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平成20年2月定例会(第12号) 本文




2008年03月19日:平成20年2月定例会(第12号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 本議会に提案されております議案第38号「公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部改正について」及び第79号「職員の給与に関する条例等の一部改正について」に対し、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておきましたところ、同委員会から、お手元に配付している写しのとおり回答がありました。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問、次いで議案第1号から第20号まで及び第36号から第81号までに対する質疑であります。
 なお、質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 37番稲田寿久議員


◯37番(稲田寿久君)(登壇、拍手)おはようございます。一般質問戦も最終日になりまして、残すところ私と松田議員と2人になりましたが、知事、元気を出してひとつ明快な答弁をお願いいたします。
 通告に従いまして2点の問題につき、知事に質問をいたします。
 まず最初に、各種認定制度のあり方について。
 国の認定制度や民間の第三者登録機関の認定制度には、ISO認証制度、森林認証制度、JIS製品認証制度、エコファーマー制度などがあり、県独自の認定制度には県指定無形文化財指定制度保持者・団体の認定、伝統工芸士認定制度、県グリーン商品認定制度を初めとする19種の認定制度があります。
 認証、認定、指定、登録と用語は異なりますが、要するに一定の行為または文書の成立や記載が正当な手続でなされたり、資格事実などの有無、存否または事柄の当否の判断をしたり、人、時、場所、事物などを特にそれと指定して公の機関が証明をしたり、決定したり、資格を与えたり、また帳簿や原簿に記載して公然性を表示するものであると理解しております。加えて、近年の風潮として、新しい人や物や事実を掘り起こし、文化、技能、産業などを特定化して、国や地方の産業振興や環境負荷軽減などに役立たせようとする傾向も強まってきました。
 どんな制度もそうでありますが、組織が必要に駆られて導入するときは、組織自身が導入の目的や導入までに必要な準備体制を継続させるために大変な努力をするわけでありますが、時がたつにつれ社会情勢の変化とともにその理念や目的が徐々に希薄となったり、ある種の制度疲労を起こし始めてきます。また、認定された人や法人、事物がたなざらしになったり、認定条件に息苦しさを感じたり、施設や審査に過当な条件を付されて重圧を意識することが発生してきます。
 この機会にもう一度認証制度のあり方を見直し、検証してみる必要があるように思いますが、知事はどのような見解をお持ちでしょうか。加えて、今日の国や県の種々の認証制度の意義につきどのような所見をお持ちなのか、その効果もあわせて伺います。
 2点目として、各種の認証制度が、認証、認定、指定、登録と用語がそれぞれの使い分けをしております。よく見ると認定内容と用語とが一致していないように思われるものも散見されるのですが、その使い分けの理由を伺います。
 3点目、19種の県の認証制度は人や事物を推奨、激励するものでありますが、ただ単に社会的に顕彰あるいは表彰するものと、一定の恩典、例えば給付金、補助金が支給されるもの、随意契約や優先的参加資格、格付加点が与えられるものに区分できるように思われます。その区分の根拠と合理性につき、知事に伺います。
 2点目として、流動資産担保融資制の創設について伺います。
 知事は、今年度の企業自立サポート事業の一環として流動資産担保融資の創設を提案されております。いわく、従前の不動産担保に依拠した中小企業金融の現状から脱却し、中小企業の資金調達の一層の円滑化、多様化を図るため、中小企業者が有する流動資産、なかんずく売り掛け債権と棚卸資産に着目し、それらを担保とした融資制度を新たに創設して便宜を図ろうということであります。
 思うに、今や通常の売買や担保設定を乗り越えて、資産の流動化、証券化の要請は世界的な動きであり、我が国においても国を挙げて商業化、貿易立国を目指して、これを推進しつつあります。加えて、担保証券の発行に伴う将来債権の包括的な譲渡の有効性と対抗要件のあり方についても画期的な改革が加えられ、新たな法秩序の体系構築の段階に立ち至った感を強くしている昨今であります。現実的、実体的経済から信用経済、金融経済への目覚ましい発展に驚くと同時に、一抹の不安と戸惑いを隠せないのも事実であります。
 こうした時代趨勢の中にあって、流動資産担保融資制度も物的担保、人的担保の枠を超え、売り掛け代金債権担保融資保証制と動産担保融資保証制を加えて、その内容を変貌させてきておりますが、ひっきょうこの制度は物権の法定主義の例外として、非典型担保物権としての譲渡担保と新しく制定された動産譲渡登記制度をどのようにリンクさせて解釈をするかに帰一するものであると思われます。
 ちなみに、この動産担保融資制度の全国都道府県の導入状況は、売り掛け債権のみを対象としたものが平成19年度10月現在で11件、動産と売り掛け債権をあわせて導入したものが6都道府県にわたっております。まだまだ他の府県では慎重な検討と取り扱いになっているように思えます。
 そこで知事に伺います。1点目に、仄聞すれば商工会青年部の方から話があり、できれば動産担保というものを本県でも導入してもらいたいとの切実な要望があったとのことでありますが、動産担保すなわち譲渡担保に内在する問題点、わけて譲渡担保そのものの否定論すらある中で、そのメリット、デメリットをどのように調査、検討されクリアされて導入されようとするのか、その経緯と理由と根拠を教えてください。
 2点目、現在、県が施行中のチャレンジ応援資金を初めとする9種の融資制度の拡充策だけでは不十分なのでしょうか。応援しにくい、使い勝手が悪い、あるいは貸し渋り、貸しはがし、貸し倒れなどがあるのでしょうか。チャレンジ性を最優先に考慮するならば、有担保、有保証から無担保、無保証に移行するのは当然の理であるにもかかわらず、再び売掛金や動産を目的とする有担保、有保証に逆戻りすることに、その理由を見出し得ないのであります。むしろ有担保、有保証の融資システムは民間銀行に任せ、県はあくまで無担保、無保証の融資制度の拡充を図ることが本来の姿だと思います。利子補給までして県が関与する意味や効果がどこにあるのでしょうか。答弁を求めます。
 3点目、通説判例で認められ、現実にも使われている譲渡担保もその意義、法律構成にまだまだ解明しなければならない点、学説の多様性など危惧すべき問題がある中で、この流動資産融資制度が果たして中小企業者の多くの方の支援に役立ち、自立型経済への転換に向けたインセンティブになるとは到底思えないのであります。知事の所見を伺います。
 4点目、譲渡担保と似て非なる担保力を持つ非典型担保として、所有権留保と代理受領がありますが、これらにつきどのような取り扱いになるのか、この流動資産担保融資制度の枠組みの中に取り入れられるのかを伺います。
 以上で壇上の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)稲田議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、第1点目として各種の認証制度についてお尋ねを数点いただきました。まず、認証制度のあり方、これを検証してみる必要があるのではないか、国、県の種々の認証制度の意義について、効果について所見を問うと、こういうお尋ねでございます。
 これは、認証制度自体はいろいろな必要性から今日多用されるようになってきたのだと思います。それは社会的な要請がありまして、例えば品質の担保をしてもらいたい、それが消費者のためになったり、またそれを売るほうの企業家のほうのメリットにもなったり、そういう意味でその基準をこしらえまして、これをクリアしている、ちゃんと充足していますよというところに対して認証なり確認行為を行うという対応がされるようになってきたと思います。
 あるいは、こういうような状況だけでなくていろいろな社会運動があると。社会運動を起こすために行政でとり得る手段というのは補助金だとか、あるいはさまざまな代替的に我々のほうで執行するとか、あるいはパートナーを見つけて委託をしてやってもらうとか、PRをするとかそういうやり方がいろいろございます。このPRの手法の一環のようなことだと思いますけれども、それをこういう団体は確かに今社会的に必要とされるこういう価値観について共鳴をし行動をしていますと、それにお墨つきを与えることによって社会全体がその運動に対する認知度を高めてその運動の実を上げていくと、こういう目的があるのではないかと思います。こういういろいろな社会的な要請に従いまして、今日ではこのような形態がふえてきているのではないかと思います。
 稲田議員の場合は法律論だと思います。法律論的に申し上げれば、行政行為の中に幾つかカテゴリーがあるわけであります。法律行為的行政行為と言われるもの、それから準法律行為的行政行為と言われるもの。例えば法律行為的行政行為だったら、命令とかあるいは許可とか、そういうものが当たるわけでありますが、直接に何らかの行為を行政が起こして、これについての法律効果が与えられているものでありますが、今お尋ねになりました認証とか、そうした認定とか、登録だとか、こういうものはどちらかというとそういうものではなくて準法律的行政行為、すなわち一種の事実行為にすぎないことをやる、この事実行為にすぎないことについて時折行政のほうで評価を加えて、その事実行為に着目をした法律効果を別途付与するというのが、本来講学上の考え方だと思います。本来の行政であればこのような法律行為的行政行為が多用されるのでありましょうけれども、準法律的行政行為と言われるような認定行為、公証行為と言われるもの、確認行為と言われるもの、ほかにも通知だとかそうしたカテゴリーがありますが、特にこの公証行為と言われるものだとか、場合によっては確認行為と言われるものの一パターンとして、今お上げになった認証とか認定だとか、あるいは登録とか、そうした制度が今日では本来の権力的な行政行為ではないもので社会の動きを起こしていこうという要請だと思いますが、多用されるようになってきたというふうに思っております。
 ですから、ある意味、行政が変容を遂げてきている。行政がソフト化をしてきている。権力的な志向から住民の皆様の共感を得て社会を動かしていこうという手法に変わってきておりますので、ですから、このような手法がふえてきていること、それが用いられることは、私は否定し去るものではないと思います。場合によっては、こういう場合はむしろ権力的に命令をするということではなくて、認証をする、認定をするということを通して、社会の意識を高める手法のほうがふさわしいという場合がふえているのではないかと私は思っております。
 その効果は今申し上げましたように、いろいろと認証なり認定を受けることでその団体なり人が高められて社会的にも注目をされて称賛をされることから、周りになびく動きが出てきまして、じわじわと社会に浸透していくという事実上の効果があるのだと思います。あと、法律上の効果として、これに付随して補助金を与えるとかいうのは、たまさかそれは制度的に結びついているものもあるかもしれませんけれども、原則は切り離すべき、法律効果と認証とか認定という行為は本来は別々のものであるということだと思います。
 恩典の話も後で出てきましたが、そういう恩典を加えるとかいうことは、どちらかというとそれはそちらの制度側の要請でありまして、補助すべき事象はどういうものかと評価をする中で、認証なり認定なり登録のあるものを我々は優先して補助しましょうという、それは別途の制度的要請に基づくものだと思います。
 次に、認証、認定、指定、登録という用語をそれぞれ使い分けをしていると。よく見ると用語が一致していないように思えるけれども、その使い分けの理由はいかんということでございます。
 これについては、総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、それぞれの字義どおりに考えてやっております。中には国の制度と連関して地方の制度ができているものもあります。例えばふるさと食品認証制度なんかもございます。これはもともと国の認証制度がありまして、それで国がこの制度をやめる際に鳥取県が引き取ってこちらの方も同じようなものをつくっている。ですから認証という言葉が使われているという意味合いもあります。ただ、基本的には例えば認証でしたら認証という言葉を使うときはプロセスを大事にするという、そういう考え方でありまして、例えばふるさと食品の認証制度であれば、これは鳥取県の県産の原材料を使っているというプロセスがあったり、鳥取県独自の風土になじんだ、歴史になじんだそういう製法に基づいてなされている、こうしたプロセスを認めた上で認証するという意味で認証という言葉を使っているという意味もあります。
 次に、県の認証制度は人、事物を推奨、奨励するものであるけれども、顕彰、表彰するもの、それから恩典、給付金や補助金が支給されるもの、随意契約や優先的参加資格、付加点、格付の加点が加えられるもの、こういうようにカテゴライズされるのではないかと、そのカテゴライズ、区分の根拠と合理性についていかがかというお尋ねでございます。
 考え方は、私先ほど申しましたように、認証とか認定だとか、登録だとか、こうした行為を行政のほうでやります。鳥取県として、これは例えば一定の基準を満たしています、あるいは伝統工芸をきっちりと承継している方ですというふうに認めまして、いわばそれを公証する、公に明らかにすると、そういう行為を行うわけであります。これは事実上の行為だと思います。これに対して片方で、例えば伝統産業を振興しようということで補助金をつくりますという考え方がある。その補助金をつくる考え方の中で、ではこういう人を対象にしましょうという中に、そうした、かつてお墨つきを与えていた人たちや団体に対して恩典を与えるといいますか、そういう例えば先ほどの話では随意契約を行うとか、そうした特別の扱いを与えるということであろうかと思うのです。
 ですから、注意しなければならないのは、本来は認証、公証行為であります。認証とか認定だとか、ある事物や人物や団体や行為やら、そういうものを顕彰しようということで、それだけ取り出して公に認めるという行為がありますが、これは本来恩典を加えるだとか、そういうものを目的としているものではないだろうと私は思います。これ自体は事実行為だろうと思います。逆に、恩典を与えるというふうに言われるような補助制度だとか、あるいは先ほどの話ですと随意契約だとか、そうした契約上の問題とか、そういうものは別途そちらのほうの制度の要請に従って、こういうカテゴリーの人たちは、団体は特別扱いをしましょう、これは別途の見方で加点をしましょうだとか、これは補助金を与えましょうという判断を、それぞれの別の制度がやっているというのが実情だと思います。
 中にはごくごく例外的なものもあります。例えば、商工労働部の関係で新しい経営革新を行ってくる。その経営革新を行う過程の中で新商品が生まれる。これを認証する制度がございます。この認証制度は実は地方自治法の法律体系の中で定められている認証制度でございまして、この認証制度を経れば随意契約の対象にしますよという、それは恩典側とそれから認証、公証行為とがセットで法規範上つくられていると、こういうものだと思います。こういうものは例外的には幾つかあるだろうと思います。そういうものは例外としてありますけれども、普通は、通常はこれは別々のものであるというように考えられると思います。
 ですから、今区別の合理性はどこにあるのかというお話でございますが、これは区別の合理性を決めるのは補助だとか、あるいは契約上の取り扱いなどのそちらの制度のほうの一貫した目の中で見て、こういう基準で補助をあげましょう、こういう基準で契約を結びましょうという、そちらのほうの規範の要請に基づくものだと思います。
 ですから、公証行為のほうでおのずから区分がありまして、この区分に基づいて恩典のあり方というか、議員がおっしゃる補助のあり方や、あるいは契約のあり方が変わってくる。これは公証行為のほうの区分がカテゴリーとしてあって、Aカテゴリー、Bカテゴリー、Cカテゴリーとあって、それに基づいてやっているということではないと思います。もしこの区分と一見見られるものがおかしいのであれば、むしろこちらのほうの補助や契約のあり方のほうの議論をしっかりとして、その体系を見直すというのが本来ではないかと思います。
 次に、流動資産担保融資制度について幾つかお尋ねをいただきました。まず、流動資産担保融資制度の創設のメリット、経緯ですとか理由、根拠などについてお尋ねがございました。
 この流動資産担保融資制度については先ほど御紹介ありましたように、私自身が商工会の若手の方とお話をした際に、中部の方がおっしゃっていました。それはこういうことでありました。今は、起業しようと思っている若者が結構いると。だけれども銀行さんに相談に行ったところで不動産がありますかというふうに言われるわけであります。ただ、例えばソフト産業とか、業種によってはそうした不動産があるわけではない。例えば商取引をたくさんやっている商業者であったら、その方もガソリンスタンドとかやっていたわけでありますが、そういう意味で不動産の価値は余りないけれども、持っているもの、商品はいっぱいある。そういうものを基準にして担保を設定してもらって、それで融資をするという制度ができないだろうかと。他県ではこういうことを始めているところがあるというお話がありまして、調査をするように私も部局のほうに申し上げました。それから、9月のこの定例会だったと思いますが、初田議員が代表質問をされたときに、やはり動産担保融資制度を設けるべきではないかという御議論がありまして、議場でもそうしたやりとりをさせていただきました。あるいは木材関係の方から、あのようにたくさん木があります、いずれは家になって不動産になるものであります。本来はそういう価値があるものでありますけれども、木材は動産であるがゆえに担保の対象とならない。したがいまして、そういう意味でもこの担保融資を設定すべきではないかと、こういう議論を関係者と議論したときにいただいたこともあります。こうしたさまざまな要請を受けたものですから、私どもで検討させていただいたわけであります。
 その際に、おっしゃるように、後ほども議論が出てきますけれども、動産担保というのには幾つかこれまで制度的な限界があると言われてきました。不動産であれば、家屋敷、あるいは土地でありますので逃げようがないわけであります。これはだれのものだということをはっきりと示しておれば担保の実態は明らかでありますし、金融機関としても容易に貸し出しの対象にできるということだったと思います。しかし、動産の場合はふえたり減ったりする。あるいはこれは債権でありますけれども、売り掛け債権というような、そうしたものもやはり担保としてつかむには何らかの工夫が要るわけであります。
 ただ、考えてみれば、現在はそうした家屋敷や土地を持たずに手広くビジネスをする形態がふえてきております。例えば外国企業などでは日本で一切不動産を持たずに、しかし全部借家をして、それで大規模にビジネスを行うというのは一般的に行われます。こういうことからいたしますと、別の担保のあり方、金融のあり方があっていいのではないかと思います。
 外国を見ますと、現在アメリカでもこうした動産担保融資がどんどんふえています。全体の2割近くなっていると言われるようになってまいりました。日本の場合は今までの金融取引の実情から不動産の担保あるいは保証人を立てるという人的担保、人的保証、こちらにすごく比重がありまして、これがない限りはビジネスができないというような状況すらあったわけであります。ですから新しい金融を起こすといいますか、資産を流動化するといいますか、融資のチャンネルをふやすという意味で、今幅広く我々も保有している動産というもの、あるいは売り掛け債権のようなものも含めて、これを担保に融資をすることができれば、今は滞りがちな地域経済もさらに動き出す潤滑油が出てくるかもしれないと考えられるわけであります。
 その際に、やはり内在的な制約がありますので、工夫をしなければならないと思って我々も調査をいたしました。そういたしますと、今議員が御指摘になりましたように、かつては譲渡担保など、いろいろな判例学説上の争いはありましたけれども、今日では平成17年に動産の譲渡を登記をする制度ができました。ですから、この登記によって公示をされると。しかもそれを役所が公証しておりますし、その優先順位も登記の先後ということで優劣がはっきりする、すなわち対抗要件もはっきりと出ることになりました。ですから、この制度は使えます。それから債権であれば譲渡をした場合に確定日付のある通知を行うとか、あるいは債務者の承諾を行うということで民法上も対抗要件を具備することになりますので、これも一定の明確な基準ができるわけであります。ですから、こうした手法を活用して新しい融資を起こすことはできる状態になり、さらに信用保証協会がこの制度を創設するに至ったわけであります。これは全国の信用保証協会のネットワークの中でやれるようになったわけでございまして、その際に売り掛け債権ですとか、あるいはこのような登記をした譲渡担保を使うことができるようになったわけであります。この中でもう既に制度的にも整備をされてきましたし金融実務にも入り始めたわけであります。それで、金融機関とお話をさせていただきまして協議を重ねましたが、こういう制度に乗るのであれば制度として設定が可能ではないかというお話をいただいてきたものですから、あえてこれを提案をさせていただくに至ったというわけであります。
 次に、あくまで無担保、無保証の融資システムの拡充を図るべきではないか、有担保、有保証へ逆戻りするのではないかという御指摘でございますが、私どもはむしろ融資のバラエティーをつけようと思ったのが趣旨であります。その証左に今回の予算の提案の中でも無担保、無保証の融資枠を拡大をいたしております。従来に加えまして商業関係のチャレンジ枠というものを創設をしたりしておりまして、こちらのほうはこちらのほうでやっていこうと思っております。
 では、この流動担保といいますか、この譲渡担保や売り掛け債権の担保で何が違いが出るかと申しますと、これは金利が安く設定できます。ですから、無担保、無保証でしたら、これはさすがに金融機関と話をしても2.何%ということになりますけれども、今回設定させていただくのは、これは1.75%の水準で我々が──もちろん利子補給を若干しますけれども、そういう水準で金融機関ともセットができるわけです。ですから、利用者のほうにとっては無担保、無保証のチャレンジ枠に挑むこともできますけれども、せっかくの動産を活用して、ここから信用を引き出して、それで比較的安い融資を受けるという選択肢も可能になるわけでありまして、私はそういう意味で有担保、有保証へ戻すということではなく、むしろ選択の幅を広げて、借り手側に有利な制度をつくった趣旨でございます。
 次に、動産の譲渡担保について危惧すべき問題点がある中で、流動資産担保融資制度がいかがだろうかと。これが本当にインセンティブになるだろうかということでありますが、私は自立していく経済を支える意味で、今の融資制度は問題を起こしていると思います。と申しますのも年度当初、就任早々にいろいろな商工関係の方々だとか住民の方々とお話をしましたけれども、何かをやろうと思っても、実は余り大きな声では言えないけれども、金融機関のほうがなかなか貸してくれないと。これは信用収縮が水面下で起こっているということを示しているのだと思いました。全国的に見ても、同じようなことが言われるわけでありまして、確かに今のアメリカのようなサブプライムローンの問題を起こしてはいけないのは厳然として事実でありますけれども、ただ、適正なチャレンジを金融機関もやってもらって貸してもらうというのは必要なわけであります。しかし、現実問題では金融庁の規制などもありましてなかなかうまく出てこない。ではその担保があるかどうか。担保が動産という形での設定ができれば、それなら金融機関も貸すことができるようになるかもしれない。すなわち自立型の経済を呼び起こす意味でのインセンティブにこの制度はなり得ると私は思っております。
 次に、所有権留保、代理受領について、どんな取り扱いになるかということでございますが、これについては商工労働部長からお話を申し上げたいと思いますが、先ほど申しましたように、現在制度的に金融機関の間で行われているような売り掛け債権や登記された譲渡担保以外は、制度的にはまだ無理かなと思っております。したがいまして、今おっしゃったような所有権留保などは対象としておりません。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)認証制度の中で認証、認定等の用語の使い分けの理由、あるいは一致していないのではないかというお尋ねについて、補足の答弁をさせていただきます。
 県が設けています認証、認定などの制度ですけれども、知事が申しましたように法令、条例に根拠のあるものもありますけれども、多くは施策の円滑な推進ということで要綱ですとか要領などを根拠としているところでございます。制度の根拠となるこの要綱ですとか要領等、いわゆる制度をつくる中で、認証、認定、登録、指定などの用語を用いております。制度創設の際にはそれぞれの言葉の持つ意義というものを踏まえながら検討して使い分けを行っているところでございます。
 若干用語の定義となりますけれども、法律学辞典や辞書、広辞苑等によりますと、例えば認証ですと、ある行為または文書の成立、記載が正当な手続でされたことを公の機関が証明することということで、手続、いわゆるプロセスを証明するというようなものになります。認定でございますけれども、ある事実ですとか資格の有無、事柄の当否などを判断して決定するということで、事実関係ですとか資格があるかないかとかいうようなことになろうかと思います。登録ですけれども、一定の事項を公証するために公簿に記載することということで、県のほうで何かに登録するということでございます。指定ですけれども、人、場所、事物等を特定する行為ということでございまして、今ホームページに掲載しています19の制度について、今述べました用語の定義に従っているかどうか、改めて確認いたしましたけれども、この用語の使い分けについては現在のところ特段の疑義のあるものはないのではないかと思っているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)非典型担保としての所有権留保、代理受領の取り扱いということで補足をさせていただきます。
 現在、県の制度融資の全メニューにつきましては、信用保証協会の保証があるものということで取り扱いを限定をさせていただいておりまして、今回もその取り扱いとさせていただくことにいたしております。具体的には先ほど知事からも答弁ございましたけれども、昨年7月に信用保証協会におきます全国統一の制度といたしまして、流動資産担保融資保証制度というものができ上がっておりまして、これを前提とさせていただいてございます。この流動資産担保融資保証制度では、担保の取得方法を今回の譲渡担保に限定をしているところでございまして、所有権留保でありますとか代理受領、こういったものは担保の取得としては取り扱わないということにしていることから、私どもの制度融資としての制度もそのような取り扱いとすることといたしているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)答弁をいただきました。各種認証制度は時間の都合もありますのでちょっと後回しにさせていただいて、流動資産担保のほうから追及の質問をさせていただきたいと思いますが、知事、先ほどから話を伺っておりまして、私も決してこの中小企業振興策の一環としてのいわゆる流動資産担保という制度を真っ向から否定をしているわけではないのです。それはそれで、民間の銀行ですとか民間の金融機関に任せればいいというのが基本的に私の腹の中にあるわけです。なぜ、不確かなこの制度に県が首を突っ込むのかということが、私の一番の根本にある非常な疑問なわけです。そこで、確かに今不動産の価値も下がっておりますから、何かほかにやっぱり担保物を探そうということで、動産に目をつけられたということは、これはこれで一つの方策だろうと私も思っております。
 ところが、やはり幾つか県からのスキーム、これは山陰合同銀行のスキームです。それからあと国からも私同じようなものを取り寄せてみたのです。まさに同じパターンなわけです。これですよね。そこで、これをよくよく見てみますと、ちょっとこの紙を皆さんにお配りすれば一番わかりがよかったかと思うのですけれども、これを知事は見られたことはありますか。ちょっと渡して。要するに、今回のいわゆる流動資産担保融資制度の銀行と債務者、要するに銀行何社かで、多分2~3の銀行が組んでやるわけですからシンジケートを組むわけです。シンジケート団を担って、それでいわゆる債務者に融資をしていくという、それを見られたことはないですか。(発言する者あり)ない。ああ、そうですか。(笑声)いいですか。それを見ながらちょっと説明をしますと、確かに棚卸資産については、これは動産担保でいいわけです。ですけれども、下から3番目のところに質権の設定というのあるのです。質権を設定しています。いわゆる預金に質権を設定するわけです。ここがいわゆる今回のみそなのですよ。みそと言いますのは、ただ単に動産に担保権を設定するだけではなくて、結局最終的には債権、預金に質権を設定する。ここで銀行がやっぱり最後のとりでをつくっているわけです。だから、ただ単なる流動資産、動産にだけ担保を設定するのだという単純な構造にはなっていないということなのです。そこのところが一つ大きなみそでして、それは後でもう一回なぜそうかということ、そして私がなぜそれに疑問を持ったかということの話をいたしますけれども、まず、総論的にこの譲渡担保そのものは昔は通謀虚偽表示なんて言われた時代もあったのです。今そんなことを言う人はいないです。譲渡担保も通説判例で認められて、いわゆるちゃんとした制度にはなっていないのですけれども、そういうシステムになっているわけですから、そのものを私は否定するわけでも何でもないのですけれども、ただ、譲渡担保というこのシステムは2つ大きな問題があって、1つはさっき知事も答弁の中でちらっと触れられましたけれども、いわゆる公示性の問題と第三者の対抗要件の問題、この問題が最後までやっぱり解決し切れないところというのがあるわけです。それを補うために、今回いわゆる動産の譲渡登記制度というのをつくって、とにかく登記をして公示性を持たせて、そして第三者に対する対抗要件もそれに付与するという、そういうシステムをつくり上げておるわけですけれども、この動産譲渡登記制度そのものを見てみましても、これは動産の譲渡の事実を公示するものではあるのですけれども、真実の本当の所有権の帰属というものを明らかにするものではないです。登記制度そのものはそういう意味合いを持ってはおるのですが、本当の所有者が一体だれなのかということが明確にならないのです。これは譲渡担保というのがちょっと専門の用語では占有改定という、人に物を譲渡しておいて、でも自分はそれを持っているという、いわゆる占有改定ということから真実の所有者というものが明確にならないということがあるのです。それに第三者の人が惑わされるということがあるわけです。そういう問題点を含んでおる中で、多分これは本当のいわゆる譲渡ではなくて担保目的に譲渡をしたのだなということは、相手先が銀行ですからわかるのだろうとは思うのですけれども、そこのところがやっぱり難しい問題、うらみがあるなということを私自身は思っておるわけです。
 もう1点が、いわゆる流動資産を個別者あるいは倉庫の中に入れて一括して担保にするわけですけれども、個々的にどの品物を担保物とするのかということは、これはどうしても調べることができないですよ。銀行が今のところ3カ月に1回か2カ月に1回か、倉庫を調べてちゃんとそのものが担保物としてあるのだということを審査をするのだ、点検をするのだということはおっしゃっておられますけれども、本当に悪い考え方をすれば、商品を幾らでも取りかえることができるわけでして、ここのところに本当にそのものが担保になるのか、担保として意味を持つのかということを非常に私自身は疑問に思っているのです。この辺のことを少し知事の所見を伺いたいと思っております。
 もう1点が、予審制度です。お互いに銀行と債務者とそれから第三者の方々がどの程度今回の制度で信用関係を築き上げることできるのかという問題が実はあるのです。これは、さっき言いました質権の話をしましたけれども、銀行がその預金に対して質権を設定するということになると、その債務者のいわゆる経済関係、取引関係、そういうものが全部明らかになるのです。そうすると、やっぱり債務者の方々に心理的な抵抗感、自分の会社の経済状態というものを全部明らかにしてしまうことになるのです。そういう部分から、信頼関係が崩れてくるのではないのかなということを私自身思っております。
 もう1つは、銀行がそういうことで預金債権から何から全部調べ上げるということになりますと、逆にその会社を銀行が支配してしまう、そういう危険性も大いにあるように思うわけです。したがって、本当にこの信頼関係というものがこの中で保てるのか、取引の継続性というのが保てるのかということを私自身は大変疑問に思っているわけです。その点についてもちょっと知事の所見を聞きたいというように思っております。
 また、もう1つ言いますと、さらにいわゆる支払いができなくなった、返済ができなくなった、そういうときに契約による担保権の私的な実行を銀行がするわけです。そうしたときに、こういう形で動産を担保にしますとどんどんどんどん担保物が容易に手に入るわけですから、ですからどんどんどんどん担保権を設定をして融資がしやすくなるということになると、今度は逆にそれでもってその企業、債務者が過重の担保に陥るという危険性もこの中には秘めておるわけです。そして、それが私的実行の際にはいわゆる債務額と──普通これは根担保でやっているわけですから極度額があるのですが、ですけれどもやっぱり私的に実行したときに、銀行がその倉庫一括丸取りというような形で、債務額に見合った額の商品を受け取るのではなくて、丸取りしてしまう可能性もある。そのことを防止するために、いわゆる不動産の場合には不動産鑑定士というのがあって、正確な不動産の鑑定をして適正な価格というのを割り出すわけですが、動産の場合には動産鑑定士などというものはないのです。ですから、担保物を適正に評価するシステムがない状況の中で、銀行が思うようにそれをやってしまうということだってあり得るわけです。決して私は銀行のことをとやかく言っているわけではないのですけれども、そういう問題があるように私は思っております。
 そういう意味で、この制度について、当初私が申し上げましたように民間でやられる、そして銀行がやられることについて信用保証協会が保証をつけてやられることについては私は何も申し上げることはありませんし、これはどんどんやられたらいいと思います。そして、中小企業の振興のために役立たせてもらえばいいことなのですが、ここにたとえ利子補給といえども県がかむということは、まだまだこの動産担保融資制度というこの制度が人口に膾炙されていない時代に、鳥取県がこの制度を先取りしていっていいのかなという私の不安があるわけです。
 きょう実は私の机の上に当てつけがましくというのか挑戦的に、島根県の在庫担保の融資が非常に浸透しているのだという新聞が乗っておりました。どなたが置かれたかわからないけれども、乗っておったのです。(笑声)この新聞から、私も詳しく研究していませんからわかりませんけれども、直貸しなのか預託式なのか、あるいは利子補給なのか、それがちょっとわからないけれども、島根県がどういう形で県としてかんでおるのかということが私はよくわからないのです。ですからはっきりしたことは言えませんが、県がこれについて公の機関がかむということにはまだまだ不安が残るということを思います。さっき知事もちらっと言われましたけれども、サブプライムローンの問題とか新東京銀行の問題なんかが今あります。要するに信用経済、金融経済というものの落とし穴というのもあるのです。実体経済や実質経済と違って、現実経済と違ってですね。ですから、それについて心せねばならないのではないのかということを私は思います。ですから県がこれにかむということについて、私はいささかの不安感を覚えるものですが、それについての知事の答弁、3点お伺いしたと思いますが、まずお願いをいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)詳細なお尋ねをいただきました。3点というよりはもっとたくさん質問があったような気がしまして、3点より多く答えるかもしれませんけれども御容赦をいただきたいと思います。
 まず、このような不確かな制度は銀行に任せればいいのではないかという御指摘が冒頭ございました。これは、確かに不確かな制度というような位置づけで譲渡担保は扱われてきました。ですから、これは過酷に過ぎるような担保ではないかということもあって、所有権説と担保権説といいますか、担保なのか所有権の本当の移転なのかで長く争われてきました。しかし、そういうようなことを乗り越えて、今、全世界的にも行われていますABL、アセットベースドレンディングと言われるこうした動産に着目した制度融資のあり方というものが広く浸透してきております。
 私は、先ほど申しましたように、我々はもっと融資の多様化を進めなければならないのだと思います。島根県の新聞記事も私も今読ませていただきましたけれども、これは恐らく信用保証協会がPRをして10件獲得したのだと、こういう趣旨だと思います。やっぱり需要がないわけではないのだと思うのです。現在、不動産の担保価値がどんどん下がってきています。鳥取県も公示地価などを見れば下がる一方であります。大都市はとまったけれども鳥取県はなお信用が収縮する可能性を持っているわけであります。ですから、そういう意味でどういうところで担保価値を創造していくかについても我々は余り無関心であるべきではないのではないかと思っておりまして、県もそうした住民の皆様、企業家の皆様の声があるのであれば、新しい担保のあり方についてかかわっていくことが必要ではないかと思いました。先ほども申しましたように利子補給をすることによりまして、今の無担保、無保証枠、これは今の有担保なものよりも銀行側にとってはもっとリスキーなわけであります。これについては高目の利率設定になりますけれども、こうした担保をつけることでそれを低く抑えることができる。ですから、安い資金を手に入れることができるわけでありますので、そういう意味はあるし、公的に支える意味はあるのではないかと私は思います。
 あと、確かに不確かな制度で新しいことだから不安だということもありますが、だからこそ登記制度が導入されたりしまして、また信用保証協会のネットワークの中でやることになっております。我々は今島根で10件集めたと言われています信用保証協会のネットワークの仕組みにそのまま乗っかる形が、県でありますので公共的には一番安全だろうと思いまして、あえてそういう仕組みにいたしているわけであります。全く別途の動産融資を創造しようというものではありません。ですから、そういう意味では従来のさまざまな制度融資の仕組みとパラレルに考えていただいてもいいのではないかと私は思っております。
 預金に質権を設定をするというやり方についての疑問を提示されました。
 実は、銀行の実務からしますと、私も住宅ローンを組んだときそうでありますが、定期預金をしろと言われるわけです。その定期預金をさせられて質権を設定されてということは広く行われて、拘束預金というやり方で、これは余り好ましくないという話もありますが、ともかくそうした実務が長いこと日本にもあります。恐らくここで言われているのは、今回のこうした質権を設定した預金をつくるのは、これは従来からの銀行実務としてそういうことがあって、問題はその動産担保でございますので、動産だとか売り掛け債権が現金化をしてくる。あるとき自分たちがもうここで担保を実行しなければならないとなったときに、さっとこれを実行しなければならない。そのためのやり方として、資産であるものがすぐに現金化になりますので、その現金化されたところまでを含めて、ここに質権を設定することで全体としての資産を担保としてとることができるように銀行が設計をしているのだと思います。
 私は、先ほど議員が御指摘になりましたように、動産だとか売り掛け債権というのは、流動性がすごく高いものでございますので、ですからこれに対する工夫は必要である性質から、こうした実務が、導入当初ということかもしれませんが、今なされていることはあながち否定し去るものではないだろうと思います。ただ、これは全国的なやり方でありますので、信用保証協会もかんでやっておりますから、全国的なやり方で今後いろいろと実務を重ねる中で、ここまで、質権設定した預金まで必要ないではないかと、動産は動産、売り掛け債権は売り掛け債権だけを担保にしていればいいではないかということになってくればここははがれてくるかもしれませんが、まだ過渡期的かもしれないにしろ、こうした実務があること自体から、この動産担保のやり方を否定する必要もないのではないかと思います。
 公示性とか対抗要件についての問題があるというお話でありましたが、これは議員も御理解いただいていますように、今日はその問題ははがれてきていると思います。
 確かに、二重譲渡のようなことが譲渡担保で起こる危険が前はありました。しかし、今は法務局のほうに公示をされますので、これで先に登記をしたほうが勝ちということになります。ですから、対抗要件としてはしっかりしていますから、二重譲渡をしたような場合であれば、こっちが勝ち、こっちが負けというのははっきりするわけであります。ただそれが、不動産もそうでありますが、所有権と対抗要件とは別のものでありますので、所有権がないままに勝手に登記を付したような場合は、これは損害賠償などでの担保ということになります。ですから、これは不動産と同じような制度でありますので、私はその動産でも同じ仕組みができたのだから、今まで不動産でやってきたのと同じ考え方で対処することは本来できるはずだと思っております。
 次に、予審制度が変わってくる、会社に対する銀行の支配が及んでくるおそれがあるのではないかということでございます。
 これにつきましては、確かにそういう不安がないとは言えないと思います。だからこそ、今回県もこうやって公的にかかわることになりますが、私はこうした動産担保の実務をだんだんとふやして、相場感といいますか、そういうものをつくっていくべきなのだろうと思うのです。それで銀行のほうの過度の企業に対する支配が起こらないように、公的にかかわることで場合によっては監視といいますか、モニタリングをすることもできるかもしれないと思っております。そういう意味で確かに金融機関と借りる側というのは、従来からある意味完全な対等関係のようには実務的には思われていないわけであります。
 これについて、今回この動産の担保制度が加わったことで確かに従来のそうした関係は残るとは思いますけれども、この動産担保制度があるから、あるがゆえに急にその会社がコントロールされるというところまではいかないと思います。なぜなら、これは担保権の範囲内のことでありますので、それ以上に会社の例えば販売計画をこうしなさいとか、生産ラインを変えろとか、そういうところまで銀行は口を出す権限をこの担保権で得ることはできないわけでありますから、これは単に価値としての担保を得るだけのものでございますので、それ以上の支配権の増大には結びつかないだろうと思います。
 次に、返済不能となったら私的に実行をされるわけでありますが、その際に動産担保が過重になっていた場合、先ほどの支配権が過度に及んで過重になっていた場合に、丸取りをして銀行の大もうけになるのではないかという御指摘でございます。
 この点については、昭和40年代の最高裁の判例の中で譲渡担保について実務が確立をしてきていると思います。すなわち、従来であれば所有権の移転に伴ってもらったものだから、これは銀行側の勝ちというような、そういうイメージもあったわけでありますが、最高裁の判例の中でそこは清算しなさいということになったわけです。ですから、持っている債権とそれから売れた額とあい差があれば、このあい差の分は本来の債務者のほうに返済をしなさいと、これが譲渡担保が担保的にだんだんと変容を遂げてきたと言われる判例でありますけれども、そうした判例でも支えられておりますので、ここの丸取りということは現行の裁判実務の中では起こり得ないことだと思います。銀行さんも恐らくそれをわかっていますので、清算をされるだろうと思います。
 次に、不動産鑑定士のような仕組みがないわけでありますから、その評価が適正にできるだろうかというお尋ねがございました。
 これはおっしゃるとおりだと思います。アメリカでしたら今は、ABL、アセットベースドレンディングと言われる動産担保のやり方がかなり普及しています。ですから銀行家はその評価方法というのをきちんと持っていると思います。ただ、我が県内でいいますと、現在この動産担保が設定をされたのはベニズワイガニとか、あるいはDVDやビデオとか、そうしたものの例はありますけれども、余り確立されるというか、実例が積み重なっているわけではありません。ですから、これからいろいろな融資の実例を通して、金融機関もそして経営者側も学んでいくことではないかと思います。もちろん専門家に頼むことはできます。専門家に頼むとやはり手数料がかなり取られるそうです。ですから、それをすることでさらに条件が悪くなるのがいいのかどうか、あるいは自分たちで話し合って納得できるところで担保価値をこのくらいだとお互い定めてやるのがいいのかどうか、こういうことだろうと思います。
 鳥取県が先取りをするというのはいかがなものだろうかと。今の新銀行東京のような例もあるではないかということでありますが、新銀行東京は、あれは銀行を東京都が出資をしてつくったわけであります。それが焦げついて丸々損をすると、さらに追い銭を出すということでありますから、本県のケースとは大分違います。本県の場合は新しい融資制度を起こしますが、従来から信用保証制度があるわけでございまして、信用保証がありますから、ある程度私どものほうの担保もあるわけでございます。そして物というのは利差補給の部分でございますので、このところについては我々が商工政策として応援をするという範囲でありまして、従来からやっております例えば緊急経営支援だとかあるいはチャレンジ支援だとか、そうした通常の設備投資などの融資と変わらないリスクの範囲でありますので、その点では余り心配はないのではないかと思っております。
 先取りとおっしゃいますけれども、もう既に数件始めつつあります。そういう意味で私どもはパイオニアの一角を担っておりますけれども、ほかもこの鳥取と同じように信用保証協会の制度を活用して始めております。
 冒頭おっしゃいましたけれども、売り掛け債権をやっていても譲渡担保のほうはまだ各県やっていないというお話がございましたが、譲渡担保のほうの登記制度が後から入りましたので、まだ実務的にそこに乗っかっていっていない各県の状況があるのかもしれないなと思います。私どもは今回後発組といいますか、今回これで導入をするわけでありますから、その譲渡担保については先発グループの一角を担う形ではありますけれども、ただ、制度もでき上がっておりますので、これは応援をして中小企業さんの活力を高める糧になればと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)37番稲田議員


◯37番(稲田寿久君)知事から話を伺いました。よく理解をしておられて、一抹の不安がないわけではありませんが、この動産担保融資制度に一石を投ずるという意味で質問をしたようなわけですけれども、1点だけ言いますと、いわゆる新東京銀行やサブプライムローン、これも証券化したことによって今とんでもないことになっているわけです。不動産を証券化したことによってこういうようなことになっているわけですが、やはり信用経済というものを金融経済というものを取り込む、一つの行政に取り込むというときには、やはり相当慎重な検討が必要だろうというように私自身は思っております。そのことを申し添えておきたいと思います。この制度については少し私も見守りたいと思います。
 時間が残り1分になりましたので認証制度のほうに移りたいと思いますが、認証制度につきましては、要するに知事、この認証するいろいろな制度を総体的に、個々的にはもう時間がありませんので検討ができませんが、認証、認定、登録、指定というようなことをやるわけですから、先ほども知事がその言葉を使っておられましたけれども、お墨つき、一つのステータスを与えるわけです。そうなると、そのことをやはり信用して県民の方々がそのものを買ったり、その制度を利用したりというようなことになるわけでして、そうすると何らかの法的な責任が生ずるとは私はもうさらさら思ってはいないのですけれども、認定、認証したことによって、県民の心が動く、あるいはその制度を利用しようとする人の心が動いていくわけですから、何らかの責任といったようなものが県にも生まれてくるのではないのかなという気が漠然とするわけです。それは、きのう我が会派の藤縄議員がちょっと質問されたときに、そういうような気持ちをふと思ったのですが、その認証、認定ということについて県がお墨つきを与える、そういう行為に何らかの責任というのがないのかなということを、知事の答弁を求めて質問を終わりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、動産担保融資につきましては今後ともぜひ見守っていただきたいと思います。
 おっしゃるように、金融は生き物でありますし、経済はすごいスピードで動き回ることになります。その力は恐らく個々の人間や鳥取県という一自治体の力でとめられるものではないと思います。ですから今後ともこうした金融制度にかかわるときは、私どもとしても慎重に検討をいたしたいと思います。今回は先ほど申しましたように信用保証協会の全国的な制度も創設をされたということを受けて、そうした時期にやることが一番よろしいかと判断をいたしました。今後もこんな検討をして、ぜひ中小企業者の皆様、商工会の皆様に使っていただきやすいような融資制度を考えていきたいと思います。
 次に、認証、認定制度について県行政として何らかの責任を生じるのではないかとおっしゃるのは、私はそのとおりだと思います。ですから、私どもも例えば以前JASの認証機関になったことがあります。これは無農薬栽培をやる認証でございますけれども、そのときは随分研修をしたり、県内でも農業改良普及所の研修でも随分勉強してもらって、現場でやってもらうというような形になりました。その後のフォローアップも必要になってまいります。ですから、認証とか認定だとかそうしたことは、つくるのは最近ブームのようなものでありまして、全国的にあちこちで行われるようになりましたけれども、それにはそれ相応の行政事務なり負担を伴うものでありますし、県民や利用者の方、それから一般の皆様、その認証を見て買い物をしたりする皆様の気持ちにたえられるような認証制度の適切な運営を今後も心がけていかなければならないと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、22番松田一三議員


◯22番(松田一三君)(登壇、拍手)おはようございます。一般質問のしんがり、最後でありますが、しんがりの本来の意味は一番後で敵の追撃を防ぎながら撤退する部隊であります。撤退はしないつもりでありますけれども、(笑声)目に見えない圧力がひしひしと迫ってくる感じでありますけれども、その役回りが、役目が、役割が果たしてできますかどうか、御清聴お願いいたします。
 今回の質問については、議会決議という前提のもとで陳情を受けて、本来議会内での議論にまつといった形でありますから、執行部に対しての質問としては歯切れの悪い、まさに隔靴掻痒の思いで臨む格好となりましたが、自民党代表質問の際、前田八壽彦議員と教育長とのやりとりの中で看過できない点がありましたので、所管委員会の項目ではありますが、あえて質問に立ったのであります。その上に、所属する委員会の所管する案件については一般質問に取り上げてはならないという議運でのルールについて議長より厳しいお達しがありましたので、ますますやりにくい状況ではありますものの、議会運営のルールはもちろん守らねばなりません。しかし、議会の本質であります議員の発言はむやみに封じてはならないという原則の上で、委員会で処理できる案件と、やはり本会議場で議員全員の共有の認識を必要とする場合とのすみ分けは、議長、副議長の裁量でもって行われ、懐の深い判断をなされますように希望いたし、質問に入ります。
 申し上げましたとおり議会決議に関することで議員全員にかかわることでありますから、議員諸兄諸氏への問いかけを含め、知事のお考えについて伺うものであります。
 議長のお許しを得て、お手元に配付しております議会決議が平成17年度10月12日、定例会において決議されました。さかのぼること10年前、平成8年ぐらいから専攻科存廃問題についてこの議場で議論され、私学関係者からの陳情を受けたことも相まって、時の議員諸兄諸氏、県民の皆さんから選ばれ、その負託を受けた議員の皆さんが、深い英知と賢明なる判断でもって決議されたのであります。いわば県民の代表である議会の意思表明でありますから県政執行の上で大変重い存在であると考えますが、知事、この問題をも含めて議会決議をどのように受けとめられるのか、そのお考えをお聞かせください。
 さて、専攻科存廃については、先ほど申し上げましたとおり、平成8年ぐらいから私自身の代表、一般質問をも含めて、この議場で何回となく議論されてきましたし、議会決議もなされていることでもありますので、今さらの感はいたしますが、先般来この議案が取り上げられていますので、総復習の意味合いを込めて質問をいたしたいと思います。
 学校教育法第58条に、高等学校には専攻科を置くことができるとあり、高等学校の専攻科は高等学校を卒業した者に対して精深な程度において特別事項を教授し、その研究を指導することを目的とし、その修業年限は1年以上とすると書いてあります。確かに実業系高校における専攻科はまさにその存在意義のあるものであります。例えば福岡県立農業高校はバイオ、園芸等をさらに2年間学習する生物生産科、そして食品開発をさらに学習する食品工学科はハワイや台湾での農協実習を取り入れています。あるいは愛知県立瀬戸窯業高校や愛媛県立宇和島水産高校など、名称でもわかるような専攻科が設置されております。しかし、普通科の専攻科とは何を精深な程度で教授し研究を指導するのか、英語や国語や数学をさらに専攻指導するという名目が普通科の専攻科の設置理由ではありましたが、実質的には公立高校にある予備校であるのは異論を挟む余地はありません。そして今、この普通科の専攻科のある高等学校は日本において鳥取県の3校のみであります。鳥取県にしかないユニークな制度という意見もあることは承知していますが、公立高校に予備校があること自体がおかしくはないでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。
 ちなみに我々の時代、小生自身も大学入学の時代、浪人の道を選びました。それは大いに部活動もし、適当に青春を謳歌し、高校生活を楽しんだその代償として、3年間で勉強を全うすることができなかった自分自身の責任であると思っております。そして、当時専攻科もない、予備校もない中で、我々浪人の多くは自宅で勉強しました。東京、大阪の予備校に行ったのはごくわずかな人たちであり、しかもアルバイトをしながらの生活を余儀なくされた時代であって、世の中の社会、経済事情は今とは比べ物にならない貧しいものでありました。大学も入学難の時代でありました。そういう事情の中から昭和34年にますます激化する大学入試で合格を果たせなかった生徒のために、鳥取東高を皮切りに県下3高校に専攻科が設置されたのであります。当時県内には私立の予備校もなく、県外に出るしかなかった保護者の費用負担の軽減、そして人材育成の意図からも専攻科の開設は当時としては大変意義あるものであったと思います。しかし、以来半世紀近くの時を経て、その役割は十分果たし、そして現在の社会事情からすればその役割は終わったのではないでしょうか。改めて我々冷静に考えるべきと思いますが、以下幾つかの問題点を列挙し、知事のお考えをただすものであります。
 1つは、既に大学は全入時代に入っているのであります。私大の定員割れが起こっています。既に今年度は私大の半分以上が定員割れを起こすことは確実で、専攻科の設立当初とは大学受験事情は全く異なり、今や選択して浪人をする時代になっており、どこへも入れない時代とは全く様相が違ってきていることであります。
 次に、大学の不合格者だけなぜ公費を使うのか。高校を卒業して専門学校や大学へ進む生徒や、大学に行きたくても就職を選ばざるを得ない生徒や、その家庭に対して何らの奨励金も補助もなされていない現状で、なぜ大学を2度受ける者に公費が使われるのでしょうか。少なくとも大学へ進学しようとする生徒の家庭は幾らかでも恵まれているのではなかろうかと思われますが、年間約7,000万円、生徒1人当たり40数万円前後の県費を助成する必然性が果たしてあるのかどうか、公平感を問われることになりましょう。
 次の問題点は、高校を4年制と考える甘い土壌をつくっていはしないかということであります。専攻科があるからという意識が、3年間でどうしても合格を果たすという覇気ある学習意欲、集中力に水をかける雰囲気にしているのではないでしょうか。現在、専攻科があっても難関大学への合格率は肌寒い現状であります。ある高校教師OBは、あるからこそ余計に合格率を落とすとまで言います。全国のどの高校でも大学を不合格になって、また母校に1年県費で通えるなんて甘えは許されていません。その甘えが合格率低下を招いているのではないでしょうか。専攻科にかける費用をもっと高校3年間の教育指導、受験指導に振り向けたほうがよりよい結果を生み出すだろうと私には思えるのであります。
 そしてもう1つの問題点は、なぜ私立予備校ではいけないのか。十分その役割を果たす能力を持っているのではないかということであります。専攻科の存続が大学合格のために必要という意見の裏には、私立予備校では不安だという意識を持つ行政の考えが見え隠れするのですが、実際、私立予備校は公立の立場とは違い、必死に努力しなければ予備校の存続にかかわるのであります。県下の私立予備校がどんな教育を、どんな陣容で、どんな施設で行っているか教育委員会は一度たりとも実態調査や訪問をされたことはあるのでしょうか。本当に生徒のことを心配されるのならば、予備校と一緒に意見交換するぐらいの努力があってしかるべきと思います。そこには官が民より上という意識が全くなかったとは言えないのではないでしょうか。教育界においても、民の能力を大いに活用しようとする官から民へという考え方の中で、官のすべきこと、民のすべきこととのすみ分けが必要ではなかろうかと思うのであります。
 以上4つの問題点を上げましたが、昨日の野田議員の質問と重複する部分はあるかと思いますので、勘案して答弁をお願いいたします。
 50年近い歳月を県民の子弟の大学進学に果たしてきた専攻科の役割は評価したい。しかし時代の流れは大きく変わったのであります。今や浪人生の大学進学という一見個人的なイベントに対して公費を投入する結果として、個人のニーズを満たす以上の見返りがあるか否か、説明責任が問われるでありましょう。入試を受けないで合格する私大の推薦やAO入試の合格者はもう50%にもなり、一般の入試を受ける生徒は合格者の半数になっている現状を踏まえれば、鳥取県議会の専攻科募集停止の決議はむしろ正しい選択であったと今さらに思われることを申し上げながら、1回目の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)松田議員にお答えを申し上げます。
 専攻科の関係で、幾つかお問い合わせをいただきました。基本的には今、教育委員会のほうで今回この問題について考えておられるところでありますので、私のほうからは知事の立場での範囲で言えることだろうと思います。
 今回、御指摘をいただいた中で、まず第1点目が議会の決議をどう考えるかということであります。
 県政執行上、議決は当然ながら条例の制定だとか予算の決定だとか、最終的な決断であるというように思います。それと、あと個々のイシューについてさまざまな議決が行われるわけであります。国に対してこういう要請をしようという決議であるとか、あるいはその時々の政治的な事象について県議会としての態度を明らかにする、そういう意味の決議であるとか、そのような決議もなされるわけでございます。中には地方自治法上の効力を明確に持つものもあれば、そうでない決議もあろうかとは思います。しかし、その決議が行われる過程も私は実は大事なのだろうと思うのです。それぞれの議会の議員の皆様が、県の住民のそれぞれの地域で議論をされて、その上で議場で議論を闘わされるわけでございます。中にはヒートアップするようなときもありますし、時折は素通りするような決議もあるかもしれません。特に県民の間で意見が分かれるようなことについては、この議場での議論を県民みんなで見守ることがあります。
 思い起こせば、環境大学のときの議論がそうだったと思います。これも県民の間で無駄な施設になるのではないかという懸念の声があったり、あるいは片方で大学進学の道を県内で確保すべきだと、このためには公費の投入も要ると、そういう議論もあり、平成11年6月議会が紛糾をした最後に、広江議長のもとで採決をされたと。それでこのたびの鳥取環境大学の設置の決議がなされたわけでして、それに基づいて議会でもそのあり方を検討する委員会までつくってなされたわけであります。
 こういうことが時折県でも発生をするわけでありますが、こういう場合の決議は私は非常に重いものがあるのだろうと思います。右だ、左だと意見が分かれて、県民もそれぞれにいろいろな御意見がある。しかし、責任を持って議会として判断をするということが必要だというときに、議会が右か左かを決する判断をすると。それは執行部としてもかなり重たい議論として受けとめなければならないものになってくるだろうと思います。ですが、ただ素通りするような議論で、ちょっと流れの過程で決議をしたけれども、しかし、これは深い県民の間での議論が進んだわけでもないということであれば、執行部のほうで独自の判断でやることも可能かもしれませんけれども、中にはそうした重たい議論もあるだろうと思います。今回、議論が闘わされております専攻科のことについては、かつて平成17年10月12日に、議員がここにお配りでございましたけれども、決議がなされたわけであり、その後も議論がなされ、今回は継続審議で陳情案件が乗っかっているわけであります。こういうものは私どももその決議の重みについて相当程度重たい受けとめ方をさせていただくべき筋合いのものだろうと思っております。
 次に、専攻科を置くことができると学校教育法58条にあるけれども、しかし公立高校に予備校があること自体がおかしいのではないかという御指摘でございます。
 これは確かにいろいろ御議論はあるのだろうと思いますけれども、私は現実問題としてこのこと自体で言えば、予備校とこれを称するかどうかはともかくでありますが、学校の中に専攻科という課程が置かれて、そこで英数国の指導を行う。これも従来の3年時までの教科の学習よりももっと深遠で精緻なそういう教育を行うのだと、そのための専攻科だということでありまして、これ自体は現在も実務として定着をしておりますし、このことは今までもやってきたことでありますから、公立の予備校だからといって一律にこれはすべていけないという判断をすべきものでもないだろうと思います。現に平成17年のときの決議ですね、私も今改めて拝読をさせていただきましたが、倉吉については別な扱いを決議の中でもやっておられます。ですから、物事は多分そういうことではないのだろうと思うのです。多分、今議論されているのは、果たして公費を投入してまで、ここの学校、ここの学校、ここの学校と具体名があるわけでありますが、ここに専攻科という教育課程を置くことが適切なのかどうかと、この議論に尽きるのではないかと思います。
 公立校に予備校を置くのではないか、おかしいのではないのかという議論は、石破二朗知事の時代にこれを導入したとき、既に国との折衝済みの話であります。当時、石破二朗知事は就任早々後進性の打破ということを訴えられて、人材を要請しなければならない。しかも貧乏学生がいっぱいいるとか、いろいろなことをおっしゃっているわけでありますが、非常に貧しい中で学校に行かせて、できれば高等教育を得て、郷土の人材を養成しなければならないと、こういう思いでやっておられたわけであります。そのときにいろいろな住民の方からの要望活動があって、鳥取東高に予備校をつくろうと、これも学校としての予備校をつくろうという運動があって、これを受けとめてしたわけであります。
 その際、教育委員会の中でも議論が紛糾をしたと当時の人は語っているわけです。文部省のほうにも行って、文部省もこれを認めるかどうかと大議論があったと。しかし最終的には石破二朗知事の熱意もあって、これは文部省も受け入れて、専攻科という課程を鳥取県では置くことができたといいますか、そういう結果になったということであります。
 ですから、このときに、学校教育法との関係での議論はもう既に終わった話になっているのだろうと思うのです。ですから、専攻科を置くこと自体が違法だとかいう筋合いのものではないのではないかと私は思っています。
 次に、大学全入時代における専攻科の役割について所見をということであります。
 むしろ議論をするとすれば、専攻科が置かれた当時と現状とを比較して何が変わっていて何が変わっていないのか、その背景をよく議論しながら住民の皆様の意思をそんたくをして、それがどこにあるかということを議会でも考えられて議論をしていただければと思います。
 大学全入時代になったから専攻科が要るのか要らないのかということなのだろうかと思います。そうであれば、17年の議決でもありましたけれども、倉吉だけ特別扱いをするというのは、本来どうも納得がいかない話になるのではないかと思います。
 大学全入時代になったこととあわせて、地域で子供たちが大学に行こうと思って学ぶ機会が与えられているかどうか、これも実は潜在的には大事な要素ではないかと思います。子供たちが地元で学ぼうと思っても学ぶ場所もなかったと。松田議員は自宅で、蛍の光窓の雪で非常に勉強されたというお話を伺いましたけれども、そういうことは現代風ではないです。現在の受験競争の中で見れば、それ相当の指導を受けないと大学受験を対等に他の地域の人と闘っていくことはできないと思います。ですから、そうした教育環境が地域で整っているかどうかなども含めてこうした議論をすべきなのではないかと思います。
 さらに、大学不合格者に対する公費を投入することの是非いかんという話でございます。
 これは、大学を不合格になったから公費投入してはおかしいということではないと思うのです。これは、先ほども申しましたけれども、専攻科が現在、現実の問題として我が県の教育課程で高校に設置をされているわけであります。これは公立の、県立の高校でありますから、手数料としての入学料といいますか授業料、そういうお金を負担をしてもらうということは、この額をどういうふうに設定するかという議論はありますけれども、ただこれは公立の、県立の学校でありますから、県がその教員なりスタッフを雇い、県が施設を経営して行うということになります。ですから、専攻科があるということとこれは全く不即不離の問題でありまして、専攻科がある以上は公費を投入するということに字義どおりになるのだというだけの話ではないかと思います。大学に入ることができなくて、それで実際、県内での人材養成がおくれるのではないかという危機感から、かつて専攻科ができたわけであります。そのときに公費を投入をする、すなわち県の学校として設置をするということを一たん決めているわけでございますから、その結果としてこのようになっているということではないかと思います。
 これが、必然性がないのではないかという議論だと思いますが、必然性は確かにありません。ただ、これは専攻科を設置するか否かを公費投入の必要性だとか、あるいは地域の教育環境だとか、いろいろなことを考えて判断をした結果、公費を投入する結果になるのか、しない結果になるのかということだと思います。
 次に、合格率の低下を専攻科があるがゆえに招いているのではないか、専攻科にかける費用をもっと高校3年の教育指導に振り向けるほうがよいのではないかということであります。
 この専攻科の存在が合格率の低下を招いているかどうか、ちょっと私も判断できません。できれば教育長のほうにこういう話は聞いていただいたほうがいいのではないかと思います。
 そして、専攻科にかける費用を高校3年間の教育指導にむしろ充てるべきだと言われますが、専攻科の話はともかくとして、教育を3年間できちんと、進学校であればやはり他の県の学校と同じぐらい競争力を持った子供に成長していくように、そういう観点での学力指導も私はあってもいいだろうと思います。これは、多分議論が分かれると思いますけれども、学力向上の委員会を設置をしていただきたいと教育委員会のほうにお願いを申し上げたのも、そういう思いもあります。もちろん子供たちの体力だとか人間力を育てるということを抜きにしてというわけではありませんが、ただ現実問題として、我が県においても学力を向上させて教育県の復権を果たすことは必要だろうと思っております。
 次に、私立の予備校では不安だという意識が教育関係者の中にあるのではないか、実際に調査もしていないのではないかということは、私もちょっとわかりません。これも教育長のほうに尋ねていただきたいと思います。
 教育界においても民の能力を大いに活用して、官から民へとすみ分けが必要ではないかという御指摘でございますが、私はそういう流れがあっていいと思います。他県との比較で申し上げますと、鳥取県の場合は公教育にやや重心が行き過ぎている面があるかなと思います。私学も非常に頑張っておられますし、例えばスポーツの面でもそうでありますし、進学の面でもそうでありますし、親御さんの評価も大変に得ておられる、そういう学校法人が幾つもあります。ですから、そういう力強さはあるのですけれども、ただ、よく私学関係者からもそういうお話をいただきますし、そういう素地が我が県にはあるのかもしれません。ですから、私学を育てるという面が他方では必要だろうと思います。
 本県のことはともかくといたしまして、私学においてそれぞれの建学の精神を生かして立派な教育をしていただき、子供たちの健やかな成長が得られ、親御さんも満足をし、地域も人材を得るという姿が私学からももっと力強く起こっていいだろうと思います。そのための仕掛けを鳥取県としても本来はもっとやるべきではないかと、そこはそのように思っております。
 最後に、受験ということ、大学の受験に失敗をしてそれで予備校に通うという、一見個人的なことに公費を費やすことはどうかと、改めて最後にお話がございました。
 私は、大学に落ちて、そしてその後もう一度大学に挑戦をしたいと、こういうこと自体が全くの個人的な問題ではないだろうと思います。それは地域社会として、もしそういう気持ちを持った子供たちがいるのならば、いろいろな制約はあるかもしれませんけれども、それを支えてあげるような地域社会でなければならないと思います。その意味で、行政としても考えるべき課題はあるだろうと思っております。
 そのうちの選択肢として我が県が長いことやってきたのは、専攻科という選択肢だっただろうと思います。しかし今、社会情勢は変転していますし、地域社会も変貌し、それから公費投入の可能性についていろいろな議論はあるかと思いますので、これはこれで議論をしていただいたらいいと思いますが、ただ、では専攻科が仮になくなったとして、その後、地域で子供たちが安心して大学受験に再挑戦できる、チャレンジできるという、その環境を地域の中でも整えることは別途避けて通れない課題ではないかと思います。これを単に個人的な問題だからということで、すべて受験生とその親に投げ返してしまうのは、私はいささか酷なのではないかと思いますので、その専攻科の議論とあわせて、地域における教育環境などの議論も必要なのではないかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)御答弁いただきました。
 議会決議に対しては相当程度重たいという御認識でありますので、それをもとに展開していきますが、先般の自民党前田八壽彦議員の代表質問の、教育長とのやりとりを聞いておりまして、あのやりとりを聞いていますと、教育長、やっぱり本音と建前を使い分けていらっしゃるという感じを抱きました。本音はやはり専攻科を残したいという思いが見え隠れするわけであります。まさに正体見たり枯れ尾花でありますが、議会決議がある、そういう重い存在があるのに、そして決議に従って準備が進められている最中でありますのに、教育長の心情とは矛盾があるわけであります。最も教育的であるべき教育長が、一方で決議どおりやりますと言いながら、一方では本当はこうなのですというコメントが公の場であっていいものなのでしょうか。ある意味では議会決議への冒涜ではないかとさえ思うのであります。これは、前田八壽彦議員の上手な質問に誘導された教育長に同情はいたしますけれども、そういう思いはいたします。しかも新たなる決議があれば云々なる発言は方向転換誘導と見られても仕方のない発言であり、決議、そして議会への圧力と感ぜざるを得ない重大さをも思うのであります。あわせて知事の所感を、教育長には問うわけにはなりませんので、そのやりとりを聞いた知事の感想、所感をお願いします。
 これからは、山田議員流に言えば自問自答という形になりますけれども、教育長の本音、心情に誘導されて、もし決議が改変されるということにでもなれば、まさに議会がかなえの軽重を問われることになるでありましょう。議会決議とは一体何なのだとみずからに問わざるを得ない。この決議文を見ても、現在の鉄永議長を初め、そうそうたるメンバーが提案されてなされているのであります。議長を初め、それぞれの皆さんに問うてみたいほどであります。執行部に対しては、決議が今後全く軽いものになってしまうことをおそれるのであります。軽々しく決議はなされるべきではないし、決議されたからにはよほどの事情変化がない限り筋を通すべきと考えます。「過ちて改めざる、これを過ちという」孔子の言葉ではありますが、改めるべき過ち、すなわちよほどの事情変化があったのでありましょうか。むしろ受験をめぐる環境は前段で申し上げましたとおりであります。まさに当時の議会決議は賢明なる判断であったと確信するものであります。私が議員になってより、議会決議が改変されたという例は寡聞にして存じません。これは自問自答でありますが、前段の部分での知事の所感をお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)私も質問と答弁をお伺いをいたしておりましたけれども、恐らく中永教育長は、この議会の議論が今まだ継続審議で残っておりますのでその状況を見守る必要はあるだろうと、このことを申したかったのではないかと思います。別に本音と建前とを隠しながら、衣の下によろいを着てやっているわけではなく、率直な気持ちを述べられたものだと見ております。
 先ほど申しましたけれども、議会の決議、特にヒートアップした議論であって、住民の皆様からもいろいろな意見が出されている、新聞なんかもそういうことを報道している。そういう中で凝縮されて出てくる決議というのは、それ相当の重みを持ったものとして、執行部としては受けとめる必要があるだろうと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)22番松田議員


◯22番(松田一三君)続いて、専攻科の存在意義といいますか、それについてちょっと申し上げてみたいと思いますが、言われている陳情等にあります経済事情とか、県内の予備校の能力等々がある。さはあれ、一言で言えば専攻科開設当初は社会的にも有意義であったものが、先ほど知事からちょっとコメントありましたが、現在個人のニーズであり、個人の恩恵になってしまっているという現実に冷静に向き合わなければならないということなのであります。
 平木耕平さん、東京大学大学院教育学研究科に在籍している鳥取市出身の方でありますが、卒業論文に「公立高校専攻科・補習科から見た地方からの大学進学」と題して、鳥取県を中心とした政治・社会学的考察を論述しておられます。平木さんのお許しを得て引用させていただきながら意見を述べてみたいと思います。
 専攻科設立当時を振り返ってみます。先ほど僕が言おうとした流れを知事が既に言われましたけれども、初当選された石破二朗知事、鳥取県の後進性克服をスローガンに、経済基盤の強化とともに教育環境の整備と人材の養成を掲げられました。そして、三大教育政策、それは鳥取県育英奨学金制度、東京・大阪県学生寮建設、高等学校専攻科の設置であります。特に専攻科の設置については、学校教育法58条の解釈と、先ほど知事も言われましたけれども、石破、そして河上邦治という方が鳥取県教育委員会におられて、引き抜かれて昔の文部省に行かれて、その辺の非常に連携があって、教育法の解釈についてもかなりやりとりがあったようであります。そして何とか専攻科の設立にこぎつけたというのが実態であったということを聞いているわけであります。
 とりたてて産業もない鳥取県では、人材こそが唯一最大の資源だと考えられたわけであります。優秀な若者を中央官庁や大企業へ送り込み、補助金や企業誘致といった形で地元に還元させる、それこそ弱小県鳥取県の生き残り戦略でありましたし、浪人をさせてでも若年層の大学進学を後押ししようとする試み、専攻科の設置となったのが経緯であります。
 まさに当時は、鳥取県における専攻科の意味づけには、県の生き残りをかけた人材育成という社会の大きなニーズがあったのでありますが、例えば中永教育長、そこにいらっしゃる小濱議事調査課長、専攻科OBでありますが、こういう人材が帰ってきて鳥取県のために役に立っている、こういう社会のニーズによってそれは大きな役割を今果たしていらっしゃるということでありますが、しかし今や、前段の質問の中で問題点として申し上げましたけれども、専攻科の意味づけには個人のニーズとしてしか認識されていない、すなわち地方から浪人してまで大学へ進学することへの意味づけは、社会のニーズから個人のニーズへと変化したと考えるべきであります。
 教育費を公的に負担する最大の根拠は、その外部効果であります。外部効果というのは、大学進学には生産性の向上、消費の拡大など経済面での外部効果だけではなく、市民生活や社会的凝集性の向上などの側面でも外部効果が存在するわけであります。その最大の根拠である外部効果でありますが、大学進学の利益は当該個人のみならず社会全体にも及ぶのであります。特に高等教育においては、それが以前はエリート養成であり、地方ではさらにアファーマティブ・アクション、積極的格差是正とでも訳しますか、このアファーマティブ・アクションによって、将来さまざまな形で県内周流にせよ都市流出にせよ、県を支える人材を育てるという特有の役割があったのでありますが、高等教育のユニバーサル化が進むとその機能は徐々に失われ、そこでの主要機能は産業社会に適応し得る国民の育成とされて、もはやエリート養成にはないのであります。もともと大学進学の利益は、先ほど申し上げた外部効果の存在があいまいな点に問題があり、過剰投資への危惧から高等教育の大衆化に伴って外部効果の存在に疑問を持つ見解が強くなりつつある現状であります。
 したがって、現在想定されている大学進学の利益は、設立時のように社会的なものではなく個別の利益となりますから、前段の質問の中でも申し上げましたように、繰り返しになりますが、浪人生の大学進学という一見個人的なイベントに対して公費を投入する効果として個人のニーズを満たす以上の見返りがあるか否か、説明責任が問われることになると思います。
 先ほど既に知事の所感を述べていただきましたので、つけ加えられることがあったらまたお願いします。
 知事、先ほども申し上げましたように、専攻科の役割、そしてそのなした実績は大いに評価いたします。しかし時代は変わり、その専攻科の役割も終えたと思います。いつまでも専攻科という矮小化された受験教育という小さな枠にこだわり続けるのは、その後進性を問われると思います。あの石破二朗知事の全国に先駆けての専攻科の設置はユニークであり、郷土の発展を思う心情の具現でありました。折も折、議会決議もあることですから、当時のあの進取の気性を再現し、そして新たなる視点でもって鳥取県独自の教育政策に転換、取り組まれるべきと考えます。
 先般の一般質問、興治議員はいみじくも人的資源について言及されました。すばらしい視点であります。いわく、政策理念の中心に人、人間を置かなければならない、人間力向上の仕組みを構築する必要があるのではないかと。まさに私の求める公費を投入するに値する新しい教育政策とはこれぞであります。知事の所見を伺うものであります。
 なお、奨学金制度、昨日の野田議員が質問されまして、教育長は簡単に退けられてしまわれましたけれども、この奨学金制度、もう一遍考えてみる。たとえ1年間でも制度としてつくればいいわけです。かつては石破二朗知事も鳥取県の育英資金をつくられたわけであります。日本育英資金は、これは手が届かないところでありますが、鳥取県の独自のやつをつくればいいと思うのです。そういう発想でこれからやっていただきたいというふうに思うわけでありますが、その点も、教育長の答弁も聞きたいわけですが、議長のお許しがあればそれは聞きますけれども、知事にお願いいたします。教育長も私に言われっ放しではちょっとおさまらないかもしれませんので、できるなら発言の機会を与えてあげたほうがいいと思いますが、それは議長の判断であります。お願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)ただいま論文を引用されましていろいろとお話を伺いました。確かにアファーマティブ・アクションという意味はあったのかもしれないなと思います。すなわち、より積極的に行政がかかわることで後進性を打破しようという石破二朗知事の気持ちがあったのかなというように思いながらお伺いをいたしておりました。
 社会のニーズから個人のニーズにすべてが矮小化されたのだろうかということでございますが、私は相変わらず、実は教育というものは個人のニーズにとどまらない社会的なものだと思っております。これは教育観だとか、あるいは地域観の違いがひょっとするとあるかもしれませんけれども、子供は単に親の子供というだけではないのだろうと私は思います。営々として日本の国は子供を地域社会全体で実は育ててきたわけであります。いろいろなところで見守る人がいて、その見守られる中でさらにたくさんの兄貴や姉貴を持って、そうして成長してくるという形態であったわけであります、地域の中で子供は育つという。その意味で、単にそれはすべて教育のことだから本人の責任だとか、親の責任だということではなくて、社会のシステムの中で私たちはもう一度人を育てることを考え直す必要があるのではないかと思います。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)
 ですから、単に、浪人生になったということは個人のニーズの問題だけなのだから、専攻科というのをその問題に矮小化するのは、かえって適当ではないのではないかと私は思います。専攻科の議論についてはこれまでの経緯ももちろんございますし、それから地域の持っている教育環境だとか、あるいは公費投入の必要性の有無、そういうものを総合的に見ていただいて、住民の声をそれぞれの議員の皆様も受けとめておられましょうから、そうして判断をされればよろしいのではないかと私は思います。
 私どもも、先ほど来申し上げておりますように、議会がどういうふうにこの議決をこれから取り扱われるのか、それを見守っているところであります。正直な話を申し上げれば、前の議決がありますので教育委員会は既に前の議決を前提として準備を始めつつあるというのが現状でありまして、もしこれに対してブレーキをかけてもらうなら早くかけてもらいたいというのが、多分この間の中永教育長の言葉だったのだろうと思います。
 2つ目といたしまして、人間力を向上する仕組みを構築する必要があるのではないかというお話でございます。
 これは、全く私も同感でございます。これから私は地域における教育力が地域の力として評価をされる時代が来るだろうと思います。世界じゅうを見てみればそういうことであります。例えば国を我々が見た場合に、あそこの国はどうだこうだというときに、どういう人がいるかということを常に考えます。その裏打ちをされる教育制度があるかどうか、しっかりしているかどうか、それが万人の関心を呼ぶわけであります。
 一国一制度の教育制度ではありますけれども、実は我が国はもっともっと分権的にこれから変わってくるだろうと思います。私もアメリカに身を置いておりましたけれども、アメリカでは学校区ごとに教育の質を競い合うというところがありました。それが当たり前なのです。本来、教育というシステム自体こそが地域の力を決定づけるものであって、かなりの人がそれに資金的にも、また労力的にも取り込まれていく、参入されていくということだと思います。そういうことが我が国ではどんどんと進んでくると思います。
 このたび、学力について例えば教育再生の議論がなされました。これに基づき、今までのゆとり教育について見直そうという動きが今出てきております。その中で恐らくは多様化すると思います。各県それぞれの取り組みが注目をされ、それが地域の子供たちの育ちを左右してくることになると思います。ですから、私は、本県では学力向上委員会の取り組みをやったり、あるいはスポーツだとか、アートスタートなどのそうした芸術や文化、人間教育なんかのことも含めて地域の教育力を高めることを市町村と一緒にやる必要があるだろうと思います。今までどうも国のほうの文科省の指導要領のみに注目が行っていましたけれども、鳥取県独自のメソッドを考えていく時代に入ってきたのではないかと私も思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)松田議員に申し上げます。
 先ほど、議長の許可があればということでございましたけれども、あわせて最初に懐の深い心と申されました。私もそうしたいのはやまやまでありますけれども、これは何分議会運営委員会で御決定なさったことに私も従う義務がございます。その点は錦織議員の質問時にも申し上げました。少なくとも今議会においては同一基準で公正・公平に運営することが必要と思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
 22番松田議員


◯22番(松田一三君)昨日は横山議員が障害者自立支援法で、所管委員会のことを堂々とやられましたので、そのことも含めてもう一度考え直してください。
 最後に、2つのエピソードを時間がある限りお話し申し上げて、鳥取県の教育というものに幾らかでもサジェスチョンがありますれば幸いであります。
 1つは、公費を投入するに値する教育政策といえば、イギリスのノブレス・オブリージュ、このことが浮かんでまいります。ケンブリッジ大学の前庭に、自分たちは恩恵を受けてここの大学に行かせてもらっている、だから、一たん国家に緩急あれば進んで例えば戦争でも出ていかなければならないという文言、私は行って見ていないですけれども、そういうことが書いてあるらしいです。そういうように、非常にノブレス・オブリージュという精神が行き届いている。それが一つの大きなイギリスの教育の柱になっているということは、やっぱり日本でも見習わなければならない。公的費用を投入するという意味合いは、そこにあるのではなかろうかというふうに思うものであります。
 例えばこれから考えられる中高一貫教育にどういうふうにそういうものを取り入れていくか、それは大きなテーマになり得るだろうというふうに思うのであります。
 そしてそういった教育のこと、もう一つは、最近「明日への遺言」という映画が封切られて、まだ見ていないですけれども、鳥取一中出身の岡田資中将であります。元東海軍管区司令官。この人は、名古屋で米軍がいわゆる無差別攻撃をやって、不時着した搭乗員を軍律に従って死刑にしたということでB級戦犯として問われたわけであります。処刑は軍律に準拠したものであり、その責任はすべて司令官たる自分にある、部下には一切の責任はないと終始一貫して主張、初心を貫き、13階段の露と消えられたわけであります。傍聴席の妻にただ一言、「本望」。同房の若い人たちに、君たちは来なさんなよと。弁解をせず、惻隠の情を持ち、筋を通したもののふ、まさに本物の武士道であったわけであります。先般、岩国に行って、武士道精神で頑張ってきますと言った、そんな声高に叫ぶような武士道ではない、本物の武士道であります。
 そういった教育、かくなる人物を鳥取県は輩出したのであります。そういった意味で、これからもその視点でまたとらえていただきたいというふうに思うわけであります。ただ頭のいいエリートだけではなく、先ほど申し上げましたノブレス・オブリージュ、公に殉ずる人、今の日本に欠けている、いわゆる人物を輩出する教育を目指してほしいと望みながら質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)これをもって県政に対する一般質問を終了いたします。
 暫時休憩いたします。
 午後の本会議は午後1時より再開いたします。
       午前11時56分休憩
   ────────────────
       午後1時00分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 議案第1号「平成20年度鳥取県一般会計予算」から第20号「平成20年度鳥取県営病院事業会計予算」まで及び第36号「鳥取県公益認定等審議会条例の設定について」から第81号「鳥取県営病院事業の設置等に関する条例等の一部改正について」までを一括して議題といたします。
 これより、議案に対する質疑を行っていただきます。
 7番市谷知子議員


◯7番(市谷知子君)日本共産党の市谷知子です。
 それでは、早速通告に従って質疑を行います。
 議案第1号、平成20年度鳥取県一般会計予算の中の境港管理組合負担金、国際ターミナル整備、新規フェリー航路誘致促進事業、境港利用促進事業について質疑をいたします。
 今回、境港と韓国、ロシアを結ぶ貨客船を新しく就航させ、そのための港の整備として1億8,000万円の税金を投入する計画となっています。しかし、荷物の輸出入ということであれば今までにも貨物用のコンテナ船があり、県内外約300の企業が中国、韓国へと輸出入を行っていると聞いています。しかし、予算編成の資料を見ますと、ここ2年連続利用が低迷していると書かれていました。これまでのコンテナ船の利用状況と、利用低迷の原因をどのように分析をしておられるのかをお尋ねします。
 次に、議案第1号の中の防災・危機管理対策条例策定検討事業についてお尋ねいたします。
 今回の提案は、予算編成の資料を見ますと、一般の風水害の際の防災と、それに加えて北朝鮮などの弾道ミサイル攻撃やテロや武力攻撃事態などの際の国民保護のために公的機関や県民が何をするのか、その役割分担を行動規範として定めるために条例を制定すると書かれています。そしてお聞きしましたところ、防災に関する条例は全国で11自治体で制定されていますが、今回、鳥取県で提案されているような、テロや武力攻撃事態などを想定した危機管理対策もセットにした条例制定を目指すのは、鳥取県が全国でも初めてとのことのようです。
 そこでお尋ねしますが、災害では災害対策基本法があり、また武力攻撃事態への対応では国民保護法があり、特に国民保護法では既に土地、家屋、物資の提供が国民に義務づけられ、その上、違反した場合は罰則まであります。今回、さらにこの上に県民に役割分担をということになっているわけですけれども、既に法律があるのに、なぜ今回条例を制定する必要があると考えているのかをお尋ねいたします。
 3つ目に、議案第38号、公益法人への職員の派遣等に関する条例の一部改正で、今回、新たに鳥取県土地開発公社に県職員を派遣し、その一方で財団法人鳥取童謡・おもちゃ館、財団法人日本建設情報総合センター及び社会福祉法人済生会への職員派遣はやめるとしていますが、そもそも職員派遣をするところとしないところの判断基準は何か、そして今回新たに土地開発公社に県職員を派遣するのはなぜかをお尋ねをいたしまして、第1回の質疑といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)職員の派遣の判断基準、あるいは土地開発公社になぜ今回職員を派遣するのかというお尋ねでございます。
 公益法人へ県職員を派遣することにつきましては、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律ですけれども、この法律で制度的な枠組みが定められております。
 まず、職員派遣の目的でございますけれども、地方公共団体が人的援助を行うことが必要であると認められる法人に職員を派遣することによりまして、公益法人等の業務の円滑な実施の確保を通じて地域の振興、住民の生活の向上等に関する地方公共団体の施策の推進を図り、ひいては公共の福祉の推進に資することでございます。
 職員を派遣できる団体でございますけれども、民法34条に基づきます法人、それから一般地方独立行政法人、それから特別法で定められた法人のうち政令で規定されている法人、これらの法人のうち公益法人等への職員の派遣等に関する県の条例で定めている法人となっております。したがいまして、個別の公益法人等への県職員の派遣に際しましては、法の趣旨に従いまして県に対して職員派遣の要請を行って、団体の業務が県の事務ですとか業務と密接な関連を持っているのか、派遣職員の派遣先での業務が県の事務とか業務とかに関係があるのか、あるいは県が人的援助を行う必要があるのかというような点、また法人が、先ほど申しました法令に合致する派遣可能団体であるかどうかなど、法律の要件を具備しているかどうかを総合的に判断して派遣を決めているところでございます。
 もう1点のお尋ねの土地開発公社の職員の派遣でございますが、土地開発公社が国土交通省から山陰自動車道の用地先行取得事業を受託して、これに伴う体制整備が必要であるということでございます。また、公社の職員体制については、この受託を十分に行うためには体制が不十分であることから、用地業務に精通した職員の派遣要請が県にあったものでございます。このことから県職員の派遣が必要と判断を行ったものでございます。また、土地開発公社は法令上派遣が可能な団体であることから、今回県の当該条例に土地開発公社を追加し、派遣対象団体としようとするものでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)境港の利用状況とその原因の分析ということで答弁をさせていただきます。
 議員御指摘のコンテナ貨物取扱量ということでございますけれども、平成19年度の速報値で見てみましても対前年比1.9%の減ということで、3年連続の減少となっているところでございます。
 主な要因といたしましては、海上運賃の高騰でありますとか、大口貨物の輸入の減というものがございますが、特に大口貨物の減少は全体量が少ない境港にとって最も大きな要因となっていると考えているところでございます。他方、紙パルプや非鉄金属などの輸出は伸びておりまして、これまで輸入に依存してきた境港のアンバランスな構成が是正をされてきているという点では評価できるものと考えているところでございます。
 現在、境港のコンテナ航路につきましては、大阪南港でありますとか神戸港など、他港と比べて高い海上運賃、また便数の少ないなど低い利便性、また認知度の低さなどの課題があるものと認識をいたしているところでございます。今回予算でお願いをいたしております利用支援策、またポートセールスなど行うことによりまして境港の認知度を向上し、利用の向上につなげてまいりたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)今回提案しております防災危機管理条例の制定についての検討委員会の経費についての御質問でございます。
 今回、この条例を策定しようと考えましたのは、先日も澤議員の質問に知事が答えましたように、災害リスク、自然災害のリスクというものが非常に高まっているということが一つの背景にあります。それからもう一つは、やはり重大事故ですとか、先ほど議員のほうからも御指摘がありましたようないろいろな危機事案、例えば弾道ミサイルでありますとか、それから不審船、ほかにも新型インフルエンザによるパンデミック、こういった危機というようなことの発生リスクというものも増加しているという背景がございます。自然災害も一つの危機ということでは変わりありませんので、そういった災害、それからその他の危機というものをあわせて条例を制定していきたいということで考えております。
 自然災害その他の危機というもの、これは目的の一つは県民の生命、身体、財産、これを守るということ、こういった目的というのは共通しているというふうに認識しておりますし、それから現実の対応場面という場面でも、避難ですとか、それから救助、救援、こういう非常に共通した部分が多いのだろうと。しかも、それは自助、共助といわれる住民自身の活動、あるいは地域の中での活動というものに非常に大きく依存しているということが言えると思います。今回の条例では、こういった自助、共助というものについて明確な規範というものをつくっていきたいというふうに考えておるところでございます。
 災害対策基本法、あるいは国民保護法がある中でこういった条例をなぜつくらなくてはいけないかということなのですけれども、基本的には災害対策基本法、国民保護法等も国、地方公共団体の責務ですとか、一部住民のそういった義務規定なんかもありますが、基本的にはやはり公助を中心にした規定が多いということでございます。それで、今回の条例につきましては、先ほど申し上げましたように、自助、あるいは共助というようなことを中心に、どういった県民が活動していくのかということを規定していきたいというふうに考えている次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)7番市谷議員


◯7番(市谷知子君)第38号の公益法人への職員派遣なのですけれども、ちょっと何か一般論としてわかったようなわからないような話だったかなというふうに思いましたけれども、それで、土地開発公社に職員を送るというのはわかりましたけれども、そうしたら済みませんけれども、改めておもちゃ館、日本建設情報総合センター、福祉法人の済生会への派遣をやめる理由もちょっとあわせて教えていただきたいというふうに思います。
 新規フェリーの就航に関してなのですけれども、先ほどお話ありましたように、現状では貨物では運賃が高かったりとか便数が少ない、時間がかかるというふうな不便な点があって利用が低迷しているけれども、これから利用促進を進めるということなのです。でも、これから利用促進を進めるという、まだこれからという状況の中で今回、韓国とロシアを結ぶ新しい貨客船を就航させるということになっているわけで、かなり現在進行形のまま行くということかなというふうに思います。
 そして、今回、執行部や知事からもお話を聞いていますけれども、今回の新規航路の開設で新たにロシアが相手先として加わるということだとか、従来のコンテナ船というのにプラスされて、貨客船ですからお客さんを運ぶということで、人、物の流れができて、産業集積や経済活性化につながると。境港が北東アジアのゲートウエーの機能を果たして、国際交流で大きな効果があるという、そういう説明だったというふうに思っています。そういった効果を期待して今回新航路を開設して、従来の貨物のときには必要がなかった外国からお客さんが来たときの入管手続をするターミナルを1億8,000万円かけて整備することや、先ほどもちょっと利用促進の話がありましたけれども、境港を新しく利用する企業には貨物量に応じて1企業上限30万円の補助金、小口貨物の場合は1企業上限10万円の補助金を出すということも提案をされています。
 そこでお尋ねしたいのですけれども、鳥取県のこういう税金を使って施設整備だとか利用促進の助成金を出すわけですから、私は、夢を見るのも大事なのですけれども、夢を見るだけではなくて、本当に苦しんでいる境港の業者、それから鳥取県にとって本当に経済効果があるのかどうかということをきちんと見ることが大切だというふうに思います。
 お尋ねしたいのは、経済波及効果をきちんと試算されたのか、それから境港や県内企業がどれぐらい利用を希望しているのか、そのことを調べられたかどうか、また日本海側で既に貿易をしている新潟港や富山県ではどの程度県内に波及効果をもたらしているのか、そのことを今回予算提案する前にちゃんと調査をされたのかどうか、それから本来なら市場開拓調査というのはやっぱり事前に行われるべきと思うのですけれども、今回、予算書を見ていますと、開拓調査というのは、この港の整備の予算が通ってからすることになっているのですけれども、それはなぜなのか、その理由を教えていただきたいと思います。
 危機管理対策条例については、国民を守るためということで、でも今の法律では自助の部分が欠落しているということで、さらにということだったと思いますけれども、その自助、自分たちが、県民が何かやらなければいけないということに対して新しくルールがつくられて、そのことに対して罰則を科すというようなことも想定しておられるかどうかお聞きしたいです。県民に一定の義務を課すような条例をつくられることになると思いますけれども、この検討委員会のメンバー、どんな方を想定しておられるのか、どの程度の会議を開かれるのかをお尋ねしたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)職員の派遣について、今回、3団体を条例から除く理由は何かということでございます。
 童謡・おもちゃ館、日本建設情報総合センター、福祉法人済生会、この3団体とも本年度、あるいは昨年度末で職員派遣の期間が満了する、あるいはしたものでございます。これらの団体からは県職員に対しての派遣要請がございませんし、それから当面、今後派遣する予定がないと判断しているところから、今回条例を整理しようとするものでございます。仮に、今後条例上に規定されていない団体等から、あるいは今回落とした団体等から要請があれば、その時点で改めて派遣について検討を行い、必要があれば条例改正をお願いしたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)フェリー航路に関連しまして、4点御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、経済波及効果について試算をしたのかどうかという点でございます。
 現在、DBSクルーズ社におきまして、投入する船を選定中というように伺っておりまして、現段階におきまして投入される船の規模、定員、搭載可能なコンテナ数など具体的な数量が不明ということでございまして、現在のところ、経済波及効果の試算を行っていないところでございます。しかしながら、この効果が実現されれば、日本海側から韓国の東海岸、またロシア極東を結ぶ唯一の航路ということでございますので、西日本一円から境港が利用されるなど、はかり知れない経済効果があるものと期待をいたしておりますし、またそういった大きな経済効果が生み出せるように、大企業のポートセールスも含めて積極的に取り組んでいきたいというように考えているところでございます。
 次に、県内企業の利用要望といいますか、県内企業への聞き取りを行ったのかどうかということでございます。県内全企業に対して悉皆調査をしたということはございませんけれども、今回の就航計画に対しまして経済界、またキャビネットの場などで歓迎をする声をいただいておりまして、利用企業はあるものと認識をいたしております。また、2月15日にジェトロの御協力をいただきまして、ロシア極東日本食品市場セミナーを開催をさせていただきましたけれども、食品関係企業を中心に30名余りの御参加をいただいたところでございまして、新航路を活用したロシアとの経済交流に関する関心の高さがあるものと認識をいたしているところでございます。
 次に、先行で取り組んでおられる新潟県、富山県の調査をしたのかという質問でございます。
 新潟県に対しましては、昨年12月に経済政策課の職員が出張させていただきまして、環日本海航路の研究を行っております財団法人環日本海経済研究所と新潟県庁を訪問し、調査を行わさせていただいたところでございます。また、富山県につきましては、数度電話での聞き取り調査なども行ったところでございます。これらの調査の中で、ロシア貿易における課題、またロシアにおける日本企業の動向、さらには利用客や取り扱い貨物の動向など、参考になる情報をいただいたところでございます。
 次に、予算が通ってしまってから市場開拓調査をするのはなぜかということでございますけれども、DBSクルーズフェリー社は、運航当初におきましては旅客、人が中心ということでございまして、運航当初は赤字も覚悟されているというようなお話も伺っているところでございます。しかしながら、航路の維持発展のためには早期の黒字化が必要であるというように考えてございまして、そのためにもこの航路を使いました人、物の交流の拡大というものを図っていかなければならないと認識をしているところでございます。今回提案をさせていただいております市場開拓調査は、そういった荷物をふやすための貿易相手の発掘でありますとか、さらなる交易拡大のための調査といたしまして中国の吉林省など、ウラジオストクの後背地まで含めた調査を行うものでありまして、航路の維持発展に向けて必要なものと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)防災危機管理条例につきまして、罰則規定というようなものを想定しているかという御質問でございますけれども、これから検討会を開いて議論するところでございますので予断は持ち合わせていないのですけれども、基本的には、余り罰則を規定するような性格のものではないのではないかというふうには考えております。他県の、先進県の例で見ましても、基本的にはやはり努力義務規定というのが中心になってくるのであろうというふうに思っております。
 一部、東京ですとか静岡の地震に関する条例を見ますと、やはりブロック塀の転倒だとか自動販売機の転倒、こういった転倒防止措置について一部勧告ですとか助言ですとか、そういった規定を設けているところはありますけれども、守らなかったから罰則をつけるというようなことについては余り他県の条例の中でも見られないというふうに考えております。
 条例の検討委員会のメンバーなのですけれども、できるだけ幅広い分野の方に参画していただければというふうに考えております。大体10人ぐらいの方で大学の先生ですとかそういった有識者の方、あるいは防災の関係の専門家の方、あるいは一般の県民の方等に参画していただければというふうに思っております。大体4回ぐらいの検討会を開いて、ある程度の案をまとめていきたいなというふうに思っておりますし、それから条例の素案につきましてはパブリックコメント等で県民の意見を広く聞くというようなことも考えております。もちろん議会のほうにはあらかじめこういうことを考えていますということは十分説明して、御意見を伺いながら条例案にしていきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)7番市谷議員


◯7番(市谷知子君)新規フェリーの就航についてなのですけれども、先ほど商工労働部長の答弁の中では、やはりなかなか波及効果というのは今の段階では不明であるということや、企業からはいろいろお話を聞くというよりも、経済界の中心の方からのお話で進めているのだなというふうに聞かせていただきました。
 西日本唯一の航路であるということで、いろいろこれから展望が開かれるだろうというお話だったのですけれども、私もすごく心配になりまして、新潟県のほうの共産党の県議会議員のほうにも尋ねてみたのです。新潟というのはかなり一連の貿易をやっていますので、経済効果があるだろうかということで聞いたのです。物流は一定あるということなのですけれども、地場産業については疑問と。例えば新潟では輸出よりも輸入が多いそうなのですけれども、その内容は大手のホームセンターが中国に工場をつくっていて、その製品を輸入しているということで、そうなってきますと必ずしも地場産業、地元の中小業者がこれに絡んでいるということにはむしろなりにくい状況だということを聞きました。
 港の付近には、新潟港ですけれども、30年前に工業団地整備したのですけれども、なかなか企業が出てきていないと、貿易はやっているのだけれども、企業が出てきていないという話も聞きました。
 また、この質疑に当たりまして商工労働部からいただきました資料、ことし1月30日付の日本経済新聞なのですけれども、議場でも議論がありましたように、確かにトヨタ自動車とか、あと日産自動車、スズキなどの会社がロシアに進出をするという話が出てきているようですけれども、新潟県のほうも新潟港の利用を期待しているという記事なのですけれども、同時に、この記事の中では、現状では工場のある東京とか名古屋、大阪の港で荷物を積んでいるということで、なかなか太平洋側からトラックで新潟まで荷物を運ぶというのは経費がかさむという課題があるという記事が出ていました。
 富山県の話ですけれども、私、質疑する前に聞かれたのですかということで商工労働部に問い合わせましたけれども、聞いていないということでしたので、聞かれて予算提案されたかのようなニュアンスにとれるお話でしたけれども、商工労働部のほうから聞き取りしていただいたそのペーパーの中では、フェリーでロシアの方たちが富山には来るのだけれども、富山周辺への観光客というよりも富山を玄関口にして日本各地へ旅行する客が多いというふうな聞き取りでした。ですから、鳥取県で境港にとどまっていただいて、観光で楽しんでいただけるということになればいいのですけれども、ちょっと富山はそういうふうになっていないのだなというふうに、聞き取りをさせていただいて思いました。
 フェリーの就航のためにやっぱり多額の税金を使うわけですから、本当に境港だとか鳥取県の発展のために効果があるのかどうか、きちんとした調査をすることというのは本当に大事だなというふうに思うのです。
 最後に、企業に利用促進の補助金を出す提案をしていますけれども、ほかの県でやっているところがあるのかどうか、そのことは今回の企業補助金の予算提案をする前に調査されたかどうか、お尋ねします。
 当面はターミナル整備ということですけれども、将来にわたって貿易にかかわってどの程度整備をする予定をしていて、どの程度の税金投入を予定しているのかを教えていただきたいと思います。
 防災危機管理対策条例についてですけれども、強制はしないということですけれども、県民に対して一定の努力義務が課せられるということで、心配している点は、武力攻撃事態を想定した国民保護訓練に参加することは戦争協力になるから参加したくないという議論もあるわけですけれども、今回つくられる条例、罰則つきになるかどうかわかりませんけれども、憲法で定めた思想、信条の自由を侵すような条例になることはないかどうか、そのことをお尋ねして私の質疑を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)境港利用促進補助金に係る他県の調査をしたかどうかということでお答えをさせていただきます。
 全国の主要な港に関して調査をさせていただきましたところ、岡山県の水島港でありますとか、富山県の伏木富山港など、境港よりも規模の大きな港でもコンテナ利用の助成支援を行っているということでございました。また、利用企業からも助成を求める声もございましたし、また専門家からも呼び水となるようなインセンティブ施策の必要性も指摘されたこともございまして、今回このような助成制度を設けることが重要と考え、コンテナ利用助成の予算を提案をさせていただいたところでございます。他港湾との競争の中で境港の利便性を高めることで、境港の利用促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)今回の仮設ターミナルは既存の貨物船岸壁を使いまして、その背後にCIQのための施設を必要最小限の上屋を整備するというものでありますが、港湾計画では竹内の南地区に旅客専用の岸壁とターミナル施設を整備する計画となっております。今般、不定期の旅客船の実績、定期貨客船が就航しようかという需要も出てまいりましたので、貨客船専用の岸壁、ターミナル整備の必要性が高まってきているという認識をしております。これにはかなりの事業費を要するということから、できるだけ早く国のほうに働きかけをしていきたいなというふうに考えております。
 港湾における港湾施設の整備は、環日本海交流の拡大に資する国際物流拠点港湾を目標とした港湾計画に基づきまして、国が防波堤の整備、それから航路、泊地しゅんせつ、それから境港管理組合のほうがリサイクル岸壁、旅客船バース、旅客ターミナルなどの整備などを役割分担して順次整備するという予定にしております。
 個々の事業費につきましては、今後、整備の具体化に伴って明らかになってまいりますが、昨日の安田議員の御質問に対します知事の答弁の中にもありましたが、例えば管理組合が実施する貨客船バースに21億円、その上屋に16億円。それから国が実施されます港内の静穏度を高めるための防波堤に45億円というようなおおよその事業費が予定されておりますが、今後、整備の規模、それから内容が具体化することによりまして額が定まってくるものと考えております。
 いずれにしましても、今後の整備につきましては企業のニーズや人、物の需要動向を見きわめて事業着手及び整備の内容を検討し、整備を進めていくということになると考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)当然思想、信条の自由というような憲法上の規定に抵触するような条例の規定というのはできないというふうに考えております。
 なお、国民保護の訓練について、自主的に訓練に参加することが戦争協力につながるというようなことは毛頭考えておりません。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、8番錦織陽子議員


◯8番(錦織陽子君)それでは、続きまして、私、錦織陽子からは議案第1号、平成20年度一般会計予算のうち、3款民生費、1項社会福祉費、1目社会福祉総務費、同和対策事業振興費のうち、部落解放同盟鳥取連合会補助金600万円についてお尋ねいたします。
 これは、連合会の啓発や研修などの活動に対して県がその活動費の2分の1を補助するものであります。民間運動団体の事業は、本来自主財源で実施されるものだと思いますが、なぜ補助金を出すようになったのか、その経過はどうでしょうか。そして、団体へは、調査してもらいましたら、昭和27年から補助金を出していると聞きました。当時は差別解消のための事業にそれなりに意義があったと思いますが、既に56年も経過しており、同じ事業を同じように継続する必要性があるのかどうか伺います。そして、これまでの補助金の効果はどのように検証しているのか、このこともお尋ねします。
 次に、10款教育費、1項教育総務費、7目育英奨学事業費のうち、進学奨励事業について伺います。
 鳥取県では、同和対策事業特別措置法による進学奨励事業を昭和63年度から平成13年度、最後の貸し付けは17年度まででしたけれども、これを実施しており、これまで高校分2,834名、大学分947名で、合計3,481名の就学を支援してきました。未納金が2億7,338万円、これは平成20年の1月末現在の数字ですが──に上っております。
 今回、未納整理のための予算が計上されているわけですが、高校分、大学分の1カ月当たりのそれぞれの貸付額は幾らか。このうち既に完済しているもの、未納がなく償還中のもの、未納件数はそれぞれ何件か。次に1人当たりの未納額は幾らか。3つ目に、県の資料では育英奨学金での未納金は高校、大学合わせて3,046万円となっています。これに比較しても未納金額が大きいと思われますが、育英奨学金制度と貸し付け審査や返還条件が違うのかという点についてお尋ねします。
 次に、議案第41号、鳥取県行政組織条例等の一部改正のうち、鳥取県総合事務所設置条例の一部改正、鳥取県福祉事務所設置条例の一部改正、並びに鳥取県保健所条例の一部改正についてお尋ねします。
 この改正によると、これまで市の総合事務所で行ってきた福祉保健部業務では介護保険だとか身体・知的障害者支援など、こういった事業を西部総合事務所に、また日野保健所で行ってきた医事薬事、結核、健康づくり、栄養指導、母子保健などもろもろ、そういった事業を米子保健所にと、かなりの業務が西部総合事務所や米子保健所に移管されるわけです。日野総合事務所など、高齢化率の高い地域の福祉などをとってしまうことになるのではないかということで不安がありますが、これらの総合事務所、日野総合事務所と保健事務所にしてきた理由、今回の条例改正に至った理由、また何を基準に業務を振り分けていたのか、それぞれお尋ねします。
 最後に、議案第55号、鳥取県営住宅の設置及び管理に関する条例の一部の改正について伺います。
 今回の改正は、県営住宅への暴力団の入居を排除することとあわせて、一般入居者についても近隣住民への迷惑行為の禁止を加えるための改正であります。ここで言う暴力団員は、何をもって組員とするのか教えてください。そして、入居者が暴力団員、また同居親族が暴力団員であるとする確認方法は何かという点について伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)日野総合事務所の福祉保健局、あるいは保健所業務を西部総合事務所にかなり移すが、その理由なり、移管する業務の考え方というものをお尋ねでございます。
 まず、日野総合事務所の福祉保健局の業務でございます。福祉事務所、それから保健所、両方合わせた業務量でございますけれども、平成16年度に溝口町が合併により管轄外となってエリアが縮小したことや、あるいは障害福祉ですとか母子・老人保健等といった福祉関係業務につきましては、近年、制度的には県からよりも市町村が窓口とされるということがふえてきております。このようなことから、日野総合事務所内での業務処理件数はだんだん減少してきている状況でございます。
 このたび県民の方に対する行政サービスを低下させない、これを留意しながら業務体制を効率化しようとしたものでございます。直接住民に対応するための緊急性が高いものなどは引き続き日野で業務処理することとし、一方、県のほうから事業所等に出向く業務ですとか町が相手の業務などは西部に集約して効率的に業務を処理しようとしたものでございます。なお、件数がわずかで西部に集約する業務につきましても住民の方の利便性を考慮しまして、日野での受け付け窓口機能は残すことにしております。
 具体的な基準といいますか、そのようなものでございますが、日野ですべてを完結させるものとしましては、先ほど申しました処理緊急性が求められるもので、例えば感染症発生対策ですとか、精神障害者の措置入院などでございます。また、相手方が県民の方であるものにつきまして、例えば生活保護業務、精神保健福祉相談、あるいは母子・寡婦相談、貸し付け等につきましては、引き続き日野で行おうと思っております。
 また、西部総合事務所へ移管集約しますけれども、窓口として機能は存続し、住民の方の利便性を確保しようとするものにつきまして、例えば犬、猫の引き取りですとか、傷ついた鳥獣の救護の窓口などにつきましては、現場性が高い、あるいは応急対応が必要であるということで窓口は残そうとしているものでございます。また、生活衛生分野につきましては総合相談窓口機能を存続することにしておりますし、県民の方の利便性に配慮しまして、各種文書等についての窓口機能としての受け取りですとか転送については行おうということで、これらは日野に残そうとしたものでございます。また、西部総合事務所に移管するものにつきましては、こちらが検査に出向くような、例えば食品衛生監視ですとか医療、薬事監視など、これらのようなもの。あるいは相手方が町村で、限定される身体障害者手帳の発行ですとか、療育手帳交付事務などにつきましては、西部総合事務所に集約しようとしたものでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)県営住宅の設置管理条例について、2点お答えをさせていただきます。
 まず、何をもって暴力団員と認定をするのかということでございますけれども、この条例で排除いたします暴力団員の定義としまして、改正後の条例第5条1項4号で、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、これはいわゆる暴対法と言われるものですけれども、これの第2条第6号に規定する暴力団員というふうに定義をしております。その該当云々につきましては、警察の持っておられる情報により認定をするということにしております。
 2点目、暴力団員であるか否かの確認方法ということでございますけれども、警察本部のほうに照会をさせていただいて、その回答結果により確認をしようというふうに思っております。このため、警察本部のほうと協定を締結をいたしまして、その手続の明確化を図りたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、磯田人権局長


◯人権局長(磯田教子君)部落解放同盟鳥取県連合会の補助金について、3点お尋ねがございました。
 まず1点目、補助金を交付している理由でございますが、同和対策にかかわる特別措置法は失効いたしましたが、県が平成17年度に実施いたしました同和問題についての県民意識調査の結果を見ましても、部落差別意識はまだまだ残っております。差別発言や差別落書きなどの差別事象も依然発生しております。差別のない、真に人権が尊重される社会を築くことは行政の責務でありまして、人権啓発を効果的に推進するためには行政だけが取り組むのではなく、民間団体等と連携、協力することが必要でございます。そのためには、民間団体等の自主的な人権啓発等の取り組みを支援することは大切なことであります。部落解放同盟は部落の完全解放と真に人権の確立された民主社会の実現を目指す団体であり、同盟の実施いたします啓発事業等を支援することは同和問題解決のために有効な施策と考えております。
 次に、2点目でございますが、本県では、平成14年3月末で同和対策にかかわる国の特別措置法が失効する前の2月に今後の同和対策のあり方を定めまして、法が失効しましても差別がある限り同和問題解決のために必要な施策について適切に対応し、今後も同和行政を積極的に推進することといたしております。特別措置法が失効したからといって部落差別が消えてなくなるわけではありません。先ほども申し上げましたように、平成17年度に県が実施しました意識調査の結果でも、差別意識は依然として存在していることは明らかでありまして、差別事象も毎年発生しておりますし、先日も大きな差別事件が起きたところでございます。啓発は今後の同和対策の柱の一つでありますし、部落解放同盟などの民間団体の自主的な啓発の取り組みを引き続き支援し、連携して啓発に取り組む必要があると考えております。
 なお、この補助金につきましては、随時適切な見直しを行ってきております。平成15年度からは、従来の定額補助から、原則として啓発事業費の実績の2分の1を補助する方法に改めておりますし、これらの見直しに伴い交付額は年々縮小してきているところでございます。
 次に、3点目でございます。補助金の効果の検証についてでございますが、この補助金は、何度も申しておりますが、部落解放同盟が同和問題解決のために行う啓発活動の円滑な実施を目的として交付しているものであります。同和問題に関する教育や啓発については、県が何年かごとに実施する県民意識調査や差別事象の発生状況等により検証してきております。例えば意識調査の中の一項目に同和地区出身者の方の結婚についてどのような状況にあると思うかという問いに対しまして、不利な条件になっていると思うという回答は、平成5年の調査では57.3%でありましたが、12年の調査では47.3%、平成17年の調査では33.0%と次第に改善に向かいつつあるところでございます。同和問題の解決のためには部落解放同盟だけではなく県や市町村、企業、民間団体、県民等が一丸となって啓発に取り組んで、ようやくここまで来ているところでございます。部落差別が解消して、こうした補助金を支出しなくてもよい社会が一日も早く実現することを切に願っているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)錦織議員から、2点、大きく御質問をいただきました。
 まず、1点目ですけれども、滞納額が2億7,000万に上っている進学奨励資金の高校分、大学分の一月当たりの貸与額はそれぞれ幾らだったか。そのうち完済したもの、あるいは返済中のもの、それから滞納しているもの、それぞれ何件かというお尋ねでございます。
 最初のほうですけれども、貸与額ですけれども、何度か引き上げられておりますけれども、廃止される前の貸与月額で申し上げますと、高校分が国公立が2万3,000円、私立が4万3,000円、大学分で国公立が4万8,000円、私立が8万2,000円ということであります。また、2月末現在での返還の状況ということですけれども、今までに完済されたもの、すべて返還されたものは231人で全体の6.7%、それから返還開始から順調に今返還がなされており、現時点で未納のないものが1,749人、50.2%、それから現時点で未納があるもの、これが1,501人、43.1%ということであります。それから、お尋ねの1人当たりの平均未返還額ですけれども、18万9,000円というふうに計算をしております。
 2点目であります。進学奨励資金の滞納が多い理由は何かというお尋ねであります。滞納が多い理由というのはいろいろありますけれども、まず一般的な理由としては、今小学校の給食費ですとか保育料ですとか、いろいろなことが問題になっていますけれども、やはり規範意識の欠如というのが一つにはあると思っております。それから、長引く景気の低迷により収入が少なくなっているというようなことも背景にあるのではないかと思っています。
 それが一般的な理由でありますけれども、一般事業としての育英奨学金にも共通する理由としては、行政機関からの借入金というふうなことで、これは進学奨励資金のほう、あるいは育英奨学金のほうはともに無利子の奨学金でありますので、他の債務の返済のほうを優先する傾向があるのではないかというふうなことも考えているところであります。
 それから、進学奨励資金そのものの滞納の理由というふうなことで考えてみますと、大学分は昭和57年に、それから高校分は昭和62年に給付制度から貸与制度に変わりました。それになった後も従前どおり給付制度というふうに認識していらっしゃる方が多いのではないかなというふうなことも仄聞をしているところであります。
 それにかかわって、貸与資格といいますか貸与要件は何だったかということでありますけれども、これについては4点考えております。1つは県内の同和関係者の子供さんであること、それから高校または大学に在学している者であること、低所得者世帯に属して就学が困難な者であること、それから日本育英会の育英資金等を貸与を受けていないことということでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)8番錦織議員


◯8番(錦織陽子君)それでは、再質問します。
 同和補助金は、これについては民間団体との自主的な啓発の取り組みを支援するのだと、一緒にやるのだということなのですけれども、その補助金を出しているほかの任意団体では、これが人件費として補助金支出はないというふうに普通は考えますけれども、これは、事業費と別に人件費を出しているのはなぜかという点についてお尋ねします。
 今さっき、半世紀を経て、なおその意義について、これは必要なのだということを紹介されまして、平成18年度、19年度は657万円を計上しておりましたけれども、20年度また減額をした理由は何か、中止した事業があるかということについてお尋ねします。
 進学奨励事業についてですが、事前に調べた県の育英奨学制度の未納率というのは、2月末現在では13.5%でしたので、先ほどお聞きしたのでは進学奨励事業では43.1%ということで、その割合がやっぱり大変高いなということを確認いたしました。そこで、県は今、長期高額未納者については平成18年度より法的措置をとっており、平成19年度見込みを合わせて約80件の提訴を行っていますが、この和解件数は6件です。提訴に関して、県の費用負担はどうなっているかということについてお尋ねします。
 県営住宅の設置条例についてなのですが、ここでは暴力団と全く関係ない入居予定者や同居家族の情報がすべて警察にチェックされるということになると、そういうことはとても嫌だなと私一個人では思いますけれども、県民の反発も考えられますが、警察から逆に情報をもらうと、暴力団員の名簿をもらうなりそういうことができないのか。それから改正の趣旨からいえば現在入居中の人も対象になると考えられますが、すべての入居者の名簿もこの際提出されるのかという点についてはどうでしょうか、お尋ねします。


◯議長(鉄永幸紀君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)県営住宅の設置管理条例の関係で2点。
 まず、個人情報の収集の仕方ということですけれども、今回、照会するに当たっては、当然入居予定者の氏名、住所、生年月日等を提供するということになると思っています。当然個人情報ですので、そこの個人情報の保護についての適正な手続というのはやっぱり必要だというふうに思っていまして、今3点を準備しようと思っています。1点は、入居申し込みの際に、警察本部への情報提供について御本人の同意を得るということ。それから2つ目として、警察のほうと締結をします協定書の中に、個人情報の適正な取り扱いについての規定を設けるということ。それから3点目として、警察本部に情報提供することについて県の個人情報保護審議会に諮って、個人情報保護条例8条1項7号によります個人情報の収集、利用、提供制限の例外事項としての取り扱いを受けると、この3つの手続を踏むことで個人情報保護の問題をクリアしていきたいなというふうに思っております。
 既存入居者についてということですけれども、既存の入居者についても今回最初の取り組みということにもなりますので、暴力団であるかないかの確認は行っていきたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)磯田人権局長


◯人権局長(磯田教子君)人件費を補助対象といたしている理由でございますが、先ほども申し上げましたが、同和問題を初めとする差別や偏見のない社会の実現が県政の重要課題でございますし、この補助金の必要性や公益性は高いと考えております。
 啓発活動につきましては、直接的な経費だけでなく、事務に携わる職員が重要な要素となっており、その人件費についても一定の限度額を定めて補助対象としているところでございます。
 次に、20年度は減額になっているではないかという理由でございますが、今回提案しております600万円は、この補助金の近年の交付決定額や実績等々の状況を勘案して算定したものであり、その結果として減額となったものでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)提訴に関して、県の費用負担はどうかというお尋ねでございます。
 法的手段をいろいろ今講じておりますけれども、この費用については民事訴訟費用等に関する法律というふうなことで定めてありますので、印紙とか郵券、これについてはとりあえず県で負担をしております。しかしながら、県の教育委員会としましては原因者負担の原則に立って、県が負担した支払い督促申し立て費用等も含めて返還していただくように求めているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)8番錦織議員


◯8番(錦織陽子君)最後に、県営住宅の設置条例についてもう一度お尋ねしますが、確認をいたしますが、入居中の人も一斉に名簿を提出されて、この入居中の人はもう本人からの同意を得るということがちょっと難しいなと思うのですけれども、そのことについてはどうなのかということと、それから暴力団員かどうかというのは、名簿だとかそういったものは警察が持っているので白黒はっきりすると思うのですけれども、今回の条例ではそれ以外の入居者に対して、この改正で敷地内で動物の飼育だとか、猫にえさをやって呼び寄せるだとか、そういう行為だとか、虚偽の風説を流布するとか、乱暴な言動をするなどというような行為を禁止するということにされていまして、つまり入居資格を見直すということなのですが、その見きわめはどういうふうにされるのかということもちょっと質問をしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)既存入居者については、今後、照会の仕方についてはよく考えていかないといけないなと思っていますけれども、県営住宅に住所を有する方について、暴力団の構成員になっている人がいないかどうかという照会の仕方もあろうかなと。その辺は若干配慮をしていく必要があるかなというふうには思っています。
 迷惑行為については、実は従来から、従来の規定がありました。ただ、そこが、迷惑を及ぼさないという規定であったわけで、それを今回の暴力団の排除とあわせてより明確化しようということで、具体的に記載をしたということでございますので、従来あった内容を細かくしたということで御理解いただければというふうに思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)これをもって議案に対する質疑を終結いたします。
 それでは、議案第1号から第20号まで及び第36号から第81号までの諸議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりであります。これもそれぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後1時55分散会