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平成28年 12月 定例会(第326回) 12月08日−03号




平成28年 12月 定例会(第326回) − 12月08日−03号







平成28年 12月 定例会(第326回)



 平成二十八年

        第三百二十六回定例奈良県議会会議録 第三号

 十二月

    平成二十八年十二月八日(木曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、九番川田裕議員に発言を許します。−−九番川田裕議員。(拍手)



◆九番(川田裕) (登壇)日本維新の会、香芝市選挙区選出の川田でございます。議長のお許しをいただきましたので、会派を代表いたしまして代表質問を行います。

 まず一番目は、砂防指定地台帳等の整備状況についてお伺いします。

 本年の奈良県では、砂防指定地における違法行為により、人命にかかわる深刻な事案が次々と明らかになり、いずれも県土マネジメント部のずさんな対応が事態を深刻化させたことは、世間から厳しく批判され続けてまいりました。県土マネジメント部は、議会やマスコミなどの指摘を受けて六月に砂防指定地管理・違反指導マニュアルを策定し、今後は適正に管理するという旨の説明を行っていたことは記憶に新しいところであります。

 しかし私ども日本維新の会の調査によれば、法律により整備が義務づけられている砂防指定地台帳の内容が根本的な不備がある状態であると、十月の決算審査特別委員会で発覚いたしました。マニュアルの策定は結構ですが、そもそも砂防指定地の正確な区域がどこか不正確な状態であり、最低でも事案の発覚までは県土マネジメント部はずさんな対応を続けていたと言わざるを得ません。まして、台帳に対して条例による情報公開請求を行うまでは台帳を見ることすら拒否した行為を考えると、県土マネジメント部の体質が都合の悪いことは全て隠蔽する体質であると言え、悲しい真実としか言いようがないと同時に、管理者としての県土マネジメント部長の責任は重大であると言わざるを得ません。

 そこで、県土マネジメント部長に対し砂防指定地台帳等の整備状況について、六項目についてお聞きいたします。

 一番目に、県は砂防指定地の面積を約一万二十三ヘクタールと説明しています。一方で区域を地図上での管理ができていないと矛盾した説明もしています。なぜ、場所の正確な特定すらできていないにもかかわらず面積の部分だけがわかるのか、世にも不思議な出来事であります。そこで砂防指定地の面積について、国土交通省に報告している値と報道機関に情報提供している値の差は何か、その疑義について面積を示してお答えください。

 二番目は、平成二十七年一月に、国土交通省から奈良県県土マネジメント部長宛てに、発出された通知、砂防指定地の現状の把握についての内容の履行はなぜ怠っていたのかをお答えください。

 三番目は、平成二十七年一月以降に解除や見直しを行った砂防指定地は何カ所あるのかをお答えください。

 四番目は、台帳及びその付図の整備について、さきの議会で指摘したとおり、九月以降に取り組んだ内容は具体的にどのようなものなのか、お答えをいただきたいと思います。

 五番目に、砂防指定地台帳の未記入欄の数が、全体に占める割合はどれぐらいあるのか、お答えください。

 最後に、砂防指定地台帳に不備があるために国民生活上の不利益が生じていると思いますが、これに対する県の認識についてお答えください。

 以上、説明をよろしくお願いします。

 次に二番、急傾斜地崩壊対策事業に係る受益者負担金について、県土マネジメント部長にお伺いします。

 一番目に、急傾斜地法では、第二十三条第二項に、受益者に対する負担金は都道府県が条例で定めると規定されています。制定が義務づけられた条例案提出を行わないのはなぜか、お答えください。

 二番目に、地方財政法第二十七条により市町村負担を求めているのはなぜか、お答えください。

 次に三番、生駒市高山町地内に違法盛り土行為地が起因した護岸工事に税金を投入することについての疑義について、県土マネジメント部長にお伺いします。

 この事案は、前回の代表質問でもお聞きしましたが、宅地造成等規制法違反による違法盛り土が原因で生駒市の富雄川における護岸が崩壊した事件であります。本来、原因者の負担で是正を行うものを県民の税金で公共工事を行ったものであります。決算審査特別委員会でもお聞きしましたが、さらに疑義が深まったことから、再度お聞きします。

 一番目に、斜面安定解析における調査結果において、盛り土が斜面安定度を低下させた原因となっており、豪雨で崩壊に至ったという推計を計算で裏づけることができた旨が調査資料に記載されていましたが、十月の決算審査特別委員会で、河川洗掘の可能性を否定できず、護岸崩壊の原因を特定することができなかったと答弁があり、三回目の現地調査については、富雄川防災・安全社会資本整備交付金事業で行われました。それならば、なぜ是正工事は交付金事業で行われなかったのかをお答えください。

 二番目に、生駒市西松ヶ丘地内における違法盛り土行為地の是正工事の手続の検討に当たって、生駒市高山町地内における事例を引き合いに、県土マネジメント部職員が、行為者自身が是正する工事をするはずがないから公共事業で是正工事をしてしまおう、護岸が崩壊して無理やり河川が閉塞することにする、腹をくくって公共工事で是正しよう、違法行為案件は握り潰すことができるなどといった発言が行われていたと聞き及んでおります。これは事実であるのかをお聞きいたします。

 そして最後に、四番、公務員給与引き上げの適否について、人事委員会委員長にお聞きいたします。

 一番目に、今回の人事委員会の給与引き上げ勧告では、奈良県職員の平均給与月額は幾らになるのか、お答えください。

 二番目に、人事委員会の給料引き上げ勧告の策定における調査では、民間企業の調査以外に税率と格差、地方税収入額と人件費格差、標準財政規模に対する人件費率及びその他の格差について調査を行っていると類推いたしますが、その内容の詳細についてお答えください。

 最後に、本年二月議会における代表質問以降に検討または改正された調査研究の内容についてお伺いをいたします。

 以上、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございます。(拍手)



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)九番川田議員のご質問にお答えいたします。

 大きく三点、砂防指定地台帳について、もう一つ、急傾斜地崩壊対策事業に係る受益者負担金について、そして三つ目といたしまして、生駒市高山町地内の富雄川の護岸工事につきましてお尋ねがございました。お答えを申し上げます。

 まず砂防指定地台帳の関係でございますけれども、砂防指定地の面積について、国土交通省に報告している値と奈良新聞社等、報道機関に情報提供している値についてお尋ねがございました。

 国土交通省に対しましては、昭和五十八年度以降、毎年三月ごろに砂防指定地の面積等を報告してございます。ことしは三月十日に、平成二十七年三月三十一日時点の砂防指定地の面積といたしまして、九千八百十・六八ヘクタールを報告してございます。また奈良新聞社さんでございますけれども、奈良県年鑑、こういったものを発行されておりますけれども、奈良新聞社さんに対しましても毎年五月ごろに砂防指定地の面積等のデータを提供してきてございます。ことしの十月三十一日でございます。発行されました二〇一七年版の奈良県年鑑でございますけれども、砂防指定地の面積といたしまして、九千八百十・六八ヘクタールが記載されてございます。このように、国土交通省に報告しました数字と奈良新聞社さんに提供した数字と、ことしは一致をしているということでございます。

 次に、平成二十七年一月に国土交通省から発出されました通知の履行をなぜ怠っているのかというお尋ねがございました。

 ご指摘の通知でございますけれども、平成二十七年一月二十一日付で国土交通省水管理・国土保全局砂防部砂防計画課長から、私に宛てて発出されたものでございます。その内容でございますけれども、既指定の砂防指定地の一部には、宅地造成により土地利用状況が変化したことなどにより、治水上砂防のために必要な土地でなくなっているものが見受けられる、こういったことから現状を把握するとともに実態に即した指定解除及び再指定を進めるようお願いするという、そういう内容でございました。

 この通知を受けまして、本県では平成二十七年度から二つの取り組みをしてございます。

 一つ目は、明治・大正時代に字の単位で指定されました、いわゆる面指定の砂防指定地の区域をしっかり把握しようという取り組みが一つ目でございます。二つ目が、宅地造成等により土地利用状況が変化した砂防指定地といったものを把握していこうと、こういう二つの取り組みでございます。こういった二つの取り組み、作業に着手をしたところでございます。

 一つ目の、明治・大正時代に字の単位で指定された砂防指定地の区域の把握に向けましては、まずは指定告示ごとの字の範囲を確認する必要がございますので、明治・大正時代の砂防指定地の申請図面、あるいは各市町村が所有しております地番図、こういったものを収集を進めているところでございます。

 二つ目の宅地造成等により土地利用状況が変化した砂防指定地の把握に向けましては、宅地造成に係る図面、例えば土地区画整理事業等でございますけれども、こういった図面を収集するとともに、砂防指定地として役割を終えた区域を解除する、そういった手続に向けまして解除に係る手続資料の事例収集、ただ事例といたしましても過去十五年間で愛知県で一件あっただけというような、大変事例としても少なかったわけでございますが、そういったような事例の収集、あるいは国土交通省との砂防指定地の解除に向けた調整、こういったものを今進めているところでございます。

 また、こうした作業を進めるために今年度、平成二十八年度から新たな予算といたしまして、砂防指定地等管理適正化推進事業、こういったものをお認めいただきました。引き続き、国土交通省とも調整を進めながら作業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 三点目といたしまして、平成二十七年一月以降に解除、あるいは見直しを行った砂防指定地は何カ所あるのかというお尋ねをいただきました。

 砂防指定地の解除、あるいは見直しに向けた現在の取り組み状況、今し方説明させていただいたとおり進めておるところでございますけれども、平成二十七年一月以降に解除や見直しを実施できた砂防指定地はまだございません。現在までに、先ほども述べましたように宅地造成に係る図面を集めましたり、また空中写真などを精査いたしまして、面指定をされた砂防指定地、この中から宅地化された土地を含むそういう砂防指定地百八カ所を抽出いたしました。さらに、その中から広域的に住宅造成が行われて現在では土砂流出のおそれのない地域となったようなところ、ここを今四カ所選定をしてございます。四カ所とも奈良市内でございますけれども、この四カ所につきまして、早期に砂防指定地の解除ができるよう国土交通省とも協議を進めながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 四点目でございますけれども、砂防指定地台帳、また付図の整備、こういったものに関する進捗状況についてお尋ねをいただきました。

 議員お述べのとおり、砂防指定地台帳は砂防法第十一条の二で、県に作成・保管、こういったものが義務づけられております。また国土交通省令になりますけれども、砂防指定地台帳等整備規則がございまして、帳簿と図面、こういったもので砂防指定地台帳が構成されるというようなことになってございます。二つの帳簿と図面のうち、まず帳簿についてでございますけれども、明治・大正時代に字の単位で指定をされました一千二百四十四カ所の砂防指定地につきまして、帳簿に記載しなければならない項目のうち、四つでございますが、支渓名と申しますが渓流の名称でございます。それから面積、用途別の面積、他の法令との重複、この四項目について未記入となってございました。一千二百四十四カ所の砂防指定地、古い明治・大正時代に指定されたものですが、そういったものについては四項目が未記入であったということでございます。

 また図面についてでございますが、砂防指定地として指定された区域の全部あるいは一部が図面に図示をされていない、そういった砂防指定地があること、あるいは図面上に砂防指定地が示されているわけでございますが、どの砂防指定地に該当するのかといったことが特定できない、そういったような課題のある砂防指定地もございます。

 現在、帳簿の空欄解消に向けまして作業を進めておるところでございますが、四つあった項目のうち、支渓名と、支渓名というのは渓流の名称でございますが、支渓名と面積につきましては、過去のデータがございました。転記されていない既存のデータがございましたので、職員がこのデータを入力しました。これまでに空欄の九七%を解消いたしてございます。支渓名と面積の残りの三%、また用途別の面積につきましては、既存のデータが存在しませんので、これからデータそのものを作成していく必要がございます。また他の法令との重複という項目につきましては、地すべり防止区域あるいは保安林といったエリアとの重複につきまして、これは一カ所一カ所、突き合わせて照合をする必要がございます。

 図面についてでございますけれども、明治・大正時代の字を現在の地図上にこれは正確に再現をしていくといったような必要がございます。引き続き、砂防指定地と地すべり防止区域あるいは保安林との重複の照合、こういったものにつきましては職員が対応可能な項目でございますので、直営になりますけれども作業を進めてまいります。しかしながら、その他の項目につきましては他の都道府県あるいは専門家にも相談しながら、どのような作業手法があるのか、効率的に進めるにはどのように取り組めばいいのかといったようなことにつきまして、研究、検討を進めて、来年度には工程表といったものをつくっていきたいというふうに考えてございます。

 五点目でございますけれども、砂防指定地台帳の未記入の欄の数が全体に占める割合ということについてお尋ねを頂戴いたしました。

 県内の砂防指定地の総数は一千八百七カ所でございます。一カ所ごとに六項目の記入欄がございますので、帳簿に記入すべき記入欄の総数でございますけれども、一万八百四十二カ所ということになってまいります。

 一方、この中で明治・大正時代に字の単位で指定された一千二百四十四カ所につきましては、帳簿に記入しなければならない六項目のうち、先ほど述べましたように支渓名、面積、用途別面積、他の法令との重複という四つの項目が空欄というふうになってございましたので、未記入欄の総数というものが掛け算をいたしますと四千九百七十六カ所ということになります。したがいまして、未記入欄が全体に占める割合というのは、四六%でございました。ただ、この四六%というのは九月三十日の時点での数字でございます。先ほど述べましたように、これまで未記入欄の解消に向けた取り組みを進めてございます。支渓名と面積につきましては、転記がされていなかった既存のデータといったものがございましたので、職員がこれをデータ入力をいたしました。これまでに、二項目の未記入欄、これが二千四百八十八カ所あったわけですけれども、そのうちの九七%に当たる二千四百二十カ所につきましては記入を終えて解消したということでございます。したがいまして、九月三十日の時点では四千九百七十六カ所ありました未記入欄、現在二千五百五十六カ所まで減ってきたということでございます。現時点での未記入欄の割合は二四%ということでございまして、九月三十日時点の四六%から随分減ってきたということでございます。引き続き、未記入欄の解消に向けて作業のほうを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 六点目でございますけれども、砂防指定地台帳に不備がある、こういったことによる国民生活上の不利益、こういったものについて県の認識はどうなのかというお尋ねがございました。

 砂防指定地台帳につきましては、ご指摘のとおり帳簿に未記入欄がある、あるいは図面に図示されていない砂防指定地がある等々、ご指摘いただいたような課題がございます。これらの課題の改善を図りますことは、砂防指定地の管理者であります本県が砂防設備の点検、補修あるいは長寿命化対策、土地所有者などが行う土砂流出を助長するような一定の行為の許可手続、あるいは違反行為の監視等、こういったものを適切に実施していく上で必要なことだというふうに考えてございます。

 また国民生活あるいは経済活動、こういった観点からは民間開発事業者が、盛り土、切り土といったようなことを行う際の許可申請、あるいは宅地、宅建業者が土地建物を取引する場合の重要事項としての書面での交付、こういったものを適切に実施していただく上でも重要なことだというふうに認識をしてございます。

 本県では、ホームページで砂防指定地内での一定の行為には許可が必要になるということを周知いたしますとともに、各土木事務所に窓口、砂防指定地に関する窓口を設置いたしまして問い合わせをいただくという形で対応させていただいております。できるだけ速やかに砂防指定地に含まれるかどうか、こういったことをお答えできるように努めているところでございます。しかしながら、案件によりましては砂防指定地の図面に課題があることなどから確認に時間を要し、ご不便をおかけする場合もございます。こういった窓口が機能していないというお叱りを議員からいただいているというふうに理解をしてございます。

 このようなことから、砂防指定地を即座に判断できる図面といったものを再整備いたしまして、効率的に対応することができるようにするとともに、ホームページ上で電子地図といったものを活用して砂防指定地を確認していただけるような、こういうようなシステムを提供しているような先進的な県もございますので、このような取り組み事例も参考にいたしまして、県民の皆様方への情報提供の方法、こういったものについてもあわせて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 大きな二点目といたしまして、急傾斜地崩壊対策事業に係る受益者負担金につきまして、急傾斜地法に基づく条例をなぜ定めないのか。なぜ地方財政法により市町村に負担を求めているのかというお尋ねがございました。

 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、いわゆる急傾斜地法でございますけれども、この法律の第二十三条では、条例を定めることにより著しく利益を受ける者から工事に要する費用の一部を負担させることができるというふうに定められてございます。しかしながら、必ずしも都道府県に対しまして条例の制定を義務づけているわけではございません。

 現在、急傾斜地法に基づいて条例を制定し受益者に負担を求めておりますのは大阪府のみでございます。三十九の都府県におきましては、地方財政法第二十七条に基づきまして市町村に負担をお願いをしているという状況でございます。

 本県におきましても、昭和四十六年度から地方財政法に基づきまして、県議会の議決を経て市町村に負担をお願いしているところでございます。全国の三十九の都府県と同様に、全国の標準形とも言えるような地方財政法に基づく方法、こういったものを選択したというふうに理解をしてございます。

 六月の議会の一般質問では、急傾斜地法に基づく条例ではなく地方財政法に基づき本県が負担を求めている理由につきまして、私からこのようにお答えをさせていただきました。市町村ごとに地域特性や実情が異なる、こういったことがございますので、県が画一的に受益者の範囲ですとか、あるいは負担額、こういったものを特定するといったことが難しいと。こういうことから、急傾斜地法に基づく条例ではなく地方財政法に基づき市町村に負担をお願いしているというふうに考えられるというふうに答弁をさせていただきました。六月議会での議員からのご指摘も踏まえまして、県内で急傾斜地崩壊対策事業を実施予定をしております三十一の市町村に対しまして、ことしの八月から十一月にかけまして事務的ではございますけれども、条例を定めて受益者負担金を徴収することにつきましてご意見を求めました。市町村からの回答でございますけれども、受益者負担金全額を個人にお願いするとなかなか事業が円滑に進まなくなるといったような声が多かったということでございます。全ての市町村、三十一の市町村から地方財政法に基づく、今の状況でよいというご意見でございました。

 このようなことでございますので、現時点では急傾斜地法に基づく条例を制定するということは考えてございませんが、議員のご指摘も踏まえまして、引き続き、市町村の意向については耳をしっかり傾け把握するように努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に大きな三つ目といたしまして、生駒市高山町地内の富雄川の護岸工事につきましてお尋ねいただきました。なぜ工事を交付金事業で行わなかったのかということでございました。

 本県におきましては、各種の事業の実施に当たりましては、可能な限り補助金あるいは交付金といった国の支援策を活用するといったことが基本スタンスとなってございます。ご指摘の護岸工事につきましても交付金、具体的には国土交通省の防災・安全社会資本整備交付金の活用を検討いたしました。

 国の交付金事業の対象要件でございますけれども、これは国土交通省が定める社会資本整備総合交付金交付要綱といったものに規定をされているわけでございますが、河川事業の場合、これを大まかに述べますと、流下能力の向上あるいは堤防の強化といったような機能が向上する事業といったものが交付金の対象というふうにされてございます。したがいまして、機能向上を伴わない維持工事ですとか単なる機能の回復のための工事といったものは、交付金の対象にはなりません。

 ご指摘の生駒市高山町、富雄川で行いました護岸の工事、台風十八号の豪雨により崩壊した護岸を復旧したものでございます。この工事による流下能力の向上といったものがございませんでしたので、交付金によらず県の県単独事業といった事業で実施したというものでございます。

 次に、富雄川の護岸工事の二点目といたしまして、県土マネジメント部職員が、行為者自身が是正工事をするはずがないから公共工事で是正工事をしてしまおう等の発言があったことは事実かというお尋ねを頂戴いたしましたが、議員がご指摘されましたような職員の発言につきましては、全く承知をしていないということでございます。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 松村人事委員。



◎人事委員(松村二郎) (登壇)九番川田議員のご質問にお答えをいたします。

 私への質問は、公務員給与引き上げの適否につきまして、数点のご質問をいただきました。お答えをいたします。

 まず一点目は、今回の人事委員会の給与引き上げ勧告では、奈良県職員の平均給与月額は幾らになるのかというお尋ねでございます。

 当委員会では、本年十月十三日に給与の〇・三一%引き上げなどを内容とします職員の給与等に関する報告及び勧告を議長及び知事に対して行いました。この勧告どおり給与の改定が実施されますと、行政職の職員の平均給与月額は、現行三十七万三千二百三十八円に対しまして、一千百六十二円増の三十七万四千四百円となります。

 二点目の、人事委員会の給与引き上げ勧告の策定における調査では、民間企業の調査以外に税率との格差、地方税収入額、人件費格差等々、人件費率及びその他の格差について調査を行っていると考えるが、その内容について聞きたいというお尋ねでございます。

 勧告に当たりましては、地方公務員法の規定に基づき職員給与と民間給与との精確な比較を行うため、人事院と都道府県・市・特別区人事委員会が共同で平成二十八年四月現在におきます民間給与の実態調査をいたしました。議員お尋ねの調査につきましては実施をいたしておりません。

 三点目の、本年二月議会における代表質問以降に検討または改正された調査研究の内容について聞きたいというお尋ねでございますが、本年二月議会の当委員会に対する議員からの代表質問の答弁につきましては、三月四日の委員会に諮ったところであり、議場における質疑応答につきましても、三月三十日の委員会におきまして報告案件として上程し議員の質問趣旨を踏まえ検討を行ってまいりました。公務員の給与決定のための精確な公民比較を行うには、前述の共同で行った調査の対象である、企業規模五十人以上でかつ事業所規模五十人以上を引き続き調査対象としていくことが適切との結論に至っております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) 丁重なご答弁ありがとうございました。

 まず一番目からお聞きしていきたいのですが、砂防指定地台帳の整備状況につきましてお聞きしますが、今九七%進んでいるというのは、これは第一様式の部分の書面のことですかね。それだったら、第二様式はどれぐらい進んでいるのかということをお答えいただけますか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 第二様式について詳細なデータを今持ち合わせておりません。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) こちらの確認事項では、第一様式はもう簡易なことだけ、これ、ことし砂防協会からこの間来たところなのですが、これに様式が載っていますよね。それと砂防指定地台帳整備規則というのがありますから、その中に位置づけられた様式が、今言っていた様式になりますよね。だから、これから言って、これ速やかにやらなければいけないという内容になっているわけですけれども、こちらが確認したところによると、まだ第二様式なんかほとんどできていないではないですか。だけれど、九七%と聞けば県民、今テレビで見ている方は、ああ、そこまで進んでいるのだなと思いますけれど、正確に言えば、様式というのは題名等がいろいろ書いてある中で、細かい作業は第二様式のほうではないですか。ということは、ほとんどまだできていないということでしょう、今現状で。ちょっとその辺は、はっきりとした真実のご答弁をいただかなければ、聞く側にとってはわからないですから、そこはお願いしておきたいと思います。

 それと今言いましたけれど、これいつまでに完成させられるのですか、付図も含めて。それをもう一度お聞きします。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) いつまでに終えるのかというご質問をいただきましたけれども、なかなか難しい作業といったものも残っておりますので、どのように進めることができるのか、あるいは効率的な方法としてどのようなものがあるのか、こういったことにつきまして先進的に取り組んだ都道府県あるいは専門家にも相談しながら、今後、その手法を研究して工程表といったものをつくって取り組んでいきたいというふうに考えてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) 先ほどのご答弁では、来年度に工程表をつくるのだというように聞こえたのですけれど、それはその回答でよろしいということですか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 現段階で、どういう手法が可能なのかといったものがはっきりした状況ではございませんけれども、そのようなスケジュール感を持って取り組んでいきたいというふうに考えてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) 具体的にいつ、この間も何か膨大な資料があるとか、これ明治何年からつくられたものだからと、逆に言えば明治時代から百何年間ほったらかされているわけではないですか。何もしていなかったわけでしょう。それを膨大と言ったら、それはほったらかしてたら、それは膨大になるでしょう。

 それともう一点が、これを策定するのに具体的に何が問題なのですか。もう僕ら、全部調査して何が問題点であるかというのは全部わかっているのですけれども、そこを具体的に言っていただかないと、例えば言葉の表面上だけで難しい問題があるからと、だから具体的に何が難しい問題があるのですか。具体的なポイントとして、何か数点挙げてください。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) まず、今どういう点が難しいのかというお尋ねを頂戴いたしました。

 特に図面につきましては、明治・大正時代に字の単位で指定をされたものでございますが、明治・大正時代の字の範囲といったものを現在の地図上に再現をするということが難しい内容でございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) それはちょっと、おっしゃっていることが矛盾しているのではないですか。大学に行かれて、そして大学の先生が研究されているそういった資料までももらわれて、それをあと地図上にプロットアウトするだけの話ではないですか。GISを使える方がいれば、これは一カ月で大体完成するだろうと、これは決算審査特別委員会でも申し上げていましたよね。それから今、二カ月が経過したということで、データ資料は現在もう奈良県としてはお持ちなのではないですか。そういうことでしょう。あと、プロットアウトするだけの話ではないですか。それが一体何の問題点があるのですかね。私、IT関係にも友達がいっぱいいますから、そういったことを聞きましたけれども、何ら問題なく、これはもう速やかにできるものだよという回答も得ていますし、なぜこれだけの来年にならないとまだ、工程表ということは、まだそこまで着手もせずにやっていくという、こういう意味なのですか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 今、かつての大学と協定して古い時代の字の範囲といったものについて情報もいただいたということでございますけれども、少し時代が古過ぎたというようなこともあって、明治時代あるいは大正時代の字と必ずしも一致しなかったというように聞いてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) それは、県土マネジメント部長に正確な情報が上がっていないのではないですか。もう一回、徹底して調べてもらったらすぐわかると思いますよ。簡単にプロットアウトできますから。それだけ申し上げておきます。このことはいい。

 ただ、これ平成二十七年八月十二日に砂防・災害対策課ですか、第八十八号、各市町村に対しまして固定資産税地番参考図等の提供についての依頼、これが県土マネジメント部長が先ほど答弁で言っていたデータがあったら出してくれよと、このことだと思うのですけれども、この通知を県土マネジメント部の砂防・災害対策課課長と地域振興部の市町村振興課長の名前で出しておられますよね、これ各市町村に聞いて僕もらってきたのですけれど。これについて、こういった依頼があったらGISのデータも、もしあれば出せよということで依頼の内容を書いています。これが平成二十七年八月十二日なのですよ。何のために、では、これは行われたのですか、データ収集というのは、これも昨年度の話ですけれども。昨年度から、これはもう付図もちゃんとやっていかなければいけないということで作業をやっているわけですよ。だから通知を出されているわけでしょう。起案も上がっていますよね。そのとき、県土マネジメント部長もいらっしゃいましたよね。この通知というのは、何のために市町村に出したのですか、お答えいただけますか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 直接、私が決裁をした記憶がちょっとございませんけれども、さまざまなデータを集めることによって、かつての明治時代、大正時代の字をはっきりさせると、そういう資料がないかということにつきまして、いろいろなものを集めているというようなことと理解をしてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) この時間は、きょうはもう短いですから端的に聞いていきますけれど、この通知を出しているのも、これも砂防便覧、ここに出ていますけれど、砂防指定地に係る固定資産税評価額の減価補正について、これが平成二十七年一月二十一日、国水砂管第八十八号として、これは各県土マネジメント部、都道府県においたら土木部長と呼ぶのですか、それ宛てにみんな出されていますよ。速やかに、平成三十年度から固定資産税の減価評価、減価補正を行うので、減免ではないですよ、減価補正を行うので速やかにそういったことをやりなさいというこういう通知なのですよ。それを受けて、こういった通知を出しているわけでしょう。

 これ、砂防指定地台帳というのは、もう前からずっとこだわってきていたのは、もう最後これ答えを申し上げますけれど、重大な問題が含まれているから、なぜいつにするのだ、担当に聞けば、いやもうあとやる予算も取っているんだ、いろいろなことを聞いてきました。だけれど、市町村から聞いてきましたら、県が今山林の砂防指定地については二分の一の減額をやっているのですよ、三十一市町村に対しては。ほか、十津川村とか、あともう一個、何か違うところは参加されていなかったのかな。それ以外は、全部砂防指定地のある市町村は、県の指導、助言に基づいてその取り組みにもう入っているのですよ。そして、これ平成三十年度から賦課しようと思えば、固定資産税といったら一月一日ではないですか。今度、この一月一日ではなく次の年の一月一日から固定資産税、それ確定してしまうのでしょう。県は、市町村に対して何ていうことを言っていたかというと、平成二十八年度中に砂防指定地台帳と付図がなければ、固定資産の評価、きっちりとした評価ができないではないですか。これ、全部租税に係る問題なのですよ。

 だけれど聞いていたら来年工程表をつくるとか、市町村にやらしていて、では、市町村は間違った課税を全部やっていくわけですか。正確な課税ができないではないですか、賦課を。だから何回も何回も、これもう一年かけて、ずっと一年ぐらいかかって聞いてきているのですよ。だけれど市町村に聞けば、いやまだ何のデータもいただけないのですよ。奈良市さんに聞いても、いやデータを速やかに欲しいと。件数、奈良市さんなんかすごく多いですよね。これ作業やるだけでも平成二十八年度中にもらっても、まだ一月一日までの課税評価台帳ですか、固定資産の評価台帳、これにかかわるものに対して作業ができないと言っているわけですよ。だけれど、奈良県からやれと言われたからやっているのに、まだいまだに出てこないのだということですよ。重大な問題ですよ。何か砂防の地図があるとかないとか、そういう小さいものより、租税権の話ではないですか。それを、平成二十八年度末にいろいろな理由をつけておっしゃいますけれども、やらなければならないし、やっていかなければいけないのでしょう。だったら、やらないといけないではないですか。市町村が、みんな待っておられるのですよ、この台帳は。データで出すとも言っていますよね。向こうもGISのあんなの、二、三十万円かけたら、すぐシステムを組めますから、それを組むともおっしゃっていましたよ。それをどうなっているのですかね、これは。何回も聞いているのに、ない、いやちゃんとやっているのですよ。だけれど、ないのだ、あるのだ。何かわけがわからない。じゃ、開示請求をかけた。だったら、でたらめだった。抜けているところがいっぱいある。それで市町村に対して、固定資産税のこれ減価の処分をしろとおっしゃるわけですか。部長名で通達も出しているのですよ、これ市町村に対して。どういうことなのですかね、それをお答えいただけますか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 砂防指定地につきまして、そういう制度もございます。GISを活用いたしますと、議員のご指摘ではすぐプロットできるではないかということでございますけれども、GIS地理情報システムを活用しようといたしますと、座標のデータといったものが必要となってまいります。北緯何度何分何秒、東経何度何分何秒といったようなデータが必要になってまいります。そういったデータがあれば容易にプロットはできるわけでございますけれども、そのデータがないというのが現在の実情ということでございまして、GISを活用して速やかに範囲といったものを図面に落とすといったのが、すぐ対応できるという状況にはない実情にあるということをご理解いただきたいというふうに思います。

 まずは面指定された砂防指定地の字、明治時代、大正時代の字を現在の地図上に落とすというそういう必要がございますので、そのための手法につきまして先進的な都道府県あるいは専門家にもご相談しながら取り組んでいきたいというふうに考えてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) いや、もうそれは県土マネジメント部長、調べてもらったらわかりますから、別に他の都道府県に聞かなくても、これぐらい自分のところでできる能力の問題ですよ。今年度だったら三月の末までに市町村なりに出さないと、向こうも作業があるわけですよ。これ、平成三十年度から正式になって経過期間も切れてしまう。平成三十年度から二分の一の減価措置をとられていくわけであって、それまでに向こうも現地調査をしないといけないではないですか。そんなもの、十一月ぐらいにもらってできないですよ。だから、もっと早く、平成二十八年度中に出すということで約束しているのです。平成二十八年度も、予算をとっておられるのですね。予算も、今予算をとったとおっしゃっていますけれど、これ結局調べたら流用されているではないですか。もうほとんどお金が残っていないではないですか。結局、予算をとって、ほかの流用に全部使われて、これ予算上もおかしいですよ、完全に。それをやりますからということで予算をとっているのに、何で違うものに流用しているのですか。だったら、違うものに補正予算で組めばいいではないですか。やっていることがめちゃくちゃではないですか、これは。これで市町村の方、みんなに迷惑かかるんですか。早急に整備して回答をください。改めて回答をください。もうきょうは時間がないので、ここでもうずるずるちょっと行けませんので。

 次の問題に行きます。次の問題は、これも端的にいきます。

 僕が言いたいのは、市町村がよいとか悪いとかいうよりも、今の急傾斜地法の負担からいけば、国が四〇%のお金、これをくれるわけでしょう。これは急傾斜地法の法律に基づいてやるからくれるのですよ。その中に規定されておるわけですね。ところが、これは奈良県の事業主体になりますから、奈良県が四〇%を持つわけですね。残り受益者負担が二〇%ということですね。

 ところが今のやり方だったら、市町村が自動的に、例えば香芝市の条例なんかを見ましたら、これも言いましたら、市が負担する額の二分の一を受益者負担に求めるとなっているのですよ。だから、自動的に市も二分の一負担しなければならないという規定なのです、これも。でも急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によって、地方財政法第二十七条によってとるのですよと、こうなっているわけですよね。もともと県がやればいいのではないですか。県だって、これをやっているわけでしょう。さっき、義務づけられたものではないとおっしゃっていましたけれど答弁で、義務づけられていなかったら、この事業でやったらだめだということではないですか。やるのだったら、条例で定めなさいよというこういう読み方でしょう。

 それともう一点、この間、総務警察委員会で話をしたのですが、これ法律だったら特別法になるのではないですか。急傾斜地法というのは特別法でしょう。専門的に決められた項目だから、特別法ではないですか。特別法優先の原理ではないのですか。聞いていたら、各事業部で奈良県にはそういう決まりがないのだとかということをおっしゃっていましたけれど、県土マネジメント部長の見解はいかがなのですか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 議員ご指摘のとおり、急傾斜地法におきましては第二十三条で条例を定めることにより受益者から工事に要する費用の一部を負担させるということが書かれてございますけれども、これは必ずしも都道府県に対しまして条例の制定を義務づけているものではないというふうに理解をしていますし、現にこうした仕組みで条例を定めているのは大阪府だけで、三十九の都府県においては地方財政法第二十七条に基づきまして、市町村に負担をお願いしているという状況でございます。



◆九番(川田裕) いや、特別法のことを聞いているのです。特別法の見解。



○議長(川口正志) 議長を通して質問してください。九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) いや、聞いていることと違う答弁になったので、特別法の見解について聞いているのですけれど。



○議長(川口正志) それでは、議事運営上ちょっとお願いをしたいわけですけれども、川田議員の質問時間はまだたくさんありますが、きょうの答弁との兼ね合いでおおよそ一時間というのは質問時間の大体の流れでございますので、答弁の時間をも配慮した形で時間のいわば配分をよろしくお願いしたいと思います。加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 特別法に対する見解につきましては、今ちょっと詳細について存じ上げませんので申し上げることができません。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) 総務警察委員会でも確認させていただいたのですけれど、そういう県としても特別法を優先するとかしないとか、きっちりとした決まり事が要るのではないですかと。法律では、後法にできた法律が優先される、または特別法の優先の原理というそういう原則がありますけれど、県ではそういったものが明確に決まっていないようなことを言っていたのです。

 ところが、これ奈良県の文書事務の手引、これもこの間買ったのですが、総務課から出されているのですけれど、奈良県の事務文書管理が全部載っているのです、この一冊にね。これを読んでいるのですけれど、この中に特別法優先の原理と後法優先の原理、全部明記されてあるではないですか。だったら、このとおりにやってくださいよ。いろいろな理由をつけて、後だ、前だ、いや関係ないのだと言うけれど、ここに明確に書いてあるではないですか。これ奈良県が作成された、つくられた本ですよ。一般にも市販されているのですよね。ちゃんとやってください。それはそういうふうに申し上げておきます。それもまた回答ください。

 それと、もう時間がないのでいきます。

 次は、盛り土、生駒市高山町の件、これこの間も代表質問で知事にお聞きさせていただいたのですが。

 これ、決算審査特別委員会でもやっていたのですけれども、今回何で補助金を使わなかったのだとを今何か答弁をちょっとされていましたけれど、流下能力の向上がないためにできなかったと、当たり前ではないですか。崩れているのだから、もともと、もとの状態に戻すだけで流下能力が上がるわけがないではないですか。そんなこと初めからわかっているではないですか。それだったら何で調査に対して、なぜ交付金を使ったのですか。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 議員から、なぜ調査に交付金を使ったのかというお尋ねをいただきました。

 国の交付金事業では、工事だけではなく調査設計といったものも対象となってございます。要件の基本的な考え方は、工事と同じように河川事業につきましては流下能力の向上と機能向上を図るものが基本となるわけでございますけれども、調査設計につきましては検討段階のものも含まれておりますので、工事よりは若干弾力的に運用をいただいているところでございます。

 ご指摘の護岸の工事の実施に当たりましては、三回にわたって調査を行ってございます。一番目の調査では現地踏査、二番目の調査では測量と地質調査、そして三番目の調査では測量、地質調査を追加しますとともに、斜面の安定度の解析、護岸の復旧方法の検討、そして予備設計といったものを行ってございます。

 一番目、二番目の調査につきましては、護岸が崩壊した箇所の現地踏査ですとか、測量、地質調査といった現地での単純な調査が主たる内容でございましたこと。また、この業務の発注時点で交付金の予算に余裕がなかったといったようなことから、単独河川改良事業で調査を、実施を行ってございます。三番目の調査につきましては、対策工事の予備設計といったものも含んでおりまして、より工事との関連性が密接であったというようなこと、あるいはこの時点での交付金につきまして予算も一定のめどがつき確保ができたといったことから、交付金事業で実施をしたものでございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) いや、問題は流下能力の向上をするための工事というのは、交付金を引っ張る場合は全部一体ですよ。当然、設計も入っているし調査も入っていいですよ。だけれど、それは最終的な工事をやるから、それをやるものであって、まして何らかの問題があってできないという場合も、それは多少対応できるかもしれない。

 だけれど、今回の場合は最初から流下能力向上なんかないのはわかっているではないですか。無理やりこじつけてやっているだけでしょう。これ国土交通省にもう一回聞きますけれどね。これ絶対おかしいですよ。そして第二回目の調査において河川洗掘、大雨によって護岸の下が掘れたのではないかというものは何か特定できなかったので、そこでもう結論出しているわけだから。三回目の調査は何のためにやったのだということでしょう。本来は、上の盛り土が原因であったから、それを特定するために調査に行っているわけではないですか。調査資料を読んだら書いてあるではないですか。違法盛り土の計算も全部されているではないですか。それ、違法の行為に対して交付金なんか使えるわけないですよ。国土交通省に聞いたら、そんなこと絶対ありませんと言っていますからね。詳細なことは、また説明行くのですが、だからそれはおかしいです。

 そしてもう一点、これは決算審査特別委員会の続きになりますけれど、がら撤去、崩れてきたがらの撤去は、本人さんに請求しているのだ、そして何で請求したのだ、この間決算審査特別委員会で聞きましたね。副知事のほうから河川法第六十七条の原因者負担金で請求したのだと明確な答弁がありましたよ。第六十七条で取っているのだったら、工事も第六十七条の原因者負担金でやらないとだめではないですか。言っていることが矛盾しているでしょう。だから、なぜ公共工事、県民のお金でなぜ工事をやっているのだと、副知事ははっきりと堂々とおっしゃいましたよ、第六十七条の原因者負担金で、がら撤去の費用も請求したとおっしゃいましたよ、答弁。だから私、あのときはわかりましたと言って全て終わったのです。

 だけれど、がら撤去だけ第六十七条を使って、工事のほうは第六十七条を使わない、これはあり得ない、絶対あり得ない。そこで、がちがちの理由が判明していたわけでしょう、請求したということは第六十七条の原因者負担金、それは相手に原因があるのだ、だから相手が弁償する意味で、相手が費用負担をするのだと、こういう意味ですよ。だから、それをやっているのだと。なぜ、やっているのだと、これ長い間をかけて答弁をとってきましたけれど、やっともうここで答弁が固まってはっきりしてきているのですよ。その矛盾を説明してください。



○議長(川口正志) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 決算審査特別委員会でもご説明をいたしましたけれども、ブロックがらの撤去につきましては所有者といろいろ調整をしてまいりまして、所有者から費用は支払うので県が行う護岸の工事の際に同時に撤去してほしいという依頼をいただきましたので、その依頼に基づいて県のほうで撤去をいたしまして、そして費用を請求し、支払いをしていただいたということでございます。コンクリートブロックがらにつきましては所有者といったものがはっきりしておりますので、一義的には所有者さんの責任において撤去をしていただけるというふうに理解をしてございます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) 全然説明になっていないのですよ。だから、それはこの間の決算審査特別委員会で話していて、意味不明だということだったのでしょう。その後で副知事が、いや、根拠なしに県がやるわけないよと。第六十七条で原因者負担金でやったのだということをご回答されたので、そこで終わっているのですよ。また話を戻してもらったら困りますよ。これはもう、きょうは時間がないので、これはもう出るところに出てでも徹底的にして、ちゃんと回答するなら回答してください。正式なやつを、書面でいいではないですか、それを持って私は聞いてきます、もう一回、それをお願いしておきます。

 それと、もう時間がありません。あと五分しかありませんので、人事委員会のほうにお聞きしますが、先ほど正確な民間との比較とおっしゃっていましたけれども、これ昨年も聞いたのですよ。きょうはもうわかりやすくパネルをつくってきました。そして、これ今、奈良県の従業員数の規模の、いわゆる企業の数、割合を出したグラフ、もう本当に簡単な単純なグラフをつくってきました。ロゴマーク、これもちょっと五百四十万円もかかったので、宣伝の意味でこれを入れているので、あまり関係ないのですけれど、やっぱりテレビ中継もありますので国民文化祭のロゴマークも入れておきました。

 そして、これ全体のこういった比率の中で、九七・五%が一名から四十九名までの、これだけの今企業数なのですよ。ほとんどが一名から四十九名の企業数なのですよ奈良県の場合は。そして、五十人以上から九百九十九人まで、これが二・三%、そして一千人から五千人、一般的に言う大企業、これが〇・二%しかないのですよね。奈良県の人事委員会の勧告を見たところ、上位の五十人以上とおっしゃっていましたから、五十人以上から上限はなしとしても、たった二・五%、これを全部調べているわけではない。この中から、あれ何十社か抽出されて、百何件でしたか、そのうちの有効回答が幾つぐらいあったと。それを比較して今の奈良県の給料、民間が上がったから県も上げるのだと、こういう算出をされているのですよ。これはあまりにも偏り過ぎだと。一応、五十名以上とはなっていますけれど、特殊に地域、地域によって違うから、地域ごとに的確に民間の給料を反映しろということで、人事委員会の機能強化及び連携の方策等に関する検討会、これは国のほうでも行われていました。平成二十年三月ですけれども、それ以降に人事委員会の考え方、いろいろな提言もされています。的確に地域の民間のものを反映しなさいよと、ここからとっていたら的確ではないですよ。これ統計学で言ったって、前も言っていましたけれど有意差が出過ぎ、そのことについてどういうふうな検討をなされたのかということを、もう一度お答えいただけますか。



○議長(川口正志) 松村人事委員。



◎人事委員(松村二郎) お答えします。

 まず基本のところ、我々の職種別民間給与実態調査を含める部分での調査をベースにするというのは、公務員の労働基本権の制約がある中で、我々の人事委員会勧告というものが非常に重要で、最も代償措置として必要なものということが大前提であります。そういう中で、それだけに当委員会としては非常に精確な公民比較をしなければなりません。それが、県と民間で大前提となる同種同等、この業務を行っている者同士を比較する、いわゆるラスパイレス比較を採用しておるわけであります。同種同等というものを、日本の雇用慣行における主要な決定要素であります役職の段階、学歴そして年齢の三要素で判断をしております。

 今、ご指摘のように、非常に企業数の対象が少ないのではないかというご指摘でありますけれども、公務と同等のいわゆる同様の役職段階が存在する事業所、これを調査対象とする必要があります。小規模の場合は、残念ながらそのような役職段階が存在しない可能性が非常に高いということでありまして、そういう意味で一定以上の規模が必要となる、このように考えておりまして、この点につきましては全国共通の考え方で進めております。ということで、お答えをさせていただきます。



○議長(川口正志) 九番川田裕議員。申しわけないけれど、時間の関係でまとめの開陳にしてください。



◆九番(川田裕) いや、まだパネルが二枚あるのです。



○議長(川口正志) 急いでください。



◆九番(川田裕) 今、そういう回答されると思った。意味がちょっとわからないのですけれどね。これもう、そう言われると思って、もうデータをつくってきたのです。これ、奈良県が調査された五十名以上の企業をとった平均で、これは月額ですけれども三十七万四千六百円と、こう出ておるんですね。奈良県の公務員給料が三十七万二千二百円出ている。厚生労働省調査、これも賃金センサスの中から五十名以上よりも、もっと上のところで百名以上の企業でとってきましたよ。これ三十三万三千七百円なのですよ、厚生労働省の調査では。全然違うじゃないですか。格差大ではないですか。どうして、こんな格差ができるのですかね。これはおかしいということを言っているわけですよ。だから、そんなもの、これだけの先ほど言った二・五%の中からとるから、そういうことになっていまして、それはもう自分たちの理屈づけですよ。要は、目的は民間とどこに合わすかの問題もあるでしょうけれども、民間のやっぱり、反映させないといけない。百人以上でとったものでそうですよ。

 議長も、もう急げということなので、次のパネルにいきますけれど、これもそうなのですよ。厚生労働省調査の高卒から大学院までの全ての給料を含めた、これも賃金センサスのものですけれど、これは年収になりますけれど、民間で言えば四百九十五万五千円です。公務員、奈良県は六百十五万二千円、平均が、平均年齢四十三歳、民間だったら四十二・八歳、ほとんど変わらないですよ、年の差も。これだけの開きがある、これも格差大なのですよ。だから、調査に疑問を持っているのですよ。言葉でちゃんとしていますとか言われたって、現実数字で見たらこれだけ離れているではないですか。四百九十五万五千円と言ったら、ロゴマーク五百四十万円、それより安いのですよ、奈良県の県民の所得というのは。だから、それについて検証は、言葉はいいんですよ、数字で見せてくださいよ、どういう計算を行って、どういうふうになって、どこだけが調べて、どれだけの価格なんて検証できるではないですか。論文でも同じことやって、みんなが検証して、そして結局これ間違っているね、正しいよねと、こうなるわけでしょう。言葉は要らない。そういったものを全部出してください。今、時間、十八秒、十七秒になってきましたので、また委員会ございますから、総務警察委員会で、そこで改めて聞きたいと思いますので、根拠についてお答えいただけますように申し上げて、きょうの質問は終わります。以上。



○議長(川口正志) 次に、十二番藤野良次議員に発言を許します。−−十二番藤野良次議員。(拍手)



◆十二番(藤野良次) (登壇)民進党の藤野です。少々やりにくい雰囲気でありますが、気を取り直して、議長のお許しもいただきましたので代表質問を行います。

 最初に、市町村財政の健全化についてお聞きいたします。

 先般十月に、県市町村振興課から平成二十七年度県内市町村の普通会計決算についてが公表されました。財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、全国の市区町村平均が九一・三%から九〇・〇%に改善したのに対して、県内市町村の平均も全国の動きと同様に九六・〇%から九三・五%に改善されたということです。このように、県内市町村の平均が前年度より二・五ポイントと大幅に改善したことから全国平均との差が縮小いたしました。これは、歳入面では地方消費税交付金や普通交付税の増加、歳出面では地方債の償還が進んだことなどによるものと説明されています。

 一方、個々の市町村別に見てみますと、経常収支比率が一〇〇%を超える、いわゆる重症が、平成二十六年度は桜井市、御所市、天理市の三団体あったものが、平成二十七年度決算では一〇〇%を超える団体はなくなり、全ての団体が一〇〇%未満となっています。前年度より改善した団体が三十九市町村のうち三十六市町村は、ほとんどの市町村が改善したという状況です。

 県ではこれまで、市町村の財政への支援に積極的に取り組まれておられます。最近では、平成二十六年度と平成二十七年度においては、市町村や下水道等の市町村公営企業が過去に起債した高金利の地方債を対象に、その毎年度の償還が市町村の財政運営にとって大きな負担となっていることに着目し、この償還費用を一括して繰り上げ償還するための経費について無利子貸し付けや補助を実施することにより、市町村財政の健全化のために支援をされておられます。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 市町村財政の健全化のためには、市町村みずからが主体となってその取り組みを進めていくことがもちろん重要なことでありますが、県の支援や役割も必要であると考えます。市町村財政の健全化について、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、奈良県中央卸売市場の将来構想についてお聞きいたします。

 先月の十一月二十日に、毎年開催される冬の市場まつりを訪れました。笑顔を作る「おいしさ」との出会いをテーマに開催され、大学生の自慢料理や各自治体の自慢の表彰鍋、あるいはカニ鍋、フグ鍋、筒井れんこんの野菜鍋など、新鮮味があふれるとともに寒い季節ならではのあったか料理の販売でのおもてなしをはじめ、マグロの解体ショーや模擬競り体験など市場ならではの企画も盛りだくさんで、約二万人近い来場者のもとで盛大に開催されました。やはり市場の最大の魅力はにぎわいであり、多くの県民の皆様は市場の持つ活気を持ち帰っていただけたのではないかと思うところです。

 さて本年六月議会の一般質問において、奈良県中央卸売市場の活性化について質問いたしました。卸売市場を取り巻く厳しい環境の中で、県の中央卸売市場がこれからも地域活性化の基盤施設であり続けるために、まずは働く方々にとって魅力ある就労環境を整え、消費者ニーズに対応した集荷力、販売力を強化するソフト、ハード両面にわたる戦略を立てることが必要であると考えたからであります。農林部長からは、市場として強化すべき機能と具体的な戦略等について議論を深めながら、市場外事業者との連携も視野に入れ、にぎわいのある市場づくりに向けて将来ビジョンを取りまとめていくという答弁をいただきました。それから半年が経過いたしましたが、場内事業者の方々からは、将来ビジョンの検討を好機と捉え戦える市場になるために何をすればいいのかを真剣に考えているという大変前向きなお話をお伺いしています。

 一例ではありますが、青果の仲卸業者の方からは、県産野菜の集荷をふやしたいが県内産地の現状は、農家数が減少し高齢化が進むなど、県産野菜を確保するには非常に厳しい状況にあるので、卸売業者、生産者等々と連携し産地開発や商品開発を行うとともに、生産者が当市場へ進んで出荷してもらえるような仕組みづくりを市場の戦略として提案しているとお伺いしています。私は、奈良県中央卸売市場が他市場との競争の中で戦える市場になるよう、しっかりとした将来ビジョンの策定を期待するものであります。

 また、そのことが市場の取扱量の拡大につながり、さらには地元、大和郡山市のまちづくりの推進や地域雇用の安定につながることはもとより、奈良県農業の活性化にも波及することを感じた次第であります。昨年度から県と場内事業者とが一緒になって検討され、将来ビジョンについては一定の方向性が出てきたようにお聞きしています。今後はそれを受けて開設者である県として、市場の施設や運営をどうするか、どのようににぎわいをつくり出すのかという基本構想づくりの時期に来ていると考えています。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 場内事業者とともに検討する将来ビジョンを踏まえて、どのような中央卸売市場を目指そうとされているのか、ご所見をお伺いします。

 次に、産学官連携についてをお聞きいたします。

 荒井知事は就任以来、企業誘致や県内産業の活性化に対しては、精力的に取り組まれていることは誰もが認めるところであります。今後、工業ゾーンに向けての対応や魅力ある企業の育成など、より一層の取り組みが進められることに期待を膨らませているところです。

 一方で、現状に目を向けますと本年五月に出された平成二十六年工業統計調査結果の中で、都道府県別統計表があり、製造品出荷額等及び付加価値額について、近畿二府四県中、奈良県が最下位となっています。事業所数や従業員数は和歌山県より上回っていますが、いずれにしても産業の活性化についてはまだまだ道半ばであり、さらにモチベーションを高めながら目的に向かって進んでいただきたいと願うところです。

 そのような思いを持つ中、奈良県の産業を強くし雇用と仕事をふやして県民の豊かな暮らしの実現を目指すとした、奈良県産業振興総合センター中期研究開発方針が本年二月に出されました。策定の趣旨について、本方針は、現在の経済状況においても成長を続ける中小企業をさらに発展させるとともに、県内企業へ積極的に技術移転、普及を図ることにより、グローバルニッチトップ企業及び新産業分野の創出・育成を目指すものであるとされています。中期研究開発方針を踏まえ、センターの研究開発推進体制の整備や優秀な研究員の確保と育成に、ぜひ力を注いでいただきたいと願うところです。

 さて、方針の中にもありますが、改めて重要な取り組みとして再認識させられるのは産学官連携の体制づくりであります。やはり地域の産業をより活性化していくためには、その地域の特色と強みを生かし、企業や大学、高等専門学校とが、地元の自治体と協力して取り組むことが重要であると考えます。すなわち、産学官が連携して地域の産業の振興や地域の課題に取り組み、共通した理解のもとで地域の活性化を進めていかなければならないと思うところであります。

 文部科学省が調査した平成二十四年度大学等における産学連携等実施状況についての中には、全国の国公立大学等における民間企業との共同研究は、増加傾向にあると記されています。公立大学法人法が施行されたことによって、学はより自律的でより自主的な学校運営が要求されるようになっています。また本年、酵母のオートファジーの研究でノーベル医学生理学賞を受賞された東京工業大学栄誉教授の大隅先生は、記者会見の中で大学における基礎研究の重要性も強調されておられました。もし奈良県にも、工業系大学もしくは工学部のある大学が存在すれば、より効果的な連携が創造できるのではないかと思いますが、今後、そういったことも将来的ビジョンとして検討いただきたいと願うところです。

 しかし、一方の産においては、経済のグローバル化によって国際競争が激化し技術や技能が高度化して複雑化してきており、研究開発に要する期間も短くなってきています。さらに、少子高齢化の進展や若者の技術離れといった変化にも直面しているのが現状です。

 このような状況の中、これからの地方や地域が自立的かつ持続的に経済成長して地域の経済が活性化していくためには、産学官の研究者が連携したオープンイノベーションという研究体制や政策が有効な手段の一つであると言われています。そこで、新たに生じるであろうさまざまな課題に対してより機動的・弾力的に対応できるような環境の整備だけではなく、継続したイノベーションを起こすために必要な産学官連携が極めて重要な要素であると思うところです。

 また、産学官連携と非常に交わりの深いのが研究開発であり、連携をさらに強化して地域の産業振興と地域づくりを目指していくことが重要であると考えます。そういった意味においては、産学官連携の調整役を担っている奈良県産業振興総合センターや公益財団法人奈良県地域産業振興センターは、連携の窓口として大変重要な役割を果たしていると思うところです。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 こういった背景を踏まえ、奈良県産業振興総合センター中期研究開発方針で進めている研究について、産学官連携による取り組みの現状と今後の方向性について、お伺いいたします。

 次に、働き方改革の取り組みについてお聞きいたします。

 政府が公表した平成二十八年度経済財政白書によりますと、企業収益が高水準で推移し、人手不足感も見られる中で春闘の賃上げ率も三年連続で高い水準となるなど、雇用・所得環境は改善していますとの認識を示しています。しかし時代の転換期の中で暮らしの基盤は揺らいでおり、傷んだ雇用と労働条件の復元は後回しにされ働く方々の暮らしは依然として厳しいのが現実です。

 平成二十八年九月に発表された平成二十八年版の労働経済の分析、通称労働経済白書によりますと、緩やかな景気回復基調を背景として、平成二十七年度平均で、全国の完全失業率は三・三%と十九年ぶりの低い水準となり、全国の有効求人倍率も一・二三倍と二十四年ぶりの高い水準となっています。女性の就業率については、平成二十七年は、平成二十二年と比べ全年齢階層で上昇が見られ、特に三十歳代の子育て世代の就労が進んでいる状況です。

 また障害者雇用状況報告によりますと、障害者の雇用者数は、平成二十七年六月一日現在で約四十五万人と十二年連続で過去最高を記録し、法定雇用率達成企業の割合は四七・四%と前年比二・五ポイントの上昇となっております。このように雇用情勢については若干改善はしているものの、労働力調査による非正規労働者の割合は、平成二十七年平均が三七・五%と相変わらずふえ続けており、まさしく雇用の質や労働条件の改善が求められるところであり、雇用者間の格差や貧困が拡大するなど働く者を取り巻く環境は依然として厳しいのが実情です。

 一方、労働者の働く環境を見ると、違法な長時間労働をさせ労働基準監督署の再三の指導にも従わなかった複数の大企業が労働基準法違反で摘発される事件が起こるなど、長時間労働の実態がまだまだ深刻な状況にあります。また平成二十八年三月に発表された労働政策研究・研修機構の調査では、妊娠等を理由とする不利益取り扱い等の経験率が二一・四%に上るという結果が出るなど、職場の環境は必ずしも良好ではないと考えられます。これらの状況を受け現在、政府においても、長時間労働の是正や同一労働同一賃金などについて、働き方改革実現会議をようやく立ち上げ具体的な取り組みを始めたところです。

 さて奈良県の状況に目を転じますと、直近の平成二十八年十月の就業地別有効求人倍率は一・三四と近畿平均の一・二九を上回る状況で上昇傾向が続いており、本県においても雇用情勢の改善については進んでいる状況です。しかし県内事業所における労働環境については、平成二十七年度に県が実施した働き方に関するアンケートによりますと、平成二十七年九月の県内事業所の正社員の月間総労働時間が百八十七・一時間と、労働力調査の全国値百八十三・二時間より長くなっています。

 また奈良労働局の調べでは、県内事業所における卒業後三年目までの離職率が、平成二十五年三月卒では、高卒四七・七%、大卒三六・七%となっており、いずれも近畿で最も高く、十五歳から三十四歳までの若年者の非正規就業者の割合が、平成二十四年の就業構造基本調査では三九・〇%と全国第五位の高さとなっています。さらにワーク・ライフ・バランスの面から見ると、県の平成二十七年度職場環境調査では、育児休業を取得した者の割合が、女性八九・三%、男性一・五%となっており、平成二十七年度雇用均等基本調査の全国値である女性八一・五%、男性二・六五%と比較すると、男性で全国値を下回っている状況です。これらのことから、県内事業所の労働環境にはまだまだ改善の余地があるのではないかと考えています。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 このような県内の雇用情勢、労働環境の実態を踏まえ、働き方改革の取り組みについて知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、教育問題についてお聞きいたします。

 本年三月三十一日に作成されました奈良県教育振興大綱に基づいて、まずは荒井知事に質問させていただきます。前々回の六月定例会においても同様の質問がありましたが、その中で公教育のどの点に特色を出そうとしているのかという問いに対して、知事は、特に就学前教育の推進と実学教育の重視を特徴として打ち出していると答弁されました。

 またそのほか、障害者における障害教育や女性の教育、あるいは生涯にわたる学びである生涯教育などを重点項目として挙げられました。就学前教育の推進と実学教育の重視については、今まであまり表現されてこなかったことから、今後の取り組みに対しては大いに期待をするところであります。

 この大綱は、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱と、教育基本法第十七条第二項の教育の振興のための施策に関する基本的な計画を一体的に策定されているものですが、その中で私が最も関心を寄せるのは、義務教育及び高等学校教育に対する教育のあり方や、それぞれ本県の教育の課題に応じた教育のあり方についてであります。それぞれ施策の方向性を掲げ現状と課題を浮き彫りにした上で、主な取り組みを具体的に記されています。

 例えば、認知件数がふえているいじめ問題や全国的に長期化していることが問題視されている不登校など、生徒指導上の諸課題への取り組みについては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の外部専門家の配置などがうたわれています。また高等学校教育の質の向上の中に、本県産業を支えるスペシャリストの育成という大きな役割を担う工業、農業などの職業教育を行う専門学科において、今日の高度情報技術・バイオテクノロジーの進歩など、科学技術の進展や産業、社会の構造の変化に対応した教育内容及び教育設備の充実を図っていかなければなりませんとうたわれています。

 さらには、安全安心で質が高い教育環境の整備においては、いつも質問なり要望を繰り返しています県立学校施設耐震補強設計及び耐震補強工事や県立高等学校空調設備設置の検討などが盛り込まれています。そのほかにも盛りだくさんの取り組みがうたわれていますが、平成三十一年度までとする対象期間も踏まえながら、こういった予算を伴う取り組みも含めて、より一層のご尽力をお願いするところであります。

 大綱策定の趣旨の中に、策定に当たっては、地方教育行政改革の趣旨を踏まえ、教育こそが県政の目指す姿である地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創る基盤であるとの認識のもと、人口減少克服や地方創生をはじめ県政が直面する諸課題と密接な連携をとることとしていますと記されています。まさしく人への投資こそが、県政の発展につながっていくものであると確信するところです。

 そこで、荒井知事にお尋ねいたします。

 奈良県教育振興大綱に基づき、先に申し述べました私が関心を寄せている義務教育及び高等学校教育や、そのほか本県の課題に応じた教育の充実に向け、どのように取り組みを進めるのか、知事のお考えをお伺いいたします。また特に、来年度に向けた義務教育や高等学校教育の取り組みについて、あわせてお考えをお聞かせください。

 次に、教育長にお尋ねいたします。

 先日、筆の生産量全国一を誇る、広島県熊野町立熊野第三小学校にお伺いいたしました。平成二十二年度から町内全小学校四校の一年生、二年生の授業に低学年書道科を取り入れる画期的な書道教育を推進しておられ、現行の学習指導要領にない試みであり、現在も各方面から注目を集めているということであります。また、昨年の七月には文部科学大臣も視察に訪れるなど教育関係者の視察も相次いでいるということです。

 まずは、PPGの実践から始まる授業を拝見して、そのすばらしさがわかりました。PPGとは、足はぺったん床の上のぺったんのP、次に背筋ぴんのP、そして椅子と机の間はぐー一つのぐーのG。こういった書写をする姿勢は、普通の授業でも行っているとのことであり、小学校一年生から中学校三年生までの九年間継続しているということでした。また小学校に入学して半年過ぎた児童が、自分の作品のいいところ悪いところを自分の言葉で説明しているのもすばらしいと思ったところです。書道の先生や推進した町の教育長、職員の方々の取り組みも含めいろいろと申し上げたいのですが、時間がないので割愛をさせていただきます。

 いずれにしても、先ほど申し上げた書道の作法として取り入れたPPGの姿勢によって、低学年書道科以外の授業での学習姿勢や服装なども一段とよくなったということであり、書道の授業から集中力向上につながっているのかなと率直に感じたところです。ちなみに平成二十七年度の全国学力・学習状況調査では、同町の小学校は五教科平均値で広島県を上回り、同町の中学校は全国トップレベルの結果になったということです。

 だからといって、奈良県内においてすぐさま低学年書道科の導入をとは申しません。ただ、県内小・中学校における集中力、持続力や学習への意欲向上に向けての取り組みは、より一層重要視しなければならないと思うところです。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 学力向上に向けて、学習への姿勢も含め、学習意欲の向上を目指す取り組みについて、現状と今後の方向性についてお聞かせください。

 最後に、県立高校再編跡地等の活用についてを要望いたします。

 県教育委員会では、新しい県立学校づくりを目指して、平成十六年度から県立高校再編計画に取り組むとともに、統合により閉校となった学校の校舎等は、新しい県立高等学校や養護学校として使用されたり、知事部局において県の総合庁舎に用途変更されるなどの活用を図ってこられました。

 しかし現在でもなお、校舎、運動場及び体育館を一時的に使用するだけの学校や、校舎等が全く活用されないままになっている学校が存在しています。私の母校であります奈良市秋篠町にある旧奈良工業高等学校の跡地は、六万平方メートルを超える広大な敷地であり、その有効活用が望まれるところではありますが、活用に向けてはさまざまな課題もあると伺っています。

 また地元の大和郡山市に存在します旧城内高等学校は現在、郡山高等学校が校舎等を活用されています。この土地は、公益財団法人郡山城史跡・柳沢文庫保存会から借りられていますが、借地を返還する予定とお聞きいたしております。

 今後、返還に当たっては土地所有者としっかり協議していただくとともに、現在も高等学校として使用している施設であることからも、今後の学校運営に支障のないように進めていただくことを期待します。旧奈良工業高等学校をはじめ県立高校再編により閉校となった学校跡地や今後使用しなくなる高等学校跡地は、いずれも貴重な県民全体の共通の財産です。高等学校跡地を有効に活用されるよう要望いたします。

 以上で、壇上における質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十二番藤野議員のご質問がございました。

 まず第一問は、市町村財政の健全化でございます。県下の市町村財政の健全化に関心を持っていただきありがたいことだと思います。

 本県では、市町村財政の健全化を評価する指標といたしまして財政構造の弾力性を示します経常収支比率に着目し、その数値や全国順位を分析し、毎年度二回発表しております。これによりますと、県内市町村の経常収支比率は、平成十八年度から平成二十年度まで全国最下位、四十七位でございました。残念なことで、何とかならないかと思ってまいりました。その後改善いたしまして、平成二十六年度決算では九六・〇%で四十四位になりました。ラストから四番目でございます。平成二十七年度決算の順位はまだ国から発表されておりませんが、値は九三・五%となり二・五ポイントの大幅な改善となりました。議員がご存じのとおりでございます。しかし、全国平均の九〇・〇%に比べますとまだ三・五ポイント開いております。さらなる改善が必要な本県だと思います。

 これまで奈良県におきましては、経常収支比率などの財政指標を健康診断表に例えて図式化したり全国順位を見やすく示すなど、工夫した資料作成を行い、これを県・市町村長サミットなどの場で提供することにより市町村の財政健全化に向けた問題意識の醸成に努めてまいりました。市町村長からは成績表と言われて多少嫌われている指標でございましたが、結果は大変良好でございました。このような取り組みは県にしかできない役割だと認識をしております。各市町村の刺激にもなっているため、さらに充実し継続していきたいと思います。また改善された市町村には、やはりお褒めの指標として提供させていただきたいというふうに思っております。

 経常収支比率を構成する経費のうち、大きな要素を占めているのは公債費と人件費でございます。このうち、ことし十月の県・市町村長サミットでは特に人件費に焦点を当てた分析資料を提供いたしました。こうした資料を議論のきっかけとして活用していただき、各市町村において給与水準や職員数の見直しなどを通じた人件費のさらなる適正化に取り組んでいただきたいと考えております。公債費は、過去の借金の後拭いという性格は強いわけでございますが、人件費はこれからの経費の支払いの抑制というふうになると思いますので、人件費は努力をすれば抑制できるものでございます。

 また今申し上げました公債費につきましては、平成二十年度決算で早期健全化団体となっておりました御所市と上牧町に対しまして、地方債の繰り上げ償還のための無利子貸し付けを行いました。二十億円を超える無利子貸し付けだったと思います。全ての市町村を対象に、平成二十六年度は一般会計、平成二十七年度は公営企業会計が保有いたします高金利の地方債の繰り上げ償還に必要となる元金と補償金について、無利子貸し付けや補助金による支援制度を確立、用意いたしまして、市町村の公債費負担軽減のための支援を行いました。そのようなことが、やはり好結果に結びついた面はあろうかと思っております。

 経常収支比率などの財政指標は、一朝一夕で大きく改善するものではございませんが、先ほど申し上げました全国順位を見ましても、各市町村が財政健全化に向けた自主的な取り組みを加速していただくことにより成績が上がってくるわけでございます。県といたしましても、これからも息長く継続、支援して、よい成績、市町村の財政健全化がよい成績になりますように努めていきたいと思っております。

 奈良県中央卸売市場の将来ビジョンについてのご質問がございました。

 市場は、奈良県の県民の方の口にされる食物の流通の中核でございますとともに、まだ実現しておりませんが、にぎわいの場所になるものでございます。また議員お述べになりましたように、卸という市場の下流のほうの方が上流の農業者に対して働きかけをされるということは、大変明るいきっかけになるように思っております。

 現在、奈良県にございます中央卸売市場におきましても、流通の中核、またはにぎわいの中心になるような可能性はございます。将来にわたって生鮮食料品の流通拠点として、消費者ニーズに応えるため、または地域のにぎわいの中心の拠点となるために、どのように改善すべきかという検討を行ってきております。

 卸売、流通の中心という観点からは、生鮮食料品を全国から集荷し、県内の小売店等の実需者に販売する集荷・分荷の機能が大事でございますが、さらに食の安全安心の確保も重要な機能でございます。このような、基本的機能をしっかり見直し強化することがまず第一でございますが、また新しく奈良県中央卸売市場として生まれ変わるための戦略も加えて、将来ビジョンとして取りまとめることができたらと思っております。

 議員は、県産野菜の集荷についてお述べになりました。重要な課題でございますが、平成二十六年度の県産野菜の産出額は百十六億円でございますが、この市場の入荷額は十六・七億円ということで、わずか一四%という状況でございます。農業の地産地消を進める上でも、流通拠点であります当市場の集荷力強化は最重要課題の一つだと思います。場内事業者の方々から大変よい提案をいただいているように感じております。

 このようなご提案いただいたような、さまざまな戦略案を頼もしく思っておりますが、それを糧に、ベースに、市場という場所を県民のために今後どう発展的に使うのかを考えていきたいと思っております。市場と言えば、通常卸売業者と小売業者さん同士、事業者同士の取引、いわゆるBtoB、Business to Businessを基本とされるのが通常でございますが、これからは、一般消費者との取引、いわゆるBtoC、Business to Customerをつけ加えることも検討する必要があろうかと思います。地域のにぎわいの創出という観点になろうかと思います。

 卸売市場に県民や観光客も呼び込み、BtoCを実現するためには、これまでの枠にとらわれない市場の運営方法の確立が必要と思います。先般、市場関係者に同行する形で、職員にフランスのランジスというパリ郊外にあります国際卸売市場を施設視察してもらいました。ランジスは、ヨーロッパ最大級、最高峰の市場だと言われております。政府と地方自治体がしっかりと関与しながら、時代のニーズに合わせた積極的な設備投資や外部企業の物流センターの誘致など民間企業のノウハウを活用している印象がございます。このようなランジス国際卸売市場の事例等も、大変規模は違いますしレベルも違いますが、その方向を参考にしていきたいと思っております。

 本県といたしましては大事な県営市場でございますので、市場の中での流通機能を中心に、それを公的に確保することを中心に、県民や観光客が訪れることができる、華やかでにぎわいのある中央卸売市場を目指したいと思います。奈良県版ランジスプロジェクトと呼んでおりますが、土地利用、施設整備、事業手法等を含む幅広い基本構想づくりに取り組みたいと思っております。

 産学官連携についてのご質問がございました。

 付加価値が低い、それは産業産出量が低い、それは県内の雇用吸収力が弱いということにつながっているのではないかという本質的なご指摘が議員からありまして、一〇〇%賛同する次第でございます。

 産学官連携は、研究開発においても、そのような産業雇用の状況を改善するためにも大変可能性のある大事な手段の一つで、中心的な手段でございます。本県では、県内企業の活性化を目的とした産業振興総合センター中期研究開発方針をつくりまして、本年度から平成三十二年度までの五年間に取り組むべき研究開発の方向性と重点研究課題を明確に示したところでございます。選択と集中で重点研究課題を抽出して、それに特化して進もうという方式にし始めたわけでございます。

 これら重点研究の実施におきましては、産学官が連携した研究プラットフォームを構築するのを基本としております。具体例を挙げますと、一つには食品の世界でございますが、肝臓によいとされますオルニチンを生み出す機能性醸造食品の開発の研究をしております。奈良先端科学技術大学院大学の教授にチーフマネジャーとなっていただき、研究全体を総括していただいております。奈良県酒造組合や奈良県醤油工業協同組合の協力を得て研究を進めるという産官学のスタイルでございます。

 また金属加工技術の分野でございますが、超音波による金属の加工技術の研究という分野も取りかかっております。奈良工業高等専門学校の教授に協力、助言を仰ぎながら、県内の金属加工関連会社とともに製品化を目指して研究を進めているものでございます。

 このような産学官の研究プラットフォームにおきましては、市場ニーズに基づく独自技術を保有する県内企業、高度な学術的専門知識を持つ大学等、総合的な技術力とコーディネート力を有する県との産学官の間で、技術のすり合わせによる相乗効果が得られることを期待しているものでございます。実用面にすぐれました応用ができる先進的なイノベーションの創出を目指すものでございます。また、研究のスピードアップと企業の販売ノウハウの活用により、研究成果をいち早く商品として市場に投入できれば幸いなことだと思います。

 このようにして得られました研究成果を、目指すはグローバルニッチトップでございますが新しいビジネスとしてつなげていくことができれば、今までおくれておりました奈良県の付加価値を向上させることができるものと考えております。

 次のご質問は、働き方改革についての取り組みでございます。

 働き方改革は、奈良県のみならず日本の経済再興のために最も重要な事項だと考えてきております。一方、奈良県の雇用情勢、労働環境は、日本の平均値と多少ずれがあります。偏差があるように思います。それらを踏まえながら、奈良県の働き方改革に取り組む必要があると認識をしております。

 議員お述べのとおり本県においても有効求人倍率の上昇傾向は続いておりますが、県内事業所の労働環境につきましては、日本の特徴的な労働観でございます男性正社員中心の無限定な働き方や、本県で根強い、夫が外で働き妻が家庭を守るという保守的な性別役割分担意識もまだ根強くございます。働きやすいワーク・ライフ・バランスが奈良県で実現できないネックの一つではないかと思います。また、若者の職場定着もいろいろな事情で進んでいないという事情があります。本県において、特段改善すべき大きな課題だと認識をしております。

 本県では、平成二十六年度から県独自に県内事業所における働き方改善に向けた検討を開始しております。前提として、業種や職種などによって異なる働き方の課題や長時間労働の実態を把握してまいりました。

 平成二十七年度に県内事業所とその従業員に対して実施いたしましたアンケートによりますと、業種では、通信・運輸と流通・飲食、職種では、営業系と技能系の月間総労働時間が長いことなどがわかりました。全国の平均と比べますと、奈良県は長く働かれる傾向があるということはわかってきております。その原因を除去し、効率的な働き方をして付加価値を高めるのが、先ほど申しました大きな奈良県の課題であろうかと思います。

 こうした業種や職種の特性と問題点を踏まえることは当然でございますが、例えば課題の一つ、中心的課題でございます長時間労働の要因や働きやすい職場づくりの課題の切り口といたしまして、従来から言っておりますマインド、フィールド、スキル、ライフの四つの切り口を考えております。マインドは働き方の意識の改革、フィールドは職場の管理の進め方、スキルはいろいろな女性も含めまして、若者、女性も含めまして能力開発の課題、ライフは仕事と生活の調和を奈良県の職場の中で、どのように確立するかということでございます。事業所での実践に向けて、県はどのような役割を果たせるかを追求しているところでございます。

 それらをもとに県内事業所における働きやすい職場づくりの取り組みを進めたいと思いますが、そのような働き方改善は生産性向上や人材確保に資するという経営面の利点があることを経営者に十分説明させていただきたいと考えております。先ほど申し上げましたように、日本経済再生は働き方改革の実行にかかっていると私は思っておりますが、奈良県におきましても、やはり同じことが言えるのではないかというふうに思っております。

 また、おのおのの職場の課題や従業員のニーズ、取り組みの進みぐあいなどに応じまして、効果的に支援することができたらと、県の役割が何か発見できたらというふうに思います。

 労務管理体制や人材教育が十分でない小規模な事業所も多いわけでございます。経営者に、従業員が生き生きと働ける環境をつくることが経営を力強くする第一歩ですよということを、また具体的にお示しすることができたらと、また支援することができたらというふうに思います。

 そのような観点から年度内に、経営者、管理職、人事担当者、労働組合関係者などの労働を取り巻くプレイヤーの対象別にセミナーを開催したいと思っております。各事業所での働き方改善のための自主的な取り組みを進めたいと思います。また政労使で構成する働き方改革推進協議会をつくって、そこでトップレベルの議論、機運醸成を図りたいと思います。またセクター別の看護師でございますとか、いろいろなセクターを抽出いたしまして、セクター別の働き方改革の研究を進めたいというように思っております。

 教育問題について、私にご質問をいただきありがとうございました。感謝を申し上げます。

 奈良県教育振興大綱に基づきどのように取り組むのかということでございますが、議員にお述べいただきましたように、私は奈良県では就学前教育、実学教育、障害者の教育、女性の教育、またシニアも含めました生涯にわたって学ぶことのできる環境整備などが重要だと思ってきております。

 ことしの三月に策定いたしました奈良県教育振興大綱におきましては、本県の実情に応じまして教育の振興を図るため、乳幼児期から義務教育、高等学校・大学にわたる学びのステージごとの取り組みや、全国的に低位にございます学習意欲、規範意識の向上など本県の教育課題に対応した取り組みを定めて、推進、改善したいと思っております。

 本県の義務教育段階の子どもたちは全国的な調査の結果から、学習意欲、規範意識など大変低い段階にございます。これらは非認知的能力と言われておりますが、それは義務教育の学校で教えることもできるのですけれども、学校でなかなか改善されない面がございます。乳幼児期からの教育が重要ではないかと言われております。このような非認知的能力向上のための就学前教育の内容充実のために、奈良県版就学前教育プログラムの策定に取り組みたいと思います。来年度は、幼稚園や保育所、認定こども園でのモデル実践に加えまして、身近でできる県独自の機会提供などにも取り組みたいと考えております。

 また高等学校教育におきましては、実学教育の重視が最も重要でございます。社会的・職業的自立に向けた勤労観、職業観を醸成することを基本として、進学のための教育から世の中で生きるための教育というふうに、大いに転換をしていただきたいと考えております。ひきこもりを改善する、基本的には世の中に出る力をつけることを教育の場で実践をしていただきたいと思っております。こうした観点から実学教育はとても大事でございます。スイスに交流が始まりましたが、スイスの実学教育、誠にすばらしいものでございます。これを学びながら奈良県の実学教育のスタイルを、大変おくれております実学教育のスタイルを確立したいと思っております。

 どのようにするかということでございますが、企業などがインターンシップを受け入れていただく機会を大幅にふやすことができたら、企業の中で、企業がいろいろ営業の内容が変遷いたしますが、企業はどのようになっても働く人の研修はいろいろな場でできますように、OJTと呼ばれる企業内の研修だけではなしに、企業を外れても奈良県の地域では研修の機会があるよといったようなこともできたらと思います。

 また、教員自身が例えばITCリテラシーが低いと奈良県教員の結果で出ておりますが、教員のITCリテラシーを上げるための教育、教員に対する教育というのも重要なことかと思っております。

 質の高い教育環境を整備するために、環境整備も必要かと思います。県立高等学校の耐震化や空調設備の導入、教育用・校務用コンピューターの整備についても検討を進めたいと思います。

 大綱全体の推進に当たりましては、このような新しい試みを取り入れるとともに、業績の目標を明確にして、点検を重ねるPDCAサイクルを実行していきたいと思います。

 教育で、残りの答弁は教育長がいたしますので、よろしくお願いいたします。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十二番藤野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、学習意欲の向上を目指す取り組みについて、現状と今後の方向性についてのお尋ねでございます。

 全国学力・学習状況調査は、悉皆での実施から四年が経過をし、過去四年間に蓄積された学校ごとのデータを分析したところ、学習意欲と学力には相当の相関が見られました。また最も学力に影響する、授業がわかるという質問項目と、授業で自分の考えを発表する機会が与えられているという項目間にも相関があることがわかってまいりました。議員お述べの熊野第三小学校においては、書道科の学習を通して、学習規律もございますけれども自分の考えを発表する機会が与えられている例でもあると思われます。

 今後、本県におきましては、子どもの学習意欲を高めるためには単に子どもに発表の機会を与えるにとどまらず、子どもの学びを主体的な学び、対話的な学び、深い学びの三つの視点、いわゆるアクティブ・ラーニングの視点に立って改善していくことが最も大切であると考えております。

 県教育委員会では、今年度、教員対象のアクティブ・ラーニング研修講座や、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善をテーマに約五百人の教員の参加によるセミナーを行い、理解を深めたところでございます。

 私は、子どもの主体的な学びを引き出すには、教員の権威ではなく教員みずからが主体的に学ぶ姿を背中で見せることが大切であると思っております。そのため今後は、アクティブ・ラーニングによる授業の実践モデルを教員が自発的に研究するなど、教員の学びの改善も促してまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 十二番藤野良次議員。



◆十二番(藤野良次) 二回目でございますが、私なりの意見あるいは要望を申し上げさせていただきます。

 まず一点目の市町村財政の健全化についてでありますが、気になる新聞報道もありました。

 財務省は、財政制度等審議会で地方交付税交付金を配分する基準となる地方財政計画が毎年一兆円分ほど過大になっているという、そういう試算を示したということです。審議会は、交付金の抑制を図るべきだとして、財務省に対し見直しを求めるよう提案したということでありますが、今後財務省と総務省とのいわゆる綱引きがあるというふうに予想されますが、そういった意味におきましても、これからの地方財政についてはまだまだ予断を許さない状況ではないかなと、このように思っております。

 引き続きの県のさまざまな取り組みも、ぜひにとお願いをしたいと、このことを強く要望するところであります。

 二番目の奈良県中央卸売市場の将来構想についてでありますが、この辺は質問の中で申し上げましたように、市場のさらなるにぎわいによって安全安心な食料の安定供給や地域雇用の促進、また県と大和郡山市の連携したまちづくりの推進、そしてまた奈良県農業の充実など、波及効果というのはかなり見込まれるのではないかなというように思っております。中央卸売市場の将来ビジョンの実現に向けては、それこそ全力で取り組んでいただきたいと、このことも強くお願いをするところであります。

 続いては産学官連携についてでありますが、これは本来質問の趣旨というか、思いというのは当然産学官連携によっての県のさまざまな取り組みや今後の方向性ということでありますけれども、質問の中で申し上げましたように、学のあり方というのをもう一度考えてみるといいのではないかなと。これは質問の中にも取り入れました、いわゆる工業系大学の誘致とか、あるいは工学部の設置、これも奈良県はそれこそ産業活性化に向けての取り組みの一つとして、段階的に考えていただければどうかなと、このことを提言、提案を申し上げたいと、このように思います。今後の産学官連携の充実によろしくお願いを申し上げます。

 続いて、働き方改革でありますけれども、これは働きがいがある人間らしい仕事ということで、いわゆるディーセント・ワークとよく言われておりますが、この実現に向けて暮らしの底上げや、あるいは社会の安定、そして格差是正、ここにつなげるための一層の取り組みをお願い申し上げます。

 最後には、教育問題についてでありますけれども、教育長、アクティブ・ラーニングの取り組みですけれど、大いに期待をするところであります。また教員の主体的な取り組みというのも、どうか教育委員会のほうで、よりご支援をいただきたいと、このように思います。

 知事に対してですけれども、知事は就学前教育、いわゆる義務教育、高等学校、その前後にある就学前教育とあるいは実学教育というのを今述べられておられました。前々回の一般質問か代表質問でも、そのように捉えてお話をされたと思うのです。私は、やはりその間の義務教育とそして高等学校の教育、ここもしっかりと見据えて取り組んでいただきたいと。これは、当然教育委員会の取り組みなので、あまり知事に対してそこまでは突っ込まないのですけれども、知事から答弁でいわゆるコンピューターの設置、コンピューターの充実とか施設の整備、そして空調設備の設置も含めて取り組まれるというふうに今ちょっと答弁でおっしゃられたので、少しあれなのですけれども、要はしっかりと義務教育、あるいは高等学校のそういった教育も含めて見据えながら、しっかりと人に予算を投じてほしいというのが、私の知事に対する教育問題への質問の趣旨なので、どうかその辺をご理解いただきまして、今後の奈良県の子どもたちの教育発展に努めていただきますようお願いを申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 答弁要りませんか。



◆十二番(藤野良次) はい、要りません。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後三時四分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時二十分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四番山中益敏議員に発言を許します。−−四番山中益敏議員。(拍手)



◆四番(山中益敏) (登壇)皆さん、こんにちは。そして奈良テレビ放送をごらんの皆さん、こんにちは。奈良市・山辺郡選挙区選出の山中益敏です。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議長の許可をいただきましたので公明党を代表いたしまして通告いたしました数点について、荒井知事にお尋ねいたします。

 まず初めに、IoTの産業への活用についてお聞きします。

 最近のテレビのコマーシャルを見ておりますと、各自動車メーカーが開発を進める自動運転では、車に搭載したセンサーで信号や歩行者などを認知し減速や停止といった安全走行だけでなく、インターネットに接続された道路情報をもとに快適に自動走行をするシーンや、保育所で生活する園児の姿をインターネットによって保護者にリアルタイムな映像を配信することにより、安心安全のサービス提供をしているコマーシャルなどがあります。

 従来の情報通信技術、ICTは、インターネットに接続されているのはパソコンやスマートフォンなどの機器に限られていましたが、さきに述べたコマーシャルのように、自動車やカメラ、テレビ、冷蔵庫、エアコンといった身近な製品に加え工場の工作機械や工事現場の重機など、ありとあらゆるものがインターネットに接続され、協調・連携することでIoT、Internet of Thingsの略で物のインターネットと認識しています。そうしたさまざまな物から日常の幅広い分野の情報をリアルタイムで取得し、蓄積された情報を分析し、現場にフィードバックすることで、さまざまな現場における問題解決につなげるものとして期待されています。

 そこで実際にIoTの活用に向け取り組まれている現場に、公明党会派として視察に伺いました。視察先は、第二回先進的IoTプロジェクト選考会議にてグランプリを受賞した東京の民間企業で、保育園での子どもたちの写真管理がきっかけとなってIoTに取り組まれています。現在では、ロボットやカメラマンが撮影した児童の写真を顔認識機能で自動的に分類して家族に提示し、子どもの成長を身近に感じるサービスを提供するとともに、保護者からのより多くのニーズに応えるため、命を守る、記録をする、一緒に遊ぶといった特徴的な機能を掲載したロボット、ミーボを導入しております。

 近い将来には、自動で連絡帳を起票することで保育士の労働力・人材不足の解消や、リアルタイムに動画を確認できることで、安全安心の確保などのサービス提供をもとに、保育の質の向上に努めていきたいとしています。こうした一例を見ても、今後のIoTへの可能性を含め大きな期待が寄せられるところです。

 一方で、県内におけるIoTの活用で先進的な取り組みをしている産業の中で、農業分野においては天候、気温、雨量、土中湿度などを管理し高品質な農産物の栽培に取り組まれ、新規就農者でも一定の所得が確保できるようノウハウの蓄積を行い、農産物のブランド化や耕作放棄地対策など地域の創生にかかわっていただいている取り組みをはじめ、運輸事業分野、また介護事業分野など、県内においてもさまざまな分野でIoTの活用が図られています。

 蒸気機関による産業革命を第一次とすると、電力による大量生産、コンビューターによる自動化に続き、現在はIoTや人工知能などにより第四次産業革命が起こりつつあると言われており、国においてもIoTの産業活用の取り組みを加速すると同時に、自公連立政権の経済成長戦略として公明党の提言も踏まえ策定された日本再興戦略二〇一六において、希望を生み出す強い経済で国内総生産、GDP六百兆円の実現を目指す上で、IoTは官民で挑む成長産業創出の大きな柱と位置づけられております。具体的には、二〇一六年度第二次補正予算などに約二百五十億円を地方へのIoT導入に向けた予算として盛り込み、自治体の要望に応じて活用するとしています。

 そこで、奈良県の産業を発展させるためにはIoTの活用が必要不可欠であると考えますが、県のIoTの産業への活用についてどのように取り組んでおられるのか、また、今後IoTの活用を県内産業にどのように広げていこうとしているのか、お尋ねします。

 次に、ひきこもり支援についてお聞きします。

 ひきこもりの子どもさんを持つ親御さんから、悲鳴に近い訴えを聞く機会がありました。まず、県が実施しているひきこもり相談窓口をきっかけにして自立に向けた支援へのステップアップにつながっていくよう、祈るような思いで取り組ませていただいた経験があります。ひきこもりの対策については、会派の同僚議員より提案のあったひきこもり相談窓口が平成二十七年四月より実施され、ひきこもり状態にある本人やその家族からの相談事業や、出張相談・訪問支援など、相談体制の拡充にも取り組んでいると伺っています。

 ひきこもり支援の導入部が相談窓口とすると、次の段階は社会参加に向けた支援となり、その次の段階としては就労に向けた支援となり、最終的目標としては自立した一般就労につなげていくものと認識しています。実際、県内においてどのように実施されているのか、先般、ひきこもりの方に居場所を提供している事務所や社会参加としての通いや仕事体験・就労訓練などに取り組んでいただいている、いわゆる中間的就労支援の事業所に伺ってきました。

 最初の事業所は、パソコン講習などを通して居場所提供や中間的就労サポートを行っており、就労訓練中はジョブコーチがフォローし確実なステップアップにつながるよう取り組んでいます。次に伺った事業所は、農業体験を通して一般企業で働き続けるための力が身につく就労訓練をしています。

 同様の就労支援の先進事例として、一般社団法人栃木県若年者支援機構が、地域企業の協力とジョブトレーナーの活用によって若年者の就労支援に取り組み、平成二十七年度は延べ人数一千四百五十八人、就労現場も延べ五百七十三件と、確かな実績もあることから視察に伺ってまいりました。

 この機構は、働きたくても働けない若者たちの就労支援を目的に平成二十二年四月に設立され、当事者のニーズを具現化することを信条に、課題の解決方法は地域にあると考え取り組んでおられます。具体的な就労支援は、独自の就労場所は持たず地域の企業と提携し、ジョブトレーナーと称する支援スタッフが仕事に同行し、そのもとで若者が就労体験を行う方法が特徴となっています。このように地域の企業と連携した就労体験の場所やジョブトレーナーが同行して就労訓練を行うことで、安心して次のステップアップにつながることから、事業への取り組みが評価されていると思います。

 一方で有効求人倍率に目をやりますと、厚生労働省が発表した十月の有効求人倍率は前月比〇・〇二ポイント上昇の一・四〇倍となり、平成三年八月以降、二十五年二カ月ぶりの高水準となっており、また正社員の求人倍率は〇・八九倍と、平成十六年十一月の集計開始以降で最高となっています。奈良県においても、就業地別有効求人倍率は前月比〇・〇五ポイント上昇の一・三四倍とのデータが示され、雇用環境としては今がその好機であります。いまだ活躍の機会がない若者が生き生きと働ける社会を実現することは、今後の少子化に歯どめをかけ地方創生につながる大きな力と考えます。

 そこで、お尋ねします。

 ひきこもり状態にある本人やその家族に対して、これまで県が行ってきた支援はどのような効果があったのでしょうか。また、ひきこもり支援の目標は就労などの社会復帰であると考えますが、目標に向かって今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

 次に、ドクターヘリの導入についてお聞きします。

 ドクターヘリは、救急医療機器を装備し、医師や看護師が搭乗して現場に駆けつけ、救命医療を開始するとともに、搬送時間の短縮により救命率の向上や後遺障害を軽減する効果も期待されています。

 そのような中、先日沖縄県の浦添総合病院が運航しているドクターヘリの発着基地を厚生委員会のメンバーで視察調査に伺いました。私たちが着くとドクターヘリもミッションを終えて基地に着陸するところで、風や音を直接体感することができ、ドクターヘリを身近に感じることができました。そして運航基準やランデブーポイントの選定、またフライトドクター、フライトナースにドクターヘリ内での作業スペースや人材確保など、さまざまな点で直接お聞きをすることができ大変参考になりました。

 県独自のドクターヘリを導入することで、命が危険にさらされているような重症外傷や脳卒中、急性心筋梗塞などをはじめとした多くの重症患者を搬送対象とすることが可能となり、特に救急車では搬送に時間を要する南部や東部の中山間地域における救急医療体制が充実するものと考えています。

 また、紀伊半島大水害のような道路網が寸断され陸路での搬送が困難な災害が発生したときの災害医療活動においても、積極的に活用できるようになると期待をしています。

 ドクターヘリを効果的に運航するためには運航体制を整える必要があり、本県でも、県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターの連携による運航体制を今年度中の運航開始に向け、搭乗するフライトドクター、フライトナースの確保や、どのような傷病者を対象とするかなどの検討が進められていると伺っています。

 またドクターヘリは、消防機関が傷病者の状態に応じて要請をすることや、救急車とドクターヘリが患者を引き継ぐためのランデブーポイントと呼ばれるドクターヘリが着陸できる場所での地上の安全確保など消防機関との連携が不可欠であり、消防機関との連携体制も整える必要があると考えています。

 一方でドクターヘリの受け入れ体制についても重要な問題で、南奈良総合医療センターから出動したドクターヘリが患者の状態に応じて南奈良総合医療センターへ搬送するか、より重篤な患者は県立医科大学附属病院の救命救急センターに搬送することになると伺っていますが、現在県立医科大学附属病院にはヘリポートがないため直接搬送することができません。

 今後、ドクターヘリの受け入れのためのヘリポートを県立医科大学附属病院に整備を進められていると伺っており、屋上にヘリポートが整備されるとドクターヘリを直接受け入れることができ、救急医療活動のさらなる充実につながると考えています。

 また県立医科大学附属病院は、基幹災害拠点病院として災害医療に中心的役割を担っており、ヘリポートを有することにより災害にも大いに役立つものと考えています。

 そこで、知事にお尋ねします。

 平成二十八年度中の奈良県ドクターヘリ導入に向け、運航体制の構築や消防機関との連携訓練など準備状況はどのようになっているのでしょうか、またドクターヘリが県立医科大学附属病院へ患者を直接搬送するために、県立医科大学附属病院施設の屋上へヘリポートを設置すると聞いておりますが、現在の進捗状況についてお尋ねいたします。

 次に、下水道施設の管理及び今後の運営についてお聞きします。

 奈良県の流域下水道は昭和四十年代から下水道事業に着手し、昭和四十九年度に大和川上流流域下水道、第一処理区の浄化センターの供用を、そして昭和五十九年度に第二浄化センターの供用を開始しました。その後、昭和六十二年度に宇陀川浄化センター、平成三年度に吉野川浄化センターを供用され、現在四つの処理場の管理及び運営をされています。これらの流域下水道の整備に伴い、現在二十八市町村で流域関連、公共下水道事業に取り組まれ、県内の汚水は主として四つの処理場を核として処理されております。

 下水道の整備促進は、県民の快適な暮らしの確保及び大和川をはじめとする河川の良好な水質確保に大きく貢献しており、大和川の水質も昭和四十五年のBOD平均値二十一・四ミリグラム・パー・リットルに対し、平成二十七年には二・三ミリグラム・パー・リットルと大きく改善されました。これまでの下水道事業の取り組みに対して、大いに評価するところであります。

 しかし一方、県の流域下水道は供用開始から四十年以上が経過し、処理場施設や幹線管渠の一部に老朽化が見られるなど、今後もこれら老朽化施設の増大が懸念されます。インフラの老朽化対策については、平成二十四年の笹子トンネルの崩壊以降、国においても本格的に取り組み指針を示されています。対象となるインフラは、古くから整備をされている道路や河川など、多くの施設にも言えることではありますが、とりわけ下水道施設の予期せぬ処理機能の停止は、県民の日常生活に直接多大な影響を与えるとともに、河川水質の悪化をもたらすことも考えられます。限られた予算の中、このような事態を未然に防止するためには下水道施設の老朽化対策など、効率的な施設の管理及び運営が必要であります。

 そこで、知事にお尋ねします。

 下水道事業は着手後四十年を超え施設の老朽化も進行しており、不慮の事故のリスクも増大していると考えられます。一たび事故が起これば県民生活に多大な支障を与えるため、老朽化対策は着実に行う必要があると考えますが、県はどのように取り組んでいこうとされておられるのでしょうか。

 次に、今後の下水道の運営についてお聞きします。

 下水道施設の維持管理費が増大する一方、人口減少に伴い料金収入は減少傾向であり、下水道事業の経営環境は今後ますます厳しさを増すと思われます。事業の普及が求められた時代から、サービスがもたらす便益を確保するために、効率的・効果的な運営管理が求められる時代に移り変わろうとしております。

 今後、人口の減少などに伴い経営環境はますます厳しくなっていくことが想定されますが、その中でも持続的に下水道事業を運営できるように県はどのように取り組んでいくのか、知事のご所見をお聞かせください。

 次に、多言語観光案内の展開についてお聞きします。

 二〇一六年の訪日外国人旅行客が、初めて二千万人を突破しました。この成果をもとに、政府はことし三月に策定した観光ビジョンで、訪問客を二〇二〇年に四千万人に引き上げる新たな目標を設定しており、現在の倍の誘客を目指す新たな目標を達成するためには、大都市部に集中する訪日客をどのように地方が誘客できるか、大きな鍵とされています。観光庁によると、現在の訪日客の約六割が、東京、名古屋、京都、大阪を結ぶゴールデンルートに滞在し、それ以外の地方を訪れる人はまだまだ少数派と言われています。

 そのような中、本県に来られる外国人訪問客数は、平成二十七年で百三万人と前年を三十七万人上回る増加傾向にあり、全国順位も十位から十三位で推移しています。そして、奈良県が戦略目標とする平成三十一年までに外国人訪問客数を百四十万人とする目標も、この増加傾向を見ると手の届くところまで来ているのではないかと思います。

 また、その戦略目標への取り組みとして、外国人観光客の新たな情報発信・交流拠点の整備や多様な媒体を活用した海外に向けた情報発信などが取り組みの手段としてございます。このことからも外国人観光客を誘致するには、効果的な情報発信が重要なツールであるということがうかがえます。

 国においても新たな観光ビジョン、明日の日本を支える観光ビジョンが平成二十八年三月に策定されました。この観光ビジョンでは、観光は真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱であるとの認識のもと、三つの視点を柱とし十の改革に取りまとめておられます。その柱の一つに、全ての旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できる環境に対応し、具体的な施策ではソフトインフラの飛躍的な改善が盛り込まれております。

 地方に外国人観光客を誘致するには魅力ある地方の情報発信が不可欠であり、発信する情報についても外国人のニーズに合った多言語化、また音声案内など利便性の高いサービスを提供することが必要と考えます。

 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会では、訪れた外国人観光客にとってスポーツ観戦だけでなく日本文化の原点を知る絶好の機会でもあります。私といたしましては、魅力ある奈良の地を訪れていただいた外国人観光客の方に、一人でゆったりとめぐっていただき奈良の魅力に少しでも長い時間触れていただきたいと思っております。そのためにも、奥深い奈良の歴史、文化などの情報発信を多言語化し、おもてなしの心で観光案内などができればと考えます。

 そこで、知事にお尋ねします。

 奈良に来られた外国人観光客に向けた多言語観光案内について、県としてどのように取り組まれていくのか、お答えください。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四番山中議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初は、IoTの産業への活用についてでございます。県内産業にどのように広げていくのかというご質問でございます。

 IoTは、これからの我が国の社会経済の変革の切り札になる可能性があると思っております。本県においても、本県の社会産業の改革にIoTを活用できないかというふうに研究を始めております。

 IoTや人工知能等の情報技術の目覚ましい発展により、これまでにない新しい機能を持った製品やサービスが生まれ有用な情報を容易に収集することが可能になり、そのことで社会や産業に変革が起こる可能性がございます。議員お述べのとおり、県内企業が発展していくための一つの取り口、IoTの活用は大事な未来に向けての重要な課題ととるべきではないかと思っております。

 このような認識から今年度、IoTの推進を産業振興施策の柱の一つとして位置づけて取り組みを始めております。IoTの活用には、産業から生活まで応用分野を幅広く捉えることができますし、また技術やサービスの進化のスピードが速いという特徴がございます。さらには、用途に応じて効果が一番発揮できる技術のすり合わせというようなものも必要になってくるように思っております。

 本県の具体的な取り組みといたしまして、本年五月に奈良先端科学技術大学院大学など外部の有識者も参加いただきましてIoTの研究会を立ち上げました。最新の技術動向や活用事例について、情報交換を始めております。

 地域でのIoTの活用例といたしまして、位置情報システムと連動したコミュニティーバス運行や高齢者見守りサービスなどがございますが、本県では観光消費の促進にIoTを活用する取り組みといたしまして、スマートフォン用アプリを開発して来年一月から社会実証を行う予定でございます。このアプリにおきましては、観光客へ県内店舗等の情報を提供し消費を促すことや、観光客の年齢、居住地等、周遊・消費動向の情報を収集することができます。このようなアプリを利用されますと、逆に情報が入ってくるのが特徴でございます。このような取り組みにより、観光客の動線、滞留期間の高い観光箇所の高い精度での把握、分析やさまざまな分野への活用が可能となります。その情報収集後の活用というのが大事な点だと思います。

 また県内企業のIoTの活用を促すために、IoT事業化セミナーを九月に開催いたしました。本県出身の大手IT企業の経営者による基調講演のほか、県内企業三社から運送業の車両管理、農産物の栽培支援、福祉施設での見守りといったIoTの先進的な活用事例を紹介いただきまして、約百二十名の参加がありました。

 このような本県の取り組みは、七月に経済産業省から地方における先進的なIoTプロジェクト発掘・育成の取り組みとして、地方版IoT推進ラボに認定をされました。今後、国と連携しつつ全国のIT企業とのマッチングなどにより、県内企業におけるIoTの活用を一層推進し新しいIoTビジネスが本県で創出されることを目指してまいりたいと思いますが、この分野は各県とも、各地域とも大変競争の激しい分野でございますので、なかなか気が許せない取り組みを続けさせていただきたいと思います。

 二つ目でございますが、ひきこもりについてでございます。ひきこもり支援をどのように取り組んでいるのかというご質問でございます。

 ひきこもりは、最近拡大が著しい社会現象でございます。どのように対処できるのか、模索的な取り組みをしている段階だと認識をしております。まずは、ご相談ということになろうかと思います。

 昨年度、県庁内に開設いたしましたが、ひきこもり相談窓口は今年度から専任の相談員を増員いたしまして、窓口での相談に加えて新たに県中南部への出張相談を実施しております。相談窓口では、ご本人やご家族への相談支援をはじめ社会参加や就労に向けた支援を行っております。開設してから今日まで約四百名余りのケースに対応し、このうち八人の方が就労に結びつくことができました。また一割の方々が、外出できるようになるという成果があります。わずかの成果でございますが、このような分野での相談の効果が出ております。

 また議員は、ジョブトレーナーということをご紹介になりました。大変重要なサポーター事業、プレーヤーであろうかと思います。ひきこもりの方に対しましての目標は、やはり社会復帰、就労ということでございます。とりわけ最近若年無業者などがたくさん出てきておられますので、それらの方々を対象にサポートの事業、支援をする必要があろうと認識しております。支援の主な内容は、コミュニケーション能力など、社会人としてスキルが必要な方もおられます。また就労の意欲が低い方もおられます。専門家によりまして、どのようにスキルや意欲を上げるかということになりますが、そのような専門家のサポートにより、ご本人の程度に応じて、またご希望に応じて就労訓練や意識高揚を県内事業所において受けていただくということを続けております。そのような繰り返しにより、就職につなげていく活動を始めているところでございます。

 また議員もおっしゃられましたが、地域の支えというのも大きな要素であろうかと思います。地域における目配りや見守りなど、地域で支えることができるということができれば大変いいことでございますが、天理市や葛城市では、子ども・若者支援についての地域協議会や相談窓口が設置されております。このような地域でもひきこもりという現象が大変出ているということだと思います。また、新たに生駒市や香芝市についても体制の整備に向けた準備が進められております。このような地域地域での相談支援体制を支援するために、県といたしましては市町村の相談窓口に臨床心理士という能力のある方を一年間派遣する支援を行ってきているところでございます。

 またさらに、ひきこもりの一つの典型例として不登校がございますが、最近国のほうでも不登校者に対する教育機会の提供ということが、法制化に向けての検討がされているように思います。不登校の原因はさまざまであろうかと思いますし、また心身の疾患が伴っている場合もあると聞いております。教育の場での医療、保健などのサポートによる総合的な支援も必要かと思います。新たな連携が必要かと思います。本県といたしましては、市町村との連携をはじめ、いろいろな機関、専門家と連携しながら多くの人をひきこもりから脱却させ、成功のケースをまた展開するということで、ひきこもりの方を社会参加、就労につなげるよう努力を重ねていきたいと思っておるところでございます。

 ドクターヘリの取り組み、運行開始に向けた最近の状況についての、進捗状況についてのご質問がございました。

 奈良県ドクターヘリにつきましては、来年三月に運航開始をしたいと思います。その期限に向けての準備を進めております。準備の状況でございますが、まず県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターがドクターヘリに搭乗する医師、看護師を確保してもらうということになります。和歌山県や三重県の既に運航されているドクターヘリによる実務、現地の研修を順次実施しているところでございます。

 また、消防機関との連携を図るため今月には、この十二月には消防機関向けの説明会を、年明けには連携実働訓練を実施することにしております。運航開始後も、消防機関との症例検討や意見交換などを十分に行ってまいります。

 次に、県立医科大学附属病院にドクターヘリを直接受け入れるためのヘリポートでございますが、病棟屋上に設置したいと思います。ただ、そのようなことから入院患者などへの工事の影響を最小限にすることを配慮しながら進めておりますが、今年度は実施設計を行っているところでございます。

 また、デモフライトや騒音・風圧測定などを実施するとともに、周辺住民の方々に対して安全性や環境への影響などの説明を行い、ドクターヘリの運航についてご理解賜るように取り組んでいるところでございます。

 本県の山間地域では救急車による搬送に時間を要しますので、重篤な三次救急患者だけでなく、より多くの重症患者を対象として活用していただけたらと思います。南部のおじいちゃん、おばあちゃんは、スマートフォンにドクターヘリというのを書いて、ぽっと押せば救急車のかわりにドクターヘリが来る、そのほうが早く来るよということも現実的な話になるのかとも思っております。

 運航開始後は、このような南部や東部の山間地域の救急医療体制とともに、災害時の医療提供体制も強化できることになろうかと思います。三重県や和歌山県と協力することで、三機のドクターヘリの連携体制が紀伊半島南部に構築することができます。救急医療や災害医療のさらなる充実が、紀伊半島で実現すると思っております。

 下水道の管理運営についてのご質問がございました。まず、老朽化対策でございます。

 下水道は、県民の皆様方の衛生的で快適な生活環境を支え、河川の水環境を守る大変重要な役割を担う社会インフラでございます。

 本県では、昭和四十五年度に市町村の公共下水道の処理を行う流域下水道の事業に着手し、昭和四十九年には浄化センターの運転を開始し、早くから取り組んできた県であろうかと思います。平成二十七年度末には、下水道普及率は約七九%で全国十四位の県になっております。大和川はまだ汚い状況でございますが、河川の水質改善に大きく寄与する下水道でございます。

 一方、浄化センターが供用されてから四十二年もの年月が経過いたしました。今後、老朽化が進行する流域下水道の設備や管渠をいかに適切に維持していくのか、老朽化対策、長寿命化への取り組みが今重要になってきております。

 本県では、設備や管渠に損傷やふぐあいがあらわれてから手当てを行うという通常やっております事後保全から、将来必要となる修繕・更新の時期と費用を予測しコストの平準化や縮減を図る予防保全への移行を目指しております。平成二十五年度には、四カ所の浄化センターの設備や約百九十四キロメートルに及ぶ流域下水道の管渠につきまして、長寿命化修繕計画を策定し、これに基づき老朽化対策に取り組んでいるところでございます。

 流域下水道の設備につきましては、今年度中に老朽化が著しいものにつきまして緊急的な更新を終える予定でございます。来年度、平成二十九年度からは、長寿命化修繕計画に基づきまして本格的な予防保全として、汚泥焼却炉の修繕や処理場の受変電設備の更新を進めていきたいと思います。

 また管渠につきましては、劣化が増大するとされます布設後三十年を目安に、管渠内部にカメラを入れて老朽化状況などの調査を実施しております。この調査でひび割れや漏水が発見されれば、管渠の内側から補強するなどの対策を講じることとしております。今年度は、昭和四十七年に布設されました天理市内の管渠の一部において補強工事を実施いたします。

 今後とも、引き続き長寿命化修繕計画に基づき流域下水道の設備や管渠の計画的、効率的な老朽化対策、長寿命化対策に取り組ませていただきたいと思います。

 下水道の管理運営について、運営体制についての取り組みのご質問がございました。

 議員ご指摘のとおり、運営をめぐる環境は人口減少が今後見込まれます。また、そのため流域下水道の使用料収入の減少が見込まれます。一方、既存の施設の老朽化に伴い長寿命化対策を進める必要がございますので、費用が増すことが予測されます。収入と費用の両面から流域下水道の経営環境は今後一層厳しくなるものと思われます。

 このような背景を踏まえまして、今申し上げました老朽化対策、長寿命化に加えまして、地方公営企業法の適用と下水汚泥の有効活用などの効率化に取り組もうかと思っております。

 地方公営企業法の適用につきましては、平成三十一年度から財政マネジメント向上のための公営企業会計の導入を目指しております。財務諸表の作成に必要となる固定資産台帳の整備を行うため、今年度から保有資産の調査・確認作業に着手いたしました。

 下水汚泥の有効活用につきましては、汚水処理により大量に発生いたします下水汚泥からメタンガスを発生させ下水汚泥の減量化を図るとともに、バイオマス発電に有効活用することにより運営コストの縮減を図るということを検討しております。

 このほか、各家庭からの公共下水道への接続促進、雨天時における浸入水対策、県・市町村施設の一体的な有効活用など、下水道分野での奈良モデルとしての発展・展開も視野に入れたいと思います。市町村とも連携しながら、持続可能な下水道事業の運営に向けて取り組んでまいる時期が来ていると思います。

 最後に、多言語観光案内の展開について、ご質問がございました。

 奈良県を訪れていただきます外国人観光客は、近年大幅に増加しております。観光庁の調査等から推計した奈良を訪問される外国人観光客は、昨年、議員お述べになりましたように過去最高の約百三万人でございました。前年から約二十七万人ふえております。ことしは一月から九月までの第三四半期までに、既に約百二十五万人となっております。驚くべき伸びでございます。今後とも増加すると見込まれますこれらの外国人観光客の方に、よいサービスを展開する必要があります。奥深い奈良の魅力を堪能し、不自由なく安心し、奈良の滞在を楽しんでいただく必要がございますが、そのためには議員お述べの多言語観光案内が大事であろうかと思います。

 外国人観光客のゲートウエー、ゲートとして昨年七月にオープンいたしました奈良県猿沢インの外国人案内所でございますが、最高ランクであります日本政府観光局のカテゴリー三を取得しております。常時、英語・中国語・韓国語の三カ国語による案内を行っています。これまでに約三万人の方にご利用いただきましたが、茶道や書道などの日本文化体験も人気がございます。世界最大の旅行口コミサイトでございますトリップアドバイザーにおいても、利用者から非常に高い評価を受けている案内所でございます。

 また一方、外国人の方々への観光案内には、奈良の歴史・文化などの魅力を日本語の直訳ではなく背後にあるストーリーを含めてきちんと説明することが不可欠だと思います。文化の本質を説明することができたらと思われます。そのためには、語学力だけでなく高い案内力を持った英語ガイドを養成するための研修を実施して、試験に合格された方は県の推奨するガイドとして認定をしております。このような方々には、国際会議などで奈良を訪れたVIPの案内などにも携わっていただいておるところでございます。

 また、外国人観光客向けホームページを刷新し来年一月から運用開始する予定でございます。最近、デービッド・アトキンソン氏というイギリスの方に監修をいただき、またさらにネーティブによる外国人目線での奥深い奈良の解説をはじめアクセスや宿泊情報など、奈良に来られた外国人観光客がその場で使える情報を提供してまいりたいと思っております。

 今後とも外国人観光客から要望の多いフリーWi‐Fiなどの基盤整備も必要かと思います。外国人の視点に立った案内ができるガイドの育成や、わかりやすく使いやすいツールによる多言語観光案内に取り組んでまいりたいと思います。この点におきましても他の地域は大変熱心に取り組んでおられますので、他の地域に負けないような多言語観光案内が必要かと考えております。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 四番山中益敏議員。



◆四番(山中益敏) 知事のほうから質問の趣旨に従いました答弁をいただき、理解をさせていただきました。ありがとうございます。私のほうからは、残り時間も少ないこともありますので、主張、要望とさせていただければ、このように思います。

 まず、IoTを活用した産業への今後、県の取り組みということでいただきましたが、奈良県のほうも七月に経済産業省が推進しております地方版IoT推進ラボに認証されましたということでの答弁もございました。これによってIoTを活用して生産の効率化や商品サービスの付加価値の向上、さらにIoTビジネスプランを創出する企業の支援、こういったことにどんどんとつながっていくものだ、こんなふうに思います。全国的な情報もしっかりと踏まえて、連携を密にしていただきたいし、支援をいただきたいと思います。

 そして、答弁の中にございました明年一月からは、スマートフォンを活用した、なら瑠璃絵とタイアップするような活用もするのだと、こういうふうな内容もございました。これは、奈良県への観光客の誘致、そしてまたしっかりと奈良県で周遊をしていただいて県内の消費の拡大にもつなげる、こういうふうなことで大変期待のされる今回の取り組みかと思います。しっかりと見守ってまいりたいと思います。

 それと次に、ひきこもりについてでございますが、二〇一六年版の子供・若者白書によりますと、ひきこもりの数というのが、これは広い意味での数になろうかと思いますが六十九万六千人ということでの推計結果が出ておりました。ひきこもりのきっかけになった大きな原因というのが、トップにやはり職場になじめなかったという方が二四%、そして就労活動がうまくいかなかったという方が二〇%ということで、非常に一旦はみずからが仕事につこうということでアプローチをされたが、そういうことになってしまった、こういう方が大変多く、この白書からは読み取ることができるかと思います。そうした、一旦は仕事につこうとされた、そういった方をしっかりとターゲットにしていただいて、就労支援の取り組みをお願いをしたいと思います。

 ただ、いずれにしましても対策は地道な取り組みだと思います。進めていただいているのは、もう十分理解もしております。一人ひとりにしっかりと光を当てて、確実に自立につながるようなサポートをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、ドクターヘリについてでございますが、答弁を聞きますと、いよいよもう運航が間近になってきた、そういうことを具体的な取り組みの中で感じさせていただきました。例えば、フライトドクターまたはフライトナースの確保及び研修も始まっているということですし、消防機関とのさまざまな説明、また連携も進んでいる、こんなふうにお聞きをしました。そうした中で、県立医科大学附属病院の屋上に設けますヘリポートについては、入院患者への配慮、または周辺の皆様にもしっかりと説明をしていただいているかと思います。そういう中で、やはり地元住民の皆さんの合意というのが非常に大事かと思いますので、しっかりと丁寧に協力、理解が得られるように努めていただいて、災害の基幹病院ということもございますので、できるだけ早い時期に屋上へのヘリポートの整備を進めていただきたい、このように要望しておきます。

 それともう一点、南部・東部の高齢者の方がスマートフォンでドクターヘリを連絡できるというふうな話もしていただきました。これは、まだまだそういった意味での研究は必要かと思いますけれども、まさにそういった搬送状況というのも、これはあってもと思いますので、またそういったことに対しても目を向けていただくと大変、南部・東部の皆さんにとっては、大きな医療に向けての支援になるのかなと、こんなふうに思います。

 それと、下水道についてお聞かせをいただきました。

 従来、長寿命化計画というのも設けられておりまして、それを逐次進められるということで、予防保全といった維持管理に努められるということですので、これはもうしっかり進めていただきたいと思います。やはり、一旦そういった設備が老朽化によって停止もしくは機能しない状況になりますと、先ほどありましたように河川の水質が、また私たちの生活そのものにも甚大な影響も出るかと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。

 それとあと、効率的な運営という部分でございますが、こちらについては汚泥のエネルギーへの取り組みとかさまざまな点がございました。そうした中で一点、奈良モデルとして各市町村と連携をしながら、下水道についても取り組むというふうな答弁をいただきましたので、こちらのほうはぜひとも進めていただきたいなと思います。

 それと、外国人観光客に向けた多言語の対応についてでございますが、今回取り上げさせていただいたのは、特に先ほど知事のほうからもありました、その場で使える情報案内ということで、今回このテーマを選ばせていただきました。その内容は、私ども、次世代の情報コードということで、コードEXという部分の提案でございます。切手大の大きさの情報コードを読み取ることによりまして外国人の方に望む外国語で音声を流すことができる、そういったツールでございます。そうしたことも含めて、これからいよいよオリンピック・パラリンピック等の観光客も奈良のほうに当然お越しいただけるかと思います。そうした情報提供をしっかりとしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。大変ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(小泉米造) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(小泉米造) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、十二月九日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十二分散会