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平成28年 12月 定例会(第326回) 12月07日−02号




平成28年 12月 定例会(第326回) − 12月07日−02号







平成28年 12月 定例会(第326回)



 平成二十八年

        第三百二十六回定例奈良県議会会議録 第二号

 十二月

    平成二十八年十二月七日(水曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番  欠員          二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式

一、当局に対する代表質問

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△全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式



○議長(川口正志) 初めに、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式を行います。



◎事務局次長(小西彰) このたび、二十五年以上在職議員として、全国都道府県議会議長会から表彰を受けられました国中憲治議員、どうぞ前へお進みください。

     (議長川口正志、被表彰者国中憲治議員に表彰状朗読)

          表彰状

                              国中憲治殿

 あなたは奈良県議会議員として在職二十五年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります

 よってここにその功労をたたえ表彰します

     平成二十八年十月二十五日

                        全国都道府県議会議長会

     (表彰状及び記念品伝達、拍手起こる)



◎事務局次長(小西彰) 次に、知事の祝辞があります。



◎知事(荒井正吾) (登壇)一言ご祝辞を申し上げます。

 このたび、国中憲治議員が自治功労者として、全国都道府県議会議長会から表彰をお受けになりました。誠におめでたいことでございます。おめでとうございます。

 国中議員におかれましては、地域住民からの絶大なる信任のもと、二十五年にわたり奈良県議会議員として県政発展のためにご精進いただいてまいりました。とりわけ南部地域の発展のため、粉骨砕身の努力を重ねてこられたことは誠に印象深いことでございます。

 この間、議長、副議長をはじめ常任委員会及び特別委員会の委員長、また監査委員などとして、県政発展のため、今日まで大変なご努力とご活躍をいただいてまいりました。誠に感謝にたえません。

 どうか今後とも健康にご留意され、引き続き奈良県政発展のため、南部振興のため、ご活躍いただきますよう、心からのご期待を申し上げまして、簡単、粗辞ではございますが、私の祝辞とさせていただきます。このたびは誠におめでとうございました。



◎事務局次長(小西彰) 次に、国中憲治議員より謝辞があります。



◆三十三番(国中憲治) (登壇)一言御礼を申し上げたいと思います。このたび、全国都道府県議会議長会より自治功労者として表彰の栄に浴し、ただいま議長より表彰の伝達を受け誠に身に余る光栄であります。

 さらに知事からもご丁重なる祝辞を賜り、あわせて厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

 今回の受賞は、ひとえに県民及び吉野郡選挙区の皆様方から私にいただきました長年にわたるご支援は申すまでもなく、議長をはじめ同僚議員並びに関係各位のご協力のたまものと深く感謝を申し上げます。

 今日、人口急減、超高齢化という課題に直面し、地方創生に向けた取り組みは最重要課題として、奈良県でも昨年、奈良県地方創生総合戦略が策定されたところでもあります。今後も地域の自主性、自立性を最大限に発揮して取り組むことが求められております。

 我々議員は、県民の皆様のさまざまな願いや思いを県政に反映させるため、今の時代に、また奈良県の実情に応じた、条例の審議や国の施策に対する意見書の提出、奈良県の特性に応じた独自の条例の制定や新たな政策提案など、議員活動を通して奈良県の発展に積極的に取り組むことが求められているところであります。

 私は、この受賞を契機に県政のさらなる発展のために微力ながら一層の努力をいたし、県民の負託に応えていく覚悟であります。

 終わりに、皆様方におかれましては、今後一層のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、簡単、粗辞でありますが、御礼の言葉にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) これをもちまして、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式を終わります。

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、一番亀田忠彦議員に発言を許します。−−一番亀田忠彦議員。(拍手)



◆一番(亀田忠彦) (登壇)皆様、こんにちは。また奈良テレビをごらんの皆様、こんにちは。橿原市・高市郡選挙区選出、自由民主党の亀田忠彦と申します。県議会議員として初めての代表質問の機会を与えていただいた会派の皆様に感謝申し上げますとともに、会派の先輩でもあります国中議員が在職二十五年以上の表彰を受けられましたことに改めて心からお祝いを申し上げます。そしてまた、本日も多くの方々に傍聴にお越しいただきました。平素からのご支援に深く感謝申し上げますとともに、心から御礼を申し上げます。皆様、本当にありがとうございます。

 それでは議長のお許しをいただき、ただいまから自由民主党を代表して質問をさせていただきます。

 ことしも師走に入り、慌ただしさを感じるようになってまいりました。この時期は、国や各自治体では来年度の取り組みや予算編成を考える時期であります。先月十七日に財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が来年度予算編成の考え方を示す建議をまとめ、麻生財務大臣に提出されました。

 この中で一般歳出の伸びを年間五千三百億円に抑えることとあわせて、地方自治体に配分する地方交付税交付金の抑制を求めています。その背景には、国に比べ増加していない地方の長期債務残高や毎年ふえている基金残高の状況があります。これはいかがなものなのでしょうか。私は、長期財務残高の状況については、これまで地方公共団体が公共事業の選択と集中を徹底し努力してきた結果であり、また基金は、赤字地方債を自由に発行できない地方公共団体にとって財政運営の最後の頼みの綱であり、今後、社会保障関係費などの増加が予想される中、税収が落ち込んだときに備えておくのは当然のことであります。年末の地方財政対策に向け、地方交付税など地方の一般財源総額をしっかり確保するよう、自由民主党としても最大限の努力を行ってまいりたいと思います。

 それでは最初に、来年度の予算編成について知事にお伺いいたします。

 荒井知事は、平成十九年五月に就任して以来、経済の活性化とくらしの向上を柱として、直面する課題に積極果敢に取り組み、着実に成果を上げてこられました。知事が推し進めてこられた大規模なプロジェクトについては、今まさに大輪の花が咲こうとしています。その一例が県営プール跡地でのホテル誘致であります。マリオット・インターナショナルの最高級ホテルブランドであるJWマリオットホテルの日本初の誘致に成功し、平成三十二年までのまちびらきを目指して着実に取り組みが進められております。

 また奈良公園の魅力をさらに向上させるため、平成三十年度中に奈良公園の新しい玄関口として完成を予定している(仮称)登大路バスターミナルも、去る九月十日に起工式がとり行われました。

 さらに医療の分野では、南和地域において南奈良総合医療センターがことし四月に開院するとともに、北和地域の高度医療拠点病院として新奈良県総合医療センターが平成三十年春に開院予定であります。中和地域の県立医科大学附属病院とあわせ、医療体制の強化が一層図られることとなります。またハイリスク妊婦の県内搬送件数は、平成十九年には百四十三件であったものが、平成二十七年には二百七十八件へと大幅に増加したことなどが挙げられます。

 しかし、引き続き力を注いでいかなければならない課題も数多く残されているように思います。依然として弱いと言わざるを得ない本県経済の構造改革や二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催を契機とした県勢発展に向けたさまざまな取り組みは、早急に進めていかなければならないと考えます。

 一方で、今後、少子高齢化が急速に進み、社会保障経費の増加が著しいと予想され、県の財政運営はより一層厳しいものとなると思われます。このような状況だからこそ、私は知事の手腕を存分に発揮していただきたいと考えております。

 そこで、来年度の予算編成に向け知事はどのような方針で臨まれるのか、その基本的な考えについてお聞かせください。

 次に、奈良県文化振興大綱の策定状況について、お伺いいたします。

 平成二十六年六月二十日に地方教育行政組織の運営に関する法律の一部を改正する法律が公布され、平成二十七年四月一日から施行されています。その中で、地方公共団体の長は、教育基本法の基本的な方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるものとされたところです。この法律に基づき、本県においては昨年度に教育振興大綱が策定され、続いて今年度中をめどに文化振興大綱を策定すべく、現在作業が進められていると聞いております。

 これまでに県は、質の高い文化イベントを実施することにより、県民の文化芸術への参加や観賞の機会を拡大し、文化活動の裾野を広げ、文化力を高めることに努めてこられました。例えばことしで三回目を迎える奈良県大芸術祭は、回数を重ねるごとにイベント数、参加者数ともに増加しており、実施催事数は七百六十に及んでおります。また梅雨の時期の古都奈良を彩るムジークフェストならは、十一万二千人もの来場者が訪れ、奈良のイベントとして定着してきました。

 一方、歴史文化資源の活用においては、奈良の強みである豊富な歴史文化資源の保存だけでなく、活用にも重点を置いたさまざまな施策が展開されております。古事記、日本書紀、万葉集に代表される歴史素材を活用した記紀・万葉プロジェクトの推進をはじめ、今年度は、今後の各種の施策の対象とする歴史文化資源を網羅する歴史文化資源データベースの構築や文化資源活用補助金の創設などを通じて、新たに歴史文化資源を活用するための整備や情報発信、また地域の活性化に取り組む市町村等への支援などに取り組まれていると聞いております。

 私は、このような取り組みにより奈良の歴史文化の魅力や背景を多くの人々にわかりやすく伝えていくことは、県民の文化力を高めるとともに、奈良の魅力を高め、さらには郷土奈良県への誇りを持つことにもつながると考えます。また文化の振興は、観光、産業、まちづくりなどの地域の振興に大きな役割を果たすものであり、非常に重要な県政課題であると考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 地域の活性化を図る上で文化の振興は大きな役割を果たすものであることから、本県の文化振興施策の基本的な考え方や方向性を明確にすることは非常に重要であると考えます。そこで、今年度中に策定予定の奈良県文化振興大綱について、基本的な考え方や方向性についてどのように考えておられるのでしょうか。また、策定に向けてのこれまでの取り組み状況についてお伺いいたします。

 次に、(仮称)奈良県国際芸術家村についてお伺いいたします。

 本県は国指定文化財の件数が全国第三位であり、三つの世界遺産を有しているなど文化財の宝庫であります。また、これらの文化財に加え古事記、日本書紀、万葉集をはじめとする文献資料、歴史上の人物及びそれらに基づく伝承、旧跡など、世界に誇り得る歴史文化資源を有しています。

 (仮称)奈良県国際芸術家村は、この本県の最大の強みである歴史文化資源を活用し、文化財の保存・修復と文化財を含む歴史文化資源の活用に係る施策を総合的・一体的に展開する拠点として、観光、産業、まちづくりなど他の政策分野と連携しながら、将来的には文化芸術振興の総合的な拠点となることを目指し、整備しようとされています。このことは、本県独自の地方創生を実現していく上でも非常に重要であると私も考えております。

 文化芸術は、観光地の魅力や産業の付加価値を生み出す源であり、文化芸術資源を活用した経済の活性化については国が提唱する文化GDPの拡大にも寄与することから、当該拠点が文化芸術立国の先駆的な拠点にもなり得るものと期待しております。

 ことしの二月議会では、学識経験者などで構成する奈良県国際芸術家村構想等検討委員会において、その候補地が天理市杣之内に決定されたことが報告されました。候補地については、日本最古の道である山の辺の道沿いにあり、周辺には石上神宮、崇神・景行天皇陵など、多くの歴史文化資産と豊かな自然、静かな環境があることなどから、(仮称)奈良県国際芸術家村のコンセプトに合ったふさわしい場所であると私も思っております。

 今年度は、国の地方創生加速化交付金などを活用し、歴史文化資源を活用した施策対象のデータベース化や情報発信の強化、国際交流、地域交流、人材育成など、(仮称)奈良県国際芸術家村での展開を見据えた取り組みを進めていると聞いております。これらの取り組みを(仮称)奈良県国際芸術家村の開村までの間にさらに充実させていただき、候補地である天理市をはじめユネスコ・アジア文化センターなど多くの関係機関などと連携を深めることによって、(仮称)奈良県国際芸術家村整備の暁にはこれらの成果が花開くことを期待しております。

 先月には奈良県国際芸術家村構想等検討委員会が開催され、(仮称)奈良県国際芸術家村の現段階での機能、規模、整備スケジュールなどを定めた基本計画案が決定されたと聞いております。

 私は、(仮称)奈良県国際芸術家村は、まさに本県の強みを生かした本県独自の地方創生を実現していく上で必要不可欠な施設であると考えております。そこで、歴史文化資源を核とした文化芸術振興の拠点づくりに向け、(仮称)奈良県国際芸術家村の今までの取り組み状況と今後の進め方について、知事にお伺いいたします。

 次に、興福寺中金堂の落慶を契機とした観光誘客についてお伺いいたします。

 本年、春日大社では第六十次式年造替がとり行われました。去る十一月六日には多くの参拝客を迎えて本殿正遷座が滞りなくとり行われ、これをもって約一千二百年間続く式年造替が一つの節目を迎えられたことは誠に喜ばしいことであります。県ではこの第六十次式年造替を核として、県内宿泊観光の促進に向けて奈良県観光キャンペーンとして取り組んでこられ、大きな成果があったと聞いております。

 さて、その春日大社第六十次式年造替に続く大きな催事として、平成三十年に興福寺の中金堂が約三百年ぶりに本来の姿に再建されると伺っております。興福寺は平城遷都の年、七一〇年の創建から連綿と続く歴史を有し、また五重塔や阿修羅像など数多くの国宝、重要文化財を所有されています。平成十年には古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録されています。その興福寺の中金堂は藤原不比等により創建され、たび重なる火災により焼失しながら幾度も再建されてまいりました。江戸時代におきました火災による消失後、興福寺やならまちの人々の努力により、本来の中金堂より小さい仮堂が再建されましたが、明治維新後、国に没収され県庁等として利用された後、再び興福寺に返還、平成十二年に老朽化により解体され、現在に至っております。

 興福寺では、平成十年から平成三十五年までを第一期整備計画と位置づけ、中金堂及びその周囲の整備に取り組んでおられます。そして平成三十年には中金堂が再建され、盛大に落慶法要が営まれると伺っております。この中金堂の落慶法要は、古都奈良の豊かな歴史文化を全国に発信する絶好の機会と考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 この興福寺中金堂の落慶という歴史的、文化的に非常に意義のある催事を契機として観光誘客につなげるべく、今後どのような取り組みを考えておられるのか、お伺いいたします。

 次にスポーツ施設の整備について、知事にお伺いいたします。

 本年夏に開催されましたリオデジャネイロオリンピックでは、日本選手団の活躍により日本中が歓喜の渦に包まれました。奈良県でも、本県にゆかりのある選手が金メダルを獲得されたことにより、多くの県民に感動と希望を与えてくれました。私の地元橿原市では、バドミントン女子ダブルス金メダルの高橋選手と松友選手の祝賀パレードが実施され、沿道には二万五千人もの観衆が集まりかつてない盛り上がりを見せました。またパラリンピックでは、これまで以上に選手の活躍がテレビなどで報道され多くの方が関心を持つようになり、文字どおり、もう一つのオリンピックになったように感じています。東京パラリンピックに向けて障害者スポーツの振興、機運の高まりに大いに期待しております。

 本県では全国に先駆けて、障害のある方が競技スポーツを始めるきっかけづくりとなるよう障害者スポーツの中央競技団体とも連携して、陸上の山本篤選手などパラリンピアンによる走り方、泳ぎ方などの実技指導などを取り入れたイベントを開催するとともに、潜在的に競技能力の高い可能性のある選手を発掘し競技団体の練習会に派遣するなどの取り組みを実施されております。私も、橿原陸上競技場での子どもたちを対象にしたイベントで山本選手の走りを目の当たりにしたとき大変感動いたしましたが、直接指導を受けた選手たちの感動の大きさははかり知れないものだと思います。

 こうした取り組みを今後も引き続き積極的に展開していただき、ぜひ本県から将来、世界で活躍できる選手が誕生してもらいたいと期待しております。このためには障害のあるなしにかかわらず、誰もがいつでもどこでも運動、スポーツに親しめる環境づくりが大変重要であり、特にスポーツ施設のより一層の充実が必要であると考えております。

 このような思いもあって私は、本年の二月議会の一般質問で知事に対し、多くの集客力があり全国大会等が開催可能な規模・機能を有するアリーナの整備など、スポーツ施設の充実について質問させていただいたところ、知事からは、スポーツ施設の充実は大変重要な課題であり、今後中長期的な検討が必要とのご答弁をいただきました。私もそのとおりであると考えており、県内のスポーツ施設の現況からすると決して十分な施設環境にはないと考えております。

 また、南部・東部地域の振興を図る上でスポーツの活用は欠かせないものであり、特にスポーツ施設はにぎわいを創出し地域を活性化させる面も備えているため、南部・東部地域においてもスポーツ施設を充実していくことが必要ではないかと考えております。

 本県の多くのスポーツ施設は、昭和五十九年のわかくさ国体開催に向け整備されたものが多く、既に三十数年が経過しており老朽化が目立っております。国民体育大会は我が国最大のスポーツイベントであり、多くのトップアスリートの活躍の場であるとともに全国から多くの人が訪れます。大会は都道府県単位による開催で、近畿では、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県が二巡目の開催を既に終えており、八年後には滋賀県で開催され、十年先の平成三十八年開催までは決定していると伺っております。そうなると、それ以降に本県の順番が回ってくるものと思われます。早くても十年先以降の開催になりますが、できるだけ早い時期に国体開催の明確な時期を掲げることが必要ではないでしょうか。

 二〇一八年には冬季オリンピック平昌大会、二〇一九年にはラグビーワールドカップの日本開催、二〇二〇年は東京オリンピック・パラリンピック、二〇二一年には関西ワールドマスターズゲームズ、そして二〇二二年には冬季オリンピック北京大会といった、日本やアジアで開催されるビッグスポーツ大会も視野に入れながら、その熱気が冷めやらぬうちに本県でもスポーツ施設を計画的に整備することが必要であると考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 本県のスポーツ施設は老朽化が進んでいることに加え、全国大会などの大規模大会や集客力の高いプロスポーツが開催できる施設が不足していることが課題と考えております。本県のスポーツを一層推進するためにも中長期的な施設の整備計画が必要だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、なら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFICを核としたにぎわいづくりの拠点整備について、知事にお伺いいたします。

 なら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFICは本年四月に開校し、桜井市安倍地区にはフードクリエイティブ学科が設置されました。先行オープンした実践オーベルジュ棟、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井は、高度な調理技術ともてなしの心を育成するための実学の場としての機能を発揮すると同時に、非常に盛況で人気の高いレストランとして成功をおさめていると聞き及んでおります。

 私は昨年八月、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井の内覧会に参加させていただきましたが、奈良盆地を望むすばらしい風景と奈良の地元野菜を使ったおいしいフランス料理をゆっくりと楽しむことができ、本県の食の魅力を十分に発信できる施設だと実感いたしました。本年十月にはミシュランの一つ星にも選ばれるなど、外部からの高い評価も獲得され、教育の場としての高い水準が証明されましたことは、NAFICを応援する者の一人として喜ばしい限りです。

 このように食と農のトップランナーの育成が着々と進んでいるわけですが、知事はNAFICのポテンシャルを生かしたさらなるにぎわいづくりの第一弾として、その機能強化を図るセミナーハウスの整備を進められようとしています。知事のお考えと同じく、私もNAFICのすぐれたポテンシャルを国の内外に広く展開していくことが必要ではないかと考えております。

 奈良県が持つ比類ない歴史や自然環境などを背景に、食と農をテーマとした各種コンベンションの開催、国内外のオピニオンリーダーの方々が集うイベント、外国人留学生の受け入れなど、NAFICならではの国際交流などを視野に入れた展開が待たれるところでございます。そのためにもNAFICのポテンシャルを生かした一大拠点整備は不可欠であり、奈良県中南和地区の振興拠点としても大いに期待されるところです。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 なら食と農の魅力創造国際大学校、NAFICとその周辺地域のポテンシャルを生かした拠点整備を進めるに当たり、先行して整備するセミナーハウスについて知事はどのように考えておられるのか、ご所見をお聞かせください。

 最後に、県庁舎系施設南部地域再配置計画についてお伺いいたします。

 全国的に少子高齢化の進行、人口減少社会の到来など、行政を取り巻く社会環境は大きく変化し、また住民ニーズは多様化、高度化しています。同時に財政状況は厳しくなり、限られた財源の中で効率的・効果的な行財政運営が求められております。

 このような状況の中、県では、老朽化し耐震性もないなど、建てかえの必要性が高い施設への対処も含め、県が保有する資産の全てを行政経営にとって最適な状態にしていく必要があります。そこで、県有資産について総合的に企画、管理、活用するファシリティマネジメントの手法を取り入れ、長期的・全庁的な視点に立って県有資産のさらなる有効活用を進めてこられたところです。

 その一環として、旧片桐高等学校の校舎を庁舎として改修し、周辺の小規模、老朽化した県の出先機関の集約を行った県庁舎系施設北部地域再配置計画、旧耳成高等学校の校舎を庁舎として改修し、周辺の小規模、老朽化した県の出先機関の集約を行った県庁舎系施設中部地域再配置計画を順次進めてこられました。

 そして今回、南部地域を対象とした県庁舎系施設南部地域再配置計画を公表されました。南部地域は、小規模で財政的にも厳しい団体が大半を占め、さらに人口の大幅な減少が懸念されております。このような南部地域においては、県の役割に大きな期待がかかるところです。県ではどのような考えをもって本計画を進めていくお考えなのか、知事にお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)一番亀田議員のご質問がございました。

 まず最初は、来年度の予算編成についての考え方というご質問でございます。

 議員が述べられました予算編成方針、また財政についての考え方、私もおおむね同調できるお考えのように拝聴させていただきました。質問に対するお答えでございますが、地方の歳入一般財源の増加は、今後もあまり順調に見込まれないと思います。一方、社会保障関係経費などの義務的経費は毎年増加する傾向にございます。自主財源が乏しい本県にとりまして、今後の財政運営はより一層厳しいものと認識をしております。

 本県では、このような財政状況についての認識のもと、持続可能な財政運営を堅持するということを基本に、経済の活性化とくらしの向上を施策の両輪として、直面する県政諸課題に積極果敢に取り組む必要があろうと認識して努力をしてまいりました。とりわけ、デフレが続いております現下の日本の経済情勢や、他県に比べると少子高齢化が一挙に進むと見られます本県の人口減少の将来展望などを踏まえますと、本県では県内での投資、消費、雇用を好循環、より加速的に循環をさせ、経済を活性化させる取り組みが不可欠と考えております。

 このような考え方から来年度の予算編成におきましても、将来の税源涵養や民間経済の誘発・喚起などに資するプロジェクトにつきまして、優先順位と財源計画を十分に見きわめ計画的に進めることができたらと思っております。

 そのような中で議員もお述べになりましたが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、本県では観光振興、文化発信、スポーツ振興など、関連する取り組みを行うこと、またくらしやすい奈良を創る観点から、教育、女性活躍、健康づくり、医療、福祉、介護などの取り組みを進展させること、さらに過疎化が進んでおります南部地域、東部地域の振興などにも積極的に対応していく必要があろうかと思っております。

 あわせまして財政運営でございますが、持続可能性を堅持する必要があろうかと思っております。各事業の予算化に当たりましては、民間資金や国予算等の有利な財源を積極的に活用するとともに、既に実施しております施策や事業につきましても効果や必要性の観点から徹底した見直しを行いまして、一方、奈良モデルの取り組みなど新規の取り組みへの財源を捻出していく必要があろうかと思っております。

 また将来に過度な負担を残さないバランスのとれた財政運営を行うという観点から、交付税措置がなく県税など自前の財源で償還いたします県債残高に注目しておりますが、そのような自前の借金、県債残高と自前の財源、年間の県税収入額との比率を引き続き注視してまいりたいと思います。この比率は、以前は四倍を超える状況でございましたが、現在は三・四倍にとどまっております。この比率が少しでも小さくなるように財政運営を図っていきたいと思っております。

 個別の政策の展開の中でまず、文化の振興についてお取り上げになりました。文化振興の意義は、議員お述べのとおりだと思っております。我が国は、第二次世界大戦後、高度経済成長期を経まして、今、人口減少や少子高齢化という厳しい現実に直面しておりますが、このような現代におきましては、経済成長にかわる社会発展の原動力として文化の力が注目されてきております。本県は、議員お述べになりましたように文化資源が豊富でございます。日々の暮らしをより豊かにしてくれます文化の振興に関する施策を積極的に推進してまいったところでございます。

 このような中で、議員お述べのとおり国の法律は変わりまして、各地方公共団体が教育、学術、文化に関する大綱を制定することが規定されました。本県では昨年度、教育振興大綱を策定いたしました。それに続きまして、文化に関する部分を文化振興大綱として三月末の完成を目途に策定作業を進めているところでございます。文化の概念は大変広いものでございます。また、その文化施策の内容は他県の例を見ましても総花的になりがちでございます。この点を意識しますと、本県の大綱を歴史文化資源活用分野と芸術文化振興分野の二つに分けて、二つに焦点を当てて議論を重ねてまいりました。

 策定の進捗についてでございますが、奈良県文化振興有識者会議や奈良県総合教育会議において専門的なご意見を賜り、奈良県教育サミット等を通じまして市町村とも意見交換を行い、今般、大綱の素案までたどり着いたことになっております。大綱の内容でございますが、まず歴史文化資源活用分野におきましては、特に歴史に関する説明力向上に地域とともに取り組む、また、子どもにもわかりやすい説明や人に感動を与え得る歴史の本質に触れるような説明手法の確立などに留意していきたいと考えております。

 また芸術文化振興分野におきましては、いつでもどこでも誰でもが芸術文化に触れ、参加する機会の創出や場づくりを進めていきたいと考えております。芸術の力で県民の皆様が元気で豊かな気持ちになるように施策を進めることができたらと思っております。

 奈良県は、過去の文化からさまざまな英知を得ることができる恵まれた県でございます。現在、我々はこのような資源をもとに新たな芸術文化活動を通じて、より心豊かに生き、活動を展開する奈良県を目指していきたいと思います。そのような文化の力をかりて地域や産業の発展にも生かしていく県になることを目指していきたいと考えております。

 手続のことでございますが、今後、パブリックコメントの実施や県議会でのご議論を踏まえまして、他に類を見ない奈良らしい個性の際立った文化振興大綱にできればと思っておるところでございます。

 次のご質問は、(仮称)奈良県国際芸術家村の取り組み状況と今後の進め方についてでございます。

 この(仮称)奈良県国際芸術家村は、県がその強みでございます歴史文化資源を活用いたしまして、人材育成を含めて総合的・戦略的に施策展開を図る拠点として整備をしたいと考えているところでございます。今後の拠点整備を見据えまして、先行的な事業の取り組みを進めているところでございます。具体的には、歴史文化資源等のデータベース化や情報発信、文化遺産に関するセミナーの開催、埋蔵文化財の発掘体験などでございます。

 歴史文化資源を活用していく前提といたしまして、文化財の保存・修復に係る伝統技術の伝承は不可欠でありますし、奈良県が優位性を発揮できる分野でございます。そのため、この拠点づくりに当たりましては、県文化財保存事務所等の移転や文化財の保存・修復に係る団体、企業などの誘致によって、後継者の育成を図りたいと考えております。また文化財の修復現場を公開したり、解説を展開すること、また触れて学ぶことができます仏像などのレプリカ展示などを実行いたしまして、県民や来訪者の方が直接、具体的に体感を通じて歴史文化資源にふれあう機会を提供する場にしたいと考えております。また当該拠点におきましては、ユネスコ・アジア文化センターなど、奈良にあります国際的な施設も誘致していきたいと思っております。そのような連携を通じまして、国際的な人材育成のための研修や国際会議を誘致していきたいと考えております。

 また当該地の周辺は、議員お述べになりましたように、山の辺の道など観光資源の豊富なところでございます。周辺への周遊機会の提供や地元農産物の販売・加工、伝統工芸品の展示即売、製作体験、道の駅の設置などの各分野と連携をしながら、複合的なサービスが提供できる地域振興の拠点にしていきたいと考えております。

 こうした取り組みに加えまして、地元天理市と連携いたしまして、国内外の芸術家による創作活動や質の高い文化芸術イベントなどを展開していきたいと思います。県民の皆様が上質な文化芸術にふれあうことのできる先駆的な拠点にする願いを持っております。

 このような内容を含めました基本計画に基づきまして、また天理市や関係団体などとも連携いたしまして、平成三十二年度中の完成を目指して拠点づくりを進めていきたいと考えております。

 奈良県の観光誘客、観光施策の振興につきまして、興福寺中金堂の落慶を軸とした観光施策の展開についてお触れになり、ご質問がございました。今後の観光施策の展開の内容、方向というご質問でございます。

 本県では、平成三十二年の東京オリンピック・パラリンピックに向けましてキャンペーンを積極的に実施しております。このキャンペーンは平成二十八年、本年の春日大社第六十次式年造替に始まりますが、二年後の平成三十年には、議員お述べのように興福寺中金堂落慶がございます。その二年後、平成三十二年には薬師寺東塔保存修理完了がございます。また同年には藤原不比等没一千三百年がございます。さらに一年後の平成三十三年には聖徳太子没一千四百年という奈良県ならではの歴史的催事を核として、それを中心軸として展開することができる文化歴史の素材に恵まれた県でございます。そのような中心軸の展開とあわせまして、中南和地域を含めまして県域全体の観光素材を首都圏を中心に広報・宣伝していきたいと考えております。中心軸と横軸を組み合わせることによりまして、全国からの観光誘客を図っていきたいと思っております。

 具体的な展開でございますが、第一期のキャンペーンでは、春日大社で行われますさまざまな催事を中心に橿原神宮、長谷寺、金峯山寺など県内有名社寺の特別参拝の旅行商品化を図りました。その結果、春日大社の参拝者数は、キャンペーン開始前の平成二十五年度と比較いたしまして、平成二十六年度には五割増しになりました。その一年後の平成二十七年度は一八〇%増加いたしました。他の観光地にも、誘発効果として多くの観光客に訪れていただいております。来年度からは興福寺中金堂落慶法要を核とした第二期キャンペーンに取り組ませていただきたいと考えております。

 興福寺の中金寺再建につきましては、国から地域活性化総合特区の指定を受けまして設置いたしました奈良公園観光地域活性化基金の対象事業になっております。全国から寄附をいただきまして、支援もさせていただいたところでございます。再建されます中金堂の落慶法要は、全国から観光誘客が期待できる魅力的な催事でございます。これを契機として、興福寺で取り組まれるさまざまな行事や周辺のイベント情報を県が支援して発信することによりまして、奈良公園や周辺商店街を周遊していただく観光イベントも検討しております。

 あわせまして、県内他地域の観光素材の組み込みもしていきたいと考えております。室生寺や玉置神社の特別参拝や、橿原市今井町などの行事なども旅行商品に組み込むことができればと考えているところでございます。

 次は、県内スポーツ施設の整備について、中長期的な観点の整備計画が必要ではないかという趣旨のご質問でございます。

 スポーツ施設は、県民のスポーツに取り組む機会の増加や競技力の向上のみならず集客イベント開催によるにぎわい創出など、スポーツ振興、ひいては地域振興に欠かせない重要なインフラであると考えます。とりわけ本県の南部・東部地域におきましては、施設の整備・充実により、スポーツイベントの開催やスポーツ合宿を通じて地域の活性化を図る要素があります。県内のスポーツ施設の多くは議員お述べのように、整備後三十年以上も経過して老朽化が進んでおります。多くの観客を有する全国大会やプロスポーツなど大規模イベントの開催可能な施設も十分ない実情でございます。また一方、身近な地域で気軽にスポーツに親しめるような町なかの運動公園などの施設も不足している状況でございます。

 このような諸課題に対応するため、中長期的な観点からスポーツ施設の整備と運営の検討を進めたいと考えております。検討の内容と方向でございますが、まず現在あります市町村施設や学校施設、民間施設などの配置方針や役割分担の再確認が必要かと思います。次には、既存施設の機能向上やリニューアルによる長寿命化も必要だと思います。また今後整備する施設への民間活力の導入、また施設の運営に対する指定管理制の大幅な導入による効率的な運営方式の採用、またスポーツ振興を通じて南部・東部地域を振興する方策の検討などがその内容になろうかと考えております。一方、整備には多額の予算が必要でございます。国の補助や民間資金などの財源確保に向けた検討もあわせて必要だと考えております。

 議員お述べのように、国民体育大会はスポーツ振興の絶好の機会でございます。都道府県の持ち回りで開催されておりますが、本県では十四年後程度に番が当たってくると想定されます。開催には、国や関係機関とも協議して、十分な時間の余裕を持った検討が必要と考えますので、検討の開始もしたいと思っております。国体開催となれば有利な財源が活用できますので、既存施設の活用も含めた施設整備に向けた一つのきっかけになるのではないかと思います。

 るる述べさせていただきましたが、このような検討内容を含めまして中長期的な視点でスポーツ施設の整備・運営計画を策定していけたらと考えているところでございます。

 次は、なら食と農の魅力創造国際大学校、NAFICを核としたにぎわいづくりの拠点整備について、セミナーハウスの今後の整備についての考え方のご質問がございました。

 通称NAFICと呼ばれますなら食と農の魅力創造国際大学校の実践棟でございますオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井は、世界トップレベルの調理技術やもてなしを学べる類いまれな実学の場を学生に提供しております。充実した学習環境が整っていると評判を呼んでおります。現在、十五名の学生が学んでおりますが、定期的に行っております学生面談の中でもオーベルジュ実習について、一流の現場で一流のスタッフから学べる貴重な機会であるとの好感を得ております。実学重視のカリキュラムに対する学生の満足度は高いと考えております。このような学校は日本のほかにはないようなものだと思っております。

 議員がご質問になりました今後の展開でございますが、そのセミナーハウスの設置でございますが、NAFICの教育機能や食のもてなし機能をさらに高めるとともに、地域の活性化にも寄与することを目的として整備を進められたらと考えております。具体的には、NAFICなどが開催いたします多彩な国際会議、研修会、学習体験プログラム参加者のセミナールームやゲストルームや、学生が利用しますシェアルームなどの機能を有するセミナーハウスの構想でございます。

 このようなセミナーハウスが完成いたしますと、現在、奈良市内で行っておりますアスペン研究所の会議、国際級の会議や、ちょっと大げさでございますがスイスのダボスで開催されているような高度で集中した国際会議などの誘致も視野に入ってまいります。本県の食と農の魅力の増進や交流人口の拡大が図られ、中南和地域のにぎわいづくりがさらに進むことが期待されるものでございます。

 次に、県庁舎系の施設の南部地域再配置についてのご質問がございました。

 県庁舎系の施設の南部再配置計画については、三つの視点が含まれております。一つ目は、行政サービスの向上及び事務の効率化の観点でございます。二つ目は、国・県・市町村の公有地の活用をあわせて考えるという視点でございます。三つ目は、再配置により地元地域のまちづくりのにぎわいに寄与する観点でございます。

 また、この計画は大きな三つの事業で構成されております。一つ目の事業は、旧五條高等学校跡地に五條市役所を移転、建てかえされるのにあわせまして、県の土木事務所、農林振興事務所及び保健所の窓口を集約する事業でございます。二つ目は、用途廃止されます大淀病院跡地に大淀町が建設いたします保健センターに保健所、福祉事務所及び県税事務所の窓口を集約する事業でございます。三つ目は、吉野土木事務所を現在地の近隣にある県有地に建てかえをする事業でございます。

 このうち旧五條高等学校跡地の事業につきましては、県と市がまちづくり連携協定を締結し、五條市中心市街地地区のまちづくりとして進めるものでございます。周辺のにぎわいづくりも見込めるものでございます。地域の活性化に寄与するための投資でもあろうかと思われます。五條市が合併特例債を活用されますことから、特例債の期限であります平成三十二年度中に竣工する予定で、県の施設もスケジュールに合わせて整備をさせていただきたいと思います。

 大淀病院跡地の事業につきましても同様に、県と町がまちづくり連携協定を締結し、大淀病院跡地及び近鉄下市口駅周辺地区のまちづくりとして進めていきたいと考えております。

 奈良モデルの精神にのっとりまして、これからの具体的な整備方法につきましては、県と市と町と十分協議の上、進めていきたいと考えているところでございます。

 質問に対するお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 一番亀田忠彦議員。



◆一番(亀田忠彦) 知事におかれましては、ご丁寧な答弁ありがとうございました。全体的には知事の答弁されたことをできるだけ積極的に推進していただきたいということで、私も同感でございます。

 時間が少ないので、少しだけ私の意見を述べさせていただいて終わらせていただきたいなと思いますけれども、三点ほどあります。

 一つは、オーベルジュ、NAFICの整備を進められていくと思うのですけれども、これはちょっと質問の観点からは外れるかもしれません。先日、実は私、あるところでジビエのイベントに参加させていただく機会がありまして、オーベルジュでもジビエの料理を推進して、たしか取り扱っていただいている、県内にも何カ所かあると聞いております。イメージとしては、においがあったりとか衛生面であったりとかという、まだまだマイナスのイメージが強いようなところなのですけれども、そのイベントでいろいろ聞かせていただくと、そういう認識を改めたようなところもあって、保存の仕方とか処理の仕方によってはにおいも全くないし本当においしくいただけるジビエの料理がたくさんあるのですという、そんなイベントでありましたので、積極的にオーベルジュでもジビエの料理を推進していく。いろいろな問題点はまだあるかと思うのですけれども、それをひとつ、ちょっと気になりましたので、意見として申し上げておきます。

 あと、最後に私が質問させていただいた再配置の計画のことですけれども、集約されて利便性が悪くなったとか南部地域に住む方が不便になったということにならないように、今まで受けられていたサービスを維持しながらのそういう施設の再編というか、そういったこともちょっと注意しながら再配置計画を進めていっていただきたいですし、地元の実際の人の意見をいろいろと聞いていただきながら進めていただけたらと思います。

 最後に、スポーツ施設ですけれども、知事からは十四年先、ということは平成四十二年ぐらいの国体開催になるのかなというイメージでございますけれども、私も日ごろからスポーツ、スポーツと言ってはいるのですけれど、スポーツ施設をつくってくれということを言っているわけではなくて、スポーツとか文化を振興する大切な意義があると私は思うのです。もう皆さん方もご存じのことだと思うのですけれども、子どもたちの教育の中でスポーツ振興は、やっぱり人間力を高める、あるいは道徳心を養うとか、忍耐力を養うとか、通常の学校で教える勉強はさることながら、スポーツに親しむとか、あるいは文化に親しむとか、スポーツが得意な人はスポーツで、歌が得意だとか、音楽が得意だとか、美術が得意だとか、書道が得意だとか、お茶が好きだ、お花が好きだ、文化の振興もあわせて子どもの健全育成にとっては大切な要素であると思っていますし、三十歳代、四十歳代の現役世代においては、それぞれの競技においてのいろいろな目標に向かって体を鍛えていくという、仕事と両立しながらやっていくという、そういう豊かな生活を送るというところにも非常に寄与することだと思います。高齢者にとっては健康維持、健康長寿にもかかわってくるということでですね。スポーツとか文化の振興というのは、非常に大きな意義があると私は思うので、そういう質問を続けてさせていただいております。

 知事主催のある会合で知事がおっしゃっていた奈良県はとにかくすばらしいところだと。私もそれを思いますので、このすばらしい奈良県をできるだけ広く発信していただいて、スポーツ・文化の振興で地域振興につなげていっていただきたいという意見を述べさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 次に、三十七番粒谷友示議員に発言を許します。−−三十七番粒谷友示議員。(拍手)



◆三十七番(粒谷友示) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、自民党奈良を代表いたしまして代表質問をさせていただきます。

 まず、来年度の予算についてお伺いをいたします。

 本県は、全国でも最も県外への就業率が高く、約三割の方が県外、とりわけ大阪へ働きに出かけておられます。その結果、人口一人当たりの県税収入は、法人関係が全国第四十七位、地方消費税についても全国第四十六位、個人県民税は全国第十四位であるものの、県税全体では全国第四十二位と低迷しております。そのため本県の歳入構造は、自主財源が全体の四割弱ということでございまして、地方交付税での国からの財源に大きく依存し、国の動向の影響を受けやすい構造となっております。人口も減少傾向になり、知事は地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るを県政の目指す姿として掲げておられますけれども、地域の自立を図るためには県税収入のさらなる確保が大きな課題となっております。

 振り返りますと、荒井知事が誕生した平成十九年には、前年発生した大淀町での妊婦救急搬送事件を受けて、医療提供体制の充実が当時の県政の大きな課題でありました。知事はこの課題に先頭に立って取り組まれ、その成果として、今年四月には南奈良総合医療センターがオープンし、十月には県立医科大学附属病院の新病棟、E棟がオープンいたしました。さらに平成三十年には奈良県総合医療センターの新病院も開院するなど、本県の医療体制は大きく充実しました。次は、県税収入のさらなる確保という課題を解決し、地域の自立に向けた取り組みをするところでございます。

 国では、去る十月十一日、平成二十八年度第二次補正予算が成立しました。今回の補正予算は、一億総活躍社会の実現の加速、二十一世紀型のインフラ整備など、高齢化社会を乗り越えるための潜在成長力を向上させる構造改革と未来への投資を加速させることを目的としております。本県においても、地域の自立に向け、未来への投資が必要であります。

 そこで知事に、来年度予算において、県税収入のさらなる確保に向けどのように取り組んでいくのか、また県政のどのような分野への投資の重点化を図ろうとしているのか、お伺いいたします。

 次に、リニア中央新幹線の整備促進についてお伺いいたします。

 本年八月二日、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しをすることとなりました。これを受けて、鉄道建設・運輸施設整備支援機構に融資機能を持たせる改正法が成立、施行され、今年度と来年度に一・五兆円ずつ、総額三兆円を予定しているJR東海の融資について、十一月二十九日に第一回目として五千億円が融資実行されました。このように、政府とJR東海が全線開業の前倒しに向けて具体的に動き出したことは喜ばしいことでございます。

 リニア中央新幹線の整備促進のためには沿線の地方自治体が果たすべき役割は非常に大きく、地方自治体とJR東海との協力連携が何よりも重要であります。こういった観点から、奈良県としてもJR東海との協力・連携に向けた準備を十分するべきであると思いますが、一点目として、リニア中央新幹線の整備促進に向けた各種調査の進捗、現在の県の取り組み状況について知事にお伺いいたします。

 二点目は、ことしの五月に京都の蹴上に行ったときのことでございました。京都にリニアを誘致する、こんな大々的なイベントがございました。私は職員さんに向かって、リニア中央新幹線中間駅は奈良で決まっているのではないですかというようなことで、いろいろとやりとりをしました。最後に言われたことは、奈良県は内輪もめしてるのではないですか。陣地の取り合いをしているじゃないですか。このようなことを言われました。奈良県では大和郡山市、奈良市、生駒市と、それぞれの首長さんが我が町にウエルカムということは当然理解できます。しかしながら、京都から見れば内輪もめ、我田引水的に思われては元も子もありません。リニア中央新幹線の中間駅の位置は政治的な配慮や地域の利益誘導で決まるものではない、私はこのように思っております。そこで駅位置の早期確定に向けて、県が中心となって奈良県全体が一丸となって取り組んでいる姿勢を強くアピールする必要があると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、北陸新幹線の敦賀・大阪間のルートについてお伺いいたします。

 現在、与党のPTの検討委員会において議論がなされているところでございますけれども、北陸新幹線、敦賀・大阪間のルートに関して、一部に学研都市駅とリニア中央新幹線の奈良市附近駅との接続を主張されている方がいらっしゃいます。奈良県としてリニア中央新幹線の三重・奈良ルート及び駅位置の早期確定に向けて全力で取り組むべきだと考えております。知事も検討委員会の関係自治体ヒアリングに出席され、北陸新幹線の学研都市経由ルートについて、財政負担に見合うメリットがないことに加え、リニア中央新幹線との接続の観点からも反対されたと聞いておりますが、知事にその真意をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、道路整備についてお伺いいたします。

 本県においては、国道や県道の整備率が全国でも最下位近くに位置しており、県内各地で幹線道路を中心に渋滞が発生しております。渋滞の解消に向けては幹線道路の整備が最も効果的だと思いますが、その整備には多くの時間がかかります。そういった観点から、渋滞が著しい箇所については早期に効果の出る交差点改良が有効ではないかと思われます。例えばの話でございますけれども、薬師寺東口交差点などは、信号が青でも直進ができない状況になっております。右折車線が確保されていないからであります。また、阪奈道路富雄インターチェンジ、あるいはまた生駒市俵口のインターチェンジにおいても慢性的な交通渋滞が発生しております。これは辻町インターチェンジの未整備が原因と思われます。

 そこで知事にお伺いいたします。

 この渋滞の解消に向け、早期に効果が発揮できる交差点改良など、既存道路の改良を積極的に推し進めるべきだと考えます。その対策の一つとして、辻町インターチェンジのフルランプ化について、現在どのような進捗状況であるのか、知事の考え方をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、人口減少問題は行政の最大の課題であります。先日、第七回東アジア地方政府会合に出席し、少子化対策のセクションで、人口減少には企業の誘致、そして若い人の雇用が発生し、安定した収入を得ることによって結婚、出産、このようなプロセスになろうかということを発言してまいりました。

 知事は就任以来、企業誘致を積極的に推進されました。これは税と雇用を生むということで、正しい政策だったと私は思っております。しかしながら、今後企業を誘致するとするならば広大な面積が必要でございます。そこで、ことし生駒市がURから三億四千万円で土地を買収いたしました。現在、有識者懇談会でそのあり方について検討され、来年には県にプレゼンテーションされる予定になっております。そして、県とまちづくり協定を締結したいとの要望があると聞いております。学研高山地区第二工区について県はどのように考えておられるのか、ご所見を伺いたいと思います。

 次に、いじめ問題についてお伺いいたします。

 いじめ問題に関しては、全国各地でいじめが要因の一つとして考えられる痛ましい事件が発生しております。特に、ことし八月には青森県でいじめを理由に命を絶った女子中学生がいらっしゃいました。子どものいじめや不登校という問題は、特別な状況下にあるだけではなく、どの子どもにも起こり得ると考えられます。それだけに子どもをしっかりと守るセーフティーネットの構築が必要であります。そのためには各学校の教員が子どもたちの小さな変化をもしっかりと見逃さないようなことが大切でございます。そしてまた、スクールカウンセラーをはじめとする専門的な知識を持つ外部人材を積極的に登用し、教員との連携によって、子どもたちが不安や悩みを相談しやすい体制づくりをすることが必要であろうかと思います。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 本県の子どもたちのいじめの状況はどうなっているのか、また今後、スクールカウンセラーをはじめとする専門的知識あるいは技能を持った外部人材の活用の一層の充実を含め、県教育委員会としていじめ問題にどのように取り組んでおられるのかをお伺いいたします。

 最後に、要望を一点申し上げます。警察官の皆さん方には、県民の生命・財産を守るために、昼夜を問わず犯罪の予防や検挙活動に懸命に取り組んでおられますことに心から敬意を申し上げます。ありがとうございます。さて、生駒警察署は昭和四十六年に建設され、県内の警察署の中では最も古い建物であり、耐震改修もされておりません。その古さから、もはや改修ではなくして建てかえしかないと思います。こんな中で現在、奈良県には十二の警察署がございますが、平成十二年には天理警察署が、そして平成二十六年には奈良警察署が新築いたしました。昭和四十六年に建設された現生駒警察署は最も古い警察署であります。早期の建てかえを要望したいと思います。

 以上が壇上での私の代表質問でございました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十七番粒谷議員のご質問がございました。

 最初は来年度予算に関することでございますが、県税収入の確保の必要性を述べられまして、県政の重点投資分野についてのご質問でございます。

 お考えには共感をいたします。もともと大阪のベッドタウンとして発展してきた本県でございますので、議員お述べのように企業活動はあまり活発でございませんでした。県財政の歳入構造は、したがいまして、地方交付税などの国からの財源に大きく依存している実態でございます。そのため、自主財源でございます県税収入の確保は、今後の地域の持続的発展のため極めて重要な課題であろうかと思います。脱ベッドタウンの税収構造、経済構造が必要だと思います。

 県税収入を確保するためには、税収基盤を強化するための県経済の活性化が必要不可欠でございますが、その特効薬や即効薬はないのが実情でございます。不断の努力を行い、真面目にこつこつ積み上げていくしかない分野であろうかと思います。来年度予算におきましても、企業誘致や観光振興、若者・女性・高齢者の雇用拡大など、県税収入の基盤強化に役に立つと思われます分野につきまして、効果のある施策に積極的に取り組む必要があると考えております。

 まず企業誘致につきましては、議員お述べのように、平成十九年からの八年間で二百件を超える立地を実現することができました。またその勢いはまだとまっておらないように思います。全国でも割と目立つ企業誘致ができる県になってまいりました。また今や県内の工業用地が不足している状況でございます。京奈和自動車道や西名阪自動車道周辺地域におきまして、周辺の市町村が工業ゾーンの創出を図りたいとおっしゃっております。そのようなプロジェクトに県も協働して取り組んできております。また、幹線道路の整備や工場周辺の道路などの立地環境の整備がまだおくれているところがありますので、配慮が必要かと思います。

 経済活動の分野で、観光振興は奈良県のこれからの担い手になり得る分野でございます。県営プール跡地におきまして、最高級の国際ブランドホテルでありますJWマリオットの誘致に成功いたしますと、ホテル業界で奈良県が高級・上質なホテルの投資先として注目され始めたように思っております。今後さらに宿泊施設の誘致を積極的に進めたいと思っております。

 また、観光資源のあります奈良市になりますが、平城宮跡歴史公園や奈良公園の魅力を高めるための整備、各種イベントの充実は観光施策の定番でございます。先日、地方消費税の清算基準の配分について菅官房長官に会いましたら、帰り際に奈良のホテルの誘致を頑張りなさいねというお言葉を賜ったところでございます。観光地奈良のブランド力の向上をまだ図っていく必要があろうかと思います。

 さらに、雇用の拡大につきましては、さまざまな職種を対象とした働き方の改革に取り組もうと思っております。従来から行っております就労マッチングの支援、子育て支援の充実など、奈良県が働きやすい場所であるという環境整備が大事かと思います。来年度予算におきましても、経済活性化を軸といたしました各般の取り組みを着実にこつこつと推進させていただきたいと思います。その結果、投資、消費、雇用が地域内で循環して、地域の内在的な経済活性化が図れるような地域になることを願っているところでございます。

 次は、リニア中央新幹線についてのご質問がございました。

 まず、これまで県が行っております各種調査など取り組みの進捗についてのご質問がございました。議員お述べのとおり、財政投融資の活用・工夫によりリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しするとの方針のもと、国におきまして財務面や法制面の手当てが進みまして、JR東海に対する貸し付けが迅速に実行されました。ありがたいことだと思っております。これによりまして、平成三十九年の東京・名古屋間開業後、連続して速やかに名古屋・大阪間の工事が着手されるということになってまいりました。地元自治体としても、ルートや駅位置の早期確定や工事の円滑な実施に向けて準備を加速する必要があろうかと思っております。

 県ではリニア中央新幹線の早期整備に向け、国などへの要望活動をさらに効果的に実施するとともに、将来、JR東海から協力を求められた場合に、十二分な役割を果たせるように先行的な調査を行っていきたいと思っております。今年度は、JR東海が今後実施する環境アセスメントを見据えまして、県内の動植物の生息状況等について調査を行うこととしております。六月末に業務委託契約を締結し、来年三月末に調査結果を取りまとめることにしております。もちろん最終調査ではございませんが、一歩一歩のステップアップの調査として役に立つことを期待しております。

 これらは、JR東海がリニア中央新幹線のルートを検討される際に参考になると考えられる要素でございます。県において先行調査を行うことで将来のJR東海の検討がスムーズに進められるように、準備期間が少しでも短縮されるように地元県として準備を進めていきたいと考えているところでございます。

 リニア中央新幹線の今後の展開につきまして、奈良市附近駅の位置の確定についての議論がされました。いつ、どのように奈良市附近駅が確定できるのか、三つも候補地があって集約化できないのかという趣旨のご質問かとご理解させていただきます。

 リニア中央新幹線の奈良市附近駅の位置につきましては、JR東海が実施いたします環境影響評価の手続の過程で、超電導リニアの技術的な制約、地形・地質、あるいは土地利用や文化財といった立地環境の制約によってルートとともにおのずと絞り込まれてまいるものと理解しております。また逆に、環境影響評価が進まないと駅の位置の確定も難しいものと考えられます。したがいまして、環境影響評価の手続に一日も早く着手することによりまして駅位置を早期に確定していただけるよう、奈良県全体が一丸となり、また隣接する三重県、大阪府ともさらなる連携の強化を図り、経済界、地域の皆さんとスクラムを組んで粘り強く要望活動を重ねていくことが何よりも重要であると考えております。

 本年九月に本県橿原市におきまして、三重県と共同開催いたしましたリニア中央新幹線建設促進会議におきましては、前回に続きまして、関西広域連合長であります井戸兵庫県知事、また大阪府副知事の新井副知事にご出席いただきましたし、関西経済連合会理事の辻さんにもご出席を続けていただいております。三重県、奈良県、大阪府という三重・奈良ルート沿線の協力体制の充実が図られてきたことに意を強くしているところでございます。十二月末には九月の促進会議で採択いただいた共同アピールをもとに三重県、両県経済界とも連携して、国土交通省、与党幹部等に対し、改めて要望活動を展開してまいりたいと考えております。

 それとの関連もございますが、北陸新幹線のルート問題が今、与党で検討中でございます。本県も招かれて意見の開陳の機会がございました。その内容、真意についてのご質問でございました。

 北陸新幹線の敦賀・大阪間のルートでございますが、昨年八月より与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会で検討され、現在、与党案決定に向けた最終、大詰めの議論がなされている段階でございます。その検討委員会で、国土交通省より十一月十一日、金曜日に報告されました所要時間、路線延長、概算事業費、需要見通しなどの将来の着工の判断に資する項目の調査結果を踏まえ、関係自治体へのヒアリングが行われました。十一月二十四日には私が出席し、奈良県としての意見をお伝えしてまいりました。改めてお伝えした意見についてご報告を申し上げます。

 学研都市経由ルートというのがございますが、敦賀・大阪間のルートが京都駅から南下するルート案でございます。学研都市付近、精華・西木津地区を経由するという案がまず出ております。そのような経由の案につきましては、ルートの一部に奈良県域を含むとされておりますので、本県の意見を求められたわけでございます。このルートは、本県に相当程度の財政負担が発生する可能性があります。駅がなくても線路があると、その当地で工事費を負担するというスキームになっているからでございます。五キロメートル程度県内を通過いたしますと、県の真水の負担は百五十億円程度になると試算いたしております。

 また奈良県から北陸に向かう場合のアクセスでございますが、近鉄またはJRで京都に出るのが一般的でございます。京都通過というのが一つの大きな要素でございますが、奈良県民にとりましての学研都市付近駅、精華・西木津地区というのではアクセス性が悪くて、先ほど申し上げました財政負担の額に見合うメリットはないものと考えました。したがいまして、学研都市付近、精華・西木津地区経由案は奈良県として受け入れられないということを申し述べさせていただきました。

 また学研都市を経由するルートに関しましては、リニア中央新幹線との接続をする議論がございます。奈良市附近駅と、こう書いておりますのに、奈良市附近が相当北に行って奈良市附近の考え方が崩れるようでは大変困るというふうに思っております。

 リニア中央新幹線は、東海道新幹線とできる限り離すことで我が国の大動脈のリダンダンシーを確保し、強靭化することが肝要だというのが基本でございます。学研都市をリニア中央新幹線の経由地とすることは、奈良市附近を主要な経由地とする国の整備計画に反するばかりか、全国新幹線鉄道整備法の精神からも大きく逸脱すると申し述べました。

 学研都市でまた北陸新幹線と接続しても、リニア中央新幹線と北陸新幹線の乗りかえ需要に具体性がなく、ネットワークとして意味がないということも申し述べました。

 また他方、新たな奈良県構想をお伝え申し上げました。それは、奈良市附近駅で北陸新幹線南下線とリニア中央新幹線を接続させ、さらにそれを県内を延伸させ、関西国際空港と直接結ぶのであればインバウンド需要を取り込むネットワークの価値を飛躍的に高めることができるという意見でございます。関西国際空港に着かれた方が最短の距離であれば二十分程度で奈良市附近駅へ新幹線で到着することができます。多少迂回をすれば、もう少し時間がかかりますが、関西国際空港インバウンドにつきましては、北陸新幹線に向かうルートとして関西国際空港着北陸へ向かうルートは、北陸の先生からは賛成だという意見がその場でもご発言がございました。また、リニア中央新幹線に関西国際空港インバウンド客が奈良市附近駅で接続するというネットワークの効果もあるという意見を申し述べたわけでございます。さらに将来、四国新幹線と関西国際空港から地下で延伸して接続することができれば、四国地域へのアクセスを強化し、四国地域の振興・発展に大きく寄与できるという意見を述べさせていただいたところでございます。

 以上が北陸新幹線についての奈良県意見の概要でございます。

 次に、道路整備についてのご質問でございました。

 辻町インターチェンジのフルランプ化の進捗状況について、急に足元に話題が変わりますが、阪奈道路辻町インターチェンジから奈良市方向への出入りができるようなフルランプ化の構想でございます。付近の渋滞の状況は議員お述べのとおりでございます。生駒市域の皆様の利便性を向上させるとともに、生駒市内の国道一六八号などの渋滞緩和を図る観点から、大変重要な事業と考えています。また、粒谷議員がこの本会議場でも熱弁を振るい、情熱を込めて整備を進めようとされておりますことは十分理解しているところでございます。

 どのような方法で奈良市方向の出入り口を設けるかの検討に時間を要しましたが、コンパクトに実現可能な阪奈道路に新たな交差点を設ける方法によることとし、平成二十七年度に新たに事業着手したところでございます。昨年十一月に最初の地元説明会を開催させていただきました。ランプの設置位置や道路構造などについて説明させていただきましたが、その際には地元地域の皆様からランプを設けることによる利便性の低下や自治会の分断、生活環境の悪化などについて心配していると意見を頂戴いたしました。

 これまで地元地域の皆様にご意見をお聞きしながら生駒市とも協力して、地元地域の皆様が辻町ランプや国道一六八号を利用しやすくなるようなランプの形状や市道のつけかえ方法について再検討を進めてまいりましたが、もう間もなく結論が得られる予定となってまいりました。年内にも地元地域の代表の方、さらには地元地域の皆様にもご説明できればと考えている状況でございます。ランプの形状や市道のつけかえ計画にご理解いただきましたならば、来年度以降、生駒市とも協力して、用地幅杭の設置や用地取得のための測量、補償調査に着手して、一歩前へ進めてまいりたいと考えております。

 辻町インターチェンジのフルランプ化の早期完成に向けてしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 次は、学研高山地区第二工区の今後の県の対応についてのご質問がございました。

 学研高山地区第二工区は、第二京阪道路とも近く交通の便もよいことから、大変潜在能力の高い地域でございます。この地域でまちづくりを行えば、雇用などさまざまな効果も見込まれると認識しております。どのようなまちづくりにするかということが課題かと思います。

 この第二工区につきましては、過去のことでございますが、県が生駒市に対して大学を中心としたまちづくりに関する提案を行いまして、市からは条件を付された回答がなされるなど、市の積極的かつ主体的な姿勢が感じられないと判断し提案を取り下げて検討の中止に至った経緯がございます。しかし本年二月に現在の生駒市長は、従来の方針を撤回して都市再生機構の土地を取得し、地域の責任ある主体としてまちづくりに取り組むという考え方を表明されました。

 このように市の積極的な姿勢が示されたことにつきましては、県としては、これまでの経緯やこの地域の将来を考えると評価できるところがあると考えているところでございます。市からのまちづくり連携協定締結による取り組みの推進についての協力の要請がございましたので、協議開始は了承いたしますという旨の回答をいたしました。当該地区のまちづくりは、生駒市でまず考えを進めていただくのがよろしいことかと思っております。

 現在、生駒市は、有識者も交えながら本地区におけるまちづくりの方向性や方策に関する考え方を整理されていると聞いております。今後も生駒市のまちづくりに関する考え方をお伺いしつつ、随時相談に応じていくことになろうと考えております。

 残余の質問は教育長がお答えさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十七番粒谷議員のご質問にお答えいたします。

 私には本県の子どもたちのいじめの状況と、今後、外部人材の活用も含めていじめ問題にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 本年三月に策定をいたしました本県のいじめ防止基本方針には、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するため、県や学校が実施する取り組みを具体的に定めております。現在、県では、この基本方針に基づいて、教育委員会、学校、こども家庭相談センターや地方法務局等により構成するいじめ対策連絡協議会を設け、これまで二回の協議会を開催し、本県のいじめの現状や相談体制の充実、未然防止の対策等について協議を行ってまいりました。

 本県におけるいじめの現状につきましては、平成二十七年度、県内国公私立小・中・高等学校で四千二百三十三件認知され、前年度の約三倍となっております。これは、これまでトラブルと捉えていた事例をいじめと認知するなど、教職員がきめ細かな見守りと積極的な認知に努めた上で丁寧に解消に向けた取り組みを行っている結果のあらわれであり、基本方針に沿った対応であるといじめ対策連絡協議会でも確認されております。

 また県教育委員会では、相談体制の充実を図るため、平成二十七年度から県内全ての公立中学校にスクールカウンセラーを配置し、校区内の小学校からの相談にも応じております。さらに平成二十八年度は、社会福祉士等の資格を持つスクールソーシャルワーカーを三名から七名に増員し、課題のある学校へ派遣するとともに必要に応じてケース会議を行い、福祉や医療をはじめとする関係機関との連携も図っております。

 相談体制のあり方やスクールカウンセラー等の配置の充実につきましては、いじめ対策連絡協議会等の意見を踏まえながら対応してまいりますが、今後は、いじめや不登校の問題を主として担当する生徒指導支援室が、これまでの生徒からのメール相談に加えまして、電話相談、教育研究所での来所相談にも専門性を持った外部人材を活用しながら応じるなど、いじめや不登校への対応をより効果的に推進してまいります。

 どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 三十七番粒谷友示議員。



◆三十七番(粒谷友示) 予算のほうで、知事が歳入のほうで大変ご苦労されているなと。企業誘致を含めて、いわゆる観光収入をアップするなど、今、ご答弁でそのような話がございました。一方で私は、歳出の面で十二分にお聞きしてないのですけれども、特にこのごろ感じるのが県民の切ない身近なご要望ですね。小さなことも含めてですけれども、例えば地域の住民の皆さん方から草刈りであるとか、あるいはまた堆積土砂の除去であるとか、歩道整備であるとか、このような問題がたくさん出てまいりますが、なかなかスピーディーに解決できない状況になっています。また先般、生駒市で停電が起こりました。この停電において信号機がなかなかつかなかったのです。この原因は一体何なのかということでお聞きしますと、信号を制御する基盤が非常に老朽化していると。耐用年数をはるかにオーバーしているということで、なかなか回復しなかったということでございます。

 私はやっぱり住民の安全安心のまちづくりのためにも、このような身近な予算要望があれば、ある程度スピード感をもって対応すべきではないかと思うのですけれども、この点について来年度の予算にどういうふうに反映でき得るのか、知事に再度お聞かせ願いたいと思います。

 次に、リニア中央新幹線の問題でございますけれども、知事がリニア中央新幹線のJR東海に対するプレゼンテーションをするに当たって、いわゆるアセスメントをまずやると。そして手ぶらで行けないので、上京をなさるときなのですけれども、やっぱり知事が運輸省時代に新幹線の仕事にかかわっておられたという経験でしょうね。何もなしでリニア中央新幹線に来てくれというのではなしに、まず、それぞれが先行して、地域が汗を流してJR東海にプレゼンテーションをするということは、確かに理にかなったやり方だなと私も感心しております。

 一方で、京都の方と私、蹴上で相当やり合ったのですけれども、基本的にリニアと新幹線というのは大動脈の中でいかに災害のリスクを少なくするかということになっているのが原則だと思うのですね。そのリニアと新幹線をそばに持ってくるというのは、これは論理的にも基本的にこのリニア中央新幹線のもともとのそもそも論は違うと私は思うのです。そういう意味では、京都というのは非常にやからというのでしょうか、嫌がらせのような、ほんまわけわからないようなことを言っているのと違うかということでけんかになったのですよ、はっきり言ってね。ただ、残念ながら京都から言われて、奈良県が、この三人の市町村長さんが一生懸命やられるのはわかるのですけれどもね。我田引水的なことにとらまえると大変残念だなと思っているのですよ。

 知事が以前に予算審査特別委員会で答弁なさったことを思い出して、我田引鉄、鉄道の鉄ですね、になってはいけないと知事はおっしゃいましたね。知事が非常に尊敬されているというんですか、角本良平さんという方、この方がいろいろなことをおっしゃっている中で、私、大変いいことをおっしゃっているなと思うのがあります。過去にこの方が新幹線をつくるに当たってリスキーな部分がたくさんあったと。地域の需要を含めて、あまり自分らの我田引水になったらいけないということですね。

 確かにそうだなという思いがあるのですけれども、先般、ちょうど一昨日ですか、竹本直一衆議院議員が荻田議員の講演会に来られていましたので、長い間いろいろとお話ししていたのですけれど、やっぱり竹本議員も非常に好意的だったです。三重・奈良ルートというのは非常に好意的にお話しされていました。今度、議員連盟でも川崎二郎衆議院議員を筆頭に、奈良県、大阪の皆さん方で占めて、京都はちょっとご遠慮願うという形になってましたね。そういう意味では非常に奈良県にはいい感じのものなのですけれどね。竹本議員も、奈良県はもうちょっと心を一つにしたほうがいいよと。やっぱり外から見たらちょっとそういうニュアンスにとられますよという話がありましたので、特に奈良県はオール奈良、チーム奈良というような感じで、ひとつ、ぜひ知事のリーダーシップでまとめ役をお願いしたいなと思っております。

 次に、学研高山地区第二工区のことについては私、再三再四、申し上げてまいりました。久しぶりにこの学研高山地区第二工区の質問をさせていただくことになったわけでございますけれども、過去、学研高山地区第二工区の問題で知事が県立医科大学の移転を含めて非常に情熱を示されました。しかしながら、生駒市が正直言って不誠実な対応で、この事業が頓挫したような状況になりましたけれども、平成二十五年十二月二十四日ですか、価格決定でURの土地を買収するということで、生駒市が買い求められました。

 しかしながら私、いわゆるまちづくり連携協定を今後やるとすれば、これは生駒市さんとの信義、信頼関係がまず第一であるのかなという思いがあります。知事も生駒市さんに対してはかなり不信感もおありかと私は思います。あれだけ知事が以前に第二工区に情熱を示されて、生駒市があのような状況だったので、私も内心は大変心苦しいのですけれども、私もやっぱり生駒市選挙区選出ですから、何とか生駒市さんのほうにも県との信義、信頼関係を再構築してもらいたいなと。生駒市の市議会においても、県の協力が必須条件だと言っておられますので、何とか私もしっかり汗を流してまいりたいなと思っております。

 そして、辻町インターチェンジのことでございますけれども、これ、本当は代表質問だったので、知事に答弁をもらいましたけれど、これは加藤県土マネジメント部長、よく聞いてください。あなたが二年前にお越しになったときに、前部長があなたにこの事業は一丁目一番地だという話をされたでしょう。そういう引き継ぎをされたでしょう。去年、知事も、私の県政報告会のときにお越しいただいて、この問題を必ずやりますよということを三月におっしゃった。去年十一月に地元説明をされました。

 本当を言えば、もっと早い時期にある程度絵を描いて、地域住民の皆さん方のお声を聞いて、実現可能なものをつくってあげてほしかった。生駒市民の中には、一年間説明がなかったものだから、あの辻町インターチェンジは消えたのですかと言う方もおられるのですよ。今の知事の答弁では近々詳細な説明をなさるそうでございますけれども、当然、地域住民にはいろいろな声があります。賛否両論あります。そうだけれど、やっぱり、この辻町インターチェンジというのはどうしてもやらなければならない事業だと私は思います。知事も現場に来られて、これは絶対しないといけないという思いがありました。部長、正直言って、もっと現場に足を運んで地元の皆さん方にもしっかりと説明していただきたいのですよ。

 先般、私も生駒市の副市長さんにもお会いして、生駒市ももっと協力しろよと、この事業は生駒市もやろうと言っているだろうということで声をかけてきました。そんなことで、次の機会は部長に質問しますよ、今度は。ほんとに厳しくいきますよ。ですから、部長、しっかりとこの辻町インターチェンジは、私もこの場で前部長に大きな声で怒ったのですよ。ですから、そういうことのないように、必ずこの事業については来年の予算も含めてご理解いただきたいと思います。

 教育長、今、ご答弁ありました。去年もこの問題を質問させていただきました。教育長も大変頑張っていただいているのはわかります。しかしながら、やっぱりいじめというのはあるのですね。例えばゼロにするような気持ちで持っていかないとだめですよね。先週、新潟市で担任の先生が、震災で福島から原発で来られた子どもさんに対して何やら菌と言ってばい菌扱いしましたよね。ああいうふうな、現場があんな状態でいじめをなくせというのは、これ、ほんと言語道断ですよ。奈良県ではそういうことはないと思いますけれども、とにかく現場の指導というのも、もう少ししっかりとやっていただきたい。本当にこの悲しい事件というのはあってはならない。

 それと、いろいろな専門家の皆さん方も、かなりの数がふえてまいりました。それは評価します。そういう意味では、あえて再質問はしませんけれども、教育長、奈良県では現場をしっかり指導して、将来ある子どもさんです。二度とああいうことのないように、特に要望しておきます。



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 所見とともにご質問もございました。

 最初にお尋ねになりました点でございますが、県民生活に身近な課題への対応も予算措置は大事だよとおっしゃいました。そのとおりだと思います。県民生活に身近な課題への対応は大変重要だと思います。今、経済格差が広がっていると言われている中で不安や不満があります。それがいろいろな場面で噴き出すのが現実でございます。政治に不満や不安が反映される根拠、元手はいとまがないわけでございますが、我々行政が県民生活に身近な課題に対応する、展開するというのは、極めて大事でございますが、予算をどのように配分するか、あるいは身近な課題の中でどのような課題から優先順位をつけて施策を打っていくかという、政治技術、行政技術が必要でございます。

 この優先順位、またはどのように効果的・効率的にやるのか、身近な課題は、大規模なプロジェクトと違いまして県と市町村と民間の方の協働が欠かせないプロジェクトが結構多いわけでございますので、奈良モデルで県と市町村はそのような取り組みをしておりますけれども、県と市町村との関係が若干でこぼこがございますのと、民間の参画があるのとないのとでは、同じ県の予算を使うにしても随分、身近な課題への効果性が違うものでございますので、大事な課題だと思います。

 そのときの市にとっての優先順位と県にとっての優先順位と、県全体にとっての優先順位というのは、いろいろな見方がございます。県としては、先ほど議員お述べになりましたように急性期医療の充実という、これも身近な課題であったかと思いますが、そのようにこれといったものには優先的に取り組んできたつもりでございますけれども、その優先課題に当たらない身近な課題がたくさん広範かつ多岐にわたっているのが実情でございます。大きな政治上の、あるいは行政上の課題だと考えております。効率・効果のある展開の仕方をどうするかというのと優先順位をどうするのかというのが大きな課題かと認識しているものでございます。

 その他はご質問ではございませんでしたというふうに認識しておりますが、同感させていただく緒論もございましたので、お許しがあれば多少述べさせていただきたいと思います。

 リニア中央新幹線の関係でございますが、おっしゃったように、新幹線との並行リニアというのはリダンダンシーの関係からあまり意味がないと、そのとおりだと。クロスリニアというのは奈良県が初めて南北新幹線に、新幹線は全部列島に並行して走る列島縦断新幹線でございますが、京都から南に行く路線として、単なる構想でございますが、横断新幹線構想を出しますと、リニア中央新幹線とのクロスというのが初めて出てまいります。角本良平さんという国鉄のOBの方でございますが、ことし亡くなられました。素直な気持ちで計画をつくれよということをおっしゃっていただいた先生でございます。政治的に考えてはいけないよということでございます。

 リニア中央新幹線の候補地が三つあるという、三つを一つに絞るというか、一つずつ落ちていっていただくとありがたいのでございますが、議員、いかがでございましょうか。三が二になり、一になれば奈良県はまとまったということになりますのでどうぞご検討も進めていただき、お勧めするわけではございませんが、そのように自然となればいいなと、素直な計画になれば。

 それから学研高山地区第二工区については、経緯はそのとおりでございますが、これも地元の議員の方が学研高山地区第二工区はこのようにしようと県議会議員の方々がまとまってご意見を賜ることになれば、またうれしいことにもなるのかなと思うところでございます。

 辻町インターチェンジは、一刻も早く完遂させたいという思いでございます。いろいろ調整に手間取っている面があるように聞いておりますけれども、完遂させるということを肝に銘じて進めさせていただきたいというふうに思っております。

 余計な所見を申し上げまして恐縮でございましたが、共感するところもたくさんございましたので、ちょっと反応させていただいた次第でございます。失礼いたしました。



○議長(川口正志) 三十七番粒谷友示議員。



◆三十七番(粒谷友示) 知事、いろいろと私の感想からご答弁いただいたのですけれどね。生駒市の四人、非常に仲よしです。ですから、心一つでいろいろな問題に取り組んでおりますので、学研高山地区第二工区についても、皆さん方足並みはそろっております。ただ生駒市の住民の方には、奈良県は結構生駒市との事業がないですねと、天理にええのができますな、桜井にええのできましたな。どうも南部に力を入れてはるん違いますかという話がたくさんあるのですよね。北高南低と言われますので、それは南部に力を入れるのもよろしいんやけれどね、生駒市のほうもできるだけ仲よくしていただいて。私も知事と去年、再三にわたって上京したときに、南部の首長さん、特にご一緒したけれど、いつ行っても生駒市の市長さんと同行することはなかったのですよ。地方創生のところでもなかなか行く機会が生駒市にはございませんので、この学研高山地区第二工区は地方創生の一環になろうかと思いますのでまちづくり連携協定についても、大きい気持ちでね。過去は過去でありますけれど、大きい気持ちをお持ちいただいて、それをお願いしたいと思います。

 それと先ほどのいじめの問題ですけれども、これは予算が必要なのですよ。マンパワーが必要ということで。そういう意味では、ぜひ来年度の予算も教育分野とか警察分野とか、思い切っためり張りのある予算措置をぜひ要望しておきたいと思います。

 これで私の代表質問を終わらせていただきます。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後三時休憩

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△午後三時十六分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十番阪口保議員に発言を許します。−−二十番阪口保議員。(拍手)



◆二十番(阪口保) (登壇)創生奈良、生駒市選挙区選出の阪口保が代表質問をさせていただきます。

 まず最初は、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会のロゴマーク、公式ポスター、イメージソング、マスコットキャラクターの不適正な随意契約による選定方法についての質問です。

 奈良県では、二〇一七年秋に第三十二回国民文化祭が開催されます。その開催に当たり国民文化祭の広報展開として、荒井知事が会長である奈良県実行委員会総会でロゴマーク、公式ポスター、マスコットキャラクターなどが決定されました。国民文化祭は毎年、各県持ち回りで開催され、アマチュアを中心に歌や演奏、演劇、民俗芸能から囲碁、将棋に至るさまざまな文化活動を発表し交流する場であります。そのような趣旨を反映し、今までの国民文化祭では、奈良県のように著名人にロゴマーク等の制作を依頼する手法をとっていません。

 そこで本県の国民文化祭の随意契約を表にしてみると、このようになります。こちらが随意契約の表でございます。国民文化祭で使用されますロゴマーク、公式ポスター、イメージソング、マスコットキャラクターを掲載しています。国民文化祭が奈良県で開催され奈良県の税金が使われているのにもかかわらず、公募をせず随意契約で著名人に依頼することにより、奈良県在住のデザイナー、画家、作曲家が排除される結果となっています。

 また、この表の下段のマスコットキャラクターのせんとくんは、今般、国民文化祭用にデザイン料約六十一万円、コスチューム費用約二百三十九万円、合計約三百万円で、それぞれ随意契約をしています。せんとくんについては、既に平成十九年にマスコットキャラクター制作業務委託契約を約八百七十万円で締結し、委託契約料の支出も終え、著作権の買い取りもいたしております。今般、マスコットキャラクターがなぜせんとくんになったのか。また、新たに国民文化祭用のために随意契約で高額な委託業務契約をしなければならないのか、甚だ疑問に思う次第です。

 そこで、知事に伺います。

 一点目は、ロゴマーク、公式ポスター、イメージソング、マスコットキャラクターを全て随意契約することで、奈良県在住の方が応募をする機会を奪われたことについて、知事の所見をお聞かせください。二点目は、なぜマスコットキャラクターがせんとくんなのか、その理由をお聞かせください。またマスコットキャラクターせんとくんのデザイン料、コスチューム費用に約三百万円を支払われていますが、今までのせんとくんのデザインを使わず、新たに国民文化祭用にせんとくんを制作する必要があったのか、お聞かせください。

 二つ目は、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会のロゴマークの随意契約についての質問です。

 次の表は、ロゴマークに関するほかの国民文化祭との比較です。こちらがロゴマークの比較表でございます。上段があきた二〇一四、真ん中が奈良県、そして下段がおおいた二〇一八です。また、各県のロゴマークはこのようになっております。そして支出額は、秋田県は五万円、本県は五百四十万円でございます。東京オリンピックのエンブレムは百万円。この表からもわかるように、第二十九回、第三十三回は公募で、とりわけ第三十三回は県内公募です。また支払額を比較しても、突出して本県は高額です。しかも奈良県契約規則では、本事案のようなケースの随意契約の最高額は百万円との定めがあります。五百四十万円の随意契約は、よほど特別な場合を除き、原則できないものとなっています。

 随意契約は国においてもなくす方向であり、平成十八年八月二十五日付で財務省から公共調達の適正化についての各省各庁の長宛てに通達文書が出されています。その内容は、公共調達については、競争性及び透明性を確保することが必要であり、いやしくも国民から不適切な調達を行っているのではないかとの疑念を抱かれるようなことはあってはならない。しかしながら、昨今、公益法人等との契約に関する各省各庁の運用には、広範囲にわたり、安易に随意契約を行うなど、必ずしも適切とはいえない事例があるのではないかと指摘が行われるなど、国民に対する説明責任を十全に果たしているといえない状況となっていると指摘しています。

 その文書の要約を表にすると、こちらが公共調達の適正化についての要約した表でございます。まず、一般競争入札の拡充、次に企画競争・公募でございます。企画競争・公募においては、競争性、透明性の担保が必要でございます。最後に、随意契約によらざるを得ないときでございます。この表で示しましたように、随意契約は原則行わない。行うに当たっては、法令等により契約額や契約の相手方が一に定められるという制限があります。

 以上の法解釈に基づくと、県の随意契約は、上位の法律や行政指導を没却し勝手な解釈をしており、今回のロゴマークの随意契約は、地方自治法施行令に抵触し違法であります。また今までの国民文化祭の性格を鑑みて、本県のロゴマークの委託料は甚だ高額であると考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 一点目は、財務省通知、公共調達の適正化についてに即すると、本県のロゴマークの随意契約は適正化に反し、また地方自治法施行令に抵触すると考えますが、所見をお聞かせください。二点目は、他府県の事例を鑑みて、ロゴマークの著名人への随意契約による高額な業務委託は慎むべきだったと考えますが、知事の所見をお聞かせください。

 三つ目は、奈良県冬季誘客イベント、奈良大立山まつりについての委託業務契約について不正があったのではないかという質問です。

 本年一月二十九日から二月二日に、二億円の予算を使い奈良大立山まつりは開催されました。この奈良県誘客イベント奈良大立山まつりは、年度当初に事業計画がなく、突如、補正予算に出てきたものでございます。そのため多くの議員から、なぜ突如このような行事を企画するのかの質問が出ました。私は冬の誘客イベントの趣旨には賛成ですし、予算審査特別委員会でも賛成しました。そして、委託業務については公平性・透明性の担保を求めました。

 奈良大立山まつりの開催の是非はさておき、今般のイベントの委託業務契約は公募型プロポーザルでございましたが、業者選定に疑問が生じています。委託業務契約の公募型プロポーザルの公告日は、平成二十七年十月十三日でした。私がこの事案に該当する職員の旅行伺兼旅行命令簿を開示請求したところ、こちらがその職員の九月十六日と九月二十四日の旅行伺兼旅行命令簿でございます。公告日の一カ月前の同年九月十六日と同年九月二十四日の二回にわたり、同公募型プロポーザルの結果、四天王大立山の原型制作を担った彫刻家の藪内佐斗司氏と藪内氏のマネジメント会社である青山美術株式会社において面談し、同まつりの内容について協議した行為が明らかになりました。職員が公告前に受託業者と協議する行為は、入札談合等関与行為防止法第八条、職員による入札等の妨害に抵触いたします。

 さらに事実の確認のために、同年九月十六日と九月二十四日の旅行した概要を記載している復命書、報告書を開示請求いたしましたが、行政文書が存在しないという理由で不開示でした。奈良県職員服務規程第十一条三項には、旅行を命じられた職員は、当該旅行から帰庁した日から五日以内に復命書を提出しなければならないと記されています。復命書が存在しないのはどのような理由によるものか、甚だ疑問に思う次第です。

 私は、入札について知事が積極的に関与しているのではないかと推認いたしています。例えば本行事は、観光プロモーション課を事務局に実行委員会形式で開催されました。その実行委員会会長は知事です。その実行委員会で、四天王をモチーフとした大立山を制作すること、大立山の制作に当たっては奈良の魅力を深く理解した者による原型作成者を記載することの条件を業務説明書に付記しています。

 既に藪内佐斗司氏は、平成十四年ごろに東京西新橋の青松寺の山門に設置されている四天王像の制作を統括しています。また、平城遷都一三〇〇年祭のマスコットキャラクターせんとくんのデザインを株式会社電通関西支社と組み、採用された経緯があります。このように、実行委員会でも藪内氏制作の大立山に発注が行くように示唆しています。

 次に、荒井知事と藪内佐斗司氏の関係は、政治団体まほろば会、代表荒井正吾氏の収支報告書を見ると、藪内氏が平成二十三年度一万円、平成二十四年度一万円、平成二十五年度一万円の寄附をしています。毎年寄附をしており、かなり親しい関係と推認いたしますが、今般、大立山の原型制作が藪内佐斗司氏になるように示唆し、その発注が実現しており、実行委員会会長である知事が藪内佐斗司氏から定期的に献金を受けているとなると、知事への税金の還流という構図となります。

 そこで知事に伺います。

 一点目は、県職員が平成二十七年九月十六日と同年九月二十四日の二回にわたり、同公募型プロポーザルの結果、四天王大立山の原型制作を担った彫刻家の藪内佐斗司氏と藪内氏のマネジメント会社である青山美術株式会社において面談し、同まつりの内容について協議した行為は、入札談合等関与行為防止法第八条に抵触すると考えますが、所見をお聞かせください。二点目は、平成二十七年九月十六日及び九月二十四日に出張した復命書がなぜ存在しないのか、その理由をお聞かせください。三点目は、知事は藪内佐斗司氏から献金を受け取り、献金をした人物が大立山の原型制作者になるようにしております。このような構図は知事への税金の還流であると考えますが、所見をお聞かせください。

 四つ目は、生駒市西松ヶ丘の砂防指定地における無許可の盛り土問題についての質問です。

 本年六月の代表質問で生駒市西松ヶ丘の盛り土問題を取り上げ、知事に質問いたしました。こちらがそのときの画像でございます。質問の内容を整理いたしますと、ブルーシートの下で複数の割れ目が発生し、土砂の流出が起こっていること、土砂災害が起これば谷を流れる薬師堂川がせきとめられます。また、隣接の住宅地にも深刻な影響を与えることが出てきます。そこで知事に対策として、盛り土の亀裂の調査、該当する住民への住民説明会、危険性が予知されるときの行政代執行などの実施を求めました。

 その後、県は亀裂の変化を地盤伸縮計により観測するとともに、盛り土の範囲や地質を把握するための土地のボーリング調査等を実施し、これまでに調査の状況等を三回の住民説明会で説明してきました。また、私の本会議の質問を受け知事は、調査の結果次第では行政代執行による対応、県単独の砂防事業による対策等を検討すると答弁されました。

 そこで知事に伺います。

 調査に着手してから半年がたちましたが、盛り土に関する調査結果に基づく具体的な対策についてお聞かせください。

 五つ目は、県立畝傍高等学校プールにおける事故の専決処分と今後の事故防止についての質問です。

 奈良県立畝傍高等学校の卒業生が水泳部の練習に参加中、飛び込み練習でプールの底に頭を打って重い障害を負いました。卒業生は、学校が安全策を怠ったためとして県を相手取り損害賠償を求めた訴訟があり、大阪高等裁判所が和解案を提示し十月十七日付で和解しました。

 その内容は、県が卒業生に一億円の和解金を支払うというものでした。一億円の和解金は、都道府県立学校管理者賠償責任保険から五千万円、県から五千万円の負担によって支払われると伺っています。私たちとしては、学校での事故の原因は何なのか、施設設備の整備が不十分だったのか等を含め、この事故を教訓に学校での事故を起こさないように生かされるべきと考えます。特にクラブ活動での熱中症によるもの、体育祭での組み体操、学校体育での柔道等での事故が頻発しています。今般新たに県立高等学校での部活動中の熱中症により補償を求める訴訟が起こっています。

 ところで、今回の和解の専決処分に当たり議員に十分な説明がありませんでした。専決処分に当たっては、事案の訴状、和解案など文書で議員にお示しいただき、事故の状況、今後の対策を検討していくべきであると考えます。

 そこで教育長に伺います。

 議会に対する十分な説明がなく、本事案に係る専決処分が行われたことについての所見並びに事故原因の分析や今後の学校での事故防止についての対応をお伺いします。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十番阪口議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭に係る随意契約でございます。

 ロゴマーク、公式ポスター原画、イメージソングの制作につきましては、昨年度に開催いたしました実行委員会総会の場で、公募するか否かも含めて審議をしていただきました。総会では、公募すれば親しみが持てるとの意見が出る一方、公募して大会の趣旨にふさわしいものができるのかなどの意見もあり、審議の結果、基本理念をしっかり反映させたものをつくるとの観点から、デザイナーに基本理念やテーマを十分に説明し理解してもらった上で制作していただくことになりました。このように大会の運営・実施に関する意思決定機関である実行委員会総会に諮り決定しており、手続上、問題はないものと考えております。

 次に、せんとくんの続投、なぜせんとくんを使ったのかということのご質問でございます。

 国民文化祭のマスコットキャラクターにつきましては、過去の開催県においても各県のマスコットキャラクターを使用することが最近の通例になっております。せんとくんは、平城遷都一三〇〇年祭のマスコットキャラクターとして制作いたしましたが、その後、奈良県のマスコットキャラクターとしてさまざまな場面で活用され、全国的にも非常に知名度が高く人気もあるキャラクターとして定着してまいりました。

 一方、国民文化祭は、現状、県内はもとより全国的にも認知度が極めて低いことから、せんとくんの高い知名度を利用して広く周知を図ることといたしました。そのデザインにつきましては、芸術・文化の祭典としての国民文化祭をより強く印象づけるため、これまでのせんとくんとは装いを異にした県内外の皆様が親しめるものが必要と考えたものでございます。変身せんとくんの登場でございます。

 このことにつきましては、昨年八月に開催いたしました第一回実行委員会総会で、はかま姿のせんとくんをマスコットキャラクターにすることを承認いただいているところでございます。現在、さまざまな機会で新たなバージョンのはかませんとくんが登場することで、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭が注目され、より高いPR効果が生じているところでございます。

 随意契約についての法律の抵触性についてのご質問がございました。

 議員お述べの財務省通知は、財務大臣が各省庁の長に、各省庁が行う入札及び契約に係る取り扱い等について通知されたものでございます。直接、地方公共団体に適用されるものではないものでございます。

 本県の随意契約取扱基準は、地方自治法施行令の趣旨に基づき定めておりますが、地方自治法施行令及びさきに述べた財務省通知におきましても、一定の条件であれば随意契約は認められております。このことから、今回のロゴマークの契約につきましても、地方自治法施行令及び県の基準の趣旨に反するようなものではないと認識しております。

 高額なロゴ業務委託は慎むべきではないかというご意見でございます。

 今回のロゴマークにつきましては、単に国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭のロゴマークであるだけでなく、大会の開催後も奈良県のロゴマークとして継続して使用し、県に経済波及効果をもたらすことを目的としております。そのためロゴマークの制作業務には、今後の奈良県の文化活動への活用を踏まえた関連商品の作成や販売などの具体的な提案も含まれており、適正な委託契約であったと思っております。

 今後は制作したロゴマークをさまざまなプロモーションに積極的に活用することで、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭への機運を盛り上げていくとともに、文化という奈良のブランド力を全国に発信していきたいと考えております。

 奈良大立山まつりについてのご質問がございました。

 まず、法律の該当性ということでございます。談合罪に抵触するのではないかと議員がみずから訴訟を起こされている事案でございます。

 まず、一つ目の法律の該当性についての質問にお答え申し上げたいと思います。入札談合等関与行為防止法第八条は、職員が、その所属する国等が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときに罰する旨が定められております。大変厳しい法律でございます。

 そのうち発注機関に関して、条項中の国等につきましては、同法第二条第四項に規定するとおり、国、地方公共団体又は特定法人でございます。今回の件は、奈良県冬季誘客イベント「大立山まつり」実行委員会が行った契約でございますので、議員お述べの法律の条項に抵触することはあり得ません。

 また職員が藪内氏と面談した件についてでございますが、大立山の材質や制作日数についての情報収集と聞いております。事業を行うに当たり、担当課において事業の企画段階から企画内容を精査し業務の仕様書等に盛り込む参考とするため、有識者等からの情報収集を行うことは通常のことでございます。このような情報収集という行為が入札等の公正を害すべき行為に当たるとは考えられません。

 次に、二つ目の質問でございます職員の復命書の不存在の理由についてお答え申し上げます。当該職員の旅行の報告につきましては、奈良県職員服務規程第十一条第三項ただし書きに規定する用務が軽易な事項である場合に該当したため、上司である当時の観光局長に口頭で復命したと聞いております。

 先ほども申し上げましたとおり、事業の担当課においては有識者等からの情報収集を繰り返すのはごく当たり前のことでございます。それらの全てを書面にすることはなく、軽易な事項として口頭復命したことは全く問題ないものと考えております。

 最後に、三つ目の藪内氏からの献金についてのご質問でございます。議員は、大立山のモチーフを四天王とすることで藪内氏が原型作成者になるように私が仕向けたと推認されておられるようでございますが、そのようなことはございません。四天王をモチーフにした経緯につきましては以前にもご説明いたしましたが、新しい冬のイベントを企画するに当たり、奈良には正月に初参りをされる方が多く、その際には家内安全や無病息災を願われる方が多いので年の初めに無病息災を祈るをテーマとしました。そして奈良のお寺にゆかりが深く、四方を守護する四天王を無病息災の象徴としてはと考え、県内各地に残る立山を由来とする大立山を制作したものであります。多くの奈良のお寺に四天王がおられますので、藪内氏とすぐに結びつくものではないと思います。

 なお藪内氏からの献金でございますが、個人の方が政治家の政治活動を支援する目的で一定の金額の範囲内で政治団体に対して寄附を行うことは政治資金規正法上認められているものであり、ご指摘の寄附もこの範囲内のものでございます。いろいろな方の政治参画をこのような形で認められているものと理解しております。

 また国や県からの補助金等を受けている会社などからの寄附は、寄附の質的制限として政治資金規正法に限定的に禁止されておりますが、藪内氏からの寄附はそのどれにも該当せず問題ないと考えているものでございます。

 次は、生駒市西松ヶ丘住宅の無許可盛り土についてのご質問でございます。調査結果についてのご質問だと理解をいたします。

 生駒市西松ヶ丘の事案は、平成二十二年六月ごろに生駒市西松ヶ丘の住宅地に隣接する砂防指定地において無許可で盛り土が行われ、盛り土上部表面に亀裂が生じたことから、住宅地にも被害が及ぶのではないかと危惧されているものでございます。盛り土された部分の亀裂が広がっている、不安だとの現地の声の高まりを受け、本年五月二十六日から連絡のとれない行為者にかわって県が盛り土の安定性を評価するための調査を実施してまいりました。調査の具体的な内容は、ボーリングや地表面波探査による地質調査、地表面や地中の変位、地中に作用する力の観測などでございます。

 これらの調査結果から、無許可盛り土の部分は地表面に亀裂を形成しながら薬師堂川の方向へ伸びていること、地中においても薬師堂川の方向にわずかながら動いていること、盛り土される以前の地形との境と想定される付近で薬師堂川へ滑り落ちようとする力が作用しているといったことが確認されました。盛り土された部分が少し下に滑り落ちる可能性があるというふうに理解できます。このような調査結果からわかりますことは、無許可盛り土の部分は変形しながら薬師堂川へ滑り落ちようとしていると思われます。このまま対策を講じなければ将来、すべり面が形成され薬師堂川に滑り落ちることが懸念されるという調査の結果が出ております。無許可盛り土の部分は約二千立方メートルございますが、薬師堂川に滑り落ちるといたしますと下流の人家や市道に土砂が流れ出すおそれがございます。

 連絡のとれない行為者に対しましては、公示送達の手続を経て是正命令の監督処分を行いました。しかし現状では行為者が是正命令に従うことは期待できませんので、県が行為者にかわって対策を実施いたします行政代執行も視野に、具体的な対策の方法や実施する範囲の確定に向けた検討に着手してまいりたいと考えております。

 以上が私に対するご質問の答えでございます。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十番阪口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、県立畝傍高等学校プールにおける飛び込み事故に係る専決処分と今後の事故防止についてのお尋ねでございます。

 県立畝傍高等学校の水泳部に所属しておりました卒業生が、平成二十四年の夏に同校プールで飛び込み事故に遭い、提起した訴訟の第一審判決が本年四月にありましたが、原告の同卒業生はその判決を不服として控訴されました。

 県としては、控訴人が提示した県の過失割合などが過大であったことから、再度、司法の判断に委ねるため八月十二日付で附帯控訴を行い、さきの九月定例県議会において専決処分の承認をいただいたところでございます。

 一方、今回の和解は、大阪高等裁判所から提示された和解案を根拠とするものでございまして、九月十六日に県の代理人弁護士を通して受理いたしました。県としては、本和解案は司法が下した公式見解であることから県の顧問弁護士等とも相談し、当和解案は県の主張が相当程度認められたものであると考えておりました。

 この後、九月定例県議会終了後の十月十一日に原告が和解に応じる意向であることが判明したことから、和解の成立要件が整い、大阪高等裁判所が提示いたしました和解期日である十月十七日に和解が成立いたしました。このような経緯のもと専決に至ったわけでございますが、今後ともより丁寧かつ詳細な説明に努めてまいります。

 また事故原因及び防止対策につきましては、第一審の判決後の五月に開催いたしました県内国公私立の全小・中・高等学校等を対象とする学校体育担当者会議や水泳プール安全衛生管理講習会などの場において、飛び込み事故防止を含めた学校プールの安全対策に関する注意喚起を行いました。さらに今回の事故を重く受けとめ、県立学校や市町村立学校に対してプールの安全確保に関する文書通知を五月末に行うとともに、一層の安全管理に万全を期するため各県立学校のプールサイド等にプールの安全等に関する看板を設置いたしました。

 県教育委員会といたしましては、二度とこのような事故を起こさないために、今後、プールを含む学校事故を分析し安全対策に注力してまいる所存でございます。

 どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 私が質問いたしましたのは、国民文化祭でのロゴマーク、公式ポスターで随意契約で奈良県在住の方が応募する機会が奪われたと、それについての答弁はなかったかと思います。質問に対して答弁が成り立っていない。見ていただいたらわかるように、これ全て随意契約です。公式ポスターの絹谷氏は、現在、奈良県が進めています奈良県国際芸術家村構想等検討委員会の副委員長でございます。知事の知り合いでなければ、このようなロゴマーク、公式ポスター、イメージソング等に選考されないのかと私は疑っておりますが、その点につきましてお聞きします。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ロゴマーク、イメージソングなどのご質問がございましたが、ロゴマークは水野学さん、この人は私は会ったことがございません。それから公式ポスターの絹谷幸二さんは、奈良県出身でございますので、以前から存じ上げております。イメージソングの新井満さんは、今まで存じ上げませんでしたが、平城遷都一三〇〇年祭でしたか、奈良県のことをしていただいたので、そのとき存じ上げた方でございます。藪内さんは、仏像についてのことをされまして、とにかくせんとくんの制作者。せんとくんは私が知事になる前に選ばれておりますが、そのような関係で知っておる方でございます。

 繰り返しますが、水野学さんはまだ会ったことがございません。新井満さんは仕事の上で会った方でございます。奈良県にゆかりのあるという観点からは、水野学さんは県内企業のアートディレクターとしてブランディング展開を手がけて、仕事を展開していただいていると聞いております。絹谷さんは奈良県出身でございます。新井満さんは、奈良をテーマにした曲をこれまで制作していただいたと聞いております。また藪内氏はせんとくんの制作者で、一身専属的な権利である著作者人格権を有するから契約相手方とされたと聞いております。いずれも私の個人的な関係とは全く関係のないものでございます。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 知事は、実行委員会で十分に審議されたと。私、この実行委員会の議事録を見ました。十分に審議されてないのですね。もうせんとくんありきで提案をなされていると。以前もせんとくんですし、いろいろな方に公募を募るというのも、盛り上がる一つの方法ではないかというふうに思います。

 もう一つは、透明性がないと。私がここで三百万円であるというのは、該当する職員に聞きただしてわかったのです。ホームページにもアップされていない。議事録にも書いていない。収支報告書にも書いていない。非常に不明朗な支出だと思います。今後、ホームページ等にきっちりその詳細をアップしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) まず、十分議論されたかという点は、私は議長をしておりましたので、私は随分の方に名指しで当てさせていただきました。ある面、実行委員会でさっと通ったという印象は全くございません。

 透明性につきましては、フルオープンでございましたし、マスコミの方は出入り自由でございました。マスコミの代表の方が実行委員になっておられますので、隠れてやったということでは全くない実行委員会でございます。その後の報告が見ようにも見れないではないかというので、それは透明性とまた違いまして、ちゃんと報告がなされて、十分、後でフォローできるような報告がないのではないかという類いのクレームであるようにご理解いたします。それについては、このような観点のご質問があることからして議事録を正確に、あるいは詳細につくるようにというのは、マスコミにフルオープンさせていただいていますので、議事録を簡素にするという観点でなく、ちゃんとつくるようにということは心がけていきたいと思いますが、透明性がないということには、そのようなことは全くないと申し上げさせていただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) これ以上、論議してもあれなので、私は感じている印象は、知事がこういうデザイナー、画家等を決めていくに当たって口ききをしている印象を持っているわけですね。議員の口ききは非常に問題になります。知事の口ききについて私は問題だというふうな印象、感じを持っているということで、次のロゴマークのほうに移らせていただきます。

 地方自治法施行令に抵触しないと。これは先ほども詳細にわたって説明したわけですね。本県は地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第二号(イ)の準用をしているわけです。それについても、県幹部が構成員とする会議で承認されている場合はいいと。それであれば、何でも随意契約できるわけですね。やはり国の流れはこうであるということを私は説明しています。実行委員会は県と別の組織であると説明されましたが、実行委員会は県職員が入っている。それから、このときの収支報告書、県の負担金が約一千三百万円。全て県の負担金です。それから、従事する職員は県の給与から支給されております。ですから県と別組織であるから関係ないというのは、説明としては県民には納得できないのではないかと思います。

 以上、二点でございます。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 随意契約について、いろいろな法律、随意契約はあまり勧められないよということもおっしゃいましたので、流れはそうだというのと法律に違反するというのは全く違いますよね。法律に違反すると提訴されて、流れはこうだからというので裁判は行われませんよね。法律に違反というのは、厳密な構成要件が必要でございますので、それを踏まえて提訴されているのではないかと思いますが、裁判にかかわる係争上の論点でございますので、ここで議員と論争してもしようがない話だと思っておりますが、流れがこうだからというのと疑いを持たれるのはご自由でございますけれども、法律に違反するというのは最終的には司法が判断して、先ほど提示されました官製談合禁止の条項は大変厳しいものでございますので、その法律に違反するかどうかは大変重大な訴訟だと私は思っております。流れがこうだから法律違反だということでは全くないというふうに思います。

 それと、別組織でなくて県庁の私が司会している、知事が支配する組織的なものではないかというような観点のご質問だと思います。組織的には全く別でございますし、大体メンバーが私の支配できない、県庁の職員も事務方も入っておりますが、来られた方はマスコミの方であり、会社の方であり、私がどうこうという手が届かない方ばかりを実行委員会に入れるのが通常でございます。そのような方々の意見を伺いながら、お金は県が出しておりますが、合意をいただくというのが議長の私の役目でございます。公正な、なるべく多くの方に意見を言ってもらうように当たりましたし、先ほど申し上げました全くのフルオープンでございますので、来ていただくとわかりますし、県議会からも参加していただくのが通例でございます。いろいろな印象を持たれるのはもちろんご自由でございますが、いずれにしても間接情報ではないかと私は今のご意見を聞いて思います。直接そこに来られると実行委員会を私が支配しているなんていうことは全くないと私の立場からは申し上げさせていただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) ロゴマークにつきましては、大会が終わってからも継続して使用すると。経済波及効果と言われましたが、そうしましたらこのロゴマークにつきまして、経済波及効果を何億円見込んでおられるのか。またロゴマークを企業なり文化団体がPR活動に使用するとするならば、使用に伴う届出及び承認申請を何件見込んでおられるのか、お聞きしたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ロゴマークは将来使うし、契約金額の妥当性にも関係するという論点であろうかと思います。ロゴマークの契約金額の妥当性につきましては、著名な方あるいは制作能力の高い方にこのような制作物を頼むと、ある程度高くなるのは通常でございます。それが効果がある金額かどうかというのは検証していく必要があろうかと思いますが、常識的に考えましてもこのロゴマークをつくっていただいた方の契約金額は、将来の効用、また制作のレベルについて妥当だというふうに私は思っております。

 これも、契約金額の妥当性について議員は原告として訴訟を起こされておりますので、ここで言い争うことは差し控えさせていただきたいと思います。今の論点についても裁判の判決が出てくるものと思っております。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 他県のロゴマークのデザインはこのような感じになっております。秋田県のデザインは、秋田県と人の形を合わせております。大分県のデザインは、野点傘の下に文字、大茶会にさまざまな文化や人が集まるということを表現しています。それぞれ趣があり、公募によることでこのデザインが五万円の値打ちしかない、劣るということは考えられないと思いますが、知事はこのようなデザインにつきましてどのようにお考えなのか、お聞きします。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ロゴマークの制作費に大分安いのがあると。それは、いいのもあるではないか、いいではないかということについては、私は言う立場にありませんが、ロゴマークが安いのがあるからといって多少高い五百万円の発注をしたら違法だということは言えないのではないですか。安いのがあるから高いのが違法だというような言い方はできないのではないですか。その点だけははっきりとお答えしておきたいと思います。安いのにいいのがあるから、高いのが悪いという言い方はできないと思いますよ。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 質問と答弁が全く違いますね。デザインの応募について、このデザインについてどのように思われているのか、知事の感性をお聞きしているわけでございます。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 奈良県の発注したデザインは本当にいいデザインだと私は思っております。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 時間がないので、次の質問に入ります。

 入札談合のことでございますけれども、知事はこの該当する職員がほかにも行っていると、積算根拠を聞きに行ったというふうなことをおっしゃいましたが、私は三カ月分の出張命令簿等を開示請求しております。その間、ほかに行った形跡はあまり見られないというふうなことでございます。それにつきまして、私はここに行って、九月十六日、藪内佐斗司氏と面談して入札談合等関与行為防止法に抵触するようなことをしたのだということを言っておるわけでございます。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 職員が行って入札談合だろうと私に聞かれても困りますよね。そういうことはないと思います。私に聞かれた返事としては、ここで答弁しないといけないとおっしゃるので答弁しますけれど、そういうことはないと思います。これは裁判所で入札談合かどうか、あれほど厳しい法律ですから、それを提訴されていますので、提訴されてここで認めろというのは、やり方としてはあろうかと思いますけれども、またちょっと違う話ではないかというふうに思います。職員が行って、その行政手続として報告したかというのは、ちゃんと口頭報告で遺漏のない報告であったと聞いておりますので、それ以上のことを、行ってどういう話をしたのか、談合罪になってるぞということを聞かれてもお答えのしようがないというふうにお答え申し上げておきます。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 知事は勘違いされていると思うのですね。まだ提訴していません。監査請求を出しました。奈良地方検察庁に十一月四日に告発はしました。監査結果が却下でしたので、提訴する予定だということでございます。

 それから復命書のことでございますが、大立山の委託業務契約は一億五千万円かけているわけですね。それが軽微な事項なのか。本県の冬季の最大のイベントなので軽微な事項だと私は思わないわけですが、そこにつきましてお聞きします。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 訴訟と別であれば、また行政手続の。訴訟するのにここで何か言わせるということであれば、それはちょっと。訴訟をもうしないからここでちゃんと言えよというのだったら、また違う話だと思います。これが訴訟するから、やった行為が談合罪になるような話というのは、私はそういうことは生涯したことがございませんので、できない相談でございます。だから職員のことがどうだというのを訴訟に係る話だから、私はもうお答えするのをやめさせていただきます。この場におきましてはということをお答えにさせていただきます。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 復命書についてお聞きしておりますが、さらに。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 訴訟の中でまたご判断、議論があろうかと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 復命書は、出張したら必ず出すべきものだと思うのですね。九月十六日には該当する次長だけではないのです。こちらの調査では複数人行っていると。課長につきましても、出張命令簿や復命書の開示請求をいたしましたが、記載されていないのですね。いいかげんなことをしていけばチェック機能が麻痺していくと考えますが、それについてはどうでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 訴訟と関係なく、行政手続上の瑕疵があるのではないかということでお答えしたいと思います。復命書というのが存在しないと復命したことにならないのではないかというご質問、ご意見の趣旨だと思いますが、先ほどお答えいたしましたが奈良県職員服務規程第十一条第三項ただし書きに用務が軽易な事項である場合に該当すると復命書はない、口頭復命でいいということになっております。口頭復命が世の中で認められていないなら、復命書は存在していないと復命していないと言えるぞと。復命したことは確かでございますので、その点は重ねてお答えしておきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 出張された方が冬季イベントの奈良大立山まつりの選考委員にもなられているわけですね。五人のうち一人です。ほかも行かれているので二人かもわかりません。そして採点等をされているという実態でございます。その方がどのように出張したのか。服務規程によりますと、復命書には旅行先、用務、期間、概要等を記載するというふうに書いております。私は十分調べてこの議会に上がっております。こちらとしましては、出張した担当の職員に復命書を記載していただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 観光局長に口頭復命をしたわけでございます。観光局長にお聞きになりましたですか。書類が要りますか。観光局長にどういう復命があったかと聞いていただくとすぐにわかる話であります。うそはつかないと思いますが。それでは不十分でございますか。簡易な復命が認められている以上、残業のこともありますし、余計な手間をかけないで復命することは行政事務でいいことでもあると思いますが。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 私は、奈良県が規則をきっちり守っていくべきだというふうなことで発言をしているわけで、観光局長に聞けとか知事に聞けとか、そういうことは少しおかしいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 質問になっているかどうかわからないと私は思いますけれど。口頭復命が認められているので、事務が欠けているということはないと申し上げておりますので、その点はよくご理解賜りたいと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 時間の関係で、藪内氏からの税金の還流についてでございますが、問題ないとおっしゃられましたが、道義的にはどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 私の政治資金はそんなに豊富ではありませんけれども、いろいろな方から折に触れて献金もいただく。わずかでございますが、三千円の年会費のこととパーティーを年一回させていただくということでございます。そういう献金があったということも私は存じなかった次第でございます。いろいろな知り合いからこれまで折に触れて献金をいただくのを、仕事が結果的に発生したらどのようにすればいいのですかね。道義的にという主観的な私の気持ちで何かやましいことがあるのではないかと、全くありません。全くないというふうに申し上げておきたいと思います。お疑いされるのはご自由でございますけれども、何かお返しをしたのではないかという疑いを県民の皆様に持たれても、私の気持ちからそんなことは全くないのに、そういうことをされたことを知らない方にこの業務委託が行ってしまったということだけでございます。そのような気持ちであるということを申し上げさせていただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 過去五年間の収支報告書を詳細に調べました。知事がわからないと言われるのも、いっぱいありますので。そこで聞いていますのは、今回こういうことを指摘されていますので、その献金を返すか、もしくは、そういう献金を受けている人に仕事を発注することについてどういうふうに考えるのかということをお聞きしているわけでございます。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 議員お述べになりました今のお話でしたら、一年に一万円、合計三万円でしょうか、いただいたそのお返しということになれば、何かすごく大きなお返しをしたように思われますけれども、そういう経緯ではないのですよね。何とお答えしていいかわからないようなことでありますけれども、我々、発注ということであれば県の仕事の発注はたくさんありますので、今までに献金された人をさかのぼって三千円でも献金された人が、個人的な献金なり後援会費でありますが、その方が仕事をしたらどうすればいいのか。仕事をしたらお返しだと言われたら、多少片腹痛いなというふうに思いますけれども、政治的なマターでもありますので、そのような場合は県知事としてどのように、献金が個人の献金は一切ないようにという法律になれば、そういうことは起こらないわけでございますけれど、ある程度、政治参加ということを認められているのが日本でございます。政治参加が認められている中で、私の立場であれば発注業務もいろいろ行われるというのが実情でございますので、少なくとも献金があったから発注した、一万円献金があったら幾らですか、この何百万円かの発注をするということは全くないということは申し上げておきたいと思います。それをどのように理屈立ててご理解いただけるのかはわかりませんし、何とも言いようがないというのが正直なお答えでございます。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 公職選挙法の視点で質問いたしますが、公職選挙法では当該地方公共団体と請負その他特別な利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し寄附をしてはならないと規定しております。この献金が定期的にされているとなると不適切な献金と私は考えますが、公職選挙法につきましてどのようにご理解されているのか、お聞きします。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 公職選挙法になりますと、例えば藪内さんは私に投票する権利はない方でございます。水野さんもそうでございまして、絹谷さんでもそうでございます。県内に発注すると、逆に疑われるのではないですか。県内在住者に県知事が発注すると、選挙目当てであいつに発注したと言われるのをむしろ私は恐れますけれどね。そういう感覚はおありにならないでしょうか。むしろ県外の人の方がそういう公職選挙法的なおそれは全くないですから。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 当初から質問を非常に理解されていないのではないかと。私は、国民文化祭は地域の文化の振興であると思っております。そういう意味でいうと、地域の画家やデザイナーやそういう方を育成していく視点が必要ではないかというふうに考えておりますが、いかがお考えでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 後の誰に発注するかと結びつけられなければ、国民文化祭ですから、奈良県文化祭は大芸術祭をやっていますので、国民の文化を奨励する役目を奈良県がいただいたということでございます。県のお役目として事業を進めるとともに、国民の文化をこの年は奈良県が請け負わせていただいているという観点が必要でございますので、その兼ね合いということになります。国民の文化というのは何かということは、もう一つ重要なことでございますし、地域の郷土文化だけの国民文化祭というのはちょっと偏っていると私は思います。国民文化の発祥の地、始まりの地でありますので、その点を結果的に奈良の文化の奥深さを喧伝することになればというふうに思いますが、ロゴマークなりあれを奈良県在住の人がやったやらないということを超えるような、大事な県のいろいろな歴史文化の源流をたどりながら、ここまで来た国民の文化の称揚をしようというお祭りであろうかと思いますので、そのような趣旨にはかなっているような今までの進行ではあるように私は感じております。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 時間の関係で次の質問に入りますが、生駒市西松ヶ丘の住宅地における盛り土問題でございます。確認でございますが、この谷川に土が動いているということで、この谷の薬師堂川に土砂が流れ込む可能性があるという確認でよろしいでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) そういうことですね。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 知事は以前も行政代執行等を視野にという答弁をされました。そこで、今回は行為者が是正しない場合はかなりの責任を持って県が対応するという、もう少し踏み込んだ答弁だというふうに理解をしていいのでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 踏み込んだかどうかはご判断でございますけれども、繰り返しになりますが、行政代執行をするかどうかは要件がございます。まず違法盛り土で盛り土を積んだだけでございますと、それは違法でございます。それが隣地なり、今度は上のほうにはあまり迷惑がかからない、下のほうに迷惑がかかるという盛り土の流れぐあいであるように思いますけれども、そのときの安全性確保をどうするかという課題でございます。それを行政代執行を視野に入れて、まだ決めておりませんが、視野に入れてというのは、その違法盛り土をした人がわかりました、直しますよと言ってくれればそれで済むわけですけれども、ご案内のように、是正命令を出してその命令をするかどうかの判断が間もなくわかりますが、命じたのに義務者、盛り土をした人が執行しない場合であるということと、それをほっておくと公益を害する、土が流れて川が埋まるとか道路が埋まると、その二つの要件がある場合には行政代執行の要件を満たすわけでございます。この法律上の要件を満たさないとできないわけでございます。

 一歩進んだとご判断していただいても結構でございますけれども、順次の手続を踏んできておるものでございますので、その是正命令をご本人がされないということがわかりますのは、来年の一月十六日までの是正計画の提出を求めております。一月十六日が済みますと行為者が是正命令を履行する意思がないとみなすことができるので、法律の第一項のやる意思がない、やらないということが判明するという状況判断になろうかということが一つの要素でございます。



○副議長(小泉米造) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) この件でございますが、行為者との関係もございますが、最終的に来年度のいつごろに県の案が出るのか、それと、市の管理する河川でございますので市との連携も必要かと思いますが、いかがでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今、手続で来年の一月十六日までに是正命令を履行する意思がないということがその時点で判明いたしますと、その後、具体的な対策の方法や実施する範囲について検討を進める必要がございます。一月十六日でございますので、そこからどのような行為をするということを検討していくことになろうかということを視野に入れているということでございます。具体的な方法でいつするのかということにつきましては、まだそのような段階でございますので、今の時点でこのように工事がいつ始まるよということを申し上げられる段階にはございません。



○副議長(小泉米造) 次に、四十二番今井光子議員に発言を許します。−−四十二番今井光子議員。(拍手)



◆四十二番(今井光子) (登壇)大変お疲れでございますが、もうしばらくおつき合いをお願いしたいと思います。北葛城郡選挙区選出の今井光子でございます。私は、日本共産党を代表して質問をさせていただきます。

 アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利しました。格差と貧困が進行し中間層が没落する中で、アメリカ社会の深部に大きな変化が起きていたことがわかりました。その変化は、我が国においても奈良県にも起きています。足元にじわじわ迫る貧困と将来の不安をただすために地方政治が本来するべきことは何か、県民が安心して住み続けられる持続可能な奈良県を築く立場で質問をさせていただきます。

 初めに、自衛隊の駆けつけ警護について、知事にお伺いします。

 安倍内閣は、十一月十五日の閣議決定で南スーダンに派遣する部隊に駆けつけ警護、宿営地共同防護を加え、二十日、先遣隊として青森の第十一次隊百三十人が出発し、十二日から新たな任務が始まります。ことしの夏、青森で自衛隊ねぶたを見てきました。隊員とその家族、子どもたちが一緒になって楽しんでいました。隊員は出発前の壮行会で、手足を失うことがないよう半年後必ず無事に帰ってきますと語っています。

 今の自衛隊員は服務の宣誓をして入隊しています。そこには、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、中略、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓いますと書かれています。

 南スーダンでは、七月に首都における大規模戦闘で数百人が死亡した後も戦闘が続いています。十一月一日に発表された国連特別調査報告書では、大統領派と副大統領派が昨年八月に結んだ和平合意は崩壊したと断定しており、政府や安倍政権は、戦闘ではなく衝突だ、PKO参加五原則などを挙げ自衛隊派兵を合理化しておりますが、その言い分は完全に破綻しています。PKO参加五原則では、停戦の合意があること、受け入れ先の政府が同意をしていることなどがございますが、同報告書は国連施設などへの攻撃に政府軍が関与したことも明確になっており、コンゴのPKOの部隊は七月に百人が撤退いたしました。自衛隊に新任務を付与し任務遂行のための武器の使用を認めれば、自衛隊が南スーダン政府軍と戦闘を行うという危険極まりない道に足を踏み出すことになります。殺し殺される危機も現実のものになります。

 そこで知事にお伺いします。

 安倍政権になって軍事費は伸び続け、ついに五兆円を超え社会保障や地方自治体に大きな影響を及ぼしています。知事は、地方行政の責任者として自衛隊の撤退と憲法の範囲内での平和的支援を行うように国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また奈良県と五條市、県南部の三町八村は、十月三十一日、奈良県南部陸上自衛隊駐屯地誘致推進協議会を設立し、駐屯地の誘致に関する要望書を防衛省に提出することを全会一致で可決したと聞いておりますが、要望はいつ提出されたのでしょうか。また要望に対する防衛省の見解はどのようなものだったか、お伺いいたします。

 次に、祭りとイベントと地域の活性化について知事にお伺いします。

 奈良県では年間を通じていつでもどこでも何かイベントが行われ、おもしろくなってきたという声が聞かれるようになりました。一方で、自治体で働く職員や住民がそのたびに動員をされて大変だという声も聞くようになっています。十月に行われた葛城市の市長選挙は、現職にかわり新人が当選されました。翌日の奈良新聞のコメントでは、新人候補が現職の政策をイベント中心のまちおこしとして税金を投入し続けにぎわう政策から、真面目なまちづくりへの転換を訴えた点も市民に受け入れられたと解説されていました。

 秋の平城京天平祭では、ブルーインパルスが飛行する問題で、過去に事故を起こして危険であることや世界遺産上空を飛ぶのはやめるようにと私は決算審査特別委員会で取り上げました。しかし、県では中止を求めるどころか、平城京天平祭の一つのイベントとして組み込まれました。平城京天平祭の今年度予算は二億五千五百万円が使われていました。

 昨年、奈良大立山まつりを始めるに当たり二億円、さらには今年度、補正予算で四千万円が投入されております。新聞広告でも既にこの奈良大立山まつりのことが全面広告で紹介されております。

 私は、この夏、県が奈良大立山まつりの大立山の参考にされたという、青森のねぶた祭をはじめとする東北の四大祭りを見に行ってきました。ねぶたは、七夕祭りの灯籠流しが起源と言われ国の重要無形民俗文化財に指定されております。起源は定かではありません。中国渡来の七夕に古来から津軽にあった習俗と灯籠流し、人形虫送りの行事が一体化し、紙と竹、ろうそくが灯籠になり、それが変化して人形や扇ねぶたになったと言われております。現在の祭りは昭和二十一年から始まり、何年参加しているかの札がつけられています。一番長い七十年賞のねぶたを人々は褒めたたえておりました。

 勇壮華麗なねぶた、乱舞する跳人、夜空に響くねぶた囃子が三位一体になって、現在は毎年二十二台程度が制作され、その費用は、制作、運行、祭り期間中の経費を含め一台二千万円、ねぶたそのものは四百万円から五百万円と言われています。一台のねぶたに対して子どもねぶた、お囃子隊、跳人と言われる踊り子がセットになってまちの中心地を練り歩きます。沿道には有料の観覧席も設けられ、一席二千五百円の席が旅行会社などで取り合いになる好評ぶりです。見てもらおうとつくるのではなく、つくりたいからつくっていると言っておりました。観光客を呼ぶためにつくられた奈良大立山まつりとは違います。観覧席の拍手が大きいとねぶたの正面を見学席に向けてくれます。跳人のつけた鈴をもらうといいことがあると言われ、落ちた鈴を拾ってと声をかければ観客席に投げ込んでくれます。観客との一体感が生まれています。

 また、ねぶたに参加したければ五千円ほどの衣装を購入して参加することができ、地元の経済効果につながっています。県庁ねぶたがあったので、県は幾ら費用をかけておりますかと聞きましたら、互助会で出していて県は出していませんと言われました。ねぶたは最終日に審査をして、入賞したものを灯籠として船で浮かべます。終わると全て壊して、また来年は新しいねぶたをつくります。地域を挙げての祭典です。

 弘前大学の寺田良介氏の分析では、平成二十一年の青森ねぶた祭の最終需要額は約五百六十八億円。主催者発表によりますと、青森ねぶた祭は開催期間が六日で、入り込み客数が三百二十万人であり、青森県のGDP約四兆四千七百五十一億円、平成二十年度であるために、青森ねぶた祭の開催に伴ってGDPを〇・七五%押し上げる効果があるとされております。

 そこで知事にお尋ねします。

 平城宮跡で行われた平城京天平祭、奈良大立山まつりでは、昨年度四億六千万円の県予算が使われておりますが、これらのイベントでどれぐらいの経済効果や集客効果があったのでしょうか。

 また平城京天平祭や奈良大立山まつりは、県が費用を負担して実施しているイベントですが、私は、本来のお祭りは、青森のねぶた祭のように民間が自立して実施するものと考えます。行政主体のイベントはお金がかけられなくなれば存続できません。そのときに多くの人の心が集まって続いていくようなものが後世に引き継がれていくのではないでしょうか。

 そこで、知事に伺います。

 元観光庁の長官で、現在、大阪観光局長の溝畑宏さんは、訪れる人、迎える人、その地域の人々が幸せにならなくては観光とは言えないと言っておりました。奈良の観光もこの視点から見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、部落差別の解消の推進に関する法律案について、知事に伺います。

 去る十一月十七日に開かれた衆議院本会議におきまして、部落差別の解消の推進に関する法律案、いわゆる部落差別永久化法案が可決され、現在、参議院において審議されています。二〇〇二年に特別措置法としての同和対策事業が終結したにもかかわらず、時代に逆行する法案がなぜ出てきたのかが疑問です。この内容は、定義が不可能な部落差別をもとに実態調査や教育啓発、相談体制を地方公共団体に押しつける危険な内容です。

 かつて奈良県でも旧同和地区の地区改良事業によって住環境は改善されました。地区内外の住民の交流や住居の自由、職業選択の自由、若者の結婚観も大きく変わるなど、さま変わりしてきました。この法案が復活すれば、同和行政も復活促進する口実につながります。法案では部落差別の実態調査を求めていますが、既に行政上の同和地区はどこにもありません。こうした中で行政が旧身分や旧同和地区を特定することは、それ自体が重大な人権侵害になります。部落差別の掘り起こしになります。実態がない中で部落差別があると思いますかといった調査が行われれば、行政が住民の心の中に介入することになります。憲法が保障する内心の自由を侵してはなりません。

 法案は、結婚就職差別に加えてインターネット上の悪質な差別書き込みを理由にしておりますが、平成二十七年における法務省人権擁護局の統計調査によりますと、人権を侵害されたという被害者からの申し出を受け、救済手続を開始した人権侵犯事件で、差別待遇に分類したもののうち同和問題に関する事件数は全体の〇・六%に過ぎず、人権侵害を行った者に対して改善を求める説示を必要としたのは二件になっています。悪質で深刻な差別の実態があるとは言えず、いわゆるプロバイダ責任制限法に基づいて削除するなどで対応できる課題です。

 そこで、知事にお尋ねします。

 新たな部落差別をつくる危険な法案は廃案にするべきと考えますが、いかがでしょうか。

 橿原市では人権問題に関する市民意識調査が行われ、問いの中に同和地区や部落出身という言葉が出てきます。部落問題は、私が奈良県に来たきっかけでもありました。永久になくならないと思っていたものが社会の発展の中で解放の方向に向かっていると知ったときに、私でもできることがあるのではないかとソーシャルワーカーとして働くために奈良県に参りました。

 かつて全国部落解放運動連絡会は、部落問題の解決の方向を、一、生活環境、労働、教育など、周辺地域との格差が是正されること。二、部落問題に関する非科学的認識や偏見に基づく言動がその地域で受け入れられない状況が生み出されること。三、部落差別にかかわり、住民の生活態度、慣習に見られる閉鎖性が克服されること。四、地域社会で自由な社会交流、つき合いが実現することと規定しました。

 そこで、荒井知事に伺います。

 奈良県では同和対策特別措置法の終結に際して、どのような総括をされたのか、お聞かせください。

 次に、過労死を生み出さない働き方改革についてお尋ねします。

 女性が輝く社会、働き方改革を宣伝する中で、大手広告代理店、株式会社電通の過労自殺事件が発覚しました。高橋まつりさんは、頑張って東京大学に入り、あこがれの職場で新入社員として輝いて活動するはずの人生が二十四歳で断ち切られたのです。SNSの書き込みでは、うわさに聞いていた四十七時帰宅、もう四時だ、体が震えるよ、死ぬ、もう無理そう、疲れたと残しました。名立たる大企業の驚くべき無法と人権侵害が衝撃を与えています。働くことが死につながるのは異常です。九月三十日、ようやく労災が認定されましたが、高橋まつりさんは帰ってきません。

 労働時間は一日八時間、週四十時間までが原則です。しかし労働基準法第三十六条では、例外規定として、労使で三六協定を結べば時間外労働ができる抜け穴になっています。株式会社電通では月七十時間になっていましたが、高橋まつりさんの場合は、過労死ライン八十時間をはるかに超える百五時間にもなっていました。高橋まつりさんは、上司の指示で業務時間報告書には実際より少ない六十九・五時間から六十九・九時間と入力させられていました。

 そこで知事にお尋ねします。

 奈良県庁の職場における三六協定では何時間を上限にしているのでしょうか。まだ三六協定を結んでいない職場は、何が課題で協定を締結していないのでしょうか。その実態を伺います。

 昨年九月議会と三月の予算審査特別委員会で私は県庁の職場の電気が消えないことを問題にしました。県が出した支給割合一〇〇分の一五〇の超過勤務手当支給の実態は、十二月で十八職場、五十八人、二千三百九十八時間、一月が十六職場、七十四人、二千二百六十四時間、二月が十一職場、五十六人、一千五百五十二時間であることがわかりました。この時間が全て平日二十二時から翌朝の五時までの間とした場合に、昨年の十二月では、十七時十五分以降二十二時までの四時間四十五分をプラスいたしますと七千六百三十二時間になり、一人平均が百三十一・六時間と過労死ライン八十時間をはるかに超えております。いつ過労死が起きてもおかしくない実態が浮き彫りになりました。

 そこで知事に伺います。

 長時間労働をなくすために県はどのような改革に取り組んでいるのか、お聞かせください。

 次に、教員についてですが、学校の部活動については、大阪府が週一回の休みをとることを決めました。教員については奈良教育新聞の春闘アンケートでも、一日十二時間労働は当たり前、きょうは早いなと思って午後八時に学校を出た。どこまでが教師の仕事なのだろう。長時間労働が蔓延しているというような職場の声が紹介されております。そんな中で、体がもたないと心配していると感じている方は七九・四%、これでは心の病気になるかもしれないと思っている方が六三・九%という深刻な状況が出ておりました。

 大阪府は、十八日、全府立高等学校・支援学校百八十二校に対し、来年四月から部活動を行わない日を週一回以上設けるよう義務づけると発表しました。府立学校で二〇一一年度、勤務時間外に月八十時間を超えて学校にいた職員について調べたところ、時間外業務の五五%を部活動が占めていることがわかりました。

 文部科学省は週一回部活動の休みをとるように努力することを呼びかけましたが、実際には周りの目が気になり実行が困難であるとの声も聞いております。

 そこで教育長にお伺いします。

 奈良県におきましても、教員の長時間労働をなくすために部活動の実態を把握した上で、週一回以上の部活動を行わない日を義務化するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、就学援助制度について教育長にお尋ねします。

 子どもの貧困が社会問題になっております。六人に一人が貧困と言われておりますが、それに拍車をかけるのが入学準備金です。国の就学援助の単価表では新入学児童生徒学用品費として、小学校入学は二万四百七十円、中学校入学は二万三千五百五十円となっています。新日本婦人の会のアンケート調査では、入学準備費は、小学校で平均五万四千五百四十円、中学校では平均七万八千四百九十二円と、国の就学援助単価を大きく上回っています。金額が少ない上に、支給されるのは前年度所得が確定してから七月ごろにならなければお金を受け取ることができません。しかし、新入学前の三月には準備が必要なお金になります。これがどこかで工面できればいいのですが、それができないために生活が脅かされ、死にたいという電話相談までいただいたことがありました。その間の家計のやりくりは想像を超えるものがあります。

 王寺町では来年からその支給を三月に行う予定と聞いております。経済的理由により就学が困難な児童生徒に対する市町村の就学援助は、教育の機会均等の精神に基づき、全ての児童生徒が義務教育を円滑に受けることができるように配慮して実施するべきものと考えます。行政から見れば、支給を早めるだけで予算が特にかかることではありません。一方で、貧困家庭においては、それがどれほど家計の助けになるかわかりません。そのことで、うれしいはずの新入学が子どもの心にも大きな不安になっていたことが解消されます。

 そこで教育長に伺います。

 就学援助制度のうち、特に新入学児童生徒学用品費について、実施主体である市町村は、保護者への支給金額及び支給時期を実態に見合うように見直すべきと考えます。この点について教育長のお考えをお聞かせください。

 最後に、後期高齢者医療制度について健康福祉部長にお伺いします。

 後期高齢者医療制度ができて八年になりました。それまでの老人保健法を名前ごと変更して、七十五歳以上の高齢者と六十五歳以上の障害者の方を対象にした保険制度です。安倍内閣は、社会保障の自然増を三年間で一・五兆円程度抑える方針を閣議決定しました。その標的になるのが高齢者の医療、介護です。

 政府は、後期高齢者医療では、低所得や扶養家族だった人の保険料の特例措置を二〇一七年度から段階的に廃止することを検討しています。廃止された場合、保険料は八・五割軽減の場合で二倍、九割軽減の場合で三倍、健康保険の被扶養者だった九割軽減の人で五倍となり、さらには三年目から十倍に引き上げられます。

 奈良県では、健康保険の被扶養者だった九割軽減の人で年金収入が八十万円以下の場合、保険料は現在の年額四千四百円から三年後には四万四千八百円にはね上がります。後期高齢者の年金収入の現状は、平均が約百二十六万円で、基礎年金満額の八十万円以下が四割を占めています。この層はほかの収入がないのが圧倒的で、さらにその半数近くは五十万円以下、月々五万円に満たない年金で暮らしております。こんなぎりぎりの人を含めて低年金の高齢者に負担増を押しつけるのは許されないことです。

 奈良県で二〇一五年七月現在、八万八千百八十人が特例措置の減免対象になっております。そこで、健康福祉部長にお伺いします。

 国民皆保険の一環である以上、全員が無理なく保険料を納め、全員が給付を受けられるように特例措置は必要です。保険料の軽減特例措置の廃止や高額療養費の自己負担限度額の引き上げなど、受診抑制につながるような改悪をやめるように国に働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十二番今井議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、自衛隊の駆けつけ警護でございます。

 議員お述べのとおり、先般、国際連合南スーダン共和国ミッションに派遣される自衛隊の部隊について、駆けつけ警護などの任務が付与されたところでございます。ご苦労さまだと思っております。無事に任務を全うされることを祈るばかりでございます。

 議員は、自衛隊の撤退を国に訴えろというご質問でございますが、自衛隊の撤退などにつきましては政府の専権事項に属するものであります。これまでの議会でも申し上げているとおり、こうした事項については知事の立場で意見を申し上げることは適当でないと考えております。

 それとは全く違う、同じ自衛隊でございますが、五條市の奈良県南部陸上自衛隊駐屯地誘致推進協議会の要望書についてのご質問がございました。

 この要望書は、紀伊半島の防災確保、防災能力アップの観点からの陳情書でございます。協議会長の五條市長、副会長の下市町長など六名が十一月二十五日に防衛省を訪問し、提出されたと聞いております。防衛省からは、自衛隊の展開基盤の確保に係る調査費を平成二十九年度予算で二百万円概算要求しています。引き続き奈良県及び五條市と協力しながら進めていきたいので、今後とも緊密に連携をとらせていただきたいとのお話があったと聞いております。

 お祭りとイベントについて、平城京天平祭、奈良大立山まつりのことについてご質問がありました。

 ねぶたのことを大変評価されて、大立山はそれほどではないような印象を受けました。それと溝畑さんのことをおっしゃいましたが、私もかつて今の観光庁長官と同じ立場で観光行政のトップにいた者でございますので、時々私のことも評価されなくてもいいですけれども、そういう立場でやっているということを念頭に置いていただければありがたいと思っております。

 ねぶたもほかの地域のお祭りもよく関与いたしましたが、一朝一夕にでき上がってきたわけではないわけでございます。長崎の盆祭りにしろ博多の祭りにしろ、いろいろな経緯を経てだんだん成長してきたのが地域のお祭りでございます。その地域のお祭りを育てるのに奈良は遅かった、今まで何もしなかったというのが実績でございます。今やっと育ちかけておりますので、既に育った人とこれから育つかもしれないのと見ていただきますと、奈良はまだまだだなと思われるかもしれませんが、そのような経緯で地域のブランド化されたお祭りができ上がってきております。奈良のお祭りはこれからだと思います。いろいろな、なら燈花会とか実績が出てきておりますので、そのときに誰がするのか、ほっておいてもできないのが各地のお祭りでございますし、奈良県では特にできなかった。県でもイニシアチブをとらないとできないということがわかってきております。どうぞ今井議員のほうからも温かく見守っていただいて、育つことができたら、ねぶたと肩を並べるぐらい育ったなというふうに褒めてやっていただきたいと思います。そのように育つ余地がある大立山でございます。各地とも議会ではもっとお祭りを盛り上げろという声が聞こえるのが通常でございます。奈良県でもそのような議会であろうかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 前置きが長くなりましたがご質問は、それぞれのお祭りの集客効果、経済効果ということでございます。

 まず平城京天平祭は、平城宮跡の希少な歴史遺産を発信するためのお祭りでございます。昨年度は、春、夏、秋合わせて十三万七千人の来場がございました。今年度は二十四万一千人に増加しております。県主体で開催している夏と秋の平城京天平祭の平成二十七年度の経済効果は、アンケート調査の結果から、来場者の県内消費額は約三億九千万円、四億円程度と推定しております。また、来場者の総合満足度や平城宮跡に関する興味・関心の喚起率が年々上昇しております。これらもイベントを続けていることによる効果だというふうに判断しております。

 一方、奈良大立山まつりにつきましては、五日間で五万一千人の方に来場いただきました。日帰り観光客の県内消費額は一億八千万円と推定しております。また奈良大立山まつりを含む一月、二月の冬季誘客キャンペーン期間中の宿泊客数の増加等を加味した県内消費額は十億四千万円と推定しております。奈良大立山まつりをきっかけに地元の祭りに参加したいという若者が集まり地元の祭りが盛り上がったという話や、御所市の場合でございますが、奈良大立山まつりに御所市のススキ提灯を出したらわざわざ夏のときに見に来られたという声もございました。県内各地においても奈良大立山まつりの効果が波及しているように思うところでございます。

 市内の大手のホテルに聞きますと、この奈良大立山まつりの一月は随分予約率が高くなっているそうでございます。去年よりも高いくらい。去年はキャンペーンの補助を出しましたが、補助がなくてもこれぐらいに来年は上がってきているよという予約の報告を受けました。大変うれしいことだと思います。定着するとそういうようなお祭りが定着したからこの時期に行こうというお客さんがふえてくるのでございますので、やはり定番化する、ブランド化するのに時間はかかりますし、そのように進行しているように思います。

 二つ目は、溝畑さんの言葉をとられて、観光行政を進める視線についてのご質問でございます。

 奈良観光振興の努力は、他地域に比べておくれをとってきたというのが知事としての認識でございます。このおくれを取り戻すには、知事としてはさまざまな取り組みをしなければいけない。イベントはその大きなポイントでございます。冬の温泉、あるいはカニといったような季節に特化したお楽しみ材料がない冬でございます。いつ奈良へ来ても何かやっている、奈良は楽しそうだと思っていただけるよう、県みずからが旗振り役となってイベントを創出し、いつ来ても見れるものはなかなか来られない、修学旅行以来来ないというのが奈良観光の実態でございます。いつもあるのもなかなか難しい。このときしかないというようなことを提供するのがイベントでございます。そのようなのが観光振興の定番でございます。

 平城京天平祭と奈良大立山まつりにつきまして、県が主導したものでございますが、その運営や出店について県内各地域の方々、多くの方々の協力を得ることができました。このような文化イベントではなしに奈良マラソンという大きな冬場の観光イベントは四千人以上ものボランティアに参加していただいているものでございます。多くのボランティアに支えられて実施するのも奈良ならではのお祭りの形態かと思っております。

 また参加された方自身の満足度も高くなってきて、イベントで県民の方が参加によって元気になるよということでございます。マラソンの天理の方々、大変な参加の盛り上がりでございますので、このような参加というのは奈良らしいおもてなしということに定着してきていると思います。これは県庁がやり始めたものでございますが、県庁ばかりがする必要はないということも確かにあります。だんだん定着して自主的な運営ができれば県庁の役目が低下することになって、それは大変ありがたいことだと思います。

 続ける観点からは、なら燈花会のような奈良市の若者が続けていただいたものがございましたが、定着するまで十年かかったと。奈良の人は冷たいとなら燈花会の方が言っておられましたので、ぜひそのようなお祭りを仕掛けられる人に温かい言葉をかけてあげたいものだと思っております。

 部落差別解消の法律案についてのご意見、ご質問がございました。

 最初のご質問は、新たな部落差別をつくる危険な法案は廃案すべきと考えるがどうかということでございます。議員がお述べになりましたように、議員提案による部落差別の解消の推進に関する法律案につきましては、去る十一月十六日の衆議院法務委員会及び同十七日の同議院本会議でそれぞれ可決後、参議院に送られ審議が行われているところでございます。

 この法律案では現在もなお部落差別が存在するとの認識が示されております。実際にインターネット上において、同和地区の名称、所在地等の情報を掲載したり、当該地区や当該地区に居住あるいは当該地区出身の個人などを誹謗中傷する事案が発生していることも事実でございます。また市町村等へ同和地区の問い合わせがあるなど、残念ながら現在もなお部落差別は陰湿化しながら現存しているものと考えております。

 そうしたことから、部落差別が社会において決して許されないものであることを明らかにする意義は大きいと認識しております。この国会において同法律案の審議の推移を注視し、見守っているところでございます。

 また、平成十三年度まで行われた同和対策事業特別措置法に基づく各事業により、同和地区の生活環境等は大幅に改善されたものと思います。同和地区と地区外との生活実態面での格差は縮小しました。これは大いに評価をすべき効果だと思います。

 しかしながら差別意識等を中心になお課題が残されておりますことから、県といたしましては平成八年の国の地域改善対策協議会における意見具申や平成十二年の県同和対策協議会の建議での指摘を踏まえまして、特別措置法は失効したものの部落差別がある限り一般施策としての同和対策は必要と認識し、これまでから部落差別の解消に向け、人権教育・啓発をはじめとした諸施策に取り組んできているところでございます。

 これからも奈良県人権施策に関する基本計画に基づきまして、これまでの同和対策の成果を大切にしながら同和問題を人権問題の重要課題の一つとして位置づけることはもとより、障害のある人や女性、性的マイノリティなど、最近発生しておりますさまざまな人権問題の解決に向け人権行政の総合的な推進に一層努めてまいる必要があろうかと思っております。

 次は、過労死を生み出さない働き方改革についてのご質問でございます。

 県庁の職場の三六協定の締結の実態を問われたものでございます。労働基準法第三十六条の規定による協定締結が必要な事務所は、九十ある知事部局の事業所のうち土木・建築、保健衛生等の事業にかかわる五十二の事業所でございます。十一月二十九日現在で、そのうち四十一の事業所で締結ができました。締結できた四十一事業所では、時間外勤務の上限を原則月三十時間、年三百時間と定められております。また今月中にも新たに五事業所で締結できるめどが立っており、締結できていない残り六事業所でも特段の課題があるとは聞いておりませんので職員労働組合とも協力しながら、できる限り年度内に三六協定を締結できるよう引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 次のご質問は、長時間労働をなくすための取り組みということでございます。

 時間外勤務の縮減は、ワーク・ライフ・バランスの実現、職員の健康管理や効率的な事務執行の観点から非常に重要と考えてきております。従来から所属長による時間外勤務の事前命令と職員一人ひとりの勤務終了後の速やかな退勤の徹底に取り組んできているところでございます。

 具体的には、毎週水曜日を定時退庁日と定め昨年度に引き続き人事課と職員労働組合が連携して各所属を巡回し、時間外勤務命令のない職員がいた職場の所属長に注意文書を発行する取り組みを行ってきております。今年度は新たに各部内の繁閑調整や時間外勤務の縮減の取り組みをさらに推進させるため、各部次長に組織・人事管理責任者の発令を行いました。時間外勤務の管理の責任者の所在を明確にしたものでございます。

 職員労働組合とも協力して、啓発ポスターの作成や十九日十九時完全退庁の取り組みも行っております。労働組合とも一緒にやろうということで始まったポスターでございます。組合長はなかなかハンサムな方でございますので一緒に写真を撮ると大変なハンディを感じましたが、握手をして手を結んでやるということは表現させていただいたかと思っております。

 さらには事務事業の見直しを行うことはもとより、事務執行の上での仕事のやり方を見直していくことが重要でございます。大変重要なことだと思っております。このため、会議の効率化、資料の縮減などの効率的な業務マネジメントを評価する職場環境を実現していくことを次期(仮称)行政経営改革推進プログラムの一項目として位置づけ、取り組んでまいりたいと考えております。その際、各所属において実施された効果の大きい取り組みについて紹介し、全庁的にも取り組みを促してまいりたいと思います。

 今後とも、時間外勤務の縮減による職員のワーク・ライフ・バランスの推進と県庁職員の働き方改革、職場風土改革に取り組んでまいりたいと考えております。よろしくご指導賜りたいと思います。

 私に対する質問は以上でございました。ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十二番今井議員のご質問にお答えいたします。

 私には二問の質問をいただいており、一問目は、教員の長時間労働をなくすため、部活動の実態把握の上、週一回以上の部活動を行わない日を義務化すべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動は、スポーツや文化等に親しませるとともに、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、適正・適切な休養を伴わない行き過ぎた活動は勝利を追求するあまり本来の目的を見失うなど、生徒・教員ともにさまざまな弊害を生むと認識いたしております。

 県教育委員会では、部活動が生徒・教員の加重負担とならないよう、従前より中・高等学校においては週一日以上の休養日を設定するようお願いをいたしておりますけれども、本年度、県教育委員会で公立中・高等学校を対象として調査を実施したところ、運動部活動におきましては、休養日を設定していると回答した中学校は四〇%、高等学校では四四%と、十分に趣旨が徹底されていないことが判明いたしました。また他の調査におきましても、部活動等の課外活動の指導時間が特に長く、これが教員の長時間労働の原因の一つとなっております。

 これらのことを踏まえまして、全ての部活動において週一日の休養日の設定を徹底するため現在、中学校・高等学校の校長会及び各体育連盟等の関係団体と協議を重ねておりまして、十二月中旬をめどに市町村教育委員会及び県立学校に通知をし、周知していきたいと考えております。また今後は、年に一度の実態調査を実施することにより、その徹底に努めてまいる所存でございます。

 次に、就学援助制度のうち、新入学児童生徒学用品費についての支給金額及び支給時期についてのお尋ねでございます。

 就学援助は、経済的理由により小学校・中学校での就学が困難と認められる児童生徒の保護者に対して市町村が学用品や通学用品等の購入費用を援助する制度でございます。このうち新入学児童生徒学用品費は、特に一年生を持つ保護者に支給されるものですが、多くの市町村ではこの支給金額を毎年度、国が示しております要保護児童生徒援助費補助金の予算単価を参考に定めております。

 この予算単価は、国が隔年で実施しております子供の学習費調査の結果と比較いたしましても、小・中学校とも低い金額で設定されていると思われるため、県教育委員会では全国の都道府県教育長協議会を通じて国に対し単価の引き上げを要望しているところでございます。

 次に、市町村が新入学児童生徒学用品費を支給する時期についてでございますが、議員お述べのとおり王寺町では来年度の新入生から三月上旬に支給を行うよう制度の運用を変更する予定と聞いております。現状、多くの市町村では就学援助の認定手続を前年所得の確定を待って行うため、保護者への支給時期は七月から九月となっております。これは、所得確定前に就学援助の対象者として一旦認定を行いましても、その後、世帯員に一定以上の所得が判明いたしますと、当該認定を取り消し支給した金額の返還を求めなければならない、そんな場合を心配しての取り扱いであるとのことでございます。

 これまで県教育委員会では県内市町村との連携を密にし、担当職員向けに事務手引を作成したり、他府県市町村の制度運用状況を調査し、この結果を情報提供を行うなどの支援を行ってまいりました。このたびの王寺町の取り組みにつきましても、先月、事務の参考にしていただけるよう情報提供を行ったところでございます。今後とも、市町村の就学援助制度が適切に運用されるよう支援してまいりたいと思っております。

 どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)四十二番今井議員のご質問にお答え申し上げます。

 私には、後期高齢者医療制度について、受診抑制につながるような改悪をやめるよう国に働きかけるべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 議員お述べの後期高齢者医療制度につきましては、負担の公平や負担能力に応じた負担等の観点から、国の社会保障審議会の医療保険部会におきまして、保険料の軽減特例措置や高額療養費制度の見直しが検討されております。先日、十一月末に開催された同部会では、複数の見直し案が示され検討が進められております。

 こうした見直しの動きに対し県といたしましては、国に対して、この八月には全国知事会を通じて低所得者の負担軽減のため適切な措置を講じることを要望するとともに、近畿民生部長会議からも、高齢者の生活実態に即し、過度の負担とならないよう国の責任において対策を講じることを要望したところでございます。

 引き続き、低所得者の負担軽減を含め後期高齢者医療制度が安定的に運営されるよう、さまざまな機会を捉え、国に対して要望してまいります。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) ご答弁ありがとうございました。何点か質問をさせていただきたいと思います。

 南スーダンの問題では、国のことだからお答えできないというのが知事のご答弁でございましたけれども、私は、今、南スーダンで戦闘が起きれば、南スーダンの政府軍と日本の国によって任務を命じられた自衛隊が武器を使って交戦するということになりますと、これは、憲法第九条第二項の交戦権はこれを認めないということに抵触することになるのではないかというふうに思っておりますけれども、知事はその点でどんなふうに考えておられるのか、その点をお尋ねしたいと思います。

 それから自衛隊の問題ですが、自衛隊の誘致に関しては一貫して災害対策が中心の理由しか述べられておりません。今、日本の自衛隊の基地とアメリカ軍の基地の共同使用が非常に進んでいるというような状況がある中で、災害対策だけに特化して誘致するというのは危険な方向ではないかというふうに私は一貫して思っております。その点ではどんなふうに考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 それから平城宮跡の奈良大立山まつりの問題なのですけれども、先ほどもパネルを出させていただきましたが、奈良大立山まつりといいますと、大極殿の前に四つの四天王が並ぶというのが大立山のイメージになっているわけです。昨年と違いまして、今、大極殿院の建物の復元工事のための資材保管庫とか加工原寸場が建設されております。大立山の広場の西半分くらいのスペースに既にその建物ができているのですけれども、こういう形のものがことしも可能になるのかどうなのか、そのことをお尋ねしたいと思います。

 それから、ことしは一月二十九日から二月二日までの日程でした。来年は一月二十五日から一月二十九日というふうに四日間前倒しになっております。前倒しにした理由、どんなことを想定されているのか、その点についてお尋ねしたいと思います。

 部落差別の解消法の問題につきましては私は、本当に長い間、多くの方々が血のにじむような命がけの努力をされてきたと思っております。今、こうした法律をつくることは歴史を後退させていく、歴史の到達点を根底から破壊する、こういうものにつながるのではないかと思いますので、改めてこうした法律はつくるべきではないということを意見として申し上げておきたいと思います。

 それから、過労死をなくす問題です。お手元にございます資料をちょっと見ていただきたいと思います。これは県庁の職員の方の残業時間、二十二時以降の深夜手当が出ている人の残業時間です。十二月が十八職場、一月が十六職場、二月が十一職場で、平均の合計が何と三カ月で三百七十五・一時間という、あまりにも異常な事態です。そして三カ月全て対象になる職場が七つございます。人事課、財政課、情報システム課、保健予防課、道路建設課、道路環境課、河川課の七つになっております。個々の方の状況は把握できる立場にはございませんけれども、三六協定の中でも延長時間の限度というのが定められておりまして、それでは三カ月で百二十時間、一年間三百六十時間ですので、三六協定の一年間の限度を三カ月間ではるかに超える勤務実態が県庁の中で行われているという問題、これは早急に手だてを打たないと過労死を生み出すことになると思いますので、この点についてどんなふうにしようと思っているのか、お尋ねしたいと思います。

 あとは就学援助の問題、ぜひ奈良県全部そういうふうになるようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 後期高齢者につきましても、制度が存続できても実際に医療にかからなかったら意味がないと思っておりますので、これにつきましても、きちっと意見を伝えていっていただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ご質問ありがとうございました。憲法第九条第二項の解釈でございますが、憲法調査会で議論したこともあるので、多少うろ覚えになりましたが、第一項はともかくとして、第二項が大きな議論の対象でございました。自由民主党の中では第二項を取れと、改憲しろという意見が大きなことでございました。今回の法律は、その第九条第二項の解釈を経て法律が成立して派遣されたものでございますので、南スーダン派遣の派遣法と第九条第二項の憲法解釈は政府内では確立しているものと考えております。私が言う立場にはないと思いますけれども。あとは、違憲かどうかの法廷がある可能性は法制上あると思いますけれども、私に聞かれても権威もございませんし、議論の所在があるということは十分認識しております。認識もしていないと思われたかもしれませんが、認識だけはしております。その上で合憲の法律が成立したものと思っております。

 自衛隊誘致で災害に特化するのがいいとか悪いとか。自衛隊は国内で沖縄以外にあまり戦争したことがございません。歴史上ですね。海外へ派遣して戦争をしたことはありますが国内で戦争をしたことはございません。国内で防衛するというのは大事なことでございますが、内陸で防衛ということは、敵が攻めてきて上陸して戦車で交戦すると。自衛隊は戦車も持っておりますので、そのような想定はできるのだろうかと自衛隊に言ったことはございますが、国内の自衛隊の基地は専ら災害のための基地で、国民の人命救助のための活躍をされているのが実情でございます。自衛隊でございますので、いざというときには防衛任務があるわけでございますが、今、防衛の主力は尖閣とか海上に行っております。

 したがって先ほどのご質問とも関係いたしますが、内陸に駐屯地を移動するというのは、今の時期、なかなか難しいのだよということは言われておりますが、内陸の基地の必要性が否定されたわけではございません。奈良県としては、紀伊半島の災害が起これば自衛隊は必ず出動されますので、その効果を十分にあらしめるために必要な基地だというふうに考えております。

 大立山の大極殿前に大極殿院をつくるための建屋、資材置き場がつくられました。邪魔になるのではないかというご質問の趣旨だと思いますが、大立山が大回りを去年はしておりましたが、大変遠くに見えてちょっと離れて寒々しいなという声がありました。ことしは建屋を避けて小回り、半分回りをするように聞いておりますので、身近に大立山が見られるというメリットがある、小さな回り方で建屋を避ける回り方をすると聞いております。

 日付の変更、一月二十九日から一月二十五日開始になったというのは、特段の理由は承知しておりません。山焼きの日がこの日のうちの一つにありますので、奈良大立山まつりと若草山焼きとが重なる日があるというので、これは一つの見ものであろうかというふうにうわさをされておるものでございます。

 過労死につきまして、先ほどの資料を拝見いたしました。職員の残業が平均百三十一時間。この平均というのはまたちょっと調べますが、三カ月、五十八人の平均ということは、二百時間の人も百時間の人もいるということになる数字だと思います。それがそれぞれの職場で続いているのか、平均ですので、三六協定はどのような人も三カ月百二十時間を超えてはいけないよという規定でございますので、三六協定のほうがもっと厳しいわけでございます。低い人もいるから平均でクリアしているからいいというわけにいかないのが三六協定ではないかというふうに理解しておりますので、これは、そのデータベースをもう少し当局として精査をさせていただきたいというふうに思います。このとおりかどうかということでございます。疑っているわけではないのですけれども、三六協定に違反ではないかというように見えます。三六協定ができているところであれば違反になりますので、そのように検証をさせていただきたいと思います。

 把握した質問の項目では以上でございます。



○副議長(小泉米造) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) ありがとうございます。時間がないので、残業の問題についてもう一度質問したいと思います。県の人事課のほうから出していただいた資料によりますと、平均でならしたら十二月、一月、二月、これがそれぞれの平均、合計しましたら三百七十五・一時間ということですけれども、それが全ての人がこれになっているのかどうか、そこは私はわかりません。ですから、それにつきましては是非個別の方々の状況がどういうものになっているのかというのをぜひ一人ひとりの情報を把握していただきたいと思います。

 やはり過労死が起きてからでは間に合わないと思うのです。過労死のシンポジウムが奈良でこの間ありましたので、参加させていただきました。そこで実際にご主人を亡くしたご家族の方が報告をされておりましたけれども、ある子どもさんの作文が紹介されておりまして、もし自分の願いがかなうのだったらドラえもんにタイムマシンを出してもらって、お父さんが亡くなる前の日に戻してもらうと。そして、仕事に行かないようにと僕は言いたいのだというようなことが言われておりました。この数字から見ましたら、本当に起きてもおかしくない数字が出ておりますので、その点についてはぜひ個別の調査を行い、改善を早急にしていただきたいというふうに思います。その点でご意見をお伺いしたいと思います。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) そのようなご趣旨の調査をさせていただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) 以上で終わります。

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○副議長(小泉米造) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(小泉米造) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、十二月八日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時二十八分散会