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平成29年  6月 定例会(第328回) 06月23日−03号




平成29年  6月 定例会(第328回) − 06月23日−03号







平成29年  6月 定例会(第328回)



 平成二十九年

        第三百二十八回定例奈良県議会会議録 第三号

 二月

   平成二十九年六月二十三日(金曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

 一、当局に対する代表質問

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、四十一番山村幸穂議員に発言を許します。−−四十一番山村幸穂議員。(拍手)



◆四十一番(山村幸穂) (登壇)皆さんこんにちは。日本共産党の山村幸穂です。日本共産党を代表して質問いたします。

 さて、国会では、共謀罪法案が、国民の反対を押し切って、審議を尽くさず、禁じ手を使って強行採決される暴挙が行われました。テロ対策とは名ばかりで、犯罪が起こっていなくても、計画・相談しただけで処罰される、メールや電話の盗聴など、国民の内心に踏み込んで捜査をする憲法違反の法律は、廃止しかありません。安倍政権は、森友・加計学園問題の疑惑解明にも背を向け、国民の批判は沸騰しております。日本共産党は、市民の皆さんと力を合わせ、きょうから始まる東京都議会議員選挙、また、奈良市長・市議会議員選挙でも、平和憲法を守り、安倍暴走政治と正面から対決して、全力で頑張る決意でございます。

 まず初めに、太陽光発電と環境保全について、知事並びに農林部長に伺います。

 原子力に頼らない再生可能エネルギーの環境に配慮した本格的導入と、省エネルギー・低エネルギー社会を目指すことは、人類の未来にとって大切なことです。固定価格買取制度の導入によって、太陽光発電などの普及が拡大してきました。一方で、日本全国で、再生可能エネルギー発電については、土地開発規制が弱いことなどから、メガソーラーによる乱開発や生活環境の悪化など、トラブルが各地で問題になってきました。

 奈良県は、一千キロワット以上というメガソーラーの設置は少ない県ですが、この間、天理市や吉野町で開発が進んでおります。二〇一七年二月に開催された奈良県国土利用計画審議会では、奈良市、天理市、吉野町の六カ所のメガソーラー発電所計画造成のための土地利用変更の審査に当たり、法整備等の必要について議論があったとされています。この六カ所の計画で、広大な農業振興地が解除され、山林は六カ所の合計で百三ヘクタールがなくなるのですから、土地利用についての検討が必要ではないかと思います。

 吉野町太陽光発電所は、三十五万平方メートルの山林を切り開き、二十五メガワットの発電規模となる計画です。もともとこの場所はゴルフ場開発の計画地であり、当時、環境保全の問題で住民訴訟が起こり、最終的には事業者の経営不振などから頓挫して、和解されたものです。裁判では、一審で調整池などのゴルフ場建設に伴う治水対策に問題があるとして、建設差しとめの判決が下されました。

 今回、この土地の活用を図ろうと吉野町が誘致をして、メガソーラーの計画が進んでいます。周辺住民の皆さんの合意も得ていると聞いております。しかし、雨が降って泥水が流れてきたと不審に思った住民の通報で現地を確認すると、既に山の木が全て伐採され、木の根も引き抜かれてしまって、広大な丸裸の山になっていたとのことです。私も現地を見せていただきましたが、西部劇の荒野のようでした。土地造成を請け負った業者の方々が、一刻も早く調整池などの防災施設をつくりたいと工事をされておりましたが、完成は秋になるとのことです。

 住民によると、県が山林の伐採を許可したにもかかわらず、調整池などの災害防止対策がなされないまま伐採が行われていた。全く理解できない。これでは大雨が降ったらどうなるのか、住民の安全が軽視されていると怒りの声が寄せられました。

 今回の治水対策は、住民が施工業者から聞いた説明では、時間雨量二十ミリメートルの対策であるとのことですが、住民の安全を守る上で万全の計画となっているのでしょうか。また、この管理は誰が責任を持って行うのでしょうか。下流住民の安全を守るための施設であることから、地方自治体の管理責任があると考えます。

 本来は、伐採の前に対策が行われなくてはなりません。なぜこのようなずさんなことが起こったのか、その原因解明と、もしも工事完了までに大雨などの災害の危険があった場合、どのような対策をされるのか、農林部長に伺います。

 私たちのところには、太陽光発電の事業について、規模の大小にかかわらず、住民の皆さんから、さまざまな不安や疑問の声が寄せられております。住宅のすぐそばで、光の反射、低周波、台風でパネルが飛ぶ心配や、土砂災害の危険、田んぼへ濁った水が流れ込んだなどです。事業者は県外が多く、全量売電で、住民の恩恵がない現状です。

 平群町のように、町が事業者と住民の間で合意ができるように独自の要綱をつくるなど、努力も始まっています。長野県や山梨県などでも、山の自然や景観を守り、災害の防止などの観点から、環境アセスメント条例や景観条例の対象にしたり、県独自のガイドラインをつくっています。

 そこで知事に伺います。

 奈良県でも、景観豊かな自然環境と生活環境の保全、そして再生可能エネルギーの利用との調和を図れるように、このような実効ある対策を進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 住民の方から、不安や疑問があってもどこに相談に行けばよいのかと聞かれています。関係住民や関係者、市町村担当者が相談できる窓口を開設し、総合的に相談できる体制も必要と考えます。

 次に、国民健康保険の県単位化について、知事に伺います。

 二〇一八年度から国民健康保険事業が広域化され、県が財政運営の責任主体となるとともに、県内の統一的な運営方針が決められます。市町村はこれまでどおり保険料率を決めて徴収しますが、県が市町村ごとに標準保険料率を示し、市町村が県に納める納付金を決定します。

 現状では保険料が高過ぎ、払いたくても払えない、住民の命を脅かす実態があります。ことし日本共産党の奈良市会議員団が行った市民アンケートでは、国民健康保険の保険料負担が重いという声が多数寄せられ、政治に望むことでは、国民健康保険・介護保険料の負担の軽減、これが最も多くありました。

 国民健康保険加入者は年金生活者や被用者保険に加入できない非正規労働者が多く、平成二十七年度の被保険者一人当たりの平均所得は七十一万円、一人当たり保険料は八万一千百十円です。七十一万円の所得で保険料が一一%の負担では、暮らしが立ち行きません。

 奈良市のある五十歳代の内装業者さんは、高齢の両親も含めて六人家族で年間所得二百万円なのに、保険料は四十二万円。あまりにも負担が大きく、保険料を払うのが精いっぱい。窓口の負担三割がきついので受診をためらうと訴えておられます。

 保険料の滞納世帯は平成二十七年度は二万八百十八世帯で、県内保険加入者世帯の九・九二%、約一割に上ります。滞納世帯は保険証が交付されず、有効期限が通常よりも短い短期保険証や、病院の窓口で一旦十割全額負担する資格証明書が発行され、その数は一万三千三百十四世帯に及びます。

 さらに、納付相談などの理由で本人に保険証が渡っていない世帯が多く、ある病院のケースワーカーさんは、保険料を滞納して一年未満でも、市役所が短期の保険証の更新をしてくれないため、体調が悪くなっても受診できず、救急車で運ばれてくるケースなど、最近、保険証が交付されていない患者さんは数多くあると報告されています。全日本民主医療機関連合会の全国調査では、保険料の滞納から病院の受診をためらい、治療の手おくれで命を落とすケースも多数報告されています。奈良県内でも五十歳代の非正規雇用の男性が、月十万円ぐらいの収入でやむを得ず保険料を滞納していたため、大腸がんが見つかったものの、短期保険証では高額療養費の限度額認定書が発行されず、治療を中断され、手おくれで亡くなられたケースがあります。

 県は、広域化によって市町村間の負担の公平を図り、リスク分散するということですが、住民にとって負担軽減がされるのか、最も心配されるところです。しかし、期日が迫っていますが、準備の段階で、広域化によって保険料は上がるのか下がるのか、住民には全くわからないところで議論されています。オープンな議論が必要ではないでしょうか。モデル世帯での試算や、階層別の試算など、公表をすべきと思います。広域化によってこれ以上保険料を引き上げないようにどう設計するのか、重要なポイントであると考えます。

 一方、これまで市町村では、高過ぎる国民健康保険料の住民負担を軽減するために、一般会計からの繰り入れを行ってきました。住民福祉の増進を図る自治体としての職務を果たす重要な取り組みです。広域化されても、市町村独自の一般会計からの繰り入れや負担軽減の努力をされることは大切なことです。

 そこで知事に伺います。

 国民健康保険の県単位化に伴う保険料負担の増加を抑制するために、さらには保険料を引き下げるために、県はどのように取り組んでいるのでしょうか。また、県単位化後も市町村が独自に保険料負担軽減のために行う法定外の一般会計繰り入れについて、県はどのようにお考えでしょうか。

 国民健康保険財政が厳しくなった根本原因は、国民健康保険の総会計に占める国庫支出金が、一九八〇年代には五〇%を超えていましたが、今では二五%程度に下げられてきたことが大きいと言えます。国庫負担の増額が不可欠です。全国知事会でも一兆円の財政支援を国に要求されましたが、三千四百億円に削られ、財政基盤強化のためとして広域化を進めてきた意義が問われます。財政の支援を強化するよう引き続き国に求めていただきたい。

 次に、奈良公園の吉城園周辺地区・高畑町裁判所跡地の整備計画について知事に伺います。

 県が進めている名勝奈良公園内への高級ホテル建設計画について、文化庁が条件をつけて現状変更申請に許可を出されたということです。

 しかし、住民からは反対意見が出され、中止を求める署名は一昨日も届けられ、既に奈良公園の環境を守る会・高畑町住民有志の会と、古都・奈良の文化遺産を守る会と合わせて三万七千九百筆の署名が集まっております。反対されているのは、なぜ数々の規制があり、大切に守られてきた名勝奈良公園内に高級ホテルの建設が必要なのかということからです。国民・県民の大事な財産を県民に相談もなく、一部の業者の商業活動のために活用することでいいのか。豊かな自然と景観、現代に続くよさを守ってきたのは、県民・市民の力です。活用するというなら、一番に県民の意見を聞いて、県民参加で進めることが本来ではありませんか。風光明媚で集客力のある場所を望まれるのは誰しも同じですが、つくっていい場所と、開発を規制する場所を区別してきました。県も市も、守るべき地域として幾重にも規制する条例や規則をつくって、長年の努力によって現在の名勝奈良公園の価値がつくられ、守られてきました。だからこそ世界遺産として奈良の文化財が認定され、世界の宝になりました。

 文化遺産は、人を呼ぶ魅力はあるが、集客のための装置ではないと上野奈良女子大学名誉教授も述べておられます。集客をするには、ホテル先にありきではなく、来訪される人々が何を望んでいるのか、奈良に滞在したい、ゆっくりと宿泊して過ごしたいと思える観光の仕掛けが必要ではないでしょうか。

 都市公園法によっても、公園内に設置できる建造物として、利用者の利便を図るためのトイレや休憩所、一部特別な理由がある場合に、宿泊施設の建設も例外的に認めています。今回都市公園法が改正され、建設できる施設の規制が緩和されましたが、少数の特定の人しか利用できない高級ホテルが便益施設とは言えません。

 県は、奈良公園地区整備検討委員会で十分議論を尽くしているとのことですが、世界遺産のバッファゾーン内での新たな開発計画であるという視点からの議論はあまりなされておりません。世界遺産登録に当たっては熱心な取り組みをされるのに、認定されたらあとはおざなりでいいのか、バッファゾーンは新たな開発を規制して世界遺産を守っていく仕組みです。もし奈良県のような計画が認められたら、全国の先例となってしまうことを危惧します。

 奈良公園をさらに磨いて受け継いでいくためには、何もしないで放置してよいということではないと考えます。現に奈良公園をつくってきた成り立ちを見ても、その時々の行政や県民が協力して土地を守り、植樹をして緑豊かな地域としてこられました。当時のすぐれた建物も、県が買い取るなどして保存活用してきました。これからもすばらしい価値を発信できるような取り組みが必要です。

 今回開発されようとしている吉城園周辺地域、高畑町裁判所跡地には、まだ未知の知られていない価値があると専門家も指摘しています。県の資料でも触れられておりますが、高畑町裁判所跡地は、鹿が入れない地域として、奈良公園内では珍しい環境で、動植物が生息している貴重な自然があります。どんな動植物があるのか、何を残すのか、専門家のしっかりとした調査を行って、広く県民や来訪者にも知らせ、値打ちを発信するとともに、この自然を生かす利活用を検討してほしい。周辺住民も、ホテル建設ではなく、自然を残してほしいと訴えています。

 また、吉城園周辺地域は、知事公舎、副知事公舎、世尊院など、歴史的建造物があります。知事公舎と副知事公舎がそろって残っていることは大変貴重で、他府県にはないのではないかとのことです。この建造物について学術的な調査を行っているのでしょうか。公園の価値を高めるというのなら、きちんと調査をして、保存すべきは保存して、県民誰もが見学できるようにしていただきたいと思います。

 県は、コンサルタントへの計画策定の委託事業の中で、高畑町裁判所跡地も吉城園周辺地域も調査を行ったとのことですが、その結果、内容を県民に公表していただきたいと思います。

 そこで知事に伺います。

 文化財の保護の観点から、価値ある建物などについては、きちんと調査した上で、壊さず保存すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 また、文化庁は、現状変更の許可に当たり、奈良県には、計画は住民の理解を得ながら進めるようにお願いしたと述べています。整備については県民の理解を得ながら進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、体罰について教育長に伺います。

 言うまでもなく、教育現場において体罰はあってはならないことです。とりわけ二〇一二年に公になりました大阪の高等学校での体罰事件は衝撃でした。スポーツの強化、勝つための指導と言って暴力が容認されてきた中での事件です。スポーツの指導のあり方が大問題となり、多くのスポーツ関係者からも、暴力を伴う指導についての告発が相次ぎ、社会問題となりました。文部科学省からも体罰根絶の通知が出され、取り組みが進められてきました。

 ところが、今なお奈良県下の教育現場で体罰があり、現実に被害を受けた子どもたちや、その保護者たちが苦しみを訴えておられます。問題だと思いますのは、ある部活動の指導者である教師が、他校の生徒たちが見ている中で生徒に暴力を振るう場面があり、その場にいた生徒がショックを受けたと聞きました。そのとき、引率の先生は、子どもたちに、見ないようにと言われたとのことです。体罰があっても、現場では長期間にわたって黙認され、それでも多くの関係者が告発することができず、子どもの訴えで初めて認知されるに至った事例もあります。

 私も相談を受けましたが、被害を受けた子どもが悪いといった心ない言葉や、中傷によってさらに傷つき、悩んでおられる現実に憤りを感じます。いまだにスポーツで強くなるには暴力も必要といった風潮が根絶されていないのではないでしょうか。

 また、暴力を実際に受けた子どもとともに、見聞きしていた子どもたちも含め、何よりもまず被害を受けた子どもたちのケアが優先されなくてはなりません。私のところに相談に来られた保護者の皆さんは、県教育委員会でお話を聞いていただいたが、まるでけんか両成敗というような対応で、親身に受けとめてもらえなかったとがっかりされておられました。県教育委員会は保護者の不安にしっかりと向き合っていただきたいと思います。いつ学校に戻ってこられるのか、他校に異動されてもクラブ活動の大会で顔を合わせるのではないかなど強い不安を持っておられます。

 そこで教育長に伺います。

 教育委員会では、体罰が起こっている原因や背景についてどのように認識されていますか。体罰根絶に向けての取り組みはどのようにされているのでしょうか、伺います。

 子どもの権利条約では、子どもを守る最善の対策をとることが求められております。受けた子どものほうが悪いと非難される背景には、子どもの権利についての意識が弱いという問題があるのではないでしょうか。他府県の例を見ても、子どもが直接相談できる仕組みが重視され、相談窓口に心理カウンセラーなどの専門家を配置して、すぐに対応されております。子どもの権利条約にうたわれているように、子どもの視点に立った対策を強化しなくてはならないと考えますが、相談対応体制はどのようにされているのか伺います。

 以上で、壇上での第一問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十一番山村議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、吉野町で行われおります太陽光発電と環境保全についてでございます。原因やその対策についての質問は、後ほど農林部長からお答えをさせていただきます。私に対しましては、太陽光発電と環境保全の調和についてどのように考えるかというご質問でございます。

 地域でエネルギーを調達する観点から、本県では、分散型エネルギーの推進と地域へのエネルギーの安定供給の実現を心がけているところでございます。そのため第二次奈良県エネルギービジョンを策定いたしまして、太陽光発電をはじめ再生可能エネルギーの導入推進を図っているところでございます。

 一方、太陽光発電施設の増加によりまして、地域住民の皆様方が景観・環境への影響を懸念されているケースも、全国的な傾向となっているものと認識をしております。自然環境の保全と太陽光発電施設の設置の調和を図るという観点から、国におきましては、平成二十八年六月に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が改正されました。いわゆる改正FIT法と呼ばれるものでございますが、その改正によりますと、電気事業者に対しまして、事業計画の提出を義務づけるとともに、法令違反があった場合には、国が改善命令や認定取り消しを行うことができるようになりました。事業計画策定のためのガイドラインも示されておりますが、事業実施の各段階におきまして、地域住民への説明、防災や環境への配慮について努めることとされております。

 本県といたしましては、太陽光発電施設を含め林地の開発や土地造成等につきましては、市町村とも連携して、関係法令や条例等に基づき、環境保全や防災措置、住民説明会の実施等の指導に努めることとしております。また、違反事案がありましたら、厳正に対処しているところでございます。

 議員お述べのとおり、太陽光発電施設に特化した対策といたしまして、条例等による手続を定めている自治体が一部ございますが、この問題は全国的に地域が抱える共通の課題でもございます。これまでも国に対し、住民の理解を得る仕組みについて、法的に強制力のあるものとして制度化するように申し入れを行ってきたところでございます。

 また、今申し上げました改正FIT法の運用状況や、本県の実情、他府県の動向を注視しながら、本県独自の対策が必要かどうかを含めまして、研究を進めてまいりたいと思います。

 議員お述べの太陽光発電と環境保全の調和という課題につきましては、今までのところ国による法の強制力による対策、強制力を樹立する、また、国のガイドラインをつくる、県市町村は、そのガイドラインに沿って指導を進めるといった体制によって進められているものでございます。

 次のご質問は、国民健康保険の県単位化についてのご質問でございます。保険料の増加の可能性に対してどう対処するのかというのが、本質的な、大事なご質問の内容だというふうに理解をいたします。

 医療費の支払いのもとでは、保険料と税金と自己負担の三つしかございません。医療費負担、保険料負担を抑制するという観点が、医療費が増加している最中では、とても大事でございます。保険料の抑制をしなければ、世界で最も進んだ健康保険制度が維持できなくなるという瀬戸際に来ている点もあろうかと思います。その中で国民健康保険の県単位化・県営化の動きが出てまいりました。その中で、県単位化に伴う保険料負担増加の抑制の取り組みの観点でございますが、医療費が増加すれば保険料負担は増加する関係にございます。そのため医療費の増加を抑える観点から、後発医薬品、ジェネリック医薬品の使用促進や、医薬品の適正使用、過剰投与をしない観点、また、疾病の重症化予防等につきまして、県が中心となって、県域で市町村と協力して推進することにより、医療費適正化の取り組み、保険者努力を強化してきておりますが、今後ともその努力は必要かと思っております。

 一方で、制度改正に伴いまして、保険料負担が増加する市町村がございますが、それに対しましては、国保財政安定化基金の中に積み増しをされる特例基金がございますが、それを活用して、その負担増を緩和して、段階的に保険料が改定されるよう、激変緩和措置も検討していく必要があると思っております。

 また、議員がお述べになりました、市町村が保険料負担軽減のために行ってきております法定外の一般会計繰り入れ等についての考え方でございます。法定外繰り入れをいたしますと、保険料が軽減される効果がございます。国保財政は特別会計を設置して、法定内公費等と保険料で賄うのが基本となっております。本県では、これまでも市町村に対し、医療費の支出に見合った保険料を設定するよう指導してきておりますが、県単位化後におきましても、その基本的なスタンスに変わりはございません。実態といたしまして、一部の市町村で行われております保険料軽減を目的とした法定外繰り入れ等につきましては、それぞれの市町村において計画的に解消を図ってもらいたいと思っているところでございます。

 このような状況のもとで、国民健康保険の県単位化に伴いまして、平成三十年度から全国ベースで毎年一千七百億円程度の公費拡充がなされる予定でございます。本県は、この拡充分を中心とした公費のあり方について、県単位化等に伴う保険料負担の増加の抑制に効果的に活用できるよう、近畿ブロック知事会を構成する他府県とも連携して、先頭に立って国に提言をしてきたところでございます。その結果、現在国において激変緩和を含めた保険料負担の増加抑制のための公費のメニューの充実や運用の弾力化の検討が進められているものと承知をしております。

 こうした成果も踏まえながら、県単位化などによる保険料負担の増加を抑制する観点から、市町村の実情を踏まえ、きめ細やかな対応を図ってまいりたいと考えております。

 次のご質問は、吉城園周辺地区・高畑町裁判所跡地の整備について、調査した上で、壊さずに保存すべきものがあるのではないかというご質問でございます。

 奈良公園は、すぐれた名勝地として、大正十一年に国の名勝に指定されました。それ以降、現在に至るまでその価値が保存されてまいりました。吉城園周辺地区及び高畑町裁判所跡地につきましては、この名勝としての価値を守り、さらに高めることを前提に、平成二十二年より奈良公園地区整備検討委員会や検討部会で意見を伺い、十二分に議論を尽くし、検討を進めてきたところでございます。

 吉城園周辺地区におきまして、保存すべき主な価値は三つございますが、一つは地割り、二つは樹林地、三つは建築物でございます。これらの価値の保存・活用に当たりましては、建築、造園、文化財、景観の専門家による現地調査を踏まえ検討いたしました。

 地割りにつきましては、名勝指定時から変わることなく保存されており、これを継承していきたいと思います。樹林地につきましては、すべての樹木を調査し、保存すべき樹木を選定いたしました。具体的には、知事公舎や旧世尊院などの庭の重要な樹木や、土塀と一体となって奈良公園の景観を形成している樹木を保存したいと思います。建物につきましては、名勝指定以前に建てられました知事公舎、旧世尊院、吉城園主棟・茶室は外観を保存し、建物と庭が織りなす空間美を継承いたします。また、旧青少年会館は和風建物に洋館を併設した建築様式を継承し、副知事公舎は建物と庭の配置やファサードを継承いたします。

 高畑町裁判所跡地の保存すべき主な価値も三つございます。庭園遺構、風致林、興福寺の子院である松林院の遺構の三つです。これらの価値の保存・活用に当たりましては、吉城園同様、造園、文化財、景観の専門家による現地調査を踏まえ検討いたしました。

 具体的には、庭園遺構につきましては、調査の結果、文化的価値が高く、良好な形で残っていることを確認しており、この庭園を復元し、皆様に利用していただきたいと思っております。風致林につきましては、吉城園周辺地区同様、すべての樹木を調査し、残すべき樹林景観の検討を行いました。松林院の遺構につきましては、発掘調査が済んでおりますが、盛り土により保存したいと思います。

 両地区とも、これまで保存されてきた建物や樹林景観、庭園などの価値を今後もしっかり維持するとともに、皆様に喜ばれる、価値のより高い公園として利活用してまいりたいと思っております。

 その両地区におきまして、住民の理解を得ながら進めるべきというご質問でございます。

 両地区の整備を進めるに当たりましては、幅広い見地から、また専門的な見地から意見を伺うため、奈良公園地区整備検討委員会及び検討部会を開催し、これまで八年にわたりさまざまな角度から十二分に議論を尽くし、計画を固めました。

 高畑町裁判所跡地につきましては、平成二十八年三月と六月の二回、地元説明会を開催し、多くの方が賛成されたと認識をしております。一方、反対の立場の団体のホームページでは、奈良公園にリゾートホテルが建設される、春日山原始林を破壊する、鹿の居場所がなくなるなど間違った情報が記載されており、これをもとに反対される方が見受けられるところでございます。また、最近、高畑町裁判所跡地の交渉権者になりましたヒューリック株式会社に対しましても、この代表の辰野さんという方が手紙を送っておられます。ヒューリック株式会社から県議会でご紹介してもらってもいいよということでございますので引用させていただきますが、ヒューリック株式会社が強引に進められることになれば、私たちは、あらゆる手段を講じて計画を阻止する活動を行わざるを得ません。このような状況下で、たとえ貴社が多額の費用をかけて建設しても、その後の運営において大きな支障を招くことは明白です。地元住民から祝福されないホテルに宿泊される利用者が果たして幸せな気分で古都奈良をお楽しみいただけるでしょうか。本事業が数々の法規制をねじ曲げた解釈のもとに進められている事実と、地元住民の生活圏を冒す行為であることにご留意いただき、貴社の賢明なご裁断を心からお願いしますといったような、大変強い手紙が届いております。

 このような運動をされておられることを県議会の皆様にご紹介してもいいですよというふうにおっしゃいましたので、ご紹介する次第でございます。山村議員のように、この県議会の中で公正堂々と反対意見を述べられるのは民主主義的で大変結構だと思いますけれども、このように個別の手紙で、私から見れば、大分脅迫じみた手紙を送られるのはあまりフェアじゃないと私は感じるところでございましたが、送られてきたヒューリック株式会社からご披露してもいいよということでございましたので、県民の皆様方に聞いていただくために、ご披露させていただいた次第でございます。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)四十一番山村議員の質問にお答えをいたします。

 私には、吉野町で進められている太陽光発電施設の整備について、住民の方から不安や疑問の声が寄せられているが、県では、その原因や今後の対策についてどのように考えているかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのように、当該地域は、平成四年にゴルフ場開発事業に着手をいたしましたが、事業者の倒産等により頓挫して放置されていた山林等約百二十六ヘクタールを、平成二十四年六月に吉野町が買収をした町有地でございます。

 吉野町では、このうちの七十一ヘクタールで太陽光発電施設を設置するために公募し、平成二十五年八月に事業者を選定いたしました。その後、吉野町と事業者で、地元住民に対して説明会を重ねて開催し、住民の皆さんの理解を得た後に、事業者から県に太陽光発電用地造成の林地開発許可申請が提出されました。県はこの開発事業が適正であることを確認し、平成二十八年二月に許可をいたしたところでございます。

 事業者は許可後、改めて吉野町とともに地元住民の皆さんに対して、伐採作業と防災工事を並行して進めることなどの説明会を開催し、理解を得た後に着手いたしました。ところが、平成二十八年三月に、防災工事に必要なパワーショベルなど大型重機の搬入による振動等、住民の皆さんへの被害を懸念した一部の住民の方から、大型重機の搬入を中止するよう申し出がありました。そのため、事業者は防災工事に必要な大型重機の十分な数の搬入ができず、結果として立木の伐採作業が先行することとなりました。

 しかし、平成二十八年十月には地元との協議が調い、事業者は、これまで進めてきた仮設沈砂池の設置に加え、防災工事を加速させるため、大型重機などをさらに二十八台追加搬入いたしました。事業者は、県の指導に従いつつ、その後、防災工事を最優先に取り組んでまいりました結果、現在ではゴルフ場開発時に設置された既設の調整池を含めて防災堰堤、仮設の沈砂池等の防災施設が整備されている状況となっていると聞いております。

 今後は、許可した計画どおりの開発行為が進められるよう、巡回パトロールも実施しながら引き続き事業者への適切な指導を行い、周辺住民の皆さんの安全・安心を確保してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十一番山村議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、体罰の発生する原因や、根絶に向けた取り組みと、体罰を受けた子どもに対する相談体制についてお尋ねでございます。

 体罰は、学校教育法第十一条で禁止をされており、違法行為であるだけではなく、児童生徒の心身に深刻な影響を与え教職員及び学校への信頼を失墜させる行為でございます。

 体罰の原因につきましては、まず第一に、教職員の指導力が不足をしていること、続いて懲戒と体罰を混同していること、また学校での組織体制の不十分さが考えられると思っております。そこで、体罰のない学校づくりのために、教職員の意識改革や生徒指導体制のあり方の点検と、児童生徒・保護者との信頼関係の構築が必要でございます。

 県教育委員会では、平成二十四年度の大阪市立桜宮高等学校の体罰事件を教訓といたしまして、平成二十六年三月に、体罰のない生徒指導・部活動指導のため、教職員向け体罰防止啓発資料といたしまして、信頼される教職員であり続けるためにの冊子とリーフレットを作成し、教職員への研修も実施しながら啓発に努めてまいりました。

 また、継続した取り組みといたしましては、日本中学校体育連盟及び全国高等学校体育連盟が、体罰根絶宣言を出しておりまして、その趣旨を浸透させるために、中学校・高等学校の運動部活動の顧問及び外部指導者を対象として、研修会を開催いたしております。あわせて、体罰の禁止を含む綱紀粛正を徹底する通知を、県立学校長や市町村教育委員会宛てに毎年二回発出し、所属職員に対して注意喚起を図っておりますが、平成二十六年から平成二十八年までの三年間で体罰による県教育委員会の懲戒処分件数は二件ございまして、今後も体罰の根絶に向けて努力をしてまいります。

 児童生徒への相談体制につきましては、本年度、教育委員会内の組織改編を行い、生徒指導を担当する生徒指導支援室と、教育相談を担当する教育研究所教育相談部を統合いたしまして、生徒指導支援室に生徒指導係と教育相談係を設置いたしました。

 特に教育相談係では、体罰に限らず、学校生活や家庭生活等でのさまざまな悩みに対応する相談窓口といたしまして、中高生が直接メールで相談できる、悩みならメールや、保護者も電話で相談ができます、あすなろダイヤルを設置しており、臨床心理士等の専門の相談員が対応いたしております。

 また、平成二十七年度からは全公立中学校に、平成二十九年度からは全県立高等学校にスクールカウンセラーを配置し、教員とは異なる立場の外部専門家を学校の教育相談体制に組み入れることにより、子どもや保護者が相談しやすい環境づくりに努め、子どもたちの心を守るセーフティーネットの充実を図っております。

 今後は、新しい生徒指導支援室のもとで、教職員に対しましては、一人ひとりの生徒理解の深化を図り、児童生徒に対しましては教育相談の充実に努め、それら両面から体罰防止に向けた取り組みを進めてまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) それでは最初に、吉野のメガソーラーについて一点お聞きしたいと思います。

 農林部長から答弁いただきましたが、その安全な調整池対策ということですが、時間雨量というのは今何ミリメートルまでやっておられる工事で想定されているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) 具体的な何ミリメートルの雨量というのは、今資料を持ち合わせていないのでお答えできないのですが、ご質問の林地開発につきましては、雨水の調整池なり、残置森林で残す緑地なり、一定森林法の許可の基準がございまして、それが守られていないといけないことになっておりますので、それを守れることの確認をして許可をしたものでございます。申しわけございません。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 地元の方は大変心配されております。業者に聞くと二十ミリメートルというふうに聞いています。これで今の豪雨などが本当にあった場合に安全なのかと、一番問題な点だと思うので、その点をはっきりと、後ほどでもお答えいただきたいと思います。

 それと、先ほどの答弁を聞いておりましたら、重機導入に住民が反対したために対策がおくれたとのような認識であるかのごとく聞こえましたけれども、県が実際に伐採を完了しているということを把握したのは十月になってからということですから、やはりもっと早い段階で、先に、伐採をする前にきちんとした対策がされているのかということを確認して指導するという責任があったのではないかというふうに思います。その点では、二度とこういうことが繰り返されないように、再発防止をやっていただきたいと思います。認識をその点ちょっとお伺いしておきたいと思います。これから本当に大雨がやってくる季節でありますから、住民の安全を守っていただきたいというのが願いです。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) 議員お述べのように、林地開発許可につきましては、その伐採と防災工事を並行的に進めるような形で指導をしております。今回の場合は、地元との対応があったにしろ、おくれたというのは事実でございまして、今後こういうことのないように適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 次に、国民健康保険の県単位化についてですが、この問題は、これまで私たちの議員団としても、何度も繰り返し聞いてまいりました。県民の声は、やはり負担が重い。知事もおっしゃっていましたように、保険料の負担は限界という状況に来ているということで、とにかく何とか県の力で下げてほしいというのが切実な思いであります。このことをしっかりと受けとめていただきたいということを述べておきたいというふうに思います。

 次に、奈良公園の開発について再質問したいと思います。

 一点目は、先ほどの説明で、県は高畑町も、それから吉城園の地域もそれぞれ学術的なというか、専門家による調査を行ったのだというふうにおっしゃられましたけれども、その行われた調査という中身がどういうものなのか、学術的な調査をされたということでありましたら、図面や、所見を書いた報告というものがあるはずなのですけれども、そのことを公表していただきたいのですが、公表していただけるでしょうか。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今申し上げました調査は、私が言うまでもなく、みんなに知っていただきたい調査内容でございますので、性格からして隠すべきものでは全くございません。そういう調査があって正当だと言っているのに、耳を傾けられない住民の方が逆におられるわけでございますので、むしろよく知っていただきたいというふうに思います。公表をしていないのではないかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、ホームページで正確な情報を改めて発信したところでございますので、漏れがないか再度確認はしたいと思いますけれど、基本的にあらゆる情報を、調査をせっかくしたのですから公表しないわけにいかない、公表すべきものだと思って調査しているわけでございますので、再度確認いたしますが、丁寧に説明させていただきたい、あるいはそれを県民の皆様方に十分よく知っていただきたいと改めて思う次第でございます。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) ホームページで公表されているということですけれども、専門家の先生が見られても、学術的な報告書というものが公表されているわけではないと、どのような調査をされているのか全く分からないと。私たちも現地を見ないで、知事もおっしゃったように意見を言うわけにはいかないから、県の方にお願いして、副知事公舎や世尊院や、地域を歩いて実際見せていただきました。しかし、知事公舎には入らせていただくことができませんでした。私自身はいまだ一度も見ておりません。だからどうというわけではないのですが、県民は、ほとんどの方が見ていないというような状況で、実際の学術的な調査の結果ということも、どこにも報告されていない、公開されていないという状況なのですから、これはしっかりとした報告をしていただかないといけないというふうに思います。

 それで、お伺いしたいのですけれども、私は、県の奈良公園室に対しまして、文化庁に現状変更を申請するために提出した書類、主にコンサルタントに委託をして調査を実施した中身、あるいは計画の内容など、その報告書の提出されたものについて公表していただきたいと、県費を使ってやられたことでもありますし、いろいろな調査もやっておられるわけですから、それを見せてほしいというふうに、議会の政務調査課を通じて求めましたけれども、それは公表できませんということで断られました。これはどういうことなのかということなのですけれども、私たちにはお知らせいただかず、県と文化庁はその中身を知って、勝手に決めていくというような姿勢で本当にいいのかと。住民の理解を得られるように知事もされますと今おっしゃっているのですから、やはりその点きちんと公表すべきではないか、きちんと知らせないと理解は得られないと思いますけれども、いかがでしょうか。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 基本的にはそうだと思います。チェックをいたしますが、基本的に公表したいと思います。知事公舎の公開というのは、公表といいますか、お招きしなくて申しわけございませんでした。ずっと生活上住んでおりましたので、公舎として生活の場が分かれておりましたけれども、老人二人しか住んでおりませんでしたので、なかなか手入れが行き届かなくてお招きする機会がなくて、今になってみれば残念だと、そのように行ってみたかったと、もしそういうお気持ちであれば、お招きしなかったのは大変残念で、おわび申し上げたいと思います。公表は、チェックをして、させていただきたいと思います。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) なぜ公表されないのですかということで奈良公園室長にお聞きいたしましたら、まだ文化庁から許可がおりていないからだと、このようなことを申されました。今の段階では文化庁がもう許可をされましたので公表されるのだろうと私は思っておりましたけれども、そういうやり方がおかしいのではないかというふうに思います。それで、私は、住民の皆さんにきちんと理解を得るということをしながら進めなさいというふうに文化庁からも附帯の条件がついているということを聞いておりますけれども、知事は情報をお知らせして話し合いをしていくというか、相手の方の意見も聞くというふうな立場に立っておられるのか、そこをお聞かせ願いたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 正確な情報をもとにやりとりするのは民主主義の大基本でございますので、当然公表すべきは公表したいと思います。反対の方がうそをついてあおるということよりもよっぽど大事なことだと思いますので、うそをつかないというのが民主主義の一番の基本でございますが、うそをついてあおるというのは隠すのと同等、大変民主主義を冒涜する行為だと思っておりますので、もしそういうお疑いがありましたら、チェックをするというのは文化庁に出すべき資料でありましたので、文化庁に出しましたが、公表できるならば当然公表して、正当な理解を求めていきたいというふうに思っております。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) わかりました。では、そのように公表していただいて、住民の皆さんにも全部明らかにしていただきたいというふうに思います。

 それで、次に伺いますけれども、近隣の住民の皆さんから私たちはお話を伺いました。先ほど知事は、二回説明会を開いて、その場では多くの方が賛成されていたというふうに述べられましたが、そこに参加されておられた住民の方々は、多くの方が疑問を持っておられたと、県に聞いても、教えてほしいことは何も答えてくれなかったというふうに疑問を持っておられます。中でも特に私がお聞きいたしておりますのは、これまで厳しい規制の中で住んできた人たちです。環境を守るということの意義を理解して、たとえ自分の家であっても建てかえもままならない。もし改修をするのであれば、その現況をきちんと調査して、そこから少しでも広げたり変化をしてはいけないということで、そういう厳しい条件に従いながら住んできております。そのため、皆さんは、この地域では新しい物は建てられない、そういうふうに思っておられました。ところが、県なら建てられる。本来規制が幾重にもあって建てられない。そこにこのような大がかりな物が建てられることが可能というのは一体どういうことなのか。法を守るべき県が開発できないところを開発するということはどうしても納得できないと、このようにおっしゃっておられますが、その点についてお伺いしたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。難しいでしょうが、答弁は一分以内で何とか。



◎知事(荒井正吾) 山村議員がおっしゃった、新しい物は建てられないというのは、建っているではないですか。実際に規制は厳しいけれども、塀が新しくなっているではないですか。公園の公舎の前のレストランも建ちましたし、建てられないというのは、どなたからお聞きになったかわかりませんが、それこそうそではないけれども、間違いだというふうに思います。一分以内です。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 建っていたところに同じ物を建てることは認められております。その大きさの範囲内で。それを超えて新たな物を建てる、高畑町の官舎跡地には、そのような大きな物は建っておりませんでした。そういう物をまた新たに建てるということは到底納得できないという話は、当然のことではないでしょうか。それから、知事は、この奈良公園の吉城園地域の今ある資産を生かしていい物をつくるというふうにおっしゃいましたけれども、その資産は、我々県民の資産だと思います。それを一部の業者、しかも、大きなホテルを経営するような大資産の方々のお金もうけの応援をするために使う、提供するという話であります。そのような話になぜ我々が納得できるのか。もしも立派な資力があるホテルの業者の方であるなら、自力で適切なところに来られるというのが当たり前の話ではないかと思うのです。どうして県民の財産であるその土地を、県民の人たちが反対しているにもかかわらず提供されるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 言っていることは間違っておられますね。県民の皆様が反対しているわけではありませんよ。県民の一部の方のみが誤解に基づいて反対しておられるだけですよ。新しい物は建てられないと、先ほど知事公舎の前に、前の古い裁判所の建物どおりではなしに、全く違う物が、審査して建っているではないですか。塀も新しくなりました。あそこをみんな喜んで見ていただいておりますよ。きちんと建ったら、皆さん方何も言われない。これ以上言いません。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 私は、知事の認識のほうが間違っているというふうに思っております。だって、この奈良公園、名勝に指定をされまして、そこが古都保存法という法律で守られてまいりました。現状変更はできない、だから文化庁に申請を出して変更を求めているわけであります。そういう厳しい条件があるという状況の中での話をさせていただいております。県の提案した計画図というのは、確かに知事が最初にお答えになられたように見た目はきれいです。緑も多い、高さも低くして景観も守っているように見えますけれども、見た目で判断してもいいのかということが問われているというふうに思います。現に値打ちのある建物が、例えば副知事公舎、その価値を県民にしっかりとした情報公開で明らかにしないままに、改装されてしまうおそれがあります。世尊院は、民間の方が昔持っておられました。その当時にホテルにする計画が持ち上がりましたけれども、そのときに県は、奈良公園の景観を守ろうということで、買い取って保存をされて今日活用されてきた経過もあるわけです。歴史的な景観というのは、長い歴史の蓄積によって生まれたものでありますから、蓄積を大事にしていくという立場で考えていかなくてはならないと私は思っておりますので、いっときの知事の提案・考えで簡単に軽々に変えていったり、改装しないでいただきたいと、この計画については県民の合意を持って進めていただきたいと思います。

 それから、最後に一点、先ほど知事は、辰野氏の手紙のことを申されました。私信である手紙の内容を、受け取った方が「いいから」と言ったといって、出した方の了解もなく、このような場で攻撃的にお使いになられるというのは、大変私は理解しにくい問題だというふうに思っております。そういうのは大変失礼なことではないかというふうに思いますので、申し上げておきたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 山村議員はいつも、隠すな、公表しろとおっしゃっているではないですか。こんな脅迫状めいた手紙を送られて、もっともらしい顔をして県民全部が反対しているというようなことを言うのは、奈良県民にとっては大変恥ずかしい話だと私は思います。隠すな、公表しろとおっしゃっている議員の趣旨に従ったまでだというふうに思っております。



○議長(川口正志) 山村議員の予定時間が参りましたので、質問は終わってください。

 次に、二十四番田尻匠議員に発言を許します。−−二十四番田尻匠議員。(拍手)



◆二十四番(田尻匠) (登壇)皆さんこんにちは。田尻匠でございます。これから代表質問をさせていただきますが、その前に皆様方にご報告をさせていただきたいと存じます。

 この県議会で選出をいただき、関西広域連合に派遣をしていただいております。先日来関西広域連合でシンボルマークが決定をいたしましたので、ぜひとも皆様方にもご承知おきをいただきたいと思いまして、きょう持ってまいりましたので、ぜひとも見ていただきたいと存じます。

 今見ていただきましたとおり、このシンボルマークは、関西広域連合の設立五年と、奈良県の正式加入によって決定をされた、そんなシンボルマークでございます。公募二百五点の中から選ばれたマークは、Kansaiの頭文字の「K」の形をモチーフに、関西地域の力を結集し、個性とパワーあふれる関西を目指す姿を表現されております。

 本年九月九日に、奈良県議会で関西広域連合の私が所属をさせていただいております防災医療常任委員会が初めて開催をされることが決定をいたしました。当日は、関西広域連合の担当委員であります関西広域連合長の井戸兵庫県知事、荒井奈良県知事、久元神戸市長と関西二府六県四政令市の関西広域連合議会議員十九名が、この奈良の地に参集をされます。大いに議論をさせていただき、お帰りには奈良県観光、奈良県の名産品をたくさんお買い上げいただき、ぜひ宿泊していただきたいと存じております。皆様方にご報告を申し上げ、それでは、質問に入らせていただきます。

 第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会が、九月一日から十一月三十日までの九十一日間の予定で開催をされます。県では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、観光、文化、スポーツの振興を重要な取り組みとされております。この大会の開催を、文化という奈良県のブランド力を全国に、世界に発信する大きな契機として、歴史と文化の豊かな蓄積のある奈良県の価値をより明確にできる大会を目指し、文化庁、厚生労働省、奈良県、市町村、文化芸術団体、各実行委員会などが主催者となり、今日県が先頭に立って取り組みがされております。

 五月二十八日には、百日前のイベントが奈良市で開催されました。県内の子どもによる獅子舞や能楽、中高生によるダンスや合唱、そしてゲストのアルケミストのコンサートなどが披露されました。私も参加をさせていただき、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会の雰囲気を体験いたしてまいりました。九月二日には、開会式が東大寺大仏殿前で午後七時から開会される予定であります。第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会の基本理念として、奈良から日本文化の真髄を探り、その厚みと深みを再認識するとともに、今に繋がる多種多様な文化活動を堪能、展開することにより、継続性と包容力を特色とする日本文化を広く発信する機会とされております。

 全国で初めて国民文化祭と障害者芸術・文化祭を一体開催することにより、文化芸術が障害のある方の活力の源になるとともに、障害のある方とない方の新たな関係性が生まれることも大変期待をされるところであります。テーマとして、日本文化の源流を探る、文化の今を楽しむ、文化芸術立国の礎を築く、障害のある人とない人の絆を強くとうたわれております。マスコットキャラクターは籔内佐斗司氏、公式ポスターは絹谷幸二氏、イメージソングは新井満氏、ロゴマークは水野学氏と、話題性をまきながらスタートいたしました。主催事業として、オープニング・フィナーレの総合フェスティバル、シンポジウム事業、国際交流事業、障害者交流事業、分野別フェスティバルと構成されております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 この第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会は、かなりの費用をかけて企画、計画されたと思いますが、来場者数や経済効果、また大会後の文化の継承や継続についてどのように考えておられるのでしょうか。

 また、県民の認知度はまだまだ低いのではないかと心配をいたしております。スタートまで百日前を切り、あとわずかでございますが、来場者アップにつながる広報についてもどのように考えておられるのかお伺いをいたします。

 次に、(仮称)奈良県国際芸術家村の整備についてお伺いをいたします。

 平成三十二年の開村を目指してスタートいたしました(仮称)奈良県国際芸術家村の整備は、地域振興の面から捉えますと、経済的な側面からの地域活性化に加え、昨今は地域振興に関するキーワードとしまして、地域づくりとか地域おこしという言葉をよく耳にします。地域振興に経済的な発展が必要ですが、加えて、地域づくりや地域おこしと言う背景には、プライスレスな価値、そこに暮らす人々のことや生活、郷土愛といった側面が強調されているのではないでしょうか。その背景には大きく文化が存在していると思います。県民や国民がぜひ(仮称)奈良県国際芸術家村に行きたい。家族や友達を誘ってみたい。奈良県の持つ日本の原風景を肌で感じられる、そのような歴史文化に重点を置いた(仮称)奈良県国際芸術家村の整備を進めるべきだと思います。

 さて、昨年十二月議会において整備基本計画が示されました。基本理念として、奈良県の強みである歴史文化資源を活用して、総合的・戦略的に施策展開を図る拠点であり、中心となる文化・芸術振興の取り組みに加え、観光・産業振興、まちのにぎわいづくりなど、政策間連携を図ることで地域の魅力を高め、地域活性化を実現する先駆的な拠点としての整備をするとされております。その上で、歴史文化資源活用・文化資源交流・人材育成機能、文化・芸術振興機能、観光・産業振興機能、情報提供・発信機能、屋外体験機能、賑わい機能と、六つの機能が挙げられております。それらが文化財修復・展示棟、複合棟、伝統工芸施設、農村交流施設などとして施設整備されることになっていますが、私は、同じ整備をするなら、質の高い、グレードの高い整備が必要だと考えております。

 また、去る二月議会平成二十八年度奈良県一般会計補正予算案として提出をされました文化財活用推進事業においては、4K映像を想定した映像制作が上がっていましたが、設備面においても大いなる関心があるところであります。(仮称)奈良県国際芸術家村が開村いたします二〇二〇年ころには、さらに高精細な8Kが商業ベースに乗っているものと思います。映像技術だけでなく最先端の技術を盛り込んだ未来志向の展示展開等が、その画期性と話題性で県内・国内はもとより世界からも入場者を集めることにつながっていくのではないかと思います。

 奈良の歴史性との関連にも触れておきたいと思います。県内には国宝・重要文化財に指定されている建築物や美術工芸品がたくさんあります。奈良県にこそ本物が残っていることを発信するとともに学べる施設が必要ではないでしょうか。今年度は建築設計業務などを詰めていかれるようでありますが、そこで施設整備や展示展開について、現在の検討状況を知事にお伺いいたします。

 特に、文化財修復・展示棟整備がうたわれておりますが、ぜひ奈良の歴史が学べる施設であってほしいと思います。これからどのように整備をしていこうと考えておられるのか、コンセプトを含めてお伺いいたします。

 次に、知事はきのうの本会議で、年間来村者五十五万人、県内経済効果十八億六千万円の見込みを発表されましたが、その目標達成のためにも、(仮称)奈良県国際芸術家村が他の文化施設や学校、もろもろの機関とどのように連携をとろうとしておられるのかお伺いいたします。

 (仮称)奈良県国際芸術家村は、天理市杣之内町に建設されますが、基本計画では、中心となる文化・芸術振興の取り組みに加え、観光・産業振興、まちの賑わいづくりなど政策間連携を図ることで地域の魅力を高めるとうたってあります。

 ご承知のように、天理市内には天理教本部、天理大学、シャープ天理工場など、国内のみならず世界的に有名な諸機関がございます。地域づくりは一人でなるものではありませんし、(仮称)奈良県国際芸術家村ができることで、それが媒介役となって天理市内にある諸機関が有機的に連携し、地域の発展につながることが大変重要かと思います。私も、今日まで数多くの海外や、あるいは東京からのお客様を、そしてまた報道やテレビ関係の皆さんを奈良県に案内させていただきました。県内各地の名所はもとよりのことでありますが、天理教本部へご案内を申し上げました。一様に感嘆され、本殿前での丁寧なおもてなしに感動をされておられました。また、天理大学には歴史ある図書館や資料がございます。学生さんたちが多く学ばれておりますし、シャープ天理工場におかれても、数年前には本社の入社式を天理工場でされました。かつては最大六千人の従業員の方々がお勤めでしたし、今でも研究・開発部門として国内外からたくさんの皆さんがお越しになっております。このように、天理市には多くの魅力が存在いたします。

 そこで天理市においても、天理を芸術あふれるまちにするための諸施策展開を検討されるようですが、どのように連携をされるのか、知事にお伺いをいたします。

 さらに、県内にある歴史文化に関する諸施設、機関、有名な橿原考古学研究所などと有機的に連携することが必要と考えます。(仮称)奈良県国際芸術家村という文化・芸術の中心、へそができることの効果を最大限引き出さなくてはなりませんが、どのように連携、ネットワーク化を図っていくのかお伺いをいたします。

 次に、吉城園周辺及び高畑町裁判所跡地整備事業について、重ねてお尋ねをいたします。

 奈良公園の歴史は、明治十三年二月、興福寺の旧境内地等の風致景観を守るために、その一画を公園としたことに始まり、その後、明治期に入って公園の拡張整備を経て、現在の奈良公園の姿を形成してまいりました。また、大正十一年に国の名勝に指定されて以降、文化財として保存されてきました。さらに平成十年には、春日大社、興福寺、東大寺、春日山原始林などが世界遺産古都奈良の文化財に登録をされております。このように、多くの先人たちの努力により、社寺一体となって守られてきた奈良公園は、今日国内はもとより中国をはじめとして世界中からたくさんの皆様に訪れていただいております。

 そして、奈良公園と言えば、やはり鹿があまりにも有名でございます。今も国内外からの多くの観光客の皆さんは、鹿との身近さと人懐っこさに感動され、鹿せんべいや、写真撮影をして大変喜んでおられると思います。中国からの観光客も、インバウンドの影響で日本にたくさん訪れていただいております。中国人の方が強く関心を持たれるのは、富士山、温泉、雪、鹿とも言われております。現在、奈良公園には約千二百頭の鹿がいます。鹿の育成・保護などに愛情を込めて育てていただいています奈良の鹿愛護会の皆様方に心から感謝を申し上げる次第でございます。

 さて、奈良公園の有する本質的価値を適切に保存管理するとともに、地域の共有財産として有効に活用する指針を定めるため、平成二十三年に名勝奈良公園保存管理・活用計画が策定をされました。それに基づいて知事公舎、副知事公舎、旧世尊院、旧青少年会館、吉城園主棟や庭園は外観保存や様相を残しつつ吉城園周辺整備をされることが発表されております。この地域は、文化財保護法、古都保存法、奈良市風致地区条例などにより、建築高さが八メートル以下、建蔽率二〇%以下、緑地率四〇%以上と屋根の形状、部材、色彩指定など数々の規制がございます。このような中で、知事公舎はレストランとして活用されるようでありますが、天皇陛下認証の間はライブラリーとして保存されるようであります。その他の施設は交流施設や多目的ホール、茶室などに活用され、宿泊施設が三施設整備されるようであります。

 高畑町裁判所跡地は民間の別荘として使用され、昭和二十六年から平成七年まで裁判所の官舎として使用されました。平成十七年には、国からの申し出により奈良県が買収された土地であります。この跡地に、奈良県の施工により腰かけ待合、庭園、茶室が整備され、民間施工により宿泊施設、飲食施設が整備される予定でございます。この跡地も、先ほどと同じくさまざまな法律規制と厳しい許可基準がございます。これらの整備に対しては、期待する声がある一方、奈良公園に巨大なリゾートホテルが建つのではないか、奈良公園の景観を壊すのではないかと心配の声があるのも事実であります。そのような中、奈良県は、地元説明会をことし三月、六月と二回開催をしております。

 そこでお尋ねをいたします。吉城園周辺及び高畑町裁判所跡地整備の狙いについて、改めて知事のお考えをお伺いいたします。

 また、全国的にも注目される事業になってくると思っておりますが、今後も丁寧なプロセスが必要と考えますが、どのように進められるのかお伺いをいたします。

 次に、奈良県営住宅の整備についてお伺いをいたします。

 今日奈良県内の県営住宅は、奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、宇陀市、三宅町、田原本町、吉野町の十市三町に四十四団地、七百四十棟、八千二百三十六戸が保有され、約六千戸に入居をされておられます。建設年度は、昭和二十年代後半から昭和四十年代に建設された建物が大半で、建築後五十年が経過をしております。家賃も、最も低い住戸で入居者の所得にもよりますが、一千五百円から五万五千三百円と幅広く対応をされております。高度成長期にマイホームを持つことが夢の大きな一つであった時代に、そのステップ段階として多くの県民の皆さんに居住していただき、奈良県に定住していただく礎になりました。しかし、多くの県営住宅は外見から築経過年数の古さが一目瞭然であります。

 現在、建てかえ計画の状況は、昭和四十年度から昭和四十四年度に建設をされました戸数二百八十戸中、入居戸数約百六十戸の桜井市の桜井団地が計画をされております。また、天理市の天理団地における余剰地の民間活用を検討中とのことですが、私は、建てかえをするところを中期計画として決定をし、今までの県営住宅のように一目瞭然で県営住宅とわかる建物ではなく、モダンな、その立地条件にマッチングした外見や設計にすることも必要かと思います。また、内装も、バリアフリーはもちろんでございますが、県内材料や県内生産されている奈良の木を率先して使用するべきだと考えております。そして、ワンルームから大家族まで居住できる多様な間取りも計画されてはいかがでしょうか。

 また、県営住宅の駐車場の整備も、私は平成五年当時この県議会で、県営住宅駐車場が一台もないのはおかしいと指摘して以来、それから徐々に整備が始まったのが最初だと認識をいたしております。しかし、今日でも、団地の管理戸数の一〇〇%の区画数の駐車場が整備されていない団地もまだまだあります。これからの時代は、一家に一台はもとより、二台の時代でございます。そのことも鑑みれば、一〇〇%は当然だとも思います。

 また、これからの県営住宅の活用ですが、私は、ぜひとも震災や災害で住居に住めなくなった方々の仮設住宅を各団地に一定戸数確保する必要があるかと、以前から強く考えております。しかし、制度上難しいとされるならば、先ほどご案内をいたしました関西広域連合の防災医療常任委員会で公営住宅での被災者の皆さんのための用意が整えられるように、関西広域連合から政府、国土交通省、関係省庁に要望するよう提案をいたしたいと思っております。

 そこでお伺いをいたします。築五十年近く経過をいたします県営住宅について、建てかえを含め、どのような計画・ビジョンをお持ちなのか。また県営住宅跡地の地元市町村あるいは民間への売却など、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。

 あわせて、これからの県営住宅の使命はどのようにお考えなのか、重ねてお伺いをいたします。

 次に、アスベストの使用についてお尋ねをいたします。

 国土交通省の発表いたしました公共賃貸住宅における吹き付けアスベストに関する調査結果から、NHKと中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会による共同調査では、奈良県内の公共団地にもアスベストを使用していた団地が存在すると発表されております。県営住宅の状況はいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 さまざまな観点から県営住宅のあり方について申し上げましたが、知事の答弁をお願い申し上げます。

 次に、高齢歩行者の交通事故防止について警察本部長にお伺いをいたします。

 本年の交通死亡事故は、六月十五日現在で残念ながら二十二人の方が亡くなり、そのうち十四人の方が六十五歳以上の高齢者の方であります。また、高齢者十万人当たりの交通事故死者数を見ても、全国平均と比べて本年は特に悪いようであります。つまり、全国的に見ても、県内では高齢者が多く亡くなっているとのことであります。

 私は、平成二十七年十二月議会で高齢ドライバーの交通事故防止について質問をいたしました折、県警察ではこれまで参加・体験・実践型の交通安全教育の実施、運転適性相談窓口を設置しての相談対応、さらには高齢ドライバーの方が運転免許証を自主返納されるための支援事業等を拡充するべきだと提案いたしました。その後、本年三月には改正されました道路交通法が施行され、七十五歳以上の運転者が認知機能が低下したときに起こしやすい違反行為をしたときは、臨時認知機能検査を受けなければならず、この検査で認知症のおそれありと判定された方は、臨時適性検査という医師の診断を受けるか、主治医等の診断書を提出するなど、高齢ドライバーの交通事故防止は、全国的に取り組みがされております。

 他方、県内では、本年に入って高齢者が歩行中に車にひかれて死亡される事故が多発をしております。近年は健康長寿ということで、ウォーキングをされる高齢者の方がふえております。こうした方や、運転免許証を自主返納された方などが安全で安心して道路を歩行できる環境をつくることは、きわめて重要であります。特に奈良県においては、高齢者人口は年々増加傾向にあり、高齢者人口将来推計を見ると、今後全国より速いスピードで高齢化が進んでいくと見込まれます。このようなことから、高齢者の交通事故防止は、喫緊の課題でございます。

 そこで、これら高齢歩行者の交通事故防止をするために、県警察では現在どのような対策に取り組んでおられるのかお伺いをいたします。

 以上をもちまして、壇上からの第一問とさせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十四番田尻議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七及び第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会についての質問でございます。来場者数、経済効果、継承・継続、広報についての質問でございます。

 かなり費用がかかるものだというお言葉がございましたが、奈良県の第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会の費用でございますが、国で約半額を負担していただきますとともに、他県で行われたこれまでの予算規模に比べましては、相当節約型になっております。また、他県では三週間、一カ月ぐらいでございますが、奈良県では三カ月もの長きにわたって行うといった特徴がございます。

 そこで、その内容でございますが、本年秋に開催いたすわけでございますが、まず奈良県実行委員会主催の総合フェスティバルや障害者交流事業などが二十八事業ございます。市町村実行委員会主催の分野別フェスティバルが七十五事業ございます。全体で百三の文化・芸術事業を実施いたします。また、民間団体等がされる応援事業も、現時点で六百事業を超えている状況でございます。

 これらの事業形態は、文化施設などで行うもののほか、駅や広場のオープンスペースで鑑賞するものなど、多岐にわたっております。現時点で全体の来場者数を想定することは多少難しいものと思っております。

 ただし、参加団体等へのアンケート調査では、分野別フェスティバルの出演予定者は五千名を超えております。これに近府県や県内からの鑑賞者、応援事業参加者を加えますと、かなりの数の来場者になるものと予想しております。また、来場者の中に障害者の方がおられますので、バリアフリー、また移動の支援などの配慮も重要かと思っております。

 経済効果でございますが、各イベントへの来場者数などを踏まえまして、客観的かつ今後の参考となるよう、第三者による効果算定を行っていきたいと思っております。現在、専門家の方と調整を進めているところでございます。

 また、大会後の文化の継承・継続でございますが、一体開催するこの大会で得た成果・ノウハウを、奈良県大芸術祭や奈良県障害者芸術祭など、これまでやっております県独自の文化・芸術施策の中でどのように受け継ぐかという観点から、継承・継続を検討してまいりたいと考えています。

 来場者数アップにつながる広報でございますが、これまでも三月のプレガイドブックの発行、県内外各地でのポスターやのぼりの掲出、イベント会場でのPR活動など、さまざまな広報活動を行ってきているところでございますが、今後は、この七月に発行いたします公式ガイドブックをはじめ、各駅でのデジタルサイネージや電車・バス車内での印刷物の掲示なども行う予定でございます。また、若年層を中心に広がっておりますSNSの活用や、報道機関のご協力により事前ワークショップや作品制作過程なども情報発信していきたいと思っております。

 開催まで残りわずかとなりましたが、より多くの方々が第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会にご興味を持っていただき、参加いただけますよう、さまざまな年齢層や生活の場面に合わせ、多様なツールを活用して積極的広報を展開していきたいと思っております。

 二つ目のご質問でございますが、(仮称)奈良県国際芸術家村の整備についてでございます。

 まずそのコンセプトについてどのように整備をしようと思っているのかということでございますが、議員がお述べになりましたように、奈良らしさと質の高さということにこだわって整備が進められたらと思っております。

 (仮称)奈良県国際芸術家村の整備でございますが、昨年度策定いたしました基本計画における必要な機能、規模等を踏まえ検討を進めておりますが、今年度実施いたします建物の基本設計の過程におきましても、各施設の詳細な仕様を具体化していくことになろうと思います。

 議員お述べの、文化財修復・展示棟でございますが、歴史文化資源の保存・活用と人材育成という観点から、この村の主要な機能を担う施設であると考えております。このため、県文化財保存事務所の移転や文化財の保存修復に係る団体・企業の誘致などによって、文化財の保存修復や後継者の育成を一体的に行っていく施設になればと思っております。その文化財の修復現場の公開・解説や仏像等のレプリカの直接接触、ハンズオン展示などによりまして、来訪者が直接歴史文化資源に文字どおり触れ合う機会を提供できたらと思っております。

 なお、展示展開に当たりましては、来訪者が本県の本物の歴史文化資源に触れ学ぶ機会や、この施設で創作活動を行う芸術家の作品などを介して、上質な文化芸術にふれあう機会が提供できるよう検討してまいりたいと思っております。

 この(仮称)奈良県国際芸術家村の天理市との連携、また、関係する機関とのネットワーク化をどのように考えるかというご質問がございました。

 奈良県文化振興大綱にも記載しておりますが、本県の歴史文化資源活用の総合拠点として、この(仮称)奈良県国際芸術家村を整備する考えでございます。また、文化芸術とのふれあいの場として整備を行いたいと思っておるものでございます。したがいまして、県内の歴史文化に関する施設や地元行政、民間教育機関、研究組織などと連携をしてネットワーク化を図り、この村が拠点の一つになるように整備、また活動の展開を進めていけたらと思っております。

 地元であります天理市との連携につきましては、天理市がことし四月にオープンいたしました駅前広場、コフ・フンでございますが、これから、この(仮称)奈良県国際芸術家村までの間を、芸術通りとして整備することになっております。単なる点としての整備ではなく、天理市内におきましても、芸術ゾーン・芸術通りとして面的に広がる可能性がありますので、大いに期待をしております。また、開村までの間、国内外の芸術家を招き、芸術文化活動を行う事業を県と市が連携してモデル的に実施することも予定をしております。

 また、関係の機関でございますが、橿原考古学研究所をはじめとする県内の歴史文化に関する施設との連携につきまして、この(仮称)奈良県国際芸術家村におきまして、本県の歴史文化を学んでいただいた上で、各地の歴史文化施設等において、その特色や専門性を生かした来訪者の学びを深めてもらうといったような連携のあり方について、今検討を行っております。

 また、民間企業との連携におきましては、本村の整備に当たりまして、既に行政、観光・農業等の関係者、地元団体、金融機関などで構成されます(仮称)奈良県国際芸術家村企画協議会の中で意見交換を行っておりますが、引き続き地域、地元にある民間企業、団体の方との連携も図りながら、地域全体がよくなるように、より広く活性化ができるように願っておるところでございます。事業のもくろみをどのようにするか、より広くこれから情報収集して意見を求める活動が大事かと思っておるところでございます。

 吉城園周辺、高畑町裁判所跡地整備事業についてのご質問がございました。プロセスについてのご質問が中心であったかと思います。

 議員お述べの吉城園周辺地区と高畑町裁判所跡地につきましては、名勝として豊かな歴史的・文化的価値を有しております。しかし、吉城園周辺地区では一部の建物が老朽化し、また、高畑町裁判所跡地は敷地内に竹林が繁茂するなど環境を損ねてきております。両地区とも、絶好のロケーションにもかかわらず、有効に活用されていない状況に至っております。

 このため、名勝指定時をしのばせる上質で低層の宿泊施設などを、民間の活力を最大限活用して整備することが名勝奈良公園としての価値をさらに高め、将来にわたり両地区をよりよく維持・利活用できるものと考えたところでございます。

 宿泊施設以外にも、吉城園周辺地区では、建物や景観などの風情を守りつつ、サンフランシスコ講和条約の批准書に署名された知事公舎の御認証の間や旧世尊院などを歴史文化の発信の場として公開をする予定でございます。高畑町裁判所跡地におきましては、文化的価値のある庭園や茶室を復元することになっております。両地区とも多くの方が楽しく利用していただける施設となっております。

 このように、ポテンシャルの高い場所にゆったりとくつろげる宿泊施設などを整備することにより、観光分野での国際競争力を高め、世界中から多くの人が奈良公園へ訪れていただけるものと確信をしております。両地区の整備が、世界に奈良のブランド力を大いに発信できる拠点になるものと考えております。

 両地区とも、これまで奈良公園地区整備検討委員会や検討部会で十分に議論を尽くすとともに、専門家による現地調査も行い、計画を固めてまいりました。また、地元説明会や地元自治会へのチラシの配布など情報発信にも努めてまいりました。この七月にも地元説明会を予定しているところでございます。今月十六日には、文化庁から文化財保護法に基づく現状変更の許可をいただいたところでございます。名勝の価値を決して損ねないよう丁寧な整備に努めてまいりたいと考えております。

 今後、詳細な調査や設計を行い、整備の内容などにつきましては、適宜、奈良公園地区整備検討委員会に報告するなど、丁寧な情報発信に努めながら、平成三十二年春のまちびらき、新公園びらきを目指していきたいと考えております。

 次のご質問は、県営住宅の今後の整備についてでございます。

 住宅・まちづくり政策のアクションプランとして県独自の奈良県住生活ビジョンというものを策定してきております。この中で、県営住宅につきましては、入居されている高齢者や子育て世帯などが安心して暮らせる環境整備や質の高い公営住宅整備の推進を重要課題として位置づけているところでございます。

 これらを踏まえまして、老朽化が著しい県営住宅につきましては、集約・再編による更新を進めようとしております。平成二十六年度に県営小泉団地の建てかえが完了しております。今年度は周辺景観との調和を図り、地域のまちづくりと連携して県営桜井団地の建てかえ工事に着手する予定でございます。また、比較的新しい住棟への住みかえを促進するとともに、耐用年数が残る県営住宅は、長寿命化を図るための改修を進めていきたいと思っております。

 県営住宅跡地につきましては、地元自治体と調整いたしまして、地域に必要な施設の導入等、まちづくりに資する活用の検討を行った上で、売却も含め、また市町村への払い下げも含め、地域にとってよりよい跡地活用を検討してまいりたいと思います。

 なお、奈良県住生活ビジョンは、策定後五年を経過したため見直しを行っている最中で、本年十二月に改定する予定でございます。改定に当たりまして、これまでの方針に加えまして、県営住宅とまちづくりの連携につきましても、明確に位置づける予定でございます。県営住宅計画から住生活ビジョンというふうに発展をしている過程でございます。

 これからの県営住宅の使命につきましては、大きく二つあると思いますが、公営住宅法の趣旨を踏まえまして、県民の居住の安定のためのセーフティーネットとして、生活の安定と社会福祉の増進に寄与することであろうかと思います。また、県営住宅を核としたまちづくりの推進により、より広く地域の住民の暮らしやまちづくりにも貢献する必要があろうかと思います。

 今後とも、より一層県民の住んで良しを実現できるよう、住宅・まちづくり政策を進めてまいりたいと思っております。

 次のご質問は、県営住宅におけるアスベストの使用状況についてのご質問でございます。

 過去、国土交通省の調査に基づきまして、吹き付けアスベストの使用状況及び過去の飛散防止対策の実施状況について調査を行っております。居室内の吹き付けアスベスト等が使用された県営住宅はございません。そのことは確認しているところでございます。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 安田警察本部長。



◎警察本部長(安田浩己) (登壇)二十四番田尻議員から、私には、高齢歩行者の交通事故を防止するための対策についてご質問をいただきました。お答えを申し上げます。

 県内の交通事故死者数は三年連続で増加しており、本年も昨日現在で二十五人と前年より八人も増加するなど、きわめて深刻な状況にございます。中でも亡くなられた方のうち十六人が六十五歳以上の高齢者で、全体の六割強を占めており、とりわけ歩行中の高齢者が十人も亡くなられております。議員ご指摘のとおり、今後高齢者人口の増加が予想される現状において、高齢歩行者の安全確保は喫緊の課題であると認識をしております。

 こうした状況を踏まえまして、県警察では、広報啓発活動や高齢者交通安全教室の開催、交通指導取り締まり等を強力に推進するとともに、抜本的な対策として、過去に発生した高齢歩行者の事故を詳細に分析し、その要因と対策を検討いたしました。その結果、発生の多い事故形態として三つの形態があることが明らかになりました。その一つ目は、高齢者が交差点で横断歩道を横断中に右折車両にはねられる事故であります。二つ目は、高齢者が横断歩道のない道路を横断中に直進車両にはねられる事故であります。三つ目は、高齢者が横断歩道を横断中に直進車両にはねられる事故、この三つの形態が多いということが明らかとなっております。

 それぞれの事故形態への対策といたしましては、例えば交差点での右折車両との事故では、信号機を歩車分離式にしたり、交差点を改良して歩行者を発見しやすくするなどの対策が考えられると思います。また、横断歩道のない道路を横断中の事故では、横断歩道の新設を検討することが考えられます。さらに、横断歩道を横断中の事故では、横断歩道の補修や照明をつけるなどの対策が考えられるところでございます。

 こうした高齢歩行者の交通死亡事故抑止対策につきましては、喫緊の課題の一つとして、先般私から荒井知事に対して説明を行い、現状認識を共有させていただいたところであります。今後、重大事故が実際に発生した箇所及び当該箇所と同様の道路交通環境を有する危険箇所をリストアップいたしまして、緊急性の高い箇所から順次可能な対策を講じてまいりたいと考えております。

 もちろん、これらの対策については、県警察のみでできるものではございません。今後も県財政当局はもとより、道路管理者等の関係機関と連携を密にして、一件でも高齢歩行者の交通事故を減らせるよう努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 二十四番田尻匠議員。



◆二十四番(田尻匠) 今、知事はじめ警察本部長から答弁をいただきました。数々の県内の事業や、あるいは取り組みがなされているところでございますが、やはり広報活動あるいは県民の皆様方への周知がなかなかうまくいかない部分があるのではないかと、このようにも思っております。そういう意味におきましては、大変広報の難しさもあろうかと思いますが、これからの時代、SNSもそうでありますが、やはりマスメディアの中でもテレビというのは大変大きな影響があるのではないかと思っております。そんなことを含めて、これから新たなる広報を含めた考え方・取り組みが必要かとも思っておりますし、奈良県はやはり質のよい、そして障害者の皆様方にも大変優しい、そんな人柄や、あるいはそんなまちでなくてはならないと、このように強く思うところでございます。

 先日も関西広域連合圏内の議員の皆様方が、あるスポーツ会で奈良県にお見えをいただきました。遠くは徳島県や、あるいは鳥取県、兵庫県からもお見えをいただきましたが、残念ながら大阪府で宿泊をされたり、あるいは京都府で宿泊をされたり、一件、奈良県でお泊まりをいただきましたが、なかなかマッチングしたホテルがないと、このようにおっしゃっておられて、お帰りをいただいたところでありますが、総合的なことを含めて整備をするところは整備をしながら、やはり質の高い、そしてまた県民の皆様方が納得いただける、そんな整備を進めていっていただくべきだと、このように思っているところでございます。

 また、警察本部長からは、私どもが考えることと同じような答弁をいただき、大変ありがたく思っておりますが、今後の交通事故の防止は、やはり高齢者の皆様方も元気で体を動かしていただき、活動をしていただくことが大変重要かと思っております。そんな中で、交通事故の防止に関して、知事と警察本部長が現状認識を共有して討議・議論をいただくということは大変ありがたいことだとも思っておりますし、警察本部長は、この答弁の中で申し上げられませんでしたが、やはりいろいろな整備には大変な費用がかかります。予算がかかるのは当然でありますが、やはりそういうことも含めてしっかりと認識をしていただかなくてはならないと思っておりますし、また、財政当局の皆さん方もしっかりと連携をとっていただき、県民の皆様方の安全のために全力で取り組んでいただきたいと思っております。

 そんな中、一例でございますが、横断歩道の整備については警察本部長がおっしゃられたとおりでありますが、例えば歩道につきましても、県やあるいは国土交通省を含めて、いろいろな予算や補助金でノンステップバスが走るようになってまいりました。しかし、現場の声を聞きますと、歩道が高い。せっかくノンステップバスを導入しながら、車を、バスを寄せることができないので、どうしても間隔があいてしまいます。そうなれば、せっかくのノンステップバスの意味がなく、歩道をこれから整備するときには低くしていただきたいと、このような現場の声も聞き及んでまいりました。そういうことを含めて、これからしっかり丁寧に取り組んでいかなくてはなりませんが、これから高齢化社会に向かっていく現実をしっかりと認識しながら、県民の皆様方の安全・安心なまちづくりのために全力で取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後二時五十分休憩

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△午後三時九分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十四番大国正博議員に発言を許します。−−十四番大国正博議員。(拍手)



◆十四番(大国正博) (登壇)それでは、議長の許可をいただきましたので、公明党を代表いたしまして、通告いたしました数点について、荒井知事並びに関係理事者にお尋ねをいたします。

 初めに、防災対策についてお聞きします。政府の地震調査委員会がまとめた二〇一七年版の全国地震動予測地図によると、今後三十年以内に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率は全国的にほぼ横ばいで、奈良県内の予想を見ても、奈良市では二〇一六年版と同様、六一%の確率でありました。また、全国的に見ても、都道府県県庁所在地で震度六弱以上の揺れに見舞われる確率で奈良県奈良市が九番目に高く、近畿では一番高い状況で、さらなる防災の取り組みが求められています。東日本大震災や熊本地震、さらには本県の南部地域を襲った紀伊半島大水害の教訓を生かし、細やかな防災対策づくりを進めていかなくてはなりません。

 まず災害で浮き彫りになった課題の一つが、安否、交通、給水などの情報を得たり、連絡を取り合ったりするための通信手段の確保であります。大規模災害時には無線LAN、Wi‐Fiが有効とされていますが、全国防災拠点への設置はおくれている状況です。総務省の研究会が一昨年五月に取りまとめた報告書によると、役場などの庁舎施設が九%、避難所一%、避難場所〇・一%と、ほとんどWi‐Fiが整備されていません。全国の庁舎施設は約九千カ所、避難場所・避難所は約八万八千カ所あることから、それぞれの普及施設は九百カ所弱、一千カ所程度にとどまる状況です。外国人観光客らのニーズが高く、経済効果が見込める施設は民間事業者によるWi‐Fi整備が望めますが、防災拠点のようにいざというときへの備えは自治体主導でなくては進みません。そこで政府は、避難所などへのWi‐Fi整備を進めるため、自治体などに対し、費用の一部を補助する事業を実施されており、避難場所・避難所は一万三千カ所、避難所は公立中学校区当たり一カ所が目安で、庁舎施設はすべてが重点整備箇所として設置を目指しています。

 そこで、本県における避難所へのWi‐Fi整備についてどのように取り組んでいかれるのか、荒井知事にお尋ねいたします。

 次に、避難所対応のノウハウなどを盛り込む女性視点の防災ブックについてお聞きいたします。

 いつ発生するかわからない災害に備え、これまでの防災パンフレットは、どちらかというと男性目線での内容が多く、十分なものと言えませんでした。ハード整備だけではなく、防災対策に女性の視点をより反映させるため、地域や企業などの防災活動の中核となる女性防災リーダーの育成が不可欠であり、防災分野でも女性が活躍することが必要であると考えます。また、被災者の目線に合わせた備えを行うことはきわめて重要であり、そのためには、避難所での授乳や着がえの問題など、細やかな配慮の必要性に気づくことのできる女性ならではの視点を生かしながら、よりきめ細かな災害対策を進めていかなくてはなりません。

 東日本大震災の女性のための支援に当たられた方の声に、女性特有の健康問題に対する情報提供の少なさや、清潔維持の困難、ニーズに合わせた物資の不足などの課題があったということでした。避難持ち出し品としてのバックに入れられるものについても、ライフサイクルによって必要なものが変わることなど、男性には気づかないことが多くあると思います。

 私は、今こそ女性の防災への参画を促すとともに、県民の一層きめ細かな災害への備えを促進する女性視点の防災ブックの作成が必要であると考えます。この女性視点の防災ブックは、男性にも見てもらい、女性の支援を行うときに理解を深めていただけるものにもなります。

 そこで、奈良県が作成しています防災パンフレットを、日ごろから災害の備えに取り組めるよう見直すとともに、女性ならではのきめ細かな目線での防災のノウハウをまとめる女性視点の防災ブックを作成すべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、ひきこもり状態の若者に対する支援についてお聞きします。

 公明党県議団は、本年四月八日に、佐賀県子ども・若者総合相談センターを訪問し、特定非営利活動法人NPOスチューデント・サポート・フェイスの谷口仁史代表理事から、お話をお聞きいたしました。

 佐賀県子ども・若者総合相談センターも、奈良県同様に専門の臨床心理士が常駐されており、さまざまな困難を抱えた方や、その保護者、または関係者からの相談を受けられています。また、県の指定支援機関として、訪問支援やコネクションズ・スペースでの対人コミュニケーションの練習など、直接的なサポートを行うほか、必要に応じて情報提供や適正な専門機関を紹介されております。

 私が特に感じたことは、いまだ声を上げられず、いまだ活躍されていない方々への訪問支援、いわゆるアウトリーチや、関係機関や各地域の市民社会組織の幅広い協力のもと、県内外の教育、医療、福祉、雇用等に関する相談支援情報をセンターに一元化する取り組みが確立されていることでした。

 さて、私は、平成二十六年六月の代表質問で、ひきこもり相談窓口の設置について質問をさせていただきました。荒井知事は、早速取り組んでいただき、奈良県ひきこもり相談窓口を平成二十七年四月一日に県庁内に開設されました。開設以降の相談件数は、平成二十七年が電話相談と来所相談合わせて一千二百九十四件、平成二十八年度が一千八百三十一件で、二年間では三千百二十五件と聞いています。ひきこもりの当事者の年齢構成で最も多いのが二十代、次いで十代という状況で、比較的若年者が半数以上でありました。また、きっかけとしては、不登校が最も多く、次いで人間関係という状況でありました。その中で、就職や就学等につながった事例もあり、相談窓口の役割がますます大きくなっていることを感じます。

 一方、奈良県では、ひきこもりの方々が約四千人とも言われていますが、もしかしたらもっと多くいらっしゃるかもしれません。ひきこもり相談窓口の開設以降、私のもとにも困っておられるご家族から多くの声が寄せられています。ひきこもり状態にある方が立ち上がれば、家族も前向きになるという効果があり、逆に立ち上がるための支援がなければ、その影響は家族から地域へと広がっていきます。

 そこで、知事にお尋ねします。県庁に設置した奈良県ひきこもり相談窓口は開設から二年が経過いたしましたが、本人や家族の悩みを解消するためには、ひきこもり支援をさらに充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、支援の充実には人材の養成が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、平城宮跡周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。

 平成二十八年九月の我が党の代表質問において、荒井知事は、本県の文化観光振興、また、日本の文化観光の拠点となるよう、全力を挙げてまちづくりに取り組んでまいりたいと思いますと答弁されました。

 本年四月七日、奈良県、奈良市及び近畿日本鉄道株式会社は、近鉄大和西大寺駅周辺及び同駅以東における近鉄奈良線沿線地域において、地域と鉄道の連携による相互の持続的発展に向けた取り組みを推進するため、連携と協力に関する協定を締結いたしました。私も、これまで機会あるごとに質問を行い、推進してきた立場から、ぜひその場の空気を感じ、さらに取り組んでいきたいと考え、締結式の会場にお邪魔させていただきました。難しい事業ではありますが、この機会を逃すことなく三者において締結の運びとなりましたことに、荒井知事をはじめ、これまでご尽力をいただいた関係者の皆様に感謝を申し上げます。

 さて、協定書には四つの検討事項が明記されています。一つ目は、近鉄大和西大寺駅周辺の鉄道と道路との立体交差化に関すること。二つ目は、平城宮跡から近鉄奈良線の移設案に関すること。三つ目は、近鉄奈良線の移設案に伴う本地域の交流促進・にぎわいづくり、駅周辺の交通結節点機能の強化に関すること。四つ目が、その他、三者の連携・協力による取り組みが必要と認められることであります。

 奈良線の移設案については、現在県が単独で調査しておられると承知をしていますが、今後は奈良市や近畿日本鉄道株式会社と定期的に協議を行い、三者が相互に連携・協力しながら、本地域のまちづくりに関する取り組みを推進するとされています。私のもとには、移設された場合、新駅の設置やまちづくりがどうなるのかなど、県民の期待が大きくなってきております。

 そこで、四月七日に奈良県、奈良市及び近畿日本鉄道株式会社が締結したまちづくりに関する連携協定による近鉄大和西大寺駅周辺の渋滞対策などの検討状況と今後の進め方について、荒井知事にお聞きいたします。

 あわせて、県が魅力を高めようと取り組んでいる平城宮跡歴史公園の整備や、新ホテル・交流拠点整備について、進捗状況と今後の進め方についてお尋ねいたします。

 次に、健康寿命日本一に向けた取り組みについてお尋ねします。

 本県においては、平成二十五年七月に策定した、なら健康長寿基本計画で設定した重点健康指標値の評価・分析及び今後の健康長寿推進方策の検討を行うため、有識者及び関係者から構成される、なら健康長寿基本計画推進戦略会議を開催されており、平成二十六年度からこれまで四回にわたり協議を重ねられております。

 私も、五月八日に開かれた会議を傍聴させていただきました。荒井知事は冒頭で、健康づくりの実践をどうするのかというのが基本テーマですと挨拶されました。平成二十八年九月の我が党の代表質問で、県民にとってわかりやすく、行動につながるような内容や手法の工夫と繰り返しの粘り強いアプローチが必要である。健康づくりを実践する人の裾野を広げてその実現を目指したいと答弁されたことを思い出しました。

 平成二十八年度の、なら健康長寿基礎調査結果をもとに、活発にこれまでの取り組みに対する評価や健康長寿に対する効果を数値で示したり、どのようなものが日常的に実践しやすいものか、協議されていました。また、心身の状態や生活習慣、医療や検診の受診状況、さらに、歯と口腔の健康や地域とのかかわりについて詳細に報告がありました。

 私は、なら健康長寿基本計画を策定された直後の平成二十五年九月の代表質問において、計画の歯車をしっかりと回していく必要があると考えます。健康づくりの主体的担い手である市町村との連携・支援を含め、県は今後どのように取り組んでいかれるのかと質問いたしましたが、計画策定から四年経過し、間もなく計画を見直す中間時期を迎えます。

 そこで、平成二十五年七月に策定された、なら健康長寿基本計画の中間見直しにおいて、これまでの取り組みをどのように総括し、平成三十四年度の健康寿命日本一の目標達成に向け、どのように取り組んでいくのか、知事にお聞きいたします。

 次に、糖尿病等における足病について、林医療政策部長にお尋ねいたします。

 足病とは、足の部分で発症する病気ではございますが、一口に足病と言っても、足病自体にさまざまな種類があり、足病を発症させる原因もいろいろあります。その中でも特に恐ろしい症状が、糖尿病や透析がかかわっている症状であります。糖尿病が重症化すると神経障害が進み、足の感覚が鈍って痛みやかゆみを感じにくくなります。この状態で傷ややけどなどの足病を負っても気づかず、処置がおくれて潰瘍や壊疽などの状態に悪化していきます。また、糖尿病の患者は高血糖状態で抵抗力が落ちている上に、動脈硬化が進行していることが多く、足の血管が詰まることによって新鮮な血液が送り込まれないため、傷が治りにくく、足病はより悪化しやすいそうです。これらの要因により、糖尿病による足病では、下肢切断、下肢とはつけ根から膝までのところを言いますが、下肢切断に至る場合が少なからずあります。

 日本透析医学会のデータには、二〇一三年に透析治療を受けている方は三十一万四千人で、糖尿病が重症化した方が一番多く、全体の四四%を占め、毎年約四万人の方が新たに透析を導入されています。糖尿病から透析に至りますと、現状では透析患者さんのうち一万人以上が下肢切断に至っています。透析患者さんが大腿切断に至ると、約半数の方が大腿切断後一年以内にお亡くなりになっているという事実は衝撃的であります。また、積極的に足病を見つけても対処できないという実情もあるようです。これは足を専門的に診られる医師、医療機関との連携が進んでいないこと、症例によってどの科を紹介すべきか見きわめることが難しいことなど、さまざまな課題があります。

 去る五月二十一日、NPO法人奈良県腎友会の総会が行われ、午後からの、足病についてと題した講演会に参加いたしました。まず北海道大学名誉教授の大浦武彦先生による、足病の現状についての記念講演が行われ、その後、南奈良総合医療センター整形外科、門野邦彦先生や奈良県立医科大学放射線科の市橋成夫先生から、足病についての講演が行われました。ここで学ばせていただいたことは、正しい知識を持って、日ごろから足をケアして早期発見することが最も重要であるということです。そして最後に参加者から質問があり、足病で苦しんでおられる現状をお聞きいたしました。片方の足を切断したが、もう片方も悪化していると診断を受けているがどうしたらいいのかとの問いに、もう少し早く専門医に受診していたら状況は変わったかもしれないとの答えがありました。さらに大浦先生が、参加されている看護師さんに、足病の相談があったときにどこの病院を紹介しますかと質問される場面があり、看護師さんの、大阪の病院を紹介していますとの答えに、ぜひ奈良県内の病院にも足病を診てもらいたいと、参加者から声が上がりました。

 そこで、糖尿病等における足病についての県立病院での診療体制はどのようになっているのか、また、県民が県立病院で足病の診療が受けられることを広く周知すべきであると考えますが、林医療政策部長のお考えをお聞きいたします。

 次に、県立高等学校の長寿命化計画についてお尋ねいたします。

 公立小中学校施設は、第二次ベビーブームに合わせて建築されたものが多く、建築後約二十五年以上経過した建物の面積が全体の七割となるなど、校舎等の老朽化が大きな課題となっており、本県におきましても、県立学校施設の多くが築三十年を超え、老朽化が進行しています。言うまでもなく学校施設は、生徒の学習の場のみならず非常災害時には避難所となるなど、その安全性の確保は重要です。

 文部科学省は、平成二十七年四月八日、県教育長、県知事宛てで、学校施設の長寿命化計画策定に係る手引の送付についての通知文が全都道府県に発信されています。その通知文には、学校施設の長寿命化計画を策定する際の参考となる手引をもとに、可能な限り速やかに学校施設の長寿命化計画の検討に着手するとともに、計画策定を通じて、中長期的な維持管理等に係るトータルコストの縮減及び予算の平準化を図り、よりよい教育環境の確保に努めるよう促しています。

 平成二十八年九月議会での我が党の代表質問に対して、吉田教育長は、学校施設の長寿命化計画策定に係る手引等に基づき検討すべきと考えておりますとの答弁にとどめられております。また、トイレの洋式化については、今後の検討とすることの答弁でありました。

 そこで、学校施設の老朽化に伴い、各学校が抱えている課題をしっかりと把握した上で、長寿命化計画を策定し計画的に対応していくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。また、学校のトイレについては、災害時の避難所として地域の住民にも利用されること等を踏まえ、洋式化を進めるべきであると考えますが、吉田教育長のお考えをお聞きいたします。

 最後に、子どもと女性の安全・安心対策について警察本部長にお尋ねいたします。

 最近、新聞やテレビで、登下校時の小学生や帰宅途中の女性が狙われる性的犯罪などが、毎日のように報道されています。特に気になったのが、新学期早々、千葉県で、登校途中に行方不明となった小学生の女の子がご遺体で発見され、警察の地道な捜査により、近所のPTA役員までしている男が逮捕されるという、いたたまれない、大変ショッキングな事件がありました。

 こういった犯罪を未然に防止するため、全国の警察ではさまざまな取り組みが行われていますが、中でも福岡県警察では、本年一月から、子どもと女性の安全・安心のサポートに特化した防犯アプリ、みまもっちを配信し、県民への情報提供を迅速に行うことにより、子どもと女性の安全対策を進めているとお聞きし、先般、公明党県議団で福岡県警察へ視察に行ってまいりました。

 みまもっちは、福岡県で発生する事件・事案情報などをお知らせする、見て守る、アプリが見守る、身を守るをコンセプトとした福岡県警察のみまもりアプリケーションです。最新の不審者情報や被害の発生場所などを地図に示してお知らせしてくれるスマートフォン用アプリ。今いる場所から半径五キロメートル以内で発生した被害の情報なども通知されます。また、防犯ブザー機能やワンタッチで通報できるボタンなども備わっており、常に防犯意識を持って行動することができます。

 このアプリの効果は、アプリをインストールさせるという能動的な仕組みが若者の防犯意識を高め、また、子どもと女性だけにとどまらず、地域の防犯活動にも大いに効果があったとお聞きいたしました。

 そこで、奈良県警察では、このような子どもと女性が被害に遭う犯罪を未然に防止し、子どもと女性の安全と安心を確保するために、どのような取り組みを行っているのか、また被害に遭われた女性に対する支援についてはどのように取り組んでいるのか、警察本部長にお伺いいたします。

 以上で、壇上からの質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十四番大国議員のご質問がございました。

 最初は、防災対策について二問ございました。その一問でございますが、避難所へのWi‐Fi整備ということでございます。

 避難所では、災害発生時に電話等がふくそういたしますのが通常でございます。情報通信手段の確保が、安否の確認、また、移動の手段の発見などできわめて重要になります。議員お述べのとおり、Wi‐Fi環境の整備は大変有効な手段の一つと考えます。

 現在、県内市町村の避難所は一千二百八十七カ所ございます。その避難所のうち、Wi‐Fi環境が整備されているのは百七十四カ所でございます。約一三%ということで、一三%自身は全国平均並みということでございますが、やはり低い水準かと思います。

 国においては、このような避難所のWi‐Fi整備について補助制度ができております。本年度から三カ年の計画で国庫補助や、緊急防災・減災事業債を活用した事業によりまして、地方公共団体等の防災拠点へのWi‐Fi環境整備を促進されているところでございます。本県におきましては、この国の制度、またイニシアチブを活用いたしまして、避難所に指定されている県立高等学校の一部におきまして、今年度整備を行うこととしております。これは県が直接行える避難所のWi‐Fi整備でございます。

 今後、避難所の設置運営主体は基本的に市町村でございますので、施設の利用状況や整備後の活用方策等を十分勘案した上で、国の支援策を活用しながらWi‐Fi環境の整備が進められますように働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 防災対策の二点目は、女性視点の防災ブックを作成すべきではないかということでございます。

 自然災害リスク対応の心構え、準備におきまして、とりわけ女性視点の準備の心構えというのは重要ではないかということでございます。私もそのように思ってきております。女性視点の防災ブックの作成、前向きに検討したいと思います。

 県におきましては、防災パンフレットやリーフレットを作成して県民の防災意識の向上に努めてまいったところでございますが、近年地震や台風などの実例をもとにした課題点が次々に発表されておりますので、毎年必要な見直しを行っております。その中で、家族みんなで使ってもらえるような工夫をしているわけでございますが、女性視点をそのような見直しの中で盛り込むことを考えていきたいと思います。

 女性視点の見直しが必要なのは、とりわけ避難所生活における女性視点が必要だというふうに思っております。本年三月改定の県の避難所運営ガイドラインにおきましても、授乳室や更衣室の設置等のプライバシー確保対策や、避難所運営管理における女性役員の就任促進など、避難所生活に女性の視点が十分反映されるようガイドラインで市町村に働きかけてきたところでございます。

 また、これから働く女性がおられて、子育て中の女性、妊娠中の女性がおられるというようなことは十分考えられますので、避難の対象者、保護の対象者としての女性ということに対しましても、きめ細かい配慮が必要かと思います。そのような配慮の具体的な内容を幅広く取り入れていく必要があろうかと思っております。繰り返しになりますが、女性視点の防災ブックの作成を前向きに検討してまいりたいと思います。

 ひきこもり状況の若者に対する支援について、さらに充実すべきではないかというご質問でございます。

 ひきこもり支援は大変難しい課題であろうかと思いますが、ご家族もお悩みになる課題でございます。もし県がイニシアティブをとって役に立つことがあれば、さらに充実を図っていきたいと思っております。県の支援施策の充実をさらに図っていくことができたらというふうに思います。その中でも、本人やご家族に対するきめ細やかで継続的な支援が必要であろうかというふうに思っております。

 ひきこもり解消は大変難しいと思っておりますが、まず解消支援の入り口、第一歩といたしまして、県庁内に、ひきこもり相談窓口を開設いたしまして、昨年度から週一回のペースで県中南部での出張相談も実施しております。さらに、相談窓口だけでは本人へのアプローチが難しい場合がございますので、自宅への訪問支援も行っております。また、各市町村での相談窓口設置を促進するため、その市町村の窓口設置がありましたら、臨床心理士を一年間派遣する県の支援対策を行ってきております。これまで天理市、香芝市、葛城市が相談窓口を設置されました。県庁のイニシアチブに呼応して市町村が反応されてきたことをうれしく思っております。相談は単なる一歩でございますが、治療対処のノウハウが県庁に蓄積される、市町村に蓄積される可能性がありますので、大変重要な作業ステップであると日ごろから考えております。

 次の相談のステップといたしましては、ひきこもりの若者の社会参加や就労につなげるための場づくりだと思っております。本人が自宅から出て、行ってみようと思える機会や場所を提供する場づくりが必要かと思っております。そのため、今年度から新たな取り組みといたしまして、市町村や社会福祉協議会等と連携して、趣旨に賛同していただける福祉施設等をひきこもりの若者を受け入れていただく居場所として登録し、双方のマッチングを行ってまいりたいと思います。ひきこもりの原因は、大変いづらいところに義務的に通わなければいけない、不登校も同じことでございますが、そのような方に居心地のいい、温かい居場所を提供することによってひきこもりから脱却するきっかけになればというふうに思っております。

 また、さらに、ひきこもりは、不登校や心身の疾患を伴うことが多いわけでございます。原因であったり、その引き続きの結果であったりするわけでございますが、相談の担当、また、ケアの担当者に医療の知識が必要であろうかと思います。医療の知識を担当にどのようにつけるか、また、相談の担当が多少医療の知識が低くても、関係の教育機関、医療機関、保健等の関係機関と情報交換をしながら教えてもらうということが必要であろうかと思います。支援にかかわる人材の養成ということになろうかと思いますが、一次的な人材、二次的な人材、サポートの連携といったことが必要かと思いますが、県では、県、市町村、関係団体等の職員を対象に専門的な研修を実施してきておりますが、引き続き関係者が取り組み成果のケースをもとに勉強するというのも大事でございますので、共有できる場として活用するなど、より実践的な内容となるように、この分野においても県のイニシアチブを発揮できたらと思っております。

 今後ともさらなる充実の中では、支援の充実とともに、県が人材の養成の先兵になるといったようなことも含めまして、努力は必要かと思います。市町村、関係団体と連携しながら、一人でも多くの方をひきこもりから脱却させて、その具体的な成功ケースを展開する、移し植えをするといったことにより、ひきこもり解消に努力を重ねていきたいと思います。

 平城宮跡周辺のまちづくりについてのご質問がございました。一つは、近鉄大和西大寺駅周辺の対策、平城宮跡からの近鉄線移設についてのご質問でございます。

 この二つの課題におきましては、県では、平成十九年度から近鉄大和西大寺駅周辺の渋滞解消という課題をテーマに検討を重ねてまいりました。近鉄大和西大寺駅の立体化の観点から、駅の構造や隣接する車両基地の扱い等が問題でございます。また、平城宮跡からの移設の観点からは、移設ルートをどうするかということ、あるいは線路の高架化、平城宮跡の南を通っても、地下水の流れを阻止してはいけないという課題がございますので、移設の線路の高架化や地下化による影響等の課題がございます。

 全国でも本当に難しい駅の課題というふうに認識をしておりますが、永久に放っておかれると恥ずかしいことになるという思いでございます。その当時の人は努力をしたのかと言われるのは悔しいし、嫌でございますので、最大の努力をしたいという思いでございます。先般、私のほうから奈良市と近畿日本鉄道株式会社に働きかけて、本年四月七日に両者とまちづくりに関する連携協定を締結いたしました。近畿日本鉄道株式会社と奈良県の考えはまだ一致しておりませんが、とにかく大事な課題だから一緒に検討しようというところまでは合意したわけでございます。三者で連携・協力を図り、近鉄大和西大寺駅周辺における渋滞問題の抜本的な解決のための早期の成案取りまとめに向けて、本県としては全力で取り組んでまいりたいと思っております。奈良県の考え方は、近鉄大和西大寺駅は鉄道高架、近鉄線は移設して高架及び地下で近鉄奈良駅に持ってくる、あるいは延伸もあり得るといったような案でございますが、なかなか難しい点もございますので、近畿日本鉄道株式会社の案も、具体的にまだ出ておりませんが、検討対象に上げていきたいというふうに思っております。真摯に近畿日本鉄道株式会社、奈良市とともに検討を進めたいというふうに思っております。

 平城宮跡歴史公園でございますが、来年の春に一部開園いたします。国と県が連携して整備を行っておりますが、国と県の施設は来年同時に開園することになります。国は朱雀大路と二条大路の復原整備や宮跡全体のガイダンスを担う平城宮跡展示館を整備していただいております。県は交通ターミナルや観光案内・飲食施設等の整備やランドマークとなります復原遣唐使船の移設展示を大宮通りの前に行うことにしております。開園後は、大変大きな朱雀門広場ができ上がりますので、奈良時代を体感するさまざまなイベントを展開して、にぎわいの創出に努めていきたいと思っております。

 大宮通り新ホテル・交流拠点の整備の進捗でございますが、当初の予定どおり、この秋から県のPFI事業によるコンベンション施設等の建設工事に着手できる見通しになりました。九月ごろには起工式を行いたいと考えております。また、JWマリオットホテル奈良、NHK新奈良放送会館につきましても、それぞれの設計業務が順調に進んでいると聞いております。平成三十二年春のまちびらきに向けまして、いよいよ現場が動き出す段階が目前に迫ってまいったと感じております。

 このように、本県では、平城宮跡周辺地域においてさまざまな取り組みを進めているところでございますが、今後も近鉄大和西大寺駅周辺の立体交差化・交通結節点機能強化、地域の交流促進、にぎわいづくりの事業での三者協定項目について検討を深め、全力を挙げて、この周辺のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 次のご質問は、健康寿命日本一に向けた取り組みについてのご質問でございます。

 本県では健康寿命日本一を目指しております。目標達成のためには、健康づくり、医療、介護、福祉等の関連施策を総合的・統一的に推進する必要がございます。健康づくりはいろいろな観点の計画がございますが、その中心的な歯車が必要でございます。また、いろいろな計画が回ると、その歯車が健康増進のほうへ回る、健康増進に向けて、健康寿命の延長に向けて歯車が回るといった仕掛けが必要でございます。中心軸になる計画といたしまして、なら健康長寿基本計画を平成二十五年度に策定しております。この計画におきましては、データを活用して、かつ科学的根拠に基づいた効果的な施策の推進を基本としております。何をすればいいのかということを科学的なデータに基づき判断しましょうということでございます。健康寿命の延長に密接に関係する、とりわけ我が県民の健康寿命の延長に密接に関係する重点健康指標を設定して、毎年観察・評価するようにしております。また、専門家の方々から戦略的な政策提言をいただき、何がもっと大事だ、何が不足しているという計画の進捗管理を行いたいと思っております。定点観測、地域の健康度を人間ドックの検診のように毎年調べていくといったような手法でございます。

 地域の健康寿命を延ばすためには、地域の生活習慣が大きく影響していることがわかってまいりました。どのような地域の生活習慣があればいいのか、例えば野菜をもっと食べなければいけないということは、口で言うことは易しいですが、なかなか行動に結びつかない。野菜を食べておられない議員もおられると思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、野菜を食べてお互いに長生きしようといったような奈良県民のかけ声が響けばいいと思っております。具体的な行動につながりますように、健康寿命の延長に寄与する健康行動の研究を進めているところでございますが、今までで大事な健康行動といたしまして、がん検診、減塩・野菜摂取、運動、たばこ対策が大事だというふうに見えてきております。それらを重点施策として市町村や関係団体と連携しながら取り組みを進めてきております。

 これまで本県の健康寿命に係る取り組みの成果でございますが、毎年延長はしております。全国順位も、平成二十六年度は男性四位、女性三十三位でございましたが、平成二十七年度は男性三位、女性二十八位と上昇してきております。一方、重点健康指標の中には、がん検診受診や野菜摂取など、目標には届かない見込みの指標もございます。より一層県民一人ひとりの方々の意識改革と健康行動の実践につながるような取り組みが重要だと思っております。

 今年度、この健康長寿の基本計画を見直すことになっておりますが、基本的な考え方は踏襲したいと思いますが、これまでの四年間の進捗状況等の総括を踏まえまして、より効果的な施策について検討を進めていきたいと思いますが、その中には市町村をはじめ健康づくりに取り組む機関や団体等との連携強化、また、来年度策定する医療・介護等に関する計画との統一的な取り組み、とりわけ医療費適正化、介護予防・食育の推進、保健師活動の活発化といった観点を効果的に盛り込んで検討を進めさせていただきたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございました。残余は関係部長からご答弁させていただきます。質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 林医療政策部長。



◎医療政策部長(林修一郎) (登壇)十四番大国議員から私に対しましては、いわゆる足病について、県立の病院での診療体制に関するご質問がありました。

 いわゆる足病は、大国議員ご指摘のとおり、糖尿病や人工透析の患者の方が重症化しやすく、重症化を未然に防ぐには、ふだん受診する医療機関で症状を早く見つけ、専門的に治療に結びつけることが重要です。県立医科大学附属病院では、放射線科において心臓血管外科、整形外科や皮膚科などと連携して足の血管を拡張させるカテーテル治療等を行っており、平成二十八年度は二百三十二件の実績がございます。

 現在、県立医科大学附属病院の診療内容はホームページへの掲載や、公開講座の開催などで周知をしております。足病の予防・治療をさらに効果的に進めていくには、糖尿病や人工透析の患者や医療機関にこの病気の認知度を高め、専門的な治療ができる病院を知ってもらう具体的な取り組みが必要と考えております。そこで、県立医科大学附属病院における受け付け窓口や治療内容を記載した、より具体的なパンフレットを作成し、七月下旬から糖尿病や人工透析の治療を行っている医療機関を中心に配布し、説明をしていく予定でございます。今後とも県民が県内で安心して医療を受けられるよう、きめ細やかに周知に努めてまいります。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十四番大国議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、学校施設の老朽化への対応と、トイレの洋式化についてお尋ねでございます。

 学校施設は全国的に老朽化をしており、本県におきましても、築三十年を超える県立高等学校の施設が全体の約七割となるなど、老朽化への対応は課題でございまして、その対策として、政府のインフラ長寿命化基本計画では、平成三十二年ごろまでに個別施設ごとの長寿命化計画を策定することとされております。

 特に学校施設につきましては、平成二十七年四月に、長寿命化計画に盛り込む事項や検討を行う際の留意事項を解説いたしました、学校施設の長寿命化計画策定に係る手引が示され、さらに、本年三月には標準的な様式や、より具体的な留意点等を解説いたしました、学校施設の長寿命化計画策定に係る解説書が示されたところでございます。

 県教育委員会といたしましては、この手引や解説書も活用しながら、まずは学校施設の築年度、規模、構造、耐震・安全性等躯体の健全性・劣化状況等詳細にわたる基本情報を整理したいと考えております。その後、専門家の点検等により、施設の現状を現場で実際に確認をしながら、老朽化に対応する個別施設の計画を策定することといたしております。その上で整備費の平準化を図りつつ、適正な整備費の確保に努め、効果的な老朽化対策を進めてまいります。

 また、議員お述べのとおり、県立高等学校は災害時に避難所として使われる可能性もございますので、トイレの洋式化について検討の必要があると認識いたしております。トイレの設置状況を含め、施設の実態を個別に把握し、長寿命化計画を作成する中で、計画的な設置について検討を進めてまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 安田警察本部長。



◎警察本部長(安田浩己) (登壇)十四番大国議員から、私には、子どもと女性の安全・安心対策及び被害に遭われた女性に対する支援についてご質問をいただきました。お答えを申し上げます。

 子どもや女性を対象とする性的犯罪等は、被害者の心身に重大な被害をもたらすだけでなく、地域住民に大きな不安を与えるものであるため、県警察においては、この種犯罪の未然防止に全力で取り組んでいるところであります。

 具体的には、声かけ、つきまとい等のこの種犯罪の前兆と見られる事案が発生した段階から、検挙または指導・警告等の措置をとることによって、重大な事案の未然防止に努めているところです。また、議員から、福岡県警察の、みまもっちについてご紹介をいただきましたが、当県警察では、ナポくんメールを運用しておりまして、登録していただいた方に不審者情報や犯罪発生情報などを配信しているところです。また、県警察ホームページに不審者情報マップを掲載して県民の方々に被害に遭わないよう注意を呼びかけているところであります。

 次に、被害に遭われた女性に対する支援についてでありますが、県警察では、専門相談窓口として、性犯罪被害相談一一〇番を設けておりますほか、警察への相談をためらう方もいらっしゃいますことから、公益社団法人なら犯罪被害者支援センターへ電話相談事業を委託し、相談しやすい環境づくりに努めているところであります。また、犯罪被害者やそのご家族は、犯罪による直接的な被害だけでなく、精神的・経済的な二次的被害など多くの問題を抱えておられますことから、臨床心理士によるカウンセリングや、診察料や検査費用などの公費負担、先ほど申し上げました、なら犯罪被害者支援センターと連携した病院や裁判所への付き添いなど、生活に密着したきめ細やかな支援を行っているところであります。

 県警察といたしましては、今後も県民の方々にタイムリーに不審者情報を提供するなど、この種犯罪の未然防止に全力で取り組むとともに、関係機関・団体と一層連携をして、被害に遭われた方へのきめ細やかな、また充実した支援に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 十四番大国正博議員。



◆十四番(大国正博) 知事はじめ理事者の皆様には、ご答弁いただきまして、ありがとうございます。

 最初に、防災対策のWi‐Fiの件につきましては、総務省等、知事から答弁がありましたように、平成三十一年までの三年間にしっかりと進めていくという方針でございます。奈良県におきましても、先ほどご答弁ございましたけれども、特に防災施設、避難所、市町村が多いわけでございますので、また知事のリーダーシップをもって一層進みますようによろしくお願いしたいと思います。

 次に、女性視点の防災ブックにつきましては、知事から前向きに検討するということで、非常にありがたい答弁があったわけでございますけれども、今全国的にもこういった取り組みが広がってきてございます。女性の皆さんの声を聞くと、この防災ブック自体が、一回見たらどこにあるかわからないという、そんな状況でありまして、手にとりたくなる、また見たくなる、読みたくなるというような防災ブックにできないだろうかという議論もあるようでございます。できましたら、この女性視点の防災ブックにつきましては、女性のリーダーの皆さんにもお集まりをいただいて、幅広く議論をしていただく、その中身をまた県民にも公開をしていただいて、こういう議論が、女性の皆さんにあるのだということをぜひとも私たち男性もしっかりと知った上で、大きな災害がいつ起こるかわからないという現状の中で、備えてまいりたいと思いますが、そういった作成する過程において、そういう女性の皆さんの意見をどのように反映されようとしているのか、知事に一点だけお尋ねしたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 作成過程で女性の声をどのように取り入れるか、反映するかといったことについて、私、特段の知恵が今あるわけではございません。作成の過程に参加していただくようなことがまず考えられますので、そのようなことは当然行いたいと思います。また何かいい知恵がありましたら、ぜひ教えていただきたいというふうに思う次第でございます。



○副議長(小泉米造) 十四番大国正博議員。



◆十四番(大国正博) 先ほども申し上げましたように、男性では気づかない点がたくさん、各地の議論を聞いておりますと、あるようでございます。また、そういったことも機会あるごとにご提案を申し上げたいと思います。

 次に、ひきこもり状態の若者に対する支援につきまして、充実と人材の育成ということでお話をいただきました。全くそのとおりだと思いますし、しっかりと進めていただきまして、県内の四千人いらっしゃるという推計でございますけれども、ひきこもりの方々が早く社会に活躍する場に出ていただけますように、また、そういった初期段階での取り組みが必要かと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 次に、平城宮跡周辺のまちづくりにつきまして、大変知事にもご努力をいただいております。この協定式で知事が案を固めることが重要で、リニアが来るが、近鉄大和西大寺駅はそのままではいけないというご決意を聞かせていただきました。全くそのとおりと思ってございます。本当にこの近鉄大和西大寺駅の問題につきましては、機会あるごとに質問をさせていただいておりますが、知事も参議院議員時代からご努力をいただいている大きなテーマかと思ってございます。

 この締結式で一点私も気になったことが、今後京奈和自動車道が完成をいたしまして、奈良インターチェンジができると。そこに西九条佐保線が通ってくるとなりますと、当然今のままでいくと線路との平面交差ということになるわけでございますけれども、知事として、京奈和自動車道、このアクセス道も含めて、近鉄線の奈良線の移設との関係ですね、現時点でどのようにお考えになっているのかお尋ねしたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 京奈和自動車道は今、郡山ジャンクションから奈良インターチェンジが事業化されました。その北のほうは県道として西九条佐保線というのを整備することになっております。西九条佐保線は、今のままでありますと、関西本線高架化した下を通りまして、新大宮の踏切に到達することになります。今のままでございますと、新大宮の踏切が存置されることになりますので、現線のままでございましたら、新大宮の駅を高架にするか地下にするか、あるいは県の案によりますと、大宮通りに移して地下化するかといった案が考えられるわけでございます。踏切のまま、せっかくつくった京奈和自動車道奈良インターチェンジから西九条佐保線から国道二十四号バイパスまで抜ける、複線の奈良市内京奈和コース、さらにはトンネルで京都府に抜けていくコースがございますが、新大宮の駅前踏切は大きなネックになることが予想されます。国のほうにおきましては、難踏切ということにはまだ指定されていないようでございますけれども、これはやはり十分難踏切になる状況にあろうかというふうに思っておりますので、今から新大宮駅踏切の解消というのも、重要事項であろうかと思います。そのようなことも踏まえて、新近鉄奈良線の移設ということを提案してきたわけでございます。移設問題、近鉄大和西大寺駅の立体交差化問題、それと、この新大宮駅踏切、西九条佐保線との交差問題というのは関連した一体的な課題である、全力で知恵を絞っていきたい、近畿日本鉄道株式会社、奈良市と交渉を重ねていきたいというふうに思っております。



○副議長(小泉米造) 十四番大国正博議員。



◆十四番(大国正博) ぜひともよろしくお願い申し上げます。

 次に、健康長寿日本一の取り組みにつきましては、やはり随分効果的な要素等も絞られてきたように思います。行動する方々が、実践する方々が、いわゆる裾野がどれだけ広がっていくかという、知事が冒頭おっしゃいました。あとは行動だというお話も開口一番されたのが記憶に残っているわけでございますが、全くそのとおりだと思いますので、そういったことについて、これまで県民運動という言葉を使ってまいりましたが、皆さんが楽しくそういった健康づくりに取り組んでいただけるという運動をぜひともしていただければと思います。これは要望でございます。

 次に、糖尿病等における足病につきまして、林医療政策部長に答弁をいただきました。二〇一六年度の診療報酬改定に、人工透析患者の下肢末梢動脈患者の重症化予防を評価するための加算が診療報酬改定で加えられました。これは非常に大きな転機ではなかったかと思います。このことについて先般腎友会の総会で大浦先生が、足病の夜明けだというふうにおっしゃいました。国におきましては、我が党の秋野公造が一生懸命取り組んでおりまして、林医療政策部長も取り組まれたとお聞きをいたしておりますので、あえてきょうは医療政策部長に質問をさせていただきました。腎友会のこの総会での質問会、大変私にとってはショッキングな質問会でございました。もっと早く専門医に診ていただいていたらというお声を聞かせていただいて、これは何とかならないのかという思いがしたわけでございますが、そこにパネラーでいらっしゃったのが、県立の病院の先生方でございましたので、これはぜひとも何とかしてもらいたいという皆さんの思いかと思いまして、きのう会長さんにもお電話をさせていただいて、しっかりやってもらいたいというお声を聞いておりますので、医療政策部長、何とぞそのパンフレット、チラシ等も含めて周知等よろしくお願いしたいと思います。

 また、県立高等学校の長寿命化計画について、しっかり策定をお願いしたいと思いますし、また、トイレは検討ということではなくて、やる段階だと思います。しっかりと、前回の九月議会でも申し上げましたように、学校現場はもう大変でございます。校長先生がトイレへ入っていて、隣に生徒さんが入って開口一番、ある学校で校長先生がおっしゃっていましたけれども、生徒さんが、ああ、よかったと言われたそうです。出てきてから校長先生が、何がよかったんだと聞くと、洋式でよかったというふうに聞きました。そういったお声もありましたので、本当に生徒の思いというものもしっかりと酌み取っていただいて、もう進めていくのだというご決意をもう一度お願いします。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) 現在耐震化の集中期間が今年度で終わって、全体的な整備を今後先ほど申し上げましたように、いろいろ検討していきたいと思っておりますので、進めていきたいという気持ちは十分ございますけれども、全体の中で考えていく必要もございますので、ご理解いただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 十四番大国正博議員。



◆十四番(大国正博) ぜひとも進めていただきますようお願いします。

 最後に、警察本部長におかれましても、大変子どもと女性の安全対策に取り組んでいただいております。しっかりとまた、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 以上で終わります。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

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○副議長(小泉米造) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(小泉米造) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、六月二十六日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十一分散会