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奈良県 香芝市

平成 9年 3月定例会 発議 発議第1号




平成 9年 3月定例会 発議 − 発議第1号







発議第1号



           香芝市政治倫理条例の制定について



 香芝市政治倫理条例を、別紙のとおり制定する。





                        平成9年 3月 3日提出



                         提出者

                          香芝市議会議員

                           田 中   保



                         賛成者

                          香芝市議会議員

                           奥 山 博 康

                           西 里 晴 昭

                           藪   善 男

                           長谷川   翠

                           中 川 廣 美

                           吉 川 政 重







   香芝市政治倫理条例



 (目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる市長、助役、収入役、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応え、公正で開かれた市政の発展に寄与することを目的とする。

 (市長等及び議員の責務並びに政治倫理基準)

第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を実証するとともに常に市民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なうようなことがあってはならない。

(1)市長等及び議員は、市民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしてはならない。

(2)市長等及び議員は、刑法(明治40年法律第45号)の規定による贈収賄罪に該当するか否かを問わず、その職務の公正を疑わせるような金品等の授受の行為をしてはならない。

(3)市長等及び議員は、市並びに市が関係する公共工事、業務委託、物品納入及び使用資材の購入(以下「工事等」という。)に関して特定の業者の推薦または紹介をするなど有利な取り計らいをしてはならない。

(4)市長等及び議員は、公正な人事を図るため、市職員(臨時職員を含む。)の採用に関して推薦または紹介をしてはならない。

(5)市長等及び議員は、市並びに市が関係する公共工事の下請工事に関して特定の業者の推薦または紹介をするなど有利な取り計らいをしてはならない。

2 市長等及び議員は、政治倫理に違反する事実があるとの疑惑をもたれた場合は、第5条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責務を明らかにしなければならない。

 (市民の責務)

第3条 市民は、自らも主権者として市政を担い、公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚をもち、市長等及び議員に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。

(1)前条第1項第3号に規定する工事等の指名または選定の依頼

(2)市職員の採用に関しての推薦または紹介の依頼

(3)道義的批判を受けるおそれのある寄附行為

(4)その他、飲食の供与等社会通念状疑惑をもたれるおそれのある行為

 (市の工事等契約に関する遵守事項)

第4条 市長等及び議員の配偶者並びに1親等、市長等及び議員が役員をしている企業、市長等及び議員が実質的に経営に携わっている企業は、第2条第1項第3号に規定する工事等の直接契約については辞退しなければならない。ただし、公共工事の請負については年間2,000万円、物品納入及び使用資材の購入については300万円を限度として契約できるものとする。

2 市長等及び議員は、前項の規定により関係企業が契約を辞退するときは、市民に疑惑をもたれないように責任をもって関係企業の辞退届を提出するものとする。

3 前項の辞退届は、市長等または議員の任期開始の日から30日以内に市長等にあっては市長に、議員にあっては市議会議長(以下「議長」という。)に提出するものとする。

4 議長は、前項の規定により提出された辞退届の写しを市長に送付しなければならない。

5 市長は、市長等及び議員の辞退届の提出状況を公表するものとする。

 (政治倫理審査会の設置)

第5条 政治倫理確立に関する必要な事項を調査するため、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項の規定に基づき香芝市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会の委員は、原則として次のとおりとし議長と協議のうえ市長が選任する。

(1)専門的知識を有する者または有識者     2名

(2)法第18条に定める選挙権を有する市民   5名

3 審査会の委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審査会の会議は公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の者の同意を必要とする。

5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた場合も同様とする。

 (市民の調査請求権)

第6条 市民は、市長等及び議員が第2条及び第4条の規定に違反する疑いがあると認めるときは、これを証する書面を添え、法第18条に定める選挙権を有する者の100分の1以上の連署とともに、文書で市長等にかかるものは市長に、議員にかかるものは議長に調査を請求することができる。

2 市長及び議長は、前項の規定による調査の請求をうけたときは、10日以内にその書面の写しを添えて審査会に調査を求めるものとする。

 (審査会の調査)

第7条 審査会は、第6条第2項の規定により調査を求められたときは、当該事実の存否の調査を行い、60日以内に調査結果報告書を市長及び議長に提出しなければならない。

2 市長及び議長は、前項の規定により調査結果の報告書の提出を受けたときは、10日以内に請求者に文書で回答するとともに、速やかに公表しなければならない。

3 審査会は、第1項の調査を行うため、関係者から資料の提出を求め、事情聴取を行うことができる。

 (遵守事項の違反行為に対する措置)

第8条 市長等及び議員が第4条に違反している疑いがある場合、市長及び議長は、速やかに審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果がでた場合は、市長は、当該契約を締結してはならない。この場合において、市長は、その旨を公表するものとする。

 (その他政治倫理基準の違反行為に対する措置)

第9条 その他、この条例に定める政治倫理基準に違反している疑いがある場合、前条に準じ、市長及び議長は、審査会に調査を依頼しなければならない。

2 前項の規定により調査した結果、審査会において規定に違反しているとの結果がでた場合は、市長は、その旨を公表するものとする。

 (贈収賄罪による起訴後の説明会)

第10条 市長等及び議員が刑法第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪により起訴され、なおその職にとどまろうとするときは、市長及び議長は、当該市長等及び議員の請求により、市民に対する説明会を開催し、当該市長等及び議員に出席、釈明させるものとする。

2 前項の説明会開催請求は、起訴された日から50日以内にしなければならない。

 (委任)

第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。



   附 則

 (施行期日)

1.この条例は、平成9年6月1日から施行する。

 (経過規定)

2.この条例の施行の際、現に市長等及び議員である者の第4条の規定の適用については、同条第3項中「市長等または議員の任期開始の日」とあるのは「この条例の施行の日」とする。