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奈良県 奈良県

平成28年  2月 定例会(第323回) 03月08日−04号




平成28年  2月 定例会(第323回) − 03月08日−04号







平成28年  2月 定例会(第323回)



 平成二十八年

        第三百二十三回定例奈良県議会会議録 第四号

 二月

   平成二十八年三月八日(火曜日)午後一時三分開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三七番 粒谷友示

       三八番 秋本登志嗣        三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 山村幸穂

       四二番 今井光子         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

       三六番 新谷紘一

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

一、当局に対する一般質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、四番山中益敏議員に発言を許します。−−四番山中益敏議員。(拍手)



◆四番(山中益敏) (登壇)それでは議長の許可をいただきましたので、公明党を代表いたしまして、通告いたしました数点について、荒井知事及び吉田教育長にお尋ねいたします。

 質問に入らせていただく前に、今議会に上程されました平成二十八年度当初予算において、私たち公明党が従前より要望しておりました子ども医療費助成の対象の拡大について全国トップレベルの水準を実現していただきましたことは、荒井知事の英断だと評価しておりますことを冒頭に申し上げ、質問に入らせていただきます。

 初めに働き方改革について、知事に伺います。

 先月二十六日、総務省より発表された二〇一五年国勢調査の速報値によると、日本の総人口は一億二千七百十一万人と、前回の二〇一〇年の調査より九十四万七千人減少しました。これは一九二〇年の調査開始以来、初めての減少で、改めて日本の人口減少が進行していることが明らかとなり、予測されていたこととはいえ、ショックを受けました。

 また本県においては、前回調査より三万五千七百二十人減の百三十六万五千八人と人口減少の傾向は続いており、減少率は前回調査のマイナス一・四%からマイナス二・六%へと拡大しています。今回の速報値では年齢別人口が示されていませんが、少子高齢化がさらに進んでいることも推察されます。このような人口減少や少子高齢化については、さまざまな研究者やシンクタンクなどから、今後の日本社会の行く末に大きくかつ幅広い影響を与えるものと言われ続けてきました。ようやく政府も、昨年の十一月に出生率自体を目標値とした一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策を取りまとめ、本格的な対応に乗り出したところです。その内容を見てみますと、少子高齢化による労働供給の減少や将来に対する不安・悲観を経済成長の隘路の根本と捉え、賃上げによる労働分配率の向上や働き方改革による労働参加率の向上、若者の雇用安定・処遇改善、また仕事や子育てを両立できる環境、家族が介護と両立できる環境などが、施策の方向性として示されています。これらの施策や取り組みが実際に効果を発揮し、本県にも好影響を及ぼすことが期待されているところです。

 一方本県では、これまでの大阪や京都のベッドタウンから脱却し、投資、消費、雇用が県内で好循環し地域経済の自立を図れるよう、知事が先頭に立って企業誘致や産業興しなど本県の経済構造の改革に取り組んでおられます。これらの取り組みが功を奏し県内の経済活動が活発になることを期待しておりますが、二十歳から六十四歳の女性就業率が全国最下位であることや、就職や進学のため二十歳代の社会減少が多いという奈良県の労働力人口の現状や、今後ますます進む人口減少、少子高齢化を踏まえると、県内産業を担う人材が果たして足り得るのか危惧しております。この課題に対応していく大きな鍵となるのが女性や高齢者の力であることは、多くの方が認められているところです。

 県でも、これまでに女性の就業促進や高齢者の就労促進に向け様々な取り組みが展開されており、女性の就業率などは多少上昇しつつあるものの、なかなかこれだという処方箋が見つかっていないのが現状ではないでしょうか。ワーク・ライフ・バランスの実現と、私自身も簡単にこの言葉を使いますが、これまでの取り組みでは簡単に実現できるとは思いません。実際、昨年度に県が実施された女性の社会参加に関する意識調査においても、男性は仕事、女性は家庭という考え方について、男女とも反対、賛成がほぼ同数と、性別による固定的役割分担意識がいまだ根強いことが明らかになりましたし、長時間労働を強いられる労働慣行もまだまだ残っています。県でも既に着手されておりますが、男性、女性を問わず、働き方そのものを一から抜本的に見直していくことから始めない限り、根本的な解決が見つからないのではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いします。

 少子高齢化及び人口減少が今後ますます進む中、県内の労働力人口を確保していくことが大きな課題となりますが、この課題に対応していくためには、女性や高齢者に働き手として頑張っていただくことが不可欠となってきます。そのためにも、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け働き方を改革していくことが特に重要と考えますが、県としてどのように取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。

 次に、女性の活躍促進についてお伺いします。

 先ほども述べたように人口減少、少子高齢化時代においては、豊かで活力ある社会を実現していくためには、働き手としての女性のさらなる活躍は不可欠なものとなります。もちろん働き手としてだけではなく、地域社会を担うボランティアやNPO活動の人材としてなど多種多様な分野において、各自の個性と能力を十分に発揮していただくことがますます重要となってきます。

 こうした中、国においても、男女雇用機会均等法が制定から三十年を迎えた昨年八月に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法が成立しました。同法は、私たち公明党が主導しその成立を進めてきたもので、具体的には、一番目として、国に基本方針の策定を義務づけるとともに、地方公共団体に対しては、国の基本方針を勘案した女性の職業生活における活躍についての推進計画の策定を努力義務とすること。二つ目には、国や地方公共団体、民間事業主に対して一定の要件を満たした、事業主行動計画の策定と公表を義務とすること。三点目には、地域において女性の活躍推進に係る取り組みに関する協議を行う協議会の組織化などの内容が盛り込まれています。

 一方、奈良県においては、平成十八年三月に策定されたなら男女GENKIプランに基づき、女性が輝くための諸事業に取り組まれています。しかしながらご承知のように、奈良県の女性の就業率は、平成二十二年の国勢調査では六〇・九%と、平成十七年の五八・〇%より改善はされているものの、今なお全国最下位です。これは、第一子出産を機に離職をする女性が多いためです。しかし一方で、平成二十四年の就業構造基本調査結果からは、働きたいという希望を持っているが働いていない女性が、三十五歳から三十九歳を中心に、子育て世代が多いことが明らかです。この世代が希望どおり就職すれば女性就業率の改善が期待できます。

 こうした中、国の動きの先を行く形で昨年の六月には、経済団体、地域の子育て団体関係者や有識者、幅広い行政団体の関係者から構成される、女性の活躍促進会議を荒井知事主宰のもと、スタートされました。この女性の活躍促進会議をはじめ、奈良県男女協働参画審議会などの議論の結晶が、奈良県女性の輝き・活躍促進計画、このように考えます。働きたい、社会で活躍したいという思いを持っておられる女性の活躍を、行政だけでなく地域や社会全体で支援していくことが今後の奈良の活性化のための最重要課題だと思います。また女性が活躍しやすい社会づくりが進むことは、子育てしやすい環境づくりが進んでいるということでもあります。少子化対策という観点からも、女性の活躍促進は不可欠です。

 そこで、知事にお伺いします。

 奈良県の今後の発展のためには、女性がその能力を十分に発揮し活躍することが必要不可欠と考えますが、県では今回策定される奈良県女性の輝き・活躍促進計画について、どのような方針に基づき課題解決に取り組もうとされているのでしょうか。

 次に、子どもの貧困対策について質問をさせていただきます。

 私たち公明党は、生まれ育った環境で子どもの将来が左右されず、安心して学び、夢を実現できる社会を創出すべきとの観点から、貧困対策を総合的に推進する大綱策定を国に義務づける一方、地方公共団体には支援策を促す、子どもの貧困対策の推進に関する法律の制定に向け中心的な役割を果たしてきました。法律の上で都道府県の努力義務とされてきた計画策定ですが、今回、(仮称)経済的困難な環境にある子どもを支援する奈良県計画が策定されることを非常に評価しますとともに、今後の計画の進捗にも関心を持って見守ってまいりたいと思います。障害のある人にとって不可欠なバリアフリーデザインが、実は健常者にとっても暮らしよい社会のユニバーサルデザインであるように、子どもの貧困対策を講じることは、貧困世帯にとどまらず、誰もが希望を持って子どもを産み育てることができる社会をつくることと私は考えます。その意味では、今回策定される(仮称)経済的困難な環境にある子どもを支援する奈良県計画は少子化社会のユニバーサルデザインにほかならないのではないでしょうか。

 昨日の代表質問でもこのテーマについては二つの会派から質問がありましたので、少しテーマを絞らせていただき質問をさせていただきます。

 平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らしている十八歳未満の子どもの割合を示す子どもの貧困率は一九九〇年代から上昇傾向にあり、厚生労働省が二〇一四年七月にまとめた国民生活基礎調査では、二〇一二年に一六・三%と過去最悪を更新。また今月の一日に新聞掲載された、山形大学、戸室准教授の子どもの貧困率の調査では、生活保護費以下の収入で暮らす十七歳以下の子どもがいる世帯の割合は、全国で二十年前に比べ、約二・六倍の一三・八%。奈良県では全国平均を下回るものの一一・七%との結果が示されているなど、子どもたちを取り巻く経済格差は解消されるどころか、さらに広がりつつあります。

 一方、社会が大きく変化する中で、家庭で育つことができず社会的な養護が必要とされる子どもがふえてきています。その原因としては、貧困、虐待、DVなどさまざまな理由がありますが、家庭から隔てられた子どもは、健康や学力の面で不利を強いられているとも言われています。その数はおよそ全国では四万六千人。奈良県でも平成二十六年度時点で施設に入所している子どもたちが三百十五人。里親に委託されている子どもが四十五人おられます。さらに社会的な養護が必要とされる子どもが、今後ふえていくことを示すように、児童相談所における児童虐待に係る相談対応件数も、平成二十六年は、全国で前年度比約一万五千件増の八万八千九百三十一件。本県でも百七十五件増の千五百六十七件と増加傾向に歯どめがかかっていません。

 また平成二十六年度に県で実施された、奈良県児童虐待事例調査結果からは、児童虐待が繰り返されている事例では、経済的問題を抱えている家庭が約半数を占めていることが明らかとなっています。このほか、今回の計画策定に当たり実施された実態把握のための事例調査でも、一つの困難が原因となって、さらに別の困難が重複し悪循環に陥ってしまう状況も明らかになっています。

 こうしたことからも、社会的な養護を必要とされる子どもに対して、貧困対策という観点も含めた幅広い支援がますます重要かつ必要不可欠になっていると私は思います。

 そこで、知事にお伺いします。

 経済格差の解消もなかなか進まない今日、世代間連鎖を断つためにも社会的な養護が必要とされる子どもへの支援がますます重要になってきますが、県として、今回の(仮称)経済的困難な環境にある子どもを支援する奈良県計画策定を機にどのような取り組みを進めようとしているのでしょうか。

 次に、中学校既卒者の学び直しについて、教育長にお伺いします。

 昨年七月、文部科学省から中学校既卒者のうち、さまざまな事情によりほとんど学校に通えず実質的に十分な教育を受けられなかった者については、中学校夜間学級への再入学を希望した場合は受け入れを可能とすることが適当との通知が、都道府県及び指定都市教育委員会教育長宛てに出されました。これまで文部科学省は、中学校既卒者の夜間中学への再入学への対応については明確にその方針を示していなかったため、現在、本県の三校を含め、全国八都府県に三十一ある夜間中学校は既卒者の再入学を認めてきませんでした。私たち公明党は、不登校や虐待などのために、実質上、授業の大部分を欠席し実質的に義務教育を受けていない状態にある人や、書面上は十分な出席日数があっても保健室登校などで授業を受けられなかった人が数多くおられること、また全国の全日制課程における高校中途退学者数は、平成二十六年度で三万二千七百二十七人おられ、高校での学び直し支援の制度もあるものの、学力面での不安から高校教育ではなく中学教育から学び直したいと考えている方もおられると思います。

 このような方々を含め、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮し、それぞれが生きがいを感じられる社会をつくっていくことが何よりも必要であることから、国政の場で中学校既卒者の夜間中学への再入学を認めるよう訴えてきました。今回の文部科学省の通知は、それが実を結んだものと理解しているところです。

 一方で本県の状況を見ますと、全国三十一校のうち奈良市立春日中学校、天理市立北中学校、橿原市立畝傍中学校の三校の夜間中学校があり、ある意味、夜間中学先進県ともいえる状況にあります。実際、さきの大戦において中学校教育を受けられなかった高齢者や日本語教育を求める外国人の方などが多く通われている実情があります。もちろんこのような現状の中に、いきなり年代の違う若い方が夜間中学に通われることは難しいとも思いますが、本県の県立高等学校全日制課程における平成二十六年度の中途退学者数は二百七十二人もおられ、その中には、中学校を形式上卒業しただけで学力不安の面から義務教育から学び直しを希望されている方もおられると思います。学ぶことは自分の夢を実現するために力を養うことと考えると、学ぶ意志のある者が学べないということは、その人が活躍する機会を奪ってしまうことにもなりかねません。

 そこで、教育長にお伺いします。

 昨年七月に発出された中学校既卒者の中学校夜間学級への再入学を認める文部科学省通知を受け、県教育委員会として、中学校既卒者の学び直しの県内での実現に向け、どのように取り組んでおられるのでしょうか。

 続いて、持続可能なまちづくりについて伺います。

 本日の質問の中で何回も触れていますが、人口減少や少子高齢化が進む中、将来にわたるまちの活力維持は切実な課題となっています。一方でモータリゼーションの加速化に伴い、ショッピングセンターを中心とした郊外型の開発が進み、既に市街地が拡散的に拡大してしまっています。こうした中、誰もが安心して健康で快適に暮らせる生活環境を実現していくためには、環境面からも、また経済的な面からも、コンパクトシティに代表されるような持続可能なまちづくりという観点を根幹において、今後のまちづくりを考えていく必要があると考えます。

 国でも都市再生特別措置法を改正し、市町村が住宅及び医療施設、福祉施設、商業施設その他に居住に関連する施設の立地の適正化に関する計画、いわゆる立地適正化計画を作成することができるようになりました。この立地適正化計画には、居住誘導区域と都市機能誘導区域を定め、その実現のために市町村が構ずべき措置等を盛り込むこととなっています。

 このような中、先般、同僚議員とともにコンパクトシティの先進地であります富山市に勉強に行ってまいりました。ご案内の方も多いと思いますが、富山市は公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを理念とし、国土交通省からも、立地適正化計画策定の手引き(案)に先行自治体の取り組み事例として紹介されています。このように、いち早くコンパクトなまちづくりに乗り出した富山市の背景には、居住地域が郊外へ拡散し、中心市街地の空洞化による都市全体の活力低下や、割高な都市管理の行政コストの課題が浮き彫りになっていること。また、今後の人口減少や少子高齢化によりさらに状況が深刻化することへの懸念から、都市のコンパクト化に向けた取り組みが始まったとうかがっています。特に目にとまったのが、LRTネットワークを中心とした公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりでした。

 富山市が抱える課題は、本県にも共通する課題と認識しています。実際、県内でも、昨年末現在で大和高田市をはじめ十市町が立地適正化計画の策定に向けて取り組まれています。また県でも、まちづくりに前向きでアイデアや熱意のある市町村において、この方針が県の方針と合致するプロジェクトについては、県と市町村で連携協定を締結し協働でプロジェクトを進めておられるところです。

 そこで、知事にお伺いします。

 急速な人口減少と少子高齢化が避けられない中、誰もが安心できる健康で快適な生活環境が提供できる、住んで良しの奈良県を実現していくためには、コンパクトシティに代表されるような持続可能なまちづくりが今後のまちづくりの根幹になると考えますが、立地適正化計画の策定を進めるなど、持続可能なまちづくりを進める市町村の取り組みに対し、県としてどのように支援していこうとされているのでしょうか。

 続いてがん対策の推進について、知事及び教育長にお尋ねいたします。

 がんは、昭和五十六年より我が国の死因の第一位であり、厚生労働省の平成二十六年人口動態調査では、一年間で約三十七万人の方が、がんによりお亡くなりになっています。また生涯のうち約二人に一人が、がんに罹患するとも推計されており、がんは我々の生命と健康にとって重大な問題であり続けています。国でも、昭和五十九年の対がん十カ年総合戦略策定以降、平成十八年にはがん対策基本法が制定され、これに基づきがん対策を総合的かつ計画的に推進するための、がん対策推進基本計画が平成十九年六月に策定されました。現在は従前の基本計画を見直す形で、平成二十四年六月に策定された同計画に基づき、平成十九年度から十年間でがんの年齢調整死亡率を二〇パーセント減少させるなどの目標達成に向け、さまざまな取り組みが展開されてきています。特に、我が党が推進し二〇〇九年から開始された、乳がん及び子宮がんに係る検診無料クーポンの配布は一定の効果を上げています。

 しかしながら、昨年六月に開催されたがんサミットにおいて、基本計画に掲げている平成十九年度から十年間でがんの年齢調整死亡率を二〇%減少させるという全体目標の達成が困難であることから、短期集中的に実行すべき具体策を明示した、がん対策加速化プランが策定され、一層の取り組み強化が図られました。この動きを受け、公明党として、昨年八月に厚生労働大臣に対し、無料クーポンの配布継続、がんや肺がんを加えた個別受診勧奨、再勧奨の推進、患者の生存率が向上しがん生存者が全国で五百万人を超えていることから、治療しながら働ける就労支援対策などを内容とする、がん対策の充実に向けた提言を提出させていただきました。こうした結果、昨年十二月に、がんの予防、がんの治療・研究、がんとの共生の三つを柱とするプランが策定され、国全体として、がん対策の強化が進められようとしています。

 一方で本県の現状を見ますと、国より早い昭和五十四年に、がんが死因の第一位になって以降、その状況に変わりはなく、平成二十五年には全死亡者数一万四千二十九人のうち四千百六十二人、約三割が、がんが原因で亡くなられています。県では平成二十一年度、最初の奈良県がん対策推進計画を策定し、現在は平成二十五年度から平成二十九年度までの五カ年を対象とする第二期奈良県がん対策推進計画に基づき、がんにならない、がんで若い人が亡くならない。全てのがん患者とその家族の苦痛が軽減され、安心、納得のいく療養生活を送ることができるなどの目標を掲げ、各般の取り組みが進められていると認識しております。

 そこで、知事にお伺いします。

 国のがん対策加速化プランを受けて、県では今後、第二期奈良県がん対策推進計画に基づき、特にどのような取り組みを進めていこうとされているのでしょうか。またがんの予防の観点から、がんに関する正しい知識を身につけることが必要です。また正しい知識を身につけていれば命の大切さについて理解を深めることもでき、周囲にがん患者や、またその家族がおられた場合にも、その苦痛を軽減することが可能となり、地域社会全体が、がんと向き合い、がん患者やその家族が希望を持って暮らせる社会が実現することにもつながるはずです。そのためには、できるだけ早い段階からの子どもたちへのがん教育が重要となります。先ほど申し上げた、がん対策の充実に向けた提言でも、医療関係者、がん経験者などの外部講師の活用などで、がん教育の推進について盛り込んでいるところです。

 そこで、教育長にお伺いします。

 できるだけ早い段階から、がんについての正しい知識を身につけることが重要と考えますが、がん教育の推進に向け、県教育委員会ではどのように取り組まれているのでしょうか。

 最後は、奈良県立ジュニアオーケストラについて知事にお伺いします。

 奈良県立ジュニアオーケストラは、これまでの奈良県にはどちらかと言うと欠けていた音楽という観点から、奈良の文化振興を図っていこうという荒井知事の発案により、平成二十三年六月に全国的にも先駆ける形で結成されたと承知しております。月日がたつのは早いもので、結成から間もなく五年を迎えようとしています。

 ここで少しジュニアオーケストラの歴史を振り返らせていただきますと、一流の音楽家の指導のもと、未来のトップアーティストの人材育成に県が積極的に取り組むため、荒井知事自身が団長となられ、当初は、オーディションを通過された三十九名の子どもたちから構成される弦楽器による県立のジュニアオーケストラとしてスタートされました。結成当初から、梅沢和人音楽監督のもと、毎週日曜日、奈良県文化会館にて練習に励まれ、平成二十四年三月には、奈良県文化会館にてファーストコンサートを開催。それ以降も、ムジークフェストなら、そして奈良県大芸術祭など県主催のイベントを中心に、現在まで三十ものコンサートに出演されるなどさまざまな場面で活躍していただいております。

 また結成当初は弦楽オーケストラでしたが、平成二十七年度より管打楽器も含めフルオーケストラ化が進められており、現在、五十三名の団員で活躍されています。昨年のムジークフェストなら二〇一五では、ロシア・ナショナル管弦楽団との共演という形で、世界を舞台に活躍するアーティストとの共演が実現しました。これは、ジュニアオーケストラのメンバーだからこそ経験できる特別な機会であり、トップアーティストを目指すための意識の醸成、また技術力の向上が着実に図られていると思います。さらに、このたび団員の一人が、由緒ある第二十五回日本クラシック音楽コンサートのバイオリン部門において優秀な成績をおさめられたと報道されていました。このように結成から五年足らずの間ですが、県立ジュニアオーケストラは着実に実績を積み重ねてこられ、今月二十七日の節目と言える第五回定期演奏会をはじめ、今後の活動にますます期待しているところです。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 全国的にも先駆ける形で奈良県立ジュニアオーケストラが結成され間もなく五年になろうとしている中、着実な成果が出ていますが、奈良県立ジュニアオーケストラの活動に対する知事の所見を改めて聞かせてください。

 以上で壇上からの質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四番山中議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問でございますが、働き方改革についてでございます。

 ワーク・ライフ・バランスの実現のために大変重要なポイント、ご指摘がございました。その背景に少子高齢化、人口減少があるというご所見でございます。人口や労働力の減少が見込まれます本県も含む地域を支え盛り立てていくには、若者、女性、高齢者が存分に活躍できるように働き方の改善を進める必要があると考えております。

 まず長時間労働の改善についてでございますが、総務省の調査によりますと、週六十時間以上働かれる雇用者の割合は、本県では一〇・二%でございますが、全国の九・六%より高くなっております。また一日当たりの通勤等の時間も、本県では八十九分と全国の七十五分より相当長くなっているのが特徴でございます。

 こうした本県における長時間労働、長時間通勤を削減し、仕事と家庭を両立しつつ県内で生き生きと働けるよう、働き方の改善が必要と考え、その取り組みを始めているところでございます。

 取り組みに当たりましては、マインドの分野としております働き方の意識の改革、フィールドの分野としております職場の管理や仕事の進め方の問題、スキルの分野としております能力開発の課題、またライフステージごとのテーマとしております仕事と生活の調和といった四つの観点から、長時間労働の要因分析を行い、働き方の改善に向けた課題整理を進めているところでございます。

 働き方の改善には複雑な要素があるように感じております。この取り組みに当たりましては、効率的な働き方に関する先行研究や先進事例の情報収集を進めました。その中で、グループ内のコミュニケーションを活性化させることと、業務の棚卸しと作業行程の見直しを行うことが、時間管理意識を高める上でも、効率的な働き方をする上でも大事だということはわかってきたところでございます。

 加えまして、本県特有の事情があるように思います。業種や職種ごとの実情、本県の地域特性が関係していると考えられますので、本県の実情を把握していくことが重要だと考え、平成二十七年十一月に県内事業所における労働時間の実態調査を行ったところでございます。

 その結果、まず、わかりましたことでございますが、業種別の月間総労働時間では、通信・運輸、流通・飲食、製造業の順に長くなっていることがわかります。また、職種別の月間総労働時間には、営業系と技術系が一般事務や専門職系よりも長い傾向が見られました。これは、一般的傾向と差はないものと思われます。

 来年度におきましては本県の実情の把握に努めますとともに、さらに分析を進めたいと思っております。その上で、本県の実情に応じた働き方改善の具体策を取りまとめていきたいと考えております。

 そのため、奈良労働局や労働団体等関係機関とも連携をし、シンポジウムやセミナーを通じて機運の醸成を行いつつ、県内事業者が働き方改善を進めていかれるように提案をし、そのアイデアの普及を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 このほかに今月末には、県と奈良労働局、近畿経済産業局、労働団体、県内企業経営者などで構成いたします奈良県働き方改革推進協議会を設置したいと考えております。働き方の改善に向けた議論をそのような場で深めてまいりたいと思っております。

 次のご質問でございますが、女性の活躍促進という点でございます。

 奈良県の今後の発展のためには女性が活躍することが必要不可欠だとお述べになりました。議員のご所論はそのとおりだと感じております。女性の活躍促進は、地方創生の取り組みの中でも最重要課題の一つでございます。本県では女性の活躍を総合的かつ計画的に推進するため、今年度に、奈良県女性の輝き・活躍促進計画を策定する予定でございます。

 この計画の基本理念でございますが、奈良県の女性が輝き活躍するために、男女ともにライフステージの各段階で多様な選択肢の中からみずからの道を選択できる社会を実現する、そのような奈良県を実現するとしておるところでございます。女性が個人や家庭において幸せや充実感を感じつつ、地域や社会において能力を発揮され活躍・貢献していただくことを、そのような奈良県を目指しております。

 この計画におきましては、女性の輝き・活躍を妨げている課題について、女性のライフステージごとに抽出をいたしました。例えば、奈良の男性で、女性は外で活躍しなくてもよいと考える方が全国の平均よりも多いことがわかりましたので、男女ともの意識・考えを変えるマインド面の改革はとても必要だということもわかっております。また女性が働きたくても近くに働く場がないことから、女性の活躍の場を拡大するフィールド面の改革が必要でございます。また女性のスキル・能力、働きたいと思ってもまだ十分研修を積んでいない方もおられます。また職場復帰をされるための再研修が必要な方もおられます。女性のスキル・能力を高める努力も必要でございます。また女性は、いろんな人生、ライフステージにおいていろんな役割がございますので、女性の健康や生活環境を改善するライフステージごとの配慮も必要でございます。このようにマインド、フィールド、スキル、ライフと四つの観点で、解決の方途と今後取り組む施策を体系化しようとして取り組んでまいりました。やる目標とやる中身が随分違うものでございます。

 この体系の策定過程で多くの議論を重ねてまいりましたが、その中で特にわかったことは、先ほど申し上げましたように男性の意識の点でございます。このような、女性は働かなくてもいいと考える方の割合が全国に比べて大変高いという大和マインドの改革が、奈良県として最も難しい課題であるように、まず考えております。

 今後は、奈良県女性の輝き・活躍促進計画に記載しているアクションプランに基づきまして、具体的な施策、事業を進めていきたいと考えております。

 具体的な取り組みの例として、まず三つを上げさせていただきたいと思います。

 マインドを変える施策の分野でございますが、女性の活躍促進フォーラムの開催、ジャーナルの発行、ワーク・ライフ・バランスの推進のために企業が行う管理職向けの研修への専門家派遣などを行いたいと考えております。ポピュリズムアプローチと呼ばれるような分野だと思います。

 二つ目の点でございますが、フィールドの拡大やスキルを高める施策といたしまして、女性のキャリアアップセミナーや再就職支援窓口の拡充、女性翻訳士の活躍推進など、起業を支援申し上げる、また地域文化力向上のための女性の人材育成などに取り組んでまいりたいと思います。最近伸びております官製ビジネスは女性の活躍の場でございますので、そのような場で活躍していただけるような、そのほかの付随すべきビジネス面でのスキルも備えていただきたいと思います。

 三つ目でございますが、ライフを充実させる施策といたしまして、妊娠、出産の包括的な支援、DVなどの予防啓発効果など、身を守りそのライフステージを乗り越えるような支援を申し上げたいと思っております。

 女性の活躍を促進するためには、県の取り組みだけでは不十分だと思います。市町村や民間企業、また職場や地域、家庭などの社会のあらゆる分野での主体的、また積極的な取り組みが必要であろうと考えておりますが、県はその旗振り役、またコーディネーターとしての役割を果たせることを希望をしているところでございます。

 子どもの貧困対策についてのご質問がございました。とりわけ社会的な養護が必要とされるお子様たちへの支援についてのご質問でございます。

 本県におきます社会的養護のお子様は、児童養護施設への入所や里親への委託などにより約四百五十名の方がおられます。これらのお子様が抱える課題は、施設に入所する児童の約半分が児童虐待を理由に入所されているのが通例でございます。このようなお子様が抱える問題点でございますが、まず家族の皆様と日常的にふれあうことで普通得られる大人との関係、愛着関係の形成が不十分で、愛情が不足されているというようなことも見受けられます。二つ目は施設退所後でございますが、多くのお子様が家族、親類からの支援が受けられない、見放されておられる傾向もございます。三つ目は高等教育を目指す意欲が不足しており、そのインセンティブも低いことも課題だと思います。

 またこのようなお子様たちに対する、お子様が地域に適用されていくための周辺のサポートが不十分であることも感じられるところでございます。このような認識から今般策定いたします、仮称でございますが経済的困難な環境にある子どもを支援する奈良県計画におきまして、社会的養護の子どもを支援の重要な対象者と位置づけ、児童虐待を未然に防止するために、家庭に早期に寄り添い支援を図るとともに、社会的養護における家庭的な環境づくりや、施設退所後のアフターケアの充実を図ろうとしております。

 具体的な取り組みを簡潔に説明申し上げたいと思いますが、まず未然防止の観点でございます。児童虐待の未然防止等を目的に市町村が実施されております乳幼児家庭への訪問事業でございますが、訪問員の育成を支援するほか、経済的問題や子どもに愛情が持てないなど、児童虐待につながるリスクを正確に個別に把握する必要があろうかという観点から、支援が必要な家庭を選び出すプログラムを策定し、市町村に活用を促していきたいと思います。

 また社会的養護が、できる限り家庭的な環境の中で、また家庭的な場所で行われることが望ましいと考えられますので、里親への委託を進めるとともに、施設におきましても小規模化を図り、その改修費用を補助することなど、家庭的な養育環境づくりを推進したいと思います。

 次の点は、退所後のアフターケア、フォローアップということでございますが、大学等に進学された場合でも、生活費や家賃相当額の貸し付け、お困りになる方もおられますので、貸し付けを行うほか、就職をされる方には、家賃相当額と就職に必要な資格取得費の貸し付けを行うことにしたいと思います。この新たな貸し付け事業は、いずれも一定期間の就業をされますと返還を免除することにいたします。また家族からの支援がないまま修学や就業を継続していく上での悩み等のご相談に応じるとともに、気軽に集まれる場所の提供や、自助グループ、仲間の助け合いグループの活動を援助するなど、いろんな細かい、盛りだくさんでございますが子どもの円滑な自立の支援を図っていきたいと考えております。

 このように社会的養護の子どもに寄り添って、それが広がることのないように、連鎖が世代を超えることのないように、いろんな工夫を進めて実行していきたいと考えております。

 中学校既卒者の卒業学び直しは、教育長がお答え申し上げます。

 次の私へのご質問は、持続可能なまちづくりについて、立地適正化計画の作成をどう進めるかということでございます。

 本県におきまして持続可能なまちづくりの取り組みは、平成二十三年五月に策定いたしました奈良県都市計画区域マスタープランまでさかのぼるわけでございます。同プランにおきましては人口減少、高齢化等を背景に、生活利便施設の集積を促進するとともに、公共交通などによるアクセス機能の強化を図るまちづくりに取り組むこととしておりました。市町村マスタープランなどにもその考え方が反映されるよう調整、連携してまいりました。議員申されました持続可能なまちづくりの走りになった計画でございます。

 その約三年後になりますが、平成二十六年八月に都市再生特別措置法が改正されまして、市町村により各々のマスタープランに則した内容で、コンパクトなまちづくりと公共交通によるネットワークの連携の考え方をとり入れました立地適正化計画の策定が可能になったところでございます。またこの計画に基づきまして、各事業は国庫負担の割合がかさ上げされるなど、その推進が国のほうからも図られてきているところでございます。

 県といたしましては、立地適正化計画の策定を市町村に勧めているところでございます。平成二十七年度時点では、十市町が策定作業に着手されているところでございます。

 一方関連いたしますが、別の取り組みとして本県では、県と市町村とのまちづくりに関する連携協定締結によるまちづくりの推進に取り組んでおります。この取り組みは、地域の中心となる拠点への都市機能の集積や低未利用地の活用などを目指すとともに、拠点間相互の交通ネットワークを強化することで地域性を生かしまして、にぎわいのある住みよいまちづくりを進めていこうとするものでございます。

 またハード・ソフトの両面から、県の財政支援を実施しようとしております。立地適正化計画の策定という面につきましても、市町村負担額の二分の一を県が補助することにしております。さらに、今議会でご審議いただいております奈良県公共交通基本計画におきましては、まちづくりなどの施策との連携を図りながら、公共交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにしておるところでございます。この公共交通基本計画におきましては、移動ニーズに応じた交通サービスを実現し、公共交通による移動を確保することで回遊性向上やにぎわいの創出につながり、持続可能なまちづくりを実現することを目指しております。これらは、県庁が市町村と連携協働の観点から実行しております奈良モデルの一環でございますが、立地適正化計画が目指す持続可能なまちづくりである、いわゆるコンパクトシティ・プラス・ネットワークの方向性と一致する施策であると考えております。今後とも、このような施策を積極的に進めさせていただきたいと思っております。

 その次のご質問は、がん対策の推進についてでございます。

 平成二十五年三月に策定いたしました第二期奈良県がん対策推進計画に基づきまして、議員からも一部ご紹介いただきました、三つの目標に向かいましてさまざまな取り組みを進めております。

 簡潔にご紹介をさせていただきますが、一番目の目標でございます、がんにならない目標でございます。喫煙や塩分の過剰摂取、運動不足など、がん発生のリスクを高める生活習慣を改善する取り組みということになります。喫煙対策では、薬局で気軽に禁煙相談ができるよう、平成二十八年度から新たに禁煙支援薬局を県内各地で普及しようとしております。またがんで若い人が亡くならないようにという観点から、がん検診の受診率の向上に力を入れております。本県のがん検診受診率は年々向上しておりますが、残念ながら全国平均を下回って推移している実情にございます。このためモデル市町村において、受診対象者への個別受診勧奨、未受診者への再勧奨に取り組んでいただいたところ、例えば川西町におきましては、大腸がん検診の受診者が二・四倍になるなど目覚ましい効果が確認できましたので、この勧奨・再勧奨の取り組みが県内全市町村に広がるよう、平成二十八年度の予算におきまして個別受診勧奨、未受診者への再勧奨に対する県独自の助成制度を創設しようとしております。

 二番目の目標でございますが、全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減でございます。がんと診断されたときからの緩和ケアを推進しようとしております。県内五カ所のがん診療連携拠点病院が中心となりまして、緩和ケアの知識や技能を習得し緩和ケアの重要性を認識するための医療従事者の研修会を進めてまいりました。平成二十八年度には、病院長をはじめ、拠点病院のがん診療にかかわる全ての医師が研修会を受講していただくことになっております。さらに安心、納得のいく療養生活を送る体制の整備が必要と考えておりますが、診療所を対象とした在宅緩和ケアの研修会を開催し、在宅療養に移行した場合の適切なケアの提供を進めたいと思っております。

 三つ目の目標でございますが、がんと向き合い、希望を持って暮らせる地域社会をつくるということでございます。相談体制の強化として、患者の悩みや不安に、より共感できますように、がん経験者からなるサポーターを活用した患者サロンを十一カ所に設置をしております。平成二十八年度からは、患者サロン運営者が一堂に会し情報共有や意見交換ができる場を設置し、患者サロンの活性化を目指していきたいと思っております。

 また就労支援の問題でございますが、今年度から拠点病院に社会保険労務士による仕事と治療の両立支援のための相談窓口を設置いたします。平成二十八年度からは、拠点病院にハローワークの相談員を派遣する就職支援の取り組みを国と連携して進めたいと思います。また、これらの就労支援にかかわる関係者が相談事例等のケースを共有できるように調整して、窓口間の協力連携体制を構築したいと考えております。今後ともがん対策推進計画、またがん対策加速化プランに基づきまして、がん対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 最後のご質問でございますが、奈良県ジュニアオーケストラについてのご質問、またご紹介がございました。

 奈良県の皆様は芸術・文化に関心が高く、音楽に関しましてもクラシック音楽に高い関心を持たれている傾向がございます。平成二十三年当時は、音楽や楽器演奏を学ばれているお子さんたちがオーケストラの団員として活躍する機会が県内にはございませんで、有為な人材が途中で音楽の道を諦められたり県外へ流出されている実情がございました。県といたしまして芸術を楽しみ、また芸術家を育てる環境づくりを進めたいという思いで、同年、平成二十三年六月に県立ジュニアオーケストラを結成いたしました。本年で満五年を迎える楽団の歴史は、先ほど議員が述べていただきました。ありがとうございました。その時々の演奏会に向けて、梅沢音楽監督のもと毎週日曜日の全体練習に加えまして、日々の個人練習の積み重ねが現在の子どもたちの演奏力の向上につながっていると考えております。すごい演奏力の向上がございました。

 またその活躍でございますが、奈良県文化会館国際ホールや平城宮跡、浜名湖ガーデンパークなどの大舞台での演奏がしばしば行われるようになりました。国際的な楽団、ロシア・ナショナル管弦楽団との共演を、昨年されました。またそのような活動が、トップアーティストを目指すというお子様も育ってきているように思います。今年、団員の中から全国のバイオリンコンクールでトップクラスの入賞者が出ました。議員のご紹介にもありました。小学校、多分、四年生だと思っておりますが、増田創一君という方でございます。先日、知事室へお越しになられまして、一曲、目の前で弾いていただきました。曲目はちょっと忘れましたが、大変レベルの高い、曲目を言えればちょっと格好よかったのですが。彼は、毎日四時間練習して土日には九時間も練習され、練習楽しいですかと聞くと、とても楽しいですといったようなお子様でございました。

 このような、大変小さな県立ジュニアオーケストラの活動を通じた大きな成果が出てきており、他の楽団員の方にも大きな励みになっていると思います。新年度には、活躍の場をさらに広げて東京や京阪奈地区での公演も予定されております。そのような県立ジュニアオーケストラがさらに飛躍され、またその中から世界に通用するトップアーティストが出てくることを期待しているところでございます。

 ご質問に対するお答えは以上でございます。

 残余は、教育長がお答え申し上げます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四番山中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二つの質問をいただいており、一つ目は、中学校既卒者の学び直しの実現に向けどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。

 不登校や虐待などさまざまな事情からほとんど学校に通えず、実質的に十分な教育が受けられないまま中学校を卒業した生徒や、高等学校を早期に中途退学した生徒が、中学校夜間学級で学び直すことができるようになれば、社会的な自立に向けての新たな第一歩につながるものと考えております。

 文部科学省からの通知を受け、県教育委員会では、その趣旨や内容を市町村教育委員会に通知をするとともに、現在夜間学級を設置している奈良市、天理市、橿原市の三市と県教育委員会が協同いたしまして、既卒者の受け入れを含めた今後の夜間学級のあり方について協議を行っております。この二月十六日には三度目の協議会を実施し、既卒者の受け入れに向けて教育課程の編成等について協議をしたところでございます。

 また義務教育の学び直しが必要となる生徒への支援のあり方を研究するため、この三月に中学校を卒業する生徒のうち、不登校などで実質的に義務教育を十分に受けられず次の進路が確定していないなど、義務教育の学び直しが必要と考えられる生徒の実態把握を行う予定でございます。こうした生徒の人数や本人の希望などを具体的に把握し、今後、県教育委員会として夜間学級への必要な支援を行うとともに、市町村を越えて受け入れていただくための調整なども図ってまいりたいと思っております。

 二つ目は、がん教育の推進についてのご質問でございます。

 がんの教育は、がんについての正しい理解とがん患者や家族などのがんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めることを通しまして、自他の健康と命の大切さについて学び、ともに生きる社会づくりに寄与する資質や能力の育成を図ることを目的に、健康教育の一環として取り組むことが大切であると考えております。健康寿命日本一を目指す本県におきましては、がんの教育の推進は重要であり、県教育委員会では、文部科学省のがんの教育総合支援事業を活用いたしまして、平成二十六年度から中学校二校をモデル校に指定し、がんの教育に具体的に取り組んでおります。同年度には、がん医療の専門医師や学校保健技師、校長会、県関係部局等で構成するがんの教育推進会議を立ち上げ、発達段階に応じた指導内容や手法などの検討を行い、モデル校における公開授業を実施した後、中学生用リーフレットを作成いたしました。また今年度は高校生用を作成いたしまして、中・高等学校には各校に一学年分を配布いたしております。リーフレットでは、奈良県のがんの現状や病気の特徴に触れながら、がん予防のための生活習慣や検診の大切さについて理解をさせ、大切な命を守るためにがんについて生徒みずからに考えさせる、そんな内容となっております。特に高校生用では、具体的にがんを経験した教員の実話も交えた構成となっております。

 今後は中・高等学校での授業が一層充実するよう、教員を対象とした研修会を開催するとともに、小学生に対する教育の進め方を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 四番山中益敏議員。



◆四番(山中益敏) 知事より、質問の趣旨に従った答弁をいただきました。ありがとうございます。そして教育長のほうも、私の趣旨に従ったご回答をいただけたのかなと思います。その中で再質問というよりも、先ほど教育長のほうから、中学校既卒者の学び直しについて、今後、県の教育委員会としてやっていくということでお話がございました。これはその環境づくり、それとまた、市町村外の入学の調整も図るということで、全体には、実態調査をされてからそういうことに取りかかっていただけると、このように理解をさせていただきました。まだ数のほうは明確な数が上がっておりませんが、非常に重要なことだと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

 それで、残りのきょう答弁をいただきました計画に基づいて、詳細な事業が、今後、予算のところでもお聞かせをいただけるかと思います。そこで、予算審査特別委員会のほうにも出させていただきますので、そちらのほうで予算の内容、また事業の制度設計等についてお聞かせをいただきます。

 本日は、どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

 しばらく休憩します。



△午後二時十一分休憩

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△午後二時二十八分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、二十番阪口保議員に発言を許します。−−二十番阪口保議員。(拍手)



◆二十番(阪口保) (登壇)生駒市選挙区選出、創生奈良の阪口保でございます。早速、質問に入らさせていただきます。

 最初は、中央省庁の奈良県への移転と、関西広域連合と連携した誘客促進についての質問です。

 まず本県が関西広域連合に参加した経緯と、現在の関西広域連合の取り組みを一部紹介させていただきます。

 本県が関西広域連合に加入をしたのは、平成二十七年十二月四日、ただし関西広域連合が担う事務七分野のうち広域防災、広域観光・文化・スポーツ振興の二分野への部分参加でございます。

 加入に伴い、関西広域連合議会には、本県から私を含め三人の議員が選出され、それにより、関西広域連合の議会の定数は三十六人から三十九人となりました。私は、産業環境常任委員会と総務常任委員会に属し、昨年十二月二十四日、初めて全員協議会に参加をいたしました。本年二月十三日の総務常任委員会では、関西版総合戦略の策定などの報告事項、平成二十八年度関西広域連合一般会計予算などについて質疑を行いました。

 関西広域連合では関西の復権と創造を目指し、地方分権改革の実現、関西全体の広域行政を担う責任主体として個々の自治体では対応できなかった府県域を越える課題への対応、国出先機関の事務権限の移譲を掲げており、平成二十七年十二月二十五日、まち・ひと・しごと創生本部に対して、中央省庁の関西への移転に関する要請を行いました。

 内容は関西から日本を創生するため、また関西の各地域が持つ特性を発揮することができるように、京都府へ文化庁、大阪府へ中小企業庁、特許庁、兵庫県へ観光庁、和歌山県へ総務省統計局、徳島県へ消費者庁の移転を要請するものでございます。先月末には、文化庁を京都府に全面移転や消費者庁の徳島県への試験的な移転との報道もなされています。私は、本県も関西広域連合へ加入し、関西が名実ともに一体となった現状のもと、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県のように、奈良県の特性を生かした中央省庁の移転を求めていくことが本県の経済活性化につながると考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 関西広域連合が中央省庁の関西への移転に関する要請を行ったように、本県も中央省庁の奈良県への移転を積極的に要望すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、関西広域連合と連携した誘客促進についての質問でございます。

 広域観光の分野では、関西広域連合の平成二十八年度の主な取り組みとして、関西の強みをトータルに一つのブランドとして戦略的に海外に向けて発信していくことが挙げられます。その一つ、海外観光プロモーションは、関西を一つの観光圏として海外にアピールするため、各構成府県市や関西経済団体と密接に連携を図りながら、広域連合長、委員等によるトップセールスなどを戦略的に実施するものであります。

 観光庁によると、昨年、日本を訪れた外国人旅行者は千九百七十三万七千人で三年連続して過去最高を更新いたしました。また本県の平成二十七年の外国人訪問客数も百三万三千人で、前年と比較すると三十七万人増加しています。しかし本年は、円高傾向と中国経済、世界経済の停滞もあり、海外からの観光客の減少が予想されています。今後、海外・国内からの観光客の誘客を促進するためには、海外観光プロモーション、新広域観光周遊ルート、美の伝説への誘客促進事業などに本県も積極的に参画し、関西を一つの観光圏として本県へも誘客促進を図り経済の活性化に取り組むべきと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 関西広域連合が行う海外観光プロモーションや、新広域観光周遊ルート、美の伝説への誘客促進事業に本県として具体的にどのようにかかわっていかれるのか、お聞かせください。

 二つ目は、奈良大立山まつりについての質問です。

 県内の観光客数が落ち込む冬場の観光対策の一つとして、この一月二十九日から二月二日に、奈良市の平城宮跡で奈良大立山まつりを開催されました。私も一月三十一日、日曜日に視察させていただきました。この日は、冬にしては穏やかな天候ということもあり大勢の観光客も来られていました。会場では、実行委員の皆様をはじめ県職員、ボランティアの方々による運営への協力も拝見することができました。しかしながら次年度の開催については、本年度の反省に立ち、改善すべきところもあると考えます。

 一点目は、イベントの開催に当たり上から下に押しつけるのではなく、十分な準備期間をとって県民にも企画・運営に参加をしてもらい、ボランティアも早くから募集し、もっと幅広い行事にしていくべきだということです。昨年の予算審査特別委員会においても、委員から、二億円という予算は高いのではないか、入札が間に合うのか、保管場所があるのかなど多くの質問や意見が出ました。また私は、本県が冬に観光客数が落ち込むことから、新しいイベントの立ち上げに理解をしたものの、準備期間が短いという指摘をいたしました。準備期間が短すぎたという根拠に、昨年十月九日の県議会が閉会した当日の午後五時十五分から、奈良県冬季誘客イベント「大立山まつり」実行委員会設立総会及び第一回実行委員会が開催されています。そしてその場、つまり第一回実行委員会で大立山まつり概要案、「大立山まつり」実行委員会会則などが出され大枠が定められています。その「大立山まつり」実行委員会の会則では、第六条で会長は奈良県知事をもって充てる、第二項で委員は会長が委嘱すると定め、観光局長など県関係が三名、市町村長が四名、経済団体が一名、報道関係が七名、電鉄・バス会社などが三名、観光関連会社が四名、県議会議員が二名の合計二十四名が委員となっています。

 しかし今後の冬季イベントの継続発展には、実行委員会の委員に公募により選出された県民も委嘱し、大立山まつり概要案や平城宮跡のおもてなし環境整備案などの根本的なところにも参画していただくのがよいのではないかと考えます。

 次に、委託業者の決定の経緯についてでございます。第一回実行委員会が昨年十月九日に開催され、その四日後の十月十三日、「大立山まつり」実行委員会会長、荒井正吾氏が、その委託業務契約について公募型プロポーザルにより参加者を募集しています。大立山まつり事業企画製作運営業務説明書を見ると、企画書の提案書等の提出期限を平成二十七年十一月四日とし、業務目的を定め、また業務の概要では、四天王をモチーフにした大立山等の製作を挙げています。さらに企画・事業推進方針として、大立山の製作に当たっては、奈良の魅力を深く理解した者による原型作成者を記載することなどを条件としています。

 この公募には、株式会社電通関西支社とTSP太陽株式会社が参加し、福井観光局長をはじめ県関係者六名が審査委員となり、審査の結果、株式会社電通関西支社が三百四十点、TSP太陽株式会社が二百七十六点で株式会社電通関西支社に決定いたしました。

 この二社の企画提案書を精査いたしますと、どちらも大立山の製作に関わるのが藪内佐斗司氏でございます。委託が決定した株式会社電通関西支社の提案書は、大立山デザイン・製作監修が藪内佐斗司氏、大立山製作が藪内佐斗司氏のマネジメントオフィスの青山美術株式会社です。また概算事業費は上限の一億五千万円で、その主な内訳は、大立山製作八千万円、イベント演出・広報費千四百万円、会場設営費三千二百九十二万円などでございます。今回、企画書の募集から提出までに二十三日しかなく企画立案期間が十分に設けられていない設定であること。公募型プロポーザルに二社しか参加がなかったこと。その二社がいずれも藪内佐斗司氏に大立山デザインを任せるものになっていること。さらに、事業企画製作運営業務説明書に四天王をモチーフにした大立山、原型作成者を記載などの条件を設けたことなど、以上の状況を考えますと、九月議会に予算を上程する前、つまり県で計画案を考える段階から、既に藪内佐斗司氏ありきで製作を依頼していたと思わざるを得ません。これでは企画書の内容、委託金額も含めて極めて不透明な手続が行われたことになります。

 過去には、本県において官製談合が頻発し、業者、職員が逮捕された事件もございます。

 そこで、知事に二点お伺いします。

 一点目は、イベント開催に当たっては十分な準備期間をとって、県民にも企画・運営に参加してもらい、ボランティアも早くから募集し、もっと幅広い行事にしていくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 二点目は、奈良大立山まつりの立山の製作を最初から藪内佐斗司氏に任せるという思惑があったのではないかと考えていますが、知事は、委託業者の選定に当たっての透明性・公平性が確保されているとお考えでしょうか。あわせてお聞かせください。

 三つ目は、県職員の勤務環境の整備についての質問です。

 昨年九月、代表質問で県職員の勤務環境の整備について質問をいたしましたが、十分な答弁が得られなかったので、再度取り上げさせていただきます。

 先般の質問の内容は、県職員の病気での特別休暇が多いこと、その原因の一つが超過勤務による加重労働であること、また超過勤務をしても手当がつかずサービス残業になっていることを指摘するとともに、昨年四月以降の本庁の超過勤務時間について、実退庁時間の遅いワーストテンの所属名と実退庁時間及び超過勤務手当支給時間を明らかにすることを求めました。しかしその回答は、実退庁時間については、データを抜き出して解析することは作業量が膨大になることから、統計的なデータはとっていない。また、実退庁時間を類推できるデータとして本庁職員の超過勤務手当支給時間があり、その統計の内容は、昨年四月から七月までの超過勤務手当支給時間が八万八千百七十時間で、職員一人一月当たり十八・六時間、一日当たりにすると約一時間弱とのことでした。

 再質問で、超過勤務手当支給時間と実退庁時間の乖離をただすと、知事は、実退庁時間と残業の支払い時間との差は、自己申告になっているが、食事や自己の用事で残っていることが差になっている。これは管理者が超過勤務を命じて、その分だけ残っていればそういう差が出ないとも答えられました。この質問後、複数の県職員の方から、知事の答弁は勤務実態を反映していない、食事や自己の用事で残っていない、私はサービス残業をさせられていた、遅くまで働いて体調を崩した、所属の予算がなく支払われていないとのご意見が寄せられ、また、ある所属課の超過勤務の状況を述べたお手紙をいただきました。やはり、こちらの聞き取り調査と知事の答弁の内容ではあまりにもかけ離れていますので、本年一月十八日、月曜日の本庁の夜間の様子を調査しました。そして一月十八日、午後九時四十分に私が本庁舎と分庁舎を撮影いたしました。こちらが本庁舎で、こちらが分庁舎でございます。どちらも、電気が明々とついている様子がおわかりかと思います。

 また先月二十四日から二十六日の三日間で、障害福祉課、こども家庭課、道路建設課など十三の所属長に対し聞き取り調査もいたしました。調査の内容は、一つ目は、時間外勤務については所属長及び管理者が正規の勤務時間が終了する一時間前までに時間外勤務命令を行う必要がありますが、事前命令の徹底がなされているのかということ。二つ目は、超過勤務手当支給時間と実退庁時間の乖離、すなわちサービス残業が行われていないかということ。三つ目は、各部局・各課での超過勤務縮減に向けてどのような改善が行われているのかということ。以上の三点でございました。

 民間では、長時間労働を強いられ、享年二十六歳でマンションから飛びおり自殺した事例がございます。遺族が会社側を訴え、昨年、和解が成立しました。和解の内容は、会社側が過労自殺を認め一億三千三百六十五万円を支払い、謝罪するというものでございます。県庁においても、月に実質八十時間や百時間を超える残業は当たり前になっていると訴える職員の声に耳を傾けていかないと、うつ病や過労死、家庭崩壊などの悲劇が起こることもあり得ます。作業量が膨大になることから統計的なデータは取っていないとのスタンスでは、いつまでたっても県職員の真のワーク・ライフ・バランスの実現や健康管理ができず、またどの部局が多忙なのかということがわからないために、業務に見合った適正配置ができず、効率的な事務執行がなされていないといえます。

 なお先般の代表質問で、日々雇用職員の年次有給休暇の繰り越しについて認める措置を求めましたが、これについては平成二十七年十月一日の付与分以降から、日々雇用職員の年次有給休暇の繰り越しが制度化され、一つ改善されたと思っています。

 そこで、知事にお伺いします。

 まず超過勤務時間について、所属別に実退庁時間及び超過勤務手当支給時間を明らかにしてください。その上で、超過勤務時間の縮減に向けてどのような取り組みをしているのか、お聞かせください。

 最後に、組み体操事故防止についての質問です。

 独立行政法人日本スポーツ振興センターによると、全国の小・中・高校での組み体操の事故は年間八千件以上起きています。今、組み体操は高さを競う傾向、また幼稚園でも組み体操が実施されるなど低年齢化の傾向にあります。十段の人間ピラミッドの高さは校舎二階の高さに相当すると言われていますが、昨年、大阪府の八尾市の中学校で一年生から三年生までの男子生徒が参加した組み体操の十段の人間ピラミッドが崩れて、一年生の男子生徒が骨折、ほかの五人の生徒がけがを負う事故が起きました。本県においては昨年十月、県教育委員会が県内の公立学校を対象に組み体操について調査し、県教育委員会が注意喚起されたとうかがっています。運動会・体育大会は、通常授業の成果発表の場でもあり、ピラミッド、タワーのみならず、運動会の全ての演技種目、学校行事全般において児童生徒の健康、安全が十分に確保される必要があります。

 そこで、教育長にお伺いします。

 本県の組み体操による事故の状況と今後の事故防止に向けどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十番阪口議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、中央省庁の奈良県への移転と関西広域連合と連携した誘客促進でございますが、まず最初に、中央省庁の奈良県への移転の取り組みについて説明申し上げます。

 中央省庁を含む政府関係機関の地方移転は、東京一極集中の是正のため、国みずからが積極的な姿勢を示す施策として、昨年打ち出されたと思っております。本県では国からの具体的な提案募集に対しまして、漢方のメッカ推進プロジェクトや県内の製薬業界への波及効果を期待いたしまして、産業技術総合研究所臨海副都心センターの一部機能の移転を提案いたしました。しかし国からは、東京を離れると研究能力が維持できないとの考えが示されましたため、無理に移転を求めても結果はうまくいかないと思い、提案を継続しないことといたしました。

 また昨年十二月に関西広域連合が、各府県による中央省庁移転の提案を取りまとめられました。その要請書につきましては、本県も了解をしたところでございます。本年二月には、本県も含む十三県で構成しております自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークにおきまして、石破地方創生担当大臣に対しまして、政府関係機関の地方移転を要望したところでございます。

 今、経緯を申し上げました。所見について多少申し上げます。

 中央省庁の所在場所についての私の考え方でございますが、中央省庁の意思決定は、国会対応や他の省庁とも連携する必要があること。また、そこを訪問される関係団体や地方関係者の便宜が必要であるといった観点から、効率のよい場所に所在することが基本であると考えております。また中央省庁には、建物の所在場所がどこであっても、日本の全地域を対象にして中央省庁としての機能を発揮すべき役割がありますので、建物を地方へ移転してそこで国の業務を行うだけで地方移転先の地域に直ちによいことがあるわけでもございませんし、移転先の地域のことを中心に考えてもいけない立場が国の機関でございます。その点で、国の権限の移譲とは大分意味が違うというふうに考えております。

 本県は、重要な政策分野で連携可能な国際機関などに来ていただくことが効果的だと考えて、そのような実績も上げてまいりました。マドリードにあります、国連機関であります世界観光機関で世界で唯一のサテライト事務所が奈良にございます。平成二十四年十二月にUNWTOアジア太平洋センターの誘致に成功いたしました。この機関が主催する国際会議の実績といたしましては、例えば昨年度の奈良観光統計ウィークには四十七カ国から約二百名の方が、また先月の遺産観光に関する国際会議には三十四カ国から約百八十名の方が参加されました。また、今年六月開催予定の(仮称)UNWTO東アジア太平洋・南アジア合同地域委員会には二十九カ国から、政府代表はじめ約六百名の方が参加される予定でございます。この世界的な広がりの会議が開催され、奈良を広く知ってもらうということの効果は、国際機関の活動が大きいかと思います。

 このような国際機関の誘致に加えまして、今後は例えば、奈良文化財研究所や奈良国立博物館との文化財研究・活用分野での連携など、県内にあり既に存在しております国の機関との連携を強化し、地域に貢献していただく取り組みも必要であると考えております。

 誘客活動について、美の伝説の取り組みについての本県のかかわり方というご質問でございました。本県は観光分野において、関西広域連合設立当初からオブザーバーとして参画しております。広域観光ルートの設定や海外プロモーションの実施などを盛り込んだ関西観光・文化振興計画の策定をはじめ、計画に基づく諸事業にもかかわってまいりました。

 議員お述べの広域観光周遊ルート、美の伝説は、関西広域連合が本県や福井県等と連携して、関西に集積する五つの世界遺産と七つの絶景との出会いをコンセプトにしたルートとして、昨年六月に国土交通大臣の認定を受けられたものでございます。

 これを受けて、関西広域連合では、今年度、美の伝説ルート誘客促進事業を創設して、外国人観光客を関西に誘客するための基礎調査や受け入れ環境の整備、滞在コンテンツの充実、プロモーションの活動などを実施されております。本県も連携して、美の伝説のポスターや広域観光拠点を案内するリーフレットの作成に取り組んでいるところでございます。

 平成二十八年度におきましては、関西広域連合による美の伝説ルート誘客促進事業がございます。具体的な旅行商品の造成やその内容等をPRする関西観光キャンペーンの実施、外国人向けのマナー啓発コンテンツの作成、海外の旅行博への出展などが予定されております。本県といたしましては、旅行商品の企画提案やキャンペーンへの参画、マナー啓発コンテンツの活用などに積極的に取り組んでまいる所存でございます。

 また海外観光プロモーションといたしましては、高い伸びが期待できる東アジアや急成長の東南アジア市場へのトップセールスに参加し、関西の一員としての役割をしっかり果たすとともに、本県の魅力をPRし誘客促進につなげていきたいと考えております。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、各地域との外国人観光客誘客活動の競争が厳しさを増してきております。本県といたしましては、関西広域連合と連携もしながら、地域間競争に打ち勝てるように、今後とも積極的な努力を重ねていきたいと思います。

 奈良大立山まつりについての質問が二つございました。

 まず最初は、十分な準備期間をとって県民への企画運営の参加についてのご質問でございます。

 奈良大立山まつりは、奈良への宿泊観光客が最も減少する一月〜二月の誘客増に向けた核となる取り組みとして今年度の九月補正予算でお認めいただきまして実施した事業でございます。メディアへの積極的な情報提供や重点的な広報展開、職員の奮闘などにより、五日間で五万一千人の方にご来場いただくという大きな成果が上がりました。また伝統行催事を持っておられる御所市、広陵町、平群町などから自発的かつ積極的な参加をいただいたところでございます。

 一方で、真冬の夕方から夜にかけての開催ということでもあり、たくさんの課題や改善点が見えてまいりました。議員お述べのとおり、より多くの県民の皆様にステージでの出演や引き手としての参加、ボランティアとしての運営に参画していただくなど、県民参加型のイベントとして定着させていくことは、継続のための大きな要素であると思っております。

 今後できるだけ早期に実行委員会を開催し、委員の皆様に結果を報告するとともに、県民参加型イベントにするための方策をはじめ、多くの課題や改善点について議論を深め、来年度の開催に生かしていきたいと思っております。

 また議員お述べの実行委員会には、マスコミの多くの方が参加していただいております。広く意見を聞かせていただいております。個別の一般県民の方が個別に入られることは、実行委員会としてあまりない形でございますので、広く意見を聞くということに努めさせていただきたいと思います。

 奈良大立山まつりの製作についての透明性、公平性の確保のご質問がございました。

 この大立山まつりの事業企画製作運営業務でございますが、昨年十月九日に実行委員会でご承認いただいた実施計画をもとに仕様書を作成し、十月十三日に公告し、十一月四日を期限に企画提案をいただき、十一月六日に選定審査会が実施されたものでございます。

 今回の公募型プロポーザル発注でございますが、その日程は奈良県契約規則第二条、一般競争入札の公告の規定に準拠しております。公告の日から企画提案書の提出期限の前日まで、土日祝日を除く十五日間が確保されております。ぎりぎりの日程ではございましたが、規則には準拠した日程でございました。業務説明書に記載いたしました大立山のモチーフを四天王にすることは、第一回の実行委員会において承認いただいた事項でございます。

 最終的に公募型プロポーザルには、議員お述べの二社が企画提案をされました。提案募集説明会には四社が参加されておりました。ほかの二社は、会社のご判断によりプロポーザル参加を見送られたようでございます。なお、原型作成者の提案が二社とも藪内氏になったのは偶然の一致であろうかと思います。当初からの思惑のようなものは一切なかったと思いますが、結果として大変すばらしいものを製作していただき、奈良大立山まつりの成功の一助になったものと感謝をしております。今回の公募型プロポーザルによる委託業者の選定手続につきましては、何ら瑕疵はなく適正に実施したものと認識をしております。

 県職員の勤務環境の整備について、その縮減に向けた取り組みということについてのご質問が再度ございました。

 職員が働きやすい環境を整備することは、ワーク・ライフ・バランスの実現や女性の活躍を推進していくためには必要不可欠であろうかと思っております。検討をさらに進めまして、新しいパーソネルマネジメントの構築をテーマに、日本人の働き方の歴史や公務員の効率的な働き方などの研究を進めております。これらの研究成果は、マインド、フィールド、スキル、ライフという四つの視点で整理し、今月中に中間報告を行うことを予定しております。議員お述べの超過勤務時間の縮減などの働き方改革についても、この四つの切り口から考えていきたいと思っております。

 職員の実退庁時間の調査でございます。繰り返しになりますが、出退勤システムのデータ量は膨大なものでございます。実退庁時間のデータを抜き出し解析することは非常に困難な作業だと報告を受けておりますし、その費用も膨大になると聞いております。そのような観点から、統計データを収集し分析するということはしておりません。

 一方、実退庁時間を確実に類推できる統計データとして、本庁職員の超過勤務手当支給時間の実績がございます。昨年度の内容は、総時間数は二十七万九千三百八十三時間でございます。職員一人当たり、職員一月当たりは十九・二時間ということになります。一カ月の平均勤務日数は二十一日程度でございますので、職員一人一日当たりに置きかえますと五十五分、一時間足らずの残業時間ということになります。ならすと大変、それでも残業はございますが低い額で、大変小さな時間数でございます。

 しかし実際上は、季節的な繁忙とか組織の仕事の偏りなどで残業が発生することが多いわけで、特定の部局が残業発生部局ということになるわけでございます。支給時間の多い所属は調べることができるので、調べましたら財政課、人事課、河川課、観光プロモーション課、深層崩壊対策室の順となってきております。これは、予算編成や人事作業など通常の作業が季節的に集中する課でございましたり、イベントとか特別の土砂崩れなどの事業が重なるときに残業が多いことが想定されます。予算編成や人事作業など、またイベントなど季節的な繁忙が多い課というふうに見受けられます。残業も、そのような課に集中しております。このような課の経年的に、あまり集中している課が恒常的になるかどうかは調べる対象にはなると思いますが、季節によって残業の集中する組織の残業対策には特別な工夫が要るように思います。人をその間ふやせば、予算編成など残業はなくなるかというと、どうもそうでもないらしい。限られた人が集中して予算編成をされている。人事編成もそのように聞いておりますので、通常の残業対策と違う工夫が要るように思っておりますが、これは、一つの検討課題でございます。

 職員の超過勤務の縮減は労使間の共通課題と認識をして、職員労働組合の皆様ともさまざまな取り組みを行うということで合意をしております。具体的には、帰りやすい職場の雰囲気づくりと、めり張りのある働き方を促したいと思います。

 奈良県はおつき合い時間、大和時間が多いのではないかといったような調査も、一時、おつき合い残業をなくしましょうというようなことも運動で入れたこともございます。平成二十六年七月から毎週水曜日の定時退庁日に、職員労働組合と人事課が連携して、本庁舎の各所属を巡回しながら定時退庁の声かけを行って退庁を促しております。超過勤務命令のない職員が在庁している所属長に対しては注意文書を発行しております。所属長をはじめとする職員の意識改革を行ってきております。

 残業代支払いと実残業との差がどのようにあるのか、私も関心がある事項でございます。実残業のうちに命令残業と自発的残業の差が大事でございます。命令がある残業には必ず残業代を支払う。また、命令がない残業をしてはいけないというのが労働基準法の原則であります。そのような観点を原則としてでございますが、来年度からの工夫の一つといたしまして、各部局の次長、企画管理室長事務取扱という組織定数がございますが、組織・人事管理責任者の発令をしたいと思っております。この発令を受けた各部局の次長は、各部局の人事管理の責任者として、部内を巡回したり、職員から聞き取りなどを行いながら超過勤務の実態把握に努めるとともに、四半期ごとに人事課長と意見交換を行いながら、全庁上げて超過勤務の縮減に取り組ませたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十番番阪口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、組み体操による事故の状況と今後の事故防止に向けた取り組みについてお尋ねでございます。

 運動会・体育大会では、さまざまなプログラムが実施されておりますが、とりわけ組み体操は、子どもたちに達成感や団結力を育むために多くの学校で取り組まれております。平成二十六年度の調査では、組み体操に取り組んだ学校は、公立小・中・高・特別支援学校、三百五十七校ございますけれども、二百二十校、率にして六一・六%であり、うちピラミッドは全校種で九四・五%、タワーは八九・五%で、組み体操に取り組んだ多くの学校がピラミッドやタワーに取り組んでおります。

 また平成二十六年度のピラミッドにおける事故では、練習、本番をあわせまして二十一名が負傷し、うち骨折は二名で小学校のみとなっております。タワーにおける事故では二十五名が負傷し、骨折は五名で、うち小学校が三名、中学校が二名となっております。

 県教育委員会ではこの集約結果を重く受けとめまして、平成二十七年十月一日付けで県立学校及び各市町村教育委員会を通じて各小・中学校に周知するとともに、安全に配慮すべき内容といたしまして、まず一つ目には、児童生徒の体力や指導体制に応じて、練習段階より十分な補助・観察体制を確保するなど適切に指導すること、二つ目に、演技中に危険を察知した場合は、直ちに中止をすることなどの注意喚起を行ったところでございます。

 現在、今年度の事故の状況及び来年度の組み体操の実施計画等を調査をいたしております。県教育委員会では、調査結果を集約いたしまして、有識者等に各学校の実施計画についてのご意見もいただき、その意見を踏まえて、安全で安心して組み体操に取り組めるよう、市町村教育委員会と協議をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 中央省庁の移転についてでございますが、現状では東京への一極集中が進み、反対に奈良県は十五年連続して人口が減少しています。移転が行われることで職員、関係団体も本県に来られて経済への波及効果が非常に大きいと思います。この点につきまして再度、答弁をお願いいたします。

 次に、奈良大立山まつりについてでございますが、ここに二社の企画提案書がございます。私は担当課に、この企画提案書と審査結果を開示してほしいと求めましたが、非常にこの提出が遅かったということ。次に、この企画提案書なり審査結果がホームページ上に公開されていない。そういう二点から申し上げますと、奈良県の情報公開について、今回については特に避けておられるのかというふうな疑いを持っておりますので、その点につきまして、答弁をお願いします。

 三点目は、超過勤務のことでございますが、ここに、このような写真がございます。これは一月十八日、午後九時四十分の写真でございます。この写真を見られて、知事はどういうふうにお考えなのか、お聞かせください。

 次に超過勤務の縮減に向けて、水曜日の定時退庁の取り組みをしていくと答弁されました。しかし定時退庁の取り組みを進めることで、業務量を削減していくか見直していかないと、いわゆる職員が仕事を持って帰ることにつながります。そのような声も聞いております。業務量と定時退庁の関係についてお答えください。

 次にサービス残業については、超過勤務手当の予算が少なすぎるからではないかという声を聞いております。例えば、本庁の課長補佐は超過勤務手当支給の対象ですが、そもそも各所属の超過勤務手当が少ないために、ある課長補佐は自分の超過勤務手当を削って、その分を課の人に超過勤務手当を回しているとも聞きます。サービス残業と予算についてどのような認識を持っておられるのか、そのことについても答弁をお願いします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 幾つかご質問がございましたが、東京集中、人口が集中するのは、東京に、特に若者が仕事があるからで中央省庁があるからではないと私は思います。逆に中央省庁が地方に行くと、その地域の経済が発展することは考えられないと私は思っております。経済振興のために中央省庁を移転する考えはあまり必要ないのではないかというふうに思っております。

 二つ目は、大立山の情報公開でございますが、情報公開は透明性に努めておりますが、何か裏があるのではないかと疑いを持って、議員が持っておられるのか、私が持っておるのか、質問の内容は、議員が持っておられるかもしれませんが私は持っておりません。きちんと情報公開をして、先ほどの公募型プロポーザルでしていただいたと思っております。

 三つ目は、写真の印象ということで、午後九時四十分の写真でございますが、きょう明かしますが、実は、県庁でも夜の写真を、この前日本共産党の方が写真を撮られたので、継続的に撮ろうというので、職員に写真を撮らせておりました。

 一つわかったことは、午後十時になると消灯が急速に進むということでございます。午後九時四十分でございましたが、午後十時十分に撮られるとすごく少なくなっている。しかし午後十時十分、午後九時四十分でも相当遅い時間でございますので、写真の、実はもう少し調査を進展させるとすれは、一人が残っていても部屋の電気はつくわけでございます。全員残っておられる部屋というのは大体ないわけでございますので、一人残っても、外から見るとこうこうと全体で明かりがつくと。大事なのは残業人数だと思いますので、その点はちょっと外からはかってもわかりにくいなというのが、こちらで写真を撮ったときの印象でもございます。午後十時を境目に随分、消灯が進むということは、私で調べております。

 それから定時退庁で、仕事の量、仕事を家に持って帰られる方もおられるかも。これは、なかなか難しい点でございます。仕事をよくはかどられる方は、残業しなくても仕事をさっと片づけられ、また家にも持って帰られない。多少、仕事の遅い方もおられます。これは非難しているわけではなしに、習熟する間とか仕事のこなし方に差があるのが実情でございます。助け合うといっても、そうすぐには助け合えないのが日本の作業の現場でございます。

 その間を管理者が、仕事の遅い方は遅いなりに、遅いからといっていい仕事はできないというふうには、私は、決して思っておりません。遅くてもいいから誠実に実直にやってくれよということを言っておりますので、遅いことは、能力が低いということには思っておりませんが、そのような方が残業に向かわれるのか。これは、管理者の見きわめの仕事でございます。職員の努力は大変すばらしいものがあると、全般的に高く評価をしております。一生懸命やっていただいております。そのような中での残業は、やはり責任感。もう一つ別の調査では、責任感のある人ほど残業に向かわれるということがよくわかっており、また、残業してはいけないという風潮でありましたら、家に持って帰っても残業しようという方もおられると思います。私も、残業虫でございますので、家で随分仕事をさせていただいております。

 それから、予算の制約が超過勤務のサービス残業につながっているのではないかというご指摘が、これは多少調査ができるかもしれません。他の県庁との調査で、奈良県の残業支給がそんなに劣っているというふうには聞いておらないように記憶しておりますが、きょうは記憶からの答弁ですので、きちんと調べてお答えしなければいけないと思いますけれども、少なくとも予算の査定上、残業代を節約しろとかと言ったことは一度もございません。残業代は適正に支給するようにということを言っておりますので、客観的に見てどうかということは、また調べ方もあろうかというふうに思っております。

 以上、かいつまんでの答弁でございます。



○副議長(山本進章) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 中央省庁の移転につきましては、三日前の三月五日の関西広域連合議会で、井戸広域連合長は四月以降も中央省庁の移転に取り組むと答弁しています。県におきましても、移転につきましてご検討を引き続きしていただきたいと思っております。要望でございます。

 次に入札につきましては、かつて私、談合のことで訴訟を提起したことがございますが、やはりそのような教訓をぜひ生かしていただきたいと。こちらも調査してまいります。

 最後に超過勤務のことにつきましては、かなり意見が食い違いますので、私、予算審査特別委員会に出席いたしますので、そこでさらに超過勤務問題につきまして知事と議論していきたいと思っております。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 次に、二十九番太田敦議員に発言を許します。−−二十九番太田敦議員。(拍手)



◆二十九番(太田敦) (登壇)皆さん、こんにちは。また奈良テレビをご覧の皆さん、こんにちは。大和高田市選挙区選出、日本共産党の太田敦です。ただいまから、一般質問を行います。

 最初に、奈良県公契約条例について質問します。

 今、国や地方自治体が発注する事業で働く労働者に人間らしく働くことができる賃金を保障するための公契約条例が、奈良県をはじめ全国に広がっております。公契約とは、国や地方自治体など公の機関が公共工事や印刷などの発注、物品の調達、さらに施設管理の委託に当たって民間業者と結ぶ契約のことです。

 この間、現場では深刻な実態があります。談合問題から始まった入札改革での競争入札の極端な安値、いわゆるダンピングでの入札が横行し、そこで働く労働者の賃金に影響を及ぼしております。自由競争と財政難を理由とした一般競争入札の拡大、低入札による価格のたたき合い、ダンピング業者の介入の広がり、コストカットによる労働者の労働条件や働くルールが著しく低下し、官製ワーキングプアの増大となってきました。

 例えば地方公務員法では、自治体の非正規労働者は半年契約、更新は一回までと定められています。そのため、何年働いても新規任用となって賃金は上がりません。民間委託の現場等で働く労働者も、低価格入札による低賃金のため、非正規労働者が中心となっています。不安定雇用による経験蓄積の困難さや労働意欲の低下などが生じ、提供する公務、公共サービスの質の低下をもたらしています。それらは労働者の生活を困難にするだけでなく、利用する住民の利便性を損ない、さらには住民の安全安心をも脅かし、生命を奪いかねない危険を持っているのであります。

 奈良県でも公契約条例が制定されました。その結果、最低賃金が払えているかということや、健康保険やさまざまな保険に加入させるとともに労災保険に加入していることが公契約を結ぶ上での遵守事項となっています。

 一方この間、労務単価の引き上げによる、公共工事等の契約の変更が行われております。公契約条例の目的というのは、公共サービスの質の低下を防ぐということと、県民の安心安全を高めるということ、ワーキングプアをなくして働く人の賃金を底上げすること、地域の中小企業に仕事が回る仕組みをつくり、地域の循環経済の実現によって奈良県経済が活性化されるということが本来の目的です。

 現在、奈良県では一次下請や二次下請のところまで労務単価の引き上げが行われているかどうか見届けることができないということになっていますが、改める必要があります。そこで条例を変更し、賃金下限額を設けることを提案いたします。

 公契約条例で最も重要な要件というのは、賃金の下限設定であります。最低賃金によらない、あるべき賃金額を定めることで公契約条例の最大の効果が発揮できるようになります。奈良県の公契約条例でも賃金の下限額を設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。知事にお伺いをいたします。

 次に、大和川流域における総合治水に関する条例について質問を行います。

 昨年九月、関東、東北を襲った豪雨災害では、長時間雨が降り続き、栃木県や茨城県に大雨特別警報が出されて、多くの河川が氾濫し家屋に浸水するなどの被害が続出いたしました。この大雨をもたらしたのは、長く延びる降水域が長時間停滞したためであります。一昨年八月に広島市に豪雨災害をもたらしたのも、また奈良県南部に甚大な被害をもたらした、この紀伊半島大水害も、線状の強雨帯が形成されたためと言われております。近年これらを原因とした、毎年のように発生している豪雨災害に対する備えを早急に進める必要があります。

 昭和五十七年の七月から八月にかけて起きました、奈良県、大阪府で床上、床下合わせて浸水被害家屋一万戸以上に上った大和川大水害から三十年以上が経過をいたしました。その間、大和川流域整備計画が策定され、治水対策などを進めてきました。

 大和高田市の対策では、流域ため池の放流設備を利用したため池貯留施設や、小中学校のグラウンド及び公園内の施設を利用した雨水貯留浸透施設を整備し、さらに国道二十四号高架下の空きスペースに防災調整池を設置しております。また開発許可申請時に雨水流出抑制施設の指導対象面積を、従来の三千平方メートル以上から千平方メートル以上に引き下げて、なるべく雨をためるように開発関係者に指導するという取り組みを行っております。これらにより、大和高田市の流域対策の進捗状況は最小必要量を達成しております。

 しかし大和川流域全体で見ると、市町村としての対策はかなりおくれておりまして、計画を立てて約三十年経過しても、進捗率はいまだに四九%程度であります。またこの数字は、上流域と下流域の市町村とではかなりばらつきがあります。大和川流域では浸水被害がいまだに頻発しており、大和高田市内でも同様の状況であります。

 今後、大和川流域総合治水対策の基本である、よりためるということに基づいて、さらなる対策を進めていくことが必要です。大和川流域総合治水対策を進めるに当たり、国、県、市町村が一体となって雨水を貯留する対策に取り組むことが重要です。とりわけ、現在、課題となっております、流域対策に取り組む市町村は増加はしているものの全体として進捗率が低迷をしている。また、浸水被害が発生している上流側の市町村では流域対策の進捗がおくれる傾向があり、上下流市町村で進捗にばらつきがあるという、この状況は改善されるべきであります。

 大和川流域における総合治水に関する条例について、現在、計画がなされております。県と上下流の市町村が連携してまちづくりと一体となって総合治水対策に取り組むことにより、水害による被害を受けている地域からは、条例制定により水害による問題が解決に向けて進んでいるということが実感できるようにするべきであります。大和川流域における総合治水に関する条例の目的について、県としてどのように考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。また、その目的を達成するためにどのような方策を考えているかについても、あわせてお伺いをいたします。

 次に、奈良公園の(仮称)登大路バスターミナルについて質問をいたします。

 県庁の東隣に建設が計画されている奈良公園の(仮称)登大路バスターミナルの整備について、二月の建設委員会で報告が行われました。その中で県は、奈良公園の課題と対応方針として、交通渋滞の緩和と奈良公園の魅力向上を挙げております。また、それらの課題への対応策として(仮称)登大路バスターミナルの必要性を述べられております。しかし私たち日本共産党はこれまで、奈良らしさを壊す新たな開発は見直し、奈良にしかない本物の魅力を生かした取り組みこそ観光の活性化につながるということを訴えてまいりました。

 まず、交通渋滞の緩和についてお伺いをいたします。

 (仮称)登大路バスターミナルは奈良公園周辺の渋滞対策として進められてきたものですが、渋滞対策は観光シーズンのピーク時、奈良県が把握するバスのうち県営高畑駐車場や大仏前駐車場からあふれる十四台分のバスのスペースをターミナルで確保するというものであります。それらが渋滞対策につながるのか疑問を持っております。

 奈良公園への自動車やバスの乗り入れを減らして環境に配慮して文化財や自然を守るということは、私たちも極めて重要だと考えます。そのためには、いかにこの奈良に訪れてもらう皆様に公共交通への転換を図ってもらうかということが大切であります。ぐるっとバスの運行など既に進めているものもありますが、パーク・アンド・バス・ライドなどをもっと使いやすくするなど、市内全体を通して交通のあり方を考えなくてはならないと思います。

 そこで、知事に伺います。

 提案されているバスターミナルは、交通環境の向上にどのような効果があるのでしょうか。

 二点目は、奈良公園の魅力向上についてであります。奈良公園の玄関口ということで、バスターミナルにあわせた地下一階、地上二階、敷地面積が約八千六百四十平方メートルの建物が建設をされる計画となっております。しかしこの駐車場の敷地は、名勝奈良公園の中にあります。名勝奈良公園として指定される際、風致破壊を厳しく制禁するとされております。公園の玄関口だからこそ景観を最も大切にしなくてはならないと思います。奈良公園の保存管理・活用の基本方針では、県庁周辺区域について、この区域は眺望景観の視点場及び隣接する市街地との緩衝地帯的役割を持つとして、著しい景観の変化を避けるとされています。だからこれまで、駐車場として高い建物がない平面の利用でありました。

 現在、北から来れば興福寺や五重塔を背景に広い空間が広がり、また、西からは県庁の高い建物が途切れてようやく視界が広がり、奈良らしい雰囲気を感じることができます。ここに二階建ての建物の壁ができると風景が一変してしまいます。

 名勝奈良公園のエリア内において、景観を壊すおそれのある大型の建物の建設は見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて知事にお伺いをいたします。

 次に、ごみの減量化に向けた取り組みについて質問いたします。

 二十世紀における経済発展は、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済システムやライフスタイルを定着させ、ごみ問題を引き起こすなど地球環境までも影響を及ぼす要因となっております。私たちは、これらの課題解決のため、環境に負荷の少ない、循環を基調とした持続的発展が可能な循環型社会を形成していかなければならないと考えます。

 私は先日、平成二十五年度のリサイクル率が七六・八%で全国の市で九年連続日本一を達成している志布志市へ視察へ行ってまいりました。志布志市では、混ぜればごみ、分ければ資源を合い言葉に、分別収集、また資源化がすっかり定着し、ごみ量が減少、ごみ処理経費は全国平均の約半分で済み、資源ごみの売却益が安定的に生まれ、財政に貢献をしております。焼却炉を持たない志布志市は、ごみは資源と位置づけて家庭から出される不用物の分別や資源化を徹底しております。どうしても、この資源化できないものだけを埋め立て処分する取り組みが行われております。現在は、生ごみも含め分別を二十八品目に細分化しております。その結果、埋め立て量は約八割減らし、年間一人当たりのごみ処理費用は全国平均の約半分となっております。市の財政健全化にもつながり、まちづくり、福祉、教育など予算確保に貢献しているとお聞きし、大変参考になりました。

 一方奈良県では、平成二十五年度、家庭ごみの一日一人当たりの排出量が六百三十四グラムと全国十位と少なくなっている一方、一般廃棄物のリサイクル率は一三・一%と全国最下位となっております。また奈良県は、効率的な観点から、県と市町村が連携してごみ処理の広域化を目指しております。しかし、広域化されると過大な焼却施設をつくることにならないか、また、住民にとってごみ問題を直接の課題と意識しづらくなり減量への取り組みを弱めることになるのではないか、こんな懸念が広がっております。

 天理市が、これまで四市町村の枠組みから、西名阪自動車道沿線地域の市町村などに呼びかけて天理・西部地域の新たな広域化の枠組みを目指している計画では、これまでの四市町村の枠組みで新設すれば焼却量が百二十トンとなるものを、広域化で三百四十トンの規模になると想定しております。またごみ処理の広域化を行った場合、広域化を行うごみ処理施設までのごみ運搬が問題になります。ごみ焼却処理を行わなくなった場合でも、ごみの収集業務は今までどおり実施することになります。しかし遠方のごみ処理施設まで運搬していては、搬送に時間や労力がかかり非常に効率が悪く環境にも影響を及ぼします。

 奈良県では、焼却炉の数が多い、また焼却炉の老朽化で建てかえや改修をしなければならない、こういった問題に直面しております。今こそ、ごみ減量を進める絶好の機会ではないでしょうか。県下の市町村では住民の協力のもと、細かく分別を行って再利用、リサイクルでごみの減量に取り組み、ごみの焼却炉の規模を縮小して建設経費や維持管理費の削減を図る努力をしております。県はこの取り組みを応援して、徹底したごみ減量を進めるべきであります。奈良県としてどのようにこのごみの減量を進めていくのか、その方策について、景観・環境局長にお伺いをいたします。

 最後に、大和高田市とのまちづくりに関する連携協定について質問をいたします。

 人口の減少と高齢化を迎える中で、住民が安心して健康で長生きできる地域をどのように築き上げていくのか、今後のまちづくりは大きな課題に直面をしております。

 例えば、町なかで買い物できる環境の整備というのは住民にとって切実な願いとなっております。住民になれ親しまれ、暮らしと地域社会を支えてきた全国の商店街が停滞、衰退し、各地で空き店舗とシャッター通りが珍しくなくなってしまいました。毎日の生活に欠かせない身近な商店がなくなり、自動車を使えないお年寄りがリュックを背負い、バスやタクシーで買い物に出かけるということも起きております。商店街の衰退は、単に中小商店だけの問題でなくまち全体の活気が失われる一因にもなっております。商店街の衰退の原因はさまざまですが、既に個々の商店、商店街の努力をはるかに超えたものとなっております。大型店の出店ラッシュと深夜営業など、無秩序な競争激化が商店街を直撃しております。

 自分の住んでいるところから歩いて買い物ができる生活環境が整ってこそ、お年寄りや子どもたちにも便利で豊かな生活が保障されます。歩いて買い物ができるまちづくりに向け、今こそ、住民との合意形成を目指すべきであります。

 さて、大和高田市とは四つの地区を対象としてまちづくりに関する包括協定を締結いたしました。シビックコア周辺地区、近鉄大和高田駅・JR高田駅周辺地区、近鉄高田市駅周辺地区、常光寺池公園地区のこの四つの地区であります。その中で大和高田市においては、老朽化した市役所の建てかえや市立病院との連携した地域包括ケアシステムの構築など、シビックコア周辺地区を先行して進めるということであります。

 この事業は、高田にある資産を生かし、町なかにある周遊する人たちの動線の確保、また、まちのさまざまな機能の魅力を引き出す施策につなげるとのことでありますが、一方で、住民の皆さんの中には、先ほど述べたとおり町なかで買い物できる環境の整備をはじめ、にぎわいをもっともっと大和高田市でつくってほしいという、こういう誠実な願いがあります。地域住民がまちづくりに対して一緒に高い関心を持ち、積極的に参加できるような住民との合意を形成しながら、このまちづくり協定というものが進められるべきだと考えますが、いかがでしょうか。まちづくり推進局長にお聞きをいたします。

 これで、壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答えいたします。

 奈良県公契約条例についてのご質問でございます。本県の公契約条例は、全国の県レベルで初めての公契約条例でございます。議員は広まってきているとおっしゃいましたが、まだちょっと存じませんので、そんなに広がったですかね。広がればいいですけれども、そうでもないように思いますけれども。あまり誤解が出るといけませんので、いつも申しわけありませんが、訂正があればさせていただきます。

 そのような奈良県の公契約条例ですが、昨年四月に施行され、全国初めての県レベル公契約条例として施行されました。その内容は、議員もお述べになりましたが県が受注者等に対しまして、最低賃金以上の賃金支払いと社会保険の加入による適正な労働条件の確保を求める公契約の締結者としての資格の確認をしているものでございます。そのほか、障害者や保護観察対象者の雇用の拡充のほか、働きやすい職場環境づくりをされている企業に対しましては積極的な評価をするといった、奈良県独自の条例内容になっております。働いて良しの奈良県を実現するための条例での規制ということになります。

 二月末現在のこれまでの実績でございますが、条例の対象となる予定価格三億円以上の建設工事は十二件ございました。予定価格三千万円以上の業務委託が一件ございました。合計十三件の公契約を締結いたしました。そのうちの七件で一回目の賃金報告が行われ、まだ数はわずかですが、下請業者も含め合計二十五人の労働者について、最低賃金以上の賃金支払いと法令に従った社会保険への加入を確認しております。社会の企業として最低賃金、社会保険の加入は当然のことでございますが、奈良県と契約する場合には、その最低の条件をクリア、まず、すべきだということを、またフォローいたしますよ、下請の下にも同じような法令が遵守されていることを確認しますよというのが、奈良県公契約条例の一番の大事な点でございます。

 議員お述べの賃金の下限設定でございます。奈良県の公契約条例は本県の最低賃金に準拠しております。公契約に関する条例を制定している市や区において、賃金の下限設定をされているとこもあることは把握しております。しかし本県、県レベルでの下限設定でございますが、全国で初めて対象になった地域でその賃金は県全域と広範囲でございます。大方の県民の理解が得られるような合理的、妥当的な下限賃金というのはどんなものか、議員お述べになった言葉で言えば、あるべき賃金というものはどのように設定すればいいのかということが課題であろうかと思います。そのような下限賃金の設定は今のところ困難であると考えております。このため法律で定められている最低賃金を基準に、公契約の最低賃金を設定することが公正なものと考えて条例を制定しているものでございます。

 現時点におきましては、条例の運用が緒についたばかりであります。本条例の定着や安定的な運用が大切であると考えております。ほかの県がフォローされておれば、それは大変参考になることでございます。また運用状況の把握、分析を行い、その結果を踏まえて、各方面の有識者で構成されています公契約審議会でご審議をいただきたいと思います。実効性のある、意味のある条例に育てていきたいと思います。

 大和川流域における総合治水の条例についてのご質問がございました。

 大和川流域は、議員お述べのように昭和五十七年の大水害を契機に、国、県、流域市町村が連携して、流域全体で水害に強いまちづくりを進めるために、大和川流域総合治水対策協議会を組織して行ってきているものでございます。先日、鬼怒川流域で大雨が降りましたが、あのような大雨が降りますと、この大和平野の大和川流域は水浸しになるような量であったというふうに言われております。幸い、大和平野には降らなかったわけでございますが、停滞する雨は、議員もお述べになったように強敵でございます。

 大和川流域総合治水対策協議会における対策でございますが、河川改修などによります流す対策と、ため池の治水利用等によるためる対策をあわせて実施いたします総合治水対策に取り組んできております。このうち、ためる対策につきましては、県、市町村ごとに目標量を定めて取り組んでおります。県はこの目標を達成しておりますが、市町村は大変おくれている。恐縮ですが、そのような実情でございます。とりわけ、上流の市町村はおくれているというのが実情でございます。

 ため池の治水利用につきましても、目標を達成した市町村がある一方、ほとんど実施していない市町村もあるなど、その取り組みにばらつきがございます。上流の市町村でおくれている市町村に、どうしておくれているのだと聞きますと、自分のところは水につからないのに、そんなため池を整備するのは市民が許さないと、こういうような返答がまだございますので、昭和五十七年当時、三十年もたった目標値が無視されている結果になっておるところもあります。その結果、今年度で全体といたしましては、進捗が約四〇%強ぐらいにとどまっております。これは、大変危ない状況でございます。看過しがたい状況であると県の立場としては思っております。

 またこの大和川流域におきましては、大水害から三十年以上が経過してその周りの状況も変化しております。当初想定していなかった新たな課題も、治水上出てきております。例を挙げますと一つは、防災調整池の設置を必要としない住宅開発がございますが、今まで〇・三ヘクタール未満の小規模開発は設置しなくていいということになっておりました。負担が大きすぎるということでございましたが、今はその小規模開発の割合が約四〇%になっております。四割は小規模開発で調整池がない住宅開発ということでございます。

 二つ目は、平成七年にこの大和川流域で約四千五百のため池がございましたが、その後十五年間で約四百個も減少しております。一割減少しております。ため池を治水に利用しようにも、ため池自身がなくなっていることでございます。

 またそういう、多少忘れる傾向がある大水害でもございます関係上、市町村が都市計画法に基づきまして市街化調整区域内において策定することのできる、まちづくりや開発の計画がございます。地区計画と呼ばれておりますが、市街化調整区域内でも開発してもいいよということが、奈良県内ではこの大和川流域は十四地区ございますが、その中には浸水実績のある二地区も含まれているということで、そのようなところを開発していいよというのは大変危ないことだと思っております。そのような状況の認識でございます。

 そのようなことでございますので、直轄遊水地事業が、国が大変熱心になってくれておりますので、具体的に動き出したこの機会に、本県といたしましては、こうした今申し上げました課題の解決に向けまして、総合治水対策を推進するための条例を制定してまいりたいと考えております。

 条例の主な内容でございますが、ためる対策でございますが、ため池治水利用施設の整備と維持が、まずはございます。また、水田貯留の推進がございます。また、開発に伴う防災調整池の整備と維持がございます。また、農地やため池の保水力の安全という項目がございます。

 控える対策といたしましては、浸水しやすい地区の設定・公表と市街化の抑制がございます。これは、条例で決めなければいけないという条例事項でございます。

 総合治水対策の推進体制といたしまして、支川流域の市町村が連携して取り組む場合には、県が奈良モデルにより、その取り組みやまちづくりを支援していきたいと思っております。そのようなものが条例の主な内容でございます。

 これまでに、主に学識者で構成いたします奈良県総合治水対策推進委員会を三回開催いたしまして、条例の内容等についてご意見をお伺いいたしましたが、本年二月には大和川流域総合治水対策協議会を開催いたしまして、流域の市町村長の皆様に説明をさせていただき討議をしていただきました。そのときに私からは、上流の市町村に、もうちょっと頑張らないといけないな、こういうことを申しているところでございます。このような委員会や協議会でいただいたご意見等も踏まえまして、条例の内容の具体化に向けた検討を進めさせていただきたいと思います。

 この条例が実効性があるように、大和川が二度と氾濫しないようにという観点からは、規制的な内容も必要となってまいります。控える対策などは特にそうでございます。流域住民の皆様方、流域の市町村長へわかりやすく丁寧に説明させていただきたいと思います。拙速にならないよう、慎重に検討を進めご理解をいただきたいと思っております。

 (仮称)登大路バスターミナルについてのご質問がございました。

 交通環境の向上の観点のご質問が、まずございました。

 奈良公園の交通対策で最大の問題は、例えば、けさもありましたが京都から、京都に泊まられた方が朝、大型バスで奈良へ来られ、それが、奈良は、市内をうろうろされるのではなしに、直ちに大仏殿の前へ左折される。けさも見ましたが、そのような方が大変、季節がいいときには渋滞の大原因になるわけでございます。そのような交通の対策がまずい、奥まったところへ大型バスなどの流入を許容してきたといった交通対策が多少拙劣であったと思います。また、京都に泊まって奈良の大仏を見て帰ること自体が大変けしからんことであろうかというふうに、毎朝、感じるわけでございます。

 また議員お述べの公共交通に転換するといっても、公共交通、電車で来て歩くなりバスに乗ると、なかなか難しいわけでございます。京都から来られる方に近鉄に乗って奈良に来て、来ようが全然違いますので、京都のバス、タクシーは大変安いわけでございますので、そのようなハンディもございます。なかなか、言うはやすく行いは難しい分野でございます。

 このような奈良公園周辺の交通渋滞は、かねてからの懸案事項でございます。交通対策上は、人が見て笑うような状況になっております。奈良公園の流入抑制や公共交通の利用を進めるのは当然でございますが、今、(仮称)登大路バスターミナルは、奈良公園にここから先に行かないようにしようと、エントランスの機能として観光バスがそこでとまっておりていただこうと。空になったバスはほかの駐車場、奥に行かないようなところへ回そうといったような考えが中心でございます。

 また、おりられた方は大仏殿の前へ行って三十分見ていらっしゃい、来たらまた帰りましょうではなしに、この登大路でおりられて興福寺にしろ、猿沢池にしろ、ならまちにしろ、場合によったら、ぐるっとバスで若草山にしろ、平城宮跡を見てゆっくりと周遊していただきたい。また時間があれば、西ノ京にも法隆寺にも行っていただきたいといったような、ターミナルがこの奈良、観光地奈良に一つもないといったことも人から笑われている原因でございます。公園内のスムーズな交通移動と奈良公園周辺の移動環境、おもてなし環境を整備するのが大きな目標でございます。

 二つ目は、その景観、外観でございます。奈良公園のこの駐車場は、実は六階建て、七階建てぐらいあります県庁と分庁舎の二方を囲まれた土地でございます。他の二方は大変オープンでございますが、その二方を囲まれた地域の風情、たたずまいということで、かねてからご質問がございます。このターミナル機能とともにガイダンス機能とおもてなし機能を持たせたいという思いでございますので、この機能は、この奈良公園に来られる観光客数にあわせて適正な規模で、あまり大きくしないようにするということでございます。

 いつもご質問される建物の形状や意匠でございますが、昨年八月の奈良公園地区整備検討委員会で示しましたイメージをもとに、専門部会でございます奈良公園地区整備検討部会の委員や文化庁と意見交換を行ってまいりました。その結果を踏まえまして、建物の形状はコスト縮減を図りつつ、県庁舎との調和を考慮いたしまして、東棟と西棟の二棟を有する二階建てとすることで、今、検討が進んでおります。この周りの通りの景観、大宮通り、あるいは県公舎のある通りから見た景観に配慮して建築物の意匠に工夫することによって、全体としてスケールダウンを図るとともに、建物の周囲に積極的な緑化を行いまして奈良公園の風致景観と調和のとれた計画としていきたいと思っております。

 この三月一日に開催いたしました奈良公園地区整備検討委員会にお示しをいたしましたが、ボリュームダウンされていることと設計上の工夫がされていることについての一定の評価をいただいたと報告を受けております。

 そのほかの質問は、関係局長が答弁させていただきます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 中景観・環境局長。



◎景観・環境局長(中幸司) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、ごみの減量化に向けた取り組みにつきまして、県内の市町村ではごみの減量化に取り組む努力をしており、県はこうした市町村の取り組みを応援し、徹底したごみの減量化を進めるべきだと考えるが、ごみの減量を進めていく方策についてのお尋ねがございました。お答えをいたします。

 ごみの減量化につきましては、奈良県・市町村長サミットにおきまして、ごみ処理の広域化などとあわせて平成二十二年度から検討をしてきており、また、県・市町村担当課長会議を定期的に開催しながら、その具体化に向けた課題の共有を図っているところでございます。

 今年度からは、担当者によりますワーキング会議もスタートさせ、県内外の先進的な事例等を踏まえまして、具体的に取り組むことができる事業を検討するとともに、人口規模から市町村単独での実施が困難な小型家電等の再資源化などにつきまして、奈良モデルによる新たな事業実施に向けた研究を進めているところでございます。

 さらに事業系ごみの一層の減量化を図るため、多量排出事業所に対し、本県独自の取り組みといたしまして、県・市町村が合同で立ち入り調査を行っているところでございます。

 また、ごみの排出抑制やリサイクルなどを促進するためには、県民意識の醸成を図ることが重要であることから、県民だよりやホームページ、これはエコならと申し上げますが、への掲載、あるいは環境関連イベントの開催など、さまざまな機会を捉えまして啓発に努めているところでございます。

 来年度は、仮称でございますがきれいに暮らす奈良県スタイル推進協議会の設立を予定いたしておりまして、この協議会の運営を通して、さらなるごみの減量化に向けた多様な主体による実践活動を促進してまいりたいと考えているところでございます。

 今後も頑張る市町村と連携、協働しながら、ごみの減量化に向けまして積極的に取り組んでまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)二十九番太田議員の質問にお答えさせていただきます。

 私へは、大和高田市とのまちづくりに関する連携協定について、地域住民がまちづくりに対して高い関心を持ち積極的に参加できるように、住民との合意を形成しながら進めていくべきだと考えるがどうかというお尋ねでございます。お答えします。

 大和高田市とは、昨年七月六日に四つの地区を対象としまして、まちづくりに関する包括協定を締結しており、その中で市では、老朽化した市役所の建てかえなどが課題となっているシビックコア周辺地区を先行して進めたいと考えているところでございます。

 このシビックコア周辺地区では、行政機関、医療機関などを中心とした市街地の形成、市立病院と連携した地域包括ケアシステムの構築、観光資源を活かした魅力ある憩いの空間の形成をコンセプトとしており、現在まちづくり基本構想の策定に向けて、地区の現状や課題について整理を行うとともに、今後の進め方などについて県と市で協議をしているところでございます。

 一方、まちづくりにつきましては行政だけではなく、地域の方々のご意見も踏まえて検討するということは重要なことであるというふうに考えております。先行する他の市町村でも、地域の方々が参画するワークショップやまちづくり協議会、パブリックコメントなど、さまざまな手法によりまして合意形成を図っているところでございます。

 大和高田市では、来年度例えば、ワークショップやまちづくり協議会などの開催を検討しているというふうにお聞きしておりまして、地域の方々のご意見を反映させながら、まちづくり基本構想の策定を進めていきたいというふうに考えております。

 今後も引き続き、県、大和高田市、地域の方々が互いに連携しながら、まちづくりについてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) それぞれご答弁いただきまして、ありがとうございます。

 まず、公契約条例についてでございます。

 先ほど知事のほうから、どれぐらいこの公契約条例が広がっているのか、こういうお話がありましたので、そのことについてお話させていただきますと、私が紹介させていただきました賃金下限設定を持つ公契約条例というのが、今、十八自治体で行われているということでございます。奈良県のようなこの基本条例、これは十一自治体で行われているということで、その中に奈良県と、あと奈良県と合わせて五つの県が行われているということでございます。

 それで、この公契約条例についてでございますけれども国土交通省のほうから、二〇一五年度から公契約のこの設計労務単価というのを平均で一五・一%引き上げると。これを賃金水準に確保するように通知をしているのですけれども、しかし、なかなかこの現場労働者の実際の賃金が改善されていないという、こういう実態がありまして、奈良県におきましても労務単価による公共工事の契約の変更、これが行われているけれども、これが、実際に現場労働者の賃上げに反映されているのかどうかということについては確認ができないということになっております。

 まだ県としては、まだまだ数字としては集まっていないということでございますけれども、やはり現在、この労務単価の引き上げによる公共工事の契約の変更が行われているけれども、それが反映されているかどうか分からないという、この実態であるということでございますから、この下限設定というものを、私は検討する必要があるのではないかというふうに思いますが、その点、再度お伺いをいたします。

 それから総合治水対策に関する問題で、条例の制定に向けて、現在話し合いが行われているということでございます。条例の制定に向けて、水害に対する住民の理解を得てみんなで頑張るような条例となる必要がある、あるいは市町村が住民に説明するための明確かつわかりやすい資料を提供してほしい、こんな意見が出されたということでございまして、先ほども述べたように過去に被害が、水害が大きく広がっているのですけれども、市町村では平成十三年度以降の進捗率が伸び悩んでおりまして、この十四年間で九%しか伸びていないと。これについては、条例とあわせて、私は、流域対策の取り組みについては数値目標、これを設定することが必要ではないかと思いますが、その点について、知事にお伺いをいたします。

 三点目は、先ほど知事のほうから、バスターミナルの施設についてでございますけれども、建物が当初の三階建てから二階建てへ変更された、こういうことでございました。奈良公園の景観への影響がどのように改善されたというふうにお考えなのか。

 また先ほど、コストの縮減というふうにちょっとお話されたと思うのですけれども、幾らが幾らになったのか。そのことについてもご答弁いただきたいというふうに思います。

 以上です。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 公契約条例の下限単価でございます。最低賃金にするのか、ほかの下限単価にするのか。

 制度的な問題として、県で下限単価というのを独自で決め得るのかどうかという課題があると思います。ほかの県で五県、公契約条例ができているのですか。それは下限単価ですか、最低賃金は。下限単価をやった県はないと。全国初めての県になりなさいと、こうお勧めいただいているということでございますが、お勧めは感謝いたしますが、ただ難しいということを議論でさせていただいております。

 下限単価というものはどういうものか。現実に、労務単価にどのような影響を与えるのか。理念だけで世の中は動きませんので、最低賃金というのは、皆、各地域ばらばらで、しかも上げるのになかなか大変な、ご承知のとおりだというふうに思います。最低賃金を守る、これは法的に提示されておりますので、守らないような企業とは県は契約しませんよというところまでは、これは公契約で明確にしたわけで、これも大変、それ自身、珍しいわけでございます。守るのは当然だと思いますが、珍しいわけで、さらに下限と言ったら最低賃金よりさらに上というイメージであると。どこまで上なのか、二重の、最低賃金を守っているのに県は排除するといったようなことのアセスといいますか、検討がまだ、あまり進んでいないのが実情でございます。検討しないと言っているわけではございませんが、なかなか難しいというのが、今の私の感想でございますので、直ちに最初だからやれよと言われても、ちょっと難しいなというのが正直な反応ということでございます。

 一方、労務単価は今、全体のマーケットで労働単価は上がってきております。どんどん労務単価を上げるのに賃金を改定、価格を改定しないということは、今ありません。どんどん変えないと、それがまた法律違反でございます。請負は特にそうでございますので、そのように努めております。どんどん入札の不落もありますし不調もありますし、そのような状況でございますので、経済の実勢が、奈良県の労務単価が経済が回るとともに上がってくる。これはデフレ対策になりますが、デフレが賃金に反映されるというのが一番大事なことで、このような規制で変わるというような労働マーケットではないように基本的に思っております。そのような答弁でございます。

 それから総合治水の条例でございますが、中身は省きまして、伸び悩みのところの数値目標、これは市町村に対してでございますか、市町村は条例で規制できないです。数字を達成できなければ罰則を取るよとか、そういう関係にはございませんので、指針という、規制というか指針を示すということでありますが、指針は三十年前に示しているのだけど、うちはそんな、水もつかないのにしませんよというのは、先ほどの反応でございますので、改めて指針を示しても難しい、規制では難しい。おくれていますよと言って、ちょっと意地悪をしてつつくのが今、精いっぱいやっているところ。

 下流の市町村、同じ支川の、大和川は七十も支川がございますので、支川の上流と下流では、皆、仲がいいのですけれど、上流を何とかしてくれよと、こうテーブルで、県・市町村長サミットでいろいろ交渉されております。そのような状況でございますので、県がやれよとこう言っても、なかなか、先ほどやれよと言ったわけですけれど、上流の市町村は、そうは言っても住民の反対があるからとこういう返事が、先ほど紹介した反対でございます。

 さて、それが指数ではちょっと難しいと思います。ほかの何か、県がもう少し上流が頑張るときには奈良モデルでまちづくりと一体となって県が多少、応援するよといったようなことを考え始めているということでございます。また、こういうようなことを、おくれている上流が、されないところを具体的に示して、ご出身の県議会議員の方は、うちの市長は恥ずかしいなとこう思っていただくのが一番大事かというふうに思います。大和高田市は随分されているところでございます。上流のほうがちょっとされないのでございます。余計なことを申し上げました。

 それから、(仮称)登大路バスターミナルでございますが、ボリュームダウンして、ちょっと費用についてどのくらいコストダウンしたかというのは、ちょっとまだ把握しておりません。後ほどご報告申し上げますが、そんなに大きなことかどうか、ちょっと、三階建てを二階にしまして、私ちょっとまだ記憶でございますが、四億円か、ちょっと間違っているかも、後で訂正いたしますが、数億円の予算ダウンというので、ちょっと少し前の検討ですが思い出しました。そのような程度でございます。

 景観をいつも言っておられますが、景観については、何度も何度もパースを見ましたが、いろんな景観でいつも思い出して繰り返し言って恐縮でございますが、近鉄奈良駅の屋根も景観とおっしゃいましたし、県庁の屋上緑化も、緑があるのに要らないとおっしゃったわけでございますので、今度も大丈夫かなと、景観が悪いとおっしゃっても大丈夫かなというふうに、失礼ですけれども、そのように希望的観測、楽天的な見方をさせていただいております。大変失礼いたしました。



○副議長(山本進章) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) 済みません、時間がございませんので、もう一点、質問させていただきます。

 今回、このバスターミナルというのは、私たちは今、非常に、先ほども言ったように景観に大きな影響を及ぼすところだというふうに思っております。その施設が大きくなっている原因に、歴史展示室やレクチャーホール、こういったものがありますけれども、この場所にあえてつくる必要性というのを知事はどのようにお考えなのか、その点について再度お尋ねをいたします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) この場所に来られる方、想定ですが、修学旅行生がバスで来られて、先ほど申し上げましたように京都にとまられてきているわけです。京都に修学旅行生が泊まって、奈良へバスなり、今朝もおられましたけれども、乗合タクシーで来られる。奈良のここにとまられると、奈良は、大仏殿を見ると奈良を見たと、こう思われると困るわけでございます。奈良の説明力、説明する場所があまりないわけでございます。奈良公園全体としてもそうでございます。外国人に対してもそうでございます。ここは外国人も来られて、ここの奈良公園、ここ、どんどん来られますが、ここでおられると、ととどまられると、奈良公園のいろんなのがよくわかった、こういうふうに言っていただくような施設を予定しております。これはアメニティーと交流、滞留、ターミナルがあるところには必ずそのようなものが、意味が出てくるわけでございます。バスの乗りかえ場とターミナルというのは全然意味が違うわけでございますので、ターミナルの整備をしたいというのが願いでございます。



○副議長(山本進章) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) ターミナルの整備ということであれば、あえてここの場所に、私は、レクチャーホールとか、あるいは展示をするスペース、こういったものは果たして必要なのかなというふうに思っております。

 繰り返し述べておりますけれども、この場所というのは、三分の二がこの名勝奈良公園に指定されているところでございます。だからこそ、この景観に関する影響についても必要に応じてシミュレーションなどによる事前評価を行い、本質的価値を高める適切な範囲、方法で実施する、こういうルールに基づいてやりますよということが言われているのですけれども、先ほども知事からお話がありましたけれども、三階建てから二階建てになった。これは明らかに、景観に配慮をしているということだと私は思うのですけれども、どういうところに配慮をして三階建てから二階建てになったのか。それは全く、私たちには伝わらないわけでございます。

 またこの二階建ての建物というものも、名勝奈良公園の中に建てるということについては、私は大きな疑問を持っております。

 先日、文化庁のほうに行ってまいりまして、この現状変更の申請の際には、現在示されている奈良県の資料をお持ちしても、これだけでは認められないですよというお話がございました。その際には、この建物が建っている状況とそうでない状況との、例えば比較とか、本当にわかるような形で県民にも示していただいて、そして、検討する場をしっかりと設けていただきたいというふうに思っております。

 以上で、私の質問を終わります。



○副議長(山本進章) しばらく休憩します。



△午後四時一四分休憩

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△午後四時二十八分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、五番川口延良議員に発言を許します。−−五番川口延良議員。(拍手)



◆五番(川口延良) (登壇)議長の許可をいただきましたので、ただいまより一般質問を行わさせていただきます。天理市選挙区選出、自民党絆の川口延良でございます。県議会議員として初の一般質問となります。この喜びと初心を忘れることなく、しっかりと務めてまいる所存でございますので、議員各位並びに知事をはじめとする理事者の皆様、そして奈良テレビをご覧の県民の皆様には、引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いを申し上げまして、質問に入りたいと思います。

 まず初めに、本県の防災対策について質問をさせていただきます。

 東日本大震災発生から五年の歳月が経過をしようとしております。改めて、とうとい命を失われた方々に対し謹んでご冥福をお祈りを申し上げますとともに、今なお復興住宅などでの生活を余儀なくされている、被害に遭われました方々に心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復興、復旧を願うものであります。

 私たちはこの大震災以降、皮肉にも災害や防災についての関心が高まり、どこか遠くの事象に思えていた自然災害が、いつ自分に降りかかってきても不思議ではないと誰もが考えるようになりました。特に最近では、複雑多様で極端な風水害によるさまざまな影響が多く生じているように思います。その中においても、ゲリラ豪雨や、今までに経験したことのない数十年に一度の記録的な大雨といった、想定を超える集中豪雨による複合災害が立て続けに発生しております。

 奈良県においても、平成二十三年の台風十二号により死者、行方不明者合わせて二十四名を出す紀伊半島大水害が発生するなど、自然の脅威を前に人間がいかに無力な存在であるかも思い知らされているところであります。そして、自然の振る舞いや災害の様相が変わってきたことに伴い、社会全体の防災・減災意識の向上と対策も変わっていかなければなりません。災害への備えについては、自分の身は自分で守る自助、家族、企業や地域コミュニティーでともに助け合う共助、そして行政や消防、警察等による救助活動や支援物資などの公助が最も重要であると言われています。大震災発生当時の新聞の世論調査では、最も活躍したのが自衛隊であり、当時、支持率は九〇%を超えていました。これが多くの国民の意識であり、自衛隊とのかけ橋になる役回りが本当に大事になってくるものだと考えます。

 そこで、県の自衛隊との取り組みについてお伺いをいたします。

 奈良県では四十七都道府県、唯一陸上自衛隊の駐屯地がない県であり、昨今の災害対策という観点からは必要不可欠であります。奈良県では、自衛隊のヘリポート基地の誘致に取り組んでいただいておりますし、私も早期実現を願う一人でもあります。自治体と自衛隊との連携は警察、消防と同様、日頃から取り組みをしなければならないものだと考えます。自衛隊の災害派遣については、都道府県知事からの要請により行うことを原則としております。これは、都道府県知事が区域内の災害の状況を全般的に掌握し、消防、警察といった都道府県や市町村の災害救助能力などを考慮した上で、自衛隊の派遣の要否、活動内容を判断するのが最適との考えによるものであります。

 一方で市町村長は、都道府県知事に対し災害派遣の要請をするよう求めることができます。都道府県知事への要求ができない場合には、その旨及び災害の状況を防衛大臣、またはその指定する者に通知ができるとあります。そもそも、災害派遣は非常事態下のやむを得ない場合に行われるものであり、緊急性、公共性、非代替性を総合的に判断して派遣の可否が行われるところであり、専門性が強く幅広い分野であるため、自治体のみの判断では非常に厳しいのが状況であります。

 このような中、災害に対するさまざまな知識と経験を有している退職自衛官を採用する動きは全国でも進んでおり、平成二十七年九月三十日時点において、地方公共団体の防災関係部門では三百五十八名の退職自衛官が在職をしている状況であります。

 そこで、定年が五十歳台半ばと非常に早く退職をされる自衛官の日頃の勤務で培われた知識や経験を地方自治体の防災対策に生かすため、県内の市町村においても退職自衛官の採用を促進するべきだと考えます。県としても、これを支援をしてはどうかと考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。

 次に、大和野菜についてお尋ねをいたします。

 奈良県の農業は地形と気候から見て、大和平野、大和高原、五條・吉野と変化に富む三つの地域に大まかに区分ができます。奈良盆地は全国有数の肥沃な土地であり、いずれの地域も内陸性気候で昼夜の寒暖差が大きいのが特徴であります。そして現代、二〇一一年の奈良県産ヒノヒカリの食味ランキングでは、特A、全国トップスリーの獲得に象徴されるように、大和平野の平坦部ではイチゴ、ホウレンソウ、県東部の大和高原地域では全国でも七位のお茶の生産や高原野菜、県南部の五條・吉野地域では全国二位の柿など果樹や木材の生産が盛んであります。

 しかしながら奈良県の農業産出額は、平成二十六年度では四百二億円で、全国四十七都道府県の中でも四十四位であり、また奈良県は、全国と比較をしても耕地面積が小さく、近畿圏内の中でも耕作放棄地率が高く、県内での農作物の収穫・出荷量ともに減少傾向にあります。

 さて、奈良県の農業産出額のうち約二八・九%が野菜であります。野菜は、栽培や収穫に手間がかかり大規模生産と流通に向かないため、都市近郊である奈良県にとっては有利な品目として、高度成長期以降、特にイチゴ、ナスに続いてホウレンソウなど、収益性の高い品目が栽培されるようになってまいりました。

 こういった状況の中、県は二〇〇五年十月に、戦前から県内で生産確認されている品目で、地域の歴史・文化を受け継いだ独特の栽培方法により味や香り、形態、来歴などに特徴を持つ大和の伝統野菜と、栽培や収穫出荷方法に手間をかけて栄養やおいしさを増した野菜などの大和のこだわり野菜を大和野菜として認定を始めました。認定されるメリットはブランド化されることでメディアの露出がふえ、認知度が高くなることに加えて、地名のつけられた野菜においては観光資源の一つとしても活性化につながるところであります。

 しかしながら、ここで大きな問題点は明確な認定基準がないということであります。隣の京都府では京野菜が有名でありますが、その中でも品質、規格、生産地を限定したものに京のブランド産品として認定し、京マークというブランドシールを張って流通をさせています。ブランドには、種が代々引き継がれているか、育て方であったり、そのブランド内の定義やルールが存在をいたします。松阪牛や神戸牛など牛肉のブランドが有名でありますが、食材はその定義やルールの枠内におさまったものだけがブランドを名乗れるからこそ高付加価値がつくものだと思います。

 県としても、大和野菜に対しある一定の基準を設け、その基準を満たしたものに、例えばですけれども、極・大和野菜として認定をするなど、ブランドの強化を図る必要性があると考えますが、知事のお考えをお尋ねいたします。

 また大和野菜を栽培しない大きな理由の一つに、品種改良により栽培しやすく安定した利益を上げやすい、小松菜やホウレンソウといった野菜をつくる農業者が多いということであります。言いかえると、農業者にとって、新たに大和野菜を栽培するメリットがそれほどないということであり、例えば価格設定、販売ルート、大和野菜の種苗の購入先など、新たに取り組むにはハードルが高いことが要因であると考えます。このような中で、やる気のある農業者が自由に活躍できる環境を整えていくということが非常に重要であり、強い農業、つまりもうかる農業の確立に向けて、経営指標、販路の拡大、他の作物の組み合わせなど、県として情報の集約化、効率化を図ることが新たな新規就農者の獲得につながるものだと思います。また在来種苗を効率的にどのようにとるかが問題であるため、安定供給に向けた取り組みに対しては、ノウハウを持った種苗業者との連携も必要であると考えます。

 そこで大和野菜の生産を拡大するためには、県として、これまで申し上げたような農業者の経営安定に向けた意欲的な取り組みが必要であると考えますが、あわせて知事のお考えをお尋ねいたします。

 次に、子ども・子育て支援新制度についてお尋ねをいたします。

 我が国は、平成二年の一・五七ショックをきっかけに子育て支援、少子化対策の総合的な推進として、次世代育成支援対策推進法等に基づくさまざまな取り組みが進められてまいりました。平成二十四年八月には、子ども・子育て関連三法が成立し、同法に基づき子ども・子育て支援新制度を創設し、昨年四月には子ども・子育て支援新制度が本格施行されました。

 この制度は、施設型給付及び地域型保育給付、認定こども園制度の改善、地域子育て支援の充実、市町村が実施主体となり新たな財源を確保して量の拡充や質の向上を進めるといったことが大きなポイントであり、本格施行から間もなく一年が経過しようとしております。

 全国各地でも、この新支援制度の普及がメディアでもにぎわし、認定こども園の普及や保育の質と量の確保が注目をされているところであります。

 特に認定こども園の普及については、保護者が働いている働いていないにかかわらず、就学前の子どもを受け入れ幼児教育、保育を一体的に提供する機能であり、これにより待機児童の解消や子どもの育ちに大切な集団規模が確保できます。少子化が進む中、幼稚園と保育所が地域に別々に設置されていると、子どもの成長に必要な規模の集団が確保されにくいこと、子育てについて不安や負担を感じている保護者の方への支援が不足していることなどの課題が指摘されており、制度の枠組みを超えた、幼稚園と保育所のよいところを生かしながらその両方の役割を果たすことができるような新しい制度であります。

 内閣府の調査では、平成二十六年四月ごろの千三百六十カ所という数字に比べ、平成二十七年四月現在では、認定こども園の数は全国で二倍以上に増加していると発表されました。内訳は、公立の施設が五百五十四カ所、私立の施設が二千二百八十二カ所の合わせて二千八百三十六カ所となっております。都道府県別では、最も多いのが大阪府で二百八十七カ所、次いで兵庫県が二百三十カ所、茨城県が百六十四カ所などとなっております。子ども・子育て支援新制度が本格施行され一年が経過をしようとしておりますが、奈良県における認定こども園の推進に関して、現在の取り組み状況及び今後の推進方策について、こども・女性局長にお尋ねをいたします。

 また代表質問でもありましたが、こうした量の拡充とともに、教育・保育の質の向上を図るためには、保育士等の人材確保、職員の処遇の改善、職員の配置の改善等が求められます。現在、全国では、保育士確保のためのさまざまな取り組みが進められております。

 例えば、保育士宿舎借り上げ支援事業を活用し、ひとり暮らしの保育士採用に最大九万円の補助金を出している自治体もありますし、東京都をはじめ十一都県では保育士修学資金貸付事業を実施しております。この貸付事業は、平成二十五年に事務次官通知が出されているものであり、修学資金を借りて保育士資格をとった場合、借りた都道府県で五年間保育士として就労すると返済が免除されるというものであり、県内就業率の改善にとっても有意義な方法であります。

 また保育士の処遇に関しては、厚生労働省の平成二十七年賃金構造基本統計調査の資料を参考に近畿圏の保育士の所定内給与額を比較すると、奈良県の二百五・一万円に対し、京都府が二百三十三・五万円、大阪府が二百二十六・三万円と続き、近畿圏でも最も賃金が低いとの結果も出てまいりました。奈良県では、保育士を確保するためには、処遇改善も大きな課題であります。

 さて奈良県は県外就業率が非常に高く、結婚、出産を機に退職されるなど女性の就業率も全国ワーストワンであります。子育て支援を支える保育士の状況も同じく、初任給の違いなどから新卒で県外へ就職をし、県内で就職している多くの保育士も結婚、出産と同時に退職をしています。

 このように保育士に関してはさまざまな課題がありますが、せっかく保育士として就業された方が仕事をやめてしまい頻繁に保育士が入れかわることは、保育の質の確保の面からも問題があると考えます。

 保育の質の確保をするため、保育士の定着支援にさらに力を入れるべきだと考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、こども・女性局長にあわせてお伺いをいたします。

 次に、県立学校施設の耐震化について質問をさせていただきます。

 学校施設は、未来を担う子どもたちが一日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、地域住民にとって、災害が発生すれば地域の避難所となり防災拠点としても重要な役割を担うなど、その安全性の確保は重要な課題であります。特に近畿圏においては、三十年以内に六〇%から七〇%の確率で発生が予想されている南海トラフ大地震は、マグニチュード八から九クラス、被害総額が二百二十兆円と試算をされ、本県においても震度六強から震度五強、死者約一千七百名、負傷者約一万八千名、建物被害棟数約四万七千棟という被害予想が立てられ、非常に高い危機感を持って臨まなければならないという状況であります。

 奈良県では、平成二十年度から耐震化がより一層進むよう、県有建築物の耐震改修プログラムに基づき、耐震性が低いとされている建物の耐震化を計画的に実施されてまいりました。文部科学省では、公立学校施設の耐震化について、本年度末までのできるだけ早い時期に完了させるという目標を打ち出しております。

 また一方で、今、述べました構造体のみならず、天井や照明器具、内装材、設備機器など、いわゆる非構造部材の耐震化の問題があります。地震発生時の非構造部材による被害は、部材の頭部等への落下や転倒による直接被害のほか、避難経路の通行阻害等の二次災害があります。東日本大震災発生の際、学校施設の屋内運動場の天井が全面的に崩落し生徒が負傷するなど、人的被害が生じた例もあり、その対策が大きな課題となりました。

 新耐震基準で建てられた建物や耐震補強済みの建物であっても、非構造部材に被害が生じることから、建物の耐震性にかかわらず、非構造部材の耐震点検が必要であります。特に、屋内運動場等の高さが六メートルを超えるつり天井、または水平投影面積が二百平方メートルを超えるつり天井については、文部科学省は、脱落によって重大な被害を及ぼすおそれのある天井として、迅速かつ効率的に総点検を実施するよう要請をしております。天井の耐震対策については天井撤去、天井補強による耐震化などがあり、補強による改修工事では、つりボルトをふやす、接合金物の強度を上げるなどの基準が設けられておりますけれども、児童等の安全を期す観点から、天井撤去を中心とした対策が実施をされています。

 一定規模以上の天井を有する屋内運動場等における非構造部材の耐震化は、つり天井のほか、高所に設置された照明器具やバスケットゴールなどの落下防止対策も含まれ、これらは構造体の耐震化と同様、今年度末までの対策完了が目標とされております。

 そこで県立学校施設において、構造体の耐震化を進めるとともに、天井や照明器具等の非構造部材についても耐震化を進めるべきだと考えますが、現在の状況と今後の取り組みについて教育長にお尋ねをいたします。

 最後に(仮称)奈良県国際芸術家村の整備について、要望として申し上げます。

 芸術文化は、人々に感動や生きる喜びをもたらし人生を豊かにするものであると同時に、社会全体を活性化する上で大きな活力となるものであり、その果たす役割は極めて重要なものであります。特に奈良県には、世界に誇れる文化財とともに美術作品、伝統工芸など国際色豊かで奥深い資源が数多く存在しており、小さなころから一流の文化芸術や質の高いさまざまな芸術文化を鑑賞・体験する機会を提供することは豊かな感性・情報や創造力を養う上で大きな役割を果たします。また、スポーツの祭典である二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでも文化プログラムが実施されるように、芸術競技という形でスポーツと文化芸術の融合が行われています。

 このたび奈良県では、その強みである歴史文化資源などを最大限に活用し、人材育成も含めて総合的、戦略的に施策展開を図る拠点として、(仮称)奈良県国際芸術家村の整備を検討されており、その候補地が昨年十二月の検討委員会で天理市杣之内に選定をされました。

 この拠点が整備されることによって、地域雇用の創出や地域のにぎわいと活力がもたらされることを、私と岩田県議会議員をはじめ、地元も大いに期待をしており、地域としても最大限の努力をしたいと考えております。

 県におかれましても、(仮称)奈良県国際芸術家村の整備の促進に向け、引き続き積極的に取り組んでいただくことを要望としてお願いを申し上げ、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)五番川口議員、若い川口議員にお答え申し上げます。

 退職自衛官の採用促進についてのご質問でございました。

 災害、防災対策に生かす観点からの採用促進というお考えでございます。基本的に賛成でございます。本県は比較的災害が少ない県であると言われますが、過去には大和川大水害や紀伊半島大水害などの大災害が発生し甚大な被害を被っております。また近い将来、南海トラフ巨大地震の発生も懸念されており、県や市町村には、さまざまな災害や危機事象への対応能力が求められていることでございます。

 そのためには、災害対応に精通した人材が必要ですが、その育成には一定の時間と経費が必要でございます。現下の厳しい財政状況にある市町村では、防災担当の専門的職員をじっくりと時間をかけて育成することが難しい状況にあると推察をしております。

 このような状況下で災害対応能力を底上げしていくためには、即戦力として災害派遣経験のある退職自衛官など防災スペシャリストを採用することも効果的であると思っております。

 県では、平成十九年から自衛官OB職員を採用しております。立派なOB職員が奈良県で仕事をしていただいております。平時の自衛隊をはじめとする防災関係機関との調整や訓練指導はもとより、平成二十三年の紀伊半島大水害の際には大いに働いていただきました。陸上自衛隊の第四施設団や第三師団の災害派遣の調整に大きな力を発揮していただきました。本県の災害対応能力の向上に大いに貢献していただいたと考えております。

 一方、災害対策基本法第三十四条第一項の規定に基づく国の防災基本計画におきましても、地方公共団体は、発災後の円滑な応急対応や復旧・復興のため、自衛隊等の国の機関などの退職者の活用など、人材確保方策をあらかじめ整えるように努めることとされております。

 さらに今年度から、退職自衛官を含め、内閣府や防衛省が実施する防災に関する研修を受講するなど、一定の要件を満たす者を地方公共団体が採用・配置した場合には、当該経費の二分の一について特別交付税措置が講じられたところでございます。県内では、奈良市がこの制度を活用されております。

 市町村における退職自衛官の採用につきましては、あくまでも自主的に判断されることでございますが、防災スペシャリストとして退職自衛官の採用を望まれる市町村があれば、自衛隊奈良地方協力本部とも連携して、採用事例の紹介や適任の人材の情報提供などの支援を行って採用を促してまいりたいと思っております。

 大和野菜の認定と安定供給についてのご質問がございました。二つの視点とも賛同するところでございます。

 本県では、平成十七年から大和野菜の認定を始めまして、その売り方の、ブランド化の拡大向上に努めてきております。大和野菜の認定品目は現在、二十五品目に上がっております。大和野菜は、それぞれの特徴や生産量などによって大きく四つに分類できるとされております。

 一つ目の分類項目は、大和まなや大和きくな、千筋みずななどでございますが、県域で一定の生産量があり、市場流通を通し量販店などで販売が可能なものでございます。なれ親しまれた販売が既に行われている大和野菜でございます。二つ目は、結崎ネブカや宇陀金ごぼう、片平あかねなど、土壌などの地域性が高いため生産拡大が難しく特定の場所でしか手に入りにくいものでございます。希少品の類いでございます。三つ目は、大和寒熟ほうれん草やひもとうがらし、花みょうがなど、味、香りなどに特徴があり、今後の市場拡大が期待できるものでございます。今後の成長期待品目でございます。

 主に奈良漬けに活用されております大和三尺きゅうりや高級料亭で利用されている軟白ずいきなど、特殊な市場しか流通しないため、流通そのものが難しいと言われる大和野菜もございます。本県では大和野菜をチャレンジ品目と位置づけ、ひとくくりにするのではなく、おのおののグループごとにその特性に応じて、まず、一定規模の産地化と安定供給を目指してきたところでございます。

 こうした大和野菜の特性を生かしたブランドの強化につきましては、議員お述べになりましたように、厳しい認証、認定制度が極めて重要だというふうに確信をしております。大和寒熟ほうれん草は、株全体の糖度がおおむね一〇%以上という基準を満たしたものを出荷するようにしています。大和まななど市場流通の多いものは、品質のよいものだけを安定出荷するとともに、葉の黄化になっているなど品質のよくないものをふりかけなどの加工品にするなどの分類流通を心がけるようにお勧めをしております。

 また農業研究開発センターにおきましては、結崎ネブカなどの血圧抑制効果など、機能性の評価とこれを生かした新商品の開発、研究も進めております。

 今後、特に生産拡大を目指す品目につきましては、品種や栽培・出荷基準などを満たしたもの、また分子栄養学を活用した品質を保証する、ブランド大和野菜のような客観的な根拠に基づきます認証制度の確立を図っていくべきだと考えております。

 大和野菜は、これまで積極的な販売プロモーションの結果、そのブランド力は向上してまいりました。その結果、供給が需要に応えられない状況となっております。足りない状況でございます。大和野菜の生産拡大が課題となってくる状況でございます。そのため生産拡大に向け、品目ごとの振興計画の策定、病害虫対策など品質向上に向けた実証展示、栽培マニュアルの作成、ハウス資材の購入などの生産支援を行いたいと思っております。また販売面では、首都圏への配送を行うトラック便の運行などを行っていきたいと思います。

 議員のお述べになりましたように、もうかる農業を指向して頑張る農業者を支援していきたいと考えております。大和野菜は、その代表選手でございます。

 平成二十八年度は、新たに県が主体となって大和野菜の生産拡大や首都圏への配送をコーディネートし、生産、流通・加工、販売を一気通貫で連結する、いわゆる縦型事業協同組合といっているもののモデル実証に取り組みたいと考えております。

 また、幅広く大和野菜の在来品種の確保に努めたいと考えております。大和野菜研究センターの中に遺伝資源の収集、その保存と更新、育種素材への活用を行う農業ジーンバンクを設置することとしたいと思っております。

 今後とも、もうかる農業の実現に向けまして、県がコーディネーター役になり、また切り込み役になり、率先して大和野菜のブランド化と生産拡大に邁進したいと考えておりますが、やはり認証制度などによる品質の信用が何よりも大事だと思っております。そのような心がけで農業振興を図っていき、大和野菜の振興を図っていきたいと考えております。

 私に対する質問は以上でございました。質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 上山こども・女性局長。



◎こども・女性局長(上山幸寛) (登壇)五番川口議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、子ども・子育て支援新制度について、認定こども園の推進に関して、現在の取り組み状況及び今後の推進方策についてのお尋ねでございます。お答えいたします。

 認定こども園は、保護者の就労の有無にかかわらず利用が可能で、子育て相談に応じるなど、地域の子育て支援を担う施設であることから、その普及は子ども・子育て支援新制度における重要施策の一つとなってございます。

 県内の認定こども園は、平成二十一年度に初めて奈良市内で創設され、平成二十六年度末時点での設置数は十二施設でしたが、新制度が本格施行されました昨年四月には十五施設ふえ、現在二十七施設となってございます。これにより、保育の定員も三百四十三人増加いたしました。

 県では、平成二十七年三月に策定いたしました奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランにおいて、幼児期の学校教育と保育の推進に関し、認定こども園の普及を施策方向の一つとして位置づけており、平成三十一年度までに設置数を八十九施設とする目標を掲げております。

 現在、待機児童が多い市町村を中心に、認定こども園をふやすことが計画されており、施設設置に向けての県への相談は年々ふえている状況でございます。平成二十八年度は、奈良市内で三施設、三宅町で一施設、合計四施設の認定こども園が新たに設置される予定となってございます。

 県では、認定こども園の設置を推進するため、安心こども基金による施設整備の補助を実施するほか、待機児童解消策の検討等を行うために設置しました市町村との連絡会議等の場において、より多くの市町村に対し、認定こども園のメリットや先進的なモデル事例の情報提供を行うなど、積極的な普及、拡大に努めてまいりたいと考えてございます。

 次に、保育の質を確保するため、保育士の定着支援にさらに力を入れるべきと考えるが、県としてどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 多くの保育士が離職せずに長期にわたり働き続けるようになれは、新たな保育士確保を必要としないだけでなく、経験豊かな保育士が保育に当たることにより、子どもの豊かな育ちを支える質の高い保育を実施することができると考えております。

 県が平成二十五年に実施いたしました保育士実態調査では、現在の施設で働きたくないと回答された人のその理由は、四〇%が給与に不満があるで最も多く、次いで、休暇がとれない・とりづらいが三六%、身体的な負担が大きいが三一%と続いてございます。

 保育士の仕事に魅力を感じ定着していただくためには、給与の改善や働きやすい職場づくり、業務負担の軽減等、さまざまな課題に対し、国と地方とで施策を充実させていく必要があると考えております。

 このことから、国に対し給与の改善を要望していくとともに、県では平成二十八年度、働きやすい職場づくりに関する取り組みとして、新たに、施設長等管理職向けにマネジメント研修を実施いたします。また業務負担の軽減に向けては、保育士の負担軽減のために保育補助者を雇い上げる際の経費に対する助成を開始いたします。

 このほか、保育士の仕事のモチベーションを高め定着を図るため、一定の経験年数を有し認定研修を受講した保育士を認定保育士として認定するなど、保育士のキャリア形成支援に取り組んでまいります。また平成二十八年度から、新たに、若手保育士が保育の仕事の魅力を再確認できるよう、セミナーやワークショップを開催いたします。

 今後、保育士として長く働き続けたいと思う方がふえるよう、市町村や保育関係団体とも連携し、これらの施策に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)五番川口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、県立学校における構造体と非構造体の耐震化の現状と今後の取り組みについてお尋ねでございます。

 県立学校施設の構造体の耐震化につきましては、平成二十五年度から平成二十九年度までの五カ年を耐震整備集中期間と位置づけまして、学校運営に支障の少ない夏季休業期間などを利用し、集中的かつ効率的に耐震補強工事を実施いたしております。

 特別支援学校につきましては、昨年度に耐震化が完了いたしておりますが、高等学校につきましては、今年度、十三校十七棟の耐震補強工事を実施し、完了後の県立学校施設の耐震化率は八六・六%となります。また来年度は、十一校十三棟で耐震補強工事を予定しており、これらが完了いたしますと平成二十九年四月一日時点での耐震化率は九〇・一%となる見込みでございます。

 こうした構造体はもとより、天井材、内装材や外装材などのいわゆる非構造部材のうち、特に致命的な事故が起こりやすい屋内運動場等のつり天井、照明器具やバスケットゴール等の落下防止対策を速やかに進める必要性は十分認識をいたしております。

 県教育委員会では平成二十六年度から、議員お述べの一定規模以上の屋内運動場等の天井等落下防止対策に係る設計及び工事に取り組んでおります。

 その結果、特別支援学校につきましては平成二十八年度までに対策が完了する予定でございますが、高等学校につきましては、今年度、つり天井を有する六校六棟を含む十四校十五棟の工事を実施するとともに、来年度には二十五校三十三棟の工事を予定しておりまして、おおむね平成二十九年度までに対応したいと考えております。

 県立学校施設の耐震化に当たりましては、この先、校舎や屋内運動場の改築等を伴うものがございます。このため、今後の生徒数の減少に伴う高等学校の適正規模、適正配置、また職業教育を主とする学科のあり方等の検討とあわせまして、工事手法や実施スケジュール案の作成を急ぎ、早期の耐震化に取り組んでまいります。

 以上でございます。ありがとうございます。



○議長(中村昭) 五番川口延良議員。



◆五番(川口延良) 知事をはじめ理事者の皆様には、前向きなご答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 まず退職自衛官の採用についてでありますけれども、近畿圏内では都道府県で八名、市町村では二十八名の採用件数であり、まだまだ少ないといったところが状況であります。最大の問題点は、災害発生時に複数の市町村が同時に被害に遭うという状況であり、一分一秒を争う極限の中で、自衛隊と自治体との連絡機能を誰が担うのかというところであります。被災者の救出時の生存率は二十四時間以内で九〇%、四十八時間以内で約半分となり、七十二時間の壁と言われるように、七十二時間を過ぎると生存率が激減をし、五%を切ると言われています。

 こうした中で、総務省の特別交付税が二分の一あるということでございますので、うまく活用した採用の促進を県が主体となって今後も進めていただきながら、安心安全の災害に強いまちづくりに向けて強く要望をお願いを申し上げます。

 次に、大和野菜でありますけれども、チャレンジ品目ということであります。今年はTPP、環太平洋パートナーシップ協定が大筋合意をされ、安倍内閣総理大臣は、守りから攻めの農業に転換し、若い人が夢を持てるように万全の対策を講じると強調されました。

 昨日の代表質問で、奈良県の県内消費が全国で四十六位と、荒井知事のご答弁でもありました。私も、野菜があまり好きでないので人のことを偉そうには申し上げることはできませんけれども、県内で生産したものを消費するということも一つであると思いますし、平成二十八年度から、生産、流通・加工、販売まで一気通貫に取り組む縦型事業協同組合ということでございます。これについては、早急な取り組みをお願いをするとともに、攻めに当たる体質強化対策については生産性の向上や、国産の強みを生かした農産物の加工や、これが大和野菜だとわかる、主張のできる高付加価値化に向けたさらなる取り組みを早急にお願いを申し上げるところでございます。

 次に、子ども・子育て支援新制度についてでありますけれども、全国的にもこども園化が進む中で、先ほどご答弁で平成三十一年度には八十九施設まで進めるというところでございます。なかなか県民性なのか、スタートが遅いというところでもございますので、新設を含めた認定こども園の推進に向けて、ぜひとも早急にお取り組みをいただくということと、県内就業率の向上、あるいは女性の就業支援には、経験を生かした潜在保育士の活用というものも大きく見込めるものだと思います。

 一方で、総合的な定着支援に当たり、新規就労なども含めた国の施策を活用したほかの取り組みについてもお願いをし、結婚から出産、育児まで切れ目のない、安心して産み育てる社会の確立に向けた取り組みをお願いをするものでございます。

 最後に、学校の施設の耐震化についてであります。

 構造部材については、平成二十八年度末で九〇・一%、非構造部材については、平成二十九年度までに完了目標ということでございます。先ほども申し上げましたけれども文部科学省は、本年度末までのできるだけ早い時期までに耐震化、構造部材、あるいは非構造部材、両方に対しても完了させるという目標を打ち上げております。できるだけ子どもたちの安全の確保の面から考えても、早急な対策をお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

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○議長(中村昭) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○議長(中村昭) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、三月九日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時十一分散会