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奈良県 奈良県

平成28年  2月 定例会(第323回) 03月10日−06号




平成28年  2月 定例会(第323回) − 03月10日−06号







平成28年  2月 定例会(第323回)



 平成二十八年

        第三百二十三回定例奈良県議会会議録 第六号

 二月

   平成二十八年三月十日(木曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三七番 粒谷友示

       三八番 秋本登志嗣        三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 山村幸穂

       四二番 今井光子         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

       三六番 新谷紘一

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

一、追加議案の上程

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○副議長(山本進章) これより本日の会議を開きます。

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○副議長(山本進章) この際、お諮りします。

 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

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○副議長(山本進章) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、十三番森山賀文議員に発言を許します。−−十三番森山賀文議員。(拍手)



◆十三番(森山賀文) (登壇)議長のお許しを得ましたので、ただいまから一般質問を行わせていただきます。

 その前に、このたび来月四月二日から四日にかけて、天皇皇后両陛下が神武天皇二千六百年式年祭及び地方事情ご視察のため、ご来県されることが昨日発表されました。一昨年に続きましてご奉迎させていただきますことは、誠に感激でございます。ご来県されますことと両陛下の仲むつまじいお姿に本県でお目にかかれますことを奈良県民の一人として心待ちにしております。あわせまして、今回の行幸啓を機に本県のますますの繁栄に努めることをお誓い申し上げます。

 申しおくれました。橿原市・高市郡選挙区選出の森山賀文でございます。もしかすると民主党として最後の質問になるかわかりませんが、一般質問に入らせていただきます。

 まず最初に、公共交通について、二点、知事に質問いたします。

 本県の公共交通政策については、平成二十五年七月十七日に奈良県公共交通条例が施行され、現在、これに基づく奈良県公共交通基本計画とこれを具現化した奈良県地域公共交通網形成計画などの策定が進められており、いよいよ完成が近づいています。これらの一連の取り組みは、都道府県としては全国初の試みであり、特に全市町村をはじめとする関係者と一体になった計画づくりは、まさに荒井知事の提唱される奈良モデルを象徴する取り組みであると感じております。

 また現在検討が進められております奈良県総合医療センター、県営プール跡地などの魅力向上、登大路駐車場のターミナル化などの諸施策も、この奈良県公共交通基本計画において総合的かつ計画的に講ずべき施策に位置づけられており、荒井知事の先導のもと、この先駆的なまちづくりと交通の連携が一層進むことを大いに期待するものであります。

 私は、これらの取り組みを持続可能な形で実現するためには、こうしたまちづくりと交通の連携の意義を県民の皆様方にご理解をいただき、その上でご協力をいただけるようにする取り組みが重要であると考えます。特に、少子高齢化に加え人口減少が叫ばれている昨今、持続可能なまちづくりと交通を実現するためには、その基軸となる公共交通が一定の利用者を継続して確保することが重要であると考えます。

 また観光シーズンの渋滞対策についても、観光立県を目指す本県が抱える重要課題として、既にぐるっとバス、パークアンドライド、駐車場の有効活用など、多様な施策に取り組んでいただいております。これらの実効性をさらに高めるためには、こうした施策の効果や必要性を県民の皆様も含めた関係者全体で共有することが必要であると考えています。

 例えば奈良市中心市街地公共交通活性化協議会が行った調査によりますと、観光客の滞在時間は、自動車利用の場合が四・八二時間に対し、パークアンドライド利用の場合が五・七四時間と、約二割長く滞在していただいているとのデータが示されております。その来訪者の滞在時間が長くなることによって、本県にもたらす経済効果を明確にすることができれば、一部関係者だけでなく県民の方々をはじめとする県内企業を含めた関係者全員が渋滞対策に協力しようという機運が高まるのではないでしょうか。一方、来訪者の方には、よりゆとりを持って、より効率的に、より深く奈良を知ることができるといった、パークアンドライドや公共交通での来訪のメリットを積極的にPRすることで、一層の利用促進につなげられるのではないでしょうか。

 こうした両面からの取り組みにより観光シーズンの渋滞対策が一層進み、奈良の魅力もより向上し、さらなる来訪者の増加につながるといった好循環がつくり出されるのではないかと期待するものであります。

 これらに加え今後は、利用者の方々に高齢化社会の中での公共交通の必要性について理解を深めていただきつつ、企業の社会的責任としての観点から、地元の公共交通を維持するといった新しい価値観を生み出していくことも重要だと考えています。

 一つの例として、私の地元の橿原市耳成地区では、橿原市地域公共交通会議や地元自治会、交通事業者、またバス協会などの協力を得て、八木耳成循環線の路線の維持運動を実施する動きが出てきています。維持していくためには減り続ける乗客をふやしていくための誘い水が必要と、乗客が少ない時間帯に乗車をするとポイントがたまり、それが一定量に達すると一回無料になるというキャンペーンを期間限定で行っています。この八木耳成循環線上には県の橿原総合庁舎があり、三百名弱の県職員の方々が勤めています。この路線バスを公共交通維持の観点からも積極的に利用していただきたいと願うところですが、通勤手当などの課題もあると聞き及んでいます。しかし職員の方々の利用が地域住民や沿線の企業に勤務される方々にもよい刺激となり、利用促進や公共交通の維持につながると思うところであります。

 そこで、知事にお伺いします。

 生活と観光の両側面から公共交通の利用促進を図ることは、持続可能なまちづくりと交通の実現に欠かせないと考えますが、モビリティ・マネジメントをはじめとした公共交通の利用促進について、県としてどのように考え、今後、具体的にどのような取り組みを進めていこうとされているのでしょうか。

 また、今後の公共交通政策を考えるに当たって懸念されることがあります。一月十五日に軽井沢において死者十五人を出す貸し切りバスの事故が発生しました。事故原因はいまだ明らかになっていませんが、新規参入事業者のずさんな安全管理体制と運転者不足、高齢化などが根底にあると伝えられており、今後、国土交通省において安全強化策が検討・実施されると思います。

 しかしながら一方では、シェアリングエコノミーなどの新たな市場が活性化する中で、自家用ライドシェアの合法化が検討されています。自家用ライドシェアの合法化は、簡潔に言えば白タクの合法化と同じであり、懸念されるのが、移動において最も大切な安全性の低下につながる不安が非常に大きいということであります。自家用ライドシェアの合法化の背景にはさまざまな原因があると考えられますが、その一つとして、バス・タクシーなどの二種免許保有者の減少、高齢化に伴う公共交通分野における将来の担い手不足があるのではないでしょうか。現在策定中の奈良県公共交通基本計画では、働く場としての交通事業者のあり方や公共交通にかかわる人材の育成を総合的かつ計画的に講ずべき施策として位置づけていただいておりますので、今後、奈良県として公共交通分野における将来の担い手の確保に向けた具体的な取り組みが進むことを期待しております。

 また、奈良県地方創生総合戦略や奈良県公共交通基本計画の目標に掲げられている住んで良し、働いて良し、訪れて良しの実現において公共交通が果たす役割は非常に大きく、荒井知事の先導のもと公共交通における先駆的な取り組みが一層進むことを大いに期待しておりますが、その取り組みを進めるに当たり最も大切なことは、輸送の安全の確保であるということを忘れてはならないと考えています。

 このように、まちづくりと交通の連携は安全な輸送サービスが安定的に提供されてこそ初めて実現すると考えますが、この点について知事の所見をお聞かせください。

 次に、中南和地域における道路整備について、二点、県土マネジメント部長に質問いたします。

 まず、中和幹線についてです。香芝市から桜井市をつなぐ中和幹線が全線開通し、四年がたちました。この間、橿原市内の中和幹線沿いには、耳成高校跡に橿原総合庁舎やまほろばキッチンができ、また車の販売店などの営業も始まりました。また、ここ一、二年においても桜井市内の中和幹線沿いでは、同じように車の販売店や商業施設がふえ、見た目にもにぎやかになってきています。今後さらにその付近に大型商業施設が誘致されることも検討されており、中和幹線沿いがますますにぎやかになってくることが予想されています。

 中和幹線が全線開通し一年がたったころ、県は交通状況を調査されました。そこには中和幹線開通により中和幹線周辺の五カ所の渋滞が著しい箇所が解消されたことが示されている一方、中和幹線上にある広陵町の大塚交差点、橿原市の土橋町南交差点、葛本町交差点の三か所で渋滞が続いていることも記されていました。その後、京奈和自動車道大和区間の側道の供用開始などで中和幹線の混雑緩和が進むのではと期待をしておりましたが、残念ながら通行しているドライバーには、混雑が緩和されたという実感はあまり持たれていないというのが現状です。

 その影響は、例えば中和幹線の混雑を避けるため生活用道路を抜けてから京奈和自動車道を利用する車がふえることにより、抜け道沿いにある橿原市内の自治会では、生活者の安全が脅かされるという心配につながっています。これから春の観光シーズンに入りますが、マイカーで奈良大和路へ来られる観光客も多くなり、より混雑が激しくなる、こういう光景がここ数年繰り返されています。

 京奈和自動車道の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジまでが整備されると、このような光景は一気に解消され、地域の方々も安全に暮らしていけるようになるとともに、中和幹線を利用される方も快適に移動できるようになると考えています。橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジまでの一刻も早い工事着手、整備完了に向け、政府要望をはじめ積極的に国に働きかけていただいておりますが、やはり現実的にはすぐに完成できる規模の整備ではありません。このような中、中和幹線の混雑を緩和させるべく現在も交差点改良などを進めていただいていることは、混雑緩和につながる対策の一つとして評価をしております。

 そこで、県土マネジメント部長に質問いたします。

 中南和地域の東西軸である中和幹線において、特に渋滞が著しい葛本町交差点での渋滞対策の進捗状況と混雑緩和に向けた今後の取り組みはどのようなものでしょうか。

 次に、橿原市内で地権者をはじめ多くの方のご協力をいただき進められ、いよいよ供用開始が近づいてきた県道橿原神宮東口停車場飛鳥線についてお伺いします。

 現在のこの道路は、近隣の小学校の通学路にもかかわらず、道路の幅員が狭く歩道もないことから、危険な状況となっていました。このバイパス道路ができることにより、地域住民の方々の安全性も向上するものと期待されています。

 話は変わりますが、芋洗地蔵というお地蔵さんをご存じでしょうか。このお地蔵さんは、このたび供用開始されます県道橿原神宮東口停車場飛鳥線の入り口に当たる場所である国道一六九号沿いに長らく商業施設やマンションに囲まれるように祭られておりました。道路建設につき移転をされましたが、すぐ近くには久米町がございます。この久米町は、久米の仙人で知られる久米町でございます。芋洗地蔵を説明するには、久米の仙人の民話を思い出していただきますとわかりやすくなりますので、少し紹介をさせていただきます。

 平城京へ都が移されてから後の天平年間のことです。厳しい修行の末に体得した空飛ぶ術を使って一人の仙人が空を飛んでいました。すると、眼下に流れる小川のほとりで着物の裾をまくり上げて洗濯をしている若い娘を見つけました。その娘の白いすねが目に映り、仙人は思わず見とれてしまいます。その瞬間、空飛ぶ術は破れあっという間に娘の前の川の中に墜落をしてしまいます。術を失った仙人は、その後、その娘を妻にして平凡な暮らしを送ります。

 ある日、仙人の前身を知った役人が、仙人の術で大量の材木を山から飛ばして運んでほしい、そういう難題を持ちかけます。これに発奮した仙人は、七日七晩断食をして術を取り戻し、見事に巨木を運んでしまいます。そして天皇からこの功績をたたえられ、恩賞として年貢が免除される広い田を賜りました。その地に建立された建物が久米寺と言われております。久米の仙人が空から落ちた理由は、洗濯をしている若い女性に見とれていたこととされていますが、その若い女性が洗っていたものが芋であったことから、その川を芋洗川と呼び、そのえにしで芋洗地蔵がこの場所に祭られています。

 七年前に同様の質問をさせていただいたころは、その芋洗地蔵の行き先が決まらず、保存会の世話人の方が非常に心配をしておられました。今回の供用開始を待たずに永眠されましたが、昔からある場所のほど近くにこのたびきれいに移転整備された上で供用開始されることを、きっと天から喜んで見ておられることだろうと思います。

 そこで、県土マネジメント部長にお聞きします。

 県道橿原神宮東口停車場飛鳥線はどのように供用されるのでしょうか。また、このバイパス道路は安全面だけでなく観光面においても効果があると思いますが、どのように考えているのでしょうか。

 次に、昨年四月に公立大学法人化され、新たなスタートを切った奈良県立大学について質問いたします。

 本県では、県内で教育を受けた高校生の進学希望者の多くが県外へ流出しているのが現状です。これは全国的に見ても高い水準で、県内の進学希望者を吸収する総合大学がないことが一つの理由ではないかと考えられています。県内の既存大学を見ますと、国立大学では、後に理系ですが、学部のない奈良先端科学技術大学院大学が設置されましたが、もともと教育系の大学である奈良女子大学と奈良教育大学に限られていました。また公立大学は、奈良県立医科大学と奈良県立大学の二大学がありますが、特定分野の大学に限定されており、高校生のニーズに十分対応できているとは言えません。

 近年、多くの都道府県は、知の拠点となるべき国立大学法人の総合大学を有しているか、都道府県または市が独自の公立大学を設置し、国立大学法人を補完するか、むしろ凌駕する大学づくりに取り組み人材を育てています。この点で本県は、大学教育について他府県依存型だったと言えるのではないでしょうか。

 このような中、奈良県立大学では魅力ある大学を目指し改革が進められています。ソフト面におきましては二年前、平成二十六年度から四つの領域から成るコモンズシステムがスタートしました。これは全国でも非常にユニークな教育システムで、少人数対話型教育により地域や観光に関する教育・研究を通じて地域に貢献できるすぐれた人材を育成する新しい試みです。また文部科学省に採択されました知の拠点整備事業も、地域とのつながりを重視した実践型教育として既に新しく実施されています。国を挙げて地方創生に取り組む中、地域人材の育成に大学、特に公立大学が担う役割はますます重要になっています。

 一方、ハード面においては正面入り口右手に地域交流棟が完成し、使用が開始され、キャンパスも魅力的に変わっていこうとしています。新しい教育内容にふさわしい施設整備を本格的に進めるものとして、キャンパスを一新する計画が現在も進められています。このほか昨年四月の独立行政法人化に際し、北岡伸一先生が理事長に就任されました。より魅力ある大学づくりが加速することが期待されます。

 そこで、地域振興部長に質問します。

 ただいま一例を申し上げましたように、奈良県立大学における教育面は大きく改革され、学生の育成が非常に充実していくことが期待されています。県が定めた奈良県立大学中期目標を受け、県立大学では教育改革を進めていますが、県はこの改革を着実に進めるため、今後どのように支援をしていくのでしょうか。

 また、教育面だけではなくハード面においても同様です。老朽化の進む校舎の問題ですが、きれいなキャンパスは受験生にとって大学志望条件の現実的な理由の一つとなっています。実際、現役学生の中には、大学の募集案内に掲載された今後のキャンパスイメージ図を見て、おしゃれなキャンパスで学生生活をエンジョイすることを期待して入学した学生がおられるとも聞いています。大学の教育改革をさらに進めるためにも、それにふさわしい大学の施設整備が必要と考えますが、今後の整備計画についてお答え願います。

 最後に、民泊について質問します。

 近年、訪日外国人観光客が急増しています。平成二十七年の訪日外国人観光客は過去最高の千九百七十四万人となり、前年の千三百四十一万人と比べて一・五倍近く増加しました。本県においては百三万人と、前年の一・五倍を超える増加となり、また延べ宿泊者数も二十八万人と、前年の約一・九倍となっています。今後、東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えており、ますます訪日外国人観光客が増加し、宿泊需要が高まると考えられます。

 こうした動きを受けて、東京や大阪では国家戦略特別区域法に基づく規制緩和を活用した民泊サービスを開始する動きがあることは、既にご案内のとおりです。特区を活用する自治体では、安全面、衛生面、近隣住民への苦情対応等に配慮した民泊サービスの基準が示され、取り組みが始まっています。また国においては、現在、日本全国で民泊を開業しやすいような規制緩和措置が検討されていることも聞いております。

 私は、このような国の動きを受け、奈良県においても民泊サービスについて広く検討していくべきだと考えます。ホテル、旅館、簡易宿所に加え民泊という新しいタイプの施設が増加することは、観光客にとって施設の選択肢がふえることになります。また空き家や使用していない部屋などを有効に活用するという観点から、地域の活性化に寄与する取り組みにもなり、ある意味、望ましいと言えるのではないでしょうか。

 いずれにしましても、奈良の観光消費額を見ると、宿泊客の消費額は一人平均二万五千九百六十六円と、日帰り客の三千八百七十一円の六倍を超えており、宿泊観光客がふえることが県内の消費をふやすことにつながります。奈良県への宿泊者を増加させるためにも、宿泊者のニーズに応えることができる多様なタイプの宿泊施設を検討することは望ましいと考えます。

 そこで、観光局長にお聞きします。

 今後、全国的にも民泊が広がっていくと考えられますが、国の動向を受け、県は民泊に関してどのように考えておられるのでしょうか。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十三番、橿原市・高市郡選挙区選出の森山議員の会派民主党の最後になるかもしれないご質問にお答え申し上げます。

 公共交通について利用促進のやり方、議員が大変勉強されている分野でございます。その中で、公共交通とマイカーとの関係が今、基本的に大きなことだと思います。人口減少、少子高齢化の中での人の移動、議員のおっしゃいますモビリティ・マネジメントにとっては、マイカーばかりに頼らないで公共交通との組み合わせという大事な観点が入っていると思います。

 マイカーがない時代の公共交通と、このようにマイカーがたくさんある時代の公共交通の役割は変わってきているように思います。マイカーに押されて公共交通の持続力が大変減退していることは確かでございますが、それでは要らないのかというと、そうではなしに、マイカーが基本になる社会でも、公共交通をどのように利用するのかという方面の知恵が要るようになってきている時代だと思います。議員の認識と同じだと思います。

 奈良県の取り組みの方向でございますが、基本的な認識は同じだと思います。持続可能な公共交通はどのようにすればいいかということでございますが、やはり移動ニーズがあっての交通であろうかと思いますので、ニーズにふさわしい移動手段でないといけない。マイカーはある面万能ですけれども、弱いところもある。移動ニーズとは何かということが基本になろうかと思います。また移動ニーズの中には、実現されていない潜在的なニーズもあろうかというふうに思います。

 マイカーは万能ではなく、マイカーがあっても公共交通の役割があるという観点から本議会に上程させていただいたのが公共交通基本計画でございます。県域全体を対象とした計画としては全国で今のところ唯一の計画だと言われておりますし、また県と市町村が協働・連携して交通政策を行うという観点からは、これまで県と市町村は交通政策についてあまり接点がなかったことから思いますと、奈良モデルの新しい取り組みの対象になってきているように思います。

 そのような背景、認識のもとでの公共交通基本計画の基本的な姿勢ですが、三つほど挙げさせていただきたいと思います。

 まずニーズのことでございますが、現在存在している移動ニーズ、通院とか買い物とか学校とかというだけでなく、マイカーにかわって移動できたらいいのにと、潜在的に存在しているがマイカーとの競争でなかなか実現できないといったようなニーズも計画の対象として掘り起こすという観点が一つございます。

 また公共交通の移動対象につきましては、まちづくりと一体的に考えていこう。目的地を配置することによって、できるだけ交通を節約して、歩くことを主にして健康ライフにしてもらう。しかし、そうでないところは、公共交通も含めたモビリティを提供するという視点が必要かと思います。

 三つ目でございますが、公共交通といいますと、今までのところ路線バスとコミュニティーバスが代表でございましたが、他人の輸送、他人を運ぶのだという観点からは、最近、議員お述べの自家用のカーシェアとか、いろんなタイプが出てきておりますけれども、施設の病院とか老人保健施設のいわゆる施設の提供されているバス、あるいは乗り合いタクシーに転換するタクシー、またマイカーの延長であります自転車や徒歩といった私的な交通など、いろんなモードがございますので、地域にとりまして一番いいモードの組み合わせを選ばれるのが利用者でございますので、それを幅広く捉えた上で計画として実現するという視点を持つというのが三つ目の視点でございます。このようなことを基本方針として位置づけて、それを総合的・計画的に進めようというのが奈良県公共交通基本計画でございます。

 また、その中で議員お述べのモビリティ・マネジメントというのが基本的な概念になると思いますが、この公共交通基本計画の中で公共交通の利用促進という観点が大事であろうかと思います。路線をどこからどこまで走らせるかという骨格のことのほか、路線が決まっていてもソフト面での利用促進、認識の仕方、支え方によって公共交通が維持できるということであろうかと思います。

 いろんな工夫を重ねておりますが、南部・東部地域の宿泊者限定路線でバス運賃のキャッシュバックをいたしますと思いのほか成功いたしまして、十津川の宿泊施設なんかは赤字が黒字になるほどの効果がございました。また、うだ・アニマルパークなどは不便なところにございますが、アクセスするとか、県有施設でございますと桜井のオーベルジュなどに対してもアクセスを考えるとかというふうに、施設を念頭に置いたバス輸送ということもございます。このような展開は地元の方とのコミュニケーションが欠かせません。県と市町村、交通事業者、地元の住民の方との対話の中で生まれてくる発想でございますので、奈良モデルの手法の大きな活用ができるテーマであろうかと思います。

 そのようなテーマの具体的な路線といいますか、サービスの分野で、議員がおっしゃいました八木耳成循環線というのがあるように思います。これも地域公共交通会議が橿原市で行われておりますが、橿原市も主体となって参画していただき、関係者と移動ニーズ、利用実態などの情報を持ち寄って検討を進めていただいております。

 また県といたしましては、この地域、この場所には橿原総合庁舎がございますので、この四月から近鉄大和八木駅から路線バスを利用して通勤する職員に通勤手当の支給を開始したいと思っております。大変ささやかでございますが、公共交通を利用して通勤というソフト面の拡充ということでございます。また、これも小さいことかもしれませんが、橿原総合庁舎への進入路は大型車や低床型車両の乗り入れが多少困難だと聞いておりますので、どのように整備をすればいいかといったささやかな検討も進めております。地域公共交通の維持は、そのような具体的かつ小さなことでも改善できる点を積み重ねていく必要があろうかと思っております。

 公共交通についてのもう一つのテーマは安全ということでございますが、議員が安全をどのように考えるかということをご質問されました。

 公共交通の安全だけでなく、最近は若者、高齢者などが運転されて、道を歩いている人を傷つける、同乗者を亡くしてしまうといったような公共交通以外の突発的な事故も多く発生する傾向にございます。その中では、公共交通は他人を移送するという観点からは安全が加重されてきておりましたので、比較的安全でございましたが、遠距離の貸し切りバスなどによって、やはり悲惨な事故が起こっております。その原因の一つは、議員がおっしゃいました人の問題かと思います。労務の労働条件が安全を阻害して安全のリスクを高めてしまう、あるいは、その背景には人手不足があろうかというふうに思われます。運転手の労働、他人を輸送されるときには、会社が運び、運行管理をして運転手を雇うということで、また二種免許が必要だということでございますが、競争促進という観点の中で、交通事業者の経営環境が厳しさを増す中で運転手の方にもしわ寄せが行っているのではないかということが危惧されます。また、そもそも中高年の運転手が多くて、運転手の人材不足があるのではないかというようなことでございます。

 このような分野については、国が中心になって責任を持っておられて県が関与する余地はございませんでしたが、公共交通の路線網の計画とか、法律の改正によりまして、県とか市町村が、とりわけ県がほとんど権限、責任がございませんでしたが、法改正によって多少の責任が出てまいっておりますので、安全のことについては、まだ県のレベルでの知見は集積をされておりませんけれども、安全は交通の大基本でございますので、奈良県公共交通基本計画の中で働く場としての交通事業者のあり方といったテーマで位置づけをしております。その中では交通事業者と運転手の関係、とりわけ運転手の確保とその安全の研修とか労働条件が、検討の課題になってくるものと思っております。

 私に対する質問は以上でございます。残余は担当の部局長から答弁をさせていただきます。最後になるかどうかわかりませんが、答弁を終わらせていただきます。



○副議長(山本進章) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には、中和幹線葛本町交差点の渋滞対策と県道橿原神宮東口停車場飛鳥線の供用の予定、整備効果についてお尋ねがございました。

 まず、中和幹線葛本交差点の渋滞対策について、お答えを申し上げます。

 橿原市にございます葛本町交差点でございますけれども、交通量が一日約二万七千台ある中和幹線と一日約一万九千台ある国道二四号とが交差いたしますことから、慢性的な渋滞が発生をしてございます。昨年六月に行いました調査の結果では、中和幹線で最大三百メートル、国道二四号で最大百六十メートルの渋滞が発生をしておりました。

 議員お述べのとおり、葛本町交差点の抜本的な渋滞解消に向けましては、京奈和自動車道の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の整備が必要不可欠でございます。本県といたしましても、この区間の工事着手を来年度の予算に向けました国への最重点項目の一つとして要望しておりますけれども、その整備にはどうしても時間を要することになります。

 このようなことから、早期に葛本町交差点の渋滞緩和を図るため、関係機関とも協議を重ねまして、中和幹線の中央分離帯を活用いたしまして、交差点東側の右折レーンを七十七メートルから百十メートルに、また交差点西側の右折レーンを八十七メートルから百十メートルにそれぞれ延伸するというような計画を立てまして、昨年の十一月に工事に着手しこの三月三日に工事を終えたところでございます。

 今後、この右折レーン延伸後の交通状況につきまして、しっかりと調査を実施いたしまして国、県、関係機関、道路利用者等で設置しております奈良県渋滞対策協議会で評価・分析を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、県道橿原神宮東口停車場飛鳥線の供用予定と整備効果についてお答え申し上げます。

 県道橿原神宮東口停車場飛鳥線は、近鉄橿原神宮前駅と明日香村を結ぶ県道でございます。国道一六九号と一体となりまして、中和エリアにおける観光ネットワークを形成する路線でございます。橿原市内の現道区間は、人家が連担しまして幅員も狭小でありますことから、平成七年度に橿原市石川町から橿原市和田町の間、約一・六キロメートルのバイパス整備に着手いたしました。

 平成二十七年一月に、今年度中の供用といったものを宣言いたしまして事業を進めてまいりましたが、地域の皆様方のご協力等をいただきまして、三月二十九日に無事供用を迎える運びとなりました。供用は午後三時三十分を予定しておりますけれども、供用に先立ちまして午後一時から地元地域の皆様方、関係者の皆様方にもご参加をいただき、知事も出席して開通式、記念行事を開催したいというふうに考えております。

 また議員がご質問の中で紹介されました芋洗地蔵でございますけれども、平成二十六年五月から久米寺でお預かりいただいておりましたけれども、本道路の隣接地に整備をいたしました広場でお迎えをする準備が整いましたので、三月十六日にお戻りをいただく予定でございます。

 本道路の整備効果でございますけれども、バイパスが整備されることによりまして、通学路に指定されている現道区間へ流入する通過交通が減少しまして、児童をはじめとする地域にお住まいの皆様方の安全性が向上いたします。

 また本道路につきましては、橿原市が飛鳥地方で実施されております二人乗りの超小型電気自動車のレンタルサービス、MICHIMOのお勧めルートにも加える予定だというふうに聞いてございます。橿原市南部の観光拠点である橿原神宮周辺地域と、飛鳥寺や万葉文化館など多くの観光拠点が集まる明日香村北部地域を最短ルートで結ぶこととなりますことから、安全面のみならず中和地域の周遊観光促進の観点からもその整備効果が期待されるというふうに考えてございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 一松地域振興部長。



◎地域振興部長(一松旬) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答え申し上げます。

 私には、奈良県立大学について二つのお尋ねをいただきました。

 一つ目は、県が定めた奈良県立大学中期目標を受け、県立大学で教育改革を進めているが、県はこの改革を着実に進めるため、今後どのように支援していくかとのお尋ねでございます。お答え申し上げます。

 公立大学は、地域における高等教育機会の提供といわゆる知の拠点としての役割が期待されております。県では、迅速かつ柔軟な意思決定による大学運営と一層の透明性・公開性の実現を目指しまして、奈良県立大学を平成二十七年四月一日に公立大学法人へ移行させました。

 法人化に当たりましては、大学の学生や教員、卒業生、大学周辺の住民、さらには企業人事担当者等の意見も踏まえさせていただいた上で、教育、研究、地域貢献、国際交流の四つの柱を立てまして中期目標を策定いたしました。

 具体的には、議員がお述べになりました学習コモンズ制の導入によるゼミを中心とした対話型教育の充実、さらには、リベラルアーツ教育の充実、自治体との連携により地域の課題解決に学生のフィールドワークを活用した実践教育の実施、東アジアサマースクール、それからシニアカレッジなどに取り組んでいるところでございます。あわせまして、優秀な学生に対する支援としての給付型奨学金制度の創設も進めたところでございます。

 県におきましては、これらの取り組みを着実に進める体制づくりを支えるため、教職員の増員や取り組みに必要な経費を運営費交付金や中期目標補助金として財政支援を行うとともに、市町村との連携におきましては県の関係部局も一体となって取り組んでいるところでございます。

 また県におきましては、現在、パブリックコメントに付させていただいております奈良県教育振興大綱(案)に県立大学の改革を本県教育の主要な課題の一つとして明確に位置づけ、県立大学におけます主な取り組み、さらにはKPI、重要業績評価指標を盛り込ませていただいているところでございます。

 今後、奈良県立大学評価委員会にも毎年度、大学運営の評価をお願いすることとしておりますが、これらの評価により明らかになった課題等を次の取り組みに反映させるPDCAサイクルを構築するなどによりまして、大学改革が着実に進むよう支援してまいりたいと思っております。

 続きまして二つ目のお尋ねは、大学の教育改革をさらに進めるためにもそれにふさわしい大学の施設整備が必要と考えるが、今後の整備計画についてというお尋ねでございます。お答え申し上げます。

 県立大学の施設の大部分が昭和四十年代に建築されたものであることや、県立大学の特徴であります対話型教育であるコモンズ制への対応の必要性などから、従来の施設では限界があり、県では平成二十五年度に整備構想を策定したところでございます。

 整備構想では改修を基本とし、老朽化や機能的に改修が難しいものは新築するとの方針で策定させていただいたところでございます。これに基づきまして、議員お述べのとおり、昨年五月末には地域交流棟を整備したところでございます。来年度には一号館、二号館の耐震補強工事を行うこととしております。

 なお、これ以外の施設につきましては、教育・研究活動に支障なく効率的、効果的に整備を進めることができるよう、来年度に設計に必要な基本計画を策定することとしております。今後の整備をその中で具体的に検討していきたいと考えております。

 先ほどのご質問のところで説明させていただいたような中期目標に掲げた教育・研究や地域交流などが実践でき、県立大学の魅力を高める施設となりますよう、また学生、教員、卒業生や地域の方々に喜んでいただけますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福井観光局長。



◎観光局長(福井義尚) (登壇)十三番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には、今後、全国的にも民泊が広がっていくと考えるが、国の動向を受け、県は民泊についてどのように考えているのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 外国人観光客の大幅な増加を受けまして、ホテル不足が常態化しております東京、大阪、京都などでは民泊のニーズが高まっていると聞いているところでございます。一方、無許可でマンションの空き室等を活用して旅行者を宿泊させ、トラブルや事故が発生する事例もございまして、何よりも優先されるべきであります安全安心な宿泊環境が整っていない実態も報道されているところでございます。

 議員お述べのとおり、国におきましては民泊の規制緩和措置が検討され、国家戦略特区の指定地域におきましては民泊の申請受け付けが始まるなど、さまざまな動きが展開されております。

 民泊は、人口が減少する地域におきましては、空き部屋や遊休資産の有効活用を図り、経済の活性化が期待できます。また観光客にとって宿泊施設の選択肢を広めるという効果もございまして、客室が少ない本県にとりましては、滞在型観光を促進する一助となる可能性がございます。

 今後、県といたしましては、国の動き等を注視するとともに、優良な民泊を育てていくといった観点からどのような取り組みや支援が可能か、幅広く検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十三番森山賀文議員。



◆十三番(森山賀文) 知事をはじめ理事者の皆様、ご答弁ありがとうございました。時間があまりありませんので、数点、要望させていただきます。

 まず公共交通の利用促進につきましては、これまでの先進的な取り組みに敬意を表しますとともに、まちづくりと交通の連携が新年度も一層進みますように、引き続きご尽力をお願いいたします。個別に例として申し上げました八木耳成循環線は、県下のたくさんある路線バスの中でもモデルケースになる路線バスだと思っています。

 新年度、そういう意味では、橿原総合庁舎に勤められる職員さんの通勤手当の支給を進めていただけるというのは、これは非常にまた利用促進につながることで、地域の利用される方にもいい刺激になると思います。乗り入れの検討の話もありましたが、引き続き、そういう意味でモデルケースとして進めていく路線バスとしてのご尽力をお願いしたいと思います。

 中和幹線のことにつきましては、私もその近くにおりますので、右折レーンの延伸工事を見ておりました。あれが完成しましたので、これまで右折レーンからはみ出ていた車が減りますから、二車線でそのまま直進通行ができる車がふえるから混雑は解消されると思います。しかし、それに加えて、どう見ても中和幹線側の信号機の時間が短いです。その信号機の時間が数秒延びるだけでもはけるというか、直線で抜けられる車はかなり変わってくるのではないかなと思っていますので、今回、この右折レーンを延伸していただいたこととセットにして、関係機関の方とぜひ信号時間の調整もお願いしたいと思います。これは要望で上げさせていただきたいと思います。

 県立大学については、さまざまな取り組みを進めてきていただいておりますが、ハード面について思うことがあります。今の一回生がいますけれども、その一回生は新しい大学でパース図を見た中でこのキャンパスで学びたいなと思って入ってきた学生もいるということを聞いているのですけれど、せめてその学生が卒業するまでにあのイメージパース図が完成できたら、学生たちも非常に喜ぶと思いますけれども、今のご答弁では大分としんどいなというように思います。コモンズ棟を先にすることはできないのでしょうかね。学生の期待に応えられるように、引き続きハード面の整備もよろしくお願いいたします。

 それと民泊についてでありますが、奈良県は、宿泊施設を建てようと思うと高さ規制がありますので、なかなか思うような施設が建てられないという条件もあります。そんな中で民泊というのは、投資金額においてもそうですし、奈良県に合うような施設になるのではないかなと思いますので、幅広く、これからまたご検討いただきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。



○副議長(山本進章) 次に、二十一番上田悟議員に発言を許します。−−二十一番上田悟議員。(拍手)



◆二十一番(上田悟) (登壇)議長より発言許可をいただきまして登壇させていただきました。自由民主党、上田悟でございます。

 数ある政治ファクター、奈良県政のいろんな政策がございますけれども、本日の私の質問は、文化振興策二問、そしてスポーツ振興策一問、テーマを絞りまして質問をさせていただくこととなりました。

 まず最初に、聖徳太子プロジェクトでございます。

 私は、奈良の中でも歴史と文化の厚みを持つ聖徳太子ゆかりの地であり、法隆寺地域の仏教建造物群という日本で初めて世界文化遺産に登録されました地、斑鳩町に住まいをしております。ここで生まれ育ち、今、県議会議員として、このテーマで質問させていただくこと、触れさせていただくことを大変意義あることだと誇りに思っております。

 数々の観光振興策や文化振興策の議論がこの県議会で行われておりますけれども、過去に聖徳太子という、いわゆる固有名詞を用いてどんな議論がなされてきたのかなということを振り返ってみました。時々、観光振興などの中で聖徳太子という言葉が出てくるのですけれども、聖徳太子という単語を使って質問が出てきたのが、実は私が前回させていただいた質問、平成十二年の十二月議会だったのです。十六年前。時に平成十三年の秋にNHKがドラマ聖徳太子という番組を作成し放映されるということを聞きまして、その前の年の十二月に、これはぜひともこのチャンスを生かさなければならない。聖徳太子というNHKが放映してくれるドラマを一つの契機として奈良県の観光振興策につなげるべきだという内容で質問をさせていただきました。十六年ぶりに聖徳太子の質問をさせていただきます。

 奈良には、古代において日本の首都的な役割を果たし、政治・経済・文化の中心として栄えた、他府県には類のない古く豊かな歴史がございます。このような古代奈良の歴史上で中心的な役割を果たした歴史人物はあまたおられますが、やはり日本の古代歴史上最も有名な人物といえば聖徳太子であろうと私は思います。

 聖徳太子といえば、皆様ご存じのとおり、戦前・戦後を通じて昭和五年に登場した百円札、戦後は新千円札、五千円札、また一万円札に登場するなど、日本で一番高額な紙幣の顔だったこともありまして、思い浮かべる聖徳太子のイメージというのは、両手で笏を持って頭巾状の帽子をかぶり、口ひげ、あごひげを蓄えたりりしい姿を思い浮かべることができます。ただ古事記や日本書紀などに出てくる聖徳太子像というのは、木像やいろんな聖徳太子像がございますけれども、またちょっと違ったイメージも出てまいります。古い歴史の中での人物でございますので、あまりよく知られていないという部分もあろうかというふうに思います。

 古代国家を完成に導いた最大の功労者と言われる聖徳太子。日本書紀によりますと、律令国家がまさにこれから発展しようとする推古天皇の時代に皇太子となり、摂政として三十年にわたり天皇を支えられました。本格的な官僚制度を目指した冠位十二階、また十七条憲法の制定、進んだ政治の仕組みを取り入れるための遣隋使の派遣、そして法隆寺の建立など、内政や外交で新たな政策を次々と実施した聖徳太子の功績は枚挙にいとまがないところであります。そのような偉大な歴史人物である聖徳太子がここ奈良の地で日本の国家の礎となる制度を築いたことなどについて、県内外の方々に広く知っていただく、歴史を楽しんでいただくことは誠に重要なことであろうかと思います。

 また、平成三十三年には聖徳太子没後一四〇〇年というミレニアムな節目の年となるため、聖徳太子建立の法隆寺において大遠忌法要が盛大に営まれるということを聞き及んでおります。県として聖徳太子という偉大な歴史人物について、県内の方々をはじめ奈良県に訪れる観光客の方々にも広く情報発信することは、観光客のさらなる誘客、ひいては地域振興の活性化にもつながるものと考えております。

 そこで、知事に質問させていただきます。

 聖徳太子没後一四〇〇年という節目を迎える平成三十三年に向けて、来年度から実施される聖徳太子プロジェクトにおいて、県ではどのような取り組みを行っていかれるのでしょうか。その内容についてお聞かせください。

 次、二問目でございます。国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭についてお伺いいたします。

 私は文化芸術というものに大変興味がございます。県の文化振興施策でありますムジークフェストならや奈良県大芸術祭などの事業にも時間のある限り参加させていただいております。また、文化資源の保存だけでなく活用にも重点を置くという知事の考え方には大いに賛同させていただいておるところでありまして、ここから生まれる地域交流や人材育成などが奈良県に及ぼす大きな効果を期待する一人でございます。

 昨年の九月議会での一般質問で、私は、国民文化祭の開催を平成二十九年度に控え本県の文化力のより一層の向上が必要であり、そのためには質の高い文化芸術イベントの実施、また県民の文化芸術への参加や鑑賞の機会の拡大などが最も重要であると訴えさせていただき、県の取り組み姿勢をお伺いいたしました。

 この質問に対しまして知事からは、ムジークフェストならや奈良県大芸術祭に対する思い、そして国民文化祭に臨む姿勢などについてご答弁をいただきました。そのとき知事は最後に、これからも文化の力で奈良を元気にをキーワードに国民文化祭やまた東京オリンピック・パラリンピックを見据えながら、文化を奈良のブランドとして発信、展開し、文化振興に力を入れていくと力強い言葉を述べていただいたところでございます。

 後ほど、また自席でも発言する予定でございますので続けます。

 来年度、五周年を迎えるムジークフェストならや参加人数が百二十万人を超えた奈良県大芸術祭などの取り組みは、さらに展開を進めて奈良県全域が継続的に盛り上がるイベントになることが望まれます。これらのイベントは文化振興にとどまらず、観光振興、地域振興に多大な影響や効果が見込まれます。地域の文化資源を掘り起こし、気づき、そして各市町村の活力になるよう充実させていただきたいことを望んでおります。

 さて第三十二回国民文化祭・なら二〇一七では、第十七回全国障害者芸術・文化祭なら大会と一体開催するということが決定されました。これは全国初の試みとお聞きをしております。障害者の芸術文化活動への参加の拡大が障害者の生活を豊かにするとともに、障害への理解が進むことによって社会全体が豊かになることも期待されます。これは県民として大変うれしいことでありまして、ぜひこれまでの取り組みの成果を生かして、これからの新たな取り組みの礎になるような大会につくり上げてほしいと念じております。

 そこで、今後本格的に事業構築される国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の一層の推進と成功を祈って、知事にお尋ねをいたします。

 平成二十八年度、この四月からですが、国民文化祭・障害者芸術文化祭課という課が県庁内に設置されると聞いております。国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の一体開催に向けてどのように準備を進めていこうとされているのでしょうか。お尋ねをしておきます。

 次に、三問目でございます。奈良県スポーツアカデミーについてお伺いをいたします。

 本年は四年に一度のオリンピックイヤーでございます。国の内外でオリンピック出場をかけた予選会や国内での出場選手選考会などがたくさん行われておりまして、八月のリオデジャネイロオリンピック本番に向けて日本中がスポーツに、特にオリンピックに大きく関心を示しています。

 こうした中、最近、テレビや新聞などで四年先の二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでの活躍が期待されるという四年後に期待を、スポットを当てたようなアスリートが多く取り上げられるようになってまいりました。県では二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に国際舞台で活躍できるトップアスリートの育成や競技力の向上を目指して、これまでトレーニングセンターの整備に向けた検討を進めてこられました。

 昨年の九月議会の一般質問で、私は東京オリンピック・パラリンピックなどを契機としたスポーツの振興策について知事にお尋ねをいたしました。そのとき知事からは、世界最大規模のスポーツの祭典であるラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、そして関西ワールドマスターズゲームズなど各大会が、二〇一九年から三年連続して日本で開催されることになり、本県のスポーツ振興の面からも絶好の機会と捉え、キャンプ地招致やアスリート育成などを進めたいという答弁をいただいたところでございます。中でもアスリート育成につきましては、スポーツ医科学の面からサポートするとともに、高度なトレーニング機能を有する施設、これはトレーニングセンターのことだと思いますが、その整備に関して現在検討しているとおうかがいいたしました。

 さらに昨年の十二月議会では、同僚議員の一般質問に答弁する形で、国立スポーツ科学センター長などで構成される奈良県トレーニングセンター構想検討委員会から、トレーニングセンターの機能や強化種目、立地条件などについて提言をいただき、その実現に向けた課題について検討を進めるとともに、よりよい効果が発揮されるよう、さらに深掘りした議論を進めていくと述べていただいております。

 今般、知事は、本年度の重点施策に関する所信表明の中で、トップアスリートの育成を目的としたトレーニングセンター整備の研究成果を踏まえながら、さらに県民の健康増進や体力向上につなげていく発展的なセンター整備を標榜し、名称も奈良県スポーツアカデミーと改められました。

 また知事は、就任以来、スポーツの振興に大変力を注いでこられました。幾つかの例を挙げてみますと、例えば総合型地域スポーツクラブについては、その育成・充実に努め、平成十九年には八クラブであったのが、現在は六十二クラブまで増加し、県内三十七の市町村に設置されています。また、ことしで七回目を迎える奈良マラソンは今や冬の風物詩となり、全国から多くのランナーが参加される大変評判のいい大会となっています。さらに平成二十六年七月にオープンしたスイムピア奈良は、本県初の試みとして民間の資金を活用したPFI手法に基づき整備をされまして、県民の一般利用はもとより海外の代表チームをはじめ国の内外から合宿に来られるなど、水泳競技の拠点となっています。そのほかにもジョギング&サイクリングステーションの整備やナイトランの実施など、さまざまな取り組みを行ってこられました。

 今回のこのスポーツアカデミーについても、知事の斬新なアイデアにより、他に例のない新しい取り組みをお考えいただいているものと期待をいたしているところでございます。

 そこで、奈良県スポーツアカデミーは、具体的にどのような取り組みをされるのでしょうか。このことをお伺いしておきたいと思います。

 壇上からの質問は以上とさせていただきます。答弁をお聞きした上で、また自席から発言させていただきますことをお許しをいただきまして、終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十一番上田議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、聖徳太子のプロジェクトでございます。県が提唱いたしました聖徳太子没後一四〇〇年の節目を迎えます平成三十三年に向けた聖徳太子プロジェクトの取り組みの内容についてのご質問でございます。

 議員お述べのとおり、聖徳太子は、飛鳥時代における推古天皇在位時に中心となって政治に当たられた偉大な功績を残された方であることは間違いないと私は思っております。県内には聖徳太子ゆかりの社寺などの名所旧跡が多く存在いたしますし、本県が今後、歴史文化資源の活用を図っていくに当たりまして、この聖徳太子の功績や足跡を県内外に発信していくことは欠かせない取り組みであろうかと思います。

 このような認識を持っておりましたところ、オリンピックイヤーの二年後の平成三十三年が聖徳太子没後一四〇〇年の節目の年に当たるということを踏まえまして、本県といたしまして聖徳太子プロジェクトを立ち上げることといたしました。ゆかりの県内市町村や他府県と連携したさまざまなイベント開催により、情報発信を強化していくことをまず初めの作業にしていきたいと思っております。

 具体的な取り組みでございますが、初年度でございます来年度は、県と県内の聖徳太子ゆかりの市町村により構成いたします推進協議会のようなものを立ち上げまして、聖徳太子に造詣の深い学識経験者を招いてのキックオフシンポジウムや連続講座を実施していきたいと思います。聖徳太子がより身近な存在となるような勉強の機会を与えさせていただきたいと思っております。

 また奈良県にはいろんなゆかりの地がございますので、市町村などが実施いたします聖徳太子ゆかりの地めぐりやスタンプラリー、ウオーキングイベントなど、その地をたどる連携事業も展開できたらと思います。

 さらに、来年度から創設いたします文化資源活用補助金の中に聖徳太子プロジェクトに関連いたしました文化財の修理や保存、案内板等の設置費用について補助してまいりたいと思っております。このようなことで関連事業を支援するとともに、現在展開しております記紀・万葉プロジェクトとの連携も図っていきたいと思っております。

 ご承知のように聖徳太子は、日本書紀の一番最後に出てまいります推古紀に大きく取り上げられている方でございます。七二〇年に奏上されました日本書紀の内容展開を図っております記紀・万葉プロジェクトが奈良県でございますが、その日本書紀の中心人物であらせられます。日本書紀は推古紀まででございますので、日本書紀のその前の有名な人物といたしましては、ことし没後二千六百年を迎えられます神武天皇や、さらに天照大神そのもの、また天照大神を伊勢にお移しになった天理市に陵がございます崇神天皇などはスーパースターであろうかと思います。聖徳太子は天皇にはなられなかったわけでございますが、日本書紀に初めて載ります十七条憲法の内容とともに、日本書紀のスーパースターであることは間違いございません。その没後一四〇〇年を迎えまして、奈良県の歴史文化の素材としては大変有力なお方でございますので、それを聖徳太子プロジェクトとして今後、没後一四〇〇年の大遠忌に向けて、またその間にあります東京オリンピック・パラリンピックを挟みまして、地域のにぎわいや観光振興を含む交流人口の増加、また聖徳太子そのものを知っていただく機運の醸成につなげてまいりたいと考えております。

 国民文化祭、また全国障害者芸術・文化祭の準備についてのご質問がございました。

 本県では観光、文化、スポーツの振興を二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた重要な目標としてまいりました。本県ではこれまでもその中で文化の振興に力を入れておりましたが、来年に迫っております国民文化祭を機に、文化を奈良のブランド化の中心テーマとして発信する機能を強化していきたいと思います。県内外の多くの方々に奈良の文化のすばらしさを知っていただくとともに、奈良の魅力そのものにも触れていただく機会にしていきたいと思います。

 国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭は、一体開催をしたいと思っております。全国で初めての取り組みとなります。この二つの文化祭の時期を合わせた一体開催が奈良らしい大会となるように準備を進めたいと思います。

 一体開催する意義でございますが、障害者の方々が文化芸術の成果発表の場としてより大きな場が提供されるということにとどまりませんで、障害のない方に障害者の文化芸術活動へのご理解の促進、また障害者の生きざま自身へのご理解の促進を期待する一方で、障害のある方の力になる、活力の源になることもあると思っております。また、このような一体開催をきっかけに障害のない方と障害のある方の新たな関係性が生まれることも期待しているところでございます。

 これまでは、国民文化祭が文化庁主催、また全国障害者芸術・文化祭が厚生労働省の主催と国の所管が分かれておりまして、また都道府県でも担当部局が違うなどの理由から、同じ府県で開催されても開催時期が違っていることが多うございました。あくまでも別々の大会として開催されておりました。しかし、奈良県では国で分かれているものも地方では融合できるのではないかという考えから、両省庁との調整をとりまして、開催期間も同じにいたしまして運営も一体的に開催したいというふうに考えたわけでございます。

 こうした考え方のもと、議員がご指摘になりましたように、県庁内に国民文化祭・障害者芸術文化祭課を設置させていただきたいと思います。一体開催に向けての組織的にも一体になった体制を整えていくことで、今後策定を予定しております両大会の事業実施計画なども関係性が深まるような企画が検討され、より円滑に運営が進むようになることを期待しております。

 両文化祭は、開会式も合同で行えたらと考えております。この課の設置のメリットを最大に生かした形で円滑な開催準備を進めていきたいと思います。

 奈良県の国民文化祭のもう一つの特徴でございますが、日本の文化の源流が奈良県には多く存在しております関係から、日本文化の源流を探ることを中心テーマの一つにしていきたいと思っております。現在も文化の中心になっております能だとかお茶の作法とかの源流は奈良でございますし、文化の受容自身が外来文化を大変スムーズに受け入れたという流儀が奈良にございます。また薬でございますとか、日本酒でございますとか、そのように物質についてもその源流は奈良にございます。国民文化祭のテーマになり得るものであろうかと思いますので、源流を探るというのも奈良らしい国民文化祭の展開の要素にしていきたいと思っております。

 スポーツのご質問がございました。奈良県スポーツアカデミーについての具体的な取り組みについてのご質問がございました。

 トレーニングセンターをつくれたら、ナショナルトレーニングセンターの西にあります地方のトレーニングセンターの整備という方向で検討を始めておりました。平成二十六年度に有識者から成ります奈良県トレーニングセンター構想検討委員会を開始いたしまして、基本的な考え方や整備予定地、重点強化種目などについての提言をいただきました。今年度は、この提言をもとに有識者との意見交換や民間事業者からのヒアリングを実施し、スポーツ医科学研究のあり方についても調査、検討を行ってまいりました。

 これらの検討についてわかってきたことでございますが、我が国のスポーツ振興、とりわけトップアスリートの、あるいはトップチームの育成は、コーチと選手の個人的な関係でなされることが多く、また一過性に終わってしまうことが多いということがわかりました。何か根本的な原因があるのではないか、いいコーチといい選手が育っているときはワールドカップでもよい成績になる、世界の一位にもなるけれど、今度は、うまい組み合わせにならないと、あるいは選手が卒業されますと、それが継続されないで、オリンピックにも行けないチームになってしまうといったことは身近に見聞することでございます。

 よい選手、強いチームがどうすれば育つのか。また組み合わせによって急激にその力が落ち込むのはどうしてか。日本のスポーツ選手育成のやり方に何か根本的な弱点があるのではないかといったこともこの検討会で議論、あるいは教えていただきました。そこでわかってきたことでございますが、一つには、アスリート育成手法や理論が確立されていないということがわかりました。個人的な関係で強いチームになったり、負けるチームになったりということのようでございます。これは、他国がこの理論の確立にずっと長年取り組んでおられる育成方法と好対照でございます。このままではなかなか持続的な強い選手、強いチームができないというふうに目が覚めました。

 もう一つは、選手の発展段階に応じた育成の考え方が十分されておらなくて、青年期・少年期の一時期に強くなればいいよ、その時期に酷使してしまう傾向があることでございます。選手を長続きさせる、選手生命を持続させるという観点の研究がないということがわかりました。また、どのような時期に力を入れて発展させれば、あるスポーツでは神経が育ち体力ができるかという研究もあまりないことがわかりました。例えば脳神経系の発達が著しい就学前の幼児期にアプローチをすると、大変すばらしい運動神経の方が育つということも最近の研究でわかっておりまして、外国ではそのような実践をどんどんされておりますが、日本のトレーニングセンターにおきましては、まだそのようなことが行われておりません。

 幼児期におきましては、遊びを通じた多様な動きを体験させますと、運動神経の発達はもちろん、社会適応力やいじめ対抗力、また意欲的な心の育成、規範意識の醸成など、人間形成にも役立ちその後の健康的な生活習慣にもつながることがわかってまいりました。いい三つ子の魂をつくる場をつくろうといったようなことが言われておりますが、そのような場が義務教育以前の話でございますので、なかなかなかったということでございます。

 スポーツの振興を図る中で、スポーツ医科学に基づく研究開発を推し進めまして、こうした就学前の幼児期はもとより、小学生、中学生、高校生など、年齢・発展段階に応じた効果的なトレーニング手法や理論を研究開発し、できることならそれを奈良メソッドとして確立する方向が、大変チャレンジングな取り組みですが志の高い取り組みではないかというふうに思い至ることになりました。

 こうした考え方から、トレーニングセンターは、優秀なコーチを集め選手強化を行って、いいチーム・選手が出るトレーニング用の施設ではなく、奈良メソッドを研究し、検証し、育成発展手法をできれば確立する、またそれを実践する場となるようにという願いを込めまして、名称も奈良県スポーツアカデミーと改め、その必要な機能や施設の整備についても検討を進めようとしております。大層な目標でございますが、事業の内容は大変小さなことで進めることも可能でございますので、今、日本でそういう取り組みはありませんので、奈良県でも取り組めるのではないか、また、どのような規模、どのような内容で取り組んでいけばいいか、事業の研究を始めたところでございます。

 就学前教育におきまして、体力、運動神経の基盤を育成するというのはとても大事でございますが、そのような研究が進めば、中高齢者の体力づくり、年をとっても骨折しないように筋力を維持するのにはどのようにすればいいか、また幼稚園や学校ではどのように教えればいいのか、さらに総合型地域スポーツクラブなどでどのように教えればいいのかというふうにその研究開発の内容が発展的につながる可能性もございます。トップアスリートだけではなしに県民の体力向上や健康増進につなげることが可能になるというふうに思いますし、また、そのような分野のことは、健康ライフ志向、また運動と県民生活のつなぎとして新たな産業興しにも波及することが可能であろうかというふうに思っております。

 まだ研究開発の分野からの取りかかりでございますが、そのような志を込めまして、奈良県スポーツアカデミーの設立の検討の予算をお願いしているところでございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 二十一番上田悟議員。



◆二十一番(上田悟) ご答弁ありがとうございました。奈良らしさというこだわりを持って文化振興、またスポーツ振興という形で取り組んでいただきたい。そんな思いできょうはこの三つの質問になったわけでございます。

 まず、聖徳太子プロジェクトについて。平成三十三年の没後一四〇〇年、その機に向けていよいよスタートを切ろうということのようでございます。その中で、今、聖徳太子のことについては、私、先ほど紙幣に印字されている聖徳太子のひげの生やしたイメージの話をしましたけれども、全国各地に聖徳太子の座像とか木像がたくさんあります。もちろん聖徳太子ゆかりの、いわゆる建立されたお寺とか、ゆかりのお寺などももちろんですけれども、聖徳太子像というのが一体日本全国にどのぐらいあるのかなということをちょっと知りたかったので、先ほど昼の休憩時間のときに、聖徳太子を物すごく研究なさっている方が私の地元におられまして、電話でお話をしておりました。四百八十余り、聖徳太子像というのがあるらしいのです。これは全国にある聖徳太子ゆかりのお寺と私はイメージしたのですけれども、実はそうではないと。国立国会図書館にもありますよ、最高裁判所にもありますよ、宮内庁にもありますよと。聖徳太子像というのはあちこちに収蔵されているようですね。これはやっぱり日本のスーパースターだというあかしであろうかと思いますけれども、奈良県のみにかかわらず全国にしっかりとアピールしていく奈良らしさの一つの出し方に聖徳太子というプロジェクトが大きな力を発揮するのではないのかなと期待をさせていただいています。

 先ほど答弁にありましたように、県と県下市町村が一体となって連携をとっていくということでございます。多分、聖徳太子にゆかりのない市町村はないでしょう。三十九市町村全てが聖徳太子といいますと何かつながりが出てくると思いますので、大きな面的な展開をしていただきたいと、そのようなことも期待を申し上げておきたいと思います。

 国民文化祭については、日本の文化の源流を探るという言葉をもって奈良県大会のイメージを今おっしゃっていただきました。実は、この国民文化祭、昨年の九月議会でも質問させていただいて、そのときも申し上げたのですけれども、これは全国各地からアマチュア、またアマチュアを中心とした文化団体や愛好家の方々がお集まりになる機会だろうと思います。加えて今回は全国障害者芸術・文化祭、いわゆるコラボレーションした形で開催するということでございますので、意義のあるコラボになってほしいなというふうに願っております。

 国民文化祭の近年の様子を私なりに調べました。昨年、二〇一五年、平成二十七年が鹿児島県開催でした。鹿児島県の場合は、県土が大変広い。南北六百キロメートルに及ぶような県土をお持ち、しかも山あり海あり、そして離島もあるということで、県土の持つ環境を大いにアピールした形での文化祭の開催になったと聞き及んでいます。文化維新は黒潮に乗ってというテーマであったようでございます。

 ことし開催されますのは、秋に平成二十八年度は愛知県で開催予定でございますけれども、どうも愛知県は、鹿児島県の開催に比べて何かさらっとやられるのではないのかなというふうに聞き及んでいます。鹿児島県は大きな予算をつけられたそうですけれども、愛知県はちょっとさらっとやられるのかなというところです。愛知県のキーワード、温故知新ならぬ愛故知新という言葉をお使いになるようでございます。温故知新は、ふるきをたずねて新しきを知る。愛故知新は、ふるきをいつくしんで新しきを知り、文化を推し進めると、こういうコンセプトのようでございますけれども、さあ奈良は平成二十九年度、日本文化の源流を探ると、今、知事のお言葉にありましたように、やっぱりこれは奈良らしさ、こだわりというものを出していただきたいと思います。

 特に、私は何度も申し上げていますけれども、奈良県民の皆さん方、大変文化度が高い。そして、いわゆる文化力が高いというふうに私は常々思っています。昨年の九月議会のときにも申し上げたのですけれども、文化芸術活動に参加する県民が使うお金でありますとか時間でありますとか、全国でも常にトップレベルだということのようでございます。日々、三百六十五日、奈良県内で文化活動をそれぞれ熱心に展開していただいています。絵を描いたり、書道をしたり、陶芸をしたり、写真を撮ったりという人々がまさに奈良の文化の担い手であると、県民が文化の担い手であるというような県民性があろうと思いますので、このような文化度の高さを大いにアピールすること。加えて障害者の芸術に関しましても、奈良市内にある障害者施設エイブル・アートというのですか、障害者の個性を生かした芸術、これ、日本全国にもお手本になるようなリードオフマンとして活躍していただいている障害者施設が奈良市内にございますので、これがコラボレーションするということになれば、全国に大いに奈良を発信できるいいものになるのだろうなと期待させていただいております。これにつきましても、どうぞよろしくお願いいたします。

 スポーツアカデミーにつきましては、この単語が出てきたときに、アカデミーって一体何なのと。学問的とか学術的という言葉やねというふうにイメージしていたのです。トレーニングセンターをより発展的に、今、知事の答弁をお聞かせいただいて、よくわかりました。幼児期から年齢・発達段階をずっとシリーズで捉えて、奈良メソッドのイメージという言葉でおっしゃいましたけれども、スポーツ医科学に基づく展開を考えるというようなことでございます。これも全国にない奈良の取り組みという形で、いいものを発信していただきたいと思います。

 全てにおいて、私は奈良という言葉にこだわりを持っているのですけれども、奈良県の奈という漢字、これはどこでもという意味があるらしいですね。どこでも。奈良の奈という字。奈良の良、これは書いて字のとおり、読んで字のとおり、よいという文字。すばらしいということ。奈良県はどこもかしこもがすばらしいのだということのようでございますので、あえてきょうは文化振興、観光振興、そしてスポーツ振興の関係だけの質問でございましたけれども、全てにおいて奈良らしさを大いに発揮してください。荒井カラーを前面に押し出していただきたい。私は期待しております。

 以上、申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) しばらく休憩します。



△午後二時三十一分休憩

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△午後二時四十八分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十一番田中惟允議員に発言を許します。−−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。

 まずは、人口減少についてです。

 このたび、国勢調査の速報値が発表されました。国勢調査は、我が国の人口、世帯、産業構造等の実態を明らかにし、国や地方公共団体における各種行政施策の基礎資料を得ることを目的に行われる国の最も基本的な統計調査であり、重要なものと認識しています。この速報値は二月二十八日に公表されただけであり、十分な分析はなされていない段階でありますので、気になる部分の指摘をさせていただくこととさせていただきます。

 最も気になった点は、前回平成二十二年の国勢調査の数値と比較して、人口減少が一割以上の市町村がたくさんあるということでした。私の地元は宇陀市・宇陀郡ですが、その中の宇陀郡も今申し上げた一割以上の減少している自治体です。市部においても、県内で二つの市が一割以上の人口減少を示しています。

 そして二番目に気がついた点は、人口が減少しているにもかかわらず、世帯数が増加している地域が十カ所の市と町であるという事実です。そして、これらの市町は全て大和盆地の中にあります。

 大きな課題であるこれら人口減少の対応は、直接、人口増を図るための施策がない中での処方箋を探ることになりますので、大変難しいことと思います。それぞれの自治体をどのように維持発展させていくかというテーマは、人口増減だけの結果で云々されるべきものでないと私も思っております。

 少ない人口であっても、地域に生活する人たちが安心して豊かに暮らせることを地域住民は望んでいると思っております。県内の南部・東部地域は、今、南部・東部振興について、かつてない手法と施策をもって活性化に向けての懸命な努力をしておられますが、増田レポートのように、まだまだ落ち込んでいくのかと心配しているところです。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 平成二十七年の国勢調査速報値が発表され、県の人口は平成二十二年より二・六%減少していることが示されました。人口減少は全国的に大きな課題だと思いますが、今回の調査結果をどのように受けとめておられますか。

 次に、健康長寿のまちづくりについてお聞きいたします。

 去る一月二十七日に東京で開催された、生涯活躍のまち・日本版CCRC構想の具現化施策というタイトルのセミナーに参加させていただきました。生涯活躍のまち構想とは、東京圏等の高齢者が希望に応じ地方等に移り住み、他世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができる地域づくりを目指すものです。

 この構想には、大都会では近い将来、高齢者の急増により医療・介護が対応し切れない状況に追い込まれるのではないかという心配から、高齢者に地方へ移住してもらうという趣旨も含まれています。しかしながら、例えば県内、特に東部地域では超高齢社会に突入しており、小さな自治体では、高齢者を受け入れるとしても介護保険・医療保険制度において市町村の財政負担が大きく、受け入れる余裕があるとは思えません。それよりも、地域において生涯活躍のまち構想の要素である医療・介護の継続的なケア体制の確保などにより、誰もが住んでみたいと思えるような地域をつくる新しい仕組みを築き、都市部の元気な高齢者等も迎え入れられるような施策を強力に推進すべきではないでしょうか。

 奈良県の東部地域においても、医療と介護が連携して高齢者にも住みやすい地域づくりを推進しているとうかがっています。このような取り組みを進めることで、人口減少に伴いふえてきた空き家にも年齢を問わず新しい元気な方にお越しいただけるようになれば、既存の町なかや団地における人口減少の対策にもなると思います。

 そこで、知事にお伺いします。

 住んでいる人はもとより、新たに住んでみたいと思えるような健康長寿のまちづくりに県は今後どのように取り組もうとされているのか、お聞かせください。

 次に、高齢者の移動についてです。

 先日、二月二十一日付の朝日新聞の記事に身につまされる話題が提供されていました。それは、高齢家族の運転についてです。記事の内容をかいつまんでお話しすると、認知症を患いかけた義理の父が運転をしないように説得したが、うまくいかない。それで運転しないようにと話をしたときは、はいと答えるが、運転するのでキーを取り上げた。これで大丈夫と思った矢先の二〇一四年七月の夜、義理の父が軽トラックで田んぼに転落したとの連絡が入った。合い鍵で運転し、アクセルとブレーキを踏み間違えたらしかった。けがはなかったが次は人身事故だとぞっとした。温厚な夫もいいかげんにしろとどなりつけた。この事故でやりとりした警察官にも相談したが、解決しなかった。そして田んぼに転落した事故を起こしたことを境に、倉庫に車を入れてシャッターの鍵をかけバッテリーを外した。特別養護老人ホームに短期入所させ、そのまま入居。体が次第に思うように動かなくなり、数カ月たつと運転の話をしなくなった。昨年二月、免許センターに一緒に行き免許証を返納した。

 この話題のご本人は認知症のため老人ホームに入所されたようですが、もし健康であると判断され自宅での生活を続けることになったら、この後が心配です。私の身近な方々の中にも、免許証の返還を強く断っている方の話を聞きます。県内でも特に南部・東部地域では生活する上で運転は不可欠なものです。買い物はもちろんですけれども、日常の細々とした用事を片づけるため、ひきこもり生活はできません。

 そして宇陀地域ではタクシー会社一社が廃業したため、近場でのタクシー利用が困難になっています。地域交通を支える意味で地域交通の戦略を築いていただいていることは理解しているのですけれども、個々人の移動について、かゆいところに手が届かないという状況です。

 また朝日新聞の例示のごとく、家族での免許証の所持についての心配だけではなく、法においても、認知症のおそれがある人に対し運転免許の取り消し等を判断するため、医師の診断書の提出等を求める手続を定めた道路交通法が改正されたと聞き及びます。この道路交通法の改正のポイントと、いつから施行されるかについて、警察本部長にお伺いいたします。

 新しい制度は、高齢者にとって過疎地域での生活がますます不自由になっていくことでしょう。奈良県の半分以上が過疎であったり山間部であったりします。そして高齢化率は既に三〇%を超えている地域がほとんどですが、免許証を返還した後の生活はどのようになるでしょうか。高齢者世帯で免許証の返還後の生活について、行政としてどのような対処が可能なのでしょうか。対象者の方々全てにグループホームや老人ホームへの入居を勧めることが可能でしょうか。もしできないとするならば、高齢世帯が自立して生活できるよう個々人の移動システムが必要になってきます。私の友人は、見かねて不便な地区の方々を町場まで送迎されていますが、いつまでも善意にすがっていることがよいとは申せません。

 そこで今後、人口減少、少子高齢化が進んでいく中で、特に過疎地域における高齢者の移動手段の確保が深刻な課題であると考えますが、県としてこの問題にどのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、これらの課題を痛感していましたので、先日、会派の政務活動としてタクシーに関するセミナーに参加しました。そこでの話は私にとって誠に衝撃的でした。既に行われているアメリカでのUberというスマートフォンを使っての移動契約システムがあるということです。そして、そのシステムが日本に上陸すれば日本のタクシー業界は大変なことになるとの悩みでありました。業界の心配は当然のことかと思います。そしてUberそのものは論外として、私は県議会議員として二つの事柄を連想いたしました。

 その一つは、過疎地においてよく似たシステムがデマンドタクシーの運用システムとして機能を果たせるのではないかと思ったのであります。タクシー会社の方、もしくはタクシーのない地域における相互扶助組織が乗用車のシェアリングや誘い合わせお出かけ行為をすることができれば、生活機能の低下を防ぐことになるでしょう。

 そしてもう一つは、奈良市内等を観光客がスマートフォンを利用してタクシーを呼ぶことができる。奈良市内のどこにいても、現在の自分の立っている位置をうまく説明できなくても、スマートフォンのアプリケーションでタクシーを呼び次に目指すところへ移動できる。このことは観光客にとって大きなメリットであるし、タクシー会社にしても需要の喚起につながることになると思います。

 このセミナーでタクシー業界の方々は、サービスのあり方を変えよう、具体的に我が社はこのようにしているとの事例報告もしておられました。県内タクシーにおいても工夫をされていることでしょう。業界のご努力に応えるためにも、県内タクシー業界の方々とともに、顧客との結びつきについてマッチングがスムーズになるよう、業界は新展開を創造すべきと思います。県も観光しやすい奈良をつくるために協力する必要があると思います。

 私は、奈良のことだけを考え奈良県でと考えましたが、広く日本を考えれば、このテーマは観光庁でお考えいただくことかもしれませんが、国民が、また外国人が観光や事業で日本を訪れ、タクシーに乗りたいと思ったときに一番早く乗れるタクシーを探すことは切なる願いです。自分の立っているところの説明ができないときでも、スマートフォンであれば位置を確認できますし的確な選択も可能です。今、行われている特定の事業者だけのシステムから全てのタクシードライバーと乗客がつながるようなシステムを築いていくことが利用者の利便性の向上につながるものと思います。また、このことはタクシー事業者にとっても需要の喚起につながるものと考えます。

 新しい取り組みについてでありますから簡単なことではありませんが、本県でもタクシー業者と連携し、スマートフォンなどのICTを活用した新たなサービスの実現に向けた取り組みを検討すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、発達障害のある児童の療育の課題についてお伺いいたします。

 地元の保護者の方より陳情を受けました。それをご紹介しながら、現状の改善を求めたいと思います。ご本人は、保育所入所以前から療育を受けておられるそうです。しかしことしから保育所に入所する予定とのことで、期待をしているのですけれども、保育所に入所しても保育所では療育が受けられないため、続けて療育を受けようと思うと、時間外に別途療育を受けるための施設を訪れることが必要ですと心配されています。

 療育は中断することなく続けて受けることが必要かと思いますが、療育に関して奈良県は市町村の行政にどのようにかかわっていただいているのでしょうか。例えば県では、保育所、幼稚園等に作業療法士を派遣し、支援方法等の指導・助言を行う取り組みもしていると聞いていますが、市町村からの依頼案件はスムーズに対応し、応えていただいているでしょうか。療育について、北和と南部・東部など地域による格差はありませんか。

 療育を必要とする発達障害のある児童について、子どもの一割を超える対象者がいると言われています。医学の進歩によって、療育する理論や技術が日進月歩で進んでいるともうかがいました。発達障害のある児童が、療育によって社会生活が普通に営めるようになれるとも聞き及びます。

 発達障害のある児童について、国政の場でも検討されるようにもうかがいました。かつて厚生労働大臣を経験し福祉政策に熱心な自由民主党の尾辻秀久参議院議員が会長をされ、公明党の高木美智代衆議院議員が事務局長の、超党派でつくられている発達障害の支援を考える議員連盟では、発達障害者支援法の改正を目指し熱心な議論を重ね、国会へ提出目前であるとのことです。

 また、奈良県は発達障害者への施策に取り組んでおられるところですが、家族や関係者の立場から見ると、もう少し頑張っていただきたいとの期待を抱いているようです。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 県は、発達障害のある児童の療育について、市町村への支援等どのような取り組みを行っており、その取り組みはどのような状況なのでしょうか。また、本人にとって充実した幼児期療育が地域で受けられるような市町村への支援を充実させていただきたいと考えますが、どのように取り組んでいこうとされているのでしょうか。

 さて、時代は大きく変わりつつあります。十八歳からの参政権である投票する権利がことしから施行されます。この夏に行われる参議院議員選挙から十八歳以上の日本国民に選挙権が与えられます。しかし、奈良県においてその見込み人数は約二万八千人で、飛躍的に有権者が増加するということにはなりません。新有権者に対しての啓発活動、有権者への直前の教育機関としての高等学校において、テレビ番組の中ではいろいろ取り組みを紹介されております。

 私たちの県議会でも高校生議会を開催し、毎年、多くの高校生が参加され、議長や議員として荒井知事に質問したり提言をまとめたりされています。また参加した高校生の声を聞いてみますと、地元奈良の課題がよく見え政治に対する思いが大きく変わったなどの答えが返ってきました。このことから、高校生議会が高校生の政治に対する意識の向上に大きく役立っているのだと実感しています。

 今回、十八歳以上の高校生に新しく選挙権が与えられ、社会人として直接政治にかかわることになります。私は、高校生議会で見ることのできた高校生の若々しい発想と推進力が政治の世界へ新しい風を吹き入れてくれるのではないかと期待しています。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 高校生の政治や選挙への関心を高め、公民として正しく権利を行使し義務を遂行するために必要な能力や態度を育むため、教育委員会としてどのような取り組みをされているのでしょうか。その内容をお示しください。

 次に、宇陀市とのまちづくり連携協定について、まちづくり推進局長にお伺いいたします。

 昨年十二月、宇陀市との間でまちづくりに関して包括協定を結ばれました。そして宇陀市は合併から十周年を迎え、知事、県議会議長をはじめ県内各市町村長、各議長の皆様方にお越しいただき、盛大に記念式典を開催させていただきました。知事におかれましては、ご挨拶の中で、宇陀市が発展していく希望の道筋があると、夢を抱かせていただきました。ありがたく御礼申し上げます。

 宇陀市とのまちづくり連携協定に関して、現在の進捗状況と県からの具体的な支援内容についてお聞かせください。

 そして最後に、二カ所の道路整備について県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 最初に、国道三六九号香酔峠工区登坂車線整備についてお伺いします。

 この国道三六九号は、宇陀市と名阪国道針インターチェンジ、さらには奈良市を結ぶ重要な幹線道路ですが、榛原から峠を登って旧都祁村吐山へ向かう途中で急勾配で曲がりにくい箇所があります。そこは香酔峠と呼ばれているのですが、交通の難所で事故が多く死亡事故も発生しています。現在、登坂車線の整備に向け担当者が土地取得に苦労していただいていることは承知していますが、早急に登坂車線を整備されることが必要だと思っています。

 そこでお伺いいたします。

 国道三六九号香酔峠工区登坂車線整備について、現在、どのような状況にあるのか、また今後の見通しについてお答えください。

 次に、宇陀市榛原萩原の国道一六五号萩原交差点についてお伺いいたします。

 議席の皆様方のところにもこの資料をお配りしております。パネルでお示ししますと、この上のほう、桜井から初瀬を通って峠の頂上を越えて榛原のほうへおりてくる道路が国道一六五号でございます。この交差点は、ご承知のとおり、複雑な交通処理の信号機が設置され、一度赤信号にかかると三分近く待たなければ青になりません。また渋滞交差点になっている場所でもあります。この交差点では、昨年、東西方向の交差点改良が完成しました。具体的には、宇陀市道である東町西峠線が近鉄榛原駅の北側から萩原交差点まで完成し、あわせて萩原交差点の室生方面への交差点改良が行われ、約七十五メートルの整備が行われました。

 この改良工事によって東西の利便性はよくなったところですが、国道一六五号の西峠から下って萩原交差点へ進入する北側部分の改良が必要です。この丸を打った斜線のある道のことでございます。現在、事業を進めていただいていると聞いておりますが、この宇陀市榛原萩原の萩原交差点改良について、現在の進捗状況をお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十一番田中議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、人口減少をどう捉えるかということでございます。今回の調査結果の受けとめ方についてでございます。

 我が国の人口でございますが、議員お述べのように、平成二十年以降、既に減少局面に入っておりますが、五年に一度の国勢調査におきましては、今回の平成二十七年調査速報値で初めて減少となりました。奈良県では既に平成十七年の国勢調査から減少しております。人口減少は我が国の大きな課題だと認識しておりますが、悲観的にばかり考える必要はないと私は思っております。

 人口減少につきましては、地域によってその要因や捉え方、対応の仕方はさまざまだと思っております。奈良県の場合におきましては、昭和四十年には約八十万人の人口でございましたが、大阪府などに勤務する方々が奈良県に住居を求めるベッドタウン化現象により、以降の三十年間で六十万人も急増いたしました。平成十一年がピークでございましたが、約百四十五万人の人口になった県でございます。この過去の急激な人口増加の結果といたしまして、その方々が高齢化に向かわれる結果、本県の高齢化は一気に進みつつある状況でございます。

 また、平成二十六年の合計特殊出生率が一・二七と全国ワースト三位であることや、本県の若者が進学時や就職時に奈良を離れられることなどにより、今後、若者人口がさらに減少していくことが懸念されます。高齢者がふえるのと若者の奈良県離れにより、高齢化率が一挙に進む県であるように思われます。このような傾向をまとめて申し上げますと、奈良は一挙に社会増があり、一挙に社会減と高齢化が進んでいるという県に思われます。

 二つ目は、若者の仕事に非正規が多く所得も低いため、未婚率が高くて少子高齢化につながっている面があるように思います。

 三つ目は、奈良県に若者向きの仕事が少ないために若者の離県率が、どうしても大学から、また高校を卒業して奈良を離れられる傾向が強いと、この三つが奈良県人口の減少構造の中心課題であろうかと思います。

 本県にとりまして、そのような状況でございますから、人口減少への対応は、高齢者への対応と若者への対応と二つの大きな要素があります。その二つのバランスをとる。できれば若者にとどまってもらう。高齢者を大事にする。県の活力を維持できるような世代間のバランスをとることが人口減少対応、少子化対策の充実などの基本的課題であるというふうに思います。

 このような課題は構造的な課題だと思います。長年かかってでき上ってしまった人口構造でございますので、それを改善するのにはまた時間がかかるわけでございますが、しかし、それを心がけるとともに、身近なことにも努力をしなければいけないというふうに思っております。

 少子化対策に対します妊婦・子育ての不安の解消もその一つでございます。夫婦が理想の子どもの数をまだ持てていない奈良県の現実がございますので、一つには、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談支援体制を充実すること、また子育てに係るさまざまな不安感、負担感を軽減するとともに、保育環境の整備・充実、保育士の確保などを行いまして、安心して子育てができる環境づくりを従来からやっておりますが、引き続き大事な仕事だと思っております。

 また若者の引きとめでございますが、結婚や子育てしやすい状況をつくるためには、生活を維持できる所得の確保や働きやすい職場環境づくり、結婚と仕事の両立ができるような地域にする必要がございますが、雇用環境の改善がまず不可欠であると考えています。それには若者の正規雇用化、キャリア教育や実学教育の拡充、働き方の改善などが本県では必要かと思います。

 教育進学県としては有名でございますが、実学教育の面で雇用の場をつくることも大事でございますが、自立した仕事ができるように教育の面でも大事かというふうに思っております。特に過疎化、少子高齢化が進んでいます県南部・東部地域におきましては、より多くの人が多くの問題を抱えておられると思いますが、頻繁に訪れてもらえる地域、住み続けられる地域という目標は確固たるものでございます。引き続き、この地域を知ってもらって、認知を上げて、移住・定住につなげるステップを踏む取り組みを進めようとしております。

 昨年十二月にはこれらの施策を南部・東部振興案でもまとめていただきましたが、県全体といたしまして奈良県地方創生総合戦略として策定いたしました。今後は市町村長とともに戦略の考え方を共有して、これを着実に実行していきたいと思っております。そのようなことをすれば、人口減少は必ずしも悲観的にばかり見ないで、力強く住みやすい奈良をつくれるというふうにも思っております。

 二つ目は健康長寿のまちづくりという観点でございます。

 今住んでおられる人はもとより、新たに住んでみたいと思われるまちにするには、健康長寿の切り口が大事ではないかと議員はお述べになっております。既に住んでおられる方々に住み続けていただくという観点からは、安心して健やかに暮らせる自宅中心の居住環境、仕事の環境の中で住み続けていただくのが基本的に大事なことでございます。

 そのためには、医療や介護のサービスが行き渡っている必要がございます。そうでないと安心してその地域で暮らせない。最近の言葉で言いますと、地域包括ケアシステムが行き届いた健康長寿のまちづくりをするということでございます。まだ緒についたばかりでございますが、この地域包括ケアと在宅医療の充実に向けたモデル的なプロジェクトに取り組もうとしております。

 議員地元の宇陀市におきましては、在宅医療と介護の連携を進めるモデル事業が進んでおります。宇陀市立病院がございますので、宇陀市立病院と在宅医、介護職など多様な職種による連携の仕組みづくりが今最も進んでいる地域でございます。保健師が大変強力に働いていただきまして、保健師さんの旗振りにより推進されているプロジェクトと聞いております。この結果、昨年四月には宇陀市医療介護あんしんセンターが県内でいち早く立ち上がりました。医療・介護に関するワンストップの相談支援体制を目指して整備されたわけでございます。注目しているセンターでございますが、ワンストップにできるということは、多職種が連携しているという証拠でもございます。高齢者にとって住みやすい地域の中心活動になるように期待をしております。

 県内におきましては、宇陀市のほかに奈良市の平松町にございます県立病院跡地、奈良県総合医療センター跡地や奈良県立医科大学の周辺地区において、病院関係者が地域包括ケアに大変熱心でございます。奈良県西和医療センターでも熱心でございます。地元の市、また地区の医師会と連携して地域住民に働きかけながら子育て世代から高齢者まで住みやすいような、住み続けていただけるような地域包括ケアのシステムを整備しようという動きでございます。県がみずから、また県の関係する病院がこのようなプロジェクトに取り組み、モデルを示していきたいと思います。また地域が取り組まれる中で、市町村が率先して取り組まれる中では、財政的・技術的な支援をしていきたいと思っております。地域包括ケアシステムの整備は、これからの奈良モデルの適用、展開における大きなテーマになってきているものと理解をしております。これからも努力を重ねたいと思っております。

 高齢者の移動について、警察本部長の質問の後、私にご質問がございました。南部・東部地域を中心に高齢者の移動手段の確保ということでございます。

 議員お述べのとおり、県全体の高齢化率は約二八%でございますが、南部・東部地域は八ポイントも高い約三六%でございます。六十五歳以上の高齢者が三人に一人おられるわけでございます。しかし、南部・東部地域の高齢者は、地域が広うございますので、移動のニーズといたしまして買い物や通院、またはその他の活動のための移動のニーズがございます。

 今議会に公共交通基本計画を上程させていただいておりますが、その中の中心課題の一つでございます高齢者のモビリティを確保するということで、移動ニーズを潜在的なものまで含めて徹底的に掘り起こし、そのニーズを満たす手段としていろんなやり方の提供を考えていこうと、幅広い選択肢の中から見つけて、それをうまく組み合わすような仕組みをつくろうということでございます。議員がお述べになりましたいろんなアイデアもその延長にあるように思っております。

 このような取り組みにおきましては、今までの体系にありますように、交通事業者がおられて国の機関が管理監督をするという参入とそれの規制という観点だけではなしに、地域の公共団体、また地域の住民、さらには、それぞれ私的な、自分の自家用バスでございますが、施設のバスなどを移動手段としてお持ちでございますので、うまく連携・協働して取り組むことができれば、過疎が進んでおる地域の移動手段として、よくなってくるのではないかと思います。そのためには、県と市町村はコーディネーターとして働く必要があろうかと思います。その意味で奈良モデルの手法がこのような分野では向いているものに思います。

 今までにも奈良県地域交通改善協議会というものを持っておりまして、他県に比べて大変進んだ取り組みになっております。エリアごとでテーブルで議論をするのがやはりふさわしいテーマであろうかと思います。来年度以降は幹事会や地域別部会で議論、ワークショップを重ねていって、具体的な取り組みの出口を見つけていきたいというふうに思っております。

 その中で議員がICTの活用ということをお述べになりました。Uberという会社が上陸するということもお述べになりましたが、ICTの活用はこれからの過疎地において大変重要なことだと思います。最近、レンタカーとかリースとタクシーは大変業界が分かれておりましたが、境界がはっきりしない様子になってきたということを聞きました。それは、このICTの活用によってレンタカーリースでもタクシーと同程度のサービスができるのではないかというふうに聞いております。また既存のタクシーなどの移動手段と利用者とを結びつけることによりまして、大変利用しやすくなる。既存の事業者の能力が上がってくるということも言われているように理解をしております。

 ICTを利用いたしました既存のデマンド型の交通サービスとして、三重県玉城町では予約を簡単にできるツールとしてスマートフォンが利用されていると聞きました。またある地域では、幼稚園に通われるお母さんの首に携帯電話を結びつけて、通園バスが来ると間もなく来ますよというふうにお知らせする携帯電話も実用化されていると聞きました。これはまだ大きく展開するところまで至っていないわけでございますが、ソリューション型といいますか、そのようなICTをどの地域にどのように展開するかという課題がこれからあるものと思います。

 またそのような過疎地だけではなしに、外国人が来られた場合に新しく来たまちというのは移動しにくいものでございますので、スマートフォンとか、そういうICTは外国人の方にとっては非常に標準装備になってきておりますので、移動の案内だけではなしに移動手段への応用ということも有効であるように思います。本会議に上程させていただいている公共交通基本計画でもそのような点を大事だとして捉えております。

 なお奈良県では、この平成二十七年度の予算で南部・東部地域において健康スマホのアプリ開発という予算をいただきましたので、健康スマホを南部地域の高齢者を中心に配布、展開をすることを考えております。それは、高齢者の方にスマホが話しかける。おじいさん、元気ですか。おばあさん、元気ですか。きょうはちゃんと歩きましたか。食事はどうですかということを話しかけるようなアプリを盛り込んで、それを実験的に展開したいと思っております。今、議員のお話を聞いておりましたら、そのような健康スマホに交通スマホを入れるということもアイデアとして発展的だと思いました。同じスマートフォンに、病院に行く時間が来ましたよ、間もなくバスが来ますよといったようなことでございます。帰ってきますと、きょうはどうでしたかというようなことを話しかける。独居老人にそのような形でコミュニケーションを図るということもスマートフォンの活用としてできると思います。

 既存のタクシー事業者などのサービス提供の円滑化という観点もございますし、それを受ける方々にスマホを展開して利用を、移動をしやすくするというのも必要かと思います。提供するほうでございますと、東京ハイヤー・タクシー協会がタクシー配車アプリとしてスマホdeタッくんというのを一万二千台に搭載して運営されているということを聞きます。この質問をいただくまで知らなかったことでございますが、東京のタクシー協会は大変有力な業界でございますので、その方々の利用の様子、利用の進展もよく勉強していきたいというふうに思います。

 事業者の方からも、また提供者の方からもICTの利用が進んでいることを実感いたしましたので、今後、奈良県の東部地域また都市部において、どのようなソリューションが提供できるか勉強させていただきたいと思います。

 残余の質問は、関係の部長などから答弁をさせていただきたいと思います。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、発達障害のある児童の療育について、市町村への支援など県の取り組み状況と、充実した療育を地域で受けられるよう、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 発達障害は、早期に療育を始めるほどその治療効果は高くなり、青年期以降におきましても社会適応しやすくなるとされております。このことから市町村をはじめ児童発達支援センターや事業所、保育所など、地域における療育に関係する機関による支援が不可欠でございます。

 このため県といたしましては、障害児とその家族の方々が身近な地域で必要な療育や支援を受けることができる体制づくりを目指しております。市町村や地域における療育の質的向上を図るため、専門的な指導・支援や地域の療育機関相互の連携強化等に取り組んでいるところでございます。

 具体的に申し上げますと、奈良県発達障害支援センターに発達障害者地域支援マネージャーを配置し、市町村や事業所等への支援あるいは医療機関との連携など、地域の療育機関に対する支援に取り組んでいるところでございます。

 また議員お述べいただきましたが、奈良県障害者総合支援センターにおきましては、保育所等に作業療法士などを派遣し、障害児の保育に当たる保育士等を対象といたしまして助言・指導を行っているところでございます。来年度はより多くの依頼案件に応えられるよう、体制の充実を予定しているところでございます。

 さらに、発達障害など障害の特性に応じた専門的なノウハウや実績を有する療育機関による支援など、地域療育の充実に取り組んでいるところでございます。

 以上のような専門的な支援のほか、療育機関相互の連携を強化する観点から、療育機関の職員等を対象といたしまして、障害児療育に関する情報の共有や知識の習得等を目的とした研修会などを実施しているところでございます。

 今後とも、より質の高い療育が身近な地域で受けられるよう、県の自立支援協議会や専門機関、市町村等を交えまして、より効果的な支援のあり方などにつきまして検討を行い、障害児やそのご家族に対するきめ細かな支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私へは、宇陀市とのまちづくり連携協定に関しまして、現在の進捗状況及び県からの具体的な支援内容についてのお尋ねでございます。お答えいたします。

 宇陀市とは、昨年十二月二十五日にまちづくりに関する包括協定を締結いたしまして、現在、担当者によるワーキングを開催し、基本構想の策定に向けた検討方針や検討体制などについて協議を行っているところでございます。

 協定では四つの地区がございまして、近鉄榛原駅周辺地区では駅周辺の土地機能の集約など、宇陀松山周辺地区では重要伝統的建造物群保存地区の町並みや薬草などを利用した観光や交流の促進など、うたの古市場周辺地区では地場産業の振興による地域活性化など、そして室生寺門前および室生口大野駅周辺地区では門前町のにぎわいづくりなど、いろんなアイデアを出し合いながらまちづくり基本構想の検討を進めたいと考えております。

 基本構想の検討に当たりましては、県としましては、先進事例や国の補助事業メニューの紹介、関係機関との調整を円滑に進めるための助言など、いろいろ技術的な支援を行うとともに構想検討に係る費用の補助も行うことにしております。

 また次に、事業実施の段階でございますけれども、まちづくりの拠点施設ですとか公共インフラの整備など、ハード事業に要する費用につきまして、市町村負担額の四分の一を補助させていただくこととしております。またソフト事業でございますが、地区の持続的発展や活性化のためににぎわいづくりのイベントですとか、バス、レンタサイクルなどの地域における移動の確保などを対象といたしまして、原則三年間、市町村負担額の二分の一を補助するということとしております。それが効果的な取り組みであれば、さらに期間を延長するということも考えております。

 宇陀市とのまちづくり連携協定は、まだスタート地点に立ったばかりでございます。いいまちづくりに向けまして、これからの宇陀市の積極的で効果的な取り組みに対しましては、県としても支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には、国道三六九号香酔峠におけます登坂車線の整備と国道一六五号萩原交差点の交差点改良につきましてお尋ねがございました。

 まず、国道三六九号香酔峠における登坂車線の整備についてお答えいたします。

 国道三六九号の香酔峠は、名阪国道針インターチェンジと宇陀市を結ぶ経路に位置しております。大型車の交通も多く、勾配の厳しい急カーブともなっておりますことから、速度の低下した大型車が円滑な交通を阻害し、また交通事故も毎年のように発生をしてございます。

 このような状況を踏まえまして、平成十六年度に香酔峠の約九百四十メートル区間におきまして、新たに登坂車線を設け交通の安全を確保する事業に着手いたしまして、平成二十三年度までに約四百四十メートルの区間におきまして工事を終えました。しかしながら残りの約五百メートル区間につきましては、権利者が七十名以上に及ぶ共有地の用地取得が難航するなど、事業が停滞しておりました。

 このため、平成二十六年三月には当該共有地の任意での取得を断念いたしまして、土地収用法に基づく手続に移行いたしました。昨年十月の奈良県収用委員会の裁決を経まして、昨年十二月に土地の所有権移転の手続を終えたところでございます。

 現在、この区間の速やかな工事の再開に向けまして、発注手続等を順次進めておるところでございますが、カーブ区間の大規模な切り土工事につきましても、ことしの秋ごろには工事に着手できるよう進めてまいりたいというふうに考えてございます。当該切り土工事は、約十五万立方メートルもの大変大規模な切り土工事となりますので、工事に要する期間もおおむね三年程度と見込んでおりますが、一日も早く安全で円滑な交通が確保できるよう、安全で迅速な工事に努めてまいります。

 次に、国道一六五号萩原交差点の交差点改良についてお答え申し上げます。

 宇陀市にございます国道一六五号萩原交差点につきましては、宇陀市が近鉄榛原駅の北側で進めてまいりました市道東町西峠線の整備にあわせまして、平成二十四年度にこの交差点改良工事に着手いたしました。

 その事業内容でございますが、安全で円滑な交通を確保することを目的に、変則的となっておりました交差点の形状を整えますとともに、付加車線あるいは歩道の設置を行うものでございます。

 交差点の東側約七十五メートル間につきましては、昨年六月の市道開通にあわせて、道路の拡幅を行い付加車線及び歩道を設置することによりまして、市道の整備と一体となって安全で円滑な交通を確保いたしました。

 議員ご指摘の北側の百メートル間につきましては、平成二十六年度から用地取得に向けた交渉を進めているところでございます。今年度は一部の用地につきましてご提供いただけるめどがつきましたので、年度内の契約を目指しまして手続を進めております。この契約が成立いたしますと、この百メートル区間の今年度末での用地の進捗率は、三三%になる見込みでございます。残る用地は六件、約七百平方メートルということでございますが、墓地等も含まれますことから、地元の宇陀市のご協力もいただきながら、引き続き地権者と関係する皆様方に丁寧に説明させていただきまして、一日も早く工事に着手できますよう用地の取得を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には、高校生に対して政治や選挙への関心を高め、公民としての権利を行使し、義務を遂行できる能力や態度を育むための取り組みについてのお尋ねでございます。

 国が昨年十二月に全ての高校生に副教材、私たちが拓く日本の未来を配布したことを受けまして、県教育委員会では、選挙権年齢の引き下げへの対応に関する説明会を開催いたしまして、高校三年生、定時制は四年生でございますけれども、卒業するまでに副教材を活用して政治的教養を育む教育を必ず実施すること、一・二年生に対しましては、県や市町村選挙管理委員会と連携し、実践的な指導も行うよう伝達をいたしました。本年度は、県立高校十三校で選挙管理委員会と連携した出前授業などが行われております。

 現在、国の副教材を効果的に活用するために、取り扱う教科等での授業時間数の例や指導上の配慮事項を示した県独自の手引書を作成しており、来年度入学生徒の指導に活用したいと思っております。

 また来年度には、国の副教材の執筆者を招いた教員対象の研修会の開催、各校で実施された効果的な実践をまとめた事例集の作成を予定いたしております。

 文部科学省では、新たな学習指導要領の原案といたしまして、主権者として社会参画への意欲を高めるための新科目、公共を必修化することを発表いたしております。今後、この公共の授業にスムーズに移行できるよう、教員の指導力を高めてまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答え申し上げます。

 私へのご質問は、改正されました道路交通法において、高齢運転者のうち認知症に関係する部分の改正ポイントと施行時期に関するお尋ねであります。

 議員お尋ねの改正道路交通法につきましては、高齢運転者による交通死亡事故件数の増加などを踏まえ、七十五歳以上の運転免許保有者に係る交通事故防止対策を推進するための規定の整備がなされ、平成二十七年六月、第百八十九回通常国会において成立したものでございます。

 この改正によりまして、七十五歳以上の方が運転免許の更新等に際し受けられる認知機能検査で認知症のおそれがあると判定された場合、医師の診断を受けていただくこととなりました。このほか、今後、政令で定められることとなる違反行為をした七十五歳以上の高齢運転者に対する臨時の認知機能検査の実施及びその結果に基づく臨時高齢者講習の実施に関する規定が整備されたところでございます。

 改正道路交通法の施行期日につきましては、公布の日である平成二十七年六月十七日から二年を超えない範囲内で政令により定められることとなっております。

 県警察といたしましては、関係機関等と連携いたしまして改正内容の広報啓発を行うなど、改正道路交通法の円滑な施行に向け諸準備を進めてまいりたいと考えております。

 以上であります。



○議長(中村昭) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) ご答弁ありがとうございました。質問を終わります。



○議長(中村昭) これをもって当局に対する一般質問を終わります。

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○議長(中村昭) 次に、本日、知事から議案十七件が提出されました。

 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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△財第二百十二号

 平成二十八年三月十日

   奈良県議会議長 中村 昭様

                         奈良県知事 荒井正吾

     議案の提出について

 議第一二三号 平成二十七年度奈良県一般会計補正予算(第五号)

 議第一二四号 平成二十七年度公立大学法人奈良県立医科大学関係経費特別会計補正予算(第三号)

 議第一二五号 平成二十七年度奈良県流域下水道事業費特別会計補正予算(第一号)

 議第一二六号 平成二十七年度奈良県公債管理特別会計補正予算(第一号)

 議第一二七号 平成二十七年度地方独立行政法人奈良県立病院機構関係経費特別会計補正予算(第一号)

 議第一二八号 奈良県防災行政通信ネットワーク再整備事業にかかる請負契約の締結について

 議第一二九号 道路整備事業にかかる請負契約の変更について

 議第一三〇号 地すべり激甚災害対策特別緊急事業にかかる請負契約の変更について

 議第一三一号 平城宮跡歴史公園用地の取得の変更について

 議第一三二号 権利の放棄について

 議第一三三号 権利の放棄について

 議第一三四号 権利の放棄について

 議第一三五号 権利の放棄について

 議第一三六号 権利の放棄について

 議第一三七号 関西広域連合規約の一部変更に関する協議について

 報第二六号 地方自治法第百七十九条第一項の規定による専決処分の報告について

         平成二十七年度奈良県営競輪事業費特別会計補正予算(第一号)

 報第二七号 地方自治法第百八十条第一項の規定による専決処分の報告について

         義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例

         行政不服審査法の施行に伴う関係条例の整理に関する条例

         奈良県手数料条例の一部を改正する条例(平成二十七年十二月二十五日専決)

         奈良県手数料条例の一部を改正する条例(平成二十八年二月五日専決)

         介護保険法の改正に伴う関係条例の整理に関する条例

         警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例の一部を改正する条例

         県営住宅家賃の滞納者等に対する住宅明渡等請求申立てに関する訴訟事件について

 以上のとおり提出します。

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○議長(中村昭) 次に、平成二十七年度議案、議第百二十三号から議第百三十七号、報第二十六号及び報第二十七号を一括議題とします。

 知事に追加提出議案の提案理由の説明を求めます。



◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま提出しました議案について、その概要をご説明いたします。

 まず、議第百二十三号は、平成二十七年度一般会計補正予算案です。今回の補正予算案においては、県税収入等の増収に伴い、市町村への県税交付金や他の都道府県への地方消費税清算金を増額するとともに、今後の財政需要に備えて、地域振興基金、地域・経済活性化基金、県債管理基金への積み増しを行います。また、平成三十年度から実施される国民健康保険制度の県と市町村との共同運営に向けた財政安定化基金の造成のほか、諸般の事情により必要と認められる経費の増額を行うため、百八十八億二百万円余の増額補正を行います。

 一方、退職者見込みの減等により退職手当を減額するほか、年度内の執行を見通して五十七億二千七百万円余の減額補正を行い、差し引き百三十億七千五百万円余の増額計上を行うことといたしました。

 繰越明許費については、公共事業等に係る工法検討等に不測の日時を要したことなどにより、百五十三億九千七百万円余を翌年度に繰り越すものです。

 次に、議第百二十四号から議第百二十七号の四議案は、特別会計補正予算案です。県立病院機構関係経費特別会計においては、新病院開設に向け臨時的に増員した本部事務局の人件費を運営費交付金に追加するとともに、県立医科大学関係経費特別会計及び公債管理特別会計において、年度内の執行を見通して減額するほか、流域下水道事業費特別会計の繰越明許費について、それぞれ補正するものです。

 議第百二十八号から議第百三十号の三議案は、奈良県防災行政通信ネットワーク再整備事業等に係る請負契約の締結及び変更、議第百三十一号は、平城宮跡歴史公園用地の取得の変更、議第百三十二号から議第百三十六号の五議案は、県立病院使用料等の未収金に係る権利の放棄についての議案です。

 議第百三十七号は、関西広域連合規約を一部変更することについて議決を求めるものです。

 報第二十六号は、県営競輪事業費特別会計において、車券発売金の増加に伴い車券払戻金等を増額するための補正予算、報第二十七号は、関係法令の改正に伴い所要の規定整備を行うための条例の改正などについて、それぞれ議会閉会中に行った専決処分の報告です。

 以上が今回提出した議案の概要です。

 どうぞ慎重にご審議のうえ、よろしくご議決またはご承認いたただきますよう、お願いいたします。

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○議長(中村昭) 次に、平成二十八年度議案、議第一号から議第五十一号並びに平成二十七年度議案、議第百十七号から議第百三十七号、報第二十六号及び報第二十七号を一括議題とします。

 この際、ご報告します。

 平成二十八年度議案、議第二十号、議第二十一号、議第二十三号、議第三十七号及び平成二十七年度議案、議第百十九号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。

 その写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。

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△奈人委第二百三十六号

 平成二十八年三月四日

   奈良県議会議長 中村 昭様

                   奈良県人事委員会委員長 馬場勝也

     職員に関する条例の制定に伴う意見について(回答)

 平成二十八年二月二十九日付け奈議第百七十六号で意見を求められたこのことについては、下記のとおりです。

               記

平成二十八年度議案

 議第二〇号 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例

 議第二三号 学校教育法の改正に伴う関係条例の整備に関する条例[第一条及び第二条の部分]

 議第三七号 奈良県病院事業の廃止に伴う関係条例の整備に関する条例[第二条の部分]

平成二十七年度議案

 議第一一九号 一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例[第七条以外の部分]

 上記の議案に係る条例案は、適当と認めます。

平成二十八年度議案

 議第二一号 知事等及び職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例

 一般職の職員の給与は、地方公務員法に定める給与決定の原則によるべきものであり、一定の管理職に対して給与減額措置が継続され、長期間に及ぶことは、特例措置とは言いがたく、極めて遺憾であります。

 本委員会としては、このような措置は早期に解消されるべきであると考えます。

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○議長(中村昭) お諮りします。

 ただいま上程中の各議案については、十二人の委員をもって構成する予算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、調査並びに審査することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

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○議長(中村昭) お諮りします。

 ただいま設置されました予算審査特別委員会の委員長、副委員長及び委員の選任については、議長から指名推選の方法により指名することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 よって、お手元に配付の予算審査特別委員会委員名簿のとおり指名します。

 被指名人にご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認めます。

 よって、指名のとおり選任されました。

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 平成二十八年二月 予算審査特別委員会委員名簿(定数十二名)

           委員長    二十四番  田尻 匠議員

           副委員長    二十番  阪口 保議員

           委員       一番  亀田忠彦議員

           委員       四番  山中益敏議員

           委員       六番  松本宗弘議員

           委員       九番  川田 裕議員

           委員       十番  井岡正徳議員

           委員      十六番  西川 均議員

           委員     二十二番  中野雅史議員

           委員     二十六番  荻田義雄議員

           委員     三十九番  小泉米造議員

           委員     四十二番  今井光子議員

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○議長(中村昭) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 予算審査特別委員会開催のため、明、三月十一日から二十四日まで本会議を開かず、三月二十五日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(中村昭) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、三月二十五日の日程は、予算審査特別委員長報告及び各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後三時五十六分散会