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平成20年2月定例会(第10号) 本文




2008年03月14日:平成20年2月定例会(第10号) 本文

       午前10時01分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 6番米井悟議員


◯6番(米井悟君)(登壇、拍手)おはようございます。それでは、3点にわたって知事並びに教育長にお尋ねをいたしたいと思います。
 知事は、昨年夏に封切られましたアメリカのマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「sicko」をごらんになったことと思いますが、鳥取県でも医師会の主催で東・中・西の3カ所で県民を対象に上映会が開かれたのであります。このマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画は、アメリカの医療保険制度の劣悪さと、医療費削減のために進められておる医療改革の実態があらわになっているのであります。
 1961年に国民皆保険を達成して47年、日本は世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を実現し、WHOの2000年の報告では、日本の保健システムの到達度は世界第1位と評価しているのであります。にもかかわらず、GDPに占める医療費の割合は先進7カ国で最低となっているのであります。
 本来、国の進める改革は、社会保障の目的である生存権をその主軸に据えるべきなのに、その手段でしかない財政政策をその核に据えているように思えてならないのであります。現存のまま日本の医療が圧縮されると、我が国の国民皆保険制度は崩壊をしていくと思うのであります。事実上崩壊に瀕しているアメリカ型の医療制度を目指してはいけないと思うのであります。医療制度を取り巻く現状に対する私の考えを最初に述べさせていただき、早速質問に入りたいと思います。
 まず、4月からスタートする後期高齢者医療制度についてお伺いをいたしたいと思います。この後期高齢者医療制度については、昨日、錦織議員からも質問がありましたが、重複する点があろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 後期高齢者医療制度は、まず第1に、医療給付費が上がるごとに本人世代や現役世代の保険料と窓口負担がふえ、国民負担がウナギ登りになるのであります。2つ目には、診療報酬を引き下げて医療を制限することが今検討されておりますが、必要な医療が保険で受けられなくなるのであります。3つ目には、死ぬまで保険料が年金から天引きをされるということであります。4つ目には、保険料を滞納すれば資格証明書、保険料給付の一時差しとめになり、事実上医療が受けられなくなるということであります。そして5つ目には、健康保険の扶養から外され、新たな保険料が生じるなどの問題があるのであります。
 この制度は、75歳以上の高齢者を切り離して独立の制度をつくり、現代版のうば捨て山とも呼ばれる世界に例のない制度であり、全面見直しを求めていくべきと思うのであります。
 政府・与党は、70歳から74歳の窓口負担の引き上げの凍結や、後期高齢者医療制度における被扶養者の保険料徴収の1年凍結を決めましたが、これではまやかしの凍結と言わなければならないと思うのであります。しかも、政府・与党が制度の実施前に凍結を言わざるを得ないということは、選挙目当てに加えて、この制度自体に問題があることを意味していると思うのであります。先月の末、2月28日に野党4党は、衆議院にこの後期高齢者医療制度の廃止法案を提出しました。
 そこで、知事にお尋ねをいたしたいと思います。
 4月から後期高齢者医療制度が始まりますが、この後期高齢者医療制度が多くの県民に知られるにつれて、県民の怒りと不安の声が今大きくなっているのであります。長生きをすると医療で差別をされ、人口増だけで保険料が引き上げされるなど、この制度について後期高齢者の対象者はもちろんのこと、医師会や社協、老人クラブなど、医療・福祉関係者からも制度そのものに反対する声が日増しに高まっているのであります。
 被害を受けるのはまた弱者とならないように、県としても支援を行うべきと思うのであります。県民の福祉の向上を任務とする県の立場から、国に対して制度の見直しを求める意思があるのかどうか、知事にまずお尋ねをいたしたいと思います。
 次に、観光立県を目指す平井県政として、自然景観に関する認識とその保全施策についてお尋ねをいたします。
 今、私たちを取り巻く状況は、国際化や少子高齢化がもたらす社会状況の変化によって地域経済は疲弊をし、生活基盤を中心とする格差社会の深化拡大が懸念をされているところであります。その中で、地域産業の振興や地域間交流の促進に貢献すると期待をされておる鳥取自動車道が、智頭インターまでの部分供用がこの4月開通と間近になったことは地域住民にとって大変喜ばしいことであります。さらに2年後には予定されておる鳥取インターまでの全線開通に当たり、他地域との人的交流、とりわけ観光振興は鳥取県の活性化にとって極めて重要な役割を担うものと考えるのであります。
 その立場から見た課題として、県土固有のすぐれた自然景観を保全する上で巨視的な問題点を把握し、的確な施策を講じることは今重要な課題ではなかろうかと思うのであります。
 景観10年、風景100年、そして風土1000年と言われるように、多くの人々がそれぞれを求めて、また見た人の心に残るような傑出した光景を形成するまでには、地理的条件に根差す住民のたゆまぬ努力と長い歳月を必要とすることは論をまたないのであります。そういう観点から、県内の気になる自然景観に関する事象を申し上げ、県としての見解と対策をお伺いしたいと思うのであります。
 山紫水明という言葉があるように、自然景観の構成要素は地形と森と水に要約されていると言われているのであります。中でも景観形成の主たる部分を占める森林に今大変大きな異変が生じているのではないかとの懸念を強めているのであります。
 現に、中国山地のブナの巨木林が今ではササが生えてササ山になっているのであります。そしてまた、表日本側だけと考えられていた松くい虫による松枯れ症が県下の山間部にまで今押し寄せてきているのであります。また、数年前から北陸から山陰にかけて発生しているミズナラの集団枯損が、県の東部地域にも確認をされるようになってきているのであります。そして、その上に杉の葉枯れ症状やヒノキの異常着花など、県下の森林の生育相が全体的に衰退をしているとの指摘をたびたび関係者から耳にするのであります。
 その昔、銅板ぶきの屋根や銅板製の雨どいは末代物といって喜ばれたものであります。それが、現在では10年で穴があくと言われているのであります。その原因は、もとより酸性雨の影響と考えられているのであります。
 岡山県の勝央町にある林業研究機関が平成3年10月から平成9年5月まで測定した降雨と木の幹を伝って流れる雨水のpH値は、驚くべき酸性値を示していたと言われているのであります。さらに注目すべきことは、年々pH値にして0.1程度酸性化する傾向が認められているということであります。この推論が正しいと仮定すれば、現在の雨水の酸性度は正常値の100倍と言われております。そして、森林の樹木の根元にしみ込む雨水の酸性度は、実に1万倍に近いと危惧されているわけであります。さらにまた、化石燃料を使うことで生じる窒素酸化物は硝酸に、硫黄酸化物は硫酸に、化学的合成やその焼却で生じる塩素ガスは塩酸に変化すると考えられているわけであります。このように、産業活動で生じる大気汚染物質が酸性雨の原因であることも周知の事実であります。
 特に鳥取県は黄砂現象の影響を大きく受けているように、目に見えにくい状況の中で中国大陸から排出される汚染物質が偏西風や季節風に運ばれて、酸性度の極めて強い酸性の雪や雨として降り注いでいると考えられているのであります。この積雪が、融雪までの長期間にわたり自然の緩衝力を超えて森林に対して悪影響を及ぼし続けていると思われているのであります。
 あくまでも推論ではありますが、酸性雨をさらに濃縮した樹幹流の雨水が土の中に浸透することによって、樹木の健全性と関連する共生菌や土壌中の微生物の世界を破壊し、その結果として樹木の活力が低下し、病害虫の進入を阻止する防御機能が落ちるものと考えられるのであります。
 したがって、このような生態系の異変を自然界からの警告としてとらえ、鳥取県が県として守るべき自然景観を保全するために、的確な実態の把握は緊急の課題と思うのでありますが、知事の所見をお伺いをいたしたいと思います。
 次に、鳥取県教育振興基本計画の策定について、教育長にお尋ねをいたしたいと思います。
 文科省は、改正教育基本法に基づき、国の教育振興基本計画をこの3月に策定することになっているのであります。県教育委員会もこの国の基本計画の策定を受け、平成21年2月策定を目途に、鳥取県としての教育振興基本計画の策定作業に入ることになっているのでありますが、21世紀に生きる子供たちの社会は少子高齢化、男女共同参画や、そして高度情報化、国際化などと言われる社会なのであります。教育の目的である人格の完成と平和で民主的な国家・社会の形成者の育成には、平和、人権、環境、共生などの教育の重要性が一層高まっていると考えるのであります。
 ところで、現在の教育現場を見ますと、いじめや不登校などの課題を抱え、児童虐待、ネット情報のはんらんなど、子供たちを取り巻く教育環境は一層悪化しているのがその現状であると思うのであります。義務教育費国庫負担金の削減により教育の機会均等が失われ、教育格差の拡大と固定化が深刻さを増しているのであります。
 教育は未来への先行投資と言われております。そういう意味からいっても教育振興基本計画の策定は極めて重要であると思うのでありますが、鳥取県の基本計画を策定するに当たっての基本的な考え方についてどのようにお考えか、教育長の所見をお尋ねをいたしまして、第1回目の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)米井議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 まず、第1点目として、後期高齢者医療制度についてのお尋ねをいただきました。議員のほうから、アメリカの保険制度についての問題点などの御指摘もあったわけであります。
 議員がおっしゃるとおり、我が国が誇るべきものは国民皆保険制度であろうと思います。これは歴史的に順次整備をされてきました。国民健康保険でありましたり、被用者保険でありましたり、あるいは政管健保、あるいは共済、そうした保険制度に支えられて今日まで我が国は長寿社会を建設するその礎を導いてきたのだろうと思います。
 御指摘のように、アメリカでは違った保険制度がとられていまして、やはり自由主義経済が基礎になっておりまして、基本的にはそれぞれの国民が保険会社と契約をして医療保険を受けるような仕組みになっております。それでもやはり社会問題に耐えかねず、65歳以上にはメディケアという制度が導入をされ、これは保険料とか、あるいは税金を投入して支えるような仕組みになっていますし、またメディケイドという低所得者対策がなされているわけであります。これらを例外として、アメリカの場合は自由に保険会社と契約を結ぶという形態になっておるものですから、ですから無保険者が社会問題になっているということであります。
 現在、アメリカの大統領予備選挙が戦われておりますけれども、民主党においてヒラリーさんが少し巻き返しました。あれの原因となりましたのは、いわばこの無保険者の対策を打とうと、皆保険制度をアメリカでも導入しようということが一部評価をされて巻き返しになったわけであります。これほど現地では大変な問題になる。
 しかし、我が国の場合は、どの人であっても基本的には保険を受けられるわけでありますから、このシステムというのは大切にしなければならないのだろうと、他山の石として思うわけであります。
 今回の御指摘の後期高齢者医療制度につきましては、先般もこの議会で、この議場で御答弁申し上げましたけれども、この制度自体はむしろ国民皆保険制度を維持せんがための仕組みであると理解されています。と申しますのも、今のままでいきますと高齢者がどんどんふえてくる。その医療費負担に対してどうやって社会全体で支えていくかという、その制度的な仕組みが求められているわけであります。
 従来は老人保健制度がございました。これは市町村ごとにそれぞれがやっていた仕組みでありますけれども、ただ、市町村ごとでありますので保険財政が小さくなります。保険財政が小さいと、例えば高齢化が進んだ町であれば、その重みに耐えかねるようになってくるわけです。しかし、全県的な規模で、都道府県単位で保険財政を設定し直しましょう、連合という組織でやりましょうということで、後期高齢者医療制度を設けたわけであります。その限りにおいては、私は合理性のある部分があると思います。また、あわせまして、これは世代間の分担をしようということであります。現役世代と、それから高齢者との間の世代間の公平を図ろうと、そういうような目的もあるわけでございます。ですから、制度自体は設計としてうなずけるところはいろいろあるのだろうと思うのです。
 ただ、問題として私も感じておりますのは、このたび4月1日からは、議員が今御指摘になりましたように、当面保険料の減免というか凍結の措置がとられるわけでありますが、この保険料がそれぞれの個人に発生をするわけであります。従来でしたら被用者保険の中で制度として処理をされていた保険料、あるいは国民健康保険でしたら世帯主が払っていた保険料、これが75歳以上の高齢者の方に直接かかる保険料になるわけであります。この点はなかなか理解を得るのは難しい部分があるのではないか、だからこそ与党のほうも、政府側としても当面の凍結というのを打ち出しているのではないかと思います。この点はしっかりと国において議論をすべきだと思いますし、引き続き鳥取県からも、今京都や兵庫と一緒になって要求をしておりますけれども、この保険料負担のところを見直すべきではないかと働きかけをしていきたいと思います。
 次に、観光に関連をして、その景観を形成する大切な森が今酸性雨の影響を受けているのではないかと、この御指摘でございます。
 我が県も観測地として鳥取市、若桜町、湯梨浜町と3地点で定時のモニタリング観測をしております。そうしますと、4.5から4.9のpH値となっております。全国平均が4.6でございますので、大体全国と同じような傾向にあると思います。ただ、酸性雨自体の定義は5.6でございますから、いずれも酸性雨ということになります。
 この影響について、私ども平成2年度から国の委託もございまして、これを活用して調査をしてまいりました。今のところは確たる酸性雨の影響は出ていないということでございますが、お尋ねの点につきまして、農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)酸性雨が森林に与える影響の調査について、若干補足答弁をさせていただきます。
 先ほど知事申し上げましたとおり、平成2年度から林野庁、それから環境省が各都道府県に調査を委託して、これらの影響の把握を行っております。県内では智頭町、三朝町、大山町などで調査を実施しているところでありまして、大山町につきましては現在も実施中でございます。
 主な調査の中身でございますが、大きく言って3点ございます。1点は、森林の概況、これは樹勢の調査だとか、そういったことをやりながら、あわせて雨水、それから土壌のpHの分析、こういったようなこともしておりますし、さらには酸性の強いpH3の水を杉の苗のポットにまいて、影響はどうだろうかというような調査も林業試験場でやっているところであります。
 これらの調査結果を総合的に勘案いたしますと、今のところ酸性雨の影響というふうに明確に認められる森林被害はないのではないかと、はっきりしないということでございますが、県といたしましては現在の調査を今後とも国と連携しながら継続して、酸性雨の県内への影響を引き続き把握してまいりたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)米井議員から教育振興基本計画についての御質問をいただきましたのでお答えを申し上げます。
 御質問の趣旨ですけれども、この基本計画の策定は重要というふうに考えるけれども、策定に当たっての基本的な考え方はどうかというお尋ねでございます。この質問は、先般の前田八壽彦議員への御答弁と内容的に重複する部分がありますけれども、お許しをいただいて御答弁申し上げたいというふうに思います。
 議員が今お話しになりましたように、教育基本法が改正されまして教育振興基本計画が規定されるということになりました。国には策定義務が設けられました。それから、各地方公共団体のほうでは国の計画をもとにしながら策定を行う努力義務が課せられたところでございます。おっしゃいますように、この基本計画は非常に大事であります。これからの鳥取県の方向性を定めるというふうな意味がありますので、この策定については大事に考えていく必要があると思っています。今議会にもその経費を計上させていただいているところでございます。
 具体的な、どういうふうな方向かということでございますけれども、子供たちを教育で育成するについては、世界や全国で活躍できる子供たちの育成を目指しますけれども、同時に、郷土といいますか地域を支える人材の育成という観点もあわせて必要だろうというふうに思っております。それから、根本的な考え方ですけれども、さっきお話がありましたけれども、教育は人格の完成、これが一番の最終的な目標だというふうに考えております。そのために、子供たちに健やかな心と体ですとか、それから豊かな人間性ですとか、それから確かな学力、こういうふうなものをしっかり身につけさせる必要があるというふうに考えております。
 なお、その際、支援の必要な子供たちの教育、これも大事な観点でありますし、それから教師職員の資質を高めるということも一つの大事な観点というふうに考えているところでございます。
 ただ、最近、さっきも御指摘もありましたけれども、子供たちの様子を見ていますと、どうも学ぶことから少し逃げる傾向があるというふうなことも感じているところであります。それから、家庭や地域の教育力がやはり低下しつつあるのではないかなという傾向も見られると思っています。そういう意味で、社会全体で子供たちの学ぶ意欲ですとか、それから規範意識みたいなものを育てるというふうなことが大事だというふうに思っています。そういう意味で、学校教育が基本ですけれども、家庭とか地域社会とか、それから企業、こういう方々の力もいただいて、連携して取り組んでいくということが必要になってきます。
 また、学校教育だけではありませんで、先ほど言いましたように社会教育とか生涯学習の観点とか、それからスポーツとか文化とか芸術とか、そういうふうな分野も含めて考える必要があるというふうに考えています。
 このためには県の教育委員会だけではもちろんございません。これは知事部局も含めて県全体で考える問題でございますので、県民の皆さんの幅広い意見をしっかりお聞きするということが大事だと思っております。そして、策定していく段階で県民の皆様方にしっかりその辺をお知らせして、周知させていただいて取り組んでいくことが必要だというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)6番米井議員


◯6番(米井悟君)ありがとうございました。
 それでは、引き続いて追及をしていきたいと思います。
 まず、医療問題についてでありますけれども、4月からスタートする後期高齢者医療制度の問題点の一つは、私は年金受給者からの保険料の天引きの問題であるというふうに思うわけであります。月額1万5,000円以上の年金受給者から保険料を天引きすることになっておるのでありますが、年金受給者の4割強の人たちは、御存じのとおり月額5万円にも満たない国民年金の受給者と言われておるわけであります。年金の増額は全く見込まれないという現在の状況の中にあって、保険料が年金から引き落とされますと、高齢者の人たちの負担感というものは一層増すと私は思うのであります。天引きはやめるべきと、こう思うわけですが、知事の所見をお伺いをいたしておきたいと思います。
 また、鳥取県は12万965世帯というふうに言われておるわけでありますけれども、そのうち市町村の国民健康保険の滞納世帯数は、実に1万5,000世帯を超えているという状況であります。相当な数であります。そして滞納額を県のほうで調べてもらいましたら、実に33億8,000万円を超えておるという数字になっておるわけであります。さらに資格証明書の発行状況は2,150人と言われていると、こういう状況になっておるようであります。
 このような状況の中で、後期高齢者医療制度でも普通徴収の場合には滞納が続けば75歳以上の高齢者には資格証明書の発行が行われることになっておるわけであります。しかもこのことは低所得で納められない人に医療給付を制限することにつながってくるものであり、決して認めることはできないと私は思うのであります。国に対して、現行の老人保健法と同じように、75歳以上の高齢者の資格証明書の発行中止を求めるべきと思うのでありますが、この点についての知事のお考えをお尋ねをしておきたいと思います。あわせて保険証の取り上げと資格証明書の発行をしないように、広域連合と市町村にも求める考えはないのかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
 次に、75歳以上の高齢者に対する健診事業についてお尋ねをいたしたいと思います。
 今回の医療改革で75歳以上の健診事業は広域連合の努力規定にとどまっているわけであります。ここが問題であろうと思うわけであります。従来どおり、希望者全員が受けられるようにすることが大切だと思うのであります。そのことによって受診率を上げて、保健指導や、あるいは健康づくりや予防対策を一層強化することが大変重要と考えるわけですが、知事のお考えをお尋ねをしておきたいと思います。
 また、健診事業費が保険料にはね返らないようにするために、現行の老人保健事業に基づく健診事業と同様に県が3分の1、市町村が3分の1の費用を拠出すべきと思うのですが、知事のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
 この医療問題の最後に、住民との信頼関係を大切にしながら、早く病気を見つけて、そして早く治して家に帰すという、そして容体がもし悪化すればすぐにまた病院が引き受けるという、このサイクルをうまく生かしていくことが極めて大切だと思うのであります。ところが、この後期高齢者医療制度というものは、考えてみれば受診を抑制をして、重症化や寝たきりを招くことになると私は思うのであります。それよりも医療にかかりやすくして、そして予防に力を入れて、早期発見で軽症のうちに治療をする、そのことで健康寿命を延ばすほうが効果的に医療費を節約できるのではないかと思うのでありますが、この点について知事の所見をお伺いをいたしておきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)医療制度について、重ねてのお尋ねをいただきました。
 まず1点目として、年金天引きによる保険料の納付は認めるべきではない、これについて所見を問うということでございます。
 これも議場でかねてお答えを申し上げておりますけれども、この保険料の年金からの天引き自体は、納付される方々が普通徴収ですと一々振り込みをしなければなりません。それを源泉徴収ということで簡便に済ませることができるわけでありますので、お年寄りにとっても便宜のある制度だろうと逆に思っております。それから、市町村側としても、もちろん普通徴収で集めることはできるわけでありますが、そうした手間よりも効率的に年金を通じて天引きでまとめて集めてくることができる、そういうメリットもあるわけでございます。ですから、年金からの天引き自体が、それがおかしいということではないのではないかと私は思います。むしろ先ほど申し上げましたように、保険料を納めること、これが従来ですと世帯主がまとめて納めていたものが、新しい制度ですと個人が納めることになる。ここのところをどう考えるかもっと議論をする必要があるのではないかというふうに考えておりまして、そちらが問題の根本ではないかと思っております。
 次に、後期高齢者医療制度について、普通徴収の場合、被保険者資格証明書が発行されるケースがあると。これを中止すべきではないか、また広域連合に対してその運用を指導すべきではないかというお話でございます。
 後期高齢者医療制度が導入をされて、新たに保険料を支払うという制度が始まります。これに伴って、その資格証明書の発行ということが言われるわけでありますが、これ自体は滞納をしてしまった、そういう方々に対してその徴収を担保をするというための制度でございまして、これ自体は、ある意味市町村の連合体であります連合のほうで保険財政を確保する意味では、こういう手段をとることはやむを得ない面があるのではないかと思います。ただ、もちろん払えない人まで取ろうということではないわけでございまして、それは、保険料については段階を踏んで2割軽減、5割軽減、7割軽減、均等割についてやったり、応能割をやったりという制度がビルトインされていますし、生活保護の方の医療扶助という制度もあるわけでございますから、一足飛びにこの普通徴収で被保険者資格証明書が発行されて医療が受けられないというケースになるわけではないわけであります。これは、むしろ本当の意味で滞納をしてしまっている人たちに対して、それを担保するための制度であるというように思います。
 こういう意味で、市町村の連合体であります広域連合のほうには、私どものほうからもその適切な運用を求めていきたいと思います。例えばやっていた事業が中止をしてしまったとか、生計を支えている御家族が病気になってしまったとか、そういう特殊なケースといいますか、やむを得ないケースに対してこのような資格証明書の発行はするべきでないと、これは実際に制度が導入されたらやる必要があるだろうと思っております。
 次に、75歳以上の健診事業について、希望者全員が受けられるようにすべきではないかという御指摘でございます。
 私も同様に考えます。我々が新しい制度を導入するに当たりまして注意しなければならないのは、医療保険でありますので医療にかかった後のことばかり考えますが、医療にかかる前に健康のうちに過ごしていただくことこそ、長寿社会の日本のだいご味ではないかと思います。ですから、そういう意味で議員が今御指摘になりましたように、健康診査をしっかりと受けて、もし病気だということがわかればそれを早期に手当てをして、実際に寝たきりになったり、あるいは病気で苦しむことがないようにすべきであります。ですから、健康診査は積極的にやるべきでありますし、希望者はそれを受けられるように配慮すべきだというのはおっしゃるとおりだと思います。
 広域連合のほうにも、そうした意味で私どももお話をさせていただきたいと思っておりますが、広域連合のほうもシャットアウトするつもりはないと伺っております。希望があればそれを受けられるように、体制としては整えていきたいというように我々のほうでは伺っておりますので、その動向を見守ってまいりたいと思います。
 次に、健康診査の事業に県が3分の1を負担すべきではないかという御指摘でございます。
 これも昨日この議場でも御答弁申し上げました点でございますけれども、私どもは、このたびの新しい後期高齢者医療制度が導入される際の財政秩序として設定をされておりますこと、すなわち従来は県が負担していた部分を保険料で賄うように交付税措置などが変えられておりまして、そのことを我々としても重視をさせていただき、今回は県の負担は見送らせていただいたというふうに御答弁申し上げました。
 これは、考え方としてはそのとおりだと今でも思っております。ただ、現実問題、4月から導入をしていく健康診査の事業にどれほどお金がかかるかということがあろうかと思います。国が国庫補助で設定をしている単価と違った実態があれば、その実態も拝見をさせていただいて、フォローアップをするかどうか考えてみたいと思っております。
 次に、後期高齢者医療制度では受診を抑制して、重症化や寝たきりを招くのではないか、むしろ健康寿命を伸ばすほうが本筋ではないかということでございますが、これは先ほど私のほうも申し上げたとおりでございます。
 そういう意味で、県としては健康づくり文化をこの際鳥取県から導入してみる、創造してみることが必要ではないかと考えております。健康づくり文化と申しますのは、私どもが長生きをして、健やかに地域社会の中で家族とともに暮らしていく、その喜びを享受しよう、それをコンセプトに考えるわけでございます。健康をつくっていくことは、我々のこの豊かな自然環境のもとでは容易なことであるはずです。少なくともストレス社会と言われる大都市部に比べて私どもはそのメリットを持っているはずであります。それをしっかりと満喫できるような文化を、みんなで地域を挙げて創造していくことが大切ではないかと思っております。
 そういう意味で、新年度の予算の中にも一生健康づくり文化事業とか、あるいは高齢者の方のための低栄養予防の食育指導を行うとか、そうしたことを盛り込ませていただいております。
 あわせて介護予防も大切なことだと思います。これも市町村が中心となっておりまして、私どももその指導をさせていただくことにさせていただいておりますけれども、例えば倉吉では関金の温泉を活用して、その関金の温泉でゆったりとしていただき、クイズやレクリエーションを楽しみながら介護予防に役立てていただこう、そんな事業をされています。こういう取り組みが県内の市町村で次々生まれてきておりまして、これらを我々も応援をしていくのが大切なことではないかと思います。議員がおっしゃるように、健康づくりこそが本当の意味の医療政策だと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)6番米井議員


◯6番(米井悟君)御答弁いただき、ありがとうございました。
 いずれにしましても、この後期高齢者医療制度がこの4月から実質スタートをするのであります。実施されれば、私は高齢者の暮らしと健康保持にとって重大な悪影響を及ぼす点もあろうかというふうに実は思っております。そして、この4月実施以降、県民の不安と怒りの声は今よりも一段と強くなることは目に見えておるのではなかろうかというふうに思っております。したがって、高齢者に過度の負担を求めることのないように、だれもがいつでもどこでも平等に医療が受けられるように、持続可能な医療とするように、この後期高齢者医療制度の抜本的な見直しを国に対して求めていくことを強く知事にお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、森林の衰退と酸性雨の問題について、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。今、農水部長からは、余り酸性雨の影響がないようにとれるような発言も実はあったわけで、それは容認できないと私は思っております。
 先ほど申し上げましたように、農水部長も御存じのように、知事はどうか知りませんけれども、標高1,000メートル前後の中国山地には樹齢150年から200年、300年というブナの巨木があったのです。それがここ20~30年内といいますか、ブナの枝の先端から変調が起きて、ついに幹までこの2~3年のうちに倒れて、それでブナ林がだんだんと消滅をしていった事実が実はあるわけであります。それは虫というふうに言われておりますけれども、そこが問題であろうということでありますが、また松くい虫の枯死も、区域外というふうに見られていたこの鳥取県や山陰地方、裏日本にも枯損が拡大して、現在では用瀬辺の山間部までは枯死が今なお続いておるという状況であるわけであります。さらにまた、ミズナラの集団枯損も鳥取県内にも病兆があちこちに認められておりますし、それから先般銀杏議員から言われた杉の樹幹の変調も私たちの住むこの智頭にも多く認められるようになってきておるわけであります。
 この山を取り巻く異変の現象は、いずれも先ほど私が申し上げましたように、酸性雨に大きく起因していると思わなければならないと思うわけであります。そして、このことが自然の景観や森の景観を侵しておるということであります。知事がいつも言われるように自然の景観や山、森林の景観という、先人が築いてきた貴重な財産が今申し上げましたようなことで失われておるわけであります。
 その上に、このことが集中豪雨などによって大変大きな災害をもたらしているわけであります。昨年9月の琴浦町のあの災害、ゲリラ的な集中豪雨によって松林の跡地といいますか林地が地すべりを起こしたというふうに言われて、これは県の試験場等も発表していましたけれども、そういうふうに言われておる。松林の枯死による被害が災害を一層大きくしておるというふうに実は思うわけであります。私たちが目視できる山の森林の異常は、結局木の根っこといいますか、根系といいますか、そこに不正常が起きておるというふうに思うわけであります。そこから栄養分が上がってこないということです、いろいろな意味で。温暖化等による異常気象の多発傾向を考えるときに、私は林地などの崩壊は絵そらごとでは済まされないことであろうというふうに実は思うわけであります。
 そういう観点からいっても、この森林、樹木の異変と酸性雨の問題について、鳥取県としても非常に重要な課題として林業試験場や、あるいは衛生環境研究所や鳥取大学、あるいは環境大学等、あるいは気象庁や環境庁等とも十分連携をしながら、国際的な問題といいますか、全国的な問題だろうというふうに思いますが、私は自然界からの警告としてとらえなければならない、そして十分な徹底した観測、研究をすることが緊急な課題であるということをあえてもう一度申し上げておきます。知事の所見をお伺いをいたしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)米井議員の重ねての御質問にお答えを申し上げます。
 まず、後期高齢者医療制度につきましては、私も保険料の部分について抜本的な見直しを求める必要があるという考えを持っております。これは今までも要望してきておりますけれども、引き続き国に対して求めてまいりたいと思います。
 酸性雨につきましてでありますけれども、議員がおっしゃるように、営々として先人が築いてきた美林が失われつつある、その山の荒廃が自然環境に対する負荷を高めて災害を発生させる原因になったりもする、それ自体は事実であります。その原因が酸性雨なのか、ほかの要因が複合的にあるのか、あるいは虫だとか、全く別のことで起きているのか、これからもモニタリングをしながら探求をし、原因が明らかになったら対策を打っていかなければならないことだと思います。
 詳細は、農林水産部長のほうから、今まで枯死ですとか山の崩壊についてのさまざまな報告も出ておりますので、それなどは答弁をさせていただきたいと思いますけれども、いずれにせよ、今議員がおっしゃったように鳥取大学、鳥取環境大学、あるいは気象台などと一緒になりまして、酸性雨についてのモニタリングをし、必要な研究調査を進めていくことにしたらいいと思います。従来も黄砂問題などとあわせてこうした環境問題について意見交換をしてまいりました。そのテーマとして、酸性雨のことをこれからも重視して取り上げていただきたいとお願いをしたいと思います。
 今のさまざまなデータから少しずつわかってきていることがあります。例えば冬場になりますとpH値が下がってくる、酸性がきつくなる。0.1とか0.2とか、これが鳥取市のほうで観測をされます。やはり冬になるとということは北北西からの偏西風が吹いてくるからでありまして、東アジアから風が来ると酸性値が上がるということでありますから、これは国際的に解決すべき何かがあるというのが推察をされます。逆に、今ちょうど黄砂の季節でありますが、黄砂が吹く春になりますと、黄砂のアルカリ性が作用しまして0.2から0.4pH値が逆に改善をされてくるというようになっております。これも鳥取市でそういう観測がされているわけでありますが、こんなこともお互いの共同研究の中で見えてきたことであります。今後ともそうした調査研究を進めていただくように私どもも働きかけてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)酸性雨のもたらす森林被害ということについてでございます。
 もう一回確認をさせていただきたいと思いますが、酸性雨は森林の変調に影響はないというふうに断定しておるわけではないわけでございまして、今のところ、いろいろな調査なりを踏まえたその結果を見る限りにおいては、酸性雨による顕著な影響は確認できないという見解でございますので、そこはまず確認をさせていただきたいと思います。
 それで、先ほど議員のほうから、いろいろ県内で起こる森林の変調についてのお話が幾つかございました。実は、これについては関係機関がそれなりの調査を今までやっております。幾つか紹介させていただきたいと思います。
 これも森林の変調が一つの要因だけではないということを前提にお聞きいただきたいと思いますけれども、まず、ブナの巨木林がササ原になったというようなこと、これは船上山のほうでも起こっております。これにつきましては、鳥取大学がいろいろ現地で調査をいたしましたけれども、どうもやっぱりこれは台風被害に起因するところが大きいのではないかというような結果を出されております。それから、松枯れについては御案内のとおり、やはり主因はマツノマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウではないかというふうに思われています。それから、ミズナラ等の集団枯損であります。これは最近非常に問題になっております。これについても主因はやはりカシノナガキクイムシが主因になっているだろうという、そういう報告がなされておるところでありまして、いろいろな要因はあると思います。ただ、酸性雨についても今後の長いスパンで見ればやはり影響が出る可能性が大いにあるということなので、今後も引き続き実態の把握に努力をしていきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)6番米井議員


◯6番(米井悟君)しっかりやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、教育問題について教育長にお尋ねをしておきたいと思いますが、教育委員会が策定をする教育振興基本計画、教育長からもお話が先ほどございましたけれども、10年先を見通しつつ、平成21年から25年までの5年間を展望して鳥取県の教育政策と、それに伴う財政措置が盛り込まなれければ余り意味がないと言っては語弊がありますけれども、そこが大事なところではなかろうかというふうに思うわけであります。単なる理念や抽象的なことであっては余り意味がないと、こういうふうに思うわけであります。そういう意味で、したがって、作成に当たっては教育諸条件の改善と教育環境の整備、充実を図るためにも具体的な数値目標等も設定をして、5年間で達成をする財政的計画とすべきと、こういうふうに実は思うわけですが、この点について教育長の所見を伺って、私の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)お答え申し上げます。
 策定に当たってですけれども、具体的な数値目標なんかを設定して5年間で達成する財政的な計画もあわせ盛り込むべきだと思うけれどもどうかというお尋ねでございます。
 先ほどお話しになりましたとおりでして、10年先を見通しながら、平成21年から25年までの5年間を展望した鳥取県の教育政策を計画するというようなことになります。これにつきましては、何度も申し上げています本県の教育の基本的な考え方をもとにいたしまして、重点的に取り組む具体的な目標とか施策、これをしっかり明記するというふうなことで、具体性を持たせる必要があるというふうに思っております。お話のとおりだと思います。目標のうちの可能なものにつきましては、数値化を図るなど達成状況の評価を容易にできるようにした上で、その施策の検証に役立つように留意する必要があるというふうに思っております。
 先ほどの財政的な計画というふうなこともございました。これも当然それに伴ってくる大事なことだというふうに考えております。こういうふうな財政的な計画の必要性などについても、今後いろいろよく話していかなければいけないというふうに思っております。それにつきましても、県民の皆さん方のいろいろな意見を幅広くお聞きして取り組んでいく必要があるかなと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、4番尾崎薫議員


◯4番(尾崎薫君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 きょうは女性の方々も傍聴に来られていて、もちろん男性も来られていて、非常に政治に、そして議会に興味を持っていただくということが、これからの鳥取県の発展に非常に重要であろうと思います。喜ばしいことだと思います。
 さて、質問に入らせていただきます。
 きょうは特別支援教育について、そして文化・教育施設における指定管理者制度のあり方と文化芸術の振興についてお聞きいたします。
 まず、特別支援教育について、特に発達障害の児童・生徒に対する教育の確保と充実について。
 障害のある子供一人一人の必要性に向き合って支援していくための特別支援教育が、全国のすべての学校で実施されるようになりましてから1年がたちます。鳥取県では小・中学校で既に取り組みをしてきましたが、高等学校については昨年4月よりすべての学校で実施されました。文部科学省は、特別支援教育の実施に際しては各学校に一人一人の子供に関して個別の支援計画を立てること、校内に関係機関との調整をする担当のコーディネーターを置くこと、校内委員会を設置することなどを求めています。
 きょうは、特別支援を必要とする子供たちの中でも特に発達障害のある子供たちについて質問したいと思います。
 今までは養護学校、聾学校、盲学校などでさまざまな障害に沿った教育がなされてきました。しかし、特別支援教育の特徴は、従来の特殊教育の対象とされた7つの障害に新たに発達障害が加わったことです。ある新聞の報道によれば、以前の特殊教育の対象者は全国小・中学校生徒の1.8%、およそ20万人でしたが、発達障害が対象となった現在では全生徒の8.1%、およそ88万人になったと言われています。すなわち12人に1人が対象になってきたということです。昔であれば発達障害の子供たちはちょっと変わった子供、かなり特徴のある子として先生も受けとめ、何とかして学校生活を営むようにしていたのかもしれませんが、医学的に研究が進んだ現在では、きちんと対応することが子供の成長にもよいとされ、さまざまな対応が試みられてきています。
 このような子供たちの対応について、小・中学校ではまだまだ十分とは言えないのが現実です。すべての教員がまず基本的な知識を持ち、連携がとれるように努力をしている最中というところです。また、県としても専門の教員の配置や自閉症・発達障害支援センターを設置し、できることを探りながら取り組みを進めています。それでも発達障害のある子供たちやその保護者からは、深い悩みや苦しみの声が聞こえてきます。中でも中学校を卒業した後、どこへ行ったらいいのだろうか、どの学校に進めるのかという不安はとてつもなく大きいものです。
 そこで、教育委員長にお聞きいたします。現状では全く十分とは言えない発達障害の子供たちへの教育の機会の提供はどうあるべきとお考えか。また、特に中学校卒業後の教育の機会の保障はどうすべきか、お聞かせください。また、昨年4月に全高等学校で実施され始めました特別支援教育はどのような取り組みが進められているのか、高校によって差があることとは思いますが、その課題は何であるかについてもあわせてお聞かせください。
 次に、文化・教育施設における指定管理者制度のあり方と、県民や地域の文化芸術振興についてお伺いいたします。
 教育、文化、芸術、これらは人間ならではの活動であり、人間には必要不可欠で、しかも私たちの生活の中で重要な位置を占めています。きょう、ここでは文化・教育施設の活動と、それを支えるのに望ましい管理運営とはどんなものかについて、まず知事、そして教育委員長に質問いたします。
 まず、鳥取県立県民文化会館、並びに先ほど来話題になりました倉吉未来中心についてです。それぞれ平成5年、13年に開館以来、両館ともに県民に対し文化芸術活動のさまざまな機会を提供し、県民の文化芸術レベルの向上に貢献してまいりました。この2館は、この間、鳥取県文化振興財団が管理運営を行ってきました。先日、伊藤議員の質問にありましたように、この財団の運営は問題なしとは言えません。法令遵守はもとより、今後は職員の方々が納得のいく、安心して働ける環境づくりをしていただきたいと思っています。しかしながら、これまで鳥取県の文化芸術振興の発展にこの財団の皆さんが熱意を持って取り組まれてきたこともやはり事実であろうと思います。国民文化祭が行われた平成14年以降は特に同財団が県民を大きく巻き込んで文化芸術の振興の活動を行われてきました。
 一つの例として、平成17年のまなびピア鳥取の開会式、閉会式が挙げられます。通常、他県では県外の大手広告代理店に依頼する場合が多いのですが、鳥取県では多少大変でも自分たちの手でぬくもりのある企画をしようと、地元の作曲家による音楽や踊りで開会式を彩り、また全国トップレベルの地元のピアニストを軸に「交響曲ふるさと」の壮大な演奏が披露されました。普通1億円ほどかかるところが3,000万円ほどで温かみのある式典ができ上がりました。これには職員の皆さん、本当に御苦労されたことと思い、県民の一人として感謝いたします。
 この両館もほかの公共施設と同様、平成18年から指定管理者制度が適用されることとなり、鳥取県文化振興財団が指名指定を受け管理運営することになりました。これにより経費の削減、運営の効率化が図られ、開館時間や利用料金などのさまざまな住民サービスも向上いたしました。
 しかし、文化施設のこの制度導入には弊害もあり、平成18年度決算審査特別委員会では、その指摘の中で、指定管理者制度により安易な効率化、コスト削減、収益重視が求められ、本来財団が行うべき県民の地域文化の振興が阻害されると心配される。また、指定管理期間も3年で、文化芸術に携わる職員の雇用不安を生じさせ、モチベーションの低下を来し、退職の動機にもなっているとしています。
 県は平成21年から種々の施設の指定管理者制度について見直しを進めていますが、この2つの施設が鳥取県の文化芸術に果たす役割についてどのようにお考えか、またこれらの施設について決算委員会の指摘をかんがみ、何を最も重要視して今後の指定管理者を決められるのか、知事にお伺いいたします。
 次に、県立図書館についてお伺いいたします。
 ここ5~6年、鳥取県立図書館の活動には全国の注目が集まっています。数々の斬新な取り組みにより、昨年はライブラリー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞いたしました。市町立図書館や高校、大学への配達ネットワークシステム、暮らしに役立つビジネス支援などに取り組んで、これらは利益最優先、効率一辺倒の管理運営ではできないことばかりです。鳥取県立図書館のこれらの取り組みを念頭に置きつつ、公立図書館の役割とは何であるとお考えか、教育委員長にお伺いいたします。
 また、鳥取県立図書館のこれまでの取り組みについて知事はどう評価されているかもお尋ねいたします。
 これで壇上の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員の御質問にお答え申し上げます。私のほうには文化・教育施設の関係についてのお尋ねがありました。
 まず、第1点目として、鳥取県の県民文化会館、また倉吉未来中心という施設がございますけれども、その施設が果たす役割について、あわせて指定管理をする際の視点についてのお尋ねがございました。
 議員の今のお話を伺っていて思い出しましたが、平成14年、国民文化祭の開会式、本当に感動的なものだったと思います。これは単に県民文化会館で行われたイベントのみならず、その後、一連の文化芸術行事が県内一円で展開をされました。多くのボランティアに支えられながら、全国から集まった皆さんが文化や芸術の香りを楽しまれ、演じられ、そして帰っていかれたわけであります。
 この感動を後々に残していこう、これこそを文化芸術を育てる出発点にしようというのが当時我々が県民全体で話し合ったことでありました。そのときから文化芸術振興の拠点として県民文化会館、あるいは倉吉未来中心が果たす役割が少々変わってきたかなという手ごたえを持っております。今、まなびピアのお話もございましたけれども、数々の思い出のシーンというものが県民の脳裏に焼きついているわけであり、それがこれからの若い人たちの芽を育てていくことにもなるだろうと思います。
 箱物というものは、その名のとおり単に置いておけば箱でありますけれども、その箱の中で何が始まるか、何をやっていくかこそが本当に大切なことであります。文化芸術というものは、単なる待ちの姿勢ではできないものであります。常に行動をしていくことこそが求められるだろうと思います。この県民文化会館にしても、倉吉未来中心にしても、イベントのホールとしての箱物の提供にとどまらず、ここを起点として文化芸術が振興していくことにならなければならないと思います。県内外から質の高い芸術文化の催しをしていただくことで県民がそれに触れる機会を持つ。若い人たちがその中から啓発をされて、将来の担い手として育っていくことになる。また、このホール自体の活動としてさまざまな文化芸術活動をみずから行うことによって文化芸術を地域から育てていく、その取り組みも重要だと思います。ですから、そのような意味で、文化芸術振興に施設が果たしていかなければならないだろうと思います。単なる箱物ではない、プラスアルファこそが大切なのだと思います。
 その意味で、今指定管理の選定基準についてのお尋ねがございましたけれども、私は、従来余りここにメスが入っていなかったようでありますが、文化芸術において何をやっていくかということ、それも審査対象の中できちんと明示をすべきではないかと思います。その上でどういう相手方に私どもの施設を任すのか、指名指定にするのか、あるいは公募にするのかも含めてこれから議論をして、厳正、公正な中で選定して、施設の受託者を探していくということだろうと思います。
 次に、県立図書館についてのお尋ねがございました。これまでの取り組みについてどう評価するのかということであります。
 私は、マニフェストにも実は書いておったのですけれども、図書館の振興を行っていく、図書館というものを地域づくりの拠点としていくことが、鳥取県にとって大変ユニークで力強いエネルギーになってくるのではないかと思います。現に県立図書館はライブラリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したというお話でございますが、それに象徴されますように全国からも注目をされる存在になってきました。
 先般も朝のNHKのテレビ番組が取り上げておられましたけれども、闘病記文庫の報道がありました。闘病記というものは、確かにそれ自体は一冊一冊の本にすぎないかもしれません。しかし、病気で苦しんでおられる方々からすれば、自分にはできない経験者が身近にいることになります。それが本であります、闘病記であります。病気に悩むのは、えてして一人で悩みがちでありますし、その病気を見守る家族、ケアをする家族も孤立しがちであります。お医者さんとお会いすることはあっても、お医者さんは病気についての説明はできても、みずから病と闘うわけではありません。ですから、闘病記文庫が示す中身というものは熱いものといいますか、非常に情報量の多いものなのだと思います。これに着目をして、闘病記文庫を県内で整備をされた県立図書館の着眼点とその行動というものは評価されるべきだと思いますし、全国的にも報道をされ、共感を呼んだところであります。
 これにとどまらず、ビジネスを支援をしよう、せっかくの情報なのだから、これをもってビジネスを支援しようという、そういう考え方もあります。例えば先般もグッドデザイン賞をとられた県内のシャッターといいますか、防犯の施設、設備を売る会社がありまして、これも脱サラをして事業を始めようというときに、図書館のほうから全国の台風災害の状況とかそういうデータをもらったり、ビジネスを起こすときのアドバイスを本を通してもらったりすることで起業をされて、グッドデザイン賞まで受賞された、中小企業ながら本当に栄誉のある賞に輝いたわけであります。並び立つ大企業の中で中小企業として、しかもベンチャービジネスとして受賞されたということになりました。
 あるいは最近ですと法情報サービスということで、DV問題とかそうした法律にかかわるような問題を、こういうところに資料がありますよという提供をされる、こんなサービスを始められたり、非常に生きたサービスをしていると思います。
 そういう意味で、私は県立図書館のこれまでの取り組みは評価をしておりますし、今後も住民の目線に立って、何が図書館に求められるか、どうやったら図書館が地域づくりに役立つか、それを考えてさらなる実践を続けていただきたいと念願をしております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)ただいま尾崎議員から2点御質問をいただきました。
 1つは障害児、とりわけ発達障害を持つ子たちの中学校卒業後の教育の保証ということでしょうか。
 私、障害を持つ持たないにかかわらず、子供というのは次の3つの特徴があるのだろうと思っています。1つは、どんなに恵まれていると思える子でも社会的には弱い存在である。2つ目は、障害があろうがなかろうが、すべての子供たちは無限の発達の可能性を持っている。そして3つ目は、子供の命というのは預かった、授けられた命である、このように思っています。
 福祉の先人と言われる糸賀一雄先生がおっしゃった有名な言葉に、長年重症の心身障害児にかかわりながら、「この子らに世の光を」ではなくて、「この子らを世の光に」とおっしゃった。要は障害があろうがなかろうが、太陽の光を浴びて光る月ではなくて、一人一人が自分で光を発散する太陽にならないといけないということをおっしゃっている。そういうことをきちんと保証していくのは、やっぱり第一義的には教育であろうと、こう思います。
 現在、発達障害児の教育というときに、先ほどありましたように肢体不自由とか知的障害とか、あるいは視覚、あるいは聴覚障害とか病弱、こういうものを有しながら発達障害の子たちは特別支援学校の高等部へ進学する。しかし、一方で、そうした5つの障害を有しないでという発達障害の子たちには、高等学校、あるいは専修学校ということだろうと思います。大切なことは、選択肢がたくさんあるかどうかというのは一つだと思いますし、それから鳥取県では平成18年から高等学校の中に、先ほどもありましたように、学内委員会というものをつくりまして、特別支援の教育を学校全体で考えていこうということ。あるいは担当の窓口を置いて、そこを一つの窓口としよう、あるいは職員の方の研修をしようと、こういうようなことを始めたところです。
 まだ始めたところですから、それがどうだということは言い切れませんが、私は最近、じかに経験したことを申し上げますと、ちょっと自分の大学のことを申し上げて申しわけないのですけれども、今度、高度の発達障害の子を受け入れることになりました。それに当たっては、高等学校とよく連絡をしないと大変だということで、高等学校の先生方とよく連絡したときに非常に感心したのは、高等学校でその一人の生徒をはぐくむためのシステムをきちんとつくられ、保護者とも連絡をして、そして体系をつくっておられた。こういうことが一つ一つ根づき出したのかなということを思っております。
 ただ、こうした発達障害の教育ということにかかわって、私が今後非常に大きな課題になるというのは、先ほど18年からやり出したそうしたシステムがきちんと機能するかどうかということは、あるいは職員の方の研修をしっかりしていくということも非常に大切なことだし、加えてちょっと個別的なことを申し上げると、個々の個人の情報をどこまでが共有して、どこからは共有しないのかということが、かなり保護者の理解とも相まちながら難しい問題だなということも思っています。それから、中学校、高校との連携。それから、こうした発達障害ということに対しては教育の支援というだけではなくて、やっぱり生活の支援ということが絡んできますので、どうしても福祉・医療・保健、さらに言えば地域との連携をどうつくっていくのか、これがこれからの大きな課題になるのではないかというふうに思っております。
 第2点目の、公立の図書館についてですけれども、これも個人的で申しわけないのですけれども、私どもの大学はあした卒業式です。私は卒業式にいつも学生たちにこんなメッセージを送っています。卒業だ、さあ学び始めよう。ずっと小学校から大学までみんな学んできています。しかし、本当の学びの場、学びというのは、あるいは社会人になってから始まるのかもしれない。社会人になってからの学びというときに、いろいろな学び方があると思うのですけれども、人に学ぶ、あるいは研修に出る、講習に出る、いろいろあると思いますが、基本は私は読書ではないかと思っています。そして、そうした読書を支えるものは身近にあるそうした図書館だろうと、こう思います。
 図書館もいろいろあっていいと思います。例えば大学の図書館というのは専門書がたくさんあるであろうし、市町村の図書館というのは身近な本がたくさんあるであろうし、そして県立の図書館というのはもっと幅の広いものを用意していく。こういう中で、県立の図書館というのは、先ほども知事がおっしゃいましたように、人づくりの一つ大きな支点であるし、情報の拠点であるし、あるいは地域文化のそうした拠点であるし、あるいは仕事とか暮らしを支える。
 しかし、県立のもっと大きな部分とというのは、図書館の図書館ではないかというふうに思っています。小さな町の図書館がいろいろな本を整えるわけにはいかないですけれども、その町の図書館から県立の図書館にネットを組んで、幾らかかっても2日間で図書が入るとか、こういうようなことも今システムとしてできています。それから、県立図書館で私が非常に感心しているのは、ややもすると図書館というのは待ちの姿勢で、それも大切なことですけれども、打って出るサービスをしているということ、それが先ほど知事の答弁にもあった闘病文庫であったり、あるいは起業家の支援であったりいろいろありますけれども、サービスをどんどんどんどん打って出るということ、これは非常に大切だと思っています。
 今後ますます生涯学習が問われる時代にあって、あるいは地域文化が問われる時代にあって、公立の図書館の意味はますます大きくなると思います。ぜひ皆さんからも御理解、御支援いただければと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)御答弁いただきました。
 基本的なところをしっかりと押さえていただいたお二方の御答弁で満足がいくかなと思っていますが、追及をさせていただきます。
 まずは特別支援教育についてですけれども、本当に高校との連絡、中学校との連絡、大学との連携、そういったものが本当に発達障害のある子供たちには特に大事だということは常々思っているのですけれども、よく現場の方々の声を聞きますと、やはり高校はどこに進んだらいいのかと一番悩みの種というところがあります。例えば発達障害だけですと養護学校にはなかなか行かれないということで、養護学校以外の学校でもまた発達障害の子供が学ぶチャンスが得られるように、一層体制を整えていただきたいなと思うのです。例えば、モデル校というわけにはいかないかもしれませんが、モデル的な学校があれば、そこからいろいろな学校が学び取るような仕組みを考えていったらどうかということがまず第1点。それから、まず高校に行くには入試というものがあります。その場合には、やはり発達障害の子供にとってはある程度配慮が必要ではないかなと思います。例えば別室での受験をするだとか、字を大きくするだとか、例えば音声で問題を聞くことができるというようなことも必要かなというふうに思います。
 それと、これは中学校側の問題になるのですけれども、今は内申書というものがあります。そうすると、発達障害のお子さんたちの中には提出物の期限を守るとか、そういったことがなかなかできづらいお子さんたちもおられるとなると、何か別の形での評価ができないものかなということを検討をしていただけたらとも思います。
 私も高校生の子供がおりまして、私だけではないのですが、いろいろな学校の保護者に聞いてみると、学校に入学する際に、発達障害のお子さんを持っていらっしゃる保護者とすると、いつ学校に言おうかなということを困られることが多いのです。実際に校内委員会があるとか、担当の先生がおられるとかというのは御存じない。実は私も知らなかったのですけれども、それでオリエンテーション、入学前のかなり前にオリエンテーションがあるのですが、そのときにいろいろな情報を配付して、電話番号なり担当者なり、それで親御さんがすっと相談に行かれるということのチャンスをつくってはどうかなというふうに思います。
 先ほど教育委員長もおっしゃいましたが、連携が必要です。特に個人情報については非常に隠したがると言うと語弊があります。なぜかというと、例の個人情報保護法案の影響なのです。過剰に意識をしてしまっていて、やはりこれは出してはいけないと思ってしまう。出さなければいけないものまでも思ってしまうということが間々あります。このあたりはやはり中・高の連携された会議で重要性の確認を、先ほどおっしゃったようにしていただきたいなと思っています。
 文化・教育施設についてですが、図書館については既に皆さん評価されておりまして、今思いますと、指定管理に求められているような効果は既に上げているのかなというふうに思って聞いておりました。もともと利益を生む施設ではありませんし、市町村立の全県的支援、図書館の図書館という役割もあります。県民文化会館、県立図書館、公文書館などの連携も含めて今後もやはり県で管理すべきと思いますけれども、知事はどのようにお考えでしょうか。
 次に、県民文化会館、未来中心の指定管理者についてお伺いいたします。
 ここの指定管理者については、CSRを遵守した管理運営をもちろんきちんとやっていただきたいと思っています。私も知事と同様に思うのですけれども、第一の目的というのは県民の文化芸術の振興にあるというふうに、その役割が非常に重大であるというふうに私は思っています。
 決算委員会でも指摘されましたように、給与の削減があったり指定期間が非常に短かったりという問題はあります。そして、職員が安心して事業に取り組むのは難しいということは、どこの公の施設が指定管理に出た場合でも同じ問題を抱えているのではないかなというふうに思いますし、これは指定の出し方を今後考えていく必要があるであろうというふうに思っています。
 しかし、ある新聞を見ますとこんなふうに書いてありました。文化・教育施設というのは、非常にビジョンが大事であると。ある指定管理者の、企業が請け負った指定管理のところなのですけれども、ある文化施設なのですが、採算が見込めるような公演があったとしても、チケット代が上限ここまでにしてくれというようなことがあって、なかなかそれをけるわけにいかなくて、割に合わないのだというようなこと。それから、指定管理の期間が切れるとまた公募が来る。そうすると、やはりじっくりと専門家を育てるという土壌にならないということ。そして、長期を見据えた事業計画が練りにくいということになってしまうのは問題であると。そうはいってもコスト削減というのは非常に大事なことですので、今までの箱物行政の帳じり合わせというツケが回ってきたのかなというふうにこれには書いてありますが、カンフル剤としての刺激剤としてといういい面もあったとも書いてあります。しかし、私が非常に大事だなと思うことは、最後のほうに書いてありました。一級の芸術に子供が触れるという、そういう機会は生涯の宝物になる。目先の合理性だけを、合理化だけを達成してみても、それが本当に成功かどうかということは本当に考えてみなくてはいけない。つまり、その根本にあるのは各地方自治体の独自の文化のビジョンがちゃんとあるかどうか、そのことにかかっているのではないかと思います。
 したがって、この文化・教育施設の指定管理については、やはりビジョンが大事だということをもう一度確認してみたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)私のほうには、文化施設に対するお話をいただきました。
 まず第1点目として、県立図書館について管理運営を引き続き直営で行うべきではないかという御質問でございます。
 先ほど申しましたように、現在、県立図書館がしているサービスは非常に有意義なものになっていると思います。教育委員長のほうからもお話がございましたように、センター機能としてのシステムもかっちりと組んでありまして、これも市町村との連携が行政的にネットワークが張りめぐらされている成果ではないかと思います。
 こういうことからしますと、私は直ちにこれを直営から管理委託の指名指定とか、あるいは公募指定とか、そうした指定管理制度へ移行する必要はないだろうと思います。要は、現在の直営の行政サービスで成果が出ていて効率的であれば、それについては是認すべきものだと思います。ただ、それが効率性が失われるような事態になるとか、あるいは直営でやっているけれども行政サービスが住民のためになっていないとかいうことであれば、これは別途民間の活力を導入するために指定管理制度へ移行することも将来的にはあり得ることだろうと思います。ただ、現状においてこのように皆様の評価をいただける県立図書館でありますので、私自身はこれを直営から外す必要性を感じておりません。
 次に、県民文化会館、倉吉未来中心の指定管理に関連をして、こうした施設の管理運営について文化芸術のビジョンを持っていること、これが必要ではないか、それを指定の基準として重視すべきではないかという御趣旨だと思います。
 私も先ほどちょっとそのことを申し上げたつもりでありますけれども、単なる箱物の管理であれば管理運営の効率性のことで終わると思います。例えば人員の配置にしても、これはスリムであって要は必要最小限のものかどうか、そこさえ見ればいいということになると思います。あわせて、管理運営を効率化するためのさまざまな知恵だとか、収入を得るための知恵だとか、それを提出してもらって比較検討をするということになろうかと思います。
 ただ、私ども鳥取県として国民文化祭以来、文化芸術を育てていく拠点としてこの2施設を考えるようになってきているわけでございまして、その意味では文化芸術の振興に役立つ、そういう能力と意欲を持っているかどうか、これも審査対象として位置づけるべきではないかと私自身は思っております。
 そのことを踏まえて、そういうような考え方で、これから、ではどういうように今回の管理委託を選定作業やっていくかというのを新年度に考えてみたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)尾崎議員から4点御質問いただきました。
 まず、1点目ですけれども、養護学校以外の学校でも発達障害の子供が学ぶチャンスが得られる体制を整える必要がある。モデル校をつくってその事例から学んでいくのも一つの方法だと思うけれどもどうかというお尋ねが最初の1点目であります。
 今、特別支援学校に入っている子供たち以外で、高等学校に何人くらい発達障害の子供たちがいるかというふうなことになりますけれども、これは公立、私立を合わせまして県内の高等学校63名であります。ただ、これは医師によって発達障害というふうに診断されている子供たちの数であります。63名のうちの公立が41名であります。このほかにも医師の診断をまだ受けていない子供たちで、入っている子供たちがいるというふうなことは想像がつきます。
 このために、先ほど山田委員長のほうから答弁がありましたけれども、県立高校では校内の支援体制を今整えてきつつあります。モデル校の話が先ほどありましたけれども、これについては新規の事業の中に県立高校でモデル校を1校指定して、その中で特別支援教育を推進するための調査研究をやってみようというふうなことで今予定をしております。こういうふうなことをもとにして、ほかの学校にも伝えていきたいというふうに考えております。
 2点目でございます。高校入試を受ける際に配慮が必要だと思うけれどもどうか、それから内申書などを用いるのではなくて、ほかの方法を用いてはどうかというふうなことが、発達障害のある子供たちの高校入試についてお尋ねとしてありました。
 議員がさっきおっしゃいました配慮ですけれども、別室での受験ですとか文字の拡大とか、こういうふうなこと、過去、視覚障害を持っていらっしゃる受験生の皆さんとか、それから病気の受験生の皆さん、そういうふうな皆さんに対応するように一応したことがあります。できるようにしていきたいと思っています。こういうふうな個々の状況を十分に検討した上で、ただ、受験の公平性ということが一方ではありますので、それとの兼ね合わせみたいなものも大事な要点かなと思っております。問題用紙を拡大したり縮小したりとか、別室で受験したりとか、そういうそんなことをしています。
 選抜に当たって、内申書だけでなくて学力検査の得点、面接での評価とか、部活動での活躍とか、いろいろなものを今の高校入試では総合的に判断して入学者を決めているというふうなことがございます。そういうふうな意味で、特別な方法という話もありましたけれども、ではどういうふうな形が本当に特別な方法かなということは、なかなか難しい部分もあるのかなと思っています。さっき言いましたようにほかの受験生との公平性の問題、それから高等学校は入ってくる子供たちが成業の見込みがあるかどうかということを高校入試である程度見ていくということになりますから、その成業の見込みをどういうふうにはかるのかというようなことも必要になりますので、なかなか別の方法で入試をはかるというのは、現時点では難しい部分があるのではないかと思っています。
 3点目でございます。高校に合格して入学するまでに情報が伝わりにくいと。入学前のオリエンテーションの機会などにもっと支援の必要な、校内委員会とか担当者の名前とか電話番号とか、そういうふうなものを書いた資料を配付してはどうかというお尋ねでございます。
 おっしゃるとおりだと私は思っています。ですので、県立高校では入学者の説明会がございますので、その際に配慮が必要な方はぜひ教えてください、あるいは相談をしてくださいというようなことをきちんと保護者や本人のほうに話をするように指導していますので、大体の学校ではそういうふうな話ができているのではないかと私は思っていますけれども。まだ十分でない学校がありましたら、これはきちんとそういうふうな方向でいくように指示したいというふうに思っています。中学校とも連携をとって、できる限り入学前の段階で学校の支援体制や相談できる担当者の名前などを本人に知らせて、安心して入っていただけるようにしたいというふうに考えています。
 最後に、4点目でございます。中学校と高等学校の連携が必要だが、個人情報の保護を意識し過ぎていないか、きちんと伝えることが大切であるというふうなことをもっと中・高の会議なんかで確認すべきではないかというお尋ねだったと思います。
 新しく高等学校に入ってくる生徒の中に、確かに発達障害を持った生徒がおりますし、その子たちが小学校、中学校でどういうふうな対応をされてきたか、どういうふうなことを気をつけなければならない点であるかというふうな情報は欠かせない情報だというふうに考えております。しかし、ただ、高等学校の側が中学校から本人の同意もなくして発達障害などの個人情報を入手するというのは、県の条例でも禁じられております。そういう意味で、やはり最終的には本人が納得して、本人からそういうふうな情報をいただくというようなことが今の段階では最終的な方法かなと思っています。そういう意味で、個別の支援計画というふうな様式を定めまして、これはカルテのようなものですけれども、これを本人の手から上級の学校へ引き継ぐという取り組みを今一部始めているところであります。
 今後もこういうふうなことを大事にして、個人情報の保護条例に逸脱しないようにしながら、市町村の協力を得ながら支援体制を充実させていきたいというふうに考えています。


◯議長(鉄永幸紀君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)それぞれまた御答弁いただきました。
 知事には文化施設に対する指定管理の上での基本ということをもう一度しつこく再確認させていただきましたけれども、ありがとうございます。
 まず、特別支援教育の方に行きたいと思いますが、それぞれに答弁いただきましたが、入試の面で特別に別の試験をしろと言っているわけではなくて、内申書と同じようなことでやるとなかなかうまくいかないということもあるということで、その方法をもっともっと幅が広げられないかということを申し上げただけで、別の試験をしてくださいというふうに、公平を期さないでほしいということは言っていないつもりです。それはいろいろと工夫していただきたいと思います。
 次に、実は特別支援ということは興治議員がさんざん15年度からやっておられまして、ここにあるだけでも随分とたくさんのことを質問してこられているのです。12項目ほど質問してこられていますが、それでもなおかつ私が質問したいと思うぐらい発達障害の子供さんの問題というのは深いのだなというふうに思っています。
 まず、ずっといろいろな方々の声を聞いていると、親御さんがまずどこに相談に行ったらいいかということで、どなたも困られているのだなというふうに思います。
 小学校の小さいころにどうもおかしいとある親御さんが思われて、でも担任の先生は余り気づいてもらえなくて、対応なかった。5~6年の担任の先生はおかしいのではないかと気づいてもらって、それでその先生は動かれて、診断が下って、校内全体で一致協力して動いた。それで子供さんはだんだんと改善されていった。ところが今度、中学校に上がるときになると、その改善したことがよかったのですが、そこで問題はないということになってしまいまして、支援体制が組まれなかった。その結果、そのお子さんは教室に入れない状態が続き、環境も変わりましたので、それからずっとそのまま不登校になりかけた。そして2次障害も出てきた。そこのところでやっぱり親御さんはあちこち行かれたのです。助けてください。でも、ここでも、そこでも、あそこでも解決しなかった。最後には県の関係のセンターに行かれたのですけれども、そこで救いの手が差し伸べられたのですが、そういうことが間々あるのです。
 ですから、小学校のところだけではなくて、どの段階でも親御さんが飛び込んでいかれるような、ピアカウンセリング的な、親御さん同士で話し合えるようなそんな機能も持ち、また専門家もいるというような相談機能のところが欲しいなということが本当によく聞こえてきます。そこのあたり、もう一度お願いしたいと思います。これは知事になるでしょうか。
 乳幼児から就労までの各機関が連携をとることというのが発達障害のお子さんには非常に大切なのですけれども、倉吉がモデルケースとして取り組んでいまして、これをぜひ全県に広げていただきたいと思います。連携のとれる核になる人材の育成ですとか、乳幼児健診後のデータを一連のものにして管理する、それを計画に生かしていくというようなことも必要だということを聞いております。以上、お聞きしたいと思います。
 次に、文化についてですけれども、私は文化芸術に関しては非常に長い間かかわっておりまして、いろいろな知人、友人がいるのですけれども、実にさまざまな情報が入ってきます。360度、実にさまざまな情報が入ってくるのです。未来中心の館長さん、この間伊藤議員からの質問にありましたように、斬新な取り組みをされたりとか、それから選挙にも出られようかというガッツのある方との評判も聞いております。一方で、ニュアンスの違う情報も入ってきたりして、実は戸惑ってしまうこともあるわけです。これは世の常でありまして、どんな人物に関してでも、どんな事柄に関してもいろいろな情報、いろいろな角度からの情報というのが入ってくるわけです。これまでの財団の関係者についても、それからもっと言えばどんなリーダーについても、どんなに活躍する人についても同じことが言えるのではないかなと思います。そうであればこそ、今後1年間で指定管理者としての文化振興財団をチェックする上では180度、もしくは360度、いろいろな角度から情報を得ていただいて、一般県民の利用者、芸術活動をする人、そして芸術に関係する人、職員の方々、あらゆるところから厳正に公正に検討していただきたいというふうに思っています。
 児童・生徒への文化芸術に関してです。これは教育委員長にお聞きしたいと思いますが、学校における芸術教育活動の充実については鳥取県文化振興芸術条例にもありますが、教育委員長は現在の学校の状況を踏まえてどのようにお考えか、そして文化振興財団などによる児童・生徒向けの芸術振興の事業に関して教育委員会はどうかかわっていくおつもりか、教育長にお尋ねいたします。といいますのも、今、文化芸術の課というのは、教育委員会から文化課に移ってしまったわけです。やはり、教育現場というのは大事ですので、ぜひその辺をお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、特別支援教育に関連してお尋ねがございました。
 1つは、発達障害を抱えた親御さんは本当に苦労して相談場所を探しているというお話でございました。
 これについては、実は県内で現在、多分その方も行かれたのかもしれませんけれども、幾つか拠点を持ってきております。特に自閉症、発達障害の専門機関であります「エール」が中部に置かれておりまして、これは全県の御相談をお受けできるようになっております。現実問題、年間2,300件ぐらい既に相談が寄せられているぐらい、かなり活用されてきております。
 ピアカウンセリングも大切な視点だと思いますが、これも鳥取県の自閉症協会のほうでペアレントメンターと言われるピアカウンセリングの研修を行っておりまして、これもだんだんと人材育成が進んできております。そんなことも相まって、県内では鳥取療育園が東部で、それから中部だと皆成学園、西部だと総合療育センターにピアカウンセリングのスタッフがいまして、そういうサービスも行っています。これは育児支援サービスだとか、そういうことと関連してやっていくことでございます。
 こういうことをぜひ御活用いただきたいと思いますし、お話を聞いてPRがいまだうまくできていないかなと思いましたので、改めて周知徹底をさせていただきたいと思います。市町村のほうも市町村で親子教室をそれぞれに実施しています。こういうのもピアカウンセリングなんかと場合によっては提携していくことも可能かなというように思います。市町村ともそんな話をしてみたいと思います。
 次に、乳幼児から就労まで連携をする取り組みを行っている倉吉のモデルケースを全県に普及してもらいたいということでございます。
 倉吉をモデル地域としまして、我々も非常な関心を持ってこの実験をやらせていただきました。その核となるのは、個別支援計画を子供ごとにつくっていくことでございます。乳幼児の健診などでだんだんとわかってきます。そうした発達障害の情報をもとに親御さんだとか関係機関が協力をして、この子にはこんな支援をしようというものを、要はカルテをつくるわけです。これを、情報を倉吉市だとか、あるいは県も関与したりしまして、どこかでその情報を管理しながら、これを小学校へ、そして中学校へ、高校へ、さっき山田学長おっしゃっていましたが、大学へ持ち上がったのもそうかもしれません。こういうようにして、この子はこうやって対処すべきことが望ましいという、そういう支援計画をつくって管理をしていくと。これに関係者が協力をしていくことで充実した、一貫した、一生涯を通した、幼児から就労までのケアをするシステムを整えようという実験であります。
 おかげさまで成果があらわれてきていたと思います。ただ、その中で問題点も浮かび上がってきました。例えばやはり人材研修が必要であるということでありまして、これも「エール」などを活用して、さらに進める必要があると思います。あわせて個別支援計画は非常に微妙なデータもあるものですから、この管理も難しい場合が出てくるということがわかってきております。それから、あと、精神科医の皆さんなど、医療関係者のほうにも発達障害についての理解を求める必要があると思います。これも研修だとか、周知徹底を図っていくことが必要だと思います。
 こういう課題も片方である一方で成果も上がっているものですから、ぜひ全市町村で導入をしてもらえないだろうかと我々も思っていまして、市町村の担当者にこのたびの成果をお伝えをする、そういう活動を始めたところでございます。
 次に文化振興財団について、厳正に、公正に検討して指定管理者としてだれを選ぶか、その作業をしてもらいたいということでありますが、これはそのとおりでございまして、現にそういうようにシステムもでき上がっております。現在、指定管理をする場合には、第三者機関の審査委員会の方にかけて、それで実際にどこがふさわしいか、あるいはこの者は、この機関はふさわしいか、この判定をしてもらいまして、最終的には議会のほうに御提案申し上げ、チェックをしていただいた上で指定管理者の契約ができる、こんな運びになっております。ですから、その過程を通じまして厳正、公正に選定作業を行っていくことになるわけでございまして、我々としても改めて襟を正してやっていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)学校教育における文化、芸術活動についてということですけれども、私は、文化、芸術というのは学校教育において非常に重要だと思っています。学校というのは、ややもすると、人間に知情意があるとすると、知ということを中心に見られがちですけれども、知の土台には情があるのだと思います。知というのは、結局情が純化したものであるし、それから意というのは情が継続したものであろうと、こういうふうに考えています。
 そういうときの土台にある情をいかに磨くかというのは、いろいろあると思うのですけれども、その原点的なものは文化や芸術ではないかと、こう思っています。
 その文化、芸術というかかわり方というときに、1つは、超一流という言葉がいいかどうかわかりませんけれども、そうしたものにいかにかかわるか、鑑賞するかということと、みずからその活動、創造的な活動にかかわるかという、2つの分野があるかなというふうに思うのですが、鳥取県は私は非常に自然も豊かで人も温厚でいいところだと思うのですけれども、一番ちょっとつらいなと思うところは、生のそういう全日本的な文化とか芸術にかかわる機会がややもすると薄いのではないかと、こういう気がしています。それは何も鳥取県だけではなくて、地方の共通した大きな問題であろうと。
 こういう中で鳥取県、現在何をしているかということですけれども、小学校、中学校段階では国とか県の補助事業を使って、例えば子供たちのためのクラシックコンサートであるとか、あるいは芸術家派遣事業であるとか、あるいは芸能を楽しむ環境づくりとか、あるいは高等学校段階に行きますと演劇教室というようなことや、あるいは高校の裁量予算を使って文化部の総合発表会というようなことをやっています。いろいろあっていいと思います。
 活動そのものはいろいろあっていいのですけれども、特に上の学校に行けば行くほど、必ずしもそうした文化芸術活動よりもむしろ体育に力を入れておるところとか、学習に力を入れておるところ、いろいろあっていいと思いますけれども、でも基本のところとして、やっぱり文化芸術にみんなが親しめるそういう風土をつくっていく必要はあるのだろうなと、こう思っています。そういう中で、例えば教育委員会の中でもよく議論するのですけれども、県立博物館等で大きな美術展をやる。そういうときに比較的近い学校からは気楽に来ることができる。しかし、遠方の学校からはなかなか来ることができない。それをもうちょっと例えばバス等いろいろな配慮をしながらでも来るような機会をつくるとか、そういうことで地域の持っているいろいろな資源を学校にまた戻していくということも考えていく必要があるのだろうと、こう思います。学校での文化、そうした芸術、非常に大切ですけれども、一方で我々大人社会が文化、芸術にかかわるという風土づくりも大切かと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)文化振興財団など児童生徒への芸術の事業について学校はどうかかわるべきかというお尋ねでございます。
 芸術の意味につきましては、今委員長のほうからお話がありましたので、繰り返しません。学校の教育課程にもそういう意味で芸術科目はちゃんとあって、これが人間性を高めるための大事なものだというふうなことの位置づけがしてあるというふうに思っています。
 お尋ねの文化振興財団ですけれども、文化振興財団と県の教育委員会とが共催という形で、今とっとりの芸術宅配便事業というのをやっています。これは学校ですとか公民館のほうに県内の方に行っていただいて、そこでコンサートですとかそういうふうなことをしていただいているということがあります。ちょっと調べてみましたら、19年度、今年度ですけれども、85回実施しています。延べで1万600人余の児童生徒がそれを参加したり鑑賞したりしているというふうなことであります。この文化振興財団だけでありませんで、ほかの点で国とか県でいろいろやっています。例えば文化庁の本物の舞台芸術体験事業ですとか、県の教育委員会の高等学校芸術劇場ですとか、それから財団法人の青少年文化センターがやります芸術鑑賞教室とか、いっぱいいろいろなものをそれぞれの学校でやっています。そういう意味で、県の教育委員会としては学校と一緒になって、そういうふうな機会がふやせるように努力していきたいというふうに思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)それぞれに答弁いただきました。ぜひ子供の芸術に触れる機会というのを充実していただきたいなと思って期待しております。
 特別支援のほうの親が行かれる相談なのですが、「エール」というのはよく聞くのですけれども、中部にありまして、やはり東部や西部となるとなかなか知られていなかったり、それから行きづらかったり、頭に入っていないのです。近くにあればもっといいかなというようなことも考えますので、その点も配慮していただけたらと思います。
 最後に、それぞれの問題について聞きたいと思いますが、教育委員長に、インクルーシブ教育というのをお聞きになったことがあるとは思いますが、これは障害者の子供もそれからそうでない子供も一緒の教室で学ぶということです。今では特別支援教室があって、ある時間格別に何か別のことをするだとかということを個別にしておられますが、西欧諸国では地域の学校に支援を受けながら通う、一緒に学ぶというインクルージョン教育が普通になってきています。国連でも障害者の権利条約でインクルーシブ教育を原則としなさいということも言われています。私も小さいころを思えば、一緒に過ごしていたなというふうに思うのですね。いつも私の隣はそういうお子さんだったなということを思い出すのですけれども、それでも子供たちは協力したり、中ではちょっとからかったりということもありましたが、学んでいっているということも多かったと思います。こういう教育についてどのようにお考えかということをひとつお聞かせ願いたいと思います。
 知事、歴史をひもといてみますと、国の繁栄ということには必ず文化の繁栄がついて回っているということが言えると思います。地域の繁栄には地域の人々が高いレベルの芸術に触れて、そして地元の文化、芸術と活動が一緒になり、プラスまたそこに生きる人たちの地域の活性化の活動と結びついていってこそ本物になるのだなというふうに私は思っています。このいい例が鹿野の鳥の劇場ではないかなというふうに思っておりますけれども、もう一つ期待していることがあるのです。
 実は若桜や若桜鉄道沿線の地域に文化振興の芽があるのではないかなというふうに思っています。先日、前田議員も取り上げられましたけれども、何といっても若桜鉄道にはSLというものが来ました。そしてそれを起爆剤にしていろいろなことが取り組まれようとしていますが、若桜には登録有形文化財に指定されました若桜橋ですとか、カリヤ通りですとか、それからすばらしい町並みですね、そして古くからの盆踊り、独特の食文化もあります。これらが地元の方々の芸術の活動と一体となって絵とか舞台とか踊りとか、地域ならではの文化の振興が出てくるのではないかなと。これにぜひ若桜鉄道も結びついていってほしいなと思うのですが、コメントがあればお願いいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員からまず特別支援教育に関連して発達障害のお尋ねをいただきました。
 議員のほうからは東部に「エール」がないので、縁遠いというお話でありますけれども、ただ、片方で全国的に見てもあれだけの発達障害のきちんとした機関をつくっているところはそんなに多くないです。そういう意味で、人材が限られているところを集約して高度なサービスをしようということであの「エール」を発足させた経緯がございまして、まずは鳥取療育園などで御相談いただいたりして、さらに必要があれば「エール」からの出張ということもあるでしょうし、いろいろな活用ができると思います。そもそも情報が余り知られていないことがネックかなと思いますので、先ほど申しましたようにPRに改めて努めさせていただきたいと思います。
 次に、質の高いレベルの芸術に触れる機会が必要だと。若桜は新しいSL導入などもありまして、その機運が盛り上がっているのでないかということであります。
 私自身も若桜は非常におもしろい展開になってきたと思います。受け皿として着地型観光を目指そうということから、例えばサバのてんぷらのうどんを出そうとか、それからそれぞれの地元の郷土料理を出してみようとか、それも女性たちがみんなで力を出し合ってやろうとか、それからSLも皆さんの寄附で集めてきてやってみる、いろいろなグッズを売る。大変におもしろい展開になってきていると思います。今、確かに言われてみれば、あそこで従来の自然景観、それから文化的な遺産とともに新しい創造活動が始まっているようにも思います。これから東のほうにはハイウエーのネットワークができてきて、さらに河原インター線も開通をしてくるわけであります。そうした流れがぐるぐると兵庫県までつながっていくように、我々も目指していかなければならないと思いますし、若桜の動きを我々なりにも応援をしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)山田教育委員会委員長


◯教育委員会委員長(山田修平君)インクルーシブ教育についてのお尋ねですけれども、インクルーシブ教育、障害を持つ子も持たない子も同じ教室でともに包み込むようにして学んでいこうと、こういうことで、御指摘があったようにヨーロッパのほうでこれを一つの理念として取り組んでいるのは事実ですが、ただ、実態はさまざまな形があるような気がいたしています。ただ、特別支援教育の一つの大きなゴールというのはインクルーシブにあるのかもしれないとも思います。
 それに行くまでにいろいろなことを検証していく必要があるのだろうなというふうに思っています。例えば障害にかかわってもさまざまな障害や程度がありますし、発達障害を一つ例にとっても、発達障害というのは理解ができるわけではなくて、理解の道筋が違うのだということがよく言われます。そうすると、その道筋が違うということと、一つの教室の中で一つの方法で教育をするというときに、それがうまくいくのかということも考えざるを得ない。それは単にアシスタントティーチャーをつければいいというだけの問題ではないような気がいたします。そういうところからいえば、例えば国語とか数学というのは難しいかもわからないけれども、音楽や絵画はどうなのだろうかと、これはいけるかもしれないというようなことや、あるいは遊びとか給食というのはいけるかもしれないとか、いろいろなこうした仕分けをしないといけないと思いますし、それ以上に大切なのは、やっぱり家庭とか地域がどうそれを受け入れるかということです。学校で一生懸命インクルーシブ教育をしたとしても、家庭や地域にその理解がなかったら、かえって子供が混乱するかもわからない、こんなようにも思います。
 現在、鳥取県では例えば特別支援学校の子供たちが小・中へ行って一緒に交流したり学習をする。あるいは小・中・高の児童生徒が特別支援学校へ行って交流、共同学習をしている、こういうようなことをやっておるのが実情ですけれども、そうしたことを一つ一つ積み重ねながら、インクルーシブ教育の目指す理念を具体化して、鳥取県のスタイルというのをつくっていくというのはこれからの方向かなというふうに思っています。
 それにしても、やっぱり教育現場と福祉とか保健とか医療とか地域とかという、こういう連携がないとなかなか難しいだろうと、これが大きな課題だろうと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)4番尾崎議員


◯4番(尾崎薫君)それぞれにお答えいただきまして、インクルーシブ教育なのですけれども、やはり確かに一緒でいいのか、別々でいいのか、いろいろな問題がありますが、今の特別支援教育が目指すところというのは今おっしゃったように、ともに学ぶ、ともに育つことだろうなと思います。その方向性をきちっと胸にしまっていきたいなというふうに思います。
 最後に、特別支援を必要とするお母様方がいつも心のよりどころとしている言葉を御紹介したいと思います。子供には安心できる場所が必要です。きちんと理解する大人がいればそれは可能ですということを言われた方。それからもう一つ、これはいじめに遭われた、そして自殺されたということがあったお子さんたちを助けておられる関係機関の方だと思いますが、この世のことはこの世で解決しましょう、みんなが知恵と力を出せばできるのです。このような言葉をよりどころにしてずっと活動しておられる保護者の皆様とともに、私たちもやっていきたいなと思います。ありがとうございました。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は午後1時より再開いたします。
       午前11時57分休憩
   ────────────────
       午後1時00分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 5番浜田妙子議員


◯5番(浜田妙子君)(登壇、拍手)お昼ゆっくりされておなかが満たされていらっしゃる方が多いと思いますが、1時間ほどおつき合いいただきたいと思います。
 きょうは男女共同参画施策について、そして県立盲学校問題について取り上げさせていただきます。男女共同参画の問題につきましては、私の所属します常任委員会の所管の事項なのですが、特に根幹にかかわる問題について議論をさせていただきたいと思いますので、お許しいただきたいと存じます。
 初めに、男女共同参画施策について触れさせていただきます。
 日々の生活の中で刷り込まれ、形づくられた男女それぞれのイメージ、皆様は心の中にそれらはどんな形で彩られているのでしょうか。心の奥底に織り込まれたその意識はさまざまな場面で頭をもたげてまいります。時としてプラスに、時としてマイナスに私たちの生活を支配してきます。その時代時代の文化を背景に長い歴史の中で身につけた本能的とも言える男女のイメージや価値観を転換しようとすると、それは深い心のひだに働きかける作業であるために、とても困難で時間がかかり、高い目的意識と強い力が必要になろうかと思います。
 社会にアンバランスを招き、ゆがみをつくり、さまざまな問題を抱えることになった原因がその男女の固定的な観念にもあるとなると、いかに困難であったとしても社会の均衡ある発展のためには取り組まねばならない課題になります。
 男性たちに顕著な自殺や過労死、またDVのみならずさまざまな暴力、メタボリックシンドロームもそうですし、若年者のニートの問題、はたまた格差社会におけるワーキングプアを初めとした労働問題、自然破壊や少子化の問題も大きな社会問題となっていますが、それらの背景に低い人権意識としての男女のゆがめられた観念が見え隠れしています。日常生活から経済活動に至るまで、生活の見直しが今求められているわけです。
 政府は2008年をワーク・ライフ・バランス元年と位置づけ、男女共同参画の視点で仕事と生活全般の見直しを地方自治体にも求めています。男女共同参画社会の構築は女性問題のみならず、むしろ男性問題の解決なしには解決しないわけです。そのことを意識しながら取り組まなければならないことを、政府はワーク・ライフ・バランスというキーワードで憲章をつくり、行動指針を提示して世の中の変革を求めています。地方自治体に求められる課題は各分野多岐にわたり、高い人権意識の中で積極的な取り組みを進めるために、数値目標を掲げ達成を迫っています。
 鳥取県も各部局単位で項目と数値目標がつくられ、現在は第2次目標を上げ、取り組みが進められていますが、管理職あるいは職員の皆様方のこれら男女共同参画、ワーク・ライフ・バランス、それぞれに対する取り組み姿勢と意識、どのレベルだと知事は見ておられますでしょうか。初めにどのように見ておられるかお聞かせください。
 次に、県立盲学校問題です。
 今議会でも取り上げられていますが、県立盲学校を初め、聾学校や養護学校にかかわる一連の問題。なぜこのようになってしまったのか、なかなか私には合点がいかないままきょうを迎えています。人を育てる立場の人の集まり、教育現場で教師と実習助手との関係を法律違反と知りつつ見過ごしてしまったのは一体なぜなのか。食の安全・安心がここまでクローズアップされている現状なのに、給食の中に異物が入っていたにもかかわらず、20回以上も表に出ないまま問題解決がされなかったのはなぜなのか。どう行動しなければならないのかわからないはずがない人たちの集団が、当たり前のことを当たり前にできない背景に何があるのか。そして着服事件まで起きてしまいました。
 難しい問題でもないのに、できなくなってしまった現場の状態、あげく、追い詰められ、内部告発に頼らざるを得なくなっている現状。それを教育委員会事務局が把握できなくなってること。そのことこそがとても難しい問題を抱えてしまった状況であり、根深い何かが横たわっているようで、黙っておれない気持ちになってしまいました。
 幸い単位の問題につきましては、とりあえず卒業された皆様には大きな問題を残さず解決され、よかったと思います。関係者の皆様は最大の努力をされたかと思います。しかし、それですべての問題が済んだというわけにはいきません。今度はそのエネルギーを根本解決に向け、その力を使わねばなりません。それを生み出してしまった風土、組織体質がそこに今まだある以上、在学しておられる生徒の皆様を初め、保護者の皆様、県民の方々も、そしてそこで働く先生も不安と不信感をぬぐい去ることはできないのではないでしょうか。私のもとへも生徒の皆様、保護者の方から少なからずそうした声が届いています。
 学校という組織は教師というプロ集団で回される縦社会で、しかも閉鎖社会でもあります。それゆえ一種独特の隔離された空間というイメージがつきまといます。しかし、多くの社会とつながる教師や生徒、その背後に控える保護者や教育委員会事務局、教育センターや教育委員会に至るまでつながっていますし、学校は閉ざされた空間とは言い切れません。教育長も学校訪問をされていますし、校長や教師の異動チャンスも新しい風、新しい視点を入れ、気づきのチャンスにもなったはずです。たくさんの人の目があり、その上自己評価や外部評価も始まっています。人権教育振興事業もあり、人権意識を高めるチャンスも用意されていました。学内委員会も持たれるようになっています。そのほか二重、三重、幾重にもチェックとして生かすことのできるさまざまな機会が用意されているわけですが、そのいずれも効果的に働かなかったことになるわけです。
 また、生徒間や保護者間でうわさになり、気づき、学校でも認識しながら、問題解決には動き出せなかった。何が原因でそんなに鈍感な組織に成り下がってしまったのか。どのような力が足りなかったと御判断されるのか。学校にも教育委員会事務局にも教育委員会にもそれぞれ問題があるかと思います。どのような背景が考えられるのか、まずは教育長に伺います。
 そして私は教育委員会の危機介入が必要な状況だと判断しています。指揮監督する立場の教育委員の皆様は、この2つの問題をいつ、だれから、どのように聞かれたのか。そして教育委員会として情報を手に入れられ、どう行動されたのか、教育委員長にお尋ねをいたします。
 壇上からの質問はこれで終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員からの一般質問にお答えを申し上げます。
 男女共同参画についてのお尋ねがございました。
 今、議員のほうから御指摘がございましたように、男女共同参画の推進については地域社会の生活のあり方全般にかかわる非常に大きなテーマだと思います。それは歴史的ないろいろなものが絡み合ったり、また地域における固定的な観念があったり、さまざまな問題はあるのだろうと思いますが、それに対して粘り強く、幅広い理解を得ながら進めていくべき課題なのだろうというように理解をいたしております。
 議員のほうからお尋ねがございましたのは、男女共同参画に対する県庁職員の意識はどのレベルかという非常に難しい質問をいただきましたが、ある意味で皆さん公務員ですから、男女共同参画の理念といいますか、考え方は一通り理解をしておられると思います。そしてやはりさまざまな行動を起こす、施策をつくるとか、あるいはいろいろなところでいろいろな方々とお話をする際に、常に意識の中にどこか男女共同参画についての理解は生きているだろうと、そこは私も思っております。これは日ごろから研修を積んだり、それから実際に計画をつくったりしておりますし、その達成目標も示されたりするわけでございますから、一定程度の理解はあるのだろうと思います。
 ただ、それがすべて完成の域に達しているかどうかというと、そこはまだまだこれから努力の余地はあるのかもしれないと一般論としては思います。1つの例を挙げて申し上げれば、男女共同参画のための計画を県では数値目標をつくって第1次やってきました。これが平成14年度から18年度まで、31の目標を掲げてやっていましたが、達成されたのは10項目にとどまっております。その中には審議会の委員の比率、これは議会のほうの御理解もいただきながら42%かそこらでしたか、全国でも2位の比率を占めるぐらい先進県と言われるそういう取り組みもありました。ですから、ある意味シンボリックなことは非常に進んでいるのだと思いますけれども、ただ、全般としてそれに対する推進力がまだこれから努力の余地はあるのだろうかというように思っております。
 そういう意味で、一つ我々も検討課題かなと思いますのは、先般この男女共同参画の第2次の計画をつくりましたし、新たな数値目標を県庁内で策定をいたしました。それについて一通りのものを出したころに、国のほうもワーク・ライフ・バランスの考え方を明確に打ち出してきたわけです。仕事と生活の調和、推進に関する計画をつくられて、それについての各自治体の役割なんかもアピールをされるようになってきたわけです。そこのところがうまくタイミングがまだ合っていないかなと思います。ですから、今、一番男女共同参画との関係で重視すべき取り組みはワーク・ライフ・バランスのことかなと個人的には思っておりますけれども、そのことについてはまだその取り組みが明確に計画上入っていない、これは時間的なことでしようがなかったかもしれませんが、今それを目標として推進している数値目標などにもあらわれていないように思います。この辺は考慮といいますか、改善の余地があるだろうというように考えております。ただ、鳥取県の場合、ドメスティック・バイオレンスの分野を初めとして、男女共同参画の具体的な取り組みは分野によっては進んでおります。そうしたところは温め直しながら、これから引き続いて全国にも誇れる施策づくりをしていく必要があるだろうと思っております。
 そういう意味で、県庁の職員は一通りの理解をしてくださっていると私は思っておりますし、そのための行動も起こしておられますけれども、まだ新しい視点についていっているかどうか、ここは改善の余地があるのではないかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、若木教育委員会委員


◯教育委員会委員(若木剛君)教育委員の若木でございます。
 浜田議員から鳥取盲学校問題につきまして教育委員長へという御質問でございましたけれども、たまたま教育委員長、山田、それから職務代行の堀田委員もこの時間やんごとない所用がございまして出席いたしかねますので、至りませんけれども私のほうでかわって御答弁をさせていただきたいと思います。
 お尋ねがいろいろあったわけですけれども、まずこの盲学校の問題の情報の入手の経過についてお尋ねがありました。
 これは、去る2月7日に定例の教育委員会がございましたときに、事務局のほうから詳しい事実は調査中であるがということで、概要の報告を受けたというのが最初の第一報でございます。その報告を受けた内容でございますけれども、3点ございまして、1つは1月31日に鳥取盲学校の関係者の方が事務局を訪問されて訴えがあったということが1点。その内容ですけれども、本来教員と実習助手の2名体制で行うべき授業において、教員がつかないで、授業を行わないで実習助手のみで行っていた、これは問題であるということ。それから学校もその違法性を認識しておりながら黙認しておったということ。この2点が主たる訴えの内容であったというふうに聞きました。3点目は、この訴えを受けまして、教育委員会としても事実を調査した、まだ途上ではありましたけれども、その日にち、時点の限りではまさにおっしゃるような事実が確認されたということを報告を受けた次第でございます。
 これを受けまして、教育委員としてどういう行動をとったかということが2つ目のお尋ねだったのですけれども、いろいろな問題が頭をよぎったわけですけれども、とにかく卒業や国家試験を間近にした在校生、さらには既にそういう形で授業を受けて単位を認定され、職についておる卒業生、これらの国家資格に大きな影響があるのではないかということがまず第一の関心事でございました。
 指示した項目は3つあります。まず第一は、引き続きしっかり事実関係を調査しなさいということが1点。2点目は、法令の解釈にかかわる問題も大変重要でございますので、文部科学省と直ちに連絡をとって協議するようにということが2点目。3点目としましては、他の県立学校についてもよもやこういうことはないと思うけれども、そういう非違があるかないか、これも早急に調査するようにということをとりあえず指示をいたしました。
 非常に驚いたわけでありまして、考えれば考えるほど、どうしてこんな無意味な法律違反を何年もやっていたかというのが、腑に落ちないというのが話を聞いた我々の今もって偽らざる疑問でございます。しかし、そういうことは後で考えるにしまして、とりあえず第一にしなければならないのは先ほど申しましたように、在校生、卒業生の不利になることがないようにしなければならないと。そのために何ができるかということでございました。例えば法解釈の余地はないのかとか、あるいは補習授業のような形、あるいは集中講義といいますか、そういうふうな座学の部分を補充するようなことが今になって可能なのかどうかとか、いろいろ考えたわけですけれども、法律や制度の運用にかかわる問題がやっぱり根本にございますので、そういうことで対処できる性質のものではなかろうと思いまして、早速その日のうちに文部科学省へしかるべき担当の者を協議に向かわせたというふうなことでございました。
 結果としましては、先ほど議員の御発言にもありましたように、在校生、卒業生に影響がなくいきそうだということで、ほっとしたというのが正味のところでございます。その後の経過につきましては、この議会で教育長が、あるいは常任委員会におきまして事務局のほうからその後の経過の御説明をしておると思いますので、長々と私のほうで今は省略させていただきたいと思います。
 もう1点の給食への異物混入の問題ですけれども、これまた鳥取盲学校が絡んでおるのですけれども、2月25日に事務局のほうから電話で報告がございました。概要についてでございます。2月13日の当日の給食に調理の不十分な豚肉が混入しておったということが盲学校の栄養職員のほうから県のほうの体育保健課に連絡があったと。あわせて当日のみならず、以前からそういう状況であるということも報告を受けたということでございました。これは2月25日に電話連絡を受けたわけでございます。
 これも他にも学校があるわけですけれども、生徒の食の安全、場合によりましては生命にかかわる問題でございますので、早速とにかくしっかり事実関係を明らかにすることと、再発防止に業者の見直しも含めまして迅速に対応することということを指示したというところでございます。
 その後、かなり早くいったのではないかと思いますけれども、給食の業者は変更いたしました。また、業者選定時の厳格化というふうなことにつきましても、指針をつくって臨んでいるところでございます。そのように報告を受けております。
 この件につきましても、その後の経過につきましては、本会議、常任委員会等で御答弁がなされていると思いますので、今はこのようなことでとどめたいと思います。
 これが盲学校関連の2つの問題についての情報入手の経緯と、その後の教育委員会の行動についてのほぼ御説明でございます。
 なお、教育委員会としましては、学校でいろいろな問題が起きるわけですけれども、基本的には現場で学校長を中心に責任を持って問題解決に当たると。それを支援していくというスタンスが教育委員会の基本だと考えております。それでいいのですけれども、ただ、今回のように学校長以下、組織を挙げてそういう違法、非違がある、しかも何年もそういう状態が続いているというふうな事態になりますと、これは極めて異例なことでありまして、そんなのんきなことは言っておれないわけでございます。委員会といたしましても、その支援を基本とはするのですけれども、学校の自主性、自主解決の支援、これが基本ではありますけれども、学校に対する指導、助言、監督、さらには人事管理、評価といったさまざまな観点から、これまで以上に意を用いて臨む必要があるというふうに今のところ考えておるところでございます。
 今回の対応につきまして、私、委員の一人としての感想でもございますけれども、先ほど議員がおっしゃった危機介入の場面ではないかとおっしゃられたまさにそのことを痛切に反省をしているわけでございます。通常は、事務局と違いまして非常勤の教育委員が問題が起こるたびに現場に走るということはないわけでございますけれども、それは事と次第でございまして、今回のような異例な事態におきましてはもっと早い時期に適切に、全員でなくても委員の1人でも2人でも事務局と一緒になって現場に出向くということがなされるべきであったなということを、私、一員として反省をしております。大変よい経験になったと思いますので、今後に生かしたい所存でございます。
 なお、今後は引き続き、問題の背景や原因の究明に当たりますとともに、改善策をしっかりと立てて臨みたいと、このように考えております。なお、近く県立盲学校のほうに委員会としましても出向いて事情を聞いたり、話を聞いたりと、そういうことをする予定にいたしております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)浜田議員の御質問にお答え申し上げます。
 この盲学校の問題については、教育委員会、それから教育委員会事務局は責任があるのではないかと。どういうふうな背景があったのかというふうなことでございました。
 これについては先般の代表質問の折にも全体についてはお答えを申し上げたつもりでございます。一番の問題は、やはり学校全体でコンプライアンス精神が欠けていたというのが私は一番の問題というふうに考えています。私は再三再四、校長会ですとか、いろいろな場面でコンプライアンスについてはこれは本当に教育の一番根幹にかかわるところなのできちんと守ってくださいということを私も申し上げたつもりでありますけれども、その私の指導力がまだ十分でなかったといいますか、力がなかったのかなというふうな思いでありますので、じくじたる思いがあります。
 その原因ですけれども、コンプライアンス精神もありますけれども、繰り返しますけれども、学校全体で何といいますか、本当に子供たちを中心に置いて、きちんと学校としての教育をコンプライアンス精神をもとにしてやっていくということが欠けていたというのが何よりも中心だろうと思っています。それと、理療科のほうのことでして、理療科のほうは非常に限られた専門的なかなり高いレベルのものがそこにはあります。教員の異動もほとんどありません。どうしてもそうなってしまいます。県内に1つしかない学校であります。そういう意味で専門性とかいうことをもとにしてちょっと閉鎖的なものがあったと。それがなれ合い的な気持ちをそこに生んだのではないかなということも、私は背景としては考えているところでございます。
 そういいながら、繰り返しますけれども、県の教育委員会としての責任は非常に大きゅうございます。そういう意味で学校のほうをきちんと指導、監督する力が十分でなかったということはしっかり反省をして、今後ですけれども、コンプライアンス精神をどうやって学校全体にきちんと浸透させていくのか。それから学校と県の教育委員会とをどうやって、「報連相」とよく言いますけれども、報告、連絡、相談がきちんとつながるような形にするのかというようなことを一つの柱にしながら、いろいろな対応を、学校長のほうもこの間呼びまして、直接私のほうからもいろいろなことを指示をしたりしました。学校のほうが中心になって取り組みます。これは学校のほうが自分たちの問題としていろいろなことを掘り起こしてきちんとやるというのがまず一番中心であります。それを我々がしっかり支えながら、我々としてもしっかり力を入れながらやっていくというようなことになると思います。教育委員会だけが一方的に言っただけでは、多分根本的な問題の掘り起こしにならない部分もあるのではないかと思っています。そういう意味で一緒になって頑張っていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。その時点、時点では本当に誠心誠意皆さん心を使われ、努力されたのではないかというふうに思いますけれども、余りにも長い間この問題が内在してしまっていた、そこのところに大きな問題があろうかと思います。
 若木教育委員にはきょうは出ていただいておりまして、ありがとうございます。教育委員長の代理という立場で御答弁いただいておりますので、教育委員長としてお話を伺わせていただきますけれども、教育委員会としてすぐ現場へ行くべきだったという反省をしているというふうにおっしゃっていただきまして、私も多少かかわった人間としては、それは本当に大切だったなというふうに思います。教育委員会事務局と教育委員会とそれから現場の信頼関係がひょっとしたら崩れてしまっていたのではないかというおそれさえ持っています。そのときに、信頼関係を取り戻すためには上の者はどう行動するか、どれだけ現場に早く敏速に出かけていって、そして現場で混乱している、不安に思っている、あるいは怒りを持っている、悲しみを持っている、困っている人たちに寄り添えるか、そこにトップの者が出かけていってやることが一番の信頼を取り戻す力になるのではないかなというふうに思ったりするものですから、すぐ現場へ飛んでいってほしかった、そしてその人たちの思いを聞いてほしかったと実は思っています。それはコンプライアンス精神が欠けてしまっていた学校現場に対して、教育長もなぜかというところを探っていかれなければいけないかと思いますけれども、やっぱり信頼関係だと思いますね。すべてが風通しよく情報が入って、そして困ったときにきちっと相談ができる、そういう関係が築けていたのかどうか。それは生徒の皆さんともそうですし、それから保護者の皆さんともそうですし、先生方はもちろんなのですけれども。だから教育長初め事務局職員の方、それから教師の皆さん方、教育委員の皆さんが日ごろどれだけ現場に誠心誠意向き合えているか、そこが問われているのかなというふうに思ったりいたします。
 このたびの出来事から、人事の問題、本当に大きな要素になろうかと思います。この教訓から学んだ人事の基本方針をどんなふうにお考えなのか。春の異動、今、最中だと思いますけれども、そのあたりどう生かしていこうと思っておられるのか、教育委員長にお話を伺わせてください。
 これまでの方策では役に立たなかったということがわかったわけです。ちょうど年度がわりの今がチャンスで、人権意識を高め、体質を変えて、風土を変えて、組織としての力をつけていかなければなりません。崩れた組織に有効な手段は何なのか。特に先ほどお話がありましたが、盲学校はより専門的です。同種の学校が県下に複数あるわけではありませんから、伺いますと、1校に長く勤務される先生がたくさんいらっしゃいます。中には20年、30年の方もいらっしゃるということで、そういう方にも実はお気の毒だなというふうに私は思います。長くいると先生にも生徒にもプラスはありますけれども、マイナスも出てまいります。県下に1校しかない特別の学校の例は、他県もひょっとしたら同じ悩みを抱えていらっしゃるのではないか。とすれば、県を越えて学校間の相互派遣交流が考えられてもいいのではないかというふうに思ったりいたします、提案ですけれども。教育長のお考えをお聞かせください。
 普通高校で行われておりますけれども、教師の人事管理、これは膨大な量を丁寧な一元管理がされております。この特別支援校もやろうと思えば簡単にできるかと思いますので、授業と教師の関係が見えやすくなるこの一元管理をぜひ取り入れてほしいと思っていますので、教育長のお考えを聞かせてください。
 知事に御答弁いただきました。ワーク・ライフ・バランスのほうですけれども、これからということがわかりました。職員の皆様にもいろいろお話を伺いました。男女共同参画の意識、それからワーク・ライフ・バランスをどんなふうに理解していらっしゃるのか。なかなか御自分の生活とあわせて考えると自分のものになっていないという答えが多かったのですが、先日、銀杏議員も育児短時間勤務制度をワーク・ライフ・バランスの視点で取り上げられましたので、全庁的に、横断的に取り組む課題であるということは皆さんもうわかっていただけたかと思います。病院局や教育委員会、警察も含めて例外なく各部局がそれぞれの達成項目を掲げる必要があるわけですが、目標項目を出していない部局も調べてみますと県庁の中にあります。全庁の取り組み状況はまだ不十分だとその点では言わざるを得ないわけです。県民の皆様とともに意識改革を進めて、社会全体の運動とするためには、わかりやすくて身近な具体策が示されて、一つ一つ困難を乗り越えて効果を上げていかねばならないかというふうに思います。
 そのために国の指針があるわけですけれども、これに基づいて目標値が示された部局単位の取り組み項目については、どれだけ横断的にチェックがされて、検証され、討議され、深められるか、その作業の繰り返しこそが意識改革につながっていくというふうに思います。
 当初、作成された項目も時の流れとともに変わっていきますので、見直しやつけ加えが必要だと思いますし、既成項目の見直し、チェック、訂正、追加、これは随時されていかなければならないかと思いますが、その点について知事に。それから県は本庁の連絡会議として平成2年から副知事をトップに男女共同参画推進会議を立ち上げていらっしゃいます。調べてみましたけれども、過去この推進会議を一度も開かれていない年もありますし、余り開催されていないようなのですけれども、今後より強化して人権意識としての男女共同参画を根づかせるために、実務者レベル、係長、課長級の会もせめてワンクールに1回ぐらい、それをチェックする、また検証するために幹部会は年2回ぐらいは開いてほしいなというふうに考えますが、副知事の御所見を伺わせてください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)男女共同参画の取り組みについて重ねてのお尋ねをいただきました。全庁の取り組み状況はまだ不十分であり、横断的にチェック、検証、討議を深めて、目標を設定すべきではないかということでございます。それについて追加など考え方を問うというお話でございました。
 先ほどもいろいろと議論をさせていただきましたけれども、これはかなり幅の広い議論になります。ですから、各部局横断して考えていかなければならないというのはおっしゃるとおりだと思います。正直申し上げて、今の計画の数値の中にはこの辺が十分盛り込まれていないのではないかと先ほど申し上げました。思いますに、役所の仕事のやり方は、ちょうど織物であれば縦糸と横糸を紡ぎながら織りなしていくわけでありますが、縦糸の仕事、つまり自分の組織の中の論理で完結する、こういう自分のハイラーキーの中の仕事は非常に上手なのですけれども、同じ理念で全庁的に共有しようということ、それを施策の中に織り込んでいく横糸の仕事は比較的下手だと私も思います。そういう意味で、全庁的に話し合うようなプロジェクトチームなんかの手法は私は有効ではないかと思いまして、いろいろ次世代改革のプロジェクトをつくったり、企業立地の推進のプロジェクトを立ち上げたり、そういう手法をとっております。
 本県についても、男女共同参画では副知事をトップの行政推進会議を開催をするという手法もございます。そういう場でよく話し合って、お互いの目合わせといいますか、こういうものなのだ、ではうちの部はこういうことをしなければいけないのだという、そういう議論をしていただいて、私は指標化する項目について随時追加すべきは追加していけばよろしいかと思います。この作業を通じて男女共同参画についての施策が全庁的に一通り見えてくると思いますし、さらにその実践活動を通じて職員が全庁一丸となって取り組む、そういう姿が生まれてくるのではないかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、藤井副知事


◯副知事(藤井喜臣君)行政推進会議についてお答えいたします。私、座長をしておりますので、よろしくお願いします。
 平成2年にこれを設置いたしまして、私が座長で各部局長、そして教育長、警察本部長が加わっておりますが、平成12年に今の男女共同参画行政推進会議と名称を変えております。浜田議員からは開催されていない年もあったでないかというようなお話がありましたが、不定期に開催しておりますし、申し上げましたように、幹部の会でありますので、幹部会とあわせて開催したりということも過去あったと思っております。
 私が座長を務めるようになったのが平成17年度でありますので、それ以降のことを申し上げますと、平成17年度から今の第2次の計画を作成するようにスタートいたしておりまして、平成17年度に1回、それから昨年度は計画策定に向けて庁内の横断的な検討をということで、昨年度は9月、11月、2月と3回開催いたしております。議会でもこの計画の内容について、あるいは男女共同参画推進企業認定制度などについて御議論いただきましたが、そういった議論をいたしております。今年度は先月開催いたしました。今の計画の具体的施策、数値目標がどうかと。これからは先ほどが知事が答弁しましたように、今後追加する項目があるかというようなこともこの会議の中で考えていきたいと思っております。
 また、あわせて行政推進会議は幹事会を持っておりまして、これは関係課の課長級で構成いたしております。4月以降、この幹事会というのを今の次世代改革推進本部の1つの部会として設けておりまして、セットといいますか、同じような考え方で進めていこうということで、こちらの幹事会、男女共同参画部会といいますか、これは3回開催いたしております。これを来年度以降、こうしたらというような御提案があったと思いますが、先ほど2月に開催したと言いましたが、そのときにも話をしたのですけれども、年度が明けたらなるべく早くもう一回開催しようと。例えば予算の執行でありますとか、これからの事業計画を検討していくとか、男女共同参画推進計画を点検するということを考えれば、年1回でなくて少なくとも2回、あるいは必要ならば3回というような格好で開催しようというような話もいたしております。あわせてそういった幹事会もその都度必要に応じて開催したいと思っております。
 先日開催しました会議では、限られた時間でありましたけれども、かなり部局横断的な話も出ておりまして、具体的な話もできました。必要性も感じているところでありますので、今後は先ほど出ていましたような推進していくための項目でありますとか、ワーク・ライフ・バランスの考え方など、みんなで一緒になって考えていきたいと思っております。会議の開催だけでなくて、内容についても工夫していきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、若木教育委員会委員


◯教育委員会委員(若木剛君)それでは御質問にお答えいたします。
 人事異動についてということですけれども、教育委員会では毎年教職員人事異動方針というものを定めて臨むわけでございまして、昨年の11月に今年度末の人事異動方針を定めまして、それによって作業を行っているところでございます。かなり大部な細かいものでございますけれども、要点を申し上げますと、校長人事につきましては、人物、識見、管理、経営能力でありますとか、指導力のある人をまず考える、当然のことでございますけれども、そういう有能な人材を任用するに当たって、若手の登用にも十分な配慮をするということ。それから全県的な視野から適材適所を考えるというようなことを基本に置いているわけで、細かいことはちょっと省略しますけれども、基本的にはそういうことでございます。文書化はしておりませんけれども、そのほかに委員会で話し合っていることでは、例えば女性の校長さんを県立高校にもつくれないものかどうかとか、いろいろな角度から慎重に考えているところでございます。
 一般の教職員の人事につきましても似たようなことでありますが、全県的視野から適正な任用、配置を行うと。それから学校に清新の気を持ち込むという観点から、長年勤務した者はなるべく動かそうと。一応8年というふうなおよその内規がございますけれども、さまざまな条件がございますから、きっちり8年というわけでもございませんけれども、長くならないように異動を促進しようというようなことも考えております。一般的に申せば、学校の活性化と人事面での停滞がないようにするという考えだと思います。
 お尋ねのポイントは、このたびの問題を教訓にどのように人事面に生かすかということであったかと思うのですけれども、考えてみますのに、今回の問題から何を学ぶか。少なくとも2つあると思うのです。1つは、先ほど教育長のほうからちょっと特殊な専門的な閉鎖的な体質が生じやすいということを言いましたけれども、人事の停滞がやはり背景にあったのではないかということ。それからもう一つは、校長の管理、経営能力に疑問符がかなりつくということでございます。ですから、特に今回の問題に学んでということでありますと、今申し上げました2点、人事の停滞を極力回避するということと、校長の管理、経営能力を重視してといいますか──に目を向けた人選を行うというようなことであろうかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)浜田議員の御質問にお答えいたします。
 一つは、こういうふうなことを防ぐために、県を超えた派遣交流をしてはどうかというお尋ねであります。
 私もそれも一つの考えられる方策かなと思っています。ただ、これは他県との関係がありますので、他県のほうでそういうふうな形をとっていただけるかどうかというふうなことを考えながら、あわせて、例えば他県から鳥取県に来られたときに、例えば生活環境がかなり変わります。生活する場所が変わります。それから山陽から山陰に来られたときに雪なんかの経験は多分お持ちでない方もあると思います。教員の中には視覚障害の方もいらっしゃいますから、そういうなれない生活の中でうまくいけるのかなとか、そういうふうな意味合いも考えなければいけませんので、そういうことも含めてできるかどうか考えていく必要があるかなと思っています。
 一元管理という話がありましたけれども、県の教育委員会の事務局として、授業とそれからその授業を担当する者とが一元的にわかるような、そういうふうなシステムというのは考えられないかどうか特別支援教育室のほうで検討してみたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきました。人事の停滞、校長の管理、経営能力の問題を2つ上げていただきましたけれども、人は生き物ですので、最初はもちろんそうだと思ってその力をお持ちだと思います。ただ、環境によって、それからその人の置かれている状況、さまざまな背景によって、人は変わるものです。持っている能力すらも出せなくなるということも起きてまいります。そのときにやっぱりサポート体制がどれだけ用意されているかということは非常に大きいのではないかというふうに思います。特に校長先生などになりますと、サポートするのは教育委員会事務局であり、そして教育委員の皆様ということになろうかというふうに思います。どれだけその人の立場に立って寄り添うことができるかということが意識されているかどうかというところも一つしっかりと考えていただけたらなというふうに思ったりもいたします。
 早期発見、早期治療のできる組織は健全な組織と言えるのかと思います。内部告発に頼らなければならなくなった組織というのは病気としか言いようがないわけですが、でも勇気を振るって物言いをした人、この人が不利益をこうむったり非難されるようなことになると、これこそまた不幸を招くということになろうかと思います。障害のある皆様は弱い立場です。想像以上に自己主張はできにくいというふうに私たちは認識すべきだというふうに思います。それゆえその人を守りながら、その切実な声を聞くチャンスが用意されていなければならないかというふうに思ったりします。例えばパワハラですとかセクハラですとか悩み等定期的にアンケートをする──そのアンケートがいいかどうかわかりませんけれども、形はどういうものであってもいいのですけれども、きちっとその人が守られて声が届くというシステム。
 教師のヘルプラインはあるのですけれども、生徒や保護者の声を受けとめる場所、これはどうなのでしょうか。このような問題が起きた以上、身近に活用しやすい受け皿が用意されていなければならないかと思います。しかもその声には、外部、第三者の立場できちっと対応できる人権意識の高い人材が用意されるべきだというふうに考えますが、教育委員長のお考えを聞かせてください。


◯議長(鉄永幸紀君)若木教育委員会委員


◯教育委員会委員(若木剛君)お答えいたします。
 生徒や保護者の声の受け皿がどうなっているかというお尋ねだったと思いますけれども、まず学校は他の職場と違いまして、中にいる人間はほとんど児童生徒なわけです。ささいなことであれ、子供たちが問題を疑問に思ったりしますと、まず普通は担任の先生であるとか、あるいは部活の顧問の先生であるとか、身近な先生に御相談をして、子供の悩みというものは解決されていく。さらに今は教育相談というふうな制度もできておりますし、養護教諭も大きな働きをしておりますし、学校現場では子供の声、生徒の声を聞くパイプ、チャンネルはたくさんあるし、また現実にそのように機能していると思っているわけです。
 保護者についても同じことが言えるわけなのですけれども、ただ、実際には担任や学校に相談したくない、相談できないということも多々あるわけでして、それこそが問題なのだろうと思うのです。
 県といたしましてもそういう声を吸い上げるための専用の窓口というのはつくってございまして、さまざまな教育相談の電話でありますとか、委員会内部の各担当課に受ける係をつけてはおります。ですから、人権意識に裏づけられた職員がという点では人を配置していないとは思っていませんけれども、ただ、やっぱりいつもひっかかるのは、そういうものを利用して出てくる分はいいのです。それがなかなか利用できない、どこにそんなものがあるのかわからない、教育委員会と聞いただけでそんなところに電話かけるなんてと初めから恐れてしまってというところが実は問題でございまして、そんなことをどうしようかという話もちょっとしたりはしておるのですけれども、とりあえずはたくさん窓口はありますけれども、教育委員会内の担当課、小学校、中学校であれば小・中学校課、高等学校であれば高等学校課、あるいは特別支援学校であれば特別支援教育室というふうに、そこにお電話をいただけばすべての職員が人権感覚を持って対応し、適切な助言なり対応ができるようにはなっています。ただ、そこに電話をしていただくまでに、どうやってそれを周知するというか、本当に問題を抱えていらっしゃる方につなげていくかというところに一工夫、二工夫が要るかなと思いますけれども、そういうふうに一応窓口はいろいろつくって活用はしておる実態でございます。
 教育委員会のほうにも本当に毎日、たくさんのいろいろな種類のお電話等がございまして、これは委員会が開かれるたびごとに事務局のほうから説明があり、その対応についても説明を受けております。おおむね各課できちんと受けとめて対応しているようには思っておりますけれども、気がつく点につきましては、改めて各事例について指示を与えたりすることもございます。
 あと内部告発云々ということがちょっとございましたのですけれども、今回のように職員の中で疑問に思った者が言い出しにくい──児童生徒、保護者とはまた別の問題でございますけれども、これは教育業務改善ヘルプラインというものがございまして、これも周知しているはずではございますけれども、余り適当ではないかもしれませんが、内部告発を制度化したというふうなものがございまして、そういうものを利用していただけるようにはなってはおります。また、現実に受理しているものもございます。
 さらに進んで、それでもという場合、教育委員会のほうで察知したというふうな場合もありますが、必要に応じて教育行政監察というふうな制度もございまして、そちらのほうに調査等をお願いするというふうなことも手段としては持っております。
 十分機能しているかどうかというお答えにはなりかねたかもしれませんけれども、窓口、受け皿をできるだけつくっているという実態をちょっと御説明させていただいたところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)制度が幾つつくられて、それを並べ立てられましても、1つでいいから機能するものをきちっとつくるということのほうがもっと大事だというふうに思います。機能していなかったということが証明されてしまったわけです。それはなぜなのか。それは教育委員会事務局の体質を変えなければいけない。学校の教師集団の体質を変えなければならない。そのことにきちっと思いを至らせて指導、監督をしなければならない。教育委員会の皆さんの責任が大きいと私は言わざるを得ないです。今チャンスをいただいているわけですから、なぜこんなことになってしまったのか。たくさん用意されています。私が調べただけでも物すごくたくさんあるのですが、つくるだけが能ではないのですね。どう生かしていくのか。本当に現場の皆さんにとって力になっているかどうか。現場が見えるようなシステムになっているかどうか。そこをもう一度立ちどまってしっかり検証していただきたいなというふうに思います。
 今回の問題は教師集団という組織の中で起きた問題です。教師集団といいますと、互いに支え合い、補い合うという点では人権意識を高めることが必要です。法令遵守のための研修も用意されているでしょう。そして何より高い教育理念を確かめ合い、指摘し合える仲間としてのコミュニケーション能力はどうだったのでしょうか。その基本になる教育理念、かたく言えば障害のある人に対する教師としての哲学を探る必要もあるのではないでしょうか。
 今、企業が「クレド」という経営哲学を社員に明示することで方向を見定め、やるべきことを確認し合う取り組みが行われています。リッツ・カールトンなどはその代表的な例ですけれども、成果を上げているわけです。
 障害者福祉の父と言われる糸賀先生の話、きょう午前中にも出ました。この糸賀先生を輩出した鳥取県です。「この子らを世の光に」とすばらしい言葉を残していらっしゃるわけです。この教育理念を現場の教師に示して学び合うことも一つのよりどころになるのではないか。糸賀先生よりも以前には鳥取県は遠藤董先生を輩出しています。鳥取県の図書館や女子教育、盲聾学校の教育のもとを築いた遠藤董先生の教えがあります。教師としてのやりがいと生きがい、喜びを手に入れる教師像を探ることも必要ではないかと思いますけれども、教育委員長と教育長に伺わせてください。
 男女共同のほうですけれども、副知事が積極的にいろいろ取り組みをお考えでございますので、大きな期待を寄せたいと思いますので、よろしくどうぞお願いをいたします。次世代改革とセットで取り組んでいただくということで。
 今回の組織改革においては、当初本庁の男女共同参画の機能を倉吉にある男女共同参画センターへ一括移管することが示されました。これに対して男女共同参画に積極的に取り組んでこられた女性団体の皆様が異議を唱えられました。自分たちの意見を発信し、まとめ、要望書として知事に手渡しをされまして、直接意見を述べられました。その女性たちの意見に真正面から耳を傾けていただきまして、納得され、知事は即座に案を取り消し、とりあえずは現状のままでというふうに決断してくださいました。そして推進会議のトップ、藤井副知事は間髪を入れず、女性団体の皆様とひざを交えて意見交換をしてくださいました。結果、1年かけてよりよい姿を官民共同で探っていくことが話し合われました。10日足らずのとてもスピーディーな一連の出来事、どんなふうに評価するのか。女性たちは自分たちの問題だと意識したときに、自己主張とあわせて迅速な行動がとれるほどの力をつけたことを証明したことになります。また、行政サイドは県民の声にきちんと耳を傾ける謙虚さと、一度決められた事項であったとしても、現場の声に合わせ変更する勇気と柔軟な態度と判断力を持ち合わせておられることを示されました。これまでの行政にはなかなか見られないことでした。
 このことから、私たちは今回のことを非常に高く評価しています。これをこの場で確かめ合いたいと思いますが、知事の御判断がどのあたりにあったのか、お考えをお示しください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今、議員のほうから御指摘いただきましたのは、男女共同参画についての組織を統合したり機能を向上させようという取り組みについてであります。
 私どものほうから当初提示をさせていただきましたのは、倉吉にあります男女共同参画センターのほうに男女共同参画推進課の機能を移設しまして、それを新しい本庁の中の組織と位置づけ直してより機能性の高い組織に変えていこうと、こういう提案をさせていただくつもりだったのです。
 実は、こういうような組織改正をする際に、ある程度それぞれの現場のほうでそれが妥当するかどうか、大体各方面の御意見なんかも聞いていったりしますので、そういうもので判断がいろいろ出てくるものです。もし問題があれば事前に、いや、そういうことはまだぐあいが悪いのでないかという話が普通はあるものでありますけれども、今回はそういうことではありませんでした。ですから、一たん提示をさせていただいたということであります。
 その後、実際に女性団体の方々が来られまして、それでかなり広がりを持ったお話でこの問題について異論があるというお話をされました。私も耳を傾けさせていただきましたし、その場でも申し上げましたのは、これは何といいますか、単なる効率化のために統合しようというものではなくて、ばらばらになっていて、二頭立ての馬車が別々の方向に走ったり、あるいはそれぞれがうまく機能を発揮できない、遠慮し合ったり、ただでさえ男女共同参画の分野というのは推進が難しいところがあります。例えばワーク・ライフ・バランスをとりましても、労働関係部局と男女共同参画の部局、あるいは生活環境の部局、そういうものがまたがるものですから、どちらかというと、それぞれに消極的になりかけるのが役所の常でございます。そういう意味がありますので、責任の所在をはっきりして、政策の立案をすっきりやろう、そういう意図で本来はやりかけたわけでありますが、いろいろな懸念があるというお話をいただきました。
 私そのときにお伺いをしていて感じましたのは、この男女共同参画の推進は実はこれは県庁の仕事ではないと思っています。市町村ですとか地域社会全体で取り組まなければならない仕事であり、さまざまな団体だとか住民の皆様と連携して協働してその意識を高めていく、実践活動を行っていくことが必要であります。そのパートナーである方々から強い異論が出たということは、これはいろいろとそれまでは組織的な検討をしてきて、県庁内では意見を取りまとめたところでありますが、一たんここで中止すべきだろうというように判断をしたわけであります。しかし、要はもともとの問題意識はどうやったら機能的に責任の所在もはっきりとした推進力のある体制がつくれるかということでありますので、1年かけてじっくりと住民の皆様の御意見も伺ったりしながら、これから判断をまとめていこうと、こういうことに至ったわけでございます。
 私どももこの過程で学んだことがございました。やはり行政は現場であり、特にこうした住民の意識にかかわるところは住民との連帯を深めなければならないわけでありまして、コミュニケーションに欠けていた面が組織の中にあったのかなという反省をいたしております。今後、私どもとしてはしっかりと男女共同参画の実が上がるような取り組みに昇華をさせていきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)若木教育委員会委員


◯教育委員会委員(若木剛君)いかにして学校の組織力を高めるか、それから管理職のスキルアップをどうしたらいいかというふうなお尋ねであったかと思いますけれども、違っているかもしれません。
 今回の問題の原因を考えた場合に、学校の組織経営に大きな問題があったということはまず間違いないと思います。その場合、経営者である校長、教頭の問題、それから構成員である教職員全体の、あるいは個々人の問題、そして任命権者である県教育委員会の問題と、それぞれのレベルでやはり学校経営というものに臨む問題点を抱えていたのだろうと思うのです。
 そのようなことを中心にちょっと考えてみたわけですけれども、まず1つは、コンプライアンスという言葉がはやっていますけれども、法令遵守の意識を高めるということが一つの大きな解決策になると思います。
 学校現場に私はおりましたので、委員になることとは直接関係ないのですけれども、たまたまおりましたので、ちょっと経験から申しますと、学校というところのウイークポイントがあるのです。それは、まず教員というのは管理規則とか法令とかというものに疎いのです。世の中にそういうものがあるぐらいのことは知っていますけれども、自分たちがそれに縛られて仕事をしているという感覚が大変薄い。いつも子供のほうを向いておりますので、その周りに保護者の方がおいでになったりとか、まずそこに恐らく教育活動の特性にかかわった独特の雰囲気があるのだろうと思いますけれども、コンプライアンス、法令遵守というふうなことに対しては、もともとが余り得手ではない。そういう教員の中から選ばれる管理職でありますから、校長、教頭ににわかになりましても、法令や規則にのっとった問題解決ということは決して得手ではないわけでありまして、ちょっと世間の感覚からいうと何か変わったやり方で物を解決するわけであります。そういうことが一つ裏目に出ているわけですから、まず各種の規則や指示などがたくさん出るわけですけれども、これが現場になかなか届きませんので、その徹底に一工夫、二工夫する必要がある、改善する余地が大いにあるように思います。一片の紙切れを校長名で送付して、できたというわけには全くまいっておらない。ですから、現場に徹底する工夫、改善。
 これは余り言うのもどうかと思いますけれども、行政経験を生かす人事ということももう少し考えてもいいのではないか。今は純粋培養で教科の指導にすぐれた先生がとんとんとんとんと校長になればうまくおさまっていた時代ではだんだんなくなってまいりまして、やはりそういう法制的に処理する場面も多くなりましたので、今申しました行政経験を生かす人事ももう少し考える余地がある。それから、現実の校長以下教職員の法規研修を改善し、充実するというようなことを一つ考えております。
 組織の能力を高めるということなのですけれども、やっぱり一人一人の教職員が自分の問題として受けとめる意識がありませんと、上から流してもなかなか実効が上がりません。これがこの盲学校でできていたのかどうか。ちょっと変だなと思われた方もあったのかもしれません。学校の現場で申しますと、例えば英語科なら英語科の教科の会とか、それから担任の会とかというものが月に1~2度は必ず開かれるのです。そういう会がありますと、普通ですと何かおかしい、これはどうなっているのだということが出てくるのが普通なのです。こんなになっているということ自体が非常に理解しがたいのですけれども、そういうコミュニケーションができにくい人間関係があったということも改善しなければならない。学校全体が校長を中心に意識を統一して問題解決に当たれるようにすることが組織力をつけることだと、そういう場面でも考えることができると思います。
 ちょっと長くなりましたが、最後に、この問題は生徒の側から見ると、学習権の保障に欠けるという問題点があると思うのです。このことは余り言われていないのですけれども、2人チームティーチングでやらなければならないと法が決めているのは、2人でやるべき事柄だからそういうふうになっているわけなのです。憲法の26条で定めますように、能力に応じてすべての国民はひとしくそういう扱いを受ける権利があるわけでありまして、鳥取盲学校におったために1人の助手の方だけでいいというようなことは、これは学習権を侵害しているというか、非常に妨げているわけでありまして、先ほど人権というお言葉もありましたけれども、そういう観点でも少し鈍かった。何かそういうものが出てくるようなやっぱり組織にしていかなければならないというふうに思っております。長くなりましたが、的確な答弁にならなかったかもしれませんが、そういう思いでおります。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)組織力とスキルアップの御質問であります。
 先ほど若木委員が御質問に答えられましたので、余りダブらないようにしたいと思いますけれども、一つ私は組織力を高めるのは、管理職の側がリーダーシップを発揮して上からきちんと組織を立て直すというのが1つと、それから組織の一員として教職員が自分たちが一人一人の力をちゃんと出して組織をつくっていくという2つあると思っています。
 今回の対応はリーダーシップをちゃんととってやることが1つですけれども、教職員が自分たちがどういうところに問題があったのかというのを一つ掘り起こすというのが私は大事だと思っていますので、そういう意味で掘り起こして組織の1人ずつが背景や対策をどうしたらいいかということを考えていくことにあると思っていますので、そういうふうな対応をするように今学校のほうには話をしているところであります。今取り組みが始まっているところであります。
 スキルアップはやはり研修だと一つは思いますし、それから県の教育委員会がいろいろなところで法令遵守のことも含めて、もっといろいろな話を十分にしていくということがさらに必要ではないかというふうに思っております。(発言する者あり)


◯議長(鉄永幸紀君)5番浜田議員


◯5番(浜田妙子君)御答弁いただきまして、どれだけ学校現場に大きな落とし穴があって、その落とし穴があるにもかかわらず、それにきちっと対応できていない体制かということが何かくしくも明らかになってしまったのではないかなという気がしていまして、とても残念です。そんな学校だけではありませんので、一生懸命本当にすばらしい学校を経営していらっしゃる方もありまして、モデルもたくさんありますので、そこからしっかり学んでいただきまして、教育委員会事務局、それから委員会、しっかり足元を見詰め直して何をしなければならないのかを考えていただきたいというふうに思います。何よりも生徒の皆さん、学校の先生が明るくはつらつとした姿で勉学にいそしめるように、学校が豊かなものになりますようにお願いをさせていただきます。それしかないなという感じがいたします。
 男女共同ですけれども、向き合っていただいた行政に対しては、こちらのほうは本当に信頼が深くなったというふうに思いますので、女性たちたくさんの力や知恵を持っていますから、どうぞ頼んでください、依頼してください。そして女性だけでなくて、男性にも知恵をもらうような取り組みをしていただきたいと思います。以上で終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、3番森岡俊夫議員


◯3番(森岡俊夫君)(登壇、拍手)境港市の森岡俊夫でございます。2008年、初めての質問となりますので、2008年はねずみ男年をキャッチフレーズに観光キャンペーンをしております境港市の宣伝を兼ねまして、このねずみ男のピンバッジをつけて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、予算総額3,379億円、さんざん泣く予算と新聞紙上等をにぎわせた平井県政初めての平成20年度当初予算案が提示されました。入るをはかって出るを制す、この基本的な考え方がだれもがわかっていながらなかなか妙案が見つからない難しい問題であります。平井知事も予算編成を考える上において大変苦労されたものと推察いたします。
 とりわけ県内の経済状況を考えれば、産業振興を重点に雇用対策にしっかりと取り組んでいかなければならないことは周知のとおりで、平井知事が入るをはかる経済政策に重きを置いていることは346の重点事業のうち112事業を掲げていることからもその考え方を推しはかることができます。
 今議会では鳥取県の産業振興の重要課題であるインフラ基盤の充実について、中でもゲートウエー機能としての港湾や空港の整備について、あわせてこれらのインフラ基盤を生かした企業誘致対策について、問題点や今後の課題など、提言を交えながら平井知事並びに青木出納長に質問をいたします。なお、企業誘致につきましては、所管委員会の範疇ではございますが、ハード整備の考え方と関連があることから、その基本的な考え方を問うものであります。お許しをいただきたいと思います。
 初めに、境港と米子空港の機能の拡充について伺います。
 当初予算案では、このたびの定期貨客船の就航計画に伴い、旅客船ターミナルの仮設費1億8,000万円が予算計上されております。しかしながら、この予算はこの夏に見込まれる就航に備えるもので、あくまでも臨時的な措置であります。本来なら日本海国土軸の中心的役割を担う境港湾の整備は鳥取県、島根県だけでなく、国策として取り組んでもらわなければなりません。
 去る2月27日に開かれた衆議院予算委員会分科会で、自民党の赤澤亮正議員の質問に答えた港湾局長によれば、旅客船のターミナル整備については今後の需要動向を踏まえたいとの見解を示されました。実績を積めば考えるよというニュアンスにとれ、卵が先か鶏が先かのような話で、いつになったら整備してもらえるのか、当事者の我々鳥取県民にとっては何とも歯がゆい回答であったように思います。
 知事もこのことに関して御存じだと思いますので、まず初めにこの港湾局長の答弁に対してどのように感じられたのか、率直なお考えをお聞きいたしたいと思います。
 これから交流を図ろうとする韓国の東海やロシアのウラジオストクは、港湾の規模、背後地の整備についてははるかに境港を上回っております。今後は知事が管理者となっている境港管理組合も国に積極的に働きかけると思いますが、境港湾の整備について今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。高速道路問題と同じように、境港の整備のおくれは鳥取県の死活問題であるくらいの決意をしっかりと国に伝えることが肝要であると思われます。
 次に、ゲートウエーの一翼を担う米子空港の機能強化について伺います。
 米子空港は機材の大型化に備えるとともに、雨や降雪時、また霧などによる視界不良の際の離発着に支障を来さないよう安全性の向上を確保するため、2,000メートルから500メートル延長されるものであります。大型機材の就航で国際化や観光施策の広がりは地元としても歓迎するものです。と同時に、もしものことを考えたとき除雪体制や消防体制など、このままでよいのかと素朴な疑問もわいてまいります。2,500メートル延長にあわせ除雪体制や消防体制がどのように強化されるのか、これらの計画についてお尋ねをいたします。
 また、視界不良時の安全性を考えるなら、着陸誘導機能も強化すべきと考えます。なぜなら、欠航や反転の理由は積雪によるもののほか、視界不良によるものも多いからです。視界不良による欠航や反転を少なくすることで利便性が向上するなら、積極的に着陸誘導装置の機能向上を図るべきと考えますが、国に対しての折衝等も含め、鳥取県の考え方を伺います。
 次に、米子空港ビルについて伺います。
 500メートル延長にあわせ、鳥取県も出資している米子空港ビルが改築増床予定と聞いております。CIQ体制の強化は当然のこととして、県外、国外からのお客様が最初に出入りする空港ビルは、鳥取県を実感できるいわゆる第一印象となる大切な場所となります。どのように好印象を持ってもらえるのか、「食のみやこ鳥取県」やおもてなしの心など、このたびの増改築計画を機に鳥取県そのものをしっかりと感じてもらえるよう工夫する必要があると考えます。鳥取県として空港ビルの増改築計画に対してどのようにかかわっていくのか、知事の所見を伺います。
 これまで申し上げたように、山陰が羽ばたくため、港湾や空港機能の向上、充実を図ることは当然のことであります。このたび青木出納長を本部長とする企業立地推進本部が立ち上がりました。知事の並々ならぬ決意のあらわれと期待をしているところであります。とはいうものの、境港、米子空港に近い米子市周辺は、これまでその優位性を生かせず、企業誘致がおくれているのも事実であります。平成4年以降、平成19年度までに進出した企業数は鳥取市を中心とした東部地域の33社に対し、山陰で唯一高速道路で山陽圏とつながっている西部地域には21社と少なく、なぜこのように進出企業が少ないのか疑問に思えてならないのであります。昨日、福本議員がおっしゃったように西高東低ではなく、東高西低という数字があらわれております。
 近ごろ高速道路が地域活性化の本丸であるかのような話をよく耳にしますが、我が鳥取県の西部地域がその説に該当しないのは皮肉な話であります。港湾、空港、高速道路が近い西部地域に企業誘致が進まないのはなぜなのか。企業立地対策本部ではこの結果に対する原因をどのように分析、検証されているのか、その検証結果と課題克服に向けた今後の対策について、企業立地推進本部長を務める出納長にお伺いをいたします。
 近い将来、米子市を中心とする西部地域は、境港、米子空港の利便性を生かして、国内から海外への搬出、海外から国内へ搬入する物流拠点へと変貌を遂げるであろうと期待をしているところであります。鳥取県西部地域の将来構想についてどのように考えておられるのか、知事にお伺いをして、壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)森岡議員の一般質問にお答えを申し上げます。
 環日本海交流の拠点づくりに関連しまして、境港についてお尋ねをいただきました。境港について国土交通省の港湾局長が旅客船のターミナル整備については今後の需要動向を踏まえたいという答弁をした。これについてどう感じたかというお話でございます。
 今回、私どもが目指しておりますのは新しい航路の開設でございます。これは境港から韓国の東海岸、東海、さらにロシア沿海地方のウラジオストクへ行こうという船でございます。このことは2月21日に韓国政府の方から航路の開設の許可がおりました。現在その船をどれにしようか、この決定に現地でDBSクルーズフェリーが当たっておられる、かように承っているところであります。いろいろとハードルはまだまだあるわけでございますが、私どもとしてはぜひこれの推進、実現に向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。
 2月21日の翌日、22日に私は上京いたしまして、国土交通省のほうにお伺いをし、そして今の須野原港湾局長様初め関係者とも面談をさせていただきました。そのときに私のほうから新しい計画について御説明を申し上げ、境港の地図も広げまして具体的なお話もさせていただきました。その際、港湾局のほうからは今回の新しい航路の実現に向けて、国交省も全力でこれは応援をしたいと言っていました。今回のこの航路の意味は非常によくわかると言っていました。それは御自身が日本海側に勤務がしたことがあったして、そうした航路の意味が歴史的なものであることを理解しているというお話がありました。その文脈で赤澤議員に対する答弁を拝見させていただければ、非常に好意的に考えてくださっているのだろうというように理解をいたしております。
 ただ、国のほうでは実際の国庫補助の採択に当たりまして、採択の要件もございます。BバイCと言われる費用対効果などの分析、クリアを図っていかなければなりません。その意味では我々はまだ課題を抱えている状況かなというように思いながら答弁を拝見をさせていただきました。
 次に、境港について今後、整備にどう取り組んでいくかということでございます。
 港湾計画を策定をいたしまして、それに基づいて港湾整備を行っていくことになっております。現在取り組もうとしておりますのは、やはり材木の関係で沖泊まりをするような船が出ておりまして、その能力上問題が出始めていることへの対応ですとか、それからリサイクル関係の荷物がふえている、これについての対応ですとか、そうした課題があります。さらに、新しい航路が開かれるということで、貨客船が入ってくる、こういう需要が起きております。
 これに関連した港湾計画の整備を着実に進めていきたいと考えておりまして、現在の予算の中でお願いを申し上げておりますのは、リサイクル関係の岩壁についての所要の経費を計上させていただいておりますが、国のほうがこれを採択をするかどうかという問題はまだまだあろうかと思います。
 あわせて、その港湾計画の中で明示をされております貨客船用のフェリーターミナルの整備でございますが、これは今のみなとタワーのわきのところにその用地を求めることとなっております。これもぜひいずれは実現をしていかなければならない、計画にも書いてあることでございまして、しかも貨客船が今就航しようとしておりますので、この実現に向けても我々そろそろ検討を深めてこれに向かっていかなければならない要素が強くなってきたと理解をいたしております。
 なお、今回御提案申し上げておりますCIQを収容する仮の上屋につきましては、倉庫用にも転用できるものでございます。ですから、そのことで恒久的に使えますし、当面はあそこでCIQを受け入れて、貨客船用にも使えるという判断をいたしまして、これは急いで起債事業として整備をしよう、単独事業として整備をしようということにいたしております。
 次に、米子空港につきまして除雪体制、消防体制、それから着陸誘導装置の機能向上についてお尋ねをいただきました。この件につきましては、県土整備部長からお答えを申し上げます。
 あわせて空港ビルの増改築計画についてのお話をいただきました。
 現在、米子空港は2,500メートルへの拡張事業を実行中でございます。だんだんと形が整ってまいりまして、JRの迂回も成り立つという時期になってまいりました。空港ターミナルのほうも会社の中で話し合いを持たれ、22年の春にはオープンをさせる改修をしようではないかと、こういう動きでございます。私どもが内々伺っておりますのは、今の売店などのスペースをもっと機能的にできるように拡充をしたほうがいいのではないか。あるいはちょうど出口のところでターンテーブルといいますか、荷物が出てくるところがございますが、その外のあたりが狭隘でございますので、あそこの機能性を高める必要があるとか、いろいろなテーマがありまして、これらにこたえるような改修をやろうという計画を今練っておられます。
 私どもは空港ビルの会社の中にも企画部長が役員として入っておりまして、日ごろからコミュニケーションをとらせていただいておりますし、県のほうでもいろいろなアドバイスをさせていただこうと思っております。今、議員のほうから御指摘なさいましたように、やはり「食のみやこ鳥取」にまず来ていただいて、そして見ていただいたり、インパクトを持っていただく、そんなことが必要かもしれませんし、お帰りのときに民工芸品なども手にとっていただけるようなそんな工夫ができないかなという気持ちもあります。いずれにいたしましても、まだ空港ビルのほうでこれから設計をしようと、その絵を今かいておられるところでございますので、これから随時相談させていただきながら応援をしていきたいと思っております。
 次に、西部地域の将来構想についてでございます。これにつきましては、森岡議員ともこの議場で何度が議論させていただいたとおりかもしれませんけれども、西部地域はやはりアジアに開かれた玄関口という位置づけを地勢的には持っていると思います。あわせて大山ですとか、それから肥沃な大地に恵まれた農業、それから境港の水産業、さらに人口分布を見てみれば山陰の中での集積を一定程度持ったところであり、新潟や金沢、そういった地域と並び得るような可能性を秘めた人口分布にもなっているだろうと思っております。
 そういう意味で、鳥取県の西部はいろいろな可能性を秘めている地域だろうと思っています。1つは米子~ソウル便や今回の航路構想にも見られるように、北東アジア、東アジアと結びついて、物流や人の流れを起こしていく中心点になるということでございます。これが物流を呼び込んで企業の立地などにも影響してくると思いますし、行ったり来たりするのが西日本、あるいはアジア全体ということでの往復ということになれば、お互いの結節点としていかにも港町風情といいますか、そういう地域性を持ち得るところではないかと思います。
 あわせて、観光の資源にも皆生温泉だとかそれから鬼太郎など恵まれているところでございまして、そうした魅力も発揮し得るのではないかと思っております。
 これについては、島根県と分断された観光地に見かけ上なっております。この見かけを取り払う作業が必要だと思っておりまして、隣の溝口知事とも先般協議をさせていただきました。できればお互い一緒になった観光圏をつくる、そういう構想を国の協力も得ながらやってみてはどうかと思っております。
 あわせて食品加工業ですとか、健康づくり産業、これも西部の集積のあるところでございます。もともと魚だとか氷温の技術、それから食材も豊富であります。こうしたことから食品加工業など、あるいはそれに付随したフコイダンだとかキチン・キトサンなど、健康産業の素材も生まれてきているわけでございまして、これも将来へのかぎを握るところだろうと思っております。あわせて米子シャープなど、電子機器産業などの立地もあり、東高西低というお話がございましたけれども、先般も岡山からアタッチメントの企業が進出をしてきて、大山に立地をすることが決まっております。
 こういうように、いろいろと機械産業、電子機器産業も含めて産業のポテンシャルもあるのではないかと思っております。問題はその魅力を十分に対外的にアピールをして、我々のほうに活力を呼び込む、我々のほうもそれで元気になっていく、その情熱と行動が求められているのではないかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)2点の御質問に対しまして答弁をさせていただきます。
 まず、1点目でございます。除雪体制及び消防体制の機能強化についてということでございます。
 現在の米子空港の除雪体制は、防衛省・航空自衛隊の美保基地と国交省大阪航空局の美保空港事務所が役割分担をして区域を分けて実施しているという状況でございます。ちなみに、美保基地のほうは滑走路とか誘導路、美保の空港事務所のほうはエプロンと駐車場という状態でございます。
 今回の滑走路延長に伴いまして、この除雪体制をどうするかということのお尋ねでございますが、まず美保基地のほうは除雪ドーザーを1台、それから人員2名ということで機動性を確保したいということで平成20年度の予算で要望中。また、美保空港事務所は、これは機能性も含めてスノースイーパーを要求したいということで、両方を20年度予算で要望中ということを伺っております。
 消防業務につきましては、美保基地は直営で今実施されております。滑走路延長後も現行の消防車両能力で対応が可能であるというふうに伺っております。
 続きまして、着陸誘導装置の機能向上についてということでございます。若干専門的な言葉が入りますので、ちょっと言葉の説明をさせていただきたいと思いますが、着陸誘導装置、これは非常に視界が悪いというときに電波で誘導して安全に着陸ができるという装置、これの機能を高めるということは、カテゴリーという言葉が後で出てきますが、航空機の高度が下がることによってパイロットが視界を判断できるということで、誘導装置は性能が向上すれば当然高度が下がって、そこで判断できるというものでございまして、そういう観点でちょっとお聞きしていただきますと、現在では、着陸誘導装置の機能向上を図る明確な基準はございません。ほとんどの空港では標準と言われますカテゴリーIというもので運用されております。鳥取、出雲、岡山等がそうでございます。ただ、霧等によって欠航が多く発生している熊本とか釧路とか青森、ここではカテゴリーIIIという数字の高い、高度が低くなって安全が向上する、そういうものを使っておられるということでございます。また、装置本体を設置する、これもそうですが、これと付随して照明施設などを設置しなければならないということもありまして、非常に膨大な経費がかかるというふうに伺っております。
 ということで、現在空港を管理されております大阪航空局では、延長後も機能向上を図る予定はないというふうに伺っております。視界不良が原因の欠航状況、他空港の事例というものをもう少し状況調査をして、大阪航空局とよく話をしてみたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 青木出納長


◯出納長(青木茂君)平成4年から19年までの誘致企業数、東部が33件、西部が21件と大きな差があるが、この原因はということでございます。
 もともと東部地域には電子・電気関連企業がたくさん立地しております。この業種は、すそ野の広い産業であります。よって、関連企業の近接性というものを重視します。そういうことを求めて企業が鳥取にやってくることもありますし、関西の本社に比較的近いということで、東部に進出したと思っております。
 それに比べまして、西部でありますけれども食品産業がたくさん立地しております。この業種は、他産業に波及ということは少ない業種であります。そして、いわゆる個別完結型という言い方もできると思いますけれども、そういう業種であります。そういう中でも大山の自然環境から水資源でありますとか、境港の水産物の資源を活用した企業はたくさん誘致しましたけれども、やはり自己完結型であります。このすそ野の広さの業種によって差が顕著にあらわれたというふうに思っております。
 山陰で唯一の高速道路があるのに誘致企業が少ないではないかということでありますけれども、米子自動車道の存在も誘致においては重要なポイントであるというふうに思っておりますけれども、御案内のように関西から米子に至るまでの中国縦貫道のインター周辺、例えば加西でありますとか福崎、院庄、こういうインターの周辺にはたくさんの工業団地が造成されております。ですから、なかなか米子まで、これも価格が相当安く分譲されております。そういうこともあって、西部地域までの道のりが遠かったというふうに思っております。今後は境港のコンテナ航路の充実でありますとか、環日本海航路の新設、そういうことを含めまして、米子道と海外の航路、これらを連携したものをセールスポイントにして、企業誘致を図っていきたいというふうに考えております。
 引き続き企業誘致にも努めてまいりますけれども、先ほど知事が申しましたように、健康科学産業でありますとか電子・電気関係、そして自動車関連企業もすそ野の広い企業も誘致したいと思っておりますが、新たに今脚光を浴びていますけれども、京都大学の山中教授の万能細胞というのがあります。鳥取大学の医学部に押村教授、この先生が持っておられる技術は世界的に有名であります。若干紹介しますが、人工染色工学の技術であります。ヒトの人工染色ベクターを持っていまして、これによってヒトの機能を有するマウス、こういうものが開発されております。事業化のめども立ったということでありますので、これらを活用した新しい医薬品の開発でありますとか、遺伝子治療または再生医療、こういうものに活用されるのではないかということで、大きな期待を集めております。こういうものを活用して、ぜひ関連企業を集積したいというふうに、現在プロジェクトを立ち上げまして、ぜひ実行させたいなと思って取り組んでおります。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)るる御答弁をいただきました。ありがとうございました。
 まず初めに、米子空港の除雪体制についてお伺いしたいと思います。
 先ほど、県土整備部長の方から、これから若干ふえるということで計画の御答弁をいただきました。
 ちなみに鳥取県が管理をしております鳥取空港の除雪トラックが8台ありまして、先ほど言われましたスノースイーパーは3台保有されております。先ほど、国土交通省のほうの計画で1台ふえるということでありましたが、防衛省が4台、国土交通省が2台、それから先ほどのスノースイーパーが1台ふえるということで、2,000メートル掛ける45メートル、同じ規模の米子空港と鳥取空港が今あるわけですが、先ほどの説明を聞きますと、現状の鳥取空港の除雪体制よりも、さらにふえた段階での米子空港の除雪体制のほうがまだまだ劣っているわけなのです。2,500メートルに延びるということで、管理が防衛省や国土交通省ということでありますので、なかなか言いにくいのかもしれませんけれども、やはり500メートル延びるということは、それなりの体制を整備するような形で鳥取県もひとつ要請をしていただきたいなというふうに思います。
 先ほど、着陸誘導装置のカテゴリーIとカテゴリーIIIとの話がありましたけれども、これは2002年に国土交通省の国庫補助の体系が変わりまして、民間空港では空港を整備するときに大体2分の1の助成だということなのです。ただ、国が管理するこういう基地関係におきましては3分の2の補助体制だということで、ほかの鳥取空港、出雲空港、富山空港、こういった民間の空港に比べても、米子空港はまだまだ整備する上においての優位性があると思います。例えば、附帯設備ですね、アウターマーカーも含めてのそういう設備関係に至るものに関しては、国がほとんど助成をしてくれるのではないかなというふうに思っているのですが、もし仮にそういうことで補助の優位性があれば、当然安全性を高めるために、そういうカテゴリーIからIIIに要望するということは国に対して行っていただきたいなというふうに思います。
 先ほど来から航路のお話がありました。このたびのDBSフェリー就航にこぎつけたのも、やっぱりこれは知事の熱意、こういったものが相手の方に伝わったのではないかなというふうに思います。また、境港の市長とそれから安来の市長、それから松江、米子の経済人、こういった方々もわざわざ韓国に行って、このフェリーの大切さを訴えて就航にこぎつけたということからも、やっぱり港湾をつくったり、これを使ったソフト、こういう航路の問題でもやっぱり熱意を相手に伝えるということが大事ではないかなというふうに思います。ですから、この境港の整備につきましても、もちろんこの熱意を伝えていただくというふうにしていただければなというふうに思います。
 先ほど、壇上から米子と鳥取の企業誘致のお話をさせていただきました。ちなみに、先ほども申し上げたとおり鳥取が33、米子が21ということになったわけなのですが、やっぱり僕は高速道路との絡みということで調べてみたのですが、お隣の島根県のほうは全く同じ時期に、これは統計上の基準がいろいろと違うかもしれませんが、県内の企業が移動したものを差し引いても、同時期に71社、米子の3倍近くの企業が誘致されているという実態があるわけなのです。
 なぜ鳥取県の西部地域と出雲、雲南、斐川、こういったところの差が出るのかなというふうに思っておりました。ある経済人の方にこういうことをお話ししていただきました。実は、島根県には一流の企業を退官された方をこういう企業誘致だとか販路拡大などの専門分野にアドバイザーとして置いているのだと。そういうアドバイザーの方の人脈だとかそういうルートをたどりながら、それから島根県のほうに企業誘致が進んでいるのではないのかなというふうな指摘を受けたところであります。
 このたびの予算の中に、県政顧問、アドバイザリースタッフの会議の予算が出ております。こういう実例があって、鳥取県もこのような形でアドバイザリースタッフを置くようになったわけなのですが、私は非常にいいことだと、ぜひともこういう外部からの有識者を招いて、どんどん企業誘致なんかに起用していただきたいなというふうに思っております。
 知事にお尋ねしたいのですが、このアドバイザリースタッフ会議、7名のアドバイザリーを置くということで年に1回の会議開催というふうになっておりますが、これらのことで本当にこういう県政の課題が解決できるのかなというふうに疑問にも思えております。このアドバイザリースタッフ、これの効果について、まず所見をお伺いしておきます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず米子空港についてのお尋ねがありました。除雪について国のほうへ要請すべきではないかということであります。あわせて、着陸誘導装置についてもカテゴリーIからIIIへと引き上げるように要請すべきではないかということでございます。
 これは、先ほど部長のほうからも御答弁申し上げましたが、ここは国管理の空港になります。それが鳥取空港と違うところでありまして、補助事業があるから手を挙げればつくということではなくて、むしろ空港管理者である国がそのつもりで動かないとこれはできないと。我々は、どちらかというと、その際に負担を求められるというような仕組みでございます。ですから、これについては除雪作業が実際に起こってくる2,500メーター化の完成までの間にきちんとした対応をとってもらいたいということの申し入れでありますとか、それから実際の欠航の状況などをもう一度よく検証してもらいまして、それで着陸誘導装置は何が的確であるか再検討していただきたいと、そういう要請をしてまいりたいと思います。
 次に、港湾の整備についてでありますが、熱意を持って当たるようにということでございます。
 これからの北東アジアの時代をにらめば、私どもの玄関口である境港の重要性は徐々に高まってくるだろうと思います。特に今回の新航路ができた場合に、注目度が一気に上がる可能性もあるだろうと思います。現に、現在の港湾の使い勝手を言いますと、船がたまってきて沖で待っているという状態になってきておりまして、いずれにせよ整理をしてもらう必要がありまして、境港の整備は避けて通れない喫緊の課題であるというように思っております。今働きかけを行っておりますいろいろな事業がございますけれども、ぜひ国土交通省のほうにも熱意を持ってその推進が図られるように働きかけを強めたいと思います。
 最後に、県政顧問の制度、アドバイザリースタッフの制度についてお尋ねがございました。
 県政顧問の制度、アドバイザリースタッフの制度は横山議員の御質問からまた復活をさせようということになってきたものでございます。そして、私もいろいろと考えましたけれども、ある程度各界の重鎮と言われるような方、鳥取県に非常に関心を持っておられる方、ゆかりがある方、この辺で県政顧問を任命させていただきまして、随時相談をさせていただこうという趣旨でございます。今、議員のほうからおっしゃっていただきましたけれども、企業誘致などにも活用できるのではないか、そのように私も考えておりまして、アドバイスを随時いただこうと思っています。ただ、会議としては年に1回になるか何回になるか、とりあえず1回分計上してあるのでしょうか。そういう予算の仕組みになっているというように御理解をいただきたいと思います。
 アドバイザリースタッフはその重鎮というよりはもう少し自由に動けるような方々、鳥取県に対して協力してあげようという好意を持っておられる方々を任命をさせていただきまして、また大阪とか東京だとか各方面で会議を持って、いろいろ御意見をいただいたり、これについても企業誘致その他、あるいは販路開拓などいろいろと御協力がいただけないだろうかと、そういうセッティングをいたしたいと考えております。
 いずれにいたしましても、単なる会議を開くことだけでなくて、議員から御指摘がありましたように、生きたアドバイスをいただけるように、私どものほうも先方にお願いをしてまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)ぜひともこのアドバイザリースタッフを有効に、外部からの助っ人として活躍していただきたいなというふうに思います。
 先ほど来から私、熱意熱意というふうに申し上げておりますが、実は先般、国会中継を見ておりまして、高速道路ができた優先順位は何なのだという問いかけに、道路局長が地元の熱意なのだということをおっしゃったものですから、私ここでちょっと使わせていただきました。地元の熱意があれば高速道路もできる、東国原知事が一生懸命ああいう形でマスコミを通じてやっておられるのが熱意というふうに思えるのかどうかわかりませんけれども、ただ、巷間というふうに東国原知事は言うのですけれども、地元の熱意イコール政治家の力ではないかというふうなことも言われておりますが、そうであってはならないと思っているのです。鳥取県、それから地元の市町村、こういった方々が一緒の思いで熱意を伝えることで港湾整備、それから空港の整備、それから背後地の企業誘致、こういったものにぜひともつなげていただきたいというふうに思います。
 先ほど来から、やっぱり知事がおっしゃるように、ようやくここで環日本海時代を迎えることができたと思っております。中国やロシア、韓国に最も近いこの立地特性を生かす、こういうものを生かす知恵が今問われているというふうに思っております。貨客船の航路の開設で西日本の人や物の流れが大きく変わる、圏域の産業集積がさらに進む可能性があるというふうに思っております。
 こういうことを考えたときに、これからの輸送体系はではどうなるのだろうなと。今、地球温暖化ということでトラック輸送であったり航空機輸送であったり、こういったものが貨物輸送、いわば軌道を使った輸送にシフトしていく、いわゆるモーダルシフトということが今叫ばれております。特に大企業はそういう環境に優しいというような、企業イメージがアップするということでトラック輸送からそういう貨客輸送に変換していこうということであります。当然境港も、境港からウラジオストク、そこからレールによってヨーロッパ大陸というふうな夢があるわけなのです。シー・アンド・レールという考え方があるわけですが、私、先ほどの米子市の状況を企業誘致が進まないなということで考えているときに、今の米子市の南北一体化事業というのが注目されておりまして、米子駅は今11本の軌道があります。それを半分ぐらいに減らして南北を一体化させようという事業でありますが、境港や米子空港、こういうハードの近くにある背後地を整備する観点から言えば、日本全国から貨物で荷物を集めたり、そういうような背後地の計画というのもあってしかるべきではないのかなというふうに思います。その中で、これまで米子駅が貨客の山陰での中心地であった、こういう機能をもう少し復活させる、こういったことで米子を中心とした西部地域の物流拠点としての変貌を遂げられるのではないかなというふうに思います。こういったモーダルシフトからシー・アンド・レール、こういった考え方につきまして知事の見解をお伺いしておきます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、いろいろと港湾整備のことに絡みまして熱意を持ってという重ねてのお話がございました。道路について道路局長のほうから熱意こそが道路をつくるものだというふうにおっしゃったという言葉を引かれました。ただ、道路は熱意だけではできなくて、やはりお金がなければできないわけでございますので、財源の問題もあわせて議論していただかなければならないと思います。
 そして、今モーダルシフトの観点のお話がございました。これは京都議定書の平成9年のときから議論が始まったことでございます。
 おっしゃるとおり、今全国あるいは全世界のエネルギー事情を考えてみますと、運輸部門が大体我が国の場合2割程度CO2への寄与度といいますかシェアを占めている。さらにそのうちの9割が自動車だというように言われています。今、輸送がいろいろと行われますけれども、自動車による輸送だけでなくて、別の形の輸送も普及させなければならないのではないか。何となれば、国内には鉄道という大動脈が通っております。これを活用して新しい輸送体系をつくろうではないか、これがモーダルシフトの考え方であります。
 歴史をひもといて我々が自分たちの地域を見詰め直してみれば、米子というのは鉄道で栄えた歴史を持ってまいりました。これを生かさない手はないのだろうと思います。我々も先般来、この新航路問題がありましてシー・アンド・レール構想という話も取りざたされる世の中になってまいりましたので研究をさせていただきました。例えば、秋田が鉄道を利用して、そこまで全国から荷物を持ってくる、そこから環日本海航路で対岸諸国へ運ぼうという、こういうプロジェクトを考えておられます。私どもももう一度よく考えてみたら、米子にせっかく拠点があって、鉄道も通っていて、もちろん境線も通っているわけでありますけれども、その向こう側には境港から近いところに朝鮮半島があるわけでありますから、シー・アンド・レール構想をさらに延長させて考えてみれば、その向こうにアジア大陸を経由してヨーロッパまでへのシー・アンド・レールの大動脈が見えてくると思います。
 我々の地域は、残念ながらこの貨物輸送が鉄道の部門では余り多用されていないという現状であります。調べてみますと、米子の近辺に立地をしております企業さんがつくられたものを全国へ配送する際に、鉄道を利用されているわけであります。しかし、逆に全国からこの米子の地域に来るところは空荷になっていまして、ある意味もったいない話でございます。ですから、物流が新しく起こってきて、ここに荷が入ってくれば、その鉄道輸送をやって貨物も活性化させていく、それが鉄道の面で活性化させていくということは可能になってくる余地があります。
 残念ながら、現在のJRの貨物体系でいいますと、電化されている区間でなければあの長い列車を引っ張ってこられないような状況になっていまして、そういう意味でいいますと、伯備線を通じて米子のあたりまで引っ張ってきて、今おっしゃった後背地などを確保するということだと思います。
 幸い米子は鉄道のまちでありましたので、現在でもJR貨物の米子の営業所があり、そこにヤードがございます。これを当面は活用できるのではないかと思います。そうした意味でモーダルシフトがさらに進んだり、海を越えて荷物が渡る需要がふえてくれば、そのヤードをさらに拡張していくとか、そういう方向性も出てくるかもしれません。まずは、現在せっかくある米子のヤードを活用して、今おっしゃるようなモーダルシフトの観点で荷を全国から集めてくることを検討していくのが筋道ではないかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)3番森岡議員


◯3番(森岡俊夫君)御答弁ありがとうございました。
 これを最後にしたいと思います。知事、後でコメントがあればいただければと思います。きのうのテレビを見ておりますと、円高で100円を割ってしまいました。また、さらに原油それから資源高、飼料の高騰で農業、畜産、本当に悲鳴を上げております。錦織議員の質問にもありましたけれども、本当に漁業者も悲鳴を上げております。こういった中で、中小零細企業を抱える鳥取県は本当に大変だなというふうに考えます。湯原議員も、それから伊藤保議員も同じ趣旨のことを申されました。知事の姿勢をということでございます。明治のころに置きかえますと、農民や漁民、地方のほうからは本当にむしろ旗が上がってもおかしくないそういう状況ではないかというふうに考えます。今、国のほうでは蝸牛角上の争い、要は小さなことで何かごちゃごちゃごちゃごちゃしているように思えてならないのであります。ここは呉越同舟の面持ちで本当に国民、県民のためにやっていただきたいと思っております。鳥取県議会も一蓮託生であります。知事の手腕に期待する、このように申しまして、私の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)昨日までもいろいろな議論がございました。活力と安心を求めて、それを両立させるように地域社会を再構成させていくことが必要であります。これについて現在の状況は、おっしゃいましたようにドルがどんどん安くなってきている。そのドルが安くなってきたお金でそれが原油を上げたり、さらに金も高騰し始めたという報道になっております。非常に不透明で厄介な状況ではありますけれども、だからこそ地域が団結をして連帯をして力を発揮しなければならないのだと思います。
 呉越同舟というお言葉がありましたけれども、呉と越ということでもないのではないか。地域は利害関係はいろいろあるのですけれども、実は根本のところは一致しているのではないかと私は思います。憂うるのは国政のほうでございまして、今の国会の状況を見ておりますと、本当にあれでどうやって経済政策をかじ取りをしていくのだろうか、それから地域の信頼を得られるようなハード整備あるいは財源確保を図っていくのだろうか、答えがなかなか出てこないもどかしさを感じるものであります。ぜひとも、国政のほうの正常化をしていただきまして、与野党が多数派が分かれている状況が生かされて、真の民主主義が自立的に発展していく、そういう軌道を描いていただきたいと念願をする次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 10分後に再開いたします。
       午後3時04分休憩
   ────────────────
       午後3時15分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 15番澤紀男議員


◯15番(澤紀男君)(登壇、拍手)公明党の澤紀男でございます。本日、最後になりますけれども、眠気がないように頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、早速質問に入らさせていただきたいと思います。
 鳥取県の防災コマーシャルが最近テレビ放映されていましたが、自分たちの地域は自分たちで守っていこうというメッセージが込められていると感じました。継続して何らかの形で県民に防災の必要性を訴えることは大事だと思います。自然災害がここ10年間で2倍にふえているという現実に、日ごろの備えが大切だということを県民一人一人が意識していくことが大事だと思いますが、知事は鳥取県民の安全安心を守るために一番何が必要と思っておられるか、お伺いをしたいと思います。
 次に、災害時要援護者支援の取り組みについて質問をいたします。
 ちょうど1年前の2007年3月の能登半島地震で震度6強を観測した石川県輪島市は、死者1人、重傷者46人、全半壊した建物は1,599に上るなど大きな被害に遭いました。その中で、65歳以上が約半数という市内でも特に高齢化が進んでいた門前町地区では、死者、行方不明者ともにゼロで、地震発生から数時間後にはすべての高齢者の安否確認がとれていました。それは同地区が日ごろから行政と民生委員が協力し、要援護者の情報を把握していたおかげで、寝たきりの人は桃色、ひとり暮らしは黄色といったぐあいに色分けし、書き込んだ独自のマップが役立ったそうです。
 一方、同年7月に起きた新潟県中越沖地震では、地元の柏崎市が要援護者の名簿を作成していたが、個人情報の取り扱いに慎重だったことなどから、地元との情報共有が不十分で迅速な安否確認に活用されなかったということです。
 以前、阪神大震災のときも、地域のつながりの深いところは家族構成からどの部屋で寝ているかとか、何時には起きているからこの辺に埋もれているはずという近隣住民のネットワーク力で九死に一生を得たという体験を聞きました。
 しかし、田舎と言われる鳥取県でも、最近は都市部においては人口の流動化や集合住宅等の増加で近隣のコミュニティーがなくなりつつあります。県の市町村防災マニュアル策定指針に追加されたもしかの発想、災害はいつ起こるかわかりません。まさか起こることはないだろうとか、縁起でもないと考えるのではなく、もしかしたら最悪のことが起こるかもしれないというもとに、日ごろから災害に備える準備とともに、万一災害が起こった場合は、準備に沿って迅速、適切に対応していくことが大切とのことです。
 鳥取県内では昨年の8月22日に若桜町及び八頭町で、続く9月4日に琴浦町及び大山町で局地的な集中豪雨が発生をしました。県の防災局防災危機管理課の資料によりますと、ハード、ソフト面での問題点が指摘されています。今回の集中豪雨は局地的に雨雲が停滞し急激に発達したものであるが、今後、地球温暖化の影響でさらに増加する可能性が言われております。早急に多角的な角度から体制を点検強化し、今後発生する集中豪雨や台風などの風水害に備える必要があり、早急な避難勧告等の判断、伝達マニュアル、災害時要援護者避難支援プランの策定が急務とされています。そして、よりよく効率的に要援護者の側に立っての取り組みを構築する方法には、行政が中心となり、自主防災組織、社会福祉協議会、民生児童委員等の関係機関が連携し、支援体制づくりを行うパターンと、自治会や自主防災組織が基軸になる支援体制づくりをし、行政が支援をするパターン等がありますが、県内の市町村の災害時要援護者の支援対策の取り組みについての現状と、県としての各市町村の取り組みへのかかわり方を知事にお伺いいたします。
 また、要援護者支援での自主防災組織、自治会、民生委員、民生児童委員の役割についての認識をお伺いしたいと思います。
 次に、地域の安全安心なまちづくりについて質問をいたします。
 全国から見た鳥取県の犯罪の統計によりますと、本県における刑法犯認知件数は平成16年8,688件で、以降3年連続減少し、19年は6,261件となっています。治安は回復傾向にあるが、治安情勢が安定していた昭和40年代、50年代に比べると依然高い水準にあり、検挙率は平成19年51.2%、全国3番目とあります。この統計で目を引くのは、住宅対象、侵入窃盗、無施錠率が82.6%で全国一番ということです。これは空き巣被害ということだと思いますが、空き巣から強盗事件に遭遇する可能性もありますので、県の地域性と片づけずに、県としても注意をさらに呼びかける活動が必要だと思います。
 警察の努力と防犯ボランティア団体の活動が連携し、犯罪の減少に貢献していることは間違いないと思います。我が県では、平成16年3月に32団体の防犯ボランティア団体が193団体まで拡充をしています。地域で子供を守るという点で、児童の登下校時の時間帯の防犯パトロール、各企業の見守りパトロール、県内の至るところでパトロール隊を見かけることが多くなりました。しかし、地域の安全安心という面では24時間県内をくまなく監視するということはできません。
 平成15年4月から、米子市の就将小学校、米子西高、湊山体育館周辺を結ぶ通学路で、夜間になると人通りの少ない場所7カ所に子ども緊急通報装置システムが設置をされました。この装置は、非常時にボタンを押すと赤色灯が回転し、警報ブザーが鳴り、通報者の位置確認とカメラの映像が警察署に伝わり、そして通報内容を伝えると確認してパトカーや近くの警察官が駆けつけるというシステムになっています。不審者やひったくり、事件、事故等が起きた場合に対応しています。学校のほうでも警察と一緒になり、児童に使い方を指導しています。設置する前は不審者が子供に声かけするなどあったようですが、今は全くないと聞いております。また、住民の方も、事故など緊急時に使用できる地域住民の防犯にも役立つと地元からの声も聞いております。
 県内には白昼の死角と言われる場所、公園や通学路や地下道、また夜間になると人通りが極端に少なくなる駅周辺、無人駅、繁華街、田園地帯等数えれば巡回のすきをつく場所は多くあります。県民の安全安心を守るために子ども緊急通報システム、スーパー防犯灯、ミニスーパー防犯灯の整備をしたらどうかと思いますが、県警本部長にお尋ねをして1回目の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員からのお尋ねにお答えを申し上げます。
 まず、災害時要援護者の支援に関連をいたしまして、何が安全安心のために一番必要なのか、その背景としていろいろと最近の防災事情などもお話をいただきました。
 この点につきましては、議員のほうからも御指摘がありましたように、自然災害などを取り巻く事情が随分変わってきていると思います。しかも、そのリスクのレベルが高くなってきているというように感じます。平成18年までの10年間をとってみますと、時間雨量が50ミリメートルを上回るもの、これが従来の1.6倍ぐらいにふえている。さらに言えば、100ミリメートルを超える今回の琴浦とかああいうものになりますと、2.3倍とか、そんなレベルでふえている。たった10年間でこれだけのものになっているというデータがあります。先般話題になりましたけれども、ICPP、気候変動に関する政府間パネルで指摘をされておりますけれども、これからますます熱帯低気圧の威力が高まってくる、大雨の危険が高まってくる、それが現実として観測されているという、そういう指摘になっています。これを踏まえれば、我々も機動力のある防災の力を地域でつくり上げていかなければならないだろうと思います。その意味で、何が安全安心のために一番必要かというお尋ねがございました。
 1つは自助、共助、公助と言いますが、こうした防災の組織をつくり上げていくことだろうと思います。公助の話がついつい先行しがちなのですけれども、ただ実際に災害が起こってみますと、先般の西部地震のことを思い起こしていただければそうでありますが、災害が起こってしまいますと、行政の能力だけでは決して対応できません。むしろ災害に応じて来られるボランティアの方だとか、あるいは地域での自主防災組織だとか自治会だとか、それから御自身で自分の身の回りを守るために家族の中でいろいろと協力をし合ったり、そのことが一番効果があったと思います。当時、公明党の皆さんも公明党のジャンパーを着て走り回っておられて、毛布を担いでおられたのを覚えております。そういうことが必要なのでありまして、単に公助だけでなく、行政のことだけでなく、共助と言われる自治会や自主防災組織などのネットワーク、また自助と言われる御自身、それから家族での安全の点検だとか、それからいざというときの協力体制、こういうものが必要なのだろうと思います。
 こうした組織のことが1つありますけれども、あわせてその組織が動くような仕掛けを地域の中でこしらえていくことが大切なのだと思います。大きな災害を経験いたしましたので私どもも学びましたが、お互いに災害関係機関などが顔を見知って、ふだんから、こうしたらああしようねとかいうようなことを話し合っておくことが必要です。少なくともお互いの連絡先がわかっていることが必要だったです。
 西部地震のときも、1カ月前にたまたまその訓練をやっていたことが幸いをしました。ついこの間会った人たちが、本番でございますので連絡をとり合ったわけです。私も米子の災害対策本部の中におりまして、電話をかけました先が米子の駐屯所であります。自衛隊の方にお願いをしましたのは、もしかして、おたくで暖房器具はないだろうかというふうに申しました。そうしたら、真夜中でありましたけれども、ありますよと。幾つ幾つ用意できますというお話がありました。しかも、ありがたいことに油もつけましょうかと言ってくださいまして、油まで御提供いただきまして、しかも自衛隊が避難所のほうまで持っていってくださった、そういうことが経験上ございます。これはお互いに協力し合おうということで、面通しができていましたし、実際にそのつもりで皆がいわば張り切って自分のできる役割を果たそうとネットワークがきちんと連携が組めたからだと思います。こうした連携力を地域で育てておくことが日ごろから訓練などで肝要なことだというふうに思います。
 また、いろいろな意味でも現場の対応力が、技術の進歩とあわせて工夫されているのではないかと思います。先般も三朝で訓練をしまして、なるほどなと思いましたけれども、今は遠隔地操作で患者さんといいますか、けがをされた方の様子を画像でとらえまして、さらには心拍数だとか、ちょっとした検査を現場でやって、それを病院などへ電送して、それで診断をし、処置を指示したり、あるいはこれがトリアージのような選別にも役立ってくる、こういうことも経験をさせていただきました。こうした現場対応力を高度な技術を駆使して我々の地域でも培っていくことが必要なのだと思います。
 さらに言えば、特に初動態勢の中では瞬発力が求められると思います。判断力。この判断力も、これは臨機応変の対応にはなりますけれども、特に市町村など行政のトップで自治体の災害復旧の本部を預かるような方々には、日ごろからそうした判断力を養っていただく必要があるだろうと思いますし、地域でも瞬発力、判断力を培うように日ごろから話し合ったり、シミュレーションを考えていただく、図上訓練をやっていただくことが大切ではないかと思っております。
 次に、災害時要援護者支援対策の取り組みについてのお尋ねがございました。門前町、それから柏崎市の例を引かれて日ごろの体制づくりがいかに大切か、明暗を分けるかというお話をされました。
 私どもの取り組みにつきましては、防災監のほうから御答弁を申し上げたいと思います。
 あわせてお尋ねがございました自主防災組織、自治会、民生児童委員の役割でございますが、先ほど申し上げました地域の防災力の話と関連をいたしますけれども、特に要援護者の支援関係でいきますと、民生児童委員の方々は、これは一つのパターンで申しますが、日ごろこういう要援護の方がおられますよという情報を集めてこられて、それをまとめておられて、地域の組織、自治会だとかあるいは行政と共有できるものを情報としてこしらえておく、これが求められると思います。さらに、災害が発災した現場におきましては、自治会とか自主防災組織がその情報に基づいて的確に搬出をしたり、それから手当てをしたり、見に行ったり、こういう対応をとれるようにする、そのときの行動力を示すのが自治会とか自主防災組織の役割ではないかと思います。これは1つのパターンでありますが、こういうことに対してどういうふうに対処しようか、要支援者に対してどう対処しようかという工夫を今県内の市町村でもやっているところでございまして、2市4町では既に計画をつくりかけております。その状況などを防災監のほうから御報告申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)災害時要援護者対策についての市町村の取り組みということでございます。
 現在の市町村の取り組み状況ですけれども、澤議員の方から先ほどありました行政中心のやり方、それから自治会中心のやり方、こういったものがあるのではないかという御指摘でしたけれども、ほとんどが行政中心、市町村が中心になって、先ほど知事の答弁にありましたように、民生委員等にお願いしていろいろプランをつくっていくというやり方をやりかけているという状態でございます。
 今、知事のほうから申し上げましたように、2市4町、ここで作業を進めております。それから、2市7町におきましては、策定する方向でいろいろなやり方を検討しておられるというふうに聞いております。3町村がちょっとまだ方針が未確定ということで聞いております。残る江府町なのですけれども、江府町につきましては、先ほど自治会とかそういう集落中心のやり方というお話がありましたけれども、こういうやり方をやっておられまして、既に集落単位で要援護者の状況を把握してマップをつくっておられるということで、これ以上避難支援プランをつくるという計画は今のところないと、そのマップで十分対応できるだろうということで考えておられるようでございます。
 県としてのかかわり方なのですが、平成17年度6月あるいは11月に、防災局でありますとか福祉保健部局のほうでマニュアルですとかそういったものをつくっておりまして、こういったものを指針として市町村のほうには避難支援プランをつくっていただくようにというお願いをしております。今年度になりましても、ことしの1月には担当課長会議をやっておりますし、それから2月の行政懇談会の場をとらえてもお願いをしておるというところでございます。それから、いろいろな通知、こういうふうなやり方をしてくださいというような通知も折に触れて出しておるところでございます。1月にやりました担当課長会議のときなのですけれども、なぜ進まないのかというようなアンケートもやっております。各市町村からこういったことが問題ですということがいろいろな形で出てきております。それで各市町村の問題というのはそれぞれ一様ではないなという認識をしておりますものですから、これから、できれば各市町村個別に一緒に県と協議をしながらプランの策定というものに支援をしていきたいと、助言していきたいというふうに思っています。できれば21年度中ぐらいには全部の市町村でそういったプランができて、要援護者対策ができるという体制というものを目標にしていきたいなというふうに思っている次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)初めに、澤議員から県内の治安情勢分析や問題点の御指摘、また地域の防犯のための貴重な御提言をいただきましたことに御礼申し上げます。
 子ども緊急通報システム、スーパー防犯灯などの整備に関する御質問にお答えいたします。
 子ども緊急通報システムとは、ただいま議員から御紹介がありましたように、非常用赤色灯、非常ベル、通報者撮影カメラ、インターホンなどを備えた装置で、通学路、児童公園等に設置され、緊急時にはボタンを押すことにより警察へ通報することができるものです。また、スーパー防犯灯は、現在のところ県下では設置されていませんが、非常用赤色灯、非常ベル、防犯カメラ、インターホン等を備えた防犯灯であり、ボタンを押すことにより緊急時には警察につながり、映像等を電送することができるものです。ミニスーパー防犯灯につきましては明確な定義はありませんが、スーパー防犯灯の機能の一部を備えたものについて、そのように呼ばれているものと理解しております。
 本県では、議員がおっしゃいましたように子ども緊急通報装置が米子市就将小学校区に1セット7基設置されています。現在までのところ、この装置が子供に対する声かけや不審者に関する情報の通報の際に直接犯人検挙などに結びついたという事例はまだないものの、抑止効果また地域住民の方々の安心感の醸成には大きく貢献しているものと考えております。
 今後、これらの装置の設置につきましては、かなり値段の高いものでもございますので、他県の効果事例や治安情勢等をしっかりと把握し、また各種防犯用品の普及状況や施設の維持管理に要する経費も勘案しながら、幅広い視点からその設置のあり方を検討してまいりたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)15番澤議員


◯15番(澤紀男君)最初に知事のほうから考え方を伺いました。自助、公助、そして共助ということで、やはり、きょう、私が質問をさせていただいた基点といいますのは、やっぱり災害というのは一番根本になるのはいろいろとありますけれども、日ごろのつながりといいますか共助だということを私自身一番感じておるところです。そういう点で知事のほうから御答弁をいただきましたけれども、やはりこの鳥取県は小さい県ですけれども、そういう意味ではますますこの共助といいますか、お互いの日ごろのつながりという部分でこの防災というものを考えていくべきではないかと思います。
 追及に移らせていただきますけれども、災害時にみずからの身を守ることが困難である高齢者や障害者、それから要援護者を適切に避難させる体制を整備することが先ほど申しましたけれども喫緊の課題として自治体に求められていることだと思います。
 2005年に内閣府がガイドラインを示して避難支援計画の策定を求めております。しかし、要援護者の名簿作成等については、19年3月の時点で、要援護者の避難支援計画を策定している自治体は年度内に策定予定を含めて8.8%と1割にも満たない現状となっていると、こういうことです。
 鳥取県の現状としては、先ほど言われましたけれども、1月16日に、県内での災害要援護者対策の状況が公表されましたが、それによりますと、この要援護者のリスト作成済みは鳥取市、岩美町、琴浦町、日野町の4市町。一部作成が日吉津村、南部町、江府町の3町村。作成中が境港市、若桜町、智頭町、八頭町、湯梨浜町の5市町と。残りの7市町が作成をしていないと。作成済みの鳥取市でも手挙げ方式による作成のため、想定人数の1割以下となっていると。琴浦町は同意方式で作成したため、拒否した人は掲載をされていませんと。また要援護者の範囲についても、決めているが9市町村、決めていないが10市町、避難支援プランを作成していますかには18市町村が作成をしていないと。避難勧告等の判断伝達マニュアルを作成していますかには、していないが13市町村と、各市町村とも進んでいない、苦慮をしているということです。これは個人情報保護法の施行以来の全国的な過剰反応といった現象が各分野、各地で起こっておりまして、さまざまな問題や課題が提起されていることも事実であります。
 先ほど話に出ました民生委員の方のお話を伺いましたけれども、行政のほうから個人情報保護法の関係で全くこの情報が入らず、各自で担当地域の方々を訪ねてみるが、現状を把握することがとても難儀で困難になっているということです。
 各市町村で関係機関共有方式を活用し、要援護者リストを作成する際、国のガイドラインでは国の行政機関に適用される行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律で、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるときには、保有個人情報の目的外利用、提供ができる場合があることを参考にして、積極的に取り組むことが必要だというふうに言われていますけれども、保有個人情報の目的外使用、第三者提供のために個人情報保護審議会のこの審議、これを経ることについて消極的なところが多いということもありまして遅々として進まないのが現状だというふうに思っています。そして、要援護者情報の提供を受ける避難支援に直接かかわるもの、自主防災組織等ですけれども、これも守秘義務等の確保について誓約書の提出等を課して取り組むことも必要だと。内閣府が実施した個人情報保護に関する世論調査では、防災防犯のためであれば積極的かつ最小限の範囲で個人情報を共有、活用すべきが全体の9割を占めています。
 先ほど言われましたけれども、各市町村のアンケートの中で、県への要望というのがあります。1番目が障害者支援団体、社会福祉施設関係者などの県レベルでの協議会があれば、その場において災害時要援護者対策の重要性、そのための要援護者情報の提供の必要性について理解を求めるなどの支援をお願いしたい。2番目が事例等の紹介。避難勧告等の判断基準の対応、避難時要援護者支援プランの作成が本人に必要なものであれば、県の全市町村を集めて、鳥取県が技術的助言を行い、積極的に作成を進めていっていただきたい。3点目に、個人情報の保護がネックになっている。これについて各市町村の方針で対応という考え方もあるようだが、県なり国が個人情報保護の例外として扱えるよう指導性を発揮していただきたいと、各市町村の声が上がっています。要は、各市町村、取り組みたいけれども、どうしていいかまだまだわからない、こういうふうに思っています。
 そこで県の果たすべき役割として、各市町村、福祉施設等の取り組みの指針をきちんと明示して、個人情報保護法と活動のあり方や各市町村との進め方の手法、そして関係機関との連携を早急に進めて、再度、県の指針といいますか方針を策定する必要があると思うのですけれども、知事の御所見を伺いたいと思います。
 次は、警察本部長のほうですけれども、防犯についてですけれども、スーパー防犯灯以外に犯罪発生のときに周辺住民への告知ということで、ネット上で犯罪発生状況などが公表されておりますけれども、大阪府のほうでは携帯電話にメールでリアルタイムで必要な情報を教える「安まちメール」というサービスを行っております。現在、17万人の方が利用しているそうでして、「安まちメール」が開始されて以降、子供に対する強制わいせつ事件が約26%減少しているということだそうです。受信したこの情報に基づいて、子供に注意を促したり、それから見守り活動に活用した結果が減少につながっているというふうに思われているそうですけれども、本県でも導入を検討すべきだと思いますけれども、警察本部長のお考えをお伺いしたいことにしたいと思います。よろしくお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員のほうから、災害時の要援護者支援につきまして重ねてのお尋ねをいただきました。
 おっしゃるように、共助の部分が特に求められるのがこの関係だろうと思います。実際に支援を必要とする障害者あるいはお年寄りの方がおられる、それを把握をして的確に対処をしていく、それがスムーズにできるためには、お互いの連携ができていなければならないわけであります。しかし、おっしゃったように、例えば民生委員の方が現場に入って、どういう人がいるのか調べようと思っても、個人情報の壁があったり、あるいは何をやったらいいかわからないという声が地域で上がったりというのは容易に想像できます。
 県のほうでも、今いろいろと市町村に働きかけをして、先ほど御紹介いただきましたが、その状況を聞くためにアンケートをとらさせていただきました。今の市町村との関係など、やっていることにつきましては、防災監のほうからお話を申し上げたいと思いますが、基本方針をつくるべきだということについては、私はやっぱり何かガイドラインみたいなものが最低限必要かなと、今御質問を伺っていて思いました。
 特に個人情報の取り扱いでありますとか、それからいざというときに何に重点を置いて考えるべきかとか、特に地域において問題意識の高いところ、わからないところ、そこについてガイドラインを県のほうでもつくってあげる必要があるかなと思います。平成17年に私どもなりに要援護者のための避難についてのマニュアルをつくらさせていただきました。しかし、これはちょっと大部でありますし、読んで具体性がないので、そうした混乱もあるのかなと思います。個人情報保護の取り扱いなどは市町村ごとに最後は解決しなければなりません。ですが、こういうふうに考える場合はこうですよというようなパターンを示しながらガイドラインをおつくりをして、それに基づいて市町村と相談をしながら支援計画の策定に向かっていくことは、手順として必要なことだろうと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)ちょっと先ほどの答弁と重なるかもしれませんけれども、市町村の取り組みに対する県の支援、どういうことをやっているか、あるいはこれからどういうことをやろうとしているのかということについて御答弁申し上げたいと思います。
 先ほど質問の中にもありましたように、1月には担当課長会議をやりまして、そのときに指針の具体性を補うような形で、こういうふうにやれば、個人情報の壁というものもある程度クリアできるのではないか、できますよということを会議の中では示しております。ただ、各市町村はやっぱりいろいろと悩みがそれぞれ違うというところがあります。そういったことがありますので、先ほど申し上げましたように、個別な対応というのがやっぱり一番要るのだろうというふうに思っています。知事が答弁しましたように、ある程度具体的な基本方針みたいなものをつくって、それに基づいて個別に対応していくというような取り組みを防災局のみならず、福祉保健部とも共同しながらやっていきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)インターネットや携帯メールを活用した地域安全情報の住民への提供に関する御質問にお答えいたします。
 現在、警察本部のホームページでは、子供に対する声かけや不審者に関する情報、また自転車盗、車上ねらい、侵入窃盗の発生状況を地図情報とあわせて掲出して、県民の皆さんが被害に遭わないよう注意喚起を申し上げているところであります。
 そして、議員から御指摘のございました携帯メールを活用した犯罪発生状況などの情報提供につきましては、現在、県内では一部の警察署のみが提供を希望される方を対象として実施している状況でありまして、また幾つかの自治体におかれては、警察からの情報をもとに同様のシステムで情報提供に取り組まれていると伺っております。携帯電話が広く普及している現在、メールによる犯罪発生情報や防犯情報の提供は犯罪被害防止の面から大変有効であろうと考えております。今後とも他県の事例も参考にしながら、地域安全情報の効果的な提供方法や提供内容等について検討してまいりたいと存じます。


◯議長(鉄永幸紀君)15番澤議員


◯15番(澤紀男君)田代警察本部長には、一つ前向きにできるようにお願いしたいということを申し添えておきたいと思います。
 知事には非常にガイドラインの必要性を言っていただきまして、これに沿って進めていただくというような形でお願いしたいと思います。
 そのガイドラインについてですけれども、災害時要援護者の避難支援ガイドラインにより、要援護者情報の収集、提供や避難支援プランの作成に加えて、いろいろなさらなる避難対策を進めていくためには、避難所における支援ですね。医療機関、それから保健師、それから看護師、社会福祉協議会、介護保険制度関係者等の福祉サービスの提供者、自主防災組織とか、先ほど出ましたが民生委員、NPO等のさまざまな関係機関等の間の連携を向上して、避難支援ガイドラインに沿った取り組みに発展させるということが重要になっていくと思います。
 このように、取り組まなければいけないことというのは山ほどあります。ここで山梨県の取り組み概況を先進事例の中から紹介をさせていただこうと思うのですけれども、この山梨県は、東海地震の強化地域に指定されておりまして、県の消防防災課が平成14年から15年度に県下100カ所ほど出向いて防災学習会や防災ボランティアコーディネーター養成講座などを実施し、18年2月の時点で約500人が修了して各地で自発的に防災ボランティアの会をつくり、市町村や自治会と連携して要援護者対策を含めた自主防災活動を進めているそうです。県民の防災意識が高まりつつあった16年7月の新潟県、福井県の梅雨前線豪雨、10月に新潟県中越地震が発生し、多くの高齢者等が犠牲になったことから、市町村による災害時要援護者支援マニュアルの作成を直ちに取り組むこととして、17年4月に障害者と高齢者のための災害時支援マニュアルという県マニュアルを作成したということです。さらに、17年度はすべての市町村に出向いて県マニュアルに沿った取り組みの理解促進に努めるとともに、10月には笛吹市と合同で実施した防災訓練等において、要援護者対策に重点を置いた訓練を実施したと。また、16年からは防災関係局職員が福祉関係部局に異動し、福祉関係部局による要援護者対策も担当することなどにより、防災関係部局と福祉関係部局との間の連携強化にも努めておると。県のマニュアルの説明会の開催を行って、説明会では県マニュアルの説明とともに自治会単位で多くの役員や住民が参加して行う自主防災マップづくりの研修会や我がまち安全点検、野外調査等の方法などをわかりやすく説明をしている。また研修会では、要援護者情報の事前把握のノウハウや、要援護者救援マップの作成について説明し、参加者の理解が深まったところで、要援護者一人一人の救援方法を記した防災カルテ、あんしんカードを関係者が協力して作成し、共有することとしている。さらにこれを契機として、市町村が具体的な行動計画を作成するよう、県が引き続き助言、支援を行うようにしていると、こういう事例がございます。
 最近の風水害や地震では、犠牲者の多くを高齢者が占めておりますけれども、高齢化がいや応なく進む中にあって、鳥取県内の高齢者、障害者等の災害時要援護者の犠牲を減らすためにも、たとえどんな困難な課題であれ、避難支援体制の構築へ向けて挑戦し続けなければならないとの思いで、我が県も一刻も早くこういう先進事例を調査研究していただいて、鳥取県型のこのシステムを構築する必要があると思うのですけれども、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
 また、先ほど出ましたけれども、我が県のボランティア、これは全国一ということで、県民性から現在193団体の防犯ボランティア団体に参加を呼びかけて、防犯防災ボランティアへの発展が望めないかと、こういうふうに思うのですけれども、これにつきまして県知事と警察本部長に御所見をお願いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)災害時要援護者の支援につきまして重ねてのお尋ねをいただきました。
 山梨県のお取り組みを今も拝聴させていただきまして、非常に興味深く伺いました。ぜひ調査を、私どもからも派遣をさせていただきまして、実態を調べて参考にできるところは吸収していきたいと思います。
 鳥取県内におきましても、例えば境港市がモデル事業を今始めております。要援護者の名簿を渡のあたりでやっておりまして、要援護者の名簿をつくりまして、そしてさらに図上訓練をしているということでございます。こういうように市町村が既に取り組みを始めております。これは行政が引っ張ったような形でやっております。あわせて、江府町の場合ですと、集落ごとにほぼすべての集落で要援護者の名簿をつくり、地図上に落としまして集落で保管をすると。実はこれを行政的にも使わさせていただいているというふうに伺っておりますが、そういうように集落主導でいざというときに助け合おうという動きをしています。こういうふうにいろいろいい事例が県内でも出てきておりますので、こういうものをまた他の市町村へと広めていきたいと思います。
 次に、災害ボランティア、防災ボランティアのほうに防犯ボランティアを活用できないか、193団体の防犯ボランティアの組織から自主防災組織への協力を仰ぐといいますか、融合させることはできないかということでありまして、これは私は地域資源を生かすという意味で非常に有効な手段だろうと思います。特に、最近急速にこの防犯ボランティアが学校区ごとに整備をされてきました。その中に、いろいろと町内会が消防団をつくったりしています。ここらの結びつきがうまくなっていけば、これは防災力の発揮に非常に効果があるだろうと思っていまして、新年度事業としてモデル事業を今お願いをしているところです。その内容につきまして、防災監のほうから御説明申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)法橋防災監


◯防災監(法橋誠君)来年度の予算で計上しておりますコミュニティー連携による地域防災、防犯力向上事業というものをお願いしております。これは基本的には小学校区単位でモデル地区を選びまして、その中にある防犯ボランティア、あるいは自主防災組織、自治会、それから消防団の分団等、いろいろなこういった防犯ですとか防災にかかわるいわゆる組織ですとか人、こういったものを何とかネットワークしながらその活動を活性化させていけないかということを、そこのいわゆる小学校区単位のモデル地区にお願いして、県のほうから多少の助成もしながら、そういったことを実際にやってもらうということを考えております。
 その中で、効果としては基本的には自治会の中でも自主防災組織ができていたりできていなかったりということがありますので、それがお互いに情報交換する中で、どういうふうにつくればいいのか、どういう活動をするのかということがわかってくる、そのことによって自主防災組織の組織率も上がってくるというようなことを考えております。
 そういったモデル事業を通じまして、なぜできないのか、あるいはどうして活動を活性化しないのか、そういった問題点等もいろいろわかってくると思いますので、そういったことがどういうふうにすれば解決していくのかということを立案しながら、全県的に広げていくというようなことの糧にしたいというふうに考えている次第でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)防犯ボランティア団体と自主防災組織の連携ということに関する御質問にお答えいたします。
 防犯ボランティア団体は、もともとはとりわけ子供が被害者となる凶悪な事案を防止するため自発的にスタートされたものが多いと認識しておりますが、これらの団体の一部には、以前から地域での自主的な防災活動を行っていた団体もあり、引き続き防犯と防災の両面から活躍しておられます。そして、防犯ボランティア団体と自主防災組織の活動は、いずれも地域の皆さんが地域の安全は自分たちで守ろうという共通認識のもと行われているものであり、平素から相互に連携し可能な範囲でお互いに助け合っていくことにより、より一層の成果があらわれてくるものと思います。
 警察といたしましても、防犯ボランティア団体と自主防災組織の相互の連携がさらに図られるよう支援してまいりたいと考えておりますし、特に、先ほど知事そして防災監から御紹介がございました関連団体相互の連携により地域防災、防犯力の向上を図っていこうとする次世代改革のモデル事業にもしっかりとかかわってまいる所存でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後4時00分散会