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奈良県 奈良県

平成 7年  2月 定例会(第230回) 03月01日−03号




平成 7年  2月 定例会(第230回) − 03月01日−03号







平成 7年  2月 定例会(第230回)



       平成七年第二百三十回定例奈良県議会会議録(第三号)



平成七年三月一日(水曜日)午後一時開議

                           由本知己・北中路子速記

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出席議員(四十三名)

    一番  欠員           二番  欠員

    三番  高野善雄君        四番  辻本黎士君

    五番  上田嘉昌君        六番  上田順一君

    七番  飯田 正君        八番  中村 昭君

    九番  田尻 匠君       一〇番  国中憲治君

   一一番  北野重一君       一二番  今中せつ子君

   一三番  小泉米造君       一四番  秋本登志嗣君

   一五番  植村家忠君       一七番  吉川新太朗君

   一八番  高間賢一君       一九番  元田三男君

   二〇番  米田忠則君       二一番  奥本一男君

   二二番  山本保幸君       二三番  梶川虔二君

   二四番  山下 力君       二五番  吉川隆志君

   二六番  森田好信君       二七番  藤本 巖君

   二八番  福田守男君       二九番  小林 喬君

   三〇番  松井正剛君       三一番  出口武男君

   三二番  新谷紘一君       三三番  新谷春見君

   三四番  松原一夫君       三五番  福西幸夫君

   三六番  田辺和夫君       三七番  植原一光君

   三八番  杉村寿夫君       三九番  服部恵竜君

   四〇番  村野喜英君       四一番  欠員

   四二番  寺澤正男君       四三番  浅川 清君

   四四番  仲川宗太郎君      四五番  和田 修君

   四七番  川口正志君       四八番  大東正明君

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欠席議員(二名)

   一六番  米澤 節君       四六番  福本虎之祐君

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議事日程

一、当局に対する代表質問

一、当局に対する一般質問

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○議長(出口武男君) これより本日の会議を開きます。

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○議長(出口武男君) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、八番中村昭君に発言を許します。−−中村昭君。(拍手)



◆八番(中村昭君) (登壇) 願いはただ一つ、今この国の政治を変えたい。自由、公正、友愛、共生を基本理念に、たゆまざる改革と責任ある政治を合い言葉に、昨年十二月十日、パシフィコ横浜の国際会議場に私たちは結集をいたしました。それは新進党の船出の日でもありました。県民の皆様方の新進党へのご支援をお願いするものであります。 現在の我が国における最重要課題は、阪神大震災の一日も早い復旧対策の実施でありますが、それとともに、村山総理の政治責任問題であります。すなわち、一つには、阪神大震災に対する初動のおくれと総理のリーダーシップの欠如、二つには、平成九年実施予定の消費税アップと一体であるはずの行政改革の腰砕けであります。すなわち、政府の特殊法人の整理・合理化案が全く国民に対する公約違反であるということであります。さらには、東京共同銀行設立の経過の不明瞭さであります。すなわち、乱脈経営で破綻した東京の二信用組合に対する大蔵省や日銀の巨額の救済資金は、家計を詰め、小遣いを割いて阪神大震災へ寄せられた多くの国民の義援金のことを思うとき、果たしてこれが村山内閣の言う「国民にやさしい政治」なのでしょうか。国民不在の政府の対応姿勢はまさしく追及をされねばならないと思います。

 さて一方、私たち、飯田、上田、田尻、中村の四人は、昨年十二月十五日に県議会で新会派を結成いたしました。私たちは県民の立場に立って議会に望み、一党一派に偏することなく、良識を持って同友の士と相語らい、手を携えて、県政に新たなる潮流をつくり、県政の進展に寄与する決意であります。今はか弱き小さな芽ではありますが、春四月、大輪の花としてこの県議会で開花をし、名誉ある地位を確保できることを念じながら、新進党を代表いたしまして質問に人ります。

 震災対策についてでございます。

 悪夢の阪神大震災からはや一カ月余が過ぎましたが、犠牲となられました五千四百余名の方々のご冥福を衷心よりお祈りを申し上げますとともに、今なお避難所生活を送られておられる二十万余人の皆様をはじめ、被害に遭われました皆様方に対しまして、お見舞いと激励を申し上げます。

 さて、震災対策につきましては、昨日各派の代表質問においてあらかた各分野にわたり質問をされておりますので、重複を避けまして、私は救援物資の備蓄と応援体制につきまして質問を申し上げます。

 冬の早朝に起こりました震災により、被害に遭われました人々は着のみ着のままで避難をされましたが、毛布や食料品の配給も十分ではなく、寒空の中、不安に駆られながら立ち尽くしておられる姿がテレビや新聞等で生々しく報道されていたのは記憶に新しいところでございます。この原因の最たるものは、情報伝達のおくれや救助物資の備蓄の不十分さ、物資配送のルートの寸断ではないかと考えます。地域防災計画では、震災や風水害などの災害時の避難場所として地域の小中学校や公民館など公共的施設が指定されており、当然そこへ避難されるわけであります。しかし、今回の阪神大震災のように道路が寸断され、思うように物資の配送ができない事態になれば、救援物資や食料品などを配送、支給することが困難になり、避難されている人々に十分な物資を配給することがおくれ、不自由な避難生活を強いることになるわけであります。幸いにして、避難場所に指定されておる学校などは運動場など広い用地スペースがありますので、その一角を活用して、当該避難場所に収容されている人数分の毛布や下着、日常用品、非常用食料品などの災害備蓄物資を収納できる備蓄倉庫のような建物を建築し、そこにせめて一週間分程度の物資を備蓄できる体制を整える必要があるのではないかと考えるところであります。

 次に、避難された人々の世話につきましては、避難所の小中学校の教職員の皆様方が、本来の教育業務とは別に当たっておられ、また、各地区の消防団員などが不眠不休の状態で救助活動や避難された人々の世話に当たられ、中には過労から不幸にも亡くなられた方もおられるとの報道がございます。多くのボランティアの方々がいろいろ協力をしていただいておりますが、最終的にはこのように限られた一部の人たちに過重の負担を強いる事態になっておるのであります。そこで、災害救助をはじめ、避難生活の応援体制については、当然ながら十分な人員の確保が必要であると考えるものであります。特に今回のような大規模な震災におきましては、時間的にも長期にわたり、そのスタッフもかなりの数に上ると想定されます。これらのことを踏まえた地域防災計画の見直しが今最も必要と思われますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、今回の大震災におきまして人的応援体制の一環として、他府県の消防本部の大活躍が注目されておりますが、その中には本県の各消防本部からの応援隊も多数含まれておったと間いております。現場での各消防隊においては、見知らぬまちで、他府県の隊員とのなれない作業に加え、地震で崩れかかった建物を縫っての活動は、平常時にも増しまして危険が伴うもので、そのご苦労には敬意を表するものであります。このような状況を本県に置きかえた場合に、県内各市町村の消防本部が、いざというときに、近隣市町村はもとより、他府県の消防との連携が円滑にいくような広域的な応援体制というものが極めて重要であります。市町村広域連合をつくり、お互いに連絡、連携をし合い、防災、震災に対して常に対応し得る状態をつくる必要があると考えるものでありますが、本県の状況並びに今後の取り組みについて知事にお伺いするものであります。

 二番目に、奈良県新総合計画についてであります。

 このたび県は、現行長期基本構想の後を受けまして、二〇〇五年を目標年次とする新しい総合計画案を当議会にお示しになりました。昭和三十八年に策定されました奈良県新総合開発計画から数えて五つ目の長期計画でありますが、今回の新総合計画は、二十世紀から二十一世紀への橋渡しの時期にあって、二十一世紀の奈良県づくりのグランドデザインを示すという意味でも大変重要な計画であると思うものであります。計画案では、基盤整備や産業振興をはじめ、福祉、医療、教育、文化など県政各般の分野にわたり施策の方向を示すとともに、新たに地域別計画編を設けられるなど、計画策定に携われました審議会、専門委員会委員をはじめ関係者のご苦労には心から敬意を表するものであります。

 ところで、本県の現状を考えるとき、大和平野地域に人口、諸機能が集中する一方で、吉野郡をはじめとした山間地域では、人口減少、高齢化の進行などにより地域の活力低下が深刻な問題になっているなど、いわゆる過密と過疎が同時に進行するという課題を抱え、均衡ある県土の発展が依然として強く求められている状況にあります。一方昨今、二十一世紀の国土づくりのあり方に関連いたしまして、各地域の持つ個性、特性を十分に生かした、独自性のある、魅力ある地域により、多様性のある国土を形成していくべきではないかというような議論もなされております。県土の均衡ある発展を考えるときにも、こうした視点を踏まえていくことが大切であると考えるものであります。今回の新総合計画も、これらのことを踏まえた、県土の均衡ある発展を目指しておられるものと考え、基本的には賛意を示すものであります。しかしながら一方、計画案でも述べられておりますように、幹線道路を中心とした交通基盤の整備や下水道整備など、いわゆる生活基盤の充実が依然として大きな課題であると同時に、均衡ある県土の発展を図る上にも、今後ますます高度情報化社会が進むことが予想される中にありまして、情報通信網の整備やその活用といったことがこれからの基盤づくりにおいては特に重要なことではないかと思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。知事は、今回の新総合計画において新たに地域別計画編を設け、県内三地域区分により地域別の発展方向を考えているが、それぞれの地域整備の基本的な考え方はどうか。また、今後の本県の基盤整備のあり方についてどのような見解をお持ちであるかをお聞きするものであります。

 三番目に、地方分権についてであります。

 我が国が本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、情報化、国際化等大きな変革期を迎えておる今日、国民が豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していく上で、地域の総合的な行政主体である地方公共団体の役割はますます増大し、多くの課題への取り組みが期待をされております。個性豊かで活力ある地域社会を実現していくためには、国と地方公共団体がその役割と責任を適切に分担し、県民生活に密接に関連する行政については、できる限り身近な地方公共団体の責任において処理する体制づくり、すなわち地方分権の推進が必要であります。地方分権の推進につきましては、昨年九月に全国知事会をはじめとした地方六団体が「地方分権の推進に閣する意見書」を国会及び内閣に意見具申を行い、十一月に第二十四次地方制度調査会が地方分権に関する答申を政府に提出いたしました。一方、政府におきましても昨日、地方分権推進法案を閣議決定し、国会に提出されたところであります。この法律案は、地方分権を進めるために、地方公共自治体への権限の移譲を推進することを主眼としつつ、あわせて、国の地方公共自治体への事務の関与、規制、さらには、地方自治体の事務に対する国の負担金、補助金などについても整理・合理化を進めたり、地方分権推進委員会の設置も予定されておるのであります。この時期に当たりまして、私ども県議会では昨年十二月十五日に「「地方分権推進法」の早期制定に関する意見書」を提出し、強力に要望活動を行ってまいったところでありますが、県当局におかれましてはどのような対応を今日までされてきたのかをお伺いしたいのであります。

 また、地方分権推進法案が今国会で成立した後、県としてどのように地方分権を進めようと考えておられるのかをお聞きしたいのであります。

 さらに、地方分権を具体的に進めるためには、何よりも、その受け皿の一翼を受け持つこととなる市町村や県民に地方分権の意義、メリットについて理解を得、十分な合意を得る必要があると考えますが、知事は地方分権の意義についてどのように考えておられるのかをお聞きしたいのであります。

 四番目は、規制緩和についてであります。

 規制緩和の推進につきましては、経済の活性化や消費者重視といった観点から、我が新進党の大きな施策目標の一つにしているところであります。一方、政府、自治体による規制緩和をする動きは、一九八〇年代に世界的な潮流となったところでありますが、我が国の場合は、第二次臨調以降規制緩和が再三提言され、平成四年ごろまでに、例えば電話事業における新規企業の参入や金融自由化等が進められてまいりました。しかし、なお依然として多くの規制があり、平成六年現在において各省庁が抱える許認可事項につきましては約一万一千件と聞いております。その後の規制緩和につきましては、新進党の前身である新生党をはじめとする連立政権発足後、まず平成五年九月には緊急経済対策の一環として九十四項目、平成六年二月に当面の規制緩和等として二百五十項目、それに関連して、届け出、報告等の整理・合理化項目として五百三十一項目が決定されたところであります。いずれにいたしましても、このことは、我が党も規制緩和の理念として掲げております、住民や企業に課せられている実質的な制約を軽減することであり、住民生活の質の向上や民間活力の発揮を確保するために重要な施策でございます。さらに、平成六年七月には二百七十九の項目が決定され、各分野で既に千百五十四項目についての措置がなされたり、あるいは今後推進されようとしております。その効果は直ちにあらわれるものではございませんが、これら一連の規制緩和につきまして、奈良県内の影響も含め、知事の評価なり所見をお伺いするところであります。

 また、国の規制緩和とは別に、県独自の規制につきましても早急に事務の見直し等を行い、できるものは廃止なり緩和といった措置をこの際計画的に進めるべきであると思いますが、この点についても所見をお伺いいたします。

 次に、奈良の歴史を踏まえました文化の振興についてであります。

 近年、余暇時間の増大、高齢化社会の到来等、社会情勢が変化をし、大きな転換期を迎え、ますます文化の役割は重要性を増しております。さらに、関西国際空港の開港や関西文化学術研究都市の建設、リニア中央新幹線の建設促進などのプロジェクトの進展に伴い、本県を取り巻く環境は急速に変動をいたしております。また、朱雀門や大極殿などの復元が進められようとしておりますし、奈良の歴史を踏まえた奈良県の文化に対する期待と関心は非常に大きなものがあります。文化の間口は広く多様ではありますが、これからの時代に向かって、地域の文化も日々の暮らしの中で生き生きとはぐくむことができるよう、地域に愛着の持てる文化振興が必要であると考えるものであります。県内でも多くの芸術・文化に携わる人たち、団体があり、それぞれ多彩な活動を展開されていますが、まだまだ発表の機会が少なく、意欲的な創作活動をするための環境づくりが十分整っているとは思われません。そこで、こうした県内の文化活動家を育成、支援する積極的な体制づくりが必要と考えられますが、知事の所見をお聞きいたします。

 さらに、こうした多くの文化団体からは、活動の場の提供や資金の助成など条件整備が求められております。地域における文化を通じての特性を生かした自主的、主体的な活力ある文化活動の展開を図るためにも、活動しやすく、励みになるような発表活動の場、交流の場の提供等、各地域で地道に活動している人たちに県としてどのような施策を講じておられるのか、支援策についてお伺いをいたすものであります。

 なお、こうした文化活動家の育成、支援に当たりましては、奈良ならではの特定分野における重点的な育成指導も一考かと思われます。それは、日本人の心のふるさと奈良として歴史と伝統を生かした文化活動への重点的な取り組みでもあるわけです。奈良らしい伝統的な芸術活動、歴史を牛かした舞台の設定など、奈良にふさわしい文化活動の積極的な取り組みを期待いたしたいと思いますが、知事のご所見を承りたいのであります。

 六番目に、快適で潤いのある道路環境づくり並びに道路、河川の維持管理についてであります。

 豊かな生活の実現や活力ある地域づくり等を実現するためには、積極的な道路整備が必要であることは言うまでもございません。道路に対する人々のニーズも当然多様化、高度化し、安全、ゆとり、快適さ、美しさなどの質的ニーズが高まる中で、生活により密着した愛着が感ぜられる質が期待されているところから、既存の道路を、いかにして機能を維持しながら、快適性と安全性を高めながら、有効に活用するかが重要な問題であると考えております。

 そこで、既存の道路が快適で潤いがあり、地域住民に愛され親しまれる取り組みが必要であります。平成四年度より沿道緑化推進事業に取り組まれるなど、良好な道路環境づくりにも県は着手をされておりますが、さらに、暮らしの利便性や安全性、快適性の向上を図り、真に豊かさを実感できるよう、地域の歴史的景観、自然環境にマッチした歩行空間づくり、歴史的景観の保全や国内外からの観光客に快適な歩行空間を提供する電線類の地中化など、地域に密着した道路環境づくりに取り組む必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、維持管理経費の拡大と体制の強化であります。県が管理する道路や河川は広範多岐にわたっており、人的、経費的にも多大な努力を重ねられていることを評価はいたしておりますが、本格的な高齢化社会が到来する二十一世紀を間近に控え、高齢者や障害者などあらゆる人々が安全で快適に利用できる道路に、また、快適な水辺空間を提供するため、道路や河川の整備事業費の一定割合額を維持管理経費に充当するなど、積極的な経費の拡大と体制の強化が今最も必要ではないかと考えるものであります。維持管理業務を民間へ積極的に委託することをも含めまして、さらに維持管理の充実を図る必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、河川環境整備についてであります。近年、県民の間でゆとりや豊かさへの志向が強まるとともに、河川が持っている水や緑の貴重なオープンスペースを活用し、地域と一体となった景観、環境整備や憩いの場づくりなどを要望する声が高まってきており、県におかれてもこの県民の要望にこたえられ、昨年六月「やすらぎとロマンの水辺景観整備計画」を発表されました。既にこの計画の趣旨に沿って、従来の河川改修とあわせて、部分的にではございますが、環境整備事業を実施しておる箇所もございます。その代表例は、私の地元であります桜井市金屋地区の大和川におきまして、歴史景観や親水性、さらには動植物の生態等にも配慮をした環境整備が進められており、市民は一日も早いその完成を期待しているところであります。ただ、河川というものは事業の実施箇所が多く、また延長も長大であるため、数多い県民の要望に一度にこたえることは非常に難しいと私は思います。私といたしましては、数多い県民の要望に県が単独でこたえていこうとするよりも、各市町村の地域特性を生かしながら、県と市町村が力を合わせて可能な範囲で分担をして、県内の河川整備を進めていく方策を考えていってもよいと思っておるものでございます。もちろんその場合、各市町村の財政力、技術力に応じた県のサポート体制に万全を期していただく必要がありますが、その点にもご留意をいただいた上で、県のお考えをお聞きするものであります。

 次に、地球的視野に立った地域環境保全対策についてであります。

 我が国の経済は戦後急速的に発展し、世界屈指の経済成長を遂げ、成熟期を迎え、物不足から大量消費時代へと進み、使い捨て生活を当たり前のことのようにしてまいりました。このような社会経済活動及び生活状況の結果、経済、生活の両面から大量の廃棄物を排出し、従来の地域の河川汚濁問題や、身近な山野の自然保護等に関する問題にとどまらず、最近の環境問題は、諸外国での大量、広域的な森林伐採による熱帯林の減少や化石燃料の燃焼により、地球環境にも大きく影響を与えております。オゾン層の破壊や地球の温暖化、酸性雨等、地球規模での環境問題を引き起こしていることは周知のことでございます。本県におきましても酸性雨等が観測され、その影響が出てきているようでございます。また、地域におきましては、大量消費から排出される産業廃棄物や生活ごみの増大とそれらの処裡問題、各家庭からの生活雑排水による河川湖沼の汚濁など、私たちの身近なところでもさまざまな環境問題が生じておるところでございます。このように私たちの生活環境は誠に厳しい状況にありますが、今できることから環境保全のための手だてをし、よりよい環境を次代に引き継ぐ必要があると考えるものであります。そこで、次の諸点につきまして知事にお伺いをいたします。

 その一点目は、フロン対策についてであります。フロン対策につきましては、地球的規模での環境保全対策が必要であることは周知のことでありますが、家電製品等に使用されているフロンに対する対策が重要であると考えますが、県としてはどのように考えておられるのか。

 二点目は、酸性雨を含む大気汚染問題についてであります。酸性雨につきましても地球的規模での対策が必要であると考えられますが、県下の状況、対応策等についてのお考えを、さらには県下の大気汚染問題への対応策についてお伺いをいたすところであります。

 三点目は、ごみ問題対策についてであります。県においては昨年、ごみ減量・資源化基本構想を策定され、それを受けて平成六年度から発泡スチロールトレーの回収システムづくりを進めておられますが、今後さらに同基本構想の具体化のためにどのような施策を展開されようとしておられるのかをお聞きいたすところであります。

 四点目は、河川の汚濁対策についてであります。河川の汚濁対策につきましては、下水道整備事業の推進に県として全力を傾注されております。また、工場等の排水に対しましてもその監視、検査等に努力していただいておりますが、問題は、各家庭から排出される雑排水の影響であります。そこで、現在進めておられる合併浄化槽の普及状況と、今後どのように取り組んでいこうと考えておられるのかにつきましてお聞きをいたしたいのであります。

 なお、現在いろいろ検討を進めておられます、公共関与を含めた産業廃棄物広域最終処分場の具現化を早急に図られるよう、これは要望をいたしておきたいと思います。

 次に、農業問題についてお伺いをいたします。

 第一は、農地の活用方策についてであります。近年、農業従事者の兼業化、高齢化等の進展の影響もあり、全国的に未利用地の発生や農地の遊休化など、いわゆる耕作放棄地が増大する傾向にあります。本県におきましても、都市化、混往化と過疎化等の進行によるものと思われます耕作放棄地が多く見受けられるようになってまいりました。農地は安定的な食糧生産の基礎的要素であるばかりでなく、環境の保全や災害の防止等、多様な役割と機能を有する貴重な資源であります。その適正かつ合理的な利用を図ることが大きな課題であります。もとより本県におきましては、中山間地域等の一部を除いては規模の大きな土地利用型農業の展開が必ずしも容易ではないことから、農地の高度利用を進めることが必要ではないかと考えます。そこで、現在本県における耕作放棄地の面積はどのくらいか、また、農地のさらなる有効活用につきまして、県の考えをお聞きいたします。

 二つ目は、ため池の小公園化についてであります。よく言われますように、大和の農業は水を求めての歴史であり、古くから先人の努力によりまして大和平野には数多くのため池が築造されております。その数は全国で二十四万六千余個あると言われており、本県は、兵庫、香川、山口、広島県に次いで第五位にランクされております。また、大和平野においては、ため池の面積は耕地面積の約五%を占めていると言われております。今日、大和平野に安定した農業用水を供給している吉野川分水は、あくまでも補給水であり、取水量の制限もあり、吉野川分水を有効に利用するために、ため池に注水し、大和平野内のため池を一種の調整池として使っており、農業用水を確保する意味では重要な施設となっているのが現状であります。一方、ため池の長い歴史は、地域の人の和と水辺文化を生み、豊かな自然環境を育ててまいりました。今もため池は、農業用水の確保や洪水調整としての機能を持ち、県民の暮らしに大きな役割を果たしているほか、潤いの水辺として親しまれております。快適な住環境の創造に対して県民のニーズが高まっている現在、ため池が身近な水辺としての機能が注目され、再認識されております。地域の貴重な文化遺産あるいは環境資源として、憩いの場や安らぎの場として積極的に整備、活用していくことが必要であると考えているところでございます。そこで、農業用水確保としての機能を果たさなくなったため池等を、地域住民のぶれあいの場となるよう、地域に密着したため池の小規模な環境整備を推進していくべきだと考えますが、このことについて知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、都市型農業の振興についてであります。木県は、都市化の進む中、京阪神の大消費地に近いという立地条件を生かした、イチゴやバラやパンジー、葉ボタンなどの花壇用の苗など、全国的にも有数な産地として知られております。これらの産地を支えている中核的な農家は、イチゴの炭酸ガス施用、バラのロックウール栽培、軟弱野菜などの水耕栽培など、新しい技術を積極的に導入するなど、生産意欲も盛んでございます。このような祈、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意を踏まえました関税率の引下げや、関西国際空港の開港に伴い、諸外国からの輸入農産物が増加をしておりますし、国内外の産地間競争も激化の一途をたどり、農業を取り巻く情勢が大きく変化をしてまいりました。このような情勢の中、将来とも夢と希望を持って取り組める、足腰の強い都市型農業の振興を図ることが大切であると考えますが、その方策についてお聞きをいたします。

 また、平成二年に開催されました「国際花と緑の博覧会」におきまして、本県は花き類の供給基地として全体の約二〇%の生産を担当し、花き生産は大いに活況を呈したことは記憶に新しいところであります。その後、大阪府におきましては花きの大型市場統合が行われるなど、花きの流通形態が大きく変わってきております。それに対応した本県の花き生産の現状と振興についてもお聞きをいたすものであります。

 次に、市街化区域内における宅地化農地の計画的な市街化の推進についてお伺いをいたします。大都市地域の市街化区域内農地につきましては、良好な都市環境の形成とその積極的な活用によって住宅地の供給が期待されることから、平成三年四月に生産緑地法が改正され、平成四年末の生産緑地地区の指定によりまして、三大都市圏の県内全市における市街化区域内の農地を対象に、保全する農地と宅地化する農地の区分が行われましたが、二年余り経過した現在、今なお、市街化区域の農地を見渡しますと、計画的な市街化が図れず従来と同じような状態のままで、あまり変化がないように思われます。良好な住宅地の供給を促進する上からも、これらの宅地化すべき農地について宅地化が円滑に進む方策が必要であると考えるものでありますが、この点につきましてどのような対応を考えておられるかをお伺いいたします。

 次に、林業の振興についてお伺いをいたします。

 今日、環境問題と密接にかかわる森林問題の解決が人類の未来を決定するとも言われており、我々が豊かな生活を営んでいくためには、森林の恵みを受けることができるよう、森林の整備は欠かせないものとなっております。本県は県土の七七%が森林であり、吉野材に代表される優良材を生産する、我が国でも屈指の林業県となっております。また、森林は下流の木材関連産業を興し、さらには都市に住む人々の生活と深いかかわりを持ってまいりました。森林を整備し育成する大きな目的の一つは、山村地域の産業を支える木材の生産が重要であることは言うまでもないことでありますが、森林はすぐれた景観や緑の空間を形成し、その役割や利用の仕方など森林に対する期待が高まると同時に、大きく変化をいたしております。しかし、森林をはぐくんできた山村地域の過疎化と高齢化の進行に伴う林業担い手の減少や、外国産材との競合による木材価格の低迷等、林業をめぐる状況は依然として厳しいものがあり、これからの森林の適切な維持管理が憂慮されておるところであります。そこで、次の二点について知事にお伺いをいたします。

 その第一点は、広域的な森林整備体制づくりと流域林業の活性化についてであります。本県の林業が産業として維持、発展し、これからの「森林と木の時代」を目指していくためには、市町村の枠を超えた広い範囲での林業・木材関係者が一体となった森林整備体制と木材の安定供給体制づくりを推進し、多様な森林の整備、林道等の基盤整備、あるいは林業機械化等を推進していく必要があると考えるものであります。そのためには、現在林野庁が推進している広域的な森林整備体制、いわゆる森林の流域管理システムの導入を図り、流域を一つの単位として林業の活性化を図っていくことが必要であると考えますが、県としてどのように取り組もうと考えておられるのかをお伺いいたします。

 その二点目は、森林整備への支援についてであります。本県の森林は、吉野川、木津川などの上流地域にあって水源涵養機能を高度に発揮し、遠く大阪、和歌山まで水の恵みをもたらすなど、近畿の水がめとして重要な役割を果たしてまいりました。しかし、昨年は異常な渇水となり、いまだ記憶に新しいところではありますが、現在も室生ダムの貯水率は約三〇%と、昨年のような水不足が心配される厳しい状況が続いておるのであります。これは降る雨の絶対量の問題もあるでしょうが、放置林の増加や森林の整備のおくれが一因であり、渇水対策としての森林整備を推進する必要があると考えております。水源涵養機能等、森林の持つ公益的機能の維持増進を図っていくためには、森林の管理を林業経営の厳しくなっている森林所有者のみにゆだねるのではなく、森林が国民共通の財産であるとの観点に立った森林整備が肝要であります。森林の恩恵にあずかっている都市住民からの支援、とりわけ森林整備に要する経費の応分の負担があってもよいのではないかと考えるものであります。そこでまず、森林のもたらす水の恵みを受けている人々が、受益者負担の原則に基づいて、息長く経費の負担をしていくような下流からの支援対策、あるいは新しい森林管理制度を県としてもつくっていくことが必要であると考えますが、知事の基本的な考えをお伺いいたすものであります。

 以上九点にわたりまして質問を申し上げましたが、知事の明快なるご答弁を期待いたしまして、私の代表質問を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(出口武男君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 八番中村議員のご質問にお答えいたします。

 まず第一点は、震災対策についてでございます。

 二点ございまして、救援物資の備蓄についてのご質問でございますが、県や市町村では災害救助のため一定の救助物資を備蓄しておりますが、これは県内の一部が被災した場合で、しかも災害救助法が適用されるまでの間を想定したものでございます。災害用物資の備蓄については、災害の規模、被害の想定、さらには、どの段階までに備えるか、こういうような点を設定するのがなかなか難しい点でございますが、ご提案の、避難場所に指定されている学校等への備蓄の問題も含めまして、今後の備蓄のあり方を検討してまいりたいと考えております。備蓄方策の検討に当たりましては、今回の大震災の教訓も十分生かしまして、被災者に対する初度の救援活動が迅速かつ適切に実施できるよう救援物資の備蓄体制を検討してまいりたいと考えております。

 次は、人的応援体制についてのご質問でございます。今回の阪神・淡路大震災におきましては戦後最大級の被害が生じまして、これに伴いましてたくさんの被災者が避難されて、現在も避難生活を続けておられる方がたくさんおられます。この避難されている人々を支援するため、消防団員、ボランティアなどの方々が昼夜を分かたず活躍されました。またこのほか、医療、福祉、教育、土木など各種の専門技術者が本来の職場を離れて、それにかえてボランティア的な動員をして活動された、こういう分野もたくさんございます。そういうことから、一つは、消防団等のボランティア団体に対しては、その加入の促進と、それから活性化、あるいは地域住民がみずからの初期消火、救援活動を行うような自主防災組織、こういうものの拡大につきまして指導してまいりたいと考えております。そのほか、先ほど申し上げましたような各種の専門技術者の緊急時の協力動員態勢等につきまして、これはやはり検討を進める必要があると考えております。さらに、今回の震災におきましては、いろんな各種のボランティアの方々が懸命な地道な活動をされたということが大変印象深くございました。こういう観点からいたしまして、従来からお答えいたしていますように、ボランティア活動の情報提供システムを七年度から整備するようにいたしたいと考えております。いずれにいたしましても、それらの方法を通じて、各種の人的応援体制のあり方について十分検討し、地域防災計画の見直しに反映させてまいりたいと考えております。

 それから、広域的な連携の話でございますが、広域連携につきましては県下でも、三十六市町村、八消防組合がそれぞれ相互応援協定を締結しております。また、十四市町村、五消防組合が県外の市町村と応援協定を締結しております。今後とも市町村間の消防相互応援協定を積極的に締結し、有効に活用するよう、消防本部を指導してまいりたいと考えております。また、他府県との協力体制でございますが、これにつきましては去る二月二十五日に開催された臨時の近畿ブロック知事会議におきまして、広域防災計画を作成し、大規模な防災訓練に取り組むということを決議したところでございまして、そういう中で他府県との連携も図られていくのではないかと、さように考えている次第でございます。

 大きな二点目は、新総合計画についてでございます。

 一つは、県内三地域区分による地域発展方向をどう考えているかと、こういうことでございますが、いろんな地域整備手法があるわけでございますが、概して申し上げますと、奈良市などを中心とした大和平野北部にありましては学術、文化、居住、業務などの高次な諸機能の集積を図る一方、関西文化学術研究都市の整備やその波及効果を生かした産業の高度化を図る、こういう新しい都市圏の創造を目指してまいりたいと、かように考えております。また、大和平野の中南部においては、橿原市を中心とした中和地方拠点都市地域の形成を図りまして、本県の発展を先導するもう一つの都市圏として整備を進めてまいりたいと考えております。次に、大和高原地域にありましては、大和平野の東部山間地域との連携を図りながら、新たな産業ゾーン及び魅力のある定住環境の形成、観光、保養、レクリエーションの形成を目指していきたいと考えております。また、五條・吉野地誠にあっても、五條市、大淀町などを中心に南和の地域の発展を牽引する中核的な都市圏の形成を図るとともに、南部においては自然資源や歴史資源を生かした観光振興、あるいは都市との交流促進、林業振興を図ることにより、地域の発展を目指したいと考えております。

 二点目は、道路等の基盤整備についてのご質問でございます。基盤整備のあり方につきましては、本県の実情から見まして、交通基盤の整備、水資源の確保、さらには下水道の整備など、生活基盤の充実が依然として大きな課題でございますので、引き続き積極的な取り組みが必要だと考えております。こうした本県の実情を踏まえて、今後利便性と快適性のある生活舞台、こういう奈良県づくりを目指しまして、リニア中央新幹線奈良駅の早期実現を促すとともに、道路整備にありましては、「なら・半日交通圏道路網構想」の実現化を主軸といたしまして、関西圏の環状道路としての京奈和自動車道の早期完成をはじめ、第二阪奈有料道路、南阪奈道路、中和幹線、五條・新宮道路などの整備の促進、さらに東海南海連絡道の早期実現化を図ってまいりたいと考えております。また、生活を支える基盤づくりとして水資源の安定的確保を図り、地域特性を生かした事業手法により、全県域での下水処理の実現を目指すつもりでございます。また、お尋ねの情報通信網の整備やその活用につきましても、これは二十一世紀の高度情報社会にかけて大切なことでございますので、光ファイバー網の整備や、だれもが必要な情報をいつでもどこでも入手できるような情報通信システムの整備充実を促すなど、そうした基盤整備についても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 大きな三点目は、地方分権の推進でございます。

 地方分権の推進は、国と地方公共団体のあり方にかかわる基本的な問題でございまして、すべての地方公共団体がひとしくその推進を熱望してきた課題でございます。したがって、本県としては従来から、これはもうご質問でもお触れいただきましたが、全国知事会、あるいは近畿ブロックの知事会等を通じて他府県と連携を図りながら取り組みを進めてきたところであります。また、具体的には昨年九月に全国知事会で、お尋ねにございました「地方分権の推進に関する意見書」を提出して、地方分権の推進に関する法律の早期制定、あるいは地方公共団体と国の役割のあり方など、地方分権推進にかかわる基本的な事項について、地方公共団体全体としての意見具申を行ったところでございます。また、先日二月十七日には全国知事会をはじめとする地方六団体におきまして、地方分権の推進に関する緊急要望を実施いたしまして、実効ある法律の早期制定を要望したところでございます。そういうことでその活動が実りまして、ご承知のような法案が昨日提案されたわけでございます。いよいよ国会の場で論議されることになったということは、大きな一歩を踏み出したものと考えておるわけでございまして、今後とも、この地方分権推進法の早期制定、あるいはその早期具体化を目指して積極的に取り組んでまいる所存でございます。

 この法案成立後をどう考えているかということでございますが、同法案は、地方分権推進の基本理念とか、国と地方の責務など、地方分権に関する基本的な枠組みを定めるものでございまして、今後大切なことは、政府における分権推進計画を策定したり、あるいは勧告、監視の権限を持ちます分権推進委員会の設置、そういうものが実質的な役割を果たすわけでございます。当面は、法案の早期成立を働きかけると同時に、法案成立後につきましてはそうした計画の策定、あるいは具体化につきまして強く推進を図ってまいりたいと考えております。

 なお、本県の今後の取り組みということですが、これは先日の提出議案説明におきましても申し上げたとおり、来るべき地方分権を積極的に推進し、効果的かつ効率的な総合行政を展開するには、社会情勢の推移に応じた適切な行政改革や規制緩和を実施していく必要があると考えているというふうに所見を述べさせていただきました。新年度におきましては、こうした方向に従って地方分権の推進、あるいは規制緩和等につきまして積極的に取り組んでまいる所存であります。

 それから、市町村、県民のコンセンサスを得る必要があるという点でございます。おっしゃるように、国民の価値観が多様化し、我が国が成熟社会に移行する中で、改めて国と地方の役割と責任を適切に分担し合う、こういうことが大切でございます。とりわけ福祉やまちづくりなど県民生活に密接に関係する行政につきましては、できる限り、住民に身近な地方公共団体の責任においてそれを処理することができる仕組みにすることが肝要でございます。また、このような地方分権の推進は、単なる行政権限の団体間の配分にとどまる問題ではなくて、そのことが直接的に県民生活のいろんな面にかかわりを持つ課題であると考えている次第でございます。そういうことから、この推進に当たりましては、その受け皿である市町村はもちろんのこと、県民にもその意義について十分な理解を得るなど、県民意識の醸成について十分意を用いてまいりたいと考えております。

 次は、規制緩和でございますが、政府における規制緩和は、質問でお述べいただきましたように、具体的な項目が決定され、順次その実施に移すべく必要な法改正等が行われているわけでございまして、県行政として対応すべきものはこれに合わせて対処してまいりたいと考えております。その効果があらわれるということですが、これはなかなか時間を要することでございまして、いろんな、質問にも例を挙げられましたが、それは確かに行われたわけです。金利の自由化、あるいは地ビールの話とか、これは行われたわけですが、その効果を測定するには少しまだ時間を要するのではないかと思いますが、いずれにしてもそれは今後の一つの経済の、市場経済に対する大きな改革でございますので、現在政府において規制緩和推進計画を策定中であると聞いておりますので、この規制緩和が今後着実に推進されるように期待甲し上げているところでございます。

 規制緩和について、県独自の規制についてと、こういうお話でございますが、実は許認可の規制のほとんどは何らかの形で国の制度によるものが多くて、本当に県独自のものというのは数少ないようでございます。ただ、それにつきましては、やはり今後の住民の負担の軽減や行政事務の簡素化、こういう観点から必要な見直しは当然行っていきたいと考えておりまして、先ほども申し上げましたような、新年度におきましては政府の一連の規制緩和の趣旨に呼応して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、奈良の歴史を踏まえた文化振興ということでございますが、仰せのように、地域における芸術・文化に携わる人たちの人材発掘、育成につきましては、現在までも、奈良県芸術祭とか、あるいは奈良県美術展覧会の開催などによりましてそういう発表の場を提供してまいったわけでございます。また、市町村と共催によりまして、音楽の風コンサートというような事業を開催するなど、いろいろ展開してきたところでございます。活動の場についてですが、現在は県下の市町村の方で、あるいは文化センター等が相当整備されてまいっております。したがって、かなりその施設は充実してきたのではないかと思います。今後これらの施設が有効に利用されるように、とりわけ県下のどの地域においても文化に親しめる環境づくりを推進することが望まれているんじゃないかと思います。例えば今回新装いたしました文化会館の前庭である「つどいの広場」や、あるいはその他の各地の公園とか、そういう施設を利用いたしまして自由な音楽会を開いてもらうとか、そういういろんなものがあってもよいのではないかと、さように考えている次第でございます。

 七年度は、従来からの事業の充実発展とともに新たに、県内を中心に活躍するアーチスト等の公演企画書を取りまとめまして公立の文化ホール等に情報提供をする、「なら・芸術文化ネットワークづくり事業」を展開していくことにいたしております。こういう形で、県内で活動するアーチストを県内で楽しんでいただく機会を広げようと、こういうことでございます。あるいはそのほか、市町村文化ホールの担当職員を対象とした研修会を開催するなど、今後とも個性と魅力あふれる奈良の文化創造に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、奈良らしい芸術活動、文化活動の取り組みと、こういうことでございます。奈良の歴史を踏まえた文化活動の充実につきましては、これまでも定期的な能の公演、あるいは東大寺境内での音楽会、あるいは舞楽のアムステルダム公演とか、シルクロードに関するセミナー等、奈良という背景を活用した活動も行っているところでございます。また、新装オープンした文化会館の前庭でございます「つどいの広場」におきましても、先ほど申し上げましたように、自主事業として県内の民俗芸能の公演とかミニコンサートを開催するほか、先ほど申し上げました「なら・芸術文化ネットワークづくり事業」を新たな事業とするなど、そういう活動を通じまして奈良らしい文化活動の充実に努めてまいりたいと考えております。

 次は、道路、河川の維持管理についてでございます。

 県では、道路、河川等につきましてはできるだけ、「遊」のある奈良県づくりを進める一環として積極的に新規事業を創設いたしまして、良好な道路環境づくりに取り組んでいるところでございます。ご質問でもお触れいただきましたが、緑化推進事業、あるいは奈良公園や明日香村周辺地域での歩道の改修とか、あるいは電線類の地中化等に順次取り組んでまいったところでございます。さらに平成七年度からは、人にやさしい歩行空間の整備や、「道の駅」の整備、あるいは電線共同溝の整備に取り組む等、今後も潤いのある道路環境づくりに創意工夫を凝らして取り組んでまいりたいと考えております。

 河川の方でございますが、河川の維持管理について、一定割合を維持管理に回せと、こういうことでございますが、実は財政的なことを申し上げますと、維持管理経費には補助事業はございません。すべて単独事業になるわけでございまして、厳しい財政状況でありますが、ただ、漸次増額に努めているところでございます。今後も体制の強化も必要と考えておりまして、そのほか公共物の愛護意識の啓発に努めまして、地域住民の協力を得ながら適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。

 業務の委託ということでございますが、既に軽易な維持補修業務の一部は関係村に委託しているところでございまして、今後は、その委託が可能な業務について、関係市町村と協議しながら維持管理業務の充実を図ってまいりたいと考えております。

 河川環境について、市町村との連携が必要ではないかということでございます。ご指摘のとおり、河川が持つ水と緑のオープンスペースとしての機能を活用するためそういう要望がふえてきているわけでございまして、質問にございましたように、「やすらぎとロマンの水辺景観整備計画」を策定して今後の河川整備の指針を打ち出したところでございまして、そうした方向で河川の環境整備に力を入れていきたいと思います。また、市町村におきましても、水辺を生かしたまちづくりを進めるという機運が高まっております。こういう機運と呼応いたしまして、県としても来年度予算におきましては、各市町村が主体的に水辺環境の改善に取り組む場合に、その計画策定に対して補助を行う制度、これを新設したところでございます。市町村の積極的な取り組みにより、県、市町村一体となって「遊」のある県土づくりの推進に努めてまいりたい、さように考えております。

 それから、地域環境保全対策の幾つかの質問でございます。

 まず、フロンでございますが、フロンはオゾン層破壊の原因と言われ、特定フロンの生産が一九九五年末に全廃される等、世界や全国においてもその対策に動いているところでございます。県としても地域でできる具体的な行動をしたいと、こういうことで今般、家電製品に使用されているフロンを市町村において積極的に回収していただくよう、回収装置の整備に対する助成制度を創設することにいたしました。この制度を積極的に活用することによって、市町村において廃棄される家電等に含まれるフロンガスが適正に回収されることを期待するものでございます。

 次に、酸性雨でございますが、県では酸性雨につきましては昭和六十年度から調査を実施しておりまして、さらに大台ヶ原に酸性雨の調査を主目的とした測定局を設置いたしました。これは平成五年度から測定を開始しております。現在のところ、全国並みのpH四台の酸性雨が観測されているところでございます。また、森林や文化財への影響を検討するために、平成四年八月に環境会議に酸性雨問題専門部会を設置いたしまして、酸性雨の影響等の研究に努めているところでございます。

 次に、大気でございますが、大気の観測局は平野部に現在九カ所ございます。大気汚染物質の常時監視を行っておるところでございますが、昨年九月、大和平野の中西部一帯で健康被害が発生したこともございまして、平野中央部に一般環境大気測定局を増設したいと考えております。そういう形で常時監視体制の一層の充実を図り、大気汚染に伴う被害の発生防止に努めてまいりたいと考えております。

 次は、発泡スチロールトレーの回収の問題でございますが、廃棄物対策の基本は減量化、資源化であるというお考え、ご指摘のとおりでございまして、昨年一月に奈良県ごみ減量・資源化基本構想をそういうことで策定して発表したところでございます。この構想の具体的施策の一つとして、平成六、七年度にかけまして六市町村−−大和郡山市、天理市、斑鳩町、平群町でございますが−−の協力を得て、発泡スチロールトレーの回収システムづくりをモデル事業として実施しております。また、市町村における一般廃棄物の処理の過程でも減量・資源化等の努力が既になされているところでございますが、平成七年度には、その減量・資源化の溢路となっております包装廃棄物について、国において新しい処理制度の検討をなされております。これとあわせて、ごみの分別収集処理の各家庭の標準化を市町村とともに研究することにいたしております。こうした事業を通じてごみの減量化、資源化を推進してまいりたいと考えております。

 それから、河川汚濁についての質問で、合併浄化槽の質問でございますが、合併浄化槽の普及反状況につきましては、昭和六十三年度より県費助成を開始し、平成六年度までに都祁村をはじめ十三市町村に助成し、千百九十五基が整備されております。平成七年度におきましても当初予算として二百九十七基を計上しているところでありまして、今後こういう形で合併処理浄化槽の一層の整備促進を図ってまいりたいと考えております。

 次は、農業問題でございます。

 耕作放棄地の現状等についてのご質問でございますが、ご指摘のとおり、いわゆる耕作放棄地は本県でも増加傾向にございます。一九九〇年−−平成二年の農林業センサスによれば、約千四百五十ヘクタールが耕作放棄地となっております。その発生要因も一様でないところから、総合的な対策を講じる必要があると考えている次第でございます。こうしたことから県では計画的な土地基盤整備を鋭意実施するとともに、農地の流動化、農作業の受委託を推進するために、農業経営基盤強化促進対策事業や県単独による中核農家の支援対策を講じるなど、経営基盤の強化を進めているところでございます。さらに、農地の高度利用によりまして、野菜とか花の集約栽培など収益性の高い農業経営の確立を推進しているところでございます。今後とも国、市町村、関係団体等と緊密な連携により、耕作放棄地につきましては多様な活用を促進してまいりたいと、かように考えている次第でございます。

 次に、ため池のご質問でございます。現在居住地域に近い農業用として利用されているため池については、ご質問の趣旨にもございましたように、周辺の環境を配慮したいわゆる親水施設を持ったため池として市町村において改修整備をされる場合には、水環境整備事業により助成しているところでございます。また県におきましても、平成五年度から県単事業として「水辺のふれあい創造事業」を創設して、現在二カ所においてモデル的な施設整備に取り組んでいるところでございます。今後ため池の実態調査を、平成七年度に予算化しておりますので、これの結果も踏まえまして、その活用方法について関係市町村等と協議してまいりたいと考えております。

 それから、足腰の強い都市型農業の振興ということでございますが、本県農業は京阪神の大消費地を控え、新鮮な農産物の供給基地として発展してきたわけでございます。そこで、その地域特性を生かした農地の高度利用、先進的な技術、設備を導入した収益性の高いイチゴ、あるいはホウレンソウ等の軟弱野菜、花壇苗、バラなどの施設栽培を推進するとともに、作物の生産形態に合わせた用排水路等の生産基盤を整備し、また、経営能力にすぐれた中核農家や意欲ある後継者の育成を図ってまいりたいと考えております。一方、優良品種の育成、省力・軽作業化等、現場に即応した技術開発に努めまして、その成果については速やかに農家へ普及してまいりたいと考えております。また、消費者に対する多様な流通の促進と消費拡大のために、産地直売、各種イベント等を推進いたしまして、今後とも都市化の進展と調和のとれた特色のある産地の振興に努めてまいりたいと考えております。

 次は、花きの関係でございますが、お説のとおり、本県におきましては「国際花と緑の博覧会」の花き類供給基地として大変な役割を果たしたわけでございます。そういうことから生産意欲も一層高まっております。平成五年度における花き類の生産額は平成二年度に比べまして一・二倍、また園芸への関心が高まったことから、花壇苗生産では一・四二倍という伸び方をしている次第でございます。県としては、花き生産、流通の拠点の機能拡大を図るために、花き植木広域流通センターの経営基盤の強化への支援をはじめ、すぐれた種苗を安定的に供給するための組織培養施設、プラグ苗生産施設の整備への支援、さらには、大阪府の花き市場大型化に対応した花き集出荷施設の整備支援等を行っているところでございます。また、西和広域営農団地の開発により、現地試験ほ場の設置など、花きの振興にも努めている次第でございます。さらに、花と緑の県民フェアの開催とかフラワーアドバイザーの養成講座も実施しておりまして、花と緑の豊かな環境づくりの啓発に努めている次第でございます。今後とも、本県の立地条件を生かした特色のある産地の振興に努めてまいりたいと考えております。

 その次は、宅地化農地についてのご質問でございます。平成四年十二月二十五日の生産緑地地区の指定により、県下の十特定市の市街化区域農地のうち約七割が宅地化する農地に区分されたところでございます。ご指摘のように、この宅地化する農地については、計画的な市街化を推進することによって良質な住宅宅地の供給促進を図る必要があると認識している次第でございます。このため、従来より取り組んでおります上地区画整理事業を一層推進するとともに、平成六年度から、国の新規施策である比較的小規模な宅地化農地を対象とする緑住ミニ区画整理事業の活用に努める市に対して指導、助言しているところでございます。また、ファミリー世帯向けの良質な賃貸住宅の供給を促進する事業である特定優良賃貸住宅事業は、市街化区域農地を活用した住宅供給を促進する上で有効な事業でありますので、県はもとより市においても、市と農協との連携も含めて事業実施に積極的に取り組んでいるところでございます。

 次は、林業の振興でございます。林業は担い手の減少と構造的な課題を抱えておりまして、ご説のとおり、流域を単位とした広域的な取り組み、森林の流域管理システム、これが必要になっていることはご指摘のとおりでございます。このため本県におきましても、流域を単位とした広い範囲での森林整備と木材安定供給体制の整備を推進することとし、平成三年度から吉野流域、北山十津川流域、大和木津川流域の三流域でそれぞれ、市町村、森林組合、本材協同組合等が一体となった流域林業活性化センターを設立いたしまして、流域林業活性化基本方針の策定を進めてきたところでございます。今後はその具現化を図っていくことが肝要でありますから、県としても、森林組合の合併、協業化等を推進して広域的な取り組み体制を進めるとともに、新たに平成七年度から全国五流域で実施される流域林業推進モデル事業をいち早く導入いたしまして、生産性の高い森林の育成、林道等の基盤整備及び林業機械化推進センターの建設等を総合的に推進して、林業の活性化に努めているところでございます。

 最後は、水源涵養機能のご質問でございます。林業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあるため、放置森林や手入れのおくれている森林も増加するなど、憂慮すべき状況になっております。これらの森林整備は、森林の恩恵にあずかっている人々が広く支えていくということは確かに必要でございます。本県においても、森林整備の経費の負担のあり方も検討事項の一つと考えているところでございます。また、当面の対策といたしまして、平成七年度から室生ダム上流で新たに分収育林制度を創設して「水源百年の森」づくりを推進することとし、放置森林等、管理が困難になっている森林を県が森林所有者にかわって管理することとしたところでございます。さらに、林齢の高い天然林の活用等、維持保全策を検討するため、森林の機能に関する基礎調査を実施することといたしております。

 以上でございます。



○議長(出口武男君) 中村昭君。



◆八番(中村昭君) 今後、各委員会におきましてまた知事と部長のご意見を伺いたいと思いますので、これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(出口武男君) これをもって当局に対する代表質問を終わります。

 しばらく休憩いたします。



△午後二時十八分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時四十分再開



○副議長(大東正明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、十二番今中せつ子君に発言を許します。−−十二番今中せつ子君。(拍手)



◆十二番(今中せつ子君) (登壇) 私は、通告をいたしました諸点で質問をさせていただきたいと思いますので、明確な答弁をお願いいたします。

 まず、阪神・淡路大震災で亡くなられた五千四百人を超える方々のみたまに心から哀悼の気持ちとともに、苦しみに耐えて頑張っておられる多くの被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 阪神・淡路大震災が発生してから四十日が過ぎ、私も二度にわたり被災地にお伺いいたしましたが、いまだに二十万人を超える被災者が、寒風の中、住む家を奪われて避難生活を余儀なくされています。少しは改善されたとはいえ、被災者は依然として満足な食事がとれず、暖房もなく、最小限のプライバシーもなく、その忍耐も極限に達していると思われます。私たち日本共産党も翌日から、県下の主要駅延べ百三十カ所で約六百万円の募金を集め、十一便の日用生活物資を届け、うどんやおでん、粕汁、豚汁の温かい食べ物を現地でつくって食べていただいてきました。

 まず、何よりも政府として援助と復興を優先し万全を尽くすべきことは言うまでもありませんが、全国各地の人々が、自分のまちでこんな地震が起きたらと恐怖を覚えたのではないかと思います。政府は、予想を超えた地震だからと言ってきましたが、我が党の志位和夫書記局長の質問で、関東大震災の二倍を超す揺れではなく、同規模のものであったことが、当時の記録などから理論的に解明されました。また、大いに学ぶべき同種の地震がアメリカのロサンゼルスやサンフランシスコで起きていることもわかってきました。地震は食いとめることはできませんが、震災はこれに社会的条件が加わって拡大されるものですから、最小限に食いとめることができます。奈良県でも多くの活断層が走っていることがわかっており、決して安心できないことからも、消防、防災、まちづくり、観測体制などあらゆる面で徹底した再点検が必要です。

 過去の記録によれば、奈良県内に被害をもたらしたマグニチュード六以上の地震は、四一六年から一九五二年の吉野地震まで三十六回見られます。比較的大きな被害をもらたしたのは、一八五四年の伊賀上野地震、安政南海地震、一九四六年南海道地震などがあります。一八五四年七月九日の伊賀上野の地震はマグニチュード六・九の直下型大地震で、伊賀、伊勢、大和など大きな被害を受け、全体の死者千数百人、倒れた家屋が五千戸に上り、奈良では死者三百人、倒れた家四百から五百戸の被害が出たと伝えられています。過去の記録からも、プレート境界型の巨大地震である南海道地震が二十一世紀半ばごろから二十一世紀末に起こる可能性があると指摘されています。また、県内には内陸型直下地震と密接な関係のある活断層が数十本も見られ、中でも四国を縦断し紀の川沿いに走る中央構造線は、歴史時代に大地震の記録が少なく、一千年以上活動していないため、かえって要注意と言われています。プレート境界型の南海道地震だけでなく内陸直下型地震にも備えて、今から対策を強めることは、国のみならず地方行政の重要な課題でもあり、後世に至る私たちの責任でもあります。私たちは日本共産党奈良県委員会として、早速各方面の専門家のご協力を得て、奈良県における震災対策強化のための当面の提言を柿本知事に提出したところです。

 そこで、まず地震対策について柿本知事のお考えをお聞きしたいのですが、第一に、今回の地震を教訓として防災計画を見直す際に、どういう点を補充し強化しなければならないとお考えでしょうか。

 また第二に、今回策定された新総合計画でも、第二国土軸は中央構造線に沿ったルートと言われていますが、震災予防の観点を貫いて、二十一世紀初頭を県民の命と財産が守られる安心できる奈良県づくりに位置づけるべきと考えますが、どうでしょうか。

 第三に、奈良県地域防災計画震災対策計画編は、震災対策の前提となる被害の想定が、学問的に未解明な部分が多く困難であり、被害を想定する基礎調査も不十分として、防災計画が災害発生時の応急対策と復旧対策を基本にしています。見直しに当たり、住民や専門家の協力を得て、震度七の直下型地震にも対応できるものに改めるべきではないかと考えますが、どうでしょうか。

 第四は、市町村の消防体制に依拠している本県の消防力は、国の基準に照らして消防ポンプ車で七九・三%、救助工作車で六一・九%、消防職員は六〇・五%というあまりにも低い実情を直視し、国や県の財政的援助により整備を急がなければなりません。この状況をどう整備していこうとされるのか、お聞きしたいと思います。また、今回の災害で一番深刻であった消火用水と飲料水の確保、食料の備蓄問題は緊急を要する課題でしたが、県都の奈良市でも耐震性防火水槽は六基しかなく、飲料水の備蓄は全くありません。計画を急ぐべきです。この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。

 第五に、本県の地震観測と予知は不十分ですから、奈良気象台と平群町内に設置されている計測震度計を庁内に設置することも含めて、増設と体制強化を図るべきではないかと思いますが、どうでしょうか。

 次に、財政問題について知事にお伺いしたいと思います。

 新年度一般会計予算総額約五千四百七十億円のうち土木費が二六%、福祉費が六・四%と大きな格差があり、これは昨年十月閣議決定した十カ年に六百三十兆円の公共投資計画を反映したものと言えます。この公共投資計画の背景には、対米公約を最優先して、生活重視の社会資本整備といいながら、日本の黒字削減を切り札としたものと日本の大企業の露骨な公共事業拡大要望があると言えます。奈良県も前年二カ年で約一千億円を超える公共投資の補正を組みましたが、引き続く新年度も大型開発、土木公共事業型になり、関連した県債が膨れ上がり、五千四百億円を超える起債残高になっており、県民一人当たり約三十六万円の借金を負うことになります。今大切なことは、公共投資の流れを住宅や福祉や医療など国民生活優先に密着したものにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 また、県税収入の見通しについてお尋ねしますが、構造的不況、異常円高の中で、大企業だけでなく中小企業が海外へ生産拠点を移したり、中国や東南アジアなどから格安な製品の逆輸入により経済危機、またWTO協定による革製品の関税引下げなどの影響に加えて、阪神大震災によるマイナス影響も心配されるのですが、見通しはどうでしょうか。

 次に、地方分権について知事のお考えをお聞きしたいと思います。

 村山内閣は昨年十二月二十五日、地方分権の推進に関する大綱方針を閣議決定しました。地方分権問題がこんなに日本の政治の焦点になる背景は、日本の地方自治の現実があまりにも住民からかけ離れている上、国によるさまざまな時代おくれの規制や締めつけの網の目によって自治権を大きく奪われ、自治体が国の下請け機関化している実態があります。憲法で定める地方自治は、形骸化と空洞化が進みました。その根底には、国が決定して地方は実行するということに象徴されるように、自治体を国の下請け機関化する一貫した政策を進めてきたことであり、さらに日米安保優先、大企業優先の政治を実行してきたところに基本的問題があります。村山内閣の地方分権大綱は、国の果たす役割を外交、防衛に機能を単純化し、地方には地域に関する行政をゆだねるとしています。しかし、自治体が仕事をするための財源保障については、消費税増税以外にはどれも抽象的なことで、補助金制度についても大規模事業以外は一般財源化を進めようとしており、自治体負担の強化がありありと見えています。同時に、大企業のための規制緩和と自治体リストラ、市町村合併など行政の合理化を求めています。村山内閣が進めようとしている地方分権は、財界利益を露骨に擁護し、社会保障や教育への国の責任放棄と、自治体と住民への犠牲と負担の押しつけ以外の何物でもないと言わざるを得ません。本当の地方分権を推進する立場から、この大綱をどのように考えておられるでしょうか、知事の所見をお伺いしたいと思います。

 次に、政府が示した、高齢者の保健福祉を進める新ゴールドプランと、子どもの子育ての支援を進めるためのエンゼルプランについて、民生部長にお尋ねしたいと思います。

 まず、政府の新年度予算案編成に当たって決定された新ゴールドプランは、各自治体が老人保健福祉計画の積み上げた数字をもとにした厚生省案を大幅に下回るものですが、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスと特別養護老人ホームの目標値はややふやしました。このプラン実施には、施設運営費や建設費に本来二分の一の補助がされることになっていても、実際は超過負担が生じたり、職員の配置基準も八年前と同様という問題があります。また、最も高齢者が被害を受ける消費税を財源としていますが、積極的評価と問題点をどのようにとらえられ、県の決めました保健福祉計画との関係でどう進めていかれるのでしょうか。

 また、エンゼルプランについても、子育ての必要とするサービスをいつでも利用できる、つまり子育て支援のための総合計画としていますが、保育の措置制度見直しのためのお色直し的側面があると思うのですが、このプランについても、評価できることと問題点はどのようにとらえておられ、どのようにこれを具体化するのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 さらに、両プランの積極的精神からすれば、今国の過半数の都府県が実施を決定しています入院給食費への公費助成を行うべきではないかと思うのですが、この点については知事の見解をお聞きしたいと思います。

 次に、ゴルフ場開発規制要綱にかかわる問題で知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 バブル経済の時期に土地投機を目的にゴルフ場開発ラッシュとなりましたが、バブルがはじけた今、全国各地の開発計画も破綻したり、汚職事件として問題になっていますが、奈良県でも例外でなく、平群町での開発業者の撤退宣言がありました。昨年からは村本建設の倒産にかかわるゴルフ場問題が起きています。また、奈良市では一挙に七つのゴルフ場開発計画が名のりを上げており、水源地周辺の汚染が大変心配されているところです。阪神大震災の教訓を生かす立場から、この際開発を凍結すべきではないかと考えますが、どうでしょうか。

 また、新総合計画案によると、奈良市東部地域はあくまでも大和平野地域の東部山間と位置づけられており、大和高原地域と隣接しているとはいえ、奈良市域としての歴史、経済、生活習慣などの関連を重視すべきであり、ゴルフ場開発のために大和高原地域に属するという拡大解釈をしてはならないと思いますが、どうでしょうか。

 次に、生駒郡安堵町の牧場からのふん尿垂れ流しの問題について、これまでに何度も委員会で対応を求めてまいりましたが、縦割り行政の弊害か、業者に誠意がないのか、一向に解決しないので、最高責任者である知事の見解をきょうはお聞かせいただきたいと思います。

 この問題は、私が昨年六月、安堵町の住民の訴えで現地調査をいたしまして以来、毎委員会のたびに対応状況を質問してきました。住民にとっては二十年来の悪臭と河川の汚水により田んぼの汚染が続き、大変苦しんでいるところです。ところが、二月六日と七日の両日、あまりのひどさに町の職員と県及び業者が二日間で延べ約八十人を動員して、うずたかく堆積した牛ふんをさらい上げましたが、また翌日から大変な量のふん尿が流されています。この状態になると、放流というよりも完全な固形物の不法投棄であり、町当局も単なる行政指導では限界だとして、県の毅然たる対応を求めているところです。保健環境部として、県警にも相談しているところと聞いておりますが、今後住民の苦しみを解決するためにどのように対応されるのか、対策をお聞かせいただきたいと思います。

 最後に、広陵町の公金不正支出問題について知事の見解をお聞きしたいと思います。

 ご承知のとおり、奈良県から支出した第二浄化センター環境施設整備対策費などの残金二百三十四万円を個人名義−−元収入役ですが、個人名義の口座に入金していたこと、その中から住都公団の職員のせんべつ金に三十万円や自民党の党費に六十五万円が支払われ、さらにまだ使途不明金があるなどということが、広陵町議会の百条委員会で明確になりました。本来補助金というのは、その目的に沿って有効に使用されるべきものです。このような補助金の不正な使われ方に対してどのようにお考えでしょうか。また、不当に紛失した補助金は返還させるべきものではないかと思いますが、どのように処理されるのでしょうか、お聞きをしたいと思います。

 以上で私の第一問を終わります。答弁次第によっては自席から第二問の質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



○副議長(大東正明君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 十二番今中議員のご質問にお答えいたします。

 第一点は、地震対策についてでございます。

 見直しに際しどういう点を考えているかということでございますが、やはり今回の地震を経験して大きいことは、本県の震災計画編で震度五、六を想定した対策は立てておりましたが、今回のような直下型大規模地震を想定したもの、あるいはそれを想定することが実際上難しかった、こういう状況がございます。今回はいろんな調査が行われると思いますので、そういうような調査結果をもとにして見直しを行う、これが一番大きな点であろうかと思います。それから、このためには、既にお答えしておりますように、七年から被害想定調査に着手いたしまして、二、三年かけて総合的な見直しを行いたい、こう考えております。同時に、やはり七年度中に現行の防災計画の問題点を抽出いたしまして、初動体制等が円滑に行えるような手引書的なものを作成する、こういう対応もしていきたいと、かように考えている次第でございます。

 第二点目は、新総合計画とのかかわりでございますが、昨日秋本議員からの質問にお答えいたしましたとおり、新総合計画案におきましては、本県の将来像で、安全で安心した県民生活の実現や災害に強い県土の形成を目指すとしておりますし、また分野別計画では、災害の未然防止をはじめ災害時の情報通信、交通手段、ライフラインの確保など、地震などの災害から県民を守るための体制づくりを推進すること、こういうふうに定めているわけでございます。今後、お述べの地震対策につきましては震災の教訓を生かし、各行政分野における個別具体の施策の展開を図ってまいりたいと考えております。

 次に、防災計画の見直しで特に予防に重点を置くべきではないか、こういうご質問でございます。ご指摘のように、防災計画は災害予防と応急対策と、そして災害復旧と、三つに分かれて規定されております。それで、それに対して関係機関が対処すべき事務とか業務の大綱を定めるものでございます。災害予防対策の充実、確かに震度七という想定がなかったものですから、それは一つのポイントかと思いますが、ただ、ご質問にもございましたように、これも限度がある話でございます。やはり被害想定調査の結果を踏まえて、予防も、応急対策も、そして復旧全体にわたって見直しを行っていくという総合的な防災対策を講じてまいりたいと、かように考えている次第でございます。

 それから、消防の充足率の話でございます。本県における消防力の現況につきましては、平成六年四月一日現在で救急自動車は国の基準を超えております。それから小型動力ポンプ、はしご自動車、化学消防ポンプ自動車、救助工作車、消防水準についてはいずれも全国平均は上回っておりますが、国の基準には至っていない、こういう現状でございます。したがいまして、消防ポンプ等につきまして全国平均を下回っておるもので、今後積極的に国庫補助金の確保等に努めまして、消防力の充実に努めてまいりたいと考えております。

 それから、地震対策の四点目でございますが、いろんな水利とか飲料水の確保を図るべきではないかという点でございます。消防水利は、平成六年四月一日現在で国の基準が二万九千基ということになっています。現有数は一万五千八百基で、確かに七九%でございます。ただ、これも全国平均七六・七%より上回っているわけでございまして、今後とも積極的に国庫補助の確保に努めまして、できる限り市町村、組合を支援しながら消防力の充実に努めてまいりたいと考えております。それから、飲料水の確保でございますが、給水車の量的確保とその応急給水体制づくりがまず課題でございます。また食料等につきましては、国や市町村で一定の備蓄をしているものの、備蓄量とか備蓄場所について、広域的な観点を含めて検討する必要があると考えております。備蓄物資の整備につきましては、災害の規模とか被害想定をよく検討し直す必要があると、こう考えている次第でありますが、今回の大震災の教訓も十分生かし、早急に検討し、備蓄体制の検討もしてまいりたいと存じます。

 次に、地震の予防というか観測体制、こういうことでございます。地震の観測装置にはいろんな計器がございますが、やはり地震の予知そのものについては学問的に未解明の部分が多いようでございます。したがって、県として地震予知のための観測装置を置くということは難しいと考えております。ただ、今回の震災により多くの人々が不安を強くしていることも事実でございますので、先ほど来お答えしておりますように、近畿ブロック知事会議におきまして、国に対して地震観測体制の拡充強化を要望することとした次第でございます。

 大きな第二点目は、財政問題でございます。

 福祉予算と公共事業関係の予算との比較をされたわけでございます。数字で申し上げますと、過去三年間の都道府県決算における民生費の支出を他県と比較しますと、全国平均が六・一%でございます。本県は七・三%でございます。一・二ポイント高いわけでございまして、全国に比較した点では決して比率は小さくないと判断しておる次第でございます。平成七年度におきましては、今後の施策体系、施策の展開のために福祉部を設置することとしたところでございますし、また、「住みよい福祉のまちづくり条例」や「障害者福祉に関する新長期計画」の策定など、地域福祉、老人保健福祉、児童・少子化対策、障害者対策にわたる各般の施策を一層充実することとしており、内容的に申し上げますとむしろ福祉に重点を置いた予算になっていると、かように考えている次第でございます。なお、民生費じゃなくて土木費の中にも、県営福祉パークの建設予算とか、福祉にやさしいまちづくり関係のハードの面の整備予算が含まれているわけでございます。予算の編成に係る重点施策の柱にお示ししたように、積極的な公共投資による基盤整備はもちろん重点課題でありますが、そういう形で福祉の充実も同様に重点課題として位置づけて努力を重ねているところとご理解いただきたいと思います。

 次に、税収の話でございますが、震災等の影響についてのご質問でございます。税収の積算に当たりましては、昨日もお答えいたしましたように、六年度の決算見込み、あるいは経済見通し、地方財政計画、その他いろんな動向を勘案して定めたことでありまして、中小企業の海外移転による逆輸入、あるいは皮革製品の関税引下げ等の影響については、過去の税収の動向に反映されているものと、こういうふうに考えている次第でございます。また、阪神・淡路大震災の影響につきましては、全体の把握は難しゅうございますが、法人二税につきましてある程度の減収を見込むことにより、その影響を反映させることとした次第でございます。

 三点目は、地方分権についてのご質問でございます。

お述べのように昨年の十二月二十五日、地方分権推進に関する大綱方針を政府は決定して、今後その地方分権の計画的な推進を図ることとされたわけでございまして、この大綱の特記すべき点は、地方分権推進の基本理念や手法を明記し、さらには、分権の担い手である地方公共団体の財政基盤の充実等を政府として示したことがございます。さらに、地方分権の推進に関する委員会の設置とか、地方分権推進法案を通常国会に提出することを明記してございます。そういうことからいたしまして、この大綱に対しましては、現状及び過去の推移から見ますと私としては一定の評価をするとともに、あわせて、提出されております地方分権推進法案が審議されて早期に成立することを期待しているものでございます。

 次は、新ゴールドプランとエンゼルプランについてのご質問でございます。

 入院給食費公費助成の点でございますが、この点は一連の医療保険関係の改正が行われまして、今日重要な課題となっております付添い看護あるいは介護の解消、あるいは在宅医療の推進、入院時の食事に係る給付の見直し等を一体的に実施して、保健・医療・福祉の総合的な推進を図っていくために実施されたものでございます。入院時の食事に係る患者負担につきましては、入院して療養する患者と在宅で療養する患者の負担の公平を図る、付添い看護・介護の解消、在宅医療の推進を図るための財源の確保等の理由で導入されたものであり、負担額は低所得者にも配意しつつ、平均的な家計における食費を勘案した相応の費用という考え方で決められたものでございまして、負担の公平を図るという改正の趣旨からいたしますと、入院給食費の公費助成に対して県として特に行う必要はないと考えている次第でございます。

 その次は、ゴルフ場の開発規制についてでございますが、従来からもお答えいたしておりますように、ゴルフ場の開発については従来からも基本的には抑制の方針で臨んでおりまして、今後ともこの方針を継続してまいりたいと考えております。ただ、後でも出てまいりますが、大和高原、五條・吉野地域におきましては、市町村長の誘致姿勢が強く、かつ地域振興上真にやむを得ないと認められる件に限りましては、必要最小限の協議に応ずる必要があると考えている次第でございます。

 それから、それに関連して奈良市東部地域ということでございますが、奈良市東部山間地域の取扱いにつきましても、これは今までお答えしてきたとおりでございまして、地域的、社会的、経済的等の諸条件を勘案した場合、いわゆる行政区域ではなくて、奈良市の平たん部とは事情を異にしております。大和高原地域に類似しているということから、引き続き当該地域は大和高原に準じた取扱いをするのが妥当である、こういうふうに考えている次第でございます。

 六点目は、安堵町の牧場のふん尿垂れ流しについてでございます。

 畜産における家畜ふん尿は産業廃棄物でございます。したがって、一義的には畜産農家の責任において処理すべきものであり、従来から既存の処理施設の有効利用及びふん尿の適正処理を前提とした経営改善等の指導を再三にわたって行ってきたところでございます。しかしながら、現状では両農家とも公共水路へのふん尿の放流については、まあ悪いこととは認識しているものの、みずから積極的に処理しようとする姿勢が見られないところでございます。県といたしましては、抜本的には両農家の自主的改善が望ましいことではございますが、今後とも引き続き行政指導を行っていくとともに、現状を見据えながら警察当局とも十分協議を重ね、厳しい対応をしていく考えでおります。

 最後は、広陵町の公金不正使用の問題でございます。

 県から支出された浄化センター周辺対策費の一部が、平成三年三月、当時の収入役個人名義の銀行口座に入金されていたということが、平成六年五月の広陵町議会調査特別委員会で報告されております。また、同委員会におきまして一連の調査がなされた結果、さきに述べた元収入役個人名義の銀行口座に入金された金額が、環境整備事業等周辺対策費として支出されず、趣旨に合わない使途に支出されていた事実が判明したと、これも広陵町から報告を受けているところでございます。現在、同町が業務上横領容疑で元収入役を告発しているところでございますので、その結果を待って、町を指導してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 若竹民生部長。



◎民生部長(若竹清君) (登壇) 十二番今中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、新ゴールドプランとエンゼルプランにつきましてのお尋ねでございます。

 新ゴールドプランにつきましては、昨年度、地域のニーズを踏まえまして策定されました全国の老人保健福祉計画を集計した結果、現行のゴールドプランを大幅に上回る高齢者の保健福祉サービスの整備の必要性が明らかになったわけでございまして、このたび現行のゴールドプランを全面的に見直しまして高齢者の介護対策をさらに充実を図るということで、されたわけでございます。新ゴールドプランの策定に当たりましては、財源の確保等について議論がございまして、今般地域における介護ニーズを踏まえた整備目標の引上げが行われたことによりまして、各自治体の老人保健福祉計画の着実な推進が図られることとなったと認識しておるところでございます。しかし、二十一世紀に向けましてさらに増大する介護ニーズに対応するためには、その財源確保なり、あるいはマンパワーの確保に課題がございまして、現在国において、公的介護保険の導入など社会保障全体の問題として検討されておるところでございます。なお、県の計画との関連でございますが、新ゴールドプランの目標数字が各都道府県の集計値に基づいてされたということで、直ちに県の計画を見直すことではないと思っておりますが、平成七年度におきまして老人保健福祉計画の総合分析評価事業を行うこととしております。各サービスの現状分析を総合的に検討することによりまして、今後また国の方でも通知されてきます予定の計画の見直しに関する考え方等を踏まえまして、県の計画につきましても具体的な検討をしてまいりたいと思っておるわけでございます。

 次に、エンゼルプランについてでございますが、エンゼルプランにつきましては、子育ての支援を国、地方公共団体はじめ地域社会全体で、今後おおむね十年間をめどに総合的に推進しようとする計画でございます。さらにその具体的な施策といたしまして、緊急保育対策五カ年事業が策定されたところでございまして、この事業は女性の社会進出の増加等に伴います保育需要の多様化に対応するために、低年齢児の入所枠や延長保育所の箇所をふやすということ、また保母の加配を認めたことについて、仕事と子育ての両立支援のためには大変効果的であると思うわけでございます。しかし、エンゼルプランの推進に当たりましては、子育て支援に係ります費用の負担をどういう形でだれが負担するかというような問題を抜きにして考えられないと思っております。今後県におきましても、国の動向や市町村の意見を聞きながら、エンゼルプランに対応しました施策の実施に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

 以上、お答えといたします。



○副議長(大東正明君) 十二番今中せつ子君。



◆十二番(今中せつ子君) 今お答えをいただきましたが、少し自席から再質問をさせていただきます。

 知事はお風邪を引いていらっしゃるということですが、いつもに似合わず大変早口で、よく回答が聞きにくいという状態でしたが、私が聞き取れた理解で少しお聞きをしておきたいというふうに思います。

 まず、地震の防災対策の問題につきまして、これは既に代表質問でもいろいろと質問がありましたので、重複する部分は避けたいと思いますけれども、いわゆる市町村の消防体制、職員の問題では、私は、いろいろと見直しをして時間をかけて何が必要なのかという点では、調査もし、いろいろしなきゃいけないので二年三年かかる部分もあるだろうというふうに思いますが、しかし、やっぱり今この事態の経験をした人たち、県民にとっては、非常に不安な状態を、早く安心できる体制にしてほしいという思いは共通だというふうに思うんです。殊に、神戸の長田区のあの火災の状況を見たときに、幾ら消防車があっても、そばにたどり着いても燃えるに任せるしかなかった、しかも奈良は海もないところだ、こういうふうなときに水をどうするのかという問題は、一番よく皆さんの意見として出る中身なんですね。そういうことを考えますと、奈良県内に生駒市と奈良市の十一基だけ地下に耐震性の防火水槽が設置されているだけだ、しかもこれは義務条項がない、義務的に設置しなきゃいけないという条件がないものだから、大体一基千二百万円程度で今奈良市は購入しているようですけれども、やっぱり安全、安心というふうな立場からもっと速度を上げてこの設置をしていく、そういう国への申入れも含めて、県としても努力をしていただきたいというふうに思うんです。しかも、飲料水も兼ねてできるような内容にしないと、ポリ容器が一挙に店頭からなくなるほど、幾ら水を背負って、あるいはトラックに積んでお届けしても、飲料水というのは大変足りなかったということですから、そういう問題も含めて、少なくともすべての小学校のグラウンドの地下にはこういうものが設置されるというようなぐらいに整備を急がなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。その点について再度お尋ねをしておきたいと思うんです。

 それから、地震の予知の問題、これは確かに大変難しいことだと。深井戸を掘ってしなきゃいけなかったり、専門的な知識が要りますから……。ですが、私はあの直後、気象台へいろいろと教えていただきに行きました。今、三月一日から平群町の嗚川というところに、先ほど言いました計測震度計、揺れの状況を測定をするという器械だそうですが、これが気象台とこの平群町、二つしかない、奈良県はね。やっぱり事故、災害に直面したときに指示を出される県知事の足元に、どういう状況か即刻やっぱり伝わっていく、その状況をすぐにつかめるという体制から考えたら、例えばこの県庁の地下にもそういうものを設置してもむだではないだろう、よりいいだろうというような意見も出されています。これは一つの測定器で約二百五十万円程度で購入できる。まあその他いろいろな附帯の経費も要るかもしれませんが、そういう性格のものだというふうに言われておりますので、即応体制の一つのものとしても検討していただいたらどうかというふうに思っていますが、この点について私の言いたかったことはそういうことなんですので、それについてお聞きをしたいというふうに思います。

 次に、税収問題で、先ほどちょっと知事の答弁では、逆輸入の問題だとか、あるいは革製品などの関税引下げの問題などは、もう既に過去の実績から考えてあるんだというような答弁だったと思うんですが、WTOのいわゆる協定ですね、ウルグアイ・ラウンドにかかわってことしの一月にこの機構が設置されたというふうなことから、ますますいわゆる関税が引き下げられていく。特に奈良県の地場産業の革製品、あるいは履物、スポーツ製品、こういうところに大きく打撃を与えるのではないかというふうな、経済担当の立場からはそういうことをよく言われているわけですから、「もう既に勘案してあります」ではなくて、これからもどんどんとそういう心配のあるという問題について十分注意をしていただきたいというふうに思って、私はそういうことを言ったんですが、知事は、もう既にそれは考えてありますということですが、これからの問題について十分検討していただきたい、注意を払っていただきたいというふうに思っています。

 それから次に、入院給食問題についてです。知事の答弁は、国の言われるそのとおりですね。一連の改正を行った付添い看護の料金の問題、あるいは給食の改善の内容の問題というふうなことなどで、そちらに金が要っているからというふうなことなんですが、やっぱり入院と在宅の公平などと言われますけれども、入院というのは、いつでも言いますけれども、勝手に入院できるものではないわけです。治療が必要だからこそ入院になるわけですから、そういうことから考えて、決してそれが公平−−通院の方と入院の方とに不公平が生じるなどというものではない、そういう性格ではないということを知事は十分おわかりだと思うんですが、ところが、国の言われるとおりの答弁だった。大変、この奈良県民の知事として残念です。全体に二十八の都府県−−全体二十八ですから過半数ですね、ここが決めているわけですから、奈良県がなぜそれが決められないのか。それから同時に、今現在、私はすべての県民に望んでいますが、すぐそれをやってほしいとは言っていません。当面福祉医療の対象者、こういうふうに言っているわけですが、その当面福祉医療の対象者といえば、ちょうど高齢者の問題でも所得制限が強化されたり、あるいは赤ちゃん、三歳までという要望があっても、赤ちゃんだけしかまだやっていません。母子家庭と重度の障害者、こういう人たちに、本当にそれこそすべての県民が安心して公平に医療を受けられるというのは、そこをきちっと助成してこそ公平ではないかと私は思っているんですね。その点について再度、知事の答弁をお聞きしたいと思います。

 最後に、時間がありませんので、ゴルフ場にかかわって、先ほど東部山間の問題の考え方、これは奈良市の東部山間地域を大和高原に考えるのが妥当だと言われましたが、私は、妥当だというのではなくて、そういうこともあり得るだろう、隣接しているので、あり得るだろうという考え方でなければ、せっかく総合計画できちっと位置づけたものがどんどんとなし崩しに崩れていくだろうというふうに思っています。せっかく決めたエリアですから、そういう観点で見ていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。

 もう一つあります。先ほどの安堵町の問題でも、県が再々言ったんだけれども、こういう状況で、まだ指導に従ってくれてないということですので、これは知事の答弁にありましたように、引き続き指導して厳しい対応と言っておられますので、これはもうぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 そして、広陵町の補助金問題については、これは告発の結果を待つということですけれども、補助金というのはこの整備の助成金ですが、どう使われようとその地域で有効に使われなきゃいけない。ところが、それが有効に使われない、生かされないというふうな問題については、やはりその告発の結果を待つというようなものではなくて、補助を出された立場から、もっと補助金の使われ方に厳しく対応しなきゃいけないんじゃないかと思いますので、この点についてお尋ねをして、終わります。



○副議長(大東正明君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) 再質問にお答えいたします。

 まず、防災対策で水をどうするかと、こういう話でございます。おっしゃるように、やっぱりこういう震災が大きなのが起こりましたので、その経験を生かして貯水槽のあり方については検討を進めなければならないと思っております。ただ、飲料水も併用というのは、これはやっぱり浄化の問題がありますので、ちょっと簡単にはいかないのではないかと考えております。

 それから、予知でございますが、地震計を県庁の地下に置きましても、その地震計の振れを見てだれが判定するかと、こういうことでございますので、そういうことが何か役に立つかどうか、一遍専門家に聞いてみたいと思います。

 それから、税収でございますが、逆輸入とか皮革の関係ですが、おっしゃる趣旨は、その種の事業に当たる産業対策としては重要な対策であろうと思いますが、税収問題としてはそれほどの規模のものではないと思っております。

 それから、入院給食の問題でございますが、これはお聞きしておって、負担の公平の考え方、いろいろある、こういうことをお教えいただいたようなことでございますが、基本的にはやはり、医療費を社会的にどう負担するかということで保険制度の改正が行われたわけでございます。私は、やはりその他のほかの施策とのバランスを見ながら、先ほどお答えしたようなことが妥当であると、こういうふうな判断をしている次第でございます。

 それから、ゴルフ場に関連して東部山間のエリアの扱いですが、私は、エリアというのは市町村の区域一本の線で判定するんじゃなくて、その物事によってゾーン的に考えるのが本来趣旨に合うのではないかと思います。

 いろんな分野におきまして、したがいまして、確かにおっしゃるように奈良市というのは平野部に属していますが、かなり広い面積でございます。やはりそれぞれの地域の状況を判断して、先ほどお答えしたような判断をするのが私はやはり現実妥当ではないかというふうに考えている次第でございます。

 それから、広陵町の件ですが、これはやはり町内で、そういう元収入役の取扱いについてどうしようかということで、告発までやっていることでございます。その落ちつきぐあいによりましては、特段県がどうこうしなければならないことにならないかもしれません。したがいまして、その結果をお待ちするというのは、決して手をこまねいているというんじゃなくて、やはり町として自治体らしく処理していただくというのがまず先決であるという判断でございます。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 次に、四番辻本黎士君に発言を許します。−−四番辻本黎士君。(拍手)



◆四番(辻本黎士君) (登壇) 議長のお許しをいただきまして私、一般質問をさせていただきます。皆さん方大変お疲れのところ、私、少々の時間でございますので、ご清聴のほどをよろしくお願いいたします。

 まず最初に、質問に入ります前に、このたびの阪神・淡路大震災におきましてお亡くなりになられました方々に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様方にお見舞いと激励を申し上げたいと存じます。

 またさらに、柿本知事におかれましては、かかる大震災に迅速に対処して救援対策本部を設置されるとともに、消防車や給水車の派遣、救援物資の供出、搬送、医療活動、災害調査、補修等のための要員派遣、県営住宅の提供などの支援活動に県を挙げて取り組んでこられましたことに対して、そのご苦労をねぎらうとともに、敬意を表するところでございます。

 それでは、質問に入ります。五点でございますが、知事はじめ土木部長、そして企画部長、教育長にお尋ねをいたします。

 まず、砂防事業についてでございます。

 砂防事業は、土砂災害からとうとい生命と財産を守り、安心で快適な生活を確保するための事業であり、社会資本の整備の事業の中でも重要なものと認識しているところであります。県土の約八割が山地で占められる本県では、土砂災害対策として毎年砂防事業、地すべり対策事業及び急傾斜地崩壊対策事業が積極的に実施されている。元来これらの砂防事業等を実施している地域は自然条件が厳しく、これまでに幾度となく土砂災害により人々の生活に脅威を与えてきたが、その反面、例えば砂防事業を実施している渓流は景観、生態系等の自然環境に恵まれた地域が多く、従来から人々の憩いと安らぎの場となっているところであります。そのため、近年県が砂防事業を実施するに当たり、従来の土砂災害対策だけでなく、個々の渓流の自然的特色や社会特性を生かし、人々が自然と親しむことのできる空間整備や地域の活性化を図るための安全なスペースづくり等、特色ある砂防事業を実施されていると承知しております。また、急傾斜地崩壊対策事業では、災害時に避難することが困難な入院患者等の災害弱者に関連した施設に係るがけ崩れ対策を新規に実施されるということを聞いております。このような砂防事業等の推進に当たっては、防災対策だけではなく、多様な特色ある事業を進めていくのは、余暇、ゆとりが注目され、人々が山や川や森と親しむために自然環境への関心が高まっており、また地域の活性化が求められているときに、喜ばしいことであると考えております。そこで知事に、県では今後どのような特色ある砂防事業等を進められるのか、お伺いをしておきます。

 また、昭和五十七年八月一日の夜半、突如として奈良県西部を襲ったあの記録的な集中豪雨により、当麻町当麻寺の裏山も崩壊したため土石流が当麻寺を直撃し、境内も被害を受けたことは、まだ記憶に新しいところであります。そこで、現在実施中の当麻町当麻の当麻寺A沢での水と緑の砂防事業について土木部長にお伺いいたします。

 当事業は、当麻寺A沢において、土石流から当麻寺と国宝等文化財を守るとともに、広く地域全体を対象とした水と緑の砂防事業として実施されており、平成八年度完成の予定で進めていただいておりますことは誠に意義深く、金剛生駒国定公園内で伽藍の背景を形成している立地や周辺景観への配慮も十分にされていると聞いており、地域の一人として敬意を表するところであります。ついては、この事業の概要と現在の進捗状況についてお伺いいたします。

 次に、二上山ろくから葛城山頂までの歩道整備についてであります。

 新庄・当麻地域は金剛生駒山脈が南北に連なり、その山並みの大部分は昭和三十三年四月に金剛生駒国定公園に指定されているところでありますが、この地域はその中ほどに位置する、大和盆地を見渡せる最大の景勝地であります。そして、この地域を含む山ろく一帯は、自派・天平文化の粋を集めた当麻寺をはじめとした古社寺、また、飛鳥の都から難波に通じる官道第一号として開通した竹内街道、寒ボタンで知られる石先寺、さらには屋敷山古墳に代表される多くの古墳群を有し、古くから文化の中心をなしてきたところであります。特に万葉集でなじみの深い二上山、その南方の葛城山は、春のツツジと新緑、夏の納涼、秋のススキ、冬の樹氷、四季折々を通じ多くの観先客が訪れる有数の観光拠点であります。このように、二上山から葛城山に至る地域の山ろく一帯はすぐれた自然と文化遺産を含む観光資源であり、これらの観光資源を有効に活用するため、歩道整備を進めて各観光地を有機的に結びつけることが重要であり、そうすることが観先客のさらなる誘致につながると考えておりますが、このことについて企画部長の所見をお伺いいたします。

 次に、昨年九月議会において一般質問の際に要望しておきました南阪奈道路についてであります。

 ご承知のように南阪奈道路は、奈良県側にあっては新庄町において国道一六五号大和高田バイパスと連結し、さらに国道一六五号大和高田バイパスを介して橿原市新堂町で京奈和自動車道と合接し、大阪側にあっては大阪府南河内郡美原町において近畿自動車道と連結し、さらに近畿自動車道等を介して関西国際空港へ結ぶ延長十七キロの自動車専用道路であります。この道路は、奈良県中和地域と大阪府南河内地域の連携を強化し、地域の発展に大きく寄与する道路であります。平成二年度から全線を、奈良県、建設省、大阪府及び日本道路公団の四者により、奈良県域については奈良県と日本道路公団が分担して整備促進に努力していただいているところであります。既に奈良県域では、新庄町弁之庄の国道一六五号大和高田バイパス分岐点から当麻町太田の県道御所香芝線、すなわち山ろく線までの東の区間については工事に着手され、側道の完成についてもめどが立ったと間いており、地元の議員として感謝をしております。

 さて、県道御所香芝線から西の大阪府界までの間は奈良県が日本道路公団とともに用地の取得に努められていると間いておりますが、大阪府域を含むこの道路は四者で整備されることから、連絡調整を密にして整備促進に努めていただくことが必要であります。このようなことから、四者による南阪奈地区幹線道路整備検討会が設置され、いろいろと検討されているようでございますが、この際、大阪府域の進捗状況を土木部長にお伺いいたします。

 なお、県道御所香芝線を介して連結される当麻町当麻から香芝市穴虫までの国道一六五号大和高田バイパスについては、長年の懸案でございました用地問題も、事業主体の建設省と、そしてまた地元の皆さん方とともに解決され、整備を促進していただいているところでございます。本当に感謝申し上げているところでございます。この件については先輩議員からもかなりご質問があったかと思います。

 次に、「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」による新用途地域制度について土木部長にお伺いいたします。

 本県における都市計画区域においては、大和都市計画区域では平成四年十二月に、また吉野三町都市計画区域では平成二年七月に、それぞれ用途地域の定期的見直しが行われ、都市における住居、商業、工業等の適正な配置による良好な市街地環境の形成や、機能的な都市活動の確保、秩序あるまちづくりに大いに寄与してきたと認識しているところであります。現在都市計画区域内の各市町村において、平成五年の「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」の施行に伴う新しい用途地域の指定について作業が進められているようであり、先般その市町村素案が公開されたようであるが、法改正の趣旨や内容についてお伺いいたします。

 また、改正に当たって、県の新用途地域移行の基本的な考え方、県における今後のスケジュール等についてどのような対応を予定されているのか、お伺いいたします。

 最後になりましたが、教育長にお伺いいたします。

 近年における自由時間の増大、高齢化の進展など社会環境の変化に伴い、ライフスタイルや価値観等が多様化しているわけでございます。これに伴い、スポーツ、レクリエーションを通じて、ゆとりと潤いのある、明るく活力に満ちた、生きがいのある生活を求めるという機運が高まってまいりました。スポーツは心と体の健やかな発達を促し、活力に満ちた社会の実現に大きな役割を果たすものであり、二十一世紀を展望するとき、スポーツ、レクリエーションに対する期待はますます大きくなると思われます。そうした中で、県民のだれもが生涯の各時期にわたって、それぞれの体力や年齢、目的に応じて、いつでもどこでもスポーツ、レクリエーションを楽しむことのできる社会の実現は重要なことと考えております。そのために、県民一人ひとりが自分に合ったスポーツを見つけて、生涯スポーツとして楽しむことが大切であると思われます。

 生涯スポーツとしての軽スポーツは、だれもが、やってみたい、おもしろそうだという気持ちを起こさせるユニークさがあり、能力を競うものではなく、心身の解放、楽しさ、喜び、ふれあいが感じられるもので、どこでも、だれでも、一人でも手軽に楽しめるスポーツであります。そして、わずかな空き地さえあれば自由に、特段の施設も要らず、安全に行えるスポーツであります。しかし、まだまだ軽スポーツ人口は限られていると問いており、今後さらに多くの人に楽しんでいただきたいと思います。幸い本県では、今年九月三十日から四日間の日程で「わく力 生きるよろこび チャレンジやまと」をスローガンに第八回スポーツ・レクリエーション祭の開催を控えており、県、関係市町村、競技団体等において準備が進められているところでありますが、祭典のご成功を祈るとともに、これを契機に生涯スポーツ社会の実現に向け、軽スポーツの振興策について教育長の所見をお伺いいたします。

 以上でございます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(大東正明君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 四番辻本議員のご質問にお答えいたします。

 お答えします前に、救助活動全体を評価いただきましてありがとうございました。救助に当たりました県職員並びに関係団体の職員にねぎらいをいただいたということで、代表して御礼を申し上げたいと思います。

 私に対する質問は、砂防事業等に対する質問でございます。

 砂防事業の重要性はご指摘のとおりでございまして、土砂災害から県民の生命と財産を守ることが本来の目的で、県政の中でも基礎的で重要な分野でございます。しかし同時に、近年防災面だけでなくさらに進んで、いろいろな工夫した特色ある砂防事業が展開されているところでございます。それをご紹介いたしますと、まず、渓流の恵まれた自然環境を生かし、人々が山や川や森と親しめる、水と緑豊かな渓流砂防事業、あるいは砂防林による土砂災害防止とあわせて緑の憩いの場を創出する緑の砂防ゾーン創出事業、これにつきましてはいずれも辻本議員の関係する当麻町で事業が進行中でございます。あるいは、緑豊かな斜面を創出するフラワースロープ創出事業等、多様な砂防事業が既に県内各地で実施されているところでございます。さらに平成七年度新規事業として、砂防事業の実施とあわせて、公共事業の残土によって造成地をつくり、これを山間地域の活性化のため有効に活用しようとする砂防アメニティランドスペース事業、あるいは病人や老人等の災害弱者のための緊急がけ崩れ対策を計画しているところでございます。このように特色ある多様な砂防事業によりまして、地域の防災に加えて地域振興や福祉に役立つように進めてまいりたいと思いますし、今後ともこれらの事業を積極的に進めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 不破土木部長。



◎土木部長(不破真君) (登壇) 四番辻本議員のご質問にお答えいたします。

 まず、砂防事業等についてでございますが、当麻寺A沢地区の水と緑の砂防事業の概要と進捗状況についてのご質問でございます。

 この事業につきましては、その事業箇所が比較的市街地に近く、また、辻本議員のお話にもありましたとおり、当麻寺はじめ、古代から、あるいは万葉の薫り豊かなすばらしい地域にございまして、緑豊かな砂防渓流がそこに流れ、さらには二上山へのハイキングルートが近くを通っているというように、恵まれた周辺環境にありますので、事業実施に当たりましては、知事の答弁にもありましたように、水と緑豊かな渓流砂防事業として実施いたしております。事業は、砂防堰堤の下流を幅広くとりまして緑の樹林帯を形成し、土石流対策とあわせまして、人々に憩いと安らぎの場を提供し、また、緑の林の中の散策道や自然石の中のせせらぎを楽しむことができるように、あるいはあずまやでは休息がとれるというように、多くの方々が自然と親しんでいただけるような、そういった整備を考えております。平成三年度に事業に着手いたしまして、現在堰堤工を施工しておりまして、平成八年度完成を目指しまして順調に進捗いたしております。

 次に、南阪奈道路の整備促進につきまして、大阪府域の現在の進捗状況はどうかというご質問でございます。

 南阪奈道路につきましては、平成二年度より全線十七キロメートルについて事業化されたところでございます。大阪府域は、当麻県境から近畿自動車道紀勢線までの延長十二・一キロメートルとなっております。大阪府域を施工する日本道路公団、建設省、大阪府の進捗状況は、三者とも既に用地測量に着手いたしておりまして、一部用地測量を終えた区域では用地買収に入っていると聞いております。南阪奈道路は関西国際空港へのアクセス道路としても重要な路線でありまして、また昨年十二月には、奈良県中和地域と大阪府南河内地域との連携を強化する地域高規格道路の指定を受けましたことから、これを弾みに今後とも四者とも調整を密にいたしまして、早期に完成に向け努力してまいりたいと思っております。

 続きまして、新用途地域についてでございますが、「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」によりまして、新しい用途地域制度ができました。その趣旨と内容についてのお尋ねと、それから、新用途地域への移行の基本的な考え方と今後のスケジュールについてのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、平成五年六月二十五日から「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」が施行されまして、新しい用途地域制度が設けられております。新しい用途地域制度におきましては、従来よりも用途を純化することによりまして住環境の保護等を適切に行うよう、住居系の用途地域を現行の三種類から七種類に細分化するなど、用途地域に係る規制の適正化が行われております。新用途地域への移行は、改正法の施行日より三年以内に行うこととされております。また、当県における新用途地域への移行でございますが、これにつきましては今回の法改正の趣旨にのっとりまして、主として住居系用途地域の細分化に主眼を置くことにいたしております。なお、他の用途地域の見直しにつきましては必要最小限の範囲にいたしております。既に、新しい用途地域の指定に係る市町村の素案の公開が行われております。今後は、これをもとにいたしまして県としての案を作成し、公聴会等の手続を経まして、平成八年六月までに都市計画決定する予定といたしております。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 南浦企画部長。



◎企画部長(南浦純一郎君) (登壇) 四番辻本議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しては、歩道整備についてということでございます。

 金剛生駒国定公園の歩道整備につきましては、二上山から葛城山を通りまして金剛山までの尾根を通る縦走路の整備をしております。それにあわせまして、そこに結ぶ登山道といたしまして、当麻からの当麻二上山線、竹内からの竹内平石峠線、葛城山登山道等の整備を進めまして、利用者への利便を図ってきたところでございます。一方、ご指摘の二上山山ろくから葛城山までの歩道整備につきましては、観光資源を有機的に結べるように、既存の歩道の状況を十分調査の上、関係自治体とも十分協議しながら、その整備のあり方について検討してまいりたいと存じます。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 西川教育長。



◎教育長(西川彭君) (登壇) 四番辻本議員のご質問にお答えをいたします。

 生涯スポーツ社会の実現に向けた軽スポーツの振興策についてのお尋ねでございますが、昭和五十九年に開催いたしました「わかくさ国体」からもう既に十年を経過した今日、あの国体当時大いに盛り上がりましたスポーツ熱は県民の多くの方々に根をおろして、今や生活の一部として定着しつつあるように思われます。県民の一人ひとりが、自分の好みや能力、あるいは年齢に合わせてスポーツ、レクリエーションに親しむ姿が県内各地で見られるようになってきております。それとともに、ますます県民のスポーツに対するニーズが多様化し、高度化、複雑化しておりまして、そのニーズにこたえるため、いろんな施策の推進に努めているところでございます。その推進の施策といたしましては、一つは県民体育大会や奈良県スポーツ・レクリエーション祭などのスポーツの機会の提供であり、二つ目には軽スポーツの普及促進のための実技講習会等の開催、そして三つ目にはスポーツ情報バンクを通じて情報の提供といった、三つの柱で振興を図っているところでございます。今後、県民のだれもが気楽にスポーツに取り組めるよう、指導者の養成や確保、リーダーバンクによる紹介などをより積極的に進めてまいりたいと考えております。さらに、ことし本県で開催されます第八回全国スポレク祭を機に、生涯スポーツの普及発展のため、中心となる軽スポーツ関係団体等の育成に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(大東正明君) 四番辻本黎士君。



◆四番(辻本黎士君) ただいま知事さんはじめ部長、教育長から前向きのご答弁をいただきましてありがとうございます。また、感じることは、私は予算委員会に入っておりますので、そこでまた質問させていただきたいと思います。本日はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

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○副議長(大東正明君) 三十二番新谷紘一君。



◆三十二番(新谷紘一君) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(大東正明君) お諮りいたします。

 三十二番新谷紘一君のただいまの動議のとおり決しましてご異議ありませんか。

          (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回三月二日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時散会