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平成20年5月定例会(第3号) 本文




2008年06月03日:平成20年5月定例会(第3号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 監査委員から、平成20年3月の例月現金出納検査の報告が議長のもとに提出されましたが、その報告書は、既に配付している写しのとおりであります。
 本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
 これより、代表質問を行っていただきます。
 21番福間裕隆議員


◯21番(福間裕隆君)(登壇、拍手)議場の議員の皆さん、執行部の皆さん、そして傍聴席の皆さん、おはようございます。
 ただいまより会派「信」を代表しての代表質問に入りますが、その前に一言申し上げたいと思います。
 このたび、ミャンマーのサイクロン、中国四川省の大地震と相次いで甚大な被害が発生いたしました。被害に遭われた皆さん方に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復興できますことを強く願うものであります。なお、私は被害に遭われた方々にわずかなりとも義援金をお届けしたいとの思いもございますが、各議員、各会派がおのおのまちまちにするのではなく、鳥取県議会としてまとまったお見舞いの意を表明することが一番ではないかとの考えに至りました。議長におかれましては、ぜひこの意をお酌み取りいただき御尽力くださいましたなら、幸いに存じます。
 それでは、代表質問に入らせていただきます。
 私はこのたびの代表質問を「「農」を問う」として、従来の県政全般を網羅した質問ではなく、農業に焦点を当て、そこから派生するさまざまな課題を取り上げさせていただく所存であります。この点御理解をいただくとともに、執行部の実りある答弁を要請するものであります。本議場の先輩、同僚議員の中には、みずから農業経営を実践しておられる人、元県職員としても農政に貢献された人等々、農業の専門家、プロの人がたくさんおられ、私のような素人がその皆さん方の前で「農」を問うなどとはおこがましいとは思いますが、今こそ農業に真っ正面から向き合うべきだと私は思うのであります。わかり切った内容や稚拙な内容もあり得るかと思いますが、私自身の勉強、意識の強化という思いも含めて、今回の質問といたしました。御寛容の上、おつき合いいただきたいと存じます。
 現在農業を営んでおられる皆さん、また県の農林水産部や西部総合事務所の職員、普及員の皆さんといろいろ意見交換をさせていただきました。意見交換では、これまで方々で言われているとおり、後継者問題といった深刻な課題も拝聴いたしましたが、一方で農業経営に活路を見出そうと懸命な努力をしておられる農家とそれを支援する普及員のお話をお聞きすることができました。このような農家の皆さん、普及員の皆さんの活躍に深く敬意を表しますとともに、頑張っておられる農家の皆さんを初め農業に携わっておられる方々がこれからも農業をぜひ続けていきたいと思えるような社会が実現いたしますよう、期待を込めて質問をさせていただくものであります。
 さて、世界の食料需給をめぐる環境は、地球温暖化、人口増加、バイオ燃料の需要の高まりなど、これまでにない変化の兆しを見せております。地球温暖化に関しては、気候変動に関する政府間パネルの報告書において、直近100年間で平均気温が0.74度上昇し、21世紀末までに2.4度から6.4度上昇することが見込まれております。気温の上昇は、洪水、干ばつ、猛暑などの世界的異常気象をもたらし、砂漠化による農地の減少や農業用水の不足など、世界の農業生産に大きな影響を及ぼすことが懸念されております。また、人口の増加では、現在、世界で65億人の人が40年後の2050年には92億人へと爆発的な増加が見込まれております。特に、高い経済成長が続く中国、インドでは、所得向上に伴う穀物需要の増加が見込まれております。さらに、原油価格の高騰、バイオ燃料の需要の高まりに伴い、バイオ燃料用の穀物需要が急増しており、特にアメリカ、ブラジル、EUではその傾向は顕著となっております。バイオ燃料の原料はトウモロコシ、サトウキビ、大豆などで、この需要増加は食料需要と競合し、穀物価格の上昇や争奪を招く結果となっております。
 世界の穀物需要の拡大と地球温暖化による生産が不安定となる中、食料の6割を輸入に依存する日本にとって、食料自給率の向上、そして食料の安定供給の確保は極めて重要な課題であることは論をまたないと思います。しかしながら、これまでの我が国の政策は、工業製品の生産、輸出を中心に相当のウエートがかかっていたことは明白であります。この結果、我が国全体では、農村から都市への人口の流出が続き、農業従事者の減少、高齢化、耕作放棄地の増大、農村の崩壊に歯どめがかからない状況にあります。本県においても全くそのとおりであると思います。
 工業と農業に関して、私の尊敬する農学博士の言葉を引用いたしますと、農工間不均等発展という法則があり、産業として競い合った場合、農業は工業に勝つことはできない。均衡を図るのはその国の政策であると指摘をされております。農業政策を考える上で、工業と同様に競争の原理を過度に持ち込むことは避ける必要があると思いますが、この点について、知事の認識はいかがでしょうか。
 また、現行の我が国の農業システムで果たしてよくなるのか。その点に関して、知事の認識はいかがかお伺いをいたします。
 人は食料がなければ、生命の維持は図れません。このことから、農業は国民の命の産業であり、まず政策の一番の柱でなければならないと思いますし、農業政策、食料政策は国民の生命を守るための政策でなければならないと考えるものであります。また、国民の生命線である食料を守る上で、それを生産する農家の生活基盤を確立することは不可欠であると考えますが知事の認識はいかがでしょうか。
 農業、特に稲作に関しては、個ではなく農村という集合体が機能していなければ成り立ちません。農業は百年の大計であり、古来、米はムラで半分、農家で半分でつくるものと言われてきたようであります。しかし、現在の政策は、ムラを壊すことばかりをやってきていると言えるのではないでしょうか。御存じのとおり、稲作を行う上で必要不可欠なのは、水、水路であります。そして、田植え、稲刈りと一時期に集中する作業も稲作の特徴であります。これらの稲作の特徴に対応してきたものが農村であります。農家が安心して農業生産を継続し、安定的に食料を供給するには、伝統と文化の歴史を刻んできた農村という役割が極めて重要であります。しかし、農村の現状は、先ほど申し上げたとおり、これまでの工業主体の政策の結果、衰退の一途にあります。このままではいずれ農村は消滅し、農業生産の基盤が崩壊し、食料供給に重大な影響が及ぶものと懸念されますが、知事の所見をお伺いをいたします。
 冒頭、農業経営で活路を見出した農家もあると申し上げましたが、本県の農業の状況を統計で見ますと、総農家数は、昭和60年に4万8,000であったものが、20年後の平成17年2月には3万4,000と約3割減少しております。また耕地面積は同じく2万8,700ヘクタールであったものが2万4,500ヘクタールと2割近く減少をしております。その他の指標でも軒並み大きく減少しておりますが、現在の政策を続けていてよいのか、不安に思うものであります。今後、農業に回復のチャンスはあるのか。もしあるとすれば、どういったことに気をつけるべきなのか、知事のお考えをお伺いをいたします。
 次に、農を守り育てるという観点から、幾つか質問をしたいと思います。
 政府は、食料・農業・農村基本法の基本理念を示し、施策の具体化を図るため、平成12年3月、食料・農業・農村基本計画を策定いたしました。以降、この計画に基づき、個別の政策の検討が進められ、米政策の抜本改革、中山間地等への直接支払い、品目別経営安定対策などの政策が実施に移されてきました。その後、政府は、基本計画策定後の情勢の変化や施策の成果の検証、評価を踏まえて、平成17年3月に10年後にカロリーベースで45%とする食料自給率目標の設定、担い手を対象とした品目横断的経営安定対策の導入、環境資源重視の施策の推進、農地の効率的利用のための新規参入の促進などを軸とした新たな食料・農業・農村基本計画を策定しております。政府はこれに基づき、昨年度から品目横断的経営安定対策、米政策改革推進対策、農地・水・環境保全向上対策の3対策を農業・農村地域の活力を引き出す農政改革として推進しておると私は認識しております。
 この新たな経営安定対策とこれまでの大きな違いは、対象を担い手、あえて語弊を恐れずに申すならば、大規模なプロ農家に絞り込んだところにあると考えておりますが、制度実施から1年が経過した現在、政府のねらいどおりに担い手への集約が図られ、競争に耐えられる経営体が育ちつつあるとお考えかどうか、知事に認識をお伺いをいたします。
 平成17年度の県内水稲作付規模別の農家数を見ますと、1ヘクタール未満の農家が全体の9割以上を占めております。日本全体で見れば、本県と同様な地域は数多いと思います。平地が余り多くないことや小規模農家がほとんどを占めている状況から考えても、政府が言う担い手を中心とした政策だけでは本当に国民の食料が将来にわたって安定的に生産できるか甚だ疑問に感じざるを得ません。この点についても知事の所見を伺いたいのであります。
 統計では、鳥取県の専業農家は、昭和60年の約4,300戸が平成17年では約4,400戸と若干ふえているのに対して、兼業農家は同じく約3万4,000戸が約2万戸へと約4割も減少しております。
 農家の皆さんとの意見交換で印象に残っているのは、今、農業を営んでいるのは65歳以上の高齢者が中心であること、これらの方々は代々受け継がれた農地を守るという意識に支えられているということにあわせ、年金を受けることによって初めて生活が成り立っているとのことでありました。
 このように、高齢者が損得抜きで営農している今はまだしも、これが次の世代に代がわりしたときに、果たして意識だけで農業を続けていくことができるのか、非常に心もとない気がいたします。代がわりしても続けていくことができるような動機づけを今考えておかなければ、そう遠くない時期に農地の荒廃が一気に進むことも懸念されますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
 農林水産部や西部総合事務所との意見交換では、政府は担い手を中心としているが、県はまず集落営農を重点に取り組んでいるというぐあいに私は理解を得ました。私は農村を守る観点から、また本県の地勢からいって、大規模化には無理があることから、集落営農を重点とする方針は間違っていないと思います。意見交換では、政府の政策の補完的な施策として、本県のチャレンジプラン支援事業が高く評価されておりました。この制度を利用して、オンリーワンの作物栽培で収益を上げようという試みが行われたり、あるいはこれを契機に、集落における耕作機器の集約、共同利用を図ることにより、集落営農の促進が図られるといったことが効果として上げられておりました。評価が高いこの施策でありますが、いつまで続くのかとの不安の声もありました。集落営農を始めるに当たり、機器の集約をこの事業で行ったとしても、機器の更新時に果たして制度が存続しているのか、その点を心配する意見もありました。財政が厳しい中で、この補助制度の継続を保障することが難しいのはよくわかります。しかし、将来の見通しがはっきりしない中で、二の足を踏んでいる現状も先日の意見交換の際に目の当たりにいたしました。ぜひ長期的な視点から農業に取り組めるよう、長期的な支援についてぜひ検討いただきたいと思うのですが、知事のお考えをお伺いをいたします。
 次に、稲作農家の生活について考えてみたいと思います。
 平成10年9月16日の代表質問で、松田一三議員が次のように主張しておられます。「我が国においても、紀元前をかなりさかのぼって稲作が始まったのであります。そして、稲作農耕を目的として用水路建設のための土木技術や栽培技術等の開発が進み、かんがいや防災を共同作業で行うために集落が形成され、祭りが始まり、各種の芸能文化も発展していったのであります。2000年以上にわたる我が国の連綿とした歴史をさかのぼってみるとき、我が国の社会基盤、芸能文化、さらに価値観、社会観といった日本人の心など、これらの形成にかかわる根幹はすべて稲作農業が占めていると言っても過言ではありません」と述べておられます。全く同感であります。
 また、食料生産基地としての農地の維持の面から見て、最も効果的なのは稲作だと思うのであります。このように、これまで稲作は日本の生活の柱であったにもかかわらず、稲作で得られる収入を見ると、とても稲作専業では生活できる状況にはありません。鳥取県産米の米価の推移を見ますと、コシヒカリでは平成10年度に60キログラム当たりで1万9,051円であったものが平成19年度では1万3,766円と大幅に下落をしております。不作であった平成15年度を除いては、右肩下がりの状況にあります。
 一方、農林水産省農業経営統計調査に基づく米全算入生産費では、鳥取県の平成18年度の60キログラム当たりの生産費は1万9,167円となっております。この生産費には、家族労働費を含むということでありますが、年度は違うものの、その不足額は5,400円にも上っております。また話を伺った限りでは、20ヘクタール近いような規模で経営しているところでは、生産費を上回る収入を得ておられるものもあるとのことですが、その半分程度の規模では軒並み生産費を下回った収入しか販売では得られていないようであります。すなわち一生懸命米をつくっても、労働に見合う対価は販売収入だけでは得られないというのが実態であります。WTOのルールで、政府が価格を管理することはできないとか、政府で担い手に対しては品目横断的経営安定対策を、担い手以外には稲作構造改革促進交付金を措置しているといったことは承知をしております。しかし、これを含めたところで、割に合うものかどうかを考えると、疑問に感じざるを得ません。そのことをわかり切ったことと突き放すことは簡単でありますが、果たして現状が正常なことなのか、いま一度考える必要があるように思えるのですが、知事の所見を伺いたいと思います。
 大規模農家にも自作農には限界があります。特に山間地など、あぜ管理に大きな労力を要する地域はなおさらであります。そのため、機械による作業受託のウエートが高くなると思います。集落営農の場合でも、オペレーターの賃金を確保するには、作業受託の考えが必要となりますが、こうした作業を委託する側に立って考えると、委託しても損にならない程度の米収入がなくては、作業委託そのものが成り立たないのであります。米単価、米収量、作業委託料金、その他経費を計算して、成り立つために必要な米単価を算出し、その単価で販売するために必要な施策、方針は何か、作業受託料金とするために必要な施策、対応策は何かを考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。
 以前は、米は米屋からしか買えませんでした。それが平成6年の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律により、スーパーマーケットで購入することが今や当たり前となっております。スーパーマーケットの店頭を見ますと、さまざまな産地の米が販売されております。中には魚沼産コシヒカリなどブランド米も販売されておりますが、やはりスーパーでの売れ筋は安価な米のように感じております。便利なスーパーで安く購入できることは消費者として歓迎すべきことですが、市場価格の形成に影響力を有する量販店などに流通するようになると、生産者としてはどうしても買いたたかれ、収入の減少ということにつながっていくように思えてなりません。
 一方で、先日、農家との意見交換では、栽培規模はそれほど大きくはないものの、有機栽培によるこだわりの米づくりで全国の消費者を相手にファンを広げ、相対による高付加価値の米取引を行って、一定の収益を上げているとの話を伺いました。また、別の農家のお話では、村の有志数人でスイカを栽培し、軽トラック5台分を市場に出荷したところ、二束三文の買いたたきに遭い、受け取った代金は出荷作業に携わった10名のラーメン代にしかならなかったという、笑い話では済まされない過酷な現実を伺いました。その農家がおっしゃっていた印象に残るキーワードは、自分で価格をつけて売るということでありました。ここで私が申し上げたいのは、米は今買いたたかれているものと、自分で販路を開拓し、高付加価値のまさに自分で価格をつけて売る米と二極化しているように思うのであります。米の入札価格は、さきに申し上げたとおり右肩下がりの状況にあり、価格維持のため行われている政策は生産調整を中心に行われているように思うのですが、これ以外にも量販店などの市場価格の形成力に抗し得るような生産者側の対応策というものも考えていく必要があると思います。知事の所見を伺います。
 また、やる気のある農家に対しては、高付加価値の米づくり、相対取引による有利な価格づけということを応援していくことが必要と思いますが、御所見を伺います。
 次に、農家への技術支援、普及員の役割についてお伺いをいたします。
 昨年12月13日の本議場において小谷茂議員が、片山県政下で行われた農業改良普及事業の見直しに対する平井知事の見解をただされました。その際、平井知事は、認定農業者だとか品目横断的経営安定対策に乗る集落、特にそうした経営的な能力を高めた集落、こういうところに特化をして、企業的農業経営の自立支援を余り厳密にとらえずに、ある程度広がりを持ってそこに行こうとしている人たちを支えていくことが必要だろうとの見解を示されております。私は農業改良普及員の活動をとても高く評価をしております。強い農業を育てるために、企業的農業経営の自立支援に力を入れることは必要なことと考えておりますが、一方で、鳥取県のような地勢ではそればかり注力していても、農業全体の底上げにはならないのではないかと思っております。知事がおっしゃるように、広がりを持って支えるという視点をぜひ大事にしていただきたいと思います。
 農家の皆さんと意見を交わす中で、私だけではなく多くの方が農業改良普及員の技術支援を高く評価しておられました。また、ある方からは、政府の農政にこれまで振り回されたことを思えば、身近な人に相談して身の振り方を自分で決めることが今後一層大事になる。普及員の支援を充実していただきたいとの意見をいただきました。
 私は農業は命の産業であり、それを支える農家が大切であるということが、今回の質問の根底にあるわけでありますが、そこで農業、農家を支える農業改良普及員の体制の充実が必要と思いますけれども、知事、いかがでしょうか。
 体制充実とともに考えていただきたいことがあります。それは普及員相互の連携、組織全体の連携の強化であります。伺った話では、特に白ネギでは同じ農地で栽培を続けると、連作障害が発生し、年数を追うごとに収量が下がることがあるようであります。お話を伺ったのはある酪農家の方ですが、その方は農地を借りて飼料用作物を栽培しておられます。その栽培地の周辺で白ネギが連作障害で収量が落ちているのを目の当たりにして、自分の耕作地と白ネギ耕作地を交換するようなことを思いついて相談されたことがあるようなのですが、残念ながら実行には至らなかったようであります。提案を実行に移すにはいろいろな問題があるとは思いますが、本件のように実際に連作障害で困っている農家がある一方で、農地の融通がきくような事案であれば、内部がもっと連携することで対応が異なったことも十分に考えられます。私はこのケースを非難するわけではなく、普及所の人員体制のこととか、専門性の壁といったいろいろな問題が背景にあるのではないかと思いますが、今後の連携の強化の必要性について、知事の認識を伺います。
 次に、就農支援についてお伺いをいたします。
 現在の農業従事者の性別構成を見た場合、平成17年度の基幹的農業従事者2万8,887人中、男性と女性の割合はほぼ半々となっております。また、年齢別、性別で見た場合、15歳から59歳までの方は全体で5,374人の2割弱と少ないのですが、男女の比率はこれもほぼ半々ということになっております。このように、農業において女性の労働力は現在の数字から見ても非常に大きなウエートを占めております。一方、農業従事者はそのほとんどが勤め人ではなく家族経営の中の一員という立場のため、女性に関しては出産に当たっても休暇制度がなく、そのため生活基盤も不安定との声を聞きます。農業に限らず個人事業を営む皆さんはすべてそうだと言えばそのとおりかもしれませんが、我が国の農業を考える上で、若い女性がどんどん活躍していける環境を整えることが非常に大事なのではないかと思います。女性が農村で活躍することは、ひいては男性も元気になり農村そのものが勢いづくような気がいたしますが、このような観点から女性の就農支援策が何かできないものか、あるいは国への働きかけが何かできないか、知事のお考えを伺うものであります。
 農業を雇用という面から考えてみたいと思います。私は農業で雇用を創出していくことをもっと考えたほうがよいと思います。大規模に水稲を栽培したり、作業を受託している農業生産法人の経営者から伺った話ですが、その方は若いころから農業をずっと続けておられ、時には100万円を超える種を無駄にしたような失敗も経験されたりと、数々の苦労を積んでこられたようであります。現在は生活できるだけの収入を農業法人経営で得ることができるようになったようですが、そこに至るまでには長い年月を要したとのことでありました。その方にとっての課題は、事業の拡大、法人の次世代の経営者育成とのことであります。事業拡大を念頭に法人従業員の求人をハローワークに出したところ、かなりの引き合いがあったとのことでありました。しかし、条件面で折り合わず、結局雇用には結びつかなかったようであります。残念と言うほかはありません。その経営者としては、自分が苦労して積み重ねたノウハウを雇用した若者に伝授しようという熱い思いがあったにもかかわらず、成就しなかったということであります。農業には潜在的な雇用吸収力があると思うのですが、単純に経済原理だけではうまくいかないと、そういう思いを強くしております。
 そこで提案ですが、農業を少しでもやってみたいと思う方にとっては、お話ししたような経営者のもとで修行を積むことは願ってもない研修機会だと思うのです。その経営者も言っておられましたが、ある一定期間はどうしても仕事を覚えさせるためにとても手をとられる。人を雇っても、最初のうちはプラスではなくマイナスになると。しかし、農業の持続を考えていく上で、自分のノウハウを伝えていくことは必要であると。雇用と本人の農業スキルアップを兼ねて、このような経営者のもとでの一定期間の雇用に対して助成をするということは考えられないでしょうか。知事の所見を伺います。
 また、農業の経営体と農業大学や農業高校が情報共有を進め、後継者問題や就農対策を進めていくことが必要と思いますが、現在の取り組み状況と今後の対応についてお伺いをいたします。
 次に、中山間地対策についてお伺いをいたします。
 これまで申し上げたとおり、稲作は日本の生活の柱であり、稲作を支えてきたものは農村であります。しかし、中山間地の農村は人口の流出、高齢化で活力を失いつつあります。そのような中で中山間地の農村の維持に関し、私はキーパーソンの確保、育成がキーワードになると思っております。
 私の調べでは、本年3月時点で県内の農村集落数は1,634あり、そのうち集落営農組織は274と2割に満たない状況であります。なかなか組織化が進まない原因は、やはり核となる人物を確保できないことにあるとさまざまな方から伺いました。県がどこまで支援していくべきか、課題は多いと思いますが、このまま行政が支援しなければ、農村の荒廃はとまらないと思います。知事の所見はいかがでしょうか。
 西部の山合いのある地区の話でありますが、この地区は典型的な山間の農村で、カヤぶき屋根の民家もあるのどかな風景の場所であります。なお、ここでは澄んだ水と空気ですばらしい米づくりを行っているのですが、米づくりの担い手は高齢者ばかりなのです。これまで受け継がれた農地を守るため、米づくりに励んでこられたわけですが、将来継ぐ者がいるかわからないため、生産意欲を失いかねない状況にあるということを伺っております。
 このことに関して、農業で生計を立てている若い農家によれば、自分のネットワークを使っておもしろいことができるかもしれないというのであります。大体家族6人で1年間に消費する米は面積でいうと10アールに満たない程度というのですが、ここで生産される米をその家族に販売するという相対契約を結び、また米づくりで最も手のかかる田植えと稲刈りの作業について、農業体験としてその家族を招くことができはしないかというのであります。あわせて、その集落の空き家を宿舎や休憩所として活用し、都会からの集客として活用してはどうかという提案であります。提案した本人もすぐにできるという確信を持って発言しているわけではありませんが、中山間地を逆手にとった一つの活性化策だと思います。単に農業体験だけでは集客は困難なため、観光や文化と連携し、本県に滞在してもらうような仕掛けができないか、ぜひ検討をいただきたいのですが、知事のお考えを伺います。
 中山間地域等直接支払い交付金は、食料生産のほか景観保全、水源涵養などの中山間農地の多面的機能の維持を目的としており、これらを保有する方々の生活を保障するようなものではないものの、これまでの対策とは大きく一線を画す有効な施策であると認識をしております。なお、この交付金は平成17年度から21年度までの5年間を区切りとして支払われるものですが、中山間地の集落では本制度の継続を強く望んでおられます。ぜひこの制度が今後も継続されるよう、国への働きかけを行うべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、耕作放棄地対策について伺います。
 本県の耕作放棄地の面積は、比較が可能な平成12年度以降の数字で見ても、12年度の約2,700ヘクタールが17年度には3,400ヘクタールへと、わずか5年で26%も増加しております。これまで数多くの皆さんがこの議場で耕作放棄地対策を取り上げられ、いろいろ議論を重ねてきても一向に下げどまらない状況にありますが、過去の対策と成果についてどう認識しておられるのか、また今後どうなると考えておられるのか、知事の所見を伺います。
 やはり農地の基盤維持として有効と考えられる米づくりを続けて行うだけの魅力がないことが原因なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。もしそうであるのであれば、その原因に抜本的に対応することが必要なのではないでしょうか。あわせて所見を伺います。
 カロリーベースの食料自給率を計算する上で、畜産物は国産であっても輸入した飼料を使って生産された分は自給率に算入しないというのは、御案内のとおりであります。日本は飼料の自給率を見ますと、平成16年度では純国内産飼料自給率は25%と、食料自給率をさらに下回っている状況にあります。近年、飼料の主力であるトウモロコシがバイオ燃料用に回るなどの影響もあり、飼料が高騰しており、いずれ人口急増による食料不足のおそれも加わり、飼料の高騰だけではなく輸入そのものが難しくなることも懸念されます。
 そこで、国内産飼料をもっとふやしていくことが求められると思います。農林水産省が本年4月にまとめている飼料をめぐる情勢によれば、自給飼料は輸入粗飼料と比較して、コスト面で優位にあるものの、畜産経営においては利便性、労力面の負担等の要因により、輸入粗飼料に依存する傾向と分析されております。輸入飼料のほうが安いのであれば、国内産飼料の振興を唱えても難しい面はあるでしょうが、労力の負担は必要とはいえ、コストは自給飼料のほうが安いのであります。このことを踏まえ、耕作放棄地対策として畜産農家との連携で何か工夫ができないか検討が必要なのではないかと思うのですが、知事、いかがでしょうか。
 我が国の食料自給率がカロリーベースで最低を更新し、ついに40%を切ったことは多くの県民に危機感を抱かせたのではないかと思います。加えて、輸入された冷凍ギョウザの食中毒事件により、改めて食料輸入の恐ろしさをみんなが認識したものと思います。冒頭にも申し上げましたが、全世界の人口は今後40年余りで1.5倍程度まで膨らみ、食料不足が深刻な問題としてクローズアップされてきました。先日の新聞記事では、国内の大手商社マンが大豆の輸入で奔走し、ようやく必要量を確保したことが記されておりました。その中で、世界の胃袋はこれからさらに膨らんでいく、日本が必要な食料を調達できない事態が一段と現実味を帯びるとのコメントがありました。非常に恐ろしい話ですが、本当にそうなるとの感覚をみんなが持っているのではないでしょうか。
 そこで、自給率のあるべき水準として、知事はどのようにお考えか、お伺いをいたします。
 食料自給率を高めるための抜本的な対策は、くどいようですが、私は稲作の振興にあると思っております。しかし、これだけでは足りません。やはり国内消費の拡大を図り、生産意欲を刺激することが大切だと思います。そのための手っ取り早い方策として、学校給食での地元農林水産物の優先使用をもっときちんとやるべきだと思います。学校給食の県内農林水産物の使用割合は、米を抜いたところで、平成18年度53%と伺っております。半分程度となっている理由を聞きますと、価格の問題であるとか、献立に必要な食材が地元で調達できないといったことが主な原因のようですが、もっとやりようはないのでしょうか。教育長の所見を伺います。
 これまで農業についてお伺いをしてきましたが、壇上での最後に、農と教育についてお伺いをいたします。
 農業がここまで衰退した原因は、稲作の衰退、農村の崩壊などを上げました。さらに、あともう一つ重要と思うのは、農業に対しての意識が低い。教育が足らないのではないかということであります。食料自給率のことについても、マスコミがショッキングな取り上げ方をすると、その瞬間みんなの意識が一気に高まるのですが、時間がたつと次第に忘れ去られていくのが常ではないでしょうか。その点、カリキュラムとして、食料がどのように生産されているのか、自分の国でどの程度食料が賄えるのか、そして食料をつくる生産者がどのような生活を送っているのかなど、農業に関することを勉強すれば、深く意識にすり込まれるのではないかと思いますし、そうすべきだと思うのですが、教育長の所見を伺うものであります。
 今はゆとり教育の揺り戻しで、学業優先の風潮になりつつあるように思いますが、自分が今どういう状況にあって、今後日本はどうなっていくのか、どうすればよいのかなど、考えさせることをもっと取り入れるべきだと思います。その面で農業は、本当に格好のテーマだと私は思います。こういった視点を教育に取り入れるべきだと思いますが、教育長の所見を伺います。
 農業体験学習を行っている小学校は、全体の約6割に相当するということを先日お聞きいたしました。かなり取り組まれていると思いますが、その一方で、中学校ではほとんど取り組みがなされていないとのことでありました。農業や食に関する知識教育はもちろん大事ですが、知識だけではなく、体験学習も一緒に取り組むことが必要と考えます。小学校の残り4割と中学生に対しても、体験学習を積極的に取り入れて、農と食について、身をもって理解を深めることをやるべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長の所見を伺います。
 次世代を担う子供への教育は無論力を入れる必要がありますが、短期的に見れば、消費の中心である大人の意識を変えることも忘れてはなりません。今、我が国は好景気と言われておりますが、賃金水準は上がらず、我々消費者は好況を実感できないこともあり、生活防衛のため、どうしても安いものを求めてしまう嫌いがあります。その結果、冷凍の外国産食材などが大量に輸入され、国産の市場規模が減り生産が減る、そして食料自給率が下がるという悪循環に陥っているように感じるものであります。農産物はどう生産され、どのような手間がかかっているのか、食料とは本来どうあるべきなのかを、子供ではなく大人ももっと真剣に向き合う必要があると思うのであります。これについて、知事、いかがお考えでしょうか。もし向き合う必要があるのであれば、どうすればよいとお考えなのでしょうか。
 以上、お尋ね申し上げて、壇上からの質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)21番福間裕隆議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福間議員の代表質問にお答えを申し上げます。
 まず、冒頭でお話がありましたミャンマーのサイクロン被害、さらに中国の四川省の地震に対しましては、重ねて哀悼の意を申し上げ、そして一日も早い復旧につながりますよう、精力的な努力を望みたいと思います。県といたしましても、何かできることはないか、これも引き続き国と調整をしております。例えば毛布だったら提供できる、そんな話もさしあげているのですけれども、いまだちょっと現地との調整がついておりません。県内各地で募金も募っているところでございますので、ぜひまた御協力をいただければと考えております。
 まず、きょうの代表質問でありますが、農一本に絞られまして、大変に中身の濃いものになっておりまして、私も精いっぱい答弁をさせていただきたいと思います。最初は農林水産部がこの代表質問の通告があったときに、冗談かと思ったそうでありますけれども、本当に農業だけで終わってしまいまして、ぜひきょう成果のあるやりとりをさせていただきたいと思っております。
 まず、ICPPのお話がございまして、環境ということでも農業というものの持つ意味は非常に大きいのではないか。人口も爆発をしてくる。地球は有限な資源でありまして、その上に今90億の人口が生まれようとすらしておる。その限られた中で、この有限の資源の中でどうやって我々人類は生きていけばいいのか。かつてローマクラブが提唱したように、有限の世界、この地球というものの認識から出発すべきなのだと思います。こういう課題にも対処しなければならないという意味で、食料というのが一つの基本的な認識の出発点になると思いますし、それから農業もその意味で今後の展開を我が国として、そして鳥取県としてかじ取りを考えていかなければならない、そういう時期に至っているのではないかと思います。福間議員は恐らくそのことをおっしゃりたくて、具体的な論点にも及びながらの御質問だったのだと思います。その基本認識は共有させていただきたいと考えております。
 冒頭の御質問でございますが、農工間不均等発展という法則があると。農業を考える上で工業同様の競争原理を過度に持ち込む必要はないのではないか。現在の我が国の農業システム、政策で果たしてよくなるのだろうかというような御質問でございます。
 確かに農業はほかの産業とは違った面があると思います。それは生命と向き合って初めて収穫が得られることでありますし、その収穫によるものは直接私たちの衣食住の食を支えるものであって、我々の生命の連鎖を引き継いでいく上で欠くべからざるものであります。工業であれば、利便性を高めるとか、生活の質の向上ということに結びつくことはあるかと思いますが、それは生命そのものにかかわるものとも言い切れないわけでありますし、またその生産活動においても、例えば石油であるとか、あるいはさまざまな材料を駆使しながら、そして集合としての製品をつくり上げていくわけであります。技術の投資だとかさまざまなことが行われ、産業としての発展は生じるわけでありますけれども、それは農業と違って、そこに生命が誕生し、収穫に至るというものとは異なるわけです。ですから、工業とは違って非常に地域性が高いものということがまず一つは言えるだろうと思います。
 その土地の気候だとか、あるいはそれを支えておられる生活の場における食文化の状況でありますとか、食に対する価値観とか、それから自然の循環の状況がどうなっているか。例えば降雨の状況がどうであるか。あるいは非常に広大な平野が広がっているところか山間地であるか。いろいろな条件に左右をされながら立地をするものであるということが一つは言えるだろうと思います。
 さらに、今日的な課題として我々が考えなければならないのが、そのマルサスの「人口論」で言われることもあるわけでありますけれども、これからどんどんと人口がふえていく。その中で食料が不足をしてくる。特に御指摘のように中国やインドのように、経済力も成長してくる、その中に非常に多くの人口を抱えておられる。これに対する食料の供給が需要として高まりますので、この分だけ我が国に対する食料の持ち込み、輸入が減ってしまう。価格はつり上げられる。そういう意味での食料の安全保障ということもあるわけであります。
 このように農業は工業などほかの産業とは違った本質を持っていることはおっしゃるとおりだろうと思います。ただ、不均等発展があって、常に工業は強いので、農業が負けるのだという御指摘が果たしてすべてに妥当するかどうかということはあると思うのです。例えば戦後の混乱期もそうでありますけれども、いろいろな重化学工業だとか成長してきましたし、その前の戦争中のことも考えてみれば、最終的には食に追われて疎開をするということも起こったりしまして、やはり食が引きつけるもの、その価値の普遍性といいますか、崇高さというのは実は工業を上回るものが本当はあるのではないかと思います。そういう意味で、一定の工業とは違ったものを認識しながら政策を組み上げていくという、つくり上げていくということではないかと理解をいたしております。
 その農業の世界に工業、ほかの産業と同じような競争原理を持ち込むことが妥当するかどうかという点でございますが、私は適度な競争原理は必要な部分があるだろうと思います。これは極端なということではありません。今、例えば農業会社があちこちに林立をいたしまして、それで淘汰をされていく。工業の世界で起こりましたように、強い会社が生き残り、そのほかは淘汰をされていく。世界じゅうで強い農業地帯が生き残り、ほかが淘汰をされ、荒廃をする。これがあっていいかどうかということでありますと、私はそういうたぐいのものではないだろうと思います。ですから、そうした過度の自由主義的な極端な競争原理が持ち込まれるべきものではないだろうと思います。
 しかし、では単純にすべて国営農場のようにしてしまうことがいいだろうか。すべてが農奴のように縛りつけて、土地に縛りつければいいだろうか。そういうことでもないだろうと思います。やはりその土地で農業に携わりながら、生命と向き合い、自然環境をコントロールしながらやっていくことで収益を上げてくる。ここに喜びを感じ、豊かさを生み出してくる。そういう意味での一定の競争原理といいますか、自由主義的な部分というものはこれは必要なのではないかと思います。問題はそのバランスなのだろうと思うのです。現在の農業システム、我が国の農業システムが妥当するかどうか、これで果たしてよくなるだろうかという点については、私は確かに疑問のところもあります。それは過度に担い手中心だとかいうことに流れ過ぎますと、そのほかの農地はほうっておいてもいいのかということになります。そこに担い手の皆さんが進出をしていって、そして遊休農地を生産活動のほうへと転用してもらうことができればいいわけでありますが、そこまでしっかりとしたシステムに今はまだ我が国の農政、農業システムはでき上がっていないのではないかと思います。
 ですから、現在の水田農業経営安定対策だけでいいだろうか。そのほかにも農地・水・環境保全対策など、あるいは中山間地域に対する直接支払いの制度、ある意味、村を面的に支えるような補完システムがないと難しいのではないかと思いますし、あと今後、我が国にとって大事になってくるかなと思いますのは、減反政策をこれからどうするかという議論が、町村官房長官の発言で今にわかに沸き上がってきております。私はこれは今の農政のあり方に一石を投ずるという意味での発言かなと見ておるのですけれども、その行方は非常に気がかりであります。ある意味正しいのは、今、世界は食料が不足をしてきている。穀物が高騰してきておりまして、特に米も今高騰してきております。かつて1トン当たり300ドルですか、そういうレベルでありましたものが今830ドルぐらいまで上がってきておる。これはことしに入って急騰してきているわけであります。世界の米相場はそういうふうに上がってきております。ですから、こうした穀物に対する、食料に対する需要が高まること、これは中国、インドのような発展途上だった国がもう既に経済力を持ち、購買力を持って輸入へと転じてくる。ですから、これから食料の増産といいますか、世界的には供給のほうに目を向けなければならないというのは、これは一つの真実だと思います。ですから、これを上手にトレンドとして我が国が引き込めるかどうか。我が国の中でもそこを農政の展開へと持っていけるかどうかというのがポイントになってくるのではないかと思っております。その意味で、非常におもしろい部分を持つ提案だと思います。
 しかし、片方で注意しなければならないのは、今なぜ我が国で減反政策を進めているかといえば、米の価格が暴落することを恐れてであります。米の価格が暴落すれば、ただでさえ今生産費に苦しんでいる農業者の皆さんがそこを賄えなくなる。ですから、これは軽々に減反をやめればいいということではなくて、減反をやめるのであれば、そこに伴う需要をどうやって喚起をしていくか。それで、価格面での調整の弁を設けることができるかどうか。この政策提示もあわせてしなければ、非常に危険な部分を伴うだろうと思っております。ですから、そういう意味で非常に今おもしろい局面、ある意味で農政の転換点を、世界的な食料の需給バランスが崩れたこと、それからあと、我が国のほうで言えば、農地の荒廃が進んでくること。これに対する対策が必要であって、農業の建て直しが迫られること。ここの折り合いを世界のトレンドと組み合わせて処理していくことが求められる、そんな局面だろうと思っております。ですから、現在の日本の3点セットの農政のお話がございましたが、それは我々としては見直すべきものは見直していくべきだと考えております。
 そして、2つ目のお尋ねといたしまして、農家の生活基盤を確立する、所得を確保することが不可欠と考えるけれども、それについての認識を問うということであります。
 私も、農家が暮らしていけないような状況に至ることになれば、あっという間に農村は崩壊してしまうだろうと思います。今、ただでさえふえている遊休耕作地がさらにふえていってしまう。これは火を見るより明らかでありますから、何らかの施策が必要だろうと思います。その意味で、国には柔軟な農政の転換を求めたいと思います。
 先ほど来お話がございました水田農業経営安定対策は、担い手中心、そしてそれとあわせて集落営農も組み合わせて、ここを応援していこうという仕組みになっています。しかし、我が県の場合は、これに十分乗り切れるだけの農業の地盤になっておりません。今で言えば、例えば、去年、品目横断的経営安定対策に30%以上乗れたところは、北海道ですとか、それから東北だったらば岩手、宮城、山形、秋田といったところ、それから北陸の新潟、富山、石川といったようなところ、そういうようないわば米どころでありますし、広大な農地を平野の中で有しているところであります。我々のところは中山間地が多いということがまずありますし、いわば農業の見本のような、モデルのようなことでございまして、畜産もきちんと育ててきましたし、またカキですとか、それからブロッコリーだとか、いろいろな野菜、果樹、そうした方面のものを十分育ててきている。ですから、畑、田んぼ、それから畜産、そうしたバランスのとれた農業をしているがゆえに、連担した何ヘクタールという基準を満たすような田んぼがつながってきていないという、そういう状況にあるわけです。ですから、中四国で25%ぐらいあります香川県を除けば、どこも10%行っているか行っていないかという状況でございまして、今の経営安定対策はやや限定的過ぎるかなと思います。
 ですから、我々としてはそこをさらに拡張していけるようにして、全国、地域にはいろいろな形の農業がありますので、そこで応援できるような国の仕組みをつくるべきではないかということが、一つ言わなければならないことだと思いますし、あわせてそうした水田農業経営安定対策に、所得安定対策に言われるような補償の仕方についても、生産費のあり方もきちんと観点の中に入れていかなければならないだろうと思います。単にその価格、入札価格がどうだったかということだけでやりますと、今、価格は下落の局面にありますし、しかも価格については地域差がございます。生産費は我々のほうは非常に高い、少なくとも全国よりも6%ほど平均よりも高い生産費になっているというデータがございまして、そういう意味で単純に今の状況でいいのかどうかということがあろうかと思います。ですから、そうした柔軟な対応をしてもらいたいということです。
 平成11年の食料・農業・農村基本法でいえば、国はこれからの食料生産について、責任を持って政策を提示していくと言っていますので、その文言どおりに政策の充実を図っていただきたいと考えております。
 次に、農村の役割が極めて重要であると。農村が消滅し、農業生産の基盤が崩壊して、食料供給に重大な影響が懸念されるのではないかという御指摘でございます。
 これは先ほども若干触れましたけれども、福間議員が単に個でなくて、面的に村として農業を支えるべきではないかという認識を示されたわけであります。私もそうだと思います。農村として、村として、セーフティーネットを張っていくようにしていかなければならないのだと思います。その意味で、今、農村は非常に厳しい状況にある。その背景には米価が下落してきているということがあるのだろうと思います。ですから、中山間地域の直接支払い制度とか、それから農地・水・環境保全向上対策事業などが大事だと思います。中山間地の支払いは、平成20年度見込みで7,300ヘクタールぐらいに及んでいますし、また農地・水・環境保全のほうも8,000ヘクタールを超える、そういう今年度の見込みになっております。
 こうした面的な対策というのが一つこれからも重要性を持ってくるのではないかと思いますし、こういうものを踏まえて共助の体制をとっていかなければいけないのではないかと思います。
 そして、農業に回復のチャンスはあるのだろうか。もしあるとすれば、どういったことに気をつけるべきなのだろうかということでございます。
 私はチャンスがあるとしたら、食に対する意識が変わってきていること、それと世界的な需給バランスの崩壊の問題があるのではないかと思います。食の安全安心、そして生活の質から幸福を求める。単なる物質的幸福ではなくて、本当においしいものを食べて、ゆとりのある生活をすることに対して日本人が価値観を見出すようになってきている。このことが一つはポイントになってくるだろうと思います。「食のみやこ鳥取県」として私たちは標榜したいと思っております。それだけの資格はあると思っております。それを生かしていくことができれば、私たちが産地としての主張、地位を高めることができるわけでありまして、これを私たちの農業の回復のチャンスにつなげられないだろうかというのが一つだろうと思います。
 今、地域の特殊性として、流通が変わってくるだろうと思います。いわば流通革命が起きるような高速道路の整備が鳥取自動車道や山陰自動車道で結ばれようとしているわけであります。これが生かせれば、私はまた別の光が当たってくるのではないかと思います。例えば、日南で出荷が始まりましたが、朝どれ野菜を岡山へ今出しています。この朝どれ野菜、非常に好評で、向こうで受け入れられている。これと同じことが京阪神へ向けてできないか。今、ブロッコリーなんかも朝早くに夜明け前から収穫をして送っているわけでありますが、そうした収穫を促進をして、これが都会地で評価をされて、新しい農業の活力につながらないだろうか。また、流通は海外へと及ぶわけでありまして、世界の需給バランスが乱れてくる。上海ですとか中国、そしてタイあるいはドバイへスイカを売り込もうという計画もありますが、そのように世界に向けて我々の農産物、誇れる「食のみやこ」の農産物を売っていけるようなことにならないだろうか。これから活路の光が見えてこないだろうかというのが一つあろうかと思います。
 都会地でアンテナショップを出そうという試みを今しております。恐らく8月の下旬ごろに開設時期が少しずれ込むのではないかと考えておりますが、8月の下旬にアンテナショップをやることで、全国的な評価を新しく鳥取が受けることはできないだろうか。例えば米もそうでありますが、北陸でいいますと、富山、石川、福井と並んだ3つ同じような県があります。新潟から順番に4つ並んでいるわけです。この中で米価が一番安いのは福井県です。なぜかといいますと、出荷先が違う。新潟なんかは東京のほうに出荷をします。福井はどちらかというと大阪の市場を目指す伝統があります。どうしても市場の価格の形成力でいいますと、首都圏と関西圏、首都圏のほうが強目の価格形成力があると思います。ですから、首都圏で情報発信をうまいことやることができて、全国的なブランド力を得ることができれば、それは価格面でもいい効果が出てこないだろうかと思います。
 先般もラッキョウを売ろうということで、東京の大田市場のほうへ行ってまいりました。ただ、私は大田市場で売るだけでなくて、東京本部の皆さんにいろいろと注文をつけさせていただきまして、いろいろ報道機関だとかマスコミのほうにも回るようにお願いをいたしました。それが現実に全国メディアのほうでもネットで出たり、また東京ローカルの新聞社で出たりいたしまして、こういうことを地道にやっていって、少しずつ評価を得ていくのだろうと思います。今度、アンテナショップができるときにあわせて、ゲゲゲの鬼太郎の映画が上映される時期でもございますし、そういうものとタイアップをして、鳥取を売り出すことができないだろうか。そんなことも一つの展開のチャンスになるかなと期待をいたしているところであります。
 生産側のほうも変わらなければならないのだと思います。その意味で、米ビジョンを今つくろうとしていまして、できれば今月中、来月までかかるかもしれませんが、流通、販売のところも含めて米について新しいビジョンをつくるようJAの皆さんとか生産者の皆さんと一緒に今懸命にやっています。それから、ナシについても新しいプランをつくらさせていただきました。ナシも鳥取オリジナルなブランドでこれから売り出していけないだろうか。二十世紀ナシだけでなくて、いろいろな展開ができないだろうか。そうしたことなんかも含めてプランをつくらさせていただいたり、和牛も秋を目指して、若い生産農家の方の意見も入れてビジョンをつくろうとしております。それから、有機特別栽培、こうした付加価値をつけることも大切だと思います。そのための計画も去年の12月にこしらえさせていただきました。いろいろと産地側の努力もし、それをさらに市場への販売力とも結びつけて展開をしていくことで回復を図っていく、活路を見出していく、そういうことを鳥取県は目指していくべきではないかと考えております。
 次に、政府の農政改革についてお話がございまして、対象を担い手に限定し過ぎではないか。政府のねらいどおりに担い手への集約が図られて、競争に耐えられる経営体が育ちつつあると言えるだろうかということでございます。
 これは先ほど申しましたが、現実に今その担い手として今回の水田営農の経営安定に乗っかっているのは、北海道とか東北だとか北陸だとか、そうしたところに地域が限定されてしまっているという問題があります。このことは、国としてもよく認識してもらって、政策の転換を図ってもらいたいと。これはかねて要望いたしております。
 今、我々のほうでも、その意味で担い手の若干の変更がございましたので、水田農業ビジョンをつくっておられるところでは、それに乗っかった農業者の方が入れるようになりましたので、こうしたことを活用して、ぜひ6月の末までに乗れるところは入っていっていただきたいと、今、勧誘をしているところであります。現実問題、この担い手について、鳥取県内、北海道だとか東北だとか、そうした農業の形態とは残念ながらまだまだ及ばざるところがあるだろうと考えております。
 次に、担い手を中心とした政策だけで本当に国民の食料が将来にわたって安定的に生産できるか疑問であると。これについての考え方を問うということでございます。
 これも鳥取県の場合は、1ヘクタール未満の農家さんが9割以上を占めているというのが水田農業の実態でございますので、そのことを考えれば、従来の担い手中心だけに限ったようなことであってはいけないと思います。ただ、大切なのは、担い手のような中核的な農家がきちんと成長しなければいけないのも事実であります。鳥取県でもしっかりとそうした農家さんがいまして、例えば南部町でも井田さんがアイガモのほうで非常に成果を上げておられます。その販路は全国に及んでいるわけでありますし、価格もしっかりと取っておられると伺っております。しかもそのアイガモが、地域の子供たちにも農業のすばらしさを体感していただくチャンスにもなっていますし、観光面でも生かされてくるといいますか、つまり外から来られる方々も出てこられる。そういうように、すばらしい農家の営みというものを我々は応援しなければいけないのだと思うのです。そういう元気な農家の方が県内のあちこちに出てくる、そういう意味での担い手をつくっていくこと、これは重要なことだろうと思います。
 さらに、その担い手にかわり得る存在として、村として、地域として集落で営農を支えていく、こういう存在もつくり上げていかなければならないのだと思います。こういうふうにしないと、結局結果として、最初に申し上げましたが、例えば工業であれば、大きな力の強い会社が非常な競争力を持っている。それ以外の競争力の弱いところがつぶれていってしまう。後にはペンペン草が生えるということになる。これが農業の姿でいいのか。これは違うと思うのです。これからは地球レベルで食料というものをつくっていかなければならない時代に入ってくる。環境を支えなければならないという意味でも、農地の必要性というものは高い。ですから、そういう意味でどこでも農業を活力を持って営めるようにしていく、そのセーフティーネットといいますか、地域的な仕組みをつくり上げていかなければならないわけでありまして、単なる、今国が言っているような、北海道や東北や北陸で妥当する担い手だけの農業を目指してはいけないのだろうと思っております。
 次に、代がわりしても続けていくことができるような動機づけが必要ではないだろうかということでございます。
 これについては、先ほど来申しておりますが、集落営農の仕組みだとかが必要であります。例えば多様な集落営農支援事業ということで、この4月から適用させていただいているところもございまして、既に10を超える地域から手が挙がってきております。これは国の言う水田営農の安定対策に乗っかるような集落営農までは行かないところであっても、例えば受託形態でやっているところとか、あるいは共同で機械を購入するところとかを応援していくことで、村の農業経営というものを目指していこう。それを応援しようという仕組みであります。こういうようなことをいろいろとやっていく必要があるのではないかと考えております。
 次に、集落営農の重点的方針は間違っていないとは思うけれども、県のチャレンジプランが高く評価されているところであり、こういうものを長期的な視点で支援していく必要があるのではないかということであります。
 これは私もおっしゃるとおりだと思います。将来の見通しが立たないことで二の足を踏むというのは非常に残念なことでありますし、チャレンジプランで我々がやりたい、応援しようとしておりますのは、先ほど申したような元気のある農業者、農業団体というものをふやしていく必要があるだろうと。この意味の施策は今後とも継続していく必要があると思います。今、例えば米ビジョンをJAとか農家の皆さんと一緒に見直しをしようとしておりますが、こうした議論なんかも踏まえて、チャレンジプランのあり方、短期的で終わってしまうという不安があるのであれば、それは見直しをしてもいいのではないかと思います。
 次に、労働に見合う対価というものは販売収入だけで得られないというのが米づくりの現実ではないかと。米作は日本の生活の柱であると。果たして現状が正常なことなのか、いま一度考える必要があるのではないかということであります。
 これについては、先ほど申しましたとおり、国に対して責任を持って柔軟な施策の展開を図っていただきたいと思っております。現状の米価の状況、ここ数年下がってきているのは憂慮するところでありますし、この原因として、本来生産調整をしているのですが、ルールを破って生産し過ぎている県が、地域があるということも残念なことでありまして、これは強く国に是正を求めていく必要があると思います。
 ただ、現在の状況の分析もしてみる必要があると思うのです。今、ある意味すれすれのところにあるのではないかと思っています。詳細、農林水産部長のほうからデータのほうの御説明をさせていただきたいと思いますが、確かに現在の生産費を賄うだけの収入が米で上がるかどうか、これは非常に厳しい状況であるということでありまして、やや赤字ではないか、そういうようなデータにはなります。ただ、その生産費の中にいわゆる販売管理費といいますか労務費に当たるものが入っていまして、いわばもうけの分が4万円ほど入っているそうでありまして、ですからその分で辛うじてつくるかつくらないかといえば、辛うじて今つくっているのだというのが現状のところではないかと思うのです。ですから、本来はその米価のあり方が、世界的には米不足になってきて、相場も急騰しているところでありますから、本来日本の米づくりが見直されて、米価も正当な、生産費に見合うだけの評価を受けるのが一つの行き方だと思いますし、それからその生産費の中でかすかすの状態というものを回避していくために、我々のほうでも応援できることがないのか、国として施策の組み方がないのか、ここを模索していく必要があるのだろうと思います。
 次に、作業を委託する側に立って考えると、委託しても損にならない程度の米収入がなくては作業委託そのものが成り立たないと。ですから、集落営農もそういう意味で難しくなっているのではないか。作業受託料金とするために必要な施策対応策は何かを考える必要があるという御指摘でございます。
 これについては、我々のほうで例えば委託料とか小作料を県のほうで設定するという仕組みになっていませんし、これは農家同士で話し合っていただく。場合によっては農業委員会というものが市町村で活躍をしてもらうという分野になりますので、ここのところに県が関与をすることはできないわけであります。ただ、先ほど申しましたように、今米価が下がってきて、その委託料すらままならないという現状を打破するために、効率のいい生産体制をつくるとか、それから魅力のある例えば有機・特別栽培というものを活用してブランド力を高めるような、そういう米づくりに持っていくとか、そうした仕掛けを我々のほうは県としてはやっていく立場なのかなと考えております。
 次に、米は今買いたたかれているものと自分で販路を開拓して高付加価値のものとに分かれてきているのではないか。価格維持のために行われている政策は生産調整であるけれども、スーパーマーケットなどのバイイングパワーに対抗するような生産者側の支援策が必要ではないかということでございます。
 これが私は一つのポイントなのだろうと思うのです。要は、今のおかしいのは、例えば工業製品であれば、力の強い企業がある程度価格形成力を持っていて、もちろん観念的には、経済学的には需要と供給のぶつかったところで、この高低のところで価格は設定されるのだというふうに説明はされますけれども、現実問題としては、企業側というか供給側のほうに価格の形成力がある。例えば、今の石油の価格とかを見ればそうであります。結局原油の価格の高騰に伴ってどんどん上がっていくわけでありまして、今店頭売りで170円という価格がつくようになっている。これはそれだけの需要と供給のバランスが合った上でこうなっているかというと、そうではなくて、むしろ原価の側から価格が生み出されてきているというものであります。
 なぜか農林水産業の分野だけ市場重視主義になっていまして、供給側の事情よりも、供給側の本来のコスト曲線があるはずでありますけれども、そのコスト曲線を無視したところで、現実には需要側のほうの曲線のほうで価格が設定されてしまっているという不思議な状況だと思うのです。私はこの市場メカニズムがややおかしいのかなと思うのです。いろいろな売り方をしていって、我々のほうで価格形成力を持つというのがその一つの解決策なのかなとも思います。もちろん大きなところは、やはり市場へ持ち込んでいかないと、大変量はありますし、集荷をしてきて出荷をするということになりますから、どうしてもその限界はあるわけでありますけれども、例えば元気のいい気のきいた農業者の方は今直接全国に向けて売っているわけでございます。そういうようなことを我々としてもブランド力をつけてやっていかなければならないのではないか。
 今の鳥取県の米の価格は、残念ながら全国的にも非常に低い水準になっています。これはなぜかというと、分析をしてみますと、一つにはロットが少ないものですから、訴える市場での存在感がない。それからあと、存在感がないということと関連するのですが、結局他の産地とブレンドしてブレンド米で売られてしまうというようなことになる。そういうことで、価格形成力が弱いということになります。ただ、今大阪のほうで、奥日野の有機米が評価をされてきておりまして、競争力を持つ。あるいはいなばのひとめぼれが、これが競争力を持つ。こういうようにJAいなばが仕掛けたりしています。こういう営みをいろいろな形でやっていかなければならないのではないかと思います。単に漫然とお米を集めて、そして出荷をしていくというだけでいいのだろうか。ここに切り込んで、米ビジョンというものを考えてみなければならないのではないか。これが現在やっているところでございます。そういう意味で、バイイングパワーに対抗するようなブランド力を私たちとしては模索をしていくべきではないかと思います。
 次に、高付加価値の米づくり、相対取引による有利な価格づけを応援していく、これがだからまさに今私のほうで申し上げたようなことかと思います。現実に、例えば有機・特別栽培米もこれから大切だと思うのです。これも昨年12月に計画を策定しまして、乗り出していこうとしております。こういうものの一つ重要なのは、その販売先をつくってあげるということだと思います。大丸の千里のプラザで、私たちで鳥取のフェアを定期的に毎月やります。こういう中で、そうした有機・特栽米を使ってみるとか、あるいは岩山海というお店が今度難波にできまして、これは事実上鳥取県のアンテナショップです。県は全くお金を出していませんが、勝手にアンテナショップをやってくださっているという状態になっていますけれども、そちらのほうでも、例えば10月以降の収穫時期にそうしたお米を試食販売してもらうとか、そういうことも考えていいのではないかと、今相談事を始めたりしております。いろいろとそうした相対取引だとか高付加価値米の販路づくりなど応援の仕組みを考えていきたいと思います。
 次に、強い農業を育てるために、普及員の支援を充実すべきではないか。農業、農家を支える農業改良普及員の体制充実が必要ではないかということでございます。
 確かに福間議員がおっしゃったように、身近な相談役が必要だと。その意味で普及員の果たす役割は大きいということ。聞いていて、普及員の皆さんも大変に喜ぶだろうだなと思います。そういう目でぜひこれからも見てやっていただきたいと思うのですが、現場では非常に熱心に自分たちなりに努力をしてやっています。ただ、もちろん新卒からだんだんと修行を積みながらやっていきますので、もっともっと勉強してもらいたいなということもあるかもしれませんけれども、そういう意味で頼りになる存在として育っていただきたいと我々も思っています。
 確かに御指摘の趣旨はこういうことかなと思うのですが、私も去年の4月に就任してびっくりしたことの一つは、普及員のあり方を抜本的に変えようということになっていまして、担い手を中心にしようということであります。ただ、私はその担い手の皆さんはどちらかというと普及員の助けがなくても勝手に自分たちでやっていく人たちだろうと思うのですね。その次の層、担い手になろうとして頑張っている人たち、これを支えるのは結構だと思いますし、それからそういうところに重点を置きながらも、さらに広く困っている農業者の方々の相談に応じることも必要だろうと思います。そういう意味で、現場のほうに申し上げておりますのは、確かにJAとの役割分担がありまして、JAの営農指導などでぜひやってもらいたいし、充実してもらいたい分野がございますから、その何げない米づくりのイロハみたいなことをそうした営農指導の中でやっていただきたいなと思いますが、何か困ったときの相談、例えばよく言われたのは経理の問題とか、そういうときには、ちゃんと対処してくださいというふうに申し上げています。現場はそういうことで、工夫しながらやっておるところでありますが、1年たちまして、やり方を変えて不都合があるかどうか、JAの皆さんとか農家の皆さんのお話も聞いて、レビューをして、これからの普及員のあり方を考えさせていただくというのはやってみたいと思います。ただ、御理解をいただきたいのは、普及員の皆さんの数にもどうしても人数的な制約があるということでありますし、農地は広いということでありますので、そういう意味で限られた人材の中で、しかも財源的には今制約の多い中で工夫していくこと、そういう範囲内での知恵をこれから考えさせていただきたいと思います。
 次に、酪農家の方からの御提案があって、白ネギの耕作地を、連作障害が出ているのでその自給飼料のほうの耕作地と交換をしようと思ったけれどもうまくいかなかったと。普及員の壁があるのではないかという御指摘であります。
 私が聞いているところでは、特にそういうことではなかったということのようでありまして、これは農林水産部長のほうから御報告を申し上げたいと思いますが、ただ、教科書でヨーロッパの農業で三圃式というものを習いましたけれども、そうして農地を回しながら地力をちゃんと肥やしながら農業を生産性を持ってやっていこうというのは古来からの知恵でございますし、農地をたまに交換しながら連作障害などを考えて地域でやっていくことは、私はアイデアとしておもしろいと思います。普及員は実は農地を交換する権限までございませんので、普及員なんかも参加しております担い手育成支援相互協議会がございまして、これは市町村ごとに設置されているものでありますが、例えばそういうところなどを活用して、地域の中で農地を回していくような工夫だとかできないだろうか、こういう相談をしてみてはいかがかと思います。
 次に、女性の労働力の活用ということで、家族経営でありますし、女性の就農支援策ができないだろうかということであります。
 これについて、詳細は農林水産部長からお答え申し上げたいと思いますが、特段、男女どちらであればどちらというような、そういう就農支援策をやっているわけではありません。現実問題として、女性でも就農して、大阪のほうから1人で来られるとか、そういう方はあります。元気にナシをつくっておられたりして、結婚もされたりしています。そういう方々に対して、最初に資金の支援を申し上げたり、また技術支援を申し上げたり、それから地域の支える仕組みとして、今年度からアドバイザーをつくらさせていただいたり、これは男女を問わずさせていただいております。ただ、やはり家族の中での地位、農村での暮らしということもありますし、家族での経営協定を家庭の中で結ぶのがよいというように確かに思っておりまして、これは普及員の活動の中でお勧めをしているところであります。そうして元気に活躍をされている方もございまして、そうした協定を結ぶことで自分の役割もはっきりしたし、家族内での協力も得やすくなった、そういう声もございますので、こうした方面を推奨していくのも一つのやり方かと思います。ただ、我々が気がついていない女性農業者の悩みがあって、就農時に御苦労をどうしてもされるということがあるかもしれません。ですから、いい機会ですので、新規に就農された女性の方の御意見なんかも聞く機会を、また農林水産部のほうで持ってみたいと思います。
 次に、農業で雇用を図ることを真剣に考えられるのではないか。経営者というものは一定期間仕事を覚えさせることで、それだけのリスクといいますかコストもかかるわけでありますので、雇用と本人の農業スキルアップを兼ねて、経営者のもとで一定期間雇用するような、そういう助成が考えられないかということであります。
 これは、現実に私どもでも今用意をさせていただいております。一つは、国の施策がございまして、おっしゃるような農業法人でされるような場合でしたら、3カ月間トライアル雇用ができるようになっていまして、これに対する報酬面での助成があります。さらに、県でも市町村の交付金に今中身は溶け込んでしまっていますけれども、市町村への交付金の一つの項目といたしまして、新規にそうやって就農する方を抱えられる個人や法人の農業をされる方に対する助成措置というのもつくっておりまして、こういうものを御活用いただければと思います。
 最近もいわみ農産、岩美町のほうで20代の方を1人雇われるときに、こうした仕組みを活用してされている例もございます。
 次に、キーパーソンを中山間地の農村の維持で育成確保することが必要ではないか。農村集落数は1,634のうちの2割しか集落営農ができていないと。その組織化が進まない原因は核となる人物が確保できないことにあるのではないかと、こういう御指摘でございます。
 そういう意味で、私どもとして集落営農を組織化する仕掛けとして、先ほど申しましたような多様な集落営農の支援事業というものをスタートさせていただきました。集落での話し合い、それから機械を購入されるとき、それに対する助成をしようということでありまして、だんだんと応募がふえてきているところであります。
 最近もいろいろと地道に活動しております。先ほど申し上げた担い手育成支援の相互協議会を市町村ごとにつくっておりまして、ここに県も入り、市町村も入り、応援をしておりまして、法人化の相談とか、例えば経営をするということになりますと、税理士さんの御意見が聞きたいとか、そういうことを調整させていただいたりとかしておりまして、最近では若桜町の糸白見で1つ法人化できた例が出てきております。こんなような地道な活動をしたり、それから県としての施策も考えさせていただいております。
 このためのリーダー育成の支援メニュー、若干ございまして、これについては農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、家族4人で米1反消費するぐらいであるから、例えば1つの家族と契約を結んで、収穫される米を販売するような契約を結んだり、農業体験をしたりする、そういうことで農業を観光、文化と連携してやる、滞在してもらう仕掛けはできないかということであります。
 これはまさにそのとおりだと思います。そういう意味で農業とドッキングしたようなニューツーリズムといいますか、こういうものを仕掛けていく必要があるのではないかと思います。現在、長いことやってきて定着してきているのは、智頭町の新田が大阪のいずみ市民生協さんとタイアップしまして、年々来ていただいて泊まっていただいて、農業体験をしていただくというふうになっています。そういう中から、いっそここに住もうかというような声が上がるぐらいのものになってきておりまして、こういうおもしろい試みもありますし、それから岩美町のいがみ田では、棚田を生かして、このすばらしい景観でありますけれども、これのオーナーを募集をされると。そのオーナーの募集に対する応募もしっかりと来ておりまして、その人には収穫された米を送ったり、おもちを送ったりとか、そういうような契約がなされたりしています。さらに、最近、我々が重点的に今芽が出ないかなといって地元と一緒になってやっておりますのは、旧関金の倉吉市でございますけれども、これはNPO養生の郷などが中心となりまして、いろいろなそういう受け入れメニューをつくっている。
 実は、先行例がございまして、よく言われるのは南信州でございます。ここは年間2万人ぐらい、学校を中心とした合宿みたいな受け入れをやっています。半分は宿泊施設で、もう1泊は民泊をするというような形態で、それは単に農業体験だけでなくて、自然の体験とかそういうものを含めてやります。関金もそれをモデルにしまして、いろいろな体験メニューをこしらえながら、果たしてその民泊の受け皿がどれだけ用意できるかとか、今そういう調整をしつつ、旅行エージェントに相談をしております。今年度はちょっと難しいかもしれませんが、うまくいけば来年度、再来年度というところで、実際に受け入れにつながってこないかなというような期待をしているところであります。鹿野なんかでも、鬼入道でやっているところがございます。こうした取り組みを農業だけでなくて、それと結びついた地域の魅力づくりとして育てていく必要があると考えております。
 次に、中山間地域等直接支払い交付金が21年度までの区切りがついていると。この制度の継続を強く望んでいる農家の方がおられると。働きかけを行うべきではないかと。
 これは全く同感でございます。これは時期が来たらぜひ働きかけをしていかなければならないと思います。現実には21年度までございまして、ですからこれから来年度に向けてこの取り組みをやっていくということになろうかと思います。現在、国のほうでその中間評価をまとめているところでございまして、この成果を見て、22年度以降どうするかということになるのだと思います。ただ、財務当局のほうですね、財政審議会だとか、非常に厳しい御意見も出ているようでありますから、決して予断を許さない状況ではないかと危惧をいたしております。こういう村ごと支えていく制度はやはり必要であると思いますので、私どもも応援をしていきたいと思います。
 現実に県内のアンケート結果を見てみますと、2,000ヘクタールほどはこの中山間地の直接支払いの結果として生き残ることになったのではないかと。これは積み上げていきますと2,000ヘクタールほどは遊休地化が防げたという結果もありますし、90%を超える人たちがやはり集落の活動の活性化に役立った、こういう御意見を述べておられます。ですから、効果は高いと思っていますので、自信を持って国に対して働きかけていきたいと思います。
 次に、耕作放棄地でございますが、年間126%も増加をしていると。一向に下げどまらないと。過去の対策と成果について、どう認識しているかということでございまして、対策と成果について、農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますけれども、本県の場合、耕作放棄地率が11.2%、全国の9.7%を上回るそういう状況になってきました。これもここ数年で悪化してきています。その原因は、もちろん水田のところもございますけれども、特徴的なのは、二十世紀ナシの果樹園の放棄も進んでいるということでございます。やはり二十世紀ナシもそうでありますが、採算ベースが非常に難しくなってきている。それが影響してきているのではないかと思います。
 それで、世界的には食糧不足も出てくる、顕在化してくる中でありますから、何とか反転させなければならないのだと思います。実は今年度はある意味そのターニングポイントになり得る施策を国全体が今やっているところでありまして、市町村ごとにそれぞれの遊休地を一筆一筆調べましょうと。それでA、B、Cと振り分けをするわけでありますが、草刈りをすればすぐにでも農地として使える土地、草刈りだけでは難しいかもしれませんが、若干の手入れをすれば使える農地となる土地、それからこれはもう正直申し上げて農地としての使える見込みはなくなっているけれども、農用地として分類されているなあというような土地、これを分類しましょうと。その上2つのA、Bのところをこれを、では一筆一筆どういうふうに遊休地でなくしていくか。こういう取り組みをしましょうということになっています。
 私はこれはチャンスだと思います。現在、西部とかそれから東部もそうだと思いますが、その遊休地を解消するために市町村だとかJAだとかも入りまして、協議会をつくりました。それで一つ一つ手当てをしていって、西部が先行しましたけれども、ある程度成果は出てきているところだと思います。こうした取り組みを県独自でもやることで、市町村が今分類している農地に応じた対策を一つ一つ考えたらいいのではないか。あるものは自給飼料対策に使ったらいいのではないか。これは認定農業者の皆さんが元気出してやってもらったらいいのではないか。これは村として支えてもらうような仕掛けを考えたらいいのではないか。こういうふうにして、色分けをしていくべき時期ではないかと思います。なかなか難しい部分はあろうかと思いますけれども、ただ、今はその分類をしてくる時期になりますので、この時期にモチベーションを高めてやっていかないと、反転していくのは難しいかなと考えております。
 次に、耕作放棄地の増加は米づくりを続けていくだけの魅力がない、それが原因ではないかと。そうであれば、抜本的に対処することが必要ではないかということでございます。
 確かに米についてもそうですし、二十世紀ナシのような果樹もそうでありますが、そういう意味で先ほど来申しておりますように、米づくりの産地側あるいはその販売と結びつけたような、そうした努力をしていかなければならないと思いますし、ナシについても対策を考えていきたいと考えております。国に対してもセーフティーネットの要望などをしているところでありまして、そうした展開につきまして農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、国内産飼料をふやしていくべきではないか。確かに労力の負担はあるけれども、コスト的には見合うのではないか。耕作放棄地対策と連携してできないかということでございます。
 これも県内でも今飼料用トウモロコシだとか飼料用稲について、それぞれ飼料用トウモロコシだったら800ヘクタール以上とか、実績も生まれつつあります。これをさらに応援しようと思います。今回の補正予算の中でも提出をさせていただきました。これはそうした自給用飼料をつくる場合に、その機械のリースなどを個人で行う場合、その助成をしようということであります。さらに昨年度の補正でも、バンカーサイロなどの取り組みをさせていただきました。こうして飼料がただでさえ高くなってくる、片方で遊休農地があると。これを同時に解消していくことはできないだろうかと思います。さらに遊休農地のほうも、遊休農地に新しいそうした作付を行う場合には、支援ができないか。これを市町村交付金というような形や、あるいは国の補助金と結びついた形で、これも事業メニューを用意させていただきましたので、これを組み合わせてある程度進めることができないだろうかと考えております。
 さらに、飼料米につきましてはいろいろと難しい、これは単価的なことです。やはり従来の既成の飼料と比べて4.5倍ぐらい高いものですから、やや問題もありますが、県内でもようやくJA系列で家畜のえさとしてとりあえず試験的に使ってみようかとか、そういう動きも出てきました。飼料米のほうは飼料用稲とかトウモロコシと違いまして、まだまだ単価差の部分が大きいものですから難しい面はあるかと思いますが、これも少しずつ我々としても展開を考えていくべきだろうと思っています。ですから、今度農業試験場でも多収米を考えようというように今やっているところでございます。
 さらに、食料自給率のあるべき水準についての考えを問うというお尋ねがございました。
 現在、39%でありますので、これを引き上げていくべきだろうと思います。世界に比べると余りにも低いです。ですから、私はこれは世界との関係で考えるべきだろうと思います。それは欲をいえば100%を目指すべきであろうと思いますし、そういう国も、超えている国はアメリカとかオーストラリアとかカナダとかもちろんありますので、できないわけではないのだろうと思いますけれども、ただ、現実問題として順々にハードルを上げていくのだろうと思います。当面は今、政府のほうも向こう10年ぐらいで45%を目指そうと言っています。ですから、5割とかいう線になるかもしれませんが、例えばイギリスが70%ありますし、せめてそういうところは目指していくべきなのかなと思います。ドイツぐらいで80から90とか、やはり世界との並びの中で我々も食料安全保障を考えるのであれば、目標は設定されるべきものだろうと考えております。
 ただ、そのためにはいろいろな仕掛けが必要だと思います。EUなんかは結構補助金をやっているのです。ただ、これは片方で負担の問題があります。我々、難しいのは、所得安定だとかいうことを言うはやすいのですけれども、ただ、片方で財源をかなりひねり出さなければならない。EUですと、その辺は付加価値税で賄っているわけであります。その付加価値税をかなり取っている中で、福祉に充てたり、こうした農業対策に充てたりしています。それで、国土を守る、環境を守るというようなことにつなげているわけでありますが、国家モデルが今はちょっと違っておりまして、本当はこの農業で抜本的な対策をそうした負担論と交えてやるのが王道なのかもしれないなと思います。
 最後に、農作物の生産や、その手間、食料とは本来どうあるべきなのか、子供だけでなく大人も真剣に向き合う必要があると考えるけれども、どうかということであります。
 これはまさにそうだと思うのです。一つは、食料の自給が今地球の中で危うくなっていること、これは地球的な課題となっていることが一つ。それから、私たちの健康づくりのこと、健康づくり文化を創造していくという意味でも、食というものをしっかり考える必要がある。特に安全安心なものを私たちは食べていきたい。そのための食料生産体制ということを考えなければならない。それから、地域の経済という意味でも、鳥取県のようなところは食料生産と切り離して成り立つことはできないと思いますし、食料生産基地であるからこそ、食品加工業など、そうした他産業へも波及をしてくる。ここに住みたい、ここに観光に来たいという人たちも来る。そういう意味で、私たちは食と向き合うことを大人としてもやっていかなければならないのだろうと思います。そのためには、副読本などを今回つくるということで、常任委員会なんかでも御論議いただいたそうでありますが、そういうものを大人の分野でも活用していくとか、それからそのビデオをつくろうということを提案させていただきましたら非常に好評で、もっとつくれという声がだんだんふえてきまして、補正を重ねておりますけれども、そうしたビデオだとか、そういうものを通じて啓発をする。なかんずく、やはり「食のみやこ鳥取」ということを理解してもらうことではないかと思うのです。これは県政広報だとか、あるいは具体の施策で「食のみやこ鳥取」として全国に売っていくことから、県民の皆さんにも自信を持っていただいて、そういう意味で私たちはすばらしい食というものを有しているのだと、財産なのだということを再認識してもらうことが大切なのではないかと思います。鳥取県は全国に先駆けて食農教育をやっており、これもお子さんだけでなくて、親御さんたちも一緒になって、保護者の皆さんも一緒になって参画をしています。こうした輪を広げていくことで、食と向き合って、食について理解をする大人たちをつくっていくこと、これが大切ではないかと思います。
 農業の経営体として農業大学校や農業高校の後継者問題対策についてでありますけれども、この取り組みと今後の対応につきましては、農林水産部長からお答え申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)7点について補足答弁をさせていただきます。
 まず1点目でございます。稲作の生産コストなり収益性について、3つの視点から数字を説明させていただきます。
 まず1点でございますけれども、鳥取県の生産コストの状況。知事申し上げました。全国に比べて106%だと、ちょっと高いということでございます。このもとは18年に全国でサンプル調査を行っておりまして、全国の平均の作付は1.2ヘクタールでございます。そのときのこれは自家労賃も入れた全算入コストでありますけれども、14万3,000円余りでございます。それに対して、鳥取県は作付面積が0.6ヘクタールということで、15万2,000円余りということで、約6%も高くなっているということでございます。それから、一般的な数字で申し上げますと、今、米が60キロ約1万4,000円程度です。これが7俵ぐらいとれたとすると、売り上げはざっと10万円程度になります。一般的に自家労賃を除いたコストというのが6割程度かかるということが言われております。そうすると、4万円が手元に残ると。それが結局自家労賃に対する対価だということで、一般的に反当にかかる時間、これは規模によっても変わりますけれども、標準的な1ヘクタール未満ぐらいの規模ですと、ざっと30時間から40時間、反当にかかるかな。そうすると、1時間当たり、ざっと1,000円程度になっているのかなあという感じは持っています。これはごくごく平均でありますけれども、そんな感じを。ただ、これが稲作という労働に対して適切かどうかという判断の一つは出てくるのではないかというふうに思っております。
 昨年から経営安定対策が始まってございます。これの収入減少の補てん対策というのがあるのですけれども、この実情をちょっと申し上げますと、補てんをしていただいても、若干市町村によると3,000円ぐらいの反当で赤が出ると。ただ、これは全算入、自家労賃を入れたものに対するということでありますけれども、3,000円程度赤が出るところもあるということでございます。
 一方、担い手以外の稲作構造改革促進交付金のほうでありますけれども、これは予算が少なかったということがありまして、幅がありますけれども、補てんをしてもらっても押しなべて全域でざっと1,000円から1万円の赤が出ているというような状況があります。
 2点目でございます。普及に絡んで、具体的な耕畜連携で輪作をしたいのだけれどもと、土地利用調整がつかなかったというお話がございました。これについての具体的な話でございます。
 担当の普及員に実は聞いてみました。そうしたら、意見交換会で初めてこの話を聞いたということでございます。今後フォローはしていきたいというふうに思っております。議員おっしゃるように、輪作をして、土地の生産性を高めていくというのは、これはとても大切なことであります。ただ一つ気になりますのは、今、普及の組織をスキルアップをするために、特技制といって、畜産だとか野菜だとか米作物、こういったもので分けています。やっぱりここの横の連携をこれからも注意をしていかなければいけないのかなというふうに思っております。いずれにいたしましても、関係者間の接着剤になるような役割も普及で果たしていければなというふうに思っております。
 3点目は、農業法人等の経営体とそれから農大、それから農業高校の連携、情報の共有化についてでございます。
 農業の経営体と農業大学校、それから農業高校の情報共有は、雇用創出、教育内容の充実の観点からも非常に重要だというふうに思っております。農業大学校はこれまでも農業法人等に対して、求人や就職面接の依頼というのを行っております。それから、学生への作業実習の場の提供、それから講演をいただいているというようなことをやっているところであります。現に、近年の法人への就職状況を御紹介しますと、平成18年には3名の方が法人に就職されております。それから19年にも3名の方が、農大の卒業生が法人に就職をしているという実績が出てきております。
 もう一つでありますけれども、農業高校でありますけれども、農業経営者の思いですとか、試験場の新技術などを学ぶ就業準備出前講座というのを実施しておりまして、高校の通常の授業だけでは得られない将来の就農に備えた心構えや知識を学ぶ場所を提供しているところでございます。これには農業界の非常に先端を行っている方が講演をするというようなことも盛り込んでいます。県の職員も行って講義をするというようなことをやっているところであります。ただ、従来は個別に情報交換、連携をしているということでありまして、今後、関係者が一堂に会するような、意見交換をするような場を持ってみたいなというふうに思っているところであります。
 次は、集落営農のリーダー養成についてのメニュー等でございますけれども、集落営農のリーダー養成につきましては、国のほうで幾つか事業を用意されております。担い手アクションサポート事業、それから集落営農総合支援事業というのがありまして、この事業を活用しまして、先ほど知事も申し上げました担い手育成相互支援協議会、県、市町村、農協、農業委員会、こういったものが連携してそういった組織をつくっておりますけれども、この組織のほうで集落営農の組織化について説明会を実施しております。チラシを配ったり、それから法人化の研修会ですとか経理の研修会、それから中小企業診断士ですとか、税理士の専門家による経営相談、それから地域へ専門家も派遣をすると、こういった業務をやっておるところであります。さらに集落営農というふうになりますと、やはり新しい大きな機械の導入というのが必要になりますので、これも先ほど知事もおっしゃいましたけれども、今年度から多様な集落営農支援事業というのを始めまして、これによって機械の整備の支援も行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 次に、耕作放棄地に絡んで過去の対策と成果についてでございます。
 耕作放棄地対策については、これまでも市町村、農業委員会と関係機関が担い手への農地利用集積など、耕作放棄地解消の取り組みを行っておりますけれども、増加しつつある現状というのを見ますれば、なかなか実効が上がっていないのではないかというふうに考えております。解消に当たっては、これまでも担い手への農地利用集積のあっせんですとか、農地のパトロール、耕作放棄地がないかどうかとか、それから農業委員会の広報、こういったことでやってきているところでありますし、ハード的にも、ハードというか交付金的にも、最近は市町村交付金になりましたけれども、耕作放棄地に新たに担い手が入って耕作をするといった場合に、反当2万円を出すとか、そういった制度もあわせながらやってきたところであります。しかしながら、やはり耕作放棄地は農業の収益性が向上しない限りは容易には解消できないのではないかというふうに思っております。したがいまして、今後とも行政として考えるような施策はやっていきたい。ただ、すぐすぐに効果はなかなか出ないのかなというふうに思っております。
 最後でございます。耕作放棄地対策に絡みまして、米がつくれるように国への要望の内容ということでございます。
 先般5月にも国に要望しております。鳥取県においても米が安心してつくれるようにという視点で3点ほど主な点、要望してまいっております。
 1つは、これは生産調整に絡みますけれども、米の需要量及び産地づくり交付金の算定方法を、守らなかった者が得をするということがない方法に改めてほしいということが1点でございます。
 2点目は、セーフティーネットの確立ということでございます。現在の経営安定対策の収入減少補てんの水準は、米価に連動する、過去5年間のうち3カ年の平均をとって、その米価に基準単収というのを掛けて、基準収入というのを出します。それにコストと照らし合わせて補てんをするという仕組みになっておりますが、やはり米価が下がり続けるということになると、その制度ではセーフティーネットになっていないという認識がございます。ですから、地域ごとの標準的な担い手の生産コストを下限にでも置いていただく。通常は価格による補てんだけれども、下限としては再生産が可能な仕組みを入れ込んでもらうと、こんなこともお願いしてまいったところであります。
 3点目は、集落営農の支援ということで、多様な集落営農、国で言う担い手という集落営農以外の集落営農についても、国としても支援対策を講じてほしいという、以上3点を要望しているところでございます。
 失礼しました。1点飛んでおりました。女性の就農支援でございます。
 お話のあったように、鳥取県でも農業従事者のほぼ半分は女性で占められております。したがいまして、女性の農村での活躍で、男性も元気になるし、農村自体が元気になるという認識は同感でございます。県といたしましては、就農のための支援、これは余り男女の分け隔てはないのかもしれませんが、これはもとより、女性が家族経営の中で生き生きと農業に取り組めるという環境整備が大事だというふうに考えておりまして、家族間での役割分担などを定めた家族経営協定の普及、これに努めているところであります。現在のところ、平成19年、132の協定が今締結をされているところであります。多くは琴浦町が多いということもお話をしておきたいと思います。
 主な内容でありますけれども、農業経営の方針ですとか、それから農業での収益配分、それから生活面の役割分担、この中には就業条件なども入っておりますけれども、こういったことを家族の中で、御夫婦の中で協定をしていく。安心をして農業にも従事できるということであります。今後も家族経営協定の普及推進とあわせまして、女性特有の就農後の課題、それから問題点についても、協定を実際に締結されている女性の皆さんの意見もしっかりと聞いて、女性の就農促進を図る上で必要なことがあれば、国にも要望してまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)引き続いて答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)(登壇)福間議員からは4点御質問をいただきましたので、お答え申し上げます。
 まず1点目です。食料自給率を高める一方策として、学校給食での地元の農水産物をもっと使用すべきはないかと、やりようがほかにあるのではないかというふうなことのお尋ねでございました。
 この学校給食にどんな食材を使用するかということは、最終的には市町村の教育委員会のほうが決めることではございます。先ほど18年度の使用率をおっしゃいましたけれども、最新のデータですけれども、19年度は54%でございます。1ポイント上がりました。平成12年度が26%でしたので、2倍ぐらいには上がってきているというふうなことはあるのではないかと思っています。市町村で70%以上の町村をちょっと上げてみますと、岩美町、八頭町、若桜町、智頭町、三朝町などが70%を超えているところであります。
 県内産の使用割合が進んできたその理由ですけれども、いろいろな取り組みをそれぞれ学校のほう、あるいは市町村の教育委員会もしています。各市町村ごとに生産者とその調理場あるいは給食センターとでいろいろな話し合いをした、そういうふうなことをして生産と献立とを結びつけたというふうなことも一つはあります。それから、生産者の方と子供たちとが交流する場面をたくさんつくって、地元食材のよさを子供たちに伝えながら生産者の励みにされたというふうなところも一つ大事なこととしてあるというふうに聞いています。こういうふうないいぐあいにいきました例を地産地消の推進会議というのを持っておりますので、この辺で紹介して、これを広めていくというようなこともつながっていったことの一つだと思います。
 ただ、一方、お尋ねの課題のほうですけれども、一度に大量の食材を使用しなければならない市部の伸びが一番の課題かなと思っています。さっき申しましたけれども、市部を除いた15町村は県内産の使用率は60%を超えています。ですから、市部のほうの課題かなというふうに思っています。その理由ですけれども、統一の献立を大量につくりますので、大量の食材の調達が非常に難しい部分が時としては出てくるというふうなことであります。それから、時間が限られた中で大量に調理をしますので、野菜につきましては冷凍加工したもの、あるいは魚類につきましては、下処理済みの食材を使用する割合もどうも多くなってしまうのですけれども、そういうものを十分に供給できる加工品が県内には少ないというふうなことも一つの理由としてあるというふうに聞いています。
 これからの対策ですけれども、そういうふうな意味で、市町村ごとに検討していただくことも含めますけれども、全県的な流通をもっとしていくというふうなこと、そういう意味で農林水産部ですとかJAとか、もっと取り組んでいく必要があるかなと思っています。例えばブロッコリーやニンジンなどですけれども、こういうふうな県内産の野菜を冷凍加工して保存する方法を検討するというふうなことも一つの方法かなと思っています。それから、ジャガイモとかタマネギなど保存がきく食材をもっと全県的にうまく流通できるような、そういう体制づくりも必要かなというふうに思っているところでございます。そういうふうな問題もあります。それから県内産食材の率を高める取り組みの観点に食の安全安心、これは御指摘でありましたけれども、そういう点もありますので、そういうことも考えたときに若干の給食費が値上がりするということもあるかもしれませんけれども、安心安全な県内産の食材を使うということも大事な観点かなというふうに考えているところでございます。県の教育委員会としても今後引き続き努力していきたいと思っております。
 2点目です。学校教育において、農業に関することを学習すれば、農業の重要性が深く認識されると、どうかというふうなお尋ねでございます。
 これについては全く同感でございます。お話がありましたように、食は生きていく上での生命のもとであります。生命の産業というふうにおっしゃいましたけれども、私はそうだと思っております。そういう意味で、重要性は認識しております。
 農業を学校のカリキュラムで取り入れているところについて、ちょっと調べてみました。小学校、中学校のほうですけれども、総合的な学習の時間なんかでいろいろ取り組んでいます。その中の社会科のほうをちょっと中心にして御紹介いたしますと、小学校の3年生、4年生の社会科で農家の仕事という単元があります。この中で、地域に出かけて農家の仕事について聞き取りをするというふうなことがありまして、例えばナシ園で袋かけ体験や選果場の見学をしてみるとか、それから野菜や花の苗を育てているハウス農家を見学して、その仕事の様子を聞かせてもらう、見させてもらうとか、それから白ネギの畑ですとか共同選果場などを見学してみるとか、いろいろなことをやっています。それから、小学校の5年生の社会科ですけれども、私たちの生活と食料生産というふうな単元の中で安全な食料自給率などについて学んでいますし、それから農家で働く人の数の変化など、日本の農家の変化の仕方ですね、そんなことも学んでいます。それから、輸入食料品が増加するので、国内の食料生産が減少しているというようなことも触れていたりします。
 今度は中学校ですけれども、中学校の社会ですけれども、これは世界の中の日本の農業というふうな単元ですけれども、各国の穀物の自給率ですとか、日本の農業生産の変化などについて書いてあります。例えば日本の食料の自給率は今日は低いと、フランスやアメリカやドイツなどは高いというふうなことも学んでいます。それから、日本の農家では消費量の減ってきた米にかわってより高い収入が期待できる野菜や畜産物に力を入れてきているというふうなことも学んでいます。それから、日本の農業人口は減少しており、高齢化とか後継者対策が課題だというふうなことも学んでいるところであります。そういう意味で、総合的にいろいろな問題から学んでいるのではないかなと私は思っているところであります。
 3点目です。今後の日本、将来の日本を考える上で農業は大切なテーマであるので、これを教育に取り入れるべきと考えるけれども、どうかというお尋ねでございます。
 議員からゆとり教育の揺り戻しというお話がございました。本年3月に新しい学習指導要領が出ましたけれども、これでは知識や技能の定着はもちろん図るのだけれども、それだけではだめですよと。しっかりそれを活用して考えていく力、それから判断していく力も大事ですよというようなことがありましたので、そういうふうな意味で、いろいろなテーマのもとに考えさせる授業がこれまで以上に大事にされるというふうに認識しています。
 私としても、日本の将来をしっかり考えさせるという意味で、環境ですとか福祉ですね、こういうふうな問題とともに農業は格好のテーマかなというふうに思っています。農業は特にこれから地球規模で進んできます食料不足の問題、環境破壊の問題、それから食の安全の問題等、こういうふうな身近なテーマがありますので、考える上で非常にいいテーマかなというふうに考えているところでございます。そういう意味で、今後も市町村教育委員会とか学校と話し合いながら、学習を深めていきたいというふうに考えております。
 最後に、4点目でございます。農業や食に関する知識は大事だけれども、知識だけではなくて体験学習を積極的に取り入れて、農と食について身をもって理解するというふうなことを考えていくべきだと思うけれどもどうかということでございます。
 小・中学校におきます体験学習については、さっき申しましたように、今後実施される新しい学習指導要領でも重要性は指摘されています。私は体験というのがこれからのキーワードになるというふうに考えているところであります。お話の農業体験学習については、ちょっと調べてみましたけれども、県内の多くの小学校では、さっき申しました教科の時間とか、総合的な学習の時間、あるいは特別活動の中でやっていますけれども、米づくり、それからソバの栽培、桃の袋かけや販売、リンゴづくりなどです。それから、これは学校ではないのですけれども、地域とかJAのほうでお力をいただいて、JAのアグリキッズスクール、それから公民館活動、こういうふうなところでも農業体験的なことはやってあります。
 一方、中学校のほうですけれども、御指摘のように、確かに中学校においては取り組んでいる学校は多くありません。ただ、中学校は生徒の発達に応じた、例えばボランティアですとか職場体験とか、そういうふうないろいろな活動が入ってきますので、どうしても少し少なくなるのかなというふうに思っているところであります。ただ、若桜中学校では、1年生が倉吉農業高校で農業体験の活動を行っています。今年度は何か宿泊を伴ってそれを行うというふうなことも聞いているところであります。それから、ほとんどの中学校で職場体験実習を先般行いました。これはほとんどやっております。その中で、例えばラッキョウづくりとか、ナシの袋かけとか、大根の収穫とか、こういうふうなことを取り組んでいる学校もあるというふうに聞いております。
 そういう意味で、農業体験学習は非常に有効でありますけれども、ただ、さっき言いましたように、授業時間等もどうしても限りがありますので、これを全県一律に、一遍に十分な時間をとってできるということがなかなか難しい面もありますけれども、しかしながら、大事なことでありますので努力していきたいと思っています。それから、学校だけの取り組みではなくて、こういう体験そのものは家庭とか地域の力がないとできませんので、ぜひ皆さん方のお力もかりたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、1時20分より再開いたします。
       午後0時15分休憩
   ────────────────
       午後1時20分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)午前中、一通り代表質問で私のほうで提起をいたしました課題についてお答えをいただきました。実は15~16点になりますけれども、追及という格好で、一問一答形式になるかと思いますけれども、知事並びに教育長のお考えをさらにお聞かせいただきたいと思います。
 最初に、先ほどの話を伺っている中で、次に申し上げる課題だけはやっぱりどうしてももうちょっとお考えをお聞きしたいというのがありますから、ちょっと申し上げておきますので、一番最後ででもいいですからお願いできませんか。
 1つは、女性の就農支援策で私が申し上げているのは、家族協定などで取り組みをしているとおっしゃっていることもおっしゃっています。それはそれでいいと思うのですが、鳥取県内の農家で1ヘクタール未満が9割からあるのでしょう。そこでの女性の就農者というのが半分いらっしゃるわけですね。その人たちが年間150万そこそこなるかならないかですよ、1町未満の田んぼで米を稼ぐといってもね。その皆さんが家族協定ができてということにはなかなかならないのではないのかなと。だから、そういう意味では、例えば出産に当たっての休暇制度、そういうようなことを支援するということを私は考えるべきではないですかということを言っているつもりなので、そこら辺もうちょっとお考えをお聞かせいただきたいと。
 自給率のあるべき水準。知事がおっしゃっている考えと全く一緒なのですよ、私の思いと。そうすると、自給率を向上するということは、結局今の我が国の農業政策を根本的に変えなければ達成できないのではないかという思いになるのですよ。すなわち、個別所得補償制度というのをもっと大胆に取り入れていくと。後で申し上げますけれども、農家の皆さんを、例えば農業をしてくれるだけでもいいから所得補償というのをやっぱりやるというような仕掛けをしていかなければ、知事もおっしゃったように外国では、例えばイギリスでは国の補助が50%とか70%とか農家に支援をしているわけですね。そういうことからいきますと、自給率の向上を目指すということは、ひいては我が国のやっぱり農業政策をもっともっと根底から変えていくということが必要ではないのかな、そういうぐあいに思っています。
 教育長にちょっとお伺いしたいのですが、給食でこんなことをちらっと聞いたことがあるのですね。給食の食材を地元から取り入れると。ところが、例えば1つの例としてキュウリを地元から取り入れて学校給食に使おうとすると、おっしゃったように都市部ではかなり大きな給食センターで調理していくということになる。人件費がかなわないから大きな機械を買ってどんとキュウリを刻んでいくと。機械に入る形のそろったキュウリでなければ用をなさないというのを聞いたことがあるのですよ。その話を聞いて、だれが主役なのかなと僕は疑問に思うのですよ。地産地消というテーマで学校給食に食材を使いましょうということは、機械が主役になってしまっているのではないですかと。本当は子供たちにその地域でとれる安心できる食材を学校給食に提供するということが基本であれば、もっと工夫をすべきではないのか、もちろん金もかかると思いますよ。
 もう1点、今の分で、最終的に申し上げるなら、これは知事と教育長にも共通すると思いますけれども、国民の皆さん、県民の皆さんに食のありようをどうするかというのを根本的にみんなにわかってもらわなければいけないわけですね、わかってもらう。もうちょっと3歩か5歩ぐらい前に出たスタンスというのが行政側としては必要ではないのかな。今までの政策で、政策の延長線上で食料自給率というのは下がってきているのでしょう。地産地消というかけ声をするけれどもなかなかもう一つ上がり切っていない、さてどうするかというのが今のところなのです。一方で、前段に申し上げたように、世界的な食糧難が目の前に来ている、さてどうするか。今までと同じ延長線上でやっておってもどうにもならないのではないですかということを僕は言いたいのですよ。だから、もう3歩も5歩も前に出るべきだと。農を鳥取県の基本政策のきちっとした柱に据えつける、そのことを前段で申し上げた、その意味があったのです。だから、それは財政的な裏づけも必要だろうと思いますよ。鳥取県の財政の配分そのものを変えていくということが必要ではないだろうかなというぐあいに思うのです。そのことを含めて、まずお答えをお願いしたいと思いますけれども。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、女性の就農支援策についてお話がございました。
 これについて、先ほど申し上げましたのは、基本的な初期の就農については男女それぞれにちゃんと対策をしていますよと。
 あともう1つ、申し上げた1つが、今おっしゃった家族経営協定でございます。この家族経営協定の中にはいろいろと書き込む項目がモデル的には予定をされています。その中に、例えば子供の成長に応じて休暇を取得をするとか、そうした項目もモデル的には入っているところでございまして、こうした取り決めを家族の中できちんとしておくことで、男女、御夫婦、御家族でそれぞれの役割を果たしながら、そうした就農にかかっていく、そういう仕組みなのであります。家族経営協定を持ち上げたのは、そういうことがそうした中に入っているということを申し上げたかったからです。
 現実に、例えば北栄町の杉川さんという方は、結婚されてから就農をされて、もともとは別の御職業におられたのですが、御夫婦で農業をされるようになった。その方は花のほうを担当される。それで、家族のほかのパートナーは別のことを担当される。そういう中でいろいろな取り決めをして時間の使い方なんかも入っている。ですから、地域のボランティア活動だとか、あるいはお年寄りに対する御奉仕だとか、さまざまなことをされたり、その地域での女性の農業者の会でも御活躍をされたり、そういうような例もあるわけであります。こうした就農スタイルをある意味で近代的な感覚でつくっていくことはできないだろうかという取り組みがそれでございまして、徐々にその御家庭をふやしつつあるということでございます。
 ただ、これですべてかどうかということには、私もまだ考慮の余地があるかなと思いまして、先ほど申し上げましたのは、実際に就農された女性の方の御意見なんかも聞いて、果たして何かシステムとしてサポートできることがあるかどうか、これを現場で聞くような機会を考えたいというふうに申し上げたのです。ですから、そういうことで御理解いただければ、そうした家族の中での就農のあり方から考えていくというふうになるのではないかと思いました。
 次に、自給率についてでありますけれども、やはり世界の食糧難の時代に食料の安全保障を考えれば、農業というものを国内できちんと確立をしていくと。そのための生産基盤をつくっていかなければならない、これはこれからの重要な課題にクローズアップされてくると思います。時あたかもローマにおきまして食料をめぐって首脳が議論を闘わされる、そういう時期になってまいりましたけれども、途上国、先進国、それぞれの役割を果たすべきでありますが、残念ながら日本は、食糧生産のほうでの役割を果たせるはずの可能性を持っていて、それだけの歴史と伝統もあるのにできていない、この嘆かわしさがあるのだと思います。
 ですから、先ほど申し上げましたのは、国家の農政のあり方も思い切ってこれから転換していくべきではないかと。これはだから議論が分かれると思いますし、よくよく考えなければなりませんが、その意味で、町村官房長官が転作のあり方とかいう議論を投じられようとされていますが、私は価格補償だとか、ある意味、経営の基盤の支えの施策とタイアップをしながら、こうした食料の生産基盤というものを整えようという国家としての意思を示すべきときに来ているのではないかと思います。
 ただ、残念ながら、これについて一つ申し上げなければならないのは、先ほどもちょっと言及しましたけれども、ヨーロッパは一つのモデルだと思います。ですから、先ほども申し上げましたヨーロッパであればかなり所得の補償といいますか、生産費程度のものを補償するという、そういうギャップを埋めるような対策をとっています。これはEUも認めてやっているわけであります。ただ、こうしたヨーロッパの国々では、実は税率が大変高いわけです。付加価値税でかなりの額を国民からいただいた上で、それを生産基盤を確保する、環境保全をするという観点で農のほうに振り分けるということをしているわけです。同じことを日本でやろうと思いましたら、これは国全体で兆の単位のお金が必要になります。ですから、よほど大きな仕掛けと議論が重要になってくるわけでありまして、これについては国民的な議論をしなければ結論は出ないだろうと思います。もちろん鳥取県一県でそうした所得ギャップを担うだけの財力があるわけではありません。その意味では、国全体の考え方として踏み込んでもらいたいという気持ちを込めて、まずは現在、水田農業の経営安定対策に対して物を申し上げているというのが現状であるということであります。
 食のあり方について踏み込むべきだということであります。私も今は絶好の機会だと思うのです。全国の人、むしろ世界じゅうの人が食に注目をするようになってきている。その食を生産するための農林水産業の重要性はこれから増してくると思います。工業だとか先端技術にとらわれた文明観が変わってくる可能性がある。もっと基本的なところのサブスタンシャルな必須の生活程度を維持するための努力というものを身の回りの政策からやっていかなければならない、こういうことだと思うのです。
 とりあえず鳥取県は、食というものは私どもの地域の基盤をなすものだと思います。そして、これを武器にして全国に打って出ることができる「食のみやこ」たり得るものだと思っています。ですから、成人の方も含めて、子供たちから食についての理解を深めてもらうように食農教育だとか食育のビジョンを確立しようと思っています。
 それで、昨年度末に食育のプランもつくらさせていただきました。その中に鳥取県独自の取り組みとして食農のプランなんかも入れさせていただきました。この食育は、子供たちの問題だけでなくて、成人もそうです。特に30代、40代と比べますと20代の男性とかが朝食の摂取率が悪いとか、あるいは国内産に対する意識が低いとか、そういうアンケートデータなんかも出ております。もっと若い世代も含めて、これから食というものを見詰め直そうよという運動を展開していかなければならない、そういう意味では福間議員と認識は共通していると思います。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)2点、お尋ねいただきました。1つは、食材は地元のものを使うという観点からいくときに、機械にかけていくことのできにくいキュウリなんかは外していくというふうな、そういうふうなことがあるけれどもどうかということだと思います。
 おっしゃっているとおりで、やっぱり子供たちが主人公ですし、私は今の話だったらキュウリが主人公にならないといけないと思っています。機械が主人公ではないと思っていますので、そういう意味で形は少し変わっていても規格的なもの、機械に合わないものでもきちんとそれを使っていくということを、やっぱり現場のほうでも指導していただきたいと思いますし、実際に今、栄養士さんも学校に行って生産者の方が苦労してつくっていらっしゃるということをよく話をされます。私も聞いたことがあります。そういう意味で、形が規格的なものではないものもとても大事なものですよということを子供たちにも通じていると思っていますから、それをさらに広めていきたいというふうに思っています。市町村の教育委員会とも話をしていきたいと思っています。
 もう1つ、共通的な形で食の大切さのもとになる農業の大切さをもっと3歩から5歩踏み出して伝えたらどうだというお話であります。
 私もさっき申しました答弁が十分でなかったのかなとちょっと思っていますけれども、さっき言いましたように学校では、教科書では多分一昔前に比べて農業を大分扱ってきているということは間違いないというふうに思っています。そういう意味で、農業は、さっきも言いましたように食の安全の問題とか、環境の問題とか、食料自給の問題とか非常に大きな関係があると思っていますので、これから学校教育の中でも本当に大事にして、相当先を見ながら考えていかなければいけない大きなテーマだろうというふうに考えておるところでありますので、議員のお考えに私は全く同感だということで考えているところであります。
 ただ、授業の中のことで時間がありませんというようなことも申し上げたのが、それがちょっと後ろ向きみたいにお聞きになられたかもしれませんけれども、いろいろなテーマを学校の中で扱っていきますので、その辺のバランスをしっかり持ちながらいきたいと思っています。
 体験も学校のほうでいろいろなことを学びますけれども、学校で学んだことを生かすというのはどうしても家庭とか地域だと思っていますけれども、今、農家の子供たちも、私が知る範囲ですけれども、余り農作業をしないのです。これは機械化が進んだりして余り出番がないようなところもあるかもしれないけれども、でも、それはそうではないので、やっぱりどんなに機械化が進んでも出ていって手伝うべきところはきちんと手伝ってほしい、農業の大切さをきちんと身をもって感じ取ってほしいなと私は思っていますので、それについても学校のほうなんかにも話をしていきたいと私は思っています。
 もう1つ、大人の方も余り遠慮されないで、子供たちが農業にもっと親しむように、ぜひ近づけていただけたらなと思っています。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)それでは、午前中の答弁に対しましての追及という格好で、まず「「農」への想い」というところから質問をしたいと思います。
 原油高への対応ということで、知事は道路問題について宮崎県の東国原知事と一緒になって、全国放送で訴えをされるなど、まさに獅子奮迅の御活躍であったわけです。おかげさまで道路財源はどうも確保できたようでありますけれども、私はぜひ農業問題も忘れずにやっていただきたいと。先ほど「「農」の想い」の中で申し上げたように、鳥取県政の基本の柱に農をきちっと据えるべきだ、そのことで知事ともそう違和感はないという思いを持ちますので、そういう意味で、農業問題についても道路財源を確保されるその取り組みに匹敵するか、それ以上の思いで取り組みをぜひしてほしい。
 特に最近の原油高というのは、私はこう思うのです。国の緊急最重要課題で、国が責任を持ってやっぱり対応してくれなければならない課題だと思うのです。原油高に苦しむというのはいろいろなところで影響が出ているわけですけれども、農家も大変な苦しみを持っているわけです。先ほども午前中に申し上げましたけれども、ざっくり申し上げて販売価格よりも生産費のほうが高いわけです。そんな状況の中で、今の原油高の状況では、とてもではないけれども農業はやっておられないということになってしまいます。そういう意味で、原油高への対応ということで知事に考えをお尋ねをしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)原油高は、生活、産業のいろいろなところに影響を及ぼしつつありまして、本当に憂慮にたえない状況だろうと思います。これも原油というものを海外から輸入しなければならない、それに多くを依存しなければならない我が国にとっては避けて通れないところでありますけれども、ただ、その影響をなるべく緩和しながら私は乗り切っていかなければならないのだと思います。
 1つには、最近のガソリン税の問題もございましたけれども、本質は原油の高騰問題でございまして、この原油の高騰が経済や生活にもたらす圧迫を国として乗り切らなければならない、そういう難局の時代だと思います。ある意味、第3次のオイルショックと称してもいい事態が今来ていると思います。これに対応するために、鳥取県も緊急に措置を考えようと、年末年始のころからやりました。現場の方々の声も伺いました。1つにやったのは、生活保護対策、灯油助成ということも打ったわけでありますが、ハウス栽培の農家の方々から、やはり油代がかかって大変だというようなお話があったり、最近でもトラクターなんかで使う油のお金なんかのこともあります。そういう意味で、いろいろな意味で農業経営にも圧迫を加えていると思います。
 ですから、私どもで今させていただいていますチャレンジプランがございますが、これはその地域でこれからの農政の課題に自分たちはチャレンジをしていって、自分たちの農業をつくり上げようという、それを応援しようというものでありますが、その中に省エネタイプの新しい農業へ転換していこうという応援のメニューを加えたり、そのほかにもいろいろな措置を当面加えながらやっておりますし、国にもこれは断固として要望していかなければならないと思います。
 農業も深刻な被害、特に花卉栽培ですね、花とか非常に深刻な被害がありますけれども、特に厄介なのは漁業ではないかと思っていまして、次の補正予算の中でも皆様に今御提案を申し上げておりますが、その漁業の燃油対策の諸事業を計上させていただきましたし、明日にも副知事に上京してもらいまして、国のほうにそうした漁業の深刻な状況を訴えてもらおうというように考えているところです。この原油高に苦しむ産業や生活者の問題、これからも我々としてできるだけの手を打っていきたいと思いますし、それについての国に対する要望をしっかりとやっていきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)「「農」を守り育てる」というテーマで何点か質問申し上げたいと思います。
 水田農業にかかわる施策は非常に多くあるわけです。例えば水田経営所得安定対策、農業担い手自立支援事業、チャレンジプラン支援事業、多様な集落営農支援事業、集落営農組織化支援事業、産地づくり交付金、新需給調整システム定着交付金等非常に多岐にわたっているわけです。範囲、対象、目的が異なっておって、それぞれに意味はあると思うのですけれども、余り複雑だというのが生産農家の皆さんの声なのです。正直なところ、本当にいろいろあり過ぎてわけがわからないというのが本音のようですね。したがって、名称も含めて、例えば直接支払い、あるいは設備整備などという支援制度にくくるということはできないのか、単純化できないのかどうなのか、これについてお尋ねをいたします。
 次に、米の備蓄ということでお尋ねをしたい。政府は平成19年度の米価下落対策として34万トンを買い増しをして、これまで適正水準としてきた100万トンまで備蓄をされているようであります。この間の新聞を見ますと、それをまた放出をしてという新聞記事もありましたけれども、今後の食糧事情を考えた場合、100万トンでも不足だという指摘もあるわけです。
 FAO、国連食糧農業機関、ここでは年間消費量の17%から18%がその国の国際備蓄基準という格好でほぼほぼ世界の合意を得られているようであります。これを日本に適用いたしますと、日本の国内消費量というのは年間約870万トン。そうしますと147万トンから156万トンがいわゆる国際備蓄基準に合致する数量だと思うのです。そうすると、今100万トン、ところが去年100万トンにも満たずに60万ちょっとしか持っていなかったのですね。それを34万トン買い足して去年はようやく100万トンに持ってきた。私は、価格をきちっと維持するという面からも含めて150万トンに備蓄数量を上げるべきではないかと、こういう考え方を国へ検討するように要請すべきではないかと、このように思いますけれども、これについて答弁をお願いいたします。
 先ほど幾つかの具体的な政策名を申し上げました。書類づくりが物すごく大変なのだそうです。私も2反3畝ほどの小さな田んぼを持っていますけれども、何かいっぱい来ます。いっぱい来ますが、よくわからないので前例を見ながら鉛筆でなぞったり、いろいろ近所の人に指導してもらいながら判をついたりして出しています。非常に難しい書類づくりが多いのでかなわないと、簡素化が図れないかと、こういう声があるのですが、いわゆる手続の簡素化について検討ができないか。
 もう1点、鳥獣被害対策であります。今どこともちょうどイノシシの被害対策ということで、イノシシに対する策をそれぞれ取り組みをされているようですが、最近ヌートリアがたくさん出るという話もあちこちで聞きます。ヌートリア被害、こういうものへの対策について考えをお尋ねをしたい。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、水田農業にかかわる施策が幾つも幾つもあると。水田経営所得安定対策やら、あるいはチャレンジ支援プランや担い手自立支援や、そういうものがたくさんあってわかりにくいではないかとおっしゃるわけでありまして、もっと単純にできないかということでございます。
 気持ちは一緒ですけれども、ただ、国のほうが確かにややこしい。国に対しても、これは再三単純化といいますか、わかりやすい補助金にしてくれと申し入れをしているところでありますけれども、今後もやっていきたいと思いますし、我々でできる県の施策についても、今度米づくりの将来ビジョンをつくろうとしていますが、そうしたところでの御意見なんかも伺って、何か重複があったりだとか、使いづらいというようなことがあれば、単純化に努めていきたいというふうに思います。
 次に、価格の下落対策も込めて34万トン買い増したとかいうこともあるけれども、本来FAOの備蓄の基準もあるので100万トンの現在の備蓄量を150万トンにすべきではないかというお話でございます。
 これは最終的には国家の食料安全保障の問題でありまして、国において最終的には判断されるべきものだろうと思います。私どものほうで申し上げるとしたら、これは既にこのたびの申し入れにも入れましたけれども、学校給食なんかでもっとお米が使えるのではないか、それを拡充してもらいたいと。それとのかかわりで国のほうの備蓄との関係も出てくるのではないかというような、そういう御提言はしております。ただ、それが100万トンが絶対なのか、150万トンが絶対なのか、この辺については、最終的に消費の動向だとか、我が国の生産動向を見て判断すべきものだと思います。特に、例えば水害とか干ばつが大変な規模で起こるようなバングラデシュとかそうした国と、また我が国とは事情が異なるかもしれませんし、そういう意味でこれはそれぞれの政府で責任を持って判断していただくべき事柄ではないかと思います。
 次に、書類が難しくてかなわぬと。議員のところも2反余り耕作をされておられるけれども、それでもかかわる書類がいっぱいあるということでございます。
 例えば、我々もよく農水省のほうに申し上げておりますのは、水田農業経営安定対策とか、農地・水・環境保全対策などは非常に書類が厄介です。これは去年の秋から改善を求めてきました。例えば農地・水・環境保全対策のほうでは、抜本的にその書類は簡素化したということであります。4割とか5割ぐらいに書類の量が減ったり、チェックをしていけばできるような書類になってきたということでございまして、随分簡素化は図られているのだろうと思いますけれども、ただ、まだまだわかりづらいとかいろいろと皆様の御意見もあろうかと思います。それは現場の声を伺って、国のほうに簡素化を今後求めていきたいと思います。
 最後に、ヌートリアについてどのように対応しているかということでございます。
 ヌートリアは現在もうほぼ県全域に広がってきてしまいまして、800万円ほど全県的にも被害が出ているわけであります。そういう意味で、県のほうでもこの撲滅といいますか、駆除の対策を今つくって、それを市町村と一緒にやろうとしているところでありまして、その詳細について農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)補足答弁をいたします。ヌートリアとアライグマの被害対策の現状でございます。
 先ほど知事が申し上げましたヌートリアにつきましては、被害は若干今落ちつつあるところでありますけれども、19年度で800万円程度あると。それで、一方で、有害捕獲されたヌートリアは19年が838頭ということで、これは依然としてふえているという状況でございます。
 アライグマにつきましては、県の東部で生息域が今拡大をしているというふうに見ております。農作物被害でありますけれども、これはどうもよくわからないということだろう思います。今のところ、被害報告というのは上がってきておりません。アライグマなのかどうなのかわからないということがあるのかもしれません。ただ、有害捕獲されている数が最近顕著になってきていまして、県下で19年には12頭ということで、数年前までは全然なかったと。そのほかにロードキルといって、道路でへい死する姿が結構多くなってきたという状況でございます。
 県は、これまでも鳥獣被害総合対策という単県事業で、箱わななどの捕獲用具への補助ですとか、有害捕獲への補助、これは猟友会に委託するような経費であります。それから、捕獲奨励金、ヌートリアですと1頭当たり3,000円、それからアライグマですと1頭当たり1万円というような奨励金にも使える単県事業をやってきたところであります。さらに、今回被害がだんだんふえてきたということでありますので、ことしの3月に県でヌートリア・アライグマ防除指針というのを策定をいたしました。今それに基づいて市町村等とも協力して防除をこれから推進していこうという段取りであります。具体的には2点ありまして、1点は同じく3月にヌートリア・アライグマ防除マニュアルというものを作成をいたしまして、県の農林水産部に鳥獣被害対策専門員というとても内容に詳しい職員を雇っておりますが、任期つきで雇用しておりますけれども、これが現場に出て、2月以降これまで5回関係者に講習会を開かせていただいております。
 防除指針に基づいて市町村のほうで防除実施計画を策定することになっておりますが、これは外来生物法に基づくものでございまして、駆除目標は外来生物の地域からの完全排除と、そういった目標を掲げて計画を立てるものでございます。これを策定いたしますと、鳥獣保護法の有害捕獲許可を受けずに捕獲できるとか、それから狩猟免許を持たない方でも捕獲と安全の知識、技術、こういったものがあれば捕獲に従事できる。それから、外来生物法では保管とか運搬が禁止されていますけれども、これができると、こういったメリットがある計画でございます。現在、既に北栄町のほうが5月に策定済みになっておりまして、残り15市町村で今後作成の予定というふうになっております。
 いずれにいたしましても、こういった指針に基づいて、県、市町村、関係者が連携してこういった外来生物の駆除に努めていきたいというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)米の自給率のところでもちょっと申し上げましたけれども、所得補償という観点から、稲作農家というのは、単に米をつくるということだけではなしに、国土保全や環境保全という面からも国全体を守るという、そういう大きな役割を持っている。言いかえてみれば、準公務員的な役割を持っているのではないのかなと、そういう見方も私はできると思うのです。したがって、最低限の所得補償を考えるべきではないのか、価格下落対策ではなくて、持続的経営が可能となるような所得対策というのが必要ではないだろうか、私はこんなように思うわけですけれども、先ほど来の知事とのやりとりの中で若干知事の思いも受けとめることはできるのですが、改めて準公務員的な役割と位置づけて、所得補償という考え方について知事はどのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)確かに農業というのは特殊な産業でありまして、特に中山間地域のように人口が衰退していく地域において、その地域を守っている、そういう側面はあろうかと思います。その自然を守り、あるいは産業、営みを守ることで生活を守る、そのための基盤として田畑が活用されなければならない、その意味の耕作を続けなければならない、そういう意味では特殊な部分というのはあるかもしれません。ただ、これは理念の違いかもしれませんけれども、それが国の公務員に準ずるような準公務員であるという何か位置づけまでできるのかどうかというのは、ややちょっと抵抗感があります。やはり、その村に住まわれて、そして自分たちの歴史と伝統を守りながら、お互いに協力し合って、ある意味、自由主義的にそれを外に販売することに喜びを感じて、また家族に対して分け与えることに喜びを感じながら、そういう意味での農耕生活を行うということであって、これは国に雇われて、国のために、そうした幸せとは一切かかわりなく国家的目的でやるのだというのまでは言えないのかなと思います。ですから、そういう意味での準公務員的という言葉は難しいかもしれないなと思います。
 ただ、問題なのは、そうした生産活動が今ちょうど損益分岐点のぎりぎりのところにあるかもしれません、それが一挙に失われてしまうということをほうっておいていいのかどうかであります。ですから、国のほうが言うように、競争力の非常に強い企業的な農業生産者を育成することで対処をするというのも一つの生き方かもしれませんが、それだけでなくて、さらに村として支えるような、そうした手法の政策もあわせて必要ではないかと最前より申し上げているわけであります。
 私は、今ちょうど時代が変わり目に来ていて、食も見直され、鳥取の食もこれから勝負をしていくということになってくれば、それで価格を押し上げていく力が出ればなと思います。それをぜひ目指さなければならない、一つはそういうことだろうと思います。ただ、それでどうしてもいかないようなときに、セーフティーネットを張りめぐらすような施策も一定程度必要だろうと思います。その際に、ヨーロッパ型の完全な所得補償を導入しようと思いますと、これは相当な兆円単位のお金がかかりますので、国家的な議論をして負担をどうするかまで含めて結論を出さないといけないだろうと思います。
 ですから、当面は今、農水省が進めておられるような施策を補完をするといいますか、我々のほうでモディファイ、修正するような提案をしたり、我々で例えば多様な集落営農を応援するような仕組みをつくったり、ブランド力を高めるような政策を打ったり、そういうことで農村の活力を守ることが今の当面の生き方かなというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)有機栽培米の推進についてお尋ねをしたいと思います。
 高付加価値の米づくりに関して、有機栽培米を私は推進すべきだと。堆肥センターを設けて有機農業を本格的に営んでおられる農家の話では、平成18年に有機農業の推進に関する法律が制定されたものの、依然として抜本的な有機栽培農産物の消費拡大に至っていないのではないのか、こういう御指摘がございました。
 県では、昨年12月に有機・特別栽培農産物推進計画を策定されて、生産者の取り組み促進、技術開発、普及、消費者の理解促進等に努めるということでありますけれども、現在、その計画を通じてどう進展しているのかお尋ねをしたいと思います。
 また、抜本的には国で有機栽培を推進するための大胆な予算づけが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
 とりわけ、私は農家の方にお会いをしたわけですけれども、全国の米・食味分析鑑定コンクールというのにみずから挑戦をされて、そして、ことしもまたこれに挑戦をしながら、何とか特色のある、そういうものをチャレンジしていると、そんなことを取り組んでおられる人がやはり鳥取県にいらっしゃると。非常にうれしい話を聞いたものですから、この有機栽培米の推進ということについてお尋ねをしたいと思います。
 2番目に、特別栽培農産物認証制度のPR、これは前に私は一遍一般質問でお尋ねをしたことがあります。この特別栽培農産物認証制度というのは非常に農家の皆さんには好評であります。しかし、PRがインターネットでの掲載で済まされておるのではないでしょうか。今回不十分であるという指摘を受けました。もっと認証されたもののPRに工夫が必要ではないでしょうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 有機栽培米生産者間の連携が必要ではないのかということで御指摘を受けました。平成19年度末現在で有機JASの認証を受けた米の生産者は7人ですか、特別栽培農産物の認証を受けた米の生産者は81ですか、これらの人が互いに有機栽培、特別栽培の米づくり、消費拡大のための情報交換を行うことが必要ではないでしょうか。先ほど申し上げた、私が今回御意見をちょうだいした人も含めて鳥取県でまだほかにもたくさんそういう方がいらっしゃるのですね、今申し上げたように。そういう人たちのネットワーク、連携というのがとれているのかどうなのか。それから、生産や普及拡大に関する課題克服のためにも、これらの生産者の皆さんが組織化をされて、行政等に意見を伝えていくようなことも必要ではないだろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。とりあえず以上のところをお願いいたします。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)有機栽培、それから特別栽培についてお尋ねをいただきました。
 まず、有機栽培につきまして、堆肥センターを設けて熱心に取り組んでおられる農家のお話がございまして、私もすばらしいなと思います。これについて現在私どもで昨年12月に有機・特別栽培農産物推進計画を策定したけれども、その現在の取り組み状況だとか、国の予算づけの話がございました。これも詳細は農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますけれども、その計画をつくりまして、幾つかポイントを考えてあります。
 1つは、技術支援をする必要があるだろうと。鳥取県だからやれるような有機栽培を我々としても研究しなければならない。ですから農業試験場の中に有機特別栽培の専門の研究室をつくりました。これはまだ他県でも余り例がないことだろうと思います。今まで、こうした有機栽培だとか特別栽培というのは、どちらかというと市場の大宗をなす部分とはまた違って、特にそういう志向性を持った方々、消費者を対象にしたものでありまして、余り大々的に国が推奨して手を広げたような格好でもなかったと思います。
 ただ、やっぱり時代のトレンドを見ますと、こういうことで取り組むことで私たちは付加価値の高いお米を生産し、価格を上げることができると思いますので、ぜひ応援をしたいと。その意味で、1つは技術振興のこと、それから販路拡大のことを考えております。
 あと、最後にお尋ねがありましたが、有機で7人、特栽で81人ですか、そういうネットワークをつくってはどうかというお話もございましたが、そうした皆さんのために、そうした取り組んでおられる方々等のセミナーだとか交流の機会なんかも必要だと考えておりまして、これもプランの中で書かさせていただいて、今、事業化をさせてきていただいております。そうした新しい取り組みが今始まったところでして、どれほどこれからしっかりしたものになっていくかということでありますが、全力を挙げて向かっていきたいと思います。
 確かに国、はまだ不十分だと思います。まだまだ特殊な農業分野というイメージが強いのだろうと思うのです。ただ、今世界の農業を見てみますと、中国で農薬問題が盛んに言われます。ですから、中国の人たちは野菜を買って、帰ってくればじゃぶじゃぶと洗剤で洗うのが当たり前だと、そういうように思っておられる。しかし、これはナンセンスな話でありまして、欧米のほうに行きますと、オーガニックな有機栽培の無農薬の野菜の専門のスーパーマーケットだとか、その流通経路もしっかりできていまして、それは付加価値が高いものですから、通常よりは高く売られていると。見た目は多少悪いかもしれませんけれども安全だということで、それを買って帰られるということになっています。こういう取り組みはまだ国は甘いと思いますので、これからも国に対する働きかけをしっかりやっていきたいと思います。
 ただ、当面、国のほうでも有機栽培に取り組んでいる団体向けの事業なんかもございまして、1件400万円とか、そういう事業もございまして、我々が県の中でもそれに取り組み得るような団体もございますから、場合によっては既存の国の事業の活用も、その該当の団体の方と相談させていただいて取り組んでいくのも一つあり得るかなと思いますが、まだまだ不十分だろうと思っています。
 特別栽培農産物の認証制度についてPRがまだまだ足りないとか、そのほか課題をいただきました。これも詳細を農林水産部長からお答えを申し上げたいと思いますが、県内の消費者の方はもとよりといたしまして、県外にも積極的にPRをいたしていきたいと思っています。インターネットで一覧表を出すだけではいけないと思います。商談会だとか、それから実際に店頭へ持っていって売ってみるアンテナショップ的なこともやっていく必要があるだろうと思います。
 先ほど申し上げました大丸系の千里における大阪でのショップの中に置くとか、難波のお店に置くとか、東京で今度開くアンテナショップの中でもそうしたコーナーを考えるとか、いろいろやりようはあろうかと思います。現にやってみていただいて、手ごたえを生産者の方も知っていただくことも必要だと思いますし、市場の声でまた我々も生まれ変わっていく、成長していくということにもなると思いますので、積極的にそちらも取り組んでまいりたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)2点、補足答弁をいたします。1点は、有機・特別栽培農産物推進計画、昨年12月に策定いたしました。これの推進状況と、それから生産者の連携あるいは組織化についてということでお答えを申し上げます。
 まず、推進計画に基づきまして、技術の開発と普及といった面では、先ほど知事が申し上げました、農業試験場に新たに専属2名の体制で有機・特別栽培研究室を新設をいたしました。現在、米ぬか、それから中耕、深水を組み合わせた除草技術開発試験の現地試験圃を2地区、現地で設置をすることにいたしております。それから、畦畔管理によるカメムシの発生抑制試験、これも現地のほうで現地試験圃を1地区設置することにいたしました。それから、除草、病害虫防除、育苗を組み合わせた経営の評価というのを12の有機農家で連携してさせていただくということも決定をいたしております。
 さらに、普及活動の面でありますけれども、これから有機栽培をやってみたいと言われる農家の取り組みを支援することとしております。具体的には、有機実証モデル展示圃を設置したい、やりたいという方の圃場をモデル展示圃に使わせていただくと。これは米についてでありますけれども、県下で6カ所設置いたしております。有機認証取得まで2年間準備期間が要るわけですけれども、この間の減収リスクをこの農家に対して補てんをするという仕組みでやっております。また、改良普及員ですとか研究員の有機農業に関する資質向上、これを目的とした講習会をこの5月21日から23日の3日間開催をしたところであります。
 次に、生産者が取り組みやすい環境づくりということでありますけれども、今、有機に取り組む場合に一番問題になってくるのは、除草対策、農薬を使わずに除草をするというようなことが一番大きな課題になっておりますけれども、こういった除草機ですとか、病害虫対策の機器、この整備に対する補助事業をつくっております。3分の1県で助成をするということでありまして、5月8日現在、既に5団体から申請が上がってきているという状況であります。
 消費者向けのPRでございますけれども、これにつきましては昨年もやりましたが、県下ではシンポジウムを開く、あるいはテレビですとか新聞、こういったもので有機・特栽農産物のよさをPRしていくというようなこともやっていきたいというふうに考えております。
 生産者みずからが行う販売対策への支援でございます。消費者交流ですとか市場調査、こういったものに要する経費、これに対して2分の1を助成するようにいたしておりまして、現段階では2団体がこの事業に乗ってみたいということで申し入れを受けたところであります。
 さらに、関係者の連携でありますけれども、現在、生産者と試験場の研究員、それから改良普及員などで技術、販売情報についての意見交換を行う場の設定ですとか、それからインターネットを活用した、情報を生産者の方に流せるというメーリングリストの作成に着手したところであります。それから今後、有機栽培農家あるいはこれからやってみたいという農家の方を集めて、技術面、それから流通面、それから外部講師を迎えて、有機・特栽農業推進塾、こういったものを開催したいなというふうに思っております。この受講者の方を中心に、組織化をされませんかというふうな投げかけもしてみたいと思っております。
 先ほど知事のほうで国の支援制度を紹介いたしましたけれども、国のほうは民間団体を事業主体に400万円の範囲で技術指導、それから販路開拓のマーケティング、技術実証圃、それから技術習得のための拠点施設の整備、こういった支援があります。ただ、これは民間ですので、こういった組織化がもし進んでそういった輪ができれば、そこが主体になって取り組むことも可能かなというふうに考えているところでございます。
 2点目でございます。有機・特別栽培農産物のPRということで、インターネットの掲載ぐらいでは不十分ではないかということで、言われてみればそうかなというふうにも、正直に思っているところであります。先ほども申し上げましたシンポジウムですとか、テレビ、新聞、こういったものではPRをしておりますけれども、今後は直売所のイベントですとか、消費者が参加する、例えば昔の海と大地のフェスタ、農林水産祭ですね、今度から「食のみやこ鳥取県フェスタ」になりましたけれども、こういった機会をとらえて県民に広くPRをしていきたいというふうに思っておりますし、生産者の取り組みですとか商品、これをホームページで積極的に紹介をして、それが消費につながるように努めたいというふうに考えております。それから、今まで欠けていましたのは、どちらかというと県外向けのPR、これが不足していたということで、こだわりのある米づくりの一環として、先ほど知事が申し上げましたように、大都市圏での量販店での試食会、こんなことも一生懸命やっていきたいというふうに思っているところであります。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)ナシ栽培農家の方で、こんな意見をおっしゃっている方もあるのですよ。鳥取県の果樹栽培というのは、二十世紀ナシにちょっとこだわり過ぎではないでしょうかという思いが若干あるようですね。二十世紀ナシは物すごく手間がかかるそうです。プロ中のプロの小谷議員もおられてあれですけれども。もっと手間のかからない品種の栽培なんかを推奨するということも必要ではないだろかなという御意見の方もありましたので御紹介をして、御意見があればいただきたいと思います。
 鳥取県では、原木栽培ということで今非常にいいシイタケ栽培ができていますけれども、例えば高齢者の皆さんあたりが原木を提げてあちこちされるというのは体力的にもかなり困難な部分がありますね。そういう面からも、労力の少ない菌床栽培をもっと普及させてはどうかなと思ったりもいたしますが、この2点についてちょっと御意見をいただきたい。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、ナシの栽培についてお尋ねがありました。
 ナシにつきましては、先ほど申しましたが、そのナシの栽培についても我々のところで農家の皆さんとかと一緒になりまして新しいナシ栽培のプランを考えさせていただきました。それで目指しますところは、今おっしゃるように手間が余りかからないとか、食味がいいとか、新品種も含めて鳥取県のナシの切れ目のない出荷体制ができるような、そういう生産体制を考えてはどうだろうかというように思っています。確かに二十世紀ナシの場合は人工受粉をされたり、それから袋かけを重ねて行ったり、大変に厄介なことは厄介でございます。ですから、これを解消する意味で、また食味も向上させる意味で、新品種へと取り組んでいく営みを強めていく必要があると考えておりまして、JA関係者と今順次手を打ちつつあるところであります。
 現在考えておりますのは、1つは、「新甘泉」というナシでございますが、これは赤梨でございまして、14度以上の度数の糖度を誇るものでございます。だから、大変に食味はいいですし、また、大体8月の中旬から下旬ぐらいということで二十世紀ナシのちょっと前ぐらいに出るものでございますし、無袋栽培も可能ということでありますから、これは一つ推奨できるものかなと思っています。ことし、本格的といいますか、テスト的に市場関係者にもしっかりと見てもらったりして、今だんだん育ちつつありますので、いずれこれを世の中に大々的に出していくことにしたいと思います。できればどこかできちんと露出をして、メディアなんかにも全国でも取り上げていただけるように仕掛けを考えられないかなと、今我々は話し合っているところです。
 これと同じように、県の園芸試験場でつくりましたのが「なつひめ」という品種でございまして、これもちょうどお盆のころにできるものでございますが、青梨でございまして、二十世紀ナシのような風采をしています。ただ、糖度は12~13度ぐらいと高うございまして、そういう意味でハウス栽培の二十世紀ナシにかわるものだと期待をされるものです。これも農家と協力して、新しく世の中に出せるように準備を進めているところであります。
 さらに、最近農家の現場のほうからこれはいいのではないかという御指摘をいただくようになっておりますのは、鳥取大学のほうで開発をされました、まだ品種的にはきちんと登録できていない途上だと思いますが、「THA─3」という品種でございまして、これは二十世紀ナシのような青梨なのですが、受粉が要らない、そういう手間がかからないということで、糖度もそこそこあります。ですから、従来のゴールド二十世紀ナシなどよりもこっちのほうが育てやすいのではないかとか、期待も込められていまして、これにも取り組んではどうかという声も高まっています。これもぜひ現場と相談して考えていく必要があるだろうと思っています。
 こういうような、従来とは違ったナシを全国へ出していくことで、ナシの本場としての鳥取県の存在感を発揮できるのではないかと期待をいたしております。
 2点目でありますが、菌床栽培でありますが、これは確かに労力はかからないのですが、若干財力が要るということでございまして、設備が必要になります。現実問題、シイタケの場合ですと、菌床栽培しようと思いますと県外の業者の技術でやるということになってしまいまして、我々の普及員で指導できないわけでありますが、例えばハタケシメジのようなものであれば、県と、それからきのこセンターとで特許を持っていますから、我々のほうでも指導ができるかなと思います。
 こちらの菌床栽培の実情につきましては農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)シイタケの菌床栽培について補足答弁をいたします。
 先ほど知事が申し上げましたように、菌床栽培は原木シイタケに比べたらかなり労力が低いということで、そういった面ではいいのですけれども、やはりメーカーですね、これのノウハウで全部育てるということで、菌床をつくってもらって、それを受け取って、あとは農家のほうでそれを育てるという営みになるわけであります。したがって、県のほうで技術指導というのはなかなか難しいのかなと。同じようなものにブルーベリーのバッグ栽培というのがあります。あれも同じようにほとんどメーカーのノウハウでやるということで、なかなか指導ができにくいということでございます。ただ、一方で、労力は軽いのだけれども、温度管理を人工的に行うということで、一定の箱物とその中の空調等の施設が要るということで、施設整備等が必要であります。資金面のハードルが高いといった難点もあるわけでございます。
 県といたしましては、菌床栽培に取り組みたいという方がございますれば、チャレンジプランですとか林業・木材産業改善資金、これは無利子の制度金融ですけれども、こういったものを使って支援をしたり情報提供、こんなことをやっていきたいなと思っております。本県での貸し付け事例が既に19年度にありまして、社会福祉法人が5,000万円ほどかけて貸し付けておりますけれども、そういった施設の整備を始めて経営を開始されているという状況があります。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)中山間地対策についてお伺いをいたします。
 実は、議会に特別委員会がございまして、私は中山間地特別委員会の委員長を仰せつかっておりますから、今回の「「農」を問う」という質問の中では、中山間地の特別委員会の中であすも実は現地調査にも入りますし、これから中山間地に特化した課題について委員の皆さんとで集約をして、できれば条例化を目指したいと。知事のほうでも条例化を目指したいということをおっしゃっていますから、そこら辺でできれば意見交換をする、ドッキングをするということでできたらという思いを持っています。
 したがって、中山間地、とりわけ山間地での農業問題というのは、今回、私は意識的に避けさせていただきました。ただ、どうしても1~2点申し上げたいのがございまして、知事の考えをお尋ねをしたいと思うのですけれども、食料や日用品の購入など、店の存在というのが非常に大きな課題になってきています。自家用車での買い物が難しい高齢者にとって食料や日用品が買えなくなるということは、その地を離れざるを得ないことになって、ますます農村の荒廃を招くということになるわけです。対策として、自治会経営の福祉店舗とか、あるいは江府町でやっていらっしゃる方もいらっしゃいますが、移動販売とか、あるいは移動販売を生協などへ委託をしてしまう、そういうような農村の利便性確保についてどのようにお考えかお尋ねをしたい。
 特に山間地でお話を伺っていますと、ため池や水路の補修というのがやっぱりどうしても必要になってくるわけです。ただ、そのための地元負担、それからいわゆる受益農家負担というのがやっぱり大きな負担になるようでありまして、それを直すくらいならもう農業を投げてしまう、やめてしまうと、そういうところがやっぱり多いのです。したがって、このような地域に対しては、地元負担を限りなくゼロにするようなことも考える必要があると思いますけれども、これについて知事のお考えをお尋ねをしたいと思います。
 教育長にお尋ねをしたいと思います。
 農業高校の設備問題であります。5月23日に倉吉農高をお訪ねをいたしまして、校長先生や、それから教頭先生、それから農場長さんに御案内をいただきまして、勉強をさせていただきました。正面を入ったところのヒマラヤスギですか、樹齢80年だそうですが、それからその裏側にあります樹齢130年のアカマツですか、非常に印象に残りました。
 実は、ここを卒業して、県立農業大学校を卒業して、現在、農業組合法人の中心として地域の農業振興に懸命な努力をしてくれている22歳の青年がおります。この人がこういう言い方をしたのです。倉吉農高を卒業したことに誇りを持つということを言っているのです、彼と相対して話をしたときに。そして、県立高校は全部そうだろうと思うのですけれども、倉吉農高の教師、教員の方が自分の悩みにきちっと向き合ってくれたというのです。非常にこれはうれしかったですね。全寮制であるから、中学校を卒業してそこに入ることに悩みもあった、あるいは稲をやるのか、野菜をやるのか、いろいろな迷いもあった。でも、それにきちっと教師が向き合ってくれた。そして、自分が進むべき道を自分で見つけることができた。そういう意味からして、自分は倉吉農高の卒業者ということを非常に誇りに思うと胸を張って言ってくれました。本当にうれしかった。しかも、この若い青年が世帯数50戸ほどの集落ですけれども、30ヘクタールの経営面積の農業法人のまさに今彼が中心になって、その集落全体、あるいはその地域全体の軸になって活動してくれている、非常にうれしい話なのですが、この倉吉農高の実習用の農機具がかなり古いものもあるようです。私も行っていろいろ見せてもらったりもしましたけれども、特に昭和50年代くらいのものもあります、酪農の施設なんか。
 高校再編が何年か前にあって、鳥取県内で実質農業専門校というのは、農業に特化した専門校というのは倉吉農高だけになってしまいました。そういう意味からして、県下のこれから農業を志す青年たちがここで本気でやっぱり力いっぱい取り組めるような、そういう環境整備が必要だなというぐあいに思いました。そういう意味から、教育長、昭和50年代、60年代はやめましょう。これは経費もかかるかもしれませんが、すっぱりいいものを買って、入ってくる子供たちにやっぱりここへ入って新しい機械で勉強ができるということを、そういうチャンス、環境をつくってやるべきではないでしょうか。
 それと、これはそういう比較がいいのかどうかちょっとわかりませんが、普通高校には冷房完備を積極的に取り組んでいるでしょう。一方で、実業高校に、この間行ったときトラクターも走っていますが、冷房がついていないのです、トラクターに。要は、県下で農業専門校は1校しかないわけですから、毎年買いかえということまでは言いませんけれども、適宜やっぱり時代に即応した設備、環境整備はするべきだというぐあいに私は思いますが、これについて教育長の答弁をお願いをしたい。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、中山間地域対策についてお答えを申し上げたいと思います。
 福間県議のほうで委員長として中山間地の対策を取りまとめようと、条例化されようというのは私も大いに評価をさせていただきたいと思います。私どもも今、実は練っている最中でございまして、過疎・中山間地域対策研究会を市町村ですとか、それから有識者の方と一緒につくりまして、問題点を整理をしてまいりました。先般、常任委員会のほうにも報告させていただき、現在その内容について、こういう条例化を考えようという研究ができていますよというパブリックコメントの募集もさせていただいておりまして、ぜひすり合わせをさせていただきたいと思います。
 そして、お尋ねの日用品の購入ができなくなってくる、無店舗化が進んでしまった集落があるというのは、これは非常に厳しい問題だろうと思います。これが中山間地で安全で安心して住めるちゃんと普通どおりの暮らしを従来どおり営めるかどうか、限界集落が本当に崩壊集落になってしまう、それをとどめられるかどうかの瀬戸際の施策になってくるだろうと思います。もちろんこれは担い手は県ということに直接なるわけではないと思います。市町村があるいはバックアップをするだとか、あるいは地元のほうでいろいろな工夫をされてやっていくということだと思います。ただ、それをネットワーク化したり、いろいろな意味でスタート時点でサポートをするとか、いろいろな支援は考えられるのかもしれません。
 いずれにせよ、県として中山間地を考えるときに、こうした限界集落の問題を避けて通るわけにはならないと思いますので、条例化の中で考えていきたいと思っています。
 例を挙げて言えば、日南町の阿毘縁でJAさんが店舗を閉められたわけでありますが、それを引き取ってリンゴ農家の方がアップルハウスというお店を立ち上げられました。雪が降ったときでもしっかりと営業されたり、また高齢者の方等の送迎のサービスをされたりして、独自のサービスによりまして地域の購買を支えているわけであります。あるいは安達商事さんが伯耆町でローソンと契約をされて巡回されて販売をされる、これも全国でも珍しい取り組みだと思いますが、こういう知恵が鳥取県の中で生まれてきているわけです。集落を見守ったり、その機能を保全するというのがこれからの鳥取県の地域に求められることだと思いますし、これはいろいろな主体の方が参入してきていただければと思います。
 例えば安全安心の見守りのために、今、鳥取県のほうで市町村も含めて契約をさせていただきましたのが新聞社さんでありまして、新聞社さんが新聞配達のときに実際にそれぞれの御家庭で問題があるかどうか、もし気がついたら通報するというような仕組みをつくったりしました。こういう取り組みを購買ネットワークを張るということについても可能ではないかと思います。場合によっては、そうした地域のスーパーマーケットのほうに行く送迎バスをディマンドバス形式でやるような手もあるのではないかと思います。日南町だったと思いますが、そういう取り組みを今やろうとされていまして、これだったらば国のほうの施策がないわけではありませんし、県のほうでももちろん中山間地、過疎地の見守り活動といいますか、それの支援事業が今年度から入っていますので、それを活用していただくことも可能だと思いますし、いろいろと知恵を出して集落の機能を守っていくような、そういう施策につなげていく必要があると認識をいたしております。いずれにせよ、これから条例化の議論の中で大いに御相談申し上げたいと思います。
 2点目で、ため池や水路の補修の件でございますけれども、詳細は農林水産部長から御答弁を申し上げたいと思います。
 限りなくゼロにという──ゼロというのはなかなか理論的に難しいことはありますけれども、場合によっては6%の負担まで下げるような施策があったり、中山間地域での直接支払い制度を活用するような手もあるでしょうし、今モデル的に日野郡のほうで県の事務所で点検をして歩いて、安い費用でこれを補修していく、そんな知恵が出せないかどうか、こんな研究のパイロット事業を始めたところであります。
 詳細は農林水産部長からお答え申し上げたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)ため池、それから山腹水路の補修に係る受益者負担の軽減について補足答弁をいたしたいと思います。
 山間地では、農業者の減少などによって、ため池ですとか水路の維持管理が難しくなっているという地域があることも、県も十分認識をいたしております。なかなか財政的な面とか現実を考えるとゼロというのはなかなか難しいのかなというふうに思っておりますが、現在でも例えばため池については非常に改修にお金が1個当たりかかります。それから、防災面の必要性もございますので、例えば2ヘクタール以上のため池の改修につきましては農家負担を6%負担というふうにしておりまして、これは一般の基盤整備事業よりも大幅に負担を軽減して対応しているという状況でございます。さらにきょうも何回かお話が出ていますけれども、中山間地域の直接支払いですけれども、これは一般的には半分は個人に支払い分を面積に応じて配るけれども、半分は共同活動に使うということになっておりまして、この共通での交付金については、事業をやって、その負担金充当ということは可能ですので、こういったことも周知をして整備ができるようにしたいなというふうに思っております。
 きょうもこれも何回か話が出ました農地・水・環境保全向上対策、これの中で水路の軽微な修繕だとか改修、これはこの経費を充てることができますので、例えば水路の目地どめですとか、それからため池の漏水で簡単に土をいじるとか、そういったことについては、こういった農地・水・環境保全向上対策でも対応ができると、こういったこともありますので、一層この事業に対する加入促進を図っていきたいというふうに思っております。
 先ほど知事が簡単に申し上げましたけれども、今年度から日野郡で非常に深刻な状況になっています米金井手という歴史的な水路が最近遺棄されまして、7ヘクタール程度の水田がつくられないようになったというようなことがありまして、日野総合事務所では市町村ですとか農家と連携をいたしまして、現地踏査を行って管理上の課題を共有すると、それから対策工法はどんな方法がいいのかなというようなことを考えて、そのための活用できる事業はどんなものがあるかと、こんなアドバイスを行う山腹水路の管理保全事業、こういったことをことしから始めたところであります。
 今後、県としてはいろいろな機会をとらえて、できるだけ安く簡易な補修ができるよう、また農家負担の軽減制度、こういったものをアドバイスをしていきたいなというふうに思っております。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)福間議員の御質問にお答えいたします。
 倉吉農業高校を卒業されて農業のほうで活躍していらっしゃる卒業生の方のお話として、実習用の農機具の一部が古いのではないかというふうなお話がありました。
 最初に、倉吉農業高校の教職員とか、あるいは学校教育を褒めていただきましてありがとうございました。教職員も本当に喜んでいると思っております。本当にありがとうございました。
 倉吉農業高校は、さっきお話がありましたように、県内唯一の専門的な農業教育を行うところでありますので、県としてもしっかり力を入れて支援をしているところであります。お話がありました農業実習用の設備ですけれども、これは確かにトラクターはお話のとおり、今、中型、大型が6台ありますけれども、そのうちの3台は14年度以降に新しくしていますけれども、あとの3台は50年代ということでありますので少し古いものがあるというふうに思っています。そういう意味で、ちょっと古いものがあります。確かに、農業は、夢のある農業というものが一つは方向づけられないといけないというふうに思っていますので、できるだけ時代のニーズに合った新しい農業に即したような農業機械というのを入れて、その中で子供たちが夢を持っていくということも私は必要だろうと思っていますので、そういう意味で努力をしていきたいというふうに思っています。
 ただ、農機具は高うございます。トラクターもそういいながら1台が200万円、300万円から500万円とか、かなり高価でございますので、その辺のこともよく考えながら、学校のほうのニーズを聞きながらいきたいと思いますけれども、冷房用のクーラーのきいたトラクターまで、本当はそれも望ましいといいますか、いいでしょうけれども、学校の実習ですので、一日じゅうそれに乗っているわけではない部分もありますので、そういうふうなことも勘案しながら、考えていく必要があるかなと思っています。いずれにしても、現場のニーズをしっかり受けとめながら対応していきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)あと1問で終わりますので、もうしばらく皆さんおつき合いをお願いします。
 それで、1点、ため池と水路の補修ですね。これはどうなのですか。農業だけで考えるから難しいのではないですか。中山間地問題として、中山間地の委員の皆さんの御意見も伺いながら、そこでまた一定の方向づけを模索しなければいけないと思いますけれども、検討してみてもらえませんか。例えば災害適用とか、土木で適用していくとか、農業だけで考えるのではなしに、その地域で生存をするために必要なため池であり、水路なのですよ。平野部の水路とはまた違うのです、意味が。今、日野郡でたまたま従来あった水路がもうだめになったとおっしゃったですね、農林水産部長。そのために、下流域の7ヘクタールはことし1年間耕作放棄地になりますね。来年からもう一遍やろうと思ったときにできますかという部分が出ると思うのです。そういう意味では、従来と同じ物差しでの施設整備、環境整備ということをちょっと視点を変えなければいけないのではないのかと言いたいのですよ。
 だから、これはちょっと検討事項として、どうでも農林分野だけで抱えるのではなしに、土木とか、そこに居住するということでの災害適用みたいなことがなるのかならないのか、そこら辺も含めて検討してもらわないと、今答弁してもらうと一番いいのだけれども。その思いがありますから、そのことはまた検討してみてください。
 最後の質問にしたいと思います。一番最後に、思いを申し上げたいと思いますけれども、二宮尊徳のことについてちょっとお話を申し上げたいと思うのです。二宮尊徳の像が、私が小学校へ通っていたころは二宮尊徳がまきを背負って本を読むというのが実はありました。今はどこに行ってもそれが見当たらないのです。たしか県下でも5~6カ所ですか、どこか残っているというのは。二宮尊徳は逆境の中でも勉学に励む金次郎の像のイメージが強いのですけれども、積小為大ですか、小さなものを積み上げて大となすとの経済原理を実践し、家の再興、ひいては小田原領、幕府の領の再建に尽力した人物である。この二宮尊徳の思想は報徳という思想がその中心であって、そこには勤労、分度、推譲の3つの要素があるようであります。
 結論的に言いますと相互扶助、公共資本、あるいは弱者、困窮者救済にみんなで力を合わせよう、こういうのが二宮尊徳の基本的な考え方だというぐあいに私は理解をしておりますけれども、今こそ、特に鳥取県のように、農業問題も含めて、集落営農ということも含めて地域みんなで手をつなぐということ、そのことで自分たちの地域を守って大事にしていくということ、そのことからこの二宮尊徳の考え方を学ぶべきではないのか、こういうぐあいに私は思いますけれども、知事、教育長のそれぞれの御所見をお伺いをしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、ため池、水路につきましては、とりあえず日野で今順次調査をしてみて、どういう知恵が出るのか考えようとしていますが、その中で検討させていただきたいと思います。ただ、一般論として申し上げますと、これは農業用施設としてため池、水路がある場合に、それが直ちに例えば道路だとか治山だとか、そういうものと絡めてできるか。先般、西部地震が起きたときに、かなり思い切って直していきましたけれども、あれは災害復旧そのもので直していきましたので、どういう手だてがあるのかというのはちょっとよく検討してみないとなかなか答えは出ないかもしれません。いずれにせよ、中山間地のあり方を問う一つのテーマかもしれませんので、今後よく調べさせていただきたいと思います。
 二宮尊徳についてお話がございました。非常に高尚な議論でございますが、分度、推譲、そうしたことを説かれたわけであります。
 やはり私は思うのですが、東洋的な考え方、古来の日本のよき教えというものがあの時代と今とで彼我対照してどうなっているだろうかということを思わざるを得ないような気もいたします。そういう意味で、もう一度あの時代に考えたことを取り戻していく。二宮尊徳御自身は東洋の思想、仏教だとか、儒教だとかいろいろなことを考えられた上で、先ほどおっしゃったような積小為大、あるいは報徳の教えというものを考えられ、実際に住民の皆様、地域の皆様と一緒になって地域を豊かにしようという活動にその人生をささげられたわけであります。その二宮尊徳の教えの報徳訓、報徳の教えというその漢文の中にも、身命の長養は衣食住の三にあり、衣食住の三は田畑山林にありというようになっておりまして、そして、田畑山林は人民の勤耕にある。こういうように説いておられます。ですから、私は先般JA鳥取中央の皆さんに頼まれて、言葉を贈れと言われたときに、「勤耕報徳」という言葉を贈らさせていただいたのですけれども、そうした思想というものが確かに現在に少し欠けているかもしれない。
 我々は、必要以上にぜいたくを尽くすことで大量消費社会に入ってしまいました。しかし、21世紀に入って、環境というものをもう一度考え直そう、私たちの生活の質を根本から問い直そうというエコ産業革命が起こり始めたのかもしれないと思います。その中でもう一度集落のあり方を問い直す。実際に自分たちは正直申し上げてそれぞれがとんでもないぜいたくをしようと考えているわけではありません。我々なりの生活をしようとして奮闘している。ですから、それぞれに自分たちの分度というものを考え、さらにそこでお互いに出せるものを出し合って、企業さんだとか地域の団体だとか、あるいは公的なセクターだとか、皆で力を出し合った推譲ということ、力を寄せ合うということをやっていくことでこれからの中山間地域、そして農業の未来を切り開いていくことを考え直す必要があるのかなと。二宮尊徳が現代に生きておられたら、恐らくそういう教えを再びされたのかなと思います。
 今おっしゃったことも拳々服膺させていただきまして、これからの農のあり方を私どもも考えてまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)お答え申し上げます。
 御質問は、二宮尊徳の思想の中にある相互扶助ですね、この考え方によって国づくりを行うべきと考えるけれども、どうかということでありました。
 私も先般、二宮尊徳の言行録であります「二宮翁夜話」という本がありますので、これを久しぶりに改めて読んでみましたけれども、確かに今日的な我々が考えなければならないことをたくさん含んでいるなというふうに、私は個人的には思いました。例えば、ちょっと自己中心といいますか、自分中心的な社会になっていますし、さっき知事も言われましたけれども、質素に倹約して人のために尽くしていく、勤勉に努力していくというようなところがどうも欠けているような風潮があるというふうに私は思っています。そういうふうな意味で、この二宮尊徳の生き方をここで学んでいくということの意味は、私は十分あるというふうに思っています。
 二宮尊徳ですけれども、さっきお話があっているとおり、疲弊した農村ですとか、災害から農民を救うために非常に努力をした人でありますので、そのために4つ、さっきおっしゃいました推譲と、それから分度、分度は自分の実力をわきまえるという意味でしょうか、それから勤労とか倹約、こういう柱を立てて江戸後期に農民のために尽力されたのですけれども、繰り返しになりますけれども、私はその生き方をもう一回再認識する必要があるというふうなことを思います。
 戦後、戦前の思想が、考え方がすべてだめであるかのように全部否定されたところがあると思っています。中には非常に大事な考え方もあると私は思っています。その中の一つだろうと私は思っているところでありますので、ぜひ考え方を子供たちにも学校のほうで工夫して取り上げていただけたらなと思っています。
 先般、NHKの番組で、番組名を言いますけれども、「その時歴史が動いた」という番組があります。近年そこで二宮尊徳を取り上げられておりました。本当に農民のために、具体的な農政のために尽くしたということを余り御存じない方も、多分結構そこではっと気づかれたのではないかと私は思っています。そういう意味で、私は見直すべき必要があるかなというふうに思っています。


◯副議長(上村忠史君)21番福間議員


◯21番(福間裕隆君)以上で、きょうの代表質問を終わりにいたします。
 ただ、もうちょっと時間をいただきまして、思いをお話しさせていただいて、知事にも最後の答弁をちょうだいをして代表質問を終わりにしたいと思います。
 1つは、知事にお願いをしたいわけでありますけれども、米づくりや農業に理解を深めてもらう「米フェスタ2008 おいしい米づくりにトライ!」というのが25日、伯耆町の丸山の水田で200人ぐらいの皆さんが参加をして田植えをやっておられるのです。ことしで21回目になるようであります。米にちなんで1988年を第1回とされたようでありますが、丸山の集落営農組合の皆さんが中心になって実行委員会を組織されて、この20年間、子供たちと田植えをしたり、秋には稲刈りや収穫祭ということでまたその子供たちと一緒に稲刈りをしたりということで、米づくり、米というものについてずっと地域の皆さんが体験をさせている、そういうすばらしい取り組み、地域の皆さんが自分たちでやっておられる取り組みだというぐあいに私は評価をしています。
 お聞きいたしますと、ことしの10月ごろに収穫祭というのがあるようでありますから、できれば知事、これに行ってみて稲刈りなどを一遍ちょっと体験をしてみていただく、この収穫祭に参加をしていただくというようなことはいかがでしょうか。地域の皆さんも恐らく知事の御参加があれば鳥取県の農に対する思いというのも、その地域の皆さんの御苦労も報われるのではないだろうか、喜ばれるというぐあいに思いますので、御検討いただければと思っています。
 今回の代表質問は、私は2点を実は訴えたく、「「農」を問う」ということで申し上げました。1つは、冒頭申し上げましたように、世界の食料自給の現状というのを私自身も含めてきちっと直視をする必要があるのではないのか、このことが1点でありました。2つ目には、農業は国民の命の産業であるということを、やっぱりきちっと私たちは見詰め直さなければならない、この2本をテーマに今回の「「農」を問う」という質問をさせていただきました。結局、農業を見詰め直しましょうと、こういうことを訴えたかったのであります。
 今回の代表質問をするに当たりまして、西部地区の皆さんが中心ですけれども、実際に現在いろいろな格好で農業をやっておられる皆さんにお話を伺った中で、非常に印象的であった皆さんのお話をちょっとだけ御紹介申し上げて締めにしたいと思いますけれども、こういう御意見がございました。日本の農業はじっくり沈没の方向へ向かっている。小手先だけでは対応できないのではないのか。これまでの農政は農民を無視したものであったと、極めて激しい憤りを持って私に訴えかけられた方もございました。かつては2町歩ぐらいの田んぼを耕しておられたそうですけれども、生活できないということで今はやめておられるそうですが、しかし、この方は同時に、農業は産業振興であるということも訴えられました。そういう意味で、申し上げましたように、農業を県政の柱に位置づけることが、知事が今大変な御苦労されて企業誘致等を進めておられる、やっぱりそことリンクをさせる中で産業振興の一角に私は積み上げていくことが可能性としてあるのではないのかな、こんなぐあいに思いました。
 また、中山間地のある方は、これから先どうなるのかなあ、私は今65だが、あと5年したらここはどうなるのかな、わからないなと言いながら、きょうの農業にまあ頑張らなければいけないな、老骨にむち打つのだと、こうおっしゃっている方の言葉も非常に悲しく響きました。
 一方で、過去の農業は涙と汗しか出なかった。しかし、今、若い経営者を育てることが私の夢ですよ、こう熱っぽく語りかけてくれた農業法人の人もおられました。この人は、農作業が楽しいということをおっしゃっています。しかし、農業経営は苦しいということもおっしゃっておりました。
 先ほど御紹介申し上げた倉吉農高から県立農業大学校を出て、今地域の中心になって頑張ってくれている若い青年は、ありがとうと言ってもらえる農業をやりたいということを私に訴えかけてくれました。
 そして、この間もここにお伺いをして、まさに菜の花はこんなにきれいなものだったのかなということを実感させていただきましたけれども、伯備線に乗ったお客さんが、ここは菜の花畑ができたのですかと口をそろえておっしゃる、皆さんが非常に大きな感動を覚えられたというぐあいに聞きましたけれども、伯耆町の岸本集落で集落営農をやっていらっしゃる。ここでおっしゃっているお話を聞きますと、荒廃地や遊休地をつくってはならないというのがここの皆さん方の思いなのだそうです。支え合える地域農業を私たちは目指しているということで、20年間かかってようやく今の集落全体でその地域を大切に、みんなで農業を中心に集落を、生活を営む、そういう風潮が今できたのだそうです。ここでおっしゃっている、非常に印象的であったのは、故郷を離れておられる皆さんへのメッセージとして、あなたの田んぼは集落営農で我々がしっかり守っていますよ、いつでも帰っていらっしゃい、そういうぐあいに自分たちは思いながら集落営農、都会地へ行ってだれもいない人の田んぼも守りながら、その集落全体で農業を中心に生活をしている、そういうお話を伺うこともできました。
 総論として申し上げて、私は、今、農村で何が起こっているのかということを、やっぱりきちっと私たちは直視をしなければならないと思っています。幾つか御紹介申し上げましたけれども、小さな農家が赤字を出しながら農業をやって崩壊するのを防いでいる。急激に変化する中で、そのままでは本当に激しい何かが起こって、その結果として耕作放棄地が出てくる、集落が崩壊する、村がなくなる、こういう激しい変化が今起こっている。だから、4ヘクタールだ、20ヘクタールだという制限を加えるのではなくて、今頑張っている人を支え、その上で地域に合った担い手を育てていく、こういうことが非常に大切ではないのか、こんなぐあいに実は今回の「「農」を問う」というテーマをもとに取り組んで、皆さんからお伺いをして、そんな思いを感じさせていただいた次第であります。
 最後に私の思いを申し上げました。知事から感想をお聞かせいただいて、これで私の代表質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福間県議の農に対する思い、そして時代に対する認識を伺ったような気がいたします。そういう意味で、ぜひ丸山のほうの収穫祭を訪れさせていただきまして、私自身も体験をさせていただきたいと思います。
 今おっしゃった基本的な認識で、地球の需給バランスがおかしくなっている。食という基本がこの星から失われようとしていること、これに私たちは大きな認識を持たなければならないと思いますし、そして命を支える、しかも豊かな生活を形づくるのが食であると、そのための営農というものを守り育てていかなければならないということだと思います。
 るるお話がございました、いろいろな経験談や悩み事、そうだろうと思います。私自身も三朝で全県の若い青年農業者の方とお話し合いをする機会をいただいたことがあります。そのとき、20代でございますので非常に希望に燃えて話をされていますし、自分は有機農業でこんなことをやっているのだと目を輝かせておっしゃられる一方で、しかし、先般ある旅館に供給したところちょっとクレームがついたと、こういうような苦労をしたとか、あるいは、やっぱり農はおもしろいけれども経営は大変だと、そういうお話をおっしゃったり、油代のことをおっしゃる方もおられました。ですから、それぞれ悩みながらやっているわけでありますが、それだけ若い情熱を傾けるだけの何かが自然と向き合って生み出されること、そして人々の笑顔と必ず出会えることのすばらしさが農業の中にあるのだろうと思います。
 ですから、丸山で集落営農をしっかりとやって、全国に旅立った仲間たちに訴えかけたりというのもよくわかりますし、私は正直申し上げて、これからの鳥取県の中の農業を支えるために、今おっしゃるような、担い手といってもこれはそれぞれの思いの担い手でいいのだろうと思うのです。そこから出発をして、自分たちのこだわりのある農業をやって、それが全国の人や世界の人から評価をされて、おのずから鳥取県の農業の地位が高まってくる。しかも、どうしても採算が合わないということで歯が欠けるようなことになったとしても、それをセーフティーネットで支えていけるような、たおやかな優しい村というものの存在を私たちは中山間地の問題として考えていかなければならないのではないか、そんな思いを今の福間議員の御意見をお伺いしながら考えました。
 いろいろとやるべき課題は多いと思いますし、このチャレンジは容易ではないと思います。しかし、今この地球の大きな危機の時代に、そして地域が崩壊しようという時期に取り組むだけの値打ちがあることだと信じますので、全庁挙げて頑張りたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時02分散会