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平成20年5月定例会(第4号) 本文




2008年06月05日:平成20年5月定例会(第4号) 本文

       午前10時00分開議
◯副議長(上村忠史君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 19番湯原俊二議員


◯19番(湯原俊二君)(登壇、拍手)おはようございます。
 それでは、早速、一般質問を始めたいと思います。
 総合療育センター等の調理業務の民間委託について。
 このたびの5月議会に総合療育センター等の調理業務について、民間委託のための予算案が提案をされております。このほかにも今日まで指定管理者制度の導入がちゅうちょされてきたものが、一挙に民間へと提案をされております。私は今日まで民間でできることは民間でという姿勢で、議場でも何度も指定管理者制度の導入を提案してまいりました。しかし、なじむものとなじまないものがあると私は考えております。
 このたびの総合療育センター等の調理業務の民間委託については、そもそも知事のマニフェストや財政運営の誘導目標にあった職員定数5%カット、誘導目標基金300億円ありきであり、そのためシーリング的に中身の精査もさほどないまま怒濤のように予算カットが推し進められているのではないかと危惧をいたしております。先日、小泉政権の骨太の方針2006について、年間2,200億円の社会保障費の予算カットに言及をされた知事の所見を求めます。
 御案内のように、総合療育センターは重度の心身障害児者が対象ですが、食事はペースト状のものもあり、一人一人個々に対応しなければなりません。食事が気管に入ったりしては生命にかかわる問題になります。民間への発注はコストカットの意味がありますが、総合療育センターでは、単年度で480万円の人件費カットだけが民間委託の効果であります。債務負担行為の限度額で本当に今までの内容、レベルを維持できるのか。今日までセンターでは給食を日々研究・開発をしてきております。肢体不自由施設の全国大会でもその発表がされていると聞いておりますが、本当に民間委託で、それも3年間更新のやり方で維持、向上できるのか、知事の責任ある答弁を求めます。
 次に、専攻科問題に見る人材育成のあり方について。
 この議場での専攻科問題や人材育成についての質問を聞いていて、私とは考え方が違うな、価値観が違うなということがしばしばあります。先日の教育長の人材育成とは、知・徳・体のバランスある発達の答弁を聞いて少し安堵をいたしましたが、議場での質問で、今日までに、世界、全国に通用するリーダーを輩出することが人材育成であり、東京大学を初めとして偏差値の高い大学に何人入学したとかが教育県かどうかの尺度であったり、人材育成の中身であるかのような話を聞くと、改めて私の価値観とは違うなと思うのであります。
 先般、県西部地域のある実業高校の80周年記念事業に参加をさせていただき、改めて感動を覚えました。その実業高校の卒業生の多くは、7割前後が地元に定着をし、沿革から拝見しますと、開学当初は、商蚕から始まり、農業、工業、商業、今では情報、環境、調理などへと、時代のニーズ、時代が、地域が求める人材の要求に合わせて進化をしてきております。私はまさに地域の人材育成とはこういうことだと考えますが、教育長の所見を求めます。
 私は県東部、西部地域の専攻科は廃止をすべきと考えますが、一方で存続をさせたいという方から、例えば次に上げるような議論が聞こえてこないのが残念であります。経済状況が厳しくなったから、専攻科に入る生徒の選考に一定程度の成績と保護者の所得制限を設ければ、より保護者の経済状況が厳しい生徒が入れるとか、また、県西部地域で言えば、米子東高への配置ではなく他の高校に設置をすべきではとか、全国で唯一鳥取県だけがこの種の専攻科を設置しておりますが、他の全国の多くの自治体のように、県内の他の実業高校に専門の専攻科を幾つか設置すべきとかというような話や、島根県などのように保護者が設置する補習科という話は聞こえてこないのであります。
 先ほどの重症心身障害児者対象の総合療育センターの、ある意味で命にかかわる部分は反対の声が小さいからと民間に委託を出しながら、一方で定員的には全員が大学に合格できる全入学時代にあって、偏差値の高い大学に入りたい生徒のため、またその保護者の強い要望、声が大きいからと公費で専攻科の存続、民間委託をしない方針が優先順位としていかがなものかと思います。個別的に専攻科があったほうがいいのか、ないほうがよいのかという議論だけではなく、他の事業と比較して優先順位を考えるべきと思いますが、教育長の所見を求めます。
 最後に、私立学校の耐震化について。
 中国四川省の大地震を受けて、政府では公立学校の耐震化に向けての補助事業や交付税措置が拡充され、自治体負担も1割になるような話もあります。私は、県内の私立学校の経営者の皆さんにも、事あるごとに耐震化に向けた調査、診断、補強、改築を進めるよう要望をしてきております。しかしながら、私立学校では少子化の中で生徒数が減り、単価制のこともあり、将来的な財源確保が難しい状況で、調査、診断も含めなかなか進んでおりません。昭和56年公布の耐震基準を満たしていない校舎が多くあります。わずかに調査、診断したものも危険と判断され、そのままになっているものもあります。県として一定の補助事業があるにしても、知事は現状をどのように見ておられるのか、建学の精神はわかりますが、次世代を担う子供たちの問題であります。知事の所見を求めて壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)皆様、おはようございます。
 湯原議員の一般質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、総合療育センター等の調理業務の民間委託につきまして御質問をいただきました。議員のほうからお尋ねいただきましたのは、私のほうでマニフェストなどで書いておりますが、5%カットの職員定数削減や誘導目標基金300億円ありきということで、怒濤のように予算カットが推し進められているのではないか、その観点で総合療育センターの調理業務の民間委託が行われようとしているのではないか、これについて所見を問うというお話でございます。
 私は、この議場でもたびたび湯原議員がおっしゃっていましたけれども、民間でできることは民間でやるべきだろうというように思います。これは湯原議員もたびたびおっしゃっていましたが、公と民との関係を問い直すべき時代に来ているのではないか。私はこれに実は共鳴をいたしております。すべてを公が担うそれだけのキャパシティーを県庁あるいは市町村が持ち切れるかどうか。多分その能力には限界があるのだと思います。
 片方で福祉だとか医療だとか、あるいは公共投資なんかも含めまして公共に対する期待というものは大きいわけでありまして、これはどんどん膨らんでいくわけでありますが、しかし、片方で市民社会が成熟をしてくるわけでありまして、企業活動もすばらしい技術革新とともに成長しているわけであります。ですから、さまざまな分野で今までこれは公がやるべきだというふうに漫然と考えていたことを一つ一つ点検をして、その一つ一つを吟味しながら民の領域へと移していくことが必要ではないか。これはもちろん公共のほうのダウンサイジング、行革の問題もあるかもしれませんけれども、私はそれ以上に公と民とのバランスを整え、そして民間でできる力をますます伸ばしていただく。そして民間の皆さん、住民の皆さん、あるいは企業の皆さんがいろいろな知恵を出して、創意工夫で、役所だと規則でがんじがらめになってしまうようなこと、これを自由な発想で住民のサービスの向上のために費やしていただける、そういう期待を込めて民間のほうにシフトをしていくというのが基本的な姿だろうと思います。
 そういう観点で、この総合療育センターですとか、今回、皆成学園も含めましたが、給食サービスのところを民間のほうに移せないだろうかと、こういう検討をしていたわけであります。単純に私どものダウンサイジングの観点で定員をカットしたいからということではありません。また、財政改革に飛躍的に資するからということだけでもありません。と申しますのも、一時的には私どものほうで民間に移転をすることで急にカットできるように思いますけれども、ただ、定員は、職員の皆様は生身の人間でございますので、その方々を他の組織で活用しながら民間のほうへとその業務ごと移管していくということでございまして、必ずしもそこはバランスとして一挙にダウンサイジングになるわけではありません。
 ただ、私どもも今回吟味をいたしました。そして、いろいろ悩みました。特に総合療育センターは、医療の現場として非常に特殊な現場である。特に重度の障害を抱えるお子さんたち、それに対する親御さん、保護者の方々の期待も厚いところでありまして、食事を与えること自体が療養であるという面もありますし、食事の与え方自体も、例えば普通の病院食ではなくて、よく刻んでだとか、よくペースト状にしてだとか、あるいはそのバランスを考えるとか、いろいろな意味での考慮が必要になってきまして、正直申し上げて普通食以外のお子さんに供給をしているのは、総合療育センターの給食センターでは4割以上はそういう特殊な特別食を供給をしなければならないわけであります。ですから、これが果たして妥当するかどうか、非常に悩ましい選択でありました。
 ですから、現場の栄養士さんだとかにも、既に導入をした県のほうに行っていただいております。愛媛県とか、山口なんかも先に導入されていますが、そういうところにも問い合わせをさせていただいたりして、現場で妥当するかどうかということを主眼に置いて検討させていただきました。さらに、今年度に入りまして、保護者の皆様にも総合療育センターから説明を差し上げて、いろいろと議論をさせていただいた上で導入をしようかと、こういうことになったわけであります。それで私のところの知事査定段階で急に上がってきたような格好になっていますが、調整に随分時間がかかったので、そういうことになったというふうに私も伺っております。
 ですから、私自身も非常に悩ましい判断ではありますけれども、ただ、現場で妥当する、これでさらによりよいサービスにつなげていけるかもしれない、しかも公の分野でなくて民間でできることかもしれない、そのチャレンジする値打ちがあるのではないかという御提言なものですから、私としても是認すべきものかなと思いまして、今回この予算の中に入れさせていただいた次第でございます。
 2点目といたしまして、総合療育センターは一人一人個々に対応しなければならない、本当にこの計画でセンターで給食を民間委託で維持向上できるのだろうか、3年間というような限定の期間でできるのだろうかということであります。
 悩ましい選択であったが以上、我々としては先行して実施をしているところのお知恵もいただきました。正直メリットだけではなくてデメリットも出るだろうというふうに予想しておりまして、そうした両面からお話を伺いまして、デメリットになりそうなところはできるだけシャットアウトをしていく、そしてメリットになりそうなところを取り入れていくということを考えております。
 詳細は福祉保健部長から御答弁申し上げたいと思いますが、例えば私どもでも栄養管理士を持っていまして、この栄養管理士、引き続きセンターの食事がうまくいくかどうか監視をしようではないか、しかも受託をする側でも同じように栄養管理士をダブルで持っていただく、これを条件にしてはどうだろうか、それから、地産地消ということもありますし、安心な食材ということもありまして、地域で産する我々の鳥取県産の食材というものを6割以上使うことを条件にしてはどうだろうか、なるべく生鮮食品については冷凍ということにならないように配慮してもらうようにしてはどうだろうか、こういう条件をつけながらの委託を考えてはどうかというのが今のプランであります。
 次に、私立学校の耐震化についてであります。
 このたびの四川省の大地震を見まして、皆さんもあっけにとられたと思いますが、小さな命が次々と失われたわけであります。大変な人命が失われる中で、特に子供たちが多かったというのは残念なことだと思います。その原因となったのは、手抜き工事、欠陥工事ではないかと報道されていますが、中国側の学校建築の実情にあったわけでありまして、現にあの倒れ方を見ますと日本では起こり得ないような建築が行われているのだなということが考えられます。中国も日本と変わらぬ地震国でありながら、そこに対する認識がいま一つ深くなかったのではないか、そんなような見方をする識者も多いわけであります。
 今回の四川の大地震の状況を踏まえて、私どももこの耐震化についてきちんと向き合わなければならないだろうと思います。小・中学校、これは市町村の役割、一部私立学校もあります。高校は我々の役割、そして私立学校もあります。それぞれの分野でみずから汗をかいてやっていかなければならないことでありますが、促進策も私ども正直なところ必要だと思っています。一挙に耐震化を進めるには、今の財政状況の逼迫した中で、私立においては子供たちの募集が少子化でままならない中で厳しい状況にありますので、その辺について国の制度を私たちとしてはぜひに要望したいと思っております。
 今回、自公民の3党が先月末に合意をしたという報道がなされておりますのは、小・中学校の耐震化について、法律をこの国会の中で出そうではないかという報道でございます。もともと民主党さんのほうで小・中学校の耐震化についての法案を出されていたわけでありますが、自民党の河村議員、山口県の議員らが中心となりまして、そうした与党側での話し合いもあって、今、自公民3党でまとめようではないかという流れになっているという報道であります。私はこの報道を歓迎したいと思いますし、ぜひしていただきたいなと思うのですが、残念なのは、やはり政策の立案過程でちょっといびつになっているのかなと思うところがあります。すなわち小・中学校の耐震化ということになっていまして、かつての民主党の案でも中学校に限って、私立の中学校の耐震化に国や地方自治体は配慮すべきという、そういう法案になっていたと伺っております。
 ですから、小・中学校の分野はいいのですけれども、高校だとか、ほかの学校分野が置いていかれるというのがどうも解せない感じがいたします。これは伝統的に公立の高校であれば交付税という地方財政上の措置もありますので、それは県のほうで責任を持ってやってくれと、そういう仕組みにもともとなっている。私立の高校のほうもよくわかりませんが、建学の精神なんかもあると、自立自助の精神でお金を保護者の皆さんから集めるなりして、そして建てればいいのではないかと、こういう伝統的な論理になっているのだと思います。
 しかし、現状を申し上げれば、子供たちの数は大都市部の学校と違い地方部は減少しておりますから、そういう意味での手当てが本来必要なところにもってきて、今新しい耐震化という需要にたえられるだろうか、私学はどうだろうかという問題があります。高校をつかさどっている私どもも、今、計画的に耐震化を進めようとしておりますが、さらにスピードアップを四川地震で考えようと思いますと、国のほうでもう一つの措置があってもいいのだろうと思いますが、これは政策的な先入観だろうと思いますが、残念ながら小・中学校のほうに限られているという状況になっています。
 国に対して、よくこうしたところを働きかけてまいりたいと思いますし、その状況も見ながら、国のほうの対応状況も見ながら、今、法案が出されるというふうな話になっていますので、状況を見ながら県として何ができるか、これから現場の学校の意見も聞いて考えていく必要があると考えております。


◯副議長(上村忠史君)磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)総合療育センターの調理業務の委託に伴う給食の維持等について補足答弁いたします。
 先ほど知事も御答弁いたしましたが、この総合療育センターの給食の委託につきましてはいろいろ協議を重ねております。知事も申しましたように、まず安全な食事が提供されないといけませんので、昨年から総合療育センターの職員と私どもの職員とが先進県の愛媛県のほうに出向いて現場を見、そこでいろいろ協議をし、これなら妥当だという結論のもとにこの委託事業に向かっております。
 それで、やはり委託になりますと詳細な仕様書とか、きちんとオーダーを出していかないといろいろなトラブルが起きているということもお聞きしたり、県食材の調達方法とか、さまざまな面で工夫が要ることがございます。そのために、引き続き栄養士さんを配置いたしまして、先方の責任者の指導とか監督を行うことにしておりますし、先日も総合療育センターのお母様方とお会いすることがございましてお話を聞きましたら、給食の試食会等をしてほしいという御意見がございました。もっともなことなので、それはしてまいりますというお話もいたしましたし、さらにこれから業者選定とかに予算が認められましたら入っていくわけですけれども、その中にも委員として入っていただくことになると思います。
 3年間がどうかというお話なのですけれども、債務負担行為については5年間という考え方もございますが、初めてのことでもございますし、最近の石油や小麦等いろいろなものが上がっておりますので、とりあえず3年間が適当と思って向かっております。民間委託後も給食調理業務が円滑に引き継がれますように、早目に検討というか、準備にかかる所存でございます。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)湯原議員の御質問2点にお答えを申し上げます。
 まず、1点目ですけれども、私の議場での答弁を聞かれて、その答弁の内容は全国とか世界に通用する人材の育成とか、あるいは高いレベルの学習、学びとか、そういうふうなことになっているけれども、それは自分の人材育成観とちょっと違うのではないかと、違和感を覚えるというふうなことでございました。卒業生の多くが地元に就職してとどまっていらっしゃる学校の例を挙げられて、そういうふうな地元でしっかり活躍できる時代のニーズを受けとめた教育の中で人材育成することが大事ではないかと、そういうお尋ねでございます。
 先般、私のほうで浜崎議員の代表質問のときに申し上げましたことの中に、さっき議員から御指摘のありました、全国、世界に通用する人材の育成、高い学びをしっかりしていくというふうなことを申し上げましたけれども、これは中高一貫高校ですね、こちらのほうに主として特化して申し上げたというふうなことでございます。以前、専攻科についても、それにちょっと近いようなことも発言していますけれども、主としては中高一貫高校の教育理念ですね、そこのところに特化して申し上げたというふうなことでございます。
 私は、知・徳・体が大事だということは非常に深く心に思っておりまして、教育長に就任以来、知・徳・体のバランスのとれた教育ということを、まず何よりも第一に上げてずっと取り組んできたところであります。例えば心とからだいきいきキャンペーンをしまして、これでしっかり本を読んだり、外で元気に遊んだりというようなことを通じて徳や体をしっかり伸ばそうというふうなことをしましたし、高校生の通学のときのマナーをきちんと大人みんなで見ていこうというふうなこともしました。それから読書に力を入れたり、体験的なことに力を入れたり、学校での道徳の授業の充実も学校のほうに呼びかけてしっかりしてもらうように話をしてきました。そういう意味で、徳と体を私は大事にしてきたつもりでありますので、学力だけがすべての教育だというふうには思っておりません。ですので、その辺のところは私の説明の仕方が悪かったかなというふうに思って反省はしておるところであります。
 専門高校の話がありましたけれども、専門高校も高等学校の教育改革の中で非常に大きな力を入れました。新しく学科を再編成しまして、教育課程とか、それから設備も物すごく大きな力を入れてやってきたところでありますから、地元のほうにとどまってくださる皆さん方への教育のほうの配慮は十分にしているというふうに思っているところであります。ただ、普通科高校にしても専門高校にしても、子供たちは夢を持って、あるいは自分がこういうふうな仕事につきたい、こういうふうに生きたいということを考えて進んでいきます。そのときに、その夢や希望や自分の考え方を本当に実現できるためには、いろいろな形でも学力というのはしっかりつけておかなければいけないということは一方には絶対にあると私は思っています。そういう意味で、確かな学力とか、学ぶ意欲をしっかりつけて、高い学びを目指していくというようなことも一つとしては大事なことだろうと思っています。ただ、それが教育のすべてではないというふうに思っているところであります。
 そういう意味で、繰り返しになりますけれども、本県の教育、知・徳・体のバランスを持った教育の中で、それをしっかり兼ね備えた人材を育成するというふうなことを、しっかり県民挙げて全県的な視点から取り組んでいくことが必要かなというふうに考えているところでございます。
 2点目でございます。専攻科に関して、個別的に専攻科があったほうがよいか、ないほうがよいかという議論だけではなくて、他の事業と比較して優先順位をつけて考えてはどうだというふうな、そういうふうなお尋ねだったと思います。
 今、専攻科の議論がなされていますけれども、これは他の事業のバランスのことももちろんありますけれども、それよりむしろ今ある専攻科そのものを差し当たって存続させるのかどうかということが今論点になっているのではないかというふうに思っています。
 専攻科のあり方については、御意見のとおり私も民間に任せるべきものは任せるという、この方針は絶対間違いないと思っています。大事にすべきだという認識は十分持っているつもりであります。ただ、そのときに民間での受け皿がしっかりあるかどうか、あるいは専攻科をその上でいましばらく存続させるのはどうかというようなことを論点としてしっかり考えていく必要があるのではないかなというふうなことを申し上げているつもりであります。
 いずれにしましても、専攻科の存続につきましては、県の教育委員会は方針をちゃんと持っておりまして、平成17年の11月の教育委員会で、21年度から東部と西部については廃止するというふうなことで動いておりますので、これに従っていっているところでございます。新たな局面があれば、また改めて検討が必要かもしれませんけれども、今そういうふうな方向で動いているところでございます。


◯副議長(上村忠史君)19番湯原議員


◯19番(湯原俊二君)御答弁いただきました。順次追及をさせていただきたいと思います。
 療育センターの件ですけれども、知事から御答弁いただきましたけれども、まず、私も以前から知事もおっしゃったように民間でできるものは民間でと、その趣旨で再三、指定管理者制度というのが国の方針で決定になる前から、県行政の中で民間でできるものは民間委託あるいは外注したらどうですかということを言っておりましたので、趣旨は一緒なのですけれども、ただ、私が申し上げたいのは、知事は官としてダウンサイジング、行革ですね、小さくする以上に民間でできることは民間で、自由な発想でという答弁でありましたし、現場でいろいろな声を聞いて、部長の答弁もありましたけれども、愛媛県に行って大丈夫だということでありましたが、是認すべきものということでありましたが、私は改めて再度になるかと思いますけれども、今回、この5月定例県議会にかかっている他の指定管理者制度に移行するものが幾つか出てきています。今までちゅうちょしてきたもの、あるいはいろいろな議論で今までは指定管理者制度、民間委託はなじまないとされてきたものが、今回突如としてというふうにとらえたらいいのかどうかわかりませんけれども、結構幅広く出てきているのです。梨記念館もありますし、境港の卸売市場のこともあります。
 今まで私はどちらかというと、そういったところは極端に命にかかわる部分ではないですから、したらどうですかというような視点でこの議場でも言ったことがあるのですけれども、行政の答弁としてはいろいろな当事者間の問題とか、あるいはナシのことに対しては観光施設より博物館機能でとか、そういった理由でさまざまな問題が今までは理由をつけられて、官で、そちら側で、行政側で持っていたものが、今回、一挙に療育センター、皆成学園等ほかのものも一緒にですけれども出てきたものですから、私はその根底にあるのは、先ほど来申し上げている、先日も議論ありましたけれども、小泉政権時の2006年の骨太の方針のように、総額が決まって、ではどうしようかというときに、たんたんたんという、一律に民間委託にすることによってダウンサイジングするほうの一端がたまたまここに出てきたのかなというふうに私としては見えたものですから、質問をしたわけであります。
 知事は、そうではなくて個々で精査しているよということでありますけれども、ぜひその中でも、こういった知事もおっしゃったように、ペースト状あるいは刻みの部分で4割以上が特別な個々対応の食事と答弁でおっしゃいましたか、私の冒頭の質問でも申し上げたように、気管に入ったりとか一般食とは違うわけでありますから、そういう意味ではやはりどこから行革をするにしても、これは平行線になるかと思いますけれども、取捨選択はぜひ間違えないでいただきたいなという思いで再度お伺いをしたいと思います。
 部長答弁では、知事答弁でもありましたけれども、愛媛県に保護者の皆さん方と行かれてという話がありましたけれども、私に別なチャンネルから入ってきているのは、県立施設で先行している愛媛県では、先ほど知事答弁では、地産地消とか、あるいは生鮮食料品を6割以上という答弁がありましたけれども、愛媛県ではなかなか食事の融通がきかないとか、あるいは冷凍食品をどうしても使う傾向、民間委託すると、それこそ上限が決まっている部分もありますし、利潤追求の部分という民間の会社というところもあって、そういったところが優先されることがあると。
 ましてや、今まで総合療育センターでは、肢体不自由の施設の全国大会で発表するぐらいスキルアップしてきているわけですね。そういう状況でありながら3年更新ということになると、部長はいろいろ小麦が上がったとか、食材が上がったというような理由を上げておられましたけれども、それはあくまでもそろばんのコストの話でありまして、実際の利用者側の立場に立てば、やはりできるだけ長くスキルアップする、その辺がと思いますけれども、この辺について再度お伺いしたいと思いますし、あえて申し上げますと、知事の答弁の中で栄養管理士を受託側にも置いてもらってダブルでということもありました。それから部長答弁でも保護者の人のことをおっしゃっていましたけれども、あえて私は申し上げると、民間委託してこの部分で危惧するのは、冒頭申し上げましたが、やっぱり官がこうしてほしいという部分と、特に命にかかわる部分ですので利用者側の声、これがこうしてほしいというのが情報の共有と、その検証ですね、チェックがスムーズに、円滑という言葉がありましたけれども、できるようにしていただかないと、なかなか命にかかわる部分ですので、その辺のところをしていただきたいと思いますけれども、これについて答弁を求めたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)湯原議員から重ねて総合療育センターなど、民間委託についてのお尋ねをいただきました。
 最前申しましたとおり、民間でできることを民間でする、公と民との関係を見直そうではないかという一環で、このたび種々動かしているものがあります。御指摘のように、従来とは方針転換に見えることがいろいろあると思います。
 1つは、二十世紀梨記念館につきましては、これは確かに私のほうで方針転換をいたしました。理由は、中部の観光関係の方とか経済界の方とか、いろいろとお話がありましたのは、二十世紀梨記念館が博物館化してしまった関係で、お客さんを歓迎しなくなったと。それは見る人の御意見ということだろうと思いますけれども、ただ、そういう意味で、例えば三朝の温泉に泊まって、その人たちに対する、受け入れてキャンペーンをして、地域の魅力を伝える、二十世紀ナシを通して鳥取県をアピールする、そういう機能が低下したのではないかという、そういう御指摘がありました。
 それを調べてみますと、私がちょっといなかったときではありますが直営化しようということで、博物館としての研究施設にしようというお話でありました。ただ、私は二十世紀梨記念館についていえば、これは研究するというのは片方では園芸試験場などもございますし、それについて博物館的に過去の資料を保存をするということはあるかもしれませんけれども、それを公開しながら二十世紀ナシの魅力をアピールすることもできるわけでありまして、観光施設的にこれを用いること、記念館を用いることは決して不可能ではないと思いますし、そちらのほうがむしろ設立の趣旨に合っているのではないかと思いました。ですから、現場のほうで検討をしてもらいました結果、それだったら、むしろ民間に委託といいますか、指定管理者制度に乗せるような形で観光の観点を取り入れたような施設経営に移行したほうがいいのではないかと、こういうことでありまして、今回、御提案をさせていただいたところであります。
 境港の卸売市場につきましては、私の就任前から卸売市場を指定管理制度にしようという、そういう動きがありました。ただ、地元で大変な反発がありました。私、就任いたしまして、最初の6月議会のときだったと思いますが、地元で話し合いをするような、水産の事業者だとかも入られて検討する組織を立ち上げました。この中で議論していただいた結果、むしろ地元として組織をつくって、これを指定管理制度で受け入れてやったほうがいいのではないかと、こういうことになったそうでありまして、それにあわせて市場を管理するのであれば漁港施設も一体的に管理したほうが効率的でありますし、その趣旨もかなうだろうと、こういうことがありましたので、これをあわせて指定管理制度に出そうというような提案に今回至ったわけであります。
 今回の御指摘いただきました総合療育センターにつきましても、私どものほうで一般的にやっております民間委託になじむかどうかのテストを内部でさせていただきました。それをクリアしたということでございますが、その状況につきましては総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
 愛媛県とか、そうしたところに調べに行った状況ですとか、いろいろな今後の心配に対する手当てなどにつきましては福祉保健部長からお答えを申し上げたいと思いますが、おっしゃるように、最終的には住民の皆様、利用者の皆様の利便にかなうかどうか、これが最大のテストだと思います。ですから、今後委託するとなりますと、これから業者の選定だとかにかかりますが、その際には、そうした利用者の方々にも入っていただき、また、実際、導入した後の給食の運営に当たっても、利用者の方々も入っていただいて監視をしていただいたり意見を出していただく、そういうシステムが必要だろうと思っております。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 柴田総務部長


◯総務部長(柴田正顕君)補足して答弁をさせていただきます。
 県といたしまして、民間との役割分担を踏まえながら、県業務の民間委託を推進しているところでございますけれども、その際に、どういうものが委託に適しているのかを検討しております。主に6項目で検討しております。その内容を御紹介申し上げたいと思います。
 まず、法律に抵触しないということが大前提でございます。調理業務でいいますと、平成18年の4月以降に規制緩和によりまして業務委託が可能になっておりまして、まず、この点をクリアするかどうかということ。それから、コストが低下して経済性とか効率性が委託によって期待できるという点。3点目といたしまして、行政サービスの向上が期待できるということ。現行の給食の水準が維持できるかどうかといったようなこと。それから4点目といたしまして、民間の方のほうが臨機応変、あるいは弾力性を持って対応できる業務であるかどうかという点。それから、委託をいたしましても、やはり県の施設でございますので、県としてきちんと行政責任が果たせるような形で委託ができるかどうかという観点。最後に、受託能力のある業者が相手方であるといった点。こういった点を中心に検討いたしまして、総合的に勘案して、その業務が民間への委託が可能であるかどうかを検討したところでございます。


◯副議長(上村忠史君)磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)重ねての御質問にお答えいたします。
 確かに議員おっしゃるように、心配な面は考えられると思います。ですけれども、再度、愛媛のほうに問い合わせましたら、最初の導入時はちょっと混乱した面もあると。私どもが行きましたのがちょうど委託されて7~8カ月の時点でございました。今はスムーズにいっていると。その分、栄養士さんが手があいて、頻繁に子供たちのほうに行けるようになったというお話も聞いております。それと、鳥取県内の近くの障害者の施設でこの4月から導入された方とお話ししたのですけれども、やっぱり1カ月は混乱が生じたと。だけれども今は落ちついてうまくいっているというお話もございました。ですから、私どもも早目に準備にかかりまして、その辺きちっとうまくいくような仕様書なり打ち合わせをしてまいりたいと思います。
 それと、委託してからもやはり利用者さんのお声が一番大切でございますので、その辺のところのお声を聞きながら、順次うまくいくように努めてまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)19番湯原議員


◯19番(湯原俊二君)総合療育センターで再度答弁いただきました。
 知事からもありましたし、知事、最後に利用者側の立場に立つということでチェックできるシステムをということで、総務部長からも幾つかの項目の中で行政責任が果たせるということもありましたし、それから福祉保健部長からも、導入時の混乱のことをちょっと言及、結構正直におっしゃったのかなと思いますけれども、事前にわかっているようなことは、導入されるときに他の先進県ではこういうことがあったのでということで、できるだけクリアをしていただいてと思っています。ぜひチェックできるシステムをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、専攻科問題についてでありますが、教育長、ちょっと誤解がありまして、教育長が人材育成について全世界に、日本に通用するリーダーを輩出することが人材育成だということをおっしゃっているというふうには僕はとっていませんので、教育長が先日の答弁なんかでも、知・徳・体のバランスある子供たちの発達を育てるような形ということで答弁されたので、私も安堵をしましたということで申し上げています。
 ただ、私が申し上げているのは、全県的といいますか、高度経済成長以降の高学歴化みたいな時代の中にあって、国民の中にも、私も含めてですけれども、学歴というものがやっぱり余りにも神話といいますか、学歴さえ高ければ、その高いとは何ぞやという話もこれまた出てくるのですけれども、そういう我々県民の中にも、国民の中にも、そういう意識が根づいてしまっているがゆえに、私はそれに対して価値観は違うと思うし、違った人材育成のやり方をというニュアンスで申し上げているところであります。
 ただ、生徒に対しては、教育長は、夢や希望があって実現するためには学力はある程度必要ということで、そういうことかなと思いますが、専攻科のところで議論としては、今ある専攻科そのものをどうするかという議論であるし、教育委員会としては平成21年度廃止ということで東部、西部についてはその方向で進んでいると。改めて何か局面が出れば別だというような答弁でありましたが、その前段として、専門高校に対する言及があったと思います。対応はしているということであったかと思いますけれども、ただ、私、一つ感じられるのは、これは思いでありますのであれですけれども、先日も福間議員の代表質問で、30年前のトラクターを今使っているというような話があって、これで「食のみやこ」がどこまでできるのかな、そのための人材育成がどうなのかなというふうに思ったりもしましたし、あるいはずっとこの間、数カ月間にわたって盲学校等の不祥事の話がありました。人事の問題なんかもありますけれども、私の見方がちょっと間違っているとしたら正していただきたいのですけれども、何かしらやっぱり進学校を優先しているような、そういう感じが私はするのです。進学校優先で、実業高校とか特別支援教育をするところは、どちらかというと、その後にいろいろな問題でしているのかなという、予算措置等々いろいろ含めてそういう感をしております。そういう思いを持っております。御答弁されるかどうかは、御判断お任せします。
 もう1つは、専攻科に関して民間でできる、民間での受け皿があるかどうかという御答弁がありました。
 私は、高校3年を卒業して浪人する場合、専攻科というものが、教えていらっしゃる先生は高校1、2、3年間の先生がそのまま専攻科で教えていらっしゃるわけでありまして、特別今までより物すごく上達──先生は一定レベルの高い先生でありましょうけれども、新たなことを教えるというわけではないと思うのです。私は専攻科がもし有益性がといったら、1年間、大学進学、高等教育機関進学のためのその環境、ほかのことよりもそれに専念できる環境がつくられることが一つの効果なのかなと。教師陣が何かを教えてくれるとかなんとかではなくて、1年間進学のために勉学に励めるその環境をつくられるということであろうかと思います。
 民間での受け皿の答弁をされましたけれども、私はそういう意味では別に公立高校にある必要もないと思いますし、民間のそういったところでも実際にはできるというふうに思っておりますけれども、教育長の御答弁をいただきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)2点御質問をいただきました。
 1点目は、トラクターの話がありましたけれども、トラクターすべて30年前のものではありません。もちろん最近のものもそろえておりますので、すべてほったらかしにしているというような、そういうふうなことは決してございませんので申し上げておきたいと思います。
 進学校のほうを優先している、専門高校のほうをおろそかにしているのではないかというふうな感じにちょっと私は聞いてしまったのですけれども、さっき申しましたように、専門高校を再編成して校舎を新しく建てかえて、新しい機械を入れたり設備を非常に重視して、財政的にも相当力を入れてきました。ですから、行っていただけるといいと思いますけれども、教育内容も設備的な面も多分非常によくなっているというふうに思っています。ぜひごらんいただきたいと思います。そういう意味で、財政的な面からいったら、普通科よりもはるかに専門学科のほうに大きな財政的な支援をしているということは間違いないし、教育内容についても頑張って支援をしているというふうに思っているところでございます。
 2点目です。専攻科で民間の受け皿というような話にかかわって、専攻科は指導する側の問題ではなくて、生徒たちが1年間勉強のほうに専念できるような環境が大事ではないかというふうなお尋ねでございますけれども、私もそういう点では専攻科に限らず場所をきちんと確保して、そこで自分が1年間本気になって死に物狂いで勉強していくというようなところは必要だろうと思っています。それは同感であります。
 ただ、受け皿という点に関して申し上げますと、今専攻科を置いている学校は進学を希望する生徒が多いです。大学進学に力のある、あるいはそういうふうな何といいますか、今までの経験といいますか、ノウハウがたくさんある学校があります。そのノウハウなんかを生かして、そういうようなことを知っていらっしゃる方があるところについては、環境の面で場所とともに今までのノウハウを生かしたすぐれた指導みたいなものがそこにあるという部分もあると私は思っていますので、そういう意味での環境の中の一つの要素として、進学者の多い学校にあるというのは今のところ意味があるのではないかというふうに思います。ただ、繰り返します、民間のほうでそういう力が十分ついてきたところについては、そちらのほうにゆだねていけばいいのではないかという考え方は当然持っております。


◯副議長(上村忠史君)19番湯原議員


◯19番(湯原俊二君)ありがとうございます。
 私立学校の耐震化については、私としては追及をそれほど考えていなかったのですけれども、今、答弁を聞いていて、国には要望したいと。国の今のレベルの合意内容は少々いびつな形というふうに答弁されましたかね。それで、民主党のほうは中学校だったけれども、小・中学校の耐震化が優先されていて、高校は、私立学校はその後かという、置いていかれているという言葉を使われたと思いますけれども、その後で、要望して、その状況を見ながら判断をしていきたいという御答弁であったかと思いますが、私、実はこの議場に私立学校の耐震化の資料を出そうと思っていたのですけれども、いろいろクレームがありまして、風評被害になるといけないということで出せなかったのですけれども、大体開学当初の校舎がそのままであり、多くが──多くというと定義づけが何%以上かということになりますけれども、県立高校よりも率としては低いということは言えると思いますが、耐震化が進んでいない。やはり県内の市町村の小・中学校にも言えることでありますけれども、調査、診断をしたら、結局、危険となったら補強なり改築なり、財政出動が必要になってくるので、お金が要るようになってくるので、調査そのものもほとんどされていない、こういう状況であります。
 先ほど中国の四川省の話を冒頭知事も答弁されたわけでありますけれども、この状況を見ながら判断したいというのを気長にではなくて、もちろん一定程度の期間内には対応していただけないと、それこそ建学の精神はわかりますけれども、県内の公立高校は耐震化がどんどん進んでいくけれども、改築までいかなくてもある程度の補強は進んでいくけれども、私立学校についてはなかなか遅々として進まない。調査、診断自体も進まない状況では、やはり私申し上げたように、それこそ次世代を担う人材育成とは何ぞやという話にさかのぼらなくてはいけなくなってしまいますので、ぜひその点に関してもタイムリーにスピード感を持って、状況を見ながら判断をしていただきたいということを要望しておきます。
 最後に思いでありますが、私、この1年間、ほぼ一貫して同じようなことばかり申し上げております。1つは、ノーと言えるときはノーということを言ってくださいよということと、あるいは声なき声、あるいは声すらも発することができないような県民の皆さん方の声をいかに我々が聞くか、施策化していくかということであります。
 小泉政権の骨太の方針の話もしましたし、単刀直入に申し上げますと、前任者がやはり民間とは線を引いて、経済活動とは、行政がやることとはということで線を引いたその反動で、県内の経済関係者あるいは疲弊した県内の状況から、経済優先、雇用優先、私も大切だと思います、十二分に。ただし、その陰で、先ほど申し上げたような声なき声、あるいは本当に弱い立場の人々が、それこそ置き去りにされるような、どこかの政権のようなことであってはいけないと私は思っております。
 そういう意味で、ぜひ、再三同じような話をするようですけれども、県内において、もちろん雇用、経済が疲弊している状況で十二分に大切にして活性化をさせていかなくてはいけない、雇用の確保を図っていかなければいけない。しかし、その一方で陰となる部分、あるいは声を発することがなかなかできない人たちに対する弱い立場の人々に対しては、ぜひ関心を持っていただいて、特に福祉関係の皆さん方にも、改めて知事にも関心を持っていただいて、施策化について十二分に検討していただきますよう要望を申し上げますけれども、最後コメントいただいて質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁をお願いします。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、私立高校の耐震化につきましては、私は多分基本認識は一致しているのではないかと思って伺っておりました。
 我々としては、ぜひやっていただきたいという気持ちがありますし、それこそ次世代の子供たちを健やかに育てていく、しかも安全な環境の中で育てていくことは必須の条件だろうと思っております。ただ、残念ながら今、財政的な隘路があったり、それから子供たちを集めるところで、まず苦労している学校があったりします。そういう学校からお話を伺いますと、そもそも耐震の調査をすることのお金自体、実はこれは国、県、協調して補助制度はあるのですけれども、それを予定すること自体なかなか難しいとか、そういう声が聞こえてきたりします。
 ですから、私はこうした、今回、耐震化について四川の大地震で問題が提起されたわけでありますから、国全体の議論としてきっちりとらえてもらいたいなという気持ちを持っています。ですから、その国の議論の状況を片方でにらみながら、その状況を見ながら私どもでできることは何だろうか、考えていきたいと。これを現場の学校の方々と話をしながら、これから進めていきたいというふうに申し上げた次第であります。
 声なき声を、そして特に社会的に非常に厳しい状況に置かれている方々の状況を、現場を見て仕事をするように、そうした県政をするようにということでありまして、私はこの点もそのとおりだと思っています。
 先般、将来ビジョンの構想を皆様と協議をさせていただきました。これから県民の皆様からも、さらに御意見が上がってくると思います。その中でフレーズとして出させていただきましたのは、活力安心鳥取県、これを目指そうではないか、これを住民の皆さんのイニシアチブのもとに、いろいろな主体が一緒になってやっていこうではないか、こういうことを提唱させていただこうと思ったわけであります。
 単に活力だけ追い求めるのでは、生活のところがおろそかになります。ただ、これは恐らく地域の発展において車の両輪のような関係であって、活力が発展してくることで安心もふえてくると思いますし、安心が生まれるところに人々が住むようになって活力も生まれるようになるのではないか、こういう相互関係があるのではないかと思いますが、これをぜひに進めていきたいと思います。その中で、現場の皆様の声は、やはり一番の出発点にならなければならないと思います。
 先般も、ある障害者関係の団体からお話がありまして、皆生温泉のところにパン工場をつくったので見に来てほしいということで、私もちょっと仕事の合間にお伺いをさせていただきました。それで、新しい工場も眺めた上で、その後、障害を抱えておられる子供さんたち、あるいは障害者の方々、いろいろな方々と対話といいますか、その場でざっくばらんな話をさせていただきました。非常に言葉を発することすら難しい方々から、今度、グループホームで生活をするようになったと。1人で住むのが夢だったからうれしいとか、それから実際に今度、転職をしようと考えていると、そのために例えばパン工房をつくったりとその団体もされているわけでありますけれども、もっと大きなチャレンジをしてみたい。例えば公務員試験みたいな、そういう障害者枠もあるところに挑戦してみたいという人の話があったり、それから長いことその団体でお世話になっている人たちが、きょうは運動会があったと、その運動会が本当に楽しかったというような話をされたり、やはり日々の暮らしというのは生きているのだと思いますし、そして障害者の方々にもそうした夢があり、それからチャレンジしているそれぞれの課題があるのだと思います。
 現在、自立支援法の見直しの時期に入ってきて、それが一部我々の県側の独自のサポートもあって、ワークし始めて、動き始めた部分もありますけれども、ただ、また新しい展開を図っていく上では、その現実を実現しようと思えば、もう一歩踏み込んだ施策が必要なものもあるだろうと感じました。こうしたことを私も私なりにやっていきながら、県政をリードしていく立場に向かっていきたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)26番前田八壽彦議員


◯26番(前田八壽彦君)(登壇、拍手)私は、5月定例県議会において、本県の地下水利用のあり方について質問をいたします。
 このテーマについては、平成18年2月定例県議会において、我が会派の県議会自由民主党山根英明議員が一般質問で、全県的な地下水の水環境を保全するためのすべを県として講じる必要があることとあわせて、大山地域独自の水資源保全・維持の取り組みを展開すべきであると提言し、当時の片山知事と種々議論が行われたところであります。その後、この議論を踏まえて種々検討がなされていると伺っておりますが、改めてこの地下水に対する私の知見を申し上げ、議論を行いたいと思います。
 地下水の一般的特徴としては、水質がよく、恒温性がある、取水費用が安くて手軽に利用可能などが上げられます。我が国では、産業、特に製造業の発展に伴い水消費が拡大し、わき水や浅層地下水、言いかえますと不圧地下水の利用に加えて、安定してくみ上げが可能な深層地下水、言いかえますと被圧地下水の利用へ拡大してきたのであります。この深層地下水は、くみ上げることは簡単ではありますが、その涵養には相当の時間を要することから、石油等の地下に埋蔵された化石燃料資源と同じ観点で取り扱う必要があると、まず申し上げます。
 次に、地下水が貯留するメカニズムを詳しく説明しますと、その源は言うまでもなく降雨、降雪、つまり降水であります。その一部は直接川に流出しますが、2つに区分され、1つは地表から川に流れる表面流出と、一度地中に浸透した後に浅い地下水流として河道に再び流出するいわゆる浅層地下水と言われるものがあります。また、直接流出しない降水は、くぼ地等に一時的に貯留するか、土に浸透し、重力によって地下深く浸透し、いわゆる被圧地下水、深層地下水とも言われる地下水となるのであります。
 そして、この深層地下水は、地中の平均滞留時間は数百年から数千年と言われ、まさに悠久の年月がはぐくんだ何物にもかえがたいものであります。県民の共通の財産であるこの貴重な地下水を、今後どのように保全し活用していくかを考えていくことは、今私たちが積極的に取り組むべき重要な課題であると認識しております。
 そこで、本県の地下水の概況について申し上げます。
 本県の鳥取・倉吉・米子平野の深部には、地質年代でいえば新生代新第三紀末から第四紀の地層が堆積しており、この地質が主な帯水層となっております。また、大山地域では、火山灰や軽石などの火山砕屑物等の浸透性の高い地質があり、帯水層を形成しております。私は、先ほど申し上げました貴重な資源である深層地下水、言いかえますと被圧地下水は、地中での動きは1日当たりの流速は数センチから1メートル程度であり、一度に大量にくみ上げてしまえば、短時間で回復することが非常に難しくなると考えております。加えて市街地では、雨水の浸透機能が相当低下していることなどを勘案すれば、行政が積極的に関与して、地下水においても健全な水循環系の構築を図っていくことが重要な課題となっていると思います。
 そのためには、対象となる地下水盆に涵養される地下水を随時把握しつつ、くみ上げなどその利用について律していく方策を行うことがまず必要であり、さらに地盤沈下や地下水の塩水化など、水利用に伴う弊害を防ぐ対策をあわせて行うことも健全な地下水環境を保証するために必須であります。
 そこで、管理目標限界地下水位を設定し、観測地下水位で常に監視するシステムを構築することを提言し、まずは知事の地下水保全に対する基本的な御所見を伺います。
 以上で壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)前田八壽彦議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 前田議員のほうから御指摘ございましたように、私ども鳥取県が誇るべき財産の一つは、実は地下に眠る水脈なのだろうと思います。中近東などで化石燃料が地下に眠っている、これが資源として現在世界を席巻しているわけであります。我々のこの地下水というものも、これもいわば有限の資源という意味合いがありますし、また地表との関係において、それが変質してしまうおそれもある、人間の営みとの関係も当然に制限されなければならない、いずれはそういうものだろうと思います。
 ただ、水というものが自分たちの身の回りにあるものですから、日本人はとかく水のありがたさを忘れがちであります。特に目に見えないところにある地下水についての認識が欠落しがちではないか、これが前田議員のそもそもの発想の原点ではないかと思います。私も恐らくそういうことで、これからの日本のあり方、とりわけ「食のみやこ鳥取」を支えるような地下水についての県民の関心も喚起していかなければならないだろう、こういうように考える次第であります。
 お話にありましたように、地下水にはいろいろなパターンがあるというふうに言われ、浅い層の地下水、それからその下のほうの深層の地下水、こういうものがあるというように考えられているわけでありまして、現にそれに応じて我々もアプローチの仕方、対処の仕方を変えなければならない、その必要があります。
 現在、鳥取県では、最近、大山のほうで水源を活用したミネラルウオーターの工場が完成するなど、水に対する関心も高まっておりますし、それから歴史をひもといていけば、これは鳥取県に限ったことではありませんが、地下水をみだりにくみ上げた結果として、全国各地で地盤沈下という課題が生じました。鳥取県でも30年代にかなりそうしたくみ上げがあったものですから、40年代、50年代ぐらい顕著な地盤沈下が発生をして、建物が浮き上がったり、そのほかにもいろいろと地表面でも観測されるような影響が出たわけであります。
 そうした記憶もあるわけでありまして、私どものほうで改めて地下水についての調査をすべきではないかとこの議場でも提起がなされ、今、調査中であります。平成19年度から3年間にわたりまして、今鳥取大学と連携をして調査を進めているところです。これは重力調査だとか、それからボーリングに基づいて地質や水脈の状況調査をしたり、イオンの濃度を測定しまして、水脈がどういうふうに流れているか、それも今、検証しようという、そういう作業をしているところであります。まだまだちょっと解明し切れていませんがわかりかけてきたこともありまして、そういうことをこれから考えていかなければならないと思います。
 例えば湖山池の東側から千代川にかけてのところに、深層地下水にかかわりますが、ちょうど大きなくぼみがあるという観測データがあり、また、湖山池の北側のほうにもそうしたくぼみがある、こういうところに地下水がたまりやすいという、そういう形状が鳥取平野にはあるのではないかということが今のところ出てきたり、それからこれは原因がよくわかりませんかつて縄文時代に海があったことからかもしれませんが、塩分濃度がその地下水の中から観測をされている。これが若干高まってきているという状況が、ここ10年ぐらい観測をされてきたというようなデータも明らかになってきておりまして、この原因をちょっと調べてみなければならないと思います。これは海から来るものかもしれませんし、かつて地層の中に眠っていた塩分が溶け出しているのかもしれません。そうしたことをいろいろとこれから解明しながら、鳥取県としての水に対する対処の仕方、全県的な見地で考えていく必要があるだろうと思っております。
 大まかに申し上げて、大山山ろくのほうで、急に水源が枯渇するだとか、そういう状況ではどうもなさそうでありますけれども、これもよくよく調べてみなければなりません。ただ、東部のほうで、むしろ鳥取平野のほうで、いまだ地盤沈下が完全にはとまっていない。かつてに比べますと、平成2年ぐらいから鎮静化しつつあるようではありますけれども、まだまだちょっと下がりかけているような観測のところもありまして、そうしたところのデータをこれから総合していかなければならないと思います。
 そういうデータを集積をした上で、これは地質の問題でありまして、慎重に科学的解明が必要でありますが、その前提に立って、議員がおっしゃるような地下水位をどういうレベルで管理するか、その状況、それから地下水に対する入りと出のことを考えた上で取水のあり方、場合によっては規制をかけることがあるかもしれませんし、少なくともそうした取水についての届け出をしていただいて、状況を県民で情報を把握し共有することも必要かなと思いますが、その辺は今後の観測の結果を総合した上で議論したいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)それでは追及質問をさせていただきます。
 ただいま地下水に対する基本的な認識を知事からいただきましたが、私もそのような考えでございます。それを踏まえて、ちょっと細部にわたりますので、生活環境部長としばらくやりとりをさせていただきたいと思います。
 まず1つは、今、知事がおっしゃったように、19年度から3カ年計画で調査をやっておられますが、大体知事の答弁でわかったのですけれども、重複しない部分で何か今の調査の中でわかったことはないか、御答弁をお願いをいたします。
 それと、私は今やられておる調査のやり方にちょっと違和感を覚えておるのです。何かデスクの上でいろいろな既存のデータを分析することによって、今、地下水のメカニズムを研究されているのかなあと思ってしまうのです。私は実際はそうではない、地下水の利用をまず現場で押さえていく、そういうことがまずスタートではないかと思っております。
 鳥取市の下水道部では、市内の下水は合流式が大半ですから、下水道料金にかかわりますから、井戸の詳細なデータを持っていると思うのです。そういうのをいただいて、それを一つずつ確認していけば正確な地下水のくみ上げの量が把握できると思うのです。
 それを踏まえましてお尋ねします。鳥取平野で1日何トンぐらいくみ上げられておりますか、その利用目的は何でしょうか、御答弁をお願いしたいと思います。
 もう1つは、鳥取平野の沈下量を見ますと、昭和49年と平成16年の基準点の高さを比べますと、田園町4丁目で38センチ、秋里で33センチ、江津で27センチ、寿町で19センチ、本町1丁目で12センチの地盤沈下があります。この5年間でも、やはり1センチから数センチの地盤沈下が続いておるわけです。その原因は何であるか、部長の答弁をお願いします。


◯副議長(上村忠史君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)3点について御質問をいただきました。
 まず1点目ですけれども、今までの調査でわかっていることということでございますけれども、先ほど知事のほうから湖山池周辺の地下構造についての説明と、それから塩水化してきていることの説明をしていただきましたけれども、それ以外で、鳥取平野につきましては、千代川の河川流量等を調査をしておりますけれども、地下水の涵養区間、河川水が地下に潜り込んでいく場所、それとして大体推測ができてきております。千代川につきましては円通寺の下流付近、袋川については宮下付近、大路川については吉成付近、この辺で上流と下流の水量をはかってみた中で、その辺から地下水が涵養されているのではないかという推測が行われております。
 大山の南西山ろくについて、これは昨年の12月からデータをとり始めたばかりですので、まだまだデータが不十分でありますけれども、そういう中で、重力調査の中で、江府町の中央部に基盤がすり鉢状の形状をしているところがございます。これは江府町のヘリポートがありますけれども、大体その辺を中心に、そういうすり鉢状の形態が、その辺にかなり地下水が滞留、ため込まれている可能性があるのではないかというような推測ができるだろうと思っております。
 大山については、鳥取平野と比べて地下水の帯水層が非常に多いという状況が出ております。多いところでは5層ぐらいの滞水層を持っているというような場所もあるようでございます。そういった調査も含めて、これからさらにデータを集めて、より精度の高い調査にしていきたいというふうに思っております。
 次に、調査のやり方が少し不十分ではないか、デスクワークに偏っている面があるのではないかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、現地にいろいろなデータ収集のための計測機器も配置をして、現場のデータを基本的にまず集めようということで作業も進めております。
 特に鳥取平野が主になろうかと思いますけれども、どれぐらい使われているのか、そういったことをきちっと把握した上で調査しないといけないのではないか、1日当たりの利用量をどういうふうに把握しているかということでございますけれども、この利用量の把握も非常に難しい面があるのですけれども、私どもとしてやはりその作業は必要だろうということで、19年度に事業規模30人以上の事業所を対象にアンケート調査を実施をいたしました。362の事業所に対して行いまして、回答率67%ということでございます。御回答いただいた状況では、22社が地下水を利用しておられます。その使用量は1日約1万立米ということでございます。主な用途は製品製造などの業務に使われているもの、あるいは冬場の消雪、洗車、あるいはトイレなど、こういったものに使われているということでございます。それから、またこの1万立米とは別に、温泉として1日当たり約1,200立米がくみ上げられている、これは18年度の実績ですけれどもそういうデータもございます。ただ、このアンケートも、先ほど申し上げましたように回答率も67%ということで、回答をいただいていないところもございますし、それから事業所にもメーターがつけてないということで使用水量がわからないという事業所もたくさんございます。そういう意味では不十分なデータということであります。議員のほうからは市のほうが井戸のデータを持っているではないかという御示唆もいただきましたので、市のほうにも意向も伺った上で、さらに追加調査等を行って、この使用水量の精度を高めていきたいというふうに思っております。
 特に鳥取平野では沈下がなかなかとまっていないのではないかということで、その沈下の原因はどう分析しているかということですけれども、鳥取平野につきましては、特に沈下の度合いが大きいのが秋里周辺でございます。これは一つには従来あそこの下水処理場で大量にくみ上げて地下水が使われていたということがありまして、それについて県のほうからも情報提供し、何とかその辺の地下水使用をやめてもらえないかというような働きかけも行ってきておりまして、その結果、平成11年からだったと思いますけれどもくみ上げをやめていただいております。それに伴って、少し沈下量も落ちてきているだろうというふうに思います。
 今後、そういった地下水の使用量の状況も把握しながら、規制のあり方等をきちっと整理をしていきたいというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)よくわかりましたけれども、私はやっぱり調査をきっちりやることによって、将来、何らかの規制を県民に加える場合の合意形成の一番根本になるだろうと思っていますので、地についた調査を引き続きお願いをしたいと思います。
 その中で、今の調査研究というのが、県と鳥取大学だけでやっておられますが、私はやっぱり少なくとも3市、鳥取市、倉吉市、米子市も含めて、この地下水というものに対する認識を改めていただくためにも、ぜひ参画していただいて、現地調査は市の協力のもとにやるべきだと思いますが、今の調査のやり方を変える必要があると思いますが、部長の見解を求めます。
 大山山ろくについては、先ほど壇上で言いましたように、どうもかなりの帯水層があるというのはわかっておるのですが、しかしながら、1日当たり大山山ろくで4,875トンの深層地下水がくみ上げられておりますので、早急にこの調査を完了して、本当に環境に与える影響がないかどうか確かめる必要があると思いますが、部長の見解を求めます。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)2点についてお答えをさせていただきます。
 今、共同研究を大学と県だけでやっているのではないかということで、少なくとも3市を入れてやるべきではないかということでございます。
 今現在やっております調査につきましては、その調査箇所等、その調査の適地等についての情報もいただきたいということで、既に井戸を持っておられる、東部については国交省もかなり井戸をたくさん持っておられますし、西部についても雨量計、降水量計等の設置もしておられますので、国交省とはそういったデータのやりとりもさせていただいております。それから、現場の状況は我々よりも市町村のほうがよく御存じですので、そういう情報提供も該当の市町村からもいただいて、現場の案内等もしていただいているという状況はございます。
 今回の調査については、大山山ろくと鳥取平野ということに焦点を絞ってやっておりますので、鳥取市と、それから該当の地域の市町村とはよく連携をとりながらやっていきたいなというふうに思っております。
 大山の調査について4,875トン使われているのだからもっと早く調査をしてということでございますけれども、やはりデータは年間を通じて四季の変動もございますし、それから年間の変動もございますので、やっぱり一定の時間はかけないと正確なデータになっていかないのではないかなというふうに思っております。先ほど知事からもお答えしましたけれども、19年度から21年度までの調査はきちっとやっていきたいと。ただ、将来の制度設計も含めて、できるだけ早く作業はしていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。


◯副議長(上村忠史君)26番前田議員


◯26番(前田八壽彦君)知事に。今回の地下水調査の一つとして、私、地震等の災害時に水道が使えなくなることも想定しなければならないと思うのです。幸いにも、先ほど知事がおっしゃったように、鳥取県には地下水というものがあるわけですから、非常時の地下水の確保というものを、この調査の一環として設定すべきではないかと思いますが、知事の所見を伺います。
 それと、最後の質問でありますが、徳島県に先般、この地下水の勉強に行きました。徳島県でも過剰な地下水のくみ上げによりまして、非常にあそこは塩分化、塩水化が厳しくて、自主規制を積み重ねながら、最後は昨年、地下水の規制条例、環境条例の中に地下水の採取の申請等を義務づけております。将来、私も鳥取県はそうなるべきだと思うのですが、なかなかそこまで県民合意が得られないと思うのです。地下水というのは、先ほど言いましたように、安くて電気代だけで使えるということですから、なかなか意識改革が難しいと思っていますので、今後はそういうことについて県民の啓発等をやるべきだと思いますが、知事の所見を伺います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、地震災害時におきます深層地下水の利用についての御提案がありました。
 私も、非常にいい提案だなと思います。私どもも西部地震を経験しましたけれども、あのときも実は旧会見町で給水がなかなかできない、濁ってしまうと。それで給水車を全国から応援に来ていただきまして、そうして何とか賄ったと。その濁りが取れるまではどうしても使えないということになります。調べてみますと、確かに地下水もいろいろございますが、浅いほうの浅層地下水につきましてはやはり濁ることはあるようでありますけれども、深いほうにつきましては、比較的地震のときにも安定した水質が保たれているのではないかというように言われるところでございまして、もちろん地震が起こったときにもう一度水質検査をするとかというような必要はあるかもしれませんが、深層の地下水の井戸というものを活用して、地震のときにこれを利用することは可能ではないかと私も思います。
 これは、現在の防災計画の中で位置づけているわけではありませんし、今もまだ給水をあっちこっちから持ってくるということになっていますので、ですからこれを改めていく検討に入ったり、それから、今やっている調査を拳々服膺したり、それからさらにバリエーションをつけて、この災害への応用ができるかどうか、これも確かめてみなければなりませんので、その辺の作業もやりながら、議員の御提案のような深層地下水を活用する災害対策についても取り組んでみたいと思います。
 2点目として、地下水を水資源として利用していくに当たりまして、県民の合意啓発が必要ではないかということでございます。
 議員御指摘のとおり、地下水というのはただでございますので、これを従来から慣行的に使っているわけです。電気代だけでくみ上げてくる、ですから便利なものであります。ただ、それも量がまとまってきますと環境に与える影響がありますし、こちらのほうの圧が少なくなってきますと海水がひょっとすると浸透してくるかもしれない。恐らく徳島県の話、よく聞いてみなければなりませんが、徳島県は今度、環境条例を改正したというのは、その辺の配慮があったのかなというようにちょっと推察をしたところでありますけれども、そういうことを我々としても考えなければならないわけであります。ですから、これは県民の意識を変えていかなければならないことでありますし、県民の皆様の御協力も得ながら地下水を保全して、次の世代、次の世代へと良好な形で引き継いでいったり、産業利用だとかの利活用もありますし、それから地震の際などの災害活用もございますし、そうした貴重な源としてやっていかなければならないと思います。
 これからの調査結果がまとまったころに、条例について考えてみたいと再三答弁を申し上げておりますが、その際に、県民の皆様と大いなる議論をやらせていただきまして、地下水についての意識の改革を図っていきたいというように思います。


◯副議長(上村忠史君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は13時ちょうどより再開いたします。
       午前11時28分休憩
   ────────────────
       午後1時00分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 4番尾崎薫議員


◯4番(尾崎薫君)(登壇、拍手)皆さん、こんにちは。お昼の後、じっくりと聞いていただきたいなと思います。
 中国の四川省、それからミャンマー、たくさんの被害が出て、たくさんの方がお亡くなりになりました。その中でも子供の死者というのが多くて、非常に私も心を痛めておりました。県議会としても義援金を送るという方向になり、一つはほっと安心をしているところです。
 さて、きょうの質問から始めたいと思います。
 子育て現場で本当に望まれている支援とは何か、知事、教育長にまずお伺いいたします。
 私は、この議場で何度となく次世代育成や子育て支援、子育てに易しい働き方の問題等を取り上げてきました。そしてきょう、また取り上げるのは、子育て現場で子育てがしやすくなっていないからなのです。昨年、女性を中心とする県内団体のネットワークが乳幼児を持つ父親、母親3,500人を対象にアンケートを実施し、1,625人から回答を得ました。その中には子育て現場の叫び声がいっぱい詰まっていました。子育てしにくい現状はほとんど改善されていない、それどころか子育てしながら働く環境は悪くなってさえいると親御さんたちは感じているのです。子供は宝、安心して子供を産み育てられるようにすると国は言いながら、働きながら子育てをする親の労働環境は悪くなる一方です。子供のために休ませてと職場に言いにくい、まさかのときの民間託児助け合いシステム、ファミリーサポート事業への補助は打ち切り、保育料は高い、家庭で育てたいと思っても2馬力でないと暮らせないのが現状、子育てをしてきた8年間、こんなアンケートに何回も答えましたが何にも変わりませんよ、育児に関して民間企業の支援の改善は何にもない、こんなアンケートに意味があるのかとも書かれていました。私も同様に腹立たしく、歯がゆい思いがいたしました。
 一方、ほとんどの企業、98%が中小・零細企業である鳥取県では、企業にとっても、人員も経費もいっぱいいっぱい、これが現状だと思います。子育てはこのままでは立ち行きませんよと叫び、さまざま支援を提案してきましたが、本当に現場に届く効果になっているのかと考えると、むなしく、分厚いダウンジャケットを着た上からかゆい背中をかいている気さえしてきます。
 しかし、一向に改善されない少子化に直面し続け、国も昨年やっと本腰を入れて子育てに有効なワーク・ライフ・バランス、すなわち生活と仕事の調和に取り組みを始めました。企業や国民が仕事最優先に急傾斜している状況を改善し、個々人が家庭生活も含め人間らしい生活ができる社会にしていこうと決意をしたのです。しかし、これとて関係省庁、県でいえば関係部局が大同団結をして取り組まないと絵にかいたもちになります。
 こんな不安がいっぱいの中でも一生懸命子育てをしているお父さん、お母さんへの実際に効果のある支援は何かを探るために、先ほど紹介したアンケートがなされました。その調査結果には、現場の切実な思いがあふれるように書かれています。例えば、子供との触れ合いについて、母親はほぼ毎日あると答えていますが、3分の1の父親が休日だけとなっています。父母ともに9割以上が父親も積極的に、またはできる限り育児にかかわるのがよいと回答していますが、現実は遠くかけ離れています。自由記述の中で母親は、育児休業がとれて育児がゆっくりできてよかったという声が多くある一方で、母親の切実な叫び声もあります。夫は夜遅くまで帰らない、仕事、育児、家事、すべてを背負って体力がもたない、私も子供も病気で寝込んだときでも夫は会社を休ませてもらえませんでした、私も動けず高熱の子供を病院に連れても行けず、御飯も食べずにただ寝ているだけでした、子供が出かけるお父さんに対して、また来てねなどという社会はおかしくないですか、育休中は収入がない上に、税金、保険料はそのままで大変、夫は休日も出勤し代休ももらえない、たまに休んでも会社から電話がある、経済的に子供1人がやっと、夫の残業は育児支援の対極ですなどなど。
 また、お父さんの声も切実です。願いと現実との余りの差に悩んでいます、とにかく休みたい、年休も子供が理由では一切とらせてもらえないのです、子供が小さいうちは休みたいと言えるようにしてほしい、50歳代の男性上司の子育てへの理解は全くない、産前産後2週間ほど休暇を義務化すれば父親も休みやすいのだが、収入が減って大変、保育料が高い、働けばそれだけ高くなってうんざりと訴えかけています。
 子育てをする現場の切実な願いは大きく言って2つです。1つは子育てに理解がある職場環境づくりです。要するに上司、同僚の温かい目と協力です。もう1つは育児休業中の経済支援です。現実的に可能かどうかは別として、アンケートの中で求められていたのは、1、育児休業の100%の有給化。2、育児休業の義務化。3、フレックスタイムや短時間勤務。4、在宅勤務ができること。5、ノー残業デーの日が決められていることなどです。育児休業の100%有給化以外は職場環境に関してのことと言えます。育児休業の100%有給化は財政上困難であるとしても、育児休業の義務化など、育休をとるとらないの自由意思を阻害するものですべきではないと思いますが、それほど休みを言い出しにくいということなのです。
 また一方、雇用者側は、子供のために休まれると困る、うちもぎりぎりの経営、子育て支援の施策や助成など余り知らないというのが現状です。県としても家庭教育推進協力企業制度や男女共同参画企業認定制度を進めたり、子育て応援パスポート事業をし努力はしています。しかし、知事はこれら現場の切実な願いと子育て現場の現状との乖離をどう思われるでしょうか。
 内閣府や厚生労働省は子育て支援に取り組んでも、経済産業省は経済第一、財務省は支出削減が最優先です。少子化は若者の雇用悪化、価値観の変化などほかにも理由はありますが、国はリーダーシップを首相が発揮して、少子化ストップに向けて一丸となって目的に向かっていると言えると思われますか。この現実を前に県の基本方針はどうあるべきか、どこを目指さなくてはいけないとお考えか、知事にお尋ねいたします。
 次に、鳥取県の目指す文化芸術施設の健全な管理・運営について、知事にお聞きいたします。
 私は、前2月議会でもこの問題を取り上げ、県の2つの文化芸術施設が果たす役割と指定管理における県の視点についてお尋ねいたしました。その答弁で知事は、平成14年の国民文化祭での感動を後々まで残し、文化芸術を育てる出発点にしようというのが県民全体で話し合ったことだった。そのときから県民文化会館、倉吉未来中心が果たす役割が変わってきた。その役割は単なるホールとしての箱の提供にとどまらず、ここを基点として文化芸術が振興していくことであり、待ちの姿勢でなくさまざまな活動をみずから行い、文化芸術を地域から育てることであるとされました。
 また、指定管理に関しては、単なる箱物の管理であれば、管理運営の効率化の知恵、収入を得る知恵などを比較検討するだけでよいが、県としてはこの施設を文化芸術の振興の拠点としても考えており、文化振興に役立つ能力と意欲も審査対象として見るべきと答えられました。さらに、伊藤美都夫議員がされた文化振興財団についての質問に答えて、知事は、文化振興財団の組織内の運営がうまくいっていない面があるかもしれないと感じ、理事長に改善を求めている。その成果を見て次回の指名をどうするか考えていく。指名指定も名指しするわけではなく、いろいろな条件に合うか審査する。公募となればなおさら公正厳正に考えると述べておられます。
 さて、その後、文化振興財団はプロパー職員の登用、労働環境の改善に取り組みつつ信頼回復への再生・取り組み方針を策定し努力をしています。この詳しい内容については、先日常任委員会でも報告がありました。一方、昨年度、文化振興財団は労働問題の解決に向けて、昨年4月より労使交渉をし努力を重ねつつ、数々の文化振興事業を展開いたしました。特に未来中心で行われた「倉吉・ダブルストーリー」は出演者、参加者、そして多くの観客の皆様に感動を与えたと思います。
 さて、知事にお尋ねいたします。文化芸術振興の拠点である2つの施設の指定管理者選定に際し、文化振興財団が今実行中の改善のための取り組みについてどうお考えか、今まで同財団が行ってきた活動実績に対してどのような評価をされていくのか、お聞かせください。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、子育て現場で本当に望まれている支援に関連しましてお尋ねをいただきました。
 議員のほうからお尋ねがございましたが、今、求められているのは子育てに理解のある職場環境をつくることと、それから育児休業制度に対する経済的な支援など、そういう声が実際の地域では多いのではないか。そういう際に、今の国の子育てに対する少子化ストップに向けての政策が十分か、また県の基本方針はどうあるべきかと、こういうお尋ねでございます。
 私も、このたび非常に残念なのは、ちょうど昨日公表されましたが、合計特殊出生率が発表されました。鳥取県は1.47と、前年の1.51を下回る、そういうデータになったわけでございます。もちろんこれは計算上のデータでありまして、なお全国平均の1.34よりも随分と高い数値でございますから、全国的には、まだそれほど少子化に対する意識改革といいますか、一定の施策の効果はあるかもしれませんけれども、ただ、前年よりも合計特殊出生率が下がってしまったということであります。全国の動向を見ますと、確かに1.34と若干上がったというデータになっていますが、出生の数自体は減っているわけでありまして、ですから抜本的な解決が、この段階で、国として首相のリーダーシップというお話もありましたが、なされているというような状況ではまだないだろうと思います。ですから、これに対してはいろいろな意味で政策のアプローチが必要だと思いますし、これは恐らく子供を産み育てる地域社会、それから国家全体の問題でございますので、これは国民的な理解と御協力、それから経済活動を営んでおられる企業さん、あるいは教育の現場、さまざまなところが力を合わせてやっていかなければ解決はしないものだろうと思います。政策はそのうちの一つのカンフル剤として有効に作用するものを打ち出し得るとは思いますけれども、まだそれは効果的な段階ではないのではないかと思っております。
 現在までの国のほうの政策としては、平成6年にエンゼルプランを出され、平成11年に新エンゼルプランを出され、さらにそれが平成16年に子育てのプランとしてバージョンアップをされてきました。この間、平成15年に少子化社会対策基本法が制定されて、さらに注目されるべきは昨年度にワーク・ライフ・バランスの検証が出されたということだと思います。
 私は、ようやっとここに来て、これは働き方といいますか、地域社会全体でこの少子化問題だとか、男女共同参画なんかももちろん絡むわけでありますが、そうしたことへのアプローチとしてワーク・ライフ・バランスのように働き方と、それから生活との調和を社会全体で目指していこうという動きになってきたのかなと思います。この大きな流れ自体は、私は一つの方向性を目指すものとして正しい方向に今向かいつつあると思いますけれども、まだまだそれが力不足なのだろうというように思います。
 ですから、県として今しなければならないこととして、今子ども未来プランというものをつくっていますが、これを改定しようとしておりまして、このたび平成20年度、21年度でその改定作業ということもありまして、従来の子育て支援策が有効だったかどうか検証する必要もあると思いますので、有識者の方々だとか多くの皆様に御参画をいただきながら、その検証のための子育て支援を行う鳥取県子育て応援推進会議というものを設けて、これから検討作業に入っていこうかと思っております。その鳥取県子育て応援推進会議でももちろん話し合うことになろうかと思いますが、今のさまざまな施策、アプローチを検証してみる必要があると思います。
 これまでやや問題だったのは、各省庁ごとといいますか、県でも各部局ごとに余りにも分かれ過ぎていたのだと思うのです。子育て支援をするグループがあり、母子保健を行うグループがあり、それから労働行政を担当するグループがあり、そういうようにそれぞれ区々に分かれていました。また、教育というような場で子育て支援をしていくという、それもまた別のセクションということになっていました。ですから、今回、新しいプランをつくっていくに当たりましては、これを総合的にやっていく必要があると思いますし、施策の展開も図っていかなければならないのだと思います。
 当面急がれる課題としては、ワーク・ライフ・バランスを地域社会の中に浸透させていくことだろうと思います。そのために男女共同参画の観点で3月にセミナーというか、シンポジウムをさせていただいたりしておりますし、また、これは労働行政の分野になりますが、そうした育児休業の支援を行うような、サポートするメンバーが企業回りをしたりしました。ただ、残念ながらはかばかしい成果が出たとも言えないものですから、このたび労務管理アドバイザーとしてワンランクアップしまして、今年度から再スタートをさせていただこうというように考えております。
 このようなことをいろいろと現場で取り組みながら、そして基本的な指針をことし、来年とまとめていきたいと考えております。
 次に、文化振興財団が現在実行中の取り組みについてどういうふうに考えているか、また、活動実績に対してどういうような評価をしているのかということでございます。
 先回の2月の議会のときに、この問題についてはこの議場でもいろいろな立場から語られたと思います。伊藤美都夫議員、また福間議員、そして尾崎議員からも御指摘をいただきました。文化芸術の振興についてのかかわり方としての文化振興財団の問題、それから文化振興財団の中の労務管理の問題、あるいは文化振興財団の果たしている機能が正常に動いているかどうか、さらに指定管理を漫然とこのままやっていいのだろうかと、こういうような御指摘もございました。
 そういうような議論を踏まえまして、私のほうから文化振興財団の理事長だとか幹部の皆様に申し上げましたのは、ぜひ財団の運営を見直してもらいたいということを申し上げたわけでありまして、現在も幾度となく現場も含めた会合を持ったり、その体制の練り直しをされていると伺っております。その過程の中で、信頼回復に向けた再生取り組み方針と呼ばれるものを策定をしています。これについては文化観光局長のほうから、ちょっと内容の御説明をさせていただきたいと思いますけれども、そのような新しい労務管理のあり方だとか、財団としての目指すべき方向性なんかについての取り組みがなされています。我々としては、これを今々検証していくのだろうと思います。私たちもこういうような取り組みを評価できるのかどうか、これから考えていかなければならないと思います。というのも、この後、前回の議会で議論になりましたが、倉吉未来中心だとか、あるいはとりぎん文化会館の管理委託をどうするかという、その議論が遅くとも9月議会ぐらいでなされなければなりませんので、今、その財団のほうでどういうように再生を果たされようとしているか、これを見させていただきたいと思っております。
 これまでの文化振興財団の活動について、私は基本的には評価をいたしております。と申しますのも、文化芸術の振興についていろいろな力が加わって、それで創造的な活動が生まれてきたと思います。例えば出前形式で芸術や文化を発信をするとか、舞台空間をそれぞれの創意工夫でつくり上げるとか、いろいろな実績は上がってきたと思いますので、単なる貸し館的なホール管理の財団という領域ではもはやないだろうと思います。それは地域の、鳥取県の中の文化芸術の一つの凝集の拠点と言うべき組織になりつつあると思いますし、そしてみずからそれを指導していくだけの力量も備えつつあるのではないかと考えております。
 昨年も外部の有識者から財団の活動状況についての評価がありました。それによりますと会館の運営という観点、あるいは文化芸術活動の推進という観点で一応の評価は出せるのではないかというのが、その外部評価の見方でありました。そういう面は非常にあるだろうと思います。ただ、いずれにせよ、今、2月の議会で議論をされた問題点に対する克服がどういうふうになされるかということがございますし、また地域でもいろいろと文化振興財団に向けての考え方、それから2つのホールをどういうふうに運営していくか、これについても考え方が出されていると理解しておりますので、私としては慎重にその辺を文化振興財団の現在の取り組みについて見守ってまいりたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)財団法人鳥取県文化振興財団の再生取り組み方針の中身について、概要について御報告を申し上げます。
 ことしの5月2日の財団理事会におきまして、円滑な組織運営を図るための4つの基本方針と、10の取り組みから成ります再生取り組み方針が決定されたところでございます。4つの基本方針と申しますのは、1つはコンプライアンスの徹底、2つ目が効率・効果的な財団運営を図る、3つ目が働きやすく風通しのよい職場環境づくりを行う、4つ目が個人情報の保護と情報の適切な管理を行うというこの4つの基本方針のもとに、それぞれコンプライアンスの徹底でいきますと、例えば職員研修会を充実しようとか、効率・効果的な財団運営では新たな組織改革のチームを立ち上げましょうとか、幹部経営会議の充実を図ろう、こういった取り組みがなされておりますし、働きやすい風通しのよい職場環境づくりでは、労働安全衛生委員会を設置しようとか、それからさらに情報の管理の部分でいきますとダブルチェック体制を強化しよう、こういった取り組みをやろうということで、現在それを着実に進めておられるところだというふうに認識しております。


◯副議長(上村忠史君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)御答弁いただきました。
 子育ての支援に関しては部局横断的にやりたいと、本当にそれが私も必要なことであろうなというふうには感じているところです。
 まず、文化振興のほうで追及質問をいたします。この文化振興財団の取り組みについては見守っていきたいと、事業に関しては一定の評価をしているというような答弁であったと思います。
 さて、このたび未来中心だけを公募にしてほしいというような陳情が議会に出されております。県議会内でもしっかりと議論をしなくてはいけないなというふうには考えているところなのですけれども、私は基本的に行政面でさまざまな民間の力をかりるということは必要なことだというふうに思っています。ただ、その上で民間の力をかりるのに競争原理に任せ切っていい分野とそうでない分野があるのではないかというふうに思っています。
 まず、文化施設にはなじまないのではないかというのが私の考えです。理由を言いますと、競争原理というのは教育と一緒で文化行政にはなじまないのではないかなというふうに考えます。効率がよければよい、収益が上がればよい、イベント、そういうものを持ってくればよいというものだけでは文化の育成はできないだろうというふうに思います。
 第2点目でございますけれども、これは県内だけではなく、県外どこでも全国起こり得ることなのですが、一民間の文化団体が指名されたとすると、必ずや利害関係というものが発生しはしないか、それから公平公正な運営ができるのだろうかという懸念が出てくるのではないかというふうに私は思っています。
 3番目に、文化振興を支えるには舞台芸術関係者等専門職、そしてアートマネジメントができる人が必要である。人材育成が必要だろうと思います。例えば文化振興財団は長年長期的な計画を立ててやってこられたわけですが、こういった人材が競争入札のような公募になると、もしとれないとなると、本当に散り散りばらばらになって切り捨てられてしまいはしないかと、効率化の中で切り捨てられてしまわないかというふうな思いがいたします。
 4番目でありますけれども、公募となると県内に事務所を置かない県外の大手も参入し得ることを考えなくてはいけないなと思います。その可能性があると思います。県外では鳥取市でも多く見られるようなマンションの業者が指定されたという例もあります。そこが絶対いけないというわけではありませんけれども、県外の大手業者がもしなりますと、市民、県民の目で育ってきた文化を本当に育てていこうという心血を注いでいくだろうかというふうな懸念も私は持つところであります。
 このように考えると、やはり私は文化振興の拠点である施設に公募はなじまないのではないかというふうに考えるのですけれども、知事はどのようにお考えでしょうか、考えをお聞かせください。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)文化行政にかかわるような文化芸術の施設を民間に委託する際に競争原理を導入すること、これがなじまないのではないかという御指摘でございます。公募ということができないのではないかと、こういう御指摘だと思います。
 私は一概にそうは言い切れないだろうと思うのです。と申しますのも、実は既にいろいろな例が全国で出てきております。文化芸術関係の施設を直営でなくて指定管理方式で出すというところがあります。この指定管理方式で出して、そして指名指定をしているところと、それからあと指定管理方式に出して、それを公募にしているところ、そういう指名指定方式と公募方式は、公募方式はちょっと少ないですけれども大体同じような数でございます。ですから、全国的にはかなり多くの自治体で行われているわけでありまして、それでそれぞれに不都合が発生したかどうか。確かにそういうふうに指摘される例もあります。
 例えば愛知県の蒲郡市のように、これは民間の企業さんのほうにホールの管理を委託したのですが、その後、企業さんのほうがやはり競争の中でコストを切り詰めるということがどうしても起こるものですから、結局、経営ができなくなって、そして撤退せざるを得ない、ですから、指定を取り消したというような事案が発生したということもあります。こういうような失敗した例もありますけれども、片方で、東京の葛飾区のシンフォニーホールがありますが、そこは従来、文化財団がやっていたわけでありますけれども、それを今度は広く募集をする。それで民間の企業さんのほうに委託をしました。当然ながら、その際、いろいろなやりとりはあったでしょう、経費は削減されていますから、委託経費は従来よりは落ちた格好になるわけでありますが、しかしながら、子供たちが東京シティ・フィルハーモニーと一緒に共演を舞台でやるとか、そういう従来、行政でやっていたら、あるいは文化財団でやっていたら考えられないような、そういう企画が民間のノウハウの中で生まれてきている、そういう意味で効率もよくなったしサービスも向上した、そんなような報告も片方であります。
 これは美術系統になりますけれども、京都のほうではそうした博物館みたいなものを、それを大学のほうが落札したというか、指定管理を受けるような形になりまして、大学側のもちろん従来のノウハウもありますので、そういうものと結びついて施設の管理といいますか、そのサービスの質としては向上したというような報告があったり、こういうようにいろいろなパターンがありますので、一概に競争にかけたから、公募したから悪くなるということでもないのだろうと思うのです。
 ただ、今、尾崎議員がおっしゃった論点は、私は一通り理解できます。と申しますのも、一つには文化芸術というのは、単なるコストの問題ではないだろうということです。ですから、文化芸術を育てるという意味で、それはお金には換算できない、そうしたどういう活動をこの箱物の中でやっていくか、箱物を拠点として、どういうふうに文化芸術活動を促進していくか、これを一緒に見させていただかないといけないのではないかと、こういう観点は理解できます。それから、専門職をしっかりと雇った形で、地域として保有していかなければならない、キープしていかなければならない。その意味で、こうした人材をそこに雇用していく、これを継続していくということの価値もよくわかります。あるいは今おっしゃった中で、公平公正に運営しなければならないのではないか、これは当然のことだと思います。ですから、そうした項目をいわば条件づけして、条件として、それで公募をかける、あるいは指名指定をするのであれば、その指名指定の選考の中でそういうことをやっていくということが必要になってくるのではないかと思います。
 これは前回2月の県議会のときも私のほうからも申し上げましたが、単純に価格だけの競争をしかけるのは、もうおかしいのではないかと。我々も指定管理制度をたび重ねて経験をしてきましたので、やはり雇用の問題だとか、いろいろな波及効果が生まれてきていることも事実でございまして、問題点は解消しなければならない。ですから、従来のやり方から脱皮する必要があるだろうということで、新しい指名指定だとか指定管理のやり方を提案をさせていただこうと前回も申し上げました。ですから、そうした条件づけの中で、今おっしゃるような問題点というのは大方解消されるものではないかというように思います。
 そういうような考え方で、公募であるから、公募というのは絶対に文化芸術活動を行う会館の指定管理にはなじまないというのは、いささか言い過ぎではないかなという感じがいたしております。ただ、現実に、具体的にこれから秋に向けてよくよく議論してみまして、今2つの館を文化振興財団が運営しておりますが、この2つの館の指定管理のあり方について検討する必要はあるだろうと思います。


◯副議長(上村忠史君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)答弁いただきました。
 公募があながち全部悪いわけではないという御答弁であったと思いますが、仮にそういった場面にあるとしたとしても、やはり公平性、それから公正さ、そのあたりをどのようにきちっと見ていくかということには、きちんとした情報を収集される必要があるだろうなと思います。文化関係者、活動者、そして例えばホール、会館の利用者、あらゆるところに張りめぐらして、情報をきちっと入れなくてはいけないなというふうに思っています。
 例えば指定管理にされる場合ですが、どことどことどこが応募してくるという場合でも非常に多量の情報が来るわけです。それを審査員の方々が全部きちっと見ていく、きちっとした情報が入っているかどうかも、そこも問題かもしれませんし、非常に大変なことであろうと思います。
 そして、都会では民間業者が応募要項をきちっと書くというような、プロが書くようなところもあるようで、本当にすばらしいことが書いてあっても、その内容が実際に実現するかどうかのチェックが本当にできるだろうかというようなことも言われていることもあります。結局イメージで判断してしまいはしないかということが懸念されるのではないかと思います。
 私が思いますのに、やっぱりこの文化芸術というのは社会コストの一つとして考えなくてはいけないと思っています。効率だけではいけない、それから収入が多くなればよいと、それだけではいけないと思います。地域で文化が生まれて、人と人との交流が再生拡大できる、そこにやっぱり人の温かみのある運営者でないと心のつながりが一緒になっていかない、そこをきっちりと見ていただきたいと私は思っています。
 拠点は鑑賞事業の繰り返しではない、人と人を結びつける中心であるべきだと、そこが崩れていってしまってはいけないと思います。効率最優先をして興行中心の管理運営でポップス、演歌などを呼ぶというのも一つかもしれませんが、県民全体の文化振興のために、人と人の交流が本当にそこでできるというように、公正で公平な運営ができるということをきちっと見ていかなくてはいけないと思いますが、そこをひとつコメントがあればお願いいたします。
 次に、子育て支援に行きますが、確かに知事がおっしゃったように部局を横断してやらなくてはいけないというふうに思います。ただ、細かなことをいろいろこれからちょっと言いますけれども、そうはいっても理念だけ言っていてもなかなか現実が進まないというのがアンケートに出てきていたところだと思います。例えば鳥取県ではほとんどが中小・零細企業ですので、そこの意見を聞くということが私は必要ではないかなと思うところです。先ほど回っているというふうにおっしゃいましたけれども、社労士の方々に協力いただいて回っているというようなことをおっしゃっておりましたけれども、ある民間団体が、今度は中小の企業を対象にアンケートをとってみようかというような試みをしようとしているところですが、そのあたりと協力をしてみるというのも一つかもしれません。
 「お父さんも子育てを!推奨事業」がありますが、利用者は今のところゼロだそうです。このあたりもなぜ利用がないのか検討してみられてはと思います。
 そして、部局横断的な協力ということですが、男女共同参画認定企業200数十社あります。それから家庭教育推進協力企業が120数社ですか、あると思いますが、これは双方連携して、両方が両方になってもいいと思います。そのあたりの情報提供を教育委員会と知事部局とでやってみられたらどうかというふうに思います。
 あと、子育てというのは、やっぱり小さなころから大事なことだとわかる必要がある、乳幼児に小さいころから触れ合う必要があるというふうに思います。ふれあい事業というのが3年間ですか、教育委員会のほうで乳幼児のふれあい事業がありましたけれども、これがことしで切れるようですが、何かの形で継続してはというふうに思いますが、これは教育長にお伺いいたします。
 経済的な支援についてですけれども、育児休業生活資金融資制度というのがありますが、これは1%の利子で100万円まで借りられる。これが利用件数が7件のみということなのです。手続がこれも煩雑なのか知られていないのか、この辺も広報に努められて、原因が何なのかも考えて広報に努めてみてはと思います。
 これはちょっと難しいのかもしれませんが、幼稚園もあるのですけれども、保育料を所得控除の対象にしてはどうか。または育児休業者の職場復帰給付金を前倒しにして育児休業給付金を5割に引き上げるという方法はどうだろうかというふうに考えているところなのです。実は育児休業中に5割出るというのではなくて、3割だけが出ます。それで復帰した後、6カ月たってから2割が出ます。今の仕組みはそうなのですが、休業中が非常に大変だということで、これをどうにか前のほうにできないかというように思いますが、このあたりを国に要望するということはどうでしょうかと思っています。
 そして、せっかく3,500人にしましたアンケートですけれども、いつもアンケートをされてばかりだという声が聞こえます。これを実はこの団体のネットワークでは現場に出かけていってフォーラムをしよう、あっちこっちでしていて結果をお知らせし、そして施策を提言し、こんなことはどうですかというようなフォーラムをしたいというふうに考えておられます。そういう活動に支援をしてはどうかと思いますが、以上、知事と教育長にお聞きいたします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、文化芸術施設についてのお尋ねがございました。
 文化芸術振興というのは社会的なコストではないかと、ですから単なる効率性だけで考えるべきではないのではないか、また、実際に公募をするということになると大量の情報があったりしてその判定が難しかったり、民間では、他県からプロのような方が帰ってこられて非常に審査も厄介ではないかと、こういう御指摘がありました。
 私は、そうしたいろいろなことを考えて、実際に文化芸術施設、とりぎん文化会館、倉吉未来中心の今後の指定管理のあり方をこの夏いっぱいぐらい検討しなければならないなと思っております。
 基本的な考え方としては先ほど申したとおりであります。その際に、やはり注意しなければならないのは、議員が御指摘になりましたように、単に価格だけで考えるということは避けたいと思います。私たちが、今、現代社会を生きていく上で気がついてきたのは、お金に換算するものだけが値打ちのあることではない、自分たちの本当の意味の生活の豊かさというのは、むしろお金に換算できないところにあるのではないか。文化や芸術というものは、お金でいったら単なるコストかもしれませんけれども、しかし、それがあることで地域としての豊かさやゆとりが生まれたり、暮らしに潤いができたり、そういうことになってくるわけであります。ですから、そうしたものを一律に単に安ければいいのだということで実際上阻害してしまうことになりますと、地域から文化や芸術が一掃されてなくなってしまうことになります。ですから、私はそういう愚は冒すべきではないと思いますので、ここのところをまず一つはよく考えなければならないだろうと思います。
 あと、2月議会であれだけ議論があったことでありますので、広く皆様の御意見、どういうものが出てくるかも重要なことだと思います。県民の皆様すべての共有財産であるのがこの2つの施設であります。とりぎん文化会館、倉吉未来中心、それぞれに県が管理する本来の県有の施設ではございますが、ちょっと趣を異にしていますのは、倉吉未来中心のほうは、これは半分は市町村が管理運営費を出すという、そういうルールになっていますし、駐車場も倉吉市が用意をするということになっておりましたり、どちらかというと市町村とのコラボレーションでつくって運営しているという部分があります。
 先般、陳情が議会のほうに来たというお話がございましたけれども、実は私のほうにも、先般県議会の議員の皆さんと一緒に市町村議会議長の皆さんがお見えになりまして、そして市町村の共同の陳情として、中部地区から倉吉未来中心は公募にすべしと、こういう要望が県に正式に出てきております。ですから、それもやはり共同して管理している相手方からの申し入れでございますので、これをどう考えるべきか、なかなかちょっと悩ましい課題でありますが、こうしたことも考慮材料になってくのかなと思います。いろいろと広く御意見を伺いながら、この問題について対処してまいりたいと思います。
 次に、子育ての関係で数点お尋ねをいただきました。
 まず、中小・零細企業の実際に職場で働きやすい環境づくりというのは非常に難しいという隘路があると。ですから、その状況を現場の声を聞くようなアンケートを民間の団体のほうですると。それを応援できないかというお話でありまして、私はそうした行政との連携事業があっていいと思います。実は鳥取県で、この4月から導入しております事業で、これは男女共同参画センターがやっておりますが、民間の皆さんのコラボレーションといいますか、民間の皆様の男女共同参画に資するような活動に対して企画の御提案をいただいて、それに我々のほうで助成をさせていただくという事業をスタートさせていただいておりますので、そういうスキームなんかも、こういう関係では使うことができるのかなと思いました。
 次に、「お父さんも子育てを!推奨事業」の利用がなぜゼロなのかということでございます。
 「お父さんも子育てを!推奨事業」というのは、これは昨年度導入した事業でございまして、育児休業を中小企業の方が導入されたといいますか、最初に利用されるような場合、男性からの申請があったような場合、1週間以上育児休業を利用されようということを決められた場合には、一定の助成金を県から出しましょうという、そういう仕組みなのでありますが、御指摘のように、今のところまだ利用がないという状態でございます。これは一つは、まだ広報が行き渡っていないということがあるかもしれませんが、我々としては、いろいろと先ほどおっしゃった社会労務士の方にお願いをして企業回りなんかもしたりしているのですけれども、今のところ出てきていない。一つは、想像されますのは、男性の場合、余り長期に育児休業をやっぱりとりにくいような状況もあるのでしょう。ですから、1週間とか2週間とかいうような休業であれば、会社のほうの有給休暇をむしろ活用したほうが給料も出ますしいいということで、そこでおさまってしまっているのかもしれません。実情をちょっとよく調べてみなければなりませんが、いずれにしても、こういう制度があることをいろいろなチャンスをとらえて、ワーク・ライフ・バランスの問題もありますので、周知徹底していくようにいたしたいと考えております。
 次に、男女共同参画推進企業、家庭教育推進協力企業がそれぞれ企画部と教育委員会との所管となっておりまして、これをもっと連携させてやっていくことはできないだろうかと。
 企画部がやっております男女共同参画推進企業のほうは認定が170社余りございますし、教育委員会のほうも120社余り認定をされています。延べでいえば300社程度でありますが、そのうち20数社が両方に重なっているような状態になっています。両方それぞれに目的がございまして、片や家庭教育推進であり、我々のほうは男女共同参画が推進されるような職場を形成していきましょうということでありまして、育児休業の推進とか、そうしたものをやろうというようなことでございます。これら2つの制度それぞれにいいところがありますので、今、議員が御指摘のように、例えば一緒に事業を行う上でお互いに宣伝をするとか、こんな制度も片方でありますよというようなことを宣伝させていただくとか、それから合同のセミナーのような形式のことをやるとか、いろいろと考えてみたいと思います。
 ただ、ちょっと今定着中でありますので、いずれこれは落ちついてくると思うのですが、市町村なんかも同じような企業認定の制度なんか持っていまして、いずれはそうしたいろいろな制度が相互に連携したり融合したりしていったほうが本当かなと思いますし、パワーも増してくると思いますので、そうした方向性もこれから考えていきたいと思います。
 次に、育児休業者生活資金融資貸付制度が、昨年度なぜ年間7件となっているのか、使われていないのか、広報すべきではないかということであります。
 この制度は、平成4年度から実施をしておりまして、大体年間平均しますと7.1件ございますから、去年も7件と確かに少ないようですけれども、大体例年並みの状況でありました。もっともっと広報したらいいのではないかというのは、それはおっしゃるとおりだろうと思います。ただ、これは借金でありますので、育児休業、あと介護休業も適用されますが、育児休業や介護休業をとろうというときに、5割補償されるとはいえ収入が減りますから、ですからその分、それで借金までするかという思いもあるのだと思うのです。だからなかなか広がらないかもしれませんが、ただ、例えば母親の方の健診のときだとか、あるいは出産後の市町村の行う健診事業だとか、いろいろなチャンスがあると思いますので、そういうときにこうした制度がありますよということをPRをさせていただいてはどうかなと思います。確かに広報の仕方はもっと工夫してみたいと思います。
 次に、育児休業中の給与補償が現在5割であるけれども、これをさらに休業中5割、復帰後1割というように増すように国に要望はできないかということであります。
 私は基本的なスタンスとして、もっと国のほうで少子化対策に乗り出していかなければならないのではないかと思っています。今どんどん人口が減っていっております。その主たる要因の1つが少子化でございます。出生率が1.34というふうに向上したとはいえ、まだまだ出生数が下がっておりますので、そういう意味で有効な手だてが組めていないという状況にあります。片方でフランスだとか、あるいは北欧のように一定の社会政策を打った上で出生率が上がってきているところもございます。このように世界が二極化してきているのではないかと思うのです。
 私は、確かにお金の問題もあるので、全部が全部、福祉充実だけでいけるかというと、それもやはりよく議論しなければいけないと思います、負担の問題もありますので。ですが、もう少し工夫を一歩一歩やっていけないだろうか。国のほうに対して今要望しておりますのは、県として保育料の基準を引き下げるような形で、所得基準だとか、そういうような形でもっと子育てを応援できないかとか、あるいは税制上、子育て世代に優しい仕組みにならないかとか、こんな要望を従来から国に対してやってきております。今、御指摘の育児休業中の保障は、財源はこれは雇用特会、雇用保険でございます。ですからこれは実は全く天から降ってわいてくるわけではなくて、私たちが払っているお金、それから雇用者、労使双方が払っているお金、それに公費も入った形でつくられた財源の中でやっているものでありますから、これの給与水準を上げる、すなわち保障水準を上げるということになりますと、それは片方で財源のほうの問題もあります。ですから、これは広く議論しなければいけないと思いますが、ただ、これにとどまらず子育て支援のための施策、恐らく国は今のプランが終わって平成6年、11年、16年、今度21年からスタートさせるプランをつくるところでありますから、その中で新しい子育て応援の仕組みを充実していただきたいと、私たちは要望していきたいと思います。
 次に、男女共同参画の関係で3,500人のアンケートをされた。それは子供を持つ親に対するアンケートをされて、その結果を現場密着型でフォーラムのようなものを実施して活動したいというグループがあると、それに対する支援ができないかというお話がありました。
 私は、民間で自主的にそうした子育てを応援しようとかということは、先ほど申し上げた男女共同参画センターがやっております事業もございますので、そういうところにぜひその企画を提案をしていただきまして話をさせていただければと思っています。そのスキームの中で、恐らく今のお話のようなことは応援できる筋合いではないかなと思っております。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)尾崎議員の子育てに関する御質問にお答えを申し上げます。
 子供たちが小さいときから乳幼児に接するというふうなことで続けている事業があるけれども、ことしで終わりになると。その後、続けられる方法はないかというふうなことのお尋ねでした。
 この事業ですけれども、小学生とか中学生、あるいは一部高校生もいると思いますけれども、いろいろな子供たち、乳幼児との触れ合いの中でいろいろな人間性を身につけていくという意味で行われています。県のモデル事業として、18、19、20のこの3年間にわたってNPOのほうに委託して行われています。18年度は小学生が中心でしたけれども240名余りが参加、19年度は中学生が中心ですけれども518名ほどですか、参加しています。成果は上がっていると思っています。自尊感情をはぐくむとか、それから命の大切さに触れるとか、自分に自信を持つとか、いろいろな意味があると思っています。そういう意味で、議員お話のように一応終わりますけれども、内容を工夫してこれが続けられないかどうか検討してみたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)答弁いただきました。
 子育てのほうについては、本当に丁寧に施策を私も共同してともにやっていきたいなというふうに思っていますけれども、文化に関して言いますと、いろいろな御意見はそれぞれ県民ですから届くと思います。それで、まだまだ声が届いていない人たち、文化活動者自体もあるとは思います。そういった方々との、ぜひ話し合いの機会も設けられてはどうかなというふうに思います。公募をしてほしいという方々もまた一つの県民の御意見でしょうし、また、それでは心配ではないかと思われる方々の御意見も知事自身でお聞き願いたいなというふうに思っているところですが、これはいかがでしょうか。
 子育て支援のほうですが、もう一つ、大変心配なことがあります。実はうつ病というのは皆さんもよくお聞きになっておられると思いますし、これは9月議会で自殺とうつということで何とか取り上げたいなというふうに私は思っているのですが、産後うつについて、ちょっときょうはそれだけ取り上げていきたいと思いますが、知り合いの中でも実際に亡くなられたお母さんもおられます。こういった現実を見ると、うつが非常に、全員にあるわけではありませんけれども、非常に産後うつは大変だ、それから産後だけではなくて、妊娠をしたときからなるという方もおられます。
 そういった中で、ちょっと話は戻りますが、3月に行われました自殺についてのシンポジウムは非常に私はよかったなあというふうに思っています。実際にそれを体験された家族の体験談があり、全国で活動していらっしゃるいろいろなNPO法人の体験活動の報告があり、自死の家族の方々を非常に勇気づけたのだなあと私は思っています。そんなこともまた取り上げてみたいと思いますが、産後うつというのは家族も本当に大変です。それでどこにまず相談するかというと産婦人科のお医者さんかもしれません。友人かもしれませんが、何をどうしていいかというのがやっぱりわからない方々が多いのが普通ではないかと思います。相談しやすい産婦人科のお医者さんの理解をうつについて深めてもらうというような働きかけや、それから産婦人科医と精神科医やカウンセラーとの連携がとれているかどうか、とれているかどうかというのは変かもしれませんが、橋渡しをしていただけるような仕組みになっているかどうか、そんなあたりをきちっとしていかないといけないかなというふうに思っています。知事のお考えをお聞かせください。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、文化芸術施設について、重ねてのお尋ねがありました。
 文化関係者にはいろいろな御意見もあるわけであって、それを聞くような場を考えてほしいということであります。
 それはごもっともでございまして、考えてみたいと思います。私に限らず、私どもの今回の施設管理について検討するような部局の者もおりますし、どういう形がいいのか、ちょっと検討してみて、いろいろ広く御意見を賜るようなことにいたしたいと思います。ただ、いずれにいたしましても、これは委託をするということのやり方の問題でございますので、その際に、どういう条件づけが必要かとか、どういう方法がいいのかと、そういう観点のことになろうかと思います。
 ですから、いろいろな皆様の不安をいただいて、例えば公平性に欠けるのではないかということがあれば、公平性に欠けないような公募のやり方だとか、あるいは実際に指定管理をするときの条件づけとして、こういう公平公正な利活用条件というものを入れるとか、そういうことになってくるのかなと思いますが、いずれにせよ、恐らくいろいろな御意見があるのだと思います。お伺いするような場を考えてみたいと思います。
 そして2つ目として、産後うつのお話がございました。
 議員の御指摘のように亡くなられた方もおられたということでございまして、心から哀悼の気持ちを申し上げたいと思います。
 実際に命の誕生を預かる身でありながら、そのことで体の不調があったり、子育てに対する切迫感があったり、将来の不安があったり、いろいろな要因があって産後うつが起こってしまうということだと言われています。そういうことで、大体10人に1人ぐらいはこの産後うつを経験するのではないかと、日本の場合はそうではないかというようなデータも報告をされておるそうでありまして、決して看過できないものだろうと思います。
 これに、先般3月にシンポジウムをやってすばらしいというお褒めの言葉を過分にもいただきましたが、その自殺のシンポジウムで明らかになってきたようなことと組み合わせてアプローチができないかということだと思います。
 我々は今やらなければならないのは、自殺のことで言えば、かかりつけのお医者さんと、それから精神ケアができるお医者さん、こうした専門家とのネットワークを張るということであろうかと思います。それから実情がよくわからないものですから、かかりつけ医の状況とかを調べてみる。この産婦人科のお医者さんもそのうちの一カテゴリーでございまして、そういう意味でネットワークを張ったり、アンケート調査をしたりして、どういうような対策が必要なのか、さらに考える必要があろうかと思います。
 この産後うつの問題について、今後ちょっと考えられる状況だとか、この間の自殺のシンポジウムの状況なんかを含めまして、福祉保健部長からお話を申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁。
 磯田福祉保健部長


◯福祉保健部長(磯田教子君)産後うつについて補足答弁いたします。
 確かに3月にありましたシンポジウム、私も行っておりましたが、たくさんの方がおいでになっており、こんなにたくさんの方が悩みを抱えておられるのだというのを感じました。ですから、県といたしましては対策がまだ緒についたばかりでございますが、その際にチラシの中で、そういう実際の方を集めてお話しする機会を精神保健センターのほうでするというチラシを配りましたら、実際には3名の方がおいでになりまして、それで、それを定例化いたすことといたし、6月から精神保健センターが中心となって、そういう集まりを開催することといたしております。
 それと、今年度、また、いろいろな施策を取り組むことにいたしておりますが、やはりかかりつけ医と、そういう精神科医との連携とかが必要になってまいりますので、かかりつけ医等にうつ病に対するアンケート等を実施し、実態等を把握いたしてまいります。
 産後うつの関係でございますが、実際、女性にとりましては、先ほど知事も申しておりましたが一大仕事でございます。特に初めての出産のときは親もなれませんし、本当に大変なことでございまして、うつに至る方も多々あると思います。私自身も経験しております。そこの中で、本当に不幸にして自殺とかに至られた御家族の本当のつらさは大変なものだと思います。そこの支援といたしましては、確かに健診で産婦人科医のほうにも参りますけれども、その前段に市町村のほうの保健師さんが回られます。ですから、私はその保健師さんとかの連携等のほうがまだ前段に要るかなと思います。ですから、その保健師さんであるとか、産婦人科医とか、そういうトータルな連携でもって、早いうちに見つけて解決していくことが大切かと思っております。
 いずれにいたしましても、いろいろな形でもって、そこの認識が高まりますように対策を取り組んでまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)御答弁いただきました。
 私も同感です。保健師さんという役割も非常に大事ではないかなというふうに思います。
 最後に、将来ビジョンの目標について、ちょっと言ってみたいと思いますが、実は9人の若いお母さん方に集まっていただいて、フォーカス・グループ・インタビューというのをいたしました。赤ちゃんを連れてのインタビューでしたけれども、そこでいろいろな討議をするうちにキーワードとなるべき言葉が何回も何回も繰り返し出てきます。その言葉は、私たちはできれば3人以上欲しいと全員がおっしゃいました。でも条件がそろわない、やはり自分だけにいろいろな重荷がかかってきてしまったり、それから経済的なこと、そういうことがあるのでやはり難しいのだということでした。そうなりますと、県のビジョンもいろいろと書いてあります、安心して子供を産み育てる、経済的な負担がないというようなことは書いてありますが、端的に10年後の鳥取県の姿は、3人の子供を産みたい人が全員3人の子供を産み育てられる鳥取県にすると明確に打ち出してはどうかなというふうに思いますが、最後にこのことを知事に申し上げて終わりたいと思います。コメントがあればよろしくお願いいたします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)若いお母さんたちの率直な御意見だったとは思います。
 気持ちはよく似た話だと思います。要は子供を産み育てることに何のちゅうちょもなく快適に、しかも地域全体が優しくそれを支えていくような、そういう地域社会にしていかなければならないというメッセージだと思います。
 3人持ちたければ3人産むのだと、こういう具体的な数字を出すかどうかでありますけれども、私は片方で1人目を持つことに苦労されている、そういうカップルもおられるわけでございまして、不妊治療なんかも片方でやっているという、そういう御家庭もあるわけであります。ですから、まずは、そうした生命の誕生というものを支えること、そして生まれた命を家族で、そして地域で見守り育てていくこと、それができる社会を目指す、そんなビジョンではないかと思います。


◯副議長(上村忠史君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後2時04分散会