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奈良県 奈良県

平成29年  2月 定例会(第327回) 03月07日−04号




平成29年  2月 定例会(第327回) − 03月07日−04号







平成29年  2月 定例会(第327回)



 平成二十九年

        第三百二十七回定例奈良県議会会議録 第四号

 二月

   平成二十九年三月七日(火曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

 一、当局に対する代表質問

 一、当局に対する一般質問

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十五番岡史朗議員に発言を許します。−−十五番岡史朗議員。(拍手)



◆十五番(岡史朗) (登壇)それでは、議長のお許しをいただきましたので、公明党を代表して大きく八点にわたり質問をさせていただきます。知事及び理事者の皆様方におかれましては、明快かつ積極的なご答弁をよろしくお願い申し上げます。

 さて今議会は、平成二十九年度当初予算案及び平成二十八年度補正予算案の審議等、新年度の重点施策について審議する議会であります。少子高齢化に加えて、人口減少社会がますます進行する中で持続可能な社会を維持するためには、今後、行政はどうあるべきか。これからの行政のかじ取りはますます難しい局面に立たされることと思います。そんな中、荒井知事は就任以来約十年間、選択と集中をモットーに多くの成果を上げてこられました。紀伊半島大水害復興への取り組みや、企業誘致、さらには救急医療対策、観光資源を活用した観光客の誘致、そして、県財政の健全化等、目に見える成果を達成されてこられたことに敬意を表しますとともに、心より感謝する次第であります。また、今月末より本格的に供用開始されます本県独自のドクターヘリ運航につきましては、私ども公明党が約十年前の平成十九年の六月議会で初めて提唱いたしました事柄でもあり、その実現には誠に感慨深いものがあり、改めて感謝するものでございます。

 さて先日、知事は提出議案説明の中でこれらの成果に触れられるとともに、これからの県政運営の課題として、今後、自主財源の大きな増加が見込まれない中で、ますます増加が見込まれる社会保障関係費との関係において、持続可能な財政運営の維持と、必要な施策の実現の両立を述べておられます。本県の財政状況は、全国レベルで真ん中のやや上の位置にありますが、私は昨今の経済状況を考えると、さらなる選択と集中が肝要かと考えます。荒井知事におかれましては、引き続き、県財政運営に十分配慮されながら県政に当たられるよう冒頭におきましてお願いする次第でございます。

 それでは、まず最初に、奈良県立医科大学の新キャンパスについてお伺いいたします。

 県立医科大学の新キャンパスは、平成三十三年オープンに向けて着々と進んでいるとお伺いいたしております。あと、四年たてばどのような新キャンパスができ上がるのか、大きな期待で胸膨らませているのは私一人ではないと思います。現在、県立医科大学キャンパスの建物は老朽化が進んでおり、耐震性や機能性、そして、外観等を見れば一刻も早い新キャンパスの完成が望まれるところであります。そして、奈良県の医療を支える拠点として県民の皆様に安心の医療を提供し続けるための優秀な医師の育成と確保を目指すためにも、一日も早い完成を願うところであります。昨年には新キャンパス予定地である農業研究開発センターが桜井市への移転を完了したところであり、今後は新キャンパス建設に向けた準備、検討が本格化していくのではないかと考えております。新キャンパス予定地は敷地も広く、広々としたキャンパスができることと思います。どのようなキャンパスができるのだろうかと、私も含め地元住民の皆様方も今から楽しみにいたしております。

 先日、私ども公明党県議団で岡山県真庭市にある木材加工業者を視察してまいりました。この会社では、CLTと呼ばれる加工技術を用いることで木造のビルを建てることも可能であるとお聞きしてまいりました。このことは先日、NHKの番組でも詳しく取り上げておりましたので、ごらんになった県民の皆様も数多くいらっしゃることと思います。これらの技術が本格的に活用されるようになれば、本県の森林行政の長年の悩みにも大きな光を与えることになるであろうと私も強く確信した次第であります。

 さて、本県では、県産材を使った木質化の取り組みが進んでいるところでありますが、この県立医科大学の新キャンパスにおいても県産材を使い、木質化を進めるべきではないかと私自身考えております。木質化を進めることで温かい雰囲気のあるキャンパスができ、学生にも非常によい影響を与えるのではないかと考えます。

 そこで、荒井知事にお伺いいたします。

 今後、県立医科大学新キャンパス整備について、どのような基本的な考え方で進めようとされているのか、また、新キャンパスでの県産材を使った木質化については、どのように考えているのかをお伺いいたします。

 次に、葛本町交差点の渋滞対策について、荒井知事にお伺いいたします。

 中和幹線が桜井市域から香芝市域までつながってから約六年が経過し、沿道にはスーパーや飲食店などの大規模商業施設が多数立地し、平日、休日を問わず多くの車が通行いたしております。特に国道二四号と交差する橿原市の葛本町交差点付近では慢性的な渋滞が発生しており、地域の方々の生活や経済活動に大変な支障を来しております。以前、私が本会議において、橿原市域の京奈和自動車道の整備の見通しについて質問をさせていただいたとき、荒井知事は、京奈和自動車道は国道二四号バイパスの土橋町南交差点や国道二四号の葛本町交差点をはじめとする橿原市における主要渋滞箇所の抜本的な解決策になるという趣旨の答弁をされました。県では、京奈和自動車道の整備促進を最重点項目に位置づけ、政府要望などにおいて、国土交通省や財務省に対して積極的に要望されておられます。私も何回か国土交通省に荒井知事とともに要望させていただきました。

 また先日、新聞報道もございましたが、県では京奈和自動車道ができるまでの当面の渋滞緩和策として、葛本町交差点に左折レーンの設置を検討されておられることも承知しているところであります。しかしながら、四車線と二車線の幹線道路が交差する葛本町交差点は、県中南和地域の中でも多くの交通が集中する重要な交差点の一つであることから、今後もさらに大規模商業施設の立地が進み、交通が集中することも考えられます。そのような状況になれば、京奈和自動車道の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間が供用したとしても交通量が減少するどころか、反対に交通量が増加し、今まで以上に渋滞がひどくなるのではないかと不安に思われている地元住民の方も多数おられます。

 そこで、荒井知事にお伺いをいたします。

 県では、葛本町交差点に左折レーンの設置等を検討されておられるところですが、私は将来的かつ抜本的に葛本町交差点の渋滞解消を図るためには、葛本町交差点を立体交差化させることが有用ではないかと考えますが、いかがでしょうか、荒井知事のお考えをお聞かせください。

 次に、県営住宅における今後の取り組みについてを知事にお伺いいたします。

 本県においては、八千二百戸余りの県営住宅がありますが、老朽化の進む団地も多く、既に耐用年数を経過し、募集を行っていない団地も複数あるとお聞きいたしております。こうした団地においても多くの方々がお住まいであり、高齢化も進んでおります。老朽化が進む中で修繕などを行っているのみでは、住民の方々の安全・安心の確保が難しくなるのではないかと危惧するところであります。

 奈良県全体の状況を見ましても、例えば、高齢化率が約三割に増加しており、人口は減少に転じたものの、高齢者、障害者や子育て世帯など、住まいの確保において県営住宅が果たす役割は今後も大きいものと考えております。老朽化した団地の建てかえや、長く住み続けられるようにするための改修などを行い、県営住宅全体が安全で安心な住宅として住み続けていただけるようにする必要があるのではないでしょうか。また、県営住宅は大きな団地も多く、建てかえを行う際には余剰地を活用して、例えば福祉施設や子育て支援施設を併設するなど、地域のまちづくりに役立てていくべきではないでしょうか。これにより周辺地域も含め、魅力あるまちづくりができるのではないかと考えます。さらに奈良県では、公共建築物において奈良の木の利用を推進されていますが、近年は木材の加工技術の進展により、さまざまな建築物に木材が利用されるようになってきたと聞いております。県営住宅においても今後、積極的に県産材の活用を検討することが必要ではないでしょうか。

 次に、入居されている方々の中には高齢化が進み、障害を抱えている方々も多くおられます。こうした方々にとっては、三階、四階などの住戸までの上り下りは大変厳しいものがあります。今申し上げました建てかえや改修などのハード面の取り組みに加え、例えば、障害の程度に応じて低層階の空き住戸への住みかえを勧めることや、単身高齢者に対する定期的な見守りを行うなど、ソフト面の取り組みも進めていくべきではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県営住宅の老朽化が進む中、団地全体を視野に入れて建てかえや改修などの取り組みを進めていくべきと考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。また、こうした取り組みを進める際には、県営住宅を地域のまちづくりに活用する観点や県産材の活用などの観点も必要であると考えますがいかがでしょうか。さらに、入居者の高齢化が進む中、入居者の状況に応じた低層階への住みかえや定期的な見守りなどソフト面の取り組みを進める必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。

 次に、子ども医療費について、知事にお伺いいたします。

 少子化の進展や子どもの貧困が深刻化する中で、若い世代が経済的な心配をすることなしに子どもを産み育てられる環境をつくることは、子育て世代のためだけでなく、これからの日本のためにも最も大事な取り組みの一つであります。子どもを育てるに当たって、経済的に心配なことの一つが医療費となります。

 県は昨年、八月診療分から子ども医療費の助成範囲を中学生の通院にまで拡大されました。これによって中学校を卒業するまで全ての医療費を助成してもらえることになり、大変ありがたいと思っております。しかし、一方県では、医療機関の窓口で一旦自己負担金を支払い、後から銀行口座に助成金を振り込む、自動償還方式を採用しています。助成してもらうことには変わりありませんが、一旦自己負担額を支払う必要があるため受診を抑制してしまうおそれもあります。このような苦肉の策をとらざるを得ない最大の要因は医療機関の窓口で負担の少ない現物給付方式をとると、国が国民健康保険に対して国庫負担金を減額するペナルティーを課すことにあるとこれまでから聞いております。

 一方、四十七都道府県のうち現物給付方式の未実施のところは、昨年七月現在、奈良県を含め七つの県のみとなっております。したがって、多くの都道府県ではペナルティーを受ける中で現物給付方式を実施しており、それによって国庫負担金が減額されている状態にあります。このため、減額措置は少子化対策に逆行するものとして国レベルでは公明党内に子どもの医療等検討小委員会を設置し、政府に対して強く見直しを求めてまいりました。また、奈良県議会としてもこれまでから国に対して減額措置の廃止を含む子ども医療費助成制度の充実を求める意見書を提出してきました。その結果、昨年十二月、厚生労働省は未就学児を対象とする医療費助成については、平成三十年度から国民健康保険の減額措置は行わないことを決定されました。本県でも今般のこうした国の動きを受けて、子ども、子育て支援の観点から、子ども医療費の助成方法を現物給付方式へ変更してはどうかと考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 子ども医療費助成制度の現物給付方式の導入に向け、県がリーダーシップを発揮して市町村と検討を始めてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、障害のある人の生活相談について、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 障害のある人が住みなれた地域で日常生活や社会生活を送るためには、障害のある人が個別の課題やニーズに応じたきめ細かい支援を受けられる体制づくりが必要であります。そのためには、個々の障害のある人に応じた個別の計画に基づき、必要な支援が行われることが大変重要であります。とりわけ、障害のある人やその家族のさまざまな希望や思いを受けとめた上で、具体的な障害福祉サービスの利用相談やその他の支援につなげていくという相談支援専門員の役割は障害者支援のかなめと言えると思います。障害の程度の状態は人によってさまざまであり、また、家庭の状況もさまざまであります。それぞれの置かれた地域の環境も異なる中で、具体的な支援計画を構築していく相談支援専門員の知識と経験が求められる仕事であると思います。そして、時には休日や深夜等の緊急対応もあり、年間五千件もの相談が寄せられる相談支援事業所もあると聞いております。このように、高度で大変な勤務の割には国の報酬単価は低く、相談支援事業所の経営は厳しいものがあるとも聞き及んでいるところであります。障害のある人及びその家族が必要な支援を受けられ、地域で安心して暮らしていくためには、相談支援専門員に十分にその能力を発揮していただく必要があり、その使命は大きいものと考えます。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 県は相談支援専門員の勤務実態をどのように把握しているのでしょうか。また、このような相談支援の重要性に鑑みて、今後、障害者の生活相談の充実にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、奈良県中央卸売市場における廃棄物処理の取り組みについて、農林部長にお伺いいたします。

 奈良県中央卸売市場は、昭和五十二年に開場し、青果、水産物という県民の日常生活に欠かせない生鮮食料品の流通拠点として重要な役割を担っております。平成二十七年度においては、青果で約十四万九千トン、水産物では約一万六千トンという大量の生鮮食料品が取り引きされ、まさしく県民の台所であります。その大量の生鮮食料品の取り引きにかかわって卸売業者、仲卸業者及び関連事業者八十一社が、さらには多数の売買参加者や買い出し人等も加わって、市場において日々活発な事業活動を営んでおられます。当然のこととして事業活動に伴って生鮮食料品を取り扱う卸売市場ゆえの野菜残さ、魚アラ、発泡スチロール、段ボール等のさまざまな廃棄物を日々排出しております。このような状況を見るとき、市場は環境に与える影響が大きい施設であり、事業者とともに開設者である県は環境負荷の低減に適切に対応していく必要があると考えます。

 現在、市場から排出されるさまざまな廃棄物については、排出者の責任として開場以来、場内事業者の方々が奈良県中央卸売市場清掃組合という組織を設立して共同で処理をされています。廃棄物の内容に応じて専門業者に売却や処理委託をして、リサイクルや大和郡山市のごみ焼却場において、焼却等の処分をされているとお聞きいたしております。また、県は市場の環境対策を進めるため、当該清掃組合に対して中央卸売市場事業費特別会計において運営費の一部を補助し、その運営を支援しています。

 私はこれからも県と清掃組合がしっかりと連携して、市場から発生する廃棄物を抑制するとともに、リサイクルのより一層の推進を図る必要があると考えています。そのためには、県が清掃組合に寄り添い、どのようにすれば清掃組合の運営が合理化、効率化、さらには透明化するのかを支援してほしいと思っております。

 そこで、農林部長にお尋ねをいたします。

 県は市場における廃棄物処理を担っている清掃組合の事業内容をどのように精査し、指導・助言しているのか。また、廃棄物処理のさらなるコスト削減やリサイクルの推進についてどのように考えているのか、ご所見をお伺いいたします。

 次に、県立高等学校における特色ある学校づくりについて、教育長にお伺いをいたします。

 現在、私たちは、人口減少、少子高齢化という構造的な問題に直面していますが、そのような中でこれからの社会を支える担い手である子どもたちや若者を学校、社会、地域が一丸となって育んでいくことが極めて重要であることは言うまでもありません。そして、それぞれの生徒の個性を最大限尊重し、生きる力と将来への夢を育てる環境整備が大切と考えます。先日私は、ある県立高等学校を訪問いたしました。その学校ではボクシングのオリンピック候補選手として練習に励む生徒や、高度な技術を持って三百六十度方向に走り回る車をみずから製作し、操る生徒に出会うことができ、とても感銘を受けました。今こそこのような生徒を育むための施策を強力に展開すること、つまり人に投資し、未来に投資することが重要ではないかと考えます。

 ところが、訪問したその学校の設備の様子を詳しく見てみると、昭和の時代に導入された機器があるなど、設備の老朽化が現状として認められました。生徒が社会に出て、第一線で活躍するためには、基礎的な技術をしっかりと身につけるとともに、最先端の技術も学べる環境を整えることが必要ではないかと考えます。本県の県立高等学校においては、工業をはじめ、農業や商業、福祉など、さまざまな特色を持った学科が設置されていますが、県立学校の今後の姿を考えるに当たっては、既存の学科における教育を充実するよう備品の整備等の支援をもっと積極的に推し進めるとともに、美容などこれまでなかった分野を学べるコースを設置するなど、特色ある学校づくりをより強力に推進することが望ましいと考えます。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 県立高等学校における特色ある学校づくりをどのように進めようと考えているのか、教育環境整備やコースの設置など、具体的な方途も含めてお聞かせをください。

 次に、奈良県の小中学校における教職員人事異動について、教育長にお伺いをいたします。

 多くの教職員が学校現場において、奈良県の未来を背負う子どもたちに真摯に向き合い、日々熱心に取り組んでおられることは承知いたしております。また、子どもたちや保護者の要望に応え、休日も精力的に部活動指導に取り組まれている教職員がおられることも十分承知いたしております。しかしながら、特段の事情もなく、ただ同じ学校で勤務を続けたいという理由から長期間にわたって同一学校に勤務している教職員や、異なる市町村での勤務を嫌がり、異動する場合は同一市町村内の学校を希望する教職員もいると聞いております。これは、ある人から聞いた話でありますが、本県の小中学校教職員の人事異動は、本人が教職員人事異動調書を提出し、それを各市町村の教育委員会が検討した上で、県教育委員会に対する内申書が作成され、教育委員会はその意向を最大限に尊重して人事異動を行っていることによるものと聞いております。もちろん、教職員にもそれぞれ親の介護や子育て等、考慮されるべき事情はあるとは思われますが、特別な事情がない場合まで本人の希望を尊重して考えるのはおかしいのではないかと考えます。

 奈良県教育の質を高めるためには、奈良県全域で適材適所を基本として積極的に教職員の人事異動を推進し、小中学校を活性化させるとともに、教職員にはさまざまな学校で経験を積ませ、資質や能力を向上させることが必要かと考えます。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 県教育委員会は、小中学校の教職員の人事異動について、どのような考え方に基づいて行っているのでしょうか。

 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、県立医科大学新キャンパスの整備についての基本的な考え方、また、県産材を使った木質化のご質問がございました。

 県立医科大学の新キャンパス整備につきましては、用地買収や土壌汚染調査、文化財の試掘調査等、順次実施しております。現在まで順調に進んでおります。昨年九月には、新キャンパス予定地の農業研究開発センターも桜井市に移転いたしました。来年度は除却工事を行います。また、建物基本計画の策定にも着手する予定でございます。県立医科大学は、県内唯一の医育機関として、よき医療人を育成し、奈良県の医療の充実に貢献するという大きな役割を担っていただいております。よき医療人という言葉でございますが、豊かな人間性に基づいた高い倫理観と旺盛な科学的探究心を備え、患者、医療関係者、地域や海外の人々と温かい心で積極的に交流し、生涯にわたり最善の医療提供を実践し続けようとする強い意思を持った医療人であると考えております。立派なお医者さんを養成しようという高い志を持っていただいております。このよき医療人のコンセプトは、平成二十六年から約三年間にわたりまして、毎月一回、私も出席いたしまして、医大の将来像策定会議の中で学長をはじめ、県立医科大学の関係者の方々と議論をして、県立医科大学の将来像というドキュメントの中で確定が図られているコンセプトでございます。新キャンパス整備におきましては、このようなよき医療人を育成できるキャンパスとはどのようなものであるかという観点からの検討・研究も続けております。

 県立医科大学のある橿原市は、かつて藤原京が存在した土地でもございます。奈良の歴史を感じ、また、深い思索が行えるキャンパスにするには、藤原京をイメージしたキャンパスレイアウトにしてはどうかと考えております。藤原京は日本最初の都城として天武天皇が好まれた道教の思想にのっとって構築されたものでございます。北極星を宇宙の中心とした考えの大極殿が中心にありまして、その宇宙の中心を守る玄武、青龍、朱雀、白虎の四神に囲まれているコンセプトでございます。新キャンパスも大極殿をイメージした本部棟を中心に、玄武、青龍、朱雀、白虎の各門名を付した東西南北の各ゲートをキャンパスの入り口としたレイアウトも一考かと思います。道教は不老不死を究極の理想とした思想でございますので、県立医科大学のキャンパスに道教のイメージを採用するのも一つの考え方ではないかと思います。新しいキャンパスのイメージパースを近いうちにお示しできるよう検討を進めていきたいと思います。

 議員お述べのキャンパス施設に県産材を活用した木質化を図るということについては、今、申し上げました藤原京キャンパスにはふさわしいアイデアとも思われます。よき医療人を育成するための教育の場としての観点やコストがどのくらい上昇するのか等、さまざまなプラス、マイナスの観点があると思いますので、今後、研究していきたいと思います。

 今後の進め方でございますが、都市計画法に基づく地区計画策定や開発申請、また、文化財の本掘調査など、地元橿原市等と幅広く関係機関と協議を重ねながら進めていきたいと思います。

 次に、葛本町交差点の渋滞対策について、立体交差化をするべきではないかというお考えのもとでのご質問がございました。

 葛本町交差点を含む奈良市域、橿原市域の渋滞対策につきましては、国・県・警察等で構成いたします、奈良県渋滞対策協議会で検討してまいりましたが、その成果を本年二月十六日に公表したところでございます。葛本町交差点もその対象に入っております。県道中和幹線と国道二四号が交差する葛本町交差点につきましては、昨年三月に県道中和幹線の中央分離帯を活用して、右折レーンを延伸する対策を実施し、右折待ち車両による渋滞は解消されたと思いますが、依然として交差点を左折しようとする車両による渋滞が残っております。このため、交差点の東西両側に左折レーンを設置するとともに、あわせて車両が交差点をスムーズに通過できるよう、交差点の形状にも手を加えるなど、本格的な交差点改良事業に取り組んでまいりたいと考えます。交差点の拡幅を伴うため、用地買収も必要となってまいりますので、新年度におきましては、関係地権者とも協議をさせていただきながら、交差点の形状について詳細な検討を進めるなど、早期に事業に着手できるよう取り組んでまいりたいと思います。

 今、申し上げましたような考えを対策として実施することによりまして、理論上は交差点の処理能力は十分確保できると思っております。渋滞の解消は理論上可能であると思っております。現実のことにつきまして、対策実施後は定期的に交通状況を把握し、効果を確認してまいりたいと思いますが、一方、国道二四号の西側を並行して走っております京奈和自動車道の橿原北−高田区間の高架化が完成いたしますれば、国道二四号の交通が京奈和自動車道に大きく移動し、葛本町交差点の渋滞も緩和することが予想されます。その結果も見てさらなる対策が必要な状況でありましたら、交差点の立体化といった対策も含め検討してまいりたいと考えます。

 県営住宅における今後の取り組みについてのご質問がございました。

 建てかえや改修などの取り組みについて、また、高齢化が進む中でのソフト面での取り組みについての二つのご質問がございました。

 まず、一つ目の建てかえや改修の取り組みについてでございます。

 議員お述べのとおり県営住宅の老朽化が進み、現在、県が管理しております約八千二百戸のうち約二割が簡易平屋建てなどの耐用年数を経過した住宅になっております。老朽化住宅となっております。県といたしましては、老朽化した県営住宅は集約化による更新や比較的新しい住居棟への住みかえを促進するとともに、耐用年数の残る県営住宅は長く使い続けられるよう改修を進めていく方針としております。本年十月に改定予定の奈良県住生活ビジョンにこのような今後の県営住宅への対応方針を明確に位置づけることとしております。

 議員お述べの県営住宅を地域のまちづくりに活用する観点も重要かと思います。例えば、桜井市の大福地域におきましては、桜井市とまちづくり連携協定を締結し、県営住宅の建てかえに伴う余剰地に高齢者や子育て世帯向けに必要な施設等を誘致する計画を進めております。県営住宅の敷地のある跡地のリニューアルという観点でございます。

 また、県産材の活用につきましてご質問がございましたが、例えば、集会所等の低層建築物の木造化や共用部分の内装木質化などについて検討を進めていきたいと考えます。

 二つ目の高齢化に向かう中でのソフト面での取り組みについてでございますが、県営住宅の全世帯のうち、約六割が高齢者世帯でございます。このため建てかえを行う際にはエレベーターの設置など、バリアフリー化を図るとともに既存の県営住宅におきましては、障害や病気等により低層階への住みかえを希望される方に対しまして、医師の診断書を提出していただき、順次空き住戸をあっせんする取り組みを行っております。また、県から委託を受けた指定管理者が単身高齢者を定期的に訪問し、暮らしの状況を把握したり、高齢者の認知症予防のための講習会を行うなど、高齢の入居者の方の暮らしをサポートする取り組みも県営住宅において進めております。県といたしましては、こうした取り組みを進めることにより、時代のニーズに合った公営住宅としての役割を果たせるよう引き続き工夫をして取り組んでまいりたいと思います。

 子ども医療費助成についてのご質問がございました。現物給付方式の導入についてのご質問でございます。

 議員お述べのとおり、平成三十年四月より未就学児童までを対象とする医療費助成について、国民健康保険の減額調整措置が廃止されることが決定されました。今般の国の見直しに当たりましては、医療費無償化による受診拡大等が医療保険制度や医療提供体制に与える影響等も議論されたと聞いております。それらの議論も踏まえまして、自治体の少子化対策の取り組みを支援するという観点から未就学児までを対象とされたことにつきましては、前向きに評価をしたいと思います。この子ども医療費助成につきましては、本県におきましては、県の助成範囲を昨年八月の診療分から中学生の通院までの引き上げを行い、全国トップクラスの助成範囲となったところでございます。今般の決定を受けまして、未就学児までを対象に現物給付方式を導入するかどうかにつきましては、この際の先般の改正と同様、助成事業の実施主体であります、県内の全市町村の合意形成が前提であると考えます。また、未就学児までを対象に現物給付方式を導入するには、さまざまな検討課題が残っております。例えば、受診者の定額一部負担金が市町村間で異なった設定となっている現状がございます。また、他の医療費助成制度で導入しております自動償還方式と現物給付方式の二方式併用となっていることもございます。その際には、医療機関での取り扱い方法や請求誤りの防止への対応が必要なわけでございます。このようなさまざまな検討課題を整理し、また、市町村間の認識を共有化することを目的に県と市町村による勉強会の開催について、市町村に働きかけを始めてまいりたいと思います。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、相談支援専門員の勤務実態をどのように把握しているのか、また、今後、障害者の生活相談の充実にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べの相談支援専門員は、障害のある人が障害福祉サービスを受ける際、市町村に提出するサービス等利用計画の作成などの役割を担っていただいております。また、相談支援専門員が所属する事業所は県内に百八十二カ所ございますが、その多くが三人以下の小規模な事業所でございます。そのため、計画作成のほか、年間を通じて個別の生活相談や関係機関等との連絡調整などに対応するとともに、事業所によってはほかのサービスと兼務されているケースもあると承知をいたしております。

 県といたしましては、障害のある人の障害特性や状態、家族状況等の個別事情に応じた相談支援の充実を図るため、相談支援従事者の養成と資質向上に取り組んでおります。具体的には、初任者研修や五年ごとの現任者研修のほか、サービス等利用計画に関する専門研修、強度の行動障害のある人の支援にかかわる人材の養成などの研修を実施いたしております。さらに、より質の高い計画を作成するため、スーパーバイザーを派遣し、助言、指導等にも取り組んでおります。このほか、県の専門相談機関である発達障害支援センターや高次脳機能障害支援センターにおきましても、専門的な相談等に応じているところでございます。

 今後とも、現場の実情等を聞かせていただきながら、人材育成等の取り組みの充実を図るとともに、地域の関係機関との連携を強化し、障害のある人の相談支援の充実に努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、奈良県中央卸売市場の廃棄物処理の取り組みについて、清掃組合の事業内容をどう精査し、指導、助言を行っているのか。また、廃棄物の処理コスト削減やリサイクル推進についてどう考えているのかのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのとおり、奈良県中央卸売市場における廃棄物は、排出者の責任として、場内事業者が組織する奈良県中央卸売市場清掃組合において処理しており、県は市場全体の清潔な環境を保持する目的から、その活動経費の一部を補助しております。県としても、廃棄物の処理コスト削減やリサイクルの推進が重要であると認識をしており、同組合から活動の定期的な報告を受けることとあわせて、場内の廃棄物集積所の状況などを確認しながら、日々の活動状況を点検する中で必要に応じさまざまな改善を働きかけてまいりました。具体的な改善点といたしましては、事務処理の適正化と透明性を確保するため、魚のアラや段ボールの処理にかかる業者選定を随意契約から競争入札に変更をいたしました。また、リサイクルを推進するため、家畜の飼料として再生利用可能な野菜残さは焼却処分から専門業者への処理委託に切りかえたほか、魚のアラも契約の相手方に食品リサイクルを条件に付すことにより、処理コストの削減に努めたところでございます。さらにリサイクル推進による廃棄物の減量化に向け、分別を徹底することを定めましたごみ処理ルールを平成二十五年度に県と同組合が協議をして策定し、全ての場内事業者にルール遵守を呼びかけてまいりました。その結果、一般廃棄物の処理量は策定前の平成二十四年度は約三千六百九十トンでございましたが、平成二十七年度は約三千二百六十トンとなり、四百三十トン、約一二%減少をいたしました。

 現在、県が取りまとめを行っております市場の将来ビジョンにおきましても、市場の廃棄物処理は食の安全・安心に直結する重要な課題であるとの認識のもと、適正な廃棄物処理を目指した安心・清潔な市場づくりを戦略の一つとして考えております。

 今後も奈良県中央卸売市場清掃組合としっかり連携をして、引き続き、処理コストの削減とリサイクルの徹底に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答えいたします。

 私には二つの質問をいただいており、一つ目は、県立高等学校の特色ある学校づくりについてのお尋ねでございます。

 本県教育振興大綱の目指す人間像に掲げております、確かな学力、豊かな人間性、たくましい心身を備えた人づくりを推進するためには、高等学校教育の質の向上を図ることが大切でございます。特に県立高等学校では、時代の進展や社会の変化に対応した特色ある学校をつくり、地域の産業、福祉、文化を支える人材の育成を担う必要がございます。そのため工業高等学校におきましては、本年度は王寺工業高等学校のレーザー加工機などを整備いたしました。さらに新年度には、御所実業高等学校にCNC旋盤を整備することなどによりまして、実習を充実させ、実践力の向上を図っております。また、農業や工業、商業などの専門高等学校を中心に勤労観、職業観の育成を目的とし、学校での座学と企業等での実習を組み合わせて行う、二重という意味でデュアルシステムと呼んでおりますけれども、このシステムの導入を新年度検討いたしております。

 具体的に申し上げますと、長期の企業実習を単位として認定をすること、また、地元の協力が得られれば空き店舗などを活用した高校版アンテナショップの運営などを実施したいと考えております。さらに専門学校との連携にも取り組んでおります。キャリアデザイン科を設置している二階堂高等学校では、昨年、橿原美容専門学校と連携協力協定を結びました。新年度入学生から一年次に体験的な学習を行うとともに、二年次からは専門学校に入学し、国家試験受験資格を取得するための学習を行う、ダブルスクールの制度を開始することといたしております。

 今後も特色ある学校づくりを推進することで、高等学校教育の質の向上を図り、企業や専門学校、地元などの協力を得ながら、実学教育の充実に努めてまいります。

 二つ目は、小中学校における教職員の人事異動についてのお尋ねでございます。

 教育は人なりと言われるように、学校教育の成否や質の向上は教職員の資質、能力に負うところが大きく、特に小中学校では五十代の教職員が四割程度を占める中、適切な人事異動が学校現場に活力を与えるものと考えております。

 そこで、県教育委員会では人事異動に関し四つの基本方針を定めております。

 一つ目は、各学校の教職員組織の充実と均衡を図るため、全県的な視野に立ち適材を適所に配置すること。

 二つ目は、教職員の経験を豊かにし、気風の刷新を図るため、同一校での長期勤務者の解消に努めること。

 三つ目は、若手教職員の人材育成の観点から多様な経験を積ませるため、全県的な視野に立った異動に努めること。

 四つ目は、児童・生徒の指導の充実強化を目指し、教職員の特性、経験を生かす異動に努めること。

 以上の四つでございます。

 小中学校における教職員の人事異動を行うに当たりましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第三十八条におきまして、市町村教育委員会の内申を待って行うものとされているため、事前に市町村教育委員会と十分な調整が必要となります。また、人事異動を検討する際には、教科や部活動に対する専門性等を考慮するほか、教職員のそれぞれの家庭事情や通勤状況等が記載された人事異動調書を資料として活用しており、介護や子育て等、教職員が抱えている事情にも配慮が必要となります。このような中、同一校での十年以上の長期勤務者の解消を図るために、人事異動の基本方針に沿って人事異動を実施した結果、平成十八年度では同一校での長期勤務者の割合は八・八%でございましたが、平成二十八年度には三・三%と、この十年間で大きく改善をいたしております。さらに平成二十七年度からは、若手教職員に多様な経験を積ませるため、新規採用後の初回の人事異動は、採用後おおむね四年から七年目に原則として他の市町村の学校へ異動することといたしております。

 今後も学校現場の活性化と教職員の人材育成につながる適材適所の人事異動を推進してまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 十五番岡史朗議員。



◆十五番(岡史朗) ご答弁ありがとうございました。

 まず最初の県立医科大学の新キャンパスについてのお話、具体的に初めてイメージを教えていただきました。ありがとうございました。私もいいなと、今初めて聞いてそういうイメージを持たせてもらいました。当然、これは木をたくさん使うことになるのだろうということも含めて、私は奈良県産材をしっかりと活用するという視点からもいいイメージだなと思いますので、ぜひ、これを具体的に進めていただきたい。そして、よそにはない、全国でも本当に奈良らしい校舎をぜひつくっていただきたい。このことを要望しておきたいと思います。

 それから、葛本町の交差点につきましては、今、いろいろなことに取り組んでいただいていることを聞いておりますので、今すぐに立体交差化ということはなかなか知事もうんと言うのは難しい、わかった上での質問でございますが、ただ私は、個人的に予測しますけれども、あの周辺で生活をしているものの一人として、確かに京奈和自動車道が立体交差化されれば、確かに国道二四号から向こうへ行く車もあるでしょうけれども、もともとこの橿原市周辺の経済活動もありますし、いろいろな生活道路的な面で国道二四号は結構使っているわけです。そういう意味においては、京奈和自動車道ではなくて、あの国道二四号でないと困るという方もたくさんいらっしゃる関係上、今言ったように、車の量はそんなに減らないのではないかなと。むしろ、京奈和自動車道から今度はまた逆に中和幹線の方へ入ってきて、そして、葛本町交差点を通過して沿線のいろいろな大型スーパーであるとか、そういう店に買い物に来たりとか、いろいろな形がふえる可能性がありますので、私はこの点は、多分また将来的にはそういう渋滞対策をしなければならない時代が来るのではないかなと思いますので、そのことを今からお願いをしておきたいという思いもありまして申し上げた次第でございます。ぜひ、研究を進めていただきたい。先ほども検討ということでございましたけれど、具体的に研究をしていただきたいということを切にお願いしたいと思います。これも要望にしておきますけれども、よろしくお願いします。

 それから、県営住宅、たくさんの課題があります。今回二つ申し上げましたけれども、まちづくりに資する県営住宅の活用、これはもう既に取り組んでいただいているものも、私も承知しておるわけでございますけれども、もっといろいろなアイデアも出てくるだろうと思いますし、それぞれ県営住宅のある場所によって形が変わってくるわけですよね、活用の仕方もですね。そういう意味において、まちづくりに活用する観点も生かしながら地域の活性化に資する、つながる効果的な計画をお願いしたい。

 それで、一番私が心配なのは、データをもらいまして見直して思ったのですけれども、先ほど知事のお話にもありましたように、二割がもう老朽化している、それから、高齢者が六割という話がございましたけれども、この間県からいただきましたデータを私なりに集計したのですけれど、昭和三十年代から昭和四十年代につくられた住宅が三十七カ所、その中で五十戸以下の小さな住宅が十八カ所ございます。三百戸以上の住宅で十カ所あるのですけれども、そのうちの五カ所は昭和三十年から昭和四十年代につくられた、こういう状況でございます。ですから、小さいところも古い県営住宅がありますし、大きなところも、三百以上の戸数を持っている住宅でも、昭和三十年、昭和四十年ごろにつくられた県営住宅がございます。非常に老朽化しているということもありますけれども、特にこの二番目の方で私がお願いしました高齢者対策、これがやっぱり今、私どもの方へたくさん要望が来るわけでございますけれども、なかなか申し込んでも一階にいけないと、順番待ちだと、こんな話がございました。先ほどの答弁では、医師の診断書があればという話でございます。大変ありがたいことでございますけれども、それだけでもなかなか追いつかない状況がございます。

 ぜひ、高齢者の中で、特に最近は急に脳梗塞などにかかった方は、この間まで元気だった方がわずか一カ月ぐらいで車いす状態になって帰ってくるというケースもあるわけでございます。そのときに県営住宅の三階とか四階とか、場合によっては五階に住んでいる方が、急にそのまま生活しなさいと言っても大変難しいことでございますので、そういうときにどうするのかということも含めて、やはりしっかりと取り組んでいかなければならないことではないかなと思いますので、高齢者対策、ぜひともお取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 その中で一点だけ私はここでお尋ねしたいのですけれども、先ほど医師の診断書という話がありましたけれども、低層階にかわるために申し込むルールですね。例えば、要介護度が何以上であるとか、身体障害者手帳とか、そのあたりが基準になろうかと思うのですけれども、それによってやはり優先順位を決めるというのですか、そういうふうなルール的なものができないのかどうか、これについてもう一度ご答弁をお願いしたいと思います。

 それから、子ども医療費助成についてでございますが、きょう知事は、一歩前向きの答弁をいただいたと思います。県と市町村との認識をしっかりと把握しながら、市町村間同士の認識が必要ということの認識の中でこれから取り組んでいきたいと、進めていきたいという趣旨の答弁があったように思います。実はこのことにつきましては、一昨年の通常国会において、私ども公明党の山口代表がペナルティー撤廃に向けて言及したことを受けて、国が厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で見直しについて検討してきたわけでございます。そして、十二月十七日に開催された国保基盤強化協議会で塩崎厚生労働大臣から国の見直しの方針が示され、今日このように大きく変化したわけでございまして、国の結論は平成三十年より未就学児までを対象とする医療費助成については、国民健康保険の減額調整措置は行わないこととしたいと、このようになったわけでございます。先ほども申し上げましたけれども、四十七都道府県の中でも現物支給方式の未実施が本県を含め七県であるという状況でございまして、何とか早くこれを解消して、少子化対策、子育て支援に資するように行政としてもぜひこれを機会に進めていただきたいと思うわけでございます。

 実は先般、このような話の中であるご婦人がおっしゃっておりましたことでございますけれども、子どもさんが熱を出されて病院に行こうかな、どうかなと、そのときにちょうど給料前で財布を見たらお金があまりない、どのくらい払わないといけないかわからないということで、結局は子どもさんを病院に連れて行くことをためらったと。もしこれが現物支給方式であれば、自己負担額だけ用意すればいいのですけれども、一旦は全部立てかえて、そして、後から還付を受けるという制度では、どのくらい取られるかわからないという不安がやっぱり皆さんあるようでございまして、こういう意味において、この現物給付方式はそういう子育て支援の、そしてまた経済的にもいろいろとご苦労されている若い夫婦においては、大変ありがたい制度になるのだろうと、私はこう思いますので、ぜひ、この点についてしっかりと県も旗振り役をやっていただいて、実施するのは市町村でございますが、何とか早く全市町村がそのことについて前向きな形の取り組みができるようにお願いしたい。

 このことについて、知事さんもう一度、具体的にこれから取り組む中で、ご決意を含めて、どんな場で、どのように進めようとされるのか、もし、お考えがあればぜひお答え願いたいと思います。

 それから、障害者の生活相談についてでございますけれども、これは、相談支援専門員さんという制度があるわけでございまして、障害者の皆さん方に寄り添って計画支援のプランを一緒につくるという仕事でございますけれども、実質的にはこの方々が障害者の方々の一番身近な実はサポート役なのです。ご存じのとおり、先般、国の方の制度が変わりまして、それまではどうだったかというと、市町村の障害係のようなところがみんなあるわけでございますけども、その障害係が直接障害者、もしくはその家族に対してサービスプランを相談しながらつくっておった、それが非常に数が多くなってきてなかなか大変だということで、民間の事業所にそれが任されていったと。平成二十七年度末にほぼそれが完了されたわけですけれども、そのツケというのか、急激なその変化の中で今現場は大変難しい局面に立たされておることも事実でございます。先ほど百八十何カ所というお話がございました。そこはほとんど三人以下の相談員さんが対応されておるということで、この間県が調査されました資料の中で、現場の相談員さんからの意見がここにあるわけで、幾つか紹介したいと思いますけれども、例えば、計画相談事業所が不足していると、年々ケース量は増加、ケース対応数に限界がありますと。今までも超過勤務が常態化しているような現状にあると。新規事業所も現在の単価では事業としては成り立たない状況であると。また、最近は精神障害者や難病の方の相談がふえてきていると。また、相談者の一般相談やそのほかの生活相談や生活支援も相談者の依頼により行うことができるが、サービス等利用計画の作成時とモニタリング時のみの現行の報酬単価ではその部分に関するコストが加味されておらず、事業の継続的な運営が難しいと。

 要はポイントは二つなのです。

 一つは、少ない人数で多くの方々に対応している現場の大変さ。特に精神障害の方の場合ですと、非常に相談の件数が急激にふえるわけですね。先ほども言いましたように、五千件を超えるような事業所はほとんどが精神障害の方々のお世話をしている事業所なのです。非常にそういう相談件数がふえる、しかし、スタッフは少ない、そうするとどうしてもこれはサービス、十分なる行き渡った相談に応え切れないという問題が実はあるわけでございます。

 それから、もう一つは、何といっても国からの、市町村からですけれども、相談員に対する報酬単価、これも非常に低い。ざっくり申し上げますけれども、一人当たり一年間で数万円の相談料なのですね、受ける報酬は一年間で数万円。それで、もうほとんど毎日のように対応しなければならない利用者さんもいらっしゃるわけです。これでは事業所はやはり人件費倒れになってしまうということで、なかなか大変だということが現実にあるわけでございます。

 そこで、先ほど健康福祉部長からご答弁がありましたけれど、もう一度この点についてお願いしたいことの一つは、国に対して今の制度の問題点をしっかり言ってほしい、改善すべきは改善してほしい、これについて健康福祉部長のお考えをお尋ねしたいと思います。

 それから、中央卸売市場の問題につきましては、また予算審査特別委員会等で詳しくさせてもらいますので、もうきょうのところは聞き置くことにさせていただきます。

 あと、教育委員会、教育長、ご答弁ありがとうございました。特に特色ある学校づくりの中で、先ほどおっしゃっていただきました美容コースの設置、これがダブルスクール方式を用いてやっていただくということを聞きまして大変うれしく思います。実は、今まではどうであったかといいますと、高校三年間いって卒業して、そこから美容学校の専門学校に二年間通うという、しかも費用が二百万円から三百万円かかったのです。非常に負担も大きくて、期間も五年かかる。もし、これが中学卒業して専門学校へ行けば高卒の資格が取れないということで、この辺のジレンマがあったわけです。しかし、今回のこの思い切った方法によりますと、高卒の資格がもらえ、なおかつうまくいけば二年短縮して国家試験が受けられると、しかも、費用も多分安くなるのであろうと推測いたします。これは美容業界にとってみれば、非常に画期的な判断だと私は思いますので、ひとつぜひ、成功していただいて、そして、奈良県の若い人たちがいろいろな仕事で活躍できる場を提供していただくようにお願いします。

 以上、お答えをお願いします。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 私に対しまして、二つ再質問があったと思います。

 一つは、県営住宅の低層階へ移るルールをつくっておくべきではないかということでございますが、多分、低層階は人気が高くて希望が多いのではないかと、高齢になりますと、やっぱり階段を上るよりも一階が楽だと。あいておれば、そこへ入れるよということになるのでしょうけれど、あいていないので、議員に頼めば入れてくれるよということにはなっていないと思いますけれども、どういう客観的な基準が要るかということがあろうかと思います。いや、あの人はこういうことだから、医者の診断書というのも、医者の診断書のどういうことがあればあの人を優先的に入れなさい、優先入居を同じコミュニティーの中で進められる客観的基準をその県営住宅の中で確立しておかなければ、あの人はいいコネがあったから入れたのだということはいけないという、今のご事象だと思います。そのような趣旨を含めまして、どういう客観的な基準で入居させるべきかということの検討を進めたいと思います。

 もう少し思いますと、高齢化が進む中での県営住宅の役割というのはどういうことなのかと、六割も超える高齢者。ほかの身の置き場としては、老人保健施設など民間の施設もあるわけでございますけれど、ということはケアのサービス水準がやや高いということになります。すると、弱ってこられた方は県営住宅ではサービスが間に合わないのではないかということがあるかもしれません。そのようにケアをどのようなレベルにして住んでもらう場所をすみ分けていくかという課題も余り正面切ってまだ研究は。公営住宅のあり方、あるいはサービスのつけ方というようなことも研究課題になってくるかと思いますので、もう少し客観基準の探索とあわせて、県営住宅のケアのあり方、あるいは今後のそもそものあり方、量から質というふうに移ってきている、その質が高齢者にとっての質ということに今議論が提起されたように思いますので、そのようなことも含めて検討をさせていただきたいと思います。

 二つ目のご質問は、就学前児童の現物給付についての支払い方法でございます。

 子どもの医療費の支払い方の問題でございますけれども、多分、支払いが楽だから、無料になったからたくさん診てもらえといったあめ玉ではありませんので、そのようなご家庭はないと思うのですね。必要最小限でいいのだけれども、手間が余計にかかるといざというときに困ってしまうこともあるのではないかと議員もおっしゃっております。そのときに支払い方法の簡易化といいますか、円滑化とともに、実は子どもの医療が身近にないことも多いわけでございます。結局、支払い方法は、ぱっと行けば診てもらえることになったけれども、診療所が近くにないからタクシー代がかかったとかというようなこともあり得るわけでございます。

 したがいまして、子ども医療に対する医療提供体制ということもあわせて市町村と協議の対象にしなければいけないのではないかと思っております。要は、全体として支払い方法も含め、提供体制も、子どもさんは二十四時間いつ急変するかわからないと不安を抱えておられますので、では、♯七一一九の子ども版に常時電話をかけられるよということで夜中の安心を提供するといったことも必要でございますし、いざというときにはどのような処置が要るのかということも含めて対応しなければいけないという課題かというふうに思います。県と市町村の協議に当たりましては、この支払い方法とともに、子ども医療の実態でございますね、需要と供給の実態を合わせて、各過疎地でも町の中で随分違うように思いますから、総じて供給不足だと思いますけれども、また、サービス水準も二十四時間体制がとられていない地区の方が多いかというふうに思いますので、そのようなことも含めて、もちろん支払い方法をきっかけにということになりますけれども、研究協議を市町村と進められるように、県としてはご相談していきたいというふうに思います。



○議長(川口正志) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)私には、国の方に実態を伝え、改善を要望すべきとのご指摘でございます。

 議員からご紹介をいただきましたように、この相談専門員制度でございますが、平成二十七年度から本格スタートをいたしました。また、ご紹介をいただきましたように本年二月に県内の事業所にその実態についてアンケート調査をさせていただいております。また、ご紹介いただきましたように、その中ではモニタリングに大変時間と労力がかかると、あるいは件数がふえて事業所が不足していると、それに見合う単価というようなことにつきましても聞かせていただいているところでございます。今、ご答弁を申し上げましたように、今後も引き続きまして、こうした現場の実情等をお聞かせいただきながら、国にも県の実態、スタートして間もないこのような実態をしっかりと伝えまして、改善を働きかけてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 十五番岡史朗議員。



◆十五番(岡史朗) ありがとうございました。

 子ども医療費の問題につきましては、知事のご答弁、本当にありがとうございました。我々もしっかりとまた一緒にこのことを考えていきたいと思いますが、知事のリーダーシップに重ねて期待してこのお話は終わりたいと思います。

 それから、障害者の今の件でございますけれども、我々は障害者に寄り添ってという言葉をよく使うわけでございますけれども、誰が寄り添うのかというところが欠けているのです。今の制度ですと、寄り添いたくても寄り添うことができない状況にあるわけでございます。この現状を、これは県の責任とは言いませんけれども、国を挙げてもう一回今やった制度の反省点として、私はやっぱりしっかりと声を上げていくべきだろうと思いますので、どうか今後ともよろしくお願いします。

 以上で終わります。



○議長(川口正志) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

 しばらく休憩します。



△午後二時十四分休憩

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△午後二時三十分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、三十三番国中憲治議員に発言を許します。−−三十三番国中憲治議員。(拍手)



◆三十三番(国中憲治) (登壇)ただいま議長からご指名をいただきましたので、通告いたしております項目について質問をさせていただきたいと思っています。

 まず初めに、南和医療についてお礼と要望をさせていただきたいと思っております。

 昨年四月に荒井知事の強いリーダーシップと一市三町八村のご理解のもと、南和の医療は南和で守る、地域の救急を断らない病院を合い言葉に、南奈良総合医療センターが開院をいたしました。開院以来企業長、院長をはじめスタッフが使命感に燃えていただき順調に南和地域の中核病院としての役割を担っていただいております。ここに改めて知事はじめ、病院関係者に敬意と感謝を申し上げたいと思っております。加えて、来る三月二十一日から奈良県ドクターヘリの運航開始が公表されたところであります。これで山間地域での急病人の発生や交通事故、山林事故、自然災害時等における緊急医療に画期的な貢献を期待できるものと思っております。しかしながら、ドクターヘリは原則として三百六十五日の運航となっているものの、夜間・天候不良時には運航不可となっております。今後の南和地域のさらなる医療充実を思うときに、南和地域の地形、気象条件等ドクターヘリ運航に厳しい条件も多く出てくるものと思っております。その克服には南和地域へのドクターカーの導入が望ましいと思いますので、ここに要望だけをしておきたいと思っております。

 次に、奈良県における障害者就労の推進について、知事にお伺いをいたしたいと思っています。

 奈良県は平成二十八年六月一日現在、県内民間企業に雇用されている障害者数が過去最高の二千二百二十二・五人、昨年よりも二百四十人増加し、障害者雇用率二・六%に達し障害者雇用率全国一位となりました。この間、荒井知事が先頭に立ち、奈良県と奈良労働局が合同で障害者はたらく応援団ならを創設・運営される等、行政、企業、特別支援学校、支援機関等の一体的な取り組みは全国的にも類を見ないものであり高く評価されているところであります。障害者雇用全国一位になると誓った荒井知事の並々ならぬ熱意、実行力の賜物と敬意を表するところであります。奈良県の場合、百人以下の小規模企業における障害者雇用率が高い傾向にあり、職場実習を丁寧に幅広く取り組んできた成果として、平成二十六年度以降急激に就労の実績が伸びてきております。現在法定雇用率達成企業は過去最高の三百三十六社、全体の六〇・四%となっておりますが、残りの四〇%、約二百社が未達成企業となっております。

 今後、奈良県として障害者雇用率全国一位の継続はもちろんであります。未達成企業への働きかけをはじめ、障害者就労の推進を通していかに障害のある人が当たり前に活躍できる社会の実現を目指していくのか、荒井知事の意気込みをお伺いしたいと思っております。

 次に、土砂災害防止のための森林管理について、知事にお伺いをいたします。

 平成二十三年の紀伊半島大水害の状況を見るとき、深層崩壊という今まで経験のなかった山林崩壊が発生し、土石流で大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。県が作成した紀伊半島大水害の記録によりますと、山林崩壊等の土砂移動が千八百カ所で発生し、崩壊土砂量は八千六百万立方メートルと推定されております。この山林崩壊のうち深層崩壊につきましては、地表の状態に関係なく地形、地質、雨量に起因して発生したことが判明をしておりますが、表層崩壊につきましては、山の管理放棄、いわゆる放置林等が原因の一つではないかと私は思っております。なお、先月の二十八日には県において土砂災害のおそれのある地域としての指定が完了いたしました。その中で警戒区域であるイエローゾーン、一万九百六十七カ所のうち、新たに百五十九カ所が特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンと言われている区域が追加指定され、特別警戒区域は合計で一千八百五十六カ所となると公表されたところであります。指定されたゾーン内にある森林については、崩壊防止の観点からも森林所有者に山の管理を促すことが最も重要であると思われます。

 そこで、現在県ではスイスの森林管理をお手本とした新たな森林管理制度の導入を検討されているようでありますが、森林所有者に適切な管理を促すための方策も含めて、今後本県の森林管理をどのように進めようとされているのか、知事にお伺いをいたします。

 続きまして、フォレスト・アカデミー構想について、知事にお伺いをいたします。

 知事は昨年十一月に、奈良県と友好提携しているスイス・ベルン州に県議会議員をはじめ、市町村長、森林関係者の方々とともに訪問され、ベルン州におけるフォレスターの養成校であるリース林業教育センターと友好提携に関する覚書を締結されました。

 スイスでは、国や州がフォレスターの資格取得者に森林管理マネジメントの権限を与えていると聞いております。今回検討されているフォレスト・アカデミーにおいても、スイスのように権限を有する資格を与えていただき、フォレスト・アカデミーを卒業後の出口、すなわち就職や活躍の場を彼らに提供できるようにしていただきたいと思っております。また、昨年六月議会で私が質問をいたしました林業活性化のための人材育成については、知事から高等学校、大学校、職業を接続させる、いわゆる高・大、職の連携による実学教育の仕組みづくりが非常に重要な課題であるとのご答弁をいただいております。あわせて、フォレスト・アカデミーの構想については、地形、地質、気候などが同じような条件にある三重県、和歌山県、奈良県の紀伊半島三県が連携して取り組む旨のお答えもいただいておるところであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 リース林業教育センターと締結した覚書に基づく交流や、奈良県フォレスト・アカデミーでの資格の付与や卒業後の出口対策など、構想の方向性や取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。

 次に、大淀高等学校のコミュニティスクールについて教育長にお伺いをしたいと思います。

 昨年の六月議会において、私から県南部の高等学校のあり方について質問をいたしましたところ、教育長から、大淀高等学校において保護者及び地域住民等が学校の課題に参画できるコミュニティスクールの導入について検討しているとのご答弁をいただいたところであります。

 まず初めに、コミュニティスクールとはどのような制度なのか、コミュニティスクール化することによって従来の学校運営、経営と比べてどのようなメリット、特色があるのかお答えを願いたいと思います。

 私の理解するところでは、学校経営については学校運営協議会を設置して幅広く地域住民、民間等からの意見も聞き、それを教育現場に反映させ、大淀高等学校の場合には地域の公立中学校の教育現場と大淀高等学校が専門教科やクラブ活動において連携したり、必要な支援をして魅力ある大淀高等学校を創生していくことがコミュニティスクールと承知しておりますが、県教育委員会として具体的にどのように取り組もうとしているのか、お答えを願いたいと思います。

 さらにはこの取り組みだけで、地域の児童・生徒が憧れ、目標にする大淀高等学校に再生することができるのか、疑問に思っておりますが、教育長の思いをお答えください。

 続きまして、吉野高等学校のあり方について、教育長にお伺いをいたします。

 本年も高校入試の特色選抜の願書受け付けがあり、吉野高等学校は従来の三科別の願書受け付けから一括募集となり、募集人員百十一名のところ出願者はわずか二十九名であります。結果、二十四名が合格したと聞いております。さらに昨日、三月六日に吉野高等学校一般選抜の出願者数が公表されましたが、募集人員八十七名のところ出願者は十九名となっており、本年も定員に満たない状況となっております。もちろんローマは一日にして成らずという格言もありますように、教育も長年の蓄積が必要であることは承知しておりますが、この際思い切って全国から生徒を募集したらどうかと思いますが、教育長の思いをお聞かせいただきたいと思っております。

 吉野高等学校には、森林科学科、建築工学科、土木工学科の三科があります。入試が従来の三科別の募集から一括募集となったことについて、一括募集で入学した生徒の三科の進路をどのように指導していくのか。また、三科のうち特定の学科に希望者が集中し、他の学科には希望者がいないという現象も起こり得ることも想定しなければならないと思いますが、この場合はどのように対応するのか、教育長のお考えをお聞かせください。

 さらに昨年の六月議会において、私から吉野高等学校三科のあり方について質問をいたしましたところ、教育長から、三科については地域の豊かな森林をフィールドとして農業と工業の融合を図る新たな教育を提供したいとのご答弁をいただきました。具体的にどのような方針の教育内容、学校運営を考えておられるのか。さらにその方針は来年度から始まるのかどうか、お尋ねをしておきます。

 最後に、現在事業中の国道一六九号高取バイパスについて、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 高取バイパスは国道一六九号の高取町地内、橿原市内での交通渋滞緩和、吉野郡の活性化のために私が平成九年に提案し、平成十年に事業化され、県の財政運営が厳しい中、選択と集中工区として事業に取り組んでいただき、敬意を表しているところであります。このバイパスは、荒井知事が提唱していただいております南部地域を元気にするためにも吉野の住民は一日も早い完成を待ち望んでおります。高取バイパスの整備状況は、昨年十二月に(仮称)清水谷トンネル工事に着手していただき、完成が平成三十一年一月予定とうかがっているところであります。

 引き続きトンネル南側から現国道一六九号までの高架橋の早期着工が待ち望まれております。今後どのような工程でトンネル南側から国道一六九号までの整備を考えておられるのか、県土マネジメント部長の考えをお伺いいたします。

 また、引き続き高取バイパス北端の高取町兵庫から御所市本馬の京奈和自動車道御所インターチェンジまでの約三・四キロメートルの未整備区間について、来年度に事業化し都市計画決定に向けた作業を進められることに敬意を表するとともに、一日も早く工事着手していただきますよう強く要望しておきたいと思います。

 これで、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十三番国中議員のご質問にお答え申し上げます。

 一番目は、障害者就労の推進についてのご質問でございます。

 障害者雇用の推進につきましては、障害者雇用率全国一位を目指し、働くことを希望される障害のある人の就労機会の創出・拡大を進めてまいりました。今般二位の山口県に大きく水をあけて全国一位を達成したことは本当にうれしく思っております。障害者雇用率はその地域の総従業者数分の障害のある方の数でございます。奈良県は二・六〇%でございますが、二位の山口県は二・四七%、三位の大分県は二・四六%ということで、多少今のところ差はあいております。

 本県の障害者雇用はこれまでから百人未満の小規模な事業所が熱心に取り組んでいただいております。小規模事業者の方の障害者雇用率が高い奈良県でございまして、今年度六月一日現在の調査におきましては、全ての規模の階層で法定雇用率を上回っております。法定雇用率二・〇%以上の階層の達成率でございます。企業の規模にかかわらず、真摯に障害者雇用に取り組んでいただいているのが奈良県でございます。また県と奈良労働局が、障害者はたらく応援団ならを共同で設立・運営し、雇用の第一歩となる職場実習の受け入れ先の拡大をはじめ、企業の人事担当者を対象としたセミナーの実施や障害者雇用促進ジャーナルの発行など、官民挙げて奈良県独自の就労支援に取り組んできたことが功を奏したかもしれないというふうに考えております。平成三十年度からは法定雇用率の算定に精神障害者数が含まれます。法定雇用率の引き上げが見込まれておるところでございまして、こうした動きも踏まえまして、来年度新たに精神障害者雇用セミナーの開催や企業等が障害者雇用を進める上で参考になります情報をまとめたガイドブックを作成したいと思います。そしてこれらの道具を活用して、法定雇用率の未達成企業も含め障害者雇用の増進を働きかけてまいりたいと思います。障害者雇用率日本一を堅持したいというふうに思います。

 さらに特例子会社の設立支援等にも力を入れながら、今後も障害のある人がそれぞれの障害の程度や希望等に応じて働くことができる社会、奈良県を目指して、障害のある人の就労支援に取り組んでまいりたいと思います。

 森林管理についてのご見識の表明とご質問がございました。

 議員お述べのとおり、山林の表層崩壊は管理放棄された放置林等が原因で発生する場合もあることは認識をしております。管理の行き届かない山林からは土砂が流れやすく、また、より多くの土砂が流れる等の報告もあります。放置林は大きな洪水などを引き起こす加害者になる可能性もあるものでございます。森林の行き届いた管理の対策といたしまして、奈良県では平成十八年度より奈良県森林環境税を導入し、所有者と協定を締結した上で管理が行き届かなくなった森林に対しまして、公的関与による森林整備として通常より多く本数を間引く強度な間伐を行うこともしてまいりました。このことにより森林内が明るくなり、下草が増加し、土砂流出の量が減少するなど一定の効果は確認できておりますが、その効果が行き届くのは放置林の一部にすぎず、新たな知恵と工夫による対策が必要な時期になっているものと認識をしております。

 そんな折、平成二十七年四月、二年ほど前にスイスのベルン州との友好提携を締結いたしました。その中でスイスの森林管理が大変すぐれていることがわかりました。人件費は日本の二倍で、木材価格は日本の半分でございますが、森林管理がとても行き届いた制度があることがわかりました。どうしてそういうことができるのだろうかと一定研究を進めました。その結果、スイスの森林は高い知識と権限を有しておりますフォレスターという職分の人が管理しており、森林が有します林業生産、防災、生物多様性維持、レクリエーションの四つの機能を重視して森林の力を最大限に活用し、この四つの機能を総合的に高める森林管理が行われていることがわかりました。日本では木材生産は林野庁、防災は林野庁と国土交通省、生物多様性維持は環境省、レクリエーションは観光庁のように分散されてばらばらに森林政策を行っております。本県におきましては、このスイスの森林管理を参考に森林の持つ四つの機能に着目した新たな森林環境管理制度の検討や制度の基礎となります森林の所有者や境界等に関する情報の明確化などの新たな森林環境管理制度の導入に向けた検討、取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

 加えまして議員ご指摘のとおり、森林崩壊防止の観点から山林所有者の責務として山の適切な管理を促すことも必要かと考えており、そのための条例も検討し始めたところでございます。そのために新年度からは、より集中的、専門的に取り組める体制が必要と考え、農林部に新たな森林管理体制準備室を設置し、奈良県の新たな森林づくりに向けた体制のより一層の充実に努めてまいりたいと考えるところでございます。

 次に、フォレスト・アカデミー構想というものについてのご質問がございました。

 議員お尋ねのフォレスト・アカデミー、林業教育機関につきましては、さきに述べました新たな森林環境管理の制度設計と同様にスイスをお手本に検討を始めたところでございます。昨年十一月、本県とスイス・ベルン州にありますフォレスターの養成校でありますリース林業教育センターと覚書を締結いたしました。経済性と環境保全が両立できる森林管理の実現に向け、林業の職業教育と研修、また森林や林業に関するさまざま分野において積極的に交流と協力を発展させることに合意をしたものでございます。教えてもらうことばかりかもしれませんが、リース林業教育センター、またベルン州は大変ご親切に奈良県に協力を惜しまないという態度をとっていただいております。スイスではフォレスターを養成する学校を修了すれば国家資格が与えられます。国の法律がございます。法令に基づき一定の権限を持って森林管理に当たることが可能でございます。しかしながら日本におきましては、森林管理に対しましては先ほど申しましたように権限が分散されておりますし、一定の権限をある人に付与する仕組みはございませんので、条例等で権限を付与できるかどうかという仕組みの検討や、フォレスト・アカデミーの卒業生が活躍できる雇用対策などの検討を進める必要がございます。スイスのフォレスターは市町村に雇用されておるのが通常でございます。

 フォレスト・アカデミーにつきましては、まずは奈良県としてどのような森林管理を制度設計するか、その中でどのような知識と技術を有する人材が必要か、またその人材にどのような権限を付与するかを想定してカリキュラムを検討することになると思います。つまり、森林環境管理制度の設計、管理を担うフォレスターの能力と権限、またフォレスター養成の仕方を研究・検討することが必要だと思います。その中におきましても、フォレスト・アカデミーのカリキュラム等の検討の中で高等学校、大学を卒業し、職業につかれる一貫した実学教育の仕組みづくりにつきましても取り組んでいきたいと思います。林業高等学校を卒業し、フォレスト・アカデミーを卒業され、奈良県、あるいは紀伊半島の森林で働かれる方々の一定のコース、キャリアパスを想定していきたいと思います。

 一方、三重県、和歌山県と奈良県の連携についても検討を始めております。昨年八月の紀伊半島知事会議での合意を受けまして、林業の人材育成に関する連携内容の策定に向け三県のプロジェクトチームを立ち上げました。三県にまたがる条例等も検討してまいりたいと考えます。

 今後ともスイスの森林管理の仕組みや人材育成の方法についてさらなる研究を進めていきたいと思います。さきにも述べましたが、新たな組織を設置して、森林環境管理制度の導入や条例の検討、奈良県版フォレスト・アカデミー構想の推進について取り組んでまいりたいと思います。百年先の奈良県の森林、林業を念頭に、地域の人々が豊かになる取り組みに知恵を絞ってまいりたいと考えております。

 私に対する質問は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)三十三番国中議員の質問にお答えをいたします。

 私には国道一六九号高取バイパスの今後の工程につきましてお尋ねがございました。

 国道一六九号高取バイパスは、高取町兵庫から清水谷に至る延長三・四キロメートルのバイパス道路でございます。平成二十四年四月に北側の一・四キロメートルを暫定二車線で供用いたしまして、現在南側の二キロメートル区間で事業を進めているところでございます。延長六百三十五メートルの(仮称)清水谷トンネルにつきましては、昨年十二月に工事の契約を終えました。現在掘削に伴う濁水等を処理するためのプラントの準備などを進めております。掘削工事着手に向けて鋭意準備を進めているところでございますが、本年五月には掘削工事に着手をいたしまして、平成三十一年一月末の工事完成を目指してまいりたいと考えてございます。また、(仮称)清水谷トンネルの南側から現道にタッチするまでの間、〇・八キロメートルにつきましては、高架橋と切り土・盛り土の構造になります。現在の用地取得状況でございますが、約七五%ということで残る地権者も約二十名という状況でございます。当事者間の見解の相違から土地の境界を確定できないといった課題も一部にございますけれども、地元の高取町のご協力もいただきながら今後も精力的に用地交渉を進めまして、早期に用地取得が完了するよう努めてまいりたいと考えてございます。

 引き続き、高取バイパス全線の早期供用に向けまして取り組みますとともに、高取バイパスと京奈和自動車道の御所インターチェンジを結びます県道橿原高取線につきましても新年度から事業に着手をいたしまして、紀伊半島アンカールートの一翼を担う国道一六九号ラインのなお一層の強靱化を目指してまいります。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十三番国中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二つの質問をいただいており、一つ目は大淀高等学校のコミュニティスクールについてのお尋ねでございます。

 コミュニティスクールは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで生徒の豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくりを進める仕組みでございます。コミュニティスクールには学校運営協議会が設けられ、大淀高等学校では委員といたしまして地元の町長をはじめ、幼小中の校園会長、さらには南奈良総合医療センターの副院長が就任する予定でございます。このことによりまして、地元の小中学校や地域との連携が教育活動を通して強化され、地元みずからの力で学校をよりよいものにしていこうとする意識が高まります。

 県教育委員会といたしましては、来年度コミュニティスクールに指定する大淀高等学校が果たす役割は、地元の小中学生が憧れ、南部地域を支える人材を育成することであると捉えております。小中学生が憧れるためには、小中学校と高等学校を結ぶ教育活動を焦点化する必要がございまして、例えば高等学校の教員が小学校の英語の授業に参加したり、中高合同の部活動を実施したりする。そのことで子どもたちに地域の学校であることを意識させ、校種間の連携、接続を強化いたします。また地域を支える人材を育成するため、地域からの要請が強い看護、医療、保育の分野においてインターンシップの充実を図ってまいります。今後も大淀高等学校をはじめ県立高等学校の教育の質を高め、特色ある学校づくりを推進してまいります。

 二つ目は、吉野高等学校のあり方についてのお尋ねでございます。

 全国募集につきましては、現在御所実業高等学校ラグビー部や榛生昇陽高等学校の自転車競技部など全国大会で活躍する運動部活動を支援するとともに、地域の活力を向上させるために南部及び東部に位置する四校で実施をいたしております。なお吉野高等学校の森林科学科では以前、近府県からの受験を認めておりましたが、近年では実績がなかったため、まずは吉野高等学校の専門学科の見直しを優先すべきと考えております。吉野高等学校では、来年度から第一学年次に吉野地域の森林の特徴や住環境、さらにはダムや橋りょうなどについて総合的に学ぶ吉野独自の学校設定科目を設定いたします。また産業社会について学ぶ科目も設け、生徒の興味関心や将来の進路に応じて二年次でまず農業科か工業科を選択いたします。工業科では建築工学・土木工学のいずれかの学科を選択いたしますが、好き嫌いではなくて、生徒が興味関心や適性に応じ教員と十分に相談をいたしますし、個々の進路希望に応じて柔軟な選択も可能になるため、今のところ大きく偏ることは考えてはおりません。

 なお吉野高等学校では、長期の企業実習と座学の組み合わせによる単位を認定するデュアルシステムを導入し、実学教育の一層の充実を図ってまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 三十三番国中憲治議員。



◆三十三番(国中憲治) ただいま荒井知事、そしてまた吉田教育長、加藤県土マネジメント部長から丁寧なご答弁をいただいてありがとうございます。

 少し時間がありますので、二、三要望しておきたいと、かように思います。

 まず知事からは先ほど障害者就労の推進について、また土砂災害防止のための森林管理について、本当に力強い、希望の持てるご答弁をいただいて、これからも今ご答弁をいただいたことをぜひ行動に移していただいて、そういった障害者がそれこそ社会で羽ばたける奈良県の行政、そしてまた災害防止、土砂の流出については、ゾーンの指定内の森林管理者に対して啓蒙啓発活動をしていただいて、二度と大きな土砂災害が起こらないような強靱な県土づくりに励んでいただきたいと思います。

 そしてフォレスト・アカデミーについてでありますが、このことに関しては知事が就任以来、奈良県下の林業、木材産業活性化のために、奈良の木ブランド課の設置や、川上、川中、川下対策、バイオマスを中心とした間伐材の利用促進、県庁のロビーの木質化等々にご尽力をいただいておるわけでありますけれども、今回私が森林の、また木材産業の関係者の人材育成について質問をいたしましたところ、フォレスト・アカデミー構想をいただいておるわけでありますけれども、この構想は非常に吉野郡の自治体、森林関係者、特に吉野高等学校に桜杉会という同窓会があるのですけれど、これは卒業者一万七千人、恐らく生存者は一万人強いるだろうと思うのですが、大いに期待をしているところであります。ぜひ一日も早く構想から実現に向けて頑張っていただきたいということを要望しておきたいと思っています。

 続いて教育長に要望したいと思うのですけれども、昨年も私は大淀高等学校、吉野高等学校のあり方について質問いたしまして、地元の児童・生徒が憧れるというようなことで、そういった高等学校の運営、あり方について質問をいたしました。ことしも、とにかく教育というのは一日にして成らずと、毎年毎年の長年の蓄積ということも私は十分承知しております。恐らく教育委員会も把握していただいていると思うのですけれども、今回大淀高等学校に限っては地元の大淀中学、百七十二名中四十一名が大淀高等学校を志願しております。結果はどうなるのか私はわかりませんけれども。そしてまた、吉野中学校四十七名、卒業生が四名大淀高等学校を志願している。下市中学校からは三十八名中八名ということです。また、吉野高等学校に限っては大淀中学校から三名、吉野中学校から二名、下市中学校からゼロという結果が出ております。この結果を見る限りは、本当に地元の生徒・児童は吉高がなというような感覚がまだまだ抜け切れないところがたくさんあると思います。やっぱり魅力ある高等学校というのは長年の時間がかかると思うのですけれども、吉田教育長が言われましたように大いに期待をしたいと思います。

 特に大淀高等学校に関しては、コミュニティスクールというのは平成二十九年度から指定されるということですぐには成果が上がらないのは当然でありますが、ご答弁のように地元の小学校、中学校と大いに連携をとっていただいて、平成二十九年度、平成三十年度の入試に願書がどれだけ私は出てくるかなということで、大いに楽しみにしておりますので、そういった面では期待をしたいなと、かように思います。

 以上、高取バイパスにおいても加藤県土マネジメント部長、これはやっぱり全線開通することが御所市、橿原市、高取町、吉野町ということで、大きな幹線道路になってただ便利ということではなしに、やっぱり大きな経済道路として活力ある道路として私はよみがえるのではないだろうかなということで大いに期待をしているところでありますので、用地難航というようなこともありましたが、ぜひ高取町なり、また橿原市なり、御所市なり、大いにご協力をしていただいて全線開通が一日も早くできますことをご期待申し上げまして、私の質問を終わっておきたいと思います。ありがとうございました。終わります。



○副議長(小泉米造) 次に、三十六番新谷紘一議員に発言を許します。−−三十六番新谷紘一議員。(拍手)



◆三十六番(新谷紘一) (登壇)高席からお許しをいただきたいと思います。

 議長並びに同僚議員のご配慮をいただき、質問をさせていただく機会をいただきまして光栄に存じます。

 まず最初に、北方領土問題について要望をいたしておきたいと思います。

 先月十五日、私が会長を務めさせていただいております北方領土返還要求運動奈良県民会議の第三十一回奈良県民大会が東大寺総合文化センター金鐘ホールで開催されました。三百人を超える会員、県民の方々のご参加をいただき、議長並びに知事からも祝辞をいただき大変盛況な大会となりました。この場をおかりいたしまして改めてお礼を申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。

 さて、北方領土問題をめぐっては昨年はまさに忘れることのできない年でありました。五月には、ロシア南部のソチで安倍内閣総理大臣とプーチン大統領の首脳会談が行われました。北方領土問題については、新たな発想に基づくアプローチで交渉を加速することで一致し、九月のロシアのウラジオストク、十一月のペルーのリマでの首脳会談に続き十二月にプーチン大統領が来日して、安倍内閣総理大臣の故郷である山口県、そして東京で首脳会談が行われました。言うまでもなく北方領土返還実現の期待は大いに高まったものであります。ところが平和条約締結に向け、北方四島での共同経済活動に関する協議を開始することや、総額三千億円規模と言われる日露両国間の経済協力を進めることに合意をいたしましたけれども北方領土問題の進展は全くと言っていいほど見られなかった。自由民主党二階幹事長の、首脳会談の成果については国民の大半ががっかりしているとの談話を持ち出すまでもなく、私も含めて多くの関係者や国民の期待を裏切る非常に残念な結果であったと言わざるを得ません。とりわけ元島民の方々の落胆ぶりは痛恨のきわみであります。会談後も不法占拠を続けようとするロシアの強行な姿勢は決して見逃すことはできません。独立国として領土、領海は一歩も譲れませんし、日本政府には強力な外交交渉をもって一日も早く北方領土問題の解決を図られることを切にお願いしておきます。

 一方、領土問題の解決は政府の力だけでできるものではありません。地方において幅広い取り組みを続けていくことが大切であります。私は北方領土返還要求運動奈良県民会議の会長に就任して以来、奈良県民の皆様方に領土問題の理解を深めていただくためさまざまな活動の展開をしてまいりましたが、改めて北方領土返還への県民の声を一層結集させ、今後も粘り強く運動の推進をしていく思いを強くしたところであります。今後とも奈良県民会議へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

 次に、リニア中央新幹線について知事にお伺いをいたします。

 リニア中央新幹線の整備促進に関しましては、荒井知事は昨年の六月、三重県の鈴木知事と大阪府の新井副知事を伴って首相官邸を訪問され、沿線地方公共団体がリニア中央新幹線の名古屋−大阪間の前倒し開業にできるだけ協力できるようにとの観点から、三重・奈良ルート及び駅位置の早期確定などについて安倍内閣総理大臣に直接要望されたとお伺いをしております。その後、八月に政府が取りまとめた未来への投資を実現する経済対策において、二十一世紀のインフラ整備として財政投融資の手法を積極的に活用・工夫することにより、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しすることが明記され、今年度と来年度で一・五兆円ずつ、総額三兆円のJR東海への融資が予定されております。これは財政投融資の長期・固定・低利の貸し付けを活用することで、東京−名古屋間開業後のJR東海の経営体力回復期間を短縮し、連続して名古屋−大阪間の工事に着手し全線開業までの期間の前倒しを図るものでありますが、私はこのような全線開業の前倒しに向けた具体的な動きが出てきたことを本当にうれしく思います。本県にとりましては、この動きを踏まえ三重・奈良ルートと駅位置を早期に確定させることが最も重要な事項であります。気を引き締めて取り組みを進めていくことが大変大事であります。ルートについては災害に強い国土づくりの、いわゆるリダンダンシーの観点から整備計画どおり東海道新幹線とできる限り離して、奈良市附近を経過地とする三重・奈良ルートとすることを繰り返し主張しておきます。

 また、駅位置については奈良県の将来をしっかり踏まえ、観光や産業振興など地域の振興につながることはもちろん、その利便が紀伊半島全域に広がるような交通結節性の高い位置とする必要があります。ルートと駅位置の具体的な確定のために環境影響評価手続に早期に着手される必要があります。駅位置とルートが確定しますと、駅周辺のまちづくりやアクセスの検討など具体的、計画的に進めることが可能となります。

 そこで、県として三重・奈良ルート、駅位置の早期確定に向けどのように取り組まれようとしているのか、知事の所見をお伺いしておきます。

 次に、京奈和自動車道についてお伺いをいたします。

 県民の生活を支え、本県の経済を牽引する重要な南北幹線道路である京奈和自動車道は、平成十八年四月に郡山南インターチェンジから橿原北インターチェンジまでが供用して以降順次整備が進み、これまでに県内の総延長約四十八キロメートルのうち約二十四キロメートルが供用されています。この整備により県民の利便性は大きく向上し、県内の企業立地も大幅に増加したと聞いております。まさに本県における経済の牽引役となっております。残る区間についても、ことしの夏ごろの供用に向けて工事が進められている御所南インターチェンジから五條北インターチェンジをはじめとし鋭意事業が進められているところであり、一日も早い全線開通が待ち望まれます。

 一方、西名阪自動車道と一体となって本県の重要な東西幹線道路を形成している名阪国道は、昭和四十年の開通以来無料で通行できることから沿道地域の住民も使いやすく、教育、福祉、医療など日常生活を支える重要な道路となっております。通過交通であっても途中で休憩し、食事やガソリンの給油をするといった利用者の方々もおられますので、沿線である県の東部山間地域ににぎわいをもたらし経済の活性化にもつながっております。

 今後、京奈和自動車道の効果を継続的に発揮するためには、現在無料で通行できる区間について、これを継続することが重要と考えます。経済の活性化や一般道路の渋滞を緩和・解消し県民の利便性を確保するなど、京奈和自動車道の効果を最大限に発揮するためには、現在無料で通行できる区間について無料通行を続けていくべきであると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、無電柱化の取り組みについてお伺いをいたします。

 電柱や電線を地中や道路外に移設する、いわゆる無電柱化は、安全で円滑な交通の確保をはじめ災害の防止や良好な景観形成に有効な事業であります。奈良県内では歩道のない道路が少なからず残されており、歩行者や自転車にとって電柱は安全な通行を妨げるものであります。特に歩行者の往来が多い観光地周辺道路などにおいてはそうした状況が顕著に見られます。そして特に申し上げたい一点ですが、無電柱化の効果として最もクローズアップされているものとして防災の観点があります。これまで地震や台風などにより全国で数多くの電柱が倒壊しています。送電や通信の機能を失うことはもちろん問題ですが、倒壊した電柱や電線が道路の通行を阻害し、緊急車両などによる救助活動や救援物資の輸送に支障を及ぼすことも見逃すことができません。災害により電柱が倒壊した事例として、平成七年の阪神・淡路大震災では数千本が、また平成二十三年の東日本大震災による津波で数万本が倒壊した事例が挙げられます。これらの惨事はまだ記憶に新しいところですが、県内では私の地元である山添村や奈良市東部でも台風により多くの電柱がなぎ倒されたことがあります。南海トラフ地震がいつ発生しても不思議でないとちまたでは取り沙汰されている中で、いざ被災した場合のことを考えると、救助活動や復旧・復興を含めて無電柱化は喫緊の課題と考えます。

 もう一点、無電柱化を考える上で奈良県として重要なのは景観の観点であります。今さら言うまでもなく、奈良県には歴史文化に根差した風景が数多く残されております。しかし、いざ現地に足を運んでみると電柱や電線が目につき残念な思いをすることがあります。逆に言うと奈良県ほど無電柱化による景観保全が求められている地域はありません。さまざまな効果が見込める無電柱化ですが、道路内で地中化を実施する場合には通行どめなどについて地元の理解が必要となります。また電線を各戸に引き込む際には、電線を管理する電気通信事業者とともに地元調整を重ねていると聞いております。私は無電柱化の推進には予算の確保はもちろんですが、県民の理解と協力も重要と感じているところです。このように防災の観点から、また景観の観点からも本県にとって重要な施策である無電柱化について、現在県が取り組んでいる事業の実施状況を知事にお伺いいたします。

 次に、大和茶の振興について、農林部長にお伺いをいたします。

 近年、農業は販売価格の低迷や生産コストの高どまりなどによる農業所得の低迷、生産者の減少、高齢化など厳しい状況が続いています。さて、私の地元である大和高原の特産品である大和茶についても、生活様式の多様化などによる茶の消費の減少などにより荒茶の販売価格が低迷し、茶業関係者にとって非常に厳しい状況が続いております。平成二十七年度の本県の農業産出額四百八億円のうち、茶は十五億円と前年に比べ一億円増加しましたが、ほぼ十年前の平成十六年の三十六億円から大きく減少しております。このような中、平成二十三年四月にお茶の振興に関する法律が公布され、これに基づいて平成二十四年三月、茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針が策定され、茶業の振興のみならずお茶の文化に関する理解の増進に関する方針が示されました。また茶文化は日本人の心であるとともに、お茶にはカテキン類や各種ビタミン類などの人の健康によい影響を与えるとされる成分が豊富に含まれており、飲んでよし、食べてよしの食品であります。

 そこで私は、その歴史を誇る茶文化の振興にあわせて、学校給食にお米の重要なパートナーであるお茶の提供を推進する必要があると思います。また、ユネスコ世界無形文化遺産の登録を受けた和食の海外でのブームに乗って、平成二十八年の緑茶の輸出額は約百十六億円と、五年前の平成二十三年の約四十七億円に比べて二倍以上になっていると聞いております。さらに二〇二〇年においては東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。私は全国茶生産団体連合会の常務理事を務めさせていただいておりますが、安全安心で高品質な日本茶を海外にアピールする絶好の機会であり、このブームに乗って大和茶の輸出を振興することなど、販売の拡大を図ることが重要だと考えます。

 さて先日、若い茶生産農家で組織する奈良県茶生産青年協議会の総会に出席をいたしました。そこで、茶産地にはまだまだ意欲の高い若者が多数おられ、かぶせ茶やてん茶など良質で安全安心な大和茶の生産に努めておられることを再認識いたしました。私としては、将来産地を背負って立つこのような若者たちのためにも、大和茶の振興に尽力しなければいけないと意を新たにしたところでございます。

 そこで、大和茶の若い生産者が将来にわたって夢を持って茶業に取り組むことができるよう、大和茶の生産振興や輸出を含めた販路開拓にどのように取り組もうとしておられるのか、農林部長にお伺いをいたします。

 次に、女性の社会的地位向上に向けた教育について、教育長にお伺いをいたします。

 安倍内閣では、我が国の構造的な問題である少子高齢化に真っ正面から挑み、希望を生み出す強い経済、夢をつむぐ子育て支援、安心につながる社会保障の新・三本の矢の実現を目的とする一億総活躍社会の実現に向けて取り組むとしてさまざまな政策が実施されています。具体的には、みんなが包摂され活躍できる社会、一人ひとりが個性と多様性を尊重され生きがいを感じることができる社会の実現に向けた取り組みが進められております。とりわけ女性の社会的地位の向上を図り、女性が活躍できる社会の実現に向けた取り組みの充実が図られているところです。奈良県はこれまで典型的なベッドタウンとして発展してまいりました。その結果、男性は大都市圏で働き、主として家計を支え、女性は結婚・出産後は家庭において子育てを担うというモデルが典型的な家庭の姿となっております。モデルの一つの側面として、男性は週に六十時間以上働く長時間労働の雇用者が全国四位、帰宅時間も全国八位と遅く、家事・育児・子育て等を行う時間の確保が難しくなっています。そのため多くの女性にとって仕事と家事・育児・子育て等の両立のハードルが高く、実際には奈良県の女性の就業率は五六・五%と全国最下位であり、特に三十歳以上でその差が大きくなります。こうしたことから、男女ともに仕事と生活の調和が困難な状況にあることが見てとれます。

 こうした状況が生まれる背景には、課題の一つに全国と比較して固定的な性別役割分担の高いことが上げられます。平成二十六年の県及び全国の調査によると、夫は働き妻は家庭を守るべきであるという考えに対し、賛成またはどちらかといえば賛成と回答した人の割合が男女ともに全国より高くなっています。具体的には、女性では全国で四三・二%、奈良県は四八・二%、男性は全国で四六・五%に対し、奈良県は五一・八%という調査結果になっております。特に三十歳から五十歳の男性では、賛成またはどちらかといえば賛成と回答した人の割合が、全国で四一・四%に対し、奈良県は五三・五%と一〇ポイント以上高く、子育て期の女性が家族の理解や協力を得にくい状況もうかがえます。こうした状況の改善には、幼いころから教育において男女共同参画社会を推進するために正しい認識を培うことが重要だと考えます。

 そこで、吉田教育長にお伺いをいたします。

 女性の社会的地位向上、女性が活躍できる社会の実現に向け、男女共同参画社会を推進するための正しい認識を培う教育の推進についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 以上、要望を含めて六点ほど質問をさせていただきました。知事はじめ、関係の皆様方には誠意ある答弁を期待いたしまして質問を終わらせていただきます。長々とありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十六番新谷議員のご質問がございました。

 第一番目は、リニア中央新幹線について、今後の取り組みについてのご質問でございます。

 議員お述べのとおり、昨年八月の経済対策に、財政投融資の活用・工夫によりリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しするとの方針が示されました。早速国において財務面や法制面の手当てがなされ、昨年十一月と本年一月にJR東海に対する貸し付けが実施されたわけでございますが、JR東海がこの措置を評価しており、名古屋−大阪区間の完成前倒しが実現する上で非常にありがたい措置と受けとめております。これらの措置によりまして、平成三十九年の東京−名古屋間の開業後、間を置かず速やかに名古屋−大阪間の工事に着手されるものと理解をしておりますが、この工事が確実に、円滑に実施されるためには事業主体でございますJR東海にできるだけ早く環境影響評価の手続に着手していただき、ルート、駅位置を確定していただく必要がございます。環境影響評価なしにルート、駅位置の確定はないということでございます。

 このため本県では、JR東海が将来実施されます環境影響評価を見据えまして、県内の動植物の生息状況等について先行的に調査を行っているところでございます。将来、JR東海から協力を求められた場合に十二分な役割を果たせるよう県としてしっかり準備を進めていきたいと考えております。また本県では、こうした取り組みとあわせまして、三重県、三重・奈良両県の経済界と一体となった機運の醸成と国等への働きかけ、要望活動を展開しておりますので、新年度はさらに大阪府や関西経済連合会との連携強化を図りまして、一日も早い環境影響評価着手と三重・奈良ルートの確定に向けた取り組みを強化してまいりたいと思っております。

 京奈和自動車道についてのご質問がございました。

 県政の重要課題であります県内の産業構造の改革にとりまして、京奈和自動車道の早期完成は極めて重要でございます。積極的な企業誘致に取り組んでおりますが、立地環境に恵まれた京奈和自動車道及び西名阪自動車道周辺を中心に企業立地が進んでいる現状でございます。新たに立地されました企業数は、県内で初めて京奈和自動車道の郡山南インターチェンジから橿原北インターチェンジ間が供用されました平成十八年四月以降、約二百七十件でございます。このように高速道路ネットワークの整備は企業立地を促進するため不可欠な要素であると考えております。関東地方におきまして、圏央道の茨城県区間がこの二月二十六日に全線開通しニュースになりました。関西でも三月十八日に京奈和自動車道の和歌山県区間が全線開通いたします。平成三十五年度には新名神高速道路の全線開通が予定されているなど、関東、関西で高速道路ネットワークが広がってまいっております。こうした情勢の中で、企業立地のポテンシャルを保ち、今後とも多くの企業に奈良県に進出してもらうためには、高速道路ネットワークにしっかりとつながることが必要だと考えております。そのような状況の中、近畿圏におきまして高速道路を賢く使う観点から、高速道路ネットワークの再編、管理主体の統合、料金体系の整理がダイナミックに進められております。高速道路のネットワークの早期完成を高速道路の有料化をテコに進めようとされているものと理解いたします。このため道路の建設管理の主体も統合されようとしていると思います。

 本県といたしましても、こうしたダイナミックな波に乗りおくれることのないよう対応していく必要があると考えております。改めて本県の高速道路ネットワークの将来像について考えてみましたが、三月三日の荻田議員の代表質問でもご答弁申し上げましたが、第二阪奈有料道路と大和北道路は一体的にNEXCO西日本のネットワークに組み入れ、交通流動も含め広域的・一体的にマネジメントしてもらうことが望ましいとの考えに至っております。そのためには第二阪奈有料道路のNEXCO西日本への移管と大和北道路への有料道路事業の導入が必要となりますが、大和北道路への地方負担の軽減、ネットワークの早期完成といったメリットも期待できますので、来年度内に一体的に結論が得られるよう国・大阪府と調整してまいりたいと考えております。なお議員がご質問になりました、現在無料で通行できる京奈和自動車道の区間をNEXCO西日本のネットワークに組み入れることは今の時点では考えておりません。

 次のご質問は、無電柱化の取り組みについてでございます。

 道路の無電柱化は、道路の防災性の向上、安全で快適な通行空間の確保、良好な景観形成と観光振興といった三つの観点から重要な施策でございます。特に歴史的な文化資産を数多く有する本県にとりまして、観光地奈良にふさわしい良好な景観を確保し、国内外から訪れる多くのお客様をおもてなしする観点から一層重要であると考えております。本県では、昭和六十一年度に大宮通りにおいて初めて無電柱化に着手いたしまして以来世界遺産の周辺地等で進めてまいりました。しかしながらコストの面から電線管理者との調整に時間を要したり、狭い道路ではトランス等の地上機器の設置場所が確保できないなどの課題がございまして、本県が管理する道路の無電柱化の進捗状況は平成二十七年度末で十五路線、約二十キロメートルにすぎないという悲しい状況でございます。平成二十八年度は王寺町、香芝市の国道一六八号、明日香村の県道橿原神宮東口停車場飛鳥線など、十一路線、約十六キロメートルで無電柱化に取り組んでおります。新年度には、桜井市の大神神社参道、県道三輪山線でございますが、この路線においても新たに事業着手する予定でございます。

 また国道二四号より西側の大宮通りにおきまして、約一キロメートルにわたって残っております電柱四十三本もことしの夏までには撤去される予定でございます。奈良観光の玄関口である平城宮跡歴史公園の前もすっきりしてまいります。

 昨年十二月に無電柱化の推進に関する法律が国会で成立いたしました。この法律におきましては、国土交通大臣は無電柱化推進計画を定めなければならないと規定するとともに、都道府県にも同様の計画策定に努めるよう求めております。本県では多様な参加主体の連携・協働のもと、奈良ならではの美しい景観や環境の構築を目指す、きれいに暮らす奈良県スタイルを推進しておりますので、こうした本県独自の取り組みを踏まえながら無電柱化を積極的に進めたいと考えておりますが、さらに奈良県らしい無電柱化の推進方策についても研究してまいりたいと考えております。

 私に対する質問は以上でございました。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)三十六番新谷議員の質問にお答えをいたします。

 私には大和茶の若い生産者が夢を持って茶業に取り組むことができるよう、大和茶の生産振興や輸出を含めた販路開拓に向けどのように取り組むかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 県では茶を県農業のリーディング品目として位置づけ重点的に振興を図っているところでございます。具体には、収益性が高いかぶせ茶や抹茶の原料となるてん茶につきまして、渋みを抑え、うま味を増すため茶の木を遮光する被覆資材の導入を支援してまいりました。また粉末茶や緑茶用品種による紅茶などの新商品開発の取り組みに対しても支援をしているところでございます。

 販路開拓につきましては、近年茶商業者から食の安全や環境保全等に取り組む農業生産工程管理、いわゆるGAPの取得が求められております。そこで、その取得に向けた意識啓発や研修会を実施し、現在五団体、十個人が日本版GAPであるJGAPの認証を受けております。また輸出に対応するため台湾、アメリカ、EU向けの残留農薬基準に対応した生産マニュアルの作成を進め、今年度はまず台湾向けを作成いたしました。新年度は、生産加工面では新たにより高級な大和茶を生産するために、棚掛け方式の遮光被覆資材や荒茶加工機械の導入支援とともに、販路開拓につきましては、国際基準に準拠したより高度なGAPの取得に向けた指導、研修の実施、アメリカ、EUに向け生産マニュアルの作成、本格的な輸出に向けた茶商業者や茶生産者との検討会の開催などに取り組みたいと考えております。

 今後とも意欲ある茶生産者に対し、生産から流通、加工、販売を一気通貫して支援することにより大和茶のブランド化を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十六番新谷議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、男女共同参画社会を推進するための教育についてのお尋ねでございます。

 男女共同参画社会を推進するためには、学校教育の中で男女共同参画の意識を育み、高める学習の機会を充実することが大切であると考えております。県教育委員会では平成二十年二月に人権教育の推進についての基本方針を策定し、男女にかかわらず全ての人が自己の可能性を伸ばし、自己実現を目指すことのできる教育の推進に努めてまいりました。一方、それぞれの学校では人権教育の基本方針を踏まえながら社会科、家庭科、ホームルームなどの特別活動を中心に、発達段階に応じまして男女相互の理解と協力、職場における働き方や社会参加において男女が対等であること、男女が相互に協力して家族の一員としての役割を果たすことの重要性などを具体的に指導しております。

 また、固定的な性別役割分担の意識を解消する必要があり、そのためには教職員が男女共同参画について正しく理解することが必要と考えております。そこで、知事部局担当課の協力も得て初任者を対象とした研修等の充実に努めております。さらに女性校長、教頭をふやすことも意識改革の一つとして捉え、女性教員に対して管理職選考への積極的な受験を働きかけております。公立小中学校における女性管理職の割合は、平成二十一年度では九・〇%、全国平均よりも六・五ポイント低うございます。平成二十八年度では一一・五%、全国平均に比べますとまだ五・五ポイント低くなっております。県教育委員会といたしましては、女性が輝く奈良県づくりのため、今後もより一層児童・生徒や教職員の男女共同参画社会の意識の向上に向けた教育に取り組んでまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 三十六番新谷紘一議員。



◆三十六番(新谷紘一) 六点ほど要望を含めて質問をさせていただきましたが、ちょっと私の意に沿わない点も答弁の中で一部ありましたけれども、それは後でただすことにいたしまして、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) しばらく休憩します。



△午後三時五十分休憩

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△午後四時四分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十一番田中惟允議員に発言を許します。−−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇)議長のお許しを得て一般質問をいたします。

 最初に地籍調査についてお伺いします。

 地籍調査は、一筆の土地ごとに所有者、地番、地目、境界、その土地の面積を調査する、まさに土地の戸籍とも言える調査です。このうち土地の境界については行政、土地の所有者、地元関係者の立ち会いのもとに行われ、隣接土地所有者の間の土地の権利関係を明確化させるとともに法務局に備えられている登記簿や地図に反映されるものです。このことから地籍調査は課税の適正化・公平化や土地所有者等の保全と土地取り引きの安全と円滑化に資する大変重要な事業です。調査未実施の地域では、法務局の公図と呼ばれる明治時代の地租改正事業の調査を基礎とした旧土地台帳附属地図により土地所在や隣接関係が確認されており、公図と現況との不一致などを原因とした土地の所有関係のもめごとも多く発生しております。このことは民間の土地取り引きを阻害することのみならず、住民生活や経済活動に必要な道路や河川の改良、下水道の整備などインフラ整備のおくれの原因にもなっております。そのため、国では平成三十一年度までに第六次国土調査事業十箇年計画に基づき、全国の進捗率を約五七%に引き上げようとしていますが、残念ながら目標達成は極めて困難な状況にあるとも聞いております。

 また、国の資料では東北、九州、沖縄などでは進捗率が九〇%以上の県もあり調査が比較的進んでいるものの、近畿、東海、関東がおくれているなど顕著な地域格差が見られます。特に近畿では全国最低の京都府から三重県、大阪府、奈良県の順となっており、奈良県の進捗率は一二%と全国平均五〇%に比べ極めて悪い状況にあります。京都府、大阪府、奈良県など東北や九州に比べて歴史的な変遷から土地の権利関係が複雑化し、地図が混乱していると言われていますが、それだけが原因だとは思われません。地籍調査を担うべき行政の姿勢も大事だと思います。なぜこのような現状が生じたのか分析がなされているのでしょうか。くしくもこの三府県では新たな道路の整備がなかなか進んでいないように感じており、地籍調査のおくれが公共事業のおくれにつながっていることが見てとれるのではないでしょうか。県内の公共事業着手のおくれの原因を現場の担当者に聞くと、そのほとんどが土地の境界が定かでないことや権利者との交渉困難が列挙されます。地籍が明確でないことにより、公共事業が取りやめられたり事業が大幅に遅延することは残念でなりません。国道、県道、市町村道のみならず農道においても事業遅延の原因になっています。

 近年、東日本大震災からの復興事業などにおいて地籍調査の意義が各方面で認識されたこともあり、全国には地籍調査への取り組みを強化させた市町村もあります。こういった大規模災害に備えた事前防災を進める動きに呼応して、国において今年度から従来の予算措置に加えて社会資本整備総合事業に地籍調査に係る交付金の仕組みが創設されるなど、地籍調査推進に向けて促されている状況だと思われます。今こそ地籍調査を一層推進すべきと考えます。

 地籍調査は市町村の事業となっており奈良県の直接的な責任ではないのかもしれません。しかしながら、県内ほとんどの市町村が地籍に関係する事項で公共事業推進につまずいている以上、奈良県としてこの地籍調査を放置することは許されません。荒井知事がご就任いただいてから今日まで多くの事業に取り組まれ、目を見張るような発展、変貌を遂げつつある奈良県ではありますが、地味な地籍調査や地方道の改良はその陰に隠れていると言わざるを得ません。

 そこで、本県における地籍調査の現状についてどのように分析し認識されているのか。また、今後地籍調査の推進に向けどのように取り組まれていくのか、知事にお伺いいたします。

 次に、人口減少に伴う過疎地域の指定についてお聞きいたします。

 人口減少時代がやってきた、このテーマは平成十七年の国勢調査から言われ始め、平成二十七年の国勢調査で人口減少の姿がより明確になりました。人口減少という社会現象が住民の方々にとって、地域がより住みにくくなる要因となるのか、あるいは影響がないものなのか住民一人ひとりにはわかりにくいことです。しかしながら行政の運営に携わる方々にとっては大きな課題であります。コンパクトシティと称せられる都市計画やまちづくりにかかわること、高齢社会における福祉の運用にかかわる課題、インフラ維持と財政力との課題など、個々人と市町村の関係にかかわる悩ましい問題がのしかかってきていると思います。

 その中で、昭和四十五年以来四次にわたり議員立法として制定された過疎地域自立促進特別措置法のもとで、人口減少の急激な地域を過疎地域に指定し有効な過疎対策が全国的に行われてきたところではありますが、本県もその恩恵を大きく受けてきたところです。宇陀市の場合、市内の室生、菟田野の両地区は合併前から過疎地域に指定されていましたが、榛原、大宇陀地区は指定地域ではなかったため、この地域におけるインフラ整備について過疎債の発行ができず宇陀市の負担が軽減できていませんでした。過疎債はその償還に当たって元利償還金の七割が普通交付税で措置されることになるので財政負担が大きく軽減されることになり、過疎債の発行が認められれば事業を行う上で宇陀市の持ち出しが三割で済むと聞きます。そして過疎債の対象事業はハード・ソフトのいずれにも幅広く充当できると聞き及びます。財政負担軽減に期待を抱くゆえんはそこにあります。

 今回の国勢調査によって人口減少が一層進んでいることが明らかになったため、新たに過疎地域の指定が行われる見通しとなったとのことですが、宇陀市においても追加指定が行われれば室生、菟田野だけでなく、榛原、大宇陀を含めて市全域が過疎地域に指定されるものと思われます。私自身も上京した際に関係市町村長とともに新たな過疎地域の指定について要望をさせていただきました。

 そこで、南部東部振興監にお伺いいたします。

 平成二十七年国勢調査の結果を受け、奈良県内では新たに過疎地域の指定を受ける市町村はどの程度になるのでしょうか。また、その適用はいつからになるのでしょうか、現時点での見通しをお答えいただきます。

 次に、みつえ高原牧場を核とした畜産振興についてお聞きします。

 宇陀市にある奈良県畜産技術センターの主に牛を扱う大家畜部門は、平成十三年のみつえ高原牧場の開場に伴い御杖村に移転し現在に至っています。みつえ高原牧場は平成三年度の育成牧場、畜産技術センター、ふれあい牧場からなる畜産生産基地構想により、平成七年度から平成八年度にかけて畜産生産基地用地として奈良県土地開発公社が約九十八ヘクタールを先行取得されました。平成十一年度に育成牧場及び畜産技術センター建設のため、約六十四ヘクタールについて県が奈良県土地開発公社から買い戻し開場に至っています。育成牧場では肉用の子牛を県内農家に供給する和牛・子牛生産事業や、酪農家から預かった牛に受精卵を移植し妊娠させる乳牛預託事業が実施され、旧大宇陀町にあった従来の狭い場所ではなく、広大な牧草地を活用し畜産振興に向けた取り組みがなされています。

 また、県は平成二十六年度に残りの三十四ヘクタールを奈良県土地開発公社から買い戻し、その未利用地の活用方法を検討していると聞いております。そして、この未利用地を含むみつえ高原牧場活用について畜産関係者からは施設のさらなる充実と発展に向けての取り組みや、地元御杖村村内の方々からは施設を観光の視点からとらえ一層の発展を期待する声が多く寄せられています。地元御杖村とは平成二十八年九月にまちづくりに関する包括協定を結ばれ、高原牧場として新たな取り組みがなされると、奈良県の積極的な姿勢に大きな期待を抱いておられます。また私も獣害対策、みつえ高原牧場の事業推進を求めて農林水産省まで行かせていただき要望したところです。

 そこで、農林部長にお伺いいたします。

 みつえ高原牧場を核とした畜産振興について、どのようなビジョンと具体的なプランを描いておられるのかお示しください。

 次に、埋蔵文化財活用の推進についてお聞きします。

 昨年度、私は埋蔵文化財の有効利活用についてパネルを利用し質問させていただいたのですが、それは三次元レーザー計測という、レーザーを照射しその反射を解析することにより地形の探査ができる手法の有効性についてでありました。奈良県橿原考古学研究所においても有効な手法であると確認しておられるようでもあります。また、世界的には東南アジアの未確認文化財の調査促進に向けた航空測量などが行われているようで実績も示されています。

 歴史の宝庫である奈良県で、最新の技術を使い、語り継がれてきた文化財を見出すことができれば誠に有意義です。新しい取り組みとして土の中で眠っている歴史文化財を利活用することは、文化財による歴史検証だけにとどまらず、地域の活力を引き出す材料として、また地域住民の文化財への認識を深めるために効果のある手法です。宇陀地域には中世の城址が幾つかありその痕跡があるのですが、埋もれてしまった遺跡は必ずしも明確なものではありません。特に宇陀松山城や沢城は日本の歴史が物語につながる関心の多い城址です。新しい技術による探査は地元の人たちにとっても期待しているところであります。

 そこで、教育長に二点お伺いいたします。

 平成二十八年度から中世城郭調査事業に取り組まれていますが調査の進捗はどうでしょうか。また、今後どのように進めようとされているのでしょうか。

 次に、三次元レーザー計測による調査は非常に有効だと思いますが、その活用について、今後どのように考えているのかお聞かせください。

 引き続き、教育委員会への質問ですが、デジタル教科書についてお聞きいたします。

 昨年五月、毎年開催される自治体総合フェアに調査と研修に出かけさせていただきました。自治体総合フェアは、各自治体が我こそはと言わんばかりにそれぞれの特徴や推進している政策のアピールをなさっている会場であり、今取り組まれている政策理論や社会情勢の説明をしている場でもあります。奈良県内の自治体では高取町の取り組みを紹介するセミナーもありました。さて、今回は同時に東京ビッグサイトで開催されていた第七回教育ITソリューションEXPOに関連して質問させていただきます。

 第七回教育ITソリューションEXPOにおいては、教育に関するコンピューター時代を徹底的に展示されていました。小学校から大学まで、学校教育から塾や家庭教育まで、機材からソフトまで、学校管理から教科指導スキルまでありました。そして、出展しているそれぞれの会社がしのぎを削ってそれぞれのよさを展示し説明して導入を求めている姿は壮観でもありました。私にも大きな刺激になったことは申すまでもありません。そしてその後、昨年六月二十七日の毎日新聞にデジタル教科書使用を容認とする見出しがありました。記事の内容は、文部科学省の有識者会議が二〇二〇年度から導入を認める教科書の内容をタブレット端末におさめたデジタル教科書の使用容認についてでありました。学習指導要領が大幅に変えられることになった文部科学省のホームページには、文部科学省関係者の関心は、既に時代は大きく変わった、学校でのコンピューターの取り扱いのあり方も大きく変わろうとしているとのことが掲載されています。内容は省略しますが、関心と注視をしなければならない審議会が、コンピューター導入に関する会議内容をホームページに掲載されています。

 今は二〇一七年、あと三年もすれば子どもたちの教科書がタブレット端末に切りかわり始めます。そのようになれば授業のあり方は当然変わるし、伴って、教える側のあり方も当然変わらなければならないと思います。そして、この大きな変化に対して公立学校が予算措置などに手間取れば、機動性を持つ私立学校との間で格差が生じるもとになる危険性さえ感じました。一足飛びに全ての先生がコンピューターの専門家になる必要はないとも思いますけれども、奈良県の先生方がICTの活用について先進的な指導力を身につけていただきたいと願うところであります。

 そこで、教育長にお伺いします。

 教科書へのICT活用のあり方について文部科学省で検討されていますが、県教育委員会として教員の資質向上にどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。

 最後に宇陀地域内の交通インフラ整備について要望します。

 荒井知事就任以来、奈良市内をはじめ観光振興に役立つ主要な道路整備に目を見張るものがあります。他府県の方からは奈良県の整備の進捗度はすばらしいとの評価もあり、主要な幹線道路の整備については過去のおくれを取り戻しつつあるようにも思えます。その一方で、市町村道の整備についてはまだまだ課題がたくさんあります。さて、今回は御杖村の方からの要望であったのですが、宇陀地域全体としても言えることでございますが、国道を含めた道路維持に関して、道路のセンターラインが経年劣化に伴い消えているところが多くなりました。山間部においては、夜間の運転にはセンターラインは欠かすことのできない重要な安全施設です。それが消えてしまうと安全運転に支障を来してしまいます。ぜひ補修をお願いします。

 もう一点は、宇陀市室生笠間地区について道路改良の要望です。

 バイパスが完成し、交差する道路を横断した途端、狭隘な道路に突入します。地元住民の利用のほか、道路事情のわからない運転者も多く危険な状態が続いています。早急な道路改良が必要であると思っています。事業化を推し進めていただきますようお願いします。

 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十一番田中議員のご質問がございました。私に対しては一問、地籍調査についてのご質問でございます。

 地籍調査の現状は余りよく存じませんでしたが、議員のご質問で新しく目を開かされた思いがいたします。地籍調査は昭和二十六年に制定された国土調査法に基づき、市町村が実施主体として行われるものでございますが、議員お述べのとおり、地籍を明確化することにより税務、都市計画、公共事業などに広く活用されるものでございます。このように地籍調査は不動産登記や土地税制、公共事業など土地の権利にかかわる行政や関連する社会経済活動を根幹で支える重要な調査でございますが、議員お述べのとおり平成二十七年度末の本県における進捗率は一二%でございます。全国平均五一%と比べて大変劣った状況になっております。また、議員お述べのとおり全国では一〇〇%近い進捗率の県がある一方、近畿は総じて低い、大変おくれている状況でございます。奈良県が一二%でございますが、京都府は一八%、三重県は九%、大阪府は一〇%、滋賀県は一五%でございます。一方、兵庫県は二四%、和歌山県は三九%と少し高くなっている状況でございます。このようなことはご質問で調べて初めてわかりました。また、県内の市町村の地籍調査の進捗率にも大きな差がございます。一〇〇%の進捗率は大淀町と広陵町だけでございますが、五割以上の進捗率はこの二町も含めまして、八市町村にすぎません。

 このようなおくれている原因といたしましては、本県の調査の着手時期が昭和四十二年と全国でも本土復帰後の沖縄県に次いで遅いことと、未着手の市町村が九市町あり着手率も全国に比べ低い状況にあることが原因だと思います。また居住区域等の調査のみを完了し、現場立ち会いに困難が伴う山林を残して事業を休止した五市町村もあり、県土の八割が山林である本県の地勢的な要因もございます。森林の管理についても地籍調査が進まないからということも原因であるように改めて思いました。これまでの県内の状況といたしましては、調査が完了し一〇〇%の進捗率は先ほど申し上げました広陵町、大淀町のほか旧月ヶ瀬村でございます。また平群町、葛城市、山添村においては約七五%以上の進捗がなされております。五〇%以上は大和高田市、河合町、王寺町だけでございます。また一方、〇%の市町が名は挙げませんが十もございます。そのうち未着手の市町村は九ございます。進捗があった市町村の特徴としては調査実施に向けた首長の理解・熱意が高かったことや、住民理解の醸成が進んでいることが容易に推察されます。なお県から市町村への支援といたしましては、県と市町村で構成する県国土調査推進協議会において、日々進歩する測量技術等への対応など地籍調査の実施に当たり必要な研修や技術的な助言を行っております。

 また市町村への財源措置といたしましては、議員ご指摘のように、今年度から国において社会資本整備に先行して地籍調査を実施するため社会資本整備円滑化地籍整備事業が創設されたところでございます。しかしながら国の予算措置は全国の要望を満たしていない状況でございます。県といたしましては国予算の確保に努めるとともに、未着手の九市町も含め交付金を活用して社会資本整備を促しながら地籍調査を一歩でも進捗させたいと考えております。田中議員の地元は二五%と高い進捗でございます。

 ご質問、ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 山本南部東部振興監。



◎南部東部振興監(山本尚) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には、人口減少に伴う過疎地域の指定につきまして、現時点での見通しはどうかというお尋ねでございます。お答えいたします。

 現在国では、平成二十七年国勢調査の結果をもとに過疎地域自立促進特別措置法の改正手続が進められております。得ております情報では、平成二年から平成二十七年までの二十五年間の人口減少率が二一%以上の市町村を新たに過疎地域に追加指定するという案でございまして、平成二十九年四月一日施行に向けて協議されておるということでございます。この三月上旬には法律の改正案が衆議院に提出される見通しということでございます。この内容どおりに法律が改正されますと県内では新たに御所市、三宅町、明日香村が過疎地域に指定されます。また宇陀市は一部過疎地域から、旧大宇陀町、旧榛原町を含みます市全域が過疎地域になる見込みでございます。南部東部の地域の振興を担当する者といたしましては非常に複雑な思いではございますが、議員お述べのように過疎地域の指定を受けますと過疎債の発行など特例措置の活用が可能となります。

 今後の予定でございますが、法案可決後の手続といたしましては、まず国による新たな過疎市町村の公示、次に県の過疎地域自立促進方針の変更及び県議会へのご報告、そして県の方針に基づきまして該当四市町村が過疎地域自立促進計画を策定、または変更し、それを市町村議会で議決いただくという手順が必要となってまいります。県といたしましては市町村が早期に過疎対策事業に着手できますように方針の変更作業を進めまして、六月の県議会にご報告いたしたいというふうに考えております。また、市町村計画につきましても早期に策定できますよう連携して進めてまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、みつえ高原牧場を核とした畜産振興について、どのようなビジョンと具体的なプランを描いているのかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 本県の農畜水産業振興の推進を図る一環として、平成二十七年度より畜産振興のあり方検討を進めております。この中で御杖村、畜産農家、畜産関係団体及び関連業者等の意向調査や先進事例調査を行い、今後の本県畜産振興のあり方やみつえ高原牧場のさらなる活用法を検討してまいりました。また、平成二十六年度に買い戻した未利用地約三十四ヘクタールを活用し、畜産振興の拠点であるみつえ高原牧場の機能強化と東部地域振興の拠点とする方策を御杖モデルとして検討しているところでございます。今年度は今後整備すべき畜産団地や畜産加工施設、畜産物や地元野菜などの直売所、牧歌的な景観を満喫できるオーベルジュ、畜産への理解醸成のためのふれあい牧場などの施設について調査検討を行っております。さらに平成二十八年九月に、御杖村とまちづくりに関する包括協定を締結いたしました。今後この地域も含めたまちづくりに関する基本構想を御杖村が策定することとなったため、新年度はこれらと連携をしながら牧場整備の基本計画の策定を進めていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には三つの質問をいただいておりまして、一つ目は、中世城郭調査事業についてのお尋ねでございます。

 奈良県といえば古代と言われますように、過日大きく報道されました小山田古墳などの古墳、飛鳥時代、奈良時代の寺院、宮跡などはよく知られておりますが、南北朝時代から戦国時代に築かれた中世城郭も、例えば平群町の信貴山城のように全国的に著名な遺跡をはじめとして多数の城郭が存在をいたしております。県内の城郭遺跡につきましては、昭和五十五年の日本城郭大系第十巻で、当時奈良女子大学の村田修三先生がまとめておられますが、その後の調査結果等を反映した県内の城郭遺跡を通覧できる資料は出ておりません。

 一方、城ガールに代表されるようにお城ブームでもありますので、県内の中世城郭に関する最新の資料を集成し今後の保存と活用を図っていくために、今年度から三年計画で中世城郭調査事業を実施することといたしました。平成二十八年度は事業の進め方について専門家の意見を聞くため、奈良県中世城郭調査研究委員会を立ち上げ、県内に存在する約五百の城郭遺跡について位置や規模、構造、築造年代、築造者などの基礎データの収集及び城郭に関する調査報告書や古文書の調査を行っております。

 新年度は古文書など関連資料の調査を継続するとともに、宇陀市、桜井市、五條市、吉野郡など県南部を中心に城の構造を示す縄張図の作成が必要な城郭の現地調査を行うことといたしております。平成三十年度には県北部地域の城郭の現地調査と全体の取りまとめをしたいと考えております。そして、最終的にはそれら調査成果をまとめた報告書を刊行する予定でございまして、関係市町村をはじめ城跡を核とした地域活性化に取り組んでおられる方々に活用いただきたいと考えております。

 次に、三次元レーザー計測についてのお尋ねでございます。

 田中議員からは平成二十七年九月定例会で、橿原考古学研究所が三次元レーザー計測によって作成をした高取城の立体地図をご紹介いただきました。近年、三次元レーザー計測による地形測量は埋蔵文化財調査においても活用されるようになってきております。主に発掘調査で検出された遺構の位置の記録に用いられておりますが、従来の平面的な図面や写真と比べ三次元情報によってより正確な形状が記録できるため、今後活用の範囲が広がっていくものと思われます。また三次元情報をコンピューターで処理することにより、計測した地形などを立体的に復元することも可能であることから、発掘調査した遺跡を一般の方々により実物に近い形で体感していただける解説資料の作成にも応用されております。

 さらにレーザーが樹木の間を抜けて地表まで届くため、写真測量では困難であった山城や古墳の詳細な地形測量には非常に有効な方法であると思っております。そのため新年度より県教育委員会では、県内の主要な城郭遺跡の三次元レーザー計測を進めていくことを計画いたしております。平成二十九年度は初年度でもございますのでモデル的に実施をしてまいりたいと考えております。議員地元の宇陀地域は五十以上に上る多くの城郭遺跡を抱えており、宇陀松山城、沢城などは規模も大きくモデルにふさわしい城郭遺跡であると考えております。

 最後にICTが活用できるよう教員の資質向上にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 平成二十八年十二月、文部科学省のデジタル教科書の位置づけに関する検討会議の最終まとめによりますと、教科や学習内容によってはデジタル教科書を使うことが適当であること。さらに教員の指導力の向上のための取り組みの充実などが述べられております。情報化が進展する中で、児童・生徒の学びを質・量両面から向上させるICT活用は大変重要でございまして、教員にも高いスキルが求められております。文部科学省の平成二十七年度調査によりますと、授業中にICTを活用して指導できる本県の教員の割合は全国平均を約一〇ポイント下回る六三・三%であり、教員のICT活用指導力の向上は喫緊の課題でございます。

 県教育委員会では、平成二十七年度に奈良教育大学と連携し実施をいたしておりますICT活用学びの推進プロジェクト事業におきまして、小・中・高・特別支援学校の教員十九名をICT教育推進リーダーとして養成するために、マイクロソフト本社などの世界最先端のICT企業やICT教育を推進している学校を視察させるとともに、ICT関連企業と連携をし教員向けの研修や中高生向けのワークショップを開催いたしております。また学校の要請に応じて情報教育担当の指導主事等が直接学校を訪問し、全教職員にICTを活用した授業力の向上を目指す研修を実施いたしております。

 さらに本年一月十九日に県立教育研究所において、全小中学校の各校一名の教員を集めまして教員のICT活用指導力を高める研修講座を開催し、デジタル教材をはじめとしたICTを活用した効果的な授業のあり方について研修を深めました。教員のICTを活用した魅力のある授業を展開し、児童・生徒の情報活用能力を高めることにより児童・生徒の思考力、判断力、表現力などが育成できると考えております。そのためには教員の指導力の向上は極めて重要であり、今後教員の指導力の向上に私の全身全霊を注いでまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) 述べかけたらとても二分四十五秒では足りませんので、予算審査特別委員会でいろいろと教えていただきたいとも思いますし、議論したいと思います。よろしくお願いします。

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○副議長(小泉米造) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(小泉米造) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、三月八日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時四十六分散会