから、我々としては、職員の皆さんも安心して働くことができ、さらに私たちの行財政改革も成就できるという第三の道を選んでいく。これが私どもの考え方でございまして、このたび鳥取県としての集中改革プランを他県と同じようにつくろうかと言っていますけれども、その中ではそうした考え方を出していきたいと思っております。
 次に、北東アジアとの交易対策についてのお話がございました。当面する課題のまず第1として、定期貨客船の問題を取り上げられて、亀井公も朱印船貿易を行ったではないかというお話をされたわけであります。DBSクルーズの利用する乗客、貨物が一層安定的に確保されるかどうか、これが問われるのではないか、交易対策いかんということであります。
 先週の北東アジアの地方政府サミットで私のほうから発言をさせていただきまして、この問題についてはそれぞれの地域、例えばウラジオストクのある沿海地方、東海のある江原道、境港のある鳥取県、また吉林省も日本海に近いところに位置をしているわけであります。そうしたところが日本海を囲んでアジアに向けての、北東アジアの中でのそれぞれの玄関口になることをお互い目指そうではありませんかと。そのためにも今回の航路の実現をぜひ御協力いただきたいというお話を申し上げました。もちろんこの航路に限らずほかにもいろいろな構想はあろうかと思いますが、そういうことも含めてサミットとして、特にこの航路の名前は明記した上でこうした交通網の整備を行っていこうと、それについて関係地域で協力していこうという姿勢が示されました。
 その後、翌日にダリキンロシア沿海地方知事、また江原道金振先先知事とも相次いで協議をさせていただきました。それぞれの地域とも、この航路について支援していこうという合意をいたしたところでございます。これは、ダリキン知事もビジネスマンらしくおっしゃっていましたけれども、どうやって荷を確保するかということですねというように向こうもおっしゃっていました。ですから、そうした動きを私ども地域でもつくり出していく必要があるのだと思うのです。これは、我々でも今ポートセールスをしておりまして、もちろん上海航路だとかもいろいろございますので、関西だとか、あるいは東京方面まで含めて今ポートセールスをしているところであります。
 さらに、これはひとえに民間の皆様がビジネスをされることがまず第一でございます。5月9日に北東アジア地域での経済連携を図ろうではないかということで、これは鳥取県に限らず島根県の方も入られましたが、ビジネス界の皆さんが中心となって経済活動の促進協議会を設けられたところであります。この皆さんでウラジオストクに行ったり、あるいは韓国に行ったり、そうした動きもこれから出てくると思いますし、向こうから、ロシアからも、今私どものほうで招請しておりますのは、例えば食品のビジネスがあるかもしれない。ですから、鳥取県のほうに来ていただきまして、ロシアのウラジオストクの総領事館で料理人を実際にされている方に来ていただいて、向こうの日本食などを含めた、そうした食物事情、そういうものを聞かせてもらおうかとか、具体的な勉強会もこれから順次仕掛けていこうと考えております。
 船だけ走っても、先行き長くないことになります。ですから、むしろこうした歴史的な航路が開かれることで真の交易なりなんなりが始まり、かつて亀井公が目指したような富を外から持ってくる、そういう航路になるように育てていく必要こそ大事だと思っております。
 次に、いっそ鳥取県のほうに外国企業を誘致してはどうだろうかと、そういうことに乗り出してはどうだろうかと。議員のほうから今おっしゃいましたのは、メード・イン・ジャパンに対する信仰が非常に強いものですから、日本で組み立てることでメード・イン・ジャパンとして輸出をするというビジネスモデルができないかということであります。
 正直な話、今まだこうした点で鳥取県で海外からの企業誘致に成功したわけではありませんが、そうしたボーダーレスの時代になってきますので、いろいろなタイプの企業進出があるかもしれませんが、私どももジェトロなんかを通じて海外からの企業誘致の呼びかけもこれからやっていきたいと思います。
 一つ、ビジネスモデルとして考えられるのはファミリーみたいなタイプでありまして、ファミリーさんの場合は鳥取県の名和の工場で組み立てをする、それを輸出をする際にはメード・イン・ジャパンで輸出をされていくわけですね。ただ、そこの前工程までは上海などの工場で生産をした部品をこっちへ持ってきていると。そういうことで、メード・イン・ジャパンの冠をつけて、これは実際に名和でつくっていますから、間違いなくメード・イン・ジャパンなのですが、その前工程のほうを海外のほうでやる。こうしたビジネスモデルも現に存在をするわけです。ですから、可能性が全くないわけではないと思いますので、こうしたこともこれからの戦略としては訴えていきたいと思います。
 ただ、現実問題として、海外から日本のほうにやってきているそうした企業の案件は、例えばソフトビジネスだとか、あるいは商業流通系とか、そうしたことでございます。いろいろな隘路があるのは事実でございまして、今来ているのも大体大都市部、東京だとかを中心とした地域に行かざるを得ない。もし鳥取に来るとしたら、既に日本に進出した企業が二次的に鳥取を第2の地として選ぶということ、この辺が現実的なのかもしれません。ただ、可能性はかなり広目に見ながら、働きかけについては今後もやっていきたいと思います。
 次に、液晶人材育成プログラムについてでございますが、液晶関連産業の集積と雇用の拡大に向けて考え方をということでございます。
 鳥取発液晶人材育成プログラムは、鳥取県は液晶産業なり電子機器産業が集積しておりますので、これを人材育成でバックアップをする、それを鳥取から発信しようではないかということであります。みずから企業の皆さんと連携をして教材をつくり、実際に講座も企業の方も入っていただいて行う。高校、大学、産業振興機構とか、そうしたところで講座を開かせていただきまして、学生さんだとか子供たちだとか、また社会人にも教育をして、即戦力となる人材を育てようという取り組みであります。
 これは、企業側にとって非常におもしろく、興味深く聞いていただいております。トヨタとかの工場誘致に成功した北陸のほうも、高校段階から人材を育成して送り込むという約束をしながら引っ張ってきているという現実があります。ですから、これは私どもの一つの目玉になる戦略ではないかと思います。
 さらに、このたび8月に調印式をいたしましたが、鳥取大学の中で電子ディスプレー研究センターを立ち上げることになりました。これは鳥取空港のほど近いところにつくるわけでございますが、ここでは最先端の技術開発を行う人材をそろえて、さらに企業への技術支援を行ったり、社会人ドクターを受け入れて人材養成を行ったりということであります。これも、そういう意味で液晶人材の育成にも役立つわけでございます。
 こうした取り組みを精いっぱいPRをさせていただきまして、今後、液晶関連産業、電子機器産業、そうしたものの立地を、誘致を深めていきたいと思います。
 今年度も幾つか実現をしてきておりますし、さらに最近では、エプソンイメージングデバイスという大変大きな液晶の会社がございますけれども、これが他地域での工場を整理をしながら鳥取に集約をしようという方針を打ち出されております。私どもとしては、さらに鳥取の中で投資をしていただいたり人を雇っていただく、それにつなげていただきたいと精力的に働きかけをしているところであります。いずれにせよ、何らかの答えが出るのではないかと私どもは期待しながら運動を進めているところでありますし、また中部のほうでも関連した液晶関連の企業の拡張の動きなんかもありまして、そういうところも応援をしていこうと思っております。
 少しずつではありますが成果が19年度も出てきておりましたけれども、20年度、ややロットの大きな液晶関係での企業の拡張、立地の拡張を目指しているところであります。
 次に、農業政策についてお尋ねが何点かございました。
 まず、食料自給率が40%になってしまっている。国民の食の安全確保は、このままでは無理ではないか。農林水産省の前農村振興局次長の山下氏の書かれた論考を引かれまして、減反政策をやめて生産調整を廃止し、海外への輸出によって我が国の農業を縮小から拡大に転じることこそこれからの農業政策ではないかというお話をいただいたところであります。
 考え方いかんということでございますが、私も山下氏の論文を拝見させていただきました。幾つか共感できるところはあります。例えば今まで生産調整一辺倒で農政というのは組まれていたわけでありますが、これでよかったのだろうかという、その問題提起自体は正しいのではないかと私は受けとめました。今まで生産を縮小するということに精力を注いでいたわけでありますが、これは結局農業所得全体を減らすことにもなりますし、さらに農村の荒廃を導くことになります。ですから、余り賢い政策選択ではないのだろうと思うのです。
 ここらで農業の政策構造を転換をしていく時期ではないか、その予兆を感じさせることがございます。このたびもメラミンの混入で牛乳が大変、ミルクが大変ということであります。中国で赤ちゃんのミルクにそうした汚染物質が入っていたこと、非常にショッキングであります。さらに、これが日本へ波及をしてきていて、一部の事業者も使用していたということも明らかになってきています。
 こうしたことを見るにつけ、食糧の安全保障を本気で我が国も考えるべき段階に来ているだろうと。この意味でも、食糧についても単に生産縮小ということではなくて、生産を高めていく方向へと転換していくべきではないかと、これは私も共感できる主張であります。
 さらに、日本の農業を自信を持って外に打って出る。このたびも台湾のほうに行ってまいりましたけれども、二十世紀ナシは確かに人気がございましたが、私ちょっと驚いたのは、ナガイモがたちまち売り切れたことであります。事情を台湾の人にお伺いしましたら、台湾は今健康食品ブームのようなことがございまして、ああいうナガイモに対する興味が非常に強いのだそうです。ですから、お一人で4本も5本も買って帰られる。私は、一体あの後どうやって使うのか、非常に疑問でならないのですけれども、そういうように大分考え方が変わってきているわけです。こういうように、外に私どもの農産品を売っていくことは可能ではないか。
 ウラジオストクのほうにもこのたび行ってまいりました。やはり流通がちょっと偏りがあるように思いました。現地の人にお伺いをしますと、モスクワ経済なのだそうでありまして、モスクワのほうですべて取り仕切って、もう大分古くなったころにいろいろなものがこちらのほうに流れてくる、沿海地方のほうに流れてくる。本来は、アジアの中でいいものを買ったらいいのですけれども、そうではなくてそういう流通ルートになっているものですから、例えば魚であっても、目の前でとれた魚を食べるわけではない。非常に不思議な状況だと思いました。
 ですから、そういう意味で、日本の食に対する信頼感というのをしっかりこの際活用させていただいて、鳥取の食を含めて外へ打って出る、これも共感できる主張だと思いました。
 ただ、若干気になりますのは、果たして実現可能だろうかとか、あるいは農村に対する影響なんかつぶさに検討してみる必要があるのではないかという感じもその論文の中では持ちました。
 重ねて山下さんがおっしゃっておられたのは、主業農家に対して価格差を補償したらいいではないかということがありますが、鳥取県の場合、お米をつくっておられるのは主業農家といえる方々はむしろ少数派でございます。兼業農家が一生懸命になってつくっているというのが実情でありまして、そちらのほうに対する手当てはどうなっているのかなというのが不分明であったように思います。
 また、食を増産することで米の値段が下がってしまう、下がってしまえば海外からの輸入米と近くなるというストーリー、これは確かに経済的には正しいのでしょうけれども、ただそのことだけで押し切ってしまった場合に、実際に今主業農家として一生懸命お米をつくって多くの農地を借り入れてやっている人たちに対する影響も出てくるのではないか、それは単に価格補てんということだけで乗り切れるかどうか、それもやや疑問がありました。
 ですから、主張としては新しい視点を持っていて、今後の農業政策の転換についての大いなるヒントは入っていると思いますが、実行に向けては議論の余地はいろいろあるだろうと思って読まさせていただいた次第であります。
 次に、農業緊急プロジェクトとして5つのプロジェクトをやっているけれども、現在行われている農業政策にどんな問題があって、どういう方向を見出そうとしているのかというお話でございます。
 これは、県庁の中で、JAの方なんかもプロジェクトに入ってもらっていますが、我々のほうでいろいろと考えられる施策をやっていこうではないかと、試行錯誤になろうかと思いますが、モデル的にもやってみるべき施策もあるのではないか、こういう観点で玉を出そうと奮闘しているのが今のプロジェクトでございます。
 このプロジェクトで今議論をしておりますけれども、今までの農業の中で、例えば生産調整に関連して転作を行うわけでありますけれども、水田としてつくられているところを、そこで例えば麦をつくれとか、トウモロコシつくれとか、そう簡単にうまくいくわけではありません。ですから、そういう意味で今の生産調整一辺倒の政策だけで果たしていいだろうかという問題意識があります。ですから、政策の転換を図る必要があるだろう、県としてもできることはないだろうか、これが主たる考え方でございます。
 その中で、今、幾つか議論をしております、詳細は農林水産部長から申し上げたいと思いますが、例えば自給飼料を生産していく、そういうプロジェクトをやってみたいと思います。この議場でも再三議論されておりますけれども、今、具体的に話し合いを始めておりますのは、西部のほうで和牛の生産農家と、それからお米の生産農家と出会いをさせていただきまして、グループをつくりまして、飼料用の稲の生産とかそうしたものを供給をしてもらう。これは、和牛農家のほうにすれば、安全でしかも確実に飼料が得られるというのであれば大変値打ちのある話になりますが、ただ、ではその分コストの面はどうなのかとか、そうしたことが残ってくるだろうと思っています。あるいは飼料生産で配合飼料をやっていくということになりますと、県内の農家でも飼料米を生産をする。それを県外の配合飼料のメーカーのほうに結びつけていく、そうした取り組みも考えられないだろうかということがございます。
 あるいは私どものところでいろいろと知恵を出して、JAの皆さんだとか、例えば我々だったら農業試験場だとか、いろいろなところで知恵を出して、なるべくコストの安い農業生産ができないだろうか。すなわち肥料のやり方を工夫をする必要があるのではないか、その肥料代がなるべく安くおさまるようにする実証圃場を県内でもやってみて、農家の方々に見ていただいて、安心して取り組んでいただけるようにできないだろうか、こんなプロジェクトとか、また、地球温暖化などでどうも作付の感じが変わってきていると。ですから、新しい品種として有望品種がないだろうか。ハト麦とかニンニクとか、あるいはショウガとか、そうしたもの、考えられるものはないか、こんなプロジェクトなんかもやっているところでございます。
 次に、林業関係でお尋ねがございました。
 LVLの単板積層材のオロチにつきまして、私もオープニングに立ち会わさせていただきました。本当にすばらしいプロジェクトに仕上がってきたと思っています。議員のほうから御指摘いただきましたのは、高性能機械などで素材生産を円滑に行うようにすべきだということであります。これにはコスト面の問題もあるので行政の支援も必要ではないかということであります。
 県としては、かねてから低コスト林業を目指して団地化とか、路網の集約化とか、鳥取型の作業道とか、いろいろな提案をさせていただき、そのモデルをいろいろと推進をし、実際に実現に動き始めてきております。
 今、非常におもしろいのは、ロシアからの輸入材が、今後飛躍的に関税が高くなりますから、我々のほうで供給をする間伐材などの値打ちが相対的に上がってくるだろうということなど、林業を取り巻く環境の変化が見られることです。
 オロチのように、県内で実際にそうした板まで生産をして全国へ流通させよう、この流通に当たっては大手の流通機構と結びついてやっていこう、こういう取り組みが非常に有効であると思います。そこに安定的に材を供給する仕組みをすることができれば、安心して働ける職場として林業が成長していく可能性が出てくると思うのです。その意味で、林業の生産の構造を転換していくために、議員のほうから今御指摘がございましたけれども、機械化を導入する、そのためにプロセッサーとかそうした機械への支援というものが必要ではないかというのは、私も全く同感であります。
 これは私、就任して19年度から、助成の取り組みも、国の補助制度に加えて単県でやってきておりますけれども、その制度が今のままでいいのかどうか、さらに使いやすくするためにはどうしたらいいか、現場の皆さんのお話もお伺いしながら考えていきたいと思います。
 次に、漁業についてでございますけれども、このたび国のほうで漁業の緊急対策が出された。これに対する評価をお聞きになり、また漁業者の行動についての所感をお尋ねになりました。
 7月15日に全国一斉休漁という、いわば前代未聞の事態へと発展をしたわけであります。本当に憤りを覚えますのは、世界じゅうをだめにするような投機が油について行われてきていることでございまして、これは本当に投資家のモラルを問いただしたいと思います。急騰した原油は今やや鎮静化をしてきていて、1バレル100ドルとか、そうした水準のところまで落ちついてはきていますけれども、いまだまだ前よりは高い水準であることは間違いない。いずれにせよ、新興国がありますので、油に対する需要というものは今後逼迫していくだろうという長期的な見通しは立つわけでありますけれども、それに輪をかけて急騰させることで漁業者を苦しめていた、また生活者を苦しめること、これは本当に言語道断なことだろうと憤りを覚えます。その意味で、漁業者の皆さんがやむにやまれず立ち上がったその心情は痛切でありますし、理解できますし、行政として支援なりなんなり枠組みを考えるべきときだったろうと思います。
 ですから、7月15日の国全体の一斉行動のころ、私たち鳥取県も国のほうに随分訴えかけをさせていただきました。去年102億円の基金で漁業対策がなされてはいましたけれども、不十分だという思いがありました。ですから、油代そのものに対して補てんを行うなどの支援策を求めたわけであります。そのかいあって、国のほうで今回、緊急の対策が示されたわけでありまして、こういう経過を考えれば、私は一定の評価をさせていただきたいと思います。
 漁業組合などが、大変に汗をかいて、国のせっかくできた枠組みを活用しようと動いておられます。ぜひそれを私たちは後押しをしたいと思いますし、今回の議会にも提案をさせていただきますが、国の支援にさらに上乗せをするような形で、鳥取県の場合は、安心して漁業を続けられるような、そういう仕組みをつくっていきたいと考えております。
 ただ、今、一部漁業組合の中には非常に乗りづらいとおっしゃっているところがあるとか、今、油の動向も変わってきておりますので、これから数カ月、また時間が経過していきますとどういうふうに展開してくるかもわかりません。ですから、事態の推移を見ること、あるいは漁業者のお考えもお伺いしながら適切に原油の高騰対策、対処をしていく必要があるだろうと思います。
 ただ、残念ながら一県の手に余るところがございますので、ぜひ国のほうでの臨機応変な対処というものもお願いしながら、県でもできる限りのことをやっていきたいと思っております。
 さらに、漁業の構造再編に取り組むべきではないかというお尋ねでございます。省エネを軸とした漁業再編などについてどういうビジョンを描いているかというお尋ねでございます。
 おっしゃるように、短期的に緊急対策を打つこと、これは必要でありますけれども、ただこれで尽くされるわけではないわけであります。どちらかというとノルウェーのように漁業も生まれかわらなければならないのかもしれません。ノルウェーのほうはかなり大型で効率のいい漁船を建造して、さらに受け入れた陸のほうでも加工場も近代的に整備をすることで、漁業大国としての地位を再び回復したわけであります。これは、日本にも大変参考となるものがあるだろうと思います。ですから、漁業のあり方についても、この際、今エネルギーの問題が叫ばれることになりましたので、これを一つのきっかけとして積極的に取り組んでいく必要があるだろうと思います。
 これは国全体の問題ではありますけれども、地域としてもビジョンを描くべきではないかというお話でございますが、このたび沿岸漁業について向こう5年間を考えたビジョンを提起をさせていただいたところであります。これを作成するに当たりましては、随分漁業者の皆様、いろいろな方々から御意見をいただきまして、ここに至った次第でございます。ですから、その中には漁業者の知恵も随分入っているわけでありまして、例えば新しい魚種に対応するとか、それから省エネ型の漁業へ転換をしていく。これと関連して、例えばLEDを船にともしてイカを集めるような、そういう漁法なんかも我々も研究としてやっていきたいと思いますけれども、こういう取り組みでありますとか、また、あと流通のほうも大切だと思うのです。隣の島根県はイオングループと提携をしたという話でありますが、漁業者の個々の方のお話を伺いますと、やはり魚価の問題があるので、自分たちで個別にインターネットでも売りたいというお話もございました。こんなことも研究に値するのだろうと思うのです。
 こういうことも含めまして沿岸漁業の振興ビジョンを取りまとめましたので、これは水産振興局長からお話をさせていただきたいと思います。
 さらに沖合底びきだとかでございますけれども、賀露、それから境港でもうかる漁業推進事業というのをやって、それに乗っかって今新しい漁船の建造も進んでいます。賀露のほうはでき上がりました。そして、境港のほうもベニズワイの漁業に投入をしようといたしております。これは、例えばシャーベット氷を活用して、そうして鮮度の高い、付加価値の高い漁業に結びつけよう、また省エネも推進をして漁業の作業効率を高めよう、そういう一つの挑戦でございます。これも県として応援をさせていただいているところでございます。
 最後に、農業委員会制度についてお尋ねがございました。議員のほうから、地方分権改革推進委員会の第1次勧告で農業委員会の設置組織が任意に決定できるようにすべきだという勧告があったわけで、この際、農業会議の主導のもとに農業委員会の広域化を図るべきではないかというお尋ねでございます。
 私は、今回、この農業委員会のこともそうでありますし、そのほかの委員会だとかも含めまして、こうした独立行政委員会について一定の見直しが必要ではないかと思います。
 戦後すぐに地方自治制度は制定をされたわけであり、当時のアメリカの思いもありまして自治体の枠組みがつくられたわけであります。その中で、行政委員会制度も設定をされたわけでありますけれども、戦争直後のころは農地開放をやっているという時代でございます。そういう流れの中で農業委員会なりなんなりという、こういう制度も発達をしてきたわけでありますが、現在は当時とは随分趣を異にしているわけです。
 確かに認定農業者の関連とか、あるいは農振地域だとか、市町村が持っている事務で農業関係のものはございまして、それとの関係で農業委員会を市町村の単位でセットすることは一つの見識だと思いますけれども、片方で遊休農地がふえてきていますし、また意欲のある農業者は市町村の圏域を越えて農地を得たい、そういう農業者もおられるわけであります。現に西部にはそうした農業者の方もあって、企業的な経営をされて一定の成功をおさめておられる方もおられます。それについて、我々のほうの農業開発公社を活用してもらうのも一つの手ではありますけれども、ただ地域によっては、例えば日野郡一帯で農業委員会をつくるとか、そういうアイデアは議論されていいのではないかと思います。
 また、農業委員会という制度自体が必要なのかどうかという議論も本当はあるのだと思うのです。例えば農地のあっせんだとかいうことをしようという場合に、農業委員の皆さん一人一人が出てきて、それで議論をしてもらってやるほどのことかどうか。小さな自治体であれば、農業施策の一環として行政が町議会に対して責任を負う中で監視してもらって進めるというやり方もあるのではないかと思うのです。そういう意味で、地方分権改革推進委員会の第1次勧告で必置規制的なものについて改めるべきではないかという御意見が出されたのだと私は思います。
 そういう意味で、かなり広い議論は農業委員会についてもされたらいいと思いますし、その際に大切なのは、遊休農地をなくしていって農村の活力をもう一度高めるために農地の流動化を促進しよう、このための取り組みとして農業委員会についてはどう考えるか、こういう視点で臨むべきではないかと思っています。単に廃止すればいいとか、そういうことではなくて、そういう意味で農業委員会制度についても国のほうの問題提起もありますので、議論していただいたらどうかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 最初に、青木企画部長


◯企画部長(青木由行君)それでは、将来ビジョンへのいただきました御意見とその反映につきまして補足の答弁をさせていただきたいと思います。
 将来ビジョンの骨子を作成をいたしまして、御意見をいろいろお伺いをしたところ、例えばタウンミーティングでありますとか、それから将来ビジョンの懇話会、パブリックコメント等々で数多くの御意見をいただきました。
 全体を通じまして非常に意見も多く、また強いというふうに感じましたのが、人材の重要性ということについてであります。人づくり、教育、こういった人材の重要性というのは、いわば他の分野も含めて実現を図るという意味も含めて大変重要だというふうに感じたところでありまして、これはビジョンを実現する大きな手段としてきちんと大きく位置づけた上で、またそれにあわせて内容の充実を図りたいというふうに思っております。
 また、そのほか、ビジョンにはやはり何らかの数値目標が要るのではないかという問題提起もいただいております。余り細かい数値を並べますと、県民の方々になかなかわかりにくいようなものになりかねませんので、ある程度県民の方と共有できるような指標というのを検討していきたいというふうに思っております。
 また、各主体の役割について、ビジョンを実現するに当たって何らかの記述が必要ではないかという御指摘もいただきました。この点につきましては、余り機械的に書くのではなく、最近のNPOの役割の重要性とか今後の展望なども踏まえた記述をぜひ盛り込んでみたいというふうに思っております。
 また、人口減少、それから道州制、こういった問題につきましてもまとまった県としての考え方は書けないか、こういった問題提起もいただきました。このあたりにつきましては、ぜひこのビジョンの中で一定の方向性というものを共有できるような記述を盛り込みたいというふうに思ってございます。
 また、そのほかにも経済振興についてのいろいろな御提案でありますとか、効果的な情報発信、それから「食のみやこ鳥取県」につきましては、おいしいという原点の視点を変えてはいけないというふうな指摘でありますとか、ごみ問題、日本一きれいな鳥取県を目指すべきであるとか、それから口、耳の不自由な方の社会参加にはコミュニケーションが大切で、将来的にも安心して、例えば手話通訳が利用できるシステムが要るとか、数々の御指摘をいただきました。
 現在、こういった指摘を踏まえまして、骨子のいわば肉づけというような作業もあわせて行わさせていただいておりまして、これをぜひ近いうちに公表をさせていただこうというふうに思ってございます。
 また、その案につきまして議会、それからパブリックコメントなどによりまして御意見をいただきまして、ぜひ年内に成案を策定したい、このように考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)続きまして、河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)7月の25日にスタートアップをいたしました農業緊急プロジェクトについて、そのねらい、考え方等につきまして若干の補足答弁をしたいと思います。
 このプロジェクトは、まず日本、あるいは鳥取県の風土に適した水田システムというのにまず着目をいたしております。それで、近年米の消費が非常に落ちておりまして、米価の下落が続いております。これが本県においても水田農業の担い手の経営に危機的な影響を及ぼしていると考えております。さらなる耕作放棄地の拡大がされるのではないかという危惧を抱いております。また、穀物価格高騰の中で、配合飼料の価格高騰によりまして畜産農家の経営が危機的な状況になっていますこと、さらには肥料価格等の値上がりによりまして農業経営の収益性が悪化している、こういった懸念を持っております。
 一方で、穀物価格の内外格差が非常に縮まってきているということがあります。以前では考えられないほど価格の差が縮まってきているという、そういった現状が一方ではあるということでございます。
 そういったことを背景にいたしまして、水田をフルに活用して、世界的な穀物需要の構造の変化ですとか社会情勢の変化に対応できる鳥取県の新たな水田活用モデル、これを実践、検証しようというのがねらいでございます。
 例えば先ほど知事のほうからるるお話がありましたけれども、畜産農家の自給飼料の生産拡大を目的として粗飼料としての飼料用の稲、あるいは濃厚飼料としての飼料用米、これらを生産する仕組みの検討。それから、小麦価格が高騰する中での代替として米粉の活用、これについては給食のパン給食までつなげようと、生産から給食まで一貫してやろうというようなモデルでございます。さらには施肥基準の見直しを柱といたします生産コストの縮減など、5つのプロジェクトを今企画・検討しているところであります。
 いずれのプロジェクトにおきましても、やはり持続性を考えれば採算性の確保というのが重要でありますことから、今後、具体的にモデル地区を設定して実践をする。実際の現場で技術面の課題、あるいはコストを検証する。可能なものについては、次のステップであります普及拡大に向けた対策も検討していきたいというふうに考えているところでありまして、先週ですけれども、9月17日に中間まとめ、中間検討会ということで具体的なモデル地区、ここにしようかとか、あるいはその中ではどんな検証をしていくのだというようなことをすり合わせを行ったところであります。
 今後、具体的な計画モデルの地区が煮詰まってくれば、場合によっては農林水産部としては11月補正も視野に入れて、予算ステージに必要なものは上げていきたいというふうに思っているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)続きまして、安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)沿岸漁業振興ビジョンにつきまして、補足答弁をいたします。
 沿岸漁業は、新鮮で多様な地元の海の幸を提供するということ等、観光や地場産業に大きく貢献しております。最近、燃油価格の高騰を初めといたしまして、近年の厳しい経営環境に耐え、鳥取の魚の持続可能な供給体制を再構築をするということで、燃油高騰に耐え得る漁業経営体質への転換を主軸に、関係者が課題を共有してともに取り組むシナリオを得ることを目的といたしまして、漁業者の方を初め流通関係者の方、消費者の方、意見を伺いながらこのたび目指すべき方向として骨子をまとめました。
 中身といたしましては、3本の柱にしておりますけれども、仮の題ですけれども、今こそ果敢にチャレンジ、沿岸漁業のあすへということを仮の題としまして、今後5年間に目指すべき方向といたしまして3つの柱を入れております。
 1つ目は、はぐくもう日本海の恵み、これは水産資源の確保でございます。近場の漁場の資源増殖や未利用資源の開拓等を推進しようというものでございます。2つ目は、チャレンジ、活力ある漁村づくりという形で、これは漁業経営の効率化ということを目指しております。省エネ型の漁業の推進や新しい漁法の導入を図ってはどうかということでございます。3つ目といたしまして、魅力アップ日本海の幸、これは付加価値の向上でございますけれども、流通の簡素化、多様化、特産品づくりというものを内容としております。
 骨子につきましては先般の常任委員会で説明をさせていただきました。これからは漁業者の皆さん、関係者の方と説明会、あるいは意見交換を通じてさらに深めてまいりたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)まず、冒頭で国の総裁選挙の話をいたしましたが、今、本当に知事も私も同じような考えで、大変に情けない国の姿、本当に国会議員としてあれでいいのだろうかというような、国政の場というのは議論する場だというぐあいに思っています。ストライキをする場ではないというように私は思うのですが、これはまた後ほどだれかがやられるでしょうから、よろしゅうございます。
 自立の問題でございますが、自立と連携ですが、実は先日、鳥大の関係者とちょっと弥生町あたりで懇談をしておりましたら、鳥大に水産学科を新たに設置して、鳥取県の沿岸の漁業等に対応した研究拠点と位置づけたらどうかというような、大変興味深い構想が持ち上がっているそうでございまして、県と鳥取大学は常に定期的に意見交換をされておるそうでございますが、このあたりの話は御承知なのか、また研究拠点ができるとすれば、やっぱり地元の水産業界、海洋関係者の新たな活力につながると思いますが、このあたりをどのようなところまでやっておられるのか伺っておきたいと思います。
 次に、交付税措置ですが、知事、先ほど申されましたが、平成22年度末で基金残高300億円は確保したいと発言をされております。本年度の9月補正後の時点で県債残高が、臨財債はちょっと除きますが、4,490億円で、年ごとに残高は減少する見込みになっており、300億円の目標達成まであと一歩ということでございます。また、公債費でありますが、21年は少し減りますが、それ以降は横ばい状態が続くということで、ちょっと一つ懸念材料であります。
 問題は、先ほど申しました県税収入の落ち込みが将来どう動くのか、さらに地方交付税が計画どおり国から入るのかを一番心配をするところです。起債の中で交付税充当率が各事業別に定まっていないのは理解をいたしておりますが、年ごとの交付税充当率を積算して財源不足額を確定されたらと思いますが、このことについて知事の見通しを伺っておきます。
 さらに、財政的に厳しい中で、過去に天神川下水道会計で繰り上げ償還もされて、健全な財政運営に努めておられるようですが、今後、臨時財政対策債は別にしても、確実に地方交付税が算入されるよう厳しく監視をしていかないといけないのではないかと思います。
 税収に欠損が出ないように、知事会等を通じて国に働きかけていただきたいと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、市町村との連携にも、自立にも関係ありますが、来年度期限切れになります市町村交付金の制度ですが、市町村の自立と申しましても、現在のような財源不足の状況下では独自色を打ち出して行政を進めるということはなかなか厳しいと思います。各市町村も限られた財源の中でやりくりをしながら急場をしのいでいるのが実情だと思います。そこで、先ほど申しました本年度で期限切れになります市町村交付金制度、私どもの郡内の市町村では大変好評な制度でございます。ぜひ次年度以降も継続していただきたいというぐあいに思う次第です。まだ制度自体もいま一度見直しをしていただいて、市町村の自由度を高めて使いやすくすることが必要ではないかと思います。それにはやっぱり幅広くメニューを取りそろえる工夫などをされて、市町村の独自性を発揮させて活力ある自治体をつくるように、目指せるように支援をするべきと思いますが、知事のお考えをまずお聞きしておきます。
 それと、先ほども茲矩を取り上げましたが、亀井茲矩が津和野に転封されて、20年間蓄えていた財を青谷の港と泊の港と酒津の港に3つ蔵を置いて、20年間にわたってそこから津和野に運び出したそうでございますので、どうも大変な財産を蓄えていたように感じられます。鳥取県もそうなりたいのですが、厳しい財政の中ですが、何か少しでも蓄えておいて、そういう動きをしたらなというぐあいにつくづく思いながら今、再質問させていただきました。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、昨今の国会の話がございましたけれども、私もぜひ与野党で胸襟を開いた対話ができる大人の民主主義を目指していただきたいというように思います。
 まず、鳥取大学のことでございますが、水産学科を新たに新設しようという構想について聞いておるかと、それについて境水産高校の空き校舎を有効活用してはどうかと、こういうお尋ねでございます。
 私は、弥生町ではないのですけれども、境港の商工会議所の皆さんと話をしたときにその話を伺ったのが、多分1年ほど前だったと思いますが、それでその後、鳥取大学のほうにこういう構想があるということはお伝えをいたした経緯がございます。その後、鳥取大学のほうからこの点について、水産学科云々という話は実は来ておりませんで、詳細はよくわかりません。ということでありまして、もし具体的な構想が進むということであれば改めて相談をさせていただいて、県として何か役に立てることがあるかどうか、今の校舎のお話がございましたけれども、それは話し合いをさせていただきたいと思います。それ以上の情報はちょっと今ないようでございますので、引き続き鳥取大学との協議の場で、きょうのこの議場で提起された問題点も話し合いの議題とさせていただきたいと思います。
 次に、基金残高が300億になるように今鳥取県として取り組みをしているのですが、県税収入の落ち込みだとか交付税財源の今後の見通し、そして知事会を通じて確保するように働きかけるべきではないかという御指摘でございます。
 まことにおっしゃるとおりだろうと思います。現在、鳥取県で中期的な財政見通しを示そうというふうに、私が就任して以来変えておりまして、300億の基金を残そうというのを共通の目標にいたしております。これは死守したいと思っておりますし、そのためにはいろいろな工夫をやっていきたいと思います。ただ、外的な要因として税収ががたっと減るとか、交付税がごっそり減らされては、その努力もすべて水泡と帰してしまいますので、私どもとしても知事会を通じるなど積極的に交付税の確保について働きかけをしていきたいと思います。
 現在、臨財債なんかも含めての交付税の試算とかいたしております。現実問題としては、今ある借金のうち6割方は交付税で返ってくる計算になっておりますし、それから交付税で、臨財債も含めれば7割方、借金の中のものは返ってくる計算になっております。それは今、年々の財政見通しの中に算入をいたしておりまして、ですからその影響は交付税の、今充当率をよく見るべきだというお話がございましたが、その影響が今の財政見通しの中に入っていると御理解をいただきたいと思います。
 ただ、それがそのとおり交付税が算入されるだけの総額を交付税として国が支給するかどうかというのは、また別問題でございますので、特にことしは概算要求で6,000億減が示されていますから、他県と一体となって、知事会等も一体となりまして、こうした国の交付税減らしが進まないように我々は訴えかけをしていきたいと思います。
 市町村の交付金制度でございますが、これがちょうど今年度末で見直しの時期に入ってきております。今、市町村からもいろいろと御意見をいただいておりますし、14市町村ある中でも、必ずと言っていいほどこの市町村交付金の話が出ました。総じて現在の制度に市町村は満足されているようでありますから、継続する方向で基本的には検討したいと思います。
 ただ、いろいろと見直ししなければいけないかなということもありまして、例えばU・I・Jターンなんかも、明確化するために交付金から外して19年度当初は予算組みをさせていただきました。同じように、県としての姿勢をはっきりさせるものは、市町村の交付金からむしろ外したほうがいいのかもしれません。市町村の中には市町村交付金も余りにも低額、要は財政需要に応じた配分になり過ぎていて、むしろ一回やめたらどうだという御意見のところもあったりするのです。中には重点化して、メニューを考えたほうがいいのではないかというところもございます。いろいろな御意見をいただいていますので、それをこれから予算編成時期まで総括させていただきまして、市町村にとってもある意味使いやすい、それから、県の政策誘導がまたワークするように、そういうことも必要だと思いますので、その意味でも見直しをしたいと思います。
 やや市町村交付金で問題点を感じますのは、トータルで請求書だけ県に回ってくるような形になっているものですから、例えば農林の事業であれば農林の施策をつかさどる農水部と市町村とが何の話し合いもせずに請求書だけが来るということになってしまいます。これは、県としての政策誘導目標を立ててやる事業としては不適切な部分もあるかもしれません。ですから、逐一メニューも見直してみて考えてみたいと思います。
 亀井家が青谷と泊と酒津で財産を残されたということであります。私もいつまで知事をやられるかどうかということもありますが、終わるまでには多少の財を残していけるように頑張りたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、午後1時再開予定といたします。
       午後0時02分休憩
   ────────────────
       午後1時00分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 内田議員


◯12番(内田博長君)引き続き質問させていただきたいと思います。
 先ほど知事から答弁がございました。現段階で外国企業の誘致は困難だという話でございますが、私は、将来性もあると思いますし、お話にありましたように、企業自体もグローバルな動きをしている今日でございますので、立地をしやすい環境を整えることも検討するべきではないかというぐあいに思っております。
 県内の有効求人倍率を見ましても、7月で0.68と依然として低迷をしておりますし、引き続き大変厳しい経済状況にありますので、ここはぜひ、知事が目指しておられる北東アジア経済圏の適地として、鳥取県が先駆的な取り組みをしていく必要があると思います。
 まず手始めに、私はいつも思うのですが、語学ではないかと思います。高等学校等で韓国語講座等を開設して、会話のできる人材を育成するのも一つの手法ではないかと思います。そうした人材の育成をすることで、将来の韓国の方たちの受け入れもスムーズに対応できるでしょうし、また、ロシア語についても同じようなことは言えるわけではないかと思います。鳥取県が支援しているソウル便の搭乗率にも多少はプラスになるのではないかというぐあいに思う次第でございます。
 次に、北東アジアの地方政府サミットの話を伺いました。そこで、8月に開店いたしました東京の食のみやこ鳥取プラザも好調のようでございますが、国内最大の消費地である東京に物産品やブランド品が集中しているのが今の現状のように思います。近年、海外に新しいアンテナショップを開設して販路開拓をしておられますのが福島県、そして本年2,000万円の調査費を計上して、同じく上海にアンテナショップ進出を目指されているのが鹿児島県。
 そこで、知事には、本県はせっかくサミット圏域、ロシア・ウラジオストク等に逆にこちらからアンテナショップの開設を試みられたらというぐあいに思う次第でございます。ロシア自体、まだ市場経済の法体系等は不十分な部分もあるとは思いますが、そのあたりは知事の個人的なつながりを発揮していただいて、新しい経済関係の構築を考えられたらというぐあいに思う次第でありますが、知事のお考えをお伺いしたいと思います。まずこの2点。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、外国企業の誘致についてでありますが、これについては、先ほど申しましたけれども、環境を整えるとか誘致活動をこれからも幅広くやっていく所存であります。なかなかハードルは高いと思いますけれども、ただ、現状において実情を申しますと、海外から日本のほうに海外進出している企業さんはやはりソフトウエアの会社とかサービス産業の会社、これが24社ずつで一番多いわけです。それに続くのが製造業とか、そういうのが若干続いてくるというような感じでありまして、余り規模の大きなものではないかもしれませんけれども、ともかく鳥取のほうに来て新しいビジネスをやってみたいという方々は、これから出てくると思います。少なくとも、貿易の航路などが多様化をしてくるなど他地域との差別化ができてくれば、ビジネスチャンスは決してないわけではないと思いますので、そういう意味でジェトロと一緒になりまして、誘致活動の中に手を挙げていきたいと思います。
 ジェトロもこうした日本への企業進出について誘致をしようというふうに方向転換をしてきておりまして、去年までですと北九州とか一定の地域に限った誘致活動だったようでありますけれども、今年度に入りまして、他地域も含めて誘致活動に乗り出そうと、こういう状況でございますので、一度よくジェトロなんかとも話し合ってみて、どういうことが可能か検討してみたいと思います。
 その中で、内田議員がおっしゃいましたが、語学を充実することは一つの有力な選択肢だろうと思います。実は鳥取県の場合、今も8校で韓国語あるいはロシア語、中国語と、こうした英語以外の外国語でアジア系統の外国語も教えてきているところです。もちろん生徒さんが集まらないと開講しないという場合もありますけれども、そうした講座を開いている。また、米子の商工会議所でハングルの講座をやろうではないか、これは今の貿易航路が開かれるかもしれないという可能性に向けて動きがあるわけでありまして、こうした運動をぜひ我々も後押しをしていきたいと思います。そして、議員がおっしゃるように、ビジネス環境として向こうから日本のほうに来たときに、他と違った地域だというふうに選別してもらえる材料になればと思います。
 次に、海外のアンテナショップでございますが、福島や鹿児島で例があると。鳥取県もロシアなどという趣旨だと思いますが、そういうところでアンテナショップができないだろうかということです。
 正直申し上げて、ロシアの場合は今ウラジオストクを中心とした地域、人口圏域はある程度限られたものだろうと思いますし、層としては、日本のものを買うのはニューリッチといいますか、富裕層の人たちになると思います。まずは、ロシアの場合は貿易のパートナーをしっかりと確保することだろうと思います。日本から、鳥取から持っていって、あそこでつないで売ってくれるという、このビジネスパートナーを確保するといいますか、つくっていく、これがまずは最初だと思います。いきなりお店を開くというよりも、そうしたことで今後の展望を図っていくほうが現実的な対応ではないかと今のところは思います。
 ただ、ロシアに限らずということであれば、上海だとか、今度NHKでまたドラマも始まりまして、上海のいろいろなビジネスが注目をされているようにも思いますが、そういう上海とかでアンテナショップを鹿児島のようにやっているところもあります。アンテナショップといってもいろいろなタイプのものがありますし、そうした、特に大消費地で日本からの商品の販売も従来から実績があって、東京でアンテナショップをやるのとある程度類似の観念で、テスト的に売ってみたり宣伝してみたりとかスポットを確保する、それは十分検討し得ると思います。また当初予算とかもございますので、海外での販売促進のあり方についても検討させていただきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)続きまして、農業政策に入りたいと思います。まず、地球温暖化に対応した農業政策について伺いたいと思います。
 まず、植物の場合は人間同様に、温度の上昇によって呼吸量もふえて、エネルギーも消費しますし、日中は光合成によってCO2を吸収し、エネルギーに変えていますが、夜は呼吸のみとなって、夜間の温度が高いほどエネルギー消費が進み、要は夏ばてになってしまいます。人間ならエアコンで冷やせばいいのですが、植物はそうはいきません。
 農作物でいいますと、日野郡のように標高の高い、夜間の温度が下がる場所では、呼吸による消費が少なくなって、でん粉を豊富に蓄えることで品質のよいものができてくるわけでございますが、日野郡の米が品質もよく、おいしいと言われるところは、こういう自然条件に負うところが多いというのがその要因だと思っております。
 ところが、その日野郡においても、平野部に比べればまだまだそれほどではないにしても、近い将来、確実に温暖化の影響を受けるであろうと予想されます。そうした中で、温暖化の状況を踏まえて、米の現状について取り上げてみたいと思います。
 先日、農林水産省が発表したことしのウルチ米の品種別作付比率を見ますと、コシヒカリが37.7%で第1位、2位がひとめぼれの10.6%、3位がヒノヒカリの10.3%となっています。この上位3品種で全体の6割を占め、特にコシヒカリが異常に多いことがわかります。特に鳥取県では、さらに寡占化が進み、コシヒカリが6割、ひとめぼれが3割を占め、この2品種で全体の9割を占めております。言うなれば、コシヒカリのできが悪かった場合は、本県の米は大変大きく作柄が左右される状況になっております。コシヒカリに集中し過ぎたことで本県産の米作に幾つかの悪い影響が出ているのではないか。その一つが1等米比率でございます。
 本県産の1等米比率は、かつては県全体で8割程度あったと思われますが、近年は6割前後で推移しています。特に平野部では1等米の比率が低いようで、この原因として考えられるのが、夏場の高温、特に出穂期の高温による乳白米の発生です。このことについては、出穂期の高温を避けるために平野部では田植えを遅くするなどの対策をとっておられますが、温暖化に遅植えだけで対抗できるものではないと思います。平野部においては、コシヒカリのつくり方にいま一度見直しをする必要があるのではないかというぐあいに思う次第です。
 大体平野部というのが標高200メートル以上のところでは十分に品質が確保されておるようであります。日野郡で1等米比率は常に80%を維持しておるところです。お聞きしましたところ、JAいなばではコシヒカリからひとめぼれへ品種の変更をされるようですが、コシヒカリの2等米をつくるよりかひとめぼれの1等をつくるほうが農家の経営上は有利だと決められたようです。
 これについてはいろいろ考え方があるでしょうが、県としては1等米の比率の現状をどう考えておられるのか、またどのように指導をされようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
 次に、米の奨励品種についてお伺いをいたしたいと思います。
 平野部においては、コシヒカリの1等米比率が低下しています。特にお隣の島根県も同じでございまして、穀倉地帯の出雲平野で1等米比率が低下したのを受けて、農林水産省の研究センターが育成しましたきぬむすめを平成17年から県の指定品種にして、本格的に作付をしておられます。
 皆さんも御存じのとおり、鳥取県の米の生産量は全国的に見ればごく少量で、県外に出荷する量も限られております。このきぬむすめを鳥取県の奨励品種に取り入れて、島根県と連携をして、全体のロットを大きくして販売することも戦略上重要ではないかと思うわけでございます。
 また、鳥取県の農業試験場が育成しました鳥系IL1号、ゆめそららを実は昨年とことし、私どもの圃場でも試験栽培をしております。残念ながらちょっと私は味見をしておりませんので、味の保証はいたしかねます。後日、うちの圃場の刈り取りが終わりましたら、また比較試験を知事ともどもしてみたらいいと思っておりますが、この品種も倒伏もどうも少ないようですし、収量も結構ございます。試験場の食味ではいいということでございますが、普及をされて、一品種に偏らないような、今のような異常気象がたびたび発生すれば大被害を受ける可能性もありますので、危険分散の意味からも奨励品種の幅を広くされたらというぐあいに思います。
 これは過去のことですが、前に日野町の農産加工所が、農協の女性部が地元でとれた農産物や野菜などを加工して新たな特産物をつくろうという努力をされて、一番力を入れておられたのが地元のモチ米の鈴原糯という大変につくり方が難しい米でございましたが、これが産地品種銘柄でないために、加工したもちに品種名が表示できないという問題が持ち上がりましたが、後日農協から申請をして、県の奨励品種に加えていただいて、昨年からは鳥取県の認証食品として販売されているようでございます。こういう生産量の少ない品種でもやはり地元に根づいたもの、要するに適地適作であるものはやはり奨励品種として積極的に認定をして、何といいますか、いろいろな意味で利用ができる方法というものを考えていただきたいなということを言っておきます。
 次に、いろいろ新聞紙上で問題になっております、またマスコミ等は連日取り上げておりますが、事故米についてでございますが、今回、ミニマムアクセスで購入した加工用米の中に農薬のメタミドホスで汚染されたものが見つかったこと等でございます。これについてはまた我が会派の小谷議員が後ほどやられると思いますので、私は知事にこういうミニマムアクセス米も含めて、先ほどちらっとありましたが、本当にこの状況で食の安全が保たれるのかな、そのことを今回はちょっと言っておきたいと思います。
 次に、中山間地帯、特にいつも思うのですが、耕作放棄地の問題にも入りますが、中山間地に多く見ます耕作放棄地が拡大する要因の一つに、山腹水路の災害発生による崩壊、特に日野郡の場合は大山山ろく特有の急峻な地形のために、復旧工事に多大な費用負担が必要なことや、耕作者の高年齢化があるのではないかというぐあいに思います。
 その一例が、江府町御机地内の本谷川を取水口として、旧溝口町の大倉までの総延長20キロの用水路でございますが、米金井手で、これらも亀井公のではないですが、先人が苦労してみずから開削して、明治29年に竣工して水田30ヘクタールに水を供給して、受益農家は平成5年時点では75戸ありましたが、平成9年には災害復旧ができませんので、ついに全部耕作不能となっております。現在、日野総合事務所等で山腹水路の調査を進められておるようでございます。また、復旧に当たっては大変な費用がかかると思われますが、中山間地帯の農家は大変に疲弊をしている現状で、多大な負担をして復旧するのは大変困難ではないかというぐあいに思う次第でございます。
 調査の結果を見ませんと全体の費用算出は不可能と思いますが、地域を拡大して、国からの国費を導入して負担軽減をされてはというぐあいに思う次第であります。このあたりの知事のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 長くなりますので、ここまでにとりあえずします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、米の生産につきましてお尋ねがございました。地球温暖化が進展をしてきて、平野部でも200メートル以下の標高のところは、米の作付に随分問題が出てきたと、特にコシヒカリの作付に問題が出てきているのではないか、いま一度そういうものを見直していくべきではないかと、こういう御指摘でございます。
 確かに近年、私ども鳥取県は1等米の比率が下がる傾向がありました。かつては88%だとかそういう比率だったものから落ちてきて、その原因の一つは、コシヒカリの1等米比率が低下をしてきているわけであります。それは、乳白米という御指摘がございましたが、夏の高温がどんどんと進むものですから、それが稲のもみのほうに影響してくると。結局、倒伏の問題とかが発生をしてきますし、問題が大きくなっている。どうも地球温暖化が進行してきて鳥取の生育状況と合わなくなっているのではないかと、こういう指摘も始まっているところでございます。
 そういう中で、相変わらず鳥取県内、コシヒカリが60%の作付面積でございます。ですから、そうした一辺倒の構造から転換していってはどうかということで、現在でもひとめぼれは33%作付していますが、JAいなばのようにそういう振興を図るべきではないかということでございます。
 私は全く同感でありまして、現在、実は農業者の皆さんと米づくりのビジョンを策定して、大分議論をしている最中でありますが、この中にこうした品種の選定の話も入れてございます。議員から御指摘がございましたし、つくっていただいているところでございますが、ゆめそららという県の農試のほうで開発をしたもの、私は昨年ですか、ちょっと試食をさせていただいたこともあります。おいしかったです。ですから、多分問題はないと思うのですが、そのゆめそららのように、余り丈が長くならないものですから、ですからコシヒカリと同じような食味でありながら丈が長くならない、倒伏しない、ですから作付としても鳥取に向いているのではないかと、こういう品種がありましたり、また、隣の島根県の品種はどうだというお話がございましたが、そういう取り組みを進めていく必要があるだろうと考えております。
 そういう意味で、1等米の比率を上げていって、あるいは鳥取県で食味で特A米を取得をするとか、あるいは環境関係の特Aを取るとか、ブランド化を進める、優秀な米の生産地としての基盤を築いていく、これが大切だと思いますので、そうした問題意識で米づくりのビジョンの取りまとめに向かいたいと思います。
 次に、新しい品種として島根県がやっているきぬむすめを本県の奨励品種に取り入れるべきではないか。また、ゆめそららのようなこととか、こうした他の品種も含めて奨励品種をとっていくべきではないか。また、鈴原糯のような伝統ある農作物も奨励品種に積極的に認定すべきではないかと。これもおっしゃるとおりだと思います。現実問題として、きぬむすめにつきましては、これは島根のほうで最近取り組んでおられますけれども、鳥取県でもことしから奨励品種に加えさせていただきまして、テスト的ではありますが、60アール作付をさせていただいております。これでうまくいけば、ほかの圃場にも広げていけるということになるのではないかという期待を込めておりますし、山陰としてのブランド化ができないかという議員の御指摘の流れも十分理解できると思います。ゆめそららにつきましても、これは今、品種についての測定をさらにしているところでございまして、これもできれば奨励品種に向かっていきたいと思います。
 鈴原糯のことでよく皆さんにも御認識いただいたということではありますけれども、さらに産地証明をとらなければなりませんので、次のステップとしてそちらのほうに進めていくということだと思っています。鳥取でふさわしい作物のあり方というのは、やはり気候に影響されるところがございますので、不断の研究調査も必要でありますし、新しい品種への取り組みも大切なことだと思います。議員の御指摘のような方向で私たちも取り組んでまいりたいと思います。
 次に、食の安全についてでございますが、ミニマムアクセス米で政府が購入した加工用米の中にいろいろなものが含まれていて、大変な問題になっているわけでございます。この食の安全について、どういうふうに考えるかというお尋ねでございます。
 実は島田化学工業のカビ米でございますが、これがわずかではありますけれども、含まれた形ででん粉化され、それが東京の業者から鳥取のほうに来て、鳥取市の給食に使われたということがきょうも明らかになりました。実はまだまだこれは続くと思います。今ルート調査が順次進んでいますので、その販売ルートが明らかになればなるほど、波及してくる範囲は広がってくるだろうと思います。
 健康への被害が今のところ報告された事例は、今回の場合はまだ幸いにして出ておりませんので、そこのところは落ちついて考える必要はあるかもしれませんけれども、ただ問題なのは、こういうカビ米だとか、また農薬が含まれた米が市場へと流通していること自体だと思います。私は、ここに国の食料政策について誤りがあるのではないかと思います。ミニマムアクセス米で外国から買わなければならない。これはウルグアイ・ラウンドの関係で義務づけられていることは、これは国際的な取り決めとして理解はできますが、ただ、そこに事故米と言われるようなものがあった場合に返品をするとか、あるいは我々のほうで国の中で処分をするとか、市場に出回ることがないようにするのが普通の取り組みではないかと思うのですが、それをあえて安い価格でもいいから売ってしまえということになったようでございます。
 しかも、それ自体は随意契約として売っているようでございますし、どうもいろいろな意味で、農業行政について疑問を持たれる原因にもなっているのは、この一点、このことだろうと思います。ですから、政府においては早急に、二度とこういうことがないように、もう根元から断つのが本来のあり方ではないかと思います。
 工業用ののりに使うでん粉だと言いながらも、実際には工場の人は、いや、そんなものはほとんどのりになんか使わないのだと言っているわけでありますから、どこかに欺瞞があるのではないかと思います。国においては、もう一度心を入れかえて取り組まれることを望みたいと思います。
 次に、山腹水路でございますが、災害発生がいろいろと起こっていると。管理がなかなか厄介なところでございますし、お金もかかるということだと思います。この災害の復旧なんかでいろいろと費用もかかるものですから、いっそいろいろな事業を活用してはどうかというアイデアでございます。
 私は、この際ですから中山間地域の振興という意味でも、また災害防除というような観点でも、例えば地域で新しい水源を得てやっていこうという国庫の事業なんかを使われるのはぜひ推進していただきたいと思いますし、中には、条件によっては55%の高い助成率のとれるものもございますので、活用していただいてはどうかと思います。県としても積極的に、そうした意味での支援をしていきたいと思います。現在は日野の総合事務所で順次、いろいろな井手の点検をさせていただいているところでございまして、その結果でだんだんとこれから整理をしていきたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)次に、農業緊急プロジェクトについてお伺いをしたいと思います。
 先ほど農林水産部長のほうから詳しい説明をいただきました。今回の場合はモデルとしてつくるという答弁でございました。この中に、例えば米粉活用等も含まれておりますが、私はこの米粉活用等自体、必要性は十分に感じておるわけですが、米粉活用の先進地はやはり米どころの新潟県でありまして、新潟では、私が記憶している限りでは、県の指導のもとに大体30年ぐらい前からだったと思うのですが、米を微粒子に加工する技術というのを常にやっておられるようです。当時、何でかなと思いましたら、やはり当時はまだ生産調整は始まっておりませんでしたけれども、将来的にということで、要するに外国に出すには、米は結構かたい粒子でございますので小さくしないと加工が難しいというような発想で、当時から新潟はそういう方向に動いておられたように記憶しております。
 また、岩手県のペレットストーブもそうなのですが、ほとんど岩手がペレットストーブを開発しております。そういうところで、結局パテント部分の一番おいしい部分を先に開発されたところが持っておられます。要は早い者勝ちという形になっておるようでございますので、本当に鳥取県が自立を標榜するとするならば、やはり何かプロジェクトの中で新しいものをみずからが技術開発していく必要があるのではないかというぐあいに私は思っております。
 今回のプロジェクトでは、きょう説明がありましたけれども、常識的な考え方でプランを立てるのではなく、ぜひ非常識な発想でもって、鳥取県から国の農業政策を転換させるような画期的な施策を打ち出せないものかなというぐあいに思う次第でございますが、知事の所見を伺いたいと思います。
 次に、木材価格の安定策についてですが、短期間のうちに素材生産を増大させれば、どうしても原木市場での価格低下が懸念されるところです。価格の安定対策も事前に講じておく必要があろうかというぐあいに思います。先ほど知事がおっしゃいましたように、輸入材の価格も高騰してきておりますし、ロシア材などは輸出関税を課しておるようでございます。そういう状況の中で、トヨタ式ではないですけれども、定時に定量、低価格での流通システムというものを構築することが今から必要になろうかと思います。それが長期的にかつ革新的な販売契約方法を導入して、輸入材に対する競争力を国産材が持つことが必要というぐあいに思っております。
 そういうことをするには、民有林も大切でございますが、鳥取県が持っております県有林、そして県の造林公社の森林等も利用することによって、負債は大変にございますので、負債の減額にもなろうかというぐあいに思うのですが、契約方法も考えていかがかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
 新しい事業を興しますと、いろいろとまた新規の就労者対策も必要になってくるというぐあいに思っております。日野川産材の産地形成の中で林業協会というのがございますが、そこで日野川産材流通促進機構を創設されて、林業者、そして市場、購入業者の3者がそれぞれ分担金を拠出して、流通促進のための活動基金を造成して、今やっておられます。
 特に3K職場と言われている、不足している林業労働者の新規就労を進めるために、安定した雇用形態を考えるのが必然ではなかろうかというぐあいに思っております。流通促進機構は、新規就労者を雇用した事業者に労働保険及び資格研修の助成制度を独自に創設して支援を行っております。定住促進の一環として、県や市町村も積極的に取り組まれるべきであろうかというぐあいに思っております。森林組合が設立した財団法人鳥取県林業協会担い手育成財団がその役割を担っておられ、共済年金の掛金助成や年末一時金の助成等も行っておられます。新規就労者の施策は今のところ一向に解決をされていない状況にあります。具体的な成果を上げるために、知事は何が問題があって、どういう施策を行うべきとお考えなのか、伺っておきます。
 次に、先ほど申しましたLVLの製造においても、作業工程の効率化や新製品の研究開発などが不可欠となってまいります。県の林業試験場は、最新の技術や豊富なノウハウを持っておられて、新たな取り組みに対する支援も可能であると思います。今後、林業試験場の果たす役割について、知事に基本的な方向性を伺っておきます。
 次に、竹林でございますが、今、急激な増殖で邪魔者扱いされている竹材ですが、亀井茲矩はこれも築城の材料となる貴重品として大切に育てたという歴史もございます。現在、森林環境保全税で急激に繁茂する竹林の伐採対策が講じられておるところでございますが、契約が所有者と市町村になっておりまして、実際に作業をします森林組合等の法人も追加をすることが必要ではないかというぐあいに思う次第でございます。
 また、先日新聞にも出ておりましたが、中部森林組合では、竹材を製紙用のパルプ材として利用する実験を王子製紙と共同で行われておられます。これはどうも3年前にも一回やられたということでございますが、今のところ、製品の販売単価、竹林からの切り出し及び搬出に要する単価等が確定をしておりません。これらも恐らく環境保全税等から幾ばくかの支援も必要かとまた思います。
 また、竹についてはまた別の利用価値もあろうかというぐあいに思っております。実は私のところにも見本を送ってきておりますが、竹材をチップ化して土壌改良材として汎用化するようなところもあるようです。これを県内の農地に再利用することもできるようですので、このような場合に私がお願いしたいなと思うのは、林業試験場さんや、それから産業技術センターなどで共同で竹を簡単にチップ化する機械を開発されてはというぐあいに考えるわけでございます。先ほど申しました新潟にしても岩手にしても、そういうところから始まったと思うのです。
 このチップにする機械というのは、専用機は結構今もありますが、かなり高額なものであります。私は考えましたところ、農家が今幾らでもトラクターを、大きなエンジンのついたのを持っておりますので、トラクターのアタッチメントとして使えるような使い勝手のいいものを、手軽で購入できるような製品をつくって、パテントを取得されたらというぐあいに思うところです。取得しておけば、また地元企業でそういうものをつくっていただいて、県内企業の活性化の一助にもなるのではないかというぐあいに思っておるところでございます。
 次に、水産業のほうに行かせていただきます。
 原油価格の高騰に伴いまして、備蓄石油の放出について伺いたいと思います。ここ数年にわたる原油、燃油価格高騰の流れに対して、単県の予算による支援に加えて、政府に対してもたび重ねて要請や提言を行っていただいて、知事に感謝を申し上げます。
 昨今の原油価格の高騰で、依然として物価の上昇や消費の衰退、日本経済に深刻な影響も出ておりますが、この間も我が党の政調会でいろいろ出てきましたが、石油を備蓄したのを速やかに放出すべきという声も上がっております。もともと輸入依存度の高い日本では、第1次、第2次石油ショックを契機に、有事の場合に備えるために石油の備蓄を行っており、現在の石油備蓄量は国家備蓄と民間備蓄合わせて177日分と言われておりますが、これは世界エネルギー計画で各国に義務づけられている90日分を大幅に上回っていると思われます。
 今回の原油高は第3次オイルショックとも言われるわけですが、非常事態と思ってもいい状況だと私は思います。これ以上に国民生活や日本経済に混乱を来さないためにこそ、今、地下の備蓄基地に眠っている大量の石油を一部放出して、安定供給をして、カンフル剤として活用できないものか、この点について、国のことでございますので、知事は国に対して強く要望していただきたいというぐあいに思う次第でありますが、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、ローカルエネルギーについてお尋ねをしておきたいと思います。ローカルエネルギー、大層な題でございますが、単純に言えば、一番簡単なのが間伐材、そして水力、風力、太陽光、そういうものでございます。
 中山間地域においては、エネルギー資源としては大変いいものだというぐあいに思っております。特に間伐材に注目をいたしました。実は、長野県の安曇野市で特別目的会社を設立して、間伐材を原料として水素を取り出してエネルギー活用をする計画ができて、実際にプラントをつくって実験をされております。
 原油高騰と地球温暖化を背景に、今後は世界各国が地球環境に負荷をかけない新しいエネルギーを求める方向で進むだろうというぐあいに思っております。鳥取県としても、何らかの方向性を目指す必要があるのではないかと思っております。
 国も太陽光発電の補助金をまた復活をさせております。水素エネルギーですが、まだまだ未普及な部分が大変多いわけですが、家庭用の燃料電池は普及はしているとはいえ、まだまだ結構高い値段でして、それが先月あたりの新聞報道によりますと、現在の本体の中身を新製品にかえることによって、大体今の価格の10分の1程度、ですから今は400万ぐらいすると思うのですが、それが10分の1程度にできるのではないかということが発表されました。そうなってきますと、先ほど言いましたように、水素はもうゼロでございますので、それをつくるのに何がかかるかというと、やはり電気を使って水分解するか、またはさっき言いました間伐材から水素をとっていくか、そのような形でやればできるのではないかということで、私自身は県内の山間地帯は傾斜地が多いわけでございますので、水力発電や、また水力のマイクロ発電も結構手ごろにできるものがどうも開発されたようでございますので、そういうものを利用して電気等を起こす。そして、またそれは逆に農業面にも利用されたらというぐあいに思うのです。ハウス栽培等のエネルギーや、それから農産加工等にも利用する方法として考えられたらというぐあいに思うわけですが、県としてはそういう誘導的な措置も今後は必要となりはしないかと思うのですが、知事はどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、岩手のペレットストーブとか新潟県で米粉の製造技術を開発をしたことなどを引き合いに出されまして、もっと意欲的に農林水産業の活性化のための技術開発などを取り組むべきではないかということであります。
 現在プロジェクトでやっておりますのは、例えば燃油高だとか肥料高だとか、そうしたコスト高に対して農業を防衛していこうという観点で、実践的なことをいろいろ考えて今プロジェクトを進めているところであります。これに限らず、農業の振興のために6次産業化していくなどの技術開発は可能だと思います。
 昨日も読売新聞の全国面でありますけれども、日曜版で取り上げられていましたのは、湯梨浜町のナシの生産であります。さらに、それに関連してこんなものもありますというコーナーの中で、ナシを使った石けんが取り上げられていました。1個630円という結構高いものに思えるのですけれども、ただ、それは自然のナシからつくられておりますし、ナシの香りもしますし、植物繊維も多分に含まれていまして、美容の面での効果もあるということであります。それもこうして全国紙の中で紹介をされていました。
 いろいろとこうした意味で鳥取発の新商品だとか提案は可能だろうと思いますので、これからも産業技術センターだとか、あるいは各種試験場などの県として持っている資源も活用させていただきまして、民間と一体となり、JAと一体となった技術開発に努めてまいりたいと考えております。
 次に、木材の定時定量低価格流通システムを構築しなければならない。今、輸入材に対する競争力もつき始めたところであるので、県有林とか造林公社などの材もこういう意味で活用できないだろうかという御提案がございました。
 この辺は、世間の相場との関係で活用させていただく余地は十分あると思いますので、市場の動向だとかを眺めながら、出動すべきときがあればやっていくという考え方でまいりたいと思います。
 特に最近ですと、ロシアのほうで年明けから関税がかかってくるという、そういう情報もあるわけでございまして、私どもが今、間伐材を切ろうにも切れないという状況が変わってくる可能性があります。その際に、市場に今まで出しているばかりだったのですけれども、契約方法のお話もございましたが、例えば県有林も今、実は全部市場でさばいています。造林公社ではロットを決めて、直接事業者の皆さんに流すような流通も一部値段を見ながらやっているわけであります。そうした有利な取引方法も検討させていただきまして、試させていただきながら、定時定量低価格流通システムを全部県有林とか、あるいは造林公社で賄えるものとは到底思いませんけれども、ただ、市場の動向と絡めて、将来の負債を減らす意味で、いい価格で売れるのであれば出動させていくと、そのための契約方法の工夫もするということをこれから検討してまいりたいと思います。
 次に、日野川産材流通促進機構のお話がございまして、労働保険とか資格研修などの助成制度に取り組んでいるということであります。鳥取県でも新規就労の対策を打っているけれどもなかなか解決しないと。何が問題でどういう施策を考えるべきかということであります。
 これについて、詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますが、平成19年のデータでいえば、前年よりも随分ふえて33人新規就労したというデータもございます。これは林業事業者の方が積極的に雇用に取り組んでいただいたおかげだと感謝をいたしております。
 ただ、私はまだ問題は解決されたわけではないと思います。例えば他県の林業者なんかと比べてみますと、給料が随分違うとか、通年で雇用できていないとか、また労災の率も他の業種と比べて10倍ぐらい高いとか、非常に厳しい状況にある就労環境自体が本来のネックになっているのだろうと思います。だからこそ、そうした若い人の就労が進まないということになるわけでありまして、私たちとしては、低コストの林業とか、先般御議論申し上げましたが、素材事業者向けに機械化なんかも進めて、そうした意味で林業の世界へ入ってくる人たちを進めていくとか、いろいろと、要は事業環境の改善を全体として進めなければならない、これが本来だと思います。もちろん、担い手育成基金だとかそういうところも活用させていただいて、雇用環境の改善は進めてまいる必要があると考えております。
 次に、林業試験場が持っているノウハウを生かすべきではないか、いろいろな果たすべき役割がこれから考えられないかというお尋ねがございました。
 先ほどの御議論のLVLの製造会社であるオロチが今順調に生産を始めてきております。こういうところも具体的に林業試験場が随分サポートに入らさせていただいております。例えばJAS資格を取る、それについての御指導を申し上げるとか、あるいは接着剤のことでありますとか、さまざまな技術上の問題点について御相談に乗るとか、かなり具体的に入り込んでさせていただいております。
 今、林業もようやく新しい局面に移りつつあるようにも思います。ですから、私たちも林業試験場の持っている人材を生かさせていただきまして、地域の林業者が抱えている、あるいは製材関係事業者が抱えている課題と向き合って、きめ細かな研究支援ができるようにやってまいりたいと考えております。
 次に、竹林対策との関係でいろいろなお話がありまして、そうして竹を破砕していく機械の開発だとかができないだろうか、それが鳥取県の新しい財産になるのではないか、こういう御指摘がございました。
 ことしから森林環境保全税を導入させていただいて、竹林の整備にも入れるようになりました。まだまだいろいろ使いづらいところもあるかもしれません。それはまたそれで御提案をいただければと思いますが、この意味で、竹林の整備が進められるに当たって、どんどんと今度は竹材が出てくる。それを加工していく意味で破砕をしていく、この工程が必要になるわけであります。実は、県内でも米子市の事業者がこうした機械の販売をしているわけでありますし、県もこれはリサイクル事業と関連しまして、湯梨浜町の事業者の研究開発に支援をさせていただいております。もちろん、こういうことにとどまらず、新しい竹の破砕機の開発などの余地があれば、民間の事業者と組んでやるのがいいのか、あるいは独自でやるのがいいのか、研究をさせていただいて取り組んでまいりたいと思います。ただ、県内の事業者がこれでビジネスができるのであれば、私たちはそれで利用させていただくのがベターかなというように思っております。
 次に、漁業対策と関連をして、国家の石油備蓄を放出するべきではないかという御提案がございました。
 現在、国のほうで98日間の国家備蓄をやり、また民間備蓄を80日で、178日間あるわけでありまして、議員が御指摘のとおり、随分多目の備蓄になっていると思います。これはオイルショックが2次にわたりあって、その反省に基づいて、国家の防衛のために備蓄を進めているわけでございます。ただ、ただ単にためているだけで使わないというのは余り特策ではないと私も思います。
 実は先般、水産庁長官のほうにこの油問題でお訪ねしたときに、県議会の鉄永議長と一緒にこうしたアイデアを水産庁長官にも申し上げました。ただ、経済産業省が今までのやり方があって、それを放出するのは絶対にうんと言わないのだと、こういう話をされていました。
 ただ、これについては実はいろいろ議論があるのだと思うのです。今までは石油の供給が途絶するということを念頭に置いた話だったと思います。確かにそういうときはぜひともこの石油を活用して、国の中に安定的に石油供給を継続して産業活動を継続しなければなりません。それは当然だと思います。ただ、現在の状況は第3次オイルショックとも言えるべき状況になっているわけでありますし、需給バランスが崩れているのではないかという指摘も一部にあります。ですから、鎮静化させる意味で石油備蓄を活用する余地は、私は全くないわけではないだろうと思います。
 例えば、投機との関係で言えば、為替の変動があります。為替の変動に対して国際的に協調して、為替を防衛するために外貨を放出したり、あるいは買い入れたりということをやるわけでございます。これと同じような考え方で、相場に対して一定の役割を果たすのを全部の178日分とは申しませんけれども、ある一定の水準で行うことは制度的に設計可能ではないかと思えます。ですから、私はこのたび、他の若手の知事と一緒にこの旨提案をさせていただきました。自民党、民主党の幹部の皆さんに申し入れもさせていただいたところであります。これについては引き続き要求をさせていただこうと思っています。
 ちなみに、アメリカで大統領選挙がなされているときにもこの原油高が大変な問題になっていまして、オバマ候補が石油備蓄を放出してもいいのではないかと、こういう提案をされたとも伺っています。ですから、世界じゅうで同じような議論はあるわけでありまして、私は、国でもう一度検討してもらってもいいのではないかと、今後とも働きかけをしてまいりたいと思います。
 次に、エネルギーとの関係で御提案がございました。地域の資源を生かしてエネルギー対策をやるべきではないか。長野県の安曇野市では、プラントをつくって水素を間伐材等から取り出す、それをエネルギーに使う、こういう構想が進められているというお話があったり、またマイクロ発電、小水力発電を推進してはどうかと、こういうお話がございました。
 まず、バイオマスエネルギーとかバイオによってエネルギーを取り出すことでございますが、安曇野市のプラントといいますか、そのプロジェクトは現在中断してしまっていると伺っています。これはいろいろな問題が途中で生じて、採算性のこととかありますので、そういうように伺っております。これからどういう技術開発が続いていって採算性に合うような話になるのか、これは注目していきたいと思います。
 あわせて、岡山県の真庭市ですとか、それから大阪の堺市では、バイオエタノールをエネルギーとして使おうではないか、大阪の堺でもガソリンに3%まぜてやるという、そういうプロジェクトも進められています。これは世界的にだんだんそういう方向になってくると思います。トウモロコシとかのように食べられるものでやるかどうかは別といたしまして、木質バイオマスなどの素材もございますので、バイオマスエネルギーの実践活動をもし鳥取県内でも手を挙げてやってみようというようなところがあれば、これは国のほうのいろいろな助成金の仕組みなんかもあるでしょう、採択にはやはりどうしても限りはあるかもしれませんが、手を挙げることを応援してみたり、一緒になって取り組んでみたりということは、私は考えられていいのではないか、これは時代を先取りする事業として必要なことだろうと思います。
 マイクロ発電でありますが、実は鳥取県の産業技術センターで今マイクロ発電のキットを開発をしようと手がけているところです。ただ、現在の実験段階では2メーターの落差で0.3キロワットほどの発電という本当にマイクロなものになっておりまして、もう少し、せめて1.2キロワットとか、それを目指そうではないかということで今研究を続けておりますけれども、なるべく安い値段で汎用性があるような、そういうものができれば、県内でも普及させていくことは可能だろうと思います。
 大山の山ろくだとか、あるいは亀井公の鷲峰山とか、落差のある山肌というのは多いわけでありますし、農地も段々畑だとか田んぼで連なっているわけでございますから、ですから水力を活用し得るところは随所にあると思います。そうしたものを農業用のエネルギーなどで活用できないかということでありますので、今後ともそうしたことをお勧めしてまいりたいと思います。
 ただ、鳥取県の場合、温室なんかを、加温してやるというのは、花の栽培だとか、そうしたものに限られてきているわけでございますが、そういう事業者、花卉生産者と話をいたしますと、やっぱり初期投資の問題なんかがあるということでありますので、買いかえのときだとか、あるいは制度の変わり目とか、そうしたタイミングで、県のほうで開発したものだとか、あるいは市販でも今随分性能のいいものが出始めておりますので、そういうものをお勧めしてみる、そういう値打ちのある話だと思いますので、取り組んでまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)担い手対策についての現状と課題などについて、補足答弁をさせていただきます。
 担い手対策の現状でありますけれども、県のほうでは森林整備担い手育成基金、これは13億円でございますけれども、この運用益を活用して、林業技術の習得支援、それから労働安全対策支援、それから福利厚生充実支援等を行っているところであります。それから一方では、鳥取県林業担い手育成財団、これは7億円の基金がございますけれども、この運用益を利用いたしまして、林業労働者の共済年金の掛金、あるいは年末一時金支給に対する助成を実施しているところでございます。
 ただ、これらの事業はいずれも雇用主が林業労働者を確保するための雇用条件、雇用環境の整備に対する助成が中心ということで、林業労働者自身への支援というのはほとんどないというのが現状でございます。
 担い手対策の課題ですけれども、これは知事が先ほど申し上げましたとおり、やはり労働環境が他産業に比較すると依然厳しい状況にある。具体的には、作業が季節や天候に左右されるため、通年雇用というのが非常に少ない、日給月給が多いということ、それから労働災害の発生頻度がどうも他産業に比べると10倍ぐらいという統計もあるぐらいでございます。ただ一方では、全国のいろいろな事業体の例を見てみますと、通年雇用ですし、日給月給で1日当たり2万円ぐらい日給が出ているというようなところがありますし、かなりいい待遇で雇用されているところもあるということでございます。
 これらの事例を考えてみますと、やはり林業労働力を安定的に確保するということについては、安定した雇用と一定水準の給与水準、これに尽きるのではないかというふうに思っております。そのためには、林業事業体の収益性を高める、それから経営基盤を安定させることがまずは必要だというふうに認識しておりまして、こういった意味からも山を動かすことは重要でありまして、現在、何回も申し上げておりますけれども、低コスト林業の推進、それから間伐材の持ち出し支援、こんなことを引き続き取り組んでいきたいなというふうに思っております。またさらに、林業労働者そのものに対する支援というのが県として考えられるのかどうかということもさらに検討してみたいなというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)今、農林水産部長からありましたように直接支援、なかなか難しいかもしれませんけれども、やはりそういうあたりを何か迂回路でもつくってやられたら、新規のみでもやられたらというぐあいに思います。あとはまた壇上からやらせていただきます。
 (登壇)続いて、子育て支援について伺いたいと思います。
 先般、平成19年度の県の人口動態統計の結果が発表されました。残念ながら19年度の出生数は5,015人と、前年より171人減少して、全国順位は前年21位から28位に、合計特殊出生率も1.51から1.47で、全国順位も4位から11位に下がっております。確実に少子化の波は進行しています。
 県は、本年度から子育て支援に総合的に取り組む子育て支援総室を設置し、さまざまな支援策を講じておられますが、結果としてこのような数字が出てきております。しかし、率直に申し上げて、少子化の問題は昨今の経済活動や社会情勢に起因するところもあり、つまるところ自治体単位の努力では解決し得ない根深い問題だと思います。
 例えば児童手当制度ですが、実効性に乏しいと言われながらも、ここ10年ほどの間にたびたび支給対象年齢等が引き上げられ、少子化対策の格好の目玉とされてきました。現在では対象年齢が小学校修了前までとなり、県全体での支給対象児童数は5万5,566人、県の負担分だけで給付金総額は約11億6,000万円余に上がります。制度拡充のたびに県及び市町村の財政負担も連動して増加するものの、実際の出生率の上昇にはつながっていないわけであります。この児童手当を所得基準の引き上げ等により縮小あるいは廃止して、その財源を活用して保育所や放課後児童クラブ等に係る保護者負担の軽減を図るなど、安心して子育てできる環境を整えることが大切ではないでしょうか。
 もちろん、児童手当は法律により全国一律に実施されているものであり、子育て支援について国民的議論が必要なことは言うまでもありませんが、少子化問題はその効果があらわれるのに30年かかると言われており、一刻も早い取り組みが必要であると思います。まずは単独で市町村の保育料減免額の一部を補助する等、全国に先駆けた取り組みを行ってはどうかと思いますが、知事の所見を伺います。
 次に、女性医師、看護師などに対する子育て支援であります。
 これらの職種は夜間勤務もあり、出産や子育て期の離職率も高く、復職へのハードルも高いと言われていますので、昨今の医師・看護師不足対策の観点からも、病院での女性の働きやすい環境整備は大変重要であります。
 昨年の村田議員の代表質問を受けて、知事が院内保育所の設置について発言をしておられますが、現在、県内に10病院、中には24時間対応の院内保育所も設けられています。ただ、本来先鞭的な取り組みが求められるべき県立病院及び県立施設において、院内保育所はいまだ設置されておらず、現在検討中とお聞きしています。現場の女性医師及び看護師の現状やニーズをどう認識しておられるのか、また、必要があるならば事業所任せにしないで県も支援を行い、働きやすい職場環境を整えるべきと考えますが、知事及び病院事業管理者の所見を伺います。
 次に、医療費適正化計画について伺います。
 国が進める療養病床の削減計画を受けて、県は1,715床ある療養病床の数を24年度末までに942床とする目標値を定めて、今後、老人保健施設等への転換を図っていかれるようであります。
 ところが、実態はなかなか一筋縄ではいかないようでありまして、本年5月に実施された各医療機関の転換意向調査を拝見しますと、療養病床としての存続が7割強、老人保健施設等への転換は2割にも満たない状況であります。療養病床の再編に当たっては、医療機関の意向や県民のニーズを踏まえて、幅広い合意のもとに進めることが必要であると思いますが、果たして今後、県の計画どおり進めることが可能なのか、また、この計画どおり削減した場合、県内の需要が賄われるのか、知事の所見を伺います。
 次に入札制度についてですが、本年8月に入札制度の一部改正がされ、2億円未満の工事については最低制限価格を予定価格の3分の2以上として、上限が撤廃されました。この改正によって、これまで厳しい環境にあった労務者や下請業者に少しは光明が当たるものと思いますが、建設業界の現状は依然惨たんたる状況であり、大きな変化は期待できないものと思われます。
 私どもの地元である日野管内でも、17年1月から倒産が3社、廃業が5社という状況です。建設業界から話を伺いますと、過度の競争で一般管理費はもちろんのこと、労務管理費を捻出するのも難しく、前々からの余剰金を取り崩して何とか持ちこたえているというのが現状だというのでございます。
 特に日野郡の中山間地では、集中豪雨、豪雪、台風と、近年災害が数多く発生しており、その被害復旧に当たっては、建設業界の協力なくしてはなし得ない面が多々あります。言うなれば、日野郡内の建設業界に地域経済を支えていただいている部分も多分にあると言える中で、入札価格が安価であればそれでよしとする現状はいかがなものかと思うところであります。
 確かに県の財政状況を思えばいたし方ないこともわかりますが、地域経済の実情を勘案すると、新しい制度設計を立案できないのかなと思うところもあります。知事のお考えを伺います。
 次に、昨年日野管内で発注しました工事に係る不良業者への対応策について伺いたいと思います。
 この業者は、工事に入札参加した後、契約を結びながら、着工がおくれたり現場代理人が不在だったり、現場の施工管理体制が不十分で大幅に工期がおくれるなど、不適切な対応があったとのことでございます。
 このようなずさんな管理体質の業者が横行する制度自体にも問題があるのではと思います。国の規制緩和で自由度は上がった一方で、工事の品質の悪化や業者のコンプライアンスの意識は低下してきているように思えるのであります。今回のこの結果を踏まえて、今後どのような対応をなされるのか伺います。
 次に、倒木被害についてでございます。
 本年1月、鳥取市の佐治町において倒木が車を直撃して、運転中の鳥取市の職員が死亡するという大変痛ましい事故が発生いたしました。実は、藤井副知事にも御出席いただいて、ことしの6月、日南のおろちマラソンで、ちょうど副知事が帰られた後に、コース上にありました朽ち木が倒れてまいりまして、幸い、選手が通過する前で事故には至りませんでした。
 最近、山間部のあちこちでこうした倒木被害が相次いでおります。多くは急増する松くい虫の被害によると思われ、松枯れを起こしたまま伐採されずに放置されているため、いつまた人命にかかわる被害が起きるとも限りません。道路上の朽ち木といえども、所有権などの問題で国や市町村との調整も必要な場合もあろうかと思いますが、事態が起きてから対応するのではなく、県内全域で予防策を講じる必要があるのではないかと思います。このことについて、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、全国学力・学習状況調査の開示問題についてお伺いします。
 このたびの一件につきましては、情報公開の先進県を自負してきた本県の出来事とあって、最終的にどのような結論を出されるのか、そのてんまつが全国的にも注目をされました。しかし、結果として県教育委員会は、先月の臨時教育委員会において県情報公開審議会の答申を覆し、子供たちの心情に対しての教育的配慮が必要であること、教育現場での過度な競争が生じるおそれが否定できないこと、調査は非公開を前提に実施されたことなどを理由として、非開示と決定するに至ったわけであります。
 私は、今回の県教育委員会における一連の議論を通じて、身内の保身を優先する旧態依然とした教育委員会の体質をかいま見たような気がしてなりませんでした。しかも、情報公開条例や審議会の答申に対する明確な反論もなく、見方によっては文部科学省の方針を最優先し、県条例そのものを否定するがごとき今回の教育委員会の決定には、県民に開かれた教育行政を推進する上で大変大きな懸念を感じずにはいられません。
 そこで、このことについて、何点かに絞って知事及び教育委員長に伺います。
 平成19年9月定例教育委員会において、文部科学省から提供される調査結果はすべて受け取り、開示請求があっても非開示とすること、不服申し立てにより県情報公開審議会に諮られた場合はその答申を尊重して決定することとの方針を示しておられますが、この時点で既に教育委員会では、調査結果を非開示にすることは県条例から見て困難との認識をしておられたはずであります。なぜなら、市町村別、学校別データを受け取らないとする選択肢についても文部科学省との間で協議がなされていたからです。
 県条例との整合性がとれないことをある程度認識していたのであれば、県条例の修正案について踏み込んだ議論がなされていたのでしょうか。また、答申を覆すに足る十分な理由づけもないまま今回の決定に至ったことについて、その判断の正当性をどう説明されるのか、教育委員長に伺います。
 知事は、今回の開示問題の決定が出された後の定例記者会見において、突如、教育委員会の不要論を提起されたのでありますが、この発言は今回の非開示問題に対する一連の県教委の物の考え方、姿勢に起因するものなのでしょうか、いま一度知事の真意をお尋ねをいたします。
 次に、特別支援教育のあり方についてでございますが、今回の代表質問に当たり、私は特別支援学校のほか、児童相談所や障害児等を対象とした入所・通園施設など、10の県立施設を回り、現場の実態や課題について伺ってまいりました。その中で、私なりに問題点を整理してみましたので、順次お尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず初めに、特別支援教育のあり方についてです。
 県内には、知的障害を対象とした特別支援学校が東・中・西部に各1校ずつ設置されていますが、いずれも高等部の生徒数の増加は近年著しく、やむを得ずランチルームを教室がわりに代用したり、1つの教室を2クラスで使用するなど、教室不足が生じているのであります。
 高等部の生徒数が急増する背景には、小・中学校の義務教育課程では特別支援学級や通級指導教室など、通常の学校内に障害の程度に応じた支援体制が整えられているのに対して、高校にはそうした受け皿はなく、比較的軽度の知的障害であっても進学先は特別支援学校の高等部にほとんど限定されている実態が上げられます。
 昨年の改正学校教育法以降、本県でも特別支援教育の旗を掲げておられますが、現場では慢性的な教室不足に加え、障害の多様化や重度・重複化が進み、教職員も対応に追われている状況であり、一人一人の障害の程度やニーズに応じたきめ細かな支援を行うという余裕は感じられないのであります。このような状況について、教育長はどのように認識をしておられるのか、まず所見を伺います。
 また、県内の高等部では、職業教育の一環として木工、窯業などの作業学習を行うコース制がとられているようですが、雇用情勢の悪化に伴って、生徒の就職率は低迷しております。産業構造がサービス業を中心にシフトしている中で、こうした職業教育の内容も時代のニーズとともに見直されるべきものと思いますが、教育長の所見を伺います。
 次に、高等特別支援学校の設置についてであります。
 全国には、就労を目指す軽度の知的障害児の生徒を対象とした高等特別支援学校が24都道府県に設置され、専門的な職業教育に重点を置いた教育課程が実施されています。就労における障害者のノーマライゼーションの実現のためには、生徒の個性や適性を最大限に生かせる教育環境の中で、より専門的な職業教育を提供し、充実させていくことが必要ではないでしょうか。
 折しも、先般の次世代を担う学生議会の発言にもありましたように、本県においても高等特別支援学校の必要性は大きいと考えますが、教育長の見解をお伺いをいたします。
 次に、喜多原学園についてお尋ねをします。
 喜多原学園では、平成18年度から老朽化した施設の改築整備が進められており、先般もお伺いした際、既に立派な体育館が完成し、本館とプールの工事も着々と進めておられました。
 近年、喜多原学園の入所児童の数は徐々に減少する傾向にあるようですが、子供たちが措置に至った経過を調べますと、特に乳幼児期に保護者から受けた虐待に行き着くケースが大変目立ってきております。発達障害や知的障害を有する子供に対する周囲の対応がまた2次障害となってあらわれてくる場合もあるようでございます。
 児童相談所等の関係機関が連携して、早い段階で適切な対応をとることが必要だと思いますが、知事の所見を伺います。
 次に、公立病院の再編についてお尋ねをいたします。
 昨年6月の経済財政改革2007において、社会保障改革の一環として公立病院改革に取り組むことが明記されたのを受けて、同年12月に総務省から公立病院改革ガイドラインが策定されました。このガイドラインには、公立病院の経営環境が厳しさを増す中、各自治体に平成20年度内に改革プランを策定させるとともに、経営の効率化や再編・ネットワーク化、さらには経営形態の見直しを促す内容となっています。
 県内の公立病院の現状は、地域の基幹病院として重要な役割を担っておりますが、一部の病院を除き、恒常的に経営が悪化していることは御承知のとおりであります。また、県立2病院では、国のガイドラインに先駆けて、平成18年度から経営改革に着手され、一括交付金制度の導入や大幅な経費節減などで既に経営改善が進められているところですが、厚生病院では、増改築や医師不足などが影響して、昨年度決算も4年連続の赤字となっております。
 公立病院の果たすべき役割は、地域に必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療、例えば過疎地、救急医療、高度先進医療などを提供することにあると思います。同じ圏域内に複数の自治体病院や公的病院が併存、競合している場合は、おのおのの果たすべき機能を特化し、県の定める基準病床数などについてもいま一度厳しく精査した上で、必要性が乏しくなっているものについては、この際、思い切った廃止・統合を検討すべきではないかと思いますが、知事の所見を伺います。
 また、今年度中には県及び市町村の改革プランがすべて出そろうものと思いますが、経営形態の見直しなども含めて、県内の公的病院の再編を見据え、設置者間で十分議論を尽くす必要があると思いますが、知事及び病院事業管理者の見解をお尋ねをいたします。
 鳥取県の警察におかれましては、日ごろより県民の安全・安心の生活環境整備に昼夜を問わず献身的に職務に精励されていますことにまず感謝を申し上げます。
 県内の交通事故の発生件数につきましては、平成13年度をピークに減少していますし、交通事故の死者数も減少しています。しかしながら、犠牲者のうち高齢者の占める割合が全体の65%と高くなってきているようです。警察もさまざまな取り組みによって高齢者の事故防止に努めておられますが、痛ましい高齢者の死亡事故を少しでも食いとめるためにどのような対策をお考えなのか、警察本部長の所見を伺います。
 次に、刑法犯の認知及び検挙状況について伺います。
 県内の刑法犯の認知状況を見ますと、昨年8月末の件数が4,232件、本年8月末が3,959件と減少をしてきていますが、そのうち知能犯の認知件数が4.9ポイント高くなっております。この傾向について、何らかの対策をお考えなのか、警察本部長にお尋ねをさせていただきます。これに関しましては、また後ほど我が会派の同僚議員から深くされると思いますので、私はこれまでにいたします。
 担当者にお聞きしましたところ、現在の検挙率、刑法犯では全国第4位、窃盗犯においては全国第2位と、大変よい成績を上げておられますので、県民の一人として、感謝を申し上げたいと思います。後半は両方とも第1位になっていただきますように、よろしくお願いします。
 次に、ことしの夏は異常気象の連続で、全国あちこちで局地的な豪雨となり、多くの犠牲者が発生をいたしました。中でも栃木県では、110番通報が錯綜し、事故現場の位置が特定できなかったために対応がおくれて死亡事故につながりました。
 先日、総務警察常任委員会では青森県警察を調査させていただきましたが、青森県警では、警察の所有する道路標識等に識別番号を表示して、事故発生時の位置を特定するのに効果を発揮しているということでございました。
 本県では栃木県のような事故は起きないということを願うばかりでございますが、県内の山間部では農道、林道等、道路が交錯しており、何もない状況では位置の特定が困難だと思われます。既に位置の特定が簡易にできるシステム等を検討しておられると思いますが、現在の状況と将来の計画について、警察本部長にお伺いをいたしまして、壇上からの質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、少子化についてお尋ねがございました。少子化の問題の解決のために児童手当の廃止や縮小をして、それを財源として保育所などの保護者負担軽減を行うべきではないか、また、市町村の保育料減免額の一部を補助するなど、全国に先駆けた取り組みが必要ではないかと、こういうお尋ねでございます。
 現在、鳥取県は確かに、御指摘のように平成19年ですか、データとして1.51から1.47に合計特殊出生率が下がったということであります。ただ、全国的にも長期的な低落傾向は進んでいるわけでありまして、平成2年にいわゆる1.57ショックと言われましたが、少子化がこれほどまでに進んでいるのかということで衝撃があり、その後、エンゼルプラン、あるいは新エンゼルプラン、また、子育ての応援プランなどが5年ごとに制定をされてきているというのが今日までの流れだと思います。
 我が国のこうした子育て支援のあり方がこのままでいいのかというのが、私は実は今の御質問の一番の核心なのではないかと思います。議員のお考えは、児童手当を縮小すると、それを財源にして保育サービスとかを充実をしたらいいではないかということでございます。ただ、私は本当の議論すべきことは、世界的に見て日本というのは子育てや教育に対して割いている公的なお金のシェアが小さいということではないかと思うのです。ですから、むしろ児童手当は今の水準がいいのか、ちょっと充実するぐらいがいいのかというような議論が本当かもしれないと思っています。ただ、それとあわせて、では育児休業に対する補償だとか保育サービス、こういうものを公的にどうやって支えることができるか、あるいは地域で支えることができるかということだと思います。
 最近、出生率の低下傾向に歯どめをかけた例としてよく言われるのがフランスであり、あるいはスウェーデンであります。フランスの場合、2を超える、そういう出生率へ持ってきたということでありますが、3歳まで月8万円の育児休業手当が支給をされる。その財源としては、事業主のほうが雇用者に対して払う、その5%ほどを積み立てるといいますか、基金としてためまして、これが結局財源になって国全体で賄われている、こういう仕組みであります。またスウェーデンも、あそこは消費税に当たる付加価値税が非常に高い国であります。ですから、その中でいろいろな福祉サービスを行うわけでございますが、子供の子育てについても手厚いサービスをしているわけでありまして、8歳になるまでに480日育児休業を行うことができると、これは男女でですね。そして、さらに80%の育児休業補償が行われるということであります。
 もし日本が仮にこういうような制度になったとすれば、安心して子供を預けて働くことができる社会になるわけでありまして、確かにコストはかかるわけでありますから、それに見合う負担を国民の皆さんにお願いをしなければなりませんが、そういうふうにすることが少子化対策に役に立つのではないかという指摘があります。
 私も、国家観をここらで広く議論してみたらいいのではないかと思います。今、総裁選も行われ、さらにこれから総選挙も戦われるということになってくるわけでありますが、中長期的なこうした子育てをめぐる問題状況について議論をする値打ちはあるだろうというふうに考えております。
 鳥取県では現在、子育てのプランをやり変えようとしておりまして、平成21年からですか、それに向けて今議論を始めようといたしております。これの中で、例えば地域での子育ての相談相手になるような人を養成するとか、いろいろなアイデアがあるのではないかと思っております。今の日本の制度を前提にして、保育料から何からみんな地方自治体で面倒を見るというのは正直無理な相談です。ですから、現状の国民負担との関係からいえば、どれほどの工夫ができるかというのが知恵比べのところではないかと思います。
 鳥取県も保育料の公的助成なんかを強めてはどうかというお話がございました。実は、鳥取県自体は保育料について第3子に3分の1負担を県のほうでしましょうというような制度などがありまして、全国的に見ますと非常に高い保育料の補助制度を持っているところでございます。私は、現在の水準のところで工夫をしていくのかなと、この点については思っておりまして、むしろ子育て環境を整えるために地域としてしなければならないことをこれからプランづくりを行って考えていってはどうだろうかと思います。
 現行のとっとり子ども未来プランが22年度で切れて、その後、次期5カ年計画を検討することといたしておりまして、そのための会議を早々に設置をしようと考えております。
 次に、女性医師・看護師の応援について、院内保育所の設置が進んでいない。市町村と協調して県も支援を行って、事業環境を整えるべきだという御指摘でございます。
 女性のお医者さんに県の医師会のほうでアンケートをしたところ、確かに御指摘のように一番高い回答は、今後の望まれる対策は託児所、保育所などの整備拡充が71.7%で一番多かったです。2番目が勤務時間の弾力化で60.2%というようなことなどでございました。これは女性にとって非常に切実なのだろうと思います。今、現に医学部に入ってくるのも女性が大変ふえていますし、お医者さんの供給はこれからどんどん女性になってくると思います。看護師さんはもとより女性の数は多いわけでありますから、医療を支える現場で保育サービスを整えていくこと、これは避けて通れないところだと思います。
 県では、国の助成制度に加えまして、公的な病院についても院内保育に支援を行おうというふうに制度を切りかえたところでございまして、こうした取り組みをこれからも進めていきたいと思います。県の事業所なんかも現場の意見をよく聴取させていただきまして、私は展開していくべきだと思います。もちろん病院管理者なんかもその辺は範疇があるでしょうから、話し合ってみたいと思います。
 次に、療養病床の再編について、この計画どおり進めることは可能なのか、また、県内の需要が賄われるのかということでございます。
 詳細は福祉保健部長のほうから申し上げたいと思いますけれども、療養病床の再編の計画を立てる際、昨年度随分議論をさせていただきました。国からは700床台ぐらいまで下げろ、こういうのが本来の指導なのですけれども、私どもは、それは無理だろうと、現場の御意見を聞いて数字をつくろうということで、もともとの計画をつくりました。ですから、国が想定していたといいますか、国の指導を離れて、私たちは私たちなりの療養病床削減計画になっていますので、他県ほどそんなに無理はない計画ではないかと考えております。
 ただその後、診療報酬とか、あるいは介護報酬とか、報酬体系について、必ずしも進めるのに順調な環境づくりになっていないと思っています。これからも報酬改定の機会はあるわけでありますけれども、今のようなことではなかなか取り組みにくいのかなという面も残されていまして、まだまだ予断を許しません。そんなような状況でございます。
 国のほうが押しつけて療養病床を単に削減しようというのは、私はちょっと抵抗があるわけでありまして、議員の御指摘もそういう趣旨だと思いますが、現場の実態に合わせて進めていくのが適切であろうと考えております。
 次に、改正入札制度についてでございます。入札制度は安価であればそれでよしというような経済状態ではないのではないか、地域の経済の実情を勘案すれば、新しい制度設計を立案できないかということであります。
 私どもも、今とにかくたたき合いのようになって原価割れするようなことが続いているというのは、これは非常に痛ましいことだと考えております。それは、地域で公共事業を行っていく、そういう担い手が減ってくることになりますし、また、いざ災害が起こったときのとりでがなくなるということにもなります。ですから、私たちとしては競争は適正にしていただいて、ただ、その帰結としては原価割れとかそういうような異常な事態にならないような、そういう入札制度に持っていくべきだと考えております。
 そういう意味で、不断の改正をこれまでもやってきているところでありまして、4月には総合評価入札を実施をするというように改めましたし、前回の議会でも随分議論がありましたが、8月に最低制限価格を見直すということもさせていただきました。これで現実に入札の率も上がってきております。ですから、従来よりは改善をされつつあるのではないかと見ておりますが、これからも現場の実情をよく拝見をさせていただき、お話を聞きながら、見直しを今後とも適時適切に行っていきたいと思います。
 例えば、今御指摘のように随分悪質な業者もいるのではないか、実績とかそういう能力もないのに参入してくるそういう業者を排除できないかというようなお話もございますので、総合評価入札の制度を今後もっと基準点を下げまして、3,000万円未満のところでもそういう総合評価入札などを行うことができるかどうか、さらに検討を進めるなど、改正作業を今後もやっていきたいと思っております。
 次に、日野管内で発生した不良事案につきましてお尋ねがございまして、今回の結果を踏まえて今後どう対応するのかという御指摘でございます。
 詳細は部長のほうから御報告申し上げますが、これからこうした事案が発生しないように、事前によく確認をしたり、それから、調査を徹底させていただいたりして、そういう事象の排除に努めるとともに、そもそも建設事業者としての適格性を持っていないというのであれば、建設業者として適格性を欠いているという処分も、これからもさせていただきたいと考えております。
 次に、倒木被害対策でありますが、道路上の朽ち木が落ちてくるということが現に発生をしている。ですから、県内の全域で予防策を講じる必要があるということであります。
 これも詳細は県土整備部長から御報告を申し上げたいと思いますが、佐治の道路でやはり倒木による被害がありまして、これが人命にもかかわる事態になってしまいました。その後、緊急に点検をいたしましたし、通常のパトロールでも調べさせていただいております。185カ所不良個所があるということがわかってまいりまして、うち57カ所は対策をとらさせていただきました。まだすべてではありません。原因としては、山でありますので、県の道路敷きのところであれば県が直接手を下すことは可能なのですが、民地でありますと所有者の方にやっていただかなければならないことになります。ですから、大変悩ましい事態になってきております。ただ、放置もしておけないという実情もございますので、今後、実態をもう一度よく調べながら、その予防策について、県と市町村とが協力して行うスキームとかを検討する必要があるだろうと考えております。
 次に、全国学力・学習状況調査の開示問題についてお尋ねがございました。私のほうには、教育委員会の不要論を突如定例記者会見で提起したけれども、これはこの開示問題にかかわるものなのかというお尋ねでございます。
 突如提起したということでありますけれども、実は突如質問があったものですから、それでそういう印象を与えたのだろうと思います。流れとしては、この開示問題についていろいろと御質問があったわけでありますけれども、突然教育委員会のあり方についてどう思いますかというお話がありました。私は、念頭にありましたのは、さきに申し上げましたけれども、独立行政委員会制度自体は不磨の大典ではないと思います。教育委員会も長い歴史があるわけでございまして、昭和23年に教育委員会制度ができて、昭和31年に公選制が廃止をされて、さらに長く教育長は国と協議をして決めることになっていましたけれども、平成12年にようやっと国との教育長承認制度というのが外れ、こうして少しずつ制度改正がなされてきているわけです。
 ただ、よく考えてみなければならないのは、これから本当の意味で私たちは有為な人材をつくっていかなければならない。教育こそ私は地域主義で解決していかなければならない問題だろうと思うのです。確かに、国全体として教材を提供するとか、あるいは教育方針の問題とか、国として考えなければならない分野はあるだろうとは思うのです。ただ、今はもう子供たちが活躍する舞台というのは世界になっています。世界じゅうで闘っていけるような人材にしなければならない。そういう意味では、例えば科学的な知識であるとか推考方法とか、それから、いろいろな社会的な事象への理解であるとか、語学の問題であるとか、そうしたことはいわば他流試合の中でやっていかなければならない状況に今なりつつあるのだと思うのです。
 ですから、これは教師だけの責任ではなくて、地域のいろいろな方々、いろいろな人材がそこにはおられます。また、保護者の皆さんも当然子供たちを育てる、養育する立場にあって、子供の幸せを祈っているわけです。ですから、それぞれの地域で教室の先生とよくよく対話をしながら、あるいは学校としてこういう教育方針でいこうということを地域で理解を得ながら、地域の方々も参画をして、そういう学習応援スタイルといいますか、教育の基盤というのをつくっていく必要があるのではないかと思うのです。
 今、ややもすると学校にお任せするというパターンになったり、そういういろいろな弊害も出てきているように思います。ただ、子供は地域の財産でありますから、地域で育てるようにしなければならないだろうと思うのです。そういう意味で、教育論を今この機会に、せっかくこうして学力テストの開示問題がクローズアップされているので、私は論じるべき時期ではないかと思います。余り薄っぺらい、開示するかしないかというだけの議論ではなくて、実際にその情報を共有することで何を地域で変えていくか、子供たちにとってプラスになるためには、今せっかく学力テストをやったことをどうやって生かしていけるのだろうか、そこを考えるべきではないか、システムづくりをすべきではないかと私は思っております。これが常々の持論なのです。
 それで、教育のシステムを考えたときに、今の教育の制度が果たして妥当しているかどうかと申しますと、市町村の教育委員会、県の教育委員会と分かれて、小・中学校、高校と、こういうふうに分かれています。この教育委員会という制度自体がお互いの間でも人事権が県の教育委員会の側にあったりして、市町村のほうにはそこをさばく能力がない。ですから、スタッフについての決定権は最終的にはないわけです。ただ、これはややちょっと運用上の問題もありまして、現実には市町村の意見を聞きながら県で人事をするというのが我々のルールでありますから、実際にそれで大きな弊害はないのだということは言われるわけでありますけれども、そもそも制度設計がこのままでいいのだろうかということはあるだろうと思います。
 あるいは、教育委員会という制度、独立行政委員会という制度になっている以上、ここには予算権がないですし、条例の提出権だとかそういうものもないわけであります。いわば中途半端な権限が与えられているという面が否めないところであります。また、非常勤的に議論に参画をされる方と教育委員会の事務局との情報量からしても、圧倒的に常勤の方のほうがその議論のリードをし得る状況には現実にはなっているのではないか、そういうように思うわけです。ですからもっと、戦争直後のころに政治的中立性だとかなんだとかを言って教育委員会をつくったころと現在の我々が抱えている課題とを比べてみて、教育委員会制度については一から、振り出しから議論をし直してもいいのではないかと私は思うのです。
 もし政治的中立性ということで問題があるのであれば、それは国のほうも文科省があるわけでありますが、あれは文部科学委員会にすべきだろうと思うのです。地方の首長以上に国のほうは政党に支配された選挙を戦ってやっているわけですから、現状はそうなので、どうもそこがしっくりしない。政治的中立性ということだとかでもし担保する必要があるのであれば、諮問委員会とか、そうしたことでのつくり方もあるのかもしれません。また、学校の現場のほうでも、学校を応援する制度をビルトインをしながらやっていくことが必要なのではないかというように思います。そういう意味で、私は教育委員会制度も一から議論をし直す時期に来ているのではないかということを申し上げたわけでありまして、開示しないのでけしからぬので廃止とかと言ったわけでは全然ないことを御理解をいただきたいと思います。
 現実問題として、平成16年に地方分権改革推進会議で議論がなされましたし、また、平成17年に第28次の地方制度調査会でも議論がなされまして、教育委員会制度について、私と同じような観点だと思いますが、見直すべきだという結論がそこでは出されているところであります。
 次に、喜多原学園についてでありますが、入所している児童について、非行その他の問題を抱えて入所してきているけれども、それまでの養育環境などの問題が背景にあるのではないかと、そういう意味で児童相談所の関係機関が連携して、早い段階で適切な対応をとることが必要ではないかと、こういうお尋ねをいただいたところでございます。
 注意しなければなりませんのは、喜多原学園は児童の自立支援の施設でございまして、いろいろな経緯で入所をされています。ですから、議員のほうで御指摘になりました虐待の事案でありますとか、また発達障害などで全部くくってしまって、それが全部喜多原学園ということではないことは申し上げたいと思います。いろいろな背景の中で喜多原学園に入所されているというのが実情であります。
 ですから、そこはちょっと切り離して申し上げさせていただければ、児童虐待の防止を早期の段階から取り組むべきではないかということに関して申し上げれば、今市町村だとか警察だとか、そういうところと一緒になりまして、地域で虐待防止対策の協議会をつくっています。これは現在、おかげさまで19の市町村全部につくることができました。そういうところで、例えば子育て支援センターに入る情報とか、初期段階のいろいろな情報なんかも総合して対処できる体制になってきておりますし、警察と児童相談所などが連携をとる、市町村も入る、こういうことは今やれる仕組みになってきております。こうしたことを進めていくことで早期発見に努めていく必要があるだろうと思います。
 発達障害についてでありますけれども、例えば1歳半健診とか3歳児健診だとか5歳児健診だとか、そうした機会に発達障害なんかの御相談を受けるとか、診させていただくということなどで早期の発見に努めさせていただくという対応をとらせていただきたいと思っています。
 県の場合、中部に「エール」という、そうした発達障害児の支援施設がございまして、ここが中核となって人材育成なんかもやって、市町村も含めて早期の発見に努められるようにいたしたいと考えております。
 次に、公立病院の再編についてでありますが、自治体病院、公的病院等の機能を特化して廃止・統合を検討すべきではないか、また市町村の病院の改革プランが出てくるわけであるけれども、県内の公的病院の再編を見据えて設置者間で十分議論を尽くす必要があるのではないかということであります。
 先般も鳥取市立病院で診療科が手薄になるという事件がございまして、これは結局、県の中央病院で応援しながら補っていくという解決策がなされているところでありますけれども、事ほどさように医師の絶対数が不足をしてきておりまして、やむにやまれずそうした事態にならざるを得ない状況になってきております。他県においても、山形県の置賜とか、そうした地域で病院の統合なんかをやったり、高知なんかでもやったり、そういう例が各所で出てきているところであります。私は予断を持って話をするのではなくて、そうしたことも含めて検討協議することは大切だと思っております。
 ただ、ちょっとどうしても考えなければなりませんのは、現実論がありますので、現実にその患者の皆さん、地域にとっていい解決策をつくらなければなりません。私は単純に統合することだけがすべてだとは思いません。診療科目を分担をして、この診療科目はこちらに重点特化して差し上げますと、こういうような病院間の連携だとかは十分考えられるし、考えなければならない事態かなと思います。そうしたネットワーク化といいますか、分担のやり方、また統合なんかも含めて話し合いの場を県のほうで提供してまいりたいと思います。
 実は、これまでも東部、中部、西部で病院のあり方に関する検討会をやっていまして、ここで病院のトップの方々を交えて、かなり率直な意見交換をしています。正直申し上げて、すっきりと統合に向かうとか、そういう話にはなかなかなりにくい状況にあります。ただ、お互いにやはり何とかしなければならないという問題意識は生まれてきているところであると思いますので、今後ともそうした取り組みを進めてまいりたいと思います。
 現在、公立病院の改革プランを準備をいたしておりますけれども、市町村とも連絡をとり合って、この連携ネットワーク化の問題なども議論をしていきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)療養病床の再編についての補足答弁をいたします。
 平成19年の4月時点では、確かに1,715床ありました療養病床につきましては、先ほど知事も御答弁しましたように、国の基準とは違った県独自のニーズを踏まえまして942床と設定いたしております。
 さて、それが計画どおりに進むのかどうかというお尋ねでございますが、目標数におきましては、4年以上後の平成24年度末の数字でありますので、現時点において計画どおりに進むかどうかは、ちょっと判断が困難な面がございます。しかし、県がことしの5月に療養病床を有します医療機関に対して行った転換意向調査におきましては、平成23年度末に療養病床として存続する意向と回答している医療機関は目標数の942床を超えておりますが、24年度以降の対応につきましては未定としている医療機関が400床もございます。このうち一定数が転換すれば目標数は達成可能と考えております。国に対しても、円滑な転換のために支援するよう、引き続き要望してまいります。
 また、計画どおりに進んだ場合に、県内の需要が賄われるのかどうかという点でございますが、県内の需要につきましては、介護保険施設等では提供できない手厚いリハビリテーションが必要な患者さん等は一定数存在しておられます。後期高齢者人口の伸び率も勘案いたしまして療養病床の設定をしておりますことから、需要を賄うことができると考えております。
 今後、介護サービスが必要な要介護の方で、一定の医療サービスが必要とする方がふえることが予想されます。こうした方が住みなれた地域で安心して暮らせるように、県民や医療機関のニーズ等を把握しながら、在宅医療等の推進、医療と介護の連携など、総合的に検討する所存でございます。


◯副議長(上村忠史君)谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)入札制度の中で不良業者への対応策について、補足の御説明をいたします。
 今回、議員御指摘のような不適切な対応があった業者といたしまして、日野・西部・中部事務所管内の工事を受注した3社でございます。土木一般の、県の格付でいいますとC・Dクラスの業者ということでございます。
 調査した結果、許可申請書の虚偽記載、これは実体のない営業所の登録があったと。それから、専任技術者の実務経験等が不足していたというような虚偽記載でございます。そして、現場代理人の常駐義務違反等の不正、不当な行為を確認いたしまして、建設業許可の取り消し、それから入札参加の資格停止という措置を厳格に行ったところでございます。
 不適格業者をまず入札に参加させないということが第一でございますが、そういう観点でチェック体制は整えていますが、100%の対応は難しいというのが現状でございます。しかし、今回の件も契機といたしまして、常駐を義務づけている現場代理人の他工事との重複を契約時にチェックできるよう、工事進行管理システムの開始を進めたい。現在は1管内しかわからないというシステムを、やはり他管内もすべて即時に把握ができるようなシステムをつくりたいというものでございます。さらに、ことしの6月から現場代理人に腕章の着用というものを義務づけておりますとともに、現場の実態調査員によるチェックを強化していきたいと。そして、建設工事請負契約条項に基づきます契約解除、それから解除による違約金の徴収、こういうようなものを機をとらえて的確に運用をしていきたいと思います。そしてさらに、悪質な業者に対しましては建設業許可の取り消し、資格停止期間の加重などを今まで以上に速やかに厳正な対応を図っていきたいと考えております。
 続きまして、倒木被害の予防対策ということでございます。
 現在、県道路管理者でございますが、朽ち木の倒壊とか放置木等による危険を防ぐということで、道路パトロールを週に大体1から4回以上を実施しているということでございますが、今回、佐治の事故がございまして、これ以降、勾配が急なのり面の上部に存在する木というものは危険だということで、重点的に点検パトロールをして、危険箇所、先ほど知事が185カ所というのを申しましたが、これを把握したという状況でございます。
 やはり朽ち木のある場所、朽ち木がどこにあるかによって、それをだれが撤去するか、だれが対応するかというのが、一番これが問題でございます。もちろん道路区域内にある場合、これは県が対応、撤去をいたしますが、区域外にある場合、これは所有者の方にお願いするということになります。しかし、現状ではなかなか所有者に対応していただけないということでございまして、事故が発生しました場合は所有者責任があるのですよということを粘り強く説得しながらお願いしておりますが、依然として対応していただけないということになっております。
 それと、今後やはりこういうようなものに対しまして、所有者の費用負担、これは非常に負担になってくるということがございますので、この軽減を図るというような観点から、関係者、市町村や所有者、県等がいろいろと相談をしながら、必要な支援ができないだろうか、こういうようなものも全般的に検討していきたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)次に、坂出病院事業管理者


◯病院事業管理者(坂出徹君)2点、お答えをいたします。
 まず、子育て支援についてでございますけれども、これは女性だけの問題ではなくて男性の問題でもあろうとは思いますが、ことしの2月から3月にかけて、中央病院、厚生病院それぞれで院内保育所についてのアンケートをやっております。非常に両病院ともニーズが高い、9割なり8割なりが必要だという結果が出ております。
 これを踏まえまして、今それぞれの病院で、既に設置しておられる県内の各病院の様子なども勉強しながら検討を進めております。今のところ、中央病院では病児・病後児保育をスタートさせようということで検討しておりますし、厚生病院では通常の保育を検討いたしておるところでございます。
 育児というだけではなくて、やはり女性職員は非常に割合が病院の場合は高いものですから、女性の職員の抱えておるいろいろな勤務環境の問題をきちんととらえて、それに対応するということがやはり必要ではないか、そういう、何といいましょうか、課題をきちんと受けとめる組織というものが病院の中に必要ではないだろうかということで、今、中央病院では、仮称ですけれども、女性職員支援室というようなものの設置を検討いたしております。これによって執務環境の改善ですとか、あるいはキャリアを継続するのにどうしたらいいか、育児をどうしたらいいかというふうなことを、ニーズを受けとめて支援をやっていきたい、そんなふうなことで考えております。
 2点目ですが、公立病院の改革プランのお話がございました。
 今、私どもでは、これまで御質問にありましたように交付金制度に移行した段階で平成22年度を目標とする目標値をつくっておりまして、それをベースに今プランをつくっております。これは病院局のホームページに運営評議会という項目がありまして、そこを開いていただくと資料を全部載せておりますので、今段階での改革プランの案などもそこでごらんいただけると思いますので、またごらんいただければありがたいと思います。
 今の時点では、お話にございましたような経営形態の見直しですとか、あるいは他病院との再編ということは、そこには載せておりません。今のやり方で当面はやっていこうということで考えております。
 しかし、それぞれの東部、中部の医療圏域でネットワーク化ということは当然必要でございますし、再編も含めて、どういうふうにすればその圏域での医療がきちんと提供できるかということは考えていかなければならないというふうに思っております。これまでも福祉保健部のほうの呼びかけで、東部の3病院などは個別の話し合いなどもずっと続けてきております。それから、知事の御答弁にありましたように、3地域での話し合いもございます。これらにきちんと加わって議論を進めていきたいというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)暫時休憩いたします。
 再開は10分後といたします。
       午後3時08分休憩
   ────────────────
       午後3時20分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き答弁を行っていただきます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)(登壇)内田議員から全国学力・学習状況調査と条例との整合性についての御質問がありました。
 この調査は、各議員御存じのように、国が調査に取り組み、そして調査主体であり、それから市町村、学校が調査に取り組みました。我々県の立場とすれば、その情報を、データを持つという、そしてどう生かすかという、こういう立場にあったわけです。
 当初からこの情報を開示して市町村別、あるいは学校別にずらっと並べるということは非常に支障が多いだろうと、こういうふうに判断をいたしておりました。一方で、先ほど内田議員がおっしゃったように、県の条例というのは非常に先進的なものであるというのは十分理解しておりました。それで、条例と絡み合わすと、非開示の可能性もあるし開示の可能性もあるだろうと、どちらの可能性もあるだろうということは当初から押さえていました。それならば県がいっそのこと、このデータを持たない、すると一層クリアになるのではないかという、こういう選択肢も検討したのも事実であります。
 その後、いろいろ協議いたしましたけれども、やはり国特有のこういう調査であること、必ずしも県の行っている基礎学力テストとは違うというような意味、それから、やはり全国の注目度や、あるいは過度なそうした序列化、あるいはいろいろな支障が起こるということ、あるいは国の実施要領を総合的に判断して、でもこれは非開示でいけるだろうと、こういうように判断をいたしました。ですから、この時点で条例の修正、改正ということは何ら検討はいたしておりません。
 その後、開示請求があり、そして審議会に諮問をし、答申をいただきました。その答申のとおり、我々は結果として結論を出さなかったのですけれども、でも、情報をみんなで共有するということの大切さは十分把握をいたしております。ただ、そういうことと我々が危惧するいわば支障という問題を考え合わせたときに、今回はやはり開示できないのではないか、こういうような結論をしました。
 ちょっと条例に沿って御説明をさせていただきますと、我々は決して条例に沿った解釈をしなかったわけではなく、十分それを押さえてしたと思っています。具体的には、条例の9条の第2項の第6号に相当する。要は、事務の支障があるだろうと、ここに相当すると判断いたしました。
 理由は幾つかありますけれども、1つは、市町村教育委員会なり、あるいは学校というものが、これはもう公開しない、非開示を前提にしていたということ、それから市町村教育委員会なり、あるいは学校でずらっと並べたときにやはり大きな問題は起こるであろうと、こう判断をいたしました。例えば都道府県単位で公表されただけでも、いっぱいそうした議論が起こっています。これがもし学校でずらっと並べられたときのそうした支障というのはかなりある。それから、なおかつ鳥取県の場合を考えた場合には、小さな規模の学校が非常にたくさんあります。そうすると、子供たち一人一人が特定されるということが十分考えられます。現に、校長会等のいろいろな聞き取りをやったときにでも、とりわけ校長会のほうから、あってはいけませんが基礎学力調査等においてそうした問題があって非常につらい思いをした子供たちがいたという報告も受けております。
 こういう中で、非開示を前提にした市町村教育委員会、学校、それから今言ったような中身がある中で、もし開示に踏み切れば、市町村教育委員会と県教育委員会との関係の信頼感が失われるであろう、これは絶対避けなければならないだろうというようなこと。現にその後、いろいろなアンケート調査をしておりますけれども、仮に開示した場合には、今後この調査というものにかかわらないということも視野に入れて検討するという市町村教育委員会も残念ながらたくさんあります。そういうことを避けないといけないというような意味で、今回は非開示にするというような結論に達したわけです。


◯議長(鉄永幸紀君)続きまして、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)(登壇)内田議員から特別支援教育に関して3点、御質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。
 まず1点目でございます。知的障害のある子供たちを対象とした県立の特別支援学校では、近年教室不足とか、あるいは障害の多様化、重複化等が進んだために、その対応に追われて一人一人のきめ細かい指導、支援ができにくくなっているのではないかと、それについての認識はどうかというお尋ねでございます。
 全国的な動きも同じようでして、近年本県においても県立の知的障害の特別支援学校の児童・生徒数は増加しております。学校施設が狭隘化しているというのは御指摘のとおりだというふうに思っております。県立の知的障害の特別支援学校というのは、例えば白兎養護学校、倉吉養護学校、県立の米子養護学校の3校でございます。
 その背景ですけれども、高等学校には、特別支援学級ですとか通級指導教室がないというふうなことがありますので、特別支援学校高等部への入学が多くなるというのはお話のとおりであります。それから、平成13年度から特別支援学校の高等部へ希望する者の全員入学が原則としてできるようになったというふうなこともあります。それから、倉吉養護学校においては肢体不自由の児童・生徒たちの増加があるというふうなことも背景の中にあるところであります。こうした狭隘化に対応するために、県のほうでも平成16年度と17年度のこの2年間で今の高等部棟を増築いたしました。しかし、その後も予想を上回る生徒数の増加というふうなことで教室不足が起こっているということは事実でございます。
 また、こういう状況に加えまして、各特別支援学校においては、御指摘にもありましたけれども、近年、児童・生徒の障害の多様化ですとか、重度化あるいは重複化というのが進んできているところであります。また、知的障害特別支援学校の高等部においては軽度の知的障害のある生徒と、それから重度の知的障害のある生徒との二極化の傾向が出てきているというふうなこともあります。
 こういうふうなことがありますので、県の教育委員会としては以前に比べて教員数もふやしてきました。それから、研修派遣等によって教員の専門性を高めていこうというふうなことも取り組んできておるところでございます。このように一応充実については対応して、一生懸命充実させるようにしておりますけれども、ただ、先ほどのような話もありまして、十分だというふうにはまだ考えられないと思っていますので、近々鳥取県教育審議会のほうで特別支援教育のあり方について答申をいただきます。それを踏まえて、こうした新しい状況についての具体的な方策を検討していく必要があるというふうに認識をしておるところでございます。
 次に、2点目でございます。県内の特別支援学校の高等部では職業教育として木工ですとか窯業などの作業学習を行うコース制が導入されているけれども、最近の雇用情勢も悪い中で、時代のニーズに合った職業教育の見直しをすべきと思うけれどもどうかというお尋ねでございます。
 県内の知的障害の特別支援学校の高等部では、お話にありましたように、自立ですとか社会参加を促すために、障害の程度に応じた職業教育の充実に向けて、例えばコース制の導入をしておるところです。これもお話があったところです。例えば企業等で働く力を育てるという意味で職業自立コースですとか、それから小規模作業所ですとか施設等で働く力を育てるために社会自立コースですとか、それからデイサービスの利用をしつつ家庭を中心に生活する力を育てる生活自立コースというふうな、こういうふうな形でそれぞれのコースを設けております。今お話にありました企業で働く力を育成するという意味での職業自立コースについては、これもお話のとおりですので、木工ですとか窯業などの従来の作業内容に加えて、最近、情報印刷、コンピューターを使っていろいろなものを印刷していくものですとか、それから流通ですとか、それからクリーニング、清掃とか、こういうふうなサービス関係の作業内容も取り入れてきているところでございます。
 御指摘のとおり、知的障害の特別支援学校の高等部生徒の一般就労はやはり低迷をしております。希望者の大体5割から6割くらいというところで最近は推移していると思っております。したがいまして、県の教育委員会としては企業のニーズですとか生徒の希望等も考えながら、充実に向けて作業内容等も含めて検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
 最後に、3点目でございます。全国では就労を目指す軽度の知的障害のある生徒を対象にした高等特別支援学校が24都道府県で設置されて、専門的な職業教育のできる教育課程が実施されているが、本県でもそういう高等特別支援学校が必要と思うけれどもどうかというお尋ねでございます。
 先ほども触れましたように、本県の知的障害特別支援学校の高等部においては、中学校からの進学者もふえております、それから軽度の知的障害の生徒がそのために8割を占めているというふうな状況もあります。そうした中で、各学校では教育課程の編成ですとか、それから職業教育の充実に向けて、先ほど申しましたようにコース制などを設けて工夫をしているところであります。こういうふうなこともありますので、他の都道府県では軽度の知的障害のある生徒を対象とした働くのに必要な知識、技能、これを専門的に専門性を高めていくというふうな、そういう教育、それからもう一方では、どういう職業についても幅広く対応していけるようにという意味で、豊かな心の育成とかコミュニケーション能力とか、ちょっと幅の広い人間性をしっかり養っていくというふうな、そういうふうなことを目指した高等の特別支援学校を設置する都道府県がふえつつあるところであります。24都道府県で設置済みであります。これは全体としては東日本のほうが多くなっていまして西日本が少ないというふうな、こういう傾向があります。西日本のほうで中国とか四国地方ではどうかなとちょっと調べてみましたけれども、今後岡山県では21年度と22年度に1校ずつ、それから徳島県では24年度に1校というふうなことで高等特別支援学校の設置が予定されているところであります。
 こういう意味で、本県においても高等特別支援学校の設置の検討が必要というふうな認識は持っておるところであります。先ほども申し上げましたけれども、間もなくこの秋に審議会の答申が出されますので、またこれをもとにしながら財政的な面、その他いろいろな面をしっかり考慮に入れながら、設置について検討していきたいというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)(登壇)防災、治安対策ということで、初めに高齢者の交通死亡事故対策についてのお尋ねをいただきました。
 内田議員御指摘のとおり、県内の交通事故は近年減少傾向で推移しておりますが、そのうち高齢者の占める割合が高く、昨年は死者34人の約65%に当たる22人の方が高齢者であります。このような現状に対処するため、秋の全国交通安全運動の初日である昨日、9月21日から年末の12月29日までの間、高齢者交通事故防止100日作戦と銘打って、総合的かつ強力に取り組みを進めてまいることといたしました。
 具体的な対策を幾つか御紹介いたしますと、例えば老人クラブ連合会等と連携して実践的な講習会を数多く開催し、特に鳥取署、米子署に配置しているシルバー・セーフティー・インストラクターによる運転適性検査機器を活用した出前型の安全指導を一層積極的に推進してまいります。また、民生児童委員や交通関係ボランティアの方々の協力をいただきながら、高齢者のお宅を訪問して交通安全のポイントを説明したり、履物やつえ、手押し車等への反射材の貼付を働きかけるなどの活動を展開することとしております。さらに今回、新規施策として、各警察署ごとに幹線道路に面し、高齢者人口が多く事故の多発が懸念されるエリアをモデル地区として選定し、関係機関と連携しつつ街頭における実地指導やスクリーンの映像を見ながら道路横断の危険性を疑似体験する機材を活用した参加体験型の講習会を重点的に実施してまいります。
 次に、県下の犯罪の認知・検挙状況についての御質問にお答えいたします。刑法犯認知件数は全体として順調に減少しておりますが、詐欺などの知能犯が前年より若干増加しているなど、課題も残されているものと認識しております。特にその内訳を見ますと、いわゆる振り込め詐欺の増加が知能犯全体を押し上げている要因となっております。振り込め詐欺への対策は全国的にも現下の重要課題であり、本県においても警察本部に振り込め詐欺総合対策推進本部を設置し、抑止と検挙の両面から諸対策を緊急かつ優先的に推進しております。特に高齢者の方々への広報啓発活動や金融機関等と連携したATM対策、また犯行ツール供給の摘発等を含む検挙活動の強化に全力で取り組んでおりまして、今後一層大いに県民の目に見える成果に結びつけてまいりたいと考えております。この振り込め詐欺の問題を打開しつつ、さらなる犯罪抑止と犯罪検挙率の一層の向上にしっかりと努めてまいる所存でございます。
 さて次に、総務警察常任委員会の委員の皆様による県外調査の結果の御紹介とともに、110番通報現場の位置の特定についてのお尋ねをいただきました。
 まず、現状といたしましては、通常は通報者の方から事件、事故が発生した場所の町名あるいはバス停、橋などの目標物、また学校、会社、店舗などの建物名称を聞き取り、その内容を担当官が通信指令システムに入力し、コンピューターで表示される地図画面により位置を特定しております。山間部につきましても位置特定の手順はおおむね同様でありますが、目標物が少ないため、通報者の車両等での移動経路、著明な目標物からの距離、地形などをあわせて聴取した上でこれらの情報を最大限生かして位置を絞り込むようにしておりますが、正確な位置の特定が困難な場合もございます。こうした110番通報の位置特定に係る改善方策として、議員御指摘のとおり、青森県警察など6都県警察では道路標識に付した識別番号を活用しているものと承知しております。本県におきましても道路標識の設置状況につきましてはおおむね把握しておりますので、今後県民への治安サービスの向上を図るため、これらに識別番号をつけ、110番通報の位置特定に活用することを検討してまいりたいと存じます。
 また、国の計画により、本県では平成22年度から携帯電話からの110番通報について即座に通報者の位置情報が表示される、いわゆる携帯電話位置情報通知システムが運用開始となる見通しでありますので、このシステムも併用しながら通信指令の機能強化を図ってまいりたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)続いて、質問させていただきます。
 先ほど午前で申し上げましたが、知事、どうも結果が出たようでございますので、この後結果について何かございましたら御披瀝をお願いします。
 児童手当でございますが、先ほど知事のほうからありました。私はちょっと気になりましたのは、この児童手当が本来であれば養育者が保育所等の利用料や児童の学校の給食費等に充ててくるのが当たり前だと思っておりましたところ、給食費の滞納、保育料の未払い等、何かこのあたりがしっくりこない、それによってまた事務手続では金銭の徴収事務等に要らない経費をかけなければならない、このあたりが大変矛盾をしてくるというのが現状ではないかと思います。そういうこともありますので、県単独ではできませんが、国と調整をしてきっちりと新しい方向に持っていくような流れをつくっていただきたいというぐあいに思う次第でございます。
 次に、教育委員会でございますが、教育委員長からありました。
 まず、今年は今年でそういう考えでやっておられるというなら、私はあなた方がそうと言うならそうでいいのですが、平成21年度以降の結果の取り扱いについて今後検討するという方針も決定されておりますが、具体的にはどのような手順で検討されて、いつごろ方針を出されるか、その見通しについて教育委員長にお伺いをしたいと思いますし、もう1つは、さっき申しましたように、県条例というものを、最初に言いましたよね、無視されたように我々思うのですよ、私たちからすれば。議長が新聞紙上でコメントとして出されまして、大きな活字になりましたよね。議会から見れば法の上に法を教育委員会はつくれるのかという、私はそこに行き着くのではないかと思うのです。そういう答弁であればそういう答弁で結構でございますけれども、そのあたりはきちっとただしてください。
 平井知事、先日の定例記者会見の中で、市町村教育委員会における全国学力・学習状況調査の結果の公表度合いによって県からの支援に濃淡をつけるという趣旨の発言をなされております。私は、それぞれの市町村教育委員会がみずからの学力の状況を情報公開することは地域住民と学校が一体となって学力向上等に取り組むためにぜひ行われるべきと考えておりますが、その判断はあくまでも市町村教育委員会が行われるものであり、またそれを監視する市町村議会の役割ではないかというぐあいに私は思います。知事の気持ちはよくわかるのでありますが、町議会出身の私としてはちょっと違和感を感じるものがございます。学力テストの結果を公表するか否かだけで教育の程度の差をつけようとするのは一種の圧力ではないかなという反応もあるようでございますが、来年度当初予算に向けて検討されることとは思いますが、知事の真意を伺っておきます。
 関連しまして、平成19年度から中止されている県の基礎学力調査について伺いたいと思います。平成14年から延べ4回にわたって県独自で実施されてきましたが、全国一斉学力調査が実施されるのを機に、所期の目的は達成された、過去4回の調査結果により傾向はつかめたとして19年度以降は中止されております。私は思いますに、対象の児童・生徒は毎年かわるわけであります。学力、理解力も年々変化するものと思います。全国の学力・学習状況調査はたった2科目のみの分析で本当に全体の評価ができると私は思いません。本当に児童・生徒の教育の向上を求めるなら県の基礎学力調査を復活して、これらを継続することのほうがよっぽど実が上がるのではないかと思います。この件に関しましては、一部の教育関係者から私のもとに、県の基礎学力調査の復活と学力向上のための支援体制を求める声も寄せられております。今後基礎学力調査を再開される見通しがあるのかないのか、教育委員長の所見を伺います。
 次に、特別支援教育ですが、教育長、向かいたいということで聞き取りました。実際に現場に行って聞いてみますと、校舎等を見ましても大変に厳しい状況でありますし、職員等も大変だと思います。ああいう状況の中で指導体制がとれていないというのが現実だというぐあいに思っております。県内のあちらこちらの高等学校の校舎があいているわけでございますから、それらを利用してやられれば十分ではないかというぐあいに思っております。中部地区に2つあいておりますので、そちらのどちらかを使って早く体制をしてやってあげることによって、我々が負担すべき部分、後年度負担部分が早くから教育をすることによって就労していただければ、それだけ安価で次の人たちにその金が回せるわけですので、そのあたりはきっちりやっていただいたらというぐあいに思う次第でございます。
 それに連動しまして、教員の人事交流について伺いたいと思います。
 今回、支援学校等を見て回りましたところ、高等学校から、プロと言ったらおかしいのですが、職業教育等で実際に教員が来ておられるのは数が少ない、流動性がない、支援学校内で回っているだけで他校との流動性がない、それによって何か閉鎖的になっているような気がしてなりませんでした。やはり学校の風通しをよくして、長年の慣例に引きずられることのないように、違う目線で点検をされてやっていかれるほうがいいのではないかというぐあいに思う次第であります。
 特に特別支援学校に限ったわけではないわけですが、これは後で人事委員会にお聞きをしたいと思いますが、やはり給料表が違うために高等学校の教師と市町村に出ている小・中学校の教員との給与差がありますから、その交流がうまくいっていないというのが私の今回回ってみた実感であります。教職員も人はいろいろあるでしょうし、いろいろな素質を持った教員の方もいっぱいおられると思うのです。そういう中で、それをお互い交流できるよう、高校だけにとらわれないで、そういう人事交流を盛んにして知恵のある、また力量のある先生を支援学校等に回していく必要もあるだろうし、また普通の小・中学校に回していって新しい流れをつくる、そして県内の学力を上げていく、それが必要ではないかというぐあいに私は思っておりますので、そのあたりの答弁も教育長、お願いします。
 人事委員会ですが、教員の給料表の一本化について伺いたいと思います。
 小・中学校や高等学校、特別支援学校という異なる校種間で今後積極的に、さっき言いました人事交流を進めるには小・中学校と県立学校とで二本立てとなっている給料表でございます、いま一度見直す必要があると思います。この問題についてはさきの5月議会で福本議員が指摘され、人事委員会委員長も給料表を区別する大きな理由はないとして改革に前向きな方針を示されたわけですが、人事委員会としてはどのような方向性を持っておられるのか所見を伺っておきます。
 次に、喜多原学園ですが、先ほど知事のほうから答弁がありました。いろいろなケースであそこには入ってくるというぐあいに私も思いますが、本当のところはあの学校をなくすることが一番いいことだというぐあいに思っています。あの学校を廃校にするには、やはり先ほど知事も言われましたように、初期の段階からきちっと手当てをしていけばあの学校は必要ない学校になるのではないかという気持ちです。
 あそこで少し気がつきましたのは、分校、分教室という形になっております。現実問題、夏休みが終わりますとあそこに生徒・児童がふえてくるのが通年でございますので、それのために教育長、また配置を変えておられるでしょう、夏休み後に。増員しておられるのではないですか。そこで出てくるのは、やはり講師の先生方を入れてこられる。そうすると彼らは専門性はそんなに見識がないはずなのです。やはりそういうところでトラブルも起きてくるのが現実問題としてあります。そこで、やはり私は米子養護あたりとの連携が、専門性を持った教師との連携が必要ではないかなという気がしております。そのあたりの見解が教育長の見解はちょっと私もわかりませんので、そのあたりを伺いたいというぐあいに思う次第でございます。
 最後に、病院事業管理者に伺いますが、先ほどホームページでということもありました。私はそれはそれでいいのですが、将来の鳥取県の人口が40万になるのではないかということで、40万台になってくると本当にこのままでベット数が必要なのかなという、この東部圏域は結構大きな病院があるわけですが、そのあたりを一番心配をしております。私自身は県中は東部地域の高度の救命救急センターに特化していただいたらいかがかなというぐあいに思うのです。今も急性期ベットがほとんどだということでございますが、例えば他の病院から病院間でも救急を受け入れるような体制をつくって、ある程度安定したら送っていただいた病院に返していく、そして本当に救急に特化していくような体制を将来的に考えるべきではないかという気がしております。そしてまた、そういうことにすることによって研修医の皆さんも集まりやすいのではないかという気もいたします。そこで研修医の皆さんも集め、医師の確保をして、過疎地帯の公立病院等が今医師不足で悩んでおられますので、そういうところに派遣できるようなしっかりした体制づくりを県中でやってもらいたい、そういう気持ちを持っておりますが、病院事業管理者並びに知事のお考えをお聞かせください。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、自民党の総裁選挙についてですけれども、先ほど麻生太郎候補が351票を得て総裁に選出をされたと私も伺いました。このたびの総裁選挙でいろいろな主張が闘わされたわけでありますが、その総裁選挙のさなかに、先ほど申しましたように経済の激変だとか事故米の問題だとか、緊急の課題が浮上しております。中でも12兆円にわたる補正予算案が宙ぶらりんのままいるということは耐えがたいことであります。麻生太郎総裁も就任早々にお話しになったとメモをいただきましたが、生活、経済の問題、国民の不安、国家安全保障などを実行に移すかが党に問われていると、こういうように言ったというふうに伺っております。ぜひスピード感を持って片づけるべきことはまず片づけていただきたいと思います。余り政権抗争のことだけに目がとらわれてしまって、肝心の国民生活が置き去りにされないようにお願いをしたいと思います。
 麻生候補のさまざまな公約の中に掲げられていました一つは、地方分権が明確に入っておりました。私はこのことは期待をいたしたいと思います。その地方分権について、国の出先機関を廃止をして、それで地方に持ってくるというかなり大胆な話も書いてありました。私はいろいろ議論は分かれると思うのですけれども、そのぐらいのことを一から議論をして地方と国との関係を見直すべきだろうと思います。
 最近いろいろ不可解なこともございます。財務省が国のお金を貸しているからという理由で地方団体の財政指導をこれから行うと、そのための指標をつくるのだと、こういうことが報道されております。私はまことに遺憾であります。本来、財務事務所という役所がございますけれども、そこの地方の出先機関を延命させんがためのこういう運動ではないかというふうに勘ぐりたくもなります。地方分権というのは地方が自立をして、こういう議会などでみんなで議論をして財政運営なんかを健全にやろうと努力をするわけでありますから、一々国が毎年毎年検査をして財政指導をするというのは余りにも不見識だと思いますし、そういう国の仕事なんかはやめてもらったらいいと思います。そういう意味で、地方分権の世界を霞が関の官僚にとらわれないで新しくつくり上げていただきたいと思います。
 日本経済は全治3年ということをよくおっしゃっていまして、これが報道されていました。私も、ここでもう入院をして今までとやり方を変えるのだというメッセージでございますから、それは賛同するところであります。ただ、単に寝ていればいいというわけでもありません。全治3年で寝ていればいいということではなくて、むしろ今、農業の問題にしても、それから国際的な競争力を問われる製造業の問題にしても喫緊の状況になっていると思います。今、方向転換を図らなければ、このまま息絶え絶えになってしまうのではないかというように思うわけであります。ですから、この辺の処方もきちんとやっていただきたい、地域間格差と、それから国民の中におけるさまざまなひずみの解消を、これまでの小泉構造改革の路線から決別をして行っていただくことが私は望ましいと考えております。
 次に、児童手当につきまして重ねてのお話がございました。確かにアンケートをとってみますと、児童手当を何に使いますかといえば、3割ほどの方が何という使途はありませんが家計の足しとして使いますということでありますし、それから明確にほかのことに使うと言っている人が2%いたりというようなアンケート調査だったそうであります。ですから、確かに使途において点検をしたり、よくよく親としての自覚を持っていただかなければならない、このことは確かだろうと思います。ただ、そのことと児童手当の水準とは余りごっちゃにすべきではないのではないかと思います。
 世界的に見て児童に対する手当て、児童手当だとか、あるいは保育サービスだとか、あるいは休業の問題とか、こうしたことにどういうアプローチがうまくいっているかということを我々は謙虚に見るべきだと思います。児童手当のような制度というのは普遍的に見られるところでありますので、ゼロに戻せとか、そういうふうな議論はなかなかなじまないのではないかと思います。総合的に見て何が子育て環境の整備に一番親御さん、保護者の皆さんが助かるのか、そこから有効にお金を使っていく、そういう子育ての支援体系を国としても組み直していくべき時期に来ていると思います。これは中長期的な財源の問題も含めて議論する値打ちのある話だろうと思っております。
 全国学力・学習状況調査と関連をしまして、学力テストの結果を公表するかどうかで教育の程度に差をつけようとするのは一種のおどしではないかと、こういう御指摘でございます。
 これは記者会見でのやりとりのことだと思います。せっかくなのでもう少し私のほうで補足をさせていただければ、その記者会見で申し上げたのは、たしか9月8日だったと思いますが、教育委員会の皆さんが来られたときにいろいろな話をしましたと、そのことを申し上げたのです。私は教育委員会の皆さんと今回の開示、非開示の問題が起こってからつぶさに話をしたことはありませんでした。9月8日に初めてその後、非開示決定を打った後にお話をいただいたわけであります。随分突っ込んだ意見交換をさせていただきました。その内容を聞かれたものですから、記者会見の場で披露させていただいたわけであります。
 その際に、私のほうで強調いたしましたのは、先ほども申しましたが、単に通り一遍の開示、非開示ということで今世間が注目をし、全国でも喧伝をされていますが、この議論に終わってしまってはいけないと。非開示決定を打ったからといって教育委員会が立ちどまってはいけないのではないだろうかと。恐らく次から次へと開示請求が出てくるでしょうし、非開示決定を打ったところでまた審議会が開示にすると、これはもう条文が変わらない以上同じことだと思います。それでまた教育委員会に戻って非開示にして、不服があったら裁判をしてという、こういう限りない連鎖になってしまうので、とりあえず非開示決定を打ったからといって安心しているような状況ではないのではないかということを申し上げました。
 それで、委員の皆さんとも随分意見交換をさせていただきましたが、全部が全部非開示でいいというわけではないというのは皆さんも思っているように私は感じました。そうであればむしろ何が心配なのか、例えば子供たちへの影響だとか、かなり具体的なことを考えてみて、こういう制限が開示の場合には条件として必要だとかいうことがあるのであれば提案をしてもらいたいと。そうすれば私も教育委員会と首長部局で協議をして、条例のあり方について議会に諮るべく条例案をつくってもいいということを申し上げたのです。それは、ぜひ急いでやったほうがいいのではないかということを申し上げました。それが一つの解決策になるかもしれないと思っています。
 それとあわせて、何のために開示をするのかということだと思うのです。私は、一般論として申し上げれば、納税者の方が行政サービスに対してその状況を調べるために教えてくれと言われれば原則としてお知らせするのが筋合いだろうと思います。ただ、それがそのまま情報がひとり歩きして、例えば商業ベースで使われるとかということがあってはならないというのであれば、個人情報保護などの条例を参考にしてルールづくりも可能ではないかというように思っております。そんなような検討をしていただければいいわけでありますが、本当の意味で一番議論しなければならないのは、せっかく学力テストをやって序列づけだけをして終わらせてしまったら絶対にいけないのだということだと思うのです。これはもちろん学校現場で生かそうと努力をされていると思うのですけれども、ただ、学校現場だけでなくて家庭だとか地域だとか、みんなで一緒になって、先ほど申しましたが、地域の教育力を駆使して子供たちのために新しい学力向上のあり方を導いてあげるのが本来ではないかと。そのための基礎資料として一定の情報を地域で共有をする、これはあってもいいのではないかと思います。そういうような取り組みにこの議論を進めていかなければ、今これだけ大騒ぎをしている、随分委員の皆様も苦労して結論を出されたそうでありますから、それだけ膨大なエネルギーも使っている以上、そのぐらいこの機会に議論を市町村を巻き込んでやっていく必要があるのではないだろうか、このことを強く申し上げたのです。これは余り異論はない話だと思いますが、これはやはり検討は必要だと思います。
 その中で、1つの例としてモデル的にそうやって、例えば家庭教育でも学校に協力してこういうような家庭学習をやりますとか、地域でも見守り活動の一環として学校が負担を減らすためにボランティアで協力しようとか、あるいはなんだったら学校に出かけていって一緒になって教えてあげてもいいというような人たちが出てくるとか、そういうのを地域で教育情報を共有しながらやっていくようなモデル的なケースに対して助成をすることは私はあってもいいのではないですかというふうに申し上げたのです。ただ、それはこういう通り一遍の話なので、まずはあの日がスタート台だと思いますが、教育委員会とよく議論をしてみたいと思いました。そんなにすべてが隔たっているわけではないと思いますので、議論を重ねてみて、年度予算を、新しい年度の予算をつくるころまでにアイデアを詰めていったり、あるいは条例をさわる必要があるのであれば、そういう条例の手当てを考えていったり、そういうことをしてみたいと考えたわけです。そうした状況を記者会見の場でも率直に申し上げたのです。
 その際、情報を共有しているところにやはり手当てが行きますので、確かにその部分だけとらえてみれば学力テストの開示か非開示かの一点で差がつくような話に受け取られるかもしれませんけれども、私が申し上げたのは家庭教育だとか地域での見守り活動とか、そういうものと一体となった地域のモデル的な取り組みに対して、学校での教員配置だとか、あるいはいろいろな教育資源の振り向けとか、モデル的に支援をしてみたらどうだろうかと。そうすればそれがよければ鳥取方式として広げていくことができるのではないかということを申し上げた次第であります。
 中央病院を救命救急に特化したらどうだろうかということでございますけれども、中央病院には中央病院の使命が広くあると思います。県全体としての医療を支える中核的な役割を果たすわけでございます。ですから、これから自治体病院の改革について今病院事業管理者のほうでことしいっぱいで取りまとめることになると思いますが、役割分担をある程度やっていくという範疇のことはあろうかと思いますけれども、救命救急のところの機能を高めるというような議論はさておきまして、そういうところに一点集中をするというほどのことでもないのではないかなというように思っております。ただ、いずれにせよ病院の問題でございますので、病院事業管理者や現場の話を聞いて今後もよりよいあり方について検討してまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、坂出病院事業管理者


◯病院事業管理者(坂出徹君)東部でこんなにベッド数が必要かと、中央病院が救急に特化したらどうかというお話でございました。
 ことしの4月の地域医療計画を見ますと、東部地域では病床数が基準病床数をオーバーしております。それから、去年私どものほうでコンサルタントに委託して分析をしてもらいましたが、たしか筑波大学の先生の研究をもとにしてだと思いますが、東部で必要な急性期の病床数をはじいてもらいましたが、700何十かだったと思います。今、東部の4つの大きな病院の病床数を足し合わせると1,400幾らあると思います。ですから今の半分でいいというふうな、そんな数字にもなっております。そこでこれまでのような形でずっと続けていくということはなかなか難しいだろう、やっぱり亜急性期とか慢性期のほうに病床数を移していかざるを得ないだろうということは考えられるわけでございます。
 ただ、救急に特化したらというお話がありましたけれども、例えばがんのある特殊なものをどうするかとか、それから周産期医療みたいなものをどうするかとか、それから眼科とか形成外科とか、ほかの病院でない医療というものを県立病院で提供している、これをどうするかとかそんなふうな問題がありますので、機能でもってすぱっと病院の役割を割り切るというのは非常に難しいではないのかなというふうに私は思っております。
 ただ、その中でやはりほかの病院でできる医療というものを県立病院で二重に提供する必要はないわけでありますので、今、紹介あるいは逆紹介というものを進めようということで考えております。中央病院では紹介率が、月によって上下しますけれども、大体40%、逆紹介率が大体60%というところまで今上がってきております。この方向をさらに進めていければ議員のおっしゃる、救急に特化したらとおっしゃいますが、病院の中の病院というふうな形ができ上がってくるのではないのかなというふうに私は考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)2点お尋ねがあったと思います。
 1つは、21年度以降をどうするかということですけれども、21年度の国の調査の実施要領が11月ぐらいにできるということで、11月ぐらいを一つの基本方針に方向性を考えたいというふうに考えています。その場合に、非開示、開示両面から検討していきたいと思いますけれども、もし開示した場合の、先ほどから申し上げている支障というものがなくなるということができるならば、それは開示の方向を大いに考えたいと、こういうように考えております。
 その場合に、先ほど知事がおっしゃいましたように、1つは条例の問題というのが何か手当てができるのかどうかというのが1点ですし、それからもう1つは、これはもともと我々そう思っているのですけれども、今回非開示というのは、屋上屋を重ねて申しわけありませんけれども、県の持っているデータの話で、基本的には市町村とか各学校が学校なり保護者なり地域の方々と共有してそれを生かしていくということは非常に大切なことだというふうに思っているわけです。ですから、そういうものに対して教育的な配慮で、なかなかそういうことができないところに何らかの支援をするというのも1つの方策なのかなと思っています。ですから、条例部分、それからそうした教育委員会、県としての支援ということ、そういうことをきちっと詰めた上で、市町村や学校というものと話し合ってお互いに理解をし合っていくというならば開示ということもあり得るのではないかと、こういうように思っております。
 2つ目に、基礎学力テストの話なのですけれども、おっしゃるように14年から4年間行ってきました。小学校3年生は2科目ですけれども、6年生は4科目、中学校2年生は5科目というような形でやってまいりました。確かにそうした学力と、この一番大きなねらいというのは生活習慣との兼ね合いをしっかり把握したいというところを押さえていました。やっぱり基礎的な生活習慣がきちっとできている者は学力がきちっと上がるのだということで、それはいきいきキャンペーン等に生かしてきたというふうに思っていますし、先生方のこうした指導にも生かしてきたというふうに思っています。そして、今度の全国学力調査というのは19年、20年と2年間で議員がおっしゃるようにそれぞれ2科目ずつということですけれども、一方で生活習慣というのもきちっと聞いておりますし、基礎的な部分と活用ということを聞いております。
 私は、むしろこの全国学力・学習調査が本当にこれからどういうふうに分析するかのところにあるのか、国は国レベルのいろいろな分析をしなければいけないと思いますし、県は県としてやらないといけないし、市町村、そして各学校がどう生かすかはむしろこれからなので、いましばらくきちっと続けていく必要があるのではないかと、このように考えています。一方で、これを続けるならば、確かに科目数やいろいろな内容は違いますけれども、でも現場のいろいろな負担のことやいろいろなことを考えるならば、とりあえずは全国学力調査を継続して、やっている間は基礎学力は少し置いていいのかなというふうに、こんなふうに考えています。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)3点御質問がございました。まず1点目ですけれども、高等特別支援学校を本県で設置をする場合に、中部にあった旧高等学校の跡地といいますか、校舎ですね、これを利用したらどうかというお尋ねがございました。
 この設置につきましては、先ほどお答えしましたとおりですので、これから余り時間を置かないで検討していく必要があると思っています。
 もし仮に設置するというふうなことになった場合、特別支援学校に必要な施設、設備等の問題がございますので、どこでもいいというわけではもちろんございませんのでしっかりその辺は考えなくてはいけないと思います。それから、財政的な面ですとか、設置場所、これも県内に1つにするのか、2つにするのか、いろいろなことを考えなくてはいけないと思っています。それから、学校の規模ですとか、もしかしたら必要になる寄宿舎の問題とか、そういうふうなことについても考える必要がありますので、保護者の方とか学校とか、広く県民の皆さん方の意見も聞きながら、総合的に検討する必要があるというふうに考えています。
 お話のありました中部の2校というのがありますけれども、例えば1つは旧赤碕高校ですけれども、これは今、県の教育センターが東部にありますけれども、西部等から行くのに非常に時間がかかりますので、中部のほうに非常に今便利だということで活用をかなりしております。それから、県の埋蔵文化財センターの事務所として、発掘調査のための仕事をしているところでありますので、かなり活用されているところです。それから、旧倉吉産業高校の跡地、校舎ですけれども、これについては倉吉の教育委員会と話がなされておりまして、中学校の移転なんかもその中に、視野の中に入って今話が進められていたり、あるいは動いているというふうに私は認識をしております。そういう意味で、よく考えながら幅広く検討しなくてはいけないかなと思っております。
 2点目でございます。小学校や中学校の教員が特別支援教育に対する理解を深める必要があると、特に高等学校なんかもでしょうか、そういう意味で人事交流を小・中・高と特別支援学校との間でもっと進める必要があるというふうなお尋ねでございます。
 これにつきましては、県のほうでも人事異動については人事異動の取り扱い要領をきちんと定めておりまして、この中でも特別支援学校と小・中・高等学校との人事交流を促進することというふうにしっかり明記をしておるところでありますので、その意義とか必要性は十分に認識しているつもりでございます。
 現在の様子ですけれども、本人の希望ですとか教科のバランス等、そういうふうなものを考慮しながら人事異動を実施しております。ちょっと19年度末の実績で調べてみましたけれども、全部で64名が異動しています。例えば高校から特別支援学校には3名、逆に特別支援学校から高校へは1名、中学校から特別支援学校へは12名、それから特別支援学校から中学校へは7名、それからさらに小学校から特別支援学校へは19名、特別支援学校から小学校へは22名ということで、合わせて64名ということでございます。高校のほうが少し少ない感じはしますが、ただ、これは本当に特別支援学校の中で高校の教科書等にある程度ふさわしいような教育内容的な面で高校の先生が本当にどれくらい必要かというようなことも学校のほうの時間数の計算なんかをもとにしてある程度踏まえた結果としてやっているつもりでございますので、非常に少な過ぎて全然だめだということではないというふうな認識は持っておるところでございます。そういう意味で、今後いろいろな学校の様子をさらに聞きながら、必要なものがあるかもしれませんが、その辺については人事交流のほうに反映させていきたいというふうに考えているところでございます。
 最後に、3点目でございます。喜多原学園の教員配置のお尋ねでございました。もう少し手厚い教員配置、こういうふうなものが必要ではないかとか、それから県立の米子養護学校と一体的な教員の配置を考えてみてはどうかというふうなお尋ねでございます。
 喜多原学園は、ちょっと改めて申し上げますけれども、家庭環境等の点から生活指導が必要な子供たち、その子供たちが入所して生活指導を行って自立を支援するという、そういう児童自立支援の施設でございます。その中に、教育的な面での支援、指導を強化するという必要があることから、喜多原学園の中に米子市立の福生中学校のいずみ分校を現在設置しているところでございます。これについては平成8年に福生中学校、それから福生東小学校の両方の中学校、小学校の分教室を設置しましたけれども、その後、福生中学校のほうは分校化ということでございます。分教室のほうは子供たちが今おりません。そういうふうなことがありますので、県の教育委員会としては、中学校のほうですけれども、いずみ分校のほうに県で定めている教員配置の基準をしっかり大事にしながら教員の配置を行っています。今年度の4月当初は生徒数は4名で1学級でございますけれども、教頭を1名、教諭を2名、それから非常勤講師を2名ということで配置をしております。それから本校から必要な教科の指導をするため2名の教員が出かけてくるというふうなこともしています。
 しかしながら、先ほどもお話がありましたけれども、途中で子供たちの在籍数が変わったりすることがございます。この9月20日現在の様子を調べましたけれども、生徒数は8名で2学級というふうなことになりました。ふえました。そのために教頭1名、教諭2名は同じですけれども、非常勤講師2名だった状態を常勤の講師2名にかえているところであります。2名の本校からの教科指導の教員が出かけてくるのは同じにしております。ただ、年度途中で変わりますと、正式な教諭をほかから異動させてこちらのほうに移すということはなかなか容易ではございません。そのためにやむを得ず講師の先生にお願いするというようなこともあり得るというふうに思っています。そういう意味で、県のほうとしてはかなり手厚い教員配置を行っているというふうに考えておるところでございます。
 県立の米子養護学校との一体的な教員配置という御提案ですけれども、これについてはやはりいずみ分校と養護学校は校種も違います、全体の教員の職務内容もかなり違いますので、それぞれ設置目的が違うという意味も含めて、ちょっとそういうふうな教員配置はできにくいのではないかなというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、浅井人事委員会事務局長


◯人事委員会事務局長(浅井渉君)内田議員の御質問にお答えいたします。
 御質問は、学校の人事交流を積極的に進めていくためには現在二本立てになっている教育職給料表を見直す必要があり、さきの県議会で人事委員会委員長も見直しに前向きであったけれどもどうなのかといった趣旨であったと思います。
 教育職給料表でございますけれども、かつては小・中学校の先生と高校の先生に学歴の違い等もございまして2つに分けてきておりますけれども、現在では小・中学校の先生の学歴も99%以上高校の先生と同じ大学卒でありまして、この両者を区別していくほどの大きな理由はなくなっております。そういうことで、教育職給料表の一本化について研究、検討してみたいと、さきの5月県議会で当委員会の委員長が御答弁申し上げたところでございます。
 さらに、先ほど議員が人事交流の観点から御指摘されましたように、私どもも同様のお話も伺っておりまして、このような状況をこれからずっと放置しておくわけにはいかないと考えております。ちょうど来年度から学校に副校長、主幹教諭といった新しい職の設置が予定されておりまして、それに見合った新しい給料表の導入を勧告する準備を今進めております。この中に教育職給料表の統合、一本化ですね、これにつきましても盛り込めたらと考えておりまして、今具体的な作業を行っているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)長時間にわたって各答弁者の皆さん、ありがとうございました。
 今回私が代表質問で思いましたのは、やはり将来的に見てこの鳥取県をどうしてどの方向に持っていったらいいのか、それをやはり執行部、ましてや我々議員もお互いに、今々ではなくて将来のことをきっちりとつくっておかないと、この鳥取県自体が自立できないのではないかなという気持ちが特にあったものですから、亀井茲矩を取り上げたりしてやらせていただきました。教育委員長、教育長も大変厳しい局面であろうかと思います。今後また鋭い質問が我々同僚議員からも行くと思いますが、やはり基本は、私たちは将来を見据えて、さっき言いましたように、子供たちを見た場合に、全国の学力調査はそんなに悪い成績ではないわけですから、これをオープンにして、もう国ではないのでしょう、地方自治体個々がきっちりと決めていけばいいことであるというぐあいに私は思っておるのです。そうして、きっちり指導をして秋田以上の成績を出せばいいのではないですか、私はそう思います。何でも同じことです。先ほど言いましたように、常識的な考え方をとられるのではなくて、この際、非常識な考え方を持ってこれを全部つくりかえる、そういう気持ちが必要ではないかなということで今回質問いたしました。
 長時間にわたりありがとうございました。以上で終わります。(拍手)


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後4時26分散会
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