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平成20年2月定例会(第5号) 本文




2008年03月06日:平成20年2月定例会(第5号) 本文

       午前10時00分開議
◯議長(鉄永幸紀君)ただいまの出席議員数は、定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
 これより、代表質問を行っていただきます。
 2番山田幸夫議員


◯2番(山田幸夫君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。
 私は、会派「信」を代表いたしまして、初めて代表質問をさせていただきます。質問は10数項目、簡潔に質問をさせていただきますが、答弁は誠意のある、知事が標榜されております次世代改革につながる答弁を期待をいたしておりますので、執行部の皆さんもひとつよろしくお願いをいたします。
 それでは、早速、質問に入りたいというふうに思います。
 知事の県政に対する基本姿勢につきまして、何点かお伺いをいたします。
 21世紀グランドデザインは、国土総合開発法に基づく第5次の中期的国土総合開発計画であり、目標年次を2010年から2015年と定め、平成10年に閣議決定されております。殊さら五全総としなかったのは、これまで国中心、開発中心の国土計画の考え方とは一線を画す意味を込めており、国土計画行政転換の流れの嚆矢となっております。
 その基本的考え方は、1つに国民意識の大転換、2つに地球時代、そして3つに人口減少・高齢化時代、4つに高度情報化社会といった4点が上げられまして、21世紀の文明にふさわしい国土づくりを進めていくためには、国土構造形成の流れを太平洋ベルト地帯への一軸集中から東京一極集中へとつながってきたこれまでの方向から明確に転換することが必要であるとされております。つまり複数の国土軸、いわゆる太平洋ベルトに加え、北東国土軸、日本海国土軸、太平洋国土軸の4つの国土軸が相互に連携することにより形成される多軸型の国土構造を目指すこととされております。
 また、特に計画の課題と戦略の中で、広域国際交流圏の形成で、地域ブロックを越える程度の広がりを持つ国際広域交流圏を複数形成し、活力ある地域から成る経済社会の構築と多様な国際交流に基づく世界に開かれた国土の形成の促進が言われております。平井知事もさまざまな課題の打開に向け、各県知事の連携、ロシアを初め北東アジアの貿易交流など積極的対応をされておりますが、21世紀国土のグランドデザイン、とりわけ日本海国土軸構想につきましての所見と今後の対応についてお尋ねをいたします。
 次に、道路特定財源に関する知事の政治姿勢につきましてお伺いをいたします。
 道路は、今や国民の生活、経済活動に欠かせないインフラであり、高速道路網の整備がおくれている本県におきましては、鳥取自動車道、山陰道の早期整備は長年の懸案であり、この点につきましては、我が会派「信」においても全くの同意見でございます。しかし、このような高速道路のネットワーク化を早期に整備するためには、暫定税率を含む現在の道路特定財源制度の維持が前提となっているこの点につきましては疑問を感じておるところでございます。このことを含めて、大きく3点知事と議論をしてまいりたいと思います。
 まず、この道路特定財源と道路整備は一体不可分なものであるかについて議論をしていきたいと思います。
 道路特定財源制度は昭和29年に創設、また本則税率をおおむね倍とする暫定税率は昭和49年に設定、以降、延長を繰り返し、今日に至っております。道路特定財源があれば、鳥取県にも高速道路ができているのなら、もうとっくにできていないとおかしいのではないでしょうか。なぜ今まで高速道路網が鳥取県に整備できていないのか、その要因につきまして、まず知事にお伺いをいたします。
 また、知事は先月11日に総決起大会を開いて、道路特定財源及び暫定税率の維持を県民に訴えかけられました。恐らく道路特定財源が維持されれば、いついつまでに山陰道も完成される確信があるからの行動だと思います。いつになるのかわからないけれども、少なくとも道路特定財源が道路整備につぎ込まれるのであれば、いつかはできるでしょう、だからとりあえず道路特定財源維持のスタンスをとっておこう、こんなあやふやな見通しでよもや1,000人以上も参加するような集会を開こうと知事が判断されたとは思えません。わかりやすい例で山陰道を取り上げますと、道路特定財源が現行のままであったとして、少なくとも10年以内に山陰道は完成すると断言していただけるのでございましょうか。知事に明確に示していただきたいと思います。
 次に、2点目といたしまして、暫定税率の維持は県民の声を真に反映されているかについてでございます。
 各新聞社の世論調査を読みますと、道路特定財源も暫定税率廃止という声が大勢を占めております。しかし、このような全国調査はどうしても人口が多い都市部に偏ってしまう傾向にあります。私どもは鳥取県民の声に耳を傾け、県民が喜ぶ施策を考えるべきであると考えます。果たして、知事が選んだ現行の暫定税率を維持してでも、鳥取自動車道、山陰道など、高速道路網を早期に整備すべきであることを本当に県民は望んでいるのでございましょうか。知事はどのように県民の意見を集約し、道路特定財源及び暫定税率の維持が必要であると決断されたのか、そのプロセスをお伺いをいたします。
 最後に理念的な話となりますが、地方分権との整合性についてでございます。
 現在、国会では、今後10年間、暫定税率を維持するための租税特別措置法の改正案が政府から出されております。しかし、道路特定財源の一部はひもつき補助金として地方に交付されます。地方分権時代に即した税制度全般を早急に見直し、財源を地方に任す仕組みをつくり上げることが肝要であろうかと思います。10年間も道路特定財源の制度を維持していくことが地方分権の流れになじむことでございましょうか。知事の御所見をお伺いをいたします。
 次に、鳥取県の将来ビジョンにつきましてお伺いをいたします。
 本ビジョンは県の中長期的な将来像、県の近未来の姿を県民と一緒に考え、共有することを目的として策定が進められておられます。知事は就任後早い段階からタウンミーティング、意見交換会、パブリックコメントなどを実施をされまして、多くの県民の声を集めようと努力されているところでございますが、県庁内の机上の議論だけで策定してしまったビジョンであれば、決して県民の共感は得られないでございましょうから、この取り組み姿勢は高く評価をしたいと思います。
 そして、昨年12月にはビジョンの骨子案が県議会と県民に提示をされました。今後はこの骨子案について、さらに県民の意見を踏まえ、詰められたビジョン案ができてくると思っております。知事もタウンミーティングに出席され、県民の代表者の声を直接聞き、また懇談会、パブリックコメントにより多くの県民の声を聞いてこられました。そろそろ知事にはここ近未来の鳥取県の姿がだんだんと見えてきたのではないかと、このように思っております。地方が疲弊し切っている現状を甘受して、じっと耐え忍ぶことを県民に訴えるのか、それとも希望にあふれる鳥取県の近未来像を県民に見せることができるのか、知事はビジョンを通じて、県民に何を示そうとされておるのか、お伺いをいたします。
 次に、財源確保対策につきましてお伺いをいたします。
 財政難に悩む本県は未利用財産の処分に取り組み、元衛生研究所などを売却し、手続中の22件のほかに元久松閣などの売却も視野に活用策を公募、売れる物件から順次売却して県財政に反映させる方針を出されておられます。処分対象は行政財産として各部局が管理している施設以外で、元職員宿舎、駐在所跡地などで、敷地面積は約59万6,000平方メートルとなっております。さらに、来年度からは総務部に新たに行財政改革局を設置して財源確保対策も強力に推進していこうとされており、厳しい県の財政状況が少しでも改善できるのではないかと期待をいたしておるところでございます。既に、未利用地財産の積極的な売却、イベント時のチラシやとりネットなどへの広告掲載、施設命名権の導入など、それぞれ実施をされているところでございますが、この3つの事業についてどのような構想で拡充されようとしているのか、知事に所見をお伺いをいたします。また、新たな財源確保対策として考えているものはあるのでしょうか。あわせてお伺いをいたします。
 次に、県政の諸課題につきまして質問したいと思います。
 まず、企業における非正規職員の処遇改善についてお伺いをいたします。
 パートタイム労働者、契約社員、派遣労働者、請負労働者など非正規雇用はふえ続けており、その数は全国で1,700万、鳥取県におきましては平成14年、5年前の調査でございますけれども、就業構造基本調査で6万3,800人、割合は26.9%で現在もふえつつございます。こうした非正規雇用の増大の中で、ワーキングプアと呼ばれる労働者の存在も指摘されております。どのような雇用、就業形態でありましても、だれもが健康に充実して、能力を高めながら働き続けられるよう、格差の拡大、固定化に歯どめをかけ、是正を図る政策が重要であると考えます。期間を定めない雇用であることを基本として、行き過ぎた非正規化の流れを戻すとともに、非正規雇用と正規雇用との均等待遇、能力開発の促進などを進めることが必要であり、県として何ができるのか知事の所見をお伺いをいたします。
 次に、ワーク・ライフ・バランスに関しましてお伺いをいたします。
 現在、ワーク・ライフ・バランス、いわゆる仕事と生活の調和については少子化対策の取り組みの一つとして注目をされております。国のほうでも仕事と家庭、地域生活の両立が可能なワーク・ライフ・バランス実現のための政府が目指す方針や行動指標の策定、推進策などが検討をされておるようでございます。この背景には、経済的な自立が困難な非正規職員が大幅に増加をしている一方で、正規職員の労働時間が長く、仕事に追われて子育てもままならないといった労働状況の二極化、それから働き方の多様化や男女共同参画の進展などが上げられております。この少子化の流れを変え、多様な人材が仕事につけるようにし、日本の社会を持続可能で確かなものにしていくことをワーク・ライフ・バランスのもとに実現していこうというのが国のねらいだと理解をいたしております。
 一方、企業にとりましても、人口の減少に伴い、有能な人材の確保が困難になりつつある中で、健康を害して業務に従事できなくなる正規職員や能力開発のための投資が困難な非正規職員を抱えるより、健康で意欲的な職員が仕事に取り組んでいるほうが望ましいわけでございまして、もっと官民一体となった取り組みを進めていく必要があると思います。
 ワーク・ライフ・バランスを実現をする方策としては、実労働時間の短縮、フレックスタイム制の導入などが考えられますが、県としても率先して導入を検討してみてはいかがかと考えます。知事の所見をお伺いをいたします。
 次に、企業誘致につきましてお伺いをいたします。
 県では、地元企業の保護育成、企業誘致・立地対策を着実に実施するとともに、技術支援や資金融資などを通して県内の産業振興に努めてこられました。しかし、企業誘致・立地の点に着目しますと、県内の過去5年間の工場立地件数は27社でございます。中国5県で比較いたしますと、広島県は157社、岡山県は99社、山口県は48社、島根県は36社と大変厳しい結果となっております。もちろん数だけでなく規模も大切であると考えます。大型誘致が実現すれば、関連企業の立地も誘発されるといった波及効果も期待ができます。その好例が三洋電機であります。県を初め地元の熱烈な誘致活動を受けまして、三洋電機が1966年に鳥取市に進出した歴史がございます。ちょうどこの時期は57カ月という長期にわたるいざなぎ景気のスタートに当たります。くしくも現在の我が国の景況はいざなぎ景気を超えたと言われておりますが、県内では景気回復さえままならない状況でございます。都市と地方の格差が長く、そして拡大を続ける中、従来の企業誘致・立地対策にとどまらない思い切った対策をとるべきではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
 次に、農業政策につきましてお伺いをいたします。
 日本の農業、農村は今や危機的な状況を迎えております。米価の下落で多くの農家は赤字生産を余儀なくされ、転作もままならない状況下で、農地、産出額、就農者数とも減少の一途をたどっております。一方で、日本は世界最大の食糧輸入国となり、今や食糧自給率は39%にまで落ち込んでおります。今まで政府は担い手経営安定新法で担い手の農業経営の安定、食糧の安定供給の確保のための施策を打ち出し、各対策を講じておりますが、品目横断的経営安定対策等を初め、日本農業の現状に適さないため、早速施策の見直しを迫られている始末でございます。このことにつきましては、昨年9月定例会の興治議員の代表質問で、知事は現在の品目横断的経営安定対策で余りにもカバーできていない米づくりに対する対策のところを補っていく必要があると答弁をされておられますが、20年度当初予算の中でどのように措置されようとしているのか、知事にお伺いをいたします。
 次に、医療紛争の解決につきまして病院事業管理者にお伺いをいたします。
 医療訴訟以外に医療紛争の処理方法がない現実におきまして、医療事故に直面した患者側及び医療側が同様に求める真相の究明、医療側の誠実な対応、事故の再発防止は永久に満たされることはありません。それは訴訟による裁判手続が原告側と被告側の対立を前提にしているからであります。こうした現実を打開するために、次の点につきまして提案をしてみたいと思います。
 まず、医療事故が発生した場合、早期に十分な知識、情報を提供し、医療側との対話をサポートし、悲嘆にくれる家族に適切な心理的ケアを提供する役割を担う、いわゆる医療メディエーターを養成して、医療機関に配置してはどうかと考えますが、いかがでございましょうか。
 2点目に、訴訟以外に医療事故被害者のニーズに弾力的にこたえる裁判外紛争処理機関を設置して、相談機能、合意型紛争解決手続、仲裁型紛争解決手続に備える対応を検討されてはいかがかと思いますが、以上の点につきまして県立病院としてのお考えをお聞きをしたいと、病院事業管理者の所見を求めるものでございます。
 続いて、薬害C型肝炎患者の救済措置につきまして、知事にお伺いをいたします。
 県でも、この問題につきましては早速ウイルス性肝炎の早期発見を推進し、早期治療につなげるため、県内の保健所において無料検診を実施をされておられます。また、血液製剤による薬害C型肝炎の被害者救済給付金支給法も成立をしたものの、対象はカルテなどで証明できる人に限られるため、不安を抱き戸惑う患者やその家族は少なくないのが現状であります。今後さらに踏み込んだ対応が必要と考えますが、知事のお考えをお伺いをいたします。また、県弁護士会も電話相談の窓口を臨時に設置されておりますが、一過性でない相談窓口や支援体制を確立していただくよう、弁護士会に要請すべきではないかと考えますが、知事に御所見をお伺いをいたします。
 次に、捜査の可視化につきまして知事と県警本部長にお伺いをいたします。
 全国で冤罪事件が問題となっております。警察庁もこれを重視をして、再発防止のための警察捜査における取り調べ適正化指針をまとめたところでございます。この対応は一定の評価はできるものの、2009年度、いわゆる来年度から開始をされます裁判員制度を視野に入れますと、さらに踏み込んだ検討が必要ではないのかと考えるものでございます。裁判員制度の導入により、法律に余り親しんでいない方であっても裁判員として短期間で結論を出さなければならなくなってまいります。自白が真実かうそかを法廷で延々と争うようなことはできなくなり、取り調べの実態が客観的で正確な記録として示されなければならないと考えるのでございます。既に日本弁護士連合会は取り調べの全過程の録音、録画という全面可視化を求め、検察は2006年から部分的可視化を試行いたしております。警察は昨年10月から法曹三者の協議会にオブザーバー参加しているものの、いまだに可視化に慎重な姿勢を崩していないのであります。これでは私は県民の理解は得られない、このように思います。さらに一歩進め、取り調べの録音、録画による可視化に向けた議論と導入を図るべく対応が必要と考えますが、県警本部長に御所見をお尋ねをいたします。
 また、知事に対しましても県民の目線からの御所見を求めるものでございます。
 続きまして、育英奨学資金制度につきまして教育長にお尋ねをいたします。
 県は教育の機会均等を保障するため、鳥取県育英奨学資金制度を創設し、学習権の保障を行ってこられました。また、必要に応じて、借入枠の拡大、申請要件の緩和等の措置を講じておられ、一定の評価ができると思っております。この緩和措置のうち、保護者の所得制限に関しては上限額がだんだんと引き上げられ、現在は年収800万となっております。しかし、県内で800万という所得であれば、子供に教育を受けさせることは十分可能な水準であると思います。一方、実際の奨学資金の申し込み額は予定枠を大きく下回っておるのでございます。厳しい財政状況下で、確保された予算を適正に執行するため、形式的となっております800万の所得制限を撤廃をし、奨学金の門戸をさらに広げていってはどうかと考えます。また成績基準については、特に大学等奨励金につきまして、学業成績の平均が3.5以上と設定をされております。本来、教育は目標に向かって意欲のあるすべての子供たちについて与えられるものであります。奨学金の滞納が累積をしている現状は十二分に認識をいたしておりますが、奨学資金の申請要件のうち、所得制限と成績基準について見直す考えはないのか、教育長にお尋ねをいたします。
 次に、鳥取環境大学につきまして知事にお伺いをいたします。
 先般の議会でも触れさせていただいた際は、経営が厳しくなっている面を強調いたしました。これは将来的な見通しとして述べたものでございまして、現時点では内部留保が十分あるわけでございます。この公設民営のメリットを生かし、打って出る環境大学になればという思いから、再び質問をしてみたいと思います。
 まず1点目に、今日の地方の経済状況を考えると学費が高いのではないかという県民の声がございます。この際、それらの声を受けとめ、見直しされてはどうかと考えますが、いかがでございましょう。
 2点目に、環境をテーマとする大学がふえつつございます。そこで、他の大学との連携、提携を図る中で、いわゆる大学教授の交換授業、単位の互換制度を検討されてはどうでございましょう。3点目に、文部科学省の規制でございます。新たな学科等を設置する場合には、大学経営に対する運用規則で国の認可が必要となっておりますが、認可に至るまでが何年もかかるということで、社会情勢の変化に機動的に対応できない状況となっております。このように、文部科学省の大学経営に対する運用規則の縛りが余りにも多く、全国の大学で同じ悩みが上がっていると仄聞をいたしております。ついては、この運用規則について点検をし、必要と思われるものにつきましては、国に緩和措置を求めるべきであると考えます。このようなことを環境大学と一緒に取り組んでみてはどうかと思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
 次に、県立美術館につきまして知事にお伺いをいたします。
 鳥取県立美術館の建設は平成8年6月、鳥取市に建設することで県議会では承認を受けておりましたが、平成11年に片山前知事が見直しを表明、計画が凍結されたまま今日に至っております。その後、平成18年2月に鳥取県文化芸術振興審議会では、美術館を設置することは美術の発展にとどまらず、地域の活性化につながるとともに、将来にわたる教育的先行投資として有益であると提言されておられます。これを踏まえて、昨年の6月議会で県立美術館の建設につきまして知事と議論をさせていただきました。知事は美術館建設のプライオリティーは高いが100数十億から200億円の資金が必要であり、財政運営が上昇気流に乗ってくれば、第一番に検討したい事業の一つであると答弁をされておられます。また、これを受けて先ほど申し上げた鳥取県の将来ビジョン、いわゆる骨子たたき台におきまして、財政事情が許せば県民合意を得た上で美術館を建設すると明記されたところでございます。さらに昨年12月には、鳥取市文化芸術推進協議会から、県立美術館の鳥取市への早期建設につきまして、県に対して要望するよう鳥取市に提言をされておるところでございます。これを受け、鳥取市も早期整備に向けた機運も高まっていると仄聞をいたしております。確かに、経済情勢は上昇気流とはとても言えない、あるいは県の台所事情で200億円近いお金を捻出するということは、まず無理だと思います。しかし、例えば将来鳥取市が土地を提供し、建設コストを低く抑えることで、県立美術館の夢は現実のものとならないものでございましょうか。一度鳥取市とも胸襟を開いて率直な意見交換をされてはいかがかと思いますが、知事の所見をお伺いするものでございます。
 最後に、人権救済条例につきましてお伺いをいたします。
 施行が凍結されておりました人権条例を見直すため、検討を進められてきた人権条例見直し検討委員会は、昨年11月2日に平井知事に見直し方針案を盛り込んだ意見書をまとめ提出をいたしました。県内有識者10名による見直し検討委員会の18回にも及ぶ会議におきましても、県内の人権救済機関、当事者団体からの聞き取り調査等に基づいて、県独自の人権救済条例を制定する必要性が確認されたこと、加えて地方公共団体による準司法的な救済事態は否定されなかったことの意味は大きなものがあると率直に評価をしたいと思います。しかしながら、意見書の抱える問題点につきましてもあわせて指摘をしておきたいと思います。
 特にこれから数点申し上げますが、九州大学の内田先生の主張をもとに議論をさせていただきたいと、このように思います。
 第1点として、自由権を中心とした人権の理解が前提となり、自由権と社会権とを一体としてとらえ、基本的権利として保障していくという近時の国際的動向に反するという懸念についてでございます。第2点は、禁止とされる差別行為の定義に当たり、世論重視とともに合理的人権制限論を採用している点についてでございます。第3点には、意見書では司法による人権救済が基本であり、その結果、差別落書きなど実行した者が不明である場合、人権救済の対象から除外されている点でございます。第4点として、準司法的な救済をもって制裁型の救済と即断をされ、そこから準司法的な救済の問題点を強調した上で、準司法的救済は謙抑的であるべき、任意処分を中心とした救済が望ましいとされている点でございます。第5点として、被害当事者から切実な声が寄せられているにもかかわらず、家庭などの問題への行政介入は謙抑的であるべきとされ、結婚差別の問題も内心の自由の問題点として、人権救済の対象から除外をされている点でございます。以上5点につきまして知事の御所見を求めます。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田幸夫議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)山田議員の代表質問にお答えを申し上げます。
 まず、21世紀のグランドデザイン、平成10年に策定されました国のほうの全総に当たるこのプランにつきましてお尋ねがございました。議員のほうからお尋ねいただきましたのは、日本海国土軸、この構想についての所見と今後の対応についてということでございます。
 日本海国土軸構想は、平成10年度の全国の計画の中で示されたものでありますが、そのコンセプトというのは北東アジア地域を挟んで日本海がある、この日本海を橋渡しとしてお互いの地域が交流をしていく、そういう時代を目指そう、そのためのインフラ整備なり構想を進めていきましょうという、そういうことだったと思います。日本海の国土軸のほかにも北東の国土軸でありますとか、太平洋の国土軸でありますとか、そうした国土軸を設定しながら、国家としてのグランドデザインを描こうとしたものであります。
 私はこの考え方が今の鳥取県を含めた日本海側の目標にも妥当するだろうと基本的には思っております。現在、国の方で全国の計画案を練っているところです。ちょうど平成10年から10年がたちます。ですから、今、新しい国家全体の計画を練ろうとしているわけであります。その全国の計画案が示されておりますが、その素案の中でも東アジアとの交流をこれからの経済の発展などの促進剤にしていくべきだと、そういう考え方がまず第一番に示されています。私ども鳥取県もこうした時代の流れの中で、現在米子~ソウル便ですとか、あるいは新しい航路をつくろうという動きをしているわけでございますが、これは実は国家全体の戦略とも一致をしてきていると思われます。そういった意味で日本海国土軸が示したベクトル、そして現在新しい国土計画の中で示されようとしています案の方向性についても、承認できるものかなと思っております。
 さらに、新しい国土の全国の計画案の中で言われていますのは、例えば持続可能な社会をつくりましょうとか、あるいは地域間の交流を進めましょうとか、そうした考え方も示されているところであります。この全国の計画案に基づきまして、中国地方の計画が今つくられようとしておりますし、近畿もつくられようとしています。私ども鳥取県は近畿の隣接地域といいますか、近畿と一体となった地域として近畿側から招待をされていまして、近畿の計画案の中にも意見を述べさせていただく機会をいただいております。このそれぞれでも、私どもとして現在主張しておりますのは、鳥取県が北東アジアのゲートウエ-としての機能を果たすだろう、それから地域の大交流を支えるようなネットワークづくり、すなわち議員もおっしゃいましたが、高速交通ネットワークのような大動脈づくり、そうしたグランドデザインをぜひ中国地方の計画や近畿の計画の中で、鳥取県のスタンスといいますか、置かれた立場を描いてほしい、このように申し入れをして交渉を進めているところであります。今後とも、議員が最初にお示しをいただきましたが、日本海国土軸という、かつて示されたその考え方を基本として、国土計画の形成の中に鳥取県の立場を盛り込んでいきたいと考えております。
 次に、道路特定財源について、高速道路網について4点にわたりましてお尋ねをいただきました。
 議員からも御指摘をいただきましたけれども、高速道路についてこれを整備していくのだということは全く同感であるという御言葉をいただきまして、大変に私も力強く思わせていただきました。こういうように大きなところで、大枠を私ども共通の目標を持って、それをどうやって実現していくか、これを考えていかなければならないのだというように思います。
 議員からまず第1点目にお尋ねをいただきましたのは、道路特定財源の暫定税率が維持されていれば鳥取県にも高速道路がもうとっくにできていないとおかしいのではないか、なぜ今まで高速道路網が鳥取県にはできていないのだろうかと、そのことについての考え方を問うというお尋ねでございます。
 高速道路網は、計画的に国全体で国策として整備をされてきました。これは一貫してそういうスタンスでやってきました。この国策としての高速道路網、すなわち国家の骨をつくっていく事業というのは、どこの国においてもやはり連邦政府なり国としてやっていくものであります。インターステートですとかインターシティーとか、そういう考え方でドイツだとかアメリカだとか、どこの国でも国が基本的な責務を持ってグランドデザインをそれこそ描きまして、こういうところに高速道路をつくって、これで物流や人の流れを促進をして、国家としての一体性を持ち、さらに産業活動などのコストを下げて、世界に対する競争力をつけていこうという、そういう事業だと理解をいたしております。現に我が国でもそういう方針のもとで行われてきました。
 まず、昭和41年に国土開発幹線自動車道建設法というものが制定をされまして、まず最初に国土幹線高速道路のそれぞれ路線が示されたわけです。その中に私どもの米子自動車道に当たるものが順次指定されていくということになりました。さらに昭和62年になりまして、道路網について追加的に路線が指定をされてくるわけであります。このときに私どもの、議員のほうから御指摘がございましたが、山陰自動車道でありますとか、鳥取姫路の中国横断自動車道、これも示された、現在の鳥取自動車道が示されたわけであります。さらに、これとはまた別に地域高規格道路ということで、鳥取豊岡宮津自動車道だとか、北条湯原道路とか、江府三次線がその後順次位置づけられてくるという世界であります。
 このようにして高速道路網は整備をされていくわけでありますが、最初に昭和41年だとか昭和62年のスキームの中で設けられたところは、これは高速道路として整備をする一番基本の路線だということになりました。この路線については道路公団が整備の任を担うというやり方で進められてきたわけであります。
 それが結局何を生んだかといいますと、採算性といいますか、収益性の高い路線から順番にということになってしまったわけであります。例えば、中国自動車縦貫道路をまず一本中国地方につくって、その後採算性ということだったからでありましょう、山陽側のほうから山陽自動車道がつくられてしまった。山陰自動車道だとか、それから縦を貫くところは米子自動車道が昭和41年の法律の段階からもう順次入ってきておりますので、こちらのほうができてしまいまして、鳥取自動車道のほうが後に回されてしまった。さらに鳥取豊岡宮津自動車道などの地域高規格幹線道路、これは1万4,000キロの外のところでありまして、地域のほうで主導権を持ってやるというような、そういうスタイルになってしまった。こういうことで、他の路線と差がついてきたわけであります。基本的にはそうした収益性を一つの指標として道路公団が順次採択をしていくという順位づけがなされてしまったわけです。
 ようやく、では次の準備が回ってくるかなというところで道路公団をこのまま続けるべきかという議論が始まりました。その際に、私どもは鳥取自動車道につきましては道路公団がつくるのではなく地元も協力をする中でやっていく新直轄方式という、国の直轄事業でやる方式を選択するように、地域一体となって岡山、兵庫と手を挙げたところであります。御案内のように、それから急速に新直轄方式による鳥取自動車道の整備が進んできているということであります。
 さらに、山陰自動車道のほうは、これは国のほうの道路公団でやるという事業がなかなか進捗をしません。そういう意味で、Aダッシュ事業と言われますが、国道のバイパス事業として事実上高速道路となるべき道路を整備をしていく。これは直轄事業で整備をしていくという手法でやっていくことになったわけです。これは採算性を重視をしてというか、採算性のみで道路公団でやっていく事業のやり方と手法が違うものですから、これはこれで別途進捗していくということになりました。このAダッシュ事業による山陰自動車道だとか、それから鳥取自動車道のように新直轄の道路、こうした新しい手法や、道路公団でない手法を選択しながら、我々は何とか進めようとしてきたのがついここ数年のことなのであります。これがここから向こう、私どももくろむところでは向こう10年ぐらいの間に、何とかこうした県内の基盤となる高速道路網が概成するようにできないだろうかという願いを持っているということなのであります。
 ですから、高速道路網が鳥取にできていないのは、歴史的な経緯でいいますと、道路公団の手法によって長いことやってきて、その中で後回しにされてきた。順番はあなた方はこの次ですよと言われて待たされ続けてきた。そこに新直轄事業がスタートをするということで急遽我々の順番が、道路公団の順番とは別のところで回ってきた。
 それから、山陰自動車道につきましては、これも道路公団の手法とは別の事業をやろうということで国と我々のほうで協議を進めて、Aダッシュ事業として直轄事業で進める、そういう順序づけの中で、今優先的になっているということであります。
 次に、いつ来るかわからないような状況で、とりあえず道路特定財源が道路整備につぎ込まれるのであれば山陰自動車道もできるのであるからというようなことで集会を開いたのではないか、道路特定財源が現行のままであったとして、いつまでに山陰自動車道ができるのだろうか、これを示すべきだというお話でございます。
 これにつきましては、再三この議場でも御質問いただきましてお答えを申し上げておりますけれども、これは向こう10年以内につくろうという政府側の意思を我々は感じております。そういう意味で、ここから大事な時期に入っているというように認識をしているわけであります。それは何でそういうふうに言うのですかというと、政府側のさまざまな我々に対するメッセージが、あるいは国民に対するメッセージが出ています。御案内のように国会で今大論戦をやっておりまして、今、中期的な道路の整備計画をつくります。向こう10年の計画をつくります。この10年の計画の中で、大体国内のハイウエーネットワークは完成させようということを一般論として国会の審議の中で言っております。
 具体的に山陰自動車道についてのお話がございました。山陰自動車道については例えば2月27日の衆議院の予算委員会の分科会の中でも冬柴国交大臣が発言をされていますが、山陰自動車道のようなところは、これはAダッシュ事業として今整備を進めているところで、こういうところのおくれは取り戻してやっていかなければならない、こういうようにおっしゃっています。これはもちろん現在の暫定税率の議論の中でやっている話でありまして、暫定税率、今政府側が提案をしている10年以内でつくろうという意思の表明であります。
 また、11月に全国知事会議が首相官邸で開かれました。この会議のちょうど直前の前日に、道路の計画を国交省が発表をしたのです。例の59兆円と言われるあの道路計画であります。その説明を国交大臣が、冬柴さんが首相官邸の会議の場でおっしゃいました。その内容は、1つにはまず1万4,000キロの、9,342ではなくて1万4,000キロの道路計画の中で示されているものは盛り込むという考え方であります。この中には、我々で言うとAダッシュ事業が入ってまいります。ですから、山陰自動車道はこの中に入っているということであります。ですから、お尋ねの山陰自動車道についてはその計画の中に盛り込まれていますよというメッセージをそのときにもいただいているわけであります。
 こうしたことで、私は今政府の側からは10年以内に山陰自動車道を完成をさせる、そのための財源として暫定税率を提案をしていると、そういう意思を感じているわけでありますし、これはいわば公約でございますので、政府側の約束として私は信用していただくべきものだろうと思っております。
 次に、人口が多いところで暫定税率の反対の声なんかがあって、それは地域性があるのだろう。我々は鳥取県民の声に耳を傾けてやっていかなければならない。県民の意見をどういうふうに集約をしながら暫定税率の維持などの考え方を平井は述べるのかと、こういうお話でございます。
 おっしゃるように、暫定税率の問題は本当は現在トータルで数字で議論されていますけれども、地域性のある議論だろうと思っています。その根本は高速道路が整備をされていて、ほぼもう暫定税率とか云々は関係なく、道路の財源を確保する必要性を余り感じない地域が片方であると思います。もう片方で、今ようやく順番が回ってくる、そしてそのための財源を何とかしなければならない。そういう危機感を持つ地域とあるわけでございまして、これらが全国的にはばらばらな状況が本来あるのだろうと思います。その中で鳥取県とか宮崎県などは順番待ちをしてきて、今まさにつくろうとしているところでありますから、他とは違った特殊性を私どもは持っているだろうと思っております。
 県民の皆様の御意見をいろいろとお伺いをするわけであります。確かにガソリン代云々で少しでも安いほうがいいだろうという感覚を持っておられる方はおられると思いますし、そういう声もお伺いをいたします。しかし、私が非常に気になります、どうしてもひっかかりますのは、やはりそうはいっても、では高速道路は要らないのですかと言うと、高速道路は絶対に必要だというお考えの方が圧倒的に多いわけであります。これは観光関係の方だとか、あるいはふだん生活をされておられる方、あるいは救急車とかいろいろな命の不安を感じておられる方、いろいろな方がおられます。ですから、高速道路については、もううちは遅過ぎると、すぐにでもつくってもらいたいというお考えの方が実は大半であろうかと私は皮膚感覚として感じております。
 ですから、山田議員もおっしゃいましたけれども、皆さんもやはり高速道路の整備を進めるべきだというのでは全く同意見だというお話をおっしゃっているのも、そのゆえだと思います。我々はそういう環境の中に生きております。
 執行者の立場として、県の行政を預かる立場として、私はいろいろ悩むのですけれども、ぜひともそうした県民の願い、一番共通の願いは、高速道路を整備しなければならないということでありましょうから、これを実現するためにはどうしたらいいだろうか、私はどういう主張をしていくべきであろうかと悩むわけであります。
 確かに民主党がおっしゃっている議論、私も直嶋政調会長ともひざを交えて話をさせていただきましたし、お土産にといって民主党の考え方のパンフレットもいただきました。これを一通り読んでから賛否なりなんなり考えてくださいというお話もいただきました。それも読ませていただいたわけでありますけれども、どうしてもすとんと落ちないところがあるのです。
 それは、2兆6,000億の財源があります。これは暫定税率で今とられているところであります。暫定税率で今確保している財源が国と地方とに入っているわけであります。地方のほうに入っているところ、もし暫定税率を廃止すればこれがなくなるわけでありますが、この地方に入ってくるところは、これは国に入ってくるお金、暫定税率以外で入ってくるお金を回すことで手当てをしましょうとおっしゃっていました。それはそれでいいのかもしれません。しかし、この部分は決算ベースでいうと我々県市町村合わせて55億円程度の話であります。トータルでは265億円のお金が年々入っていまして、こういうお金がどうなるのか。確かに補助金だとか交付金で入ってくると、これも保障しましょうとおっしゃっています。これもありがたい話だろうと思います。
 そこから先のところなのですが、直轄事業の負担金、これはもう今後は取らないことにしたらいいと考えているとおっしゃいました。直轄事業の負担金は取らない、それは我々も主張してきたことでありますし、ぜひにそれはお願いをしてもいい話だとは思います。しかし、民主党さんのスキームの中でグラフを見せていただきましたけれども、結局地方の道路財源はこういうふうに減るわけでありますが、道路財源がこうやって暫定税率の廃止で減るところが、足らざる分が出てしまう。この足らざる分のところは直轄の負担金を廃止するので、この直轄の負担金を国に払わなくていい分、道路財源として使ったらいいではないですかと、こういうことなのです。
 それは理屈の上ではわかるかなとは思うのですけれども、注意しなければならないのは、この分は確かに減りますよということも同時におっしゃっているわけです。地方の道路財源は減る、だけれども、直轄の負担金は取らないことにしますから、その分はチャラにしたらいいのではないですかと。地方の財源全体をトータルで予算決算ベースで、毎年予算編成、決算をしたとして、その部分は減りますということは民主党さんも今でもおっしゃっているのです。これは考え方だと確かに思います。直轄の負担金を払わないということで解消される計算には最終的になるかもしれません。
 しかし、その次のステップのところなのですが、さらに国のほうの直轄事業でやっている分があります。我々のところは、先ほど申しましたように新直轄事業だとかAダッシュ事業だとか、そういうことで国のほうの直轄事業にかなり依存をして、現在急速な高速道路の整備をしているところであります。この国のほうの執行すべきお金がどこから出てくるか。全体で2兆6,000億減っていまして、地方のほうには穴をあけないということをされますので、最終的に残るのを計算してみますと、私どもの計算では4,000億ぐらいになってしまうのです。他方で、国のほうのいろいろな直轄でやっておられます除雪事業ですとか、維持修繕事業ですとか、そういうので年々5,000億ぐらいかかっているのですね。ですから、この4,000億で本当に我々のところでやるような直轄のお金が出てくるのだろうか。計算上は全国的にも一銭も出ないかもしれない計算になりかねないのですけれども、そうでありますけれども、その中でも例えば山陰自動車道だとか、あるいは我々のほうに補助金として回してもらえるお金とか、ちゃんと確保できるのだろうかというところがどうしても私どもは不安に思うのです。
 ですからそれであれば、現行の暫定税率のこと、これはこれなりに理屈はあります。すなわち受益と負担の関係がありまして、実際に道路を使用する方々に道路の整備費用を負担してもらおうということで成り立っているものでありますし、これの負担をお願いをしながら従来の手法で進めていくほうが、今の両案であればこちらのほうが現実的選択かなと思いますし、県民の高速道路整備の願いをかなえるためには、こちらの道筋のほうが現実的、確実な道かなというように思うのです。ですから、私は暫定税率のほうがよいのではないかと今申し上げているわけであります。
 ただ、再三再四申し上げていますように、これから与野党間で協議をされるわけであります。その与野党間の協議の中で、私は真摯に話し合って鳥取県のような地域事情があるところを酌んでいただいて、お互いのすり合わせをしていただきたいと思います。それによっていい案が出るのであれば、それに従うべきものだろうと私は率直に思います。民主主義の世の中でありますから、国民的議論のもとに出てきた結論は尊重しなければならないものがあるだろうと思います。ただ、その中で鳥取県のようなところが減らないような、2兆6,000億の大穴があくところをどうやって始末をするのかを考えていただく必要があると思います。
 私は、今の議論は与野党、チキンレースのようになっていると思うのです。完全にオール・オア・ナッシングになっていまして、2兆6,000億暫定税率を取るのか、そうではなくてこれは全部廃止するのか、この間の議論が今全くない状況になっています。それが出口を見えにくくさせていますし、私ども地方団体にはどうもすとんとこれで安心だと言えない事情があるということを御理解をいただきたいと思います。ぜひ与野党間の協議で打開策を見出していただきたいと思います。
 次に、道路特定財源はひもつき補助金であると。これを10年間も道路特定財源の制度として維持していくことが地方分権になじむのだろうかというお尋ねでございます。
 これは、先ほども申しましたけれども、道路特定財源がひもつきの補助金というのは、いささか理念に違いがあります。道路特定財源は道路のユーザーである、つまりガソリンを入れながら道路を使っておられる方々に対して、それは道路の財源に充てますよという約束で負担をしていただくというものでありますので、これは道路に使うべきものとお約束して徴収して御理解をいただく以上はそれに使う必要がある。すなわち使途は特定しなければならないわけでございまして、ここは仕方がないといいますか、それは制度上本来そうすべきものであるのだろうと思います。むしろ、ガソリン税としてガソリンからもらいますと道路のユーザーからもらうのですけれども、ほかの用途に充てますよというのは、逆になぜ一般財源に充てるかということ、道路と関連するようなこういう仕事ですよというような説得を納税者の方にしなければいけないものだと思います。ですから、そういう意味でひもつき補助金ということではないだろうと私は思います。
 しかし、道路特定財源のあり方が未来永劫このままの同じ状況でいいのかどうかということは、年々歳々例えば公共投資のロットが変わってくるだとか、あるいは教育だとか福祉だとかいろいろな需要がこれからふえてくる。言ってみれば、少子高齢化が進んで介護にかかられるお年寄りの方もふえられるとか、あるいは子供たちの教育についての考え方ももっと柔軟性を持たせて、そういうところに未来への投資をすべきではないかと、そういう時代の選択もあり得るでしょう。ですから、未来永劫固定的に道路特定財源の制度を現行のままで維持する必要があるかどうか、これは先ほど申しましたように、与野党間で国民的議論をしていただいて考えていただければよろしいのではないかと思います。地方分権の話と、それから道路を計画的に国の責任で整備していくこの要請と、ここの調和を図りながらの議論をしていただければよろしいのではないかというように思います。
 次に、将来ビジョンについてのお話がございました。将来ビジョンがどういうものになるか、県民に何をお示しをしようとしているのかというお尋ねでございます。
 私は、この将来ビジョンは年々歳々の事業計画を練ったり、予算編成をしたり、そうして県議の皆様とも共有をさせていただき、県民の皆様とも共有をさせていただき、それぞれのセクションで一体となって地域づくりを進めていく指標としていただきたいと思って策定しているわけであります。
 そういう意味で、今後の鳥取県の方向性を考える道しるべをぜひこの中で示させていただきたいと思います。現在、骨子として示させていただいておりますのはどちらかというとたたき台でございまして、パーツパーツになっておりまして、全体像だとか戦略が見えにくくなっているなと私も思っております。ですから、職員のほうには、我々も汗をかいて、戦略をもっときちんと書き込むようにしようと今話をしているところでございまして、いずれ時期を見て、何度も何度も議会のほうに御説明を申し上げ、御議論いただこうと思っております。
 その方向性が、今県民の皆様といろいろな話をタウンミーティングを通じてやったので、ある程度見えてきたのではないかというお話でございます。
 私もタウンミーティングに出させていただきましたし、県民の方からも今いろいろ御意見いただいていまして、その分析をさせていただいておりますと、幾つかこれからの県政を考える視点が見えてきた気がいたします。
 まず、我々の鳥取県を取り巻く環境についてでありますけれども、これは私がこう言っているからということもあるかもしれませんけれども、やはりアジアの中とか世界とのつながり、大交流ということをこれからの環境の変化としてとらえるべきだ。その交流というタームでは地域間交流、U・I・Jターンなんかも含めた、そういうのを促進すべきだという御意見を結構いただいたと思います。こういうのが一つの、これからの鳥取県を考える背景の問題だと思います。
 あともう1つの背景の問題は、価値観が変わってきていることに対応して我々のライフスタイルも日本じゅうが変わるのではないかと。それは環境ということです。鳥取県はいい自然環境を持っている。この環境というものを生かして我々の地域を光らせていくことができるのではないか。あるいは我々のコミュニティーが持つ温かさだとか包容力、こういうものを我々は地域づくりで生かせるのではないか。これらが我々がこれからの鳥取県のビジョンを考えていくといいますか、方向性を考えていく上での背景として、皆さんおっしゃる事柄であります。これが一つ前提となろうかと思います。
 その上で何をこれから目指していくのかということにつきましては、やはり産業の活力とか働く場がないということが言われます。これは障害者の皆様からも随分お訴えをいただきました。障害者の皆さんが、物すごい高給取りになろうとは思わないけれども、ただ、自分たちの生きているあかしとしての職業ぐらいは何とかならないものだろうか、そういう切実なお話もありました。こうした意味で、いろいろな意味の地域としての活力を生み出していかなければならないという問題意識。これはだから、戦略の中にきちんと方向性を見出していかなければならないテーマになると思います。
 あと、生活の豊かさだとか安心だとか、そうした生活実感として得られる満足というものを求めたいということであります。産業の活力なんかも確かに必要ではありますけれども、ただ、実際問題として自分たちなりの幸せが欲しいと、それは身近な福祉であったり、あるいは子供たちの成長への安心感であったり、そういうものである。そうした意味で活力だとか安心というようなテーマで我々は施策づくりをこれから向こう10年間かけてやったり、実行していかなければならないのではないかということであります。これが政策の中身の大宗をなすところかなと思います。
 あと、これとあわせて、ではどうやってどういう手法でこうした地域づくりを進めていくべきかということについていろいろとお話をいただきました。
 一つ、よく言われたのはやっぱり鳥取県は人口が少ない、60万人しかいない県だし、今人口が減っているのだから人づくりこそ一生懸命やるべきだと。人づくりだとか教育だとか、そういうのを得意わざにする県にすることが、これからの鳥取県の活力だとか安心をもたらす上で重要なツールになるのではないかというテーマであります。これもごもっともだと思います。
 あと、鳥取県はボランティアの組織率が高いなど、共同連携の素地があります。産学官連携だとか、NPO活動だとか、地域の地縁団体など、こうした素地があります。こういうものを生かすことで我々の地域づくりを推進するエンジンになるのではないか、このように共同連携だとか、あるいは人づくり、これを軸に据えて地域づくりを進めていく、道具立てを考えられないかというようなお話であります。
 さらに心配事の話もありました。我々がこういうふうになってもらいたくない、それをぎりぎりのところで踏みとどまるべきテーマとして示されたこと、大きく言って2つぐらいあったかと思いますが、1つは持続可能な社会にしなければならない。特に中山間地域だとか限界集落の問題などを訴えられまして、本当にやっていけなくなってくるのではないかという危機感を持ち始めたと。これは10年前とかと違って進行している。ですから、そうしたところに対する持続可能な地域社会を支えていくだけのそうした手当ても必要だろうということであります。
 もう1つは、県政だとか市町村財政の話も随分いただきましたけれども、そうした地方財政、我々でいえば県財政が立っていられる状態に本当になるのだろうか、いっぱい借金がある。その借金がある中で、今後鳥取県というのはうまくやっていけるのだろうかということです。あるいは、県がいずれ道州制に向かうかもしれない、その道州制に向かうための準備作業というのは要らないのだろうか、こんな問題提起なんかもありました。こういうように変転する社会に対する防波堤のようなそうした仕組みづくりといいますか、配慮、手当てについての御意見もありました。今からまだまだ議論を進めていきますけれども、こんなようなことが恐らく将来ビジョンを考える上で骨といいますか、あらあらの筋書きのようなことになっていくのかなという感覚を私は持ちました。
 いずれにせよ、こうしたことを多くの県民の皆様、議員の皆様と議論をしながら育て上げていって、秋ごろまでに将来ビジョンの大勢をなすようにいたしていきたいと思います。
 次に、財源確保についてでございます。財源確保につきまして、どういうような構想で拡充しようとしているのか、新たな財源確保対策として考えているものがあるのかというお尋ねでございます。
 詳細は総務部長からお答え申し上げたいと思いますが、ネーミングライツ、おかげさまでこのたびコカ・コーラウエストホールディングスとそれから鳥取銀行と結ばせていただきました。これは我が県としては、他県でも苦労していますので、ヒットだったかなと思います。これに続くようなネーミングライツがあるかどうか、よく点検をしたりして考えていきたいと思います。ただ、なかなかハードルは高い挑戦になりますので、よく戦略を練りながら試行錯誤をしていきたいと思います。
 このほかにも、いろいろな財源確保、例えば広告料収入だとか、あるいは未利用財産の活用だとか、そうしたテーマがあろうかと思います。新たな財源確保策をいろいろ探っていきたいと思いますが、我々もいろいろやってみて、こういうことをやったらいいなというようなことも気がつきました。例えば、インターネットを通じて未利用財産の購買を進めることをやったほうがひょっとしたら売れるかなというのもありますので、このことは新年度で試してみたいと思っております。いろいろとアイデアを考えておるところでございますので、後ほど御報告をさせていただきたいと思います。
 次に、非正規雇用と正規雇用の均等待遇、能力開発などについてどうしたらいいかと。県ができることはあるだろうかというお話でございます。
 議員のほうから、るる問題意識の御提示がございまして、私も全くその通りだなと思って伺っていました。
 世界の潮流はどんどん格差を生んでいるように思えてなりません。これは、新自由主義的な経済活動のテーゼがそうしているのではないかというように思います。アメリカも相当な格差社会でありますが、それが各国へと蔓延をしてきております。今、非正規雇用と正規雇用の問題が随分と取りざたをされていますし、その割合はふえてきております。当県の場合も他県よりは、全国平均は大体3分の1ぐらい非正規雇用かなと、ちょっと古いデータですがありますけれども、我々は27%ぐらいかなというデータもありまして、若干低目かもしれませんけれども、それでも年々上がってきているという実感を持っております。ですから、そういう意味で深刻さは増しているという面はあろうかと思います。
 隣の韓国でも新しい政権が誕生したその裏には、所得格差が広がっていて、正規の職につけない人たちが広がりを見せている。それが経済の活性化が必要だという新しい政権の支持を生んだわけだと伺っております。
 こういうことでありますから、我が国においても、もともと日本というのは、古来非常に均質な社会でありました。上手に所得を分配をしながらといいますか、お互いの均斉をとりながら、要は集落一体となってともに栄えるという姿を目指してきたのだろうと思います。どうしてもインターネット社会になって、情報が全世界を駆けめぐる、あるいは全国でも物がすぐに行き来をするということになりました。飛行機で飛んで行こうと思ったら日本国じゅうその日のうちに日帰りができる、そういう時代になっております。ですから、富がどこかに集中をしてしまう仕組みは生まれておりまして、それが所得格差を生んでいる。
 正規職員と非正規職員の格差も、諸外国との競争をしようとする企業活動の中で生まれてきた面があります。これは、このまま放置をしていくわけにはならないだろうと思います。一気にこれをなくすというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、ただ、雇用のあり方として新しい提案をしながら非正規職員と正規職員との壁を低くしていく、そういう努力が必要なのだろうと思います。
 現在、国のほうではパート労働法の改正がなされて、新年度4月1日から施行されることとなっております。このパート労働法の改正によりまして、非正規職員から正規職員への転換についての義務づけが一部について図られます。全く同じ仕事をしているというような場合には、これは正規化という義務がかかるというものであります。そのほかのところでも、同じような職に対する同じような待遇という、そういう努力義務も課せられることになりまして、これが新しい国全体のツールになろうかと思います。あわせて最近こうした非正規職員から正規職員への転換を図る国のほうの施策も次々出てきておりまして、30万円雇用転換にお支払いしましょうという奨励金が既に始まっておりますけれども、新年度に入れば、予算が成立をすれば、新しい制度としては中小企業について1人35万円、トータルでも最大130万円の奨励金を出そうと、そういう国の制度が始まります。
 この非正規職員と正規職員の問題は、これは鳥取県一県の問題ではありません。すなわち労働市場は完全にオープンになっていますので、全国的に解決しなければいけないことでありますから、基本的には国策で私はこれに対処しないと、要は漏れ出る水にふたはできないような状態であろうと思います。ですから、国のほうのこうした施策を我々も一緒になってPRをしたりしていきたいというように思います。例えば、労務管理アドバイザーを鳥取県東、中、西に配置をしておりますけれども、こうした方々を通じて、企業さんに新しい仕組みが始まると、非正規職員と正規職員の問題について企業さんも考えてみましょうという、そういう啓発活動といいますか、PR活動をさせていただいたり、あるいは我々として何かできることがあるだろうかということも考えていきたいと思います。
 これは、4月から国の新しい事業が、これは結構インパクトがあるのではないかと思いますが、その動きを見ながら考えていく必要があるだろうと思います。例えば、他県で若干やっている県もありますけれども、融資の面で非正規から正規へ転換する企業さんへの運転資金なんかの融資枠をつくるというような、そういう県もないわけではありません。ただ、どれほど実効性があるかということがありますけれども、そうした施策の可能性については、国の新しい施策の定着を見ながら考えていく必要があるだろうと思っているところであります。
 次に、ワーク・ライフ・バランスについて率先導入を県庁としても検討する必要があるのではないかということであります。
 詳細は総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますけれども、我々の場合、どうしても悩ましいのは法律に基づいて地方公務員法という制度があります。ですから、法律の枠内でやるということになりまして、そこの限界があります。あともう1つは、このように議会で議論をいただきながら、年々の職員の給与費だとか、それから給与に関する条例だとかを審議をしていただき議決をいただくという仕組みになっておりまして、財政民主主義の中で職員制度を運用していかなければならない。これは、この2点において他の雇用者とは違った側面があります。全体の奉仕者として位置づけられている公務員でありますので、そういう制度の中に生きていくということだと思います。
 ただ、そうはいっても、私どものほうもやはり抱えている職員には家庭もあります。男女共同参画を進めたり、子育てを行っていく環境を整えたり、あるいは他のテーマでいえば公共交通機関の利用を促進するとか、そうした政策課題もあるわけでありまして、職場によってはフレックスタイム制のようなことだとかいうことを導入していく必要があるだろうと思っております。
 ワーク・ライフ・バランスの関係でいえば、短時間労働など一部、制度改正も今度議会でもお認めをいただきまして導入されてくる面もあります。こういうのを促進をしていきたいと思いますけれども、例えばフレックスタイム制については、現行の地方公務員制度ではできないわけであります。しかし、勤務時間の割りつけを、例えば8時半の始業開始よりも1時間前から1時間後まで時間をずらしながら割りつけるように今できるようになっています。これは子育てだとか男女共同参画だとか、仕事の状況を考えてできるようになっていまして、これを活用している職場もあるところでございます。今後もできることを積極的にやりながら、議員御指摘のような率先垂範といいますか、県庁としての活動をやっていきたいと思っております。
 次に、従来の企業立地促進策にとどまらない思い切った対策をすべきではないかということでございます。
 鳥取三洋のお話がございました。鳥取三洋は昭和41年に進出をしたわけであります。これには実は時代背景がございまして、その直前、昭和39年に工場立地制限法ができているわけであります。工場立地について大都市部で立地できない仕組みに事実上なりまして、これが近畿圏から近いこの鳥取への立地を三洋が求めたということにつながったわけであります。このことが実は最近改正になりました。平成14年にこの制限法が撤廃をされまして、むしろ大都市回帰の始まりになりました。それと軌を一にするかのように大都市部で、例えば大阪だとか兵庫県だとか、そうしたところで莫大な補助金を出しながら企業立地を引っ張り込むという手法が始まったわけであります。
 議員はそうした思い切った企業立地政策をとるべきではないかというお話でありますけれども、ただ現実に出しているお金は、例えば180億とか190億とかそういう額でありまして、この中国地方の各県と比べるとけたが違う、1けた違うことになっています。これはどうしても体力勝負になりまして、我々のほうではなかなかついていけないという隘路があります。
 ですからこそ、私たちは違った魅力でこうした大規模な誘致をしたいなと思っておりまして、ワンストップサービスを推進をするとか、それから我々はきれいな水や自然環境もある、これを売りに出せないかとか、現在集積しております電子産業だとか食品加工業だとか、こういう集積を生かせないだろうかとか、あるいは北東アジアのゲートウエー機能を県全体が果たすこと、これをてこにできないだろうかとか、いろいろな働きかけを今しているところであります。確かに大きな企業さんというふうに議員の目には映らないかもしれませんけれども、少しずつ積もり積もっているところでありまして、そうしたところを何とかこつこつやりながら企業誘致活動を進めていきたいと思っております。
 これについて、確かに大きな工場を立地したいという思いはございます。ただ、我々もそういう話をするとすぐに自分自身が困るのが、例えば何千人という雇用者を集められますかと言われるときでありまして、これは我々のところは若干限界があるかもしれません。
 それから電力の供給体制でありますけれども、山陽側などは大電力の供給体制がありますけれども、山陰のほうはぽつんぽつんと、例えば智頭とか日野とか、大電力を供給する能力を持った地点はありますけれども、例えば鳥取、倉吉、米子、境港といったところでそれだけの電力規模を提供できるかというと、実は提供できないわけでありまして、工場立地となるとたちまちそうした電力の問題も生じる、そういう内在的制約があります。いずれにせよ、我々としても工夫をしながら、限られた資源なりなんなりかもしれませんけれども、精いっぱい企業立地活動に努めていきたいと思います。
 次に、薬害C型肝炎患者の救済についてであります。非常に厳しい状況が患者さんにあるわけでございまして、今後さらに踏み込んだ対応をすべきではないか、また弁護士会に要請をすべきではないかということであります。
 まず、踏み込んだ対策については新年度から現在の無料検査を肝炎ウイルス患者に対してなしておりますけれども、これを一般の病院にも広げようとしております。保健所ではなくて広げようとしております。それから実際に患者さんが苦しまれるわけでありますが、その治療に資するようにと……(「農業が抜けました」と呼ぶ者あり)失礼しました。ちょっと、ではウイルスのほうだけ申しますと、治療に資するようにとインターフェロン治療を国の制度を活用してするように指示いたしておるところでございます。ただ、肝炎患者が国のスキームの例の4,000万円出るとか、あれに乗せようと思うとなかなか大変でありまして、証拠を集めなければならないということがあります。ですから、今も弁護士さんに紹介をするようにいたしております。この点はどうしても隘路があるところでありますが、先月、各病院のほうにできるだけ丁寧に患者さんには対応をしてくださいというお願いをしているところであります。弁護士会に要請をせよということでありますので、これは非常に難しい患者さんの状況を弁護士会のほうにも御理解をいただくようお願いをしたいと思っております。
 農業につきまして、現在の品目横断的安定対策で余りにもカバーでき得ていない、米づくりへの対策をどうやって補っていこうとしているのかということであります。
 これは、一つには今国に対していろいろな働きかけを我々なりにしてきて、回答を得ました。先般も議論がございましたが、水田経営所得安定対策が今回出されております。これで、水田農業ビジョンに乗せられるようなところであれば、比較的小規模のところでも乗れるようになったわけでありまして、これをぜひ活用したいというのは一つであります。
 あと県独自の対策として、例えば大豆の作付をやっている。この営農対策について国に上乗せをして補助金を出しましょうだとか、それから集落営農に向かういろいろなお手伝いをしましょうということであります。新年度でさせていただこうと思っていますのは、話し合いなどの組織化の事業と、それからまずは機械を共同化してみようというときの機械の購入支援などでございます。
 あと鳥取県としての特色ある米づくりを支える施策も必要だろうと考えておりまして、例えば有機特別栽培米を推進しようと。鳥取県のイメージにぴったり合う方法でございますので、そのための実証圃場を県内でつくっていこうだとか、あるいはPR経費を考えようとか、それから鳥取県のこだわりの米づくりとしておいしい米をつくろうではないかと、環境特区の取得を進めようとか、それから改良普及所に食の味を検査する機械を置いて普及指導にも役立てようとか、そんな事業なども考えているところであります。
 次に、鳥取環境大学について何点かお話をいただきました。
 まず、学費の見直しをしてはどうかということであります。
 これは大学の経営方針の中でやるものでございますから、理事会の中で検討していただきたいと思いますので、きょうのことは改めて大学に伝えたいと思います。学費については、公設民営の大学の中で比較してみますとそう高いほうではありません。ただ、県内で比較しますと鳥取短期大学も含めてやや鳥取環境大学、確かに高目になっていると思います。ここは学費の政策は先ほど議員がおっしゃいましたように経営は健全にできている面がありますので、どこまで学費について対応できるかどうか考えていただければいいなという気持ちを持っていますので、それを伝えたいと思います。このたび理事会のもとで改革の検討委員会をつくることになりましたので、そこで議論をされるテーマになろうかと思います。
 次に、教授交換授業、単位の互換制度について検討してはどうかということでございまして、これもお伝えをさせていただきたいと思いますが、現在でも実は鳥取大学などと教授の交換といいますか、お互いに教授を派遣し合って授業をやるというスタイルをとっています。こういう意味での連携は現在もできています。ただ、単位の互換になりますとお互いの大学が納得をしてやらなければならないものですから、鳥取環境大学がやりたいといっても向こうがしないかもしれないということになりますので、これもよく大学側に検討を促していきたいと思います。
 次に、文部科学大臣の大学経営についての運用規則の縛りについて国に緩和を求めるべきではないかということであります。多分、議員の念頭にありますのは、今回学科再編をしようとしていて、これが文部科学大臣のほうでひっかかるのではないか、時間がかかるのではないかというこういう御懸念だろうと思います。
 これにつきまして、我々もスケジュールを理事会の中でも随分伺いましたけれども、現在の大学側のもくろんでいるスケジュールは、3月中に文部科学省と事前協議を経て、4月にはそのための届け出を受理してもらって処理してしまおうということであります。ですから、かなり速いスピードでやろうとしていますので、今回これが足かせになることは今の段階ではないのではないかと期待をいたしております。これは大学制度の規制緩和がありまして、従来ですと認可制だったものが届け出制になっています。ですから届け出制になった中で今回の学科再編をやろうとしていますので、そういうふうに文科省のほうで認められれば比較的スムーズにいくのではないかと思っています。
 しかし、いずれにせよ、いろいろな縛りがあるのも事実でありますので、大学のお話もよく伺って、必要なことがあれば改正を促すように国に働きかけることも考えていきたいと思います。
 次に、県立美術館のお尋ねがございました。これについて早期整備を図るために鳥取市と率直な意見交換をすべきではないかというお話でございます。
 これは、従来からも鳥取市と協議する中でたびたび県立美術館のお話は先方から出されています。そういう意味でざっくばらんな話は今までもさせていただいております。
 現在、鳥取県としてどう動かしていくかということでありますけれども、御案内のように将来ビジョンの中にあえて財政的な制約がほどければ、財政的な事情が許せば、これについて建設も考えたいというような、そういう書き込みをしております。これは県民の皆様からの御意見をこれについて得たいという思いがありまして、どういう反応が皆さんから寄せられるかなと、今拝見をさせていただいているところであります。それでも、県立美術館は無駄遣いだから要らないのではないかという御意見もいただいたりしておりますし、もう片方でぜひにやはり、例えば書道展などをやる場所がないから県立美術館は必要だというような御意見もいただいております。ですから、さまざまな意見が今寄せられる中で、将来ビジョンがこれから完成に向かっていくということだろうと思います。その後で、ではそこから先どうするかという話になるのだろうと思います。ですから、まずは将来ビジョンでの意見募集なり、あるいはその取りまとめをめぐっての県議会だとか県民の皆様の御意見を拝見をさせていただきながら、これは大いなる議論をしていただいて、結論を出していくべきものだろうと思います。
 片山知事の当選直後に見直しが何点かセットがございまして、その中の一つの項目に入っているわけであります。砂丘博物館とか、あるいはカニ博物館だとか、いろいろとそういう見直しの中の一メニューとして凍結をされたという経緯もありまして、そのときも随分議論はしたものであります。ですから、今回将来ビジョンを策定をするのがいい機会でございますので、こういう機会などで議論を深めていただいて、これについての方向性を考えていきたいと思っているところです。
 次に、人権救済条例の見直し検討委員会について何点かお尋ねをいただきました。九州大学の内田教授の御指摘を踏まえてのお話がありました。5点にわたって分析的なお話をいただいたところであります。
 まず第1点目としていただきましたのは、自由権を中心とした人権の理解が前提となっていて、社会権とを一体としてとらえる基本的権利として保障しようとする動向に反するのではないかと、こういう御指摘でございます。
 私もつぶさに検討委員会の報告書を拝見させていただきましたけれども、私はそういう見方を検討委員会の委員の先生方はしていないと感じました。と申しますのも、御指摘の部分というのは恐らく冒頭のところで、人権というものの概念規定をしようとしているところだろうと思います。そこで書かれているのは、よく憲法の教科書なんかに出てくるような話でありまして、基本的にまず自由権から出発をしているわけでありますが、その後社会権がどこの国でも育ってきているわけであります。当然、憲法もそれを書いているわけであります。しかし、中にはプログラム規定のようなこともあります。例えば生存権と言われるようなものとかです。ですから学説、判例の一般の考え方としては、そういう意味でそうした社会権などについて法的に位置づけられたもの、法律の規定に基づいて具体の権利が保障されてくるということをいうわけでありまして、このことが冒頭に書いてあります。ここを読まれてそういうふうに解釈をされたのかもしれませんけれども、しかし、中に書いてあることは社会権もしっかり含めて、救済なり、あるいは啓発なりを書いてございますので、私はそこはとらえ方が違うのではないかという印象を持ちました。例えば、子供たちのことを言ってあります。皆さん御存じのとおり、子供たちについて救済なり啓発なりということを言うわけでございますが、これは子供の、あるいは親として教育を受ける、受けさせる、そういう権利にかかわるものでありまして、これは自由権ではなく社会権の問題であります。こういうものも書かれているものでありますから、必ずしもそうした御指摘は当たらないのではないかと思います。
 以下、2、3、4、5と残り4点のお話もございましたが、人権局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁漏れがあります。裁判官。


◯知事(平井伸治君)(登壇)警察とあわせてお尋ねをいただきました裁判員制度についてのお尋ねがございました。大変失礼いたしました。
 この裁判員制度は来年の5月までに裁判員制度をスタートさせようということで、法曹三者を中心として大変なPR活動をやったり、制度づくりが進められているところであります。私も仄聞しておりますところでは、裁判員制度に向けて、今おっしゃった捜査をどこまで可視的なものにするかどうか、これもテーマになっていて、法曹三者の話し合いが進められる中に警察も加わって、この取り扱いを協議をされていると伺っております。ぜひしっかりとした話し合いをしていただきまして、裁判員制度が円滑に進むように、少なくとも県民が裁判員として参加するわけでありますので、裁判員が戸惑うことがないような、そういう仕組みにしていただきたいと思うわけであります。
 ついきのうも福岡で無罪判決が出される事件がありました。あれが冤罪になるかどうか、これから上訴されてということになるかと思いますけれども、その過程で言われましたのは、今回の捜査の中に違法な捜査があったと。同居するといいますか、同じ房に入った女性の供述をもとにして、それで証拠として形づけられたわけでありますが、そこの証拠能力の違法性が指摘をされたということだと思います。そうしたように、非常に捜査については最近話題になっております。例えば、鹿児島では選挙違反事件をめぐって冤罪だというようなことも起こりました。あれも取り調べ室での取り調べの内容が指弾をされたわけでございます。
 こういうことをいろいろと考えてまいりますと、やはり捜査はデュー・プロセス、適正に行われなければならないと思います。刑事訴訟法でも、現行でもいろいろと書かれておりますし、今後さらに裁判員制度と絡み合って、この点はさらに検討を深められければならないだろうと思います。
 世界的に見ていただければ、一定程度被疑者の権利にも配意をしながら可視化ということが進められつつあると、そういう国がかなりふえてきているというようになってきておりますので、そういう意味でも我が国も裁判員制度の導入を機会として、この点もぜひ議論をしていただければいいのではないかと思います。昔「十二人の怒れる男」というシナリオを随分読んだこともありますが、大変におもしろい裁判劇でありました。実際に陪審員が出てきてお互いに協議をするわけであります。なぞ解きをするわけであります。しかし、現実に裁判員として出る人たちはみんな素人であります。自分も思うのでありますけれども、自分が出て行って果たして確信を持ってこの人は有罪と言えるか無罪と言えるかというのは大変な重荷だと思います。それを支えるだけの材料を提供しなければならないのだろうと思いますから、その辺もぜひ配慮していただいて考えていただければありがたいなと思います。ただ、他方で捜査も的確にやっていただいて、きちんと容疑者を挙げていただくことも必要でありますし、裁かれるべき方は裁いていただけるシステムも必要であります。ですから、それが今回新しく議論されていることが捜査の足かせになり過ぎてしまって、人権とかあるいは裁判員制度のために実際に犯罪捜査に支障を来すということにもなっていただきたくないと思いますので、ぜひ幅広い議論をしていただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)補足説明を求めます。
 瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)まず、財源確保対策について補足の答弁をさせていただきます。
 ネーミングライツですとか広告掲載、未利用財産の売却を今後どういう構想で拡充するのかということでございますけれども、まず施設の命名権、ネーミングライツでございますけれども、これは今回2社応募いただきましたけれども、調整しないといけないような事項もありますのでおのずと限界というのもあると思いますけれども、このたびの実績を参考にしながら、可能なものは取り組んでいきたいと思っております。調整すべき事例としましては、例えば指定管理者との調整がある場合には調整が必要になってくるでしょうし、県民感情の面で企業名をかぶせるのはどうなのかというようなお話もあろうかと思います。また、観光施設ですと定着した名前が変わってくる、そういうことで誘客に対してどういう影響を与えるのかというようなこと、そんないろいろなことがありますので、これらの調整事項について適切に対応できるものについては進めていきたいというぐあいに考えております。
 次に、広告掲載関係でございますけれども、知事からもありましたがバナー広告を引き続き拡大できればなと思っているところでございます。また、広告の募集の対象の印刷物なんかは19年度ぐらいから始めたものでして、募集等が少しおくれたということがございます。来年度は対象を拡大したり、できるものは早くに募集を開始するというようなことで20年度は対応していきたいと思っているところでございます。また、県政だよりにつきましても、広告の掲載、19年度は年度中途に募集したということもあってちょっと不調だったのですけれども、これについても引き続き広告を募集していきたいというぐあいに考えております。また、博物館等での事業のチラシ広告等についても19年度行いましたけれども、20年度も引き続き行っていきたいと考えております。
 未利用財産の売却でございますけれども、20年度当初予算で約5億5,000万見込んでおります。まずは売却を行って、少なくとも収入確保に努めてまいりたいと考えております。知事からの話にもありましたが、20年度からはインターネットを利用した公有財産の売却システムへの参加をしていきたいということを考えているところでございます。また、未利用財産につきましては当初予算に計上していないものにつきましても、話がまとまる、あるいは売却することが可能になったようなものがありましたら、可能なものから財産処分を進めていきたいなというぐあいに考えているところでございます。
 新たな財産確保対策はどういうものがあるのかという話でございます。
 これにつきましては、企業会計ですとか港湾の特別会計なんか、あるいは住宅供給公社等が持っている土地処分、これを促進して長期貸付金の回収を図っていきたいと、売却単価は少し下げるものの、貸付金のままでなくて売却して資金の回収を行いたいというぐあいに考えております。
 その他の財源確保収入ですけれども、小谷議員からも代表質問でございました。特別会計ですとか、あるいは基金の繰越金、あるいは基金総額についても点検していきたいと思っております。また、これ以外にもスポーツイベントのスポンサー募集など、いろいろないいアイデアがあれば積極的に対応していきたいと思っております。
 また、19年度までは管財課ですとか財政課ですとか、それぞれの所管課が片手間に行っておりましたが、来年度は行財政改革局に財源確保室を設置いたすことにしておりますので、体制も整いますので積極的に対応してまいりたいと考えております。
 ワーク・ライフ・バランスの関係で、仕事と家庭生活の両立ということで、県も率先してということでございます。
 鳥取県としても非常に大切なことだと思いまして、仕事と家庭の両立の職場環境づくりを積極的に進めているところでございますが、具体的なものといたしましては、まず職員が子育てをしやすい環境づくりを進めるために、子ども・子育て応援プログラムというものを17年度に策定して、5年間の計画でございますが進めているところでございます。プログラムの具体的数値目標としましても、年次有給休暇の取得促進ですとか、あるいは男性の育児休業の取得というようなものを掲げているところでございます。
 また、家庭生活の両立で実労働時間の短縮ということも非常に大切になっております。時間外勤務の縮減にも鋭意取り組んでいるところでございます。18年の1月からはICカードを、入退庁のときに記録するようなそういうカードを導入いたしまして、勤務時間の縮減に取り組んでいるところでございますが、ちなみに14年度でいきますと1人当たり一月16.3時間あった勤務時間外が、ことしの12月時点でございますけれども、13.1時間ということで、約3時間の縮減になっているところでございます。
 また、フレックスタイムはできないということでございます。これに近い制度といたしまして、知事からも答弁がありましたけれども、男女共同参画の推進ですとか子育ての支援、公共交通機関の利用促進のために一定の要件を満たしていれば勤務時間を1時間早めるとか、あるいは1時間遅くする。子供を幼稚園、保育園に送って出られるように1時間遅くする、あるいは1時間早くする。そのかわり勤務の終了時間をその分だけ1時間早くしたり遅くしたり、8時間勤務の中で対応するという制度をとっております。実際に、これは昨年末の数字ですけれども、育児ですとか介護のためにこのような制度を利用している職員が17人いるところでございます。
 また、育児のために部分休業ということで、1日最大2時間まで休業ができます。ですから、6時間の勤務ということができる制度がございます。このような制度も設けて、実際に利用者もいるところでございます。また、ことしの4月からは育児短時間勤務ということで、正規の勤務時間を20から25時間、ですから大体2分の1の勤務時間ということにできるように制度を整えたところで、実際にこれにつきましても来年の4月から利用したいというような問い合わせが来ているところでございます。
 このようないろいろな公務員法上の制約や課題もございますけれども、公務効率の維持と両立しながら弾力化を一層進めていきたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)磯田人権局長


◯人権局長(磯田教子君)先ほどの内田九州大学大学院教授の指摘された幾つかの点について御答弁申し上げます。
 2点目でございますが、禁止される差別行為の定義に当たり、世論を重視するとともに合理的な人権宣言論を採用しているではないかという点でございますが、この論評では国連規約人権委員会が人権の保障や基準は世論調査では決定されないと表明し、合理的な差別の概念のあいまいさに懸念を示していることを論拠として上げておられるところでございます。しかし、先ほど知事も御答弁申し上げましたが、社会権の概念も世論を含めた社会の中で起きてきておりまして、変化しております。また、何が人権侵害であるのか一律にあらかじめ詳細に定めることは不可能でございますので、判断基準に合理性を用いることは差別禁止の理論において多くの者が採用しておられます。また、他の法解釈でも同様でございます。ゆえに差別の判断に合理性を用いることは問題ではないと考えております。
 次に、3点目でございますが、司法による人権救済を基本とし、その結果、差別落書きなど実行者が不明な場合が人権救済の対象から除外されているという点でございますが、落書きは行為者が特定できないので、原則個別救済がちょっと無理かなと考えております。そういたしまして、権利利益の救済が基本的に司法によることは法治国家として当然でございますが、見直し検討委員会も落書きとか書かれた方の被害が甚大であることは否定するものではございませんが、地方公共団体は捜査権を有しておりませんので、制度設計するに当たりましては、行為者を把握できる場合を想定することは適当ではないとの判断を示されたものと考えております。見直し検討委員会では、そういう差別落書きなど実行者が不明な場合には、啓発とか教育が重要であると言っておられますし、また相談窓口を充実して被害者の方の相談に応じるべきであるといった提言がなされております。全体的に妥当な意見ではないかと受けとめております。
 次に4点目でございます。準司法的な救済をもって制裁型の救済と即断し、そこから準司法的な救済の問題点を強調した上で準司法的救済は謙抑的であるべきで、任意処分を中心とした救済が望ましいとしているという点についてでございますが、現在の人権救済条例は、人権救済推進委員会が裁定を行いまして、準司法的な手続と評されております。公表や科料という制裁も用意していると同時に、当事者間の関係調整も図ることとしており、全面的な制裁型ではありません。また、見直し検討委員会のほうでは、地方公共団体には捜査権などの権限や組織等に多くの限界があることから、地方公共団体の行う救済には謙抑性が求められ、任意処分を中心とした救済が望ましい。制裁的要素が含まれる場合はなおさらのことと判断しておられ、同感であります。任意処分が望ましいとする点は、現条例を理解促進型と評価されております山田議員と基本的には同じ立場でございます。
 次に5点目でございます。被害当事者から切実な声が寄せられているにもかかわらず、家庭内の問題への行政介入は謙抑的であるべきとし、結婚差別の問題も、内心の自由の問題点として人権救済の対象から除外しているではないかという点でございますが、結婚などの個人の内面にかかわる問題でありますとか、家庭内の人間関係といった問題は、まずは当事者やその関係者で解決なさることが先決であって、公権力による介入は真にやむを得ない場合を除き控えるべきであるという委員会意見でございます。家庭内の問題には一切かかわるべきではないという意味ではございませんが、家庭内の問題というのは事実認定が困難であります。虐待とかには法律で地方公共団体も家庭内に介入することが制度化されており、また営利目的で身元調査などについて関与する事例もございます。しかし、結婚といった極めて内面的な問題に地方公共団体が関与することが実質的な解決につながるかどうか疑問があり、加えて司法でもないことから新たな問題が生じかねないと考えており、意見書の趣旨は妥当だと考えております。このような問題につきまして、相談などによる被害者のケアのほうを望む声のほうが多々ありましたので、そこは地方公共団体としても対応できることでありますので、今定例会に上程いたしております人権相談窓口のほうで対応しようとするものでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)答弁を求めます。
 坂出病院事業管理者


◯病院事業管理者(坂出徹君)まず、県立病院に医療メディエーターを要請して配置してはどうかというお尋ねでございます。
 お話にございましたように、十分な知識を持って患者側と医療側の双方の意見を聞いて情報が整理できる人、それからまた、その上で事実に基づいて双方が話ができる、そういう関係をつくっていく手助けができる人、こういう人が中立的に第三者としているというのは問題の解決にとって非常に有益であるというふうに私も思っております。お話にありました医療メディエーターがそういう機能を果たす、いわば病院内に置くADR機関だろうというふうに思っております。今、医療メディエーターというのはどうも国が認める資格とかそういうものではないようでございますけれども、ここ3~4年で養成講座なども開く機関もふえてきておりますし、急速に受講者もふえてきておりますので、恐らく今後配置する病院は急激にふえていくだろうというふうに考えております。
 これまで県立病院では、ほかの機関の医療メディエーターが講師となられたような研修会に参加をして、問題解決の手法とかあるいは事例研修といったことでノウハウを獲得するような、そういう研修に参加もしてきておりますけれども、これから、今後、先ほど申しましたような養成講座を受講して、医療メディエーターとして動けるような、そういう体制もつくり上げていく必要があるのではないのかというふうに思っておりますので、よく現場のほうと相談をしてみたいと思います。
 もう1つ、裁判外の紛争処理機関を設置したらどうかという御提言がございました。
 確かにお話にありましたように、医療事故の際に裁判になるというのは、患者、医療機関双方にとってその手続的な負担、あるいは経済的な負担というのは非常に大きいものがございますし、また判決が出たとしても、やはり敵対するような関係のままで決着するということでございますから、私どもにとってもそれは好ましいことではないというふうに思っております。法制度的には、去年の4月から、いわゆるADR法が施行されてはおりますが、ADR法にしても、あるいは法律外でのADR機関もそうですけれども、いわゆる裁判外の紛争処理機関というのは、私どものような県立病院そのものに置くのではなくて、いわゆる院外で中立的な公正さが保てる第三者機関として設置するのが妥当であろうというふうに私は考えております。今、その現状としてはやはり特にこの医療紛争の場合は医療と法律と両方の知識が必要なものですから、現実にはそういう相談できる機関が余りございません。具体的に言うと先日だったと思いますが、東京の3つの弁護士会が合同で仲裁センターというのを設けられたというふうな記事が出ておりました。あと、京都と大阪の弁護士会がそういうような機関を持っておられるというふうに聞いております。まだ非常に少ないと思います。今後、こういう裁判外の紛争処理機関というのがもっとふえて、我々も身近に利用ができるようになる、そういうことになれば患者側、医療機関側双方にとっていい形での解決が図られていく、そういう可能性もふえてくるのではないかと思っておりますので、そういう形になることを期待をいたしておるところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)(登壇)山田議員から鳥取県の育英奨学金制度の見直しについてのお尋ねがございましたのでお答えを申し上げます。趣旨ですけれども、高校の奨学金は形式的になっている保護者の所得要件を撤廃してはどうか、それから大学の奨学金の成績要件をなくしてはどうかというそういう質問でございました。
 最初のほうの分に入ります前に、県の高等学校の奨学金について少しお話ししますと、お話がさっきございましたけれども、年次的にといいますか、少しずつ枠を広げてまいりました。今835人の枠を高校生については持っております。ただ、最近高校のほうの申請件数が少し減っています。多分これは少子化等のこともあっているのかなと思っております。年間700件程度で今推移をしております。ただ、835人が今のような700人ぐらいで推移しますとちょっと余ってくるという実態がありますので、来年度から少し枠を減らして735人くらいにしていこうかなというふうに考えております。ただ、そうなっても十分に対応ができて大きな影響はないというふうに考えております。また、これにつきましては平成15年度から授業料減免との併用もできるようにしているところでございます。
 お話がございました形式的になっている所得要件を撤廃してはどうかというふうなことのお答えですけれども、この奨学金制度、そもそもの趣旨が学習意欲があるけれども家庭の経済的な理由なんかによって就学が非常に難しい、しかしそういう人たちが社会に有為な人材として育成できればというふうなそういうふうな趣旨でできておりますから、経済的理由によって就学が困難である者を対象にする制度だという点が1つと、それから、もし所得要件を撤廃すると、本当に経済的に苦しい困っている人たちが借りられなくなる可能性もまた一方では出てくるというふうな、この2点から撤廃するのは適当ではないというふうに考えております。
 もう1点お尋ねの大学生を対象とした奨学金制度の成績要件を見直すというふうなお話でございますけれども、先ほど申しましたように奨学金は意欲があって、家庭の経済的な理由があって、なかなか勉強のほうに向かっていけないという人たちを助けるというふうな意味、それから県の大切な税金を投入していくというふうな、こういうふうな点、それには何らかの方法で学習意欲をはかる必要があるというふうに思っております。その学習意欲をどうやってはかるかというふうなことですけれども、公平に客観的にはかっていくという点においては、やはり高校の成績が一番適当ではないかなというふうに考えておるところでございます。独立行政法人日本学生支援機構、旧日本育英会ですけれども、ここも奨学金制度に同じような成績要件を設定しております。
 いずれにしましても、奨学金の制度は返還金が次の貸与をするための財源になるものでございます。今、県の奨学金の返還の滞納が約3億円ということでございます。司法の力をかりて返還していただくような手続を今進めておりますし、それから来年度から徴収業務を専門とする職員も配置するというふうなことで、徴収の強化を図っていきたいというふうに考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)田代警察本部長


◯警察本部長(田代裕昭君)(登壇)捜査の可視化についての御質問にお答えいたします。
 近時幾つかの件で、被疑者の取り調べのあり方が問われる深刻な無罪判決等が続き、国民から厳しい御批判をいただいているところであります。また、平成21年5月までには裁判員制度による裁判が始まり、当制度の対象となる重大な犯罪について捜査の結果が国民の視点から直接チェックされることになります。これらの諸情勢を踏まえ、議員もお触れくださいましたように、昨年11月の警察捜査における取り調べの適正化についての国家公安委員会決定に基づき、本年1月、警察庁は警察が当面取り組むべき施策を警察捜査における取り調べ適正化指針として取りまとめ、現在警察庁において具体的な制度化等を進めているところであります。
 この指針の内容は非常に多岐にわたりますので、ごく一部を紹介いたしますと、取り調べに係る不適正行為につながるおそれのある行為を類型的に定めた上、捜査を担当しない総務または警務部門において当該行為の有無を確認すること等により取り調べに関する監督を行うということですとか、取り調べ時間の管理を厳格化すること、取り調べ室の設置基準を明確化し、取り調べ状況の把握を容易にするため透視鏡の設置等、施設整備の一層の充実を図ること、その他数多くの施策が盛り込まれております。今後、警察庁そして全国の都道府県警察がこの指針に準拠し、取り調べを初めとした適正捜査の一層の推進に努めてまいるということになります。
 一方、取り調べの録音、録画につきましては、議員御指摘のとおり、刑事手続のあり方等に関する協議会、いわゆる法曹三者協議会における新たな時代における捜査手続のあり方についての議論に際しまして、警察庁が昨年10月以降、幹事会にオブザーバーとして参加しているものと承知しております。今後も法曹三者協議会等の場において議論を深めていくことになるものと思われます。もとより裁判員裁判では、自白の任意性をわかりやすく立証することが求められることは議員御指摘のとおりであると思います。そして、その立証方策のあり方については、これまでの諸対策に加え、検察庁において実施されている取り調べの一部録音、録画の試行の状況も踏まえつつ、法曹三者協議会における議論に警察庁が加わるなどして検討していくことになるものと存じますので、その行方を注視してまいりたいと存じます。
 いずれにしましても、県警察といたしまして、今後適正な取り調べということはもとより、供述のみならず客観的証拠の収集をしっかりと行っていくこと、また私自身も含め、各級捜査幹部が捜査指揮をさらに緻密に行うことなどにも重きを置き、県民の期待にこたえる捜査活動の推進に取り組み、あわせて裁判員裁判への適切な対応のためにも、捜査の成果のわかりやすい説明のあり方の検討に努めてまいる所存でございます。


◯議長(鉄永幸紀君)暫時休憩いたします。
 午後の本会議は、午後1時10分再開予定といたします。
       午後0時08分休憩
   ────────────────
       午後1時10分再開


◯副議長(上村忠史君)再開いたします。
 2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)いろいろ知事ほか執行部の懇切丁寧な御答弁をいただきました。
 そうしますと、昼から追及ということに入らせていただきます。
 グランドデザインの関係につきましては知事のほうから、明解な、あるべき姿といいましょうか、理念が出されたというふうに思います。特に北東アジアですか、こうしたものを中心に、あるいは中国、近畿圏、こうしたところを軸にしながら展開をしていきたいということでございましたので、ひとつそういう方向で御努力をいただきますように、これはお願いをしておきたいと、答弁は結構でございます。
 問題はこの道路特定財源のところでございまして、何点か質問をし、答弁いただきました。さらにお尋ねをしてみたいと思います。
 いわゆるこの道路特定財源、一体不可分の関係についてでございまして、知事は、この鳥取自動車道あるいは山陰道の早期建設、暫定税率は絶対に必要であると、こういうふうに声高に主張をいずれの場所においても言われておられるわけでございますし、県のホームページ等を見ましても、暫定税率が廃止になったら、これらの道路が大変だと、赤信号だと、こういうことも書かれておったように思います。
 ということは、仮に民主党が政権をとった場合(発言する者あり)もう時間の問題だという声があるようでございますが、(笑声)もはや早期建設はかなわない、あきらめたと。(発言する者あり)自民党と命運をともにするという考え方に立っておられるのでしょうか。私は、さまざまなケースを想定して、政権交代の場合も念頭に置いて、その対策もとっておくべきだと、このように思います。重ねてくどいようでございますが、我々の党としては、暫定税率廃止、道路特定財源は維持する、しかし一般財源化をすると、重ねてそのことは御主張を申し上げておきたいと思います。ただ、一般財源化が本税の本来の趣旨に合致するか否か、ここは確かにいろいろ議論があるところだというふうに考えておりますけれども、できるだけ本県は一般財源として配分されるような準備というものをしておかねばならないのではないかと、このようにも思います。
 鳥取県は、ずっと高速道路網の整備を待ち望んでいた。やっと今その順番が来ている。その特殊性を理解してもらって、その特殊性を配分ルールに盛り込んでもらう、こういう仕掛けもできるのではないかと、このように思います。
 今定例会の代表質問で、知事から民主党にも鳥取県の現況を説明をされて、いろいろ理解を得る努力もされておられると、このように伺ったところでございますが、そうした取り組みが確実となるように改めて必要ではないかなと、会派「信」としてもそうした道路の実現に向けてさらなる努力をしていきたいと考えておりますが、いかがお考えでございましょう。知事の所見をお伺いしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず鳥取自動車道、山陰自動車道の実現についてであります。
 これについて、私のほうで先ほど申し上げたこと、あるいはこれまでお話ししていることから、この点について、自由民主党と命運をともにして、結局政権交代があったりそういうような場合に、この山陰自動車道や鳥取自動車道もなくなってしまうのだろうかどうだろうかと、どういう考えなのかということがまず一つございました。
 私は、これは党派性の議論ではないともともと申し上げておりまして、どうやって高速自動車道のネットワークをつくれるだろうか、そのための財源手当てをどうやって考えていくかということを真剣に悩みながら、いろいろこれまでも活動をしてきているわけでございます。先ほども申しましたように、現在の民主党さんの案の中で2兆6,000億暫定税率のお金が減ることは国、地方を通じて明らかであります。この分を地方にしわ寄せが行かないように地方のほうに重点的にお金を持ってきてとやりますと、国家財政のほうにどうしても不足を来すわけであります。ここのところをぜひはっきりとしていただきたいと思うのです。そこのところが出てくれば、恐らくこれから与野党協議が進むことになりまして、そしてこれから本当の意味で鳥取自動車道や山陰自動車道が地域のために建設をされる、そういう声が聞こえてくるのだろうと思うのです。ですから、それをぜひ打開していただきたいと思いまして、私自身も民主党さんのほうにも当方の実情を話しにお伺いをしたということでございます。別にこれは党派性の問題ではなく、県民の夢を実現するということでございます。
 一般財源化をしていくことは、いろいろと本税といいますか負担と受益の関係の問題はあるけれども、一般財源化を進めていくべきではないか、その一般財源化を進めた場合に鳥取県の特殊性に配慮をした配分ルールを国のほうに、民主党さんのほうに、もっと訴えかけるべきではないかと、こういうお話でございます。
 そういうロジックは理解できなくもないのです。しかし、現実は国のほうがでは一般財源化で我々に上乗せをして現在55億円地方特定道路財源が来ていて、それから国庫補助金だとか交付金が来ていて、これにさらに上乗せをして一般財源を我々のほうに上乗せをして持ってこないと山陰自動車道だとか鳥取自動車道はできない相談であります。現在の地方特定道路財源で我々が配分を受けている分だとか補助金でもらっている分では、年間決算でいえば265億円というお金は出てこないわけでございまして、直轄で道路をやるだけの財源がこの県に落ちないことになります。この分をその一般財源で鳥取県のほうに優先的に配分することで持ってこれるかどうかというと、現在、国のほうの残り金が4,000億かそこらでございますので、全国の47都道府県に配分をしたときに面積のことだとか人口の密集度のことだとかいろいろと考えた場合、我々のところに本当に一般財源で回ってくるお金が上乗せであるだろうかというところに自分自身も疑問を持っているわけでありまして、その意味で、民主党さんにお伺いしたときも、こういう国の直轄事業でやるべき事業の手当てする財源がないのですよ、これをどうするのですかというふうに申し上げたのです。
 民主党さんのほうでは、国会議員からお伺いをいたしましたときに、正直申し上げて道路の進捗は落とさざるを得ないだろうとまでおっしゃったのです。ただ、必要な道路はつくるとおっしゃるわけです。必要な道路をつくるということと、それから負担を下げるということと同時におっしゃるわけでありますけれども、これがそんなにうまくいくのかなというのは、まだ、すとんと落ちないわけでありまして、私は、そういう意味でオール・オア・ナッシングの議論ではなく、今10年間59兆円という話が片方であり、もう片方はそれを全否定するような、あるいは見直すというような話があり、それから実際に2兆6,000億の年間の話があり、それはゼロにするという話があり、全くの開きのあるままで3月31日を迎えるのは危険ではないかと思っています。
 このままチキンレースが進んでしまいまして、実際に失効するということになりますと、一番痛手を受けるのは我々のように財源を必要としている団体でございますので、何とかそこは野党側のほうも歩み寄りを見せるなりなんなりということで、本当の意味の地方の必要な道路が整備できる仕掛けを考えていただきたいと願っているわけであります。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)さらにお尋ねしてみたいと思います。
 なぜ今までに高速道路が鳥取にもできなかったのかと、こういう答弁をいただきました。少なくとも10年以内に山陰道が完成すると、こういう断言もしていただきたいということで、そういう答弁もしていただいたわけでございますが、いま一度、ちょっと数字の確認をさせていただきたいと思います。国のほうではいわゆる道路の整備費65兆円当初必要だということを言っておられたようでございますが、今59兆円ということで、向こう10年間の道路の中期計画が出されておるようでございます。県のホームページを見たところ、鳥取県は10年間で7,200億円が必要ではないかと、このように記載されておるように理解をいたしております。内訳を見ますと、高規格道路の整備が3,600億、これには鳥姫、山陰自動車道も含まれておられるようでございます。あるいは、そのほかの自立のための道路の整備活用が1,500億、安全安心な道路の整備が2,100億、こういうことで、国の関係と違って、鳥取県の場合は一件審査ですか、ああいうことできちっとされておられると思いますけれども、この7,200億円という県の事業分につきましては、これは間違いのない数字なのかどうなのか、これをひとつ確認をしておきたいと思いますが、いかがなものでございましょうか。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)その数字の詳細については県土整備部長から詳細御説明を申し上げたいと思いますが、7,200億円我々のほうで国の国土交通省に必要な事業額として申し入れをさせていただきました。これは若干期待値ももちろん入っております。この7,200億円に対して国が査定したという状態ではありません。ですから、これが59兆円の中で1対1対応でどういうふうに入っているかというところまでは確認は、正直国のほうの計画の詳細はわかりませんので、そこはわからないところでありますが、ただ、おおむねその7,200億円をのみ込んだような形で入っているのだろうとは期待はしているわけです。
 この7,200億円のうち3,600億円は積み上げをいたしました高速道路のハイウエーのネットワークの整備費であります。この分が3,600億ありまして、それからそのほかに、例えば橋を補修しなければいけないと、緊急性が高いものとか、それから年々の維持補修の経費でありますだとか、こういうものもあります。この3,600億とかこういう維持補修だとか橋の修繕だとか安全安心のために最低限必要なもの、ここらは正直もう動かせない額だと思います。我々が10年以内にハイウエーを概成させようと思えば3,600億円は必要になりますし、それからそれ以外にもそうした額があります。そのほか、若干国道とか県道の改良費といいますか整備費がございます。今、盛り込んでおりますのは、市町村等からの要望があったものを中心といたしまして、継続事業は全部盛り込み、あと新規事業を一部盛り込むという考え方で、おおむね今の予算ベースから伸ばすような形でさせていただいておる次第であります。
 ですから、ここの国道や県道の部分は確かに可変性が若干ないわけではないと思います。もし、これから財源が全国的に絞られてきて、我々7,200億円で今要望をしているところでありますが、これがつかなかったとすると、この国道や県道のところにかなり影響をしてくることになるだろうと思います。ですから、できる限り、やっぱり道路財源は国全体で維持してもらわないと、なかなか後で足り苦しいことになりまして、この国道や県道の整備費が今までのようには続けられなくなるということです。現在入っている水準は、今ベースでやっているような事業量ぐらいで国道や県道で改良を続けていったらこのぐらいの額が必要だということで算出をさせていただいている次第であります。


◯副議長(上村忠史君)補足答弁を求めます。
 谷口県土整備部長


◯県土整備部長(谷口真澄君)この10年間に必要な整備費7,200億円の計画の内訳ということで説明をいたします。若干、知事の説明と重複するところがあるかもしれませんが、御説明をいたします。
 まず、高規格幹線道路、山陰道などの道路、それと鳥取豊岡宮津などの地域高規格道路でございます。これは、やはり現在も計画的に進めております緊急性の高い区間から供用を図っていくということで必要な事業費を計上したということで3,600億円を計上しております。
 2番目の地域の自立のための道路ということで、これは国道、県道の整備ということでございます。現計画では1,500億円を計上しておりますが、市町村等からの要望というものが上がっております。これが大体2,100億円という要望額、これは10年を積み上げたものでございますが、大体1.4倍の整備費になるというものでございます。これにつきましては、継続するものは継続箇所として上げていくと。その中で新規の箇所でございますが、これは先ほども議員のほうの御指摘にもありましたように、一件審査で毎年度新規箇所は継続していくということにしておりますので、これも年度ごとに審査をして箇所を計上していくということが出てくるというふうには考えております。
 安全安心な道路ということで、ここに2,100億円を計上しております。これは通学路等の歩道整備、それから緊急輸送道路の耐震化、橋梁の補修、防災対策箇所など、これは対策に必要な場所を個別に積み上げて計上したというものでございます。
 最後に、除雪とか舗装補修、これは現状を踏まえまして10年間分を計上したというものでございます。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)わかりました。
 そうしますと、鳥取自動車道の大原と西粟倉間の整備についてでございます。今事業が遂行されておるわけでございますが、我々が伺っておりますのは平成20年度代の前半というふうに伺っております。また、山陰道の瑞穂~青谷間、おおむね10年程度と、こういうようにも伺っておりますけれども、これは間違いがないということなのでしょうか。その見通しにつきまして、いい機会でございますから、知事のほうにひとつお伺いをしておきたいと、このように思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)いずれも国直轄事業に係るものでありまして、国のほうの進捗見込みということになります。伝聞の話になりますけれども、まず大原~西粟倉間につきましては、用地交渉が岡山県内で難航箇所がありました。しかし、最近その進捗も進み始めたと伺っておりまして、20年代前半に何とか仕上がるようにやりたいというように国のほうからはお伺いをいたしております。青谷~瑞穂間につきましては、ぜひとも明年度新しく新規採択をしていただきまして、事業の開始をお願いしたいと思います。事業の開始をしていただければ、先ほど申し上げましたように、国の道路の中期の計画の中には1万4,000キロをやるというのが入っているということでございますので、この山陰自動車道の分は入っておりますので、これは完成させる、そういう目途は立っていると理解をいたしております。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)そうしますと、先ほどの大原~西粟倉間、それから瑞穂~青谷間、これはもうお墨つき、あるいはもう空手形ではなしに手形をしっかりといただいておると、こういうことでもう一度確認をさせていただきたいと思います。
 県民の声についてでございます。知事の所見もお伺いをいたしました。知事のほうは、県民のいろいろな声を聞いたところ、一番の願いは高速道路をつくることだと、こういうふうに答弁されたように思います。
 そこで確認をしておかなければならないと思いますが、それは暫定税率を現行のまま維持してでも高速道路をつくってほしいという県民の願いというふうに理解をされてそういう答弁をされたのかどうなのか、ここのところを確認をさせていただきたいと思います。
 私は、こういう見方はできないのかなというふうに思います。いろいろな方からお話を伺うわけでございますけれども、鳥取県民は長い間ガソリン代を払ってきたと。やっと自分のところにお金が回ってきたら、今度は制度がなくなって、いわゆる高速道路もできなくなるかもしれない。そんなことは許されない、あるいは鳥取県の高速道路はきちんとつくるように暫定税率を維持していくべきと、これは知事がそういうふうに主張されるわけです。これは県民の視点なのか、自治体からの視点なのか。知事の念頭には、自治体の財政が厳しくなるからという発想でそういう対応をされているというふうにしか私には理解できないのです。確かにそのことも大事でしょう。そのことも大事ですけれども、鳥取県民は既にお金は十分払ってきたと。今後、暫定税率が──ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんが、続こうと続くまいと、姫鳥線であろうと山陰自動車道であろうと、それは当然整備されるべきものであると。なのに鳥取県の高速道路ができないから、これからもガソリン税を払い続けなければならないということは、いささかどうかなと、こういう思いを持っておられる方は相当多いのではないかと、私はこういうふうに理解をいたしております。今まで鳥取県民が払ってきたガソリン税は一体何だったのか。そのような主張は理不尽な要求にすぎず、賛同できない。だれが道路整備の順番を決めたのか。こういうことだろうというふうに思います。
 したがって、さんざん恩恵を受けてきた都市部の勝ち逃げを許すことはできない。しかし生活は苦しくなる一方だと。どちらを選ぶかというふうに知事は問われた場合に、本当に知事として、一県民として今日のような対応のままでいいのかどうなのか、ここが問われておるのではないかと思います。
 繰り返しになりますけれども、鳥取県の特殊事情を軸に据えて、本県の高速道路網の整備の暫定税率の維持とセットではなくて、当然の権利であるという独自路線を主張されることが県民の声を代弁する知事の役割だと、このように私は考えますが、再度お伺いをしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず、青谷~瑞穂間、そして西粟倉~大原のところの道路がお墨つきがあるのかどうかと、重ねてのお話がございました。
 先ほど申しましたように、これは国の直轄事業でしていることでございまして、私どもは国ではありませんので確たることをここで申し上げられない事情がございます。ただ、先ほど申しましたようなお話をるるお伺いをいたしておりますので、現在の国の暫定税率が維持された場合の財政スキームの中で、これは整備をされるというものだとお伺いをしているところであります。
 次に、もう一つお尋ねいただきましたのは、要は今まで我々の地域はずっと暫定税率あるいはそのほかの本則の特定財源も含めて、地域として住民の皆さんでお金を払ってきたのだから、それだけの高速道路が今ここに回ってくるのは当然ではないかと、その権利を主張すべきだと、それに対して平井のほうは結局自分のところの財政の問題だけを気にしているのではないかと、こういうお尋ねでございます。
 私は、鳥取県の財政のことももちろん気になります。ただ、鳥取県の財政のことよりも、本当にこの高速道路がつくれる戦略が我々に描き切れるだろうかと、ここを心配をいたしているわけであります。
 鳥取県の財政のほうでいえば、道路特定財源、今、年々の収入がございます。これが入ってこなければ、鳥取県の財政の中にその部分は穴があきます。決算ベースですと、県は37億であります。これは民主党さんの議論でも保証するというようにおっしゃっているわけですから、たとえ暫定税率が廃止されたとしても、国のお金を食ってでも、こちらのほうに、地方のほうに回すということでしょうから、ここは正直余り心配をしていないのです。ですから、その地方財政のことがいろいろと問題になっているものだから首長さんたちが騒いでいると世間で報道されていますけれども、あれは他の多くの自治体の話です。高速道路ができているところは、高速道路をこれからつくるということに余り頭がないのです。ですから、自分のところの市町村だとか県の収入の中で道路特定財源で入っているものがどうだこうだということになるわけです。
 今回、民主党さんの案を拝見させていただきますと、自動車取得税を廃止するというようなお話も入っているわけでありまして、この分は確かに県税に穴があくわけであります。ただ、民主党さんのほうで責任を持ってその分の財源をどこかから持ってきて、国のほうがつじつまを合わせるのだといえば、それはそれで一つの整合性はつくわけであります。そうやって、地方の大方の自治体は黙るかもしれません。しかし、うちは違うのです。そのことを申し上げているのです。それ以外に、国の直轄事業できちんと責任を持って整備しなければならない部分があるではないですかと。それこそ山田議員がおっしゃるように、今まで我々が払い続けてきたお金があって、それでもまだできていない。なぜできていないかというと、先ほど申しましたように道路公団の順位づけの問題がありまして、収益率が低いところが後回しにされたのではないかと思います。それから、国のほうの道路の位置づけの中で、我々のところの山陰自動車道はAダッシュ事業ということになってしまった。また、鳥取豊岡宮津自動車道はどういう経緯かはっきりとわかりませんけれども、昭和62年の段階で、国のほうの幹線高速自動車道の中に入らなかったのです。ですから地域高規格道路ということで我々のところは位置づけられてしまった。どうも劣後の地位に置かれたことは間違いないのです。
 ただ、払い続けたお金は一緒であるし、むしろ都市部よりも我々のほうの地方部のほうが1世帯当たりの負担は多いわけでありますから、当然これはつくってもらわなければならない。私どもはそう思っています。ですから、それをぜひ実現をしてもらいたい。そのための道筋をきちんと国で示してもらいたいということを申し上げているのです。こうなりますと、国のほうは直轄でやる財源をどこから持ってくるのか、ここに明確な答えがないものですから、私どもは、それだったら暫定税率を維持してでもやるべきではないかということになってしまうわけです。この辺が他の地域とはちょっと違う事情があります。そういうことを申し上げているわけであります。
 民意を無視しているのではないかというお話なのだろうと思うのですけれども、私は、一人の誠実な執行者としてこの鳥取県政をお預かりをして、この県政を発展させるためにはハイウエーのネットワークをつくらなければならないという責任を感じております。ですから、現実的な解決策が示されるのであれば、いろいろな話はできるのだろうと思うのですけれども、今現段階ではよほど建設国債を出すとか、あるいは道路特財の石油にかけるのではなくて、ナフサに課税をするとか、そんなような財源で持ち出さない限りは、これは無理な相談ではないかと思うのです。それが、これから3月末までの政治日程の中で、ぎりぎりの中でそういう大転換をして2兆6,000億の穴があいているところを埋めて、それで終結できるかというと多分難しいのではないかと思うのです。だからこそ、与野党で胸襟を開いて議論をしてもらって、4月以降地方に迷惑がかからないような形での道筋を3月末までに示していただきたいと申し上げているのです。
 これは県民の皆様の地方の高速道路をつくってもらいたい、我がほうの山陰道やあるいは鳥取自動車道を実現してもらいたいという夢にかなおうと思えば、このことをぜひとも申し上げなければならないと思っておりまして、主張をさせていただいているわけであります。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)引き続きお尋ねをしてみたいと思います。
 いわゆる総決起大会の関係でございます。協賛団体として大変な団体の名前が数え切れないぐらい、資料をいただきましたが本当に大変な数です。何団体あるのか、ちょっとよく数えられないほどここに載っておりますけれども、だから県民の意思を酌み取ったと、こういうふうに理解されておられるのでしょうか。
 行政執行権を持つ知事、市町村長、こぞって共催で依頼を受けた団体、恐らく断られる団体はないだろうと私は思っております。団体から話を聞くということであれば、条例や基本的な計画をつくる際のパブリックコメントあるいは県民室、これなんかは要らないのではないかみたいなことも、私は特に今回のこの官製キャンペーンの対応については一方ではそういう印象も受けました。続きは福間議員さんに、また議論があるようでございますのでお任せしたいと思っておりますけれども、それが生活者としての県民の声と到底思えないのですけれども、どうなのでしょう、知事、所見をお願いしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)総決起大会は官製キャンペーンではないかというお話がございました。また福間議員から一般質問があるようでありますけれども、総決起大会をさせていただきましたのは、地方六団体でお互いに話し合ってやろうではないかということになりました。この総決起大会で主張させていただきましたのは、道路をきちんとつくろう、高速道路のハイウエーを完成させよう、それに向けた財源をきちんと確保しようということでありました。六団体で話し合いまして、いろいろと賛同者もおられるだろうから、そういうところにも呼びかけて大会を開こうではないかということになったわけであります。
 こういうことは、この前にも、例えばこれは六団体ではないですけれども、夏だったと思いますが、中部のほうで高速道路をつくるための県民大会なんかも開かせていただき、シンポジウムもさせていただいたりしております。別にことしに限らず、前からこの高速道路と財源の問題は我々一致して訴えてきたところであります。
 今回開催をさせていただきましたのは、1つは県民としてのお互いの共通認識を持とうということもありましたし、あともう1つは、国に向けて鳥取県が訴えかけなければ、ほかの地域とは違う実情があるのだから、これは我々がやらなければならないという、だからこそ訴えかけなければならない、国に対するメッセージを出さなければならないという、そういう考え方でありました。
 官製キャンペーンという言葉を使われますが、六団体の任意のものでありますし、それから関係団体もいろいろなところから集まってこられてできたものであります。自然発生的とは申しませんけれども、ただ声をかけ合ったら、お互いに共鳴し合って広がってきたというものであります。
キャンペーンはキャンペーンでありますけれども、何か官製キャンペーンというと悪の権化のような、そういうレッテルを張ろうとされるみたいですが、しかし、これは通常やっている多くの総決起大会、県民大会とたぐいとしては余り変わらないものでありまして、今回に限って官製キャンペーンだとおっしゃることは違和感を感じるわけであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
 そして、この総決起大会の中でも、民主党さんからも御参加をいただきたいと思いました。私どもが本当の意味で議論をシャットアウトしてコントロールしようと思うのだったら、そういうことはいたしませんけれども、県選出の国会議員の皆様にもお声かけをいたしましたし、広く県議会の皆様にも御周知申し上げた上でされたのだと思います、議長のほうも発起人の中に入っておられますから。そして、川上議員も壇上で御自身の主張を堂々と述べられておられましたし、そうやっていろいろな主張があったことをお互いに認識し合うということでもあったと思うのです。
 結局、共通理解としては高速道路を絶対つくろうと。川上議員は、あの席ではナフサだとか建設国債だとかいろいろなことをおっしゃって、財源を何とかしようではないかということをおっしゃったのですけれども、ともかくそういうことで集会は終わったわけでありますが、あれを契機として、やはり県民の間で、我々はちょっと特殊な地位にあると、全国の他の団体とは違う、党派を超えた問題意識を共有しなければならないという思いは高まったのではないかと思います。その翌日に東京に参りまして、県選出の国会議員、これは民主党の川上議員も含めて4人の国会議員にそうしたことを訴えかけさせていただいたり、関係機関を回らせていただきました。そのための材料にもあの決起大会自体はなったわけでありまして、国に対する訴えかけにも役立ったのではないかと考えております。ですから、そういう意味で、県民の声を無視したキャンペーンではないかというのは私はちょっと理解に苦しむところであります。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)10年も道路特定財源の制度を維持していくことが地方分権の流れになじむかという質問をしたわけでございますが、逆行しないというふうな答弁だったように思います。
 地方分権の根幹は、地方のことは地方で考えると。いつでしたか、小谷議員さんのときでしたか小玉議員さんのときでしたか、三位一体改革のときも、何かうそをつかれたというかだまされたみたいなことをたしか答弁されたというふうに思います。
 私は、本質は同じものが流れておるのではないかというふうに我々は理解しておるのです。要するに、一般財源を確保するほうが、いろいろな意味で道路が必要なのか教育が必要なのか、自治体が自治体で財源やいろいろなそうした権限をやはり地方は地方で考えていく、これが地方分権の地方自治体のこれからのありようだと、ここのところは多分知事も同じ思いだろうと思うのです。三位一体改革の議論のときも一緒だと思うのですけれども、何かこの道路特定財源の問題になりますと少し違和感を覚えるような議論になってしまうということでございまして、我々は一般財源化することのほうが地方分権の流れになじむと。ただし、確かに国直轄部分については、これはいろいろ議論があるところだというふうに我々もそのように受けとめておりますので、高速道路は国が整備するのだから、県としても頑張って早期整備に向けてお互いに働きかけをしていかねばならないと、同じ思いでございます。
 したがって、前置きが長くなりましたが、理念と現実、ここがすべてうまくかみ合うというような状況には、確かに過渡期といいましょうか、いろいろなそうした状況に今あるというように考えておりますけれども、地方分権を推進するという地方のスタンスに立てば、やはり10年間というのは長過ぎるではないかと。それまでに税体系の抜本的な改正、こういうことをすることは可能と考えますけれども、知事の考え方をいま一度お伺いしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)おっしゃるように、財源の組み方は制度論としていろいろなやり方があるだろうと思います。地方自治の問題を考えるときに一番大切なのは、ファイナンスをどうするかということだと思います。理念として自立しなさいということは言うは易しでありますが、現実にそれが成り立つかどうかはかたき問題、難しい問題だと思います。今までの現実論として、税収の偏在がそれぞれの地域にありますし、今回も道路の整備状況にいろいろなむらがあるわけでありまして、今後の道路整備のことを考えれば、当県の地域内は国が整備するにしろ、地方が整備するにしろ、やるべきことが多い状況が残されてしまった。こういうものに対して財源はどう結びつくかということになります。ですから、組み合わせはまだまだこれから議論はできるのだろうと思います。向こう10年間を通じて絶対的にこうでなければならないということに最後はならないのではないかと思います。
 今、理念と現実とがかみ合わないというお話がございました。今の国会の議論を見ておりますと、私はその言葉どおりのような気がするのです。理念を振り回して、結局選挙目当てだとかいろいろなことがあるのかもしれませんけれども、いろいろな議論が出てきている。ただ、その理念が闘わされるのですけれども、肝心の現実である我々の、これは道路のための議論なのに道路がどうなるかというところが現実に一線一線が担保されるかどうかまで話が行かないわけです。このまま、単に党派的な決着だけで決まってしまって大丈夫だろうかという不安を持つわけでありまして、国会においては理念と現実がきちんと結びつくようなまとめ方をしていただきたいと思います。
 道路財源は、その中でおのずから答えは今回出てくるかなというように思っております。向こう10年間今の税率のままやるがいいかどうか、あるいはそれを、例えば5年だとか8年だとか、また別の考え方があるかもしれません。どういう決着になるかはわかりませんが、私は選択肢はある程度はあるだろうと考えております。
 そして、道路特定財源が一般財源になったときにどうなるかということでありますけれども、現実を申し上げれば、今鳥取県は道路財源は非常に不足をしております。10のうちの4は一般財源を継ぎ足しておりますので、残りの特定財源のところが一般財源化されたところで、結局、余り我々の自由度は変わらないような気がいたします。
 しかし、長い目で見て、このような鳥取県だけではありませんし、例えば、もう大体道路整備は済んだような自治体もあるかもしれません。そういうところでは道路に回すよりはむしろ教育だとか福祉だとかのほうに回せばいいのになというような考え方を持っているところもあるかもしれません。ですから、当県の場合は、なかなかほかに回すお金がないかもしれませんけれども、よその県ではそういうところが妥当してくる場合があるかもしせれません。ただ、それは何年後までの事業計画を見てそういう議論になるかどうか、これは精細な慎重な検討がなされなければ答えは出ないだろうと思います。そういう議論をする場が、本来国会の与野党における協議、現在参議院で行われる審議ではないかと理解をいたしております。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)この件につきまして、私の思いを最後に申し上げて、これは答弁は結構だというふうに思います。
 確かに鳥取自動車道、山陰道、本当にこれを完成に向かって道路整備をしっかり行う、このことを知事が現行のこの自民党の政権下で確保しようとすれば、暫定税率は維持しなければならない、そのようにお考えになるのは私は一定は理解ができます。もうそうならざるを得ないだろうというふうに思います。
 そして、もう一つは、今日のガソリン代、灯油代の高騰、冬季を中心にした原油の先物相場の上昇に伴うもので、これは暫定税率に起因したものではないというふうな言われ方もあるようでございますが、しかし、大事なことはガソリンや灯油の価格高騰が我々の暮らしに大きな重しとなっている事実、これは確かであるわけでございます。そうであれば、立派な道路はできた、しかし鳥取県民の生活は引き続き苦しいと。これでは一体何をやっているのかということが問われるのではないかなと、このように思っております。
 会派「信」もそういう思いで、できる限りのことはやっていきたいし、県民の幸せのために最終の目標は忘れずに頑張っていきたいということを表明させていただいて、この道路特定財源の議論は答弁は結構でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、県の将来ビジョンの関係でございます。1点だけお尋ねをしてみたいと思いますが、このビジョンは、ではだれのためにつくるかと。近未来の県政の指針としてつくるというふうに考えておるわけでございますけれども、最終的なこのアウトプットがどういうものになるか、ちょっとイメージがしにくい面が、先ほどの答弁を聞かせていただきまして思いました。骨子を読んでも、例えば何々というような項目で、行政はこうしますと、こういうのがありますけれども、鳥取県民の生活がどのような生活を送るのか、あるいは企業はどういう活動をされるのか、どうも描写が見えてこないような感じがいたしております。
 先ほどの知事の答弁で、ビジョンを県民とも共有してつくり上げていきたいという答弁もございましたので、理屈も大事ではございますけれども、もっと県民の心に響くような、短い言葉のキャッチフレーズ的な言葉を活用するのが効果的ではないかなというふうに感じますけれども、知事の所見をお伺いをしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)将来ビジョンについてのお尋ねでございますが、議員がおっしゃるように、私は県民の皆さんがふだん言いならわせるようなキャッチフレーズといいますかスローガンといいますか、そういうものが必要だろうと思います。例えば、活力と安心をもたらすような地域社会をつくりましょう、そんなようなことがあって、それについての戦略として産業の活性化だとか、あるいは福祉の充実だとか、そういうものにふさわしいようなスローガンがある。そういう体系を一つつくらなければならないのではないかと思います。
 最近の鳥取県の県政は、年々の予算査定は厳しくやって財政運営を健全な方向へ持っていこうという努力を随分やってまいりましたけれども、政策のパッケージ、将来の県政に対するビジョンといいますか考え方、それが見えづらかったのだと思うのです。さっき私はイメージを少ししゃべらせていただきましたけれども、それだけではわかりにくいわけでありまして、山田議員がおっしゃるように、スローガンといいますかキャッチフレーズといいますか、そういうものを幾つか複合的に並べたようなポンチ絵のようなグランドデザインがまずあって、その中に個別の事業が入ってきて、みんなで議論しやすい将来ビジョンにする必要があるだろうと考えます。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)ありがとうございました。
 これも答弁はもう結構でございますが、県のためだけのビジョンにかたがたならないように留意をしながらひとつ進めていただきたいと、これは要望にとどめておきたいと思います。
 続きまして、財源確保対策の関係でございます。答弁をいろいろいただいたわけでございますが、未利用地からさらに進んで利用中の施設や土地であっても効率的に活用されていないもの、あるいは民間で代替できるものがあると判断されるものについては、売却していくということも検討すべきではないかなというふうに思います。
 具体的な例で言いますと、例えば幸町の中央児童相談所ですね。これは倉庫としてどうも利用されておられるようでございますし、あるいは産業技術センターの関係につきましても倉庫というような形で利用されておられるということも伺っておるわけでございまして、こういうものにもやっぱり踏み込んだ対応というものがあってしかるべきではないかなというように思いますが、いかがでございましょうか。


◯副議長(上村忠史君)答弁求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから御指摘いただきましたように、我々が今保有している財産で、この使用の仕方はいかがかなというものがあると思います。現在の中央児童相談所の跡だとか産業技術センターの跡につきましては、例えば埋蔵文化財がたくさん出てきておりまして、この保管場所に困っているものですから、そういうものを保管する場所とか、あるいは災害用に備蓄しなければならない、その備蓄品目をとりあえず置いておく場所が必ず必要であります。そういう意味で、倉庫として今活用しているというのが現状であります。ただ、場所が場所なので、ほかの使い道とか、何だったら売って財産として転用して活用したほうがいいのではないかというのもごもっともだと思います。点検をさせていただいて、今はそういう用途で使ってはおりますけれども、倉庫であればもっと郊外といいますか遠隔地でもいいかもしれませんので、それはもう一度再構成ができるかどうか検討させていただければと思います。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)この質問は何かちょっとしにくいような質問でございますけれども、今利用中の財産ということで、大阪府知事やらあるいは東京都知事のほうから、公舎の関係ですね。知事公舎は検討の対象になっているのかどうなのかという、非常にこれは面倒な質問になると思いながら書きましたけれども。平成10年に5億円かけて建築されました。立派な施設だというふうに思っておりますし、近年は叙勲や伝達の関係もかなり数もふえてきて利活用もされておられるというふうに聞いておりますけれども、どうなのでしょうか、知事。これは私邸と公邸とあるのですか。
 私は、これからの時代というのは、例えば公用車ですね、ああいう車両なんかも公共の施設に借りようとか、あるいは先ほどいろいろな財産を得るためにいろいろなことも言われました。時代がやっぱりいろいろな面で変わりつつあるのかなと。知事の仕事も、24時間緊張と不安の中でずっとそこにいるというのが本来の姿であろうかどうなのかということを考えたとき、そういう別の次元で考えたときも、私はこれは見直す材料にしてもいいのではないかという感じがするのです。やっぱり知事も一人の人間ですから、限界もあると思います。常に24時間緊張を強いられて、対応をしなければならないということはわかるのですけれども、私邸は私邸で、やっぱり家族でゆっくりと団らんの時間も過ごすということも、また後でワーク・ライフ・バランスでしたか、ちょっと触れたいと思っておりますけれども、自問自答のような質問になってあれですけれども、(笑声)これは私はもう検討の時期に入っておるように思いますけれども、知事、いかがお考えでございましょうか。率直な所感をよろしくお願いしたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まことに聞きにくいことを聞いていただきまして、ありがとうございました。(笑声)
 今の御質問をお伺いしながら非常に私に対する配慮も感じられまして、何かふだんの自分の素顔を見ておられるのかなという気もいたしました。
 確かに24時間、余り暇もなく、あそこにいると、やはり公共施設の一部でありますので、そういう面はあります。ゆうべもあしたは民主党さんの道路の議論もあるだろうから、民主党の道路の案ぐらい読んでおかなければいけないかなと思って夜中の2時まで勉強しておりましたけれども、そういうようなことで、いろいろとふだんは暮らしをさせていただいているわけであります。
 実は、本当に正直な話を申し上げて、私自身4月に当選をさせていただいたときに、あそこに入るべきかどうかという悩みを持ったのは事実です。それは、一つは財産としていろいろな使い方が本来あるかもなという気がいたしました。ですから、そのことについて自分なりに考えてみないといけないなという思いもありました。それから、今も御指摘がありましたけれども、私にも家族もおりますので、家族は家族なりの暮らしもありますから、私の犠牲にと言ってはあれかもしれませんけれども、公務の一環のような居住環境まで共有してもらうことが果たして100%いいかどうかという思いもありました。
 そういう意味で悩んだのですけれども、ただ、職員にいろいろお伺いをさせていただいたり議論をいたしますと、やはり、あそこでなければいけないものが実はいろいろあります。私邸部分でいえば、あそこで私は例えばふだんの決裁をすることができます。それは県庁の一部になっていますので、LANケーブルがつながっておりまして、ふだん昼間は忙しいものですからできないような決裁を土曜や日曜にやることもできますし、職員から訴えかけられるようなメールをいただいたり、県民の方のメールをいただいたり、そういうのをその場で見ることができますので、自分の私的なパソコンのネットワークとは別に公用のそうしたネットワークにも入ることができたりします。あるいは、入居してよくわかりましたけれども、旧赤碕の琴浦町の豪雨災害のときや若桜町の災害のときなんかも、県の災害情報に直接その場でも入ることができますし、非常に近いものですからすぐに災害対策本部のある場所のほうへ出かけていくこともかないましたので、そういう意味では、公舎としての意味は私邸部分にあるだろうとは思っております。
 また、現在工事中なのですけれども、今回の予算にも出しておりますが、耐震化が少しずつ進んでおります。あの知事公舎を西尾知事時代に建てるときにいろいろと皆さんで議論をされまして、地震があってもあそこはつぶれないようにすること、それから災害対策本部の代替機能を果たせるようにということでつくってありまして、その意味の機能は、少なくともこっちの県庁舎ができ上がるまではあるわけだろうという気もいたします。そういう意味で、私は結局入居をいたしましたし、それから公邸部分についても利活用を図るように指示をいたしているところです。
 これは、それぞれのお考えもいろいろあるのでしょうけれども、今までは余り知事公邸の中の公舎部分、パブリック部分を使うことは随分限られておりました。私は、これは財産としてもったいないと思いましたし、これを活用しなければならないと思いました。と申しますのも、例えば造作に因州和紙を使ってあるとか、あの建物自体が物産展示館のようなことになっていますし、またその風情もありますので、賓客であるとか、あるいは表彰関係とか調印式関係だとかちょっとした会議とか、いろいろな面で活用させていただくことが必要だろうと思いました。今までとはちょっと違うのですけれども、私は私の考え方があるので再三にわたりましてぜひ使ってくれということでさせていただきましたところ、文書を庁内でも流していただきまして、10月以降は急速に日程が入っている、公舎が活用されているという状況になっております。
 そういう意味で、当面はそれを活用しながら、あそこを維持していくのかなという思いがあります。ほかにもいろいろとアイデアがあれば、私はお伺いをさせていただきたいと思いますし、率直に公舎のあり方を検討させていただいてもいいのではないかと思います。
 例えば、いろいろな県内の伝統工芸品なんかの物産を展示をさせていただいて、多くの県民の方にそこで見ていただくとか、あるいは外の人にも宣伝をさせていただくとか、施設もありますので、ちょっとしたレセプションのようなことをさせていただいて経費の節減を図るだとか、いろいろと使いようはあるのかなと思っております。
 そういう意味で、私もきょう御質問いただきましたので、改めて公舎をこれからどういうふうに活用していくか、あるいは売却の可能性があるかどうかとか、その辺も庁内でも皆で議論をさせていただければと思いますし、御意見も寄せていただければいいのではないかと思います。平井がそこに住んでいなくて、よその職員住宅もいろいろありますし、何だったら出ていったほうが利活用しやすいのではないかというのだったらば、私もそれについて妻と相談をしてみたいと思いますが。そんなことで、せっかくの御提案でございますので、考えてみたいと思います。


◯副議長(上村忠史君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)きょうのところは一応提言ということで、多様な利活用というのでしょうか、売却もというのは大変失礼だったかもしれませんけれども、いろいろな思いの中で議論をさせていただきました。きょうは提言という形でさせていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。答弁は結構でございます。
 そうしますと、非正規職員の処遇改善ということで、雇用と産業の振興、答弁をいただいてわかりましたが、確かに国のほうはどうも進んだ取り組みが、パート労働法とか知事の答弁でございました。厚生労働省の奨励金ですか、いわゆる従業員300人以下の中小企業が対象になりまして、4月1日からパート労働者やらこういう関係の方々を非正規から正社員化すれば企業に35万円を支給するという、これは非常にすばらしい制度だというふうに思っております。本当に県民所得の下げ幅が内閣府の調査で鳥取県が全国で一番だったのです。非常に厳しい現状になっておるというふうに思います。
 県としてもどうかなという思いでこれは質問させていただいたわけでございまして、労務管理者あるいは運転資金なんかの検討ということもございましたが、何かもう少し踏み込んだ、今の鳥取県の産業雇用を考えるに、少しこれは物足りないかなと、県でも上積みというのでしょうか、横出しというのでしょうか、何らかの方法がこの制度を機会に検討されるべきではないかなというふうに思いますが、いかがなものかということとあわせて、きのう県の非常勤職員の労働組合の結成大会がございました。御案内をいただいて、各会派の議員の皆さんも多く出席をされたわけでございますけれども、私は、県を初め自治体職員も非常に厳しい状況に置かれている職員さんはたくさんおられると、このように考えております。企業に対する指導もあわせて、やはりみずからの職員の非常勤化を進めても企業がついてくるはずはないというふうに考えておるわけでございまして、まず隗より始めよというふうな言葉もあるわけでございますけれども、足元の待遇改善あるいは雇用の確保、こういうことも含めて、もう少しめり張りのある答弁をいただきたいと思いますけれども、いかがなものでございましょうか。


◯副議長(上村忠史君)答弁を求めます。
 平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)まず正規職員と非正規職員の関係について、民間のいろいろなこの動きを支える国の事業が出てきたこと、これに対して県のほうも措置ができないかというお尋ねでございます。
 先ほど申しましたように、パートタイム労働法が改正になりましたこと、これは大きな影響が恐らくあると思います。それから国のほうでも新たな制度として1人35万円、最大で135万円まで出そうという、非正規から正規への転換の助成金が出ることになりました。これらが恐らくはインパクトを持っていくと思います。全国的な問題でありますし、また労働市場というのは必ず流動化します。例えば鳥取の人が大阪に勤めに行くことはざらでございます。ですから、そういう意味で、国策でやっていただくのは私は主だと思いますけれども、ただ、地域として中小企業が多い現状があったりしますので、先ほど申しましたように、するとしたら、例えばPRを東・中・西で行ったりということもありますけれども、それとあわせて資金手当てなどの若干の融資制度なども可能かなとは思いかけたところであります。
 参考になるやり方として広島県の制度がございまして、これについては商工労働部長から御説明を申し上げたいと思います。
 〔副議長退席、議長着席〕
 あわせて、私どもの県の中の非正規職員、正規職員の関係についてのお尋ねもございました。これも総務部長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、私ども県職員の場合は、法律に基づいて我々の制度は組まれております。年々の給料の額なんかもすべて予算にかかりますし条例にかかりますので、そういう意味で、議会との対話の中で財政民主主義的な解決が図られるという仕組みになっております。
 ですから、いろいろな制約はあるわけでありますが、今後も非正規職員の皆様もその能力を発揮できるように、そういう職場環境はこれからもつくる努力をしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)瀧山総務部長


◯総務部長(瀧山親則君)県の非常勤職員の正職員化を県から始めたらどうかという御趣旨だと思います。
 知事からございましたけれども、現在、地方公務員法が想定しています、法律の制度で想定しています公務員の任用形態ですけれども、フルタイム、週40時間で終身雇用で、昇給についても通常の能力があれば毎年昇給していくというような正職員を前提とした勤務形態あるいは給与制度となっているところでございます。
 現在、非常勤職員の方にお願いしています仕事というのは、ルーチン的なものあるいは補助業務のような業務でございます。そこだけを取り出したような常勤職員としての勤務形態というような法制度、法体系というのが現在全く想定されていないということで、現在は非常勤職員としてなり、季節的なものがあれば臨時的任用職員として採用しているところでございます。また、正規職員についても、任用形態についても、通常ですと人事委員会の試験を受けて採用をするというような採用形態もとっているところでございます。
 そうはいっても、非常勤職員の勤務形態ですとか雇用環境でございますが、今回も制度を点検いたしております。例えば、一部休暇制度等については広くもう少し弾力化する、あるいは通勤手当についてももう少し広く認めていくというような形で制度運用を図っているところでございます。賃金も含めまして、非常勤職員の勤務形態、処遇につきましても、今後とも検討していきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)門前商工労働部長


◯商工労働部長(門前浩司君)広島県の制度としまして、正社員への転換を要件とした制度融資につきまして補足の答弁をさせていただきます。
 広島県の制度融資の中に労働支援融資というくくりがございまして、その中に2つ正社員への転換を要件とした制度がございます。1つが、事業拡大に伴い、非正社員から正社員への転換を行う事業者に運転資金及び設備資金を貸し付けるという雇用促進支援資金というのがございまして、7,000万円を限度として融資をする制度が1つございます。また、職場環境改善資金という資金がございまして、正社員への転換に必要な職場環境の改善を行おうとする中小企業への設備資金ということでございまして、これは限度額5,000万円ということで制度がございます。現在、広島県に伺ってみますと、この2つの制度の実績はないというように伺っておりますけれども、中小企業の皆様方の声などもお聞きをしながら、こういう制度の制度化につきまして検討させていただきたいと考えているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)国のほうの制度の活用ばかりでなくて、本県が置かれている今の経済情勢や疲弊する地方の、特に所得格差なんかは全国一番の下げ幅だということも数字でマスコミに躍るようなことでございますので、ひとつ検討をしていただくようにお願いしたいと。答弁は結構でございます。
 続いて、ワーク・ライフ・バランスのことでございます。前向きな答弁をいただきましたが、私は若干意見を申し上げさせていただきまして、引き続きまた知事の所見といいましょうか、思いを聞かせていただければというように思います。
 今や、非正規雇用が3人に1人、特に女性の53%が非正規で増加中と、こういうことのようでございます。その働き方につきましては、男女共同参画の視点でいろいろと課題があるというふうに言われております。男女ともに家庭生活の責任を果たし、仕事ができ、互いに協力して豊かな家庭といいましょうか、個人生活を実現する働き方というものが求められておると、このように認識をいたしております。
 女性の非正規職員がふえますと、雇用の不安定を助長、あるいは低所得と男女所得格差が広がる、こういう負の連鎖といいましょうか、こういうものがあるようでございます。特に若者や女性に多い非正規職員は、経営者側では使い勝手がいいというふうに思うわけでございまして、特に将来家庭を持とうとする若者の非正規雇用がふえると、将来のワーク・ライフ・バランスがとれず、低所得の生活となるということで、結果、結婚もできない、あるいは仕事と家庭の両立もしにくいと、少子化にもなると。先ほど、若干自問自答のようなことだというふうなことを言いましたけれども、ここが本当は自問自答を使うところだったのですけれども、少し早目に自問自答が出てしまいまして、ダブるようなことになりますけれども、まさに女性の人権の問題は、自問自答といいますのは、要するに我々男性の人権感覚意識が問われておるということを一番私は主張したくて申し上げたところでございまして、知事の何か思いがありますれば、一言御所見をお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)現在の雇用環境が男女共同参画あるいは子育てに大きく影響しているのではないかという認識は、山田議員と全く一致すると思います。
 やはり、1つには子供を育てる余裕のある状況が家庭によっては生み出しにくい環境がある。その1つには雇用形態の問題もあるわけであります。特に近時言われるワーク・ライフ・バランスの考え方は、それに一石を投じるものになるのではないかと私自身も期待をいたしております。資生堂さんとか、あるいはベネッセさんだとか、そういうように先進的な企業さんも出てきました。企業の中でも、結局優秀な女性の人材を生かすことができるかどうか、つまり女性ですから、例えば子育てにどうしても時間を割かなければならないという事情が生まれたり、あるいはそのほかにも時間配分に困ることがあるわけであります。それにふさわしい雇用の形態、働き方として、例えば家で働くとか、あるいは職場に行くにしてもその時間を考えて働くとか、そういう選択が本来はなされないと企業のほうの活力にも結びついてこない場面があるわけであります。
 ですから、そういう意味で、これは実は働く人自身の問題であるかのように言われますけれども、そうではなくて、それを人材を抱えて育てていくことが競争力にもつながる企業自体の問題でもあり、また地域社会全体で子育ての支援だとか、男女共同参画を通じて本当の意味の豊かさを感じられるような、そういう地域社会に変えていく、その上でも重要なことだと思うのです。
 ですから、新年度でこのワーク・ライフ・バランスを鳥取県でも重要な課題として議論するようにしたほうがいいのではないかと思っておりまして、1つにはシンポジウムをやりましょうとか、そういう予算も提案をさせていただいておりますし、庁内の担当のほうには、ワーク・ライフ・バランスを進めるためのプロジェクトというか研究会というか、実行予算ベースでそうしたこともやっていく必要があるのではないか、調査をしたりとか、そういう話もさせていただいております。新しい労働のあり方を通じて地域社会を変える取り組みに鳥取県のようなところからも提言をしていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)ありがとうございました。
 そうしますと、企業誘致の関係につきまして1~2点お尋ねをしてみたいと思います。
 三洋を誘致した歴史を壇上のほうで少し触れさせていただきました。もう40年ほど前になるようでございまして、当時の鳥取市長、高田市長ですか、大変な大ホームランを打ったと鳥取県史の記録を見ましてもそういうものが載っておりますけれども、元県の商工労働部の課長さんだったように──先輩諸氏がたくさんおられますので私が歴史をここで語ることはいささか失礼かというように思いますけれども、県の商工労働部の課長をされて、市長選に打って出られて、2期務められた方で、しゃんしゃん傘踊りとか、三洋の企業誘致、大変歴史に残る、いわば皆さんの大先輩に当たられる方だというふうに思います。この方が本当にあっと驚くような企業誘致をされたと。
 もう時間が余りございませんから細かくは申し上げませんけれども、当時の交渉の一こまが紹介されておりました。鳥取市議会の質問に対しまして、高田市長が、それまでの交渉相手というのは金持ちの大会社であったが、いよいよ取引という段階になると微に入り細をうがちまして約束を迫られる、こういうのが普通であったと。特に京阪神方面の会社では、要点要点というものは隠しなくつまみ出しまして、きっちりと文章によって約束を求められた。これは当然の姿だなと思って折衝を続けておったと。ところが、事三洋電機に関しては別であったというわけです。払うべき税金は払います。払うべき支払いはすべてきっちりいたします。我々が鳥取に来てお願いしたいことは、県や市が誠意を持ってお世話をいただく、この一言で結構でございますという、それほど非常に大人らしいやり方であったわけでございます。こう高田市長は答弁されて、三洋電機とは一貫して大人の話し合いであったと、こういう回顧録というのでしょうか、こういう議論が出てまいりました。
 要するに何が言いたいかといいますと、県のほうも企業誘致はされておられます。立地もされて、いろいろな県の事業もされておられるのですが、言えば、ヒットを打っているのですけれども、ヒットを打っています、本当に努力をされています。しかし、今の鳥取県の本当にさんざんたる経済状況、これを見るにつけ、もう少し長打あるいはホームランというものがあってもいいのではないかなという思いで質問をさせていただきました。現に皆さんの先輩に当たる元商工労働部の課長であった方が市長に打って出られて、現実、県と鳥取市とがタイアップして、この大ホームランという当時の地元紙に記載がされておる歴史があるわけでございます。私は、県政顧問団も検討されておられると、いろいろここは議論がうちの会派内でもございますけれども、県政顧問団なんかを、やっぱりそういう人脈というのでしょうか、経済界というのでしょうか、そういう方にもやっぱり適切な方にも入っていただいてアドバイスなり人脈を培っていくというようなこととか、あるいは知事が言われておりますように、日本国内ばっかりでなくて外国にも目を向けられて、この誘致ということは今の社会では考えていかなければいけないことではないかなと。これの戦術、戦略がこの本予算のほうに見えないものですから寂しいなと思いまして、この質問を取り上げさせていただいたのが私の思いでございますので、いま一度、知事の所見をお伺いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)県としての産業誘致、企業誘致について非常に示唆に富んだお話をいただいたと思います。先輩方の中でいろいろな苦労をされながら、この鳥取県に立地させる企業を引っ張ってこられたわけであります。
 今のお話の中でもありましたが、最後は県・市でしっかりと面倒を見てもらいたいと、そのことだけをお願いしたいというお話がありましたけれども、それが企業進出をする際の最後の決め手になるだろうと私も思いました。と申しますのも、いろいろなデータを見てみますと、やはりほかの地に企業自身が拠点を展開しようというのは、それ相当の決断が要ることであります。全然知らないところへ、今まで特にそこで人が育ったとかということではなくて、自分たちは別のところを拠点にしてやっていた、それがよそへ行こうと思った場合に、それはそれで随分リスクを実はみずからとっているわけであります。そのみずからリスクをとってまで別のところに行こうというからには、迎え入れるほうでの体制というものが一番気になるところでありまして、行政側がどう対応するか、それがキーポイントだよというお話だったと思います。
 経済産業省のほうでのアンケートがありまして、私ども鳥取県は比較的評価が高かったのです。これは意外だったのですけれども、何が高かったかといいますと、行政のほうが、いわばすばしっこく、かゆいところに手が届くような、そういうサービスをするタイプの県であると。企業さんのほうでいろいろとやっぱり不足があるわけです。土地の問題だとかあるいは水の問題だとか電気の問題だとか、それから補助金なんかももちろんありますけれども、そうしたものについてトータルでサポートしてもらえなければならないわけでありますが、そういうことを比較的鳥取県は柔軟にやる県だという評価をいただいております。これを生かして今の三洋のお話のように、できれば大魚を釣りたいと思いますが、そういったことをこれから肝に銘じてやっていきたいと思います。
 私どものほうで、現在企業さんの進出がしやすいように、予算には確かに見えにくいところでありますけれども、企業誘致の補助金をさわらせていただいております。これは、今は年々技術革新が起こりまして製品が変わっていきます。ですから、かつてのように、例えば10年スパンで物事を考えるというような補助制度ではなくて、7年営業を存続するとか、そういうように現実のものに合うようにしたり、それから、事務系の人を持ってくることこそが根こそぎ来るきっかけになりますので、事務系の人が動く場合にはこういう助成をしましょうというのを企業誘致の仕組みの中に入れさせていただいております。これは額の上では見えにくいのですが、そういう要項の改正をさせていただいたりいたしております。
 今おっしゃったのは、要は、最後は情熱と根性で持ってこいということだと思いますので、そのことをしっかりと腹に入れて頑張っていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)企業誘致につきまして、もう1点だけ、企業立地促進法が確かにできまして、いろいろとその制度を本県も活用されておられますが、しかし全国一律の制度であり、いわゆる差別化が図れないというような課題もあろうかという、これは全国の地方が同じような悩みを抱えておられるのではないかと思います。したがって、国に対して、やはり地方に配慮した法人税の不均一化というのでしょうか、こういう要求ですね、都会と地方あるいは中山間地、こういった場合によっては区別といいましょうか整理をしたものがやっぱりないと、なかなか私は地方の発展ということは難しいではないかというふうに思いますけれども、知事の所見をお尋ねしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今山田議員が御指摘なさいましたように、私どもが今持っている国のツールというのはすべて全国斉一的なものだと言って差し支えありません。このたびの企業立地促進法は地域指定がございまして、地域指定に食いついていくということで差をつけることができます。その意味で、我々は最大限地域で生かせる特典を得ようと今計画づくりをしたところでありますけれども、ただ、これも限界がありまして、同じようなことを大阪府がベイエリアでやったりしているわけでありまして、これがシャープを引っ張ってくるもとになっているわけであります。
 こんなようなことを考えますと、現在のやり方だけではどうしても我々は戦えないところがあります。かつて三洋が出てきたときは、工業立地の制限が法律上決まっておりまして、大都市部には事実上できなかったわけでありますから、それで鳥取県のほうに伸びてきたという実績があります。そのときは、過疎を打開しようということで産業を地方へ分散させようという国を挙げての運動がありました。今日、残念ながら効率主義の名のもとに構造改革路線は必ずしもここに行かないわけでありまして、効率的にということで大都市部への集中立地を認めることになっています。平成14年に工場立地の制限が撤廃をされた関係で、大都市部に工場が戻るようになってしまったということです。
 ですから、私は山田議員がおっしゃるように、例えば法人税制で私ども地方部と大都市部とで差がつくような、そういうことがあれば会社の人にもわかりやすいことになろうかと思います。タックスヘイブンという言葉がありまして、例えば世界じゅういろいろな法人税があります。法人税は国によって違うものですから、法人税が余りかからない国に何だったら本社を移そうかということがあります。そういうための税制としてタックスヘイブンというものをこしらえるような、そういうところもあるわけです。我々も本来はそうした産業再配置を促進する税制があってもいいのではないかと思っていまして、秋田の知事とも話をしましたし、先般、事務的に隣の島根県ともこういう構想を話し合っております。なるべく輪を広げていって、本当の意味の過疎化脱却の産業政策が税制を通して実現できるように、仲間をふやしながら国に対して働きかけていきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)農政問題につきまして、これも1~2点お尋ねをしてみたいと思います。
 私たちの党は、御案内のように個別所得補償法案、これを国会に提出をいたしまして、参議院で既に可決をされておるところでございます。特に、本当に食糧自給率、大変な数字、冒頭に演壇で申し上げましたけれども、わけても中国製ギョーザの問題に絡んで、本当に安心安全なそうした地産地消の推進が求められておると、このように考えておりますが、この個別所得補償制度について知事はどのような所見をお持ちなのか、あるいは我々としては、こうしたものを導入すべきではないかなというように考えておりますけれども、所見を求めてみたいというふうに思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)農業者個別所得補償法案が参議院を通過をいたしまして、今国会で論戦がなされているところであります。農業の政策については、いろいろな考え方は本来はあるだろうとは思います。そういう中で一つの打開策として民主党さんが参議院のほうに提出をされてまとめられたものだと理解をいたしております。
 今の農業者の状況を見て、国際的な競争にこれから耐えなければならないことがありますし、それから現実問題として農業だけで食べていけなくなりつつある、そういう人も見受けられるようになりました。これは諸資材の高騰もございますし、それから逆に価格が市場でコントロールされてデフレぎみだったのがここ数年でありますので、その影響で市場価格が下がる、収入が落ちるということだったと思います。
 これを打開せんがための方策として、今民主党さんのほうから示されておられますのが、標準的な生産費と標準的な販売価格とのこのあい差を埋めるように国庫でお金を出したらどうだろうか、その前提として国、県、市町村のほうでその数量を指定をすると、これだけの数量の米をつくりなさいというようなことを指定をしてやっていくというお話でございます。
 これは、そういう意味で一つのアイデアだとは思うのですけれども、これから衆議院での議論が活発になされると思いますが、幾つか私もちょっと議論していただきたいと思う課題がございます。
 1つは、先ほどの道路財源と一緒でありますけれども、この財源をどこから持ってくるのかということであります。これは民主党さんの今の法案の中で御説明されておられますのは1兆円のお金がかかるとおっしゃっています。農水省の予算全体でも2兆あるか3兆あるか、せいぜいそういうオーダーだと思います。そういうところで1兆円を新しい政策でやるとしたら、ほかに何か犠牲になることになりはしないだろうか。建設国債というわけには今度はなりませんので、そうすると、その財源はどこから調達されるのかなというのが1つわからないところがあります。この辺の問題はこれから議論すべきことではないかと思います。
 あともう1つは、かつては食管制度がありました。食管制度とこれとは私は同じものだとは思いませんけれども、ただ、あのときの反省はもう一度考えてみる必要があるのかなと思うのです。食管制度は、確かに農業者にとって年々の米作の収入が保障されるといういいことはありました。しかし、割と小さな農業者が多く散在をするようなことになりまして、それぞれにつくればお金になるということでありましたので、対外的な、国際的な競争の中で自分のところの作物の作柄をよくするとか、それから食味を増すとか、新しい有機栽培に挑戦をするだとか、こういうチャレンジのところにやや欠ける面ができてしまったのではないかという反省があります。また、国がこの価格を管理するということに絡んだものですから、大幅な赤字を生んでしまったという過去の実態があるわけであります。
 今回のは全く同じだとは申しませんけれども、ただ数量管理するということでありますし、それからあい差を埋めるということでございまして、このあい差を埋めると、結局は努力する者と努力を余りしない者との間でも差が生じなくなってしまうことになってしまって、総体的に我が国の農業の競争力を阻害することになりはしないだろうか。それは何か工夫をすればいいのだよというお話かもしれませんが、そうした議論が残されているような気がいたしております。
 私の所感ということなので、率直に語らせていただきました。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)一昨日でしたか、小玉議員のほうも農政問題を質問されまして、生産調整の問題あるいは品目横断の面積要件の関係等々、答弁を聞かせていただいて、私も準備しておりましたが理解ができました。
 要するに、つまるところは、やはり小規模というのでしょうか、中山間地やあるいは過疎とか言われる、あるいは限界集落という、こういう方々のところには手の届かない制度であったのではないかなというふうに、私はそのように受けとめをしております。したがって、発想といいましょうか視点を変えまして、そうした個別所得補償、農村、農業にいそしむ方がどなたも参画ができて意欲が持てるような、そういう仕掛けづくりをしなければならないのではないかというようなことで質問をさせていただいたつもりでございます。
 ただ、知事のほうが言われておりました旧食管制度とこれは同じではないかといいましょうか、その議論がよく出てきますけれども、旧食管制は米に価格設定した、特化したものでございましたね。御案内のとおりに、大豆とか麦とか、あるいはその他は政令で定めるというふうに明確にうたっておりますし、それから支援の内容は、先ほど言われたとおり生産地と販売価格のこのあい差を埋める仕掛けをいたしておりますので、欧米先進国の例を見ましても、国のほうで保護をしながら食糧自給率を相当高いところまでやはり高めていく、しかし、それをずっと続けるのかどうなのかという議論は確かにあろうかと思いますけれども、私は、今は日本の農政はそのことが必要ではないか、このように考えておりますけれども、その点だけ、もう一度知事の御所見をお尋ねしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)個別所得補償制度が旧食管と似ているかどうか、違いとか、その辺、先ほどざっとしたことは申し上げましたけれども、農水部長のほうから補足をさせていただきたいと思います。
 世界的に見て、ヨーロッパとの関係のお話もございました。ヨーロッパでも、前もこの議場で議論がされたと思いますけれども、いろいろな所得補償というか経営安定のための助成金というものがあります。あれが実は今政府側のほうで提案をしております所得安定の制度と類似しているような面もあると思うのですけれども、民主党さんの案と近いところがないわけでもありません。ただ、それがWTOなんかとの関係で法的にどういう議論があるのかということもありまして、これも農林水産部長のほうから御答弁を申し上げたいと思います。
 そういうことで、個別所得補償制度自体いろいろと問題点もあったり議論すべき点もいろいろとあるのではないかと思います。それから、政府・与党のほうでも現在やっているような制度もございまして、要はどうやってこの我が国の農業を活性化させていくかということだと思います。これについても与野党間でいろいろと議論をしていただいて、本当の意味の実りのある結論を出していただきたいと思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)河原農林水産部長


◯農林水産部長(河原正彦君)幾つか補足答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、個別所得補償制度、今回の制度と旧食管制度との違いについてであります。
 過去の食管法では、米については政府への売り渡し義務というものを前提にいたしまして、政府買い入れ制度のもとで政府米を基本とした基本計画の策定、それから生産者から消費者までの厳格な流通ルート、これが特定されております。政府買い入れ価格の生産費所得補償方式による決定、こういうことで行われてきたわけであります。よく調べてみましたら、麦も米とほぼ同様の仕組みでありました。ただ、大豆につきましては食管法の対象外でありまして、昭和36年の大豆の輸入自由化に伴いまして再生産を確保する水準の生産費の補てんを実施してきたものでございます。これら3品目について助成する仕組みが、今回、平成19年から品目横断的経営安定対策に移行したものでございます。
 今回の農業者個別所得補償法案は、食管法のように政府買い入れ制度を行うものではない、こういった面ではまず違いはあります。ただ、すべての販売農家を対象としている点、それから生産調整について国、都道府県、市町村、こういった行政が主導する点、それから標準的な生産費を補償するという点、こういった面から見れば、かつての食管法と同じとは言えないまでも若干類似した面があるのではないかというふうに考えております。
 今回の個別所得補償法がWTOに抵触するかどうかでありますけれども、これもよくよく分析をしなければいけないわけでありますけれども、今政府のほうの見解では、やはりWTOでいう黄色の政策というものに該当するのではないかということで、これをそのままやっていくというのは国際ルールに違反するのではないかという見解を示しておられます。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)いずれにしましても、鳥取県農政も大変厳しい状況があるようでございます。先ほど言いました中山間地あるいは限界集落や過疎地、そういうところに本当に光を当てていただいて、農業の意欲が出る、元気の出る農政というものを再構築をしていただきたいと。答弁は結構でございます、要請をしておきたいというふうに思います。
 続いて、医療紛争の関係でございまして、坂出病院事業管理者から前向きな御答弁をいただいたというふうに思っております。医療メディエーター誘掖、あるいは要請をしていきたいと。紛争処理の関係につきましても、第三者の委員会が必要ではないかと、こういうことであったように思います。ぜひとも前向きに検討をしていただいて対応をよろしくお願いしたいと思います。答弁は結構でございます。
 1点だけ、病院関係では、既に弁護団が設置をされているところについて、どこのブロックの弁護団ということは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、非常にこの対応が親切でない、どうも冷たい対応であったということを伺っております。知事のほうからも弁護団に対しては要請をしていくという答弁だったのでしょうか。ぜひともその要請をしていただいて、一過性のそういう相談態勢ということでなくて、きちっと継続的に対応ができるようなものをぜひとも要請をしていただきたいと思いますけれども、いかがなものでございましょう。我々の相談事業、民主党の相談者の中でそういう声がございまして、あるブロックで相談したけれども、非常に何か、これだけの経費がかかって大変だが、それでもされますかみたいなことを言われて、心を病んでいるところにそういう言葉を言われたものですから非常に悲しかったと、こういうことがあったようでございますので、ひとつ、もう一度、知事の所見をお願いしたいと思います。それ1点です。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)今回のC型肝炎については、本当に患者の皆様が心身の苦痛を味わっておられること、ざんきの念にたえません。それをぜひ救済すべく今回国のほうでの政策が示されたわけでありますから、それに乗れる方は乗っていただけるように、法的な手段をとっていただけるようにしなければならないと思います。本日のこのせっかくの議論でございますので、この状況も弁護士会に改めてお伝えをさせていただき、できる限り救済できる方々を救済していただけるようお願いを申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)捜査の可視化の件につきましては、県警本部長のほうから、どちらかといいますと一般的な御答弁であったかもしれませんが、知事のほうが何か踏み込んだような答弁でありまして、思いは多分御理解をいただいておるというふうに思います。ただ、多分これ以上の御答弁は難しいだろうと考えておりますので、思いはひとつ酌み取っていただいて、いよいよ来年、本当に裁判員制度で、どなたがなるかわからないのです。我々の中でもどなたがなるかわかりません。その場に居合わせて、本当にこれが白か黒かわからないようなあやふやなものを出されて、そういうことは鳥取県警はないというふうに私は思っておりますけれども、一般論としてそういうことがない対処というものをしていただきたいと、答弁は結構でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 問題は、この奨学資金の関係です。何かえらくつれない答弁をいただきまして、がくっときましたけれども、教育長、この成績条項で線を引くということは、本来の教育の機会均等、学習権の保障という視点からいきますと、やっぱりあるべきではないなと思います。「日本の教育を考える10人委員会」というのがあるようでございまして、学力の二極化とその原因は所得格差、国民の63.6%が学力の二極化、あるいは所得格差によってそれが起きていると66.4%の国民が受けとめているというふうなデータもございます。
 よく議場で学力とは何ぞやという議論を私も何回かした記憶があるのですけれども、狭い意味の国語や算数の学力ばかりでなくて、いわゆる社会を生き抜いていく力、広い意味の広義の学力、これが大事なのだと。高校生の場合は成績条項はないのです。大学になると、これがすっと頭を出してくると。こういうことになりますと、本来、先ほど言いましたように、学習権、教育権の保障、この視点からいきますと、やっぱり私は矛盾するのではないかと。保護者や子供たちの問題に責任を転嫁させるがごとくの意欲喪失というのでしょうか、これは本来あるべき姿ではないのではないかと、このように思っております。もう一度教育長の、何か私の質問が悪かったのか、えらい答弁が返ってきたなと思いまして、これは少し議論をさせてもらわないといけないなと思っております。教育長の所見をよろしくお願いします。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)つれないというふうに受けとめてしまわれたので、私は気持ちはわかっているつもりなのでありますけれども、県の財政的ないろいろな状況とか、今奨学金の返還の滞納が非常にあるとか、大きな問題が目の前にありますので、まずその辺をきちんとするということが今一番求められている部分であるのかなというふうな、そういう考え方も一方で持っておりますので、そういうふうな基本的な考え方で申し上げているところがあると思います。
 先ほど、高校生を対象とした奨学金は成績条項がないというふうなことをおっしゃいましたので、それについてですけれども、これは高校への進学率が非常に高うございます。96~97%ぐらいでほとんど義務教育のようになっております。そういう意味であります。それから835人というこの大きな枠を前まで設けておりましたので、ほとんどそれでカバーできるというふうなことから、いいかなと思っています。
 ただ、大学の奨学金のほうは120人という枠がございます。財政的に、これは枠を取り払ってもっと大きくすればいいというふうなことでしたら、その辺のことも考えられると思いますけれども、今その枠を取り払えない状態にある中で成績条項をとってしまいますと、今度は本当に経済的に苦しい子供たちで、本当に学ぶ意欲もあって行く子たちがうまく乗れなくなってしまう要素もあるのではないかというふうなことと、それから今大学で学ぶ意欲というのが大事だとおっしゃいました。私はそれは全く大賛成で同感であります。大学でそういう学ぶ意欲みたいなものを持つというのが本当に大事だと思っております。ただ、高等学校のときに、大学に入って学ぶ意欲ですとか、あるいは大学に入って専門的なもの、より高度なものを学ぶための基礎的な知識や技能、そういうふうなものをある程度持っていないといけないと思っています。そういう意味で、それを反映したのが高等学校のある程度の成績だろうというふうに思っております。
 その高等学校の成績も今は昔と違いまして、5、4、3、2、1がありますけれども、1や2に比べて4や5のほうの比率がかなり高くなっています。ですから、3が真ん中ではありません。3.5ぐらいというのは中の中ぐらいの辺かなと私は思っていますので、ある程度頑張って勉強される方は、大学に行かれる力を持っていらっしゃる方は大体その中でおさまるのではないかと、そういうふうに思っております。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)例えば教育長、3.5、3.0とか2.5とか、段階的に見直すというふうな考え方もできないことはないと私は思うのです。つまり、これは相対評価になっておるでしょう、成績条項というのは。相対評価ということは学校ごとによって違うわけですね、そうなると。これは、頑張ってもなかなかそこに到達できないというふうな子供も出てくると私は思うのですよ、学校のなにによっては。そうなると、いつも議論している、では見えない学力、数字にあらわれない学力、隠れたというかはかることができない、それを引き出すというのが教育だと私は思うのですよ。そこを引き出してあげるというのが。実社会に出て、国語、算数や英語や、点数がいい子ばっかりが成功するとは限らないということは我々は経験済みではないですか、そのことは。だから、県でも県職員の採用でも点数のいい順にばあっとされずに、それに達しない子でも採って、その中からいろいろな人物評価とかいろいろなことをされる時代ではないですか。そういうふうに変わっているのではないですか、物の見方や対応というのが。そういう意味からも、本当にそれで人づくりになるのかと。
 知事が言われている、知事にもちょっと最後に聞こうかと思っておりますが、本当に人づくりというこの財産、私は、これはまさに教育の次世代改革だと思っています。こういうものを、成績条項3.5ですか、ずっと長年それがあった。こういう意欲があるその者を、やっぱり人材を、見えない学力も含めて、意欲がない子のことを私は言っていないのです。意欲のある子ですよ。大学に行きたくないのに行けということはいけません。自分は手に職をつけて働きたいと言ったら、それはそれでいいのです、選択の自由で。意欲のある子が経済的な理由やそういうもので行かれないということはあってはならないと私は思うのです。
 それとあわせて、繰り返しですけれども、見えない学力という視点からいっても、本来やっぱり私はおかしい議論ではないか、相対評価ということも含めたら矛盾するのではないかということをちょっとお聞きしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)中永教育長


◯教育長(中永廣樹君)相対評価ということですけれども、学校によって最終的にはその評定の仕方というのは違いますから、全く一律ではないですけれども、でも、そんなに大きくそれが根本的な考え方が違うということはないというふうに思っていますし、学校の特色もそれぞれそこには必要なところもあるかなと思っています。
 成績条項ですけれども、これは日本学生支援機構のほうで有利子と無利子の2つの形がありますけれども、無利子のほうは当然競争がありますから3.5という鳥取県と同じような成績要件はつけております。日本学生支援機構の中の有利子の利息のつくほうはその要件を取り払っております。それは有利子で利息がつきますから、かなりそれで対応できるというようなことだと思っています。
 先ほどお話ししました、県のは120人の枠であります。この枠がもし許されて、たくさんの枠になると、もっと広げるというふうなことになれば、それは一つの形としてはとれることもあるのではないかという気はしますけれども、ただ、繰り返しますけれども、財政的に非常に厳しい状況の中、返還がなかなか思うようにならない中、この枠をどんどん広げていくということがどうなるかなというのが一つあります。その枠があれば、要件をとってしまったら、当然さっき言いましたように、本当に経済的に苦しくて、意欲も物すごくあって学力もあるのだけれどもなかなかうまく入れないという子たちも出てくるというおそれがありますので、その辺の兼ね合いみたいなもので、どちらにするのかなというようなところがあるのではないかというふうに私は考えております。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)滞納の問題は、教育長、借りたものをお返しする、当たり前のことでして、確かに中には悪質といいましょうか、ちょっと不良的な中身、ちょっと表現がよくないですけれども、そういうものもあろうかと思います。それは徹底的にしていくべきだし、やらなければならないと、その議論は賛成です。しかし、その問題と、本来の、私がきょう質問した教育の機会均等、学習権の保障、教育権の保障、この議論ですよ。滞納金の議論ではないですよ。そこを整理していただいて、知事、次世代改革ということをあちらこちらで出されております。私は、こういうことこそが本当の鳥取県の21世紀を担っていく、そして県外にも流出させない、地元に定着させて本当に有能有益なそういう人材として育っていく、これこそが本当の次世代改革の教育ではないかと。この奨学資金だけの議論ではなくて、そこに私は思いをはせなければならないと思います。
 財政問題で、教育長、滞納問題は別の次元で、もし財政が許すということでありますれば、教育委員会は予算編成権はありませんから、議長のお許しをいただきまして、ひとつ知事答弁の了解をいただきたいと思います。前後しましたけれども、コメントがあれば知事の答弁をよろしくお願いしたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)コメントとして申し上げれば、今子供たちの教育に対する環境が変わってきているものの一つは、生活保護世帯が広がりを見せたりしまして教育について本当に受けられるだろうか、その資金的な問題を生じつつあるということだろうと思います。今の奨学金制度は国の制度もこれあり、県の制度と連関させなければならないとか、例えば予算の制約の問題なんかもあるのだろうと思います。ぜひ教育委員会のほうで一度検証していただきまして、その結果を私どもの方にお知らせをいただければ、それで御相談申し上げたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)大変失礼しました。知事の指定答弁の関係で了解をとっていなかったことにつきましてはおわびを申し上げたいと思いますが、教育長、そういう知事のコメントも出ましたので、ひとつ、100人減らすとか何ぼ減らすというふうな逆行したような議論ではなくて、この見直しをしましたら、逆に言うと今度は足らなくなるような可能性も出てくると私は考えておりますが、総合的にひとつこれは検討していただくということを要請をして、答弁は結構でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そうしますと、環境大学、2点お尋ねをしてみたいと思います。
 就職率が高いことの宣伝が不足しているのではないかなと私は一つは思っております。非常に高いのです。これの高校訪問のアピールのポイント、どういうふうにされておられるのかお尋ねをしたいと。
 もう1点は、クリーンエネルギーやバイオマスエネルギー、これを表看板に掲げた新しい学科、前田議員のほうから、いわゆる看護学科の提案も出されておられましたけれども、クリーンエネルギー、バイオマスエネルギー、こうしたものの学科の検討、これをいかがお考えかお尋ねしてみたいと思います。2点です。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)鳥取環境大学についてお尋ねがございました。
 今、御指摘の中にもありましたけれども、鳥取環境大学は、かなり経済界の皆さんやあるいは大阪での就職あっせん活動なども実っておりまして就職率が非常にいいです。平成18年でいうと94.5%でございまして、これは中四国の平均を上回るぐらいであります。ですから、このことを面倒見がいい大学だというようにPRをさせていただく必要があるだろうと思います。現在のそのPRの状況などは、企画部長から御答弁を申し上げたいと思います。
 クリーンエネルギー、バイオマスエネルギーを掲げた学科はどうかということでございますが、現在も新エネルギー関係でいろいろな取り組みを環境大学もやっておられまして、それは実践活動として報道もされておられます。今回新しく設けようとしております環境マネジメント学科が、その新しいエネルギーについての問題意識にかかわる学科だろうと思っております。その計画の詳細も、企画部長から御答弁申し上げます。


◯議長(鉄永幸紀君)青木企画部長


◯企画部長(青木由行君)環境大学につきまして2点ほど補足の答弁をさせていただきます。
 まず、環境大学のPRでございます。御指摘のように就職状況というのは、知事からも御答弁申し上げましたように、非常に良好な状況ということでございます。この点につきましては、大学のほうでも、例えば一般的なパンフレットでありますとか、あるいは高校の進路担当の先生方にお話をする際に資料としてきちんとして持っていくというような取り組みもいたしております。また、大学だけではなくて、県や市の広報紙などでも広く、大学の就職も含めたPRできるポイントというのは広報に努めているところでございます。ただ、やはり今のところ、そういった本当の大学のよさというものが十分伝わっているかというと、昨今の入学者の状況などを見ますと、まだまだ不十分というふうには大学ともども認識をしているところでございます。
 今後、やはり大学のほうでは、教育委員会さんのほうの協力も得ながら、今回の学科の再編というのが打ち出されたということが1つの大きなきっかけになるというふうにも思っておるのですけれども、この学科の改編のねらいでありますとか、大学で一体本当に何が学べるか、それから中でのフォローにどんな特徴があるのか、それから就職、どんな職業につくのか、強みがあるのか、こういったあたりを一段とPRをしていかなければいけないだろうということがございまして、先般の理事会で学科改編の内容が固まりましたので、現在、環境大学それから県、市と一緒になりまして、効果的なPR方法について改めて検討しようということで進めているところでもございます。
 また、環境大学には地元の企業や団体から構成される支援をする会というのが、これは設立前からそういった団体がございまして、就職についても大変理解をしていただいている団体でありますけれども、こういったところでの地域へのPRといったことにつきましても、我々としては期待をしているところでございます。
 クリーンエネルギー、バイオマスエネルギーの新学科についての御提案についての補足の答弁でございます。
 今回の学科改編で環境マネジメント学科というのができるわけであります。こちらのほうでは、いわば文理融合ということではありますけれども、どちらかといえばフィールドワークなどの実践を通して自然環境と調和した社会システム、こういったことを深く掘り下げてやっていこうと、こういった学科になるわけでございます。その中では、御提案がございましたようなバイオマスエネルギー、こういったあたりにも十分カリキュラムの強化ということを図っていきたいというふうにお伺いをしているところでございます。
 カリキュラムの内容につきましては、理事会の決定を受けまして今いろいろ詰めているところでありますけれども、バイオマスを含めたそういった新しいエネルギーの問題、そして、それに連動しまして、そういった内容にふさわしい新しい人材、そういったものを確保するというような準備も今環境大学のほうで行われているところでございます。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)ひとつ環境大学の件につきましては、今の答弁のとおりにしっかりと取り組んでいただきますように要請をしておきたいと、答弁は結構でございます。
 あと美術館と人権条例の2点になりましたが、美術館の関係につきまして1点お尋ねをしてみたいと思います。
 先般、鳥取市選出の県議会議員と市長以下執行部との意見交換会がございました。市長はこの件につきましては非常に意欲を持っておられるというふうに、私はそのように受け取りをしたところでございます。いろいろ、また土地の確保といいましょうか、場所の関係も思いを持っておられるというふうに想像したところでございますが、1つ提案をしたいと思います。
 要するに財源問題ですね、知事。財源問題で、総論は賛成で、おおむね反対される方はいないだろうというふうに考えております。
 そこで、いろいろ考えた結果、全国の美術館はコンクリート建てになっておるわけです。このものを、要するに県産材を利用して、いわゆる地産地消の視点やら木のぬくもりというか香りというか、あるいは経費も、専門の方に2~3お聞きしますと半分から3分の1程度で大体経費は済むのではないかというお話も聞かせていただきました。これは精査をして、本当にきちっとした方に見ていただかないと、また誤解を生じてはならないので、私は、いろいろと参考までにそういう関係者にお聞きしましたところ、そういうお話が出てまいりました。
 そうなると、私は検討委員会の立ち上げということになると、また大げさなことになるというふうに思いますので、少なくとも庁内で一度そういう検討会みたいなものを持たれて、本当に2分の1、あるいは3分の1で経費がそういう県産材で済むということであるとすれば、これは全国にもない箱物になると私は思いますし、県民の理解が、この財政的な問題で一定の理解を得る材料になるのではないかというふうなことも思うのですけれども、私の提言に対する知事の率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)先ほど申しましたように、美術館については、この議場でもたび重ねて片山政権発足時以来議論をしているところでございまして、相当の県民的議論を重ねなければいけない課題だと思います。財政の問題もしかり、それから文化芸術の振興についての課題の議論もしかり。ですから、そういう意味でまだまだ議論は尽くさなければならないと思います。そうして結論を得ながら具体的な建設計画などに入っていくと思いますので、今からどういう構造にするかということを一概に議論すべき時期ではまだないのではないかと思っております。まずは、当面の将来ビジョンの中で、どんな御意見が各方面から寄せられるか、これをじっくりと拝見をさせていただきたいという気持ちです。
 なお、今せっかくの御指摘でございました木造でどうかというのを、県産材を使うのはどうかというのは非常におもしろい御指摘だと思いました。ただ、県産材でつくるのが向く施設と向かない施設とあります。今回、例えば米子空港のところに派出所をつくろうといたしておりますが、これは県産材でつくってはどうかという議論を今しているところです。海外あるいは国内から来られるお客様に鳥取県のすばらしい木のぬくもりを見ていただこうと、そういう意味も込めてやってはどうかというプロジェクトなのですが、美術館の場合ですと、法律的な制約がいろいろあることも頭に入れなければならないと思います。特に重要文化財級の貴重品を飾るということになりますと、耐火性とか耐震性について一定の承認を得なければなりません。その意味で木造建築には限界があろうかと思われることと、それから美術館のほうだとよく御理解いただけると思うのですが、湿度がすごく影響します。この湿度の管理とかが非常に難しいことでございまして、密閉性の高い建物としたほうがいいのではないかと思われます。そういう技術的な制約もありまして、恐らく今まで木造での本格的な美術館は全国にはできていなかったのではないかと思います。いずれにせよ、議論を尽くして、方向性をまず出しながら、御指摘のようにもし何とかやるのであればコストをどうするか、そこの工夫を考えることになろうかと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)2番山田議員


◯2番(山田幸夫君)せっかく提言をさせていただきました。一考に値するのかしないのかよくわかりませんけれども、検討の素材にしていただければ非常にありがたいなということで、答弁は結構だというふうに思います。
 最後に、人権条例につきまして4~5点申し上げました。非常にこれは難しい議論になりますので、またいつかいい機会を見まして知事と局長と議論はしてみたいと思います。
 2点だけ、最後にお尋ねをしてみたいと思います。要するに、現在凍結をされております人権条例ですね。いわゆる眠ったままになっておるわけです。これを解凍して一部改正することは選択肢として全く考えられることはないのか、このことが1点でございます。
 もう1点は、執行部の見直し検討委員会も、あるいは議会も、よりいいものをみんなの力を合わせて、弁護士会も含めてやらねばならないという思いで私はおりますし、恐らく皆さんもそういう気持ちだろうと思いますけれども、そのための被害当事者の意見を聞く必要が私はまだあると、このように考えますけれども、そういった場がないのではないか。被害当事者も参画していただくことを検討できないのかどうなのか、この2点につきまして最後にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)平井知事


◯知事(平井伸治君)(登壇)人権救済条例についてのお尋ねが2点ございました。
 まず、第1点目として、現在凍結されている現条例を執行部で解凍して一部改正するということは考えられないかという点でございます。
 これについては、永山会長さん、現在の条例についての問題点を考えたり、これからのあり方を考える検討をしていただきました。その検討委員会の永山会長さんのほうからお話を聞かせていただきましたし、詳細にその報告書も読ませていただきました。そこの中で訴えられておりますことは、救済手続を個別に設ける、もちろんこれについては、この議場でもございますように理解促進をどうするとかいろいろなものがないまぜになっていると思うのですが、特に全国的に議論されているその救済の手続の問題、この救済手続のところについては地方自治体でやろうと思うと、どうしても制約があるのではないか。それは捜査権が我々のほうにないとか、あるいは要件をしっかりと書かないと、いわば罪刑法定主義のようなこともございますので、そういう意味での規定が可能だろうかとか、いろいろな課題が盛り込まれています。そういう意味で、非常に慎重にならなければならない。永山会長の感覚としては、このまま条例を使うのはなかなか難しいだろうという率直なお話でありました。
 ですから、私は個人的には、これはいずれ廃止をすべきものではないか、そういう時期が来るのではないかと思っておるのですが、ただ、それを端的にやるよりも、その前に我々として執行部はこの検討委員会の報告書を受けたわけで、誠実にその内容に従ってまずは検討をして、ある程度方向性が出るようなときに考え方をきちんと整理をして廃止をするなら廃止をする、万が一、やはりこの条例でやっていったほうがいいということになれば、それは議員御指摘のように、解凍してということがあるかもしれませんけれども、ただ、今の流れとしては、基本的にはこれは廃止をして新しいものを出すか、啓発事業を組み立てるか、そういうパッケージを考えなければならないのではないかと思っております。
 次に、被害を受けられた方の御意見を聞く場、あるいはその案づくりに参画をする場はいかがかというお話でございます。
 これはシャットアウトするつもりがあるということではないので、これはあらかじめ申し上げたいと思いますが、そういうことではありませんけれども、この議論は随分長いことやってきたわけでございます。まず執行部側で提案をし、議会でも提案をされ可決をされ、そしてその後、さまざまな弁護士会の動きだとかいろいろなことがありまして凍結をするに至った。その凍結をする際に、検討委員会で検討をして、それを見て考えようということにしたということでございますので、そのことをもう一度思い起こさなければならないと思います。ですから、その検討委員会に我々としては、少なくとも執行部としてはある程度検討をゆだねた格好になっていますし、そこでいいかげんな検討がなされたわけでは決してありません。かなり詳細に議論を積み重ねられておられます。しかも、その際、多くの関係者の方も呼んでおられまして、議員がおっしゃるような、当事者である被害を受けられた方々のお話も伺ってきているところであります。
 ですから、今やってきた流れを蒸し返すのはどうかと思いますので、それをどうやって実行へ移していくかという観点で、我々執行部は出すのが礼儀だろうと思っています。その過程で実際に被害を受けられた方のお話を改めて聞くとかいうことは、これからどういう条例をつくるか、どういう対策を練るかということによりますけれども、当然そういう機会は今後も出てくるだろうと思います。


◯議長(鉄永幸紀君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。
 この際、議長より申し上げます。
 去る3月4日の小玉正猛議員の代表質問において、道路特定財源に関する知事答弁に対して、市谷知子議員より答弁の訂正を求める旨の議事進行発言がありましたが、議長において調査の結果、知事の発言内容は事実に基づくものと認め、訂正の必要はないと判断いたしました。
 市谷知子議員におかれては、今後、本議場での発言に当たっては、その内容を十分精査、吟味の上行っていただきたいと思います。
 以上、御報告を申し上げます。
 本日の議事日程はすべて終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
       午後3時25分散会