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奈良県 奈良県

平成28年  6月 定例会(第324回) 06月14日−03号




平成28年  6月 定例会(第324回) − 06月14日−03号







平成28年  6月 定例会(第324回)



 平成二十八年

        第三百二十四回定例奈良県議会会議録 第三号

 六月

   平成二十八年六月十四日(火曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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          議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、二十番阪口保議員に発言を許します。−−二十番阪口保議員。(拍手)



◆二十番(阪口保) (登壇)創生奈良、生駒市選挙区選出の阪口保が代表質問をさせていただきます。

 まず最初は、生駒市西松ヶ丘住宅地の砂防指定地における無許可の盛り土問題への県の対応についての質問です。先般、奈良市月ヶ瀬で業者が県の許可の範囲を超えて茶畑の際まで土砂を採取し、土砂災害の懸念が起こる事案がございました。知事の本年五月十一日の定例記者会見では、県が悪いかどうかに焦点が当てられているが悪いのは業者と答えられました。砂防・災害対策課の対応の遅さと知事の人ごとのような説明に、県民からは不満の声が私のところに届いています。

 また奈良市月ヶ瀬の事案に似た土砂災害の懸念が、生駒市西松ヶ丘住宅地でも起こっています。写真を使い説明をいたします。本年四月に現地を視察し、撮影をいたしました。私は本年四月二十日から複数回の視察をし、現状の調査と住民の方の聞き取り調査もいたしました。この土地の現状は、ブルーシートの下で複数の割れ目がこのように発生し土砂の流出が起こっていること、さらには盛り土が崩落し土砂災害が発生する危険性があること、そのことで隣接の住宅地にも深刻な影響を与えることなどです。業者が二〇一〇年ごろ、住宅地に隣接した谷の斜面に土砂を運び、無許可で造成を行いました。無許可で造成した広さはおよそ高さ十五メートル、幅五メートル、長さ三十メートル程度にわたっていると思われ、県の砂防地に指定されている場所であるところから、この業者の行為は県砂防指定地等管理条例に違反いたします。

 次の写真は、二〇〇八年十一月に撮影されたものです。当時、川沿いののり面は、このようになだらかでした。二〇〇九年にこちらに住宅が建ち、その後、向かって左の谷を無許可で盛り土にしました。ここが先ほどのブルーシートのところです。二〇一〇年六月に、近隣の住民が斜面の下の川に土砂が流れ込んでいると生駒市に通報し、市から連絡を受けた県が事実確認をし、県が業者に文書で指導しています。その指導後、業者は斜面の下部に蛇かご、つまり石入りのかごで補強工事を行いました。

 現状の写真がこれです。この部分が蛇かごでの補強工事ですが、これでは崩落をとめることはできません。また谷を流れている薬師堂川は、このように河川の幅が狭くて、盛り土が崩壊すれば水の流れがせきとめられます。その上、薬師堂川の北側には用水路も流れており、治水、利水の機能が大きな損失をこうむります。もとのなだらかな斜面が無許可の盛り土をすることで急勾配となり、土砂災害の危険性を生む結果となっています。大量に土砂の運搬が行われていたのに県がなぜ気づかなかったのかという思いがします。

 また私の調査では、二〇一〇年に業者が無許可で盛り土を造成、二〇一〇年六月に住民が生駒市に連絡し、県が同年六月に無許可工事の確認をしています。そして、二〇一一年十一月に業者と連絡がとれなくなっています。県砂防指定地等管理条例の公訴時効は三年で、既に時効が成立しており、なぜ時効前に県が告発し業者の責任を問わなかったのか、疑問が残るところです。

 私は本年四月二十六日に、砂防・災害対策課の担当者に生駒市西松ヶ丘の事案の経緯をお聞きし、住民の不安を伝えました。梅雨の時期を控えていることから、五月十二日、再度砂防・災害対策課と面談をし、調査と対策を要望しました。また、同じ趣旨を副知事にも要望しました。

 そこで、知事にお伺いします。

 一点目は、生駒市西松ヶ丘の住宅地に隣接する無許可の盛り土問題について、本県の当面と今後の対応についてお伺いします。二点目は、二〇一〇年七月に県が業者を文書で是正指導した後、業者が行方不明になる二〇一一年十一月までの間と二〇一一年十一月以降から現在に至るまで、本県はどのような対応をしたのか。また、告発しなかったことも含め、対応不足があったと認識しているのか、伺います。三点目は、五月二十七日読売新聞によると、五月二十四日の知事の定例記者会見で、知事は、住民のクレームでは盛り土が亀裂に影響していると言っているので調査しないと仕方がないと発言したとありますが、住民の安全安心を軽視した発言としか思えません。発言の真意を伺います。

 二つ目は、第三十二回国民文化祭・なら二〇一七と、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会のロゴマークのデザインの決定についての質問です。

 今回の催しの実行委員会の会長も、本年開催された奈良大立山まつりと同じ荒井知事です。奈良大立山まつり委託契約についてプロポーザル方式で業者の委託契約を決められたが、応募のあった二業社ともに薮内佐斗司氏の制作する立山であったことから、予算を計上する前から本県は薮内佐斗司氏を起用することを決定して進めており、談合の疑いがあると私は指摘してきました。今回の第三十二回国民文化祭・なら二〇一七と第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会のロゴマークのデザインの決定は、公募せずに実行委員会会長、荒井正吾氏が決めています。

 第二十八回国民文化祭・やまなし二〇一三のロゴマークの決定では、学生でも参加できる公募をとり広く作品を募っています。また第二十九回国民文化祭・あきた二〇一四も公募です。

 ところが今回、国民文化祭・なら二〇一七については、第三回目の実行委員会でロゴマークのデザインについて水野学氏に依頼することを決められ、既に公式ロゴマークが発表されています。市民が作品に応募したり、国民文化祭・なら二〇一七のロゴマークの決定にかかわる機会をふやすことで国民文化祭の盛り上がりに寄与する効果が期待できます。さらに、公募することで県内外のデザイナーに挑戦する機会を与え、デザイナーの意欲や人材の発掘と育成にもつながるのではないでしょうか。東京にあるgood design company代表の水野学氏に依頼されていますが、決定に至る経緯について県民に明確に説明されていません。

 そこで、知事にお伺いします。

 一点目は、ロゴマークの決定は、第二十八回国民文化祭、第二十九回国民文化祭では公募していますが、なぜ奈良県では公募せずに実行委員会が決定したのか、県民に説明していただきたいと考えます。公募し県民の意見も取り入れ決定していくほうが、関心が高まり、大会が盛り上がると考えますが、いかがでしょうか。二点目は、水野学氏に依頼したデザインに係る経費は幾らだったのでしょうか。お伺いします。

 三つ目は、県職員の超過勤務の縮減に向けての質問です。

 超過勤務の縮減に向けて、平成二十七年九月の代表質問、平成二十八年二月の一般質問で取り上げてきました。今までの質問の内容を要約すると、知事部局における心身の故障による数字が特別休暇取得者の中で、精神及び行動の障害を理由とした者が全体の約六割を占めていること、また病気に至っていないが残業時間が多く健康に自信が持てないという職員が大幅にふえていることなどです。県職員の疲弊の原因は、一点目は業務の過重労働による超過勤務が多いこと、二点目は超過勤務に超過勤務手当が支払われずサービス残業になっていること、三点目は勤務時間中に消化できず仕事を持ち帰っている現象を生んでいることです。

 一点目の質問に対し、知事は、県職員の超過勤務手当支給時間が職員一人、一日に置きかえると五十五分で、超過勤務が多いとは言えない。二点目の質問に対し、知事は、超過勤務手当を支給しておりサービス残業が存在しない。超過勤務手当を支給していないのはつき合い残業で、食事に行って残っているとか、自己の用件で残っているとも答弁されました。

 私は、勤務実態の現実を明らかにするために本庁の午後九時四十分の明々と照明がついている写真をお見せしました。夜間において職場の部屋の明かりが明々とついているのは一人でも残っていれば明々とつく。また、午後十時二十分を過ぎればほとんど照明は消えていると知事は答弁されました。

 そこで、五月十七日午後十時三十分に、本庁の正面から撮影いたしました。このような本庁舎の様子ですので、この写真を見て、午後十時二十分を過ぎればほとんど照明が消えているとの知事の答弁はでたらめであることが明らかです。私は再三にわたり実退庁時間を求めましたが、実退庁時間の調査は出退勤システムのデータは膨大であるために統計を収集していないとの答弁でした。

 そこで、その答弁に反論いたします。

 本県の出退勤システムのデータは、日立庶務事務システムとAMANO時間情報ターミナルを使っています。日立庶務事務システムは、勤務実績を一元管理しリアルタイムに利用可能な勤休管理システムで、各課において集計表作成から超過勤務の予実算管理まで勤務実績をリアルタイムに管理できる機能を持っています。AMANO時間情報ターミナルはタイムカード方式で、タイムカードに記録された出退勤データをネットワークでデータ通信し、出退勤時刻がすぐにわかるように設計されています。

 本県は、職員は出退勤時に職員が首からぶら下げている職員証カードを機械に通すことになっており、その時間はコンピューターで記録し全てデータとして整理しているので、実退庁時間は全て簡単に出てきます。このことを代表質問、一般質問で取り上げてきましたが、データが多過ぎてできないという回答で、一年がたってもどのように取り組んできたのか、いまだに説明がないのはどういうことでしょうか。

 そして、このカードの実際の運用に当たっては人事課は許可した残業時間を守るために、時間が来たらカードを通すようにと指示しています。時間が来たらカードを通せというのが人事課の方針とするならば、問題は、カードを通してから県職員が引き続いて残業している実態があるということです。私がこのことを人事課に指摘すると、人事課は、勤務が終了した時点で速やかにカードを通すようにと言っている。通してからまた残業するようにとは言っていないと回答がありました。

 しかし私が指摘するように、カードを通してからまだ引き続いて残業は行われています。このようなことで実退庁時間と超過勤務支給手当の支給時間の乖離が生まれます。また六時以降の退庁については、本庁舎地下一階の守衛室前で、各課・室ごとに作成されている退勤簿に退庁時間を記入します。実退庁時間を正確に把握するためには退勤簿に記入している退庁時間の整理が必要です。このような退庁管理をしているので退勤システムのデータが膨大になり、統計は収集できないという答弁になるのではないでしょうか。長時間労働の隠蔽とサービス残業は労働基準法に違反します。また、つき合い残業は、残業手当支給時間と実際の残業の乖離をごまかすための詭弁です。

 許可された勤務時間が来れば退庁を促すのが管理する者の立場であります。仕事の持ち帰りについては、個人の資質の問題に歪曲されていますが、職員の定数削減が進み、反対に業務量が増加したからと考えます。例えば、ムジークフェストならは二〇一二年に始まり、奈良大立山まつりはことしからの行事で、新規事業がふえる傾向にあります。

 県職員が公私ともに生き生きと活躍してもらうためには職員の残業の実態をもう一度見直して、組織のありようがこれでよいのか、知事や部長の仕事の指示が職員を追い込んでいないか、検討すべきではないかと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 一点目は、全庁挙げての超過勤務の縮減に向け、四月から各部局の次長、企画管理室長事務取扱に、組織・人事管理責任者の発令をされたが、どのような成果が出たのかということをお聞きします。二点目は、データが膨大で統計が収集できないと前回も答弁されたが、本県の出退勤システムを活用すれば実退庁時間と超過勤務時間がすぐに出せると思いますが、いかがお考えでしょうか。三点目は、超過勤務時間を正確に把握するカードシステムの再構築とカードの厳格な運用が必要と考えるが、どうか。またカードを通した後の退庁の徹底にどう取り組むのかお伺いします。

 四つ目は、生駒市の北大和グラウンドについての質問です。

 生駒市は、北大和グラウンドの用地面積約四ヘクタールを市街化区域に編入し、売却して住宅地の開発を目指していました。しかし本県は、昨年十二月二十四日、市街化区域編入を認めない通知を出しました。認めない理由として、一点目は生駒市は住居向けの市街化区域の低・未利用地面積が県内市町村で最大であること、二点目として同グラウンドの東側に隣接する市街化区域編入地の開発が未着手であること、三点目として同グラウンドは災害時の防災拠点として有効活用も可能などであることを挙げています。またその上で、人口が減少する中、住宅供給目的の市街化区域編入を原則行わないとする県都市計画区域マスタープランなどとの整合性が図れないと回答されています。

 一点目の指摘は、学研高山地区の高山第二工区二百八十八ヘクタールが市街化区域編入されているのに開発されていないので、住居向けの市街化区域の低・未利用地面積が県内市町村で最大となる意味だと解釈しています。このことについては、生駒市は二月臨時会で、高山第二工区の二百八十八ヘクタールのうち、都市再生機構が所有する約百六十ヘクタールを三億四千万円での取得を可決し、開発に向けて進んでいます。

 二点目の指摘の隣接する市街化区域編入地の開発が未着手ということについてですが、そこは北大和グラウンド購入予定の近鉄が、北大和グラウンドとあわせて住宅開発をすると聞いています。その隣接地単独では工事車両の進入確保ができないので、したがって未着手になっていると解釈しています。

 三点目は、災害時の防災拠点として有効活用の指摘は、近隣に四季の森公園、真弓中央公園、真弓小学校など、防災の拠点が存在します。その心配は要りません。

 最後の人口が減少する中、住宅供給目的の市街化区域編入を原則行わないとする指摘は、奈良県の人口が減少するもと、北大和グラウンド東側の住宅開発により住民が定住すれば県民税が多く県に入ることになります。また同グラウンドの周辺は、同グラウンドを除いて全て市街化区域となっており、市街化区域編入を認めてもいたずらに市街化区域を拡大し、適切な都市計画行政を行えないおそれはありません。このように、県にとってはメリットこそあれ、何らデメリットのない事業であり、原則の例外を認め得ると考えます。

 そこで生駒市の意向を尊重せず、県がなぜ北大和グラウンドの市街化区域編入を認めなかったのか、改めて知事にその理由をお伺いします。

 五つ目は、中央省庁の奈良県への移転に関連する質問をいたします。

 本年二月にも一般質問をいたしましたが、知事は中央省庁の意思決定は、国会の対応やほかの省庁との連携、省庁を訪問される関係団体や地方関係の便利が必要であるという観点から、効率のよい場所に所在することが基本だと答弁されました。しかし、そのような考えが、ますます東京一極集中を加速させ地方の疲弊を招いています。中央省庁が移転することで職員、関連する関係団体などの移転も行われ、本県の人口の減少や経済の活性化に資する方向で検討すべきです。

 また答弁の中で、平成二十四年十二月に国連世界観光機関アジア太平洋センターを誘致したことを実績として挙げられました。しかし二〇一二年九月一日の毎日新聞によると、大阪府は、財団法人が国の出向職員やOBのポスト化していることを問題視して支援を中止と報道しています。国連世界観光機関アジア太平洋センターの事務所移転に伴い一千三百六十万円を補助し、本県は毎年一千万円の財政支援をしています。ことさら国連世界観光機関アジア太平洋センターの実績を強調されるより、財政支出に見合った費用対効果があったのか、検証すべきです。

 そこで、知事にお伺いします。

 一点目は、中央省庁は東京にあったほうがよいという考えがますます東京一極集中を加速させることとなるため、中央省庁の移転を求めていくことが必要だと考えますが、いかがお考えでしょうか。あわせて前回の答弁であった国連世界観光機関アジア太平洋センターの誘致について費用対効果をお伺いします。

 六つ目は、前生駒署長による奈良市内のスーパーでの置き引き事件についての質問です。

 本年三月二十六日、前生駒署長が奈良市内のスーパーにおいて現金三万円を抜き取ったという窃盗事件がありました。私自身、生駒市の市民として、前生駒署長がこのような事件を起こしたことに大変驚いています。本年の奈良県警察の運営方針は、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現でございます。ほとんどの警察官がこの方針に基づき、県民の信頼と期待に応えるべく職務を遂行しておられる中、署員を指導すべき立場にあった方がこのような事件を起こされたことは誠に残念でなりません。

 そこで、警察本部長にお伺いします。

 前生駒署長による窃盗事件の概要と、県警察としてどのような対応をなされたのか。また一部で報道されていたが、前生駒署長には既に退職金は支払われているのか。加えて今後の警察官の倫理意識の向上に向けた取り組みについてどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十番阪口議員のご質問にお答えいたします。

 最初のご質問は、生駒市西松ヶ丘住宅の砂防指定地における無許可盛り土問題への県の対応についてでございます。その中で、当面の対策と今後の対応についてのご質問がございました。

 生駒市西松ヶ丘地域における無許可盛り土の事案でございますが、平成二十二年から平成二十三年にかけて奈良市内の業者が砂防指定地において、無許可で住宅地に隣接する自己所有地に高さ約十五メートル、幅約三十メートル、奥行き約五メートルの盛り土を行ったものでございます。

 当該案件につきましては、一義的には行為者にその責任を求めるべきものでございますが、行為者は行方不明、所在不明で連絡はとれない状況であること、地元の方々から亀裂に対する強い不安の声があることを踏まえまして、砂防指定地管理者である県が調査を実施することとしたものでございます。

 具体的な調査の中身ですが、亀裂の変化を把握するためのセンサーを設置するとともに、盛り土の範囲や地質を把握するためのボーリング調査を実施いたします。センサーにつきましては、既に五月二十六日に設置を終えたところでございます。また、ボーリング調査につきましても八月には調査を実施できるよう、現在発注手続を進めております。これらの調査結果を踏まえまして盛り土の安全性を分析、評価することによって、その対応について適切に判断していきたいと思っております。

 二つ目でございますが、業者が行方不明になったのが二〇一一年十一月でございますが、それまでの間とそれ以降について告発をしなかったことも含めて対応の経緯をご質問になられました。二〇一〇年、平成二十二年六月に住民の方からの通報で当該行為を確認いたしまして、七月に文書で是正指導を行いました。翌平成二十三年十一月には行為者と連絡がとれなくなりましたが、それまでの間につきまして約一年五カ月ぐらいにつきましては職員が直接面接、面談するなどして繰り返し十四回の口頭指導などを行いました。是正計画の提出を求める内容でございました。

 その年、平成二十三年十一月以降、行方不明になってからでございますが、以降につきましては、亀裂が生じているとの情報が生駒市を通じて提供されましたのが、約三年後の平成二十六年九月でございました。その間、約二年九カ月でございますが、当時の職員への聞き取りによりますと、年間三、四回の頻度で現地パトロールを実施していたということでございます。

 この通報があった平成二十六年九月以降、現地を確認いたしますとともに、生駒市と対応を協議いたしました。同年十月には生駒市がブルーシートを設置されております。ブルーシート設置後は、本年四月までの約一年六カ月の間に県は八回の現地パトロールを実施しております。このような経緯を経まして、本年五月二十六日のセンサー設置に至っているものでございます。

 本件につきましては、告発を行っておりません。これは従前の考え方が砂防法の目的からいたしまして、行為者を罰するための告発よりも実際に違法行為を是正させることに主眼を置いてきたためでございます。また、こうしたことから、違反是正の手順を重視し、告発に至る手順・手続を明確にしてこなかったことによるものだと思っております。

 しかしながら、今後につきましては、砂防指定地等管理条例の強化にあわせまして是正を求めるのは当然でございますが、悪質な事案、是正に全く応じないような事案につきましては、告発につきましてもしっかりとした手順で行っていくこととして、今回、策定するマニュアルにおいて規定をしようかと思います。その内容でございますが、まず違反行為に対する指導、勧告、警告といった行政指導は原則四回までとすること、また命令等の監督処分までの期間は一年をめどとすること、また命令等の監督処分に従わない場合は、遅滞なく告発に向け関係機関と調整を図ることなどを位置づけることにしております。

 今後は、改正いただきました条例、この七月一日から施行されますが、新たに整備するマニュアルに基づきまして、砂防指定地管理の一層の充実を図りたいと思っております。

 また五月二十七日の読売新聞によりますと、定例記者会見で、住民のクレームでは盛り土が亀裂に影響していると言っているので調査しないと仕方がないと発言したとの記事を読まれて、これは住民の安全安心を軽視した発言というご指摘が議員からございました。

 事実関係を申し上げたいと思います。議事録を調べました。五月二十四日の定例記者会見におきまして、記者の方から、住民からの通報があったにもかかわらず結果的に危険を防止する措置をとっていなかったことについてコメントを求められました。私からはその中で、土を積み上げたのが亀裂の原因かどうかというのは調査をしなければわからないという趣旨のお答えをさせていただきました。当日の会見の記録を改めて読みますと、次のようなことになっております。土を積み上げた行為が亀裂の原因かどうかというのは、調査も継続していますけれども、無許可の行為が住宅地の亀裂に影響したかどうかはわからないという状況ですので、これは、住民の方は影響があると言っておられるのだけれど、本当にそうかどうかはわからないので、これは調査を続けなければしようがないのですよね、このような発言になっております。この私の発言を捉えまして、五月二十七日の読売新聞では答弁の内容を大分省かれまして、住民のクレームでは盛り土が亀裂に影響していると言っているので調査しないと仕方がないという記事にされたと推察をいたします。読売新聞の記事を拝見いたしますと、阪口議員が誤解を抱かれてもやむを得ないような印象がございますが、私の発言は、今、議事録を振り返って読み上げさせていただいたとおりでございます。

 今、改めてその趣旨を申し上げますと、無許可で土を積み上げた行為が隣地の住民の方のおっしゃるとおり、亀裂の原因かどうかは調査をしなければわからないということでございます。住民の安全安心を軽視した発言との議員のご指摘は全くの心外でございます。

 次は、国民文化祭のロゴマークの決定の経緯について、また、その経費についてのご質問でございます。奈良県で来年度開催いたします国民文化祭は、全国で初めて障害者芸術文化祭と一体開催する大会でございます。日本文化の源流を探るや、障害のある人とない人のきずなを強くなどの基本理念に基づきまして、奈良らしい大会となるよう準備を進めているところでございます。大会の実行につきます事案は実行委員会で決定するようになっております。

 大会の開催に当たりまして、国の国民文化祭開催要綱等において県で実行委員会を組織することとされておりますので、県議会の議員さんをはじめ市町村や各種団体など、県民の代表者三十名で構成する実行委員会を設置し、大会の準備、運営、実施に関する事項を審議、決定しております。実行委員会が意思決定機関となっております。

 ロゴマークなどの公募につきましては、昨年十月五日開催の実行委員会でも議論されました。親しみが持てるとの意見が出る一方、公募について親しみが持てる、議員がおっしゃっていることでございますが、意見が出る一方、大会の趣旨にふさわしいものができるのかどうかという意見などもございまして、審議の結果、基本理念をしっかり反映させたものをつくるとの観点から、デザイナーに基本理念やテーマを十分に説明し、理解してもらった上で制作していただくことに実行委員会でなりました。

 これを踏まえまして、デザイナーについてはロゴマークを有効利用することにより、大会だけにとどまらず継続して経済波及効果をもたらすこと、及び本県の歴史、伝統、文化等に造詣が深く、奈良のイメージを的確に表現できることを条件に実行委員会事務局において選定作業が行われました。

 その後、三月二十四日開催の実行委員会におきまして、事務局より水野学さんをデザイナー候補者として提案したところ、水野氏はマーケティング分野に強く奈良県の造詣も深い、くまモンの作者と聞きふさわしいと考えるなどの意見をいただき、実行委員会で審議の上、決定していただいたものでございます。

 ロゴマークのデザインに係る経費でございますが、これは五百四十万円でございます。

 このロゴマークは、単に国民文化祭・障害者芸術文化祭のロゴマークであるだけでなく、大会の開催後も奈良県使用のロゴマークとして県の経済波及効果をもたらすことを目的としております。そのため、ロゴマークの制作業務には今後の奈良県の文化活動への活用を踏まえました関連商品の作成や販売などの具体的な提案も含まれております。

 今後は、制作したロゴマークなどをさまざまなプロモーションに積極的に活用することで国民文化祭・障害者芸術文化祭への機運を盛り上げていき、文化という奈良のブランド力を全国に発信する武器にしていきたいと思っております。

 次は、県職員の超過勤務の縮減についてのご質問でございます。

 一つ目は、この四月から人事管理の徹底を目的に、組織・人事管理責任者を発令させていただきましたが、どのような成果が出たのかというご質問でございます。

 平成二十六年度から新たなパーソネルマネジメントの構築をテーマに超過勤務時間の縮減など、公務員の働き方について四つの視点で研究を進めております。

 職員の超過勤務の縮減につきましては、労使間の共通課題でございます。これまで職員組合の皆様とも帰りやすい職場の雰囲気づくりや、めり張りのある働き方につながるよう、さまざまな取り組みを行うことで合意をしております。具体的には、平成二十六年七月から毎週水曜日の定時退庁日に職員組合と人事課が連携して本庁舎の各所属を巡回しながら定時退庁の声がけを行って退庁を促しております。また超過勤務命令のない職員が在庁している所属長に対して注意文書を発行し、所属長をはじめとする職員への意識改革を行う努力をしております。また昨年、夏のサマータイム期間中の最初の定時退庁日には、私自身が定時退庁を呼びかけることもいたしました。

 また今年度の新たな取り組みといたしまして、議員ご指摘のように四月一日付で各部次長など十名に組織・人事管理責任者の発令を行い、その職責として部内の業務の繁閑調整、忙しいときと暇なときの調整をしてなだらかにするように。二つ目は超過勤務の縮減、三つ目は部内のコミュニケーションの充実などに取り組むよう、役職、役目を与えました。

 特に超過勤務縮減につきましては、部内の繁閑調整、忙しいときと暇なときの調整の役割が重要と考えております。特定の所属に業務が集中しないのか、また特定の季節に集中しないのか、日ごろから部内各所属の業務の繁閑や職員の働き方に常時目配りする役目を与え、業務配分や人員配置など適時の対応につなげていきたいという考えでございます。

 この組織・人事管理責任者を発令して二カ月余りではございますが、部独自で設けた定時退庁日に部内各課の巡回をして退庁を促している例もございます。また組織・人事管理責任者が部内の業務の状況に目配りをした上で、問題がある所属の管理職に改善を促したり、部内の所属で過重になっている業務を別の所属に振り分けて業務の平準化を図った例もあると聞いております。このような具体的な取り組みも行われているようでございますので、さまざまな形で成果があらわれてくることを期待しているところでございます。

 また今後、四半期ごとに組織・人事管理責任者と人事課長との意見交換を行いたいと考えております。これまで以上に各部局の業務実態の把握に努めまして、全庁挙げて超過勤務の縮減を目指しているところでございます。

 次のご質問は、県職員の超過勤務の縮減についての中で、データが膨大で統計が収集できないと答弁いたしましたが、実退庁時間と超過勤務時間が出退勤システムを活用すればすぐ出せると思うけれども、どうかということでございます。実態把握のシステムについてのご質問でございます。

 現在の導入しております出退勤システムの内容でございますが、従来の出勤簿にかわるものとして導入したものでございます。この出退勤システムは、始業時間の八時三十分より前の出勤と就業時間の十七時十五分より後の退勤を確認することを目的にしております。職員の毎月の退勤時間や、所属職員全員の退勤時間などを集計できるシステムになっておらないのが難点でございます。このような、ただ名簿システムにしただけのものでございますので、膨大な職員の出退勤時間のデータを抜き出し解析することはシステム上困難になっております。

 また一方で、超過勤務手当支給時間につきましては、従来から支給時間が多い所属についてお答えしてまいりました。実績を集計したデータがございます。本庁職員の平成二十七年度の状況は、総時間数二十九万七千三百七十六時間でございますが、職員一人一月当たりに換算いたしますと二十・七時間でございます。職員一人一日当たりに置きかえますと、約一時間の残業時間となっていることがわかっております。

 この縮減に向けた実態把握の中で超過勤務時間を正確に把握するカードシステムの再構築と、カードの厳格な運用が必要と考えるがどうかというご質問がございました。

 今申し上げましたように、現行のシステムにより出勤簿を確認することで実退庁時間と超過勤務手当支給時間は正確に把握することができます。この在庁時間になりますが、在庁時間の中で勤務時間と自由時間がありますが、これが勤務の実態ということになります。在庁時間の中で普通の時間よりも遅く残って勤務をされていると残業時間ということになりますが、それの正確な把握ができないものかという趣旨のご質問だと思います。

 この出退勤システムの時間の記録につきましては、職員は退勤しようとするときは、みずから退勤時間を出退勤システムにより記録しなければならないと定めております。職員は命令された時間外勤務の時間内に業務を終了させ、速やかに退勤することが基本でございます。時間外勤務を終えた際の退勤時間の記録は、退勤しようとするとき、すなわち業務が終了した時点で速やかに出退勤システムに記録することが望ましいわけでございます。議員お述べのような、人事課が事前命令の時間が来たら出退勤システムを記録するように指示をしている事実はありません。サービス残業の強要というのはないように思います。あくまで業務が終了した時点で記録するものでございます。

 これまでも所属長や職員に対して、毎日の庁内放送や時間外勤務の縮減等の総務部長通知などにより時間外勤務の事前命令と退勤管理、職員自身の意識づけを徹底してまいりました。今後、その徹底が十分できていない所属長や職員があった場合には、各部局の組織・人事管理責任者と人事課が連携して個別の原因究明を行い、具体的改善策を実施していきたいと考えております。

 生駒市の北大和グラウンド市街化区域編入についてのご質問がございました。なぜ市街化区域編入を認めなかったのかということを改めて聞くというご趣旨でございます。

 奈良県には、都市計画区域マスタープランというものがございます。その中で、住居系の土地利用の方針がございます。県内には既存市街地の低利用、未利用地がたくさんございますので、そのマスタープランの方針といたしまして、市街地の拡大を伴う新たな開発による供給は抑制するということと、既成市街地の低・未利用地の活用を挙げております。たくさん余っている土地があるから、それから先に開発して使うのが基本で、新たな市街化区域編入はしないということを基本にしております。本県では、今後の人口減少等の社会状況がございますので、住宅供給を目的とした市街化区域の編入を原則として行わないことにしているわけでございます。

 当該グラウンドを市街化区域に編入したいとの生駒市からの申し出は、平成二十三年の都市計画の定期見直し後に提出されました。県として慎重に検討を重ねてきましたが、県の方針の例外として扱うに足る十分かつ具体的な説明が生駒市から得られなかったため、昨年十二月二十四日に市街化区域編入をお断りしたものでございます。

 その理由を申し上げますと、まず、生駒市は住居系の市街化区域の低利用、未利用地の面積が県内市町村で最大規模でございます。利用されていない、住居にするといって市街化区域に編入された区域で利用されていない区域が県下最大の市であるということでございます。また議員お述べになったように、学研高山地区第二工区のURの土地所有権が生駒市に移るので未利用地がなくなるよというのは、まだ先が見えません。生駒市ではどのようにするかまだ決定もされておりませんし、具体化されておりませんので、まだ未利用のままでございます。

 次に、都市計画の定期見直しにおきまして、生駒市はグラウンドは存置させながら東側隣接地について民間事業者により開発が速やかに実施されるから、このグラウンドも市街化区域に編入したらどうかという趣旨の申し出がございました。この東側隣接地は、昭和六十年に市街化区域に編入されております。住宅として開発するといった土地になって約三十年ぐらいたっております。それが未利用で、途中、また市街化調整区域に戻ってまた住宅にするよといった経緯がございます。また工事用車両が入らないというふうにおっしゃいましたが、道路がございますので、ちゃんと開発しようと思ったら開発できる土地であるように思います。

 さらに三つ目の理由でございました、当該グラウンドは住宅市街地にある大規模な公有地でありますので、災害時の防災拠点など今後も市民にとって必要な施設として有効利用できると思われますので、その点についての疑問がございます。市民の方からも、グラウンドの利用、また防災の利用について意見があるようにお聞きをしております。

 以上のような理由によりまして、県といたしまして当該グラウンドの市街化区域編入は都市計画による適切なまちづくりの誘導であるとは考えられず、奈良県都市計画区域マスタープランとの整合がとれないと判断したものでございます。

 その次に、中央省庁の奈良県への移転についてのご質問がございました。東京一極集中是正のために移転を促進、要望すべきではないかという趣旨でございます。

 中央省庁の所在場所につきましては、二月県議会でも議員にご答弁申し上げましたが、中央省庁の意思決定は国会対応や他の省庁との連携、省庁に訪問される関係団体や地方関係者への利便性が必要との観点から、効率のよい場所に所在することが基本だと考えています。奈良の平城宮のような場所がいつの時代でも必要だということでございます。

 また中央省庁には、建物の場所はどこであっても日本の全地域を対象に中央省庁の機能を発揮すべきという役割がございますので、建物を地方に移転し、そこで国の業務を行う中で移転先の地域に直ちに大きな経済効果が発生するというものではない性格のものでございます。本県では、むしろ重要な政策分野での連携可能な地域再生に、地域振興に資するような国際機関に来ていただくことが効果的と考えたところでございます。

 国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターの費用対効果についてのご質問がございました。このセンターは、マドリードにあります本部のほか、世界中には奈良市だけにしかない国連の機関でございます。平成二十四年十二月に同センターを奈良市に誘致しましたが、本年六月一日から六月四日にかけて開催されました観光と技術に関する国際会議をはじめ、UNWTO関連の大規模な国際会議がこれまで三度も開催されております。

 本年六月の会議には、本部からリファイ事務局長もお越しになりましたし、複数の観光大臣もお越しになりました。たくさんの方に長い期間奈良県に滞在していただくという経済効果もありますが、ハイレベルの、あるいは国際的な方が来られますと、その奈良県での経験がよい評価が世界に広がる効果がございます。これは目に見えない効果でございますが、ハイレベルの方が来て奈良のことを初めて見たと。奈良はすばらしいなと言っていただくのを世界に広めてくださいよと。口コミでいいからといったふうに言っております。

 今回の会議では、ジャマイカとジンバブエの観光大臣が出席されましたが、現地の各種メディアが会議の概要を報じたり、開催地奈良県が、アフリカや南米などで紹介された経緯がございます。

 その次に、国の出向職員やOBのポスト化になっているのではないかというご質問がございました。現在、同センターには国の職員、OBはおられません。県職員が常勤の副代表として勤務をしているものでございます。

 その次のご質問は、警察本部長に対するご質問でございました。私の答弁は、以上でございます。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)二十番阪口議員のご質問にお答えいたします。

 私には、前生駒警察署長による窃盗事件の概要と県警察の対応、退職金の支給状況、警察官の倫理意識の向上に向けた取り組みにつきましてのお尋ねであります。お答え申し上げます。

 本件につきましては議員お述べのとおり、本年三月二十六日、奈良市内に所在するスーパーマーケットにおきまして、前生駒署長が被害者の方が店内に置き忘れた財布を置き引きしたというものであります。本件により県民の皆様の信頼を大きく損なったことは誠に遺憾であり、議員各位をはじめ県民の皆様に深くおわびを申し上げます。

 県警察といたしましては厳正に捜査と調査を行い、三月三十一日に当該職員を減給六月の懲戒処分といたしました。また刑事事件として、四月十八日付で奈良地方検察庁に窃盗で事件送致しているものであります。

 次に、退職金は既に支払われているのかとのお尋ねでありますが、退職手当につきましては、奈良県職員に対する退職手当に関する条例に基づき支給制限の規定に該当するか否かを判断するため、退職金の支払いを一時的に差しとめる処分を行ったところであります。

 今後このような事案が発生しないように、私自身が全警察署に出向き改めて署長や幹部に対する指導や意見交換を行ったほか、今月開催いたしました県下警察署長等会議や副署長等会議等におきましても、私から職務倫理意識のさらなる浸透と厳正な規律の保持について指示をしたところでございます。

 また、警察官に必要な職務倫理の基本を公私において実践する教育を繰り返し行うこととし、警察学校における全ての研修において倫理教育を強化しております。

 県警察といたしましては、警察官としての職責の自覚を促すような効果的な倫理教育に一層努めますとともに、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現に向け、全力で取り組んでまいる所存であります。

 以上です。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 生駒市西松ヶ丘の盛り土問題について三点、質問をいたします。

 一点目は、こちらに隣接する住宅、七軒ほどございますが、非常に不安を持っておられる現状がございます。具体的な住民説明会は、きっちりとしたものは一回もなかったというふうに聞いております。センサーの設置、ボーリング等の説明、いただきました。そこらについても住民の方に説明会を持っていただきたいというのが一点でございます。

 二点目は、告発についてでございますが、県には奈良県砂防指定地等管理条例がございます。知事の解釈は、その趣旨をきっちり解釈されていないのではないかと私は思います。第三条に制限行為として、その二で、盛り土をする場合は制限行為という規定がございます。砂防指定地等管理条例に明確に違反をしておりますので、やはり告発すべきであった。そうでないと業者の社会的責任とか、また、この造成は何のためにしたのか。その真相すらはっきりわからない状態でございます。やはり告発について知事の見解を再度お聞きしたいと思います。

 三点目に、砂防災害対策の中で早急に調査し対応すべきだったという意見も出たというふうに聞いておりますが、また、その中で行政代執行や公共工事で対応する方策も検討されたということをお聞きしておりますが、その辺の議論につきまして少しお聞きしたいと思います。

 以上、三点でございます。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 一つ目は、近隣の住民の方が不安を持っておられるので事情を説明したらどうかというご質問でございます。

 今、調査をしておりますが、その近隣の住宅地の方の亀裂がどういう原因なのか、今後広がるのかどうかは、やはり調査をしやないかん対象になろうかと思います。しなければいけないという対象でございます。しやないかんという言い方が悪かったのかなと思いますけれども、しなければならないと思って調査を始めたばかりでございますので、この調査が少し進みますとご説明のできる内容になろうかと思います。

 具体的に申し上げますとセンサーは今、調査いたしておりまして、八月からボーリング調査を実施いたしますが、調査が終わり次第、まず速報的な報告をさせていただきたいと思います。調査が終わって分析、評価の期間でございますが、おおむね二カ月程度かかるものと思います。急ぎまして分析、評価が終了した時点で改めて報告させていただくということを考えております。そのような報告は、隣接する六軒のお宅にも直接ご説明させていただきたいと思いますし、地元の生駒市、県議会、報道機関、関係の皆様にもご説明をさせていただきたいと思っております。調査を終わり次第、速報的な報告をさせていただきますとともに、二カ月かけて分析、評価をして、終了した時点で改めて住宅地の方々をはじめ、生駒市はじめ、皆様方にご報告させていただくということでございます。

 二つ目は、告発しなかったことについての改めてのご質問かと思います。

 今までの砂防指定地、砂防法の内容が明治の古い法律でございますので、その法益がどんどん変化しているように思っております。傾斜地に住宅がたくさん建つようになりまして、人が住むようになりまして、砂防の土の移動が大変敏感な関心事になってきているように思います。そのような中で、砂防指定地ということになれば許可を得てしか、自分の所有地でも土を盛り上げたり土をとったりしてはいけないよということになっておるものでございます。

 無許可でそれをされた場合の行政対応の中で告発をどのような手順でするかということになりますが、今までは是正を中心とした指導を行ってきたのは再三ご報告したとおりでございますが、指導に従うと言って従われなかった経過も経験上出ておりますので、先ほど申し上げましたように、告発も当然視野に入れた指導、命令。命令がかかりますと命令違反ということで罰則も大変重くなって、今度の七月一日からの条例では命令違反という新たな罰則も入りますので、これを機に告発までも視野に入れ、告発は何かの罪になるわけでございますので、無許可の行為というだけではなくて命令違反があればその罪は大変重くなりますので、命令をして告発するといったような手順を、先ほどご紹介したとおりでございますが、この手順につきましては本年六月十七日でございますが、建設委員会にご報告させていただきまして報道発表させていただく予定にしております。繰り返しになりますが、告発も視野に入れた手順を考えていきますということでございます。

 三つ目のご質問でございますが、調査の結果、どうするのかということでございます。

 ボーリング調査を分析、評価をまずさせていただくわけでございますが、盛り土の安定性が不十分で、住民の生命・財産に被害が及ぶおそれがあり早急に防災措置を講じる必要があるという判断になりますれば、その対応を検討する必要がございます。

 まず行為者が行いました無許可の盛り土が原因であると特定されますれば、県が行為者にかわって対策を実行する、盛り土をはぎ取るとかという内容になると思いますが、行政代執行による対応ということが考えられると思います。これはするということを言っているわけではなしに、そういう対応も可能だと。

 もう一つのパターンでございますが、行為者が行った無許可の盛り土が原因でなく、従前からの地盤に起因があるものであるということに調査の結果なった場合どうするかということになりますが、そのような場合でも下流の住民の生命・安全に被害が及ぶおそれがあり、早急に防災措置を講ずる必要があると判断された場合には、例えば県単独の砂防事業による土石流の発生を抑制する工事等の対策を検討していきたいと思います。

 このような条件に当てはまりますと、県も多少仕事をする可能性がございます。この二つのパターンを視野に入れて現地の調査をしっかり行い、その結果を踏まえて適切に判断をしていきたいと思うところでございます。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) ちょっと質問と答弁が違うかなと思いますがその辺は再質問ですので。再々質問ということで、知事の発言をお聞きしますと、調査し危険ならば県として対応を考えていく。例えば、行政代執行も選択肢の一つというふうな理解でいいのでしょうか。そこをお伺いします。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) そのとおりです。



○議長(中村昭) 阪口保議員。



◆二十番(阪口保) そうしましたら、二点目の質問に入ります。ロゴマークについての質問でございます。

 実行委員会と水野氏は既に委託契約を結ばれていると思いますが、随意契約なのでしょうか。また委託契約料五百四十万円は、比較対照の問題もあると思いますが、以前、過去におきましては国民文化祭のとき、公募でロゴマーク、優秀作品賞一点五万円のときもございました。その比較対照して、知事はどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 随意契約でございます。

 それと、五万円のほうがいいのか五百四十万円では高いのかというのは、考え方だと思います。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 随意契約の場合、地方自治法施行令第百六十七条の二で制限がございます。そういう制限等がございますので、どういう法令の根拠に基づいて随意契約をされたのか、お聞きをしたいと思います。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今回の随意契約は当然ですが、従来から随意契約は法の範囲内で行うのは当然でございます。地方自治法施行令で、性質または目的が競争入札に適さない場合は随意契約によることができると定めております。本県では、随意契約の締結に関する取り扱い基準を定めておりますので、これに適用するかどうかということになります。実際の随意契約の主体であります国民文化祭実行委員会の財務規程がございますが、会計に係る手続は県の規定等を準用することになっておりますので、地方自治法施行令に基づく県の取り扱い基準に準拠した実行委員会の財務規程で行われたものでございます。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 過去におきまして、随意契約は官製談合の温床になったという歴史がございます。そこで、競争性のある入札をしていくというのは時の流れではないかと。そういう流れからいきますと今回の委託契約は逆行していると私は思いますが、いかがお考えでしょうか。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 随意契約は、全部競争入札にしなければいけないということは、今、議員もお述べになりました法の範囲内でということでございますので、随意契約もできるということでございます。流れというのがあるのかどうかわかりませんが、我々は法の執行の立場でございます。皆さんもそうでございますが、法の範囲の中で適切だと思ったら許されると思って執行するだけのことでございます。流れを判断してするわけではなしに、法の執行の範囲の中に入っているかどうかというのが一番大事で、それはまた議会のご監視のもとにあるわけでございますので、流れに逆行しているのは法の範囲でもいけないのではないかというご趣旨のご質問だとすれば、流れに逆行するかどうかは人の判断によりますし、法の範囲の中に入っているというのが流れに逆行するかどうかにかかわらず、当然大事なことだというふうにお答え申し上げておきたいと思います。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 奈良県の場合、過去、数年以上前、やはり官製談合というのが頻発に発生いたしました。私は知事に対しまして、談合で住民監査請求、そして提訴した経験がございます。大阪高等裁判所では損害賠償額の増額ということで勝訴いたしております。競争性がなければ委託契約に当たって契約料が高くなる。ただし知事がおっしゃったように、これが実際に随意契約が妥当なのか、また五百四十万円が妥当なのか、このことにつきましてはこちらも精査して考えていきますので、また開示請求等を通して調べていきたいというふうに考えております。

 続いて、超過勤務の縮減についての質問でございます。

 組織・人事管理責任者を置かれたということは、一つ私は前進していると思いますが、知事の判断として、この組織・人事管理責任者の機能が十分に機能しているというふうに考えておられるかどうか、そこの点につきましてお聞きします。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 超過勤務が意義のある超過勤務か、意味のない超過勤務かというのがとても大事なことでございます。働き方改革ということを考えていますが、おつき合い残業とか意味のない職務命令とかというのを避けるのが一番大事でございます。これには職員の時間管理という管理者がいる中でございますので、機械でみんな管理をするというのはあまりそぐわないのではないかなというのが基本的に議員との考えの違いにあるのではないかと思います。職員の働き方をいいようにマネジメントする、管理するということに取り組んでおりますが、その一番大事なのは、管理者のリーダーシップとコミュニケーションだと思います。その現場でコミュニケーションがよくできて、きょうの残業はこのためだよと。きょうの残業は阪口議員の答弁をちゃんと知事に早く届けるために残業するんだよと。こういうことをちゃんと意味がわかって残業してもらうというのが、悪い例でございましたが、失礼いたしましたが、そのようなことが、これは職員が喜んでしてくれる残業でございますので、そのようなコミュニケーションが管理者と職員の間にあるのがいい職場だと私は思っておりますので、今、この組織人事担当を置くので効果があると思っているのかということは、効果があるように期待しているものでございますし、コミュニケーションを図るということは、管理責任者がいない職場というのは、やはりいいようにも悪いようにもだらだらとしますので、よかったのではないか。これが効果を発揮すればいいのではないかなというふうに思っているものでございます。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 私の先ほどの質問は、やはりその効果に期待をして知事の答弁を質問した次第でございます。やはり私も、写真をお見せしたのは一枚ですけれども、夜、何回か県庁のほうには来ております。勤務実態を県職員の方からもお聞きしていますし、やはり県職員の疲弊がなくなり、働きやすい職場になることを願って質問している次第でございます。

 次に、北大和グラウンドと中央省庁の移転につきましては知事とはやっぱり見解が異なりますし、ただ、これにつきましては時間の関係で再質問はいたしません。

 最後の県警察につきましては、要望ということで終えておきたいと思います。

 県警察の大多数の職員は、県民のために私は頑張っておられると認識いたしております。警察本部長が答弁されたように、不祥事の再発防止対策を進めていただくとともに、県民のための警察活動に全力で取り組んでいただくことをお願いしておきまして本日の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、十三番森山賀文議員に発言を許します。−−十三番森山賀文議員。(拍手)



◆十三番(森山賀文) (登壇)議長のお許しを得まして、民進党会派より代表質問を行わせていただきます。

 その前に、このたびの熊本地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また、被災地等におきまして救援や復旧支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに、皆様の安全と被災地の一日も早い復旧をお祈りいたします。

 さて我が国は今、人口減少、巨額の財政赤字、経済の長期停滞という問題に直面しています。格差は拡大し、とりわけ子どもや若者が将来に確かな希望を持つことができない状況が続いています。このたび誕生いたしました民進党は、一人ひとりが大切にされ、安心して生活できる社会の実現に強い決意を持って取り組んでまいります。自由、共生、未来への責任、我々はこれらの旗を高く掲げ、力強く進んでまいります。

 本日は、ベストを着用させていただきました。新しい民進党会派は、県民の皆様の思いの色に染め上げ、育てていただきたいと白いベストを選びました。皆様のご理解をよろしくお願い申し上げまして、それでは、民進党会派として初めてとなる代表質問を行わせていただきます。

 まず、県域水道ファシリティマネジメントの今後の取り組みについてお伺いします。

 現在の水道が置かれている状況は、給水量の減少、あるいは施設の老朽化に伴う更新需要の増大、さらには技術者の不足といった課題を抱えており、年々その厳しさを増しています。奈良県内の水道も例外ではありません。給水量は平成十年度をピークに年々減少しています。県の予測では、今後もこの傾向は続くとされています。

 また県内の水道は、昭和四十年代ごろから整備が本格化し、その施設が今、更新時期を迎えつつあります。水道管などの耐震化も進める必要があり、耐震化を兼ねた施設の更新需要が増加の傾向にあります。さらに人員の削減や職員の高齢化により、簡易水道等の小規模の水道事業では技術者の不足が問題となっています。今後、規模の大きな水道でも、施設の更新に必要な技術者が不足すると予想されています。

 このような状況への対応の指針として、県において県営水道と市町村水道を一体として捉えた、県域水道ビジョンを平成二十三年十二月に作成されました。県域水道ビジョンでは、県域を県営水道エリア、五條吉野エリア、簡易水道エリアの三つに区分し、エリアごとに水道の課題への対応策を示しています。特に県営水道エリアは、県営水道と市町村水道との垂直連携により、施設更新の最適化を図るとされています。

 一方で平成二十五年四月には、念願であった県営水道の水源である大滝ダムが稼働しました。ことしも首都圏では既に渇水の心配が起こっていますが、本県においては長年悩まされていた渇水の心配がなくなり、県営水道の安定供給体制が確立しました。さらに大滝ダム稼働に合わせて県水道局は料金改定も実施し、一立方メートル当たりの単価を十円下げて百三十円とし、市町村ごとに定めた基準水量以上は九十円とする需要促進型の二段階従量料金制を導入しました。これは全国初の料金制度と聞いています。

 これら大滝ダムの稼働や二段階従量料金制の導入を背景に、現在、県では県域水道ビジョンのもと、県営水道と市町村水道の施設や人材といった水道資産を県域全体で最適化する県域水道ファシリティマネジメントに取り組まれています。私の地元、橿原市でも今年度より県営水道一〇〇%となり、今後、市の配水施設を再編し県営水道の送水体制も変更することで、県と市が連携して施設の最適化を図るとされており、これも成果の一つと考えます。

 さらに私は、県営水道一〇〇%の市町村においても県営水道との連携を強化することで、施設や人員といった水道の事業運営をより効率化できるのではないかと考えています。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県域水道ファシリティマネジメントにおいては、県営水道の資産をどのように活用して進めてこられたのでしょうか。これまでの成果と今後の取り組みについて、県営水道活用の視点からお聞かせください。

 次に、本県の林業及び木材産業振興について質問します。

 昭和五十五年をピークに木材価格は下落の一途をたどり、現在はピーク時の五分の一程度まで下落をしています。この価格では皆伐後の再造林のための資本が確保できず、放置される森林が後を絶ちません。県土の七七%を覆う森林を何とかよみがえらせようと、本県におきましても森林環境税の活用によって放置人工林の解消に努め森林の荒廃を防ぐこと、あるいは奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例及び同指針を策定するとともに、昨年七月には奈良県林業・木材産業振興プランを策定し、現在も奈良県の林業及び木材産業振興についての取り組み真っただ中であります。

 このゴールデンウイーク中、私は、机上ではなかなか伝わりにくい山林の現状を把握するため、関係者に同行させていただき、実際に人工林を育てている山へ足を運び、改めて説明を受けてまいりました。

 その現場では、切り捨て間伐により、本来搬出されれば柱やその他の用材になるであろう立派に育った杉やヒノキが無数に横たわっておりました。また手入れがなされていない人工林の中は、真昼というのに夜のとばりがおりたのかと思うほど光が遮られ暗い状態でありました。間伐材をなぜ利用しないのか尋ねますと、出材条件の悪いところにおいては、搬出に補助金を受けてもなお赤字になるような低価格の間伐材では、切り捨て間伐で補助金をもらうほうが赤字が少なくなるのでそうせざるを得ないということでした。そのような状態を何とか改善していくべく、これまで国が策定した森林・林業再生プランや条例等に基づき、懸命に取り組まれてきました。また昨年策定された奈良県林業・木材産業振興プランにより、一層の取り組みが進められているところですが、よい山をつくるために山主さんにはかなりの負担がかかっているということを改めて認識をしてきたところです。

 一方、森林整備の基本となる森林の境界線に関する問題も深刻化する傾向にあるようです。例えば、相続をしたが山林の所在すらわからない。あるいは十年前には確認できたが、今はよくわからないので隣接者に立ち会いを求めたが、お互いの主張が食い違って決められないといった境界線に関する問題は後を絶たないようです。これは、木材価格の下落で山への魅力や関心が薄れたことによることと、山村の過疎化や高齢化により山の精通者が不在となりつつあることが、主な理由とのことでありました。

 抜本的な解決策としては早期に地籍調査を行う必要がありますが、費用対効果が低いことと地元自治体の負担が大きいことから、県内では一部町村を除いて進んでいません。

 今年度、国においては温室効果ガス削減目標の達成に向け、森林吸収源対策等の推進に地方財政措置が行われたところです。この森林吸収源対策には、森林所有者や境界の明確化が対象となっており、その積極的な活用に期待がかかっているところです。

 このような国の事業を生かし早期に境界線を確定しないと、先ほど申し上げたように山村の過疎化や高齢化によって山の精通者がいなくなりますと、境界確定に多大な時間と費用がかかることになり、森林をよみがえらせることがより困難になると実感をいたしました。

 さらに森林の環境を健全に保つためにも、山で立派に育てた木をできる限り多く利用していくことが重要となると考えますが、本県ではこれまで公共施設の木造、木質化に取り組むとともに、個人の住宅での県産材利用に対する補助制度について、ここ数年で制度の周知が進み広く活用されてきていると聞き及んでおりますが、住宅着工数の減少や住宅様式の変化などを鑑みると、それだけではなく幅広く奈良の木のブランド力の発信を行うとともに、首都圏、京阪神、海外など、新たな販路開拓の取り組みに重点を置いていくことが必要ではないでしょうか。

 森林の果たす役割は大きく、水源涵養や土砂流出防止、水質浄化、CO2吸収など、公益的機能は私たちの暮らしにも大きく貢献しています。林業及び木材産業振興について意気にいく方法はないのでしょうか。

 そこで、荒井知事に質問します。

 奈良県の林業及び木材産業振興についての現状と今後の方針についてお答えください。

 次に、京奈和自動車道について、県土マネジメント部長に質問いたします。

 京奈和自動車道の御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ、七・二キロメートルの供用開始が、いよいよ来春に近づいてまいりました。和歌山県では阪和自動車道と結ばれるジャンクションの工事も進み、同時期に供用されると聞き及んでおり、この二つが供用開始されることにより、大和高田バイパスの橿原高田インターチェンジから阪和自動車道(仮称)和歌山ジャンクションまでの、実に約六十キロメートルが一気通貫で結ばれることになります。

 これまで当区間は部分供用が連続しておりましたが、今回の供用開始によって和歌山市から橿原市まで一本につながりますと、国道二四号の渋滞緩和や交通事故の減少、あるいは移動時間の短縮や定時制の確保などが大きく進みます。また、それによって和歌山方面からの集客がふえ、五條、御所、橿原を軸に、本県の商業、産業の活性化が期待できることはもとより、観光振興など、地域の活性化も大きく期待されるところであります。

 さて、そのように本県への経済効果に大きな期待が寄せられる一方、交通量がふえることによる渋滞や混雑に対する対策をどこまで同時に進めているのか。こちらも大切な課題であると考えています。

 例えば、橿原市北部においては現在、京奈和自動車道の大和区間、橿原北インターチェンジから郡山南インターチェンジまで部分供用がされておりますが、平日の朝夕、あるいは主に観光シーズンの週末などは、橿原北インターチェンジおり口での混雑が起きていることはご承知だと思います。事故渋滞は別にしましても、橿原北インターチェンジおり口で一キロメートル以上の渋滞に巻き込まれることもございます。橿原北インターチェンジへ通ずる一般道では、朝夕の混雑を避けるため生活用道路を抜けて京奈和自動車道を利用する車がふえ、抜け道沿いにある自治会では生活者の安全が脅かされるという心配にもつながっているのが現状です。

 また観光シーズンに入ると、マイカーで奈良・大和路へ観光に来られる観光客も多く、よりおり口付近の混雑が激しくなる、こういう光景がここ数年繰り返されております。御所南インターチェンジの開通後におきましても、国道二四号に通じる道路の交通量が著しく増加し、地域住民の生活にも大きな影響が出ていると聞き及んでおり、それぞれの段階で事前の対策を講じることがとても重要であります。

 さらには、奈良市内では名阪国道から国道一六九号、天理街道を通り、こちらの議会前を通り阪奈道路へと抜けるルートがあります。このルートは名古屋、大阪間を移動する割安ルートとして高速道路料金を節約するため奈良県を素通りするトラックなどが集中し、奈良公園周辺道路などに混入していることが課題となっています。本県は国土交通省に対し、料金格差により大型車が奈良市街地を通過する不都合な交通実態があるとして交通需要マネジメントを要望していると聞き及んでおります。

 話を戻します。来春に供用開始予定の橿原高田インターチェンジ以南の京奈和自動車道の約六十キロメートルの通行料金は、阪和自動車道のジャンクションまで無料ということもあり、今まで阪和自動車道、西名阪自動車道を利用していたトラック等が京奈和自動車道へ集中し、未整備区間である橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の橿原市内の周辺道路に混入するといった、先ほど例に挙げた奈良市同様の問題が起こり、これまで以上の著しい渋滞が起こらないでしょうか。また、橿原高田インターチェンジのおり口付近も著しい渋滞が起こるのではないでしょうか。渋滞緩和に向けた取り組みは同時に進んでいるのでしょうか。

 そこで、国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所のカウンターパートとして県下の道路環境対策を推進している県土マネジメント部長に質問いたします。

 未整備区間である京奈和自動車道橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間について、事業の進捗状況と今後の見通しはどのようなものなのか、また同区間が開通するまでの渋滞緩和対策についてどのように進めていくのかについてお尋ねをいたします。

 続いて、警察本部長に質問いたします。

 四月二日から四月四日にかけ、天皇皇后両陛下が神武天皇二千六百年式年祭の山陵の儀に臨まれるに当たり、あわせて地方事情ご視察のため、ご来県なされました。本県警察本部も最上位の警備体制を敷き、警護につかれました結果、無事、事件、事故も起こらずお過ごしなさることがかないました。また先月二十六日、二十七日に開催されました伊勢志摩サミットにおきましても先進七カ国の首脳が三重県賢島へ集結されました。隣の自治体ということもあり警備に努められました結果、こちらも全首脳が無事にお過ごしいただくことができました。あわせまして、それぞれ関係地域の住民の方々も関連する事件等に巻き込まれることはありませんでした。警備に努められた奈良県警察の皆様に感謝と敬意を申し上げます。

 さて昨今、高速道路における重大交通事故や逆走事案に加え、トンネル内での交通事故等が起こり、全国ニュースでも大きく報道されております。事故に遭われた関係者の悲惨さや、事故の影響による大渋滞による経済的な損失が大きな問題となっております。

 先に触れました来春から供用が開始予定されます橿原高田インターチェンジから(仮称)和歌山ジャンクションまでの約六十キロメートルの区間は、中央分離帯のない対面通行が続き、十一のトンネルもございます。そこで国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所との連携も含めまして、県警察ではこの区間の交通事故防止対策についてどのように取り組んでいかれるのか、質問いたします。

 次に県警察の、外国人観光客の安全確保に関する取り組みについて質問します。

 観光立国の実現に向けた政府の各種取り組みを受けて、我が国を訪れる外国人、いわゆる訪日外国人数は、平成二十五年に初めて一千万人台に達した後、昨年には二千万人に迫り急速に増加をしております。先般、政府は、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議において訪日外国人数の目標を、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年には四千万人、二〇三〇年には六千万人に増加させると上方修正したところであり、今後さらなる増加が見込まれます。

 このような中、日本各地の観光地では外国人観光客の誘致合戦が始まっており、文化財、伝統、自然、宿泊施設、温泉、日本食、免税の電化製品などを柱に据えて情報発信活動が行われております。本県においてもインバウンドを対象とした取り組みに力を入れている最中であり、昨年に奈良県を訪れた外国人は百万人を超えております。

 しかしながら、我が国の言語や制度にふなれな外国人観光客が増加すれば、道に迷ったり、落とし物をするほか、時には犯罪被害や交通事故に遭ったりして警察に助けを求めてくる機会もふえることと思われます。最近では、海外からの旅行者に対する接遇の総称として、おもてなしという言葉がよく使われておりますが、私はおもてなしの基盤は安全であると考えています。

 そこで、警察本部長にお伺いします。

 県警察では、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現を運営指針として各種施策を推進していただいておりますが、県民とひとしく急増する外国人観光客の安全安心を確保するため、どのような取り組みを進めているのか、お聞かせください。

 次に、公立高等学校教育のあり方について教育長に質問します。

 人口減少社会の中、県内高校生の数は減っています。平成元年前後では二万三千人近くいた公立高等学校進学者数が、平成二十七年は一万三千五百五人、実に一万人近い減となっております。平成二十七年度の小学校一年生が高等学校に入学する平成三十六年度においては、平成元年の数値の約半数になるとの見方もございます。

 こうした中で、近年、私学の頑張りは顕著で、カリキュラムの特徴化、生徒募集の多様化など、さまざまな努力が感じられます。一方、公立高等学校もより多様な期待に応えていく魅力的な取り組みがますます必要になってくると考えます。今後の時代の要請に応え、次代を担う有徳の人づくりの育成を目指し、今後、各高等学校が独自性を持たせていく取り組みがさらに必要だと考えます。

 例えば、東京オリンピック・パラリンピックを機に本気でスポーツ王国をつくろうとするなら、クラブ活動の充実はもちろん、スポーツ強化校を指定したりするなど、具体的な戦略があるべきと考えますし、国際化の推進を図るためであれば、例えばバカロレアのカリキュラムを導入する中高一貫校をつくることを検討できないかなど、時代に即応した高等学校経営を具体的に検討していくべきと考えます。

 高校生生徒数の減少が続くこれからは、今まで以上に戦略的に新たな将来計画を検討する必要があると考えます。生徒や社会のニーズ、公立と私立の高等学校が果たす役割等を十分に踏まえ、より人口が減少する地域の高等学校や学科のあり方、公立高等学校の一層の特色化など、従来の計画よりもさまざまな要因を視野に入れて慎重に検討することが重要であると考えます。

 もちろんこのような学校の特色化を推進するに当たっては、使命感が高い教員がどれだけ多いか、かつ、どれだけ生徒と接する時間をとり信頼関係を築けているかによるところが大であります。生徒数は減少しても教育課題が減るわけではありません。その中で生徒と接する時間を確保するためにも事務的な作業を効率化する対策を講じるなど、具体的な教員への支援策が求められています。

 さらに特色ある学校づくりのためには、施設設備の充実も欠かせません。ある公立学校では多額の予算を執行し大規模改修を行いながら、数年後には廃校してしまった例もあると聞いています。今後検討されるであろう県立学校の将来計画においては、再編を見据えて効率的な施設設備の整備改修等を行い、より充実した施設で生徒が学べる環境づくりを行うことが重要だと考えます。

 そこで、教育長に質問します。

 この先も生徒数の減少が続く奈良県立の高等学校において、今後どのような対策を講じることが重要だと考えておられるか、教育長の所見をお伺いします。

 加えて、教育長に一点要望いたします。

 教科書会社から検定中の教科書を教員に見せ、謝礼を受けていた問題がことしに入り大きく取り上げられています。これまでは義務教育の小・中学校の教職員が対象でしたが、先日、隣の大阪府において大阪府立の高等学校の教員も同様の謝礼を受け取っていたことが明るみになりました。私は、教育を受けていた生徒の気持ちを考えると残念でなりません。これは隣の大阪府内の公立高等学校においての問題でありますが、ひょっとしたら奈良県の先生にもと疑いを持ちつつ高等学校へ通う生徒がいるのだとすれば、それは一刻も早くそうではないことを伝えなければならないと思います。先生に対する疑心暗鬼が募り、信頼関係が薄れてしまうからです。先生方におかれましても生徒から誤解を受けることはつらいことでありますが、みずからの思いを個人的に伝えることも簡単ではありません。

 そこで、要望いたします。

 奈良県立高等学校に勤務されている先生方が生徒に対し、謝礼を受け取った先生は一人もいないということを正しく伝えるために、率先して明らかにすべきではないかと考えます。

 以上、要望とさせていただきます。

 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十三番森山議員のご質問がございました。

 一問目のご質問は、県域水道ファシリティマネジメントの今後の取り組みでございます。県営水道活用のご意見が述べられております。奈良県では、平成二十三年度に県域水道ビジョンというものを策定いたしました。奈良モデルの一環として県域水道ファシリティマネジメントということになりました。

 議員ご指摘の県営水道の資産の有効な活用は、県域水道ファシリティマネジメントの根幹に当たるところでございます。具体的には、市町村の老朽化した浄水場を廃止し水源を県営水道に切りかえる県水転換によって、奈良県全体の水道のファシリティが効率化するという目標でございます。各家庭に給水しております水道水全てを県営水道から受水しております県水受水率一〇〇%の市町村は、平成二十三年度の五市町村から、平成三十年度過ぎには十五市町村になり、さらに三市町が自己水の一部を県営水道に転換する予定でございます。その結果、市町村の十五カ所の浄水場が廃止となり、要らなくなり、施設更新に係る負担が丸々削減されることになります。

 こうした経営の効率化効果をさらに大きなものにすべく、県水転換と組み合わせて市町村水道の広域化を進めております。具体的な取り組みといたしまして、川西町、三宅町、田原本町の磯城郡三町に施設共同化案を提案いたしました。三町の老朽化した浄水場を廃止することに加えまして、配水池を田原本町に集約することにより、施設更新に係る費用はトータル百十億円から四十三億円に激減する見込みでございます。

 さらに、県営水道の圧力で配水する直結配水も導入して配水に係る費用が削減されます。県営水道は割と高位の、高いところから配水されますので、ポンプアップをしなくても自然流下による圧力を利用できるという面がございます。三町の同意も得られ、今後は広域化に向けた具体的な作業に入ろうとしております。

 県営水道の給水区域外の五條・吉野エリアにつきましては、県営水道の持つ水源の活用を基本に、県営水道も加わって広域化案を検討中でございます。簡易水道エリアにおきましても浄水施設の管理方法など、県営水道の技術力を活用した技術支援モデル事業を昨年度から実施しているところでございます。

 今後の取り組みについてでございますが、さらに県域水道ファシリティマネジメントを進めていくためには、議員がご示唆されました県営水道と市町村水道の一層の連携強化が極めて重要と考えております。

 その形といたしまして、水道用水供給事業であります県営水道と、それを受水する市町村水道の統合が一つの有望な方策と考えております。統合による効果といたしましては、施設の共同化や業務の共同化のみならず、スケールメリットから包括アウトソーシングも可能となり、包括して一体的に外注をするという方策も可能になり、業務の一層の効率化が見込まれるものでございます。

 また、今後最も大きな負担となります管路の更新、耐震化についても、県と市町村が一体となることで投資コストの最適化や計画的な実行につなげていくことが考えられます。

 さらに水道事業者ごとに必要な人材を確保し続けることは困難な状況にございますので、水道を技術面、経営面双方から支える人材を県と市町村で分け隔てなく集約・確保することにより、県域水道の安定した運営につなげていくことが期待できます。

 県といたしましてはこのような形の連携強化を通じまして、地域での統合も視野に入れた連携強化を行いまして、統合型の組織のもとで県が市町村を下から支えるという将来像を視野に入れまして、統合による運営面でのメリットや県営水道の経営への影響などの検証を踏まえて県域水道の目指すべき姿の検討を深めてまいります。奈良モデルの水道版ということになりますが、南和の広域病院の成功のパターンがございますので、県域水道においてもそのようなことが可能かどうかの実験ということにもなります。

 あわせて具体的な取り組みといたしまして、直結配水の拡充や、県営水道調整池の市町村の利用、施設整備に係る財源確保など、県営水道の資源やノウハウの活用を進めていきたいと思っております。

 林業及び木材産業振興についてのお問い合わせがございました。

 林業及び木材産業の振興につきましては、昨年策定し県議会でもご承認いただきいただきました奈良県林業・木材産業振興プランが基本となっております。その中におきまして、高級材だけを選んで出す従来の林業から、建築用材である根っこのA材、集成材などに使う真ん中のB材、パルプ・チップ用材である先っぽのC材の全てを森林から搬出して多用途に供給する林業への転換を政策目標に掲げております。そのような政策を実行するために、マーケットで言いますと川上と川中と川下での三つの段階での取り組みを視野に入れた、連携した総合的な取り組みを進めようとしております。

 この川上の分野、生産地におきましては、素材生産力の拡大が必要でございます。本県の急峻な地形や地質に合った壊れにくい奈良型作業道の整備や林業の機械化など、素材生産基盤の強化が必要でございます。

 また施業の拡大といたしましては、林内に放置されております間伐材の利用の促進が必要でございますため、搬出経費の助成対象をA材のみからB材、C材へ拡大するとともに、架線集材の拡大など低コストで簡易な搬出方法の導入促進を図るべきと考えております。

 あわせまして集約化による林業施業の拡大を図るためには、平成二十二年度から平成二十七年度にかけまして、約二千四百ヘクタールの森林の境界明確化に取り組んでまいりました。公共的な施業方式を導入するためには、境界の明確化が不可欠でございます。

 ことし五月には森林法が改正されまして、平成三十一年四月までに市町村が森林の所有者や所在等の情報を林地台帳として整備、公表することになりました。県といたしましても市町村が行う台帳整備に必要な協力を行っていきたいと考えておりますが、極めて大事な作業でございますので、市町村の奮闘、努力を期待するものでございます。

 川中の対策でございますが、A材、B材、C材全ての受け皿として競争力のある木材産業を構築する必要があるわけでございます。そのため大規模製材工場と素材生産事業者のマッチングが必要でございます。また、産直住宅の取り組み強化や集成材の原料となります県産材ラミナというのがございますが、その供給拡大などに取り組んでいるところでございます。

 また川下でございますが、県産材製品の流通拡大の実現のために県産材のブランド力向上や、首都圏や海外での販路開拓、公共建築物や一般住宅での利用促進、オフィス家具や贈り物など建築物以外での利用拡大や木質バイオマスの利用拡大など、売れる製品、売り方を研究して販路拡大に取り組んでいきたいと思っております。

 議員から奈良の木のブランド力の発信、新たな販路開拓についてご意見をいただいたところでございますが、今年度、奈良の木のブランド発信力のツールといたしまして、県産材の魅力を集約したポータルサイトを整備し、一般ユーザーにダイレクトに発信をしていきたいと思います。

 さらに新たな販路開拓につきまして、首都圏においてこの七月下旬から八月下旬まで、東京お台場で開催されます新しい時代の暮らしのあり方を提案する展覧会、ハウスビジョン二〇一六東京展という大変大きなイベントがございますが、そのメーンホールに県産材を用いたモニュメントを展示させていただくことになっております。大々的な県産材のPRの場所になります。

 海外販路開拓につきましては、アドバイザーとして委嘱した市場、業界の動向に精通した専門家の方の知恵をおかりしながら進め、来月には木材海外販路開拓セミナーを橿原市で開催するなど、重点的に取り組んでいきたいと思います。

 このように川上から川下まで、またA材からC材までの取り組みを通じまして奈良県林業、木材産業の振興を図っていきたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございます。残余は部長、関係者がお答えをさせていただきます。



○議長(中村昭) 県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には、京奈和自動車道、橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の事業進捗と、当該区間、開通するまでの間の渋滞緩和対策についてお尋ねがございました。

 奈良県内の京奈和自動車道につきましては、もう既に議員お述べいただきましたけれども、今年度、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの間七・二キロメートルが供用予定でございます。これによりまして整備率も五〇%から六五%に向上する見込みでございます。

 また今年度は、和歌山県内でも岩出根来インターチェンジから阪和自動車道までの間六・五キロメートルが供用予定でございます。和歌山県内の全線がつながってくるということになってまいります。このため西名阪自動車道から阪和自動車道の間、約七十六キロメートルございますけれども、この間に残る京奈和自動車道の未開通区間は、議員ご指摘の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジの間四・四キロメートルのみということになります。

 この橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の用地の買収状況でございますけれども、九割以上の進捗状況となっておりますので、昨年度からこの区間の平成二十八年度、今年度の工事着手といったものを最重点要望事項といたしまして、国に積極的に働きかけをしてまいりました。

 この結果、本年四月に公表されました国の事業計画では、今年度工事に着手するとされてございます。工事促進のためにも早期に用地買収を完了させることが必要であると考えておりまして、この区間に虫食い状に残っております用地を一日も早く解消するため、県といたしましても国や地元の橿原市、大和高田市とともに、積極的に地元調整、あるいは用地交渉に参画してまいりたいと考えておりまして、現在国と、交渉に着手する対象、あるいは実施体制といったものについて調整を進めているところでございます。

 また、京奈和自動車道の供用区間が伸び交通量がふえるにつれ、ご指摘の区間における国道二四号の渋滞は増加傾向にございます。従来にも増して渋滞緩和への取り組みといったものが重要になってくるのは、議員ご指摘のとおりでございます。

 これまでも中和幹線との交差点でございます土橋町南交差点におきまして、中和幹線に右折車線を設ける、それを延伸するといったような対策を講じてまいりましたけれども、この交差点のさらなる処理能力の向上に向けまして交差点を拡幅して左折車線を追加するといったような対策を現在検討しているところでございます。

 国に対しましても、県が取り組む左折車線の設置と一体的になって交差点改良をできないかといったことを今、検討をお願いしているところでございます。今後、関係機関とも協議を進めまして、今年度中に具体的な計画として煮詰めてまいりたいというふうに考えてございまして、来年度から、できれば必要な用地の取得に着手をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、この先も生徒数の減少が続く高等学校において、各高等学校に独自性を持たせるためにどのような対策を講じることが重要と考えているのかとのお尋ねでございます。

 生徒数の急激な減少に対応するために、平成十六年度から五年間で実施をいたしました県立高等学校の再編計画により、県立高等学校四十三校を三十三校に再編をし各学校の特色化を行うことで、魅力と活力ある学校づくりを推進してまいりました。

 その後も時代や地域の実情に応じて見直しを行い、青翔高等学校に併設する県立中学校の開設や、二階堂高等学校に一年生全員がインターンシップを行うキャリアデザイン科を設置するなど、さらなる特色化を推進をいたしております。

 議員ご指摘のとおり、今後も生徒数の減少が進む中で本県の教育振興大綱に位置づけられました高等学校教育の質の向上を実現するためには、県立高等学校の配置及び規模の適正化を検討する必要があると考えております。検討を進めるに当たっては、全県的な視野に立ち地域の活性化に資するための学校の規模や配置の議論が必要であり、部活動もございますけれども、まずは実社会に役立つ教育内容で学校が独自性を発揮することが大変重要であると考えております。

 また、生徒が社会で生きていくためには、高等学校の卒業から就労への円滑な接続が不可欠でございます。このため、知事部局の産業及び雇用行政担当課と合同で部局間プロジェクトチームを設置をし、高大職の接続のあり方について検討を始めたところでございます。

 一方、高等学校教育の質の向上を図るためには、教員が教育に専念できる環境づくりや、安心安全で質の高い教育環境の整備なども欠かせません。これらを含めた総合的な視点を持ちながら、県立高等学校のさらなる特色化に向けて検討を進めてまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には二つのお尋ねがありました。一つ目のお尋ねは、京奈和自動車道の対面通行区間における交通事故防止対策についてであります。お答えいたします。

 京奈和自動車道につきましては、県内では平成二十九年三月に御所南インターチェンジから五條北インターチェンジまでの区間が供用開始されることにより、橿原高田インターチェンジから(仮称)和歌山ジャンクションまでの全区間において暫定二車線で供用されるものと承知しております。

 この区間につきましては議員お述べのように、対面通行により発生が懸念される正面衝突事故や、トンネル内における多重事故、逆走に伴う事故などを防止するため、インターチェンジにおける最高速度規制や追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止等の交通規制を実施する予定としているほか、道路管理者たる奈良国道事務所に対しましても、交通安全施設や分離施設の整備につきまして強く働きかけているところでございます。

 県警察といたしましては、今後、供用が開始されることになる部分はもとより、現在供用されている部分につきましても、奈良国道事務所との合同による現場点検や各種交通安全施設等の整備につきましての協議を十分進める等、交通事故防止に努めてまいりたいと考えております。

 次に、二つ目のお尋ねでありますが、急増する外国人観光客の安全安心を確保するための県警察における取り組みにつきましてご答弁申し上げます。

 現在、県警察が外国人観光客からの届出や対応の面で頻繁に取り扱うものといたしましては、遺失届、拾得物の受理、地理教示などが挙げられます。このような状況が発生した際には、警察官とその外国人観光客の方がイラストを指差し合いながら意思疎通を図るコミュニケーション支援ボードというものを各交番やパトカー等に配付しておりますので、これを効果的に活用しているところでございます。

 また外国人の方から緊急時の一一〇番通報を受理した際には、必要に応じて当該外国人と一一〇番通報を受理した通信指令課職員と、それから通訳人とが三者で通話することが可能なシステムとなっております。

 また軽微なトラブル、体調不良、迷子等の相談を受理した際に通訳人を介することが困難な場合には、英語、中国語、韓国語等の言語に対応した通訳オペレーターが電話を介して聞き取りを行う奈良県・多言語コールセンターを活用するなど、対応を充実させているところでございます。

 また本年二月には、奈良県猿沢インにおきまして、外国人観光客に英語と中国語で表記された啓発資料を配布し、犯罪被害への注意喚起、緊急時の一一〇番通報に関する啓発活動を実施しているところでございます。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等を背景に、本県を訪れる外国人観光客の急速な増加が見込まれる中、外国人観光客の方も安全で安心して奈良を訪れていただけますよう、関係機関や団体、業界等とも連携しながら、外国人の方からの被害の申告や相談等にも迅速・的確に対応できる態勢をこれまで以上に充実させてまいりたいと考えているところでございます。

 以上です。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 十三番森山賀文議員。



◆十三番(森山賀文) 知事をはじめ、理事者の皆様、ご答弁ありがとうございました。

 県域水道につきましては、奈良モデルの水道版という表現もありましたけれども、まさにそのとおりで、このたびからまた進められていく磯城郡の三町の取り組み、先進的な取り組みになると期待をしております。この取り組みを、推移を見守っていきたいと思っております。それがうまくいったら、また市単位で連携できることも見えてくるのではないかなと思います。スケールメリットをはじめ、いろいろ期待ができることが多いと思いますので、ぜひ成功するようにこのまま進めていただきたいと思います。

 少しまだ時間がありますので、京奈和自動車道のことについてもう少し詰めていきたいと思うのですけれども、これは県が直接工事をしているわけではありませんので、渋滞についても連携をとるという、渋滞緩和対策についても連携をとるという答えしかできないと思いますけれども、先ほどの答弁の中では交差している中和幹線の交差点の改良とか、そういうことはわかりましたけれども、僕は実際に気になっているのは、ここのちょうど県庁の前の道がそうであるように、大型トラックでも乗用車でも、本来高速道路を通ったら早く行けるけれども回り道をすることによって経費を節約することができるというような車が、ここの前をたくさん走っているということと同じようなことで、京奈和自動車道が、六十キロメートル無料ですから、経費節減のために回ってくる車がたくさんあるだろうなということは大体想像はできているのですね。そうした場合に、あそこは今、橿原の最後の工事の未着工部分が残っていますけれども、その手前に行くところで一旦下におりなければならないのですね。そうしたら、そこの信号の渋滞は、これ、どういうふうになるのかとか、具体的にここはかなり激しくなるのではないかなということは想像がつくのですよ。本来であれば大和高田バイパスと先に道だけつなげていくというようなことができればよかったのですけれども、それは今さら言っても遅い話ですから無理ですけれども、そこの混雑がまずどうなるのかなということをこれから進めていかないと、来年春になったときに本当に大渋滞が恒常的に起きてしまうのではないかなという心配をしていますので、ぜひ奈良国道事務所と連絡をとって、その混雑ができる限り緩和できるようによろしくお願いしたいと思います。本当に大渋滞になるのではないかなと心配しています。

 それともう一つ、警察本部長に対してですけれども、現在の京奈和自動車道の事故が起きたときの対応というのは、事故の起きた場所の最寄りの警察が所管しているというように聞いているのですけれども、今度、新しい道路が一つにつながると、当然、高速道路に近い状態ですから高速で走る。事故がないように願いますけれども、万が一起きたときには大きな事故につながる心配というのが非常にあると思います。多重事故とか車両火災とか、そういうことがある可能性も大ですので、起きた場合にはいち早く事故処理をしていただく必要が大きいと思います。そのためには今のような体制よりも高速道路専門に対応していただける体制ですね、専門部隊の体制を、高速警察隊といいますか、そういう体制を敷いて、万が一のときにはいち早く事に当たっていただけるような対応をご検討いただきますように、これは要望させていただきたいと思います。

 以上で、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時九分休憩

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△午後三時二十四分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十五番岡史朗議員に発言を許します。−−十五番岡史朗議員。(拍手)



◆十五番(岡史朗) (登壇)それでは、議長のお許しをいただきましたので、公明党を代表して質問をさせていただきます。

 去る四月十四日から四月十六日にかけて発生いたしました熊本地震では、多くの方々がお亡くなりになり、今も数多くの方々が避難生活を余儀なくされておられます。ちょうどきょうは発災から二カ月目でございます。お亡くなりになられました方には心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方の生活が一日も早くもとの生活に戻れますようお祈り申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、女性の活躍推進についてお伺いいたします。

 急速な少子高齢化による労働者の減少や経済の停滞を解決し、豊かで活力ある社会を実現していくことは我が国の喫緊の課題となっております。そのためには、女性がその能力を十分に発揮し活躍することが不可欠であります。

 県におかれましては、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法に基づく推進計画として本年三月に、奈良県女性の輝き・活躍促進計画を策定されたところであります。本計画の策定に当たって知事は、女性の輝き・活躍を妨げている課題を女性のライフステージごとに抽出されました。その上で男女ともの意識・考えを変えるマインド面の改革、女性の活躍の場を拡大するフィールド面の改革、女性のスキル・能力を高めるスキル面の努力、女性の健康、生活環境等を改善するライフ面の配慮の四つの観点から、解決の方途と今後の取り組む施策を体系化するという斬新な手法を用いられたところであります。また、この手法を他の施策分野の課題抽出と解決施策検討にも適用、応用されていることを高く評価するものであります。

 一方、女性の活躍の一つの指標である就業率について見ますと、奈良県では平成二十二年の国勢調査では六〇・九%と、平成十七年の五八・〇%よりは改善しているものの、今なお全国最下位となっているわけでございます。

 この原因の一つとして、子育て期間中の就業率が落ち込む、いわゆるM字カーブの谷が特に深くなっていること、これは年代別の女性の就業率から見て第一子出産を機に離職する女性が多いことが影響していると考えられます。また平成二十四年の就業構造基本調査結果を見ましても、働きたいという希望を持っている女性の数と実際の女性就労者数との差はまだまだ大きい状況にあります。

 このような現状への対策を講じ女性に一層活躍していただくことは、本県が持続的に発展していくための最重要課題であると考えます。また女性が社会で活躍するには、男女ともに仕事と生活の調和が図られるよう環境を整えていくことが必要であります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 女性が活躍する社会の実現に向け、本県の現状を踏まえ今後どのようなことに重点的に取り組んでいこうとされているのか、お聞かせをください。

 次に、県立医科大学及び周辺のまちづくりについてお伺いいたします。

 このテーマについては、私はほとんど毎回質問させていただいております。橿原市政始まって以来の大プロジェクトとなるであろうこの事業は、何としても実現させていただきたいからであります。それは県民、市民の生活と命を守るためには、今やっておかないと後世に悔いを残すと思うからであります。橿原市においては新しいホテルを建てるよりも、本庁舎の建てかえ問題とあわせて、この事業ははるかに優先されるべき課題であると強く考えるものであります。

 それでは初めに、県立医科大学の新キャンパス整備についてお伺いいたします。

 新キャンパス整備については、平成三十三年度中のオープンを目指し、地域に貢献できる医師や看護師を志す学生らが最高の環境で学べるよう、また学生や研究者、医療関係者や地域住民等が交流できる環境となるように、荒井知事のもとで検討が進められていることと思います。その中で、よりよいキャンパス整備ができるように現農業研究開発センター敷地に加え、現在は周辺の民有地の買収を進めていただいていると聞いております。

 現在の県立医科大学の施設は老朽化が進んでおり、スケジュールがおくれることなく整備が進められることは必要不可欠であります。そのためには、平成三十三年度中のオープンを目指すということであればスケジュール的にまずは早急に用地買収を済ませ、キャンパス用地を確定する必要があると考えます。それにより、これまでご検討いただいたキャンパスの整備を具体的に進めていけるのではないかと私は思います

 そこで、知事にお伺いいたします。

 現農業研究開発センター敷地における県立医科大学の新キャンパス整備の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。

 次に、医大新駅についてお伺いいたします。

 昨年九月議会での代表質問で、県立医科大学付近における近鉄橿原線の新駅設置に向けた取り組み状況について質問をさせていただきました。知事からは、知事みずから近畿日本鉄道株式会社と交渉いただき、近畿日本鉄道株式会社も駅設置についての応分の費用負担をするという合意を得て協議を開始したと答弁いただきました。念願の新駅設置に向けた大きな第一歩であると感じております。ただ近畿日本鉄道株式会社からは、新駅を設置する場合には近鉄八木西口駅を廃止したいとの考えが示されたとも答弁いただきました。その後、橿原市と近畿日本鉄道株式会社を含めた三者での会議により検討を進めているとお聞きしているところであります。

 しかし検討が具体的に進展するためには、地元住民に大きな影響を与える近鉄八木西口駅の存廃の議論が必要と考えます。本来、地元の橿原市が考えることであると思いますが、今のところ橿原市のほうには特段動きがないように見えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学付近における近鉄橿原線の新駅設置に向け、近鉄八木西口駅の取り扱いについてどのように考えておられるのかをお伺いいたします。

 また新駅実現のためには、橿原市が県立医科大学周辺のまちづくりについて積極的に取り組むよう県としても働きかけるべきと考えますが、あわせてお伺いをいたします。

 次に、現在の大学の教育、研究部門の移転後の跡地がどのように活用されるのかをお伺いいたします。

 大学の教育、研究部門の移転後の跡地のうち、大和高田バイパスより南側のエリアにおけるまちづくりについては、昨年九月議会の代表質問で質問をいたしました。知事からは、具体的な施設としては例えば、医療と介護を一体的に行う高齢者施設など、病院がそばにあるという立地を生かした施設、新駅ができることによる利便性を生かした施設などが考えられると答弁をいただきました。

 あれから半年余りが経過しましたが、大和高田バイパスより南側のまちづくりエリアについて、現在どのような検討がされ、今後どのように進めようとされているのか、まずはお伺いをいたします。

 また現在の県立医科大学の教育、研究部門の移転後、大和高田バイパスより北側のエリアに生じる跡地についてはどのような施設を整備されようとしているのか、あわせてお伺いをいたします。

 次に、地域医療連携について、知事にお伺いをいたします。

 少子高齢化が急速に進み、医療需要がさらに増加することが見込まれる中、県民が持続的に適切な医療を受けられるようにするためには、地域の医療資源を効率的かつ効果的に活用していく必要があります。地域の急性期病院、回復期病院、かかりつけ医などの医療関係者による役割分担と連携が今後一層重要になると思われます。

 さて、本年四月十三日、私ども公明党県議団は、市立函館病院を訪問いたしました。調査の目的は、地域医療連携の先進地の状況を学ぶことでありました。当日は、市立函館病院の医療連携課の皆様と懇談をしてまいりました。当該病院では、平成二十年一月に道南地域医療連携協議会を設立し、四十三の病院・診療所・介護老人保健施設・保健所が参画、平成二十三年九月にNPO法人として認定を受け、平成二十六年三月より地域連携が開始されました。この事業は道南地域医療連携システム、道南MedIkaと呼ばれているものであります。MedIkaとは、ID−Linkシステムを利用し診療情報を共有するもので、道南地域医療連携協議会が認めた医療、介護、福祉等の施設間で診療情報を共有する地域医療連携システムであります。

 このシステムが十分機能すれば、治療の迅速化、重複投薬の防止、さらには医療費の削減効果も大いに期待できるものと確信をいたしました。

 本県においても既に紹介状などにより連携されておりますが、その多くが紙媒体により行われているため、このようなICTを活用すればより効率的な連携が可能になると考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 地域医療連携を充実させるためには、ICTを使った病院と診療所の連携が有効と考えますが、本県の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。

 次に、介護認定について健康福祉部長にお伺いをいたします。

 介護保険制度が施行された平成十二年には一七・三%であった全国の高齢化率は、平成二十七年には二六・七%へと上昇いたしております。一方、本県では人口減少に転じている中で、高齢化率は平成十二年の一六・六%から平成二十七年には二八・一%へと上昇し、全国平均よりも早いペースで高齢化が進展をいたしております。

 このような中、持続可能な社会保障制度改革を推進することを目的として、平成二十六年六月に公布された医療介護総合確保推進法に基づき、介護保険制度の改革が進められているところであります。その一つとして平成二十七年四月から、特別養護老人ホームなど入所施設への入所基準は原則として要介護三以上となりました。また、要支援一、二の人を対象とする訪問介護・通所介護サービスについては、早い地域では平成二十七年四月から、遅い地域でも平成二十九年四月からは、これまで全国一律の予防給付であったものが市町村が実施する地域支援事業の中で実施することとなっております。

 新たな制度においては、特別養護老人ホームへの入所については、要介護二であるか要介護三であるかということが、他の介護サービスを利用されている方々にとっても要介護であるか要支援であるかということが大きな問題になると考えます。この制度が県民の皆様の信頼を得て持続可能なものとして継続していくためには、各市町村が実施する要介護認定が適正に行われることが非常に重要なポイントとなります。

 介護認定については市町村等が設置する介護認定審査会において、認定調査員による調査結果及び主治医意見書に基づき保健、医療、福祉の専門家等で構成される委員の合議により審査、判定が行われます。しかしながら、介護認定にかかわる認定調査員の理解度、主治医意見書の記載内容、市町村職員の適正な認定に対する意識等に差があることにより、結果として地域間で認定結果に差異が生じているのではないかと懸念をいたしております。

 もちろん各市町村における高齢化率の違いや介護予防等への取り組みによっても要介護認定率には差異が生じると考えられることから、要介護認定率の高い・低いだけを捉えて一概によい・悪いの判断はできないと考えますが、同じ状態の人であればどの地域に住んでいても同じ認定結果を得ることができなければ介護保険制度に対する県民の信頼を得ることはできません。そのため高齢化率や要介護認定率など、地域の現状を市町村が客観的に把握しみずからの立ち位置を知ることも要介護認定の適正化、ひいては介護保険制度の適正な運営につながるのではないでしょうか。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 介護保険制度が県民の信頼を得て円滑に運営されるためには、要介護認定が適正に行われることが非常に重要であると考えますが、各市町村における要介護認定が適正に実施されるよう、県はどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。

 次に、高等学校段階におけるインクルーシブ教育の推進についてお伺いをいたします。

 平成二十三年八月に施行された障害者基本法の一部を改正する法律では、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することが目的として掲げられております。

 共生社会とは、必ずしも十分に社会参加ができるような環境になかった障害者が、積極的に参加、貢献していくことができる社会です。誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型の社会を目指すことは、我が国において最も積極的に取り組むべき重要な課題であると考えます。

 折しも本年四月から、県立高等学校に高等養護学校の分教室が設置されました。分教室での学習が実際に始まり、ある分教室では通学する生徒の人数は少ないものの、高等養護学校の生徒は高等学校の専門的な施設で毎日意欲的に授業に参加しているとお聞きをいたしました。またある分教室では、高等養護学校生が高等学校のクラブ活動に参加し高校生と一緒に練習しているとのことでもありました。

 分教室での学習が始まるまでは保護者の中には不安の声もあったようですが、生徒同士が生き生きと学習しているとお聞きし、共生社会の実現に向けた新たな第一歩を踏み出すことができたのではないかと考えます。

 障害のある生徒にとっては将来の自立が最も重要であり、分教室で学ぶことでどのような効果が得られるのかを明らかにすること。また高校生にとっては、単に同じ場所で学ぶということではなくインクルーシブ教育としてともに学ぶことを通してどのような力を養うのか。そして、そのためには教職員がどのような仕掛けをしていくかが、この分教室構想の成功につながるのではないかと考えます。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 高等学校における高等養護学校の分教室の取り組みの状況と高等学校段階でのインクルーシブ教育の推進について、今度どのように取り組んでいかれるのか、その方向性をお伺いいたします。

 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初は、女性の活躍推進についてのご質問でございます。本県の女性の活躍促進は本県の最重要課題だと認識をしております。女性が社会で活躍し充実した幸せな生活を送っていただくために、本年三月に奈良県女性の輝き・活躍促進計画を策定いたしました。男女ともライフステージの各段階で、多様な選択肢の中からみずからの道を選択できる社会の実現を目指しております。手法として、マインド、フィールド、スキル、ライフ、四つの切り口を考えながらの施策追求でございます。

 その中でも議員お述べのとおり、女性の就業率を向上させ働く場を創設することは、女性が活躍する社会の実現に向けての大きなファクターであると考えております。

 そのためには、まず女性が長期間就労を継続できる環境を整えるとともに、結婚や出産等で離職、中断しても、希望する時期に再就職ができるような支援環境を整備することが重要でございます。

 そのためには企業のマインドを変えることも重要でございますし、長時間労働の削減や短時間勤務の導入、テレワークなど、多様で柔軟な働き方の推進も必要かと思っております。

 本県では、平成二十六年度から企業に社会保険労務士などを派遣して、働きやすい環境づくりを働きかけてまいりました。女性活躍に向けた目標設定や具体的な取り組みを発見して実行し続けたいと思っております。

 働く場の確保でございますが、身近なところに職場をふやすことが喫緊の課題だと思います。職住近接の働く場を実現するための企業誘致や翻訳者としてのテレワークの導入など、本県の女性の高い潜在能力に着目した起業支援などにも引き続き力を入れ、効果を発揮できるように取り組んでいきたいと思います。

 県が発注いたします公共事業における新たな取り組みといたしましては、女性土木技術者の活躍の場の拡大という考え方から、今年度より土木工事の総合評価方式において女性技術者の配置を加点評価する、プラスに評価する女性チャレンジ評価型の入札方式の試行を開始したいと思っております。

 さらに学生時代から将来に向けた就労意欲を養っていただくため、女子学生への働きかけをしていきたいと思います。今年度は県内大学と連携してキャリアデザインを描いていただく取り組みを進めるとともに、県内企業へのインターンシップ制度の活用により一人でも多くの女子学生を県内就労に結びつけたいと思います。学と職場の接続という観点でございますので、これは決定的に大事な分野だと思っております。

 このような取り組みを県が中心となって、市町村、県内企業、教育機関等とも進め、本県の女性活躍の一層の推進に取り組んでまいる所存でございます。

 県立医科大学及び周辺のまちづくりについて、幾つかご質問がございました。

 最初は、新しく移転いたします新キャンパス整備の進捗状況についてのご質問でございます。県立医科大学の新しいキャンパス整備については、平成三十三年度中のオープンを目指して、現農業研究開発センター敷地に移転、整備する予定でございますが、昨年度には用地の境界確定や測量をおおむね完了いたしました。並行して行っています埋蔵文化財の試掘調査や土壌汚染調査についても現在まで順調に進んでおります。

 また新キャンパスの予定地であります農業研究開発センターは敷地が不正形でございますので、施設の配置計画上の制約を極力減らした上で、長期的視点に立ったキャンパス整備が行えるように、少し拡張した用地の買収を行っております。

 買収の対象としている土地といたしましては、橿原市四条町地内の宅地や水田など、約三・三ヘクタールでございます。現在、土地等の評価額を地権者に示させていただきまして用地買収の交渉を進めておりますが、既に承諾いただいている地権者の方もおられますし、あまり気が進まれない方もおられるように聞いております。地権者の皆様に承諾いただけるかどうかを見きわめまして、今年度中、できるだけ早い時期に新キャンパス用地を確定し、今年度中にキャンパスの配置計画の概要をお示しすることができるよう取り組んでまいりたいと思います。新キャンパスの用地の確定とともに、道路をどのようにするのか、校舎をどのようにするのかといったようなレイアウトの確定に今年度中、取り組めたらと思っております。

 二つ目は、新駅の設置に向けての近鉄八木西口駅の取り扱いについてのご質問でございます。

 県立医科大学付近に計画しております新駅につきましては、県立医科大学及び周辺のまちづくりのためには大変重要なインフラであると思います。近畿日本鉄道株式会社からは、駅舎整備について応分の費用負担の合意をいただいたのは、議員ご指摘のとおりでございますが、現在、橿原市を含めた県、近畿日本鉄道株式会社、三者で前向きに協議を進めているところでございます。

 その中で、近畿日本鉄道株式会社からは、新駅は近鉄八木西口駅の移設という形にしてもらいたいと言われております。二駅併設でないようにということでございます。これは駅の維持管理費もさることながら、近鉄橿原線は、このあたり駅が大変たくさんございます。また近鉄平端駅以外に鉄道の追い抜きができる駅がございませんので、新たに駅を設置いたしますと到着時間のおくれが順次発生いたします。近鉄大阪線、近鉄南大阪線、近鉄奈良線との連絡調整のため、全てのダイヤの変更が必要になると言われております。今のところ、両駅併存は了承いたしかねるという姿勢でございます。

 三者協議と並行して、新駅の位置や規模などとあわせまして、新駅ができる前提で県立医科大学周辺のまちづくりの検討を進めておりますが、近鉄八木西口駅の取り扱いは、これから大きな課題であると認識をしております。

 近鉄八木西口駅の取り扱いについては、地元橿原市が主体となって取り組んでいただけたらというふうに思っておりますけれども、地元で検討していただく上で、まずは近鉄八木西口駅の利用実態を調査する必要がございます。新駅ができますと、南のほうに行かれる方は新駅の利用がございますし、畝傍高等学校の生徒さんの利用も相当多いわけでございますが、問題は西のほうへ行かれる方は、近鉄大和八木駅の西出口のようなものも考え方としてはあるようでございます。近鉄八木西口駅の利用実態を調査をするように橿原市に対して要請をしているところでございます。今後なるべく早い時期に、近鉄八木西口駅の存廃の方向性が決定されるよう、またあり方が決定されるよう、橿原市にお願いを申し上げたいと思います。その際、県立医科大学周辺と近鉄大和八木駅周辺のまちづくりについても橿原市と連携を強化して検討を進めていきたいと思っております。

 三つ目のご質問は、現在の県立医科大学がございますが、大和高田バイパスより南はグラウンドになっております。この大和高田バイパスの北側と南側にどのような施設を整備しようとしているのかというご質問でございます。

 大和高田バイパスより南側のエリア、今グラウンドになっておりますエリアにつきましては、新駅の設置を前提としたまちづくり基本方針の検討を行っております。あわせてアクセス道路や建物等の規模や配置について、概略的な計画の策定に向けて取り組んでおります。

 施設配置等の方向性がまとまれば引き続き事業手法等の検討に着手し、民間活力の導入に適した施設があるのか、どんな事業スキームが考えられるのかといった検討をしてまいりたいと思います。PFIのような手法が採用できれば大変全体としての経費節減になるように思っております。

 大和高田バイパスより北側のエリア、現研究、教育施設がある、また病院がある地区でございますが、教育、研究機能が新キャンパスに移転いたしますので診療機能が中心となります。現在の外来棟の建てかえや、現在南側エリアにあります駐車場の移転などが中心課題になります。新しい外来棟につきましては新駅からのアクセスを考慮した配置とする必要がございますので、新駅の検討内容と重複させながら検討を進める必要があろうかと思います。新駅と外来棟への結節性というのが重要な課題になろうかと思います。

 また車で来られる方も多いと思いますので、駐車場につきましては新外来棟にできるだけ近くなるような配置とすることや、必要となる駐車台数、また敷地がまだ狭いわけでございますので、立体化などの検討をしているところでございます。これらの施設の規模や配置計画の検討を進め、できるだけ早く次のステップでございます施設の詳細やバリアフリー化など、敷地内のまちのデザインに取りかかりたいと考えております。

 また引き続き、文化財発掘調査をはじめとした各種調査などを計画的に進める必要がございます。大学の教育、研究部門の新キャンパスへの移転後、速やかに新しいまちづくりや新駅設置が着手できるように、県立医科大学周辺まちづくりの取り組み、レイアウト案の検討を鋭意進めているところでございます。

 地域医療連携について、ICTを使った連携を考えたらどうかというご質問がございました。今後の医療のあり方については、病院完結型または根本的治療をするという従来の型から、地域完結型または病気と共存しながら生活の質の向上を目指す医療の転換が必要とされております。

 このため関係者が診療情報など、また患者様の健康情報などを共有して、役割分担と連携により急性期から在宅医療までの一連のサービスを地域において総合的に連携したサービス、医療提供体制が構築できることが求められております。

 そのためには、ICTの活用というのも一つの有力な武器でございます。県内で幾つかの地域で病院と診療所が診療情報などの共有化を進められております。例えば南和地域では、南奈良総合医療センターが中心となってへき地診療所の連携を進めております。ICTを利用したへき地との連携を進めております。また県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターでは、分娩を連携して行うこととしております。妊婦さんの情報を両方で共有した電子カルテの中で共有するといったシステムの利用でございます。

 このように、緊密的に病病連携、病診連携の効率的な地域医療連携の構築にはICTは有効でございますが、システムを導入すれば構築できるということでなく、関係者が有機的につながって顔の見える関係を築くのが不可欠でございます。ICTにどのような役割を果たさせるのかということは、地域完結型の医療提供体制には極めて重要で、病院完結型でございましたら電子カルテを導入すれば進んだなということでございますが、地域をまたがってのICT活用はまた新しい課題でございますし、地域包括ケアシステムにICTを活用するという研究を進めておりますが、これはさらに難しい課題も横たわっております。患者様の情報、健康情報などをどのように取り扱うのか。それが非常に多くの方に情報がまたがっていくときにどのようにするのかといった課題もございます。

 本県では昨年度、地域医療連携ネットワークシステムの構築について、そのニーズを調査いたしました。その結果ICT活用の有効性は確認できましたが、費用はどうするのか、運営主体はどうするのか、連携体制はどうするのか、運用をどうするのかという課題が多く言われております。

 今後は国の方針やベンダーのいろんなアイデアの研究、また他府県の先進事例を参考にしながら、奈良県はICT、医療提供体制ではICT利用の先進県になるような心がけを持って、その利用の有効な活用を模索していきたいと考えているところでございます。

 その他の質問は、関係部局長がお答え申し上げます。



○副議長(山本進章) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、介護保険制度が県民の信頼を得て円滑に運営されるためには、要介護認定が適正に行われることが非常に重要である。各市町村における要介護認定が適正に実施されるよう、県はどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、介護サービスを受ける方の心身の状態を的確に反映し適正な要介護認定を行うことは、介護保険制度に対する信頼を確保し制度を安定的に運営する上で非常に重要な課題と認識をいたしております。

 また適正な要介護認定を確保するためには、認定に携わる調査員、医師、市町村職員等が、国が定める要介護認定に係る基準や手法をしっかりと理解し、運用するスキルを身につけ、認定力を向上させることが肝要と考えております。

 このため県といたしましては、要介護認定に携わる関係者それぞれの責務に応じた内容の研修に取り組んでいるところでございます。

 具体的に申し上げますと、認定調査員の方々には、認定調査のポイントを正しく理解し本人の状態や介護に係る手間を正確に介護認定審査会に伝えること。医師の方々には、医学的見地から本人の心身の状態や必要とする医療などを的確に意見書に記載すること。また介護認定審査会の事務局を担う市町村の職員の方々には、審査会において認定調査結果と医師の意見書に基づいた適正な判定がなされることなどに重点を置いた研修を実施しているところでございます。

 また議員お述べのように、各市町村がほかの市町村の認定率などの状況を知り、比較分析を行うことで、みずからの運用等を検証するよう情報を提供し、指導に努めているところでございます。

 引き続き県といたしましては、研修内容の充実など、要介護認定に携わる職員等の資質の維持向上に取り組むとともに、市町村と連携し情報を共有しながら、適正な要介護認定の確保に取り組んでまいります。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十五番岡議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、高等養護学校の分教室の取り組み状況と、高等学校段階におけるインクルーシブ教育の推進についてのお尋ねでございます。

 障害者の権利に関する条約は平成十八年に国連総会において採択をされ、我が国においても一昨年二月にその効力を発生いたしました。そのため現在、障害のある者とない者とがともに学ぶインクルーシブ教育の推進が求められており、本県では高等学校段階でのインクルーシブ教育を推進するため、本年四月に県立高等学校三校に高等養護学校の分教室を設置いたしました。

 分教室に通学する生徒数は、高円高等学校で十名、山辺高等学校で二名、二階堂高等学校で十九名でございまして、高等養護学校第二学年五十四名の約六割の生徒が分教室で学んでおります。

 高円高等学校では美術の授業におきまして、山辺高等学校では農業の授業で、二階堂高等学校では球技大会等の学校行事や福祉の授業を中心に、交流及び共同学習を実施いたしております。

 生徒同士がともに学ぶ機会を設けることで、高等養護学校の生徒には、その能力や可能性を最大限に伸ばし自立し社会参加できること、高等学校の生徒には、人間の多様性を尊重するなど共生社会の形成者として必要な資質を身につけることを目指しております。そのために、両校の生徒・保護者・教員が相互理解を深めるための研修等を継続的に行っております。

 一方、登美ヶ丘高等学校では、ろう学校高等部の生徒が授業に参加したり生徒会交流をしており、その他九校の高等学校が特別支援学校との間で交流を行い、互いを正しく理解し、ともに助け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶ場といたしております。

 今後、他の高等学校に新たな分教室を設置することを検討するとともに、高等学校と特別支援学校との交流及び共同学習のさらなる拡充を図り、高等学校段階でのインクルーシブ教育の推進に努めてまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十五番岡史朗議員。



◆十五番(岡史朗) ご答弁、ありがとうございました。

 まず、一番目の女性の輝き・活躍促進についてでございますが、私ども、実は公明党、今、三人とも男性でございまして女性がおりません、県議会では。しかし、やはり女性の言葉を、声を代弁するためにも必ず女性の声をこれからもしっかりと議会で取り上げてまいりたいと、こう思っておりますので、女性の皆さん、よろしくお願い申し上げます。

 今のご答弁の中で、いろいろと知事のほうからあったわけでございますけれども、要は、私は不思議に思うのは、不思議にというか疑問を持っているのは、奈良県は、このデータを見ましてもそうですけれども、やっぱり価値観というのですか、男性が外、女性が中で家を守るという、このような価値観がまだまだ根強いということがいろんな調査で出ているように思います。これらについて、やはりここのところもしっかりと是正していかないと、やはり根本、教育の問題だと思う、基本的にはね。家庭教育の問題もあろうかと思います。そういう意味において、これからこの課題についてそこまで掘り下げた一つの取り組み方も必要ではないかと思いますので、またすぐに即答できる答えは出ないと思いますので、私は提案としておきたいと思いますけれども、これからの女性活躍ができる社会をつくるためにも、女性がやはりそのように扱われる社会をつくるためには、男性の価値観も変えていかなければならない。女性だけではなくてですね。そういう思いをいたしますので、また要望として今後、これは教育のほうになるかと思いますけれど、一つ、取り組んでいただけたらありがたいなというふうに思います。これは要望にしておきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 さて、次の県立医科大学の話でございますが、知事のほうからるる答弁をいただきました。これについて、私も再三取り上げておりますのでくどくは申し上げませんが、要は平成三十三年に、まず大学をオープンさせるということの一つのゴールを決めて今取り組んでいらっしゃるようでございますので、それを逆算して今の推進状況が、今のところ先ほどの答弁からすると順調にいっているというふうに理解をいたします。

 そういう意味においては、一つは安心しているのですけれども、気になるのは何といっても新駅の件でございます。私も駅の近くに住む一人として、いろんな方からいろんなご意見も聞いております。私は前から言っていますように、この新駅ができるかできないかというのは本当に一番のポイントであって、これができなければ県立医科大学へのアクセスにおいても、バリアフリーアクセスにおいても、また周辺のまちづくりにおいても全てが変わってくると。そういう意味においては、ぜひ、この新駅の設置については今まで以上に力を入れて、推進をお願いしたい。幸いにも知事のご努力によって、今、明るい兆しが見えてきておりますことについては感謝を申し上げたいと思います。

 ここの中で一点だけ、ちょっとお聞きしたいのですけれども、この新駅の設置のタイミングですね。タイミングというのですか、いつごろまでにできないと全体のまちづくり構想に影響を受けるのか。その辺のタイムリミット的なことがもし考えていらっしゃれば、一つお答えをいただきたいというふうに思います。

 それからもう一点、近鉄八木西口の駅に関して申し上げますと、私も橿原市今井町に住んでおりますので、ちょうど近鉄八木西口駅が最寄り駅であるわけでございますけれども、近鉄大和八木駅まで行くのには、やはりぐるっと東へ一旦抜けて近鉄大和八木駅に行くわけですね。あれがもし、今の近鉄大和八木駅の西側に出入り口ができれば、直線でもう少し早く近鉄大和八木駅に入れるのではないかと。今は、近鉄大和八木駅は東側の改札だけなのですね、全体としてはね。あれを、例えば西側にそういう改札口ができれば少し近くなったかなという感じもするのではないかと思いますので、これも一つの対策として、近鉄八木西口駅にかわる対策としてそういうことが研究できないのかどうか。近畿日本鉄道株式会社とも一度、できたら話し合っていただければありがたいなというふうに思うわけでございます。

 それからもう一点、県立医科大学の校舎のこれから建築に入ると思いますが、これは要望にしておきたいと思いますけれども、前から言っていますように、一つは県産材を使ってほしいということなのですね。せっかく奈良県でシンボリックな建築物、公共物をつくるわけでございますので、正直言ってこんなことを言ったら怒られるかもしれませんけれども、多少高くついてもぜひ県産材をフルに使って奈良県らしい公共施設だな、学校だなと思われるようなものをつくっていただきたい。建築基準法との兼ね合いもありますので、いろいろ研究課題は多いとは思いますけれども、今、国のほうではかなりこの辺、木材を使って公共施設をつくろうではないかという方向に今どんどん動いていただいておりますので、その辺のことも取り入れながらぜひ木質化した校舎を、できるだけそういうものを研究していただきたい。これは要望にしておきたいと思います。

 それからもう一点、先ほど知事の答弁にもありました新駅と外来棟との接続の話でございますけれども、新駅がいつ、どこにできるということが決まらないともちろん外来棟の形も決まらないわけでございまして、これからまだまだすぐに即答できる問題ではないとは思いますけれども、これも要望しておきますけれども、ぜひ新駅から病院までの通路、アクセスについては、完全にバリアフリーはもちろんのこと、天候に左右されない形での通路をぜひ確保していただきたい。このことをお願いしておきたいというふうに思います。

 さて次に、地域医療連携については、先ほど申し上げましたように、これからの奈良県の課題であるなと。そして、先般私たちが視察してまいりました市立函館病院、ここはちょうどこの間、テレビでも映りました。行方不明の子どもさんが収容されてドクターヘリで収容された病院でございますけれども、ちょうどあの病院に、その前に私、視察に行かせてもらったのですけれども、非常に先進的な取り組みをされておられました。やはりここのICTを使った医療連携については、ポイントは幾つかあったようでございますけれども、一つは何といってもキーマン、そのことをやるについて中心になる人物がおられたということがよかったというふうにおっしゃっていました。それとやはり、何といっても医師会との連携ですね。これがうまくいったというようなことをおっしゃっておられました。本県においてもそういう地域がたくさんあると思いますので、ぜひ、先ほども知事の答弁にありましたように、地域ごとにそういう医療連携をまずできるところからやっていくと。特に南和地域ですと、今、立派な病院もできましたし、一番理想的な、これからやろうと思えばできる地域ではないかと思います。ただ問題は、何といってもお医者さんの協力だと思います。特に電子カルテになってきますと電子機器を使ったカルテを作成するわけですから、お医者さんの中には苦手なお医者さんもおられるように聞いております。そういう中でどうやって電子カルテ化を進めていくかということが入り口の問題であるようでございますので、その辺のこともあわせて取り組みをできるだけ前に進めていただくようにお願いしたいというふうに思います。これも要望にしておきます。

 介護認定についての部分でございますが、私は今回資料をもらって、少し驚きました。といいますのも、まず一つは介護認定のばらつきがまだまだ直っていないなという感じが正直いたしました。例えば認定率だけをとってみましても、私が住んでいる橿原市が、六十五歳以上でございますけれども、一五・三六%でございますが、お隣の天理市は二〇・六五%、また桜井市では一九・三八%、それから規模の大きい奈良市でも一八・一六%なのですね。橿原市が一五・三六%と。これはどう評価すればいいのか。皮肉的に言えば橿原市の老人の方はお元気だと。データでそうなるわけですね。

 しかし、片やこれをさらに調べてみました。データを見ますと、例えば介護給付費、一人当たりの介護の給付の金額が、例えば橿原市ですと一人当たり平均で二十万八千円、給付がですね。ところが、先ほど言いました天理市は二十七万六千円余り。それから桜井市が二十六万四千円ということで、一人当たりの介護給付費も非常に高低差があります。これは、裏を返せば介護に係る費用がこれだけ市によって違うということですね、一人当たりにかけている金額が違うと。これは、やはり認定の差が多分原因していると思います。またサービスの給付の認識も、多分差があるのではないかと思います。

 さらにもう少し詳しく調べてみましたら、七十五歳以上の方で見ますと、橿原市の場合ですと認定率が二八・五一%でございました。天理市では三六・二八%、桜井市では三四・三%ということで、七十五歳以上の方での認定率を拾ってみてもこのような状況でございまして、かなりの差がございます。橿原市の七十五歳以上の方が平均して認定率が低いということは、これは決して私は皆さんが健康だからこうなっているとは思いません。やはり認定の差だと思います。

 そういう意味において、今後、この認定率についてはデータをしっかり皆さん方にお知らせいただいて自分の立ち位置を、それぞれの市町村の立ち位置をしっかりと知らしめていただきたい。このことをお願いしたいと思います。

 最後に、インクルーシブ教育につきましては教育長から答弁いただきました。私も先般、奈良県立高等養護学校に行ってまいりまして、教頭先生からいろんな話を聞いてまいりました。今、分教室については始まったばかりということで、いよいよこれから本格的に取り組むということでございます。父兄の皆さんも大変不安も持っていることも事実でございます。何とか一日も早くこの不安を解消いただいて、本来の目的が早く達成されますように頑張っていただきたい。このことを要望しておきたいと思います。

 では、答弁だけお願いします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ご要望が幾つかございましたが、それにつきましては、よく勉強させていただきたいと思います。

 ご質問になりました新駅設置のスケジュール感ということでございますが、新キャンパスが平成三十三年度までにということ。新キャンパスは、桜井の農業大学校のほうに移転する動きがあります。新農業大学校のキャンパスといいますか試験場は順調に建設が進んでおりますし、農業大学校改革を引き起こすきっかけになりました。農業大学校改革の中で食と農の大学校ができて、桜井のほうで大きな花が開いたという経緯でございますが、この新キャンパスの建設に合わせまして、実は新駅と新キャンパスの建設をできるだけ同じように進めようかと思っております。といいますのは、新駅ができまして周りはPFIでつくりますと、民間の事業者の進出が予想されます。いい進出がありますと、そのPFIの利得を新キャンパスの建設に回せないかという単純なPFIのもくろみもございますので、そういたしますと新キャンパスの整備と新駅、また周辺の整備をできるだけ同時期に持っていくほうが計画が同時並行的に進められるのではないかというふうにもくろんでおります。そのために新キャンパスの整備にできるだけ合わせて新駅の整備が進められたら、民間の公募、PFIの公募も進められたらというふうに思っておりますが、そのためには近鉄八木西口駅の存廃問題、あり方問題が、まず解決できなければいけませんので、割と早い時期の解決が必要かというふうに思っているところでございます。

 このようなスケジュール感を橿原市と共有しながら進められることができたら、ぜひご協力のほどお願い申し上げたいと思います。



○副議長(山本進章) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月十五日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時二十一分散会