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平成20年5月定例会(第8号) 本文




2008年06月13日:平成20年5月定例会(第8号) 本文

       午前10時00開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより一般質問を行っていただきます。
 16番銀杏泰利議員


◯16番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 梅雨入りしたというのに日本晴れということで、さわやかな朝の一番バッターで質問させていただきます。
 まず、脳脊髄液減少症への対応について質問いたします。
 先月、千葉県庁を視察で訪れました。そこで、脳脊髄液減少症につきまして、行政、議員、患者の皆さんからそれぞれ伺うことができました。中でも患者支援の会・こども支援チームの鈴木代表からいただきました「子どもの脳脊髄液減少症」という冊子には大変衝撃を受けました。今まで大人の例をお聞きしたことはありましたが、子供さんからの例は初めてでありました。子供たちからのメッセージが痛いほど私の胸に突き刺さりました。
 一部、断片的ですが、紹介をいたします。
 16歳、高校1年男子。教室の移動等がつらく、通学も電車通学なので本当につらかった。学校も体調が悪く行きたくなかったけれど、授業におくれてしまうことが心配で、無理をしてでも登校をした。けがの後、夏の補習で答えられずに立たされた。先生に「おまえには同情しない」と言われ、それからさらに病状が悪化した。
 14歳、中学3年女子。頭痛、吐き気、目まいで、教室への階段を上ることができないので、相談室登校が多かった。先生にはなかなか理解してもらえず、不登校と思われていた。今までつらく、悲しくて、死んでしまいたいくらいだったが、でも原因がわかり、病名がついたときは本当にうれしかった。
 そして、親を代表して鈴木さんは、ほとんどの医師が病名も知らない、学校の先生も知らない。その少ない情報を頼りに病名にたどり着き、ブラッドパッチ治療を受けるまで何年間も回り道をしました。ブラッドパッチ療法がなかったなら、今も光もなく出口もない真っ暗やみの中を、私たちは泣きながら子供の手を引き、手探りで歩いていたことでしょう。
 このハンドブックは何冊かいただきましたので、知事、病院事業管理者、教育長にお渡しをしています。
 病気のことがわかってもらえない、不登校とか怠け者のレッテルを張られる、先生やクラスのみんなも理解してくれない、医者もわからない、治らない、自分でもどうしていいのかわからない。そうした悲痛な声が聞こえてきます。この病気の情報をせめて学校や医療現場、そして苦しんでおられる患者さんの皆さんに知らせなくては、いうふうに思いました。
 この脳脊髄液減少症については、先輩の長岡前議員、昨年は尾崎議員が質問されました。県議会でも国に対して意見書を出し、県ではホームページに県内の医療機関の情報を提供するようになっております。国では、昨年度から2,500万円の予算がつき、3年間の研究が続いています。
 昨年の12月、患者支援の方から、署名を一緒に集めてほしいとの要望がありました。内容は、学校での研修会の開催、治療法の保険適用、自賠責保険適用などを求めるものでありました。早速、公明党として1月に9,722名の署名を集めることができました。署名を集める中で、近所のあの人はどうもそうではないかとか、あすは我が身だとかいうことで、関心が高かったということもあり、大きな反響がありました。
 今まで行政の対応は及び腰だと思います。理由は、保険適用になっていない、診断や治療法が確立していない、または十分な評価を受けていないといったことが理由だと思います。しかし、もっと行政は応援すべきだと思います。
 理由としては、1番、全国で6,000名に及ぶ方が治療を受け、6割から7割の方に効果があったこと。2番目に、患者さんの特徴は、歩く天気予報などと言われて、気圧の変化で天気が悪くなりそうだと痛くなる、つらくなる、共通したそういった症状があるということは病気としてくくることができ、診断、治療に向かいやすいということであります。3番目に、実際多くの方が自費で、自由診療で治療を受けている。何十万円払っても、何カ月待っても治療を受ける人たちがたくさんいる。国の研究が終わって保険適用になるまで待てない、そういう人たちがたくさんいるということです。
 これらの理由から、苦しんでいる県民のために最大限の応援をするのが行政の役割ではないでしょうか。これは病院局にも同じことが言えます。
 そこで、初めに知事にお尋ねします。
 病気で悩んでいる県民の方から相談があったとき対応ができる体制を整えるべきだと思いますが、どうでしょうか。また、贈呈をしましたハンドブック、感想なりあればいただきたいと思います。
 また、教育長にもハンドブックの感想をお聞かせいただきたい。
 教育委員会では、昨年5月31日付で文部科学省から、「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」との事務連絡があったと思います。どのように対処されたのか、教育長にお尋ねをいたします。
 さらに、教育現場において脳脊髄液減少症ではないかと疑われる症状の子供の実態はどうか。通常、自律神経失調症、起立性調節障害、心身症、むち打ち症などと診断されてはいますが、もう一度違った目で見ると、どうも脳脊髄液減少症ではないかと疑われるような例も含めてお答えをいただきたいと思います。
 次に、申請主義について、知事、教育長に質問いたします。
 申請主義について多く語られるようになりましたのは、年金の未統合、記録漏れの問題が発覚してからであります。この申請主義に社会保険庁のいわゆるお役所仕事が加わって、年金問題の泥沼化が進んだと言ってもいいのではないでしょうか。統合を始めて10年以上たってもなお5,000万件の未統合記録があった。加入者の申請があって初めて、では調べて統合してあげましょうというお上の発想、これではなかなか統合は進まない。昨日の民間委託の議論とは違いまして、きょうは官による弊害の話であります。申請主義、お役所仕事の壁を破って、役所みずからが汗を流して調査をし、統合を進めることが必要であります。
 そういうことで、社会保険庁では加入者へねんきん特別便を送り、加入記録の確認をお願いをされていますが、さらに先月、古い厚生年金などの記録1,466万件のうち、約70万件が持ち主に結びつく可能性がある。その持ち主と思われる人にねんきん特別便とは別の記録のお知らせという文書を通知し、特定を進めるという発表がありました。つまり、個人情報である具体的な年金記録をつけて、これはあなたの年金記録ではないですかというお知らせをするということです。何としても申請をしてもらわなくては困るということだと思います。申請主義にあぐらをかいたツケがここまできたのかという思いであります。
 私ども公明党も黙っていたわけでありません。すべての被保険者へ保険料納付実績や年金額の見込みなど、その人の年金情報を提供するねんきん定期便を提案をして、一部実施されております。もっと早くから通知していたらと悔やまれるわけであります。
 行政は申請主義をとっておりますが、それは住民へのサービスだという意識を常に持つべきだと社会保険庁での事例は物語っております。行政サービスは年々複雑化しております。情報の洪水の時代です。役人でも部署が違えばわからない、知らないこともたくさんあります。ましてや住民の方に周知するのは大変に難しい。住民も情報の洪水の中でついていけないこともあります。納税者がいて成り立っているのが行政です。制度を知らなかったためにサービスを受けられなかったとか、逆に知っている者だけが得をする、そういう不平等が生まれないように工夫すべきであります。そこで、申請主義の欠点を補うために、対象者を絞ることができる、特定できるものについては通知制を取り入れるべきである。申請主義の功罪について、また通知制について知事の所見を伺います。
 申請主義の問題点を克服するために、住民生活に密着した市町村ではいろいろ工夫がされております。例えば東京都練馬区では、高齢者への各種福祉サービスは必要な人に必要なサービスを届けるとの御用聞き福祉サービスを行っています。また、高齢者の健康診断、がん検診の個別通知などは、鳥取市を初めとする自治体で行われています。
 鳥取県で扱う申請、行政手続を調べました。個人にかかわることで知っていれば得をするような、そういった申請は全体から見れば少ないのが実態であります。それでも福祉保健部や教育委員会の分野を初め幾つかあります。いろいろあるようなので、一度点検をされたらどうか。知事、教育長にお尋ねをいたします。
 住民に直結した行政の多くは市町村が担っておりますので、まず県が動くことで市町村へも波及することを期待したいと思います。
 最後に、山陰海岸ジオパーク構想について、知事にお尋ねをいたします。
 鳥取県西部と中海圏は、大山、宍道湖、中海、日本海に隠岐を含めた自然と特色ある地域性、歴史があります。旅心をくすぐる物語、ストーリー性のある地域であります。こういう地域、圏域が今後、脚光を浴びてくるに違いありません。地元として生かしていく、全国に魅力を発信していく必要があると思います。
 報道によりますと、山陰両県の経済界や自治体などは、国が示した観光圏整備構想をもとに事業推進の母体となる組織の検討を始めたということであります。環日本海の表の玄関口となるこの地域の将来性に、国も投資をしてもいいということだと思います。
 片や鳥取県東部においては山陰海岸ジオパーク構想が脚光を浴びてきています。この構想は、鳥取県東部を含む地域を全国的に注目を集める圏域に発展させる要素を持っています。鳥取市から京丹後市までの国立公園のエリアが対象ですが、海岸沿いだけではないと思います。内陸に入ると、県内では岩美銅山があります。無数の廃坑からは今も銅を含んだ水が流れ出してきています。毎年約4,000万円の費用をかけて処理を行っているのがその証拠であり、地質学の教材として活用しない手はないと思います。さらに若桜氷ノ山の近くで貝の化石を含んだ地層が露出し、小学校で化石の採取を行った経験もあります。海底の地層が隆起した証拠であります。
 この山陰海岸は昔の大陸がちぎれてできたもので、その痕跡が地層に残る特色ある海岸ということです。地形の特殊性から、漁港へは陸路ではなく海から船で村々へ行ったというふうに聞いています。また、温泉も多い。陸から閉ざされた漁港、銅を求めた銅山跡、湯治の湯などなど、ここにもストーリー性を含む素地があります。兵庫や京都までの地域には、さらに多くの物語が存在すると言えます。
 母なる地球の1,000万年単位での地殻変動、営みの歴史と、人間や動植物の50年、100年単位の歴史、営みは密接不可分であり、そこに地質を学ぶ意義もある。人々の関心を呼び起こすことになります。壮大な地殻変動の歴史に人の営みを重ね合わせることで、この地域の魅力が大きく増していくことは間違いありません。世界の中で勝負できる地域に育つ可能性があり、行政として最大限力を入れ、また応援して育てていかなくてはいけません。
 この山陰海岸ジオパーク構想については、2月定例議会で小玉議員が詳しく質問されましたので、私からはその後の進展について知事にお尋ねをいたします。特に、6月下旬に世界ジオパーク会議が予定をされています。山陰海岸からも代表が出席し、概要を発表するということです。世界ジオパークネットワークに認められ、加盟するためにも、まず日本ジオパーク連絡協議会の正会員となり、そして世界ジオパーク会議で名乗りを上げることが重要であります。今回の世界ジオパーク会議への参加は日本から4地域で、初年度枠の3つより多い、つまり1カ所外れてしまうということであります。山陰海岸ジオパークは平成21年度登録を目指していますが、その可能性をお尋ねをいたします。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)皆様、おはようございます。
 まず、冒頭、脳脊髄液減少症についてお尋ねがございました。
 銀杏議員から、鈴木裕子さんの書かれました本を拝見をさせていただきまして、私もつぶさに拝読をいたしました。子供たちの悲痛な叫びが中に満載をされておりまして、非常に心が痛くなるような、胸が痛くなるような、そんな思いがいたしました。
 結局外見からはわからない病気である。しかも最近はやりといいますか、よく学校側が問題にしたり、親が問題にしたり、あるいは周囲の人たちが問題にするような不登校のようなことが起こってしまうとか、学校で授業中も態度が悪く見えるとか、勉強を怠けて見えるとか、そういうようなことになってしまう。しかし、子供たちのいろいろとつづられた文章がございましたけれども、毎日毎日遅刻をして走るのだけれども、本当に体調が悪いのかと友達から聞かれると非常につらいとか、またこの病気は外から見てもわからない、周りの人は理解してくれない、せめて養護の先生だけでもわかってくれたらいいのになとか、そういう言葉がつづられておりました。
 そういう意味で、この脳脊髄液減少症、特に子供たちなどに対するケアというものが必要なわけでありますが、まず始めなければならないのは、理解を進めることなのかなと思います。これは行政レベルでも可能なことだと思いますし、学校の現場なども含めて、こういう症状があると。例えば体育の時間とか、せめて水をちょっと飲ませてもらいたいという子供たちの声がつづられていましたけれども、そうしたことが症状を緩和させるものになるとか、そうしたちょっとした知識を周囲、地域社会として、あるいは学校として持つ必要があるのではないか、こういうように感じた次第であります。
 そして、もう一つのお尋ねといたしまして、同じような症状で悩んでいる県民の方からの御相談に応じられるような体制を整えることということでございますが、これにつきましては現在、鳥取大学のほうにお願いをさせていただいておりまして、そちらのほうで一通りの相談体制はとらせていただくようになっております。また、県内の4つの病院でこの診療体制をとることができるようになっておりますし、さらにブラッドパッチの療法につきましても鳥大の医学部、それから生協病院で行うことができる、こういう体制になっております。
 このことを県内の患者の皆様に広くお知らせをすることはもちろんでありますが、ホームページにも4病院が対象病院ですよ、扱ってくれる病院ですよというようなことを紹介をさせていただいております。なお一層この体制を充実させていただきまして、そして患者の方が支障なく治療を受けたり、また相談を持っていける、そういう体制にしたいと思いますし、あわせて地域社会としての理解を深めるPR活動を行う必要があると考えております。
 2つ目といたしまして、行政の申請主義の功罪、また通知をしていくという、そういうやり方についてどうか。さらに個人がかかわることを知っていれば得をするような県への申請があると、点検をしたらどうかということであります。
 私も、このたびの年金の騒動を見ていて、非常に残念といいますか、憤りを感じました。申請主義というのはよく見られる行政手法でありまして、これ自体が一概に悪いことではない、すなわち申請者側の自由を保障すること、そして申請者側でのみ出す決定権を持つということ、それに余り行政がかかわらない、そういう仕組みなのだと思うのです。
 典型例は、私どものような人間たちに必要なことでありますけれども、一番典型的なのは、選挙の際の立候補届で、これは申請主義の典型でございまして、しかも書くこと、書いて出すことの自由というものが最大限保障されるものでありますし、あそこに書かれている内容も、書類間の整合性だけを見るという形式審査が確立をしています。ですから、中身に立ち入って行政が政治活動の自由、立候補の自由に過度に侵入しないように、それを侵害しないように、そういう配慮から特に厳格な申請主義がとられているわけです。ですから、そういうことはあると思うのですけれども、果たして年金がそれに値するのかなというのは、私は根本的な制度上の疑問を感じます。
 確かに昔であれば、どういう方がおられるかというのは役所は知り得なかったかもしれません。しかし、現在では住民基本台帳も整っているわけでありますし、それからそれぞれの職場で例えば税金の源泉徴収を行うとか、そういう意味で一通りの人間の把握のシステムは確立していますし、何となれば同じ社会保険の中の健康保険も会社側が代行して徴収をするということになっているわけであります。そういう意味で、いろいろと工夫をすれば従来の申請主義一辺倒ではないやり方は本来可能ではないかと思いますし、少なくともこれまで払ってきた年金の記録というものを、それを統一的に管理をすること、この現代社会でできないことではないだろうと思います。それを申請主義というように、最初に年金制度を立ち上げてしまったものですから、それで最初のときのボタンの一つのかけ違いといいますか、制度の設計だったと思いますが、持ってこなければ我々は何もしないでいいのだという役所側のあぐらをかいたような体質を生んでしまったという、そういう残念な結果になっているのが今の状態ではないかと思います。
 今、世間からそれが指弾されて、慌ててねんきん特別便だとかそうしたことを行い、補完しようとしているわけでありますが、あれでも実際に年金の記録を持っている社会保険庁のほうに行って、随分と待たされて、しかも、本来は社会保険庁のほうの記録ミスが問題なのに、しかしそれを棚に上げて、来てくださったお客様である納税者の方々、保険料を納めた方々にああだこうだ言わせてみたり、それから証拠がありますかということで過度な負担をかけてみたり、これは国民の怒りを買ってもしようがないと思うのです。ですから、本来は年金制度というものを今の申請主義一辺倒から転換していくことも考えなければならないのではないかと思います。
 翻って考えてみて、私ども県庁にもいろいろな仕組みがあります。詳細、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、いろいろな形態の申請のやり方だとか、届け出のやり方だとか、あるいは我々のほうから通知をしているものもございます。
 大切なのは、議員が御指摘になりましたように、私どもは納税者に対するサービスを行うという、そういう立場でございますので、こういういい制度がありますよ、何だったら利用しませんかというのを、それを折に触れて納税者の方々、住民の方々にお届けをしたり御案内をすることが大切ではないかと思います。
 先般も私どもの雇用の率が下がってきたということで全庁で話し合いをいたしまして、それで企業さんを回りながら雇用の開発をお願いをするとともに、企業さんの使えるような制度の御案内をさせていただいたりしております。これは企業のみならず福祉保健関係のそうした組織だとか、いろいろなところを回らさせていただきました。このときに、言わば私ども、通知制ではないですけれども、お知らせをさせていただくようなことをさせていただきました。
 先般も議論をいたしましたけれども、例えば母親とか子供たちに関するようないろいろな情報があります。例えば私どもで昨年11月からスタートいたしました子供を育てる子育て支援パスポートがございますが、こういうものも母子保健の御案内のときだとか、あるいは産婦人科さんとか、いろいろなお立ち寄りになるような機会、あるいは学校だとか、そういうところでお知らせをするということを強めたらいいと思うのです。そのようにいたしまして、いろいろなチャンスで情報に触れ合うことができる環境を整えることもサービス提供主体の行政側の役目ではないかと考えております。
 通知制という大上段な議論をしますと、庁内では、いやそれはできないときっぱりと言ってくるのです。それは、もしある人に通知できなかったときの責任を問われるのではないかと、必ずこういう反応になって返ってくるのです。私はこれは過剰だと思うのです。また、過度に個人情報がどうだとかいって、それで通知を申し上げる、お知らせを申し上げることを拒否するというか、最初からやめてしまうのも行き過ぎだと思います。
 そういう風潮がえてして役所にありまして、それが議員が御懸念のような状態もあるのかもしれないと思います。今後の改善方策につきましても総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
 世界ジオパークネットワークへの加盟につきましての進展状況。詳細は文化観光局長からお答えを申し上げたいと思いますが、議員がお述べになりましたとおり、この世界ジオパーク構想に私どもの鳥取県の地域が兵庫、京都とともに乗っかっていくこと、いろいろなインパクトがあると思います。特に自然環境がこのように有効に保存されていますし、海岸線などは海と全く対峙した状況でありまして、人の手も余り入っていないわけであります。そこに鳥取砂丘のように結構アクセスがしやすい地域もありまして、観光地としての付加価値も高まる、そういうチャンスではないかと思います。例えば荒金の鉱山のお話があったり、あるいは若桜町のお話もございましたが、周囲には周遊すべき同じ問題意識を持った方が訪ねていただいて、おもしろいところもあると思います。
 そもそも山陰海岸の値打ちというものはいろいろと語られているわけでありまして、鳥取砂丘ももともとの古砂丘の上に火山灰土が降ってきている。それも大山だけでなくて鹿児島のほうの姶良火山とか、そうしたものも見られる。さらにその上に新砂丘が乗っかっていくという重層的な構造になっている。また、鳥取大学が管理している地域の中に本物のオアシス、水がわいているところがあったりして、そういう意味で地層的におもしろいことがたくさん指摘をされています。浦富海岸も侵食海岸として美しい景観を保っているわけでありますけれども、それとあわせてその優美な海岸線の中に、地層の中に刻まれた歴史が眠っているわけです。こうして日本が大陸から分かれた痕跡が残っているというふうに言われています。
 また、特に地質学者の皆さんが非常に重視をするといいますか、大変におもしろがっていただけるといいますか、重要性を指摘されますのは、兵庫県のほうの豊岡でございますが玄武洞がございますけれども、松山基範先生が玄武洞の160万年前につくられた地層の中にN極とS極の磁場が逆転することを発見した、そういう記録が残っている。これを調べ上げて、これは日本だけではなくてほかの地域にもあることが松山教授の研究でわかってきた。ですから、現在でも一番新しい地磁気が逆転した時代、これは松山さんの時代ということで世界じゅうに名前が刻まれているわけであります。そういう意味で、世界の地質学者から見て、この山陰海岸というのは重要な発見につながった場所だというようなこともございます。ですから大いにチャンスはあるわけでありまして、私どもはこの世界ジオパークへの加盟に全力を傾けるべきだと思います。
 5月に、世界ジオパークへの加盟をする前段としての日本のジオパークの組織が誕生しました。京都大学の尾池総長がその委員長になっておられます。そして、さまざまな学者の先生だとか有識者が入っておられます。ここが最終的に国内の3候補地まで選ぶことができて、これを秋に世界ジオパークネットワークのほうに登録申請をするということになります。来月には、そのためにそれに向けた申請の手続に入ってまいります。非常に重要な時期になってまいりました。ですから、たび重ねて我々も働きかけをやってきておりまして、その状況は局長のほうからも申し上げたいと思いますし、つい先日も京都府の知事さんとお話し合いをしまして、せっかく京大の総長さんが委員長なので一緒にお願いに上がろうではないですかという話をしたり、それから近畿の知事会に加盟をさせていただきましたが、その席でも、次回はぜひこの世界ジオパークへの山陰海岸の加盟について、テーマにして話し合っていただきたいということを申し上げたところでございます。
 このようなことを通じて、ぜひとも加盟を目指していきたいと思いますが、御指摘のように、今は北海道の洞爺湖の地域、今度サミットが開かれるところで有珠山があります。その有珠山のところに昭和20年だったと思いますが昭和新山ができた。そういうことで、私たちにも非常によく知られた、地質学的にも興味深いところがあります。ここが一つの候補地になっています。それから、糸魚川、これはフォッサマグナでございまして、それが地表面にもあらわれてきた地域がございます。あともう一つは島原地域、これ長崎県でございますが、これも島原の噴火がございました。平成新山と呼ばれるそういう山が平成16年度だったですか、できたわけでございまして、こういうところがいわば候補地でございます。これらを含めて山陰海岸もともに6月にドイツの国際会議のほうに我々のアピールに出かけるわけであります。ですから、それぞれいずれ劣らぬ強豪ぞろいの中でございまして、ほかにも候補地域がございますが、特にこの4地域の運動は活発でございまして、この中の争いであります。
 現状はいかがかということでございますが、私はボーダーラインではないかと思います。ですから、かなり精力的な運動が必要ではないかというように考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)申請主義につきまして、補足の答弁をさせていただきます。
 まず、現在、県におきましては、補助金とか貸付金を初めといたしまして、さまざまな行政分野におきまして申請に基づくサービス提供を行っているところでございます。周知方法の状況ですけれども、ホームページですとか、広報紙ですとか、あるいはチラシですとか、さまざまな手法によってやっているところでございます。中にはもちろん個別に通知をするといったような手法もとっております。例えて言いますと、自動車税の課税免除の場合ですとか、あるいは特別医療費の助成などは個別に通知をさせていただいておるという部分もございます。
 しかしながら、まだまだ周知が不十分で不利益をこうむるようなケースがあり得るだろうと思っております。そうした申請主義の欠点を補完するためにまだまだ工夫をしていく必要があるであろうと思っております。例えて言いますと、県の職員が訪問先でそれぞれの制度を説明していくといったようなことがございます。例えば保健師が訪問先で自立支援医療制度について情報を提供していくですとか、あるいは商工サイドの職員が企業訪問先で助成制度について情報提供をしていく、そういった申請主義を補完する、通知にかわる工夫もあり得るだろうと思っております。
 そうした現在の周知方法を行政分野ごとに点検をいたしまして、どういったことができるのか、できるだけ多くの人がサービスを受けられるように努力をしていきたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)世界ジオパークネットワーク加盟の可能性につきまして、補足答弁を行わせていただきます。
 先ほど知事が申し上げましたように、7月の中旬ごろが日本ジオパーク委員会への申請書の提出期限となっておりまして、それを受けまして10月中旬には世界ジオパークネットワークへの3地域の申請地域の決定がなされるものというふうに伺っております。その後、年内には世界ジオパークネットワークへの加盟申請がなされ、次年度、来年の秋ぐらいには正式に結果発表があるという予定であるというふうにお伺いをしているところであります。現在、山陰海岸ジオパーク推進協議会では、その申請書の提出に向けまして書類の作成を行っておるという段階でございます。
 先日開催いたしました山陰海岸ジオパークフォーラムにおきましても、そのときの講師でありました産業技術総合研究所の渡辺主任研究員からも、この山陰海岸は認定の可能性は十分あるというふうな御意見もいただいたところであります。
 今後の取り組みにつきましては、先ほど知事も申し上げましたように、委員の皆様方への働きかけを行うと同時に、ボランティアガイド養成講座等を開催いたしましてボランティアの養成を図るということやら、地質事象百選、こういったものを選定するといったような行動の部分での作業もこれから行っていくということになると思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)銀杏議員から4点御質問いただきましたので、お答え申し上げます。
 まず1点目ですけれども、子供の脳脊髄液減少症、このハンドブックを読んだ感想はどうかというお尋ねでございます。ちょうだいいたしまして、私も読まさせていただきました。最初は、読む前は大人の方の疾患といいますか病気だろうと思っていました。子供のほうには余りないのだろうなというふうに思っていましたけれども、子供たちに結構たくさんあっているように書いてありましたので、改めてその認識を持ったところであります。
 病気も、交通事故ですとかスポーツ障害なんかの非常に強い衝撃が体に与えられたときにあるものというふうに思っていましたけれども、子供たちにつきましては学校なんかで例えばぶつかったとか、廊下なんかで転倒したとか、そういうふうなときにも起こり得るというふうなことも書いてありましたので、そういう意味で、そんなに特異な状況の病気ではないのではないかというふうに思ったところであります。
 いずれにしても、このことを保護者や学校のほうが多分余り知りません。ですので、この病気についてよく学校や保護者のほうに知らせる必要があるかなというふうな感想も私としては持ったところであります。
 ただ、文部科学省から来ました通知ですとか、専門医の方の意見を聞きますと、この疾患については医学的な解明が今進んでいるといいますか、研究がなされている段階だということ、まだ完全に定まった知見とか治療法の確定したものはないというふうなことの意見もあるというふうなことも聞いているところであります。
 2点目です。これにつきましては、文部科学省からの事務連絡通知にどのように対応したのかということでございます。
 これは、先ほどもお話がありましたように、昨年の5月31日に文部科学省から事務連絡という形で通知が参りました。これを受けて各市町村の教育委員会とか県立学校に脳脊髄液減少症の紹介といいますか、簡単な説明とか、それから事故が発生した場合とか、あるいは生徒に頭痛や目まい等の症状が見られた場合には医療機関の診察を勧めてくださいというふうなことですとか、そういうふうな場合には学校生活の中で適切な配慮をしてくださいというふうなことを通知したところでございます。
 3点目でございます。学校現場において脳脊髄液減少症が疑われる子供たちの実態はどうかというお尋ねでございます。
 現在のところ、学校から出していただいている報告書には脳脊髄液減少症という病名は上がってきておりません。お話にあった自律神経失調症というのはかなりの数上がってきております。また、起立性調節障害とか心身症とかむち打ち症ですけれども、これは学校のほうで調査をして報告してくださいというふうに県の教育委員会としてはまだしておりませんので、ちょっとその数はわかりかねます。また、県内の専門医の先生から担当のほうがお話を聞きました限りでは、この病気の小児への発症例というのは非常に少ないというふうなこともあっているということであります。ただ、これは県内というのではなくて、全国的な状態であります。
 いずれにしても、この自律神経失調症とか心身症などというふうに診断されているものの中にも今の疾患といいますか、病気のほうの疑いのあるものもあるかもしれませんので、やはり医師の診断を受けることが大事だというふうに考えておるところでございます。そういう意味で、学校においても、御指摘にありましたように、教職員とか児童・生徒たちが知らないために、学校のほうから怠けているとか不登校とかというふうに考えられたり見られたりしている場合もあるかもしれないというふうなことですので、県の教育委員会としては市町村の教育委員会とか学校のほうと連携をしまして、研修会などを中心にして養護教諭とか一般のその他の教職員、それからスクールカウンセラーとか、それからスポーツ障害とのかかわりもありますので、部活動の指導者の皆さん方にこういうふうな病気のことをお知らせして、必要があれば保護者とともに医療機関のほうへ相談するような働きかけをしていきたいというふうに思っております。
 先ほど知事の答弁の中に、例えば鳥取市立病院ですとか、鳥取生協病院とか、鳥取大学の医学部の附属病院とかそういうふうなところ、あるいは野島病院ですか、こういうふうなところを紹介していこうかなと考えているところであります。
 4点目、最後です。申請事務に関して、教育の分野では奨学金とか授業料減免などの申請を前提とした手続があるが、そのほかにもあるようなので、一度点検してはどうかというお尋ねでございました。
 教育委員会においては、県民が給付や減免などによって得をする、便益を受けられる制度については、御指摘のように例えば県立高校の授業料の減免ですとか、それから奨学金の貸与があります。また、少年自然の家、大山青年の家などの社会教育施設の使用料の減免など、いろいろなものがあります。これらは県民の皆さん方の判断や意思に基づいて基本的には申請をしていただくというふうな、そういう制度だったというふうに考えておるところであります。
 県の教育委員会の所管しているものについては、逐一は申し上げませんけれども、把握はしているつもりであります。ただ、一番大事なのは、おっしゃっているように、県民がサービスを利用するに当たって、制度を知らなかったために不利益をこうむるとか、不平等になるというふうなことのないように、県の教育委員会としてはこの制度を十分に県民の皆さんにお伝えすることが一番大事かなというふうに思っておりますので、今後より周知できるように努めていきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)御答弁いただきました。重ねて何点か質問をいたします。
 まず、山陰ジオパーク構想ですけれども、私は心配をしておりまして、というのは、とってもいいことで、この地域を本当に活性化させる、注目を浴びる、そういった構想なんだなと思うのですが、県民の方が余り知らないのではないかなという心配を持っております。ジオパークのジオって何ですかというふうに聞きまして、一体何人の方が答えられるのかなというふうに思ったりもしております。
 以前、山陰海岸が世界遺産の国内候補地の一つに選ばれたと。だけれども、地元は寝耳に水でありまして、何の準備もできていなかったと。案の定、今ではもう忘れ去られているといったことでありまして、地元とか現場からの盛り上がり、これがないとなかなか活動の永続性がないのではないかな、そんなことで心配をしております。
 この間開催されましたフォーラムで、ジオパークの整備とか、ジオツーリズムなどのそういった活動が申請の時点で既になされていることが条件なんだというふうなことでありますし、たとえ加盟、登録されましても4年ごとに再審査があるということで、確かヨーロッパのどこかの地域だったと思いますけれども、加盟が途中で取り消されたといったふうな紹介もあったと思いました。
 そんなことで、加盟に急ぐことも大事なのですけれども、それ以上にもっと準備に力を入れることが大事だなというふうに思います。積極的な全力での取り組みということで答弁もあったわけですけれども、もう一度そういった県民からの盛り上がりといった部分への力強い取り組みについての御答弁をいただきたいなというふうに思います。
 教育長に、この間のフォーラムでやはり話がありましたのは、理系の修学旅行の場所に誘致するような格好で取り組んだらどうかというふうな話もありました。教育委員会としてどういうふうなジオパーク構想につきましての取り組みを考えていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
 この鳥取県東部でいいますと、先ほど知事からもありましたけれども、鳥取砂丘とか、この地域にしかない自然の営みといったものを教育に取り入れない手はないなというふうに私は思います。それこそが郷土に誇りと愛着を持つきっかけになるのではないかなと思います。地域から有能な人材を輩出する、それから郷土愛あふれる人材を育てていくのだと、今回のことがそういったチャンスになるのではないかというふうに思いますので、この点について教育長の所見をお尋ねをいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)山陰海岸ジオパーク構想について、重ねてのお尋ねがありました。
 おっしゃるように、これは一つの運動だと思います。来られた講師の渡辺さんもおっしゃっていましたけれども、要はジオパークを世界じゅうにつくることを通じて地質についての理解を、地学についての理解を深めてもらおう。そして、それを楽しみながら、多くの方にこの地球のすばらしさというのを知ってもらおう。そういうようなキャンペーンの意味合いも込めたジオパークの運動なのかなと思っておりました。
 そういう意味で、私ども宝の持ち腐れかもしれませんけれども、この身の回りにある地質遺産についてもっと理解を深める必要があると思いますし、それを、来たお客さんに語ることが大切ではないかと思います。ジオパークに向けたツアーですとか、ガイドですとか、そうしたものがまだ盛り上がりがないというお話もありますけれども、確かにそういうものをこれからどんどん育成していかなければならないと思いますし、ジオパーク加盟に合わせて、私どもでそれを応援をしていく仕組みをこれから精力的にやっていかなければならないと思います。
 ただ、実は我々はこれまでもやってきていると思うのです。それが意外と兵庫、京都との間で情報が共有されていないかなというふうに思うこともあります。例えば鳥取砂丘をみんなで清掃するとか、草を抜こうとか、そういうことをやったり、また地元の人たちがボランティアでその地質についてのガイドを行ったりしております。県としてもこれまで、例えば山陰海岸学習館のように、地元のそうした自然について紹介するようなことを一つの館としてやってきたりということもございましたし、全くないわけではないと思います。ツアー関係でも山陰松島遊覧が網代から出まして、ずっと沖合から鳥取県のこの山陰海岸の美しさを紹介しながら、その岩の成り立ちについて話すわけであります。これは、実はガイドツアーそのものでございまして、こうしたことは今でもやってはいると思うのです。ただ、それがまだ十分クローズアップされていなかったり、ここに来れば地質を勉強しながら楽しい滞在ができますよという認知が世界じゅうの人たちに届いていなかったりしているのではないかと思います。
 ですから、我々のほうもそうした議員が御指摘のような県、地域を挙げての取り組みというものを片方でやっていく必要があると思いますし、それを育てていくことをこの時期にジオパークの加盟とあわせて精力的に行っていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)銀杏議員から、世界ジオパークネットワークに加盟を目指している山陰海岸を教育に取り入れることで、郷土を愛する、あるいは郷土に愛着を持つ人材育成につながると思うけれども、教育委員会としての取り組みはどうかというお尋ねでございます。
 山陰海岸は、先ほどからずっと話があっていますように、本当に全国的にも、あるいは世界的にも珍しい地形とか地質を持っている、そういうすばらしい場所だと思っています。学校での社会科とか理科の中で、十分これは学習教材として取り入れてもいいのではないかなというふうな、そういうすぐれたものだという認識は持っております。
 今の様子を少し調べてみました。東部の小学校、中学校、高等学校などが中心になります学習ですとか体験などに活用されています。例えば浜坂小学校ですけれども、総合的な学習の時間の中で砂丘の自然とか動植物を学ぼうということで、出かけていって学習をしています。それから、岩美北小ですけれども、これは移動教室ということで、海岸をずっと移動しながら地びき網を体験したり、スルメイカの加工作業を体験したりというようなこともしています。それから、岩美中学校ですけれども、山陰海岸健康マラソンというのがありますけれども、そこに全校生徒が参加したり、それから海岸を清掃したりというふうなこともやっているというふうに聞いています。高等学校では、まだほんの一部の希望者ですけれども、鳥取東高でシーカヤックの実習をやっているというふうなことも聞いております。
 そういう意味で、自然の営みという点でいろいろなことをしていますけれども、県立博物館とか、それからその附属施設であります先ほど話がありました山陰海岸学習館、これは岩美にありまして、近年、予算をつけていただいて、リニューアルさせていただいて、学習機能等を充実させておりますけれども、こういうふうなところで山陰海岸のすばらしい自然とか環境に関する展示ですとか、それから野外の観察会などの活動を積極的に行っているところであります。そこに学校の子供たちも参加しているところであります。
 また、県の助成を受けて、鳥取大学が山陰海岸ジオパーク設立に向けた資料づくりを進めていらっしゃるというふうに聞いております。この鳥取大学の資料づくりでは、県の教育委員会に関連したものとして、小学校や中学校向けのカリキュラムもつくられるというふうに聞いているところであります。そういうふうなことも含めて県の教育委員会としては鳥取大学ですとか博物館、山陰海岸学習館なども連携をとりまして、今後も山陰海岸の自然を活用した学習が深まるように、市町村教育委員会とか学校に積極的に働きかけていきたいというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)ジオパーク構想につきましては、活動やPRにしっかり力を入れていただきまして、その上で、今加盟についてはボーダーラインということでしたので、何とか加入できるように力を入れていただきたいというふうに思います。
 脳脊髄液減少症につきまして、病院で診療体制がとれるようにされておると、ホームページでも紹介をしておるというふうなことでありました。
 その相談体制なのですけれども、千葉県に行って聞いてきましたら、実は千葉県では健康福祉センターで脳脊髄液減少症に関する相談も受け付けているというふうなことも言っておられました。鳥取県でもそういった相談体制が保健局とかとれるのではないかというふうに思います。ぜひそうしていただけたらなと思いますが、これについてもお尋ねを知事にいたします。
 情報提供につきましてでありますが、確かにホームページを見ますと紹介がしてあります。できましたらもう少しわかるように、わかるというか、患者さんにとってここに行けば安心して受けられるのだなというふうなことを知らしめていただきたいなというふうに思います。
 とにかく新聞とかテレビなんかで脳脊髄液減少症のことを聞きますと、どこかに行って治療を受けたい、聞いてみたい、診断を受けてみたい、そういった気持ちがあるのだろうと思いますけれども、例えばホームページを見ましても、治療体制があるのが2病院というふうなことで書いてありますけれども、何例ぐらいあるのかとか、例えば病院においては週に2回しかその先生が来られないとかということもあったりもしますので、そういう実績なんかもぜひ載せてほしいと思いますし、県内の診療、治療体制が不十分だと私は思っていますので、できましたら県外の、例えば近所ですと岡山大学なんかで大分症例があるようですので、そういったところもぜひ載せて情報提供をすべきであるというふうに思います。これについても答弁をお願いをしたいと思います。
 できましたら、なかなか情報も少ないということですので、情報をたくさん持っております患者の会のホームページとリンクを張るとか、そういったことも考えていただきたいなと思います。
 病院事業管理者にお尋ねをいたします。県立病院では診断も治療もしていない、できる医師がいないといったことが昨年の尾崎議員への答弁であったと思います。今、考えてみますと、国の研究も2年目になったといったこと、それからこの通常国会でも与野党問わず議員が脳脊髄液減少症について質問をして取り上げているといったこと、それから潜在的な患者が20万人から30万人というふうにも言われておるし、6割から7割の治療成果が上がっているこのブラッドパッチ法というのは、標準的になってきているのではないかというふうにも思っております。
 できれば、移動するのも大変な病気ですので、近場の、東部なら東部で治療が受けられるのだと、もしくは診断が受けられるのだといったふうな体制をとるためにも、ぜひとも県立病院で脳脊髄液減少症、ブラッドパッチ療法等につきまして、診断法につきましてもぜひ研究をしていただきたいなというふうに思います。答弁をお願いいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)脳脊髄液減少症でお悩みの方にこたえるために、県としてもできる限りの体制をとりたいと思います。御指摘ありました健康福祉センター、今はちょっとそういう専門の知識を持っているわけではないとは思いますけれども、医師である保健所長に当たる人間とか、それから保健師もおりますので、ちょっと現場と話をしてみながら、そうした一時的な情報提供といいますか、相談体制ができるか、よく研究させていただいて、実現に向けてまいりたいと思います。
 近県との連携も含めて情報提供を考えてみたいと思います。今、島根県も同じようにホームページで治療機関を提供していますから、そうしたところと一緒に、相互に情報提供し合えるようなことにできないか、岡山のお話もございましたので、近県と話し合ってみたいと思います。
 そして、県のホームページで提供しているような情報も、これは医療機関と相談しなければいけませんが、今、御指摘のような症例だとか、診療日だとか、さらに使いやすい情報になるように検討させていただきたいと思います。
 あと患者の会、残念ながら鳥取県内に患者の会はございません、全国の患者の会でしょうか、そちらのほうとのリンクを張ることは、先方と相談させていただいて、やらさせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 坂出病院事業管理者


◯病院事業管理者(坂出徹君)県立病院での対応についてお答えを申し上げます。
 確かに銀杏議員のお話にいろいろありましたように、患者さんの状況などを聞きますと心が痛むわけでありますけれども、政治の世界、あるいは行政の場で国会での議論をまってというふうなお話もありましたけれども、ここでの雰囲気と医学界の物の考え方といいますか、雰囲気は随分温度差があるなというふうに私感じております。
 昨年の秋から学会で、20人だったと思いますが、研究班を組織して研究を開始しておりますけれども、診断法、あるいは治療方法が確立されていないということもありますし、それからそもそも脳脊髄液減少症という病名をつけてある今の患者さんの状態をくくっていくということについてもいろいろな議論があるというふうに聞いております。したがいまして、今、我々が考えておりますのは、できるだけ早く研究の結果を出してもらいたい。それによってきちんとした形にしてもらいたい。これはノーという結論が出るかもしれないのです。今のところでは何とも言えない。そういうふうに私は認識をしております。したがいまして、まだこの問題については、医学界の中では研究段階というふうにとらえざるを得ないだろうというふうに思っております。
 したがいまして、県立病院で今すぐすぐこの病気についての診断、あるいは治療ということに向かうということは難しいというふうに思っております。
 現実問題として疑われる患者さんも来られますので、それはそれでこれまでも、お話にありましたように鳥大病院、あるいは岡大などにも紹介している、それは今後ともできるだけ早い時期にそういう判断ができるようなことを我々としても考えていきたい、そんなふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)16番銀杏議員


◯16番(銀杏泰利君)脳脊髄液減少症について、もう少し質問をいたします。
 医学界のほうのきちっとした判断はまだなされていないということであります。最近、交通事故で裁判で認められるような判断も出てきたりもしております。国のほうにもそういったことで認めてもらうような働きかけを私どもしていきたいと思います。
 教育長にお尋ねをいたしますけれども、こども支援チームの鈴木代表が言っておられました。起立性調節障害、こういった診断を受けた方の半分ぐらいが脳脊髄液減少症ではないかなというふうなことも言われておりましたので、その点もぜひ頭に入れていただきまして、そういったことが起きましたら疑っていただいて、対応していただけたらなというふうに思います。
 病気への不認識による間違った対応が子供を不登校や退学に追い込んでいる例があります。ということは、正しい認識と判断が本当に大切で、この病気への理解を深める、これが何よりも大事だということだと思います。逆に学校の先生やクラスの子供たちなど、周囲が本当に温かい言葉をかけたり理解をするといったことが症状の改善に大きな役割を果たしている、回復が早まっている。そういうことも聞いております。
 千葉県では、「学校保健知って得する情報」というチラシを作成をしております。こういうチラシなのですけれども、学校内で回覧をするようにしております。この中で脳脊髄液減少症を取り上げているわけですけれども、あとほかに学校保健研修会で説明を行ったり、また小・中学校養護の先生が研修会をこのたび開くのだといったことも聞いております。ですので、本県でもそういった研修会、情報便りで理解を深めるべきだと思いますけれども、いかがでありましょうか。
 特に先ほどからお話出ています冊子の内容など……。


◯議長(鉄永幸紀君)時間です。
 答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)先ほど答弁させていただきましたこととちょっと重複するかもしれませんけれども、私もまだ、さっき申しましたように、定まった治験とか治療法というものが確立されていない面もあるかもしれません。ただ、そういうことだけではなくて、やっぱり学校とか地域なんかでもこの病気のことをよく知らないということが一つ大きな問題かなというふうなことを思っています。知られていないので、怠けているとか、不登校だとか、そういうふうなことで言われている子供たちもいるのではないかなと思っています。そういう意味で、学校の先生方とか保護者の皆さんによく知っていただくというふうなことで、学校生活の中における子供たちをしっかり支えていくという、そういう取り組みは必要だと思っています。
 これは先ほど申しましたように、今後、学校保健の研修会がございますので、そういう研修会ですとか、それから運動部活動の指導者の研修会などもございますので、こういうふうな場面とかで、養護教諭の先生、あるいはほかの一般の教職員の皆さん、それからさっき言いましたようにスクールカウンセラーの方とか、それからスポーツ関係の指導者の方、こういうふうな皆さん方に、今のチラシなどももし使わせていただけるのだったら使いながら周知といいますか、よく理解していただけるように努力していきたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、5番浜田妙子議員


◯5番(浜田妙子君)(登壇、拍手)引き続きおつき合いくださいませ。
 今のお話にもありましたけれども、社会的弱者とよく言われますけれども、皆様はどのような思いを浮かべてその方々を想像し、そして弱者と言われるゆえんはどこにあるというふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
 思い浮かべますと、お年寄りの皆様、いたいけな子供たち、障害のある人たち、暴力を受ける人々、貧困。今、銀杏議員も取り上げられましたけれども、病気。いずれの人々も個人の努力や意思にかかわらず、大半が好むと好まざるとにかかわらずそのような状態に置かれています。運命的とも言えるその状態は、社会生活を営む人々が群れるとき、統計学的には必ず何割かを社会が抱えることになるというふうに言われています。みずからが弱者の側に立つか立たないかは、どこに、どの時代に生まれたのかも含めて、それこそ運命とか宿命としてでしかその因果は語ることができないかもしれません。同じ人として、たまたま恵まれたのかもしれない側の私たち、その人々への優しいまなざしと、温かい心と手を差し伸べ互いに喜び合える世の中にすること、そのことが責任ある行政であり、とりわけ政治の果たす役割と認識しなければならないのでしょう。声なき声に耳を傾ける政治の必要性、先般の湯原議員の質問のときにも話になりました。
 きょうは、見過ごすことのできない弱い立場の人たちに目を向け、3つの質問をさせていただきます。
 1つは、DV被害者支援について久しぶりに取り上げます。
 DV施策日本一として、鳥取県は知事を初め私たちも自慢げによくお話をします。でも、それは相対的なお話であり、余りに他県が鳥取県からおくれているからにすぎないのです。DV防止法は2度の改正を経てかなり進んできましたが、DV被害者の立場に立てばまだまだ不十分と言わざるを得ません。加害者を追い出し、被害者のそれまでの生活レベルを保障させるという欧米並みのDV先進国からすれば、ほど遠い今の日本の状態にあって、被害者のほうが逃げ隠れすることから始まりまして、その夫から自立したとしても生活の保障はなく、みずからの手で一からつくり直す作業を始めるのです。暴力から解放されたとはいえ加害者対策は進まず、多くの女性たちは子供たちを抱え、金銭的な後ろ盾もなく仕事を探し、傷ついた心と体を抱えながら、わずかなサポートを頼りに必死で自分たちの生活を守らねばならないのが現状です。
 その中で、鳥取県は、被害者の医療費や個室対応、同行支援や託児支援、自立のための家賃や敷金・礼金補助等、ざっと数えましても補助項目は15項目以上になりました。平井知事は、副知事当時、現場に足を運んでいただきまして、シンポジウムにも幾度か参加をいただきました。よき理解者、協力者として全国の支援者に知られた存在でもあります。
 鳥取県方式と言われるほどになった、その理解ある鳥取県であったとしても、なおDV被害者の生活は過酷であり、悲しみと苦しみを引きずって生活を続けています。子供が入学となれば、せめて洋服は新しいものを着せたい、持ち物も買いそろえたいと思うのが親心です。ごく普通に一般家庭でされている、それすらもできる状態ではありません。むしろ心が傷ついた子供たちだからこそ、せめて人並みの準備はと願うのは当たり前のはずで、それを願ってはいけないのでしょうか。
 あるいはこんな例もあります。お世話になった方のお葬式に参列したい、でも喪服も包むお金もない。また、やっと見つけた仕事なのに不便な場所にあり、公共交通機関も利用できず、子供の送り迎えのことを考えれば自家用車が必要、中古車を手に入れたい、でも20万円ほどのお金が足りない。安定した仕事を手に入れるために資格を取りたいが、その間の生活費のつなぎと講習参加費がない。また、生活保護を受ける、その生活保護費が出る1カ月間、あるいは就職して給料日までの生活費、それがあればと嘆く被害者もあります。いずれも、せめて10万円か20万円あればとの声です。
 こうしたわずかなお金を民間が融通をつけることもありますけれども、たまりにたまっていきますと、民間で補うには限度があります。DV被害者支援のための無利子の貸付金制度はできないものか。くれとは言わない、働いて返しますから、一時的に貸してほしいとの願いは多くの被害者の声でもあります。
 貸付金制度を設けている例を調べてみますと、基金は300万円ぐらいでいい。鳥取県の規模ならば、借りたい人、厳選していくと1年に多くて5~6人ぐらいではないか。1人上限20万円から30万円。被害者が返せる範囲で助かる金額がはじき出されています。
 一定の審査をし、必要なとき人並みのことができるよう用意できないものか、お考えいただきたいと思います。知事の御所見を伺います。
 もう1件は、住宅用火災警報器の設置についてです。
 消防法が変わりまして、地域によっては市町村の条例によって前倒しで既に設置しているところもあります。しかし、遅くとも平成23年5月31日までに全住宅に火災警報器設置が義務づけられました。
 御存じでしょうか。火災が発生しますと、気づくのがおくれてしまう。気がついたときには一酸化炭素中毒で体がいうことをきかない、逃げおくれてしまう。住宅火災の6割以上が逃げおくれということで、そのような例で死亡する人は、ここのところ年間全国で700人にも及んでいます。
 もう一歩早く気がつけば命を守れたのに。そこで、煙と温度を感知する火災警報器を住宅に設置しようということで義務づけられることになりました。火災警報器、全家庭につけなければなりません。この議場の皆様はいかがでしょうか。確信を持って、既に取りつけた、あるいはついているとおっしゃる方、ちょっと手を挙げてみていただきたいと思います。ありがとうございます。執行部の皆様はいかがでしょう。こういう現状です。
 新築住宅は、初めから取りつけることになっていますので問題はないわけですけれども、既成の住宅は、市町村条例によって、ほとんどはこれからということになります。まだ先だからと思っていますと、すぐ23年が来ます。お値段は5,000円から、高いもので1万円前後ということです。設置場所等は、市町村条例で定めることになっていますので、市町村により多少差異はありますけれども、寝室と階段が中心になります。子供部屋が2部屋2階にあって、夫婦の寝室、おじいちゃん、おばあちゃんの寝室があってというふうに数えていきますと、2階建てですと階段も必要になりますので5個ぐらい必要、そうすると5万円ぐらいかかるということになるわけです。
 個人でも設置は可能ということですから、元気で、体がよく動く方であれば設置料は必要ない。ただ、つけてもらうということになりますと、設置料金がかかってくる。町内でまとめて求める、まとめ買いをしますと半額程度に値が下がってくるというふうにも聞いております。公民館や婦人会、あるいは老人会とか、そういったところでまとめることも考えなければいけないのかなというふうに思ったりします。
 鳥取県では、3つの広域行政管理組合消防局が中心になりまして、PRに一生懸命です。西部のほうでも10万枚チラシをおつくりになりまして、用意して配布なさっていますが、講習会等を利用して周知徹底を図ってもいらっしゃいますが、もう一つのようです。今のところ、各地の設置率1~2割というところです。県民の安心・安全を図るため、周知徹底が必要になりますが、県は、消防局はもとより市町村とも連携し、バックアップ体制を整え、今後どう取り組んでいかれるのか、知事の御所見を伺わせてください。
 もう1点は、再生に向け、多くの皆様が大変な努力をしておられる盲学校についてです。
 不幸が次から次へと襲った分、教育の場としての本物を手に入れてほしいなと私も願っています。私も学校参観に出かけました。今は明るいあいさつの飛び交う盲学校です。学びやに皆様の努力をかいま見、また授業のほうも参加させていただきまして、とっても楽しく、奥深い、内容の濃い授業をされる先生のお話も伺いまして、このまま授業を受け続けたいと魅せられたりもいたしましたが、まだまだ道半ばです。周辺を含めての体質改善には時間がかかりそうです。
 何か私もお手伝いできることはないだろうか。かかわった分、責任を今感じています。私は、日々生活をしていますと、何かが起こるのは当たり前だと思っています。しかし、起きたときにどう対応するか、それから何を学んで力に変えていくか。そのことが肝心だというふうに思っています。
 なぜ人権侵害があったのに放置されたのか、問題が言われながらも、問題として認識できなかったのか、二重、三重に用意されたチェックのチャンスのどれも働かなかったわけは何なのか。今、大変なリスクを背負い、大きな代償を払わされることになっています。つまり、問題が起きたと気づいたとき、早期発見、早期治療ができるような仕組みが必要だと考えています。それがあれば、ここまで見過ごされず、結果、大ごとにもならなかった。そこで、独立した外部の相談窓口が必要であり、知事もその必要性を口にされました。真正面から向き合い、しっかり耳を傾け、聞くことのできる窓口です。それは内部に求めても無理からぬことです。上下関係があり、言うだけでも勇気が要るのです。
 知事は、弁護士の力をかりて相談窓口設置をお考えのように認識していますが、その検討は進んでいますでしょうか。もし進んでいるとしたら、いつできるのか。不信感と不安を抱える生徒の皆さん、先生、保護者の方々の安心材料として、一日も早く用意されるべきだと考えます。できるだけ早く設置することが、県も本気で心配し、力になるのだということを示すことになるのです。教育活動を側面から力づけ、応援することが生徒の皆さんの力を伸ばすことにもつながるのだと考えているのです。早ければ早いほど価値があると考えますが、知事の御所見を伺わせてください。
 壇上からは以上で終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、DV被害者の関係についてお話がございました。社会的弱者に対するセーフティーネット、地域としてのたおやかな支える工夫をしていく必要がある、それは先般来、この議場でも多く語られているところであります。
 議員のお話の中にもございましたが、鳥取県はDV対策で先進県の一つに数えられるようになったかと思います。15項目というお話もございましたし、常に現場の皆様のお声を聞きながら我々も施策の改善を続けてきたところであります。
 例えばこの当初予算の段階から、新しく自立生活へと移られるという動きを支える、そういう事業も新規に始めさせていただきました。他県では、貸し付けという形態でサポートをやっていますけれども、私どもは一時的な住宅を手当てをするだとか、アパートの敷金の問題だとか、いろいろと先手先手で既に手を打ってきたというのが実情だと思います。ただ、これもひとえにみもざの会だとか、全県にございますけれども、いろいろなシェルターの皆さんが民間から支えて現場の悲痛な叫びを上げてこられたその成果であろうかと思います。
 これからもこうした姿勢で、不足なところを補いながら施策の向上を目指していきたいと思いますが、浜田議員は他県がおくれているというお話もされましたけれども、私は国がおくれているのではないかと思うのです。正直申し上げて、これまでたび重なるDV関係の法律の整備はされてきました。そういう意味で、まとわりつくような、そういう行動に対する制止力を社会的に警察などと、あるいは裁判所というようなことも含めてやっていくという素地はできてきたかと思うのですが、ただその生活の再出発を支援する、そこまで国のほうがしっかりと前に出てきていないのではないかと思います。
 本来、こういうDVの問題というのは、人々は逃げ惑うように県境を越えて動くわけでありますから、そういうことであれば一地域の問題で片づけるには本当はふさわしくないものではないかと思います。ですから、本当は国のほうで、他県がおくれているというよりは国のほうが整備をすべき課題が多いのではないかと思います。
 そして、御質問は、DV被害者に対する資金貸し付けの基金を設置すべきではないかという点であります。これは、興治議員からも昨日お話がございましたけれども、これから再出発をして生活を立て直していく、そういう段階で就労をすることとあわせて初動のところのいろいろな支えができないだろうかということであります。
 私は、きのうも申し上げました、カテゴリーごとに考えて、例えば子供たちのことであれば、あるいは中高年の離職者のこととか、そういうことをもとに工夫を考えていくのではないかというお話を申し上げましたが、DVの関係でもそういうことが言えようかと思います。確かに新出発して、そして職を見つけて、力強く生活の立て直しに向かわれること、これは御本人の問題に負うところが多いです。そうでなければ、子供だとか周囲の人たちも連れて新出発をされるということでございますので、その決然たる道は開かれないと思います。
 ただ、どうしてもできないところに私どものほうで手を差し伸べることはできないだろうか、こういうような問題意識でこの2月にDV被害者の支援を行う第2期計画を県でつくらせていただきました。このときも現場の皆様の御意見だとか、あるいはパブリックコメントをいただいて、そうした御意見も入れてつくらさせていただきました。その中の一項目で、今、議員が御指摘になりました、まさに民間で基金をつくって、それで資金支援を行おうではないか、貸し付けを行おうではないかと、こういう構想も書かれております。ぜひそれを前に向かって進めるようにしていきたいと思います。
 今現在、具体的な話までは行っておりませんけれども、他県を調べてみますと、圧倒的多数はいろいろな形でやはり社会的に必要性を感ずる方が多いものですから、民間の皆さんが主導になって、こういう基金をつくられて、貸し付けるという形態が多いようです。もちろん行政としてそれに割り勘的に入っていくことなど支援のあり方もあろうかと思いますが、この実現に向けて、関係者の方と話し合いを始めることからスタートすべきではないかと思います。それで、なるべく使い勝手のいいような基金であって、しかも民間の皆さんの活力が生かされるような、思いが生かされるような、そういうものにできればと考えております。
 2点目としまして、平成23年の5月31日までに義務づけられる、設置しなければならない、6月1日から義務がかかる火災報知機でございます。
 これについては県というよりも、これはやっぱりどうしても消防の問題でありますし、市町村の問題になります。ですから今、消防局とか市町村がその周知を行っていますし、市町村によっては個別の支援制度なんかをつくり始めたところもあります。そういう動きを県としてもPR、周知徹底などで応援をしていきたいと思います。詳細は防災局長から御答弁申し上げたいと思います。
 鳥取盲学校の問題に端を発しまして、子供たちのための外部の相談窓口の設置が必要ではないか、これを検討するというふうに県は動いているようだが、それはどういう状況かということでありますが、詳細は人権局長から御答弁申し上げたいと思います。
 今回の盲学校でわかったこと、非常に残念なことでありますが、学校の中ですべて解決できないのではないかという思いを多くの方が持たれたことだと思います。現に今回のケースも、問題が発生した後に弁護士会のほうにその要請行動をとられた。学校の中というよりはそちらのほうにとられた。ですから、外にそうした仕組みが何らか必要ではないかというように私は個人的に思っています。ただ、これは人権に係ることでありますし、また教育現場のことなど非常に微妙な考慮も必要なことではないかと思います。子供たちのデリケートな育ちにもかかわることであります。ですから、ある程度時間をかけながらでも検討すべきかなと思いますし、多くの方々からの御意見も入れながらだと思います。
 実は、人権救済条例が一たん今執行が停止になった状態のまま、凍結されたままで続いておりまして、これについて有識者の検討委員会が開かれました。検討委員会から示された、今後人権についてもし考えるとしたらというテーマの一つが子供たちの問題でありました。ですから、そういう意味で我々庁内でも検討しておりますし、それから今回、弁護士会が自分たちで子供についての条例の検討会をやってみたいというお話が来たものですから、協力してくれと。では、それには県としても職員を入れさせていただくなどして協力したいというように考えております。この旨、弁護士会にもお答えをいたしております。
 そういった流れの中で検討をさせていただきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)火災警報器の設置促進についてのお尋ねでございます。
 基本的には消防局が取り組むことでございまして、消防局のほうでこれまでいろいろな設置促進の活動というものを行ってきています。例えばいろいろな集会でいろいろ説明をしたり、それから例えばショッピングセンターなんかでそういう展示だとか、そういう説明会を開催したり、そういった活動、それから議員のお話にもありましたようにチラシを全戸に配布したりというような、こういったことをやってきております。
 ただ、講習会なんかのときにアンケートをとってみますと、やっぱり1割から2割というようなことで、全体でどのくらい普及しているのかというのは、まだ正確な数字は把握していませんけれども、まだまだ十分ではないなというふうに考えております。
 県のほうでも広域的なそういう広報という形で、県の媒体を使っていろいろなそういった義務づけになりましたということをきちっとあれして、皆さんつけましょうということをやっております。これからも消防局、それから市町村が基本になって取り組んでいく、そういった広報活動ですとか普及促進活動、そういったものについて県のほうでもバックアップをしていくということで考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、橋本人権局長


◯人権局長(橋本修君)県の弁護士会のほうから、3月に県のほうへ打診がございまして、私ども4月に参画いたします、協力いたしますということで御返事いたしました。その後、弁護士会のほうから具体的なアプローチはございませんでしたが、一昨日確認いたしましたところ、近日中にメンバーとか時期も含めて具体的な企画案を出したいということでした。メンバーが最終的に決まりまして、また日程調整が行われまして、今月、あるいは来月にでも勉強会が立ち上がっていくものと思われます。
 我々の庁内のほうの検討会議も検討しておりまして、3月から分野別に分かれまして、公務員と子供と差別という3つの分野に分かれまして今検討を行っております。子供の分野につきましては、教育委員会や福祉保健部の関係課も集まっていただきまして、これまで2回検討会議を開いております。来週には埼玉県──埼玉県は都道府県レベルで唯一条例によるこういう第三者機関、子供の分ですけれども、つくっておる県でございますけれども、そちらのほうから調査専門員の方をお招きいたしまして、この調査専門員という方は、実際に子供さんから御相談があったときに面談して相談を受けたり、アドバイスしたりという役割を持っておられますけれども、その方をお招きいたしまして、実情をいろいろお聞きするような予定にしております。
 県としましても、弁護士会の勉強会にも参画いたします。そういうふうなこともございますので、いろいろ意見もお聞きしながら検討を進めてまいりたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。追及させていただきます。
 盲学校の件ですけれども、遅いなと思います。スピード感を持って対応するということが今求められていることではないかなというふうに思います。待っていて、相手が動かなければ動き出せないというのでは、それは待ちの姿勢です。何もなければいいのですけれども、既にそこに傷ついた人がおり、不安を抱えている人たちがいる。日々の生活の中でどういう問題を抱えているのか、そこのところを同時進行で見るときになるべく早くやっていただく。そして、相手が動かなければこちらがおしりをたたくぐらいの姿勢がないと本当の誠意は見せられないのではないかというふうに思います。
 ただ、なかなか大変です、つくり上げるのは。多くの皆さんの意見を集約してということにもなるでしょうから。できるまでの中継ぎをどこか明確にしておく必要があるのではないかというふうに思います。できないから申しわけないけれども待ってくださいよというのでは余りにも不親切です。人権救済条例ができるまでのところで、相談窓口がもうスタートいたしておりますので、せめてそこを窓口として使っていいのですよというPRぐらいきちっと徹底することができるのではないかというふうに思います。いずれにしても、校内ではだめですから、勇気を持って物を言ったとしても、それがいい関係の中ではお互いの胸の中に入りますけれども、不安を抱えている中ではスムーズにいい話になっていかないということは当然起きてきます。
 どうしても触れておかなければならないなと思って、きょう申し上げますけれども、その後、盲学校の給食ですけれども、事業者がかわりました。かわりましたけれども、相変わらず異物が混入して、それは複数でありました。これをどんなふうに解釈していいのか、ちょっと私には解せないですけれども、ただ、学校側の対応、教育委員会の対応もこれまでとは随分違って、懇切丁寧に透明性と説明責任を果たそうという努力を一生懸命なさっています。その努力をなさっていらっしゃることというのはとってもよくわかりますけれども、事業者がかわっても相変わらず同じことが起きるということをどう解釈していいのかということが私には解せません。まだ体制が不十分だなと言わざるを得ないわけですけれども、一生懸命が空回りしないようにサイドからのサポートが必要です。一日も早く相談窓口をつくって、客観的に物を見て、どうこれを処理していくのかということが判断できるようにしてさしあげることが必要ではないかと私は思いますけれど、できるだけ早く、なるべく早く、ここへ言ってきてくださいと、ともに考えますよという場所をつくっていただきたいと思いますが、これについて知事の御所見を伺います。
 DVですけれども、国がおくれているということは、確かにそうです。それで、国は鳥取県をモデルにして学ぼうとしていらっしゃるところがあります。改正DV法の場合もヒアリングをしっかりなさって、必要なところを積み上げていったということがあります。地方から国を変えていくということが、まさにそのことではないかなというふうに思います。
 今、国は自立のモデルをつくろうとしていまして、事業を展開していますが、それに鳥取県も手を挙げておりまして、これからそれに取りかかるということになってまいります。先ほどお話にありました被害者支援計画、これは平成16年に作成されたものです。各県はこの計画を参考にされて、各県も義務がありますから、次々支援計画をつくっていかれたわけです。この中に民間基金がうたわれている、先ほど御紹介されたとおりです。貸付金制度をこれは補うものになるのかどうなのか、どのようにお考えなのか。貸付金制度ですね、先ほど私が300万ほどの基金を積んで、とりあえず貸していただけないかということを提案申し上げたのですけれども、これと同時並行で補うものになるか、両輪の輪のごとく、あるいは補完し合えるものになるかどうかのところをどのようにお考えなのかをちょっと伺わせていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、鳥取盲学校の関係で御指摘がございました。また異物の混入があったという御指摘で、私はちょっと詳細まで承知しておりませんが、ぜひ教育委員会のほうでそうしたことのないように徹底をしていただきたいと思います。
 ともかくそういうような事象もあるのだから、急いで窓口をつくるように、その検討を急ぐべきではないかとおっしゃいます。
 実は、先ほどちょっと申しませんでしたけれども、この際ですから、では少し詳しく申し上げますが、人権相談の窓口を開設をさせていただきました。この議場でも申し上げましたように、片方で我々はその検討をさせてくださいと。これは要は人権の問題でありまして、しかも前回、我々がつくった条例が全国的な御意見がいろいろと相次いで、執行を停止せざるを得なくなったというそういうことがあります。ですから、慎重に、どういう形態がいいのか、これはちょっと時間をかけてでも検討させてくれと申し上げました。その際に、あわせて、しかし、当面我々でできることはしたい。ですから、人権相談の窓口を開設させてもらいたい。このことを2月の議会で皆様にお認めをいただきました。
 その後、経過を申し上げますと、現在までに実は既に47件の相談が来ております。その中に子供たちの相談もあります。それを私どものほうでも受けておりまして、例えばそれこそDV系のものなんかは、これは児童相談所だとか、そういうところを絡めて解決に向けて相談窓口から動かしたり、あるいはケースによっては専門の弁護士さんたちのバックアップ体制もとっていますので、専門の弁護士さんにもお伺いをして、これについては子供の関係のちょっとした施設といいますか、そういうところへ我々のほうからアプローチをしたり、また学校に対する御不満をいただいたこともあります。
 こういうものは、実はもう既に機能し始めていまして、従来から教育委員会のほうで教育センターの窓口がございますが、私どもの人権相談の窓口もこのように動き始めております。ですから、ぜひこれは活用していただきたいと思いますし、PRが足らないというのであれば、それは我々のほうでもさらに申し上げたいと思いますが、現実はそうやって動き始めております。
 そして、それとあわせて、ただ本格的に子供オンリーの専門的なものを何か考えるべきかどうか、考えるとしたらどういうものがいいのか。これは少々時間をかけてやっていきましょうと。ですから、今、当面の措置はできているのではないかと我々は思っているものですから、何か亀の歩みのように思われるかもしれませんけれども、それはそれで、実は片方の手を打ったことは機能し始めたということを御報告申し上げたいと思います。
 もう1点のDV関係につきましては、我々としては新しい基金を開設して、それを民間のお力をかりながらやって、動かしてみてはと思いますが、従来の制度との関係などを福祉保健部長のほうから御答弁申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)DV被害者自立のための民間基金の検討でございますが、計画にも盛り込まれておりますし、民間の方と一緒になって基金設置できないか、検討できる体制を今考えているところでございますので、またその節にはいろいろ関係団体の方の御協力を願いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)DVの基金のほうも、それから相談体制についても、できるだけ本腰を入れてしっかりと検討を重ねていただきまして、できるだけ早く、待っていらっしゃる方がありますし、それからその必要な現状があるわけですから、できるだけ可能な範囲内で早くやっていただきたいと思います。これはお願いをいたしておきます。
 火災報知機の件なのですが、警報器の件ですが、結局その23年という期限があります。その間どんどんPRが行き届いてくると、片方で訪問販売の悪徳業者のことを心配いたします。社会的弱者と言われる、自分でなかなか判断が、嫌とも言えないような方々がたくさんいらっしゃるわけで、消火器の例がありました、悪徳業者にひっかかってお年寄りの皆さんやひとり暮らしの方々が被害に遭われた例もあるわけです。これを教訓にしますと、今回の火災警報器も心配です。まだ期間がある分、悪質な詐欺が横行するということも考えられる。設置の内容、値段、機種の紹介、購入方法等々、皆様にお知らせする有効な手だてを考える必要があるのではないかと思います。これは老人福祉の分野にも入りますし、障害者福祉の分野にも入りますし、それから消費者保護の問題にも入ります。安心・安全の分野にも入ってくるわけですから、さまざまな視点から社会的弱者が被害に遭わないような、そんな方策をお考えいただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)火災報知機につきまして、片方で設置をお願いをしなければならないのですけれども、もう片方で犯罪の温床になるのではないか、そういう懸念を私どもも持っております。現実問題、昨年度も3件、火災報知機関係での相談といいますか、悪徳商法ではないかという、そういう件もございました。そういう意味で、その詳細は生活環境部長からお答えを申し上げたいと思いますが、私どもとしてこれからPRを市町村を応援する形でやっていきたいと思いますが、その際に、あわせて悪徳商法の問題もそのPRの中に含めさせていただければと思います。そして、これから23年までに買うということをやっていただくわけでありますが、ただその片方でこうしたことでひっかかる詐欺の手口もありますよ、それには御注意くださいねと、これをセットでやれば一番効果的であろうと思いますし、わかりやすいことではないかと思いますので、御指摘のような方向で進めてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)火災報知機の悪質商法対策ということでお答えをさせていただきます。
 今、知事が申し上げましたように、昨年、消費生活センターのほうに3件の相談が寄せられております。1台2万円の販売価格ということで販売に来たけれどもどうかというような御相談、それから、町から補助金が出るけれどもということで上がり込んで設置をして、お金も払った、補助金はもらえなかったと、これははっきり悪質商法だというふうに思いますけれども、こんなような相談を受けております。
 特にこれからこういう警報器の設置が進むということになると、例えば消防署の名前をかたって高額の物を売りつけるとか、あるいは全部の部屋に設置しなければいけませんよと言って不要な物まで売りつける、こんな手口が出てくるのではないかというふうに心配をしております。そういうことで、消費生活センターでは既にホームページでそういう注意の喚起を促しておりますし、それから、特に被害に遭いがちな高齢者の皆さんとか障害者の皆さんに対しては、老人クラブとか、あるいは障害者団体とも協調して、それから一般の県民の皆さんには公民館などとも連携をして出前講座をやってきております。それから、特にロールプレイング方式ででもやっておりまして、昨年は聴覚障害者の団体あるいは視覚障害者の団体と一緒になってやりましたし、それから消費者の集いでも具体発表という形でもやらせていただいています。
 それぞれの弱者の皆さんの状態に合わせて啓発をしていかなければならないなというふうに思っております。特に高齢者の皆さんや障害者の皆さんだけではなくて、そういう方々を取り巻く皆さん、特に例えばヘルパーさんとか看護師さんとか訪問看護をされる方だとか、あるいは特にケアマネジャーさん、こういった方々にも協力いただく必要があるだろうというふうに思っておりまして、地域包括センターですとか社会福祉協議会ですね、こういったところにも働きかけて、そういう方々を対象にした講座の実施も行っております。これから特に本格化してくる時期でもあると思いますので、市町村とも十分連携をとりながら啓発を行っていきたいというふうに思っております。またあわせて、特に不幸にして被害に遭われた方々の情報も収集をして、こういった被害が出てますよということも的確に情報提供していきたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)消費者教育のほう、あらゆる手段を尽くして徹底していただきますように、被害者が出ないようにということをお願いいたします。
 最後に、私は中山間地の特別委員会のメンバーです。先ごろ現地調査に入りまして、去る4日にも東部周辺をお訪ねしたのですけれども、中山間地の問題は福間議員が代表質問で話されましたように、根本対策と喫緊の一日も早く手を打たねばならない問題とが混在いたしておりまして、大変深刻な状況でした、本当に深刻でした。委員会ではまとめをして提言に結びつけるよう話していますので、多くはそちらから物言いをさせていただきたいと思いますが、命にかかわる問題ですので、ここで一つだけ取り上げさせてください。
 非常に厳しいある地区の様子をちょっと御紹介いたします。地区を守るのは80歳以上の御高齢のお年寄りの皆さん方5人。公共交通機関もなく、病院にも買い物にもタクシーが必要、しかも30~40分はかかる。冬になると一晩で3メートルの雪が積もる。こういった厳しいところです。ある方の年金暮らしの収入は、後期高齢者医療制度が始まりまして天引きされまして、1人一月4万5,000円だとおっしゃっておられました。このような方々に、半値になったとしても5,000円から1万円の火災警報器ですね、これを義務だからといってどのようにお話をしたらいいのか、とてもとても心が痛みました。安心・安全、防災、福祉の点からも、人としての生活の最低保障をどう取りつけるのか。この方々が弱りつつあるみずからの体を酷使して、いまだに田や畑、山を守っていらっしゃる姿に私たちは取り急ぎやるべきことをやらねば申しわけないという思いに駆られてしまったわけです。たとえ火災が発生し助けを求めても、力強く助けますよと言える人もなく、冬場ならすぐには消防車もきっと来ないでしょう。そこではまさに早く気づかせ、せめて命だけでも守るための住宅用火災警報器をつけてさしあげて、逃げ出してほしい。何かの補助ができないだろうか、そして一日も早く設置してさしあげたい、これが正直な思いです。何か知恵を働かせて手を差し伸べてほしいと思いますが、市町村との連携の中で何かできないか、知事に御所見を伺わせてください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)火災警報器につきまして、改めて御質問いただきました。
 中山間地の問題というよりは、その市町村がその地域の安全・安心を守るためにどういうことができるか、それを我々のほうで応援できることがあるかどうかということだと思いますが、現に岩美町とか鳥取市などでやっているところもございますし、それから障害者の関係などでいえば自立支援の仕組みなどもございます。そういう工夫につきまして、防災監のほうから御答弁申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)火災警報器の設置補助ということなのですけれども、今、知事が申し上げましたように、鳥取市、岩美町、こういったところで援護を要するような高齢者の人、こういった方にそういった給付ですとか助成というようなことをやっておられるというふうに伺っております。それから、障害者自立支援法の関係で地域生活支援事業の中で日常生活用具給付事業というのがありまして、これは火災発生を感知したり、それから避難することが困難な障害者の方、こういった方々を対象にしまして購入費用の9割を助成するというような制度がございます。これは中山間地ということではなくて、全市町村を対象にしているということで、これまで給付の実績が米子と境港で合計3件ぐらいやっておるということでございます。それから、一時的なお金がなかなか工面できないというような場合に、民間のサービスなのですけれども、月額のリースで月額200円ぐらいですか、というように聞いてますけれども、そういった形でリースで設置することもできるというようなことでございます。
 浜田議員がおっしゃるような非常に厳しい状況の中の方々についてどうするかということなのですけれども、これは基本的にはやっぱり市町村がお考えになることなのではないだろうかというふうに思っていまして、その市町村が財政的に非常に苦しくてできないということであれば、例えばそういった面について市町村をバックアップするということは考えられるかなというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)確かに助成制度があるところ、それから障害者の皆さんにとっては国の補助制度もあったりします。高齢者を対象とした給付、助成制度なども、先ほど御紹介がありました鳥取、岩美などがあります。ただ、全県下どの住宅にもつけるということになりますので、市町村によって、ないところはお気の毒でしたねと言って済ませるものかなというふうにも思ったりいたします。県がどんなふうに各市町村と、条例ができていないところばかりですね、これから条例をつくられるということのようですので、その条例をつくられるのに当たって県がどうバックアップして、どんな情報提供をして、そしてどういう方向で物を考えてほしいと、それから助成制度こんなものがあるというようなことの情報提供もあわせて連携、協働、コラボレーションということをよく言われますけれども、それから民の力をぜひ使ってほしいと思います。よその市ではNPOが、機種の選択から、それから取りつけまで、そしてチェックまで一切を請け負ってるところがあります。そうしたNPOへの要請ですね、それから指導なども県の仕事ではないかというふうに思いますので、NPOとの関係もぜひ充実させていただきたいなということをお願いして質問を終わらせていただきます。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は1時より再開いたします。
       午前11時51分休憩
   ────────────────
       午後1時00分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 15番澤紀男議員


◯15番(澤紀男君)(登壇、拍手)公明党の澤紀男です。午後のトップバッターでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、通告に従いまして、初めに携帯電話等のレアメタルの活用について質問を行いたいと思います。
 最近、ハイテク産業を支える一方で価格が高騰し、供給不安に見舞われているレアメタルが注目を集めています。レアメタルとは、もともと地球上の存在量が少ない金属や、経済的、技術的に純粋なものを取り出すのが難しい金属の総称で、コバルトやリチウムなど31種類があり、OA機器、パソコン、携帯電話、DVDプレーヤー、液晶画面、デジタルカメラ等先端技術分野で広く使用されております。例えば、コバルトやリチウムは携帯電話の小型電池に使われ、インジウムは薄型テレビなどの液晶パネルに使用されています。また、レアアースはハイブリッド自動車の高性能モーターの磁石などにも用いられており、こうしたレアメタルは産業のビタミンとも言われ、今や日本の産業に不可欠な素材となっています。
 ところが、近年レアメタルの安定的な供給が危ぶまれる事態が生じております。経済成長が著しい中国でレアメタルの需要が急増し、レアアースの一つのネオジムは価格が5年前の6.1倍、ジスプロシウムは同じく5.7倍になるなど価格の高騰が続いているそうです。また、レアメタルの供給は中国や南アフリカなどの少数の資源国に限られる上、産出国の輸出規制強化により日本国内での枯渇を心配する声が出始めております。
 レアメタルの枯渇が心配される中、期待を集めているのが都市鉱山です。都市部で大量廃棄するIT機器や電化製品に含まれるレアメタルなどの有用な金属を鉱山に見立てて都市鉱山と呼ばれております。独立行政法人物質・材料研究機構のことし1月の発表によれば、国内の都市鉱山には貴金属の金が6,800トン、銀6万トン、レアメタルのインジウムが1,700トン、タンタル約4,400トンが蓄積されているそうです。これは世界の金の現有埋蔵量の16%、銀では22%、インジウムで61%、タンタルでは10%に相当します。同機構では、我が国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する規模と指摘し、都市鉱山資源の有効活用を訴えております。実際、都市鉱山からの金属回収は既に一部の民間企業で実施されていて、例えば天然の金鉱石1トンに金5グラム程度が含有されているのに対し、1トン分の携帯電話には400グラムの金が含まれていることから、携帯電話からの金・銀・銅などの貴金属回収が進められています。
 一方、レアメタルは技術的、経済的な観点からほとんどが未回収のままになっているのが現状だそうです。その携帯電話ですが、社団法人電気通信事業者協会によりますと、ことしの3月末時点での日本における携帯電話の契約数は約1億272万台。IP電話を含めても7,000万台程度の固定電話の契約数をはるかに超え、携帯電話は今や国民の暮らしに欠かせない生活必需品となり、私自身も携帯電話を持つようになって10年以上になりますが、使わなくなった携帯電話を探してみると3個ありました。我が家でも集めてみると10個くらいにはなります。鳥取県内でも相当のレアメタルが埋蔵されていると思います。業者に聞いてみましたが、レアメタルの含まれる携帯電話、電気機器等の回収、保管場所、レアメタルを取り出す技術、取り出した後の産廃の処分等、取り組むべき課題は多くあります。裏を返せば、レアメタルの回収技術はまさに新分野であり、だからこそ取り組む意義があると思います。産業技術センター等の公設試験場を活用したレアメタルに関する技術開発、企業の新分野進出の可能性について知事の御所見を伺います。
 次に、安全・安心な地域づくりについて質問いたします。
 県内の交通事故死者数は2003年以降減少しております。平成18年度で見てみると、交通事故死者39人、前年対比マイナス6人、しかし高齢死者数は27人で、事故死亡者数の約半数を占めております。鳥取県の死者は高齢者が53.8%、全国平均の44.2%と比べても依然高率です。高齢運転者事故は10年前と比較し1.7倍、高齢者に起因したものが全事故の約15%もあります。これまでも高齢者に対する交通安全教育の一層の充実を図るために、平成19年度4月からシルバー・セーフティー・インストラクターが導入されて、鳥取県東部、西部に各1名配置されました。まだ1年間の取り組みですが、公民館や老人クラブに出向いて高齢者、歩行者教育システムや持ち運び式の運転適性検査を導入し、歩行時や自転車、自動車に乗るときの注意点を自覚してもらう等、地道な活動に取り組んでいます。この1年間で安全講習や訪問活動で東・西部ともで約1万2,000人の高齢者に接しています。特に訪問活動で約4,300人を訪問し、反射材の配付だけでなく、高齢者宅の靴や自転車、手押し車に張ることも行い、近隣の高齢者同士の結びつきから、一人、また一人と紹介してもらいながら地域の高齢者を訪問しています。制服警官の訪問ではなく、垣根を下げた会話の中に信頼関係が築かれ、各種相談から結果的に問題解決の糸口の橋渡し役になっています。実際にシルバー・セーフティー・インストラクターの方に日ごろの活動をお伺いいたしましたが、地域の住民を守るという使命感を持たれ、生きがいを持って地道に取り組んでおられることに感銘をいたしました。いろいろな制度を導入しても、携わる方で制度の意味が何倍にも価値を生み出すという意味では、人が大事だと改めて痛感をいたしました。この制度は警察OBだからこそできるきめ細かい活動で、この成果は複合的に地域の安心を担う重要な役割を果たしています。鳥取県内の高齢者の安全教育や、地域の安心の担い手としての警察OBの登用の意義について、知事の率直なお考えをお伺いいたします。
 また、東部、西部にしかこの制度はありませんが、これからますます高齢化が進む中で、ぜひとも中部地区にもシルバー・セーフティー・インストラクターを配置する必要があると思いますが、警察本部長にお伺いをいたします。
 次に、平成18年度の統計によると、交通事故は減少をしていますが自転車事故は横ばいです。自転車事故の年齢別の割合は高齢者と高校生が飛び抜けて多い傾向が見られます。県内の高校生は自転車を利用することが多いので、危険と隣り合っています。実際に通学時間帯等、並走や、かなりのスピードで走る生徒を見かけます。交差点、路地付近、歩行者がいてもお構いなしで走り去っています。そこで、県内の高校生に対する警察の自転車教室の開催状況と講習内容を警察本部長にお尋ねします。
 また、事故類型別では出会い頭の事故が最も多いですが、現在の状況と対策をお伺いいたします。
 次に、地域の防犯対策について質問をいたします。
 去る5月に、JR東山公園駅付近で帰宅途中の高校生が数人の少年に暴行を受け、金品をおどし取られる事件が発生しました。犯行のあった現場付近はふだんから恐喝や性犯罪などが多発する場所で、近隣の住民も心配する場所であります。市民球場や市民体育館、テニス場等スポーツの施設があり、JR東山公園駅にたどり着くまでに白昼の死角になると思われるところが多くあります。夕方以降になりますと、大人でも通行に恐怖を覚えるときがあります。この駅を利用する高校生は、近くの米子東、米子工業、米子高校、米子南高生と多くいます。そして被害の時間帯が、ちょうど下校時間帯の午後6時から9時ごろが一番多いと伺いました。こういう心配される地域は県内にまだほかにもあると思いますが、JR東山公園駅付近のように事件が発生している地域における防犯対策について警察本部長にお伺いいたしまして、1回目の質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、携帯電話等のレアメタルを活用することについて、その技術開発、企業の新分野進出の可能性についてお尋ねがございました。
 今、地球の資源は限られている中で、特に原油がその象徴として今扱われてますし、それから金だとか銅だとか、そうした貴金属類、またレアメタルが争奪合戦になってきている。特にレアメタルは産業を推し進める米のような存在でございますので、ビタミン剤という表現もございましたが、これなくして産業、経済は回っていかない。特に、我が県の場合は電子技術関連が発達をしている地域でございます。そういう意味で、企業にとってもこのレアメタルの入手というのは大きな課題になっているというように拝察を申し上げます。
 確かに今、便利な世の中になってきまして、金だとか、あるいはこうしたレアメタルを使った製品がふえてきて、これが我々の生活の利便性を高めてきております。その使った後の行く先というものがこれまで見失われておりましたけれども、ようやっとここに来て金だとか、あるいは銅だとかを回収する動きが盛んになってきまして、日本は南アフリカを超える埋蔵量が金についてはあるのだと、こういう報告すら出されるようになってきました。
 ただ、そういう中で、レアメタルはやはり技術的に課題が多いのも事実です。金だとか銅ですと抽出の技術が比較的容易といいますか、できるわけでありますが、レアメタルでありますとインジウムだとか、今、御指摘のあるような、そうしたただでさえ微量な物を抽出をしてくる、ほかの物から分けてくるというのは、そう簡単ではないということがございまして、今までは貴金属類は取ったけれども、あとまた捨てているということだったと思います。しかし資源国のほうの売り惜しみといいますか、供給量にも限界がありますし、それに伴って、御指摘のように価格もどんどん上がってきておりますから、レアメタルを回収をして、それを再利用することはこれからの私たちにとって必要なことだと思います。そういう意味で、私も議員と同じように、もしこの鳥取県あるいは山陰だとか、中国地方のこの圏域でそうした体制が整えばおもしろいことになってくるなというように思います。ただ残念ながら、まだ企業さんとかから、こうしたことをやりたいという御相談があったわけではございませんで、それから産業技術センターにも金属関係の職員はいますけれども、こうしたレアメタル関係を外していくといいますか抽出していく、そういう技術にたけているという状況でもありません。ですから、もしこれからのことを考えるとなりますと、関係の方々の実情を調べていきたいということではないかと思います。
 今、先進的に取り組んでおられるのは秋田県でありますが、秋田の場合は古くから鉱山がございまして、金属の抽出の技術というものがございました。それを手がける会社もあるということでございます。それから、大学などの学術研究機関のほうでもそうした金属関係の技術というものを持っていまして、そういう意味で秋田などはこうした方面に乗り出してきております。あとは東京とか福岡とか大都市部、人口集積が高いところが比較的回収が量的に容易でございますので、そういうところが今一つプラットホームみたいにつくりまして話し合いを始めようかというところでございます。私どもも、まずはその情報を収集してみること、特に国が今技術開発などをやろうとしております。経産省系と文科省系でございますが、レアメタルにかわる材料を開発することも含めてレアメタル対策を今やっておりますので、そうした情報を収集をするとか、また民間の企業さんの状況を調べさせていただいて、それから我々の持てる人材、どういうものが、どういう方々がおられるのか、この辺を突き合わせることから始めてみたいと思います。
 次に、シルバー・セーフティー・インストラクターでございますが、これは警察のOBの方を、同じような目線で地域に入っていただいて高齢者の方々の交通安全教室を行おう、その啓発を行っていこうということで、いろいろと効果の高い事業になってきているのではないかと思います。本県の場合、高齢化が進んでいるということもございますが、昨年は交通事故で亡くなられた方が実に34人おられたのですけれども、そのうちの22名の方、65%、およそ3分の2の方が高齢者で占められているということであります。これは、ここ3年ぐらいでは一番高い比率になってきています。高齢者の方が亡くなられる数はそんなに変わらない、死者数が変わらない。他方で比較的若い層の人たちが減ってきておりまして、かつて50人とか60人毎年交通事故死があったのですが、これが減ってきているのですけれども、その中で高齢者の方の死者数が、事故死が減ってきていないという状況にありまして、その比率が高まってきているというのが最近の状況ではないかと思います。ですから高齢者の方の交通安全対策が喫緊の課題でございまして、そういう意味で議員が御指摘なりましたシルバー・セーフティー・インストラクターの登用による交通安全対策は非常に効果が大きいのではないかと思います。


◯副議長(上村忠史君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)お答えいたします。
 高齢者に対する交通安全教育につきましては、自動車運転中のみならず歩行時、自転車利用時の安全教育も重要でございます。従来の警察の取り組みに加え、平成19年度からは警察OBの非常勤職員が地域に出向いて出前型の交通安全指導を行うシルバー・セーフティー・インストラクター制度を導入したところでございます。
 澤議員からも御紹介いただきましたが、このシルバー・セーフティー・インストラクターが、例えば公民館などでの御高齢の方々の集まりに出向きまして運転適性診断機器を活用した講習会を行いましたり、また、お宅を訪問しまして、履物やつえ、手押し車などに反射材を張りつけるなど、きめ細かな交通安全指導を展開しております。なお、その際に、あわせて振り込み詐欺や盗難の被害防止などの防犯指導も実施しております。また、街頭で危険な道路横断等を見かけた場合はもちろん、広く通行中の御高齢の方々に声をかけるワンポイントアドバイス的な活動も行っております。
 さて、議員御指摘のとおり、現在シルバー・セーフティー・インストラクターは東部、西部の2名でありまして、この2名は交通安全講習の要請があれば配置警察署である鳥取、米子警察署の管外にも出かけて指導を行うこととしておりますものの、鳥取、米子における御要望が多い上、管外の地域への往復にはかなりの時間を要することなどから、県中部につきましては、なかなか御要望どおりの対応ができていない状況にあることも事実でございます。特に倉吉警察署管内につきましては、米子、鳥取に続いて高齢者の関係する交通事故が多い地域でありますが、今後はこのような実態も踏まえ、シルバー・セーフティー・インストラクターの配置のない県中部への同制度の拡大の可能性を含め、高齢者の交通安全対策の強化を検討してまいりたいと存じます。
 続きまして、高校生に対する自転車教室の開催状況や出会い頭の事故への対策等についてでございます。
 平成19年中の県下の交通事故のうち、自転車の関係するものが全体の約15%を占めており、これら自転車関係事故の死傷者のうちでは高齢者が3割弱、高校生が1割強と高い割合を占めております。また、事故累計では交差点での出会い頭によるものが約半分を占めております。県警察では、小・中学生に対しましては教育委員会、学校等の関係機関、団体と連携しつつ、初歩的、基本的な自転車の交通ルールを内容とする自転車教室を開催しておりますが、高校生につきましては、交通安全講習を県内の半数強の高校で実施しておりますものの、実技を中心とした自転車教室の実施は、議員御指摘のとおり低調であります。もっとも、幾つかの高校で実施している自転車実技講習におきましては、自転車の交通ルールの学習にとどまらず、いわゆる交通弱者の立場に立って、例えば生徒が車いすに乗って自転車がそのすぐそばを通過する状況を体験したり、あるいは目を閉じて立ち、つえを使いながら点字ブロックに沿った歩行を体験するなどの工夫を凝らした講習を実施しているということでございまして、今後はこのようなアイデアを盛り込んだ体験型の自転車教室を広めていくことを企画してまいれたらと思っております。
 また、自転車教室という形の枠を超えて、最近では改正道路交通法が6月から施行されたことに伴い、教育委員会、学校等に対しまして自転車の通行方法に関する改正内容をお知らせするとともに、傘差し運転や2人乗りの禁止等につきましても御指導いただくようお願いを申し上げたところでございます。改正法施行翌日の6月2日には県下一斉に通学、通勤時の街頭指導を実施し、私も制服に着がえ、鳥取市内の高校に登校中の生徒の方々にチラシを手渡して自転車のルール、マナーを訴えかけてまいりました。ただ口頭で話をするだけでなく、イラストや写真を活用したビジュアルな素材を用いると内容が通じやすいということを自分自身で実感しましたが、議員御指摘のような体験型、シミュレーション型の指導も導入すればなお一層効果的であろうと私も思いますので、ぜひ検討を行ってまいりたいと思います。
 そして、議員御指摘の出会い頭の事故への対策につきましては、昨年から出会い頭事故防止を含めて自転車のルールの遵守、マナーの向上を図るため、街頭指導を強化する自転車指導啓発重点地区路線を指定し、自治体や交通ボランティア、地域住民の方々と共同で活動を進めております。あわせて、県警察や各警察署のホームページ、ミニ広報紙等各種広報媒体を活用した広報啓発も推進しております。今後とも自転車運転に潜む危険をより効果的に体感することができる自転車教室の企画実施や、各種広報媒体を活用した広報啓発活動、そして街頭における交通安全指導に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 事件が発生している地域における防犯対策についてございます。
 最近の全国の治安情勢を見ますと、愛知県や京都府で女子高校生が殺害された事件、東京、秋葉原における通り魔殺人事件など、社会を震撼させる痛ましい事件が相次いで発生しております。当県では幸いこの種事案の発生こそ見られませんが、ことしに入り子供に対する声かけ事案などが現在までに既に20件ほど把握されておりまして、警察では特定の地域で事案が発生しているような場合はもとより、不審者情報や声かけ事案に関する情報を把握した場合にも、制服警察官によるパトロールを集中的に実施して犯罪の未然防止に努めております。また、とりわけみずからの力だけでは身を守ることが困難な子供を犯罪から守るための対策に重点的に取り組んでおります。そのほか警察本部のホームページに不審者情報を掲載したり、交番、駐在所の警察官がミニ広報紙等で地域住民の方々に情報を提供するなどしております。
 議員御指摘のJR東山公園駅付近は多くの学校施設などが所在する一方、夜間になると人通りが少なく、これまで数次にわたり中学生、高校生を対象とするわいせつ事案、恐喝事件等が発生しております。このような中で、米子警察署では先月、米子市当局及び関係市町村の教育委員会、中学校、高校の校長先生方など関係者をお招きして子供の安全対策会議を開催し、最近の事案の発生場所を地図上で具体的に示しながら実態を御説明するなどして参加者一同が認識を共有するとともに、会議に御参加いただいた方々との間で大変有益な意見交換をさせていただいております。澤議員の御指摘にも相通ずることといたしまして、例えば夏場になると公園の周りの樹木が生い茂り、見通しが悪くなるなど季節や時間によって通学路の死角が変わることへの注意喚起、また、たとえ断片的な情報であっても相互に不審者情報を共有し、子供に対する犯罪の予防に活用することの重要性など、地域の具体的な問題状況に即した協議が活発に行われたと聞いております。このような有意義な取り組みは今後ぜひ県下の他の地域にも広めていきたいと思います。そして自治体、教育関係者の方々、そしてまたボランティアの方々と問題意識や情報を共有しつつ、地域一体となった防犯対策を積極的に推進してまいりたいと存じます。


◯副議長(上村忠史君)15番澤議員


◯15番(澤紀男君)御答弁をいただきました。知事のほうから最初のレアメタルのことにつきましては、これは普通の方はなかなか耳なれない言葉、最近注目を集めるようになった言葉でして、言われますように鳥取県では非常に難しい部分もあるかなというふうにはちょっとは感じる部分もあるのですけれども、一つはやっぱり先ほど言いました新しい産業の分野ということで、携帯電話等につきましては特にリサイクル産業であっても環境部門任せではなくて、商工部門も積極的に参加して、先ほどもちょっと触れましたが、産業技術センターなどの公設試験場等とか担うべき役割や企業立地の推進を踏まえて、産学金官が連携してレアメタルを核に、一つは未知の分野にアンテナを張ったような新産業の拠点づくりに向けたいわゆる調査研究をすべきだと思うのですが、この点について知事の御所見を再度お伺いしたいと、このように思います。
 防犯につきまして、警察本部長に改めてお伺いしたいと思います。
 先ほどもずっと、るるお話しいただきました。特に今本当に治安の問題で、愛知県で、新聞にも出ておりましたが女子高校生が帰宅途中に殺害される痛ましい事件が発生しました。はっきり言って、夢を抱いて高校に入学したばかりで、このような形で大事な命を奪われた無念さを思うと憤りを覚えます。報道によると、周辺では不審者情報が幾つも寄せられて、似たような事件も起きていたのに防止できなかった、ここですね。これは他県のことではなく、いつ自分の身に降りかかるかもしれないと考えることが大事だと思います。どうしたら大事な家族、大事な県民を守れるのか、そしてパトカーの巡回等を強化していくのはもちろん大事なことです。また、防犯ボランティアの方の協力等も考えられますけれども、24時間体制で犯罪から守ることというのはなかなか不可能なことだと思います。そこで防犯カメラの設置が言われておりますが、JR東山公園駅付近の事件犯罪の可能性を考えますと、犯罪抑止力としての防犯カメラの設置等の対策を早急にすべきだとも考える次第です。また、あわせて県内の犯罪の起こり得る全地域の点検と防犯カメラの設置について地域住民と協議して進めることも大切だと思うのですけれども、警察本部長の見解をお伺いしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)携帯電話等のレアメタルの再利用につきましてでありますけれども、先ほども申し上げましたが、大変おもしろい分野になってくるだろうと思います。いわゆる静脈産業であり、新産業であると思います。技術力を生かすことができて、しかも集積のルートができて、回収のルートができて、それを裏打ちするような技術開発が行われて、これがうまく組み合わさってくれば、一つのサイクルができるかなというようには思いますけれども、その可能性をまず探ることではないかと思っております。県内でも三光さんとかナガオさんとかが我々の衛生環境研究所と一緒になりまして、無機性の廃棄物の中から有効資源を出してくるという、こういう研究をやったりしている例もございますけれども、レアメタルとか、そうした新しいテーマに挑戦していく企業体だとか、そのグループができてくればぜひ応援したいと思います。現状などにつきまして、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)レアメタルを初めとしたリサイクル産業に対する支援の現状について御説明をさせていただきます。
 現在、リサイクル産業につきましては、先ほど知事からもございましたけれども、産学金官連携による技術開発の支援、また販路開拓支援などを行っているところでございますけれども、レアメタルに特化した事業展開をしている企業はないということもございまして、そういった取り組みを現在県としては行っていないというのが現状でございます。先ほど知事からもございましたが、リサイクル産業の支援の一つとして、例えば衛生環境研究所が中心となって一般廃棄物から銅、鉄、アルミなどベースメタルと呼ばれているものを抽出する、こういった研究の支援というものはさせていただいているところでございますけれども、レアメタルに特化したような支援というものは行っていないということでございます。ただ、今後レアメタルに関しましては、リサイクル技術の開発のほかに代替材料の開発でありますとか歩どまり率の向上、こういった術開開発も必要になってくるというように考えておりまして、産業技術センターにおきましても、こうした技術に対する県内企業のニーズ、こういったものができてくれば私どもも積極的に対応する必要があるというように認識をいたしております。
 また、先ほど知事からもございましたけれども、特に県内では電気・電子産業が集積をいたしておりまして、多くの企業がレアメタルを使用しているという事実はございます。こうした企業の動きや御意見などもよくお伺いをしながら、産学金官連携して対応していくことが必要だというように認識をいたしております。


◯副議長(上村忠史君)続きまして、田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)JR東山公園駅付近を初め、犯罪発生のおそれのある地域への対策ということにつきましては、例えば通学路や、公園から繁華街、盛り場に至るまで危険箇所の実態把握やパトロールに努めてきているところですが、特に先月、愛知と京都の女子高校生殺害事件を受け、県教育委員会、そして知事部局の子供の安全に携わる関係部局と警察本部との間で踏み込んだ協議をさせていただき、その中で地域の防犯ボランティアの方々の御支援もいただきながら児童生徒の通学路における安全点検について改めて全県的に取り組んでいくことを申し合わせるなどしております。また、東京秋葉原の事件を受け、繁華街や駅などにおけるパトロールを、特にパトカーや制服警察官がパトロールを行っていることがはっきり目に見える形で実施することにより犯罪の抑止を図り、そしてまた不審者や不審車両に対する職務質問なども適正かつ積極的に実施してまいる方針でございます。
 議員からお尋ねのありました街頭防犯カメラにつきましても、防犯上の効果はもとより、事件発生後の捜査活動にも資するものでございまして、国内各地で地方公共団体や商店街等が地域の防犯活動の一環として設置する例がふえており、また、これまで9つの都府県の警察でも計300基以上を整備しているところであると承知しております。折しもこの5月県議会には鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例案が上程されているところでございますが、同条例案には防犯に配慮した公園や道路の整備に関する指針を定めることも盛り込まれております。今後こうした防犯関係の整備は一層その重みを増していくものと思われますので、関係機関のみならず地域住民の皆様等とも十分に協議を行い、防犯カメラを含め犯罪に遭いにくい環境の整備について大いに議論を深めてまいりたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)15番澤議員


◯15番(澤紀男君)御答弁いただきました。本当に特に防犯につきましては、今おっしゃいましたようにやっぱり治安という意味では見えない死角といいますか、こういう部分が本当に気づかないところで犯罪も起こりつつありますので、しっかりと住民と協議していただいて、これについては進めていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 知事に最後にお伺いしたいのですけれども、私がちょっと思うことですが、最近の報道を見ておりまして思うことがございます。本当に教育の現場ではモンスターペアレントですとか、それから給食費の未納問題ですとか、産婦人科ではモンスターハズバンド、地域では近隣同士のトラブル、そして家庭内では幼児、児童虐待、DV、それから家族間の殺人事件と、都会に限らず田舎でもびっくりするようなことが起きております。子供も大人も高齢者も余裕のない自己中心的な思想が蔓延して、殺伐としたニュースがあふれている。この鳥取県も例外ではないと私自身思っています。今の子供たちに足りないものは何だろうか。一つには想像力だとも言われますけれども、相手の立場に立って相手の痛みを体感することが一つは必要ではないかなと思います。例えば先ほどもお話出ましたけれども、介護講習等で取り入れられている高齢者の疑似体験をするプロテクターをつけて初めて老人の本当の大変さが実感でき、相手の立場に立つことができます。全県民が相手の立場に立つ運動を展開することによって、交通弱者と言われる高齢者や子供、障害者が安心・安全に暮らせる地域づくりができると思うのですけれども、最後に知事御自身の率直なお気持ちをお聞かせいただきまして、質問を終わりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今いろいろ御指摘がございましたように、現代の病理がこの世を覆い尽くしているかなと思うような事件が起こります。いまだに解決がなされていない京都の女子高生のお話、先ほどもございました。それから、思えば隣の島根県の古い都といいますか、津和野でお年寄りをお孫さんがというような話もございましたし、こういうような残忍な事件が後を絶たないのは、その裏にやはり我々の心の育ち方に問題があるのかもしれないと思うときがあります。
 外国であれば、学校の教育、小さいころからの教育は単なる知識だけでなくて結構大きな領域でイマジネーション、想像力を教えるということがございます。それは例えば空想を働かすということもございますが、いろいろな立場の方々に自分がなったつもりで考えるといいますか、そうしたイマジネーションを重んじた教育というのも行われているわけでありまして、我が国の場合、そこらがカリキュラムの中で一部欠けている面があるのかなと思わせることもあります。今、御指摘のように、翻って交通安全のことを考えた場合に、交通安全で出会い頭の自転車のお話なんかがございましたけれども、いろいろなことを想像しながら、次はどういう状況が起こるということを想像しながら車を運転したり、また自転車に乗ったり歩いたりということが必要なのだと思うのですが、その際に、実は自分と同じように動けない人がいるということに対する認識がいま一つ欠けているのではないかということだと思います。
 現在も私どもの社協の介護実習普及センターのほうでもいろいろな研修用具の貸し出しというか出前事業なんかもやっております。例えば、おなかの大きな妊産婦の方はこんな感じなんだよとか、あるいは目が御不自由な場合はこうだとか、加齢に伴って足が思うように動かないのはこういう状況だよというのを、身をもってそれぞれの人に体験してもらうような、そういう事業もやっています。こんなような事業と、それからセーフティードライバーを高齢者の観点で育てる、先ほど御指摘いただいたような事業などをいろいろと組み合わせながら、地域において相手の身に立って行動することによる交通安全の仕組みづくり、地域の安全づくりというものを考えていかなければならないと思います。


◯副議長(上村忠史君)続きまして、37番稲田寿久議員


◯37番(稲田寿久君)(登壇、拍手)通告に従いまして、教育委員会の今日的意義と使命についてと題して質問をいたします。本日は議員になりましてから初めて教育委員長とじっくり議論ができるということを楽しみにしてまいりました。
 まず最初に、一つ物語をいたします。原作、脚色、演出は稲田寿久であります。
 戦後、教育委員会という名の青年が誕生をいたしました。この青年に縁談が持ち上がり、明眸皓歯、才色兼備の地方分権という名の女性が出現、同じ町内の世話やきさんの紹介で結婚をいたしました。ところが、この地方分権女史には、ちょっとばかりイデオロギーに過激な友達がおり、夫婦の間をいろいろとかき回すものでありますから、これではいけないと思った教育委員会青年の親が乗り出し、中央集権という名の、地味ではありますがまことに良妻賢母の女性を連れてきて、とうとう2人を離婚をさせ、中央集権女史と結婚をさせてしまいました。無理やり別れさせられた教育委員会青年はまことに残念。心にぽっかりと穴があき、日々悶々とし、あげくの果てに虚脱、無気力、自暴自棄の毎日を送るようになりました。数十年の時が過ぎ去り、あるとき町内でかつての妻であった地方分権女史とぱったり出会ったのでありました。懐かしさでいっぱいになった教育委員会青年は、喫茶店で1杯のコーヒーで何時間も粘り、語り合いました。その日以来、教育委員会青年は地方分権女史のことが寝ては夢、起きてはうつつ、幻の思いで忘れることができなくなりました。そして、数年前から教育委員会青年はあるときは才色兼備な地方分権女史、あるときは良妻賢母な中央集権女史と2人の間を行ったり来たり、根なし草か浮き草のように居場所が定まらず、逡巡、ちゅうちょ、心に迷いを生じている毎日であります。夜になると自分の皮肉な運命を嘆き、無力感、空虚感、いらいら感にもさいなまれ、何ともせつない無常観を抱きながら今日まで暮らしております。葛西善蔵の私小説にも出てくるようなこの物語。さて、この三角関係をどうしたらいいのでしょうか。教育委員長、この物語を聞いてどんな所感を持たれたかまず伺います。
 次に、今日の教育委員会のあるべき姿、その生きざまをつらつら観察してみると、まことにやるせなく、悲しい存在のように思えてくるのは私一人だけの錯覚でしょうか。沿革的に検証するに、戦後GHQの主導で設立されたこの委員会がたどっていった歴史は、屈折と悲哀に満ち、その存在は一体何だろうと、深い嘆息と、どこまでも沈んでいきそうな思索に一種の疲労感さえ覚えてくるのであります。詳細な歴史と経過はここでは割愛しますが、いや、本当のことを言えば、この歴史と経緯こそが教育委員会の本質と形式を発現している重要な部分ではあるのですが、ざっとした時代の流れの中で、少しでも教育委員会の属性が明らかになれば幸いと思います。
 教育の分権化の名のもとに成立した各都道府県と市町村の教育委員会が、教育委員会法により、教育行政の分権化、民主化、自主権の確保の理念に燃えて設立されたのにもかかわらず、教育委員選挙の公正さ、公平さが担保できなくなったとの理由から廃止となり、早くも昭和31年には地方教育行政法が成立し、教育委員の公選制から任命制へ、教育長の任命承認制の導入、そして一般行政との調和を図る目的での教育委員会の予算案、条例案の送付権の廃止を盛り込んだ現在のシステムが構築されました。辛うじて教科書の採択権のみが権能の一つとして与えられ、それすらも教育委員がすべての教科書に目を通すことが不可能である現実から、ただ単なる名誉職的なものとなっているとやゆされたりもしております。また、あたかも土台と柱と屋根だけ残し、壁も座板も建具もない形骸化された哀れな姿をさらし、いわゆる中央集権的発想の濃厚な理念の復元とも受け取られかねない流れができ上がって現在に至っております。
 平成11年に地方分権推進一括法の制定に端を発した近年の分権型社会の構築といった大きな風潮に対応して、教育委員会は、その自主性、民主性、独自性のある権能を保持すべく、改めてその存在意義を問い直されていると思うのであります。一部に無用論、廃止論すらささやかれている昨今、公教育のあるべき理念に対して、より高度で重たい責任を担う教育委員会はこれでいいのでしょうか。このままいたずらに空虚で無力な日数を重ねていっていいのでしょうか。さまざまな改革の議論を背に受けて、教育委員会はさらなる気概と活力を持って、何としても教育界の指導的役割を獲得せねばならないときであろうと確信するものであります。
 そこで、教育委員長に対し、以下4点につき基本的な姿勢と所見を伺います。
 1点目。昨年の2月、教育再生会議は教育委員会制度の抜本的見直しと題して、今後の教育委員会のあり方につき、教育委員会の目的及び任務の明確化に始まる以下8項目の提言がなされております。あくまでもレイマンコントロールという教育委員会の基本理念、すなわち教育行政執行組織の外部にいる素人が管理をするという理念を念頭に置きつつ、これらの改革、見直しがなされなければならないと思いますが、この見直し提言につき、教育委員長の所見を聞きたいと思います。
 2点目。分権化と集権化体制のはざまにあって、ともすればあいまいで右顧左べん的な姿勢に陥りがちな現在の状況、また、法令の枠の範囲内でしか行動できないジレンマなどは十分に理解できるものの、それでもなお今日の教育委員会はどんな理念を踏まえ、その存在意義を自覚できるのか伺います。
 3点目。現行の地方教育行政法第23条には、教育委員会の職務権限が1項から19項にわたって羅列されておりますが、これらの無機質な条項に息を吹き込み、ぜひとも有機的な血が通った条文解釈をしてほしいのであります。さらに、これらの職務権限の向こうにどんな使命が見えてくるのか伺います。
 4点目。世間ではいわゆる聖域的な教育委員会と評されております。すなわち民主化されない、委員会に住民参加の動きが見られないとの批判があるわけですが、住民の方々がどんな役割を教育委員会に望んでいるのか、委員会はどうなってほしいのか、ひいては鳥取県教育の進むべき道筋などについて、一度でも住民の方々と話し合われたことがあるのでしょうか。あるとすれば、どんな意見集約がなされたのかを伺って、壇上からの質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)私は稲田議員の前の御職業を存じませんが、作家でいらっしゃいましたか。(笑声)失礼いたしました。
 すごいお話を伺ったのですけれども、青年はいつまでも青年ではないと思います。40代、50代、それなりに成熟をしてきているのだろうと思います。そういう中でやっぱり今の妻とのかかわりというのは大切にしながら、でもやっぱりその本質のところはちゃんと押さえたいという、その両方のバランスをどういうふうに押さえるかというのが一番大きなことだと思っています。むしろ4つの質問にお答えする中で、先ほどの一番初めのお話の所感としたいと思います。
 まず一番初めに、教育再生会議、8つのそうした提案がありました。それに対してどのような所感を持っているかという御質問だろうと思います。その一々についてはお話をいたしませんけれども、この幾つかは地方教育行政法の改正の中に織り込まれております。
 大きく2つの方向があったように私は認識しています。地域分権を推進する方向というのもやっぱり一つあったろうと思います。具体的には、例えば市町村の教育委員会に一部そうした人事権を移譲するであるとか、あるいは学校現場、とりわけ校長先生に権限を与えるとか、そういう方向というのは一つ打ち出していると思います。しかし一方で国の権限というのをより明確にするという形で、例えば県等の教育委員会に対して是正云々というような、こうした形とか、あるいは第三者評価をするに当たっても国が入ってはどうだとか、それから平成11年にたしか教育長の任命制というのはなくなったと思うのですけれども、それをもう一回議論に上げているとかと、こういうようないわば国のそうしたところを明確にする、権限を与えるという方向も出てきたように思います。
 それに対しての私の所感は、一つは地方分権の方向というのは賛成です。すべきだろうと思います。それから、国とか都道府県とか市町村が明確な役割を持ち合うことは大切だと思います。そういう役割を持つ、ただそのときの関係がパートナーシップであるべきだろうと、連携し合った関係。ややもすると今のような論調で改革の提言というのは上から下という意味合いがちょっと強いなという感じがして、これに対しては違和感を持っています。それからあと、この8つの項目の中で例えば教育委員の選び方というのに保護者なんかを入れるとか、その他いろいろな項目、そこら辺は賛成をしたいなと思っております。所感としてはそんなような感じのところです。
 第2点目の、教育委員会の理念とか現代における意義というようなことですけれども、教育委員会の一つの大きな理念というときには3つ挙げられるかなと思っています。1つは教育の中立性という問題。それから2つ目は安定、継続性。それから3つ目は御指摘いただいたレイマンコントロールというような、この3つで教育委員会を特徴づけているのだろうと。そういうときに、中立性という場合には、選挙だ何だで右に行ったり左に行ったりしないという意味で、一応首長部局から独立をしている。ただ、正直ちょっと中途半端かなという感じは持っています。
 継続性、安定性というのは非常に大切だと思っています。教育の成果というのは1年、あるいは2年、3年で出るようなものではなくて、10年、20年というような、そうした月日が要るものだろうと。私の尊敬する師に森信三という師がいるのですけれども、その森信三先生はよくこんなことをおっしゃっていました。教育というのは流れる水に字を書くようなもので、なかなか手ごたえがない。しかし本当に大切なことだからこそ岩に字を刻むような真剣さでやらなくてはいけない。そして教育に携わる者はその子供の10年、20年先の姿を思い浮かべながら取り組まなければいけない、こういうことをおっしゃっていました。まさにそうだと思います。だからこそ教育というのは持続性、安定性というのが求められるであろうと、こう思っています。
 レイマンコントロール。教育委員会がちょっと誤解されやすいというのは、多分教育委員会という中で、議員にお話しする必要は全然ないのですけれども、二重構造のような形になっていて、いわゆる教育委員は非常勤の特別職で、一般のさまざまな職業を持っている、あるいは生活体験を持っている者の委員と、それから、いわば行政のプロ、教育長をトップとしながら、そこの事務局があるという。狭い意味では教育委員だけのところを教育委員会と言っていますし、広い意味で全部をもって教育委員会と、こう言っているのだろうと思います。
 そういう中で、これをどうとらえるかですけれども、むしろこれは物すごく賢いやり方かなというふうに思っています。教育という問題はやっぱり人生にかかわる問題です。ですから物すごく深さも大切です。ですから教育行政のプロの視点ももちろん大切ですけれども、さまざまな人生体験でいっぱいいろいろなものを背負った、そういう感覚、多様な視点、広がりのある視点が織りなして初めて一つの教育というものが出てくるのだろうと。そういう意味ではレイマンコントロールというのは非常に大切なのだろうと、こう思っています。むしろ先ほどの例えから言えば、青年が成熟してきた、だからこそそのレイマンコントロールをきちっとやっていかないといけないと、こういうような形で私はとらえております。そして今というときに、先ほども子供たちの問題が出ていました。確かにいろいろな問題があり、そして時代が大きく変化している、こういう不透明なときに、複雑なときに、教育というものはそれこそプロの目と、それからさまざまな人生経験を持った、いい意味の素人の目が織りなして教育を考えていくという意味では、むしろこの制度は現代的意義があるのだろうと、こういうふうに思っております。
 3点目に、そういう中で教育委員会の使命とは何だという御質問、ミッションは何だということだろうと思います。確かに議員がおっしゃるように、法律にいろいろな役割が書いてあります。それに命を、生命をちゃんと持っていくというのはやっぱり人の問題だろうと。そのときに我々鳥取県の教育委員会のミッションは何かといえば、自立した、そして心豊な人づくり、こういうものをテーマに上げています。教育の目標はやっぱり自立だと思います。しかし、それは単に自分のことさえできればいいという自立ではなくて、心豊かというときに、先ほども御議論がありましたけれども、他の人のことを思いやるであるとか、あるいは豊かな気持ちを持っているとか、感性豊かとか、そういう心豊かな人づくりをどうしていくかというのがまさにミッションだろうと。
 そのためには何をするかというと、もちろん学校教育も大切です。しかし家庭も大切。地域での子育ても大切だと思います。それだけではなくて、文化振興やあるいはスポーツの振興や、あるいはすべての人が学ぶという生涯学習の場をどうつくっていくかということも大切であろうと、こう思います。さらに現代的にちょっと細かなことを言えば、危機管理も、もう一つ教育の場できちっとやらないといけないだろうと、こういうふうにも思っておりますし、それから学校と教育委員会の関係で言うならば、私はこれから学校がみずから立つという自立と、それからみずからセルフコントロールするという自律、この両方を学校が持つようにしていくというのが一つの方向だろうと思っています。そのために教育委員会がどう支援していくかというのが非常に大きなことだと。
 今言ったようなことを、ではこれからどうまとめるか、方向性をまとめていくかというのは、この教育基本法の中にもうたわれていた教育振興基本計画というのをこれからつくることになります。そういうところで、自立した人づくりと豊かな人づくりというので今言った学校の問題、家庭の問題、地域の問題、文化あるいはスポーツの問題全部を織りなして振興計画の中にいろいろな意見を取り入れて、それが確実に進行され、チェックをしていく、そして鳥取県の土壌に本当に教育というのが根づいていくというのが一言で言えば鳥取県教育委員会のミッションだろうと、こう思っています。
 本県の教育委員会と地域の方々との交流はどうかというお話だったと思いますけれども、昨年の1月からことしの5月までにおよそ20カ所ぐらいの小学校、中学校、高校、あるいは特別支援学校・学級、あるいはという中で、そこでの児童生徒、あるいは先生、あるいは保護者、地域の方々と何回もやりとりをいたしました。そういう中でどういうものがというのは、もちろん今の状況を聞くとか学校に対する要望とか、そうした部分も確かに出てまいりました。例えばあるときなんかは、先ほど携帯のお話がありましたけれども、高校生が、我々はつい若い者がという言い方をしますが、僕は携帯を使わないようにしているという、こういう高校生もあったり、いろいろな意見を聞き取りながら県の施策の中に入れ込んでいる、これも事実であります。一方で、我々教育委員がむしろ教育委員会として一緒懸命やっている「心とからだいきいきキャンペーン」、朝食を食べましょうとか外で遊ぼうとか本を読もうとかぐっすり寝ようとか、そういうことの状況を聞くとともに、直接子供や保護者の人たちにぜひこういうことも一緒にやりましょうという問いかけをしたりもいたしております。それから、県教育委員会の一つのあれとして、教育委員がやっぱり自分も発信していかないといけないというのでリレーエッセーをしようということで、ホームページにそれぞれがリレーで自分のいろいろな思いをホームページに載せて皆さんに見ていただく。
 しかし、今言ったようなことはある意味ちょっとイベント的かなと思っています。もっと大切なことは、まさにレイマンコントロールの思想になると思うのですけれども、それぞれがさまざまな職業や、あるいは地域活動や家庭人である、そういうことをしていますいろいろな方々とかかわります。そういう中で地域のいろいろな感覚を自分のものとしながら教育委員会にどう伝えていくのかという、これこそがむしろ日常的なものであろうと、こう思います。ただ、もう一点仕方のことを言えば、先ほど言った鳥取県の教育基本振興計画をつくる。その振興計画をつくるに当たって、そのプロセスの中でいろいろな県民の方の意見を、コメントいただくとか、そういう形でみんなでつくり上げた振興計画だと、こういう仕掛けをぜひ入れておきたいと、こう思っております。
 以上4点、お答えといたします。


◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)答弁を伺いました。何といいますか、聞いておりましてまことにペスタロッチの教育論を聞くような思いで聞いておりました。ただ、教育委員長、申し上げたいのは、確かに今大変理路整然と今日の教育委員会のあり方、向かうべき道筋についてお話しになったわけではありますが、私が今回こういう質問に立ったのは、私はその問題にはきょうは余り触れないのですけれども、先般来からのさまざまな不祥事といいましょうか、そういうものが出てきておる中で、県民の皆さん方は一体教育委員会は何をしているのだ、教育委員会の一つの無力さ、虚無感、そういったようなものを訴えておられることもまた事実だろうと思っております。そういう無力感は一体どこから県民の皆さん方に来るのか、あるいは今教育委員長がおっしゃった話も、またそれも当然のことではあるのですが、そういったもろもろの事情を深く考えてみると、一体そういう思いはどこから来るのかというと、先ほど私が冒頭にお話をしました物語なのですね。私自身がもしこの青年であると、私はやっぱり一つの非常に虚無的な感慨にとらわれて、ひょっとしたら立ち直れないかもしれないなという私自身の非常に意思の弱さもあるかもわかりません。教育委員長は、いやそうではない、そういう現在の結婚生活を踏まえて、でもいわゆる分権化の社会の中で何とかそういう教育を見詰めていくのだというお考えなわけで、しっかりした意思の持ち主だろうなと思うわけです。むしろ何かはざまに揺れ動くことが非常に人間らしくて、それなりの共感は得るわけです。でも事が教育でありますから、本当に国家百年の大計とも言うわけでありまして、教育でありますから、そういう逡巡、右顧左べんをするようなことではだめではないのかなというように思ってもおります。それについて、私はそういう考えなのだということを聞いて、再度教育委員長の所見を聞きたいと思います。
 もう一つお伺いをしたいのは、教育委員会と教育委員会事務局との関係を教育委員長はどういうぐあいにお考えになるのかということであります。これはよく例えが出ますので一般的な話になるわけですが、この鳥取県に例えると知事が社長で副知事が副社長で出納長が専務取締役の財務担当で、教育長は常務取締役の教育事業担当重役だというようなことになるわけでありますが、しかしそのほとんどの政策は教育委員会を見ながらも、教育委員会の顔色をうかがいながらも、しかし大半は教育委員会事務局が決めて、それをただ単に承認をするという形に教育委員会がなっておるのではないのかな、ただ単なるスタッフ、顧問、あるいはもっと言えば諮問機関といったような、いわゆる社外重役といいますか、そういうようになっているのではないのかなということも思うわけであります。この現状を教育委員長はどういうぐあいに把握をしておられるのか、これもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
 もしこれではだめなのだと、こういう教育委員会のあり方ではだめなのだということがあるのであれば、今の状況がこれでいいよということであれば、それはそれでいいのですよ。ですが、いや、これではやっぱりだめなのだと思われるのであれば、どういう対策があるのか、この教育委員会に県民の皆さんが抱いておられるむなしさ、虚無感、そういったようなものを、どういうぐあいにそれを払拭して、活力を教育委員会に吹き込むことができるのか、その方策があれば伺いたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)初めのほうの御質問ですけれども、一つは地方分権という方向といいながらも揺れ動くという、そういう御指摘でしたが、確かに私はどこかで歯がゆさを持っております。方向としてはもっと地方分権というところをきちっと押さえるべきだろうと思っています。ただ、教育委員長という立場からいえば、今というこういう制度の中できちっとやっていくというのが自分の使命だと思っていますので、ここで成熟した運営をしたいと、こういうふうに思っています。これが一つです。
 事務局との関係ですけれども、おっしゃるように教育委員会の形骸論というのがよく出てきます。それはひょっとすると事務局の案の追認だけに終わっているのではないかと、こういうことです。それは私も教育委員になったときからぜひそこはやめなければならないと。その当時からそんなふうになっているとは思いませんでしたが、私はやっぱり委員のほうから発信をするそういう教育委員会でありたいということで、我々自身が力を持つことだろうと、こういうようなことで我々の勉強ということ。それから仕組みとしては鳥取県でやっているのですけれども、実際に月1回や2回の定例教育委員会だと結果として追認しか仕方がなくなる。それに上がるまでに何回か研修会をやり協議会を重ねて、そして委員会の中でどうだと言うと。このプロセスは全部追ってますから、追認ということでは絶対ないと思っています。我々の委員で随分変わった内容があるし、我々から発信したこともあるだろうしということで、形骸化しているとは思えない。だからレイマンコントロールのよさを今後もぜひ進めていくべきだろうと。また事務局もこういう組織のありようというのをよく心得ていて、我々の意見を聞く、あるいは意見を言いやすい土壌とか、そのプロセスをつくっていってくれていると、このように私は思っています。


◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)そうすると、教育委員長は現在の鳥取県の教育委員会は十分に機能を果たしているというように思っておられるという認識でよろしいのでしょうか。
 実は、ちょっと議事録を繰っておりましたら、4年前に松田一三議員が代表質問の中で当時の片山知事と今副知事であります藤井前教育長と話をしておられるわけですね。それは松田議員がいわゆる中央集権化、形骸化に流れていこうとする現今の教育委員会はどうあるべきかという質問を、きょう私が質問したことと同じような質問をしておられるわけです。その中で、当時片山前知事いわく、一応の教育委員会という制度は認めた上で、運用上、構造上、意識の問題の諸点から手直し、改革すべきであると思っておる。当時の教育長であった藤井副知事はどういうぐあいに答えておられるかというと、教育委員会制度を十分に機能させるためには教育委員の皆さんが力を発揮していただくとして、ぼんやりではあるのですけれども、やはり教育委員会の能動性ということを強調しておられるわけですよ。あれから4年たっております。たしか16年だったように思います。4年たっておるわけでして、やはり4年前も多分私と松田議員とは同じような認識を共有していたのではないのかなと思っております。4年間たって、今、委員長は十分に機能しているのだということをおっしゃるわけですけれども、その4年前の認識に立てば、やはりそうではない、形骸化している、空疎化しているというような認識があったのだろうと思うのです。その辺を今どういうぐあいな、運用の面、構造の面、あるいは意識の面から、本当は藤井副知事に聞くのが本来かもわかりませんが、片山前知事に聞くのが本来かもわかりませんが、教育委員長としてはどういう点を手直しされたのか、是正されたのか、目に見えた改革点というのは一体どこなのだと、どこにそれがあるのだということを重ねてお伺いをいたしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)繰り返しになるかもわかりませんが、お許しください。
 物事を決めるプロセスをかなりつくってきたということが一つだと思います。ですから、研修会、協議会、何々ということでこれをやってきたということ。それから、それぞれが今教育課題は何だということを出し合うということをやっています。教育課題を出して、それを施策に乗せるのか乗せないのかという議論を協議会あたりでやっています。ですから事務局が出す議案だけではなくて、我々発信のこうしたものが幾つかある。例えば、一つ例を申し上げると、私が教育委員になったときに一番初めに言ったことは何かというと、姿勢教育をしたいと言ったのです。姿勢をきちっとするという、そういうことから主体性の確立があるということで、そういうことをぜひやりたい、そういうことを事務局やいろいろなところに話したら、事務局から出てきた案というのが「心とからだいきいきキャンペーン」なのです。要はそういうめり張りをつける生活をどうつくるかというときに出てきたものが、例えば朝食であったり外で遊ぶという、そういう延長上である。だから委員発信のものがストレートの場合もあるし、そこから参考になって今言ったようなものが出てきたこともあるという、そういう部分で随分それはあるだろうと。
 ただ、反省しなくてはならないというのは、例えば急にいろいろなことが起こった場合、危機に関することが起こった場合に、我々教育委員はやっぱり非常勤の特別職です。基本的に事務局は常勤のそうした公務員です。どうしても情報の入り方とかなんとかが、まず事務局へ来ます。事務局へ来るまでに非常に時間がかかったり、あるいは事務局であったことを自分たちがずっと調べてから教育委員へ知らせるという、そういうときにタイムラグができてなかなかぱっといけないということもあるのも事実です。それから我々がそんなにプロではない、むしろそれがいいわけですから、やっぱり教育におけるルールであるとかなんとかというのは疎い場合がありますから、そういうものはやっぱり事務局から教えてもらわないと仕方がないというときもあります。逆にそういう素人の感性をいろいろなところにぶつけていくというよさもあるだろうという、そういう両面はあるだろうと思っています。


◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)今、教育委員長の答弁が大変立派な答弁で驚いておるわけですが、それならばなぜああいう──私は今回の不祥事の話なんかしたくなかったのですけれども、本当を言うと──なぜああいうことが起こったのだろうかなと。
 今、いみじくも危機管理の問題をおっしゃいました。教育委員会の議事録も読ませていただいたのですが、委員長はこれをリスクマネジメントというような言葉で表現をしておられるわけです。ではなぜそういう立派な教育委員会がああいう事柄が、それだけのことをやっておられるのに不祥事が起こるのだろうということなのであります。盲学校の無免許の授業とか、あるいは人権救済の申し立てとか会計処理の問題とか、幾つかこのたび出てまいりました。これは氷山の一角なのか、あるいは盲学校という限られた学校の、特殊な学校の問題なのか、そこのところがまだ今の状況では明確にはなっていないわけですが、いずれにしても私がこの議事録を読ませていただいて、議事録全体から感じることは、まさに、何といいますか、第三者的評価、他人事、教育委員の方々の発言の中からはそういうものが受け取られるわけであります。非常に言葉としてはコンプライアンスだとかリスクマネジメントだとかというような言葉、あるいは学校の閉鎖体質だとか校長の違法性の認識だとかという、しゃれた言葉が躍っているわけですよ。ですけれども、一つやっぱり教育委員会としての能動的な認識、判断というものがなされない。それは構造的には確かに非常に委員の方はほかにも仕事も持っておられて、教育委員会の事務局に上がってきたものを判断をするという、そういうシステム上のこともありますから、しようがないといえばしようがないのですけれども、ですけれどもそれではやっぱり済まされない部分というのがあると思うのです。
 例えば、今、一つ申せば、コンプライアンス一つとってみても、コンプライアンスという言葉も、なぜ私は法令遵守と言えないのかなと私自身は思っております。リスクマネジメントもそうです。きょうは委員長が危機管理ということをおっしゃられたから納得をしたのですが、外来語にするとやっぱりその概念がぼけるのですよ。それがただそういう感性の中に流されていく、そういう傾向があると思います。ですから、そういった言葉一つとってみても、変だな、第三者的な評価だなという感じを私はこの議事録からは受け取りました。
 それと、コンプライアンスという言葉が躍っておりますが、この問題についても、何といいますか、私は今回の事件についてはコンプライアンスの問題ではないと思っています。むしろ人間としての常識だろうと思っております。常識が欠けておるというだけのことであって、コンプライアンス、コンプライアンスということを言われるわけですが、そしてその後の対策としても皆さん教員の方を集められたのか、関係者を集められてコンプライアンスだ、法令遵守だと言っておられるわけです。いい大人をつかまえて法令は守りましょう。これを生徒が見たらどう思うのでしょうか。そういったようなもろもろの事柄からしてみて、本当に今までずっと教育委員長が答えてこられた、いわゆる教育委員会の現在までのありようを、この不祥事一つをとらえてみても、そのとおりにはいっていないのではないでしょうか。そういう部分があるから、教育委員会に問題点があるから、今日のこういう不祥事も出てきておるのではないでしょうか。もっと能動的に、教育委員会というのは教育界の執行部のようなものですよ、言ってみましたら。だからそこがもっともっと能動的に動く必要があると思うのです。たしか私の記憶があれなのですが、浜田議員も何か能動的にやれというようなことをおっしゃったような言葉、私、耳の底に残っておるのですが、そういうものだろうと思います。余りにも外部的で第三者的な評価、もちろん第三者評価も必要なのですよ、必要なのですが、外部的な評価に思われるわけです。それが非常にある種の、私がこの議事録を読む限り無気力感、無力感、空疎感、そういったようなものに教育委員会の活動が受け取られるような感じがするわけです、その議事録を読むと。その辺、教育委員長の再度の認識を伺いたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)まず、稲田議員がそのようにお感じになるということに関して、やっぱりそういう部分がないとは言えないかもわからないということではおわび申し上げたいと思います。ただ、私も教育委員になって本当に、でも自分たちが背負っているという重みを物すごく感じます、実際。だからそんな第三者的な立場でやっていられるような話ではないというのは、それは私だけではない、全委員が感じていることだと思います。
 議事録を御確認いただいたということですが、先ほど言いましたように、そこに至るまでにはいろいろなプロセスでさんざんな議論をしてきて、そして定例のところで議事録に残すのは、例えばだれだれにこんな処罰を下すとかという、こういう話のところが出てくるので、ここで熱い熱い議論をしているというのは事実でして、だからそれは議事録だけでは読めないところはあるのだろうと、こう思います。ただそれがもし問題だと言われれば反省しないといけませんけれども、でもみんながそんな第三者的な立場でやっているとは全然思っていませんし、私も責任を感じてやっているつもりです。


◯副議長(上村忠史君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)もう時間がわずかになりましたので、もう1点だけ。
 教育委員長、昨年発表された教育委員会制度の抜本的見直しに関する規制改革会議というのがあるのですね。御存じだろうと思います。今後のいわゆる国会に提出する法案の作成作業の骨子をまとめる機関なのですが、その中で幾つか、いわゆる法案作成作業に留意点をまとめておられるわけですよ。その中の基本的なもの8項目ほど、附属的なものは他に5項目ありますから8項目になるのですが、その中の3つ、1、教育委員会の責任体制の甘さ、2、教育界の説明責任のなさ、3、危機管理体制の欠如という現状認識をこの規制改革会議というのがやっているわけです。これを委員長は多分読まれたことがあると思いますが、これはどういうことかというと、こういう形で結局国がやっぱり地方の教育委員会がそういった無力感を持っている、非常に空疎な感じがするということから、国が少しずつ少しずつそこに手を伸ばしていくわけですよ。そして結局は最終的には中央集権的な体制になってしまう。当初、一番最初、冒頭に話しました物語の話に結局は返ってくると思うのです。ですから、もっともっとこの地方の教育委員会がしっかりさえすれば、規制改革会議がこのようなことを一つの留意点なんかで上げる必要もないぐらいな能動的な活動をぜひ教育委員会にしていただきたいなということを期待を込めて申し上げて、所感を伺います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)エールとして受け取ります。基本的におっしゃるようなことを一生懸命やって、そういうようなことにならないような教育委員会でありたいと思っています。


◯副議長(上村忠史君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後2時20分散会