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奈良県 奈良県

平成29年  2月 定例会(第327回) 03月06日−03号




平成29年  2月 定例会(第327回) − 03月06日−03号







平成29年  2月 定例会(第327回)



 平成二十九年

        第三百二十七回定例奈良県議会会議録 第三号

 二月

   平成二十九年三月六日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

 一、当局に対する代表質問

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十八番清水勉議員に発言を許します。−−十八番清水勉議員。(拍手)



◆十八番(清水勉) (登壇)では、議長のお許しを得ましたので、日本維新の会を代表して質問をさせていただきます。

 四年前ぐらいになるでしょうか、先輩の議員から、住民の小さな要望にも応えてそれをかなえるのも政治の一つだということを教えていただきました。小さなことを見逃さないように議員活動を進めてきております。そのおかげでしょうか、二年前、県議会議員に地元の皆さんから送っていただきました。ちょうど二年が経過して折り返しになります。日々小さなこと、達成できないことへのいら立ちと反省の繰り返しでもございます。残る二年、少しでも県民の皆様のお役に立てるように頑張ってまいりたいと、かように存じております。今回から手話の通訳も入れていただいておりますので、少しゆっくりとお話をさせていただきたいと思います。

 では、まず一問目でございます。退職者の再就職について、いわゆる天下りについて知事にお伺いいたします。文部科学省の退職管理で法令違反があったことから奈良県の現状を伺わせていただきます。

 奈良県は、平成二十一年度より奈良県退職職員の再就職に関する取扱要綱を定め、退職職員の再就職に関して公正性と透明性の確保を図られておりますが、公表資料によりますと、現在県が出資する団体にも再就職の実績がございます。平成二十年度末退職者以降の退職管理の資料を確認いたしますと、昨年度末までの八年間で一千二百八十二人が退職され、そのうち公表対象となる管理職以上は七百四十七人でございます。現状の退職管理システムは退職時に再就職を希望する退職者が一旦奈良県退職予定職員人材バンクに登録を行い、そのうちからまず一番目として本人希望による再任用、そして民間企業側から人材バンク登録者を閲覧し登録職員との面談などにより採否を決定する方法、そしてあっせん、あるいは自力による、この四つの方法で再就職を行うものでございます。

 再就職の手段ごとの内訳につきましては、再任用が延べ百十七人で約二五%、人材バンクが延べ七十三人で約一六%、あっせんが延べ百五十八人で約三五%、自力が延べ百六人で約二四%となっており、再就職手段のうちあっせんが約三五%で最も多く、どのような基準によるものかは公表されている資料からは判断ができかねます。皆さんご承知のとおり、あっせんの意味は間に入って両者の間がうまくいくように取り持つことと辞書に載っております。誰が間に入るのか、どのような基準で選ぶのかは定かではございません。

 国家公務員法第百六条の二では国家公務員のあっせん行為が明確に禁止されていますが、地方公務員法第六十三条の罰則規定では、職員が不正な行為をすること等の見返りとして営利企業等に対して他の職員または元職員を当該営利企業等の地位につかせることを要求・依頼した場合、あるいは職員が不正な行為をすること等の見返りとして営利企業等に対して自身が当該営利企業等の地位につくことを要求し、または約束した場合は罰せられるとなっております。

 奈良県では人材バンク登録者の中からあっせんが行われておりますが、先ほども申しましたとおり誰がいつどの企業・団体に対してあっせんを行っているのかも不明であり、そこに県民目線からすれば疑念を抱く余地がございます。

 平成二十六年の地方公務員法改正により、離職後二年間は離職前五年の間に従事した業務に関連する職務上の行為をするように、またはしないように要求し、または依頼してはならないとの規定に基づき、昨年四月から奈良県でも職員の退職管理に関する条例並びに職員の退職管理に関する規則が施行されております。そして再就職者は離職後二年間において再就職先の名称、業務内容、地位などの事項について離職時の任命権者に届け出ることとされており、届出義務違反者には十万円以下の過料を科すことができるとされております。

 先進的な自治体では、職員の再就職について透明性をより高めるために、あっせんなどに一定の規制や手続を条例や内規で定めている例がございます。毎日新聞社のアンケート調査の結果でございますが、全国都道府県で神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、鳥取県、岡山県、香川県、福岡県、長崎県、大分県、この十団体が条例あるいは内規で規制を行っております。

 そして、特定の再就職先を禁止、自粛を実施しておりますのは、岩手県、宮城県、埼玉県、東京都、神奈川県、新潟県、近畿の滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、そして鳥取県、徳島県、福岡県、以上十三都府県であります。特に大阪府職員基本条例では、大阪府が出資する団体や法人の出資比率が全体の二五%以上の団体等には原則として再就職を認めない仕組みとなっており、さらに職員による再就職のあっせんも原則禁止となっており国家公務員法の規定に近いものとなっております。

 平成二十七年度奈良県一般会計決算資料によりますと、奈良県の関与する出資団体などは七十二団体で、決算年度末現在高は約七百十億円でございます。そのうち出資比率が二五%を超える団体等は十七団体ございます。また、有価証券の保有内容では奈良テレビ放送をはじめ五社で決算年度末保有高は十七億六千万円余りとなっております。そのほとんどに職員が再就職している現状に鑑み、奈良県においても職員の再就職の透明性を今以上に確保するべきと考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 本県職員の退職者の再就職においても大阪府などと同様の仕組みづくりを行うべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、特別職の再就職についてお伺いいたします。

 今年度末をもって松谷副知事と浪越副知事がそろって退任されることとなりました。長きにわたり奈良県のためにご尽力いただきましたことに心より感謝を申し上げます。

 地方公務員のうち特別職に関しては地方公務員法の規定は適用されませんが、選挙で選ばれた知事や議会で任命同意を得た副知事などは率先して身を正すべきであり、一般職以上に退職管理について律するべきであると我々は考えておりますが、知事のお考えをお聞かせください。

 あわせて、特別職の再就職については再就職の明確な仕組みがない中あっせんが行われているのか、これについてもお答えをいただきたいと思います。

 続きまして、奈良大立山まつりについて、知事にお伺いいたします。

 奈良大立山まつりは、平成二十七年度九月の補正予算で二億円の予算が計上され、平成二十八年一月二十九日から二月二日の五日間で第一回目が開催されました。準備期間の短い中さまざまな疑義について議会でも議論が投げかけられておりました。奈良県を広く世界にアピールし、日本の都の始まりが奈良であり、当時の歴史遺産を現地で見ていただく。そのことが観光客を呼び込むきっかけになると、そんな祭りであればよいという願いで第一回目の開催については会派として反対はいたしませんでした。

 昨年度の来場者数は五万一千人と公式な記録として報道発表されております。二億円を行政主体のお祭りに投じることから、我々会派独自で入場者数を調査させていただきました。その結果は既にご存じのとおり二万六千二百三十人でございました。昨年はネットクーポンもあり今年度よりも条件としては優位であったのかもしれません。そして第二回奈良大立山まつり終了後、ことしの正式な来場者数は二万六千三百六十三人と報告が行われております。二月一日の定例記者会見において、カウントの仕方が違うから一概に比較できないと知事は述べられておりますが、公式に発表された数字と比較すればほぼ半減しているということでございます。

 さきの観光振興対策特別委員会では、将来を考えて事業の効果予測について本年六月末をめどに実施するとの回答を得ております。昨年度に公式発表された数字をどういうふうに評価されるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

 そして、各事業などにおいて効果検証をきちんとしていただきたいということは常々申し上げていることでございます。奈良大立山まつりについてもしっかりと分析を実施していただくよう願うものでございます。

 平成二十九年度当初予算においても、第三回奈良大立山まつりに一億二千万円という予算をかけて実施が予定されております。通常の事業であれば再検証の時期などを定め、効果検証の方法も定めた上で事業の実施を行うのが常でございます。私自身、KPIやKGIを過去の委員会において明確に求めなかったことは大きな反省材料だと思っております。

 今後実施される検証の結果、観光振興や奈良県経済に対してさほどの効果が得られないと、もしそういう結果が出たのであればどの時点で内容の見直しを判断されるのか、知事にお伺いいたします。

 続きまして、関西広域連合への全部加入について、知事にお伺いいたします。

 本県は平成二十七年十二月に広域防災、そして広域観光・文化・スポーツ振興の二分野で関西広域連合に加入いたしましたが、そろそろ全ての分野に加入することを改めて検討すべき時期に来ているのだと私たちは思っております。

 なぜかと申しますと、大阪では夢洲に人類の健康・長寿への挑戦をテーマ(案)として、二〇二五年日本万国博覧会の招致を計画されております。世界で最も早く超高齢化社会に突入する日本は、超高齢社会の課題の解決策を世界に示すことができる唯一の国であり、大阪は住民の独創的アイデアで発展し庶民の文化が花開いた都市でもございます。特に製薬・医療関係と中小企業の高い技術力をアピールできると考えられております。入場想定者数は半年間で三千万人以上と見込まれ、関西全体の経済等への影響が非常に大きいと考えられ奈良県も関西広域連合のメンバーとして招致活動に積極的に参加されると伺っております。

 私たちの世代は一九七〇年の大阪万博をリアルタイムで経験しております。周辺のインフラ整備など今の世の中に大きく影響を与え、当時の記録では来場者数は約六千四百万人を超え、入場券の売り上げだけで三百五十億円、食堂や売店の売り上げは約四百億円と記録されており、アメリカ館では月の石に長蛇の列ができたことを覚えております。

 当時私は十八歳でしたので、青春のよき思い出として数回会場に行ったことをよく覚えております。今回大阪万博が計画されておりますメーン会場は夢洲であり、地下鉄中央線を延伸して会場への公共交通を確保する計画が検討されております。ご承知のとおり、地下鉄中央線は近鉄生駒駅を経由して奈良県内北部から直接大阪ベイエリアへのアクセスが今でも可能でございます。この路線が延伸されることになれば奈良県にとって本当に大きなメリットが生じるのではないでしょうか。

 開催期間中を含めて、将来の観光人口の増加と広域産業振興などには大きなメリットがあるものと思っております。残る広域医療、広域環境保全などを含めて関西広域連合に全部加入を検討すべき時期が本当に近づいているものと考えます。知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、NAFIC、なら食と農の魅力創造国際大学校の周辺整備について、知事と農林部長にお伺いいたします。

 NAFICのセミナーハウスは、NAFICが開催する多彩な国際会議、研修会、あるいは学習・体験プログラムの参加者が利用するセミナールーム、ゲストルームと学生が利用するシェアルームの機能を有する施設として計画されており、収支予測では単年度で黒字見込みと計画されております。しかしながら本県の農業振興を図る上で、多額の建設費や後のランニングコストを考えるとセミナーハウスが絶対必要な施設であるという考えは本当に難しいと思っております。

 当事業では地域への来訪者をKPI、先ほども申しましたが、重要業績評価指標に設定されていると聞いております。言うまでもなく、このKPIの設定には明確性、計量性、現実性、そして関連性、適時性の項目を詳しく検討した上で設定されるべきものでございます。

 NAFICの開校は昨年四月からであり、来年度の募集では一部定員割れを現在も起こしている状況であるとお聞き及びしております。どのようにして明確なデータと計量ができるのか甚だ疑問でございます。どういう効果を狙ってこれほどの大きな投資を早急にするのか、荒井知事の考えをお伺いします。

 そしてこのような大きなプロジェクトを進めるには、県と地元市などが連携して役割を分担して進めていくべきであると考えております。さきに申しましたとおり、KPIを設定するためのまちづくりとの関連性がこのセミナーハウス建設には明確にされておりません。今後NAFIC周辺整備の実施に当たり、どのように桜井市などと連携し周辺のまちづくりに取り組んでいかれるのでしょうか。農林部長にこの件についてお伺いいたします。

 最後に、英語教育の推進について教育長にお伺いいたします。

 文部科学省は平成二十九年度までに中学校の英語担当教員について、英検準一級資格保持者を五〇%以上に高めるとされております。奈良県教育振興大綱アクションプランには、平成三十一年度までに教員の英検準一級保持者を全国の平均以上にするという目標を掲げていますが、平成二十七年度では中学では二五・三%、このときの全国平均は三〇・二%でございます。高等学校では四五・四%、同じく全国平均は五七・三%と現状では双方とも全国平均よりかなり低い状況にございます。

 昨年奈良県教育振興大綱の各目標の多くについて、国の平均値を超えることを一つの目標としていることに私は疑問を感じると申し上げました。そのときの教育長の答弁では、まずは通過点としての目標値が全国平均ですと、こういう趣旨の回答であったように記憶しております。

 平成二十六年度英語教育実施状況調査によりますと、中学三年生の英検三級以上の所持者は二九%であり、全国平均三四・七%を五ポイント以上下回っております。

 英語教育について、中学校教員の英検準一級資格保持者と中学三年生の英検三級以上保持者数が全国平均より大きく乖離しているこの状況をどのように分析し、今後目標達成に向けて取り組んでいかれようとしているのでしょうか。

 また、英語教育を推進していくためにはスーパーグローバルハイスクールの拡大も検討すべきだと考えております。教育長のお考えをお伺いいたします。

 以上で壇上での質問を終わります。答弁内容により、改めて自席で質問させていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十八番清水議員のご質問がございました。

 最初のご質問は退職者の再就職についてでございます。奈良県の事例と大阪府の事例、規制を比較してのご質問でございます。

 いわゆる天下りの弊害といたしましては、特定の民間企業・団体等との癒着を通じて行政の公正性が損なわれることや、財政支出の増加や不必要な規制の温存など、行政の無駄につながることが指摘されております。そうした弊害が出ないようにすることが重要でございます。天下りの弊害防止の目的がこういうところにあると思います。

 本県では、職員の再就職に関しまして奈良県退職職員の再就職に関する取扱要綱を策定し、公正性と透明性の確保を図ってきたところでございます。本県のいわゆるあっせんは、こうした公正な透明性のある取り扱いのもとで行われていると思っております。県としての優位な立場や地位を利用して再就職を押しつけるものではないと思っております。

 また地方公務員法に基づいて働きかけを禁止していることや、奈良県退職予定職員人材バンクを設置して透明性を高め適切に運営していることからも、一般的に指摘されております天下りの弊害は生じていないものと思っております。

 ご指摘の大阪府の条例でございますが、大阪府の出資法人等は再就職禁止法人として定められております。議員ご指摘のように二五%以上の出資法人でございます。例外といたしまして、人事監察委員会の意見聴取、また知事の承認を経ることにより職員の再就職禁止法人への再就職ができることとなっております。

 大阪府が平成二十八年八月二十六日に公表されました平成二十七年七月一日から平成二十八年六月三十日までの一年間の再就職状況によりますと、再就職が禁止されております法人等への再就職は九十二名であるようでございます。再就職者全体二百十名の約四三・八%が禁止法人に就職されている状況でございます。また、出資割合が四分の一以上でございます指定出資法人には二十八名が再就職されている状況であると承知しております。

 奈良県の場合でございますが、二十七年度の再就職者は七十四名でございます。そのうち出資法人二五%以上への再就職者は七名でございます。

 このように実情に大きな差があることを踏まえますと、直ちに大阪府の仕組みのほうがすぐれているとまでは言えないのではないかと考えております。それぞれの地方公共団体の実情に合わせて対応を考えていく必要があると思っております。

 いずれにいたしましても公務員の再就職への規制のあり方をめぐりましては、それが実効的に目的にかなうように機能しているかどうかなど、さまざまな問題が今まさに国家公務員の再就職のケースで問われておりますので、その議論、また方向性についても注視してまいりたいと思っております。

 二つ目のご質問でございます。退職者の再就職について、特別職の再就職、知事とか副知事とか議員の皆様方でございますが、どのように考えているのか、また、特別職の再就職についてあっせんを行っているのかというご質問でございます。

 特別職につきましては、国家公務員法上においても再就職に関する規制はありません。この解釈でございますが、退職管理規制を導入した契機が一般職の幹部公務員の不祥事であったこと、また国家公務員の天下りは組織的・構造的に行われてきたこと、また大臣などの特別職はみずから律すべき立場であるとの考え方によるものと認識しております。

 地方公務員の特別職の再就職につきましては、その方の経験、技能、人脈を世のため人のために生かされることは望ましいことと考えております。一方、かつての地位を利用して不公正な働き方をその後も行ったり圧力をかけることは慎むべきことだと考えております。他方で、特別職には今申し上げましたように各議員の皆様方も含まれておりますので、同様にその能力、知識、経験を地域社会に還元し地域社会に貢献していただくこと自体はむしろ好ましいことではないかと考えておりますが、不公正な働き方はやはり慎むべきだと思います。

 地方公務員を含みます特別職の再就職につきましては憲法が保障しております職業選択の自由もございますので、再就職自体を規制するよりもかつての地位を利用した不公正な行動を規制することを基本として考えるべきだと思っております。

 なお知事、副知事についてはその再就職は個々の責任において行うものでございます。そもそも退職管理を行う対象ではなく退職管理の一環としてのあっせんは行っておりません。

 次のご質問は奈良大立山まつりについてのご質問でございます。来場者数の数字の違いについてどう評価されるのか、その効果検証をどのようにすべきかというご質問でございます。

 先日も宮本議員のご質問にお答え申し上げましたが、昨年の五万一千人という来場者数につきましては、曜日の並びや来場者の計測方法がことしと異なっておりますので、単純に比較できるものではないと考えております。とりわけ昨年は、その計測の仕方でございますが、大極殿院の入り口三カ所で計測を行いました。五万一千人には、大極殿院に何度か出入りされた方が重複して数えられております。このことは既に申し述べたことでございます。さらに、広い平城宮跡への入場者数ということの数え方については、広大な地域でありますので、標準的な入場者のカウント方法がまだ確立していなかった実情があろうかと思います。

 ことしは、日本維新の会の方からいろいろご意見をいただいたことも踏まえまして、平城宮跡への入り口となる六カ所で平城宮跡に入る方を計測いたしましたので、平城宮跡に入られた方という意味では重複がほとんどない実数に近い数字だと思っております。

 また、効果の検証は、議員お述べのとおり、どのようなイベントであっても大事なことだと考えております。昨年は、来場者数から推定した日帰り客の消費額と一、二月の冬季誘客キャンペーン期間中の宿泊客数の増加等を加味して経済効果を算定いたしました。

 もともと一つのイベントだけで経済効果をはかることは非常に困難なことだと思っておりますが、奈良大立山まつりをきっかけに地元が盛り上がり、本番の祭りを見に来た方もおられたという話も後日ございました。県内各地域にも効果が波及していると思いますが、このような点もなかなか測定しにくい効果であります。このような点も勘案して、より適正な効果指標の設定につきましては、専門家のご意見を聞きながら検討を進めたいと思っております。

 奈良大立山まつりは、他の地域に比べおくれておりました奈良の観光振興のため、観光客の最も落ち込む冬のシーズンを何とかしようという強い思いで始めたものでございます。現在、多くの観光客を集めておられますなら燈花会も、定着するまで十年はかかったと聞いております。ことしで八年目になりました冬の定着イベントでございますなら瑠璃絵も、民間の方々のご尽力により大きく発展し、地域振興、観光振興に今や多大な貢献をしております。

 効果が目に見えて確認されるまで三年かかったり、場合によっては十年かかったりすることがあるのが実際上起こり得ます。私は、奈良大立山まつりを現場で二年続けて拝見し、必ず成長する、大した祭りになると確信しておりますし、また、ご出店いただきました関係者の方、市町村の方に、ぜひ続けて大きな祭りにしてくれという励ましの声もいただいております。この奈良大立山まつりは、ブランド化するまで時間が多少かかりましても、奈良の冬の風物詩として期待が大きいものだと思います。今後、できるだけ早く定着、ブランド化するように、これからも工夫や改善をしながら続けていきたいと思います。育ち始めています実感がございますので、温かく見守っていただければ幸いでございます。

 次のご質問は、関西広域連合への全部加入についてでございます。

 大阪は、議員お述べのとおり、経済面で大変活力のある地域でございます。経済面でよい関係が続けば、大変望ましいことだと思います。一方、地方公共団体の仕事、地方行政は社会福祉など経済以外の分野も多くございます。県民の生活の向上を図ることが大きな目標になってきていると自覚しております。

 本県は、従来からそのような幅広い地方行政の効率性向上の観点から、従来からさまざまな分野で種々の機関と連携・協働を進めてまいりました。例えば市町村とともに地域活力の維持・向上、持続可能で効率的な行財政運営を目指す奈良モデルの取り組みにおいては、消防の広域化のほか、南和地域の広域医療提供体制の再構築やごみ処理広域化の促進等の成果が上がってきております。全国に先駆けて自治体間の柔軟な連携・協働に取り組んでまいりました奈良モデルは、現場で知恵を絞った、地域にふさわしい取り組みの実践例として評価をされ始めております。

 関西広域連合への加入につきましては、このような本県の連携・協働による行政効率化の取り組みの一つのやり方と考え、これまでから広域連合との連携・協働を進めてまいりました広域防災と広域観光・文化・スポーツ振興の二分野に部分加入いたしました。本県が部分加入して一年余りがたちましたが、この二つの分野におきましては、連携・協働の成果が生まれていると思っております。

 一方、その他の分野でございますが、本県にとりまして具体的な連携・協働の効果が現状ではあまり大きくないと考えております。例えば本年三月二十一日に運航開始を予定しております本県独自のドクターヘリでございますが、南和地域での需要が高いという地域の特性に鑑みまして、広域連合に移管していない和歌山県のドクターヘリ及び広域連合に加入していない三重県のドクターヘリと紀伊半島三県でのドクターヘリの連携体制構築に向け協議を進めております。広域連合の広域医療分野では加入せず、このような南の近隣県との連携により、本県の課題解決に向けた実践的な効果を求めたいと思っております。

 また、広域産業振興の分野におきましては、広域連合加入府県市の目標が分散しているような感じがございます。特に本県の大きな課題でございます働く場の創出につきましては、広域の行政を目指しておられます地方行政主体である関西広域連合という組織の活動では限界があると考えております。奈良県の就業地別有効求人倍率が最近、滋賀県と並んで近畿のトップになってまいりましたり、障害者雇用率が全国トップになってきたりしておりますのは、とりわけ本県の民間の方のご努力により、独自に本県が取り組んできた効果が実を結び、奈良県における働く場の確保が充実してきたものと思います。大阪での働く場の確保よりも、本県での働く場の確保を優先させたいと思っております。

 もとより関西広域連合は、国出先機関の事務・権限の受け皿を目指して設立されたという当初の経緯がございます。また、構成府県市それぞれの立場で考え方の相当異なる部分があることもわかってまいりました。本県といたしましては、部分加入により一線を画すことが適当だと思っております。関西は多様性があるということを前提に連携・協働を主にする行政協働活動が望ましいと思います。一方、部分加入でございましても、関西広域連合の基本的な意見の取りまとめに当たりましては、奈良県の意向が十分反映されるということもわかってまいりましたので、現在の関係のままが望ましいと考えております。

 NAFIC、なら食と農の魅力創造国際大学校の追加整備、周辺整備についてのご質問がございました。

 先日にも答弁いたしましたが、なら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFICの附属施設として検討しておりますセミナーハウスは、NAFICの教育機能や食のもてなし機能をさらに高めるとともに、これまであまり手だてがなかった中山間地や過疎地の活性化にも寄与することを前提として整備を進めていこうとするものでございます。このような施設がないと、人々が来るはずもなかった地域に交流施設の整備を検討しているものでございます。

 現在、NAFICの実践棟でございますオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井には、年間二万人を超える方々がご利用、ご来訪いただいております。桜井市安倍地区は、このような施設がないとこのような規模の交流人口は発生しなかったものと思われます。セミナーハウスの整備は、このような中山間地の交流人口を増加させようとするものでございます。

 セミナーハウスでは、NAFICやオーベルジュの有しております食の創造・発信機能と連携し、県内外のプロの料理人のコンテスト、食と農に関する多彩なセミナー開催など、さまざまな催しを検討しております。食と農に関するイベントのほか、知的な文化的な催しも考えられると思います。

 米国のコロラド州アスペンにて発祥し、日本では千葉県、軽井沢のほか奈良県など限られた地域で開催されているアスペンセミナーというのがございます。大変高度な知的なセミナーでございますが、新しいセミナーハウスの整備が完成すれば、当地で開催可能になるものと思います。スイスのダボス会議にもつながったアスペンセミナーの安倍地区での開催は、日本の始まりの地、明日香に近いものでもございますので、知的なセミナーイベントとしてふさわしい開催のように思います。このような参加者に地域の食の魅力の体験のほか、奈良の歴史文化や日本の始まりのストーリーを実感していただくことによりまして、奈良らしい交流人口の増加につなげていきたいと考えております。

 また、施設の運用につきましては、民間のノウハウも取り入れ、効率化を図ることにしております。

 桜井市での取り組みをモデルとして成功することができれば、さらに奥深く南部・東部に、ぐるっとオーベルジュと呼んでおりますが、そのような整備を促進し、奥大和の食と農の魅力発信を行い、都市と農村との交流人口の増加を促し、中山間地や過疎地の多い県南部・東部地域の活性化にもつなげていきたいと考えているものでございます。

 あとのご質問は農林部長と教育長でございました。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十八番清水議員の質問にお答えいたします。

 私にはNAFIC、なら食と農の魅力創造国際大学校の周辺整備について、県と地元市が連携して役割分担して進めていくべきであると考えるが、今後、NAFIC周辺整備の実施に当たり、どのように桜井市と連携し、周辺のまちづくりに取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 議員お述べのとおり、大規模プロジェクトを進めるには、関係市町村との連携は大変重要なことであると認識しております。また、桜井市としても、なら食と農の魅力創造国際大学校、NAFICを中心とした周辺地域のまちづくりには大きな期待を寄せていただいているところでございます。

 従来から当該地域におきましては、桜井市や地元安倍土地改良区と連携し、まちづくりについての協議を実施しております。遊休農地の再生に向け、そばや菜の花など景観作物を栽培するなど、中山間地の魅力の向上に向けての活動も行ってきたところでございます。

 今後、セミナーハウスの整備が本格化し、NAFICを中心とした周辺地域のまちづくりを進めるため、これまでの取り組みを発展させ、県、桜井市をはじめ地域住民の皆さんや農業・林業関係者の皆さんなどで構成する(仮称)賑わいづくり協議会を発足させたいと考えているところでございます。その中で桜井市や各関係者とまちづくりについて検討を深めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十八番清水議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、英語教育の推進につきまして、教員の英検準一級の保有率を高める取り組みとスーパーグローバルハイスクールについてのお尋ねでございます。

 本県の教育振興大綱では、目指す人間像の一つに、創造性を発揮して、世界に伍して活躍する人を掲げております。そのためには、豊かな語学力や異文化理解の精神等を身につけたグローバル人材を育成することが必要であり、特に中学校・高等学校では英語を用いたコミュニケーション能力の向上を図ることが重要であると考えております。

 このため、まずは教員の英語力の指標となります英検準一級取得者の率を高めることが喫緊の課題でございます。平成二十五年度では、中学校では全国平均より一ポイント高い二八・九%、また高等学校では全国平均より約二〇ポイントも低い三三・四%でございました。このため、平成二十六年度から英語指導パワーアップ講座を実施いたしております。経験二年目から五年目の高等学校教員全員と各市町村の英語教育の中核となる中学校教員を対象にし、実践的指導力の向上を図るとともに、英検受検を推奨しております。

 議員お述べのように、平成二十七年度には、中学校で全国平均よりも四・九ポイント低い二五・三%、高等学校では全国平均より一一・九ポイント低い四五・四%となっておりましたが、本年には、中学校で三四・六%、高等学校では五三・二%と、それぞれ八ポイントから九ポイント改善いたしております。

 今後は、大綱に掲げた全国平均以上の目標を達成することはもちろんのこと、英語の授業が新学習指導要領で求められている主体的・対話的で深い学びとなるよう、教員の指導力の向上を図ってまいります。

 また、国からスーパーグローバルハイスクールの指定を受けている県立畝傍高等学校では、課題研究を中心とした特色あるカリキュラム、海外研修による異文化理解、さらには留学生を迎え意見を交換する未来創造会議などの英語で学ぶ取り組みを行っております。スーパーグローバルハイスクール、SGHの拡大につきましては、国の指定数の状況に応じて検討してまいりたいと思っておりますけれども、今後、畝傍高等学校での成果をどのように普及するかにつきましては、国際的に通用する大学入学資格を得ることができる国際バカロレアの認定も含めて研究していく必要があると思っております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) では、自席より再度の問いをさせていただきます。

 今回の文部科学省の件でございますけれども、文部科学省の前局長の早稲田大学への再就職について、内閣府の再就職等監視委員会が、同省が国家公務員法に違反して組織的に天下りをあっせんしたとする調査結果を公表されております。この調査結果でございますけども、利害関係のある法人に求職活動を行って国家公務員法の第百六条の二の第一項及び第百六条の三の第一項、並びに第百六条の十六に定められた求職規制に違反を行っていたと、かような内容でございます。

 私、この件で一つ評価できる件があると思いまして、いろいろ調査をさせていただいたのですが、まず、再就職等監視委員会のホームページからいろいろ書類を参考に見させていただきました。そのときに違反情報受付窓口ボタンというのがホームページにございます。具体的な情報、いつどこで誰が誰に対してどのような方法で何をしたか、こういう情報を匿名でも通報が可能なようになっております。

 そこで、奈良県の人事委員会はどうなっているのかなということで調べさせていただいたのですが、奈良県の人事委員会のホームページには、残念ながら、この地方公務員法の改正後の制度に関する記述はございません。あわせて地方公務員法の第六十条から第六十五条までの罰則の規定、これらについても記載がございません。公益通報者保護の視点等々を考えますと、第三者機関でございます人事委員会が積極的に独自に検討されるよう、この件については要望したいと思っております。

 過日、日本経済新聞の社説に、メディアは民主社会の基盤だと、今の世界情勢の中でマスコミのあり方が書かれておりました。これは皆さん社説をお読みになっているのでおわかりかと思います。この中で「権力は腐敗する」という英国の思想家、ジョン・アクトンの言葉を引用して、普通の人には時間もない、有権者を代表して監視役を担うメディアの責任は重大であると、こういう記事が載っておりました。メディアだけでなく我々議員の責任も非常に痛感するわけでございます。

 そんな中で、先ほどご答弁いただきましたが、特別職は地方公務員の適用は受けません。国においても、知事が述べられたとおり、大臣等についても同じでございます。ただ、この中で間違いなく我々が思うのは、業種や業態によって再就職をすべきではないという職種も中にはあろうかと思います。

 全ての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。このことは皆さんも我々もよく理解していることではございます。まず、今回の地方公務員法改正でマスコミは中立・公正の報道姿勢を再認識し、地方のメディアも奈良県も意識を変えるべきではないかと、かように私は思っております。そして、さらに、先ほど申しました七十二の出資団体の中には奈良県信用保証協会も含まれております。国とともに県は奈良県信用保証協会については監督をする立場にございます。この監督する立場の県職員のOBの再就職先にすべきではないのではないかと、こう考えております。

 今の二点について、奈良県行政との中立性を考えますと、職員の再就職先としてメディア並びに奈良県信用保証協会は除外すべきというふうに考えますけども、荒井知事のお考えをお伺いいたします。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今、具体的に挙げられましたメディアと奈良県信用保証協会ということですが、これはいずれの職場も公平性、公明性、透明性が必要とされると思います。それがゆえにといいますか、公務員の再就職としてふさわしいのか、ふさわしくないのかという議論でございますが、議員の言葉をかりますれば、公務員も全体の奉仕者でございますし、そのように就職の際に私の前で全体の奉仕者として務めますという宣誓をいただいております。メディアも全体の奉仕者であるべきだということは、議員お述べになりましたそのとおりだと思います。方向は共通しているように思います。

 さて、そこで、公務員の退職者が就職していけないかどうかという議論になります。これは多少の検討が必要と思いますが、天下りというコンテクストで考えますと、議員お述べのように、日本の公務員の再就職につきましては、国家公務員と地方公務員で法規制の強さといいますか、内容が違っているということと、一般公務員と特別公務員の扱いが違っているということ、また、特別な分野を今挙げられました、メディア及び奈良県信用保証協会というものについては、公務員の天下りとして、再就職としてふさわしくないかどうか、その論拠ということになります。

 直ちに、さてどういうことなのかなというふうに今考え始めたところでございますが、職業選択の自由と全体の奉仕者として勤務されてきた特別公務員、公務員、皆様もそうでございますが、やはりそういう分野で相性がいいということは言えると思います。全体の奉仕に過ごすべし。ただ、そのときにこの天下りはなぜいけないのか、どのようなものがいけないのかと言われておりますのは、議員も引用されました国家公務員法第百六条の二というところでは、やってはいけないあっせんということの例がございます。当該地位につかせることを目的として情報の提供、就職予定者に関する情報の提供、また地位につかせることを要求し、もしくは依頼してはいけないというふうに、議員お述べになった国家公務員法にも書いております。やり方について規制をしておりますので、多分、職業選択の自由との関係で、そもそもいけないということは法上も規定されていないように思います。

 今ご質問があってちょっと頭を働かせ始めただけのことでございますが、検討を要する事項かとは思いますが、直ちに規制すべきかどうかという事ではないように思うところでございます。あっせんに通ずるような就職活動をしてはいけないということと、全体の奉仕をすべきメディアまたは行政類似の機関にどのような方が就職されましても、その組織の目的に従って奉仕すべきではないかという、この二点だけは申し上げられると思います。



○議長(川口正志) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) 今の知事のご答弁からしますと、現状はそんなに問題ではないというふうな認識であろうかと思います。当然、職業選択の自由の観点から考えますと、それはおっしゃるとおりだとは理解はできます。ただし、先ほど申しましたように、片や監督する立場である県、それと世の中を住民の皆さんにかわって監視をするという役目を担っているメディア、そこと公務員の透明性をいかに保つかということが非常に大事だというふうに思いますので、これはいつという課題ではないと思います。

 私自身は、やっぱりその内容において規制を始めている地方自治体があるということ、そちらの方が大事じゃないのかなと思いますので、奈良県が後塵を拝する、後ろの轍を踏むということのあまりないように今後検討していただきたい。なおかつ、今テレビでも放映されておりますので、どういう思いで今、荒井知事がこの件についてお考えなのか、これでよくわかったと思います。

 それと、今回、この質問作成に当たり、先ほどもちょっと申しましたが、ホームページ等々、それと人事の担当者とお話をさせていただいた中で、改正すべきであろうかと思っている点は、担当者の方に申し添えさせていただいております。ぜひともご検討いただきたいと、かように思います。

 時間がありませんので、次に参ります。二番目、奈良大立山まつりの件でございます。

 先ほど知事の方から「にほん」維新の会とおっしゃっていただきましたが、「にっぽん」維新の会でございますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。

 日帰り客等々の定義づけについてご答弁いただきました。まず、なら燈花会、なら瑠璃絵の件でございますが、これは実行委員会の発表の数字なので、それが正確かどうかわかりませんが、なら燈花会の場合は、現在、開催期間中、約九十万人、それと、なら瑠璃絵は開催期間中で約四十万人の方が訪れになっております。

 まず、この数字云々もそうですが、今回、奈良大立山まつりについては、知事の肝いりで始まった、そういうお祭りでございますので、再度、質問の中で失礼かとは思いますけども、一点、シャトルバスに乗って知事は行かれたのか、それと、大和西大寺駅から歩いて現場に行かれたことがあるのか、この二点についてちょっとお伺いしたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 現場のアクセスでございますが、奈良大立山まつりの夜のときは公用車で行きました。それは、夜で、行事に間に合うように。多分、行事が重なっていたかと思います。ただ、一日だけではなしに複数日行きましたので、大和西大寺駅のバスの列とJR奈良駅のバスの列はよく見て参加いたしました。アクセスは課題だなということは思います。まず、答弁はそういうことでございます。



○議長(川口正志) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) バスのアクセスは、私は前回のときは一回シャトルバスに乗りました。今回も五日間のうち三日、現地に赴かせていただき、そのうち一日はシャトルバスに乗って現地に向かったのでございますが、非常に待ち時間が長い。昨年よりことしは若干改良はされておりましたけれども、非常に待ち時間が長かったという印象を持っております。

 ことし、予算で一億二千万円を計上されておるわけでございます。当初は二億で、八千四百万円が立山の制作費用だったと記憶しております。第二回目は総額が一億三千六百万円。補正予算を含めて一億三千六百万円だと思います。今回、一億二千万円という形で減ってはきている。内容についてもかなり見直しをされていると思うのですけれども、一千六百万円を減らした中身ですね。具体的にどういうふうにして効果を高める、なおかつ予算を削ったのか、今度は補正予算として追加がないのか、これは実施をしないとわかりませんけれども、そういう見込みで今は立案をされている。先ほどもKPIの話を申しましたけども、事業をやるに当たって内容を十分精査した上、今は一億二千万円になったと、減らした内容について、その点についてだけでもご答弁いただきたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 議長、昨年の二億円とことしにつきましては、明らかに大立山の制作費がことしは入っておりませんので、間違っております。

 その実行費、運営費はどこが減ったかということでございますが、実際はそう変わらないかもしれませんが、節約、それと、実際にふえる要素といたしまして、市町村の出店が大幅にふえました。これは大きなふえる要素でございます。市町村の出店がふえること自体は大変望ましいことだと思いますので、これは喜んで予算につけさせていただいたものでございます。縮小にするか、拡大にするか、無理に拡大することはないのでございますが、徐々にでもいい形になればということでございます。

 それで、比較の観点で、なら燈花会、なら瑠璃絵は県や市も一部を補助しておりますが、もとから民間の市民の方の発意でできたお祭りでございます。当初はほんとに涙ぐましいご努力をされたと聞いております。当初は県も助成をしなかったように聞いておりますが、頭の下がる思いでございます。これはほかの地域ではなかなかないような取り組みだと思います。

 ほかの地域では行政が割と熱心に参加してお祭りをされているケースが多いわけでございます。例えば神戸ルミナリエという大変人気の高いイベントがございますが、平成二十七年度の事業規模は約五億円でございます。そのうち兵庫県と神戸市の補助は、合わせて一億四千万円入っております。また、御堂筋オータムパーティーという一日だけのイベントがございますが、事業費の総額は七千三百万円でございます。そのうち六千六百万円を大阪府と大阪市が負担されております。

 わずかの例だけでございますけれども、なら瑠璃絵、なら燈花会はほんとに珍しい市民手づくりのお祭りだったと高く評価しております。奈良の冬あるいは夏のイベントは、県がしゃしゃり出てと言ったら語弊があるかもしれませんが、夏は海水浴などのリゾートに負け、冬は寒さ、温泉とか食い道楽に負ける奈良県の観光実態でございます。イベントで盛り上げるという手法が功を奏し始めておりますので、ぜひ長い目で見ていただければと思う次第でございます。このような持ち上げの時期は行政の関与がある程度欠かせないと思っております。だんだん進むに従って経費が下降に向かうはずだというふうに思っております。



○議長(川口正志) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) 知事は常々、エビデンスのことをおっしゃっております。知事の経歴の中で一九九九年七月から二〇〇一年一月ですか、海上保安庁の長官を務めておられました。けさも、報道によりますと北朝鮮がミサイルを四発撃ったというような報道がございました。そして、今、荒井知事の後輩の方々は尖閣諸島等々で非常に苦労されていることだと思います。

 当時のことをちょっと思い出していただきたいなと、ふと、今思ったのですけれども、数字の持つ意味というのがあるわけですね。五万一千人がいろいろ重複しているからどうのこうのということは、それは我々も理解できますし、私どもがはかった数字が絶対正しいということもそんなには思っておりません。そんな中で、今おっしゃった数字が、例えば予算が減ってくる、なおかつ行政が高額な予算を投じて何とかここを活気づけたい、そういう気持ちもわからなくはないのですよ。ただ問題は、やっぱり費用の投資した額に対してどれだけ効果があるのかということは、常々、これは住民の皆さんが関心を持たれていることだと思います。

 今ご紹介のあった神戸のルミナリエ、あるいは御堂筋のパレードであっても、期間が長いからこれだけの事業効果を地元で出されて、今、数字の紹介がございませんでしたけれども、神戸ルミナリエは一万人や二万人が訪れている、そんな祭りではありませんよね。大阪の御堂筋にしてもそうなのですけれども、一日だけの開催にしても何十万、何百万という人がそこに集う。その効果たるや絶大なものがあるわけです。

 問題は、奈良大立山まつりが奈良県が行政として二億円、一億円以上の金を出してどれだけ奈良を世界中にアピールできるのか、そして、将来どれだけのゲインがあるのかというところを明確にすべきだという話をさせていただいているわけです。今、調査もされるというお話をしていただきましたので、ぜひともことし一億二千万円使った後にどういう内容でもって効果があったのか、それをきっちりと評価していただいて、来年度、知事も我々も一緒ですけど、あと二年の任期しかございませんので、その任期内できちんとした検証結果を出さないと県民の皆さんに申しわけないと思います。この点についてよろしくお願いしておきたいと思います。

 時間がございませんので、次に、関西広域連合の全部参加についてお話をさせていただきたいと思います。

 昨年九月、民進党の田尻関西広域連合の議員が、参加後の感想を知事に問われましたときに、荒井知事は、先ほどご答弁あった内容とほぼ重なりますけども、昨年四月の熊本地震における連携の成果、あるいは関西ワールドマスターズゲームズへの参加の表明、そして、観光資源と文化資源の豊富な奈良県が連携することにより関西全体のインバウンド対策の強化と文化振興につながるため、引き続いて連携するが、ドクターヘリの運航は山間地をカバーする和歌山県と三重県との連携を行い、その他の分野は効果が少ないので、現在のままの関係でよいと、こういう趣旨のご答弁をされたと思っております。

 そして、先ほど私の問いに対しては、産業については加入団体、今回は目標もございますけれども、非常に有効な部分もあるので、奈良にとって現状のままでもそんなに差し支えはないのではないかなというお話をしていただいたと思います。

 ただ、二〇二五年の大阪万博の招致計画、これが実現するかどうかもわからない状態でもございます。そして、もう一点、昨年末に総合型リゾート整備推進法が国で可決されております。近畿では大阪府と和歌山県が誘致の検討をしているわけでございますけれども、県民の皆さんの思いというのは、この関西広域連合に奈良県がずっと加入してこなかった。そして、二年前に一部だけ参加の表明をした。そのことについて非常に残念な思いをお持ちになっていると私は強く思っております。

 一点、野球のチームに例えますと、奈良県は一軍のレギュラー選手ではないと。そして、コーチでもなく、監督でもない、そんな立ち位置にあるような、そういう気がしてならないのですよね。関西全体で行動を起こすときに奈良県が不利になるのではないのかと、そう思ってしまうわけでございます。

 何とかこの残す二年の中でまだまだ関西全体でやらないといけない課題というのは多くあると思いますので、この二年の間、先ほどおっしゃっていただきました奈良県の有効求人倍率、障害者の雇用の問題もありますけれども、人口がどんどん減っていく中で、やはり奈良県の存在感を示すということが非常に大きいことだと私は思います。今のまま関西広域連合に入る全部加入を拒むことがマイナスになるのではないのかなという気がしてなりませんので、ぜひとも積極的に考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 そして、NAFICの周辺整備でございますが、今、知事と農林部長からお答えをいただきました。内容については、これから先のこともございますので、改めて予算審査特別委員会の中で詳細について尋ねさせていただきたいと、かように思います。

 それから、教育長の方からご答弁をいただいたのですが、私が一番気になるのは、前にも言いましたけれども、中位にあること自身その想定する目標が中位でいいというふうなことを県全体で考えてしまうと、現場の先生方もその辺でいいのではないのかという緩みが出るのではないのかなという気がしてならないのですよ。ですので、明確な数値目標を出して、ここまでに上げないと奈良県の子どもたちの英語教育、その他の教育もそうです、全国におくれをとるということを、ぜひとも指導力を発揮していただきたいと、かように思います。

 現場の先生方から聞くと、時間がないとか、能力的には準一級の能力はあるのだけれども時間がないので受検しませんとか、こういうお声をいただいたりするのですよ。それは本当に逆効果だと私は思います。他県から見ると、数字を見るわけですよ。奈良県の先生方は準一級が全国トップというふうになれば、奈良県の教育力というのは全体が上がってくると思いますので、ぜひとも頭を切りかえていただいて、現場のご指導もしていただきたいというふうに思います。

 時間もまいりましたので、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 答弁要りませんか。



◆十八番(清水勉) 答弁は結構です。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後二時十六分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時三十三分再開



○議長(川口正志) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十一番和田恵治議員に発言を許します。−−三十一番和田恵治議員。(拍手)



◆三十一番(和田恵治) (登壇)ただいまから、創生奈良を代表して桜井市選挙区選出の和田恵治が知事に質問をいたします。どうか真摯な実のあるご答弁をよろしくお願いいたします。

 最初に今議会に提出された奈良県小規模企業振興基本条例案についてお伺いします。

 国においては平成二十六年六月に小規模企業振興基本法が制定され、地域活性化につながる奈良県版の小規模企業振興基本条例がいつ制定されるのかと待ち望まれていましたが、産業・雇用振興部で県民から意見を募集するパブリックコメントや奈良県中小企業振興対策審議会での審議など一定の手続を進めてこられ、今定例議会に条例案が上程されました。小規模企業の振興に係る単独条例の制定が実現すれば全国で四番目になり、奈良県の意気込みが感じられます。

 条例は全八条から成るようですが、条例の狙いは小さくても強い企業を育てることとしています。小規模企業者にとってきっと心強い条例になると思いますが、この条例が小規模企業の振興につながる充実した条例になることを期して、幾つかの気になる点について申し上げたいと思います。

 第一は、果敢に挑戦する意欲及び自主自立の精神を持ち、不断の努力を行う小規模企業の事業の成長発展または持続的な発展を促すよう推進するという文言が随分強調されているように感じられ、うがった見方をすれば、自主努力をする小規模企業者の支援に重点を置いているのではないかとも思えるのです。小さくても強い企業を育てることは重要だと思いますが、多くの小規模企業者が経営向上への意欲があっても経営上の諸課題を抱えて自身が描く事業活動を満足に行えず、きょうあしたをどのように乗り切るかと毎日悩んでおります。事業者に寄り添った支援、環境整備の方針をしっかり打ち出すことが大切だと思います。

 第二に、企業が事業活動を続け、存続できるように支援するためには相談体制の整備・充実がとても大事です。事業者が悩んでいる経営課題に対して具体的に相談に応じられる体制を確立し、きめ細かに対応することが重要だと思います。しかも相談内容に対応できる専門家を確保し、派遣制度を充実することも必要であります。

 第三に、県が小規模企業の振興に関する施策を講ずる役割を果たしていくための体制として、全庁体制で取り組む準備ができているのかということです。小規模企業の振興施策は産業・雇用振興部の所管に任せるというのではなく、例えば小規模企業者が今後大いに活躍できる事業分野として期待できる観光事業。この分野では小回りのきいたサービスや事業展開が求められ、観光局との綿密な連携が必要です。奈良県の地場産業、例えば農作物の生産者と規模の小さな製造加工企業との連携の促進や、履物製品や皮革スポーツ製品製造の小規模企業者の支援、小規模の土木事業者の育成などで県庁内部の各部局間の横断的な連携した取り組み体制が必要だと思います。

 第四に、県をはじめ市町村はそれぞれが主体として、また民間経済団体を通じて融資制度やさまざまな助成制度の宣伝・広報や支援を行っていますが、支援を受けようとする小規模企業者の実情に配意して、書類申請の様式は簡易にし利用しやすいように工夫する必要があります。

 以上の懸念すべき点を申し上げながら、知事にお伺いいたします。

 第一点目は、条例案では小規模企業の事業の成長発展、また特色を生かした事業の持続的な発展を促すための環境整備を図るとしていますが、経営が困難になっている、あるいは衰退する斜陽産業に属する小規模企業を支援することで、廃業しないで事業が続けられるような企業存続を図るための積極的な支援を行うという視点も必要ではないでしょうか。知事の所見をお聞かせください。

 第二点目は、小規模企業は事業の持続的な発展に必要な経営資源の確保が困難であることに留意して、小規模企業への支援策を積極的に講じていく必要があるのではないでしょうか。さきに申し上げました四つの気になる点も踏まえその方策を示していただきたいと思います。

 第三点目は、県は小規模企業の動向を把握するとともに小規模企業が抱える課題の把握に努め、振興施策の実施状況を毎年検証し基本方針との乖離がないかどうか点検する必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 第四点目は、地場産業が地域の振興に果たしている役割や重要性について地域の子どもたちに学ぶ機会を提供し、そのことを通じて後継者づくりに取り組むことが必要かと思いますが、所見をお聞かせいただきたい。

 次に、小規模企業の支援のために県制度融資がどのように運営されているのか、また奈良県小規模企業振興基本条例とともに今議会に提出される大変長い名称の条例、奈良県中小企業者等の事業の再生を支援するための中小企業者等向け融資の損失補償に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例、以下では仮に回収納付金放棄条例と呼んでおきます。その二つについて、知事にお尋ねします。

 制度融資とは利率や限度額などの融資条件を奈良県が定め、奈良県信用保証協会が債務保証を行い金融機関が窓口になって中小企業者に融資を行う制度です。中小企業者が金融機関から融資を受ける際、その債務を奈良県信用保証協会が保証することによって金融の円滑化を図ります。また県は利子と保証料の一部を補助するなど中小企業者の負担の軽減を図ります。

 県制度融資に関して私が問題にする点は次のことです。県制度融資の保証承諾額を直近で見ると、平成二十一年度に五百八十八億円であったものが平成二十七年度はわずかに七十三億円としぼみ、実に一二・四%まで極端な落ち込みをいたしました。しかし県制度融資の保証承諾件数と県制度融資以外の件数の合計を見ますと、平成二十一年度に八千五百十二件であったのが平成二十七年度では六千百七十五件で、七二・五%にまで減少していますが件数から見ると比較的需要が高いと言えます。

 県制度融資は奈良県経済を担う企業活動に対する金融面からの支援であり、経済活動の活性化の政策誘導の手段であるのに、特に小規模企業者の廃業が相次いでいる状況を見ると企業の要望に応える魅力ある制度になっていないのではないかと疑問を持たざるを得ません。

 また県制度融資の代位弁済額の推移を見ますと、平成二十一年度は十九億円で、毎年減り続けて平成二十七年度は四億円となりました。制度融資の代位弁済額が減ったことは一面では倒産件数が少なくなったと言えるかもしれませんが、他面では制度融資を利用しない企業が多くなった結果ではないかと推察し手放しで喜べる状況ではないと思います。

 こうした状況の中でこのたび今議会に上程された今回の回収納付金放棄条例は、県制度融資を利用する中小企業者等の迅速かつ円滑な事業再生の支援を目的にできるだけ短期間で権利放棄の決定をするため、一定の再生計画に基づくことを条件にして知事限りで権利放棄の承認ができるようにすることを目的とされております。そして条例が目指す効果としては、これまでは返済不能のため廃業していたような中小企業者のうち再生の可能性がある企業の掘り起こしを行い、企業、雇用の喪失防止を行うことをはじめ幾つかの効果を期待しているようであります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 第一は、県制度融資が企業の要望に応える魅力ある融資制度となっているのか。また制度融資の窓口となる金融機関は奈良県の経済政策と制度融資の意義を理解した上での融資業務を行っているのか。知事の所見をお聞かせください。

 第二は、県制度融資の代位弁済額が大きく減った要因は何なのか。

 第三に、条例を制定した場合どのような効果が期待できるのか。特に小規模企業にとってどのようなメリットがあるのかを示していただきたい。

 三番目の質問は、奈良のイメージづくりによるブランド化についてであります。

 昨今は、奈良県だけではなくて全国各地で地域ブランドの創生や確立による販売強化が叫ばれて、いろいろなネーミングの商品やデザインされた製品が誕生しております。ブランドあるいはブランド化が声高に語られて、ブランド化すれば製品は高くよく売れるという認識で一致しているように思われます。

 そのように全国的にブランド化事業が進む中で改めて原点に立ち返って、ブランドとは何か、どのようにすればブランド化ができブランド力がアップできるのかという具体的な方法論、プロセスについて、知事にお尋ねしたいと思います。

 知事の考え方によれば、例えば奈良のブランド化による観光振興の場合、奈良県の歴史的価値を観光資源としてブランド化し、国内外に発信して観光振興を推進することであるとおっしゃいました。奈良の歴史的価値をブランド化する方法として、奈良時代の古事記と日本書紀及び万葉集をひとくくりにした記紀・万葉というテーマを掲げ、その事業化を図ることとご説明いただきました。着眼点は感心するものであります。記紀・万葉事業の残り四年間の推進で奈良の観光振興が大いに進むことを期待しております。

 ところで知事は同時に、この記紀・万葉をブランド化するについて三要素が必要であると述べられました。それは、第一は記紀・万葉に関する情報のインフラを充実させること、第二は観光資源が散らばっているので周遊観光のブランド化を図ること、第三はすぐれた観光地には宿泊施設やレベルの高い飲食、客をもてなすサービス精神など、三要素が全てそろっていることが大切であるとの指摘です。私もそのとおりだと思っています。

 それから私の観光振興に関する再質問に答えて、奈良の観光のブランドイメージを考える例として世界トップクラスのアマンリゾートの創業者の話を紹介されました。広告のために一銭も使っていないのに、引きも切らないように人が来るのは全て口コミであること。そうなったのは、いいサービスをするとブランドになり、必ずそれが実質をつくってイメージとなっていくとの説明でありました。この話も参考になりました。

 しかし、アマンリゾートの場合は創業者が世界のVIPと交流があり、立ち寄ったVIPがサービスのよさに触れてリピート客になり顧客にできたと思います。また広告を出すということは一般への訴求効果を狙っておりますので、VIPクラスの人たちの好むところではなく口コミで十分であったし、広告を出さないことがステータスをつくり上げたということもあろうかと思います。

 一方、奈良のイメージづくりには広告が必要になります。知事もご指摘のように、サービスのよさやおもてなしなどがそろっていることは観光地に必要な要素であり、アマンリゾートを参考にできる要素ですが、それに加えてほかの観光地とは異なる秀でた素材、特色のある資源を国内外に発信する。単に発信するだけではなく発信の仕方を工夫して奈良らしさを打ち出すことがブランド力を高めるために重要なことだと思います。

 今、世界的に日本ブームと言われて、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食のおいしさや、焼き鳥、居酒屋、着物を着て弓道をする女性、ニシキゴイ、盆栽など日本文化に興味を持っている外国人観光客がふえております。中でも盆栽やニシキゴイなどは最近のことです。盆栽に至っては、長い伝統と研ぎ澄まされた感性の集積があってこそ人々を魅了します。日本庭園もそうです。いいものはイメージをつくり、それがブランドになるという見本のような感じがします。

 こうした日本ブームが起こる中で日本に対する世界の関心が深まれば、歴史の分野では奈良県の歴史が最古です。東大寺二月堂のお水取り一つとってみても、千二百五十年以上も前から一度も途絶えることなく続いている催しでありますし、日本最古の神社である大神神社は伊勢神宮の誕生のもとになる逸話があり、万葉集にうたわれた土地に囲まれております。正倉院御物は世界のどこにもない奈良時代のシルクロードの文物です。日本の奈良県だけに残っております。奈良は、このように国の始まり、歴史と文化を知る事例に事欠きません。

 そこで知事にお尋ねします。奈良のブランドイメージは国の始まり、歴史文化と考えますが、日本観光といえば奈良県となるよう具体的にどのようにしてこれをつくり上げていくのでしょうか。また、どのように国内外に発信し観光客の誘客につなげていくのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、部落差別の解消の推進に関する法律の具体化についてお尋ねします。

 部落差別の解消の推進に関する法律が昨年十二月九日の参議院本会議で可決、成立しました。この法律を部落差別解消推進法と以下呼びます。全六条から成るこの法案の成立に向けて、この間取り組んでいただいた奈良県や県内各地方自治体及びその他関係諸団体をはじめ多くの皆様に心から感謝をいたしたいと思います。

 皆さんもご存じのように、部落差別は今なお現存していることは周知の事実であります。そのような状況を踏まえ、本奈良県議会において基本的人権を守る立場から全国に先駆けて平成二十六年九月定例議会で、ヘイトスピーチに反対しその根絶のため法規制を求める意見書を決議しましたし、今から二十年前の一九九七年三月二十四日に全三条から成る奈良県あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例、以下略して奈良県人権条例が制定されています。このような動きを受けて、部落差別解消推進法がどんな意義を持つのか、知事の所見を伺いたいところであります。

 私は部落差別解消推進法を次のような点で高く評価しております。

 第一は、歴史と現実を素直に直視した部落差別という文言を法律の名称に使用し、同和問題あるいは同和の差別問題といった現実を曖昧化する表現を使わなかったこと、そして国の解決すべき社会問題であることを確認したことであります。

 第二は、法の第一条目的に、現在もなお部落差別が存在することを明記し、今日においてもこれを解消することが重要な課題であることを再確認して部落差別の完全撤廃を条文で明確にしたことであります。あわせて部落差別が過去の問題ではないとはっきり確認しました。

 第三は、部落差別のない社会を実現するために、国及び地方公共団体が責務を有することを明確にし、その実現のためにそれぞれが施策を講じることを義務づけたことが条文で示されました。

 第四は、第四条で相談体制の充実を図ること、第五条で教育及び啓発に取り組むこと、第六条で部落差別の実態にかかわる調査を行うことを明記したことです。具体的な施策をこのような内容で示されたということは、少なくともこれらの対策、取り組みをぜひとも推進しなければなりません。

 以上が法の内容に係る私の評価であります。

 部落差別の解消とは、人と人との関係が差別・被差別の関係から平等・対等の関係に変わったとき差別が完全になくなったと言えます。人権を共通の土台に据え、人権意識というものを大切にしながら、差別・被差別の過ちの関係を日常において絶えず変えていくという基本方向で実践することが今日の部落解放運動のスタンスであり、それは、両側から超えるであると理解しております。かつての差別糾弾闘争には、部落差別に泣き寝入りせず、差別の加害者に対して被差別者が私たちも人間だと主張して抗議するという意味がありましたが、この運動スタンスは、人権の社会システムが整備されてきた今日の状況に適合させた解放運動だと認識しています。

 こうした内容を踏まえて知事にお伺いします。

 人権基本法としては物足りなさを感じますが、部落差別解消推進法が制定されたことの意義をどのように認識されているのか、お聞かせください。

 次に、さきに触れた奈良県人権条例は、同和問題その他の人権に関する問題の解決を図り、もって人権が等しく尊重される社会の実現に寄与することを目的にしており、全ての人権問題の解決に取り組む観点は私も全く同感でありすぐれた条例であると思っています。この後、国で二〇〇〇年に制定された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律と、その法に基づいて策定された二〇〇二年の基本計画も出されていますが、奈良県人権条例と部落差別という個別の人権問題を対象にした個別法である部落差別解消推進法との関連性、整合性についてどのように認識すべきなのか、お伺いしたいと思います。

 第三に、この法律で明記された第四条の相談体制の充実、第五条の教育及び啓発、第六条の部落差別の実態に係る調査などを県行政はどのように具体化していくのでしょうか。

 第四に、市町村行政にあっても部落差別解消推進法の制定の理念を大切にしながら対策の具体化を願う次第です。県として市町村と連携して取り組むためにも法の趣旨について周知徹底をされる必要があると思いますが、知事の考え方をお聞かせください。

 次に、介護職員の給料等の処遇改善や労働環境の向上など、魅力ある職場づくりについてお伺いします。

 厚生労働省の推計によると、団塊の世代全てが七十五歳以上になる平成三十七年には約三十八万人の介護人材が不足すると見込まれております。介護人材の不足が深刻になりつつあるにもかかわらず同省の担当者は、勤続年数で給与が上がる仕組みを業界全体に根づかせるなど現状を地道に打開していくしかないと話していることが報道で紹介されました。しかし、厚生労働省の言うこととやっていることは矛盾しております。介護報酬を平成二十七年度に切り下げ、平成三十年度の見直しも暗い状況で憤りを覚えました。

 厚生労働省は、介護職員処遇改善加算を平成二十九年度に一万円を上乗せして支給するとしていますが、それには法人において昇給制度の有無などの条件がついており、全ての法人や事業所に適用されるものではありません。

 また介護職員の確保対策については、奈良県では奈良県福祉・介護人材確保協議会が設置されて、種々検討や取り組みをされていることは承知しております。その協議会が開催した昨年の六月一日開催の会議資料の中に、学生と介護職場で働く職員に対するアンケートの結果が紹介されておりました。

 アンケートの内容は、学生に対して事業所に就職を決める際に決め手となる要素は何かというもので、その結果の上位は、職場の雰囲気、従業員の意見・様子、初任給・給与水準、そして労働条件・福利厚生となっておりました。

 一方、介護職場で働く職員に対するアンケートは、職員のモチベーション向上・定着につながる要因は何かというもので、その結果の上位は、職場の人間関係・コミュニケーションの頻度、キャリアアップ・賃金水準、労働条件・勤務体系等の整備となっておりました。

 介護職場における人材の参入促進と定着を図るために、今申し上げた問題や学生や職員の意見も踏まえ、さまざまな対策を講じて介護職場をより魅力あるものにしていく必要があります。これは県にとって緊急かつ重要な取り組みであると考えています。

 魅力ある介護職場づくりのために、多様な要素に着目してさまざまな対策を講じる必要があると思いますが、私は介護職場への就職や定着の決め手となる要因の中で、学生の初任給・給与水準、職員のキャリアアップ・賃金水準が上位にランクづけされているのは特に注目すべきだと考えております。

 知事は奈良県内の介護施設に勤務する介護職員の給与水準の低さについて十分ご承知のことと思いますが、率直に給与制度が基本的な問題であると思っています。給与体系を見直すにしても職員の給与の財源としては唯一介護報酬であり、頼みの綱である介護報酬の見直しの経過を見ると引き下げの連続でありました。仮に処遇改善のために国家公務員の福祉職俸給表を導入したとしても、介護報酬が引き下げられているもとでは財源の裏づけができないため俸給表どおりの俸給月額を支払うことができないことは明らかであります。

 このような現状を踏まえると、介護職員の確保・定着のためには介護職員の給与水準を上げることが必要であり、そのためどこの都道府県も実施していない全国に類を見ない独自の取り組みとなりますが、介護報酬とは別に県単独による助成金を奈良県が先陣を切って創設するぐらいの意気込みが必要だと考えます。現実的には一万円程度の処遇改善を行うだけでも県費が二十億円以上かかるという試算もあると伺っており、実現は困難だと思いますが、介護職員の人材確保という重要な行政課題に立ち向かうためにはそれぐらいの大胆な発想が必要だと思います。

 そこで知事にお伺いしたいのですが、現状はもとより将来的にも懸念されている介護職場における深刻な人材不足に対応して人材を確保するため、介護職員の賃金水準を含む魅力ある職場づくりについてどのように取り組むのか、知事の所見をお聞かせください。

 最後に、大相撲幕内優勝力士への知事賞贈呈に関して要望いたします。

 私の地元桜井市は、野見宿禰と當麻蹶速が歴史上初めて天覧相撲を行った地と日本書紀に記され相撲発祥の地とされております。桜井市は相撲発祥にゆかりのある葛城市や香芝市とともに相撲観光共同宣言を行い、先月二十六日には桜井市の相撲神社や葛城市の相撲館などをめぐる三市連携イベント、大和まほろば相撲サミットが開催されるなど地域での取り組みも大いに盛り上がりを見せてまいりました。

 県は平成二十七年一月の大相撲東京場所から奈良県知事賞の贈呈を開始し、今月開催の大阪場所においても知事賞を贈呈されるところであります。幕内最高優勝力士に野見宿禰をモチーフにしたトロフィーが授与され、副賞のちゃんこ大和づくしと三輪そうめんそれぞれ三百人前と場内放送があると館内から大きな歓声が沸くと聞いております。

 この様子が相撲中継時間内に放送されないのは大変残念であります。知事賞贈呈や相撲部屋へのちゃんこ食材お届けの様子を県政フラッシュで取り上げる機会をふやすなど、より多くの県民に知っていただくことで奈良県と相撲との深いかかわりに理解が深まると考えております。さらに相撲発祥の地奈良県をPRしていただくよう要望いたします。

 なお、つけ加えることでございますが、先日県政フラッシュで稀勢の里関とせんとくんが対面で贈呈をされた状況をテレビで拝見いたしました。早速PRを頑張っていただいておるようでございますが、どうぞひとつ積極的なPRで奈良県発祥の相撲、これを大いに振興していただきたい、このことを要望いたしまして私の壇上からの質問にかえさせていただきます。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十一番和田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、奈良県小規模企業振興基本条例についての何点かでございます。

 本県では、これまで小規模企業を含む中小企業の振興に取り組んでまいりました。しかし、人口減少の克服と地方創生の実現に向けた本県の経済活性化を考えますときに、県内企業の大多数を占める小規模企業に活躍をいただき、経済の活性化を牽引してほしいとの考えに至り、その活力が最大限に発揮されるための環境整備を図るべく小規模企業の振興に特化した条例案を提出した次第でございます。

 議員は、条例の実行上気になる点として幾つか大事な点をお挙げになりました。その上でのご質問でございます。

 まず、第一点目のご質問でございますが、企業存続の支援についてであろうかと思います。小規模企業は地元密着の事業活動で地域の経済を支えるための重要な存在でございます。小規模企業が生き残るためには、個性ある、その企業ならではの独自の商品やサービスを生かして常に自主的努力を続けることが欠かせないと思います。努力に怠りがあれば企業規模の大小にかかわらず生き残ることができない時代に入っていると思います。本県ではこうした地道な努力を日々続けられる小規模企業に対しまして、その事業活動が成功に結びつくよう個々の経営課題に応じた支援を行っていく考えでございます。

 二点目のご質問でございますが、経営資源確保への支援という観点でありました。経営資源不足という弱点を補うために小規模企業が多様な業種・分野にわたり事業展開をしておられるのに、十分な経営資源が不足しがちであると思います。そうしたことに対しまして、経営課題克服のための相談体制の充実、経営ノウハウを体系化した手引の作成といった有益な情報提供や見本市等の出展支援といった収益拡大につながる機会の提供、さらに円滑な金融支援などでその経営資源不足を補う支援を差し上げたいと思います。

 三点目のご質問でございますが、動向の把握と実施状況の点検をすべきだというご指摘でございます。ふだんからのおつき合いを通じて実態をよく知っておられる地域金融機関、商工会や商工会議所等と県との連携をさらに密にいたしまして、小規模企業の実態やニーズを把握するほか小規模企業を熟知する有識者のご意見をいただくなどにより、県の施策が効果的に展開されているかを検証することで実効性を高めていきたいと思います。県にも不断の努力が必要だと思っております。

 四点目でございますが、後継者づくりの知恵から子どもに学ぶ機会を提供してはどうかというご指摘でございます。子どもたちが自分のまちの産業について学び、かかわりを持つことは将来の人材確保や後継者養成にとって大切なことだと思います。本県では小中学校において工場見学や職場体験を実施しているほか熟練技能者を派遣してのものづくり技能体験教室も実施しており、引き続き学習の中で将来の地域産業に貢献する人材の育成に努めてまいります。

 グローバル化が進む中、企業を取り巻く環境変化のスピードが速くなっていることを感じます。そのようなとき、十年一日のような商売のやり方では生き残ることが難しい時代だと思われます。一方、変化が激しい時代には小規模な企業のほうが小回りがきく利点もあると思います。ドイツやスイスにおきましては世界のトップクラスのメーカーが小規模企業であることは珍しくないことだと聞きます。グローバルニッチトップが世間では多く存在もしております。本県では、グローバルニッチトップを目指し事業の持続的な成長発展のために努力し続ける小規模企業に本領を発揮していただき、小さくても強い企業がたくさんふえるよう環境整備に取り組んでまいりたいと思います。

 二つ目は、県制度融資の運用についてのご質問がございました。条例についてのご質問でございます。

 まず、本県の経済政策と制度融資の意義についてのご質問でございました。融資業務の実効性についてでございます。議員は廃業する零細企業のことを大変悲しそうにおっしゃいました。私も廃業した商人でございますので、何となく気分としてはわかるところがございます。

 さて、県制度融資の意義といたしまして、次の四点が挙げられると思います。小規模事業者をはじめ資金力の弱い企業の持続性を支えることが第一でございます。奈良で新しい企業を興すことを応援して差し上げる。また、既存の事業者が新しい事業や製品を生み出されることをご支援する。また、若者や女性の起業や奈良の資源を生かした事業展開をふやすことなどが項目として挙げられると思います。資金面でいとわないようにご支援差し上げるのが県の制度融資の意義だと思います。

 県では、このような意義を踏まえて企業ニーズを把握し、これまで一般的な事業資金のほか新たな事業展開のための資金、さらに経営の安定化のための資金など幅広いメニューを用意し、毎年充実を図ってまいりました。例えばすぐれた事業計画を持ちチャレンジしようとする中小企業者に対して利子及び保証料の全額を県が負担する制度を創設もいたしました。県制度融資が意欲ある企業、創業者への支援や小規模事業者の持続的発展に貢献してきた面があるとも思います。

 県制度融資の融資実績にも触れられましたが、実績を見てみますと平成二十一年度にピークを迎えました。その大半はリーマンショック直後の中小企業者の資金繰り支援のための緊急特別対策資金でございまして、その後の融資額の減少はそういった倒産防止のための資金の減少が主な原因だと考えられます。

 反面、創業や事業拡大系の資金の新規貸出額を見ますと、平成二十一年度に三億円に過ぎなかったものが平成二十七年度は二十九億円に増加しております。制度融資が徐々に県内での新規開業や事業拡大など意欲的な企業に活用されてきたものと考えます。また、そのようなことは大変望ましいことだと思います。

 このように、金融機関も県制度融資の意義を踏まえて意欲的な企業に対しまして積極的に活用するよう取り組まれているところでございます。しかし、本県経済の一層の活性化のためには、小規模企業をはじめ個々の企業の課題やニーズを把握して事業性を評価するなど目きき力を発揮することが必要でございます。その上で県内企業の事業資金の円滑な調達を支援していただくことが大切だと思います。金融機関へのニーズ、要望が融資・金融の調達だけではなく事業の支援にも移ってきているものを感じます。今後、各金融機関が地域の企業や産業の成長により大きな役割を果たしていただくことを期待するばかりでございます。

 制度融資の二つ目のご質問で、県制度融資の代位弁済額が大きく減った原因は何なのかとお問い合わせがございました。その要因としては三つ考えられると思っております。平成二十一年度以降、制度融資の利用自体が減少してきております。またリーマンショック以後、景気の持ち直しにより中小企業の経営が安定に向かい、倒産件数が減少傾向であることも挙げられます。三つ目でございますが、金融機関が平成二十一年十二月の中小企業等金融円滑化法の施行により貸付条件の緩和等に努め、また同法が期限を迎えた平成二十五年三月以降も引き続き同様の対応を行っていることが挙げられると思います。

 次のご質問は、条例を制定した場合にどのような効果が期待できるのか、より具体的に、というご質問でございます。

 議員が触れられました条例、中小企業の再生のための回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の効果でございますが、中小企業の再生手続における迅速性に寄与することがまず挙げられると思います。県制度融資を活用された中小企業の再生手続が、法律の規定に基づき特定の再生支援機関が関与する再生計画のもとに各金融機関が足並みをそろえて行われる場合に、これまでよりも短期間に機動的に進められるようになります。また一律の基準を明確に定めておくことで、再生する見通しがあって権利放棄が可能かどうかを客観的に判断できることになります。さらに県が早期に権利放棄することにより、企業にとっても債務負担の軽減につながるメリットが考えられると思います。一つ目のメリットは、短期的に機動的に債権放棄が行われる。二つ目は基準が明確になる。三つ目は県の権利放棄により負担軽減になる。その三つでございます。

 結果といたしまして、再生可能性のある企業を掘り起こし、再生の件数をふやし県内企業の廃業による事業資産や雇用の喪失の減少につながればいいと考えております。

 また、この条例に規定いたします再生支援機関の一つでございます奈良県中小企業再生支援協議会では、平成二十五年度から平成二十七年度までの三年間の県内企業の再生支援実績は七十一件でございますが、そのうち小規模企業が二十三件含まれており、この条例を制定することにより小規模企業の再チャレンジへの道が広がるものと期待しているところでございます。

 その次のご質問は、観光分野でございます。奈良のイメージづくりによるブランド化のご質問でございます。

 奈良のブランド化には、奈良の歴史文化の本質をどのように理解し発信していくかということ。そして、その本質を我々奈良県民がもっと誇りを持って理解・自覚することが大事かと思っております。しかしながら、朝日新聞社が首都圏で行われました奈良県の神社・仏閣知名度調査によりますと、東大寺はほとんどの方が知っておられましたが、一方で大神神社や石上神社は五人に一人程度でございました。この調査からも奈良といえば大仏さんと鹿さんのイメージが固定化していることがわかりますし、このことが奈良のブランド発信の限界になっていると思います。固定的なイメージというものでございます。

 このイメージを払拭するため、県では春日大社の式年造替や興福寺中金堂の落慶法要など、社寺の歴史的催事を核として新しい奈良県観光キャンペーンを展開しています。これにより、首都圏をはじめとして奈良の歴史文化に対する知的な関心、また新たな関心が急速に高まっている実感を持っております。

 一方で、奈良県に来てみると単に歴史の教科書どおりのことが解説板に書かれているだけで、ガイドさんの説明も通り一遍で、他の観光地との違いやすばらしさがよくわからないのではという不満を聞きます。国の始まりである奈良の魅力を堪能していただくためには、社寺をはじめとする歴史文化をしっかりと語れるガイド、現在の語り部の育成が必要だと思います。来訪された方々に奈良県のすばらしさや他の観光地との違いをストーリー性をもってわかりやすく伝えていくことが奈良ファンをふやし、奈良のブランド化につながることだと思います。

 これは、外国人観光客への通訳ガイドについても同じことが言えると思います。日本文化に精通していない外国人の方々に対しまして、日本語の直訳だけではなく日本人に対する以上に丁寧に奈良の魅力を説明することが必要でございます。奈良の魅力は大変奥深くて簡単には説明できない特徴も持っております。そのため県では、語学力はもとより高い案内力を持った英語ガイドを県の公認ガイドとして認定しております。今はまだ十四人しかおられませんが、さらにふやしていくことにより外国人観光客の方々にも日本の始まりの地・奈良の歴史文化により深いところで触れていただき、日本といえば奈良というブランドが定着していくことを期待するものでございます。

 次のご質問でございますが、部落差別の解消の推進に関する法律の具体化に向けてのご質問でございます。

 最初のご質問は、部落差別の解消の推進に関する法律が制定されたことの意義の認識でございます。インターネット上に同和地区の情報を掲載したり当該地区居住者や出身者を誹謗中傷する事案の発生、また差別を助長するような身元調査や市町村への同和地区問い合わせなどが起こっていることからも、県といたしましては部落差別が陰湿化しながら現存していると考えざるを得ません。

 先般制定されました部落差別の解消の推進に関する法律、いわゆる部落差別解消推進法におきまして、現在もなお部落差別が存在すると明文化されたことからも国も同様に認識しているものと理解しております。同法が部落差別が社会において決して許されないものであることを明らかにした意義は大きいと思っております。部落差別について県民の正しい理解を促し、ひいてはその抑止につながっていくものと評価をしている次第でございます。

 しかしながら、部落差別による人権侵害に対する救済や未然防止に関する措置が規定に盛り込まれず、実効性の面において課題があるようにも感じます。県といたしましては、引き続き人権救済に関する法制度の早期確立を国に要望してまいりたいと思っております。

 この法律とそれより以前に成立いたしました県の条例との整合性、関連性についてのご質問が次のご質問でございます。

 平成九年に議員提案により制定されました、奈良県あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例におきましては、その前文で多様な人権課題の中の一つとして部落差別の存在を明記しております。この部落差別解消推進法と基本的な認識は同じであると考えます。また、同法は社会において許されるべきではない部落差別を直視し、国民の理解と認識を向上させるものであることからも、本県条例と基本的な考え方は一致するものと考えております。

 次の議員のご質問は、法の具体化をどのようにするのかというご質問でございます。一等大事な分野であろうかと思います。

 法の具体化の中で相談体制の充実、教育・啓発については、さまざまな人権問題を解決する上で重要な柱として位置づけられることから、これまでも県の責務として積極的に取り組んでまいったところでございます。本県といたしましては、今般の同法制定の趣旨も踏まえ国との連携を一層深めるとともに、県としての役割をしっかりと受けとめ、さらに効果的な教育・啓発、相談・支援に取り組みたいと思います。

 また、部落差別の実態に係る調査につきましては、現在国において調査に向けた制度設計の検討が始まっていると聞き及んでおります。今後の国の検討動向を注視した上で、県としても必要な協力を行ってまいりたいと思います。

 また、近年部落差別をはじめとして障害者差別、外国人差別、犯罪を起こした出所者への差別など差別事象は複雑・多様化してきているのが実情でございます。このため、差別の根絶に向け行政の確固たる姿勢を示すとともに、法制度においてもその実効性をより高めていくことが肝要であると思います。一方、県民一人ひとりにも人の心に根差す差別意識を内面から撤廃する努力を重ねていただく必要があろうかと思っております。

 最後に、市町村との連携についての言及がございました。県といたしましては、これまで以上に市町村をはじめ国や県内関係団体・機関との連携を密にしながら、人権教育・啓発の機会を最大限に活用し、広く県民に対して部落差別解消推進法の趣旨の的確な周知を図ってまいる所存でございます。あらゆる差別の撤廃に向け、県民の人権意識の一層の高揚も図りながら、人権が尊重された地域社会の実現が奈良県で図られるよう目指してまいりたいと思います。

 次のご質問でございますが、介護職員の給料等の処遇改善や労働環境の向上についてでございます。介護職員の賃金水準を含む魅力ある職場づくりについて、どのように取り組むのかというご質問でございます。

 本県では全国平均に比べ速いスピードで高齢化が進んでおります。魅力ある介護職場づくりを推進し、介護人材を確保することは本県における喫緊の課題だと認識しております。このため介護職員の賃金改善につきましては、介護保険制度の中で設けられております報酬加算制度を積極的に活用することを基本に取り組んできております。来年度はこの加算が職員一人当たり平均月額一万円程度上乗せされますが、経験年数や資格による昇給の仕組み等を設けることが求められております。このためより多くの施設や事業所で適用され、介護職員の賃金改善につながるようきめ細かく助言などを行っていきたいと考えております。

 また、労働環境の向上につきましては施設や事業所の自主的な取り組みを促進するため、福祉・介護事業所認証制度を創設し昨年十二月から運用を始めているところでございます。この制度は、処遇改善や人材育成等に積極的に取り組むなど認証基準を満たした事業所等を知事が認証いたしまして公表するものでございます。現在までに百五十件の申請を受け付けておりますが、今後さらに制度の普及を図り、より多くの事業所等で処遇改善等に取り組んでいただけるよう努めてまいりたいと思います。

 このほか、すぐれた取り組みに対する財政的支援も引き続き実施していきたいと思います。例えば施設内保育所の開設でございますとか、職員の心理的負担を軽減するための相談体制の整備、身体的負担を軽減するための介護ロボットの導入、理学療法士等専門職を対象とした研修など、さまざまな観点から介護の現場をご支援申し上げる効果的な取り組みを進めていきたいと思います。

 今後とも、魅力的な職場づくりを通じまして介護人材の確保が必要かと思います。高齢者が安心して利用できる質の高い介護サービスが奈良県で実現しますよう取り組んでまいりたいと思います。

 答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 五問にわたるそれぞれの質問に対する答弁を今いただきました。それぞれの質問に対して前向きの施策、取り組むような内容をいただきましたが、まだ私自身、気にかかる点がございますので、何点かにわたって申し上げたいと思います。

 一つ目の奈良県小規模企業振興基本条例でございますが、まず、小規模企業の資金供給という面で県制度融資枠が来年度予算に十億円計上されました。早速具体化されたことを大変うれしく、また評価をいたしております。しかし問題は、小規模企業ですから融資の貸し出しにおいてリスクを抱える企業が多くあると思っております。そのようなリスクを承知で窓口になる金融機関が小規模事業者の立場に寄り添って企業の持続や成長のために寄与することが求められるのではないか。金融機関の理解と協力を得られるような連携を今後一層強めていただきたいと思います。これは要望でございます。

 次に、この十億円の資金供給が不足すれば非常にうれしい悲鳴でございますが、その中小企業の貸出融資枠を超えた場合には、積極的にさらに融資の動員をしていかなければならないと思うわけでございます。リスクを避けたいという金融機関の心理が働きますので、その点について大変心配でございます。この点について、知事として金融機関に、あるいはまた奈良県信用保証協会に対してどう説明をしていくのか、所見をお伺いしたいと思います。

 それから、次は要望でございますが、やはり基本理念で小規模での特性を生かすということを主眼にされております。小規模の特性を生かされるということで重要なことは、製造業や飲食業その他のサービス業などで新商品の開発、デザイン、販路開拓、あるいはソフト面ではおもてなしのスキルの向上などの支援が必要であることは言うまでもございません。そのような意味で環境整備をしっかりと推進していただくこと、これを重ねて強調して要望しておきます。

 それから、この県制度の融資にかかわっての補強という意味で回収納付金放棄条例のメリットを指摘されました。この時期、奈良県小規模企業振興基本条例ができたこともあわせまして、提出されることはタイミングとして大変歓迎したいと思っております。

 ブランドについての質問でございますが、日本の観光といえば奈良と、こういうようなことになることで皆苦心をしていると思います。しかし重要なこととして、ブランド製品はやっぱりいいものが基本でありますけれども、人々の認識にどのようにアプローチするのかが大きな問題だと思っております。

 奈良のイメージづくりとブランド化やブランド力のアップについて、奈良県立大学で研究を進めるということについてどうかと思うのですが、知事の所見をお聞かせください。

 次に、部落差別解消推進法に係る質問でございます。最近人権意識の高揚ということで取り組みはされていると思いますが、部落差別については同和教育という名前が聞こえなくなってまいりました。部落差別、部落問題、これを正面に据えた教育、研究、研修、そういったこと、あるいはそのような具体的な教育現場での推進、これからこれをさらに見直しされて取り組みを進める必要があるのではないかと思います。教育長の所管担当になるとは思いますが、知事のご所見を聞かせてください。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 最初の質問は、奈良県小規模企業振興基本条例に関して融資の状況をどのように判断するかということが基本にあると思います。奈良県の金融情勢でございますが、金融機関といいますか、他所の金融専門家から指摘されたことでもあるのですが、奈良県は金利が大変低いと。また、預貸率といいます金融機関が持っている貸し出しと預金の差が金余りになってきて、貸出先が困っておられるのが顕著なのが奈良県の金融機関でございます。また、全体的に日本が金融緩和している中でございますので全体として金融は大変緩んでおります。

 その中でリスクに対する金融の関与の仕方というのが商売が活性化するために大きいわけでございますけれども、今金融庁は、企業家がリスクをとるときに金融機関が率先してリスク投資、リスク融資をしろという号令をかけております。それに対して、全般的なことでございますが、リスクはとるけれども金回りが悪いという企業は残念ながら奈良県に少なくて、リスクをとらないという企業が奈良県の従来の企業に多いのがまた企業の方々の実情でございます。そのような方に対しまして、金融がいくら緩んでもなかなか事業の現場に出てこられないというのが私から見た奈良県の企業事業活性化の一番の悩みでございます。

 どのようにすればいいのか。金融だけの事業でなかなか日本の経済が活性化しないのは、奈良県だけではなく日本全体がそうでございますので、そのときに事業のパートナーとなったらどうかというので、県も市町村も事業パートナーとなってそのような小規模事業を具体的に掘り起こそうということもしております。例えばまちの中の空き家を県が買い取って企業者を招き入れる、そのための融資もつけるといったようなこともやり始めております。これは新しい試みでございますけれども、議員は専門でございますのでいつも金融のことから入られますが、金融プラス事業促進の刺激というのは奈良県にとって必要不可欠だと思います。

 十億円以上の融資の枠についてのご質問がございましたが、十億円であろうと二十億円であろうと五千万円であろうとそのリスクの評価でございますので、金融機関の融資は企業者、融資申込者の意欲とか環境について判断されることが多いと思います。額ではなしにやる気がある事業者が出てくることを、とりわけ桜井市に出てくることを期待するものでございます。お金持ちのところはこういうリスクをとる企業家が出てこないという傾向がございます。ちょっと余計なことを申したかもしれませんが、奈良県経済活性化に金融プラスアルファがぜひ必要だということを申し述べていることをご理解願いたいと思います。

 奈良県観光のブランド化、奈良のブランド化ということは、先ほどのご質問にもありましたが、固定的な観念で奈良はかくかくといったようなことがまかり通っているというご指摘で、そのとおりの面もありますが、逆に奈良県は奥深くて、いつ来ても新しい魅力があると感じられる方が多いことも事実でございます。また奈良県が、最近いろいろなイベントを仕掛けて新しい奈良の装いのイメージ化を図っていることも事実でございます。全てのブランドイメージは新しいことから発生するというのが世界の観光のブランド化の基本的な動きになっております。テーマパークなどはその最たるものでございますし、IRというのもどのようになるかわかりませんが一つのやり方であろうかと思います。

 奈良のブランド化をどのように進めるかということの中で、奈良県立大学の研究ということもおっしゃいました。それも一つかと思いますが、そのような機関に依存しないで我々が現場で必死に考えて、これをしたら奈良のブランド化に資するのではないかというようなことを考えながらしておるわけでございます。

 先ほど清水議員のご質問にもありましたが、奈良大立山まつりというのは新しいブランド確立に向けた試みであると私自身は思っておりますけれども、ブランド化のリスクを県の財政でとっていいのか悪いのかという議論が先ほどあったようにも感じるところでございます。先ほどの民間の企業にリスクをとれよと、あるいはそれに支援するよということでありますれば、ブランド化のリスクも県が議会のお許しを得て多少はとらせていただくのも奈良の新しいブランド確立に必要なことかと私は思います。奈良県立大学の研究については検討を一応してみたいと思います。

 部落差別の生涯教育の面でございますが、部落差別だけでなく、最近世界で差別というのが随分出てきております。いろいろな差別がありますが、原子力発電所の事故のあった地域から転校されてきた方への差別発言もあります。ヨーロッパでは難民に対する差別は現に激しいものがございますし、イスラムではスンニ派とシーア派の差別は奥深いものがございます。日本では長い間の部落差別が底流としてございます。それを直視することがぜひ必要かと思いますが、その世界の差別とも比べながら、日本の差別、日本の差別は世界でよく知られております。部落差別があるなと我々が無視できないほど認識が進んでいる事実でございますので、世界で認識される以上に我々が直視して部落差別の解消に向けた、人のことを言う前に自分の身の回りのことを正していくべきだと私は思います。そのような気持ちで取り組みたいと思います。生涯教育も大事なことだと思いますので、どのように進めるかについては、また具体的な検討をさせていただきたいと思います。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 知事の冗談に答えるわけにはいきません。時間がございませんので、一点だけ意見を申し上げておきたいと思います。

 奈良観光のことで、一つ一つの観光資源のブランド力を上げるということにとどまらず、その観光資源を寄せ集めて幾つかの方向性をつくり上げていく、こういう方向で頑張っていただきたい。こういうことで奈良のイメージづくりをやっていくことをお願いいたしまして終わります。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後三時四十六分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後四時三分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三番猪奥美里議員に発言を許します。−−三番猪奥美里議員。(拍手)



◆三番(猪奥美里) (登壇)民進党の猪奥美里です。会派を代表し、知事及び教育長にお伺いをいたします。

 安倍内閣総理大臣の自画自賛とは裏腹に、日本経済の実態は一部の富裕層に富が集中し、格差が拡大をし続けています。景気の鍵を握る個人消費は落ち込みが続き、総務省が先月十七日に発表した二〇一六年の家計調査によると、二人以上の世帯の消費支出は、物価変動を除いた実質で前の年に比べ一・七%減少いたしました。実質消費支出のマイナスは、消費税引き上げ以降三年連続となります。

 増税と、そして伸び悩む賃金で日々の暮らしは厳しさを増しているのが現状です。個人消費を回復させ、景気の好循環をつくり上げていくことには、非正規、中小企業をも含めた大幅な賃上げと税制改革による再分配政策の強化こそが必要です。

 さらには、労働環境の改善について、昨年、発覚した未来ある若者の過労自殺問題を政治は重く受けとめねばなりません。過労死、過労自殺は、今や社会全体の問題です。

 さて、安倍内閣総理大臣は、この三年間を最大のチャレンジと位置づけ、働き方改革に取り組むと意気込みを見せています。昨年九月より政府による働き方改革実現会議の議論が始まり、労働時間規制を骨抜きにしかねない残業代ゼロ法案の成立を狙うなど、方向性に疑問を抱かざるを得ません。

 民進党は、政府に先駆け労働環境の改善に取り組んでまいりました。昨年の十一月には労働時間の延長の上限制限、そして、過労死にとって非常に重要な効果があるとされているインターバル規制の導入等を盛り込むとともに、実効性を確保するため、これらの規定に反した場合の罰則規定を設けた長時間労働規制法案を国会に提出し、審議を求めています。

 さて、働き方改革とは、個人にとっては、出社してから退社するまでの間のみならず、ワーク・ライフ・バランスをとり、働く場、家庭、地域などにおいて生きがいや働きがいを持ち、自立し実りある人生を送る、そのための働き方改革であるべきです。また、企業にとっては、生産年齢人口がどんどん減少していく中での一人ひとりの生産性を高めることは必要不可欠であり、その手法としての働き方改革であるべきですが、まだまだ十分なご理解が得られていないのではないかと感じています。

 県は、働き方改革推進協議会を設置し、さまざまな業種から経済界、労働界からご参加をいただき、働き方改善の取り組みを進めてこられました。相当の成果が出ているのではないかと考えます。

 まず、知事にお伺いいたします。

 働き方改善の意義について、県はどのように考えているのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、お答えをください。

 次に、働き方改革の大きな論点として、仕事と生活の調和が挙げられますが、仕事をするというのは、単に働いている時間だけでなく、通勤などの関連する時間も含めて議論すべきと考えます。この視点で見たときに、県外で働く人が全国で一番多い奈良県は、通勤時間も応じて長く、男性平均九十三分、全国で五番目の長さということです。県外への就労は、働く人のワーク・ライフ・バランスという点では、基本的にマイナスに働いてしまっています。

 昨年度の県民アンケートの調査によると、県外で働いている人に県内で働きたいと考えたことがあるかという項目に対する調査結果は、半数を超す五四・六%の人が県内で働きたいと答えており、ニーズは高いものと考えられます。しかし、既に就職し、一定の生活を確立している方が新たに県内で職を確保することは容易なことではありません。

 そこで、県内で生まれ育ち、これから就職する若者にできるだけ県内企業に就職してもらうことが現実的であり、また、働く人のワーク・ライフ・バランスの実現及び県内産業の未来を開くためには不可欠な取り組みであると考えます。しかし、現状を見ると、県内大学の平成二十八年三月卒業生において、わずか一四・五%しか県内企業に就職していない、そんな現状があります。

 この三月一日、ことしの採用情報が公開され、就職活動の口火が切られました。リクルートワークス研究所の二〇一七年大学求人倍率調査によると、求人倍率は一・七四倍とよいものの、大企業希望者数が増加し、従業員別規模で見ると三百人未満の企業の求人倍率は四・一六倍と、規模で大きな差が出ています。中小企業経営者からは、「去年、三人欲しかったけれども一人だけしか採ることができなかった。ことしぜひ挽回したいと思っているが、難しそう」、そんなお声もお聞きいたします。九割以上が中小企業である奈良県企業にとっては、労働力の確保がますます課題になると思われます。

 先ほどの県民アンケートに戻りますが、県内で就職しなかった理由の三位が、県内企業を知らないとのことでした。このような調査結果により、漠然と県内で働きたいと思いつつも、そもそもどのような県内企業や仕事があるのか、県内の学生が認識できていないため、有名な県外企業に就職するという図式が読み取れます。県内学校に通う学生や奈良県から県外大学に通う学生にインターンシップにより県内企業を知ってもらい、しっかりと自身の進路の選択肢に入れてもらうことは重要な取り組みと考えます。

 そこで、お伺いいたしますが、人口が減少局面に入る中、県内企業の人材確保が今後より困難になると思われます。これに対し、大学生の県内企業へのインターンシップは、県内就業率が全国最下位の奈良県においては、大変有効であり、促進すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

 続いて、ダブルケアという課題に取り組んでまいりたいと思います。

 皆さん、ダブルケアという言葉を耳にされたことがあるでしょうか。晩婚化と出産年齢の高齢化により、親の介護と子育てに同時に直面するダブルケアの人たちがふえています。ダブルケアという課題の提唱者である横浜国立大学の相馬直子准教授による横浜での聞き取り調査による事例でもって紹介をしたいと思います。

 義理の父母と同居している四十代前半のAさんは、就業しながら七歳、三歳、二歳の三人の息子を育て、認知症の義理の父親を介護している。夫は仕事で遅く、不在がち。保育園の空き不足から二人の子どもは別々の保育園。朝夕二つの園を回り、帰宅したら義理の父の介護をする。勤め先の理解はあるが、毎日が綱渡りで不安。Bさんは、脳性麻痺の子どもを育てながら認知症の母親の介護をしている。しかし、就業と育児をしながら在宅介護を継続するのは難しく、特別養護老人ホームに申請したが、子どもの障害の話をしたものの、夫と娘が同居の状態では要介護五であっても入所は難しい。

 内閣府の調査結果によりますと、未就学児の育児を担う者が約一千万人いる中で、育児と介護を同時に担う者は約二十五万人と推計されています。うち女性は約十七万人で、全体の七割を占めていると推計されています。このダブルケアの問題点は、子育て支援と高齢者介護は支援窓口が異なるという点で、ダブルケアであるがゆえの苦境に行政の目が届きにくいということです。また、この問題の最も具体的な事例としては、働く女性が、ダブルケアを行う必要に迫られて働くことを断念せざるを得ないケースが出てきているということです。これは労働力不足の昨今、社会的にも大きな損失であると考えます。

 一方で、行政側においては全国的にもまだまだこの問題は認知されておらず、奈良県の新年度予算を見ても、育児と介護はそれぞれの政策が別立てで記載されています。しかし、今後十年、二十年後の人口構造や社会構造の変化の中でより深刻になってくるであろう問題であり、奈良県経済にも影響を与えるであろうダブルケアという新たな課題に対する何らかの対策が必要ではないかと私は考えています。

 具体的には、子育て支援と高齢者介護支援を融合させた家族支援が必要となってくるのではないでしょうか。例えば保育所や特別養護老人ホームへの入所等を一つの世帯の課題として対応することや、精神的・体力的・時間的・経済的と複合的な課題に寄り添いながら支援するダブルケアマネジャーの存在も必要になってくるのではないかと思います。そして、これらの支援は、性別や就労のあるなしにかかわらず全ての人に対して行われなければなりませんが、まずは働く女性が働き続けられるように対応していくべきであると思います。

 そこで、知事にお伺いします。

 働く女性の中には、育児と介護のダブルケアが必要となり、働くことを断念せざるを得ないケースが見受けられます。このような方が働き続けることができるための支援が必要と考えますが、県はどのように考えておられるのでしょうか。

 次に、性暴力被害への支援についてお伺いしたいと思います。

 法務省の調査では、強姦、強制わいせつなどの性的事件に遭い、警察に被害を届け出る人の割合は一八・五%ということです。内閣府の調査では、異性から無理やり性交された経験を有している人のうち、警察に連絡・相談した人は四・三%と非常に低い数字です。

 奈良県警の認知件数は、平成二十六年、強姦十一件、強制わいせつ七十九件、平成二十七年は強姦四件、強制わいせつ七十三件でしたが、先ほどの内閣府の調査では警察に相談できた人はわずか四・三%。とすると、平成二十七年では九十三件、平成二十六年では二百五十六件あったと推計することもできるのではないでしょうか。

 被害に遭われた多くの人が、誰にも相談することができず、助けを求めることもできず、心に苦しさを抱き暮らしている。勇気を振り絞り相談に行こうと思っても、さまざまな窓口があり、どこに相談に行くべきか判断に迷う。また、相談に行った被害者からは、警察、病院と窓口が変わるたびに同じ話を何度も何度もせねばならない、新たな苦痛も生じているとお聞きしています。

 平成二十二年に全国に先駆け大阪府阪南中央病院の中に性暴力救援センターが設置されました。性、暴力、危機、治療的、介入、センター、大阪、の頭文字をとりSACHICOと名前がつけられています。性暴力被害は深刻で、SACHICOへ来所された方のうち約六〇%が強姦や強制わいせつの被害者、性虐待の被害者が二二%、そして、こうした被害者のうち半数以上が未成年であるとのことです。また、来所された方のうち一割の方が妊娠されている。

 性犯罪は、性暴力という大きな枠の中に存在するものです。ですから、レイプ、強制わいせつなどのほか、子どもへの性的虐待、DVとしての性暴力で同意のない、対等でない、強要された性的行為は全て性暴力であるとSACHICOでは定義をされています。この代表である加藤治子先生によると、被害者支援には以下三点が重要であるということです。

 一点目に、レイプ事例の四分の一は夜間・休日のセンター利用となるため、二十四時間体制のホットラインと支援員の常駐の必要性があること。

 二点目に、救援センターの設置を産婦人科のある病院内に設置すること。これは、二十四時間診療と継続診療が可能であり、中絶手術、出産、その際のケアも可能であり、入院治療が可能。被害者と支援員の安全性の確保が可能であること。そして、他科への紹介が可能である。このような利点があります。

 三点目に、ワンストップセンター機能として、当事者の必要に応じて精神科医師、カウンセラー、弁護士、警察、児童相談所との連絡がとれることでした。

 課題としては、一点目に、二十四時間体制という大変さがあるため、支援員の養成と育成、二点目に、産婦人科女性医師の業務量の増大と裁判等の問題、病院への手当や裁判における証人保護、三点目に、寄附による運営の限界から公的補助の必要性。以上の三点を挙げられていました。

 大阪から始まったこの運動は、翌年東京へ、そして全国へと広がりを見せており、都道府県に最低一つワンストップ支援センターがあることが望まれています。

 このような事例を踏まえて、知事にお伺いをいたします。

 刑法における強姦や強制わいせつという規定に当てはめづらい方も含めた性暴力の被害者が治療や相談などの総合支援を一カ所で受けられる性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを県内に設置すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、児童虐待についての的確な対応と十分な機能を果たしていくための対応策についてお伺いいたします。

 昨年度、虐待を受けた、またはそのおそれがあるとして、県または市町村が支援の対象とした児童数は県内で四千七十六名。県のこども家庭相談センターでの対応件数は一千五百五十五件。過去最高を記録した平成二十六年度とほぼ同程度の対応件数がありました。

 児童虐待が起こった場合、子どもの命を虐待からまず守っていく。そのために早期通告や社会全体で対応していく必要があります。こども家庭相談センターは、児童虐待の通告機関として、児童の安全確認から児童や家庭への指導、家族の再統合、児童の自立に至るまで十分な機能を果たす拠点としての役割が求められています。まずは命の危険から遠ざける。そして、しっかりとしたサポートがあることが大切です。児童虐待相談対応件数が増加していく中で、こども家庭相談センターが児童の安全確認から復帰まで適切に対応していくためには、マンパワーによる体制強化が大変重要であると考えます。

 また、児童虐待によって起こる子どもへの影響として、児童虐待防止全国ネットワークでは次のように述べています。子ども虐待とは、子どもが耐えがたい苦痛やなすすべのない無力感を味わうことだと言える。虐待を受けた子どもは非常に低い自己評価が特徴的にあらわれる。それは保護者から、おまえは何をしてもだめだ、要らない子どもだというメッセージを有形・無形に受け続け、自分を肯定できなくなるから。生まれてこなければよかった、生きていても仕方ないという思いが生まれ、誰にも愛されない、居場所がないという不安定さをつくり出す。そうした子どもには深い悲しみと怒りが内在する。また、精神科医たちは、重い虐待を受けることで愛着障害が起きると言っています。保護者からの愛情が断絶されたり、愛着を結ぶ交流が行えないなどのためです。そうした傷ついた子どもたちは、今のままでは大人になれない、誰か私を一人の子どもとしてちゃんと見て、育て直してほしいと、さまざまな行動でメッセージを出しています。そして、心の奥底で信頼できる大人を探しています。

 このように、児童虐待は子どもに心理的なダメージを与えます。そして、たとえ幼児期に受けた虐待であっても、その後の学童期、青年期、成人期と成長の過程においても影響を及ぼすとも言われています。子どもたちに対しては、後々まで虐待で受けた心の傷で苦しむことのないよう、児童へのプライバシーや個別事情への配慮を十分に行い、一時保護所や児童養護施設においても、まずは児童の心に寄り添い、そして、心のケアをすることが必要だと考えます。

 そこで、お伺いいたします。

 こども家庭相談センターが児童虐待について的確に対応し、十分な機能を果たしていくため、その体制強化についてどのような対応策をお考えでしょうか。また、一時保護所や児童養護施設において、心のケアに関してはどのような取り組みが行われているのか、知事にお伺いいたします。

 次に話は変わります。ファシリティマネジメントについてお伺いしたいと思います。

 平成二十五年十二月、中央高速道路でトンネルの天井が落下し、九名もの死者が出る笹子トンネル事故が発生いたしました。これは単に一つのトンネル事故ではなく、他の道路などのインフラや公共施設においても、地震でもない平時に同様の事故が発生しかねないことを世に明らかにした事故です。

 自治体の背景として、人口減少により財政規模自体が縮小しています。あわせて、普通建設事業費も減少。施設の新規建設や建てかえに費やすことができる予算が減っているということです。他方、耐震性能の不足などから、建てかえが必要な公共施設は少なくありません。白書を作成し、詳細にコスト計算を行った先進地の事例では、今の建物数をそのまま維持すれば約三倍のお金がかかることがわかっています。選択と集中が必要になってきます。

 さらに、日本創成会議が発表した驚くべき数値です。消滅可能性自治体といい、全国の自治体のうち約半数の自治体が二〇四〇年にはなくなっているかもしれないというのです。鉄筋コンクリートの建物の寿命は四十年から六十年。つまり、最近建設した施設が耐用年数の半分に過ぎない三十年後には、人口は現在の半数になっていることが生じる可能性を示しているのです。

 笹子トンネル落下事故、そして消滅可能性都市、この二つのインパクトは非常に大きく、政府から全ての自治体で今年度中に公共施設等総合管理計画を策定することとされました。

 このような状況の中、奈良県は、都道府県の中では非常に早い取り組みを進めています。平成二十五年一月にファシリティマネジメント推進基本方針を出し、取り組みをスタートさせ、国の締め切りより一年早い昨年三月に県が保有または管理する全ての公共施設・インフラ施設を対象とした奈良県公共施設等総合管理計画を作成されました。これにより、計画的な更新・長寿命化による財政負担の軽減や統廃合等による施設の最適化を図るとともに、更新・改修費用等、公共施設に係る経費の県民一人当たりの負担額を現状以下とすることを目標にされました。一方、奈良県も今後人口減少が予測されます。そんな中にあっても、県民一人当たりの負担を現状の七千九百円以下にするためには、保有総量の最適化、維持管理の効率化等を進め、公共施設に係る費用を削減することが必要とされました。

 さて、私がファシリティマネジメントについて本会議で質問するのは二回目です。一度目のときは集約、廃止を念頭に置いた上で、県庁の中の縦割りだけでなく、県・市の行政の枠を超え、市町村や民間とも連携をとり、使われ方という機能を主体とする考え方を持って、利用者の観点で機能の重複解消やコスト削減の目線を持ってエリアマネジメントに取り組んでいただくことや、市町村連携では奈良モデルを活用する必要性を質問いたしました。

 前回の質問から三年が経過し、県内の取り組みは進んでいることと思われます。まずはファシリティマネジメントに関する県と市町村との連携について、現状と今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

 次に、進めるに当たりまして、民間の力を利用し、公民連携で進めるべきとの視点で質問いたします。

 今、県のファシリティマネジメントでとられている進め方について、県立高等学校の再配置を例に挙げて、少し述べたいと思います。少子化が進み、公立高等学校の再配置について再び大きく検討する時期が間もなく来ると思われます。その際に、高等学校の配置を教育委員会で検討し、例えばA校とB校を合併するという話がまとまり、B校の校舎は廃校になります。そのB校の跡地の利用について、まずは教育委員会で議論をし、教育委員会で使わなければ、県庁内全ての部局で高等学校の跡地の利用について議論。使うことがなければ、B校が建っている市町村に何か使いますかというふうにお聞きをし、当該市町村でその資産や土地を使わなければ民間に売却という流れになっています。

 ここで私が常々不思議に思っておりますのは、民間の力が最後の売却の段階でないと出てきませんし、民間に売却されたら民間と県とで何か協同で実施をしたり、民間から有効な施設や土地の利用についてアイデアを提案するタイミングがないということです。

 ファシリティマネジメントの目的は、単に数の減少ではなく、県民の負担をふやさず県民福祉を維持することが目的のはずです。ですから、公民連携をここで用いる、このような取り組みも可能ではないかと思います。まず、A校とB校、B校は廃校にせず、二つとも残します。ただ、ありようを変えていきます。例えばそれぞれ四階建ての校舎なら、高等学校は三階と四階にする。そして、一階、二階は民間に貸し出す。そうすると、高等学校という機能は両方に残り、かつ民間に貸し出すことで賃借料が入り、稼げる施設となる。このような取り組みは、県民の福祉を維持し、負担を抑えられるファシリティマネジメントの趣旨からも逸脱はしていないはずです。

 そこで、お伺いをいたします。

 これからファシリティマネジメントを進めていくに当たり、民間の活力を生かす取り組みや公民連携を進める必要があると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、公立高等学校の制服などの調達について、お伺いしたいと思います。

 今週三月十日は県立高等学校の受験日です。日ごろの成果が出るように私も祈っております。さて、昨年十月の決算審査特別委員会でも取り上げましたが、改めて県立高等学校の制服などの調達についてお伺いいたしたいと思います。

 今、奈良県の公立高等学校の制服は、それぞれ学校、PTAでデザインや製造業者、販売業者を決められています。決算審査特別委員会で、学校によって制服の値段に違いがあることを指摘し、初めて全ての県立高等学校の制服、かばん、体操服等の値段を調べていただきました。その結果を見て驚きました。価格差が大きくなりやすい女子の冬服一式で比べると、最も安い二万四千四百円から五万二千九百円と、実に高等学校によって二倍以上の価格の違いがありました。公立高等学校の制服にこれほどの違いが出ていることに驚きを隠し得ません。

 この差は一体どこから来るのか。多少のデザインの違いや生地の違いからこれほどの価格差が生まれるとは考えられません。やはり契約の方法による違いが大きいのではないでしょうか。一番安い高等学校は三年ごとに入札を行っていました。一方、一番高い高等学校は一者随意契約でした。この高等学校だけでなく、一者随意契約を行っている高等学校は六四%、そして、契約の年次の見直しを行われていない高等学校は半数の五二%でした。

 また、同じ製造業者が男子生徒用の同じような学生服をつくっているにもかかわらず、価格が大きく異なるケースもありました。また、二十年以上も見直しが行われず、随意契約が続いている、そんなケースもありました。

 先ほど女子冬服で一番値段が高かった高等学校で、シャツの着がえや夏服や指定のかばんなど制服一式をそろえると八万八千二百円。ここに体操服を指定で買うと、何と十万五百四十円。今、六人に一人が子どもの貧困と言われています。連鎖する貧困を断ち切るには教育が最も大事だと言われています。そんな中で学校の教育現場で学校が指定する制服の契約の努力が行われていないことで家計負担をかけているという現状を重く受けとめねばならないと私は思います。

 十月の決算審査特別委員会で教育長、そして知事から、ガイドラインをつくり、県教育委員会から働きかけを行っていく旨の答弁を頂戴いたしました。しかし、見直しがなされないまま新入生を迎えることとなっています。

 そこで、知事にお伺いいたしますが、県立高等学校の制服等について、価格や調達方法について調査を行った上で調達する際の指針を策定するというふうにお聞きしておりますが、その進捗状況についてお伺いしたいと思います。

 最後に、学校給食についてお伺いします。

 食品の安全性をめぐる事件が多発し、より安全で安心感のある地場食材への関心が高まり、全国各地で農産物直売運動が活発となり、積極的に地場食材を取り入れようとする動きが進んでいます。一方で、食生活の乱れが国民的な課題となり、平成十七年に食育基本法がつくられ、学校給食における地場食材の使用率のうち、品目数で三〇%が目標として掲げられました。

 学校給食に地場食材を使うメリットとしては、消費者にとっては、生産者の顔が見え安心、そして、生産地と近いことで鮮度が保たれ、おいしい給食が提供される。生産者にとっては、消費者の顔が見え、うれしいというメリットがありますし、安定した出口の確保ができます。

 奈良県は耕作放棄地率が近畿の中で最大で、担い手の不足が心配されています。先日、大和の農業開発大会に出席いたしました。第二部のパネルディスカッションで二十代の若手農家さんが、最初は農業が嫌で嫌で仕方がなかったけれども、おいしいと直接言ってもらえることで農業の楽しさを知り、続けることができた。そうおっしゃっていました。地域の食材を給食で使うということは、地域の子どもたちが地元のものを食べて生産者さんに感謝できる、そんな幸せの循環を提供できるのだと知りました。

 間もなく奈良県において、小学校の給食だけでなく中学校給食の実施も百%となります。これまで各市町村において地産地消の取り組みが進められ、県もモデル的に取り組みを行ってまいりました。これからは県もより学校給食の地産地消の進展のために踏み込み、農業研究開発センターなどで種の研究や、給食に適した栽培方法の研究・指導等を行い、地産地消が進んでいくことを期待いたします。学校給食の主体は市町村ですが、学校給食への県産農産物の活用は、地産地消や食育の観点だけでなく、農業の振興という観点からも重要だと考えます。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 市町村教育委員会がそれぞれ取り組んでいる学校給食における地産地消を一層推進するため、県はどのような取り組みを行っており、今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。

 以上、壇上での質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三番猪奥議員のご質問がございました。

 第一番目の質問は働き方改善についてでございますが、その中で働き方改善の意義についてどのように考えているかというご質問がまずございました。働くことの意味をどう考えるかということは、その国にとって、またその時代にとって本来根本的に大事なことであろうかと思いますが、問題を限定いたしまして、本県経済にとって働き方改善の意義をどのように考えればいいのかということについて、所見を申し述べさせていただきます。

 全国的に労働力人口が減少する中で、特に本県においては県外就業率が高く、若者などが働く場を求めて県外へ流出する傾向が強いという構造的な問題を長年抱えております。これには、大阪府などに就業されている人が奈良に住まいを求められ、その人口が大規模になったため、県外就業率が高くなったということと、奈良県内で働く場の開拓に十分努めなかったため、県内で教育を受けた県民のご子息などが県外で就職せざるを得ないという二つの要素がございます。県内に住まいを求められた第一世代と、県外で働き場を求められる第二世代の二つの構造的な問題があるように認識しております。

 この奈良県の構造的な雇用問題に対する有力な解決策の一つが働き方改善であると認識しております。まず、働き方改善が本県経済構造に与える意義でございますが、県内の各事業所において長時間労働の是正などを進め、若者、女性、高齢者など多様な人材が生き生きと活躍できる働きやすく魅力ある職場へと変えることができれば、それは若者の県外への流出抑制と県内定着を促し、県内企業に対し人材確保に寄与することになると考えます。

 就業地別有効求人倍率は近時一・三六にもなり、本県においてはかつてないほど労働市場が逼迫して、人手不足の様相でございますので、働き方改革は今何よりも大事なことかと思っております。さらに、それが県内企業や県内に進出してくださる企業への有力な経営資源の供給につながり、県内企業の経営力向上に資することになるものと期待をするところでございます。

 また、働き方改善を進めていくためには、業種や職種の実情が違うことを念頭に置くことが何より大切だと考えております。県では、業種や職種ごとの実情をよく把握し、その実情に応じた課題解決の糸口を研究してまいりたいと思っております。まず、飲食、サービス、看護師、保育士といったセクター別にその職場の運営に精通した関係者から働き方やその課題についてヒアリングを行い、その実情に応じた働き方改善に係る提案を検討してまいりたいと思います。私自身も訪問看護師さん、あるいは在宅医療の専門医師さん、その他の病院看護師さんに直接、職場、働く場のヒアリングをさせていただきました。実に興味深く聞かせていただき、個別のヒアリングこそが問題解決の糸口であるというふうに認識したところでございます。

 また、働き方改善には、企業の雇用主の働き方改善への意識・熱意の向上と働き方を改善できるスキルの向上がぜひとも必要だと思います。また、経営者に働き方改善が生産性向上や人材確保につながる経営面の利点があることを十分理解してもらうとともに、各事業所で効果を上げられている具体的な実践方法について情報提供していくことや、労使間の働き方改善の機運醸成、また県民の皆様の働き方改善に対する理解の促進を図ることも県の役割として大切なことではないかと思っております。

 新年度はそうした働き方改善の意義や取り組み方法等を普及するセミナーや、各事業所の課題に応じた具体策を助言する社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家の派遣により、働き方改善に関する広く県民への周知広報で実情に応じた取り組みが進むよう、県が現場に寄り添って支援ができたらと思っているところでございます。

 働き方改善の二つ目のご質問でございますが、インターンシップの実行が有効でないかというご指摘でございます。

 県内就業は喫緊の課題でございます。働く場の確保は本県の将来にとって死活問題と考えておるものでございます。県内大学の平成二十八年三月卒業生四千九百一人のうち、四千百九十人、八五・五%の方が県外に就職されております。また、県内高等学校を卒業して就職した千三百九十二人のうち五百三十七人、三八・六%の方が同様に県外で就職されております。男性だけをとりますと、県内高等学校の卒業生の県外就職率はさらに上がるものでございます。これらの学生の方々が県内の企業に就職していただくことが喫緊の課題でございます。

 県内企業と県内で育成された人材のマッチングが極めて重要な課題になっております。県内の学生さんに県内就職に興味を持っていただき、県内就職につなげるためには、議員お述べのインターンシップが有効であると認識しております。

 先般訪問いたしましたスイスでは、義務教育終了後、約八割の生徒が職業訓練校に進み、週の三日から四日は企業での給与つきインターンシップ、残りの一日から二日は勉学、座学に充てておられます。訓練校卒業後は多くの生徒が就業いたします。インターンシップが主で、座学は自由になっている訓練校の実態がございます。また、そのような給与つきインターンシップの義務を国の法律でかけられておるのがスイスの実態でございます。大変感銘を受けました。

 インターンシップには次のようなメリットがあると思います。一つ目は、企業の方針、社内の雰囲気や仕事内容などを学生がじかに体感でき、学校で教えてもらわないことがじかに学べることでございます。二つ目は、学生が自分の適性を理解するとともに、各企業の業務内容を知り、就職への意欲が高められることでございます。三つ目は、就職して、離職をされて再就職される場合でも、その職場が自分の適性や希望に合っているかどうかなど把握することができることでございます。

 スイスで訪問いたしました世界有数の精密機械工場では、インターンシップの学生を給与つきで受け入れておられます。そのうち何割がそこの会社に就業されますかとお聞きしたところ、約五割は就職してくれますということでございます。インターンシップに来られたら、その会社に就職する義理はないわけでございますが、約五割のマッチングが可能になっておるというふうにお聞きいたしました。

 県内にも他府県と同様に幅広い業種の企業がございます。医薬品カプセル、自動車部品など、国内外に高いシェアを持っておられますグローバルニッチトップ企業もございますし、高いデザイン力で生活雑貨の販売店を全国展開する企業、また、そうめん、葛など、地域支援を活用した特色ある食品を広く提供されている企業など、魅力ある企業も多くございます。新年度からはこのような魅力ある県内企業への県内学生の就業拡大を目指しまして、新たに県内ものづくり企業等への奈良工業高等専門学校生のインターンシップ拡大や、奈良女子大学等の女子学生を対象にした就職エキスポの実施、また、キャリア形成講座の開催とあわせ、県内企業へのインターンシップを予定しております。

 さらに、次の取り組みについても検討を進めてまいりたいと思います。一つは給与つきインターンシップの試行でございます。二つ目は県内実業高校生のまちなかショップ、空き家の改造ショップなどでのパートでございます。三つ目はなら食と農の魅力創造国際大学校、NAFICの県内レストランでのインターンシップの実行でございます。四つ目は、保育士、介護士を目指す生徒の県内保育施設、高齢者福祉施設でのインターンシップでございます。このような取り組みについて前向きな検討を進めていただきたいと思っております。

 今後もこれらの取り組みを発展させ、インターンシップの定着を図ってまいりたいと思います。

 なお、今年度、本県では、県外の学生や若者向けのインターンシップとして、ふるさとワーキングホリデーを行っています。三月一日現在、受け入れ事業者三十社、六十七人の学生が申し込みをされております。既に参加した学生からは、奈良県の企業の皆さんに親切にしていただき、よい経験ができました、奈良県で出会った方はとても親切で、そのような人々が暮らす奈良県はすてきなところなどの声が寄せられておりますが、それが実際の就職につながるかどうかはこれからのことだと思っております。

 働き方改善の質問といたしまして、育児と介護のダブルケアが必要になっておられます女性に対する支援の必要性を訴えられました。

 介護と子育ての任を背負っておられる女性は大変なことだと思いますが、加えてご本人自身のケアも必要かと思います。内閣府が平成二十八年四月に公表いたしました調査結果によりますと、議員お述べの子育てと介護のダブルケアを行っている全国の女性は約十七万人おられるそうでございますが、その半数は働いておられます。トリプルケアが必要な女性のように思います。ダブルケアに直面した場合に、離職したり、労働時間を減らすなど、就業への影響は男性よりも女性で大きいことが明らかになっております。

 ダブルケアを担っている人に対しては、短時間勤務の選択や育児・介護休業を取得しやくするなど、職場における仕事と家庭の両立支援だけでなく、市町村等の地域における支援も重要であると思います。地域における支援については、ダブルケアを行っている人が多種多様な子育てや介護サービスの中から自身の生活に必要なサービスを適切に選び出し、利用していただけるよう導くことが大切であると考えます。このためには市町村等地域で相談に応じる相談員の対応が重要となるため、女性センターにおける相談機関研修等において、ダブルケア支援、介護と子育ての両方の任を担っておられる女性に対するご支援についてのスキル向上を図りたいと思います。

 また、女性センターでは、働く女性相談窓口において女性が働き続けるためのさまざまな相談に応じていますが、今後はダブルケアの不安・負担の軽減に役立つ情報提供やセミナー等も行う予定でございます。

 なお、ダブルケアが働く女性に大きな負担となっている背景として性別役割分担意識があることから、女性の就労継続を支援するためには、このような意識を払拭し、男性の家庭生活への参画を促していくことも大切であると考えております。

 障害者雇用率で日本一になった奈良県でございますので、女性のダブルケアについての支援の状況も日本一というのはどういうことかという指標もまだ発見しておりませんが、奈良県で実現することは不可能ではないと勇気づけたいと思っております。

 次のご質問は性暴力被害者への支援でございます。ワンストップ支援センターを設けることについての知事の所見というご質問でございます。

 性暴力は、人間としての尊厳を脅かす重大な人権侵害であると思います。また、性暴力の被害者は、羞恥心や恐怖心から被害を届け出ることをちゅうちょする可能性がございますので、性暴力は社会において見えにくくなることが懸念されております。

 人権を保護し、全ての女性が輝く社会づくりを推進するためには、見えにくい性暴力が心身を大きく傷つけていることを啓発するとともに、被害者の安全を確保し、被害からの立ち直りに向けたきめ細かな寄り添い支援が必要だと思います。県内におきましては、平成二十六年三月から公益社団法人なら犯罪被害者支援センターと奈良県産婦人科医会とが連携して被害者からの相談に応じ、速やかに産婦人科医療を受けていただくための対応が行われているところでございます。県といたしましても、平成二十八年四月の奈良県犯罪被害者等支援条例制定を機に、専門家による相談体制の充実を図るため、同支援センターに臨床心理士を派遣しているところでございます。

 被害者支援に当たりましては、何よりも被害直後から被害者の気持ちに寄り添いながら、心身に受けられた影響からできるだけ早期に回復していただけるよう支援を充実させることが必要だと思います。具体的には、身体の診察・治療などの医療的支援やカウンセリングなどの心理的支援、捜査関連の支援など、可能な限り一カ所で提供する議員お述べの総合的な支援体制を整備することが肝要だと思います。これにより、被害者の早期の心身の回復をご支援できるとともに、警察への届出を促すことができ、被害の潜在化を防ぐことにもつながると思います。

 現在、県においては、庁内関係課において、先進事例の研究、被害者支援に関する連携や人的サポート体制のあり方など、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの開設に向けたさまざまな課題整理や検討を行っております。ワンストップ支援センターの開設に向けた検討を進めてまいる所存でございます。

 児童虐待についてのご質問でございます。

 児童虐待は、相談対応件数の増加だけでなく、複雑・困難なケースがふえております。それに迅速・的確に対応するためには、こども家庭相談センターの体制強化と質の向上を図っていく必要があると思っております。今般の児童福祉法の改正におきましても、こども家庭相談センターにおいて業務量に見合った体制強化・専門性向上を図るため専門職を配置し、その資質の向上を図ることとされました。

 県では、新年度がスタートする四月に向けて児童福祉司、心理職を採用し、児童虐待の対応に当たる専門職を増員するとともに、弁護士の配置についても進めたいとしているところでございます。また、職員の専門性の向上を図るため、研修体制を見直し、充実を図ることとしており、今議会に関係予算を上程させていただいているものでございます。

 次に、心のケアでございますが、虐待を受けた子どもは心に深い傷を負っており、専門的知識と技術を持つ職員による心理的なケアが不可欠でございます。一時保護所の子どもを含め、こども家庭相談センターの児童心理司がこれらの子どもの状態を面談や検査等から的確に心理判定し、その子どもに合ったカウンセリングや、遊びを通した心理療法でございますプレイセラピーというのがあるそうでございますが、そのような心理ケアに当たっていただいているところでございます。

 措置された子どもが長く生活する児童養護施設におきましては、心理療法担当職員が配置されております。入所中の子どもさんに対しまして、こども家庭相談センターと同様に心理的ケアが実施されております。また、施設の保育士、児童指導員も親がわり、兄・姉がわりとして子どもたちの気持ちを受けとめ、それを認めるなど、子どもたちに寄り添ってかかわり、再び安心感を持って生活できるよう、子どもたちの心の傷のケアについて、日々努めていただいております。奈良県の児童虐待に対するケアのレベルは高いと思いますが、さらに高いレベルを維持し続けるように努力をしていきたいと思います。

 次のご質問は、ファシリティマネジメントについてでございます。市町村との連携について、また民間の力を生かす取り組みについてのご質問がございました。

 ファシリティマネジメントをさらに進めるためには、県だけではなく国や市町村の資産も含めた県域での検討が必要でございます。既に市町村とのまちづくり包括協定等に基づき、このような取り組みを進めております。

 具体的な進捗の例をご紹介申し上げます。本年度は桜井市において旧桜井総合庁舎及び旧桜井土木事務所を医療・福祉及び防災の新拠点としてリニューアルされ、既にまちづくりに活用を始めておられます。来年度は五條市におきまして、旧五條高等学校跡地に市役所が移転建てかえするのにあわせて、県の出先機関を集約する計画を進め、造成及び庁舎建設設計に着手することになります。また、大和高田市、大淀町におきましても、国や市町村と連携してまちづくり構想の検討を進めているところでございます。

 また、民間の活用についてでございます。県は既にさまざまなプロジェクトにおいてPPP/PFIと言われる手法を活用しております。国の方でも未来都市会議という会議で奈良県のPPP/PFIの実例を紹介しろというお招きがあったものでございます。本年二月にはPPP/PFI手法導入優先的検討規程を策定して、その促進を図っているところでございます。

 県と市町村との協働・連携の取り組みである奈良モデルにおいても、さらにこの民間活力の導入を含めまして、県、市町村、民間活力を加えました連携・協働のパートナーシップ、PPPPと呼び始めておりますが、そのような考え方で民間活力の導入を進めていきたいと思います。具体的な例といたしましては、県立病院跡地、平松町におきまして地域包括ケアシステムの行き届いたまちづくりを構想しておりますが、そこにおきまして民間の活力の導入は不可欠であると思っております。

 今後、複数の市町村の公共施設の管理・運営を共同でアウトソースしていくことなどを県域全体でのファシリティマネジメント、ソフト面でのマネジメントを検討してまいりたいと思います。その際、議員からも言及のありました学校施設の扱いでございますが、学校は公的施設の弾力的活用が最も難しい建物であるような印象を持っております。学校教育法上の制約があるように思いますが、学校跡地をいろんな場面で検討しております。耳成高等学校跡地はJAの直売所になりましたし、あとは県の施設を集約したりということが進んでおりますので、いろんなタイプのファシリティマネジメントが学校施設、また学校の跡地においても可能かと思います。

 今年度開催いたしました奈良モデルのあり方検討委員会でもこうした課題、すなわち学校教育上の課題、規制がある学校施設の扱いが指摘されておりますので、今後、国に対して制度改正の働きかけを行うことなども含めて積極的な検討を進めたいと思います。

 次のご質問は、県立高等学校の制服等の調達についてでございます。

 昨年九月定例会議での議員のご意見がございました。公立・私立の高等学校が生徒に指定している制服等の物品について、保護者負担額や指定物品の範囲、調達方法を調査したところでございます。その結果、学校間で負担額等に差があることや、長期間見直しをされていない学校が多いことなどを初めて私が知ることになりました。ありがとうございました。

 こうした指定物品の決定は、その必要性や保護者の経済的な負担軽減、質の確保等の観点から定期的に見直す必要があると思います。このため、指定物品の取り扱いに関しまして、各学校の参考となるガイドラインを今年度中を目途に策定することとしております。指定物品の購入について合理的な方法によることを期待しております。現在、校長会代表、育友会長などの意見を聞きながら進めていると聞いております。

 ガイドラインには、指定物品の選定の考え方、指定対象業者の選定方法、保護者の意見も反映させることなど、透明性の確保について記載する方針でございます。今年度中にガイドラインが策定されますと、来年度早期にガイドラインを各高等学校に配付するとともに、学校長や事務長等に説明・周知をする予定でございます。私もまだガイドラインの素案を見ておりませんので、早速求めて勉強したいと思います。

 次のご質問は教育長に対するものでございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三番猪奥議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、学校給食において地産地消を促進するための取り組みについてのお尋ねでございます。

 学校給食は、食育を進める上で生きた教材として重要な役割を担っております。とりわけ学校給食に県産食材を活用することは、子どもに地域の食文化や農業への理解を深めるとともに、生産者への感謝の気持ちを育むことから大変重要と認識いたしております。

 学校給食における地産地消の取り組みとしては、県産米のヒノヒカリを主に利用いたしておりますが、米以外の県産食材の利用は、調理側の求める規格・品質・価格等のばらつきから、米に比べて利用率が低い状況となっております。このため、県教育委員会では研修会を開催しておりまして、天理市で実施した研修会におきましては、大和茶を使った天ぷらや片平あかねのお浸しなど、県産食材を取り入れた小学校給食を紹介し、県産食材の活用について啓発を行っております。

 また、県農林部、JAならけん及び学校給食関係団体と連携いたしまして、学校給食における地場産物活用プロジェクトチームを設置いたしております。野菜を中心とした県産農産物の活用を支援するための協議を重ねておりまして、この協議内容を具体化するために昨年十一月より川西町、三宅町、田原本町をモデル地域といたしまして、冬場に収穫時期を迎える県産の大根を活用して一月と二月の三町の学校給食に大根サラダなどのメニューを提供し、児童生徒ほか関係者からも高い評価をいただきました。

 さらに、県農林部で試作した大和野菜を用いた漬物やふりかけのサンプルを学校給食関係者に試食・評価いただく機会も設けております。学校給食に利用できる加工品開発に向けた取り組みも連携して進めているところでございます。

 今後は、県農林部と共同で推進会議を立ち上げ、学校給食の質の向上を図ってまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 三番猪奥美里議員。



◆三番(猪奥美里) 知事、教育長それぞれご答弁ありがとうございました。幾つかの点におきまして、非常に積極的なご答弁を頂戴したものと思っております。ありがとうございます。

 まず、働き方改善についてでございますけれども、奈良県は非常に中小企業が多い。九九・九%というふうにお聞きしておりますし、奈良県内の大学生でも一四%の方しか奈良県内の企業に行くことがないと。知事が常々おっしゃっている働いて良しの奈良県をつくっていくということは、これは奈良県を継続していくにおいても非常に重要であると思っています。

 そこで、今、インターンシップ、いろいろと取り組みを行われているとおっしゃいましたけれども、県の大学連盟の方でもインターンシップを行われております。ぜひともそこと連携をしてやっていただきたいと思っています。この点についてもぜひともお考えがあれば教えていただきたいと思います。

 それと、働かせ方ということも非常に重要ではないかなと思っています。今ほども、取り組みで、企業側の考え方や雇用主の熱意が非常に重要であるというようなご答弁も頂戴いたしましたので、ぜひ知事の持っておられる働き方改善の熱意を、例えば奈良県にたくさん経済団体がございますので、経営者協会ですとか、商工会ですとか、経済同友会ですとか、ぜひとも経営者の方が集まっておられるところに。セミナーを開催いたしましても、経営者の方お忙しくていらっしゃいますので、なかなかお見えいただくことは難しいかと思います。経営者の方々が集まっておられるところにぜひともその必要性、意義、知事の熱意をお伝えいただければと思います。これもご所見を頂戴したいと思います。

 まずは以上です。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) インターンシップをどのように進めるか、今ちょっと、悩みほどではないのですけれど、考えております。一つは、給与つきインターンシップというのをぜひ企業に受け入れていただきたいなと思って、その候補を探しております。スイスは法律でそのような義務づけをしておるものでございます。日本はそのような義務づけがございませんし、条例でもそのようなことはあまり考えられないことでございますが、企業のボランティアの方から、最初は名目的でいいけれども、だんだん役に立てば賃金を払っていただくといったようなこともあろうかと思います。また、県のNAFICの学生を調理に役立つといって給与らしいものを払っていただく試みがありますことは大変歓迎しております。そのような個別のやり方で浸透することがまず第一かと思っております。

 大学のコンソーシアムでそのようなインターンシップということでございますが、まだ私、よく知らなかった分野でございます。奈良県に所在する大学は、国立大学がありましたり、私立大学がありましたりで、なかなかバラエティーがありますので、県として話のしにくい相手だったわけでございますが、もう少し県の中の就業の場としての候補に目を向けていただければありがたいかなと思っております。検討を進めたいと思います。

 もう一つは働かせ方でございますが、これは県が言っておりますパーソネルマネジメントというマネジメントの部分であります。先日、働き方改善シンポジウムをいたしましたら、大和高田市でございますが中川さんという社長さんが出てきてくださって、一緒にパネルディスカッションをいたしました。お聞きいたしまして印象的なのは、直接、働かせ方を自分の目の行き届くように家族的経営で実行しているということでございました。

 伸びている企業の一つのパターンだと思いますが、古い話ですが、京都のMKというタクシーの青木さんは、とにかく毎晩、自分でマイクを握ってタクシーのドライバーと直接コミュニケーションされて、あそこまでになった記憶がございます。従業員の方と直接コミュニケーションをとれるのは小規模企業ならではでございます。少し大きくなりますと、総務部長がいて、この事業所、工場の管理をしろと言われて、総務部長次第でその職場の雰囲気が随分変わるということも常でございますが、小規模企業では社長さんでございます事業主が気を入れるとすごい意欲が発揮される例もございます。これをどのようにシステム化といいますか、通常化することが課題でございます。

 そのようなことでございますので、団体に出かけていって私なんかが話しても、どちらかというと馬耳東風のような印象もあるのです。だから、実際に話をしていただく事業者、社長さんがおられると、こちらがとても感銘を受ける。ところが隣の会社ではそのようなことは行われていないというのはさてどうしたものかと、事業主教育はなかなか難しいものだと。また、教育できるような立場にはございませんので、そのようなことが奈良県は事業主がいろいろ職員の働かせ方について意識が高く、勉強もしているなということが行き届くことになればと思います。事業が活性化しておる地域は全て、そのような働かせ方のマインドが高い事業主さんが多くおられる地域だと思います。奈良県はこれからだというふうに思っておりますので、どのように県が働かせ方の触発ができるか、なかなか難しい面もありますが、検討を深めたいと思います。



○副議長(小泉米造) 三番猪奥美里議員。



◆三番(猪奥美里) ありがとうございます。知事が思っておられる以上に知事の影響力というのは大きゅうございますし、話し方も上手でございますので、上からということではなくて、おっしゃっていただくだけでも大きな影響があります。ぜひともお出かけいただいて、影響力を発揮していただきたいなというふうに思います。

 次に、性暴力のワンストップの支援センターですけれども、設置していただく方向で議論を進めていくように私は受けとめました。ありがとうございます。なかなか言い出すことができない。そして、また人権の問題というふうにもおっしゃっていただきました。今、国会の方では刑法の強姦の定義について議論がされています。百年前の議論のままの今の制度設計でございますので、奈良県の方も一歩進んでいただいて、相談しやすい、そんなセンターの設置を強く望むものでございます。今、県の方で新しい総合医療センターをつくっていっていただいておりますので、そんな中にも設置していただく方向で検討もぜひ一度はしていただいたらなと、これは要望しておきます。

 もう一つ要望を申し上げたいのですけれども、児童虐待の件でございます。虐待の統計をとられ出したのは一九九〇年からということで、今虐待は全国で十万件と言われております。その一九九〇年と今と比べますと、虐待の認知件数は実に百倍に増加しています。虐待は、通告してくださいねというふうに世の中に知られるようになったことでこれだけ件数がふえたことと、もう一つは、虐待の定義もこの間拡大し続けておりますので、そんなことが百倍という差になってきているのかなと思います。

 虐待で心のケアの必要性を申し上げましたときに、県ではこういうふうなことをお取り組みをしていただいていますというご答弁をいただきました。今、現状、虐待を受けているお子さんというのは、やっぱり心に大きな傷を負っておられる。県もあの手この手で今回、児童福祉司さんもふやしていただけるということで、心のケアをしていただけるのですけれども、一九九〇年からこの間百倍になったということは、かつて虐待を受けられていて、大人になられて、そのときは虐待を見つけてもらえなかった方たちもたくさんおられると思うのです。ぜひかつての虐待を受けた方、かつての虐待サバイバーの方たちにも支援の輪が広がっていくことがあればいいなと、これは要望しておきたいと思います。今は児童福祉法、十八歳までしか見ていただけませんけれども、ピアサポートですとか、かつての虐待のピアサポーターたちにも支援の手が行くように、どのような手があるか、ご研究いただければと思っています。

 最後にですけれども、制服です。ぜひとも早期につくっていただいて、親御さんの負担がこれ以上ないようにお願いを申し上げて、終わります。

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○副議長(小泉米造) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(小泉米造) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、三月七日の日程は当局に対する代表質問及び一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時二十分散会