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和歌山県 和歌山市

平成22年  9月 定例会 09月17日−06号




平成22年  9月 定例会 − 09月17日−06号









平成22年  9月 定例会



                平成22年

          和歌山市議会9月定例会会議録 第6号

            平成22年9月17日(金曜日)

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議事日程第6号

平成22年9月17日(金)午前10時開議

第1 会議録署名議員の指名

第2 一般質問

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会議に付した事件

日程第1 会議録署名議員の指名

日程第2 一般質問(北野 均君、松井紀博君、森下佐知子君)

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出席議員(40名)

  1番  南畑幸代君

  2番  中塚 隆君

  3番  薮 浩昭君

  4番  奥山昭博君

  5番  中尾友紀君

  6番  永野裕久君

  7番  山本忠相君

  8番  島 幸一君

  9番  松井紀博君

 10番  野嶋広子君

 11番  中村協二君

 12番  吉本昌純君

 13番  井上直樹君

 14番  芝本和己君

 15番  森下佐知子君

 16番  渡辺忠広君

 17番  岩井弘次君

 18番  松本哲郎君

 19番  寒川 篤君

 20番  メ木佳明君

 21番  古川祐典君

 22番  山本宏一君

 23番  尾崎方哉君

 24番  宇治田清治君

 25番  北野 均君

 26番  遠藤富士雄君

 27番  貴志啓一君

 28番  寺井冨士君

 29番  大艸主馬君

 30番  石谷保和君

 31番  中嶋佳代君

 32番  中橋龍太郎君

 33番  東内敏幸君

 34番  山田好雄君

 35番  佐伯誠章君

 36番  浅井武彦君

 37番  森田昌伸君

 38番  浦 哲志君

 39番  井口 弘君

 40番  和田秀教君

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説明のため出席した者の職氏名

 市長         大橋建一君

 副市長        松見 弘君

 副市長        畠山貴晃君

 市長公室長      森井 均君

 総務局長       笠野喜久雄君

 財政局長       山口研悟君

 市民環境局長     上島 勲君

 健康福祉局長     坂本安廣君

 まちづくり局長    山本 牧君

 建設局長       内原久夫君

 会計管理者      川端正展君

 危機管理監      池永俊二君

 教育委員会委員長   中村 裕君

 教育長        大江嘉幸君

 教育局長       原 一起君

 消防局長       田中幹男君

 公営企業管理者    奥野久直君

 水道局長       眞野 廣君

 選挙管理委員会委員長 岩城 茂君

 代表監査委員     伊藤隆通君

 人事委員会委員長   田中昭彦君

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出席事務局職員

 事務局長       山田 良

 事務局副局長     尾崎順一

 議事調査課長     幸前隆宏

 議事調査課副課長   佐伯正季

 議事班長       中西 太

 調査班長       石本典生

 事務主査       村井敏晃

 事務主査       増田浩至

 事務副主査      小野田 靖

 事務主任       佐川恭士

 事務副主任      北野統紀

 事務副主任      窪田義孝

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          午前10時01分開議



○議長(山本宏一君) ただいまから本日の会議を開きます。

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△日程第1 会議録署名議員の指名



○議長(山本宏一君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。

 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において

   宇治田清治君

   松本哲郎君

   寒川 篤君

 以上3人の諸君を指名します。

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△日程第2 一般質問



○議長(山本宏一君) 次に、日程第2、一般質問を行います。

 順次質問を許します。

 北野均君。−−25番。

 〔25番北野 均君登壇〕(拍手)



◆25番(北野均君) おはようございます。久しぶりに演壇に立ちますので非常に緊張しております。よろしくお願い申し上げます。

 議長のお許しをいただき、一般質問をいたします。

 ことしの夏は異常気象をほうふつさせるぐらい暑い日が続き、日中はまるで体が溶けたように緩慢な動作しかできず、まして物をとらえるとか、考えるとかいう思考経路が働かなくなってしまったかのような日が続きました。消防局によれば、熱中症で病院に運ばれた人が、和歌山市だけでも118人もいたということであります。ここのところ朝夕は随分過ごしやすくなりましたが、例年に比べれば大層暑く、スーパー残暑とか言われたそうであります。

 それにしても、ことしのように冬が終わったら、すぐに夏になったということでは、春夏秋冬がめぐりくることであやなされる、我が国の美しい自然の移り変わりがなくなってしまうのではないかと心配になるほどであります。

 そして、このうだる暑さの中で市長選挙が戦われました。そんな中で3期目の当選を果たされた大橋市長に、まずはお祝いを申し上げます。おめでとうございました。

 しかし、県都和歌山市の市長選挙だというのに、36.45%という極端に低い低投票率については、和歌山市民が市政に寄せる関心のなさや期待の低さなど、さまざまな論評が聞かれました。悪い就職率、現実は就職率などと言っていられないほど就職口がない状態、回復基調がすこぶる弱い経済の動きなど、どれをとってもよい材料が見当たらず、厭世気分が蔓延した和歌山市にあって、今までの市政運営に対する市民の評価や、あすの和歌山市をどう築くのかよく見えないこと、何か希望が持てるようなメッセージが発信されなかったことなどが、このような選挙結果としてあらわれたのではないかと思います。

 私は、その原因は市民の側に責任があるのではなく、和歌山市政が相変わらず昔のやり方を踏襲することしかできない環境であることを見透かされ、市民の期待を集められない為政者側−−政治、行政を行う側に大方の問題があると思うのであります。そういう意味では、私自身を含め市政に関係する者が謙虚に考え直さなければならないと感じております。

 市長におかれては、選挙を戦った身ですから、なおさらそうした思いを深くされているのではないかと推察するところで、先輩同僚議員からその思いについて質問がありました。私もぜひお聞かせ願いたいと思いますので、少し角度を変えて伺います。

 大橋市長には、この選挙を振り返ってどのような思いをお持ちになっておられるのか、3期目の市政運営を通じて、市民が具体的で理解しやすく、希望が感じられる、どのようなメッセージを発信されるつもりなのか、お聞かせください。

 さて、今夏の異常な暑さに辟易していることに加えて、現下の政治情勢にも辟易させられるところであります。

 普天間基地が象徴して取りざたされる沖縄県の米軍基地の問題では、解決に向かうどころか迷走するばかりで、内外の信用を失墜した責任をとり総理大臣が退任し、体制を一新した政府なのに、そのもとで宮古島、沖縄、沖ノ島などへの中国海軍の進出や、海上自衛隊の艦船、海上保安庁の測量船への示威行為、北方領土近辺でのロシア軍の軍事演習など、我が国の主権を脅かすような安全保障の問題が現実に起きていること、このような問題を事前に抑止してきたアメリカとの同盟関係が空洞化しつつあることへの懸念について、親日家で知られるアメリカの元国務副長官アーミテージ氏が、アジアの大半の国が日本政府に対して、日米関係の膠着状態を早急に解決するよう要請したにもかかわらず、その間、日本側には切迫感が一切感じられなかったと慨嘆している様子など、外交、防衛、安全保障問題について、何らの対応を取り得ていないかのような印象しか持ち得ない我が国政府の姿と、このような脅威を尻目に、そんなことには関係ないとばかりに、世の中に蔓延している厭世的な風潮について、落語家の立川談志さんが「今おれは東朝鮮の東京にいるんだよ。」と冗談ともしゃれともつかない言葉で我が国の現状を危惧されたように、私は、今の我が国政府は、国政の最も基本的な課題に対処し切れていないのではないかという疑問を感じてしまい、平和を謳歌している間に、日本国家の存亡が危うくなりかかっていて、取り返しがつかない事態が起きなければいいのだが、と心の奥底のほうで危惧させられると同時に情けない思いがするのであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)

 もう一つは経済についてであります。これほどデフレが長く続いている状態は既に常態であって、経済学的視点を見直さないといけないと言われるほど国内景気が一向に回復しない中にあって、急激な円高、株安が6月から今に至って続き、経済全体が危機的な状況に陥っていることがわかっていながら、今の国の政治情勢を受け、「日本が沈没しない対策を立ててから争いをしてもらいたい。」「政治家は国民のためにと言うが、円高対策は何もしていない。海外との競争条件を早く整えてほしい。」といった経営者らのコメントが端的にあらわす、経済界全体があえいでいる様子が伝えられています。

 こうしたあえぎ以上に、「和歌山市には仕事がない」「もう会社をたたみたいけど、借金返済のために自転車に乗っていないと仕方がないんよ。やめられたらええんやけど」などという嘆きは、市内のどちらからでも聞こえてきますが、そうした声を聞いても、ただ歯ぎしりをかむことしかできない現状にじれているのが、和歌山市や地方都市の状況ではないでしょうか。

 9月3日付の日経新聞では、「菅氏は市場への感度が鈍い、とみて進んだ円高、株安。それに続き、小沢氏登場で今度は長期金利上昇となると、日本経済はつんのめってしまう。」「菅氏、小沢氏ともに、ビジネスや投資を促そうというメッセージが聞こえない。両氏とも政府の役割を強調しがちだが、企業や市場の役割を信頼しないようでは、ヒト、モノ、カネは動かない」と警鐘が鳴らされ、9月8日の東京商工リサーチ関西支社の発表では、近畿2府4県の8月の企業倒産件数は、和歌山を除く全府県で前年同月を下回ったが、大口倒産が目立ち、円高などで景気後退が顕在化した場合には、零細、中小だけではなく、中堅、大企業を含めた倒産が増加する傾向がある。同和歌山支店では、全国レベルでの倒産件数は沈静化にあるが、和歌山県下では受注状況の好転、利益確保、資金調達余力の3条件を満たしている企業は少なく、倒産の沈静化と断言できる経済環境にはほど遠い状況にある、との惨たんたる分析であります。

 そして、9月14日、菅総理大臣の続投が決まった途端、ニューヨーク外国為替市場の円相場が、15年3カ月ぶりの高値となる1ドル82円97銭をつけた。円高対策で手詰まり感が漂う首相に市場が厳しい見方を示した、との朝刊記事であり、昼のニュースで、おくればせながら為替介入をし、円相場は少し落ちつきを見せたが、どれだけの効果を発揮するのかは疑問視されております。

 根本的な景気対策、経済環境の改善は今後の政府の仕事ですが、その間、和歌山市を初め各地方都市は疲弊し切ったままであります。1年前、政権交代によって国が生まれ変わり、新たな躍進を始めるのではないかと期待されたこととはほど遠い現実の姿であります。

 総じて、今の国政は、ばらまきによるポピュリズム政治、急激な円高に何ら有効策を打てないでいる対応のまずさ、米軍普天間飛行場移設問題の迷走と日米同盟の空洞化などを見れば、政権交代に裏切られた思いを抱く国民も少なくないだろう、と何日か前の新聞論評に、今現在でもほんまにそうやなと思ってしまう私は、改めて国政のありさまがこんなに近く地方都市に影響を及ぼすこと、その影響が悪い方向で発露されている和歌山市の現状を憂える一人であります。

 そこでお伺いいたします。

 国政の動向は和歌山市初め地方都市に大きな影響を及ぼしているのは周知のことですが、大橋市長は政権交代によってできた政府に何を期待され、何が実現されたとお考えですか。

 国政の問題について、るる述べてきました。さきに述べたように、国で決められた政策なり施策は、直接的に深く和歌山市政に関係しているからであります。

 本9月議会が招集された際、補正予算案が示されました。大雨による災害復旧の専決処分約1億4,500万円と通常補正予算で、特別会計合わせて総額約3億7,000万円の補正で、内容はヒブワクチン接種の費用補助や塩屋の第一工場の解体撤去工事に要する費用などでありますが、昨年に比べれば予算的には小規模な補正であります。

 ところが、昨年9月の補正は、国の緊急経済対策の実施に当たり、56億円にも上る巨額の補正が行われました。これ一つとってみても、国による一つの政策が実行されることで、地方とは比較にならないほど巨額の予算が動き、それを受けて実行しなければならない地方行政に大きな影響を及ぼしているのが現実の姿であります。

 今日、地域主権、地方分権、広域連合など、地方の活性に力点を置き、地方から国全体を活力あるものに変えていくと、議論はかまびすしく行われていますが、国の財源の移譲問題や権限移譲の問題は、そう簡単に片づけられるようには考えられないところで、相変わらず地方の疲弊が改善していく兆候は見えません。

 こんな状況のもと、自治制度そのものを否定するかのようなありさまを呈する阿久根市のような例が出てきました。国の財源でどうにか進められてきた社会基盤の整備を当てにせざるを得ない地方都市にとって、現実が非常に過酷に過ぎるのは和歌山も同じようなもので、本年度の国直轄公共事業予算の配分は全国最低額であり、和歌山県、市の懸案事業である第二阪和国道、京奈和自動車道の事業進捗についても、平成27年開催予定の紀の国わかやま国体開催までの完成が危ぶまれる事態であります。

 しかしながら、そんな状況にあっても、和歌山市の市民生活の安定、経済的発展のためには、何としてもこれらの継続事業はやり遂げなければならないのであって、和歌山市にとっては厳しい国政の状況ではありますが、市議会では、市行政と歩調を合わせ、和歌山県選出国会議員の方々のさらなる理解、協力を得ながら進めていかなければならないと決意しております。

 大橋市長には、国における省庁の概算要求が締め切られた現段階において、これらの事業について国の動向をどのように把握されておられるのかお聞かせください。

 また、これら事業について、今まで以上に力点を置いて取り組んでいただきたいと考えますが、いかがな決意をされているのかお示しください。

 次に、3期目の所信についてお伺いします。

 まず、観光力について、「観光振興は、本市の経済活性化を図る上で重要な課題であります。」との認識を踏まえた上で、和歌山城、和歌浦湾、紀淡海峡などを観光資源としてとらえ、国内外へ売り込む、和歌山城天守閣、石垣と公園の景観確保を図るとありますが、その割には、和歌山城や周辺の整備に力が入っているようには見えません。例えば、何回も指摘している、内部から木の根っこで膨らみ、放置したままだったら崩れる可能性が指摘された城の石垣修復や、景観を損なう原因の一つである雑然と生え放題の樹木の剪定や撤去はどうなっているのでありましょうか。

 また、バス駐車場横の土産物売り場にしても、観光客がそれと気づかないまま通過してしまっているのが現状ではないですか。観光協会任せにしたまま、売り場なのかどうかわからないような店で、土産物を細々と売るだけで、さしたる努力もせず、決して多くあるとは言えない観光コースに組み込まれて訪れる客を待つだけの現状は考え直すべきではありませんか。

 和歌山城は本市の財産であります。もっと活用できるはずであります。本気でその整備に取り組み、あわせて施設の運用についても本腰を入れて取り組むべきだと考えますが、いかがですか。

 所信には、「本市が持つ魅力ある観光資源を積極的に発信し、海外を含めた多くの観光客を呼び込むことで、地域経済の活性化につなげていきたい」ともあります。私は、そのとおりだと思います。

 本市から比較的近い関西国際空港、りんくうタウンには、連日、中国や韓国を中心とする多くの観光客が訪れ、アウトレットは客であふれ、先を争うように買い物をしている状況であります。その観光客全員とは言わないまでも、一部でも和歌山市へ回遊してもらうことができれば、所信で訴える和歌山地域経済の活性につながることは言うまでもありません。

 ただし、回遊してもらうだけの魅力となるものを和歌山側で用意、整備しなければなりません。その一つが和歌山城であり、風光明媚な景観でもあります。ほかにも、全国中核市議長会を和歌山市で開催した際、住友金属工業の工場見学を行いましたが、初めて鉄の生産現場を見て感動したという言葉を参加された何人もの議長さん方からいただきました。とらえようによっては、このようなことも和歌山市の特徴的な観光資源だと言えると思います。

 しかし、重要なのはこの観光資源を活用して、和歌山市で展開される経済活動に結びつけることができるのかどうかであります。行政と事業者との情報交換や交流は、今までもそれなりに行われてきたことだと思います。しかし、観光と経済活動について何度も議論し、いろいろな施策が試されてきましたが、どれも経済活動として根づいていたと言える成果を上げるまでに至っていないのが現実ではありませんか。

 単に理想を話し合い、結論が出ない議論を重ねるだけでは、事業者が本気で取り組む経済活動に結びつくはずもありません。まずは、事業者が持っているアイデアや提案を引き出し、活用しながら、企業や商店などの事業者がその気になる、魅力を感じる、環境を整備しようと努力する行政の姿勢を感じてもらい、目的を定め、行政、事業者がそれぞれの得意とするところを生かし、一緒に取り組み、一緒に進むことで、初めて観光、経済が動き出すのではないかと思います。今までの実態が伴わない言葉だけの議論で自己満足しているような、いわばおざなりの取り組み方を見直し、行政側が担う役割をはっきり認識して実行すれば、おのずと生まれるものが見えてくると考えます。

 本腰を入れて観光客を和歌山市へ呼び込む方策、本市の特徴、特性ある施策を考え、とにかく実行する、それが内外の観光客を和歌山市へ呼び込む道筋になるのだと考えますが、いかがですか。

 次に、8年間の軌跡の項で述べられた和歌山北インターチェンジが本年3月に開通し、26年間も塩漬けとなっていた直川用地に10社もの企業を誘致することができた。みんなで磨いた成果だと誇られていることについて、ヤマト運輸が社屋の建設にかかり、市でも縦割り行政の弊害で連携がとられなかった教育委員会管轄のコミュニティセンターと保健福祉部管轄の保健センター、自治振興課所管の市民サービスセンターが同居する複合施設の建設に取りかかり、また、民間保育所の新築も始まろうとしており、私もこのことを喜び、期待する一人であります。

 しかし、工事現場から意外な苦情が上がってきています。いわく、工事用の水がないので井戸を掘らないといけない、電気がない、排水処理がない、予想以上の地盤改良が必要だと、どれも多額の追加費用を要するものであります。常識的に、企業誘致をやる以上、そうしたライフライン、インフラは事前に整備されているものだと思うところですが、直川用地では様子が違うようであります。

 紀の川大堰問題の進展と北インターチェンジが開通したことで、直川用地の活用にめどが立ち、企業誘致にまでこぎつけたことは、市行政の努力によるところも多く、評価するところであります。折からの不況の中で企業誘致をしても、用地のすべてに企業進出が図られるとは予想できなかったという事情が、及び腰のインフラ整備となったという点は無理がない面があったとしても、それは市行政の事務作業の都合上のことであり、すべての用地が利用されることが決まった時点で、インフラ整備などその後の対策を考えるべきだったのではないですか。

 企業誘致が至上命令という和歌山市の命題を観点として見れば、進出企業の利便を第一に考えるのが妥当で、懸案の課題であった用地にビジネスチャンスをかけて進出する企業の都合を考えることはしなかったのでしょうか。インフラ整備と事業者のタイムスケジュールについて協議が行われているようでありますが、その整合がとれているのか、問題がないのか、非常に危惧されます。まして、市の施設、保育所などという公機関の設置については行政内部の調整が最初からとれているはずで、インフラ整備、ライフラインなどに問題が発生するはずがないと思われますが、現実はそうではなく、工事の進捗にも影響が出ているようであります。

 インフラ整備の計画について企業立地課の説明を求め、具体的なスケジュールを担当班長に聞いたところ、上水道給水管の一部は本年3月に設置されているそうですが、企業誘致区画の大半や保育所、複合施設へは、道路、排水管、防火水槽工事とあわせ平成23年1月までの設置となっており、保育所、複合施設への取りつけ道路工事の完成は平成23年3月となっております。

 既にヤマト運輸、市の施設、保育所は建設工事が始まっているにもかかわらず、また、事業者が建物を建設するためには、少なくとも水や電気は工事を行うために必須の条件であることはだれでもわかっていることなのに、実際は水の確保のために井戸を掘ったり、電気の供給は事業者が関西電力と直交渉でやりなさいということであります。

 加えて、直川用地は周辺地域の遊水地の機能を果たしていた場所で地盤は相当緩く、建造物の建設には通常以上の基礎が必要とされる場所であります。進出を決定された企業は、そうした事情を理解した上での話ではあるでしょうが、通常以上の地盤改良には多額の追加費用が発生し、その分負担が大きくなるのは当然で、事業計画も余分な工期を要するとなれば、事業者にとってはかなり深刻に経営を圧迫することにもなるのではないでしょうか。

 また、進出を決められた企業の多くは運輸会社で、物流のトラックが出入りすることになります。例えば、そのトラックの洗車やメンテナンスを取り上げれば、燃料やオイルなど油分が混じった排水の処理が必要だと考えられますが、それは個々の事業者がそれぞれ個別に処理することになっています。もともと、用地は農業地帯の中に所在しているのだから、排水処理については付近農家への配慮が求められるところで、なぜコミュニティプラントのような用地全体の排水処理を考えなかったのか。事業者が活動を始め、このような問題が起こった場合どうするのか。とどのつまり、事業者だけではおさまらず、付近住民、行政をも巻き込んだ問題に発展する可能性もあるのではないですか。まして、現下の極めて厳しい経済情勢が改善されなければ、進出を決めた事業者が撤退をするおそれさえ心配されるのではないでしょうか。

 和歌山市行政は、産業、経済の発展を期すために、企業誘致を積極的に図っていくことを重点施策としているはずですが、いざ、それが実施の段階になったら、進出は個々の事業者の責任ですよ、発生する問題は自分の責任で解決しなさいと言わんばかりの姿勢しか見えず、事業者の事情をそんたくしたり、周りで発生する諸問題を行政が一緒になって対処、解決しようという熱意があるようには到底見えません。

 本案件は企業立地課が担任しているものの、その課に課長さえ配属せず、上司の兼務で済ませているということには、まず驚かされ、落胆させられたところですが、結局、市行政の姿は、企業誘致に力を入れると言うだけで、和歌山市行政として本気で取り組む気概などなく、もてあました土地の処分ができればそれでよい、財政危機から逃れることが主眼で、和歌山市の経済、産業の発展を期すとは題目にすぎなかったのかと疑問を覚えるのであります。

 直川用地問題に限らず、押しなべて市行政の姿勢は、行政側だけの論理、整合性がとれていることだけが重要視されているようにしか見えないこと、目線の高さだけが目立っており、事業者と行政が一体となって地域社会を盛り上げていくという構造にはなっていないと指摘せざるを得ません。

 そこでお伺いします。

 企業誘致に限らず、市行政がなす事業、業務が、何のために、何を目的として行われるのか。担当する行政の各部門が事業、業務の意義や内容を深く理解し、認識するのは基本中の基本だし、その意義にプライドと責任を感じ、モチベーションを上げることは必要なことですが、そうとは言えない実態も散見されます。しかし同時に、企業立地課を初め業務遂行に難儀している他の例が示すように、職員にモチベーションを求めるだけでは済まない、適正な人員配置に欠ける現状や職員の処遇などを見直し、改善し、やる気が出る組織、職場環境を整えることが重要だと思いますが、統括責任者である市長は、指摘したような市行政のあり方について、その現実の姿をいかが認識し、どうしようと考えておられますか。

 もう一つは、直川用地での工事関係や事業活動が始まった際、明らかに事業者の責任に帰す問題は別にして、何らかの問題、不都合が起きた場合、市行政として事業者と一緒になって問題に取り組み、解決していこうという姿勢、用意をお持ちでございますか。

 以上お伺いして、第1問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) おはようございます。25番北野議員の一般質問にお答えいたします。

 まず、市長選を振り返ってどんな思いを持っているのか、3期目の市政運営を通じてどんなメッセージを発信するつもりなのかという御質問であります。

 今回の選挙では、投票率が非常に低かったとはいえ、私への投票が前回より1万6,700票余り少なかったという結果になり、そのことは重く受けとめております。選挙期間中、市内を回らせていただきましたが、なかなか生活がよくならないということで、さまざまな御意見をいただきました。そのような思いや不安が多くの市民の皆様方にあると改めて感じたところでございます。

 また、3期目市政を推進するに当たって、私は、市民の皆様が心から和歌山市に住んでよかったと思える町を築いていくことが最大のテーマであるというふうに考えております。人口減少が続く本市といたしましては、子育てしやすいまち和歌山市という評価を得て、子育て世代の多くの方々が和歌山市を選んで住んでいただくようになることが、住んでよかったにつながると思っています。

 例えば、2学期から若竹学級の学童保育時間を午後6時までに延長しましたが、子供や家庭に関するワンストップ相談窓口であるこども総合支援センターを活用した相談体制強化や、メール配信による子育て情報の提供を行うなど、これからも子育て環境充実のための施策を推進してまいります。

 また、市民の方の生活インフラの一つであります道路整備につきましては、道路、公共交通網の充実の観点から、市民の長年の悲願であります第二阪和国道を平成27年度開催の国体までに全通できるよう努力するとともに、これまでさまざまな事情でおくれておりました都市計画道路につきましても、早期完成を目指して力を注ぎたいと考えております。

 次に、政権交代によってできた政府に市長は何を期待し、何が実現されたというふうに考えてるかといことであります。

 昨年の政権交代で誕生した新政権は、子ども手当の創設、それから揮発油税等の暫定税率の廃止、高速道路の原則無料化、地域主権の確立などマニフェストに掲げておりました。その中には首をかしげるような政策もございましたが、それまでの政権がなかなか進めることのできなかった生活重視、地方重視のスタンスを感じる面もあり、それなりに期待をかけておりました。

 しかしながら、現実には地域主権改革の柱の一つである国と地方の協議の場の設置法案は継続審議となっておりますし、補助金の一括交付金化の議論では、地方に回る補助金総額が減額されてしまうと受け取られかねない発言が出るなど、掲げる理念と現実の施策が食い違ってきているようにも見えるというのが正直な感じであります。

 いずれにしましても、政権交代からわずか1年ということもあろうかと思いますので、今後の国政の動向を見守りながら、必要に応じて市長会等を活用するなど、地方の声を政府に訴えかけていきたいと考えております。

 次に、第二阪和、京奈和自動車道について、現段階において国の動向をどのように把握しているか、市長の決意を示してほしいということであります。

 大阪と和歌山を結び、関西空港や阪神方面へのアクセス道路となる第二阪和国道の和歌山岬道路、並びに関西大環状道路網の一翼を担い、京都、奈良、和歌山を結ぶ京奈和自動車道は、和歌山市にとって、経済産業の発展、観光振興の強化、防災の充実など地域の活性化に資する道路として全線早期開通が大きく期待されている大変重要な道路であると認識しております。

 昨年の政権交代により、直轄事業への道路予算の縮減など、これまで毎年およそ200億円で推移していた京奈和自動車道の予算が、今年度は約50億円も減額されるなど非常に厳しい状況下ではありますが、所信でも述べましたように、平成27年度開催の紀の国わかやま国体までに第二阪和国道の全通及び京奈和自動車道の全線供用を目指し、議員連盟の皆様と協力しながら、国に対して必要な予算の確保をこれまで以上に危機感をもって全力で働きかけてまいります。

 次に、所信に関する御質問で、観光力についてということで、本気でそのお城関係の整備に取り組み、あわせて施設の運用についても性根を入れて取り組むべきだと思うがどうか。また、観光客を和歌山市に呼び込む方策をどう考えてるかという御質問であります。

 和歌山城の整備につきましては、史跡和歌山城整備計画に基づき、平成19年度から、旧消防署跡や二の丸庭園西部の整備に向けた発掘調査を行っているところであります。

 これらの発掘調査に基づき、旧消防署跡においては、橋や堀、升形を形成していた吹上口を表現する整備を行ってまいります。二の丸庭園西部においては、石積みの溝やしっくいでできた池など、貴重な遺構が数多く発掘されました。それらの遺構を展示する方法を検討し、紅葉渓庭園の改修も含めて見どころのある歴史空間を創出したいと考えています。

 天守閣につきましては、現在、1階南側壁面の改修工事、及び楠門2階の回廊部分に新たな展示スペースの設置を進めており、老朽化の目立つ内装や展示ケースについても、順次改修を進めてまいります。

 委員御指摘の石垣につきましては、勘定御門東側−−砂の丸への通路部分ですが、そこの石の欠落が大きく、早急な保護修繕、安全対策のために、詰石等による修繕に向けて取り組んでまいります。城内の石垣は全体的に老朽化が進んでおり、今年度から写真や測量による城全体の石垣調査に取り組むこととしております。

 また、樹木の管理につきましてですが、樹木が巨大化し、天守閣が見えにくくなっているとの御意見も数多くいただいていることから、樹木医の指導を受けながら、今年度中に樹木の伐採を行う予定であります。

 今後、ベンチの設置や園路改修を含めて、市民の皆様、観光客の皆様に、安全、快適に来場していただける環境整備を図りたいと考えています。

 次に、現在の土産品センターは、老朽化が進み、観光客のニーズに合った土産品売り場とは言いがたい状況ですので、今年度に行われる南別館の耐震診断後に、移設も視野に入れて土産品センターの整備計画について検討していきたいと思っております。

 最後に、観光客を和歌山市に呼び込む方策についてです。

 関西国際空港から入国する外国人はおよそ135万人で、そのうち中国人が23%、韓国人は25%、台湾からが13%、香港からが5%となっております。中国ではビザ取得の緩和がなされ、観光客の大幅増が期待されているところであります。委員御指摘のとおり、本市への誘客の頑張りどころと認識しています。

 本市には、外国人観光客に人気が高いマリーナシティのマグロ解体ショーや、わかやま電鉄貴志川線など魅力ある資源を、事業者がアイデアを出し、つくり上げています。また、市民グループでは、孫市や小梅といった観光資源の掘り起こしの活動や、おもてなしにつながる語りべの活動が活発に行われるようになってまいりました。わかしらすやジンジャーエールなど食の魅力の発掘も行われています。新たに注目を浴びている産業観光という面でも、本市には花王、住友金属、島精機等魅力的な企業がございます。

 市といたしましては、これらの資源を旅の魅力として、事業者のノウハウを取り入れ、エージェントはもちろん、旅雑誌等マスコミに積極的に売り込みたいと考えています。

 先日も韓国版AB−RORDの関西紹介コーナーへの売り込みにより、大阪、京都を抑え、和歌山市の黒潮市場や雑賀崎の写真が大きく紹介される予定となりました。また、済州(チェジュ)航空の機内冊子にも既に使用されたと聞いております。このような頑張りが必要だと考えているところであります。そして、関空での乗り継ぎ時間を活用してでも、ぜひ一足伸ばして和歌山市に行きたいと思っていただける、そういう観光地となるよう取り組んでまいりたいと思います。

 また、関空内にある外国人向けの案内所には、関西地域のイベント情報を求める外国人も多いことから、紀の川流域の市町と一体となって、イベント情報はもちろん、桜や桃の花の見ごろから、お城や根来寺、粉河寺、高野山などの観光施設、旬のおいしい食べ物に至るまで、地域のあらゆる観光資源をPRできるよう、関空案内所との連携を強めたいと考えています。

 最後に、やる気が出る組織、職場環境を整えることが重要であると思うが、統括責任者である市長として、その現実の姿をいかに認識し、どうしようと考えているのかということでございます。

 元気わかやま市を実現するためには、市政を進めるに当たって、組織として、それぞれの事務事業の目的、意義、目標等を共有し、また、私を先頭に職員全員が、地方行政のプロとして誇りと責任を持って、業務を遂行することが重要だと認識しております。

 また、私は、本市最大の財産は職員であると思っておりまして、その職員の能力、やる気を十二分に発揮できるよう組織、職場環境を整えることが、統括責任者である市長の役割であると考えております。

 そのためには、職員に頑張る意欲がわき、働きがいを感じることができる、昇任、異動、給与といった人事に関する諸制度を適正に運用することが肝要であると思っております。

 中でも人事異動につきましては、業務が支障なく円滑に遂行できるよう、また、職員のやる気を引き出し、不公平感を抱かないよう適正な人事配置に努めているところでありますが、配置後、業務を取り巻く状況や環境の変化等により、業務の遂行に支障が生じるような場合には、必要に応じ人事配置を見直すという判断も必要かと考えています。

 また、職員の削減に伴い、職員1人当たりの仕事量と責任の度合いが増していることも事実ですので、職員のモチベーションが下がらない人事行政も今以上に必要かと思われます。そのため、現在、新人事評価制度の導入に向け、取り組んでいるところでございます。

 以上であります。



○議長(山本宏一君) 松見副市長。

 〔副市長松見 弘君登壇〕



◎副市長(松見弘君) 25番北野議員の一般質問にお答えをいたします。

 直川用地についての御質問でございます。直川用地での工事関係や事業活動が始まった際、何らかの問題、不都合が起きた場合、事業者と一緒になって問題に取り組み、解決していく姿勢、また、用意はあるのかという御趣旨でございました。

 長年塩漬けとなっていた直川用地の利活用につきましては、本市の厳しい財政状況のもと、その解決が喫緊の課題でありました。そのため、平成17年12月に直川用地利用計画を作成し、その後、公共的施設区画整備基本計画及び複合施設整備基本計画を策定いたしました。

 現在、企業用地区画内におきましては、ヤマト運輸株式会社が来月下旬の操業開始に向けて建設中であり、他の企業においても企業内用地のインフラ整備の進捗状況等を考慮しながら今年度中に工事着手の予定となっております。

 公共的施設区画において複合施設さんさんセンター紀の川は、平成23年5月の開設を目指し建設中であり、昨年公募しました民設民営の保育所も平成23年4月の開園を目指して工事着手しているところでございますが、工事過程において不都合が生じていることにつきましては、早急に善処し、予定どおりの竣工を目指しております。

 また、今後とも公共的施設区画等の区画内道路や各施設の工事が、直川用地利用計画の整備スケジュールに基づき、遺漏のないように努めてまいります。

 同時に、複数の工事の進捗がスムーズになるように意見交換の場を設けて、事業者、行政がお互いの整備スケジュールを再確認するとともに、工程表を提供するなど情報の共有に努め、現場作業の進捗状況とあわせて総合調整しながら進めてまいります。

 御承知のとおり、直川用地は、昨年、和歌山市土地開発公社から各行政目的で買い戻しが完了し、教育委員会、健康福祉局、市民環境局、建設局、まちづくり局が関係する多様な行政目的を持った事業用地であるとともに、事業者の進出が図られた用地でございます。

 今後、問題が発生した場合には、各行政目的を持った担当部局が、主体的に関係部局と連携を密にしながら問題解決に取り組むとともに、事業者の周辺で発生した問題についても、市行政として一緒に問題解決に取り組む所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 山本まちづくり局長。

 〔まちづくり局長山本 牧君登壇〕



◎まちづくり局長(山本牧君) 25番北野議員の一般質問にお答えいたします。

 第二阪和、京奈和自動車道の進捗状況についての御質問です。

 第二阪和国道和歌山岬道路の進捗状況は、和歌山県域約2.4キロメートルの区間については、地籍調査も既に完了し、本年7月より本格的に用地幅杭打設等に入り、大谷ランプから平井橋までの約1.1キロメートルについては完了いたしております。引き続き国が用地測量、物件調査等を行った後、12月中ごろより用地買収に入れるものと考えています。

 また、京奈和自動車道につきましては、紀北東道路は高野口インターチェンジからかつらぎインターチェンジ間が平成23年度供用開始の予定です。紀北西道路においても、昨年6月に起工式が執り行われ、打田インターチェンジから岩出インターチェンジ間の用地買収並びに改良工事が進められてると聞いています。和歌山市域についても、現在、国のほうで調査中です。

 京奈和自動車道の平成22年度予算額は約146億円で昨年より50億円近く減額され、本格的に着手する第二阪和国道和歌山岬道路と同様厳しい予算となっていますが、平成27年度開催の紀の国わかやま国体までの完成には、今後も引き続き国への予算確保の要望等を重ね、第二阪和国道和歌山岬道路及び京奈和自動車道が全線供用できるよう努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 25番。

 〔25番北野 均君登壇〕(拍手)



◆25番(北野均君) それぞれの問題についてお考えをお聞きいたしました。相対的に耳に入りやすい答弁で、予算を伴わない質問だからなのかと感じております。

 それでは、もう少し議論を深めたいところについて再質問いたします。

 まず、観光についてです。

 バス駐車場横の土産品センターについては、観光客のニーズに合った売り場ではないと認識しており、移設を視野に入れて検討するとのことであります。そうならば、けやき大通り地下駐車場に併設されているわかちかサービスセンター、観光案内所、イベントスペースの活用を検討されたらいかがでしょうか。それぞれ観光課、市民課、道路管理課の管理施設でありますが、どの課でも施設活用についてのノウハウを持っているようには思えないところで、この際、行政目的を観光振興に特化し、土産品センターとともにイベントスペースでの和歌山特産品の展示、販売やミニコンサートなど催事を常時打つなど、人の流れを呼び寄せるようにする有効活用策を考えるのも一つの方策だと考えますが、いかがですか。

 次に、第二阪和国道、京奈和自動車道について、市長が危機感を持って全力で取り組むとの決意をお聞きいたしました。

 第二阪和国道は用地測量が終わり、用地買収にかかれるところまで進み、まずは順調に事業が進捗しているとのお答えです。京奈和自動車道も紀北西道路の用地買収、和歌山市域の調査が行われているとのことで、そうならば心配することはなく、市、県、国地方事務所へは特段の危機感を持ってではなく、よろしくお願いします、で事業進捗を見守っていればいいのですが、現実は甘くはなく、1年前の政権交代後は様子がおかしくなりました。特に和歌山にとっては、公共事業予算が全国最低であったこと、事実、京奈和自動車道については、例年に比べ約50億円もの減額でありました。

 このような予測していない状況を受け、今まで覚えがないような手続を経て、本年7月、国土交通省に長安政務官を訪ね、議員連盟、市行政連名で京奈和自動車道の建設促進について陳情いたしました。

 その内容は、第1に、これから難工事が予想され、通年以上に予算が必要な時期で、各地から多くの方々の来和に対応しなければならない。アクセスがどうしても必要となる平成27年開催の国体までの開通は難しくなるのに、通年200億円で進められてきた工事が50億円も減額された予算を、せめて通年並みに戻していただきたい。

 第2に、せっかく建設される京奈和自動車道ならば、和歌山市にとっても利用価値が飛躍的に上がることが期待できる、近畿自動車道の北ランプから第二阪和国道までロングランプなどで接続されるよう計画していただきたいとの説明、要望をいたしました。

 それに対し、長安政務官から殊のほか深い御理解をいただいたところであり、東京まで陳情に行ったかいがあったと胸をなでおろしたところであります。

 ところが、つい先日、国事業予算が一律10%カットとか、平成25年までに供用できる道路建設を優先するので、その他は後回しにするという政府の方針が決定されたかのように伝えられました。もし事実なら、鳩山前総理大臣の「僕は何をしていたんだろう」ではないですが、何をかいわんやであります。

 第1問で、概算要求が終わった段階で、国の動向についてどのように把握されているのかお聞きしましたが、概算要求額全体は5兆円余りということはインターネットで発表されており、政府はそれで広く公表しているのだと思われているのか、京奈和自動車道など個々の事業費要求額について、恐らく1年前に政権与党と関係が深い自治体などに内示額が漏れたことへの批判を恐れるのか、国土交通省では知らせることはできないということだそうであります。まして、来年度予算編成がほぼ終わりかけている今では、予算措置がどのような経過をたどっているのか、決定額がどのようになるのか、多分知らされることはないのでありましょう。

 第二阪和国道、京奈和自動車道とも国の直轄事業ではありますが、和歌山県はもとより、関係する地元自治体は、事業そのものを推進する協同事業者と言ってもいい存在であります。加えて、議会と市行政が歩調を合わせて陳情をし、どうしても必要とする道で、やっと日の目を見ることができる順番まで待ったのだから、とにかく事業を進めてくださいとお願いしているにもかかわらず、その協同事業者に予算要求額さえ知らせない政府のあり方は、まさにお上に逆らうな、地方行政の分際で国に物を申すなど論外であると言っているようなもので、政権与党、政府が主張してはばからない透明性を持って政策を遂行する、政治主導で国民の幸せを実感させるなどとどうして言えるのか、不思議千万、世の中の流れに真っ向から逆行しているようであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)

 和歌山県、市の必死の願いや、県、市行政とともに力を合わせて本事業に取り組んでいる市議会の議員連盟の努力を顧みることなく、まして本県から3人の与党議員を出しているにもかかわらず、政党の代表選挙、総理大臣の指名のもとにけ散らされてしまう現実の政治のあり方に、怒りを通り越したむなしさを覚えるとともに我慢ならないと思うのは、私だけではないのだろうと思っています。

 市長初め、和歌山市行政の中枢にある方は、ぜひこのような現実に目を行き届かせ、御答弁にあったように、これら事業が完遂されるまで危機感を持って迫り、国の事業遂行、予算獲得を実現されるべきであります。

 間もなく新たな内閣が組閣され、そのもとで国政が運営されます。和歌山市にとって、少しは救いのある国政であることを願いますが、どう推移するのか予断を許しません。

 そこで、第二阪和国道、京奈和自動車道にかける市長の決意を、改めてお示しください。

 終わりに、「我々基礎自治体は、国政がねじれによって停滞しようとも、それによって揺らぐことのない信念と理念を持って住民の皆様の信頼にこたえる姿勢を堅持してまいりたい」と述べられた所信を信じ、和歌山市民が明るく暮らせる社会の実現と和歌山市行政の発展を期されるよう心から期待いたし、微力ながら私も力を尽くしたいと存じます。

 ありがとうございました。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 25番北野議員の再質問にお答えいたします。

 第二阪和、京奈和自動車道にかける市長の決意を再度述べよということであります。

 議員御指摘の政権交代後の第二阪和国道及び京奈和自動車道の予算確保につきましては、議員連盟の皆様方や促進期成同盟会の皆様方と心一つにして国土交通省や地元選出国会議員など関係機関への要望に加え、新たに政権与党の民主党へも積極的に陳情、要望を行ってまいったところであります。上京の折、機会あるごとに道路の必要性を関係者に訴え続けております。残念なことに、京奈和自動車道関連予算におきましては今年度大幅に−−先ほども御答弁申し上げましたが予算が減額されました。

 また、本年2月、第二阪和国道和歌山岬道路の陳情では地籍調査のおくれを指摘されました。寝耳に水でありまして、計画どおり進めていたにもかかわらず、これまでは一度も指摘されたことのない地籍調査が理由の一つにされたことには驚きました。早速関係部局に指示を出し、私自身も5月に国交省土地・水資源局に陳情を行い、職員の頑張りもあって、本年8月に地籍調査を完了させました。

 第二阪和国道和歌山岬道路にあっては、予算のつけられない理由が解消しているわけであります。今後いよいよ和歌山市域の用地買収など事業が本格化する両路線にとって、平成27年度開催の紀の国わかやま国体までの供用開始のためには、平成23年度以降さらなる予算の増額が必要となります。今まで以上に関係機関へ全力で働きかけ、一日でも早く供用開始できるよう頑張ってまいります。



○議長(山本宏一君) 山本まちづくり局長。

 〔まちづくり局長山本 牧君登壇〕



◎まちづくり局長(山本牧君) 25番北野議員の再質問にお答えいたします。

 観光力について、わかちか広場の行政目的を観光振興に特化した有効活用策についての御質問です。

 新しく生まれ変わった和歌山ミオは、新たな土産品店が出店し、にぎわいを増しています。このにぎわいを市の玄関口にあるわかちか広場に広めることができれば、和歌山市を訪れる観光客へのイメージアップにつながります。現在ほとんど利用されていない展示スペースに観光パネルを設置する準備を進めています。平成21年度のステージの利用件数は56回にとどまっておりますが、利用を促進させる方法についても関係課にて検討しているところです。ステージの利用や展示等、議員御提案の観光振興という視点を十分踏まえながら、観光客にも市民にも楽しんでいただける広場へと育つよう検討してまいります。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) しばらく休憩します。

          午前11時02分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−

          午後1時11分再開



○議長(山本宏一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 日程第2の議事を継続し、質問を許します。

 松井紀博君。−−9番。

 〔9番松井紀博君登壇〕(拍手)



◆9番(松井紀博君) 皆さん、改めまして、こんにちは。

 それでは、ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

 民主党が代表選挙を終えました。内乱といおうか、内紛といいましょうか、とりあえずそれに決着がついたわけで、きちっとした党運営、国家の運営を期待したいわけですが、今、テレビや新聞で報道されております、その組閣に入られてるわけですが、どうも野田財務大臣が留任と、それで自見金融担当大臣もひょっとしたら留任するんじゃないかというようなお話が漏れ伝わっております。これは旧大蔵省の所管といいますか守備範囲でございまして、常々民主党は政治主導と言ってる割に、どうも官僚を主導する旧大蔵省の大臣を決めるのにすんなりと留任してしまうと。このあたり財政運営に対して、和歌山市も非常に大事な問題になってくるんですが、少し首をかしげるわけであります。

 麻生内閣が3カ年の時限といいますか、基金に対して予算を組んで、財政出動といいますか、政府調達の形で景気対策を組みました。これはこれで私は非常によかったことだと思ってるんですが、それを民主党政権になって仕分け作業を行って、その財政出動の政府調達の部分を貯蓄性向の高い所得移転に振りかえて、当然、所得移転に振りかえたら金融マネーにそれが移行すると。どうも一般市場経済と金融の市場というのを、民主党菅政権は違いがよくわかってないんじゃないかなんていうふうに常々思っているわけでございます。

 いずれにしましても、菅新政権にそういったことを、一市議会議員がぶつぶつとつぶやいてたと、民主党所属の議員先生方に伝えていただければ幸いでございます。

 非常に経済に関連しますので、冒頭そのようなことを申し上げさせていただきましたが、今般は市長の政治姿勢についてということで、大きく2点に分けてお聞きいたします。

 1点目は、本市の取り組むべき優先課題について。2点目に、市営住宅のあり方についてをお尋ねします。

 まず、市長、3選目の御当選、まことにおめでとうございます。市長は、さきの選挙におきまして見事3選を果たされたわけですが、その投票率や得票率の低さなどから、御本人にしてみたら決してもろ手を上げて喜べないのではないかと、このように推察しております。

 そんな中、再選後初めての議会に臨まれるに当たり、会期の冒頭にその所信を述べられたわけですが、その内容についていささか疑問に思うことがございます。それは2つの大きな課題をあえて所信でもって表明されなかったことであります。

 大橋市長の所信である以上は、大橋市長一己の信念のあるところであります。それに対して疑義を差し挟むことははばかられるわけですが、所信表明といえば、一行政府の公人である長のものでありますし、とりもなおさず和歌山市政の方向性を指し示すものであります。極めて重きをなすものでありますので、市長のまさに所信をただしたいと思います。

 まず、市長は、所信の冒頭におきまして、「社会の現状」と、こう題しまして、本市を取り巻く極めて厳しい経済状態を分析され、その上で「引き続き、中小企業対策、雇用対策に力を入れていかなければならない状況と考えております。」とおっしゃっております。しかし、その後の取り組みの中で述べられてることは、市民力、基盤力、観光力を磨き上げることにより、この厳しい状況を乗り越えるというだけです。あくまでも私の主観ですが、所信冒頭の現状分析とここにある対策では、その落差が余りにも大き過ぎるのではないでしょうか。

 もちろん、中長期の計画を未来志向で打ち出すことは重要ですので、そのことを決して否定するものではありませんが、長引く不況下におかれて塗炭の苦しみにあえいでおられる多くの和歌山市民にとってみれば、きょうの、あすの生活こそ最優先であることは言をまたないものであります。

 なぜ、市長は喫緊の課題である経済対策を所信に示されなかったのでしょうか。ひょっとして市長が日ごろおつき合いされる方々は、不景気だと言いながらもそこそこ結構な暮らしをされている方々で、貧困にあえぐ人々の生活、声は届いていないのだろうかとか、経済対策、これは国政の要諦であり、地方自治体の施策の及ぶところではない、このように思っているのだろうかとか、いや、引き続きと、こう書いてる以上は、和歌山市が行える経済対策のすべては当初予算等に既に盛り込んでいるので、あえて記す必要はないと、このように考えているのかとか、いやいや、単に忘れていたのかとか、さまざまに愚考してみましたが、残念ながらこれという答えは見出せませんでした。

 もう一つ、盛り込まれなかったことに違和感を持った課題は、教育公務員の人事権の問題です。

 市長は、再選を果たされた翌朝、各マスコミの会見に臨まれ、3期目の優先課題として主に教育の充実と子育て環境の整備を上げられております。そして具体的に県が持つ教育公務員の人事権の市への移行を求めていくとも発言されております。子育て環境の整備につきましては所信に述べられておりますが、この人事権についての記述はどこを探しても見つけられません。

 選挙に当選され真っ先に発言した個別具体的な施策が、なぜ所信に盛り込まれないのか不思議でなりません。各マスコミの前で公言したものの、ここに至って県に対して配慮したおつもりなのか、よもや教育の独自性、独立性に配慮した結果だとはおっしゃらないと思いますが、もしそうであるならば大きな間違いと指摘せざるを得ません。

 ゆがめられた戦後教育、とりわけ、教育現場でのイデオロギーの対立という混乱を収束させるため、私たちの先輩は、政治による教育への介入は教育長の人事などに限定した緩やかなものにとどめるよう、そういう知恵を使ってこられました。しかし、このことが結果として国民世論の教育への不信感を募らせることにつながりました。今や各地方自治体の長の選挙において、その候補者が教育方針に対する考えを堂々と述べ、有権者はそれをも参考に投票行動を行うように変わってまいりました。そのことに異論を唱えるのは、ごく限られた者でしかなくなりました。

 大橋市長は、2期目の選挙に挑まれる際、そのマニフェストにも市和商への普通科設置を堂々と述べられ、多くの市民の支持を得られました。私は、今般の選挙において、市長が教育公務員の人事権に言及されるについては、非常に結構なことだとも感じておりました。しかし、残念ながら所信には盛り込まれておりません。

 そこでただします。先ほどの緊急の経済対策の具体案、それと教育公務員人事権移譲についてという2つの大きな課題が所信に盛り込まれなかったのはなぜでしょうか、お答えいただきたい。

 次に、市営住宅のあり方についてお尋ねします。

 市営住宅のあり方、特に地域改善向け公営住宅の置かれている現状について、和歌山市の施策により生じた新たな問題を今般指摘するとともに、そのことについての当局の認識と、その対策についてただします。

 まず、問題点の顕在化を図るため、公営住宅法が改正に伴い制度移行される際に、当時の建設省住宅総務課及び住環境整備室から出された通達を抜粋して御紹介します。

 通達は、地域改善対策特別事業にかかわる国の財政上の特別措置に関する法律、いわゆる地対財特法が終わる前の平成10年2月20日付で出された「公営住宅改正に伴う制度改正に際しての地域改善向公営住宅に関する留意事項について」、こう題されたものです。

 この中で「地域の人々の居住の安定を図るうえで、地域改善向公営住宅の果たす役割は引き続き重要である。」と、その通達趣旨を明確にした上で、特別措置から一般対策への移行について、このように説明されております。

 住宅施策から同和問題解決の視点が失われるものではないことは、地域改善対策協議会が平成8年5月17日の意見具申において、「特別対策の終了、すなわち一般対策への移行が、同和問題の早期解決を目指す取組みの放棄を意味するものでないことは言うまでもない。」と述べているとおりである。

 従来から、特定目的公営住宅の一つとして地域改善向公営住宅の供給を行ってきたところであるが、地域住民の居住の安定を図ることは引き続き重要であることから、今後も地域における居住の実態や施策の必要性を的確に把握したうえで、地域改善向公営住宅への優先入居を適切に行われたい。

 と記されております。

 ここで明確にされていることは、地域住民の居住の安定のため、適切な優先入居が必要とのことであります。しかし今、これが著しく毀損し、事業対策地域のコミュニティバランスは崩壊の危機に瀕してるのであります。このことは、とりもなおさず、さきの通達にある留意事項を遵守せず、一般公営住宅との均衡を保つことのみに目を向けてきた和歌山市行政の失策の結果であると言えるでしょう。

 一つの顕著な例として、芦原地区を参考に議論していきたいと思います。

 周知のとおり、芦原地区は、一行政区の芦原連合自治会の区域そのままが旧同和対策事業の指定区域でありました。小学校も単独校であり、芦原地区が一つの地域コミュニティーを形成しております。そして、同地区では持ち家はわずか200戸余り、地域住民の90%近くが市営住宅の住民であります。また、市内の中心部に位置するために空地が少なく、新たな戸建て住宅を確保するのは極めて困難な状況でもあります。

 そんな中にあって、国の方針に反する形で市営住宅との基準の一本化を進めた結果、さきに述べた地域のコミュニティバランスの崩壊へと急加速で向かっているのが現状です。

 例えば、定職を持った若い男女が結婚しようとします。現在の親と同居の市営住宅では狭くて同居は不可能でしょう。地域の公営住宅に空室があれば、当然そこへの入居を希望し、地域住民としての居住の安定を求めるのは法の想定するところでもあります。

 しかし、夫婦共働きで子供のいない新婚夫婦の場合、合算しての所得換算で政令月収15万8,000円を超えると入居資格は与えられません。国の方針で居住の安定のための優先入居を約束されているはずの地域住民である新婚夫婦は、やむなく他の地域へ移り、そこで居を構え、子をなし、家庭を形成していくわけでございます。当然、地域から子供の声は遠のいていきます。

 別の例です。例えば、夫婦で政令月収39万7,000円を超える者は、一切の家賃減免は適用されず、近傍家賃という計算根拠によりまして設定された家賃を求められます。

 例として挙げれば、平成9年竣工の74平米、3DKの住宅では、何と家賃は11万8,900円の高額であります。近傍と言いますが、近傍のどこを探せばこのような住宅にたどり着けるのか、不動産業を営む私にさえさっぱりわかりません。ましてや、応能応益という前提とはいえ、中古の一戸建てをローンで買っても十分におつりがくるような、そんな金額であります。一生懸命仕事をし、ようやく所得が安定したこの夫婦は、今までと全く同じ空間へ支払う対価がどんどん上昇することに耐え切れず、やむなく他の地域へ移り、そこで居を構え、生活の基盤といたします。

 さらに言えば、この収入額はほぼ入居者の上限所得金額と同じ金額でありまして、厳密に制度を適用するならば、この収入額に達した人は退去勧告の対象となります。当然の結果、地域の中での比較的高所得者は、さらに地域から遠のいていきます。

 確かに一般の公営住宅では、低所得者向けに良質な住宅を供給することを目的としているために、所得が上がれば退去させることが本来目的とは合致します。したがって、その提供される居住空間の質と家賃が見合わない、そんな状況になれば、居住者は同じ対価を負担するなら上質の居住空間を求める、もしくは所得が上がった分をそのまま住居費に充当せず、教育費などほかの費用に充てたいと考える人にしてみれば、応能応益の名のもとで所得増加分が家賃に直結すれば、何のために働いてるのかという疑問さえわいてきてしまいます。そう思わせるのが実はこの制度、公営住宅の制度であります。

 結果として、今の和歌山市の住宅施策は、公営住宅の本来目的を、この地域改善向け住宅にも強引に持ち込み、制度として若い夫婦や高所得者を排除していくことで、地域には高齢者や低所得者だけが残されているのです。

 部落差別が多分に地域的な生い立ちを差別する地域属性差別であるなら、このようにコミュニティバランスの崩壊に行政がみずから手をかせば、新たな地域属性差別が生まれるのは必至であります。望ましいコミュニティバランスは、高所得者も低所得者も高齢者も子供もともに暮らし、互いに助け合って生きることで成立し、そこにこそ暮らしの中から生まれる地域文化が醸成されるのではないでしょうか。これを阻害しているのが今の和歌山市の住宅施策であります。

 別の角度から見てみます。過日、とある人物と同和対策事業について議論を行う機会がありました。いわく、他の市民と比較して不平等であると彼は主張されます。その理由を聞いてみました。彼は、立ち退きの際に皆さんはその補償を受けておられる。その上で、今、低額の家賃で市営住宅を借り、さらに空き室を一般公営住宅と同様に多くの市民に開放しないという指摘でありました。当局の、しかも担当部局にいる職員は既にお気づきでしょうが、これには大きな誤解があります。

 昭和44年に始まった我が国の同和対策事業で、地域環境改善のためにそこに住む人々は立ち退きを命ぜられました。その際、行政が当事者と交わした約束は、まず、立ち退きに応じても住む場所には心配しなくてよい、一生その地域で暮らせるように改良住宅に安価で居住してもらうことができます、というものが当初の約束でありました。それに加えて、土地の所有権を持つ者、建物の所有権を有する者、借地権、借家権、営業権等々、それぞれ個別の状況に応じた補償がなされたわけです。もっとも、最初に改良住宅への入居権−−入居する権利が与えられてるんです。これに基づき得た最低限の補償が、前日の通達にある地域住民の居住の安定を図るための優先入居という、不平等などという指摘が全く当たらない地域住民固有の権利なのです。

 そう考えたとき、地域で公営住宅に居を構える新婚夫婦や高所得者を排除してしまう現在の制度が、いかにゆがめられた平等かがわかるでしょう。

 ちなみに、議論の主はこうも言います。比較的収入が高い人たちにも、いまだに月数千円の家賃が適用されていると、このように思っていたらしく、私が収入に伴います家賃の一覧表をお見せしますと、非常に驚いておられました。

 彼は、さらに議論を深める中でおっしゃいます。制度を悪用し、同和利権を食い物にする者や、恩恵だけにあずかろうとする、いわゆるえせ同和の存在があるではないかとの指摘です。私は、悪意を持って制度を利用する一部の者を排除する理由に、健全なる市民をも排除することは明らかに方法に問題があると、こう答えさせていただきました。

 さらに角度を変えて論じたいと思います。いささか情実論にはなりますが、部落差別との戦いは、いまだ終わりを告げておりません。一昨年の6月議会で、私は一般質問の中でも述べましたが、インターネットの世界を主な戦場として移し、新たな差別が生じております。そんな中にあって、行政の都合で家賃がどんどん上がり、やむを得ず地域を出る人の心の中には、差別と戦ってる仲間や地域の人たちを置いて自分だけがそこを離れることがよいのかという、そんな思いが生まれ、新たな悩みにさいなまされるのです。

 部落差別は既に存在しないと論じる方々には理解できないでしょうが、過去において就職差別や結婚差別に耐えられず、生まれた町を捨て、出身地を隠して暮らしておられる方もいます。経済的な理由から、それを望んでもできなかった方もいます。そして生まれた町を、そこに暮らす仲間を愛し、真の被差別部落解放の日までそこに根を張って頑張っている人もおられます。情実論ではあります。しかし、自身何の罪があってそんな悩みを彼らは持たなくてはならないのでしょうか。

 そこでお尋ねします。

 この市営住宅の施策制度において生じた新たな問題について、当局はどのように認識し、これにどう対処するおつもりですか。このことをお聞きしまして、第1問とさせていただきます。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 9番松井議員の一般質問にお答えいたします。

 本市の取り組むべき優先課題についてということで、所信表明で雇用対策に力を入れなければいけないと述べたけれども、具体案は盛り込まれていない、それはなぜか。また、教育公務員の人事権移譲について盛り込まれていないのはなぜかという御質問であります。

 所信表明で申し上げました3つの「磨く」と9つの「充実」は、長期総合計画でお示しいたしましたさまざまな政策、施策を実行していくところに当たっての、これに新たな視点に加えて、各種個別施策、事業を横断的に位置づけ、合理的に相乗効果を得られるよう推進していきたいと考えているものであります。

 御指摘の経済対策の具体案につきましては、現在の経済情勢から本市としても非常に喫緊の課題であると認識し、市民生活の安定のため、本市の経済が一刻も早く浮揚できるよう、今年度の国の経済対策を活用した事業として、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した16事業110人の雇用確保を図ること、また、ふるさと雇用再生特別基金を活用して10事業24人の雇用を確保して、合計134人の雇用を確保する計画となっております。

 さらに、先日、国の新経済対策が発表されたところですが、これについても情報収集を行って、雇用対策に活用できるものがあれば積極的に取り組み、景気の好転に向けて努力をしていきたいと考えておりまして、所信には盛り込んでおりませんが、当然、重要課題として取り組んでまいります。

 所信で触れております道路、交通網の充実における道路整備や総合防災体制の充実としての公共施設、民間建築物の耐震化などの取り組みにつきましては、インフラ整備となるため、経済対策にも寄与すると考えております。

 いずれにいたしましても、経済対策などの喫緊の課題につきましては、市民の生活に直結するものが多いため、議員御指摘のとおり、今後はその取り組みについて、機会あるごとにアピールしてまいりたいと考えております。

 所信でも申し上げましたが、魅力ある地域づくりを推進するためには、国、県、市の役割分担を見直し、それぞれの役割分担に基づく権限移譲を進めることが肝要であります。今後、中核市である本市の実態に応じた特色ある教育行政を展開するためにも、教職員の人事権も同様に移譲の実現に向け、国、県に働きかけてまいりたいと考えています。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 内原建設局長。

 〔建設局長内原久夫君登壇〕



◎建設局長(内原久夫君) 9番松井議員の一般質問にお答えいたします。

 市営住宅等のあり方について、地域改善向け公営住宅に関する市の施策は、一般公営住宅との均衡を保つことのみに目を向けてきたため、地域住民の居住の安定が毀損し、地域のコミュニティバランスが崩壊の危機に瀕している。市営住宅の施策において生じた新たな問題点について当局はどう認識し、対応するのかとの御質問です。

 市営住宅、とりわけ地域改善向けに整備されてきた住宅につきましては、団地のコミュニティバランスが崩れてきており、それが地域のコミュニティバランスにまで悪影響を及ぼしている現状があることは認識しています。

 当該団地は、地域の生活環境の改善に大きく寄与してきた経緯があり、いつの時代になっても地域の人々の居住の安定を図る必要があると考えております。地域のコミュニティバランスを回復させ、よりよい住環境を創出するためにも、一定の所得がある若年層等の入居をいかにするか、また、家賃の漸増により、団地からの退去を決断せざるを得なくなった入居者の受け皿をいかにつくるかなど、当該団地の地域の安定に果たす役割を一般施策の中で引き続き対応していくことが重要と考えます。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 9番。

 〔9番松井紀博君登壇〕(拍手)



○議長(山本宏一君) 傍聴人に申し上げます。傍聴人は拍手等は禁止されておりますので、静粛に願います。



◆9番(松井紀博君) それぞれ御答弁をいただきました。再質問をいたします。

 まず、教育公務員の人事権の移譲に関する問題につきましては、せっかく市長が当選の直後に取り組みたい具体的な施策として発信されているのですから、県ともしっかり議論を行って、ぜひ早急に実現してもらいたいと思います。教育長も専門官の立場からしっかりと市長を支えていただき、教育公務員の中での世論づくりを確実に行ってください。よろしくお願いします。

 さて、喫緊の課題、経済対策です。

 第1問の答弁では、経済対策の必要性は認識している、所信には盛り込んでいないものの、当然重要課題として取り組むべきと考えているということでありました。なぜ盛り込まなかったのかという問いには、いささか見合わない答弁であります。しかも、所信にある道路、公共交通網の充実云々かんぬんが、経済対策の一環に寄与するものと考えていると、あたかも所信に盛り込まれているんだと述べつつ、くくりに今後はその取り組みについて機会あるごとにアピールしていくとおっしゃる。盛り込まなかったというのが認識の違いで、実は盛り込んでいたのか、それとも盛り込めなかったが、認識しているから今後はそう発信していくと、こうおっしゃってるのか、私の読解力では意味不明の答弁でありまして、ひいき目に見て、合わせ技一本で納得せよと、こういうことだと理解せざるを得ません。これについて、これ以上こんにゃく問答を続けていくつもりは毛頭ございませんので、本来の議論に戻りたいと思います。

 政治には発信力が必要であると私は常々考えております。ましてや景気は、多分に雰囲気といおうか、市場のマインドが重要なファクターとして左右する場合があります。そんな状況下にあって、市長の発信力が時には市民に希望を持たせ、多くの方々に頑張る力を与えることもあるでしょう。選挙の洗礼を受け3選を果たされた今だからこそ、その任期における中長期的取り組みとあわせて、今、全力を挙げて取り組むべき課題、それに対する個別具体策を、所信という形をかりて発信することこそ重要ではないでしょうか。

 改めて申し上げますが、今、多くの市民は日々の生活を必死になって生きておられます。このことをきちんと市長には認識していただきたい。予算執行に際しては、できるだけ前倒しして事業を行う、すべての事業に際して、そのお金の使い方が和歌山市域の経済にとって最も有効かどうかを考える、それこそ鉛筆一本の購入先までもであります。

 さらに言えば、市内在住の職員はもちろんのことですが、市外の職員にも日々の買い物もできる限り市内で買って帰ってほしいなど、そんなふうに呼びかけたり、さまざまな会合でこれまで市長があいさつをされるときに、市はお金がないので市民の皆さん辛抱してほしいなどと暗いお願いをするのも結構ですが、かわりに市民の皆さんの、例えば、インターネットや地域外での大型店舗での買い物、また、アウトレットの買い物、そんな買い物が積もり積もってさらに和歌山市経済を悪化させる。2割高いものでもみんなが和歌山市で消費すれば、その乗数効果により4割が地域経済に還元される、そんなふうに訴え続けることも重要ではないでしょうか。

 市長の言葉が、市長の行動が、その使い方次第で和歌山市民にさらに大きく寄与するものだと考えております。選挙の際、一候補者の公約ではなく、当選した市長だからできること、市長でなければできないことがございます。だからこそ当選直後の記者会見での発言や今議会における所信には重要な意味があり、そこには強いメッセージが含まれなければならないと思う次第でございます。

 市長には、そのことについて、ぜひ自覚と自信を持って行政運営に当たっていただきたいと思います。るる持論を述べましたが、これらのことについて市長の所見をお述べください。

 次に、市営住宅についてです。

 議論を深める前にまず確認しておきたいのが、国による同和対策は法の期限を迎え、これを終了し、その後については一般対策に移行するということは衆論の一致するところであります。どうもこの一般対策で取り組むということが誤解されておりますようで、同和対策のすべては必要なくなったので、後は対象地域以外をも含んだ全般的、一般的な施策として取り組むべきだ。対象地域への個別の同和対策は法的根拠がなくおかしいと、こう共産党の皆さんは主張されております。完全に一般という言葉を間違ってとらえられているのか、それともあえてそう主張せんがために意図的に解釈されているのでしょうか。いずれにせよ、当局はこのことについて、概念、認識をここで明確にしてもらいたいと思います。答弁を求めます。

 第1問の答弁で、一定の所得がある若年層等の入居をいかにするかと答えられました。これにより当局がこのコミュニティバランスの件について私と共通の認識を持っていることがわかりました。そして、それを一般施策の中で引き続き対応していくことが重要であると考えるとの答弁でもありました。

 さらに議論を深めるために2つの事実に分類して考えますが、まず、若年層の入居希望者が、地域の住民でありながら15万8,000円の月収制限で入居できないという問題です。夫婦合算で15万8,000円の政令月収というのは、要は正規雇用どころかアルバイトにもつくことができない、そんな状態でしょう。まず、この入居のための所得制限を見直し、地域の若年層が適当な年齢に達するに当たって、親から独立することを当然の社会性と考えて、彼らが新たに入居資格を得ることができるようにすべきではないでしょうか。この入居の所得制限の見直しについて、当局の所見を述べてください。

 次に、既に入居している若年層の家庭にあって、頑張って働いて年収が上がっても、増収の分を教育費などの他の費用に回すことができず、家賃増額に充てるだけではたまらない、そう考えるのは、先ほども申しましたとおり当然であります。まして、今の減免措置がなくなれば一気に家賃が上昇するわけで、例えば、子供の小学校の転校なども考慮する必要が生じ、いつ住居をかえなければならないのか、そんなふうに考えるのも当然であります。こんな不安定な現状に置かれ、若い人たちは本当に悩んでおられます。

 今回指摘しておりますコミュニティバランスの問題を解決するために、当局はこの現在の家賃減免制度を今の水準でとどめ、さらにこれを中長期的に継続することを地域住民に知らしめ、将来にわたって地域にとどまってもらう方策を講ずるべきではないでしょうか。この減免制度の継続についての当局の所見を述べてください。

 以上お聞きして、2問目を終わります。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 9番松井議員の再質問にお答えいたします。

 いずれにせよ、経済対策の必要性について、所信を通じて強いメッセージを発していくべきであったのではないか。市長の所見はどうかということであります。

 本市の経済情勢は、所信でも申し上げましたとおり依然として厳しく、雇用に至ってはハローワーク和歌山管内の直近7月の有効求人倍率が0.55倍で、若干好転したものの1.0倍を大きく下回る低水準であり、相変わらずの厳しい雇用情勢と景気低迷の長期化とで、なかなか回復の兆しが見られないところであります。

 このような状況の中、多くの市民の皆様方は、毎日歯を食いしばり、必死になって生活をされておられることは、特に選挙期間中に市内を回らせていただく間にもたくさんの厳しい御意見をいただき、市民の皆様方の気持ちを痛切に感じているところでございます。

 この和歌山市の現状を打破するため、また、市民の生活を守るためにも、議員の御意見である日々の買い物は和歌山市内でということを訴えることは、本当にそのとおり、私も同感でありまして、私を含め全部局職員が実践していくよう、また、日々の業務の中でも、今の和歌山市に何が必要なのか、何が必要とされているのかを十分見きわめ、行き先を間違えないよう、しっかり和歌山市政のかじ取りをしていきたいと思っております。

 所信につきましては、私の考える今後4年間の和歌山市のあるべき姿を表現するもので、本市の取り組むべき政策や方向性を掲げ、よりよい和歌山市を築いていくためのメッセージであると考えます。

 議員御指摘の政治には発信力が必要であるという御意見には、私も全く同じ気持ちであり、鋭意努力をしてまいったところでありますが、多くの市民に希望を持っていただき、頑張る力を与えることができるよう、私の考えや取り組むべき課題について、今後も積極的に発信してまいりたいと思っております。

 以上です。



○議長(山本宏一君) 上島市民環境局長。

 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕



◎市民環境局長(上島勲君) 9番松井議員の再質問にお答えします。

 市営住宅等のあり方に関連して同和対策について、特別対策が終了し、一般対策に移行したが、一般対策で取り組むということについての概念、認識を明快に述べよという御質問です。

 昭和44年に同和対策事業特別措置法が時限立法として制定されました。その後、法律の名称が変わりつつ、特別対策が実施されました。このことは、その当時の地域の実態を考えますと、国策として施行された意義のあったものと考えております。

 特別対策から一般対策への移行につきましては、国による同一基準で行う事業は終了したものの、残された課題を解決するため、各自治体が主体性を持って、地域の状況や事業の必要性の的確な把握に努め、同和対策のさまざまな取り組みを行うことだと認識しております。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 内原建設局長。

 〔建設局長内原久夫君登壇〕



◎建設局長(内原久夫君) 9番松井議員の再質問にお答えいたします。

 市営住宅等のあり方について、地域改善向け公営住宅における若年層入居の入居収入基準の見直しと家賃の減免制度の継続についての当局の所見はどうかとの御質問です。

 中堅所得者等の入居については、働き盛りの若者が、地域コミュニティーの次代の核をなす重要な担い手と認識しています。その入居希望にこたえていくため、国会で継続審議となっている地域主権改革の推進を図るための関係法令の整備に関する法律案の施行に伴う公営住宅法改正を受けて、地域コミュニティーの再生にかなう形での入居要件を市条例の中で明確に規定していかなければならないと考えています。

 また、家賃の特例減免については、住民の方々の日々の生活に直結する問題でもあるので、今後どういう方向で進めていくかを、地域改善のもとに整備されてきた地域の実情を精察し、住宅施策の諮問機関である和歌山市営住宅施策委員会の答申を尊重して、現状を見据えた上で必要な施策を進めてまいります。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 9番。

 〔9番松井紀博君登壇〕(拍手)



◆9番(松井紀博君) それでは、御答弁をいただきましたので、再々質問をさせていただきます。

 再々質問は、市営住宅についてのみでございます。

 市民環境局長、先ほどの御答弁ね、これで一般対策ということはどういうことかということは、言葉遊びをしてても仕方ないので、これからのこの市議会の議論においては、この定義をきちっと守ってやっていっていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いします。

 再質問で問題提起しました入居時の所得制限の見直しについて、それと減免制度の継続について、それぞれにつきましては、これまでになく前向きな答弁をいただきました。しかし、その手法については若干の不満が残ります。

 前者、所得制限については、今、国会で継続審議となっている地域主権改革の推進を図るための関係法令の整備に関する法律案の施行を待ってということですが、私はね、局長、現行案でも十分に対応できると考えております。あくまで法の趣旨は−−現法ですよ、現法の趣旨は、改良住宅などの取り扱いを公営住宅と同様にすることができるとしたものでありまして、同様でないことを禁止したわけでは決してございません。

 さまざまな通達に一貫して読み取れるのは、地域の実情をかんがみ適正に運用せよと、こういうものでありまして、さきの通達にもあります「今後も地域における居住の実態や施策の必要性を的確に把握したうえで、地域改善向公営住宅への優先入居を適切に行われたい。」と国が明言している以上、この国の方向性に従えばよいだけなのであります。

 和歌山市はこれまで、法の移行の手続を厳格に適用し過ぎました。そのために生じた問題が今顕在化した以上、速やかにこれをただすべきではないでしょうか。

 減免制度の継続についても同様です。和歌山市営住宅施策委員会は、住宅施策の諮問機関であります以上は、当局から長期的な減免制度の継続を提案して同委員会へ諮問することは何ら問題ないわけでございます。コミュニティバランスの崩れという新たな問題が生じた以上、その現状と減免制度継続の必要性をあわせて主張し、提案すべきではないでしょうか。

 いずれにせよ、答弁にもありますように、現状を見据え、必要な施策、これを速やかに講じてもらいたいと思います。建設局長、ここは本当にしっかりと取り組んでいただきたいと、よろしくお願いします。うなずいていただいてるということでよろしいですね。はい、ありがとうございます。

 さて、1点だけ難しい問題が残っております。それは高所得者の今後の処遇です。重ねて言いますが、所得が上がり、支払い能力があるということと、高額家賃を払ってでも住み続ける値打ちがその部屋にあるということは全く別物です。支払う住居費には不満がありつつも、何とか住みなれた町に残りたい、そんな思いはだれもが理解できる範囲でしょう。しかし、そんな高所得者もそこに混住してこそ多層的なコミュニティーとなり、健全な地域活動が行えるわけです。

 さらに言えば、残念ながら高所得者の子供ほど高学歴を得ている確率が高いことも、我が国が抱える現実です。ならば、高所得者にも地域に残りやすくする施策を講じ、その家庭の子供にしっかりと学力向上の牽引役になってもらう。そして周りの子供たちもそれに触発され、地域全体の学力レベルの向上にと、こういうふうにつながることも大いに期待できるわけです。

 そうは言いながらも、一たん上げてしまった家賃を見直すことが困難であることは推察いたします。

 そこで提案いたしますが、和歌山市がさまざまな形で所有する未利用地をもっと積極的に活用し、地域に占める戸建て住宅の割合を高めることをまず考えるべきではないでしょうか。所得が上がったから家賃が上がる。低所得者向けという公営住宅法の本旨に基づき明け渡しを求める、地区の9割近くを公営住宅が占めているから地域外に出て行け、これでは余りにも無策ではないでしょうか。

 そこで、地域に安定して居住を図り、かつ、支払う住宅費に見合う居住空間を確保してもらうことこそコミュニティバランスの再構築につながることだと考えますが、これについての当局の見解を求めます。

 最後に、市長にお尋ねします。

 世の中にはさまざまな主義主張が存在し、さまざまな事象において意見の違いが生ずるのは当然でしょう。しかし、私たちは互いに他者を尊重しつつ社会を形成することが重要であることは言うまでもありません。

 そのことを踏まえた上で改めて申し上げますが、私は部落差別問題は決して解決していないと考えておりますし、実感もしております。国民の理解を得られない同和利権など必要ありません。えせ同和などこれからの社会は許さないでしょう。そしてだれも求めていません。

 しかし、そこに生まれ、歴史的に社会から突きつけられた幾重もの苦難を乗り越え、地域文化を次世代につなげたい、その場所で懸命に生きる人々がそこに確かにいるのです。市長の部落差別問題への現在の認識と、その思いを最後に改めてお聞きし、私の一般質問を終わらせていただきます。

 長時間にわたっての御清聴、感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 9番松井議員の再々質問にお答えいたします。

 今、再々質問の前段で松井議員が言われた、歴史的に社会から突きつけられた幾重もの苦難を乗り越え……、懸命に地域文化を……次世代につなげたいと、そこの場所で生きてる人々がいるというお言葉でありました。地域で、そしてまた二十歳の集いのときなどに、子供の黒潮太鼓を……(「頑張れよ」と呼ぶ者あり)聞かせていただくことが何度もあります……。あれを聞いてまして物すごく感動を覚えます。地域で子供たちに地域のコミュニティーが培ってきた文化を伝えていこうという努力が、そのことが子供たちをすごく成長させている。子供会活動というのがこういう形で生きてるんだなということを、いつも感動的に見ております。そのことを申し上げた上で、部落差別問題の現在の認識についてお答えしたいと思います。

 同和対策事業によって道路や住宅などの生活環境はかなり改善してきたところでありますけれども、インターネット上では差別書き込みが後を絶たず、悪質なはがきや落書きもしばしば目にいたします。市に対する同和地区の問い合わせもなくなってはいません。そうした状況を見るにつけ、いまだに社会から差別がなくなったわけではないと心を痛めております。

 本市では、同和問題解決には残念ながら、まだ時間を要すると考えており、今もなお事業の必要性を認識してるところです。長年にわたる差別を要因とする教育や就労、福祉等、残されている課題につきまして、今後ともその解決に向け、必要な施策については積極的に取り組んでまいります。

 以上です。



○議長(山本宏一君) 内原建設局長。

 〔建設局長内原久夫君登壇〕



◎建設局長(内原久夫君) 9番松井議員の再々質問にお答えいたします。

 市営住宅等のあり方について、高額所得者も混住してこそ多層的なコミュニティーとなり、健全な地域活動が行える。高額所得者が地域に安定して居住を図り、かつ、支払う住宅費に見合う居住空間を確保してもらうことこそコミュニティバランスの再構築につながると考えるが、当局の見解はどうかとの御質問です。

 地域の中にある住宅第2課が管理する未利用地があります。収入の増加等により、住宅を退去された方や高額家賃にも耐えながら住んでいる入居者に対しても、地域に根差す居住の安定を確保する上で、今後、未利用地を高額所得者や若年層などが地域外流出することに歯どめをかけるため、また、地域コミュニティーの再生、維持を図るために有効な手段として、売却が必要とするときには、分譲宅地等としても利用することも視野に入れて検討していきたいと考えます。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) しばらく休憩します。

          午後2時09分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−

          午後2時31分再開



○議長(山本宏一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 日程第2の議事を継続し、質問を許します。

 森下佐知子君。−−15番。

 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手)



◆15番(森下佐知子君) 議長のお許しを得ましたので、一般質問をさせていただきます。

 初めに、子育て支援についてお伺いいたします。

 市長は、さきの市長選挙を通じ、子育て支援に力を入れると表明され、今回の所信でも重点施策に掲げておられます。子育て支援は、今、少子化対策としてはなくてはならない施策でもあるわけですが、その内容は子ども手当のような給付型と、社会資源的に充実させる方法とがあるのは御承知のとおりです。その方法のどちらを選び実施するかについては議論の分かれるところです。

 しかし、それ以前の問題として、日本はそもそもなぜ少子化が解消されないのかということについて、産む側の立場からは当然のことながら、それぞれのライフスタイルに応じての子育ての状況をしっかり把握した上で施策が展開されているかどうかについては疑問の残るところです。安心して子育てできるというのは、どのような施策を保障することによって可能なのかが、受け手の思いと合致しているのかどうかということが問われているのだと思います。

 また、必要な施策については、どこの自治体に住んでいてもほぼ同じ住民サービスが受けられるよう、国レベルで財政的支援に責任を持つということが必要であると私は考える一人ですが、そうなっていない現状の中にあっては、各地方自治体が住民の声に耳を傾け、足らずを補い、暮らしを支えることが最も重要な責務であると思われます。

 さて、児童福祉司であり、「子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会におよぶ諸影響」という本の著者でもある山野良一氏が、自著の中で明らかにされていますが、OECDの調査では日本の子供の貧困率は14%、これは7人に1人という数字です。また、ひとり親家庭の貧困率は先進国の中で最も高くなっています。

 さきの6月議会で、私は就学援助の充実を取り上げさせていただきましたが、これは教育関連の公的支出についても言えることで、公的支出が最低水準であるがために世界でも突出した高学費となっています。

 さらに注目すべきなのは、政府による再分配後の貧困率が高くなるのは、OECD加盟主要11カ国中、唯一日本だけだということです。これは何をあらわしているかといいますと、児童手当などの金額が低く、社会的なサポートが少ないか、あるいは低所得の家庭が払う税金や保険料が相対的に高いということであり、日本ではさまざまな問題が個人の自己責任に帰されてきた結果であると山野氏は指摘をしています。

 雇用形態が正規雇用から非正規雇用へと置きかえられたことにより、収入減となっただけではなく、政府の構造改革のもとで税や社会保険料などの公的支出がふえたことで、可処分所得が激減し、二重に子育て世帯の状況を圧迫しています。子供の貧困は子供の責任ではないにもかかわらず、進学をあきらめざるを得ない、十分な医療が受けられない、果ては貧困による虐待、ネグレクトなどで十分な食さえ危ぶまれるという現実を直視した上で子育て支援策を講じる必要があると考えます。

 そこでお伺いをいたします。

 市長が選挙期間中、あるいは終わってからも、新聞紙上などを通じて子育て支援を重点施策であると訴えておられましたが、なぜそのような認識に至ったのか、理由と経過について述べてください。

 また、これまでの2期8年間での市長自身の子育て支援の施策について、その総括を簡潔に述べてください。

 3期目に当たっての所信を含め、新しい施策については何をお考えでしょうか。また、継続している施策の中で、さらに充実させる必要があると考えていることは何でしょうか。

 次に、支所、連絡所のその後ということでお伺いいたします。

 さきに、既にサービスセンターについての質問がありましたので、一部重複する点もあるかもしれませんが、御了承ください。

 昨年の6月議会において、支所、連絡所の窓口業務を廃止し、市内7カ所のサービスセンターに集約するという方針は、市民サービスの低下につながるのではないかという議論をいたしました。また、市民への説明責任を果たすとともに、出された意見については真摯に受けとめて対策を講じることや、それまでは実施を見送ることなども要望してきたところです。

 先日の一般質問でも、今までよりも遠くなるという点においては、不便になることは避けられないということが明らかにされました。窓口業務に限っていえば、日曜日の開設や税証明、国保証の発行など今までよりも進んだ点ということで表明をされておりますが、そこへ行くこと自体に不便があるのでは、せっかくの施策が生かされません。そういう点で、11月からの実施は、これまでの疑問や不安を解消できた結果としてのスタートなのかどうか、いま一度お伺いをしたいと思います。

 昨年6月議会において、市民に遠くなるなどの不便さを余儀なくさせることについては、一律実施を見送るべきとの議論をいたしましたが、この事業についての市長の現時点での認識はいかがでしょうか。

 取り次ぎ業務を行うというふうに言っておられましたが、その対象となる内容はどんなものでしょうか。

 遠くなるということで特に不便になると想定されている地域はどこでしょうか。

 1年前の計画からこの11月実施までに変わった点はどんなことでしょうか。また、北部地域、南部地域の実施計画についても述べてください。

 交通弱者ということの範疇をどのようにとらえていらっしゃいますか。

 前回の私の質問での議論の際、地元の声を聞くということを約束されました。市民合意という点で、その後1年余り、どんな取り組みをされましたか。

 また、現時点で出されている市民の声はどのようなものでしょうか。

 以上をお伺いいたしまして、第1問といたします。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 15番森下議員の一般質問にお答えいたします。

 子育て支援について、3点ございます。

 まず、重点施策とする認識に至った理由と経過、それから2期8年の子育て支援施策の総括、3期目に当たっての所信を含め、新たな施策は何か、充実させる必要がある施策は何かということであります。

 まず、子育て支援を重点施策とする認識に至った理由と経過についてでございますが、未来を開く次世代育成支援の充実につきましては、平成22年度当初予算の編成においても重点施策として位置づけたところでありますが、1970年代半ば以降、全国的に出生率、出生数の低下傾向が続き、本市におきましても全国平均以上に急速に少子化が進んでおります。本市の合計特殊出生率を見ると、平成20年は1.37とやや上昇傾向ではありますが、平成21年1年間の出生数は、前年を約140人下回っておりまして、決して楽観できる状況にはございません。

 将来推計人口では、和歌山市の人口は平成37年に30万人を割り込むとされており、急激な少子化を食いとめるため、市としても可能な限りの対策をとる必要があります。その対策としては、まず何よりも、子供と子育て世代を地域全体で応援していく体制づくりが必要であるということであります。

 子育て支援策を充実させることは、未来への投資であり、施策充実により本市が子育てしやすい町として評価されるようになることが、将来の活気にあふれた地域づくりにとって極めて重要であるというふうに考えたからであります。

 次に、2期8年の子育て支援施策の総括についての御質問であります。

 私が市長に初当選した翌年、平成15年に次世代育成支援対策推進法が制定され、それに基づく前期行動計画を平成17年3月に策定し、子育て支援の推進に努めてまいりました。

 その間、県立医科大学附属病院小児科と連携した小児成育医療支援事業や妊婦一般健康診査助成事業などの母と子の健康づくり支援の充実、つどいの広場の増設や放課後児童健全育成事業の拡充などの家庭や地域の子育て力向上のための支援策の充実に取り組んでまいりました。

 その結果、前期計画の実施状況は、事業着手率では約99%と高い水準となり、ある程度の子育て支援環境が充実してきたところでありますが、今なお一層の支援充実を進めるため、本年3月、前期計画を見直し、後期計画を策定し、施策の継続とさらなる内容の充実を図り、取り組むことにしております。

 3番目に、3期目に当たっての所信を含め、新たな施策は何か、充実させる必要がある施策は何と考えているかという御質問であります。

 人口減少に歯どめをかけ、将来の和歌山市を担う人材を確保するためには、教育や福祉を初めとした総合的な子育て支援の仕組みづくりが必要であります。

 今年度から子供や家庭に関するワンストップ相談窓口として設置したこども総合支援センターを活用して、虐待や不登校などの相談体制を強化するとともに、放課後児童健全育成事業若竹学級についても、時間延長を初め機能充実に努めております。

 また、子育てしやすいまち和歌山市の実現のために、子育て応援ハンドブックの作成に続いて、子育て情報のメール配信事業を展開するなど、子育て情報の提供を充実させます。

 健康面では直川用地に設置予定の保健センター開設に続いて、南保健センターも移転新築することを決めており、乳幼児健診を受けやすい体制が整うことも大きな効果があると考えておりますし、子供を対象といたします新たな予防ワクチン接種に対する助成を行うなど、子育て支援を重点的に進め、和歌山市に住んでよかったと思えるような子育てしやすいまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

 次に、支所、連絡所問題のその後ということで、去年の6月議会で一律実施は見送るべきだという論議をしたが、この事業のその後の展開についての市長の現時点での認識はどうかということであります。

 現在、準備を進めております支所、連絡所の窓口業務の再編は、窓口業務を市内7カ所のサービスセンターに集約するものであります。市民の皆様方には御不便をおかけすることもあるかと思いますが、なるべく御不便がかからぬよう最大限の努力をしてまいりますので、本市の行財政改革の一環として御理解願いたいと思います。

 本市の財政状況は、以前より少し好転したとはいえ、まだまだ厳しい状況にあります。本市の財政を立て直すためにも、支所、連絡所の業務内容と職員配置数の見直しに手をつけざるを得ないと認識しております。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 上島市民環境局長。

 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕



◎市民環境局長(上島勲君) 15番森下議員の一般質問にお答えします。

 支所、連絡所のその後について、6点ございます。

 まず1点目は、取り次ぎ業務をするということだが、その内容はという御質問です。

 サービスセンターまで申請に出向くことが困難な交通弱者の方々に対する取り次ぎ業務につきましては、各種届け出業務を除いた住民票の写しや印鑑登録証明書、各種税証明書などの交付の取り次ぎを行います。

 次に、2点目として、遠くになるということで特に不便になると想定されている地域はどこかという御質問です。

 各支所、連絡所から最寄りのサービスセンターまでの距離が約6キロメートル離れている加太地区と山口地区が特に御不便になると想定しています。

 3点目は、1年前の計画から、この11月実施までに変わった点は何か。また、北部、南部地域の実施計画を述べられたいとの御質問です。

 サービスセンターの開設後、支所、連絡所は地域活動の支援や防災の拠点として業務を行っていく上で地域にとって大変重要な施設となります。

 取り次ぎ業務において、当初は支所、連絡所の非常勤職員がサービスセンターまで出向き、各種証明書を申請者に交付する計画でしたが、支所、連絡所にできる限り職員が常駐できる体制をとるため、サービスセンターの職員が取り次ぎ業務を行うことに変更いたしました。

 また、新たに市報わかやま配布時には、地区の世帯数に応じて支所、連絡所に人員の増員を行います。

 次に、北部、南部地域の実施計画ですが、北部地域につきましては、現在、直川地区に建設中のさんさんセンター紀の川内にサービスセンターを設置し、平成23年度中の開設を予定しております。また、南部地域においては、現在の南保健センターが移転後、跡地にサービスセンターを建設する予定となってございます。

 4点目は、交通弱者ということの範疇をどうとらえているのかとの御質問です。

 交通弱者の方については、取り次ぎ業務を行うことになりますので、原則として満75歳以上の方、身体障害者手帳の交付、要介護認定を受けている方であり、サービスセンターまで申請に出向くことのできない方々ととらえております。

 5点目として、前回の質問で議論の際、地元の声を聞くという約束をされたが、市民合意という点で、その後1年余り、どのような取り組みをしてきたのかという御質問です。

 平成21年6月議会におきまして、「連合自治会から地域の意見なども市のほうに寄せられてございますので、そうした御意見を真摯に受けとめ、今後も検討してまいりたいと考えております。」と答弁しております。その後も機会あるごとに各地区の連合自治会長に地元の御意見をお聞きし、検討を重ねてまいりました。

 最後に、現時点で出されている市民の声はどのようなものかとの御質問です。

 市民の方の声としては、サービスセンター開設と同時に支所、連絡所の職員を減らしてしまうのではなく、状況を見ながら徐々に体制を整えるべきであるという御意見や、支所、連絡所に証明発行の端末機を現状のまま残してほしいという御意見もございました。

 また、9月号の市報わかやまと同時にサービスセンターに関するチラシを配布したところ、自治振興課に35件の御意見が寄せられています。大半がサービスセンターの利用方法による問い合わせでしたが、中には遠くなるので不便になるという否定的な御意見もございました。しかしながら、行政も業務の合理化を図っていくべきであると、今回の計画を肯定的にとらえる御意見も何件かいただいております。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 15番。

 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手)



◆15番(森下佐知子君) 御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。

 まず、子育て支援についてです。

 市長の今までの総括、並びになぜ子育て支援を重点施策として取り組むというふうに考えたのかということについてのお考えも述べていただきました。その中で少子化対策がやはり大事だという視点が全面に出されておりまして、それはそれで非常に大事なことだというふうに私も思います。

 しかし、子供の貧困について私は1問で述べましたけれども、その認識について、私はもう少し市長が触れられるのかなというふうに思いましたが、そこには触れられなかったんですね。今、生活保護が非常にふえているという問題もありますし、前回の就学援助の問題を取り上げる際にも、今、学校現場でどういう状況になっているのかという、そういう調査の結果も紹介をさせていただきました。

 ひとり親世帯も増加をしておりまして、特にシングルマザーと呼ばれる母子家庭は、今、仕事を2つかけ持っている家庭が5人に1人というところにまできているそうであります。しかも、シングルマザーはそこまで頑張って仕事をしても、平均年収が213万円にしかならないということでございます。

 先ほども申し上げましたが、子供の貧困は決して子供の責任ではないと。しかし直接的に子供に降りかかってきてしまうというのが現実であろうかと思います。これは決して特別な家庭が特別な事情でそうなるのではなくて、だれもがそういう状況に陥る危険があるというのが現在の状況であるというふうに思っております。

 その1つの大きな原因は雇用形態が変化してしまった。これは自然に変化したのではなく、政府の構造改革によって親の暮らしが破壊をされてしまった。派遣など人を使い捨てにするような働かせ方や、あるいは失業、それによる賃金低下、また、中小企業の倒産などもそこには含まれておりますし、農業収入の低下もあるというふうに考えます。

 もう一つの大きな原因はセーフティネットが不十分であるということ。それが相まって拍車をかけて、ここまで貧困率が高まってしまった。私は、これはひとえに政治の責任であるというふうに思っております。先ほどOECDの数字を出させていただきましたけれども、自己責任としてこれまで日本の政治が各家庭に求めてきた、そういう帰結として手をつけてこなかった結果ではないかというふうにも考えます。

 だれもがそういう貧困に陥る危険があると言いましたけれども、例えば、病気になるとか、事故に遭うとかという形で、一つ歯車が狂えばすべてが狂ってしまう、まるで階段を転げ落ちてしまうように貧困に陥ってしまうという、かつて湯浅誠さんの言葉も紹介したことがあると思いますが、それが今の現状であるがゆえに、私は子育て支援を語るときには、今のこの子供の貧困にはしっかり目を向けていく必要があるというふうに思っております。

 特に雇用形態の変化という点と、もう一つ述べさせていただいたセーフティネットの不十分さというのは、よくヨーロッパを比較に出させていただいて恐縮なんですけれども、やはり一つのモデルケースとして、OECDの加盟国が、多くはヨーロッパの国々も入っているためにその指標になるんだと思われるんですが、この違いは本当に歴然としております。

 例えば、日本の子育ての家族向けの予算の水準というのは、ヨーロッパ各国の約半分、低いところでは5分の1ということなんですね。ヨーロッパは手厚い予算を使って子育て世帯の貧困を減らす努力しているということです。

 これはそういう指標がありまして、先ほど再分配後の話をしました。OECDの中で再分配前と再分配後の貧困率が、OECD加盟国の中では日本が非常に高くなっていると1問で申し上げましたけれども、例えば、フランスは、再分配前には貧困率が全体で28%であるのに対して、政府がいろいろな手当をした後、貧困率は総じて7%に減っているという結果になっています。

 ところが日本は、払う税金が非常に高くて給付が少ないという結果になっておりますので、この予算を執行することで、かえって貧困率がふえてしまうということなんですね。こんな国は、先ほど11カ国と言いましたけれども、これをもっと広げて30カ国にふやしても、日本以外にはないんですね。政府の施策の結果、貧困率がふえるなんていう国は30カ国どこを探しても日本以外にはないということなんです。

 したがいまして、この経済的な部分をどう支援していくのかということは、やっぱり避けて通れない課題であろうかと思います。それが第1点。

 それから、市長のこれまでの総括のことと、これから新しくやっていくこと、さらに充実させることということで述べていただきました。

 今回の補正でも新しい施策がつくられております。それが、例えば、不登校や虐待を防ぐ手だてであったり、あるいは皆さんの子育てを励ますということ、そういうことにつながるということでは非常に喜ばしいことであろうかと思います。

 私は、子育て支援という点では、さまざまな施策についてこれまでもこの議場で述べてきたわけですけれども、子供たちの放課後の居場所である若竹学級の問題についても、るる聞いてまいりました。現在どうなっているかということでいいますと、非常に担当課も努力をしてくれまして、今年度、新しく待機児童解消のために専用のプレハブ施設を2つ建設していただくことになりまして、お母さんたちも本当に喜んでおられました。これはありがたいことだというふうに電話もいただいているところです。

 これは、ことし2カ所なんですけれども、これですべて待機児童が解消したかというと、決してそうではありません。そういう意味で、この部分は今後も努力をしていかなければならない。しかも今回の施設建設については、国からの補助金がおりたということによって、それに財源を充てることができたというふうに聞いているところです。

 しかし、そういう臨時的なお金があるからやるという姿勢ではなくて、今後も引き続いて、これは市の施策として計画的に施設建設、つまり待機児童解消のための施設建設については、やはり空き教室、余裕教室だけに頼っていくのでは後手に回る可能性があるというふうに考えておりまして、この部分は今後も必要なのではないかなと思っているところです。

 そういう意味で、機能充実と言われました、その中にこの施設建設も含まれるのかどうか、そのことについてどうかお聞きをしたいと思うんですね。

 それからもう一つは、この2学期から時間延長を統一させるということで、午後6時まで開設をするということも多くの保護者の皆さんから喜ばれているんです。しかし、この夕方の6時までというのは、長期休暇中ではない、いわゆる平日の開設のことなんですが、実は夏休みとか冬休み、春休みというのは、朝からずっと子供たちがこの学童保育を利用するわけで、いわば1日じゅう学校で過ごすわけなんです。今、開設時間が、おおむね朝は9時から、夕方は5時までということになっています。しかし、これは保護者の就労実態に合っているかどうかという点では、非常に疑問があるということは何度も申し上げてきましした。その結果が平日6時までの開設延長につながったわけですけれども、今は子供たちの安全に配慮するという意味で保護者の送迎が原則になっています。

 この夏休みに起こったことなんですけれども、1つ御紹介をしたいんですが、ある小学校で−−これは私に来たメールなんですけども−−1年生のお子さんを預けていらっしゃるお母さんからです。仕事の都合、ぎりぎり踏ん張っても8時15分には家を出なければならない。息子も一緒に家を出るので8時半には小学校へ到着する。まあそこで要するに子供を待たせるしかないわけなんですね、若竹学級があくまで。もちろん学校の中には入れるんですよ。しかし、それを見ていた校長先生から、早く来過ぎだと、保護者を指導せよと、若竹の指導員さんに言ったということがありました。

 そのときに、夏休みというのはプール開放がされているわけで学校はあいていたんです。なので教職員の皆さんも、当然校長先生も来られていたと思うんですね。このお母さんは、そのことを後で指導員の先生からお聞きをして本当に心を痛めて、しかも子供の前でそういうことをおっしゃったというふうに聞いているわけなんです。朝と帰り、御夫婦で交代して時間休をとりながらこの夏を過ごすということで、何とかならないんだろうかというメールをいただきました。幸い、この問題については、指導員さん方が話し合われた結果、時間差で出てくるというふうに配慮をしてくださったので助かったということになったわけなんです。

 私は、この話を聞いて非常に残念だなというふうに思いました。もちろん、9時からなので、こういう解決の仕方を選んだ親御さんのやり方がどうだったのかという御意見もあろうかとは思うんですが、背に腹はかえられなかった。だから、やはり朝の9時からの開設時間を、どういうふうにそれを早くしていくのかということも大きな課題で、これはほかの若竹では順次、臨時的に進めているところも、実態に応じてあったわけなんですね。なので私は、この若竹の現状という点では、この指導員の先生方が決して加重勤務にならないように、体制を厚くして工夫するということも同時に求められているなということを改めて感じました。

 また、何人もの方がこの議場で、今回の9月議会で述べられておりましたが、ことしの夏は本当に暑かった。その中で余裕教室の中で朝から夕方まで若竹で過ごした子供たちというのは、本当に大変だったんだろうなと想像をされます。9月に入ってもまだ猛暑がきつかった中で、東京のある学校では、9月の暑さを何とかしようと各学年でシフトを組んで、エアコン教室と、それから音楽教室と、そのエアコンのあるところを交代で1時間だけでも使えるように配慮しているということがテレビで報道されておりました。そんな状態の中で、子供たちの環境をどう改善させていくかというのも大きな問題であろうと思います。

 以上のことから、子育て支援に関する再質問をさせていただきます。

 雇用形態の変化による子供の貧困が指摘をされておりますが、現在の子供を取り巻く状況に即した市長の現状認識はいかがでしょうか。また、その現状に見合う施策を講じるための手だてが必要ではないでしょうか。

 2点目に、子育て支援のためには具体的な経済的支援が不可欠であると思いますが、いかがでしょうか。

 1問の答弁でも、また、所信の中で若竹学級のさらなる充実を上げておられますが、待機児童解消のための施設建設については、今後も引き続き取り組んでいただけるのでしょうか。

 4点目として、若竹学級は学校の協力が必要ですが、一部にいまだ若竹学級に対する認識がいかがなものかと思われる点が見受けられます。時間延長においても、施設建設においても、これからますます教育委員会の姿勢が問われると思いますけれども、教育長の決意はいかがでしょうか。

 続いて、支所、連絡所に関しての再質問をさせていただきます。

 昨年6月の質問で、市長は行革の課題として、人件費を削減する目的で支所、連絡所の窓口業務を集約化する。サービスセンターでは交通弱者の方への取り次ぎを行って、その業務の範囲を広げて、日曜日も業務を行うことでサービスの向上を図ると答えられました。

 しかし、不便をかけることになるという認識はいまだに変わらないもの−−先ほどできるだけ御不便をおかけしないようにとおっしゃいましたけれども、そういう結果にならざるを得ないという事業であることには変わりはないわけなんですね。それから1年余り、最初の計画と変わった点についてお聞きをしますと、サービスセンターの職員が取り次ぎ業務を行う、そして市報配布時の人員増員を行うということが大きな変化として上げられていました。

 その中で、昨年取り上げたときに、例えば、印鑑登録、個人情報の問題で、それを代行業務としてやることは非常に難しいのではないかということで、取り次ぎ業務の中から、いわゆる届け出業務、諸証明の発行ではなくて届け出業務についてはできないというふうに答えられておりまして、今回もそれを除いた部分については取り次ぎ業務を行うということですので、それは変わらないわけですね。

 それから、特に不便な地域はどこかとお聞きをしますと、加太地区と山口地区の2カ所、それは距離にして6キロメートルということで挙げられておられました。それは昨年、私も指摘をしたところです。同心円状に地図を並べてみると、この地域は非常に遠くなるし、不便になることはもう間違いないということで、一律に実施をするのではなくて、あらかじめ不便がわかってるところは現状維持ができないのかということについてもお伺いをしました。

 例えば、山口地域の方の場合ですが、新しくサービスセンターで諸証明をとると仮定して、交通手段に自家用車がない場合、紀伊駅でバスを乗りかえて行かなければならない。山口地域から紀伊駅へのバスは1時間に4本ある時間帯もありますが、紀伊駅から直川のサービスセンターへ行くには、最寄りのバス停からは時間帯によって1本もない、あるいは1時間に1本ということで、これはとった帰り、往復の復も同じなんですね。サービスセンターから紀伊駅までのバスは、ほぼ1時間に1本となっています。また、バス停からサービスセンターまでは、さらにそこから歩いて行かなければならない。バス料金については、上黒谷から紀伊駅までは210円、紀伊駅から鳥井まで210円、往復で換算すると820円もかかるわけなんです。そういう実態であると。加太も同じ状況であろうかと思います。

 ちなみに調べてみましたら、深山という地域から出ている市駅行きのバスは1日に2本ということで、帰りのバスもそれに合わせて2本ということなんですね。

 今、加太の支所までは、自転車で行ける人は何とか自転車とバイクで行っておられる。しかし、これが中松江まで行こうとなると、加太まで行って、また電車に乗らなければいけないと、こうなるわけです。

 こういう具体的な例を挙げると、本当に不便なんだなということが改めてわかるわけで、交通手段を持っている、要するに自家用車のある人にとっては何でもないことなのかもしれないけれども、私たちもいずれは車を運転できなくなるときがあるわけで、みんなそっちの方向へ向かっていってるわけなんですよね。ということは、それを十分想定をしなければならない。

 そもそも、支所、連絡所で窓口業務を取り次げるようになったのは、そういうことを配慮をして、歩いて行ける場所でとれることが売りだったはずなんですよね。それが行革の一環でそこに手をつけざるを得ないという市長の答弁なんですけれども、そういう、山口と加太の場合はこういう実態になるということを紹介しました。

 交通弱者ということで、これはさきの質問でもお答えがあったこととほとんど重複して非常に恐縮なんですが、原則満75歳以上、身障手帳もしくは要介護認定者ということです。これも同じことの繰り返しですけども、現在歩いて行ける、自転車で行けるという状態にあった方が同じ手段では行けなくなる。サービスセンターは車を保有しているということが前提であると思うんです。もちろん、近くに住んでる人はいいですよ。しかし、そこへ車で行くということが前提で話が進められている。バスや電車を乗り継いで行かなければならないということを想定しなくてはならないということになれば、この和歌山市というのは特に公共交通が不便で、そういう中で支所、連絡所の窓口業務は、そういう中だからこそまた必要な業務ではなかったんでしょうか。

 今、ひとり住まいの高齢者が本当にふえているということです。そういう点からも、諸証明については、本当に年に1回から2回行くだけのことなのかもしれないけれども、その1〜2回のための施策が、私は実際は喜ばれてきたんだと思うんです。そういう点で、やはり市民サービスを向上させるということが市の行政の大前提であれば、それを後退させるということは、本来はするべきではないというのが私の意見です。

 市民の意見について、今どういう状況なのかということも聞きました。まだ11月実施を理解し、合意できていると言える状態かということで言えば、私はそういう状態ではないというふうに思ったわけです。先日も、ある連合自治会の方々が和歌山市へ出向いて、端末を置いといてほしいというふうに言ったというふうにお聞きしているところです。それはやっぱり、そういう要望があるということもちゃんと受けとめるべきだと思うんです。

 市長は、何回も御理解を、御理解をというふうにおっしゃるんですけども、その理解を得るための努力がこの1年間でされてきたのかという点では、いまだにこういう意見が出ているということから言えば、私は、やはり見切り発車と言える部分も含まれたままの実施なのではないかと言わざるを得ません。

 ということで、あえて言わせていただいたこともございますが、再質問させていただきます。

 遠くなるということで不便になると先ほど答えられました加太地区、山口地区について、補完する措置を考えている具体策があればお答えください。

 それから、先ほどの答弁を聞いておると11月実施を断行するという前提ですが、市民への説明責任を果たすという点で、各単位自治会への説明会をちゃんと開くべきだというふうにことしの4月の時点で申し入れをいたしましたが、その点はどうなっているんでしょうか。

 以上お伺いをいたしまして、再質問といたします。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 15番森下議員の再質問にお答えいたします。

 まず、子育て支援についての再質問であります。

 まず1点目、子供の貧困という現状認識と、現状に見合う施策をどう考えてるかということであります。

 平成22年1月に発表されました国の子ども・子育てビジョンでは、子供がいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率は、2007年−−平成19年の調査で12.2%、そのうち、ひとり親世帯については54.3%となっておりまして、貧困率の高いことが課題であると指摘されております。

 本市におきましても、生活保護教育扶助費や小中学校の就学援助が年々増加しており、現在の子供を取り巻く状況が厳しくなっていることが示されており、そのとおり認識しております。

 また、平成22年7月に発表されました国の子ども・若者ビジョンでは、子ども手当の実施、高校の実質無償化、生活保護受給者の子供に対する学習支援、子育てと就業の両立のための支援策の推進、児童扶養手当の父子家庭への拡充など、経済的困難を抱える家庭やひとり親家庭への支援などが取り上げられています。

 本市におきましても、親の経済力や幼少期の生育環境によって、人生のスタートラインの段階から大きな格差が生じ、世代を超えて格差が固定化するようなことがないよう、積極的に取り組んでいく必要があると思っております。

 次に、子育てへの経済的支援をどういうふうにしていくかということでありますが、本市では、国の子ども・子育てビジョンや子ども・若者ビジョンに加えて、小学生の入院費助成を含む乳幼児等医療費の助成、ひとり親家庭などに対する母子家庭等医療費の助成、保育料の軽減、幼稚園保育料の減免、小中学生の就学援助、妊婦健康診査の公費負担などさまざまな支援を行っているところであります。

 さらに、ヒブワクチンの接種助成や母子家庭の母の自立のための母子家庭高等技能訓練促進費等給付金の増額などを本議会に上程しておりますが、今後とも次世代育成支援後期行動計画の推進とともに、子育てに対する経済的支援に積極的に取り組んでまいります。

 次に3点目、若竹学級のさらなる充実ということを答弁したが、それに対して待機児童の解消のための施設建設についてはどうするつもりかということであります。

 総合的な子育て環境の充実の一つとして、今後とも放課後児童健全育成事業の推進を図ってまいります。地域全体で子供たちを見守る環境づくりとしても、待機児童解消に向け、施設建設も含め必要な環境整備について、積極的に取り組む所存でございます。

 以上です。



○議長(山本宏一君) 上島市民環境局長。

 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕



◎市民環境局長(上島勲君) 15番森下議員の再質問にお答えします。

 支所、連絡所問題、その後について、2点ございました。

 まず1点目、サービスセンターの開設により不便になると想定されている加太、山口地区について、具体的にどのような策を講じるのかとの御質問です。

 加太地区と山口地区につきましては、自動交付機の設置を検討しています。利用する市民の方々にわかやまカードをつくっていただくことで、住民票の写しや印鑑登録証明書をとることができます。

 今回、本庁で稼動している2台の自動交付機のうち、1台を試行的に加太支所に設置し、利用状況を見ながら山口地区についても設置を検討してまいります。

 次に、市民への説明責任を果たすという点で、各単位自治会への説明会を開くべきという申し入れを以前にしたが、その点ではどうかという御質問です。

 各単位自治会への説明につきましては、地区の取りまとめをしていただいている連合自治会長にお願いしていましたが、サービスセンターの開設も間近に控え、自治会連絡協議会からの要望もあり、さらに市民の方々への周知を図るため、自治会連絡協議会の10ブロックごとに10月中に地元説明会を開催いたします。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 大江教育長。

 〔教育長大江嘉幸君登壇〕



◎教育長(大江嘉幸君) 15番森下議員の再質問にお答えいたします。

 子育て支援について、若竹学級は学校の協力が必要だが、一部にいまだ若竹学級に対する認識がいかがなものかと思われる点が見受けられる。それはどういうことかということと、時間延長や施設建設においても、これからますます教育委員会の姿勢が問われると思うが、教育長の決意を述べよという御質問です。

 若竹学級の運営については、各学校の協力、連携が大切であると考えております。校長会、教頭会及び校園長とのブロック別連絡協議会において、若竹学級についての理解、協力を求めております。

 今後につきましても、余裕教室の確保が困難な学校においては、専用プレハブの設置及びエアコン等ハード面の整備充実はもちろんのこと、指導員のスキルアップとともに、指導員と教職員との交流を深める機会を持つ工夫なども行ってまいります。なお、10月には、より十分な理解と協力を得るために校長ヒアリングを行う予定です。

 教育委員会としましては、子供たちが生活の場として安全で安心して過ごせるよう本事業を推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) 15番。

 〔15番森下佐知子君登壇〕(拍手)



◆15番(森下佐知子君) 再々質問をさせていただきます。

 子供の貧困ということで、市長にその認識をお伺いいたしました。経済的支援が必要であるということの認識についてはよくわかりました。それが具体的施策においても、−−今も展開をされているわけですが、これからも展開をされていくということで、さまざまな施策があるということもわかりました。医療費の助成、保育料の軽減、就学援助、特にこの3点については、これから本当に大事になってくる点であろうかと思います。今、保育料なども本当に高くて、働いて家計を助けてるんだか、保育料を払ってんだか、よくわからないというぐらい、保育料が非常に高くなっています。これを軽減していくというのは本当に大事なことであると思われます。

 また、子供の医療費については、さきの6月議会で南畑議員の質問に対して答えられておりますが、この医療費の問題について言えば、薬代も含めて、これも政府の医療改悪の中で大きな負担になっていると言えると思います。医療をめぐる動き全体を見てみましても、本当ならばその状態を見て必要な医療であるにもかかわらず、経済的理由でもってそれを受けることができないということが実態として上げられています。

 例えば、検査が必要なのに検査は受けずに薬だけ下さいとか、本当ならもっとたくさん薬を処方するべきなのに1種類だけでいいとするとか、そういう状態が今の医療をめぐる動きであります。そういう中にあっても、せめて子供だけでも安心して医療を受けさせたいというのが親の願いであり、思いでもあります。実際、自分の体調が悪くても、子供の医療は先に受けさせたいというのが親心ではないでしょうか。

 子供の医療に関して言えば、乳幼児期には感染性の疾患によくかかりますけれども−−内科的な部分の医療費がたくさんかかるわけですが、学童期、中学生ともなると眼科、歯科などが、乳幼児期とはまた異なった疾患で結構受診があります。この医療費は本当にばかにならない。私も親の一人としてその負担感を感じているところでもあります。

 この医療費の助成については、近隣の市町村で言えば紀美野町が既に中学校卒業まで無料にするという施策をすることになっておりますし、これは今、全国的に広がってきています。これはさきの6月議会での指摘のとおりです。最近では和歌山市と同様の中核市である岐阜市が中学校卒業まで無料制度に踏み出しております。和歌山市と同じ財政規模ですので、一つの大きな参考になろうかと思います。

 私は、この再々質問は、経済的支援という点で、この子供の医療費助成制度に限ってお伺いをしたいと思います。

 市長は、いろいろ頑張っておられるということは、さきの答弁でもわかったんですが、この子供の医療費助成制度については、和歌山市の現在の段階の制度の中身で十分だという認識でしょうか、それとも不十分だという認識でしょうか、お答えをいただきたいと思います。

 それから、支所、連絡所についての再々質問です。

 説明会を10ブロックで開かれるということでした。今後、説明会を開く中では、恐らくさまざまな意見が出されてくるであろうと予想されます。それについては、11月実施を決めていても、しっかりと受けとめていくという姿勢についてお聞きをしたいと思うんです。11月実施がどうしても避けられないというのであれば、私は、いろんな意見を聞く中で、あるいは実施をする中で、デメリットがより多く出るような事態が発生すれば、思い切って施策を検討し直すという姿勢もあわせて持っておくべきだというふうに思いますが、その思いがあるかどうかについてお伺いをしたいと思います。

 それから、この質問をするに当たって、このサービスセンターのチラシを、9月市報で折り込まれたので皆さんごらんになったと思うんです。市長は当然見られてますよね。私もチラシだったのでざあっと見て、そのときには本当にうかつだったなと思って気がつかなかったんですけど、ある市民の方から指摘をされて気がついたんですが、日曜日やるということで対比表になってるんですね、裏にね。ところが日曜日の項を見ると、三角とペケばかりなんですよ。丸が4つしかついてない。全体の中でね。ほんで三角って何かというたら、小さな字で「お取り扱いできない場合があります」と書いてるんです。やるんか、やらへんのか、わからない。ペケは明確に「お取り扱いできません」と書いてるんですよ。ということは、日曜日開設をすることになったからといって、取り扱い業務が前進したというふうに、これ言えるんかなと思ったんですね、その市民の方からの指摘を受けて。

 私は、日曜日は前進だというふうに、ちらっと見たときは実は思いました。でもよく見たら、その市民の方から指摘を受けたら、これほとんどやれないことになってるんじゃないんですかね、市長、知ってましたか。(チラシを渡す)

 それで、ローンの宣伝もあるじゃないですか、小さな字で「お取り扱いできない場合がある」と。それみたいだなとか、それから、うどん屋さんに行って、うどんを注文しようと思ったら「うどんはお出しできない場合があります」とか、そんなふうに書いてるんと一緒なん違うかなと思ったりしたわけで。これ、市長、率直にね、本当は聞くつもりなかったんやけど、これも含めてですね、やるか、やらへんのか、わからへんようなチラシでいいのかなと。11月このまま踏み切られるおつもりなのかなということを率直に思いましたので、ちょっとこの点についてもお答えをいただきまして、私の再々質問といたします。(拍手)



○議長(山本宏一君) 大橋市長。

 〔市長大橋建一君登壇〕



◎市長(大橋建一君) 15番森下議員の再々質問にお答えいたします。

 まず、乳幼児医療の今の状況について、市の施策として十分と考えているのかどうかという御質問であります。

 乳幼児等医療費につきましては、現在、小学校入学までは、県の補助要綱に基づき、入院、通院に係る保険診療の自己負担分について補助し、さらに小学校卒業までの入院に係る保険診療の自己負担分につきましては、本市単独事業として実施しております。

 また、母子家庭等医療費につきましては、子供が18歳の年齢に到達するまでの入院、通院に係る保険診療の自己負担分について補助をしております。

 私といたしましては、本年6月の南畑議員の御質問でお答えしましたとおり、対象年齢の引き上げ等、この補助制度の拡充の必要性につきましては十分認識をしております。

 次に、支所、連絡所問題であります。

 説明会を開くとさまざまな意見が出ると思うが、デメリットがより多く出るような事態が出れば、検討をし直すような姿勢に立つべきだと思うがどうかということであります。

 説明会におきまして、市民の方々からさまざまな御意見が寄せられると思います。開設まで余り時間はございませんが、寄せられた御意見を参考に準備を進めてまいりたいと考えています。

 サービスセンター開設後、支所、連絡所におきましては、窓口業務はサービスセンターに集約されますが、これまでどおりの地域住民と市役所とのパイプ役はもとより、地域の皆様方や各種団体とより積極的にかかわり、地域コミュニティーの拠点としての役割を担います。

 また、サービスセンターでは、交通弱者の方に対する取り次ぎ業務を行い、取り扱い業務の範囲を広げ、日曜日も業務を行うことにより、サービスを向上させてまいります。

 先ほどの御質問で、このチラシのことで御指摘がありました。私もちょっとこのチラシを見て、これでは市民の皆さんに御理解を、特に日曜日の項目について、こういう書き方だと誤解を招くなということで、書き方について工夫をするように指示をいたしまして、10月号の市報におきましては、もう少しわかりやすくなるように、この表をまた掲載しているところでございます。

 サービスセンターの業務開始後は、利便性の低下を招かないように必要に応じ検討を重ねるとともに、万一予想に反して重大なふぐあいが生じた場合には、適切な対応をしてまいりたいと思っています。

 いよいよ、11月にサービスセンター開設を迎えますが、皆様方には御理解、御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、答弁を終わります。

 以上でございます。



○議長(山本宏一君) お諮りします。

 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明9月18日から9月20日までの3日間は休会とし、9月21日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。

 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(山本宏一君) 御異議なしと認めます。

 よって、そのように決しました。

 本日はこれにて延会します。

          午後3時30分延会

   −−−−−−−−−−−−−−−

  地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。

  議長    山本宏一

  議員    宇治田清治

  議員    松本哲郎

  議員    寒川 篤