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平成20年2月定例会(第11号) 本文




2008年03月18日:平成20年2月定例会(第11号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 13番安田優子議員


◯13番(安田優子君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。議場の外はすっかり春になりました。きょうは、私は県政にも春を迎えたいと思いまして、環日本海交流の新たな幕あけを迎えてと題し、知事に質問をさせていただきたいと思います。なお、このテーマに関しましては、私の所属する企画土木常任委員会の所管するところでありますが、県政の重要課題でもあり、直接この議場におきまして知事の御答弁を求めるものであります。
 早速、質問に入ります。
 さきの11月定例会におきまして、私は本県を取り巻く厳しい状況にあって、一人一人の県民、一軒一軒の家庭の生活基盤を確たるものとすべく、新たな展望のもと、本県経済の振興、活性化のため北東アジアに向けた境港湾の果たす役割と伸展に向けた諸課題について質問をいたしました。平井知事は、境港を基点とした航路開設による本県の物流や産業の発展に期待を寄せられ、北東アジアとの航路開設の夢を追いかけてみたいと答弁されるとともに、国道431号の整備やCIQ体制の向上、旅客専用バース・ターミナル整備等への取り組みについても意欲的に語っていただきました。実は、この時点で既に、水面下でDBSクルーズフェリー社から境港~東海~ウラジオストクを結ぶ定期貨客船の航路開設に向けた協力要請を受けておられたということを後で知りました。正式発表は年明けの1月10日でありましたが、環日本海初の定期貨客船航路開設ということで、大きな明るいニュースとして受けとめられました。観光に加えて物流があるという点で、民間の期待や動きも活発のようであります。
 私自身、1月21日に江原道との交流再開を受けて、ドラゴンバレー雪花祭に参加される知事や、前田宏団長、福間県議らの一行に加わらせていただき、東海市を訪問する機会を得ました。東海市役所挙げてのお出迎えを受け、金市長からの航路計画への熱い思いをお聞きできて大変感激をいたしました。また、東海の港をこの目で確かめることで航路開設をより実感するとともに、今後の境港の整備等についても参考にすることができました。海洋水産庁では、この航路から、さらに北東アジアの貿易拡大への期待をお聞きするとともに、韓国政府からの協力も約束していただき、もう一方の地元東海においても、航路実現に向けた確かな手ごたえを感じることができました。
 加えて、2月13日には、懸案のソウル便につきましても4月以降の継続運航が決定となりました。昨年8月の衝撃的とも言える突然の運休通告から半年間の必死の努力や、多くの議論を呼んだ県費投入によるアシアナ航空への直接補てん補償が功を奏したわけですが、事この定期航路開設という点から見れば、ソウル便があることも寄港地選択の大きな要因であったし、今後とも空と海、2つのツールを確保して、相乗効果による観光、物流ビジネスへと発展させていくべきであります。ソウル便の存続は、主体を民間にシフトさせつつも、引き続き取り組むべき県政の課題であろうと考えますが、知事の所見をお聞かせください。
 環日本海を取り巻く政治状況についても、この間大きな変化がありました。韓国における李明博大統領の就任であり、ロシアにおけるメドベージェフ大統領の誕生であります。ともに経済界出身の新たな指導者のもと、両国における経済優先の実利実用政策の展開が予想され、今後は中国を含んだ北東アジア経済圏への動きも、より活発化するものと思われるのであります。
 まさに、21世紀はアジアの時代であり、我が国も安倍政権下に打ち出されたアジア・ゲートウェイ構想を踏まえて、アジアの一員としての国づくりに向け、動き出しております。現在策定中の国土形成計画においても、グローバル化、人口減少化に対応する新たな国土形成の戦略として、広域ブロックが東アジアの各地域と直接交流・連携し、アジアの成長のダイナミズムを取り込んでいくことを上げております。このような状況の中で、韓国、ロシアと本県境港がダイレクトにつながることの意義ははかり知れないほど大きいものがあります。
 2月21日には、DBSクルーズ社に対し韓国政府から航路許可もおり、本年8月から9月の就航に向けて船の準備などが進められていると聞いておりますが、私は、平井知事の描かれた夢の実現に向けて、事態は着実に進んでいると受けとめております。そして今、本県は、日本海を結んで人と物が行き交う、まさに知事の言われる大交流時代の幕あけのときにあると思うのでありますが、知事は、これまでの経緯と御努力の跡を踏まえて、どのように受けとめておられますでしょうか、お伺いをいたします。
 長きにわたって裏日本、日陰の地に位置づけられ、高速道路の整備も産業の立地もままならぬ悲哀を味わい尽くしてきた本県が、環日本海交流の夜明けに期待をつなぎ、努力を重ね、地の利、時の利を得てやっと迎えた今回の好機であります。この機会を生かして、本県の経済振興に、県民生活の向上につなげていかねばなりません。そのために県がなすべきことは何なのか、果たすべき課題に向かって間違いのない対応と、遺漏なき対策が求められております。以下、現時点における基本的課題について知事にお伺いをいたします。
 最初に、交流拠点の整備についてであります。
 韓国東海岸最大の貿易港、東海港には、客船専用2バース、840坪のターミナルビル、1,300坪の駐車場が整備されており、港からソウル、釜山に向かう高速道路が走っております。この港を出航し、390キロの船旅を経て日本に到着する観光客や貨物を迎えるための受け入れ地点の整備であります。現在予定している昭和北岸壁は、あくまでも暫定的なものであり、港湾計画にある竹内南への施設整備については、やはり早急に取り組むべき課題であろうと思います。
 竹内団地は、霊峰大山や、江原道の海岸線をほうふつさせる白砂青松の弓浜半島を見る絶好のロケーションであります。平成9年、この地で開催された夢みなと博覧会は「翔け、交流新時代へ」をテーマに環日本海交流の西の拠点を目指したものでありました。多くの関係者、ボランティアの汗と努力で入場者は予定の倍、193万人に上り、その果実は夢みなと博記念基金として、今日に至るまでの本県国際交流を支えてまいりました。夢みなとタワー、夢みなと公園、夢みなと温泉館、公共マリーナと基盤整備も充実しており、国道431号にも直結しております。周辺には大型スーパー、飲食店、土産物店等も立地し、観光地としての条件整備も進んでまいりました。さらに、昨年秋には第12回北東アジアサミットがこの夢みなとタワーにおいて開催されました。このサミットにおいて、平井知事はこれまでの交流から一歩踏み込み、環日本海航路の開設を提案されたという、知事の夢発祥の地でもあります。その延長上に今回の航路開設があります。
 本県の環日本海交流拠点の地として歩んできた竹内団地は、今、新たな交流の舞台となるべく、そのときを待っております。ターミナルビルや駐車場、野積み場等の埠頭用地3.2ヘクタールも確保済みでありますし、物流企業の立地に備え、特別業務区域内に5.3ヘクタールの未分譲地も残っております。竹内団地における定期貨客船ターミナル施設の整備について知事の御所見を伺います。
 次に、一便につき300人から500人と伝えられる客と貨物の動き、すなわち観光客と物流のエリアについて伺います。
 かつてソウル便開設の折には、採算エリア人口を50~60万人と見て、中海圏域を対象としたと聞いておりますが、今回の貨客船については、もっと広域的に取り組む必要があるのではないだろうかと思います。今後の対策の土台になる点ではないかと思い、知事のお考えをお尋ねするものです。
 そして、今後はソウル便、客船一体としての観光対策が求められると思います。現在、県庁内におけるソウル便への対応は、企画部交通政策課がアウトを担当し、文化観光局観光課がインを担当しております。さらに、韓国との交流を担う山陰両県官民による米子~ソウル国際定期便利用促進実行委員会と、外国人観光客の受け入れ体制を整備する山陰国際観光協議会があります。船便が加わることで、観光の広域化や商品の多様化、ビジネス客の参入等が考えられますが、これに伴い県庁内外での体制整備、組織の改編についてはどのようにお考えでしょうか。
 以上、お尋ねし、壇上からの質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)安田優子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 冒頭、お話がありましたように、1月21日には安田議員、あるいは前田議員、福間議員初め関係者の皆様にも御同行いただきまして、東海のほうを訪れさせていただきました。思えばあのころが一つの転機といいますか、地歩が固まってきた時期だったかもしれません。今議員がるる御指摘になりましたように、確かに環日本海時代が新しい時代を迎えつつあるというように思います。議員のほうから、空と海との2つのルートを開かなければならない、そのための努力を県庁を挙げて、また地域を挙げてなすべきときであるという御指摘は、まさにそのとおりであろうかと思います。
 冒頭の御質問でございますが、ソウル便の存続につきまして、主体を民間にシフトさせつつも、今後とも引き続き取り組むべき県政の課題と考えるが、その所見を問うというお話がございました。
 このソウル便につきましても、8月20日に突如運休通告があって以来、大変に議会の皆様にも御協力をいただき、県民の御理解を賜りながら何とかソウル便の存続に向けてその道筋が固まってまいりました。8月20日の運休通告の後に直ちに議員の皆様とともに、また経済界の皆様とともにソウルのほうへ出かけ、そして交渉をし、ターニングポイントを得たわけでございます。あのときに私どもは赤字運航支援という緊急運航支援を先方に提示をさせていただきました。これが最大のブレーキになりまして、アシアナ航空は運休を回避すると、それを保留するということになったわけであります。
 ただ、その後、県民の皆様、そして山陰圏域全体の皆様の多大なるお力添えを賜りまして、今随分とその搭乗率が変わってきております。おかげさまで、年が明けてぐんぐん上がってきておりまして、特にこの年度末にかけての予約状況も好調であります。現在の見込みでは、恐らく67%台の後半ぐらいに換算後の搭乗率、アシアナ航空と協定を結んで、緊急運航支援の基礎となる搭乗率は改善をしてくるだろうと思われます。したがいまして、恐らく緊急運航支援の幅も、最終的には31日終わってみないとわかりませんが、500万円台ぐらいにとどまる可能性も高くなってきたのではないかと思います。これもひとえに県民の皆様、そして山陰両県の関係者の方々の御協力のたまものと、私も心から感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、現在は、実はまだ玄関の扉をあけたところだろうと思います。私たちは何とか運休の回避をなし遂げ、アシアナ航空の米子~ソウル便の存続を果たすことには成功しました。しかし、何のための存続かといえば、これはひっきょう北東アジアのゲートウエーとして空の道を開き、これがもとでビジネスや人の交流が盛んになり、日本海を挟んだ両国、両地域がお互いに結ばれることで経済的にも繁栄を果たしていこう、あるいは文化だとかスポーツだとか人的な交流も果たして、それぞれの生活の豊さ実感にもつなげていこう、子供たちの成長にもつなげていこう、そういう目的こそが重要なのであります。今はツールとしての飛行機便の存続を得ることになりましたけれども、これもそうした本当の意味の地域の発展が保証されるといいますか、その方向づけがなされて、それと機を一にして飛行機便が存続することでなければ意味がないわけであります。そのために私たちは地域の視点を変えて、北東アジアの中の鳥取県、山陰だという考えに立って経済や観光の発展にかじを切らせていただきたいと思っております。
 幸い、幾つかの好材料が最近は生まれてきております。1月に入りまして県内のゴルフ場と韓国のゴルフネットワークとの協定が成立をし、その関係もありまして4月4日から大山山ろくで韓国全土で放映をされますSBSのトーナメントツアー、韓国のプロゴルフツアーが始まることとなりました。これにとどまらず、先般も倉吉のゴルフ場の関係者がお見えになり、韓国の旅行会社が送客をしたいというお話も飛び込んできております。こういうように次々と観光の輪が広がってきております。実はテレビショッピングも随分と成果が上がっておりまして、既に500人ぐらいの誘客に成功しておりますけれども、これも3月で終わる予定が6月まで延長しようと韓国側のエージェントの熱も高まってきております。
 経済の面でも、今、議員のほうからも御指摘がございましたけれども、片方で東海、ウラジオストクに向かう航路が開設をされ、これとあわせて米子~ソウル便の活用策も広がってくるだろうと思われます。また、中海の市長会など広がりも出てきておりまして、先般も経済界の方が中海圏域で皆さんで韓国へ出かけ、あちらでジェトロの方のお話を聞いていただきましたり、またさまざまな商談に向けたステップを踏み出されたということであります。こうしたことが複合的に備わってくることで、本当の意味での生きた航空路線になってくるのではないかと思います。これからは民間の皆様が中心となってという議員の表現どおり、そういう活力につながるような航空路として育てていきたい、それを応援していきたいと念願をしております。
 次に、大交流時代の幕あけということについて、どのように受けとめるかというお尋ねでございます。
 安田議員のほうから御指摘がございましたとおり、今、ちょうど環日本海の地域で首脳が入れかわってきております。韓国では李明博大統領が2月25日に誕生をしました。李明博大統領は実用主義、実利主義を掲げられて、これからの交流は歴史だとか過去ではなくて未来志向で、実用主義でいこうではないかと、このようにおっしゃっています。これは日本との経済のパイプを太くするという宣言でもあります。また、このたび大統領選挙が行われましたロシアにおいてメドベージェフ副首相がさらに上に上がられるということになりました。福田総理とも電話で会談をされたところでございます。この福田総理との会談の中で、メドベージェフ次期大統領は5月の就任を前にして、日本との関係は非常にプライオリティーの高い、対日関係はこれから発展させなければならない外交関係であるという認識を示されておられます。このように、韓国にしろロシアにしろ、日本との交流を盛んにしたい、それへの決意を今からも示されているわけでございます。これはそれぞれの政府の事情もございますけれども、経済交流に与える影響もかなり大きなものがあるのではないかと期待をしたいと思っております。
 そういう背景の中で、私どもはいよいよ日本海に向かって開かれているこの鳥取県という地域を生かしていかなければならない、地理的な特性を生かしていかなければならないと思います。米子~ソウル便はもとよりといたしまして、新しい航路である東海~ウラジオストクへの航路も何とか夏に実現をさせるように我々も最後の努力をしていきたいと思っております。こういうことでお互いの地域が経済的にも行き来をするようになることで北東アジアの経済共栄圏が生まれてくる、それをぜひに目指すべきだと思います。それが実現できるようになれば、鳥取県という地域は日本の中で果たす、我が国で果たす役割はまさに大きくなるだろうと思います。これは昔から天然の良港としての境港を備えていた、この地理を生かすことにもなります。まさに私どもの念願の夢が今かなおうとする時代がようやっと来たのではないか。問題はこの波にしっかりと乗っていくだけの知恵と情熱、努力を払っていかなければならない。これは行政だけの問題ではない、県議会の皆様、そして県民の皆様一丸となって果たしていかなければならない将来への責務であると考えます。それこそが北東アジアの時代の中の鳥取県のこれからの方向性ではないかと思っております。
 次に、竹内団地に客船バースを整備する、その建設を具体的に進めるべきではないかという御指摘でございます。
 議員の御指摘をお伺いしながら、確かに一昔前を思い出していました。羽ばたけと、環日本海交流を始めよう、こういうように銘打って、あの竹内団地は夢みなと博の会場になりました。それは環日本海地域の皆様を集め、異国情緒が漂う中で全国の皆様にも境港の存在、鳥取県の果たす将来の方向性を示す絶好の機会となったわけであります。その竹内団地が今また次の時代を迎えなければならないということだろうと思います。
 現在の環日本海航路、DBSクルーズフェリーが開設をしようとしている航路に対しまして、本議会には仮のCIQの上屋として今昭和北のところを御提案を申し上げております。ただ、これ自体は恒久的なものではなく、将来的には倉庫として活用できるというもくろみのもとにお願いをしているわけであります。これは8月にでも予想される航路開設に向けた準備という趣旨でございます。
 問題はその後だと思います。現在でも、例えば客船の飛鳥が入ってくるですとか、それから春になったらこれから誘致に参ろうと思っておりますけれども、欧米の方々もお迎えするような外国船のクルーズフェリーも入港をしてきております。そういう実績に加えて新しい定期航路ができることになれば、境港のフェリー貨客船に対する岸壁の需要は飛躍的に高まることになります。これから国土交通省とも相談をしていかなければならないだろうと思っています。2月22日だったと思いますが、国交省のほうにもお伺いをして、今残っているこのフェリーターミナルの計画について、国のほうの協力を求めたところでございます。
 正直申し上げて、まだ夏になるまでどんな波が押し寄せてくるかもわかりません。今、DBSクルーズフェリーの会社のほうでは船の調達を算段されておられるところでございます。船が決まってくれば、いよいよ先が見えてくるかもしれません。また、そうなりますと、そのためにさまざまな誘客だとか荷物集めも必要になってくるわけでありますが、そうしたことを見ながら、恐らく夏の航路のスタートを決めようとされるのではないかと思います。諸条件が整うことがまず何よりも大切でございまして、当面はそのスタートに私どもも全力を挙げて応援をしてまいりたいと思います。
 しかし、これが一段落して実際に航路が開かれて、その後、人や貨物が安定的に乗ってくる、利用されるということになれば、DBSクルーズフェリーの国際航路の存続が将来的にもある程度認められることになると思います。こういう諸条件が整ってくれば国との協議も調ってくると思います。そういう意味でフェリー岸壁の整備、あるいはフェリーターミナルの整備に向かうことは可能になってくるだろうと思います。まずは、当面はこの航路の実現に全力を挙げるとともに、現在、国のほうが、そこに防波堤をつくろうとしております。と申しますのも、あの夢みなとタワーのあたりの波の性質を保つことがフェリーの停泊の前提条件になります。この岸壁の整備は18年度からスタートしてきていますけれども、新年度からがいよいよ本格的な整備ということになります。これも45億円ほどお金がかかるものでございまして、決して安い額ではありません。この整備を国の直轄でやっていただくこと、その推進がまず一つでありますし、国のほうには今からフェリーターミナルの可能性と、その実現に向けての御協力の依頼を年度早々から始める必要があるだろうと思っております。
 次に、貨客船航路について物流、観光の両面から考えた場合に鳥取、島根だけではだめで、西日本一円で取り組まなければならないという御指摘でございます。
 これもおっしゃるとおりだと思います。米子~ソウル便の場合は同じような韓国路線が岡山空港、広島空港にもこの近辺で飛んでおります。ですから、どうしてもターゲットのゾーニングとしてはその周辺が一義的なものになります。もちろん中には遠いところと一緒になりまして、例えば関西空港と米子空港とを両方利用してやるお客さんもおられると思います。
 最近入ってきたびっくりするようなお話では、新しいゴルフツアーを今韓国側で考えておられまして、日本のゴルフ場を征服するツアーだと銘打って、和歌山の白浜のほうでゴルフをして、その後、皆生温泉で泊まりながらゴルフをするという、とんでもないツアーを今考えておられるそうでありますけれども、こういうように広域的に周遊される観光客は中にはおられるかもしれません。しかし、基本はその周辺圏域というところだと思います。鳥取、島根、両県合わせて130万人、これが基礎票的なベースであり、さらにどこまで広げられるかというのが航空路線の場合の考え方で、アシアナ航空もその思いで航空路を開いておられました。しかし、航路の場合ですと、そんなに本数があるわけではありません。現在、韓国の東海岸に行っている航路は、これが唯一の構想になります。もう1つ、新潟への航路の構想もありますが、これは今、出資段階で難航しているというふうに伺っております。
 さらに、ロシアへの定期航路でございますけれども、これは現在富山の伏木からウラジオストクまでの貨客船があります。これは現在、境に入ろうとしているものよりはやや小ぶりな船になります。ロシアの会社が運航しているものでありまして、ロシア人が結構乗って観光には来られるというふうには伺っております。こうした航路が1つあるだけでございまして、あとは、例えば新潟からウラジオストクやナホトカに結んでいたものも現在では運休をしておりまして、不定期の扱いになっております。貨物船といいますかコンテナ船ではロシアとの間には開かれてはおりますけれども、これも各港を点々と結んでいるようなものであります。ですから、希少価値といいますか、非常に存在感のある航路になるだろうというように思います。
 これから日本は、今、アメリカのほうのドルがどんどん下がってきておりまして、97円とかとんでもない状況になってきているわけでありますが、そういう意味で、市場としてはアメリカ一辺倒ではなくて、アジアだとか、それからヨーロッパ世界へと開かれていかなければなりません。その意味で、この航路が果たす将来的な可能性というものは十分あるだろうというふうにビジネスマンは考えると思います。ですから、西日本全域に考える必要があるだろうと思います。例えば自動車関連産業ですね、中京圏だとか中国圏にも立地をしておったり、それから電子機器パネルなど、そういうものを実際には韓国側のほうに供給している会社がかなりあったり、いろいろと歩いてみて掘り起こしをしていく必要があるだろうと思います。
 観光の面でもユニークさのある航路になると思います。現在は富山の持っているフェリーの場合、ロシア人のお客さんが中心であると伺っておりますが、しかし韓国の東海からソウルに向けて4時間でたどり着くことができますし、これも一晩の夜行航路でかなり距離も短いわけであります。それからウラジオストクへの貨客船という意味もありまして、クルーズを楽しむという、そういう旅も提案できるかもしれません。ですから、これも山陰圏域だけでなくて西日本全体で、富山に行かれるお客さんもおられるかもしれませんが、鳥取を利用されるお客さんもおられると思います。それを大手の旅行エージェントも含めて私どももPRに歩く必要があるのではないかと思います。その際、単にロシアに遊びに行くということだけでなくて、できれば境港のあたりもぶらぶらしていただいたり、米子だとか鳥取県内も歩いていただいたり、そういう複合的な旅のプランなんかも含めて提案をさせていただくのがいいのではないかと思っております。
 そういう意味で西日本一円の取り組みを進めたいと思っておりますが、議員のほうから重ねて御質問いただきましたのは、そうした観光対策を進めるためには、県庁内外での体制整備、組織づくりが必要ではないかという御指摘でございます。
 これも、そのとおりだと思っておりまして、私ども今回、4月から今までのインバウンド、アウトバウンド、日本に来るお客さん、日本から向こうへ行くお客さんで米子~ソウル便対策の観光についてそれぞれ部署を分けてやっておりました。しかし、それは効率も悪いですし、計画も立てにくいということもあります。航空会社は1つでございますし、そういう考え方から、私どもは新年度には国際観光振興室を文化観光局の中にこしらえさせていただくというようにいたしております。それから先般、島根県庁のほうに当方も出かけまして、新年度に向けて米子~ソウル便、あるいは新航路に係る観光開発について話し合いをさせていただきました。それで山陰国際観光協議会という既存の島根県と鳥取県の間にある組織を活用していこう、それから米子~ソウル便の利用促進の協議会にも両県で協力して当たっていこうということは確認をされておりまして、これから具体的に中身を詰めていこうといたしております。これにあわせて、中海の4市の市長会ですとか観光連盟の皆様が韓国のほうへ出かけられたり、このように圏域をまたいで今いろいろな動きが広がってきております。
 さらに、できれば境港の経済界の方々とか中海圏域の4市の皆様、経済界の方々が中心となって、今、境港の貿易振興会がありますけれども、ああした取り組みを今回開かれます東海、ウラジオストクに向けた航路に当たって新しい組織を立ち上げて、それでセールス活動をするのが本来ではないかと思っております。これについては、今いろいろと事務的に話し合いを始めさせていただいているところでございまして、そうした官民挙げての組織づくりもこれからの課題ではないかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)13番安田議員


◯13番(安田優子君)知事からお答えをいただきまして、大体同じようなことを考えて、夢の実現に向かっているのだなというふうに受けとめております。
 最初に、ソウル便につきましては、さきの常任委員会で2月末674万1,000円の支払いという話を聞いて補正を組みましたが、きょうお聞きいたしましたら、さらにまたその額が下回ったということで、本当に関係の皆様方の御努力を多とし、今後とも引き続き安定した路線の確保というものを願っております。
 同じような見解を踏まえて、交流の拠点整備につきましては、今、知事が言われた順序を追って整備に向かうべきであろうかと思っております。その中で私はやはり航路の実現を図ること、そしてその船の実績をつくることと同時に、やはりこの拠点の整備というものも同時に進行させねばならない課題ではないかというふうに受けとめております。その理由は、現在の受け入れ港というのは、私自身も何度も立って確認するのですが、お世辞にもここと言えるような場所ではございませんし、もう1つは、岸壁の建設というのは3年から5年もかかる、大変時間がかかるものであるということであります。防波堤の整備は直轄で現在行われております。新たな岸壁はやはりマイナス9メートルの岸壁ということで、補助事業で組まなければいけないのではないかと思いますが、問題は国策としてここに拠点を整備していただくことが肝要ではないかというふうに私も考えております。
 そのことで1つ、追及をさせていただきたいわけでございますが、今月末で国の国土形成計画がまとまるわけですが、1年後には地方計画も策定されるということで、中国圏域地方計画に対して、本県は経済発展が目覚ましい北東アジアに対する地理的優位性を生かして、日本海側の地域がゲートウエー機能を果たすことで中国ブロック全体の発展が可能となる。そのために国策としてインフラ整備を進め、北東アジアとの経済交流を推進すべきであると主張をしております。この主張の見通しについて、知事はどのように見ておられるのかお伺いをしたいと思います。
 今、交流エリアの設定は、私はせいぜい中京圏までかなというふうには考えておりますが、知事はさらに大きく西日本と出てこられました。実績、成功に向けて既にポートセールスも水面下でぼちぼち始めておられるのではないかと思いますが、手ごたえのほどがどのようなものか、お聞かせ願えることがありましたらこの場でお聞かせください。以上、2点。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、ソウル便については安定した利用を促進をするということで議員のほうからも御理解をいただきました。それから交流の拠点づくりについて重ねてのお話がございまして、ぜひ国のほうの動きをこれから引き出していかなければならないのではないかとおっしゃっています。
 確かにマイナス9メーターの岸壁でありまして、これは補助採択が前提となるものだと思います。そういう意味で、これ自体で21億円くらいはかかると思います。20億円は突破するような額になると思います。さらにその上にターミナル施設を整備しようと思いますと、面整備も必要になりますし、上屋も必要になります。これはどの程度のものをつくるかにもよりますが、16億円とか15億円とか、そうしたオーダーのものが必要になる。ですから、ざっと見て全部で40億弱ぐらいターミナル関係で必要になってくるだろうと思います。ですが、これをやるにはかなり年月もかかりますので、できるだけ早く航路の動きと連動してこの整備が始まるように国のほうへ働きかけてまいりたいと思っております。
 さらに、国土形成計画の中で我々のほうで北東アジアのゲートウエーという主張をするわけでありますが、これが中国地方の計画の中に盛り込まれるかどうかということでございます。
 これについては、11月に私も各県の知事が皆そろって、広島市も参加しておられましたけれども、地方の自治体の意見を聞く場でもその旨発言をさせていただきました。私どもの中国地方全体は、地図で見ていただければ、まさに手を差し伸べるように朝鮮半島に向けて、大陸に向けて地勢的に延びている地域であります。ですから、この中国地方全体がゲートウエーとしての機能を当然果たすべきではないか。これは国全体がアジアへのゲートウエーという話をしておりますので、その中で中国地方の役割を明記すべきであると。特に日本海側については北東アジア地域へのゲートウエーとしての特殊性を発揮できるところであるから、その旨を書いたり、そのための大動脈であるハイウエーのネットワークの実現などを担保すべきだと、こんなお話をさせていただいております。
 それを受けて、今現在中国地方の計画づくりが進んでいると伺っております。今、水面下でも随分といろいろな折衝をさせていただいておりますが、何とか北東アジアのゲートウエーとしての機能を日本海側が果たすということの理解を得て、計画の中に盛り込まれるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 計画づくり自体が現在の道路事業の余波を受けておりまして、大幅におくれる見通しになっているようでございまして、本当は年度末にまた各県知事を集めて話をするということだったそうでありますが、これは中止をされております。ただ、いずれにせよ我々としての主張をこれからもぜひ盛り込んでもらえるように働きかけをしていきたいと思います。
 次に、現在のポートセールスの状況についてでございます。
 まず、韓国側へのポートセールスとしては、この週末ぐらいに出納長をトップとして出かけさせていただこうと思っております。それで、あちらのほうで大亜のトップの方々とお話をさせていただいたりして、これからの航路開設の実現に向けてぜひ実行していただきたいと、その実現を働きかけを改めてさせていただいたり、これからの動きを私どもなりに応援をしていくということをお伝えをさせていただこうと思っております。
 あわせて、国内では今庁内にこの環日本海航路の推進の本部を立ち上げさせていただき、プロジェクト方式で手分けをして始めております。御指摘のビジネス関係のほうは、商工労働部などで今取りかかっているところでございます。いろいろと大手企業を回るアポイントを今順次とっているところでございます。私自身も、トヨタの渡辺社長と愛知県の豊田市でお会いをしたときに、この航路の話を申し上げましたところ、非常にトヨタの皆さんも興味を持っておられました。これは私どものところに決まるかどうかということはありますけれども、いずれにせよ日本海側ぐらいからあちらのロシアに向けての足を何か確保しなければならないだろう、この思いが非常に強いものですから、我々としてはやっぱりそういう戦略があるのかなということを実感したのがそのときであります。
 このように、韓国の東海岸を経てソウルの首都圏だとか、あるいはロシアに向けて、ロシアからヨーロッパとか、そういうことに興味を持っているという情報のある企業さんもおられますので、そういう企業さんをこれからピックアップして回っていくことにしたいと考えております。これも今順次精力的に進めつつあるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)13番安田議員


◯13番(安田優子君)大変、ビッグな情報をお聞かせをいただきました。トヨタにはかつて副社長を務めておられた池淵さんも今もいらっしゃると思います。そういう人脈も生かして、ぜひ境港から出していただけるようになったらなと願っております。
 先般、議会のほうで道州制に関する議員研修会を持ちました。中国地方における道州制の動向と今後の行方、鳥取県としての道州制に対するあり方ということで、中国地方総合研究センターの本郷氏にお話を伺ったのですが、境港について大変興味深いお話がございました。中国地方の貿易通関額が9兆円であると、これは10兆円の九州とともに全国で群を抜いているのだと、そして国際経済との結びつきは中国地方は大変強いので、全国トップだけれども港湾については弱いと、今は瀬戸内海の港が主流であるが、船の大型化であるとか、そして距離の点でこれからは日本海側にシフトせざるを得ないだろうと、こういうことでございました。そして、北東アジア地域との交流実績とか、今回の定期貨客船航路、そして米子空港があるという点で鳥取県の役割とか存在感は中国地方で大変大きなものであると。今の計画の推進、将来像の実現に向けた18のプロジェクトの中に東アジアとの交流推進とか日本海沿岸地域活性化というものが盛り込まれているからということをお話しになりました。知事も一生懸命お訴えになっているということでありますが、私もその席で、それはわかるけれども、岡山や広島といった山陽側が果たして境港の重要性というものについて認識しているのですかと、できるのですかということを質問したのですが、今は県の枠組みで考えているので他県の港への認識は薄いが、中国地方で考えれば境港を重要港として整備すべきとだれもが考えると、こういうふうに答えられました。この本郷さんというのは今は中国州の推進のために頑張っておられる方ではありますが、道州制について境港を持つ鳥取県を大変評価されているという点で私も非常に興味が深かったわけでございます。そのような見方をとらえて、今後中国地方の整備計画に担保してもらえれば、国も具体的な目標というものに対しては今回は非常に絞り込んでいると。絞り込んで、そこに対しては国も金を出す考えではないかというふうに言っておられましたので、ぜひ知事には形で担保していただくように頑張っていただきたいと思います。
 さらにもう1点、興味が深かったのが、平井知事がこのたび近畿知事会に加入されるということに対する反応でした。本郷さんは、鳥取県は近畿圏では北東アジアに対して端っこの一つの窓口にすぎないが、中国地方では唯一最大の窓口になるので、近畿州よりも、ぜひに中国州に加入をというふうに結ばれたのでございます。
 知事の近畿知事会加入については、先ほどの交流エリアの話にもありましたように、十分私どもは納得、理解ができるものでありますし、国土形成計画についても中国圏域と同じように、同じ主張を近畿圏域でもなされているわけでございます。しかしながら、知事会加入ということが、本郷さんが言われるような見方をされるということもまた事実でございます。平井知事はこれまでマニフェストにおいても将来ビジョンにおいても、またこの議場においても道州制については一言も触れておられないわけでございます。この機会に知事の口から近畿知事会へ加入されたことの経緯説明と、道州制についての基本的なお考えというものをお聞かせ願えればと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、境港を新航路で利用してもらうことに関連して、池淵相談役のお話がございました。池淵相談役も境港にルーツがある方で、お墓参りなどに帰ってこられると伺いました。私も先般お会いをさせていただきました。池淵相談役にも私どもの航路の構想をお話を申し上げましたところ、池淵さん御自身、港の専門家、物流のほうの専門家ということでいらっしゃいまして、非常に興味深く聞いていただいたと思いますし、これからも相談役には広い立場で鳥取県の県政についてアドバイスをいただきたいなというように思っておりました。いろいろな人脈を駆使しながら、トヨタが実現するかどうかということは、それは全く別問題でありますが、これはビジネスでありますので企業が最終的にはいろいろな選択肢の中から選ばれるのだと思いますが、トヨタに限らずいろいろな企業さんの関心を引きつけて、この航路を活用してもらうことで境港、あるいは鳥取県の西部、鳥取県全域について波及効果をもたらすように努力をしていきたいというふうに思っております。
 2点目として、中国地方の計画に盛り込むように何とか努力をしてもらいたいと、形を残してもらいたいということについては先ほど申し上げたとおりでありますが、ぜひ御理解を得てそのようにしたいと思っております。
 ややもすると、今の安田議員の話もございましたが、中国地方全体で見ると、結局瀬戸内側の港湾のほうに実は興味があります。昨年も6月ごろ、随分港湾をめぐってヒートアップして我々は事務的に議論していたのですけれども、どうしても広島側とか、あちらのほうの港湾の話が中国地方の課題でも取り上げられるわけでありまして、ややもすると浜田とか境港とか鳥取港の視点がおっこちてしまうと、そういうことが間々あるわけでございまして、この日本海を生かした中国地方の計画をつくるように我々も働きかけていきたいと思います。
 次に、近畿ブロックの知事会に参画をすることの趣旨、経緯などを説明してほしいということであります。あわせて道州制についてのお尋ねもございました。
 私は、今回、近畿の知事会に加入をしてはというふうに思いましたのは、それはこれからの鳥取県の発展の方向性を考えてみたときに、大交流時代が始まるということ、ハイウエーネットワークができ上がるということが一つあります。現に鳥取自動車道が開通をすることが見えてまいりましたし、県境を挟んで兵庫側と東浜居組道路が今年中に開通をするというめども立っております。ですから、このようにして近畿側との動線が太くなる、これは米子道ともあわせまして太くなるということは明らかであります。これが経済面で、あるいは観光の誘客面など、あるいは農業の出荷などに与える影響というのは、私は必ずあると思います。ですから、中国地方の中の鳥取県という従来の視点に加えて、近畿地方と連携したグレーター近畿の中の鳥取県という視点も必要になってくるだろうと思っております。そういう意味で経済的な連携をとったり、観光面での協力をしたり、行政的にも一緒にやっていくことは多いだろうと思っております。
 例えば、経済的にはお互いの地域が結びつき合ってビジネスをすることができるようになりますので、商談会をセットするとか、あるいは近畿圏の企業さんがこちらのほうに展開をするのも物流的にもやりやすくなるわけでありますから、その動きを強めるときに近畿全体でまとまって動くようなことがありますので、そういうところも活用できようかと思います。
 観光面でいったら、国の内外に対して関西一円で情報発信をしたり、パムツアーを呼び込もうかという構想もあります。こういうのにも参画をすることができるのではないかとか、あるいは鳥取豊岡宮津自動車道など日本海側共通の課題があります。これも圏域を挙げてグレーター関西で協力してやっていくということは行政的にも意味があるだろうと思います。実は徳島県も鳴門の大橋ができることの関係で関西、近畿の知事会に加入をしておりまして、それと同じような発想が私どもにももう必要になったのではないかと思い、そして近畿の知事会の各知事さんに働きかけしてきているというところであります。
 これが、道州制との関係はどうかということでありますが、私は再三申し上げておりますが、まず道州制の議論は国と地方との関係、中央政府と地方政府との関係をやりかえることが本筋であろうと思います。この議論が飛ばされてしまって、それで単に圏域といいますかゾーニングの議論だけになってしまうと、鳥取県は中国地方の中でも端っこになりますし、近畿圏の中でも端っこになる。そういう意味で、これは余りとるべきでないと思っております。ですから、まずは本質論をやるべきだと考えております。
 それと関連して、近畿の知事会に加入することで、近畿のほうの道州に組み入れられる懸念があるという御趣旨かもしれませんけれども、私はまだそこまで一足飛びにはいかないだろうと思っています。実は中国地方と、それから近畿と道州制についての温度差は随分あります。近畿地方と比べて中国地方は特に山陽側で妙に熱意が高いのではないかと私は思っております。ただ、近畿のほうは実は中はかなり反対論が強くて、特に兵庫県、滋賀県は明確に道州制に反対をしております。それから奈良県とか、同じ近畿知事会に入っている福井県、これも道州制に消極的というか否定的な立場をとっています。ですから、近畿のほうはむしろ実利的に連携をしていく、そういう方向を当面は目指しているのだと私は理解をしております。ですから、今回、近畿知事会に加入することが一足飛びに近畿の道州制論になってくる、組み込まれるということには直接にはならないだろうと思っております。ただ、いずれにせよ道州制について今政府側での検討もなされておりまして、それから与野党を問わず議論もこれから非常に活発化してくるだろうと思います。それをにらみながら、県民の間でどういう道州制についての考え方を模索していくのか、そういう議論は始まってもいいかと思います。その中に、例えば地域性としてどういう地域なのかと自己分析をされる方々、いろいろな意味でおられると思いますので、そういういろいろな議論は私は否定すべきではないとは思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)13番安田議員


◯13番(安田優子君)御答弁をいただきました件ですが、近畿知事会の件で取り急ぎ追及をさせていただきたいと思います。
 私、今の御説明で理解できるのでありますが、この近畿知事会がほかの知事会と違うのは、関西機構が絡んでいるということであろうと思います。今回の新年度予算にも関西機構に対する加入費925万円と職員1人分を入れると、トータルコストで1,832万3,000円が計上されております。この関西機構というのが、会長は関西経済連の前会長の秋山さんでございますが、たびたびこの方のコメントも目にするのですが、道州制に対して大変熱心で、2年後には地方自治法に言われる広域連合への移行というものを目指しているのだと、そして防災とか観光とかで一体的な取り組みを始めたいとおっしゃっておられます。
 そこでお尋ねをしたいと思いますが、09年といえばもうすぐでありますが、いろいろな意見がある中で、もしこういう広域連合加入というような事態になった場合、議会に諮られるおつもりなのか、それとも知事がその段階で知事会を脱会されるおつもりなのか、どういうお考えかお聞かせください。
 さらにもう1点、今もお話に出ましたが、地元では大変活発に航路開設にも共同連携して取り組んでおられます。これの取り組みというのは、将来の道州制があろうとも、どういう事態になっても耐え得る地域づくりということで4市長さんが一緒になって取り組んでおられるわけですが、こうした動きに対して知事はどのようにごらんになっているか、2点お聞かせください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、関西広域機構についてでございますけれども、これは民間と行政とが一体となって協働してさまざまな取り組みができないかということで設立をしているものであります。現在、加入しておりますのは2府7県、4つの政令指定都市、7つの経済団体というふうに伺っております。この中に幾つか部会がありまして、今、おっしゃるような、そうした地方分権について検討するようなグループと、それからあと観光などのそうしたことを協働でやっていこうというグループといいますか組織と、こういうものが幾つか複合的になりまして構成をされています。
 この中で、今議論されているのは確かに広域連合の議論がございます。広域連合と関西広域機構とは、これは一体ではありません。広域連合は行政的な問題でありますので、最終的には県議会の議決をいただいて加入するかどうかというように判断をするべきものであります。現在、私どももまだ入っていませんので、議論の詳細とか、そのねらいについてすべて承知しているわけではありませんけれども、今、議員が御指摘のように、例えば観光レベルで連携をしていこうとか、あるいは防災レベルで連携をしていこうという、まさに一部事務組合で今やっているような話でありますが、部分的にいわば仕事をちぎってやれることがあって、我々が是認できるものであれば協働してやることの意味はむしろあるのかもしれないと私は思います。ただ、もちろんこれは財政的な負担を伴う部分もありましょうし、効果としてどういうものが期待できるかということと、この見合いでてんびんにかけて正しく議論をすべきものだと思いますので、それはそのときにまた御相談をすべきものかなと思います。
 そういう意味でありますので、この広域連合に加入するかどうかについては、これは行政的には自治法上全くの裁量権が与えられていますので、関西広域機構からの脱退とか近畿知事会からの脱退とか、そういうこととは余り私は連動しないのではないかと思っております。ただ、もちろん近畿知事会の中での議論によってこれは判断すべきものであろうかと思います。
 次に、共同連携について、4市の市長一緒になって動いておられるということであります。私はこの動きについては率直に歓迎をいたしております。これからの時代は市の間に境があるとか、県の間に境があるとか、そういうことが影響を与えてはいけないと思っておりますので、そういう意味で、それを取り払う努力として4市の市長が連携をしてやっていこうという動きは歓迎をしたいと思います。道州制の議論がこれからどうなるかわかりませんが、道州制の議論の動きの中で、いずれ将来こうした4市の動きが意味を持ってくる時代が来るかもしれません。これはだれにもまだ予測はつきませんけれども、ただ、少なくとも現時点で4市が連帯をしていくことは私は高く評価できると思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)13番安田議員


◯13番(安田優子君)時間がありませんので、最後に広域化ということになりますと、道路アクセスの整備というのが非常に大事な課題になってくるのではないかと思います。この点について、どういうふうに改めてお考えになっているのか。そのことと、今、私のほうの地元で声が上がっているのは、さきに大連の県の事務所を廃止したのでありますが、この時代に必要なのは今こそではないかという声が聞かれるのでありますが、このことについてどういうふうにお考えか、再設置というものをお考えになる気があるかどうか、その辺、2点をお尋ねしたいと思います。
 大変、きょうは有意義な質疑ができたと思っております。知事の描かれる夢は私も同じ夢でございます。そしてさらに多くの県民の方に加っていただきながら実現をしてまいりたいと思っております。御一緒に頑張らせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、道路のアクセスについてのお尋ねがございました。
 これは、今国会で議論が正念場を迎えておりますけれども、ぜひとも鳥取県としてはこの山陰を貫く山陰自動車道だとか鳥取自動車道、あるいは北条湯原道路などの高規格道路も含めて実現を図るべきだと思います。そのための担保をこの難しい局面でどうやって取り出していくか、それが迫られているのだろうと思います。
 この道路のアクセスについては、暫定税率の問題が今議論をされていまして、私は今の国会の状況を非常に憂慮をいたしております。円が急騰する中で日銀の総裁も決められないというのは、これは与野党でぜひ努力をしてもらわなければならないだろうと思います。私は選挙を通じて国民がこうした混乱まで選択したわけではないのだと思います。いろいろな利害関係を持つ人たちが相談をして、国民のために一番いい結論を出してもらう、そのことを願ったのだろうと思います。今の状況は、その国民の期待とは違うところに来ているのではないか、これが道路についても言えるのではないかと思います。このまま突き進んでしまいまして、チキンレースが3月31日に終了してしまった場合、暫定税率が下がっただけで、民主党さんがおっしゃっているような地方への穴埋めもできなくなります。そうしますと私ども予算にも大きな穴があきますし、それから国のほうの直轄事業でやる道路のめども立たなくなる、いわば最悪のシナリオであろうかと思います。ですから、私はぜひ与野党で冷静な協議をしていただいて、3月の末までにきちんと結論を出していただきたいと思います。
 私は、先般、知事会のほうから話がありまして、20日に急遽全国知事会の緊急集会を開こうかというお話が麻生会長のほうから飛び込んでまいりました。ぜひお伺いをさせていただき、鳥取県の特殊な道路整備を抱えている実情を訴えさせていただこうと考えております。
 あわせて、この道路財源とは直接関係はありませんが、米子道のほうの今暫定2車線のところをさらに4車線化していくというのは、これは道路財源とは直接は関係ありません。この点についても働きかけをやっていきたいと思っています。
 あわせて、海外の事務所についてであります。私は、将来的にこれは考えてみる値打ちはある課題だと思いますが、かなりお金もかかりますので、一県でやるのがいいか、あるいは共同して事務所を置くのがいいかということだと思います。
 これは、先ほどの議論にありました関西広域機構の中でも議論をされているのですが、共同で海外事務所をグレーター近畿で設置してはどうかという構想もあるそうです。いろいろな選択肢の中からこれから考えるべき課題かなと思っています。
 当面は外務省のほうにお願いをして、今私どもから派遣をしている職員をウラジオストクに配置してもらうように働きかけをしてみたいと思っておりますし、それから韓国には現在駐在員を置いております。こういうものを活用したり、あるいは民間の金融機関の事務所を活用したりして、当面はその任を果たしていただけるようにしていきたいと思います。
 安田議員のほうから環日本海時代、北東アジアの中の鳥取県の夢をともに描きたいというお話を力強くいただきました。私も同じ夢を見ていると聞いて、うっとりと眠れるような気がいたしております。そういうことで頑張ってまいりますので、これからもよろしく御指導いただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、24番初田勲議員


◯24番(初田勲君)(登壇、拍手)けさ起きて、新聞の1面を見ますと、円急騰、95円という記事が躍っておりました。私の時代の1ドル360円を知った者として、これからの日本経済にどんな影響を与えるのかということを心配しております。
 それでは、2件について一般質問をさせていただきます。
 まず、1件目は、既存する因幡薬師霊場を鳥取の観光資源として活用すべきではないかとの質問であります。因幡薬師霊場と聞かれて、あれ、宗教問題ではと思われる方があるかもしれませんが、決してそうではなく、別の次元としてきちんとすみ分けを図った上で因幡薬師霊場を観光資源の一つとしてとらえたらどうかと考えて、質問と提案をさせていただくものであります。政教分離の原則はわきまえておるつもりでございます。御安心ください。
 昨年の9月定例会の代表質問において、私は「ようこそ ようこそ鳥取県」作戦と名づけられた観光立県を目指す観光振興策についての知事の意気込みをお尋ねいたしました。そこで知事は、「県観光の明日を考える懇談会」などで鳥取自動車道開通をにらんだ鳥取県東部の観光のあり方についての戦略を練り、無料の高速道路の魅力を生かした新しい観光メニューをつくっていきたいと答弁されたところであります。
 そこで、今回の質問では具体的なプランを提案したいと思います。県内には因幡薬師霊場が30カ所あり、私が住んでいる旧気高郡内にも16番札所の三光院、そして17番札所の松泉寺薬師堂、18番札所の勝見薬師堂と、3つの霊場があります。これらのお寺やお堂には、鎌倉時代や室町時代にまでさかのぼる歴史や、由緒ある縁起が脈々と伝えられております。とりわけ鳥取市福部町にある3番札所の利勝山貞信寺には、豊臣秀吉が鳥取城攻めをしたときに焼き討ちに遭い、黒焦げになった仏像が今も保存されているということで、片山前知事もわざわざ訪ねて拝観されたそうで、早速私も参堂し、御住職にお話を伺ったところであります。
 また、鳥取市菖蒲にある28番札所の菖蒲山座光寺には、文化的価値が高い巻物などが残っており、一昨年には公開展示されたことが地元の新聞でも報道されております。その巻物というのは、1003年に因幡の国司であった橘行平によって賀露沖の日本海から引き上げられた因幡薬師如来像が、橘行平を追って京都まで雲に乗って飛んでいったという物語を描いた絵巻物であります。私も長さ11メートルもある絵巻物を、現在保管されている観音院で実際に拝観させていただいたとき、心から感動いたしました。ことしの10月には、県立博物館の企画展「はじまりの物語-縁起絵巻に描かれた古(いにしえ)のとっとり-」において、この巻物に描かれた日本三大如来の一つである因幡薬師如来像が1000年ぶりに鳥取に里帰りし、一般公開されるとの朗報を伺っており、私も今から大変楽しみに待ち遠しく思っているところであります。博物館の企画展とあわせて、この機会に因幡薬師霊場についても広くPRし、ぜひ多くの方々が訪れられることを願っているところであります。
 一般的に、旅行会社が取り扱う観光商品といえば、グルメや温泉、手づくり体験や自然散策、テーマパークなどの遊びや娯楽といったものが主流でありますけれども、一方では、「田舎に泊まろう!」というテレビ番組があるように、都会の人が田舎の知られざるスポットを訪ねて、いやしや安らぎを求める旅も案外根強い人気があるようであります。鳥取県には、因幡薬師霊場を初め、四国88カ所に匹敵する中国49カ所霊場というのもあります。これらのすばらしい地域資源があることに着目して、いわゆる自分探しやいやしの心を求める人々が訪れる地にしてはどうかと思います。平井知事が提唱されている「食のみやこ」と並んで、「癒しのひな」とか「自分探しの里」などと銘打って、地元の寺院関係者と共同して、新たな観光の目玉に育て上げてはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、財団法人鳥取県造林公社の経営健全化について質問いたします。
 この件については、昨年11月定例会において、我が自由民主党の代表質問で村田議員が財政問題の課題や解散を含めた今後の公社のあり方について質問したところでありますが、平井知事は、現状を深刻に受けとめ、経営改善に努力するとか、国に対して関係各県と一緒になって働きかけていくと答弁しておられます。しかしながら、私としては、その具体的な姿が今もって見えてきませんので、再度、確認の意味も含め、知事の確たる考え方を示していただきたく再質問させていただきます。
 鳥取県造林公社は、皆さん御存じのとおり、昭和41年に国の拡大造林政策によって分収造林契約による森林の造成、水源涵養、山林振興などを目的として、県が100万円全額出資して設立した公益法人であります。この分収造林契約は、木の苗を植えてから80年後の伐採までの造林費や保有経費は全額公社が負担することになっており、今日では、その運営経費に要した借入金が実に305億円、内訳は、農林漁業金融公庫から85億円、県から約220億円に達しております。しかも、本格的な伐採開始までには、あと40年ほどかかり、この間の造林、保育費は今後とも必要であります。また、40年後に期待している伐採時の収入見込みは、伐採まで材価が低迷すれば、投資額より大幅減となり、多大な損失が予想されます。
 この現状を打開するため、県は平成14年と平成18年に、損失縮減のための職員人件費削減や新植の廃止、県からの借入金に対する利息の免除、そして短期借入金から長期借入金への乗りかえ等を行って、終期となる平成96年の最終損失見込み額を93億円まで縮減するとしておりますが、全く息の長い戦いであり、これが果たして計画どおり実行されるのか心配でなりません。
 そこで知事にお尋ねいたします。改善策のうち、新植廃止の妥当性は認めますが、森林の保育費を今後削減していけば、せっかく植えたものが枯れ木となり、あるいは大きな良木に育たず、山に木がなくなり、売る木がなく、売り上げが減少し、ますます損失が膨らみ、県も森林保有者もくたびれもうけというさんざんな結果となり、その負担をいずれ県民が背負うことも懸念されます。こういう事態にならないためにも、矛盾するようですが、せっかく植えた木を良木にするためには、ある程度の造林、保育費は出費しなければならないと考えます。平成19年度予算では、約3億円をこの経費に計上されておりますが、来年度から増額されて、竹林整備等、その使途も拡大される森林環境保全税について、公社の従来の育成費とは別枠として、竹林の除伐等、環境分野の温暖化対策に係る経費へ充当すべきであると考えますが、知事の所見を期待しながらお伺いいたします。
 また、村田議員の代表質問の際に、知事は、公社方式を進めた責任は国にあるとして、各県と共同して国に対して早急な負債削減と今後の財政措置について要求すると約束されましたが、その後、具体的にどのような動きをされたのか、あわせてお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)初田議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、第1点目として、因幡薬師霊場を鳥取の観光資源にするように地元寺院関係者と共同して育てていってはどうかと、こういう御指摘、御提案でございます。
 「ようこそ ようこそ鳥取県」というテーマでこれから鳥取県に多くのお客様に来ていただき、楽しんでいただき、そしていやしを味わっていただきまして、リピーターとなってくださることを求めていかなければなりません。これはいろいろなアイデアを試行錯誤的にもやりながら幅を広げていく、レンジを広げていくという、そういう努力なのだと思います。観光地となる潜在可能性は私は鳥取県内至るところに実は隠されていると思います。そういう意味で、今御提案のありました初田議員の御提唱になる因幡薬師霊場の活用というもの、これも一つのアイデアとして私はおもしろいものがあるのではないかと思います。
 この因幡薬師霊場でございますけれども、そもそも鳥取県は薬師如来については一つ知られた存在であったわけです。少なくとも、いにしえの時代であれば、賀露から引き上げられた薬師如来が、それが京都のほうへ飛んでいって、そして平等寺のほうにそれが鎮座しているという伝説が残っていまして、このことは問わず語りといいますか、当時はよく知られた話であります。今でも、もちろんこれを伝える因幡の薬師如来の縁起絵巻が各地に残っているわけです。東京の国立博物館にもございますし、それから今、御指摘になりました座光寺にもその1つが残っています。座光寺本と言われるもので、これは1697年に絵師が詞書をもとにして書いたというように伝えられております。同じようなものは平等寺に残っていますが、平等寺本はこれよりもかなり新しいものだと言われております。
 こういうように、薬師如来、つまり体を治すということ、健康に関連をするという意味で、この薬師を重んじて信仰が以来厚かった、当時、この橘行平の伝説のころからそういうものが厚くなったのだと言われていますが、そういうことで因幡として薬師を祭る風習がある、これを拝観をして歩こうではないか、こんな旅のムーブメント、運動を起こせれば、それはいい話になろうかと思います。
 今までもこの薬師如来にひっかけて、それを巡回して拝観をして歩くことを山陰の観光キャンペーンに絡めてやったようなこともございました。それで1,600人とか、かなりのお客さんが来た時代もございました。現在、このことが余り広く知られていない状況にあるかと思います。そういう意味で地元の関係者、霊場会の皆さんが元気を出して、これをもう一度観光メニューとして育てようではないか、多くの人に拝観してもらおうではないかというお取り組みは、私は県としても応援すべき値打ちがあるだろうと思います。これまでも広報活動を通じて応援をさせていただいたり、また県の博物館で、今御紹介ありましたように平等寺のほうから薬師如来に1000年近くの歳月を経て帰ってきていただく、そうした展覧会をしようとしております。こうした取り組みなどで、この薬師如来にあずかる地であることを改めて県民の皆さんも知っていただき、認識していただき、また外に向かっても鳥取・因幡の祭典2009などの場で多くの方に訪れていただくような仕掛けをこれから考えていくべきではないかと思います。
 次に、造林公社についてでございます。
 造林公社については、2点お尋ねいただきました。詳細は農水部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、まず、保育の関係でございますけれども、基本的な考え方としては、これはどれほど施業の必要があるかどうか、これを丹念に検証しながら事業量を定めるべきだと思います。現在の計画に基づいてやっていることだと思います。その計画が余りにも現実とかけ離れているのであれば、それは見直さなければならないかもしれません。そういう検証作業は必要なのだろうと思います。ただ、この際、注意しなければならないのは、現在でも3億円近いお金をかけて毎年この施業など例年のお金が出ています。さらに償還経費とかを入れれば、8億円とかいう県費が出ていっているわけでございまして、それに継ぎ足してこの保育の事業がかかることになりますから、そうした財政論もあわせて考えながら、どの程度の保育作業が必要か、これは施業の管理として考えるべきものだろうと思います。
 次に、各県と共同して国に対してこの造林公社問題の働きかけをすべきではないかという点でございます。
 本県では、これまでも各県と一緒になりまして働きかけをしてきましたし、それから国に対する要望でも再三造林公社の問題をお願いをしてきております。基本的に問題なのは、かつて国策としてやったことであるけれども、現在、政策的に破綻状況にあるということでありまして、例えば滋賀県の琵琶湖の造林公社とか、社会問題化しつつあるわけでございます。ですから他県と連携をしてこのことを国に対して訴えかけていこうと思います。
 ただ、ここ数カ月の状況を申し上げれば、国のほうに働きかけてきたことがある程度功を奏しまして、一定の政策が今回の当初予算の中でも国から盛り込まれてきております。中には我々としてもぜひ活用したい、造林公社が地元に出かけていって今後のあり方について議論するような経費が国のほうから出るとかいうのがありまして、活用したいというものもございます。ただ、これで十分ではないと思います。ですから、当初予算の後にさらに体制を立て直して各県と連携してやらなければならないと思いますが、ちょっと各県の共同体制が、これは岩手県が抜けたりして、若干崩れております。ですから、改めて体制を立て直して国に対して働きかけるところから始めたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)1点について補足答弁をいたします。造林公社の保育作業について、環境保全税を活用してきちっとした施業をしていくべきではないかというお尋ねでございます。
 まず、私ども考えている結論的なことを申し上げますと、御案内のとおり森林環境保全税は、森林を県民で守り育てる意識の醸成、こういったことですとか、緊急に公益的機能を維持回復する必要がある森林の保全整備というものを目的に、手おくれとなりました森林の間伐などを実施するということで県民の方々から御理解をいただき特別に集めさせていただいている税だというふうに認識しておりまして、この使い道として県が100%出資をしている造林公社が行う保育事業、こういったものに充当するということは、今、考えてみますとなかなか理解は得にくいのではないかというふうに考えております。
 現在の公社の保育業務等については、先ほど知事からあらかた答弁がありましたけれども、現在、公社の保育経営については毎年要望を県のほうで伺っております。ただ、造林公社のほうでは平成14年に負債削減という見直しを行っておりまして、その中で55億円程度そういった保育作業等で業務をスリム化していくということで取り組まれておりますので、その範囲内での要望というのを受けてやっておりまして、それにつきましては、県としては必要な補助事業等、対応しているところでございます。ただ、本音を公社から伺ってみますと、本来はもうちょっと施業を丁寧にやりたいというところも確かにあるようでありますけれども、現在の材価の様子を考えますと、必ず良木を出荷すれば、良木ではない木に比べると単価が随分上がるということが見通せないようでございまして、そうした場合には損失が出てくるということもあるようでございます。そういった点もあるわけでございます。県といたしましては、なるべく今後も造林公社の施業が無理がないのかどうかを点検しながら必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)答弁、ありがとうございました。
 皆さん御存じのように、特に有名な四国88カ所霊場と遍路道というのがございまして、年間15万人以上の人が訪れるということを聞いております。また、現在では世界文化遺産の暫定リストへ登録しようではないかということで、四国各県とも力を合わせてこれに取り組んでいるということでございます。15万人といえば、私の頭の悪いところで計算しても100円のジュースを1本15万人の人が飲んだら1,500万円、それからちょっといい昼飯を、1,000円のものを食べようと思ったら1億5,000万円。その経済効果は大変大きなものだと思っております。
 それにあわせて、当県の因幡薬師霊場を世界文化遺産とは言えないのですが、これを県東部の観光資源の一つとして、今知事も答弁していただきましたけれども、案内看板とか観光客の利便性の向上をより一層図っていただいて、県外にもPRをして、もっともっと観光資源の掘り起こしと活用に向けてぜひとも取り組んでいただきたいと思っております。
 議長のお許しを得て、因幡薬師霊場略図というものを皆さんのところにお配りしてごらんになっていただいておりますが、地元の自分のところのお寺も載っているなというようなことで、後からでもごらんいただけば幸いだと思います。
 このように、因幡薬師霊場会という熱心な方が組織しておられる会がございます。本当に毎日毎日、地道にPRを進めておられますけれども、県内の人にまだまだこの因幡薬師霊場というものが知られていない現状でございます。本当にもっともっと積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、知事のより一層の所見を、お考えをお伺いいたしたいと思います。
 あわせて、私の思いとしましては、観光、観光と言いますけれども、観光の振興はすべて産業振興政策につながるものであると考えます。例えば農林観光、漁業観光、商工観光、そして文化芸術観光等々、幅広い効果が期待できるものと考えております。その意味から、観光客の多様なニーズにこたえる多くの観光商品を提供者と共同でつくり上げていかなければ、満足を得られるお客様がリピーターとして確保できないのではないかと考えております。そして、県では次世代改革推進本部の産業振興・雇用確保チームにおいて、商工労働部、農林水産部、文化観光局が一体となって横断的な取り組みを進めておられるところでありますけれども、チームが発足してまだ1年でありますけれども、多様なニーズをとらえた観光客の満足度アップ、そしてリピーター確保のための取り組みについて、現状どのように評価されているのか、知事の所見をお伺いいたします。
 以上、観光についての追及質問とさせていただきます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、因幡薬師霊場について重ねてのお尋ねをいただきました。
 議員のほうからお話がありましたように、四国88カ所霊場は名の知れた一つのスポットになっています。しかも、世界遺産登録を目指そうということであります。あそこのすばらしいのは、地域がみんなでそれを支えているということだと思います。88カ所霊場を訪れる皆様に対しまして、そういう巡礼者に対し、おもてなしをする、ようこそ、ようこそというそういう気持ちでお迎えをし、ねぎらう。この出会いを重ねながらの旅であるからこそ、ここに心洗われ、しかも霊場としての風格を感じるのではないかと思います。だからこそ世界遺産に登録するにふさわしいという機運が盛り上がっているのではないかと思います。
 私どもの県内にもこうした霊場はあるわけでありますが、それを回って札所をめぐること、これ自体も知らなかったことを訪ね歩いたり、さらにまた、いろいろな方と出会って話をすることで一生の思い出をつくるにふさわしいところだろうと思います。今般、伯耆の33の札所について、青少年の健全な野球を通じた育成を図る吉島副会長さんのほうで、それを回ろうというイベントをされます。私も4月6日のフィナーレのときに御一緒させていただきまして、伯耆の札所のPRにも参加をさせていただこうと思っておりますが、東部のほうではこの薬師の霊場がそういう意味で非常に光り輝く存在になり得るのではないかと思います。
 先ほど申しましたように、健康に対する関心だとか、いやしについての欲求はストレス社会の中で高まってきていますし、長寿社会の中で重要性を増しているわけであります。ですから、このたび平等寺のほうから来るという機会もとらえて県民の皆様の御認識をいただき、やっていったらどうかと思います。
 特に大切なのは、担い手となる、中核となる人たちと我々地域の者で連携をして応援をしていくという体制づくりではないかと思います。今、薬師霊場会の皆様がこの盛り上げをやろうというように動かれていると初田議員のほうから御指摘がございました。ぜひ観光メニューオーディション事業だとか、あるいは我々のほうで持っております観光のプロモーションを行うスタッフが観光連盟などにあります。そういう人材と結びついてこのメニュー化を目指していただいてはどうかと思います。これはもちろん、その当事者の皆様にも頑張っていただく必要があると思いますし、おもてなしをされる、御接待をするような88カ所の四国の霊場と同じように、その地域の皆さんもこの霊場としての存在を再認識していただき、協力していただくことが必要になろうかと思います。そうやってみんなでつくる潤いの観光地づくりが育っていくことを願っていますし、応援をしていきたいと思います。
 次に、観光の振興は幅広い効果が期待できる、そういう意味で産業振興、雇用促進の観光客満足度アップについてどういうような評価ないし戦略を持っているかということでございます。
 私ども鳥取県は、因幡の源左の言葉にありますように「ようこそ ようこそ鳥取県」というおもてなしの心で観光地としてのブラッシュアップを図っていかなければならないと思います。そこに多くの観光客の方にも来ていただくPR活動だとかキャンペーンなどの工夫を凝らす必要があるだろうと思います。その中核をなすのは、地域の観光資源の掘り起こしだとか、都会地のお客様である観光客の皆さんとのニーズをすり合わせることだと思います。その意味で、私どもでは東部、中部、西部で観光の戦略を練る会合を現場の皆さんに出ていただいて話をさせていただきました。この際には、あえて県外の皆さん、但馬とか蒜山だとか、それから松江の皆さんにも参加していただきまして、広域的な視点も加えて議論をさせていただきました。ここで出てきたような課題にこたえて、いろいろと新年度の予算にも事業化をさせていただいております、例えば、観光二次交通の問題に関連して、これを何とかしなければならない。例えばバス路線をもっと使いやすくすべきではないかという御提案もありましたので、バスの時刻表だとか、そこに簡単な観光地ガイドを入れたような冊子を新年度でつくってはどうかと今御提案を申し上げて、議会に諮らさせていただいているところであります。これに限らず、観光資源の魅力を向上させるための取り組みですとか、ニューツーリズムを掘り起こす取り組みですとか、広域連携を他県と一緒になってやっていく取り組みですとか、もてなしの向上など、各種の取り組みが求められようかと思います。
 詳細は文化観光局長から御答弁申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)「ようこそ ようこそ鳥取県」の取り組みにつきまして補足説明を申し上げます。
 まず、観光資源の魅力向上でございますが、平成19年度に11件の新たな観光メニューを造成しております。いわゆる着地型観光メニューと言っているものでございます。こういったものをこれからどんどん20年度も拡大をしていきたいというふうに思っております。
 ニューツーリズムの対応でございますけれども、いろいろな取り組みが、大山中海隠岐エコツーリズムの関係でございますとか、それから皆生温泉のヘルスツーリズムでありますとか、それから倉吉市では農業連携の関係で、特に修学旅行の農業体験をやるような取り組み、来年度は先進事例でありますとか導入に向けた課題の意見交換等もやるようにしております。そういった格好で新しい形態のニューツーリズムの対応というのもやっていきたいというふうに思っております。
 広域連携でございます。これは今までも何回か出ておりますが、島根県との連携、それから京都府、兵庫県とは新たに3県の国際、国内両方の観光の部分での連携も20年度から始める予定にしております。
 二次交通の関係は、先ほど知事が申し上げましたとおりですが、そのほかに、もてなし意識の向上ということで、来年度はもてなしの心醸成ワーキングということで予算もお願いしているところであります。そういった部分で新しい地域の中でのもてなしのあり方というのも求めていきたいというふうに考えております。
 最後に、外国人観光客の誘客でありますが、これにつきましても韓国、台湾を中心といたしまして新たな観光客ニーズを求めるためのいろいろな商品化も進めておるところであります。これも20年度も積極的に他地域との連携もとりながら進めていきたいというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)24番初田議員


◯24番(初田勲君)ありがとうございました。私のような不信心者がこのような問題を取り上げまして、違った観点から観光のためと思って言わせていただきましたが、本当にこれからも、知事に答弁していただいたような光をこの因幡薬師霊場にも当てていただける後押しをしていただいたらありがたいと思っております。
 次に、ちょっと生臭い話になるのですが、今度は公社についての追及をさせていただきたいと思います。
 この造林公社問題については、各県とも大変苦労しておられるようでございまして、岩手県や大分県のように公社を解散して、すべて県が借金の肩がわりをし、負債を長期間にわたって返していくのだという対策をとっておるところもあります。
 しかし、鳥取県の財政状況は、公社の借入金を丸抱えにしてやっていける状態ではないということはよくわかっておりますが、14年度に経営改善されたときに、平井知事がこの問題を担当されて、今のこの経営改善策をつくったということをお聞きして、先ほど述べました改善策しか今県でとる方策はないのではないかと私も同じく考えるところでございますけれども、最終的には93億円の負債ということもありますけれども、今後、公社に対する県の負担金を、早期に改善するために、国の特別交付金税率を現在20%いただいておるわけですが、金額にして1億2,000万円、これをぜひとも30%程度、約1億9,000か2億になると思いますけれども、それと、今定められております交付金の上限枠の2億円の枠を撤廃していただきたい。そして国からの特別交付税の増額を、この公社に対する借入金に埋め戻していただいて、早期にこれを解決すべく国に力いっぱい働きかけていただきたいなと思ってお願いするところですし、私たち県議会議員でも森林・林業・林産業活性化促進議員連盟、略して林活議員連盟を組織しておりますので、我々林活議員連盟ともども一緒に国に力強く要望してまいりたいと思っておりますので、知事のこれに対する決意のほどをもう一度お聞かせ願いたいと思います。
 最後になりますけれども、結論として私が言いたかったのは、これからの前向きの森林施策を圧迫している根源は、この多額の借入金の返済であると思っております。そのために前向きな森林整備が取り残され、山が荒れてしまわないかということを心配して発言をさせていただきました。
 以上でございますが、知事のほうから国に対する要望の決意のほどを聞かせていただいて、最終的な質問とさせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、因幡霊場の問題がございました。
 因幡薬師霊場会の皆さんの活動でございますけれども、こうした活動はぜひ私どものほうでも支えていきたいと思います。これはやはり現代の欠けてきたもの、心とか、あるいは平安とか、あるいは自然の中での営みだとか、そういうものを今、現代人は求めているのだと思います。そういう意味で、古くて新しい、昔から営々として引き継がれてきた歴史的な遺産でありますが、これがむしろ現代の中で生かされて、人々を引きつけるものになれればよいかと思います。私どもも全力を挙げてやってまいりたいと思います。
 次に、造林公社について重ねてのお尋ねがありました。
 まず、特別交付税でございますけれども、現在、私どものほうで利子補給について特交の措置が出ております。これは2億円という上限が設定をされておりますし、それから20%という、そういう縛りになっております。これとあわせて、本格的な問題からいえば、そもそも元金が返せないほど将来の経営にかかわっているわけでありますので、実は各県が困っているのはこの利子の問題もありますけれども、あわせて元金のところを何とかしてもらいたい。このことなどを各県で一緒に呼びかけ合って、国に対して改善を求めていく必要があるのだと思います。現在、荒療治に出ているのが滋賀県でありまして、特定調停を申し立てるという荒療治に出ています。これは片方で債務の免除を求めることになります。これに対して国のほうの公庫のほうは、これは県が保証したものだから、その分もらえれば何でもいいと、こんなことなのですけれども、これでは何の解決にもならないわけです。
 ですから、今の林活議連の皆様と一緒になりまして、実は私どもも各県の間で森林県連合というのをつくっています。これは森林整備法人等の経営推進に関する、そういう意味でつくられたものでありまして、要は林業公社の経営改善を図ろうとする問題意識を持った県の連合体でありまして、30県以上が今加入をしております。ここでも我々、今の御提案の特別交付税の問題ですとか、それ以外の本来の課題のところの改善を、抜本的解決を求めるそういう施策提言を話し合ってみて、林活議連の皆様と共同で国に対して働きかけを行っていきたいと思います。そういうことで初めて力のある提言になっていくのではないかと考えております。この森の問題は、確かに荒れ放題のまま放置していいのかということと、それから、ではそのお金をどうしたらいいのかということの悩みの中で今、林業公社の問題もそうでありますし、それから森林組合の問題もそうでありますし、すべてが同じような課題を背負っております。これは国家的な問題であると同時に、地球環境問題を思えば、これは世界のためにも我が国が国策として解決しなければならない課題なのだと思います。ぜひ議員の皆様と力を合わせて課題の解決に向けて努力をしてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は午後1時より再開いたします。
       午前11時51分休憩
   ────────────────
       午後1時07分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 36番横山隆義議員


◯36番(横山隆義君)(登壇、拍手)昼休みどきで、もうちょっとしたら眠たくなると思いますが、安眠妨害に頑張らなければいけないと思っております。
 代表質問を4人の方にしていただいて、これで20数件ずつ、一般質問が24名で、本日は私は20番目。多岐にわたって答弁する知事の能力はすごいなと思っております。いろいろな分野で、本当に歩く辞書だなと思っております。
 平井知事の県政については、東奔西走の活躍で、連日の新聞報道、テレビ出演で県民に強烈にアピールしておられることは、皆様御存じのとおりであります。頑張り過ぎて入院という事態にならないかと心配しているところであります。その基本姿勢はまことにあっぱれと敬服しております。次世代改革、鳥取新時代の実現に向けた政策に大いに期待しております。知事がこんなに頑張っておられるのに、各種の法令、条例は朝令暮改とも受け取られる改正をしておられます。原因は、現場を大切にしないことから発生していると考えます。現場主義に徹して行政を執行するという最重要な視点が欠けているから、後で問題が起こって右往左往する事態になっていると考えます。
 そこで、県庁の皆さんに約束していただきたいことがあります。それは、法令や条例に対してプロの視点を持っていただき、しっかりフィルターの役割を果たしてほしいと考えます。改正するという不細工なことは最小限度にとどめてほしいと考えております。
 以下、最近、気になることについて伺います。
 まず最初、建設行政についてであります。
 鳥取県における建設業は地域の重要産業であります。建設業に従事しておられる皆さんの中には、少なからず兼業農家の方がおられます。仕事が終わってから先祖代々から受け継いだ田畑を守っていただいております。零細ではありますが、農地を守り景観を守っていただいているのであります。農家は、農業では生計を立てることが困難であるため、建設業と兼務して生計を立てておられる方もあります。また、緊急の防災時にはいつでも出動して地域を守っていただいております。昨年の琴浦町赤碕地区の豪雨の際にも大変お世話になりました。
 このように、地域の重要産業である建設業関連の産業が現在不況に直面しております。原因は、公共工事の激減、入札制度の混乱、現場の理解不足が考えられます。
 入札制度については、地域性への配慮が大切で、金額勝負の低価格入札が蔓延しているということが問題であります。災害や除雪等の貢献度が無視されていることが問題であります。また、建設工事については生コン、鉄骨、果ては警備会社等にも影響があります。加えて、測量や設計コンサルタント業務にも影響します。建設業界を初め、その関連業界は疲弊の進行による経営破綻が続出する可能性があります。事態は深刻な状況であると認識いたしております。現に、私の近くでも5社が倒産いたしました。また、耐震強度偽装事件の反省から改正された建築基準法により、建築確認の審査が厳格化された影響で建築士や自治体の間で混乱が続いております。審査の長期化で新設住宅の着工戸数が急減し、景気への影響も心配されております。目先の利害にとらわれることなく、行政は本気で対応する必要があります。入札制度においても建築基準法にしても、事務量の拡大があるものと推察いたします。規則が変わると必ず事務量が多くなる。事務量が多くなり現場とかけ離れる状況であります。それこそ本末転倒というものであります。
 また、このことに関して、格付、入札、受注、工事施工、完成検査の流れをしっかり理解することが重要であります。いま一度、全体の整合性がとられるように、全体像の理解ができる人材育成が急務であると考えます。機械的な作業も大切ですが、もっと重要なのは熟慮できる人材が必要であると考えます。業界事情、実態ですが──に精通していることが必要であると考えます。加えて、役人の異動が頻繁で、全体像にかかわる人材が育たないということも問題であります。癒着に十分注意してプロフェッショナルを育てることです。倒産により税収の落ち込みは避けられず、「元気な産業 しっかり雇用」のマニフェストに逆行すると考えます。行政組織は重要テーマに関して組織を超えて横断的に指導できる権限のある組織をつくるべきだと考えます。それが次世代改革室の仕事であると理解しております。わがまま鳥取県と言われようが、地元思考で地産地消の地元企業の育成を考えるべきであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)建設関連の振興について、知事の所見を伺います。
 2番目に、福祉行政について伺います。
 障害者自立支援法は平成18年に施行されました。障害者自立支援法による改革について、国は5つの柱を立てております。以下はその概要であります。その1、障害者の福祉サービスを一元化する。その2、障害者がもっと働ける社会にする。その3、地域の限られた社会資源を活用できるように規制緩和をする市町村が地域の実情に応じて障害者福祉に取り組み、障害者が身近なところでサービスが利用できるよう、空き教室や空き店舗の活用も視野に入れて規制を緩和するとあります。その4は、公平なサービス利用のための手続や基準の透明化、明確化を実施する。その5は、増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みを強化する。
 以上の支援法には改正の余地があり、平成19年12月に障害者自立支援法の抜本的見直しが示されました。21年の見直しに向けて国が努力しているところであります。本県からも数多くの要望が提出されて、鋭意検討していただいております。以下はそのあらましであります。
 まず第1は、抜本的な見直しの視点について、5つの点を上げておられます。その1、障害者自立支援法の抜本的な見直しの全体像を提示した上で、法施行3年後の見直しに向けた基本的な課題とその方向性を明示。その上で、特に必要な事項について緊急措置を実施することになっております。その2は、介護保険との統合を前提とせず、障害者施策としてあるべき仕組みを考察するとあります。その3は、利用者負担については、低所得者の負担をさらに軽減するなど負担の応能的な性格を一層高めるとともに、特に障害児を抱える世帯の負担感や子育て支援の観点を考慮するとあります。その4は、障害福祉サービス費用、いわゆる報酬の額の改定の実施を明示する。その5は、利用者の立場に立って、簡素でわかりやすい制度体系を目指すことになっております。
 2番目として、見直しの方向性として9点の問題点を提示しております。その1、利用者負担のあり方について、以下のように考えておられます。現状と課題。特別対策により、低所得者の負担水準は平均5%を下回っている状況である。しかし、食費等の実費負担があるほか、法施行前には低所得者の居宅・通所サービスに利用者負担がほとんどなかったことに比べると、なお負担感を感じている。特別対策は平成21年3月までの措置であることから、それ以後の取り扱いを不安視する声もある。障害児のいる世帯は課税世帯が約8割であり、その負担感は依然として強いのである。
 法施行後見直しに向けて検討を急ぐ事項について利用者負担を支払った後に手元に残る金額については、施設と在宅のバランスに配慮しつつ検討する。障害福祉サービス等の利用者負担の合算額に上限を設けることについて検討するとあります。
 その次、障害者自立支援法の施行後。緊急に措置すべき事項として次の提言を行っております。障害者の利用者負担については、負担上限額の軽減対象となっていない課税世帯にも対応するとなっております。低所得者層の居宅通所サービス等の利用者負担については、一層の激変緩和を図るため、さらに軽減するとなっております。特別対策による利用者負担対策は、平成21年度以降も実質的に継続するとなっております。負担上限額の段階を区分する所得は、個人単位を基本として見直すことになっております。以上の措置について、知事の所見を伺います。
 2番目には、事業者の経営基盤の強化についてであります。
 現状と課題。特別対策により従前収入の9割を保障しているものの、基準の事業がいまだ軌道に乗っていない自治体も多いのであります。日割り化に伴って、大半の事業所で収入が減少しております。また、入院や帰宅に伴い利用日数が変動する、人材の確保が困難となっているなどの問題点があるのであります。就労継続支援、ケアホーム、重度訪問介護、行動援護、児童デイサービスなどの障害福祉サービス費用や基準についての問題もあります。検討することになっておりますので、ぜひ検討してほしいと思っております。
 事業者の経営基盤の強化について緊急に措置すべき事項として、以下の提言をしております。
 利用者にとってのメリットを考えて、サービス利用についての日払いは維持しつつ、サービスの低下や職員処遇悪化がないよう、事業者の経営安定化を図る緊急的な改善措置を実施することになっております。特別対策による従前収入の9割保障をさらに上回るよう、通所サービスについての対応の拡充や空床保障などを考える。特別対策により造成された基金事業を見直すことにより、就労継続、重度障害者への対応、相談支援などについて支援措置をするとなっております。
 事業者の経営基盤の強化について、知事の所見を伺います。
 さらに法施行後3年の見直しに向けた検討を急ぐ事項として、福祉人材確保指針を踏まえた取り組みを促進することになっております。グループホームなど住まいの場の確保に対する支援方策を検討することになっております。
 その3は、障害者の範囲についてであります。発達障害者を初めとする障害者の範囲について検討するということになっております。
 障害程度区分認定の見直しについては、知的障害、精神障害を初め、おのおのの障害特性を反映した調査項目と判定基準となるよう大幅な見直しをする。障害程度区分に応じたサービス提供の仕組みのあり方については、地域移行の推進、本人や家族の置かれている環境や意思を踏まえた選択、公平性やサービスの必要性等の視点から検討する。現に施設に入所している者については、希望すれば継続して利用できるよう対応する。
 5番目として、サービス体系のあり方。障害児のサービス体系のあり方についてはさまざまな観点から検討する。就労支援等の充実方策、重度障害者への支援や移動支援等のあり方について検討する。施行後3年の見直しについて、簡素でわかりやすい仕組みを目指す。障害者に対する虐待の防止等のための制度についても検討する。
 6番として、相談支援の充実については、地域自立支援協議会の法令上の位置づけの明確化や総合相談窓口の充実による支援体制を強化する。
 7番として、地域生活支援事業については、サービスの均一化を図るため、実施状況を検証し必要な対応をする。
 8番の就労の支援については、一般就労の促進や工賃倍増5カ年計画の推進をする。鳥取県でも小規模作業所等、工賃3倍計画の案が示されたばかりであります。官公需を含めた福祉施設等への発注促進の取り組みを強化することになっております。
 9番として、所得保障のあり方については幅広い観点から検討を行うこととし、社会保障制度全般の一体的見直しに関する議論との整合性や財源の確保を図った上で、障害基礎年金の引き上げや住宅手当の創設についても検討することになっております。18年に施行された障害者自立支援法は、21年には抜本的に見直されることになっております。国が基本的な法令をつくられますから、本質的には法令について意見を述べることはおこがましいと考えますが、鳥取県としての提言はしっかりと言うべきであると考えます。
 障害者自立支援法の抜本的見直しについて、知事の所見を伺います。
 壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)横山議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、冒頭、私の体についてもお気遣いいただきまして、ありがとうございました。横山議員も声をからしての元気いっぱいの御質問でございまして、どうか体をおいたわりになりますようお願いを申し上げたいと思います。
 質問のほうでございますが、まず「元気な産業 しっかり雇用」との関係で、私どものさまざまな仕事のやり方で、法令や条例などが朝令暮改のようになっているのではないかという御指摘でございます。そして、現場主義を強調されました。
 私も基本的な考え方は横山議員がおっしゃったところ、非常によくわかります。特に現場主義を徹底をすることが今の行政のスタイルとして一番必要なことではないかと思います。頭の中でのみ整理を行い、そして法体系を自分なりに勝手につくり上げて、それが現場に合わない、実情に合わないということでやり直すということ、これは振り回されるほうはたまったものではないと、こういう悲痛な叫びをおっしゃっておられるのだと思います。
 私ども、そこはやはり行政の基本としてしっかりと腹に据えなければならないと思います。法令をつくったり、予算をつくったり、執行する立場である行政としては、まずは現場の皆様が、住民の皆様が、企業の方々が、あるいは農業者の皆さんがどういう思いで仕事をされているか、生活をされているか、それをつぶさに検証した上で初めてルールづくりをし、それを丁寧に皆様に御説明を申し上げ、その実を上げるように執行者として努めるべきだと思います。この基本に忠実に、これからも職員一丸となってさせていただきたいと思います。
 なお、ルールが時折改定をされるわけでございますが、私は鳥取県が他の自治体と違って一つ誇るべきものがあるとしたら、この県の場合は、一遍決めたことは山を動かしてでもやるという、そういう強引さを余り基本としておりません。むしろそこに山があってぶつかったのであれば直していこうと、手直しをしながら、現場に合ったり、実情に合った規制なり予算に変えていこうという姿勢でありまして、この柔軟さは今まで行政が失いかけていたものであって、鳥取県としてはむしろ育てなければならないことだと思います。
 ですから、条例などいろいろと実情に応じて変えることがあることは、それは民主主義の基本として住民の皆様のために私どもはなすべきことをなすということでございますので、御理解をいただきたい面もあります。ただ、その際に、現場を離れた一方的な条例改正とか規則の改正にならないように、よくよく注意をしてやっていくということではないかと考えております。
 次に、建設行政についてお尋ねがございました。今の疲弊している状況について御説明があり、さまざまな問題点の御指摘がございました。そして建設関連業の振興についての所見を問うということでございます。
 いろいろな御指摘いただいた項目の詳細につきましては、県土整備部長のほうから御答弁を申し上げたいと思いますけれども、いろいろ今御指摘いただいたことに私ども対応しなければならないと思ってやっております。例えば入札制度につきまして、貢献度が十分に反映されていないではないかという点につきましては、このたびルールを改定をさせていただき、入札の基準を改めようといたしております。あるいは、お話の中にございましたけれども、設計業者など、そういうコンサルタント業などの疲弊という問題もありまして、これも余りにも低い入札になるのはいかがかと思っておりますので、その低価格に対する調査を行うというのを今年度中に導入をして、そういう意味で低価格入札を防止をするということをやっていきたいと思っておりますし、また建築確認申請に非常に時間がかかり過ぎて住宅の着工件数が減っているのではないかと、こういう御指摘がありましたけれども、これに対しましても、例えば堅固な建物で構造計算が必要なものであれば、国全体では35日という法律になっておりますけれども、私どもは独自の標準日数を算定いたしまして、長いものでも33日、あるいはそれがさらに短くなって、カテゴリーごとにその日数を決めさせていただいて、県民の皆様に提示をさせていただく、こういうことを2月から始めさせていただきました。
 いろいろと改善できることは改善しながら、建設業の振興はもとよりといたしまして、地域の経済活動が円滑に運ばれるように努めてまいりたいと考えております。
 これと関連して、県庁内の組織のあり方とか県職員のあり方についても御指摘をいただいたわけでございます。例えば人材が育っていない、特に現場がわからずにいる職員が多くなってきたのではないかという御指摘であり、それとの関係で私どもの異動、職員が配置転換されるサイクルについてもお尋ねがありました。
 私も横山議員のおっしゃることはもっともだと思います。特に最近は職員は大体2年のサイクルで異動をやっているという実務になってきておりました。ただ、2年でかわるというのは、職の内容を覚え、そして現場の職員であれば関係者の顔を覚えたところで異動を迎えるということになります。これは組織の継続性の観点の問題もありますし、専門性を育てるという職員の教育の問題もございますし、また実際に前面に立って住民の皆様と対話をするという、その役割を果たす関係でも問題が多いと思います。ですから、この4月からは異動のサイクルを2年ではなくてまずは3年を基本とするサイクルに改めたほうがいいのではないかと考えておりまして、今人事の作業を進めつつあるところでございます。
 行政のテーマとして、特に今のお話だと多分入札とか、そうしたさまざまな契約管理の問題ではないかと思うのですが、もっと組織を一元的に考えるべきではないかというお話だと思います。
 現在は、例えば土木工事であれば県土整備部、それから建築関係だったら生活環境部とか総務部、教育関係の入札でしたら教育委員会というふうにそれぞれに分かれておりまして、昔ですと、昔の土木部がそうした契約管理は大体一元的に、最終的には見識を持って各部を指導していたわけでありますが、その機能がやや低下をしていると私も感じるところがあります。
 ですから、例えば業界の皆様が契約について相談に行くときの窓口は本来1つであったほうがいいと思いますし、また住民の皆様もこういう契約のあり方には疑問があるといったときに、そうした建築工事などの執行、土木工事などの執行について御疑問があったときに物を申していく、物をおっしゃっていただく、そういう窓口も一つあったほうがいいと思いますので、そういう機能はある程度、県土整備部なりどこかに一元化をしておく必要があるのだろうと思います。その上で、例えば建築関連であれば総務部とか、そういうふうにある程度分担をしながら、ただ窓口とか最終的な全体の契約制度のあり方なんかをサーベイランスする、そういうポストが県庁に一元的にあってもいいのではないかと思います。
 今回はとりあえずスタートをさせていただく組織で対応したいと思いますけれども、もっと有機的に各部がきちんと統合して、冒頭おっしゃったような余りにも頻繁に起こるような規則改正だとか、現場から離れてしまったことがないだろうかとか、そうした弊害を生まないような組織について検討させていただきたいと思います。
 疲弊している建設業界についてのことでございますが、私は、一つはロットの問題があると思います。最近は、毎年かなりの割合で公共投資の割合が減ってきておりました。これも議場で再三申し上げておりましたけれども、予算編成に当たりましてできるだけ踏ん張ってみようというように考えました。全国で3%減が公共投資の水準であるならば、せめてそうした水準でできるかどうか、ぎりぎりのところまで財政努力をしてみようということを考え、今回提案をさせていただきました。公共投資は対前年3%減という全国並みの水準でとどまっております。恐らく他県と比べるとかなり踏みとどまった水準になっていると思います。また、公共投資も、2月補正の段階で既に御議決いただきましたが、前倒しをするというやり方をさせていただきました。道路問題とか公共投資について不透明感がありますので、もし契約できるといいますか、確実にできるものがあれば前倒ししてでもやろうと、こうした姿勢で迎えました結果、その前倒し分も含めますと対前年の同期比で2.2%減ということでございます。ですから、ある程度の量は歯どめをかけるといいますか、ソフトランディングをするような体制でことしは組めたかなと思っております。
 あわせて、建設業者の皆様がこれから転換をしていくに当たりまして、特に若い方々の御意見をお聞きをしたりアンケート調査をやったりという、そういう予算も御提案を申し上げております。
 あわせて、従来ですと調査研究にどこかへ出かけていくぐらいの補助金しかありませんでしたけれども、建設業から他の業種へ転換をする場合に、その商品開発ですとか販路開拓も応援する補助金をこのたび新年度予算に新たに提案をさせていただいております。
 このほかにも例えば建設技術センターで、この議場でも議論がありましたが、これからの公共投資は維持補修金がふえてくるだろう。しかし、それは県外業者の専売特許のような技術になっている。だから、トンネルだとか橋梁などの構造物に対する補修のスキルを県内業者でも磨くべきではないか。こういう御要請も議場でありましたので、建設技術センターで新たなカリキュラムをつくらさせていただいたりいたしております。
 このようにいろいろと手だても講じながら、非常に厳しい状況にあると認識をいたしておりますが、建設業を初めとした関連業界の皆様も力強く事業を継続したり、あるいは他の業種へと転換をされる、その御支援といいますか応援をさせていただきたいと思っております。
 次に、障害者自立支援法につきまして詳細にわたる御質問をいただきました。これは、今ずっと拝聴しておりましたが、与党の障害者自立支援のプロジェクトチームの昨年の12月9日の報告書をつぶさに御説明をいただいたと受けとめました。それに対する私のほうの考えをということだと思います。
 一つ冒頭感想を申し上げれば、今回、与党のほうからプロジェクトチームで示されたその考え方の骨組みは、私は正しい方向であると思います。皆様もお聞き及びと思いますけれども、現場の障害者団体、それから障害者の皆さん、それぞれに非常に悩みを抱えながら自立支援法のスキームを適用されている客体となっています。私は、その状況は改善されなければならない、現場主義で改善されなければならないとかねて思っておりました。今回の12月7日の与党のプロジェクトチームの考え方は、そういうものに一つ一つ光を当てて、今るる御説明いただきましたように、項目を具体的に明示をされたものでございまして、評価に値すると思います。ただ、一部、我々としてもこれからもっと検討してもらいたいとか、心配だという点もないわけではありませんが、方向性としては、以前の方向とは随分違ったカーブを切っておられるというように評価をさせていただいております。
 まず、御質問がありました利用者負担の関係についてでございます。利用者負担についても、今回の与党のプロジェクトチームの中で緊急に措置すべき事項など示されております。例えば障害児の利用者負担について、負担上限額の軽減対象になっていない課税世帯にも対応するという方針を与党のプロジェクトチームが出されて、これが現に今行政レベルで、私どものほうに国のほうから通知をされております新しい手法が示されております。これは、お話の中にもございましたが、個人単位で所得の額なんかも算定をするとかいう、そうした仕組みの検討とも合わさって提示をされているのかもしれませんけれども、今回示されたものによりますと、85%の世帯まで特例が適用になるというように承っております。ですから、従来よりは格段に広い範囲でこの障害児の負担軽減の措置が打ち出されていると判断しておりまして、これは大いに評価できるものだろうと思います。
 これはプロジェクトチームが直接具体的には書いていないかもしれませんけれども、例えばこのたび国のほうから示されておりますのは、保育所だとか、障害児の施設に何人も通わせておられる御家庭に対する配慮であります。従来国のほうで保育所については第2子軽減、第3子軽減というものがありましたが、障害児についてはこれがないものですから、我々のほうで独自に、県議会の御承諾を得ましてその軽減をさせていただいているわけであります。これについて国のほうではやはり制度改正を今予定しておられまして、保育所に通うお子さんと障害児のお子さんと2人以上抱えておられる場合に、保育料の減免の措置が新たに加えられています。この面では評価ができるわけでありますし、プロジェクトチームの流れなんかも踏まえてのことだとは思いますけれども、ただ、例えばこういうことで申し上げると、保育料のほうは軽減になるのですが、障害児の施設のほうについては今回軽減が示されておりません。やや中途半端な措置になっているのではないかと思います。そこは鳥取県の従来からやっている措置で障害児施設の入所児のほうは措置ができるのですけれども、国のほうは、ここには今回入ってこなかったわけであります。こうした点はまだ改善の余地があるのではないかと思っております。
 次に、事業者の経営基盤強化についてもいろいろと施策が示されました。これについても、緊急に措置すべき事項を初めとして、項目を先ほど御指摘をいただいたわけでございます。
 例えば、今我々のほうにこの与党の措置を踏まえて示されてきておりますことで、小規模作業所についての変更がございます。小規模作業所については従来ですと20名という基準がございまして、これで初めて障害者に対する新体系のサービスが適用されるということでありましたけれども、これも10名入所まで緩和をされるという方針が示されております。こういうことは、我々のように中山間地域なども抱えまして人口が希薄なところでは、都会地であれば集まりやすい障害者の方の数もなかなか集まりませんので、その辺の緩和を求めていたわけですが、この辺は非常に評価できる改善が図られつつあるなと思っております。
 あるいはデイサービスにつきましても、これも規制の緩和が図られるということになっておりまして、与党の考え方も踏まえて、デイサービスについても従来ですと学齢期未満の、就学前の児童の割合を7割以上にしないと十分な報酬が得られない、すなわち事業所の運営がデイサービスができないという状況でありましたけれども、これも大幅に今回改善しようというのが、与党のプロジェクトの意を受けて我々のほうに具体的に示され始めました。その基準を緩和をするのとあわせて単価をアップしまして、それで人の加配といいますか、人の張りつけができるようになっております。この辺も評価できる改善がなされてきているのではないかと思います。
 ただ、この辺は予算的にはいずれも20年度限りの措置というふうに我々のほうに通知が来ておりまして、この辺は21年度以降も続けてもらえるように、抜本改革の中でぜひ議論をしてもらいたいと思っております。
 3点目として、法施行後3年の見直しに向けて、障害者の範囲ですとか障害程度区分の見直しなどの抜本見直しの方向性も与党のプロジェクトの中で示されておりまして、この点についても3点目としてお尋ねをいただきました。
 これも、従来我々のほうからも主張してきたことであります。例えば障害者の範囲について、発達障害をきちんと位置づけるべきではないかということを申し上げておりました。それから、障害の程度の区分といたしましても判定で結構トラブルが発生をしておりました。それは、知的障害の方とか、最初はどうしても低目に出がちな今の区分になっておりまして、そうしたものが後から不服が出てひっくり返るというようなことが起きております。我々としては、これは20年度から改めてもらいたいと思っていたのですが、今回、与党のプロジェクトの中で20年度は間に合わないという御趣旨でありましょう、抜本的見直しの中でこれをやりましょうというお話が出ております。ぜひ現場といいますか障害の実態に合わせて区分を見直していただきたいと思います。
 こういうように、いろいろと評価ができる方向性が出始めておりますけれども、これから具体化に当たってぜひ我々のような地域の実態を見て制度化をしていただきたいと思います。従来の障害者自立支援法、とにかく自立すればいいとか、就業支援をすればいいということで、お題目はすばらしいのですけれども、ただ実態として現場に沿っていなかったことが多々ありました。これについての改善の方向性が出てきたことは評価をいたしたいと思いますが、与党、そして野党もぜひ議論に参加していただきまして、地域の実態に合った制度に向けて今回、20年度の状況とかを改善していただきたいと思いますし、その後の抜本見直しにも地域の実情を反映していただきたいと願っております。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁を求めます。
 谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)地域の重要産業である建設関連の産業が現在不況だというような、現状の建設業の状況について数点御指摘がありましたので、若干御答弁をさせていただきたいと思います。
 やはり、現在不況であるというその主たる原因は、公共事業費の減少ではなかろうかと思います。平成10年度のピーク時1,620億円ありましたのが平成20年度当初予算では673億円ということで、約60%弱の減になっています。そして建設業の許可業者数ですが、これは11年度が2,902社が19年度では2,533ということで、12%強ということで余り減っていない、減少率が少ないという状況から、そういうもので原因が考えられるというふうに思っております。建設業は大変厳しい環境にあるということは私どもも認識をしております。
 入札制度でございますが、これは今回の代表質問、前田八壽彦議員、小谷議員の質問にもお答えをしまして、多少重複する部分がございますが、業界、それから議会等からの現行制度に対する御意見がいろいろとございまして、これを来年度に向けて見直していこうということで今取り組んでおります。
 特に総合評価入札ということにつきまして、議員のほうから御指摘がございました災害緊急対応とか除雪、こういう地域の貢献度的なもの、こういうものが含まれていないと。こういうようなもの、それから本店の所在地というようなものを地域の貢献という形で評価項目にしたい。さらには受注額とか技術者数、企業経営などの会社の施工能力、これを新たにつけ加えたという形での入札制度の見直しを現在行っております。
 あわせて、やはり技術者、会社の工事成績というものも極端な格差がついてはいけないというようなことで、こういうようなものもあわせて見直していくということにしております。
 原則4月1日としておりますが、既に建設工事につきましてはもう2月から低入の基準価格の算定方法の見直しを実施しております。それから、測量業務に関しましては3月の末から、安値受注と品質の低下を防止するための低入札価格調査制度というものの実施を予定をしております。
 確かに関連業界への影響ということで、生コン会社、例えばこれは東部地区の生コンでございますが、単価がこの1年半のうちに40%下落しているというような状況もございます。それから、警備会社等におきましては、交通誘導員の賃金が4年の間に12%と、8,200円が7,200円になるというような状況もございます。
 もう1点、地産地消で地元企業の育成を考えるべきではないかという御指摘がございました。
 これにつきましても、本店を県内に有する建設業者への優先的な発注や、県内産の資材がある場合は県内産を使ってくれという義務づけ、さらには橋梁補修などの県外でなければできない、そういうような工事を県内の業者さんに受注していただこうということでの技術支援を今年度からやっていきたいということで、地元の業者さんが受注できるようなそういう支援をさらに強めていきたい。
 もう1点、直轄事業についても地元優先を引き続き要望して働きかけていきたいというふうに考えております。


◯副議長(上村忠史君)36番横山議員


◯36番(横山隆義君)ありがとうございました。
 さすがに知事は博学だから、うまいぐあいに答えられるなと感心しておりました。
 最初の建設業関連というのでは、現実に倒産をしておるのですよ。倒産するというと失業者になってしまうわけです。だけれども、官公庁でそれを指導した者に責任はないのか。他業種にかわれと。他業種にかわってもやっぱり一生懸命支援してやらないと難しいと思うのです。これもやっぱり責任がある。他業種にかわれ。いけなければいけないで、自然淘汰、自然淘汰。それではいてもいなくてもいい団体と一緒です。いてもいい、いなくてもいい団体ということは、本当はいてもらっては困るのです、邪魔するから。だから、学校だって同じです。いてもいなくてもいい者はいないほうがいいに決まっている。足を引っ張るに決まっているわけだから。ということが前提条件にあるというのです。そういうことで、強力なリーダーシップを発揮してもらって、倒産を回避する方策を第一に考えてほしい。これについて知事にちょっとお願いできればと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)現在、建設業界を取り巻く環境というのは非常に厳しいものがあります。特に、私どものところはその状況が切迫しているわけであります。基本的には官需といいますか公需です、公需は全国的にどこも落ちております。これは国全体の公共投資が落ちておりますし、それから地方公共団体も財政力が今乏しくなってきておりますので落ちております。これは本県に限りません。いずれの県でも同じような事情があります。それとあわせて、私どもとやや状況を異にします大都会のほうでありますが、こちらは民需は伸びているわけです。空前の住宅投資のようなことが片方では起きている。私どものところはそこが起きてきていない。公共投資に依存しているということでありまして、例えば産業基盤であります工場などの産業投資、それから住宅の投資、こうした民需のところが起きていないわけであります。ですから、一番抜本的な改革といいますか、経済の状況を打破していくためには、公依存の経済体質から民間依存といいますか、民需が高まるようなことにしていかなければならない、そのためにも産業の立地なり拡充というものをここでやっていかなければならないというのが一つであります。
 2つ目といたしましては、単に業種を転換をするということも突き放すだけではだめだと思いますので、その際にはそれをしかるべく応援する仕組みを金融面だとか、あるいは財政援助面など、あるいは技術的な援助ということでやっていかなければならないのだと思います。中には成功している業者さんも出てきておられまして、中部であればラッキョウの生産だとか、そういうところに展開をしてこられている、そういう業者さんもあるわけでございます。こういうことをいろいろとチャレンジできるような環境を整えていくことが一つだと思います。
 私どもとして、公共投資は非常に下がらざるを得ないほど財政は逼迫をしておりますけれども、ただソフトランディングをして、思いやりを行政としても見せるぐらいの配慮は当然やるべきではないかと、これは私が信念としてこの1年間申し上げてきたことでありまして、そういう意味で、公共投資の削減も従来の国を大幅に上回る削減ではなくて、現状ならやむを得ないかなというぐらいの△3%のところでとめさせていただいたわけであります。
 いろいろとやるべきことは多いのだと思いますけれども、まずは現場の企業家の皆さんのお話も聞かなければならないと思っていまして、新年度に私どものほうで予算を準備させていただきまして、その建設業の皆様の実情をお伺いしたり、アンケート調査をしたり、それを新年度でもやろうとしております。その状況を踏まえて、何が適切な応援策になるのか、さらに策を練っていきたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)36番横山議員


◯36番(横山隆義君)よろしくお願いします。早い話、いろいろな者から話を聞いて、うちも苦しい、ちょっと危ないことになっているのだ、そういうのをいっぱい聞くので、何とか救済措置みたいなものを考えられればいいな、一生懸命僕も勉強しますので、できれば一緒になって、あえいでいる人を助けることを考えなければいけないなと本気で思っております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 小規模作業所の工賃3倍計画というのがありますが、背景には就労移行支援事業、地域移行と就労支援の強化を図ることだろうと考えておりますが、どちらにしても希望する生活を送るための収入の確保が図られるということが大切だと思っております。やっぱり問題点は、低い工賃で障害のある方が地域で自立して生活することが困難なので、何としても障害者の方を元気いっぱいで、非人間的なことばかりさせずに、いろいろなことで楽しく、おもしろく、生まれてきたからには充実した生活をしていただければいいなと考えておりますので、そういうことを考えて3倍計画の各事業所に対する支援策について、知事の考えておられる方向性とこれからの福祉保健部の方向性を教えてください。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)工賃の3倍計画についてでございますが、障害者福祉の今の大きな流れとして、障害者の皆様も地域で生き生きと生きがいを持って暮らせるようにしなければならないことであります。そのためには、これは自己実現の場として、あるいは経済的な収入を得る場として作業所などがもっと豊かな資金を生み出すといいますか、事業ができるような、そういう体制をつくっていかなければならないということだと思います。
 先ほど御紹介いただきました与党の12月のプロジェクトチームの中でも、工賃を倍増しようという計画が打ち出されておりますけれども、我々としてはむしろ3倍増と、少し大きく打って出るというようなことをさせていただきました。現状は、現在の県内の作業所で月に得られる収入は、平均すれば1万1,000円程度でございます。せめてこれを3倍──3倍といっても3万3,000円でございますけれども、とにかくこうしたことをやってみる値打ちはあるのではないか。3万3,000円ぐらいになりますと、障害者の別途の年金などの収入などもありますので、これで例えば月10万とか、そういう生活のめどといいますか、そうした生計のめどといいますか、一通りのものにもなってくるチャンスもある数字でありますので、そのあたりを目指してみようと考えております。
 そのために私どもが今目指しますのは、一つは従来にはなかったタイプの作業所ができないだろうか。これは就労継続支援A型と言われるものでございまして、最低賃金を得られるような職場ができないだろうかというのが一つの取り組みであります。あるいはそうでなくてB型と言われる従来の作業所のような形とか、小規模の作業所なんかも含めて、これも工賃をアップできるように頑張ってみようということであります。幸い県内には障害者のそうした作業所の振興を支援する法人ができておりまして、これを通じていろいろとブラッシュアップ、底上げを図っていく施策を展開してはどうかと考えております。
 例えばアドバイザーを派遣をするということ。こういうふうにしたら新しい事業ができますよとか、そういうことをやるとか、あるいは企業開拓員を設置をいたしまして、そして企業回りをするとか、そして販路開拓なんかをやっていったりというようなこと。あるいは経営者である作業所とか事業所の経営スタッフのほうのマインドも変えなければならないと思います。従来の障害者の就労環境を取り巻く状況は、経営者のほうもこれ以上やってもというような意識があったり、それから親御さんやお子さんたちも、まあもうこれ以上無理をしてもというような気持ちもあったりしまして、どちらかというと事業活動自体がデフレスパイラル的といいますか、停滞ぎみになりがちであります。
 ただ、全国を見渡しますと、結構いろいろな取り組みが始まっていまして、実際最低賃金くらい出せるようなA型の事業所を展開をしている県もあります。県内で言えば千代三洋とか、そんなところもありますが、そうした取り組みをもっと広げることはできるだろうと思っております。
 実は、例えば最近の例ですと西部のほうの通所作業所でやっておられる形態を病院の中のコンビニで働くような形態に転換をするということで、従来は1万円かそこらだった収入が5万円、6万円という、そんな収入レベルになってくる、そんなところもあります。ですから、知恵と工夫をすれば、これは発想の転換で障害者の方も生き生きと仕事をできる地域社会があるのだろうと思っております。
 私自身も先般福山のほうにお伺いをいたしまして、そのモデルとなるような事業所を拝見をさせていただきました。工場を預かるスタッフの方々が胸を張っておっしゃっていましたけれども、これは発想の転換なのだということです。例えば事業所の立場からすれば、これは障害者の方でありますが、一生懸命になって働かれます。正直、最初は欠品率というか、ミスの率はあるわけでありますけれども、それを1カ月、2カ月やると大体健常者と同じぐらいの欠品率までいくものだと、そういうのは経験的にわかっているのだそうです。ですから、それで工賃が健常者の給料体系とは違った工賃の体系になってきますので、そういう意味で決して事業活動が成り立たないわけではないということであります。ただ、それを県内でも、やってみようと言って元気を出してやられているところがまだ数が少ないということだと思います。あるいは製品をつくるのも供給者側の論理で、障害者の皆さんとか、こちらのほうでつくりやすいものというのにとどまって、これが市場のほうで売れるところまで届かないというようなことがあるのであれば、そこのマッチングが必要ではないかということがあると思います。
 あわせて、例えば私どもの県で何か発注をする際にも、このたび地方自治法も改正をされるということになりましたので、それでいけば随意契約で作業所に対する委託の範囲が広がります。クリーニングとか、あるいは発送事務だとか、さまざまなところも随契の幅が広がるようになっていまして、我々もちょっと組織の中で一度大ざらえをしてみたいと思いますが、委託に出せるところがあれば、パートナーの作業所と一緒になって就労の場をつくることも可能かなと考えております。
 いろいろと手を尽くしまして、工賃3倍の実現に向けてやっていきたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)33番野田修議員


◯33番(野田修君)(登壇、拍手)きょうは通告しておりますとおり、教育関係一本に絞り、3点について質問いたします。
 1点目でありますが、県立の専攻科についてお尋ねをいたします。
 財政が逼迫する中、3,379億円という新年度予算が提案されました。中でもエンジョイ!イングリッシュプロジェクトin鳥取でありますとか、未来にはばたく子どもの育成「学力向上推進事業」、次世代改革高校生学力推進事業など、教育費に670億8,381万2,000円が計上され、その割合は19.8%と、支出分野の最大ウエートを占め、平井知事の教育に対する熱い思いを感じるものであります。また、教育長も高等学校の学力向上、教師の資質の向上においては予備校の先生の招致ということも視野に入れているとのことであり、向上のための前向きな発言に熱い期待をしているところであります。
 そこで、専攻科の存廃についてでありますが、平成17年10月12日、議員提出議案第4号「県立高等学校専攻科の存廃に関する決議」が全会一致で議決され、18年度の募集定員は10名減、鳥取東と米子東の専攻科は21年度から募集停止、倉吉東高の専攻科については民間の状況を見て検討、授業料の見直しといった4項目の決定に従い、教育委員会では粛々と事務手続がなされていたところであります。そして平成19年11月8日、県立高等学校22校のPTA会長・連盟による「鳥取東高等学校、倉吉東高等学校、米子東高等学校に設置されている専攻科の存続について」の陳情が議会へ提出され、教育民生常任委員会において現在審議中なのであります。
 まず、あるのがいいか、ないのがいいかの議論になりますと、それはあったほうがいいということになるでありましょう。
 その議論は後で論ずるとして、専攻科が設置された当時、県内には高校への予備校はあったものの、大学を目指す予備校というものはほとんど成熟しておらず、全国的に希有な形ではありましたが、1959年に鳥取東高、1960年に米子東高、1961年に倉吉東高と、県立の専攻科が設立されたのであります。その効果は、大学浪人となった生徒さんたちには勉学の場が提供され、親たちにとっては経費的にも自宅から通えるというメリットもあって大きな成果を残してきたところであります。
 しかし、時の流れとともに国民の中に予備校が認知され、県内からも県外の一流予備校を目指す生徒さんも出てまいりますし、県内においても中部を除き東部、西部では民間予備校の受け入れ体制も十分に整い、設立当時の状況とは大きく異なってきたのであります。また、大学受験に関しては、非常に困難な時代から大学全入時代を迎えていること、地方自治体における逼迫財政などあらゆる状況をかんがみ、前述したとおり本会議において議会議決がなされたのであります。
 そして、このたび県立高校PTAから提出された存続要望の要旨でありますが、経済的格差拡大の中、授業料減免者が増加したこと、専攻科のすぐれた進路指導、県内予備校の進路実績への不安、県の公教育の独自性ということがその主な理由として列記されています。しかし、3校に通う177人のうち授業料の減免者でありますが、半免者が26名ということであります。授業料減免に関しては、公立に通う生徒であろうと私学に通う生徒であろうとその状況は同じである上、高校での減免制度は推進するものでありますが、その上の専攻科となると、これは別であります。特に民間予備校へ通っている生徒さんとの不公平感は否めませんし、難関大学10校への合格率も高いということでありますが、いただいた資料を見ますと東部が2名、中部が7名、西部が5名という数字であります。
 私学教育が建学の精神の中で独自性が求められるとするなら、公立は公平な教育ということが最大のミッションではないでしょうか。入学者も設置校の卒業者が大半であり、限られた人のみが通える専攻科ということであるなら、これは公平から逸脱していると言わざるを得ません。公平から逸脱するからこそ、他県ではこのシステムを導入していないのだと思うのです。もし運営するとするなら、島根県のように県の施設をお借りし、該当する生徒の保護者が資金を出し合って専攻科を運営するとか、NPOを立ち上げ、県の支援を得ながら進学への選択肢を広げるべきと私は思うのであります。
 中永教育長は、限られた生徒さんへの県費投入である専攻科について、どのようなお考えをお持ちなのか、所見をお伺いするものであります。
 2点目は、幼稚園の位置づけと支援についてであります。
 一昨年、経済協力開発機構が行った国際学習到達度調査でありますが、日本の科学的応用力は2位から6位へ、数学的応用力は6位から10位と順位が下降しております。危機意識を持った政府は中教審の答申を受けるなど、平成18年、60年ぶりに教育基本法を改正いたしました。その内容は教員の資質向上、武道の必修化など、まさに多岐にわたるものでありました。中でも幼稚園を学校種別の最初に規定し、幼児教育こそが人間形成の上で最も重要な時期の学校教育であるとの認定を教育基本法の中に加えたのであります。
 そこで、県内における幼稚園の位置づけと支援についてお尋ねをするわけでありますが、いただいた資料によりますと県内における公立幼稚園は11園あり、うち1園の休園はあるものの376名が通っていますし、私立幼稚園は29園あり、4,321名の園児が通っているということであります。そして鳥取県においては幼保一元化の流れから私立幼稚園における幼児教育、幼稚園教育は企画部青少年文教課から福祉保健部子ども家庭課所管となったのであります。
 所管については各県でのさまざまな考え方があるわけですが、国において幼稚園は学校教育と位置づけられている以上、教育委員会が大きくかかわるべきと思うのであります。また、平井知事における機構改革も発表されました。しかし、幼稚園の管轄は福祉保健部のままであります。以前にもお尋ねしたのですが、改めてどのような考えの中で所管決定なされたのか、また教育長には管轄について知事部局とお話をなさったのでありましょうか。そして、公私合わせて4,697人が通う学校と位置づけられた幼稚園について、教育委員会所管というお考えはあったのでありましょうか、お尋ねをするものであります。
 次に、私立幼稚園への支援についてでありますが、平成18年度から私学補助の単価制が導入されました。そして新年度予算を見ますと私立中学・高等学校同様、必要経費となる基礎額が組み込まれており、高く評価はするわけですが、園児規模による補正係数が組み込まれていません。幼稚園には、地域における子育て支援センターの役割を担うという大きな使命もあります。これらを考え合わせるとき、園児数の規模により段階的な支援率の導入があってもいいのではないかと考えるのであります。
 この補正係数でありますが、先般、私学振興議員連盟の皆さんと私立幼稚園の園長さん方25名に御参加をいただき、幼稚園における現場での生の声を聞かせていただきました。その中で、出席されたある中山間地の園長先生から、園児は激減する中、現段階での助成額であるなら園を存続することはできない、そのときには給料の高い私がまず身を引きますが、廃園になるにしても、我が幼稚園は県下での最高の教育を施していたねと言われるような教育をしようと先生方に話している、このようなお話を涙ながらに訴えておられました。心痛む思いで聞いていましたが、提案されています平井知事の新年度予算には基礎額が組み込まれていますよとお話ししましたら、安堵の顔で、いましばらく頑張れますと着席されました。
 このような実態、知事は御存じなのでありましょうか。このような実態を考慮するとき、人数規模を勘案した補正係数の導入を図るべきと考えるのでありますが、知事の御所見をお尋ねするものであります。
 3点目でありますが、無業者と未卒業者の手当てについてであります。
 先般、中卒無業者数及び高校中退者数一覧という書類を教育委員会からいただきました。まず、若年無業者なる定義でありますが、中学校は卒業したものの、高校や大学などの学校及び予備校、専修学校などに通学しておらず、配偶者のいない独身で、ふだん収入を伴う仕事をしていない15歳以上34歳以下の個人ということだそうであります。
 その無業者でありますが、県内におけるこの5年間の数字を見てみますと、中学校卒業者の場合、平成15年127人、16年114人、17年103人、18年94人、19年94人、高校では400、321、233、189、161人と記載されております。また、16年4月に県立高校並びに定時制に入学した生徒は5,211名でありましたが、3年後の19年3月に卒業した人数は4,910人であり、301人が卒業証書の授与を受けていないことになります。私学も同様、1,384人が16年4月に入学していますが、19年3月の卒業時は1,178人となっており、206人が卒業をしていませんし、高専も169人の入学に対し157人の卒業でありますから、ここでも12人が卒業証書を受け取っていないのです。
 このように無業者であったり、前途に大きな希望を抱き入学した生徒たちの追跡調査においても、16年に入学した6,764人の生徒の3年後は6,245人と、519人もの子供たちが未卒業者となっているのです。これらの子供たちにとっては進路の変更もありましょうし、病気や経済的な問題、家庭の事情、さらにはいじめや全く勉強嫌いといったさまざまな状況があろうかと思います。しかし、どんな事情があるにせよ、無業者の問題や519名もの未卒業者が現実にいるということは放置できることではなく、社会や家庭、そして我々、さらに県教委は大きな問題としてとらえなければならない事柄だと思うのであります。
 教育長はこれら無業者や未卒業者をどのようにとらえ、進路指導としてどのような手だてをなさっておられるのか、また学業への再復帰や労働の喜び、達成感を味わえる環境づくりについてどのように対処しておられるのか、お尋ねをするものであります。
 また、内閣府発表の青少年の社会的自立に関する意識調査ですが、若年無業者の52.2%が希望の仕事があれば働きたい、さらに希望と違う仕事であっても働きたいという方が24.1%、合わせると76.3%の若者が働きたいと答えているのです。親に至っては77%が働いてほしいと願い、無業者の彼らは29%の人たちが特に困っていないと答えるこの矛盾。
 求人倍率が0.73という鳥取県でございます。卒業しても就職がままならないという状況下にあって、卒業証書のない彼らはどうしているのでありましょうか。居住の定まらない彼らが都会へ都会へと出ていくとしたなら、人口問題においても60万人を切るという鳥取県にとって大きな痛手ともなりかねません。
 ニートやワーキングプアといった社会現象についてはどこの県でも大きな悩みとなっているわけですが、知事は社会の中で無業者となっている若者たちについてどのようにとらえ、どのような対策を持って社会参加を図っていかれようとしておられるのかお尋ねをし、壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)野田議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、幼稚園に対する組織的な位置づけについてお尋ねがございました。幼稚園の管轄が福祉保健部になっている、そして教育委員会といわば分かれたような格好になっている、このことについて今回どういう議論を組織改正に向けてやってきたのかというお尋ねでございます。
 これについては、私が来る直前の平成19年度の組織改正の中で、従来の企画部のほうから福祉保健部のほうに私立幼稚園の管轄が移されております。これは、私は聞いているところでは、これからこども園に進んでいくというそういう時代の流れの中で、保育所と幼稚園を組織的に一元化して子育て支援に結びつけたほうがいいのではないかということでありました。
 今回、私どもが子育て支援の総室をこしらえようと考えたのは、この議場でも議論がございましたけれども、子育てにはいろいろなファクターの事柄が絡み合うわけであります。例えば健康づくりの問題ですとか、それから幼児に対する教育の問題ですとか、子育ての問題ですとか、それから健康管理の問題とか、さまざまなことが絡みます。母子の問題も絡むわけであります。こうしたことを一元的に見ながら、今の少子化対策、あるいは結婚対策といったような新しい施策も含めてやる部署をこしらえてはどうかと、この発想でございます。そういう意味で、子育て支援総室をつくり、その中に幼児教育に関係する教育委員会のスタッフにも併任という形で参加をしてもらうことにしました。
 私どもがこうした組織をつくらさせていただいたのは、例えば幼稚園の問題であれば幼稚園の経営については補助金などが絡みます。それから、現在ですと幼稚園に対して子育て支援のサポートをしてもらうという、そういう仕事の面も担ってもらっています。この辺は、一つは福祉保健的な立場で子育て支援なんかがかかわりますし、それから補助金ということで、従来は企画が持っていましたけれども、今は福祉保健部のほうに移りました補助金を管轄する立場で経営の支援にもあずかるわけでございます。
 こうした部署と合わせて教育のアドバイスをする、そういうサービスを提供することも求められるのではないかと思っております。そういう意味で教育委員会のスタッフにもこの中に参画をしてもらいまして、研修会などを実施をするということにいたしているわけであります。ことし1年やってみまして、保育所とそれから幼稚園と両方にまたがって教育関係の、幼児教育の問題の研修会もさせていただいております。実は非常に現場感覚にフィットしたみたいで評判はよかったです。ですから、こういうことで、経営側の問題とか、教育の問題だとか、子育ての問題だとかを一つにパッケージにして提供する組織にしたほうがいいのではないかと思いまして、平成19年の改正のまま福祉保健部に私立幼稚園のところも置いてあるわけでございます。
 これとの関係で申し上げれば、議員が御指摘のとおり教育の視点もあります。特に幼児段階で何を教育をするか、どういう教育をするかということは、小・中学校に上がってからの教育とも関連をします。幼児教育である程度のことをやっておいて、それが小・中学校の教育につながっていく。これは子供の育ちにとって望ましいことでございますので、このことは教育委員会の機能として残さなければならないだろうと考えております。そういう意味で、今回随分教育委員会ともこの点を議論いたしましたけれども、教育委員会のほうにあえて籍を残して、小・中学校の教育と幼児教育とを両方教育委員会が所管をしながら、ただそのスタッフについて幼児教育にかかわれる、家庭教育にかかわれる人に子育て支援総室のほうにも参画をしてもらうという姿にしたわけであります。
 次に、私立幼稚園への支援についてでございます。
 これについては、昨年度だったのでしょうか、結局、児童の数に合わせて支援額が決まるという単価方式が設定をされました。しかし、この弊害は、特に小さな規模の幼稚園で発生をしたと私は思っております。私自身も若桜幼稚園の皆さんにお会いしたこともありますし、いろいろな方々と話をさせていただきましたけれども、特に小さなところになりますと、結局児童の数だけで支援額が決まるというのは、まず経営に大きな影響を与えてしまうという、そういうお話をいただきました。それで、今年度、予算の編成作業の中でこのことも課題になりまして、25%は基礎額として均等割で配分をしたらどうだろうかと、これが1園あたり600万ぐらいの額になります。こうすれば最低限のところは保障をされた上で、その上で子供の数に応じた支援という形になるだろうというように考えております。
 幼稚園のほうは、小・中学校とか高校と比べ規模が小さくなります。ですから、特に人数との関係でいえば、人数の少ないところでもある一定の額がなければならない、そういうカーブをつくらなければならないと思います。高校のほうは、この均等割の部分は7%でありますけれども、幼稚園のほうは25%ということで、かなり高目にこの均等割のところをセットさせていただきました。
 議員御指摘のように、もっとカーブを描くような補正をするというのも一つの考え方でありますけれども、大分私学の皆さんとも議論させていただきましたが、まずこれでスタートさせていただいて、またもしふぐあいがあれば検討させていただくことにはやぶさかではありません。
 なお、子育ての支援という観点から、従来ですと30万だったのですが、1園当たり60万の支援も行うというのも追加的に計上させていただいております。
 次に、若年無業者について、ニートとかワーキングプア、特にニートの問題につきまして、どういうような対策で社会参加を図っていこうとするのかというお尋ねでございます。
 我が県の場合、15歳から30代前半までの年齢のレンジのところで申しますと、完全失業者が5.3%、そしてニートが1.3%となっています。全国で見ますと、完全失業者5.3%、ニートが1.2%でありますので、ほぼ全国並みの構造を鳥取県内でもニート、若年失業者というジャンルで持っているという、そういうのが事実であります。
 これに対処するために、鳥取県ではやはりきめ細かな対策を考えなければならないと思います。教育委員会と連携しながら就業対策を図っていくことはもちろんのことでありますけれども、私どもで独自に取り組まさせていただいておりますのは、従来のハローワークに加えまして、県のほうから若者の就業支援員を配置をさせていただいております。この若者の就業支援員を配置をしたり、あるいはそのほかの研修事業なんかも含めて最近若者仕事ぷらざの中で実施をさせていただくようになりました。これを始めましたら、平成16年には318人の就職者ということでありましたけれども、平成19年度、今年度はもう既に1,300人近い就業者に達しております。そういうように効果があったと思われますので、こうした方策を進めていかなければならないのだと思います。
 単なる職のあっせんということにとどまらず、実際に仕事をするためには人間として、社会人としてこういう素養が必要だよという研修を行うとか、あるいはニートであることの裏に家庭的、社会的背景があったりします。ですから、そういうことへの相談が必要であったりしまして、そういう意味で鳥取県が今やってきた方策は効果が上がりつつあるのではないかと思います。
 これをさらにもう一段進めまして、この議場でも議論がありましたけれども、臨床心理士を配置して、若者サポートステーションとしてさらに大きくしてみてはどうかと。これを県内でも設置をしてみようという予算を今回提案をさせていただいております。こうした取り組みを通じまして、若年者の社会参画、就業を円滑に図っていきたいと考えております。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)野田議員から3点御質問をいただきましたので、お答え申し上げます。
 最初は専攻科のことでございます。公平性の観点から、限られた生徒への県費投入である専攻科についてどう考えるかというお尋ねでございます。
 この専攻科の問題につきましては、先般の前田議員への代表質問の答弁とかなり重複いたしますけれども、お許しをいただいて御答弁申し上げたいというふうに思います。
 県の教育委員会としましては、お話ありましたように、専攻科につきましては17年9月の県議会における決議を尊重いたしまして、11月に県の教育委員会を開きました折にその後の方針、きょう説明なさいましたその方針を決めているところであります。それに沿って今動いているところであります。
 そういう中で、これもお話ありましたように、昨年の11月に高等学校のPTA連合会のほうから陳情があったというふうなことでございます。その陳情の趣旨ですけれども、これも5点御指摘がありましたとおりであります。例えば、繰り返しますけれども、県内の不況に伴って家庭の経済状況が非常に厳しくなっていると、専攻科は民間の予備校に比べて費用が安いというふうな点ですとか、それから保護者、あるいは生徒のほうは専攻科の教員の指導力ですとか、あるいは大学進学の実績に対する評価が高いとか、そういうようなことがその趣旨としてあったというふうに思っております。私は、その点についても同感すべき部分もあるなというふうに思っております。
 初めに、議員から先ほど専攻科へ入るのはその設置校の子供たちがほとんどで不公平ではないかというお話がございました。これにつきましては、確かに設置校から入る子供たちは多いのですけれども、先般の議会での決議を受けまして、学校のほうにその学校以外の学校にも専攻科のことをよく周知してくださいというようなことをしました。その結果、もちろん試験は公平な試験を行っております。今はその設置されている学校以外の学校から来る子供たちは、3つの専攻科を調べてみましたら25%くらいであります。
 先ほど、公教育の役割を踏まえた上で専攻科をどう考えるかというふうなお尋ねでございます。
 これにつきましては、現場のほうの先生なり保護者なりの声を幾つか聞きますけれども、その声ですけれども、卒業時、大学受験に失敗したけれども、経済的な事情から民間予備校には通えない生徒が再チャレンジをできる本県独自のシステムであるという面もあるというふうなこと。それから、大学の全入時代を迎えたけれども、難関大学を初めとしてより高い目標に向かって努力する生徒は相変わらずいるというふうなことを聞いているところであります。
 専攻科は限られた生徒が対象でありますけれども、そういう意味で、こういうふうなニーズがあるというのは、先ほどの高P連のほうの陳情からはしばらくの間はそういう意味で存続をしてほしいというふうに考えていらっしゃるのではないかと私は思っているところであります。
 なお、他県で設置されている補習科のようなお話についての御指摘がございました。ちょっと調べてみました。中四国で補習科のような形をとっているところは、岡山県と島根県と香川県のこの3県、9県中3県でございます。ただ、この中身ですけれども、いろいろ状況は違いますけれども、保護者なりが負担する経費だけですべての教員の人件費が賄えるかどうかということについては、かなり難しい部分があるように私は受け取っているところであります。
 いずれにしましても、繰り返しますけれども、前回決定しました現行の方針に従って動いております。今後、中部についてはどうするかという検討も近々必要になると思っておりますけれども、議会のほうに出されております陳情等を踏まえてのいろいろな御意見、御議論を注視しているところでございます。
 2点目でございます。公立、私立の4,697人が通う幼稚園の所管について、知事部局と話をしたか、県教育委員会の所管という考えはなかったかという、そういうお尋ねでございます。
 お尋ねの幼稚園の所管については、先ほど知事も答弁でお話しされましたけれども、平成20年度に向けた組織改正を検討する中で、知事部局と話をしました。
 その結果ですけれども、これもさっきお話があったとおりですけれども、公立幼稚園については小・中学校と同様に市町村教育委員会が所管しているというふうなことで、効率的な指導助言がうまくいくというような点から、県においても従来どおり県の教育委員会が所管するというふうなことにしたものであります。一方、私立幼稚園についても子育て支援とか、それから私学振興という観点から、保育所とあわせて引き続いて知事部局の福祉保健部が所管というふうに整理をさせてもらったところであります。
 ただ、お話がありました幼児教育の重要性というのは、私は全く御指摘のとおりだと思っております。県の教育委員会としましては、幼児教育の重要性を非常に認識をしておりますので、現在幼児教育の専任指導主事を4名県の教育委員会には置いております。小・中学校課の中に1人、東・中・西の教育局の中に1人、全部で4人置いております。福祉保健部との併任も行っておりまして、公立の幼稚園だけではなくて、私立幼稚園とか保育所にも出かけていきまして指導助言を行っております。先ほどちょっと調べてみましたけれども、4人で今年度300回くらい、昨年度も200数十回行っていますけれども、それくらい行って先生方の相談に乗ってみたり、保護者の相談に乗ったり、研修に出ていったり、いろいろなことをやっております。引き続いてこういう取り組みをしていきたいと思っております。
 最後に3点目でございます。無業者や未卒業者をどうとらえて、これを防ぐためにどのような進路指導をしているのか、また学校への復帰や、働くことの喜びや達成感を得られるようにするためにどのように対処しているのかというそういうお尋ねでございます。
 高等学校を中途退学してしまった生徒ですけれども、ちょっと数を申し上げますと、我々のほうで把握しているのですけれども、18年度の数で359名であります。県立が247名、私立が112名であります。合わせて359名であります。それから、進学も就職も決まらないまま中学校を卒業する子供たちは、これも我々のほうの把握ですけれども94名ということであります。ただ、この94名には、再度勉強をして次の高校受験に臨むという子も10何名ぐらいおると思いますので、もう少し実際の数は少なくなります。
 そういうことがあるということは、やはり教育の効果が十分に出ていない面もあるという御指摘は、私は甘んじて受けなければならない部分はあるだろうというふうに思っております。ニートや引きこもりの一因になるという、そういうこともありますので憂慮しているところであります。学校については、中学校も高等学校も十分子供たちのほうに手をかけて、そういうふうなことにならないようにするように指導をずっとしているところであります。
 中学校後の無業者や高校の中退ですけれども、学校のほうから要因を聞いてみました。要因は、学校のほうの分析ですけれども、自分の生き方、どういうふうに生きていいかわからない、高校生活や勉強に意欲がわかない、人間関係がうまく築けない、たくさんの中で人間関係がうまく結べない、そういうふうなことが出てきています。
 こういうふうなことがありますので、生徒を指導する点において工夫をしています。例えば授業そのものが本当に魅力があって、わかりやすくて、勉強のほうにきちんと引きつけられるように、そういうふうな努力をしようというのが一つであります。それから、職場体験とかいろいろな体験活動をして、勤労観ですとか職業観みたいなものを養っていくということが、当たり前ですけれども必要だということ。それから、生活リズムが乱れていたり、規範意識がなかったり、礼儀作法が身につかなかったり、コミュニケーション能力が身につかなかったりしたら仕事のほうにも向かえません。進学もうまくいかないということになりますので、そういうものを力をつけようというふうなこともしているところであります。
 そういうようなことだけではなくて、県の教育委員会としてですけれども、定時制、通信制の鳥取緑風高校と米子白鳳高校を開校いたしました。ここには高校を退学してもう一回勉強しようというふうに考えた子供たちが戻ってこられるようにしてあります。それから、中学校で不登校などでうまく進学に結びつけられなかった子供たちが、少しゆったりした雰囲気の中でもう一回向かってこられるというふうな、そういうふうな仕組みにしています。かなりの成果を上げているのではないかと私は思っております。
 生徒が一たんやめたり、あるいは今いる学校から、うまく合わないので別な学校に移りたいというときには、転入学、あるいは編入学という形があります。編入学、転入学は、やはりどうしても形からいって定時制、通信制が多くなります。転入学の数を調べてみましたけれども、緑風高校や白鳳高校やその他の定時制、通信制の学校、倉吉東だとか米子東だとか、それも全部含めてですけれども、18年度で転・編入で受け入れた生徒は83名であります。19年度は104名であります。そういう形で学校のほうに戻ってこられるように、つなげるように努力をしているところであります。
 こういうふうにして教育のほうでも頑張っていきますけれども、ただ学校だけではどうしても限界があります。やっぱり家庭で人間関係がうまくいって、愛情がちゃんと注がれて、しつけがちゃんとなされて、自分の役割を与えられて少しずつ自分に自信をつけて、自分はこういうふうにお父さんやお母さんに倣って生きるのかなという、そういうふうな生き方が少し身につくというのがやはり一番の基本ではないかと私は思っておりますので、そういうことも大事にしながら学校のほうに話をしていきたいと思っております。


◯副議長(上村忠史君)33番野田議員


◯33番(野田修君)御答弁いただきました。
 知事のほうからは、幼稚園の福祉保健部管轄の所管決定についてということで、子育て支援の一元化であるとか、現場とのいろいろな感覚の中でフィットした体制であるというようなことでございます。そのような格好でずっといけば、それもまたいいのでありましょうけれども、やはり幼稚園というのは、先ほど申しましたように、学校として位置づけられた、今度は小学校とのかかわりも出てきます。いろいろなことをまた考慮していただいて、最良の方向を見つけていただいて、機構改革の中で検討いただければありがたいな、そのように思う次第でございます。
 幼稚園のほうでございますけれども、教育長のほうからも御答弁をいただきました。学校として認知された幼稚園、これは教育委員会にはいらっしゃるし、併任ではあるということで、300回もいろいろなところに出たという感覚でおられるかもしれませんけれども、一般の県民から見ると、どうしても出先であったり併任という感覚があるのです。そこのところをやっぱり県民の中にきちんと浸透するような形の中で御指導をいただきたい、そのように思います。
 専攻科の件でございますけれども、6・3・3制のシステムというのはずっとあるわけです。高校が4年制ありきであってはいかぬと思うわけです。3校で1億を超える運営費、4,400万円の授業料はいただくにしても、177名で6,560万円の持ち出しがあるわけでございます。この額を先生方の資質の向上であるとか、高校3年間で合格するための学力向上に投入してこそ、進学を望む子供たちへの公平な投資であろうと私は考えるのであります。特に、私ども議員にあっては慎重審議の結果、本会議において得た決議であります。大きな状況の変化があるとするなら、それは民意をくみ上げるべきであろうと私も考えますけれども、現時点では、より大学進学の選択肢は広がっておりますし、県における財政の逼迫という状況も変わっておりません。そして議決した案件が朝令暮改であってはならないのであります。いただいた資料を見ましても、本当に困窮している生徒がなぜか専攻科へ入っていない事実も、先般の湯原議員の一般質問の冒頭でも指摘されたとおりであります。
 そこで提案でありますが、山田議員が代表質問でおっしゃっていたように、奨学金の門戸を開く、この方法もあろうかと思います。進学塾へ通いたいとする生徒たちにとって、要返還の奨学金制度を設ければ経済的な部分もカバーできますし、難関大学を目指す優秀なお子さんであれば将来展望も明るく、奨学金の返還も容易であろうと考えるのであります。
 以上のようなことを踏まえ、再度、専攻科のあり方についてと奨学金制度の新設について教育長にお尋ねをいたします。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)2点、お尋ねをいただきました。
 1つは、再度、専攻科のあり方についてということでございます。
 これもお話ございましたように、高等学校3年間でしっかり学力をつけていくということの基本的な考え方は、私は全く御指摘のとおりだと思っております。
 そういう意味で、しっかり進学のほうの指導もつけられるように教員のほうの力も伸ばせるような、そういうふうな予算もお願いをしているところでありますし、生徒自身もしっかり勉強するように、いろいろな仕組みを学校の中では考えて今やっているところであります。
 先ほど、前回の決議以降、大きな変化もないというふうに御指摘をいただきました。大きな変化というふうにとらえていいのかわかりませんけれども、先ほど私が申し上げたこととちょっとダブりますけれども、高等学校の授業料減免がふえるということは確かにあっています。16年のときは県立の高等学校で授業料減免を受けている生徒は、この決議の前の年ですけれども、14.8%でありました。それが18年度ですけれども19.3%ということであります。5年前の数字を見てみますと、ちょっと制度が少し幅広くなったこともありますけれども、5年ぐらい前の2倍ぐらいに授業料減免を受けている生徒がふえているということであります。17年から比べると、さっき言いましたようにもっと少なくなりますけれども、そういうふうなことがあっていると思います。
 特に西部地区において、17年度以降も県外予備校への流出が依然多いというふうなことがあっていると思っています。例えば平成18年、17年度に決まって18年の春ですけれども、県立の高等学校から県外の予備校に出た生徒は、西部地区だけですけれども52名であります。ただ、松江予備校なんかにも少し行っている生徒がいますので、10何人ぐらいは引かなければいけないと思っています。それから、19年が77名であります。依然として流出が続いているということはあるのではないかなと思っています。それから、先ほども言いましたように、入りやすくなったといっても、競争が激しい大学は依然あるというふうなことはありますので、そこを希望する生徒がいるということはあると思っています。
 いろいろな状況はありますけれども、いずれにしても、先ほど申しましたように県の教育委員会では前回の方針をもちろん踏まえておりますので、それをもとにして動いていくことになると思っています。11月の定例議会でもこの問題についての陳情は研究留保になっております。そういうふうな意味で、議論をしっかり注視しながら、新たな局面がまた出てくればというふうなことになるかなと思っておるところであります。
 奨学金の話が2点目でございます。予備校に通う生徒にとって、奨学金の貸与があれば家庭も経済的に助かると思うがどうかというお尋ねでございます。
 予備校に通うには、確かに専攻科と比較して経費がかかるということは言えます。ちょっと申し上げますと、生活費はちょっと別ですけれども、学費として初め払うのは、例えば入学金ですとか授業料ですとか、施設・設備費だとか、そんなものがありますけれども、入学金、授業料に限って言いますと、専攻科は入学金と授業料で27万3,800円です。県内の予備校は大体46万から52万円くらいであります。県外が46万から64万くらい、ちょっとざっとした調べ方ですけれどもそういうようなことであります。それから、県外に出ました場合は寮に入ってその予備校で勉強するということも結構ありますけれども、その額を調べてみました。生活費で、寮に入って生活するときに払い込む寮費ですけれども、東京のほうでは大体140~150万くらい、大阪、広島になると100万から100万ちょっとぐらいというふうなことの部分もあります、全部の全くの平均ではございませんけれども。そういうふうな意味で、確かに経費がかかるということは言えると思います。
 奨学金制度の趣旨ですけれども、経済的理由で修学が困難な者に対して、その修学に必要な資金を貸与して高校、大学等で知識、技能、豊かな心を習得させ、社会に有為な人材を育成するというふうなことになりますので、この趣旨を踏まえて、県の奨学金は大学と短大と、それから修業年数が2年以上の専修学校の専門課程、いわゆる専門学校に通う学生を対象にしているというふうなことがあります。大学、短大、修業年数が2年以上の専門学校が基本的な基準であります。あわせて、県の奨学金の滞納が非常に多いというふうなこと、それから県の財政が極めて厳しい状況にあるというふうなことから、予備校の生徒を対象にする奨学金制度の新設は難しいのではないかというように考えておるところであります。


◯副議長(上村忠史君)33番野田議員


◯33番(野田修君)御答弁いただきました。
 専攻科についてでありますが、教育長の答弁を聞いておりますと、やはり4年ありきという感覚に受けとめるわけでございます。
 一昨日の日本海新聞、記者の取材に答えた八頭高と西高の校長先生の談話が出ておりました。高校では、進路指導において将来の夢や仕事に結びつけ、大学進学を目指すように変わっていく、勉強は自分でするもの、教師が教え込もうとしてもだめ、生徒の学習意欲を高め、学びの喜びを目覚めさせてやるのが教師の役目。そのことにより、現役で国公立大学合格を目指すということでありますし、何のために大学に行くのか、学びの基本が置き去りにされることも少なくない、どうやって教養や学問の世界に生徒を誘ってやるのか、高校生活の中で生きる意味、学びの楽しさを伝えたいというようなことをおっしゃっているわけです。
 現場の先生方は、3年間で何とか学力を向上させたい、大学に入れていきたい、そう思っているにもかかわらず教育委員会は4年制ありき、これでは子供たちの教育力の向上というのはなかなか図れないと思います。そこら辺のところをもう一度御答弁いただきたい。
 最後になりましたけれども、時間がありませんので1つだけ、今度はクラーク記念国際高等学校の件でお話をさせていただきます。
 鳥取にもクラーク記念国際高等学校という学校があるのですけれども、特に生きる力、達成感というのをどうしたら味わえるだろうか。クラーク記念国際高等学校では生徒みずからが鳥取のしゃんしゃん祭への参加を決定し、傘も骨組みからすべて自分たちの手でやって、そしてもちろん規定の踊り、シャングリラという独自の振りつけも自分たちでやる、目を輝かせて鳥取市のしゃんしゃん傘踊りに参加している。ここらあたりに無業者や未卒業者の復帰というようなこと、そこら辺のヒントがあるのではなかろうかな、そういうように思います。
 先般、私の娘が岡山に嫁いでいるのですけれども、「何拾った」という話をメールで送ってくれました。「何拾った」。小さな男の子はいつもおばあちゃんと散歩に行っていました。散歩の途中、男の子は転んで、痛くて泣きそうになると、おばあちゃんは必ずこう聞くのです。「何拾った」そう聞かれるので、男の子は泣くのをこらえて必死に道に落ちている葉っぱや石ころを拾い、立ち上がっておばあちゃんに見せました。すると、おばあちゃんはにっこり笑って「いいものを拾ったね」と頭をなでなでしてくれるそうです、転ぶたびにいつも。やがて男の子は大人になりました。そして、男の子はおばあちゃんが教えてくれた本当の意味を知るのです。人生転んでもその痛みの中で何かを見つけて拾い、また立ち上がることが大事だと。転んだらよく探してみて、あなたの人生を豊かにするギフトがそこにあるから。教育長、いい話だと思いませんか。子供の成長が早いのはたくさんたくさん転ぶから。大人の成長が遅くなるのは転ばないように転ばないように注意してしまうから。転ばないように注意するより、転んで何かを拾って立ち上がること、転んだら起き上がればいいだけ、そして転んだら何かを拾うこと。
 これは、無業者や未卒業者への大きなヒントになろうかと思います。教育長のコメントを求め、私の質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)私の答弁が、4年間を大前提にしているというふうに御指摘をいただきましたけれども、私は4年間が大前提だとは少しも思っていないつもりであります。3年間で本当に生徒が知識や技能だけではなくて人間的にもそこでしっかり身につけていくというのが大前提だというふうに思っています。ただ、そのためには部活も頑張ります、それからいろいろな体験学習も勉強します。人間関係もいろいろ挑戦をしながら頑張っていきます。その結果としてどうしてもうまくいかない場合があります。私は教員をしていましたから、その経験で言いますと、ラグビー部とか野球部に入って、真っ黒になって一生懸命やりました。夏休みの前に部活が終わりました。終わったけれども、そのときにはっと気がついたけれども、本当に部活で思い切りやっていたので基礎的な学力なんかが十分ついていなかった、応用問題もしっかり解いていなかった。だから、そこでやろうというふうに考えて1年間浪人を決めて、そして入っていったという子も何人も私は知っているつもりであります。そういうのは初めからどうでもいいからね、部活だけやっていればいいねという、そういうような指導は学校はしていない。部活もやりなさい、勉強もしなさいということをしっかり私は指導してきたと思っていますけれども、結果としてそういうこともあるということが専攻科の一つの意味かなというふうに、経験の上でですけれども、私は思っているところであります。ぜひ子供たちには勉強をしっかり頑張って、部活も頑張って、3年間で卒業してほしいというふうに今後言い続けていきたいというふうに思っております。
 クラーク記念国際高等学校の話をされましたけれども、これもさっきとちょっとダブりますけれども、やはり、さっき御紹介ありました新聞にも校長先生方が書いておられましたけれども、今の子供たちはほうっておきますとみんなしてもらうことになれてきますから、全部学校のほうにもたれかかってくるという傾向があります。ですから、余りもたれかからないように、自分で自分のことはしなさいということを教えながら勉強もしなければいけないような時代になっている部分もあると思っています。そういう意味で、体験をしたり、自分で調べたり、いろいろなことを発表したりしながら、自分の生き方や自分のこれからの人生設計みたいなものを頭にぼんやりと思い描きながら学校生活をやっていくと思っていますので、クラーク記念国際高等学校のような形での自分たちで工夫しながら、自分たちでいろいろ試行錯誤しながらやっていくということを引き続いて私は大事にしなければいけないと思っていますし、そういうふうにしていきたいと思っています。


◯副議長(上村忠史君)暫時休憩いたします。
 10分後に再開いたします。
       午後2時56分休憩
   ────────────────
       午後3時08分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 14番藤縄喜和議員


◯14番(藤縄喜和君)(登壇、拍手)早速質問に入りたいと思います。
 「砂丘らっきょう」の生産振興と食品表示についてですが、まずは鳥取砂丘について、平井知事はどのような思いを抱いておられるのかお尋ねするものであります。
 昨年、県内の観光スポットで大きく注目されたのは、何といっても境港の水木しげるロードでありました。平成18年の入り込み客数は92万人でありましたが、昨年は実に55万人もふえ、147万人もの観光客が訪れ、全国各地から鬼太郎やねずみ男たちの妖怪に会いに来ていただいたということになりました。まさに強力な観光スポットの目玉おやじとなったことは県民として大変喜ばしく、誇りに思うところであります。
 一方で、鳥取砂丘は年間200万人を超える観光客が訪れた時代もありましたが、昭和49年以降は年々減少傾向にあり、昨年は136万人で、妖怪たちに追い越されてしまった状況となりました。私は、鳥取砂丘が再び200万人を超える観光客でごった返す風景を思い浮かべるのでありますが、鳥取砂丘が復活するためにはさまざまなポイントがあろうかと考えます。その一つの大きなポイントは、砂丘観光の振興と切っても切れない関係、というより砂丘が観光地として認められる以前から、古くは江戸時代からとも言われております。砂丘ラッキョウの生産振興にあることは論をまつまでもありません。昭和23年ごろから砂丘の保安林の植林が進むにつれ、ラッキョウの作付面積がふえ始め、スプリンクラーかん水が導入されたころから本格的な大規模栽培が始まり、昭和26年から福部村農協がラッキョウの販売を手がけるようになって、栽培面積は58ヘクタールに達しました。その後、病害虫の被害で生産量が激減しましたが、昭和32年に福部村ラッキョウ生産組合を設立し、病害虫対策の技術向上を図り、この困難を克服したのであります。昭和40年からラッキョウ畑の造成及び圃場整備が始まり、出荷施設等の整備により生産量は飛躍的に伸び、収益の高さから白いダイヤと呼ばれたころもあったようでありました。しかし、昭和54年には大規模な病害に襲われ、産地存亡の危機がありましたが、ラッキョウ生産組合が指導力を発揮されて病害対策を徹底し、苦しい3年間を経て、市場で失った信頼を回復したと伺っております。
 このように生産者の方々の並々ならぬ御努力があって、平成16年には3カ年の目標と定めた10億円の販売額を達成したのであります。しかしながら、翌年の平成17年と18年の2年間は不作に見舞われ、6億5,000万円から7億円と大幅な減収となり、生産者の方々は大変な御苦労をされたのであります。そして昨年は一転して大豊作の年になりましたが、価格が暴落し、生産者の方々に追い打ちをかける結果となりました。
 かくのごとく、ラッキョウは天候等によって収穫量が年ごとに大きく変動する品目なのであります。毎年安定的に生産され、供給することが生産振興につながると考えますが、そのために本県としてどのような支援が可能であるのか、知事の所見をお伺いいたします。
 ラッキョウの植えつけは7月下旬から8月末ごろまで、真夏の炎天下で熱い砂にはいつくばって、一玉一玉手作業で、1人が1日に1万球も植えつけるという実に過酷な仕事であります。秋から早春にかけては日本海から吹きつける寒風の中、土寄せなどの管理作業と、また消毒作業も10回を超え、さらに小まめに草取りを行い、我が子のごとく育て上げていきます。冬が厳しければ厳しいほど色白でかたく引き締まったラッキョウに育ちます。夏は地表面温度が60度C、そして冬は氷点下という過酷な条件で育つ砂丘ラッキョウはまさに生命力の塊と言えるのではないでしょうか。
 平成7年にみのもんたの「おもいッきりテレビ」がラッキョウの血液さらさら効果を放送して以来、ラッキョウの効能は年々知れ渡るようになり、かなり定着してまいりました。平成15年、16年の2カ年、本県は明治薬科大学に効能解析の研究を委託し、その結果、血液凝固抑制効果と抗アレルギー効果の確認という大きな成果を得ることになったのであります。しゃりしゃり感のあるおいしさと血液さらさらの健康食品としてのイメージ、この「砂丘らっきょう」のすぐれた品質は生産者の方々が厳しい重労働に耐えられたたまものであると確信するものであります。
 このように、これまで苦労を重ねてふるさと食品産業として育成されてこられた生産者の方々にさらなる追い打ちがあろうとは。先月13日に「砂丘らっきょう」の偽装が明らかになりました。断じて許すことができません。この件につきましては銀杏議員からも質問がありましたので、1点だけ知事にお伺いいたします。
 生産者の方々の血のにじむ御苦労を踏みにじる今回のような偽装事件が二度と起きないよう、あらゆる手だてを講じるべきと考えますが、平井知事の揺るぎない姿勢とお気持ちをお聞かせください。
 以上で壇上からの質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)藤縄議員のほうから砂丘、そしてラッキョウについてのお尋ねがございました。
 まず最初に、鳥取砂丘についてどう思うかと私の顔をじっと見詰めておっしゃったものですから、思わず私は議会が終わったら見に行きたいと。少しゆっくりと時間をかけて眺めるのにふさわしい場所かなと思っていまして、何かいやしを感じさせるような、そういう壮大な風景というそんな思いが真っ先に頭に思い浮かびました。鳥取砂丘はいろいろなものを醸し出しているわけでありますけれども、特徴のある地勢、地形である、風景である。ほかにはないユニークなところであると思います。本当の観光地というのは、今私が例えばゆったりと眺めてみたいと申し上げましたけれども、幾ら見ていても飽きない。何度通ってもすばらしいと感激をする、そういうのが本当の自然の観光地なのだと思います。その資格を鳥取砂丘は持っていると私は思います。
 鳥取砂丘は特徴のある砂丘でありまして、内陸型の砂丘と海岸型の砂丘とが両方複合的になされています。長い長い東西16キロに及びますし、南北が2キロでございます。内陸からずっと歩いて馬の背を上がりますと、その向こうに海が壮大に広がっている光景にぶち当たるわけでありまして、そのとき人々はこれは海が関係していたのだと、日本海が関係していたのだということを思い知らされるわけであります。これは内陸型の砂丘と海岸型の砂丘とが両方折り重なるようなところでございまして、これ自体が類を見ない部分だろうと思います。世界にも砂漠はいろいろありますけれども、海と出会った砂漠というのはそんなにはないと思います。
 地形的にもおもしろいと思われますのは、馬の背の下にいわゆるオアシスがありますが、あれは雨水がたまったところだと言われていますけれども、鳥取大学の農学部の中に本当のオアシスが2つあるわけでございます。こういう砂丘というのは我が国においてほかに類がないだろうと思います。
 さまざまな生き物たちのすみかになっていまして、コウボウムギとかハマボウフウとかそうした砂丘独特の植生も見られるわけでございます。そういう自然の豊かさというものがあってこそ、長いこと多くの人々に親しまれていたのだと思います。
 文人墨客も愛したところでございまして、有島武郎がおっしゃっていましたように、「浜坂の遠き砂丘の中にしてさびしきわれを見出でけるかも」というように詠んだわけであります。それの歌が下敷きにあって、与謝野晶子も「さびしき夢に与かれるわれと覚えて涙ながるる」と、こういうように詠んでいるわけでございまして、こういうように長い間をかけていろいろなロマンを人々の口を経て、そして書き物を経て語り継がれているのが鳥取砂丘なのだと思います。
 今日136万人という観光客になり、やや停滞ぎみであるということでありますけれども、ただその中でも今人々の大いなる努力は始まりつつあると思います。例えば年末のイリュージョン、砂丘の照明、イルミネーションもそうでございます。これも本当に善意に支えられながら、鳥取砂丘の発見伝の事業として営まれてきております。あるいは人々の胸を打つのはボランティアの方々が多く参画をされてあの砂丘の景観を守っていることであります。スタートした平成16年度はわずかでありまして300人かそこらでありましたけれども、今では3,200人が砂丘の除草作業に参加をされてボランティアとして活躍をされておられます。こういうところもなかなかないことだろうと思うのです。私はこうして多くの人々に守られながら、砂丘という景観が大切にされていること自体が、これは観光地としての資格を持ち得るし、また共感を呼んで新しい観光客も引きつける素材ではないかと思います。
 先般、朝日新聞がアンケート調査を紙上でやっておられまして、その中に興味深い記事がございました。日本一の夕日はどこですかということでありまして、第1位は神奈川県の海岸なのですけれども、第2位は松江の宍道湖の景観。第3位が鳥取砂丘というふうになっていました。意外だったのですけれども、鳥取砂丘の夕日というのは私は余りその風景に見入ったことはないのですけれども、ただそうやって多くの人が認めてくれて全国の3位になっていたというのには驚きました。
 あるいは別のデータを拝見させていただいたことがありますが、高齢者の方、100歳の方に聞くアンケートでありまして、すばらしい観光地はどこですかといったときに、そのときに鳥取砂丘を上げておられました。新婚旅行で行った思い出が忘れられないと。そういう思い出があって、そうして愛されている。こんなデータもあります。ただ片方でがっかりする観光地の中に実は鳥取砂丘が上がってくることも多いのです。この辺が裏腹でございまして、私どもは観光地としてさらに育て上げていく努力をしていくことで、鳥取砂丘を盛り上げていき、鳥取県の活力が高まる淵源となってくるのではないかと思っております。
 次に、福部の「砂丘らっきょう」の振興について、安定的な生産が必要であると。こうした支援などどういうことを県がやっていけるのかと、こういう御指摘でございます。
 詳細は農水部長のほうから御答弁申し上げたいと思いますが、議員のほうから御指摘がありましたように、白いダイヤと称される、いわば我々の宝物であります。病害などを乗り越えて、しかも夏の酷暑や過重な労働の中で長いこと育てられてきたラッキョウづくりの伝統。これは私たちにとってこれからも見守らなければならない、育てなければならないものだと思います。
 生産面でいえば、例えば多収性、非常にたくさんとれるような品種を選抜していかなければならないとか、あるいは乾腐病と言われるような病気への耐性を向上させなければならないとか、そういう品種上の課題があると思います。こうした試験研究をやることが一つだと思いますし、それから実際に地元の方々の取り組みを支援をしてやっていくことだと思います。数年前に10億円プランをつくりました。非常に過重な労働のところを機械を導入をしたりとか、そうしたハード面での支援も含めてやったところ、確かに10億円が一たん達成をされたわけであります。残念ながら今価格が暴落をしてきているわけでございますが、こういうことに対するセーフティーネットを張りめぐらすとか、あるいは販路拡大とか、生産を応援をするとか、そういう取り組みが求められるのではないかと思います。
 最後に、ラッキョウの産地偽装についてお尋ねがございました。
 これは本当に私は残念なことであったと思います。これまで病害を乗り越え、苦労してきた生産者の方々の苦労をすべて踏みにじるようなものだと思います。中国から入ってきたラッキョウが味わってみれば違うというぐらい差があるわけでございまして、これは鳥取砂丘のラッキョウの名を汚すものになるわけでございます。かえって評判が落ちて風評被害が発生しなければいいがと案じましたけれども、この点は今のところ影響は余り大きくはないと見込んでおります。
 ただ、いずれにいたしましても、同じことが二度と繰り返されないように、JAいなばの実際「砂丘らっきょう」の名前について商標を持っておられる皆様と話し合って対策をこれから考えてみたいと思います。一義的にはJAさんのほうで商標権がありますので、排除を求めることはできる法的担保はございますけれども、ただそれだけでなくて、例えば次の売り出しの時期に全国の皆さんに向けて本物宣言をするとか、そうした取り組みを私はやってもいいのではないかと思います。また、一層ブランド化を進めていく必要があると思います。ですから、片方でモニタリングを強化をして、「砂丘らっきょう」が本物であるということを実証をとりながら、もう片方で認証をしていくシステムも別途あってもいいかなと思います。この辺はJAの皆さんと話し合って、二度と起こらないような今後の策を練っていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)福部ラッキョウの生産振興について県の支援はどんなことができるのかということでございます。
 現在、県といたしまして産地振興につきましては、先ほどお話がありました平成13年度に関係者で策定をいたしました10億円達成プラン、これをベースにいたしまして適宜必要な支援を現在やっているところでございます。生産面の支援といたしましては、先ほどお話もありました天候不順、これの影響をシャットアウトするというのはなかなか難しいというふうに思っておりますけれども、県といたしましては平成14年度現地に試験圃場を設置しております。さらにそこで研究をする専任の研究員を配置をしておりまして、先ほど知事が申し上げましたけれども、乾腐病、ラッキョウが腐る病気で、ラッキョウの持病みたいなものだそうでありますけれども、これに対して耐病性にすぐれた系統の選抜ですとか、この乾腐病の防除技術、それからたくさんとれる栽培技術、それから労力削減、省力化、例えば先ほどお話がありましたけれども、植えつけ機が実用化できないかとか、それから省力した施肥法、こういったものを現地で研究をして技術確立に努めているところでございます。
 流通販売面の支援でございますけれども、産地、農業団体が行ういろいろな販売活動、これに対して支援を行っておりますし、県のほうでもじかに東京等で県主催でラッキョウの漬け方講習会、こんなこともやっております。ことしは初販のときに知事のほうで本物をアピールするようなトップセールスをぜひしてもらうということで、今話をしているところであります。
 今地元と検討しておりますのは、やはり作物はできたりできなかったりという年があるわけで、できたときに価格を安定することを考えなければいけない。それは加工。ラッキョウの場合は幸いなことに1次加工して出す方法、それから完成品、酢漬けにして出す方法の三通りの方法があるわけで、これをどうバランスをよくとっていくか。加工向けということになりますと、契約栽培をふやしていかなければいけないわけです。こうすると価格も安定するわけで、それをいかなる方法でやればいいのか。そのための施設整備をどうしていくのかということを、私どもも今相談に乗って検討を進めているところでございます。
 先ほど知事申し上げました、昨年暴落に際しましては、野菜価格安定基金の交付金というのもあるわけです。これは当然出したわけですけれども、加えて経営安定時に必要な資金、これは農協のほうが御用意しますけれども、これの利子を農協と協調して無利息にするというようなことも取り組んだところでございます。
 現在、13年の10億円プランを現状を踏まえてさらに見直そうということを関係者で今取り組み始めたところでありますので、この中でさらなる生産面から流通販売、各分野における課題を明らかにして、この中で県として支援できることを最大限に努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)御答弁いただきました。砂丘そのものについては、私が想定しておりました答弁の3倍ぐらいの御答弁をいただきまして、さすがに平井知事だなと思って非常に感嘆している次第であります。
 私は家から高等学校までバスで通学しておりまして、福部はずっと通いなれた道でありました。学生が終わって帰ってきてからも通勤でずっと砂丘の中の旧国道を通って多鯰ケ池の北側の道を通って通勤しておりましたので、ふるさとのような、私にとっては福部、鳥取砂丘はふるさとのようなものでありまして、高校の遠足も春は毎年砂丘まで歩いて行きまして、執行部の方にも同級生がおられますけれども、とにかく砂丘、砂丘。今思えば本当に砂丘の中で遊んできたような、それぐらいに思っておるのですが、先ほど知事がおっしゃったように、非常に価値のあるものなのですが、がっかりした観光地ということにも上ってくるというのが非常に残念なことであります。余りいい話ではないのはこのあたりにしたいのですが、水木ロードの話をしましたけれども、非常にたくさん来られた原因、いろいろあるのでしょう。もちろん地元の方が一生懸命になっておられることも承知しております。
 ここで一つ私は提案させていただきたいのは、今、ご当地検定というのがあちらこちらでありまして、境港も妖怪検定というのを去年とおととしやりました。おととし最初のときは初級だけで420人ぐらい集まったそうです。去年は678人。内訳を聞いてびっくりしたのですけれども、県内が97人、東京が84人、大阪が75人、兵庫が46人、島根が35人。まさに44都道府県からこの妖怪検定に来ておられるのです。県内ではほかにも大山・日野川・中海学検定試験というのがありますし、中国地方でいえば岡山文化観光検定試験、「ひろしま通」認定試験、やまぐち歴史・文化・自然検定、松江・観光文化検定などなどがありまして、これの最初のきっかけは京都検定だったらしくて、1万人ぐらいが全国から来られたりということのようであります。境については2回目は減るのではないだろうかと心配していたところ、あに図らんや1.5倍以上の方が全国から来られたということでございます。「検定の森」という情報サイトがありまして「鬼太郎もビックリの日本初!妖怪に対する理解度をはかる公式検定『境港妖怪検定』が登場しました」というようなことで、かなり注目されており、このことが全国にかなり広がっているのではないだろうかなというふうな思いをします。足を運ぶとなれば、なかなか多くの方が来られないかもしれませんが、来たいと思う方はおられるわけです。砂丘に行きたい、知りたい、来たいということを私は思っておりますけれども、知事の御見解をお伺いいたします。
 砂丘には先ほどおっしゃられましたような有島武郎、あるいは高浜虚子などなどの歌碑もありますし、また皇后陛下も歌を詠んでおられます。私はさらでは読めませんので見させていただきますけれども、「今一度訪ひたしと思うこの村に辣韮の花咲き盛るころ」というようなお歌を平成6年に詠んでおられます。というようなことで、もっともっと砂丘を知りたいという方は全国にいるはずでありますので、砂丘検定の御検討をいかがでございましょうか。まずそのことについて。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取砂丘について砂丘検定を実施してはいかがかという御提案でございます。
 このたびのいろいろと出ている検定事業、全国でも盛りになってきました。もともとは京都が京の都の検定を始めたと、あのあたりがきっかけになりまして、全国へとあっという間に広がりを見せております。県内でも米子の下町とか、先ほどお話にありました大山・日野川・中海のあたりとか、それから境港の妖怪検定。今も数字を伺ってびっくりしましたが、97人の鳥取の次は東京、大阪と、80人台、70人台で続いているということでありまして、本当に広がりのある検定になってきたと思います。
 私もつくづく思うのですけれども、やはり人間というのは知識欲が旺盛なのだと思います。そういう意味で何か目標があるとチャレンジをしたくなる。それにチャレンジをすることでまた行ってみたくなるということがあるのではないかと思います。
 そういう意味で砂丘についての検定を実施をしてはどうかというのは、私は一考に値するだろうと思います。実は全国に砂丘と名がついている、それぞれに誇っておられるところがございます。そういうところの中でもやはり鳥取砂丘が本家本元だと。その規模からしても圧倒されるような雄大な景色や、先ほど申し上げましたようないろいろな景観上の他にない特徴からすると、鳥取砂丘というものが本家本物だという点はあろうかと思います。そういう意味で、砂丘の検定を鳥取から起こしていくことで鳥取砂丘の名声を高めていくのは一つの筋道かもしれませんし、また地元の人にとっても鳥取砂丘、あるいは砂丘というものを見直すいい機会になろうかと思います。この意味で砂丘の検定をどこかで実施していただけるのであれば、私どもも応援したいと思います。
 今、実は全国でなされているのは大体商工会議所さんとか、あるいは中にはNPOでやっておられるところもありますし、行政がやるというようなものではないようであります。これは実際に試験問題をつくって採点をして認証をするというところに、役所の仕事としてなじむかなというものが多分あるのだと思います。ですから、鳥取県の東部の地域、因幡の地域でこうした事業に取り組むところがないかどうか。例えば市とか商工会議所だとか、あるいは我々のほうで100人委員会が新砂丘発見伝というようなことをやっていますけれども、そういう場がございますので、いろいろなところでこうした砂丘検定のアイデアについて呼びかけてみたいと思います。もし実現するようでしたら、試験会場など我々もいろいろな面で応援ができようかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)砂丘検定ですけれども、主体のことは出てくるだろうと思いますが、公共団体がやっていないところもないようですけれども、鳥取の商工会議所も鳥取市も声が上がらなかったものですから、私がきょう提案させていただいたようなことであります。東京事務所ですとか大阪、名古屋のあたりでも頑張っていただければ、かなり広がるのではないだろうかというふうに思っておるところであります。一考に値するという答弁をいただきましたので、関係方面としっかりと連携をとっていただきたいと思います。
 生産振興ですけれども、私は先ほど通勤、通学のことも言いましたけれども、福部にプールがありまして、私は長い間そのプールのメンバーであります。オアシス広場の駐車場に車をとめまして、時間があるときはそこからラッキョウ畑の中のロードを大体50分前後ウオーキングして、汗をかいてからプールに入るというようなことを、最近なかなかできなくなりましたけれども、10年ほど前からメンバーでやっております。
 砂丘センターに上がる道の途中から右側に、東側に折れていきますと、ラッキョウ畑に入る農道があります。なだらかな砂丘地にそこから山湯山の村の北側のほうから岩戸のあたりまで、約5キロ近い畑がありまして、そこを歩いておりますと、高いところに行きますと、日本海がずっと広がって見えます。西のほうには鯨のような格好をした海女島という島が見えますし、ずっと東側に目を向けると駟馳山があって、それは大変壮大な景色でありまして、私も気に入っているところであります。そこに今120ヘクタールほどのラッキョウ畑があるのですけれども、作業をしておられる方々には、私は気楽に歩いているものですから、お疲れさまですねぐらいのことしか言えませんけれども、本当に大変な作業をしておられるということを私は実感しておるものですから、何とかこの「砂丘らっきょう」をどんどんと発展させていきたいという思いに駆られるわけでございます。
 1年ほど前に私は生産者からラッキョウをいただきまして、毎日4粒食べております。私は、この時期に花粉症がひどいのですけれども、私は花粉症ともう1つカヤに反応するものですから、若干湿疹が出始めたのが4年ほど前でした。この1年ほど毎日のようにラッキョウを食べておりましたら、私は薬を飲んでおったのですが、これが冬ごろから全く治ってしまいまして、本当に抗アレルギーというのは私は身を持って体験したものであります。ですから、ラッキョウには非常に感謝の気持ちがあるのですよ、私は。おかげさまで花粉症のほうもちょっと軽目になったかなという気もしておりまして、昨年の6月6日だったでしょうか、梨花ホールで食品衛生協会の中四国大会がありました。平井知事も就任早々のあいさつでラッキョウやらカキのことを宣伝しておられましたけれども、平井知事はあいさつで3粒がいいというようなことを言われまして、私はたまたま議長代理であいさつさせていただいたものですから、私は3粒よりも4粒のほうがいいのではないですかと言ったようなことがありましたけれども、この健康食品のイメージ、知事はどのように思っておられるのか、1点お伺いします。
 それと先ほど河原部長のほうから10億円プランの見直しというお話がありました。これは期待しております。1点だけお願いしたいのは、地元生産者の方々にしっかりと連携をとって支援していただきたいと思いますので、そのあたりの見解を伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)藤縄議員のほうからお話がございました福部のふれあいランドのあたりは、私自身もよく家族で行っておりました。最近人前で裸になるのがちょっと恥ずかしくなってきて行っていませんけれども、前は回数券を買ってあそこの温泉に行ったり、それから水泳もあそこでいつも楽しんでおりました。やはり自分が非常にびっくりしたのは、あの裏の駐車場のあたりから見るラッキョウ畑に花が咲くころ、本当にすばらしいものであります。ラッキョウの香りがする中でああいう光景が見えるわけでございまして、これは何物にもかえがたいなというように思いました。そこに皇后陛下の歌の碑が現在建っているということであります。
 ラッキョウでございますけれども、いろいろな健康食品としての効能があると私も伺っております。そもそもビタミンB1の吸収を高めるアリシンがビタミンB1と結びついてアリチナミンになって、それが吸収をたやすくしましていろいろなスタミナの補給、回復に役立つという話が古くから言われておりますし、それから平成15~16年ごろに、先ほどもお話にございました明治薬科大学に委託研究をさせていただきましたところ、抗アレルギーの効能があるとか、またがんとかにも効くのではないかとか、そうした効用も定まってまいりました。もともとはこのラッキョウ自体が漢方の薬品というようにして重用されていたわけでございまして、殺菌作用が非常に強いということであります。この殺菌作用との関係などもいろいろありまして、先ほどおっしゃいましたけれども、大体毎日3粒、4粒食べればいいというように言われております。3粒がいいか4粒がいいかは非常に難しいのですが、識者にお伺いをしますと、大体15グラムから17グラムぐらいという目安なのだそうです。私はある人から注意をされましたのは、すごく殺菌作用が強いものですから、食べ過ぎるとかえっていい菌まで殺してしまうこともあるということなので、私は大体3粒でやめるようにしているのですが。多分藤縄議員のほうは体が丈夫なので、4粒はいけるのだろうと思います。
 そういうこと、こうした健康食品としての効用をもっとPRをしていくべきだと思います。ただ、最近は法律がやかましくなりまして、健康増進法とか薬事法なんかの関係で表示がしにくいことがあります。しかし、我々が例えば鳥取県議会を代表されてとか、鳥取県民の代表としてこういうようにラッキョウにはいい効用がありますよというふうに申し上げること自体は、これは薬事法に触れるものではないそうでございますので、商品に書いたりするとそういうことが出てくるそうでありますが、そういう意味でぜひこれからもいろいろな形でPRをさせていただきたいと思っております。
 あと今後のラッキョウの生産振興についてもしっかりと応援をしていきたいと思います。先ほどの乾腐病などの問題があるということでありますが、今、地元のほうでラッキョウの生産組合でいろいろ研究をされておられます。これは恐らく藤縄議員がお聞きになっておられて今回御質問があったのだと思いますが、例えば乾腐病を予防する意味では冷蔵庫で保管をするとか、そんなことも必要なのだということで、例えばそうした施設整備とか、応援できることが県もあるのではないかと思います。前に10億円のプランをつくったのと同じように、また新しいプランをつくっていただければ、我々も応援することができるのではないかと思っておりますので、地元と協力しながら生産振興を図ってまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。
 偽装の件は本物の「砂丘らっきょう」がまずいと言って売られたということになるのですね、結果として。知事は風評被害はまだ出ていないからというおっしゃり方でしたけれども、これはわからない部分があるわけでして、表に出てきていないということかもしれないのです。今回も表示責任のある販売業者が、しかも県内の業者が知らないというようなことを言って、その販売業者としての資格はもうないと私は思っております。売る者の責任が放棄されている。どこから仕入れようと何を売っているのかということを知らないわけですから、これはもう私は本当に怒りがおさまらないですよ。JAの方にもお会いしましたけれども、警告書を出すというふうに準備しておられましたので、その後のことは確認しておりませんけれども、怒りがおさまらない。そういったことで知事には二度と起こらないように手だてをしていただきたいというふうに言ったところであります。
 それと安全性はまた別の部分があるかもしれませんので、ふるさと認証食品313鳥取県も決めておられますけれども、そういったブランドの信頼性を守るために踏み込んだ対策。私はウオッチャーだけでいいのかなという気がしておりまして、さらなる対策、例えば今回食べてわかったわけですから、食するモニターのような、例えばそういった踏み込んだ対策をとっていただかなければいけないのではないかと思っております。その件に関して御見解をお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)「砂丘らっきょう」の偽装対策について重ねてのお尋ねがありました。
 おっしゃるように、今回の事件は本当に憤りにたえないものであります。これは県外業者が製造したものを、それにラベルが張られまして国産と偽って出されておりました。また、その添加物なども私どものほうでいろいろと調査をさせていただき、栃木県のほうに通報し、初めて世の中に出てきたというような形になりました。
 このようなことを二度と起こさないためにいろいろな手だてがあると思います。我々としては、我々自身の県庁内の職員の監視員にしっかりと働いていただくということが一つでありますが、今、議員のほうからおっしゃいましたように、私のほうでは食品表示のウオッチャーを民間の皆様に委嘱をさせていただきまして、そうして通報をいただくということにしております。あわせて今回もそうでありますが、ちょっと味が変だというようなことで窓口としての県庁のほうに通報していただき、それから我々が調査を始める。すなわち住民の皆様の通報で動き出すというのも実は有効な手段だと思います。
 ただこれだけでは足りないのではないか、もっとブランドを守るために方策はないかということで、今実際に食べてみるようなモニターが必要ではないかという御提案もありました。
 それも一つの案だと思いますが、今回はJAいなばが商標権を持っていますので、JAいなばと私ども県とでちょっと相談をさせていただいて、例えばJAいなばに委託するか、どこかに委託しまして、そうしてモニターをしていただくと。一般の皆さんにモニターを食べてみてもらってというのも、それはわかる人とわからない人といろいろおられると思いますし、まさか毒味のようなことになってもいけませんので、そういう意味ではJAかどこかを絡めて、それで実際に監視をするような仕組みをつくるのも一つの手だてかなと思います。そんなことで鳥取県の食品としてのブランド力を担保をする。何かの形で認証した表示をするということもできるのではないかと思います。そういうモデル事業として取り組めないか、JAいなばと相談してみようかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)14番藤縄議員


◯14番(藤縄喜和君)では、JAいなばとしっかりと協議をしていただきたいと思います。
 最後に、3月15日の日本海新聞の記事を読ませていただきたいと思います。これは福岡市の51歳の主婦の方です。「春近い季節になると毎年思い出すのは美しく壮大な鳥取砂丘の景色だ。2歳下の妹と30余年前に旅した記憶は、今も忘れられない。鳥取のホテルに泊まった。翌日、春まだ浅い砂丘の絶景に息をのんだ。初めて見る日本海の美しさ、ついに鳥取砂丘に来たと感動しきりだった。水森かおりの「鳥取砂丘」の歌を聞く度に、妹とまた行こうと話す」という方の投稿が「散歩道」に載っておりました。この方にも感謝しつつ、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時57分散会