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平成28年  9月 定例会(第325回) 09月26日−03号




平成28年  9月 定例会(第325回) − 09月26日−03号







平成28年  9月 定例会(第325回)



 平成二十八年

        第三百二十五回定例奈良県議会会議録 第三号

 九月

   平成二十八年九月二十六日(月曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(川口正志) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(川口正志) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十二番山本進章議員に発言を許します。−−三十二番山本進章議員。(拍手)



◆三十二番(山本進章) (登壇)議長のお許しをいただき代表質問をさせていただきますが、その前に私の最近の出来事で皆様に一つご紹介をさせていただきたいと思います。

 九月も下旬になりやっと涼しくなってまいりましたが、私の地元明日香村では、キトラ古墳壁画体験館四神の館が先日の二十四日にオープンをしたこともあり、彼岸花が咲くこの時期でも古代のロマンを求める多くの人々の熱気でいっぱいでありました。私も早速キトラ古墳壁画体験館を見学してまいりましたけれども、この施設では、修復を終えた極彩色豊かな壁画の一部が見学できるほか、古墳の詳細が大型スクリーンに映し出される四面マルチビジョンが整備をされています。周辺の自然環境や田園景観とあわせ一体的に保全をされており、飛鳥の歴史や風土、文化を楽しむことができる施設だと思います。ぜひ皆さんも、また県民の皆さんも一度おいでいただきたいと思います。また、その明日香村をはじめ、県の南部・東部地域にも多くの方々に訪れていただき、その魅力を知っていただきたいと願う次第であります。

 それでは、創生奈良を代表いたしまして、質問をさせていただきます。

 昨今、国のほうでは文化庁や消費者庁などのその機能を一部地方へ移転する計画が発表されているところですが、以前に本会議においても、今、後ろに座っておられます現議長の川口議員が県庁を中南部に移転させることについてどうであるかとの質問をいたしましたが、巨額の費用がかかることや県議会でも出席議員の三分の二以上が賛成を要するため、大変ハードルが高い、しかし知事は今後も研究していくという趣旨の答弁をされました。

 その後、昨年一月に南部東部振興課が橿原総合庁舎へ移転をされました。聞くところによりますと、南部・東部地域十九市町村との距離感も縮まり、機動的に業務を推進しており、さらに、ことし4月には旧耳成高校セミナーハウス内に、移住者の情報交換や交流の拠点となる奥大和移住定住交流センターengawaを設置し、移住・定住相談員を配置し移住に関する包括的な相談を行うほか、市町村とも協働してさまざまな取り組みをされているとのことです。

 以前の答弁のとおり、県庁全部の移転は一足飛びでは実現が難しいとは考えますが、南部東部振興課の橿原総合庁舎への移転実績から、県庁のほかの組織の中南和地域への移転や、あるいは和歌山県や北海道などで見られます地域振興局のような機関の設置も、地域の経済的波及効果が見込まれる方策の一つではないでしょうか。時間は要すると思いますが、私のかねてからこの件は持論でもありますので、引き続き検討を続けていただきたいと思います。

 そのような観点から、南部東部振興対策について、知事にお尋ねいたします。

 奈良県では、特に人口減少が著しい南部・東部地域における地域振興を県政の大きな課題の一つとして位置づけ、交流の促進、定住の促進を軸に南部・東部地域それぞれの振興基本計画を策定し、さまざまな施策を推進されています。振興基本計画では、交流から移住、定住へとつなげていくために、まず南部・東部地域を知ってもらい、次に実際に来ていただくための交流の促進、そして都市と農山村、その二つの地域に居住する二地域居住、ひいては移住、また定住と、ステップを踏んだ具体的な取り組みが示されています。

 ところで昨年実施された国勢調査結果の速報値が公表されていますが、奈良県の人口は、それに先駆け平成十七年の国勢調査以降減少が続いており、今回の調査では前回の調査と比較して約三万六千人、二・六%の減少、県内三十九市町村のうち三十三市町村が減少しているという状況でした。その中でも南部・東部地域は、人口減少率が大きく少子高齢化も進んでいる状況となっています。

 このような状況においては、先ほどの振興基本計画に示されているように地域外の人々の力をかりること、すなわち移住してもらうことが不可欠ではないでしょうか。そして、移住から定住へとつなげていくことが求められると考えます。移住、定住を促進するためには住居の問題もありますが、やはり働く場所の確保、すなわち企業の誘致や新たな仕事づくりによる雇用の創出が重要であることは言うまでもありません。

 そこで、南部・東部地域への移住、定住を促進するため、県はどのような取り組みをされているのか、また今後、新たな雇用の創出に向けてどのような取り組みをされようとしているのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、ストレスチェックの制度の実施についてお伺いをします。

 労働安全衛生法の改正により、常時五十人以上の労働者を使用する事業者に対し、平成二十七年十二月からストレスチェック制度の導入が義務づけられたところです。このストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い本人にその結果を通知して、みずからのストレスの状況について気づきを促し個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し職場環境の改善につなげる取り組みであります。

 法改正がなされた背景として仕事を原因とした精神疾患の増加などがあり、厚生労働省によると仕事が原因の精神疾患による労働災害補償の請求は、平成二十六年度では一千四百五十六件、決定は二百九十七件、十年前に比べ三倍以上に増加し、いずれも過去最多となったことが挙げられています。また労働安全衛生法では、例えば一カ月当たり百時間を超える時間外労働といった労働の量に着目した対策は既になされておりますが、メンタルヘルス不調には量的な労働以外の要因も考えられることから、労働の質に着目した対策を、今回追加する必要があったと聞き及んでおります。

 一方、社会全体や企業にとっても従業員のメンタルヘルス不調は、大きな経済的損失でもあり経営に直結する問題でもあります。

 厚生労働省によれば、自殺や鬱病による損失額は日本全体で一年間に二兆七千億円に及ぶとも試算されており、また内閣府においても年収六百万円の社員が六カ月休職すると約四百二十万円のコストがかかると試算しておるところであります。

 こういった状況に対し、先駆的な事業者を中心として法改正に先んじたストレスチェックが実施されるなど、メンタルヘルスケアに取り組む事業者の割合はふえてきており、それをさらに後押しする形で経済産業省は、日本再興戦略の取り組みの一環として、平成二十六年度から東京証券取引所と共同で健康経営銘柄を選定し、企業による健康経営の取り組みを推進することを目指しておりますし、最近の新聞報道では、メンタルヘルスの検査の有無などを含む従業員の健康増進に努める企業の認定制度を新たに設け、ホワイト五〇〇と銘打ち、二〇二〇年度までに五百社を段階的に選び国のお墨つきを与えるとのことであります。

 働く者のメンタルヘルス不調を防止し健康でよりよい仕事ができるように職場環境を整えることは、雇用者・雇用主間の問題にとどまらず、今や官民問わず日本の社会全体の共通した課題ではないでしょうか。

 知事部局等においては、鬱病をはじめとするいわゆる心の病、疾病分類という統計的な区分でいうところの精神及び行動の障害によって長期の病気休暇あるいは休職に至る職員は、平成十九年度から毎年五、六十人にも上ると聞いております。職員の心の病気については県として課題として捉えられ、これまでも悩みを持つ職員等のカウンセリングや勤務が長時間に及ぶ職員に対する産業医による面接など、さまざまなケアをされてきたことは承知しているところであります。

 私自身は、県職員には元気であっていただきたい、県の業務が闊達に進められ、県政上の諸課題に果敢に立ち向かってほしいと望むものであります。また同時に私は、職員の心の健康の問題は、個々の職員の公務能率の向上にとどまらず県庁全体の仕事力の向上にもつながり、ひいては県民サービスの向上という形で県民に返ってくるものであり、県政上の課題と理解しております。

 このような意味においても、このストレスチェックの実施を契機として今後さらに職員の心の健康維持・増進の取り組みを効果的に進めていく必要があるのではないでしょうか。

 県におけるストレスチェック制度の実施ですが、昨年十二月の法施行から第一回目の施行期間であることし十一月末までに初回のストレスチェックを実施していかなければなりません。既に職員個々のチェック自体は、知事部局等及び教育委員会では実施済み、警察においては今後実施予定と聞いておるところです。

 そこで知事にお伺いします。

 これまでの県職員のメンタルヘルス対策も踏まえながら、今年度から実施するストレスチェック制度を県のメンタルヘルス対策にどのように位置づけ、そして取り組まれるのか、所見をお尋ねします。

 次に、社会福祉法改正に伴う社会福祉法人制度改革への対応についてお伺いします。

 社会福祉法人は、地域の住民が日々の生活の中で必要とする福祉サービスを提供し支援するための社会福祉法に基づいて設立された公益性の高い非営利組織です。本県においては二百二十の社会福祉法人が、高齢者の介護、障害者や障害児への支援、児童の保育など、さまざまな分野、種類にわたる福祉サービスの提供を行っています。社会福祉法人が制度化された昭和二十年代の我が国は、終戦による海外からの引揚者、身体障害者、戦災孤児、失業者などの生活困窮者の激増という困難に直面をしていました。

 このような中社会福祉法人は、昭和二十六年に公的性格の強い特別な法人格を持つ法人として制度化されました。法律に基づく規制や監督を受けつつ、国からの措置事業を担う社会福祉事業の主たる担い手として長年にわたり我が国の社会福祉を支えてきました。

 平成十二年からスタートした介護保険制度において、また障害福祉制度においては平成十五年からサービス利用の仕組みが措置から契約に転換されました。また、株式会社やNPO法人の参入など多様な事業主体の参入により利用者の幅の選択を広げるとともに、事業者の効率的な運営を促しサービスの質の向上と量の拡大が図られました。一方で、平成十八年の公益法人制度改革により、社会福祉法人に対しても高い公益性と非営利性を担保できるガバナンスが求められるようになりました。

 今日、ひとり暮らしの高齢者の増加、家族や地域社会の変容に伴い、福祉ニーズが多様化する中、高い公益性と非営利性を備えた社会福祉法人が担う役割はますます大きく重要になってきており、これまで以上に公益性の高い事業運営が求められています。このような中で、本年三月に社会福祉法人制度を大きく改革する改正社会福祉法が成立し、平成二十九年四月一日に施行されます。

 この制度改革は、公益性、非営利性を確保する観点から制度を見直し、国民に対する説明責任を果たし、地域社会に貢献する法人のあり方を徹底する、そのことを目的としたもので、五つの項目を柱としています。一つ目は、経営組織のガバナンスの強化、二つ目は、事業運営の透明性の向上、三つ目は、財務規律の強化、四つ目は、地域における公益的な取り組みを実施する責務、五つ目は、行政の関与のあり方であります。

 具体的な内容に触れますと、一つ目の経営組織のガバナンスの強化においては、一般財団法人や公益財団法人と同等以上の公益性を確保する経営組織とするためのもので、例えば理事会は業務執行の意思決定機関として、評議員会は現在の諮問機関から議決機関として必ず置くこととされるなど、社会福祉法人における理事会や評議員会の位置づけが明確にされました。

 二つ目の事業運営の透明性の向上については、社会福祉法人の高い公益性に照らし公益財団法人以上の運営の透明性を確保するために、定款、貸借対照表などの閲覧、これなどは公表の対象とされ、公表は広く情報を入手しやすいインターネットを活用するなど、運営状況に対する説明責任が求められています。

 三つ目の財務規律の強化については、一定規模以上の社会福祉法人には会計監査人を設置するなど適正かつ公正な支出管理を行い、地域のニーズに対応した福祉サービスへの計画的な再投資が求められています。

 四つ目の地域における公益的な取り組みを実施する責務については、社会福祉法人に対して、主たる事業である社会福祉事業はもとより地域の多様なニーズにも柔軟に対応していく自主的な取り組みが求められています。

 五つ目の行政の関与のあり方については、地方分権が進む中、社会福祉法人に対する指導監督の強化や国、県、市などの相互の連携などが求められています。

 中でも私は冒頭で申し上げたとおり、社会福祉法人は、地域の住民が日々の生活の中で必要とする福祉サービスを提供し支援するための組織です。したがって社会福祉法人は、社会福祉事業の中心的な役割を果たしていくとともに株式会社などの事業主体では対応できないさまざまな福祉ニーズを充足することにより、地域社会に貢献していくことが重要であると考えています。

 また経営組織のガバナンス強化について、私の知っている法人経営者からは、改正に伴って具体的にどう対応すべきか、平成二十九年四月に向けてどんな準備が必要なのか、評議員会の設置に関連して定款はどのような変更をいつまでにすればよいのか悩んでいるといった声も耳にしています。

 そこで、今回の制度改革を円滑に進めるために県としてどのように取り組みをされているのか、また社会福祉法人に求められている地域における公益的な取り組みについて、県としてどのような支援を考えているのか、知事にお伺いをします。

 次に、食を通じた健康づくりの取り組みについてお伺いをします。

 私は最近、食を通じた健康づくりに取り組まれている東京の方と話をする、女性ですけれども、話をする機会がありました。管理栄養士として多くの方の食に関するカウンセリングや食事サポートにかかわってこられた経験を生かし、食から社会に貢献する活動を展開されておられます。その方は、摂食障害に苦しむ少女との出会いなど、多くの方々とかかわる中で、食べることに対する意識と考え方によって、人の心と体、そして人生も変えることができるということに気づいたそうです。

 元気の気は旧字体で書くと、中に米という字が入っています。この米という字は食事のことをあらわすと言われ、食事は心も支えていることを意味しているそうです。人生を楽しく豊かに送るためには、健康で元気な心と体が必要です。人は、心と体に十分な気力や体力、回復力を培うために食べるのです。食べるということは生きること。だから食を意識する必要があるのですと、とてもその方は語られていました。私はこの話を聞いて、食と健康は、改めて切っても切れないものだと再認識したところであります。

 さて、なら健康長寿基本計画ではよりよい生活習慣をつくるため、栄養・食生活において望ましい食習慣の確立に向け、栄養・食生活の現状や課題の周知を図り、正しい知識の普及啓発や実践支援をライフステージに応じて展開します。そのため、専門職や食に関するボランティアなどの人材育成や関係機関・団体、企業等の多様な主体と連携した取り組みによる食環境づくりを進めますと、施策の方向性を示されています。

 毎年、食育推進会議を開催され県の施策の進捗状況などを報告されていますが、昨年度の会議では、若い世代の野菜摂取の不足が顕著で隠れ栄養失調の原因になっている。日本ではやせ過ぎの若い女性が増加傾向にある。二十歳代から三十歳代の子育て世代は、朝食の欠食率が高く食事のバランスが悪い。自分では三百五十グラムの野菜を食べていると思っている人でも、実際には足りていないという人が多い。また、親が使っていない食材は子どもも使わない。小さいころから親が子どもに何を食べさせるのか、家庭の食生活の影響が後々まで続いていくといった数多くの意見が出されたと聞いています。

 また県内では、現在、九百三十名を超える食生活改善推進員の皆さんが、私たちの健康は私たちの手でをスローガンに、子どもから中高年までの幅広い年齢層の方を対象に食育推進の普及啓発活動にとても熱心に取り組んでおられます。例えば子育て世代に対しては、おやこの食育教室を開催され、一、食べ物を選ぶ力、二、食べ物の命を感じる力、三、元気な体がわかる力、四、料理ができる力、五、食べ物の味がわかる力という、食育五つの力を普及されています。このほか、牛乳・乳製品を使い家庭で上手にカルシウムをとることができるよう調理方法を学ぶ生涯骨太クッキング教室の開催、地域に密着した家庭訪問による生活習慣病予防にもつながる塩分チェックと野菜あと一皿運動の展開、薄味習慣教室や野菜たっぷりクッキング教室の開催など、多彩な実践活動を保健所や市町村と連携して草の根的に進めておられます。さらに健康まつりのイベントでも、地域住民の食生活改善の普及のため活躍いただいており、私の地元でも、健康にいいメニューの調理実習や食事と健康についての講座を開くなど、創意工夫を凝らした取り組みを行っていただいています。

 このように奈良県においても、住民の皆さんの健康を支えるボランティアである食生活改善推進員の皆さんをはじめ、さまざまな機関、団体が努力されていますが、先ほど紹介した食育推進会議での指摘にあるように、まだまだ食育や食生活の改善に関する課題は多いと感じています。

 そこで、健康福祉部長にお伺いをします。

 健康寿命日本一の目標達成に向け食を通じた健康づくりについて、これまでどのように取り組み今後どのような取り組みを進めていこうとされているのでしょうか、お伺いをいたします。

 次に、随意契約の適正な執行についてお伺いをします。

 県が行う契約は、地方自治法第二百三十四条第一項において、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものと規定されています。さらに同条第二項において、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができると規定され、地方自治法施行令第百六十七条の二第一項各号において、予定価格が県の規則で定める額以下の場合や性質や目的が競争入札に適しない場合など、随意契約ができる場合を限定列挙しています。

 これは地方自治法第二条第十四項に、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないという原則が規定されており、それに従うため、競争性、公平性、透明性、経済性を最も確保できる一般競争入札により契約を行い、随意契約は一定の条件に限定して行うべきであるという考え方によるものです。

 私は平成十六年九月から約一年間、県の監査委員として、契約をはじめ県全体の会計事務について、その執行がより適正なものとなるようかかわった経験があります。その間、平成十七年四月に国において、国等の責務を明らかにするとともに品質確保の促進に関する基本事項を定めることにより公共工事の品質確保の促進を図り、国民の福祉の向上及び国民経済の健全な発展に寄与するため、公共工事の品質確保の促進に関する法律が施行されました。県はこれを受けて、公共工事において総合評価落札方式を平成十八年度から試行、同十九年度から本格実施をし今日に至っています。

 随意契約に関しては、平成二十年三月に随意契約の締結に関する取扱基準が定められました。この取扱基準においては、例えば一号に該当するいわゆる少額随意契約については、県の契約規則で規定する工事又は製造の請負については二百五十万円以下、財産の買入れについては百六十万円以下、委託等については百万円以下の場合であることが記載されています。

 また二号に該当する随意契約は、適用するための要件の一つとして、契約の相手方が法令等の規定により明確に特定されるものを挙げ、その内容を、法令等の規定により、契約の相手方が一に定められているもの、主要施策として位置づけられている等の理由で契約の相手方が一に定められているもの、国、他の地方公共団体との取決め等により、契約の相手方が一に定められているもの、国、地方公共団体を契約の相手方とするものとしています。

 さらにその要件に該当する具体的事例として、法令、条例、規則等の規定により履行できるものが特定される業務、契約の相手方を一の者とすることについて、県幹部を構成員とする会議で承認されている、または予算等の主要事業に位置づけられているなど、県としての意思決定がなされており、外部に対してもこのことを明確に説明できるもの、国、他の地方公共団体との取り決め等により契約の相手方が一に定められているもの、国、地方公共団体を契約の相手方とするものと示し、極めて限定した取り扱いになるようにしています。

 このように県は入札や随意契約について、従来から競争性、公平性、透明性、経済性を確保するための取り組みを進めてきたと聞いています。こうした中において、本県において随意契約を行った案件の一部が競争性の確保や経済性などの観点から問題があるのではないかとされ、これまでの県議会でも議論されてきたところです。

 そこで、このことを踏まえ、会計局長にお尋ねします。

 県が随意契約を行う場合、地方自治法、地方自治法施行令等の法令を遵守するために定めた随意契約の締結に関する取扱基準について、事業を執行する各部局に対してどのように周知、指導を行い、また随意契約の適正な執行を確保しているのか、お答えください。

 最後に、先ほどの随意契約の質問に関連して、第三十二回国民文化祭のロゴマーク委託契約に関して質問をします。

 先日の代表質問で日本維新の会、川田議員が知事に対して、ロゴマーク契約に関して大変バトルを繰り広げられておられました。川田議員はこのことに関して納得はしておられない様子で、次の決算審査特別委員会で引き続き担当部局や、そして総括で知事と議論されると聞いています。そうですね。ただこの問題は、そもそも創生奈良同僚の阪口議員が六月の議会で取り上げ、その後、見張り番・生駒がロゴマークの支出が不当として住民監査請求をしたのが始まりでした。しかし、この監査請求が何の審査もせず県監査委員は即座に却下をしました。そのことを我々創生奈良議員はどうしても納得ができず、創生奈良会派として今回、私が代表してこのことについて監査委員に質問をさせていただきます。

 第三十二回国民文化祭は、来年度、奈良県で開催されますが、この大会に関連して本年の八月一日、見張り番・生駒が、国民文化祭関連事業の中、不当に支出されたロゴマークに係る委託料の負担金五百三十万円の損害の賠償を求める住民監査請求を本県監査委員に対して行いました。その概要は、次のとおりであったと理解しています。

 第三十二回国民文化祭奈良県実行委員会は、平成二十八年三月二十五日にロゴマークの制作委託業務を委託料五百四十万円で株式会社グッドデザインカンパニーと締結したが、問題点が二つあると指摘しています。

 一つ目の問題点は、他府県で開催された国民文化祭のロゴマークと類似比較しても、高額で委託契約が締結されていること。

 二つ目の問題点は、これらの他府県のロゴマークの決定が公募であったのに、第三十二回国民文化祭は随意契約でロゴマークの決定がされていること。さらに、その随意契約が地方自治法施行令に違反をしていること。

 すなわち随意契約は厳しく制限されており、契約に当たってその根拠が必要であり、県はその性質又は目的が競争入札に適さないためと主張するが、公募する形式をとることでその性質と競争入札を満たすことが十分に可能と考えられること。

 以上が、この市民団体が行った監査請求の概要であります。

 この住民監査請求に対して本年八月十九日、県監査委員は、実行委員会が行った契約に係る支出は、地方自治法第二百四十二条第一項に規定する財務会計上の行為に該当しないと却下されたと聞きました。

 第三十二回国民文化祭奈良県実行委員会、第十七回全国障害者芸術・文化祭、その実行委員会の会長は知事であります。そして、事務局は地域振興部の国民文化祭・障害者芸術文化祭課が当たり、また平成二十七年度の実行委員会の収入一千三百九十二万八千円は、全て県の負担金で賄われています。そのような実行委員会の契約の実態を調査もせずに即時却下するということでは、住民監査請求を行った住民の期待に応えられているとは到底思えません。

 そこで、本住民監査請求についてなぜ却下との判断に至ったのか、監査委員にお伺いをいたします。

 これで、私の壇上での質問は終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十二番山本議員のご質問がございました。私に対しましては三問ございます。

 第一の質問は、南部・東部振興対策についてでございますが、県庁組織のあり方についてお触れになりながら、移住・定住を促進するため、また今後新たな雇用の創出に向けて、どういう取り組みをしているのかというご質問でございます。

 奈良県では、平成二十七年三月に南部及び東部振興基本計画を策定いたしました。頻繁に訪れてもらえる地域、住み続けられる地域を目標としております。まず地域への認知を広め、次に交流を推進し、そして移住・定住につなげるステップを踏んだ取り組みを目標にしております。このステップの最終目標でございます移住・定住を促進するには、雇用の創出が重要でございます。

 まず南部・東部地域の主要産業でございます林業につきましては、高級材だけを選んで出す従来型からA材、B材、C材の全てを森林から搬出して多用途に供給する林業への転換を進めております。これを推進し豊富な森林資源を県産材製品として流通させることにより、川下から川上までの経済循環を活発にして、適正な森林づくりと地域産業の活性化、ひいては雇用の創出につながるものと考えております。

 また、南部・東部地域への企業立地にも積極的に取り組んでおります。投資金額が五億円以上などの要件を満たして南部・東部地域に立地される場合、加算金を加えた企業立地補助金を交付いたします。また整備が進む京奈和自動車道の利便性を強くアピールして、インターチェンジ周辺の企業立地をさらに進めてまいりたいと思っております。加えまして、特にICTを活用して働く場所を選ばない方、また手に職のある方にターゲットを絞った誘致活動や拠点整備を行ってまいりました。具体的には、東吉野村では空き家を改修したシェアオフィスへクリエイターやデザイナーが、また下市町では公共施設を改修した工房に家具職人として、国内外から移住をしてきていただいております。

 今後は、特産物、自然環境などの地域資源を活用した新たなビジネスを開発する先駆的なプロジェクトを推進していく方針でございます。具体的には、都市部の若者からスモールビジネスの提案を受けその起業を支援すること。また、民間企業と連携し発展性のあるプロジェクトを開発して、そのプレーヤーを募集、養成すること。また南部・東部地域における既存の事業者の国内外への販路拡大や商品開発、広報ツールの作成などを支援することなどでございます。

 二つ目でございますが、今年度から実施いたしますストレスチェック制度を県のメンタルヘルス対策にどのように位置づけていくのかというご質問でございます。

 知事部局等におけますメンタルヘルス不調による長期休暇者は、毎年度五十人から六十人と高い水準で推移をしております。メンタルヘルス不調は、職員個人への影響にとどまらず県としても貴重な人材資源が失われるなど大きな影響がございます。メンタルヘルス対策は、県庁全体の公務能率を確保する上で非常に重要であると考えております。

 本県におけるストレスチェックは、昨年の労働安全衛生法の施行を受けまして、今月その実施を完了しておりますが、知事部局等の受検率は八六・八%でございました。ストレスチェック制度は、職員が自己のストレスに気づき不調に陥らないようセルフケアを行うなど、未然防止のための対策と位置づけられております。全職員対象に実施した点において、これまでになかった取り組みと思います。またその結果を用いまして、集団また職場での分析を行い具体的な対策につなげていくことで、予防対策として大きな効果を期待しているところでございます。

 職員のメンタルヘルス対策につきましては、こうした未然防止だけでなく、発症時のケア、復職支援と上流から下流までさまざまな対策がございます。それらを総合的に、いろんなステージで講じていく必要があると考えているところでございます。

 現在、早稲田大学との連携事業により調査・分析を進めているところでございますが、これら調査・分析等も踏まえまして、本県が進めております新たなパーソネルマネジメントの構築の重要な柱の一つとして、総合的なメンタルヘルス対策に取り組んでまいりたいと思っております。

 社会福祉法改正に伴う社会福祉法人制度改革への対応について、ご質問がございました。

 このたびの社会福祉法の改正は、議員もお述べになりましたが、社会福祉法人が福祉サービスの中心的な担い手としての活動をさらに充実させる観点から意義深いものと考えております。県といたしましても、社会福祉法人のそれぞれの取り組みに対しまして積極的に支援を行うことが必要と考えております。

 このため、新制度への円滑な移行に関する支援でございますが、本年五月に、法人に対して制度改革への対応状況についてアンケート調査を実施し、個別の相談に応じているところでございます。

 引き続きまして、国における制度運用に関する動きを情報収集、注視しながら、法人などへの情報提供や助言指導を行っていきたいと思います。実際の手続に当たりましては、関係部署が連携いたしまして制度移行時における各法人の負担軽減に努めてまいる所存でございます。また今回の法改正によりまして、各法人におきまして地域貢献活動など公益的な取り組みが広がり、県域の地域福祉の充実に向けて大きな推進力となることが期待できますが、県といたしましては、コーディネート機能を積極的に果たしていく必要があると考えております。

 例えば現在、奈良県社会福祉法人経営者協議会と県社会福祉協議会が中心となりまして、県も参画いたしまして、県内各地域の法人が共同で地域貢献活動を行う準備を進めているところでございます。具体的な内容でございますが、各法人の施設や人材などの資源を活用いたしまして、きょう帰るところがない、今食べるものがないなど、地域で生きづらい思いをされている方々に対する支援等を行う検討をしていただいております。

 また奈良県社会福祉事業団がございますが、その事業団におきまして、重症心身障害児・障害者を受け入れる施設は県北部に偏在しておるのが実情でございます。中南和地域の拠点施設として、障害者総合支援センターの通所施設の機能強化を図ることを考えておられ、県も共同して検討を進めているところでございます。

 今後とも社会福祉法人との連携を強化いたしまして、制度改革を円滑に進めるとともに県域の福祉サービスの基盤の充実と質の向上に資する取り組みの推進に努めてまいりたいと思っております。

 残余のご質問は関係部長などがお答え申し上げたいと思います。



○議長(川口正志) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)三十二番山本議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、健康寿命日本一の目標達成に向け食を通じた健康づくりについて、これまでどのように取り組み、今後どのような取り組みを進めていくのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、食は、子どもの健やかな成長をはじめ誰もが健康で幸福な生活を送るために欠かすことのできないものでございます。また食は、生涯を通じての健康づくりの基本であることから、幼少期から高齢期まで各ライフステージごとの特徴に応じた取り組みが必要でございます。このような観点から、子どものころからの食習慣の確立や、若い世代の野菜摂取不足、子育て世代の食事バランスの悪さなどに対する取り組みの必要性につきまして、ご指摘をいただいているものと認識をいたしております。

 お尋ねの食を通じた健康づくりの取り組みにつきましては、健康寿命の延長に効果的な健康行動の研究をもとに、減塩対策、野菜摂取の促進に重点を置いた取り組みを進めているところでございます。とりわけ若い世代をターゲットにした取り組みといたしまして、よりよい食習慣は子どものころからの食育が重要であることから、楽しく減塩を学ぶことができる子ども向けのツールとして減塩紙芝居や適塩ソングを作成し、子育て支援団体や食育ボランティア団体のイベント等で広くご活用をいただいております。

 また、小学生や中学・高校生をはじめ若い世代に食と健康について関心を高めてもらうため、食育作文コンテストを実施いたしております。さらに県内大学と連携し、野菜たっぷりメニューの調理体験などを通じて食と健康の大切さを学んでもらう親子講座を開催するなど、さまざまな手法で県民への普及啓発に努めているところでございます。

 このような取り組みに加えまして、本年度新たに県民の食生活に関する大規模調査を実施し、市町村ごとの野菜や食塩の摂取量、食習慣等の実態を把握することといたしております。今後、この調査結果を参考に市町村ごとの課題に応じた取り組みを支援するとともに、地域で熱心に活動されている団体等とも連携いたしまして、野菜摂取の促進や食習慣の向上に向けたより効果的な取り組みにつきましても検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(川口正志) 榎原会計局長。



◎会計局長(榎原邦員) (登壇)三十二番山本議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、随意契約の取扱基準につきまして、各部局にどのように周知、指導を行い、随意契約の適正な執行を確保しているのかといったご質問でございました。

 議員お述べの随意契約の取扱基準は、県が事業を実施する際に、地方自治法及び同施行令で規定されている随意契約がどのような場合に当てはまるのかを明らかにするために、適用するための要件と具体的な事例を示したものでございます。取扱基準につきましてはホームページに掲載するとともに、会計関連法令集にも載せ紙ベースで全所属に配付しております。また各部局で会計事務の主たる担い手となる出納員、経理員に対する研修などにおいても機会を捉え、取扱基準につきましては繰り返し周知、説明してきたところでございます。

 それぞれの部局で実際の事業に取扱基準を当てはめる際に、疑義が生じた場合にはその都度、会計局に協議してもらうことにしておりまして、随意契約の適切な執行が行われるよう指導しております。また、あわせて随意契約を行う案件がそれぞれ取扱基準に適合したものになっているかどうかを、少額のものを除きまして契約段階において会計局でチェックしております。さらに出先機関に対しましては会計実地検査を行いまして、契約関係書類を確認し個別に必要な指導をしております。

 今後とも、適正な随意契約の執行がなされるよう、引き続き各部局に対しまして周知を行い指導を徹底してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 江南代表監査委員。



◎代表監査委員(江南政治) (登壇)三十二番山本議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、第三十二回国民文化祭奈良県実行委員会のロゴマーク制作業務委託に係る住民監査請求につきまして、なぜ却下との判断に至ったのかというご質問でございます。お答えいたします。

 住民監査請求は、住民が地方自治法の規定に基づきまして地方公共団体の執行機関または職員について、違法または不当な公金の支出等を行ったと認める場合に監査委員に対し監査を求めまして、必要な措置を講ずべきことを請求することができる制度でございます。本年八月一日に住民から、第三十二回国民文化祭奈良県実行委員会が締結したロゴマーク制作業務委託契約に関しまして不当な支出があったとして、実行委員会の会長であります知事等に対し、県が損害賠償請求を行うことを求める住民監査請求がございました。

 ただいま冒頭に申し上げましたように、住民監査請求の対象となる公金の支出等の財務会計行為は、県の執行機関または職員による行為でございます。一方、本件実行委員会は、文化庁長官が定めました国民文化祭開催要項に基づきまして、県、市町村、各種団体等から構成される組織として設置されまして、会則、財務規程等を定めて活動をいたしております。

 したがって監査委員の合議によりまして、本件実行委員会が行った契約に係る支出は地方自治法第二百四十二条第一項に規定いたします財務会計上の行為とは認められず、本件監査請求につきましては不適法なものとして却下と決定をいたしました。

 監査委員といたしましては、地方公共団体を取り巻く行財政環境の厳しさが続く中で、県民目線に立った公正で実効的な検査の遂行を通じまして、今後とも県の財務に関する事務の適正な執行が確保されますように努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 三十二番山本進章議員。



◆三十二番(山本進章) それぞれの答弁に対しまして、私の方から感想や意見、そして再質問する時間が到底二分では無理なので、予算審査特別委員会にも入っておりますので、そちらのほうで再度質問、意見を述べさせていただきたいと思います。終わります。



○議長(川口正志) しばらく休憩します。



△午後二時休憩

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△午後二時十八分再開



○副議長(小泉米造) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十九番太田敦議員に発言を許します。−−二十九番太田敦議員。(拍手)



◆二十九番(太田敦) (登壇)皆さん、こんにちは。また奈良テレビをごらんの皆さん、こんにちは。大和高田市選挙区選出の太田敦でございます。日本共産党を代表して質問を行います。

 七月十日に行われました参議院議員選挙で、日本共産党は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進という二つの大目標を掲げて戦いました。野党と市民の共闘は、全国三十二の一人区の全てで野党統一候補を実現し、十一選挙区で激戦を制して勝利をおさめ、初めての挑戦としては大きな成功をおさめることができました。また、参議院議員選挙の比例代表選挙においても、史上二番目の得票の前進をかち取り、参議院議員選挙で私たちは大健闘と言える成果を上げることができました。引き続きこの野党共闘を前進させ、安保法制廃止、立憲主義回復をはじめ国民の立場で政治を前に進めるために奮闘する決意を表明して、質問に入ります。

 最初に、公共交通問題でございます。

 安倍政権が、JR東海が進めるリニア中央新幹線の建設加速と、そのために同社に公的資金を低金利で貸し付けることを決め、具体案を検討しております。リニア中央新幹線計画は、二〇二七年に東京、名古屋間で開業し二〇四五年に大阪まで延伸する予定ですが、政府が資金面でてこ入れすることで大阪開業の年を前倒しさせようとしております。

 リニア中央新幹線計画は、東京、名古屋、大阪間のほとんどをトンネルでつなぎ、超電導磁石の力で浮上させた車両を時速五百キロメートルで走行させる計画であります。しかしこの計画をめぐっては、住民が認可取り消し訴訟を起こすなど批判や異論が相次いでいます。また、このリニア中央新幹線計画には環境省も、環境影響には枚挙にいとまがないと警告する意見を出していますが、問題は何ら解決しておりません。その上、人口減少社会に入っている日本で利用者数の将来見通しも不安視され、リニア中央新幹線事業の採算性そのものに疑問が投げかけられております。南アルプスを巨大トンネルで貫く難工事については、費用の肥大化が懸念されております。巨額な公的資金を貸し付けたリニア中央新幹線事業が行き詰まり、そのツケが国民の負担として押しつけられるという危険が現実になりかねません。

 深刻なのは、地震への対応をはじめリニア中央新幹線運行の安全性に大きな疑問があることです。リニア中央新幹線建設ルートには糸魚川、静岡構造線など、日本でも有数の活断層が多く存在しております。JR東海は、活断層の通過は短い距離にするなどと説明しておりますが、不安は拭えません。時速五百キロメートルという超高速走行中に、断層が崩れる巨大地震に直撃されたらどうなるのか。仮に安全停止をしても一千人もの乗客を地上まで避難させるのか、熊本地震の現状を見ても活断層がもたらす危険を軽視することはできません。

 JR東海は、リニア中央新幹線建設の理由の一つに、東海道新幹線が南海トラフ巨大地震などで寸断された際の迂回路として挙げておりますけれども、新幹線とほぼ並走するリニア中央新幹線が地震で無傷で済むのか説得力はありません。

 むしろリニア中央新幹線建設や残土処理によって南アルプスなど地形が大きく変わり、災害を拡大させる危険を警告する研究者も少なくありません。災害に強い国づくりにも逆行しかねない、この無謀なリニア中央新幹線建設に道理はありません。リニア中央新幹線に九兆円もの巨額を投じるのではなく、既存の新幹線などが巨大地震に耐えるかどうかの徹底的な点検と耐震補強こそ最優先の課題です。

 奈良県では、昭和五十四年にリニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会というものを設置し、その後、リニア整備促進事業費として計上されるなどしております。またこの間、中間駅設置をめぐっては、生駒市の学研高山第二工区が、京都府、大阪府、奈良県の三府県にまたがる地域でのこの産業施設が集積できる、また、JR大和路線と近鉄橿原線が交差する大和郡山市付近が利便性も高く経済の底上げが可能などと誘致合戦の様相が激しくなっていますが、本当に実現可能なのでしょうか。奈良県の場合、移動時間の短縮で人や企業、あるいは消費が大都市圏に吸い取られるストロー現象も懸念されます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 リニア中央新幹線事業はさまざまな観点から検討を加えて、巨額の費用を投じてまで本当に県民にとって必要なのか、ぜひとも県民的な議論を尽くすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 そしてまた県内の身近な公共交通ではどうでしょうか。急速に進展する少子高齢化、人口減少、過疎化などの原因により、公共交通の維持が困難になりつつあります。また日常生活や社会生活を営む上で、市町村が運営するコミュニティーバスやデマンドタクシーなどの公共交通を必要とする県民が増加することが見込まれます。県内で買い物や病院に行けないということがないように、県民の交通手段の確保につながる市町村が行うコミュニティーバスやデマンドタクシーに対して、県として積極的に支援を行っていくべきです。

 また鉄道を見てみますと、台風や大雨の影響でたびたびJRが運転を見合わせております。九月二十日に起こった台風十六号では、JRや近鉄が一部運転を見合わせたりまた運休したりするなど、多くの県民がやむを得ないと感じるところもありますが、八月二十五日には、JR西日本関西線で天王寺駅から王寺駅まで、ふだんは二十分のところ二時間もかかってしまった、最終電車で帰るところだ。また八月二十九日には、大雨で徐行運転をするといってまた、二十分のところ一時間以上かかって本当に疲れた、こんな声が寄せられたり、八月三十日、JR高田駅では早朝、駅に来たけれども和歌山線がとまっている、学校に行くことができないなどの訴えをお聞きしました。雨風もやんでおり、近鉄電車は動いているのになぜJRだけが頻繁にとまるのか、今井光子県議会議員がJRに対して問い合わせたところ、JRからは、降雨量の一定基準を設けて列車の運転を見合わせておりますが、同時に、施設が老朽化している箇所については検査結果に基づき保守を実施したいとの回答がありました。設備の劣化が原因で一部運転を見合わせたり運休するなどの状況は、早急に改善すべきであります。

 また県内にある駅の無人化がふえて、二〇一三年だけで近鉄の路線で無人化された駅は九駅ございました。その後も駅の無人化は進み県内の無人化の駅は四十三駅になり、奈良県内の駅の約三分の一が無人化になっております。また無人ではありませんが、日勤時間帯にしか駅員が配置されていない駅もふえました。知事はこれまで駅無人化についての質問に対して、駅は地域のまちづくりにとっても欠かせないものだと答弁されております。今後、ますます高齢化が進み利用者が減少する中で、駅という公共施設が企業の合理化、この観点だけで無人化されていくことは極めて問題です。

 そこで、知事にお伺いします。

 鉄道駅の無人化は子どもたちの通学やまちづくりに影響を及ぼすのではないかと地元から出された心配の声に対して、県としても対応をすべきであり、市町村による人員配置に県としても支援をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、介護保険制度における総合事業について伺います。

 介護保険制度が始まって十五年が経過をいたしました。家族の介護負担は依然として重く、介護離職は全国では最近、年間十万人以上に上るなど、深刻な状況でございます。今般のこの介護保険の改正により、要支援一及び要支援二の方に対する介護サービスのうち訪問介護と通所介護に係るサービスが、全国一律の介護予防給付から市町村が実施する地域支援事業へと移行をいたします。

 しかしながらこの改正によって、二〇二五年に向けて軽度者に対する給付を見直す第一歩となること、多様なサービスの提供によりコストを削減すること、生活支援と介護予防の主な担い手を地域住民主体の互助サービスへと移行し公的サービスを縮小することにつながるのではないでしょうか。例えば総合事業では、ホームヘルパーの資格を持たない人による要支援一・二への訪問サービスがスタート可能になります。ホームヘルパーの資格のない人も掃除、洗濯、調理などはできますが、そこには専門的な観察力の不足は否めません。資格のあるホームヘルパーは病気や認知症の発見につながる専門的な観察力を持っており、生活援助によって利用者が要介護にならないようにできたというケースも聞いております。市町村が利用者の希望や地域包括支援センターの判断をコスト優先で緩和基準によるサービスに誘導し、希望するサービスが受けられないという事態を招いてはなりません。介護保険サービスを縮小し、市町村による総合事業へと移行することで市町村間の格差が生じることは、介護保険制度そのものの根幹を揺るがすものにつながります。

 そこで、知事に伺います。

 総合事業については利用者のサービスの低下が起きないように、現行相当のサービスを維持されるよう県としても取り組んでいくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、水害対策について伺います。

 九月六日午後四時ごろ、私のところへ大和高田市にあります春日町が冠水していますとの連絡を受け、現地に向かいました。パネルをごらんください。住宅街に雨水が冠水している様子でございます。この地域は何度も水害を繰り返す浸水常襲地域の一つで、市は雨水貯留施設をつくったり県も近くを流れる河川の河床を引き下げるなど、さまざまな対策を講じてきたところでございます。それにもかかわらずこのような水害が繰り返されており、本当に何とかしてほしいという住民の願いは切実でございます。二枚目のパネルは、このちょうど下側、この住宅の突き当たりに当たるところでございます。先ほどの住宅地がここにつながっております。この住宅地に冠水した雨水を都市下水路、ここにポンプを使って消防署の職員が排水しているところでございます。注目していただきたいのは、住宅街に冠水している水位よりも都市下水路のほうが上になっておりまして、また、この都市下水路がもう少しであふれそうになっている様子がわかっていただけるのではないかと思います。このほかにも市内では大雨で数カ所が冠水し、田井新町という地域では四件の床下浸水が発生いたしました。

 これまでにもこのような住民の皆さんの要望をお聞きし、九月二日、奈良県と大和高田市の治水対策を学ぶ水害問題市民学習会を大和高田市内で開催をいたしました。地域の自治会長さん、地区総代さんや市民の皆さん約四十人の方々が参加をし、具体的な地域の水害問題を出し合いました。県や市、私がお話しした後、松塚地区からは、曽我川の流れが悪いために近鉄松塚駅南の田んぼが毎年湖のようになる、地区内の小金打川の改修などしても、曽我川の水が上がると逆流する。曽我川河川敷の耕作地や廃棄物の撤去等、指導や監督をしっかりしてほしい。大規模な河川改修もいいが、クリーンセンター付近の葛城川など河床を清掃するなど流れをよくすることの効果は大きいと思う、こんな意見が出されました。

 有井地区というところからは、ため池の埋め立ての許可条件はどうなっているのか。南郷池付近の水つきが心配。また、有井地区では新しい建て売り住宅がどんどん建てられ雨水が入る田が少なくなっている。何とか対策を講じてほしい。三和町の住民からは、地域の水は広陵町で葛城川に合流する。我々のところに流れてくる上流からの水路の多くは暗渠、泥がたまっても見えない。先月も暗渠の水よりも低い昭和町と三和町の境目のところで水がついた。床上ぎりぎりの家もあった。敷島という地区からは、水は上流でためるべき。曽我川の上流に貯留施設が見当たらない。高田川も新庄あたりで貯水池をつくってためるべき。高田川の県による整備は効果があったが、築山の内水が全部流れるのか心配もある。敷島地区は、排水溝の整備がおくれている。一丁目、二丁目の共有の水路が新しい家の建設で断ち切れている。建設の許可等は一体どうなっているのか。一つ一つ困っていることを個人の問題にしないで、しっかり要望に応えてほしい。行政の手が欲しい。また東三倉堂という地域からは、昨年整備された貯留施設ができてから浸水がなくなった。効果は大きかった。こんな発言が次々と出されました。

 意見交換では、予想を超える豪雨災害が絶えない中、上流での取り組みが弱いということ、また流域の地域の連携は必要性が非常に高いということ。また小規模の住宅開発など浸水対策が地域だけではどうにもならないという課題が、改めて浮き彫りになったところでございます。

 この大和高田市で行った水害問題市民学習会で出された、何度も水害を繰り返す浸水常襲地域における被害の原因といたしましては、河川からの溢水だけではなく内水または水路からの溢水など、さまざまな要因が明らかになっております。この点からも、浸水被害の軽減に向けた取り組みを進める必要があると考えます。

 そこで、知事に伺います。

 浸水常襲地域での減災対策について、局所的な対応にとどまらず、上下流が連携した取り組みが重要だと考えますが、県はどのように取り組んでいくのでしょうか。

 また、県土マネジメント部長に伺います。

 たびたび浸水が発生する小金打川の河川改修の進捗状況は、どのようになっているのでしょうか。

 次に、河川の安全対策について質問を行います。

 ことしの七月十八日、大和高田市内を流れる高田川で、市内の小学四年生の男子児童が川に流され搬送先の病院で死亡が確認されました。お亡くなりになられた男子児童に心からお悔やみを申し上げます。

 高田警察署によりますと、男児は、兄と友人の五人で深さ約三十センチメートルの川で斜面になった川底を滑りおりるなどの遊びをしていたところ、誤って下流の深さ約二メートルの深みにはまり溺れたとのことです。高田川の川沿いには憩いの場として遊歩道を設置しているところが多くありまして、とりわけ春から夏にかけて多くの人が川沿いを訪れ、川の水で遊ぶ姿が日常となっております。県内を流れる川の中には、川沿いに憩いの場として広場や遊歩道を設置しているところがあると考えられます。それだけに、川に流されるなど溺れることのないような対策を講じる必要がございます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 今回の事故が起こった箇所について、再発防止のため県はどのような対応をされたのでしょうか。また川遊びをする子どもたちへの注意喚起について、どのように取り組まれているのか伺います。

 次に、特別支援教育の充実について質問を行います。

 私は先日、養護学校の様子を一度見てほしいと生徒の保護者からお話がございまして、八月九日、県立明日香養護学校、また大淀養護学校を日本共産党県議団で視察をいたしました。明日香養護学校は肢体不自由の子どもを対象に教育を行っていますが、重度の重複障害が多くなっていることや、目を離すことのできない医療ケアの必要な児童生徒も多く在籍をしております。そして現在は、病弱の生徒も受け入れております。また訪問教育は、十津川村の生徒を含め県下全域をカバーしております。九十五名の児童生徒一人ひとりの状況をしっかりと把握をし、生徒や保護者と向き合って、命の危険と隣り合わせという緊張した中でも成長を支えておられる校長先生をはじめ、教職員の皆さんの献身的な取り組みを聞き、大変学ばされました。

 ちょうど視察をした日が夏休み中の登校日ということもあり、お化け屋敷や盆踊り、ホットケーキづくりなど、小・中・高の生徒の皆さんが工夫して楽しんでおられました。しかし校舎や設備は、昭和四十一年に建てられたもので、耐震と大規模改修を行っているものの老朽化が進んでおりました。

 また大淀養護学校は、中重度の知的障害児童の生徒の教育が行われているところでございます。当初、八十名の受け入れからスタートいたしましたが、現在では児童生徒は二百四名と増加する一方で、教室が足りないという状況でございました。特別教室を転用したり、教室を壁で仕切りをつくり二つの部屋にしたり、時間ごとに教室を片づけて使い分けたり、かなり苦労しておられたということであります。また教職員全員が集まって会議する部屋にも困っている実態、給食室が狭く生徒が利用するのに苦労している実態、こういった状況を教えていただきました。大淀養護学校も昭和五十年開校で建物の老朽化が進んでおり、壁の塗装が剥がれて教員が自分たちで塗りかえたりするなど、教職員の努力で建物が維持されている様子もうかがえました。

 全国的にも特別養護学校の児童生徒はふえております。この背景には、特別支援学級や特別支援学校における教育への国民的な理解が進み、一人ひとりに見合った丁寧な教育をしてほしいという保護者などの願いが広がっていることがあります。一方、特別支援学校の生徒の数がふえても、学校の施設が対応できない状況でございます。また図書室や家庭科室など特別教室を普通教室に切りかえたとしても、そのこと自体は問題にはされません。まずは養護学校にふさわしい設置基準をつくって、一人ひとりに見合った丁寧な学校運営をすることが必要ではないでしょうか。

 そこで、教育長に伺います。

 知的障害者を教育する特別支援学校は過密状態であり、その改善のためには、新しい特別支援学校の設置が必要だと考えますがいかがでしょうか。またこのような状況は、特別支援学校の設置に対する基準が存在しないことが大きな原因、要因となっておりまして、国に対して、特別支援学校の設置基準を設けるよう求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。

 次に、通級指導教室の充実について質問を行います。

 落ちついて先生の話や友達の話が聞けるようになりたい、あるいはまた、自分の気持ちをコントロールして日常生活で起こるトラブルを減らしたい、こんな願いを持つ子どもたちが、現在通学している学校に籍を置いたまま必要な時間だけ通って指導を受ける通級学級、いわゆる奈良県ではステップ教室と呼ばれるものがあります。これは主に、発達障害と言われる子どもたちの指導を行っております。

 例えば大和高田市では、平成二十年四月より大和高田市立高田小学校に通級指導教室、ステップ教室を開設いたしました。これまで自分の興味本位の言動が目立った児童が、教室を通して情緒が安定し自分勝手な行動をすることが少なくなった。またすぐに諦めがちだった子どもが目標を持って頑張れるようになった、また自分の殻に閉じこもっていた子どもの交遊関係が広がった、保護者同士で子育ての悩みなどを出し合って情報交換できる機会がふえたなどの成果が上がっております。

 開設以来、個々に応じた学習内容を計画し指導を進めておりますが、担当教員が一人であるような場合には、決められた時間の中での保護者との相談や個々の児童の指導時間を確保するというのが厳しい状況でございます。

 発達障害のある児童生徒への通級指導教室の開設状況につきましては、奈良県全体を見ましても、小学校において複数校に設置されている市町村は奈良市のみで、その他は大和高田市、大和郡山市、天理市、田原本町など十市四町にそれぞれ一校ずつしかありません。また中学校になりますと、複数校に設置されている市町村はなく、奈良市、橿原市、葛城市の三市に一校ずつしかありません。

 そこで、教育長に伺います。

 支援を必要とする児童生徒のニーズに応えるため、指導教員の増員や設置数の増加など通級指導教室の充実を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、学校におけるエアコンの設置について質問を行います。

 六月ごろから九月の末までの間、子どもたちからは暑過ぎて勉強に集中できないという声が相次いでおります。地球温暖化の影響で、ここ数年猛暑が続いております。こうした状況を反映して、全国では公立学校の普通教室にエアコンを設置するというのは大きな流れになっております。

 こちらをごらんいただきたいと思います。県内の公立小・中学校におけるエアコンの普通教室の設置状況は六・一%で近畿では最下位であり、全国平均の三二・八%からも大きくおくれております。進んでいるところを見ますと、例えば東京都は九九・九%、ほとんど設置されております。神奈川県でも七一・三%、近畿では隣の大阪府で四八%、京都府が六八・一%、滋賀県が五〇・三%、奈良県の六・一%というのが非常におくれております。

 文部科学省の学校環境衛生の基準では、最も学習にふさわしい温度は、冬季では十八度から二十度、夏季では二十五度から二十八度程度とされておりまして、エアコンの設置の取り組みというのは急務ではないでしょうか。しかし、県内の市町村の小・中学校全ての普通教室へのエアコン設置には多額の費用が必要であり、現在の国庫補助制度を活用しても数億円の予算が必要となるところが多くございます。また施設の老朽化への対応など、児童生徒の安心安全に係る施設設備を優先的に、計画的に整備を行わなければならないというのが県内市町村の実態ではないでしょうか。一方で、設置率が九九・九%の東京都は、都独自の補助金を創設することで推進をいたしました。奈良県としての取り組みを強く求めます。

 そこで、教育長に質問を行います。

 現在、奈良県で設置がおくれております公立小・中学校へのエアコン設置ですが、市町村だけに任せず県としても設置を支援すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 また奈良県として公立小・中学校のエアコン設置に本格的に支援が進まない理由の一つに、県立高等学校においてまだエアコン設置が完了していないことも考えられます。県内では、三十三校のうち十四の高等学校が育友会負担で完了しています。速やかに全ての県立高等学校へのエアコン設置の計画を策定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 以上で壇上での質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初は、リニア中央新幹線事業についてのご質問でございます。

 リニア中央新幹線の整備は、東西大動脈をもう一つつくるという二重系化を図り国土軸を分散させ、一つの災害で国家機能を麻痺させないというリダンダンシーの考え方を取り入れ、これまで振興のおくれた地域の活性化など国土構造に大きな変革をもたらし、これからの我が国の均衡ある発展形態を目指す国家的見地に立ったプロジェクトと認識をしております。本県を含むこれまで東西大幹線国土軸から外れた地域を発展させる新たな可能性、また起爆剤となることが期待されております。

 また、新幹線の駅も空港もないのは全国で三県ございますが、本県もその一つでございます。リニア中央新幹線は、経済の発展や生活の向上につながるとともに交流人口の拡大を可能にする、またとない好機と考えております。リニア中央新幹線は県民の立場、特に未来の奈良県民の立場に立って考えますと、将来の奈良県にとって必要不可欠であると確信をしております。

 八月二日に閣議決定された経済対策に、財政投融資の手法を積極的に活用、工夫することにより、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しする旨が盛り込まれました。これを受けまして平成二十八年度補正予算案及び平成二十九年度予算要求に財政投融資三兆円が計上されたことは、非常に喜ばしいことと受けとめております。

 またリニア中央新幹線の全線建設費九兆三百億円でございますが、これは民間企業であるJR東海が全額負担することとなっており、従来の整備新幹線建設のためのいわゆる公共事業方式と全く異なっております。

 今後、前倒しを確実にするためには、三重・奈良ルートのルートや駅位置の早期確定と、そのための環境影響評価手続の早期着手が必要でございます。またルートや駅位置が確定いたしますと、地元では用地取得、土砂処分、住民調整を前倒しして実施することができ、沿線自治体として協力することが可能になります。加えまして、駅周辺のまちづくりの具体的な検討や計画的な整備により、民間投資を前倒しして呼び込むことが可能となります。

 今後は、三重県はもとより大阪府ともさらなる連携を図り、経済界、地域の皆様とスクラムを組んで、駅位置や三重・奈良ルートの早期確定等に向けより積極的に国やJR東海に働きかけてまいりたいと考えております。

 二つ目のご質問は、鉄道駅の無人化についての対策でございます。

 鉄道駅における駅係員の無配置化、無人化につきましては、現行の法令上、県に対しましては何ら権限が与えられておらず鉄道事業者の判断に委ねられているのが実態でございます。しかし乗降客数が少なくなった駅を中心に駅係員の無配置化が進んでいることは、大変危惧しているところでございます。これまで駅係員の無配置化などは、利用者の利便性や防犯、安全性を低下させるおそれがあることから鉄道事業者に対し、駅係員の無配置化等を行う場合には、地元地域に十分な説明を行い理解を得るとともに、要望等があれば、真摯に受けとめ検討するようお願いしてきたところでございます。

 また地域社会の中の鉄道駅のあり方を考える観点から、本年三月に策定いたしました奈良県公共交通基本計画におきましては、無人化された鉄道駅の再活性化を今後新たなテーマとして検討することとしたものでございます。

 地元自治体が鉄道事業者と連携、協働し、駅の活性化を図ろうとする試みが出てきております。御所市における事例でございますが、シルバー人材センターを活用して人員配置を行っておられます。今後、まちづくりなどに係る施策の取り組みの中で、鉄道事業者と地域との連携、協働を図る観点から、県の具体的な関与、方策のあり方について検討を行ってまいりたいと考えます。

 三つ目でございますが、介護保険制度における総合事業の今後のあり方についてのご質問でございます。

 議員お述べのように、介護サービスの一部につきまして平成二十九年四月、来年の四月から、市町村が実施する地域支援事業に移行いたします。これは、地域包括ケアシステムの実現に向けまして、在宅で生活される高齢者が必要とするさまざまな生活支援サービスや介護予防活動を充実させることを目的としたものと聞いております。

 具体的には、既存の介護事業者による専門的なサービスに加えまして、NPOやボランティアなど地域の多様な主体による多様なサービスをつくり出し、市町村が提供できるようにするものでございます。したがいまして、移行後も高齢者の状態に応じて現行相当の専門的なサービスを利用することもできるわけでございます。よい地域包括ケアシステムの実現のためには、より小さな地区での地区の実情と住民の期待に応じたきめ細やかなケアマネジメントの実行が必要と考えております。

 そして市町村が提供するサービス内容を決定される際には、利用者の希望や身体状況に応じた適切なケアマネジメントの考え方に基づいた決定をされることが必要だと思います。このため県といたしましては、市町村や地域包括支援センターにおきまして、ケアマネジメントを担当される職員に対する研修を行い、地域におけるサービス提供の質が向上するよう努めているところでございます。

 また市町村がみずからの地域において多様なサービスをつくり出すことができるよう、サービス内容の類型や費用など、取り組みを進める上でご留意され必要な具体的なポイントなどについて、丁寧に技術的な助言というものを行ってまいりたいと考えております。

 さらに各地域におきまして、多様なサービスの提供体制を整備する上ではコーディネーターという役割が極めて重要であると考えます。このケアマネジメントの中心的な役割を担われますコーディネーターの育成や地域におけるさまざまな主体による生活支援体制の整備に向けた協議体の設置などが必要でございますが、市町村の取り組みに対しまして、県の地域包括ケア推進基金を活用した財政的な支援を行ってまいる所存でございます。

 今後とも県といたしましては、このようなやり方できめ細かく取り組みを進め、市町村が多様なニーズに応じた多様な生活支援サービスを提供できるような支援に心がけたいと思っております。

 大和高田市におけます浸水常襲地域の減災対策についてのご質問がございました。

 議員お述べのように、大和高田市には浸水常襲地域と言われるものがございます。その減災対策でございますが、当地域におきましては平成十九年七月の集中豪雨におきまして、大和川流域を中心に約一千戸の家屋で浸水被害が発生いたしました。これを契機に、昭和五十八年度以降三回以上浸水実績のある県下の九十六地域を浸水常襲地域と定めたわけでございます。そのような地域におきましては、具体的な対策を減災対策緊急プログラムとして取りまとめ、浸水常襲地域における減災対策にそれ以降取り組んできているわけでございます。

 浸水原因は、河川や水路からの溢水、内水の氾濫などさまざまでございます。関係機関が一体となって取り組む必要がございます。そのため河川改修や下水道雨水幹線、水路改修、貯留施設などを組み合わせて実施する計画となっております。地域の浸水実情に応じた緊急対策の様相でございます。

 減災対策緊急プログラムの進捗状況といたしましては、昨年度末までに暫定的な対策も含めまして五十七の地域で対策を完了し、進捗状況はおおむね六割でございます。しかしながら、減災対策緊急プログラムは緊急的な対応でございますので、水路狭窄部の改修や周辺での貯留施設など局所的な対応になる傾向がございます。

 このため本県では、浸水常襲地域のある支川流域において、より抜本的な対策を進めたいと考えております。市町村と県の土木部局、農林部局が連携し、ため池の治水利用や雨水貯留施設の整備、水田貯留の促進などにより、支川流域の保水力の向上、すなわち降った雨をすぐに河川には流さず一時的に地域で貯留する取り組みを進めております。今年度もこうした取り組みを大和高田市を含む高田川流域の他の三つの流域、すなわち曽我川、岡崎川、中川で進める予定としております。

 県といたしましては、こうした取り組みを県下全域の治水対策としてより一層着実に推進したいと考えておりまして、総合治水に関する条例の検討も進めております。議員お述べの観点を踏まえ条例には、一つには、小規模開発への減災調整池の設置義務、ため池の治水利用の促進と維持・保全、新たな水田貯留の促進など、ためる対策を盛り込む予定でございます。二つには、支川の流域市町村が連携、協力して取り組む場合には、県が奈良モデルにより支援する仕組みを定めることを考えてまいりたいと思っております。

 次の私への質問は、高田川で小学生が流された水難事故のことについての再発防止についてのお問い合わせでございます。

 ことし七月十八日の夕方、大和高田市大中東町の高田川で友達数名と泳いで遊んでおられました小学四年生の男子児童が流され、死亡される水難事故がございました。心からお悔やみを申し上げる次第でございます。

 このような事故に向けた緊急な対応といたしまして、県警察及び大和高田市が連携し直ちに周辺に同様の危険箇所がないかを確認し、明くる日の七月十九日、事故現場周辺三カ所に県、高田警察署、大和高田市連名で水難事故が発生した箇所であることを記した注意喚起看板を設置いたしました。これとともに事故現場となった河川内の局所的に深くなっているところを玉石で埋め、現場の安全を確認いたしました。

 川遊びは楽しいものでございますが、細心の注意を払う必要がございます。これまでも県では水難事故防止の取り組みとして、ポスターやチラシを作成し啓発を行ってまいりました。具体的には川へは一人で行かないことや雨の日には川で遊ばないことなど、川遊びをするときの注意事項を記したポスターを毎年夏休み前までに県内全ての小学校の全ての学級に掲示してもらえるよう、必要な部数を作成、配布して、啓発に努めてまいりました。また同様の内容を記したチラシも三千枚作成し、県民の方々の来訪の多い県の出先機関や市町村役場等に置き、県民の皆様への啓発を行ってきております。

 子どもさんたちを含め県民の皆様方が河川に親しみを持ち、安全に遊んでいただけることは大事なことでございますが、今後とも水難事故の防止のために、警察、市町村、関係機関と連携し、引き続き効果的な啓発に取り組み同様の事故が二度と起きないように努めてまいる所存でございます。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、小金打川の河川改修の進捗状況につきまして、お尋ねがございました。

 小金打川は、橿原市曲川町を上流端といたしまして、大和高田市松塚で曽我川に合流します延長約二キロメートルの県管理の一級河川でございます。この小金打川は、川幅が狭く断面積も小さいことから、洪水を流下させる能力が不足をしておりまして、豪雨の際には溢水被害が発生しやすく、この橿原市曲川町の一部は浸水常襲地域となってございます。これまでに曽我川合流点の逆流防止樋門を整備いたしましたほか、曽我川合流地点から上流に向けて百八十メートルの区間の河道の拡幅ですとか河床の掘削による河川の改修工事を終えてございます。今年度もさらに上流に向けまして河川の改修工事を進めていく予定としておりまして、現在、工事の発注手続を高田土木事務所で進めているところでございます。

 また小金打川の浸水被害を軽減するためには、この下流にあります曽我川におきましても河道掘削による河川改修を一体的に進めまして、洪水の流れをよくして、小金打川の水位を下げて内水の排水性をよくする必要がございます。このため曽我川の河床の掘削によって河床の切り下げが出てくるわけですけれども、そのために必要となります重井出井堰、これが改修が必要となってまいります。改修工事の着手に向けまして、管理者との調整を行うなど準備を進めてきたところでございますが、管理者との調整でございますが、この九月二十一日に整ったところでございます。重井出井堰の改修工事につきましては、来年度にも着手できるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 今後とも橿原市曲川町の浸水常襲地域の浸水被害軽減に向けまして、小金打川、曽我川の河川改修を一体的に進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、三問の質問をいただいており、まず一問目は、特別支援学校の新設と国の設置基準についてのお尋ねでございます。

 本県におきましては、知的障害のある児童生徒数の増加への対応と特別支援教育の適正な推進を図るため、平成二十二年五月に特別支援教育検討委員会を設置し、同年十一月には奈良県の特別支援教育の方向性を示す審議のまとめが報告をされました。

 報告の中ではまず、特別支援教育は、地域に根差した教育を一層推進することなどの方向性が示されており、現在はインクルーシブ教育のシステムを構築する必要がございますので、地域において障害のある子どもとない子どもができる限り同じ場で学ぶことができる、そんな体制づくりを進めております。市町村教育委員会に対しましても、このことを踏まえた適正な就学指導を進めるよう、年三回開催しています特別支援教育担当者連絡協議会等を通じて周知をいたしております。

 また、特別支援学校のあり方としては三つ提言をいただいておりまして、複数の障害者に対応した学校の設置。次に通学区域の見直しを図ること。それから特別支援学校の分校、分教室を設置する。このことの提言がなされております。県教育委員会では、提言に従いまして、肢体不自由教育の特別支援学校二校に病弱教育部門を併置をいたしました。また、二階堂養護学校の過密化の解消のため大和郡山市を奈良東養護学校の通学区域に変更いたしました。さらに、平成二十八年四月から県立高等学校三校に高等養護学校の分教室を設置するなどの施策を現在進めております。

 特別支援学校の新設につきましては、インクルーシブ教育の理念と相反することのないよう慎重に対応してまいりました。現時点では、過密化の解消に向け平成二十六年度から県の主要プロジェクトとして、スクールバスの増車・更新、教室不足への対応を実施いたしております。さらに、高等学校への分教室設置の拡充や奈良東養護学校高等養護部の再編によりまして、今後生じる空き教室の利活用に向けた通学区域の変更等についても検討してまいります。

 また国においては、特別支援学校の設置基準を持たず学校施設整備指針で対応をいたしております。小学校の設置基準には、学級の編制は一学級の児童数は四十人以下と示されておりますけれども、障害のある児童生徒の障害の程度は個人差がございます。また単一障害、重複障害での学級認定も毎年一定数でないことから、設置基準を一律につくることは困難であると考えております。今後は国の整備指針に応じた整備を進め、より一層、特別支援学校の充実に努めてまいります。

 二問目は、通級指導の充実についてのお尋ねでございます。

 通級指導教室に通う児童生徒数は年々増加をしておりまして、平成二十八年度は県全体で六百七人となっております。まず市町村教育委員会から開設の要望を受け、県が国に教職員の加配定数を要求をし、その加配定数を活用して市町村が開設を行っているところでございます。県教育委員会では、先ほど申し上げました奈良県の特別支援教育の方向性におきましても通級による指導の拡充を図ることが示されており、その必要性は十分理解をいたしております。

 この方針に沿って毎年度、文部科学省に通級指導の加配教員増を求めておりまして、平成二十八年度には国から三名増が認められ、新たに小学校二校、中学校一校に配置をしました。結果、現在、通級指導教室は、十一市四町の小学校十九校と中学校三校に二十七教室が開設をされております。その内訳は、言語障害等の対応教室が小学校十一校十五教室、学習障害等の対応教室が小学校九校九教室、中学校三校三教室となっております。

 現在、文部科学省は平成二十九年度予算の概算要求におきまして、一億総活躍社会の実現に向けて通級による指導に必要な教員について、加配定数による措置から対象児童生徒数に応じた基礎定数による措置へ転換をし指導体制を安定的に確保する方向を打ち出し、全国で八百九十人の改善を求めているところでございます。

 県教育委員会といたしましては、国の動向をいち早くキャッチをし、引き続き必要な定数を確保する努力を続けてまいります。また新たな通級指導教室の開設に当たっては、地域における開設状況、対象児童生徒数の状況などを踏まえ、市町村教育委員会の意向も十分聞きながら適正な配置に努めてまいります。

 最後に公立学校へのエアコンの設置について、小・中学校へは県の支援を、県立高等学校へは計画の策定を必要とするがとのお尋ねでございます。

 平成二十六年四月一日現在の文部科学省調査によりますと、県内の公立小・中学校のエアコン設置率は、図書室や音楽教室などの特別教室はほぼ全国並みではございますが、普通教室では、議員お述べのとおり全国平均を下回っております。

 小・中学校へのエアコンの設置につきましては、学校の立地条件などもあり基本的には教育環境の整備に責任を有する市町村の判断に委ねられていますが、県教育委員会としましては、市町村の求めにより随時相談に応じております。さらにエアコン設置を希望する市町村に対しては、国の財政支援などきめ細やかな情報提供を行うとともに、全国都道府県教育長協議会による予算要望などの各種機会を通じて財政支援の拡充を国に対し要望をしております。また県立高等学校のエアコンにつきましては、議員お述べのとおり十四校で育友会等により設置されておりますが、県教育委員会では昨年度五校をモデル校として普通教室にエアコンを設置をし、本年六月より稼働をいたしております。

 現在、モデル校におけるエアコン導入後の学習環境や生徒の学習状況及び健康状態などに関するアンケート調査等を行っているところであり、その調査結果を踏まえエアコンの設置について検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(小泉米造) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) それぞれご答弁いただきました。まずリニア中央新幹線の問題について、お伺いをいたします。

 知事からご答弁ございました。奈良県の人口をふやす取り組みであるとか経済の観点から必要だというご説明でした。私は、一方でこのリニア中央新幹線建設につきましては、幾つか問題があるかと思います。それは、知事のほうからも環境影響評価、これ早期に着手するよう国のほうにも求めているということでございますけれども、この環境影響評価でございますけれども、例えば品川から名古屋、既にこれは評価が終わっているところでございますけれども、八六%を地下トンネルでつなぐ工事によって大量発生する残土の処分先が決まっていなかったり、大規模期間中多くの車両が行き交うことによる環境破壊、こうしたことから沿線の七都県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県、長野県、岐阜県、愛知県、こうしたところの住民や自治体など多岐にわたる問題を具体的に示しておりますけれども、JRも政府もまともに応える姿勢がないということでございます。こうしたことから二〇一四年十月に沿線住民の五千人が認可の取り消しを求める異議申し立てを求めているところでございますが、この環境影響評価というのが実際に本当にどのような影響があるのかどうか、これを調査するというよりもその工事のお墨つきを与えてしまうという、こんな私は危険性があるのではないか、このように危惧をしておりますけれども、知事はその点どのようにお考えでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 環境影響評価は、大事なプロセスでございます。環境の影響はいろんな観点がございますが、議員お述べの土砂処分の環境への影響というのもその一つだと思います。取り消しを求められておられる方々は、どの部分を指して環境影響の評価が浅かったとか間違っているとか言っておられるのかはよくわかりませんが、環境影響評価のアセスメントは最近、念入りに行われるのが常でございます。その昔は、環境影響評価というのは独立したプロセスではなくて、工事施工認可にすぐにいっておりました。工事ができるかどうかというのがアセスメントの基本的な要素でございましたが、工事ができるかという中での環境への影響を最小限にしようという大事なプロセスでございます。

 東の名古屋、東京の方面につきましては、環境影響評価が既に済んで確立をしております。それについて、工事が始まっておりますが、その取り消しを求めておられるというのが議員のご指摘の事情でございますが、名古屋以西につきましても環境影響評価は念入りにしていただくのがいいかと思っております。そのためには早目に環境影響評価に着手してほしいということをJR東海に要望しているわけでございますが、リニアの技術あるいはトンネルの掘削の技術、日本は最高の技術レベルでございますので、できないところはあまりないと思うのですけれども、奈良市附近だけできないと言われると大変困るわけでございます。奈良市附近だけができないということはないように思っております。全体の環境影響評価の中で適切なプロセスが踏まれることというふうに考えております。



○副議長(小泉米造) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) この環境影響評価についてでございますけれども、先ほども申し上げましたように五千人の方々が訴訟を起こしているということです。その中には、この残土の処分の問題ですね。あと、それを運ぶトラック、こういった問題につきましては、私は、この奈良県においても十分に想定されるというふうに思います。知事のほうからも、この環境影響評価というのは非常に大事な過程だと、こういう答弁があったと思いますけれども、今回、国に対しての要望のほうを見させていただきますと、早期にこの環境影響評価をやってくださいということと、それと、あと駅の位置とかルートの早期確定の効果の問題についても、用地の取得や土砂処分、住民調整など、事業の促進の環境整備を前倒しして協力できるとともに、計画的なまちづくりを進めることで民間の前倒しによる景気刺激を誘発できますと、このように書かれております。私は、国やJRに対して、やはりこの自然環境を守らせるという観点、これは必要ではないかと思いますけれども、国に対してはそのような要望は出されておりません。知事は、その点についてもしっかりこの国のほうに求めていくべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 環境影響評価は、国が定めた手続でございますので、同様のことを国土交通大臣にも私は申し上げたことが記憶にございます。JR東海と国に同様のことを申し上げるのが常でございますので、JR東海だけというのは記憶にございません。環境影響評価、繰り返しになるかもしれませんが、あらゆる観点から環境、工事をして大丈夫かということをJR東海がアセスメントをして、国土交通大臣が認可、お墨つきを与えるプロセスでございますので、極めて厳格にされるものと思っております。地域の地方公共団体は、議員おっしゃられました土砂処分のあり方や周辺の対策につきまして協力する立場でございますので、名古屋から東京におきましても、各県そのような体制をとっております。JR東海には、地方公共団体とうまい協力関係ができたほうが工事は早く進みますよといったことは申し上げております。環境影響評価が確定しないと、ルートと駅の位置が決まりませんので、周辺のアクセスとか道路とかなかなか決まりません。また、土砂を搬出するのは地上部になる、例えば駅から土砂を掘り出すことが多いわけでございますので、土砂を掘り出す場所がなるべく交通の便利のいいところ、高速道路などに近いところのほうが住民の方に迷惑をかけることは少ないわけでございますので、そのようなことも環境影響評価の評価の対象になる可能性はあると思いますが、環境影響評価そのものにつきまして県は何の権限も持っておりませんので、認可をする国と実施されるJR東海に早く影響評価の取り組みをしていただきたいということを同様にお願いをしているところでございます。



○副議長(小泉米造) 太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) 私は、この環境影響評価を受けたにもかかわらず、具体的な、例えば自治会の中で高架が横断するであるとか、あとは先ほど申し上げましたように土砂の行き先、あるいはそれを運ぶ過程について、いろいろ心配の声があるけれども、それをまともに応えてもらえないというようなことで、神奈川県や山梨県、岐阜県や長野県の方々のお話を聞かせていただきました。先ほど知事からもお話がございましたけれども、答弁の中でも、これはお墨つきを与えてしまうということにつながります。ですからその前に、実際にこの被害を受けるのは県民になることが十分にこの工事が行われた際考えられますから、私はこうした観点で、ぜひ国のほうにも申し入れを行うべきだというふうに思っております。先ほど私も質問をさせていただいた中で、この事業というのは大義がないというふうに思っておりますので、それも申し上げておきたいというふうに思います。

 続きまして水害についての問題で、知事のほうから答弁がございました。私は今回、この地元大和高田市で水害問題の学習会、開かせていただいた中で、本当に学ばせていただいたのは、現地のこの実態というのをしっかりとお聞きして、そして地域の住民らと十分なコミュニケーションをとり、住民の意見や経験を反映させる、双方向に知見や経験を生かす、こういう点で本当に有意義だったというふうに思っております。そして現在、奈良県では、この奈良県の総合治水対策が進められております。私はこの総合治水対策、非常に期待をしておりまして、やはり、これができるからには、地域の方々が本当にこの水害が軽減されたということを実感していただくような、そういうものであってほしいというふうに思っております。しかし一方で、この間も知事ともやりとりいたしましたけれども、三十年もたってこの数値目標が、なかなかこのため池がつくられないと、三十年ぐらい無視されている、進捗がまだ四〇%強というところにとどまっているとか、こういう実態もございます。

 そこで私は、ぜひ今この総合治水対策でありますとか、あとはまた、大和川の流域の総合治水対策協議会、こういったところに例えば公募でも結構ですので、この浸水常襲地域にお住まいの方々も実際にここに来ていただいてそして意見を述べてもらう、こういう場が私は必要ではないかというふうに思いますけれども、知事はその点いかがでしょうか。



○副議長(小泉米造) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 議員、今、流域治水対策というお言葉をお使いになりましたが、支川になりますと水は高度差があって、高度の高いところから流れてまいります。治水対策がおくれているのを調べてみますと、上流のほうがおくれているのですね。具体的に言えば、この竜田川とかの生駒とか高田川の御所などがおくれているわけです。水がたまるところはちゃんとされているわけでございます。地域差があるということでございます。上流のほうは、みずからのため池整備の義務は、昭和五十八年度の計画で課されているのですけれども、みずからのところは水がたまらないものですから、あまりしなくていいとして、ほっておかれる傾向が強いということは確かでございます。県は県・市町村長サミットにおいて、その整備のおくれている状況をつぶさに報告いたしまして、ある下流の市長と上流の市長さんは、君のところのを早くやってくれよと、こう言っておられますけれども、下流の住民の方は、やはり上流から順番にためていかないと、下流だけでためるということは地域の制約もあってそれは難しいことで、本川はとうとうと水が流れてきてますので、それを防ぐので精いっぱいで、流し込むということはできないので、地域で、支川の地域でどこでためるのか、支川の上流から順番にためていこうよということは、昭和五十八年の計画で合意したわけでございますが、上流のほうがどうもおくれている傾向がございます。ぜひ上流の関係されている議員さんは、ぜひ早くつくれと地元に、下流に迷惑をかけるなということを言っていただきたいなと思うぐらいでございます。議員お述べになりましたように、流域の治水対策を共同でするというのはとても大事でございますので、この条例をつくるのも、さらにその意味を認識し直そうよということが一つの目的になっております。そのプロセスも重視していきたいと思っております。下流の人は、水がたまる現場でございますので、それは大変でございます。その現場で大きなため池をつくっても、土地の制約に限りがございますのでなかなかできない、先ほど申し上げたことでございますが、流域ごとの対策、支川ごとの対策を中心に、内水対策を進めていきたいと思っているところでございます。



○副議長(小泉米造) 太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) 私は、それぞれのところで対策はされておりますけれども、本当に実際に被害を受けている方々の声がどこまで届いているのかという意味で、ぜひこうした方々の協力もいただきながらこの対策を講じていただきたいというふうに思っているところでございます。先日行われました、大和高田市で行いました学習会も非常に厳しいご意見をいただいたところでございます。それは県の担当課のところにも届いているところでございますので、ぜひ、こうした方々の力もかりながら、この対策は行っていただきたいというふうに思っております。

 そしてこの中で出されました小金打川の対策でございますが、先ほど県土マネジメント部長のほうからも答弁ありましたけれども、一体これは、曽我川も含めていつまでにこの工事を終えるのか、その点についてもう一度答弁をお願いいたします。



○副議長(小泉米造) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 小金打川、曽我川、いつまでに河川整備を終えるのかというご質問をいただきました。

 小金打川につきましても、まだ下流部百八十メートル区間の整備が終わったという段階でございまして、これからまだ上流に向けて整備を進めていく必要がございます。大変今の財政事情厳しいわけでございますけれども、予算、しっかり獲得して、早期に整備が終わるよう努力をしてまいりたいというふうに思います。現在の段階でこの先何年で解消するというのがまだ見えている状況ではございません。今後、しっかり努力をしてまいりたいというふうに思います。

 以上でございます。



○副議長(小泉米造) 太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) この地域の方々は、一体何年この工事をやるのだと、いつ終わるのだということで、非常に言っておられたところでございます。先ほども私、質問をさせていただきましたけれども、曽我川のこの河川敷の耕作地や廃棄物の除去とか、大規模な改修だけではなくてもっとできることがあるのと違うかと、いろんなアイデアも持っておられます。恐らく県の河川課のほうにも何度か行かれていると思います。ぜひこういった方々と協力していただいて、一番はこの工事をやっぱり早くしていただく、このことが大切ですけれども、それまでにできることがあるならば、できることは全てやっていただきたいというふうに思っております。

 次に、教育長に質問を行います。先ほど養護学校に通っている子どもさんをできるだけ地域にというふうなお話がありました。私、先日、地元の小学校にお話を伺いに行ったのですが、地域の小学校での特別支援教室の実態を伺いますと、確かに県は一つの障害に対して、八人の児童に一人の先生、奈良県ではそれを六人の児童に対して一人の先生という充実した体制をとられておりますけれども、しかし現場でお話を伺いますと、一人の重度の障害を持つ児童がいたら、どうしてもその生徒に一人の先生がつかなければならず、六人に対して一人の先生であっても難しい。実際には、授業があいている先生をやりくりして特別支援教室に行ってもらって、応援を受けながら何とか教室を維持しているというのが実態だということでございました。これは、恐らく全県的に共通した課題となっていると思います。また、こうした状況を見ている子どもさんやお母さん方は、やっぱり安心して地域の小学校に子どもを預けられないという思いから、特別支援学校へと希望される生徒がふえているのではないかなというふうにも思います。まずこの地域の学校で受け入れる体制、特別支援教室をどのように充実させるのか、これが示されなければならないと思いますけれども、その点、県のほうは、教育委員会のほうはどのようにお考えでしょうか。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) 今、議員お述べのように、生徒の障害の重度化等によって、やはり先生が子どもに対する手のかけ方というのは、変わっていくというのは十分承知をしております。ですから、ただ単に六人一学級とか八人一学級とか、そういった配置プラス、やはり実態に応じた教員配置のあり方というものは、十分今後研究をする必要があると、このように考えております。



○副議長(小泉米造) 太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) ぜひそれを早く示していただくと。現在、特別支援学校も大変ですけれども、地域にある特別支援学級も大変な状況だということでございます。これは教育委員会もよくご承知だというふうに思いますので、ぜひその点の充実を図っていただきたいというふうに思っております。

 最後にエアコンの設置でございますけれども、先ほども答弁にありました高等学校では、育友会の負担で完了しているところが三十三校中十四校ということでございます。私が危惧いたしますのは、やはり今、格差と貧困というのが広がっている中で、この経済力の格差が学校の環境の差になってはいけないというふうに思っておりますので、やはり、この育友会任せにするのではなくて学校の責任で全ての高等学校に早くつけていただく、こういう観点が非常に大事だと思いますけれども、その点、もう一度教育長のほうに質問を行います。



○副議長(小泉米造) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) ただいま五校というのは、育友会で設置されなかった五校をモデル校に指定をして、そして今年度六月から稼働し、その効果について検証していきたいということでご理解いただきたいと思います。



○副議長(小泉米造) 太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) これから検証していくということでございます。先ほども申し上げましたように、今、子どもさんを持つご家庭のところでも大変な思いをされている方も多いと思いますので、その点の支援をよろしくお願いいたします。

 そして河川の安全対策、県のほうでは早急に進めていただきました。しかし県内にはまだ親水公園というものがたくさんございます。私も現地に行くまで、本当にこんな深みのあるところがこんな親水公園のすぐ近くにあるとは思っておりませんでした。ぜひその点では県のほうとしても安全対策をしっかりと行っていただきますように要望をいたしまして、私の質問を終わります。

 以上です。



○副議長(小泉米造) しばらく休憩します。



△午後三時三十七分休憩

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△午後三時五十四分再開



○議長(川口正志) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十四番田尻匠議員に発言を許します。−−二十四番田尻匠議員。(拍手)



◆二十四番(田尻匠) (登壇)それでは議長より発言のお許しをいただきましたので、ただいまより代表質問を始めさせていただきます。

 まず最初に、関西広域連合について知事にお伺いをいたします。

 奈良県が昨年十二月に関西広域連合に加入をいたしました。関西広域連合議会に奈良県議会から三名が選出され、私も参加をさせていただいております。そして三月関西広域連合議会では、初めて本会議で質問をいたしました。ドクターヘリについて、北陸新幹線敦賀以西ルートについて、リニア中央新幹線名古屋以西ルートについて、南海トラフ地震への対応と帰宅難民対策について質問をいたしました。それぞれ、担当理事者であります井戸関西広域連合長・兵庫県知事、山田京都府知事、仁坂和歌山県知事から答弁をいただきました。

 これから、関西広域連合議会に出席をいたしました私の率直な感想を申し述べたいと存じます。設立から五年を経過してからの加盟は、皆さんからはどのように捉えられているのか少し不安もございましたが、議員の方や理事者の皆さんには以前から旧知の方も多くおられ、ようこそ奈良県の皆さんとか、奈良県が加入されたことにより名実ともに関西は一つになったと、大変ありがたい言葉を頂戴いたしました。これまで土曜日、日曜日に本会議、理事会、全員協議会、総務常任委員会、防災医療常任委員会、産業環境常任委員会が開会されています。関西広域連合議会へ出席するにつけ、今までは奈良県の発展や奈良県民の皆様方の幸せを一番に考えるべきだと発言や活動を展開してまいりましたが、奈良県だけの繁栄や発展だけを考えていては将来はないのかなと思うようになりました。日本の人口の一七%、約二千二百万人が住まいをされている関西地域の発展があってこそ、奈良県の発展があるのではないかと考えるようになりました。例えば和歌山県や滋賀県の選出議員からは、大阪府や京都府に観光客がたくさんお越しになりホテルや観光施設がいっぱいで、それでは和歌山県や滋賀県や奈良県に行こうという外国人観光客がふえていると言われています。だから各県も努力をしていますが、大阪府、京都府の影響がよい成果も出していると言われました。この考え方には私も共鳴をいたしました。奈良県だけの発展や繁栄だけではなく、ともに発展を目指さなくてはならないと思います。関西全体での環境のこと、災害や地震のこと、リニア中央新幹線のこと、北陸新幹線のこと、高速道路のことなど、一つの府県では解決できない問題を関西広域連合で受けとめて対応するべきだと考えます。

 また四月十四日の午後九時過ぎに発生をいたしました熊本県、大分県での大地震では、その二時間後には関西広域連合からすぐに数名が視察派遣をされました。すぐさま奈良県としても情報収集と現地の活動支援のために県職員を派遣し、十六日には関西広域連合の先遣隊と熊本県庁で合流をし、以後は関西広域連合の一員として現地支援を開始いたしました。四月十六日に熊本県庁内に設置をされました現地支援本部に人員派遣、益城町、菊陽町現地連絡所に人員を派遣して、延べ百二名で避難所運営等支援要員、家屋被害認定支援要員としての活動をいたしてまいりました。また物資支援としてアルファ化米一万五千食を提供したり、県独自支援とともに活動を続けてまいられました。

 このように関西広域連合のメンバーとして、しっかり活動を展開をいたしておりますが、加入から約十カ月が経過して知事の感想はいかがでしょうか。

 また、今現在では部分加入でしかありません。関西広域連合議会の役職についても、議長や副議長、総務常任委員会や産業環境常任委員会、防災医療常任委員会の委員長、副委員長にも就任できなく、監査委員しか就任できない理事会での申し合わせが既にございます。

 これからは関西広域連合に全部加入するべきだと強く私は思いますが、知事としてこれからの関西広域連合との関係のあり方をどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。

 次に、自転車利用安全条例の制定についてお伺いをいたします。

 昨今交通事故は、国民、県民の交通安全の意識の向上や交通取り締まりの強化で減少してきていますが、自転車による事故は反対に増加してきています。そのような中、平成二十七年六月に道路交通法が改正をされ、自転車の交通に関して信号無視、一時不停止などの悪質な違反行為を繰り返すと、自転車利用者に対して講習の受講を命じられる制度が始まりました。奈良県においても、平成二十六年度では自転車の交通事故が発生件数一千五件、死者七名、重傷者百九名、軽症者八百八十一名にもなりました。

 平成二十五年七月の神戸地方裁判所の自転車事故にかかわる民事訴訟で、自転車を運転していました男子小学生が夜間帰宅途中に歩行者の女性と正面衝突、女性は頭蓋骨骨折等で意識が戻らず、監督責任を問われた母親に九千五百二十一万円の賠償命令が出されました。また男子高校生が車道を斜めに横断し対向車線で自転車に乗っていた二十四歳の男性と衝突、被害者は後遺障害が残り約九千三百万円もの賠償命令が出されました。さらに信号を無視して高速度で交差点に進入、横断中の女性と衝突し被害者は死亡、約五千四百万円の賠償命令が出されるなど、全国で自転車が加害者となる高額賠償判決が出されています。

 このように最近は、自動車の交通事故の賠償命令と変わらない判決が出されています。また自転車の運転手が中学生や高校生などという、若い人が加害者になってしまう傾向がございます。しかし自動車には自賠責保険の強制加入や任意保険の加入など、国民の意識もかなり高いと思われます。しかし自転車については、自転車損害賠償保険に加入するどころか、その自転車損害賠償保険の存在すら知られていないのが今日の県民意識だと思われます。

 万が一事故にかかわってしまったとき、自転車損害保険から賠償金が支払われ学生や保護者に日常生活の維持すら難しくなることのないようにするためには、自転車保険に加入することが最善の手だてと考えますが、現実は加入がなかなか進まない現状があると推測されます。近畿でも京都府が平成十九年に、兵庫県で平成二十七年に、滋賀県がことし二月に、大阪府がことし四月に、もう既に条例が施行されております。

 そこで、奈良県として自転車保険の加入義務、交通ルールとマナーの向上、自転車の安全利用、交通安全教育の充実を柱とした奈良県自転車利用安全条例を制定して、県民が安心して日々の生活を送れるようにするべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、公共交通を利用される観光客の誘致と地域活性化促進についてお伺いをいたします。

 先日の九月十日、ここ県庁東側の駐車場跡地に(仮称)登大路バスターミナルの起工式が挙行されました。敷地八千六百五十平方メートルの県庁駐車場を閉鎖してバスターミナルが整備されることになりました。これまでは、奈良公園では公園中心部の東大寺や春日大社までの観光バスの乗り入れがあることにより、現状では渋滞が発生することが課題でございました。奈良公園は自然的資源、歴史文化的資源、公園資源が融合した日本を代表する公園であるにもかかわらず、観光客に魅力を十分にお伝えできない状況にあり、滞在時間が短いのが現状でございます。

 その解決策としてターミナル機能、ガイダンス機能、おもてなし機能を備えたこのバスターミナルが、平成三十年度完成を目指して工事がスタートをいたしました。私にとりましても、平成三年に奈良県議会議員に議席をいただいてから何度もこの本会議や委員会などでバスターミナルやバスの待ち受け場、駐車場の整備を訴えてまいりました。

 今日の近鉄奈良駅周辺での団体観光バスや修学旅行生のバスの待ち受けは、駅から県庁へ向かいます通りの中小企業会館や奈良商工会議所、そして私の県政事務所もあります大和ビルの前で、三台、四台、五台と並んで待ち受ける風景は、皆さんも何度も何度も目にされているかと思います。少なくとも観光県で、観光客を誘致するところで観光バスの待ち受け場所がないところは全国でも珍しいかと思います。

 私はその解消策として、現在の森精機ゲストハウスの前のガーデン大和が売りに出されたとき、あるいは県文化会館の前庭など、あるいは奈良公園の地下駐車場などを具体的に提案してまいりました。あれから二十五年の月日がたち、やっと具体的に一つの施策が進むことは大変感慨深い思いでございます。

 そこで、奈良公園の玄関口で観光客をお迎えいたします(仮称)登大路バスターミナルのターミナル機能、ガイダンス機能、おもてなし機能について、具体的な整備の目的や内容について、知事にお伺いをいたします。

 また、(仮称)登大路バスターミナルの整備に当たり駐車場が閉鎖をされましたが、これまでどのような渋滞対策をしてこられたのか、あるいはターミナル整備後は、どのように対応していかれるのかお伺いをいたします。

 同時に、旧県営プール跡地の大宮通り新ホテル・交流拠点の整備において、JWマリオットホテルと二千人のコンベンション施設とともにバスターミナル施設も計画されていますが、このバスターミナルの利用方法はどのような計画なのか、お伺いをいたします。私は、東京やディズニーランドや、あるいは全国各地に向かう深夜や遠距離バスの発着ターミナルとしての機能も持たすべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

 また平成三十年代半ばに、奈良市大安寺地域にJR新駅が設置される計画でございます。そして駅舎と駅ターミナルができ上がりますが、この新駅及び周辺整備は奈良の副都心として位置づけられ、観光客を待ち受け、薬師寺や唐招提寺から平城宮跡、さらには東大寺や奈良公園、春日大社など、観光客の周遊ルートを南からにすることで交通渋滞の緩和や新しい観光地点の発展などの複合効果が見込めると思われます。

 構想をこれから練り上げていくことになりますが、私はこのJR新駅及び周辺整備について、バリアフリーの整備やホームドア、防犯カメラの設置等による安全性の確立や、団体観光客向けのバス待ち受け場所やタクシーの待ち受け場所の充実等による快適性の向上を図りながら、奈良の副都心の中心として日本で一番安全な、快適な新駅及び駅ターミナルを目指して整備を進めるべきと存じますが、知事の所見をお聞かせをいただきたいと存じます。

 先日、東京新宿駅南口にことしの四月四日に完成をいたしました新宿南口交通ターミナル、すなわちバスタ新宿のターミナルの視察に行ってまいりました。国土交通省の職員の方に説明をいただき、現地で関東国道事務所の皆さんにも丁寧にご案内をいただきました。新宿駅南口の駅前の慢性交通渋滞緩和策として、国土交通省が計画、施工されたバスターミナルです。

 中に入りますと北海道から九州鹿児島から、全国各地から入れかわり立ちかわり、一日一千六百二十五台ものすごい台数が乗降ゲートに出発されたり到着されます。全国各地からの深夜発着バス、富士山や東京ディズニーランドを中心とする関東圏の観光バス、成田空港や羽田空港への直接アクセスなど、JR東京駅や羽田空港のようにハブバスターミナルとして大変なにぎわいでございます。一日の利用者が三百三十万人以上として、ギネスにも認定されている新宿駅周辺の十九ございました高速バスの発着場を一つに集約された結果だと言われております。

 そのバスターミナルの中には東京都の観光案内所が設置され、多くの外国人観光客が訪れていました。立派な東京の観光公式ガイドブックも用意されていました。そして驚いたのは、日本語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、韓国語、タイ語、中国語の八カ国語が用意されていたことであります。最高のおもてなしの一つだと感心をいたしました。

 隣にあります大手百貨店は、当初はバスターミナルの建設には百貨店が見えなくなる理由で消極的であったようですが、完成してみると店舗の売上高が二〇%増になったと大変喜んでおられたと聞き及びました。このように、バスターミナル一つであらゆる多方面のよい成果や効果が出てきています。ぜひ(仮称)登大路バスターミナルをはじめ奈良県のバスターミナルの整備においても、学ぶべきところがたくさんあると思います。ぜひ参考にされたらいかがかと存じます。

 次に、鉄道駅からの徒歩によるアクセスの向上についてお伺いいたします。

 公共交通を利用される観光客の誘致を進めるためには、バスターミナルの整備だけでなく鉄道駅から徒歩によるアクセスの向上も非常に重要な課題です。特に近鉄新大宮駅周辺では、先ほども触れましたが旧県営プール跡地において、奈良での滞在型観光、人々の交流を促進するため、新たな拠点を創出する国内初進出になります国際級ホテルの誘致や二千人規模のコンベンション施設をはじめとする交流拠点の整備が始まっています。東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年までのまちびらきを目指して整備が進んでおります。

 また平城宮跡では、国土交通省による国営公園整備と連携し県による朱雀大路西側地区の整備が進められており、今議会には平城宮跡歴史公園朱雀大路西側地区飲食・交流棟、観光案内・物品販売棟、団体集合施設及びターミナルシェルター新築工事について十三億九千万円の契約金額での請負の締結の承認が提案をされています。これらの整備によりまして、平城宮跡はより多くの国内外、全国からの観光客でにぎわう公園として皆様を迎えることになろうかと思います。

 しかしながら、旧県営プール跡地も平城宮跡も駅から歩いていくには少し距離があると感じられる方が多いのではないでしょうか。そこで近鉄新大宮駅の駅舎の場所や改札出口等を西側に移転して、新しい奈良の都市地域の交通アクセスとして非常に重要な大宮通り新ホテル・交流拠点や平城宮跡などのアクセスを改善することについて、知事のお考えをお伺いいたします。

 また以前からの議論でありますが、平城宮跡を分断しています近鉄奈良線の移設についてでありますが、今のままでよいのか、それとも地下化するべきなのか、それとも平城宮跡を迂回するのか、それぞれ一長一短があるかと思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、奈良県の働き方改革についてお伺いをいたします。

 奈良県の合計特殊出生率は一・二七、全国ワースト三位で若年層の転出超過が顕著であり、何ら対策を講じない場合は、奈良県の人口は二〇六〇年には八三万九千人にまでなると予測されています。少子高齢化が進む奈良県であります。本県において合計特殊出生率が低いのは、若者の正規雇用率が低いことをはじめ奈良県の若者の雇用環境の悪さが若者の未婚率を高め、晩婚化、晩産化、低出生率、低出生数につながるものと思われます。働く意欲を持つ全ての人が仕事と家庭を両立しながら生き生きと働くことができる職場環境づくりを行うことが喫緊の課題であり、その解決のために県内事業所における働き方の改革が求められております。

 そこで幅広い業種にわたる県内の労使関係者と県内事業所の実態や課題を共有し、働き方改革に向けた取り組み等についての意見交換をする場として、県内の労使関係者及び関係行政機関が集まり、若者、非正規雇用者等の労働環境及び処遇の改善等に向けた機運を高め県内事業所の働きやすい職場づくりに向けた取り組みを推進するため、ことし三月二十八日から奈良県働き方改革推進協議会が設置をされました。会長に知事、副会長に奈良労働局長、委員に近畿経済産業局長と経済界、労働界の皆さんで議論がスタートをいたしました。知事はじめ各界からも参加されるということで、大きな期待と成果を待つ県民は多数おられると思います。

 奈良県内事業所における働き方の改善に向けて、ワーク・マネジメントに関する調査研究によりますと、県民の労働時間は男性の場合、常勤雇用者が週六十時間以上就業している割合は一七・五%であり、全国第四位と高い状況であります。県民の性別役割分担意識では、夫が外で働き妻は家庭を守ることが理想と思う割合は、奈良県が全国トップであるようでございます。その場合、男性の長時間労働の傾向が強く女性の有業率が全国ワースト第一位であります。県外就業率が全国第一位、第二位と言われる奈良県ですが、県外で働いている人の五〇%以上が県内で働きたいと考えられたことがある。県内で働かない理由は、県内にぜひとも働きたいと思う会社がないからが二四%、県内企業は給料や休日などの労働条件が悪いからが一九%となっています。女性の場合は、就業率が全国最下位、県外就業率は全国第二位、女性の通勤時間の長さは全国第四位であることが判明をいたしております。

 このような奈良県の働き方は、このままではだめ、県内の働き方改善を行い、奈良県労働者のよきワーク・ライフ・バランスを達成すべきだと指摘をされています。このような実情や現状を見ながら、奈良県働き方改革推進協議会ではどのような今後ペースで会議が開催をされ、いつに一定の方向を出そうとなされているのか、協議会の会長であります知事にお伺いをいたします。

 また県内最大の従業員数で職場であります奈良県庁職員の働き方に着目をいたしますと、平成二十四年六月に知事と職員労働組合で奈良県ワーク・ライフ・バランス推進労使宣言を締結され、労使が協力して、特に時間外勤務の縮減などの取り組みを推進していくことを宣言されています。

 その具体的な取り組みは、平成十年に実質超過勤務の導入時に制定された指針・要綱を徹底して、帰りやすい職場の雰囲気づくりやサービス残業をなくすこと、毎週水曜日に人事課と職員労働組合が本庁舎の各所属を巡回しながら定時退庁の声かけを行っていること、時間外勤務命令のない職員が在庁している所属長に対して注意文書を発行するなど。ことしの夏のサマータイム期間は、知事も定時退庁を呼びかける庁内放送を実施されています。

 ことし六月に知事と職員労働組合との意見交換会で、組織・人事管理担当者が定時退庁を促す部内巡回、水曜日や金曜日の定時退庁、管理職が月一回年休取得、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた知事と職員労働組合委員長の啓発ポスターの掲示など、有効な取り組みがされています。ここにそのポスターを持ってきておりますので、ぜひとも県民の皆様方にも見ていただきたいと存じます。知事と県職員の労働組合の皆様方との強い約束でございます。ぜひとも、評価は別といたしまして皆様方にも見ていただき、県庁職場約四百カ所に掲示がされていると私は聞き及んでおります。

 また先日、東京都の小池知事が、十月から全職員が午後八時だよ、完全退庁だよと宣言を発表されました。しかし、これらはまだまだ入り口にしか過ぎません。奈良県庁では、労働基準法第三十六条に定める通称三六協定が締結されていない職場がまだあると聞いております。三六協定は時間外勤務の業務や一カ月、一年間の時間外勤務の上限を労使で確認し、協定を結び、労働基準監督署などに届けるものであります。県庁職場における三六協定締結に向けた進捗状況を知事にお伺いをいたします。

 今日の社会では、労働者がやりがいや充実感を感じながら働き仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域においても多様な生き方が選択できる社会の実現、ワーク・ライフ・バランスが重要になります。平成二十六年度、県庁職員の一カ月以上の長期休暇は九十一人おられ、そのうち精神及び行動の障害がある人が五十三人と、約六割を占めております。日にちが変わって帰宅する人もあって、出退勤カードはあっても自分の労働時間の確認もできない管理が行われているかのように聞いております。

 県職員の時間外勤務の縮減については、管理職による事前命令の徹底や、あるいは管理職の時間管理を人事評価にすること、日常業務に加えて政策的な要因等で業務量が急増する場合の業務精査や、無駄な事業を管理職みずから削減すること、資料作成の簡素化や多過ぎる会議の縮小、欠員が発生している職場への早急な人員の補充など、取り組みを一層進めることができると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。

 そして、今後も新しいパーソネルマネジメントを構築しようというテーマで研究が始まっていると聞いております。公務員の働き方の今日的課題について、県の職場がこれからの働き方のモデルとなるように研究を進めていただきたいと存じます。

 次に、世界的に活躍された奈良県ゆかりのスポーツ選手の指導による学校教育の充実について、教育長にお伺いをいたします。

 先日、世界中を沸かせまして日本国民を歓喜させたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが閉会をいたしました。日本代表選手の活躍は、オリンピックにおいては金メダル十二個、銀メダル八個、銅メダル二十一個、パラリンピックにおいては金メダルはなかったものの、銀十個、銅十四個と目を見張る大活躍で、国民に元気と勇気を与えていただいたと感激をいたしております。

 その中でも奈良県出身のバドミントン女子ダブルス金メダルの高橋礼華選手の活躍は、県内一円に感動を与えましたし、また奈良県民栄誉賞を受けられました。同時に、天理大学の大野選手も柔道七十三キログラム級の優勝に奈良県民栄誉賞が、パラリンピックの柔道男子百キログラム超級で銅メダルを獲得いたしました天理大学出身の正木選手についても、奈良県スポーツ特別功労賞が贈られ、大変すばらしいことと思っております。

 過去の大会でも世界的にすばらしい活躍をされました、もう皆様方もご承知の柔道の野村忠宏選手は、広陵町のご出身で、天理中学校、天理高等学校、天理大学柔道部で学ばれ、奈良教育大学大学院を修了されています。その間に開催をされましたアトランタオリンピック、シドニーオリンピック、アテネオリンピックと前人未到の三連覇を達成されたことは、奈良県の誉れであり名誉なことでございます。

 このようなすばらしい選手が現役引退をされた後、奈良県の小学校、中学校、高等学校でスポーツの指導をお願いできれば、子どもたちは努力することや仲間と協力しながら困難を乗り越えることのすばらしさや、スポーツを通じた夢の実現を実感することができ、奈良県の教育現場にとっても非常に有意義であると考えます。

 学校に外部の人材を指導者として派遣し運動部活動の充実と活性化を図る取り組みとしては、現在、教育委員会におきまして、運動部活動指導の工夫・改善支援事業が実施されています。事業内容は、スポーツの専門的な技術指導力を備え、適切な技術指導や助言のできる指導者がいない学校やスポーツ医科学に基づいたより効果的な指導を推進しようとする学校に対して、運動部活動外部指導者を派遣し運動部顧問と協力して指導や助言を行うもので、平成二十八年度は十九校の中学校の二十の運動部へ、十四校の高等学校の二十の運動部へ派遣されています。ところが外部指導者に対する謝礼金は、旅費を含み一回二千六百五十円とされております。この内容のままでは、一流の指導者に指導いただくことは大変難しいと思われます。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 オリンピック等で世界的に活躍されました奈良県ゆかりのスポーツ選手に、現役引退後、学校教育の一環として指導をお願いし生徒の技術の向上やスポーツを通じた世界観の習得等に尽力をいただくため、現在実施している運動部活動指導の工夫・改善支援事業を充実させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、警察本部長にお伺いをいたします。公共交通機関の乗車客の安全確保と国際テロ対策についてであります。

 先日、オリンピック・パラリンピックが閉会をいたしました。いよいよ次期大会は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックが開催されることになります。全世界と国民のオリンピック歓迎熱は年々上がってくるかと思います。このようなとき、奈良県におきましても今もインバウンドの影響で、アジア地域を中心に世界各国から観光客がふえています。これからも大変な勢いで観光客がふえ続けていくでしょう。また、ふえていかなくてはならないと思います。関西広域連合においても、近畿圏を中心に各府県が連携して積極的に会場誘致や観光客を呼び込むための関西全体の取り組みが加速されています。その取り組みの一環として、二〇一九年にはラグビーワールドカップも開催され、このように全世界が注目する大規模なイベントが開催されれば、懸念されることは、昨今世界各国で多発している爆弾や銃器を使用したテロであります。

 こうした情勢を踏まえ、鉄道やバス、タクシーや駅舎をはじめ公共交通機関のテロ対策や安全対策について、奈良県警察としてどのように取り組みを強化されていくのか、警察本部長にお伺いをいたします。

 またことし四月に官民一体のテロ対策をさらに推進するために、テロ対策・やまとまほろばネットワークを設立されたと聞きますが、どのような組織でどのように連携をしていくのかお伺いをいたします。

 私は、公共交通機関の安全対策の第一であります鉄道、バス、タクシーなどに従事する社員の皆さんの意識の高さや訓練、実行力の素早さなど、安全対策教育はかなり頻繁に行われていると聞いております。そして警察との連携や情報の伝達、共有が大事かと思います。その中でも警察官の巡回や警らが大きな効果を発揮することは、皆様方もご承知のとおりであります。特に警察官の制服を着用してターミナルの駅構内の駅頭警戒や巡回の強化、電車の乗務警らや、駅ホームや改札口の警らなどは効果が絶大だと思います。前回の私の代表質問でも取り上げ、警ら強化を要望した結果、駅関係者や乗務員の皆さんからは安心して職務に取り組まれると言われております。警察官の制服を着用しての警らの効果として、乗車中のすりや痴漢、ホームや改札口のけんかやクレーマーの減少などがあります。ぜひともなお一層の警ら強化をお願い申し上げたいと存じます。

 次に奈良県民は、関西国際空港や大阪国際空港を頻繁に利用いたします。また新幹線に乗車するために、新大阪駅や京都駅を利用いたします。国際テロ対策において、情報の共有や伝達は大変重要なことでございます。奈良県警察では、近畿圏内の連携をどのようにされているのか、警察本部長にお伺いいたします。

 安田浩己警察本部長は先日の本会議で、就任挨拶の中で、奈良県を全国一番の安心安全な県にすると力強くご挨拶をされました。ぜひその強い決意達成のために全力で取り組むことをお願い申し上げ、私の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手)



○議長(川口正志) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十四番田尻議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、関西広域連合につきまして、十カ月経過後の活動等に対する印象、感想、また今後の加入についての所見についてでございます。

 本県は、昨年十二月に広域防災と広域観光・文化・スポーツ振興の二分野で関西広域連合に加入いたしました。本県が加入してから十カ月近くたちましたが、この二つの加入分野において既に連携・協働の成果が生まれつつあると思います。

 まず広域防災の分野でございますが、本年四月に発生いたしました熊本地震の被災地に対し、井戸関西広域連合長を本部長とする災害対策支援本部を設置し、議員お述べのように構成府県市が連携して支援を行い、本県も熊本県庁、益城町、菊陽町に職員を派遣するなど被災地を支援してまいりました。今回の地震におきまして、関西広域連合が支援の調整窓口となったことは、連携・協働の成果の一つだと思います。

 また今年度は、本県が主要メンバーとなって大規模災害時における帰宅困難者対策として、関西全域の帰宅支援ガイドラインの策定を進めております。大規模災害時に避難に支障を来す可能性の高い県外就業者や外国人観光客の多い本県が策定の中心的役割を果たすことにより、実効性のあるガイドラインをつくらせていただきたいと思います。

 次に、広域観光・文化・スポーツ振興の分野におきましては、外国人観光客等が関西国際空港をはじめとした関西エリアで初回の接続手続を行えば、以降はエリア内での自治体無料Wi‐Fiの認証手続が不要となる関西フリーWi‐Fiの運用を来月、十月一日から始めることになります。また今後、関西国際空港での観光プロモーションを実施するほか、十一月には、本県が中心となって関西文化の日の取り組みを行うことになっております。また少し先の話でございますが、関西ワールドマスターズゲームズについては、本県も参加をする意向でございます。観光資源、文化資源が豊富な本県が連携・協働に加わることにより、関西全体のインバウンド対策の強化や文化の振興につながるものと期待されております。今後もこの二つの分野におきまして、引き続き連携・協働を進めていきたいと考えております。

 今後の加入方針につきましてでございますが、関西広域連合は既存の都道府県の存続を前提として、都道府県の事務を持ち寄り広域的処理に効果があるものについて連携・協働を図るところにその基本的役割がございます。本県の関西広域連合への加入に当たりましては、連携・協働の効果がある分野については進め、効果があまりない分野や自主性を阻害する分野については進めるべきではないと考え、従来から広域連合との連携・協働を進めてきました広域防災と広域観光・文化・スポーツ振興の二分野に部分加入をしております。

 一方、関西広域連合以外の県と広域の連携をするケースもございます。例えばでございますが、関西広域連合のドクターヘリにつきましては、関西広域連合の広域医療分野の事業のほとんどを占めている事業でございますが、本県では、今年度中に運行開始をするべく準備を進めておりますところの県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターの連携による県独自のドクターヘリにつきましては、南和地域での需要が高いという地域の特性に鑑みまして、広域連合に移管していない和歌山県及び関西広域連合に加入していない三重県と紀伊半島三県でのドクターヘリの連携体制を構築することが現実的で重要と考えております。

 広域産業の振興の分野におきましては、関西広域連合加入府県市の願いが分散している感じがあると思います。本県の大きな課題であります働く場の創出につきましては、関西広域連合の活動の中ではこの奈良県の課題が埋没し、本県にとっての願いが実現しないおそれがあります。本県独自に取り組むほうが効果が大きいと考えております。

 広域環境保全の分野におきましては、例えば省エネ・節電の取り組みでは、奈良の省エネ・節電スタイルとして独自の取り組みを進めています。また再生可能エネルギー等の導入でも、他府県と情報交換をしながら本県の地域の実情に応じた取り組みを行って、効果がございます。関西広域連合の中では、環境保全の分野で琵琶湖の環境保全の活動が大きな分野を占めている印象でございます。

 また、資格試験・免許等、広域職員研修の二分野につきましても、本県独自の取り組みで十分対応できていると考えておりまして、これらの加入していない分野については、現状では本県にとっての具体的な効果があまり大きくなく、費用対効果の面から考えて、広域連合業務で行うより本県独自業務で行うのが適切だと思います。

 もとより関西広域連合は、国出先機関の事務・権限の受け皿を目指して設立された経緯もあり、また構成府県市それぞれの立場で考え方の相当異なる部分もあることもわかってまいりましたので、本県としては、部分加入により一線を画すことが適切だと思っております。一方、部分加入でございましても関西広域連合の基本的な意見の取りまとめに当たって、奈良県の意向が十分反映されるということもわかってきましたので、現在の関係のままでよいのではないかと考えております。

 また関西広域連合の中では、リニア中央新幹線について、国、JR東海が奈良市附近に中間駅を設置すると決められたのに対して、関西広域連合で議論をしてこれを覆そうという議論が根強くございます。このような広域連合の権限を逸脱したような動きに対しては、断固反対の姿勢を堅持していく必要があると考えております。

 自転車利用安全条例の制定について、自転車損害保険の加入義務化も踏まえたご質問がございました。

 議員お述べの自転車利用安全条例の制定は、県民が安心して日々の生活を送れるようにするための方策の一つであると認識をしております。

 自転車の交通安全対策は重要でございます。第十次交通安全計画や策定中の(仮称)安全・安心の確保のための奈良県基本計画の主要な柱に位置づけております。これらの計画に基づき交通ルールの遵守、交通マナーの向上、自転車の安全利用や交通安全教育の充実等に向けた施策を進めることにしております。

 自転車損害賠償保険の加入義務化につきましてでございますが、強制賠償保険でございます自動車の場合のように罰則等の強制力を伴うことが保険としては有効な形だと思われますが、強制保険については各県が条例でばらばらに行うより、国が主導的役割を果たすべきだと考えております。本県においては、自転車保険加入に向けた啓発、教育等を中心に進めていきたいと考えております。

 自転車の交通安全対策につきましては今後とも積極的に進めたいと思いますが、自転車利用安全条例の制定につきましては、その内容について先行府県の状況、国や関係団体の動向にも留意しながら検討してまいりたいと思います。

 公共交通についての質問が幾つかございましたが、まず最初のご質問は、(仮称)登大路バスターミナルのターミナル機能、ガイダンス機能、おもてなし機能についてでございます。また、駐車場の機能についてのコントロール機能についてのご質問もございました。

 議員ご指摘の(仮称)登大路バスターミナルの三つの機能につきまして、まずバスターミナル機能といたしましては、施設内のコントロールセンターで運営いたします駐車場予約システムにより、観光バスの到着時間をずらし交通の平準化を図るとともに、スムーズに乗降していただいた後、バスを郊外の駐機場所に誘導し奈良公園内への流入を抑制することで、周辺の渋滞の緩和を図る所存でございます。当ターミナルにおきましては、五台分の乗降場を計画しております。

 次にガイダンス機能といたしましては、奈良公園をはじめとする奈良の魅力ある歴史や文化などを学べる歴史展示施設やレクチャーホールを整備し、来訪者への積極的な情報発信を行いたいと思います。おもてなし機能といたしましては、歩いて奈良公園を周遊される方々に疲れを癒していただけるよう休息、飲食、物販などの施設を整備し、この周辺のアメニティーを向上させていきたいと思います。

 なお乗用車につきましてでございますが、旧登大路駐車場の閉鎖後は、公共交通機関の利用促進や、できるだけ奈良公園の中心部から離れたところに車をとめていただき、お着きになった後は、ぐるっとバスなどを利用されるパーク・アンド・バスライドを推し進めることにより、渋滞緩和を図ってきているところでございます。加えまして、コントロールセンターにおきまして、県営駐車場だけではなく奈良公園近隣の民間駐車場の空満情報、あいているか満車であるかの情報も提供するなどして、奈良公園周辺に空き車庫待ちの車が殺到しないように、奈良公園周辺の渋滞緩和を図ってまいりたいと思います。奈良公園周辺の渋滞対策は、緊急性が高く最優先に取り組む課題として考えており、当ターミナルの一日も早い完成を目指したいと思います。

 同じ公共交通の課題で、県営プール跡地のバスターミナルの利用方法についてのご質問がございました。

 大宮通り新ホテル・交流拠点におきましては、バスを利用してお越しになる方々の利便性を向上するため、バスターミナル機能としてバス乗降場を二台分、バスプールと呼ばれる駐機場三台分を設置する計画としております。

 このバスターミナルは、国の内外から奈良へ来られる人を快適に送迎できるターミナル空間であることが不可欠だと認識をしております。議員お述べのように、空港リムジンバスや国内主要都市を発着する遠距離バスがとまる機能を有することもこの交流拠点の利便性向上において重要なポイントでございますので、乗り入れの実現に向けた協議を進めてまいりたいと思います。また交流拠点の地上部分と建物の地下一階・二階には、合計四百台を収容する駐車場を設置する予定でございます。パーク・アンド・バスライドの拠点としての機能を持たせたいと思います。この交流拠点は奈良の中心をめぐっているぐるっとバスのルート上にございますので、これとも結節をいたしまして、奈良観光の中心地での公共交通の活用を誘導したいと考えております。

 JR新駅についてのご質問がございました。

 JR新駅及び駅周辺の整備につきましては、本年五月に、県、奈良市、JRの三者で連携協定を締結いたしました。今後の事業推進に当たって、三者が協力することを確認いたしました。JR新駅の施設の整備内容につきましては今後、鉄道施設の管理者でありますJRと協議してまいりますが、国が定めた鉄道駅の整備基準なども踏まえ、JR新駅利用者の安全性とバリアフリーなどの利便性が十分確保できるよう進めてまいりたいと思います。

 またJR新駅の周辺整備につきましてでございますが、近接する西の京、ならまち、奈良公園、また県営プール跡地などの観光地へのアクセス機能を高めるため、観光用パーク・アンド・ライド駐車場や周遊バスなどが利用できる駅前広場などの整備を図る必要があるとも思います。他の交通機関との連携を強化してJR新駅を利用する観光客などの利便性や快適性の向上が図れるよう、関係機関と協議をしてまいりたいと思っております。

 JR新駅は高速道路と鉄道が接続いたします、結節いたします奈良県で初めての場所でございます。交通結節機能が高く、周辺地区を含めて発展が見込まれる地域であることは議員ご指摘のとおりでございます。今後、国際文化観光都市奈良の新たな拠点としてふさわしい鉄道駅、駅周辺となるよう、関係機関と連携を図り整備を進めてまいりたいと思います。

 近鉄新大宮駅のご質問がございました。また平城宮跡を分断しております近鉄奈良線の移設についてのご質問がございました。

 鉄道を利用される人が平城宮跡をはじめとする観光拠点に快適に訪れていただくため、鉄道駅からのアクセス確保に努めることは、車やバス利用者の利便性向上と同様に、あるいはそれ以上に本県として重要な課題であると認識をしております。そこで本県では、鉄道駅と観光拠点を連絡するぐるっとバスやイベント時に鉄道駅と会場を結ぶシャトルバスを運行するなどの取り組みを行ってきておりますが、イベント時などにおきましては、あるいは季節におきましては、今後も充実をさせる必要があると思っております。

 議員お述べのように近鉄新大宮駅からは、大宮通り新ホテル・交流拠点や平城宮跡はともに徒歩圏内であるものの、確かに距離感が多少ございます。駅からさらなるアクセスの改善も必要かと感じております。駅の位置や構造につきましては、乗降客の利便性向上対策として、鉄道事業者である近畿日本鉄道株式会社において対応され、また協力をすることが必要でございますが、近畿日本鉄道株式会社のご理解、協力を得ることができるよう、県として、まずは近畿日本鉄道株式会社に対して積極的に新ホテル・交流拠点や平城宮跡のアクセス、また将来の集客力、観光地としての魅力など、具体的な情報交換をしていきたいと思います。

 また平城宮跡内の近鉄線の移設につきましては、かねてからの課題でございます。近鉄大和西大寺駅の改良とあわせまして、非常に多くの課題が存在をしております。議員ご指摘の幾つかの移設方法等も含め、極めて難しい問題だと認識をしておりますが、できるだけ早期に成果が得られるように連携をして取り組んでまいりたいと思っております。

 働き方改革につきましてのご質問が幾つかございました。

 まず、奈良県働き方改革推進協議会の内容についてのご質問がございました。

 本県では平成二十六年度から独自に働き方改善のための取り組みを進めてまいりましたが、本年三月に奈良県働き方改革推進協議会を開きまして、県から課題整理と取り組み方向について中間報告を行いました。労働組合の委員からは繁忙期と閑散期を調整する柔軟な労働時間制度やマネジメント力向上のための研修などの意見、経営者の委員からは職場改善活動による効率化や休暇の計画的取得などの意見、おのおの取り組み状況の報告などをいただきまして、大変有意義な議論となったものでございます。

 今後本県での取り組みの進捗に合わせまして、協議会で議論を行うことにしたいと思います。次回は来年三月の開催予定でございますが、その場で、働き方改善に関して県内事業所に提案できる具体的な内容について、取りまとめを行いたいと考えております。

 働き方改善の実現には粘り強く取り組むことが重要でございますが、さらに研究を進めることと、労使の協調、認識を深めること、また県内事業所への働きかけを強化することに努めてまいりたいと思います。

 働き方改革について、三六協定の締結状況についてのご質問がございました。

 九十ございます県の事業所のうち、締結が必要とされている県の事業所は、土木・建築、保健衛生などの事業にかかわる五十二事業所となっております。三六協定の締結を要する五十二事業所のうち、昨年度は先行的に三事業所で締結ができました。今年度は、残る職場に対して八月二十四日に協定締結に向けた説明会を実施し、九月二十日現在では新たに三事業所で締結が行われました。引き続き職員の意識改革、働き方改革につながるよう、残る四十六事業所につきましてもできる限り年度内に三六協定を締結できるよう取り組んでまいりたいと思っております。

 働き方改革についての最後のご質問でございますが、職員の時間外勤務の縮減についてでございます。

 職員の時間外勤務の縮減につきましては、ワーク・ライフ・バランスの実現、職員の健康管理や効率的な事務執行の観点から、非常に重要な課題だと考えております。所属長による時間外勤務の事前命令と職員一人ひとりの勤務終了後の速やかな退勤の徹底が必要だと考え、取り組んでいるところでございます。

 具体的には議員お述べのとおり、昨年度に引き続き人事課と職員労働組合が連携して各所属を巡回し、時間外勤務命令のない職員がいた所属長に注意文書を発行することとしております。今年度新たに各部内の繁閑調整や時間外勤務の縮減の取り組みをさらに推進するため、各部次長に組織・人事管理責任者の発令を行ったところでございます。人事管理の責任者の意識を確実にする試みでございます。

 このほか既に管理職の人事評価の項目に職員の時間管理を取り入れており、欠員職場の解消や年度途中の急な業務量に対応するため既卒者の採用試験合格者の前倒し採用の取り組みも進めております。またこれまで進めている会議の効率化、資料の縮減などの仕事の見直し・改善の取り組みを、時間外勤務縮減の観点からさらに推進してまいりたいと考えております。

 先ほど議員が私と職員労働組合のハンサムな委員長が並んだポスターをご紹介いただきましたが、今後も県が進める新たなパーソネルマネジメントの構築の最重要課題の一つとして、労使で知恵を出し合い力を合わせて時間外勤務の縮減を達成していきたいと考えております。

 残余の質問は、関係者からご答弁をさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(川口正志) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十四番田尻議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、世界で活躍された奈良県ゆかりのスポーツ選手の指導による学校教育の充実についてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、平成二十七年度に近畿二府四県で開催された全国高校総体、インターハイのプレイベントにオリンピック柔道の金メダリストである野村忠宏選手を招待し、知事との対談によるスポーツのすばらしさやトップアスリートならではの体験等の熱いメッセージは、高校生や私たちに勇気と希望を与えていただきました。また以前にも県高等学校体育連盟と連携をし、シンクロナイズドスイミング日本代表コーチの井村雅代氏を招聘し、トップアスリート育成も踏まえた高校生の競技力向上についてご講演をいただきました。

 このように、世界を舞台に活躍されたトップアスリートや指導者を招聘をし、生徒や指導者である教員、特に運動部活動の指導者に対して指導をいただくことは、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、本県スポーツの充実発展のために大変重要なことと認識をいたしております。

 議員お述べのように、オリンピック・パラリンピック等の国際大会で活躍された奈良県ゆかりのトップアスリートや指導者を招聘しスポーツの技術指導等を行うことは、生徒や運動部活動指導者等の競技力、指導力向上はもちろんのことでございますが、生徒には世界への可能性を開き、人間力の向上にもつながるものであると考えております。県教育委員会では、これまで運動部活動指導の工夫・改善支援事業に取り組んでまいりましたが、今後は、バトンをつなげ!四百メートルリレーフェスティバルや、世界へ飛び出せ!障がい者陸上タレント発掘イベントなど、オリンピアンやパラリンピアンを活用した事業を実施している知事部局とも連携を図りながら、本事業の拡充を検討してまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(川口正志) 安田警察本部長。



◎警察本部長(安田浩己) (登壇)二十四番田尻議員から私には、公共交通機関の乗車客の安全確保と国際テロ対策についてご質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。

 国際テロ情勢につきましては、イスラム過激派等によるテロ事件が世界各地で発生し現実に邦人がテロの被害に遭う中、テロ組織は我が国や邦人をテロの標的として名指ししており、我が国に対するテロの脅威は格段に高まっていると言わざるを得ない状況でございます。こうした中、平成三十一年にはラグビーワールドカップが、平成三十二年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。警察にとって、関係機関と緊密な連携を図り万全のテロ対策を講じることが急務であると考えております。

 議員ご指摘の公共交通機関につきましては、過去、繰り返しテロの標的とされておりますことから、その安全対策には万全を期する必要があると考えております。県警察では、ターミナル駅構内におけるパトロールや列車に乗車しての警戒、積極的な職務質問等により、不審者や不審物件の発見に努めているところでございます。また事業者や乗客の方に対しましても、不審者や不審物件を発見した際には積極的に通報していただくようお願いをしているところでございます。

 次に、テロ対策・やまとまほろばネットワークについてお尋ねをいただきました。

 本ネットワークは、伊勢志摩サミットの開催を契機として本年四月、官民が一体となって横断的、恒常的なテロ対策に取り組むため、公共交通機関や重要インフラ事業者、関係行政機関等二十九の機関、団体、事業者の方々に参加していただき発足したものであります。伊勢志摩サミットは無事終了いたしましたが、今後ともこのネットワークを活用して広報啓発活動、合同訓練、研修会等を行い、テロに強い社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

 最後に、国際テロ対策における情報の共有や連携の重要性についてご指摘をいただきました。

 警察におきましても、テロを未然に防止するためには情報共有と連携が必要不可欠であると考えております。県警察ではテロに関する情報を収集、分析するとともに、近畿管区内の府県警察はもとより全国警察との間で必要な情報の共有を行うなど、緊密に連携してテロの未然防止対策を講じているところであります。

 今後とも関係機関と連携を図りながら、県民の皆様のご理解とご協力を得て各種対策を強力に推進し、公共交通機関の安全確保をはじめテロの未然防止に万全を期してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(川口正志) 二十四番田尻匠議員。



◆二十四番(田尻匠) 知事はじめ教育長、警察本部長に答弁をいただきました。知事についても大変数多くの質問を申し上げましたが、私自身に感じますのは、一つ一つも、どれもこれもが、やはり大事な問題でございますし、大きな意味合いで捉えたつもりでございます。関西広域連合の一つ一つについても、知事から丁寧に答弁はいただきましたが、やはり関西は一つ、あるいはともに一緒に歩もうということも必要になってくるときもあろうかと思いますが、その辺のことについても、また十分ご承知をいただきながらご検討をいただきたいと思っております。

 また自転車の条例の問題についてでございますが、確かに今、自転車の事故が大変多いというところで、なぜかきょうの朝の八時台の全国版のワイドショーでも、観光地奈良、自転車が危ない、外国人の観光客の自転車の乗り方や、あるいはその問題が時々取り上げられるようになりました。これは日本人あるいは奈良県、あるいは外国人というのではなくて、やはり安全性の確保や、それから警察本部長もおられますが、各国で交通標識が違うものですので理解ができないということが、そういう話もございました。そういう点も含めて、交通の安全にはやはり高度な判断を含めて考えていく必要があろうかと思います。

 また交通渋滞や、あるいは観光客を誘致するバスターミナル等々についても、大変きめ細かい質問を申し上げましたが、逐一知事もお答えをいただきました。大変ありがたいことでございますが、やはり一校の修学旅行生が全て一回で受け入れたり、あるいは研修ができたりということも考えていかなくてはならないのかと、このように思っておりますので、どうぞその点も含めて、またいろいろとお考えをいただきたいと思います。

 それから県営プール跡地のバスターミナルについては、空港やあるいは深夜遠距離バスも考えるという答弁をいただきました。私はある意味では大きな第一歩だと思っております。バスタ新宿へ参りましたときも、圧倒的に全国各地から新宿へ来られて、すぐさま関西国際空港や、あるいは成田空港、そしてまた各空港へ向かわれる、伊丹空港も含めて、羽田空港、いろいろな場所へそこからすぐさま皆飛び立っていかれる方が多いと、このようにお伺いをいたしました。その点も含めて、やはり大事な交通のアクセスかと思います。

 時間がございません。最後に一つ、JR新駅についてでありますが、周辺整備も含めてしっかりとやっていくということでございましたが、やはりあの状況は、周辺の皆さん方には大変多く歓迎をされておりまして、先日、大和郡山市にありますイオンタウンの幹部の皆さん方との懇談を申し上げたときに、もしその駅が早々にできるとしたら、我がイオンタウンについてもそこから考えたいと、あるいは新しい仕事のあり方を考えていきたいと、このようにおっしゃっておられました。そのことを含めて、皆さん方の安全と、それから多くの皆さん方がお見えいただくようお願いをしながら、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

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○議長(川口正志) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(川口正志) お諮りします。

 三十一番和田恵治議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月二十七日の日程は当局に対する代表質問及び一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時六分散会