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平成28年  6月 定例会(第324回) 06月08日−01号




平成28年  6月 定例会(第324回) − 06月08日−01号







平成28年  6月 定例会(第324回)



 平成二十八年

        第三百二十四回定例奈良県議会会議録 第一号

 六月

   平成二十八年六月八日(水曜日)午後一時三分開会

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          五番 川口延良

        六番 松本宗弘          七番 中川 崇

        八番 佐藤光紀          九番 川田 裕

       一〇番 井岡正徳         一一番 田中惟允

       一二番 藤野良次         一三番 森山賀文

       一四番 大国正博         一五番 岡 史朗

       一六番 西川 均         一七番 小林照代

       一八番 清水 勉         一九番 松尾勇臣

       二〇番 阪口 保         二一番 上田 悟

       二二番 中野雅史         二三番 安井宏一

       二四番 田尻 匠         二五番 奥山博康

       二六番 荻田義雄         二七番 岩田国夫

       二八番 乾 浩之         二九番 太田 敦

       三〇番 宮本次郎         三一番 和田恵治

       三二番 山本進章         三三番 国中憲治

       三四番 米田忠則         三五番 出口武男

       三六番 新谷紘一         三七番 粒谷友示

       三八番 秋本登志嗣        三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 山村幸穂

       四二番 今井光子         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

        四番 山中益敏

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          議事日程

一、知事招集挨拶

一、開会宣告

一、会議録署名議員指名

一、会期決定(十四日間)

一、諸報告

一、就任挨拶(山本南部東部振興監、辻本観光局長、福西こども・女性局長、西川水道局長)

一、議案一括上程

一、知事提案理由説明

一、陳情の上程

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△開会式



◎議事課長(松本恵史) ただいまから知事のご挨拶があります。



◎知事(荒井正吾) (登壇)定例県議会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 六月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様方にはご参集をいただき、誠にありがとうございます。

 今議会でご審議いただく案件は、条例の制定及び改正、公社などの経営状況の報告などの諸議案でございます。

 どうぞ慎重にご審議の上、ご議決いただきますようお願い申し上げまして、開会のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

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     (議長中村昭、議長席に着く)



○議長(中村昭) これより平成二十八年六月第三百二十四回奈良県議会定例会を開会します。

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

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○議長(中村昭) 初めに、会議録署名議員を会議規則第九十三条の規定により指名します。

         十六番 西川 均議員

         十七番 小林照代議員

         十八番 清水 勉議員

 以上の三人を指名します。

 被指名人にご異議がないものと認めます。

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○議長(中村昭) 次に、会期の決定を議題とします。

 お諮りします。

 今期定例会の会期は、本日から六月二十一日までの十四日間としたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認めます。

 よって、会期は十四日間と決定しました。

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○議長(中村昭) 次に、地方自治法第百二十一条の規定により、説明のため議場に出席を求めました文書の写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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△奈議第三十七号

平成二十八年六月一日

 奈良県知事 荒井正吾殿

                         県議会議長 中村 昭

     第三百二十四回六月定例県議会への出席要求について

 六月定例県議会(平成二十八年六月八日開会)に説明のため、貴職及び下記の者の出席を要求します。

               記

 副知事              総務部長

 危機管理監(所掌事務に関する質問がある場合)

 地域振興部長           南部東部振興監

 観光局長             健康福祉部長

 こども・女性局長         医療政策部長

 くらし創造部長兼景観・環境局長  産業・雇用振興部長

 農林部長             県土マネジメント部長

 まちづくり推進局長

 会計管理者・会計局長(所掌事務に関する質問がある場合)

 財政課長

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△奈議第三十七号

平成二十八年六月一日

 教育長

 人事委員長

 代表監査委員 殿

 公安委員長

 警察本部長

 水道局長

                         県議会議長 中村 昭

     第三百二十四回六月定例県議会への出席要求について

 六月定例県議会(平成二十八年六月八日開会)に説明のため、貴職の出席を要求します。

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○議長(中村昭) 次に、包括外部監査人から、去る三月二十五日、包括外部監査の結果報告及びこれに添える意見の提出があり、その写しは既に各議員に送付しておりますので、ご了承願います。

 次に、監査委員から、去る三月三十日、行政監査の結果について報告があり、その写しは既に各議員に送付しております。

 また、監査委員から現金出納検査結果の報告があり、その写しはお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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○議長(中村昭) 次に、本日知事から議案三十八件が提出されました。

 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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△財第六十一号

平成二十八年六月八日

 奈良県議会議長 中村 昭様

                         奈良県知事 荒井正吾

     議案の提出について

平成二十八年度議案

 議第五六号 奈良県議会議員及び奈良県知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例

 議第五七号 奈良県認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例

 議第五八号 奈良県幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

 議第五九号 旅館業法施行条例の一部を改正する条例

 議第六〇号 奈良県病害虫防除所等に関する条例の一部を改正する条例

 議第六一号 奈良県立都市公園条例の一部を改正する条例

 議第六二号 奈良県立学校いじめ問題調査委員会条例の一部を改正する条例

 議第六三号 地方活力向上地域における県税の不均一課税に関する条例

 議第六四号 奈良県いじめ対策連絡協議会条例

 議第六五号 奈良県コンベンションセンター条例

 議第六六号 市町村負担金の徴収について

 議第六七号 農業研究開発センター整備事業にかかる請負契約の変更について

 議第六八号 コンベンション施設等整備運営事業にかかる特定事業契約の締結について

 議第六九号 権利の放棄について

 議第七〇号 損害賠償請求事件について

 議第七一号 奈良県コンベンションセンターの指定管理者の指定について

 議第七二号 公立大学法人奈良県立医科大学が徴収する料金の上限の変更の認可について

 議第七三号 県道路線廃止について

 報第一号 平成二十七年度奈良県一般会計予算繰越計算書の報告について

      平成二十七年度奈良県一般会計予算繰越明許費繰越計算書

      平成二十七年度奈良県一般会計予算事故繰越し繰越計算書

 報第二号 平成二十七年度奈良県流域下水道事業費特別会計予算繰越計算書の報告について

 報第三号 平成二十七年度奈良県水道用水供給事業費特別会計予算繰越計算書の報告について

 報第四号 一般財団法人奈良県ビジターズビューローの経営状況の報告について

 報第五号 一般財団法人奈良県健康づくり財団の経営状況の報告について

 報第六号 公益財団法人奈良県人権センターの経営状況の報告について

 報第七号 公益財団法人奈良県生活衛生営業指導センターの経営状況の報告について

 報第八号 奈良市場冷蔵株式会社の経営状況の報告について

 報第九号 公益財団法人奈良県食肉公社の経営状況の報告について

 報第一〇号 公益財団法人なら担い手・農地サポートセンターの経営状況の報告について

 報第一一号 公益財団法人奈良県林業基金の経営状況の報告について

 報第一二号 公益財団法人奈良県地域産業振興センターの経営状況の報告について

 報第一三号 奈良県土地開発公社の経営状況の報告について

 報第一四号 奈良県道路公社の経営状況の報告について

 報第一五号 奈良生駒高速鉄道株式会社の経営状況の報告について

 報第一六号 公益財団法人奈良県暴力団追放県民センターの経営状況の報告について

 報第一七号 なら歯と口腔の健康づくり計画に基づく施策の実施状況の報告について

 報第一八号 地方自治法第百七十九条第一項の規定による専決処分の報告について

       奈良県税条例等の一部を改正する条例

       産業集積の形成及び活性化のための県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例

 報第一九号 地方自治法第百八十条第一項の規定による専決処分の報告について

       公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例県営住宅家賃の滞納者等に対する住宅明渡等請求申立てに関する訴訟事件について

平成二十七年度議案

 報第二八号 地方自治法第百七十九条第一項の規定による専決処分の報告について

       平成二十七年度奈良県一般会計補正予算(第六号)

 以上のとおり提出します。

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○議長(中村昭) 次に、新任の理事者のご挨拶があります。

 まず、去る四月一日付けをもって就任されました山本尚南部東部振興監のご挨拶があります。



◎南部東部振興監(山本尚) このたび、南部東部振興監を拝命いたしました山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)



○議長(中村昭) 同じく、辻本浩司観光局長のご挨拶があります。



◎観光局長(辻本浩司) 観光局長を拝命いたしました辻本です。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)



○議長(中村昭) 同じく、福西清美こども・女性局長のご挨拶があります。



◎こども・女性局長(福西清美) こども・女性局長を拝命いたしました福西でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)



○議長(中村昭) 同じく、西川浩至水道局長のご挨拶があります。



◎水道局長(西川浩至) 水道局長を拝命しました西川でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)



○議長(中村昭) 以上をもって、挨拶を終わります。

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○議長(中村昭) 次に、平成二十八年度議案、議第五十六号から議第七十三号及び報第一号から報第十九号並びに平成二十七年度議案、報第二十八号を一括議題とします。

 知事に提案理由の説明を求めます。



◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま提出しました議案をご説明する前に、熊本地震への対応状況について、ご報告を申し上げます。

 この度の地震では、これまでに四十九名の方がお亡くなりになり、今なお一名が行方不明になっているなど、深刻な被害をもたらしました。

 ここに改めまして、お亡くなりになられました方々に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

 本県といたしましては、地震発生直後から、熊本県災害対策本部等への職員派遣のほか、警察の広域緊急援助隊、災害派遣医療チーム、保健、建築をはじめとする幅広い分野の専門職員等の派遣を行うとともに、救援物資の提供など、できる限りの支援を行っているところです。

 地震の発生から二ヶ月が経過しようとしていますが、復旧・復興には相当の期間を要すると見込まれることから、本県としましては、引き続き、被災地の実情に即した支援を行ってまいります。

 次に、議案につきまして、その概要をご説明いたします。

 まず、議第五十六号から議第六十五号は、条例の制定及び改正についての議案です。

 議第五十六号は、公職選挙法施行令の改正に伴う「奈良県議会議員及び奈良県知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例」の改正、議第五十七号及び議第五十八号は、国基準の改正に伴う「奈良県認定こども園の認定の要件に関する条例」等の改正です。

 議第五十九号は、簡易宿所営業の施設の構造設備等の基準を変更する「旅館業法施行条例」の改正、議第六十号は、奈良県病害虫防除所の位置を変更する条例改正です。

 議第六十一号は、無人航空機、いわゆるドローン等の飛行の届出について定める「奈良県立都市公園条例」の改正、議第六十二号は、「奈良県立学校いじめ問題調査委員会」の名称変更と所掌事務追加にかかる条例改正です。

 議第六十三号は、県内への本社機能の移転及び拡充を促進するため、県税の不均一課税を実施する条例の制定、議第六十四号は、「奈良県いじめ対策連絡協議会」の設置等にかかる条例制定です。

 また、議第六十五号は、観光及び交流の拠点として人々の来訪を促し、地域経済の活性化及び文化の発展に寄与するため、奈良県コンベンションセンターを設置する条例の制定です。

 次に、議第六十六号は、本年度事業にかかる市町村負担金の徴収、議第六十七号は、農業研究開発センター整備事業にかかる請負契約の変更、議第六十八号は、コンベンション施設等整備運営事業にかかる特定事業契約の締結についての議案です。

 議第六十九号は、やまとベンチャー企業育成ファンド組成事業貸付金にかかる権利の放棄、議第七十号は、顧客共有プラットフォーム構築事業の委託料詐取にかかる損害賠償請求訴訟の提起、議第七十一号は、奈良県コンベンションセンターの指定管理者の指定についての議案です。

 議第七十二号は、公立大学法人奈良県立医科大学が徴収する料金の上限変更、議第七十三号は、大三輪十市線の県道路線廃止にかかる議案です。

 次に、報第一号から報第三号は、平成二十七年度一般会計及び流域下水道事業費特別会計などの特別会計の繰越計算書の報告です。

 報第四号から報第十六号は、奈良県ビジターズビューローなど十三の公社等の経営状況の報告です。

 報第十七号は、「なら歯と口腔の健康づくり計画」に基づく施策の実施状況を報告するものです。

 報第十八号は、地方税法の改正に伴う「奈良県税条例」等の改正などについて、報第十九号は、関係法令の改正に伴い所要の規定整備を行うための条例の改正などについて、それぞれ議会閉会中に行った専決処分の報告です。

 このほか、平成二十七年度議案、報第二十八号は、事業ごとの県債発行額の確定に伴い、予算との過不足を調整するため、一般会計補正予算について行った専決処分の報告です。

 以上が今回提出した議案の概要です。

 どうぞ慎重にご審議のうえ、よろしくご議決またはご承認いただきますよう、お願いいたします。

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○議長(中村昭) 次に、陳情三件を上程します。

 お手元に配付しております文書でご承知願います。

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△陳情第十七号

     JR北海道を民営化から一時的国有化すべきと考える事に関する陳情書

             陳情者 住所 愛知県安城市百石町二丁目一七番六

                 氏名 一輪のバラの会

                 代表 加藤克助

要旨

 現在、日本は少子高齢化の波が止まらず、人口減少時代に入りつつあります。又、全国的に人口は大都市圏に集中し、地方の市町村は人口減少の深刻な影響を受けており、全国の地方鉄道は沿線人口減少で過疎化が進み、路線の減便、廃線が相次いでおります。

 北の大地の北海道は特に気候風土が厳しく、厳寒期は、猛吹雪が各地を襲いあらゆる物が凍結し、集落は孤立し人の移動もままなりません。広大な交通機関を維持するのは、本土と違い莫大な費用がかさみます。

 又北海道の鉄道の黎明期は、明治維新時の富国強兵策のなかで、北海道の石炭が国の重要な資源と重要視され、産炭地を中心に鉄道網が構築されました。又戦争の時代を経て、戦後復興の為のエネルギーとして重要視され、産炭地は経済的に繁栄を致しました。

 その後、安価な石油が輸入され次第に石炭産業は斜陽化して行き、産炭地は人口が減少し、その後の車社会の到来で鉄道の乗降客の減少に拍車がかかり大幅な減便、廃線が迫られているのが現状です。

 北海道全体の経済力の向上を図らない限りJR北海道は札幌中心圏まで縮小するしか生き延びることはできません。北海道の経済力向上の青写真が描かれるまで、JR北海道を民営化から一時的国有化すべきと考え意見書を国に提出する事を求める次第です。

 よって、下記事項を陳情致します。

一、JR北海道を民営化から一時的国有化すべきと考え意見書を国に提出する事。

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△陳情第十八号

     天理市布留川北北流、奈良県一級河川内に、桜の植木を設置する事に、関する、陳情書。

             陳情者 住所 奈良県天理市杉本町二六六‐一

                    ラポール前栽三一〇号

                 氏名 岡田博史

天理市布留川北北流一級県河川、内側、両サイード、土手に、桜の植木、及びベンチの設置を、心より、陳情致します。

追伸 ?天理市市民協働推進課、及び、建設部土木課提出、書面、参考書面として、添付します。

   ?桜の植木場所、略図も、添付させて頂きます。

   ?天理市民各位の、憩いの場として、上記陳情事案、よろしく、お願い申し上げます。岡田。

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△陳情第十九号

     奈良県少年補導に関する条例の廃止に関する陳情書

             陳情者 住所 奈良県天理市柳本町三三六九番地

                 氏名 松本徳弘

《要旨》

一 陳情事項

 奈良県少年補導に関する条例(以下「奈良県少年補導条例」という。)の廃止

二 陳情理由

 私は、平成二十七年三月五日付け及び平成二十八年二月十五日付けで、奈良県議会議長に対して、同趣旨の陳情を行っていますが、未だ、奈良県少年補導条例は廃止されていませんので、再度、同趣旨の陳情を行うこととしました。

 奈良県少年補導条例は、平成十八年三月二十八日に制定され、同年七月一日から施行されていますが、平成十七年十一月七日に法律第百十九号として制定された、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)には、既に、少年指導委員の「少年の補導」及び立入り権限が定められており、改正後の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)と本条例との整合性が図られておらず、本条例は、制定当時から、憲法上の問題を抱えていたのであります。

 言うまでもないことですが、改正法前の風営法には、既に、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための立入り権限が警察職員に付与されていました。

 奈良県少年補導条例には、その他にも沢山の問題点が存在しており、未だ、当該問題点が解決されないまま放置されています。本条例には、憲法上の問題点を含んだ規定ばかりでなく、我が国の法秩序を破壊するとともに立法者の意思に反する規定が含まれています。

 奈良県少年補導条例は、後にも先にも、我が国の地方自治史上及び日本警察史上、初めて奈良県警察により草案が作成され、全国四十七都道府県の中で唯一奈良県だけで制定さた希有な条例であります。内閣府からも警察庁からも指示を受けずに、奈良県と奈良県警察と奈良県議会が独自に制定した条例であります。

 私が奈良県警察から得た回答では、奈良県警察は、本条例案を作成に当たって、国家公安委員会や警察庁等の関係機関とは、事前に、文書による協議は行っていませんでした。

 したがって、本条例は、我が国の法体系を無視して、独立して制定されていますので、本条例で規定された警察職員の質問、同行、一時保管及び立入り並びに警察署長が行う一時保護等に関する手続きは、すべて条例で定めなければならないということであります。奈良県以外の都道府県警察の警察職員は、少年補導(非行少年の補導及び不良行為少年の補導をいう。以下同じ)を、警察法第二条、警察官職務執行法、少年警察活動規則及び警察庁通達並びに風営法等に基づいて、行っているところであります。

 今回は、警察法に規定された都道府県警察の一つとしての奈良県警察と都道府県警察の警察官及び我が国における警察と警察官との関係についての私見と風営法に抵触する奈良県少年補導条例上の問題点等についての私見を述べ、もって、本条例の廃止要望理由とします。

三 都道府県警察の一つとしての奈良県警察

 奈良県警察は、警察法第三十六条第一項の規定に基づき奈良県に置かれた警察であります。奈良県警察は、同法第三十六条第二項の規定に基づき警察法第二条の責務に任じられた警察機関であります。

 奈良県警察は、警察法第十六条第二項規定により、警察庁長官の指揮監督に服する警察機関であります。よって、奈良県警察が、警察庁長官の指揮に反した少年補導を行なうことはできません。

 ご存じのように、警察法第二条に規定された警察責務の中の少年補導に関する警察事務は、国においては、警察庁が、地方においては、都道府県警察が行っています。

 少年補導に関する警察事務は、国家的な性格と地方的な性格の両面を有していることから、当該事務の内容は、警察庁が決定する権限を有しており、各都道府県警察が、独自に、条例をもって、各都道府県警察毎に、都道府県警察が行う少年補導に関する警察事務についての権限や警察官の職務権限と責任について定めることはできないのであります。

四 都道府県警察官としての奈良県警察官

 奈良県警察官は、警察法第六十三条及び警察法第四十八条の規定に基づき職務執行を行うことから、上官である警察本部長の指揮監督に服し、警察本部長は、警察庁長官の指揮監督に服すことから、奈良県警察官は、結果として、警察庁長官の指揮監督に服しております。

 奈良県警察官は、犯罪捜査のための司法警察事務と犯罪捜査を除いた行政警察事務(少年補導事務を含む。)を職務として行います。奈良県警察官が行う職務には、国家的な性格を有する警察事務と地方的な性格を有する警察事務があります。

 したがって、奈良県警察官は、少年警察活動規則、警察庁通達及び警察官職務執行法並びに風営法等を根拠として警察事務である少年補導を行います。奈良県警察官が行う少年補導は、奈良県の自治事務としての少年補導ではなく、奈良県の法定受託事務の中の警察事務としての少年補導を行うということであります。

五 奈良県警察が行う警察行政事務

 地方公共団体としての奈良県が行う地方自治行政の事務は、地方自治法第二条に規定された「自治事務」と「法定受託事務」であります。警察事務は、法定受託事務に属します。奈良県は、自治事務についても法定受託事務についても条例を制定することができます。

 しかし、法定受託事務である警察事務に関しては、法令に、条例への委任規定がない限り、警察事務に関しての条例は制定できません。その理由は、上記三及び四に記載のとおりです。

六 少年補導についての法的整合性

 風営法、少年警察活動規則、奈良県青少年の健全育成に関する条例及び奈良県少年補導条例で、それぞれ規定されている「補導」について、整合性が図られていません。

(一)風営法における「少年の補導」

  「飲酒若しくは喫煙をしている少年、風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは店舗型電話異性紹介営業の営業所若しくは第二条第七項第一号の営業の受付所に客として出入りし、又はこれらの営業所若しくは受付所の付近をはいかいしている十八歳未満の者その他少年の健全な育成の観点から障害があると認められる行為を行っている少年の補導を行うこと」

 と規定していますが、補導の内容については、明記されていません。

  補導の内容については、平成十八年四月二十四日付け、警察庁丁少発第六十八号の少年指導委員制度の運営に係る留意事項についての中の少年指導委員制度の運営に係る留意事項第二職務の一の少年の補導に規定されてあります。

(二)奈良県青少年の健全育成に関する条例

  「補導」の内容について、明記されていません。

(三)奈良県少年補導条例

  警察職員が不良行為少年に対して行う補導は、本章に定めるところにより行うものとする(すなわち、本条例第二章に規定されている補導を警察職員が行うと言うことであります。)と規定されています。

(四)少年警察活動規則

  街頭補導(道路その他の公共の場所、駅その他の多数の客の来集する施設又は風俗営業の営業所その他の少年の非行が行われやすい場所において、第二条第五号から第八号までに掲げる少年を発見し、必要に応じその場で、これらに第十三条第一項、第十四条第一項、第三十六項第一項又は第三十八項第一項に規定する措置をとる活動)と規定されています。

七 補導の対象となる少年の行為

 風営法、少年警察活動規則、奈良県青少年の健全育成に関する条例及び奈良県少年補導条例で、それぞれ規定されている「補導の対象となる少年」の定義の内容に、整合性が図られていません。

(一)風営法

  少年の健全な育成の観点から障害があると認められる行為

(二)奈良県青少年の健全育成に関する条例

  明記されていません。

(三)奈良県少年補導条例

  少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為(刑罰法に触れるものを除く。)(条例第二条第四項に規定されたものに限る。)

  ※ 少年警察活動規則が規定する不良行為「飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為」と内容が異なっています。

  ※ 刑罰法に触れるものは、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為ではなく、少年の健全な育成に障害を生じる行為であります。

(四)少年警察活動規則

  第二条第五号から第八号までに掲げる少年(非行少年、不良行為少年、被害少年及び要保護少年)の行為

八 奈良県少年補導条例に規定された警察官

 本条例に規定されている警察官は、奈良県警察官に限定されていません。したがって、警察庁長官から都道府県警察の警察官をも含んでおり、不適切な表現であります。

九 奈良県少年補導に関する条例施行規則

 奈良県少年補導に関する条例施行規則は、奈良県公安委員会規則でありますが、同規則には、上位規範の国家公安委員会規則である少年警察活動規則に違反した事項が規定されています。

十 奈良県少年補導に関する条例の制定について(例規)

 奈良県少年補導に関する条例の制定について(例規)は、奈良県少年補導条例や同施行規則からの委任を受けずに、県民の権利義務に関する事項を定め、しかも、公示手続きを採られていません。したがって、同例規は、法的効力はありません。

十一 奈良県少年補導条例第五条の運用上の注意

(一)同条例第五条第一項には、「この条例の適用に当たっては、県民及び滞在者の自由と権利を不当に制限しないよう留意しなければならない」と規定されていますが、この条例は、不良行為少年の補導に関する条例であることから、この条例をどのように適用しようとも、県民や滞在者の自由と権利を制限することは起こりえません。また、「滞在者」についての定義がなされていません。

(二)同条例第五条第二項には、「この条例の規定による警察職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と規定されていますが、この条例は、刑事訴訟法第百八十九条第一項規定の司法警察職員としての職務権限ではなく、行政警察職員としての職務権限を指していることから、当該規定は、「この条例の規定による警察職員の権限は、行政警察職員として職務権限をいう」と規定すれば、十分であったと考えられます。

  また、同条例中何度も「少年の非行防止のため」という用語を用いられていますが、非行防止とは、非行を防ぎ止めることをいい、犯罪行為や触法行為やぐ犯行為を防ぎ止めることとなることから、「少年の非行防止のため」を「不良行為少年の不良行為防止のため」と改めるべきであると考えられます。

十二 奈良県少年補導条例第九条に規定された警察署長による一時保護

  警察署長が行う不良行為少年の一時保護に関する規定が、不明瞭であります。同条例に基づき、不良行為少年を一時保護した場合の警察署長の保護の要否の判断、保護手続き及び被保護者の処遇等に関する定めが制定されていません。

  当該一時保護には、警察庁作成に係る「保護取扱要綱」は適用されません。また、奈良県警察要保護者保護取扱規程も適用されません。したがって、必要事項は、同条例及び規則で定めるべきでありますが、未だ、制定されていないのであります。

  保護されるべき不良行為少年を発見現場から発見現場を管轄する警察署までどのようにして当該少年を同行するかについての規定が存在していません。

  警察職員が「そのまま放置すれば少年の健全育成に重大な障害が生じるおそれがあると認めるとき」とは、どのような場合をいうのか具体的に規定したものがありません。

  警察職員が、現場で、そのまま放置すれば少年の健全育成に重大な障害が生じるおそれがあると判断したにもかかわらず、少年から同意を得られないからといって、なんの手だてもとることなく当該少年をそのまま発見現場から、放置する理由が不明であります。

  一時保護の場所である警察施設について、留置場所なのか、刑事室なのか、保護室なのか、どの警察施設を使用するのかを特定する規定がおかれていません。

  十六歳未満の不良行為少年を保護者の同意を得て保護する場合、保護者の同意に反して、警察署長からの保護の申し出を拒否した場合の措置が規定されていません。

  警察署長が、保護者から同意を得る手続きが規定されていません。

  一時保護が十二時間を超えてもなお、保護が必要と判断される場合の措置が規定されていません。たとえば、午後二時に家出少女を発見し、翌日の午前二時になっても、保護者が警察署へ到着ができなかった場合の措置などが規定されていません。

十三 少年補導票

  奈良県警察では、奈良県少年補導条例及び同施行規則による委任がないにもかかわらず、奈良県警察本長が、奈良県少年補導に関する条例運用要領を定め、同条例第七条第一項の規定による措置をとった場合に、当該措置をとった警察職員が少年補導票を作成し、当該少年が二十歳に達するまでの間、事後の補導活動の資料として活用するため、これを整理し、保管すると定めています。

  しかし、同条例適用により、入手した個人情報は、本人の不良行為の防止のための指導・助言・相談等のためにのみ活用されるべきものであり、事後の補導活動の資料として活用することは、奈良県個人情報保護条例に規定された目的外使用禁止条項に違反する行為と判断されます。

  また、奈良県警察が行っている、警察庁情報管理システムによる少年補導票作成業務もまた、奈良県個人情報保護条例に違反した業務であると判断されます。

  加えて、不良行為についての補導歴を二十歳まで警察で保管管理されなければならないのかという理由が、県民に説明されていません。

  不良行為少年の素行歴及び住所並び氏名等の個人情報を奈良県警察が、保管管理する合理的な理由と法的根拠が不明であります。

  学校であれば、在籍中は、生徒指導の目的を達成するため、保管管理されますが、卒業と同時に廃棄されることとなっています。少年補導員や県の青少年指導員や市町村の指導員及び少年指導委員等は、現場における補導のみで完結しており、少年補導票は作成しません。

十四 少年補導員

  奈良県少年補導条例に、少年補導員が行う不良行為少年の補導に関する職務権限についての規定がありません。少年補導員は、本条例に基づき少年補導を行うのではなく、同条例第十四条第一項各号に規定された活動を行うと規定されています。

  少年補導員の処遇に関する規定が整備されておらず、少年補導員の活動に対する傷害保険は、公益財団法人奈良県防犯協会が保険会社に加入しています。

  また、地区少年補導員協会は、地区防犯協議会からの資金援助や市町村から負担金としての活動費名目の収入を得ています。奈良県の地方公務員で構成された地区少年補導員協会が、奈良県以外の地方公共団体や任意の団体から活動資金を得ることは、不適切な行為と判断されます。

十五 警察官職務執行法と奈良県少年補導条例

  警察官職務執行法は、警察官が行う司法警察事務と行政警察事務の両面の職務執行に関して、その職務権限と責任について、組織法である警察法とは、別に定められた法律であります。

  すなわち、警察官が行う犯罪捜査のための司法警察事務と犯罪にいたらない行為(不良行為を含む。以下同じ。)に対する行政警察事務についての警察官の個別的な職務権限と責任について規定された、警察官の職務執行に関するいわば基本法が、警察官職務執行法であるといえます。当該警察官が同法に基づき執行する職務には、刑事訴訟法第百八十九条に規定された司法警察職員として行う司法警察事務と警察法第六十三条に規定された警察行政事務(司法警察事務及び行政警察事務をいう。)とが含まれています。

  現在の警察官職務執行法は、昭和二十三年七月十二日に警察官等職務執行法として制定され、昭和二十九年に、国家警察と自治体警察が統廃合されるという組織改革に伴い、警察官職務執行法に改められ、現在に至っています。

  私は、ここで、昭和二十三年六月十五日に開催された、衆議院の治安及び地方法制委員会での、齋藤国家地方警察本部長によりなされた警察官等職務執行法案の提案理由(国会議事録登載分)をご説明致します。それは、以下のとおりです。

    今回政府より提出しました警察官等職務執行法案の提案理由について御説明申し上げます。

    御承知の通り新警察法には、警察官及び警察吏員の職務執行上の権限や責任に関する具体的な規定はまつたくこれを包含していないのであります。

    従来は行政執行法及び行政警察規則において、警察官の職務執行の心得や、権限、責任等を規定いたしておつたのでありますが、その形式も内容もいささか新憲法の精神にふさわしくないものがありますので、先般御審議の結果行政執行法は廃止せられたわけでありまして、このために警察官等の行う保護や犯罪防止のための立ち入りや、緊急の場合におけるやむを得ざる措置について、新たに法的の根拠を設ける必要が生じるに至ったのであります。

    その他警察官による緊急避難の処理や、犯罪の予防、制止の権能や、武器使用の権限などにつきましても、従来明確な規定がなかったのでありますが、この際人権を尊重するまつたく新しい見地から、必要な最小限の事項を具体的に規定した方が新憲法の精神に副い、また民衆や警察にとつても好ましいと考えましたので、これらの事項を一括してこの法律を立案したわけであります。

  警察官等職務執行法は、憲法の個人の基本的人権の保障等の精神に副い、まったく新しい見地から、必要な最小限の事項を具体的に規定されているのであります。

  すなわち、人権を尊重するまったく新しい見地から見て、犯罪にいたらない不良行為を補導するという警察官の職務権限と責任については、必要な最小限の事項に該当しないと判断されると同時に、犯罪に至らない行為に関する警察官の職務権限と責任については今後、新憲法の精神に副う新たな法令の制定が必要であることを国民に対して明確に宣言した法律でもあります。

  また、本条例制定前に行われていた奈良県警察官による不良行為少年の補導については、警察法第二条と平成十四年九月二十七日に制定された少年警察活動規則等を法的根拠として、任意の範囲を限度として行われていました。

  一斉検問の法的根拠として、警察法第二条が法的根拠となることを認めた昭和五十五年九月二十二日の最高裁判例が既に存在し、犯罪に至らない行為に対する任意の警察活動(不良行為少年の補導及び非行少年の補導を含む。以下同じ。)の法的根拠は、警察法第二条にあることは、確認されていました。

  加えて警察官職務執行法第八条規定の「警察の規則」には、国家公安委員会規則である少年警察活動規則や犯罪捜査規範等が含まれているということであります。

十六 少年警察活動規則と奈良県少年補導条例

  少年警察活動規則は、少年の非行の防止及び保護を通じて少年の健全育成を図るための警察活動(以下「少年警察活動」という。)に関し、必要な事項を定めた国家公安員会規則であります。この規則には、不良行為、不良行為少年、街頭補導等が規定されています。この規則は、警察法施行令第十三条第一項の規定に基づき制定され、官報に登載されて、都道府県警察、都道府県公安員会ばかりでなく、国民にとっても、法的効力を有するものであります。

  したがって、なぜ、奈良県少年補導条例が、少年警察活動規則に反して、奈良県で制定されたのか理解できません。国家公安委員会規則に反する規則を制定できない奈良県公安委員会に対して、少年警察活動規則に反した事項を奈良県公安委員会規則で制定するように奈良県公安委員会に委任した規定を、なぜ、本条例においているのか理解できません。

十七 平成十七年十二月九日における総務警察委員会の菱川雄治警察本部長答弁

  平成十七年十二月九日における総務警察委員会で、当時の菱川雄治警察本部長は、「(仮称)奈良県少年補導条例についてのご質問でございますが、まだ条例案の中身については現在検討中ということでありまして、その具体的な条文を前提としたようなお答えというのは、なかなかいたしかねるものでありますので、一般的な考え方ということについて、ご説明したいと考えております。

  先ほど生活安全部長から説明がありましたが、現在もこの少年補導というのは行っているわけでありまして、法令上の根拠は全くないというわけではなくて、警察法という規定に基づいて、任意のとりうる手段の中での働きかけということは当然できる、個別の根拠、法規がなくてもできるということでありまして、今回、条例では、まさに個別の活動としての根拠規定を整備しようというものでございます。」と説明されていますが、果たして本当でしょうか。

  私は、この説明には、大きな誤りが下記記載のとおり存在したと考えますが、奈良県議会議員の皆様は、いかがお考えでしょうか。

  まず第一は、警察法は、任意の警察活動の法的根拠となることは、一斉検問についての昭和五十五年九月二十二日の最高裁判例により明らかなことでありました。

  したがって、警察活動としての少年補導(非行少年の補導及び不良行為少年の補導をいう。以下同じ。)も、警察法第二条を法的根拠として行われおりました。

  奈良県警察を除く全国の都道府県警察における警察官は、現在も、少年補導を警察法第二条及び少年警察活動規則並びに風営法等により行っているところであります。

  第二に、警察官職務執行法第八条規定の「警察の規則」には、国家公安委員会規則である少年警察活動規則が含まれ、当該規則が、少年補導の法的根拠であるということであります。また、警察官職務執行法との関係においては、上記十五に記載のとおりであります。

  第三に、平成十七年十二月九日の時点で、風営法においては、少年の補導と警察職員の立入り権限については、定めがなされていたにもかかわらず、菱川本部長は、全く、この点と奈良県少年補導条例案との関係については一切言及されていません。

  第四に、菱川警察本部長は、「少年補導」についての個別の根拠・法規がないので、条例で、個別の活動としての根拠規定を整備しようとするものであると説明されていますが、少年補導の中の非行少年の補導を除いて、不良行為少年の補導だけについて、条例で、根拠規定を整備するのかについて理由説明をされていません。

十八 平成十七年十二月九日における総務警察委員会での菱川雄治警察本部長答弁

  平成十七年十二月九日における総務警察委員会で菱川警察本部長は、「条例の制定によって、従来行っていた警察の補導活動の本質に大きな変化を生じさせるといったことは考えているわけではございませんが、補導の根拠が明確になる」と説明されていますが、議会議員の皆様は、果たしてそのようにお考えでしょうか。私は次のように考えています。

  本条例には、従来、奈良県警察が、警察の補導活動として行っていた少年補導の中の非行少年の補導を除いた不良行為少年の補導を、奈良県の補導活動としてとらえ、奈良県警察職員による奈良県の補導活動を行うために必要な警察職員の個別・具体的な職務権限が定められています。

  したがって、補導活動の本質に劇的な変化が生じたということであります。すなわち、従来奈良県警察が、警察の補導活動として行っていたものを、奈良県警察職員が、奈良県の自治事務の中の補導活動として行うことに方向転換したということであります。

  菱川警察本部長は、「条例の制定によって、補導の根拠が明確になる」と説明されていますが、本条例で定められた「不良行為少年の補導」について、関係法令に照らして精査したところ、私が、既に指摘していますように、かえって、「補導の根拠が、法的整合性の欠如のため、不明確になった」といえるのではないでしょうか。

十九 平成十八年二月二十日における総務警察委員会での菱川雄治警察本部長答弁

  平成十八年二月二十日における総務警察委員会で当時の菱川雄治警察本部長は、「まず、本条例を制定する動機といいますか、なぜ今この条例を制定するんだというお話ですが、実は、ご承知とは思いますけれども、国の方におきましても、こういう少年の補導活動の法的根拠の整備については課題となっておりまして、平成十五年十二月、これは政府の青少年育成推進本部というところで青少年育成施策大綱というのがつくられております。これは国としての青少年行政全般の基本的な方針を定めるものなのですが、その中におきましても、補導活動の権限や手続きなどについて、条例を含め、法的明確化を図るということがうたわれておるわけでございます。」と説明されておりますが、議会議員皆様は、当時の菱川警察本部長は、県民に対し、正確な情報を提供されていたとお考えでしょうか。私は、以下のように考えています。

  国とは政府(現在の内閣府)をさし、「条例」とは、各都道府県が自治事務の中の青少年行政事務について定めた条例(奈良県青少年の健全育成に関する条例)をさし、「補導」とは、従来から奈良県が奈良県青少年の健全育成に関する条例に基づき行っている少年補導をさしており、平成十五年十二月に制定された青少年育成施策大綱は、菱川本部長が述べられているように「国としての青少年行政全般の基本的な方針」を定めたものでありました。

  これに補足しますと青少年育成施策大綱の大綱策定の目的には、「青少年の育成に係る政府としての基本理念と中長期的な施策の方向性を明確に示し、保健、福祉、教育、労働、非行対策などの幅広い分野にわたる施策を総合的かつ効果的に推進するため、この青少年育成施策大綱を定める」と規定されています。

  したがって、地方公共団体としての奈良県は、この国(政府)が示した方針に基づき、奈良県としての青少年育成施策大綱を定めるべきであるということであります。この時点では、当該青少年育成施策大綱は、非行対策としての少年補導についての各都道府県が取り組むべき基本理念や中長期的な施策の方向性を示したものに過ぎず、各都道府県における、補導活動の権限や手続きなどについて具体的にどのように条例で定めるべきかについての指示はしていないのであります。

  ご存知のことと思いますが、青少年育成施策大綱を所管する奈良県の担当部署は、奈良県警察生活安全部少年課ではなく、現在の奈良県のくらし創造部青少年・社会活動推進課であります。条例の主管課は、前者にあるのではなく後者であるということであります。

  警察庁は、この問題については、各都道府県警察に対しては、何ら、指示通達を発出しておりませんでした。青少年育成施策大綱の策定は、内閣総理大臣を本部長として策定されたものであり、国家公安員会委員長は、副本部長として、警察庁は関係行政機関として協力するという立場で関わっていましたが、当該大綱を踏まえての警察行政における少年補導を含む非行対策に関する具体的な指示や法改正は行っておりません。

  現在は、少年補導や非行防止等の青少年の育成事業を所管する国の機関は、内閣府の共生社会政策担当の政策統括官の事務であり、政府(国)において、青少年育成施策大綱にかわる「子供・若者育成支援推進大綱」が定められていますが、補導活動の権限や手続き等について、条例で定めるべきであるとはうたわれておりません。

二十 風営法に規定されている少年指導委員と奈良県少年補導条例に規定されている少年補導員(以下「少年補導員」という。)との主な相違点等

(一)法的根拠

  少年指導委員は、風営法第三十八条であり、少年補導員は、奈良県少年補導条例第十二条であります。

(二)任命権者

  少年指導委員は、奈良県公安委員会(全国の都道府県公安委員会共通)であり、は、少年補導員は、奈良県警察本部長(全国の都道府県警察本部長の中で奈良県だけ条例で規定されている)であります。

(三)身分

  身分については、両者とも、名誉職である非常勤の特別職の地方公務員(但し、奈良県以外の都道府県における少年補導員は、地方公務員の身分を有しない、民間のボランティアであります。)であります。

(四)職務としての少年の補導

  ア 少年指導委員については、第三十八条第二項第一号に

     飲酒若しくは喫煙をしている少年、風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは店舗型電話異性紹介営業の営業所若しくは第二条第七項第一号の営業の受付所に客として出入りし、又はこれらの営業所若しくは受付所の付近をはいかいしている十八歳未満の者その他少年の健全な育成の観点から障害があると認められる行為を行っている少年の補導を行うこと

   と規定されています。

  イ 少年補導員については、奈良県少年補導条例には、少年補導員に、少年の補導に関する職務権限を付与した規定は存在しません。

     同条例第十四条第一項第一号に

      街頭その他の場所において、不良行為を行っていると認められる少年について、不良行為を行わないように注意をするとともに、その後の非行を防止するための必要な助言又は指導を行う活動

    と規定しています。当該活動が、不良行為少年の補導なのか、少年の補導なのか、果たして、補導活動なのかを条例は明らかにしていません。

(五)補導の対象となる少年

  ア 少年指導委員は、「少年の健全な育成の観点から障害があると認められる行為をしている少年」と定義付けられています。

  イ 少年補導員は、同条例で規定された「少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為(刑罰法令に触れるものを除く。)を行う少年」と定義付けられています。

(六)立入りと罰則

  ア 少年指導委員の立入りについては、公安委員会に権限が委ねられている。当該立入りを拒み、妨げ又は忌避した者は、百万円以下の罰金が課せらます。

  イ 少年補導員は、本部長の承認を得て、自己の判断で立入りできる権限が付与されている。しかし、当該立入りを拒み、妨げ又は忌避した者は、なんら処罰を課せられません。

二十一 改正法と風営法と奈良県少年補導に関する条例案との関係

   ご存じのように、改正法により、少年指導委員の職務としての「少年の補導」及び立入り権限等の関係規定が整備されています。

   改正法案は、国家公安委員長から、平成十七年十月五日の内閣委員会に付託され、同年同月十二日に、提案理由の説明が行われ、全会一致をもって原案のとおり可決されています。このことは、平成十七年十月十八日付け官報(号外)に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案及び報告書が登載されており、国民の周知の事実となっていました。

   したがって、本条例案が、奈良県議会に提出された時には、既に、少年指導委員が行う少年の補導及び立入りに関する根拠規定は、風営法に存在していたということであります。

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○議長(中村昭) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 議案調査のため、明、六月九日から十二日まで本会議を開かず、六月十三日、会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○議長(中村昭) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、六月十三日の日程は、当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会いたします。



△午後一時十七分散会