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和歌山県 田辺市

平成20年12月定例会(第2号12月 8日)




平成20年12月定例会(第2号12月 8日)





             田辺市議会12月定例会会議録


             平成20年12月8日(月曜日)


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 平成20年12月8日(月)午前10時開議


 第 1 一般質問


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〇会議に付した事件


 日程第1


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〇議員定数 30名


〇欠  員  0名


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〇出席議員


             議席番号   氏   名


             1番  川 ? 五 一 君


             2番  真 砂 みよ子 君


             3番  久 保 浩 二 君


             4番  小 川 浩 樹 君


             5番  佐 井 昭 子 君


             6番  出 水 豊 数 君


             7番  安 達 克 典 君


             8番  谷 口 和 樹 君


             9番  鈴 木 太 雄 君


            10番  塚   寿 雄 君


            11番  山 本 紳 次 君


            12番  松 下 泰 子 君


            13番  中 本 賢 治 君


            14番  棒 引 昭 治 君


            16番  宮 本 正 信 君


            17番  高 垣 幸 司 君


            18番  陸 平 輝 昭 君


            19番  山 口   進 君


            20番  宮 田 政 敏 君


            21番  吉 田 克 己 君


            22番  久 保 隆 一 君


            23番  松 本 平 男 君


            24番  天 野 正 一 君


            25番  森   哲 男 君


            26番  山 本 勝 一 君


            27番  吉 本 忠 義 君


            28番  白 川 公 一 君


            29番  岡 ? 宏 道 君


            30番  田 中 康 雅 君


           ──────────────────


〇欠席議員       15番  大 倉 勝 行 君


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〇説明のため出席したもの


            職  名       氏     名


           市    長     真 砂 充 敏 君


           副市長        森   章 二 君


           収入役        福 田 安 雄 君


           教育長        中 村 久仁生 君


           水道事業管理者    大 江 潔 史 君


           企画部長       山 崎 清 弘 君


           企画広報課長     松 川 靖 弘 君


           土地対策課長     田ノ岡 隆 一 君


           総務部長       岡 本 美 彦 君


           納税推進室長     塩 見 好 彦 君


           市民環境部長     池 田 正 弘 君


           保険課長       木 村 晃 和 君


           環境課長       宮 脇 寛 和 君


           環境課参事      谷   文 夫 君


           保健福祉部長     田 中   敦 君


           福祉課長       寺 本 雅 信 君


           健康増進課長     岩 本 さち代 君


           産業部長       福 井 量 規 君


           産業部理事      室 井 利 之 君


           商工振興課長     虎 地 一 文 君


           観光振興課長     大 門 義 昭 君


           森林局長       原 ? 喜 一 君


           山村林業課長     宮 田 耕 造 君


           建設部長       中 山 泰 行 君


           計画課長       野 田 眞一郎 君


           中辺路行政局産業建設課長


                      西 川 章一郎 君


           大塔行政局長     後 藤   昇 君


           大塔行政局産業建設課長


                      笠 松 芳 和 君


           消防長        山 本 久 雄 君


           教育次長       ? 田 和 男 君


           学校教育課長     撫 養 明 美 君


           生涯学習課長     藤 若 隆 司 君


           文化振興課長     福 田 徳 一 君


           龍神教育事務所長   山 本   巌 君


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〇出席事務局職員


            議会事務局長    中 瀬 政 男


            議会事務局次長   梅 田 敏 文


            議会事務局主任   前 溝 浩 志


            議会事務局主査   笠 松 実 加


            議会事務局主査   松 本 誠 啓





 開 議


○議長(鈴木太雄君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成20年第4回田辺市議会定例会2日目の会議を開きます。


              (午前10時00分)


           ──────────────────





◎報告





○議長(鈴木太雄君)    15番、大倉勝行君から欠席の届け出があります。


 それでは、日程に入ります。





◎日程第1 一般質問





○議長(鈴木太雄君)    日程第1 一般質問を行います。


 なお、一般質問の通告は、11月27日午後4時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果はご通知申し上げているとおりであります。


 それでは、質問順位に従って一般質問を許可いたします。


 8番、谷口和樹君の登壇を許可いたします。


             (8番 谷口和樹君 登壇)


○8番(谷口和樹君)    皆さん、おはようございます。8番、谷口和樹でございます。


 1番、成人式についてでございます。毎年、成人される方々にもいろいろな環境の方がおられますが、地元以外への進路をとられ、現在も仕事に勉学に励んでおられる方、そういう方々がたくさんおられます。このような方々の中には正月に一たん帰省し、家族と過ごし、再び何日か後に帰郷して今の田辺市の成人式に参加するといった形をとられている方がおられます。特にレアなケースというわけでもありませんが、現状、このような形をとらざるを得ない中で、このご時勢でもありますし、自身にも家族にもかなりの経済的な負担があるというのを毎年お聞きします。


 旧町村では、そのようなニーズにこたえ、正月の三が日、3日前後に行われていたわけですが、この合併後のすべての式典の一本化という流れの中で、今の形で実施されています。成人式というのは、今後、地域を担う若者、いずれ私たちもお世話になります、地域の人材の誕生を祝う会であります。かわいい社会の後輩でありますから、できるだけ気持ちよく成人させてあげたいというところであります。この3年を経過した中で、一度成人式の日程について若者の動向、ご意向というものを聞いてあげることはできないか。そのことについてお聞きします。


 同じく、先ほどの式典の一本化という中で、市内在住の方々だけが対象の式典と成人式のようにさまざまなところ駆けつける式典というのが等しく一本化というのは必ずしも同じようにいかないものであります。現状、各地区でその後も自力で成人式を催しております。成人たちみずから希望を募り、実行委員会を組んで、地域の方をお招きしてお祝いの会を催しているところ、お盆に浴衣で成人式等、地域に花を咲かせている形とさまざまであります。


 一本化による一体感の醸成ということも昨年当局からお聞きしました。彼らが本当に今の形が合っているのか、同じく聞いてやっていただきたいと思います。いかがなものでありましょうか。


 続きまして、2番目、川の水についてでございます。


 小さなころからしょっちゅう川で遊んでおりまして、友人たちと塩を1ビン持って川へ行って、年中魚やエビなどをとって川で焼いて食べたり、そういうような遊びをずっとやっておりました。そのような日常を過ごしておりましたので、周りの子供たちは私どもも含めまして、川についてはいろいろな知識というのを持っておりました。2週間ほど前でありますが、大塔観光協会でカヌーの貸し出しをするという下見をしに、栗栖川から鮎川までカヌーで下ってきました。まず川におりたわけなんですが、川におりて一番驚いたのが水量の少なさであります。


 水が減っているというのは年中見ておりますので、気づいてはおりましたが、上流の栗栖川でもこんなに水が減っている。今にも瀬切れしそうだという感じを受け驚きました。さらに下りまして、中辺路の北郡あたりまで来てみますと、よどみの所で泡立っておりました。そういうのを見つけたんですが、ごみが捨てられて泡立って入るわけではなくて、ただ単に泡立っているという状況でありました。


 この夏にも子供と友人たちと家族で川に行ったわけですが、鮎川の淵で泳いでおりますと、初めは素潜りで泳いでいたのですが、余りにも目が痛いので水中メガネをつけて見てみますと、小さなくず、そういうのがすごく流れておりまして、目に入って痛い状況でありました。よく見てみますと、コケが腐って流れてきている。そのような状況であったのですが、これは水量が減って、水温が上がることでコケが腐って浮いて流れてくるということであると思います。


 昔も夏の日照りの時期になりますと、そういうコケが腐ってはがれ落ちるので、アユがおとりを追わなくなると、そういう状況がよくありました。こういうときは支流の方の冷たいところへ行ってアユをねらうということをやっておりましたが、まさしくコケが腐る状態というのが今ずっと続いております。もちろん、鵜の被害なんかもあるのですが、アユが食べる新鮮なコケ、えさが育たない。習性である縄張りをつくれないということが水の中で起こっております。私の記憶が正しければ鮎川の本流でアユを見なくなって5〜6年になると思います。


 今、富田川、日置川の上流の方でもそうなんですけども、そういう状況が起こりつつあります。とても魚や生物がすめる環境にはなくなってきておりまして、変な見たこともないような藻が伸び出したりとか、ぬるっとしていまして、排水路のようになってきておりまして、こういうことに対する市の今の現状をどのように思っておられるか、認識されておられるかについてお聞きします。そして、豊かな川を維持する取り組みというのを現在されておられますか。そのことについてお聞きします。


 3番です。インフルエンザ対策です。


 インフルエンザは時に大流行して多くの犠牲者を出すこともあり、過去の世界的な大流行としては1918年に始まったスペイン風邪、1957年のアジア風邪、1968年の香港風邪などがあります。中でもスペイン風邪による被害、1918年のスペイン風邪による被害というのは甚大で、死者数は全世界で2,000万人とも4,000万人とも言われております。そういった中で現在、全国で最悪約3,200万人が感染して、死亡者も多数出ると言われております。新型インフルエンザに田辺市はどのぐらいの被害が出ると考えられておられるか。そして現在、その対策をどのようにとられているかについてお聞きします。


 もう一つであります。現行のインフルエンザでありますが、12歳以下の子供の予防接種の接種率というのは極めて低いと予測されます。原因の一つに費用の負担と共働きなどの多い、保護者の時間的な問題があると思われます。この二つを合理的に解決するにはもちろん任意でありますが、集団感染のもとの一つと言われる学校で予防接種を助成し、学校接種した方がよいのではないかと考えます。もちろん国がやるべきではあると思いますが、待っていても今の国では一向に進むように思いません。自治体独自で取り組むことができないかお聞きします。


 以上、3点よろしくお願いします。


              (8番 谷口和樹君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    8番、谷口和樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。


 市長、真砂充敏君。


              (市長 真砂充敏君 登壇)


○市長(真砂充敏君)    谷口議員から、3点にわたるご質問をいただきました。2点目の川の水については私から、あとは担当部長からお答えいたします。


 富田川や日置川の水量が少なく、これにより水質が悪化し、さらには藻の発生やにおいもするといった点、また、川にすむアユやエビなどの生物が減っているといった点についてどう認識しているのかとのご質問でありますが、御存じのとおり、合併後の新市には自然豊かで深い山々にはぐくまれた清流の富田川、日置川、熊野川、日高川が流れており、全国的にも有数の水資源に恵まれた地域であります。これらは天から与えられたかけがえのないものであり、昔から我々にさまざまな恩恵を与えてくれている、いわば命の源でもあります。


 豊富な水資源は、私たちへ飲料水としての供給だけではなく、農業等にも幅広く利用されているとともに豊かな山の恵みを海に運び、そこにすむ生物の食物連鎖の底辺を支えるているといった自然環境における重要な役割を担っております。


 そうした中、議員は先日、カヌーで川下りをされる中で、現在の川の姿を目の当たりにされ、川の変化を体感されたと聞き及んでいるところでありますが、市内を流れる河川の水質をまず数値でお答えいたしますと、県の「生活環境保全に関する環境基準」では、日置川は「AA類型」、富田川は「A類型」に指定されております。この二つの違いは、BOD(生物化学的酸素要求量)と大腸菌群数の数値が「A類型」が若干高くなっているだけで、6段階に分かれているうち上位の美しさとなっておりまして、市内を流れる日高川、熊野川及び左会津川も「A類型」に指定されております。ちなみに富田川の過去からの環境基準に関する測定数値を見てみますと、昭和63年度ではBODが1.8ミリグラム/リットル、平成19年度では0.8ミリグラム/リットルでほとんど変化がない結果となっております。


 また、環境省において実施しております「全国の河川の水生生物調査」が報告されておりますが、これにつきましては河川に生息する生物の種類等により水質の判定を行うものでありまして、平成19年度の報告によりますと、日置川及び富田川ともカワゲラやヒラタカゲロウ、サワガニといった指標生物が確認された「きれいな水(水質階級I)」と判定されております。さらに現在、市では富田川水系12地点及び日置川水系11地点における水質調査を実施しておりますが、過去の数値でいいますと平成7年度ではBODが0.7ミリグラム/リットル、平成20年度では0.5ミリグラム/リットル以下となっており、顕著な水質悪化は見られない状況で、ほかについても良好な数値となっておりまして、両河川とも水質に影響を及ぼす工場や事業所がないことが要因であると考えます。以上が、各種の検査や調査によります近年の富田川等における数値的、科学的な状況でございます。


 しかしながら、議員のご指摘のとおり、川幅の減少や瀬切れなどを見るにつけ、かつての姿を知る私も水量の少なさは常々感じているところです。水量の減少についてはさまざまの要因があり、降水量についてもその年その年の台風の影響もあり一概に少なくなったとは言えませんが、私の小さいころは大雨の後、増水した川の水が引くのにも時間がかった記憶があり、現在のように降った雨が短時間で流れてしまうといったことからも山の保水力が弱くなったことが要因の一つではないかと考えております。


 次に、川の生き物についてでありますが、ことしは特に川に入りアユ釣りを楽しむ人々も余り見受けられず、地元の方のお話でも手長エビなどは最近ほとんど見ないと言っておられました。これらはやはり水量の減少による水温上昇、水のよどみによる生き物のすみにくさや瀬切れによるアユの遡上の阻害などが少なくなった要因ではないかと思います。また、生物の研究をなされている方のお話では、両河川とも減少傾向は認められているが、その主たる原因やどういった種類や数が減少したといった具体的な点は検証されておらず、その原因は解明されていないとのことであります。


 いずれにいたしましても、富田川中流域で育った私は、この現状をかねてから懸念しており、水量の確保や生き物の復活など豊かな河川のかつての姿を取り戻すため、富田川治水組合の取り組み推進、企業の森のさらなるPRや間伐の促進、また積極的に水源涵養取り組みを行っている富田川漁業協同組合の活動支援、あるいはふれあいの森事業を活用していただいている民間団体などとの協働など、議員ご指摘の点も踏まえ、できる限り取り組みや支援を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。


 以上です。


              (市長 真砂充敏君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    教育次長、?田和男君。


             (教育次長 ?田和男君 登壇)


○教育次長(?田和男君)    議員ご質問の1点目、成人式について、お答え申し上げます。


 現在、田辺市においては、20歳を迎える新成人の皆さんの成長を祝福し、責任ある一人の大人として社会に参画することを励ます大切な節目として、毎年1月の第2日曜日、紀南文化会館の大ホールにおいて、成人式記念式典を開催しております。


 成人式記念式典につきましては、市町村合併前には各市町村で、それぞれ開催していたものを、合併に伴い、新市全体の一体感を醸成することを目的に、平成18年度より統一開催を行っているところであり、来年1月に開催予定の平成20年度の式典で、3回目の統一開催となります。


 内容につきましては、本来の式典に加えて、田辺シティブラスのオープニング演奏や田辺市内の各中学校の先生や在校生から、新成人に向けての祝福、激励のメッセージを届ける「応援メッセージビデオ」の上映、記念写真撮影時には紀州弁慶保存会の演舞を行うなど新しい門出を祝うにふさわしく、より魅力あるものとなるよう鋭意、工夫をして開催しているところでございます。


 平成19年度の新成人の参加につきましては、対象者871名に対し83.6%の高い出席率となっており、旧市町村別で見ますと、旧田辺地域は83.6%、旧龍神地域は89.3%、旧中辺路地域は60.0%、旧大塔地域は30.3%、旧本宮地域は10.5%の出席率となっております。


 また、本年度の新成人の対象者につきましては、全体で786名となっており、旧市町村別で見ますと、旧田辺地域は663名、龍神地域は43名、中辺路地域は28名、大塔地域は26名、本宮地域は26名となっております。


 旧町村地域から参加していただくに当たっては、式典会場まで遠いことから、貸し切りバスを用意するなど、できる限り参加していただけるよう配慮をしているところでございます。


 なお、この市全体の成人式記念式典とは別に、地域の実行委員会等が中心となり、お盆やお正月の帰省の時期に合わせて、独自に新成人を祝う催しなどを行っているところもあり、地域の同級生に会える良い機会となることから、参加者も多く好評であると聞いております。


 さて、議員から、現在、市全体として統一開催している成人式記念式典については、出席率が低くなっている地域もあることや、市全体の式典と地域で独自に開催される催しの両方へ参加した場合は、新成人や保護者の負担がふえるなどの問題もあることから、日程も含め開催の方法については、改善すべきであるというご指摘をいただきました。教育委員会といたしましては、来年1月に開催予定の3回目の統一開催となる式典の結果や、参加する新成人の意向調査なども踏まえ、また市全体としての一体感の醸成の必要性といったことも考慮に入れながら、新成人が生まれ育った故郷を誇りに思い、立派な社会の担い手となる前途を祝することができる式典となるよう、内容のさらなる充実や、できるだけ多くの新成人に出席していただけるような開催の方法等につきまして、今後、十分検討をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。


 以上です。


           (教育次長 ?田和男君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    保健福祉部長、田中 敦男君。


          (保健福祉部長 田中 敦君 登壇)


○保健福祉部長(田中 敦君)    議員ご質問の3点目、インフルエンザ対策についてお答えいたします。


 まず、子供のインフルエンザ予防接種を学校で集団接種ができないかでございますが、インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症で「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において、5類感染症に指定されております。毎年、冬から春にかけて流行して多くの方が発病し、症状も重いことから人の健康や社会に対する影響が大きく、一般の風邪症候群とは区別して考えるべき疾病であります。


 議員ご質問の子供さんのインフルエンザ予防接種につきましては、過去において予防接種法に基づいて社会全体の集団免疫力を一定水準以上に維持するという社会防衛の考え方により、学童等を対象に集団で実施されておりました。


 しかし、学童の集団接種は、社会全体への流行を阻止できることを、積極的に肯定する研究データが十分に存在しないことや、まれに起こり得る副反応による健康被害を防ぐため、平成6年度に法改正が行われ、学童等のインフルエンザ予防接種は、同法の対象から除外され、かかりつけ医師による個別接種が原則となり、集団接種は取りやめとなりました。


 田辺市におきましても、学童等の接種希望者は、法律に基づかない、任意に行われる予防接種として、医療機関において、個別方法で接種を受けていただいているところでございます。


 その後、予防接種法の改正により、平成13年度から高齢者のインフルエンザによる重症化及び死亡を防ぐことを目的に、65歳以上の方等を対象に、接種に係る費用のうち自己負担金1,000円で残りの費用は市が負担し、医療機関で個別接種を実施しています。


 いずれにいたしましても、インフルエンザワクチンの接種は感染予防や重症化防止に重点が置かれた有効な予防法であると認識しておりますが、学校での集団接種につきましては、ご説明させていただいたような経過から、実施は困難であると考えますのでご理解いただけますようお願いいたします。


 次に「新型インフルエンザ対策について」でございますが、新型インフルエンザは、毎年流行を繰り返してきたウイルスとは、全く異なる新型のウイルスが出現することにより、およそ10年から40年の周期で流行してきましたが、次の新型インフルエンザがいつ出現するのか、その出現を正確に予測することは困難であります。もし発生した場合、基本的にすべての人が、そのウイルスに対して抵抗力を持っていないことから、新型インフルエンザは人の間で、広範囲にかつ急速に広がり、さらに人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体に蔓延する危険性があります。20世紀では、大正7年に「スペインインフルエンザ」の流行が最大で、世界じゅうで約4,000万人が死亡したと推定されており、我が国でも約39万人が死亡しています。また昭和32年に「アジアインフルエンザ」、昭和42年に「香港インフルエンザ」、昭和52年に「ソ連インフルエンザ」がそれぞれ大流行を引き起こしており、医療提供機能の低下を初めとした社会機能や経済活動のさまざまな混乱が記録されています。


 近年、東南アジアを中心とした「高病原性鳥インフルエンザ(AH5N1型)が流行しており、このウイルスが人に感染し、死亡例も報告されています。平成15年12月から平成20年12月までの間で、発症者387名、うち死亡者245名、また高病原性鳥インフルエンザの発生がヨーロッパでも確認されるなど、依然として流行が拡大、継続しており、人から人へ感染する新型インフルエンザの発生の危険性が高まっています。


 「新型インフルエンザ」に対する国際的な取り組みとしては、世界保健機関(WHO)が、平成17年5月に「WHO世界インフルエンザ事前対策計画」を公表し、各国がこれを基準として自国の国民を守るための行動計画の策定を進めています。


 これに準じて国では、「鳥インフルエンザ等に関する関系省庁対策会議」により「新型インフルエンザ対策行動計面」を策定し、平成19年に新型インフルエンザ専門家会議において、国外からの病原体の侵入を阻止する水際対策として、検疫ガイドラインなど13分野のガイドラインを策定し、感染拡大を可能な限り阻止し、健康被害を最小限にとどめること、社会、経済を破綻に至らせないことを基本方針として、具体的な対策を講じることとしているところでございます。


 また、県におきましても、新型インフルエンザ発生時に迅速かつ適切な対策を講じるため、国の行動計画に基づき「和歌山県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定しているところであります。


 新型インフルエンザが、もし発生したときの被害想定でありますが、国の行動計画によりますと、全国民の25%に当たる3,200万人が発症し、最大2,500万人が医療機関を受診し、最大64万人が死亡する可能性があるとされています。また、この想定を県の状況にそのまま当てはめての推計では、全人口の25%が新型インフルエンザに罹患すると想定した場合に医療機関を受診する患者数は、最大約21万人と推計されています。


 また、社会・経済の影響としては、経済活動を支える企業の従業員が自身の感染あるいは、家族の看病で欠勤する割合が、流行時には最大40%に及び、その場合、電気、ガソリンなどの一時供給停止、輸入の停止や原材料、物資の供給中断、資金調達などで混乱が生じるとしています。


 このような、非常に予測困難な状況の中で、また、過去の大流行の状況を見ますと、広範囲にかつ急速に広がっていることから、新型インフルエンザが発生した場合には、国家の危機管理の問題ととらえ、国を挙げて取り組むこととなっております。


 現在、新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議では、最新の化学的治験等に基づき、現在の行動計画やガイドラインを全面的に見直しているところです。見直し案では、年少者での感染は学校で拡大しやすいため、都道府県は原則として1例目の患者が確認された時点で、設置者に学校閉鎖を要請することなどが盛り込まれています。


 また、最も住民に近い行政主体である市は、地域住民を支援する責務を有することから、住民に対する情報提供を行い、新型インフルエンザ対策に関する意識啓発を図る必要があります。田辺市におきましても、新型インフルエンザの出現を可能な限り防止するためには、新型インフルエンザへの変異を起こす可能性が高い「高病原性鳥インフルエンザ」の発生を予防する必要があることから、県の「高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアル」に基づき、平成18年度に、市長を本部長に総務課防災対策室が本部の総括となり各部署と連携のもと、情報収集及び広報業務、防疫処理等の現地対策など、いち早く対処するための「鳥インフルエンザ対策本部体制」を構築しており、「新型インフルエンザ対策」につきましても、これに準じた体制で、国及び県と連携のもと取り組んでいくこととなっております。


 また、感染予防や拡大防止のための予防策は、市民の皆様方が個々にできる対策として、新型インフルエンザも通常のインフルエンザと同様に、感染した人のせき、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染するため、外出後の手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることが重要です。また、十分に休養をとり体力や抵抗力を高め、日ごろからバランスよく栄養をとることや、インフルエンザは容易に人から人に感染するため、他人に移さないことも重要です。


 現状では新型インフルエンザは出現していませんが、出現した場合も通常のインフルエンザと同様に感染予防対策に努めることが重要となってきます。また、新型インフルエンザが流行して、外出を避けるべき事態となり、物資の流通が停滞することを想定し、ふだんから食料品やマスク等の日用品を約2週間分備蓄しておくことが望ましいとされています。


 また、社会不安や風評被害を防止するためにも、正確な情報で新型インフルエンザ対策をする必要があり、デマやうわさでパニックを招かないためにも、公的機関の情報やそれに基づく報道機関等の情報を収集することが必要です。


 これらのことにつきまして、厚生労働省及び県におきましては、ホームページなどにより「新型インフルエンザの個人でできる対策」として広報されております。市といたしましても、ホームページなどによりお知らせをしているところでありますが、広く市民の方々に知っていただくために、さらに広報などにより、啓発に努めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


 以上です。


          (保健福祉部長 田中 敦君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    8番、谷口和樹君。


             (8番 谷口和樹君 登壇)


○8番(谷口和樹君)    ありがとうございました。


 1番の成人式についてですが、少し食い違っているところがあります。二つに出るから負担がふえるということではなくて、1個でありましても二度帰ってくることで経済的な負担があるというお話をさせていただいたところであります。改善を求めたわけではなくて、意向を聞いてやっていただきたいという思いであります。そこのあたりをご理解いただいて、今後の成人式をたくさんの若者が出席できて、よい門出になるように努めていただきたいと思います。この項はこれまでであります。


 2番であります。県の調査された数値等については事前にご理解させてもらっていますが、毎日川を見ている限り、川の変化というのを毎日感じております。この間、川を下ったり、このお盆に川にもぐったりしながら、これはとんでもないなと思いながら思ったわけでありました。これは小さいころに泳いだ川がだんだん失われつつあるというのは寂しいもので、特に魚が減っているということが私は本当に悲しい思いであります。現状の川を見ながら子供たちは育つわけなんですが、私たちはわかっている中で、だんだん今の川というのを見ているのですが、子供たちは今の川しか見ていないわけで、豊かであった川というのは後世に伝えていけるようにしていってあげたいと思っております。豊かな自然というのは後世に引き継がなくてはならない。特に、みそぎの川と言われておりますので、世界遺産の地にふさわしい川であってほしいと思っております。これは個人ではどうにもならない問題でありまして、一人一人の努力というのも大切でありますが、国の問題でもあり、市でも考えなくてはならない問題でもあり、少しずつでよろしいので考えていっていただきたいと思っております。この項も以上です。


 そしてインフルエンザであります。きょう、朝、たまたま少しテレビで見ておりますと、11月26日現在のインフルエンザの感染者数というのが6,351人と言われておりました。現状、予防は流行前の予防接種というのが一番効果的であります。被害は子供と老人が最も多く、広がり始める学校での予防接種というのが効果的であると考えます。国の方針とか、そういうものもあると思うのですが、あてにしていてもという現状で、予防接種の助成自体は各自治体で独自にされているところもあります。そういうことで、私としましては、高齢者の方にされている助成というのを同じく12歳以下の子供たちにしてやっていただきたいと思っております。無理だという話も聞いたのですが、学校での接種というのは今の現状の過程の状況では一番ベストではないかと思っているのは、難しいと言われながらもそう感じております。病院へ連れていく時間的な余裕なんかもなかなか難しいところでもありますし、そのことに対しては、難しいのはわかっておりますが、私の考えはそういうところであります。被害というのも最小限になるような方向で考えていただけたらと思っております。


 新型インフルエンザ、これは先ほど県の被害というのを言われておりました。その計算の仕方を田辺市の方に当てはめますと、約2万人が感染しまして、1万6,000人が病院にかかります。そして、大体200人に1人ぐらいになるのですか、お亡くなりになられる方が出られるという試算でいきますと、田辺市で400人ということになっております。前回のパンデミックからかなりの周期が経過しております。個人で対策するにもなかなか危機感というのが少なかったりするので、ぜひとも大きな被害にならないように市として備えていただきたいと思います。対策と啓発にも努めていっていただけるということなので、よろしくお願いいたします。


 インフルエンザでありますが、特に毎年、毎年、恒例のように日本では全国で学級閉鎖というのを繰り返しております。本当に進歩がないわけでありまして、これは変えないといけないと思っております。ということでありまして、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。


             (8番 谷口和樹君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    以上で、8番、谷口和樹君の一般質問は終了いたしました。


 休 憩


○議長(鈴木太雄君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。


               (午前10時40分)


          ―――――――――――――――――――


 再 開


○議長(副議長 岡?宏道君)    休憩前に引き続き会議を開きます。


               (午後 1時00分)


○議長(副議長 岡?宏道君)    続いて、1番、川?五一君の登壇を許可いたします。


            (1番 川?五一君 登壇)


○1番(川?五一君)    1番、日本共産党の川?五一です。よろしくお願いいたします。通告に基づいて質問をさせていただきます。


 まず、1番目、上流の集落を守るためにというテーマで質問させていただきます。まず、質問に当たりまして、当局には、上流域に人々が住み続ける。このことの重要性についての認識をお伺いしたいと思います。そして、これらいわゆる過疎高齢化が進む上流の集落、この存在の重要性が確認されますれば、その集落を維持するためにとって、必要な手だてにどういうものがあるのか。こういう点から質問していきたいと思います。


 1点は、今そこに住んでおられる皆さんが安心して住み続けられるようにということです。具体的には幾つかの方法があるでしょうが、今回は一つは移動手段の確保について、この問題についてはこれまでも繰り返し何度も質問させていただいておりますが、この新市、田辺市が始まって以降3年半の中での取り組みも含めて、こうした移動手段の確保についてどのような進展があったのか、このことについてお伺いしたいと思います。


 また、安心して住み続けられるということの2点では、生きがいの確保ということについても必要ではないかと考えております。当然、移動手段の確保でも、同様のように、ひとり暮らしのお年寄りが家庭に引きこもるといったことがないように、引きこもり対策も含めて生きがいを確保する。具体的には私は以前にもこうした提案をしたことがあるのですが、上流域に住まれるお年寄りというのはほとんどの方が畑で作物をつくったりされております。


 農協の窓口などで種の袋を1袋買いますと、とても自分1人では食べ切れないほどの野菜ができるにもかかわらず、もったいないということでたくさんまかれる。多くが野生鳥獣の被害に遭うこともあります。また時には、町から来る子供たちや親戚、お友達にあげることもある。しかし、残念ながら食べ切れずに、畑でまた土に戻る、こうした野菜が多いのも事実です。私はこうした作物を買い取って、幾らかなりとも年金の足しにするといったことができないかと考えています。確かに、農協等がするには収集にお金がかかり過ぎて、費用対効果の問題、県でいくと商業としては成り立たないかもしれない。しかし、お年寄りたちにとっては、そうした作物をつくる。そしてまたそれが喜んでもらえる。小さな規模でいえば、周辺4町村でいえば、給食センターの食材等に活用するということができないのかといった形で、商業的ではなくても生きがいとして作物をつくる。こうした取り組みができないかと考えております。これについても、具体的に実現の可能性についてご意見をお聞かせいただきたいと思います。


 そして上流域の集落を守る2点目の問題としては、やはり人口がどんどん少なくなってきて、集落機能が維持できないという状況にある中で、新しい力を迎え入れられるようにという取り組みが必要ではないかと考えています。


 一つはやはり、こうした方を迎え入れるために、住宅の確保が必要であります。公営住宅というのは公営住宅法の中で住宅に困っている方々への住居を提供するということになっておりますが、そうではなく、その集落に住んでもらう。人口維持のための公営住宅というものがあってもいいのではないか。また、そうした住宅がない中で、なかなか過疎集落への転入、移住が進まないという現実がありますから、これについてもこれは建設部ではなく、そうした観点から公営住宅の建設の可能性が模索できないのかどうかという点についてお聞かせいただきたいと思います。


 新しい力の中での次は、家を確保した上で、若い人たちを迎え入れる。この点ですが、一つはこの地域にはないのですが、やはり大学生です、時間もある。そしていろいろなことに好奇心も持ち、社会のことをいろいろ学ぼうとしている。また今、環境問題に対しても大変若い人たちの関心が高まっている中で、田舎暮らしという一つのライフスタイルが受け入れられつつある。こうした大学生に情報発信をしていく。また、行政と大学とがこうした連携をして、地域のまちづくりを考えていくということも今後重要ではないかと思いますので、この点についても市当局のスタンスについてお聞かせいただきたいと思います。


 そして、新しい力の3点目は、今2点目では若い人たちという話をしましたが、やはりセカンドライフと言われる定年後の方、また定年間際、定年前に退職されて田舎暮らしをされたいという方々についても積極的に誘致すべきではないかと思いますが、それについてもお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。


 そして、集落の維持ということなんですが、集落の維持がその重要性の部分で言いますと、やはり農地の保全が重要になるかと思います。担い手が少なくなる中で、荒廃地がふえてくる。こうした状況がそこかしこに見られておりますので、農地の保全も何とかしなければならない。その中で具体的な提案としましては、今山間部に関しては企業の森といった取り組みが行われております。多くの企業が市内の各地に公有林等を活用して、いろいろな樹種の木を植えるということが行われていますが、私は企業の森ではなく、この企業の田んぼ的なものができないのかというふうに考えております。かつて緑の雇用について議論したときにも、当時の真砂町長とそういうお話をしたこともあるかと思うのですが、企業が田んぼを所有してということではないのですが、農作業を部分的に手伝いにくる。また企業に限らず労働組合等でも構いませんが、そういう各種団体と連携して、その地域を守っていく。集落を限定してとりあえず進めていくということでも構わないと思います。棚田として保全をしたいというところに限定して、そこを守るボランティアの皆さんを組織する。こういったことができないのかどうかということの実現性についてもお聞かせいただきたい。


 私は本来はこうした取り組みというのは、NPOなどが中心になって、今進んでいるところもあるかと思うのですが、やはり仕掛けていくところ、行政として事務局的な機能を果たすべきところはあるのではないかと思いますので、その点についてもお聞かせいただきたいと思います。


 また、農地保全については、これも従来から何度も議論になっている問題ですが、獣害対策の問題があります。なかなか目覚しい展開のない分野の問題ですが、これについても当局での現在の取り組み等がありましたらお聞かせいただきたいと思います。


 2点目は、FM放送の活用をという点について質問させていただきます。


 1番、有用性の認識についてというふうに書いております。この有用性と書きました。通告の中で有効性、有益性の使い分けです。有効性ではないのですかというような話を聞いたのですが、有用性というのは有効であり、なおかつ安全性があるという言葉、辞典的に言うとそういうことになるそうなんですが、やはり私はFM放送については有用性であるというふうに考えております。その理由についても若干述べますが、一つは活用の方法が行政にとっての有用性ということですが、防災、これは災害を防ぐ時点での防災、そして災害が起きたときの活用、この2点から、一つは防災面での有用性があると思います。


 というのは、まず防災についての啓発ですが、ラジオというのは常に携帯が可能です。作業をするとき。農作業をするときでも畑へ持っていける。針仕事をする。何かの作業をしながら、ながら聞き、作業をしながらでもずっと聞けるということで、大変情報伝達の手段としてすぐれているのではないか。繰り返しラジオ等で流すことによって、その知識を十分に浸透させていくことが可能である。これが啓発の点での有用性です。また災害発生時の活用については、よく起こり得るのが災害が起きたときに、現場が最も情報がないということが起こりがちです。かつての阪神淡路でも、また中越でも、そして近いところで言えば、先日の紀南病院近くの火災におきましても、現地にこそ全体像の情報が必要なのに、そこになかなかきちんとした情報を伝えるすべがなかったり、またメディアがないということが起こり得ます。こういうことから、ぜひとも災害発生時の活用、そして今、周辺部にはケーブルテレビが引かれましたが、ケーブルテレビというのは線が切れてしまえば全く受信ができませんし、災害発生時、停電時には電源が確保できないということによって、その情報がテレビによって取得できないということも起こり得ますから、乾電池等で使えるラジオであれば、こうした情報がリアルタイムで現場にも伝えることができる。こういうことから、FM放送というのは防災及び災害発生時にとっても有用であると考えます。そして、また日常的な行政情報の広報としても活用が可能だと考えています。


 現在は、5時半ですとか、6時半ぐらいに市役所並びに行政局からの放送がされていますが、余りに長い放送だと犬がほえてうるさいので、余り多くしないでほしいといった声も多々聞かれます。そうした中でどうしても限定的な情報にならざるを得ない。しかしラジオであれば、聞きたい人には十分な情報を伝えることができる。情報量に限界のある放送ではなく、ラジオならば一定量の情報が確保できるということから、広報としても活用できるのではないかと思います。この点についての全般的な認識についてお伺いしたいと思います。


 また、実現の可能性、実施の可能性についてももし見解がありましたらお伺いしたいと思います。


 3点目は、広がる貧困とその対策についてということです。まず実態の認識についてですが、市当局にも市民の経済状態を知る幾つかの指標というものがあるかと思います。これは特別な調査によるものではく、行政が公共料金等徴収する場合において、所得階層によって料金が決まるといったものがありますから、こういった指標によってどのような市民の経済状況を掌握されているのか、この点についてお伺いしたいと思います。


 そうしてまた、こうした数字だけではなく、実際に徴収にいかれる、また払い込みに来られる、そうした窓口での市民の声、具体的な実態というのは市当局や指導部に伝わっているのでしょうか。この点についても具体的な事例等がきちんと伝わっているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。


 また、こうした市民の経済状況、大変深刻な不景気が続く中で貧困が進んでいると私は考えておりますが、これが今の行政の運営にどのような影響を及ぼしているのか、その点についてもお聞かせいただきたいと思います。


 2番目の救済策についてですが、具体的な救済策としてはどのようなものが考え得るのか、現時点においても幾つかの減免制度等があるかと思いますが、私は少なくともこうした貧困によってなおまた貧困がひどくなる。深刻化するという拡大再生産をさせないということが必要ではないかと思いますが、そうした手だてがありましたら、ぜひともお聞かせいただきたいと思います。


 以上、大きく3点について質問しまして、1回目の質問とさせていただきます。


              (1番 川?五一君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    1番、川?五一君の質問に対する当局の答弁を求めます。


 市長、真砂充敏君。


              (市長 真砂充敏君 登壇)


○市長(真砂充敏君)    川崎議員から、3点にわたるご質問をいただきました。


 1点目の「上流の集落を守るために」については私から、あとは担当部長からお答えいたします。


 初めに、上流域に人が住み続けることの重要性の認識についてでありますが、本市におきましては、平野部から山間地域まで、それぞれの地域社会を形成しているところであり、中でも上流域である山間集落は、農地の管理や森林の保全を通して自然環境を守り、水源の涵養、下流域への土砂災害の防止等大きな公益的役割を果たしております。市域のうち、上流山間地域にあたる旧町村部は、全人口の17%、約1万4,000人の方々が生活されており、昔から田畑を耕し、山仕事に従事しながら、そうした山間地域の環境を守ってきました。しかしながら、高度経済成長など社会経済の変遷に伴う人口流出、それに伴う高齢化の進展により、今では生活扶助機能の低下、身近な生活交通手段の不足、空き家の増加、森林の荒廃、耕作放棄地の増加などさまざまな問題に加えて、地域社会としての機能維持が困難な集落も生じており、地域が消滅するのではないかといったことが全国的にも危惧されている状況にあります。


 こうした状況は、今後一層深刻化するおそれがあり、山間地域にこれからも人々が安心して住み続けられるような施策に取り組んでいくことは非常に重要な課題であると考えています。


 まず、移動手段の確保についてでありますが、市町村合併以降、過疎化や高齢化の進行に伴い、地域住民の移動手段の確保は重要な課題であると認識しており、地域の実情により、路線バスを基軸として、住民バス、外出支援サービス、診療所送迎サービス等さまざまな移動手段の維持・確保を行っております。現在までの取り組み状況といたしましては、平成19年8月に道路運送法に基づく「地域公共交通会議」を開催し、中辺路地域での住民バスの一部予約制の導入及び近野線を新設・運行しております。電話による事前予約制により、乗車に必要な時のみの運行であることから、より効率的な運営が可能となり、そのことによって新たな地域の需要である近野線の新設を実施することができました。


 さらに、本年7月に、龍神地域での路線バスの撤退に伴う住民バスの新規運行を開始しております。中辺路・本宮地域での住民バス路線の更新登録につきましては、必要性や利便性、ほかの路線との整合性等さまざまな角度から協議・検証し、実施を決定しております。


 また、本宮地域においては、福祉有償運送運営協議会を開催し、同様に協議・検証を行い、引き続きNPO団体による輸送サービスの維持継続に努めております。今後とも、地域住民の多様なニーズの把握に努め、地域にふさわしい適切な輸送形態の実現を目指し検討を進めてまいりたいと考えております。


 次に、農地の保全についてでありますが、議員ご指摘のように上流の山間地域では、過疎・高齢化により耕作放棄地が数多く発生しております。農地の利用や貸借につきましては法令により制約があり、企業の森事業のように希望に応じて直ちに農地を利用することはできませんが、耕作放棄地の発生を防ぐため、企業の農業参入の促進と市民農園の開設を支援することを目的として、特定法人貸付事業や特定農地貸付事業を今年度から導入し、実施しております。


 ボランティアの協力による農地保全という具体的な事例として、本宮地域で企業の森事業による森林保全活動を行っている「関西電力労働組合」が、地域交流の一環として、本宮町三越地内で、地元のNPO団体が支援している約600平方メートルの水田耕作に協力し、田植えから収穫まで年間6〜7回農作業に訪れております。耕作放棄地を解消し、農地を適正に保全していくことは山間集落の生活環境の改善にもつながることでもあり、耕作者の受け皿づくりなど、支援を講じていく必要があると考えますが、対象農地の利便性や他人に農地を貸すことに抵抗があるという事例もありますので、土地所有者や地域の意向なども十分見きわめながら検討していく必要があると考えております。


 また、鳥獣害対策についても市単独補助事業を設けるなど、取り組みを進めているところです。


 次に、生きがいの確保につきましては、山間地域の高齢の方々の生きがいづくりのための作物の生産・換金の仕組みづくりについてでありますが、山間地域で以前から生産されているサカキ、シキミ等の花木類につきましては、主に農協や仲買業者が集荷され、貴重な現金収入となっているほか、NPO団体では新たな販路拡大にも取り組まれております。また、その他の小規模な生産作物については、各地域で、道の駅や直売所で販売するなど取り組みが見受けられます。


 山村の豊富で魅力ある資源の有効活用と山村集落の機能維持、向上を図るための特産品づくりとしても、こうした集荷・換金の仕組みづくりを研究していきたいと考えております。


 続いて、住宅の確保についてでありますが、山間地域の集落を維持するためには、移住者を迎え入れる住宅の必要性は十分認識しており、空き家等の情報収集とともに、必要な情報を登録できるよう制度の検討を進めております。また、現在利用されていない教員住宅が龍神、本宮地域にございますが、現在この住宅の一部について、移住、定住を促進するための仮家的な利用をできないか。教育委員会、各行政局と森林局で協議し、準備を進めています。


 次に、大学との連携による地域活性化についてでありますが、平成18年7月に京都大学と、本市の行政課題について助言をいただく旨の社会貢献に関する覚書を交わし、学術的成果などの提供や助言をいただいております。


 また、本年7月、帝塚山学院大学とインターン研修の覚書を締結し、学生9名が熊野古道の活用方法等について、現地調査活動を行っております。さらに同年8月には、京都大学大学院地球環境学舎ともインターン研修に関する協定及び覚書の締結を行い、「田辺市の中山間過疎集落の活性化に関する研修プログラム」による3カ月にわたる行政局でのインターンシップ活動を通じて、龍神地域における過疎集落への聞き取り調査を初め、研究や検証を実施しております。


 今後も引き続き、こうした大学との連携を継続することにより、大学が持つ知的資源を最大限活用しながら、過疎地域が抱える諸課題の解決に向け、若者と住民の交流等を通して、地域の維持・活性化につなげていきたいと考えております。


 次に、セカンドライフの誘致についてでありますが、市では、市内の移住希望者の相談窓口を森林局とし、平成19年度に設置しました田辺市定住支援協議会の相談員とともに、さまざまな移住相談に対応しております。


 また、和歌山県が行う「わかやま田舎暮らし支援事業」のモデル市町村の指定も受け、この取り組みによってホームページや情報誌でも情報発信を行っております。このほか東京及び大阪での「ふるさと回帰フェア」において、相談窓口の開設も行っております。合併により広域となった田辺市は、主な5つの流域とともに、海岸部の市街地から奥地の山間地域まで、さまざまな地域資源があり、市といたしましては、移住を希望される方が求める多様な生活スタイルに合わせた暮らしの相談に応じております。また、協議会で作成した「定住支援ガイド」につきましても幅広い年齢層に対応できる内容としております。


 現在、さまざまなお問い合わせをいただいておりますが、移住後はその地域の一員として溶け込んでいただくことが第一でありますので、今後ともそうした点を十分念頭に置いて対応していく考えであります。


 山間の集落対策につきましては、これまで過疎対策事業や山村振興対策事業等により一定の生活、産業基盤整備を行ってきましたが、今後も山間地域に住まわれている市民の皆さんの意向を踏まえながら、地域産業の維持・活性化や暮らしの安全・安心のための支援策にも取り組んでまいりたいと考えております。


 以上です。


              (市長 真砂充敏君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    企画部長、山崎清弘君。


             (企画部長 山崎清弘君 登壇)


○企画部長(山崎清弘君)    議員ご質問の2点目、FM放送の活用について、お答えいたします。


 まず、FM放送の有用性の認識についてでございますが、現在FM放送局は県内に3カ所ございまして、すべてコミュニティFM局と言われる、出力が20ワット以下の小規模放送局となってございます。このコミュニティFM局は、市町村の一部区域において、地域に密着した情報を提供し、当該地域の振興その他公共の福祉の増進を目的とするための放送局として、平成4年1月に制度化され、総務大臣の許可を受け開局・運営できることとなっております。


 こうしたコミュニティFM局は、住民の日常生活範囲における地域に密着した情報、顔の見えるニュースソースを発信する、いわば地域限定の情報発信局であると考えられ、四六時中、旬の地域情報が得られるメディアは、地域住民の暮らしや地域振興にとって大変有意義なものと考えております。


 また、災害時における効果につきましては、阪神淡路大震災や新潟中越沖地震が発生した際、被災者への情報提供に大きな成果を上げるなど、こうした活躍は全国的に知られているところでございまして、市といたしましては、豊かで安全なまちづくりに貢献できる放送局であると認識しております。


 続いて、FM放送による情報発信の実施の可能性についてでございますが、現在市の行政関係情報は、広報紙、インターネット、AMラジオによる発信と報道機関への積極的なプレスリリースを行っているところでございます。


 ご質問のFM放送における主体的な情報発信、いわゆる番組の取得などにつきましては、受信エリアの問題や放送時間、頻度、さらには費用対効果の検討が必要と考えております。


 また、田辺市内におきましても、FM放送局の開局を準備している民間法人が活動中で、「市民の市民による市民のためのコミュニティFM放送局」を合い言葉に、地域コミュニティの活性化を目指し、多くの市民の参画による開局に努められております。


 市といたしましては、こうした民間主体の活動を踏まえ、市民の皆さんに有益な情報をどのようにすればいち早く、タイムリーに届けられるか、また、そのためにはさまざまな媒体、メディアをどのように活用することが効果的なのかを、引き続き研究してまいりたいと考えますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。


           (企画部長 山崎清弘君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    保健福祉部長、田中 敦男君。


          (保健福祉部長 田中 敦君 登壇)


○保健福祉部長(田中 敦君)    川?議貝ご質問の3点目、広がる貧困と対策についてのご質問にお答えします。


 まず、「貧困」という言葉の定義についてですが、絶対的貧困層というのは1日1ドル以下で生活している人という定義もあるようです。また、相対的貧困層の定義では、OECD(経済協力開発機構)の定義といたしまして、全国民の平均所得の50%以下の所得層を貧困層とみなしているようですが、その計算では日本の貧困率、すなわち国民のうちの何%が貧困者であるかという比率は15%程度であるとのことです。しかし、「貧困」を定義づけることは非常に難しく、個人の価値観や経済的困窮の度合いにもよるものと思われますし、定義や計側方法には諸論があり、定まっていないようでもありますので、あえて「貧困」という言葉は避けて答弁をいたします。


 まず、実態の認識についてですが、生活困窮ということを福祉の観点から見てみますと、最後のセーフティーネットであります生活保護の受給世帯は、国・県ともに、ここ10年ほどは増加傾向が続いており、特にここ数年は上昇率が高くなってきております。田辺市におきましても、保護率自体は国や県に比べて低いところで推移してはおりますが、同じく増加傾向が続いております。


 平成19年度の保護率は、国では12.1パーミル、県では11.67パーミル、田辺市では9.48パーミルとなっておりますが、増加の背景には、経済情勢の低迷に加え、高齢化、核家族化の進行が大きな要因として考えられており、田辺市においては、生活保護受給世帯の半数以上が高齢者世帯となっております。


 また、市民税関連での所得状況を見てみますと、近年大きな変動はなく、年齢別に見ても横ばいとなっておりますが、このうちで年間所得が200万円未満の所得者層が、全体の約6割を占めているのが現状となっております。


 このことに関連して、全国的な所得階層の状況を見ますと、1998年以降、年間所得300万円以下及び2,000万円以上の階層の給与所得者がふえ、中間階層は減少してきています。これは、企業の賃金水準抑制の方針に伴い、正社員や正規雇用者が減少し、賃金の安いパートやアルバイト、派遣社員といった非正社員が増加したことによるものと分析されております。


 次に、世帯ごとに賦課される国民健康保険税を見ますと、世帯の課税対象所得額が年々減少してきており、保険税の軽減を受ける世帯数、被保険者数とも増加傾向にあり、中でも7割軽減を受ける世帯が最も多い状況になってきております。


 さらに、介護保険料に目を向けましても、非課税世帯に該当します第2段階、第3段階の該当者が増加していることから、高齢化、核家族化の進行により、年金が主な収入である高齢者世帯が増加しているものと考えられ、このことは、田辺市の統計を見ましても、人口は減少しているにもかかわらず、世帯数が増加していることからも推察されます。


 一方、市税や各種公共料金の滞納につきましては、モラルの問題と言われる部分もあり、経済的要因のみに起因しているとは必ずしも言い切れないかとも思いますが、世界同時不況の影響によります経済情勢の不安定化や、昨今の石油製品価格の乱高下、食料品を初めとする生活必需品などの相次ぐ値上げなどに見られるように、市民の生活を圧迫する要因がふえてきている中、実体的に市税や公共料金の滞納者が、低所得者層に多くなっているものと認識いたしております。


 なお、こうした中、田辺管内の雇用情勢を見ますと、有効求人倍率は、景気が好調であった昨年5月で0.87倍、急激に経済情勢が悪化している本年10月では0.57倍と、地方経済の厳しさが浮き彫りになっています。また、高校生の就職状況を見ましても、求人倍率は1倍に満たず、その就職率も90%を下回っているなど、全体的に安定的な就労が難しく、所得を上げにくい経済情勢にあります。


 さて、議員から、こうした状況に対する救済策というご質問ですが、現状では、低所得者層の負担の軽減という観点から、行政のそれぞれの部門で、所得に応じた軽減措置を設けております。


 例えば、保育料などは所得に応じて7階層の金額が設定されており、介護保険でも6段階の保険料を設定しております。このほか、市営住宅の家賃や国保税なども、所得に応じた金額の設定や軽減がなされており、減免制度も設けております。


 税や各種公共料金といったものにつきましては、ご承知のとおり、一定の所得の割合や、サービスの利用頻度等に応じてご負担をいただいているものでありますが、こうした支援策は、それぞれ所得の状況や家族構成、生活の状況、あるいは地域の状況などに応じて対応しており、個々の状況や事情を勘案しながらの一定の救済措置としております。


 一方、教育関係におきましても、ご承知のとおり、所得の少ない世帯に対しましては就学援助の適用により教育に係る費用負担の軽減も図られているほか、旧4町村のエリアを中心に小・中学校や高校の通学費補助なども行っております。このように、子育てや高齢者、障害者、母子世帯などを中心に、所得の制限が設けられているものが多いですが、さまざまな給付制度や援助制度、補助制度を講じており、それぞれの担当部署におきまして、個別に対応させていただいているところであります。


 また、こうした対応と並行しながら、やはり根本的には所得の向上を図る雇用対策を進める必要から、職業訓練の向上や、働く場の拡大を目指して、企業誘致や産業活性化に取り組んでいるところであります。


 以上のように、田辺市としましては、市民の生活状況に気を配りつつ、市民が安心して暮らせるとともに、活気のある街づくりを進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。


 以上です。


          (保健福祉部長 田中 敦君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    1番、川?五一君。


            (1番 川?五一君 登壇)


○1番(川?五一君)    3点について質問し、それぞれ答弁をいただきました。再質問がある分については、再質問させていただきたいと思います。


 1点目、上流域の集落を守るという点での質問についてですが、その中でも幾つかの具体的な質問をさせていただきました。一つは交通手段、移動手段の問題ですが、この件については本当にしつこいぐらいに私も質問してきました。平成17年、田辺市の初めての議会です。17年6月、9月、12月と17年は3度、そして18年6月、19年9月と既に5回させていただいて、その経過を若干振り返りながら、現状についても再質問したいと思います。


 17年6月には情報や交通の分野では民間事業の参入が採算面等から厳しい状況にある。そしてその中で特に生活交通路線維持確保事業、これは路線バスへの補助です。通院患者と送迎等の地域医療対策や高校通学助成といった交通施策については十分その必要性を認識しているという答弁が、これは合併して初めての議会でありました。そして17年9月には路線バスのあり方も含め、田辺市全体のより効率的、効果的な公共交通対策というのを再構築してまいりたいというご答弁をいただきました。


 その年の12月には現状と課題が浮き彫りになった時点で一定の方向性を出すべく、そういうことで先進地などの調査をするということでした。


 きょうの答弁にもあったように、17年の12月には移動困難と言われる方のまず実態の把握に努めてまいりたい。これが17年です。今からちょうど3年前のご答弁です。そして18年6月にも山間部におけるあらゆる公共交通手段について、できるだけ早い時期に一定の方向性を見出していきたい。こうしたバスを走らせるということは、そこに住み続けられるための有効な手段の一つであるという認識をしているとお答えいただきました。昨年、19年9月では、これは大塔行政局等が中心になってやられた集落の調査等において、おおむね交通手段は確保できているものと考えておりますと。この18年から19年に対して大きく交通手段の確保について何か取り組みをされたわけではないけれども、認識としてはおおむね交通手段を確保できているというようなご答弁に変っています。


 そして、実態調査も行っている。公共交通施策の再構築に関する調査業務というのを今、平成19年度中にやっておりまして、この調査がまとまった上で、どのような方策がいいかというところについても検討を加えていきたい。これは昨年の9月ですから、もう1年以上たちますから、この調査業務の結果どうなったのか。そして、どういった検討がされたのかということをまず再質問でお聞きしたいと思います。


 これが移動手段についての質問です。きょうも今後もニーズの把握をということですが、いつまでニーズの把握をされるのでしょうか。何度も言いましたが、言葉として、今マスコミでは限界集落という言葉が使われます。すなわちそこに集落として維持することが限界に至っているというような大変心ない表現ですが、本当に時間的な猶予はありません。そこに住んでいる人たち、多くの方がとても高齢です。


 私が、温川に越した13年前というのは、町から来た僕にとっては、どこを見てもお年寄りばかりでした。そしてそこのお年寄りの方が、もう10年先にはどうなっているかわからないというようなことを言われました。ただ、今13年たって思うのは、若干数は減りましたが、皆さん、10年たって10、年をとった。平均年齢が10近く上がったなという感覚です。


 しかし、この先の10年というのは確かにもう恐らくこれだけの今、いらっしゃる方の人口を維持するというのは難しい。本当に日々困っておられる。そういうことで言えば、本当に緊急的な対応が必要だと思いますので、いつまでこうしたニーズの把握をされ続けるのか。恐らく、そういうニーズを把握している間に、ニーズはどんどん減少していくでしょう。移動手段を必要とする人口そのものが減りますから、ニーズが減ります。そうしたら手を打たなくていいということになるのかもしれませんが、それはないのではないかと思いますので、具体的にいつまでということではないのですが、先ほど言いました去年やった調査業務というのはどういった方向が検討されたのか。この点について答弁を求めます。


 生きがい作物の件については、先日も地元紙に載りましたが、大塔あすなろ会、社会福祉法人が地域の余った産品を買いますというような形で、地域のお年寄りたちがつくったものを買い上げて、それをバザーにしたり、入所者の保護者らが定期的に買い取ったりしていると書かれておりました。地域との交流もできた。そしてお年寄りにとっても大変喜んでもらって、大変いいということも書かれていましたので、ぜひとも行政もこういった形では可能かと思いますので、検討していただきたい。それについては、答弁があればで結構ですので、再答弁してください。


 それから、住宅確保についてですが、きょう若干参考資料をお配りさせていただきました。同じ地元の議員さんからは大変寂しい数字だと言われました。上の段の4町村の変化を見ていただければわかるかと思います。合併してからのこの3年間で急激に減りが激しくなった本宮や中辺路もあるのですが、10年前と比べてみますと、龍神村で492、増減率で10.4%の減少、中辺路町で596、14.7%の減少、大塔は102、3.1%、本宮町で654、15.6%の減少という減少率になっております。本宮に関しては、大変減りが多いのですが、ことしは3月末の時点に比べて今の時点では増加していましたので、若干下げどまったのかと思います。中辺路は相変わらず減りが進んでいます。


 そうした中で、ずば抜けて大塔村が大変低いです。なぜ大塔村がこれだけ少ないのかということで、次は大塔の旧村、鮎川村、三川村、富里村の地区ごとにその増減率、推移を見てみました。すると昭和62年から平成9年、この期間では鮎川が220名ふえています。三川、富里は126、139とそれぞれ減っていました。昭和62年からこの平成20年の3月末までを見ますと、鮎川地区は271名がふえている。三川、富里はごらんの256名、198名が減少しているということでしたから、鮎川地区にはかなり人口の増加が見られるということです。


 そして、人口の増加というのはいろいろな条件がありますが、公営住宅の数の推移と人口の増加とあわせて見てみますと、昭和62年の時点では、市営住宅が当時、大塔村の村営住宅28戸、県営住宅は24戸の52戸でした。その後、ごらんのようにどんどんと公営住宅が建設されました。そして現在では、180戸の戸数が鮎川地区に設けられています。


 人口の増加数が271ですから、大体1件当たりに世帯数が2人としても、360人、純粋にふえます。そういうことから、公営住宅に入居されている方がこの増加分のかなりの多くを占めているということも見てとれるかなと思います。


 こういったことから、私は公営住宅が大変人口増に対して果たす役割が大きいのではないかというふうに申し上げています。確かに、鮎川というのは便利な地域です。上富田に行くにも、白浜に行くにしても、また田辺市に来るにしても、半時間足らずで、こうした田辺の中心地へ行けるという便利な地域であるということは疑いのない事実ですが、ここの中には取り上げておりませんが、富里の中に竹西という集落があります。竹ノ又、西ノ又、西ノ又という集落そのものが今は、無住になっておりますが、この竹ノ又という地域には、一時は30人まで人口が減っていました。しかし、ここに公営住宅を建設したことによって、今人口はその当時の4倍を超えるという状況になっておりますから、鮎川でなくても、若干枝線に入っても、通勤圏、1時間以内、1時間弱、40分から50分程度で中心地へ行けるところであれば、ベッドタウンとしての役割は十分に果たせるということですから、ぜひとも鮎川に限定せず、中辺路でいえば、恐らく栗栖川くらいまでがこういった地域になるであろう。また西谷等でも、時間的に言えばそれほど変らないことも考えられますし、大塔についても、またこの富里地域であれば、十分に通勤圏内に入る。やはりこういった地域で極力人が少なくなっているところに移り住んでもらうための住宅建設を検討すべきではないか。空き家の利活用という話もありますが、なかなかこれも進んでいきにくい状況にはあると思います。


 ですから、やはり早急な手だてをすることでいえば、新たに建設するということも視野に入れながら、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。これについてはもう一度見解をお伺いしたいと思います。


 大学との交流ということでは、種々取り組みをされているという答弁をいただきました。ぜひともこうした中でも、一つでも二つでも若い人たちがこうした地域のまちづくり等にかかわってみたい。またこの地域で住みたいという方が出てきてくれることを心から願うものですが、私は先日、新宮で行われました地域学サミットというもののシンポジウムに聞きにいってまいりました。その中で幾つか具体的な事例発表があったのですが、近くでいいますと、今は新宮市になりましたが、熊野川町でのNPO教育学舎というNPOがあります。ここは教育学舎とは農林業の振興と後継者の育成、地域資源循環型社会の創造と書かれていました。基本的には次世代の主役である若者を育てることを第一義とするということで、田舎インターンシッププロジェクト、大学生、大学院生を対象に田舎の楽しさ、おもしろさを知ってもらう機会づくりとして展開する1週間の田舎体験合宿というのを例年取り組まれております。そして、これに参加した学生さんが、大学を休学して、パン屋さんを目指すということも行われています。


 また、田舎懸賞論文プロジェクトといって、田舎についての論文を皆さんに応募してもらう。これはこれまで4回やって、71通の論文が集まったそうですが、こういった取り組みをしている。とにかく町の学生というのは過疎地域や限界集落という言葉を聞いていますが、その実態に触れたことはほとんどないという方がほとんどです。ですから、やはり一度来てもらうということの取り組みが必要なのか。そして、生で感じてもらう。そうした中からぜひこちらにかかわってもらえる学生さんたちをふやしていっていただきたい。そのための情報発信を今後とも続けてやっていただきたいと思います。


 農地保全等の関係では、企業の森の中で地域交流活動として、本宮町の方でも行われているということでしたし、労働組合等がこういうこともやっている地域もありますから、ぜひとも受け皿の整備をしていっていただきたいと思います。農作業をしたいと言われる方々は大変多いです。定年された方々が農業を始めるという事例も、全国あちこちで生まれています。そして、また現役の方々がこうした自然豊かな地域へ行きたいという方も多いですから、ぜひとも今、三越でやられているような取り組みを、各地へ広げていっていただきたい。先進事例になる例だと思いますので、ぜひともこれについては積極的に、また広報もしつつこんなこともやっていますということで、多くの方々の参加、協力を求めていっていただきたいと思います。それについては再答弁は求めません。


 こうした、過疎地域の問題、そして上流域の問題ではよく出されるのが地域の声を行政局へ持っていっても、なかなか行政局で対応してもらえなくて、本庁へお伺いをたてなければならない。だからこんな行政局では間に合わないという声を少なからずお聞きします。先ほどの答弁の中でも、一番身近にある行政局等の連携もしながらというご答弁なんですが、住民の一番近くにある行政局ですが、大変機動力はあるけれども、権限が大変乏しい。予算についても、予算はちゃんと行政局から出されたものを積み上げているので、予算の中に計上されているというのですが、決済の権限がありません、実質的には。前に行政局の権限ということで取り上げたこともありますが、行政局長が、行政局内の伺い書に判こを押しても、また本庁へ来て、本庁の課員からその上に判こをつくというシステムですから、本当の最終の権限を持っていないのと同じです。やはり決裁権も含めて、予算を執行するという権限も含めて、私は行政局にもう少し使い勝手のいい予算というのを持たせるべきではないかと思いますが、その点についてお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。


 FM放送についてご答弁をいただきました。地域振興にも大変有意義だと。現状は広報誌、インターネット、AMラジオ、新聞への積極的な提供ということでした。広報誌は、町内会に入っていないという方の少数を除いては、ほとんどのところへ届いている。奥地の方はほとんどが100%、町内会へ入っておりますので、広報誌については100%皆さんのところへ情報として届いているのであろうと思います。ただ、インターネットに関しては、普及率の問題、そして高齢のお宅でインターネットをされる方というのはほとんどありませんから、この情報は行っていないであろう。そしてAMラジオ、これは和歌山放送への放送枠だと思いますが、山間部ではなかなかAMラジオを受信することが困難な地域が多くて、午前中は聞けるけれども、夕方になると大変外国語の放送が混信するということで、本当に聞き取れないという状況にあります。


 そしてまた、新聞への提供ということですが、この地域では地元の新聞をとっておられる方が大変な比率でいらっしゃいます。しかし、経済的な理由から新聞そのものをやめざるを得ない。また、視力の問題で新聞をやめるという方もいらっしゃいますから、なかなかこういうリアルタイムの情報や本当に欲しい情報が入りにくいという状況があります。そういう点から、ぜひとも具体的に私はFM放送を活用すべきだと考えております。


 この近くの例で言いますと、白浜にあるビーチステーション、南紀白浜コミュニティ放送株式会社というのがあります。これはふるさと創生の1億円を使って、白浜町が半分の株式を出資してつくった会社ですが、田辺市内にはほとんどの地域で入るようですから、聞かれた方も多いと思います。放送内容は、きょうのごみの収集のことから、学校給食のメニュー、そして防災の一口メモ、ワンポイントアドバイス等が日常的に繰り返されて放送される。そうした中で、本当にぐらっと来たときに、まず何をするのか。そういうことを繰り返し放送されるというのは防災の点からも大変有効だと思いますし、現状でいえば、私はこのビーチステーションの活用というのを検討できないかと思います。近々、田辺市内を拠点とした民間のコミュニティFMが開局されるということですが、こちらでも構いませんが、現状としてはこうした既存のものを使う方が費用的には大変安くつく。新たに白浜のように建てるというのは難しいでしょうから、これを活用されてはどうかと思いますが、その点についてのご意見をお聞かせいただきたいと思います。


 貧困の問題について若干触れておきます。今、幾つかの事例について当局の方からもご説明がありました。国保の世帯の中での概要がありましたが、国保税の課税対象所得額、これは国保に入っておられる方の課税所得額の推移というのがあります。平成17年から18年に関して、それから18年から19年にかけてという中で、240億9,600万というのが平成17年の総課税所得だったのですが、平成18年にはそこから13億円減額しています。そして平成19年にかけてはまたそこから17億円減っています。要するに、国保世帯の世帯数がそれほど減っているわけではないのですが、課税所得が30億円もこの2年間で減っている。これを総課税所得を世帯数で割りますと、1世帯当たりの所得の平均というのが出ますが、平成17年で108万円、平成18年で101万円、そして平成19年には100万円を切り込みまして、93万円、これが平均の課税所得です。


 大変なスピードで所得が減少している。平成20年に関しては後期高齢者が始まったので、母数が変りましたから、ここでは省きます。就学援助等の問題ですが、要保護、準要保護、これは決算でも取り上げましたけれども、ほぼ1割以上の子供たちがこうした準要保護を受けています。


 介護保険でも軽減があると言われました。軽減を受けておられる方、4分の2の軽減、4分の2、4分の3という軽減なんですが、平成18年ではちょうど40%だったのが、平成19年度には41.9%、これも2%軽減を受ける方の比率がふえています。保育料の方でも平成17年では保育料というのは第7階層まで分けられていますが、第3階層というのが市町村民税課税世帯というところになります。ここまでの比率、市町村民税、非課税世帯と生活保護に準ずる世帯等を含める第3階層までの比率というのが平成17年には44.1%だったのが、平成20年には46.8%にふえています。かなり先ほどの答弁にあったように、低所得者層がふえているということが市のデータから読み取れます。


 私は確かに軽減ということも必要だと思うのですが、国保料には減免制度、減額と免除というふうな要綱が設けられています。しかし、なかなか実際、免除という事例に当てはまる方はありません。私は実際の免除という要綱があるのですから、この要綱を活用すると。実際に、低所得で本当に滞納しかできないような人、滞納せざるを得ないという人たちには免除すべきではないかと思います。この有効活用といいますか、基準の緩和を含めて免除の制度を活用できるようにすべきだと思いますが、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。


 若干、国保の方にもこの貧困の問題で聞きました。経済的な理由によって休学や退学された方がないかとお聞きしたのですが、退学の場合には一身上の都合という理由なので、経済の理由なのかどうかはなかなかはっきりとわからないということでしたが、担当の先生何人かとお話をしておりますと、やはり経済が問題で、それが一因になったであろうという事例が最近出てきていると、そして高校の授業料の滞納等もこの数年来、やはりふえてきている。また、生徒会費のような学校で徴収する、授業料以外の費用についてもなかなか集まりにくくなってきている。こうしたことが言われました。


 そして、どうしても経済力と学力とがリンクする。経済力が乏しいところが、なかなか学力の習得についても難しい状況がある。そして学力の低いという層が、やはりそうした退学等になっているところもある。ですから経済と学力とが密接にかかわってきているというような気がするというお話もお聞きしました。


 拡大再生産させないということで言えば、貧困であるがゆえに学力をつけられず、またまともな給与所得を得られなくなってくるという問題も発生しかねませんので、やはりどこかで貧困の負のサイクルを断ち切るような取り組みが必要だと思います。


 以上、幾つかの問題についてお聞きしたいと思いますので、答弁をよろしくお願いしたいと思います。


            (1番 川?五一君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    1番、川?五一君の再質問に対する当局の答弁を求めます。


 企画部長、山崎清弘君。


           (企画部長 山崎清弘君 登壇)


○企画部長(山崎清弘君)    川?議員から再質問いただきました。


 まず、1点目の上流の集落を守るためにということに関しまして、平成19年の公共交通の基本調査の結果はどうか。また、どういう検討をしたのかということであったと思います。


 平成19年度に予算化をして、平成20年度に繰り越しをして実施しました公共交通施策の再構築に関する調査事業につきましては、一般バス路線等の公共交通や福祉関係輸送サービスなどの現状を整理・分析して、基本的な交通体系の再構築についてまとめたものでございまして、現在、この報告書の内容を精査しているところでございます。


 ですから、現時点で具体的に申し上げる段階にはございません。また、この方針をもとに今後、平成21年度以降、関係機関とも協議をしながら、取り組みを始める予定でございますが、まず現在の公共交通の体系をすぐに変えられるかということになりますと、複数の事業者がそれぞれの経営において、運行しているという状況から、大変困難な点がございます。一部でも改善できるものから実施してまいりたいと考えていますので、いましばらく時間をいただきたいと思います。いずれにいたしましても、地域の住民の皆さんの利便性の向上を目指して、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


 2点目のFM放送の活用に関しての再質問をいただきました。まず、白浜のFM放送など、既存の放送局を活用することを考えないのかということであったと思いますが、例えば、災害時においてFM放送の活用を考えたときに、原則としてすべての市民に同じ情報を同時に流せるということができるかどうかということがまず基本になると思います。


 しかしながら、現行のFM放送はご承知のように、周波数が高いために直進性というものは増しますが、到達エリアというのは大変狭くなるという特徴がございます。そういう意味で、全市域をカバーできるのかという問題がございます。とりわけ当市のように、広大な面積を有し、その上、山間部のように地形が入り組んで、電波が伝わりにくいというような悪条件をどのようにクリアしていくのか。また技術的に可能であったとしても、どの程度の経費がかかるのか、既存の放送局を活用するにいたしましても、費用対効果ということも十分検討を加えなければならないと考えております。


 以上でございます。


           (企画部長 山崎清弘君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    建設部長、中山泰行君。


           (建設部長 中山泰行君 登壇)


○建設部長(中山泰行君)    川?議員の再質問の公営住宅の建設につきまして、お答えさせていただきます。


 公営住宅のストック活用計画の中で、公営住宅の建てかえについて計画はされてございますが、現在、約1,350余りある中で、これ以上ふやすことは非常に難しいと考えてございますが、まず建てかえにつきましては、これから実施計画を行う予定でありますので、これらを検討する中で、今後検討を加えていきたいと思いますので、よろしくご理解を賜りたいと思います。


           (建設部長 中山泰行君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    市民環境部長、池田正弘君。


          (市民環境部長 池田正弘君 登壇)


○市民環境部長(池田正弘君)    川?議員の保険税に関する再質問についてお答えいたします。


 保険税の減免につきましては、地方税法第717条の規定によりまして、市町村が条例の定めるところにより災害その他、特別な理由があるものに対して、個別的限定的に行うこととされているものでございます。


 また、保険税の免除を行うことは被保険者間の公平性を失するばかりではなく、ほかの被保険者への税負担の転化につながることとなり、税率等に大きな影響を及ぼす可能性を持つものでございます。こうしたことから、保険税の減免制度につきましては、被保険者の皆様を一様一律に取り扱うのではなくて、おのおののご事情を聞き取らせていただく中で、適切な対応を図っていくことが必要であると考えてございます。


 以上でございます。よろしくお願いいたします。


          (市民環境部長 池田正弘君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    1番、川?五一君。


            (1番 川?五一君 登壇)


○1番(川?五一君)    何点かについてご答弁をいただきました。


 今回は、大きく分けて3項目だったのですが、順番は前後しますが、FM放送についてということで今回取り上げさせていただきました。費用対効果ですとか、同時に公平にと言われました。当然、市民にとって公平に、だれに対してもこうした情報がいくと言うべきでしょうが、先ほど言いましたように、現在、市がやっておられる広報というのが、既に公平には皆さんには届いていない。広報誌を除いては、和歌山放送に番組を提供されていますが、これについても聞き取れない方に対しては、公平でないから、今の和歌山放送をやめろとは私は考えませんし、できることからすればいいではないかと思います。FMの話を若干しますと、白浜町は今回、日置川町と合併されましたので、日置川全域にも届けなければならないということで、新たにアンテナをまた創設されたそうですが、それによって100%行ったわけではないということですが、多くのほとんどのところをカバーできた。こういった形で、徐々に財政的なことも勘案しながらアンテナを増設していくという方法も可能でしょうし、現に上富田町は地形的に電波が届きやすい。また町域が狭いということもあるでしょうが、このビーチステーションの中で放送枠をCMとして買い取って、市民への広報に活用されておりますから、田辺市もできるところからでも、そういったことを活用していけばいいのではないかと思います。


 そして、FM放送が入るというのは若者にとっては私はブロードバンドという環境よりも、重要に活用できるメディアではないかと考えています。私もかつて佐賀にいてたころ、ずっとトラクターに乗る。麦踏みをするときというのは、携帯のラジオを持って、FM放送をずっと聞いていました。ちょうど阪神大震災が起きたときも麦踏みをしながら、神戸の状況を聞いたわけです。音楽その他の情報、文化が大変伝わるのが速いです。最新の流行曲にしても、そういった情報がすべてラジオで入手できるということから、私は当然、ブロードバンド化というのが4町村に整備したということは、それなりの意義のあることだと思いますが、今、若い人たちは携帯でほとんどネットにもアクセスするということが多いようですから、今後はこうしたものもFMということの有用性を認識するのであれば、具体的な活用というのを考えていってもいいのではないかと思います。費用対効果という件もありましたから、それについてはぜひともご検討いただいて、効果の大きさが認識できれば、積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。


 あとの1点目と3点目は、上流域の問題、そして貧困の問題ということで、上流域の圧倒的多くが、また貧困層ともリンクするわけですが、きのう、この質問をするに当たって、中学3年生の子供がきょうからテストの勉強していたので、若干社会の問題だということで、高齢化が進んで集落がなくなったら、社会にどんな影響があると思いますかという質問をしたのですが、子供が一番最初に挙げたのが、文化の消失というふうに答えました。確かに、先ほど言われた多くの地域の集落が果たす機能というのには、たくさん農地の保全、山林、水源涵養、そうした物理的なものもありますし、そこに人がいなくなるという損失、どこの国の話だったか忘れましたが、1人のお年寄りが亡くなられたら、それは一つの図書館を失ったほどの大きな文化的な損失だという言葉を聞いたことがあります。何十年と生きた方が物すごく多くの情報、そして知識、知恵を持っておられる。その方が1人減るということは、それだけの多くの情報を失うことになる。一つの図書館を失うのに等しいのだというようなことですが、それが地域ごとそうした集落そのものが失われようとする。この損失というのは大変大きなものだと思います。継承する相手もなく、こうした集落が消滅していくということは、大変な損失だなと思うわけです。


 今回、上流域の問題を取り上げる中で、一つの食物連鎖ではないのですが、大変上流域というのは底辺の部分を支えている存在にあるのではないかと思いました。底辺といえば、イコール食物連鎖の例を挙げて言えば、弱者に当たるわけです。魚で言えば、恐らく食物連鎖の下はもっとプランクトンであったりということになるのです。魚で言えば、イワシのようなほとんどのほかの魚に食べられてしまう。しかし、このイワシがいなくなると、マグロなども減少すると言われるように、上流集落を失うことというのは、やはり都市生活をする人たちにとっても、大変大きな損失になるということは明らかだと思います。底辺が崩壊すれば、その上部に形成されている組織や社会も必ず崩壊するのではないでしょうか。


 ですから、底辺を守るということは、すなわち上部を守ることと同じ意味になる。上部だけを守ろうとしても、上部を守り切ることはできないと思います。これは今の社会を見ていてもつくづく思うわけですが、今、アメリカで金融恐慌等が言われて、ビッグ3とか言われます。メガバンクを助けなければならないと言われますが、ああいう存在というのはある意味、社会の大変上部で影響力は大変大きいのかもしれない。しかし、そこだけを対症療法として守ろうとしても、その社会というのは決して守り切れない。昔は企業がもうからなかったら、そこで働く人たちの仕事も回ってこないのだからと言われました。


 そして、企業に対して公共事業を発注するということが景気をよくする。今の中学校の社会の教科書にもまだ書いています。景気が悪いときには公共事業を発注するのが行政の仕事だと書かれていますが、それでは本当に景気がよくならないというのもつくづく今の社会を見ていて思います。


 上が幾ら潤っても下へは落ちてこない。こういう滴ってくるのはトリクルダウンというそうですが、上からこぼれた蜜が滴ってくると、今はそういうものは全くありません。しぼり上げるばかりですから、弱者に恩恵をこうむらせるような政策というのは、今の現在社会では弱者のための恩恵だと。甘やかすような恩恵施策だと言われますが、決してそうではない。私はそういったところを守らなければ、その上部構造そのものが守れないのだと思います。


 今、限界集落がこうやって生み出されてきたというのは市長の答弁の中にもありましたが、国が高度経済成長の中で、労働力を都市に集中させようという方策もあったと思います。そんな中で、第一産業が軽んじられた。そのため農山村は生業としての産業を失って人口が流出していった。そうした中で、限界集落と言われるところへの対応というのが対症療法であるというのは、確かに私もわかった上で質問しております。


 しかし、私は田辺市としては、この対症療法をせざるを得ない。本質的なところには権限がありませんから、当面、私たちの目の前にある社会の底辺を支えている、上流域の集落を守るために、このためにやはり田辺市は全力で取り組むべきではないか。田辺市という存在も、田辺市の中で見れば、4町村から見れば中心が旧田辺市内かもしれませんが、和歌山から見れば、この紀南地方というのは底辺であります。また近畿から見ても、また全国から見ても、和歌山というのがそうした底辺の位置に存在しているのではないかと思いますから、その底辺に存在する田辺市が本当に底辺の大切さを施策の中で訴えていくということが必要ではないかと思います。


 それと一方では、そうした対症療法に取り組むと同時に、国に対して、今のこの地方を切り捨てる政策の転換を同時に求める必要があるのではないかと思います。午前に発言された議員も変えないといけないと言われましたが、私も今の社会の流れ、本当に下にばかり痛みを押しつける社会は、変えなければならないと考えています。そして本当に下部を大切にしない、上部だけで上部だけが存在できるということを考えているような今の政権党にはその座をおりてもらうしかないというふうに考えています。


 今回、貧困層に関する質問ということでさせていただきました。というのは、この認識をした上で、来年度の予算にぜひとも反映していただきたいと考えたからです。貧困という言葉の定義について、難しいので貧困という言葉は使われませんでしたが、こうした経済的な苦しみが深刻化する田辺市の現状を十分に理解、認識していれば、市民の多数を占める低所得者層にさらなる負担増が押しつけられることは考えられないのではないかと思います。市民の暮らしを応援する予算が、3月議会に提案されるように期待申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。


            (1番 川?五一君 降壇)


○議長(副議長 岡?宏道君)    以上で、1番、川?五一君の一般質問は終了いたしました。


 休 憩


○議長(副議長 岡?宏道君)    この場合、2時35分まで休憩いたします。


               (午後 2時23分)


          ―――――――――――――――――――


 再 開


○議長(鈴木太雄君)    休憩前に引き続き会議を開きます。


               (午後 2時35分)


○議長(鈴木太雄君)    続いて、20番、宮田政敏君の登壇を許可いたします。


            (20番 宮田政敏君 登壇)


○20番(宮田政敏君)    20番議員の宮田政敏でございます。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。


 まず、企業の森についてということで、前の議会で安達議員が質問されまして、市長さんが答弁されたんですが、市長さんの答弁を聞かせていただいていましたら、田辺市の18団体が企業の森に参画されて、活動内容はトチ、コナラ、ケヤキ、ヤマザクラなどの広葉樹を年次計画により造林するものでということで、トチ、コナラ、ケヤキ、ヤマザクラというのは、この地方の木ではないものばかり植えているのだなという感じがしたわけです。


 企業の森を否定するわけではないのですが、大いにやっていただいたらありがたいとは思うのですが、樹種を選ぶときに、もう少し将来立派な森になるような本来の熊野の森、そういう森になるような木を植えていただいたら、余計いいのになというふうに思ったわけです。やはり田辺市の山がどんな森が理想なのかということをもう少しきちんと議論をして、そしてその結果を県なり企業の皆さんに、あるいは山林の所有者の方にご理解をいただいて、そして植樹をするという作業をしなければならないのではないかと思うのです。


 田辺市というところは、既にそういう議論が終わっているまちではないかと僕は思っておったのですが、市長さんの答弁を聞くと、全くそういうことを考えていないというような思いがしました。皆さん方のところに参考資料があるのですが、企業の森、植栽樹種本数一覧と。ここで市長さんのご答弁のとおり、ヤマザクラ、ヤマモミジ、ケヤキ、コナラまでの4種類がほとんど企業の森で植えられている。これが企業の森の実態ですね。裏返しにしていただいて、紀州熊楠の森大植樹祭2007年4月15日、これは植樹の目良団地の1,300人の市民の皆さんが寄って植えた、これが植樹祭の樹種と本数なんです。8,532本を1,300人で植えたのですが、上から、アラカシ、アカガシアラカシ、イスノキ、イチイガシ、ウロジロガシ、クスノキ、これが高木です。中木として、ウバメガシとかサカキとかサンゴジュ、低木としてこういうツバキ、アオキ、シャリンバイとかトゲラとか、こういうものを植えている。43種類の木を植えています。混植しているわけです。まぜ込んで植えている。


 これは田辺市といいますか、紀伊半島の潜在自然植生、本来の森にはこういう木が生えていたということで、先ほど1番議員さんが上部構造を守るには、下部構造を大切にしなければならないと。低木が大事だということをおっしゃったんだと思うんですが、全く同感であります。


 下の森、中の森、上の森というのが正常に機能してこそ森の形態が維持できるということらしいですね。こういうことは既に行政当局は当然知っていると思っておったんです。田辺市の後藤先生、後藤伸講演録「明日なき森」という本が最近出まして、読んでみたのです。後藤先生は一生かけてこういう紀州の森の大切さを生徒に教え、市民に教え、あるいは行政の人に語りやっているはずなのに、行政は全然わかっていない。この先生の抜き書きでちょっとだけおつき合いいただきたい。


 「戦後の拡大造林の政策で強引に植えたところは、やがて順番に崩壊していく。崩壊する理由は僕らでもわかっておるのです。スギやヒノキというのは真っすぐ立つ木ですから、根は必ず横に張るのです。これは力学的な話で当然です。上で広がる広葉樹の根は深く生える。だから、カシなんかは必ず根は深く生えます。それに対してスギやヒノキは真っ直ぐに伸びる木ですから、根は必ず横に伸びる。根が真横に走って隣にくっつきます。するとしまいに、根の板ができます。だから山の斜面にスギやヒノキの根の板ができて、その下に水が入ると必ず滑ります。」、こういうことをおっしゃっています。


 イチイガシについて、目良団地のイチイガシが10%、520本植えているわけですが、「このイチイガシというのは、本宮町の町の木ですね。これはカシの仲間で最高の木なんです。かたくて、重くて、強くて、しかもきれいで、磨くとこんなになります。これは先生が板を持ってきたのでしょう。これはイチイガシでつくった板なんですよ。すしを乗せるのに使います。このイチイガシは、恐らく今から千年以上前にもう既にほとんどが切られていたと思います。本宮大社の森には、イチイガシの木がたくさんありますね。この板を見て、あの木を切ろうかと思わんといてください。この大社の裏のはらい戸に物すごい大木がありますよね。こんなにたくさん町にあるところは本宮町だけなんです。古座川町にもちょっとありますが、ほかにはほとんどない。日置川町なんか、直径1.4メートルの大木があって、それ以外にはないのです。そういうような大木が茂った、この自然の森林の中で日本人は生きてきたのですよ。照葉樹林という常緑の森の中は、夏は非常に涼しいんですね。しかも、冬は非常に温かい。」


 もう少しだけ、保水力ということで先生が書いておられますね。


 「特に、ブナ林がすばらしいと盛んに今言うでしょう。さらにブナは水をこんなにためて、こんなに吸うって言いますね。それを見たら、ああ本当にブナ林の方がいいのかなと思うんです。なぜブナ林がいいかというと、日本には原生林の状態のブナ林があるのですよ。原生林だからちゃんと水を蓄える力が大きいのです。しかし、常緑樹の原生林があったら、これはブナ林よりはるかに水を蓄える力がずっと大きいです。ただ、残念ながらそういう原生林は、もう刈ってしもうたからないのです。だから那智の滝の端の方にある森林とか、大塔の奥の方にある森林が、もし全部刈られないでちゃんと源流まで残っていたら、森の保水力なんてそれはけた違いのものになっているんです。」


 「あの本当に原生林ではないけれども、大杉、黒蔵谷に照葉樹林が残っていたころに調べにいったときは、いつも富里の桐本さんという人のところに立ち寄ったんです。『おおい、先生、夕べ降ったぞ』と富里で一晩に240ミリ降ったというんですよ。だから、『おまえら行くとこ、まだ大分降ってるで、もしかしたら300ミリぐらい降っているかわからんけど、それでもまあ行けるやろう』と言われて行ったんです。もちろん増水していましたけど、森の中に入って、その黒蔵谷の奥へ入ったら、水かさが10センチほどふえているんです。でもにごっていなくてきれいな水でした。きれいな透き通った水が流れるというのは、もうかなりの大量の水が流れてしまったという証拠です。200ミリ、300ミリも降ると水は透き通ってくるんです。100ミリぐらいのときは茶色の水が出てきます。あの落ち葉の汁が出てきて、ちょうど番茶のようです。今まだ一応百間渓でもそういう傾向がありますね。本来の川の水というのはそんなものです。だから、200ミリ、300ミリの雨では本当の照葉樹林のまともな森林があったら何も怖いことはない。水害のもとにはならないのです。そういうことを思ったら、やっぱりブナ林よりも照葉樹林の方がはるかに保水力が大きいです。というのは、もともと照葉樹林というのは、そういう雨の多いところで発達した森林ですから、そういう大雨にも耐えるようにできているんです。」


 非常に読んだらわかりやすいです。こうい照葉樹林の森を全部切ってしまって、1,000年以上も前に切られているという話もあるのですが。そういう防災の面においても、いろいろな意味において森づくりというのは大切なことだと思うわけで、企業の森をつくるときに、そういうことを本当に参考にしていただいて、県とも話し合いをして、どのような森を目指すのかを議論していただきたいと思います。


 2番目の市として森林保全のためにどのような森を目指すのかということを、本当にきちんと条例でもつくってやらないといけないのかと思ったりもするのですが。同じ植えるのであれば、立派な森づくりをやっていただきたいと思います。


 3番目の和歌山県の森づくりの基本的な考え方はどうなっているのか。企業の森がこのように偏った森づくりになっているというのは、県の考え方がおかしいわけであります。僕らも県の人たちと陳情に行って、議論をしたのですが、県の林業の専門監が、照葉樹の森は暗くてじめじめして気持ち悪いというのです。だから、落葉のそういう森をつくる。そういう木、あかんやないかと言うたら、そういうのは一代限りの森をつくっているので、特に問題ないのですと。その木が終わったら、自然のアラカシとか、カシ類が種が落ちているから出てくると、そういうふうにはっきり言うわけです。彼らは、暗くてじめじめした、熊楠さんの本来の森とか、そういうのは我々がこういう目良団地に植えたやつとか、文里に植えた森は暗くてじめじめして気持ち悪い、そんな森づくりはと言うわけですから、県の考え方を変えてもらわないとどうもならないのだけど、僕らは市会議員だから県で言われないし、田辺市がきちっとそういう本来の照葉樹林をつくるんだという意思で、県とけんかしてもらわなかったら、議論してもらわなかったら、本来の森づくりはできない。そのように思いますので、市長さんも答弁でそういう森がいいと思われているのであれば、これは僕らの権限ではないので仕方がないのですが。できましたら照葉樹林を復活していただきたい。


 4番目の世界遺産である熊野古道周辺の森をどんな森にしていくのか。先月、ユネスコの近畿大会がありまして、姫路で近畿大会があって、ユネスコの関係者が寄って大会を開いた。そこで危機遺産の話が出ました。危機遺産というのは、ドイツのある世界遺産、立派な大聖堂の世界遺産、その横に川が回っているのです。その川の対岸にビルが建って、この大聖堂の世界遺産を危機遺産に指定した。危機遺産に指定したということは、ビルがどんどん建っていったら、これは世界遺産の登録を抹消しますよという宣言が、危機遺産に指定するという意味なんですね。


 僕は、熊野古道の周辺、国道311号が通る。あるいは県道が通る。山の木を切って、道をつくって、コンクリートでふきつけて、こういうことをどんどん今からも進めていっておったら、熊野古道は危機遺産に指定されるのではないの。いずれ世界遺産ではありませんよと。こういうふうになってくるのではないか。あるいは、モミジを植えるのもいいかもわからないし、市長さんの答弁であるトチ、コナラ、ケヤキ、ヤマザクラをようけ植えて、古道周辺がそういう外国の森みたいになると、危機遺産に僕らだったら指定します。


 だから、世界遺産、熊野古道周辺の森というのはどんな森がいいのか。千年前の森、1,000年前には全部イチイガシが切られているというのだから、2,000年前のそういう森にするという方向性をきちっと議論をしてやっていただきたいというふうに思うわけです。


 今回の議会も森の保水力ということで、富田川の話も谷口議員から出ましたが、僕ももともと木を森に関心があるようになったのは、アユなんです。谷口議員は川のアユのことを言いますが、僕らは海産稚アユといって、海でアユの子供を春先になったらとるわけです。磯間であれば、昔は大変な量のアユがとれていまして、ほとんど田辺湾のアユで、日本じゅうのアユの養殖業が成り立っていた時代がありました。アユが減ってきたのはなぜかということをDNA鑑定とかいろいろやったのですが、瀬切れしたらアユは下れないでしょう。川口でアユは産卵するのですから。富田川の瀬切れをとめないといけないというのが、田辺漁協の漁民にとっては最大の命題でありましたから、富田川治水組合さんと話をしましたら川の水が減ってると。だから問題なんだと。こういうこともありまして、富田川を瀬切れのない豊かな水が流れるような川にするには、暗くてじめじめして気持ち悪い森をつくってもらわなければどうしようもない。だから県の考え方はそうですから、田辺市さん、ちょっと力を出していただかなければならない。


 僕らも企業の森ではないですが、行政主導の森づくりに富田川のあそこへ植えに行きました。そうしたら12月ぐらい、1月だったか忘れましたが、植えたのは僕らも何十本か植えました。持っていく木に全部葉がないのです。落葉だから当然でしょう。暗くてじめじめした森が気持ち悪いから、落葉の森、保水力のない、そういうのが現実の姿なんです。森のことはこの辺にしまして。


 次に、国語教育についてということで質問をさせていただきます。


 日本人が日本人であるためには、日本語をちゃんとわかっていなかったらいけないという議論がありまして、僕も20年間片仮名の横文字は使わないでと言い続けているのですけれども、なかなか時代の背景に、時代の力には勝てなくて、最近は小学校でも英語教育をするというような時代でして、やはり日本の教育の伝統に戻らなかったらあかんのではないかと。読み・書き・ソロバンです。習字の練習、そういうことで寺子屋では、読み・書き・ソロバンとやってきたわけです。日本語、国語教育です。どういうふうにしていったらいいか。イメージがあるんですが、なかなかそうはいかないのです。


 最近の教科書は見ていないのですが、昔教科書問題をいろいろ研究したときに、国語の教科書をずっと読ませてもらったら、僕らが学んだときは、日本の古典、徒然草であるとか、万葉集であるとか、あるいは漢詩とか、李白であるとか杜甫であるとか、そういうのがいっぱい載っていましたね。今の教科書、今使っている教科書は僕は見ていないので知りませんが、何か知らない人の横文字の外国の人の、これ何よというのがいっぱい載っていました。学校教育課長さん、前の前の前ぐらいですが、聞いたら、この人は有名なんです。この人も有名なんですと。有名かどうか知らないけど、イギリスやフランスやアメリカの作家のものばかり。それで教科書における日本人の作品の比率はどれぐらいか。ちょっと言っていただきたい。


 それから、課外授業において、日本人の作品は教えられているか。その教科書に載っていないから、必然的に日本の文学を教えなければならない。だから、田辺の教育の中でどのぐらい教えてもらっているのかということです。


 それから、聞いておいてから言うのは何ですが、もう一つ、3番目、朗唱についてどう考えるかということで、朗唱というのが皆さん方わかりにくいかなと思うのですが、朗唱とは、僕もこの本を見まして松陰先生の言葉という朗唱がありまして、萩へ行ったらいっぱい売っています。


 これは萩の小学校、萩市立明倫小学校、ここに写真があるのです。1年生1学期、朝の教室の風景なんですが、先生がおって男子と女子の学年委員かが出まして、「松陰先生の言葉」とやるわけです。皆で大きな声を出して、参考資料を見ていただけますか。1年生1学期、松陰先生の言葉「今日よりぞ 幼心を打ち捨てて 人となりにし 道を踏めかし」と。これを毎朝やるわけです。大きな声で読むことを朗唱といいます。これが1年生1学期。


 6年生の3学期、6年生が卒業する前です。どういう朗唱をしているかというと、「天地には大徳あり 君父には至恩あり 徳に報ゆるに心をもってし 恩を復すに身をもってす この日再びし難く この生復びし難し この事終えざればこの身息まず」と。何やかんやわからんと思うのですけども。こういうことを毎朝、朗唱する。つまり、毎日、読むと子供は完全に覚えてしまうわけです。つまり血となり肉となるということだと思うのです。


 こういうことは、子供にとって非常に大切なことではないか。朗唱についてという感想文もあります。1年生が朗唱についての感想文、「大きな声で言ったら、気持ちが言葉だけに集中してとってもいいです。松陰先生はこの言葉を考えつくのがすごいです。言った後は気持ちがすっきりします。だって、松陰先生の気持ちが込められています。だから毎日大きい声で一生懸命言っています。」


 6年生の松陰先生の言葉の感想文、「私たちの学校では、松陰先生の言葉を毎朝、朗唱することで1日が始まります。朗唱していると、松陰先生が言っておられるように、実行しようという気持ちになります。私は、松陰先生の言葉には何かすごいパワーがあるのだと思います。朗唱するとその日1日を頑張ろうという気になります。これからも毎朝、大きな声で朗唱して、私自身を高めようと思います。」というふうに、やはり立派な人の言葉を暗記する。覚えてしまう。自分の血となり肉となりにしてしまうということが、非常に大事だなというふうに思うわけです。


 あと副読本で何を教えるべきか。教科書では、多分無理だと思うので、それは私が思うだけでなくて、教育者はそう思っているみたいです。これは東京の世田谷区の日本語という1年生・2年生、3年生・4年生、5年生・6年生、この副読本を・・・。済みません。資料をちょっと忘れてきたみたいなんですが、この世田谷の教育長さんが教育特区というのを申請しまして、日本語を準教科書、副読本というようにしてつくった本なんですが。これには、なぜ日本語が大切なのか。子供たちに日本語及び日本の文化をきちっと身につけさせるためにはどうしたらいいかという議論をしまして、そしてこの本をつくったそうです。


 なぜ国語という言葉ではなくて、日本語という言葉になぜしたかということをなぜなのか。国語にしたら、学習指導要領に従って、1年生ではこんな漢字、2年生ではこんな漢字と決まっているわけです。つまり、さっきの小学校1年生に、「今日よりぞ幼心を打ち捨てて 人となりにし道を踏めかし」と。こんなのは小学校1年生で教えたらあかんわけでしょう。日本語は、小学校1年生からかなり難しい漢字があるわけです。小学校1年生ですぐ漢詩が出てくるのです。


 杜甫です。「遅日江山麗(ちじつ こうざん うるわしく)春風花草香(しゅんぷうかそう かんばし)泥融飛燕子(どろ とけて えんしとび)沙暖睡鴛鴦(すな あたたかにして えんおう ねむる)」小学校1年生。睡鴛なんていう字はこんなのはわかりませんよ。


 道元の「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」、こういうふうに6年生ぐらいになると、それは難しい、いっぱい出てきます。僕はこれを読ませてもらって、非常になつかしく感じて、いわゆる中学やら高校の古文の授業に出てきたような、本当になつかしい言葉がいっぱい出てくるのです。


 僕は、手帳に、この詩を覚えようとか、皆さん方もそうだと思うんですが、格好いい詩、言葉があると、写して覚えていったのです。こういう本を見ると、その手帳を思い出しまして、まだあるんですけど。


 父兄がこれを子供たちが暗唱しているので、小学校1年生や2年生の子が漢詩をぶつぶつ言うわけです。電車に乗っとったりいろいろなことで、そうしたら何を言うているかというと、漢詩とか、例えば、「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川のわれても末に逢わむとぞ思ふ」とか、「淡路島 かよふ千鳥の鳴く声に 幾夜寝ざめぬ 須磨の関守」、ぶつぶつ言うのですって。そうすると、父兄もちょっと、その歌わし好きな歌やとか、そういうことでこの本を子供用の本と父兄用の本と、親が買って、そして親も勉強し出す。つまり親を教育する。親がこういうことを習っている人もおるし、習っていない人もおるし、親に読まさないとあかんなというような内容の立派な本なんですね。


 これは本当の日本の文化、精神を子供たちにきちっと身につけさせる。それが目的だと教育長さんがおっしゃっていました。参考資料に、世田谷の一番最初の柿本人麻呂の和歌とあります。


 その三つ目、「磯城島の 大和の国は言霊の 助くる国ぞ ま幸くありこそ」、この言霊というのがすなわち私の勝手な解釈ですけど、日本語です。柿本人麻呂といったら1,400〜1,500年前ですか。そのときにも日本語の危機があったのかもわかりませんけども、磯城島のというのは、大和のまくら言葉ですか。日本の国は言霊、言葉には力があります。どの本にも書いています。言葉には力があります。私たちはたった一つの言葉から生きる勇気を得ることがあります。世田谷区では教科、日本語を創設しました。子供たちが言葉の大切さに気づき、言葉を通して深く考え、自分を表現して心を通わせる喜びを知り、日本文化を大切にして、新たな文化を創造してほしいという願いから教科、日本語は生まれました。


 若井田正文教育長さんは、この柿本人麻呂の言霊の歌をこの中に載せたのです。その意味は、日本語を理解して日本文化をわかる子供をつくらなければ、今の日本の国は助からないのではないかということが念頭にあって、これをつくられたのではないか。先生は、ある言葉が、「愛するという、言うまでもないことですが、一つ一つの日本語は必ず文化的な背景を持っています。例えば、愛するという言葉は今も使われますが、慈しむという言葉は最近は使われなくなりました。慈しむという言葉が使われないということは、慈しむという心の動きそのものが余りなされなくなったからだと思うのです。つまり、その言葉の背景が消えていくと言葉も消えていく。」、慈愛という言葉も慈しむというのは慈愛の慈です。慈しみ愛するというのが慈愛です。最近は、アイ・ラブ・ユーとかいうことで、アイ、アイばかり言うていますが。慈しむという文化的背景ということが大事だとおっしゃっています。かなりいろいろと考えておつくりになったようです。


 田辺にこういうのはないかといいますと、あるんです。ここに田辺第二小学校「素読・朗読・暗唱集」、これだけあるのです。すばらしいなと。僕は1・2年生用、3年、6年生用百人一首、これを全部声出して読ませてもらいました。いろいろあります。


 「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしやうらぶれて異土の乞食となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれにふるさと思ひ涙ぐむ そのこころもて遠きみやこにかへらばや 遠き都にかへらばや」


 江戸いろはかるた。僕は読んでみたら知らないやつもありました。「春眠不覚暁 処処聞啼鳥 夜来風雨声 花落知多少」、これは3年生です。だから、こういう立派なものがあるのですから、これをつくった人はいろいろ考えてつくってはるなと思います。


 百人一首なんかは第二小学校の皆さんは覚えていると思うのです。ここに筆書と墨書と活字と並べて書いているのです。筆書も子供らはパソコンばかり見ないで、筆書で読ませる。すごいなと僕は感心したんです。そういうことで田辺の教育長先生も本当にそういうことは考えられて、研究されておつくりになっておるというふうに思うわけでございます。それをいっそう、世田谷区に倣って、こういう本をつくられて、もう一回松陰先生と第二小学校と世田谷とこれをごちゃごちゃにまぜて、一つつくられて親も教育するような体制をつくられたらどうかなというふうに思います。


 そういうことで、日本の国を守っていく次の世代の子供には、日本の文化・伝統をきちっと教え込んでいくというのが我々の務めではないか。今、非常にそういう面が否定されるような風潮になっておりますので、「磯城島の 大和の国は言霊の 助くる国ぞ ま幸くありこそ」という千何百年前の歌をもう一度思い起こしてやっていただけたらというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


 これで第1回目の質問を終わらせていただきます。


             (20番 宮田政敏君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    20番、宮田政敏君の質問に対する当局の答弁を求めます。


 市長、真砂充敏君。


              (市長 真砂充敏君 登壇)


○市長(真砂充敏君)    宮田議員から、2点にわたるご質問をいただきました。1点目の企業の森については私から、あとは、教育長からお答えいたします。


 初めに、企業の森事業の答弁の疑問点についてでありますが、企業の森事業は、森林の環境を保全していくため、企業や団体の皆さんに県内の豊富な自然環境に触れながら、みずからの手で森林を育てていただくもので、企業の社会貢献活動や社員の福利厚生、環境教育、自然体験、地域との交流など、さまざまな取り組みが行われています。


 前議会の答弁におきまして、企業の森の活動内容として、トチ、コナラ、ケヤキ、ヤマザクラなどの広葉樹などを年次計画により造林するものとご説明しましたが、これまで多くの企業が植栽された樹種を例に申し上げたもので、決して落葉広葉樹だけがこの事業における選定樹種ではありません。しかしながら、現在、市内の企業の森の植栽状況は、常緑広葉樹が少ない状況となっておりますので市といたしましては、企業や土地所有者のご理解を得ながら、常緑樹の植栽比率を高めていくよう取り組んでいきたいと考えております。


 次に、市として森林保全のために目指す森についてでありますが、本市におきましては、森づくりとして、森林資源の循環と保全が両立した林業振興を図りながら、森林の公益的機能の確保のため、人工林の間伐などの積極的な推進や長伐期林を推進するとともに、伐採後の植林を推進しているところであります。


 これら伐採跡地の一部において、河川の水量回復のため、水源の森づくりや、企業の森の活動が行われておりますが、議員ご指摘のように熊野の森は古くから照葉樹林帯であり、落葉広葉樹だけでなく、常緑広葉樹等のさまざまな樹種からなる混交林でもあります。そうしたことから、本市におきましても本年度から本宮地内で、本来あるべき地域に適した森づくりを目指す「熊野200年の森」造成事業の取り組みを始めたところでありますが、「イチイガシ」等の本来の土地にある樹種を植栽するほか、混交林化により、熊野の森の遷移を探る計画としております。


 次に、和歌山県の森づくりの基本的な考え方についてでありますが、植栽樹種の選定は、適地適木の考え方のもと、郷土樹種を基本として選定し、地域環境を維持することが、和歌山県の基本的な考え方と伺っております。企業の森事業におきましても、この考え方を基本としているとのことであります。


 次に、世界遺産である熊野古道周辺の森をどんな森にしていくかについてでありますが、熊野古道周辺の森林につきましては、個人所有のスギ・ヒノキの人工林が多くあります。過去には合併前のまちにおいて、公共に譲渡いただける森林を買い受け、長伐期の人工林として強間伐をして低木の常緑広葉樹を植栽するなど、少しでも熊野の森林、森に近づける取り組みを行ってきています。


 いずれにいたしましても、景観保全や森林の公益的機能の向上を図るためには、適切な施業が必要でありますが、林業の採算性の悪化から、民有林の森林整備がおくれている現状にあります。


 こうした中、国庫補助事業に対する市単独の上乗せ補助制度や作業道開設補助制度を創設し、森林所有者の負担軽減を図るとともに、森林パトロールなど森林保全管理事業を実施し、適切な森づくりに努めているところであります。


 世界遺産である熊野古道周辺の森林保全につきましては、森林所有者のご理解をいただく中、適切な森林施業の推進に努めるとともに、緑化など留意しながら取り組んでまいりたいと考えております。


 以上です。


              (市長 真砂充敏君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    教育長、中村久仁生君。


             (教育長 中村久仁生君 登壇)


○教育長(中村久仁生君)    宮田議員ご質問の国語教育について、お答えいたします。


 今日、国際化、情報化の進展や価値観の多様化など、人々の生活を取り巻く社会的な環境が急速に変化してきている中にあり、さまざまな情報を適切に取捨選択し、的確に判断できる分析力や筋道立てて物事を考える論理的思考力、さらには豊かな発想のもととなる創造力などを身につけることが大変重要となってございます。また、我が国の長い歴史の中で培われてきた伝統的な文化を理解し、豊かな感性や情緒を備え、新たな文化を創造するための知識や教養を持つことも同時に求められております。


 そして、これらの能力や情操などをはぐくむ上で、重要な役割を果たしているのが、私は「言葉」であると考えております。人々がともに生活し、相互に理解し合うために、欠くことのできない言葉は、単なる意思疎通の手段としての役割にとどまらず、その言葉を母国語とする人々の文化とも密接に深く結びついており、我々日本人にとって、まさに、国語である日本語は、文化の継承と創造という営みにおいて、極めて重要な役割を果たしているとの認識を持ってございます。


 そこで、1点目の小中学校の国語科の教科書に掲載されている文学教材において、日本の作品の比率はどのくらいかについてお答えをいたします。まず、小学校では、1年生では、中川李枝子さんの「くじらぐも」に代表される日本の文学は57%でございます。それから2年生は工藤直子さんの「ふきのとう」が好きな教材でありますが、57%、3年生では、あまんきみこさんの「ちいちゃんのかげおくり」83%であります。4年生、今西祐行さんの「一つの花」というのが非常にいい教材でありますが、86%、5年生は、「わらぐつの中の神様」杉みきこさん、92%、6年生では、宮沢賢治さんの「やまなし」6年生は100%が日本の文学であります。小学校全体で82%の教材が、日本の教材であります。


 また、中学校では、1年生では71%、「枕草子」そういうものが載ってございます。2年生、「走れメロス」86%、3年生では、議員さんもお話をいただきました万葉集でありますとか、古今和歌集でありますとか、奥の細道等々の文学が71%でございます。中学校全体では76%、さらに小中学校全体では81%が日本の教材でございます。


 次に、2点目の国語科授業以外の教育活動において、日本の教材はどの程度扱われているのかについてお答えいたします。


 各学校におきましては、小学校を中心として、基礎基本の徹底を図るために、週時程の中に1時間、学力補充の時間を位置づけたり、業前、業間の15分から20分程度の時間を利用して、朗読や暗唱、漢字や計算の習熟を行っているところであります。そして、朗読や暗唱などの際に使用する教材は、教科書や自作教材、議員さんからの紹介にもございましたように、文科省の研究指定を受けて、田辺第二小学校が取り組んだ基礎基本の充実の中で取り組みました田辺第二小学校が開発をした「素読・朗読・暗唱集」、市販されております音読集等が中心となってございます。


 内容的には、百人一首、和歌、短歌、俳句、詩などの日本文学が中心であり、一部に論語等の外国の文学も混在してございます。


 次に3点目の朗唱について、お答えいたします。


 議員さんご指摘のように、山口県萩市の明倫小学校では、松陰先生の生き方に学ぶとともに明るく学校生活を送ろうとする気持ちを高揚させる。激動の時代を生き抜いた、思想家であり教育者である郷土の先覚者、松陰先生に誇りを持ち、郷土を愛する心を育てる等々の目的として、毎朝、吉田松陰遺著の一節を「松陰先生のことば」として朗唱していると聞いております。昔から素読という学習方法もあり、「読書百篇、意おのずから通ず」と言われるように、毎日声に出して読むということにより、だんだんと意味がわかってくるという効果も期待できると言われてございます。私は、「読み・書き・計算」は、すべての学力の基本であると考えてございます。明倫小学校の「朗唱」、これは特に「読み」を鍛える上で大変有効であると同時に、道徳教育の重要性が叫ばれている昨今にあって、我が国の先人が残した「人生訓」に触れることで、我が国の長い歴史の中で培われてきた伝統的な文化を理解し、豊かな感性や情緒を備え、新たな文化を創造するための知識や教養を持つことにつながる大変有益な活動であると認識しております。


 宮田議員のご指摘と全く同感でございます。現在、田辺市でも、先ほどもお答えいたしましたとおり、既に多くの小学校で「素読・朗読・暗唱集」等の教材を使用して、詩や俳句を朗読したり、百人一首を朗唱したりという活動を行っており、これらの教育活動を継続している学校では、大変落ちついた雰囲気の中で、教育活動が展開されていると同時に、学力も上昇傾向にあるという認識を持ってございます。


 教育委員会といたしましては、「朗唱」・「朗読」は、さまざまな言葉を知り、その意味や表現、また感情までもが一度に理解できる効果が期待できるすぐれた学習活動であると押さえており、今後とも「読み・書き・計算」を中心とした基礎学力の定着とともに、豊かな感性や情緒を備えた子供の育成に向けて積極的に朗唱・朗読を取り入れるよう各学校に指導してまいりたいと考えてございます。


 次に、4点目では、東京都世田谷区の内閣府から日本語教育特区の認定を受けた教科、日本語についての紹介をいただきました。その中でも、言霊を大切にした国語教育の話もいただきましたが、議員ご指摘のとおり、言霊とは、言葉に宿る魂と言われ、言葉の音やその中に含まれる韻は言霊と呼ばれる効果を持っているとされてございます。


 すなわち、声を出す人も耳で聞く人も言葉の音を感じ、言霊を受け取っていると言われてございます。古代の日本は、言霊の幸う国、つまり言霊のすぐれた働きによって、幸福をもたらす国と言われ、古代の人々は言葉を大きな存在、特別なものとして考え、言葉の力をとても重要視していたと認識しているところでございます。


 しかし、世の中が物質的に豊かになるにつれて、人々は言霊の重要性を忘れ、気にもとめなくなってきたのではないかと思っておるところであります。


 議員さんもおっしゃっておられましたとおり、たった一言で人を傷つけることもあり、傷つけられることもあります。しかし、逆にたった一言で人を心地よい心にさせることやさせられることがあることはだれもが体験をしたことがあると思います。


 このように、我々がいつも何げなく使っている言葉は一瞬にして、人間の気持ちを左右してしまうほど、想像以上に恐ろしくもすばらしくもある、大変重要なものであると考えてございます。


 したがいまして、冒頭に申し上げましたとおり、言葉は人々がともに生活し、相互に理解し合うために欠くことのできないものであり、単なる意思疎通の手段としての役割にとどまらず、その言葉を母国語とする人々の文化とも密接に深く結びついており、我々日本人にとって、まさに国語である日本語は、文化の継承と創造という営みにおいて、極めて重要な役割を果たしているとの認識を持っております。


 したがいまして、教育委員会といたしましては、言霊が宿るとされる母国語である日本語を大切にするとともに、国語教育におきまして、正しい日本語を理解させるとともに、日本語の持つ美しさや豊かさについても十分理解させるよう、各小中学校へ指導してまいりたいと考えてございますのでご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。


 以上でございます。


           (教育長 中村久仁生君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    20番、宮田政敏君。


            (20番 宮田政敏君 登壇)


○20番(宮田政敏君)    答弁をいただきまして、ありがとうございました。


 企業の森についてなんですが、議会での答弁はあんなものかなというふうにも思うのですが、和歌山県の森づくりの基本的な考え方とか、田辺市の基本的な考え方が市長のおっしゃるとおり、適地適木ということであれば、企業の森の樹種はああいうふうにはならないと思うので、非常に、市長の答弁と現実にされていることと矛盾するわけです。議場でそういう矛盾する答弁をしてもいいのかなと思ったりするんですが。また後日議論をするとしまして。


 お願いをしておきたいのは、やっぱり田辺市の物の考え方をきちっと定めてもらわなかったら、また職員がかわったりすると、後藤先生が泣くような森になってしまうのと違うかと。そういうことでもう少し議論を深めていただきたいと思います。


 世界遺産、熊野古道周辺の森、国道311号の道路のこととかいろいろありますが、緑化など留意しながらという表現で、おとついも国会議員の先生に、私が考えている趣旨を道路をつくるときに、山を切って木をおびただしく切るわけです。もう考えられないような木を切りまして、道をつくるわけです。今のバイパスです。バイパスの工事なんかは見にいきましたが、山は見事に切っています。あの木はどうなるのか。つまりそこに復元、同じ森林の量を二酸化炭素の固定という観点から見れば、同じ量の木をどこかに復元する。そういう法律、あるいは法面は樹林化しなければならないところまで書かなくても、樹林化ということを一つ考慮することとか、そういう国会議員の領域なんですが、それを一文入れてくれたら、今度はその下の仕様書、工事にコンクリートの吹きつけから、土と草の葺きつけから、もう一つ樹林という仕様書ができるわけです。そうするとそれに補助金がつく。そうすると各自治体もできやすいから、国会議員さん、一つでいいから書いてよと。田辺市の土木がバイパスをいろいろやっている。バイパスの関連工事をやっている。職員に、国土交通省も木を植えるのやから、ちょっと木を植えてやってくれよと頼んでも補助金がおりないわけです、仕様書がないから。


 そういうことで、緑化などに留意しながらとおとなしい表現にしないで、田辺市として国にお願いするということをやっていただけたら非常にありがたいと思います。県とも田辺市の職員の中で、多少勉強してほしいと思う。県の職員と口論できるぐらいに、県の言うことを、はい、そうですかと。適地適木です、はい、そうですか。適地適木だといって、落葉ばかり植えているわけですから、国土、県土、市土、市の土地だったら市長さんの判断を最優先してほしいというぐらいな、そうすると保水力もあるし、あるいはよみがえりの森にもなるし、いろいろな意味でこれからの田辺市がよくなっていくのではないか。何でもまず一歩からなんです。そんなことを言うて、ちょっとだけしても仕方ないやないかと思うかわからないけど、まず一歩踏み出したら、それが百年、千年になると立派な森が復活してくるわけです。まず一歩を田辺市は踏み込んでいただきたいというふうに思います。


 宮脇昭先生を紹介しておきますが、今、毎週日曜日に午後1時20分から2時までラジオ第2放送でやっているんですけど、この中に、これだけ紹介させてもらいたいのです。


 「木を植えることは明日を植えること、21世紀の哲学だと思います。そして生物多様性を回復、維持して、生物社会のトップにいる私たち人間が、他の植物、動物と共生して、健全に明日を生き延び、同時に私たちの命を支えているすべての生き物がそれぞれの場所、環境条件のもとで生きることを保障することです。植物社会はトップとそれを支える三役、五役が本物だとすべて本物です。本物とはどんな厳しい条件をも克服して長もちするものです。生態学的には、潜在自然植生といい、それぞれの地域で人間の影響をすべてストップしたとき、その地域の自然環境の総和が支えることのできる終極的な植生です。私たちは高木になる潜在自然植生の主木類を中心に、それを支えるできるだけ多くの樹種のポット苗を混植、密植して森づくりを行います。3年たてば管理費が要りません。潜在自然植生の主木群を取り間違えないことが大切です。もちろん、トップが偉くてそれを支えるものが偉くないというわけではありません。土地本来の森では、高木、亜高木、低木、下草、土の中のカビ、バクテリアなど、いろいろな植物、微生物がいがみ合いしながらも少し我慢してともに生きています。競争、我慢、共生、これが生物社会の原則です。」


 そういうことですので、ひとつよろしくお願いいたします。


 国語教育についてですが、立派なご答弁をいただきまして、ありがとうございました。田辺の小学生、中学生も本当に立派な人間に育っていくなという感じがしました。教科書における日本人の作品の比率、これはちょっと質問の仕方が悪かったかなと思うのですが、古典ですね。現在の日本人の作品と古典とを分けて質問したらよかったかなと思ったのですが。日本人の作品の比率も結構あるようですが、それだけでは本当に古典の勉強ができていないから、世田谷はああいうふうなものをつくった。田辺第二小学校も同じだと思います。それですので、先生のおっしゃるように、本当にもう少し徹底して、各学校で素読・朗読・音読、声を出して言うことをやっていただきたいと思います。


 日本語というのは、どういうことか、どういう特性があるかということを研究した人がおります。東京医科歯科大学の角田先生です。その先生が、日本語をしゃべる人、言葉がどう反応するか。英語を母国語にしている人、中国語を母国語にしている人がその中国語を聞いた場合に、脳細胞のどこで聞いているか。それは左脳言語中枢で聞くんです。今度は実験をしたのです。虫の音、コオロギとかマツムシとか、ああいう虫の声を聞く。ここで電源いっぱいやって、どこで虫の声を聞いているか。あるいはぷぷっとトラックの車の音、どこで聞いているか、いろいろ実験しまくって、日本人とミクロネシアの一部の人たちとが同じだった。どういうことかといいますと、日本人とミクロネシアの人々はコオロギの声を聞くと、左脳がびっと振れるそうなんです。左脳というのは言語中枢があるところですので、虫の音が非常に情感を持って聞けるわけです。セミの声でも。「夏草や 岩にしみいる せみのこえ」と文学になるまで。


 ところが、中国人、朝鮮人、英語圏の人、スペイン、ラテン語の人たちは、虫の音を右脳で聞くわけです。車の音とか機械の音と一緒です。こっちで聞くわけだから、虫の音というのは、機械とか雑音にしか聞こえない。文学的情緒というのは感じないわけです。この先生は、日本人に見られる脳の受容機構の特質は、日本人及び日本文化に見られる自然性、情緒性、論理のあいまいさ、また人間関係において、しばしば義理人情が論理に優先することなどの特徴と合致する。西洋人は、日本人に比べ、論理的であり、感性よりも論理を重んじる態度や自然と対決する姿勢は、脳の受容機構のパターンによって説明がつく。私の精神構造母音節、日本語というのは母音らしいんですね。英語も中国語も子音関係らしいです。だから、なかなか我々は母音でしゃべっているものは、ああいう子音とか、捲舌音とか、なかなかよう出さない。「私の精神構造母音節からすると、我々日本人の精神構造は、日本語が続く限り、過去、未来を含めて共通した基本的特徴を持続するものと考えられる。日本語の持つ魔力は、日本に永住する外国人を二代目からはほぼ確実に日本教徒に改宗させてしまう。」


 つまりどういうことかと言うと、アメリカ人がこっちへ来て、その人は外国語を母国語にしている人、その人の精神構造は変えられないけれども、その子供は日本語で育つから、日本人になってしまう。反対も言えるのです。日本人が、日本人の遺伝子が行って、アメリカとかヨーロッパとか中国、ソ連で大きくなると、そこの母国語になってしまうから、精神構造、つまり虫の音を右脳で聞いてしまうような言語特質があるから、その子は日本の文化伝統を、つまり「夏草や 岩にしみいる せみのこえ」を芭蕉みたいに感じることができなくなってしまう。


 このように考えると、私たちは美しい日本語を守ることを考えていけば、その言葉そのものが日本としての力になっていく。僕もいろいろ参考資料の中にも松陰先生の言葉で、「人賢愚ありといえども、各々一二の才能なきはなし 湊合して大成するときは必ず全備する所あらん」、これは日本人の賢い、疎いは学校の成績はあるやろう。けれども一二の才能がある。自分の長所を伸ばしていけば、つまり湊合して大成する。必ず全備する。つまり、日本人というのはすばらしい民族やと思うわけです。外国へ行って、家を見ても、おふろへ行ってもすき間だらけとかよくあるでしょう。日本人の大工さんが、皆、成績トップだったわけではないわけです。だけども、仕事をさせたらぴしっとできる。左官屋さんでもそうやし、かわら屋さんでも雨が漏れないようにできる。大工さんなんか、あんな立派な普請ができるわけですから。


 だから、日本語を本当に勉強していけば、そういう日本の日本人としての特性が身についていくのではないか。だから日本語を大切にしなければならないと思います。


 そういうことで、時間も参りましたので、この辺にとどめさせていただきます。皆さん、ご静聴、まことにありがとうございました。


            (20番 宮田政敏君 降壇)


○議長(鈴木太雄君)    以上で、20番、宮田政敏君の一般質問は終了いたしました。


 お諮りいたします。


 本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明12月9日午前10時から再開いたします。


 これに異議ありませんか。


              (「異議なし」の声あり)


○議長(鈴木太雄君)    異議なしと認めます。


 よって、さよう決しました。


 延 会


○議長(鈴木太雄君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。


               (午後 4時 5分)





 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。


  平成20年12月8日


                   議  長  鈴 木 太 雄





                   副議長   岡 ? 宏 道





                   議  員  吉 田 克 己





                   議  員  久 保 隆 一





                   議  員  松 本 平 男