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平成20年2月定例会(第9号) 本文




2008年03月13日:平成20年2月定例会(第9号) 本文

       午前10時05分開議
◯議長(鉄永幸紀君)皆さん、おはようございます。ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告を申し上げます。
 本日、知事から、議会の委任による専決処分の報告1件が議長のもとに提出されましたが、その写しは、お手元に配付のとおりであります。
 次に、12番内田博長議員から、去る3月11日に行った一般質問のうち、発言を一部取り消ししたい旨の申し出がありました。これを許可することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 18番伊藤保議員


◯18番(伊藤保君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。通告に従いまして、2点の課題についてさわやかに質問をいたしたいと思います。
 昨年の暮れに鳥取県がまとめた2005年度県民経済計算によると、1人当たりの県民所得は前年度比2.7%減の230万8,000円で、国民所得を100とした場合80.2と6年連続で下がり、国との所得格差は過去10年間で最大に広がったと報告をされました。この要因としては電機部品産業の減少がそのまま県民所得に反映したと分析されておりますが、これは県民の皆さんの平均的な所得であり、ぎりぎりの生活をされている人が多くあるという現実をまず共有しておいてから、中山間地域の振興対策の質問に入りたいと思います。
 我が鳥取県は米子市、境港市、日吉津村、北栄町を除き、大半の市町村が中山間地域を抱えており、それぞれの市町村行政において今一番大きな課題となっております。このことは中山間地域を抱える全国の自治体に共通の課題であり、中山間地域の振興策を進めるため、通称過疎法、辺地法、そして山村振興法、さらには特定農山村法と、大きく分けて4つの法律の支援を受けながら、国策として莫大な税金を投入し、ハード事業を中心としながら、またいろいろなソフト事業が今日まで取り組まれてまいりました。もちろん、鳥取県においても各市町村においても、それぞれの単独事業が並行するかのように実施されてまいりました。しかしながら、県内を見渡してもその効果は限定的で、過疎が進み地域が疲弊する勢いが全くと言っていいほどとまっていないのが現状であります。平井知事のマニフェストには、未来を語って今を考える県政を改革の視点の一つに掲げられておりますが、知事としては今日までの鳥取県の中山間地域振興策をどのように総括されているのか、お聞かせください。また、その総括の前提として知事自身、中山間地域の未来をどう語り、何を具体的に進められたいのか、今後の取り組みについてもお聞かせください。
 知事も御承知のとおり、県内の中山間地域の水田は地形的にも湿田が多く、稲作以外は極めて困難な環境にある中で、転作といってもなかなか適する作物もなく、稲作をやめたら結果的には休耕田にするしかないのが現実であります。
 ところが近年、社会情勢の変化に伴い新たに稲作が脚光を浴びる時代がやってきたと私は思っております。つまり、石油の高騰が続き、バイオエタノールの原料として世界的に穀物の需用が高まる中、国内では米がバイオエタノールの原料になるのではないかと注目を集めているのであります。ある県においては、既にそれぞれの地域に適した超多収穫米のバイオ米の育種などの研究が進められ、バイオエタノールを製造するためのプラントさえ建設されております。そこで、鳥取県でのバイオ米の研究の取り組みの現状並びに今後の計画についてお伺いをいたします。
 また、世界的な穀物需要の逼迫が家畜用飼料の不足をも引き起こしております。そこで、家畜用の飼料米についても品種改良は耕畜連携等を今まで以上に積極的に取り組む必要があると思いますが、県としての取り組み状況並びに今後の計画についてお伺いをいたします。
 次に、水田活性化緊急対策事業についてお伺いをいたします。
 我が国の農政は猫の目のようにめまぐるしく変わり、今は品目横断的経営安定対策事業が取り組まれているわけでありますが、担い手を中心とした事業であり、中山間地域の農家の皆さんを中心に大変不評でありました。
 ところが、昨年の参議院選挙の結果を踏まえ、向こう5年間新たに転作をすれば、19年産の目標を達成している農家には10アール当たり5万円、目標を達成していない農家には10アール当たり3万円をこれまでの産地づくり交付金に上乗せして支払うという水田活性化緊急対策事業が新設され、この取り組みが市町村の地域水田農業推進協議会を中心として進められております。
 この事業は、向こう5年間転作することを前提に交付金が一括前払いされ、その約束が守れなかったときには支払われた交付金を返還するという制度で、仕組み自体、中山間地域直接支払制度と同様なものであります。中山間地域直接支払制度でも、それぞれの地域の事情で当初計画が変わったことにより、会計検査院の検査指摘により交付金を返還した事例が県内でも生じ、交付金は使ってしまっているし、その返還については大変であったように聞いております。実績に基づいて支払う交付金ならまだしも、事前に一括して交付金が支払われる関係上、既に転作地を向こう5年間監視していかなければならず、事務量も膨大になる上、さらに水田活性化緊急対策事業も中山間地支払制度と同様な問題が発生しないものかと、市町村や地域水田農業推進協議会の皆さんは心配をされております。県としては市町村や地域水田農業推進協議会に対してどのようなアドバイスをされるのか、お伺いをいたします。
 最後に、ふるさと納税について質問をいたします。
 このふるさと納税、つまり個人住民税の寄附金税制制度で、今国会で審議されているところでありますが、平井知事はこの制度が発表されたときにもろ手を挙げて歓迎をされておりました。このふるさと納税制度、納税者が自分のふるさとや自分が望む市町村に個人住民税の1割までの金額を寄附した場合、翌年の確定申告時に寄附した金額の5,000円を超える部分について個人住民税と所得税から税額控除を受けることができるという制度であります。県でもこのたびの当初予算に県外から個人住民税の寄附金が3,000万円あると見込まれ、鳥取県こども未来基金として計上され、子供たちの読書環境の充実並びにジュニアスポーツの振興に使われる予定であります。まさに、うはうはするような夢に満ちた制度のようでありますが、じっくり点検してみますと手放しでは喜べないからくりがあることがわかりました。
 例えば、私が財政再建に頑張っている夕張市に10万5,000円を寄附した場合、私自身は来年度の個人住民税と所得税から10万円の税額が控除されます。仮に私の所得税率が20%だった場合、個人住民税の控除額は8万円となります。ところが、夕張市に寄附した10万5,000円のうち8万円は本来個人住民税として鳥取県に3万2,000円、琴浦町に4万8,000円入る予定の税金であります。つまり、私が寄附することで来年度鳥取県税で3万2,000円並びに琴浦町の町民税で4万8,000円の穴があくわけであります。この補てんについてどのような方法で国は対応する予定なのか、知事にお伺いをいたします。
 また、このふるさと納税制度を活用した寄附金集めのために、どのような方法で県としてPRをされる予定なのか、お伺いをいたします。
 以上で1回目の質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤保議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、中山間地域の振興対策について総括と、今後の対応策などのお話をいただきました。まず、これまでの鳥取県の中山間地域の振興策についてどのように総括するか、具体的な成果と課題を含めて所見を問うというお話でございます。
 これまで、鳥取県は一つには国の制度を活用しまして、辺地法だとか過疎法、特定農山村法、山村振興法、そうした法律の枠組みを利用して過疎対策事業、辺地対策事業を例えば交付税つきの起債でやる市町村を応援したり、あるいは国の補助金などを充当し県も応援するというようなことをやってまいりましたし、最近ずっとうるおいのある村づくり事業ですとか、あるいは中山間地域の活性化を補助する、そうした交付金事業をワークショップのような形でやったりしてきました。
 一応の成果はこれまで上がってきてはいると思います。例えばハード事業であります。道路を建設するとか、ちょっとした集会所をつくるとか、あるいは集落によっては加工場をつくりまして、そこに集落の方々が出てこられて、そしていろいろな事業をされる。そうした意味での進展はあったと思います。現に幾つかのところでは成果があらわれてきていると思います。例えば、倉吉市関金の小泉の清流遊YOU村でありますとか、あるいは智頭町の新田におきます浄瑠璃の館といいますか、あれを中心としてNPOでやっておられる。こんな取り組みが、少しずつではありますけれども県内で広がってきている。そういう力強い集落の自立の動きも出てきているのもまた事実だと思います。ただアンケート調査をしてみますと、そうした意味でハード事業が随分整備をされてきていることへの満足感は出てきているものの、他方で安心して住めるという、そこのところが欠けてきているのではないか。特に中山間地域は高齢化が進んできております。そのために集落を維持することができないという話があります。集落でみんなで雪かきをするのも非常につらくなってきたとか、あるいは農作業なんかにもひょっとするとこれから支障が出てくるかもしれない、そんな声まで上がり始めているわけであります。そういう意味でこれまでの事業というものを生かすことができる素地はできてきたと思いますけれども、根本の暮らしの豊かさといいますか、安心感、そこのところがこれからの政策的な課題になりつつあるのではないかと思っております。
 次に、中山間地域の未来をどのように考えるか、そして政策について具体的にどう取り組んでいくのかという話でございます。
 先ほど申しましたように、中山間地域を取り巻く環境というのは必ずしも楽観的なものではないとは思います。しかし、鳥取県の場合U・I・Jターンを呼び込むのにふさわしい自然環境の維持が図られています。また、中山間地域自体が国土の保全だとか、あるいは水の保全、また歴史や伝統の継承など産業、農林業など以外にも果たしている役割は非常に大きなものがある。これが、現在スローライフとともに見直されつつあるという、そういう好機も来ているというふうに思います。
 ただ、片方で市町村が中心となって中山間地域の集落対策をやるわけでありますけれども、ただなかなか今市町村の財政状況も陰りがありますので、難しいという声も上がってきているわけでありまして、県としても看過できない状態になってきている。すなわち、限界集落などの問題が出てきていると考えております。
 こうしたことから、県は今市町村やTORC、鳥取大学などと一緒になりまして、研究会を立ち上げております。過疎中山間地域の研究会を立ち上げまして、ここを中心として市町村とやりとりをしまして、できれば中山間地域の振興の基本的な条例を県からつくってみてはどうだろうかと、今議論を重ねているところでございます。それから新年度に向けまして、企業さんが例えば集落の見守りをするということを、新聞の配達員の方とかそうした協力者を得てやってみてはどうか、こんな事業などを盛り込んでいます。今、取り組もうとしている具体の事業につきましては企画部長から御答弁を申し上げたいと思います。
 次に、中山間地域の振興と関連をしまして、米づくりなどにつきましてのお話をいただきました。まず、バイオエタノール米についてのお話でございますが、鳥取県での取り組み状況、今後の計画についてというお尋ねでございます。また、飼料米についてもお話がございましたけれども、この双方、詳細は農水部長のほうから御報告を申し上げたいと思います。
 バイオ米については非常にすばらしい発想ではあると思うのです。ですから、私ももしこれが実現可能ならば地域として取り上げてみるべき値打ちはあるだろうと思っております。ただ、今すごく厳しい隘路があるのも事実でありまして、10アール当たりの収量を例えば800キログラムとしたところでも、通常の、要は食べ物としてつくるお米に比べますとキログラム当たり20円ということでございまして、通常の食糧用であれば230円のものが10分の1ぐらいしか今ならないのが現実であります。ですから、莫大な農地で、広大な農地で大変に省力的にやらないといけない。中山間地域でそれをやるのは少々難しいかなというそういう感覚を持っております。
 御指摘のように、現在我が国でも取り組みが始まりました。北海道でプラントをつくる。それから、新潟でも全農が全国のモデル的なプラントをつくるということを、それぞれ国の応援を得て始めたところであります。我が県でもそういうのを引っ張り込めたらいいのでしょうけれども、例えば北海道のものは基本的に輸入米を使ってやっているということでございます。ですから、北海道米を少しずつ入れていきたいということでありますけれども、輸入米が価格的には今はベースになると言わざるを得ないということだそうであります。新潟もいろいろな取り組みの中でのモデルとして試験的にやってみようということでありまして、まず、実証的なところを見てみなければならないだろうと思います。新潟の場合ですと多収米をやるわけであります。たくさんの収量が上がるお米をやろうと。北陸193号というお米を使おうとしているわけでありますが、そういうものを我が県でも新年度試してみたいと思います。そのための研究を始めてみたいと思いますが、現場のほうにおろすにはまだまだ価格の問題などクリアすべき課題が多いと思いますし、プラントとなりますと、例えば全農が全国のうちのモデルとしてやるとか、あるいは輸入米を入れてやるとかいうようなお話はありますが、まだまだそういう意味で試験段階なのかなという感触を持っております。
 飼料米につきましてでありますけれども、価格的に折り合えばこれも濃厚飼料としてやれるものはあろうかと思います。現に、県内でも八頭町である生産者が取り組みを始めました。九州のパートナーと一緒にいずれ配合飼料にするような原料生産として始めました。ことしはまだ作付が初年度ということで試行的だったようでありますが、来年度もやってみたいということであります。こういう動きを応援したり、いろいろな情報を得て飼料米の可能性を探ってみたいと思います。ただ、配合飼料として濃厚飼料としてやるお米の粒だけでなくて、本来は粗飼料のほうが県内でもマッチングがしやすいのではないかと思っています。いずれにせよ粗飼料の可能性が広いかなと思います。こちらのほうを追いかけるのとあわせて、こうした濃厚飼料の可能性についても、県内の実証的に今やっておられる事業も見ながら、研究していく必要があるだろうと思っております。
 もう1つのお米についての地域水田農業活性化緊急対策についてどのようにアドバイスをしていくかということでございますが、これについては農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。
 引き続きまして、ふるさと納税制度についてのお尋ねがございました。
 ふるさと納税制度は、私は非常に効果のある施策となるのではないかと期待をしております。ただ、正直申し上げてロットはまだまだ小さいと思います。と申しますのも、欧米のように寄附を篤志家として自分が共鳴する事業に対して快くやろうという、そういう文化が日本にはまだ根づいていないからであります。ただ、その呼び水として、実験として、このふるさと納税制度が働くのではないかという期待がありますし、またわずかかもしれませんけれども、わずかといいますか、そんなにロットは大きくないかもしれませんが、我々が新年度で見込んでおります例えば3,000万円とか、そうしたロットでの地方財政への貢献というものも当然期待できるだろうと思いますし、それから実際にふるさとに対する関心をふるさとを出た人に持ってもらう。これはふるさととの結びつきをこれからも深めていく上で効果もあるかもしれませんし、またあわせて選択をして、そして寄附をするわけでありますから、我々のほうの地方団体側にも切磋琢磨をしようという意識が芽生えるのではないか、そういうメリットはあるかと思います。そういう意味で一つ大切なものではないかと思いますが、議員が御指摘のようにワークするかどうかはこれからいろいろ検証しなければならない点はあろうかと思います。
 1つ御指摘をいただきましたのは、例えば夕張に寄附をした方が県内におられれば住民税での減収が県で発生するわけでありますが、国はどのようにしてこれを補てんするかということでありますけれども、これは交付税の仕組みで補てんをすることになります。当然、住民税は減りますので、基準財政収入額が減少するということになります。ですから、減収分のうちの75%は私どもは交付税を受ける交付団体でありますので、補てんがなされるということになります。もちろん不交付団体の東京のようなところであれば、この分は補てんをされない、丸々その分は結果的には落ちるということになりますが、私どもは75%は補てんをされるというふうに考えたらいいと思います。他方で寄附のほうは完全に歳入をされますので、これは何をもたらすかといいますと、交付税で減収分は交付団体に対して補てんをされる。寄附は丸々地方団体のほうに残るということになりますので、地方団体の一般財源のトータルはマクロベースでふえるということになります。これも隠れた本来の効果ではないかと思います。
 次に、寄附金についてのPRをどのように行うかという点につきましては、総務部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)ふるさと納税制度のPRの今後の予定でございます。
 本県を支援していただく方を一人でもふやすために、地域の魅力を高めることがまず根幹でございます。県人会などの関係団体とも連携して、県内外にタイミングよく効果的な情報発信を行いたいと考えております。今、既に取り組める対策として、県のホームページにふるさと納税制度の寄附金で行う施策の概要を掲載しております。それからまた、県外事務所で本県ゆかりの方との会合の際には、簡単なチラシを作成しておりますので、それを配付して理解を求めているところでございます。またさらに、今来年度の当初予算にお願いしているところでございますが、ふるさと鳥取納税PR事業を計上しておりまして、その中で本県ゆかりの方へ重点的に働きかけることとして、県人会、あるいは鳥取ファンクラブですとか、高校等の同窓会などを通じた呼びかけですとか、ポスター、広報誌などによる周知を行っていきたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、青木企画部長


◯企画部長(青木由行君)中山間地域の具体的な施策の展開につきまして補足の答弁を差し上げたいと思います。
 県では、先ほど知事が答弁申し上げましたような問題意識で、中山間地域の施策につきまして新しい施策も含めまして展開をしているところであります。
 まず、1点目といたしましては、中山間地域の所得、雇用の確保という観点でありまして、農林業を中心とした支援策を行っているところであります。例えば、来年度で申し上げますと、チャレンジプランを支援するような事業でありますとか、あるいは遊休果樹園の再活用をモデル地区として設定をして支援するような事業、こういったような事業を盛り込んでいるところであります。
 また、2つ目には定住人口、それから交流人口の増加を目指すような地域活性化の取り組みについての支援も行っているところであります。例えば、知事も少し触れましたが、移住定住を支援するような取り組み、交付金を設定しまして県も一緒になって支援するような取り組みを進めましたり、あるいはグリーンツーリズムというような動きについての促進事業というようなことも盛り込んでおります。また、市町村交付金でいろいろな地域活性化の施策展開を支援するというようなことも、これは継続をしているところであります。
 3点目でありますが、知事が申し上げましたけれども、住民の日常生活というのを支えることが支障が出ているという、こういった問題意識から新しい支援を考えているところでありまして、1つが、これも知事申し上げましたけれども、新聞配達とかそういった民間企業と連携しまして地域の人々の見守り活動を支援するというようなことをやろうと思っております。また、大学でございますとか、シンクタンクとか、そういった外部の知見を活用しまして、生活機能を例えば複数集落で支えるような、新しいいわば共助のモデルをつくる、こういった支援も新しく来年度始めようと思っております。
 4点目にデジタルディバイド、それから地域交通機関の維持のための施策、こちらにつきましては力を入れたいというふうに思っておりまして、例えば携帯電話の鉄塔の施設の整備の支援ですとか、それからブロードバンド、環境を整えるためにCATVを整備する市町村に対する支援でございますとか、こういったものを実施したいと思っております。
 また、過疎バスの関係につきましては議場でも話題になっておったところでありますけれども、ことしの10月の新制度に向けまして検討を進めているところであります。また、研究会でこういった中山間を取り巻く環境を引き続き議論をいたしまして、中山間地域の振興条例を策定するような取り組みもぜひ力を入れていきたいというふうに思っているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)3点について補足答弁をいたします。
 最初にバイオエタノール米についての鳥取県としての取り組み状況、並びに今後の計画という点でございます。
 県のほうでバイオ米の生産の試算をしてみましたけれども、先ほど知事のほうからも話がありましたが、反当でざっと10万円の収入額の差が出ております。かなりの収益差があるということでございます。したがいまして、全国的に見ても北海道や新潟でモデル的に実証が今行われているという状況でございまして、コスト低減が難しい中山間地域におきましては課題が多いのも現実であります。仮に、産地づくり交付金を活用するとしても、その差は十分には埋められないということで、さらなる公的な支援がない限りは現実的には困難だろうというふうに思っております。
 県といたしましては、石油の高騰は今後も続くだろうということを考えますれば、将来に備えて技術的な研究というのはしていく必要があるだろうということでありまして、20年度から農業試験場におきましてバイオ用の多収米の品種の選定ですとか、栽培技術の研究、それから生産コストの削減、こういった研究課題にも取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
 2点目でございます。飼料米についての県としての取り組み状況、それから今後の計画ということでございました。
 国内では幾つか例があります。山形県の養豚農家が飼料米を給与するということでブランド化を図ろうとか、養鶏業者の皆さんが、4カ所だそうでありますけれども、飼料米を活用した畜産物を出そうということで付加価値をつけていこうと、こんな取り組みを今なされているところでございます。本県におきましては、先ほど知事が申し上げましたとおり、八頭の大規模農家が飼料メーカーの委託を受けて19年度から生産を始めたということでありますが、聞くところによりますとなかなか価格交渉が厳しいというのも現実のようであります。課題といたしましては、輸入のトウモロコシとの価格差が4倍程度あるというようなこと、産地づくり交付金を活用しても2.5倍ということで、なかなか入り口のあたりで難しい面があろうかなと思います。それから、流通供給体制の整備とか、こういったことも課題に上がっております。県といたしましては、これから実際に配合飼料を扱っている関係者のお話を伺いたいというふうに思いますし、八頭の農家の方の事例等もよく研究して、今後の飼料米の生産の可能性、これについての研究をしていきたいというふうに考えております。
 3点目でございます。地域水田農業活性化緊急対策の推進について市町村や地域水田農業協議会に対してどのようなアドバイスをしていくのかというお尋ねでございます。
 この緊急対策に取り組んだ農業者の方が、仮に生産調整実施者でなくなるというような事態が発生した場合は交付金の返還が発生するというのも事実でありまして、地域協議会の皆さんからは確かに不安視をされている声も聞いているところでございます。ただ、つくれなくなった、契約を守れなくなったという場合にも、どうも免責要件が設けられているようであります。これは、圃場で災害が起きたとか、それから公共用地への転用、それから御本人が疾病にかかられた、あるいは御逝去されたというような場合には免責がされるというようなこともありますし、それから生産調整の確認でありますけれども、既存にやっている生産調整の確認の範囲でできるというような簡易さもあるようでございます。いずれにいたしましても、国の制度を、ある以上はいかに有効に活用するかということについては努力をしていかないといけないというふうに思っておりますので、そういった観点から、県といたしましては、この1月と3月に地域協議会、あるいは市町村を集めまして、事業の実施に当たりまして農家の方へ制度の仕組みを丁寧に説明していただくということ、それから向こう5カ年間の生産調整の計画の妥当性、これは協議会と契約になるものですから、その妥当性についてもあらかじめ十分チェックをいただくと、こんなことをアドバイスしているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)知事、さわやかな簡潔な答弁ありがとうございました。
 新たな中山間地域振興策を策定するために、県としても研究会を立ち上げられて鋭意検討をされているということでありますけれども、現実問題といたしまして中山間地域振興対策に取り組むのはやはり市町村であります。確かに中山間地域の振興策は多岐にわたるため、市町村だけではどうしても解決できる問題ではありません。引き続いて国の支援策や県の支援策は不可欠であるわけでありますけれども、私自身、側面的に見ておりますと、行政としての限界があるかもしれませんけれども、先ほど言われるように、やっぱりこれまで何か画一的で直線的な振興策が多かったかなと思っております、ハード重視をしながら。例えば今住んでいる人とか人口をふやすとか、やっぱりそういう部分がターゲットだったのです。
 そこで、せっかく研究会を立ち上げられて、これからの振興策について協議をされるわけでありますけれども、私はぜひともお願いしたいことが1つあります。知事、あなたも東京の下町の出身ということで東京の下町がふるさとのようでありますけれども、やはり長年住みなれてきたふるさとを家族そろって離れるということは、私は断腸の思いの中での決断であると思っております。ぜひとも中山間地域を離れられた皆さんに、要するにふるさとを離れられた皆さんに、離れなければならなかった理由は何なのか、私はそれをしっかり聞いていただきたい。やはりその中に私は今後の振興策のヒントが隠されていると思っております。例えば、新しい人を何ぼ入れてきても、やはりなぜふるさとを捨てなければならなかったのか、そのことを理解していないと同じことが起きてしまうと思うのですよね。
 平成12年度から始まった過疎地域自立促進特別措置法、要するに通称過疎法でありますけれども、21年度でとりあえず終了いたします。そこで、22年度から始まると予想されますポスト過疎法に知事として何を望まれるのかお伺いをいたします。
 中山間地域の皆さんは、耕作面積も少なくて現実的に農業だけで生活するのは本当に厳しいものがあると私は思っております。かといってコストがかかる中山間地域に企業があえて進出することはあり得ません。自宅から通勤できる雇用の場を確保することが、まず必要であろうと考えます。したがってポスト過疎法自体特別措置法でありますから、中山間地域に進出する企業については通常の生産コストも割高になるわけでありますので、法人税をゼロにした上に、プラスアルファの支援策を明記するなど、やっぱり大胆な政策をポスト過疎法に講じなければ、この流れを私は変えることはできないというふうに思っております。ぜひとも知事に提言していただきたいと思いますけれども、所見をお伺いしたいと思います。
 次に、私はバイオエタノールの問題に移りますけれども、県の職員の皆さん、中山間地域に出られて本当に農家の皆さんに聞かれているのかなと少し疑問に思っております。確かに課題が多いのはわかっていますよ、初めから。しかし、農家の皆さんは大半高齢であられます。この年になって米以外はつくれないというのが本音なのですよ。そして、もちろん水田は湿田が多いし、圃場の区画も広くありません。転作の政策が進む中、休耕田を遊休農地にするのでなく、時代を先取りする形でバイオ米や飼料米など作付することによって、産地づくり交付金に少しでも上乗せになったり、農家にとっては大きな励みとなると思っております。当然、鳥取県に適した多収穫米の研究開発もすれば、ひょっとしたら採算ベースに乗る可能性も出てくるかと思います。もちろん、今ある田植え機やコンバインが使えれば改めて投資する必要もないわけですから、メリットも私はさらに大きくなると思っております。さらに、例えばの話になりますけれども、雇用の場が少ない鳥取県にとってバイオエタノールのプラント建設を本当なら全国に先駆けて取り組み、全国からバイオ米を集めるくらいの姿勢が県に欲しかったということが私の本当に偽らざる思いであります。知事の所見をお伺いしたいと思います。
 また、飼料米についても先ほども答弁がありましたけれども、本当に家畜用の新たなえさとしてやっぱり注目を浴びていると私は思っております。この前も肥育農家の皆さんと話をしたわけですけれども、大きな関心を持っておられます。ただ、先ほどありましたように採算の部分であります。採算が合えば使ってみたい。ただ、県としても肥育試験をやってほしいということを強く望んでおられました。これについて、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 もう1点、水田活性化緊急対策事業についてでありますけれども、現場の市町村は本当に心配されています。結局、先ほどありましたように、先回の事業の中で、会計検査院からの指摘で返還という事実がたくさん出ましたので心配されています。それと、選挙の結果を受けてこのプランも官僚の皆さんが多分デスクワークで緊急につくられたものであると思いますけれども、これから5年間現場では毎年毎年確認作業をするわけでして、その労力といいますか、やっぱり大変なものがあると思います。また、約束違反があれば、渡したお金の回収という作業も生じてまいります。特に中山間地域にあっては突然離農される農家もありますし、その対応についてはまさに大変であるということを聞いております。こうした制度を立案する場合、もっともっと現場のことを考えた上で立案するように、国の官僚の皆さんに県としても働きかけていただきたいなと。地方の声を上げていただきたいと思いますけれども、知事の所見をお伺いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)中山間地域対策について重ねての御質問をいただきました。まず、ふるさとを離れなければならなかったその思いをしっかりと聞くべきであると、その中にこれからの中山間地域の振興策のヒントがあるのではないかと、こういう御指摘でございます。
 私もおっしゃるとおりだと思います。なかなか難しい生活やなりわいを行う場というふうに中山間地域がなりかけているからこそ出てしまったということがあるかもしれません。それは一般論とか理論ではわからない部分だろうと思います。やはり集落の中から出ていかれた方々とか、現実に住んでおられる方々、そうした目線で施策を組みかえていかなければならないのだろうと思います。ですから、そういう意味で過疎中山間地域の研究会を今市町村と一緒にやっておりますが、その皆さんにもそうした現場の声を聞いてもらうように働きかけさせていただきたいと思います。
 先般、東京とか大阪に出ていった子供たちといいますか、大学生の声を聞きました。これは将来ビジョンに関連をして伺ったわけであります。そうすると、なかなか正直なものがいろいろあります。例えば、交通機関が不便であるというのがまず1つ。道路の問題も実は書いてありました。それから、なるほどなと思いますのは、やはり働く場がないではないかというようなお話とか、それから何年も住むにはやはりちょっと遊ぶところがない。老後に帰って来るのだったら私はぜひやってみたいけれども、住んでみるとなるとちょっと気が引けるとか、中には鳥取に就職すると嫁に行けなくなるのではないかと思うとかそういう悲しい御指摘もありまして、そういういろいろなところが実は実態に近いのかもしれません。そういう思いに対して我々が地域として受けとめて、どういうふうに対処していくかということが求められるのだと思います。中山間地域対策のヒントもこうした子供たちの声にも隠されているような気がいたしました。ぜひ、現場主義の政策立案を心がけたいと思います。
 次に、ポスト過疎法に何を望むかということであります。
 平成22年の3月でこれは失効いたします。今までも過疎地域振興の措置法は昭和45年からずっとやってきました。今も自立促進の特別措置法を掲げてやっているわけでありますが、これがいよいよ期限が来るということであります。これまでハード事業は随分と進んでまいりました。それを市町村が担いで、例えば過疎対策事業でやってきたわけであります。しかし、その借金の重みもだんだんと重くなってまいりまして、私はハード事業ばっかりの過疎法はもう時代が終わっているのではないかと思います。これからはもっとソフトといいますか、人づくりだとか、あるいは地域を興していくために周辺地域も協力をしていくとか、そういう視点が必要なのではないかと思います。手法を転換することとあわせまして要件も変える必要があるだろうと思います。合併をして随分町の形が変わりました。片方で集落の限界集落化がどんどん進んでいる、そういう深刻な実態があります。ですから、できればその集落ごととか旧村単位とか、そうした視点での要件づくりも必要なのではないかと思います。いずれも従来とは違った過疎法になってくると思いますので、我々の鳥取県の地域の現状が反映されるように努めてまいりたいと思います。
 次に、産業振興の関係で思い切った対策が必要ではないか、法人税をゼロにして進出企業を呼び込むなど、そういう提案をしてはいかがかということでございまして、私もおっしゃるとおりだと思います。
 ポスト過疎法の面でやるのか、あるいは産業振興一般として鳥取県として主張していくのかということはあろうかと思いますが、今の補助金合戦で企業誘致をするのでは、大変我々のような財政力の厳しいところではついていけないところがあります。ですから、国も制度として法人税をまけるとか、そうした応援の仕方をめり張りをつけてやるべきではないかと思います。今、第二の過疎化が進んできていて、我々のようなところを含めて大多数の中山間地域などは人口の減少に苦しんでいます。その一番の原因は産業がないことであります。農家の所得を見ても、実は農業所得は1割弱というのは統計的な常識でありまして、それ以外の、農業外の所得をどうやって得ていくかというのが大切なのであります。そういう意味で議員の趣旨を踏まえて、これからの運動を他県、秋田県などと連携して展開していきたいと思います。
 次に、バイオ米や飼料米などについて、もっともっと研究開発をして採算ベースに乗せる取り組みが必要ではないか、そもそもバイオエタノールのプラント建設を全国に先駆けて取り組むということが必要ではなかっただろうかということでございます。
 私も、思想はよくわかります。これからエネルギー需給が逼迫をしてくる。ですからバイオエタノールが向上してくるだろうと。いずれはバイオ米が採算ベースに乗る時代がやってくることもあるかもしれません。ただ、今、余りにも価格的に折り合いがつきづらい、飼料米以上に非常に厳しいと思います。米づくりを現場でやることが実はフィットするのだというのは私も共鳴をします。ただ、それを実際に採算に乗せていくのはまた別のことだろうと思います。
 県として全国に先駆けてプラント建設をということでありましたけれども、現実問題、今回全国的にやっております北海道と新潟は、これはそれぞれが国の事業を得てやっています。この国の事業は都道府県とか市町村は除外をされております。ですから、そこに進出するという企業さんですね、北海道の場合ですと酒造関係のメーカーさんであります。それから、新潟の場合は全国のモデルとして全農がではちょっと自分たちでやってみようということでありまして、農業者代表としてやっているというケースでありまして、なかなか自治体として取り組むには難しかったと思います。ただ、今後のことを考えて、先ほど申しましたように研究開発とか、採算ベースに乗せられるかどうかの検証活動はやっていくべきだと思います。もちろん手を挙げる農家がいれば応援していくという、そういう姿勢はとっていきたいと思います。
 次に、飼料米について採算が合えば使ってみたいけれども県が肥育試験をすべきではないかということでございます。
 先ほど、農水部長から申し上げましたけれども、山形ではお米を食べる豚ですよと、だからおいしいという、こういう売り出し方はできないか。これで付加価値がつけば確かに飼料米の影響で豚の単価も高くなりますけれども、それでも売れるということができないだろうか。こういう取り組みをしています。ですから、肥育試験をやってみるという、そのアイデアはうなずけるところがあります。ちょっと現場の研究機関のほうと話をさせていただきたいと思います。ブランドづくりを県でやるのとあわせて、そうした飼料米を食べた豚がどういうような仕上がりになるかとか、あるいは鳥なんかにも使っていますので、そうした鳥がどういう仕上がりになるのか、その辺の実証研究の余地は十分にあるだろうと思います。
 次に、水田農業活性化緊急対策についてであります。
 これについては、おっしゃるように現場として取り組みにくいという、そういう声もいろいろあるのだろうと思います。今始まったばかりでありますので、実情をいろいろと伺いまして国のほうにぶつけていきたいと思います。これは今年度限りの事業でありますから、次にということでありますので、今後の農業施策の展開に当たっては、ぜひ現場を見てやっていただきたいというように思います。
 水田農業活性化緊急対策事業自体は取り組みたい農業者はぜひやってもらってもいいだろうと思います。例えば、飼料米も対象になりますので、非常に価格差があって難しいと言っておりましたけれども、飼料米なんかもでは5年間やってみようかというには乗りやすい事業になっているという面もあります。いずれにしましても、政策の立案の過程で現場のやりやすいように、動きやすいようにするよう、国に今後も求めていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)水田農業活性化緊急対策事業自体私も否定するわけでもないし、ただやっぱり官僚主義的に制度がつくられていくこと自体がおかしいではないかと。地方の現場の皆さんの声が本当に生かされるような感じの制度システムをやっぱりつくる必要があるのではないかという思いなのです。
 続いて、ふるさと納税制度について質問をいたします。
 確かに、この制度はマクロの部分では税がふえますから、まあそれはいいでしょう。しかし、このふるさと納税制度は県内の市町村間で行われることも十分想定されるわけであります。確かに、穴があいた部分については先ほど言われましたように交付税で措置をされるでしょう。しかし、交付税の措置は減収分すべて保障されるわけでなくて75%なのです。つまり、ふるさと納税制度を行えば交付税措置されたとしてもそれぞれの自治体に入るはずの個人住民税の4分の1は自治体が自動的に損をするわけです。もし全国で4,000億円程度の住民税が控除された場合、交付税は4,000億円の75%ですから3,000億円ですね。国は、県や市町村に3,000億円の交付税を交付しなければならないわけです。今でも交付税の原資がないために、その対応は臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況であります。本当に大丈夫なのかと私は思うのです。こんなリスクを背負ってでも取り組まなければならないふるさと納税制度であるのかと私は疑問を抱くわけであります。そういう部分で知事の所見を求めたいと思っています。
 また、このふるさと納税制度を活用した県の寄附金集めですけれども、市町村とターゲットが重複するわけです。県外に出ている人は県もふるさと、市町村もふるさとなのです。まさに熾烈なPR合戦、寄附金集めが予想されるわけであります。ふるさとはどっちなのかですね。県と市町村間で何かルールでもつくられるのか。さらに厳しい財政状況を考えれば、自主的な制度を逸脱して、例えば町の職員にノルマをかけながら寄附金を集める市町村、そういうところが出てきたりしないのか、そういうことも懸念されるわけであります。知事の所見をお伺いします。
 また、所得によっては住民税の控除に制限がかかってしまう場合があります。例えば、寄附しても所得税から減税されないということもあります。複雑な制度でありますので、PRをする際、よく丁寧な周知をされることが必要と思いますけれども、あわせて知事の所見をお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、水田農業活性化緊急対策事業についてでありますけれども、現場の声を届けるということだろうと思います。
 確かに、今回のこの立案過程がちょっとどたばたな感じが私もいたします。官僚主義のつじつま合わせではないかという御指摘なのだろうと思いますが、そういう面も多分にあるかもしれません。ただ、いずれにせよ今回いろいろと品目横断的経営安定対策の見直しとか、国のほうも今動きつつあるわけでありまして、我々としても現場主義の農政を今後も求めていきたいと思っております。
 次に、ふるさと納税制度について何点かお尋ねをいただきました。まず、交付税の原資が心配だと。ふるさと納税制度に伴って交付税の補てんがあるわけだけれども、その分については結局臨時財政対策債を投入するということになりますので、その分は原資は心配なのでリスクがあるのではないかということであります。
 それは確かに字義どおり言えば、今御指摘でした例えば3,000億とかそういうレベルで交付税が足りなくなるというのは発生するかもしれません。これが発生するのは21年度からになります。と申しますのも、今出していただく寄附が住民税に反映されるのが21年度の住民税からでありますので、そういうことになりますけれども、21年度の地方財政対策のときに、ではそれだけの原資をどうやって確保するかという見積もりをやり直すわけであります。本来、交付税制度は需要と収入とが見合った形でつくらなければなりません。もし、これが何年も分かれるのであれば、交付税の税率を変更すると。国と地方との取り分の分担を変えるというのが本筋であります。本来はその作業をやるわけでありまして、それで地方財源をトータルで確保するということであります。臨時財政対策債が出てくるのはその後の便宜的な話でありまして、ギャップがどうしても生じる場合に出てくるということでございますから、そのレベルの話とふるさと納税の導入の話とは本来別の次元の話ではないかと私は思います。大切なのは、議員が今御指摘になりましたように、我々の現ナマがどんどんと乏しくなるのではないか。将来の交付税特会が危ないのではないかということでありまして、これについては抜本的な地方税制の改革だとか税財政制度の改革を国に対して求めていくことで訴えかけをしていきたいと思います。
 次に、ふるさと納税を行うと職員にノルマをかけながら市町村が取りにいくのではないか、あるいは県と市町村の間で何かルールでもつくらないといけないのではないかというお話でございます。
 これについては、私は自分たちのふるさとに対して寄附をするという選択を住民の皆さんであった方、故郷を離れた方にやっていただくわけでありますから、県であろうが市町村であろうが、出していただければそれでありがたいということではないかと思います。本来県と市町村とで取り合いをするというたぐいのものではないだろうと私は思いますし、私ども県として市町村の分を取りにいこうというような思いは全然ありません。むしろ、ホームページなど体制が整えば市町村の振り込み先とかも我々のほうで表示してあげてもいいかなと思っているぐらいでございます。そういう意味で鳥取県に対する愛着をいろいろな形で市町村も県も呼びかけて、全国の関係者の共感を得ていくということこそが、これからの地域力を高める上でプラスになっていく材料ではないかと思います。
 次に、住民税に控除のキャップがあるということで丁寧な周知が必要ではないかという点につきましては総務部長からお答え申し上げたいと思います。
 職員にノルマがかかるのではないかと。私はそういうことは本来あるべきものではないという趣旨で今申し上げました。これは、自然と選択をしていただいて、住民であった方々からふるさとを思う気持ちで出していただくというものであって、働きかけてでも取りにいくという、ノルマをかけるような性質のものではないと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)ふるさと納税で寄附する場合に、その上限額が1割と定められておりますので、そのあたり非常にわかりにくい、計算しづらいではないかというお尋ねですけれども、確かに自分の限度額が幾らかというのを計算するのが少し面倒になっております。これについては丁寧にPRしていきたいと思っております。例えば、県のホームページに載せる場合にも、簡単な試算例といいますか、御自分の住民税の所得割の額が幾らで、それから所得税率が幾らだったらどれくらいな上限額になるのかというようなわかりやすい工夫をしていきたいと思います。先ほども説明いたしましたけれども、その中でもあわせてPRしていきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)18番伊藤議員


◯18番(伊藤保君)御答弁ありがとうございました。国のことですから、私がそんなに心配する必要ないし、ここで議論する必要ないのですけれども、先ほど言いましたように穴があいた部分については交付税措置という部分ですね。ただ、国も所得税の税率によって要するに所得税減税が出ますから、例えば20%だったら2割、来年寄附した分について出ますから、ですから国自体所得税が減るのです。穴があくのです。要するに国は交付税も払うし所得税の一部も入ってこないという形になるのです。ですから私は余計心配をするわけです、今の制度を。こんな制度を先まで本当に全部計算しながらつくったのかなという思いがあるのです。それはそれで私の思いとして言っておきます。
 ピンチがチャンスという言葉がありますけれども、これまで稲作はもうだめだと言われておりましたけれども、社会情勢の変化によって、今新たなる転換期を迎えていると思いますし、迎えてくると思っております。ところがどうでしょう。先ほどありましたようにバイオ米、飼料米の取り組みですけれども、さらにバイオエタノール精製プラントの取り組みを聞いたわけでありますけれども、私自身は本当にがっかりしました。他県はもう進んでいるのですよ。隣の島根県なんかももっと研究が進んでいるのですよ。そういう時代の流れというのを現場は酌んでいるのですよ、見ているのですよ、試験研究機関は。やっぱりそういう意味で私はもっと本当に現場の皆さん、時代の流れを、空気を読んでほしいのですよ。
 それで、まさに産業に乏しく、雇用の場の確保が喫緊な課題になっている我が県でありますから、先ほどありましたエタノールの精製プラントにしても、農商連携の中でやっぱり一緒になって研究──できるできないはどうでもいいですよ、結果は。研究してみるとか、全国に先駆けて、全国各地からバイオ米を鳥取県にかき集めて、そういう新たな産業を起こそうという意欲的な視点というものが、このたび質問するに当たり感じられなかったと。そういう部分は本当に私自身は残念であります。ということは、知事、あなたもマニフェストをつくられて、今、鳥取県のビジョンをつくろうとされております。県職員がこのような待ちの姿勢では、すべて計画は絵に描いたもちになってしまうと私は心配をいたしております。やっぱり職員の皆さんがもっと意欲的な発想のもとに仕事ができる。時代の流れとか、どうすれば鳥取県の雇用の場がつくれるのか、そういう部分を本当に積極的な視点の中で仕事ができる、そんな環境をつくることがまず必要ではないかということを私は痛切に感じました。このことを知事に申し上げて質問を終わりたいと思いますけれども、もしそれに対して知事のコメントがあればお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、ふるさと納税について、おっしゃるように交付税で出す分とそれから国税がなくなる分があります。ですから今回のふるさと納税制度は地方自治体から地方自治体への移転とあわせて、国から地方自治体に財源移転が起こるというものであります。ですから、そういう意味で地方全体では私はプラスになる面があるのだろうと思っておりますけれども、これでかえって国のほうの交付税制度が破綻するようなことにならないように、我々として知事会などで訴えかけをしていきたいと思います。
 次に、非常に親身な御指導いただいたという気分がいたしますが、我々の発想力に問題があるのではないかと、それは思い当たるところがないわけではないと思います。バイオ米は、今たしか価格差がありまして難しい課題ではありますけれども、今研究機関のほうも新年度から取り組もうということになっていますので、それの芽を育ててまいりたいと思いますし、それからピンチはチャンスだという意味で米づくりに光が当たるような、例えば海外に売り込むだとか、それから飼料米というよりも例えば粗飼料としてわらも使うような、そういうことであるともう少しマッチングをやりやすくなる。いろいろな可能性があると思います。そこを米をつくるのであればどういうのがいいのか、研究機関は何をやるべきか、また普及員は何をやるべきか。これをもう一度庁内でも体制を立て直す必要があるだろうと思います。
 今県庁のかじを少しずつ切っているところでありまして、新しい時代を開くような施策をつくっていかなければなりません。しかも、これからの行政というのは県民と不即不離の関係で、協働でやっていかなければなりません。これは役所として苦手だった分野だろうと思います。そういう意味で若手職員だとか現場の職員の発想こそが生かされるようでなければならないと思います。私も今の話を伺っていまして、庁内での仕事のやり方をもう一度点検してみて、若い人からもいろいろな意見を聞いてみて、新しい時代にふさわしいような県庁の仕組みづくりを議論してみたいと思います。
 今サブチームをつくりまして施策の検討やりました。今回も予算の中に若手がつくった施策も盛り込まれています。ただ、若手の方の感想をお聞きをいたしますと、すごく大変だったということはあります。県庁に入庁して、初めて県庁の中の壁を知ったと。政策をつくって、それを実現しようと思うといかにハードルが高いか、意見がなかなか言いづらい状況はやはりやってみてわかったけれども、見つかった気がするというような、そういう話がありました。また、若手のサブチームがあったら参加したいかと言うと、半分ぐらい参加したいという人がいますけれども、なかなかこれだったら大変なのでやめたいという人も本当にいます。これはいいことなのか悪いことなのか、先輩が後輩を指導するということは必要でありますけれども、それとあわせて発想の芽が摘み取られないような、そういう県庁の機構をつくり上げていかなければならないという思いも持ちました。よく今の言葉を腹の中にしっかりと入れさせていただきまして、取り組んでまいりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)8番錦織陽子議員


◯8番(錦織陽子君)(登壇、拍手)おはようございます。日本共産党の錦織陽子です。
 質問の前に、昨年12月、知事に国に要望していただきました弾性スリーブの保険適用が4月から実施されることが決まったことを御報告し、そして感謝いたしまして質問に入りたいと思います。
 まず、鳥取県済生会境港総合病院の医師の確保についてであります。
 マイケル・ムーア監督の「Sicko」という映画をごらんになった方もあると思います。アメリカの民間医療保険の実態を告発し、カナダ、イギリス、フランス、キューバの医療費無料制度を対比させたドキュメンタリー映画です。鳥取県では医師会が3市で上映会を開催されましたが、医療をずたずたにした小泉改革の医療費抑制政策が続けば地域医療が崩壊すると危機感を持っての自主上映でした。鳥取県の住みやすさは医師、医療の充実であり、この安心感は鳥取県の誇りではなかったでしょうか。社会保障費の自然増を抑え、毎年2,200億円削減する政策は限界ということを舛添厚生労働大臣も福田首相も認めておられます。鳥取県が今すべきは住民や医療関係者の願いにこたえ、地域医療を守る努力をすることです。
 境港市の済生会病院は、昭和36年に開設されて以来、内科、小児科を初め12診療科を有する地域医療を担ってきた中核の総合病院です。しかし、昨年の4月から医師不足のため産科がなくなり、境港市でお産ができなくなりました。今回それに続き、神経内科の医師の退職等により神経内科の入院ができなくなりました。既に内科医も平成17年の10人に比べ6人に減っており、済生会病院を初め境港市長、市議会、市民らが医大や県に対して、医師の派遣を繰り返し要請していますが、派遣のめどが立っていません。地域医療のかなめとしてある済生会病院の医師の確保について県はどのように対応されてきたのか、また今後どのように対処される考えか伺います。
 2番目に、地域の救急医療対策に県の支援を求めます。
 昨年の9月4日、琴浦町や大山町を中心にゲリラ的集中豪雨が発生しました。この集中豪雨による被害地の復興については既に着手されたところでありますが、一方では土石流によって胸まで土砂に埋まった19歳の青年の救出劇がありました。青年は、救出作業中に救急車で駆けつけた医師が点滴を行い、救出後は同乗した医師の的確な処置で事なきを得ました。救急病院のない旧赤碕地区は倉吉に最も遠いところに位置します。この作業で威力を発揮したのが2005年に琴浦町が導入した救急医療対策事業です。この事業は消防署と赤碕診療所が連携をとり、心肺停止などで蘇生の可能性のある場合に、救急車に赤碕診療所の医師が同乗して車中で蘇生医療を行うというものです。町はこの事業に年間500万円の支援をしていますが、この取り組みに対し、県が支援をすることができないか、所見を伺います。
 大きな2番目に、医療格差を広げる後期高齢者医療制度の廃止を求めて質問します。
 せめて死ぬ直前の1カ月間は入院させてくれ、年金はスズメの涙なのに何でこんなに年寄りをいじめるのかと私たちが取り組んだアンケートにもこんな切実な声が寄せられました。後期高齢者医療制度の4月実施を前にした2月28日、日本共産党、民主党、社民党、国民新党の4野党が共同して、この制度の廃止法案を国会に提出しました。また岐阜県大垣市では、3月3日の本会議で自民党提案の後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書が可決されるなど、全国で反対署名が350万、512の地方議会で中止、廃止、そして見直しの意見書が決議されるなど、制度の中身を知れば知るほど国民の怒りが広がっています。知事はこの後期高齢者医療制度の廃止を国に求めるお考えはないのか、改めて伺うものです。
 3番目は鳥取県の水産業の発展のために質問いたします。中海しゅんせつくぼ地の埋め戻しについてです。
 現在、中海では森山堤防の60メートル開削が進められ、美保湾からの反時計回りの潮の流れが取り戻せるのか関心が持たれています。中海は内海のみならず、美保湾から入り込む外海の魚介類の豊富な産卵と成長をはぐくむ海の揺りかごです。鳥取県の沿岸漁業、沖合漁業にとっても重要な水域であり、今後の鳥取県の水産業の発展のためにも中海の環境修復は欠かせません。しかしながら、県の20年度予算を見ても、環境調査や啓発事業など他県との共同事業、協議会などを含めても1,000万円程度です。もっと当事者として中海の環境修復に力を入れるべきではありませんか。
 昨年6月、私は愛知県三河湾に職員を派遣して、経験をもとにしたその取り組みをぜひ学んでほしいと要望しました。私はことし1月にこの愛知県に行って調査をしたところ、2期工事もほぼ終了し、アサリは深掘りされる前まで回復していました。愛知県の水産試験場のリーダーシップがなければできなかったことを学び、鳥取県の水産業の発展にも県の職員を派遣して学ぶ価値があることを強く思いました。知事の所見はどうでしょうか。
 次に、漁業活動の基盤強化のために質問いたします。
 本年4月から水産業協同組合法の一部改正が施行されます。この水協法の今回の改正は、真に組合が漁業者の利益を守る組織であるために、組合員資格審査を確実に実施し、ほかの協同組合法にはない暴力団排除規定で漁協を正常化しようというのがねらいです。水産庁、全国漁業協同組合連合会の資格審査に関する一斉調査、平成17年度によりますと、各漁協においてこの審査基準のないものが33.4%、また組合員の資格審査の実施を1年以上していないものが21.9%でした。
 そこで、1、正組合員の資格は年間90日以上の操業をする漁民とされていますが、資格審査について県はこれまでにどのようなチェックをしてきたのか。2、組合員数が実数と違っていた場合、どのような問題があるととらえているのか。3、現在鳥取県内の漁協ではこの審査の方法の記載が定款になく、これから徹底するということですが、組合員資格審査基準はあるのか、個々の組合での検査状況はどうか、まただれが資格審査をするのか、以上の点について伺います。
 質問の最後に、昨年来の原油高騰で最も打撃を受けているのが、漁船と言われています。特にイカを追いかけて漁をするイカ釣り漁船は、19トンのイカ釣り漁船で95トンの沖合底びき船に匹敵する年間3,000万円の燃料費を使うということです。県内では、岩美町と田後漁協、琴浦町と赤碕漁協が協調して沿岸イカ釣り漁船の燃油代の直接補助を打ち出しました。県漁協は県に対し燃油補助を要望されたと聞いていますが、県として燃油代の直接補助を検討されないか伺います。
 以上で壇上の質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)錦織議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、弾性スリーブにつきましては、お互いの願いがかないまして、このたびの改正がなされたことをともに喜びたいと思います。これで実際の患者さんの苦しみが軽減されることを願っております。
 まず、済生会境港総合病院につきましてのお尋ねをいただきました。
 済生会の医師確保についてこれまでどういう努力をしてきたかということでございますが、ついせんだっての2月28日にも田中福祉保健部長が稲賀院長と一緒になりまして鳥取大学にお願いに上がっております。そうして要望活動をしておりまして、私自身も実は能勢学長と面談をさせていただくこともありますし、それから鳥取大学の医学部のほうに参りまして、井藤副学長を初め、皆様とこうした医師問題について話し合うこともいたしました。
 問題は、なかなか実際の医局に人がいない、鳥取大学のほうもお医者さんがいなくなっているという話でございまして、なかなか困難な状況にはあるわけでございますけれども、粘り強く医師の確保について今後とも働きかけをしていく必要があるだろうと考えております。
 トータルのお医者さんの数をふやさなければならない、県内に残るお医者さんをふやさなければならないということだと思います。そういう意味で、私どもが今幾つか提案をさせていただいておりますけれども、鳥取県版の自治医大構想を推進しよう、鳥取大学の医学部の中に5名の医師枠を確保して、この方々は県の奨学金を得て県内での医療活動をやってもらう、その医療活動がゆえに奨学金は免除しましょうという、そういうような制度をつくろうとしております。あるいは、比較的若いお医者さんがいい病院で修行してみたい、研修してみたいというニーズがありまして、こういうお医者さんが大都市部などのすぐれた病院に行って研修を行う、これに県も奨学金といいますか、その研修費を出しましょう、そのかわり帰ってきてもらって県内の病院で働いてください、そういう制度を今回提案をさせていただいております。これ以外にも、鳥取大学の学生に対する奨学金とか、あるいは県外に行って今勉強している医学部生に奨学金を出して、私どものほうに帰ってくる、そういう奨励を行うとか、そうした事業も引き続きやっていこうと考えております。
 いろいろと手を尽くして医師確保対策に乗り出していく必要があると思いますが、その中で、これからは病院間の連携で、トータルで地域での診療科目を確保するという、そういう考え方もところどころ入れていかざるを得ない状況になってきているというふうに認識をしておりまして、東、中、西のそれぞれの地域で医師会の方々とか大学関係者などを交えて話し合いをやっているところであります。
 次に、琴浦町での医師同乗システムに対して500万円を支援している、これを県として支援できないかということでございますが、これはいろいろな経緯があって、琴浦町は特に厚生病院などに随分と遠いものですから、そういう意味で、かねてからこうした同乗システムをやっておられました。診療所に対する補助金として出されているというように伺っております。これは診療所の運営の経費にももちろん充てられるのだと思います。
 このたび国のほうの診療報酬の改定があった中に、このような医師同乗のシステムについての改定もございました。従来の単価よりも倍ほど引き上げられるということでありまして、こうした補てんもございますので、県として支援をするというよりも、そうした診療報酬の体系の中での収入を得ていただくことで当面は回るのではないかというように考えております。そもそもこうした同乗システムは医療機関への距離が遠いということから始まっているわけでございまして、そうした救急体制、あるいは交通関係の整備が待たれるところではないかと思います。
 次に、後期高齢者医療制度の廃止を国に求める考えはないかという点でございます。
 これもたびたびこの議場で取り上げられていますけれども、後期高齢者医療制度自体は幾つかの点で制度的にはうなずけるところがあります。それはどんどんと高齢化がこれから進んでまいりますので、高齢者の医療を国全体で支えていかなければならないわけであります。ですから、何らかの支え合うような財政的システムを導入する必要があるだろうというのが1つでありまして、これはうなずけるところがあります。また、市町村単位で個別の老人保健制度ということではなくて、これを県単位ぐらいで取りまとめて、保険財政を大きくして、これからのいろいろな変動に耐え得るような体力を持たそうということもうなずけるところだろうと思います。そういう意味で、幾つか理由がございまして、これを廃止すること自体まで求める必要があるかなという気持ちであります。
 ただ、私も後期高齢者医療制度はいろいろと問題点があると思います。特に保険料の負担のところでありまして、今までは被扶養者は保険料が発生していなかったのですが、今回は個人として発生するということになります。これを理解を得るのはなかなか大変なところがありますので、こうしたところの制度的な見直しなど、まだまだ課題はあるのではないかと思っておりますので、従来からも国に訴えていましたし、兵庫県とか京都府とも連携して3知事連名でやったこともあります。こうした取り組みは今後やっていきたいと思います。
 次に、中海の点につきまして、幾つかお尋ねをいただきました。これについては生活環境部長からお答えを申し上げたいと思います。
 水産関係についてのお尋ねをいただきました。これについては農林水産部長からお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)中海の関係について2点補足をさせていただきます。
 まず、中海の環境修復についての予算が少ないのではないかという御指摘でございますけれども、中海の自然環境の修復というのは県にとっても非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、県としても必要な予算を計上させていただいているというふうに思っております。例えば、西部総合事務所のほうで来年度新たに取り組むということで、特に沿岸域を中心とした環境のモニタリングとか、あるいは環境活動をしていただいている方々と住民の皆さんとの座談会とか、こういったことも新たに取り組むようにしておりますし、栽培漁業センターのほうで中海の漁場環境調査ということで、かねてからやっているものも継続的にいろいろ取り組んできております。水質や底質の調査、あるいは稚魚の分布調査とかアマモの分布調査、こういったような取り組みもしてきております。それから、衛生環境研究所のほうでもアマモとサルボウを用いた水質浄化に関する研究、こういったものも計上させていただいております。
 特に環境修復については、ハードもそうですけれども、特に住民の皆さんと協働した取り組みというのが大切だというふうに思っておりますので、そういったもの、あるいは生態系の回復に向けた調査研究、こういったことを中心に計上させていただいているというふうに考えております。
 次に、三河湾の調査をしてはどうかということでございますけれども、昨年の御質問を受けて、我々のほうでもことしの1月に愛知県のほうを訪ねて調査を行いました。率直に申し上げてやはり随分状況が違うなという感想を持っております。例えば、三河湾は面積が広い、当然水の貯留量も多いということで非常に水の入れかわる時間がかかっている、中海の大体4倍ぐらいかかっているというようなことがございます。それから、当面の焦点になっておりますくぼ地の容量も、三河湾の場合は取り組んでおられる大きさが320万立米ぐらいということですけれども、中海の場合は約10倍、3,100万立米ぐらいあるということですので、規模が全然違うということ。それから、青潮の発生頻度が三河湾の場合は年間に大体7回から10回程度と非常に頻発をしている状況ですけれども、中海の場合はほとんど観測されていないと、こういった状況がありますし、発生源といいますか、そういう水質汚濁物質が出てくる底泥、これも中海と三河湾ではかなり違っていて、中海のほうがかなりいいという、そういう状況もございます。何より三河湾の場合は埋め立てに要する砂、これが三河湾の入り口の航路しゅんせつということで手近に確保できているという状況があるという、こういったようにかなり大きな差があるなというふうに思っております。
 三河湾のほうの埋め戻しの経緯を簡単に申し上げてみますと、もともとは今申し上げた入り口の航路のしゅんせつの話からどうもスタートをしておるようで、そのしゅんせつ土を生かして、三河湾の中で浅場の造成とか干潟の造成とかというのをかねてやられておったようです。その過程の中で平成13年と14年にアサリの稚貝の大量死が発生して、その原因として青潮が疑われたと。それを愛知県の水産試験場がくぼ地の観測をする中で、ほぼそのくぼ地が原因だろうということが断定をされて、これを受けて国交省と愛知県とで協議をして埋め戻しをしたと、そういう経過があるようでございます。
 中海についても、国交省のほうで平成12年から15年にかけて大崎沖のくぼ地について覆砂の作業を行っておられます。その結果では、窒素とか燐の溶出抑制効果は一応認められたということですけれども、ただ、周辺の水域からヘドロが押し寄せてきて効果が長続きしないということで、現在は浅場造成のほうに切りかえておられるということでございます。
 先ほど申し上げたように、三河湾の場合は埋め立てる砂が手近にあるということですけれども、中海の場合はそういうものがすぐには調達できないということで、試算によっては2,000億円程度かかるのではないかという試算もございます。非常に巨額の費用がかかりますので、直ちに三河湾と同じ取り組みをするということは難しいのではないかというふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)漁協の組合員の資格について答弁をいたします。
 まず1点目は、組合員の資格審査についてこれまでどうしてきたのだということでありますが、資格審査につきましては、まず水産業協同組合法の基本理念であります組合の自治ということがありますので、漁協自身が行うべきものという基本認識のもとに、県はこれまで常例検査において資格審査が組合の規定どおりに行われているかどうかの点検を主に行ってまいっております。
 そして、審査手続に不適正な実態があれば指摘を過去にも行ってきており、それについては是正を求めてきております。具体的には、審査委員会というので審査しますけれども、その審査委員会の開催時期が規定どおりかどうかとか、それから議事録が整備されているのかどうか、それから委員の構成が規定上と違うのではないかと、このあたりをチェックして、指摘をして、是正を求めているということでございます。
 2点目は、資格のない方が組合員になっておられたときに、問題はどうかというお尋ねだったと思います。
 これにつきましては、全国的に見て組合員資格のない方が組合員となっているために組合の運営、いろいろな面があろうかと思いますけれども、これに支障を来している事例が発生しているということがあるようでございまして、これをもとにその適正化をするということで今回法律の改正がなされたというふうに伺っておるところであります。そのために、今回改正では組合の定款に組合員資格の審査方法、これをきちんと記載するということを義務づけることが主な内容になっているところでございます。
 県といたしましても、今回の改正の趣旨を踏まえまして、組合員資格の適正化が図られるよう定款改正に係る説明会、その際には審査基準をちゃんとつくってくださいとか、第三者委員会、これもきちんとやってください、そういったことになろうかと思いますけれども、こういった説明会を開催いたしましたり、それから個々の組合からいろいろな御相談が今も参っていますけれども、そういった相談に個別に応じていきたいというふうに考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)漁船の燃油助成につきまして御答弁いたします。
 燃油を多く消費する漁船漁業は大きな打撃を受けておるということは承知しております。この燃油の高騰は一過性でないものですから、いつまで続くかわからない状況の中、燃油代の一時的な支援では問題が解決できないと思っております。このためには漁業経営の体質強化、あるいは省エネルギーにつながる対策が重要ではないかなと思っております。このため、燃油の直接補助ということは今現在考えておりません。
 このような燃油の高騰が続いておる中、国では追加対策といたしまして、19年度補正予算で水産業燃油高騰緊急対策事業として102億円の基金を積まれました。県では漁業経営の資金調達の融資制度、あるいは省エネルギー漁業への転換をするためのチャレンジ事業を20年度予算でお願いしております。
 今後の対応でございますけれども、この国の制度が有効に活用できるよう、県としましては指導、助言をいたしますとともに、県の施策を周知していきたいなと思っております。このためには、漁業者さんとの意見交換会をいろいろやってみたいということを思っております。先般も、3月4日でしたけれど、私、出向きまして漁業者の皆さんと意見交換をいたしました。今後は国や県の制度を有効に活用していただくということとあわせまして、漁業者の皆さんとの意見交換の中でまたいろいろ話し合ってみたいというぐあいに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)8番錦織議員


◯8番(錦織陽子君)お答えいただきましたので、続いて再質問に移りたいと思います。
 済生会病院のことについては、鳥大にも一緒にお願いに行かれたと、要望されたということなのですけれども、そもそも医師不足は、医師がふえると患者がふえて医療費がふえてしまうとして医師の養成数の削減を閣議決定したということにそもそもの問題があるわけです。それで、医師不足解消のために総務省が再編ネットワークのモデルとした山形県置賜地域では、機能を縮小された医療機関は深刻な経営悪化に見舞われ、また一方では患者が殺到した拠点病院は医療機関の向上ができず、地域全体の医師不足も解消されていない、こういったことが起こっています。
 済生会病院は、島根県東部、そして中海圏の5万人の医療をカバーする中核病院で、二次救急、洋上救急の病院でもあります。鳥取中央病院では、兵庫県の但馬地区の救急医療を受け付けておりまして、患者の10%は但馬地域の住民で、但馬の医療ネットワークに入っているわけです。そういう点では、島根県と共同で医療ネットワークを検討、研究できないかどうかお尋ねします。
 そして、県は境港を環日本海交流の拠点と標榜しており、境港市には東海、ウラジオストクのルートの貨客船も就航するという予定になっておりますが、鳥取大学で鳥インフルエンザのことでは一番だとおっしゃる大槻公一先生なのですけれども、日本では鳥インフルエンザに感染するとしたら、鳥ではなく人から人へと感染するというふうにおっしゃっています。今後、家禽からの感染の多いアジア地域からの入港がふえるとなると、やはりこの対策も必要となります。済生会病院は県下4カ所にあるSARSや鳥インフルエンザなどの感染症の指定病院の一つともなっております。危機管理上も必要な医師がいなくて、これから本当に緊急の事態にどう対応されるおつもりなのか、この点についてもお聞きしたいと思います。
 琴浦町のことですけれども、これはもともと赤碕地域がぜひ救急体制をとりたいからということで、県のほうに助成を求められたのですけれども、なかなか相手にしてもらえなかったということなのです。救急隊と熱意を持った医師らによってこういうことが実現したわけですので、私は県としてはやっぱり助成をお願いしたいと重ねてお願いいたします。
 それと、後期高齢者医療制度なのですけれども、知事もこの制度には問題があるというふうにおっしゃっていましたが、この制度は、75歳になるとそれまでの医療保険から別の医療制度に入らされて、診察は制限される、死ぬまで保険料を払わせながら終末期医療は病院から追い出すなど、世界にも例のない高齢者差別の医療制度であります。75歳以上の人口比率が高まった場合でも、後期高齢者の医療給付がふえた場合も保険料がどんどんふえていくという過酷なシステムです。厚労省の社会保障審議会の特別部会の報告では、後期高齢者の特性をいずれ死ぬのだからとしていますが、いずれ死ぬのだからこの程度でよい、こんなことを国が考えていていいでしょうか、知事にこのことについてのお考えも伺いたいと思います。
 そして、75歳以上の高齢者の基本健診にはぜひとも県費補助をお願いしたいと思ってこの質問をいたします。
 基本健診の抑制が行われるわけですけれども、昨年鳥取県は、鳥取県の要望に対する回答として、竹内後期高齢者医療広域連合長に、この健診事業にかかわる県補助金については20年度の当初予算で検討するというふうにして、1人500円、35%が健診をするとして、3,500万円の負担金を試算しておられました。ところが、査定の段階でこれがゼロになってしまったのです。岡山県では補助をしています。広域連合は改めて3月に入りまして県議会にも健診への県の補助を求めておられますが、当初鳥取県が考えたように、医療費抑制を考える上でもこの健診事業に補助をされるべきだと思いますが、どうでしょうか。
 また、市町村ではこうした動きで独自に健診料を負担する動きもございます。広域連合では足並みをそろえてほしいというふうな意向を持っておられますけれども、圧力をかけないようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 中海のしゅんせつくぼ地の問題では、1月に行かれたということで、よかったと思います。だけれども、私どもが水産試験場の担当者や国土交通省などの担当者、特に水産試験場の担当者ですけれども、やはり中海とよく似ているというふうにおっしゃるのです。それは確かにしゅんせつくぼ地なんかは10倍なのかもしれないですけれども、海水交換の少ない閉鎖水域で魚種も、それから条件も私は非常によく似ていると思うのです。人工干潟が完成しましてから、やはりアサリがまた少しずつふえてくるとか、それから一番いいのはやっぱり漁業者の意見を聞いてやられたということなのです。漁業者がここだと、しゅんせつくぼ地の観測を言われたところに県の水産試験場が8月から9月にかけて1キロの長さに対して3~4メートル置きにくぼ地に溶存酸素計を入れまして、10分置きの観測をほぼ10日置きにずっとやられたということなのですね。この連続計測をやって動かしがたい事実をつかんだということが国を動かしてやっぱり行政決定されたわけです。私は、県の水産試験場の努力、このことをやっぱりすごく評価したいと思います。あそこは10分の1の広さだからということではなくて、やっぱり水産業を振興させるためにもぜひとも中海のきれいになるということが必要なのだ、そのためにはやっぱり国を動かさなければいけないという、ここの熱意をぜひとも私は県に持ってほしいと思います。そういう点についてどういうふうに思われるでしょうか。
 それと、水協法のことについてですが、組合の規定どおりにいろいろやってきたし、それからこれは組合自治だというふうにるるおっしゃって、実は本当にやられていたのかなと。やられていたとは思いますけれども、例えば組合員の資格審査、この委員会ですが、平成5年にはもう既にこの委員会は第三者の委員を入れるべきだというふうに書いてあるのですけれども、これを見ましたら、17の組合支所のうち5つの組合は組合員だけなのです。だから、見ればわかるこんな単純なことをやっぱり指摘していなかった。平成5年だから、ことしは20年だからもう15年もたっていますよね。いろいろな調査なんかでも伝票をくってちゃんとやられたのか、90日以上本当に出ているのか、水揚げ伝票があるのか、そういったことまできちんとやっぱり調べられなければいけないと思いますが、こういった点でやられたかどうかということも見ていただきたいと思います。
 それと、正組合員かどうかということで、福岡県は県の職員がやっぱりポイント、ポイントだったと思うのですけれども、一軒一軒その漁業者のところに訪ねていって、本当に漁業をしているのか、本当に従事しているのか、そういったところまでやっぱり確認しておられるわけですよ。そういったことをされたことがあるのかなということもお聞きしたいと思います。
 漁船の燃油についてなのですが、国は追加措置をしているし、そういう省エネの支援ということでは確かに出していると思うのです。でも、漁業の実態から言えば、この苦しいときにだれが省エネエンジンなんかに──お金が要るのです。そのエンジンにかえる余裕がないというふうにおっしゃるのです。それから、発光ダイオードにかえたらいいと。確かにそうかもしれません。だけれども、現場では安定性が悪くて、去年調査したらしいのですけれども、外海では波が荒くて、夏場に操業テストしてみたら、通常ならこの波だったら20日は出られるところが、発光ダイオードのそれをつけたら危なくて10日ぐらいしか出られなかったというのですね。では、これは何のための省エネ化なのだということになります。そして、またどのようにつけたら効果的なのかということも明らかになっていないので、国の支援は漁師の実態に合わないというふうにおっしゃっているのです。こういったことについてどういうふうに考えられるでしょうか、省エネの施策してください、お金を借りやすくしてあげますよ。私はこれだけでは足らないと思うのです、漁業の実態からいえば。そういったところをちょっとお尋ねいたします。


◯議長(鉄永幸紀君)錦織議員に申し上げます。担当常任委員会の案件につきましては、知事に答弁していただくのが原則となっております。したがいまして、常任委員会でお聞きになれることについては控えていただきたいと思います。
 答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、済生会病院についてお尋ねをいただきました。山形の置賜の例を出されましたけれども、そもそも医師不足が原因なのです。大学側が医師を供給できなくなっておりまして、そうすると限られた医療体制の中でどうやってそれぞれの病院が共同して地域に医療サービスを提供していくかということなのです。置賜は置賜なりの悩みを持って今されていまして、確かに動き出していろいろな弊害も出ているところもあるだろうと思いますし、それぞれの経営問題なんかも我々も仄聞をいたしております。そうした厳しさの中でやっていかなければならない状況は鳥取県内においても見られるわけでありまして、いずれにせよ、その中でよく地域で話し合って医療連携なんかは今後も考えていく必要はあるだろうと思っています。
 そこで、今お話がありましたのは島根県との医療圏域、共同にしてやれないかというお話でございます。
 現在の医療法の中では県がそれぞれに地域を定めまして、その中で医療圏を設定をして、その中のベット数とか供給体制について計画をつくり、やっていくことになっております。これを医療審議会に県のほうでも相談をしながら体制づくりをしているわけであります。そういう意味で、各県の対応が基本になることでありまして、一足飛びに隣の県と一緒になってというわけにはならないだろうと思います。
 ただ、島根県と鳥取県との間で胸襟を開いた議論はいろいろな面ではできようかと思います。そういう中で、どういう取り組みができるかではないかと思います。現在は観光についてお話し合いをしようということを言っておりますが、現実問題として医療も重なり合っているというのは実情でございますので、その中でどういうお話ができるかということだと思いますが、ただ、それが境港の済生会病院の医師不足の解消にそのままつながるかどうか、それはちょっと別問題かもしれません。いずれにせよ、県域をまたいだ医療体制の整備については島根県側との話し合いには全くやぶさかではありません。
 大槻先生の偉業を引かれまして、鳥インフルエンザのお話がございました。
 先生がおっしゃったと御指摘がありましたけれども、我々が今一番恐れておりますのは新型のインフルエンザという、今錦織議員がおっしゃった人から人への感染にわたる部分でございます。ですから、この部分が発生した場合は、これは爆発的に動いていくことになるだろうと考えております。その際の県内での医療体制の供給だとか、あるいは搬送の問題ですとか、基本的には外出を抑制してもらって感染が広がることを封じ込めるとか、総合的な対策が求められます。この段階になりますと、済生会病院一病院だけの問題ではないと考えております。これはむしろ全県的な取り組みをこれからマニュアルをつくったり、訓練をしたりして検証していくことにならざるを得ないだろうと思っています。非常に緊迫した事態になって、県民の方の御理解と御協力をいただきながら何とか乗り切っていくと、こういうのがパンデミックと言われる新型インフルエンザの流行段階でございます。これについては、別途の措置を考えていくことになると思いますし、その中で済生会病院の位置づけを議論していくことになるだろうと思います。
 あわせて、琴浦町についてのお尋ねがございました。
 琴浦町の取り組みは私も非常に評価をしておりますし、当初悩みながらスタートされたころも、町長さんから赤碕のほうで御相談いただいたこともあります。厄介なのは、これは診療所の問題でありまして、診療所の経営自体は町が関与するということになっております。そういう意味で、琴浦町としては、その診療所との関係という中で補助金という制度をつくられたということであります。あわせて、この診療所に対する補助金とは別に、診療報酬でそもそも賄われている、加算されている部分がございまして、ここがこのたびの診療報酬の改定で増額をされるということであります。ですから、そこで基本的には対処をしていただくというのが財政秩序としては筋合いではないかと考えておりまして、私どもとしては県の補助は今考えていないということであります。
 次に、後期高齢者問題について、後期高齢者の医療制度についてのお尋ねを何点かいただきました。
 まず、後期高齢者の保険料が、これがどんどんと上がっていけばいいと、それについてはいずれ亡くなる方だから構わないのだということを国が言っているのではないかというお話でありますが、私はちょっとそこの詳細は存じません。いずれ人間は死すべきものだというのは、これは厳然たる事実なのでございますが、だからといってそこに負担のしわ寄せをしようということではないのだろうと思います。むしろ後期高齢者医療制度は、そこに究極的に発生してしまう負担を各世代で分け合うための仕組みに公費負担も入れながらやっていこうというのが本来のことだと思います。ですから、後期高齢者医療制度になりまして、県の負担は実はふえます。財政秩序としてはふえるわけでありますが、そういう仕組みになっているわけであります。
 保険料について、所得がない世帯であれば軽減措置などが当然あるわけでございまして、それについては福祉保健部長から御答弁を申し上げたいと思います。
 次に、健康診査の事業につきまして、県も補助すべきではないかということであります。
 これは先ほどのお話の中にもありましたけれども、いろいろとこれからの医療費を軽減していく意味で重要なポイントにはなると思うのですけれども、ただ、今回後期高齢者医療制度に移転するときに国のほうが設定をした財政秩序が変わっております。と申しますのも、健康診査につきましては、従来の健康づくりの視点でいけば、これは私どものほうにも実は出す義務がありました。ただ、それは3分の1でございまして、この部分については交付税措置が入っていたのです。
 しかし、このたびの制度改正で、後期高齢者医療制度は県の負担が本体部分でかなり入ります。この健康診査の部分につきましては、保険者が負担をする、すなわち保険者という保険を管理する財政の中で負担をする部分、それから市町村が負担をする部分、本人が負担をする部分と、こういうように区分けがされておりまして、我々のところの県のほうの負担部分というものは、これはない格好になっております。これが現在の財政秩序であります。ですから、新しい財政秩序の中では、健康診査は県は乗り出さないということになりますので、我々としてはこの部分を控えているということであります。
 ただ、市町村の実情は聞いてみたいと思っております。これはどういう意味かといいますと、現実に国のほうの補助単価がこの財政秩序の関係でセットされておりますけれども、国のほうの単価設定の問題があるだろうと思います。このこととの関係で現実の負担がどういうふうになってくるか、保険財政への負担が過度なものにならないかどうか、このことは検証してみる値打ちはあるだろうと思っています。その上で県として最終的に判断をすべきものかなと考えておりまして、市町村とそういう協議をしてきたところであります。いずれこの保険財政の状況を見て考えていくべき課題だろうと思っております。
 市町村が独自の健康診査云々というお話がございました。これは県が押しつけて健康診査をさせるという趣旨でしょうか。ちょっと質問の趣旨がわからなかったのですが、もしあれでしたらまた後ほどお問い合わせをいただければと思います。
 次に、中海の問題につきまして、中海と三河湾は似ているという状況ではないだろうかということにつきましては、先ほど生活環境部長から御答弁申し上げましたとおりで、かなり隔たりがあるような状況であります。例えばお金の話だけを言えば30億ほどなのです、三河湾の場合は。しかし、今、中海のほうは規模が全然違いますので、しゅんせつくぼ地が100倍云々という話もおっしゃっていましたけれども、現実に我々のほうで今試算を伺いますと、ざっと2,000億ぐらいかかるかもしれないということであります。2,000億といいますと鳥取県の財政の半分以上でございますので、これは相当な金額であります。ですから、そういうようなことも考えて、現実的にどういうふうに中海をきれいにしていくか、これをアプローチを検討していくのだろうと思います。
 これは鳥取県だけの問題ではありません。今、しゅんせつくぼ地となっているところは島根県の区域にも入っている部分であります。それから、これは斐伊川の水系でありまして、国の一級河川としての管理の問題があり、環境の問題があり、従来の農水省のかかわってきた経緯もあります。ですから、そうそう単純に鳥取県がお金を出せばいい、乗り出せばいいということではないものでありまして、関係機関と協議をしたりして、住民の皆様とか漁業者の意見なんかもお伺いをしたりしてアプローチを進めていくものだろうと思います。
 その意味で、後段お尋ねになりましたけれども、中海をきれいにするという意思はあるのかということでありますが、それについてはプライオリティーを高く考えていきたいという気持ちであります。
 水産業協同組合法につきましては、チェック体制の御質問をいただいたことを農水部長からお答えを申し上げたいと思います。
 水産関係で県漁協のエネルギー代の直接補助についてのお尋ねがございました。
 先ほど局長から御答弁申し上げました考え方でありまして、現在、県として補助する考えはございません。しかし、今後、漁業者のほうとの対話を閉ざすつもりもありません。実際にどういう御提案が現場から上がってくるかとか、いろいろとお伺いをしながら水産業が円滑にこの原油高の状況の中でも行われていく、そういう手だてについては今後とも現場と話し合っていきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)田中福祉保健部長


◯福祉保健部長(田中謙君)保険料の軽減のことにつきまして補足答弁を申し上げます。
 保険料につきましては、均等割とか所得割で構成されておりまして、均等割は世帯の所得で軽減措置が図られるということで、この考え方につきましては、保険料は個人負担でございますが、実質は世帯で生計は維持されているというような、こういう実態があるわけでございます。こういうことで、保険料の軽減というのは個人の収入ではなく世帯単位で判定されているということでございます。現実に生計は世帯で維持されているということから考えまして、保険料の軽減というのは世帯単位で判定するというのはやむを得ないのではないかというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)錦織議員、先ほど申し上げました担当常任委員会でお聞きになるべきことだと私は判断しております。内容も事実関係の確認でございますので、8番錦織議員からお願いいたします。


◯8番(錦織陽子君)私は議員の発言を制限するべきではないと思います。というのは、委員会での発言もやっぱりそんなにできるわけではないのです、時間も限っていますしね、そういうことではやっぱりそういうふうに思います。
 済生会の件なのですけれども、ぜひ県は境港の地域医療のあり方を住民も含めて、今は住民ではなくて病院の関係者だとか、そういったところのことで進んでおられると思うのですけれども、住民や医療関係者の間でしっかりと論議をされまして、合意の上で進めるということがやっぱり欠かせないと思います。これは県の姿勢が問われる問題だと思いますので、ぜひそういうところで配慮していただきたいと思います。
 後期高齢者の医療制度の問題なのですけれども、今高齢者の医療を抑制するものではないというふうにおっしゃいましたけれども、やはりそうおっしゃっても本人負担はふえるわけです。
 さっき知事がちょっと私の質問が不明だということだったのですが、市町村で独自に健診料を負担する、市町村が出そうという考えもあるわけです。そうすると、広域連合では、ぽつぽつ補助をしてもらったりなんかするとやっぱり足並みがそろわないので、それはやめてほしいという意向があるわけです。それで、私はそういうことはやっぱり広域連合はやってはいけないと、そういうことを圧力をかけないようにするべきだと思うがどうかという質問でした。
 それで、私はこのことについては、老人保健法では75歳以上の高齢者から、たとえ滞納があっても保険証を取り上げるということはいけないことになっているのですが、後期高齢者医療制度は滞納があれば取り上げて、病院窓口で10割払わなければいけない資格証明書の発行をすることになっているのです。広域連合の担当者を物すごく苦しめているというのもやっぱりここなのです。
 私はきょうはこのことを申し上げたいのですけれども、きょうの新聞を見てやっぱり愕然としました。というのは、これは国民健康保険証の取り上げ、このことについてきょうの日本海新聞に載っておりましたけれども、全国保険医団体連合会の調べによりますと、国保料の滞納で資格証明書を交付された人がどれだけ受診しているかという調査ですが、鳥取県では資格証明書を持っている人は通常の保険証を持っている人の58分の1しか受診していないと。つまりすごい受診抑制が行われているわけです。受診抑制が行われて、結局病気の重症化だとか、それから手おくれ、こういったことがあるわけですけれども、これが後期高齢者医療制度になったらどんなになるか、考えただけでも本当に涙が出るような話になると思うのです。やっぱり戦前戦後すごく苦労されてこられた75歳以上の方、特にそういった世代の方ですね、そういった人たちを本当に医療を制限して、最後はせめて病院に入りたい、病院で死にたいとおっしゃる方も、点数を下げるとか制限するとか、そういうことであってはならないと思うのです。それで、ぜひともこの後期高齢者医療制度で資格証明書を発行することはならないと、そういったことを私は知事に意思表示をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。


◯議長(鉄永幸紀君)錦織議員に再度申し上げます。議会はルールによって運営されているものだと私は思っております。先ほどの案件につきましては、10月5日の議会運営委員会で全員一致で決定されたことに私は従っておるところでございますので、何も制限しておるわけではありません。私の判断では、常任委員会をもっと活発に議論しようということで決定されたものと認識しておりますので、以後従っていただきたいと思います。
 答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、済生会につきましては、地元の御意向をよくお伺いをし、そして鳥取大学を初め、関係機関との橋渡しに努めてまいりたいと思います。
 後期高齢者医療制度についてお尋ねがございました。
 まず、第1点目として、先ほどの御質問の中にございましたけれども、市町村が健康診査の個別の補助をすることについて、連合のほうで制限をするような圧力をかけるのをとめるべきだという御質問でございますけれども、私はそれは連合の中でまさに議論をされるべき事柄だろうと思います。連合自体が個別の独立した自治体であり、それから、その構成員の中には各市町村の代表者も入っています。そして、市町村のほうは市町村がそれぞれに自分たちのほうの保健事業を遂行する責務を負っているわけであります。ですから、保健事業を行う、健康増進を行う市町村のほうのそうした行政の動き方と、それから全体として連合としてやるべきこととの調整を図るのは、まさに連合の中の議論だと思います。これは自主的に解決されるべき課題だと理解をいたしております。
 次に、後期高齢者への被保険者資格証明証の発行についてでございますが、被保険者資格証明書の発行自体は、これは保険財政を、保険がファイナンスできる、財政が回るための有効な手段としてこれまでもとられていることでありまして、この制度自体を否定するべきではないと私は思います。ただ、その運用について注意すべき事項がないかどうか、これについてはよく連合のほうでも御議論をいただければよろしいのではないかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)8番錦織議員


◯8番(錦織陽子君)資格証明証の発行については、私は知事にそんなことはしてはいけない、やめるべきだということをやっぱり言っていただきたかったです。やっぱりそういう姿勢でなければいけないと思うのです。県民の命を守る人ですから。
 中海のことについてですが、残念ながら県の試験場の体制というのは、頑張っておられるのですけれども、職員も物も不足しているという実態を私は言いたいのですけれども、水産試験場は境港市にあるけれども、これは外海のほうの調査などが専門で、199トンの調査船は大き過ぎて中海には入れないと。泊の栽培漁業センターの10トンの第二鳥取丸は昨年3,192万円で売却されてしまいました。これで、中海のモニタリング調査も島根県の船に間借りしている状態であります。これが、県が水産振興に力を注いでいる姿なのだろうかなと私は思うのです。
 中海漁業環境調査の事業の必要性に、ことしの予算のあれを見てみますと、鳥取県は中海及び境水道における漁場環境に関する知見が極めて乏しく、水産振興の足がかりがないというふうに、だからこの事業が必要なのだというふうに書いてあるのですが、これでは「食のみやこ鳥取県」が泣くのではないかと私は思いますが、10年、20年先を見据えた取り組みにかかるべきだと思います。
 それと、企業、NPO、住民団体、漁師が集まって、今くぼ地の埋め戻しの具体的な研究が始まっています。これは砂だけでなくてほかのことでもできるのではないかという可能性も含めておられるのですけれども、水産試験場にもやっぱり力をかしてほしいと思っておられるのです。それは、水産試験場は漁業振興の立場に立ち切れるわけです。今後、参加することを検討されないかどうかということをお尋ねしたいと思います。
 水協法については、今後は組合と行政とのかかわりの中で、県にはこれまで以上に指導、監督が強く求められるようになりましたので、ぜひ水産庁の境港漁業整備事務所との連携で水産業の基盤整備のために頑張っていただきたいと思います。
 以上、お答えいただいて終わりにしたいと思います。ありがとうございます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)水産業について幾つかお尋ねをいただきました。
 まず、水産試験場とか栽培漁業センターの船の体制に問題があるのではないかということでございまして、これは財政的な事情とか事業の効率化の観点で船舶の運用を最近改めたと伺っております。これは試験研究自体を阻害することであってはならないと思いますので、その必要に応じて船を借りるとか、手配をしながら委託をするとか、そうして進めていくことはできるのではないかと思っています。現場のほうのふぐあいが生じないかどうか、これについては私のほうでもいずれ点検をさせていただきたいと思います。
 あわせまして、中海の漁業資源の回復についてでございますが、これについて水産試験場とかで私どもが資源の調査をさせていただいております。この目的といたしましたところは、やはり中浦水門の外側と内側とで水産資源の現状に随分隔たりがあるという問題意識からであります。いずれ島根県と連携をし、あるいは国の官庁とも連動させていただきながら、私どもとしてはまた豊潤な豊かな海へと回復をさせていかなければならないだろうと思っていまして、そうした研究活動をぜひ進めていきたいと思っていますし、20年度も所要の予算を計上させていただいております。
 今お尋ねにありましたのは、中海しゅんせつくぼ地環境修復研究会が調査を行うということになっておって、それに水産試験場の参加が必要ではないかという御指摘でございます。
 私どもも、先ほど申しましたように中海の水質の回復を求めていきたいと思います。そのための調査研究がなされるのであれば、これに対して我々も協力できる範囲で協力していくべきだと思います。民間がやることだから、大学がやることだからということで単に傍観者でいる必要はないと私は思いますので、水産試験場になるかということはあるかもしれませんが、水産資源の関係では知見があろうかと思いますので、そうした意味で研究会にあわせて私どものほうから資料を提供させていただくとかという対応は可能ではないかと思います。これは現場の研究会の皆さんと私どもの試験研究機関とで協議をいずれさせていただいてはいかがかと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は1時10分より再開いたします。
       午後0時09分休憩
   ────────────────
       午後1時10分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 7番市谷知子議員


◯7番(市谷知子君)(登壇、拍手)日本共産党の市谷知子です。時間がありませんので、早速質問に入ります。
 まず、ワーキングプアの問題です。
 非正規労働者の77%は生活保護水準以下の収入とも報道されていますが、中でも今派遣労働者が急増しています。議長に許可を得まして資料を持ってまいりました。皆さん、このグラフを見てください。この7年間で派遣労働者が321万人へとふえています。そして、その一方で、正社員が非常に減っているという状況です。なぜこんなに派遣労働者がふえてきたのでしょうか。そもそも労働者派遣は人間レンタル、人間を物扱いにしてはいけないと従来は禁止をされてきたものです。ところが、一層のもうけを上げたい財界、大企業の要請を受けて1999年に労働者派遣法が全面自由化されて以降、一気に派遣労働者がふえてまいりました。このことが格差と貧困を広げ、日本経済のまともな発展を阻害をしてきたことは明らかです。
 国会で日本共産党の志位委員長が派遣労働の問題を取り上げた際、福田首相は、派遣はあくまで臨時的、一時的なものと答弁をしています。さらに、ILO国際労働機関が日本の非正規雇用の拡大に対して、短期的には日本に競争優位をもたらすが、明らかに長期的に持続可能ではない、非正規雇用では経済成長の源泉となる人的資本の形成がされにくいと指摘していますが、これに対して福田首相は、私も非正規雇用は中長期的に見た場合、そういう雇用の形は決して好ましくない。特に若い人がそういう形で不安定な雇用関係を続けて、それが将来も続くということになった場合、その人の将来の問題だと思う。単に労働とかということだけではなく、生活自身の問題にもつながってくる可能性があると答えています。これらの福田首相の発言について、また派遣労働、非正規労働についての知事の見解を伺います。
 そして、私はさらに現在の労働者派遣法の改正を提案したいと思います。現在の労働者派遣法では、業務によって多少差はありますが、派遣期間は原則1年ですが、過半数の労働者の意見を徴収した場合は3年までという原則があり、派遣期間を超えて同一業務をさせることは違法行為になるとし、派遣期間を超えた場合は、派遣先が派遣労働者に直接雇用の申し込みを行うことが義務づけられています。しかし、制限期間を超えて派遣労働を受け入れてきた企業が摘発された場合、労働者がどうなってきたでしょうか。この表を見てください。期間の定めのない直接雇用となった人は一人もいません。今の法律では、結局労働者は守られていません。
 私は現在の労働者派遣法を改正し、派遣は原則1年とし、違法行為をした企業には正社員にする義務を負わせること、また正規労働者の代替として派遣労働者を常に使うということは禁止することなど、労働者保護法へと改正すべきだと考えます。今国会では共産党、民主党、社民党、公明党と超党派での法改正の取り組みが進められています。知事にも国に法改正を求めていただきたいと思いますが、所見を伺います。
 次に食の安全と地産地消について質問をいたします。
 1月31日に発覚をした中国製冷凍ギョーザ中毒問題、安心と信じて食べていたのに本当にショッキングな事件です。この背景には日本の食糧自給率が39%と6割以上の食糧を輸入に依存しているのに、食品衛生法に基づく国の輸入食品の検査はわずか1割、今回のような輸入加工食品については全く検査をしていないという国の姿勢に大きな欠陥があります。食糧自給率を上げること、そして年間185万件も食糧が輸入されているのに、検査に当たる国の食品衛生監視員が全国でたった334人しかいないという検査体制を抜本的に改善するよう国に求めるべきと思いますが、知事の所見を伺います。
 3つ目に、道路特定財源についてですが、道路特定財源を10年間で59兆円使い切る予定となっている中期計画についての知事の所見を伺います。
 最後に、障害者の自立と住宅の確保についてです。
 障害者の自立が叫ばれていますが、車いす対応の県営住宅の整備戸数は、東部は14戸、中部は2戸、西部は26戸ですが、平成19年度の入居募集は、東部はゼロ、中部は1戸しかありません。この実態について知事の見解を伺って壇上での質問といたします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)市谷議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず、派遣労働についてのお尋ねがございました。福田総理の発言を示されながら、非正規労働者、正規労働者の関係などについての御言及があり、このことについてどう思うかということでございます。
 私は労働の形態というものは一つは多様化するということがなされなければならないことだろうと思いますし、その片方で、労働条件をきちんと担保をする、安心して働ける、そういう環境を整えることもあわせて必要なのだと思います。ですから、福田総理の発言に余り違和感があるところではありません。
 正直申し上げて、最近のワーキングプアと言われるような実態には憂慮せざるを得ないところがあるだろうと思います。それというのも、現在若い人たち、特にちょうど今30代に差しかかるような、そういうふうな時期の方々が氷河期と言われるような就職のころにワーキングプアの生活に入り始めて、現在は大分回復をしてきておって新規採用もふえてきておりますが、当時のほうがまだワーキングプアの状態から脱却できないという、そういう指摘なんかもあるわけでございます。これは家族構成についても影響するわけでございまして、少子高齢化の遠因となるそういう危険すら感じさせるものがあります。
 そういう意味で、こうした社会の状況は正していかなければならないだろうというような大要請はあろうかと思います。ただ、その片方で、今国際的な競争にさらされる中で、我が国の産業活力を維持しなければならない。企業側も企業側なりの努力をしながらという部分もあります。そこの調和をどうやって図っていくかということではないかと思います。
 正規労働者、非正規労働者として議論がされますけれども、派遣労働者というカテゴリーが違法であるかのように今市谷議員はおっしゃいますけれども、その存在自体は私は否定すべきではないだろうと思います。これはもともと専門的な職業に従事される方がおられて、自分の技術を生かすために就職しようと思っても、それは一つ一つの企業では受け皿が小さいものですから、永久にそこで働けるかどうかということはありますけれども、あちこちの会社を渡り歩くことで自分を生かすというような場もあるかもしれません。そんなような態様があって、もともとは派遣労働というものが発達をしてきたのが今日までの経緯だったと思います。
 ただ、それが社会現象として、偽装請負という言葉が標榜されるようになる。このことに象徴されますように、ややもすると労働関係でかつて民法に対して労働法というものをつくり、労働基準法というものをつくり、そうして労働三権というものを確立をして、我が国の社会権として労働者の働く権利とその環境づくりをやってきたことに対して、ブレーキをかける面もなかったわけではないのだろうと思います。そこの反省に基づいて、これからもう一度制度を組み直していくことが必要ではないかと考えます。
 議員のほうから御指摘がございましたのは、労働者派遣法を改正するよう国に対して要望すべきというお話でございました。議員からお話がありましたのは、例えば1年以内に派遣の期間を限るべきだというような話でございます。
 確かに、今期間制限が撤廃をされた職種が多くあります。その片方で、製造業などは3年で限定をされているということになっているわけでございます。これを見直すことは当然あっていい議論だろうと思います。ただ、全部1年以内とかいうことで極端にするのがいいかどうか、これはかえってそうした派遣労働などに職場を求めておられる方々の権利、自分の能力を生かそうと思ったり、自分のライフスタイルを守ろうとしている人たちの権利にも逆にかかわることではないかと思います。よく議論を私どもの中でもさせていただきまして、労働者派遣法についての私たちの考え方を国に対して要望していくことを検討してみたいと思います。
 次に、現在さまざまな食品の問題があって、国のほうの検査体制の強化を求めるべきではないかということであります。
 現在の食品衛生についてのことは、大体が都道府県、私どもの現場がやっておるわけでございますけれども、外国から入ってくる食糧につきましては水際でシャットアウトしなければならないわけであります。この責務は国のほうが負っておりまして、そこでシャットアウトしない限り後は流通してしまいますので、なかなか厄介なことになります。ですから、国のほうに検査体制の充実を求めていくことといたしたいと思います。
 次に、道路特定財源との関係で、道路の中期計画についての所見を問うというお話でございます。
 この道路問題については、かねてこの議場でもたびたび取り上げられ、私も考え方を披瀝させていただきました。中期計画は今59兆円積み上がっているわけであります。その中には、私どもの山陰自動車道だとか、鳥取豊岡宮津自動車道あるいは北条湯原道路、江府三次線、そういう道路が入っております。鳥取自動車道というもうすぐ完成しかけている道路も入っています。さらに言えば、生活道路もこの中に入っておりまして、歩道を整備をして子供たちの通学路の安全を図るとか、あるいは信号とか、あるいは場合によっては最近橋上化の駅の関係の事業なんかにも使われている、そういうものもいろいろと最近は道路財源から使われているわけであります。いずれにせよ、向こう10年間ということで59兆円の計画を今国が検討されているわけでありますが、その大方について、私ども鳥取県に関する部分はぜひ実現をしていただきたいと思っています。そのためには道路の財源が必要だろうというように私はかねて訴えをさせていただいているところであります。
 しかるに、この59兆円の道路の計画で従来何が盛り込まれているか、つぶさなところは明らかになっていないわけでございまして、その中身については精査を国として与野党の協議などを尽くしていただければありがたいと思います。中には無駄遣いとも称されるような、そういうものも入っているというように伺いますし、こんな道路まで要るのかなという議論は正直なところ全国ではあるのだろうと思います。そういう議論をまずなした上で、ではその税率をどうするか、そのための財源をどうやって確保するか、これが本来の議論の筋道であります。ところが、最近はどうも与野党間の膠着状況が続いておりまして、政治的になすべき検討を、議事をきちんと尽くしていただいているのだろうかと、そんな疑問を感じるものであります。ですから、そういう意味で、この中期計画をめぐる議論もしっかりとやっていただければと思います。
 最後に、車いす対応の県営住宅の整備状況についてのお尋ねがございました。この整備状況につきまして、東部、中部、西部と数字を上げて今御指摘をいただきました。
 県としては我々のほうで県営住宅の整備をいたしますし、それから市町村も市町村の住宅の整備をしていただいております。こうした住宅の整備は県と市町村がそれぞれに行う状況になっていまして、私ども県だけの責務ではありません。ともにこれをやっていくわけでございますが、その中でバリアフリーといいますか、現在いろいろな方に住んでいただけるような環境をつくるべきだという法律もできておりますので、そうした観点で整備を進めていくべきものだろうと思っております。県と市町村とあわせて供給をすべきものはどの辺にあるかというのはこれからきちんと議論しなければいけないのだろうと思います。
 今、御指摘になったところでは、東部のほうが募集がないのではないかという数字であります。西部のほうは道笑町に住宅を整備をしておりまして、これは借り上げ方式で整備をいたしました。比較的評判もよろしいわけでございまして、こうした手法が今後どのように展開できるかなということを市町村と一緒に考えてみたいと思いますが、それぞれに役割を担っておりますので、よく協議をしていきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)7番市谷議員


◯7番(市谷知子君)先ほど知事の最初の派遣労働者の認識なのですけれども、私、福田首相が述べられたことや、それからILOの指摘というのは、つまり短期間の雇用で不安定な雇用にこの派遣労働というのがなるということが、知事もおっしゃいましたけれども、将来の見通しが立たなくて、なかなか結婚についてちゅうちょする面が出るだとか、少子化に影響するだとか、特に若い方たちが非常に将来の見通しが持てないと、こういう働き方はいけないというのがILOの指摘でもあり、それから福田首相もそのことを認めておられるわけなのです。あわせて知事が、国際競争力の中で企業も勝たなければいけないから派遣もいたし方ないだろうというような、ちょっとそういうニュアンスの発言をされましたけれども、私は企業が勝ち残っていくために、では労働者はどんな働き方でもいいのかということは、これは私はやっぱり企業は労働者の方に働いてもらっているからもうけが出るわけで、その労働者をこんな見通しが持てないような働き方にしていくということを是とするわけにはいかないというふうに思うのです。
 しかもILOの指摘というのは、こういう不安定な働き方をさせると経済の発展、それから企業の発展にとっても不利益になるということを指摘をしているわけです。ですから、この点については、私はこの認識というのは譲るわけにはならないというふうに思うわけです。
 一部、専門の職種の方で、どうしても技術をいろいろな企業が必要として、そのことで生計が成り立っている方というのは確かにあると思います。ただ、今の派遣労働というのは一般の製造業、後で紹介しますけれども、三洋など、いつもいつもやっている仕事で、いつもいつも派遣の方たちがその業をやっていると。これは本来なら正規でやらなければならないものを派遣に置きかえて、安上がりで労働者を使って、その労働者が将来非常に見通しが持てないという状況に追い込んでいるわけですから、これは私はちょっと一般論としてくくるわけにはならないというふうに思うわけです。ですから、その派遣労働者に対する知事の認識というのは、もうちょっと改めていただきたいなというふうに思います。
 具体的に、鳥取県内の企業がこの派遣労働者をどのように使っているかということを少し紹介をさせていただきたいと思います。鳥取三洋なのですけれども、今、業態変更されるということでいろいろ報道がされていますけれども、新聞報道によりますと社員が1,300人、派遣が最大1,300人、つまり最大で職員の半分は派遣であったということになるわけです。どんな働き方になっているかということで、私は三洋で派遣労働者として働いている青年の方にお話を聞かせてもらいました。聞きますと、製造ラインが幾つかあるわけなのですけれども、そのラインで働いている人たちが全員派遣労働者、それから指導している方も派遣労働者、ラインが丸ごと派遣で、派遣工場になっているわけです。仕事のやり方なのですけれども、この方は夜勤なのですけれども、夜7時半から朝の4時半までの勤務が毎日続いていて、この勤務の間に夜食休憩が1時間、それから2時間に1回10分の休憩、ただ、ラインについている間は絶対いすに座ってはいけない、いすを出してもらえないのだそうです、立ちっ放しです。休憩時間は、もう動くのもつらいからということで、休憩室が別にあるらしいのですけれども、その辺に、ラインの近くに座り込んで休んでいるということでした。
 その日のノルマというのはその日に告げられて、ノルマを達成するまでやり切ると。そのための残業は当たり前と。この方は、契約では4時半なのですけれども、実際には残業をやって、結局朝の6時半まで仕事をされたことも何日もあるということです。目いっぱい働いて、本当に体がつらい、ずっと夜勤だから昼間は寝ているだけで、もう友達とも会えない、もうこんな仕事は続けたくないと言っておられました。
 派遣会社から、派遣労働者に対してお友達を御紹介してくださいというカードが渡されているらしいのですけれども、このカードを配られても、この派遣労働者の方は、こんな仕事、とても友達には紹介できない。友達に紹介したら友達を裏切ることになってしまうということで、非常に胸を痛めておられました。
 私、継続して目いっぱい派遣労働者を使ってきた三洋さんが、今回携帯事業を中止をするということで、約600人から700人も派遣労働者の首を切ろうとしているわけです。通常の企業や会社であれば、正規労働者の場合だったら、よっぽどの理由がないと解雇することはできません。労働者の次の仕事を探す努力をしなければいけない。正社員だった場合は会社の責任がすごく問われるわけですけれども、派遣の場合は首切り自由です。企業は何の責任もとらなくていいわけです。私は本当に目いっぱい使って使い捨てにしていく、こんな理不尽なことがあるだろうかというふうに思うわけです。
 三洋の派遣労働者の方たち、聞いてみますと非常に鳥取県の方が多いと聞きました。このままでは多くの鳥取県民が職を失うことになると思います。知事、また後で言いますけど、こんなことではいけないというふうに知事も思っておられると思います。
 さらに聞き取りをする中で、派遣労働者だけではないのですけれども、三洋さんがサービス残業代を払わなかったのはおかしいのではないかと労働者の方が労働基準監督署に行ったりとか、会社にも訴えているのですけれども、サービス残業をやらないのだったらやめてもらって結構だということを言っておられるそうです。
 正社員なのに派遣会社に出向させて同じ仕事をやらせたりとか、清掃会社に出向させていく、本当にいっぱい嫌がらせをやっているのです。私、うつ病になってやめたという方から話を聞きましたけれども、本当に一度病気になると、次の仕事を探す意欲が出ないと言っておられました。病気になっているから、仕事をしたいと思っても断られる。本当に三洋さんが──三洋さんは大事な企業だと思いますけれども、こんなふうに労働者の方たちがなっていく、その人の人生まで変えてしまっているということは私は重大な問題だというふうに思うのです。
 この鳥取三洋、鳥取県は過去40億円補助金を出してきました。これは拡張してもらって雇用をふやしてほしいということでお金を出してきたのですけれども、私、やっぱり県もお金を出してきたわけですから、ぜひこの問題というのは県としても取り組んでいただく必要があると思います。
 先日、新聞にも出ていましたし、私も通告を出していたのですけれども、三洋に特に派遣労働者の方たちを直接雇用してほしいということを申し入れられたというふうに新聞で見ましたので、私は本当にそのとおりだというふうに思いますので、改めてこの点について知事の決意を伺いたいというふうに思います。
 あわせて労働基準監督署に対して、三洋だけではなくて、県がこれまで補助金を出してきた企業がどのように働かせているのかということを調査をさせたりとか、それから法違反が見つかった場合にはきちんと改善をするように労働基準監督署に求めるべきだと思うのですけれども、その点についてどうでしょうか。
 あわせて県内に派遣労働者の方、まだ三洋さんだけではありません、たくさん働いている方はいらっしゃいますので、派遣労働者の実態を県としても調査をすべきだというふうに思いますけれども、その点、どうでしょうか。
 次に、食の安全についてなのですけれども、国に抜本的な改善を求めていただくということで、私は本当にそのとおりだというふうに思います。
 それと同時に、私がきょうここで言いたいのは、県が責任を持っている学校給食、この対応についてお尋ねしたいと思います。私の所属の委員会は教育民生常任委員会なのですけれども、この給食の問題というのは子供の問題で、本当に今を生きる子供たちと未来にかかわる問題ですので、これはぜひ議場で私は皆さんと一緒に認識を共有したいと思いますので、きょうは議場で質問させていただきたいというふうに思っています。
 1つは、学校給食の農薬のチェックについてなのですけれども、文科省が示している学校給食衛生管理の基準というのがあるのですけれども、これは定期的に細菌だとか農薬、添加物についてきちんと検査をするということになっているのですけれども、県は平成17年度以降、学校給食の定期的なチェックの中の農薬チェックをやめてしまっているのです。私は農薬のチェックを復活させてほしいと思うのです。国がチェックをしていない輸入加工食品を現場では使われていますから、せめてこの輸入加工食品の農薬検査を実施をしていただきたいというふうに思うのですけれども、知事、どうでしょうか。
 さらに、安全チェックの体制なのですけれども、県は学校給食施設だけではなくて、食品衛生施設など、立ち入りの検査をしているわけですけれども、この検査目標がここ4年間で1万4,078件から8,409件と約4割も検査目標が減っています。さらに、業者による自主管理が原則だという理由で、県の専任の食品衛生監視員をここ3年で21人から16人に減らしているわけです。私は、国にもちろん衛生管理のことで監視員をふやせというのは言うべきだと思いますけれども、県も減らしているわけですから、私は県の監視員もふやすべきだというふうに思うのですけれども、知事、どうでしょうか。
 県の学校給食会で仕入れている食材については、県のほうでチェックしているのですけれども、市町村が独自に仕入れている給食材料については、加工品も含めてどんなものを使っているのかとか、農薬が使われているかどうかということを市町村が調べるだけではなくて、県にもきちんと報告を上げるように私は求めるべきだと思うのですけれども、その点を教育長に確認させていただきたいというふうに思います。
 次に、道路特定財源の問題なのですけれども、鳥取県のものは中期計画の中ですべてやってもらいたいということで、ただ、内容については問題があるということも知事は言われましたけれども、本当にこの中期計画は物すごい計画になっていまして、高速道路から地域高規格道路いろいろあります。合わせて2万キロ、地球を半分回るぐらいの物すごい長い長い道路計画になっているわけなのです。ところが、問題はこの中で生活道路というのは、これができなくなるから道路財源は必要だとよく言われるのですけれども、生活道路はたった4%しかないわけなのです。ですから、本当に大規模な大きな橋をどんどんかけるとか、そういう計画がこの中に盛り込まれていて、国会の議論を聞いていますと、この計画を見直しをしなければいけないのではないかという議論まで今出てきているわけです。
 この間、私、地域高規格道路についてちょっと知事の認識は違うのではないかということを述べさせてもらいましたけれども、鳥取の道路がどうかということはまた別にあると思いますけれども、これは物すごいいっぱいあるわけです。主要港湾からインターチェンジまでたった12分で行けるところを10分にするとか、たった2分短縮するために新しい道路をつくるのだというようなものまで含まれているわけです。これについては費用対効果の検証が行われていないということを冬柴国土交通大臣も国会で言って、これは精査が必要だということまで言っておられるわけです。
 一つただしておきたいのは、地域高規格道路、共産党は全部要らないと言っているわけではないのです。ただ、この計画に盛り込まれているものの中に非常に無駄遣いになるものがたくさんあって、道路特定財源を使って全部この計画にあるものをつくってしまうと、だから道路財源は必要だという話になっていて、だから道路特定財源は必要だ必要だということを言えば鳥取の道路がつくというだけではなくて、無駄遣いまで認めてしまうということになるわけです。
 しかもこの中期計画、精査をされているかというとされていなくて、ではどうやってこの順位をつけるかといったら、それは毎年毎年考えますということを国会で答弁を政府がしているわけです。だから、鳥取の道路がこの計画の中に入っているからといって、ではつくられるかといったら、そういう保証はないわけなのです。ですから、私は、本当に鳥取の必要な道路をつくる必要がある。それから、一般財源も足りませんから、鳥取も財政は大変ですから、本当に鳥取の道路をつくったり鳥取の財政を豊かにしようと思ったら、こういう地域計画、無駄なものまで入っているわけだから、見直すべきだということをきちんと言うということが鳥取の道路をつくる上でも、鳥取県の予算をとってくる上でも、私は本当に大事だというふうに思うのです。
 暫定税率ですか、あれはなくなるから困ると言われますけれども、税収が減れば国は交付税措置をするわけなのです。この点については知事は知っておられると思いますので、入らない入らないと言われるけれども、そう単純なものではないというふうに思いますけれども、その点について確認をさせていただきたいなというふうに思っています。


◯副議長(上村忠史君)市谷議員、ただいまの質問は議会運営委員会の申し合わせ事項に抵触しております。今後は申し合わせ事項に沿って質問をお願いをいたします。
 給食センターに関する教育長への答弁は不要とさせていただきますので、御了解願います。
 それでは、答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、非正規労働者、正規労働者の議論がございました。これについて企業側と労働者側とそれぞれの思いといいますか考え方があるというふうな話がありました。
 これについて私のほうの意見についてのコメントがあったわけでありますが、私が先ほど申し上げましたのは、結局経営をするということになりますと、いろいろなことを考えなければならないわけです。例えば、現在ですとモデルチェンジがたびたび起こります。1年の間でも、今の季節に必要なものということが突然出てくるわけです。そうすると、ラインを動かす時期、ラインを動かさない時期ということが発生をいたします。そういうことで、それを調整するために、経営の合理性という観点で一時的に派遣労働者をお願いしているというのが現在の実態なのだということを申し上げたわけです。あるいは、最近の主流の経営のスタイルとして、ジャスト・イン・タイムということを言うわけです。これは欲しいときに欲しいだけのものを供給しましょうというやり方でございまして、このジャスト・イン・タイムということでやっていこうとすると、常にラインが動くわけではないわけでございます。こういうふうにすることで経営の合理性を高めて何とか海外との競争をやっていこうと踏ん張っている業者さんが、企業家が国内におられるということなのです。
 そういう意味で、これがすべて一概に否定されるものではないだろうと思うのです。こういう経営上の観点と、それから労働者といいますか、働くほうの便宜といいますか、環境ということとを調和して、この派遣労働者の法律をどういうふうに適正化していくかというのが今日的課題なのではないかと思います。現在、国のほうでも、この労働者派遣法の改正作業に入っているというようにお伺いをいたしております。私どもが先ほど申しましたように、いろいろと見直しすべき点があるかどうか、私どもなりにも考えてみて発言させていただきたいと思っております。
 鳥取三洋電機についてるるお話がありました。私は、鳥取三洋電機の労働の実態について承知しているわけではありませんので、この場であれこれコメントするのはいかがかと思います。そういう意味で、基本的なことは控えさせていただきたいと思いますが、それについて、もし承知している限りのことがあれば商工労働部長から……(発言する者あり)では、これはここまでにさせていただきます。(笑声)
 次に、補助金が出ているということで、補助金が出ている企業について調査をすべきではないかということでありますが、これについては前にたしか市谷議員からもお話がありまして、企業立地のための県の補助金の要綱を今変えさせていただこうとしております。その中で、雇用の実態についての報告を求めるようにさせていただいているところであります。
 あわせまして、派遣労働者がどういうような働き方をしているか調査をすべきではないかということがございました。
 これは、現在、労働局のほうが全国的な調査をしております。その年々の調査に基づいて、先般も申しましたが、国は大体3分の1ぐらい非正規労働者がおられる。県はそれよりも低い4分の1ぐらいですよというお話を申し上げましたが、こういうデータはそちらのほうからいただいている話でございます。今後とも労働局の調査をお伺いしながら、私どもも対応すべきことを考えていきたいと思います。
 次に、学校給食の立入検査で農薬のチェックをすべきではないか、平成17年までやっていたのではないかというお尋ねでございます。
 この学校給食の立入検査について、我々のほうで体制を確かに一部改めております。その趣旨というのは、農薬の検査と細菌の検査とあります。細菌というのはばい菌です。その細菌の検査のほうはこれは相変わらずやっております。
 もう1つの農薬のほうでありますが、これを検査すべきスポットはなるべく生産者に近いところといいますか、流通ルートの上流のほうで捕まえないといけないわけです。つまり我々は何のために調査をするかというと、これに農薬が入っていますよ、だからやめてくださいということを申し上げるわけでありますが、その指導をしようと思いますと上流のほうで捕まえなければならないわけであります。給食の調理現場に入っているときには、既にその判定が難しくなっているわけでございます。そういう意味での検査のやり方を変えたということでございます。
 このような収去検査を行って、食材をとってきて、それで検査をするこの収去検査のやり方について、教育委員会のほうでお考えがあって、なお給食の現場でやってもらいたいというようなお話がもしあるのでしたら、それは協力していきたいと思いますが、趣旨はそういうことでございますので、変更したのはそういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 次に、食品衛生監視員の体制や検査目標のあり方についてでございます。
 この検査目標の数が減っているというふうにおっしゃいましたけれども、これは実は重点化をしております。例えば問題のあった場所でありますだとか、それから影響の多いところ、学校給食の現場なんかもそうなのですけれども、そうしたところに重点を置いてやろうということで、それが件数のほうに影響をしているわけでございます。検査の員数も極端に減らしたわけではないのですけれども、体制を一部見直してきているという状況であります。この食品衛生法上の検査など食品の検査につきましての体制は、今後また状況を見て検討させていただきたいと思います。もし不十分だということであれば、それは一部見直していくことも可能かと思っておりますが、今はそういうことで見直しをしてきた途上であるということです。
 次に、道路についてでございますけれども、道路について中期計画にいろいろなものが入っているというお話がるるございまして、鳥取県の道路をつくれと言うと無駄遣いまで認めることになるのではないかということであります。
 私は、そこはやや理解が違うのかなと思うところがあります。私どもが今申し上げているのは、現在国の枠組みとして財源とセットでやろうとしているわけです。道路の中期計画が59兆円というものが今示されています。この当否とか中身については議論してもらったら結構だろうと思います。ただ、そういうものがありまして、当面これはぜひつくらなければならないというものが中に入っている。生活道路もおっしゃるように入っていますし、鳥取県の関連の道路も入っているわけであります。こういうものを実行していくことが必要だという意味で、その道路の整備を推進してもらいたいということを我々は申し上げているわけです。決して無駄遣いだと世間のコンセンサスを得るような道路をつくれとまで言っているわけではありません。その辺の議論がまだうまくしっかりと国会においてなされていないのではないかという危惧を持っています。
 3月31日の期限がもうすぐ来ます。この3月31日が今のままただただ徒過してしまいますと、どういうことが起きるかと申しますと、暫定税率に係る2兆6,000億の部分が穴があいてしまいます。ただ、他方で、予算があるという状態でありますので、その分が歳入の大きな欠損が生じてしまいます。それから、民主党さんのほうで御提言がありますけれども、地方には道路特定財源分は保証しましょう、補助金や交付金を保証しましょうというお話がありますけれども、これも成立をしないということになりますので、ただ単に我々のほうの道路特定財源が半分に減るだけの結果になってしまうわけでございます。国のほうの直轄事業も半減し、我々のほうも半減するということになってしまうわけでありまして、ただ単に期限を徒過することの危険性というか、むなしさというのはあるわけでございます。ですから、ぜひ胸襟を開いた議論をしていただきたいと思っているところであります。
 暫定税率がなくなった場合に、交付税が入るからいいのではないかということでありますが、これは午前中の伊藤保議員の御議論の中でも似たようなことがあるわけでございますけれども、結局交付税の財源の原資のところがどうかということでございます。
 現在は所得税、法人税、酒税とか消費税だとか、そういうものが原資として入っているわけでございます。こういうものの一定割合が基本的な今の交付税率になっているわけでございますが、2兆6,000億というようなオーダーのもの、このうちの地方分というとかなりの額になりまして、交付税の税率が今のまま固定されていれば、到底これは動かしようがないことになります。ですから、大きな大きな穴があくことになりまして、暫定税率は減ったけれども、地方のほうは相変わらず道路をつくり続ければいいのではないかというのは、財政論としては私には無謀に聞こえます。


◯副議長(上村忠史君)7番市谷議員


◯7番(市谷知子君)派遣労働の問題ですけれども、一概に否定されるものではないというお答えだったわけですけれども、この辺は、私はちょっと考えを異にするところですけれども、やっぱりこの派遣という働き方が実際は一時的なもので済んでいなくて、常態化している状態に会社の中でなっていて、将来に見通しが持てないという方たちが多数いらっしゃると。しかも、それが結局賃金が安く済んで会社はもうかったかもしれないけれども、労働者は、国民は生活に展望が持てないという点はあるわけで、私はこの点にもっともっと光を当てていただくということが、やはり今の時点では本当に大事だというふうに思います。
 この派遣のことでなのですけれども、2009年問題というのが企業のほうではありまして、ずっと派遣を入れてきて、最大3年までということで、ちょうどいろいろ偽装請負のことが2006年に問題になって、その後、請負から派遣に置きかえていて、ちょうど3年後が2009年ということで、各会社が2009年問題、派遣労働者をどうしようということで、今非常にざわめいているという状況になっていますけれども、県はこのことについて何か対応を考えておられるでしょうか。
 先日、山田議員でしたかの質問の答弁の中で、国が非正規から正規雇用にする場合に今奨励金を出しているということを紹介されて、この制度の紹介もしていきたいということを言われましたけれども、実はこの国の制度、派遣労働者が支援の対象になっていません。ですから、私は県独自で派遣労働者の正規雇用奨励金をつくっていただきたいということを提案したいと思いますけれども、知事、どうでしょうか。
 食の問題ですけれども、給食の農薬チェック、つくるところからということで、農薬チェックをしているからと言われるのですけれども、ポジティブリストの制度が敷かれてから、結局県内で使われている農薬についてはそういうチェックがされているというのは私も知っています。ただ、それはあくまで県内で使用されている農薬のチェックであって、給食に出ているものは県内産のものだけではありません。それから、輸入加工食品は今回問題があったように国のところでは全然チェックがされていないわけですから、私は本当に子供たちの安全のことを考えると、どの程度すればいいかということは本当に大変だとは思いますけれども、できるところからやっていただきたいし、輸入加工食品については使われていますから、ぜひ、私はチェックをしていただきたいというふうに思います。
 食品監視員ですけれども、重点化をしていると言われましたけれども、結局検査を減らしているということになりますので、この点は、やはり現場の声を聞いて改善できることは改善したいとおっしゃいましたので、ぜひ改善をしていただきたいというふうに思います。
 給食についてなのですけれども、私はやっぱり安全な給食ということで言えば地産地消、これが一番安全の保障になるというふうに思いますけれども、今度の予算で鳥取県産米を使った場合の補てんをする予算だとか、それから地産地消について各学校で話し合うような、そういう話し合いをするための予算があったのですけれども、これは2つともなくなってしまっているのです。知事も学校給食の地産地消率を上げると言っておられたのに、何でこれを削ってしまったのだろうと思うのです。私はこれはぜひ復活をしていただきたいというふうに思います。
 あと、鳥取県の給食でどんなものが使われているのかと44品目調査されていますけれども、外国産で一番多いのがしょうゆ、2番目に大豆類、3番目に魚介類、イカ、アジ、カレイということで、鳥取県はお魚がとれる本当にいい県なのに、これが輸入なのです。それで、県漁協からもお聞きしましたけれども、加工施設ですか、冷凍施設ですか、これが今なくて、3年後だったら資金繰りができてできるかもしれないけれどもということでありました。それから、JA鳥取も県産大豆を使ったしょうゆを使っていたのですけれども、施設が古くなってしまったということで中止をするということです。これらの支援を、私は地産地消と言われるわけですから、ぜひしていただきたいということを最後にお願いして、答弁を求めて私の質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、派遣労働についてのお尋ねがございました。
 派遣労働者の働き方、それについての制度の不備があればそれを是正していくこと、これは私は先ほど来申し上げていますように賛成をしておるものであります。問題はそこのところにいろいろな利害関係といいますか、問題状況があるわけであります。片方で産業の競争力を確保するだとか、あるいは個人としての働き方を選択する権利とか、いろいろなものを調和していかなければならないわけでありまして、国民的な議論が必要なのだろうというように考えております。そういう意味で、先ほど来私は主張をしているというふうに御理解をいただければと思います。
 2009年問題についての話がございました。これについての対応など、基本的には企業側の問題になってこようかと思います。
 先ほどからお話を伺っていて、どうも一つかみ合わないなと思いますのは、派遣という場合は、派遣会社のほうが雇用者になっているのです。その工場だとか、あるいは事業所が雇用者になっているわけではないのです。本当の雇用者は派遣会社のほうになるわけでございます。ですから、そういう意味で、ほかの偽装請負だとか言われるようなケースとちょっと派遣の場合はそもそもの問題状況が法的には異なっていることがありまして、そこらがちょっと議論が今混乱しているのかなというように思います。
 現在、確かに偽装請負だ何だとかいうことが言われたり、あるいは派遣について2009年に期限が切れるという問題があります。これは3年間の期限が2006年からちょうど3年たって切れると、たまたまそういう時期になってくるということなのですけれども、それに向けて企業側も、では自分たちの雇用のやり方をどうしようかという動きに今入ってきております。パナソニックでありますとか、いろいろなところが順番にうちはこうしようというのを打ち出しつつありまして、こうした企業側の動向をまず見ることだろうと思います。それから、こうした大きな話でございますし、労働力は県境を越えて随分行き来します。基本的には国が対処しなければならないそういう問題になろうかと思います。一県だけの処理では有効な施策はなかなか打ち出せないと思います。
 ただ、正規、非正規雇用の山田議員のお話があったとか、御質問の中にございましたけれども、そういう意味で、例えば広島県がやっているみたいに、ある一定の範囲内で我々の地域の特殊性に即して、中小企業さん向けの融資だとか、ある程度のことは考えられるかもしれないと思いますけれども、もう少し状況をよく検証させていただいて考えたいと思っているところであります。
 次に、食品の衛生管理のことでございますが、農薬のチェックを給食できちんとやるべきだという重ねてのお尋ねがございました。
 先ほど申しました次第でございまして、私どもは完全にやめるということではありません。もし現場で必要であれば、給食の調理場で収去検査、取り出して持って帰って検査をすることは可能でありますし、そういう協力はいたしたいと思いますけれども、ただ、農薬について言えば、これは実効性のあるものにしようと思えば、もっとさかのぼって流通のもとのほうでつかまえにいかないと、あそこの農薬がここに入っているという話にならないものですから、ですから、細菌、ばい菌の検査のほうはあれなのですけれども、農薬のほうは給食の現場がいいかどうかというふうな考量が必要だろうと思っております。
 地産地消につきましてでありますけれども、詳細は局長のほうから御説明を申し上げたいと思いますが、補助金をやめたわけではありません。実は年々ずっとやってきておりまして、米づくりの補助金の話なんかもその中に入っておりましたけれども、あれは結局週3回以上出してくるところがどんどんふえてきておりまして、そういうことでもう補助金の行き先がなくなってきたわけです。ですから、やり方を変えようということなのです。やり方を変えて、今、後段のほうで市谷議員がおっしゃいましたけれども、今後は、例えば一次加工品をやるようなそういう事業場だとか、あるいはそれを流通させるための仕組みの助成とか、国のほうの制度もございますし、そういうほかの手当てをやりながら地産地消の給食の率を高めていくべきではないかと思っているところであります。


◯副議長(上村忠史君)森安市場開拓局長


◯市場開拓局長(森安保君)学校給食の地産地消につきまして、若干補足の説明をさせていただきます。
 20年度予算につきまして、学校給食関係の支援を行っていた補助金が落ちているということでございますけれども、1点目のごはんを食べよう学校給食の支援事業、これは学校給食の回数増加を図る市町村の取り組みに対しまして一定の割合を補助するものでございます。これは、県下で既に平均で週3.4回まで米飯学校給食の回数というのがふえてきておりまして、かなりのところはその水準に達しているというのが実情でございます。そういうことで、新たな実施希望というものが平成20年度に対しまして出てきていないという実情がございます。
 学校給食食材供給推進事業でございますけれども、これまでに15市町村においてその取り組みが行われてきました。新たな取り組みにつきまして、来年度新たな取り組みをするというところがございませんでしたので、予算要求をさせていただいておりません。一方、その事業が終了した後でも、鳥取県市町村交付金という財源措置をいたしております。そういった制度を使いまして、鳥取市外3町におきまして、学校給食に地元産の食材を使うそういった取り組みに差額補助といいますか、そういった取り組みをなさっているという実態が出てきております。
 さらに1点つけ加えますが、施設整備につきまして、実は鳥取いなば農協におきましては、農林水産省の補助金を使いまして調理なんかも含めまして市内に加工処理施設をつくっておられます。そういったところを拠点にして、冷凍の食材などをつくって学校給食に取り組むような取り組みを活性化させたいということで考えておられます。そういった事例がございますので、先ほど議員がおっしゃいましたような漁協ですとか、新たな農協の施設整備が出てくれば、そういった具体的な計画をお聞きした上で、国庫補助事業の活用による支援を検討させていただきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)次に、10番福本竜平議員


◯10番(福本竜平君)(登壇、拍手)県議会自由民主党の福本竜平です。本日は、午前中の伊藤保議員に始まりまして、共産党のお二方、そしてこれから興治議員と、議場の左側の皆様に囲まれまして、自由民主党、私、いささか寂しゅうございますが、本日はどうぞ大自民党の諸先輩の皆様、会派を超えて応援してください。頑張ります。
 通告に従いまして3点質問いたします。
 1つは中心市街地の活性化への取り組みについて質問いたします。
 平成10年にいわゆるまちづくり三法案が制定されて以来、中心市街地の再生について各種の取り組みが行われましたが、地方都市の中心市街地の衰退は時を経るごとに深刻化しており、本県においてもその再生は決して順調になされているとは言えません。このように遅々として中心市街地活性化が進まない中、近年市街地の郊外への拡散を抑制し、町の機能を中心市街地に集中させるコンパクトシティー構想が唱えられています。
 これを受けて、国はまちづくり三法の見直しを進めてきました。平成18年に改正された中心市街地活性化法では、中心市街地の振興策を強化するため、国のチェック機能や意欲ある主体への重点的な支援の仕組みの導入、連携のとれた推進体制の整備を行うこととしています。また、同年改正の都市計画法では、大型店の立地調整の強化が図られ、無制限な大型店の進出に都道府県が一定の制限を加えることができるようになりました。
 空洞化に歯どめがかからない本県の中心市街地の現状をかんがみるとき、ある程度の制限により大型店の進出に制限を加えることも必要なのかもしれません。しかし、一方で、これら改正された中心市街地活性化法と都市計画法の中の中心市街地への都市機能の集中策や大型店の立地調整の強化に対して、農地や工場の跡地を有効利用したい土地所有者や大型商業店誘致で雇用や税収増を期待する自治体、適正な自由競争を阻害されるおそれのある大手小売業者等からはさまざまな意見があるのも事実です。特に、我が国の法の中でも、私権を制限する数少ない法律であるこの都市計画法、その運用には慎重を期する必要があります。
 県は本年度予算要求によりますと、大規模集客施設適正立地広域ビジョン策定事業の中で、市町村の都市計画への県同意の評価基準の策定を行うようでありますが、今後その評価基準をどのように定めていくのか、知事にその指針をお伺いします。
 加えて、策定する大規模集客施設適正立地広域ビジョンは、中心市街地の空洞化を踏まえた中でのコンパクトなまちづくりのグランドデザインの中でどのような位置づけを持たせるのか、また法的にその効果の発現をどう担保していくのか、検討を始める条例化のあり方とあわせてお答えください。
 2点目は、経済振興対策について質問いたします。
 本議場でも多くの議員が言及していますが、先ごろ内閣府が発表した2005年度の県民経済計算によると、1人当たりの県民所得の格差は4年連続で拡大、バブル期に迫る水準となりました。景気回復の恩恵を受け、1人当たりの所得が伸びた都道府県は40都道府県と前年比では倍増、全都道府県平均でも304万円余りと、前年比にして2.5%増の伸びを示しております。一方、本県のような公共事業への依存が大きい地域では全国平均よりも大きくその差が開いています。特に本県は所得において230万8,000円と、全国40位に位置し、さらにその対前年増減比においてマイナス2.7%と、全国ワーストワンの汚名を喫しております。全国1位の東京都の477万円余りと比べると実に半分以下のこの数字は、同じ国の国民の所得差がかくも開きがあってよいものかと懸念を抱くほどであります。これらの数字を裏づけるかのように、県内経済の疲弊は著しく、実際の経済界の現況は年々、日々刻々と悪化をたどっており、中小の経営者はもとより、そこに集い働く多くの県民の悲鳴にも似たそのあえぎを聞くにつれ、県民が県政に求めているこの悲痛な叫びを伝える責任を感じております。
 知事は就任以来、マニフェストにも地域の活力を生み出す県政を掲げ「元気な産業 しっかり雇用」をキャッチフレーズにさまざまな政策を推進しておられることを非常に心強く感じます。平成20年度当初予算案においても、新設された経済・雇用振興キャビネットの議論を踏まえ、種々の産業振興策を打ち出したことは県民も一定の評価を付すものと推察いたします。しかしながら、現在、もともと公的部分への依存が高い本県経済においては、経済が落ち込んでいる現状に加え、先の見えない県内経済に対する不安感が市場を覆い、県民は懇願に近い経済浮揚への期待を抱いています。知事は県民の不安解消と経済環境好転のため、目に見える形の施策を展開する必要があると思いますが、今後の県内経済浮揚についてどのように県民の期待にこたえるのかお聞かせください。
 次に、産業振興策の地域間格差についてお尋ねします。
 過日の日経新聞によりますと、産業振興策をめぐり県内経済界の評価が割れているとの県民評価が報道されていました。すなわち、元来、公への依存が高い東部地区で物足りなさを叫ぶ声がある一方、地域振興戦略を民間主導で行うべきというスタンスの西部地区では、細かい目配りがあると高評価であるとのことでした。確かに県の経済政策に対し、東部地区の経済界の皆さんの生の声を聞くにつれ、必ずしも満足のいく反応でないことを私自身実感しております。まさに西高東低のこの評価は、狭い鳥取県ではありますが、経済政策にも地域性を考慮する必要を感じさせます。
 昨今の境港~東海~ウラジオストク貨客船航路の就航やアシアナ航空の路線維持など、環日本海交流にのっとった実際の産業振興策の果実を得つつある西部地区に対し、鳥取自動車道以外の実投資も少ない上に、官への依存体質から抜け出せない東部地区では県の経済施策に対する満足度とその実効果に差異が生じつつあります。このいわゆる県民が感じる地域格差につき、知事はいかなる所見をお持ちかお聞かせください。
 また、地区や地域性により異なる効果の発現が生じる現状に対し、いかなる処方で臨むのかお聞かせください。
 次に、次世代改革推進本部、産業振興・雇用確保チーム長の重責を担い、そろそろ露出を高めておいていただきたい出納長に県民の感心の高い新施策の1つである経済・雇用振興キャビネットについて質問いたします。
 民間との協働を意識した経済・雇用振興キャビネットは、今まで、ともすればお役所的な発想で実情にそぐわず、利用しづらいものになりがちであった経済施策が転換されるのではないかと、経済界の期待も高いものがあります。経済界で活躍される皆さんの生の声を速やかに政策に反映させることを目的とし、すぐに実行できるものは速やかに補正予算を組むなど、スピード感のある商工行政を展開するという、まさに連携というキーワードを強く意識して組織されたものと理解しております。現在までのこの経済・雇用振興キャビネットの総括と問題点、今後の課題と方向性についてお聞かせください。
 また、このキャビネットは、地域性を考慮して東、中、西別々で開催されております。知事にもお尋ねしましたが、出納長におかれては、西部総合事務所長、境港管理組合事務局長等を経験され、西部地区での豊富な現場の経験もあろうと推察いたします。つきましては、それらを踏まえ、これまでのキャビネットを通じて感ずる各地区の地域性とその違いにつき、率直な感想をお聞かせください。
 3点目は、鳥取環境大学への県のあるべきかかわり方について質問いたします。なお、この案件は所属常任委員会のものでありますが、知事の基本姿勢を問うものでありますので、あえて質問させていただきます。
 鳥取環境大学は、平成21年4月から学科の改編を行うこととし、その基本方針が先日示されました。そこには「環境」という名をつけた大学としての理念や特色をさらに明確に打ち出そうとしている姿勢が見受けられます。人の営みに起因する幅広い環境に関する問題を法律や経営の理論や政策からアプローチするべく新たに学科を新設し、現実に生じている環境問題にフィールドで実践的に取り組むといった教育内容をさらに充実する方向となっています。あわせて地域に貢献する人材を育成したいという大学の使命の真摯な姿がうかがえます。古澤学長からは、今後さらに水や限界集落の問題、廃棄物対策、バイオマス、CO2排出などの課題に取り組みたいとの意向を伺いました。私自身その意欲的な姿勢に感銘を受けました。
 現在、入学者の減少から環境大学の今後の運営の方向性についてさまざまな議論が行われています。県としても理事会が決定したこのたびの学科改編の意図するところをしんしゃくしながら、設立時からの大学の基本理念とその目的から逸脱することがないように今後の環境大学の運営の方向性について導くべきと考えますが、この点につき、まず知事の所見を伺います。
 そして現在、生徒の国立志向が強い現状から、より授業料が下がり、受験者増につながるとし、環境大学の公立化を望む声が一部にございます。鳥取政策総合研究センターの試算によると、公立化により減価償却引当金の積み立て義務がなくなること、交付税収入が私学助成の倍となるなど、より健全な大学運営ができ得ることもうかがわせています。確かに財政負担なしに公立化がなり、もって受験生もふえ、運営の維持に不安がなくなるのであれば設置者としても魅力的なことではありますが、一方で、公立化によって本来の大学の独自性、個性が薄れるのではないかと危惧もいたします。また、今後国からの交付税が安定的に付与され続ける保証はどこにもありません。知事はこれら大学の公立化についてはどのような所見をお持ちか、あわせてお聞かせください。
 次に、県の具体的な大学へのかかわりについて、その基本方針をお伺いします。
 鳥取県も環境立県を宣言し、さまざまな施策が実施されています。今後は地域における大学の社会的存在価値を高める意味からも、県の施策に大学の研究成果を取り入れるとか、助言を求めるとか、県にも大学と連携して環境施策を実施していく積極的な姿勢が求められると思いますが、そのような環境施策における大学との連携関係の構築につき、知事の所見を伺います。
 〔副議長退席、議長着席〕
 また、県教委も入学者減に苦しむ大学をサポートするために、大学の学科改編の内容を高等学校に速やかに伝えることはもとより、今後は中学校や高等学校での教育内容に環境問題をわかりやすく紹介し、生徒の環境問題への興味を高めるというような側面的な連携、協力も必要ではないかと思われますが、教育長の所見を伺います。
 以上、壇上では終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)福本議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、中心市街地の活性化についてのお尋ねがございました。第一番目に、今回の都市計画法の改正に伴いまして、私ども県のほうに市町村の調整権限のようなものが与えられました。この市町村のつくる都市計画に対する県の同意権についての指針を問うというのがまず第1点でございます。
 今回、改正都市計画法で幾つか重点的な改正がなされております。1つは、大規模な小売店舗、後ほど話のほうに出てきますけれども、こういうものが立地をする際に、その立地の地域が制限をされてきたということであります。それとあわせて、市町村がつくる計画でありますけれども、それに対して県のほうが広域的な調整を行うことが明記をされました。このことから私どもではぜひ市町村ですとか、あるいはいろいろな関係者の方の御意見を伺いながら、その同意の基本的な指針をこしらえていきたいというふうに考えておりまして、作業にかかろうとしているところでございます。
 このたびの都市計画の関係では、いろいろなほかの計画がございます。いわばマスタープランのようなもの、これも別途今県がこれからつくろうとするわけでありますが、そうしたマスタープランのこととの整合性ですとか、あるいは市町村の各種計画との整合性とか、それから生活環境の整備との関係でありますとか、さまざまな考慮要素があります。こういうものを1つにパッケージとしてまとめまして、交通のことだとか、自然環境のことだとか、そうしたさまざまな考慮の中でどういう基準があれば同意をしますよ、基準を満たせば同意しますよというのをあらかじめ明らかにしておいたほうがよいだろうと思いまして、そういう意味での基本的な方針というものを示させていただこうと考えているわけでございます。それについてはパブリックコメントとか、いろいろな住民の皆様の御意見や地元の市町村の御意見なんかを聞きながら策定していくという手法でやっていきたいと思っております。
 これと関連をして、大規模集客施設適正立地広域ビジョンを策定をする。その中でどういうように大規模集客施設の適正立地について検討していくのか、条例化とあわせて問うというお尋ねでございます。
 この大規模な店舗、集客施設につきましては、議員のほうから今御指摘がございましたように、いろいろな考慮要素がぶつかり合うところであります。
 1つには、大きな店舗ができますと、それが周辺の商業圏に対して大変な影響を及ぼすことがあります。それから、生活環境にも影響を及ぼすということがあります。ただ、片方で、国際的な一つのルールとしてガットのルールなどで規制がかかってくる、基本的な自由競争を担保しましょうという、そういう要請がある、おっしゃるように大規模な店舗の側の論理もある、これが調整が必要なファクターになってくるのだと思います。
 現在の都市計画法の今回の改正自体は、これは11月30日に施行されましたが、生活環境などを考慮をして都市計画でゾーニングをすることになります。このゾーニングの際に、従来ですと準工業地域だとか、かなり広範な地域に大規模店舗も立地が可能ということになっておりましたが、このたびの改正によれば、鳥取県では、鳥取県は地方都市の部類になりますので、近隣商業地域か商業地域でなければ立地ができないということになります。さらに、いわゆる白地地域という規制がない地域においても立地はできないということになりまして、すなわち都市計画の書き方によって大規模小売店舗、集客施設の立地がおのずから制限をされてくる、そういう世界に入ってきたわけであります。この意味で、従来とは異なることになります。新しい規制によって市町村が都市計画をつくる中で、その用途区域の定め方で大規模小売店舗の立地を制限するということが事実上できるようになります。
 ただ片方で、いわゆる大店法と言われる大規模小売店舗の立地に関する法律がございまして、これは平成12年に改正をされました。その際に、ガットの要請に基づいて、我々がかつて言っていた商業調整ということができなくなりました。法律の中に明記をされておりまして、需給調整を行うことは地方団体ができないということになりましたので、要はこういう大きなお店ができると商業活動に影響するということで、立地を調整をするという部分は我々の世界としてはつくれなくなってしまったわけであります。そうした隘路が片方では生じました。
 今回の都市計画法の中で幾つか問題がありますのは、これは1万平米を区切りとしまして、そこから上の大きな店舗が規制対象になりますけれども、そこから下のところは規制対象になっていないという点がございます。それから、都市計画区域外の大規模集客施設については立地の規制がそもそもないということになっております。こういう観点で、私どものほうで今回提案をさせていただきまして予算の中で議論をしておりますビジョン策定事業というのは、そうした大規模小売店舗の立地などについてみんなでちょっと議論をしまして、もちろん市町村が都市計画の当事者でございますので、市町村を交えて議論をしまして、それでこれからどういうようにこの規制について向き合っていくか考えようではないかということであります。
 それによりまして、例えば1万平米未満のところであっても、条例上生活環境の関係で規制をする必要はあるだろうか、あるいは都市計画の区域の外であっても規制をする必要があるだろうか。それからあと手続です。実際に店舗が立地をするときに事前に事業者の方から公表してもらう。あるいは、最近よその地域でも出ていますが、地域貢献活動というものを明らかにしてもらって、進出する店舗にはこういう地域貢献活動をしますということを地域の住民に説明するように求めるものも出てきております。ですから、こうした新しい法律体系の中で規制のあり方を変えてみてはどうだろうか、そんなアイデアで今回ビジョンづくりを提案をさせていただいたわけであります。これがもし成案が得られてくれば、私どもは条例にして規制を明確にする、これは進出側にとっても明確になりますし、住民の皆様、市町村にとっても明確になるという意味で、条例をこしらえるということも視野に入れてはどうかと思っております。
 ただ、この規制にも限界がありまして、中心市街地の商業圏のためにやるというふうには現在の法律はできなくなっておりますので、生活環境だとか交通規制だとか都市計画の観点での規制ということになろうかと思います。
 次に、経済振興対策についてでありますが、元来、公的部門への依存が高いこの地域において、今後の県内経済浮揚についてどう考えるのかということでございます。
 確かに鳥取県の特徴としては、公的依存の経済という面があります。現に今のデータでいいますと、37.5%が公的部門という依存体質であるというデータがありまして、これは全国でも第4番目ということになります。それほど県内経済は依存度は高いわけでありますが、私はこの体質を改善をしていく、脱却をしていくというのが一つの究極の目標なのだろうと思うのです。今、新しい大動脈がハイウエーとして近畿圏だとか山陽と結ばれようとしております。さらに、国際化の時代を迎えて対岸諸国との交流も活発化してくる中で、鳥取県全域として北東アジアへのゲートウエー機能を果たすようになってくるだろうというように思います。
 このようないろいろな外的要因、あるいはスローライフをよしとする人たちがふえるとか、あるいはおいしいものに対する、安全なものに対する食品の需要がふえてくるとか、こうしたいろいろな社会や価値観の変化に伴って、私どものほうも経済的に変わっていけるチャンスはあると思うのです。それで、単にパブリックセクター、公的部門から供給されるお金以外に経済が依存をしていくようになっていかなければならないだろう。それこそが本当の意味の豊かさの源泉ではないかと思っております。
 それに向けてさまざまな施策を今打っているところでございまして、商工労働部長からお答えを申し上げたいと思います。
 次に、東部地区において西部と比べて経済振興策に格差があるのではないか、これについての考え方だとか、いかなる処方で臨むのかという御指摘でございます。
 私は、正直申し上げて東部、中部、西部と区分けをして、それぞれの地域で濃淡をつけて経済対策を打っているつもりは一切ございません。むしろ、それぞれの地域の実情、ニーズを出していただきまして、それに基づいたオーダーメードでの施策づくりをしようと考えております。この意味で、経済振興のキャビネットをつくらせていただいたわけでありますし、そこで出てきた御意見を誠実に今施策化をしてきているところであります。
 確かに現在、西のほうの境港からの航路開設の動きが出てきているとか、米子~ソウル便のアシアナ航空の問題が非常にクローズアップされて報道されておりますけれども、東部のほうでいえば、東部は今大きなターニングポイントを迎えております。それは鳥取自動車道が開通をすることでありますが、それ以外にも、余りこれは報道が大きくなされませんけれども、鳥取豊岡宮津自動車道路が県境に開通しますし、それから、鳥取環状道路もこのたび完成ということになっております。順次インフラストラクチャーは整ってきております。現在の経済状況では、東部が最も、特に鳥取市のエリアのところが有効求人倍率が高く、0.9を超えてきております。このようにいろいろと地域性があるわけです。東部でいえば高速道路の問題なんかもありますので、卸売業などの流通業に大きな影響が起こるのではないか、これがキャビネットで話し合われまして、今回御提案申し上げておりますように、そうした卸売業などの流通業についての、これを変革させていくチャレンジを応援する事業を出させていただいているところでございます。
 こういうことにあわせまして、さらに鳥取にも港がございます。鳥取港も活用をしなければならないということがありまして、今、正光さんという企業がありまして、ここから大阪府の堺のほうに鉄鋼を運んでいる、そういう利用が始まってきております。ポートセールスをしようではないかというお話もございまして、これもぜひ鳥取市と共同してやっていきましょうと今御相談をいたしているところでございます。
 鳥取港の周りも、あれも県が塩漬けで持っている土地がありまして、崎津の話がクローズアップされて報道されていますけれども、鳥取港の周りのところも価格を市場並みにさせていただいた上でこれを販売させていただく、活用させていただくことはいかがかと、この議会にも提案をしておるところでございます。こういうようにそれぞれの地域に即した経済政策を展開してまいりたいと考えております。
 次に、鳥取環境大学についてお尋ねをいただきました。3点のお尋ねをいただきました。
 まず、第1点目といたしまして、学科改編の意図をしんしゃくしながら、設立時からの大学の基本理念とその目的から逸脱することがないように運営を導いていくべきではないかというお尋ねでございます。これはもっともなことであろうかと思います。鳥取環境大学をつくったときの建学の考え方、それを大切にして、ここに多くの子供たちを引きつけて、さらにこれを学問の府として地域の環境推進活動や環境政策、あるいは企業のビジネスと結びついて発展をしていくことが求められていると思います。環境大学自体、人と社会と自然との共生というのを掲げましてスタートしたわけでありまして、この理念を大切にしながらやっていっていただきたいと思います。
 今回の学科再編自体は、環境マネジメント学科を新設をすること、それから環境政策経営学科を改組して発足させることでございます。これは従来の環境政策学科の流れの中から派生をしてきてつくる学科になります。特にこの環境マネジメント学科は、新しい環境に対する関心、大気の問題とか水の問題とかエネルギーの問題だとか、そういうものを実践的に進めていく、その教育を行う場としたい、研究を行う場としたいということでございまして、それは建学の理念とも沿ったものだと思いますし、ぜひチャレンジをしていただきたいと思います。
 また、建学のころから経済界からよく言われていましたのは、経営だとか経済についての関心にふさうような、そういう大学にしてもらいたいということでありまして、今回、環境政策経営学科をつくったこともその流れには沿うものだというように思います。
 あわせまして私どもで期待をしておりますのは、この学科再編に伴いまして、新しい教授陣が恐らくやってきます。あわせて研究所をバーチャルで立ち上げようと古澤学長がおっしゃっていまして、こうしたことで地域での行政だとか環境推進活動だとか企業ビジネスと結びついた大学の有機的な運動が活発化すればありがたいなと期待をしておるところでございます。
 次に、環境大学の公立化についてのお尋ねがございました。これについては、授業料の問題などもあるわけでありますけれども、片方で公立化で本来の大学の独自性や個性が薄れるのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
 この議論はまだ始まったばかりでございますので、県民皆さんで御議論いただいて判断していくべき課題なのだろうと率直に思っております。今はまだ議論が始まったばかりのところではありますけれども、若干のコメントをさせていただければ、私はもう一度、発足したときの議論を思い起こす必要があると思うのです。鳥取環境大学ができる、そのスタートを切る議論は平成11年に随分濃厚にやりました。これは西尾県政時代、そしてそこから引き継いだ片山県政時代、このちょうど両時代にまたがって大議論をやったものであります。平成11年の6月の議会では、ここでこれをつくるかどうかが問題になりまして、結局は議会の議決をもって推進をするという決定に至ったわけであります。そのときの議論は、これは公設民営でやろうという前提でスタートしておりました。公設民営の考え方はなぜかと申しますと、一つは、今議員がおっしゃいましたとおり、大学としての独立性をきちんと持ってもらって、自分のところの個性を発揮できるような体制でやるがいいだろう。そういう意味で公立というよりも私立ということで、民営ということで運営をするのが望ましいだろう。それには民間の経営のノウハウも入ってくるだろうし、自由な大学運営ができるのではないか、こういう認識があったわけであります。
 あともう一つは、公立化した場合に、全国の大学の状況を見ていただければおわかりいただけますが、どこの大学でも一般財源を公立大学の場合、県や市が拠出をしまして、毎年毎年運営をしているという実態があります。ですから、こういうことになりますと、財政的な負担も将来的に続くという見通しになりましたので、それではなくて公設民営化でみずから計算上といいますか、財政上のつじつまを自分で合わせて経営できる大学として発足させるがいいだろう、これが県民的議論の上で成り立った鳥取環境大学のあり方だったわけであります。
 私は、このときの議論は基本的に正しかったのだろうと思います。ですから、そのことをすべて没却してしまって、ただ単に公立化にしたほうが授業料が安くなっていいのではないかというのは、もっと深みのある議論が必要ではないかなというように思っているところであります。
 確かに公立化した場合のメリットも考えられようかと思います。現在ちょうど募集中、まだ試験が終わったところでございますけれども、現在のところの合格者数ベースで見て、昨年よりも50人ほど減っております。ですから、残念ながら入学者数も、新年度は今年度よりも少なくなるかもしれません。こんなような状況でございまして、地域の子供たちを引きつける、また保護者の人たちや学校の先生にもより深い関心を持ってもらう意味で公立化にしようという、そういう声が出てくるのは一つの理由はあるかもしれません。
 ただ、例えば授業料がどうなるかということでありますが、授業料をどう設定するかは、これは経営政策の問題でありまして、公立化にするから授業料が安くなるというのは、これは短絡的な議論ではないかと思っております。
 現在も大学のほうは年々3億ぐらい積み立てをしてきております。これは減価償却をしているお金がたまっているわけでございまして、30億ぐらいの基金がそこででき上がってきております。それと入学者数を何人見込むかということとの関係において、ではその授業料をどういう設定にするかということは、大学の経営として全く考えられない話ではないだろうと思います。ですから、授業料の問題だけをとって公立化にしなければならないというのはやや短絡的かなと思います。
 あと、最近の新聞報道がなされているところで、高知工科大学を県立化しようという構想があります。高知県と私どもの鳥取県では幾つか違うところがあります。そのうちの一つは、あちらは県立の短期大学だかを持っているのです。既に県立の高等教育機関を持っております。ですから、それとの関係で今の議論がなされているかもしれません。
 あと、高知工科大学の転換の議論が出てきて、そのときに報道でもいろいろ言われておりますけれども、交付税が入るとか、それから、別に手続はそんなに難しくないという話がありますけれども、これはやや不正確なところがあると思っていまして、いまだかつて、私立の大学が公立の大学あるいは公立の大学法人の大学になった例はないわけであります。ですから、それに対する財政措置がどうなるかなどはまだ決まっていないというのが現実のところであります。ですから、まず公立化するための手続を文科省のほうでされると思いますし、それから地方財政制度の中でそれに対する交付税措置をどうするかということだろうと思います。
 交付税措置が入ればその分で授業料が下がるかというと、実はそうではなくて、これは計算上、減価償却を見込まなくていい分だけ費用が少なくなることと、それから公費の負担により授業料が下がることであります。現実問題として、交付税措置が今日では入るようになってきておりますけれども、交付税措置を上回って自治体のほうが公立大学に支出している額が多いところは半分ぐらいはあるとざっと思っております。そういうように、交付税措置で賄い切れるような安易な大学運営が必ずしもできるわけではないです。ですから、これについては慎重に県民の皆様各位の間で御議論いただいて判断をしていくべき問題ではないかと思っております。
 次に、環境立県との関係で環境大学との連携を深めてはどうかというお尋ねでございます。現在でもTEASの認証取得の機関となっていただくなどの取り組みをしているところでありますが、詳細は生活環境部長から御答弁申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 石田生活環境部長


◯生活環境部長(石田耕太郎君)環境大学について、環境政策との連携ということで補足をさせていただきます。
 従来から、環境大学では環境問題の普及啓発ということに率先して取り組んでいただいています。御承知のように、バス等にBDFを使っていただいておりますし、くる梨向けのBDFも生産していただいております。それから、昨年は特に日本環境教育学会という大規模な学会も開催をしていただいて、そういう環境教育の活性化にも寄与していただいているというふうに思っています。
 先ほど知事も申し上げましたけれども、鳥取県版の環境管理システム、いわゆるTEASの審査もお願いをしたところ受託をしていただいて、認証審査機関として登録もさせていただいております。それから、学術研究の部門では県のほうでも提案をさせていただきながら、特に大学のほうからこういった研究をしたいという提案をいただいて、現在でもCO2の排出量の推定方法とか、あるいはバイオマス未活用資源のエネルギー量、こういった研究もしていただいているところでございます。そのほか、大学のさまざまな人材を生かして、県の審議会とか、あるいは講演会等にも御協力をいただいているところでございます。それから、民間とのタイアップという面では、リコーマイクロがハンダの分離回収装置をつくられた、そういった技術開発にも環境大学の先生にも関与していただいて、御協力をいただいたというような経過もございます。
 そのほか、これからも環境大学にはいろいろ御提案をさせていただきたいなというふうに思っているところでございますし、大学も今回の学科再編に絡んで新しいスタッフも充実されるというふうにも伺っておりますので、ぜひそういった成果も期待をしていきたいというふうに思います。ぜひ情報交換を続けながら連携体制をとっていきたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)県内経済浮揚に向けてどのように対応するのかという点に関しまして、補足の答弁をさせていただきたいと思います。
 まず1つは、県民、企業の方々の声を的確に施策に反映をし、これを着実に実行することがまず大切だと考えております。今回、経済・雇用振興キャビネットでの御意見も踏まえまして、県内各圏域ごとの課題に即した施策につきまして、新規の事業も多く含めまして御提案をさせていただいているところでございます。お認めをいただきまして、これを着実に効果的に実施をしていくということがまず何よりも大切なことだというように考えておるところでございます。
 2つ目は、企業誘致で実績を上げることが大切だと考えております。1月に出納長をトップにした企業立地促進本部を設置をさせていただいたところでございまして、県内の商工団体、また金融機関などとの連携による企業立地活動も始めさせていただいたところでございます。県民の雇用の場をふやすという観点から、職員一丸となって全力で企業誘致に取り組むことが必要だというように考えております。
 3つ目は、県内企業の増設支援に力を入れることも大切だと考えております。これは、今申し上げました企業誘致とともに、雇用の場を確保するという観点から重要だと考えております。今回、県内企業の皆様の要望も踏まえまして、企業立地補助金の拡充を提案をさせていただいておりますが、これを活用し、支援をさせていただくでありますとか、また、個別の案件ごとにプロジェクトチームを組むなど、きめ細かく県内企業を支援していくことが大切だというように考えております。さらに、原油高対策など緊急的な課題についても対策本部をその都度設置をするなど、適時迅速な対応に努めていくこともあわせて必要だというように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、現場主義を徹底をする、現場の状況でありますとかニーズ、御意見、こういったことに常にアンテナを張りながら取り組んでまいりたいというように考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 青木出納長


◯出納長(青木茂君)経済・雇用振興キャビネットの総括についてというお尋ねであります。
 先ほど来、商工労働部長からもお話がありましたけれども、現場の声をということでこれは設置をしたものでありまして、地域に即した東・中・西の圏域ごとの課題にきめ細かく対応するために、商工団体でありますとか市町村の関係者と意見を交わしまして、地域ごとにテーマを絞りました。東部は姫鳥線開通をきっかけに、打って出る因幡の産業、中部は農・商・工の連携による中部型の独自産業の振興、そして西部は大山・中海・奥日野地区にヒト・モノ・カネを呼び込む戦略ということで、これをテーマに設定しまして、過去それぞれ3回会議を開催しました。結果、知事からも施策化した話の紹介が若干ありましたけれども、キャビネットの委員から本当に活発な意見をいただきましたし、提案もいただきました。この提案をおおむね施策化できたものというふうに思っておりますし、委員からも高い評価を受けております。
 しかし、私ども事務局のふなれな点がありまして、広く参画委員の意見を反映したいという思いから、施策検討の対象範囲を前広にしたために、総論と各論が入り乱れるといいますか、混在しまして、そういう議論になったものですから、運営上反省点がございます。この点が委員の意見として出てまいりまして、新聞報道等に取り上げられたきっかけではないかというふうに思っております。
 課題とか今後につきましては、委員からは特にテーマが大き過ぎる、そして、もっと絞ってほしかったという意見や、それから、会議ごとに小テーマにして議論してはと、分科会を設置してはという意見がございました。これらを踏まえて、来年度はさらに商工団体とか市町村と協議しながら、テーマを絞り込むとか、そういうことを検討してまいりたいというふうに考えております。
 2点目であります。各地域の地域性についてであります。私も西部出身であります。なかなか答えにくい質問かなと思っておりますけれども、私も能力もございませんので、少し本を紹介したいと思います。
 司馬遼太郎の「街道をゆく」の「因幡・伯耆のみち」の中を紹介したいと思いますけれども、伯耆は商業で成り立っている。商工業は人間の意識が閉鎖的では成り立たない。これに対して、因幡は農業の国である。それから、プロ野球で言えば権威を感じさせる鳥取市は巨人で、気楽で開放的な伯耆が阪神ということかというくだりもあります。因幡と伯耆の義の違いというのはそこから生まれてきたと言うべきで、農業を基礎とする因幡は概して中世的気分が濃く残り、商品経済が栄えた伯耆は多分に近世的というようなくだりもあります。
 ちょっと長くなりますけれども、元来県民性の評論の第一人者であります岩中祥史さんが書いた「出身県でわかる人の性格」という本があります。雨の因幡。勤勉で実直、頑張り屋であるのも間違いないが、おとなしい、引っ込み思案、保守的。伯耆の国は風の伯耆。雨と違って空気を動かす風が相手だから、因幡の人々ほど暗くならずに済んでいる。古くから鉄や木綿など物づくりが盛んな伯耆の国は、商人気質もはぐくまれて因幡より開放的だし、社交的であり積極的なところがあるということであります。
 もう一度「街道をゆく」に返りますけれども、「街道をゆく」の中に、鳥取県は人口が日本最少の県である。そういう小さな県内で因幡だ伯耆だと目くじらを立てることの愚かしさというくだりもあります。これは紹介までであります。
 最後に言いましたように、私は現代はそういうことにはなっていないではないかと。交通の便もよくなっています。まさに鳥取~米子間1時間という状況であります。そういうことからすれば、もう東部だ中部だ西部だという状況ではないではないかというふうに思います。
 県内で元気のいい企業、これを見ますと、東・中・西を問わず旺盛なチャレンジ精神で、県外でありますとか海外に事業展開、グローバル化して展開をして、戦略を持っておられます。こういう企業がありますから、これからもこういう企業をどんどん支援して、さらに続く企業を育て上げたいというふうに思います。
 環日本海フェリーの話がございました。この航路は、一西部地域がということではなくて、県域も越えた、西日本一帯を巻き込むような、そういうことを考えています。ですから、航路の安定維持を図るためにとか、それから各企業がビジネスチャレンジを生かしていただくということをこれからも願って、官民一体となって取り組んでいきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)福本議員から鳥取環境大学への具体的なサポートの仕方についてお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。
 御質問ですけれども、大学の学科改編の内容を高等学校に伝えるとともに、中学校や高等学校で環境問題をわかりやすく取り上げて、興味を高めるような、そういう側面的な連携、協力はどうかというお尋ねでございました。
 県の教育委員会は鳥取環境大学のサポートにかなり力を入れてきたつもりであります。例えば地域の大学を支えるという、そういう観点を大事にしながら、指導主事が環境大学の職員と一緒になってすべての県立高校を回りまして、学科の特色ですとか、それから、就職は非常にようございますので、就職のよさを説明したりもいたしました。それから、県立学校長会で同じように環境大学の学科の内容ですとか施設設備等、それから授業料減免制度なんか、こういうふうなものについても説明をしてきたところであります。また、高等学校8校では、学校でまとまって環境大学に行ったり、あるいは環境大学の先生が学校に来てくださったりして生徒に直接話をしてくださるというふうな、そういうふうな場面も設けています。
 さっきの学科改編を高校に伝えてはどうかという御指摘でありますけれども、今この学科改編については、多分事前打ち合わせ、協議ですか、これが多分なされているのではないかと思っています。正式な届け出の手続は4月になってなされると思っていますので、これを受けて、正式に決まりましたらぜひ環境大学と連携して高等学校等に説明をしていきたいというふうに思っております。
 教育内容における連携、協力についてお話がございました。
 学校教育において環境教育は、私は非常に重要だというふうに前から思っております。環境大学と一緒になって取り組んでいくのは、県内の環境教育を充実させるために非常に大事な一つの方法だというふうな認識もしておるつもりでございます。今年度県立高校では、6校で延べ15名の環境大学の先生方に学校のほうに来ていただいて授業をしてくださいました。環境問題等を初めとしたいろいろな授業をしてくださいました。それから、米子工業高校では、インターネットを通じて高校の教室にいる生徒に環境大学の先生が授業をしてくださったというふうなこともあります。こういうふうにして連携を深めておりますので、来年度もしっかり続けていきたいと思っています。
 そのほか環境大学では、小学生とか中学生向けに、これはいつかテレビでもやっていましたけれども、電池の要らないラジオをつくるというふうな、例えばそんなふうな、何といいますか、環境をわかりやすく学習できるような、そういう教室もつくっていらっしゃいます。こういうふうな取り組みも市町村の教育委員会を通じて学校に紹介していきたいというふうに思っております。環境教育の充実と高校生の環境大学への理解が図られるように努めていきたいと思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)それぞれ答弁いただきました。
 まず、環境大学から。ただいま知事からも御答弁いただきました。学問の府として発展させる、建学の理念に沿って人と社会と自然の共生、こちらを主体とした学校運営を支持するとのお言葉は大変力強く感じました。今後ともよろしくお願いいたします。
 公立化の件は承知いたしました。また、このような議論が起きます折は、皆さんとお話ししたいと思います。
 それと、県内経済政策の地域格差への知事の所見ですが、それぞれの地区の地域性にかんがみてそれなりに対応していくとおっしゃっていただきました。今もお話にございましたが、実は鳥取東・中・西で大変県民性が違うように思います。その辺をよく加味しながら政策を展開していただければと思います。こちらは要望になります。
 それと、キャビネットの件ですが、出納長には長々と朗読いただきまして、ありがとうございました。(笑声)感銘を受けましたのは、こんな小さい県で東・中・西といがみ合っていなくて、司馬遼太郎はそうおっしゃった、まさにそのとおりだと思います。全県一丸となって鳥取県を売っていく姿勢が必要ではないかと思います。ただ、一言誤りがございました。東部は巨人ファンが多いとのことですが、私もこちらにいらっしゃる浜崎議員も大のトラキチでございますので、その点をお間違えのないようにしていただきたいと思います。(笑声)
 経済浮揚策については最後に回させていただきたいと思いますが、1点、中心市街地の問題です。確かに中心市街地、現在本県では大型店の拡散が進んでおりますので、今さら立地調整の強化などといったことも遅きに失した感がございます。また、大都市とは違って限られた市場でありますから、ある程度市場が反応して、大型店の郊外への拡散というものは恐らくこれからストップしていくのだろうと思います。また、大型店同士の淘汰なんかも始まっていくのではないかと私自身は思っております。
 ただ、現在の中心市街地の閑散ぶりを見るにつけ、これ以上大型店が進出していくことに商工業種、小売店舗の皆さんは大変な危機感を覚えておられます。立地調整の是非も確かにございますが、先ほど言いましたように、私権の制限を加えるようなちょっと特殊な法律でございますので、なかなかその扱いには注意を要すると思いますが、慎重に扱っていただいて調整機能のほうを強化していただきたいと思います。
 それともう1点、これだけの車社会、モータリゼーション社会の需要に市場が反応して大型店が郊外にどんどん進出していったように、一方で今、高齢化社会を迎えて、例えば鳥取市においてもマンション群がどんどん林立して、マンションにたくさんの御老人といいますか、高齢者が住んでおられます。そういった皆さんの要望というのは、やはりコンパクトシティー構想ではないですが、歩いてどこにでも行ける便利な町を求めておられます。現に中心市街地に若い人も帰ってきたりして、自転車や歩行ですべてが事足りるような社会の構成というものも今の需要としてあるように思います。
 このたび予算要求の中でありますが、条例化を見据えたビジョン、こちらが決して絵にかいたもちになることがないように、そのようなコンパクトシティーの構想にのっとった新しい需要を喚起できるような有効な施策となるように御努力をお願いしたいと思います。
 もう1点、これは追加になりますが質問いたします。地方分権の折ですから、都市計画ですとかそういうものは、基本的には各自治体が行うものであろうと推察いたします。ただ、本県としましても、先ほど来ありますように、経済振興策の一環として中心市街地対策を行う必要があるのではないかと思います。
 そんな中で、県都鳥取市においては昨年11月30日、中心市街地活性化基本計画が国からの認定を受けました。これにより、新規25件を含む54事業にわたる活性化計画が国の財政支援を受けて進められることとなります。計画は5年後の居住人口4%増、空き店舗率10%以下などの具体的な数値目標を掲げ、各種事業が国の確実な財政支援を受けて行われるようであります。県としましても、この機会に鳥取市や中心市街地活性化協議会と連携・協働して、この計画の円滑な進捗と可能な支援を集中して行うべきと考えますが、重ねて知事の答弁を求めます。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)中心市街地の活性化につきましてのお尋ねがございました。
 今御指摘いただきましたように、鳥取市においては11月30日に中心市街地活性化基本計画を国のほうから認証を受けて、これからいよいよ本格的な中心市街地の活性化に取り組もうとされていることだと思います。
 私は、その姿勢を高く評価をいたしたいと思います。今日、コンパクトシティー構想ということが大きく言われるようになりました。これはいろいろな意味があるのだと思います。1つは、産業といいますか、経済の活力の問題であります。郊外型の店舗に人が集中してしまって、勢い中心市街地から人の影がなくなってしまう。それは、そこにおける商業のなりわいを阻害することになっておりまして、これがひとえにゴーストタウンのようにシャッター通りを生んでいる理由でございます。何とかこうしたことに歯どめをかけなければならないのだと思います。最近は県内でも、若い人が店舗を自分たちの思いを込めてつくって、そこに結構なお客さんが集まってくるように、特色ある店づくりが進むようになり始めました。こうした成功例をどんどん少しずつふやしていきまして、そうしてもう一度人の流れを引き寄せていくことが必要なのだと思います。
 あわせまして、今、福本議員がおっしゃいましたように、最近は高齢者が中心市街地に住む、中心市街地が高齢化しているという現実があります。これは旧来からの商店街に住んでおられる方々がおられて、そこから若い人が抜けていってしまっていることから生じるものでもありますし、あわせて、最近マンションが建つことでそこに高齢者の方が入居をされる。そういう意味で、高齢者の方が多く中心市街地に住まわれていて、歩ける範囲で物事を済ませたいという、こういう暮らしのニーズが高まっているわけであります。これにもこたえていく意味で、中心市街地の活性化というのは意義深いものがあろうかと思います。
 今御指摘にありました鳥取市の新しい基本計画について、私どもの関係部局でもしっかりと点検をさせていただきまして、協力できること、我々のほうでやるべきことは誠実に実行していき、実効性の高い運用が図られるように努力をしてまいりたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)10番福本議員


◯10番(福本竜平君)ありがとうございました。
 その中で、もう1点ございます。鳥取市の中心市街地活性化計画が認定されたわけですが、鳥取市の中心市街地を語る上で避けて通れないのが、皆さんもよく行かれます繁華街の山白川、こちらの整備に関しましては、ずっと昔から県、市、日進地区まちづくり協議会、また日進地区自治会を交えて各種議論がなされました。いまだかつてその解決、整備の糸口が見えておりません。あの場所は交通量も多い上に、観光客の窓口として鳥取温泉から繁華街に向かう大変セールスアピールができる場所であります。ぜひこの機にもう一度県と市と、または県警、そして日進地区まちづくり協議会が実整備に向けた協議の場を設けるように県のほうでお声かけをいただければと思いますが、知事の所見を求めます。
 それともう1点、このたびの質問にあわせまして、私、実は本通り商店街の商店主の皆様にアンケート調査を実施させていただきました。もちろん市が行う中心市街地の活性化策、それと県が行う中心市街地活性化策、この今までの施策に満足をしておられますかというような内容でるる質問を申し上げました。実に71%の商店主の皆様が県の今までの政策に不満足だとはっきり申されております。
 例えば鳥取の商店主さんのことを考える場合に、やる気がないとか物をお願いすることばかりを考えておられるとかというような風潮があったように思います。ところが、私はこのアンケートを見させていただいて、皆さんの熱意ある能動的な何とかしたいという気持ちが非常に伝わってまいりました。ただ、共通してありますのは、何とかしたいのだけれども、何かきっかけをつくっていただければそれに乗っていきたい、そういう皆さんの声を多くいただきました。そういった生の声に耳を傾けていただけるような商工行政を展開していただけたらと思います。
 最後に、経済浮揚対策について質問いたします。
 この件につきましてはどうでしょうか、やはり皆さんと経済人の皆さん、今実経済を預かっている経営陣の皆様とちょっと温度差があるように感じます。実際のところ、とにかく調べれば調べるほど、今市中にお金が回っていないことを私自身実感しております。確かに雇用の確保が図られるとか、そういう観点から工業誘致、鉱工業に向けた政策も重要ではあります。それは強く私も支持します。しかしながら、公共への依存が高い、例えば建設業への対策でありますとか、実際の小売ですとか卸だとか飲食、宿泊、観光なんか、末端の消費需要の回復が今急務なのではないかと思っております。行けば行くところでこういった悲鳴を私自身は聞いてまいります。
 私自身も地元経済人として多くの仲間を持ちますが、先日も悲しいニュースを耳にして、非常に何とも言えない寂しさを覚えております。現在、私自身の仲間がばたばたと倒れていっているわけです。こういう現状を見るにつけ、本来民間の事業に公が何をしてあげるとか、そういう問題ではないのですが、何とかしなければならない、何とか立て直さなければならない、経済を浮揚しなければならないという思いが強くしております。
 例えば、どんなにひどい状況かちょっと例を挙げます。信用保証協会の業種別代位弁済状況によりますと、平成18年度、19年度と、小売やサービス業種での弁済比率が上昇しております。このことは、末端消費の小売やサービス業にお金が流れていないことを意味しています。また、県内の知事登録の貸金業者の貸し付け状況におきましても、平成19年3月末で消費者向け貸付件数で前年より815件の減、残額にして2億6,200万円も減っております。要するに、お金を借りたくても貸金業者のほうも貸さない。お金が要るところに貸してもらえないから市中にお金が回っていかない、こういう現状がうかがえます。
 もう一件。鳥取市内7社が加盟する鳥取市ホテル協会に、ここ数年の客室稼働率をお尋ねしました。平成16年64.8%だったものが直近平成18年は63.3%、1.5%の下落です。本年度の数字は出ておりませんが、あるホテルさんに聞きましたら、昨年より月に100人単位で宿泊客が減っていると悲鳴を上げておられます。
 また、景気のバロメーターとも言われますタクシー、ハイヤーの疲弊ぶりを紹介します。この数字は鳥取県のハイヤータクシー協会からちょうだいしました。ピーク時の平成7年に75億ありました営業収入、そして、その当時1日当たり3万2,895円あった1日1台当たりの営業収入、これが何と平成18年では48億3,000万円、実働車1日当たりの収入は2万2,000円という現状です。実に11年間に27億円も実収入が減っております。全県のお話です。実働車1日当たりの営業収入で1万円の下落。例えば、これは私の試算ですが、仮に月14勤務と仮定すると、1人当たりの運転手さんの売り上げにして14万円以上の減という格好です。仮に4割の歩合制で2万円の1日の売り上げだと計算すると総支給で──これは仮のお話です、最賃の話が出てきますので──11万2,000円です。これは各種保険を引かれる前ですから、保険を引かれたら恐らく10万円を切る手取りなのです。こんなにひどい状況なのです。こういう現状が今鳥取では日常茶飯事に起きていると。こういうことをひとつ、世間一般の皆さんと我々が温度差がないように施策を展開していく必要があろうかと思います。
 私はそういう意味で、アシアナ航空運航休止の回避の折に平井知事は運航支援という劇薬を投与されました。今まさに県内の経済状況は、確実に私はレッドゾーンに入っていると思います。緊急対策を打つべきときが来ていると思います。アシアナ航空のときも、劇薬の投与が時にこのようないい展開を生むことを知事はみずから立証されました。今この県内経済の浮揚について、ぜひ劇薬投与、それが何なのかはこれからお話し合いしてまいりますが、打つ必要があると思います。例えば経済浮揚対策の専門の部局横断の特別チームをつくるなどの、何か県民の皆さんに目に見える形の経済浮揚策をお願いしたい、そのように思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、中心市街地関係でお尋ねをいただきました。1つは、山白川の整備につきまして、日進地区のまちづくり協議会の皆様などと協議の場を持つべきではないかということでございます。
 この山白川につきましては、昭和56年から補助に着手をしてきておりまして、JRから向こう側のほうの県道のところまで、これは終わってきておるわけでありますが、弥生町のところの今おっしゃる並木が今取り払われたあそこのスペースについては、結局あの事業が今執行できないまま中断をしているという状況でございます。
 経緯を申し上げれば、当初、県としての河川事業でやっていこうと思ったわけでありますが、あそこはああいう形状になっておりまして、あれ以上拡幅をするとか、断面を確保することが難しい形状にあります。そこで、例えば都市下水とか他の手法も考えなければクリアできないのではないかと。そこのところの調整がなかなかうまくいかないという状況であります。
 現在、御指摘の中にもあらわれておりましたけれども、地元日進地区のほうから、あそこの道路を拡幅をして、今の川にふたをしてもっと利便性を図るべきではないかと、そういう御指摘があります。そうすると、従来の河川事業の手法ではいけません。そういう意味で、市も前面に出て、そうした下水などの手法を考えなければならないのではないかと思っております。
 市長さんも昨年の7月に現場のほうに行って、いろいろと懇談をされたと伺っております。その中で、鳥取市としてもあそこの山白川について、まずは計画を考えて、それで取り組んでいきたいというお話をされておられます。私ども県も県としての役割分担もあろうかと思いますので、その辺を見きわめながら、その話の中に参画をしていきたいというように思っています。現在、日進地区のお話を聞きながら、市でどんな計画がつくれるか調整をしようとしているところだと承っておりますので、今後もその状況に応じて我々も対応していきたいと思います。
 次に、本通り商店街の皆様のほうから、政策として満足が持てないのが70%ほどおられる。ただ、これから商店街を変えていきたいというエネルギーを持っておられるからというお話でございました。
 議員から御指摘ありましたように、我々としてもそうした動きを応援をしていきたいと思います。商店街のことでありますので、中心的な役割は市のほうが中心市街地の活性化の計画に基づいて実行されていくことだと思います。その中で、県として必要な役割を果たしていきたいと思います。その際に、地元の皆様の思いが成就するようなきめの細かい御意見を伺う機会など、現場のほうでこしらえるようにさせていただきたいと思います。
 2つ目に、経済の浮揚対策についてのお話がありました。いろいろなデータをお示しになりまして、厳しい経済状況についての披瀝がございました。
 正直申し上げて、私どもも感じております厳しさもその数字の中にあらわれていたと思います。この低迷を何とか脱却できないだろうか、そのためにいろいろと我々なりに対策を打たなければならないだろうと思っています。大きなことを言えば、先ほども議論の中に出ておりましたけれども、単なる公的依存の状態ではなくて、ここに基盤となるような産業を興していければ一番いいと思います。そういう意味で、企業の立地を拡張するとか誘因をするとか、そうしたことが必要なことだと思います。そのためには、私ども地域の魅力を生かしながら、例えば食文化とか食材だとか、それから、新しく骨太にでき上がるハイウエー網だとか、そんなものを生かして今展開をできないだろうかというのが現状だと思うのです。
 その意味で、先ほど答弁に立たせていただきましたが、出納長などを中心としまして、年初来、企業立地の促進のプロジェクトチームを組ませていただきました。これの動きをもっともっと活発にしていかなければならないと思います。現在、一つ一つ個別のプロジェクトも考えまして、例えばああいう企業がこっちに来てくれないかなとか、あるいは、ここのところの開発を進めるためにはこんなテーマが必要かなというようなことを今個別に議論をしております。そうした庁内エンジンを持ちながら、経済界の皆様や商店街の皆様の御意見も吸収して、対話のもとに新しい産業政策を展開をしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 10分後に再開いたします。
       午後3時15分休憩
   ────────────────
       午後3時26分再開


◯議長(鉄永幸紀君)再開いたします。
 引き続き一般質問を行っていただきます。
 1番興治英夫議員


◯1番(興治英夫君)(登壇、拍手)最後になりました。最左翼に座っておりますけれども、政治理念は中道左派程度でございます。どうぞよろしくお願いします。(笑声)
 第1に、県政目標とマニフェストについて伺います。
 次世代改革を提唱したマニフェストでは、情報公開や現場主義など、従来の改革の理念を引き継ぎつつ、身の丈に合った行財政改革にとどまらない地域発展型の伸び伸び改革に脱皮させると改革の質の変化をうたい、経済振興に重点を置き、改革の果実を県民と地域に還元していくと改革のもたらす恩恵について触れ、この改革は県庁だけが取り組むものではなく県民がともに考え行動する県民運動であると改革の実行主体を明らかにし、知事自身の役割としては、この改革を実行し、鳥取新時代を切り開くための触媒となると宣言されています。しかし、マニフェストでは、次世代改革がどのような鳥取県をつくろうとしているのか、その大きな方向性について触れられていませんでした。先日の山田議員の代表質問に答えて、県の目指すべき方向として活力と安心という2つのテーマを知事は語られました。就任1年を経て、目指そうとする県政の大きな方向を簡潔な言葉で言いあらわすことがなされつつあるのだと感じました。
 次世代改革はその果実を県民と地域に還元していくとされていることから、現状を改革して活力と安心を県民に提供していくということであろうと思います。だとするなら、これまでの鳥取県は活力と安心にどのような問題点があり、それをどのように変えていこうとされるのか、平井県政に対する理解を深めるためにお聞かせください。
 また、就任後1年を振り返って、報告されているマニフェストの達成状況について、どのように自己採点しているか、現時点で進捗度の低い政策はどの分野で、その原因をどのようにとらえているのか、知事の所見を伺います。
 さらに、マニフェストでは検証という作業が大切でありますが、それはどのように行うお考えでしょうか。また、数値目標が設けられている政策が少ないわけですが、数値目標のない政策はどのようにその成果を検証するのかについてもお聞かせください。
 第2に、行政評価と議会での予算審議のあり方について伺います。
 議会で予算審議を行うに当たって、もどかしく感じることがあります。それは、各事務事業の具体的な成果指標が明確でなく、また成果指標がないため、前年度からの継続事業の場合、成果の達成状況に基づいた事務事業の評価を知ることができず、新年度予算案の是非を判断しにくい場合があるためであります。各事務事業の中には、例えば経済産業分野の販路開拓事業などのように、毎年継続して事業をやっているけれども何件の取引が成立したのかなど、どのような具体的成果が上がったのか、あるいは上がらなかったのか、上がらなかったなら、何が原因でそれを新年度予算ではどのように課題解決しようとしているのかを知ることができれば予算審議の中身が深まる、そういう事業があると思うのであります。しかし、現在の予算説明資料では、そのことはわかりません。
 そこで、議会審議をより充実させるため、各事業ごとの成果指標を明確にしていただくとともに、継続事業については達成状況、達成できなかった理由、改善策などもあわせて予算説明資料の中などで説明いただきながら、成果主義による事務事業の評価に基づいた予算審議ができないものかと考えます。知事の所見を伺います。
 また、全国の都道府県で行政評価システムを導入していないのは鳥取県だけだと聞いておりますが、行政評価システムの導入について、知事の所見を伺います。
 第3に、子供家庭政策について伺います。
 来年度の県庁組織改正に当たって、従来の1課4係22名の体制であった子ども家庭課を廃止し、3チーム制の子育て支援総室にすると伺っておりますが、そのねらいは何か、人員はふえるのか、機能は強化されるのかについて、まず伺います。
 核家族化や地域のつながりが希薄になるとともに、長時間労働等により父親の育児参加が十分に得られない中で、子育てが孤立化し、負担に感じる家庭がふえております。育児ストレスを感じたり、育児ノイローゼなどの問題を抱えている家庭もあり、子育ての方法がわからない、虐待をしつけと勘違いしている家庭もあるようであります。また、幼児期の育児の問題がそのまま学齢期に持ち越され深刻化している例や、軽度発達障害があることについて関係者が把握できないまま学齢期において2次障害を引き起こしているケースなどもありました。早期に家庭とかかわり、家庭での悩み事の相談に乗ったり、問題が深刻化することを予防するため、積極的に家庭とかかわっていく子育てに関する相談機能の一層の充実が求められていると考えます。
 育児ストレスに悩む家庭などに保健師や子育て経験者を派遣し、悩みの相談に乗ったり育児の支援をする育児支援家庭訪問事業が始まってから4年になります。この事業は、待ちの姿勢ではなく、乳幼児健診に来ないとか健診のときの親子の様子が変だとか、気になる家庭に市町村の側から出かけていって支援するところに特徴があります。育児上の課題の早期発見、早期解決に有効で、児童虐待など問題が深刻化することを予防する効果のある事業であります。
 育児支援家庭訪問事業を行っている米子市に聞いてみました。米子市の場合、この事業がなかったら、悩みを抱えながら埋もれたままになっている母親、家庭が多かったのではないだろうかとのことでありました。平成17年度の途中からこの事業に取り組み、今年度は訪問先80カ所、300回分の予算が組まれており、家庭に派遣される訪問員の数は保健師有資格者など18人であります。その他、助産師、栄養士、臨床心理士などもかかわり、気になる家庭への訪問を行っているそうであります。訪問先は年々ふえており、深刻なケースもふえていると聞きました。
 支援を必要としている人がふえている理由としては、核家族化や育児の孤立化、虐待やDVの連鎖以外に、遠隔地からの転入者であるため身近に子育ての相談者、支援者がいないため悩みを抱えていたり、病院が入院治療の期間短縮の流れにあるため、障害のある子供が機械をつけたまま退院する例なども出てきたなどの事情もあるようであります。その他、知的障害、精神障害を抱えた方が出産するケースもふえている、産後うつなどの人格障害に陥るケースもふえているとも聞きました。実にさまざまな事例があるのだということを再認識いたしました。
 しかし、この事業で臨床心理士を雇い上げることができたため、母親へのかかわり方などのスキルアップや家庭訪問員が問題を一人で抱え込まないよう支えることもでき、その結果、家庭への対応がしっかりできるようになったとのことであります。課題としては、小学校に入学するときに関係が断ち切れぎみになってしまうことなどでありました。総じて、米子市にとっては効果的な事業だとのことでありました。
 県への要望については、育児支援、家庭訪問員などの研修や、国の情報や先進地の事例などの情報提供をお願いしたいとのことでありました。しかし、平成17年度より次世代育成支援対策交付金が創設され、延長保育、病後児保育などの特別保育や育児支援家庭訪問事業などが県を経由しない国から市町村への直接事業となり、子育て施策に関し、県と市町村とのかかわりが希薄になっているという話を聞きますが、気になるところであります。
 米子の例を見てもわかるように、子育ての不安を和らげ、子供家庭問題の深刻化を予防するためにこの事業は有効であると考えますが、県内市町村での取り組みが進んでおりません。平井知事のこの事業に対する認識、取り組みの現状、進んでいない理由、普及を進めるために県としてどのようなことに取り組むのか、知事の所見を伺います。
 また、昨年度から県が市町村交付金事業として始めた家庭の育児支援推進員設置事業もあります。この事業は、県の事業紹介によれば、家庭と保育所、関係機関を結ぶカウンセラー的な役割を持つ家庭支援のための専任職員を保育所に配置し、虐待の未然防止、発達支援体制を整備するための事業となっております。この事業についても、取り組みの現状、さらに普及させるため県としてどのように取り組むのかもあわせて伺います。
 日本の社会保障費全体に占める子供家庭関係の支出は4%程度であります。これはヨーロッパ諸国と比較するとかなり差があります。子育てに経済的な支援がもっと必要なのは争いのない事実であります。しかし、財源の話になると、国も地方も具体策が出てきておりません。佐賀県は育児の社会化に向け、育児保険構想を国に提案し、他県にも賛同を求めておりますが、意欲的な取り組みだと思います。我が国における子供家庭関係の予算の現状について、知事はどのようにお考えでしょうか。また、佐賀県の育児保険構想に対する所見、並びに佐賀県と連携して国に一石を投じる考えはないかお伺いし、壇上での質問といたします。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)興治議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、マニフェストの関係で幾つかお問い合わせをいただきました。まず第1番目には、これまでの鳥取県の活力と安心にどんな問題点があり、それをどのように変えていこうとしているのかということでございます。
 活力について言えば、今の隘路の一つは昨年60万人を切ってきた人口ということだろうと思います。だんだんとこちらから転出をされる方が多い。社会減が社会増を大きく上回っている、その状況が深刻化していることは、これが一番大きなことだろうと思います。
 これと密接に関連をしておりますのは、産業面での活力の問題だろうと思います。商工業などの立地状況などを考えても、経済の停滞が出てきておりますし、農林水産業でもそれぞれにいいところは、持ち味はあるのでありますけれども、なかなかの隘路にはまっているわけでございます。これは、例えば価格が全体として安くなるデフレ傾向が引き金を引いたとか、あるいは担い手の問題だとか、そういう問題が複合的に組み合わさって出てきていることではないかと思います。
 あわせまして、高速交通基盤のような基礎的なインフラストラクチャーという意味でも、他地域と比べて活力の著しい低下ないし見劣りがする状況にあるのではないかと思います。こうした地域間格差をどうやってはね返していくか、これがテーマになってくるわけであります。
 あわせて、そうした社会的な需要にこたえていけるだけの財政的体力においても活力が乏しくなりつつあるのが昨今のことではないかと思います。三位一体改革の前後で一般財源が269億円失われているわけでございます。こうしたことも大きな要因ではないかと思います。
 安心ということで言えば、きょうも午前中の議論にもありましたが、中山間地域でこれから引き続いて持続的に暮らしていけるかどうか、そういう悩みが生じてきていること、あるいは、若い人たちが子育てについて、きょうの興治議員の御質問にるるございましたけれども、子育てを安心してできる状態にあるだろうか、その環境は整っているかということ、また、高齢者の方が生きがいを持って暮らすそういうコミュニティーとしての温かさが維持されているだろうか、あるいは、医師が十分な状況であるだろうか、こうした医療提供体制の問題、さまざまな意味で安心についての課題も指摘をされているのだろうと思います。こうした活力、それから安心についてのいろいろな問題があり、これを何とか転換をしていかなければならない、その難しさを抱え込んでいるのが現在の鳥取県政だろうと思います。
 これを変えていくためには経済を上向きにしていかなければならないということでありまして、先ほどもるる福本議員と議論がございましたけれども、何とか経済を活性化させていくために一つ一つの産業分野についてのカンフル剤を何か考えたり、また、ダイナミックに対岸との航路を検討してみたり、それから農林水産業のことで言えば、先ほど伊藤保議員のほうからも御指摘がございましたが、新しい米づくりのテーマを考えてみようではないかとか、そういう取り組みを果断にやっていくことが必要なのだろうと思うのです。ただ、これは県庁だけの力ではできないことであります。
 安心の観点でもそうであります。医療提供体制を整えようと思えば、絶対的な医師不足が前提となり、医療機関、医師会などと調整をして、地域において分担して提供していけるサービス体制を考えなければならない時期にやってきております。あるいは、子育ても先般子育て応援パスポートをつくりましたが、地域を挙げて応援をしていくシステムをつくっていくとか、教育関係でも人材養成のための学力向上を図っていくなどの取り組みが求められるわけであります。
 こうしたことはいずれも行政だけでなくてそれぞれのファクター、セクターの方々、民間の皆様、企業だとか、あるいは働いておられる方々だとか、医療関係者だとか、住民の方々だとか、そうしたさまざまなファクターの方々と一緒になってやらなければならない。そういう意味で、県民運動として次世代改革を遂げていかなければならないのではないかと、こういうように主張をさせていただいているところであります。
 次に、マニフェストの達成状況についていかがかということであります。現時点で進捗が進んでいるか、低いのはどのような分野だろうかということであります。
 マニフェストの実現に向けまして、全庁的な取り組みを私自身も促させていただき、おかげさまで幾つかの分野で光が見えてきております。例えば、鳥取の環境基準TEASを推進しようと。指定を受けた団体を500ふやしていこうという目標を掲げさせていただきましたけれども、もう既に450ぐらい見込まれるようになっているとか、あるいは自然エネルギーも6万キロワットという目標も掲げましたが、恐らく20年度には7万とかそういうレベルに来るのではないかとか、それから、ふるさと認証食品、これも食に対する関心が深まったこともありますし、我々でも働きかけをいたしまして3倍にふやそうという目標でありましたけれども、その目標に近い313品目までふえてきております。こういうように幾つかの分野で既にマニフェストを達成しつつあるという手ごたえはようやく持てるようになってまいりました。
 ただ片方で、議員のほうから御指摘がございましたように、まだまだ努力が足りない、頑張らなければという面があります。一番私が気にしておりますのは、やはり職場の問題でございまして、有効求人倍率を1に近づけたい、それが私のマニフェストの願いだったのですけれども、これがまだ達成できていない。0.73のところにおります。これを一昨日も藤森鳥取労働局長と話をさせていただきまして意見交換をしましたが、ぜひ来年度は0.8のレベルまで少なくとも持っていこうではないか、それで1に近づけていこうではないか、そういう目標でやろうではないかという数値目標をお互いに確認をさせていただきました。
 あるいは、市町村と共同事業の部分をつくってもいいのではないかということをマニフェストに掲げさせていただいたわけでありますが、これも市町村との協議だとか庁内の調整がなかなか進まない、そういう問題も抱えております。いろいろな分野でまだまだという評価をいただくようなところはあろうかと思いますが、全力を挙げて今のネックとなっているところを外していく取り組みをしたいと思っております。
 次に、マニフェストの検証についてであります。検証についてどうやって行うか、数値目標がない政策はどうやって検証をするのかということでございます。
 マニフェストの検証、評価は2年くらいで行いたいと、かねてこの議場でも申し上げておりました。折り返しのときに一度まとめてみたいと思っております。新年度に入ったときも、総括とまでは言いませんけれどもフォローアップをさせていただいて、庁内での次世代改革推進本部で検証いたしたいと思います。そして、これからの道筋をみんなで考えてみたいと思っております。
 数値目標のない政策につきましては、これはなかなか数値化できないという事情もございましたのでそういうことになっておりますが、それが字義の上で達成できているかどうかということを検証してみたいと思います。例えば学力向上のための学力向上委員会をつくるというのをマニフェストで書きました。これは字義どおりには達成されているのでしょうけれども、ただ、その目指すところ、本当の意味の学力向上につながるような取り組みの中身のほうが大切になってくると思いますので、目標を次に置き直してやっていくということに例えばなると思います。こんなように、数値目標がないものについても、県民の皆様の御意見なんかも聞きながら取り組み状況を点検を随時していきたいと思います。
 次に、行政評価についてでございますけれども、議会の予算審議を充実させるために各事業ごとの成果指標を明確にすべきではないか、継続事業については達成状況、達成できなかった理由なども説明して、審査できるようにするべきではないかという御意見でございます。
 私はもっともだと思います。予算の審議こそ民主主義の基本だろうと思いますので、その予算審議が円滑に進むように、また皆様でもとらえどころがわかりやすいようにしたいと思います。そういう意味で、次回の当初予算とかを目指して、もうちょっとわかりやすくしたいと思います。
 実は現状においても、例えば予算の要求書という段階ではいろいろ数値目標をつくっています。例えば森林環境保全税の関係で8,500ヘクタールの森林を間伐をしようではないかとか、そういう数値目標を出しているわけでありますが、確かに見ますと、現在皆さんのもとに提供させていただいている予算説明資料の中にはそういう目標は入っていなかったりしております。ですから、点検をいたしまして、よりわかりやすいように心がけていきたいと思います。
 あわせて、私どもが新年度に導入をしようとしております工程表でございます。工程表は従来、片山県政の終わりごろにミッションというものをそれぞれの組織でつくるようにしました。私はそのミッションだけでは立ちどまった状況になるかもしれませんので、それを動かすためにこういう手順で前へ進めていきますよと、次はこの政策をやります、この政策をやります、それについてはベンチマークであるこの指標をこういうレベルで目標にしますというのを明らかにすべきではないかと思っております。これを県民の皆様にも見ていただき、もちろん議員の皆様に見ていただきまして、私どもの仕事の達成状況を評価してもらうようにしてはどうかと思います。これは、実は指標化でございまして、こういうものも提供しながら予算審議に役立てていただければと思っております。
 行政評価システムが導入されていないのは鳥取県ただ1県だけだと、これについて導入すべきではないかという御指摘をいただきました。
 それが私も実は同じ関心を選挙前に持っておったものですから、そうした評価のシステムないし、外から検証しながらそれぞれの組織が自律的に自分をコントロールをして目標達成に向かっていく仕組みが必要だろうと思っていました。ですから、マニフェストの中にも書いておりましたけれども、単なるミッションではなくて、工程表をつくってオープンにして県政運営をしていく必要があるだろうと思っております。
 ただいま御説明申しました工程表こそが実は達成度評価の図表をつけさせていただくものにさせていただこうと思っています。この考え方のコンセプトは、行政経営品質という考え方から来ております。これは経営品質賞というものを全国でやったりしていまして、これは社会経済生産性本部だったでしょうか、あちらのほうで提唱されている、いわば行政経営の運動なのですけれども、この行政経営品質を向上させる、その勉強をかつて職員にしてもらったことがありました。その成果をもう一度復習いたしまして、PDCAサイクルで見る評価のためのシートをこしらえようとしています。これが工程表でございます。この中にまさに行政評価になるような、そうした指標もベンチマークとして入れさせていただこうと考えております。そういう意味で、このたび新年度から行政評価システムを鳥取県は達成度評価工程表というような形で導入をさせていただきたいと考えているところであります。
 次に、子育て支援総室についてのお尋ねがございました。新年度の組織改正につきまして、総室を設置するねらいは何だろうか、その考え方いかんということでございます。
 詳細は福祉保健部長からお答えを申し上げたいと思いますが、私どもが今回組織改正で目指しておりますのは、この議場でも御議論をいただきましたけれども、子育てについての統合的な組織、問題意識を共有する組織をつくったほうがいいのではないかということでございます。今回、我々のほうで具体的に取り組みましたのは、この子育ての関係のところに母子保健とか思春期保健、こういうものも取り込んで一つの総室の中に入れました。こういうことで、保健活動といいますか、健康づくりのほうの視野もかなり広がる組織になったと思います。それから、あわせまして家庭教育とか、それから幼児教育の分野も、これは併任もかかった状態ではありますが、私どもの総室の中に取り込ませていただいております。こういう意味で、家庭での教育だとか、あるいは幼児の成長を支える、そういう機能が子育て総室の中に強化をされたと思っております。
 これだけではなくて、従来取り組んでいませんでしたような少子化対策とか、あるいは結婚対策とか、そんなものも総室の中の機能として持たせていただいて、一通りオールラウンドな形で子育てを応援する、そうした取り組みができる組織に仕立て直したところでございます。
 次に、育児の支援をする育児支援家庭訪問事業について認識を問う。その取り組みの現状などをお尋ねでございます。
 これも詳細は福祉保健部長から御答弁を申し上げたいと思いますけれども、今ずっと御説明いただきましたように、確かに育児の現場である家庭の中で苦しみを抱えておられる状況が見てとれました。育児ノイローゼになるとか、産後のうつであるだとか、さまざまな問題を抱えている家庭がある。それに対してアプローチをする意味で、この育児支援家庭訪問事業が有効ではないかという御指摘はごもっともだと思います。
 そういう意味で、私どもはこれを市町村にぜひ推進していただきたいと思います。現在の事業、これは国と市町村が2分の1ずつお金を出し合ってやる訪問事業でございます。ただ、実はこの訪問事業とよく似た事業がございます。もともと母子保健、新生児保健などの事業で訪問事業があったり、それから、保育所が絡んだそうした訪問事業があったりしまして、そういう各種の事業との関係で多分市町村もなかなか取り組んでいないのかなというような感覚を持っております。市町村によくこの事業の意義を改めてお伝えをして、普及を図ってまいりたいと思います。
 次に、家庭の育児支援推進員設置事業についての取り組みなどについてのお尋ねがありました。
 これは先ほどの事業と異なりまして、12の市町村で既に取り組んできております。そういう意味で普及しているところでございますが、その状況につきましては、福祉保健部長から御説明申し上げたいと思います。
 次に、子供家庭政策について、もっと底上げをする必要がある、その意味で育児保険構想を佐賀県が提唱をされていて、これについての考え方いかんと、一緒になって一石を投じるべきではないかというお話でございます。
 私は、佐賀県の問題意識はよくわかる気がいたします。と申しますのも、我が国において公的に子育てを支えようという、その支出が総体的に低いと思っております。ヨーロッパなどに比べますと全体として低い。日本の場合、OECDの調査でいえば4%ぐらい、社会支出の中の子供に対する支出という、そういうデータになっております。これに対しまして、例えばイギリスだとかフランスだとか、そうしたヨーロッパ各国は10%を超えていますので、総体から見れば半分ほどということではないかと思います。
 これはいろいろなところにひずみを生んでいるのではないかと思います。そういう意味で、子育てをしっかりと支えたり、あるいは今以上に思い切った国策としての少子化対策、これは地方が担ってもいいのですけれども、そのための財源とかそういうものを与えていただく必要があるのではないかと思います。
 このような取り組みは、佐賀県の場合は子育て保険というテーマを出されたわけでありますが、私はこれは保険なのかどうかというそこは正直疑問はあります。保険ではなくて、むしろこれは税といいますか、国民みんなで負担をする、そうしたトータルの財政の中で解決すべきものではないかと思います。
 こうした社会保障の需要がどんどん高まってきているのは事実でありまして、そろそろもう限界が来ている国の財政だとか地方財政のことも考えれば、税体系の抜本的な見直しをする中で子育てに重点的に配分をする、そういう方向性が一番合理性を持っているのではないかと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)田中福祉保健部長


◯福祉保健部長(田中謙君)3点につきまして、補足答弁を申し上げます。
 まず、子育て支援総室のねらいについての補足でございます。今回の組織の改正につきましては、子育てに関する幅広い支援を担当するということで、総室支援チーム制の組織を整備しております。特に充実した点でございますが、少子化対策とか未婚・晩婚化対策に関連する新たな事務に取り組むということがございます。それから、他の課から子育て支援に関する業務を移管しております。具体的には、部内でございますが、健康政策の関係の母子保健、それから思春期の保健の関係、それから、男女共同参画のほうからデートDVとか、あるいはファミリーサポートセンターの仕事、そういう事務を移管をしております。
 こういう事務を移管するということでチーム制をとっておりまして、子育て応援チームということで少子化対策等をやります。それから、保育・幼児教育チームということで幼稚園とか保育園の幼児保育の関係、それからファミリーサポートセンターの関係。それから3点目といたしまして、母子・児童養護チームということで、要保護児童支援とか、あるいは児童虐待、DV防止、母子保健、デートDV、そういうことをやるようにしております。
 教育委員会との連携を図ると、強化するということで、併任者をふやしております。新たに家庭地域教育課で家庭教育の推進でありますとか子育て環境の整備をやっている、そういう方を併任するようにしております。
 こういう子育て支援総室を設置して期待できる効果といたしましては、1点目といたしましては、従来の子育て支援チームの施策から、少子化対策に加えて未婚・晩婚化対策を所掌するということで、総合的な施策展開ができるというふうに考えております。それから、2つ目でございますが、幼稚園とか保育園の幼児教育、保育の指導の面での連携のほか、家庭地域教育における子育て支援施策との連携が強化できると。一体的な施策展開が可能になるというふうに考えております。それから3点目といたしましては、母子保健あるいは思春期保健を所管することによりまして、保健面も含めて子供の成長に応じたきめ細やかな支援が一体的に推進できるというふうに考えております。
 2つ目の補足でございますが、育児支援家庭訪問事業の現状とか、あるいは進んでいない理由、普及を進めるために県としてどのように取り組むのかということでございます。
 これは国の育児支援家庭訪問事業でございまして、具体的には保育士等が家庭訪問、育児支援をやりまして、育児の不安を持つ家庭を訪問するというものでございます。これは御指摘のように3市町のみの実施ということで、取り組みというのは形の上では進んでおりません。
 これの進んでいない理由につきまして、実施していない市と町に聞き取りを行いました。これは知事も申し上げておりましたが、この事業を使わなくても、こんにちは赤ちゃん事業でありますとか、あるいは新生児の訪問事業、乳幼児の健診、そういうことで対応できているということでございます。
 それと、こういうことでやっているわけでございますが、国の育児支援家庭訪問事業に、なぜ交付金事業に振りかえしないのかということを聞きました。そういたしますと、対象訪問家庭数が少ないとか、あるいは業務を合わせましても1人役に満たないというふうなことで、既存事業の人役の振りかえというのが明確にできないと。これは会計検査等も入りますし、そういうことでございました。それと、仮に振りかえできても補助金額が零細になるというふうなことで、事務が煩雑であるとか、そういうことを申しておりました。
 ただ、興治議員がおっしゃいました米子市でございますが、米子市は規模が大きいわけでございます。それと、保健師が少ないというふうな事情がございまして、保健師とか助産師、保育士の職員が訪問活動をすれば対象事業となるということで、米子市につきましては非常にメリットがあるというふうに申しておりました。
 県といたしましては、事業効果というのを周知するために、実施されている米子市等の事例を紹介したり、あるいは、さらに家事援助等の事業もございますので、こういうことができないのか、そういうことを市町村と話をしてみたいというふうに思っております。
 続きまして、家庭の育児支援推進員の関係でございますが、これにつきまして補足答弁を申し上げます。
 これは国と県と2つ事業がございまして、県のほうは国の事業の対象にならないものに対しまして交付金を出しております。これにつきましては、近年非常に利用がふえております。対象といたしましては、保育士等が保育所に入所している児童の家庭を訪問いたしまして、育児支援等を行うというものでございます。
 取り組みをしている市と町にふえている理由につきまして聞きましたら、事業要件が緩やかであると。例えば県の事業でありますと対象者が1人でも交付金の対象になります。事業に取り組みやすいということでございます。未実施の市町村というのが7町村ありますけれども、やらない理由につきましては、これは保育士の加配の制度でございまして、現行の保育士とか園長で加配せずに対応ができる、あるいは対象児童が少ないというふうなことがございました。
 県といたしましては、事業の実施につきましては、それぞれの地域で園児数とか保育士の配置数など、そういう保育の実情を踏まえて、基本的には市町村のほうでよく検討していただきたいと思いますが、この子育て不安家庭への支援というのは非常に重要でございますので、この事業の活用とか促進につきまして、改めて市町村のほうに話をしていきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)1番興治議員


◯1番(興治英夫君)どうもありがとうございました。
 まず、県政目標、マニフェストの件についてですけれども、知事が提起されました目指すべき方向としての地域産業の活力、あるいは生活の豊かさ、安心という課題は、私も大変大事な方向だと思っております。ただ、活力、安心というテーマにつきまして、特に小泉首相の構造改革以来顕著になっている新自由主義的な経済社会運営の流れの中では、これは対立的な概念になっているのではないかなと思います。
 産業経済の活力をもたらすために法人税を引き下げ、金融機関に対しては税を免除する、あるいは所得税の累進性を緩めて高額所得者の税率が低くなっている。あるいは、労働雇用政策においては、派遣労働などの規制を緩和し、不安定な賃金労働をふやした。そしてワーキングプアと言われる層を生み出し、今や全就労人口の3人に1人が非正規就労という雇用構造になり、企業の競争力強化につながっているという現状があると思います。
 一方、社会保障費は毎年2,200億円削られ、年金不安の一因となり、医療費削減により病院経営は圧迫され、医師不足はなかなか解消されない。失業給付もその額が削られたという日本の現状があります。これは、手厚い福祉は経済活力、企業の国際競争力をそぐものとしてとらえられる考え方が今の日本の大きな政策方向を決める背景にあるからだと考えます。
 そこで知事にお聞きをいたしますが、知事は活力と安心を対立的な概念としてとらえているのか、対立的な概念としてとらえているのならどちらを重視しているのかをお伺いをしたいと思います。
 次に、マニフェストに関してですけれども、今、知事のほうからもいろいろ御説明をいただきました。それで、当初の数値目標は達成できたものもありますし、1年間運営してみて新たな目標を設定できるようになったものなどもあるように今のお話でも伺ったのですけれども、当初のマニフェストに今まで数値目標のなかったものについて新たに数値目標を追加するということについての知事の御所見を求めます。
 それと、小玉議員の代表質問に答えて、マニフェストは将来ビジョンの中に溶け込んでいくというお話をされましたけれども、検証対象はマニフェストだけになるのか、それとも将来ビジョンの政策項目も検証対象になるのか、県民はどのように平井県政の事業評価を行えばよいのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。
 行政評価と予算審議のところで、知事のほうから行政評価システムを導入すると。工程表をきちんとつくって、そこで達成度の評価がきちんと見えるような形にする、そして県民にもオープンにするということで、新たな行政運営の仕組みがこれから構築されるのだなということで期待をさせていただきたいと思います。
 それで、予算審議の関係なのですけれども、せっかくトータルコスト予算分析が鳥取県ではされるようになって、それが予算説明資料に書かれているのですけれども、トータルコストと成果の達成状況をリンクをさせて、費用対効果がわかる、例えば費用対効果の経年分析といいますか、そういうものがわかるような形にならないのだろうかなと。他県のを見てみますと、かかったトータルコストを、単価みたいなものを出すようなことをやっているところもあるのですけれども、ただ、全部が全部はできていないです。だから、そういうことが何かできないだろうかなと思うわけですが、このことについて知事の御答弁をお願いしたいと思います。
 育児支援家庭訪問事業については、実施市町村数が3ということで、実施率は15.8%です。厚生労働省の資料を見ますと、全国最低なのですね、実施数も実施率も。さっきいろいろ他の事業でというお話もあったのですけれども、市町村によっては保健師の数が足りないだとか、あるいは十分な家庭に対する手だてができ切れていないという話もその一方では聞くわけです。やはりもう少しこの事業について取り組みが進むことによって、家庭で困難を抱える方々にいろいろ支援の手を差し伸べることができるのではないかなと思います。
 実際、いろいろな課題を抱えている家庭というのは私の周りでも結構ありますし、先ほども申しましたけれども、それがずっと学齢期まで引きずっているという例もあります。いろいろな問題が派生をして二次的に起こってくるわけですね。何とかここをうまいぐあいに家庭に入り込んで対処できなかったのかな、あるいはできないのかなというような例が結構あります。だから、保健師の派遣だとかこんにちは赤ちゃん事業だとか今申されましたけれども、それで十分やり切れているのだろうかなという気がするものですから、今回この質問を取り上げさせていただきました。調べてみると全国最低水準ですので、やはりもう少し取り組みができるのではないかなというふうに思っております。
 それと、いわゆる保健事業といいますか、こういう事業については、首長の考え方によって、ここに予算が配分されるのかどうなのかという問題もやっぱりあると思うのです。きちんと子育てとか家庭の部分に市町村長の関心が向いているのかもやっぱりチェックをしていただきたいなと思います。現場の声を聞くと、なかなか理解がないという話も聞くものですから、このままで果たしていいのかなというふうに思っております。ぜひもう少し力を入れていただけないかなと思います。それと首長の意識の問題ですね、そのことについて対処するお考えはないか、お伺いをしたいと思います。
 それと、家庭に入っていって相談支援を行うというのは簡単なことではないと思うのです。ですから、しっかりスキルを身につけることが必要だと思います。米子市でも人材育成事業などについてぜひ県のほうで取り組んでいただきたいというお話も伺いましたけれども、この人材育成事業について、あるいは経験を積むことが大事だと思うのです。経験を積むためには、やっぱり仕事を長期間にわたって継続ができるという体制を保証するというようなことも必要だと思うのですけれども、そのために県として何か工夫できることがないか、お伺いをしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、県政目標とマニフェストについてお尋ねをいただきました。
 第1番目といたしまして、新自由主義的な考え方であれば活力と安心とは対立的な概念なのではないか、このどちらを平井は選択、重視をするのだろうかと、こういうお尋ねでございます。
 私は、おっしゃる意味は大変よくわかります。新自由主義的な考え方でやっていった場合に、活力についてさまざまな問題を発生したり、安心にかかわるような政策が縮小する危険があるということはあるかもしれません。
 活力と安心をこの地域にもたらすことを我々は願うわけでありますけれども、問題は、従来の手法がどちらかというと、おっしゃるように新自由主義的な手法というものが活力自体の偏在を呼んだり、また、安心に対する施策をゆがめたりということがあったのではないかと思います。ですから、そういう意味でこれについては、我々は新しい方向を地方から発信していかなければならないのではないかと思います。
 活力の偏在というのは、今でいえば地域間格差という言葉で言われるわけでありますが、産業が大都市部に回帰をしてくる、そこに職場が生まれてしまう、結局そちらのほうに若い人が鳥取から出ていってしまうということであります。あるいは所得階層がだんだんと開いてきて上の人と下の人と活力が偏在をしてくる、そういうことではないかと思います。
 安心ということで言えば、最近の社会保障政策の中には、財政的な観点からやっているというふうに私も思えるようなものもあります。ですから、そうしたことではなくて、もっと現場で本当に今助けを求めて苦しんでいる人たちに対して、どういう政策を効率的にアプローチできるのかという観点で政策を組み直していかなければならないのだと思います。
 活力と安心を対立させて、活力を優先し安心を劣後に置くとかというような議論ではなくて、むしろ活力と安心についての国政のゆがみがあるのであれば、そこを正していく、これを地方の現場の発想でアピールをしていくということではないだろうかというイメージを持っております。
 次に、新たに数値目標を設定すべきものもあるのではないかということでございまして、これは現実問題、考えてみる余地が十分あると思います。私もこの1年間取り組んでみて、だんだんとまた住民の皆さんの問題意識も見えてきた部分もあります。例えば中山間地域の問題をとらえたときに、電話も入らないというか、そんなことがあります。そういう不感地帯と言われるところを指数化して、それを縮小していくというような数値目標を設定するなど、いろいろと領域は広げていくことは可能だろうと思います。
 これはもう選挙は終わってしまいましたのでマニフェストというわけではないのでありましょうが、今提示しようとしております達成度評価、工程表の中でそうしたものを示して数値目標をできる範囲で付していくことにいたしていきたいと思います。
 次に、検証対象はマニフェストだけなのか、将来ビジョンの政策項目はどうなのかということでございますが、マニフェストは今私どものほうでは次世代改革推進本部で検証しながらその実施に努めていこうという体制をとっております。ですから、その中でとりあえず新年度にまずフォローアップをさせていただき、2年たったところで総括をさせていただきたいなと思っているところであります。
 将来ビジョンのほうは今まさにつくろうとしているところでございまして、でき上がった後でそれを今後どうするということになろうかと思いますが、私のイメージでは、やはり10年のスパンぐらいをもとに考えたいと思いますので、そうなりますと、2年かそこらたったら一度再評価する時期が必要だろうと思います。そして、4~5年もたてばもう一度つくり直したほうがいいということになるのではないかと思っております。まだ確たるイメージを持っているわけではありませんが、県民の皆様の御意見をいただきながら将来ビジョンの評価だとか再整理のあり方を検討していきたいと思います。
 最後に、子供家庭政策についてのお尋ねを何点かいただきました。これについて、国の育児支援家庭訪問事業については、まだまだ実施率が低い、全国最低だということでありまして、これについて市町村長の関心を高めるべきではないかということがありました。
 これはおっしゃるとおりだと思います。今現にやっているので、こんにちは赤ちゃん事業だとか乳幼児の健診事業での訪問がございます。ただ、これは目的がやはり若干違うところがあると思うのです。この育児支援家庭訪問事業のほうは、家庭の中で抱え込んでいる問題に対処していこうと、そういうトータルでの家庭の問題でありますが、市町村がよく取り組んでおられる保健事業のほうは乳幼児の保健の問題でありますので、そこは若干領域が違うのだろうと思います。その辺の違いがあること、また、事業の組み方とはして例えばヘルパーさんを使うようなことも可能な事業になっていますので、そうした事業展開が可能であることなどを市町村長にも御理解をいただくように話をしてみたいと考えます。
 これについて、人材育成をやるべきではないか、スキルが必要ではないかというお話がございました。米子市でそういう声が上がったということでありますので、米子市の現場の声なんかも伺って、県のほうでそうした研修事業、スキルアップのお手伝いができるかどうか、私どもも考えてみたいと思います。
 ただ、基本的には現在子育て関係はどうしても市町村が行政の中心になるという、そういう地方分権の仕組みが進んでおりますので、市町村で最終的には対処していただくわけでありますが、我々のほうで技術支援として援助できることがあれば、努めてやってまいりたいと考えます。
 トータルコスト予算との関係で、費用対効果を予算の説明資料の中で示せないかということであります。
 これはちょっと研究してみたいと思います。我々も実は同じ思いを持つわけでありまして、予算の要求書が来るときに、そこにこれは役に立つのかどうか、費用対効果で全部数値化されていて、それで何点以上をつけるというようなことができればいいなと夢物語で思うわけであります。ただなかなかそれができないものですから、いろいろとこの事業の必要性を文章化して立証してというのが現実であります。ですから、全部が全部いい指標が出てくるかはわかりませんけれども、他県の例もあると御紹介がありましたので、研究をしてみたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)1番興治議員


◯1番(興治英夫君)ありがとうございました。
 県政目標に関してですけれども、活力と安心についての国政のゆがみを正していくと、そういう方向なのだというお話だったかと思います。
 私も同様に考えるのですけれども、僕は活力と安心というものを対立的な概念としてとらえるのではなくて、両者を結びつけるような政策理念を構築することが必要ではないか、できないのだろうかということを考えます。産業活力と人々の安心のための社会政策の理念を結びつける考え方、政策、そういったものを構築すべきではないだろうかと考えております。
 活力の源となる人々がリスクをとってもチャレンジしよう、一度失敗しても再チャレンジしようと考えるのは、社会の中に十分な安心の仕組みとみずからの人的能力を高める仕組みが築かれていてこそできるものであると思います。その第2は、人の将来を通じた安心の仕組みとしての社会保障や福祉、人的能力を高めるための教育の基盤がしっかりと築かれていなければならない。鳥取県においてもそうではないでしょうか。そのためには、政策理念の中心に人、人間を置かなければならないと考えます。人が安心して生活できるセーフティーネットの構築、そして、社会の活力のための根本的な資源として人的資源を置くという考え方、教育を初めとした人間投資によって経済社会の活力を生み出すという考え方が重要ではないかと考えております。
 国の流れが新自由主義的で経済成長や国際競争力重視に傾き、人々の生活につらいことがふえているからこそ、あるいは子供たちの学力や学習意欲が低下し、みずから学び、みずから考える生きる力が問題視されているからこそ、あえてその防波堤として県政目標の基礎に人間や家族を中心に据えた安心と社会の活力につながる個々の人間力向上の仕組みを築くことを強く打ち出す必要があるのではないかと考えます。知事の所見をお聞かせください。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)興治議員のほうから、これからの県政の基本についての御指摘がございました。活力と安心ということは単なる対立概念で考えるのではなくて、このコンビネーションをどうやってつくり上げていくか、それを県政の基本とし、その中に人間、家庭というものを基軸にしてはいかがかということであります。
 私も実はこれからの、特に鳥取県のような地域を考えた場合のモデルといえば、北欧的なモデルということにだんだんとなってくるのではないかと思います。我が国も経済成長一辺倒の社会から生まれ変わろうとしておりまして、むしろ生活の豊かさを個人個人が享受できることに力点が置かれる社会へと移りつつあるのではないかと思っております。
 この北欧型の社会では、住民に対するサービスですね、例えば福祉のサービスとか教育のサービスだとか、こういうところを重要視して、そこに雇用を発生させる。そこの雇用がこの社会の中でお金を回す要因になりまして、要は社会サービスと、それから産業サービスが結びつきながら経済ができ上がってくる、こういう世界であります。
 ただ、こういう世界を、社会を構築しようと思った場合には、やや高負担の社会になります。住民の皆様の税なりなんなりという形で公的部分にお金を渡しましょう。それでセーフティーネットを張りめぐらすような社会をこしらえていきましょう、これこそが雇用の場にもなり、働く人も出て、そこでもらった給料で買い物ができるとか、こうやってお金が回っていくという世界だと思います。これを構築をしていくというのは、一つのモデルとして、ビジョンとして描けるものであろうかとは思います。
 ただ、そこに至るまでには、国民的議論としてどういう負担水準の社会をこしらえましょうか、国民負担の問題なんかをしっかりと議論をしていく必要があろうかと思います。ただ、いずれにせよ、もう現実の行政需要を見ますと、そちらのほうに我が国の社会は滑り出しているのではないかと思います。
 鳥取県の県政を考えた場合でも、そうしたセーフティーネットを張りめぐらすような教育や福祉のサービスのところに一定の重点を置いて政策を立案していくのが基本になってこようかと思います。ただ、その際に注意しなければならないのは、市町村と県との役割分担がますます峻別化されつつあることであります。特に福祉の部門でいえば、子供家庭の福祉であるとか、障害者の福祉だとか、いろいろなところが今市町村が担い手になってきておりまして、県との役割分担が進んできている面があります。この辺の秩序をこれから形成していきながらやっていかなければならないのだと思います。その辺を注意をしながら、国の制度改正も絡めて、鳥取県の中で市町村、地域、県でセーフティーネットを張りめぐらしていく、こういうのが理想の世界、方向性になってくるのではないかと私も思います。


◯議長(鉄永幸紀君)1番興治議員


◯1番(興治英夫君)ありがとうございました。私もそのとおりだと思います。
 それで、活力と安心に絡んで、私は道路特定財源の問題では、いろいろなことを考えさせられました。鳥取県が政策的に何を優先すべきかということについてです。特定財源であることによって道路の財源が安定的に確保されるのはそのとおりであります。しかし、一般財源化することによって道路の整備が多少おくれたとしても、知事の言われる活力や、あるいは私も今言いました子供家庭問題、あるいは教育、福祉、セーフティーネットなどにお金を使えるわけです。
 一方、高速道路の整備がおくれている鳥取県においては、高速道路は整備しなければならない、これも大きな命題であります。知事は道路特定財源の堅持による高速道路の整備を求めて運動を行われておられますが、鳥取県のとるべき道として、国に対して道路特定財源の堅持を求めるのではなく、一般財源化を容認しながら、あるいは財源問題に触れずに高速道路の整備率の低いところから優先的に整備をする、そういう仕組みをつくることを求めることはできなかったのか、あるいは今後そのように要望の仕方を変えることはできないのか、知事に改めて伺いたいと思います。
 さらに、今県民はスーパーなどに買い物に行くと、食品を初めとして生活必需品が2割から3割も値段が上がっております。商品を買い控えたり、できるだけ安いものを探し歩いたりしております。また、ガソリンも一番安い看板の上がっているスタンドを探して給油し、車の利用を極力抑えながら自己防衛を図っております。これら石油製品を初めとする諸物価高騰の折から、県民の生活を守るため、暫定税率については、廃止とまではいかなくても一部引き下げを求めることはできなかったか、あるいは今後そういう方向をとることができないか、知事の所見を伺います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 道路特定財源と暫定税率の維持を求めるのではなく、一般財源化を容認しながら整備率の低いところから優先的に整備をする、そういう仕組みを求められなかったのかということであります。
 私はかねて繰り返し申し上げておりますけれども、私が求めておりますのは、県内の活力の基本となるような道路のハイウエーをきちんと整備をしていただく、今まで道路財源を払い続けてきたこの地域がしかるべき権利を持っていると思われます整備を実現していただきたいと、これがこれからの数年間で達成されようとしている時期でございますので、そのことの担保を求めているわけでございます。ですから、そのために、では財源をどこから持ってくるかというのが裏腹の概念でございます。
 今の国会の議論で申し上げれば、残念ながら野党さんのほうの言っている話の中では、国の直轄事業のところのお金がほぼ枯渇してしまうという、そういう計算になっているものですから、果たしてこれで我々が安心して乗っていけるかなというのが真意でございます。ですから、これから与野党間できちんと3月末までに協議をしていただきまして、期限内にこれからの税のあり方だとかを議論されて方向性を出していただくことは、私はうなずけるものであろうかというように思います。
 一般財源化も、実は鳥取県みたいなところはもう既に道路特定財源では全然足りない状況でございます。4割ほど一般財源を継ぎ足してやっているわけでございますので、一般財源化自体はそんなに県財政には影響を及ぼさない話だろうと思います。
 要はこれからずっと議論が流れてきて、いずれは、ではどれだけトータルのお金が要るのだろうかという正常な議論に復すべきだと思うのです。その際に、我々のようなところの必要な事業がきちんと盛り込まれるように、次のステップの運動に今度は入っていかなければならないのではないかと思っているところであります。
 次に、諸物価高騰の折で県民生活を守るために、暫定税率について廃止とはいかなくても一部引き下げを求めることはできないのかということでございます。
 これは、先ほど申し上げましたけれども、今現に国会でも議論をしているところでございます。私は、現実論としていえば暫定税率を堅持して、そうして今の計画どおりにやってもらうのが県民のためのハイウエー整備には資する確実な道だと思います。ただ、今与野党間で協議をして問題点を本当にこれから出し合って、そうして例えば向こう何年かだけでも現行どおりやろうかとか、あるいは、暫定税率について実際の事業量はこれだけだと、そうであればこういう設定をしようかという現実的な議論は、私はあながち否定し去るものでもないだろうと思います。ただ、そのためには鳥取県のような現にハイウエーができていないところの実情がきちんと反映される、そういう計画を確実につくり上げていただきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)以上で、本日の一般質問は終了いたしました。
 本日、知事から追加議案11件が提出されました。
 お諮りいたします。
 この際、これらを本日の議事日程に追加することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
 それでは、議案第81号「鳥取県営病院事業の設置等に関する条例等の一部改正について」から第91号「鳥取県廃棄物審議会委員の任命について」までを一括して議題といたします。
 知事に、提案理由の説明を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)ただいま追加提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、議案第81号、鳥取県営病院事業の設置等に関する条例等の一部改正についてであります。
 健康保険法の規定による診療報酬の算定方法が改正されたことに伴い、県立病院等における使用料及び手数料について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、議案第82号及び議案第83号は、鳥取県監査委員の選任についてであります。
 石差英旺氏及び井上耐子氏の任期が来る3月31日をもって満了いたしますので、その後任として、山本光範氏及び山根眞知子氏を委員に選任しようとするものであります。
 山本氏は、商工労働部長や中部総合事務所長として豊富な行政経験をお持ちであります。また、山根氏は、法務局職員を経て司法書士として御活躍でいらっしゃいます。監査の充実、強化のために両氏の卓越した御見識を生かしていただきたいと考え、委員に選任しようとするものであります。
 次に、議案第84号は、鳥取県収用委員会予備委員の任命についてであります。
 木下祐三郎氏の任期が来る3月31日をもって満了いたしますので、その後任として白岩保氏を委員に任命しようとするものであります。
 白岩氏は、林業分野の専門家であるとともに、豊富な行政経験をお持ちであります。収用案件などの公正な審理のため、同氏のすぐれた知識や経験を生かしていただきたいと考え、委員に任命しようとするものであります。
 次に、議案第85号から議案第91号までは、鳥取県廃棄物審議会委員の任命についてであります。
 現委員の任期がいずれも来る3月31日をもって満了いたします。杉山尊生氏、田中勝氏、西村正治氏、細井由彦氏については引き続き委員に任命するとともに、相澤直子氏、長井いずみ氏、西村教子氏の後任として、行政相談員や鳥取市清掃審議会委員としての経験をお持ちの榎直子氏、裁判所調停委員として調停に関する知識、経験をお持ちの金川和子氏、経済分野の専門家である鳥取大学講師、馬場芳氏の3名について、その卓越した御見識を廃棄物行政に生かしていただきたいと考え、委員に任命しようとするものであります。
 以上、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)以上で、提案理由の説明は終わりました。
 お諮りいたします。議案第82号から第91号までは、委員会付託等を省略することに御異議はありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 御異議はないものと認め、さよう決定いたします。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後4時36分散会