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平成28年  6月 定例会(第324回) 06月13日−02号




平成28年  6月 定例会(第324回) − 06月13日−02号







平成28年  6月 定例会(第324回)



 平成二十八年

        第三百二十四回定例奈良県議会会議録 第二号

 六月

   平成二十八年六月十三日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二二番 中野雅史         二三番 安井宏一

       二四番 田尻 匠         二五番 奥山博康

       二六番 荻田義雄         二七番 岩田国夫

       二八番 乾 浩之         二九番 太田 敦

       三〇番 宮本次郎         三一番 和田恵治

       三二番 山本進章         三三番 国中憲治

       三四番 米田忠則         三五番 出口武男

       三六番 新谷紘一         三七番 粒谷友示

       三八番 秋本登志嗣        三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 山村幸穂

       四二番 今井光子         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

       二一番 上田 悟

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          議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十三番国中憲治議員に発言を許します。−−三十三番国中憲治議員。(拍手)



◆三十三番(国中憲治) (登壇)議長のご指名をいただきましたので、自由民主党を代表いたしまして、知事をはじめ、教育長、警察本部長に質問をさせていただきます。

 私は質問でこの壇上に立つのは五年ぶりであります。いささか緊張しておりますので理事者の皆様にはお聞き苦しい点が多々あろうかと思いますが、ご理解をいただき、ご答弁をお願いしたいと思っております。

 質問に入ります前に、去る四月十四日に発生いたしました熊本地震では甚大な被害が発生し、四十九名の方がお亡くなりになり、いまだに行方不明の方が一名おられます。お亡くなりになった方々のご冥福と行方不明の方の一日も早い発見をお祈り申し上げるところであります。また、家屋の全半壊で避難生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げるところであります。

 続いて、知事に御礼を申し上げたいと思います。

 南和の医療は南和で守る、救急を断らない病院を合い言葉に荒井知事の強いリーダーシップと市町村長のご理解のもと、去る四月一日に、南奈良総合医療センターが開院をいたしました。特に地域に密着した医療サービスの提供によって、南和住民の日常生活での安心度が大きく前進をいたしました。これもひとえに荒井知事の南部医療の再生という強い信念とリーダーシップのたまものと、南和に住む一人として敬意と感謝を申し上げるところであります。ありがとうございました。

 それでは奈良県繊維工業協同組合連合会が県の支援を受けて開発をいたしました、この梅雨空を吹き飛ばすようなさわやかな奈良県産エコスタイルで質問に入らせていただきます。このプロジェクトをぜひとも成功させていただきたいと願っておる一人であります。

 それではまず初めに、熊本地震への本県の対応と今後の災害対策についてお伺いをいたします。

 先ほども申し上げましたが、熊本地震発生から本日で二カ月が経過いたしました。いまだに避難所での生活を余儀なくされ、不安な日々を送っている方々が数多くおられます。この二カ月間を振り返っても、被災された方々にとってさまざまな支援が必要不可欠でした。地震発生直後には人命救助が最優先されましたが、その後は食料などの物資の支援、避難所での生活支援、被災者の健康管理、仮設住宅等の住まいの支援など、発災当初から今後の生活再建に至るまで、被災者のニーズに合わせながら継続して支援することが何よりも大切だと考えております。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 このたびの熊本地震に対し、本県はどのような支援を行ってきているのでしょうか。一方で、この熊本地震を教訓にして私たちが学ぶことは数多くあると思います。熊本県では、震度七の地震が二度発生いたしました。また過日、京都大学防災研究所から近畿など西日本各地にひずみがたまりやすい地域があると発表されたところであります。地震の発生そのものは防ぎようがありませんが、いついかなる場所で地震が起こっても、一人ひとりが生き長らえることができるよう、事前に十分な対策を講じることは可能であると考えています。どのような備えをし、また、一たび地震が起こればいかに対応するかを常日ごろから考えていることが大切であろうと考えております。実際に熊本地震の現場では、何が起こって、どのような対応をされていたのか、また、そこにはどのような課題があったのかを十分に分析し、本県でもそこで洗い出されたさまざまな課題について、どう取り組んでいくのかが重要であります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 今回の熊本地震の教訓を踏まえ、今後の本県の災害対応について、どのように考えているのか、お伺いをいたします。

 次に、大宮通り新ホテル・交流拠点の整備についてお尋ねをいたします。

 奈良県は三つの世界遺産をはじめとした日本有数の観光資源を持っているにもかかわらず、残念ながら日帰り型の観光にとどまっているのが最大の課題でありました。そこで知事は、この現状を抜本的に転換しようと、国際ブランドホテルの誘致と、そのホテルを核とする賑わいのある交流拠点の整備を熱い思いを持って進めてこられたところであります。そのかいあって、ことし三月に世界的に高い評価を有する国際ブランドホテルJWマリオットが日本での初進出として、奈良に立地されることが発表されました。加えて、PFI事業として公募されていたコンベンション施設などの交流拠点整備についても、この三月末に整備事業者が決定されたとの発表があったところであります。こうして参画する事業者の顔ぶれが次々と出そろい、互いに相乗効果を発揮しながら、奈良の観光振興に大きな役割を果たす拠点となることを大変期待しているところであります。

 平成三十二年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに合わせたまちびらきを目指されているとのことであり、ぜひとも成功に導いていただきたいと願うところであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 今議会に議案を提出されておりますコンベンション施設などの交流拠点の整備について、その具体的な内容はどのようなものでしょうか。また今後どのように進めていこうと考えておられるのか、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。

 次に、南和地域における医療提供体制の再構築について質問をいたします。

 先ほども申し上げましたが、本年四月に南和地域の新たな医療拠点となる南奈良総合医療センターが大淀町に誕生いたしました。また運営主体も、自立的な病院経営を行うとともに経営に対する責任体制を明確化するため、地方公営企業法を全部適用し南和広域医療企業団とするなど、南和地域の新しい医療提供体制が始まったところであります。南和地域の住民の方々にも大きな喜びと期待で、南和の新たな医療提供体制を迎え入れていただいたものと思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 四月に開院した南奈良総合医療センターの開院後の状況はどうでしょうか。また、今後の見通しについてもあわせてお聞かせを願いたいと思います。

 次に、県立医科大学附属病院への新生児搬送ドクターカーの早期導入について、知事にお伺いをいたします。

 地域周産期母子医療センターとして認定をされている奈良県総合医療センターに、平成二十六年四月一日から新生児専用ドクターカーが配備され、全県下を対象とし、平日の午前八時三十分から午後五時十五分の日勤帯において新生児搬送が開始されたところであります。奈良県産婦人科医会の資料によりますと、平成二十六年度の実績は、新生児呼吸器不全、心肺機能不全、未熟児出産など新生児搬送件数は百三十六件でありました。そのうち新生児ドクターカーによる搬送は六十五件で、出動地域は北和地域四十一件、西和地域十九件、中和地域五件となっております。また平成二十七年度の実績は、搬送件数百四十六件中七十四件が新生児ドクターカーによる搬送でありますが、平成二十六年度と同様、設置周辺地域への出動が多いのが現状であります。さらに、平日の日勤帯のみの運用であるとともに、県内で一台しかないため出動中は搬送依頼があっても対応できなくなることから、ドクターカーの出動は全搬送件数の半数程度にとまっております。出生数は年々減少しているものの、晩産化や高齢出産の増加に伴い、早産児、低体重新生児、ハイリスク妊産婦が増加をしており、このような母体や新生児に対する医療の需要は今後まだまだ増加していくものと考えられます。ドクターカーはNICU、新生児集中治療室の医師が同乗し、処置、治療を行うため、新生児仮死重症化の予防や症状の軽減につながることは確実であります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 奈良県総合医療センター及び県立医科大学附属病院の両方に新生児搬送ドクターカーを配備することで、より多くの新生児をドクターカーで搬送することが可能となるため、新生児仮死重症化予防が一段と高まり、妊産婦の安心安全につながるものと考えますが、いかがでしょうか。加えて、現状のドクターカーの運用は平日、日勤帯となっていますが、分娩はいつ起こっても不思議ではありません。二十四時間体制に整備すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 続いて、奈良県の砂防指定地の管理の取り組みについてお伺いをいたします。

 奈良市月ヶ瀬の砂防指定地域において、奈良県砂防指定地等管理条例などに違反する大規模な土砂掘削が行われました。四月以降、多くの報道機関で報じられております。この現状はテレビや新聞でも大々的に取り上げられているように、のどかな山間部に切り立った崖が形成されるなど無残な様相を呈しております。このような結果は本来、違反行為者が非難を受けるべきものでありますが、今回の事案では、違反行為の拡大を防げなかったと報道機関により指摘されている県の砂防指定地の管理についても検討を加えるべきではないでしょうか。今回違反が行われた砂防指定地は、国民の生命財産を土砂災害から守る砂防法の趣旨を踏まえ、土砂の流出による被害を防止するため、一定の行為を禁止、制限を行う区域であります。そのため、県は砂防指定地に対する違反に対して厳正に対処するとともに、今回の違反に対する教訓を踏まえ、砂防指定地の管理を適切に実施していく必要があるのではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 今回の砂防指定地等管理条例の違反事案を受け、今後、許可を受けた事業者に対して、どのような適切な指導監督を実施していこうとしているのか、お考えを述べていただきたいと思います。

 次に、本県の農業、畜産業、内水面漁業、林業の振興について質問をいたします。

 荒井知事は、奈良県農業の振興に強いリーダーシップを発揮され、数々の成果を上げてこられました。次世代の食と農のトップランナーを育成するため、なら食と農の魅力創造国際大学校の開校、今や人気スポットである大学に併設をいたしました実践オーベルジュ棟の運営をはじめ、首都圏における農産物のトップセールスや食のアンテナショップである、ときのもりのオープンなど、果敢な攻めの姿勢に敬意を表するところであります。奈良県農業、畜産業の実態を見ますと、平成二十六年の農業産出額が約四百二億円と全国で四十四位であります。昭和五十九年をピークに年々減少しており、農家の平均年齢も約六十九歳と高齢化が進み、担い手不足となっているのが現状であります。内水面漁業については、紀伊半島大水害の影響などにより、県の代表的な魚であるアユ、アマゴ、金魚の漁獲量、生産量が減少しております。環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPで関税が撤廃されることにより、将来を不安視する農家の皆さんの声が多く聞かれます。

 本県の農畜産業の今後の振興のためにも、継続的な販路開拓の取り組みに加えてブランド化を進めることが重要な課題であると考えております。また平成二十四年には、奈良の木ブランド課が新設され木材の販売対策が強化されたように、内水面漁業の振興に向け新たな課の設置なども検討する必要があるのではないでしょうか。一方、林業については、平成二十六年の林業産出額が約三十七億円と全国で二十八位であり、全国で二位であった昭和五十五年をピークに大幅に減少しております。また、本県の一林業経営体当たりの素材生産量は全国平均の約二五%と非常に低く、生産性の向上が今後の大きな課題であります。

 来る六月十九日には、川上村において、日本林業の父とも言われる土倉庄三郎翁没後百年記念事業が開催されます。土倉翁は、産業としての林業を広く普及するだけでなく、人材の育成にも非常に熱心でありました。これからの林業においては、森林経営のできる能力の高い人材の育成に向け、行政として一層の力を注ぐべきではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 奈良県の農業、畜産業、内水面漁業、林業について、今後、県は総合的にどのような取り組みを進めようとされているのでしょうか。お考えと決意をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、県南部の高等学校のあり方についてお伺いをいたしたいと思います。

 現在、県南部地域には五條、大淀、吉野、十津川高等学校の四校があります。今回、吉野高等学校と大淀高等学校について、知事及び教育長に今後の両校のあり方について、お尋ねをしたいと思います。

 かつて吉野地方の産業の中心は林業で、木材需要のおかげで経済が発展し、それに伴い多くの人材が必要となり、林業技術者を育成するために明治三十五年に県立農林学校が創立され、また木材関連事業の発展と相まって、明治三十七年に吉野郡立実業学校、現在の吉野高等学校でありますが、開校をいたしました。建築科、土木科、木材工芸科、家政科を設置し、両校とも多くの技術者を輩出し、林業界、土木建築、木工業界に経済人や専門技術者として大きな影響力を発揮し、また県行政をはじめ、多くの自治体行政にも専門技術職として大きく貢献してきたところであります。しかし木材産業の衰退で吉野林業高等学校が廃校となり、土木建築業界においても施工技術の変革、機械化により、より高度な技術力が求められ、入学から出口、すなわち就職が見えなくなり、吉野高等学校を希望して入学してくる生徒は非常に少なくなってきているのが現状であります。

 このような状況を打破するために、私は高度な技術を習得できるよう県立高等専門学校を検討してはと、ご提案をしたいと考えているところであります。ちなみに吉野高等学校では平成二十八年度、森林科学、建築工学、土木工学の各科定数三十七名、合計百十一名の定数のところ、入学生徒は残念ながら森林科学五名、建築工学十九名、土木工学十七名、計四十一名と聞いております。この状態では、学校運営が行き詰まった状態と言っても過言ではありません。

 一方、大淀高等学校は、大正十二年県立吉野高等女学校として創立され、昭和二十三年に大淀高等学校と改称し現在に至っております。創立九十年という歴史の中で多くの卒業生を輩出し、社会に大きく貢献してきたところであります。しかし大淀高等学校においても平成二十八年度入学生徒はわずかでありますが、定数割れとなりました。今まで大淀高等学校は吉野地方ではシンボル的な存在でありましたが、吉野三町から入学した生徒は、平成二十八年度では大淀中学校百七十八名中二十五名、下市中学校三十八名中七名、吉野中学校四十名中五名の計三十七名となっております。この状況を見ますと、地元の中学生には大淀高等学校は魅力に欠け、目指す高等学校ではなくなってきていると考えられます。

 このような状況を踏まえ、過日、荒井知事、吉田教育長が吉野高等学校、大淀高等学校をご視察いただいたと聞いております。私は従来から、知事と同様に南部振興対策の推進、すなわち南部を元気にするためには、若者の定住策を充実することに加え、林業の活性化が最重要課題と考えております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 今後の林業を活性化していくには、人材育成が必要不可欠と考えておりますが、知事のご所見をお聞かせください。あわせて吉野高等学校のあり方について、先日のご視察のご感想も含めてお聞かせを願いたいと思います。また教育長には、郡内外の中学生が憧れ、目指す高等学校として大淀高等学校、吉野高等学校を再生のモデルとして取り組んでいただきたいと考えますが、教育長の考えはいかがでしょうか。また現在の吉野高等学校の森林科学、建築工学、土木工学のあり方についてのお考えもあわせてお答えを願いたいと思います。

 次に、県南部地域の主要道路整備についてお伺いをいたします。

 現在、県南部地域の主要道路は国道一六八号、国道一六九号、国道三〇九号であります。いずれの国道も紀伊半島にとっては経済道路でもあり、さらに県南部地域にとっては生活道路で最も重要な道路の一つであります。まず国道一六九号改良計画について、知事にお伺いをいたします。

 過日、私のところに一報が入りました。伯母峰峠の新しいルート約三キロメートルが国の直轄権限代行事業として新規事業化されたという内容でありました。この一報に地元住民や熊野・尾鷲地方の経済界の喜びの声も私に伝わってまいりました。これもひとえに荒井知事の中央への政治力と国土交通省のご理解に敬意と感謝を申し上げるところであります。この国道一六九号は、急峻な山間を通る道路で、中でも最大の難所でもあった伯母峰峠の通称大曲に巨額を投じ、ループ橋が平成十五年に完成をいたしました。引き続いて、平成二十四年に上北山道路の和佐又トンネルが完成し、これで国道一六九号の安心安全度が一段と高まったところであります。しかし平成二十五年度は、延べ四十九日間、また平成二十六年度は一日間、平成二十七年度は二十日間通行どめになっております。また現在、要対策箇所、危険箇所も百二十カ所確認をされております。県としても紀伊半島大水害で国道が寸断をされたことを教訓に、伯母峯峠道路を早期着工すべきと考えますが、知事の思いをお伺いいたしたいと思います。

 次に、国道一六八号については災害に強いアンカールートとして改良が進んでおりますが、現在、通行どめになっている箇所があり二車線全面開通までの見通しすら立てられない状態と聞いております。今後とも、さらに安全・安心度を確保すべく改良を進めていただくよう強く要望いたします。

 次に、国道三〇九号について御礼を申し上げたいと思います。

 国道三〇九号では、最後の狭隘箇所でありました丹生工区も県道路行政の選択と集中工区に認定をいただき、この夏ごろに供用開始と伺っております。これで洞川観光をはじめ、奥吉野活性化に一段と期待が寄せられるところであります。どうもありがとうございました。

 最後に、警察本部長にお尋ねをします。

 県内における刑法犯認知件数は、平成十四年をピークに減少傾向が続いております。これもひとえに、県警察の皆さんが犯罪の徹底検挙や地域住民と連携した街頭警察活動に努めておられる成果であると認識をしております。また県警察では本年四月に神武天皇二千六百年式年祭に伴い、天皇皇后両陛下を本県にお迎えするに当たり万全の警備を実施し、両陛下には無事にお帰りをいただくことができました。加えて、本年四月に発生した熊本地震においては、現地に特別部隊を派遣され昼夜を問わず被災者のための活動に従事されているほか、五月に開催された伊勢志摩サミットでは、国際テロの情勢が厳しさを増す中、三重県に特別部隊を派遣されるなど、県内外の警戒警備を徹底され、その任務を完全に遂行されたところであります。

 このように、県民の安心と安全を守るために昼夜を問わず頑張っていただいている警察官がおられる中、前警察署長による置き引き事案や警察署員によるわいせつ事案が発生するなど、県警察の不祥事が相次いでいることは誠に残念でなりません。県民の安全を守るべき警察官が犯罪に手を染め、また破廉恥な事案を起こしたことにより、警察に対する県民の不信感が高まり、信頼が揺らいでいるのではないかとの思いをいたしているところであります。

 そこで、警察本部長としてこのような事態についてどのように考え、県民の信頼回復のためにどう取り組まれているのかお聞かせください。

 以上、知事及び理事者におかれましては、質問いたしました趣旨をご理解いただき、簡潔でわかりやすい答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十三番国中議員からのご質問が幾つかございました。お答えさせていただきます。

 第一問は、熊本地震への本県の対応と今後の災害対応についてのご質問でございます。

 まず熊本地震でお亡くなりになりました方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 本県におきましては、四月十四日夜に発生いたしました熊本地震に対しまして翌日の十五日から職員二名を熊本県庁に派遣し、現地の情報収集と熊本県災害対策本部の活動支援を行いました。被災地への支援につきましては、救難・救助、被災者の生活継続支援、復旧・復興の三段階がございます。地震発生直後に要求されます救難・救助の段階では、警察の広域緊急援助隊や災害派遣医療チーム、DMATと呼ばれるチームの派遣のほか、熊本市の要請を受けまして本県の備蓄物資の中からアルファ化米一万五千食を輸送いたしました。その後、被災地のニーズが被災者の生活継続支援や復旧・復興に変化いたしましたので、支援の内容も変化をしております。例えば、被災者の健康管理のための医師等の派遣や家屋の安全性の評価をする被災建築物応急危険度判定士の派遣、また、罹災証明書発行の前提となる家屋被害認定調査にかかわる職員の派遣、警察による特別生活安全部隊の派遣等の支援を実施したところでございます。現在もみなし仮設住宅の受け付けなどの災害対応事務のための職員派遣、避難所への保健師や管理栄養士の派遣を継続しております。今後も被災地の変化する実情に即しまして、必要な支援を続けていきたいと思っております。

 今後、本県が災害に遭った場合の対応についてでございますが、本県におきましては、災害対応の基本計画であります奈良県地域防災計画、また、その実施計画であります奈良県国土強靱化地域計画及びアクションプラン、さらに被災時に適切な業務執行を行うための奈良県業務継続計画の策定や各種訓練の実施など積極的な防災対策を進めてきたところでございますが、議員お述べのとおり、防災対策に十分過ぎることはございません。今回の熊本地震の教訓を十分に学び、本県における災害対策を検証しなければならないと考えております。これまで現地で支援活動に従事いたしました本県職員の情報によりますと、今回の災害対応につきましては、救援物資等の物流のあり方や避難所などでの被災者の生活継続支援のあり方、また県及び市町村における受援のあり方など、計画の想定外とも言えるさまざまな課題が浮かび上がっているとのことでございます。決められた計画の実行を超えて、その時折に発生する多様なニーズに対し、臨機応変に対応する必要性を熊本から学んでいるところでございます。

 熊本地震の教訓を本県の災害対応に生かしていくためには、これらの課題を整理し専門家のご意見も追加をさせていただき、本県における具体的な対応等を検討し、全ての計画及びマニュアルを改めて見直していきたいと考えております。その際、住民の方々への災害に対する意識啓発やより実践的に訓練等も実施して、住民の方々の自発的な気持ちを盛り上げつつ、災害に日本一強い奈良県を目指していきたいと考えております。

 二つ目のご質問でございますが、大宮通り新ホテル・交流拠点の整備について、その具体的な内容、また、今後の進め方についてお問い合わせがございました。

 議員ご指摘のとおり、本県の観光は宿泊施設が量、質とも極めて不十分なため、豊富な観光資源を経済活性化に十分生かし切れておらず、言ってみれば、通過・日帰り型観光が中心となってまいりました。国際級ホテルの誘致やコンベンション施設をはじめとする交流拠点の整備は、奈良県にとって不可欠な事業でございます。本年三月末に交流拠点の整備をPFI方式で実施する事業者を決定いたしました。今議会でその関連議案のご承認をお願いしているところでございます。この交流拠点の具体的な内容でございますが、まず二千人程度が収容できるコンベンション施設、屋外多目的広場、飲食・物販施設、バスターミナル、大規模駐車場などからなる複合施設として、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年までのまちびらきを目指して整備するものでございます。

 事業者からの提案では、今述べました各施設が総合的によく機能するための配置、動線がよく考えられておられるように思います。特に屋外多目的広場として整備されこの交流拠点のシンボルとも言えます天平広場でございますが、コンベンション施設と飲食・物販施設に囲まれた位置に配置され、広場の大屋根は奈良県産の木材を使った魅力的なデザインとなっております。この広場で年間を通じてさまざまなイベントが行われることになりますと、観光スポットとして日本の観光地の中でもとてもユニークなものとなり奈良の新たなにぎわいのスポットとして強力な核になると思っております。冬におきましては、真ん中にスケートリンクのようなものができないかといったような新しい発想も考えております。

 外部の学識経験者などによる審査会におきましても、この天平広場を中心とした配置案は高い評価を受けていることから、おおむねこの提案に沿って整備を進めていこうと考えております。県といたしましては、今後事業を進めるに当たりまして、日本初進出となります世界の最高級の国際ブランドホテルでありますJWマリオットや当地への移転が予定されておりますNHK奈良放送会館との連携が必要でございますし、さらには、地域の方々と奈良らしさにこだわった多様なにぎわいを創出することも重要であると考えています。そこで、これら関係者によるタウンマネジメント協議会を立ち上げ、連携してにぎわいづくりに取り組みたいと考えているところでございます。この複合交流拠点の整備によりまして、これまで本県では開催がかないませんでした、ハイレベルで大規模なコンベンションを誘致できたらと思います。また上質な客に奈良に宿泊していただき、大阪や京都は奈良から出向いてもらうといった拠点にもなりますし、この拠点から奈良市内の観光エリアを含めました奈良県内各地域にも観光客があふれ出すため池のような拠点になればというふうにも考えております。

 次のご質問は、南和地域における医療提供体制の再構築について、南奈良総合医療センターの開院後の状況についてのお問い合わせが、まずございました。

 議員お述べになりましたように、南奈良総合医療センターは、南和地域の一市三町八村と県との連携のもと、南和広域医療企業団の中核となる医療機関として、大淀町福神にことし四月に新設開院いたしました。その基本理念は、南和の医療は南和で守る、そのフラッグホスピタルでございます。具体的な内容になりますが、一つには、地域の救急を断らない病院を目指した救急医療の強化でございます。二つ目は、災害拠点病院としての災害医療の強化でございます。また、へき地医療拠点病院として、へき地診療所の支援、また、がん、糖尿病などに対応するための専門医療の充実などの実現を目指しているところでございます。これら医療センターが目指す目標のうち、救急医療の分野につきましては、南和地域の救急受け入れ体制の充実に大きな効果が見られています。昨年度、南和地域の公立三病院合計の救急搬送の受け入れは、一日平均五・七件でございましたが、この南奈良総合医療センターでの四月の受け入れ、五月の受け入れでございますが、四月は一日平均十二・三件、五月は十三・三件の受け入れとなっており、旧三病院の総受け入れ件数の既に二倍以上となっておるところでございます。

 また救急患者を積極的に受け入れたことによりまして、入院の患者数もこの二月で既に着実に増加しておりまして、二百三十二床あります病床の稼働率は五月末現在、既に八五%を超える状況になっております。満床に近い状況になっております。一方、外来診療におきましても専門医の充実などにより、一日平均で四月は約四百人、五月は約五百人の方が受診されるなど、着実な成績でございます。この医療センターを利用される皆様からは、明るく開放感のある病院で専門的な治療を受けられることへの期待の声が寄せられているとお聞きしており、サービスのホスピタリティーもいいように聞いております。まずは順調なスタートが切れたのではないかと喜んでおります。

 今後につきましては、在宅医療の充実やへき地診療所との連携など、地域に密着した医療サービスの強化に期待をしたいと思います。また今年度中に導入を予定しておりますドクターヘリによりまして、災害医療や救急医療の充実に努めたいと思います。南和地域の命と健康を守る中核の医療機関としての役割を果たしていただけるよう、県といたしまして引き続き強力な支援を継続させていただきたいと思っております。

 また、ドクターカーのご質問がございました。奈良県総合医療センター、北の方でございますが、ドクターカーを配置しております。それについてのご質問がございました。

 ドクターカーは周産期医療に主に使われてもおります。周産期医療体制の整備につきましては、これまで積極的に取り組んでまいりましたが、ハイリスク妊婦の県外搬送は、平成二十年には救急搬送二百四件中四十六件と県外搬送が二〇%を超えておりましたが、七年後の昨年は、救急搬送二百九十二件中十四件にすぎず五%を切った割合になっております。ハイリスクの妊婦や新生児の受け入れは、県立医科大学附属病院と北部の県総合医療センターで役割を分担しております。例えば、千グラム未満の超低出生体重児や妊婦二十八週未満の超早産児につきましては、非常にリスクの高い分娩となることが想定されますので、県立医科大学附属病院が分娩前に受け入れ診療する体制を確保しております。一方、北部の県総合医療センターにおきましては、千グラム以上ではありますが、いわゆる低出生体重児などを受け入れておりまして、高度医療機関での治療が必要と判断された際には、新生児搬送、ドクターカーによる搬送を行っているのが実情でございます。

 このことから県総合医療センターに新生児搬送ドクターカーを配置しておるところでございますが、新生児搬送ドクターカーは一度出動いたしますと車載保育器の消毒に時間を要することから、県では昨年度、保育器をもう一台追加整備し、迅速に次の出動ができるようにいたしたところでございます。

 新生児搬送の平成二十七年度の実績は百四十六件でございますが、その百四十六件のうち昼間が八十一件、夜間が六十五件という内訳でございます。この新生児搬送ドクターカーは、昼間の使用のみでございます。この平日昼間の搬送実績八十一件中、七十四件がドクターカーで対応できています。しかし、ドクターカーが運用しておりません休日や夜間には六十五件の新生児搬送がありますが、これは、救急車などによる搬送になっているのが実情でございます。

 議員お述べの二十四時間体制の運用は可能かどうかという点でございますが、運用ができれば早い段階で新生児科の医師による処置が可能になりますが、新生児科の医師をはじめとした休日、夜間の受け入れ体制の整備が必要でございますが、現状ではなかなかかないませんで、平日、昼間のみの運用となっている実情でございます。

 今後、県総合医療センターの新築移転や県立医科大学附属病院のE棟整備によりまして、NICUや後方病床等を増床し、受け入れ体制の強化が図られる予定でございます。また有識者で構成いたします、奈良県周産期協議会でも議論をいただき、周産期医療センターのさらなる充実に向けた取り組みを続けてまいりたいと考えておりますが、その中でドクターカーの夜間使用と、または二カ所配置について、追加配置についても考えてまいりたいと思います。

 その次のご質問でございますが、砂防指定地の管理の取り組み、今後の指導監督の実施体制についてのお問い合わせがございました。奈良市月ヶ瀬における事案にかかわるお問い合わせでございます。

 奈良市月ヶ瀬における事案でございますが、京都府境の砂防指定地内におきまして、三重県の業者の方が許可範囲を超えて、許可期間終了後も継続して土地の掘削を行われたものでございます。県といたしましては、違反行為確認後、埋め戻しなどの是正工事を繰り返し求めてまいりましたが、これに応じられないため、本年三月一日に砂防指定地等管理条例違反、森林法違反で奈良警察署に告発したところでございます。このような条例に違反する事業者に対しまして指導監督を強化するため、さきの三月議会におきまして、砂防指定地等管理条例を改正していただきました。ありがとうございました。その内容は、罰則が適用される違反行為を無許可だけから、命令違反、許可条件違反など六項目に拡大されました。また、罰金の上限を二万円から五十万円に引き上げられました。この七月一日から施行されます。

 この強化された条例の施行にあわせまして、許可や許可後の監視、違反行為に対する行政指導、監督処分等につきまして、職員が行うべき事項、手順を示したマニュアルを策定することにしております。マニュアルの具体的な内容でございますが、まず許可書に許可勾配など許可内容を明記するとともに、定期報告などを許可条件に追加すること。二つ目には、許可内容を転記した管理台帳を整備し、これに基づく定期パトロールや通報に即応した機動パトロールを行い、現地確認すること。三つ目には、違反行為に対する指導、勧告、警告といった行政指導は原則四回までとし、違反行為の把握から命令等の監督処分までの期間は一年をめどとすること。四つ目は、命令等の監督処分に従わない場合は、遅滞なく告発に向け関係機関と調整を図ること。五つ目には、行政指導に従わない場合は、現地に警告看板等を設置するほか、命令等の監督処分を行った場合は県のホームページで公表すること。六つ目には、組織内や関係機関において、違反情報の共有を徹底することなどを盛り込むこととしております。

 現在、最終的な精査を行っているところで、もう間もなくでき上がる予定でございます。六月十七日の県議会建設委員会でご報告させていただくとともに公表をさせていただきたいと思います。

 今後は改正いただいた条例、また新たに整備するマニュアルに基づきまして、砂防指定地管理の一層の充実を図りたいと思っております。

 次のご質問は、本県の農業、畜産業、内水面漁業、林業の振興についてでございます。今後、県は総合的にどのような取り組みを進めていこうとしているのかというご質問でございます。

 まず奈良県における農業、畜産業の振興につきましては、柿、イチゴ、大和牛などを中心にブランド化を進めるとともに、首都圏だけではなく海外にも視野を広げた販路開拓に取り組んでいるところでございます。高品質で安全安心な産物を安定供給することを基本に、ブランド力をより一層高めるため、現在、非破壊検査装置を活用して品質を保証する農畜産物ブランド認証を進めております。今般、このブランドのネーミングを奈良県プレミアムセレクトと決定し、現在、シンボルマークを公募している段階でございます。本年秋以降、柿、イチゴは糖度について、大和牛は多く含まれるほど口どけや風味がよいオレイン酸と言われる栄養素の含有率を保証したブランド認証品を順次、発売する予定でございます。ブランド品になりますと大変値段が上がることが通例でございます。また首都圏でニーズが高まっております大和野菜に注目し、今年度から県が主体となって生産、流通、加工販売を一気通貫で連結いたします、いわゆる縦型事業協同組合のモデル実証に生産者や流通業者とともに取り組み、生産と販売の連結した拡大を進めております。

 畜産業についてでございますが、本県農業産出額のうち畜産の占める割合が全国に比べ低いことでありますので、全体の農業産出額は低いという傾向もございます。みつえ高原牧場への新たな畜産団地の整備検討など、畜産産出額の増加に向けた取り組みの強化を図ってまいりたいと思います。

 水産業についてでございますが、議員お述べのとおり漁獲量、養殖生産量が減少している状態にはございますが、一昨年開催いたしました全国豊かな海づくり大会を契機に、奈良県のさかなに制定されました金魚、アユ、アマゴのさらなる生産振興に取り組むため、今年度、水産業を振興するための支援方針を策定する予定でございます。あわせて水産業を振興するための県の体制につきましても研究してまいりたいと思っております。

 林業についてでございますが、高級材だけを選んで出す従来の林業から、建築用材である根っこのA材のほか、集成材などに使う真ん中のB材、またパルプ、チップ用材である先っぽのC材の全てを森林から搬出して多用途に供給する林業への転換を進めているところでございます。豊富な森林資源を県産材製品として流通させることにより、川下から川上までの経済循環を活発にして適正な森林づくりと地域産業の活性化、雇用の創出などを目指しております。また、これらの取り組みを今後も継続するためには、次世代の林業を担う森林経営のできる人材の育成、作業員だけでなく森林経営、森林管理のできる人材の養成が必須であると考えております。そこで現在、友好提携を締結しておりますスイス・ベルン州の強力を得まして、持続可能な林業を行う森林管理制度を導入することといたしまして、経済活動と環境保全を両立できる人材の育成について検討を始めたところでございます。

 今後とも、魅力ある奈良県の農業、畜産業、水産業、林業の確立を目指しまして、県みずからが先頭に立ってブランド化や販路開拓、人材育成などの施策に強力に取り組んでいきたいと思っております。

 林業の関係でございますが、県南部の高等学校のあり方についてのご質問がございました。吉野高等学校についての議員の思い入れの深いご意見がございました。

 先日、吉野高等学校へ視察に参りました。議員お述べのように、吉野高等学校は明治時代に創設された歴史と伝統のある高等学校でございます。林業をはじめとして多くの業界や自治体に技術者をはじめ、政治家、起業家が輩出をされております。特に県南部地域の中心産業でありました林業木材産業の経営者、技術者を多く輩出されてまいりましたので、県南部地域の発展にこれまで大きく貢献をされてきた高等学校だと確信をいたしました。現在の入学生徒が定数割れしている状況は、時代が変わったなと思いますが今後の南部地域の活性化のためにも何らかの対策は必要であると考えております。

 林業を活性化するためには、人材育成が必要不可欠であることは言うまでもございません。しかし現在の教育が奈良県の現場で必要とされる人材の育成につながっていないことも痛感をしており、高等学校、大学校、職業を接続させるいわゆる高大職の連携による実学教育の仕組みづくりが非常に重要な課題であると考えております。林業の分野におきましては、昨年、友好提携を締結いたしましたスイス・ベルン州との交流を通じましてわかったことでございますが、スイスの森林は多様な樹木で構成され、災害に強く経済的にも成り立っておるわけでございますが、フォレスターと呼ばれる資格のある人が中心となって管理されていることがわかりました。管理の仕組みが随分違うこともわかりました。このスイスのフォレスターに奈良の森林を視察してもらいましたが、彼からは、奈良の林業を振興していく上で最も重要なことは人材育成であるという助言もいただきました。スイスは人件費が日本の二倍以上にもかかわりませず、生産性も二倍あるような国でございます。本県では、そのスイスの森林環境管理制度をお手本として、森林をマネジメントできる人材の育成を行う林業大学校、(仮称)奈良県フォレスト・アカデミーの設置について検討を始めたところでございます。

 また、このようなフォレスト・アカデミー構想につきましては、三重県知事、和歌山県知事にも私が直接電話をいたしまして連携を示唆いたしましたが、両県知事には賛同の内諾をいただいております。本年八月に本県で開催されます紀伊半島知事会議におきましても、このテーマにつきまして意見交換の場を持つことにしております。さらに、ことしの十一月には、スイスのフォレスター養成校に赴き、フォレスト・アカデミーの講師としてスイスのフォレスターを奈良県林業教育強化のために派遣してもらうよう依頼する予定でございます。

 次は、主要道路についてのご質問がございました。国道一六九号の新伯母峯道路の早期着工の今後の進め方についてのご質問でございました。

 国道一六九号でございますが、京奈和自動車道、国道一六八号五條新宮道路と一体となって、紀伊半島アンカールートと呼ばれる骨格路線を構成いたしております。本県南部地域の地方創生を推進していく上で、欠くことのできない重要な路線でございます。川上村と上北山村の境に位置いたします新伯母峯トンネルでございますが、昭和四十一年に整備された延長二キロメートルのトンネルでございますが、高さが低く断面が狭小なためトンネル内での大型車同士のすれ違いが困難でございます。国道一六九号の最大のネックとなっております。このため平成二十三年度から、直轄権限代行による早期整備を国に要望するとともに、県としましても地質調査等を先行実施し、新たなトンネルのルート・構造の検討を進めてまいりました。昨年度は、調査・検討に一定の成果が得られ、トンネル北側の抗口周辺に地すべり面が存在し、施工には高度な技術力が必要となることもわかりました。国に成果を提供するとともに、この夏には従来に増して乾坤一てきの気持ちで積極的に国への要望活動を展開いたしました。

 こうした取り組みの結果、関係の皆様のご支援もございまして今年度、新たなトンネルを含む延長二・九キロメートルの直轄権限代行事業が、一般国道一六九号伯母峯峠道路という名称のもとに事業化されました。大変うれしいことでございます。感謝を申し上げたいと思います。

 国から今年度は、トンネル両抗口の地質調査、予備設計を進める予定と聞いておりますが、地元の上北山村、川上村におきましては、残土処理場の確保や用地買収等につきまして受け入れ準備を進めていただいておりますので、国に対しましては、積極的に調査を進めていただき一日も早く工事に着手していただけるよう、関係者が一丸となって引き続き要望してまいりたいと思っているところでございます。

 私に対する質問は以上でございました。残余は教育長、警察本部長がお答えさせていただきます。ご質問、誠にありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十三番国中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、大淀高等学校、吉野高等学校の再生に取り組んでほしいが、吉野高等学校の三つの学科のあり方も含めた私の考えについてのお尋ねでございます。

 文部科学省の中央教育審議会は、農業高等学校や工業高等学校など専門高等学校の卒業生等を受け入れて、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として、専門職業大学の創設をこの五月に答申したところでございます。先ほど知事がお答えをいたしましたフォレスト・アカデミー構想は、この答申に先駆けて実学教育を踏まえた高大職の連携によりまして地域で即戦力となる人材を育成するもので、県教育委員会といたしましては、本県の高等学校教育、とりわけ専門教育の内容を見直す契機であると捉えております。

 大淀高等学校、吉野高等学校の再生のためには、議員お述べのように地元の中学生が魅力を感じ行きたくなる学校にすることと、先ほど申し上げました、農業、工業の専門教育の内容を見直し、学校から職業への移行における制度的な連結を図ることが大切であると認識をいたしております。そのために大淀高等学校におきましては、保護者及び地域住民等が学校の課題に参画できるコミュニティスクールの来年度からの導入を検討いたします。地域住民等の思いがより強く学校運営に生かされることとなり、地域の学校としての存在感は高まることが期待されます。また、高等学校が地域の小・中学校と連携をして小中学生に感動や憧れを抱かせる機会を設けるなど、地域ぐるみの教育活動を推進する方針でございます。

 一方、吉野高等学校の森林科学及び土木・建築工学科につきましては、地域の豊かな森林をフィールドとして農業と工業の融合を図る新たな教育を提供したいと、このように考えております。生徒が吉野高等学校に入学してから主体的に学習内容を選択できるよう、教育内容や入学者の選抜の方法を来年度から見直しをいたします。両校につきましては、地域産業と関連した専門教育の内容充実を図るなど、地域を支える人材を育成する学校としての特色化を進めてまいりますが、今後は生徒数の減少が見込まれる中で、全県的に県立高等学校の配置と規模の適正化に関する検討を進める必要があると、このように考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)三十三番国中議員のご質問にお答えいたします。

 私には警察の不祥事が相次いで発生している事態について、本部長としてどのように考えているのか、また信頼回復のためにどう取り組んでいるのかというお尋ねであります。お答え申し上げます。

 県警察におきまして非違事案が相次ぎ、県民の皆様の信頼を大きく損なったことに対しまして、議員各位をはじめ県民の皆様に深くおわびを申し上げます。警察に対する県民の皆様の理解と協力は、高い士気と厳正な規律があって初めて得られるものであり、県民の皆様の信頼が良好な治安の基盤を成していると言っても過言ではありません。そうした中、このような非違事案はその信頼を大きく損なうものであり、誠に遺憾であります。今後、このような事案が発生しないように私自身が警察署等に出向き、署長や幹部と直接面談して非違事案防止に係る指導や意見交換を行ったほか、今月開催いたしました県下警察署長等会議や副署長等会議におきましても、私から職務倫理意識のさらなる浸透と厳正な規律の保持について指示したところであります。

 また警察官に必要な職務倫理の基本を公私において実践する教育を繰り返し行うこととし、警察学校における全ての研修において倫理教育を強化したほか、一歩踏み込んだ身上把握、指導の徹底など、非違事案防止に向けた各種施策について取り組みを進めているところであります。

 県警察といたしましては、職員一丸となって非違事案の再発防止に努めるとともに、県民の皆様の期待と信頼に応えるべく警察活動に全力で取り組んでまいる所存であります。

 以上です。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十三番国中憲治議員。



◆三十三番(国中憲治) ただいま、知事、教育長、そしてまた警察本部長におかれましては、前向きな希望の持てるご答弁を丁寧にいただきましたこと、まず、御礼を申し上げたい、かように思います。

 ちょっとだけ時間がありますので、警察本部長に要望をしておきたいと思います。

 県警察の大多数の職員は昼夜を問わず頑張っていただいております。今、そういったことを、ぜひひとつ、もっと継続していただきたいということと、警察本部長が先ほど答弁されましたように不祥事案の再発防止対策に対して進めていただくとともに、県民のための警察活動に全力で取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わっておきたいと思います。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、十六番西川均議員に発言を許します。−−十六番西川均議員。(拍手)



◆十六番(西川均) (登壇)葛城市選挙区選出の自民党奈良の西川均でございます。議長のお許しをいただきましたので、ただいまより会派を代表し質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず初めに、本県産業の活性化について知事にお伺いをいたします。

 国は平成二十四年十二月、第二次安倍内閣が発足して以降、デフレからの脱却を目指しアベノミクスによる経済政策を強力に推し進めてきておるところでございます。これまでのアベノミクスの取り組みにより企業収益は過去最高水準となり、就業者は増加、また三年連続でベースアップの流れも広がりつつある中で、実質賃金が上昇するなど、雇用や所得の環境は大きく改善をしてきておるところでございます。

 我が国の経済は、経済再生、デフレの脱却に向けて大きく前進をしているところでございます。この好循環を一時的なものに終わらせることなく成長と分配の好循環を確立し、一億総活躍社会のもと所得や需要の増加を持続的成長に結びつけ、日本全体の成長力を底上げすることがアベノミクス第二次ステージの大きな仕事ではないでしょうか。この大きな仕事に知恵を結集して直ちに取りかかり、これをなし遂げなければ日本の経済はないと言っても過言ではないと思います。日本は今、大きな岐路に立っていると私は考えております。

 そうした一方で、年初来の新興国の成長鈍化や石油などの資源価格の下落等を背景にリスクを避けようとする資金の動きが国際金融市場において見られるなど、世界経済の不透明感が増加をしてまいっております。このような外的要因に加え、国内では人口減少、高齢化社会のもとでの期待成長率の低下、IT化などの技術革新を生かし切れていない生産性の低い働き方や、新たな有望市場の創出につながる技術や、ビジネスモデルの革新不足などを背景に、国内経済も個人消費や設備投資といった民需に力強さを欠いた状況にあります。この構造的な課題に立ち向かうためには、生産性やイノベーションの力を引き上げ働き方改革を進めることで潜在成長率を高めるとともに、新市場を開拓し、国民の潜在需要を掘り起こし需要を拡大していくことが重要であると思います。また本県も含め地方の中小・小規模事業者等の中には、いまだアベノミクス効果の恩恵を十分に実感できていない方々もおられることは事実であります。こうした地域の方々にもアベノミクスの効果を及ぼさせ、地方経済に好循環をもたらすローカルアベノミクスをより一層推進することが何よりも大切であります。

 国においては、一億総活躍社会の実現に向けて動き出しているところでありますが、本県においても地域経済の活性化に向けた取り組みが不可欠だと考えます。国や県の施策が車の両輪となって、事業者の投資や雇用を引き出し、消費者の購買意欲を喚起することが成長と分配の好循環につながり、奈良県の経済活性化につながるものと確信をいたしております。

 こうした中で、県では地域経済の活性化のため産業興しに取り組んでいただいておるところでございますが、県の経済行動の実態把握において、県外への移出力、海外への輸出力が弱いため、貿易収支に例えると赤字であります。これは製造業の力が弱いことがエレメントではないかと分析をされているところでございますが、私もこの分析には同感であります。本県の産業において、小売業やサービス業が重要な位置を占めることは言うまでもありませんが、域外から稼ぐという意味では製造業の役割が最も大きいと考えています。本県の経済構造を変えるためにも新市場を開拓し、首都圏や海外へ県産品を売っていくことができるよう県内製造業を中心とした取り組みが急務であると考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県の産業構造を改革し、経済が県内で好循環する社会の構築に向けて産業興しに取り組んでおられますが、県外への移出や海外への輸出の強化に向けどのような取り組みを進めていかれるのか、知事の所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、少子化対策についてお伺いをいたします。

 我が国が将来にわたり活力を維持し成長し続けていくためには、持続可能な経済成長をもたらす社会経済システムへの転換を図っていく必要があります。経済成長の隘路となっている少子高齢化という構造的な問題に国と地方が総力を上げて取り組むことにより、若者から年寄りまで一人ひとりが希望や安心感を抱き生きがいを感じながら活躍できる環境を整えることが求められております。こうした中、政府においては先日、ニッポン一億総活躍プランを閣議決定されました。誰もが活躍できる一億総活躍社会をつくっていくための強い大きな三つの目標の一つとして希望出生率一・八を掲げ、夢をつむぐ子育て支援を新たな三本の矢の一つとされたところであります。一人でも多くの若者たちの結婚したい、子どもを持ちたいという希望がかなうよう、安心して子どもを産み育てることができる社会をつくる。これは、私たちの未来を光輝かせるために、今まさに最も力を入れて挑んでいかなければならない課題の一つであると考えております。

 さて、先月二十三日に公表されました厚生労働省の平成二十七年人口動態統計によると、全国の出生率は約百万五千人と前年度よりも二千人超ふえ、合計特殊出生率は前年度よりも〇・〇四ポイント上昇し一・四六になりました。私は奈良県の合計特殊出生率が果たして上がるのかどうか、期待を込めてこの統計の公表を待っていたところでございます。合計特殊出生率は、前年よりも〇・〇八ポイント上昇し一・三五に、そして出生数も二百七人ふえ、その対前年伸び率は全国の伸び率の十一倍の二・二%増となりました。また合計特殊出生率の都道府県順位はワースト三位から五つ順位を上げ、三十九位となりました。一・三五という数値は約二十年前、平成七年の一・三六に匹敵する数値であります。これを見て、本県の未来にほんの少しかもしれませんが希望の光が差したような気持ちになってまいりました。このまま合計特殊出生率が上昇し続けていくことを大いに期待するところでございます。

 これまで県では、少子化対策として奈良県次世代育成支援行動計画等に基づきさまざまな施策を推進してこられましたが、合計特殊出生率は思うように上がりませんでした。そのような状況の中、知事は平成二十五年にみずからが会長となり、奈良県こども・子育て支援推進会議を設置され、少子化対策の抜本的強化に向けた議論を開始されました。以来、知事は奈良県は全国と比較し若者の未婚率が大変高く、このことが晩産化と少子化に結びついていることを再三にわたり指摘をされてきたところでございます。そして、若者の雇用環境の改善に力を入れるとともに、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めると宣言し、実行されているところでございます。今回の本県の合計特殊出生率は、こうした取り組みの成果があらわれてきた結果ではないかと思っておるところでございます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 厚生労働省の調査によりますと、奈良県の平成二十七年の合計特殊出生率は、前年比〇・〇八ポイント上昇の一・三五になったとされていますが、この調査結果に対する所見をお聞かせいただきたいと思います。

 またこの結果を踏まえ、県として今後、少子化対策にどのように取り組もうと考えておられるのでしょうか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、住宅の耐震化について知事にお伺いをいたします。

 熊本地震では、四月十四日に震度七の前震、そして四月十六日に震度七の本震が発生するなど、震度六強以上の地震が合計四回発生をいたしました。特に震度七の地震が二回起こるというのは、これまで経験したことのない本当に想定外の地震でありました。この地震により、被災関連死の方も含めて七十名近くの方がお亡くなりになられました。まずこの場をおかりいたしまして、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、この地震では約十二万棟もの住宅で被害が発生しており、最大十一万人もの人々が避難所生活を強いられるなど、被災者の方々の生活に大きな支障が生じていると新聞紙上においても大きく取り上げられたのは記憶に新しいところでございます。その後、避難生活を強いられている方々が早期に安心して帰宅できるよう被災建築物応急危険度判定が実施され、本県からも三次にわたり職員が派遣されましたが、六月七日時点で七千名近くの方が避難生活を余儀なくされていると聞き及んでおります。その中には判定後も余震による自宅の倒壊を心配し、避難所や車中などで寝泊まりを続ける被災者も多くおられると聞き及んでおります。避難の長期化により、エコノミー症候群などで健康を損なわれた方々も大勢おられるとのことでございます。また今回の地震の特徴とも言われているのが、これまで安全と言われてきた昭和五十六年以降の耐震基準で建てられた住宅、いわゆる新耐震基準の住宅が多数倒壊したことであります。耐震基準自体は、昭和五十三年の宮城県沖地震を契機に大きく見直された後も、平成七年の阪神・淡路大震災を受け平成十二年にも再び見直しをされたところでございます。それにもかかわらず、今回の地震では現在の耐震基準で建てられた住宅に大きな被害が発生をいたしたわけでございます。現在の耐震基準はあくまでも震度七のような激しい揺れに複数回襲われることを想定していないということですが、専門家による今後の調査結果が期待をされていると思います。

 このようなことから、人的被害を減らすばかりではなく災害発生後の生活再建にも大きく影響する住宅の耐震化は重要かつ喫緊の課題であるとともに、これまでの住宅耐震化施策に加え、新たな取り組みが必要になってくるのではないかと考えております。日本では、いつ、どこで大地震が発生してもおかしくない状況であります。もちろん、奈良県も例外ではありません。奈良盆地東縁断層帯などの断層帯による内陸型地震や海溝型の南海トラフ巨大地震の発生が懸念をされているところでございます。今こそ、県と市町村が連携を密にして住宅の耐震化をさらに進めていくべきではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 熊本地震では、約十二万棟もの住宅で被害が発生しており、被災者の方々の生活に大きな支障が生じていると聞きますが、奈良県における住宅の耐震化の現状はどのような状況でしょうか。また、熊本地震を教訓に今後どのような住宅の耐震化を進めようとされているのでしょうか。この点について、所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、奈良大立山まつりについて知事にお伺いをいたします。

 本年一月二十九日から二月二日の五日間にわたり、平城宮跡を舞台にして、第一回奈良大立山まつりが開催をされました。初日は大雨のため出足が悪かったものの残り四日間は天候にも恵まれ、合計で五万一千人もの多くの方々に来場をしていただき、知事もさぞや喜ばしく思われたことと思います。この奈良大立山まつりは、奈良観光の最大のウイークポイントである冬季に宿泊観光客を誘致するため、一月から二月の宿泊を対象にして、主要なオンライン宿泊予約サイトから予約された場合に宿泊料を割り引きするというキャンペーン、いわゆるネットクーポンキャンペーンとの相乗効果を狙って、冬季誘客のメーンイベントとして開催されたものでした。結果として、奈良大立山まつり開催中の奈良市内主要ホテルの宿泊者数は、前年の同時期と比較して二九・一%増加したと聞いております。これはまさに狙いどおり宿泊者の増加につながったということで、大成功だったと言えるのではないでしょうか。

 その一方で、初めてのイベントで短期間で準備が進められたこともあり、交通対策や安全対策など課題も見えてきたところでございます。このような明らかになった問題点については反省を踏まえ、来年の第二回奈良大立山まつりに向けしっかりと改善していただきたいと思います。

 ところで私自身は、宿泊者数を増加させることも重要だと思っておりますが、市町村や地域の方々の参加こそがこのお祭りの大きな意義だと考えております。無病息災を祈るというテーマに沿って、平城宮跡に県内各地の多くの祭りが一堂に集結をし、皆それぞれに伝統行催事を披露されるわけで、ことしは広陵町の金明太鼓、御所市のススキ提灯献灯行事などが参加をされ、これまであまり知られていなかった地域の伝統行事を大きな舞台で演じられました。参加した市町村や地元の方からは、奈良大立山まつりに出たことをきっかけにして、本番の祭りが盛り上がり参加者もふえたという声もお聞きをいたしました。このように奈良大立山まつりは、奈良市内の一過性のイベントにとどまらず地域振興にもつながっているということであり、ここに大きな意義があることと考えている一人でございます。

 また県内三十三市町村が参加した、あったかもんブースでの飲食販売では、用意した一万八千食が飛ぶように売り切れ、うれしい悲鳴を上げることになりました。もっと用意しておけばよかったと思われた方も多いと思います。もちろん、これは課題の一つとして上げられることでありますが、今回参加できなかった市町村も次回は必ず参加したいという気持ちになったと思います。

 こうしたことから今後は、さらに多くの市町村や地域の方に参加していただくことが大切だと考えます。また訪れた来場者に時期の違う、地域で行われる本番の祭りを訪ねてみようというような気持ちを持っていただくためのさらなる工夫が必要だと思います。そして、観光客が奈良市内から奈良県中南部へも周遊、滞在できるきっかけとなるイベントになればよいのではないでしょうか。そのためにも、この奈良大立山まつりを県民みんなで盛り上げ、内容がさらに充実していくことを期待いたします。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県民参加のもと、奈良大立山まつりをさらに盛り上げ発展させるため、今後どのように取り組みを進められるのか、知事のご所見をお聞かせください。

 続いて、相撲発祥の地を生かした地域振興についてお伺いをいたします。

 ことしは四年に一度のオリンピックイヤーであり、いよいよ八月の本番に向けて国民の関心が高まってまいりました。五月二十四日に県庁と県議会を表敬訪問された、天理大学出身で男子柔道の大野将平選手と、奈良市出身で陸上女子マラソンの伊藤舞選手をはじめ、奈良県にゆかりのある選手たちがオリンピックのひのき舞台で活躍されることは郷土の誇りであり、県民に大きな夢や感動を与えてくれるものと大いに期待をしているところでございます。私はこのように、スポーツは人々を元気にしてくれる、さらには地域に活力を与えてくれる大きな力を持つと考えております。

 さて、オリンピック種目ではありませんが、私の地元葛城市は相撲発祥とされる初の天覧相撲をとった當麻蹶速の出身地であります。葛城市は、この相撲発祥とのかかわりを生かし積極的に地域振興に取り組んでいるところでございます。平成二年、當麻蹶速を顕彰する目的で相撲館けはや座がオープンいたしました。展示資料は数千点に及び本場所と同じサイズの土俵ではまわしをつけて相撲体験もできることから、熱心な相撲ファンのほか女性や子ども、最近では外国人観光客にも大変人気があります。平成二十六年からは、大関、稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋がここで合宿を行い、朝稽古が一般公開をされております。さらにことしの二月には、荒井知事も出席いただいた相撲サミット2016in葛城が開催をされました。横綱、白鵬関をゲストにお迎えしてのトークショーや、会場周辺のちゃんこ鍋などの出店で大変なにぎわいを見せておりました。

 サミットでは葛城市のほか、相撲発祥に関係する桜井市、香芝市そして兵庫県たつの市が、相撲文化の地域への浸透及び地域が一体となった観光振興の強化を図り、地方創生を実現するとの共同宣言を行ったところでございます。一方県では、昨年一月の大相撲東京場所から、奈良県知事賞の贈呈を開始されました。相撲サミット2016の会場でも、相撲発祥の地・奈良県知事賞と螺鈿細工で記されたトロフィーが特別展示をされ、多くの人が目にされました。そしてサミット直後のことし三月の大阪場所では、ゲストにお迎えした白鵬関が優勝され荒井知事から直接このトロフィーが授与されました。このほかにも、県では相撲をテーマとしたさまざまな取り組みを進め、相撲発祥の地奈良を広くPRしてこられているところであります。相撲発祥の地という奈良の売りをよりいかしていただくためにも私は、県内の相撲にゆかりのある地域との連携をより一層深めながら、県の取り組みをさらに充実していただくことが重要と考えております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県では、大相撲幕内優勝力士への奈良県知事賞の贈呈などによりスポーツを通じた地域振興に取り組んでいますが、歴史上初めて天覧相撲が行われた地と日本書紀に記されるなど、相撲発祥の地と伝えられてきた背景をより一層生かした取り組みを進めるべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 最後に、犯罪被害者等への支援についてお尋ねをいたします。

 皆さんも日々の新聞、テレビ等の報道からよくご存じのとおり、毎日のようにさまざまな犯罪が後を絶ちません。中には、殺人をはじめ脅迫や暴行など凶悪な事件を目にすることも少なくはなく、決して他人ごととは思えない状況にあります。一たび犯罪等に巻き込まれると命を奪われたり、けがをしたり、物を盗まれたりといった生命、身体、財産上の直接な被害を被ります。さらに、事件に遭ったことによる精神的なショックや身体の不調、医療費の負担や失職、転職による経済的な困窮、捜査や裁判の過程における精神的、時間的な負担、周囲の心ないうわさ話などにより被害を受けた後もさまざまな問題に苦しめられます。こうした苦しみや悲しみは被害者の方々はもちろんのこと、そのご家族の方々などについても同様であります。たとえ事件が解決したとしても、決して消えるものではありません。私は犯罪に遭われた被害者の方々やご家族の方々には、一刻でも早くその被害から少しずつでも立ち直っていただき、再び平穏な生活を取り戻していただきたいとの思いでいっぱいであります。

 そのためにも、これらの方々が抱える問題や望んでおられる支援はさまざまではありますが、ニーズをしっかりと酌み取り、その立場に寄り添って国、県、市町村、関係機関等が相互に連携をし、適切で途切れない支援を行うことが再び平穏な生活を取り戻していただくための基本であると考えます。そして、これらの方々の置かれている状況を県民の方々にも正しく認識していただき、一層理解を深めていただくことが何よりも大切であると私は常々考えております。

 県においては、これまでも相談や情報提供の取り組みと関係機関と互いに連携、協力して支援を行っていただいていることは承知をいたしておりますが、被害者の方々やご家族の方々に対するさらなる支援を推し進めるため、本年二月、県議会において奈良県犯罪被害者等支援条例が提案・可決をされ、四月一日より施行されたところであります。この条例の基本理念では、第一に、犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられ、ふさわしい処遇を保障される権利が尊重されること。第二に、支援が被害者の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況、その他の事情に応じて適切に講ぜられること。第三に、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるまでの間、適切かつきめ細かな支援が途切れることなく提供されることの三点がうたわれております。この理念を実現することこそが、真の犯罪被害者等への支援につながるものと私は確信をいたしております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本年四月に施行された、奈良県犯罪被害者等支援条例の理念を実現するため、今後、犯罪被害者等への支援をどのように進めようとされているのか、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。

 以上で、私の壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十六番西川議員のご質問が幾つかございました。

 まず最初は、本県産業の活性化をどのようなやり方で進めていくのかというご質問でございます。

 議員もお述べになりましたが、我が国の経済の中で本県の経済の動向、雇用の動向は随分と改善されてきておる感じを持っておりますが、基本的な経済構造、産業基盤はまだ脆弱なままだという認識を持っております。議員お述べの交易の分野でございますが、本県は県外や海外から稼ぐ力の主力エンジンに普通なります製造業につきましては、大手の力が県内で大分弱くなっていることもございまして、地域間の貿易収支とも言われます域際収支でございますが、大きな赤字でございます。古い産業連関表でございますが、平成二十三年産業連関表におきましては、約九千億円超の赤字ということになります。貿易から稼ぐ県内へお金が回ってくる量は、ネットで赤字流出が続くということでございます。逆に県民の方が県外で働きに行って稼がれます県民所得は大きな黒字になっておる、それで経済のバランスをとっている本県の経済状況でございます。

 その県民所得につきましても、源泉を他県に依存している状況にございますので、本県の経済を一言で言いますと、県内で投資、消費が自立的に回っていない現状であるというのが経済の構造になっていると思います。そうした経済構造を改革し、県内産業の体質を強化するためには域際収支が一つのメルクマールになりますが、そのためには域外交易力の強化が大変重要でございます。貿易立県になるという方向でございます。域外交易力の強化には、外へ売り込んでいく取り組みと外から呼び込む取り組みの二つの大きな方向性があるように考えております。外へ売り込んでいく取り組みでございますが、県では販路開拓を支援するとともに、とりわけ新市場の開拓に率先して取り組むという大きな役目が課せられていると思っております。

 これまで海外見本市への出展支援などで培いましたノウハウを生かしまして、顧客のニーズに合った喜ばれる商品を新たな顧客に提案していくという実践的な手法が必要かと思っております。具体的には、商談の成果をもとに確実に新規取り引きの獲得につなげる、あるいは海外での奈良の食の販売拠点を立ち上げて新たな市場の開拓にチャレンジするなどの、大変言ってみればしつこい取り組みが必要でございます。そのような方面での意欲的な企業も奈良県ではふえているように思います。一つの市場開拓の例で、海外に打って出ようとする意欲的な企業がふえることになれば、域外交易力を高めるということにもなるというものでございます。域外交易力のために海外ビジネスのよきアドバイザーでございますジェトロと連携いたしまして、TPP協定の発効により新たに誕生いたします巨大市場を見据えました県内中小企業の海外展開を総合支援する体制を構築したいと考えております。公益財団法人奈良県地域産業振興センターの相談窓口やジェトロ奈良事務所の誘致でございます。グローバルニッチトップと言われます、小さくても世界の中で光輝く奈良県企業は多少ございますけれども、それをふやしていくという方向感覚を持った取り組みでございます。

 二つ目は、外から呼び込む取り組みというような言い方ができる取り組みでございますが、域外交易力を強くするという観点でございますが、雇用吸収力が高い、また貿易の競争力が高い企業誘致につきましては、毎年二十件以上の誘致に成功しておりますし、本店の誘致も全国有数の誘致県になっておりますので、遅まきながら成果が上がってきていると思っております。

 また最近の新しい動きでございますと、日本でも有数のレストラン事業者でございます株式会社ひらまつが、桜井のオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井の事業運営を展開され、全く新しい事業形態で山の上にレストラン、宿泊施設をつくるという取り組みでございますが、これが大変好調でございます。これは、奈良の山の上にでも集客施設が成功する例として成功されたように思います。

 また、ことし三月にJWマリオットホテルという最高級ホテルが奈良に進出するということが発表されますと、新しい世界最高級のホテルも奈良に関心を示し始めたということが身近に起こってきております。国内外の一流事業者が奈良を魅力的な投資先として選択しようとする動きが生まれつつあるという感じでございます。もしそうであれば、大変ありがたいことだと思っております。このような追い風とも言えるような動きを背景に、県内にさらなる投資を呼び込むには工場などを中心とした誘致だけでなく、観光施設や商業、レストラン、ホテルなど、これまで奈良に不足していた施設も積極的に誘致をいたしまして、訪問客による消費を県内で増嵩させるといった取り組み、また古いまちも一体となって参加するといったまちづくりも考えていきたいと思います。外に向かって稼ぐ努力をする企業マインドが奈良県の商売人の方にもより植えつけることがなりましたら、奈良の外からお客を呼び込んで奈良で消費をしていただき、奈良らしく稼ぐ力になることを期待する分野でございます。

 次のご質問は、少子化対策についてでございます。

 合計特殊出生率が上がったことについての所見、またこれからの取り組みについてのご質問でございます。

 議員お述べのように平成二十七年の合計特殊出生率は統計の報道がありましたが、全国的に上昇いたしましたが、本県の〇・〇八ポイントの上昇は近畿でトップの上昇率でございます。これまで取り組んできたさまざまな少子化対策の成果があらわれ始めているということであれば、大変喜ばしいことと受けとめております。今後の推移をもう少し見なければいけないと思います。合計特殊出生率の上昇には、経済的要因や子育て負担の問題など、女性の働く環境、生活の環境を取り巻く多様な要素が絡み合っているように思います。合計特殊出生率の高い県と本県と何が違うのかということで、その効果的な少子化対策を探ってきてまいりました。滋賀県などとの比較では、滋賀県は同程度の人口でございますが、合計特殊出生率が奈良県に比べて大変高いということがわかってきております。違いの一つは、若者の正規雇用率が随分違うということでございまして、若者の所得を上げ、正規雇用率を上げることで出生率がふえるのではないかといった方面の対策を始めております。若者の雇用安定に向けまして、企業誘致による仕事場の確保、企業に対する若者の正規雇用化の働きかけなどを行っておりますが、奈良県の若者の正規雇用率、また若者の所得が上がること自身大変いいことでございますが、それが少子化対策にもつながればということで続けてきております。

 一方、宮崎県の状況でございますが、宮崎県は所得が低くても若者の未婚率が低く、合計特殊出生率が大変高い県でございます。結婚や子育てに関する地域の考え方や暮らし方の違いがあるように思います。経済的要因だけで出生率が決まるわけではない例が宮崎県にございますので、宮崎県の状況を把握、分析をして、奈良県らしい暮らしやすさ、子どもの産みやすさを追求してみたいと考えております。一般的には、安心して子どもを産み育てていただくためには、結婚から妊娠、出産、子育てまで、その地域全体、社会全体での切れ目のない支援が必要だということは間違いございません。本県におきましても、地域の企業や店舗などが出会いイベントを実施するなら結婚応援団や子育て家庭に対しまして、料金割り引き等のサービスを提供いたします、なら子育て応援団など地域で結婚や子育てを応援する取り組みを徐々に拡充してきております。

 このほか保育や放課後児童クラブといった仕事と子育ての両立支援など、子育て環境の整備にも引き続き取り組んでいく必要があろうかと思っております。まだ全国的にも出生率の低い奈良県でございますので、いろんな取り組みをとにかく実行して出生率を上げていきたいと考えております。

 次は、熊本の地震の状況も勘案しながら本県の住宅の耐震化の現状と耐震化の取り組みについてのご質問でございます。

 本県におきましては、平成十九年三月に奈良県耐震改修促進計画を策定しておりましたが、本年三月に九年ぶりに改定をしたところでございます。この計画に基づきまして、災害による死者をなくす、人命を守る、経済的被害の軽減を図ることを計画の目標といたしまして、県内の住宅建築物の耐震診断及び耐震改修をより一層促進してまいる所存でございます。また、市町村におかれましても県の計画に基づき、地域の現状を踏まえた促進計画を策定され取り組まれているところでございます。

 本県の住宅の耐震化の現状でございますが、平成二十七年度の推計でございますが、奈良県には五十三万戸の住宅があるとされておりますが、昭和五十六年以前の住宅、いわゆる旧耐震基準で耐震性が不十分な住宅は約十一万戸もございます。住宅の全戸数のうち耐震性のある住宅の割合、すなわち耐震化率は七九%となっております。本県では、この旧耐震基準の住宅に重点を置き耐震改修を進めていく必要があると考えております。住宅に対する財政的支援の取り組みといたしましては、旧耐震基準の既存木造住宅に対しまして、市町村が実施いたします耐震診断支援事業や最大で五十万円を補助することができる耐震改修支援事業について、県としても経費の一部を助成しております。

 一方で、今回の地震によりまして新耐震基準の住宅でも倒壊しているという事実がございます。昭和五十六年以降の住宅を対象とする耐震診断についても、市町村により一層働きかけていきたいと思います。耐震化の取り組みは、これらの施策を継続的に実施していくことが必要でございます。一年や二年でなかなか耐震化が完了というわけにもいかないと思います。本県が市町村や民間団体に呼びかけて平成十九年に設置いたしました、奈良県住宅・建築物耐震化促進協議会というものがございますが、その活動の促進などいろんな機会を捉えまして、制度の周知や啓発活動を引き続き実施していきたいと思っております。

 本県の目標でございますが、平成三十二年度までに住宅の耐震化率九五%を目標にしております。いろんなことを実行しながら、この目標の実現ができますように今後とも取り組んでまいりたいと思っております。

 次は、奈良大立山まつりの取り組みの進め方についてのご質問でございます。

 今回、初めて実施いたしました奈良大立山まつりでございますが、議員お述べのとおり五万一千人の方に来場いただき、盛況のうちに五日間の日程を終えることができました。来場者の皆様からも多くの感激のメッセージをいただいております。大きな成功をおさめたものと考えております。このような成功をおさめられたのも、ステージで伝統行催事を披露いただきました地域の皆様、あったかもんの屋台を提供いただいた市町村の皆様、その他、たくさんの皆様のご尽力のたまものと感謝をしております。この奈良大立山まつりは、県内各地のお祭りの隆盛を祈るという思いも込もっております。奈良大立山まつりへの参加をきっかけに、地元での本番のお祭りの盛り上がりにつながったという声も聞いております。主催者として大変うれしいことでございます。

 今年度の実施に当たりましては、さらに多くの地域の皆様にも参加していただき、奈良大立山まつりを地域に密着した祭りとして定着させ、さらに大きく発展していくことを目指したいと思います。

 一方、課題もございます。会場照明や防寒対策等の不足による来場者の安全確保の問題、また駐車場不足、会場までのシャトルバスの遅延等によるアクセスの問題、また、あったかもんの早々の売り切れなど食事提供の問題がございました。今年度の実施に当たりましては、実行委員会でもしっかり議論をして、来場者の皆様により一層喜んでいただけるように努めてまいりたいと思います。今年度は実行委員会の下に市町村や地域の皆様をメンバーとした会場・運営、企画・渉外、広報プロモーションなどテーマを分けた部会を設置したいと思っております。企画準備の段階から幅広いご意見をいただきながら多くの県民の皆様に参画していただくことで、地域に密着した祭りをつくっていくという機運が生まれるものと期待をしております。

 この奈良大立山まつりは、これからの奈良県の冬の観光振興、地域振興のために欠かせない大きなコンテンツだと思います。地域の皆様、市町村の皆様とともに取り組んでまいりたいと思っております。

 次のご質問は、相撲発祥の地を生かした地域振興でございます。相撲発祥の地の一つでございます葛城市ご出身の西川議員のご質問でございます。

 日本書紀にも記されておりますが、相撲は奈良が発祥の地と考えております。本県発祥の日本清酒や能楽などとともに他県にない地域特性を活用すれば、奈良県にしかできない地域振興の取り組みが広く展開できるのではないかと思います。昨年七月、相撲に関係する市町村や団体で構成いたします奈良県相撲推進連絡会を設立いたしました。葛城市など市町村の取り組みをはじめ、青年会議所が主催するわんぱく相撲や相撲甚句会の活動などと連携を図りながら取り組みを進めているところでございます。大相撲幕内優勝力士への知事賞の贈呈では、相撲発祥の地奈良を全国にアピールすることに加えまして、大和肉鶏や大和野菜など、大和のものをふんだんに盛り込んだちゃんこ大和づくしの贈呈により、県産農産物などのPRを行っております。表彰状の朗読の際にちゃんこ大和づくし三百人分を贈呈しますと言いますと、館内からどっと歓声が沸くのが通例でございます。お届けした相撲部屋からも好評をいただいております。

 また多くの方々に奈良を訪れていただき、奈良県と相撲との深いつながりを感じていただくイベントも必要でございます。昨年に引き続き、この十月には相撲発祥の地奈良体験ツアーの開催を予定しております。また、初の天覧相撲が行われた地とされます桜井市の相撲神社や葛城市相撲館などをめぐりまして、また人気力士によるトークショーのほか、初っ切りや相撲甚句の鑑賞などさまざまな相撲の魅力に触れていただけるような工夫も凝らし、葛城市のほか桜井市や香芝市などとも連携して地域の連携イベントとして盛り上げを考えております。また県内の子どもさんたちに相撲をより身近に感じていただくために、大阪場所前に県内で合宿される相撲部屋を訪問していただき、迫力ある稽古を間近で見て、みずからも参加されます交流イベントも引き続き実施することとしております。このほか、本県出身の幕内力士であられます徳勝龍関の化粧まわしを活用して奈良県をPRする取り組みを新たに実施したいと考えております。近々、県民の皆様にも化粧まわしをお披露目できるものと考えております。

 今後も本県の相撲との深いかかわりを活用すること、また歴史、文化をスポーツと結びつけた地域振興の取り組みに生かすことは重要な切り口であろうかと考えております。本県は相撲というテーマがございますので、いろんな工夫をしながら地域振興、スポーツ振興に取り組みたいと思います。

 次は、犯罪被害者への支援について条例ができましたが、どのように具体的に進めようとしているのかというご質問でございます。

 理不尽にも犯罪等に遭われました方々、そのご家族の方々に対します被害者等への支援は大変重要な事項でございます。犯罪被害者対策はその性格上、個別的対応が基本となるように思いますが、置かれました状況に十分配慮してそのご心情に寄り添った対応をする気持ちが何よりも肝要だと思います。県ではこれまでから県警察本部をはじめ、関係機関とのご協力が深いものでございますので、窓口での親切な対応や必要とされている情報の提供、また精神的ショックから立ち直っていただくためのカウンセリングなど、その人の環境に適した取り組みを進める必要があろうかと思っております。また犯罪被害者の身内の方への対応だけでなく、県民の皆様の理解が一層深まれば被害者の方も回復が早いというふうに思います。条例ができましたその目的、理念の周知を図る機会として犯罪被害者週間に合わせて開催しております犯罪被害者支援奈良県民のつどいの内容を充実させるなど、広報も必要だと考えております。

 また公益社団法人なら犯罪被害者支援センターというのがございますが、ご相談の窓口をしていただいているものでございます。相談員の資質向上など、寄り添った取り組みのバックアップをしていきたいと思います。また議員お述べになりましたように条例の考えを受けまして、どのように実施するのかという中で総合的かつ計画的に推進するという観点から、仮称でございますが奈良県犯罪被害者等支援計画の策定をしていきたいと思っております。この計画は、犯罪被害者の支援に関する取り組みを体系的に整理し、個別的な対応が基本でございますが、いろんな事例がありますと標準化が図れることになりますので、こういう事情にありましたら、こういうご相談をさしあげる、支援をさしあげるのが普通、最もいいのではないかと思われるような整理がまず必要かと思いますので、そのような観点の計画を立てるということを考えております。また個別の現場での対応のための支援体制、また、相談員のそれぞれのスキルの充実、また、対応体制の充実が必要かと思っております。体系化と現場での展開、両方必要かと思っております。この支援計画の策定と実行を積み重ねながら、犯罪被害者の方々への支援に対して実績を上げていきたいというふうに思っているところでございます。

 ご質問、誠にありがとうございました。



○議長(中村昭) 十六番西川均議員。



◆十六番(西川均) 知事におかれましては、私の六問につきまして種々細かく、また丁寧にご答弁をいただきましたこと、心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。また今答弁の中でお述べいただきましたことについて、私ども微力ではございますがご協力をさせていただいて、すばらしい奈良県をつくっていきたいと、このように思うところでございます。

 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時六分休憩

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△午後三時二十四分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十七番小林照代議員に発言を許します。−−十七番小林照代議員。(拍手)



◆十七番(小林照代) (登壇)日本共産党の小林照代です。日本共産党を代表して質問いたします。

 参議院議員選挙が目前に迫りました。日本共産党は安倍政権の暴走政治に対決し、戦争法廃止、憲法を守る政治を取り戻すため、野党統一、市民共同で勝利に向けて全力を挙げます。また消費税増税は延期ではなく、きっぱり中止を求めます。この決意を表明しまして質問に入ります。

 初めに、国民健康保険の県単位化についてお伺いします。

 現在の国民健康保険制度は憲法第二十五条の生存権保障をもとに、社会保障制度審議会が社会保障の責任は国にあると宣言した五十年勧告により、全ての国民が年齢、性別、職業、収入を問わず、医療保険に加入する国民皆保険制度として一九六一年にスタートしました。公的医療保険には国民健康保険、協会健保、組合健保、共済組合などがあります。その中で、国民健康保険の加入者世帯は二〇一三年三月現在、二千二十五万世帯、加入者数は三千四百六十六万人に上っており、国民皆保険制度の根幹をなすものです。ところが今、高過ぎて払えない保険料と各地で悲鳴が上がり、病院に行くことができず命を奪われる事例が各地で報告されています。なぜ、このような事態になったのでしょうか。それは現在の国民健康保険制度は、当初より他の医療保険に加入できない高齢者、病気の方、無職者を抱え込む医療保険としてスタートしました。そのため、国民健康保険会計は収入全体に占める国庫負担の割合は高く、一九六〇年代ごろから一九八三年までは収入全体の約六〇%を国庫支出金が占めていました。しかし、高齢化や医療の高度化が進み医療費が増嵩する中で、一九八四年から国庫支出金の割合は低下し、現在は二三%にすぎない状況になっています。政府は医療費の減少効果による国民健康保険の国庫支出金削減のため、都道府県ごとの医療費の適正化、効率化を地域医療構想に基づいて行い、それを都道府県に責任を持たせるため国民健康保険の県単位化を進め、二〇一八年度から新制度への移行を目指します。県単位化は、国民健康保険を広域化しスケールメリットにより国民健康保険の困難を解決するものと思っている人が多くいますが、県単位化は財政基盤が脆弱、国民健康保険料が高いなどの国民健康保険の構造的問題を解決するものではなく、財政基盤の弱い市町村国民健康保険同士の助け合いにすぎません。

 政府は、運営責任そのものを市町村から都道府県に移し、都道府県が医療費の見込みを立て市町村ごとに標準保険料を示し、将来的には都道府県内で保険料の平準化を目指しており、幾つかの市町村では国民健康保険料の一層の高騰につながることが想定されます。県単位化後の保険料の決め方は大きく変わります。現行のように保険料の前提となる賦課総額を収入と支出の試算で決めるやり方ではなく、都道府県が決めて各市町村に割り振った納付金に基づいて保険料を算定することになります。そして市町村は都道府県への納付金一〇〇%上納が義務づけられます。市町村が県に定められた給付金を全額支払うためには、保険料の値上げや徴収の強化など、さまざまな無理が生じてくるのではないかと懸念されます。市町村はこれまで、保険料の負担をこれ以上ふやすことはできないと法定外の一般会計繰り入れや被保険者の個別事情により保険料の減免を行うなど、被保険者の負担を軽減する努力をしてきました。しかし県単位化によって、市町村によっては保険料の上昇が避けられないことは厚生労働省が特例基金などによる激変緩和措置を示していることからも明瞭ではないでしょうか。

 そこで、知事にお尋ねします。

 二〇一八年度以降、県が国民健康保険の財政運営の主体となりますが、保険料の上昇を抑制するため、県としてどのような市町村支援をお考えでしょうか。

 次に、健康福祉部長にお尋ねします。

 現在、県内市町村では法定外の一般会計繰り入れや保険料の減免などについて取り扱いの差がありますが、これらの運用については県単位化後も統一すべきではないと考えますが、どうでしょうか。

 次に、保育所待機児童の解消についてお伺いします。

 五月五日のこどもの日には、各紙が一斉に三十五年連続で子ども減少の見出しで総務省の人口推計の結果を取り上げていました。また、外国人を含めた十四歳以下の子どもの数は前年と比べて十五万人減の千六百五万人で三十五年連続の減少、総人口に占める割合は一二・六%で四十二年連続低下しています。奈良県でも子どもの数は、一九五〇年の二十四万六千人から、二〇一五年には十七万四千人に減少しています。また先月二十三日には、平成二十七年人口動態調査が公表され、本県の合計特殊出生率は一・三五と昨年に比べてわずかに上昇しましたが、全国順位は三十九位と依然として低い状態が続いています。今、このように子どもが減少する中で少子化対策としては、結婚、出産、子育てを支える社会づくりが幅広く求められています。

 さて保育園落ちたのは私だというSNSの書き込みから始まった保育所待機児童問題は、瞬く間に全国に広がり国会前では、認可保育所をふやして。保育士になりたいのは私だ。スタンディング行動や国会内での集会も開かれ、国会での論戦が繰り広げられました。厚生労働省の発表では、二〇一五年四月時点で認可保育所に入れなかった子どもたちが全国で八万三千人、奈良県では二百五十三人います。問題はどこにあるのでしょうか。

 一つは、認可保育所が決定的に足りないということ。もう一つは、保育士の労働条件が劣悪なため保育士が不足をしているということです。しかし、安倍政権の対策はこの根本問題に背を向けて、基準を低くして詰め込み保育内容の切り下げを行おうとしており、公的責任の放棄と言わざるを得ません。

 日本共産党は、これまでも認可保育所の増設をはじめ国と自治体が保育への公的責任を果たすことを求めてきましたが、改めて今日の事態を解決するため、次のような緊急提言を行いました。緊急提言の一つは、三十万人分、約三千カ所の認可保育所を緊急に増設する。二つ目は、保育士の賃上げと働く環境の改善です。さきの国会には、野党共同で保育士の賃金を五万円引き上げるという法案を提出しました。奈良県内の保育所は、公私合わせて百七十八カ所ですが、保育所から幼保連携型認定こども園への移行や、地域型保育事業の創設がふえています。待機児童には〇歳から二歳の児童が大部分を占めており、〇歳から二歳児の待機解消には、認定こども園でなく認可保育所をふやすことが必要です。また二〇一四年三月の保育士実態調査によると、県内で働いている保育士は二百三十二施設に約三千人で、正職員が五三%、パート・アルバイトが三二%となっており、子どもたちの人格形成時期に重要な役割を担う保育士の正職員は約半分という状態です。また、賃金については年収百三万円未満が一七%、百三万円から二百万円未満が二七%、二百万円から三百万円未満が二五%であり、低い賃金の実態が浮き彫りになっています。全産業より平均月約十万円もの低い賃金は国の基準があまりにも低過ぎるからであり、経験が大事な仕事であるのに早期退職を前提とする賃金の設定は是正されなければなりません。このような保育士を取り巻く状況の中では、待機児童解消や保育の質の確保は困難であると考えます。

 そこで、知事にお尋ねします。

 保育所待機児童について全国的に問題となっていますが、待機児童解消に向け今後どのように進められていかれるのでしょうか。また保育士が不足している中、処遇の改善や労働条件の改善が必要です。保育士の定着支援にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、避難所の環境整備及び避難者のケアについてお伺いします。

 災害はいつ、どこで起きるかわからない、その言葉をはっきり示したのが四月、熊本県、大分県など九州地方を襲った熊本地震です。被災地熊本の多くの人は、熊本は地震の滅多にないところと思っていたと報道されていました。しかも今回の一連の地震は、最大震度七の揺れを二回続けて記録する観測史上初めてのケースとなり、体に感じる震度一以上の地震の発生回数は千七百回を超えています。そして依然余震はおさまらず、今も約六千人余りが不自由な避難所生活を送っています。今回の地震では、これまでに亡くなられた四十九人のほかに災害関連死で二十人が亡くなられ、エコノミークラス症候群など車中泊で体調を崩し死亡した人の割合が高いことが目立っています。車中泊で死亡した人の割合が高過ぎる、早期に大型テントを設けるなどして車中泊を減らす努力をすべきだった。関連死の予備軍は大勢いるはず、定期的に運動するなどの防止策を避難者に周知すべきだとの新聞記事もありました。

 地震に遭った被災者が生活する避難所は、本震と強い余震に耐え得るものでなければなりません。早急に避難所の耐震化に着手すべきです。加えて、東日本大震災の教訓から災害対策基本法が改正され、切迫した災害から逃れるための緊急避難場所と、一定期間滞在し避難者の生活環境を確保するための避難所が明確に区別されました。避難時の住民の安全を考えると、市町村において緊急避難場所を速やかに指定すべきです。

 熊本地震では過去の災害と同様、社会的弱者がさらにつらい境遇に追い込まれる実態が浮かび上がりました。難病のため避難所での寝起きは難しいと判断して車中泊を続け亡くなられた人、自閉症など発達障害を持つ子どもや家族の多くがトラブルを恐れて避難所に入れず、車や自宅での生活を強いられた人。ここでは見られないのでと、避難所の入り口で門前払いをされた電動車いすの人など、数え上げれば切りがありません。熊本地震では、被害の大きい熊本市と益城町で危険な自宅に住み続けたり、症状が重くなったりして緊急支援が必要になっている障害者が少なくとも百六十三人いることが民間支援団体の全戸訪問調査でわかったとの報道もありました。また熊本市教育委員会が被災した子どもの心身の影響を調べるため、市立小・中学校を対象に実施したアンケートの結果、カウンセリングが必要と思われる児童生徒が二千人に上り、子どもの心のケア必要と各戸を回る臨床心理士の増員を進めていることも伝えられていました。加えて、災害時には被災によるショックや避難所生活が大きなストレスになり、眠れない、不安を感じるといった不調を訴える人や鬱病や不安障害など疾患が顕在化するなど、精神的問題を抱える被災者への心のケアが必要となります。災害によってやむを得ず避難所生活を送られる方々にとって、避難所の生活環境の確保や心身の健康維持は非常に重要です。特に、障害者など社会的な支援を必要とする方々への対応は不可欠です。

 そこで、知事にお尋ねします。

 避難所は集団生活を強いられ、床が固く、トイレは遠い上に少なく、プライバシーが守れないなど決して快適でない環境が多く見られます。避難所の耐震化や緊急避難場所の指定などの避難時の安全確保に加え、避難所の良好な生活環境の確保、改善に向けた取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、避難所における障害者や要介護者など日常生活に配慮を要する人たちの支援や被災した方々へのケアについては、市町村では対応し切れない状況も考えられますが、県としてはどのように対応していかれるのでしょうか。

 次に、(仮称)登大路バスターミナルの整備についてお伺いします。

 奈良公園は、世界遺産、古都奈良の文化財に代表される数多くの文化財、史跡、名勝と原始林の自然環境が一体となった歴史的、文化的風致景観が形成されています。奈良公園の魅力は都市機能が持つにぎわいではなく、数千年の歴史の中で形成され受け継がれてきた社寺の文化財や宗教儀式、行事、若草山、春日山の峰々、観光客を迎える奈良の鹿など、歴史的、文化的景観と自然が一体となった古都の静かなたたずまいです。市民の生活や精神の中に心のふるさととして生き続け、奈良らしさを代表する奈良観光の核心地域であり、ゆえに文化財保護法や古都保存法、風致地区条例などによって適切に規制、誘導されてきました。県は、奈良公園を世界に誇れる公園にすることを目的に二〇一一年三月、名勝奈良公園保存管理・活用計画、二〇一二年二月には、奈良公園基本戦略を策定し、奈良公園の価値の維持と利活用を図る取り組みをまとめ、示しました。こうして奈良公園基本戦略に基づき、若草山にモノレール、(仮称)登大路バスターミナル、吉城園周辺地区、高畑町周辺地区などの検討や計画が進められ、奈良公園は大きく変わろうとしています。若草山へのモノレール検討には、景観は守るべき、貴重な文化的景観を守れ、多くの県民や国内外から声が上がりました。現在、進められつつある(仮称)登大路バスターミナルは、公園内の慢性的な交通渋滞の解消が目的でしたが、バスターミナルは交通渋滞解消にはつながらないのではとの指摘もあり次々と施設の計画が変わり、大規模な複合施設へと変化をしてきたものです。

 この計画については、昨年夏の奈良公園地区整備検討委員会では、建物が大き過ぎる、圧迫感がある、奈良公園の中心的な施設に近接するものとしてふさわしくないなどの指摘もあり、当初計画された三階建ての構想は若草山や興福寺、五重の塔を一望する景観を大きく損ねるという議論を受けて、二階建てに変更されました。しかし、二階建てに変更し提案した三月の検討委員会でも大規模な建造物が奈良公園の景観に影響するという危惧の声がありました。一方、渋滞解消を期待する声もありました。しかし、この計画では駐車スペースは十四台しかなく大型バスなどの乗降場とするものであり、バスの乗降に時間がかかりバスや車が県庁前道路に新たな渋滞をつくり出すことになるおそれがあります。

 そこで、知事にお尋ねします。

 奈良公園基本戦略では、奈良公園の価値とは、奈良公園の自然資源、歴史・文化資源、公園資源、及び各資源が融合した独特の風致景観であると言われています。県が奈良公園基本戦略に基づき事業化を進めた(仮称)登大路バスターミナル整備は、奈良公園の価値を損なうものであり、これだけの大規模な建物は必要なく、再検討されるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(仮称)登大路バスターミナルによって新たな交通渋滞が発生する可能性があると考えますが、いかがでしょうか。

 以上で、私の第一問を終わります。よろしくお願いします。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十七番小林議員のご質問にお答えいたします。

 第一問は、国民健康保険の県単位化についてのご質問でございます。

 日本の国民皆保険は、世界でも極めて珍しい平等で広範囲な医療保険に基づく医療提供制度でございます。他の国に例はございません。大変立派な制度でございます。その存続基盤が揺らいでいる状況でございます。保険制度でございますので、福祉制度ではない立派な制度でございます。揺らいでいる原因は高齢化の一層の進展、医療費の増嵩でございます。また低所得者の割合が増加いたしておりますので、支える人が少なく弱くなっている、安定的な運営が危惧されている状況でございます。こうした背景から、昨年五月に国民健康保険法が改正されました。その内容は財政支援の拡充により国民健康保険の財政基盤を強化するとともに、平成三十年度から都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることなどにより、国民健康保険制度の安定化を目指すものでございます。本県におきましては小規模な保険者が多く、将来的に市町村単位で国民健康保険を運営することが困難な状況になると見込まれております。このたびの法改正がなされる数年前から奈良モデルとして市町村と課題を共有し、議論を重ねてまいりました。現在も県が国民健康保険財政の運営を担うことにあわせまして、本県独自の取り組みといたしまして、県民の保険料負担の公平化を図る観点から、同じ所得、同じ所帯構成であれば県内のどこに住んでも同じ保険料水準になることを目標として、市町村と一緒に検討、協議を続けてきているところでございます。

 お尋ねの保険料の上昇を抑制するための市町村支援につきましては、保険料上昇の最大の要因となります医療費の増加を抑制する観点からも、市町村の健康づくりの取り組みに県が積極的に関与したいと考えております。保険者機能と言われます健康づくりの支援をしたいと思っております。

 例えば、疾病予防や重症化予防、介護予防などの市町村の取り組みに対しまして、専門的な助言や取り組みモデルの提示、財政的な支援を行ってまいります。あわせてこれらの取り組みを積極的に進める市町村に対しまして、国の保険者努力支援制度の県の繰入金を活用して財政支援を行い、医療費適正化に向けたさらなる取り組みのインセンティブにしたいと考えております。一方、制度改正に伴う保険料への影響につきましては、国民健康保険財政安定化基金の中に新たに積み増しされる特例基金や県の繰入金を活用し、保険料が急増する所帯を生じることなく、段階的に保険料水準が統一化されるよう激変緩和措置の内容を検討してまいります。

 今後とも市町村の意見をよく聞き、市町村との連携を密にして、これらの支援を行うことにより保険料の上昇抑制に努め、国民健康保険の安定的な運営を図ってまいりたいと思います。

 保育園待機児童の解消についてのご質問がございました。

 ご質問の中で、出生率がわずかに上昇しただけだという言葉がたしか挟まれていたと思いますが、先ほどの西川議員の質問に答弁する中で、〇・〇八も上昇して近畿でトップだと申したのを聞いておられなかったのかなという感じがいたします。近畿でトップなのがわずかとおっしゃることなのかなと思って、聞き間違いかもしれませんが、ちょっと耳にさわりましたので。しかし、奈良県にとってはわずかではございませんので、これをきっかけに子育ての安心安全が出生率の上昇につながっていくかどうか、そういう気持ちでいろいろ努力している中での数字でございますので、あまりわずかとか決まったように冷やかさないでいただけたらなと思った次第でございますが、そのようなご質問の中での保育待機児童の解消についてでございます。

 県では、平成二十一年度から安心こども基金を活用して保育所整備を進める市町に支援を行い、この七年間で保育所の定員は約二千九百人増加いたしました。しかし、ことし四月時点での県内の保育所待機児童数はまだ二百六十名おられます。保育所定員をふやしても保育所ニーズがふえている実情でございます。奈良市、橿原市など七市町で待機児童が解消されていない実情でございます。これは、市町村の実情の差があるということでございます。待機児童解消に向けて、引き続き安心こども基金を活用して保育所整備を行う市町を支援するとともに、小規模保育や家庭内保育等に対しても財政支援を行ってまいりたいと思います。

 また、保育士を確保できないことが待機児童発生の一因となっているのは議員のお述べのとおりでございます。平成二十六年度に設置いたしました保育士人材バンクにおいて、保育士の求人求職のマッチングを行うとともに、潜在保育士への働きかけに努めております。さらに保育士の方々が日々の保育にやりがいを感じ、将来目指すべき姿を明確にして働き続けていただけるよう定着を支援することも大変重要と考えております。このため昨年度から県独自の保育士キャリア認定制度を創設して、保育士みずからのキャリアデザインを描くための支援を行っています。今年度は若手保育士に保育の魅力を再確認していただくためのセミナーも新たに開催するなど、保育士の定着を支援しているところでございます。保育士の給与は、他の職種に比べて低いことが課題となっておりますが、平成二十六年度、平成二十七年度におきまして、合計で約七%の賃金改善が行われ、今後さらに追加的な処遇改善が行われることになっております。望ましいことだと思います。

 さらに今年度より、新たに保育士の負担軽減のため保育補助者の雇い上げに補助を行うなど、労働条件の緩和に努めているところでございます。このような取り組みにより、県と市町が一体となって待機児童ゼロの奈良県の実現を目指していきたいと考えております。

 次のご質問は、避難所の環境整備、避難者へのケアについてでございます。熊本のケースも参考にされております。

 議員ご指摘のとおり、災害対応におきまして避難所の耐震化や良好な生活環境の確保、改善に向けた取り組みが重要な課題でございます。避難所の耐震化につきましては、従来から避難所となる県立学校等の耐震化の促進に加えまして、市町村に対して耐震改修促進計画に基づいた取り組みや、緊急防災・減災事業債を活用した整備を呼びかけてきたところでございます。今後とも県有施設の耐震化を進めるとともに、市町村にさらなる耐震化を働きかけてまいりたいと思います。避難所の良好な生活環境の確保、改善に向けた取り組みにつきましては、県が避難所運営の手順などをまとめました避難所運営マニュアルを作成し、これをモデルとして市町村に示しまして、市町村マニュアルの策定を支援してまいりました。県のマニュアルと市町村のマニュアルは、やはり微妙なところで違っているところが多々ございます。現在、二十市町村において策定済みでございますが、今後残りの市町村ができるだけ早く策定されるようさらなる支援を行っていきたいと思います。

 さらに県では、避難所運営に関する実務研修会を昨年十二月に開催いたしました。避難所の開設や運営に関する基礎知識の習得や実践的な対応力を身につける体験型演習を実施いたしました。今年度も引き続き研修会を開催し、市町村職員のスキルアップを図ってまいります。また熊本地震においては、多数の方が車中泊やテントによる避難生活を強いられたという教訓もございまして、今後、新たな課題として対応を検討してまいりたいと思います。

 一方、議員ご指摘の指定緊急避難場所の指定につきましては、平成二十五年の災害対策基本法の改正で、市町村長に義務づけられたところでございます。県では、平成二十六年度から住民の安全な避難の確保等のため、指定緊急避難場所の指定を含む市町村の地域防災計画見直しを支援してまいりました。平成二十七年度末で十三市町村が未指定となっておりますが、本年度中に指定が完了すると伺っております。また、指定後は住民への周知が早期に進むよう働きかけていきたいと思っております。

 このような避難所の整備とともに、避難者のケアについてのご質問でございます。

 災害時には障害者や高齢者、乳幼児など日常生活に配慮を要する方々、いわゆる災害時要援護者の多様なニーズへの対応や、心身機能の低下、心のケア等への対応は重要な課題と認識をしております。また災害による混乱の中、市町村の救助要員が不足する場合や、災害時要援護者のさまざまな支援ニーズに対しまして、市町村だけでは対応し切れないことも想定されます。決まったことをやるだけでなく、多様なニーズに臨機応変に対応するパターンの習熟が必要だと感じております。このため県では、奈良県地域防災計画の中で災害時要援護者の支援計画を定め、災害発生時において必要な対応を行うことにしております。

 具体的にはまず、被災者の話をよく聞いて個々の特性に応じた支援を行うことを基本に、保健師等の専門職を含む職員のチームを編成して避難所に派遣し、心身の状況や個々の事情を丁寧に聞き取って、必要とされる支援につなげることにしております。ニーズの所在もとをよく理解することが、まず基本だという考え方でございます。また障害者、要介護高齢者の方々には、例えば、いろんなケアが必要でございますので、場合によっては紙おむつのようなものも必要でございます。その確保、提供なども普通に行えるようにできたらということもございます。また人工透析など日ごろ受けておられる医療が受けられなくなることに対しまして、臨時の医療提供体制を確保しなければいけません。また、避難所では生活がいろんな状況の変化で困難が発生いたします。とりわけ障害者施設や高齢者施設に住んでおられた方には困難が発生いたします。県内だけでなく、県外も含めた施設への入所をできるだけ早く手配するなどの支援も必要かと考えております。

 さらに熊本の例でもございますように、避難生活が長期化することにより、心身の機能の低下が懸念されます。健康面や心のケアを定期的に行うために保健師、管理栄養士、精神保健福祉相談員等を派遣することも必要だと思います。児童生徒の心のケアにも対応できるように学校にスクールカウンセラーを派遣するなど、きめ細かな支援を行うことにしております。

 県といたしましては、考えつく限りでこのような体制整備に努めているところでございますが、先ほどの西川議員のご質問にも答えましたように、まだ学ぶところは残っていると思います。熊本地震に伴う災害対応に学びながら、災害時の支援方策の充実、完璧を目指して引き続き勉強を続けていきたいと思っております。

 (仮称)登大路バスターミナルの整備についてご質問がございました。

 奈良公園の価値を下げるものとおっしゃいましたように聞こえましたが、奈良公園の価値を上げるものだと思っております。奈良公園には、自然、歴史・文化など豊富な資源がございます。これら資源が融合した独特の風致景観が奈良公園の価値であると認識しております。しかしながら現状を見ておりますと、春日山原始林の荒廃や吉城園周辺地区、鹿苑などの施設の老朽化、さらには世界遺産のバッファーゾーンとなっている奈良公園周辺での交通渋滞など、多くの課題を抱えているのが実情でございます。このため、奈良公園が百年後も良好な状態で世界に誇れる公園であるためには、奈良公園の価値を十分に維持し利活用することが必要と考え、平成二十四年二月に奈良公園基本戦略を策定したものでございます。これまで基本戦略に基づく取り組みも数多くしておりましたが、小林議員のところはよく反対されましたが、好評を博しているものが数多くございます。春日山原始林の保全・再生や猿沢池周辺での樹木の植栽、伐採による景観形成、また近鉄奈良駅前の行基広場の大屋根、ぐるっとバスの運行、大仏殿前バス駐車場予約システム、奈良春日野国際フォーラム甍のコンベンション機能の充実、大仏殿前交差点までの北側歩道の整備、鹿苑の外周柵の整備、若草山麓の園地、案内サイン、無料Wi‐Fiの整備など、さまざまな取り組みを奈良公園を中心に行ってまいりました。

 また奈良公園におきまして、なら燈花会、なら瑠璃絵などイベントを継続的に行ってまいりました。このようにいろんな角度から奈良公園の魅力向上に努めてまいりました。今後も吉城園周辺地区や高畑裁判所跡地など、奈良公園の一等地にもかかわらず活用されていない場所の整備に取り組んでまいりたいと思っております。その中でも、(仮称)登大路バスターミナルは、奈良公園の魅力を向上させる重要な役割を担っております。本施設は奈良公園内へのバスの流入を抑制するとともに、来訪者の皆様を奈良公園の玄関口でお迎えし、奈良の歴史・文化などを学び、奈良公園を満喫していただくための施設でございます。またこの施設は名勝奈良公園内で整備を行うことから、これまで文化庁や奈良公園地区整備検討委員会と十二分に協議を行ってまいりました。景観の観点についても沿道のほか若草山など人の集まる視点場を設定し、近望、遠望からの見え方に配慮するなど、慎重に検討を行ってまいりました。

 このことを踏まえまして、風致景観を含めた奈良公園の価値を十分配慮した計画としており、文化庁や奈良公園地区整備検討委員会にもご理解をいただいてきたところでございます。結果といたしまして、四月中旬に現状変更の許可を文化庁に申請をしているところでございまして、ご理解いただけるものと考えてその返事を待っているところでございます。

 この(仮称)登大路バスターミナルの交通渋滞が発生するかどうか、解消になるのかどうかということでご質問がございました。交通渋滞は解消されます。そのような機能を十分持っております。奈良公園周辺では、春、秋の観光シーズンや修学旅行シーズンには、多くの大型観光バスが奈良公園内に流入して渋滞を引き起こすだけでなく、奈良公園の良好な風致景観を大きく損なっている実情がございます。これらの大型バスは、大仏様をちょっと見て帰られるために大仏殿前の駐車場に頻繁に出入りされ、奈良公園の渋滞の大きな要因となっております。(仮称)登大路バスターミナルは、奈良公園のエントランス部に設けることにより公園内へのバスの流入を抑制し、来訪者の周遊環境を向上させるための整備を行うものでございます。奈良公園のバス渋滞緩和のため、大仏殿前バス駐車場に向かう大型バスを抑制することがまず第一でございます。(仮称)登大路バスターミナルでは、団体バス駐車場予約システムにより観光バスの到着時間をずらすことで混雑を緩和し、さらに乗りおりや乗り継ぎをしていただいた後、バスを郊外の駐機場所へ誘導することにしております。バスの駐機場ではなく、乗りかえ場という考え方で何度も申し上げておりますが、そのような考え方でございます。

 一方、一般車に対しましては、事前の広報により郊外に車をとめてバスを利用していただくパーク・アンド・バスライドを推奨することとしております。あわせて、新たにバスターミナルに設置いたしますコントロールセンターにおいて、県営駐車場だけでなく近隣の民間駐車場の情報も提供するなど、総合的に奈良公園周辺部における渋滞の緩和を図ってまいりたいと思っております。今、先ほど申し上げましたとおり、大型バスはできるだけ奈良公園に入れないことが大事でございますが、今回整備するバスターミナルは乗降、乗りおりや乗り継ぎを主目的とするものでございます。そのためのスペースは十二分にございます。心配いただいておりますような乗降が原因で渋滞が発生することはございません。このバスターミナルは奈良公園の渋滞を緩和し、アメニティーを向上させる上で必要不可欠な施設であり、一日も早い完成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)十七番小林議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、国民健康保険の県単位化について、現在、県内市町村では法定外の一般会計繰り入れや保険料の減免などについて取り扱いの差があるが、これらの運用については、県単位化後も統一すべきではないと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、市町村国民健康保険はそれぞれの市町村が運営主体であることから、国民健康保険運営上の具体的な取り扱いには差が生じております。お尋ねの法定外繰り入れにつきましては、国民健康保険法の定めによらず各市町村の判断で一般会計から国民健康保険特別会計へ繰り入れを行うものでございます。平成二十六年度では、九つの市町村で赤字補填等を目的とした繰り入れを行っております。国民健康保険財政は法定の公費と保険料により賄うことが基本であることから、県といたしましては、赤字補填等を目的とした法定外繰り入れを行っている市町村に対して、医療費支出に見合った保険料収入が確保できる保険料を設定するよう指導してきたところでございます。

 このため、平成三十年度の制度改正に伴う激変緩和措置の制度設計に当たりましては、市町村間の公平性を図る観点からも本来、保険料に転嫁すべき法定外繰り入れにつきましては、激変緩和措置の対象としないことを基本に検討を行っております。また保険料の減免制度につきましては、震災等の災害や病気、失業など特別の事情により保険料の支払いが困難となった方を対象とした制度でございます。具体的な適用条件や減免の割合などは各市町村の条例で定めることになっているため、その取り扱いに差がございます。

 県といたしましては、保険料水準の段階的な統一化を目指した取り組みと並行いたしまして、保険料の減免の取り扱いなど市町村ごとに異なる運用となっている部分につきましても、統一的な取り扱いをすべきかどうか、市町村とよく協議をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 十七番小林照代議員。



◆十七番(小林照代) 二問目は自席から行わせていただきます。ご答弁、ありがとうございました。

 保育所の待機児童解消問題と避難所の問題につきましては、意見と要望ということにさせていただきます。

 保育所の待機児童の解消ですが、二、三日前、待機児童減へ苦肉の策ということで、認可外保育補助で対処。毎日新聞が東京都二十三区と二十政令指定都市の計四十三の自治体のうち、三十三自治体が実施している調査の結果を報道しておりました。認可外保育では、保育の環境の質にその中で大きな差があるということが書かれておりました。待機児童解消には、〇歳から二歳児の受け入れが限定されるこども園ではなくて、また保育の質を確保するのに、やはり認可保育所の増設が本当に求められているというふうに思います。

 それからもう一つ、先日お伺いしました奈良市内の保育所では、十年勤続の男性の保育士さんが二人、ベテランの保育士さんがやめられて転職をされたそうです。待機児童の解消と保育士の定着には、保育士の待遇改善は今もう待ったなしという状況です。県としても具体的に突っ込んだ対策を進めていただくことを要望しておきます。

 避難所の環境改善の問題では、一つ福祉避難所というのがありますが、これは全国で今、二〇一四年度時点では七千六百カ所ということです。指定につきましては市町村になりますけれども、これは全国の市町村の中で四五%、七百九十一の市町村が設置をしておりまして、奈良市を見ましたら四十九カ所の指定がされておりました。この避難所は、災害救助法では生活相談員の配置、避難者十人に対して一人ということで、これは国が補助することになっております。ただ、今の現状でいきますと、スタッフが非常に不足をしているという、今、指定でつくっているところも不足をしているということが一番大きな問題だということで、奈良県としましては、先ほどもいろいろ対策をしていただいていますが、スタッフを確保するための援助を強めるということをお願いしておきたいというふうに思います。

 それで、質問は国民健康保険の問題です。

 保険事業を進められるということで、これは大きな支援になるというふうに思いますが、市町村でお聞きしていましたら、住民は県単位化で県が運営してくれることになると、保険料の負担は安くなるだろうと思って期待をしている人が非常に多いのですね。その期待に沿えるのかどうかということは、とてもつらいですというふうにお話を聞いてまいりました。そして単位化で一人当たりの医療費がはね上がることに対して、先ほど激変緩和措置ということを言われましたが、急激な上昇を回避する激変緩和措置をとっていかれるわけですが、その緩和分というのは全体、他の市町村に割り振られることになりますので、市町村は激変緩和分の支出を行うために、それだけさらに財政負担がかかってきますから、国民健康保険の財源がぎりぎりというか不足をしているというところでは結局、保険料の負担を上げなければならないというような事態になりかねないと思います。それで、県も一定の支援をしてほしいという声が幾つかの市町村からお聞きしております。

 ですから二問目にお尋ねしたいのは、県単位化によって市町村と一緒に国民健康保険の運営を担うことになりますが、市町村に対する激変緩和に伴う支援策を何とかお考えいただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

 それから、(仮称)登大路バスターミナルの問題です。

 私は、新たな施設ができましたら新たな渋滞がつくり出されると思うのです。ターミナルは乗りおりをするところで乗降をして、時間は一律平均では済まない状態が出てまいります。ターミナルの入り口ではバスを待つこともあり得ますから、県庁前周辺のこの大宮通りですね、そこは大変なことになるのではないかなと。大型バスは三台並ぶと渋滞をいたします。バスの時間をコントロールするというふうなことも考えると思いますけれども、コントロールにはミスもありますから渋滞は少しの時間の誤差でも起こってくるというふうに思います。新しい事態に、もう考えられるあらゆる状況を想定したシミュレーションといいますか、そういうことをやっぱりぜひやる必要があるというふうに思います。これは意見として言っておきます。

 それから、奈良公園の価値を壊すものになるのではないかということを言いました。そもそも名勝地に大型の建設を行う開発行為は認められていません。バスターミナルは名勝奈良公園の玄関口に建てられますから、みとい池の園地、吉城園周辺一帯の町並みと道路一本隔てたところに大きな建物が建つということでは、これは三階から二階になっても周辺の風致景観に調和しない、大変な違和感があります。計画地にありますこの建築面積というのが、実は三千四百五十二平方メートルで、建蔽率は三九・九五%、十三・三六メートルになりますから、奈良市の風致地区条例の規制、第五種風致地区の基準でいきますと、十五メートル以下、建蔽率四〇%以下、もう目いっぱいの建物なのですね。それで奈良公園地区整備検討委員会でもおおむね了承をいただいたというふうに言われていますけれども、三月の第十一回奈良公園地区整備検討委員会では、箱物について正当性、必要性の説明が必要だ、このようなボリュームのある施設は原則的に建てるべきではないという意見もありました。

 こうした検討意見が少なくとも複数以上の委員さんが問題点を言われておりますので、この事業計画について知事はこれまでも検討委員会で十分議論をしていただいて進めると言われてきましたから、引き続き議論を進めていただいて、急いで進めるのではなく、加えてもっと幅広く声を聞く、議論をする機会をつくるべきだと考えますけれども、これをお尋ねいたします。

 以上です。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 三つのご質問があったと思います。

 国民健康保険の保険料が県営化すると下がる一方なのか、保険でございますので、そうはいかない。今は市町村の保険でございますので、市町村が県の全体の県域保険になって上がるところと下がるところが出るのは容易に想像ができます。県が入ったらみんな下がるならば、国がやればもう全面的に下がるのではないかということを想像されているかもしれません。保険でございますので、そのバランスによります。

 国の財源はどこまで、あるいは県の財源も国の財源の裏打ちでどこまで、どの範囲で投入できるのかということでございますが、激変緩和というのは保険というものを前提にして、その過程を若干緩和しようということでございますので、基本的に例えば、保険の下支えを公費で何割もするとこれは保険ではなくなるわけでございますが、国営扶助ということになります。一般的にばらまきと言われるような扶助体制、これは全世界でどこもそのような体制をとっている国はないわけでございます。そのことをご理解していただいた上でのご意見だとは思いますけれども、それは一般財源でやれということは、今の日本の財政からいうと借金をしてやれというのに等しいわけでございます。借金は国債なり、県債で発行いたしますとツケは債権ですから後世に残す、後世の借金で今の高齢者を中心とした医療保険を維持しろというのは、なかなか難しい考え方であるように思っております。考え方の違いを指摘させていただきました。

 また、(仮称)登大路バスターミナルは交通渋滞発生のもとになるのか、解消のもとになるのかという議論が続いております。私は解消のもとになると思いますが、一つわかりやすく言いますと、このような奥に行きどまりになっております観光地におきまして車の制御というのはどのようにすべきかというと、奥に車を突っ込ませない、とりわけ大型車両は突っ込ませないというのが最大、一番のことでございます。できるだけ遠くに駐車して、アクセスしてもらうというのが一番のもとでございます。もっと遠くにあればいいのですけれども、県営プール跡地に駐車場ができますと、そこでも駐車をしてぐるっとバスで奈良公園に行かれて、若草山にも行かれるというのが理想的なやり方でございます。車を乗り込ませないということが、もし確保できれば奈良公園はさらにすばらしい公園になると思います。バスとあるいは公共交通機関であるタクシーだけが奈良公園内を、バス、タクシー、鹿だけがうろうろしているという奈良公園であれば、もっとすばらしい公園になると思いますが、残念なことに大仏殿の前まで大型バスは乗り入れられるという交通体系をつくってきましたので、それを少しでも外に出そうというのがこの(仮称)登大路バスターミナルの発想でございますので、この県庁東から大仏殿の前に行く、よく何年もごらんになっていると思いますが、大型バスがここを左折して向こうに行って、さらに駐車場の入り口狭いところで、そこで入れないと大型バス一台、氷室神社へとまると、後ずらっと並んでおります。そのような渋滞の原因特性がありますので、そういうことをなくそうという一つの試みでございますので県民の皆さんもぜひ、理解を賜りたいというふうに思います。交通渋滞をなくす一つの有力な試みでございます。

 もう一つは、この(仮称)登大路バスターミナルの建物が公園の価値を損なうのかどうかというのは、文化庁が最終的に決めることになっております。記念物課がこの奈良公園の中に住んでおられます一人ひとりの住宅の塀の形、あるいは建物の形状から全て申請をして決めることになっております。随分、今までの権限を集中させておられますので、そのノウハウが漂っております。そこが最後の決められる場所でございますので、そこに四月に申請してまだ返事はこれからでございますが、理解をしているということを、今、答弁を申し上げましたが、間もなく最終的な返事が来ると思いますので、返事で結果が出るというふうに思います。間もなくでございます。随分長い間、地元でも議論をし文化庁とも議論を積み重ねた結果でございますので、意に沿わない文化庁の結論であっても、どうぞご寛容にご受託いただけますようお願い申し上げる次第でございます。いろんなことを文化庁が判断しておりますので、その中での一環でございます。そのことも報告を申し上げたいと思います。



○副議長(山本進章) 十七番小林照代議員。



◆十七番(小林照代) それでは私はもう意見と要望といいますか、最後はさせていただきますが、国民健康保険ですが、三年前の六月議会で国民健康保険の広域化についてお尋ねしましたとき、格差の大きい奈良県の市町村においては、県がある程度助けを出して支え合う仕組みをつくらなければいけないというご答弁がありました。支え合う仕組みをつくるためにもう一歩進んだ県の助け、先ほど申し上げました財政支援ということはぜひしていただきたいと、市町村の声に答えていただきたいと思います。

 保険料の統一化を目指しておりますけれども、奈良県のように地域によって医療費格差です、大きいところはとてもこれは無理だと言わなければなりませんから、これは一月に示された国のガイドラインでも統一保険料に踏み込んでいますけれども、ガイドラインはあくまで技術的助言で法的拘束力のないものです。それで住民と被保険者にとって今何が一番大切かといいますと、それは払える保険料と安心してかかれる医療です。だから住民の顔が見える市町村が目の前の住民の命と健康を守る役割を果たすことができるように、これ県が運営主体となりますので、県は保険事業の取り組みもそうですけれども、財政的な支援もしっかりと考えていただきたいことを要望しておきたいと思います。

 (仮称)登大路バスターミナルにつきましては、私はまだそれと異なる複合施設に変わってきているということで、景観や建物の必要性について論議が尽くされたとは思えないのですね。各資源が融合した独特の風致景観、この奈良公園の価値に照らしても不十分だというふうに思っております。ですから地域の文化財を包括する景観に対して、主観的判断で左右されるといってないがしろにされている、一旦壊したらもとに戻らない、景観こそもっと重要な文化財ということを言われたのは、これは当時の西山夘三京都大学の名誉教授。国の歴史的風土審議会専門委員や奈良市の国際文化観光都市建設審議会の委員をされた方です。このことを言われたのは、一九八六年に奈良県が都市計画法による用途地域指定、高度地区規制の見直しの方針を決めて、これまでの規制を緩和してより容積率の大きい、より高い建物を建てることを意図されたときです。歴史的にも奈良県では、このようにもうさまざま景観論争がありました。一九六〇年代、三笠温泉郷の問題、一九七〇年代に入りまして、県庁の塔屋や分館の問題、ドリームランドの開発となら・シルクロード博覧会のパビリオンなど、もう次々とあったわけなのですが、こういうことで私は今回は、そのバスターミナルのこの計画地の建造物はさらに検討が必要だと思いますし、必要最小限に見直すべきだと、このように主張をして私の質問を終わります。



○副議長(山本進章) 次に、十八番清水勉議員に発言を許します。−−十八番清水勉議員。(拍手)



◆十八番(清水勉) (登壇)大阪維新の会、会派名なら維新の会の清水でございます。会派を代表して質問をさせていただきます。

 ちょうど一年前に代表質問をさせていただきました。当時は、十秒間ほどどうも放送事故があったようでございますが本日は四番目でございますので、きっちり放送されていることと思います。

 質問に入ります前に、まず会派を代表いたしまして、このたびの熊本地震でお亡くなりになられました方々に対し哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様方をはじめ避難生活を余儀なくされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 では一問目、災害対策について質問に移らせていただきます。

 四月十四日と四月十六日に熊本県熊本市を震源として、震度七の地震が二度にわたって発生し、きょうでちょうど二カ月となっています。熊本地震による最新の被害状況ですが、熊本県の防災対策本部の第八十八報になります。人的被害は死者六十九名、関連死二十名と行方不明の人が一名いらっしゃいます。そして重軽傷者の方が一千七百三十六名に及んでおります。住宅被害におきましては、全壊、半壊、一部損壊、分類未確定等を合わせまして、十三万七千九百三十四棟、避難所が二十市町村で百四十一カ所、六千六百三十三人の方がいまだに避難所生活をされております。そして罹災証明書の発行件数ですが、受け付けに至っては三十三市町村で十四万七千百十五件が既に調査をされ、交付に当たっては九万八千三百二十四件、約六七%が交付済みとなっております。これらの数字を踏まえて質問をさせていただきます。

 奈良県では、国内の大災害を契機に地域防災計画の随時見直し、あるいは業務継続計画、BCPでございますが、これは既に定められており、今回の熊本地震に対する被災自治体の状況や各自治体などからの支援体制から、特に大規模地震時におけるBCPについても改善すべき点を検討されていることと思います。また昨年度に加入されました関西広域連合のメンバーの一員として、速やかに応援体制に着手されたことに感謝を申し上げます。きっと熊本県の皆様も感謝されていることと思います。新聞報道などによりますと、今回の熊本地震における被災自治体の罹災証明書発行事務に手間取ったことが被災者に対する生活支援施策のおくれの要因の一つになっていると報じられております。奈良県業務継続計画震災編では、奈良盆地東縁断層帯三十五キロメートルを震源としてマグニチュード七・五が発生することを想定されておられます。

 その想定内容でございますが、最大震度七、死者は五千百五十三名、負傷者が一万九千四十五人、住宅の損壊に当たっては、全壊、半壊を合わせまして二十万二千九百七十七棟、炎上の件数ですが一千百九十九件、避難者は四十三万五千七十五人、断水が四十三万三千五百二十六世帯、停電が四十八万六千四百三十六世帯、ガスの供給支障が二十五万六千九百三世帯とされております。しかし今回の熊本地震では、震度七の地震が四月十四日と四月十六日に二回も連続して発生をいたしました。誰もが最初の地震を上回る地震が続けて発生するなど考えてもいなかったことだと思います。奈良県の地震被害想定調査では、今回の熊本地震による被害家屋数十三万七千九百三十四棟の約一・五倍に当たる二十万三千棟余りに被害が発生すると思われております。

 熊本地震の教訓を反映させれば、ひょっとすれば変更されるのかもしれません。また六月十日には、全国地震動予測推進本部から地震動予測地図の更新が行われ、太平洋側において震度六弱の発生確率が上がっているとの注意喚起が行われております。県内の小規模市町村においては、職員の不足などからこのような大規模災害発生時に業務体制を早期に確立することは非常に難しいと考えます。奈良県では、どのように市町村の支援をされるのかお伺いをいたします。

 次に、奈良県の勤務公署、特に本庁舎への参集予測についてでございます。

 これもBCPに書かれておりますが、発災後一時間以内で八十七名、三時間以内で四百四十八名、五時間以内で六百六十五名、三日目以降の参集対象者は一千三十六名と推測されております。発災後、三日時点でも本庁の行政職員数、現状一千七百二十七名でございますが、その四〇%に当たる約七百名は何らかの理由で参集ができないと予測をされております。大規模災害時におけるBCPでは、行政職員、これは奈良県も市町村職員も含めますが、速やかに業務再開を行うためには各自治体が業務継続計画を導入することによって、通常時の六割の人員で発災直後の業務レベルの向上を図り早期に従前の業務レベルに到達させるとともに、早期復旧を行うとされております。そのためには大地震に対応するため、全ての市町村で業務継続計画を策定して初動体制の早期確立を行うことが必要であり、ふだんから計画に基づく参集訓練等の取り組みを定期的に実施することが肝要と考えておりますが、奈良県ではどのような取り組みを進めておられるのか伺います。ちなみに市町村では十市町のみがこの業務継続計画を今のところ策定済みとのことでございます。

 三点目は、総務部長にお伺いをいたします。

 佐賀県庁では、早くからワーク・ライフ・バランスの変革を行うために、育児・介護を主要件としたテレワークを実施されております。そんな折、二〇〇九年春の新型インフルエンザ発生時にWHOがパンデミックを宣言したため、厚生労働省から通知された業務継続計画の見直しによって在宅勤務要件を廃止され、現在では佐賀県庁全職員がテレワークを行える体制になっているようでございます。その結果ですが、業務の多様性が広がり、現場管理業務の多い土木職員や農業関係職員はモバイル端末を利用してのサテライト勤務など、情報の共有化が図れることになっております。また大雪による交通障害発生時の通勤不能時の通常業務への早期復旧にも役立っており、業務のペーパーレス化にもつながっているとの報告がなされております。

 大規模災害発災時においては、通信回線などの早期の回復は望めないかもしれませんが、テレワークを導入するメリットは数多くあると思います。業務継続計画に基づく平時に近い水準の業務機能を早期に確立するために、行政事務においても平時からテレワーク導入が望ましいと考えますが、現時点での奈良県のテレワークに対する取り組みと今後の方針についてどのようにお考えになられているのか、人事担当の総務部長にお伺いをいたします。

 二問目は、関西広域連合についてお伺いをいたします。

 昨年の六月定例県議会でも関西広域連合の部分参加について、私は経緯を細かく説明した上で質問をさせていただきました。奈良県ホームページには、六月定例県議会の代表質問に対する荒井知事の答弁内容が今も掲載をされております。そこには、連携・協働は本県にとって効果があるために行うのであり、本県にとって効果がない部分につきましては、連携・協働する必要がないということが基本になりますと記されております。今も他の分野である広域産業振興、広域医療、広域環境保全、資格試験・免許等、広域職員研修の五分野においては、奈良県にとっては効果が期待できないと判断されているのだと思いますが、奈良県が雇用対策においてさまざまな企業誘致活動をされていく中で、工業技術面での広域連携、あるいは広域環境保全における水質対策などは連携が可能ではないかと考えますが、部分的な事務であり個別に連携をすればよいと判断すればよいのだろうと思っております。

 知事は、昨年度関西広域連合の部分加入の際に、広域防災では災害時での広域応援体制のメリット、広域観光・文化・スポーツ振興では観光誘客の増加が見込めるとして、この二分野について以前から協働・連携をしてきたため、さらに連携・協働を進め、関西広域連合がより具体的な実質をつくることができるように貢献したいと表明されましたが、関西広域連合に部分加入して具体的にどのような実質が出てきたと判断されているのか、知事にお伺いをいたします。

 三問目は、既成市街地における土地利用のあり方についてお伺いをいたします。

 少子化対策としての人口の誘導、そして地域を元気にするためにも税源涵養につながる商業、工業などの振興と活性化を図る必要があり、今後においても工業団地の造成などは必要な施策であると私も思っております。一方、ターミナル駅周辺などの商業地域の現状を見てみますと、戸建て住宅などが多く残っており駅前のポテンシャルを十分に生かされていないエリアも多く残されていると考えられます。担当課から頂戴いたしました資料によりますと、奈良県内の商業地域に指定されているエリアで道路や公園などの公共空間を除いた土地のうち、商業用地として利用されているのは土地の面積比で約三割とのことでございます。まだまだ利用価値の高い土地が多く残されていると言えます。また、平成二十六年に都市再生特別措置法の改正が行われたことによる地域公共交通網形成計画と立地適正化計画の策定も必要であり、人口減少社会においては税源の涵養を図って自治体の体力を持続するためには、コンパクトシティを目指した取り組みのもと、それぞれの自治体の特性を大きく生かす必要があるとも思っております。新駅の設置による新しいまちづくり、そして高速道路のインターチェンジ周辺に工業ゾーンを設けるまちづくりも、新しい雇用と税源涵養あるいは少子化対策に大変有効な施策であると思います。いま一度、既成市街地の持つポテンシャルを再度精査する必要があるのではないでしょうか。人口の誘導と商業の活性化を並行して進めるべきではないでしょうか。

 そこで、特に駅周辺の商業地域のさらなる活性化を図るためにまちづくりの主体である市町村に対し、県としてどのように支援していこうと考えておられるのでしょうか、知事にお伺いします。

 最後に、教育行政についてお伺いします。

 ご承知のとおり、本年三月三十一日に奈良県教育振興大綱が策定をされました。第一章、大綱の趣旨において、国においては、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直し等を図るため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部が改正され、平成二十六年六月二十日に公布、そして、昨年の四月一日から施行されております。

 その際、全ての地方公共団体において総合教育会議を設置するとともに、地方公共団体の長は、総合教育会議において教育委員会と協議し、教育基本法第十七条第一項に規定する基本的な方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めることとされました。

 そして、奈良県が本大綱を策定するに当たっては、地方教育行政改革の趣旨を踏まえ、教育こそが県政の目指す姿である、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創る基盤であるとの認識の下、人口減少克服や地方創生をはじめ県政が直面する諸課題と密接な連携をとるとされました。

 さらにはエビデンスベーストの大綱となるように、統計やアンケート調査などによる現状分析で課題を浮き彫りにし、これを踏まえて教育の振興に関する施策の目標や施策の根本となる方針を定めると記されております。

 そして大綱の性格・位置付けの項において、この大綱は、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱と、教育基本法第十七条第二項の教育の振興のための施策に関する基本的な計画を一体的に策定するもので、期間は平成三十一年度までとされております。大綱においては、平成三十一年度までの可能な限り定量的なアウトカム指標を重要業績評価指標として設定されていますが、目標期間が四年間の短期間であることが原因かどうかは定かではございませんが、重要業績評価指標の多くが全国平均を基準として設定されております。これでは、県民の多くは奈良県の公教育はとりあえず全国平均でよしなのかと理解をされるでしょうし、奈良県の目指す公教育の姿、特色が見えないと考えます。私には、エビデンスベーストを反映した結果とはとても思えません。

 県は幼少期から高等教育、そして社会教育、生涯学習など、公教育全般のどの点に特色を出そうとしているのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、人口減少社会への対応策の一つとして雇用の拡大、積極的な企業誘致を奈良県施策の大きな柱とされていることを鑑み、職業教育の充実は必要不可欠と私は考えます。奈良県教育振興大綱の高等学校教育の質の向上の現状と課題の項目において、本県産業を支えるスペシャリストの育成という大きな役割を担う工業、農業などの職業教育を行う専門学科において、今日の高度情報化技術・バイオテクノロジーの進歩など科学技術の進展や産業、社会の構造の変化に対応した教育内容及び教育施設の充実を図っていかなければなりませんと認識をされています。そして主な取組の欄には、専門教育の教育内容及び設備の充実として、現代の情報化社会において必要なICT活用能力をはじめとする新しい情報や技術に関する教育、工業教育、高い技術力・技能の習得が必要な職業教育などのより一層の教育内容及び教育設備の充実に努めますと示されております。しかしながら、全ての教育施設を確認したわけではありませんが、現状の職業教育における実習、実験機材は相当の年数を経過しているものが多くを占めているのが現状であります。

 このような状況を踏まえて、どのような方針で職業教育設備を充実していこうと考えておられるのでしょうか、教育長にお伺いをいたします。

 以上で壇上での質問を終え、答弁内容により自席にて一問ごと順番に再度質問をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十八番清水議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、災害対策におきまして県内の小規模市町村に対してどのような支援をするのか。熊本の例に鑑みまして、どのような支援をするのかというご質問でございます。

 今回の熊本地震におきましては、本県が関西広域連合の一員として支援にかかわっております益城町という人口三万四千人、所帯数約一万三千人規模の人口の町がございます。六月五日時点で死者二十一名、住家は全壊、半壊合わせて約五千棟という大きな被害を受けた町でございます。この益城町におきましては、避難所の運営、家屋被害の調査及び罹災証明の発行、みなし仮設住宅への入居手続等の膨大な応急対応業務に対しまして、職員だけで遂行することはもちろん困難な状況にございますので、発災直後より他の自治体からの派遣職員の応援を受けて対処されております。派遣は現在も続いております。議員お述べのとおり、このような事態は県内市町村においても生じる可能性は十分あることが想定されます。県の地域防災計画におきましては、災害の様相に応じて被災市町村に対して、災害時緊急連絡員の派遣や現地災害対策本部の設置を行い、被災地の情報の収集・分析、市町村、関係機関との連絡調整、現場活動の役割分担・調整、応急対策の実施に当たることとしております。

 このような計画である一方、県内の全ての市町村は地域防災計画の中で、他の自治体などからの支援を受ける場合の方針、いわゆる受援計画について記載する必要がございます。災害時における市町村相互応援に関する協定書を締結されておるのが通常でございますが、被災市町村のみでは十分な対策を実施できない場合は、知事の調整のもと市町村間の相互応援を行うことになっております。なお市町村の受援計画につきましては、市町村間で記述の具体性などに差異が見受けられるところでございます。県といたしましては、より実践的な内容となるよう市町村計画の見直しを支援してまいりたいと思っております。今回の熊本県のように他府県の自治体からの多数の応援をいただいた場合の対応につきましては、県地域防災計画の見直しの中で検討してまいりたいと思います。県全体の市町村への受援計画の整合性が必要なことも想定をしております。

 災害対策の中で、業務継続計画の策定が重要ではないかというご指摘がございます。市町村は、災害対策の主体でありますとともに、災害時であっても通常の業務も遂行、継続しなければいけないということは当然でございますが、重要な視点を議員がご指摘になったと思います。相当の災害があって、人や物、情報の資源が制約されても一定の業務は的確に行えることが市町村に求められるわけでございます。議員お述べのとおり業務継続計画を策定することが重要だと思いますが、現在、県内市町村の状況は策定済みが九市町村という大変少数にとどまっている状況でございます。県では本年度、市町村に対して業務継続計画策定のための研修を行うこととしており、できるだけ早期に全市町村が計画の策定を完了するよう支援していきたいと考えております。また、平成二十八年度新たに市町村防災担当職員への研修や市町村と県の連携を高めるための図上訓練を実施するほか、参集訓練や避難所運営訓練等の市町村に取り組んでいただく訓練についても、会議や研修会等のさまざまな機会を通じて実施を働きかけていきたいと思います。

 災害対策は、図上訓練、研修も大事でございますが、実際に協働して現地に行くと、協働のいろんなつき合いが、現地に一緒に行ってあるいは一緒に中で苦労することによって生まれることが可能でございますので、今後、そのようなことも考えていきたいと思います。

 関西広域連合について部分加入の結果、どのように具体的な効果が出てきたのかというご質問でございます。

 関西広域連合のような特別自治体におきましては、連携・協働推進のための加入ということが基本で奈良県は加入いたしました。広域連合が各参加自治体の自発性、自主性を抑えることがあってはならないと考えております。連携・協働の効果があれば進めるし、あまりない、あるいは自主性を阻害することであれば進めるべきでないと思います。連携・協働は関西広域連合の場でなくても行えるものでございますが、関西広域連合の中で行ってもよいものでございます。連合の外で行っているものは、和歌山県と三重県の三県共同のドクターヘリのような試みでございます。地域の特性に応じた連携・協働のパターンがあろうかと思います。

 本県は、県議会のご承認のもと昨年十二月に広域防災と広域観光・文化・スポーツ振興の二分野で関西広域連合にいわゆる部分加入をしたところでございます。平成二十八年度が始まってまだ二カ月余りでございますので、本年度の実行におきましては準備段階の事業も数多くありますが、本県の加入分野において連携・協働の成果が生まれているものもございます。例を多少、ご紹介申し上げます。

 例えば広域防災の分野におきましては、本年四月に発生いたしました熊本地震の被災地に対しまして、井戸連合長を本部長とする災害対策支援本部を設置し、構成府県、市が連携して支援を行っております。本県もその一員として熊本県庁、益城町、菊陽町に職員を派遣するなど、被災地を支援してきたところでございます。被災地にとりまして、支援をされる方の窓口の一本化は望ましい方向だと思います。この点につきましては、今回の地震において関西地区の自治体が関西広域連合が支援の調整窓口になったことは、連携・協働の成果の一つと思っております。また今年度は本県が中心となって大規模災害時における帰宅困難者対策として、関西全域の帰宅支援ガイドラインの策定を進めることとなっております。大規模災害の際に、避難に困難を来す可能性の高い県外就業者や外国人観光客が多い本県が策定の中心的役割を果たすことにより、実効性のあるガイドラインをつくらせていただきたいと思っております。

 また広域観光・文化・スポーツ振興の分野におきましては、関西国際空港での観光プロモーションや、海外での観光情報発信などを協働して実施するほか、関西文化の魅力発信に向けて十一月に本県が中心となって、関西文化の日の取り組みを行うことになっております。観光資源、文化資源が豊富な本県が連携・協働に加わることにより、関西全体のインバウンド対策の強化や文化の振興につながるものと考えております。今後もこれら二分野において、引き続き連携・協働を進めていきたいと考えております。

 次は、まちづくり既成市街地における土地利用のあり方についてのご質問でございます。

 大事な点でございますが、平成二十三年に県が策定いたしました奈良県都市計画区域マスタープランというものがございますが、そこにおきましては人口減少、高齢化等を背景に、主要駅周辺における生活利便施設の集積を促進するとともに、公共交通などにおけるアクセス機能、交通結節機能の強化を図る必要があるとしております。奈良県におきましては、鉄道駅、あるいは交通結節機能が大変弱いものでございます。この点を強化する必要性は従来から痛感しているところでございます。主要駅周辺や大宮通りなど商業集積に適した地域には、これらの機能が立地可能となる用途地域である商業地域の設定が必要だと思います。奈良県の特性といたしまして、この駅周辺のポテンシャルを十分に生かしたまちづくりがこれまで進められてきているとは言いがたい状況であると残念ながら認識をしております。このため現在は、県は奈良モデルの一環といたしまして市町村とまちづくりに関する連携協定を締結して、一緒にまちづくりをしようと言っております。その中で、鉄道駅周辺の地区が随分と出てきております。例えば、近鉄郡山駅、大和八木駅、天理駅、桜井駅、御所駅、榛原駅などでございます。計画を進めております奈良市のJR新駅などの駅周辺、また県立医科大学附属病院の新駅の設置などの周辺のまちづくり構想なども話題に上がっております。

 また昨年十二月に策定いたしました奈良県地方創生総合戦略におきましても、駅や病院などを拠点としたまちづくりや商業施設の集客施設の誘致を推進することとしております。駅周辺の有効な土地利用を鉄道事業者の方の協力を得ながら進めようとしているものでございます。さらに、まちづくりに関する連携協定を締結した市町村には計画づくりの経費はもとより、駅前広場やアクセス道路等の整備にかかる経費などに対しましても県が財政支援を行うこととしておりますので、これは奈良モデルによるまちづくりの大きなパンチのあるスキームとして大変希望が、一緒にまちづくりをしようということが盛り上がってきているものでございます。

 このように都市計画だけでなくいろんな取り組み、また既存の制度、また県の用地、市の用地、公有地を活用しながら新しいまちづくりを考えていきたいと思いますが、議員お述べのように、駅周辺というのは大変重要な地域でございます。高齢化社会におきましても、駅周辺のアメニティーがよくなれば随分いい町になるように思っておるところでございます。

 次は、教育行政についてのご質問でございます。奈良県教育振興大綱についてのご質問でございます。どのような特色があるのかということでございます。狙う方向は、その重点はどこかということだと思います。

 ことしの三月に策定いたしました奈良県教育振興大綱でございますが、本県の実情に応じた教育の振興に関する施策の目標や施策の根本となる方針を定めたつもりでございます。項目は多岐にわたっておりますが、その重点、特色を多少申し上げたいと思います。

 まず第一点目は、本県の弱点をいろいろ見ながら重点化した面がございますが、一つは、自尊感情、自分自身についての感情が低く、あるいは規範意識の脆弱なことにつながっている。また郷土意識、みずから所属する地域についても自尊とあるいは奈良についての他尊との顕著な差が見られるというのがエビデンスベーストでわかってきております。地域への誇りや愛着という点につきましては郷土教育という言葉にもあらわされますが、奈良のことは奈良の人はあまり知らないなという言われ方もしております。自分の住んでいる地域の歴史・文化を知ることは、みずからの自尊感情を、またその誇りを育むためにはとても大事な教育の分野だと考えております。

 また、自尊感情は規範意識の向上などにつながるものでございます。また、そのような教育感情、規範意識の向上につながるためには若い間から、就学前の時期から体系的な教育を行う必要があると思います。就学前教育を推進するというのも大きな重点項目にしておるものでございます。また議員もお述べになりました、実学教育を重視するというのも特徴として打ち出しております。先ほどのご質問にも一部答えさせていただきましたが、産業興しをするためには、実学教育が必要だと。高等学校の実学教育と大学の実学教育と、あるいは大学校の実学教育と奈良県における職の展開という、高大職の接続というのが奈良県において欠けているところでございますが、奈良県において就職できるような高等学校の実学、その点できらりと光るいい教育もございます。例えば県立王寺工業高等学校は就職率一〇〇%でございますが、立派な実学教育をされている。これは技術の伝承だけではなく、人をそのようなメンタリティーに育てるという立派な伝統ある教育をされておられるわけでございます。実学教育も大きな課題でございます。そのほか、障害者の障害教育、また女性の教育、またシニアの教育も含めました生涯学習なども重点項目として上げているところでございます。

 教育長にもご質問がありましたので、教育長などからお答えをさせていただきます。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 野村総務部長。



◎総務部長(野村政樹) (登壇)十八番清水議員のご質問にお答えします。

 私には災害対策について、業務継続計画に基づく平時に近い水準の業務機能を早期に確立させるために、行政事務においても平時からテレワーク導入が望ましいと考えるが、現時点での県のテレワークに対する取り組みと今後の方針について伺いたいとのお尋ねでございます。お答えします。

 本県では、平成二十六年度から新たなパーソネルマネジメントの構築というテーマで、公務員の働き方について研究しています。この中で多様な働き方を可能とする選択肢の一つとして、テレワークの研究にも取り組み始めたところです。近年、女性の活躍推進とその前提となるワーク・ライフ・バランスの実現に社会の関心が高まっています。テレワークを使えばITを活用して場所にとらわれずに働くことができるので、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた有効な手段になると考えています。

 テレワークには、自宅で勤務する在宅勤務、勤務先以外のオフィスで勤務するサテライトオフィス、出張先など勤務場所以外でこれまでと同様の勤務ができるモバイルワークの三つがあります。本県では、モバイルワークの一つとしてタブレット端末を会議のペーパーレス化に活用しているところです。しかし一方で、テレワークには対象となる職員の範囲や導入対象となり得る業務内容、職員の勤務管理や勤務業績の評価の方法、さらには個人情報等のセキュリティーなどさまざまな課題があり、服務面やシステム面からもさらなる検討が必要と考えています。

 今後、導入先行県である佐賀県や実証実験を始めている徳島県などの運用状況等を調査しながら、県職員の多様な働き方の選択肢を広げるという視点でテレワークの研究を重ねてまいります。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十八番清水議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、職業教育の充実は大切であり、どのような方針で設備を充実していこうとしているのかとのお尋ねでございます。

 科学技術の進歩はどんどん加速度を増しておりまして、それに応じて専門高等学校の教育内容も変わらなければならないと思っております。議員お述べのように、専門高等学校には地域の産業を担うスペシャリストの基礎を培うことが期待をされておりまして、指導方法の改善とあわせて時代に応じた最先端の技術教育を踏まえた施設設備の整備が重要となってまいります。

 このため平成十六年から平成二十年に実施をいたしました県立高校再編整備事業では、奈良朱雀高等学校や磯城野高等学校、御所実業高等学校に施設、実習棟を新たに設置いたしまして、必要なものについて実習機器の更新も行いました。専門高等学校の施設設備の充実の基本的な考え方でございますけれども、まずは既存の機器のメンテナンスを行うこと、それから次に更新を行う、このことをベースにしながら時代に即した最先端の機器の導入もバランスよく行うことを方針といたしております。直近では、平成二十七年度に王寺工業高等学校、奈良朱雀高等学校にロボット制御実習装置を、御所実業高等学校に液体クロマトグラフなど、最先端の機器を整備し、今年度も王寺工業高等学校のレーザー加工機の整備や実習用コンピューターの全面更新などを予定いたしております。並行して計画的な修繕、メンテナンスを行い、実習機器の安全性、精密性の維持を図っております。

 今後も専門高等学校に学ぶ生徒が、それぞれが得意な分野で技術や技能をしっかり身につけ誇りを持って社会で活躍できるよう必要な実習機器の整備を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) では、自席から再度質問をさせていただきます。

 わかりやすく質問をさせていただきますので、まず、災害対策について改めて質問をさせていただきます。

 奈良県の行政職員、県職員の居住状況を調べさせていただきました。それによりますと、近隣県、三重県で二十六名、京都府で百八十二名、大阪府で百四十四名、合計で三百五十二名の方が県外から通われております。大体一一%ぐらいが県外の職員、全職員約三千人いらっしゃる中ですので、勤務公署別にはそれではないかもしれません。これだけの方が県外にいらっしゃるということを想定して、私はこのたびの質問で、まずは参集についてどのようにお考えになるかという視点。そして災害の発生時には当然のことですが、地方公務員としていち早く駆けつけなければならない。これは地方公務員法の第三十条、第三十一条に書かれております服務の根本基準ですね、職務に対する専念義務、これは災害時にもあるというふうに私は判断しているのですけれど、この件についてまず、知事、ご答弁をいただきたいと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 災害時に職員がヘッドクオーターを中心に駆けつけるのは大事でございますが、国では防災担当職員、危機管理職員はもう住所を決められて、そこに居住を多分義務づけられていると思います。各地域でそのようなことをしているとか、大都市ではあるかもしれませんが、地方都市にはあまりないように思います。奈良県の県庁、防災拠点、ヘッドクオーターはこの県庁になりますが、これが潰れたときにはどこかということも含めまして、防災の拠点は東棟の中にあります。これは耐震性が相当十分なので、あそこに行く情報機器もあります。そこに駆けつけるのが防災危機管理担当の一番重要な役目でございます。

 そのようなことが今、全体の職員の中でおっしゃいましたが、まず駆けつけるべきは危機担当職員ということになろうかと思います。危機担当職員はその近くに居住を義務づけてはおりませんが、いつも通勤状況を人事の際にチェックしているように伺っております。できるだけ駆けつけやすいところに住まいの人を危機管理担当にするといったような、運用上の多少の配慮があるというようなことでございます。県外全部、業務の継続性の観点になれば、復旧・復興のいざというときの駆けつけと、また多少復旧・復興の段階になったときに、今、議員がご質問になりました業務遂行計画に支障がないかという点についての、どの業務を担当しているのが、どこから通っているのかというのは大事なのですが、この奈良県庁の位置は、奈良県の中でも大変北部に属しております。出身が桜井とか南の、桜井でも南になりますが、さらに南の方もおられますので、日ごろの通勤から南の方の通勤は難しい状況の方もおられます。逆に大阪など、電車の通勤で言えば、県外からであっても大変時間的に短い通勤の形態もおられますので、実際の通勤の時間、経路などを見ますと、県庁の人はなるべく公共交通機関で通われることを奨励して、駐車場もございませんので、しておりますので、災害時の職員の駆けつけ度は緊急のときと復旧・復興の業務継続のときでは随分人数も部局も違うと思いますが、県外から通っている人がいるよというのも一つの視点だと思いますが、逆に遠くから通っている人もいるよというのももう一つの視点であろうかというふうに思っております。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) 私が問いましたのは、服務の根本原因が災害時においても担保されるかということが、まず一点ございます。

 当然のことながら、これは行政職員として幾ら遠方であっても、まずは駆けつけるというところから始めないといけない。特に市町村におかれましては、比較的その町の近くに在住されている方が多いですが、奈良県の場合は、先ほど申しました事例のとおり県外からもいらっしゃいます。参集訓練も日常的にやられているということは、よく理解はしているのですけれども、特に発災時、人間の体というのは絶対動きません。実は、私は四月十四日、熊本地震があった日、ちょうどそのときにあるJRの駅のホームにおりました。揺れは感じて、周りでも携帯電話はなるのですが、どなた一人も自分を防御する姿勢に入られない。まして、そういう通報は駅にも届いているはずなのに、駅のアナウンスすらないのですよ。そういう状態なんですね。ですから、いかに参集する日ごろの訓練が大切かということを申し上げておきますので、まずは法的に地方公務員法の第三十条、第三十一条というのは私自身は思いますけれども、災害であろうが、何であろうが義務要件でございますので、必ず来ないといけないということでございますから、今後において、どういうふうにそういう意識を向上されるのか、その点について再度お願いしたいと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今、参集訓練の重要性に触れられました。参集訓練は、最近は県庁内で随分各部局、あるいはテーマに応じてしております。私も参加いたしますし報告も受けておりますが、参集率の数字は具体的に思い出せませんが、ちょっと印象では大変成績がいいような参集状況でございます。それに満足しないで参集を繰り返し、部局が変わりますとまたテーマによって変わってまいりますので、今、ご指摘のように参集訓練、いざというときに備える、なじむというのは基本的な動作だと思っておりますので、県庁に出てくるのは緊急のときはなおさらですけれども、そうでなくても参集訓練を今後とも継続して実施していきたいと思います。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) では、総務部長に再度、お伺いをいたします。

 現状でもモバイルワーク等、部分的には取り組みをされているということでございますけれど、当然のことながら、このペーパーレスも考えないといけない、さらには災害時の、先ほど申しましたように、テレワークの体制も構築しないといけない、非常に広範に及ぶわけですけれども、一つのめどとして、どれぐらいの期間で計画を検討されるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。



○副議長(山本進章) 野村総務部長。



◎総務部長(野村政樹) 清水議員の再質問にお答えします。

 先ほど申し上げましたように、まず、テレワークといいましても三種類あると申し上げました。そのうち特に在宅勤務につきましてが、先ほど申し上げた課題が一番、セキュリティーの問題にしろ、勤務管理の問題にしろあるのではないかなというふうに認識しております。まずは、佐賀県が全面的に導入できるような仕組みにしているというふうに聞いておりますので、そのやり方についてまず学んだ上で、ちょっとその結果次第におきまして、対応を考えていきたいということで申し上げさせていただきたいと思います。

 またサテライトオフィスとかになりましたら、例えば、県庁のどこか出先機関とかでできるというようなこともありますので、そうなりますと、比較的セキュリティーの問題であるとか、あるいは勤務管理の問題であるとか、そういう問題は比較的ハードルが低くなるのかなと思っておりますので、その在宅勤務、サテライト、それぞれについて課題をよく整理した上で今から研究しているというところでございますので、課題を見つけた上でそれが整理され次第、導入できるかどうかということを進めていきたいというふうに思っております。すみません、今の時点でいつまでというのがあるわけではないです。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) では、二番目、関西広域連合についてに移らせていただきます。

 知事からご答弁をいただきました。実のあるものについて具体的に、今ご指摘をいただいたわけでございますが、さらにこれから先も研究は重ねられることだと思いますし、今後、関西広域連合の議会の中でも種々ご検討をされると思いますので、本席では再度の質問は行いません。

 では既成市街地における土地利用について、再度お伺いをいたします。

 先ほど、約三〇%の土地利用率ということでお話を申し上げました。ということは、七〇%の土地が商業地域として可能性があるのに商業に使われていない、これらをもっと解消するためにはいろんな施策が必要だと私は思います。特に昭和四十年代、昭和五十年代に建築をされました、特に大きなビルがございますが、それらも耐用年数が近づいてまいります。再度、建てかえをしなくてはならない。ところが同じものをそこで建てかえられますと、内容が変わらないものができてしまいます。一つの手法として、共同建てかえ事業でやっていただく。共同建てかえ事業でやっていただくときに容積率を緩和する、あるいは地区計画をつくっていただいて、高度制限も変えていただくということも可能かというふうに思ったりもしております。

 特に今望まれている住の環境というのは、駅に近くて、医療が近くて、買い物が近い、そういう場所を好んで住まわれる傾向にございます。なおかつ、その方々というのは非常に高額所得の方が住まわれる。高額の所得の方がそういう駅周辺に住んでいただくことで税源涵養にも一つはつながってくるというふうにも考えますので、現状の容積率だけを考えるのではなくて、その容積に応じた床の面積がどれだけの財産価値があるかということを、各市町村の皆さんとぜひとも研究を重ねていっていただきたいというふうに思いますけれど、この点について、規制をもうちょっとどうにかできないのかという観点で、知事はどのようにお考えなのかお伺いします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) まちづくりにおきまして、土地の有効利用というのは最大のポイントでございます。奈良県はそれが大変大変おくれているというふうに思います。いろんな原因がありますが、大都市では議員おっしゃいましたように容積率の緩和とか、公共空間によっていろんな補助をするとか、容積率に上乗せするとか、そういうタイプの行政が行われておりますが、奈良県ではちょっと、今の観点は難しいのかなという感じがしております。奈良県で行っております商業地域という用途地域が決まっている決まっていないにかかわらず、土地の有効利用というのは奈良県に即したやり方が必要かなと思います。議員がおっしゃられた中で大事なのは、その場で建てかえないで移転建てかえが基本になるというのは、移転したほうが効率的に建てかえられるわけでございます。奈良県の例では、新しい奈良総合医療センターでございますが、現地で建てかえる計画でありましたあの近所で移転する場所が見つかったために移転建てかえということにいたしました。県立医科大学附属病院におきましては、近くの農業試験所に移転建てかえ、農業試験所を移してその後に建てかえしようということを進めております。これは県有施設についていろんなこと。また、耳成高等学校の中で建物を集積して改築をしてやろうと。これは、それぞれの古いところでやっておりますととてもお金がかかって大変でございますので、片桐の庁舎もそうでございますが、奈良県は割と小さな取り組みでございますが、随分進んでおりますが、その市町村はそのような奈良県の取り組みを見て県有地を利用しようと。あるいは同じ発想でしようということを志される市町村も出てきております。

 議員が言われたように、移転の建てかえを基本とする。あるいは公有施設につきましては、それを移転するときは同じ場所に移転しよう。あるいはまた、同じ分散しないでやろうといったことがもう基本になる。そのときにお互いの土地、施設を融通しよう、公有地を県市町村で融通しよう、まちづくりの県市町村の連携奈良モデルの基本的な考え方でございます。容積率にいく前にそのような土地の融通というのが出てきておりまして、またまちの中でも民間の空き家があれば、むしろ公有に借りて改修してにぎわいの拠点をつくろうと。駅前の施設を民有地であってもパブリックな施設にしようといったような知恵が、奈良県における知恵が重なる可能性がございます。

 まちづくり協定の中で、鉄道の駅舎をきれいにしようとか、リニューアルをしようといったようなアイデアが割と市町村長、首長から出始めてきております。方向としていい傾向だと思っております。奈良県のアイデアだけでなくても奈良県でいろいろやっております取り組みがだんだん浸透するように。大都市と随分違うように思います。土地の利用については、先ほど出ております一番の違う方向で動きました県営プール跡地でございますが、県営プール跡地とまだ言っておりますぐらいでございますので、県営プールがあったんだろうなと推察されるわけでございますけれども、全くそのような趣のない場所になっております。それを全面的に土地リニューアルするといったことは、奈良県でせめてもできる大事なことだというふうに思っております。規制緩和でできる分野がもしかしたらあるかもしれませんが、よく言われますように、この近鉄奈良駅前のところに鉄道会社の人がもっと高層のビルを建てるようにしてくれと陳情をされたことがあります。もうむきになって送り返したのですけれども、奈良県は、あるいは奈良市の近鉄奈良駅前はそんな場所ではないと。高いのを建てるときは、王寺駅ならできるかもしれませんが、違うところでそのようなことはしてもらえたらといったようなことを言い返しました。

 だから、奈良の風情を残すのに必ずしも高層化、容積率の緩和ではなしに、空き家もございますし、まちのリニューアル、レイアウトが大事なことだと思います。その中では、新しい街区道路をつくるとか広場をつくるとか、奈良は土地区画整理事業がなかなか進まない、土地所有者の個別の意見が非常にきついところでございますので、まちの発展を阻害しているというふうに思います。どのように克服できるかが課題かというふうに思います。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) 端的なお答えはいただけなかったのですが、なかなか規制緩和を一遍に進めるというわけにはいかないというふうに、私自身もそれは感じておりますけれども、場所場所によっては必要でもあるというふうにご理解をさせていただきました。

 時間がございませんので、次に移らせていただきます。

 教育行政について、先ほど私は奈良県の重要業績評価指標、KPIが平均値に非常に多いということを申し上げました。平均のデータの意味でございますけれども、平均というのはデータの中間値をあらわすわけであって、例えば、私がせんだって平均二百グラムの夏ミカンが十個入ったものをネットで注文しましたと。そのときに届いたのが、三百グラムが中に五個、百グラムが五個でも平均は二百グラムなのです。もしも、二百五グラムが五個と百九十五グラムが五個であっても平均は同じ二百グラムなのですよね。そのデータの重さによって変わる、標準偏差によって内容が変わるということを私は申し上げたかったので、それが全てが平均値にあるということは、非常に、ちょっとここで本を一冊紹介させていただきますけれども、中室牧子さん、慶應義塾大学の准教授で奈良県の出身の方でございます。「学力」の経済学という本で書かれていまして、いろんな観点からやっぱりエビデンスを求めるのが必要であって、全ての方向、多様なところから一番望ましいものをどこに求めるのかということでございますので、私は種々書かれているそのKPIが中間値にあるということは、先ほど質問でも問いましたとおり、本当に真ん中でいいのかというふうに思ってしまうわけですね。上に寄っているものであればさらにその上を目指す。普通で考えればそうだと思います。それが、ただ単なる中間値だけを目指してしまうと違った方向にいくのではないかという考えを持っておりますので、改めてその件について、知事にご答弁をいただきたいと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) KPIを、偏差値を向上させるという観点になろうかと思いますが、奈良県の教育の偏差値は全てがいい成績ではございません。例えば、重要視しております規範意識はKPIでは平均まで偏差値を持っていきたいという目標でございますが、これは奈良県の実情が四十四位とか最下位をうろうろしている奈良県でございますので、教育長には、どうしてこんなに偏差値が低いんだ、それを一位を目指すと言ったって、そんなのは御党ではそういう言い方はされないかもしれないですけれど、ちょっと飛びはねた目標になろうかと思います。平均までいけば大したもんだというふうに、そういう分野では思います。平均を超えている学力のようなものがございますが、それはさらに目指すということをしたいと思います。全て偏差値が下というわけでもございませんが、偏差値が平均までいかないものは少なくとも平均値までいけよということを教育長にこわ談判をしているのが奈良県教育の実情でございます。よく知っての上でのご質問だと思いますけれども、情けないと言わざるを得ない偏差値でございます。とりわけ規範意識とか体力とか、極めて重要な子どもの将来にかかわるようなものが、今現状は低いという、逆に現状は低いと平均まで上がってもこのジャンプはすごい、先ほど合計特殊出生率が上がったと、低いことは低いのですけれども、ジャンプするのは努力しないと上がりませんので、努力した後追いかけようというのが我々の、ほっておいても上に上がる県であればそれは結構ですが、そのように世の中は回りませんので、努力しただけ上がればいいということが目標でございますし、教育の実行目標でも当然そうしかなりようがないというふうに思っております。

 繰り返しますが、偏差値の極めて低い全国の最下位に近い実情のある指標が幾つもございますので、平成三十一年度までのKPIとしては全国平均を超えると、これは随分高い目標であろうかと思っています。最下位が二十位とかになるわけでございますので、しかし、それ以上を目指さないのかと言われたら、当然目指したい、そこまで上がる道筋を確かめながら目指していきたいということでございます。そのような実情を受けての頑張りをしたいというのが申し上げたい点でございます。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) ちょっと議論が若干かみ合わないところがございますけれども、中間値が悪いというわけではございませんので、いいものはもっとよくという意味で私は申し上げておりますので、それぞれの個別事情をきちんと捉えるべきだというふうに思います。特に大綱、実施計画と二つ一緒になっておりますので、それが公表されれば、奈良県民の方は、奈良県は真ん中でいいのかというふうな捉え方をされかねないというちょっと懸念を持ちましたので、そういうことでございます。

 ちょっと一分しかございませんので、最後、教育長にお聞きしたいことがございます。

 まず、農業科、科学、工業科に関する実習の備品なのですけれども、重要物品台帳からちょっとこれは担当の方に調査をしていただきました。備品総点数が百万円を超えるもの三百十八点で、十四億二千九百七十八万円余りというお答えをいただきました。ところが私は現地を確認しているのですけれど、昭和五十年代の実習器具であったり、平成六年ぐらいが非常に多くありました。それらが今も使える状態できちんとメンテナンスをされているのですけれども、やはりきちんとした更新計画がないと、なかなか前を向いて変えていこうというふうにはならないと思いますので、この更新計画をまずつくられるかどうか、その辺のご答弁をお願いしたいと思います。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) まず各学校に配備しました工業等の備品につきましては、修繕メンテナンスが必要なもの、また更新が必要なもの、それに分けて管理はいたしております。

 議員お述べの平成六年ぐらいの備品が多いというのは、平成八年度に王寺工業高等学校が実習棟を新たに新設いたしまして、そして機器をかなり導入したということが影響しておりますけれども、それぞれの機器に耐用年数、例えば、旋盤ですと三十年もつわけでございます。そういった機器によりまして、耐用年数等がございます。まずは修繕メンテナンスの年次計画はきちんと定めながら、更新につきましては学校の意見等々を聞き、そして新たな機種の導入も必要になってまいりますので、更新するのか新たな機器の導入かということを学校と相談しながら随時予算を要求させていただいております。



○副議長(山本進章) 十八番清水勉議員。



◆十八番(清水勉) ぜひとも職業教育の重要性、これはもう認識されていることだと思いますので、生徒の皆さんに新しい機材できちんとした教育をやっていただくことを願いまして、私の質問を終わります。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月十四日の日程は、当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時三十三分散会