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平成28年  6月 定例会(第324回) 06月15日−04号




平成28年  6月 定例会(第324回) − 06月15日−04号







平成28年  6月 定例会(第324回)



 平成二十八年

        第三百二十四回定例奈良県議会会議録 第四号

 六月

   平成二十八年六月十五日(水曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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          議事日程

一、当局に対する一般質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、二番池田慎久議員に発言を許します。−−二番池田慎久議員。(拍手)



◆二番(池田慎久) (登壇)自由民主党の池田慎久でございます。

 私は、既に通告しております五つの政策課題について、荒井知事並びに関係部長に質問させていただきます。

 まず初めに、救急医療の充実について、荒井知事に質問させていただきます。

 消防庁の救急救助の現況によりますと、救急搬送に要する時間、これは現場到着から医療機関に収容するまでの時間でありますが、救急搬送時間と呼ばれております。この救急搬送時間は、平成二十六年において奈良県は四十四・一分と前年より〇・三分遅くなっております。これは全国平均三十九・四分に比べ三・七分も遅く、全国四十四位となっており、改善が強く求められております。

 エリア別に見ますと、県内五つの区域のうち、西和区域と中和区域が約三十分、奈良区域と東和区域が約三十五分、南和区域では約四十九分となっており、区域により大きな差がございます。

 また重症以上の照会回数の推移を見ますと、照会回数一回で搬送病院が決まるケースは、平成二十六年、六六・五%と前年より〇・七ポイント悪化しておりますし、照会回数四回以上の割合は一二・〇%で、前年より同じく一・一ポイント悪化しております。年間の救急搬送人員が六万人を超えた今、救急医療体制の改善強化が喫緊の課題となっていることは言うまでもありません。

 そこでまずお尋ねしますが、昨年から取り組んでおられるER型救急医療について、どのような状況なのかお聞かせください。また断らない救急医療に取り組むきっかけとなった平成十八年と平成十九年の妊婦搬送事案を受け、周産期救急の体制は現状どのようになっているのかについてもお聞かせください。

 二点目として、救急患者の受療動向についてでありますが、関係各位のご努力で一定の改善が図られたことにより、県外搬送率は一%から二%程度となっており、七〇%以上がそれぞれの区域内で受療されるようになってまいりました。しかしながら南和区域では半分の約五〇%の患者が区域外に搬送されており、県外搬送率も約一〇%となっていることは、先ほど述べました搬送時間の長さにあらわれております。

 南和区域の救急医療体制の拠点としてことし四月から南奈良総合医療センターが開院したことや、今年度中に導入を予定している県独自のドクターヘリにより、南和区域の救急医療の大幅な改善が期待されるところでありますが、県独自のドクターヘリ導入の見通しについてお聞かせください。またこれまで行ってきた大阪府、和歌山県、三重県など隣接府県のドクターヘリとの連携は今後どのようになるのかについてもお聞かせください。

 三点目として、搬送先病院の照会回数についてであります。

 照会回数が少なければ少ないほど、患者を一分一秒でも早く病院へ搬送することができ、重篤な患者の命を救えることにつながることから、この抜本的な改善も急務であります。

 救急搬送において目の前の患者の命を救うためには、どの病院へ搬送すべきなのか、どの病院へ搬送するのが最適なのか、e‐MATCHを用いた病院の照会は大変重要であると言われていますが、奈良県においては先ほど申しましたように一回の照会で搬送先の病院が決まるケースは六六・五%で、全国平均八三・一%に対して非常に悪い状況となっております。

 搬送先の病院を決定するまでの照会回数の多さについて、どこに原因があるのでしょうか。知事のご見解をお聞かせください。また、e‐MATCHの改良は現在どのようになっていますか。あわせてお答えいただきたいと思います。

 次に、県内大学生が創る奈良の未来事業についてであります。

 この事業は多様化、複雑化する県政のさまざまな課題を解決するため、平成二十四年度から県内の大学等に在籍する学生から政策提案を募集し、公開コンペ方式により選ばれた提案を事業化し、提案した学生たちも参画して一緒に事業を実施するものであります。

 平成二十七年度は最優秀賞に、緊急課題!奈良の将来の医療をつくる多職種医療学生の集いと、女子大生ハンティングサークル(狩りガール)が選ばれ、優秀賞には、不登校の子どもたちに大学生ができること〜大学間の垣根を越えて〜と、かえろうら!十津川〜空き家のDIY改修&活用プロジェクト〜がそれぞれ選ばれております。

 そして今年度、平成二十八年度にはこれらを事業化し、緊急課題!奈良の将来の医療をつくる多職種医療学生の集いは、奈良の将来の医療と介護をつくる多職種学生の集い事業として五百三十万円が、女子大生ハンティングサークル(狩りガール)は、若手狩猟者確保育成事業として三百二十六万四千円が、不登校の子どもたちに大学生ができること〜大学間の垣根を越えて〜は、大学生等による不登校児童生徒支援事業として四百八十万円が、かえろうら!十津川〜空き家のDIY改修&活用プロジェクト〜は、県内大学生が創る奈良の集落活性化事業として三百一万五千円が予算計上されております。

 これらの事業は、若者たちの視点で奈良の課題解決の糸口を見つけると同時に奈良の魅力を再発見するきっかけになると、私も興味と関心を持って見ております。

 そこで荒井知事にお尋ねいたしますが、この県内大学生が創る奈良の未来事業についてどのような期待をお持ちなのでしょうか。またこれまでの成果についてどのようにお考えになっているのか、知事のご所見をお聞かせください。

 次に、県民の健康寿命日本一を目指す取り組みについて、健康福祉部長に質問させていただきます。

 奈良県では、なら健康長寿基本計画を策定して、平成三十四年度までに男女ともに健康寿命日本一を目指しています。

 先般、昨年九月に実施されました平成二十七年度なら健康長寿基礎調査の結果が公表されました。この基礎調査は平成二十二年度から毎年実施され、昨年は県内在住の二十歳以上の男女一万一千四百人を対象に、心身の状態や生活習慣、医療や健診等の受診状況、歯と口腔の健康などについて質問し、そのうち六千二百七十二人から回答があったものであります。

 調査の結果概要を見ますと、肥満が男性二六・七%、女性一五・一%で、特に男性の四十歳から六十四歳が三〇%台と多く増加傾向にあることが明らかになりました。さらに食生活習慣については、濃い味つけを控えることや毎日牛乳や乳製品をとるなど、男性の四八・三%、女性の五九・五%が注意して生活していることもわかりました。一方、運動では一日三十分以上の運動やスポーツを週二回以上やっている人の割合が、男性が四〇・八%、女性が四一・三%、一日三十分以上歩いている人は男性六〇・一%、女性五一・〇%で、双方とも平成二十六年度を下回っております。私はこれらの調査結果を踏まえ、計画に基づくさまざまな施策を展開していく必要があると考えております。

 また生活習慣や運動とともに特定健診も大変重要でありますが、市町村国民健康保険が実施する平成二十六年度の奈良県の特定健診の受診率は、全国平均三五・四%に対し二九・五%となっており、全国四十位という低さでございますし、平成二十五年度国民生活基礎調査によりますと、がん検診については、胃がんは全国平均三九・六%に対し三七・二%、肺がんは全国平均四二・三%に対し三五・五%、大腸がんは全国平均三七・九%に対し三五・八%、子宮がんは全国平均四二・一%に対し三九・二%、乳がんは全国平均四三・四%に対し三九・四%といずれも全国平均を下回っており、全国順位も胃がん三十六位、肺がん四十六位、大腸がん三十四位、子宮がん四十位、乳がん四十位と軒並み低い順位となっております。

 そこでお尋ねしますが、健康寿命日本一を目指す取り組みをさらに強化し加速させる必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

 次に、若者の雇用促進や就労支援について、産業・雇用振興部長に質問させていただきます。

 平成二十九年春卒業予定の新卒者の面談選考が今月、六月一日から解禁されました。奈良県に生まれ育った若者が、卒業後に県外ではなく県内で就職し、奈良県のために活躍し、結婚し、子育てしながら暮らしてくれたら、こんなにすばらしいことはないと私は思っております。

 荒井知事は、働いて良しの奈良県を実現するため県内就業の促進に鋭意取り組んでおられますが、雇用がなければ、賃金が他府県より低ければ、県内よりも県外へ若い人材が流出してしまいます。県内就業を今以上にふやすためには、まず県内企業が元気にならないと雇用は生まれませんし、給与水準も上がりません。奈良県では経済構造を改革し産業興しに取り組んでおられますが、種まきをしっかりして、これから芽を出し花が咲くよう、さらに施策の取り組みを加速させ、県内の雇用環境を向上させるという好循環の取り組みが強く求められております。

 そこで、二点お尋ねいたします。

 まず、課題となっております奈良県における若者の非正規雇用の割合と離職率の推移についてお答えください。また離職を防ぐための取り組み、どのような対策がなされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 二点目として、若者に対する雇用促進や就労支援の主な取り組みについてお聞かせください。

 次に、間もなく開通する予定の奈良東部広域農道と県道奈良名張線が交わる奈良市日笠町交差点の安全対策にかかわって、農林部長に質問させていただきます。

 奈良東部広域農道は、奈良県東部地域の農産物の広域的な流通を可能とし、農業振興を図る上で基幹となる道路として、また生活環境の改善及び観光等の地域振興に寄与する生活基幹道路として整備することを目的とし、平成六年度に奈良市東部地域連合会から要望が出され、その後、平成八年度に国の事業採択を受け、測量設計や用地買収を開始。その後、この第一期地区・南側工区以外の北側工区や第二期工区、第三期工区は計画が見直されたものの、地権者をはじめ関係各位のご協力とご理解により、平成二十七年度末をもってようやく工事がほぼ完了し、間もなく供用が開始されると聞き及んでおります。

 そこでお尋ねしますが、奈良東部広域農道と県道奈良名張線が交わる奈良市日笠町交差点における交通安全対策を今現在どのように考えておられるのか、具体的にお聞かせください。また、奈良東部広域農道の開通時期の見通しについてもお聞かせください。

 以上で、壇上からの質問を終わります。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二番池田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、救急医療の充実について、最近の進捗状況についてのお問い合わせがございました。

 搬送時間ということを大事なファクターとして、インデックスとして取り上げられました。

 救急医療体制の充実には、診療科にとらわれずさまざまな疾患に幅広く対応可能なER型救急医療体制は大変有効なものでございますが、ただいまのところ県総合医療センターと県立医科大学附属病院の二カ所で取り組んでおります。最近の概要、実績を申し上げたいと思います。

 県総合医療センターにおきましては、昨年七月からこれまで症状に応じて分かれていた救急受け入れ窓口を一元化していただきまして、このようなER型救急医療体制による二十四時間の受け入れを実施していただいており、平成二十七年度の七月から三月までの救急車の受け入れの数字でございますが、二千六百四件でございます。前年度同期の二千百二十七件に比べまして約二二%増加している成績でございます。また県立医科大学附属病院におきましても昨年九月から土日二十四時間のER型救急医療体制に拡充していただきまして、平成二十七年度の九月から三月までの救急車の受け入れは三千百六十六件になっております。その前の年の同期の数字に比べますと、一千九百六十六件に比べ約六一%増加しております。このように、この二つの病院でのER型救急医療体制は成績がいい、順調な状況で進んでおります。

 しかし県内の救急搬送の件数は議員もお述べになりましたが、年間五万件以上もございます。二病院だけ頑張っても全ての救急搬送に数的には対応できない実情でございます。救急搬送を受け入れる地域の病院との役割分担と連携が必要でございます。

 役割分担と連携で実績がありましたのは、重症腹症の患者の受け入れでございます。県立医科大学附属病院を中心に中南和地域の病院が連携して、重症腹症の患者を受け入れるネットワークを構築していただきました。重症腹症はなかなか照会件数が多くなる傾向があり、受け入れがスムーズにいかない病態でございます。

 また周産期医療でございますが、県立医科大学附属病院と県総合医療センターで大変リスクの高い妊婦や新生児を受け入れる周産期母子医療センターの整備を共同してやっていただいております。妊産婦が休日、夜間に診療を受けられる産婦人科一次救急医療体制の確保も重要でございますが、その整備も進んできております。

 これらの取り組みによりましてハイリスク妊婦の搬送件数でございますが、平成二十年には二百四件のうち七八%、百五十八件が県内受け入れにすぎない状況でございましたが、七年後の昨年、平成二十七年はハイリスク妊婦の搬送が二百九十二件ありましたが、そのうち九六%に上る二百七十八件を県内で受け入れられるようになりました。七年前は八割以下の県内受け入れでございましたが、昨年は九六%まで県内で受け入れをしていただく実績になりました。

 もう一つのご質問のドクターヘリでございます。

 本県はドクターヘリ、独自のものがございませんでしたが、今年度中の運行開始をもくろんでいるところでございます。県立医科大学附属病院が中心病院になりますので、運航調整委員会を設置していただきまして、病院のほか消防行政などの関係者も参加していただいております。中南和地域が中心でございますので、南奈良総合医療センターと連携した運航体制や要請基準、スタッフの確保などの具体的な検討が進められているところでございます。南奈良総合医療センターには既にヘリポートの設置が完了しております。

 あわせて運航会社の選定をこれから行う必要がございます。この選定後は搭乗スタッフへの研修等を行っていただき、救急車からドクターヘリに疾病者を引き継ぎます引き継ぎポイントをどこにするかということや、消防機関との搬送訓練にも取り組んでいきたいと思います。今年度中の運航開始をもくろんでいるものでございます。

 このようなドクターヘリは、既に隣県と共同利用させていただいているものがございます。和歌山県、大阪府とは共同利用しております。昨年度の実績でございますが、和歌山県のドクターヘリは二十三回奈良県民を搬送していただきました。大阪府は三件でございます。本年四月から新たに三重県とも共同利用を開始いたしました。まだ実績はございません。本県独自のドクターヘリを導入いたしますと、この隣接府県、一府二県とも連携して相互に応援し合うことにしたいと思います。

 議員が最初にお述べになりましたように奈良県の救急搬送時間はそう成績がいいものではございませんが、その中でも南和地域の搬送時間がやはりぬきんでて長いことをご指摘いただきました。このようなドクターヘリの導入と四月に新しく開院いたしました南奈良総合医療センターの救急医療の充実によりまして、南和地域の救急搬送時間が抜本的に改善されることを期待しているところでございます。

 その次のご質問は同じく救急医療についてでございますが、e‐MATCHという仕組みを導入してきておりますが、その改良の状況はどうかと。

 まだ改良の途上でございます。e‐MATCHを導入しても照会回数が相変わらず多い状況にはございます。

 その多い原因でございますが、照会するお医者さんの専門領域が細分化しております。そのようなことから、複数診療科にまたがるような患者の搬送先病院が決まりにくい状況が従来からございます。重症腹症と言われます、おなかが痛いというと、どの先生に、どの診療科に診てもらうのかがなかなか決まらないというのが病態の常でございまして、また機械的なことでございますが、e‐MATCHの入力が割と煩雑で救急隊員の方がシステムに習熟するまでに至っていない、病院への円滑な連絡と選定が、照会がいかないといったような事情がわかってきております。

 議員が引用されました数字は平成二十六年のものでございますが、この間、今申し上げましたER型救急医療体制の整備などの受け入れ体制の整備が進みました。ER型だと照会時間が短くなる傾向がございます。救急隊にe‐MATCHシステムの研修会を実施したりして、ER型の救急病院とe‐MATCHのシステムの親和性を向上させるように努力をしておりまして、平成二十七年度は若干改善された結果が出ております。重症以上の搬送先病院が照会一回で決定する割合、これは最小でいいのですが、五・一ポイント上昇しました。成績が上がってまいりました。また多頻度照会、四回以上の割合が四・〇ポイント改善しております。照会件数が大変改善している平成二十七年度の状況でございます。また、わずかでございますが平均搬送時間も二十四秒短縮しているという実情にございます。しかしまだ十分でない数字でございますので、今年度はこのe‐MATCHシステムが簡素に利用できるような改良を加えていきたいと思っております。

 救急医療体制は、送るほうとまた受け入れる側が中心に協力体制、システム化を進める必要がございますので、今後関係者の協力連携が進むように努力をしていきたいと思います。

 次は、県内大学生が創る奈良の未来事業を取り上げられまして、若者の政治参画を進めるといった観点のご質問がございました。

 この若者の未来事業への参画について、その成果、また期待についてのご質問でございます。

 選挙権が十八歳まで下げられつつある中で、将来を担う若い世代に地域の政治に関心を持ってもらい、みずからの意思で県政にかかわりを持ってもらうことは、議員お述べのように大変意味のあることだと考えます。そこで本県では、議員お述べの県内大学生が創る奈良の未来事業という事業を始めていますが、そのほかに小学校五年生、六年生の児童を対象といたしました一日こども知事、また高校生を対象といたしました高校生議会など、若い世代が政治や地方行政について考えたり提案まで行っていただく取り組みを実施してまいりました。その際、この県議会の議場もお借りいたしておるところでございます。感謝を申し上げます。

 ご質問の県内大学生が創る奈良の未来事業についてでございますが、大学生の新鮮な視点を生かしまして県政課題の検討、議論に参加いただき、これが県政の課題解決の一助になること、実質的な課題の提案をいただくことを目標に平成二十四年度から実施しているものでございます。毎年県内の大学から二十件程度の提案がございまして、大学の競争心があおられているような雰囲気も見受けられます。事前審査を通過した提案につきましては、この本会議場で公開コンペ方式の本審査を実施しております。今年度も七月二十日にこの本会議場をお借りいたしましてコンペを開催させていただきます。本審査において最優秀賞及び優秀賞に選ばれた三件ないし四件の提案につきましては、その後、大学生と県職員による提案の実行のプロジェクトチームを立ち上げていただきまして、内容をさらに練って実効ある内容にして翌年度の県予算に計上するのが常でございます。このように大学生からの提案が県の施策として実現されることが、本県の提案事業の大きな特徴になってきております。

 一例を挙げさせていただきますが、昨年度事業化されました地域栄養カレッジ事業というのがございます。奈良女子大学の学生が主体となられまして、親子向けとシニアに向けた専門家による食に関する講演や、大学生オリジナルの栄養バランスのよいランチの試食、栄養相談などを実施していただき、参加者の方々から大変好評を得ました。今年度もその成果を生かしまして、小学生の親子向けに地域栄養カレッジを開講していただきました。二年連続の実施を提案していただいたことになります。

 また今年度事業化されました、奈良の将来の医療と介護をつくる多職種学生の集い事業というものがございます。提案されましたのは奈良県立医科大学の学生さんでございますが、県内外の専門の異なる学生約三十名が企画運営に加わられまして、認知症、栄養などさまざまなテーマで勉強会を開始されております。今後、施設での実習、インターンやシンポジウムなどを行っていただく予定になっております。複数の、また専門が違う大学の大学生が連携して一つのテーマで施策を展開するフィールドができるといった、また県がその事業に予算をつけるといったのも奈良県の大学生の提案事業の特色になっております。このような若い世代の方々に提案だけではなしに事業の遂行までやっていただくというのが、奈良県を担う人材の育成について効果があることを期待している現状でございます。

 私に対する質問は以上でございます。残余は関係の部長がご答弁をさせていただきます。



○議長(中村昭) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、健康寿命日本一を目指す取り組みをさらに強化し加速させる必要があると考えるが、今後の取り組みについてはどうかとのお尋ねでございます。

 健康寿命日本一を目指した取り組みにつきましては、現在四年目を迎えております。これまで健康寿命の延長に効果的な健康行動の研究をもとに、がん検診や減塩、運動などを重点取り組み課題と位置づけまして、モデル的な取り組みを通して効果検証を行いながら進めてまいりました。本年度におきましては県独自の補助制度を創設いたしまして、このような取り組みを県内全域に広げてまいりたいと考えております。議員お述べになられましたがん検診につきましては、今年度、約半数の市町村が新設の補助制度を活用し、受診勧奨、再勧奨に取り組む予定でございます。

 また特定健診につきましても、休日検診や受診勧奨に取り組む市町村への財政的な支援に加えまして、受診率の向上に効果のある身近な好事例を共有するなど、市町村の取り組みを支援してまいります。

 また減塩、野菜摂取につきましては全国トップの長野県との比較分析を行うとともに、本年度新たに県民の食生活に関する大規模調査の実施を予定しております。この調査では、これまでの調査にはない市町村ごとの野菜や食塩の摂取量、食習慣等の実態を把握いたしまして、市町村ごとの課題を明らかにするとともに今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。

 運動につきましては、橿原と王寺の健康ステーションにおける、おでかけ健康法などの取り組みを県内各地に広げてまいりたいと考えております。本年度は二つの市におきまして新たな補助制度を活用し、市営の健康ステーションが設置されたところでございます。

 健康づくりの取り組みにつきましては、さまざまな内容や手法に工夫を凝らしながら広く県民へ働きかけを行うことが大事だと考えております。今後とも医療、福祉、教育、農業など幅広い分野と連携いたしまして、市町村との連携・協働した取り組みを強化しながら健康寿命日本一の実現を目指してまいります。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 森田産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(森田康文) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、若者の雇用促進や就労支援に関しまして、奈良県における若者の非正規雇用の割合、離職率の推移について、また離職を防ぐためにどのような対策を行っているのか。もう一つとしまして、若者に対する雇用促進や就労支援の主な取り組みについてという問いかけでございます。お答え申し上げます。

 まず若者の雇用安定の観点から、若者の雇用形態の傾向を把握していくことは大変重要なことだと認識しております。就業構造基本調査によりますと、本県の十五歳から三十四歳の若者の非正規雇用の割合は、平成十四年度、三一・八%でございまして、十年後、平成二十四年度には三九%と増加しております。またこれを男女別に見ますと、女性の本県の非正規雇用の割合は四八・七%と全国平均よりも一・七%高く、一方、本県の男性は三〇・二%と同じく全国平均よりも四・九%高くなっております。男性のほうが差が大きくなっております。また大学卒業者で就職後三年目までに離職した方の割合は、平成二十年三月卒業者の方で三四・五%、そこから平成二十四年三月の卒業者は三九・五%、こちらも増加しておりまして、全国平均の三二・三%を上回る状況になっております。

 若者の離職防止を図るためには、働くことの意味あるいは働き続けることの大切さを若者に理解していただくことが何よりも大事だと考えております。そのため高校生に対しまして就労意識の醸成を図るとともに、若手社員の方々には会社を超えておのおのの悩みですとか考えですとかを共有していくような取り組みを現在進めております。

 さらに奈良県における離職の原因を把握するために、昨年度、離職者を対象にしたアンケート調査を行いました。その結果、離職理由として、違う仕事を経験してみたかった、勤め先に将来性がないと思ったといった本人の業務内容への希望とのミスマッチ、あるいは結婚、出産、育児、介護、看護のため、あるいは残業や休日出勤が多かったというような職場環境、労働条件に関する項目、そういったものが上位に挙げられておりました。

 まず業務内容のミスマッチに関しましては、丁寧な就労支援を行うなどさらなる効果的な手法につきまして検討を加えていく必要があると考えております。

 もう一点、職場環境、労働条件に関する定着促進策につきましては、仕事と家庭の両立や男女がともに働きやすい職場づくりを行う県内事業所をふやしていくこと、あるいは県内事業所へのコンサルティング支援を通しまして正規雇用化をはじめとする処遇改善を働きかける取り組みを進めております。

 次に、若者に対する雇用促進や就労支援の主な取り組みといたしましては、奈良先端科学技術大学院大学をはじめとします県内外の大学生向けに県内企業が自社の説明PRを行う、奈良で働くフェアなどを毎年開催しております。平成二十七年度は十四回開催しまして、合計三千三百五十六人の方に参加いただきました。

 また若者の就職相談窓口として設置しております、ならジョブカフェでは一人ひとりの個性に合ったきめ細やかな就労相談を行っておりまして、昨年はその窓口を通じて三百七十五人が就職されたところでございます。

 そのほか、若年無業者、いわゆるニートの方なのですが、そういう方を対象に就業に向けた個別面接、コミュニケーション訓練にも取り組んでいるところでございます。

 さらに県内企業が求める人材ニーズを踏まえまして、県の高等技術専門校におきまして、新たな試みとして観光マーケティングに係る職業訓練も進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、奈良東部広域農道と県道奈良名張線が交わる奈良市日笠町の交差点において安全対策を今現在どのように考えているのか。また、奈良東部広域農道の開通時期の見通しについてはどうかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員お述べのとおり、奈良東部広域農道は奈良市杣ノ川町と奈良市日笠町を直接結ぶ延長三千八百三十メートルを建設してきたもので、本農道が開通することにより奈良市東部地域における農産物などの流通改善や生活利便性の向上につながり、また名阪国道針インターチェンジ方面から奈良市街への所要時間が短縮となり、交通アクセスの改善にも寄与するものと考えております。

 議員お尋ねの本農道と県道奈良名張線が交わる日笠町交差点付近は、県道が下り勾配で緩やかなカーブとなって奈良市街に向かっているため、十分な安全対策が必要であると認識をしております。これまで奈良警察署と当該交差点の安全対策について協議を重ねてきたところでございます。

 具体的には、本農道側から日笠町交差点への進入は一時停止とし、日笠町交差点に向かって減速を促すための路面表示や昼夜間における車両運転者の視線を誘導する施設を設置しています。また県道側には新たに右折レーンを設置するほか、交差点の存在を認識させる警戒標識や点滅式の標示灯の設置も予定をしております。さらに歩行者の安全を確保するための歩道を設置するほか、供用開始までに引き続き奈良警察署と協議を行い、さらなる安全対策を施し、車両と歩行者双方の安全確保に万全を図ってまいる所存でございます。

 なお開通時期につきましては、交通安全施設の整備を行うとともに奈良土木事務所、奈良市など関係機関との調整を行い、できる限り早い時期の開通を目指してまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 二番池田慎久議員。



◆二番(池田慎久) ご答弁ありがとうございました。

 まず救急医療の充実について、救急搬送時間を短縮しなければならないという喫緊の課題をどう解決していくか。これは知事も十分以前から考えていただいているというふうに理解をいたしております。

 通報から現場到着、これが第一段階ですね。患者さんの状態の把握、確認、これが第二段階。e‐MATCHシステムによる病院の照会、これが三段階目。そして受け入れ病院への搬送、これを四段階目とした場合に、それぞれの段階で一分一秒でも時間を短縮することができたならば、救急搬送時間というのはおのずから短縮できるというのは間違いない事実でございます。

 中でも受け入れ病院が決定するまでの時間をいかに短くするか、これは重要な課題として継続して取り組んでいく必要がございます。受け入れ病院の照会回数が重なって病院への搬送時間が長くなってしまいますと、救える命も救えないということもあるというふうに聞いております。昨年導入されましたER型救急により、先ほど知事がご答弁になられましたように一回の照会で搬送先が決まったというのは五・一ポイント改善をされたと。四回以上照会をかけないと病院が決まらないというものも四・〇ポイント改善をされたということでございます。これは平成二十七年度の恐らく速報値なのだろうというふうに思います。救急搬送時間もわずかながら短縮をされたということでございます。私は県民の大切な命、これを守るために当面の目標としてまず十分の時間短縮、このことをぜひ提案をしたいなというふうに思っております。

 いずれにいたしましてもこの救急医療の問題につきまして、荒井知事を先頭に鋭意ご努力いただきますよう引き続きよろしくお願い申し上げまして、この質問について私の意見と要望とさせていただきます。

 次に、健康福祉部長に質問をいたしました県民の健康寿命日本一を目指す取り組みについてでありますが、平成三十四年度までに男女ともに健康寿命日本一を実現するためには、県民へのさらなる啓発活動を通じて県民がいつまでも健康で長生きしたいというふうな自覚をしていただいて、意識も変えていただいて、行動を実際起こしていただかなければならないというふうに思います。とりわけ禁煙対策、それから減塩、野菜の摂取、運動に加えまして、全国的にも率が低いわけでありますが特定健診やがん検診、この受診率を上げることというのは必須であります。県民一人ひとりがこれらを実践することこそが健康寿命日本一の達成につながるというふうに考えますので、市町村ともぜひ力を合わせていただきまして一歩一歩地道なお取り組みをよろしくお願いをいたします。

 次に県内大学生が創る奈良の未来事業についてでございますが、ことしも約二十ほどの提案があったというふうに聞き及んでおります。この事業を通じて若者たちはまず奈良を知る、それから奈良を学ぶことから始まるというふうに思います。そして若い視点や感性を持った優秀な政策提案を、実際に若者たちが事業として県の予算をつけていただいて行うと。これはきっと県政の発展と活性化につながるだけではなくて同時に若者の奈良に対する愛着あるいは誇りを高めることにもつながるというふうに思いますので、この意義ある取り組みをぜひ継続して行っていただきますようにお願いをしておきたいと思います。

 また奈良に愛着と誇りを感じていただいて、奈良でいつまでも住み続けたいと若者たちに思っていただくためには、四番目に質問を産業・雇用振興部長にさせていただきました若者の雇用の確保と賃金アップ、所得アップが重要になってまいります。

 非正規雇用を正規雇用へ転換させる取り組み、これは雇用の安定と所得アップに直接つながってまいりますので、これまで以上の効果のある取り組みをぜひお願いしたいというふうに思いますし、離職を防ぐ取り組みもぜひしっかりと、今取り組んでいただいているということでございますが、今後さらなる成果が数値となってあらわれるようにぜひ頑張っていただくよう期待をしておきたいというふうに思います。

 いずれにいたしましても経済を強くして、若者の雇用拡大を図って多くの若い人材を奈良に定着させていくことが、若者の県外流出を食いとめ少子化対策など諸課題の解決とともに奈良県の発展にもつながると考えますので、未来を担う若者にかかわる施策の推進に格別のご配慮をお願いしたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、間もなく開通をいたします予定の奈良東部広域農道と県道奈良名張線が交わる奈良市日笠町交差点の交通安全対策についてでありますが、この件につきましては当初から我が党、自由民主党会派の新谷議員が、この交差点にぜひ信号機を設置してほしいと地元の田原地区自治連合会から強い要望を受け、信号機の実現に向けて取り組んでこられたところであり、私も昨年来、地元住民の皆さんから同様の相談を受けまして現場を確認し、信号機設置の必要性を強く感じております。

 県警察本部に確認をいたしますと、残念ながら信号機の設置というのはしばらく待たないといけないということでありますけれども、開通後は引き続き実態調査をしていただきまして、できるだけ早く信号機の設置を実現していただけますよう改めて要望しておきたいと思います。

 農林部においては、ご答弁がありましたように既にカーブミラー、警戒標識、横断歩道の設置、一旦停止線、止まれ、アローマークの標示など、この交差点の交通安全対策を一定施していただいておりますが、新谷議員とともに私は、この交差点周りのカラー舗装や交差点周りを明るくする照明の設置がさらに必要ではないかというふうに考えております。開通に向けまして万全の交通安全対策を農林部のほうでお願いしたいというふうに思いますし、開通時期については明確に示されませんでしたけれども、利用者は開通を待ち望んでおりますので早期に供用が開始できますよう要望しておきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 あわせてこの機会に一点要望させていただきたいのですが、交通安全対策に関連してでございます。

 県内の信号機の設置について要望をさせていただきたいと思いますが、県内の信号機の要望件数を調査いたしますと、この奈良市日笠町交差点を含めまして要望件数が約百三十件あるとのことであります。一方、毎年の設置件数は大体六カ所から八カ所程度でございます。加えて新規要望も出てくるわけですから、要望をかなえるまでには相当な年数がかかってしまいます。県民からは、信号設置の要望をしているけれどもなかなか設置してもらえないとか、大きな事故や人命が失われないと信号がつかないのかなど、心配の声が聞こえてまいります。安全安心の奈良県をつくる観点から信号機の設置を含む交通安全対策に関する予算が奈良県は少ないのではないかなというふうにも考えておりますので、予算の増額確保、これは知事にお願いしておくべきことなのでしょうけれども、知事にお願いをしておきたい、要望しておきたいと思います。

 このように奈良県には多くの課題がございますけれども、一つ一つの課題解決に向けまして荒井知事の強いリーダーシップに期待し、また私も県議会議員として精いっぱい努力することを申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、四十三番梶川虔二議員に発言を許します。−−四十三番梶川虔二議員。(拍手)



◆四十三番(梶川虔二) (登壇)創生奈良の社民党の梶川が一般質問をいたします。

 舛添東京都知事の税金や政治資金の使い方が大きな問題になっております。本日辞職をされたようですが、知事職は大統領制で強大な権限を持っており、金も自由に使いクレームというものもありません。

 さてこれとは別に、安倍内閣の失政から来年度の消費税は上げられないし上げるべきでないと思います。オオカミ少年のような安倍首相に財政再建能力はありません。介護のヘルパーや保育園の保育士の待遇改善などの計画は挫折します。国が恒久財源手当をするまでは奈良県は県単独ででも待遇改善をし、そのために意味のない事業は徹底的に見直していただき、同時にアベノミクスの失政の消費税据え置きにかわる恒久財源を国に生み出すように強く求められるよう要望して質問に入ります。

 第一点目は、子宮頸がんワクチンの副作用で健康被害を受けられた方々に対する県の対応について質問いたします。

 全国的には健康被害を受けた方々は訴訟を起こす動きがあるようです。それに反して、健康被害の実態を教訓とせず子宮頸がんワクチンの接種を再開しようとする動きがあるようです。健康被害を受けた女子生徒がいることを忘れてはなりません。

 三郷町の女子生徒のケースですが、彼女は一時生死の境をさまようような状態にまで陥っていましたが、現在は福祉タクシーを使いながら何とか高校に通うこともできています。しかし、家族の顔を忘れてしまいそうな記憶障害や全身の激しい痛み、屋内でもサングラスが外せない状態に苦しんでいるようです。今また新しい症状に悩んでいるのがメールで入っておりました。

 この女子生徒や母親の今一番の心配は学力保障と将来保障です。より具体的には、高校卒業後の居場所の問題です。今の在籍高校は、彼女の状況を理解してできる限りいやすい場所を提供してくれているようです。また、学校の通学も三郷町の福祉タクシーを利用しています。しかし高校卒業後は記憶障害ゆえに大学進学もままならず、もし進学できても通学、就学が困難です。もちろん就職の見通しも立ちません。以上のような状況で彼女の居場所はどのように保障されるのか、行政は真剣に考えなければなりません。

 また県内のある高校二年生の女子生徒の場合、医療機関ではいろいろ薬剤の処方を受けるが余計に症状が悪化するというケースです。治療として認定されていない指圧に通院二時間をかけて自費で行ってみましたが、だめだったようです。よくできるお子さんのようですが、学習したことをすぐ忘れてしまうというような記憶障害も出ていたようですが、今は頭が痛くて勉強にならず治療法を待ち焦がれているようです。

 さらに奈良市の大学一回生の女性は、伊勢赤十字病院に二カ月置きに通っています。子宮頸がんワクチンの被害者だとわかると診てもらえる病院がない。以前から診てもらっていた病院から断られました。奈良県立医科大学附属病院は国の協力医療機関ですが、窓口が産婦人科です。ワクチンを勧めている産婦人科が窓口では受診する者に抵抗があるし、一昨年受診しましたがきちんと診てもらえるとは思えない感じでしたと言います。何かあれば直ちに診てもらえる病院を新たにつくってもらえるようにお願いしますと訴えています。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 まず一点目です。予防接種を受けたがあとは知らないという対応でなく、健康被害を受けた人に対して被害申請書類の書き方に至るまで親切丁寧に接してほしいと考えますが、いかがですか。

 そして二点目として、県内で何人の健康被害者がおられるのか、またどのような副作用に苦しんでおられるのか、あわせてどこで治療してもらえるのか、お尋ねいたします。知事は過去に被害者に寄り添うと言われていますが、裁判になるようですが最後まで寄り添ってあげていただきたいと思います。

 三点目です。これから学校ではがん教育が行われるように聞きますが、そのがん教育に乗じて子宮頸がんを予防するには子宮頸がんワクチンを受けることが大切であるかのようなパンフレットが配られようとして、ある教育委員会で配布を中止したと聞いております。県教育委員会が知らないうちに子宮頸がんワクチンを打とうという動きに学校が巻き込まれようとしております。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 学校現場ではがん教育に今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。また県教育委員会として、子宮頸がんワクチンの副作用を有する生徒に対し、あるいは市町村教育委員会にどのように対応されているのでしょうか。

 質問の第二点目に、戦争体験資料の活用について知事にお尋ねをいたします。

 図書情報館三階に戦争体験文庫の書棚があり、五万点の書があります。知事もごらんになられたことがおありかもしれませんが、ごらんになったらひょっとして戦争体験文庫というが、これは何だと思われたのではないかと考えたりもしました。

 資料収集のとき、趣旨は何だったのでしょうか。話は二〇年前にさかのぼります。一九九六年、当時の福祉政策課が戦争体験を風化させることなく次世代に伝えていくために資料収集に当たられたとか聞いております。そして、二〇〇一年に図書情報館に移管されたと聞いております。文庫というくくりでなく、過ちを二度と繰り返さないために生きたあかしとしての戦争体験を次の世代に伝えなければなりません。

 ところで、この文庫はどのように活用されたのか。県内には三十の市町村立図書館があります。巡回して活用しませんか。それと、もっと埋もれた戦争体験を文庫とは言わずに集めることが必要だと思います。

 戦争末期に旧大和海軍航空隊大和基地、通称柳本飛行場の建設工事があり、一九九五年八月、天理市教育委員会が天理市遠田町に跡地としての説明板を立てましたが、二〇一四年四月に撤去されました。新しく就任された市長は撤去について、さまざまな歴史認識があり、国全体においても論議がある中で、いわゆる強制性の点も含めて天理市及び天理市教育委員会の公式見解と解される掲示をすることは適当でないと判断し、一旦看板を撤去保存しています。今後、歴史家などによる国全体の研究・検証などを見守りたいと考えていますとコメントしております。

 私の意見は、暗たんたる思いです。あの当時、飛行場建設工事に携われる人間が奈良県や日本にいるはずがありません。根こそぎ戦場に、軍隊に行っていたのです。天理市がこだわる強制性は避けて通れない問題です。それを棚上げしては歴史は見えてきません。私はもっと間口を広めて戦争体験を集めないかと言いましたが、大きな心配は天理市長のコメントのような論理で戦争体験が集まらない、集まっても展示されないことになりはしないかということです。知事はいかがお考えでしょうか。

 最後に、教育長にお尋ねをいたします。

 文化庁の近代遺跡調査実施要項に基づき柳本飛行場として保存するよう、天理市は一九九八年一〇月二十一日に県を経由して文化庁に提出したと聞いているが、その後どのようになっているのでしょうか。

 質問の第三点目は、西和医療センターの産科についてお尋ねをいたします。

 西和医療センターの産科は昨年の四月、周辺自治体の期待を担って奈良県立医科大学から医師派遣の協力をいただき再開されました。従前からの小児科もあり、若い夫婦に安心して出産いただけると思います。先日も私の隣の主婦は、西和医療センターもきれいになったし、そこで産んだらと友人に宣伝をしてくれたと言っていました。よく聞いてみるとその妊婦は横浜の人で、里帰り出産のようでした。西和医療センターで子どもを産んだという声が少ないように思います。西和地域は高齢化が進んでおります。人口も漸減していますし、条件は悪いと思います。

 そこで、医療政策部長にお尋ねをいたします。

 こうした状況で西和七町の出生数の何割が西和医療センターを利用されているのか。また、同医療センターで産科を再開したとか、里帰り出産歓迎、立ち会い出産可能といった宣伝をしているのでしょうか。

 質問の第四点目は、大和川流域洪水対策を知事にお尋ねいたします。

 斑鳩町、安堵町、川西町あたりで計画が進んでいる国土交通省直轄事業の大和川遊水地は、どのように進んでいるのでしょうか。大和川ジャーナルというリーフレットにもこの計画が紹介されていますが、それによると百万トンの水だめをつくるというものです。ちょっと私たちに想像できませんが、一つでつくるとすれば平面百メートル、百メートル、深さ百メートルのものです。もちろん一カ所ではできません。三カ所、これを国直轄でつくるというものです。これ以外に、ため池を利用して水を一時貯留する県の事業としてつくるものが七十五万トン、これは一〇〇%できています。市町村が同じやり方で百七万トンの貯留地をつくることになっておりますが、四九%しかできておりません。これらの計画は、大和川流域に降った雨を一時的に貯留することで川へ雨水が一気に流れることを抑える構想です。

 そこで、荒井知事にお尋ねをいたします。

 まず一点目です。最近の地震や津波、原子力発電所事故は想定外という規模のものが多くなっています。百万トンという国直轄事業の遊水地が完成した場合には、昭和五十七年七月三十一日から八月三日にかけて、概略時間雨量二十ミリメートルで総雨量の三百ミリメートルの戦後最大の降雨がありましたが、このような降雨洪水に耐えられるものでしょうか。例えば家屋浸水にならないというような計画でしょうか。

 二点目に、上流の者は、この類いの事業の予算確保や用地確保に苦労します。直轄遊水地事業を少しでも早めるため、また受益と苦労をともにしていただくために、大阪府、大阪市、堺市にも我が奈良県の直轄負担分約三割について応分の負担をしてもらうよう交渉すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 質問の第五点目に、熊本地震の被災者の住まいの対応についてお尋ねをいたします。

 熊本地震は東日本大震災に襲われた五年前と状況は変わっていなく、深刻な問題が私たちに突きつけられました。避難生活の長期化が一番の問題ですが、その前に、東日本でも課題になりました被災者の住まいの確保は復旧復興の第一歩として非常に大切な取り組みであります。その中でも公営住宅の被災者への提供は、被災者の生活再建を一日も早くスタートさせるために大切です。

 奈良県でも他人事ではありません。いつこのような大地震が起き、多くの方々が被災し住まいを失うかもしれません。県営住宅は本来住まいに困窮する低所得者向けのものでありますが、こうした大災害が起きた場合の被災者への空き住宅提供など、さまざまな状況に対応するために必要です。建てかえを先延ばしにしてはなりません。現在の県営住宅のストックは老朽化が進んでおりますが、大規模災害に対応するために建てかえを進めていくべきと考えます。住まいまちづくり課長は地元を熟知してほしいと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 今回の熊本地震による被災者への奈良県及び県内市町村の公営住宅の提供の状況についてお聞かせください。また災害時の対応の重要性も踏まえ、老朽化している県営住宅のストックの建てかえを進めるべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、要望しておきます。

 一つは、東日本大震災で避難所に津波が襲来し多数の犠牲者が出たことを教訓に改正災害対策基本法ができ、指定緊急避難場所が義務づけられました。県としても市町村に指定や住民への周知をするよう求めておきます。いま一つは、文化財の災害、防災、耐震の現状と課題を把握して対策を進められるよう要望しておきます。

 以上で、私の壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、子宮頸がんワクチンの副作用への対応についてでございます。

 副作用の事例をお挙げになりました。副作用への対応は、ご本人にとりましても社会にとりましても非常に大きな問題になっているものと思います。行政は病状を改善するために直接の手だてはございませんが、被害者の方に寄り添って支援を申し上げるべき課題だというふうに思います。

 予防接種後に症状が生じられた方々に、相談窓口を設置しております。実施主体でありますのは市町村でございますが、市町村の窓口のほか、県におきましても昨年十一月に専用の相談窓口を新たに設置いたしました。相談窓口では、必要に応じまして面談もしながら健康被害を抱える方の個々の状況に耳を傾け、迅速に国等の救済制度や医療につなぐことを目的にしております。国におきましては予防接種法等の救済制度がございますが、医療費や手当を支給されるものでございます。県といたしましては、救済制度の申請については、保護者が手続に悩むことなく申請できるように予防接種の実施市町村とともにサポートしているところでございます。健康被害を持っておられるご家族、ご本人に寄り添った対応を心がけているところでございます。

 健康被害の方がどのぐらいおられるのかというご質問がございました。

 この副反応の情報は、他の予防接種と同様に副反応報告制度により医療機関や本人が国に報告することになっておりますが、平成二十二年十二月の任意接種開始から現在までに県内で十八件の報告がございました。また、先ほど述べました県の相談窓口は、昨年十一月からことしの五月末、半年間のご相談の実績では延べ二十六件、十三人の中高生の保護者からの相談がございました。ご相談の中にはいろんな症状の模様を述べられておったようでございます。発症時期はさまざまでございますが、共通しておりますのは原因が何かわからないというご不安があるようでございますし、議員お述べになりましたように学校生活や進学へのご不安を訴えられている実情でございます。

 現状では健康被害の原因がいまだ究明されておりません。有効な治療法が見つかっていないと聞いております。国は、健康被害を抱える方に対しまして都道府県単位で協力医療機関を設定して診療体制の整備を図っておりますが、本県では県立医科大学附属病院が協力医療機関でございます。原因がわからない中での治療でございますので限界はあるようでございますが、体と心の両方の診療科が、対症療法になるかもしれませんが、個々の状況や思いに応じた診療に努めていただいておるものでございます。県といたしましては、そのような診療につなぐという役目がございます。また、いろんな不安をなくすための情報提供の充実に努めていくべきだと思っております。

 私に対する次のご質問は、戦争体験資料の活用というテーマでございます。

 いろいろ経緯を述べていただきました。戦争資料につきましては、議員ご指摘のとおり県福祉部において戦中戦後の社会や生活の様子を記録した資料の収集を行ってきております。平成十三年度に旧奈良図書館に移管され、そこで収集を行った後に現在図書情報館に引き継がれているものでございます。これらの戦争資料は一九三一年の満州事変から一九五二年のサンフランシスコ講和条約までの間を対象にされており、この時期に発行され、またこの時期にかかわる資料となっております。全国の図書館、学校、教育関係機関等を中心に調査を行い、積極的に収集を進めた結果、寄贈いただいたものを含め現在五万点以上の資料が収集されている資料群でございます。

 図書情報館では、専門資料スペースに戦争体験文庫のコーナーを設けて、手記や体験記をはじめ当時の様子を伝える貴重な図書や雑誌を開架して展示をしております。またこのほか日記やはがき、写真などの資料を加えまして随時テーマ展を開催して公開をしていただいているものでございます。県内市町村立図書館にも要請があればこの戦争体験文庫の資料貸し出し、展示に活用いただいております。また図書情報館のホームページ内に戦争資料のギャラリーページを設けまして、銃後の生活、軍隊と兵士といったテーマ別に戦争資料を紹介していただいております。

 天理の飛行場跡についての天理市の措置についてのコメントということでございますが、天理市及び天理市教育委員会の説明板の扱いでございます。私の立場からは見解を述べることはできませんが、県が持っております戦争体験文庫につきましては、戦争体験を風化させないという点で大事な資料だと思っております。適切な活用を引き続き図っていきたいと考えております。

 私に対する次の質問は、大和川流域洪水対策についてでございます。

 今、国と作業を開始しております直轄遊水地事業、百万トンの貯水遊水地をつくる事業につきまして、戦後最大の大和川大水害のようなものでも家屋浸水がないだろうかというご質問でございます。計画の概要などをご説明申し上げます。

 国によります大和川本川の河川整備は、平成二十五年十一月に策定されました大和川水系河川整備計画が基本となっております。この河川整備計画では、戦後最大となる昭和五十七年八月の大和川大水害の際と同規模の降雨が発生しても大和川本川からの洪水氾濫による家屋浸水被害を防止することが目標となっております。

 大和川中流域に位置いたします斑鳩町、安堵町、川西町の三カ所で整備が予定をされております約百万立方メートルの直轄遊水地は、まさにこうした目標を達成するためのものでございますが、そのほか内水の被害などがございますので、この直轄遊水地のほかに二つのその他の手法が必要だと考えております。一つ目は築堤、堤防を築いたり河道を掘削したりといったことになりますが、河川の改修による洪水防止対策。また総合治水と呼んでおりますが、田んぼなど近隣のところにためる対策、また水が襲うところに近づかないような対策、このような対策と一体的に対策すべきであろうかと思います。直轄遊水地と河川改修、総合治水対策の三本柱でこの戦後最大の大水害にも耐え得る大和平野をつくることができるものでございます。

 その中の中心の施策となります直轄遊水地につきましては、今年度から用地買収に着手するための予算が認められました。国の予算が認められました。本県といたしましても、用地買収が円滑に進むよう大和川ジャーナルを活用した啓発や地元説明、用地交渉に連携、協力いたします。また、この際、内水対策を完璧にするようなことを県の責任として考えております。

 総合治水対策と言われる全体の対策の内容でございますが、現在、防災調整池やため池、水田などによるためる対策を細かく行うということ、また浸水しやすい地域の市街化を抑制する控える対策、水がつきそうなところにはあまりこれから家を建てないようにしようという対策、また奈良モデルによりまして県と市町村が連携して推進する仕組みなどを考えておりますが、新たな条例の制定が望ましいと考えてその検討を進めているところでございます。これまでに主に学識者で構成いたします奈良県総合治水対策推進委員会を四回開催いたしました。条例の内容などについてご意見をお伺いしてまいりました。引き続き委員会での議論を進めますとともに関係市町村のご意見を聞きながら、戦後最大の大水害にも水害が発生しないという大和平野を目指してこの条例の構築に努めていきたいと思っております。

 また大和川洪水対策の中で、下流に受益が発生するから負担を求めてはどうかというご意見についてのご質問がございました。

 国がある都道府県の区域内で直轄河川事業というものを行うときには、その都道府県が事業費の三分の一を負担するというのが基本でございます。大和平野で工事を国がする場合には、その三分の一が奈良県の負担になるというのが基本でございます。しかしながら、その直轄河川事業によって他の都道府県、とりわけ下流の府県、この場合は大阪府になりますが、著しく利益を受ける場合には、国土交通大臣はその受益を受ける都道府県の知事の意見を聞いた上で、大阪府知事の意見を聞いた上で受益の限度の範囲内で負担させることができるということが法律に記載されております。受益者負担というものがあるよという法律の書き方でございます。したがいまして、直轄遊水地の整備費用について大阪府、堺市などにも応分の負担をしてもらうべきではないか、受益があるのだからという議員のご指摘はもっともなところがおありになるように思っております。

 しかしながら国が実際にこうした調整をしようといたしますと、直轄遊水地の整備による受益が奈良県、大阪府それぞれ幾らになるのか、数字でぎりぎりと詰めて大阪府に納得していただく必要がございます。受益の範囲を金額で示せと言われたときの、その金額なり割合で示せと言われたときはリスクの計算ということになりますので、もめるのが通常でございます。機会がありましたら受益者負担の考え方について国に、既にそれが望ましい考え方だということは国には申しておりますが、国の動きがありましたら大阪府にも伝えていただき、奈良県からも伝えていきたいと思いますが、まだ直轄遊水地が工事も始まっておりませんので、用地買収もしていないのに受益だけ求めるのかという言い方もこの段階ではあるかもしれませんので、用地買収が進展し事業が進捗するように、地元地域の啓発、地元説明、用地交渉など、また内水対策を完璧にするなど、県内大和平野でできることをした上での動きになろうかと思っております。

 熊本地震の被災者の住まいの対応等について、県営住宅の扱い方のご質問がございました。

 熊本地震による被災者の住まいの確保についてでございますが、発生から約二カ月たちます。避難されておられます方はまだ約六千名いらっしゃると聞いております。

 奈良県ではこれまで現地に、熊本に、被災された住宅が危険かどうかの判断のための職員など延べ十五名を派遣いたしました。また、あしたからは応急仮設住宅の建設支援のために県の土木職員を二名派遣することにしております。また、県内市町村と連携いたしまして、熊本地震の被災者のために公営住宅や改良住宅の空き住戸八十九戸を提供できるように確保しております。現在のところ入居の実績はございませんが、申し入れがありましたら受け入れに際して被災者の方がすぐ生活をスタートできるように、東日本大震災のときに福島県の方が来られて奈良県は大変丁寧に用意をしたと言って感謝をされましたが、同様に丁寧な状況をつくり生活必需品の支給などの支援も準備していきたいと考えております。

 またこのような災害時の対応の重要性も踏まえまして、熊本県だけでなくほかの被災県の救助支援ということも含めまして、県営住宅の建てかえをどのようにするかという方針についてのお問い合わせでございました。

 県営住宅は、本来住まいに困られている方のとりわけ低所得者の方々に対する住宅という位置づけでございますが、災害の際の被災者に空き住戸を迅速に提供できるという点でも重要な役割を近時担っているところでございます。そのためにも適切な維持管理や修繕を欠かせないということがございます。

 量的なことでいいますと住宅数が世帯数を上回っておりますので、県営住宅は量的確保という役割は大変少なくなってまいりました。しかし、生活困窮者、このような被災者、時により発生する被災者の居住ニーズを適時適切に確保できるのが公営住宅というような役割も近時認識をされております。したがいまして、県営住宅の中で老朽化した住宅の更新に当たりましては、こういう新しい役割を総合的に勘案いたしまして耐用年数の残る県営住宅の扱いなどを考えていくべきだと考えております。奈良県営住宅長寿命化計画の改定ということになります。計画的に県営住宅の集約、更新、改修を進めるよう検討を進めたいと思います。

 私に対するご質問は以上でございました。



○議長(中村昭) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えいたします。

 私には、西和医療センターの産科再開後の実績についてのお尋ねでございました。

 町村長会や町村議会議長会、また県議会、県議会議員等を通じまして地元からの強い要望を受け、平成二十七年四月から西和医療センターの産科が再開されました。

 平成二十八年三月までの一年間の分娩取り扱い件数は六十一件で、そのうち西和七町にお住まいの方の分娩は四十二件となっております。西和七町全体の年間の出生数はここ数年、毎年九百人前後で推移しており、西和医療センターをご利用された四十二件というのは五%、五分にも満たない状況となっております。議員ご指摘のように地元の期待に応える形で県立医科大学の協力を得て産科の再開にこぎつけましたが、産科の再開初年度ということを差し引きましても利用は低調であったと言わざるを得ません。

 この状況に危機感を覚え、四月から五月にかけまして私や病院マネジメント課長が西和地域の各町長を訪問いたしました。産科の実績、現状をご説明しますとともに、利用促進や広報を強く依頼してまいりました。平群町では早速六月の広報紙に産科利用促進の記事を掲載いただいたところで、今後、他の町でもご協力をいただけるものと考えております。

 また西和医療センターでは、アメニティーグッズの充実や新生児の足型や写真をプレゼントするなど、利用者の満足度向上に向けた取り組みを進めております。里帰り分娩や立ち会い分娩の受け入れにつきましてもあわせて積極的にPRを図っているところです。県議会議員各位におかれましても西和医療センターの産科利用促進にご協力賜りましたら幸いに存じます。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二つの質問をいただいており、一問目は、がん教育への取り組みと、子宮頸がんワクチンの副作用症状を有する生徒に対しどのように対応しているのかとのお尋ねでございます。

 平成二十五年、県がん対策推進条例の一部改正で、がんに関する正しい知識を持つとともにがんの予防等についての理解を深めるよう学習活動を推進する、いわゆるがん教育が盛り込まれました。県教育委員会では、平成二十六年度から学校関係者及び保健医療関係者と連携を図りながら、中学・高校生用リーフレットを作成し、学校におけるがん教育の推進について取り組んでおります。今年度は、高校の保健体育科の教員に対しましてリーフレットの具体的活用を目的に研修会を開催し指導力の向上を図るとともに、今後もさらにがん教育の充実に努めてまいります。

 特に子宮頸がんにつきましては、予防ワクチン接種が国で推奨され、接種後にさまざまな症状が見られています。このことから、各市町村教育委員会や学校がワクチンに対する知識、特に認識を深めていただいて、生徒個々の症状を十分に理解しながら適切に対応できるよう、本年一月に市町村教育委員会及び学校の管理職並びに養護教諭を対象とした研修会を開催し、あわせて各学校での実態把握に努めていただくこともお願いしたところでございます。今後も市町村教育委員会と連携を密にしながら健康被害に苦しむ生徒の実態把握に努め、生徒が周囲から理解されずに孤立したり学校に不安を感じることのないよう中学校、高校を通して必要な支援を講じてまいります。

 二問目は、柳本飛行場跡、文化庁の近代遺跡調査に申請したその後の状況についてのお尋ねでございます。

 近代遺跡調査は、幕末開国ごろから第二次世界大戦終結ごろまでの遺跡の適切な保護を図るための基礎資料を得ることを目的に、平成八年度から平成十年度にかけて文化庁から都道府県教育委員会、市町村教育委員会へ調査を依頼する形で行われました。

 議員お述べの大和海軍航空隊大和基地跡、いわゆる柳本飛行場跡は軍事に関する遺跡として天理市から県を経由した調査票が平成十年十一月二十五日付で文化庁に提出をされております。文化庁では調査結果の取りまとめを終えたところから順次報告書を策定しており、平成十六年には鉱業編を、また平成二十六年には官公庁編及び軽工業編が、さらに本年三月には重工業編が刊行されております。なお、軍事に関する遺跡については現在編集中とのことでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) 時間がありませんので簡単に再質問させていただきます。

 一つは、子宮頸がんワクチンの被害者の件ですが、知事の先ほどの答弁では、市町村にも窓口があり必要に応じて相談に乗っているというような言い方で、十八件の云々というようなのがありましたが、必要に応じてではなくて、これはぜひ私は県のほうから市町村に話をして、ワクチンを打った女の子には面接で異常がないかという、ちゃんとそうした調査をぜひしてほしいと思うのですが、これはどのようにお考えか。市町村によってはそういう指示も待っているというか、あったらしますというようなことを言っているところもあるようですので、ぜひそのようにお考え願いたいのですが、いかがでしょうか。

 それから柳本飛行場の件ですが、これは私が心配するのは、せっかく出したものを、この本はこれこれで見せられないというか目に触れさせないというような、そんな選択がされているということは今のところないのか。看板はだめだけど本だったらいいのか、あるいは本も見せてないものがあるよということなのか、その点のことを聞かせてほしいと思います。

 それから、教育長の柳本の飛行場の件で今調査中って、もう十八年もたっているわけですから、その間に、わざわざ天理市は県を経由して中央に上げたのに何の音沙汰もない十八年、今、まだ調査中ですというようなのがちょっとお役所仕事過ぎるし、そこらはどうなのかなと。県なんかそこへ行って立ち会って見られたことはあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

 とりあえずそれだけです。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 相談を必要に応じていたしておりますと。必要に応じてというのが消極的に聞こえたかもしれませんが、相談でございますので必要のない相談はないように、言葉だけの話ですが、議員がおっしゃるのは相談だけではなしに調査もしたらどうかということをおっしゃったように今理解いたしました。調査はまた相談と違う分野であろうかと思いますが、調査をする必要が、どんな調査かというのはありますので、副作用の場合はやはり常時事例を収集してためるというようなタイプの調査というのはぜひ必要でございますので、先ほどご報告申し上げましたような件数の相談については記録がございますので、そのほかの相談に来られない方への調査というのはまたちょっと研究してみますけれども、多少積極的な調査が可能かどうかということを今お問い合わせになったように受け取らせていただきますが、必要に応じてという言葉では、相談については充実させていただいて、まず相談から調査も進むという面を言っているような気持ちでございます。調査が必要かどうかは、もう少し検討して判断をさせていただきたいと思います。

 それから、柳本飛行場の本と看板。歴史物の扱いということかもしれませんが、ご質問ではないかもしれませんが、また余計なことを言うといけないので多少控えて。

     (「余計なことも言ってもらったほうがいいから」と呼ぶ者あり)

 いやいや、余計って悪いことではないのですけれども、どのような歴史の値打ちがあるかというのは、戦争体験を風化させないというのは、これは最小限絶対必要だということは繰り返し申し上げていいかと思いますが、すると戦争体験って、その戦争はどのようなものであったのかというのは、これは歴史認識にかかわる話になってこようかと思います。これはなかなか難しい面が出てきていると思いますが、このような資料を国に出しても、その歴史認識の群が資料の置き場所あるいは整理の仕方についても歴史認識がなかなか国のほうでもでき上がっていないという印象を受けております。歴史認識が絡んでくるので歴史物の扱いもなかなか難しい事情があるのかなという感想を持っておりますということだけでございますが、したがって、歴史認識はここでどういうものを持つべきかというほどの知見はございませんが、梶川議員から。(発言する者あり)もう、答弁いいのですか。

     (「よろしい、よろしい」と呼ぶ者あり)

 以上です。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) まず、二年間で、平成八年度から平成十年度まで申請を受け付けられました。その後、文化庁で詳細な調査を実施するかどうかを決定されながら、まずは鉱業編、鉄鋼のほうの鉱業編ですけれども、この報告書が平成十六年にまとめられた。その後、十年たって官公庁編と軽工業編がまとめられた。その後、本年三月に重工業編がまとめられて、その報告書は現在編集中であると。調査中ではなくて、報告書の編集が現在に至っていると、そのようなことでございます。



○議長(中村昭) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) 一つは、本は、これは見せないでおこうというように一時保管しているものはないのかどうか、それを一回聞かせてほしいのと、それから、今ジャンルによってあれがあるけれども、版を構成してちゃんと早くやれというぐらいのことを県は言ってほしいと思います。

 それと、大和川の件。これ、ちょっと言い忘れたのですが、大阪府は大きなメリットが。あそこの亀の瀬で行くまでに県が水をとめてしまうのだから、大阪府は大きなメリットがあるのと、それで、大阪府は奈良県のような事業をしなくてもいいわけだから、それだけの大きなメリットがあるのだから、今の時点でまだ言いにくいとは思いますけれど、私がいないようになっても絶えずそれは主張してほしい。

 以上です。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 最初のご質問、もし正確に把握をしていたらということで、柳本飛行場の本についてはこの戦争文庫の本に入っているのかどうかちょっと今承知しておりませんが、もし必要でございましたら調べさせていただきたいと思います。

     (「なかった」と呼ぶ者あり)

 なかったですか。そうですか。議員のほうがよくご存じでございました。

 二つ目の亀の瀬のことで、下流の受益負担と、受益に基づく負担ということですが、先ほどなかなか難しい状況だと申し上げましたのは、堺市に流れていく大和川に、亀の瀬があるということを大阪府民の方で知っておられる方はほとんどおられないように私は思っております。あそこで洪水があったら大和平野は水つくけれども、堺のほうは多少水つきが少ないよということは、大阪府民の方、堺市の人はほとんど知っておられないと。話しかけたことは何度かございますが知っておられない状況でございますので、亀の瀬の意味というのから始まらないとなかなか受益の亀の瀬、上流でため池をつくることが堺市の水害拡大を防止するということの理解が進まないという感じは今持っておりますので、それを大阪府知事が納得をした上での判断と、負担ということになりますので、なかなかハードルは高いかなという今の印象を申し上げたわけでございます。過去の明治十八年の戦後最大よりも大きかった大水害で、大阪府に属しておりました奈良県に災害復旧復興予算が全然来なかったという苦しい故事はいつも心に刻んでおります。関西広域連合に入らないという判断をしたのもそういう故事があったからでございますが、これは総務省関係の歴史を知っている人はよく理解していただいた故事でございますけれども、大阪方面の方はそんな古いことは知らんよというのが現状でございます。

 梶川議員がおっしゃいましたように下流の方のご理解が得られるように今後努力はしたいと思いますが、何よりも上流は上流で水害防止で身を守る、家屋を守るということは進めさせていただきたい、地権者の方のご協力を得て進めさせていただきたいと思います。国がやる気になってきていただいております。予算はつけるよというところまで参りましたので、地権者の、ここを使って、ここを遊水地にしていいよということが進めば、相当の安全安心が実現すると今思っております。



○議長(中村昭) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) では終わりますが、ぜひ子宮頸がんワクチンの、個々にやっぱり市町村で応対して調べていただきますように要望して終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時五十二分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時九分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十一番田中惟允議員に発言を許します。−−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。

 まず最初に、環境に関して質問させていただきます。

 二〇一六環境展が五月下旬に行われました。思想というべきか、環境についての基本的な考え方、テーマ、進捗度、産業界の技術力など、見るべきものが多くありました。大きくは地球環境の自然エネルギーからの再生エネルギー循環の話から、産業廃棄物のごみ処理や家庭内でのごみ対策まで、新しいシステムやセンサー、機器類の最新技術が展示されており、圧倒される思いでありました。

 時代を先取りした講演では、容器包装リサイクル法が改正の準備を進めている。今排出されているリサイクル資源は六十万トン、そのうち国内でのリサイクルは二十万トン、ほぼ同量の二十万トンが外国に輸出されて外国でリサイクルされている。主張として、この外国に輸出されるごみは日本国内でのリサイクルが行われて当然ではないか。熱心な講演にも大いに関心を抱かされました。そして、近いうちに改正されるであろう容器包装リサイクル法は自治体の関与を促すことにつながるであろうとの観測を述べておられました。

 また、私は環境展の中で紹介されていた老人とごみについての研究論文に大きな関心を抱き、国立環境研究所の研究者にその内容を確認すると、高齢化社会の中で身体の不自由な高齢者のごみ出しについて、家庭からごみの集積場所までの持ち出しの困難な方がふえている。既に地域の施策として何らかの支援制度を設けているかどうかのアンケートをとった。全国を対象として行った。そしてその中で、奈良県内については二十四の市町村から返信があり、高齢者ごみ出し支援制度を設けているのは十市町村であったとの回答状況を教えていただきました。実数的には少ない状況であったようです。研究者の方は、回答のなかった自治体の多くは制度がないと推測されることから奈良県内で制度のある自治体は四割を下回るのではないかと推測されていました。このテーマはささいなことのようにも思えるのですが、日々のことであり一人ひとりの高齢者には大きなことだと思いますので、県内自治体での認識を深めていただきたいとの思いを抱きました。

 さて、環境に関してはこのように多様な課題がある中で、今回はごみ処理広域化についてお伺いします。

 人口減少、高齢化社会が進展する中、市町村では今後、行財政運営がますます厳しさを増していくものと考えます。そのような中で、とりわけ市町村の自治事務であり財政負担も大きいごみ処理について、県では奈良モデルとして複数の市町村によるごみの共同処理、ごみ処理広域化を促進しています。このごみ処理広域化は、市町村行財政の効率化、将来のごみ処理の安定、継続化の観点から非常に有効な手段であると考えるところであります。

 県内の状況を見ますと、御所市、田原本町、五條市の三市町からなるやまと広域環境衛生事務組合による新施設が来年度から稼働すると聞いています。また本年四月には、天理市、大和高田市など十市町村による山辺・県北西部広域環境衛生組合が、また大淀町、吉野町など七町村によるさくら広域環境衛生組合が設立され、新施設建設に向け事業着手されたと聞き及んでいます。

 一方、私の地元である宇陀市・宇陀郡地域には、宇陀市内に二つの焼却炉が現存しています。一つは、宇陀市が運営する宇陀クリーンセンターで旧大宇陀町内にあり、もう一つは、宇陀市、曽爾村、御杖村の三市村からなる東宇陀環境衛生組合が運営する東宇陀クリーンセンターで旧室生村内に設置されています。これは市町村合併によるものでありますが、人口規模の小さな宇陀市に二つの焼却炉が存在している状況であります。また両施設とも規模が小さい上に老朽化が進んでおり、近い将来、施設の統合などごみ処理体制の見直しが必要であると考えます。

 そこで、景観・環境局長にお伺いします。

 奈良モデルによりごみ処理広域化を進めている奈良県として、宇陀市・宇陀郡地域に対するこれまでの取り組みと今後の見通しについてお聞かせ願いたいと存じます。

 次にうだ・アニマルパークにおける、いのちの教育の充実と地域振興への貢献についてお伺いいたします。

 うだ・アニマルパークは、動物愛護施設の一面として、人間と動物がふれあうことによって、動物への虐待、捨て犬や捨て猫をなくし愛玩動物を最期までみとる、共生を学ぶ施設としての大きな役割を持って開園しました。開園当初は七万人程度の来園者数でありましたが、最近は二十四万人ほどの来園者を迎える施設に発展しています。

 さて、情操教育に関して愛着障害という言葉が最近テレビジョンの中で話されていました。人や物に愛着を感じられない、身の回りの人や物事に感情を抱くことの障害を持った人のことのようです。原因はいろいろあるようですが、人や物事に感情を抱けるようになるため、動物とのふれあいが大きな効果をもたらすような話題であったと記憶します。動物とのふれあいを子どものときに実体験して、情操教育に大いに役立てていただきたいと思っています。

 そこで、動物とのふれあいを通して家族でいのちの教育を肌で感じ取ることができるよう、子どもたちの健全育成を目指すうだ・アニマルパークをより充実するためには、校外学習や遠足などで訪れた児童が再び家族で来園するための取り組みが有効だと考えますが、どのように県は受けとめられますでしょうか。

 また、うだ・アニマルパークの施設としてのもう一つの役割は、地域活性に貢献する施設としての活動です。県庁職員の方々が真剣に取り組んだ結果、開園から今日の来園者数に到達することができました。動物愛護施設設置を決定するときのもう一つの公約は、地域活性化貢献でした。この公約である地域活性化に貢献する方策は、地元食材の販売等の売店設置、それから町並み行事に合わせ場内での夜のライトアップ等、場内でご努力をしていただいています。しかしながら、伝統的な町並みを散策する人数はうだ・アニマルパーク来園者の一割にも満たないのではないでしょうか。隣にあるワールドメイプルパークにはほとんど関係がないように思えます。何か方策があるようにも思えます。

 そこで、うだ・アニマルパークが県東部地域振興の拠点施設として周辺地域の活性化を図るために、うだ・アニマルパークの来園者を周辺の観光地に誘導する取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、訪問看護ステーションの充実についてお伺いします。

 県におかれましては、健康長寿日本一を目指して健康づくり対策や高齢者の生きがいづくり対策を推進されるとともに、介護サービス充実に向けた介護人材の確保、介護サービスの施設の整備などの対策、あるいは地域包括ケアシステムの構築に向け、全体構想の策定をはじめ、在宅医療と介護連携を進めるモデル事業の推進など、さまざまな取り組みを積極的に推進されています。

 この地域包括ケアシステムの構築の取り組みを取り入れた宇陀市は、在宅医療と介護の連携の県モデル事業と位置づけ、宇陀市立病院と在宅医、介護職など多様な職種による連携の仕組みづくりに取り組んでいただいております。この結果、昨年四月には宇陀市医療介護あんしんセンターが県内でいち早く立ち上がり、医療、介護に関するワンストップの相談支援体制が整備されました。このことは本年二月議会において知事からご答弁いただきましたが、大変ありがたく、高く評価をさせていただいております。

 また、このような取り組みに加えて、今年三月には東和医療圏において医療と介護の連携を進める具体的な仕組みとして、病院とケアマネジャーが顔の見える関係を構築し、退院後、在宅で適切なケアを受けられるルール、いわゆる退院調整ルールづくりに取り組んでいただきました。

 こうした県のさまざまな取り組みは、高齢者が要介護状態になっても医療や介護など必要なサービスを在宅で受けながら、可能な限り住みなれた地域や自宅で生活を継続できる仕組みづくりに大変意義のあることと確信しております。今後もこうした取り組みを推進するとともに、取り組みのさらなる充実をお願いしたいと思っています。

 例えば地域でひとり暮らしの高齢者が脳梗塞等を発症し、退院して自宅復帰した場合でも、在宅で医療・介護サービスを受けることができ、たとえ後遺症があった場合でも住みなれた自宅で安心して暮らし続けることができる仕組みの構築のためには、医療と介護、生活支援等を総合的に推進する必要があると考えております。またその実行に当たっては、私は、専門の看護師等が要介護の高齢者の家庭を訪問し、在宅での療養生活が送れるように支援する訪問看護ステーションの役割は大変重要であり、その充実策が極めて重要であると考えています。

 しかしながら、訪問看護ステーションの置かれている現状は厳しいものがあると聞いています。先日、訪問看護ステーションの関係者にお話をお伺いしましたところ、県内の多くの訪問看護ステーションは運営面で大変ご苦労されていること、とりわけ宇陀市などの中山間地域においては事業所数も十分とは言えない中、人材の確保をはじめ運営上のご苦労はひとしおであるとのことでした。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 高齢者が要介護の状態になっても安心して住みなれた地域で生活を継続するためには、訪問看護ステーションの役割は大変重要であると考えています。県は訪問看護ステーションの充実のためどのように取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。

 次に、障害者スポーツの振興についてお伺いいたします。

 先日、障害のある知人から障害者スポーツに関する相談を受けました。その内容は、近畿の各府県でそれぞれ車椅子ソフトボールチームを立ち上げよう。奈良県もやりたいと考えているが、車椅子ソフトボールには競技用の車椅子が必要となる。この競技用の車椅子は非常に高価で、なかなか個人で準備するのは大変だというものでした。車椅子ソフトボールのチームを結成したいがなかなか話がまとまらない。既に他の県ではチームを結成したところもあるようです。

 さて平成二十五年度文部科学省の委託事業である、健常者と障害者のスポーツ・レクリエーション活動連携推進事業の報告によりますと、障害のある人がスポーツ・レクリエーションを行う主な目的は、健康の維持増進のため、気分転換・ストレス解消のため、楽しみのためということが約七割を占めています。また、障害のある人がスポーツ・レクリエーションを行う際の障壁については、金銭的な余裕がない、体力がないという回答をした人がそれぞれ四分の一を占めていることも報告されています。これからもわかるように、障害のある人もない人もスポーツ・レクリエーションをする動機などには変わりはありません。さらに加えるなら、障害のある人にとってのスポーツは社会参加、障害のない人との交流を深めるなど、重要な意義を持つものと考えられます。

 平成二十五年三月に策定された奈良県スポーツ推進計画では、だれもが、いつでも、どこでも、運動・スポーツに親しめる環境づくりを基本目標とされ、また昨年三月に策定された奈良県障害者計画においても、障害の種別や程度にかかわらず、運動・スポーツに取り組めるよう、必要な配慮・支援を行うなど、障害のある人が運動・スポーツに親しみ、楽しむ機会の充実を図るとされており、障害者のスポーツについてもさまざまな取り組みをされていると思います。

 そこで、健康福祉部長にお伺いします。

 来る二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、スポーツに関する機運が盛り上がっています。またリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック開催が間近に控え、特に最近では、パラリンピック種目やその選手にスポットを当てたテレビ番組や新聞記事をよく見かけるようになっています。このような中、東京オリンピック・パラリンピック開催決定を機に奈良県は障害者スポーツの振興にどのように取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。

 次に、教育についてでありますけれども、先日の環境展と同じ場所で行われた教育EXPOに行ってきました。教育の世界も教育管理のあり方や手段等、大きな変化があることを認識してきました。特に情報機器と教育の関係は日進月歩のようであります。

 先進的な学校では、パソコンを生徒一人に一台の充足を果たしているところがあるようです。奈良県では小規模校においてモデル的な貸与が行われていますが、全県的なものではありません。また学校の先生についても、昨年、統計を教育委員会が発表されましたが、パソコンを利活用する先生の割合が全国比較で低位にあることをみずから認められました。

 一つは機器設置について、市町村立学校を含め、その充実に向けての対策を講じていただきたい。また、先生のコンピューターを駆使しての教育についての認識を深めるだけではなく実施をしていただきたいと願っています。文部科学省は数年後のうちに電子教科書の導入を宣言したところであり、紙の教科書と併用するとはしていますが、県内の教育機関での対応策についても準備を進めていただくことが大切かと思われます。

 情報機器を通しての教育が進めば教科書の採択のあり方も変わっていくことになると思われますし、小規模、へき地教育のあり方も全国的な展開として新しい手法が生み出されていくことになるようにも思えます。すなわち遠隔地教育が機器を通して行われれば、学校に配置されている先生は発信元の先生と一緒になって、子ども一人ひとりの学習理解度や考え方の個人指導が行えるようになっていけるかもしれない。教育水準を一定に保ちつつも、より内容を深めた少人数教育が行われるようになれば、小規模校の魅力が倍増することになるとの希望が湧いてきます。

 また教育の分析は、教育界は全国一斉共通試験を行うことについていろいろ議論がなされていますが、情報機器を使うことによって、もっと日常的に具体的な指標や結果比較の分析が行えるようになるとも思えます。情報機器の利活用によって教室での指導の仕方についても、より具体的な実践手法が先生方に伝授されることも可能になってくると思われ、情報機器に対する取り組みを県立、市町村立の垣根を越えて積極的に行われることを求めます。

 また会場では、既に情報機器利用を実践している実績についても報告がされていました。子どもに事件・事故が多い中、学校が子どもの出入りや外部者の出入りの監視を徹底的に行ったり、授業以外の部分においてもコンピューター技術を使っている姿が紹介されていました。

 そこで質問ですが、教育環境の向上のため、情報機器、ICTの活用は避けられず、さらに重要性が高まると思います。特に校務の効率化や遠隔教育の推進に向けICTの活用は有効であり、教育長が指導力を発揮し推進すべきと考えますが、現状と今後の方向性についてもお伺いしたいと思っています。

 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)



○副議長(山本進章) 中景観・環境局長。



◎景観・環境局長(中幸司) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、奈良モデルによりごみ処理広域化を進める県として、宇陀市・宇陀郡地域に対するこれまでの取り組みと今後の見通しについてのお尋ねがございました。お答えいたします。

 ごみ処理の広域化につきましては、平成二十二年度から奈良県・市町村長サミットで議論をスタートさせ、県内のごみ処理施設の現状や広域処理による行財政運営上の効果などについて認識の共有を図り、主体的に取り組まれる市町村に対しましては奈良モデルとして積極的に支援をしているところでございます。

 議員お述べのとおり、宇陀市内には整備後二十年程度経過している二つのごみ焼却施設がありますことから、これらの施設の整備方針を含め、将来のごみ処理計画を構築する必要があります。

 このような状況のもと、宇陀市、曽爾村、御杖村の三市村が平成二十四年度から、県が進める奈良モデルとして広域化の検討に着手されたところでございます。平成二十六年十二月には、知事が顧問となり宇陀市長を会長とする関係三市村長による宇陀地域ごみ処理広域化推進協議会が設置され、現在その具体化に向けた検討が進められています。また平成二十七年度には、この協議会におきまして、県の奈良モデル推進補助金を活用し、広域化に係る諸課題の検証や経費縮減に向けた分析など、実現可能性を探る専門的な調査を実施したところでございます。

 今後はこうした調査結果を基礎としながら、これまでの検討過程での議論を踏まえ広域化に向けた協議が進められるものと考えており、県といたしましてはできる限り早期に実現できるよう引き続き実務面での技術的な支援をしてまいりたいと考えております。

 また、広域化による施設の整備運営方針が決まりその事業化が推進されることになれば、本年四月に施行いたしました新たな補助制度により、計画づくりや施設整備の財政支援も行ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 山本南部東部振興監。



◎南部東部振興監(山本尚) (登壇)十一番田中議員のご質問のうち、うだ・アニマルパークにおけるいのちの教育の充実と、うだ・アニマルパークの地域振興への貢献について、あわせてお答え申し上げます。

 うだ・アニマルパークは、犬猫の保護や引き取りなどを行う動物愛護センターとしての機能だけではなく、動物とのふれあい体験や動物を通して命の大切さを学ぶいのちの教育の実践施設として、また地域振興の拠点としての役割を担い、平成二十年四月に開園いたしました。

 まず動物とのふれあい体験や動物を通しての命の大切さを学ぶいのちの教育につきましては、昨年度、校外学習や遠足で来園していただきました百七十八団体、一万人近い子どもたちに受講いただきました。開園以来、約五万人に受講いただいています。あわせて県内小学校四十五校をモデル校に指定しまして、専門の教員による出前授業を実施しております。

 議員お述べのように、校外学習や遠足などでいのちの教育を受けた子どもたちが家族で再び来園いただくことは、いのちの教育をさらに推進し発展させるなど、子どもたちの健全育成を目指すものとして必要と考えております。このため今年度は、いのちの教育で子どもたちが感じたこと、考えたことの発表内容を取りまとめ、家庭にお知らせすることでご家族に命の大切さを学ぶことへの関心を高めていただくきっかけづくりに取り組むほか、人間と動物のつながりや人間が動物にできることなど、いのちの教育に関連した問題を家族で考えて答えを出すファミリークイズラリーを実施することとしております。

 続きまして地域振興の面では、動物とじかにふれあえるさまざまな体験型のイベントや、地域の方々にもご協力いただき季節ごとの特色あるイベントを充実してまいりました。その結果、開設当初約七万人であった来園者数は、昨年度は約二十三万八千人となっております。

 周遊観光の取り組みでは従来から、東部市町村と協力したマップの作成、大手旅行雑誌への掲載、周辺観光施設のパンフレットの配布、イベントの記念品としまして周辺観光施設の割引入場券の配布などを行ってまいりましたが、今後はこれらの事業の充実に加えまして、旅行会社や周辺市町村、地元関係団体と連携しまして、うだ・アニマルパークと周辺物販施設や観光スポットを組み込んだバスツアーの企画、うだ・アニマルパークを中心とした周辺町並みイラストマップの作成、周辺市町村や関係団体とのタイアップイベントの実施などに取り組み、うだ・アニマルパークのにぎわいを宇陀市はもとより周辺地域のさらなる活性化につなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、二つのご質問をいただいております。

 まず一問目は、高齢者が要介護者の状態になっても安心して住みなれた地域で生活を継続するためには、訪問看護ステーションの役割は大きい。県は訪問看護ステーションの充実のためにどのように取り組もうとしているのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、介護が必要になっても住みなれた自宅で暮らし続けられるようにするには、医療と介護が連携した在宅医療、在宅ケアの提供は不可欠でございます。そして、この在宅医療、在宅ケアを推進する上で、要介護者の在宅生活を支えるいわゆる訪問看護ステーションの充実は大変重要な取り組み課題と認識をいたしております。

 このため県といたしましては、在宅医療、在宅ケアを支える看護職員の確保や訪問看護等の提供体制の整備に取り組んでいるところでございます。具体的には、これまで訪問看護ステーションの少ない中山間地域での設置を促進するため、新規に開設しようとする事業者に対する相談対応のほか、潜在看護師等を対象に復職支援に取り組んでおります。

 このような取り組みに加えまして本年度は新たに、県内五つの医療圏ごとに基幹的訪問看護ステーションを指定いたしまして、利用者のニーズに応じたサービス提供の調整や複数の訪問看護ステーション間のコーディネートなどを実施する。また、訪問看護サービスの提供体制が不十分な地域を対象にサテライト拠点の設置を促進する。さらに訪問看護ステーションをはじめ、病院やケアマネジャーなど在宅療養を支援する関係者による連携会議や合同研修会を開催することなどに取り組んでいるところでございます。

 このような取り組みを着実に実施するとともに、引き続き奈良県訪問看護ステーション協議会等の関係者と連携いたしまして、関係機関や他職種による連携体制の構築や人材の確保、育成など、訪問看護ステーションの充実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、二問目につきましてお答えを申し上げます。二問目は、障害者スポーツに対する機運が盛り上がってきている中、県として障害者スポーツの振興にどのように取り組もうとしているのかとのお尋ねでございます。

 障害者スポーツの振興につきましては、議員お述べのように障害のある人の自立、生きがいづくりや社会参加を促進するとともに、障害や障害のある人への県民の理解を促進し、障害のある人とない人との交流を深めるなど、大変重要な取り組み課題であると考えております。

 このため県といたしましては、障害のある人がスポーツを行う目標やきっかけとなるよう、毎年、奈良県障害者スポーツ大会を開催いたしております。ことしも障害の種別や程度に応じて、陸上、水泳など全八種目、一千人を超える選手の参加のもと開催をいたしました。秋には、その参加者の中から国民体育大会とあわせて開催されます全国大会へ県代表として派遣をいたします。

 また、障害のある人がスポーツに取り組むには支援者や指導者が不可欠でございます。県といたしましては、障害の種別等に応じた技術的な指導・助言を行うスポーツ指導者やスポーツボランティアの養成にも取り組んでおります。

 さらに、障害者スポーツの裾野の拡大を目指しまして、障害児を対象とした野球や水泳などのスポーツ教室の開催や障害のある人の施設使用料の減免などにも取り組んでいるところでございます。

 議員お述べの競技用車椅子などのスポーツ用具に関する支援につきましては、奈良県障害者スポーツ協会と連携をいたしまして、まずは貸し出しできる用具や手続の周知に取り組みますとともに、あわせまして他府県の動向等も参考に適切な支援等の研究に取り組んでまいります。

 また、昨年度より二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、陸上と水泳競技におきましてパラリンピックを目指すタレント発掘イベントを実施いたしております。

 引き続き、このような取り組みを充実させながら障害者スポーツの振興に努めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、教育におけるICTの活用について、遠隔教育の推進や校務の効率化の両面から現状と今後の方向性についてお尋ねでございます。

 学校教育においてICTの活用はわかりやすい授業を展開するための指導方法の一つとして有効であり、またICTを活用して校務の情報化を進めることで、子どもの学習履歴などさまざまな情報の共有化によるきめ細かな指導や校務の効率化が可能になると考えております。

 特にICTは、遠隔地での合同授業に活用することで小規模校や少人数学級が抱える課題に対して有効でございまして、昨年度から県内五市村の学校間をICTで結び、特定の教科で遠隔合同授業を実施いたしております。

 先日、県教育委員会では、東吉野小学校で川上小学校と算数の遠隔合同授業を行っている様子を視察いたしました。両校の児童が空間的な制約を超え、パソコンの画面を通して互いに考えたことを伝え合い、学びを深める様子もうかがえました。川上小学校には画面を通して村長、教育長の姿も見られ、ICTの効果を我々大人も体感したところでございます。

 児童にとりましては多様な考えに触れる機会が増加すること、教員に対しましては教授活動の質の向上などメリットが多く、あらゆる教育の場面に生かすことができると考えております。また、ICTを活用することで校務の効率化が図られ教員が子どもに向き合う時間が増加することも期待されることから、校務支援システムの県立学校への導入など、校務の情報化に向けた環境整備を推進したいと考えております。これまでは単位制や総合学科など特殊な事務処理を要する学校に導入してまいりましたが、今後標準的なシステムの学校への導入についても検討を進めてまいります。また高等学校における遠隔教育についても研究するなど、さまざまな分野でICTを活用した教育を積極的に推進してまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) 残された時間があまりありませんので、ご答弁いただきましてありがとうございました。

 訪問看護のほうで、少し先ほどのふわっといいところだけご説明してもらったのですけれど、実際の実態についてちょっとだけ言わせていただきます。

 訪問看護は、医師が必要と判断して、そして本人、家族が必要と認めたときに指示書というものが出て、それで訪問看護というのをその指示書に基づいて看護するということでございます。それからまた介護保険では、介護支援専門員がケアプランの中に訪問看護ということを入れないと訪問看護が発生しないということのようでもございます。

 全県下で百十七事業所の中で宇陀は三つの事業所があるということなのですが、先ほども述べましたように人材不足でございまして、早朝、夜間の緊急等による対応をしなければいけないというふうなこともありまして、宇陀市内に住んでいる看護師さんですとか保健師さんが必要になってくるというふうな実態がございますし、宇陀全体をカバーしたり東吉野村のほうまで行きますので、十キロメートルぐらいの訪問というのはふだんのことのようでございます。また室生の端のほうでしたら二十キロメートルぐらい、東吉野村だったら少し遠いところまで行けば三十五キロメートルぐらいかかるというふうなことのようでございますので、かなり訪問するのに時間がかかる。それで、その交通費がそこで発生するのですけれども、医療保険で交通費が請求できるのが一回の訪問の往復で三百二十四円だそうです。三十五キロメートル往復して七十キロメートル、それで訪問の交通費が三百二十四円しか認められないというふうなことで、なかなか大変なことのようです。

 あと幾つもの中身を教えていただいているのですが、もう時間がありませんので、またどこかの場でもう少し詳しく議論をさせていただきたいと思います。奈良県だけではなしに国のほうでもお考えいただかなければならないことも多くあると思いますので、どうぞお力添えをしてあげていただければ誠に結構かと思います。

 終わります。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 次に、十二番藤野良次議員に発言を許します。−−十二番藤野良次議員。(拍手)



◆十二番(藤野良次) (登壇)民進党の藤野です。今議会、民進党としては代表質問に引き続き初めての一般質問であります。引き続きのおつき合いを賜りますよう心よりお願いを申し上げます。

 私も昨日の森山議員と同様、あるいは先ほどの田中議員と同様に白いベストを着用いたしました。特段、意味はございません。

 それでは、議長のお許しをいただき、質問をさせていただきます。

 最初に、リニア中央新幹線の中間駅についてをお聞きいたします。

 リニア中央新幹線の整備は、東西大動脈の二重系化、東京・名古屋・大阪の三大都市圏の一体化、地域の活性化など、スーパーメガリージョンの新たな可能性の発揮が期待されるとともに、国土構造にも大きな変革をもたらす国家的プロジェクトです。本県にとってもリニア中央新幹線は県経済の活性化に大きく寄与する一大プロジェクトであり、建設主体であるJR東海による整備が着実に進められるよう、国、地方公共団体等において連携、協力を行う必要があると考えています。

 東京・大阪間を全線同時開業すべきことや災害に強い国土づくりといった観点から、日本の大動脈を二重化すべきこと、またリニア中央新幹線がもたらす効果が県南部地域を含む奈良県全体に、さらには紀伊半島全体に及ぶよう、交通結節性の高い県の人口重心にも近接した大和郡山市に設置すべきことなどを提言しています「奈良県にリニアを!」の会の第三回総会も七月下旬に開催されます。ここで改めて、多くの市町村が連携強化を図りさらなる取り組みを行っていくことが確認されることと思います。

 さて、ご承知のように東京・名古屋間については一昨年十月に工事実施計画が認可され、工事に着工されています。一方で、名古屋・大阪間については環境影響評価に係る手続すら行われていない状況で、従来、建設営業主体であるJR東海は東京・名古屋間の開業が二〇二七年、名古屋・大阪間の開業が二〇四五年としていました。しかしながら、六月初旬に安倍内閣総理大臣が大阪延伸の計画前倒しを表明し、また政府は骨太の方針に国が低金利で融資する財政投融資の活用を検討する方針を盛り込みました。これに対してJR東海の柘植社長は、大変ありがたいことと受けとめている。健全経営と安定配当を堅持しつつ、名古屋開業後、速やかに名古屋・大阪間の工事に着手できるよう全力で取り組むとのコメントを出されたと聞いております。

 このような状況を好機と捉え、本県としてもリニア中央新幹線のルート及び中間駅の早期確定と一日も早い全線開業を目指して、取り組みを一層強化していく必要があるのではないでしょうか。特に中間駅の位置が確定することにより、将来的なまちづくりの検討や事業の促進に向けた環境整備を行うことが可能となることから、中間駅の早期確定に向けた取り組みを加速させる必要があると考えるところです。

 そこで、荒井知事にお尋ねいたします。

 まちづくりに向けた準備を進めるためにも早期に中間駅の場所を決定するよう国やJR東海に働きかけていくべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 次に、スイムピア奈良についてお聞きいたします。

 平成二十六年七月に県内初のPFI事業として、まほろば健康パーク内にスイムピア奈良がオープンして約二年がたとうとしています。ここには屋外の五十メートルプール、屋内の二十五メートルプールのほか、トレーニングジムやフィットネススタジオもあり、健康志向の多くの県民の方々が利用され、大変にぎわっているように感じています。特に屋外の五十メートルプールは水温調整機能などの設備も充実しており、早春や晩秋の比較的寒い時期においても県内外の大学や高校の水泳部の合宿等に幅広く利用されているとお聞きいたしております。中でも一昨年の九月には、韓国で開催されたアジア大会に出場するシンガポールの水泳代表チームの事前合宿にも利用され、競技関係者からも大変高い評価を得たとのことでした。

 知事は、かねてよりスポーツの振興に力を尽くすとともに健康長寿日本一を目指すことを標榜されておられますが、そのお考えを具体化したスイムピア奈良が各般から高い評価を得ていることは地元の県議会議員としても大変うれしく思っているところであります。また、スイムピア奈良がPFI事業者ならではのアイデアやサービスを生かして維持管理、運営されていることは、結果として大成功だったのではないかと思います。

 スポーツ振興の目的ではなく番外編としてご紹介いたしますが、施設内では大和郡山市内にある製氷店が営業しているかき氷店が大好評のようで、そのかき氷を食べるためにわざわざ来られる方がおられるとお聞きをいたしております。ちなみにお店は夏季営業のみということです。

 このようにオープンから約二年を経て高い評価と人気を得ているスイムピア奈良ですが、今後なお一層多くの方々に利用していただき県民の健康増進やスポーツの振興を図っていくことが重要であり、その役割はますます大きくなるのではないかと思うところです。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 まず、スイムピア奈良の現下の利用状況や利用者から寄せられる声を踏まえて、今後どのような取り組みを行おうとされているのか。

 また奈良盆地のほぼ中央部に位置するスイムピア奈良には、サイクリングステーションも併設されています。ここを起点に自転車を利用して県内各地へ行けることから、自転車による健康づくりや観光の振興に資するためにも、このステーションの機能を生かして自転車の利用者をふやしていくべきではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 次に、奈良県中央卸売市場の活性化についてお聞きいたします。

 県の中央卸売市場は昭和五十二年に開場し、以来、青果、水産物という県民の日常生活に欠かせない生鮮食料品の流通拠点としての重要な役割を担ってきました。しかし開場から三十九年がたち、県内には数多くの量販店が出店するなど流通の形態は大きく変化をし、市場の取り扱い数量は年々減少している状況にあります。また、施設の老朽化も着実に進行しています。東京ではことし十一月に築地市場が新しい機能を持つ豊洲市場に生まれ変わり、近畿圏では京都市、和歌山市、姫路市の市場が建てかえ整備を進めているということを聞くにつれ、奈良の市場はこの現状のままで県民の台所としての役割を果たせるのかと心配しているところであります。

 一方、市場内の事業者に目を向けますと、これまでのお得意様であった一般の小売店が大きく減少する中で、多様化する消費者ニーズに対応できない仲卸業者の経営は年々厳しくなっています。また、市場に買い出しに来られる方々をお得意様とする関連商品売場棟におきましても、事業者の撤退により約三分の一の区画が空き店舗となっており、そのにぎわいもなくなってきております。今後、消費者である県民の人口は減少すると予測され、市場を取り巻く環境はますます厳しくなってまいります。

 そのような現況の中においても県の中央卸売市場は、卸売業者、仲卸業者等の事業所で約一千四百人余りが働く雇用の場でもあります。さらに市場の周辺には食品加工等の事業所が操業しており、地元大和郡山市のみならず、県内経済にとっても大きな役割を果たしています。私は、県の中央卸売市場がこれからも地域活性化の基盤施設であり続けるためにまずは働く方々にとって魅力ある就労環境を整え、消費者ニーズに対応した集荷力、販売力を強化するソフト・ハード両面にわたる戦略を立てることが必要であると考えています。

 そこで、農林部長にお尋ねいたします。

 県ではこれまで場内の意欲ある事業者との連携などの市場改革に取り組み、さらに昨年度から場内事業者と一緒になって市場の将来ビジョンの検討を始めたとお聞きいたしております。現在、議論の進展はどのようになっているのか、また、県は奈良県中央卸売市場の進むべき方向をどのように考えているのか、お伺いいたします。

 次に、土砂災害特別警戒区域等の指定に関する取り組みについてお聞きいたします。

 家屋等の被害で多くの犠牲者や負傷者を出すなど、大きな爪跡を残した平成二十八年熊本地震発生から昨日でちょうど二カ月がたちました。改めて、お亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。また被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い終息と被災地の復旧復興を願っております。

 今回の地震によって役場や病院などの防災拠点自体が損壊し使用不可能になったというケースは、被災者支援や応急復旧の司令塔となる自治体の機能を維持するにはどうすべきなのか、事前対策のありようが問われていると思うところです。役所や病院は災害時のとりでであり、いざというときに機能しなくなることはあってはなりません。公共施設の耐震化向上に向けて、県及び各自治体行政に対しより一層の取り組みをお願いするところです。

 さて今回の熊本地震で南阿蘇村では二カ所の土砂崩れが発生し、七名の方が犠牲となりました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。今回被災地となった現場は、斜面が緩やかであるなど国の定める基準を満たしていなかったため、土砂災害防止法で事前に危険性の周知などを義務づけている警戒区域に指定されていませんでした。

 土砂災害防止法は、三十二人の死者、行方不明者が出た一九九九年の広島県の豪雨による土砂災害を契機に、二〇〇一年に施行されました。土砂災害が発生するおそれのある地域を明らかにし被害を予防することが目的であり、国の定める基準をもとに都道府県が地形図から危険箇所を抽出して現地を調査し、警戒区域を指定されます。著しい被害が生じるおそれのある場合は特別警戒区域とし、開発行為の規制や移転の勧告などもできるということです。

 本年二月末の時点では全国約四十二万カ所が警戒区域に指定されており、奈良県では急傾斜地の崩壊、土石流及び地すべりによる土砂災害のおそれのある区域として一万九百六十七区域の土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンの指定を行うとともに、そのイエローゾーンの中で建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれのある土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンについては県内二十四市町村の一千三百四十九区域を土砂災害特別警戒区域として指定され、既に指定している八十七区域と合わせて合計一千四百三十六区域に上るということであります。

 そこで、県土マネジメント部長にお尋ねいたします。

 土砂災害警戒区域であるイエローゾーンと土砂災害特別警戒区域であるレッドゾーンの指定に基づき、各市町村との連携なども視野に入れながら、今後どのような土砂災害対策に取り組もうとされているのかお伺いいたします。

 最後に、教育問題についてお聞きいたします。

 今日における格差社会はその格差が拡大し、二極化し、貧困が世代間連鎖をしており、とりわけ子どもたちの貧困問題は社会の大きな課題であることは言うまでもありません。現在、県においては子どもの貧困対策の一環で、経済的な理由などで家庭で学習することが難しい小中学生に対し、地域住民が協力して勉強を教える地域未来塾という取り組みをされておられます。主に親が仕事などで不在がちであるひとり親家庭の子どもが対象となっていますが、経済的な事情により家庭での学習が難しい子どもがふえる中で、この地域未来塾の取り組みは大いに評価をするところであります。学力の向上とともに将来に希望を持ってもらうためにも、今後の事業の推進に期待をするところであります。

 さて、このように社会や経済の変化は地域、家庭にも大きな影響を与え、子どもたちを取り巻く環境も大きく変化してまいります。またグローバル化や情報化、価値観の多様化、少子高齢化がますます進み、急速に変化を遂げている現状です。学校教育もこのような変化のうねりの中にある状況ですが、大きく変化する時代においても主体的に生きる力を持った子どもに育っていただきたいと強く願いながら、今回は二点にわたって質問いたします。

 一点目は、英語教育についてです。

 文部科学省の平成二十七年度英語教育実施状況調査によりますと、中学三年生で英検三級程度以上の英語力を持つ生徒は三六・三%、高校三年生で英検準二級程度以上の英語力を持つ生徒は三四・三%で、いずれも前年度比で二ポイント以上ふえたということです。しかし、政府が二〇一七年度までに達成を目指す五〇%の目標には現時点では及んでいません。

 また今回の調査において初めて都道府県別のデータを公表されましたが、奈良県の中学三年生が全国二十五位、高校三年生が全国三十六位となり、いずれも全国平均を下回っていました。一方、英検準一級かそれに相当する資格を持つ教員の割合について、全国平均が中学で三〇・二%、高校で五七・三%となり、県内の中学校、高校においてはいずれも全国平均を下回っていました。

 この調査を見ましても、やはり生徒たちの英語力向上には教員の英語力と指導力の強化が必要であると思われるところであり、また、全国的に見ましても行政の強力な支援も必要不可欠であると思うところです。例えば今回の調査で秋田県の中学三年生が全国トップでありましたが、二〇一三年度から年一回、英検の受検を希望する中学三年生全員に検定料を全額補助されています。さらに県内の小学校五年生から高校三年生を対象に、年に十数回、二泊三日のイングリッシュキャンプと称した合宿を開催、外国語指導助手らの指導を受けながら英語劇などに取り組んでいるということです。

 そこで教育長にお尋ねいたします。

 中学、高校生の英語力向上に向けて教員の英語力のスキルアップも含め、現在の取り組みと今後の方向性についてお聞きいたします。また二〇二〇年度から小学校において外国語活動が教科化される動きの中で、県内小学校の英語教育の現状と今後の取り組みについてお聞きいたします。

 二点目は、県立高校の魅力化についてです。

 県教育委員会においては、県立高校に関してこれまで特色と魅力ある学校づくりを進め、特色ある学科・コースの設置や学校独自の教科・科目の設定などの教育課程の多様化、単位認定の弾力化、公開講座の実施、学校図書館開放、学校行事やボランティア活動を通した地域との連携、入学者選抜制度の改善などがなされてきました。特に特色と魅力ある学校づくりの推進を掲げ、高校の特色化を推進し行ける高校ではなく行きたい高校が選択できるように魅力ある学校づくりを進めてこられ、一定の成果も見られているところであります。

 そのような中、教職員を目指す生徒が学ぶ県立平城高等学校と県立高田高等学校の教育コースが来年度から募集を停止するという報道がありました。この教育コースは、団塊の世代を中心とした教員の大量退職で新規採用がふえるのを見据え平成十八年に全国で初めて設置されたコースであり、特色選抜入試で各四十人を募集し教職員を志す生徒の意欲や職業意識を育むことを目的とした授業が行われています。また現在四期生まで社会に出ていますが、多くの卒業生が教壇に立つなどその成果も出ているということです。

 新聞報道によりますと県教育委員会は、教員採用数がピークを越え、今後少子化により減少に転じると予想されることから一定の目的を達成したと判断した。同校関係者によると昨年開設十周年を迎えて、連携する大学や地域の小中学校、自治会との連携強化を図ってきただけに、一部の生徒や保護者、卒業生に動揺も広がっていると報じていました。

 この件について県教育委員会に問い合わせをしたところ、確かに教育コースの特色選抜は停止をしますが、定員の全てを一般選抜で募集し入学後のコース対応を行っていくということです。

 しかし奈良県が進めてきた特色と魅力ある学校づくりの推進という観点や、同コースは本年度入試の実質競争倍率で高田高等学校が二・二三倍、平城高等学校が二・一八倍と人気が高く、現在の中学三年生の進路選択にも大きな影響を与えることを考えれば、内外に対する説明責任をしっかりと果たすべきではないかと思うところです。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。

 教育コースを含め県立高校の魅力化について、行ける学校から行きたい学校へというコンセプトで取り組んでこられましたが、選抜方法も含め今後の県立高校の目指す方向性についてお聞きをいたします。

 以上で、壇上における質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十二番藤野議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問目は、リニア中央新幹線の中間駅について準備を進めるために国やJR東海に働きかけていくべきだが、どうかというご質問でございます。

 リニア中央新幹線につきましては、この六月二日に閣議決定されました骨太の方針二〇一六におきまして、建設主体の整備をさらに促進するため、財政投融資の活用等を検討する旨が盛り込まれました。財政支援についてJR東海との話がやっと通じかけたという感じがいたしまして、心から歓迎をしたいと思います。また財政の問題がネックになっておりましたので、名古屋・大阪間の一日も早い工事着手が具体的に進むことを強く期待しているところでございます。

 このような動きと相前後した形になりましたが、六月六日に安倍内閣総理大臣に直接お会いすることができました。奈良県が音頭をとって官邸に事務的に申し入れておりましたところ、急に来ていいよということになりまして、三重県知事と大阪府の副知事を伴って官邸を訪ねまして、安倍内閣総理大臣に直接お会いしてご陳情を申し上げました。初めてのことでございます。

 安倍内閣総理大臣に対しましては、沿線自治体がリニア中央新幹線の計画を前倒しする際にできるだけ協力ができるようにという観点の要望をいたしました。そのためには、三重・奈良ルートによる具体的なルートと駅の早期確定が必要だということを申し上げたものでございます。ルートと駅の具体的な確定のためには財政支援だけでは確定いたしませんので、環境影響評価手続が早期に着手される必要があります。環境影響評価が始まらないとルート、駅が確定しないわけでございます。その点を強く要望させていただきました。ルートや駅の位置が確定すれば地元が協力をできる、また公共財源なしの景気刺激ができるということを申し上げました。

 具体的には、ルートや駅が確定いたしますと用地取得や土砂処分、住民調整を前倒しして実施できます。今、名古屋・東京のほうでは、このような点について事業化がされましたがなかなか難航しているという情報も持っておりましたので、西のほうではスムーズに行くようにということを願いを込めて申し上げました。できるだけ早くアセスメントをして、ここ掘れワンワンと言っていただければ一生懸命地方は掘りますよというような言い方を申し上げました。

 もう一つの点は、駅の位置が確定いたしますと駅周辺のまちづくり、またアクセスについて具体的な検討や計画的な整備ができます。そのような計画を練っている中で、民間投資を前倒しして呼び込むことができるのが通常でございます。新横浜駅などは全く何もないところでございましたが、今は大きなまちになっております。そのような計画的な進め方というのが何よりも望ましいわけでございますので、山の中に駅をつくってほったらかしにするというのは、せっかくの大きな投資でございますので、できるだけ駅を早期に確定して駅と周辺の整備を地方公共団体と協力してやらせていただくのがいいのではないかということを申し入れたわけでございます。

 一つの弾みでございましたので、三重県と、また大阪府と協力をいたしまして、この駅の位置とルートの、三重・奈良ルートによる早期確定に向けた動きが出るように希望しているところでございます。

 今の段階で本県ができることといいますと事前の自主的調査ということになりますので、用地取得はトンネルを掘る場合の立坑という上から掘るようなトンネルのための用地も要りますし、また土砂処分をどうするかということを、大量の土砂でございますので事前に用意をしておくと経費が、工事費が極端に安くなります。そのような調査を、自主的な調査を前倒しして行ってJR東海に情報提供するといったようなことが大事かと思っております。

 それと奈良市附近駅で独特なことは、新大阪駅が次の最終駅でございます。新大阪駅の近くに車両基地ができるかどうかということでございますが、新大阪駅の付近ではなかなか難しいように思いますので、そうすれば、その一つ手前の駅であります奈良市附近駅に車両基地、大変大きな車両基地になりますが、そのような立地を検討する必要があるのかなと思って、そのような検討も進んでおります。

 これからどのような進捗になるかわかりませんが、気を抜かずに着実な体制で対応する必要があるというふうに心しておるところでございます。

 二つ目は、スイムピア奈良の現在の状況についてのご質問でございました。

 このスイムピア奈良はPFI方式で行いましたが、三つの基本コンセプトがございます。一つは、健康増進とリハビリの中核施設であるべきということでございます。もう一つは、人に優しい施設、ユニバーサルデザインを心がけた施設であるべきということでございます。三つ目は、水泳競技の拠点施設、県営でございますので水泳競技ができるような施設という、この三つのコンセプトに基づく施設として、平成二十六年七月、約二年前にオープンいたしました。

 利用の状況でございますが、平成二十六年七月から翌年三月までの九カ月間で約八万一千人入りましたが、平成二十七年度は年間で約十五万二千人が入りました。平成二十六年から一年たった、この九カ月間で比べましても五割増し、一・五倍にふえております。老若男女を問わず、多くの方に利用されていることで喜んでおります。

 利用者からのご意見やご要望に対して、猪奥議員から障害者の割引などの具体的な要望も出ておりましたが、PFI事業者、運営をしている事業者と県が毎月定例会議を開いて情報を共有し、サービスの向上に努めております。モニタリングを念入りにするという観点でございます。毎月の苦情や要望の件数、その内容、またその処理の状況を私が直接報告を受けるプログレスレポートをいただいております。大変丁寧にやっていただいている印象でございます。その改善が非常にスムーズに早いうちにされているような印象を受けております。それは私がモニタリングの結果として毎月レポートを受けていると、そのような仕組みをつくっております。

 いいほうの声も届いておりますが、環境が整っており清潔で気持ちいい、またそのサービスがよくなってきていると、これが一番うれしい評価でございます。また、猪奥議員がおっしゃった、障害者の方を無料として利用していただきやすいように今実行して、障害者の方の利用もふえております。

 今後のより多くの利用促進のアイデアでございますが、SNSの活用や新聞の折り込みチラシの配布、イオンモール大和郡山でのPRイベント、体験水泳教室やスポーツイベントの開催等、新しいイベントを含めたプール利用というようなことについて広報に努めております。

 また全国の学生の強化合宿や競技会の誘致等にも取り組んでおりまして、実績が上がってきております。平成二十六年九月にはシンガポールナショナルチームのアジア大会に向けた事前合宿がございました。また、平成二十七年二月にはパラリンピックの日本代表の合宿に利用されました。また、関西学生室内選手権水泳競技大会ややまと奈良マスターズ水泳競技会など競技会も開催されて、大変いいプールだという評価を得ております。

 今後は、屋外プールの観客席の屋根を整備しないと大きな大会ができないよというご指摘がございましたので、屋根をつくるような予算措置もお願いを申し上げたいと思います。そのようになりますと、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地招致の取り組みの対象にもなり得るものでございます。そのような観点からも屋根の整備をお願いしているところでございます。県民スポーツの文字どおりの拠点施設になってきていることを喜んでいるものでございます。

 そのようなスイムピア奈良の近くにサイクリングステーションを今まで整備しております。このスイムピア奈良があります地域は自転車の活用からも利用しやすい場所になっております。

 自転車の利用という観点からは、新しい動きがございます。自転車を利用した広域的な周遊観光を進めるということを進めておりまして、また健康の増進にもいいということを進めております。京都府、和歌山県と連携して、京都嵐山から和歌山港に至ります、紀伊半島を縦断いたします約百八十キロメートルのルートを(仮称)京奈和自転車道という名前をつけて整備をしようとしております。奈良県内の延長は、約百八十キロメートルのうち約七十五キロメートルということになりますが、このうち奈良市佐紀町にあります水上池付近から大和郡山市、また川西町、広陵町を経由して大和高田市に至ります約三十キロメートルの区間につきましては既存の大規模自転車道や佐保川などの河川敷を活用いたしまして、自動車と分離された自転車・歩行者専用の走行空間を連続的に確保してまいりたいと考えております。(仮称)京奈和自転車道の奈良県部分のコアとなる部分でございます。

 この自転車道の中に、約三十キロメートルのほぼ中間点にスイムピア奈良が位置をしております。自転車利用者の休息ポイントとして大変好都合な立地条件となっております。

 スイムピア奈良には既にサイクリングステーションが設置されております。駐輪施設やメンテナンススペース、シャワー・更衣室、休息スペースなどがございまして、自転車愛好家をサポートする機能がありまして大変喜んでいただいておりますが、今申し上げました京都嵐山から和歌山港に至る自転車道の、また奈良の自転車道の中心にあるスイムピア奈良におけるサイクラーの支援施設というのも、新しいまた意味のある機能であろうかと思います。自転車で疲れた後はスイムピア奈良で泳がれる、クールダウンされる、またジャグジーに入られるといったようなことが考えられるわけでございます。自転車と水泳と、多少マラソンを組み合わせますとミニトライアスロンなども近所でできるということも検討をしていることでございます。

 私に対する質問は以上でございました。



○副議長(山本進章) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十二番藤野議員の質問にお答えをいたします。

 私には、奈良県中央卸売市場の活性化について、昨年度から場内事業者と一緒になって検討を始めた将来ビジョンの現在の議論の進展はどのようになっているのか。また、県は奈良県中央卸売市場の進むべき方向をどのように考えているのかとのお尋ねでございます。お答えをいたします。

 議員ご指摘のように県中央卸売市場の取り扱い数量は減少傾向が続いており、平成二十七年度の実績では、青果が十四万九千トンでピーク時である平成十七年度の約九割、水産が一万六千トンでピーク時である平成四年度の約五割という状況になっております。当市場が県民の台所として生鮮食料品の安定供給を担うインフラとしての役割を果たし、にぎわいを取り戻すためには、多様化する消費者ニーズや流通形態の変化に対し事業者みずからが改革に取り組むとともに、当市場が一丸となってソフト・ハード両面にわたる戦略づくりを進める必要があると考えております。

 このため県といたしましては、平成二十五年度から場内の青果、水産、関連事業者の各組合等と連携協定を結び、駅ナカショップの出店、販路拡大の研修会、関連商品売場棟における一般消費者対象の毎月の食祭市の開催など、市場改革に取り組んでいるところでございます。また畿央大学とも連携協定を結び、市場食材を用いたレシピ開発や料理教室などの取り組みに対して支援を行ってきたところでございます。

 さらに昨年度からは議員お述べのとおり、場内事業者で構成する奈良県中央卸売市場将来ビジョン検討会議を運営しており、その中で場内におけるコールドチェーン化のための低温施設整備、市場規模のスリム・コンパクト化、一般消費者や観光客も呼び込めるにぎわいの施設づくりが必要であることなど、新たな取り組みに向けたさまざまな意見が出されております。加えて他市場の先進事例調査、事業者の意向調査及び量販店等への聞き取り調査を引き続き実施することが必要でもあるとのご意見もありました。

 このため先進事例調査の一環といたしまして、先日フランス、パリ郊外のランジス国際卸売市場を場内の事業者とともに訪問調査をいたしました。ランジス市場は、フランス国内はもとより周辺諸国を合わせて一千八百万人の胃袋を支える世界有数の巨大市場で、多種多様な品ぞろえと完全密閉型施設による徹底した品質管理を行っていること、また常に時代のニーズに合った施設機能の高度化や外部企業の誘致等の戦略を積極的に進めている状況を伺ってまいりました。

 今後ランジス市場で学んだことも参考に、当市場として強化すべき機能と具体的な戦略、施設整備や管理運営のあり方などについて議論を深めながら、食品加工、物流、観光等、市場外事業者との連携も視野に、にぎわいのある市場づくりに向けて、今年度末を目途に将来ビジョンを取りまとめていきたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十二番藤野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域につきまして、指定後、市町村との連携も視野にどのように取り組むのかというご質問を頂戴いたしました。

 豪雨の際など土砂災害の発生のおそれがある場合には、地域の皆さんにみずから適切に避難行動をとっていただくことが最も重要となってまいります。このため県民の皆さんには、ふだんからお住まいになっている地域の特性ですとか危険性を十分に認識いただき、大雨あるいは台風による豪雨の際にはどのように行動したらいいのかということを事前に備えていただく必要がございます。

 本県でも既に議員お述べのとおり、土砂災害が発生した場合に生命・身体に危害が生じるおそれがありふだんから警戒避難に備えていただくべきエリアを土砂災害警戒区域として指定をしてございます。平成二十七年の四月までに一万九百六十七カ所の指定を終えております。

 また昨年度からは、この土砂災害警戒区域のうち特に危険性が高く住宅の新たな立地等を抑制すべきエリアを土砂災害特別警戒区域といたしまして、地元の市町村にもご協力をいただきながらその指定を進めているところでございまして、これまでの進捗は一千四百三十六カ所でございますが、今後必要となる基礎調査のスピードアップを図りまして、本年五月に策定いたしました奈良県国土強靱化地域計画にもお示ししましたとおり、平成三十一年度までに約一万カ所の指定をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 これらの区域を指定した後の取り組みでございますけれども、土砂災害警戒区域につきましては地元の市町村とも連携してハザードマップを作成して配布する、ワークショップを開催する、防災訓練を実施するといったような取り組みを行ってまいります。また県庁のホームページを活用いたしまして、リアルタイムの降雨状況と一体となった危険情報の提供といったようなものにも活用してまいりたいというふうに考えてございます。

 また土砂災害特別警戒区域につきましては、指定されますと土砂災害防止法に基づきまして、住宅地、社会福祉施設、学校・病院といったような開発に対する安全性の確認、あるいは建築物を建てる際の建築主事による安全性の確認、こういったものを行っていくことになります。

 また今年度は既存の建物を強化したり、あるいは防護壁をつくったりといったような工事につきましても、これを支援、補助する仕組みについて研究をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 今後とも関係部局、市町村と連携いたしまして、土砂災害に対する地域の安全確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十二番藤野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二つの質問をいただいておりまして、一問目は、中学、高校生の英語力向上に向けての教員の力量アップも含めた取り組みと、教科化される小学校の英語教育に対する取り組みについてのお尋ねでございます。

 社会の急速なグローバル化の中で英語によるコミュニケーションの必要性はますます高まり、英語力が生徒の将来的な可能性を大きく広げるものと認識をいたしております。

 県教育委員会では教員の英語のコミュニケーション能力や授業力を高めるために、若手教員を対象に英語指導パワーアップ講座を、中堅教員対象に英語指導力向上研修を実施し、郡・市代表の中学校教員及び県立高校の教員全員に受講を義務づけております。あわせて受講者に外部検定試験の受検も奨励をいたしております。

 一方、県内高校生を対象には、今月十一日にNASA、JAXAの研究者を招き、宇宙からみる地球の息吹−地球温暖化のいまと題して講演会やパネルディスカッションを開催いたしました。高校生に最新の科学に触れる機会を提供できたと考えております。当日、私も参加をいたしましたが、県内高校生百三十五人がNASAの研究者による英語の講演内容を聞き英語で発表や質問をする様子に感心し、このように英語力が必須となる機会を設ける必要性を感じました。

 小学校では、二〇二〇年度に改訂が予定されております学習指導要領において、高学年での外国語活動の教科化、中学年における外国語活動の早期開始の方向性が示されています。

 そこで、小中学校の連携が一層重要となると考えておりますので、県教育委員会では平成二十六年度から三つの中学校区を指定し、小学校での効果的な指導方法や中学校外国語科との円滑な接続のあり方等についての研究、また教材開発を行っておりまして、本年度からその成果を広く普及する予定でございます。

 また平成二十六年度の小学校教員採用から、中学校、高等学校の英語の教員免許を有するなど英語に高い専門性を有する教員を採用し、各地域における小学校英語教育の推進リーダーとして育成をいたしております。

 今後も県教育委員会では、世界に伍して活躍するグローバル人材の育成のために、英語教育の改善・充実と教員の英語指導力の向上に努めてまいる所存でございます。

 続いて二つ目は、県立高校の魅力化について、選抜方法も含め今後の県立高校の目指す方向性についてのお尋ねでございます。

 平成十六年度から平成二十年度にかけて実施いたしました県立高等学校の再編計画は、行ける学校から行きたい学校へをコンセプトに、各高校の特色化、魅力化を図ったものでございます。また平成十八年度に導入をいたしました特色選抜は、学校の特色に合わせて選抜方法の多様化を図り、生徒が行きたい学校を選択することを入試制度で後押しするものであり、一般選抜の前に実施いたしております。

 教育コースにつきましては多くの成果が見られましたけれども、特色選抜で募集をしていたためにクラスが固定化し、教員を志すコース以外の生徒が同じ学校に通いながらもそのカリキュラムを享受できないという大きな課題がございました。このことに対応するために選抜方法とカリキュラムの見直しを行い、小学校教員に必要な五教科の基礎学力をはかる一般選抜で募集をするとともに、入学後に興味、関心に応じてコース選択をできるようにいたしました。

 今後は県内大学との連携を強化し、高校三年間だけではなくて高大接続による一貫したプログラムを構築することを検討しておりまして、教育コースがその核としての役割を果たすことが期待されます。

 今後、特色選抜を実施しない今回の教育コースのように普通科に通う生徒に対しましても、その興味、関心や適性に応じてキャリア形成を支援できるよう、県立高等学校の目指す高校、大学から職業につながる、そんな取り組みを推進することが大切であると考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十二番藤野良次議員。



◆十二番(藤野良次) 二回目です。

 まずリニア中央新幹線中間駅ですが、知事の答弁をお聞きいたしますと夢がますます広がる、膨らむという気持ちです。引き続きの関係機関への働きかけを強くお願いをいたします。

 またスイムピア奈良、ここも非常に評価が高い、そして県民の期待も大きいということで、今後より一層の取り組み、充実をお願いします。

 サイクリングステーション、この充実も図っていただきたいなと。知事の答弁がありましたように京奈和サイクルロードのちょうど中間地点になりますので、ここを活用し、そして橿原のサイクルステーションも活用しながら、奈良県がそれこそ健康志向のサイクルで駆け回れるぐらいの奈良県のあり方というのを求めていただきたいなというふうに思います。ちなみに私は近くのオークワぐらいしか自転車で行きませんけれども、今後はこのサイクルロードを活用しながら大いに奈良県中を駆け回りたいと、このように思います。

 奈良県中央卸売市場につきましては、それこそ場内の事業者としっかりと連携を図りながらより積極的に取り組んでいただきたい。このことを強く要望いたします。

 土砂災害の特別警戒区域ですけれども、イエローゾーンあるいはレッドゾーンを指定されて、今ここ時点でいるわけですから、それこそ災害は待ったなしでございます。今後このレッドゾーンで危険性のあるところの対応というのをいち早くしなくては、それこそ今住民の不安というのは非常に大きいかなというように思います。当然、自助・公助・共助という形で、自主防災も含め、そこの自治体も取り組みはされておられるかというように思うのですけれども、よりその把握なりあるいは県のさまざまな支援なりも含めて、今後の取り組みをぜひともお願いしたいというふうに思います。

 最後に教育問題につきまして、英語教育の今後の充実を図っていただくと同時にやはり英語力、指導力の向上というのは非常に大切でございますので、教員のそれこそ研修の充実等々も十分に図っていただきたいというように思います。

 県立高校の魅力化でありますけれども、どうもいわゆる方針転換ではないということだけは確認をいたします。特色ある、魅力ある、行ける学校から行きたい学校へということの方針は転換はしておらないということはこの場でも確認をさせていただきたいなというように思います。今後ますますこの魅力化に向けての取り組みを一層お願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月十六日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時四十四分散会