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平成28年 12月 定例会(第326回) 12月12日−05号




平成28年 12月 定例会(第326回) − 12月12日−05号







平成28年 12月 定例会(第326回)



 平成二十八年

        第三百二十六回定例奈良県議会会議録 第五号

 十二月

    平成二十八年十二月十二日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

一、追加議案の上程

一、議案の常任委員会付託

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) この際、お諮りします。

 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

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○議長(川口正志) ただいまより、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、四十一番山村幸穂議員に発言を許します。−−四十一番山村幸穂議員。(拍手)



◆四十一番(山村幸穂) (登壇)皆さん、こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。ただいまから、一般質問をいたします。

 まず初めに、高齢者の住まいの確保について伺います。

 高齢者が低家賃で安心して住まえるバリアフリー住宅を求める声は切実です。先日、高齢のご夫婦の世帯で妻が病気で車椅子生活となり、階段を上らないと家に入れない住宅では暮らせないとバリアフリーの賃貸住宅を探されていましたが、払える家賃では見つかりませんと相談がありました。車椅子を抱えて階段を上るという大変な危険と不自由を余儀なくされています。これまでから賃貸住宅では、高齢だということで入居を断られるとの相談も数多くあります。

 最近は、サービス付き高齢者向け住宅の整備が進んでいますが、入居費用は毎月の利用料が平均でも約十三万円、高額で国民年金の平均受給額五万四千円、厚生年金でも平均十四万八千円ですから、少ない年金生活ではとても利用できないとの相談も多くあります。住まいは憲法第二十五条がうたう、健康で文化的な生活を保障する上で最も基幹となる人権、生活の基盤です。全ての人々が人間らしい暮らしを営むことができる住居と環境を保障することは行政の責務です。安心できる住宅を確保するために、低家賃で入居できる高齢者向けの住宅をふやさなくてはなりません。現在、軽費老人ホームなどの施設がその役割を果たしています。幸い県内では、施設数は横ばいあるいは微増であるものの、国の方針では平成二十年以降、軽費老人ホームのうち、より少ない費用で入居できる施設は新設が認められなくなっております。

 高齢者や低所得者層が増加している中で、県営住宅や市町村営住宅など低家賃で高齢者も安心して応募できる公営住宅がますます求められています。とりわけ県営住宅の現状を見ると、入居者の年齢構成は六十歳以上が四四・三%と高齢化が著しく進んでいます。県営住宅の中でもエレベーターが設置されているバリアフリー化された住宅はとても数が少なく、応募される方は平均でも十一倍と大変な高率で、多くの方がバリアフリーの住まいを求めておられます。また五階建てなどの県営住宅にお住まいの皆さんからも、最近は足腰が弱って五階、四階の階段の上り下りが大変、何とか一階へ住みかえができないかという相談がふえております。しかし、一階の空き部屋は限りがあります。高齢化の実態と比べて大変おくれている県営住宅のバリアフリー化は待ったなしの課題です。最優先で取り組まなくてはなりません。

 そこで、まちづくり推進局長に伺います。

 今年度、奈良県住生活基本計画を改定されると伺っていますが、高齢者の住まいの確保についてどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせください。また、県として高齢者が安心して住まえる県営住宅とするためにどのように取り組まれるのでしょうか、伺います。

 次に、在宅医療の充実について伺います。

 近年、毎年の死亡者数が増加し続けています。中でも死因第一位のがん治療では、安らかに自分らしく生きたいと願う患者さんや家族を支える緩和ケアなどの体制充実が望まれてきました。奈良県でも、ホスピスとがん医療をすすめる会の皆さんの熱心な取り組みもあって、現在、二カ所の病院に緩和ケア病棟が設置され、また在宅緩和ケアをされている診療所もふえてきました。しかし、県南部には緩和ケア病棟がないことから何とかできないかと要望されております。緩和ケアはがんの治療の一環として、がんと診断されたときから患者さんと家族の精神的、心理的、社会的な苦痛を軽減するために支援する病気だけを診るのではなく、人間を丸ごと診る医療として進められてきました。

 今後はこのような医療は、決してがんだけではなく、がん以外の病気にも必要なことではないでしょうか。患者さんや家族の皆さんの切実な願いに応えられるよう、強く要望いたします。

 一方、最期まで自宅で家族とともに過ごしたいと希望される方は、県の調査でも五割を超えている中、現実には病院での死亡率が七割を超えている現状です。希望に応えていくためには、さまざまな課題を解決して、地域の開業医、医療機関と連携し、在宅医療の体制を強化しなくてはならないと思います。在宅でも安心して療養が続けられるように、開業医さんと病院が連携して機能強化型の在宅療養支援グループをつくり、急変時の入院受け入れと在宅医療を切れ目なく行っている地域もあります。これからの超高齢化社会にとって在宅医療の充実は大変重要な課題です。

 そこで、医療政策部長に伺います。

 在宅医療の充実のために県として今後どのような取り組みをされるのでしょうか。

 次に、奈良県総合医療センター移転後の平松周辺地区のまちづくりについて伺います。

 平松地域の皆さんが県立病院をなくさないでと自主的に立ち上げた、県立奈良病院の移転・建て替え問題を考える会では、これまで六回の懇談会、学習会などを重ねてきました。毎回、五十、六十人もの近隣住民の方々が参加され熱心な意見交換がされています。そこでは、総合医療センター移転後のまちづくりに当たっては最低限、次のことを実現してほしいと要望されています。外来診療、訪問診療はもとより各種検査も行える機能を持ち、緊急時に対応できる新総合医療センターと連携する充実した診療所を設置すること。基幹型の地域包括支援センター、認知症対策支援などの機能強化型センターを設置すること。地元住民が気軽に交流できるスペース、集会所、コミュニティーカフェ、図書室などを設置すること。子育て支援の施設。災害時に対応できる施設、公園などのスペース。新総合医療センターへのアクセス整備とともに、周辺の生活道路の改善。高齢者が生きがいを持つことができる活動の場をつくってほしいなど、これらの積極的な地元の願いをしっかりと受けとめていただきたいと思います。

 県では、地元自治会を中心としたまちづくり協議会と協議を重ね、意見交換されております。協議会の皆さん、役員の方々には大変ご尽力をいただいておりますが、まだまだ住民の中では情報が知られていない現状もあります。地域住民の皆さんは、県の計画がどうなっているのか情報が欲しいと、広く住民が参加できる説明会を開いてほしい、内容をわかりやすく知らせるニュースなどを配ってほしいと要望されています。よいまちづくりのためには、住民参加と情報の公開、共有が何より必要だと思います。県では、平松周辺地区のまちづくりを地域包括ケアシステムのモデル事業と位置づけており、奈良市と協定を結んで役割分担を決めておられます。これまで県とまちづくり協議会が総合医療センター跡地活用プロジェクトについて議論をされておりますが、その中で検討されている施設などの整備は、民間の活力を積極的に活用して導入を図りますとされています。住民の皆さんからは、地域包括ケアは民間とともに地域の住民の参加、そして何より運営に責任を持つ県と市の役割が重要、誰が責任を持って進めるのかと危惧の声が寄せられております。

 そこで、医療政策部長に伺います。

 奈良県総合医療センター移転後の平松周辺地区まちづくりを進めていく中で、県と奈良市の役割分担はどのようになっているのでしょうか。

 次に、奈良公園基本戦略に基づく吉城園周辺、高畑町裁判所跡地の整備について、知事に伺います。

 県は、奈良公園の吉城園周辺地区と高畑町裁判所跡地の整備について、奈良公園地区整備検討委員会で議論を重ねておおむね了承されたことから、この十二月中にも民間事業者へ活用の提案を公募し、主にホテルなどの整備をするとのことです。奈良公園地区整備検討委員会で了承されたといっても具体的にどのような活用をされるのか、応募された事業者の案を見なければ私たちにもわからないのです。安倍政権は二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを節に観光客数が増加するとの見込みで、観光政策を観光立国、地方創生総合戦略の柱と位置づけ、富裕層をターゲットにした滞在型観光を進めております。ラグジュアリーホテル、オーベルジュタイプの上質な宿泊施設、国際会議などが開催できるホテルなどの誘致や受け入れ環境整備に補助金、交付金もつけて推進しています。

 県でもこの路線に乗って、東京オリンピックまでに開業を目指すということで期日を切って急いでおります。地域の皆さんは唐突に感じ、性急な進捗状況に驚いています。もっと住民の意見を聞いて拙速にならないようにしてほしいと述べています。県民的な議論がもっともっと必要だと考えます。

 そこで、知事に伺います。

 整備計画の策定時に立ち返って、県民的な議論を深める必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 高畑町裁判所跡地に庭園の復元とともに上質なホテルの建設、レストランなどの導入を計画している問題では、近隣住民の皆さんの反対の声が上がっています。この質問を準備している間にも急遽の連絡があり、断固ホテル建設に反対すると住民の皆さんからお知らせがありました。このように、奈良公園の環境を守る会と高畑町住民有志の会の皆さんが横断幕を掲げて反対の意思表示をされています。十二月十日のことです。この間、住民の皆さんは県からの二回の説明会を受けて疑問が深まったと知事宛てに質問書を出されています。この中で、今回の開発計画は本来建物を建設することそのものが認められない厳しい環境保全地区に、飲食施設や宿泊施設といった商業施設を建設しようとするものです。このような重要な環境保全地域にあえて建設を進める大義は薄弱であると申し上げざるを得ませんと述べられていますが、全くそのとおりだと思います。この地域は名勝地として文化財に指定されており、文化財保護法、古都保存法、第一種風致地区として、また古都奈良の世界遺産のバッファゾーンにも当たり、新たな開発を厳しく規制されています。県の提案では、発掘調査された庭園の遺構の価値を高めるには、宿泊・飲食の施設が必要だとされていますが、確かに庭園を復元して誰もが楽しめるように整備をしたり休憩所などをつくることは理解できますが、ホテルの建設がなぜ必要なのか納得できる説明はありません。

 これまで大切に守られてきた奈良公園の環境を壊してはなりません。住民の意見を真摯に受けとめ、ホテル建設は取りやめるよう求めます。県が行った二回目の説明会では多くの住民から意見が述べられ、近隣住民の方がこの説明会について、全て本県に対する疑念あるいは反対意見でありましたと、奈良公園地区整備検討委員会の委員の方々へ手紙を送られました。地元から切実な懸念の声があることすら報告されていないのではないかと心配されてのことです。県議会の委員会では、住民からの意見は工事中の対応への心配が主で、反対はないとのことでした。このような県の対応は全く不誠実です。

 そこで、知事に伺います。

 県の受けとめは、住民の思いとは全く異なっていますが、どのようにお考えでしょうか、伺います。

 次に、(仮称)奈良県国際芸術家村について、知事に伺います。

 先日、奈良県国際芸術家村構想等検討委員会で決定された基本計画の中でうたわれている、奈良の文化財修復技術の継承を進めることは大事なことだと思います。中身をよりよくしてほしいとの要望も伺っております。これまで県が大きな役割を果たしてきた県文化財保存事務所は県文化財保存課に併設され、独立した事務所がなく職員の皆さんは現場へ直接出勤される。また法隆寺や唐招提寺、薬師寺など、長期間かけての修復を行っており、それぞれ歴史的な資料や報告書などの膨大な資料が作成され受け継がれております。

 ところが、これらの大切な資料の保管場所もなく、現場が移るごとに持ち歩いているのが現状とのことです。大学の教授など研究者もこの資料を活用されたいそうですが、きちんとした保管と閲覧ができるようにしてほしい、このように職員の皆さんもかねてから何度も県に要望されています。後継者の養成という点でも、公務員として採用された方が現場で先輩や職人さんから学び技術を継承されています。せっかく全国でもすぐれた体制で重要な文化財の修復や復元、保存の役割を果たしているにもかかわらず、現場の実態はすぐにでも改善が必要です。

 この基本計画の中で、(仮称)奈良県国際芸術家村に県文化財保存事務所を移転されるとのことですが、移転後は現状と比べ、どのように内容の改善、充実を図られるのでしょうか。また、これまでどおり文化財保存事務所は県が運営されるのでしょうか、伺います。

 文化財の修復については、県内では多くの専門の機関や団体が活動されております。奈良国立博物館、元興寺の修復センターなどでも仏像修復など、期間を区切ってではありますが一般に公開もされております。専門家の方は、既に先進的に取り組んでおられる機関、関係者との連携が重要と指摘をされ、要望されています。また施設の整備だけで九十五億円という試算が報告されておりますが、これほどの巨額を投じるなら現場で文化財の修復を行っている人材の確保をもっと充実してほしいと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。

 次に、芸術家村と銘打っていますが、文化財修復、展示棟や伝統工芸施設のほかに、道の駅、農村交流施設、サイクルステーションなどを併設、さらには民設民営で公募するというホテルまで検討されています。県民からは、案を見る限りでは、にぎわいをつくるための複合施設としての整備だと受けとめられており、なぜこれが芸術家村なのかわからないとの感想をいただいています。立地場所は交通の便が悪く、公的な運営になるのか民間に運営を委託するのか、運営主体は決まっておりませんが、事業ごとに見ても採算がとれるのか疑問です。

 芸術をメーンに展開するのであれば、全体の事業費を圧縮する意味でも複合施設としての大がかりな施設整備は必要ないと考えますが、いかがでしょうか。

 以上、壇上からの第一問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十一番山村議員のご質問がございました。

 私に対しましては、まず奈良公園における吉城園周辺、高畑町裁判所跡地の整備についてでございます。

 吉城園周辺地区及び高畑町裁判所跡地につきましては、奈良公園のさらなる魅力向上により奈良公園を世界に誇れる公園にしていくという奈良公園基本戦略の考え方にのっとり整備方針を固めたものでございます。両地区での整備を進めるに当たりましては、従来より、経済界や民間団体の方々も含め幅広い見地から意見を伺うべく奈良公園地区整備検討委員会を、また専門的な深い見地から意見を伺うべく奈良公園地区整備検討部会を開催し、さらには文化庁からオブザーバーとして参加いただくなど、さまざまな角度から意見を伺い十分議論をしてまいりました。さらに両地区とも名勝奈良公園の価値であります風情、たたずまい、雰囲気を損なわないよう公募に当たっての整備条件について、また公募により事業者が選定された後は、その提案内容について改めて幅広い見地から意見を伺うべく、奈良公園地区整備検討委員会で十分検討をいただく予定でございます。

 高畑町裁判所跡地につきましてでございますが、奈良公園基本戦略に基づいて整備を行う旨の説明会を本年三月と六月の二回開催いたしました。三月に行いました飛鳥地区の自治会長を対象とした説明会では、前々から周辺は暗く怖いと思っていたが整備に伴って明るくなるなど歓迎しているという声が多く、賛成の方が多かったと認識をしております。また六月に行った飛鳥地区の住民を対象にした説明会では、周辺住民の方が工事中の影響を含む住環境の影響を懸念するなどの反対意見がある一方、このまま進めてもよいとの意見がございました。なお二回の地元説明会を通じて、一部反対の方がおられることは認識しているものの、多くの方が賛成していただいているとの感触を十分に得ているところでございます。

 高畑町裁判所跡地の計画は、これまでから奈良公園基本戦略の考え方にのっとり、十分な議論をしてきたものであり、今後は公募により事業者から具体的な提案を求めていきたいと考えております。

 (仮称)奈良県国際芸術家村についてのご質問がございました。

 (仮称)奈良県国際芸術家村におきましては、文化財の宝庫である本県の強みを生かし、文化財を中心とする歴史文化資源の保存・活用をテーマとした拠点づくりを検討しています。国宝・重要文化財建造物を数多く所有し、直接その文化財の保存・修復を行うための機関があるのは、本県以外では京都府、滋賀県だけでございます。このため文化財保存事務所につきましては当該拠点移転後も、奈良の文化財は奈良県が責任を持って守るという基本的な考え方に立って運営を続けていきたいと考えております。

 現在、文化財保存事務所では、明治後期以降の修復に係る写真や図面など大変貴重な資料を分散して保管している状況にあります。当該拠点ではこれらの資料をまとめて保管し、関心のある研究者や宮大工などの建築関係者、県民の方などが自由に閲覧し活用できるようにしたいと考えております。また歴史文化資源を活用していく前提として、文化財の保存・修復に係る伝統技術の伝承などが不可欠でございます。当該拠点におきましても、宮大工や瓦の製造者などの建築関係者の後継者育成や技術力向上のための研修などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。伝統技術伝承の館にもしていきたいと考えております。

 (仮称)奈良県国際芸術家村では、これらの歴史文化資源の保存活用や人材育成など中心となる取り組みに加えまして、山の辺の道など周辺の観光資源が豊富な地域でございますので、周辺への周遊機会の提供や地元農産品の販売・加工、伝統工芸品の展示即売・製作体験、道の駅の設置など各政策分野と連携しながら複合的なサービスを提供したいと考えております。これらのサービスを提供することで、多くの来訪者にこの地域の、また本県の多面的な魅力に触れていただき、観光振興や産業振興、まちのにぎわいづくりなど幅広い波及効果が発揮され、地域の活性化につながるものと考えます。このような地域づくりの取り組みに加えまして、地元天理市と連携して国内外の芸術家による創作活動や質の高い文化・芸術イベントなどを展開していきたいと考えております。

 これらの取り組みによりまして、お子様からお年寄りまで、県民の皆様や来訪者が上質な文化・芸術に触れていただくことで、日々の生活においても潤いや豊かさをこの拠点の活動を通じて実感していただくようにしていきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)四十一番山村議員のご質問にお答えいたします。

 高齢者の住まいの確保について、二つのご質問をいただきました。まず一つ目の高齢者の住まいの確保のご質問にお答えいたします。

 奈良県の六十五歳以上の高齢者は約四十万人、人口に占める割合は約三割となっており、高齢者の方が住みなれた地域で安心して暮らせる住まいの確保は重要な課題であると認識しております。このため県としては、平成二十六年九月に高齢者居住安定確保計画を策定し、低家賃で入居可能な県営住宅の提供やサービス付き高齢者向け住宅の供給促進などの取り組みを進めてきたところです。さらに本年三月には、住宅の確保に配慮を要する方の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進等を目的として、県と市町村の住宅部局及び福祉部局、不動産関連団体からなる奈良県居住支援協議会を設立いたしました。県としてはこの協議会の取り組みを推進し、県営住宅に加え民間賃貸住宅においても高齢者の方が住まいを確保しやすい環境整備に取り組んでまいります。

 二つ目の高齢者の安心して住まえる県営住宅についてお答えいたします。

 老朽化した県営住宅を建てかえる際には、バリアフリー仕様を原則としており、例えば、一昨年度に建てかえ工事を完了した県営住宅小泉団地においても、高齢者の方も暮らしやすいバリアフリー化を図っています。また中層の既存県営住宅においては、共用階段等への手すりの設置や、階段の昇降に支障のある入居者の方に対して一階の空き住戸をあっせんし、住みかえる取り組みなどを進めております。

 なおエレベーターの設置については、設置スペースの有無や設置方法などの技術的にも難しい課題があります。さらに今後は、市町村とも連携し、県営住宅の建てかえや集約化により生じた余剰地を高齢者生活支援施設など、地域の暮らしに必要な施設の確保に役立てていきたいと考えております。

 例えば、近鉄大福駅周辺地区のまちづくりにおいては、桜井市と連携して県営住宅の建てかえとあわせて地域に必要な拠点整備の検討を進めております。県としては、奈良県住生活基本計画の改定も踏まえ、引き続きこうした取り組みを継続することにより、高齢者が安心して暮らせる住まいの確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 林医療政策部長。



◎医療政策部長(林修一郎) (登壇)山村議員のご質問にお答えをいたします。

 まず、在宅医療の充実についてご質問をいただきました。

 急速な高齢化の進展に伴って、慢性疾患や複数の疾患を抱える高齢者の増加が見込まれています。住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援やサービスの提供体制の構築を目指し、在宅医療についても充実に向け取り組んでいるところです。在宅医療体制の確保には、市町村が重要な役割を担っていますが、県としても地域医療介護総合確保基金を活用し、地区医師会や病院などが行う在宅医療連携体制の構築や人材育成などの取り組みに財政支援を行っています。さらに今年度から在宅医療専門医の育成を行う医療機関に対して補助を行い、在宅医療の担い手となる医師を確保する取り組みも実施しています。あわせて在宅医療には、訪問看護ステーションや介護事業所など生活を支える多くの職種との連携が必要です。地域ごとに実施されている多職種による会議や研修に、県としても積極的に参画することにより、顔の見える関係づくりを支援しています。

 本県の在宅医療は、各地域で精力的に取り組んでいただいている医師により支えられています。また、地区医師会と病院とが連携し在宅医療を行う開業医を病院の医師がバックアップする体制整備など、地域ごとに在宅医療体制充実に向けた取り組みが進みつつあります。県では、県内の在宅医療にかかわる医師に本県における在宅医療の現状や課題についてご意見をいただきながら、県のさらなる取り組みについて検討を進めているところです。今後も、市町村や地区医師会と連携しながら在宅医療体制の充実に向け努めてまいります。

 もう一つ、奈良県総合医療センター移転後の平松周辺地区のまちづくりについて、ご質問をいただきました。

 奈良県総合医療センター跡地を活用した、奈良市平松周辺地区のまちづくりについては、県と奈良市との間で平成二十七年一月に締結した奈良県と奈良市とのまちづくりに関する包括協定書の中に位置づけられています。包括協定は、県と市が相互に情報や意見の交換に努め、協働により取り組むことが可能な事項について、緊密に連携し協力することを目的としております。現在、平松周辺地区のまちづくりに関する基本構想を策定するために、奈良市と協議・検討を進めているところです。

 平松周辺地区は県有地であり、県としてはその県有地という強みを生かして、地域包括ケアの先進的なモデルとなる健康長寿のまちづくりの実現を目指しております。一方、地域包括ケアは市町村が主体となって実現するものでもありますので、奈良市と連携して真に奈良県のモデル、全国のモデルとなるようなものをつくり上げていけるよう努力していきたいと考えています。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) ご答弁、ありがとうございました。

 それでは、(仮称)奈良県国際芸術家村と奈良公園に絞って再質問をさせていただきます。

 まず初めに、(仮称)奈良県国際芸術家村についてですけれども、建設費用だけで県の税金が九十五億円、国も含めてですが、巨額の公費が投入されることになります。費用対効果についてどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

 次に、奈良公園についてですが、先ほどの知事の答弁では、反対の声は耳に入っているがわずかな数だというふうにおっしゃったのではないかと思います。一部の声であれば聞かないということなのでしょうか。地元住民、しかも直近に住んでおられる方々がこのことについて疑義を持って意見を述べておられるわけですから、真摯に受けとめなくてはならないと思いますが、その点はいかがかお伺いしたいというふうに思います。

 それからもう一点は、この奈良公園の価値を高めて世界に誇るすばらしいものにしていきたいのだということが述べられましたが、そのために、この高畑町裁判所の跡地の中にホテルを建設する必要があるのか、なぜそれが必要なのか、そのことについて納得ある説明であるとは思えません。ちょっとその点をお聞きしたいというふうに思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (仮称)奈良県国際芸術家村の予算のことから費用対効果というふうにおっしゃいました。県の税金とおっしゃいましたが、後でご修正になったようにも聞こえましたが九十五億円は全てが県の税金ではございません。国の地方創生交付金もいただくことになっておりまして、地方創生交付金がまず最初から入るということは、国がこのようなプロジェクトを大変後押しをしてくれているというプロジェクトでございます。地方創生のためのプロジェクトだということを認識していただいているということでございます。国の予算が入らないで、大体県のいろいろな施設は国の後押しを受けて、県の負担をできるだけ少なくするようにして展開してまいりました。新しい県営プールもそうでございまして、いろいろなプロジェクトが全てそうでございますが、この(仮称)奈良県国際芸術家村のプロジェクトもいろいろな角度から随分練りまして、地方創生に資する、地方創生という意味は、地域がこのような拠点整備で複合的に活性化するということでございます。複合的な施設をつくるほうが地方創生の交付金を出す余地が多いということを察知いたしましたので、複合的な施設にもしたわけでございます。

 議員おっしゃるように文化財修復だけのための施設は大変小さな施設になってしまいますが、そのような施設を集め、また広く国内外に展開することで、県がやっております文化財修復の事業が大きくなるわけでございまして、多くの外国の方からも多くの人が奈良県の文化財修復事業をもっと身近に感じたいという声が届いておりますので、この(仮称)奈良県国際芸術家村で長期滞在をして奈良県の文化財修復を学ばれる外国の方も予定しているものでございます。

 そのような事業に対して国に大いに賛意をいただきまして、地方創生交付金、ソフト、ハードの交付金をいただくということになりました。そのような意味で、今までにない先駆的な取り組みというふうに感じているところでございます。効果というのは幅広くはかれるものでございますので、いろいろな角度から、観光だけではなしに、文化財修復だけではなしに、いろいろな国際交流の面から広くはかれるものだと考えております。

 奈良公園の、特に高畑のホテルについてのご質問でございますが、反対はやはり一部の声だと思いますが、地域住民の方がおられるということは、公園の中に住民の方がおられるということでございます。それと、いろいろな反対の仕方があると思いますが、いつも思い出しますのは近鉄奈良駅の屋根、反対のデモ行進までされましたけれど、今されませんですよね。またこうやって冷やかすと、冷やかしてはいませんが、述べますとまたお叱りを受けるかもしれませんが、やはり後の効果を見ていただきますと、なぜ反対された屋根なのかなと私は今でも思います。あんなに皆さん、屋根の下で楽しく人を待っておられるのをどうして山村議員の日本共産党は反対の署名を集めて反対されたのかなというふうに思います。だから、反対の中身が私は問題だと思います。住民の方の反対の理由がホテルだからそもそもということでありましたら、あの近くは民間の迎賓館が高畑周辺に結構たくさんあるのですよね。いろいろな会社、あるいは個人の迎賓館機能を持った館が並んでいるのですよね。この高畑も裁判官の宿舎に、住宅地になっていたわけでございますけれど、その前は迎賓館機能のある建物もありましたので、そのこと自身は迎賓館的な施設があること自身は、決して不思議なことではない。その周りに人が住んでいて、何か自分たちと違う施設が来るのがおかしいというのでは、それはちょっと住民の方の理由としては、聞く耳は持たないというふうに言われると困るのですけれども、ちょっと違うのではないかなというふうに思います。

 そのような地区でございますので、その地区がほっておくと鬱蒼とした竹林に、あるいは塀が崩れてしまう、それをそのままで維持するほうが県民の税金を多額に使うことになります。そのような維持については、国の補助金、交付金は全くと言っていいほど出ないのが現状でございます。このような地域の活性化に使うということで国の交付金も出るわけでございます。

 それと基本的なところでございますが、たたずまいの維持・保全は世界の潮流でございますけれども、利活用して保全をしようと。ホテルの中の公園のほうがよほど市民の方が優雅に利用される傾向が世界の公園であるわけでございまして、公園の中には立派なホテルが、ハイド・パークにしろあるのが普通で、ニューヨークのセントラルパークの周りのホテルは公園のそばのホテルということで大きな意味があるのが普通でございますので、公園の中、そばにホテルを建ててはそもそもいけないという議論には納得がいかない次第でございます。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) お答えをいただきましたが、(仮称)奈良県国際芸術家村についてですけれども、もちろん県の税金だけではないと私もわかっておりますが、しかし国税であっても私たちの税金であります。費用対効果はどのようになるのかということも全く検証をされずにこういうことをされたことが、果たして知事が言うように、地域創生で地域の活性化に役立つのか疑問です。反対に建物の維持管理や運営について、将来にわたって負担が生じる、そういうことになるというふうに思います。今、国が進めている地方創生と言われているものの中身が、知事がおっしゃったように建物を大きくして、施設を大きくすれば、それが世界に発信する大きなものになるというものであるとしたら間違っていると思います。施設は小さくても光るものをきちんとやれば、それは世界に光るものになると思いますし、内容も立派なものになるというふうに思います。建物が大きいとか、たくさんの人が来てくれるので大きな土地でないとだめだとか、お金をたくさんかけないといけないとか、そういうことでは全くないというふうに私は思いますので、この(仮称)奈良県国際芸術家村につきましては、やはり巨額の投資ということを見直して、本当に意義のある中身に考え直していただきたい、このことを強く申し上げておきたいというふうに思います。

 それから次に、奈良公園についてでありますけれども、反対の中身が問題だというふうにおっしゃいました。知事は住民の方から出されている意見書、これをごらんにならなかったのかなと思うのですけれども、住民の方は隣にホテルが来るから嫌だとおっしゃっているわけではなくて、重要な環境保全地域、これまで奈良公園として幾多の規制を重ねて大切に開発をしないで守ってきた、その重要な環境をしっかり守ってほしいと。商業の施設によって壊されてしまうということが問題であるというふうにおっしゃっているわけです。このように住民の方の思いというのをしっかりと受けとめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 それから、竹や木が生い茂って大変危険な状態が生まれておりますし、それが未利用地になっているのはもったいない、確かにそうだと思います。安全対策のために整備が必要だというふうに私も思います。安全管理やあるいはきれいに整備をして、多くの方がそこをごらんになれるようにするというふうなことも必要なことだというふうに思っております。しかし、そのこととホテルとは全く別の次元の話だというふうに思います。ホテルがなかったら住民が散策できないのか、ホテルが立派なホテルでなかったら価値がないのか、そういうことでは全くないというふうに思います。きちんと整備をするのは、本来県の責任ですからちゃんとやればよいわけであって、何もホテルまでつくる必要はないというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 住民の方が決してホテルに反対されているわけではないと今おっしゃっていただいたのですか。



◆四十一番(山村幸穂) ホテルには反対していますが、知事がおっしゃるように……。



○議長(川口正志) 二人だけでやりとりしないでください。



◆四十一番(山村幸穂) はい、わかりました。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 知事から私が質問を受けるのは逆さまだと思うのですけれども、私の質問に知事が答えるべきだというふうに思いますが。住民の方々はホテルをつくるということに明確に反対をされております。知事はホテルが来るからだめだというふうな反対では、反対の中身が問題だとおっしゃいましたから、そうではありませんよと、このような十分保存されなくてはならない大切な遺産であるその公園の環境を壊してしまう、そういうやり方が間違っているというふうにおっしゃっているということを紹介したわけであります。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) よくわかりました。住民の方がホテルに反対ではないというふうにも聞こえたのですけれど、ホテルに反対されていない住民の方が多数おられるというふうに私は認識をしております。全員ホテルに賛成というふうには認識をしておりません。ホテルに反対されている方が、量はともかく、おられるということは認識をしておりますし、議員がそうおっしゃいましたので、そういうことだなと改めて再認識をしたところでございます。

 ところで、ホテルがなぜ要らないということなのかというのが課題でしょうということであります。むしろホテルが来れば環境が悪化するというのは違うホテルではないかと思いますけれども、このような高級なホテルは環境と一緒になるようにする、世界のホテル、このようなレベルのホテルを見ると、レベルの高いほうが環境の維持・保全にすごく力を尽くされるというのが常識でございますので、レベルの高いほうが環境はよくなりますよということを申し上げたいわけであります。

 先ほど議員おっしゃいましたように、環境保全というのが大変住民の関心が強いということは十分承知しております。環境保全というのは絶対的条件でございますので、その上でこのような環境保全に力のあるホテルのほうがよいではないかというのが考え方でございます。

 奈良公園の環境保全には、県は随分力を入れてまいりました。近鉄奈良駅の屋根は公園の入り口でございますけれども、最近できました県庁から大仏殿前交差点前の歩道の環境整備でございますとか、猿沢池周辺の樹木の伐採、柳が大変復元されてまいりました。春日山の原始林も大変劣化をしておりましたが、原始林の復元にも力を入れてまいりました。また鹿の保護管理、鹿苑の劣化が著しいので、この基本戦略の中で鹿苑の整備、鹿の環境整備にも力を入れております。それと、若草山の麓の環境整備にも力を入れて、大変感謝をされております。

 このように、奈良公園の維持、管理、保全というのは大変重要な課題だと思っておりますので、ぜひ県民の皆様も県の奈良公園基本戦略は、この良質な環境を維持整備することが基本戦略の出発点であり、もう最大の目標であるということをご理解願いたいと思います。高級なホテルというのもその一環でございます。高級なホテルのほうが環境の整備に関心もあるし、力もあるということをぜひご理解願いたいと思います。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 奈良公園基本戦略は環境を守ることが大事だというふうにおっしゃいましたけれども、この奈良公園基本戦略で知事が最初にやろうとなさったことは、若草山にモノレールをつけることでありました。どこが環境を守ることなのかと私には全く理解できません。

 それから、ここで私たちが環境を守ってほしいと願っている中身は、やはりこの奈良公園が名勝地として文化財と自然とが一体となって、一千三百年の長きにわたって保存されてきた大切な空間だということからであります。商業施設であるホテルなどが次々と建てられるということになりましたら、将来に必ず禍根を残すことになってしまうのではないかというふうに思います。

 これまで、この類いまれな奈良公園の風情、それから環境が守られてきたのは先人の皆さんが厳しい規制をしてでも守っていこうという、そういう強い志があったから開発をせずにずっと今日まで守られてきたのだというふうに思います。ここで一旦開発を認めるということになりましたら、それは、さらなる新たな開発を呼ぶことになって、本当に連綿と受け継がれてきた文化遺産、この世界遺産にも登録されるほどの重要な遺産というものの価値を損ねていくことにつながっていくのではないかというふうに危惧をいたします。

 さらに、こういうやり方で本当に将来の観光がよくなるのかという点についても大変疑問に思っております。観光の振興そのものについては、私も大事なことだというふうに思っておりますけれども、観光だからといって大切に守られてきたこの奈良公園を壊すというふうなことになってはならないということで、私たち自身、これを後世に受け継いでいく責任があるという立場で知事に質問をさせていただいているわけでございますので、知事としてなぜこれだけ長い間、この文化財と一体となった自然環境、この奈良公園が守られてきたのかという点についてどのように思っておられるのかお聞きしたいと思います。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 議員の論旨をお聞きしておりますと、商業施設は環境を破壊するものだというふうに論旨ができているように思いますけれども、商業施設にもいろいろな種類があります。それを内容によりますよということを言ったのは、そういう伏線であります。森の中にあるホテルにもいろいろありますので、そういうのが奈良県はばっこしているというふうに思います。これは従前の管理の体制が悪かったわけでございまして、この地域は、県有地でございますので、十分に管理して、整備の検討委員会にもかけ、事後もかけると言っているわけですから、しかもなお今申し上げましたように、そんじょそこらのホテルと違うわけでありますので、世界のブランド力のあるホテルは信用がありますので、環境を破壊するようなホテルは普通は建てないわけです。名も知れない商業主義の施設というのは心配でございますが、商業施設であっても高級な環境の関心の高い商業施設もあるわけでございます。商業施設を十把一からげにするわけにいかないのが現状でございます。商業施設が全部だめだったら、この地域は商業施設ゼロ、この地域は商業施設ばかり、このように分けるような考えなのでしょうか。そうではなしに、環境の保全の中に上質な商業施設もあって、アメニティーを向上させようというのが奈良公園で求められていることだと私は思っております。上質なアメニティーをこの奈良公園に持って来るのが、今までのやり方を超える大事なことであると。それは、議員おっしゃるように環境の維持の破壊には全くつながることになりません。環境維持を向上させるということを改めて強調させていただきたいというふうに思います。



○議長(川口正志) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 高級なホテルであればつくってもよいというふうに知事はおっしゃいましたけれども、そもそもこの周り全体が第一種住居専用地域でありまして、そこに住んでおられる方は新たな開発、新たな建物を建てるということについても厳しい規制があるというふうな中で暮らしておられます。本来、開発が想定されていないその名勝地の中に新しいものを建てる、それは高級であっても高級でなくても、そういう開発ができるのかということが問題になっていることだというふうに思います。知事が言うように、高級なものならいいということで一旦認めてしまったら、あと、将来にわたってどういうふうになっていくのかということについて誰も保証はできないというふうに思います。

 私はそういう意味で言っても、住民の皆さんが今懸念の声を上げておられるということは非常に大事なことだというふうに思っています。ですので、この意見にしっかりと向き合っていただいて、改めてこの開発については考え直されるように求めていきたいというふうに思いますし、そのために私も努力していきたいというふうに思います。考えを改めていただくことを強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。



○議長(川口正志) 次に、二十三番安井宏一議員に発言を許します。−−二十三番安井宏一議員。(拍手)



◆二十三番(安井宏一) (登壇)議長のお許しをいただき、一般質問をさせていただきます。

 十月十一日に国の平成二十八年度第二次補正予算が成立し、未来への投資を実現する経済対策に係る予算が計上されました。具体的には、一億総活躍社会の実現に向けた子育て支援や介護の拡充のほか、リニア中央新幹線の開業前倒しなど二十一世紀型のインフラ整備、英国のEU離脱に伴うリスク対応としての中小・小規模事業者支援、熊本地震や東日本大震災からの復旧・復興と防災強化のための経費などが盛り込まれ、安倍内閣は同予算の執行により、当面の需要喚起にとどまらず、アベノミクスを一層加速することが重要であります。

 本県におきましても、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るため経済の活性化やくらしの向上に向け、県政諸課題に取り組んでいかなければなりませんが、知事をはじめ各分野で積極的に取り組んでいただいており、大いに期待するところであります。

 本日は、知事及び関係各部長に五点にわたって質問をしてまいりたいと思います。

 まず最初に、ナラ枯れ被害の状況と対策についてお伺いします。

 私は長年、生駒市に住んでおりまして、日々、西に生駒山、東には矢田丘陵を仰ぎ見て過ごしておりましたが、ここ数年、この見なれた景色に異変が起こっております。今は紅葉の時期ですからあまり目立たなくなりましたけれども、梅雨明けごろから真夏に山々の常緑樹の青々とした木々の中に、まるで紅葉しているかのように木の葉が赤くなる、いわゆるナラ枯れと言われる状況が目立ってきております。住民の皆様方からも、山が紅葉の時期でもないのに赤くなっている、どうなっているのかというような心配するお声も私のところに届いております。奈良県でのナラ枯れは三、四年ぐらい前から、奈良市や生駒市など県北部地域で目立って発生していたようですが、ことしに入ってからは県の中部地域でもナラ枯れが発生していると聞いており、県内でのナラ枯れ被害が拡大している状況にあるのではないかと私自身も大変心配しているところであります。そもそもナラ枯れは、カシノナガキクイムシという昆虫がナラ菌という病原菌をナラ類などの木の中に運び込むことによって、樹木を枯らす伝染病で、この虫は日本に昔からいた在来種で、過去にもナラ枯れ被害があったそうであります。

 現在のナラ枯れ被害は、全国的には平成二年ごろより日本海側を中心に被害が目立つようになり、平成二十二年には被害量がピークとなったようですが、その後、被害量は減少傾向にあるそうであります。しかし奈良県においてはさきにも述べましたとおり、ナラ枯れ被害が拡大傾向にあるのではないかと思います。ナラ枯れの原因は明らかにされていませんが、私たちの生活様式の変化、つまり昔であればまきやシイタケの原木などに活用されてきたナラ類の木々が伐採されずに山に多く残されたことによって、カシノナガキクイムシの繁殖に適した大きなナラ類のある森林が増加し、全国的な被害に発展したのではないかと考えられています。

 このように県内の森林でナラ枯れ被害の状況が進んできていることに対しては、被害が発生している市町村と連携した取り組みが必要であることは言うまでもありません。既に県と市町村等関係機関との協議会を設置して、被害状況や対策方法等の情報共有がなされ、森林環境税を活用した取り組みもされていると聞いておりますが、限りある財源の中、山の頂上まで全てのナラ枯れ被害について対策をするのは現実的ではないとも理解しています。例えば、住宅や道路、電線等の付近の森林で枯れた木が倒れることによる二次被害のおそれのあるものなどから優先的に対策をしていくべきだと考えます。

 そこで昨年までの被害は、県北部地域での発生がほとんどでしたが、ことしは県中部地域でも発生が見られ拡大しているように思われますが、本県におけるナラ枯れ被害の状況とその対策について、知事にお伺いいたします。

 次に、県が進める県内企業の海外への販路拡大の取り組みについてお伺いします。

 国では平成二十四年十二月の第二次安倍内閣の発足以降、デフレからの脱却を目指し、アベノミクスによる経済政策を強力に推し進めてきました。その結果、我が国の経済は持ち直しに転じており、企業収益の拡大が賃金の上昇や雇用の拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて、さらなる企業収益の拡大に結びつくという経済の好循環が回り始めています。一方、企業と家計の所得増に比べると、設備投資や個人消費など支出への波及にはおくれも見られます。こうした内需の弱さに加え、減速傾向にある新興国経済や英国のEU離脱など世界経済は大きなリスクに直面しており、不透明感を増しています。

 そこで国では、内需を力強く下支えし、アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げるため、先般、事業規模二十八兆円を超える経済対策を講じられたところであります。経済の好循環の成否は、中小・小規模事業者の元気にかかっているとの認識のもと、販路開拓や生産性の向上などの努力を後押しする種々の施策が推進されています。ご承知のとおり我が国では、少子高齢化に伴う総人口、生産年齢人口の減少という構造的な課題に直面しており、国内需要は縮小していくと考えられます。

 一方で、ASEAN、中国、インドなどを中心とするアジア地域では、中間層、富裕層の人口増加とともに実質GDPの高い成長が見込まれており、購買力の高い大消費地が出現しつつあります。地域の活性化にとって欠かすことのできない中小・小規模事業者の活力向上には、県内企業がこれら有望な海外需要に目を向け、市場を開拓し、獲得していくことを後押しする取り組みが重要であると考えます。折しも世界のGDPの約四割、我が国からの輸出額では約三割を占めている八億人の巨大市場が生まれる可能性を秘めた環太平洋パートナーシップ協定の合意を受け、日本が新たな自由貿易ルール構築の先導役を果たすべく国会でTPP承認案・関連法案が成立いたしました。この協定が発効すれば、製造業のみならずサービス業も含めた多様な中堅・中小企業の発展の契機となることから、私としても早期の発効を大いに期待しているところですし、県内企業もこれを契機に外から稼ぐ力を強化し、事業拡大に結びつけてほしいと願っております。

 こうした中、県では独自の地方創生の実現を掲げ、地域経済の活性化に向けて産業興しに取り組んでおられますが、この取り組みの中でもとりわけ県外への移出力、海外への輸出力の強化に力を入れておられます。私もこの域外交易力強化の取り組みには大いに賛同しており、海外を相手に取り引きをする奈良県の企業が一社でもふえるよう県施策のさらなる推進に大いに期待しているところであります。

 国内需要が縮小する中、本県の域外交易力を強化していくためには、県内企業が海外で新たな販路を獲得していくことが重要であると考えますが、県内企業の海外との取り引きの実態はどのようになっているのか。また海外と取り引きする企業をふやすための取り組みをどのように進めていこうとお考えでしょうか、知事にお伺いいたします。

 次に、消費者教育についてお伺いします。

 現在、我が国においては、少子高齢化の進行による人口減少社会を迎え、高度情報化の急速な進展や社会がグローバル化するなどの流れの中で、消費者の価値観や意識は多様化している反面、家庭や地域のつながりが薄くなっています。また、悪質商法の手口は巧妙化するなど消費者トラブルはますます複雑化、深刻化しています。若者から高齢者まで幅広い年代の人々が消費者トラブルに巻き込まれ、新聞やテレビで報道されているところを見たり聞いたりする機会が多くなっていることは皆様もお気づきのことと思います。このような消費者被害を未然に防ぎ、また拡大を防止するためには啓発活動が重要なものとなっており、幼児期から高齢期までのライフステージにおいた消費者教育を行うことが求められています。特に、子どもや若者あるいは高齢者については、インターネットトラブルや高齢者の資産を対象とした金融商品等の詐欺的投資、勧誘等の被害に遭うことが多いことから、一人ひとりが自立した消費者として行動できるように情報発信や啓発の機会を設けるなど、消費者教育を行うことは非常に大切であると私は考えています。消費者の権利の一つであります消費者教育の機会が提供されるとする消費者基本法の理念を踏まえ、消費者教育を総合的かつ一体的に推進し、国民の消費生活の安定・向上を確保することを目的に平成二十四年十二月、消費者教育の推進に関する法律が新たに施行されたことから、県民の消費者問題に対する意識は徐々に高まっていると認識しています。

 また、国において本年六月に公表された平成二十八年版の消費者白書によれば、平成二十七年度の消費相談件数は約九十二万七千件で、前年より減少したものの依然として高水準で推移しております。情報化が幅広い年齢層に一層広がり、インターネット利用に関するものや通信機器・サービスの契約に関するトラブル等、情報通信に関する相談が増加しています。高齢者の消費生活相談件数についても、前年度よりやや減少したものの近年は高水準で推移する傾向となっており、とりわけ高齢者の中でも七十歳を超えておられる方々の相談が増加しております。本県においても、平成二十七年度に県の消費生活センターに寄せられた消費生活相談の件数は四千四百九十五件であり、全国の状況と同様に高水準で推移しています。また、高齢者からの相談は約四割を占めていることや三十歳未満の若年層の相談割合も約一割と低くないことが公表されているところであり、高齢者や若年層に対する消費者トラブルの広がりが懸念されているところであります。

 今後も県民がよりよい生活を営むことができるよう、消費者教育の推進は重要であると考えます。県として今後、消費者教育にどのように取り組んでいくのか、くらし創造部長にお伺いします。

 次に、奈良県農畜産物のブランド化に向けた取り組みについてお伺いします。

 先日、新聞紙上で和歌山県のブランドミカンに関する記事を目にしました。一定の糖度以上の温室ミカンを厳選みかんといったブランド名で出荷し、単価アップを実現しているといった内容で、産地の意気込みを感じました。こうした全国有数の温州ミカンの産地である和歌山県であっても、積極的にブランド化に取り組んでいるといった記事を読むことによって、農畜産物における産地間競争のさらなる激化を予想し、ますます奈良県においても県産農畜産物のブランド化推進の取り組みが重要であると認識しているところであります。今後、日本社会は人口減少社会を迎え、国内消費の減少も見込まれるとともに、これからは国内での産地間競争だけでなく外国の農畜産物との競争も視野に入れなければいけない時代になると思われます。

 さて、このような状況の中、本県農業は全国と比べると産地規模は小さいものの京阪神に近いという地の利を生かした集約的な農業が行われています。奈良県における農業、畜産業の振興については、本県農業を牽引する柿やイチゴなどをリーディング品目、また将来性の高い大和野菜やイチジクなどをチャレンジ品目として位置づけ、マーケティング・コスト戦略に基づいた生産振興の取り組みから首都圏を中心として海外にも視野を広げた販路開拓の取り組みまで、生産から流通、加工、販売まで一連の支援を行う施策を推進されているところであります。さらに奈良県農業が生き残っていくために農畜産物については、県産品のブランド化を一層進め、その魅力を多くの人に知ってもらう取り組みが重要であり、今年度県では、新たに従来の色や大きさ等の外観による出荷基準に糖度など内容成分の品質基準を加え、品質面でもすぐれた特徴を持つとびきりの産品を県が認証するといった県産農畜産物のブランド認証制度、奈良県プレミアムセレクトを創設されました。こうした県産農畜産物のブランド化に向けた取り組みは、イメージアップ、需要の拡大に加え、生産者は誇りを持って積極的に生産に取り組むことができるなど、本県農業の発展に向けて、その効果に大いに期待しているところであります。

 今年度は、柿、イチゴ、大和牛で取り組まれるということですが、県産農畜産物のブランド認証制度、奈良県プレミアムセレクトの現在の進捗状況と今後の取り組みについて、農林部長にお伺いします。

 次に、国道一六三号清滝生駒道路の整備についてお伺いします。

 国道一六三号清滝生駒道路は、大阪府の四條畷市から順次整備が進められ、平成二十六年三月に清滝トンネルまで四車線で供用されました。この整備で大阪府側は渋滞も緩和し、安全で快適に走行できるようになりました。また、奈良県内では昨年の十二月に慢性的に渋滞していた高山大橋交差点の前後約四百メートルの区間で清滝生駒道路の側道部が整備され、さらにことしの三月には、県が進めていた交差道路側の県道枚方大和郡山線の整備も完了し、交通渋滞の緩和や歩道整備による歩行者の安全確保など利便性や安全性が大きく向上いたしました。ところが、北田原工業団地がある清滝トンネルから高山大橋交差点までの区間については、いまだ整備は進んでいない状況にあります。北田原工業団地は、国道一六三号や近鉄けいはんな線にも近く、大阪へのアクセスにすぐれた場所ではありますが、国道一六三号の現道は一日に二万台と交通量も多く交通混雑も頻繁に発生し、住民の日常生活だけではなく企業活動にも深刻な影響を及ぼしています。材料の搬入や製品の出荷など、工業団地に求められる大型車両のアクセス環境を改善しないと企業の誘致も進まない状況にあります。この区間の清滝生駒道路がつながれば北田原工業団地へのアクセスは格段によくなり、工業団地としての魅力も大きくアップします。

 国の事業ではありますが、県が進めている企業誘致を推進するためにも清滝生駒道路の清滝トンネルから高山大橋の間の早急な整備が必要であります。国道一六三号清滝生駒道路の整備について、現在の進捗状況と今後の見通しについてどのようになっているのか、県土マネジメント部長に答弁をお願いします。

 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十三番安井議員のご質問がございました。

 私に対しましては、第一問目は、ナラ枯れ被害の状況と対策についてのご質問でございます。

 本県におけるナラ枯れ被害は、平成二十二年に若草山山麓において確認されました。それ以降、昨年までに奈良市や生駒市など主に県北部地域において発生していましたが、ことしは橿原市や王寺町などの県中部地域でも被害の発生を確認しております。県内のナラ枯れ被害が拡大している状況にございます。ナラ枯れにつきましては議員お述べのとおり、カシノナガキクイムシという虫が六月ごろにナラ類の木に集団で入り込んで産卵をし、そのときにナラ菌が持ち込まれ、七月から八月ごろに葉が変色して枯死に至る樹木の病気でございます。

 平成二十七年度には、全国三十府県で被害が確認されております。本県といたしましては、昨年度からナラ枯れ被害のある森林において、大量の中に入り込んだ木から虫の脱出や新たな侵入を防ぐため、木の幹にビニールを巻きつけたり、枯れた木を切り倒して薬剤をいぶして虫を駆除する対策を実施する市町村に対して助成を行ってきました。さらに今年度からはナラ枯れによって木が倒れたり大きな枝が落ちてしまって、住宅や道路、電線等のインフラに二次被害を及ぼすおそれがあります森林や風光明媚な景観が損なわれるおそれがある森林を、保全すべき森林、ナラ枯れから守るべき森林として指定し、重点的に支援しようとしております。

 このナラ枯れは初期対応、対策が重要だと言われておりますが、そのためには地域全体での対策方針や連携体制を築くことが重要となりますので、県が設置いたしました奈良県ナラ枯れ対策協議会を今年度は三回開催いたしました。ナラ枯れ被害の状況や防除方法、取り組み等について、国や市町村等の関係機関と情報共有を行い早期の対応に努めてまいりました。またナラ枯れ被害の実態を把握するため、昨年度に引き続き、九月にはヘリコプターによる調査を実施し航空写真等を市町村等関係機関に提供してきたところでございます。さらに広域的な連携として、本年十一月に大阪府で開催されました近畿府県ナラ枯れ被害対策会議におきまして、先進府県で実施されました対策とその効果についての情報収集を行いました。県森林技術センターとも連携して、被害対策の調査研究も行っております。今後も引き続き、効果的な被害対策に取り組んでまいりたいと思っております。

 二つ目は、県内企業の海外への販路拡大の取り組みについてのご質問でございました。

 本県の産業の体質強化、とりわけ外から稼ぐ力、域外交易力を強化する取り組みが、人口減少を食いとめ県内で働く場をつくるためには最重要課題でございます。この域外交易力を高めるためには、高い付加価値を元手に収益性を追求するビジネスパターンで海外に打って出る戦略が有効だと考えております。海外の施業での競争の経験がございますと、商品を磨き付加価値の向上を図る気概が高まるとともに、高い需要が見込まれる対象や地域を見極めることができるようになり、新しい商品の開発も可能になってまいります。

 本県で海外と取り引きされている県内企業の実態でございますが、本年九月に行った調査によりますと、製造業四百九社を対象にした調査でございますが、二割に当たります八十二社が輸出をしていると答えられた割合がございましたが、一方、約七割に当たります二百八十四社が一度も海外販売を行ったことがないというアンケートの結果が出てまいりました。一度も海外輸出を行ったことのないという理由でございますが、現地マーケットに関する情報があまりない、信頼できる取り引き先を確保するすべがない、海外販売に向いている社内人材がいない、また海外マーケットの動向がわからない、自社の商品やサービスが海外市場に適さないと思うというふうに引っ込み思案の奈良県企業のイメージを多く持つような結果になりました。こうした引っ込み思案の奈良県企業を海外との取り引き開始を促すような取り組みをとる必要があると思っております。

 本県では、海外見本市での商談成果をもとに確実に新規取り引きを獲得していただくための支援のほか、現地での販売拠点を立ち上げて新市場開拓の準備をされる企業に対しての支援の予算がございます。また、食料品やプラスチックの分野で海外との取り引き拡大に挑戦する企業が本県でも着実にふえてきております。さらにことし八月にジェトロと連携して設置いたしました、新輸出大国コンソーシアム奈良窓口に常駐していただけるコンシェルジュは海外取り引きに関心のある県内企業を連日訪問され、働きかけや相談対応を熱心に行っていただいております。

 こうしてふえつつある企業の関心、ニーズをもとに企業の海外展開に弾みをつけるため、昨年からジェトロ奈良事務所の誘致に取り組んでおります。あわせて県産品が狙うべき海外市場の見きわめ方、売り込み方といった課題につきまして、ジェトロと協働して戦略を練り、県が先頭に立った推進体制を整え、有望な品目について現地でのマーケティングと売り込み活動を行っていきたいと考えております。こうしたことを通じまして、新たに海外取り引きに挑戦する県内企業をふやして、引っ込み思案気味の奈良県企業に変身をしてもらう取り組みを続けさせていただきたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問、ありがとうございました。



○議長(川口正志) 中くらし創造部長。



◎くらし創造部長(中幸司) (登壇)二十三番安井議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、県民がよりよい生活を営むことができるよう消費者教育の推進は重要であると考えるが、県として今後、消費者教育にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのとおり、県民によりよい生活を営んでいただくためには、消費者教育を推進していくことが重要な課題であると認識をいたしております。このため、平成二十六年度に県民や学校、事業者を対象といたしまして、消費者教育に関する意識・実態調査を行ったところでございます。この調査結果からは、県民の消費者問題に対する関心は高いものの悪質商法の認知度が低いことや、県内の学校や事業者による消費者教育の取り組みは不十分であることなどが判明いたしました。

 こうした結果を踏まえまして、県ではみずから考え行動する自立した消費者を育成することが喫緊の課題であると考え、平成二十八年三月に奈良県消費者教育推進計画を策定いたしました。この計画では学校、地域、家庭、職域などの多様な場における消費者教育の環境を充実させること。また消費者、事業者、行政機関などが連携して消費者教育を活性化させること。学校や地域における消費者教育を担う人材が育つ環境づくりを行うこと。また、消費者みずからが消費者問題に対応できるように自立した消費者を育成することなどの内容を盛り込み、この計画に沿って消費者教育を推進することといたしております。

 平成二十八年度には、県民の方々がみずから主体となって消費者教育に関する広報・啓発に取り組む事業や、消費者教育の啓発・情報が届きにくい高齢者について、その原因の究明と効果的な啓発方法などの調査研究を行う事業にも取り組んでいるところでございます。県といたしましては、今後もこの計画に基づいた取り組みを積極的に展開するとともに、消費者トラブルの解決を図るための相談、消費者の意識を高めるための啓発、悪質事業者を抑制するための厳正な法執行を三本柱として、一人でも多くの県民の方々を消費者被害から守るため、消費者行政の推進に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○議長(川口正志) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)二十三番安井議員の質問にお答えをいたします。

 私には、奈良県産農畜産物ブランド認証制度、奈良県プレミアムセレクトの現在の進捗状況と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのとおり、農畜産物の産地間競争が激しい状況の中、県産の農畜産物のブランド力をより高め有利販売を進めるための取り組みとして、本年秋に奈良県農畜産物ブランド認証制度、奈良県プレミアムセレクトを創設し、柿、イチゴ、大和牛について取り組みを始めたところでございます。この制度は従来の大きさや形といった外観の出荷基準に品質面の認証基準を加え、品質面でもすぐれた特徴を持つとびきりの産品を県が認証する制度でございます。具体には、柿、イチゴでは糖度を、大和牛は多く含まれるほど口溶けや風味がよいとされるオレイン酸の含有率を加えた認証基準を設定いたしました。なお、昨年度は柿とイチゴにつきまして試験販売を行ったところ、レギュラー品の二倍から四倍の価格で販売され、効果が十分に実証をされたところでございます。

 先日、奈良県プレミアムセレクトとして初めて首都圏に富有柿を出荷いたしました。レギュラー品の三倍程度の価格で取り引きをされたところでございます。大和牛については、去る十二月八日に大和牛の競り市におきまして、二十八頭の中から認証された十頭が約一五%高く取り引きされたところでございます。今後、イチゴにつきましても認証品を販売していく予定となっております。また来年度以降も引き続き制度の定着に向けて安定した生産、販売に対して支援を行うとともに、分子栄養学に基づいた農産物の機能性成分に着目した検討を県と協定を締結している近畿大学とも連携して行い、次に続く品目の基準作成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)二十三番安井議員のご質問にお答えいたします。

 私には、国土交通省の事業であります清滝生駒道路の現在の事業の進捗状況と今後の見通しにつきまして、お尋ねがございました。

 国道一六三号清滝生駒道路は、大阪府の四條畷市から本県生駒市鹿畑町に至る延長約十一キロメートルの幹線道路でございます。このうち県内の延長でございますが、五・七キロメートルということでございます。沿線の宅地開発あるいは関西文化学術研究都市の開発などによる交通量の増加に対処することを目的に、国土交通省におきまして四車線道路の整備が進められているものでございます。

 本県内では、富雄川をまたぐ高山大橋交差点におきまして、朝夕のピーク時には約八百メートルにも及ぶ著しい渋滞が発生をしておりましたが、議員がお述べいただいたとおり、昨年度に高山大橋交差点前後の側道部四百メートルと、これに交差をいたします県道枚方大和郡山線、この一体的な整備が完了いたしまして、こうした渋滞もほぼ解消するという状況になり、交通混雑が大きく緩和をしているところでございます。

 国土交通省では、引き続き、清滝トンネルから高山大橋交差点までの間、約四キロメートルでございますが、この整備を推進するため、今年度におきましても北田原工業団地内を中心に用地の取得を積極的に進めているところでございます。本年六月には、期間を要しておりました大規模物件も解決したということでございます。北田原工業団地内の用地の取得の進捗率も五割を超えたということで聞いてございます。また、この北田原工業団地の西側に位置します南大角地区におきましても、この十二月に地元地域と設計協議を行い、協議が整えば用地幅杭の設置あるいは用地測量を順次進めていくというような予定であるというふうに聞いてございます。さらなる用地取得の展開に期待をしているところでございます。

 本県といたしましても、清滝トンネルから高山大橋交差点に至るこの区間の早期供用に向けまして、地元調整等をしっかり協力してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) 知事以下、それぞれご答弁をいただきありがとうございました。

 特に知事の答弁にありましたように、ナラ枯れの被害について再度質問をさせていただきます。

 生駒市の被害の状況は、平成二十七年度、北中部で二十七ヘクタールということが確認されています。ことしは中南部へ拡大しているというのが現状でございます。その対策としては、今、答弁がありましたようにビニールを被覆する、伐倒駆除する、燻蒸処理をする等が行われています。特に道路端、民家、電線の付近などのインフラに影響するところを優先的に対策を講じていただいているのが現状でございます。それは、保全区域、防除区域として定められたエリアに限られて対策がとられています。それ以外の区域外でインフラに影響があっても県の対象外となっているのが現状でございます。

 景観上からも今望まれているものは、保全エリアを拡大して対策を強化していただきたいという思いがありますが、県の見解を再度お述べください。

 今、北部での対策強化が県中部への被害拡大を抑止するためにも最も大切な時期だと思っております。ナラ枯れに強い森林の育成に努めると県の指針にも書いてありますように、県の姿勢は明確であります。保全エリアを拡大して対策強化していくことこそが今望まれておりますが、再度、ご答弁をお願いします。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ナラ枯れの対策充実のために保全対策のエリアの拡大ということでございます。ちょっと検討をさせていただきたいと思います。



○議長(川口正志) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) 地元の対策がおくれをとらないことこそが被害の拡大を防止するという観点から、ただいま知事の答弁にありましたように検討するということでございますので、ぜひとも前向きにご検討いただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後二時三十五分休憩

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△午後二時五十五分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十二番中野雅史議員に発言を許します。−−二十二番中野雅史議員。(拍手)



◆二十二番(中野雅史) (登壇)皆さん、こんにちは。最近の県議会は奈良テレビの皆さんにもご挨拶をするのがトレンドになってまいりました。奈良テレビをごらんの皆様、いつも議会中継をごらんいただきまして本当にありがとうございます。ただいまから一般質問をいたしますのは、大和郡山市選挙区選出、中野雅史でございます。自由民主党の質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 まず初めに、地方消費税の清算基準の見直しについてお伺いをいたします。

 本県における清算後の地方消費税収は、昨年度四百四十億円余りであり、大企業が少なく法人関係税収が乏しい本県にとっては貴重な財源になっております。なお平成二十六年四月に税率が引き上げられた際、その税率引き上げ分については、年金、医療及び介護などの社会保障施策に充てることとされ、社会保障の充実のためにも欠かせない財源となっているところでございます。また、消費税収の二分の一は交付金として県から市町村に交付されており、市町村にとっても貴重な財源であります。しかしながら、本県の地方消費税の一人当たりの税収は全国最下位レベルです。一世帯当たりの消費支出は全国上位に位置しているにもかかわらず、このような状況となっております。

 地方消費税は、一旦各都道府県に払い込まれた税収を最終消費地に帰属させるために、統計や人口などを指標とした清算基準を設けて各都道府県に再配分いたしております。この清算基準に用いられる指標の一つには、各都道府県の消費額ではなく販売額の統計が採用されております。そのため、大阪など県外での消費が多い奈良県の消費を的確に地方消費税収に反映する仕組みになっていないわけであります。清算基準が見直されない限りこの状況は変わらないと推測されます。

 このようなことから、かねてより知事は地方消費税の清算基準の見直しを訴え続けてこられており、平成二十七年度税制改正において、清算基準に用いる人口の比率を一二・五%から一五%に引き上げる改正がなされ、本県の増収につながりました。しかし依然として人口の割合が小さく、改善はまだ十分ではないと考えます。そこで県では平成二十九年度税制改正における清算基準のさらなる見直しに向け、精力的に要望・提言活動に取り組まれたと承知をいたしております。

 先日、与党の税制改正大綱が決定され、清算基準の見直しが盛り込まれたところであります。これは、知事の精力的な要望活動の成果であると思います。そこで、地方消費税の清算基準の見直しについて、現段階での状況と取り組みの成果、今後の展望について知事にお尋ねをいたします。

 次に、大和橘を活用した取り組みの推進についてお伺いをいたします。

 皆さんは、橘という植物がいかに奈良とのかかわりが深く、そしてロマンあふれるものかご存じでございましょうか。説明させていただきます。

 古くは日本で最初の書物である古事記の中で第十一代天皇、垂仁天皇の忠臣である多遅摩毛理(たじまもり)が常世の国に探しに出かけた不老不死の木の実、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)として登場をするわけでございます。また古代の官道、中ツ道が南は明日香村にある橘寺に続いていることから、いつしか橘街道と呼ばれるようになったとされております。本年五月には、橘街道が奈良県の地域産業資源に指定されたところでございます。この橘は別名、大和橘とも言われ、かんきつ類では沖縄県のシークワーサーとともに日本の固有種であると言われております。また、橘は昔から漢方薬としても使われてきたところで、最近では認知症の予防などに効くかもしれないという研究発表もあります。にわかに注目を集めているわけでございます。私の地元大和郡山市においても、この大和橘を奈良の、さらには日本のブランドに育て、地域活性化に貢献しようと平成二十四年十二月になら橘プロジェクト推進協議会が設立されました。

 これまで大和橘の苗木の育成、橘街道沿いやゆかりの社寺などへの植樹、果実を活用した和菓子などの商品開発、橘街道にまつわる講座やイベントの実施など、精力的に活動されているところでございます。私はこの大和橘に大いなる可能性を感じており、県において、奈良にゆかりの深い大和橘という魅力ある素材を生かした取り組みを進めるべきと考えているところでございます。

 県としては、地元とも連携しながら奈良県にゆかりの深い大和橘を歴史文化的な観点から地域振興に活用していく必要があると思います。大和橘を生かした地域の活性化について、県の考えや取り組み状況について、地域振興部長にお伺いをするものでございます。

 また県では漢方のメッカ推進プロジェクトにおいて、生薬でもある大和橘の成分研究や大和橘を活用した食品などの開発支援を実施していると聞いておりますが、その取り組み状況について、産業・雇用振興部長にお伺いをいたしたいと思います。

 次に、高病原性鳥インフルエンザについてお伺いをいたします。

 現在、世界中で発生が報告されている高病原性鳥インフルエンザの件でございますが、隣国の韓国でもことしは既に五十件以上の発生が報告されております。また国内外の野鳥のふん便等からもインフルエンザウイルスが検出されており、近隣の兵庫県では十一月十四日に小野市で採取したカモ類のふん便から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されるなど、緊迫した状況になってきております。

 このような状況の中、十一月二十八日に青森県青森市でフランス鴨を一万六千五百羽飼育する農場で、ことし初めての発生がありました。翌二十九日には新潟県関川村の鶏、約三十一万羽を飼育する大規模養鶏場で二例目の発生がありました。県や市町村職員、自衛隊員等によって殺処分や消毒ポイントにおける車両消毒などの防疫措置が昼夜を通して実施されました。その後、十二月一日に同じく新潟県上越市で三例目、二日に青森市で四例目が続発するなど予断の許さない状況が続いております。遺伝子検査の結果、いずれもことし韓国で発生が認められているものと同型のウイルスであることが確認をされております。奈良県においては、平成二十三年二月に五條市の鶏、十万羽を飼育する県内有数の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの発生があり、延べ二千人を超える県職員等の動員体制により、飼育されていた鶏の殺処分や埋める等の防疫措置を実施して蔓延を防止することができました。しかし、鶏の処分方法の決定に時間がかかるなど課題も浮き彫りになりました。

 そこで、農林部長にお伺いをいたします。

 前回の本県での発生経験を踏まえ、県ではどのような発生予防対策や発生時の蔓延防止対策を行われるのかお伺いをいたしたいと思います。

 次に、農業委員会の改革についてお伺いをいたします。

 本県の農地を取り巻く状況は、担い手の減少や高齢化の進展などが相まって耕作放棄地面積が徐々に増加し、平成二十七年の農林業センサスの結果では、五年前の調査よりも三十八ヘクタール増加して、三千六百三十三ヘクタールに達しております。耕作放棄地率も全国平均の約二倍と高い状況が続いております。そのような状況の中、農業委員会は、農業委員会等に関する法律に基づいて農家を代表する農地の番人として重要な役割を担ってこられたと私は考えております。農業委員会の業務は多岐にわたり、農地の権利移動についての許認可や農地転用の業務を中心とした農地法に基づく法定業務ですとか、認定農業者や集落営農組織のような地域の中心的な担い手に対する農地のあっせんなどを通しまして、効率的な農業経営を実現できるように担い手を育成する取り組みなどを行ってこられました。

 このような活動を行ってきた農業委員会ですが、本年四月一日の法改正を受け、大きな改革を迫られております。具体的な改革の内容としては、農業委員会の活動を農地利用の最適化に重点を置くこと。農業委員の選出方法を農家による選挙制から市町村長の任命制に変更し、女性や若手農業者を登用すること。また、農業委員会の中に農地利用最適化推進委員を新設することなどが盛り込まれております。

 一方、本県の市町村農業委員会では、今般の法改正の柱の一つとなっております女性や若手農業者の登用について、全国的な状況と比較するとやや少なく、今後の積極的な登用に期待される状況にあると聞いております。また農地利用の最適化や耕作放棄地対策の強化についても、今までもさまざまな活動を行っておられるとは思いますが、さらに積極的な取り組みを行うことを期待されていると思います。

 そこで、今般の法改正を受けて県ではこれを契機に農業委員会をよりよいものとするため、どのように取り組んでいこうとお考えなのか、農林部長にお伺いをするものでございます。

 次に、大和中央道において沿道景観を維持し、交通安全を確保するための対策についてお伺いをいたします。

 大和中央道は県道枚方大和郡山線を経由し、第二阪奈有料道路中町ランプへのアクセス道路であるとともに、大和まほろばスマートインターチェンジから西名阪自動車道に接続する県北西部の主要幹線道路であります。また、平成三十年の春に開院を予定しております新奈良県総合医療センターへのアクセス道路ともなり、今後、通院等による交通量の増加も見込まれるところでございます。このような重要路線である大和中央道におきましては、残念ながら中央分離帯に多くの草木が繁茂し、通行車両から見た中央分離帯の草木は見苦しいものであり、沿道景観を悪化させております。また、交差点付近で中央分離帯の草木が繁茂していますと見通しがきかず、交通安全上も支障を来すおそれがあります。

 県においては、限られた予算の中で草刈りなど道路の維持管理を精力的に実施されていると理解はしているところでございますが、大和中央道の重要性や中央分離帯の状況を考えると、何らかの対策が必要であると考えます。

 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 主要幹線道路として、今後さらに交通量がふえることが予測されます大和中央道を道路利用者に快適かつ安全に利用いただくため、沿道景観を維持し、また交通安全を確保する観点から対策を講じるべきと考えますが、どのようにお考えかお伺いをするところでございます。

 次に、大和郡山市内の道路整備についてお伺いをいたします。

 都市計画道路城廻り線は、京奈和自動車道大和北道路へのアクセス道路としてだけではなく、建設中の新奈良県総合医療センターへのアクセス道路としても位置づけられ、鉄道踏切との立体交差化による渋滞解消などに取り組んでいただいているところでございます。また現在、私が所属いたします県議会の病院を核としたまちづくり推進特別委員会では、平成三十年春に開院予定である新奈良県総合医療センターの整備による救急医療体制の充実に取り組んでいるところでございますが、このためにはアクセス道路における救急車の搬送時間の短縮も重要なことと考えております。平成二十六年度の調査で、近鉄橿原線九条第九号踏切は、一時間当たり最大約三十一分、一回当たり最大約三分の遮断時間となっております。一分一秒を争う重病患者の搬送において、道路が立体化されて搬送時間が短縮されれば、とうとい命を救うことにもつながり、早期整備を期待されている方は多いはずでございます。

 本年、現場に完成予想図を用いた看板が設置されました。このような広報活動により住民の方の関心も高くなり、より整備の必要性を感じておられると思います。引き続き、救急医療体制充実の視点からも積極的に予算確保に努め、事業を推進していただきたいと思います。

 そこで、都市計画道路城廻り線の進捗状況と今後の見通しについて、まちづくり推進局長にお伺いをいたします。

 次に、道徳教育の充実についてお伺いをいたします。

 我が国には、人々が道徳を重んじてきた伝統があり、現在も諸外国から日本人の道徳性の高さが評価される機会が多くあります。我々はこうした伝統に自信と誇りを持ちながら、一方で道徳教育をめぐる課題を真摯に受けとめ、これからの時代を生きる子どもたちのため、その改善に早急に取り組む必要があると思います。我が国と郷土の将来を担う子どもたちは、私たちにとって一番の宝でございます。しかし、子どもたちがいじめを受けみずから命を絶つ、そのような痛ましい出来事が残念ながら後を絶ちません。今回の道徳教育の改善に関する議論も、いじめの問題への対応に端を発したものでありました。子どもたちをいじめの加害者にも被害者にも傍観者にもしないために、いじめは許されないということを道徳教育の中でしっかりと学ぶようにする必要があります。そして、道徳教育を通じて個人が直面するさまざまな事象について状況を深く見詰め、自分はどうするべきか、自分に何ができるかを判断し、それを実行する手だてを考え実践できるようにするなどの改善が必要になるのではないでしょうか。

 このような状況を踏まえ、昨年三月に学校教育法施行規則及び学習指導要領の一部改正により、これまでの道徳の時間が特別の教科、道徳として新たに位置づけられました。その目標、内容、教材や評価、指導体制のあり方等が見直されました。これからの道徳科の授業においては、答えが一つではない道徳的な課題を子どもたちが自分自身の問題として捉え向き合う、考え、議論する道徳への転換を図るなど、多様な指導方法を取り入れた授業が求められております。全国学力・学習状況調査など各種の調査データによりますと、本県の子どもたちには社会性や規範意識、自尊意識において課題が見られるようであります。こうした課題の解決に向けても道徳教育において、我が国や郷土を愛する心、公共の精神や自分の個性を伸ばそうとする心など、じっくりと子どもたちに育むことが今後一層求められるものと私は考えております。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 道徳の教科化に向けて、今後、県教育委員会として道徳の授業をはじめとした本県の道徳教育の充実をどのように進めようと考えているのか、お聞かせを願いたいと思います。

 最後に、市街化区域のまちづくりについて要望を一点させていただきます。

 無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を図ることを目的として、都市計画区域においては市街化区域と市街化調整区域、いわゆる線引き制度があります。市街化区域は規制市街地や優先的に市街化を進めようとする区域として、一方、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域としてそれぞれ設定されております。しかしながら、市街化区域であるにもかかわらず長年にわたり宅地としての土地利用がなされていない土地も見かけるところでございます。宅地としての土地利用がされない理由はさまざまあると考えられますが、中には有効に土地利用をしようという意思があるにもかかわらず、道路幅員が狭いことから都市計画法に基づく開発許可の規定を満たさないため、宅地開発ができないなど物理的状況により土地利用の転換が進まないものもあると聞いております。

 市街化区域は、将来のまちづくりを見据え、必要な規模、範囲を検討し設定されていると理解していますが、そのもくろみどおり市街化が促進されなければ、目指すまちづくりが実現できないのではと心配しているところであります。開発許可制度の運用をはじめ、まちづくりを進めるためにはほかにもさまざまな課題があります。都市計画、建築、開発、市街地整備の各セクションが連携し、また市町村とともに知恵を出し合い課題解決に取り組むなど、工夫してよりよりまちづくりにつなげていただくよう強く要望しておきたいと思います。

 これで、壇上からの質問を終わらせていただきます。皆様、ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十二番中野議員からは、私に対して一問ご質問がございました。

 地方消費税の清算基準の見直しについてということでございます。

 本県では、地方消費税の清算基準について人口基準の引き上げが不可欠と考え見直しを求めてまいりました。奈良県がこのような活動を行う出発点は、県の皆様の消費額は全国トップクラスであるのにもかかわらず地方消費税の配分は全国最下位クラスであるということに端を発しております。そのようなことから、県民の皆様の消費額が消費税に反映されていないのではないかということで訴え始めたわけでございますが、県民の皆様の県外消費率が一五%を超えて、県外消費率が全国一であるということも理由かというふうに考え、地方消費税の配分をふやすために県内での消費を高めましょうという運動をしたこともございました。

 一方、この地方消費税の制度の脆弱な面も明らかになってまいりました。地方消費税の配分につきましては、物販サービスの販売統計のみが用いられ、地方消費の実態と乖離していることが明らかになってまいりました。地方消費税はこのような販売統計に基づいて都道府県に配分されるわけでございますが、その二分の一が人口の基準で県内市町村に配分されるので、奈良県の配分は少ないと県下の市町村も大きな影響を受けるということでございまして、解決の手段の一つは、販売と消費地の乖離が著しいと思われる品目、例えば、通販のようなものにつきましては統計から除外して、その分人口基準に置きかえるということでございます。そのような主張をしてまいりました。

 議員ご指摘の平成二十七年度税制改正におきましては、人口基準の二・五%引き上げはその一つの成果でございまして、奈良県の主張に沿ったものでございましたが、必ずしも十分なものではございませんでした。ことしの夏から平成二十九年度税制改正に向け、より強力な提言・要望活動を行ってまいりました。具体的には、本県税制調査会での審議の上、人口基準の抜本的引き上げの具体的な提言を十月にまとめまして、菅官房長官や高市総務大臣、そして、自由民主党税制調査会の宮沢会長、野田前会長をはじめ、いわゆるインナーの先生などに直接面談を求め要望活動をさせていただきました。いずれの方々もご面談の機会を与えていただき、また奈良県の考え方にいずれも肯定的で、前向きな反応をいただき感謝をしているところでございます。結果として、平成三十年度税制改正に向けて抜本的な見直しを行うことが、与党の税制改正大綱に明記されるとともに、その先鞭として平成二十九年度税制改正において、人口基準がさらに二・五ポイント引き上がることになりました。このことは本県が提言、要望をしなければ実現し得なかった大きな成果と考えております。

 今後は、この成果に立ちどまることなく、平成三十年度税制改正に向け、清算基準に利用されている統計にどのような問題点があるかという根源的な点にまでさかのぼって、本県の提言をさらに強化していきたいと存じます。また本県の提言は全国知事会の提言の方向性にも沿ったものでありますので、他府県の知事ともよく連携を図りご理解いただけるよう努めていきたいと考えております。

 加えまして、情報発信を強化し、政府与党をはじめとした各所への働きかけもこの一年間、一層精力的に行ってまいりたいと思います。議員お述べのように、地方創生や社会保障の重要な財源であります地方消費税の清算基準の見直しは待ったなしの課題だと考えております。

 今後とも清算基準の抜本的見直しの一日も早い実現に向けまして、先頭に立って走ってまいりたいと思っております。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 村田地域振興部長。



◎地域振興部長(村田崇) (登壇)二十二番中野議員から私に対しましては、大和橘を活用した地域活性化の取り組みについてご質問をいただきました。

 大和橘をはじめとした歴史的な背景を持ちます素材を生かした地域振興を進めていくためには、まず存在や歴史、そして、その素材の地域における意味をきちんとわかりやすくストーリー化する、それを地元の方々に知っていただくと、こういう取り組みが必要だと考えます。それによりまして、地域活性化の基礎となります郷土意識ですとか、地域への愛着を養っていくことができるというふうに考えております。また次の段階としまして、今申し上げました歴史的素材をストーリーとともに県内外へ広く発信をしていくことで、誘客の促進など地域の活性化に結びつけることができるというふうに考えております。

 この大和橘につきましては、県におきましては初めの段階の取り組みとしまして、古事記や日本書紀の物語を紹介するガイドブックであります、なら記紀・万葉名所図会の中で、橘ですとか垂仁天皇などゆかりの人物の物語やゆかり地などを取り上げまして、県内の全小学校をはじめ広く配布するなどの取り組みを行っているところであります。また昨年度、記紀・万葉県民活動支援補助金によりまして、大和橘をキーワードにしました講演会やウオーキング等の県民団体における取り組みの支援も行わせていただいたところでございます。

 今後はさらにストーリーを補強するとともに、県内外への幅広い発信を行っていく必要があると考えております。県として、現在既に熱心な取り組みを進めてくださっている地域の皆様と密に連携をいたしまして、地域活性化の取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 森田産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(森田康文) (登壇)二十二番中野議員の橘に関する質問に関しまして、私のほうへ質問がございましたので、お答えを申し上げます。

 大和橘の成分研究あるいは商品開発ということに、漢方のメッカ推進プロジェクトにおいて、どのように取り組んでいるのかという質問でございます。

 まず大和橘はその果実の皮の部分が橘皮と呼ばれる生薬で、胃を丈夫にしたりせきを静める効能があり、古くから漢方処方薬に配合されています。県が取り組みを進めております漢方のメッカ推進プロジェクトにおいては、奈良とのゆかりも深いこの大和橘に着目しまして、平成二十六年度から機能性成分の研究やその機能性を生かした食品等の開発支援を行っているところでございます。

 まず県薬事研究センターにおきまして、大和橘の皮に含まれます成分の抗酸化・抗炎症作用に着目し、県内企業と共同で医薬部外品としての美白化粧品の開発を行っているところでございます。また県産業振興総合センターにおきまして、橘の機能性評価及び橘を活用した食品の開発として、中期研究開発方針の重点研究テーマに位置づけまして、県内企業の商品開発の支援のほか販売促進につながるような機能性の研究を行っているところでございます。

 例えばでございますが、これまでの研究で大和橘の果実、実の部分ですね、には、認知症予防に効くとされる特定の成分がミカンと比較して二十倍以上含有量があることがわかりました。また葉っぱの部分にも同様の成分があり、六月に採取した葉っぱにおいては果実よりも多くの含有量を確認できたところでございます。さらに本年九月、本県と近畿大学との包括連携協定を締結したところでございまして、大和橘に関する共同研究をはじめ漢方の取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。大和橘のさまざまな可能性に県としても期待しているところでございまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)二十二番中野議員の質問にお答えをいたします。私には二点の質問がございました。

 まず一点目でございます。高病原性鳥インフルエンザ対策について、前回の本県での発生経験を踏まえ、県ではどのような発生予防対策や発生時の蔓延防止対策を行うのかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのとおり、高病原性鳥インフルエンザの青森県及び新潟県での農場での発生を受けまして、本県では鶏などの飼育者に対する聞き取り調査や注意喚起を行っております。具体的には、飼育者に対して異常の有無の電話確認や家畜保健衛生所職員による農場への立ち入り検査、防疫の指導、消毒薬の配付を行っており、これらの取り組みにより早期発見、早期通報の徹底を図っているところでございます。前回発生時の教訓をもとに本県で発生した場合に備え、農家ごとに飼育状況や殺処分方法、埋却地情報を記載したカルテを作成し、処理がスムーズにできる体制をとっております。また、県職員作業者を対象とした防疫演習の実施や県対策本部事務局会議を開催し、県庁内の危機管理体制の再確認も行っているところでございます。

 なお兵庫県小野市のカモ類のふん便からの検出事例を受け、現在、野鳥の監視も強化をしているところでございます。引き続き、防疫体制を徹底するとともに、万一発生した場合も想定をし、迅速で的確な対応ができるよう備えていきたいと考えているところでございます。

 二点目の質問でございます。農業委員会の改革について、農業委員会をよりよいものとするため、どのように取り組んでいこうと考えているのかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのように今般の農業委員会等に関する法律の改正では、農地利用の最適化を農業委員会の最も重要な事務と位置づけ、担い手への農地利用の集積・集約化及び耕作放棄地の発生防止・解消、新規参入の促進による農地等の利用の効率化と高度化を促進することが義務づけられました。現在、県では県域での農地総量を確保しながら工業ゾーンの確保を図るほか、耕作放棄地の発生を抑制・解消することを目標とした農地マネジメントを市町村農業委員会と連携をして進めているところでございます。このため、農業委員会を指導する立場にある奈良県農業会議の中に農地マネジメント委員会を設置し、体制面での充実も図ったところでございます。

 一方、農業委員の選出につきましては、地域の農業者による選挙制から市町村長が任命する制度に変更されるとともに、女性及び若手農業者を積極的に登用することが求められております。本県の市町村農業委員会における女性登用の状況は三・五%であり、全国の七・二%と比べかなり低く、今後の積極的な登用が必要な状況であると考えております。

 このような中、本年四月一日に改選が行われました高取町農業委員会では、十九名中四名の女性農業委員等が初めて任命をされました。女性の登用に積極的な姿勢が見られたところでございます。また本年十一月一日、女性農業委員の研さんと活動を一層進めるため、なら農業委員会女性委員の会が設立をされました。この後、多くの市町村農業委員会で委員の改選時期を迎えることから、県では女性及び若手農業者が今まで以上に委員に登用されるよう各市町村長に働きかけることとしております。

 今後も県では、改正農業委員会法に基づいた改革に向け積極的に取り組む市町村農業委員会に対し必要な支援を行うとともに、やる気のある農業委員会と連携をした農地マネジメントの取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)二十二番中野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、大和中央道の除草につきまして、沿道景観の維持あるいは交通安全の確保の観点から、その取り組みについてお尋ねがございました。

 本県が管理をしております道路は、二千二十二キロメートルございます。県ではこれらの道路が本来の機能を十分に発揮し、利用者の皆様方に安全、快適にご利用いただけるよう道路の維持管理に日々取り組んでいるところでございます。今年度は道路の維持管理に要する予算につきましても増額を図るなど、その充実に取り組んでおりますけれども、除草につきましては年一回の実施が基本となってございます。議員ご指摘の大和中央道における取り組みでございますけれども、交通安全の確保を図る上で重要となります交差点部につきましては、雑草が伸びてまいりましたら年一回に限定することなく逐次、除草を行いますほか、中央分離帯に砕石を敷いたり、あるいはコンクリートで覆うなど雑草の生えにくい構造とすることによりまして、視認性の確保に努めているところでございます。

 また交差点部以外の区間につきましては、年一回の除草を実施いたしましても数カ月も経過をいたしますと、ご指摘のとおり再び雑草が繁茂する状況となってまいります。道路の維持管理に関しましては、予算の確保に努力しているところでございますけれども、大変厳しい状況には変わりございません。このような中、良好な景観形成に向けましては、道路管理者と地元の市町村をはじめとする地域の皆様方との協働が重要となってまいります。現在、地域の皆様方に道路の維持管理をお手伝いいただく、みんなで・守ロードの取り組みを進めておりますが、こうした協働の仕組みをさらに発展させていくことも研究してまいりたいというふうに考えております。

 十二月六日には多様な方々のご参加のもと、きれいに暮らす奈良県スタイル推進協議会が設立をされました。承認された行動計画では、奈良らしい景観づくりの推進が重点プロジェクトにも位置づけられ、おもてなしの心あふれる、奈良らしい美しく風格のある都市・沿道景観づくりを目指すこととされました。道路の維持管理におきましてもさまざまな工夫を図ることによりまして、こうした取り組みにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)二十二番中野議員の質問にお答えさせていただきます。

 私へは、都市計画道路城廻り線の進捗状況と、今後の見通しについてのお尋ねでございます。お答えいたします。

 都市計画道路城廻り線は京奈和自動車道、新奈良県総合医療センターへのアクセス道路として位置づけられております。平成二十三年度に近鉄橿原線踏切の立体交差化による交通渋滞の緩和などを目的として事業に着手しているところでございます。ことし四月には、この踏切が改良すべき踏切道として改正踏切道改良促進法に基づく国の指定を受けております。県としても早期の整備を目指して進捗を図っているところでございます。

 まず、用地の取得状況についてでございます。本年の十一月末時点で、全体四十四件のうち二十三件の用地を取得させていただくことができました。今後も地権者の方の了解が得られた箇所から順次、補償調査を実施して積極的に用地交渉を進める予定にしております。

 次に、工事につきましては既に北郡山交差点の暫定改良工事が完成しております。歩行者の安全性等の改善が図れたところでございます。また平成二十六年度からは近鉄線の踏切西側において、郡山城の北側でございますけれども、拡幅工事に着手をし鋭意進めているところでございます。あわせて広報看板や郡山城ホールには完成模型の展示などを行っておりまして、事業に対する地権者等のご理解が得られるように積極的に取り組んでいるところでございます。

 今後も引き続き、地域の方々のご理解を得ながら用地交渉を粘り強く行い、早期の完成に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十二番中野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、道徳の教科化に向けて、本県の道徳教育の充実をどのように進めようと考えているのかとのお尋ねでございます。

 道徳教育は、人が生きる上で必要なルールやマナー、社会規範などを身につけ、人としてよりよく生きることを根本で支える力を培うものでございます。平成三十年度の小学校をスタートに順次、教科化される道徳の授業では、読み物を中心の受け身の従来型授業から、いじめなどに教員が正面から向き合って考え、議論する道徳へと転換することが求められております。

 県教育委員会では、道徳教育の質的転換を図るため、本年度、小学校三校、中学校二校、高等学校一校を道徳教育推進研究校に指定し、検定教科書の導入に備えまして、問題解決的な学習や体験的な学習などを授業に取り入れ、多様で効果的な指導方法の確立を目指しております。また、これまで郡市単位で養成をした道徳教育推進リーダーに対しまして、本年度は今後副教材として活用する予定の県教育委員会作成の奈良県郷土資料を用いた効果的な授業のあり方について研修を行いました。それとともに来年二月には文部科学省の道徳の教科調査官による、今求められている道徳教育の充実と題した講演会を開催いたしまして、各学校に配置をしている道徳教育推進教師の参加も求めながら推進リーダーが主導的な役割を担えるよう資質の向上に努めてまいります。

 道徳教育のかなめとなる特別の教科、道徳は主として児童生徒をよく理解している学級担任が担当をするため、今後は道徳教育推進リーダー、推進教師、学級担任の連携をきちっと図り、道徳教育に組織的に取り組めるよう研修の充実を図ってまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 二十二番中野雅史議員。



◆二十二番(中野雅史) それぞれに前向きな答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。

 再質問はないのでございますが、特に知事におかれましては、地方から国を変えるというフレーズを時々耳にするわけでございます。この件に関しましては、本当にまさにそれを地でいかれたのかなと大変敬意を表するところでございます。

 喜ぶところがあればどこかできっと怒っていらっしゃる都道府県もあるのかなというふうにも思うわけでございますけれども、やっぱりこのことはしっかりとさらにパワーアップをしていただきまして、国を変えていっていただきたい、そのようなことをお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 次に、二番池田慎久議員に発言を許します。−−二番池田慎久議員。(拍手)



◆二番(池田慎久) (登壇)自由民主党の池田慎久でございます。この十二月議会一般質問の最後となります。一生懸命最後まで頑張りますので、よろしくお願いを申し上げます。

 私からは、県民の暮らし、生活にかかわる県政の課題について、荒井知事並びに関係する理事者に質問をさせていただきたいと思います。

 まず、奈良県における自殺対策について、荒井知事に質問させていただきます。

 全国の自殺者の数は平成十年から三万人を超えておりましたが、平成二十二年の自殺者の数は十三年ぶりに三万人を下回り、それ以降も減少傾向が続き、平成二十七年では二万三千百二十一人と大きく減少しております。

 都道府県別に見ますと、奈良県は平成二十一年から平成二十三年まで人口十万人当たりの自殺者の数が全国で最も少ない県でありましたし、平成二十七年でも人口十万人当たりの自殺者の数は十五・七人で、福井県、高知県に次いで少ないほうから三番目と低い位置にあります。奈良県においては、平成二十四年に策定した奈良県自殺対策基本指針に基づき、これまで自殺対策に取り組んでこられましたが、年代別に見ますと、奈良県でも全国的な傾向と同様に二十歳代、三十歳代の若い世代の自殺者の割合が少し高く、とりわけ奈良県における二十歳代の割合が全国平均よりも高いことが気になっておりますので、ことし十月の予算審査特別委員会に引き続きましてこの問題を取り上げたいと思います。

 さきの予算審査特別委員会では、荒井知事から自殺対策の最近の変化に即した対策を考えなければならない、その中で若者の自殺には社会構造とか所得状況などが関係しているか新しいリサーチをしながら対策を講じたいと、自殺予防をはじめとする自殺対策に積極的に取り組むとのお考えを示していただいたところでありますが、奈良県のこれまでの取り組みの検証結果、そして、さきに知事が述べられました新しいリサーチなどを踏まえまして、若い世代の自殺者をなくすことを目指した奈良県の自殺対策計画をぜひ早期に策定していただきたいと考えております。

 そこで、私から三つの提言をさせていただきたいと思います。

 その一つは、自殺予防教育の充実であります。これまでの取り組みであります命の教育を基本として、日常生活において困難にぶつかったときにどのようにしたらいいのか、困ったときに誰に相談をしたらいいのかなどの対処方法を学校教育の現場で具体的に教えていく必要があるのではないかと考えています。

 二つ目に、若者が相談しやすい環境づくりです。奈良県では、いのちの電話や相談窓口の設置などに取り組んでこられましたが、若者は恥ずかしさや孤立などにより一人で抱え込み誰にも相談しないことも多いと聞きます。また自殺未遂を繰り返さないよう精神的なケアも大切だと思います。

 三つ目に、高等学校中退者や就職が決まらない若者へのきめ細かなサポート体制づくりです。具体的には、職業訓練や就職支援といったサポートの強化が重要だと考えております。奈良県では、卒業後三年以内の離職率が全国平均と比べ高いことなど、若者を取り巻く雇用のあり方が課題となっておりますが、経済的に厳しい状況に置かれた若者が自殺という選択をするということを未然に防いでいかなければなりません。データから見ても健康問題に次いで、経済・生活問題が自殺原因の、あるいは動機の原因となっておりまして、その割合も約一六%と決して少なくない状況であります。その意味において、産業・雇用にかかわる関係機関との連携もこれからはより重要になってくると強く感じております。

 そこで知事にお尋ねしますが、奈良県における若い世代の自殺割合が少し高いことを踏まえ、どのような対応策を考え来年度策定予定の自殺対策計画に反映していこうとされているのか、荒井知事のご所見をお示しいただきたいと思います。

 次に、奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトの進捗状況と新病院への公共交通アクセスの確保について、荒井知事に質問させていただきます。

 新たな奈良県総合医療センターの建設が平成三十年春の開設を目指して順調に進む中、奈良市平松町の病院跡地を活用して地域包括ケアの行き届いたまちづくりを目指す、跡地活用プロジェクトについても今年度、基本構想を策定するとのことであります。この間、地元住民の方々と奈良県及び奈良市が跡地活用のあり方を議論するために設置されました、まちづくり協議会が平成二十四年からこれまで九回開催され、地元住民からは住みなれた地域でいつまでも安心して暮らせるよう在宅医療や介護が行き届いた地域包括ケアシステムの整ったまちづくりを進めてほしいという願いや、若い世代を呼び込めるような魅力あるまちづくりを求める声、人と人とがつながり交流とにぎわいのある活力あるまちづくりを望む意見などが寄せられ、誰もが生き生きと安心して暮らせるまちの実現に期待が膨らんでおります。

 そこでお尋ねしますが、奈良市平松周辺地区の奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトの基本構想策定に向けた取り組み状況と今後のスケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。

 次に、これまで病院のあった平松周辺地区から新病院への公共交通アクセスについてであります。

 病院が移転することにより、地元住民から、これまで病院へ歩いて行けたが新病院まで遠くなり歩いて行くのは困難で不安だ。何とか通院の足を確保してほしいという声がとても多く聞かれてまいります。私も地元の議員としてバスによる公共交通アクセスの確保が必要であると考えており、ぜひ実現したいと考えています。

 そこでお尋ねしますが、県として地域住民の切実な願いに応えていただき、平松周辺地区から新病院へのバスによる公共交通アクセスを確保すべきと考えますが、荒井知事のご所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、介護費と介護保険料について、土井健康福祉部長に質問させていただきます。

 さきに公表されました平成二十七年国勢調査、人口等基本集計結果によりますと、奈良県の人口は百三十六万四千三百十六人で、そのうち六十五歳以上の人口は三十八万八千六百十四人となり人口に占める六十五歳以上の高齢者数を示す高齢化率は二八・七%となっています。この奈良県の高齢化率二八・七%は、全国平均の二六・六%を大きく上回り、この十年間の推移を見ると急速に奈良県の高齢化が進んでいることがはっきりとあらわれており、この伸び率は全国一とのことであります。

 また奈良県内における六十五歳以上の要介護認定者数については、平成二十七年度末現在で六万九千百十一人となっており、介護保険制度が発足した平成十二年度末の県内の認定者数二万五千九百九人と比べると二・七倍、また平成十八年度末と比べても一・四倍の増加となっております。全国一のスピードで高齢化が進んでいる奈良県では、高齢者一人当たりの介護費が急増し介護保険料も高くなっているとともに、それら介護費や介護保険料の市町村格差も大きくなっております。

 具体的に申しますと、介護保険料の決定に大きく影響する六十五歳以上の一人当たりの介護費を平成二十六年度のデータで見ると、県平均で二十六万二千円となっておりますが、市町村別に見ると大淀町が二十九万四千円と最も高く、次いで天川村二十九万三千円、大和高田市二十九万円の順になっております。一方、介護費が低いのは川上村が十七万六千円、山添村十八万円、下北山村十九万円の順になっており、最も介護費がかかっている大淀町と、最も介護費がかかっていない川上村で住民一人当たり十一万八千円の格差が生じております。

 また六十五歳以上の介護保険料は、平成二十七年度から平成二十九年度までの第六期介護保険事業計画期間では、県平均で五千二百三十一円となっております。これは、平成十二年度から平成十四年度までの第一期の介護保険料二千八百五十九円と比べると一・八倍も上昇しています。第六期の介護保険料を市町村別に見ると、天川村が八千六百八十六円と最も高く、黒滝村が七千八百円と、それぞれ全国一位と全国三位となっており全国的に見ても大変高額になっています。その一方で、保険料が最も低い御杖村は三千九百円、続いて川上村は四千五百円となっています。このように介護保険料では、最高額の天川村と最低額の御杖村との差は四千七百八十六円にも上り、二・二倍以上の格差が生じています。県民からは、なぜこんなに格差があるのか、こんな高い保険料を払い続けていくことができない、何とかならないのかなどと不安の声が多く聞こえてまいります。

 そこでお尋ねしますが、県内の介護費と介護保険料の上昇及びその市町村格差という課題に対して、県では今後どのように取り組んでいこうと考えているのかお答えいただきたいと思います。

 次に、国民健康保険の県単位化に向けた取り組みについて、引き続き土井健康福祉部長に質問いたします。

 平成二十七年五月に国民健康保険の見直しをはじめとする、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律が成立したことにより、いよいよ平成三十年度から市町村国民健康保険が県単位化されることになります。現在、奈良県内市町村の国民健康保険料及び国民健康保険税の一人当たりの額は、平成二十六年度の決算ベースで、県平均は八万九千二百三十四円ですが、天川村が十一万八百三十八円と最も高く、一方で下北山村は四万九千八百九十七円と最も低い状況となっており、こちらも大きな差が生じております。奈良県では、これまで県と市町村との連携・協働の取り組みである奈良モデルの一つとして、最大の課題とも言える保険料水準の県内統一化を目指し、市町村国民健康保険の県単位化に向けた具体的な検討を重ねてこられたと伺っております。そしてことし四月には、国民健康保険事業費納付金及び標準保険料率の算定方法についてのガイドラインが国から示されたのを受け、奈良県の取り組みとして同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこに住んでも保険料水準が同じとなることを目指し、鋭意取り組んでおられると聞き及んでおります。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 国民健康保険の県単位化に向けた取り組みの進捗状況と今後の見通しについてお聞かせください。

 最後に、医師・看護師の確保に向けた取り組みについて、林医療政策部長に質問させていただきます。

 高齢者人口の増加により医療・介護の需要が増加する一方で、生産年齢人口の減少に伴って医療従事者の不足が懸念される中、需要に即した医療従事者の確保が重要な課題となっております。奈良県では、これまでも県内の医師不足の状況に鑑み、良質かつ適切な医療を効率的に提供するために必要な医師の養成及び確保を図ることを目的とした二つの奨学金制度を設けているほか、奈良県立医科大学においても県費奨学生配置センターを設置して、医師の育成と確保に努めていただいております。また県内の臨床研修病院とも協力して、医師免許の取得後、初期臨床研修医の確保にも努めておられますが、いまだに医師不足を心配する声が大きく聞こえてまいります。

 一方、看護師についても人材の確保に向けたさまざまな取り組みを展開しておられますが、今なお人口十万人当たりの看護職員数は全国的に見て少ない状況が続いています。現在、奈良県内では十七校において約三千名が看護師を目指して学んでおられ毎年約八百名が卒業されますが、奈良県内での就業率は全体で六〇%を下回っており決して高いとは言えない数字であります。またこうした中、平成三十年春には新奈良県総合医療センターの開設が予定されており、医師及び看護師の確保はより大きな課題となっております。

 そこで医療政策部長にお伺いしますが、県民が安心できる医療サービスを提供するために不可欠である医師及び看護師の確保について、奈良県ではこれまでどのように取り組んでこられたのでしょうか。また、今後さらに医師・看護師の需要が増す中でどのように取り組んでいかれるおつもりなのでしょうか。平成三十年春に開設予定の新奈良県総合医療センターにおける医師と看護師の確保に向けた見通しも含め、お答えいただきたいと思います。

 以上で、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二番池田議員のご質問がございました。

 奈良県における自殺対策についてのご質問が一番目でございます。

 議員お述べになりました自殺対策としての予防教育、相談しやすさ、就労サポートはいずれも若者の自殺対策として極めて重要であると認識をしております。予防教育では心を強くする、相談しやすさではコミュニケーション能力を上げる、就労サポートでは働く場を確保する、いずれも地域で達成できる対策であろうかと思います。地域の自殺率の原因は多様でございますが地域差があることは事実でございますので、その地域差が何に起因するのか、社会学的なアプローチが重要である分野だと思っております。

 本県におきましては、二十歳代、三十歳代の死亡原因の第一位が自殺でございます。死亡原因の約四割が自殺でございます。これは全国と同様の傾向ということでございます。年齢においての顕著な地域差は見当たりません。したがいまして、若者の自殺は奈良県において重要な問題であるとともに全国においても深刻な問題であるというふうに認識をいたします。若者の自殺の引き金になるのは、いじめ、ひきこもり、無業などだと言われております。若者が周囲とうまくつき合う上での行動や意識、コミュニケーションの仕方など時代の変化とともに大きく変わってきているのが実情でございます。このような状況では、周囲の者が若者の心をうまくつかみ切れない傾向が出ていると思われます。そのため、まず若者の心に寄り添った対応をすることが教育現場ではとりわけ大切であると考えます。このため県教育委員会では、教職員に対する研修を行い、児童生徒の自殺の兆候の早期発見に努めるほか、中学・高校生の悩みに関するメール相談を実施されていますが、教育の現場がうまく若者の心をつかみ切れていないのが実情だと思います。どのように若者の心をつかむのかというテクノロジーが教員になかなかまだ存在しないように思われます。

 また、若者がいじめなどに直面しても自傷行為や他傷行為に至らない、そこで、悩みで食いとめるためには、心の強さとしなやかさを持てる教育が教育現場で重要になっていると思います。教員がいじめの実態や若者の自殺兆候に気づき、能力をアップすることが必要でございます。県では市町村や相談支援事業所等の支援員を対象とした研修会を開催し、相談支援体制の充実を図ってきているところでございますが、若者は議員お述べのように、みずから相談機関に出向くことが難しい傾向も見られます。また、自殺志向の方にはとりわけ閉じこもり傾向がその時期に発生することも事実でございます。学校や地域で若者の自殺兆候に気づき、気遣ってあげることがまず大事だと思います。その時期を通過すれば、また通常に戻られることが多いわけでございますので、その時期に気づいて救いの船を出すということが基本的にとても大事だと思います。

 また職場に安定した気持ちでおられない、就労年齢になられた場合、職場で落ちつかない方も自殺の入り口に立たれることになります。県の調査におきましては、誰にも相談せずに離職する方が約三割に上っておられます。また、離職を繰り返す傾向がそのような方にはあることもわかってきております。離職者が誰にも相談できない状況を放置せず、国や県、市町の就業相談窓口に誘導し相談窓口で心の悩みの相談に乗れる能力を持つことも大事でございます。学校では卒業時に就職のあっせんをいたしますが、卒業してからはなかなか相談できない、卒業生には幾度でも、何度でも就職の相談に乗るようにということを教育委員会にお願いをしておるところでございます。さて、できるかどうか。

 来年度に策定いたします自殺対策計画の具体的内容の検討に当たりましては、今申し上げた視点も十分に踏まえつつ、保健、医療、教育、雇用などの分野が連携して効果的かつ総合的なものになるよう努め、自殺に追い込まれる人をできるだけ引き戻せることができる奈良県を実現してまいりたいと思います。

 次のご質問は、総合医療センター跡地、奈良市平松町のプロジェクトの進捗状況と新病院への公共交通アクセスの問題でございます。

 奈良県総合医療センター跡地、平松町におきましては、医療・介護・健康づくりの視点から県民が生き生きと暮らせる健康長寿のまちづくりというテーマで、地域包括ケアの行き届いたまちづくりの実現を目指して検討を始めております。現在、地元の方々とまちづくり協議会や県とまちづくりに関する包括協定を結んでいる奈良市等との間で議論、検討を進めているところでございます。特に地域包括ケアの整ったまち、二十四時間三百六十五日、また、高齢になっても認知症でも障害者でも、誰でも安心して暮らせるまちをつくるという目標のために必要な機能について、何がそろっておればそのようなまちになるのかということについて、議論、検討をしております。工夫を凝らしつつ持続可能な健康長寿のまちができたらと思っております。地域包括ケアの行き届いたまちとはどのようなものなのか、いまだ全国でこれといったモデル、見本が見つからない状況でございますので、そのようなまちをつくるということを目指して検討することは大変チャレンジングなことだと思っております。

 今後は、まちづくり協議会を通じていただいた地元住民の方の意見等も取り入れ、奈良市との協議のもと、今年度中に平松周辺地区のまちづくりをイメージしていただけるような基本構想を策定する予定でございます。そして平成三十年春の新病院オープン後、速やかにまちづくりに着手できるように基本構想の具体化やまちづくり手法の開発、事業者の選定等を進めまして、平成三十三年のまちびらきを目標に取り組んでいきたいと考えております。

 次は、この平松周辺地区から新病院へのバスによる公共アクセスの確保についてのご質問でございます。

 今申し上げましたように、平成三十年春の開院を予定しております新奈良県総合医療センターへの公共交通一般につきましては、来院される方の利便性を考え、新病院周辺と効果的に鉄道駅を結ぶ既存バス路線の活用を基本として検討を進めてきたものでございます。この平松周辺地区の路線といたしましては、近鉄西ノ京駅から六条山へのバス路線を新病院に延伸するということを基本のパターンで考えておりまして、おおむね奈良交通株式会社と合意をしているところでございます。この平松周辺地区からその他の地区へのアクセス、例えば近鉄大和西大寺駅南口へのバスの乗り入れなどにつきましては、効果的で意味があるかどうかは、利用者ニーズの内容、実情によるものと思われます。将来の利用者ニーズがどの程度あるのか、また代替アクセス性はないかということを検討する必要があります。新たな公共交通を導入するまでの需要があるかどうかといったものが大きな課題なのかと思います。平松周辺地区の住民の方々からは、平松町のまちづくりがどのようなものになるのかが重要な関心事項だと思います。平松町のまちづくりでは、周辺地区とのよい関係づくり、また総合医療センター跡地と新病院とのアクセス関係が重要な要素と考えております。新病院のアクセスは、そのような平松町のまちづくりのあり方の関係の中で議論ができたらと思っております。

 私に対するご質問は以上でございました。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には二つのお尋ねがございました。まず、介護費と介護保険料の上昇といった課題に対して、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 議員ご指摘の介護費と介護保険料の上昇や市町村ごとの差に影響する要因といたしましては、要介護認定率、要介護者のうち重度、軽度の状況、あるいは介護サービスの提供内容など、さまざまなものがございます。市町村の介護費や介護保険料につきましては、こうしたさまざまな要因が複合的に影響することから、保険者である市町村ごとにどの分野にどのような課題があるのかを分析し、各市町村ごとの取り組み課題を明らかにすることが重要でございます。このため平成三十年度からスタートいたします第七期介護保険事業計画の策定過程におきまして、介護給付や国民健康保険のデータなどを活用いたしまして介護費等の地域差分析を行いまして、これを市町村と共有し、市町村の給付費適正化の取り組みをより一層促進してまいりたいと考えております。

 具体的には、分析結果に基づきまして介護保険サービスがより一層、要介護状態の軽減や重度化の予防あるいは要介護者の自立につながる質の高いものとなるよう市町村と連携・協働しながら、ケアプランのチェック体制や事業者等へ指導体制の強化を図っていくことといたしております。また各市町村の要介護認定の現状も踏まえまして、高齢者の健康寿命を伸ばすためよりよい生活習慣への改善を啓発するとともに、市町村や老人クラブ等の関係団体の協力を得ながら健康づくりや介護予防の取り組みをより積極的に進めてまいりたいと考えております。

 次に、国民健康保険の県単位化に向け、現在の取り組み状況と今後の見通しについてのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることにより国民健康保険制度の安定化を図ることなどを目的といたしまして、昨年五月に国民健康保険法が改正され、平成三十年度から市町村国民健康保険が県単位化されることになりました。また、本県では法改正の数年前から市町村とともに県単位化や保険料水準の統一化につきまして検討を行ってまいりました。このような経過を生かしまして、現在も同じ所得、同じ世帯構成であれば県内のどこに住んでいても同じ保険料水準となることを基本目標といたしております。

 現在、県単位化後の新たな制度設計につきまして、改正法や国が示すガイドラインに基づきまして、市町村長の皆様との個別の意見交換や市町村の実務担当課長との検討会議を通しまして、市町村と一緒に検討、議論を行っているところでございます。

 主な検討課題は三つでございます。一つは、新たに導入される市町村ごとの納付金の算定方法でございます。二つ目は、制度改正に伴って保険料負担が増加する市町村への激変緩和措置のあり方。そして三つ目は、事務の効率化等メリットにつながる市町村事務の共同化・標準化に関する具体的な内容についてでございます。このような三つを主な課題として検討を進めているところでございます。

 今後は、市町村ごとのシミュレーション等を行いながら、さらに制度改正に伴う影響等につきまして検討を深めるとともに、市町村に対するインセンティブのあり方や医療費の適正化に向けた取り組み等につきましても検討を行うことといたしております。

 引き続き、市町村と連携を密にいたしまして議論を重ね、本年度中に制度設計の素案の合意形成、平成二十九年度中に制度内容の決定、条例等の整備が図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 林医療政策部長。



◎医療政策部長(林修一郎) (登壇)二番池田議員の質問にお答えいたします。

 議員からは医師・看護師の確保について、県全体での医師・看護師の需要が増す中どのように取り組もうとしているのか。また、新奈良県総合医療センターにおける医師・看護師の確保に向けた見通しも含めということでご質問をいただきました。

 議員ご指摘になりましたように県民が安心できる医療サービスを実現するため、地域医療を担う医師・看護職員を確保することは重要な課題であると認識をしております。これまで県では、若手の医師、医学生に県内医療機関の魅力を伝える取り組みなど、さまざまな医師確保対策に取り組んでまいりました。平成二十九年度、来年度の県内の初期臨床研修医の人数、一年目の医師の人数でございますが、これが県立医科大学の卒業生を上回るまでに増加するという見込みになっております。看護師につきましても、修学資金の貸与や県内看護師養成所の運営支援を行うなど新規就業者確保に向けて取り組み、毎年卒業生の四百五十人余りが県内で就業し、これに加え県外からも約百八十人が流入をしている状況でございます。引き続き、新規就業者の確保とともに定着の促進や復職支援にも取り組みを進めてまいります。

 新総合医療センターにつきましても、平成三十年春の開院に向け医師・看護師等の人材確保は重要でございます。新総合医療センターの開院を目前にいたしまして、総合医療センターへの就職を希望する特に若手の医師が増加をしておりまして、平成二十八年四月までの一年間に、センターの医師数が百三十六名から百四十七名へと十一名増加をいたしました。看護師も計画的に採用を進めておりまして、同じ一年間で四百五十一名から四百八十三名へと三十二名増加するなど、着実に人材の確保が進んでおります。

 今後とも、関係者のご理解を得ながら病院機構とともに人材確保に取り組んでいきたいと考えております。



○副議長(小泉米造) 二番池田慎久議員。



◆二番(池田慎久) 荒井知事並びに関係する部長よりご答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 まず自殺対策についてでありますけれども、荒井知事から奈良県の自殺対策計画の策定に向けたお考え、とりわけ若い世代に対するお考えをお示しいただきました。ことし四月に自殺対策基本法の改正が行われまして、その趣旨に沿って策定されることになるであろう奈良県の自殺対策計画は、もちろん県民全体を対象にした計画になるわけでありますけれども、きょう取り上げましたように、これからの奈良を、これからの日本の将来を担う若い世代に対して、特にしっかりと焦点を当てた、教育もそうなのですけれども、教育長、お願いしたいのですが、教育もそうなのですけれども、しっかりと焦点を当てた計画になるようにお願いをしたいなというふうに思います。またあわせて、これまでの取り組みに加えて、さらなる自殺対策の取り組みの充実強化もお願いしておきたいと思います。

 次に、奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトの進捗状況についてでありますが、今年度末には基本構想を策定すべく鋭意取り組んでいくということでございます。知事お述べになられましたように、この地に地域包括ケアシステムの行き届いた新しいまち、これは全国のモデルになる新しいまちづくり、これはもう何よりも地域住民の皆さんがいつまでも安心して暮らしていけると、誰でも安心して暮らしていけると、そういったまちをつくっていただくということが第一義でございますので、この新しいまちづくりが平成三十三年に予定されておりますまちびらきに向けて計画的に進みますように一層のご努力をお願いしておきたいというふうに思います。

 また、新病院へのバスによる公共交通アクセスの確保についてでありますが、知事のほうから利用者ニーズであるとか代替のアクセスはないのかと、そういったことが一つ課題だというお考えをお示しになられました。これは単に病院へのアクセスということにとどまらず、例えばお買い物に行かれる、お出かけをされるなど生活の足としても重要になってくるものでございますので、知事のほうからはまちづくりを進めていく中で議論をしていくというお話をいただきました。

 いずれにしても、このプロジェクトは奈良県と奈良市がまちづくりの包括協定を結んで進めている事業でありますので、路線バスが難しいようであれば、例えばコミュニティーバスであるとかデマンドバスとか、これは市町村の仕事になってくるかと思いますが、あるいは民間のそういった輸送も含めて、ぜひとも実現に向けてお力、お知恵をお貸しいただきたいなというふうに思っております。

 次に、土井健康福祉部長に質問させていただきました介護保険と国民健康保険についてでありますが、これら保険料の負担が重たいと感じている県民が少なからずおられるというのは事実でございます。来年度には第七期の介護保険料の改定が検討されるわけでありますが、高齢化が全国一のスピードで進む奈良県においては、この介護費や介護保険料の問題についてしっかりと考えていかなければなりませんし、突き詰めていくと健康福祉部長がご答弁の中でおっしゃられましたように、県民の皆さんがどれだけ健康で暮らしていただけるかということにかかわってくるわけでございます。奈良県では健康寿命日本一を目指して鋭意取り組んでいただいておりますが、介護保険料の格差の問題を是正、改善をしていくためにも市町村との連携のもと施策の効果的な推進に努めていただきたいというふうに思いますし、県民への健康づくりにおける啓発もどんどん進めていただけたらなというふうに思っております。

 また国民健康保険の県単位化の問題につきましては、これまで随分とご苦労なさって、市町村と連携しながら着実に検討を進めているということでございます。県民の関心事といたしましては、保険料は幾らぐらいになるのかとか、先ほど格差の問題を指摘いたしましたけれども、激変緩和の措置期間はどれぐらいの期間になるのだろう、そういったことだろうというふうに思います。引き続き、こちらも市町村とご調整をいただきまして、県民が安心でき、安定して運営できる健全な国民健康保険の仕組みをぜひつくっていただきますようにお願いしておきます。

 最後に、医師・看護師の確保についてでありますが、新奈良県総合医療センターにおける医師・看護師の確保についてご答弁では、平成二十八年四月時点で医師は百四十七名、看護師は四百八十三名が在籍されているということでございますが、五百四十床を持つ新病院が平成三十年春からすぐにということではどうもなさそうでございますが、近い将来フルオープンになりますと、医師はあと数十名、看護師さんも百名以上が必要になってくるのではないかと推察されます。また将来の医療提供体制を考えるときに、病院等医療現場での人材確保に加え、今後は在宅の訪問診療や訪問看護にシフトしていく中で、さらに医師、看護師の需要が高まってくるということは間違いありません。今、二〇二五年問題がクローズアップされていますけれども、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年には、どれだけの医師、看護師がこの奈良県において必要になってきて確保していかなければならないのかということ、これは大変重要な問題でありますので、県としてしっかりと計画的に対策を打っていただきまして、他府県にこれ以上おくれをとらないように一層ご努力をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) これをもって当局に対する一般質問を終わります。

 議事の都合により、議長と交代いたします。

     (議長川口正志、副議長小泉米造にかわり議長席に着く)



○議長(川口正志) 議長を交代いたしました。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(川口正志) 次に本日、知事から議案三件が提出されました。

 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△財第百七十四号

 平成二十八年十二月十二日

  奈良県議会議長 川口正志様

                         奈良県知事 荒井正吾

     議案の提出について

 議第一一〇号 教育委員会の委員の任命について

 議第一一一号 公安委員会の委員の任命について

 議第一一二号 土地利用審査会の委員の任命について

 以上のとおり提出します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△議第一一〇号

     教育委員会の委員の任命について

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第四条第二項の規定により、下記の者を委員に任命したいので、その同意を求める。

       平成二十八年十二月十二日提出

                         奈良県知事 荒井正吾

               記

 森本哲次

 上野周真

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△議第一一一号

     公安委員会の委員の任命について

 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第三十九条第一項の規定により、下記の者を委員に任命したいので、その同意を求める。

       平成二十八年十二月十二日提出

                         奈良県知事 荒井正吾

               記

 中村憲兒

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△議第一一二号

     土地利用審査会の委員の任命について

 国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第三十九条第四項の規定により、下記の者を委員に任命したいので、その同意を求める。

       平成二十八年十二月十二日提出

                         奈良県知事 荒井正吾

               記

 岡井有佳

 竹村 牧

 藤次芳枝

 前迫ゆり

 増井 勲

 三和 浩

 山本陽一

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○議長(川口正志) 次に、議第百十号から議第百十二号を一括議題とします。

 お諮りします。

 以上の議案三件については、知事の提案理由説明を省略したいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないもとの認め、さようにいたします。

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○議長(川口正志) 次に、議第九十三号から議第百九号及び報第二十九号を一括議題とします。

 この際、ご報告します。

 議第九十九号及び議第百号については、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。

 その写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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△奈人委第百五十二号

 平成二十八年十二月九日

  奈良県議会議長 川口正志様

                   奈良県人事委員会委員長 馬場勝也

      職員に関する条例の制定に伴う意見について(回答)

 平成二十八年十二月二日付け奈議第百四十六号で意見を求められたこのことについては、下記のとおりです。

               記

 議第九九号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例[第七条以外の部分]

 議第一〇〇号 奈良県職員に対する退職手当に関する条例及び県営水道の業務に従事する企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例[第二条以外の部分]

 上記の議案に係る条例案は、適当と認めます。

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○議長(川口正志) 以上の議案十八件については、調査並びに審査の必要がありますので、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。

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○議長(川口正志) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 常任委員会開催のため、明、十二月十三日から十五日まで本会議を開かず、十二月十六日、会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(川口正志) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、十二月十六日の日程は、各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時二十九分散会