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平成20年2月定例会(第8号) 本文




2008年03月11日:平成20年2月定例会(第8号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する一般質問であります。
 これより、一般質問を行っていただきます。
 30番伊藤美都夫議員


◯30番(伊藤美都夫君)(登壇、拍手)本日のトップバッターでございます。よろしくお願いします。
 平井県政が発足して間もなく1年になります。この1年、とにかくよく現場に足を運んでいただきました。県民、市町村民の生の声に耳を傾け、対等の立場で話し合おうとされる姿勢に評価の声が高いのであります。さらに鳥取県に活力と夢を描けるような、例えば北東アジアとの航路の開設や韓国江原道との交流再開、企業誘致や産業振興への取り組み等々、まさに電光石火、ここぞというときに打つタイミングのよさ、市町村や経済界と連携して鳥取県に活力を取り戻すぞという強い姿勢は、鳥取県の知事として頼もしさを感じるという県民の声をあちこちで聞くのであります。また、片山前知事のもとで約6年間務められたとはいえ、着実に平井カラーができつつあることを強く感じるのであります。そうした中で2点、知事に伺いたいと思います。
 まず、国際交流の課題と成果、今後の展望についてであります。
 西尾元知事時代の昭和61年、中国河北省との友好県省を締結し、鳥取県としては初めての外国との友好交流に踏み切ったのであります。また、平成3年にはロシア沿海州との友好交流の覚書、そして平成6年には中国吉林省、韓国江原道、平成9年にはモンゴル中央県、そのほかにブラジル県人会、台湾等々、海外との多様な交流が行われているのであります。しかし、交流の時代的な背景や成果に課題も少なくないと思うのであります。例えばあれほど鳴り物入りで交流を始めた中国河北省との交流の実態はどうでしょうか。当時、子々孫々に至る幅広い友好交流を誓い合い、20数年がたちます。現在も交流は続いているとしても、河北省の影は薄いと感じる一人であり、同時にロシア沿海地方との友好交流も細々と部分的で流れ解散とも映るのであり、今後の国際交流はこれでよいのか、不安を感じるのであります。急速に経済発展の進む中国河北省やロシア沿海地方との交流の現状をどう認識され、今後の交流にどのような展望をお持ちなのか、所見を伺いたいのであります。
 次に、韓国江原道との交流についてであります。
 片山前知事は、環日本海時代の国際交流ということで、韓国江原道との交流に大きくシフトされ、その交流は全国的に見ても国際交流のモデルとさえ言われたと聞いております。その江原道との中身の濃い交流も、平成17年3月、主として竹島問題から一気に交流中断という事態になったのであります。当時の片山前知事の認識としては、日本と韓国の間にはお互いの距離が近いからこそ生じるさまざまな課題が存在することは事実である。しかしながら、政治的な一つの課題によって地域間における交流をすべて中断することは、これまで積み上げてきた信頼と友好を大きく後退させることになり、両地域にとって決してよい影響を与えるものではない。むしろこのような問題が生じている今だからこそ、お互いがより一層交流を深め、相互の理解と友好関係を発展させていく中で問題を解決していくべきだと確信していると、交流を続けるべく江原道のキムジンソン知事に書簡を送っておられるのであります。私は、ここに極めてナショナリズムの色彩の強い領土問題等の課題を持ちながらの国際交流の難しさ、厳しさを強く実感するのであります。
 竹島問題が引き金になったとはいえ、国際交流のモデルと言われ、それまで何年も培った交流の実績を中断することになぜ結びついたのか、私には今もってよく理解できない部分も残るのであります。韓国江原道との交流の暫定中断は、平成17年3月であります。当時の副知事として、この中断について率直な気持ちを伺いたいのであります。
 平井知事は、就任早々の19年4月26日、江原道キムジンソン知事に就任あいさつ状を送り、交流中断は残念、交流を一層深めることが必要と、交流再開への並々ならぬ意欲を示されたと聞いております。さらに米子で行われた両道県の知事会談で平井知事は、領土問題は複雑で解決が難しく、交流中断に直接の引き金を引いたと思うが、この問題は国家間で解決する問題であり、地方団体同士で解決する問題ではないと思うと述べておられ、これからの東アジアの平和や繁栄を考える場合に大切なのは地域同士の理解だと話されたそうでありますが、私もそのとおりだと思います。交流中断の現実から逃げることなく次の飛躍に結びつけることこそが、新しい時代に生きる者の務めだと思うからであります。私はここに平井知事の真髄を見るのであります。
 また、そのときの江原道キムジンソン知事は、領土問題のような国家間で解決する問題について両道県の地方の代表者、県議会、社会団体などから地方政府の交流協力に否定的な影響を及ぼすおそれがある言及報道をしないことを前提に、両道県の交流再開を積極的に検討していきたい。今後、我々の両道県が未来に向けて考えて行動していくことに努力すると述べておられるのであります。この会談を契機に交流再開、そして新しい航路の計画等々、未来への夢をかき立てる活動も具体化しつつあるのであります。
 ところで知事、言われるように領土問題など外交問題は国の専管事項であります。国家間で解決すべき問題であるのは当然であります。しかし、国の外交を支えるのは国民の幅広い支援が必要であることも事実であります。今後の江原道との交流の中で、私は竹島問題を口に出さず、避けて通るだけでなく、解決すべき課題として認識しながらも、過去の束縛から抜け出し、未来を見詰めて真摯に話し合おうとすることも必要だと思います。この点について知事の所見を伺いたいのであります。
 ところで、外務省のホームページに竹島は日本固有の領土であり、不法に占拠されているとあります。国民の一人として、我が国の政府、外務省の見解を信じたいのは当然であります。しかし、歴史的事実や両国の主張も現状では大きな隔たりがあることも事実であります。さらに韓国では竹島の領有権問題は国を挙げての関心事であり、日本の植民地支配の始まりのシンボルとしてとらえるという現実が極めて強烈であることも事実であると聞きます。竹島の領有権について地方自治体間で取り組むべき問題ではないとしても、現実には国連海洋法条約で比準された200海里線も中間線も引くことができず、日韓共同水域が暫定的に設定され、そのことがまた両国漁業者の不満、不信感につながっているのも事実であります。
 私は、日韓漁業協定が発効した後、全国の漁業者の代表団として韓国の漁業団体の皆さんと話し合いました。しかし、そこで出された韓国漁業団体の皆さんの意見は、この協定に対する激しい不満でありました。しかし、同じことは日本の漁業者にも言えることであります。当然この地域を主な漁場とする鳥取県、島根県等では140隻もの中型、大型漁船が廃業を余儀なくされ、さらに暫定水域内ではほとんどの好漁場を韓国船に占拠され、その上、今もって日本の排他的経済水域で韓国の違法操業が繰り返されているのであります。知事、日本と韓国の間には竹島問題が横たわっている、これは紛れもない事実であります。これを地方自治体両道県がどう乗り越えるのか、これを乗り越えたとき、新しい夢や希望に満ちた北東アジア相互の利益と平和な活力のある地域づくりの姿が浮かんでくると思うのであります。
 このたび韓国では新しく李明博大統領が就任されました。李明博大統領は、これからの日韓関係は理念の時代を超え実用の時代へ向かわねばならない。過去の束縛から抜け出し、具体的な要求をするよりも成熟した日韓関係を進めたいと強調されていると報道されております。言うなれば、お互いに過去のみずからの主張をコンクリートせずに、未来に向けて相互の利益と平和を守ることの方がより大切だと聞こえるのであります。この李明博大統領の思いを鳥取県と江原道との今後の交流にどう生かそうとされるのか、知事の所見を伺いたいのであります。
 次に、北欧・欧米諸国との友好交流についてであります。
 今まで鳥取県の国際交流は、主として北東アジアに重点が置かれていたと思います。鳥取県が目指す県づくりには、世界をリードしている欧米先進国との交流も、その成果が期待できると思うのであります。例えば平井知事のよく知っておられる米国の規模の似たような州などがありましたら、友好交流を進めたらと思うのですが、知事の所見を伺いたいと思います。
 2点目は、指定管理者制度のあり方であります。
 昨日、福間議員、石村議員から主として雇用体制や雇用条件についての質問がありました。私は指名指定のあり方、公募のあり方等につきまして質問したいと思います。
 指定管理者制度によって鳥取県文化振興財団が管理運営する県立倉吉未来中心の斎藤館長が任期途中のこの3月末で退職するという記事が2月29日付の新聞に掲載されておりました。斎藤館長は昨年春、有能な人材を外部登用するということで公募をし、全国から24人が応募、その中で採用され、任期2年であります。また、着任されるや中部倉吉の経済界や市役所等に呼びかけて、中部活性化のための有識者の会議を組織するなど、その行動力は地元では高い評価を受けており、今後の活動に大きな期待を持たれているのであります。全国公募、そして24倍もの難関の中で論文、面接試験を突破して採用され、倉吉未来中心の職員からも頼りになる館長として大いに期待されているとも聞きます。この文化振興財団は指定管理者制度により知事が指名指定されたのであります。しかも倉吉未来中心の管理運営費の約2分の1、年間約9,000万円は地元負担であります。委託者として辞表の理由をどのように受け取られておるのか。もし組織上の問題があるとするならば、早々に対処すべきではないかと思うのであります。
 また、公募に当たっては経営感覚、財団の経営管理をリードできる、そして文化芸術に関する経験、識見を持っている、そういう公募の条件をクリアして合格された方であります。しかも、今に至っても意欲満々で業務に取り組んでいると聞きます。地元の評価も高いのであります。それがなぜ辞表を出されたのか、契約は2年であります。簡単に辞任を認めるのか、館長に公募の条件が守れなかった何かがあるのか、伺いたいのであります。
 以上、1回目の壇上での質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤美都夫議員のお尋ねにお答え申し上げたいと思います。
 まず、国際交流の関係につきまして幾つかお尋ねをいただきました。冒頭、河北省、ロシア沿海地方との交流についてのお話がございました。詳細の交流状況や今後につきましては文化観光局長から御答弁申し上げたいと思いますけれども、議員がおっしゃるとおり、これから私ども世界の中での鳥取県という視点が必要なのだと思います。そのためには幾つかの交流の機軸を大切に育てていかなければならないという思いをおっしゃったのだと思います。
 確かに、私ども今まで歴史的な経緯もありまして、河北省とかロシアの沿海地方との交流を育ててまいりました。この河北省につきましては、古井喜實先生の仲介もありまして、もともと古井先生御自身が日中の友好親善に尽力をされたということで、大変に中国でも評価をされておられる方であります。我が郷土の偉人でございますが、この古井先生の御仲介もありまして、我々からしますと6,000万人以上の省でございますけれども、河北省という大変に大きな省との友好提携をしているところでございます。これは昭和61年に始まった交流でございまして、西尾県政のときに随分と成長してきました。特に農業関係ですとか、あるいは人的交流など、成果も上がってきたというふうに思います。例えば平成7年には燕趙園が建設をされましたし、また平成9年の夢みなと博覧会にも河北省から御参加をいただきました。平成14年の国民文化祭にも御参加をいただきました。こういうように大変に交流は盛んであるし、それなりの成果も上がってきていることは御認識を皆様にいただいていると思います。
 私自身も平成12年に日本の地方財政制度について講義をしてくれという要請がありまして、河北省政府のほうにお伺いをしたことがあります。あわせまして、県議会議員の皆様とも一緒に平成15年に友好親善団、これは15周年記念の親善交流団でございましたけれども、向こうのほうにお伺いをいたしまして、これからますます盛んな交流をしようと認め合ったところでございます。平成18年には片山知事のほうに河北省から省長が訪ねてこられまして、そして20周年の記念式典を行ったというように伺っております。
 ただ、議員が御指摘のように、最近そんなに目立った交流の熱がないのではないかという御指摘もあります。また、これについて他方で実際に交流に携わって綿々として続けておられる方々もおられます。例えば鳥取東高校とか、あるいは鳥取大学も最近友好交流を始めまして河北大学との交換をするということで、新年度からさらにその歩みは強まろうかと思います。
 こういうように人的な交流は片方でやはり進んでいるわけでありまして、私たちは過去の歴史的な友好親善関係もあり、さらにそれについて、それを熱心に進めようという方々もおられるわけでありますから、そうした交流を応援をしていくというのが一つの筋道ではないかと思います。もちろん北京オリンピックも始まりますし、北京の周囲が河北省でございますので、経済発展も今後予測をされるところであります。ですから、そうした交流をきちんと育てていこうという、その気持ちは大切にしていきたいと思いますし、その応援の手だてを具体的に考えていく必要があるかなと思っております。
 また、あわせまして平成3年に覚書により交流が本格化いたしましたロシア沿海地方との交流でございます。
 このロシア沿海地方とは鳥取県日ソ親善議員連盟ですか、そういう県議会の皆様の熱意もありまして、現地で事務所を開設をされたり、また当時は民間での経済交流なんかも盛んに行われていまして、熱も上がったわけでございます。確かに最近、往時に比べると少し下火になったかなという印象をお持ちかとは思いますけれども、先ほどの河北省と同様でございまして、地道な交流も片方でやっております。例えば向こうのゴーリキー図書館というところと鳥取県の県立図書館とが従来からの交流を大切にして交換事業を行っておりましたり、あるいは向こうの子供図書館のほうに蔵書を送らせていただいたりとか、そういう交流を行っています。加えまして、最近はバドミントンを通じて子供たちの交流が年々行われるようになっております。行ったり来たりの交流が始まっております。
 こういうように、いろいろな人的交流の素地も育ちつつありますし、私自身も平成14年、15年と行ってまいりました。その際に沿海地方の副知事とも面談もさせていただき、その御縁で極東大学と鳥取県の鳥取環境大学との友好提携、交流調印をなさせていただいた、そういうようなこともありました。ですから、確かにかつての熱は一時期に比べて冷めているような感はあるかもしれませんけれども、ただ、その素地は綿々として続いておりますし、さらに、このたび東海、ウラジオストクと航路を境港から結ぼうという構想も持ち上がっております。
 私どもといたしましては、経済的な交流、人的な交流がさらに促進されるのではないか、さらに言えばことしはロシア沿海地方で初めて地方政府サミットを行う年になっております。その準備などもありまして、事務的な団を今年度中に出したいと思っていますし、経済交流団を新年度に出すなどの準備を始めているところでございます。
 いずれにいたしましても、沿海地方にしましても河北省にいたしましても、鳥取県は正式にパートナーとして交流をしているところでございますので、今後もその友好の輪を育てるように、私どもとしても努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、韓国江原道との交流が中断をしたのが平成17年3月である。このときに副知事としてどういうように見ていたのか、率直な感想をというお話でございます。
 私自身は、最後の県議会だったと思います。平成17年2月の県議会で議論を拝見させていただきました。その時期にちょうど隣の島根県のほうで条例制定があり、鳥取県はたまたまだったのかもしれませんけれども、かねてから暫定水域を視察に行ったりなどということもありまして、県議会のほうでの議決もありました。この議決は、もちろん暫定水域の問題とあわせて国に対して竹島の解決を求めるというそういう決議だったと記憶をいたしておりますが、その後、直ちに韓国側の反応があったのを自分でも鮮明に覚えております。向こうからの話は、我々としては大変突然でありました。これほどまでに日本の鳥取県の県議会の模様が韓国側のマスコミで大きく報道されているのかと大変に驚きましたし、それにあわせて江原道だけでなくて、韓国側の大変に感情的な反応があったなという感覚を持ちました。そして交流を中断をするというキムジンソン知事の記者会見が3月の末、28日ごろだったと思いますが、それが行われたわけでありまして、私どもとしては、ある意味突然でありましたが、交流中断という現実を突きつけられたわけであります。片山知事からもお話がありましたとおり、この際、こういう時期だからこそ交流をしようではないかというメッセージを送らせていただいたわけでありますが、その願いはむなしく交流中断に入ったというわけであります。
 率直な感想をということでありますが、私は非常に残念でありました。それは日本と韓国との間で国家的な対立軸となるような問題が横たわっている、それ自体は否定できないわけであります。それに関連をして、地域でずっと長いこと温めてきて、日本と韓国との交流のモデルと言われた江原道と鳥取県との関係が中断をしてしまうということに衝撃を覚えましたし、非常に残念だと思いました。もしこの動きがとどめられるものならばという思いも持ちましたけれども、私は既に国のほうに、総務省のほうに戻るということになっておりましたので、その努力をするいとまもなく帰ることとなったわけであります。
 そうした非常に残念な思いがありましたので、先ほども御紹介がありましたけれども、私自身は就任当初からキムジンソン知事に書簡を送らせていただきまして、交流再開を呼びかけをさせていただきました。そのための努力は私どものほうでもしたいということを申し上げ、日本と韓国との本当の意味の理解を図っていくという意味で、未来に向けた交流をしようではありませんか、そのための再開をしようではありませんかと呼びかけをさせていただいたわけであります。
 この呼びかけだけでなくて、9月の定例議会で、県議会の冒頭から議決をされて交流再開を江原道議会に訴えかけられたこと、非常に大きな意味があったと思います。
 キムジンソン知事のいろいろなお話を伺っていますと、やはりお互いに民主主義の国であります。それぞれの地方政府がそれぞれによって立つところの基盤は、それぞれの県民、道民であります。ですから県民や道民の考え方、意識がどういうように動くかということと不即不離で地方政府も動いていかなければならないわけであります。ですからお互いの心が離れていく、それが道民、県民レベルで起こってしまったということになりますと、どうしても地方政府としてもそれに応じた対応をとらなければならなかった、それがキムジンソン知事の苦渋に満ちた胸のうちではなかったかと思っております。ですから、私どもも呼びかけをさせていただきましたし、今回、江原道のほうでも道議会の中の意思形成でありますとか道民の意思形成に、道政府はもとよりといたしまして、道議会の皆さんも随分と動かれたわけでございます。この県議会からも代表団として前田宏議員や福間議員が行かれて、向こうで事前にお話をされ、さらに上村副議長を初め正式の団が行ったことを覚えております。そうしたこちらのほうの熱意も、向こう側も飛び込んでこられたということで受けとめられて、お互いのわだかまりも氷解していったといいますか、先方の意識も解けていったということだったろうと思います。
 私たちは、せっかく再開をしたこの交流というものの精神を大事にしなければならないと思いますし、交流再開に向けてこの1年間費やしてきたエネルギーも大切にしなければならないと思います。そういう意味で江原道との交流を、さらにこれを契機として、雨降って地固まるの言葉どおり育てていく、そういう努力をしたい、そういう決意を新たにしているところであります。
 これと関連してお話がございました。竹島問題を口に出さず避けて通るのではなく、解決すべき課題として認識しながら過去の束縛から抜け出し、真摯に話し合うことが必要ではないかというお話でございます。
 これについては、伊藤美都夫議員御自身も今述べておられましたとおり、この領土問題は国と国とがお互いに協議をして折衝して解決すべき問題であります。我々県庁として、地方自治体としてお互いの間に国境を引くという権限はないわけであります。地方分権の議論も華やかになされておりますけれども、外交、防衛は、これは国の専権事項であると、これは異論をまたないところでございます。ですから、そういう意味でこれは国と国とが解決する以外に道はないわけであります。国際法上もそういう理解だろうと思います。
 しかるに私ども地方政府は何をなすべきかと申しますと、私の考え方では、これは民間の交流を支える存在なのだろうというように思います。我々は外交権を持たないわけでありますから、経済の面での交流ですとか、お互いに人的な交流を行って、真の意味の世界平和を恒久的なものに育てていくこと、あるいは子供たちの成長を支える上で国際人としてそれぞれの地域で人材を養成していくこと、いろいろな課題があろうかと思いますが、こうした地域として取り組み得る民際交流を地域と地域との交流で育て上げていく、こういう使命が地方政府の役割ではないかと思っております。そういう原点に立ち返りますと、江原道の道庁と我々の県庁との間でこの問題についてちょうちょうはっし、やりとりをするという性質のものではないのではないかと私は思っております。ですから、これについては国に対してきちんと解決をしてほしいということを申し上げているわけでございまして、そうした国家間で解決すべき問題であって、地方政府としては交流が再開したこのきずなを深め合うことに専念をさせていただきたいと考えております。
 竹島問題が横たわっているのは事実である。これを乗り越えたときに改めて北東アジアのリーダーの姿が浮かんでくるのではないか。交流再開の経過と今後の交流の取り組みについて問うというお話でございます。
 今、御説明申し上げましたところで大体話は尽きているかとは思いますけれども、このような国家間の問題を乗り越えていく、そのためにこそ我々はお互いの相互理解と相互交流を図っていくのではないかと思っております。交流再開を契機として、今までやりたくてもできなかった課題が双方に見えてきています。例えば黄砂の問題とか、そうした環境問題、これについて実は江原道政府と私ども鳥取県との間で協調して研究をしていこうということをかつて環境問題についてやりかけていました。そういうものを改めて始めようということをしております。
 さらに、水産関係でも農水部が向こう側の方と交流を再開しまして、いろいろな意味で問題があるのは事実でありますけれども、お互いの話し合いの場をつくろうということをしたりしております。そのようにいろいろな意味での交流をこれから改めて起こしていくことだろうと思いますし、さらに境港から東海に向けて船が出るかもしれないという時期になりました。これは長い間の夢でありまして、これが実現することをぜひ第一の目標としたいと思います。
 そういうことで、私どもは理念だとか、あるいは歴史だとかいう世界から、これからは実践だとか、それから未来とかいう志向性に変えていかなければならないのではないかと思います。私たちが地域間交流を育てるのは未来のためにこそあるのだと思いますし、それを育てていく、そのツールは、これは実践であると思います。確かに理念とか歴史を解き明かしていくことは大切であろうかと思いますけれども、それ以上に私たちは地域に恩恵をもたらすためにはメリットのある交流をする必要があると思っております。
 そういう意味で、お尋ねがございました李明博大統領には、これを鳥取県と江原道の交流にどう生かすのかというお話でございますが、私は李明博大統領の就任に大いに期待をさせていただいております。李明博大統領の就任の際の演説ですとかその後の言動をお伺いをさせていただいておりますと、私がちょうど今申し上げたことと同じように、未来志向で物事を処理しようと考えておられることであります。この未来志向という言葉は、実はキムジンソン知事もおっしゃっている言葉であります。交流を考えるときには未来志向で考えよう、それがキーワードとなって今回江原道庁側が鳥取県との交流再開を決断をしたわけであります。この未来志向というキーフレーズを李明博大統領が示し、そして福田総理も示され、お互いの地方自治体同士も示していく。共通理解が今広がっているのだと思います。ですから、李明博大統領の思いが江原道と鳥取県との交流に生きてきている、そういう手ごたえを感じつつあります。
 李明博大統領は経済界出身であり、実用主義を唱えられておられるわけであります。だからこそ東海と境港の間の航路が持つ意味は非常に大きなものになろうかと思います。実は李明博大統領の出身地が大阪というようにも伝えられていますけれども、一番の政治基盤は浦項という慶尚北道の町でございます。今回、このクルーズフェリーを出そうという大亜高速海運、親会社の地元の本拠地は浦項でございまして、李明博大統領とも実は政治的にも非常に近い関係にあります。先般境港のほうにお見えになりまして、私も親しくお話をさせていただきました大亜高速海運の名誉会長御自身は国会議員でおられた方でありまして、李明博大統領との支援関係もある方でございます。そういう意味で、李明博大統領の存在というものは、私ども鳥取県と江原道との交流に実用の面でも大きなインパクトをもたらすのではないかと期待をいたしております。
 次に、北東アジアとの交流に重点は置かれているけれども、欧米先進国との交流も重要ではないか、期待できるのではないか。特に米国の規模の似たような州との友好交流を進めてはいかがかというお話でございます。
 私は機が熟してくれば、そうした交流を正式なものとしていくこともあっていいと思います。最近、日米間の交流、あるいは欧米との交流につきましても、やはりアジアとの交流よりも進展が遅くなってきております。これはやっぱり距離的に遠いということだとか、あるいは経済面での結びつきがアジア側で強まっているということがあると思います。しかしながら、民主主義の母国に学ぶということだとか、あるいは文化の観点だとか、あるいは語学の観点だとか、そうした意味で新しい交流を起こしていくことは可能性として否定すべきものでもないと思っております。欧米とも、例えば三朝町がフランスのラマルー・レ・バンと交流をしていまして、これがキュリー夫人の関係などもありまして、フランスとの心温まる交流を演出していますし、アメリカとの間でも湯梨浜町がハワイ郡との交流をしていたり、また大山町や、それから日南町もカリフォルニア州の町との交流をしています。琴浦町も友好交流といいますか、準交流のレベルでありますけれども、オレゴン州との交流をしていたり、地域ごとには取り組みもあるところであります。
 実は、鳥取県は特に財団法人国際交流財団の方が中心ではありますけれども、民間交流をバーモント州とやってきております。平成16年にバーモント州の日米協会と私どもの国際交流財団との交流調印を行っております。そういう意味で、地域レベルでの交流は今バーモント州との間で始まってきております。現実に向こうとこちらとの間で、向こうから6回代表団を受け入れていますし、こちらからも5回いろいろな団が行っているわけでございます。これは単にそうしたレベルの話だけでなくて、例えばバーリントン太鼓ががいな祭にやってくるとか、それから私どもの鳥取大学と向こうのバーモント州の大学との交流の模索が始まっているとか、あるいは私どもの倉吉農高とバーモント州の寄宿制の私立学校との交流がなされていまして、実際に倉農の方に向こうの子供たちが泊まったり、湯梨浜の学校に出かけていったりしております。私も実はその学校の理事長さんとニューヨークでお会いしたことがあります。こうした民間レベルでバーモント州との交流は進みつつあるところでございます。
 私自身もバーモント州の前の知事のハワード・ディーン知事と東京で私自身、副知事時代にお会いしたことがあります。ディーン知事はアジアを歴訪する途中に日本に立ち寄られまして、バーモントと鳥取県との民間交流がかなり始まってきているということも受けまして、会ってみようかというお話になりました。そのときディーン知事といろいろな話をしましたけれども、ディーン知事、実はちょうど退任間近でありました。退任をされた後は何をされるのですかと私が愚直にもお伺いをいたしましたら、当時ディーン知事は、私は今から大統領選挙へ出ようと思っていますと、ランニング・フォー・プレジデンシャル・エレクションと言われまして、私、大変びっくりしたのです。冗談かと思ったのですが、そのうち本当にニュースで登場してまいりまして、前の予備選挙のときは、最初は民主党では上位を醸し出して戦っていました。その後を受けられたダグラス知事は、私がニューヨークに滞在しておりましたときは州政府協議会の会長さんをされておられました。そんな関係もありまして、2度ほどお会いをしたことがありますし、バーモント州と鳥取県との交流について歓談させていただいたこともございました。
 そういう意味で、もし機が熟してくれば、ちょうど人口規模も似ていますし、向こうはリンゴの産地でございます。私どもはナシの産地でございます。バーモントカレーとは余り関係ないと言っていましたけれども、ともかくそうした果実のつながりがあったり、それからバーモント州は「サウンド・オブ・ミュージック」、有名な映画のその舞台となった一家が移り住んだところとして、向こうではリゾート地として有名なところでありまして、ちょうど私どもの大山のような風情を醸し出しています。そういう意味で、向こうの方も親近感を持ってくれたのだと思いますし、私どもも、もし民間の交流の機運が高まってくるなど熟してくれば、こうしたこともさらに発展させて正式レベルに引き上げていく可能性も考えてもいいかなと思っています。これは時期を見たいと思っております。
 次に、指定管理制度についてでございます。
 倉吉未来中心の館長が辞任をされるというニュースが飛び込んできております。それについて、委任者として何かその理由を聞いているかということでございます。
 私自身は、財団の理事長のほうからお伺いをいたしました。これは随分前にお伺いをしました。そのときに私もびっくりしたのですけれども、理事長のほうも、どうしてやめるのか、やめないでもいいではないかみたいな話をしたそうでありますけれども、いや、一身上の都合があってぜひやめさせてもらわなければいけないと、これは人生設計にかかわるような深いお話を語っておられたというように伺っております。私自身は、この点についてこれ以上のことは存じません。文化観光局長が今理事をしておりますので、文化観光局長からお答え申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)まず、中国河北省、ロシア沿海地方との交流の状況につきまして補足をさせていただきます。
 河北省とは1986年に友好県省の協定書を締結して以来、本県国際交流の草分け的存在ということで、農業や学術分野を中心に交流が行われてきたところでございます。交流の経過は先ほど知事の申し上げたとおりでございますが、その間、国際交流員の配置でありますとか、農林業の分野の研修生の受け入れ、あるいは研究者の派遣、こういったところを中心に行われてきたところであります。その後、農業関係がある程度下火になったということもありまして、現在は青少年交流とか文化芸術交流に加えまして民間交流、鳥取大学と河北医科大学との留学生の交換と、こういった部分でも行われているところであります。また、来年度につきましては、日中友好都市小学生卓球交歓会、こういったもので鳥取県と河北省の卓球交流というのを計画しておるところでございます。
 続きまして、沿海地方との交流でございますが、これも1991年に覚書を交わされたのがきっかけで始まってきております。90年代後半におきまして交流は徐々に下火となってきておりまして、ここ数年は図書館の図書の交換でありますとか青少年交流、あるいはバドミントンを中心としたスポーツ交流がメーンとなっておるところでございます。
 しかしながら、先ほど知事も申し上げましたけれども、近年の経済状況ということもありまして、経済ミッション、あるいは昨年の北東アジア地方政府サミットの状況等を踏まえたいろいろな交流が今後進んでくるということになるということでございます。2008年度につきましては、境港の利用促進事業を中心とした調査団等の派遣でありますとか、先ほど申し上げましたバドミントン協会による青少年交流、あるいは来年度北東アジア地方政府サミットがウラジオストクで開催されるということもありまして、これに関連したさまざまな交流事業も予定されているところでございます。
 続きまして、財団法人鳥取県文化振興財団の関係でございます。
 倉吉未来中心の館長の辞任に伴うものでございますが、私も鳥取県文化振興財団の理事を拝命しておりまして、この間の事情も承知しておるところでございます。
 昨年の暮れに倉吉未来中心の館長から財団の理事長に辞表が提出されたということでございます。その理由は、先ほど知事も申し上げたとおりでございまして、本人の人生設計に係ることということで出されたということでございます。その後、私も直接御本人、斎藤館長さんの方から2月5日にお話をお伺いしました。実際どういう状況なのですかというお話をお聞きしました。そういたしますと、御本人さんのほうから、ある市の市長選挙に出馬するための準備をするということで辞職をするのだということでございましたし、それに対する強い意欲もそのときにもお話しになっておられました。その後、ことしの2月22日に開催されました理事会におきまして辞表が出たということが理事長のほうから理事のほうに報告がなされました。その後で斎藤館長本人さんからも、その旨の発言があったところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)追及質問をさせていただきます。
 1つは、せんだって上海でいろいろな見本市だとか、あるいはこちらからも民間も加わり県も加わりながらの物品の売買といいますか、経済交流が行われたということ、かなり成果が上がったということを聞きます。そうした中で、私は非常に20何年も交流があり、あるいは人脈がある河北省、しかも天津や北京のその外側は全部河北省と、この辺になぜ焦点が当たらなかったのかと実は思っております。やっぱり、僕は今後その辺も配慮してこういう経済交流というのも進めていくべきではないかと思っております。
 韓国との交流ですけれども、私が心配するのは、中身が非常に濃い交流をやってきたと。しかし竹島という領土問題、これ一発で中断されたと。その辺の非常に、言ってみれば民族間の微妙な問題であります。今後、というのは2010年、これは日本が韓国を併合して100周年に当たる年であります。ある国内問題が出てくると、必ず反日運動、そして日韓という飛躍の仕方をするのが韓国の通例だと聞いておりますので、その辺、おめおめ2年後にそういうことにならないように、さらに中身の濃い交流というのを配慮しながらお願いしたいと思っております。もう一言お願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて2点についてのお尋ねがありました。
 まず、河北省との交流についてでありますけれども、先般、私どもも上海のほうを訪れました。県議会からも伊藤保議員や福本議員なども御同行いただいたり、それから経済界、境港の方を中心として行ってまいりました。随分と中国も変わりまして、経済的に成長し、私どもの商売のパートナーとして存在感のあるところになったと実感をいたしました。さらに、河北省も今議員から御指摘がございましたように北京、天津、この中国の大都会、中心部を取り巻くところが河北省であり、いわば日本でいったらちょうど首都圏全体のようなイメージのところでございます。ですから、ここには多くの工場が立地をしたりしておりまして、経済的にも成長著しいというところでございます。ですから、経済的な交流だとか、あるいはそのほか、先般もサカズキネットの皆さんが河北省のほうに行かれたと伺っております。そして緑化事業について話し合いをされたというような報告を受けた覚えがあります。こういうように河北省は北京を取り巻くところで、特にそうした緑化に対する関心の深いところでございまして、砂漠化の進展を何とか食いとめようと頑張っている地域であります。そういう意味で鳥取県がやっております砂漠緑化の運動とも近接点があるようにも思います。そうした経済交流だとか、あるいは民間の交流などを一層盛んにして、これからアジアの中心としてそびえ立ってくる特に中国の中心部のところ、ここと交流を深めていく意義は大きいだろうと私も思います。
 今、交流がちょっと下火になっているようでありまして、博物館で例えば昨年は万里の長城展をやるとかいうような博物館同士の交流がございまして、そういう事業をやってはいますけれども、さらに経済面だとか取り組めるものがないだろうか、これは経済界の方なんかを交えて話し合ってみたいと思います。
 さらに、江原道との交流についての決意を改めて問われました。
 今御指摘のように、日本と韓国とはいろいろな国家間の問題が横たわっているわけでございます。これはたしか片山知事も議場でおっしゃったかもしれませんけれども、お互い歴史を引きずって、隣同士で生きてきているわけでありますから、そうした問題点があることは、これはやむを得ないことだろうと思います。それはぜひ国家間で解決をしてもらう必要はあると思うのですけれども、ただ、時としてこうした問題が着火点になりまして非常に感情的に動き始める、それがあらしのようになってだれも抗しがたくなり、先回あのように交流中断に至ってしまったという事実がございます。ですから、御指摘のように、また2010年だとかいろいろな節目が来るのかもしれません。そういう荒波を乗り越えていけるようなしっかりとした交流を私どもは改めて築いていかなければならないのだと思います。
 米子~ソウル便に加えて、新しい海の道が開かれようとしているわけでございます。これは恐らく江原道側にも鳥取県側にも革命的と言っていいようなインパクトを与える可能性を持っています。これができるかどうか、それだけのインパクトを我々の地域がつくり出すことができるかどうか、これが双方の地域で試されているわけでありまして、お互いにここを努力をすることで経済を軸として実用を軸とした、李明博氏が言うような交流が築かれる、そんなことを考えていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)重ねて追及させていただきます。指定管理者制度のあり方であります。
 知事、館長の辞表、辞任の問題は理事のほうから話されましたが、この文化振興財団、昨年12月25日ですか、労働基準法違反による是正勧告を受けていると聞きましたが、それは本当でしょうか。実は昨年9月2日、振興財団の職員有志が、これは匿名だと思いますけれども、指定管理者制度導入以降の、これは18年以降ですが、財団における労務管理のふぐあい並びに不備について労働基準監督署に改善指導を求めており、財団の全理事にもそのことを文書で伝え、要求について協議いただきますようにと申し入れしておるのであります。いわゆる内部告発の類だろうと思います。
 県は、指定管理者制度について厳しくチェックし、特に労働管理等の不適切な事象があれば、その是正に責任を持たねばならない立場、これは昨日の福間議員の質問にもありましたし、答弁にもありました。その是正を求めねばならない立場にあると思うのですけれども、これはどういう認識をしておられるのか、聞きたいと思います。
 また、財団の職員有志が署名で文化観光局長に斎藤館長の慰留を申し入れたと聞きます。これは直訴であります。これは2月の下旬であります。
 さらに、そのほかにも内部告発とも思われる特定の情報提供があり、この財団は特定業者への発注の疑いだということであります。私は匿名の情報提供でありますから当然その確実性については何とも言えませんが、少なくともこの財団内部には何かが起きている、そういうことが思われるのであります。特定の経営者や幹部職員の独裁的な運営がなされているのではないのかと、そういう疑いも出てくるわけであります。その辺について答弁をお願いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)詳細は文化観光局長から御答弁を申し上げたいと思いますが、私は、その詳細、正直申し上げて直接には存じません。ただ、議員と同じかもしれませんけれども、いろいろな匿名の情報をいただくことがございます。そういう中でいろいろな労働関係の問題があるのではないかとか、それから財団の運営について、これで適正なのだろうかとか、そうした訴えかけをいただいたことがございます。それで、私自身は庁内で調べるように調査を命じたことがございます。
 それで、先ほどの労働関係のお話で言えば、順次改善が図られつつあるというようなことは伺っておりますが、いずれにせよ詳細については文化観光局長から御答弁を申し上げたいと思います。
 なお、2月下旬の人事についての直訴があったことについては、全く承知をしておりません。


◯議長(鉄永幸紀君)衣笠文化観光局長


◯文化観光局長(衣笠克則君)文化振興財団の関係につきまして御答弁をさせていただきます。
 議員の御質問にもありましたように、昨年9月、財団の職員の有志──これは匿名でございますが──から財団の理事、監事に対しまして、財団における労務管理のふぐあい並びに不備等に関する協議の要求というものが送られてまいりました。私も理事ですので、私の自宅にも届きました。その内容といいますのは、時間外勤務の振りかえ処理が不均衡であるとか、就業規則の運用が不備であるとか、管理職の兼務によるふぐあいが出ているとか、そういったものを含めて5点でございました。これを過日労働基準監督署に改善指導を要求したという文書であります。ですから、そういった問題点を労働基準監督署に要求しましたよという匿名の文書が届けられたというのが9月でございます。それを受けまして鳥取、倉吉の労働基準監督署が調査にそれぞれ、県民文化会館あるいは倉吉未来中心に入られて、10月30日には県民文化会館、11月26日には倉吉未来中心に是正勧告がなされたということでございます。その是正勧告の内容につきましては、先ほどの匿名の文書の指摘にほぼ準ずるものでございますが、時間外に関する協定、三六協定がないにもかかわらず時間外労働が行われているとか、それから代休につきまして、その代休を消化していない部分について割増し賃金が払われていないと、そういった部分の指摘でございました。
 それを受けまして、文化振興財団では労働環境の整備にその後努められました。その結果、11月28日から1月28日の間に鳥取、倉吉の労働基準監督署に対しまして是正報告書が出されたということであります。この間、12月20日に理事会が開かれておりますが、その理事会ではこれらの経過を含めまして報告がなされまして、そのときには職員代表者の方もその理事会に出席されて、そういった問題点とか自分たちが考えるそういった部分につきましての意見も理事の前で出されたということであります。そういったものを踏まえて、理事でもいろいろな意見交換、これからはどうすべきかというような意見交換も真剣になされたということであります。そのときに、今後は検討委員会、職員代表とか管理職の代表でありますとか財団の幹部でありますとか、そういった人が中心となった検討委員会を設置して、1つずつ解決していこうということが話し合われたようでございまして、その後、6回その検討委員会が開催されて、その結果、就業規則でありますとか組織体制のあり方も検討がなされたと。最終的には1月下旬に三六協定も職員側と締結がなされたということでございます。先月、2月22日に理事会がまた開かれまして、その経過もすべて報告されまして、その中で今後とも職員が仕事をしやすい環境づくりに努めようと、よりよい労働環境の整備を図っていくべきだというような意見を出されたというところでございます。以上、経過でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)知事、この財団は知事の指定指名で委任された財団なのです。知事、競争で委託した財団ではないですよ。知事が、文化振興財団に未来中心を委託しますよと、それが内部告発があるまで労務管理に、労働基準監督署の是正勧告を受けるまでだれもそれを指摘しなかったと。この是正勧告については県議会の常任委員会でも恐らく報告もなかったのではないかと思います。しかし、私は今残業問題でどれほど未払いの問題が新聞に出てくるか、それから労働者を保護するためにどれほど皆さん苦労していらっしゃるか、それを内部告発に頼らなければいけない、私は非常に寂しい思いであります。
 公益情報者保護法というのがあることを知事は知っておられると思いますけれども、内部告発を行った労働者を保護する法律だと。そう見ると、内部告発の勧めというのが今進んでいるのではないかと思います。ですから、内部告発は組織の不正を正すために重要な要素を持つ行為であるとこれには書いてあるのです。私は、なぜこの内部告発されるまでほうっておいたのか。是正勧告を受けて直しましたと今局長言われましたけれども、指名指定された団体が労基局の是正勧告を受けて1年、大方2年近くなってから、そしてやりましたやりましたと。もうこういう財団は私は指名指定すべきではないと思うわけであります。やっぱり指名指定ということについては、私は財団に甘えがあったのではないかと。さらに財団では本当に俸給も下がってきた、17%とか下がってきました。その中に県が派遣している職員は下がっていない、県の職員並み。となると、そこにはやっぱり厳しいジレンマも出てくるではないかと思っております。この辺の考え方も整理していかないと、今後、同じ財団の中に県の職員と財団のプロパーとが一緒に仕事をする、それが格段に俸給に差があったり待遇に差があったりする、その辺はあり方としてはやっぱり問題の一つだろうと思っております。
 公募のあり方、有能な職員を雇う。今財団には有能な職員がいない、外部から雇う、それはそれでいいと思います。しかし、有能な職員が来て、私は現状の財団に不満といいましょうか、何だろうなと。例えばこの斎藤館長は来られてすぐ、1カ月か2カ月ほどしたときに意見具申をしておられるわけです。組織・機構がこのままでいいのかどうか、あるいは役員人事、職員の今の待遇問題、そのほかについて財団の理事長に文書で意見具申をして、指示を仰ぎたいと。これは5月15日付になっております。その辺もさっと来られて、有能な人はすぐわかる。そしていろいろな意見を提言した。それでもそれこそ労基局の是正勧告を受けなければいけないようなそういう事態。なかなか進まない。有能な人材が死んでしまいますよ。私はそこに、この財団には有能な人材を生かせない何かがあるのかなと。文化という名前で、それこそおまえたちにはわからないだろうというような態度がありはしないか。それに乗っかって、好き放題とは言いませんけれども、文化だとか芸術だとか、それを優先しながら労務管理は無視してきた、あるいは組織や機構は無視してきた、そういうことがうかがわれるのであります。
 知事、答弁は局長や理事に振られますけれども、知事はこの財団を指名して、この財団に委託したのですよ。私は、この辺はもっと知事も気を使っていただきたいと思います。そして、私はこの財団についてはせんだって行政監察監の調査も行ったと聞きます。県外の調査も行ったと聞きます。まさにこの財団に経営者能力はあるのか、本当に鳥取県の文化行政の一角を担えるのか、指定管理者としての責任が果たせるのか、知事はどう認識しているのか伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤美都夫議員から指定管理を受けた文化振興財団についてのお話をいただきました。
 今、いろいろと議場で御指摘をいただきました問題点、私は謙虚に財団は受けとめるべきだと思いますし、私どもも、もし監督する立場でできることがあれば、それはやっていかなければならないだろうと思います。
 私自身は、先ほどもお話し申し上げましたけれども、匿名の情報があり、看過できないかなと自分自身も思いましたので、まずは調べてみようということで調査を命じた経緯がございます。その後、財団の方には、今議員も御指摘がありましたけれども、財団の中の円滑な業務運営ができるような、そうした土俵を組織としてつくらなければならないのではないか、そんな問題意識をこれまでも伝えてきております。財団御自身も今努力中ということでありまして、恐らく次年度以降、新しい管理運営のスタイルを自分たちとして提示してこられるのではないかと思っております。
 ただ、先日も議場で御議論がありましたけれども、労働基準法を守ることを最低限指定管理の団体に求めるべきではないかとか、そういうお話もございます。ですから、今はそういう条項は入っていませんけれども、次回は指定管理をするに当たりまして、そうした最低限のルールを守ることを指定管理の段階でお互い申し合わせるような仕組みが必要ではないかと思います。
 現在の私どもの財団運営に対する報告を求めるのは、実は財務諸表的なものだとか一定のものに限られております。それは財団自体が県から独立した存在でありまして、理事会が運営をすることになっております。しかし、実際に県民の貴重な財産である公共施設を管理運営するわけでありますから、それにかかわるような部分については、私どもも報告を求めたり、また指導することを担保しながら契約をすることも必要かもしれません。次年度、私どもとして管理運営のあり方、指定管理のあり方を見直そうと今検討中でありまして、今回も議会の方に御相談申し上げておりますが、その中で議員が御指摘のような観点が入るような仕組みを考えてみたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)30番伊藤議員


◯30番(伊藤美都夫君)斎藤館長の辞任の理由はどこかの市長選挙の準備だと、そういう話があったようでございます。私もせんだって出会って、最終的に意見を聞いてみました。全くその意思はないそうであります。では、なぜあなたは辞表のときにその話をしたのだという話をしましたら、るるありましたけれども、最終的に言えることは、この財団の改善、未来中心の活性化そのほかを求めて私は試験には合格した、そして一生懸命やろうと思っていた。いろいろな意見書も出した。しかし動いてもらえないのだと。そして私は館長の職を賭してこの財団の改善に物を申したかった、それが真意でございますと。言った言わないはともかくとして、本人はそう言っておられるわけであります。私は、このようなどろどろした法人に、本当に指定管理を委託してよいのか。労働条件さえ基準局から是正を受けるようなそういう法人に、しかも指名委託、指名指定、こういう段階は余りにも県は無責任ではないかと思うわけであります。今後どう指導されていくのか、あるいはこの法人の来年度からの指定、これはどう思うのか、よろしくお願いします。質問を最後にします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今回は文化振興財団のほうに私が就任前から指名指定をしているという経緯はございます。しかし、それはその次回以降の指名指定を保証するものではないと私自身も理解をいたしております。私は先ほど申しましたように、いろいろと問題点は正直あるのだろうと思います。確かに文化芸術を取り扱うという意味で、哲学の相違とか、あるいはいろいろな領域の方々がおられますので、コンセンサスをつくり出すことの難しさなどはあろうかと思います。しかも片方で職員の管理をしながら競争に打ちかつ、ある意味で指名指定とはいいましても、それだけの努力をした上でということになりますので、その努力を県に対して実証しなければならない。そういう内部的な緊張感もあったのだろうと思います。いろいろなことがふくそうして、やや組織内の運営が円滑にいかなくなっている面があるのかもしれません。私、そういう感じを少なくとも持ちました。ですから、私自身も武田理事長に改善を求めているのは事実でございます。その成果を見て、次回の指名指定をどうするか、これを考えていくことになるだろうと思います。指名指定をするのも白紙で指名指定するわけではありません。いろいろな条件にかなうかどうか、それを私どものほうで審査した上で指名指定をするわけでありますし、公募ということになれば、なおさらでございます。そういう性質のものでありますから、そこは冷静に、私どもは委託をする立場として公正、厳正に指名指定の問題について次年度考えていくことにいたしたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)次に、9番浜崎晋一議員


◯9番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)皆さん、改めましておはようございます。雰囲気が変わると思いますが、よろしくお願いを申し上げます。
 県議会自民党の浜崎晋一です。通告に従いまして、地球温暖化に対する適応策と県試験研究機関の役割について知事に、地域産業活性化基本計画の改定と人材育成について知事、教育長に伺いたいと思います。
 まず、温暖化適応策についてであります。
 御存じのとおり、昨年公表されましたIPCC、これは気候変動に関する政府間パネルのことであります。これの第4次報告書は、過去半世紀の気温上昇のほとんどが人為的温室効果ガスの増加による可能性がかなり高いと、地球温暖化の要因を科学的には人為説でほぼ断定しています。過去100年間に地球の平均気温が0.74度上昇し、温暖化が加速しているとの指摘もあります。世界各地で異常気象が頻発し、これと温暖化の関係も少しずつ解明が進んでまいりました。地球温暖化は豪雨や干ばつ、台風、ハリケーンなどの規模を大きくすることがわかってきたのであります。日本が昨年酷暑に襲われたのは記憶に新しいところであります。
 温暖化対策は、地球的規模の課題であることは明確になっておりますが、ことしは京都議定書の約束期間の初年度であります。7月には洞爺湖サミットも開かれますので、国民、県民の関心も非常に高まっております。この問題については、我が会派の前田八壽彦政調会長も代表質問で取り上げられました。私も危機感を共有しておりますので、重複を避けて温暖化適応策について知事に伺います。
 もちろん温暖化を食いとめる緩和策は世界が取り組むべき緊急課題であります。本県も含めた日本もその活動に全力を挙げるのは当然です。しかし、IPCC報告は、6つの温室効果ガス排出シナリオのいずれでも、2030年までは10年当たり0.2度の上昇が確実としています。つまり二酸化炭素などの温室効果ガスを抑制する最善の努力を払っても、これまでのツケは解消ができない、一定の温暖化は避けられないとの予測であります。このため、地球の自然環境は今まさに温暖化の影響を受けているとの現実をしっかりとらえ、温室効果ガスの排出を削減する緩和策とともに、実際に起こっている気象の変化の影響を最小限に食いとめる適応策の重要性を提起しているのであります。最初に適応策の重要性を提起しているIPCCの警告を平井知事はどのように受けとめていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
 適応策は多面的に取り組む必要があるのです。国土交通省は昨年、気候変動に適応した治水対策検討委員会を立ち上げたと聞いております。農林水産省所管の独立行政法人、農研機構といいますが、農業・食品産業技術総合研究機構です。ここでは数年前から果樹や水稲、野菜、畜産など、農業に対する温暖化の影響の調査に着手をしております。農水省も昨年、地球温暖化対策総合戦略を策定したと聞いております。私は、国や都道府県にはみずから緩和策に積極的に取り組み、国民、県民に対して温室効果ガスの排出を抑える努力を働きかけるにとどまらず、不確実ではありますが、温暖化リスクを想定し、将来に備える責務もあると考えます。そうした備えの中核的な役割を果たすのは、県では各種の試験研究機関だろうと思います。先ほど述べましたような国の現状を受けて、本県でもそれぞれの試験研究機関でさまざまな取り組みが行われると思いますが、特に多面的な取り組みが必要になる農林関係の試験研究機関でどのような適応策の取り組みが行われているのか、知事にお聞きしたいと思います。あわせて国土交通省の国の取り組みに対して、知事はどのように期待されているのか、お尋ねをしたいと思います。
 次に、地域産業の活性化の取り組みについて、何点かお伺いをします。
 本議会に提案されております平成20年度の一般会計当初予算について、報道機関は厳しい財政上の制約の中で産業振興政策に多くの事業を盛り込んだと、おおむね平井知事の経済対策への積極姿勢を評価しております。知事自身も提案説明の冒頭で、地域経済の振興を図り、雇用の場を確保することは急務であり、地域産業活性化基本計画等を実行に移し、液晶、自動車関連、食品加工業など県内産業の事業拡大や企業誘致を精力的に展開することとしているというふうに述べられました。私も知事就任2年目にかける平井知事の決意と平井カラーが示された予算案だというふうに評価をするものであります。
 提案説明でも触れられました地域産業活性化基本計画は、今議会が開会する前日の2月19日に第4回が開催されました。集積対象業種を拡大する改定案をまとめられたのです。また協議会規約を改正して商工団体や金融機関などを会員に加え、文字どおり官民を挙げた体制に強化されました。新たな対象業種に加えられたのが食品・健康科学、木材・パルプ・紙加工、卸売・物流の3つの関連産業業種です。いずれも県内に一定の集積があります。企業立地促進法の拡充を機敏にとらえて地場産業の増設なども視野に入れて、幅広い分野で投資を促す措置と理解をさせていただきます。基本計画の改定によって企業立地目標が50件から70件に、製品出荷額は167億円の増、新規雇用創出も565人の増加と、成果目標が引き上げられるのは大変喜ばしいことというふうに考えます。
 ただ、私は多少の懸念を持っております。それは基本計画のターゲットがぼやけるのではないかなということであります。改定後の基本計画を読んでみましたが、集積業種と指定する業種は実に多彩です。業種は日本標準産業分類の中分類で示されていますが、実数で28業種を指定しています。中分類は全部で99業種あります。計画の指定業種はほぼ3割になるのです。大分類の製造業の24中分類の中で見たら18分類がそうですから、7割分が指定業種となるということであります。確かに視野は広がりますが、投網漁に例えたら非常に大きな投網を打つことになります。これだけの広がりは産業振興施策としての選択と集中という視点で見ると散漫になるのではないかとの懸念も抱かざるを得ないのであります。
 現に一定の集積があり、その業種で働いておられる県民があるわけで、それらの産業も全体的に底上げしたい、発展させたいとの気持ちはよく理解はできます。ただ、広がった全分野へのケアは十分にできるのでしょうか。財政面、人的側面からもです。選択と集中も考慮しなければ、実際の果実が期待できないのではないかと危惧するのであります。私の懸念は杞憂であると知事に明確に否定していただきたい思いも込めて、この点で知事の所見を承りたいというふうに思う次第であります。
 基本計画に盛り込まれている具体的な問題でありますが、いよいよ新年度から液晶ディスプレー関連産業を担う製造中核人材の育成と確保、大学、大学院生、高専生、社会人も対象に本格的に動き出すことになります。既に使用するカリキュラムは開発を終えました。本格講義の実施はこれから、県から鳥取県産業振興機構に講座全体の運営管理業務を委託されると思います。この事業は、県が液晶を戦略的産業として位置づけておられますクリスタル・コリドール構想の中核となる施策と認識をしておるわけであります。それだけに政策立案部署としての県の商工労働部と運営主体の産業振興機構、鳥取大学、鳥取県産業技術センターとの連携は、これまで以上に重要になると思います。事業実施に向けて準備が着々と進んでいると推察しますが、それぞれの役割分担をどのように整理されているのか、連携体制の現状と準備の進捗状況とあわせて、知事にお尋ねをしたいと思います。
 さらに、これらの関係機関との連携を踏まえ、人づくりの観点から教育長にお尋ねをしたいと思います。
 産業振興機構と県教育委員会は、鳥取工業、倉吉総合産業、米子工業の県内工業系3高校を対象に、物づくりの基本的知識・技術と応用力を持つ人材育成に取り組んでおられます。高卒新卒者の非常に高い離職率を見るにつけ、県内中小企業の協力を得ながら物づくりの現場で知識、技術を学ぶことは極めて有用だというふうに思います。この取り組みの現状と現段階で浮かび上がった課題をどのようにとらえておられるのか、将来的な構想であるインターンシップへどう進めていこうとされているのか、お尋ねをします。また、その際には言うまでもなく、商工労働部や関係機関との連携を一層強化する必要があると考えますが、あわせて所見を伺います。
 以上で壇上からの質問を終わります。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員の御質問にお答え申し上げます。
 本当に短時間でたくさんの質問をいただきまして、順次お答えを申し上げたいと思います。
 まず、地球温暖化適応策につきましてでございますが、気候変動に関する政府間パネルの第4次の報告が出されました。これについて一定の温暖化は避けられないと予測をし、緩和策、適応策の重要性を求めておられるわけでございますが、これについての所見をということでございます。
 私ども鳥取県は豊かな自然環境に恵まれており、これこそが鳥取県民が先祖から引き継ぎ、後代へと残していかなければならない貴重な財産なのだと思います。この私どもの自然環境は、地球のすべての地域とつながっているわけでございまして、その一翼を担う我々として、自然環境に対する負荷を低減をし、そして私どもでできる環境推進活動を実践していくことが大切なのだと思います。
 今回のIPCCの報告の中でも幾つかショッキングな事象が出されました。IPCC自体は3つの分科会に分かれて提言をまとめられたわけでありますが、その中でさまざまなモデルを駆使しまして予測をされたわけであります。今回のこの報告書の中で示されたことでいきますと、今世紀、21世紀の後半になれば北極海は夏場は氷がすべて解けてなくなってしまうだろうと、こういうように言っておられます。さらに環境と経済とが両立をする、すなわち持続可能に経済が成長していく、それが環境と両立をするという比較的モデレートな、環境に対する負荷の緩和されたモデルであっても、それでも1.8度上昇をするというように言われています。これは海面の上昇ももたらすわけでございますし、私ども海岸線を100キロ以上にわたって持つ鳥取県としても全く無縁な存在ではないわけであります。
 一口に1.8度といいましても、それが与える影響というものは、植生、すなわち植物の生きるその実相にも大きく影響します。これは農業などにも影響しますし、水産業も海温の上昇とともに変わってくるだろうと言われています。
 近年、海面が少しずつ上がっているというようなことも報告をされます。これは北極海の氷が解けたというよりも、水の体積自体が温度が上がることで膨張しているのではないかと、こんなことも言われるわけであります。その温度の上昇を裏づけるかのように、近海でサワラがとれ出したり、そういうように鳥取県を取り巻く環境も変わりつつあるわけであります。
 これは、私どもの人類としての英知を試されているチャレンジだと考えます。そういう意味で、この夏には洞爺湖でサミットが開かれますが、洞爺湖サミットとあわせて、さらにBRICsの国々でありますとかインドネシアだとか、いわゆるG8プラス8ということで、環境についての気候変動についての話し合いを首脳レベルで持とうと今政府は計画をしているわけでございます。これがこれからの世界の環境対策に大きな影響、進路を与えるものではないかと期待をいたしたいと思いますし、鳥取県もその日本の中で環境先進県でありたいと願う地域として、我々の実践活動をさらに強固なものにしていく必要があるだろうと思っております。
 この中で示されておられますさまざまな緩和策などとあわせまして、適応策も求められているわけです。我々自身、ある程度の温度の上昇、温暖化は避けられないという中で、では、それに対する対処方法も考え始めなければならないのではないかということです。現在、御指摘にありましたように、農水省だとか国土交通省だとか、国の方でもその検討を始めたばかりでございます。そういう動向もにらみながら、鳥取県としてもどういう適応策を考える必要があるか、我々なりに考えていきたいと思います。今、県として次世代改革の環境推進のプログラムをアジェンダとしてつくり上げようといたしております。それと連関させながら、庁内でもプロジェクト的にこうした問題を扱っていく必要があるだろうと思っております。
 次に、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構で現在温暖化の影響調査に着手をしている、こういうような取り組みが農林水産省でなされているわけですが、本県で試験研究機関でどんな適応策を今取り組みをやっているのかということでございます。
 詳しくは農水部長からお答えを申し上げたいと思いますが、例えば、最近コシヒカリとか稲の生育にも影響が出ていると言われております。白濁が見られる、それが収量の低下につながっているということが言われております。これはやはり温度が上昇していることと無縁ではないと思います。最近、九州の方でもコシヒカリがどうも適応しない、合わないのではないかということでヒノヒカリとか別の品種を植えかえにかかってやっておられるというような動きもあるわけであります。私どもの試験研究機関の方でも、こういう意味で白米に与える影響について研究機関として調査をする必要があります。そういうような研究実践を行っていたり、あるいは豚も夏は暑くてかなわないということがありまして、豚もストレスを感じるそうでありまして、そうしたストレス対策とか、私どもとしての適応策の研究を今始めているところでございます。
 次に、国土交通省の気候変動に適応した治水対策検討委員会の状況につきまして、どういうように私の方で期待をしているかというお尋ねでございます。
 国民の安全・安心を確保するということは、国家の最大の責務であろうと思います。これが自然環境の変化に伴って、その責務の内容が変わろうとしていると思います。私どもも記憶に新しいのは、昨年の夏、8月、9月と集中豪雨の災害が本県を襲いました。これは琴浦町だとか若桜町、八頭町、大山町、そうしたところで発生をしたわけでありますけれども、経験したことのないようなと言っていいぐらいの急な雨でありました。まるで南国のスコールを思わせるようなものであります。これは気温が上昇してくるということに伴いまして、上昇気流が大いに発達をするということと関係があるのではないかという指摘もあります。こういうように気候の変動が私どもの自然環境にもたらしている影響は無視できないわけでありまして、国土交通省の今回の中間報告が11月だったと思いますが、出されたわけでありますけれども、この中間取りまとめの中でも、そうした気候変動によって治水対策も変えていかなければならないのではないか、こんな思いが寄せられています。それから、海面の上昇も少なからず起こるわけであります。最悪のシナリオでいえば60センチ近く海面が上昇する地域が地球上で発生するかもしれないというのがこの間のIPCCの報告の趣旨でございます。そうしますと、私どもの海岸線にも影響を与える危険があるわけでございます。
 こういうことに対処をしていくには、要は半世紀かけて1世紀かけてという長いスパンの取り組みになるかと思いますが、その指針を今国土交通省のほうで検討して中間取りまとめまで行ったということであります。ぜひ国として対策をしっかりと考えていただきたいと思いますし、状況の分析を行っていただきたいと思います。
 ただ、現在示されているところを中間取りまとめ段階で拝見をいたしますと、ハード事業もさることながら、ソフトのほうの対策の充実を求めるということであります。
 中間取りまとめの視点として正しいと思いますのは、この気候変動がもたらす犠牲者はゼロにしなければならない、このことが基本的コンセプトとして掲げられていまして、この着想自体は正しいと思います。問題はそこに向かっていくステップをどう組み上げていくかでございますが、まだ余り明確なものが提示をされていません。ハード事業よりもソフトの方で対処をするというお話が書かれているわけでございますけれども、私はそのハードのほうも恐れずやっていただかなければならない面があろうかと思います。要はソフトであれば避難をするということを言うわけでありますけれども、例えば海面が上昇するというようなことだと避難のしようがないわけでありまして、堤防の高さの問題とか、そういう検討が必要なのだと思います。
 よく100年確率でこれだけの対策ということを言ったり、50年確率でこれだけの対策ということを言います。ただ、その50年確率で何が起こるかということが雨の降り方だとか、それから海面の状況などで変わってくるわけでありますが、そこにぜひ切り込んで国のほうは検討していただきたいと思います。ハードのほうの議論が腰が引けているような気がしないでもないものですから、これからの検討の中でそうした方向も打ち出していただきたいと期待をしたいと思いますし、国のほうにもそうした話を申し上げていきたいなと思います。
 次に、地域産業活性化基本計画につきましてお尋ねをいただきました。
 まず、今回私どものほうで見直しを図っておりまして、地域産業活性化基本計画で3業種を加えようといたしているわけであります。例えば食品加工業とか木材加工とか卸売とか、そうした事業グループでございます。こうしたグループを加えることで、選択と集中という観点から投網が大き過ぎるのではないか、実際のうまみが出てこないのではないかという、手当てができないのではないかという危惧があるというお尋ねでございます。
 私どもが今回この計画変更を考えましたのは、国のほうの企業立地促進法の改正の動きに伴うものであります。企業立地促進法の中で今まで打ち出されていましたのは、海外との競争のある産業分野についてやろうと。そこの海外との競争の中で、我が国の方に要は工場立地などを回帰させる、戻してくる、そういう動きを強めることを主眼としてやったわけであります。ですから、今まで対象になっておりましたのは、我が県でいえば電子デバイス関係とか繊維関係だとか自動車関係、こうした業態の分野が中心でありました。今回はそれに加えて農林水産業と工業との連携といったような業際分野での連携なんかも含めて、地域の魅力ある産業を創造してもらいたい、こういう観点での改正でございます。こういう意味で、実は今回の改正自体が鳥取県という地域に非常に親和性を持ったものだったと思います。
 前回の、もともとの6月に私どもが動き始めました企業立地促進法の関係からいたしますと、あのときには企業さんを回りました、6月、7月ぐらいに随分と企業さんを回りまして御意見を伺いました。そうしますと、確かに電子デバイス関係とか、国の特例があるのはわかるけれども、食品加工業なんかは、ぜひ本当は検討してもらいたいと、なぜ国の方の特例がないのだろうかという話が出ていました。市町村の方からも同様の御意見がありまして、それを指定するかどうか自体、実は悩みを持ちました。ただ食品加工業などは私どものほうで指定をしたところで、国のほうのいろいろな税制上の特例措置などが得られないわけでございますので、やってもメリットがないのであれば今回は見送ろうかというふうに思っているところです。しかし、国のほうの動きがありまして、特に鳥取県と親和性の強いそういう業態を組み入れようという動きでございますので、私どもはぜひ業者さん、企業家の声も市町村の声、地域の声もございましたので、取り組ませていただきまして、もっと枠を広げるべきだというように考えまして、全国に先駆けて計画改正の動きをとらせていただいたわけであります。
 今回のこの計画に盛り込まれた場合、どういうメリットがあるかといいますと、それは企業が新たに業態を拡張しましょうとした場合、あるいは誘致をした企業が進出をしましょうということになりました場合に、税制上の特例措置が得られるということが中心であります。それからあと、国の補助金がこれと関連して出る可能性があるということなのですが、そういうものであります。ですから、ここに掲載をするということは、国からのそうした支援を受けやすくなるという意味でございまして、これは対象を広げたところで県が音頭をとってやるにしても、アブハチ取らずということになる性質ではないと考えております。広がることで確かに目配りがどうかということはあるかもしれませんけれども、私どもとしては、ぜひそうした食品加工、木工、あるいは卸売業などの新業態についても同様に取り組ませていただきたいと考えております。
 実際問題といたしまして、食品加工業は電子デバイス関連企業などよりも事業所数はずっと多いです、200事業所以上ございます。また従業員の数でも食品加工業は、電子デバイスがトップでありますけれども、その次は食品加工業のグループでございまして、県内での業態としても大きなところでありますし、食品加工業をとってみれば、県の中での貴重な農林水産業の資源と組み合わさって成長できる分野だと思っておりますので、こういう業態を幾つか指定させていただくことの意味はあると思います。卸売業は、確かに現在衰退というか、停滞ぎみの産業になってきていますけれども、だからこそハイウエーが通ることで業態を転換しなければならない部分があろうかと思います。ですから、それを応援する意味であえて指定をさせていただくということにした次第でございます。木材関係も、もちろん県内の優良な木質資源と組み合わさることで他県との競争性、世界との競争性を醸し出せればという願いを込めて指定をさせていただいたわけであります。こういう意味でありますので、我々なりの体制をきちんととって、議員が御懸念のようなことにならないように努めてまいりたいと思います。
 加えまして、液晶中核人材の育成確保について、私どもがどのように関係機関と連携して取り組んでいくのかということでございます。
 詳細は商工労働部長から御答弁申し上げたいと思いますけれども、かねて取り組んでおりました液晶人材育成プログラムは、新年度から本格的に研修体制を整えるということになります。これは高校の現場ですとか大学ですとか、あるいは私どもの関係機関とか、そういうところを会場として行うことになります。基礎的なレベルから、さらに応用的、高度なレベルまで人材を育成するというプログラムを組ませていただきました。これについては「フラットパネルディスプレイインターナショナル2007」という首都圏で開かれたメッセでも、昨年10月に展示をさせていただきましたところ、大変に評判がよかったわけであります。現に、現在試行プログラムをやっておりますけれども、それには名古屋からわざわざ参加をされるという参加者もおられました。そういうように、全国的に見ても非常に意味のあるプログラムが現在できてきたと思います。これをいよいよ新年度からやるわけでありまして、関係機関と一緒になりまして実効性のある人材育成を図っていきたいと思います。
 あわせまして、鳥取大学と一緒になり、民間の寄附も集めまして新たに鳥取大学の中に電子フラットパネルディスプレーの研究センターをこしらえさせていただきたいと思っております。これも予算上、今御討議をいただいている最中でございますけれども、さらに高度な人材、ドクターレベルの人材を育て、地域の研究の基盤を整えて産業のバックアップを図る、そういうセンターになるというように思って期待をいたしております。これも新年度の事業として、早速に研究所を立ち上げて10月ぐらいから研修生といいますか、研究員を受け入れる、そういう体制に持っていきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)液晶中核人材育成事業実施に向けた準備状況等につきまして、補足をさせていただきます。
 まず、準備状況のことから御説明をさせていただきますが、19年度は18年度に開発をいたしましたプログラムや教材テキスト等のできぐあいを評価、点検をいたしますために、高校、高専、大学などで実証、講義を行い、改良を加えてきたところでございます。先ほど知事からも答弁ございましたが、昨年10月、横浜で開催されましたFDP展でこのプログラムを展示をさせていただきましたが、教材テキストをぜひとも販売してほしいでありますとか、このプログラムを自社の人材育成に活用したいというような来場者からの声もいただいておりまして、いいものができたのではないかというように考えているところでございます。
 来年度、20年度から講義の実施をするわけでございますが、その実施体制を確立しますために、現在、産業振興機構、また産業技術センター、鳥取大学、米子高専、工業高校などと協議を重ねているところでございます。これらによりまして、各機関との役割分担、共通認識が醸成されてきておりまして、20年度からの講座の開始に向けて準備は順調に進んでいるものというように認識をいたしてございます。
 また、20年度からの具体的な役割分担ということでも御質問がございました。
 議員御指摘のとおり、プログラム全体の運営管理主体は産業振興機構が担っていただくということになってございます。また、具体の講座の運営につきましては、高校、大学、産技センターなどが担うこととなってございまして、産技センターでは上級編のうち液晶製造技術課程といった専門的な技術課程を担っていくことといたしております。また、県ではこれら全体を総括するという役割として整理をさせていただいているところでございます。
 次に、各講座の実施見込みということでございますが、工業高校5校、米子高専で実施する基礎講座でございますけれども、現段階では実施時期等調整中ということでございますけれども、3月ごろを目途に日程を固めるという予定にさせていただいておりますし、また鳥取大学で実施をいたします大学生向けの講座は、夏休み期間中の集中講座として実施をする予定となってございます。また産技センター等が担うこととなっております社会人、大学院生向けの上級編の講座は6月ごろから受講者を募集し、8月ごろから講座を開始する予定といたしてございます。
 いずれにいたしましても、液晶人材プログラムの全課程は20年度からスタートすることとなってございますけれども、関係者の連携体制を構築をいたしますため協議会を設置をすることといたしておりまして、プログラムが円滑に実施、運営できるように努めてまいりたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)1点について補足答弁をいたします。
 地球温暖化に対する適応策について、鳥取県の農林水産関係の試験場ではどんな取り組みをしているのかということでございます。
 正直申し上げまして、本県では温暖化適応策という大々的に銘打っての試験研究は行っておりませんけれども、県内の生産現場におきましては、既に地球温暖化の影響と考えられる収量ですとか品質の低下、これらが発生しておりまして、これらに対応するための試験研究に既に取り組んでいるところであります。幾つか御紹介させていただきますと、まず農業試験場では先ほど知事が申し上げましたけれども、水稲の高温障害のほかにも、大豆栽培におきまして暖地性の病害虫というのが出てきましたので、これらに対する防除方法の研究などもやっております。それから園芸試験場におきましては、ブロッコリーで高温が原因とされる花が黄色くなるような障害が起こってきておりまして、高温障害が少ない品種の選定ですとか肥培管理技術の改善、こういった研究に取り組んでおるところであります。それから水産関係では栽培漁業センターの方でアカイカが近年非常に増加をしております。この回遊生態ですとか成長量の調査、それから効率的な漁獲方法の解明、こういったような研究に取り組んでいるところであります。それから林業試験場では近年、多分温暖化が原因ではないかと思われますけれども、局地的な集中豪雨というのがたびたび発生をいたしておりまして、森林の表層崩壊というのが多発をしております。この表層崩壊のメカニズムの解析ですとか、崩れやすい脆弱層と言いますけれども、これを簡易に判定する方法、こういったものの研究にも取り組んでいるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)浜崎議員の御質問にお答えを申し上げます。
 県の産業振興機構と県の教育委員会で取り組んでおります物づくりの基本的な知識・技術と応用力を持った人材育成の授業についての取り組みの現状と、それから現段階における課題はどうかというお尋ねでございます。
 本県では、私が申し上げるまでもありませんで、産業振興に今非常に力が入れられております。県外からの企業の誘致ですとか県内の産業をさらに活性化するというふうな取り組みに非常に大きな力を今入れておられるところであります。そのためにも、県内の例えば高等学校なんかの人材育成が非常に大事な私は役割を果たすというふうに考えておるところであります。地域の企業の現場から最新の技術、知識を入れるということが私は必要だというふうな認識を持っております。
 高等学校の話ですので、県立の工業系の高等学校を中心に話しますけれども、インターンシップをやっております。やっておりますけれども、2日とか5日ぐらいやりますけれども、どうしても基本的な知識、技能が中心になっていて、さっき言いましたような、現在求められるニーズのある新しい知識、技術、そういうふうなものが十分ついていない嫌いもあるというふうに認識はしております。そういう意味で、実践的な、本当に必要な、今求められている新しい知識、技術をそこで得ていくというのが大事だというふうに考えています。
 お話が今ありましたけれども、今申し上げました国の事業を活用しまして、本年度、6月からですけれども、鳥取工業高校と倉吉総合産業高校と、それから米子工業高校のこの3つの高等学校で、県内で集積度の高い電気、電子とか、これに関連するような機械等の分野において教員の企業研修とか、企業の技術者の方に学校に来ていただいて授業をしてもらうとか、それから生徒のインターンシップももっと充実したものにするというふうな、そういう取り組みを今しているところであります。地元産業界の皆さんのお力とか、それからさっき言いました県の産業振興機構とか、それから県の商工労働部と連携をかなり深めて、今取り組み始めたところであります。
 今お話のありました課題ですけれども、まだ本年度取り組んだ段階ですので、まだまだですけれども、例えば企業の技術者の方においでいただいて授業をする場合、あるいは長期のインターンシップを実施する場合、企業の皆さんのほうにかなりの負担がかかると。企業もかなり忙しくていらっしゃるけれども、その負担が結構かかるというふうなところがあって、受け入れてくださる企業をどうやって確保するかというのが一つの課題だというふうに聞いています。それから産業界と連携していくことによって、教員の意識を変えたいというふうに思っておりますけれども、やはり教員の意識も差があるというふうなこと、その差をさらに縮めていく必要があるというようなことが課題かなあと思っております。
 インターンシップをさらに発展させて、今までは授業が大体中心になってしまいますけれども、学校の授業と現場の企業、これを両輪にして教育のプログラムをつくって人材育成をやっていくという、ドイツの方ではデュアルシステムというふうな言葉がありますけれども、そういうふうなものに近づけていくように取り組みをぜひ進めていきたいというふうに思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)御答弁をいただきました。まず適応化については、知事からしっかりと今のこの緩和策が叫ばれておるこの温暖化の現状という部分を鳥取県の部分でいろいろ聞かせていただきました。本当にこれからしっかりとやっていかなければいけないという思いを聞かせていただいたように思います。ただ、適応化については、大丈夫という安心できる取り組みはこれまで進んでいないと思います。県の試験研究機関は、先ほどもお話がございました、やはり現状の対応という部分がどうしても多いと思います。すぐに役立つ研究を求められます。ただ、一方ではやはり長期的な視点に立った研究設定、これは絶対必要だというふうに思います。先日の前田議員の代表質問でも衛生研究所をめぐって議論がされました。農業試験場、林業、水産、それぞれの試験場で同様のことがあると思います。ただ、その際には現場のニーズにこたえるのは当然なのです、今お話しのように。ただ、それだけに偏ると、将来への備えを怠る事態が起こるということも十分に認識をしていただきたいというふうに思います。
 今まさに温暖化の影響を受けているわけですけれども、今申し上げたように、今の品目に対する確実な対策、高温の対策、害虫の対策、そういったものもやはり適応の一つだと思います、長期的なスパンに立ってこういった対策は県しか手がけることができないということも十分に認識をしていただきたいというふうに思う次第であります。
 事は気象に関することですので、あしたの天気予報も当てになりませんので、これが5年後、10年後、先ほど知事も50年、100年とおっしゃいましたけれども、これは本当に困難だと思います。ただ、今スタートを切らなければ、産地としてほかの県との競争に負けてしまう、生き残れないということが十分にあるということも認識をしていただきたいというふうに思います。
 小谷議員の代表質問で畜産先進県として宮崎県の話がありました。本当に早場米の産地ですから早場米の品質低下、普通米の高温障害が顕著になっている、だから危機感を持ってしっかり品種開発をしているという話でございます。野菜とか花卉についても同様でありました。さすが宮崎県というふうに思います。
 この間、新聞では埼玉で適応策として南国のフルーツが県内で栽培できるか、新年度から3年間の研究に着手するという記事が載っておりました。国の検討もまだ緒についた段階です。本県がおくれているわけではないと思います。ただ、確実な成果が約束されているわけではないだけに、よほど意識的に取り組んでもらわなければいけないだろうというふうに思うわけです。それでなければ後回しになると思います。トップの明確な意思で試験研究機関での温暖化適応策を本格的に研究すべきだと思います。また知事の御見解をいただきたいと思います。
 私がこういう問題を何で意識するかというと、テレビでやっていました。サンマ漁が消えるという話があったのです。個人的に私はサンマが大好きであります。余計に気になったのです。またリンゴも、もう西日本ではできなくなる。それから先ほどちょっと農林水産部長からお話がありましたけれども、山陰沖では、アカイカもそうですけれども、最近サワラの漁獲量もふえてきました。逆に主漁場は北海道なのですが、ニシンやマダラ、こっちの水揚げもふえている。これは温暖化、単に気温の上昇だけではなくて、海流の影響もあるのかなというようなことも感じています。当初予算には県産魚の産地ブランド力向上支援でサワラの研究支援、確かに盛り込まれておったと思います。これも広い意味では適応策だと思います。いそ焼けだとか海の栄養不足によるノリの色落ち、こういう海の変化を実感させる予兆は何ぼでもあります。水産部門でも適応策の検討をぜひしていただきたい。そのことについても知事の所見を伺いたいと思います。
 地場産業の活性化ですけれども、丁寧な御答弁をいただきました。お話のとおりこの計画の改定というのは立地促進法の支援措置の拡充に対応して、新しく立地または増設、そういった企業が支援を受けられるように指定業種を拡大するということであります。知事の思いを聞かせてもらいながら、あくまで企業側に着目した計画改定だということを改めて理解をさせていただいたところであります。
 ただ、鳥取県の現状は、皆さんも御存じのように平成17年の県民生産も、実質成長率がマイナスであります。私の皮膚感覚では17年だけではなくて、18年も19年も、まだ出ていませんけれども余計悪くなったというふうに思っております。企業立地促進法が支援対象としているのであれば、さっき知事が言われました、確かにそれもメリット、力いっぱい受けなければいけません。どの分野でもみずから立地や業況拡大を図られる企業が支援を受けることを可能にすることは有効です。ただ、県財政は非常に厳しい現実である。他方で衰退する県内の経済もあるのです。この難しい連立方程式の解としては、やはりこの間の地方分権のお話もありましたけれども、触媒役の知事の役割は極めて大きいというふうに思うのであります。金、物、人、いずれにも制約があるということになれば、どうしても選択と集中というのが欠かせない。私ごとですが、家にもビワがなっております。本県の看板果樹である二十世紀ナシもやっぱり適正な摘果をしなければ実はならないのではないでしょうか。産業政策でも、正しい剪定と摘果をやって大きな果実が得られるというふうに感じる次第であります。この企業立地促進法という肥料は十分に受け取って、その上で産業誘導施術という剪定と摘果、これをしっかりやって大きな果実を得てほしいというふうに思います。指定業種を追加した基本計画に国の同意が得られた段階で、ぜひそうした工夫も必要だろうと思いますが、改めて知事の見解を聞きたいというふうに思う次第であります。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、環境関係でお尋ねをいただきました。議員のほうから長期的な視野での研究をやるところは県しかないのだと、それから産地としてしっかりと今スタートを切らなければならないというお話をいただきました。それで、県として取り組んでいくこれからの方向性についてのお尋ねをいただいたわけであります。
 確かに今、随分と温暖化の影響と言われるような現象があちこちで見られています。おっしゃいましたように、サンマ漁がいずれは日本近海でなくなるのではないかというニュースも衝撃的でありました。私もサンマは好きなほうでありまして、同じ衝撃を覚えたのを覚えております。
 ともかく、このような状況の中で、やはり生まれ変わっていかなければならない部分は確かにあるのだと思います。そういう意味で、鳥取大学と今協調をしまして、新しい品種への取り組みが必要かもしれない、始めてみようではないかという構想をしています。知の財産づくりといいますか、戦略的な取り組みとしてやってみてはどうだろうかと。例えばナシについても、温暖化に対応するような品種の開発が必要ではないかとか、それからコシヒカリ型のもので短稈、短い背であって、しかも高温に耐えられるような、そういう品質を選抜してはどうだろうか、今そんな取り組みも始めたところであります。このほかにも20年度いろいろと予定をしている研究もございます。水産関係でも同様の調査活動を始めようとしているところでございまして、その内容につきましては農林水産部長から御答弁を申し上げたいと思います。
 次に、地域産業活性化基本計画のことについてお尋ねがございました。
 多くの企業に活用してもらって、本当の意味での実を出すようにしなければならないのではないか、そのためには、ちょうどナシの実と同じように摘果をして、選択と集中での産業育てを始めなければならないのではないかというお考えをいただきました。
 私どもが今やっておりますのは、企業立地促進法などを活用してということを一つにはやっております。これ以外にもスタートアップファンドやステップアップファンドをつくりまして、県議会の御承認もいただいて新たな取り組みもやっているところでありますが、例えばそうした産業をこういう業種だったら国の方の応援も活用してやろうではないかということを始めたわけであります。
 幸いにいたしまして、企業さんの取り組みも出てきております。近々17日に自動車関連産業の明治製作所のほうに第一番目の認定証の交付をさせていただこうとしております。これは鍛造の企業でございまして、雇用も少なからず今回発生をするという計画をいただいております。これに続くように、今、私どもとも折衝をしているところがあります。早速食品加工業などの分野とかでも手が挙がり始めておりまして、ぜひ多くの企業さんにそうした業態の拡張だとかいうことで雇用を設けていこうという動きを起こしていただきまして、それに我々も国の制度も活用しながらこたえていきたいと思っているところでございます。
 このようなことはいろいろな産業分野で起こってくるのだと思いますけれども、私はイメージとしては伸びゆく企業はどんどん伸びていただきたい。結局地域の産業が全体として経済を回復していくためには、ある程度リーダーとなるような存在が必要なのだと思います。ですから雇用を吸収をしながらでも伸びていこうとするところがあれば、それを県として応援していくのが経済の合理性にもかなった筋道だろうというように思っております。
 それとあわせて、片方で摘果をするというお話がございましたけれども、その摘果ということも当然経済でございますので事業を整理しなければならないという局面になる企業さんもおられます。それはそれで仕方のないことでございまして、司法の手続などで処理をしていただくということになろうかと思うのですけれども、ただ、確かに今売り上げとかを考えれば将来の見通しが難しいけれども、業態を転換しながらでも我々としては経済活動を続けていき、新たな意味での事業も起こして、人材を今持っている、自分のところの雇用者も守っていこうではないかと、この取り組みは、私はこれはこれで貴重だと思います。ですから単純に新自由主義的な発想で摘果をしてしまうということではなくて、それはそれとして応援をしていく手だてを考えなければならないだろうと思っています。
 そういう意味で、建設産業の業態転換を支えるのは、従来は100万円の調査研究のところだけだったのですが、新規の販路開拓だとか商品開発だとか、そういうところにも対応できるような補助金を今回は起こさせていただきました。今、議会で御審議をいただいているところであります。こうしたいわばセーフティーネットを張る動きも片方でやりながら、新しいバイタリティーある産業の創造にも応援の力を注いでいきたいと考えています。そういう意味でめり張りのきいた産業政策を実行していきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)温暖化に伴います適応策に関する今後の試験研究について補足答弁をいたします。
 今後の試験研究の対応方向などにつきましては、先ほど知事もお話し申し上げましたが、鳥取大学、あるいは農業団体とも行く行く意見交換を行いながら考えていきたいというふうに思います。
 そこで、20年度、当面適応策のジャンルの試験研究を2~3紹介したいと思いますけれども、実はナシで温暖化が原因と思われます開花時期がだらだらと続くと。一遍に咲いて交配ができるというのから、結構だらだらと花が咲くというような状況が出ておりまして、これに対する影響の調査、対応方策、こういったものの研究を始めたいというふうに思っております。それから白ネギにおきましても、高温下で腐敗が起こって収量が低下しているというような現象が起こっておりまして、施肥量ですとか冠水量の改善、あるいは先ほどから出ておりますけれども耐暑性品種の選定、こういった研究にも取り組み始めたいというふうに考えているところであります。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)御答弁をいただきました。しっかりと対応をお願いしたいというふうに思います。
 産業振興についてでありますけれども、知事のほうから今お聞きしました。期待したとおりの御答弁をいただいたように思います。
 ただ、ここで産業振興機構、またセンター、ここの役割分担と連携ということでちょっと申し上げたいと思うのですが、産業振興機構には補助金等で6億円近い県費が投入されております。また産技センターの方は19年から22年まで、4カ年計画ということで31億弱、大体8億円近い運営交付金が出ている。商工労働部と機構、センターは、私はやはり産業振興のエンジン、3本の矢だというふうに思います。それぞれ財団法人、独立行政法人という形態で、代表者はもちろんおられるわけですが、それを承知した上で、もう少し知事にお聞きしたいと思います。
 産技センターは、昨年4月に地方独立行政法人化しました。まだ最初の決算もまとまっていない段階だと思いますが、センターの設置している開放機器の利用時間や使用料金を調べてみました。大きく伸びています。センターが依頼された検査分析の手数料と合わせても、年度中途ですけれども、1月末現在で前年度を700万円余り上回って、ほぼ5割増であります。産技センターの独立行政法人化は、所期の効果は上げつつあるのか、法人化時点で定めた中期計画、こうした現状も踏まえて知事の評価をお聞かせいただきたい。
 振興機構についてですけれども、機構は重点目標として起業家支援、人材育成、販路開拓、産官学、賛助会員への支援、5項目上げておられます。議長のお許しをいただきまして、ここに持ってこさせていただきました。経営革新計画の事例集、平成19年度版。漫画本です。なかなか読みやすくて、ああ、なるほどなと、県民の方にこういった漫画本も見ていただきたいなというふうに思う次第であります。こういった工夫もされておるわけですけれども、販路開拓面での発注企業、また企業取引、このコーディネーターの動きもありまして、企業訪問件数と取引成立額も伸びています。ただ、一方で次世代地域資源産業育成事業、これは4件が採択されておりますけれども、たしか目標は100の事業だというふうにおっしゃっていたような気がします。この辺はおくれておるように思います。5つの重点目標を総合的に見た知事の産業振興機構の現状の評価をお聞かせいただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)産業技術センターと産業振興機構についてお尋ねをいただきました。
 まず、産業技術センターにつきましては、これは今年度新たに独立行政法人として再発足したところでございます。皆様にも支えられて、できるだけ利用度の高い団体へと生まれ変わろうという法人化でありました。その中で、地域の企業さんの御利用もだんだんとふえております。今御指摘がございました試験研究の機械の利用状況を見てもそうでありますし、相談の件数なども順調であるというように思います。これはやはりセンター側でも企業回りを一生懸命やっているということもありますし、それから独立行政法人化されたものですから、従来ですと証紙を張って手数料を納めるというのが現金で普通に払えるようになって、これは非常に卑近なことでありますけれども、こういう意味で普通の会社が普通におつき合いをしやすい団体になったというようなこともあったのだろうと思います。私どもは、そういう意味でこのセンターも一応役割を果たしながらスタートを切れたなというように評価をさせていただいておるところでございます。
 特にうれしいなと思いましたのは、エミネットさんという会社がありまして、コラーゲンとか、そういうものを活用している業態でございますが、こちらのほうが試験研究の意味で非常にセンターさんにお世話になったという気持ちから感謝状をいただいたり、さらに寄附をされたりしています。こういうように具体的な評価が地域からも生まれてきていることは、手ごたえとして我々も喜びに感じているところであります。
 次に、産業振興機構につきまして、5つの目標として経営革新、それから販路開拓、海外転換、受発注開拓などを進めている産業振興機構でございますけれども、これについてどういうように評価をしているかということでございます。その実際の事業の状況につきまして、商工労働部長からお話を申し上げたいと思いますけれども、こちらの方は経営についてのコンサルティング機能、あるいは仲介機能をしっかりと今果たしているだろうと思います。特に販路開拓とか、それからおっしゃるような経営革新のサポートという意味で一定の役割を果たしてきていると思います。それには企業OBの人材の活用も成果を出しているかなと思っております。そういう意味で、私どもとしては産業振興機構が非常にパフォーマンスのいい分野は今後も伸ばしていく必要があるだろうと思います。
 ただ、産業振興機構自体も業務の状況として随分とぎりぎりのところまで、今仕事を抱え込んでいるようなところがございます。その辺は我々も、これは非常に必要な分野だ、これは整理してもいいかなというようなところを取捨選択しながら、産業振興機構を今後とも応援して、3本の矢と議員がおっしゃいましたが、産業技術センター、産業振興機構、そして鳥取県という、この3つの商工関係の応援部隊の公的セクターのところの充実を図っていきたいと考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)産業振興機構の具体的な事業等につきまして補足の答弁をさせていただきます。
 産業振興機構は、起業家支援でありますとか人材育成、また販路開拓に加えまして、産学官連携によるコンソーシアムなど、産業支援の中核的な推進機関として役割を担っていただいているというふうに考えてございます。また、これに加えまして今年度、平成19年度からは、先ほど御紹介がありました次世代地域資源産業育成事業、いわゆるファンド事業でございますけれども、この推進役も担っておりますし、また地域産業活性化基本計画、これの推進役も担っているところでございます。
 こうした役割を担う機構でございますけれども、議員御指摘のとおり経営革新計画での認定支援に加えまして、新たな事業展開でありますとか販路の新規開拓などにより、企業に貢献をいたしているところでございますし、また、経営革新の支援から増設につながったような事例なども生まれているところでございます。また、コンソーシアムや都市エリアなどの共同研究におきましても、事業運営や関係者との協議調整など、幅広い運営ノウハウを保有をしていただいてございまして、これまでの取り組みや成果については一定評価できるものではないかというふうに考えてございます。
 他方、企業からは展示会などの場の設定にとどまらない積極的な販路開拓の支援でありますとか情報関連産業や卸売業への新たな支援などの要望も出ているところでございますし、先ほど議員からも御指摘ございました、新たに担うこととなりましたファンドの関係もございまして、そういった事務量が増大をしているというのも事実でございます。これに対応するための体制整備や人材育成面、こういった課題もあるのではないかというように認識をいたしているところでございます。
 今後も県といたしましては必要な支援を行っていくということでございますけれども、各関係機関との連携も強めながら、その役割を果たしていただきたいというように考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)ありがとうございました。
 次に、工業高校における実践教育導入事業についてなのですけれども、去る2月28日付の日本海新聞に2ページの見開きで特集が出ておりました。中永教育長も産業振興の起爆剤になることを願ってやまないとコメントを載せておられました。この事業は、たしか3年間の国の委託事業で、本年度始まったところであります。先ほど教育長のほうからもコメントをいただいたわけですが、次世代を担う若手技術者育成に向けて課題をしっかりとつかんで、ぜひとも結果を出していただきたい、そういった期待を込めてお尋ねをしたいと思います。
 特集面の記事を見ましたけれども、企業側の温度差があるみたいでした。インターンシップに取り組んだのは2校、合わせて20人、受け入れ企業側が5社。先ほど企業の受け入れもというようなことで教育長の方から危惧される話もありましたけれども、この数字が当初予定どおりだったのかどうか。初年度としては決して多くないとは思います。もし少ないとすれば、学校側に課題があったのか、それとも企業側にまたいろいろとお願いをしていかなければいけないという問題があるのかということをお伺いしたいと思います。
 企業側に対してのいわゆる教員派遣、教員の企業研修なのですけれども、今年度始まったわけですが、3校から11人が参加されました。しかし、そのうちの10人は3学期も終わるようになってからの駆け込みの実施でした。私の知人にも製造業の経営者がたくさんおられます。その方々が異口同音に言われるのは、高卒の新卒者のモチベーションが仕事場において非常に低いという現実があります。このため最近は、ある社長いわく、採用直後から離職を恐れずびしびし鍛える方針に変えたということをおっしゃっておりました。こうした現状にあるからこそ事業の重要性が際立つというふうに私は思います。この事業の大きなねらいは、生徒と同時に学校現場、とりわけ先生の意識改革にあるというふうに私は思うわけであります。それに成功して初めて事業の効果が最大限に発揮されるというふうに思います。そういった意味も含めまして、このたびの初年度だからこそ、まず教員が企業研修に積極的に参加する、そして企業の実態を把握する、それぐらいの決意があってしかるべきだったと思いますが、この点に関しても教育長の所見を伺いたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)重ねて御質問いただきました。
 生徒のインターンシップや教員の企業研修などの参加者が少ないようだと、それから教員の意識改革も必要と考えるけれども、どういうふうに取り組むつもりなのかというお尋ねだと思います。
 先ほどインターンシップへの取り組みが少なかったというふうなお話がありました。おっしゃるとおりで、米子工業と倉吉産業技術高校の4科で5社へ20名程度でとどまってしまいました。今ちょっと調べてみましたけれども、専門高校で大体インターンシップを今までずっとやっていますけれども、2年生が大体中心になって、さっき言いましたように2日から5日ぐらいの間でやりますけれども、専門高校全体で1,300人ぐらい私は行くと思っています。工業高校だけでいくと、これ500人ぐらい行っているというふうに思っています。そういうふうな全体の中で、今回の事業による人数ということで20名ということで、これは私も少ないというふうに思っております。どうして少なかったのかなというふうなことでちょっと調べてみましたけれども、実はこの事業は今年度から始めておりまして、国との契約を結んだのが7月というふうなことでありました。インターンシップをやるときには8月が大体一つの大事な期間になりますけれども、そのときがもう目前に迫っている段階でもってやっと契約ができたということなので、十分それが生かせなかったというふうなことがあるというふうに聞いておるところでございます。
 今までこういうふうに生徒がもっとかなり充実した深いインターンシップの方に向かっていくというようなことについては、さっき御指摘がありましたが、教員のほうの意識がまだ十分深まっていないというふうなことが以前からあっていますので、そういうふうなことも一つの積極的に取り組むのにちょっとちゅうちょしてしまったというふうな、そういうふうな理由の一つかなと私は思っているところであります。
 さっきお話がありましたように、新しい技術や知識だけではありませんで、やっぱり人間力はその根底になると思っています。いろいろな仕事にぶつかっても、あきらめないでちゃんと力を合わせて我慢強くきちんとやっていくという、そういうふうな人間力が大事だということを私も企業の方から聞いていますので、そういうふうな人間力も高めていくという取り組みをしたいと思っています。
 この国の事業を今年度やりましたけれども、産業界と協議がかなりできました。ちょっと調べてみましたけど、延べ21回協議ができたということであります。相談ができやすいとか、協議を十分しやすいというふうな、そういうような雰囲気ができてきたところでありますので、来年度は今年度よりもっとこれを加速させて、企業の方とチームを組んで事業をもっとしていくとか、それから教員の企業研修の実施期間をもう少し延ばしていくとか、それからインターンシップの参加者をもっと深めて多くしていくというふうな、そういうふうな取り組みをしていきたいと思っています。
 御指摘のように、教員の意識というのが一つ非常に大事なことでありますので、やっとこれが今風が入ってき出したと私は思っていますので、意識を変えて、それから地域の産業界のニーズをしっかり学校教育の中へ取り込んで、本県の物づくりの人材育成をして、本県の産業が本当に活性化するような、その力になるように一生懸命取り組んでいきたいというふうに思っています。


◯議長(鉄永幸紀君)9番浜崎議員


◯9番(浜崎晋一君)御答弁ありがとうございました。大変力強い教育長のお話をいただきました。この人材育成というのが、ひいてはこの鳥取の、今一番大きなポイントになっている産業振興にどれだけ礎として大きなレベルになるかということでありますから、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。
 お聞きしたいことはまだまだありますが、時間もございません。次回に譲りたいと思います。産業振興についての今回の質問は、限られた財源を有効に活用していただき、最大の効果を引き出していただきたいという願いからさせていただいたということを御理解いただきたいと思います。
 最後に何点か質問させていただいて、提言をさせていただいて、知事の答弁をちょうだいして、私の一般質問を終わりたいと思います。
 地域産業活性化協議会ですが、当然、総合司令塔だと思います。ただ、より機動的な対応ができるように、規約で認めてあります分科会の設置、これを検討してみていただきたいというふうに思います。
 産業振興、こちらの連携についてですけれども、企業支援機関連携ネットワーク、この構築というのは本当に時宜を得た施策だと高く評価しております。ただ、これに金融機関を入れるということをどうお考えになっているか。企業支援において金融の占める役割というのは大きいのです。この構成機関には商工会議所、商工会、経済団体と産業振興機構、産技センター、保証協会が入っています。でも銀行が入っていないのです。このところを御検討いただきたい。ネットワークへの参加が無理なら、個別の経営課題に対する連携支援チームという形での参加でもいいのではないかなと。いずれにしても地元金融機関の協力を得る、この工夫もしていただければというふうに思います。
 振興機構と産技センターの役割についてですけれども、大まかに言って経営サポートセンターと研究室ということでそれぞれの立場があります。どうしても一部に重複するところが出るようにも思いますけれども、産技センターの法人化の成果をしっかり検証してもらって、地元企業との具体的な接点をふやす人的な資源を生み出すことも検討されてはどうでしょう。これは知事の1期目の任期くらいのスパンで考えられたらというふうに思います。
 急速にふえておりますけれども、機構の賛助会員がまだ700社余りです。企業から産業振興機構に理事を送り出しておられるような、そういうところは別として、中小企業の経営者のふだんの仕事はいかに業務を管理するかです。日々の切り盛りに追われておるのです。日々の業務に追われてままならない、だから活用もしたい、機構もセンターも活用したいけれども現実がある。異業種との交流の大切さも知っておるけれどもかなわない、それが現実なのですよ。その現実に対して支援機関の側が出向いて手を差し伸べる、こうした活動が今苦しんでいる地方企業にとって最大の支援になると私は痛感しております。
 仙台の堀切川一男モデル、これは東北大学の教授ですけれども、いわゆる地元企業のニーズをヒアリングして回って、フェローチームが企業の依頼を待つのではなしに、御用聞きをしなさいと。御用聞き型企業訪問の重要さを力説しておられます。こういうことも御検討いただきたい。ということで、ひとつよろしくお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎議員から、本当に産業振興についての情熱を語っていただいた思いがいたします。限られた財源の中で、私ども、ぜひとも地域の活力を取り戻すべく全力を挙げてまいりたいと改めて思いました。
 まず、産業活性化協議会について、分科会を設置するなど工夫をしてはいかがかということでございます。
 議員が御指摘になりたい趣旨からすれば、多分業態も広がりましたし、今後いろいろな動きもあるだろうから、もっと機動的に動けるような問題分野を限った会議を開いたほうがいいのではないかと、御指摘ごもっともだと思います。できるだけ具体のプロジェクトですね、大きな企業誘致のプロジェクトだとか、あるいは業態について突っ込んだ検討をしようとか、プロジェクトチーム的な組織を協議会の中で立ち上げてみてはいかがかと思います。ぜひそうした意味で分科会になるか、組織の名称はともかくとして、考えてみたいと思います。
 次に、鳥取企業支援ネットワークについて御評価をいただいた上で、金融機関が含まれていないという問題点の御指摘がありました。
 私もおっしゃるとおりだろうと思います。金融機関との連携がやはりなければ、現実問題として事業のファイナンスが得られず、産業活動を新しく起こそうにも、また持続可能な工夫をしようにもうまくいかないということになります。ですから議員が御指摘になった中にありましたように、この鳥取企業支援ネットワーク自体ではなくて、それと連携するような振興支援の個別のプロジェクトみたいなところで金融機関にも入ってもらうことを考えてはどうかなと提案をしてみたいと思います。
 と申しますのも、ネットワーク自体に入り込みますと、結局企業さんのほうはやっぱり財務情報がいろいろございます。これが複数の金融機関に同時に出ていくということについてのちゅうちょもありましょうし、また金融機関のほうでも企業さんとのいろいろなコミュニケーションをとらなければなりませんけれども、そうしたネットワークのような表舞台の場と、もうちょっとアットホームな場とでは、そのコミュニケーションのやり方も変わってくるのではないかと思われます。ですから、個別具体の案件をサポートするような、そういう場面で金融機関も入っていただくということを考えていただければと思います。これは提案をしてみたいと思います。
 次に、産業振興機構と産業技術センターについてでありますけれども、現在、確かに機能を果たしているけれども、なかなか現場の中小企業のほうは忙しくてかなわない、活用しようにもできないというお話でございます。
 現在、産業振興機構、産業技術センター自体もいろいろと出向いていくようにしていると伺っております。数字としては機構のほうが延べ2,000件、センターのほうが延べ500件年間で歩いている、企業を訪問しているというように伺っております。しかし、なかなかそれですべてというわけではないのだろうと思います。
 今御指摘いただきました堀切川一男先生のプロジェクトは、そういう意味で非常に参考になろうかと思います。この場合は、特に重要なのは学者の方自体が関心を持って企業に出向いていって、それでこそ研究が産業シーズとして生かされていく、そういうことだからだと思います。そういう動きは本県でも、例えば商工会議所だとか、あるいは鳥取大学だとか環境大学だとか一緒になりまして協議の場を持っているほんまちクラブのように定常的に集まりを持つ会が本県ではありますし、また現実に産学官機能のネットワークを図るそういうセンター機能も鳥取大学の中などで形成されてきてはいますけれども、ただ、こういう堀切川一男先生のようなプロジェクトが現実に成果を上げて新商品を次々に生み出しているということも事実でありますので、一度こういうことも調べさせていただきまして、こういう事例も参考にしながら、産業技術センターや産業振興機構がもっと活用される、そういう工夫を考えていきたい、相談をしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、1時30分より再開いたします。
       午後0時29分休憩
   ────────────────
       午後1時30分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 引き続き、一般質問を行っていただきます。
 19番湯原俊二議員


◯19番(湯原俊二君)(登壇、拍手)それでは、2月県議会一般質問を湯原俊二、始めたいと思います。
 質問に入る前に、専攻科の存続の問題について一言申し上げておきます。
 私は、東部、西部の専攻科は廃止をすべきと考えます。専攻科に入る生徒は、それぞれ設置の鳥取東高、米子東高卒業の生徒の率が高く、試験をした結果とはいえ、保護者の経済状況ではなく、成績だけで特定の高校出身者に生徒が偏ることはいかがなものかと思います。
 それでは質問に入ります。
 知事による県民の声の把握について。
 この1年間、平井知事は東奔西走の日々だったと認識をしております。米子~ソウル便の問題など、スピーディーな対応を私は評価をいたしております。先日の小谷議員の代表質問への知事の答弁で、県民の活性化の触媒になるとありました。この1年間、知事の活動を拝見しておりますと、経済界の方と接することが多かったのではないかと推察をいたします。それも各団体などでの次世代改革についての講演会やパネルディスカッションなどへの参加が多かったのではと感じております。また、キャビネットも当然経済界の方の声が中心と思います。知事就任1年目でありますし、次世代改革の中身が経済の活性化と雇用の確保が柱の一つでありますし、みずからの公約である次世代改革を県民に知らしめる努力をされていると私は率直に評価をいたします。しかし、その上で要望、願いを込めて申し上げます。
 平井知事は総務部長、副知事と県下の現場の声は聞かれてきたと思いますが、知事に就任し、知事の現場の声の把握となりますと、経済界などのトップの方だけではなく、福祉などの分野の方など、バランスよく、それも知事による次世代改革についての講演会だけではなく、現場の皆さんとの意見交換をもっとしていただいてはと望むものであります。道路特定財源の問題についても、私ども民主党の考えは先日の山田議員の代表質問、福間議員の一般質問で申し上げたとおりですが、都会より負担感の大きい地方の県内の車ユーザー、県内の生活者の声、県内の民間中小事業者の声、消費者物価が上がる中での軽油の値上がりによる物流コストの上昇によるさらなる物価の高騰を危惧する消費者の声など、現場の一般庶民、県民の声をどのように把握されているのか。知事の発言を聞いておりますと、少々心配をしております。知事の所見を求めます。
 次に、地方分権について。
 地方分権推進委員会が昨年11月に中間的な取りまとめを出しました。これについての知事会の考えは詳細には公表されていないようでありますが、平井知事の地方分権改革推進委員会が出した中間的な取りまとめに対しての所見を求めます。
 まず、国の各府省は統一性、広域性、専門性の観点で地方分権にはちゅうちょをしておりますが、中間的な取りまとめにある国の各府省の共通した主張に対する地方分権改革推進委員会の考え、地方分権への懸念の克服について、知事の所見を求めたいと思います。また、自治事務に対する義務づけ、枠づけ、関与の見直しと条例制定権の拡大について、知事の所見を求めます。また、国庫補助負担金改革についての知事の所見も求めます。また、個別の行政分野、事務事業の抜本的見直し、検討も含め、中間的な取りまとめの中で、知事の違和感があるものがあれば御提示をいただき、そのほか特に主張があれば所見を求めたいと思います。
 最後に、先日も質問があった地方支分部局等の見直しについてですが、知事の答弁では、国のほうでスリム化をして、その財源は国のほうで責任を持ってということでありました。そのことに関連し、所見を求めたいと思います。
 平井県政では、1人当たりの給料は維持しながら人数を減らす方式の人件費総額の削減策であります。前任者は県内の雇用の状況やワークシェアリングの観点で雇用の場をふやす考えから、1人当たりの給料は抑えながらも人数、雇用の確保を優先していたと考えます。この点についての知事の所見を求めたいと思います。
 未利用地の処分について。
 未利用地の処分については、公募しても不落札で宅建協会等にあっせん中のものも多くありますが、幾つか提案をしますので、知事の所見を求めます。
 まず公募について、広報のあり方に問題があるのではないでしょうか。知事の所見を求めます。また入札の前に管財課、県庁サイドの意向だけではなく、民間事業所サイドの声、意向を聞きながら、それぞれの処分のあり方を検討すべきではないでしょうか。特に金融機関の意向なども含め、プロジェクト事業を促すようなことを考えるべきではないでしょうか。知事の所見を求めます。
 次に、崎津住宅団地についてであります。
 崎津住宅団地用地の公募がありましたが、わずかに1社の参加で不落札でありました。4区画同時の公募による同時の開発ではなく、1区画ずつ段階的に公募してはどうでしょうか。そうすることによって町並みにも統一性ができますし、売れなかった場合のダンピングも防げると考えます。また、金融機関の入ったプロジェクトの形での開発を考えてはどうでしょうか。知事の所見を求めます。
 次に、旧皆生健康増進センター、県営米子プール横の元皆生温泉公園も処分の対象になっておりますが、現在、NPO法人の皆生ライフセービングクラブが障害者のスポーツイベントなど、年間を通して有意義に活用している土地であります。この土地まで本当に処分の必要があるのかと考えますが、山田議員の代表質問でもありましたが、未利用地の意味、定義をいま一度考える必要があると考えます。知事の所見を求め、壇上での質問を終わります。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)湯原議員から、まず私の政治姿勢についてのお尋ねをいただきました。
 米子~ソウル便などを御評価いただいたこと、感謝を申し上げたいと思いますし、次世代改革を進める上でいろいろと東奔西走していることについても御言及いただきました。ただ、お尋ねの趣旨としては、経済界などトップの意見ばかりが出ているのではないか、もっと現場の皆さんとの意見交換を活発にすべきではないか、そうしてどうやって広く県民の声を聞いているのかと、こういうお尋ねでございます。
 私は、政治姿勢としては今湯原議員のほうから御指摘がございましたように、私の職責として幅広く県民の皆様の御意見を承らなければならない、そういう立場だろうと思います。県には当然ながら行政組織があり、各部局、各課がございまして、それぞれに担当者がいて、本来、現場で住民の皆様の声を伺っているはずであります。それを吸収をして県政に生かしていくというのが本来のスタイルでございます。しかし、現実の官僚組織のことを申し上げますと、それだけのパイプでは細いというように私も経験上認識をいたしております。むしろトップの方で現実の県民の声、さまざまな働いている方、福祉の現場の方々、いろいろな方々の声を私自身も吸い上げて、それを県民の皆様の考え方として自分なりにそしゃくをして組織に生かしていく、政策の転換を図っていく、そのモチベーションを常に持たなければならないこと、それはおっしゃるとおりだと思いますし、自分も実はそういう県政を目指しております。
 今おっしゃられたことを伺っていて、なるほどそう見えたのかなというように思われますのは、自分自身、特に産業活動の活性化を図って、雇用の増進を図らなければならないという使命感を持ってこの1年間やってまいりました。と申しますのも、経済の停滞感が今なお続いておりますし、しかもこの点は実は県政のかじを逆の方向へ切らなければいけないという思いがあったからであります。今までひょっとすると薄れがちであった経済界の皆様との対話をきちんととり直すというところに私は一つの方向性を見出したものですから、そういう意味で経済界とかJAのトップの方とか、そうした方々との話し合いの機会が目立ったのかもしれません。
 しかし、それですべてではありません。私もいろいろと御提案をいただいて出かけさせていただく機会を大切にしておりました。例えば米子の県のほうに出かけまして、町内会のような場所でございますが、そこで車座のような意見交換会をさせていただいたり、先日は2月21か何かだと思いますが、青年の農業者の方が全県にわたり集まっておられまして、その方々とつぶさに意見交換をさせていただきました。司会は農業者の方がなさいまして、そういう意味で率直な御意見が聞かれました。今、若者らしく新しい農業にチャレンジして、有機農業なんかをやろうとしているわけだけれども、なかなか材料費の高騰とか、そういう問題がある。堆肥を仕入れるのも大変だというような話があったり、あるいは酪農家のお話が聞けたり、そういう一つ一つの言葉に目を開かされるような、そんな思いがいたしました。そうした機会を実は自分なりにつくってまいりましたし、努めて単なる講演会だけで終わらずに、その後もできるだけ会場にいて一人一人のお話を聞くように努めておりますけれども、まだ十分ではないというように自分自身も思っておりました。これから新年度に入って、私のイメージとしては、いろいろな分野ごとといいますか、福祉とか、あるいは住民活動とか、いろいろな関係者の方の車座対話みたいなことを本来はやりたいとかねて思っておりましたので、いずれそうした時間をとるようにいたしたいと思います。
 では今、県民の声はどうやって仕入れているかということでありますが、それは先ほど申しましたように、行政機構を通じまして、常に私が職員にお伺いをしますのは、どういうような意見が各方面から寄せられているかということです。それを政策判断の基礎にさせていただいておりますし、パブリックコメントの結果もつぶさに読まさせていただいております。県民の声として寄せられたものの主な項目でありますとか、あるいは住民アンケートの結果とか、そういうものも伺いながら県民の声の把握に努めているところであります。しかし、直接コミュニケーションをとることの大切さはかえがたいものがあると思いますので、御指摘の趣旨を踏まえて、これから自分としても努力してまいりたいと思います。
 次に、地方分権改革推進委員会が11月に中間的取りまとめを出したということに関連しまして所見をということでありました。また、知事会の考えが詳細に公表されていないという御指摘がございました。
 知事会のほうは、事実を申しますと、11月の中間取りまとめの直後に六団体で話し合ってメッセージを出しております。そのメッセージの中で触れておりますのは、基本的な考え方、コンセプトは十分だけれども、今後の進め方についてスケジューリングがはっきりとしないとか、まだ具体性がないとか、それから地方共有税だとか、要は国と地方との対話の場を法定機関としてつくる、この機関についての言及がないといった問題点の指摘をいたしております。ただ最近、これは個人的な印象ですけれども、地方分権の議論が余りクローズアップされなくなってきたのだと思うのです。むしろほかのそれこそ道路財源の問題とか、あるいは最近でしたら日銀総裁の問題ですとか、そういう政治テーマがいろいろな意味でセットされますので、地方分権がどうも世論の関心からは置き去りにされているといううらみがあるように思えてなりません。そういう意味で、この動きが余り報道されていないということだったのだろうと思います。
 私は、今回の中間取りまとめにつきましては、評価も一方でしますけれども、漠然と危惧も抱きました。評価をいたしましたのは、やはり今回、地方の関係者が随分と入ってこの地方分権改革推進委員会をつくっておりますので、視点としては正しい方向性を基本的には持っていると思いました。例えば住民自治の原則をいま一度解き明かしてみたり、それから地方がこれから主役となる国づくりを進めるのだという、そういう言及がありましたり、また完全自治体という言葉を使いまして、これは古い言葉でありますけれども、また改めて私その言葉を見てはっとしましたが、完全自治体を実現するのだというお話がございます。完全自治体というのは、自治行政の問題、それから自治立法の問題、それから自治財政権の確立という、この3つをきちんと実行しようではないですかと、基盤を確かなものにしようではないですかという、こういう提言であります。こうした完全自治体の提言に見られるような基本的なコンセプトは、私は正しいと思いました。国と地方とで役割分担をして、できる限り地方に仕事は実行してもらう、それは住民自治の原則と結びついて実行してもらうと、このコンセプトは私は正しいと思いました。
 ただ、漠然と危惧を抱きましたのは、税財政についてのコメントはあるのですけれども、その中身がどうなってくるかが不安感を持つところであります。すなわち私たちには評価に値するのですが、地方には率直に財政格差があると、税財政の格差があると。その地方団体間の税財政の格差の是正も含めて、税財政制度の見直しをしましょうというような言及があります。これは我々としては正しいのですけれども、これはひょっとすると交付税などで調整財源に影響するかもしれないというものであります。
 これと関連をして、地方税源は充実をしなければならないと書いてあります。例えば地方消費税の充実などは今後の政治課題になってくるのではないかと思いますが、そのことへの言及だと思います。5対5で地方と国との税源をセットし直しましょうということでありまして、この基本的なコンセプトは合っているように思います。ただ、そこにさらに注釈がつけてありまして、地方税が充実をするということであれば、それに伴って財政調整に果たす国の役割は低下するであろうと、こういうように書いてあるのです。この辺が非常に厄介な言及だと思うのです。地方税を充実しましょうというのは、みんなそうだそうだという話なのですけれども、ただ、片方でその財政調整の方は機能が低下すると言っていますので、ひょっとすると三位一体改革でこうむったような損害を我々が受けるかもしれないと、そういう漠然とした危惧を持ちました。ですから、今は中間取りまとめでありまして、これからだんだんと審議が進んでいくのだと思いますけれども、よくよく注意してこの動向を見守っていかなければいけないだろうと思いますし、我々として意見を発せなければならない場面では、堂々とひるむことなく主張していかなければならないだろうと思いました。
 一つの今度の改革の主眼になりますのは、議員のほうから言及がございました国庫補助金の問題でありますだとか、あるいは地方支分部局の課題だろうと思います。この辺は国の方は恐らく財政当局が夢を込めて書いているなというような気がします。ですから、先方としては財政負担になるものを切り離していこうと、地方の方にひょっとするとツケ回しをしようということになるかもしれません。その辺を注意しなければならないなと思っておりました。
 次に、国の各府省は統一性、広域性、専門性の観点で地方分権にちゅうちょをしていると。これについての考え方はいかがかということでございますが、私も率直に申し上げて、地方分権に対しての国の各府省の意識はまだまだ低いと思いました。
 今回もこの地方分権推進委員会が各省を呼びまして、分権改革のための事務の見直しについて議論をしているわけであります。その状況はつぶさに私どもの方に伝えられてきておりますけれども、例えば4ヘクタールの農地転用の問題、これなんかも国はしっかりとして離さない、そういう姿勢を明らかにしていますし、あるいは都市計画の権限の問題も同様でございます。このように土地利用規制などは、まさに地方が実情に応じて組みかえていかなければならない場面の話なのだと思います。しかも現地でこれは農水省管轄だ、これは国交省管轄だということではなくて、土地に変わりはないですし、地域としての一体性はありますので、総合的に考えて我々としてはその利用の問題なんかを議論しなければならないのだと思います。しかし、そこにそれぞれの省の独特の論理をかざして、これについては全国の統一性が必要だとか、これについては専門的な知識が必要だとか、あるいは広域的に調整しなければならないとかいう理由でその進行を阻むというのは、私はまだまだ国のほうの見識が低いのではないかと思っております。こうした地方分権に対する懸念を国が持っていること、これを国民的な議論で打開していかなければならないのだと思います。まだ中間取りまとめの段階では福田総理も指導力を発揮し切れていないと私は見ております。これからが正念場だと思います。地方としての率直な議論を展開させていただく必要があるだろうと考えておりますし、そのためには先般加入をさせていただきましたが、例えば「せんたく」という議論の輪に加入をさせていただきまして、川上義博参議院議員も参加されたというふうに報道されていましたけれども、その「せんたく」のような場で党派を超えて、政治のアジェンダとして地方分権の議論を提示してもらう、のみ込んでもらう、そういう運動が必要なのではないかと思っております。
 次に、自治事務に対する義務づけ、枠づけ、関与の見直し、条例制定権の拡大について所見を求めるというお話でございます。
 今回の特徴として、先ほど申しましたように完全自治体を目指そうという目標が掲げられています。これ自体は、私は正しい視点だろうと思っています。その意味で枠づけだとか義務づけを国が広域性なり統一性なり、あるいは専門性の観点で行おうとすることを基本的には排除していかなければならないだろうと思います。これは議会の条例の制定関与の範囲にも直結をするわけでありまして、このことは重要な項目になってくるだろうと思います。ですから、今回の地方分権改革推進委員会の方で示された方向性は、私は正しいものがあると思います。この統一性の観点でも専門性の観点でも広域性の観点でも、国の各省庁が言っていることは余り理由がないといって論破をしていますので、その考え方を私は支持したいと思います。
 ただ、同時にその中に地方分権改革推進委員会でメルクマールというのを示していまして、それでも国の方が関与し得る場合の基準を設けています。各項目詳細にございまして、このメルクマールが悪用されますと、国の方の関与が相変わらず続くということになるのではないかという不安感を持っております。ですから、そのメルクマールの中身の吟味だとか、その運用について今後の議論をしっかりと見届けなければならないと思っております。
 次に、国庫補助負担金改革についてでございます。これについて所見を問うということでございます。
 国庫補助負担金については、さきの三位一体改革のときでもそうでありますけれども、かなりの部分でこれを一般財源的に置きかえていくこと、筋道としては妥当し得ると思います。ですから、中間取りまとめで言っているような方向性はのみ込み得る話だろうと思います。
 問題は、ではその際にこの新しい地方側のほうに任された仕事をできるだけの財政的能力を持たせてくれるだろうか、それについて個々の地域において特殊な事情がそれぞれあるわけでありますけれども、その特殊な事情を踏まえたような配分ができるだろうかということであります。
 例えば砂防事業だとかいうことで、そういうものを廃止をして国庫補助の世界から一般財源の世界に持っていこうということは可能だろうと思います。ただ、山が急峻であるとか、まだまだ手がついていない地域が多いとか、それから人家の連檐したところと斜面との関係とか、それぞれ個別の事情があります。それにふさわしいだけの財源というものが地方に、実情に応じて配られる仕組みがうまくできるだろうかという、その辺はよくよく検証が必要なのだろうと思います。ここが大ざっぱにいってしまったものですから、前回の三位一体改革では我々はかなり損失をこうむったことになりました。特に義務的な経費に前回は比重が置かれておりましたのでそういうことになったと思います。
 今後の話として、国庫補助負担金に変わるとしたら、結構社会保障的な補助金が多いように思います。と申しますのも、残された補助金の部分といいますと生活保護だとか、そうした福祉関係のどうしても払わなければならないようなものが中心になってくるかもしれません。そうなりますと、いよいよ財源の保障の問題というのが待たれるわけでありまして、これをセットで議論する必要があるだろうと思います。
 あわせて、国庫補助負担金の議論で補助金の入った施設の転用問題について、これは詳細に地方分権改革推進委員会の取りまとめで言及がありました。この点は前向きな転用を認めるという内容でございますので、おおむね評価をいたしているところでございます。
 次に、個別の行政分野、事務事業の抜本見直し、検討について違和感があるものはあるだろうかということでございます。
 これは一つ一つ個別に議論していかなければいけないことだと思います。1つだけ例を挙げて申し上げれば、私は河川についての取り扱いは現在の方向性、慎重に見るべきものがあるだろうと思います。河川は、これは確かに川ということでありますけれども、実は災害の防止ということであります。ですから緊急度といいますか、重要度が一番高い行政項目になろうかと思います。他方でかかる事業費が結構大きくなるという、そういう特徴がある、そういう行政分野であります。これにつきまして、国のほうで今議論されている方向性は、おおむねのことを申し上げれば、都道府県の範囲内の流域の川であれば、それについてはそれぞれの都道府県が責任を持ってやるようにしたらいいではないかということであります。これは確かにそう言われてみればそうかなという面もあるのですけれども、ただ、たまたま流域が外に行くかどうか、例えば江の川をごらんいただきますと、たまたまちょっと広島県にかかるかどうか。我々は、鳥取県は県の中に川が流れているのは当たり前だと思っていますけれども、県境に川が流れているところが実は意外と多いわけです。県境に流れるところは全部国がやるのだけれども、我々のように流域が全部県の中にすっぽりたまたま入っていたら、それは県がやるのだという、そういう線引きは果たして妥当かなという気がいたします。むしろ河川としての全体としての重要性をランクづけをしていただきまして、それで国が見る、県が見るという仕分けが本来必要なのではないかと思っております。今のような仕分けでありますと、一級河川、3河川全部県が面倒を見るということになります。これは自治的にできるという、そういう裁量権という意味では歓迎すべきところはありますけれども、片方で、では30年、50年に一度のそうした大きな災害が起こるようなことに備えて、日ごろからある程度の公共投資を行うことを単県でできるかどうか、そこの吟味が必要だろうと思っています。ですから、河川についてのメルクマールは例えばこういうことでありまして、国の事業と地方の事業との切り分けについて、個別にいろいろな方々を交えて論議を起こすべきだろうと思っています。
 次に、地方支分部局等の見直しにつきまして、私も先回、議会で申し上げましたけれども、所見を求めるというお話でございます。
 地方支分部局については、今回の地方分権改革の一つの重要なテーマになってくると考えております。今の議論の流れを見ますと、前回は三位一体改革なりが中心でありました。あるいはその前の話で言えば地方の機関委任事務の話などが中心でありました。今回はわかりやすいテーマということかもしれませんが、支分部局をどうするかがクローズアップされて議論されています。ですから、この議論は緊急性を要するのではないかと思っております。
 地方支分部局は、実に大きな人数を抱えているわけでございます。現在、私どものほうでいろいろと知事会の中でも議論いたしますと、結構意見が分かれるわけでありますが、私が主張いたしておりますのは、単純に引き受けることはすべきではないと言っています。向こうのほうで、国のほうで、まずは行革努力をして、それでしかも地方の仕事になじむようなところを移してもらうということではないかと思います。例えば私どものハローワークとか、あるいは農政局とか、都道府県の中にもいろいろな立地がございます。データベースを国全体で共有するとかいうことは別途の議論としてあるかもしれませんけれども、ただ、そうした役所が都道府県の中に入って一緒に仕事をすることは、そんなに想像にかたくない、可能性として考えやすいことだろうと思います。しかし、その際に人を雇う義務が同時に生じまして、給与負担が将来的にかかってまいります。ですから今一生懸命行革を進めている地方のほう、国のほうは実は余り人は減っていません。地方のほうは人が減っていますので、そうした中で引き受けるというのであれば、国もそれ相当の努力をした上で、本当に必要な人材の数だけを移譲するというのが一つの考え方だと思います。さらに、そのための財源は、これはきっちりともらうということでなければ決して受けられないというふうに思っています。ですから、そうした条件闘争をまずやって、これが受け入れられるかどうかということをテストしながら議論してもらいたいと私は知事会の中で申し上げているところであります。
 次に、人件費総額の抑制についてであります。
 人件費総額の抑制について、平井は1人当たりの給料を維持しながら人数を減らす方式をしていると。これまでは1人当たりの給料は抑えながらも人数雇用の確保を優先していたと、これについての所見を問うということでございます。
 私は、実はこれまでの鳥取県での議論を踏まえて、今の人件費抑制のスタンスをとっているつもりでございます。すなわち、これまでは5%カットをしてまいりました。これを3%、そして停止をすると。ただ、その片方で給与の適正化を行いましょうという議決が鳥取県議会でなされているわけであります。ですから、ここの5%カットの財源と言ったら変ですが、それで大体見合うぐらいの適正化の効果が片方で今期待をされています。新年度直ちにということではないかもしれません、新年度、次年度というふうに徐々に効果が出てくるわけでありますが、そういう意味で、私は給与については今こういう決着をしたのだから、そのことはまず尊重して引き継ぐ必要があるだろうと思ったわけであります。
 ですから、給与の額のところを何もさわっていないということではなくて、これについては適正化をしたり、必要な調整を行っていくことにいたしております。例えば0.2カ月分の賞与の抑制でありますとか、あるいは初任給に見合うだけ扶養手当のほうを調整するなどの、こうした人事委員会の勧告が出ました。そういう勧告を私は尊重して、このたびの予算の中にも給与を提案しているということであります。
 こういうように、それぞれの個別の額について全く放置するという趣旨ではございません。今までの議論の流れを尊重して、それで適正化を図っていくという考え方でやっております。
 あわせて、人件費のことを考え、それから県民の皆さんから寄せられる効率的な行政をやってほしいという御要望を踏まえれば、我々のほうの行政のスリム化も図らなければならないと考えております。
 このスリム化のために定員を抑制をするということを、私は数値目標を示してやるべきだと考えました。今まではワークシェアリングの考え方もあり、給与を抑制してよそへ回すということもありましたけれども、しかし、もう一度立ち返って考えてみれば、私どもはやはり大事な、大切な税金を使う立場でございますので、無駄のないようにしていかなければならない。無駄があるのであれば、その行政組織を効率化したりするなどの見直しが必要だと思っております。そういう意味で、給与の総額の抑制が結果として図られてくる姿になるのだと思います。こういうことを通じて初めていろいろと機動的に財政運営をしたり、必要な事業を執行していく財源を得ることになるというように考えております。
 私は、今の御主張のお話は、例えば何%カットの給与削減なんかをやるということの示唆かもしれないなと思うのですけれども、その何%カットかというような手法を今回あえてとっておりません。私はこれから数年たつと、だんだんと給与制度も変わってくるだろうと見ております。今も国のほうで国家公務員の人事のあり方の議論が始まっています。それの中で、警察職など以外は基本的に交渉事で給与を設定してはどうかというアイデアも政府の中で出始めています。これは労働三権の問題なんかもあって、そういうことだと思います。私どもは地方公務員法に縛られて運用しておりまして、これにもその制度改正の波は影響してくるかなと思います。ですから、いずれこれは変わってくるかもしれないということが一つでありますし、それから県の人事委員会の制度が本来その機能を果たすのであれば、その地方の給与水準に沿った形での給与の設定というものがなされるのだと思います。国家公務員の給与を基本として、それの何%カットだというようなイメージでの給与政策の時代は、今はだんだんと姿を消そうとしているのではないかと思います。そうした意味で、各県がそれぞれ地域にふさわしい給与制度をとる、そういう時代に今踏み込みつつあるのかなという大局観を持っておりまして、そんな意味も含めて、まずはことしは何%カットということではなくて、かつての議会の議決を尊重して引き継がさせていただこうと考えている次第であります。
 次に、未利用地の処分についてのお話がございました。
 1点目として、広報のあり方に問題があるのではないかということでございます。これは、市場がもともと小さい鳥取県のようなところだと、その隘路は必ずあろうかと思います。ですから工夫をしなければならない、そういう反省をしなければならないということ、私どもも謙虚に受けとめて検討してみたいと思います。
 例えば、今やっておりまして、いろいろと県のホームページに入札情報を公表するとか、あるいは看板を立てて、ここを今度公売しますというようにしたりします。意外と効果があるのは看板なんかを見て近所の人が電話をかけてくるというのがございます。たとえ不落札になったとしても、その後でも看板をわざと置いておきますと、また問い合わせがあったりします。ですから、例えばこういうPRというのは一つの効果があるのかなと思います。それから実態問題としては不動産関係業者の方に公売情報を流します。こういうことが活用されて応札が来るということがあります。
 議員が御指摘になった金融機関との連携の話がありました。ですから金融機関なんかにも本当はそうした情報なんかを流すと、それによって対応していきたいという顧客があらわれてくるかもしれないなと思います。ですからやり方の工夫が確かに必要だろうと思います。
 新しいやり方といたしましては私ども新年度に、前回も申しましたが、インターネットによる競売というのをやってみたいと思います。ヤフーとか、ああいうサイトがございますけれども、若干の手数料を払えば利用は可能だということがわかってまいりましたので、試してみたい、やってみたいと思っております。そんなことで広報に努めてまいりたいと思います。
 民間事業者の意向、特に金融機関の意向なども考慮して処分のあり方を検討すべきではないかということでございます。
 これもおっしゃることはよくわかります。先ほど申しましたように、意外と競売にかけるときに反応があるのは不動産関係業者に流す情報のたぐいが反応があったりします。同じような機能を金融機関も果たし得るわけでありますので、そういう金融機関の皆様にもネットワークに加わっていただくことは有益だろうと思いますし、おっしゃるように、物によっては金融機関なり民間のノウハウを活用して財産処分を行うということを考える必要があるだろうと思います。
 今、具体的に考えかけていますのは、東京のほうの財産でえびす会館がございます。このえびす会館のような一等地にあるものは、単純に売り払うだけでいいのだろうか、民間の方だったらどういう活用をするかなというのを私どもは聞いてみたいと思っています。職員住宅が東京方面で枯渇しているということもございますし、そうした潜在的な需要なんかも絡めて、民間事業者のアイデアを活用できないだろうかと思っております。
 次に、崎津住宅団地のお話がございました。これについては残念ながら不落札ということに先回なりましたけれども、住宅供給公社のほうで公募をしていくわけでありますが、まず1点目として1区画ずつ段階的に公募してはいかがかということ、それから2点目として金融機関の入った形での開発を考えてはどうかということであります。
 私どもも今回ある程度期待はいたしておりましたけれども、なかなか市況が厳しいという事前の情報も伺っておりました。そのような状況を反映して、低い価格での応札が1区画についてあったのみの結果となりました。したがいまして不落札という扱いにして、今後の取り扱いをどうしようか、今、住宅供給公社で考えておりますし、我々もその相談にあずかっているところでございます。
 議員が御指摘になりましたように、いろいろな考え方を私は入れながら、今後どうするか検討する必要があるだろうと思います。一たん入札かけましたので、市況の状況は感触はつかめました。ですから、ではどうしたらこれを売却できるだろうか、若干時間をとりながら、この処分にかかっていく必要があるだろうと思っています。
 その際に、議員の方から御指摘がございましたけれども、4つの区画を同時に売却をしたときに、その価格が、それぞれ別々の人が売り出すと、その売り出す価格によってたたき合いが始まってしまうのではないかという、恐らく不動産業者的な不安感があったのかもしれません。こういうようなことなんかを考えれば、全部一遍にではなくて、順番に売却状況を見ながら分譲していくといいますか、売却をしていくというやり方もあるのではないかというのも一理あろうかと思います。
 民間のノウハウ、特にファイナンスがなかなか厄介な場合があろうかと思います。鳥取県、山陰地方の不動産事業者は必ずしも資金が莫大にあるわけではありません。大きなロットで売り出すような資金力が果たしてどこまであるかということだと思います。ですから金融機関と連携をしながらその区画の開発を行う、そんなイメージの展開がないかという、そういう御趣旨だと思いますけれども、それも一つのアイデアだと思います。いろいろと検討をするように私自身も事務局のほうに申し上げているところでありまして、いずれ考えをまとめて御相談申し上げたいと思っております。
 次に、未利用地の処分に関連をして皆生温泉公園の取り扱いについてお話がございました。あわせて未利用地の意味、定義について、いま一度考える必要があるのではないかというお話でございます。
 未利用地の意味、定義というのは、要は利用していないという定義だと思います。それを今の当方の管財の考え方といたしましては、その未利用地を、まず公的に使う必要があるかどうか、それをまずテストしましょう、それから公的に使う必要がないのであれば、では関係団体での公共的な使用ができるかどうか周りの人に聞いてみましょう、それから3つ目には、どうしても使い道がないのであれば売りましょうと、これが現在のメルクマールであります。これはずっととっている考え方であります。
 このことは、考え方の筋道としては当たり前のことだと思うのです。ただ、最後に売るかどうかについていろいろと工夫が必要であったり、あるいは周辺との関係性の配慮だとか、いろいろあるかもしれません。ただ、いずれにせよこういう手順で考えていくということだろうと思います。
 お尋ねの皆生温泉公園については、私、不在中でありましたけれども、18年の3月にどうも米子市から鳥取県の方に返ってきた土地だそうです。これについては米子市から返ってきて私どもで管理をしているわけでありますが、おっしゃるようにライフセービングのNPOの方に貸し出しをさせていただいていると。ただ、その区画自体は100平米ぐらいですか、そんなに大きなところではありません。その貸し付け目的も本来限定をされています。ですから、それ以外のところは売ればいいではないかということに単純な論理ではなるのかもしれません。しかし、これは私の今の個人的な考え方でありますけれども、米子市に貸し出しているときに、あそこが事実上皆生のトライアスロンの会場として活用されておりまして、今もライフセービング協会が皆生トライアスロンの実行委員会なんかに関与しているということもあるのだと思いますけれども、実際上そこの敷地が会場として今も使われていると。この間もデュアスロンですか、要は障害者のトライアスロン競技がございました。あの際にも活用されているところでございます。土地としては確かに売って売れないことはないのかもしれませんけれども、地域で事実上そういう利用実態があるのであれば、私はもう一度よく点検してみて、この土地の取り扱いを本来は考えるべきではないかと今思っております。事務的には、これは売るべき土地として分類をし、そしてその作業にかかろうとしていたようでもありますけれども、もう一度利用実態を見ながら、本来どうすべきなのかを考えるべき財産ではないかと思っております。


◯副議長(上村忠史君)19番湯原議員


◯19番(湯原俊二君)それでは追及にいきますが、知事による県民の声の把握については最後に思いで申し上げますので後回しにさせていただきます。
 地方分権については、いろいろと御答弁いただきました。まず全体としてはスケジュール、対話の場について言及がないということで若干疑義を言っておられましたし、中身が漠然ということで危惧されていて、完全自治体とか税財政の中身がわからないとかいろいろ答弁をいただいておりますし、それなりに結構だと思います。
 分野として、分権の分野では河川について慎重論をちょっとおっしゃっていたのかなと思いますし、私がここで申し上げたいのは、知事も図らずも、結局国民的議論になっているかどうかというところで、道路特定財源の問題と日銀の総裁の人事のほうが今の政治イシューといいますか、トピックス的にはなっているのです。ところが本当に国のあり方という問題の中では、これは素人も玄人もないと思いますけれども、非常に専門性が高いがゆえかもしれませんけれども、なかなかニュースで取り上げてもらえない、あるいは国民的議論になっているかどうかというと、残念ながらそうはなっていない。三位一体の改革のときも、ばっさり切られるときに、税財源の問題で交付税が切られるときに、その前の段階でどれほど国民的議論があり、メディア等で取り上げられたかというと、それほどでもない。ばっさり切られた後に、さあ地方議会、地方自治団体は大変だというので地方では声が上がっているけれども、全国的には、ではどこまでかというようなところがありまして、私はこの点、非常にある意味で危機感を持っております。
 そういう意味で、知事の答弁ですと11月の段階、出た後で六団体で一応意見は出したというようなコメントはありましたが、ぜひできるだけ国民的議論、どこまでかというような問題はあろうかと思いますが、地方六団体あるいは知事会のほうから地方分権の問題について、今、中間的な取りまとめの段階でありますので、これから本格的になっていくでありましょうから、ぜひその点においても、先ほど冒頭申し上げた国の各府省のところに巻かれるような状況ではなく、ぜひ言っていただいて、ぜひ思いがかなうような地方分権にしていただきたいなと思います。
 そこで追及ですが、六団体の一つでありますけれども、市町村の中には知事も若干危惧をされておりますけれども、財源の裏づけが不明確な中での地方分権にはちゅうちょする、これは国の各府省とはまた違った観点でのちゅうちょ、どちらかというと知事会あるいは平井知事の──平井知事は進めたいけれども中が不透明だというところで若干それを危惧されておりますが、それと同じようなことであろうかと思いますけれども、市町村の中にはこの地方分権の流れについて、やっぱりちゅうちょする旨、財源がネックになって、不透明だということで。これについて知事の所見を求めたいと思います。市町村の動きについてです。
 もう一つは、先ほど申し上げたように三位一体の改革のようなまねにならないように、提言内容についてもメディアでの取り上げが非常に少ない部分もありますけれども、声高にでも結構ですので、国民的世論、あるいは国民的政治イシューになるような、ぜひ問題提起等をもっとやっていただきたいと思いますけれども、この点について言及をいただきたいと思います。
 未利用地の処分についてはいろいろお話しいただきまして、広報は工夫の余地がある、あるいはプロジェクトではえびす会館のことでしたか、お話がありました。それから金融機関の入ったプロジェクトをということで前向きな答弁をいただきましたので結構であります。
 最後の皆生の土地については、山田議員の代表質問でもあったと思います。先ほど知事は1つ目には公的機関が使っているかどうか、2つ目には公の関係機関が使っているかどうか、使っていなければ3番目として売却しようかという発想でありますけれども、代表質問であったように、一番上のところですけれども、たとえ公的機関が使っていたとしても、それがでは稼働率的にはどうなのかということも言えると思いますし、先ほど申し上げたように、関係団体には入らないけれども、NPO等が有意義に使っている状況は、果たしておっしゃるように、個人的見解ということをおっしゃいましたけれども、ただ売り払えばいいのかというところから見ると、大もとのNPOを柱とするような例えば協働の意味合いからすると、やはり広く稼働しているという、この土地の未利用地ではない意義ある使い方をしている土地については、民間が、NPO等がですね、と思いますので、その点も個人的考えから県執行部としての考え方に、ぜひ一刻でも早くなっていただきたいと思います。
 未利用地の関係では、先ほど公募の工夫のところからずっとるるお話がありましたが、私は思うのです。未利用地の中で、先日鳥取市の青葉町の土地が売却になって、すぐこれは落札になったというふうに聞いております。つまり都市部といいますか、町中の土地については結構すぐ売れるということであります。これは知事自身もおっしゃったように、売る側の論理と買う側の論理がやっぱり若干違うのではないかなという、売る側の論理だけで公募をかけて売っているというところがあるのではないかと。つまりは民間の思いというのは、市況という言葉もありましたけど、また別なところにあるのではないかなと思うのです。ですから官として未利用地の土地を処分するときには、やはり先ほど申し上げたように、ただ売る側の、売ってしまえばいい、高く売ればいいだけの話ではなくて、買うほうの、これから先使っていくほうの立場の意向もぜひある程度吟味していただきたいなというふうに思っています。
 崎津の団地については、先日も不落札が決まったときの報道を仄聞しますと、やはり地元の自治体では、前回質問したときもありましたけれども、やはり非常に危惧をされています。つまり低い値段でも不落札になったということであると、隣接地を持っている地元の自治体としては、余計値段が下がっていく、なかなか厳しい状況になっていくということがありますけれども、これについて知事の所見を求めたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず地方分権についてお話がございました。市町村の取り組み状況といいますか、考え方はどうだろうか、今、財源の裏づけが不明確な中にちゅうちょする向きがあるのではないかということでございます。
 これは、確かにそういう感覚を私どもも受けます。特に前回の三位一体改革なりのときに市町村のほうも少なからず影響がございました。例えば保育所の問題ですね。保育所が一般財源化がかなり進んだわけであります。そういう保育所についての経験などもありまして、財源的な裏打ちがちゃんとなされた状態で地方分権が進められるかどうか、漠然とした不安感を市町村は持っていると思います。具体的なこととしては、先ほどの河川のこともそうでございまして、河川については、私は市町村の方から同じ趣旨でありましたけれども、一級河川の振り分けが県になるというのはいかがなものかというそういう要望をいただいたことがございます。ですから、市町村も今回地方分権改革を進めるに当たりまして慎重な姿勢が見え隠れしているというように私自身も感じます。
 問題提起を効率的にやって、要は地方のためになるような分権改革を引き出すべきではないかという御指摘でございますが、これはまさにおっしゃるとおりだと思います。この分権について、今、思いを共有させていただきましたが、国全体での議論はやや低調なのだろうと思います。前回の三位一体改革の議論があったときよりも低調だろうと思います。ただ、低調ながら議論はどんどんと進んでおりまして、今、中間報告が取りまとめとして出されましたけれども、これが新年度に入ればもっと具体化をしてくると。粛々と議論が進む中で、片方で政治的課題がいっぱいあって、報道の目がそちらに注がれる中で、地方分権は余り議論がないままにとんでもないことになってしまうかもしれないという、そういう危惧を抱かないでもありません。ですから、私自身は他の仲間と連携をして情報発信をしていく必要があるだろうと思っています。若手の知事ともこうした問題を話し合っておりますし、それから先般発足しました「せんたく」も、最前より申し上げておりますように、地方分権を一つのテーマとしてやっていこうというお誘いを私は受けましたから、それで参加をさせていただいた次第であります。
 この間もある知事さんから連絡がありまして、「せんたく」の国会議員の議連をつくるということになって今活動し始めたわけでありますが、首長サイドもそうした動きをしたほうがいいのではないかと。そういうことに私も一枚加わらせてもらって、それで発信力といいますか、交渉力を持って分権のテーマの本質を各政党にぶつけていくようにさせていただいてはどうかと思っています。
 私は、この議論は、地方分権の議論は、どちらかというと政党同士の議論には多分ならないだろうと思います。むしろ国の霞が関の官庁と、それから地方のそれぞれの現場の人たち、我々の後ろには住民が控えていると。本来この間のせめぎ合いなのだと思うのです。ですから、党派性の問題というよりも、そういう意味で各政党に我々の問題意識をのみ込んでいただくということは、ある一定程度であれば可能ではないかと思っていまして、そういう戦略で私はこれから臨んでいきたいなと思います。
 次に、皆生温泉についてでありますが、個人的見解にとどまらず、きちんとそうした方向づけをしてくれということであります。
 ぜひ検討させていただきたいと思います。これは地元と話しているわけではないものですから、先ほど個人的とお断りを申し上げたのですが、例えば私はそのエリアを一つのエリアとして、地元の方で受け皿が今のライフセービング協会だけではないのだと思うのです。現実問題としては、そのほかさまざまな行事に活用されているというのが実態でありまして、地元のほうできちんとした受け皿があれば、それに管理委託といいますか、協定を結ばさせていただきまして、自由にイベントをしてもらったりしてもいいと。ただ、その管理については皆さんのほうで適正にやっていただきたいと、そういう何か新しい地域づくりのシンボルのようなスペースになれば本当はいいのではないかと思います。売却して利益を直接に得ることも行き方かもしれませんけれども、皆生温泉の立地ということで、国内外の人を引き寄せるスポットにもなりますし、それから地元の住民の皆さんにとってもかけがえのないスペースとして活用されておりますから、そういう本来の、どこが管理しているかということではなくて、むしろ地域の人たちが自分たちで管理をするというような形態のやり方がここの場で適用できないのだろうかと思っています。今回、そうしたボランティア事業を拡張したようなモデル版をセットさせていただこうと提案をしておりまして、そういう中にでも入ってくると、非常に建設的で将来の希望が見えるようなことになるのではないかと思っていたところなのです。そういう意味で個人的と申し上げました。いずれにせよ現在の単純な売却方針ではないやり方に転換をしていきたいと思います。
 次に、鳥取市青葉町のようなところは落札されるけれども、郊外にある土地は工夫がなければ売れないということであります。
 これも同感でございまして、我々の方は、要は事務手続を進めるということになりがちなのです。これは役所のさがでございまして、財産を売却する手続がございます。それを粛々と進めていくということになりがちでありまして、その向こう側で、ではだれが買うかとか、どういう人が果たしてニーズを持っているかというところには余り目が行かないことになりがちであります。ですから売る前に、特にそういう郊外だとか、ちょっと売れにくい土地なんかは何らかの工夫ができないかと立ちどまって考えることが必要だろうと思います。おっしゃるように買う側の論理といいますか、状況なんかももう一度再把握した上で、おっしゃる点は金融機関なんかも連携してというお話だったと思いますが、そうした他機関との連携なんかも視野に入れてやるべきだろうと思います。
 次に、崎津の住宅団地について、地元の自治体が値が下がると危惧をしているというふうにも聞くけれども、これはどう受けとめているかということでございます。
 これは、私自身も米子の市長さんとか、いろいろ直接お話もいただいております。ただ、片方で処分をしようと思いますと、これは言い値で売れるものでもありませんので、経済行為でありますから、市場を反映したということにならざるを得ない面があります。ですからもちろん限界はあるのですけれども、ただ、販売の方法とか手順だとか、地元の自治体ともこれまでも協議をしてきたところでございますし、今後も十分連絡をとって売却を進めるようにしていきたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)19番湯原議員


◯19番(湯原俊二君)最後に一言思いだけ、知事自身の県民の声の把握についてでありますけれども、これは正直申し上げて、言い方を変えながら同じことを毎定例会言わせてもらっております。
 実は先ほど来ありましたように、知事は県民の声の把握であり、幅広くやらなければいけないのは知事という職責であると。しかしながら、そうはいっても本来の姿といいますか、現在の姿というか、行政の県庁という組織の中で現場の声は現場の皆さん方の声、県民の声は職員の現場の声を聞いてくる、ここからボトムアップ的に上がるということであります。これは私自身もそれは承知しておりますが、ただ、以前から私申し上げているように、知事、ノーと言ってくださいよ、是々非々でやってくださいよということと関連するのでありますが、やはり格差社会になって、県民でもいろいろな経済状況があり、あるいは多様性を増している、これが県民の状況ではないかなと思います。そうした中にあって、先ほど来ありましたように、この1年間は、県の地区の例と若手農業者の車座の話を若干はされましたけれども、私が外から拝見させていただいておりますと、やはり次世代改革の中身である経済の活性化、雇用の確保の分野に関係する方々が必然的に多かったのかなあと思います。ただ、先ほど申し上げたように、格差社会にあって厳しい状況の人、厳しい状況の中で本当に声すら上げられないような状況の方々も残念ながら県内には多くいらっしゃる。行政という職員を通じて声は上がってくるのでしょう。上がってくるのでしょうけれども、そこで是々非々が言えるかどうかというのは、知事自身が日ごろからそういったところをつぶさにとは言いません、物理的には無理かと思いますけれども、体感でもいいですから時期時期、あるいはちょっと時間があったときでも結構ですので、ちょっと寄れるときでも結構ですから、例えば福祉の現場とか、いろいろなところをごらんいただいて体感をしていただいて、職員の皆さんから上がってきたときにも、それは本当にそうなのかなあと言えるぐらいの、知事自身の県民の皆さん、先ほど申し上げたような強い大きな声ではなくて、声なき声の部分の体感をぜひしていただきますように要望をしておきますけれども、コメントがあれば。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)政治姿勢についてのお話をいただきました。
 私は、全くおっしゃるとおりだと、この点は思います。自分もできるだけそういう機会をとって、現場の皆様の考え方だとか格差に悩んでおられる方々のお話を聞くようにいたしていきたいと思います。
 自分も経験をいたしましたのは、ちょうど1年ぐらい前の選挙運動のころでございますが、その折にいろいろと現場の方のお話を聞く機会がむしろ今より多かったように思います。それが懐かしくすら感じます。そのときに障害者の方々から切実な訴えをいただきましたのは特別医療費の問題でございまして、こういうことで我々は悩んでいると。国がやっている障害者自立支援法の問題自体、言語道断だけれども、何で県まで上乗せしてそういうことをやるのだろうかと、ちゃんと考えてくれたのだろうかと、こういう切実な声を聞きました。聞いていて涙が出るぐらいのお話が多かったです。そのことがありまして、当選した後に特別医療費の問題については、これは是正しなければならないと、県の方針を転換しなければならないと、大分組織との摩擦は起こしましたけれども、私自身信念を持って行動することができたと思っています。このように日々の政策の種は住民の皆様それぞれのもとにあるわけでありますから、それを集めて回る責務を怠りなくやってまいりたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)次に、12番内田博長議員


◯12番(内田博長君)(登壇、拍手)引き続きでお疲れのようでございますが、しばらくの間、御辛抱いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
 2月定例会において、中山間地域の活性化についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず1番目に、内水面の水産物の採捕許可についてお願いをいたします。
 平井カラーで編成されました平成20年度当初予算の重点事業は、1番目に「元気な産業 しっかり雇用」で112事業、2番目に「人間第一 環境日本一」で60事業、3番目に「学び育み 輝く文化」で74事業、そして4番目に「安全・安心 いきいき地域」で81事業、5番目に「県民サポート クリーン県政」で19事業と、厳しい財政状況の中で打って出る取り組み支援を積極的にされた予算編成だと評価をいたしております。そのような中で、中山間地域は過去さまざまな誘導策や支援策を講じられて現在まで来ましたが、過疎化、高齢化、そして少子化と厳しい現実の中で生計を営んでいるのが現実でございます。日野いきいきツーリズム推進事業等、数多くの事業に取り組みながら活性化を図ろうとされていますが、人口の絶対数の少ない鳥取県では、交流人口を多く受け入れることが最も近道と思いますが、それには今以上に魅力のある埋もれた資源を発掘して提供する必要があると思います。
 そこで、知事に提案をいたしたいと思います。ある自治体のリーダーが、県内の河川においてアユ等のやな漁をし、観光客を誘致することで少しでも疲弊している地域の活性化の一助になるのではないかと発言をされていました。鳥取県内水面漁業調整規則を確認したところ、やな漁を下り瀬として整理しており、同規則第30条では禁止漁法となっているため、原則としてやな漁はできませんが、ただし、同規則の第38条による特別採捕許可を受ければ禁止を解除することが可能なところであります。しかし、特別採捕許可は試験研究等の場合として限られており、販売や自家消費、地域振興のためには許可をされていません。
 近年、各漁協におかれまして稚魚の増殖に努力されていますが、漁獲量は減少していると聞いています。この原因の究明が必要と思います。また、この厳しい現況の中で、河川の上流で水の供給源である森林に投資をして環境を守りながら頑張っている上流地域もございます。上流、下流がお互いに協働して森林の恵みに感謝しながら共存共栄を図ることが必要と思います。また、現在、やな漁を許可漁法としている県は47都道府県中36県、中国5県で許可をしていないのは鳥取県のみです。地域振興のためにも規則を改正して、部分的にでも許可をすべきと私は思いますが、知事の所見をお伺いをいたします。
 次に、鳥取油田開発計画についてお伺いをいたしたいと思います。環境政策とローカルエネルギーの問題で、鳥取油田開発推進機構の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
 平井知事は、平成20年度当初予算で「みんなでつくる環境先進県」として24事業、1億7,900万円余の予算を計上し、推進されるようであります。また、今年8月には主要8カ国首脳会議、いわゆるサミットが北海道の洞爺湖で開催され、環境問題が一つの大きなテーマとされておりますが、成果のある会議になることを期待したいと思いますが、地域レベルでの一つ一つの取り組みが温暖化防止にとって重要であろうと思います。
 そこで、鳥取油田開発機構であります。鳥取県内の首長さん、JA等の経済団体、そしてNPO法人の皆様で組織をしておられます。県内の休耕田、耕作放棄地、そして遊休地に菜の花を栽培して、鳥取県内に美しい豊かな景観をつくり、そして収穫した菜種を精製し、地産地消、または販売を通じて中山間地域の活性化を図る、また使用済みの廃食油を回収しバイオディーゼル燃料に精製して農耕車や自動車の燃料として再利用するというすばらしいリサイクルシステムを提案をされております。日野郡内にもこのシステムに共感され、取り組みをされている個人や団体等もありますし、県内各地でも先進的な取り組みがなされているようであります。
 19年度に鳥取市のグループが取り組まれました結果、菜種の収穫量は10アール当たり100キロと、大体目標の半分程度であったそうでございます。そしてキロ当たり単価が95円という目安で収益計算をされましたところ、目的の収量に増産して景観形成の助成金を加えても、10アール当たり約2万8,000円の赤字となるような試算がなされております。このように問題点は幾つか見受けられますが、私は今現在、国の自給率が大変に落ちておる状況、また安全・安心な食品を求められる状況、環境等の問題の観点から、この計画を積極的に推進されてはどうかと思います。
 実は、菜種は10月の終わりから11月に播種して6月に収穫、そして私が考えますのは、秋ソバが大体8月に播種して10月に収穫と、同じ土地で年二毛作が可能でございます。また、現在使用されておりますソバ用の収穫用農業機械及び調整機械に少し改良を加えれば、菜種の収穫も可能であるということがわかりました。先日、農機具メーカーに問い合わせましたところ、現在、郡内等で使用しておりますソバ用の汎用コンバインに大体7万程度の部品を追加すれば収穫可能という返答がございました。現在では収益性に乏しい作物ではありますが、昨今の原油の値上げに起因して食用油やバイオエタノールの主原料であるトウモロコシ、大豆が世界的に高騰をしています。将来を考え、生育試験や作付体系について調査研究してみる価値はあると私は思いますが、県としてはどのように取り組まれようとしておられるのか、知事にお伺いをいたします。
 次に、外国人看護師、介護士の受け入れについて伺います。
 20年度予算の重点事業の一つである「人間第一 環境日本一」の60事業の中で、医師養成事業や医師、看護師確保事業等で積極的に対応されようとされております。地道な努力で明るい展望が開けることを期待をしております。
 今日、大きな社会問題となっている医師不足とともに、看護師不足の問題も深刻な問題であります。要因は看護体制で7対1の対応の影響があると思いますが、勤務体制が過酷であると同時に、技術対応が困難であること等、中堅看護師の離職が顕在化し、深刻な看護師不足を招いているようであります。
 2月28日に発表されました社団法人日本看護協会の2007年病院看護実態調査によると、鳥取県の常勤看護職員の離職率は9.4%で、全国平均を下回っているものの、新卒看護職員の離職率は13.1%で、兵庫県、愛媛県、宮崎県に続いて第4位となっております。また、同調査では看護職員の確保、定着に効果が高いと考えられる対策として、多様な勤務体系の導入、子育て支援対策の充実、教育・研修体制の充実などが上がっています。全国的に見ると、質の向上のため、対策として資格取得期間の3年制から4年制大学化が進んでおり、本県においても4年制大学の設置が望ましいのですが、現実は困難であろうと思われます。しかしながら、看護師確保対策は喫緊の課題であります。20年度予算においても看護職として従事していない看護師資格を持つ方を対象とする再就職支援事業の充実に取り組まれようとしておるのでありますが、限界があるのではないかと思われます。
 そこで、私は看護職の人材確保を海外に求めてはどうかと考えます。現在、国においてはインドネシア、フィリピン等の間で看護師や介護士の受け入れを一定の要件のもとで可能とする約束の合意が行われており、そのうちインドネシアは年内にも候補者を送り出すとのことであります。このような外国人看護師の受け入れに当たっては、諸外国との経済連携協定を進める過程で交渉相手国の合意が必要となるようであります。
 一方、1990年に施行された改正入管法により、日系人の受け入れについては原則として日系3世まで身分に基づく在留資格が与えられ、国内における就労制限もなく、未成年、未婚者、被扶養者については4世まで在留資格が与えられるようであります。
 私は一昨年、第2アリアンサ鳥取村入植80周年記念式典に出席するため、ブラジルを訪問いたしました。その際にブラジル鳥取県人会の第1副会長、本橋幹久氏が懇談の席上で、現在、ブラジル日系人が50万人前後日本で就労しているが、安定した職場が少ないとのお話をされておりました。そこで県内で不足している看護師及び介護士の人材を日本人に最も近いブラジルを初めとする日系人の方々にお願いしてみてはと考えるものであります。近い将来、少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴う労働力が不足することは確実でありますが、本県も同様と思われます。日系人を対象として日本語を含む在留のための基礎教育から看護師資格、介護士資格の取得、そして就労までをサポートするような制度の創設を考えてみられてはと思います。
 日本社会と日系人社会では所得の差がありますので、特別な奨学金制度の創設や県内就労の返還免除制度等も必要であると思います。また、県内に2つある県立の看護専門学校等の入学定員に特別枠を設けるといったことも検討されてはいかがでしょうか。鳥取県の人口も毎年減少していく中で、ブラジル鳥取県人会の会員のみならず、広く日系人の方に鳥取県にお帰りいただくことが可能になれば、将来的に少しでも人口増加につながるのではないかと私は思いますが、平井知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。
 以上で壇上からの質問といたします。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)内田議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、中山間地域の活性化と関連をして、現在、日野いきいきツーリズム事業などを取り組もうとしておりますけれども、さらに地域振興のためにやな漁を解禁すべく許可をする規則改正をしてはいかがかと、こういうお尋ねでございます。
 まず、この点につきましては、水産振興局長のほうから後ほど経緯なり考え方の御答弁を申し上げたいと存じますけれども、基本的には、これは漁獲の圧力、随分とれ過ぎるということで、やな漁については禁止をされたという経緯があるようであります。あとは、どれだけの資源が、資源がまだ回復途上といいますか、資源を何とか回復させなければならないという状況でありますが、上流から下流まで、ずっと長い日野川でございますけれども、そういう中でどういうようにアユが動いているか、資源回復との関係がどうかということや、あと漁業権者である漁協の意見を聞くとか、そうしたことが必要だろうと思います。また、せっかくの御提案でございますし、漁協と話し合いをしてみて、そして資源の状況を調査をさせていただいて、この問題について検討してみてはどうかと思っております。
 次に、鳥取油田開発機構が行っている菜種栽培について、ソバとの二毛作も可能ではないか、将来を考えて、これについて県としても後押しをすべきではないかというお尋ねでございます。
 これは、お話がございましたけれども、これから洞爺湖サミットをやり、さらにその洞爺湖サミットにBRICs諸国なども呼びまして環境問題を語り合おうという時期であります。この時期に私ども鳥取県からもそうした時代をとらえたバイオエネルギーの生産活動に乗り出していく、それができるかどうか試すチャンスが来ていると思います。この地域油田開発機構のほうでやっておられることにつきましては、まだまだクリアすべき課題がおっしゃるように多いと思います。生産性の問題とか価格の問題とか、いろいろとあるわけでございます。その二毛作をしようと思うと、今のお話ですと10月から11月に播種をして、そして収穫されるものと、それから10月に収穫期を迎えるものと、ちょうど重なる時期があるかもしれません。その辺をどうやってクリアしていくかなど、いろいろ実証的な研究が必要なのだろうと思います。そういう意味で実証圃場とかをつくったりして、私は県もこの調査研究にあずからせていただいてはどうかと、御提言を踏まえてさせていただいてはどうかと思っております。
 いろいろな意味での研究テーマがあるのだと思います。確かにソバに使っているコンバインをそのまま転用できれば、同じ機械で収穫活動ができますので、こんなにすばらしいことはないわけでありますが、ソバと違って菜種の場合、粒がどうしても細かくなりますので、そこのところで収量といいますか、確保できる量がまだ問題があると、この辺も研究課題としてあるのだろうと思います。ですから、そうしたいろいろな調査研究の課題に対して県も参画をさせていただきまして応援をさせていただきたいと思っております。
 〔副議長退席、議長着席〕
 最後に、外国人看護師、介護士の受け入れについてのお尋ねがございました。
 私もお話を伺っていて、なるほどなと思ったわけでありますが、ブラジルの日系人について、これは特殊な取り扱いがあるわけでありまして、おっしゃるように3世であれば就労は現在構いませんし、さらに4世でも一定の条件があればということになります。ですから、他と違いまして鳥取県のゆかりの方を中心に、ブラジルの日系人の方が看護師として、介護士として県内で働くということは、構想として合理性があるかなと思って、今伺っていました。
 本来は、今も新聞、テレビで報道がされていますけれども、新しい制度が今始まろうとしていまして、今御紹介いただきましたように、フィリピンだとかインドネシアと協定を結んでおりまして、これに基づいて看護師を受け入れるというやり方があります。今のフィリピンとかインドネシアのほうは、これはEPA、経済連携協定で取り決めを小泉さんの時代にやったわけでございますが、看護師として既に向こうで勉強をした人が日本のほうへやってきて、実務として看護助手みたいなことをしながら、その意味で収入も若干得ながら一人前の看護師となるための試験をまた受けて活躍をしていくと。ただ、これを年限を限りながら更新をしていくという、こんなような仕組みであります。同じ仕組みが、まだブラジルとの間にはできておりません。ですからこのように看護師にこっちに来ていただいて働きながら勉強してもらって、さらに資格を取ってもらうというやり方ができないものですから、我々のほうでもし考えるとしたら、ブラジルなりの特別の奨学金だとかサポートシステムを考えなければならないと思います。これはどれほどのロットがあるかということにもよりますけれども、県でも今も看護師の養成のために奨学制度を持っておるとか、それとかブラジルからの留学生を受け入れるそういう予算なんかも従来から持っておりますし、そこらを拡充をしてそうしたサポートができるかどうか研究してみたいと思います。ブラジルの場合はフィリピンとかインドネシアと違いまして、来てもらってから看護師の勉強をしてもらわなければならないと思います。日本語の勉強をし、それから看護師の勉強を何年かやってもらって、それで資格を取って働くと、今はまだ協定が結ばれておりませんのでこういうことにならざるを得ないと思います。そういうことで実際、あちらから応募状況がどれほどあるかということも見させていただきながら、研究をさせていただければと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)安住水産振興局長


◯水産振興局長(安住正治君)内水面の水産動物の採捕許可につきまして補足説明をいたします。
 議員御指摘のように、やな漁は昭和49年から禁止漁法としております。禁止の理由といたしましては、やな漁というのは川に石や竹などで堰をつくりまして、堰の一部に竹簀を設置して、下ってくるアユ等をとる漁法で、非常に漁獲圧力が強いという漁法でございます。このため禁止しておったわけでございます。
 これを可能にするということになれば、県の規則を改正して、禁止しております漁法からやな漁を解除するということと、もう一つは漁業権者であります漁協が定めておられます漁業権行使規則並びに遊漁規則、この中にやな漁が可能とできることを入れる必要がございます。
 このような状況でございますけれども、今現在アユの資源は激減しておりまして、漁協さん等も一生懸命資源の回復措置をやっておられるところでございます。しかしながら、資源はまだ回復はしていませんが、一方では川は地域の財産であり、伝統漁法でありますやな漁を地域の活性化に活用するということは検討すべき一つのアイデアだと思っております。やな漁の導入につきまして漁業権者であります漁協さんともよく話し合ってみたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)ありがとうございます。
 まず最初に、やなからちょっとやりたいと思うのですが、実は日野川から河口までおりるアユの量というのはほとんど限られておると思うのです、産卵のためにおりるのが。実を申しますと、河口までに発電所の堰が4本ございます。今企業局長おられますが、日野川の企業局の発電所から年間300万円補償料をもらっておられますよね、下りアユの。というのが、堰堤でタービンの中に入ってしまいまして、かき回されるものですから、大体そのロスの率を何か48%ぐらい見ておられまして、300万円の補償金をもらっておられるようでございます。その上流に中電の堰堤が3本ございますので、トータルでこの補償の試算でいけば3万2,000匹がどうも昇天をしているようでございます。ですから、この倍が大体下流におりるという発想のようでございますので、その中の一部を、要するに全部やなでせきとめようというわけではないのです。地域の活性化に使うのですから、例えばこれで見ると日野郡3町の中で、あそこは1カ所しかとれませんので、よくやっても2カ所か3カ所だと思うのです。そういう地域によって、各町に1カ所ぐらいずつのやなを部分的に許可をさせれば、この昇天させるアユの部分で大体観光客が寄せられるのではないかというぐあいに私はちょっと試算をしたものですから、こういう質問をさせていただきました。全面的に下りアユをやってしまいますと、言われるように漁協さんも大変でしょうから、そのあたりで少しいただいて地域の活性化につながればということでやらせていただきました。再度答弁がありましたら、よろしくお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)アユ漁は日本各地でとられる漁でございますけれども、いずれも風物詩として扱われるものであります。確かに観光資源としてアユ漁というものは値すると思います。特に伝統的な漁法でありますやな漁は、地域の豊かさというか、自然の豊かさを醸し出す、そういう材料になろうかと思いますので、御提案の趣旨はよくわかります。確かにそうして発電機で命を落とすアユがいるぐらいだったらば有効活用できないかと、こういうお尋ねでありましょう。先ほど申しましたけれども、問題は漁協さんのほうの規則もいじってもらって、あちらも協力してもらわなければいけませんし、それから私どもも、さはさりながらこれをきっかけとして、せっかく今資源回復の努力をしているアユにブレーキをかけてもいけません。これは年々問題になるアユの資源の問題でございますので、ですからそこのところもよく見きわめながら、おっしゃる趣旨で検討させていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)12番内田議員


◯12番(内田博長君)一度には大変難しいと思いますので、調整をして、いい方向に持っていっていただきますようにお願いをしたいと思います。
 次に、油田構想ですが、今、知事のほうからお答えがありました。コストをいかに下げるか、そして生産研究をどうするかということで、県のほうはやっていただけるということでございます。機械を2回使う、二毛作でダブルで使えばコストも下がりますので、あとはいかに収量をとっていくか、地勢に合った品種をどうやって選ぶかだと思いますので、そのあたりはまた県の方で地域と一緒になってやっていただきたいと思います。
 例のブラジル日系人の話ですが、知事、今度、今のところ日程の都合がつけば行くということでございますので、本橋さん等に、加藤会長でも結構でございますので、そのあたりをきっちりお話をしていただいて、本当に人口をふやすためにはそういうことも考えなければならない時期ではないかというぐあいに思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 言われましたように、一番近いのは、やはり日本でいう中学校を卒業した段階から入っていただければ5年間で資格が取れますし、またハイスクールを卒業して来た方であれば3年間で取れる──3年間では取れませんね。だから5年かかりますと、やっぱりそのあたりを考えていただいて、先ほど申しましたように、そんなに枠は残っていないですが、どうも少しは県立の看護専門学校もあいているようですので、その辺に特別枠を設けてでもやっていただければ何とかなるのではないかというぐあいに思います。とりあえず、鳥取県は━━━━━━━━━━━━━━━人口をふやすことが大切ではないかと思いますので、そのあたりを知事にしっかりお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。コメントがあったら。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)菜種油につきましては、おっしゃるように二毛作だと違う局面が開かれるかもしれません。県も全力で協力をさせていただきたいと思います。
 ブラジルの問題につきましては、看護学校もそうであれば、そのための枠をつくってもいいのではないかと思います。入学枠をつくってもいいのではないかと思います。そうして少しでも人口増だとか、あるいは皆様の子育て、あるいは介護などの安心につながるようにしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)本日の議事日程は、すべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時08分散会