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奈良県 奈良市

平成14年  3月 定例会 03月13日−03号




平成14年  3月 定例会 − 03月13日−03号









平成14年  3月 定例会



平成14年奈良市議会3月定例会会議録(第3号)

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   平成14年3月13日(水曜日)午前10時5分開議

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議事日程

 日程第1 議案第1号  平成13年度奈良市一般会計補正予算(第4号)

      議案第2号  平成13年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第4号)

      議案第3号  平成13年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第4号)

      議案第4号  平成13年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第4号)

      議案第5号  平成13年度奈良市市街地再開発事業特別会計補正予算(第1号)

      議案第6号  平成13年度奈良市公共用地取得事業特別会計補正予算(第2号)

      議案第7号  平成13年度奈良市駐車場事業特別会計補正予算(第1号)

      議案第8号  平成13年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第3号)

      議案第9号  平成13年度奈良市宅地造成事業費特別会計補正予算(第1号)

      議案第10号 平成13年度奈良市水道事業会計補正予算(第2号)

      議案第11号 奈良市情報公開条例の一部改正について

      議案第12号 奈良市土地開発基金条例等の一部改正について

      議案第13号 奈良市住宅新築資金等貸付条例の廃止について

      議案第14号 奈良市附属機関設置条例の一部改正について

      議案第15号 奈良市総合老人ホーム条例の廃止について

      議案第16号 奈良市心身障害児手当支給条例の廃止について

      議案第17号 工事請負契約の締結について

      議案第18号 寄附金について

 日程第2 議案第19号 平成14年度奈良市一般会計予算

      議案第20号 平成14年度奈良市下水道事業費特別会計予算

      議案第21号 平成14年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算

      議案第22号 平成14年度奈良市国民健康保険特別会計予算

      議案第23号 平成14年度奈良市老人保健特別会計予算

      議案第24号 平成14年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算

      議案第25号 平成14年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算

      議案第26号 平成14年度奈良市公共用地取得事業特別会計予算

      議案第27号 平成14年度奈良市福祉資金貸付金特別会計予算

      議案第28号 平成14年度奈良市駐車場事業特別会計予算

      議案第29号 平成14年度奈良市介護保険特別会計予算

      議案第30号 平成14年度奈良市母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算

      議案第31号 平成14年度奈良市宅地造成事業費特別会計予算

      議案第32号 平成14年度奈良市水道事業会計予算

      議案第33号 平成14年度奈良市簡易水道事業会計予算

      議案第34号 奈良市職員定数条例の一部改正について

      議案第35号 奈良市職員の再任用に関する条例の一部改正について

      議案第36号 公益法人等への奈良市職員の派遣等に関する条例の制定について

      議案第37号 奈良市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について

      議案第38号 奈良市職員の育児休業等に関する条例及び奈良市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正について

      議案第39号 奈良市報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について

      議案第40号 奈良市体育施設条例等の一部改正について

      議案第41号 奈良市手数料条例等の一部改正について

      議案第42号 奈良市総合福祉センター条例の一部改正について

      議案第43号 奈良市隣保館条例の全部改正について

      議案第44号 奈良市立保育所設置条例の一部改正について

      議案第45号 奈良市児童館条例の一部改正について

      議案第46号 奈良市老人憩の家条例の一部改正について

      議案第47号 奈良市地域ふれあい会館条例の一部改正について

      議案第48号 奈良市自転車駐車場条例の一部改正について

      議案第49号 奈良市営住宅条例の一部改正について

      議案第50号 奈良市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例及び奈良市住宅地高度利用地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について

      議案第51号 奈良市下水道条例の一部改正について

      議案第52号 奈良市火災予防条例の一部改正について

      議案第53号 奈良市立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の制定について

      議案第54号 奈良市集会所条例の一部改正について

      議案第55号 包括外部監査契約の締結について

      議案第56号 市道路線の廃止について

      議案第57号 市道路線の認定について

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本日の会議に付した事件

 第1、日程に同じ

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出席議員(43名)

              1番   藤本孝幸君

              2番   松村和夫君

              3番   山口 誠君

              4番   矢野兵治君

              5番   土田敏朗君

              6番   中木良夫君

              7番   高杉美根子君

              8番   大橋雪子君

              9番   高橋克己君

             10番   松岡克彦君

             11番   山口裕司君

             12番   中村篤子君

             13番   榧木義秀君

             14番   池田慎久君

             15番   上原 雋君

             16番   松田末作君

             17番   森田一成君

             18番   蔵之上政春君

             19番   金野秀一君

             20番   大井国崇君

             21番   岡田佐代子君

             22番   黒川恵三君

             23番   西本守直君

             24番   原田栄子君

             25番   矢追勇夫君

             26番   峠 宏明君

             27番   吉田文彦君

             28番   山本 清君

             29番   堀田征男君

             30番   森 純男君

             31番   船越義治君

             32番   岡本志郎君

             33番   松石聖一君

             34番   日和佐穣甫君

             35番   小林照代君

             36番   横田利孝君

             37番   大谷 督君

             38番   中西義次君

             39番   米澤 保君

             41番   中村重信君

             42番   和田晴夫君

             43番   横井健二君

             44番   橋本和信君

欠席議員(1名)

             40番   浅川清一君

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説明のため出席した者

             市長        大川靖則君

             助役        辻谷清和君

             助役        南田昭典君

             収入役       岡本信男君

             市長公室長     前田憲一郎君

             企画部長      南畑幸則君

             総務部長      中嶋 肇君

             税務部長      南 哲也君

             市民部長      庄司健一君

             民生部長      笠原俊彦君

             福祉部長      丸野俊雄君

             環境清美部長    香村侃彦君

             経済部長      北川健五君

             建設部長      大花章義君

             都市計画部長    松田幸俊君

             都市整備部長    吉村隼鷹君

             水道局長      福田惠一君

             業務部長      中村 誠君

             給水部長      木田 享君

             浄水部長      乾口 朗君

             消防局長      松田久雄君

             教育委員長     南浦小糸君

             教育長       冷水 毅君

             教育総務部長    林 英典君

             社会教育部長    西久保武志君

             監査委員      吉田 肇君

             総務部次長

             財政課長事務取扱  中和田 守君

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議会事務局職員出席者

             議会事務局長    遠藤忠臣

             議会事務局次長

             庶務課長事務取扱  小林 勉

             議事課長      吉村安弘

             調査課長      植田英夫

             議事課長補佐    前川純二

             調査課長補佐    中西康之

             議事係長      福井俊史

             速記        谷口藤男

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  午前十時五分 開議



○議長(山本清君) 昨日に引き続き、会議を開きます。

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△日程第一 議案第一号 平成十三年度奈良市一般会計補正予算(第四号) 外五十六件(質疑並びに一般質問)



○議長(山本清君) 直ちに日程に入ります。

 日程第一、議案第一号 平成十三年度奈良市一般会計補正予算より議案第十八号までの十八議案及び日程第二、議案第十九号 平成十四年度奈良市一般会計予算より議案第五十七号までの三十九議案、以上五十七議案を一括して議題といたします。

 質疑並びに一般質問を行います。

 昨日に引き続き、代表質問を行います。

 二番松村君。

  (二番 松村和夫君 登壇)



◆二番(松村和夫君) おはようございます。それでは、私の方から代表質問をさせていただきたいと思います。民主市民連合を代表して、通告をいたしております数項目について、市長に見解を伺いたいと思います。

 初めに、緊急地域雇用創出特別交付金事業について質問をする予定でいましたが、既に幾人かされていますので、重複を避け、簡単に主張しておきたいと思います。

 歴代自民党政権や小泉内閣の失政によって、日本経済はかつてないデフレ不況に陥り、勤労国民は生活不安、老後の不安、とりわけ雇用の不安は深刻さを増し、塗炭の苦しみを受けています。善良な勤労国民が雇用の不安におびえる社会は正常な社会ではありません。政治の責任は重大であり、とりわけ構造改革を口先だけで唱え、勤労国民に痛みを強いる小泉内閣の政治責任を厳しく糾弾しなければなりません。

 昨日、市長からも厳しい批判がありましたが、政府の緊急地域雇用創出特別交付金事業は、失業者約三百五十万人という戦後最悪の失業時代にあっては、極めて不十分なものと言わなければなりません。しかし、奈良市としても、政府の交付金事業だけの百人程度の雇用対策では寂しい限りであり、新規事業や起業家への支援、NPO法人の育成など奈良市独自の産業・雇用政策を確立し、雇用の拡大に取り組んでいただくよう強く要望したいと思います。なお、交付金事業を活用し、里山の保全対策として新たに竹の拡散防止対策を実施されるよう提起をしておきたいと思います。

 さて、その里山の保全対策について伺いたいと思います。御承知のとおり、里山、里地は、都市域と原生的自然との中間に位置し、人間のさまざまな働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落を取り巻くコナラ、ミズナラ、アカマツなど二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念です。一般に二次林を里山と呼び、それに農地等を含めた地域を里地と言われています。近年、里山、里地は、生活や農業の近代化に伴い、薪炭材、堆肥用としての落ち葉や下草、農産物としてのタケノコ等の二次林の経済的利用価値が低下しました。また、さらに高度経済成長期以降、農村では農林業の低迷や過疎化等により、里山の管理の担い手が不足をしてきました。一方、都市近郊では、宅地等への土地利用の転換が進行するなど、里山の存続が危ぶまれる状況が生まれてきました。

 奈良市周辺の身近な里山では、竹が猛烈な勢いで拡散をし、造林地への進出も見られるなど、二次林が大きく後退をし、多くの地域で竹の純林が形成され、里山の自然景観がなくなってきています。御承知のとおり、竹は一年で成木となり、しかも二次林よりも高く伸長し、周辺の広葉樹を枯らしているわけであります。竹の繁殖力から推定をすれば、今後十数年で身近な里山を覆い尽くすであろうと指摘されています。私は、このまま放置できない状況に来ているのではないかと思います。

 また、環境庁の調査によれば、絶滅危惧種あるいは絶滅危惧種以外の身近な動植物の六割程度が里山に生息をしており、里山の荒廃は、本来、里山が持っていた多様な動植物の生息環境を奪ってきていると言えます。そして、竹の純林は生態系の破壊に拍車をかけるものとなっています。

 一方、近年、里山は、居住地周辺の身近な自然との触れ合いの場、心安らぐ空間、自然観察や環境教育の場としての価値が認識されるようになってきていますが、その保全対策となると皆無に近い状態ではないかと思います。私は、里山がそれぞれの立地や地域住民の生活、生産活動などの関係で多様な価値を有する空間であることから、里山のそれぞれが持っている特性に応じた保全対策を講じるべきではないかと思います。市長の御見解を伺いたいと思います。

 次に、入札制度改革について伺います。新聞を読んでいますと、公共事業をめぐる談合、口きき、贈収賄事件など報じられない日はないくらい頻発しているのが現状であります。二〇〇一年二月に出ました日本弁護士連合会の入札制度改革に関する提言と入札実態調査報告書を読みますと、日本の入札は談合が蔓延している。談合蔓延の原因は、発注者の談合容認姿勢にも原因がある。談合放置の日本の入札の実態、ペナルティーが少ない日本の入札、談合が蔓延していることを前提とした談合防止対策が必要と提言しています。また、提言は、国土交通省は公共事業の入札及び契約適正化の促進に関する法律を制定したが、その目的はよく理解できるが、日本の入札において談合が蔓延しているとの認識に立った談合防止対策としては、不十分と言わざるを得ないと指摘しています。具体的には引用しませんが、御承知のとおり、これは談合事件刑事記録調査結果や日弁連の入札制度アンケート、愛知県、静岡県、徳島県、三重県の四県調査、入札・談合ホットラインの実施結果、談合の防止に成果を上げている神奈川県横須賀市、座間市、三重県久居市の聞き取り調査などに基づき提言されたものです。傾聴すべき提言であると思います。

 そこで、奈良市の入札制度の改革について伺いたいと思います。聞くところによりますと、現在、庁内で入札制度の改善について検討委員会を設け、検討されているとのことであります。現在の入札制度にはどのようなところに問題があると考えているのか、まず伺いたいと思います。

 入札制度の改善について関係者と議論をしたとき、決まって出てくる言葉に市内業者の育成があります。私は、市内業者の育成という考え方を払拭をしない限り、日弁連が指摘をする談合が蔓延している入札制度の改革などできないと考えています。一見、市内業者の育成という名分はもっともなように聞こえますが、競争を排除する制度の中で、結果として企業努力をしない業者を保護し、個別企業の発展を阻害しているということになるのではないかと思います。まして、現在のように市内地域を細分化した中での少数者による入札であれば、より一層であり、しかも地域の細分化が発注者側の恣意的な判断でできる現行の入札制度であれば、さきの提言が述べるとおり、談合が蔓延することになり、外部からの不当な干渉を呼ぶ余地を生むことにつながるのではないかと思います。巷間言われているように、入札予定価格と実勢価格との間に乖離があるならば、報道されるようなフリーランチをむさぼる者が出てくることは必然と言えます。今の入札制度を改革しないで市内業者を育成していくには、毎年公共事業をふやさない限り不可能だと考えます。そもそも育成対象の市内業者数が適正なのかどうか問わなければなりません。むしろ競争を強化できる入札制度に改革することによって、競争に対応できない非効率な業者は淘汰されなければならないと考えます。企業努力で競争力を持てる業者こそ育成するべきだと考えますが、市長の見解を伺いたいと思います。

 談合が難しい入札制度の実行はそんなに困難なものではなく、日弁連は具体策がないので不十分だとしていますが、いわゆる適正化法の指針に基づき、談合を防止するための具体的な措置を講じることだと思います。公正な競争が確保できていること、透明性が確保できていること、ペナルティーを強化することなど、具体的なことについては予算委員会の場で議論をしたいと思いますが、何よりも行政側の意思、とりわけ談合のできない入札制度へ改革をするという市長の強い意思表示が極めて重要だと考えています。そのために庁内の検討委員会で検討するべきだとも思いますが、庁外の有識者で構成をする仮称入札制度改革委員会を設ける考えはないか、伺いたいと思います。

 次に、政治倫理条例の制定について市長の考えを伺いたいと思います。私や民主市民連合は、ここでは繰り返しませんが、これまでにもたびたび本会議や議会各会派会議において、政治倫理条例の趣旨や、その早期制定について提案をしてきました。本年四月からは中核市に移行し、奈良市が持つ許認可権限が大幅に増大することになります。市長が全体の奉仕者としての、みずからの高潔性と倫理観を行政執行の前提となる政治姿勢として表明することが極めて重要で必要なことであると考えます。同時に、我々議員も政治活動の規範をみずからに課すことが、今日的で必要な課題ではないかと思っています。政治倫理条例制定に向けて決断する時期ではないかと思いますが、市長の見解を伺います。

 次に、情報公開室のあり方について伺います。手元資料によれば、行政文書開示請求件数は、平成十三年四月から十二月までの九カ月間で、開示請求百一件、任意開示の申し出十六件、合計百十七件となっています。この件数が他都市との比較で多いか少ないかはわかりませんが、私は、情報公開室を訪ねたとき、落ちついた雰囲気の中で必要な作業のできる環境とは言いがたいものを感じます。何かしら圧迫感のようなものであります。職員の対応から来るものではなく、情報公開室の空間に余裕がないためではないかと思います。現在の情報公開室は北棟の五階にあり、その面積は約五十五平米であり、事務局が半分程度のスペースをとり、公開書籍の書棚などもあり、市民が情報公開請求をし、情報の調査研究あるいは相談をするなどのスペースは、三分の一程度ではないかと思われます。より開かれた市政を目指し、市政への市民の参加を積極的に促進するため、市民が気軽に立ち寄れる雰囲気の中で行政情報に触れられるための環境整備を行うべきではないかと思います。そのためには、現在の五階から市民が多く出入りする一階に、ゆとりのあるスペースを確保して開設すべきではないかと思います。同時に、現在幾らかの行政に関する刊行物や資料が展示をされていますが、もっと見やすく可能な限り多くの刊行物を積極的に掲出していただきたいと思います。この点について市長の見解を伺いたいと思います。

 次に、いわゆる老春パスの有料化について伺います。他の議員の質問にもありましたので、重複しないように心がけて質問をしたいと思います。これまでの老春手帳による諸施策によって、高齢者に外出の機会を増進させ、社会参加や健康増進に大きく寄与してきたと評価をしてきたところです。十四年度十月からバス利用について二千円の負担を求めることによって、高齢者の外出機会を狭めることにつながらないかと心配をしています。この実施に当たり、当該者に事前に十分な期間をもって説明し、理解を求める作業をしてこられたのか、高齢者団体の幹部層への説明に終始され、大多数の高齢者への理解を求める努力はされてきたのか、疑問を持つところであります。私は、これまでこの制度によって公共交通機関としてのバス路線を維持してきたことの事実と重要性を十分認識しなければならないと思います。

 御承知のとおり、法改正により不採算路線の廃止がバス事業者の判断だけでできる、容易に可能となりました。私たちは、平成十三年三月議会で生活バス路線の確保に関する請願を満場一致で採択してきましたが、この中で、東部地域は過疎化が進み、高齢者の割合も極めて高く、高齢者や子供たちの日常交通手段は専ら乗り合いバスに頼り、必要欠くべからざる交通手段だとし、奈良市として生活バス路線を確保するよう求めています。今回の有料化によって、不採算バス路線の切り捨てに大きく影響し、近い将来切り捨てられるバス路線が出るのではないか、あるいは切り捨てを促進するのではないかと憂慮するものです。今回の有料化は福祉部サイドで財政負担の増大を理由に検討されたものと思いますが、それぞれの施策が市民生活と有機的に結合しており、総合的な判断をしなければならないと思います。今回の有料化が値上げの第一歩であってはならないと思います。有料化によって新たに徴収事務が生じ、経費の増大も想定をされます。また、新たに生活バス路線確保のための施策の実施が生じてくるならば、当面の財政負担のみを見、森を見ない政策となってはならないと考えます。市長の見解を伺いたいと思います。

 次に、はり・きゅう等施術料助成制度の廃止について伺います。私は、制度の廃止の是非以前に、この廃止に至る手法に大きな問題意識を持っています。今回の廃止の理由をうかがい知るところによれば、二十年以上の制度実施で目的を達した、視覚障害者への所得保障という当初の性格が変わってきた、他の制度で利用できる、また財政事情とのことであります。しかし、これらはすべて従来から見通せることばかりであります。関係者への説明は廃止の一、二カ月前であり、なぜもっと十分な期間をもって関係団体へ説明し、納得を求める作業ができないのか、少なくとも関係団体にとっては、唐突で一方的な通告との受けとめ方をされています。

 一般にスローガンは、その団体の実現をしていないものを実現させるために掲げるものだそうであります。市長は、行政の基本理念として「人にやさしく、事にやさしく、物にやさしく」を示されていますが、この基本理念に照らして、今回の制度廃止の手法が適切であったのか、市長の見解を伺いたいと思います。

 次に、平城地域への交番の設置について伺います。以前にも要望しましたが、再度要請し、奈良県に働きかけていただきたいと思います。御承知のとおり、平城校区の押熊地域は、平城ニュータウンや登美ヶ丘地域、そして、京都府の木津町、精華町の新興団地の消費地として、深夜営業を含め商業が飛躍的に発展してきました。しかし、これによって交通事故や犯罪もまた増大をする結果となっています。県警の資料によりますと、奈良市内の平成十三年の一年間の犯罪件数は、奈良署管内で六千三十件、奈良西署管内で三千四百三十九件、計九千四百六十九件です。また、人身及び物損事故の交通事故件数は、奈良西署で四千二百四十一件、奈良署では物損事故の集計をしていませんので、奈良西署の件数から推定をすれば、人身事故を含めて九千件程度であります。

 要望している平城地域を管轄する西大寺交番と隣接する高の原及び中登美の三つの交番での十三年の犯罪件数は二千三百三十七件、交通事故件数では推計で二千五百七十件、これは奈良市内全体の比率で、犯罪では二四・七%、交通事故では一九・七%を占めています。中でも西大寺交番の犯罪件数は千二百六十五件発生しており、奈良市の二十七交番・駐在所の年平均二百三十三件や西大寺交番に次いで二番目に多い奈良駅前の八百八十九件よりもはるかに多く発生しています。これは五條・御所両市の年間千二百八十件、生駒郡四町の年間千二百八十二件に相当する異常に高い発生件数と言えます。奈良西警察署では、パトロールをふやすことや隣接交番の応援によって対応している、また、平城地域への交番の必要性は認識しているが、実現の見通しは立っていないとのことであります。県警の資料でも示すとおり、西大寺交番管轄では犯罪及び交通事故が急増している地域であり、管轄地域の変更も含め交番の設置を要請していただきたいと思います。市長の考え方を伺いたいと思います。

 以上で第一問を終わります。



○議長(山本清君) 市長。

  (市長 大川靖則君 登壇)



◎市長(大川靖則君) 二番松村議員の御質問にお答えをさせていただきます。

 里山の保全対策についてということでございます。かつて里山は、経済面や環境面でも地域の大切な資源でもあり、周辺の住民生活の中で利用されることによって維持管理をされてこられました。しかし、近年の社会情勢の変化や林業の低迷等から、里山が荒廃し、その植生や周辺の環境等への影響も危惧されております。

 そこで、林野庁では、ことしから三年計画で里山林や都市近郊林を竹林化から守るため、その荒廃状況の実態把握を行い、原因分析や防除方法を探ることといたしております。同時に、環境省でも、新年度に全国で四カ所のモデル地域を定め、NPO、ボランティア、山林所有者等の関係者が一体となって、里山の保全や失われた自然を再生する取り組みを計画していると聞き及んでおります。奈良市といたしましても、里山保全の重要性の認識のもとに、国・県・関係団体と連携を図りながら、その保全に向けて取り組みを行ってまいりたいと思っております。

 次に、入札制度についてでございます。最初に、現行の入札制度の問題点をどのように受けとめているかという御質問でありますが、奈良市の特異性といたしまして、建設業に従事する者の数が非常に多いということで、これは他の類似都市と比較いたしましても、かなり多数でもあります。なおかつ、中小零細業者が多数を占めております。したがって、入札の制度は一般競争入札が好ましいのでありますが、今申し上げましたように業者の数が非常に多いということから、一般競争入札にすることには非常に難しい面があるということで、今、その点について検討しているところでもございます。現在のところ、設計金額がおおむね二億以上の工事については一般競争入札を行っておりますが、今後もこれを一つの参考にいたしまして、談合のできないような制度を確立してまいりたいと思っております。また、御指摘の入札制度の改善委員会の設置につきましても、十分検討させていただきたいと思っております。

 次に、政治倫理条例の制定についてでございますが、政治倫理の確立につきましては、一人一人が厳しく身を律していくことが何より重要でもございます。地方分権が進む中、全体の奉仕者として、みずから高潔性を示すことが一層求められ、公平公正に事に当たってまいりたいと考えております。条例の制定につきましては、今までも検討いたしてまいりましたが、今後も引き続き検討してまいりたいと思っております。

 次に、情報公開室のあり方についてでございますが、市民により開かれた市政を推進するため、情報公開総合窓口を設置いたしております。現在、北棟の五階にあるということで、非常に情報公開の場所としてふさわしくないんじゃないかという御指摘もございました。その点につきましては、本年四月一日中核市移行に伴い、施設及び市民サービスの向上を図っていかなければならないと思っております。今後は行政資料コーナーの充実を図るとともに、場所の問題についても検討させていただきます。

 次に、老春パスの有料化についてでございますが、私は、昨日もお話を申し上げておりましたように、有料化という言葉よりか御協力をいただくということで、ひとつこの制度を取り入れさせていただいたということでございます。御承知のように、奈良交通に支払いさせていただくバス料金は年間約五億四千万円でございます。したがって、この五億四千万円につきましては、一円たりとも国の補助、起債等もいただいておりません。したがって、すべてが税金で賄わさせていただいていると、そんな中で七十歳以上の方々がバス券を御利用していただくということでありますが、昨日も申しておりましたように、一カ月に大体平均三千円程度御利用いただいておると、そして、その三千円程度の御利用していただいている分を、平均として三千円程度の御利用していただいております。そんな中で一カ月に約百七十円程度の御負担を今の財政事情の中でひとつしていただきたいという御説明もさせていただき、私は多くの方々にその点の御了承を得ているように解釈をいたしております。したがいまして、この制度がいつまで続くかということでもございますけれども、財政事情がよくなれば、これはまた市民の皆さん方の御理解をいただいて、もとに戻していくとかいう方法もとれるんじゃないかなと思います。そしてまた、今発行させていただいておりますそのバス券につきましては、とにかく利用されておられない方もいただいていただいているんじゃないかなと、そんなふうに思います。したがって、本当の実数をつかむためにも二千円の御負担をいただくことによって、二千円以内のバス利用だったら、これはもらわなくてもいいという方にはお渡ししないで済むんじゃないかなと、そこで実態がよくわかると思うんです。そんなことで、その実態を知るための一つの方法としてもさせていただいたということでもございます。その点ひとつ御理解をいただいて御協力いただきたいなと、そんなふうに思っているところでもございます。

 これにつきましても、周知として、とりあえず万年青年クラブの役員の皆さん方にそうしたお話をさせていただき、私もお話をする一つの機会を得たときには、こうした説明もさせていただいてまいったということでもございます。ひとつよろしくお願いをいたします。

 それから、はり・きゅう等の施術料助成の廃止ということでございますが、これも昭和五十三年から始めさせていただいたんでございますが、当初は、身体障害者福祉センターにおいて中国鍼灸をお医者さんに学んでいただいて、そして、みどりの家で中国鍼灸の実施をさせていただきました。そのときに、当時の鍼灸を行っておられる市内の業者というのは、大体視覚障害者の、目の御不自由な方が鍼灸事業を行っておられたということでもございます。そんなことで、奈良市がみどりの家で鍼灸治療をするということになりますと、そうしたお客さんがみどりの家に偏ってくるんじゃないかなと、そうなりますと、鍼灸師のお客さんも減ると、そんなことで、何とか助成の方法ないだろうかという交渉の結果、保険利用されている患者さんに対して鍼灸治療された場合には、プラスアルファの御負担をさせていただいたということでございます。例えば、千円の保険点数でできるものに対して、これは普通一般治療される場合は千円やったら千円でそんでいいんですけれども、そこにプラス千円を乗せるとか六百円乗せるとか、そういう方法をとらせていただいてまいりました。ところが、今日の実態では鍼灸師の方々も視覚障害者の方が非常に少なくなって、晴眼者の方々もたくさん鍼灸治療をされているということでもございます。したがって、当時の状況からいたしますと随分と変わってきてございます。そんなことで、一応保険点数で適正な料金をいただいておられることを、それ以上の上乗せをひとつ御遠慮させていただきたいと、そういうことで廃止をさせていただいたということでございます。

 その点の周知につきましては、ある程度させていただいたんですけども、完全に行き渡るところまでの周知はできなかったかと思います。その点については、大変反省をいたしているところでもございます。

 次に、平城地域への交番の設置についてということでございますが、この点につきましては、御指摘いただいたことについて十分理解もさせていただいております。したがいまして、平城地域からそうした要望が出されてまいりましたときには、警察の方とも十分協議をさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。



○議長(山本清君) 二番松村君。



◆二番(松村和夫君) 二問目は、自席からさせていただきたいと思います。

 大変丁寧に答弁をいただきまして恐縮をしておるんですが、二三ですね、要望しておきたいというふうに思います。

 里山の保全なんですが、環境庁もやっと全国調査に乗り出そう、そんな状況になってきたというふうに思いますが、既に全国各地ではですね、NPOの皆さんが里山とのかかわりで大変なさまざまな取り組みをされています。また、地方自治体につきましてもですね、先進的なところについては、里山の持つ機能を十分活用するためにいろいろな取り組みをされているということについては、御承知のとおりだろうというふうに思います。奈良市内からですね、天理へ向かう街道を東に向いていただきますとですね、かつては里山で本当に二次林のきれいな山であったんだろうというふうに想像できるんですが、現在はですね、すべて竹の純林ですね、竹で覆われています。外環状線というんですか、平城宮跡の特別保存地区、これもですね、大変な竹が進出をしてきておって、きれいな二次林が本当に少なくなってきておるのが実態です。今のうちにですね、何かの形で対策を立てないと、いわゆる生態系が破壊されてしまって、それを取り戻すにはですね、大変長い年月が必要になるんではないか、二次林を復元していくには何十年とかかるんではないかというふうに思っています。ぜひですね、里山の荒廃を防ぐために、ほとんどが民有林というんですか、民間の所有者で、なかなか行政として難しい面があろうかというふうに思いますが、ぜひですね、所有者の協力もいただきながら考えていただきたい、対応していただきたいなというふうに思っています。

 ただですね、強く要請をしていきたい件がありますのは、原始林域にもそろそろ竹が進出をするんではないかというふうに危惧をしておるところであります。私が属しております「グリーンあすなら」という巨木を保護し、巨木と親しむというんですか、そういう活動をしている会があるんですが、今回、県の許可をいただきまして、春日山原始林の巨木調査を今、八班四十三名の皆さんでしてるんです。これができますとですね、予測では東京都を抜いて巨木の全国一位の本数になるんではないかというふうに思っておりますが、既にですね、正倉院の裏から若草山のドライブウエーの入り口付近、ここはもう竹で覆われておるんですね。だから、今のうちに本当に対策を立てないと大変なことになるんではないかというふうに思っています。ぜひ県と調整をいただいて対応をしていただきたい、早急にここはする必要があるんではないかというふうに思っています。

 また、ほかの地域もそうなんですが、いずれにしても、そういう所有者全体の問題としてですね、奈良市の景観のあり方について、やっぱり基本的に考え直していく必要があるんではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、入札制度の改革ですが、基本的には予算委員会で議論をしたいというふうに思っておるんですが、いずれにしても市長がおっしゃったように、談合が蔓延をしてるという前提でですね、談合防止策を講じなければならないというふうに思っています。そういう意味で、市長の強い意思がですね、このことを決するんではないかというふうに思います。そういう意味で、ぜひですね、市長の意思が反映した制度に改まるように期待をしておきたいというふうに思います。

 次に、政治倫理のことなんですが、毎回検討をして、また引き続き検討するということで、大変検討なり研究を随分続けていただいてるのかなというふうに思うんですが、いつまでも検討や研究を続けている段階ではないのかなというふうに、毎日の新聞報道を見てますと、そういうふうに思います。ここにちょっと、昨日十二日の朝日新聞の朝刊のコラムニストのですね、早野 透さんがコラムで書かれていることをちょっと引用したいと思うんですが、鈴木宗男氏の疑惑、それから加藤紘一事務所代表による金集め、徳島県知事の土建汚職、また雪印などのだまし商売などを憂いてですね、「そもそも人間って、どうしてこうカネカネカネなんだろう。人間の世界ってこんなあこぎなものなのか。いや、人間ってもっとすてきな存在であったはずなのに。」と述べ、「政治が品格を取り戻すにはどうしたらいいか深く考えなければ。」と結ばれているわけであります。まさに私もそのように思います。本当に政治に品格を取り戻したい、そんな思いでいっぱいであります。ぜひ考えていただきたいなというふうに思っています。

 それから、いわゆる老春パスの話ですが、大変丁寧な答弁をいただいたんですが、仄聞しますとですね、大宇陀町では、奈良交通が不採算バス路線を廃止したためにですね、町営バスを走らせるというようなことが新聞で報じられておりました。ぜひですね、市民の足を守る方策として、今の老春パスが大きく貢献をしてるんではないかというふうに私は思っています。そういう意味で、ぜひですね、総合的な判断をしていただいて、ただ単に、市長のお話にもありましたように苦渋の選択だということで、当面の措置だというふうにおっしゃったように受け取ったんですが、ぜひですね、総合的な判断で制度を維持していただきたい、そのことが結果的には行政経費としては安くなるんではないかというふうに私は思っています。足を守るための施策を別に講じなければならないような状態ができるならばですね、これは効率性からいって、むしろマイナスになるんではないかというふうに思っておりましてですね、ぜひ安定的な制度になるようにお願いをしておきたいというふうに思います。

 それから、はり・きゅうの助成制度の廃止でありますが、十分な期間をもって当該者に説明できなかったことについては反省をしたいということでありましたんですが、これがですね、一事が万事にならないように、ぜひひとつお願いしておきたいというふうに思います。まさに市長が行政理念として掲げられている優しさをですね、市民に対してとっていただきたいというふうに思っているところであります。今回の廃止でですね、少なくとも突然な収入の変動が考えられます。そういったことではですね、いわゆる視覚障害者団体への激変緩和措置、いろいろな方策があるんだろうというふうに思いますが、ぜひ検討をいただきたいなというふうに思っておるところでありまして、要請をしておきたいというふうに思います。

 それから、市長の方、平城地域の交番の設置の話なんですが、地元から要望があればという話でありましたけれども、これは既にですね、六年前に地域の連合自治会から平城地域へのいわゆるどういうんですか、交番の設置要望というのが出ておるんですね。ちょっと六年前というのは正確ではありません。六年前後、前ということでありますが、既に出ておるんですね。ぜひですね、西大寺交番、これは、いわゆるあかずの踏切もありまして、平城地区へ向かうにはですね、半時間近くかかるというような状況もあるそうであります。ぜひですね、管轄地域も含めて奈良署、それから西奈良署のちょうど端境地域にあるわけでありまして、担当エリアも含めて一遍見直していただくようにぜひやっていただきたい。大変な犯罪件数になっておるんですね。せんだっても新聞でありましたように、傷害事件が昼間発生してですね、小学校の皆さんが、あるいは中学校、幼稚園も含めて集団下校をするような状況もあったわけであります。ぜひ、この地域だけというふうには決して思っておりません。総体として犯罪を減らさなければならないし、すべての地域で安全確保を図らなければならないというふうに思いますけれども、この地域は特に犯罪が多く発生しておるということでですね、要望しておきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。



○議長(山本清君) 二十一番岡田君。

  (二十一番 岡田佐代子君 登壇)



◆二十一番(岡田佐代子君) 私は、社会民主党奈良市議会議員団を代表して質問をさせていただきます。既に代表質問の最終ということもありますので、重複するところは避けたいというふうに考えております。

 まず、通告しております新年度予算編成についてでございますが、我が党は、小泉首相が掲げる構造改革の痛みが地方自治体にもじわじわ広がっているということを確認せざるを得ないというふうに考えております。とりわけ効率性重視に方向転換しようとする地方交付税制度の見直しに、各市町村は強い危機感を抱いているのではないかと感じております。

 そこで、まず財政問題につきましてお伺いをいたします。昨今の経済事情を反映して、新年度予算の本市の根幹をなします一般会計においては、マイナス六・九%と近年にない厳しい伸び率が示すように、主たる市税収入においてマイナス五・三%、約三十億円の減収、また利子割交付金につきましてもマイナス五二・八%、約十五億円の大幅な減収見積もりとなっております。これらマイナス伸び率を示す一般財源の中において、地方交付税が国の示す地方財政計画のマイナス四・〇%の伸び率を大幅に上回る五五・九%の高い伸び率にて予算計上がなされております。このことは、新年度から中核市移行に伴うことが主たる要因と考えておりますが、その予算計上の根拠についてお聞かせください。この点に絞ってお尋ねいたします。

 同じく新年度予算編成にかかわりまして、私どもはJR奈良駅周辺の連続立体と関連して質問をさせていただきたいと思っております。いよいよ三月三十日に起工式を控えましたJR奈良駅連続立体交差事業でありますが、本格的に始まろうとしています。四百五十億円もの巨費を投じるこの事業のコストに対して効率性が問われるというような記事が、過日の新聞に掲載されておりました。私もこの問題について新聞に目を通しながら、その内容を確認してきたところでございます。

 その内容にちょっと触れてみたいと思いますが、交通渋滞の緩和という点から見れば、この高架事業によって渋滞がなくなると見込まれるのは、実質的には市道中部の第六百四十七号線、三条通りでございます。踏切撤去予定の他の五カ所は、いずれも狭い側道などで渋滞の緩和の効果はないとしています。一度振り返ってみますと、昭和六十三年に奈良市が駅前の再開発事業としてシルクロード・タウン21計画を大々的に発表し、JR奈良駅周辺を市が区画整理し、民間企業の進出でタウンを形成、そこで博覧会を開くという大規模な構想でJR奈良駅が注目を集めました。県と市が協力をして駅周辺の高架化への基本構想の研究をスタートし、平成四年には国の連続立体事業が認可され、採択されたと記憶しております。ところが、バブル経済の破綻で市の計画が停滞し、平成十一年二月に大川市長は博覧会の開催断念を宣言、社会情勢の変化で見直しが必要と説明され、結局完成したのは、なら一〇〇年会館とシルキア奈良、そしてホテルと、三棟のみとなっております。こうした当初の高架化事業というのは、奈良市のシルクロード・タウン計画に後押しされる形で、奈良市の表玄関としてふさわしい駅周辺の再開発を目指していたというふうに考えます。にもかかわらず、今日においては、まず高架化事業だけがありきという現状に陥ってはいないか。肝心の駅周辺の整備が経済事情の中で市行政として、厳しく言いますと、放棄されようとしている現状にあるのではないかというふうに心配をしております。私は、市議会議員として、この状況を放置しておくわけにはいかないと感じております。駅周辺整備、奈良市が先頭に立って半ば強気で推し進めてきた事業でありますし、莫大な費用を投入し、地元地権者に対しましても、将来の経済的、文化的発展を約束する中で今日まで推進してこられた事業でありますから、今日の計画の見直しは、市税を投入してきたことによって、奈良市民に対しましても、また地元住民に対しましても、まことに大きな損失を与えるという認識を改めて持たなくてはならないと思います。一口に見直しといいましても、今日の不況の中では具体的に見直し内容があらわせないという困難な状況であることは認識しております。最低限、地元住民に対し、奈良市の責任の範囲において将来の見通しを明らかにすることが必要であると考えます。

 また、高架化事業に伴い、駅南の区画整理につきましても、今日の財政難を理由に事業の進捗が阻害されることのないように、住民本位のまちづくりを進めていくことが必要であると考えます。こういった認識に立ちながら、市長に対しまして三点に絞って質問をしたいと思います。

 まず、第一点目は、高架化事業による事業の効率性の問題であります。今のままの計画では効率性はいかがなものかということが言われているわけでありますが、二〇一〇年までの完成に向けて、これは大変難しい課題ではありますけれども、効率性については再検討する必要があるのではないかというふうに考えます。二点目は、駅周辺の見直しに対して地元住民の意見を聞き、地元に不利益にならないように配慮すること、また、早期にどのように駅周辺づくりをするのかという見直し案を作成し、公開することが必要であると考えます。そして、三点目には、駅周辺及び駅南の区画整理事業についても、具体的な工程を明らかにする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 予算編成の最後になりますが、初日に市長から提案説明がありまして、交通体系について、観光シーズンの交通の渋滞緩和策としてのパーク・アンド・バスライドの説明等々がございました。パーク・アンド・バスライドも観光客が利用しやすい箇所と、そうでない箇所とは差があるように思われますが、他市から車で奈良へ向かうその入り口のところにパークがなければ余り意味がないと考えます。とりわけ私どもの地元を通過いたします、入り口になります、東名阪、西名阪道路から奈良への入り口となる国道百六十九号線、先ほども触れられておりましたが、天理街道と言われてきた道でありますけれども、観光シーズンともなりますと、奈良公園へ向かう車で本当に動かないという状態が続いております。奈良を目指して来たのはよかったけれども、あの渋滞では夕方まで奈良公園にたどり着かないだろうというふうに思われます。それだけで国際文化観光都市・奈良に対するイメージは壊されてしまいます。また、その道路を生活道路として日常的に利用している周辺の住民は、シーズンともなると買い物に出ることもままなりません。また最近、道路沿いにスーパーとホームセンターが新しく建設され、近く開店するというふうに聞き及んでおります。これではますます渋滞は避けられません。

 そこで、パーク・アンド・バスライドを名阪からおりてきて奈良への入り口のところで設置していただきたい、いわゆる南部に設置していただきたいというふうに考えますが、これについていかがでしょうか。

 続いて、第二点目に、屋外広告物についてお尋ねをいたします。四月から中核市移行に伴い、屋外広告物に関する申請・許可業務や違反広告物の是正指導等も市が行うことになります。既に十二月議会において奈良市屋外広告物条例の制定については提案され、可決をされてきたところで、条例はでき上がっております。しかしながら、規則、要綱等がいまだでき上がっていない状況であるということをまずもって指摘をさせていただきます。屋外広告物条例の第一条にて、その目的が述べられておるわけでございますけれども、「この条例は、屋外広告物法に基づき、広告物の表示の場所及び方法並びに広告物を掲出する物件の設置及び維持について必要な規制を行い、もって美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止することを目的とする。」、こういう目的でございます。第一条が目的で、禁止広告物について第四条で取り上げております。四条の一については、形状、面積、色彩云々ということで、美観風致を害するおそれのあるものですが、二条については、公衆に対して危害を及ぼすおそれのあるものということで規定をされております。そして、禁止物件についても、細かく第六条で一から十に掲げる各号に張ってはならないというふうに禁止されておりますし、その第二項について「電柱、電話柱、街灯柱及びアーケード柱は、はり紙、はり札、または立看板を表示してはならない。」と、このように条例で定められております。ここまで見ますと、条例をすべて読み上げるまでもなく、違反広告物であるのではないかと確認できる張り紙が、奈良市内の電柱、街灯、ガードレールと、しかも学校の周りにも事細かく張りつけられているのを目撃をいたします。その内容は、全部申し上げますと、これは表現の自由を奪うことになりますので、張り紙の「出張◯◯」「美人◯◯」、どのように読んでも理解しがたい広告物であります。私は、実際にそこの広告物の示している電話番号に電話をしたことがないので、内容を確かめられていないのは残念でございますけれども、この張り紙に対して、やっぱり国際文化観光都市の景観を守るためにも、また子供の健全育成という視点からも、あのような違反物を見逃しておくのはよろしくないと考えております。これまでは違反物の是正指導については、県と連携を図りながら対処するしかなかったのは事実ですが、四月以降は奈良市が責任を持って違反広告物の是正指導を強化していけるというふうに考えます。また、強化をしていただきたい、奈良市独自のやっぱり強化策があってもいいかと考えております。そのためにも規則は重要なポイントを占めるものだと考えますし、特に奈良市の特色を生かす、奈良市だからこそ厳しく対処できるような姿勢を示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 続いて、男女共同参画センターについてお尋ねをいたします。我が党は、従来より女性センターの建設を要望してきたところであります。ところが、国の男女共同参画基本法を初め、県での条例制定の動き、そして奈良市の条例制定も見込みまして、その取り組みを進めていく中で、やはり男性も女性もともに参加・参画するためのセンターとして男女共同参画センターという名称が適しているだろうというふうに考えます。長い名前なので愛称が必要だとも思いますが、いかがでしょうか。

 二月の厚生委員会の時点では、何の報告も、開設の動きも見当たらなかったのですが、その後、新聞発表ということで、私も報告はいただきましたけれども、唐突という思いもありますので、改めまして男女共同参画センターとして開設するという決意されたことを評価はしているものの、その内容、シルキア奈良二階をどのように整備されるのか、そして運営と組織についてどのようにお考えなのかをお尋ねいたします。

 続いて、子育て支援事業についてでありますが、まず私どもが一九九八年に初めてファミリーサポート制度を取り上げ、当時は労働省の補助事業として目新しい事業であったわけですが、そのときは市としての窓口が調整できず、その後、児童育成計画の策定の取り組み等々も進められる中で、調整窓口が整ってきたように聞き及んでおります。十二月の段階では調整中というように答えられていたと記憶しておりますが、私は、いつも国の補助認承のあるものについては、できるだけ積極的に取り入れていくべきであるというふうに提案をさせていただいておりますし、特に保育所の待機児童をこれほど抱えている奈良市につきましては、保育所だけで対応できない状況をやっぱり他の部署でも取り組んでいくというふうに考えていくべきであると考えます。親も子供もサポートしていこうというのがファミリーサポートの設置目的です。そこで、中核市へ移行するこの時期に、とりわけ男女共同参画センターを開設しようとするこのタイミングに合わせまして、同時に、ファミリーサポートセンターを男女共同参画センターに位置づけて事業を行っていくというふうにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 続きまして、同和行政の総括で通告をさせていただいております。我が党は、社会党の時代より故八木一男先生の遺志を継ぎまして、同和対策事業特別措置法の期限内にやり切るという方向性を貫いてまいりましたが、残念ながら、この時限立法の間で全国的に残事業が残ってきたこともあり、同和対策事業は地対財特法という形を変えて存続をされてまいりました。その地域改善対策特別事業が、この三月三十一日をもって打ち切られようとしております。私どもは、この打ち切りを目の前にいたしまして、改めましてこの事業がなしてきた成果を奈良市として総括しておく必要があるだろうというふうに考えております。一九九一年に私が初めてここで同和対策事業について質問をさせていただいたときに、奈良市の持つ残事業量は、全国の中でも三本の指に入るほどの事業量を持っておりました。そのことが約十年間にして敏速に取り組まれてきたことを、私自身は高く評価をしているところでございます。残事業でありますから、特別措置法の中で指定されてきた同和地区に対する事業、残り事業をどう消化していくかということであったと思います。そのことについて、さまざまな意見がありましたけれども、奈良市の行政責任として取り組んでこられたことを高く評価しながら、しかしながら、今後残されている課題について改めて整理をしていただきたいというふうに思います。これについては、二問目の中で私自身の意見もつけ加えたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 最後になりますが、学校教育について通告をいたしております。第一点目は、学校評議員制度ということで、平成十二年一月二十一日に文部省令第三号により、学校教育法施行規則に学校評議員を置くことができる規定が新設されました。この省令は十二年の四月一日から施行されております。これは、学校の自主性・自立性の確立を目指し、開かれた学校づくり、家庭、地域との連携を進める上で切り札の一つとして浮上した学校評議員制度でございますが、平成十年九月の中教審答申「今後の地方教育行政の在り方について」において提言されて以降、幾つかの先行的試みはあったものの、期待と同時に不安や戸惑いも大きかったようでありまして、文部省は、この一月二十一日に校長・教頭資格の緩和と職員会議及び学校評議員の規定を盛り込む学校教育法施行規則等の一部改正を行い、あわせて実施に当たっての留意点等をまとめて通知をしております。これによって学校評議員は正式な教育制度としてスタートすることになりました。

 さて、奈良市における学校評議員制度の導入について、具体的にお示しをいただきたいと考えます。

 続きまして、教育問題の二問目で、学校自己診断制についてお尋ねをいたします。二〇〇〇年に国の教育課程審議会が学校への自己評価導入を提言しました。文部科学省も昨年度から自己評価の規定づくりを行ってきています。既に大阪府では、五年前からの導入で、五百校を超える試行が行われているようです。学校自己診断制は、教員だけでなく、保護者や児童・生徒も採点に参加するのが特色です。この目的については、各学校の教育目標や教育計画の達成度などを評価し、教員や保護者が学校の現状や課題について共通認識を持ち、ともに学校をよくする方法を考えるのに役立てられるとされています。総合的な学習が本格化すれば、体験学習などで地域の教育力を活用することも多くあります。地域の協力を得るには、学校のことを地域に知らせる説明責任を果たすことが求められます。自己診断で学校の現状を把握しておく必要があるというわけです。

 さて、奈良市として、この学校自己診断制度をどのような内容で、どのように導入されようとしているのかをお尋ねいたします。

 三点目は、出席停止制度についてお尋ねします。平成十二年十二月十二日に教育改革国民会議が報告した教育を変える十七の提案の、問題を起こす子供への教育をあいまいにしないに呼応して、学校教育法の一部を改正する法律、これは平成十三年七月十一日公布、平成十四年一月十一日施行で成立をしております。私どもは、この改正案について最も気にかけるのは、子供の教育を受ける権利を侵害するのではないかという点でございます。これについては、日本国憲法に反する改正であるというところまで感じております。ところが、こういった法律が施行したということで、改正法に伴い、要件の明確化、手続に関する規定、出席停止期間中の学習支援の措置を講ずることを定めた規定などが整備されました。奈良市は、そのことを受け、来年度新しく新規事業として五十万の予算が計上されたというふうに見ております。文部科学省から平成十三年十一月六日付で出席停止制度の運用の在り方についての中で、出席停止に至るまでの事前指導を充実させること、必要に応じて校内での他の児童・生徒と異なる場所で特別の指導計画を立てて指導すること、いじめに関しても、傷害に至らなくても出席停止の対象になり得る等々、運用上の留意点が通知されてきております。この内容の一つ一つを見ておりましても、学校と違うところで出席停止を受けた子供たちをどのように講じていくのかということは大変気になるところでございますので、この出席停止制度についてお尋ねをいたします。

 最後になりますけれども、同和教育も同じくこれまでの歴史を踏まえながら三月三十一日で地対財特法が期限切れとなることもあり、ここで同和教育の成果と課題について、いま一度明らかにしていただきたいと考えております。奈良県下における同和教育運動は、きょうもあの子が学校にいないという、いわゆる被差別部落の子供たちの不就学の現実から出発いたしました。義務教育さえ受けていない子供たち、義務教育の機会均等を保障しようということから、それを大前提として四十年間の歴史を数えてきたというふうに思います。当初から同和対策の特別措置法があったわけでもございません。当初は、本当に熱心な先生方の努力、その努力は学校内だけにとどまらず、地域へ足を運んで子供たちを学校へ行かせるという地道な指導から始まりました。そんな経過を見ますと、先ほど質問いたしました学校の出席停止制度というのは、それと本当に裏を返したような制度だなというふうに感じてはいるんですけれども、そういった取り組みの中で指導を受けてきた子供たちも、現在は四十代後半から五十代になっている人たちもおります。その後、歴史を積み重ねてきて、子供たちの実態も本当に変わってきました。学校へ子供たちを連れてきてどのように学習させていくのかという大きな課題の一つに、低学力という問題が大きくのしかかっておりました。残念ながら低学力調査を見ますと、現在もなお被差別部落の子供たちの、同和地区の子供たちの低学力傾向というのは大きな課題であるというふうに示されております。この間、同和教育の取り組みを通して、いわゆる同和地区の子供たちの就学と低学力克服、学習意欲を高めるという取り組みからスタートした同和教育運動でありますけれども、今現在は子供たちも変わりつつあると申し上げましたが、一人一人の子供を大事にしよう、いわゆる同和地区の子供たちだけでなく、生活の課題を抱えているとりわけ厳しい状況にある子供たちを受け入れながら、子供集団を高める、子供たちの中で子供は高まっていく、その子供たちの立ち上がりを支えていくために教師集団の姿がある。それはまた、教師の質をも問われる内容でありますし、こういった大切な経過をいま一度振り返りながら、同和教育運動の成果と課題についてお示しいただきたいと思います。

 以上で私の第一問を終わらせていただきます。



○議長(山本清君) 市長。

  (市長 大川靖則君 登壇)



◎市長(大川靖則君) 二十一番岡田議員の御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、新年度予算編成についてでありますが、その一つとして、地方交付税の伸び率が地方財政計画上マイナス四・〇%であるのに、市が五五・九%の増となっている要因についてということでございます。地方交付税は、平成十三年度の制度改正により、財源不足の補てん措置として、一部を新たに臨時財政対策債に振りかえる措置がとられました。そのために、平成十四年度の地方財政計画においてはマイナス四・〇%となっております。奈良市におきましても、平成十四年度の普通交付税の算出におきましては、十三年度の交付決定額八十六億八千万円から臨時財政対策債への振替分二十一億円を控除し、一方、中核市移行に伴う増額見込み額の三十億円とその他基準財政需要額の増が見込まれることから総額九十八億円となり、特別交付税と合算いたしました地方交付税の総額の伸び率は、当初予算に比べて五五・九%の増となっているのでございます。

 次に、JR奈良駅付近連続立体交差事業と駅周辺の整備についてでございますが、御質問のJR奈良駅周辺の整備については、御承知のとおり土地区画整理事業手法により道路や宅地等の確たる基盤整備を行い、町並みも大きく変貌いたそうといたしております。当初計画では、駅周辺はコアゾーンとして、大型の商業施設やホテル、情報センター等の民間施設の誘致を図ることにいたしておりましたが、今日の長引く経済不況によって、いずれも断念をしなければならないというような事態になってきているのでございます。

 その効果についてということでございますが、効果といたしましては、今現在関西線によって南北の中断をされております。これを連続立体交差事業によって東西が一体化になって、そして、その土地利用が効率的に図っていくことができると思います。したがって、奈良市の観光都市としての玄関口が平成二十二年になりますと一挙にさま変わりをしていくというようなことでもございます。この土地区画整理事業について、建物がホテルとシルキアと、そして一〇〇年会館のみではないかということでございますが、その当初は、それと加えて市で行うというのは、誘致する百貨店でもございました。あとはもう民間の方々によって土地利用していただくということでもございますので、この民間の方々の土地利用については、今申し上げましたように長引く不況によって、どうしても土地利用を図っていくことが困難とされているところでもございます。東側につきましては、先ほど申し上げましたように高度情報センターとかホテルとかいうことについては、これは断念をせざるを得ないと思います。したがって、その見直しにつきましては七月か八月ごろに公表をさせていただきたいなと、こんなふうに思っているところでもございます。

 なお、旧駅舎の引き家をすることによって、また駅の、そのコアゾーンのあり方も今検討しているところでもございます。奈良にふさわしいようなまちづくりをさせていただきたいと思っております。

 次に、国道百六十九号線でのパーク・アンド・バスライドについてということでございます。私も本当にそうした交通渋滞に胸を痛めているところでもございます。したがって、奈良市の郊外においてパーク・アンド・バスライドがぜひとも必要であると、そんなふうに思っておりますが、しかし、パーク・アンド・バスライドを総合的なものを行おうとすれば、相当広い土地も必要といたします。今の時勢では、奈良市単独ではどうしても行うことが困難と、そういうふうに思います。したがって、観光立県である県とともに、共同でひとつそうした方法を取り入れていくことが一つの方策ではなかろうかと、そんなことでもございますので、今後、県とも十分協議をしてまいりたいと思っております。

 次に、違反広告物の撤去についてでございますが、中核市移行により奈良県から屋外広告物の許可事務が奈良市に移ることになります。違反広告物の簡易撤去作業も市において実施することになります。世界遺産に代表される古都の景観を守るためにも、違反広告物に関しましては、従来にも増して警察、関西電力、NTT等の関係機関と一体となって積極的に取り組みをしてまいりたいと思っております。

 次に、男女共同参画センターについてでございます。このセンターの整備につきましては、シルキア奈良の二階分を利用し、相談室、会議室、視聴覚室、グループ交流室、調理室、パソコン室、作品展示室などを整備して、センターとして利用させていただきたいと思っております。また、託児所の設置も考えております。土・日、毎日ではございませんが、夜間も開設し、多くの人に活用していただきたいと考えております。

 事業の運営につきましては、男女の人権が尊重され、ともに社会のあらゆる分野に参画できるよう啓発してまいります。特に、女性には、社会参加と経済的自立を促すようパソコン講座や年金制度の講座を実施します。また、男性には、地域や家庭への参画を促すよう料理や介護の講座を実施してまいりたいと思っております。そして、女性問題相談室につきましても、土・日に開くなど、さらに充実をしてまいりたいと思っております。

 この男女共同参画センターという名称が非常に長いということで、これについても私は親しまれる愛称を募集してまいりたいと思っております。

 次に、子育て支援事業についてでありますが、平成十四年度に奈良県におきましてファミリーサポートセンターについての市民ニーズの調査と分析を実施する予定と聞いております。しかしながら、ファミリーサポートセンターにつきましては、今後の男女共同参画行政を進める上で必要なものでありますので、関係機関とも十分連携を持ちながら、また御意見も参考にしながら早期に設置に努めてまいりたいと思っております。

 次に、同和行政の成果と課題についてでございますが、特別措置法の施行以来、部落差別の解消に向けた各種事業の実施、推進により、物的事業につきましては、住宅の建設、道路整備、公共施設整備等の成果をおさめてきたところでもございます。また、地域の生活実態、すなわちソフト面につきましても、地区住民の自主努力や経済の高度成長に伴い、一定の改善を見ているところでもあります。しかし、今なお差別意識は依然として存在しており、とりわけ教育・啓発分野につきましては、多くの課題が残っているのが現状でございます。部落解放に向けた地区住民のさらなる自立、すなわち、みずからを見詰め、主体的に生活の向上を実現するための意識の変革とその努力、及び社会参加意識の高揚を誘導する施策が重要であると考えており、このため行政と地域住民の接点にある人権文化センターの活動が重要なものでなかろうかと思います。その運営に当たっては、地域の福祉やまちづくり、あるいは子育て支援などへの住民の主体的な参加が促進される取り組みを今後も進めてまいりたいと思っております。

 以上です。



○議長(山本清君) 教育長。



◎教育長(冷水毅君) お答えをいたします。

 まず最初に、学校評議員制度につきましてでございますが、奈良市教育改革プログラム懇話会から、「校園長は、学校経営方針の具体化にあたり、学校評議員を通じて保護者や地域住民の意見を幅広く聞き、家庭や地域と連携・協力しながら特色ある教育活動を展開する」との提言を受け、市教育委員会が定める奈良市立学校の管理運営規則を改正し、各学校に学校評議員を置くことができるようにするとともに、平成十四年度から学校評議員推進モデル校を小学校三校、中学校一校、計四校を設置するとともに、学校評議員制推進モデル校連絡協議会を設け、全学校での実施に向け調査研究を進め、実践的な課題の研究を進めてまいりたいと考えております。

 次に、自己診断評価システムについてでございますが、これからの学校教育において地域社会に開かれた学校づくりを推進するためには、各学校が説明責任を果たし、保護者等の協力を得て教育活動を展開することが重要であり、各学校が学校の教育方針や教育計画、学校が抱える諸課題等について、積極的な情報の開示に努めることが必要であると考えております。そのためには、学校はみずからが教育活動等について自己診断ができるシステムの構築が必要であると考えます。現在、市内では二校程度が独自に試行しておりますが、今後、奈良市教育改革プログラム懇話会の提言を受けて、平成十四年度から学校の自己診断評価に関する推進モデル校を小・中学校各一校を指定し、学校の自己診断評価についてより深く研究し、二から四年先をめどに、すべての学校において自己診断評価ができるシステムを構築してまいりたいと考えております。

 次に、出席停止についてでございますが、出席停止の措置につきましては、本人に対する懲戒という観点からではなく、学校の秩序を維持し、他の児童・生徒の義務教育を受ける権利を保障するため、従来から制度化されておりましたが、本年一月施行の改正学校教育法により、要件の明確化、手続に関する規定の整備、出席停止期間中の学習支援等を明確化いたしました。特に、出席停止期間中は保護者の適切な監護が基本となりますので、必要に応じて学校、教育委員会が中心となり、地域の青少年指導者並びに関係機関と連携を図り、出席停止後をも見据えた学習支援や体験活動、心的サポート等を行うチームを編成し、対応してまいりたいと考えております。

 次に、同和教育の総括と今後の方向についてのお尋ねでございますが、これまで同和教育の取り組みは、同和地区児童・生徒の教育権の保障を目指し、すべての子供たちの自己実現を図る教育へと教育内容や指導方法を整えてまいりました。さらには、奈良市同和教育推進についての指針に示してありますように、すべての教育課程の基盤として位置づけ、同和問題を初めさまざまな人権問題の解決に向けた学習活動の創造に向けた広がりを持つ不易の教育として大きな成果を上げてきたところでございます。しかしながら、法の失効を控えて、いまだ解決されていない低学力傾向の克服やさまざまな生活課題、教育課題を持つ子供たちへの教育権の保障、生活支援にかかわる問題も残されております。今後は、残された課題の克服に向け、これまで培ってきた同和教育の成果や手法、また教訓を生かしつつ、次年度からの教育改革の中で、子供たちが中心となる人権を視点とした総合学習など、教育活動の中で大きく人権教育として発展させていきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山本清君) 二十一番岡田君。



◆二十一番(岡田佐代子君) 二問目は自席から行わせていただきます。

 たくさんのことを申し上げましたので、時間が限られているわけですけれども、新年度予算編成につきましては、続きまして、私ども同僚議員の方から一般質問及び委員会の中で質問をつなげさせていただきたいと思います。

 その予算編成の中で市長から御答弁いただきまして、私、JRのまちづくりについて、もうこれ以上ここではお尋ねしようとは思わないのですが、いわゆる私自身として気になることは、やっぱりまちづくりに私たち女性の視点をもっと入れて発言をしていくべきであるということに気づいてきたということが一点あります。それは、せんだっての筑紫哲也さんの中核市移行に伴う講演会を聞きまして、やっぱり駅をおりたときに奈良市として特徴のある、ここへ奈良市に来て本当にいやされるという、古都奈良であるというイメージづくりをするべしであるというお話がありまして、ああ本当にそうだなと思いました。駅周辺、JRあるいは近鉄にしましても、奈良市の駅周辺整備というのは、これからいろんな創意工夫を生かしてつくり上げていくのだと、そういうときに私たちの女性の視点からの発言や意見をやっぱり生かしていくことは大事だなというふうに感じておりますので、きょうを出発にいたしまして事あるごとにこれは提案をしていきたいというふうに、一つは決意をしております。七、八月には公表するというお答えもいただきましたので、このことをきっかけにしながら私たちの視点で、それと女性がやっぱり元気にですね、まちを歩くといいますか、買い物も含めて女性が元気なまちがいいというふうなお話もあったかと思いますので、そのように奈良市の活性化を目指したまちづくりに参画をしていきたいというふうに考えております。

 続きまして、通告に沿っていきたいと思うんですけれども、一つは屋外広告物、厳しく取り組んでいきますという決意いただきましたので、よろしくお願いいたしますというふうに言いたいと思います。早急にあのような、きょう写真を持ってきませんでしたけれども、子供の目には触れさせたくないというふうな広告物については、早急にといいましても権限は四月から移行になりますので、移譲になってすぐに取り組んでいただくということでお願いを申し上げたいと思います。

 一つ、三点目の男女共同参画センターについて、その構想をお伺いいたしまして、大変期待をしたいと思っております。せんだって、私、現場をちょっと見てきまして、今シルキアの店舗が一階に全部集中いたしまして、二階の改装に合わせて締め切っているんですよね。JR奈良駅の西側からシルキアの中へ入ろうとしますと、二階の入り口が閉まってますので、三井ガーデンホテルの方を通っていくか、もしくはちょっと尋ねましたら横に階段があるとか言われたんですが、非常にわかりにくい構造になっておりまして、店舗を下に固めたはいいのですが、JRからの客の流れがやっぱりとまってしまっているような状況、これ改装するのはするでいいのですけれども、とにかく二階の駅、せっかく西口つくったのだから、下に人をおろしていくということを意識的に考えていく必要はあるだろうというふうに思います。そういう箇所に男女共同参画センターを設立していくわけで、ぜひ使う人たちがどんどんやっぱり活発に利用できるような条件づくりをしていただきたいと思っております。ちょっと気になるのは、JR奈良は奈良市の窓口と言われるのですけれども、実は西奈良の、西奈良という言い方は変ですね、近鉄沿線の皆さんにとっては、非常にJR奈良駅へ行くのは行きにくいところだそうです。近鉄で奈良におりて、それからバスに乗ってJRに向かうか、もしくは歩いてJRに行かなくてはならないと、そのようなことを思いますと、奈良の西地域から男女共同参画センターを利用するについては利用しにくいというふうな声も聞こえてきております。そんなこと言い出しますとあれですので、とりわけ人の流れをよくするように考えていただきたいというふうに思っております。

 それに伴って、子育て支援のところでファミリーサポートセンターをお答えいただきました。前向きな答弁というふうに受けとめております。確認をさせていただきたいのですが、私が一問目で申し上げましたファミリーサポートセンターは、男女共同参画センターの開設に合わせて、そこで行っていただきたいというふうに御提案申し上げたのですが、それについては市長にもう一度お答えをいただきたいと思います。

 続いて、同和行政の総括についてお聞かせをいただきました。改善事業は本当に速やかに行われてきたことを一問でも評価しておりますし、せんだって、最も全国の中でおくれてきた事業として畑中の事業があったわけですが、せんだってその住環境事業もでき上がりました。非常にすばらしい建物ができ上がって喜んでおります。何よりも地区住民の人たちが大変喜びと、そして、周辺地域と一体となった取り組みということで佐保人権交流センターというものもでき上がっていく、これから人づくり、本当の意味でのまちづくりが始まっていくというふうに考えております。しかしながら、周辺地域、まちが整備されていくと同時に、周辺地域からのあのまちだけというねたみ意識もあわせまして、古くからある部落差別の問題というものはまだ解決されていないということで、市長は差別がある限りこの地域に対する行政は続けていくという決意を述べていただいたというふうに思っておりますが、改めましてそういう認識でいいのかどうか、一言決意を述べていただきたいと思います。

 市長に再質問二問してしまいましたけれども、最後に、教育長に、時間が限られておりますので、再質問したいところを一点だけ申し上げます。

 評議員制度と自己診断制度については理解をいたしました。二年から四年後には全学校に自己診断制度については導入すると、これはすごいことですよ。学校の先生方の意識が変わらないと受け入れていけないと私は思います。うれしいことに来年の一校については、私どもの地元の学校が手を挙げるようなことを聞いております。とりあえず同和教育をやってきた学校は進んで自分とこの学校の自己診断について手を挙げていくと、こういう積極的な姿勢を認めていただきたい、評価していただきたいというふうに思います。

 それでですね、一点は、その次の出席停止処分の分で、説明をいただいて、停止後の学習支援について講じていくという趣旨も理解できました。それで、具体的に来年度五十万ついてるんですよね。五十万という額がどうなのか私はちょっと理解できないんですが、この五十万についてどのように使用しようとしておられるのか、一点お尋ねしたいと思います。

 二問目、以上です。



○議長(山本清君) 市長。



◎市長(大川靖則君) 一点目のファミリーサポートセンターについて、男女共同参画センター内でつくるようにということでございます。まず、先ほどもお答えさせていただいておりましたように、子供連れでも参加できるための託児室も設けてございます。そんなことからも、ひとつ前向きで検討させていただきたいと思っております。

 次に、同和問題についてでありますが、私いつも申しておりますように、法の期限が切れようが差別のある限りは、やはりそうした同和行政を推進していかなければいけないと、そのように思っております。

 以上です。



○議長(山本清君) 教育長。



◎教育長(冷水毅君) お答えいたします。

 出席停止のところに五十万という予算がついているが、どのような使途であるかということでございますが、出席停止を受けました生徒には、心的なサポートあるいは体験活動を必要とする部分もございます。そういう場合にその生徒を連れていかなくてはならない、あるいは専門的なサポートする先生に見てもらわなければいけない、そういうような費用も必要じゃないかなと思います。つまり旅費あるいは教材、必要図書、本も読まさなければならないということも考えておりますので、そのような必要な図書、そういうものの費用に充てたいというように考えております。



○議長(山本清君) 二十一番岡田君。



◆二十一番(岡田佐代子君) 三問目は、私の主張といいますか、を伝えていきたいと思います。

 まず、もう逆になりますけれども、教育長が出席停止の問題で御答弁いただきました。今、子供たちの状況を見ましたら、非常にやむないだろうというようなことも考えられます。ただ、指摘しておきたいのは、子供が問題を起こしたから出席停止をするということで、その問題の解決にはならないということを私は感じております。この点を教育長といろいろ話しする中でも教育長自身も感じておられると思うんですけれども、とりあえず学校という中で子供を教育するということは、停止処分では補えない、これが大前提であると思います。停止処分で補ってしまうということは、学校教育の放棄ではないかとまで、私は思っているわけでございます。とりわけきょうの新聞で、どの新聞も取り上げております暴行事件について、私はここでこれについて質問する気もございません。教育総務部の部長のノーコメントという言葉が載っております。いわゆる入試直前の子供でもあるので、これについてはノーコメントということで私自身も深く触れないでおこうというふうに思っておりますけれども、結局この事件の背景にしても、学校でこういうことが起こり得る今の中学生の問題、これを家庭と学校で、家庭の問題や学校の問題やとキャッチボールしているだけでは、一向に解決にならないだろうというふうに考えております。このこともあわせまして、私はぜひつないでいきたいのが、同和教育の総括を教育長みずからが非常にすばらしくされているわけですから、同和教育運動の中で大事にしてきたノウハウというのを、いつも申し上げておりますように、同和地区だけにとどめるのではなく、地区外の学校にも広めていきながら本当に子供が子供として尊重されるということ、子供が子供として大事にされ、そして子供集団の中で育つということ、そのことをもっと広げていくことが同和教育の精神を損なわないということだと思うんですね。そのためにも、先ほど言いましたように、学校の自己診断制度というのは非常に大きな価値があるというふうに思います。

 もう時間がございませんので、私は教育のことをいつも取り上げさせていただきますが、私自身も子を持つ親として、子供が学校で習ってきたことを親が受けとめる中で変えられることがある。どういうことかといいますと、この間車いすに乗って僕たちは学校を点検して歩いたと言っておりました。それは、来年の一年生から車いすに乗った子が二人自分の学校に来るから、先輩である僕たちが危なくないか点検に歩いたということでした。私は、この子供の言葉に驚かされると同時に、こういう指導をしておられる学校の先生方の指導のあり方に非常に感激しました。私自身の時代は、障害を持つ子供たちとそれほど触れ合った記憶がないのですけれども、障害を持つ子供たちを自然に受け入れられていく、この子供たちの感性にきちっと教師が働きかけをできている、このことが同和教育の、同和教育をわかる人は障害児教育をわかるということを身をもって教えていただいた次第でございます。しつこく言いますけれども、子供は変わります。教師によって変わるということを確認し、その変わった姿を見ることで親も変わると、こういうことで、学校教育の中で今大事にされなくてはいけないのは、子供を通して親への働きかけをもやっぱり視野に入れていくと、開かれた学校というのは、そういうことだというふうに思います。このことを取り組んでいただくよう、教育の面で私は強く訴えていきたいと思います。

 残り一分になりましたけれども、ぜひ最後に子育て支援の問題でお願いがあります。私は、かつてから大宮、春日の満杯状況を見てまいりましたが、どうしても大宮、春日、そして並んで三笠保育園がございますけれども、今、三笠は満杯になってますが、大宮、春日、ルーテル、けど三笠はちょっとという声が、まだ奈良市内にはあります。このことこそが何をあらわしているのかと私も大変怒りを感じるんですが、ここはそういう意識を取っ払うためにも、大宮や春日の希望者を吸収する意味で三笠保育園を、来年度右京ですか、で増改築が最後になりますが、三笠保育園を奈良市の駅前シティ型の保育園として、一時保育や多様な保育ニーズが担っていけるような保育所に増改築をしていただけるように、来年度調査していただきたいというふうにお願い申し上げまして質問を終わります。

 ありがとうございました。



○議長(山本清君) 以上で代表質問は終わりました。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

  午前十一時五十五分 休憩

  午後一時三十三分 再開



○副議長(和田晴夫君) 議長所用のため、私かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。

 休憩前に引き続き、会議を開きます。

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○副議長(和田晴夫君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。

 三十五番小林君。

  (三十五番 小林照代君 登壇)



◆三十五番(小林照代君) 私は、通告いたしております問題について、関係理事者にお尋ねしますが、質問に先立ち一言申し上げます。

 昨日の我が党の松岡議員の代表質問に対する市長答弁の中で、現在七十歳以上の高齢者に支給されている無料パスの二千円負担の問題で、我が党がそれを認めるような発言をしているやに受けとれる答弁がありましたが、そのような発言は一切なく、また、昨年十一月七日に我が党市議団が行った二〇〇二年度の予算編成に当たって申し入れの中でも、高齢者対策として七十歳以上の高齢者に支給されている無料パスは引き続き継続させることを強く要求しているところです。そのことを再度明確にし、私の質問に入ります。

 初めに、農業と食料問題についてです。二十一世紀を迎えて、世界の食料や農業、環境を何とかしなければの願いは、世界共通のものになっています。それほど世界の食料や環境問題は深刻な事態になっているのです。九六年ローマで開かれた食糧サミットは、八億人とも言われる飢餓人口を、二〇一五年までに半減することを世界の共通の議題として確認しました。それから五年目を迎えた二〇〇一年の一月、世界食糧計画は、栄養不良人口は八億三千万人と発表しました。世界の食料事情は好転するどころか、ますます悪化しているのです。

 日本の食料、農業も、この数年これまで以上に深刻さを増しております。米作減反は拡大されながら、生産者米価の暴落はとまらず、野菜も輸入の拡大と価格暴落が続いています。狂牛病の発生や雪印食品などの食肉偽装事件問題は、食の安全に対する信頼を失わせるとともに、酪農、肉牛経営を崩壊させかねない打撃を与えています。今どこへ行っても農家の中に、このままでは生産は続けられない、努力も限界に来ているなど、怒りと不安の声が高まっています。日本農業と農業経営の困難さは、統計的にも顕著にあらわれています。二〇〇〇年の農業産出額及び生産農業所得で見ますと、全国の農業粗生産額は、政府がWTO協定を受け入れた当時の九五年と比較しますと、粗生産額で一二・七%の減、生産農業所得では二三・二%と四分の一近い大幅な減少です。奈良市でも九五年と比較しますと、粗生産額で六%、生産所得額で一七・一%減少しています。二〇〇〇年度の食料需給表によりますと、食料自給率は向上どころか低下傾向から脱することができず、特に野菜や果物などに生鮮農産物の生産の減少が目立っています。

 政府は、二〇〇一年に、一、農業構造改革推進のための経営政策、二、二十一世紀における水田農業の確立、構造改革促進のための米政策の総合的、抜本的見直しの大枠についてと、小泉改革に連動する二つの農業政策を明らかにしました。一つ目の経営政策は、自民党農政の柱であった大規模化、法人化を徹底し、それに合わない農家を農政の対象外にするもので、農業版大リストラ計画というべきものです。現在、全国の農家は三百万戸余り、販売農家で二百三十万戸あります。それに対して、経営政策が育成すべき農業経営の基本としている認定農業者は十六万戸余り、法人経営は六千程度です。政府は、小規模農家を政策対象から除外しようとしておりますが、多くの中小農家は農業生産の担い手ではないでしょうか。四十八万戸と言われる専業農家の三分の二は認定農業者ではありません。農業者以外の専業と副業、兼業の農家を加えれば、米では生産量の七割から八割、露地野菜や果実では半分以上を占めています。

 二つ目の米政策見直しで、農家や農業団体から反発が強かったのは、現在の減反目標を達成し、基金を出資したすべての稲作農家が対象になっている稲作経営安定対策から、副業農家を排除することです。農業と地域の実態を無視し、農業生産の担い手を一部の大規模経営に限定する農業構造改革を許したら、我が国の農業と農家はもとより、地域経済を一層衰退させることになることは明らかです。食料自給率を向上させるどころか、農業と農村社会を一層衰退させることになってしまいます。

 長年の自民党農政のもと、生産調整推進により毎年減反が押しつけられ、奈良市では九二年から二〇〇一年までのこの十年間で、約八千七十四ヘクタールの減反と転作が行われました。農業センサスによれば、農家総数は九〇年が四千百三十五戸、二〇〇〇年は三千二百五十三戸と、十年間で八百八十二戸も減少しています。耕作面積で言えば、総耕地は九〇年二千二百三十九ヘクタール、そして二〇〇〇年には千七百五十一ヘクタールと、これも十年間で四百八十八ヘクタールも減少しています。市内の各地では手入れもしない荒れたままの土地がふえ、大変目につきます。

 経済部長と助役にお尋ねします。一、政府の経営政策によりますと、育成すべき農業経営の基本としているのは認定農業者と言っています。奈良市で認定農業者は何戸ありますか。また、その規模はどうなっていますか。販売農家は全国で二百三十万戸です。奈良市の販売農家及び専業農家は何戸ありますか。全国の農家の八割以上を農政の対象から切り捨てる経営政策では、奈良市の農業は存在しなくなるのではないでしょうか。

 二、奈良市の乳牛、肉牛農家は狂牛病の被害はありませんか。どんな状況でしょうか。

 三、政府の進める農業政策では、家族農業、小規模農業は農業を続けることができません。奈良市の農業は壊滅状態になります。市独自の政策や対策が強く求められますが、どのようにお考えでしょうか。

 助役にお尋ねします。二〇〇二年度予算案を見ますと、農林関係予算は対前年比で七七%と大幅に減っています。どうしてでしょうか。農業予算で今一番必要とされているのは、価格暴落を防ぎ、多くの農家が生産を続けられるよう農業予算の主力を価格・所得政策に切りかえることです。この点はいかがお考えでしょうか。

 次に、医療制度改悪についてです。小泉内閣の医療大改悪案が先日、国会に提出されました。二〇〇一年末に政府が決めた平成十四年度医療制度改革についてでは、当初の厚生労働省改革試案に比べて、七十四歳以下の高齢者の二割負担が一割に戻され、サラリーマンの三割負担の二〇〇二年十月実施を二〇〇三年四月におくらせるなど、改悪反対の運動を反映したものであります。しかし、医療改革の骨格は基本的に変わっていません。九七年の健康保険二割負担導入以後、受診抑制による死亡を含む深刻な健康被害が各地で起こりました。現在の不況のもとで三割が実施されれば、その影響は火を見るより明らかです。

 また、老人保健の対象年齢が七十五歳に引き上げられるとともに、七十歳以上の人は完全な一割負担となります。一定の所得以上の人には二割負担を導入します。高齢者には二重苦が襲います。診療所で採用していた一回八百円、月四百円までは定額、病院では三千円から五千円という上限が廃止され、すべてが一割負担に、病気によっては負担は十三倍以上に大幅アップします。その上、上限を超える分は、一たん全額払った上で払い戻しを受ける手続が必要になります。中小企業のサラリーマンが加入する政府管掌保険の保険料は、現在、年収ベースにすると平均七・五%、これを八・二%に引き上げ、ボーナスからも月収と同じ料率の保険料が徴収されます。大企業のサラリーマンなどの加入する組合健康保険や公務員の共済組合も総報酬制になります。さらに、患者全体にかかわって、負担の頭打ちである高額療養費の引き上げも行われます。特に、今回強調しなければならないのは差額ベッドの拡大です。保険外負担の大幅拡大です。差額ベッド代の対象を病室の五割からもっと拡大するほか、大病院の再診、六カ月以上の長期入院や高度な医療などについて、保険適用を外して患者からどんどんお金を徴収しようとしています。

 そして、今度の改悪の焦点の一つとなっているのは国民健康保険の問題です。それは、小泉総理が国保の三割負担をてこにして自己負担の三割統一を強行しようとしているからです。しかし、これは医療保険制度の縮小、改悪を当然視する理屈であり、三割負担の引き下げを初め劣悪な国保の改善こそ求められているのです。現在、本人も家族も三割負担となっている国保は、今も受診率が低く、最近では不況の影響も重なって、自営業者などでは医者にかかるときは死ぬときのような事態が生まれています。全国商工団体連合会の共済情報によれば、初診から死亡までが二十四時間しかないケースが、九七年は九・九%だったのが、二〇〇一年は一八・二%で倍増しています。保険と年金の動向二〇〇一年版によりますと、三割負担の国保一人当たりの受診件数を二割負担の政府管掌健康保険本人と比べますと、二十代前半は一〇%少なく、五十代後半では一七%少なくなっています。現役層のすべての年代で同様の格差があります。こうした受診抑制が健康に及ぼす結果は明瞭です。

 また、高過ぎる保険料で、深刻な保険料の滞納が生まれております。厚生労働省発表では二〇〇一年六月一日現在、滞納世帯は三百九十万世帯、全世帯の一七・七%となっています。奈良市の国保料は、二〇〇〇年度一人当たり九万三千二百二十四円であり、二十八の類似都市の中で二番目に高く、奈良県十市の中では一番高くなっています。そして、滞納世帯は二〇〇〇年度一万二千二百八世帯、全世帯の二一%に上っています。

 そこで、お尋ねいたします。一点目は、医療制度改悪により、奈良市の高齢者医療助成、心身障害者医療助成、母子家庭医療費助成などに大きな影響があります。市の負担はどのようになるんでしょうか。

 二番目、国保の資格証が二月から発行されていますが、資格証では治療は受けられません。資格証の発行はやめるべきです。いかがでしょうか。

 三点目、国保の介護分の保険料の引き上げは、低所得者に大変な負担増となります。今でも高くて払えない保険料をますます払えなくさせるもので、滞納者を一層ふやすことになります。撤回をしてください。

 四点目、医療制度改悪の背景には総医療費の増加が理由に挙げられていますが、医療費を減らす最良の方法は、何よりも早期発見、早期治療です。国保でその役割をしております人間ドックについて、検診場所をふやすお考えはありませんか。

 五点目、保健予防に大いに役立っている基本健康診査、婦人検診及び肺がん、大腸がん検査は、これまでどおり無料を継続してください。

 六点目、二十三年間続けてきたはり・きゅう等施術料助成制度の廃止が突然関係者に通知されました。この制度がなくなれば、これまで保険適用、一割負担、初診で二百三十円、再診で百五十円で済んだお年寄りが多額の医療費の負担をしなければならなくなります。はり・きゅう治療は、東洋医学と西洋医学と結合させたすぐれた医療であり、要介護状態になることを予防したり、西洋医学で治りにくい人にも効果があるなど、市民の健康を守るため大きな役割を果たしています。また、はり治療は現在先進各国に普及し、副作用がない東洋医学と注目を浴び、はり・きゅう治療に取り組むところがふえてきているところです。制度が廃止されれば、患者負担がふえて、多くの高齢者が経済的理由で受診できなくなります。このことをどのように認識されているのでしょうか。

 以上で第一問終わります。



○副議長(和田晴夫君) 南田助役。

  (助役 南田昭典君 登壇)



◎助役(南田昭典君) 小林議員の質問にお答えいたします。

 農業政策についてでございますが、農産物価格・所得政策についてでございますが、農産物価格は国民生活と農業経営の安定を図る上で重要でございまして、国では主要農産物ごとの価格安定制度が設けられておるところでございます。また一方では、新たな農政の方向として、価格政策に市場原理を一層活用する必要性も指向しているところでございます。農産物の価格政策は、国民のコンセンサスを得る上でも慎重な対応が必要かと考えておるところでございます。

 平成十四年度の農林業予算は、前年度に比して減少しているという御指摘でございますが、この主な原因は、土地基盤や農業施設整備の進捗によるものであります。また、予算には農業生産の振興や生産体質の強化を図るとともに、イチゴの育苗や穀類乾燥調整の施設整備による生産の安定、また生産コストの削減等の予算も計上させていただいており、農家の経営安定に寄与するものとしてまいりたいと考えておるところでございます。よろしくお願いいたします。



○副議長(和田晴夫君) 経済部長。



◎経済部長(北川健五君) 農業と食料問題について三点お尋ねをいただいております。答弁をさせていただきます。

 まず初めに、奈良市の認定農業者等の状況についてでございますが、農業経営の発展を目指し、農業を主体とする農業者である認定農業者は、奈良市では現在三十六人です。その認定の基準は、年間農業所得一千万円以上、年間労働時間二千時間を目標とする農業者となっております。

 また、二〇〇〇年の農林業センサスでは、経営耕地面積が三十アール以上、または農産物販売金額が五十万円以上の販売農家は二千百八十一戸、うち専業農家は二百二十二戸となっており、その占める割合は約一〇%にしかなりません。そのため、奈良市では国の施策を活用できない小規模農家が多い現状でございます。

 次に、奈良市の畜産農家のBSEの被害状況についてでありますが、奈良市内で肉牛農家は二戸、三十一頭、乳牛農家は七戸、二百四十二頭で小規模経営でもあり、狂牛病に関連する特別融資制度を利用している農家はございません。被害状況は明確には出ておりませんが、肉牛の販売価格の大幅な下落や、乳牛の廃用牛流通の停滞や維持コストの増加等に影響があるものと考えております。

 次に、小規模農家に対する市独自の対策についてでありますが、奈良市の農業状況は、兼業農家は千九百五十九戸、さらに自給的農家は千七十二戸と九三%が小規模農家であります。これらの農家は国の諸制度の活用も困難でもあります。農産物価格の低下や農業機械整備等の経費の増大による影響を大きく受けております。そこで、奈良市といたしましては、このような小規模農家の対策として、集落の営農組織による営農体制や共同利用施設の整備などにより、個々の農家の生産コストの削減を図るとともに、多品目・少量生産による、直接販売等で農家の経営安定を進めることも必要であると考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 民生部長。



◎民生部長(笠原俊彦君) お答えを申し上げます。

 一点目の資格証明書についてでございます。国民健康保険は被保険者全体の相互扶助で成り立つ社会保険制度であり、その財源となる保険料の収納確保は、制度を維持していく上で、また被保険者間の公平を図るという観点からも極めて重要な課題でございます。こうした中で、平成十二年度から介護保険制度の導入を機に、保険料滞納者に対する実効的な対策を講ずる観点から、保険料の納期限から一年が経過するまでの間に保険料を納付しない場合においては、特別の事情があると保険者が認める場合を除き、資格証明書の交付を行うこととされたところでございます。平成十三年度は十件交付をさせていただきました。資格証明書の交付は、制度を維持していく上で、また被保険者間の公平を図るという観点からさせていただいておりますが、私はむしろ、交付事務を通じ、できるだけ被保険者と接触をする機会を確保し、保険料の納付相談、納付指導を努めさせていただくことに意義があると考えてございます。したがいまして、交付そのものにつきましては、従前どおり慎重に対応してまいりたいと考えてございます。

 次に、介護保険料の引き上げについてでございます。介護保険制度は、医療費総額の抑制と、医療と介護の明確化を図ることを目的として、平成十二年四月に制度スタートしたところでございます。また、介護保険料の第二号被保険者は、医療保険に上乗せをして、介護保険料を徴収するシステムとなっているところでもございます。今回の介護保険料の引き上げについてでございますが、厚生労働省で示されております奈良市の介護納付額は十億一千五百万円となってございます。この経費を国庫支出金、繰入金等で五四%、保険料で四六%を賄うことになりますので、保険料での増額分三千六百八十二万五千円を被保険者の皆さんで御負担をいただくことになります。安定した介護保険を維持するためにも、今回の引き上げに御理解を賜りたいと考えておるところでございます。

 次に、人間ドックの検診場所をふやすことについてでございますが、現在は奈良市総合医療検査センターを対象医療機関としてございます。伸び続けます医療費の抑制は、保険者にとりまして最大の関心事でございます。そのためには、人間ドック等の保健事業が重要性を増してくるものと考えてございます。今後も人間ドックの普及に努めますとともに、市民の健康増進、疾病予防等の保健医療サービスが効果的に提供できるような体制づくりを研究してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 福祉部長。



◎福祉部長(丸野俊雄君) お答えをいたします。

 医療制度に関連いたしまして、福祉行政について三点の御質問をいただいたところでございます。

 まず、第一点の医療制度変更による奈良市の福祉医療費助成の影響額についてでありますが、これは、現段階での算定はあくまでも全体の対象者数に占める今回の制度変更による対象者数の割合による算定であることを、まず御了解を願いたいと存じます。まず、心身障害者医療費では約二千九百万円、高齢者医療費では約二千八百万円、母子家庭医療費では約九百万円で、合計六千六百万円が現行制度よりも市負担の増額を来すものと想定しております。

 次に、二点目の老人保健法による基本健康診査等の無料での検診を継続するようにとのことでございますが、これにつきましては、市民一人一人が自己の健康管理に主体的に取り組んでいただくという観点から、保健サービスを受ける機会を損なわない範囲において、保健サービスの受益者に費用の一部負担を求めることも評価されるべきものであるという考え方で、国は健康診査の費用の一部を徴収することができるとしてございます。国の徴収基準額、胃がん検診等がん検診の一部負担の現況等の中で、平成十四年度から基本健康診査、大腸がん検診、婦人健康診査の費用の一部を御負担いただきたいと考えてございます。

 次に、三点目の老人はり・きゅう等施術料助成制度を継続すべきであるとの御意見でございますが、この制度につきましては、市長が先ほども御答弁させていただきましたとおり、医療保険適用分に係る施術機関に対しての助成措置であり、また、当初は視覚障害者に対する措置でもありました。制度発足時と比べますと社会情勢の大幅な変貌もありましたので、本年度をもってこの制度を廃止するということでございます。また、この制度につきましては、先ほども申しましたように医療保険適用分の上積み助成でありまして、患者の負担増にはならないものと、このように考えているところでございます。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 三十五番小林君。



◆三十五番(小林照代君) 自席から要望と意見と二問目をさせていただきます。時間が少ないので、ちょっと言葉早口でしゃべるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 初めに医療保険制度の改悪についてです。国保の関連なんですが、資格証の発行はですね、明らかに制裁措置です。保険料が納められない、納めないから保険証を渡さないということなんでしょう。国民健康保険の制度は、国保法にもありますように、社会保険でもありますけども、社会保障制度なんです。国民皆保険制度としてつくられました。だから、保険証の交付こそが社会保障の原則になっています。よく被保険者間の公平を図る、負担の公平ということが答弁でも述べられましたけれども、だからこそ公平に払える保険料にしなければなりません。減免拡充などをして保険料減額に努力するのが自治体の当然の責任ではないでしょうか。再考していただきたいと思います。

 それから、国民健康保険の介護分の保険料の引き上げについてです。均等割、平等割で合わせて千八百円の引き上げが行われるということです。介護の納入金は、厚生労働省が決めてきまして、毎年毎年引き上げられます。それはわかっておりますが、私、十市の状況を聞きました。これを引き上げるのは、介護分の引き上げが行われるのは奈良市一市だけなんですね。県下で一番高い国民健康保険料をさらに引き上げることになるんです。念のために申し上げますけど、サラリーマンなどの政府管掌保険の介護分というのは、平成十四年度から千分の十・九から千分の十・七に、少しですけれども下がるということになっております。健康保険の保険料と比べますと、国民健康保険料は二倍から三倍と言われております。ですから、この格差がさらに広がるということになります。国民健康保険の会計は幸いに数年黒字なんです。ですから、郡山市などでは、やりくりをして、今回は市民の負担をふやさずに、値上げをせずに検討しているということです。高過ぎる保険料をさらに市民に負担をかぶせるということですので、滞納者をさらにふやすことになるのではないんでしょうか。再考していただきたいと思います。

 はり・きゅう助成制度についてです。奈良市は、はり・きゅうの治療効果をいち早く認めて、西安市との友好都市交流を機会に、七八年にみどりの家を開設して、心身障害者の無料のはり・きゅう治療を始めまして、その翌年助成制度ができました。こうした経過やこれまで積み上げてきた成果を、この助成制度の廃止ということは台なしにすることになりませんか。助成制度の継続を強く求めたいと思います。

 さて、先ほど医療保険制度の改悪で御答弁をいただきましたように、市の福祉医療と言われております助成制度に大変な負担増がもたらされます。総額で、概算と言われておりますが六千六百万という数字が答弁されておりますが、これは健康保険の本人の負担が二割から三割になるという、その部分ですらこれだけの負担増になるわけです。高齢者医療の対象が七十歳から七十五歳に段階的に引き上がることによって、その分の負担もさらにふえてまいります。三月三日の日に奈良県の文化会館で保険医協会や社会保障推進協議会の主催で、患者負担増を許さない奈良県民集会というのがありました。参加をいたしまして、改めて今回の制度改悪のひどさを痛感してまいりました。それは、先ほど言いましたけれども、六カ月を超えて入院している患者さんの入院にかかる費用を保険から外し、患者負担にするということです。そのときに報告されておりましたが、県下の七十三あります病院の医療療養型の病院に入院している患者さんに調査をいたしました。そうしますと、六カ月以上入院されている方が九百人を超しています。それから、一般病院も含めますと千二百人近くになります。この方たちは、お金がなければ退院をしなければならない、退院もさせられるんですよ。介護保険施設が満員で入所できないという中で、この仕組みが実施されていきますと、どこにも行き場のない老人難民がたくさん出ることになります。奈良県でもこういう状況なんです。しかも、この六カ月というのは、A病院に二カ月、B病院に一カ月、C病院に三カ月という、これまではそういうことありませんでしたけれども、病院を幾つ変わってもそれが合計をされて六カ月なんです。それで、市町村と市民に多大な負担を押しつけ、それでなぜ改革と言えるんでしょうか。大改悪ではないでしょうか。負担増に対する、また国に対する対応を奈良市はどのようにされますか、お尋ねをいたします。

 それでは、農業問題ですけれども、狂牛病の被害は戸数が少ないので目立たないと思いますけれども、状況を的確につかんでいただいて経営安定対策を進めてほしいと思います。一問目で申し上げましたけれども、国の農業政策といいますのは、大規模農家以外は農政の対象から切り捨てるという政策です。食料の危機がこれだけ叫ばれているときに、つくろうと思えばつくれる日本が自給率を高めることが、世界の食料事情の解決に役立つことは明らかだと思います。そのために、私たちは足元から地域の農政、農業を変えていく取り組みをしなければなりません。そのために、今生産をしたい人が生産を続けられるという、そのための必要な施策は価格・所得保障という問題です。奈良市はこの実態をよくつかんで地域振興計画などつくるべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 以上で二問終わります。



○副議長(和田晴夫君) 民生部長。



◎民生部長(笠原俊彦君) お答えを申し上げます。

 議員おっしゃいますように、国民皆保険制度を支える各医療保険制度は、今やその制度を維持することさえ困難な状況になっていると認識をしてございます。もはや個別の対応では根本的な解決策を見出すことはできないというふうに考えてございまして、制度の一本化を実現することによって、負担の公平と給付の平等を確保し、あわせて経済社会の変動に影響を受けにくい財政運営ができるようにする必要があると考えてございます。したがいまして、保険者といたしましては、制度の一本化に向けて国等に要望してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 福祉部長。



◎福祉部長(丸野俊雄君) 市民負担、市費負担について今後どのように市として対応していくのかということでございますけれども、福祉医療制度に関しましては、大幅な負担増にならないよう国及び市町村で設置してございます県の福祉医療検討委員会の中におきましても主張するとともに、この委員会より国に対し強く要望するよう働きかけてまいりたいと、このように考えております。

 また、今回の変更が市町村及び住民の方々に対しても大幅な負担増にならないよう、今後ともあらゆる機会を通じまして国に対しても直接強く要望してまいりたいと、このように考えているところでございます。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 経済部長。



◎経済部長(北川健五君) 奈良市の農業振興計画についてでございますが、奈良市の農業は、食料・農業・農村基本法の基本理念に基づくとともに、奈良市の農業の課題に対応した施策を奈良市総合計画に基づき推進する必要があると考えております。そのために、平成十二年度策定いたしましたマスタープランに沿って、都市近郊農業の特性を生かしながら農業の基本である食料の安定供給や農業生産活動の持つ多面的な機能を発揮し、また、農業の担い手の確保・育成等生産基盤や施設の整備により地域に適応した農業の推進、さらには農地の有効活用と農業生産や消費者との交流を通した地域の活性化等に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 三十五番小林君。



◆三十五番(小林照代君) 三問目は一言、意見だけ述べさせていただきます。

 奈良県保険医協会などが参加しております医療改悪阻止奈良県実行委員会が、昨年の十二月に奈良県下の全域に五十三万部、この新聞に折り込む署名はがきを出しましたところ、返送されてきましたのが二千百二十二通、署名の数が六千六百九十二、私の一言欄が九百四件、負担増は絶対反対、医者にかかれない、生活できない、命を削るのが改革ですか、金のない高齢者は死ねと言うのかなど、怒りの声が寄せられております。医療改革ではなくて大改悪に、二月の末の現在で全国で千三百万人分の署名が集まっております。私は、身近なところでも署名を寄せていただきました。今回の署名は、立場を越えて日本医師会なども署名集めの先頭に立っております。地方自治体も住民の立場に立って、ぜひこの運動に御協力をしていただき、大改悪をやめさせていく運動を広げていきたいと思います。

 このように主張して終わります。よろしくお願いします。



○副議長(和田晴夫君) 十九番金野君。

  (十九番 金野秀一君 登壇)



◆十九番(金野秀一君) 通告いたしました数点について関係理事者にお尋ねいたします。

 去る二月十日、中核市移行に向けて筑紫哲也講演会が行われ、席上、みずからの出身地でのボランティア活動を紹介し、奈良市の「あなたとともに歩むまち−奈良」の行政姿勢を評価するとともに、市民とは目的を同じくし責務を果たす人と定義し、行政と市民活動に方向性を示すとともに、外務省や雪印乳業の例を引いて、政界、経済界における日本の三大病を指摘されました。一つは隠す・ごまかす病、二つ目は先送り病、三つ目はしがらみ病であると明確に述べるとともに、示唆に富んだお話をいただきました。

 いよいよ四月一日から中核市に移行するわけですが、平成十四年度予算について、昨日の質疑でも財政問題について議論をされ、一定の方向が示されていますが、私の視点から総務部長にお尋ねいたします。

 平成十四年度の予算につきましては、歳入の根幹をなす税収入において、長引く景気の低迷から平成十年度以降、対前年度比五年連続のマイナスの伸びとなっています。新年度においては、その額も三十億という大幅な減収で五百四十三億円と、平成三年度予算レベルの市税収入となっています。この計上額を平成十三年度の市税収入の決算見込み額と比較しますと、十三年度当初予算額に比べると、これまた約三十億円減収の五百四十五億円の見込みとなっていることから、伸び率ゼロ%で前年とほぼ同額の市税収入見込みとなっています。このようなことから、平成十三年度一般会計における三月補正予算を見てみますと、市税収入を初め地方消費税交付金、地方特例交付金といった一般財源において大幅な減収見込みとなり、収支バランスが非常に厳しくなることから、歳出において公共事業の年度中における執行抑制を初め、公債費の元金償還の条件見直し、また歳入において職員定数条例の見直しを受けた退職手当債の発行、歳入歳出両面にわたり大変苦労された跡がうかがえます。しかしながら、これ以外にも年度内の財源不足に対応するところの財政調整基金及び減債基金の全額約十億円を取り崩すほか、基金条例の繰りかえ運用の規定の変更を行うことにより地元公共工事基金や土地開発基金等のその他目的基金で二十五億円を一般会計へ繰り入れすることにより、収支バランスをとるといった緊急的な財政措置をとらざるを得ない決算状況にあるとうかがえます。平成十三年度決算を組むために、平成十四年度予算を既に使っていると言っても過言ではない状況です。また、平成十四年度市税収入見込みが、ことしのようにもし達成されないと、十四年度に大きく影響を与えます。このような大変厳しい財政状況について、昨年の京都市、大和高田市のような財政非常事態宣言といった方法で、市民にこのような状況を訴える考えはないか、お尋ねします。

 また、今後の財政健全化計画については、過去に助役も約束をされていますが、いつまでに作成されようとするのか、お聞かせください。

 また、このような厳しい財政状況のもと、第三次総合計画を推進していくわけですが、既に計画に明記されていない温泉掘削計画やJR奈良駅の駐輪場計画やLRT構想、そして、昨日示された近鉄高の原駅のエレベーターの設置等々追加される反面、最勝院庭園計画や中ノ川憩いの森計画等々の見直し及び延期されるものがあります。今後の政策策定のために、施策の選択や検討における客観性を持たせるためにも政策評価システムの構築や政策の事前・事後評価制度の導入が必要と考えますが、どのようにお考えか、お聞かせください。

 次に、福祉部長にお尋ねします。平成七年二月の阪神・淡路大震災は、ボランティア活動の中で大きなエポック、時代転換点になりました。従来、日本では奉仕と訳されたボランティアが、もう一つの意味の志願兵としての機能をさらに拡大強化されてきました。高齢化の進展や余暇時間の増大、企業の社会的使命の重視等々の変化とともに、国におけるNPO法の制定や市民とのパートナーシップ重視の姿勢のもと、インターネットによる国民から意見を求めるパブリックコメント募集や、経済産業省等に見られるメールマガジンによる情報提供の強化等々、高度情報化の進展に伴い、国も国民に直接語りかけ、意見を求め、参画を勧めています。

 そうした流れの中で、私は、平成七年以降のボランティアの育成並びにNPO、NGOとの「共働」の必要性やボランティアに関する窓口の一元化を訴えてまいりました。そうした中で、ボランティアセンターの土曜、日曜の開館や、まちづくりにおける公園ボランティア制度の導入等々、奈良市の取り組みを評価させていただいています。今後、市民のボランティア精神を発揮しようという思いを、温かくはぐくみ、大きく成長させ、社会貢献活動となるようなインキュベート機能、ふ化器としての機能を強める必要があります。すなわち、生まれた卵をふ化器に入れて鶏にかえすように、行政は、場所や情報の提供やインキュベート機能を発揮する仕組み、すなわちシステムを構築していくことが大きな役割ではないかと考えます。

 そこで、新設される市民生活課において、ボランティアやNPOへの支援をどのようにされようとするのか、お尋ねいたします。

 次に、経済部長にお尋ねします。国際文化観光都市として、海外への広報活動として平成八年六月に私費留学生への支援策を述べるとともに、十二月の質問では、留学生は何年かすれば帰国しますが、母国に帰ったときに奈良の観光大臣として奈良をアピールしていただけると、また、平成十二年、奈良の企業に転勤された人たちを観光大使に任命し、奈良をPRしていただいてはどうかと提案をさせていただきました。助役並びに担当者より、検討を加えてまいりたいとの御答弁をいただいておりましたが、市長の新年度予算の議案説明の中にありました観光大使制度についてどのように取り組みをされようとするのか、お尋ねいたします。

 次に、平城京遷都一三〇〇年に向けて、大極殿の復元工事が進められています。奈良市においても四年前より遷都祭を実施され、その中で早起き役人体験ツアーを実施されています。参加者からは、早朝ではありますが、大変好評を得ていました。平城宮跡は、そういう意味で、奈良時代を体感できる学習フィールドとしての価値をますます増加していると考えます。

 そこで、体験学習を重視する修学旅行に対して、この平城宮跡を学習フィールドとして千三百年前の土壌に触れ、出土した破片に触れることは、子供たちに千三百年の歴史を体感し、奈良の魅力を一層高めると思います。奈良市が見る観光から感じる観光を標榜する上での具体的な一つとして、平城宮跡を含めた発掘体験プログラムを創設し、新しい観光資源としていくお考えはないか、お尋ねいたします。

 次に、治水対策についてお尋ねします。近年は異常気象とも思われるような短時間に集中して豪雨となるケースが多く、平成十一年九月二十一日に旧市内を中心に集中豪雨があり、とりわけJR奈良駅周辺や法蓮町一体が床上、床下浸水をし、多くの家屋に被害がありました。このような中、被災当時の復旧・救済活動はもちろんのこと、今後の浸水に関する対応等について、企画課、道路管理課、公園緑地課、河川課、下水道建設課、下水道管理課の関係各課出席の上、平成十一年十月十二日に若草公民館分館で地元説明会を開催され、地元の要望に対しては誠意ある対応をしていただき、これを契機として地元と市は一体となって浸水対策に取り組むことになりました。これを受けて、平成十二年二月十八日付で佐保川東町及び佐保川南町の自治会より具体的な要望が提出され、関係所管と地元協議を行い、対応可能な箇所から工事等の処置をしていただきました。そして、平成十二年六月十日に二回目の地元との協議が行われ、その結果、下水管のしゅんせつ作業や排水管改良工事、多門橋の水門管理を奈良市で担当していただき、鴻ノ池の水門改良による貯水機能の増強等々、浸水軽減のため積極的に取り組んでいただいたことに感謝しております。しかし、法蓮町周辺住民の方々は、浸水被害に対して抜本的な対策を強く要求され、私も機会あるごとに当局に対して要望してきたところです。新年度予算の市長の議案説明の中に、浸水対策の一環として佐保分水幹線の整備計画が示されておりますが、この工事概要についてお尋ねいたします。

 次に、教育長にお尋ねします。昨今さまざまな学校改革が行われ、今年度より新学習指導要領が実施されようとしています。学校においても新制度への対応に苦慮されていることと推測されます。この新学習要領の中に、我が国の文化と伝統を大切にする態度を育成するとうたわれていますが、この国の制度を一律的に実施するだけでなく、世界遺産を有する奈良市は、奈良市として独自な郷土愛をはぐくむ必要があると思います。大和は国のまほろばと言われますが、幻になってはいけないと思います。かつて天平文化を築いた基は、朝鮮半島の百済や新羅や中国隋・唐文化であったかもしれませんが、すなわち渡来文化に起因するかもしれませんが、大和民族、すなわち我々の先人たちは、それらの文化に学びながら新たな文化を創造し、価値を付加させ、発展させてきました。

 そこで、奈良で生まれ育つ子供たちに、先人の功績を知らせ、新たな創造を行うためにも、温故知新とあるように、奈良の伝統文化、芸術、芸能、工芸に触れ、体験し、学ぶことが大切であり、本物に触れ、本物を知ることによって子供たちに大きな気づきを与える諸行事が必要ではないかと考えます。国は、平城京遷都一三〇〇年に向けて、平城京整備計画にのっとって大極殿の復元工事を行っておられますが、この機会に一条高校人文科生が奈良市埋蔵文化財センターと協力をして発掘体験学習を行っておられますが、大変好評です。最初は、何でこんなしんどいことをせなあかんねんと言っていた生徒たちが、何も出土しなくても、これが千三百年前の土かと大変感動し、その土の上で生活していることの意味を考えるようになり、遠く平城京で生活した人々に思いをはせることができた等々、文化財の大切さを改めて気づいたと語っていました。

 そこで、平城京での発掘体験は郷土愛を高める大きな気づきの場であり、学習フィールドとして小・中学生を含めて実施されるお考えはないか、お尋ねいたします。

 次に、文部科学省は、小・中学生の自然体験、農業体験を促進するために、子ども交流事業を農林水産省の都市農村交流事業と連携をとって行おうとされています。その中で、グリーンツーリズムと心の教育連携モデル事業として、約二週間にわたる交流活動や、また子ども交流連携活動事業として二、三日の交流活動や、学校教育連携交流事業として、小・中学生の授業の一環として子供たちの農業・農村体験活動を推進しようとしています。この交流活動で、都市の子供たちが親元を離れ、山村など自然環境の豊かな地域で暮らしながら、その地の学校に通学したり、自然体験や勤労体験などさまざまな体験活動をすることにより、驚きや感動を体験し、豊かな感性をはぐくむ、また自然や環境を大切にする心が養われたり、忍耐することの大切さを学んだり、さらには郷土への愛着を持ったり、人間を超えたものへの畏敬の気持ちがはぐくまれるよい機会ともなることを期待されています。奈良市の東部地域には、徳川幕府を支えた柳生一族の歴史があり、弥生時代の遺跡があり、大和茶の産地であったり、奈良県の無形民俗文化財に指定されている祭文音頭や大柳生太鼓踊りや虫送りの行事など、豊かな自然とともに歴史や芸能が息づいています。子ども交流事業については、地元も受け入れに対して前向きな姿勢を示し、協力体制を整えようとされています。

 そこで、豊かな自然環境のもと、親元を離れ、自然体験や歴史学習や環境学習や勤労体験をする子ども交流事業をどのように進めようとされるのか、お尋ねいたします。

 次に、社会教育部長にお尋ねします。本年より学校週五日制が完全実施されようとしていますが、私は、平成八年より佐保川小学校の学校週五日制指導員として毎月実施される行事に参加してまいりました。そうした中で、いつも思っていたことですが、奈良にはお寺や体育施設や公民館はたくさんあるが、歴史博物館や科学センターや文学館やおもちゃ博物館など、子供たちの学校外での教育施設が余りにも少ないのに気づきました。我が党の主張で子ども議会が平成八年より実施されましたが、その中で子供たちからこれらの質問が多く出され、昨年までに三回、三人の子供たちより、科学博物館、歴史博物館、昆虫館、動物園、水族館、科学センターとの質問や要望が出されました。市長は、一人一人の質問に丁寧に答えながら、科学センターとしての天文観測施設の計画については具体的に述べておられますが、過去に一度計画をされた経緯もあると存知していますが、しかし、いまだ実現を見ていません。我が党も毎年の予算要望をさせていただいていますが、生涯学習の視点から、子供や大人のための科学の学習の場としての科学センターが必要ではないかと考えますが、どのようにお考えか、お尋ねします。

 以上で第一問を終わります。



○副議長(和田晴夫君) 総務部長。



◎総務部長(中嶋肇君) 財政問題についてお答えを申し上げます。

 京都市や大和高田市のように、市民に対し財政非常事態宣言というような状況を訴える考えはないかということでございますが、昨日市長の方からもお答えいたしておりましたとおり、非常に厳しい財政状況でありますので、財政の健全化計画の策定を早急に進めるとともに、その中で市民の方々にもその状況をお伝えしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。

 次に、政策評価システム及び政策の事前・事後の評価制度の導入についてでありますが、事業推進におきまして緊急性、必要性の判断をする事前・事後の評価制度や政策評価システムについても、今後、健全な財政運営のためにも検討してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 福祉部長。



◎福祉部長(丸野俊雄君) お答えいたします。

 ボランティアとNPO支援についてでございますけれども、現在、福祉部で所管しておりますボランティアセンターにつきましては、この四月から市民生活部に所管がえとなりますけれども、これまでボランティアセンターで実施してまいりました事業につきましては、今後とも継続するとともに、さらに現在の登録ボランティアを中心に情報を提供しているホームページを、市内で活動しているすべてのボランティアに拡大しまして、情報の一本化を図り、受発信機能を高めてまいりたいと、このように考えております。また、ボランティアセンターにつきましては、NPOに対する支援についてでありますけれども、NPOの最大の特徴とも言える自発性、主体性、創造性を尊重するため、ボランティアセンターにおいて法人申請に係る簡易な相談窓口やNPO活動、また制度の広報、情報の収集及び提供などについて支援するなどインキュベーターとしての機能を果たしてまいりたいと、このように考えているところでございます。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 経済部長。



◎経済部長(北川健五君) 観光振興について御質問でございます。

 まず初めに、観光大使についてでございます。口コミによる観光宣伝は、最も効果の大きいものとされています。この観光大使は、全国展開をしている市内の事業所等の代表者が人事異動で転勤される際に、観光大使として委嘱させていただき、新しい赴任地で奈良の魅力を広く紹介していただこうとするものです。また、委嘱に際しましては、パンフレット等をお渡しして、年一回程度は奈良にお集まりいただいて、新たな奈良の観光の情報を得ていただくことも考えております。

 次に、発掘体験についての御質問でございますが、最近の修学旅行生は、議員御指摘のとおり体験学習を重視するようになっております。体験学習は新しい観光資源につながるものとして、奈良文化財研究所等とも連携を図りながら検討をしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 都市整備部長。



◎都市整備部長(吉村隼鷹君) 御質問にお答えいたします。

 治水対策の佐保分水幹線でございますけども、当該事業は法蓮地区を中心とする菰川流域の浸水対策でございまして、地元の方はもちろん、本市でも懸案の事業でもございます。このことから、佐保分水幹線を施工するに際し、課題となってございました下流河川である菰川の改修計画や、JR関西線下の占用に伴う鉄道の確保及び発進基地の確保等に対しまして関係機関と鋭意調整を行い、このたびようやく解決に向けて整理ができましたので、平成十四年度より三カ年の計画で着工可能となったところでございます。

 なお、工事概要についてでございますが、奈良県の法蓮庁舎駐車場を発進基地といたしまして、その用地を借用し、工事起点は一条高校の南側の菰川から県道奈良加茂線、通称一条通りを東へ佐保川の手前まで総延長約千六百九十メートル、口径二千六百ミリメートルの排水管をシールド工法で築造するとともに、最上流部と鴻ノ池からの流入を分水する計画となってございます。また、佐保分水幹線は放流河川との調整により約七千トンの管内貯留が見込めるため、より一層の浸水対策の効果が期待できるものと考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 教育長。



◎教育長(冷水毅君) お答えいたします。

 まず最初に、発掘体験による郷土愛の育成についてのお尋ねでございますが、新学習指導要領では、我が国の文化と伝統を大切にする態度を育成することが求められております。特に、郷土に愛着と誇りを持てるような学習活動を展開していくことが重要であると考えております。本市の小・中学校においては、恵まれた世界遺産を初めとする文化財や伝統工芸、芸能など顕在する歴史や伝統から郷土愛をはぐくむ教育を行ってまいりました。しかし、平城宮跡の発掘に見られますように、土中に眠る数々の歴史的遺産に触れる体験活動も必要であると考えております。一条高校では、文化財研究の体験学習の一環として、平城京域の発掘体験を実施いたしました。奈良の歴史を知り、郷土愛をはぐくむ体験学習という点において高校生としての成果がありましたが、小・中学生へ広げていくことには、各校の総合的な学習の時間の展開とともに、限られた発掘現場の数という物理的な問題や天候にも左右されるという日程的な問題があり、今後の課題として研究してまいりたいと考えております。

 次に、都市農村交流事業についてでございますが、豊かな自然環境のもと、親と離れ、子供たちが寝食をともにし、自然体験、環境学習、掃除、洗濯、農作業等の勤労体験をしながら生活する子ども交流事業は、適度な緊張と心のゆとりを持たせ、将来の人格形成に大いに役立つことと認識しております。国の補助事業として、例えば文部科学省と農林水産省の連携事業である子ども交流事業を実施することも考えられます。しかし、克服しなければならない課題として、子供の事故への対応、親への理解、受け入れ家庭の日常化とプログラム化、教員の勤務形態、各個人としてのニーズ、教育課程編成上の問題等があります。今後は、協議の場を設けて検討することが必要であると考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 社会教育部長。



◎社会教育部長(西久保武志君) お答えを申し上げます。

 地域教育についての中で、子供から大人までの科学等の学習ができる施設、いわゆる科学センターについての御質問でございますが、学校週五日制の完全実施に伴いまして子供たちが地域や家庭で過ごす時間がふえることから、地域の新たな課題といたしまして子供を育てる環境の充実、例えば子供の体験学習ができる場や機会の確保が必要であると考えております。既設の公民館を初めとする社会教育施設や体育施設だけでは、このような多様なニーズには十分な対応が困難であろうと思われます。大人も含めました科学等の学習の場として、御要望のような施設の必要は認識をいたしてございます。将来、本市の特徴でございます世界遺産や恵まれた自然を生かし、体験的に学習できる方策を今後検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 十九番金野君。



◆十九番(金野秀一君) 二問目は自席より行います。

 ただいまの私の質問に対しまして御誠意ある御答弁をいただきました。私に残された残余の時間で要望を行ってまいりたいと、このように思います。

 物事には始めと終わりがあると、こう思います。奈良市の財政状況につきましては、私は平成十一年にも同じような趣旨の質問をさせていただきました。昨年ですね、京都市が財政非常事態宣言というのを行いまして、二年間で財政健全化をやるということで取り組みをされております。やはり今財政的に厳しいという状況はいろんな人たちが認識したとしても、まずそのことが明確に語られてこそ物事が進んでいくんではないかなと、このように思います。そういう意味で、この京都市の例を見るだけではなしにですね、私はこの中で、京都市が示した中でこの財政再建を、健全化を実施していく上で手数料や授業料などの引き上げは行わないという、非常に市民から見たときに安心して今までの行政に対する信頼感もふやしながら協力をしていこうとするんではないかなと、このように感じました。また、特に市長が議案提案説明の中で、奈良市が中核市移行というこの大きな節目を迎えることは千載一遇の喜びであり、新しい奈良を創造してまいりたい、このような決意を述べられるとともにですね、地方分権の流れの中で中核市として発展していくには市民の皆様の市政への参加が必要であり、各種事業への積極的な参加を述べられております。また、各種会合のあいさつの中でも同様のことを述べるとともに、市民のアイデアやデザインを取り入れ、行政に反映させていくこともぜひ必要であると、このようにお述べになっておられます。しかし、行政に対して市民から見ると、筑紫哲也さんが示された三大病への不信感は払拭されておりません。市長の思いがまだまだ市民に伝わっているとは言えず、職員ですら正確な情報提供がなされておりません。誤った認識は誤った行動を生む、このように思います。そこで、どうか奈良市の現状をしっかりと宣言するとともに、国に依存することなく、国を利用し、地方分権の趣旨にのっとり奈良市の自治確立を目指し、明確な健全計画を作成していくことが必要であり、市民に対して多様な情報提供の手段を持ち、市民参加・参画のシステムを構築し、そのために各部署での職員の意識改革とアカウンタビリティーの向上を目指していかれることによって、誇れる奈良の構築が目指せるように思います。そういう意味で、どうか財政については、入るをはかり出るを制する、この原則にのっとって、さらに健全化計画を早急にお立ていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。

 残余の件につきましては、今後の課題もありますし、また難しい問題もありますので、要望いたしましたことに対して真摯に受けとめていただけるように要望しておきたいと思います。

 また最後に、治水対策につきましては、住民との対話大変難しい中を御苦労いただいて、皆さん方の御努力によって、一条幹線、分水幹線が今年度から開始されるということ、恐らく住民の皆さん方も大変喜ばれるんではないかなと、このことを報告して、私の質問を終わらせていただきます。



○副議長(和田晴夫君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。

  午後二時四十九分 休憩

  午後三時三十四分 再開



○副議長(和田晴夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

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○副議長(和田晴夫君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。

 一番藤本君。

  (一番 藤本孝幸君 登壇)



◆一番(藤本孝幸君) お疲れさんでございます。既に通告をいたしております数点につきまして、市長並びに関係理事者に質問を行います。

 今回の私のテーマは、地対財特法の失効後の行政運営のあり方についてでありますが、大変時間が限られております。前置きなしで早速質問に入ります。

 皆さん御存じのように、部落差別を解消する目的で六九年に制定されました同和対策事業特別措置法を出発点にして、以後、本年も含めまして三十三年にわたって、本市でも同和対策による特別対策が実施されてまいりました。その結果、午前中の答弁にもありましたように、本市の同和地区の環境改善がほぼ改善をされ、さらには地区内で隣保館や保育園、さらには児童館などの公共施設の建設も進み、生活格差に限っていいますと、かなりの部分で是正されてきたように私は認識をいたしております。

 しかしながら、地対財特法を失効前にしても幾つかの課題が残っておりますし、残念ながら所期の目的でございます部落差別を完全に解消する、そういったことが実現いたしておりません。つまり、特別対策が終えんする前にしても、部落差別が社会に存在をし、生き続けているという事実を事実としてしっかりと認識すべきだと考えます。どっちにしましても差別問題をどうとらえるか、そう認識をするかによって、行政や教育の取り組みの方向が決まってまいります。現在の社会の状況を冷静に把握しながら、これからの人権施策を推進していかなくてはならないように存じます。

 先ほど申し上げましたが、三十三年にわたる同和対策にかかわる法律、地対財特法が間もなく三月三十一日をもって期限切れを迎えます。この問題につきまして、大川市長は、過日の市長提出議案説明の中でも若干触れられましたが、特別対策失効後、行政運営のあり方につきまして、まず基本的なことを二点、市長に質問を行います。

 その一点は、先ほど言いましたように、六九年に特別対策を実施するために、いわゆる同和地区指定が本市でもなされてまいりました。地対財特法失効後、法律的にはこの同和地区指定がなくなり、同時に地区指定の線引きもなくなります。そういった意味から、今後の行政について市長はどういった認識を持たれるのか、端的に述べていただきたいと思います。

 二点目は、同法失効後、法律上の同和地区、同和地区住民がなくなります。これらの名称は、先ほど言いましたように、同和対策を実施するための対象地区として、いわば同和対策事業対象地区としての行政用語として使用されてきました経過がございます。同法失効後、同和という文字を行政用語として使用することは好ましくないと考えますが、その点についても市長の見解を述べてください。

 次に、具体的な課題について民生部長にお伺いいたします。同和対策にかかわる個人的給付事業についてであります。これまでの取り組みの中で幾つかの個人的給付事業が廃止となってまいりました。しかし、来年度は七つの個人的給付事業が存続すると聞いております。私は、数年前から、この同和対策事業を執行する上で二つの提案を行ってまいりました。その一つは、市民の理解と支持を受けるものでなければならないということであります。このような取り組みが、これまでの三十三年間決定的に不足していたように感じます。昨年の決算特別委員会でも個人的給付事業について執行される担当の課長さんから回答いただきましたが、主に経済的な側面の強い支援事業であるということで、これだけでは市民の理解と協力を得るのは難しいのではないかというふうに感じました。

 二つ目は、それらの事業が真に差別解消につながるものでなければならない、そのことも同時に主張してまいりました。六五年に出されました、いわゆる内閣・同和対策審議会答申では、その当時の同和地区の悲惨な生活実態を改善することに力点が置かれ、その早急な施策は、特別対策法を制定して、それらがいわゆる同和対策事業特別措置法へとつながっていったと理解しています。このように、具体的に事業の中身が差別の解消にどうつながるんだということをきちんと説明なり理解をすること、また理解を求めることが非常に大切だと思います。そのことを一貫して主張してまいりましたが、そういった立場から言いますと、個人的給付事業が来年度も若干続けられるという事実、現在の状況にはちょっと遺憾だというふうに感じております。

 質問ですが、地区指定、線引きがなくなる中で、当面の問題として個人的給付事業、どのように執行されるのか、また、これからの事業の見直しも含めてどうされるのか、明確に御答弁をいただきたいと思います。

 引き続いて、民生部長に質問を行います。議案にのっています議案第四十三号、隣保館条例の全面改正でございます。法失効後の隣保館のあるべき姿として、今回の条例改正を私は高く評価をいたします。しかしながら、幾つかの課題について、集約して三点の質問を行います。

 先ほど言いましたように、法律的には地区指定、地区の線引きがなくなる中で、奈良市同和対策協議会が示されました提言にもありますように、より開かれた館運営をどうされていくのか、ポイントとなることを示していただきたいと思います。

 二点目は、条例改正案の中では、近くオープンの予定の畑中地区に予定されています人権文化センターの名称は、佐保という名称が使われています。小学校区の名称をあえて使用されるわけですが、それなりの理由があると思います。他の館は従前の名称を使用されていますが、将来この館の名称の統一性、また、先ほど言いました市民の理解を得ることも含めて、今後の取り組みの方向を述べていただきたいと思います。

 三点目は、館運営で、これから住民の「じりつ」です。これは前から申し上げてますように、二つの「じりつ」です。立つという自立と律するという二つの「じりつ」ですけども、これをどう促進されていくのかという課題でございます。これまで多くの方の取り組みと関係者の方々の努力によって、かなりそういった自立・自律の行える条件整備がかなり整ってきたと存じます。そういった意味から、新しく出発します人権文化センターとしての生涯学習の観点から、自主活動、自主グループの育成など、今後、館の基本的な運営の方向を示していただきたいと存じます。

 関連して、議案第四十五号について福祉部長にお伺いをいたします。現在、本市の同和地区に建設されています四児童館は、当該地区の児童の育成を柱にして、近年さまざまな努力がなされております。地区外との交流、さまざまなイベント、そういった中で地区内外を含めた交流を積極的に図っておられる努力も私感じるわけですが、現在の条例では、いずれにしても同和対策奈良市版としての意味合いが濃いものがあり、これを改正するために、あえて今回の児童館条例の一部改正が提案されたものと理解をいたしております。御存じのように、児童館は児童福祉法に基づいて設置されたものであり、それぞれの地区で児童館が建設されていった経緯も、非常にこれも重要なことでありますが、法律的には一般対策と言えます。この条例改正により、やはり奈良市全域の児童施策として、今後、児童館のあり方をどうするのか、そのことを示していただきたいというふうに思います。さらに、児童館の運営を一般対策化とするならば、第三条第一項にどういった意味でこの「・同和」が入ったのかを、説明をいただきたいと思います。

 最後に、教育行政にかかわって伺います。教育総務部長にお答えいただきたいと思います。第一点は、市費単独で予算化されてきました同和教育推進教員についてでございます。私はこの間、人権教育推進教員として生み直し、そして、制度の変更なり廃止も含めて質問を行ってまいりましたが、九月の議会では同和教育検討委員会という形で検討されているということを聞きました。そういった意味で、今後の市費同和教育推進教員の名称、そして配置、運用をどうされるのか、述べていただきたいと思います。

 二点目は、県から人権教育推進プランが出されております。既に奈良市内の各校・園に配付されていると聞きますが、人権教育を今後推進していく上で、これを十分に活用していただかなくてはならないと思います。教育委員会としてどう指導され、取り組んでおられるのか、示していただきたいと思います。

 三点目は、これまで県の補助事業でございました同和教育補充学級運営補助が本年度をもって廃止となります。新たに一般対策として子ども人権学習支援事業が創設されます。地域のさまざまな教育的な課題、地域の教育力の向上、さらには今大きな問題になっています不登校やさまざまな課題を背負わされている子供たちへの取り組みのため、全く本当に有益な活動だというふうに思います。この制度を奈良市教育委員会として取り入れていかれる考えがあるのかを示していただきたいと思います。同時に、奈良市内全域での低学力傾向の克服、学力向上への取り組みなどを同時に述べていただきたいと思います。

 最後に、地域改善対策にかかわる奨学金制度が廃止となります。県が高等学校等奨学金を来年度創設されるというふうに聞いておりますが、これと連動して、経済的な問題で就学困難な家庭への支援、一般対策としての進路保障制度をどうされるのか、明らかにしてください。

 以上で私の第一問目の質問を終わります。



○副議長(和田晴夫君) 市長。

  (市長 大川靖則君 登壇)



◎市長(大川靖則君) 一番藤本議員の御質問にお答えをさせていただきます。

 地対財特法失効後、同和地区指定、同和地区の線引きがなくなることについてでありますが、法失効後においても教育・啓発分野には、なお多くの課題が残されており、また、施策の推進に伴い、ねたみ意識の解消や地区住民の自立意識の高揚等の課題も派生してきております。したがって、法失効後の同和行政につきましては、これまでの特別施策から、広く全市域を対象とする施策・事業の中で、必要な施策を実施していく必要があると考えております。

 次に、地対財特法失効後、同和という用語を行政用語として使用するのはいかがということでございますが、同和行政は特別対策から一般対策へ移行されますが、今もって部落差別は完全解消に至っておりません。このため、特別法の期限を迎えたといえ、差別の実態がある限り、同和行政の対象として地区は存在するものと認識をいたしております。先ほど岡田議員の質問にも二問目で答えさせていただきましたように、差別のある限り、私は、法期限が切れても、これは実施していかなければならないと、そのように考えているところでもございます。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 民生部長。



◎民生部長(笠原俊彦君) お答えを申し上げます。

 まず一点目、個人給付的事業についてでございます。個人給付的事業につきましては、同和地区の生活実態の改善を図り、社会的・経済的自立を促進するために実施してきたものでございます。法失効後においても、従来からの見直しをさらに進め、廃止もしくは一般対策化をもって、広く市民の理解が得られるような事業となるよう見直しをしてまいりたいと考えてございます。

 次に、議案第四十三号にかかわって三問御質問をいただきました。一問目は、より開かれた館運営についてでございます。同和地区の線引きは、特別対策を実施する上で線引きをし、対象区域として事業を行うためにとられた手法であり、法失効により対象区域がなくなることは御指摘のとおりであります。しかし、部落差別が現存する限り、地区は存在するものと認識をしてございます。そこで、従来の隣保館条例を改正し、奈良市同和対策協議会からの提言「隣保館の今後のあり方について」でも御提言をいただきましたように、同和地区を核とするより広い地域の、すなわち小学校区から中学校区へその対象範囲を広げ、人権啓発、生涯学習、地域福祉、コミュニティーづくりの拠点施設として運営を進めてまいりたいと考えてございます。

 次に、人権文化センターの名称の件でございます。今後の人権文化センターは、より広い地域をその活動対象とするという観点から、本年四月新しくオープンします畑中地区におけるセンターは、地元の要望もあり、佐保とさせていただいたものでございます。また、既存の館につきましても、広い地域をカバーできる名称を地元協議も含め検討していく予定でございます。

 次に、今後の館運営で、住民の二つの「じりつ」をどう促進されるのかということでございます。まず、みずから立つ自立ということにつきましては、相互依存を前提にしながら、自己選択できる力を備え、自己決定をし、問題解決のための行動ができるということであると考えてございます。したがいまして、人権文化センターで行う自立支援事業といたしましては、例えば仕事にかかわって、従前の職業相談に加え、職業安定所等関係機関とのタイアップ、あるいは子育てにかかわっては、保育所との連携を深め、育児教室や子育て学習会等の充実などを進めてまいりたいと考えてございます。

 次に、自主的活動の促進についてでございますが、文化・教養事業を重点にして活動を展開してまいりましたが、これらの見直しを進め、生涯学習の視点から自主活動グループ化を図ってまいりたいと考えてございます。また、人権のまちづくりという視点からは地区内外の交流は不可欠のものであり、地域住民が子育て、環境、福祉など地区内外に共通の課題を通し、共同のまちづくり、未来づくりに主体的に、自主的に取り組めるようコーディネート機能を発揮してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 福祉部長。



◎福祉部長(丸野俊雄君) お答えいたします。

 議案第四十五号についての御質問でございますけども、歴史的経緯と差別の現状を踏まえ、同和問題は依然として大きな課題であり、現在の児童館につきましては、地区の子供たちの健全育成を図ることとして、また、地区の子供に対して生きる力と自立を目指す同和学習を重要な課題として児童館を運営してまいりました。このことを踏まえながら、これまでの成果と手法を生かし、今後は大きく人権学習として発展させなければならないと考えております。今後は、さらに周辺地域との交流も含め、より開かれた児童館活動を幅広く展開し、広報活動も積極的に行ってまいりたいと、このように考えております。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 教育総務部長。



◎教育総務部長(林英典君) お答えを申し上げます。

 まず初めに、市費同和教育推進教員についてでございますが、市費の同和教育推進教員がこれまで担ってまいりました同和教育の成果と広がりを承継しながら、今後、人権教育推進のかなめとして、各学校におけます人権にかかわる課題を明らかにし、克服することを目的にして、人権教育推進教員として新たな配置をしてまいりたいと考えております。

 その配置の基本的な考え方といたしましては、現行のいわゆる同和校と言われる学校以外の学校へも配置することとし、これまでの同和教育推進教員設置要綱を人権教育推進教員設置要綱に改正することといたしております。

 次に、県が定めました人権教育推進プランの活用についてでございますが、教育委員会事務局といたしましては、この県の人権教育推進プランを踏まえまして、各学校でこれまで策定しておりました同和教育推進計画にかわって人権教育推進計画を策定するために活用して、それに基づいて今後の学校・園における人権教育を推進してまいりたいと考えております。

 次に、同和教育補充学級の廃止についてでございますが、補充学級の廃止に伴いまして、今後は、学力の向上につきましては学校教育の課題として取り組むとともに、子育て支援や地域における子供たちのさまざまな学習活動につきましては、地域社会の中で展開を図っていくべきものと考えております。具体的には、学校では新学習指導要領の完全実施を踏まえまして、教育活動を通してすべての子供たちに基礎・基本の確実な定着が図れるよう、また、個に応じたきめ細やかな指導を展開していくために学力向上推進事業を計画いたしております。そして、地域社会を核とした社会教育の分野におきましては、子供が主体的、体験的に活動したり、子供たちのさまざまな人権学習活動を支援したりする新たな事業を構築し、展開することで進められております。

 そして、低所得者家庭に対する進路保障制度についてでございますが、本年度末の時限立法の失効に伴いまして、基本的には同和対策としての奨学金制度は廃止となりますが、長引く経済不況の折、経済的な理由によって進学が困難な世帯の生徒たちが一人でも多く高校への進学を目指すことができるように、一般対策として新たな高校進学支度金制度を創設することといたしております。

 奈良県においては、一般対策として高等学校の奨学金制度を新たに創設される予定でありますが、本市では、この県の奨学金を利用する生徒に対して、進学支度金を給付してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 一番藤本君。



◆一番(藤本孝幸君) 二問目は自席から質問を行います。

 市長に二点質問いたしたわけですが、大変難しい問題でございます。私が主張したいのは、法期限切れを迎えることは、これは事実なんです。以後、円滑なる一般対策の移行、そして、ポイントは市民の理解を得ること、支持を得られること、さらには、先ほど言いましたように、具体的にこの中身が差別の解消につながるものでなければならないことが求められていくと思います。私も、差別が存在する限り、その取り組みが必要だと思います。そういった意味で、これまでの特別対策から一般対策へ、さらには、その内容を進化・発展させるためにも法失効後の取り組みについて、これから私も質問なり意見を述べていきたいと思います。

 時間がありませんので、具体的な課題についても若干触れたいと思います。個人的給付事業については、私も委員会でたびたび質問を行ってまいりました。激変緩和措置というんですか、今ある制度を一挙に、三十三年間やってきたことをですね、一挙にこれをある日突然やめやということになると、非常に混乱もしますし、今まで行ってきた成果も損なうおそれがございます。そういった意味で、私は、激変緩和措置をとられ、住民への説明、そして制度の見直し、改定後も本当に必要な事業であれば生み直しを図っていただきたい、そういった思いで質問をしたわけでございます。そういった意味で、担当部局いろいろ研究されてですね、この激変緩和措置をとられながら、制度の改定なり見直し作業を早く進めていただきたいと思います。

 隣保館の条例を改正され、人権文化センターとして新たな出発をされるわけですが、私は心から期待をいたします。私もかつて市の職員でございました。十四年間、現在の隣保館に勤務をいたしておりました。そういった思いで、職員さんの苦労なり、地域の方々の御努力が本当によくわかるわけでありますが、新しい法なき時代に対応するために、そういった人権文化センターが、これからの奈良市の人権行政での大きな、何というんですか、役割を果たしていくと思います。住民の方々への説明なり、そして市民の方への啓発なり十分行っていただきたい。もちろん地元の方々や運動団体とも協議をよくしていただきながら、前へ向けて進めていただきたいと思います。

 それから、福祉部長からお答えいただいた児童館については、後で再質問を行います。

 教育総務部長から御答弁いただきました。おおむね了解をいたします。ただ午前中の議論にもありましたように、同和教育のすばらしい側面を人権教育へと展開しながら、ぜひ広めていただきたいと思います。

 今、子供たちの中では、皆さん御存じのように、いじめや不登校、そして虐待の問題、引きこもりの問題、大変なことが起こっています。私も幾つか相談を受けてるわけですが、今直ちに解決しなければならない課題がたくさんございます。そういった意味で、これまでの同和教育の手法をぜひ人権教育へと転換し、そのことを担っていただきました市費の先生方に十分御活躍をいただけるよう心からお願いをしておきたいと思います。

 あと制度の改定については、それなりに準備作業として進んでおられると思います。住民の方々への周知なり、そして関係機関との連携をより密にしていただきながら、前へ前へと進めていただきたいと思います。

 たくさん実は用意しとったんですが時間には勝てませんでして、福祉部長に児童館の条例改正について一点だけ質問を行います。

 私は、「・同和」についてはいろいろ議論があると思うんです。先ほど言いました、いきなりある日突然今までやってきたことを改めるということは、非常に難しい側面もあると思うんです。激変緩和措置、経過措置だと思うんですけども、児童館というのは一般対策だと思うんです。その上でその「・同和」が入った意味、先ほどの答弁ではちょっと理解に苦しむわけでございます。再質問しても同じような回答かなというような感じがしますので、視点を変えて質問しますが、いわゆる先ほど言いましたように、この三条一号に「・同和」を入れられるいうことについては、一般対策化への一つの経過措置、激変緩和として緩和措置として私理解をしておりますが、部長さんなりのお考え、それと同時に、当該地区に建ってるわけですから、やっぱりこれまでの取り組みを当該地区の子供なり地域へ返していただく、その取り組みは続けていただかなくてはならないと思います。同時に、奈良市全域での児童施策としての児童館のあり方、そのことについて、これも一遍にいかないと思うんですけども、その方向だけでもね、今きちんと定めておかないと、今やってる活動を延長するとですね、かえって特別対策として結果的には残ってしまうんではないかと思います。そういった意味で、一点だけ再質問、福祉部長へ行いますんで、よろしくお願いします。



○副議長(和田晴夫君) 福祉部長。



◎福祉部長(丸野俊雄君) お答えいたします。

 この児童館につきましては、先ほども申しましたように、この活動の中で同和地区の子供に対し、生きる力と自立を目指す同和学習を重要な課題といたしまして、今日まで児童館活動を進めてきたところでございます。しかしながら、どのような制度につきましても、やはり時代の状況の変化というものもございますので、これからは広く市民の理解を得られるようなものに考えてまいりまして、今後そういう方向で十分考えてまいりたいと、このように思っております。



○副議長(和田晴夫君) 一番藤本君。



◆一番(藤本孝幸君) 一分しかありません。提案を申し上げます。児童館のあるべき姿、これを策定するために、ぜひ協議会なり審議会をつくっていただきたい。学者やそして市民の代表、専門家も入れてですね、もちろん地元の方々や運動団体も含めて、児童館のあるべき姿についての協議を始めていただきたい。そのことについてもよろしくお願いしたいと思います。

 いずれにしても、中核市以後機構改革がございます。「・同和」が入るかどうか、そういう言葉だけの議論じゃないんですけども、私はちょっとしたこだわりを持ちながら、六月議会、また委員会でそのことも踏まえまして質問なり、そして提案を申し上げたいと思います。そういった意味でよろしくお願い申し上げ、私の質問を終わります。



○副議長(和田晴夫君) 三十三番松石君。

  (三十三番 松石聖一君 登壇)



◆三十三番(松石聖一君) 私は、市長並びに両助役に、当面いたします課題について質問いたします。なお、五点についての質問通告をさせていただいたところでございますが、時間の関係もあり一括して質問し、緊急の課題であります財政と国立病院に質問内容を絞らせていただきます。また、五番目の自主設計につきましては、次回に譲りたいと考えます。

 それでは、質問に入らせていただきます。本議会に議題として供されております議案第一号、奈良市一般会計補正予算(第四号)から第九号までの補正予算案、並びに関連いたします議案第十二号、奈良市土地開発基金条例等の改正についてであります。本議案の趣旨は、景気の低迷などによる市税などの歳入不足を、財政調整基金、減債基金、地元公共事業基金積立金などの基金を取り崩して対応しようとするものであります。このことは、本市の財政がまさに危機的状況にあることを示しております。それぞれの基金には本来の使用目的があり、その用途が制限されておりますが、今回は議案第十二号をもってして条例の改正を行い、限定された使用目的の基金をもって一般会計ほかへの補てんを行おうとするものであります。翻って、本市は、この四月をもって中核市となります。さらに発展を期すべき重要な局面を迎えるわけでありますが、事財政に関しては危機的状況と言わざるを得ません。

 そこで、南田助役に対しまして二点にわたりお尋ねをしたいと思います。一番目は、昨日の質問、また、きょうの質問にもありましたが、十三年度予算の未着工事業の一部カットや今回の補正予算案は、中核市として最初の決算の黒字をつくるための補正予算案ではないかと、このように感じるのでございますが、このことについてお聞かせいただきたいと思います。

 次に、二番目でございます。条例改正により、各基金の一般会計ほかへの取り崩し、流用が可能となります。条例案では、「市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用し、又は予算の定めるところにより歳入に繰り入れて運用することができる。」とされております。

 そこで、今回、財政調整基金や減債基金を加えますと約三十四億円に上る基金繰り入れがされているわけでありますが、この繰り戻しの方法、期間、利率、この条例に定められているところでございます。これについてお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、十三年度末現在の地方債現在高は、一般会計、特別会計を加えますと二千三百六十二億円に達しております。また、これらの地方債とは別に、土地開発公社の地方銀行からの長期借入金の十四年度末残高は約三百六十億円とされております。土地開発公社の適切な運営について、国からの通知では、土地開発公社の公的性格にかんがみ、設立団体と同等の情報公開と、保有土地で十年を超えたものの用途及び処分方針の再度検討を図るよう求めております。具体的な公社に関する質問は、決算状況が報告されます六月議会に譲りたいと考えますが、二点にわたり南田助役にお聞きいたします。

 一点は、開発公社の情報公開についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 二点目は、平成十四年度には、中ノ川造成事業用地、国際交流センター用地、JR奈良駅周辺地区用地など、平成三年度に買収され、買い戻しに多額の予算を必要とする用地が十年を超えることになります。これらの事業用地について十四年度予算ではどのように対処されているのか、また、今後これらの土地に対する方針・計画についてお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、おおむね百年から百五十年の間隔で発生しているという南海地震の発生が懸念されております。大地震発生時の財政対策について、奈良市地域防災計画では、当初予算や予備費の流用で賄い切れない大規模災害については、その都度財政調整基金の充当も含め補正予算の措置を行うとなっています。既に第一問で申し上げたとおり、十三年度末の財政調整基金の残高は皆無であります。

 そこで、お聞きいたしますが、大規模災害発生時の現実的な資金計画について、南田助役の御答弁をいただきたいと思います。

 次に、昨年十二月議会では、国立奈良病院の後医療について各議員から質問があり、私も、市長は市民の健康に責任を持つべきではないか、そのためにも国立奈良病院の医療施設としての機能を存続させるべきである、公設民営の方式や一部事務組合設立などの検討をしてはいかがと、このようにただしたところでございます。今議会の冒頭、市長からは公設民営方式での存続が確認され、昨日も、その委託内容についての議論がございました。本市の財政状況が大変厳しい中、市長の勇断に敬意を表しますが、実のところ、今後の財政運営に幾ばくかの不安も感じざるを得ません。そこで、私の思いが杞憂でありますように、数点にわたり市長並びに辻谷助役にお聞きをいたします。

 まず、市長に三点お尋ねします。国立奈良病院は、最終平成十六年度末の経営移譲まで、その前年度末現在の職員定数の二分の一以上が引き継がれなければ無償譲渡とはなりません。すなわち、移譲ではなく特例譲渡となり、奈良市は資産価値約四十億円と言われる奈良病院の二割、または五割を負担しなければ譲渡を受けることができません。今、地域医療振興協会側では職員の引き継ぎには自信があるとのことでありますが、市長は万々一の場合、二割の負担、すなわち約八億円の負担をしてでもこの病院を引き継がれる覚悟がおありかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

 二点目は、昭和四十二年から平成二年にかけて建設された病院は、老朽化が指摘されております。耐震構造になっていない点や一部スプリンクラーなども未設置で、今後早い時期に改築が必要となります。昨日の質問に対して、市長は、病院建てかえ時の財政負担については、国の補助金を初め病院事業債の活用とその元利償還金の交付税措置をと挙げておられますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。先ごろ公表されました国の二〇〇二年度予算、また地方財政計画では、地方交付税の事業費補正の見直しが行われ、十五年以降−−これは十四年以降で地方債は十五年になります、病院事業債などに対する元利償還に係る後年度の交付税算入、いわゆる事業補正が改正され、現行のおおむね三分の二となることから、病院事業債の元利償還に係る交付税措置は三割となり、残額七割償還分の一般財源が必要となります。昨日、市長は、後年度の交付税措置四割と御答弁をされておりますが、今後は三割が後年度交付税に算入されることになります。

 そこで、改めてお尋ねをいたします。早ければ十年後にも想定される病院建てかえには、病院建てかえに係る費用のうち、補助金や後年度交付税措置される額を除いた実質必要額は幾らになるのか、お聞かせください。これは現在の規模の病院のままで建てかえをするとして、地方債は幾ら、補助金は幾ら、後年度交付税算入幾らとして積算をしていただいて、最終的な奈良市の負担をお示しいただきたいと思います。

 また、この財源対策をどのように考えておられるのか、お聞かせください。大変大きな額になろうかと思いますので、例えば受益者の経営努力や交付税の積み立てと、こういったような抽象的な御答弁ではなく、現実的かつ具体的にお答えいただくようお願い申し上げます。

 次に、三番目であります。小児医療の引き継ぎにつきましては、昨日も議論の中でも一定の方針が示されておりますが、改めてこれを機会に、休日・夜間の応急診療体制について充実を求めたいと思います。本市には、医師会の協力を得て、庁舎横に休日夜間応急診療所が設置されております。現在は内科と小児科だけであるとか、空白時間帯の問題などいまだ不十分な部分につきましては、今日まで私どもも指摘したところでございます。今回、国立奈良病院の移譲を受けて、ぜひとも応急診療施設の充実を図っていただきたいと思います。私は、前回の質問で、地域の医療機関としての国立病院の存在意義はこれを認めるとしても、漫然と今の病院機能を引き継ぐのではなく、これを機会に、奈良市民すべてにとってメリットとなるような必要な機能を付加すべきと申し上げたところであります。すなわち、小児科などの救急二十四時間の体制づくりであります。国立奈良病院の救急受け入れ状況などは、最近は改善されたといいながらも、ここ数年、問題があったように私は思います。先日、私は鯖江市の丹南病院、また伊東市の伊東市民病院を見てまいりました。鯖江市の丹南病院では、たとえ当直が専門外であっても、一次救急についてはできるだけ受けていると、このように現場の声であります。また、伊東市民病院でも、救急隊員に聞きますと、市民病院になってから救急の受け入れ態勢が少しよくなったようだと。いずれの病院につきましても、私はプライベートに行きましたので、詳しい数値は教えていただいてないわけですが、逆に現場の生の声を聞けたものと、このように私は思っております。

 さて、そこで本市でも小児科の一次救急の二十四時間体制について、ぜひとも取り組むべきと思いますが、市長の考えをお聞かせください。あわせて、病院移譲時の現在の休日夜間応急診療所の取り扱いはどうなるか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。

 次に、事務的な事柄について辻谷助役にお聞きします。一番目は、引き継ぎを受けた場合、職員の身分について、これは奈良市職員になるのか、社団法人の職員になるのか、お聞かせください。

 二番目は、移譲を受けた場合、十年間の用途指定、いわゆる十年間の縛りがかかるわけですが、委託先との最初の委託契約期間はどの程度になるのか、お聞かせください。

 三番目は、現在、委託予定先との委託条件について交渉中と聞いておりますが、委託料は交付税額の七〇%とのことであります。そこで、これは交付税の中の一体何をベースにしているのか、お聞かせください。また、この額は十三年度ベースでは幾らぐらいになるか、お聞かせください。ちなみに運営に係る交付税単価は、平成九年では一病床当たり七十四万二千円であったものが、十三年度では五十九万二千円と、国により単価の切り下げが進められております。

 次に、四番目でございます。交付税の交付を受けるためには、これは一般会計で受けるわけでありますけれども、企業会計を立ち上げなければならないかと思います。この点について助役の考え方をお聞かせください。

 以上、早口でございますが、第一問を終わります。



○副議長(和田晴夫君) 市長。

  (市長 大川靖則君 登壇)



◎市長(大川靖則君) 三十三番松石議員の御質問にお答えをさせていただきます。

 病院の建てかえ時の財源確保についてということでございます。まず、補助金や後年度交付税措置される額を除いた実質必要額は幾らになるかということでございますが、この病院の建てかえについては、今後の社会情勢を見きわめて、病院運営協議会にも諮りながら病院の規模を決定してまいらなければならないと思います。したがって、実質必要額は、建設規模が三百床の場合は約八十億円、また二百床にした場合には約四十五億円程度になると思っております。この財源対策をどのように考えているのかでございますが、この財源は長期三十年返済の病院事業債の借り入れで対応していくことになります。その償還につきましては、受託者である地域医療振興協会と協議をする中で、建てかえ時点において一定の黒字経営を考えているということでございます。したがって、その黒字部分とあわせて市からの委託料として支払っていく普通交付税も、その返済に充当していきたいのでございます。受託者でもって最善の努力をしていただく、その意思もいただいておることでもございます。いずれにいたしましても、この建てかえ時につきましては将来的にも重要な問題でもあります。今後、受託者と具体的な問題について本格的に協議を進め、その結果についても議会に御報告申し上げたいと思っております。

 次に、小児科の二十四時間受け入れ体制につきましては、その必要性を十分認識もいたしております。したがって、今後、地域医療振興協会を初め、県及び医師会とも連携を深め、診療機能の充実に努めてまいりたいと考えます。当面、いつでも安心して受け入れられる救急二十四時間体制の充実に努めてまいりたいと存じます。

 また、休日夜間応急診療所の取り扱いについてでございますが、市といたしましては、昭和五十二年五月より休日・夜間における急病人対策として今日まで応急診療を行い、市民の健康を守り、医療の不安の解消に努めてきたところでもございます。したがって、診療所の扱いにつきましては、県の救急医療体制の調整及び医師会や薬剤師会との関係もございますので、今後は十分関係機関とも協議をしてまいりたいと思っております。

 以上です。(松石議員「答弁漏れです、二分の一引き継がなくても移譲を受ける気があるかどうか……」と呼ぶ)



○副議長(和田晴夫君) 市長。

  (市長 大川靖則君 登壇)



◎市長(大川靖則君) 失礼しました。移譲時点において職員が二分の一を割っても、二割負担を出してでも受け入れする体制があるのかどうかということでございますが、これは今、約束しているところでは、二分の一の職員に満たなくても、これは引き受けていかなければならないと、そういうことになっております。



○副議長(和田晴夫君) 辻谷助役。

  (助役 辻谷清和君 登壇)



◎助役(辻谷清和君) 松石議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、公設民営となる国立奈良病院の引き継ぎを受けた職員の身分についてでございますが、これは委託先において採用をしていただくことになってございます。したがいまして、職員の身分は、委託先である社団法人地域医療振興協会の職員となります。

 次に、交付税のベースと平成十三年度ベースで委託料として支払う交付税額についてということでございますが、この交付税のベースといいますのは、交付税の基準財政需要額算出基礎の中で、一床当たり、現時点ではございますが五十九万二千円と決められております。そこで、平成十三年度ベースで計算をしてまいりますと、一床当たり先ほど申し上げましたが五十九万二千円でございます。病床数が現在三百床ございます。したがいまして、全体額としては一億七千七百六十万円となります。このうち七〇%、一億二千四百三十二万円を委託料として支払うことになります。

 それと、委託契約の期間ということでございますが、市民が安心して継続性のある医療を続けていく上で、今後、契約年度についても十分検討していかなければならないと考えております。国あるいは関係機関との協議を進め、適正な契約期間を定めてまいりたいと思っております。

 それと、交付税を受けるのに公営企業法による企業会計が必要となるがどうかということですが、地方自治法による普通の管理委託方式をとるということでございますので、公営企業会計で運営していかなければならないと考えております。

 以上でございます。



○副議長(和田晴夫君) 南田助役。

  (助役 南田昭典君 登壇)



◎助役(南田昭典君) 松石議員さんの御質問にお答えいたします。

 補正予算案についてでございます。平成十三年度の決算につきましては、御指摘のように非常に厳しい財政状況でございます。昨日も市長から答弁ありましたとおり、年度間の財源不足の調整的な役割としての財政調整基金の取り崩しのほか、減債基金を初め、特定目的基金である地元公共事業基金、町並み保存整備事業基金、土地開発基金及び農業集落排水事業対応の減債基金の四基金で合計二十五億円の繰りかえ運用を図らせていただきたく、あくまで緊急的に収支バランスをとる財政措置を講じているものでございます。よろしくお願いいたします。

 また、これらの基金の繰り入れに対する今後の対応につきましては、今後策定する健全化計画に組み込んで、それぞれの基金運用に支障の出ない期間のできるだけ早い時期に、一定の利率を加算して繰り戻しができるよう努めてまいりたい、このように考えております。

 次に、土地開発公社につきまして、土地開発公社の運営についてでございますが、保有期間が十年を超える保有土地は、平成十三年度末見込みにおきましては、仮称市民憩いの森に予定しております中ノ川用地のみとなってございます。また、平成十四年度において十年超過の対象となります平成三年度取得分七事業、約百十二億円の買い戻しについては、一部事業用地としての買い戻しを講じておりますが、大部分は公社用地として保有してございます。今後とも長期保有土地を中心に順次計画的な買い戻しを進め、公社の経営健全化を図ってまいりたいと考えております。

 情報公開につきましては、市と同様に情報公開を進めるとの基本方針に基づきまして、平成十四年四月一日の実施を予定いたしておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、防災行政についてでございます。大規模災害発生時の財政対策について、また資金計画についての御質問でございますが、被災者の救済などの応急対策経費については、議員御指摘の予備費の充当による対応に加え、留保財源で対応し切れない場合においては、既計上予算の組み替えも含めて対応し、また、建物等の復旧経費については、地方財政法第五条にありますように、災害復旧事業債の発行により対処してまいらねばならないものと考えております。今後は、その非常時に備えるためにも、財政調整基金の本旨に沿うべく、可能な限り積み立てに努め、努力を重ねてまいりたい、このように考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。



○副議長(和田晴夫君) 三十三番松石君。



◆三十三番(松石聖一君) さて、御答弁をいただきましたので再質問をしたいと思います。

 時間の関係がありますので、余り詳しく再質問をすることはできないかもわかりません。財政が厳しい、これはもう当たり前ですね。当たり前と言ったらおかしいですが、みんなの共通認識です。そこで、財政が厳しいときにどういうふうなことを気をつけなければならないのか。それはですね、ここの条例改正までして基金を繰り入れて、何とか収支バランス、収支バランスをとるなんて聞こえはいいですけども、黒字をつくるためです。だから私の質問どおり、助役は、中核市のための黒字をつくる、そのために収支バランスをとるということで答弁されてるわけです。それ以上言いません。それ以上言いませんけども、問題は重要なこと抜けてる。それは何か。それは基金を取り崩してでもとりあえず収支バランスをとるのは、それはやむを得ないけれども、確実な繰り戻しの方法を、これはね、財政調整基金にも、また減債基金にも、今まではそういう表現なかったんですよ。それを今度あえて条例改正をする、いろいろ条例改正をするのと今度の補正予算を組んでるのと同時やから、それで果たして、議会の中でですね、補正予算案を先に採決したらですね、条例決まってないのに今度のは使うたらあかん金を使うてるわけやからおかしいん違うかと、こういうようにもなるわけですが、きょうはそんな細かいこと言いません。しかしですね、今回は繰り戻しの方法、期間ですね、確実なというのをつけた、確実な繰り戻しの方法、期間、利率を定めると。それ助役の答弁聞いとったらですね、できる限り早い時期にって、そんなあんた、これは確実な方法ですか。確実な方法ができるだけ早い時期にというのは、そんなことはちょっとおかしいです。そう思いませんか。そんな答弁じゃ満足できないですよ。まあしかしですね、これは時間もありませんから、委員会に譲りたいというふうに思うわけですが。

 それから、開発公社、これについては情報公開をしていただけるということで、これは了解いたします。なかなか議員からとっても開発公社の中身というのは見えないもんですから、これはどんどん本体と同じように情報公開をしていただいてですね、私たちにもわかるようにしていただきたい。買い戻しについての十四年度の予算化がしていない。非常に大きな額になりますね。これはもう随分心配な種です。

 心配な種のもう一つの国立奈良病院です。実は私は、市長がそこまで腹をくくっていただいているということについてですね、実は感服もしたわけです。しかしながら、なかなかその腹のくくり方ですけども、きのうの御答弁聞いてたら、例えばですね、地方交付税の基本的な仕組みとかですね、現在の状況とかわかって答えてはんのやろかという、大変失礼な言い方やけど、そうとしか聞こえないわけですよ。市長が細かいことをね、知らなくてもやむを得ないと思いますけども、部長、みんな聞いといてくださいよ。私は、大体本会議での質問は市長か助役にしますから、あなたたちに質問しないわけですけども、大体総務部長、市民部長、はっきりと市長にこのようなことをですね、お伝えされてますか。市長は八十億出してでもこれやる言うてはるんですから、これは私は可とします。しかし、その財源についてですね、きちっとそういう情報をみんな持ってかないとだめですよ。どうですか、市民部長、まあ質問しませんけどね。財政もそうです。そしたら心配になってくるのが十年先のですね、助役の答弁ありましたけれども、契約の内容ですわ。十年間、病院でしかあかんようになってるものをですね、これ委託の契約の期間次第では三年でやったらどうなりますか。十年間はやっぱり向こうできちっとするべきです。そうじゃありませんか。そういったことを考えてくるとですね、どうも市長の腹のくくり方は大変立派、しかし、それに対する財源がですね、財源の裏づけがどこから出てくるのかという。そもそもですね、市長も言われたけども、国が、手に余るという表現あえてしましょう、二百何ぼかあった病院を百何ぼに減らす。ところが、その病院がなくなると地元のですね、この地域で三百床の病院がなくなる。自分とこでやりゃいいわけです、国が。そもそも国がやりゃいいわけです。ところが、なぜこんな問題になってきてるかというと、国が、例えば先ほど言いましたように一ベッド当たりの運営の交付税もですね、下がってきている。また、仮に建てかえをしたときにですね、国がですね、後年度事業費補正を見直してどんどん下げてきてる。単純に病院だけを引き継ぐんだったら押しつけですよ、これ、言葉から言や。だから、これからやらんないかんのは、国に対してはっきりと、病院はさあ引き継いだ、責任持つのはあんただからはっきりと金も出せということ言うべきです。

 最後二分ですから言います。二十四時間の体制、これは何度か申し上げた。市長、これは随分前向きな御答弁をいただいたんで、これはできると思う。その理由は何かというと、市長は、仮にこの病院の人員が引き継ぐことができなかったら、まあはっきり言うたら八億かかるんです。八億かかってでもやりましょうという腹をくくっていただいたんだから、もしこれができたら二十四時間できます。試算によりますと、二十四時間体制にですね、かかる費用というのは二億二千百万円かかるそうです。その中で診療報酬が一千四百四十万円、補助金等を引き算すると二億あればいけると。これ以上、八億出しても構へんと言うてはんねから、二億出したらできます。前向きの答弁していただいてますからそれ以上言いませんが、ひとつぜひともよろしくお願いいたしましてですね、ちょっとまとまらなくなりましたけれども、あとは委員会で引き続きお話をさせていただくことにして、質問を終わりたいと思います。



○副議長(和田晴夫君) お諮りいたします。

 本日の会議はこの程度で打ち切り、明十四日午前十時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。

  (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○副議長(和田晴夫君) 異議なしと認めます。

 よって、そのように決定いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

  午後四時三十五分 散会

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 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。

              奈良市議会議長    山本 清

              奈良市議会副議長   和田晴夫

              奈良市議会議員    榧木義秀

              奈良市議会議員    吉田文彦

              奈良市議会議員    横井健二