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平成28年  2月 定例会(第323回) 03月04日−02号




平成28年  2月 定例会(第323回) − 03月04日−02号







平成28年  2月 定例会(第323回)



 平成二十八年

        第三百二十三回定例奈良県議会会議録 第二号

 二月

   平成二十八年三月四日(金曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

       四三番 梶川虔二

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十四番米田忠則議員に発言を許します。−−三十四番米田忠則議員。(拍手)



◆三十四番(米田忠則) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表し、よりよき奈良県の未来に向けた、県政上の重点項目を数点取り上げ、三期目に入り、初の当初予算を提案されました荒井知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 まず初めは、今般提案されました平成二十八年度当初予算などに込められました知事の思いについてであります。

 奈良では今、東大寺の二月堂において修二会の本行が勤められており、連日、多くの方々が来県されておられます。この行事は、天平勝宝四年、西暦で言いますと七五二年に創始されたもので、以来、千二百五十有余年もの間、天下泰安、五穀豊穣など、人々の幸せを願い、一度も絶えることなく、連綿と今日に至るまで引き継がれてきたものであります。この行事は、まさに世界遺産、古都奈良の文化財における貴重な歴史文化遺産であります。このほかにも、本県には多数の誇るべき貴重な資源が存在しております。各地には、大変人気がある観光地があるが、奈良も十分そうなる可能性があると新・観光立国論の著者、デービッド・アトキンソン氏は、昨年九月の知事との対談で述べておられました。この奈良県が有する潜在能力をどのように生かし、成果を出していくのかは、奈良県の行政運営に直接携わっておられる知事をはじめ、理事者の方々、そして我々県議会に課せられた責務の一つであります。

 知事は、今議会冒頭の所信表明において、企業の立地件数や宿泊客・観光客数の増加が、また医療提供体制の充実など、本県においてよくなっているところがある一方、本県経済の構造改革などはいまだ道半ばであろうと、県政の現状について冷静に分析されておられます。その上で、経済の活性化と暮らしの向上に向けた各種の重要課題に、引き続き取り組む強い決意を述べられたところであります。

 そこで、まず最初に、今後県勢の発展に向け、今回提案された平成二十八年度当初予算及び平成二十七年度補正予算に込めた知事の思いをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、具体的な県政課題の対応方針について伺ってまいります。

 まず、脱ベッドタウンに向けた本県の産業構造の改革について二点お伺いします。

 一点目は、知事が進めておられる産業興しの取り組みの一つの柱である、県内企業の海外展開についてであります。

 知事は、本県経済の活性化と奈良での仕事の場を創出し、脱ベッドタウンを図る取り組みを県政の最優先課題にしたいと表明されたところです。国においては、アベノミクスが第二ステージに入り、設備や技術、人材等への投資による生産性革命の実現と、活力ある日本経済を取り戻すローカル・アベノミクスの推進の二つを両輪として推し進められています。全く新しい発想で地方が持つ潜在能力を開花させ、そして地方が元気になることにより、国の成長をも引っ張っていけるようにする取り組みであります。地方の潜在能力を花開かせるためには、地方みずからの創意工夫や意欲的なチャレンジが大切であります。まさに知事が今進めておられる、本県の経済構造を改革するためのリーディング三分野とチャレンジ六分野の産業興しに、大いに期待を寄せているところであり、そのための県内企業の海外展開について、県が積極的に支援する必要があると考えます。

 昨年十月、アメリカ、アトランタで開かれた閣僚会合において、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP協定が交渉参加十二カ国の間で大筋合意されました。二〇一三年七月に日本がTPP交渉に参加して以来、約二年三カ月にわたる交渉を経て、ようやく合意に至ったものであり、先月四日には参加十二カ国による協定書への署名が行われました。これにより、世界のGDPの約四割に当たる三千百兆円、人口八億人というかつてない規模の経済圏が生まれることになります。TPPの誕生は、我が国のGDPを十四兆円押し上げ、八十万人もの新たな雇用を生み出すアベノミクスにおける成長戦略の切り札とも言われております。このTPPは、これまでの海外展開に踏み切れなかった地方の中堅、中小企業に大きなチャンスをもたらします。多国間の経済連携であるTPPの特色を生かした、日本にいながらにしての海外展開や、地域の特色を生かした地場産品などを、八億人の市場を相手に売り込めるようになるからであります。とはいえ、海外展開と一口に言っても、なかなか最初の一歩が踏み出せず、二の足を踏んでしまう企業が多いことも事実であります。しかし、せっかくのチャンスが目の前にありながら、この機会を捉えずに目を背けているときではありません。多くの県内企業がこのチャンスをうまく捉えて、果敢に海外での新たな市場開拓に取り組んでいただく、県はそれをしっかり後押しすべきであります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県では、産業興しの取り組みの重点を域外交易力の強化、域内経済循環力の強化、バランスのよい産業構造の実現の三つに置いておられますが、中でも、県内企業の海外展開は域外交易力の強化に直結するものであり、これを積極的に推し進めることが極めて重要であると考えます。知事のご所見をお聞かせください。

 二点目は、本県産業の活性化に向けて、奈良県産業振興総合センターの今後果たすべき役割についてであります。

 県内の製造業は、リーマンショックが起きた平成二十年を境に平成二十三年まで製造品出荷額等は減少傾向となっていましたが、平成二十四年からは増加に転じ、平成二十五年は前年より五・二%の増、一兆八千四百八十二億円となりました。しかし、これはリーマンショック前の七割程度の回復にとどまっており、その原因は大手家電メーカーの縮小などの影響が大きく、全体として、いまだ奈良県の産業は厳しい状況にあります。平成二十七年中小企業白書によりますと、中小企業と大手企業の下請取引構造は希薄化し、中小企業は市場と直接向き合い、みずから市場から需要を獲得しなければならない状況となっています。全国で伸びている中小企業は、こうした厳しい環境においても、競合他社との差別化を意識した上でイノベーションに取り組み、生産性を向上させ、また市場のニーズに合った商品・サービスを開発し、販路開拓を行うことで、収益性を高めることに成功しています。

 県内に目を向けますと、規模は小さくとも高度な独自技術を有している企業も数多くある一方、県内中小企業の大半は、いまだ大手企業のブランドの製品を製造する、いわゆるOEM生産や下請に頼っている状況にあり、先行きが危惧されます。県内中小企業が保有する技術シーズや製造ノウハウは、大いに可能性があると感じております。これを最大限活用して、さらなる高機能化や高付加価値化のための研究開発を実施し、競合製品との大きな差別化を図った製品を開発することにより、これまでの産業構造からの脱却と社会や経済状況の変化に強い新たな産業の構築に向けて取り組むことが、喫緊の課題であろうと考えております。

 そこで、知事にお伺いします。

 以上のような本県産業の活性化に向け、奈良県産業振興総合センターの役割はますます重要度が増していくと考えますが、今議会に提案されている奈良県産業振興総合センター中期研究開発方針を踏まえ、どのような取り組みを進めていかれるのか、お聞かせください。

 次に、大宮通りプロジェクトの推進についてお伺いします。

 大宮通りは、奈良公園や新ホテル・交流拠点、平城宮跡などの拠点を結ぶとともに、奈良観光の起点となる奈良のエントランスであり、ゲートウエーであります。そして、知事はこの大宮通りを、観光客をお迎えする奈良県の姿勢を表現する大変重要なメーンストリートと位置づけされ、それぞれの拠点と通りそのものを整備する大宮通りプロジェクトを県政の重要施策として強力に推進されております。奈良県を訪れる外国人観光客は年々増加しており、平成二十三年には約二十四万人であったものが、平成二十五年には四十六万人と、そして平成二十六年には約六十六万人となりました。

 一方、本県の宿泊施設の客室数は、全国最下位の状況が続いております。奈良への観光は日帰り訪問客がその多くを占め、地域における雇用や消費をまだ十分には生み出せてはおりません。知事は、このような奈良の観光のあり方を滞在型観光へと抜本的に変えていく起爆剤として、大宮通り新ホテル・交流拠点におけるホテルの誘致とホテルを核とする賑わいと交流拠点の整備を進めてこられました。一昨年の十二月は、この拠点整備の核となるホテルの優先交渉権者を選定され、昨日奈良の地に進出いただけるホテルブランドの発表が、知事出席のもとに東京においてとり行われました。奈良の地に世界的に認められた高い評価を有する国際ブランドホテルが初めて進出されるということで、これを大きな追い風として、今後、奈良の一層の観光振興につながるものと大いに期待をいたしております。この国際ブランドホテルの誘致の決定を契機に、奈良観光のさらなる振興に向けて、近年の観光客の流れを大切にしながら、今後もより多くの観光客にお越しいただき、また奈良に宿泊していただくためには、タイミングを逸することなくスピーディーに観光拠点やおもてなし環境の整備を進める必要があると思います。

 そこで、大宮通りプロジェクトにおいては、新ホテル・交流拠点をはじめ、奈良公園から県庁周辺、平城宮跡に至る地域の魅力向上の取り組みを進めておられますが、現在の状況と平成二十八年度以降、どのように取り組みを進めるのか、知事のお考えをお尋ねしたいと思います。

 次に、少子化対策・子育ての支援の推進についてお伺いします。

 少子化が進展する中、県の活力を今後も維持・発展させるためには、対策が喫緊の課題となっています。厚生労働省が発表した本県の合計特殊出生率は、直近のデータである平成二十六年では一・二七で、北海道と並び全国ワースト三位でありました。ワースト四位であった前年の一・三一より少子化がさらに進行しております。その背景の一つとして、結婚しない若い男女が県内でふえている現状があると言われています。平成二十二年の国勢調査結果によりますと、二十歳代後半の未婚率は全国を上回るペースで上昇しており、男性が七二・七%で全国三位、女性は六四・六%で全国トップでありました。この未婚率の高さについては、若年者の非正規雇用率が平成二十四年の国の調査では三九・二%と、全国三五・三%を上回っているなど、若者の雇用環境に一因があると考えられます。

 また平成二十五年に県が実施した調査によりますと、希望する子どもの数を持つことができない理由として、複数回答ではありますが、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからとする回答が五六%と、群を抜いております。県では、子どもを産み育てやすく、子どもが健やかに育つ奈良県を目指し、少子化対策・子育て支援施策を進めておられますが、これらのデータから、実現のためには少子化の背景にある経済的・社会的課題の解決に向けた多様かつ効果的な施策の推進が必要と考えます。また、その中でも今回全国トップレベルの水準となる子ども医療費助成の対象拡大に注目しております。

 この予算化になった経緯、意図等について知事のお考えをお聞かせください。

 次に、奈良県教育の充実についてお伺いします。

 昨今の教育を取り巻く環境は、大きく変化しております。生徒数の減少による学校の小規模化に伴う子どもの社会性の低下や、経済状況や家庭環境、地域格差等による進学機会や学力差の発生、地域コミュニティー機能の低下による子育て家庭の負担感や孤立感など、さまざまなことが懸念されています。こういった中、昨年の四月に教育委員会の執行機関として独立性を残しながらも、首長としての知事が一定の責任を持って教育行政を進める必要があるとして、首長の権限が強化されるという、これまでにない大きな教育改革が行われました。もちろん教育の政治的な中立性や継続性、安定性は非常に大事で、これらを損なうことがあってはならないとは考えますが、このことにより教育に民意を反映させる機会が与えられたと理解しております。また、あわせて地域によって異なる社会情勢の変化や地域の課題に対応した教育を進めていく機会が与えられたことは、大いに期待が持てるものと考えております。

 教育は国の礎と言われております。この言葉は、幕末から明治初期にかけて活躍した旧長岡藩の藩士、米百俵の話で有名な小林虎三郎氏の言葉であります。小林虎三郎氏の業績は、改めて申すまでもありませんが、郷土発展のため教育に力を注ぐという考え方に今も昔もありません。

 そこで現在、本県の総合教育会議において策定を進めておられる教育振興大綱について、その基本的な考え方や方向性など、どのような考えで策定を進めておられるのでしょうか。

 また今後、奈良県教育の充実のため、どのように取り組んでいかれるのか、知事の考えをお聞かせください。

 次に、文化資源の活用についてお伺いします。

 いにしえより国のまほろばと呼ばれる本県は、日本の都があった古代は言うまでもなく、さまざまな時代の節目には、歴史の主要舞台として何度も登場してきました。県内には、そのような豊かな歴史背景に彩られた神社仏閣が数多く存在するとともに、国宝、重要文化財の件数は全国で東京都、京都府に次いで三位であります。中でも国宝の建造物、仏像など彫刻の件数はともに全国一となっています。さらに平城宮跡や藤原宮跡、古墳など史跡の件数も全国一多く、世界文化遺産が三つも存在しています。こうした固有でかけがえのない文化財に加え、古事記、日本書紀、万葉集をはじめとする文献資料、歴史上の人物及びそれらに基づく伝承なども数多く存在し、本県は全国でも有数の歴史文化資源の宝庫であります。これらの多彩ですばらしい文化資源は、地域の人々のみならず多くの人々により、長い時代を経て大切に育まれ、受け継がれてきたものであり、現在の奈良県を形づくる上でも欠かせない要素であるとともに、日本文化を語る上でも欠くことのできないものであります。そのため、より多くの人々にその真価を理解していただき、誇りと思えるように生かし、また次世代へとつなげていかなければなりません。

 これまで県では、記紀・万葉プロジェクトや歴史展示事業などをはじめ、歴史文化を活用した幅広い分野で取り組みがなされ、地域の活性化と地域の誇りの醸成につながれてきたところです。これから、より一層、多様でわかりやすく、魅力的な情報発信に努め、奈良に住んでおられる方、あるいは奈良県を訪れる人々に、その真価を理解していただき、また感動を味わえる体験を通じて歴史に対する興味を深め、さらには満足度を高めていただくための施策が必要と考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 来年度は、奈良県の強みである歴史文化資源を活用して、総合的に文化振興施策を展開されるとのことですが、今後どのような取り組みを進められるのでしょうか。また、それらの取り組みの先駆的拠点として、将来的に(仮称)奈良県国際芸術家村の展開を考えておられますが、その検討状況をお聞かせください。

 次に、地域医療構想の策定についてお伺いします。

 現在、日本では六十五歳以上の高齢者の人口が総人口の四分の一となり、今後も団塊の世代の方が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年に向けて高齢化はさらに進んでいくと予測されています。奈良県においても既に人口が減少に転じている中、高齢者人口は増加するため、六十五歳以上の人口が総人口に占める割合である高齢者率は二八・一%と全国平均の二六・七%を上回っており、今後も国より早いペースで高齢化が進んでいくと見込まれています。また、平成二十五年八月に出されました社会保障制度改革国民会議の報告によりますと、日本は諸外国に比べても人口当たりの病床数が多い反面、病床当たりの職員数が少ないことが、長い入院期間をもたらし、また急性期治療を経過した患者を受け入れる入院機能や、住みなれた地域や自宅で生活を続けたいというニーズに応える在宅医療や在宅看護が十分には提供されていないと指摘されています。高齢者人口の増加に伴い、医療費を含む社会保障費が年間百兆円を超える水準となるとともに、今後、働く世代の人口が減少していくため、人的資源の供給にも限界があると考えられ、社会保障制度そのものの持続可能性が問われています。まさに、社会保障制度の改革が喫緊の課題となっています。

 こうしたことから、国においては、地域における医療・介護の総合的な確保を図る改革を進め、医療や介護をできる限り住みなれた地域で継続して受けることができるよう、地域における適正な医療や介護サービスを提供する体制を実現し、患者が早期に社会復帰することを目指すとの方針が示されたところです。そのためには、将来にわたり持続可能な社会保障制度を維持しつつ、限りある医療資源を有効に活用し、今後の高齢化に対応していくための有効な方策が必要であります。しかし、高齢化の進展や医療機関の状況などは地域ごとに異なり、地域の実情に応じた医療提供体制の構築に取り組む必要があります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 今後、奈良県において、効率的かつ質の高い医療を確保することが重要だと考えますが、今年度策定する奈良県の地域医療構想において、どのように取り組むこととされているのでしょうか、お聞かせください。

 最後に、県民の安全と安心にかかわる最重要課題の一つとして、大和川流域の洪水対策についてお伺いします。

 昨年九月の関東・東北豪雨では、全国各地で浸水被害が発生し、その中でも特に鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では一万一千棟が浸水するなど、甚大な被害が生じました。その後、十月から、国土交通省を中心に、被災した場合に大きな被害が想定される国が管理する河川において、市町村長が避難の時期や区域を適切に判断するための支援や、地域住民がみずからリスクを察知し、主体的に避難するための支援が進められていると聞いております。改めて水害対策の重要性を認識したところであります。

 そこで県内の状況を見てみますと、昭和五十七年八月に大きな水害が発生しました。大和川流域には、それ以降もたびたび浸水被害を受けている地域があります。県民の九割近くが暮らす大和川流域では、地形的に河川が全て放射状に大和川に合流することや、県境に亀の瀬の狭窄部が存在することに加え、昭和四十年代からの急激な都市化の進展に伴う住宅開発などにより、保水力が低下し、水位が上がりやすく、浸水被害が発生しやすい状況となっております。県では、昭和五十七年の大和川大水害を契機として、国、流域の市町村とともに、河川改修等を行う治水対策と流域での保水能力を確保するためのためる対策を二本柱にした、大和川流域総合治水対策を推進されてきたところであります。しかし、特に、市町村におけるため池の治水利用などのためる対策では、その進捗が伸び悩み、目標を達していないと思います。さらに最近では、防災調整池設置の義務のない小規模開発の増加やため池の減少による保水力の低下、さらには浸水区域での開発行為により被害が拡大するなど、新たな課題が発生しております。

 そこで、流域住民の安全・安心を確保するため、大和川大水害のような被害が再び起こらないように、これまで取り組んでこられた大和川流域の洪水対策を国、流域市町村とともにさらに強化する必要があると考えますが、これについて知事のお考えをお聞かせください。

 以上、新年度に向けた県政重要課題について数点にわたり質問をさせていただきました。知事には、明瞭にして誠意あるお答えをいただきますようお願い申し上げまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十四番米田議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 最初のご質問は、新年度予算についての思いということでございます。多少長くなりますが、お答え申し上げます。

 現在の日本では、中央集権・国主導という政治手法で発展できるという時代ではなくなってきたように思います。地域ごとに、自主的・自立的に地域の発展を考えていかなければならない時代に入ってきていると認識をしております。このため、本県におきましては統計などによる現状分析で把握した強みや弱み、県民ニーズ等を十分に踏まえまして、課題と目標を客観的に明らかにした上で、知恵と工夫を凝らし、各般の取り組みを進める姿勢をとってきております。新年度におきましても、長年奈良県の最大の弱点となっておるように思われます奈良県経済の構造改革が最優先課題と考えております。投資、消費、雇用を県内で好循環させ、本県経済の活性化と奈良での仕事の場を創出することによる、脱ベッドタウンを推し進めたいという思いでございます。具体的には、国内外への販路拡大やグローバルニッチトップ企業の創出・育成を目指す研究開発支援、起業の支援、不足している工業ゾーンの創出、若者、女性、高齢者の就労支援などの取り組みを強化したいと考えております。

 次には、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、これを契機として捉えたいと思っております。本県が有しております豊富で貴重な地域資源を発掘・活用しながら、観光振興、文化発信、スポーツの振興などを奈良らしく推進し、地域振興の糧にしていきたいと考えております。そのうち観光振興におきましては、オフシーズンにもさらに多くの観光客が奈良にお越しいただけるよう、奈良大立山まつりの継続をはじめ、イベントの充実を図りたいと思います。また、大宮通りの新ホテル・交流拠点や(仮称)登大路バスターミナルの整備本格化、おもてなし環境の改善など、地域資源を活用した受け入れ体制やにぎわいの拠点づくりを推進させていただきたいと思います。

 文化の発信という面におきましては、平成三十三年に没後一四〇〇年を迎えます聖徳太子顕彰の取り組みや五周年を迎えますムジークフェストならや、三年目を迎えます奈良県大芸術祭の開催、また平成二十九年度に予定しております国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の一体開催の準備に取り組ませていただきたいと思います。また、奈良県の文化振興施策の展開拠点と考えております(仮称)奈良県国際芸術家村の整備構想を進めたいと思います。

 スポーツの振興の面でございますが、これまで検討を進めてまいりましたトレーニングセンターの整備でございますが、これまでの研究成果を踏まえまして、新たに名称を奈良県スポーツアカデミーと定めて、その運営や組織体制の基本方針を策定していきたいと思っております。さらに、県民の皆様がより健やかに安心して暮らしていただけるよう、健康づくり、医療・福祉の充実など、県民ニーズの高い分野について重点的に取り組んでいきたいと考えております。

 健康づくりにつきましては、平成三十四年度までに県民の健康寿命を日本一にするため、なら健康長寿基本計画を策定しておりますが、その取り組みを強化していきたいと思います。医療でございますが、がん治療施設や手術機能を充実させる県立医科大学附属病院のE病棟でございますが、今年秋に全面供用をいたします。また、新しくできます奈良県総合医療センターにつきましては、平成三十年春の開院を、約二年後の開院を目指し、それぞれ整備を進めてまいりたいと思います。また本年四月、来月でございますが、開院いたします南奈良総合医療センターに対しまして、経営が安定するよう立ち上がり支援を行わさせていただきたいと思います。

 さらに、障害者雇用率全国一を目指します。現在三位でございますが、障害者雇用に熱心に取り組んでいただいております事業所への支援や、通院に係る子ども医療費助成の対象を入院と同じく中学校卒業までに拡大し、全国トップレベルに引き上げることにさせていただきたいと思います。

 このほか、奈良県教育力の向上や、県民の皆様の安全と安心の確保、景観・環境の保全と創造、また取り組みが大変進んでおります市町村との協働まちづくりプロジェクトなどの暮らしやすいまちづくりにも積極的に取り組ませていただきたいと思います。

 あわせまして、過疎化が特に進んでおります南部地域・東部地域につきましては、頻繁に訪れてもらえる、また住み続けられる地域を目指しまして、地域の特徴に応じた振興に努めてまいりたいと思います。

 このほか、県政全般にわたる喫緊の課題に迅速かつきめ細かな対応にも配慮し、奈良をさらによくしたいという思いを込めた予算案としております。県議会でお認めいただいた上で、予算案に計上した各それぞれの取り組みを着実かつ効果的に推進して、住んで良し、働いて良し、訪れて良しの奈良県の実現を目指してまいりたいと考えております。大変長くなりまして、失礼いたしました。

 次のご質問は、本県の産業構造の改革についてでございます。二つのご質問がございました。

 一つ目は、域外交易力の強化のための海外展開についてのご質問でございます。

 議員お述べのとおり、域外交易力の弱い本県の経済構造を力強いものに変革するためには、海外への市場開拓が非常に重要な課題であると考えております。実際上、本県でも食品や日用生活雑貨といった分野で、海外輸出に積極的に取り組もうとする企業がふえてきております。このため県では、アメリカでの国際見本市への出展支援のほか、海外見本市への単独出展や現地でのマーケティング調査に対する支援などを実施しております。これまでには、例えばイタリアのミラノでの奈良の食の販売拠点を立ち上げようとする取り組みが始まるなど、県内企業の海外輸出の取り組みに手応えを感じつつあるところでございます。来年度でございますが、県内企業の海外との取引の実情、課題やニーズを把握し、支援策につなげていきたいと考えております。また、県内の機運をさらに盛り上げ、海外を相手に商売をしてみようという県内の企業の裾野を広げていく取り組みも進めていきたいと思います。具体的な一歩を踏み出したところでございますが、さらに二つの具体的な取り組みについて申し上げたいと思います。

 まず、県内企業が身近で気軽に専門的な相談に応じてもらえる環境をつくるために、海外輸出に豊富なノウハウを持ちますジェトロの相談窓口の県内誘致に取り組みたいと思います。二年前にジェトロ地方事務所の誘致に成功いたしました佐賀県の例でございますが、ジェトロへの相談件数が誘致後一年間で誘致前の約十倍になったと聞いております。海外展開の裾野を広げる観点からも、ぜひ本県への誘致を進めていきたいと考えております。

 それが第一点でございますが、次の点といたしまして、県内企業や金融機関などで構成いたします、仮称でございますが、観光物産輸出協議会の設立に向けた取り組みも進めてまいりたいと思います。昨年から、県とジェトロ大阪本部で定期的に海外輸出に関する勉強会を開催しておりますが、来年度は県内企業や金融機関などにも参画いただき、組織的に海外輸出を促進する体制づくりを進めたいと思っております。海外輸出はリスクも伴いますが、より大きな市場を相手に、現地で評価の高いジャパンブランド、奈良ブランドで商売ができるメリットが大きいものでございます。県内企業の成長・発展に寄与することを期待しております。

 産業構造改革の次のご質問は、奈良県産業振興総合センターの今後の役割と取り組みの内容でございます。

 県内中小企業は、その多くが自社ブランドではないOEM生産など下請取引に依存しております。議員がお述べになった点でございます。これは、大手企業の発注動向に左右されやすく、経営が不安定となる弱点がございます。この状況から脱却する有効な手段の一つが、高付加価値な自社製品を生み出す研究開発にあると思っております。そのために、幅広い分野の技術の発展動向や将来にわたる社会的なニーズを見据え、県内企業の技術力と専門性を生かしながら、県が先頭に立って研究開発を推進していくことが重要な役割と考えております。研究開発のマーケティングと持ち前の能力との比較をしながら進めるという姿勢になります。今後五年間に取り組むべき研究開発の方向として検討を重ねた結果が、奈良県産業振興総合センター中期研究開発方針(案)でございます。

 急激に変化する現在の社会情勢や経済状況においても、規模が二十人以上、三百人未満の県内中小企業の売上高を合計いたしますと、平成十四年からの十年間で一二%も伸びてきて、確実な成長を遂げておられます。この県の方針では、このような県内中小企業をさらに発展をさせるため、二つの目標を掲げて研究開発に取り組んでいきたいと思います。

 一つ目の方針でございますが、製品の高付加価値化に資する研究開発に取り組み、県内企業が保有する高度ですぐれた独自技術を駆使して、例えばロケットのバルブのような特定の分野において、国内外での市場占有率が高い製品をつくり出すことでございます。グローバルニッチトップ企業と言われるようなものの創出、育成を目指していきたいと思っております。

 二つ目でございますが、潜在的な社会的ニーズに応える製品を研究開発によって具現化するという分野の研究開発でございます。例えば、少子高齢化社会を支えます医療・健康分野、また地球環境を持続させるためのエネルギー・環境分野、また次世代に向けて応用展開できる宇宙・航空分野を奈良県のターゲットとする新産業分野として位置づけ、新たな事業の創出を促進したいと考えております。

 これらの研究開発は、テーマごとに主導的な役割を担う研究指導者のもとで、研究開発を加速する産学官連携体制の研究プラットフォームが必要でございます。このような新たに構築して得られた研究成果は、県内企業に積極的に技術移転をしていきたいと考えております。

 次のご質問は、大宮通りプロジェクトの推進についてでございます。現在の状況と平成二十八年度以降の取り組みについてのご質問がございました。

 大宮通りプロジェクトは、奈良観光のエントランスに当たります大宮通りに面した奈良公園、新ホテル・交流拠点、平城宮跡などの拠点を整備することでにぎわいを創出するとともに、これらの拠点を結ぶ通りを、観光客を奈良県としてお迎えする空間として整備するものでございます。

 まず、奈良公園と平城宮跡の中間に位置いたします新ホテル・交流拠点でございますが、昨日、東京において森トラスト株式会社の社長、ホテルブランドの会社の代表者及び私が出席いたしましてホテルブランド発表会がございました。この拠点で展開されるホテルでございますが、JWマリオットというふうになりました。マリオットグループは、会員数五千五百万人と言われております現在世界最大のホテルグループでございます。そのマリオット・インターナショナルが運営する最高級ラグジュアリーブランド、JWマリオットになったわけでございますが、JWマリオットはマリオットグループの創業者でございましたジョン・ウィラード・マリオットの名前を冠しましたマリオットグループのトップブランドのホテルでございます。このようなホテルが、日本で初めて進出されて奈良に立地されますことは、大変喜ばしく歓迎を申し上げたいと思います。また、このような県内、本県にとりましても初めての国際ブランド級ホテルでございますが、奈良の観光が滞在型観光へと変革していく起爆剤になることを期待しております。

 新ホテル・交流拠点におきましては、この国際ブランドホテルとあわせまして、コンベンション施設を中心に屋外多目的広場、空港リムジン等の発着とあわせてパーク・アンド・バスライドの結節点となりますバスターミナルや大規模駐車場、奈良らしさを感じていただける飲食・物販施設などを整備することといたしております。これら施設等の整備・運営につきましては、現在、事業者の公募・選定の手続を進めておりますが、本年三月下旬には、今月下旬には事業者を決定する予定としております。来る平成二十八年六月、本年六月議会におきまして、事業者との契約のご承認をいただきましたら、直ちに設計に取り組み、整備を本格化させ、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます二〇二〇年までのまち開きに向けまして、大宮通り新ホテル・交流拠点の整備促進を図ってまいりたいと考えております。

 一方、奈良公園周辺でございますが、交通渋滞の緩和と奈良公園の魅力向上を目的といたしまして、(仮称)登大路バスターミナルの整備を平成二十八年度から三カ年で実施する予定でございます。あわせて高畑町裁判所跡地や吉城園周辺地区、鹿園など、新たなにぎわい空間創出の取り組みを進めさせていただきたいと思っております。

 平城宮跡におきましては、大宮通りから朱雀門に至る朱雀大路の西側におきまして、宮跡の正面玄関としてふさわしい、にぎわいのある拠点施設を整備することにいたしておりますが、平成二十九年夏の完成に向けまして、来年夏の完成に向けまして工事に着手したところでございます。また、春・夏・秋の平城京天平祭に加えまして、冬のイベントとして奈良大立山まつりを開催し、多くの方々から大変好評をいただいているところでございます。引き続き、開催させていただきたいと思います。

 また、これらの拠点を結ぶ大宮通りでございますが、花壇の整備やイベントに合わせたイルミネーションによる彩りで観光客をお迎えするとともに、大宮通りを便利に移動していただくため、拠点と鉄道駅や郊外駐車場を結ぶぐるっとバスの運行に取り組んでおります。大宮通りプロジェクトは、奈良県観光の玄関口の整備という面で最重要施策として力強く推進をしていきたいと思っております。

 次のご質問は、少子化対策・子育て支援の推進についてでございます。経済的・社会的課題の解決と医療費助成の対象拡大についての経緯、意図についてのご質問がございました。

 議員お述べのとおり、本県の少子化の背景には、若者の高い非正規率、低所得という経済的基盤の弱さがあるように思います。特に、二十歳代後半の未婚率が高いことが着目されます。また、理想の子ども数を持つことができないことの背景にも、経済的な理由があると思います。夫婦の子どもの数の多さをあらわします有配偶出生率という数字がございますが、本県は平成二十二年国勢調査で全国ワースト三位になっておる実情でございます。このような状況の中で、結婚を希望される若者の未婚、晩婚を緩和したいと思います。夫婦が理想とされます子どもの数を持てるようにするためには、本県の経済構造を強靱化し、若者の雇用を安定させ、少しでも若者の所得を向上させることが必要と考えております。また、奈良で結婚・子育てをすることに大きな希望を持っていただけるよう、少子化の背景にあるさまざまな課題の解決に効果的な施策を推進してまいりたいと思っております。

 このような考えのもと、子育て支援等としてニーズが高い経済的支援を充実させる観点からも、子ども医療費助成の対象拡大を行うことといたしました。これにより、入院、通院とも中学校卒業までが助成対象となり、全国トップレベルの医療費助成となります。このレベルは、奈良県を含め、六都県だけでございます。この助成制度は、市町村と連携して実施するものでございます。このため、県における助成対象の拡大に当たっては、これまでから県民サービスの公平性の確保と県域での助成水準の底上げを図る観点から、全ての市町村において県の助成水準と同じか、これを上回ることを必須条件として調整をしてまいりました。こうした県の考え方を踏まえまして、ことし一月、全ての市町村で通院についても中学校卒業までを対象拡大することで全市町村の合意が形成されたところでございます。

 以上のような経緯も勘案いたしまして、このたび子ども医療費の拡大を決断したところでございます。

 次は、奈良県教育の充実、教育振興大綱についての考え方や方向性についてのご質問がございました。

 今般の教育振興大綱の策定は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正を受けて進めるものでございます。法律改正におきましては、地方公共団体の長が総合教育会議において教育委員会と協議し、その地域の実情に応じた大綱を定めることとされたわけでございます。教育の目標や方針の策定が地方公共団体の長に委ねられた背景には、子どもや子育て家庭を取り巻く環境が多様化・複雑化し、これまでの中央集権、国主導のやり方では必ずしも対応し切れなくなってきたことがあるのではないかと考えております。国よりも現場や住民に近い地方公共団体において、その長が住民の意向をより反映させながら、地域の実情に応じて、地方創生や福祉など、さまざまな一般行政分野の課題とも密接な連携を図りながら、大綱を策定することがこの法律で求められるようになったと受けとめております。このような認識に立って、教育こそが県政の目指すべき姿でございます地域の自立を図り、暮らしやすい奈良県をつくる基盤であると考え、大綱の策定に注力をしてまいりました。

 大綱の策定におきましては、統計やアンケート調査などによる現状分析を踏まえたエビデンスベーストになるよう検討を進めてまいりました。本県における教育課題を多岐にわたって抽出してまいってきております。特に大きな課題と考えております点を一つをあえて申し上げるとすれば、本県では自尊感情が自分自身につきましても、自分が属する地域につきましても全国的に大変低いことを懸念しております。地域への誇りや愛着といった点につきましても、郷土教育の充実や歴史文化資源など、本県の強みを生かして文化・芸術の振興施策を講じていくことなどが考えられるわけでございますが、根底から自尊感情を育むためには、就学前教育が極めて重要ではないかと考えております。

 今後の取り組みについてでございますが、現在、今年度中の策定を視野に入れ、大綱案をパブリックコメントに付しております。できるだけ早く実施の段階に移していきたいと考えております。今後の進行、進捗でございますが、例えば文化・芸術の振興に係る文化振興大綱の策定に直ちに取りかかりたいと思いますし、就学前教育につきましては自尊感情のみならず、長年の課題であります規範意識の向上なども目指して、いわゆる非認知的能力を育むための本県独自の就学前教育プログラムを策定できたらと思っております。そのようなことのための推進体制を早急に構築していきたいと思っております。

 その他の課題も含めた大綱全体につきましてでございますが、できる限り定量的なアウトカム指標を明確に設定することとしております。今後とも、定期的にその成果を点検・評価して総合教育会議にご報告申し上げ、次の取り組みに的確に反映させるPDCAサイクルで着実に実行していきたいと考えております。

 次は、文化資源の活用についてと(仮称)奈良県国際芸術家村の展開についてのご質問がございました。

 奈良県の強みでございます歴史文化資源の活用につきましては、来年度を目途に今後策定する文化振興大綱への柱の一つとして位置づけたいと思います。六つの方向性をもとに、総合的・戦略的に施策を展開していきたいと考えております。

 六つの方向の具体的な内容でございますが、一つは施策の対象となる歴史文化資源のデータベース化でございます。二つは補助金を通じた整備・活用の支援体系の再構築、三つ目は歴史上の人物や記紀・万葉など地域的なつながりが広い文化資源の情報発信の強化でございます。四つ目には文化資源の国際交流などの国際展開、五つ目には県民が直接文化資源にふれあう機会の提供などによる地域交流、最後に文化財の修復などのための人材育成の柱を考えております。こうした方向性のもと、従来の取り組みを強化することに加えまして、来年度から取り組む新しい事業として、幾つかございますので挙げさせていただきますが、一つは文化資源活用補助金の創設でございます。二つ目は聖徳太子プロジェクトの立ち上げ、また仏像の海外展示の企画、また奈良県文化芸術振興奨学金の創設などをこの議会に提出いたしました予算案に盛り込ませていただいております。

 また、(仮称)奈良県国際芸術家村につきましては、昨年十二月に第二回検討委員会を開催いたすなど、精力的に検討を進めてまいっております。今、申し上げました各般の文化振興施策をさらに発展させる拠点として整備したいと考えておりますが、より具体的に申し上げますと、まず国際展開面では、国際会議をはじめとするMICEの誘致が考えられます。また人材育成面では、文化財の保存・修復に係る団体・企業等の誘致とその後継者の育成の分野が考えられます。さらに地域交流面では、文化財の修復現場の公開などに取り組む拠点にしたいと考えております。その際、周辺への周遊を含む着地型観光や地元農産品の販売・加工、伝統工芸品の展示・即売・制作体験、道の駅など各政策分野とも連携いたしまして、これらに関連する施設とあわせた複合的な整備を進めることによりまして、地域のにぎわいと交流への波及効果を高めることも重要だと考えております。さらに文化・芸術面におきましては、こうした諸施設を活用して、質の高い文化芸術イベントなども当地で開催することによりまして、国内外の芸術家が交流し、歴史文化資源に限らず、県民が上質な文化芸術にふれあうことができる場所にしたいと考えております。

 これらの取り組みの推進のため、平成二十八年度は(仮称)奈良県国際芸術家村の施設・整備内容の具体化を図るための基本計画の策定や運営主体などについて、関係団体などとの連携を図りながら、検討を進めさせていただきたいと考えております。

 次のご質問は、地域医療構想の策定と取り組みについてでございます。

 人口減少と高齢化により、慢性疾患が多くなります。また、複数の疾病を抱える高齢の患者中心の疾病構造へと変化いたしてまいります。これまでの病院完結型の根本的治療から、病気と共存しながら生活の質の維持・向上を目指し、地域全体で治し、支える地域完結型の医療への転換が必要とされておるところでございます。本県の地域医療構想におきましては、このような医療のあり方の変化に応じた新しい地域医療の仕組みを構築していきたいと考えております。効率的な医療提供体制を構築するための医療機能の分化・連携を推進することがまず第一でございますが、さらに地域の実情に応じた在宅医療を充実して、地域包括ケアシステムを構築することも大事なことだと思っております。今回の地域医療構想の策定に当たりまして、将来の人口構造の変化に基づきまして二〇二五年の医療需要を推計いたしました。これまでの急性期機能中心から、高齢者の医療需要に対応した回復期機能の充実を図る必要があるとともに、在宅医療等の需要が大きく増加するという結果が得られております。

 このようなことから、奈良県の将来の医療需要に対応できるよう、回復期機能の充実など医療需要の質と量が適合した効率的な質の高い医療提供体制を構築するとともに、患者が安心して退院できる質の高い在宅医療を充実していくことによりまして、急性期、回復期、リハビリ、療養、在宅までの一貫した医療提供体制を構築していきたいと考えております。また医療と介護の連携を推進して、在宅医療から介護につながる体制を確立して、いわゆる地域包括ケアシステムの構築も必要と考えております。さらに、予防医療や健康増進も大事でございます。また少子高齢化により、今後働く世代の人口が減少していきますので、医師や看護師などの医療従事者を需要に即して確保することや医療従事者の適正な配置や働き方の改革の検討も必要かと考えております。

 本県の地域医療構想の実現に当たりましては、地域の医療関係者による自主的な取り組みを歓迎するとともに、医療需要の動向の調査分析を通じて状況把握と構想の適切な進捗管理を行って、効率的で質の高い医療を確保することに努めてまいりたいと思います。

 最後でございますが、大和川流域の洪水対策についてのご質問がございました。

 大和川流域の洪水対策につきましては、昭和五十七年の大水害を契機に、河川改修などによる流す対策と、ため池の治水利用による、ためる対策をあわせて実施する総合治水対策に国、県、流域市町村が連携して、継続的に取り組んできたところでございます。平成二十五年十一月には大和川の河川整備計画が策定され、大和川中流域に、約百万立方メートルの直轄遊水地を整備することが位置づけられました。画期的なことでございます。現在、近畿地方整備局は斑鳩町、安堵町、川西町において地元調整を進めておられます。来年度には、調整の整ったところから用地取得が開始されるものと期待をしております。

 本県といたしましては、直轄遊水地の事業が円滑に進むよう、あらゆる協力をしてまいりたいと考えており、昨年末には流域にお住まいの皆様に総合治水について一緒に考えていただこうと、大和川ジャーナルを創刊いたしまして、流域の約六万戸に配布したところでございます。また、直轄遊水地の事業を契機といたしまして、本県といたしましても直轄遊水地の整備とあわせた内水対策の充実等に積極的に取り組みたいと考えております。ためる、控えるといった総合治水の取り組みを推進するための条例を制定するなど、国、県、流域市町村が一体となった洪水対策も強化してまいりたいと考えております。

 この条例につきましては、主に学識者で構成いたします奈良県総合治水対策推進委員会をこれまで三回開催いたしまして、盛り込むべき内容等につきましてご意見をお伺いしてきておりますが、本年二月に開催いたしました流域市町村と国、県で構成いたします大和川流域総合治水対策協議会におきましてもご討議をいただきました。現在、委員会や協議会でいただいた意見等も踏まえまして、条例の内容の具体化に向けた検討を進めているところでございます。

 この条例の主な内容でございますが、ため池の治水利用や水田貯留の推進、開発に伴う防災調整池の整備や機能維持、農地やため池の保水力の保全といったためる対策と、浸水しやすい地域の見える化と新たな市街化の抑制といった控える対策を考えております。支川の流域市町村が連携して取り組む場合には、県が奈良モデルにより、その取り組みやまちづくりを支援するといった推進方策についても検討し、取り組んでまいりたいと考えております。

 ご質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十四番米田忠則議員。



◆三十四番(米田忠則) ただいま荒井知事から、奈良県をもっともっとよくしたいという強い思いが感じられる、誠意あるご回答をいただき、今後の県政運営について一層の期待を持ったところでございます。

 知事におかれましては、今後とも、我々県議会議員や県民の意見に真摯に耳を傾けていただき、県政諸問題に積極的に取り組まれることを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時十三分休憩

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△午後二時二十八分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十六番荻田義雄議員に発言を許します。−−二十六番荻田義雄議員。(拍手)



◆二十六番(荻田義雄) (登壇)議長のお許しをいただきまして、知事に新年度の予算案について、それぞれ質問通告をしている文書表のとおり質問をさせていただきたいと思います。

 質問に入る前に、まずはこの十一日で東日本大震災が勃発をいたしまして五年になろうとしています。当時を思い起こしながら考えてみますと、大変なこの震災で、地震災害でありました。宮城県では震度七、あるいは福島県、茨城県、栃木県では震度六強という近年にない大震災でありました。それによってもたらされた大津波、さらには原子力発電所事故によります対応、もうこういったものが重なって大変な未曽有の大震災となりました。このことによりまして、大勢の亡くなられた方々に対する哀悼の意も含めながら、今日まで永々として行方不明者がまだおられる。最近の毎日新聞を見てみますと、平成二十八年一月八日現在でございましたが、死者・行方不明者はいまだ一万八千四百五十七名に及ぶと、このような状況を示されていますし、当時被災された方、避難者として四十万人以上おられる。そして、昨年の十二月十日現在も十八万二千人の方が、まだ復旧・復興住宅などにもおいでになる、そういう状況でもあります。

 一刻も早く国におかれまして、復旧・復興に全力を挙げていただいて、一日も早くふるさとに帰還をして、もとの生活をしていただくことを本当に心から願っているわけでございます。そういった中で、質問をさせていただきます。

 政権交代から三年二カ月、安倍内閣は日本を取り戻す力強い経済再生、経済の好循環をつくり出すとともに、地域の活性化、人口減少に歯どめを、まち・ひと・しごとを重要な戦略キーワードとして地方創生を進め、国民の期待に呼応してまいりました。しかしながら、アベノミクスの果実は東京一極集中がますます増大化をし、全国津々浦々まで届いているとは言いがたく、経済再生はまだまだ道半ばであり、特に中小零細企業は極めて厳しい状況下にあります。このような中、政府は一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策を昨年十一月に取りまとめ、平成二十七年度補正予算及び平成二十八年度予算を編成されたところであります。知事は、住んで良し、働いて良し、訪れて良しの奈良県の実現に向け、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るを目指し、医療の充実、観光振興、企業誘致、企業立地など、さまざまな施策に取り組んでこられました。さらに、来年度から県は子ども医療費の助成対象を拡大され、通院分の対象を義務教育就学前から中学校卒業までのお子さんに拡充するとして、子育て家庭を支援されるとともに、障害者支援としても人工透析患者さんへの交通費助成に向けての調査費を計上されるなど、知事のご英断に高い評価をするところであります。

 さて、新年度予算に目を向けますと、二月補正予算を含め、知事就任以来、初めて五千億円を超える積極的な予算を編成されました。また県の自前の財源である県税、地方消費税清算金、地方譲与税の合計は一千七百八十九億円、昨年度を八十三億円も上回っています。まさに、これまで知事が経済の活性化を県政運営の柱の一つとして施策を進められてきた成果であると存じます。私は、地域の自立を図るためには、これまでからも自主財源である県税収入を確保していく取り組みが、県財政の重要課題であると申し上げてまいりましたが、県税収入をより一層堅実に確保していくために、今後どのように取り組んでいかれるのか、まずお聞きをいたします。

 次に、知事就任以来、力を注がれてきた企業誘致、企業立地についてであります。

 知事は就任以来、企業誘致に積極的に取り組まれ、結果、平成十九年から平成二十七年六月までの八年半、二百十一件の立地を達成されたと聞き及んでいます。企業誘致は、県税収入とさらに雇用の創出を確保する意味で重要な施策でありますし、これまでの企業立地を実現した誘致活動に対して、知事を先頭に県庁職員の方々のたゆまぬ努力と県庁力のチャレンジ精神が実を結んだ結果だと私は思っています。

 そこで、今日まで企業誘致に取り組まれ、税収効果と雇用創出の成果はどの程度あったのか、お伺いをしたいと思います。

 また、本県は工業系用途地域の割合が全国一低く、適地となり得る土地が少ないことが課題であると考えています。県も来年度、工業系用途地域を拡大するために、工業ゾーン創出プロジェクトとして予算計上をされていますが、今後どのように企業誘致活動を展開をされるのか、知事のご所見をお聞かせください。

 次に、観光振興についてであります。

 知事は、これまで年間を通じてさまざまなイベントに取り組んでこられ、平城宮跡での春、夏、秋の平城京天平祭をはじめとし、多彩なイベントにより奈良のにぎわいづくりを積極的に推し進めてこられました。さらにオフシーズン対策として、本年一月二十九日から二月二日までの五日間、平城宮跡において新たに奈良大立山まつりを開催されました。初めての試みではありましたけれども、事前の広報を広く展開されたこと等によりまして、目標の三万人を大きく超え、五万一千人の来訪者があったと報告されています。このような観光振興への取り組みの結果、奈良県に来られる観光客は年々着実に増加し、地域の活性化に貢献していますが、まだまだ伸びる余地は大きいと考えます。また、観光振興は本県独自の地方創生の三つの基本目標の一つとして、訪れて良しの方向性にも合致するものであります。

 そこで、今年度までの成果を踏まえ、来年度はどのような観光振興施策を展開されるのでしょうか、知事にお伺いをいたします。

 次に、(仮称)登大路バスターミナルの整備についてお伺いをいたします。

 奈良公園は、平城遷都以降の古都の歴史や文化を今に伝える我が国を代表する貴重な公園であり、県民だけでなく、国内外から年間一千四百万人もの来訪者でにぎわい、親しまれている観光地でもあります。知事は、この奈良公園の価値をしっかり維持するとともに、課題を解決してさらなる魅力向上をしていく、そのために平成二十四年二月に奈良公園基本戦略を策定し、これまでにさまざまな取り組みをしてこられました。現在、奈良公園周辺の公共交通機関の利用環境を向上させるとともに、観光地としての魅力向上を図るために、元県営登大路駐車場であったところを(仮称)登大路バスターミナルとして整備をする計画が進められ、平成二十八年度の予算には工事費が計上されています。私は、このバスターミナルの整備は、かねてから古都奈良の玄関口として、公共交通の基幹となるバスターミナルの整備の必要性を訴えてまいりました。そして、ようやく実現することとなりました。

 そこで、観光振興の起爆剤となる(仮称)登大路バスターミナルの具体的な整備内容と利活用について知事にお伺いをいたします。

 次に、朱雀門の南側に計画されている平城宮跡歴史公園拠点ゾーンについてお伺いをいたします。

 知事の積極的な要望活動に応えて、平成二十年に国営平城宮跡歴史公園事業化が閣議決定をされた後を受けて、国と県が役割分担をして、特別史跡周辺を含めた公園整備に着手されました。そして、平城京天平祭や奈良大立山まつりを開催され、平城宮跡がさらににぎわいのある場所になっていくことを大いに期待をしているところでございます。現在、朱雀大路東側は、国土交通省による平城宮跡展示館の工事が始まり、県が整備する朱雀大路西側の工場跡地では、文化財調査も終わり、整備工事の準備が進められていると聞いています。地域の方々からは、平城宮跡が利用しやすい場所として整備されることについて大いなる期待を寄せられているところであります。

 そこで、平城宮跡歴史公園拠点ゾーンの整備について、現状と今後の方針を知事にお伺いをいたしたいと思います。

 次に、大宮通り新ホテル・交流拠点整備についてお伺いをいたします。

 長年の懸案でありましたホテル誘致問題、昨日東京都内において県、森トラスト株式会社、そして世界的なホテル企業であるマリオット・インターナショナルから奈良に進出するホテルブランドとして、JWマリオットが発表されました。この世界有数の高級な国際級ホテル誘致にめどをつけられ、また平城宮跡を眼下に、二千人規模収容のコンベンション施設、さらには飲食・物販施設、バスターミナルが一体となったホテルを核としたまちづくりを目指すPFI事業の進捗も順調でございますし、三月末日には事業者が決定されるとお聞きをしています。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、スケジュールが前向きに進んでいることを強く望み、実現に向けての知事のご所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、経済活性化に資する道路整備についてお尋ねをいたします。

 企業誘致や観光振興など、奈良県の経済の活性化には、紀伊半島アンカールートとなる京奈和自動車道や地域高規格道路五條新宮道路の国道一六八号、そして国道一六九号といった基幹幹線道路の整備が不可欠であります。私も、これらの道路の早期整備が必要でありますし、またそんな考えもございましたので、昨年十二月に、国土交通省の森道路局長にもお会いをして、京奈和自動車道や国道一六八号、国道一六九号の整備促進のお願いをさせていただいたところであります。

 また、京奈和自動車道は、平成二十八年度に和歌山県域で岩出根来インターチェンジから阪和自動車道までが供用開始をされ、和歌山県内では全線つながると聞いていますが、本県奈良県にとりましては、事業中の京奈和自動車道は西名阪自動車道から南側の大和御所道路の間で、橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ、さらに御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの二カ所が、また西名阪自動車道から北側に移りますが大和北道路では郡山下ツ道ジャンクションから(仮称)奈良インターチェンジ間がつながっていない状況であります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 紀伊半島アンカールートとなる京奈和自動車道、さらには地域高規格道路五條新宮道路の国道一六八号、そして国道一六九号の現在の進捗状況と国への要望を含めた今後の見通しをお聞かせください。

 また、これまで申し上げておりました、そしていろんな質疑をしていただきましたこの国道三〇八号、大宮通り高架部から宝来ランプへの乗り入れについてどのような状況になっているのか、あわせてお聞かせをください。

 次に、リニア中央新幹線の整備促進についてお伺いをいたします。

 リニア中央新幹線の整備については、東海道新幹線の代替ルートとして事業開始をする運びとなっています。東京−名古屋間については、一昨年の十二月に建設が着手をされ、名古屋までの開業に向けた準備は着々と進んでいます。しかしながら、名古屋以西については環境影響評価の手続すら着手されておりません。二月十日に開催された自由民主党超電導リニア鉄道に関する特別委員会においても、名古屋以西に関する具体的な議論がなされなかったとお聞きをしています。大阪府や関西経済連合会などで構成するリニア中央新幹線全線同時開業推進協議会が二月十六日に開催したシンポジウムの中で、リニア中央新幹線全線開業による経済効果は十二兆円との見解が示され、本県にとってもリニア中央新幹線は県経済の活性化に大きく寄与する一大プロジェクトであります。本県として、奈良市附近駅の早期確定と三重・奈良ルートによる全線同時開業に向けた取り組みを一層強力に進めるべきであると考えます。

 これまでの取り組みを踏まえ、来年度において引き続き、国、JR東海に対してどのように具体的に取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお聞かせください。

 現在、県内で進められている医療体制の整備について質問をいたします。

 南奈良総合医療センターは来月、四月に開院し、その後、新奈良県総合医療センターが平成三十年春開院予定と、荒井知事の英断から生まれた医療体制整備構想は、県民の皆様方の深いご理解と多くの関係者のご尽力により現実のものとなり、県民の健康と命を守る拠点が新たに整備されることとなりました。しかしながら、病院が新しく建てかわる、立派に完成したねと、しかしながら施設面でもこの中で先進的な医療用機器等の導入や、それとともに最も必要不可欠なことは、人材面から高いスキルを備えた医師や看護師を確保することにより、救急医療やがん対策をはじめとした高度急性期の医療の充実、県民が安心して医療を受けられる高度医療拠点病院体制の充実であると考えます。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 南奈良総合医療センターと新奈良県総合医療センターの開院に向けた状況はどのようになっているのでしょうか。特に、医師、看護師の確保が進んでいるのか、また、新総合医療センター開院によって医師が集中するようなことになれば、北和医療圏内の公立、民間病院等の医師確保と経営に影響を与えることにならないのか、お聞かせください。

 さらに、南奈良総合医療センターと新奈良県総合医療センターの名称につきまして、なかなかかた苦しい、呼びにくいものでございますから、フルネームで呼びづらい面もございますので、できれば県民に親しまれる愛称のようなものを別に考えてはどうかなと、このように思うところでございますが、知事のご所見をお伺いをいたします。

 なお、これから新病院の完成によって跡地となります平松地区周辺の跡地利用について、これまでから本会議や特別委員会でも意見を申し上げてまいりました。誰もが住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられるよう、県として地域包括ケアのモデル地区となるように、そんなまちづくりの推進を強く要望をいたします。

 次に、橿原市の医大・周辺まちづくりプロジェクトについてお伺いをいたします。

 知事は、昨年の九月定例議会におきまして、医大・周辺まちづくりと新駅と病院施設の整備の三つは密接な関係にあります、新駅についても近畿日本鉄道株式会社と前向きに協議していくとする旨の意向を示されたところであります。教育・研究部門の移転を契機とし、医大並びに周辺のまちづくりに向けた取り組みとあわせて、病院施設の再整備も早急な取り組みが望まれます。その中において、新駅が誘致されるか否かは大変重要な要素となるように思います。

 そこで新駅の誘致について、現在の状況と今後の見通しをお尋ねしたいと思います。

 次に、救急体制の充実と県独自のドクターヘリの導入について知事にお聞きをいたします。

 本県の救急車による搬送時間は、平成二十四年に平均でございますが四十三・一分でありましたが、e‐MATCHシステムの導入などの取り組みにもかかわらず、平成二十六年には四十四・一分と短縮されていない状況にあり一層の改善が必要であると存じますが、今後救急搬送時間の短縮に向けて、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 また新年度導入のドクターヘリは、救急車では搬送に時間がかかる地域の時間短縮効果が見込めることから、奈良県南部の川上、川下の救急医療体制が充実するものと大きな期待をしています。さらに、救急医療や災害医療においてドクターヘリを効果的に運航するには、どのような運航体制を構築するのかが重要であります。県独自のドクターヘリを具体的にどのような体制で運航されるのか、あわせてお聞かせください。

 次に、市町村への支援についてお伺いをいたします。

 人口減少、少子高齢化等を背景に、今年度から本格的に地方創生の取り組みが全国の自治体で行われています。本県でも、今後人口減少が急速に進むことが予想をされる市町村が多く存在をしています。また奈良市におきましても、中心市街地へ二十分余りの地域においても、幼稚園や小学校が廃校になるなど、過疎化が進んでいる状況下でもございます。人口減少、地域経済の縮小及び地域の過疎化を克服し、まち・ひと・しごとの創生と経済の好循環の確立を実現していくために、県内全市町村において地方版人口ビジョンと地方版総合戦略の策定に取り組まれているところであり、年度内策定が見込まれているところでございます。さらに、国において平成二十六年度の補正予算で地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を、平成二十七年度の補正予算では地方創生加速化交付金をそれぞれ計上され、地方創生を推進されているところでございます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本県市町村におけるこれらの交付金の活用状況と期待される波及効果はいかがか、また市町村の現況を踏まえ、まち・ひと・しごとの好循環型経済の構造改革元年としても、人口減少問題を見据えた今後の県の市町村支援のあり方について、知事はどのようにお考えなのでしょうか。

 さらに、奈良モデルの市町村支援の一つとして、県と市町村とのまちづくりに関する連携協定にも取り組まれ、県はまちづくりに前向きでアイデアや熱意のある市町村に対して、その方針が県と合致するプロジェクトについては、県と市町村が連携協定を締結し、協働でプロジェクトを実施することとし、昨年度からこれまで奈良市や橿原市など十三市町村とまちづくりに関する包括協定を締結されています。さらに、奈良市八条・大安寺周辺地区については、昨年十一月に都市計画変更が行われた都市計画道路西九条佐保線や高架化されるJR関西本線、新駅が地区の重要な施設と位置づけられますが、この地区の協定締結後の進捗状況についてお伺いをいたします。

 次に、毎回生駒市選挙区選出の粒谷友示議員から質問を続けていただいておりましたが、きょうは私がかわりまして、学研高山地区第二工区についてお尋ねをいたします。

 去る二月十七日に生駒市長から記者会見で、平成十八年に表明した白紙撤回という従来の市の方針を撤回をされ、市が地域の責任ある主体として当地区のまちづくりに取り組むことや、市として同地区のUR所有地を一括購入する方針を固めたと表明されたことは、市がまちづくりへの積極的な姿勢を示されたものと考えています。また市長は会見の中で、市が当地区のまちづくりへの積極的な姿勢を示すことで、県の理解、協力が得られる見通しであるともおっしゃっておられます。当地区のまちづくりを進めるには、市単独では難しく、県の協力なくして私はこの事業というものはあり得ないと、このように思っております。

 当地区のまちづくりに関して、今後県としてどのように対応されていかれるのか、知事のご所見をお聞かせください。

 終わりになりましたが、次に、農業の振興についてお尋ねをいたします。

 本県農業の実現を顧みますと、平成二十六年の農業産出額は四百二億円と、前年度に比べまして三十億円減であります。全国で四十四位でございます。また、二〇一五年農林業センサスでは、農家数が二万五千五百九十六戸、さらに耕作放棄地は三千六百三十三ヘクタールと、さらなる担い手の減少と耕作放棄地の発生を懸念しているところでございます。懸案でございます耕作放棄地の解消に向けて、知事におかれましては一層の対策を、強化を強く要望をするものであります。また全国を見れば、気象条件に適した農作物を栽培し、所得を増大をされています長野県の川上村の高原レタスや、ローマ法王へ献上しブランド米となった石川県の羽咋市の神子原米の事例もございます。県内でも、奈良市大安寺地区のシュンギクや八条水菜やホウレンソウ等の軟弱野菜の生産、高級イチゴの百貨店への販売、さらには六次産業化による黒ニンニク配合グミの加工販売など、小規模であっても少しはもうかるよ、そんな農業を実現をされている事例もあります。これは、地域の気象条件や土壌条件に適した農作物を生産、加工、販路開拓し、安定供給をした結果でございます。

 そこで、本県でもTPPの大筋合意を踏まえ、これまでもうかる農業を目指し、農業所得の向上に向けた生産、流通、加工、販売を推進されてきた成果と、今後改善すべき点についてお伺いをいたします。

 さらに、適地適作の農作物づくりを目指し、農業者に対する普及指導や普及指導員の充実を図るとともに、いま一度、農業研究開発センターの質の充実と人心一新を図り、奈良県農業振興に一層の拍車がかかる、農業者とともに歩むセンターづくりが求められていると思います。知事のご答弁をお願いをいたします。

 多岐にわたった質問でございますので、できるだけ知事におかれましては簡潔にお答えをいただき、誠意あるご答弁をいただきとうございます。

 これをもって第一問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十六番、荻田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、県税収入の確保にどのように取り組んでいくのかということでございます。

 本県では、人口減少や高齢化が他県に比べまして、より急速に進むと予想されておりますので、今後の税収の見込みにつきましては、決して予断を許さない厳しい状況にあるものと認識をしております。地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るという目標のためには、税収の確保は極めて重要な課題でございます。税源の涵養に向けた産業構造の改革、課税徴収の強化、偏在性のない税制度の構築の三つの視点から、税収の確保の取り組みを強化していきたいと考えております。

 まず税源の涵養につきましてでございますが、企業誘致とともに、産業興しの取り組みをさらに加速していく必要があろうかと思います。来年度は首都圏、海外への販路拡大、製造から小売までを一貫して行うビジネスモデルの構築、グローバルニッチトップ企業の創出・育成などに取り組んでまいりたいと思います。さらに課税徴収の強化でございますが、県内に事務所などを有する未申告の県外法人に対する調査、申告指導など課税ベースの拡大を図るとともに、本県税収の四割を占める個人県民税の徴収対策といたしまして、市町村と県が協働徴収体制を構築する奈良モデルをさらに推進していきたいと思います。また自動車税につきましては、納税呼びかけ窓口を設置し、自主納付を呼びかけるなど、徴収率向上に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。さらに偏在性のない税制度の構築でございますが、地方法人課税の税収格差の是正など、偏在性のない税制度の構築に向けて、引き続き国に粘り強く働きかけていきたいと考えております。

 これらの県税収入を確保していく取り組みの強化によりまして、今後、県税等の自主財源が地方交付税等の依存財源を上回ることができるように、さらに努力をしてまいりたいと考えております。

 次のご質問は、企業誘致活動の展開についてでございます。

 投資、消費、雇用を好循環させ、県経済の活性化につながる企業立地を進めるために、これまで三千社を超える企業に働きかけを職員が中心に行ってくれました。また企業立地セミナーを開催し、私みずからが奈良県の魅力をPRするなど、積極的な誘致活動を行い、これまで二百件以上の立地を達成いたしました。これらの企業が県内に寄与できた内容でございますが、確認できたところでございますが、平成十九年度から平成二十六年度までに納付された法人県民税と法人事業税の税額は、総額で百十九億六千万円と確認されております。また、新たに二千二百五十九人の雇用が創出されたと確認をされております。また、企業立地補助金を交付した企業のうち、本県に本社機能を移転した企業など、主要九社の直近の売上高合計は約六百八億円にも上りまして、これらは平成二十六年工業統計調査における奈良県の製造品出荷額の約三・二%を占めております。

 ただ、これまでの誘致活動から、企業ニーズに応えられる産業用地が少なくなってきております。本県の大きな課題だと痛感をしております。このため、整備が進む西名阪自動車道及び京奈和自動車道周辺で、新たな工業ゾーンを創出するプロジェクトを進めております。現在、企業が重視されます立地条件を分析、整理して、土地利用規制など課題の抽出を行い、必要となる社会インフラの整備を検討し、今後の営農やまちづくりなど地元の意向を確認しながら適地となり得る候補地の優先順位づけを進めております。今後、条件が整った候補地から順次、工業ゾーンの整備に向けて、具体的に必要な手順を進めていくこととしていきたいと思います。近年、大型の投資を検討する意欲的な企業から、立地についての相談を多く受けてきております。産業用地の確保を確実に進め、企業立地に結びつけてまいりたいと考えております。

 観光振興についてのご質問がございました。

 まず、来年度のイベントを中心とした観光振興施策の展開についてでございます。

 これまで本県の観光振興のあり方として、世界遺産に代表される文化遺産や伝統行催事など、豊富な観光資源、伝統的観光資源に頼り過ぎ、あまり積極的な行動をしてこなかったという面があったと思います。そこで、より多くのさまざまな観光客が年間を通して切れ目なく奈良を訪れてくださるよう、またオフ期にも客数が減ることのないよう、観光振興の重点施策として地域の資源を活用し、新たな魅力を創出する多様なイベントをオフシーズンを中心に取り組んでいるところでございます。冬季誘客キャンペーンの核としてことし初めて開催いたしまして、五万一千人という多数の方々にご来場いただいた奈良大立山まつりをはじめとして、来年度も四季を通じてさまざまなイベントを実施してまいりたいと考えております。

 また、観光関連事業者、社寺、有識者などにより構成する奈良県観光サービス改善委員会を設置し、県内の観光サービスに対する意見や苦情などをケーススタディーとして、本県の観光産業の課題、問題点を洗い出し、奈良の観光の質を向上させるために、さまざまな方策を検討していきたいと思います。サービスの向上しか、リピーターの確保につながる道はございませんという認識でございます。さらに、インバウンドにおける市場ニーズを的確に把握し効果的なプロモーションを実施するため、観光マーケティングの専門家等が参画した委員会を設置いたしまして、ターゲットとする市場やプロモーション手法等の検討を行い、着地商品の開発や観光人材の育成につなげ、観光消費の増加を図っていきたいと思います。

 来年度はこうした施策展開により、さらなる奈良の観光振興に取り組み、国内外から選んでもらえる観光地づくりに努力してまいりたいと思います。

 観光振興の次のご質問は、(仮称)登大路バスターミナルの具体的な取り組みについてでございます。旧登大路駐車場の活用については、荻田議員がかつて質問されたテーマでございます。

 奈良公園では、観光バスが公園の中心部まで入り込むことで渋滞が発生し、風致景観や周遊環境を損ねていること、また奈良公園の価値や魅力をうまく情報提供できていないことが大きな課題だと認識をしております。そういう環境のもと、奈良公園のエントランス施設として観光バスを受け入れ、公園中心部への流入を抑制するターミナル機能と、奈良公園の魅力を情報提供し学んでいただくガイダンス機能、ゆっくりくつろいでいただくおもてなし機能を有する(仮称)登大路バスターミナルを平成二十八年度から三カ年で整備する計画としております。これにより、名勝地の風致景観の保存と観光客の周遊環境の向上につながるとともに、公園の魅力を知っていただくことで来訪者の動線も広がりを見せ、より満足度の高い周遊観光が可能となります。そして、リピーターの増加や短時間の日帰り観光から宿泊観光への転換も期待できるものでございます。

 なお、施設は隣接する通りの景観にも配慮いたしまして、意匠の工夫を行うとともに、敷地周囲に積極的な緑化を行い、奈良公園の風致景観と調和のとれた景観としているところでございます。

 観光振興の次のご質問は、平城宮跡ゾーンの整備についてでございます。

 本県では、平城宮跡歴史公園拠点ゾーンの西側地区において来訪者をお迎えする上で、これまで宮跡に不足しておりました交通ターミナルや団体集合施設、休息・展望施設、観光案内・物販・飲食施設などを整備することとしております。あわせて、ランドマークとして、復元遣唐使船を大宮通り側に移設整備することにしており、このゾーンを大宮通りから朱雀門に至る平城宮跡の正面玄関としてふさわしい、にぎわいのある拠点となるよう事業を進めているところでございます。今月から交通ターミナルなどの工事に着手するとともに、来る本年六月議会におきまして、施設新築工事契約のご承認をいただきましたなら、直ちに建築工事に着手し、平成二十九年夏ごろの完成を目指していきたいと思います。また現在、国土交通省が建築工事を進めておられます平城宮跡展示館は、平成二十九年夏ごろの完成予定と聞いております。平城宮跡歴史公園の第一次開園に向けて、今後も引き続き関係機関と連携しつつ、取り組んでいきたいと思います。

 なお、朱雀大路西側の整備に一定のめどが立ったことから、引き続き、朱雀大路東側の大路に面する区域において整備計画を検討しており、早期整備に向けて今後とも精力的に取り組んでいきたいと思います。

 観光振興の次のご質問は、大宮通り新ホテル・交流拠点整備についての所見ということでございます。

 大宮通り新ホテル・交流拠点におけるホテルにつきましては、優先交渉権者でございます森トラスト株式会社からホテルブランドの発表が昨日行われ、JWマリオットの奈良への進出が明らかにされました。これは、県内では初の国際ブランドホテルの進出でございますが、マリオットグループのトップブランドのJWマリオットの我が国への初めての進出ということにもなります。奈良県の観光振興に大きな弾みがついたらと希望するところでございます。ホテル以外のコンベンション施設などの整備・運営につきましては、PFI事業により実施することといたしておりますが、現在、事業者の公募・選定の手続を進めております。二月二十二日には、事業者から入札提案書類の提出がありました。本年三月下旬には、落札者を決定する予定でございます。

 本プロジェクトは、これまで日帰り観光中心でございました奈良の観光のあり方を変革し、滞在型観光地として発展していくためには不可欠な施設であると考えております。東京オリンピック・パラリンピック開催までのまち開きに向け、着実なプロジェクト推進に万全を期してまいりたいと考えております。

 道路整備についてのご質問がございました。

 紀伊半島アンカールートは、京奈和自動車道、地域高規格道路である国道一六八号五條新宮道路、国道一六九号などで構成されております。その整備促進は、本県の地方創生、国土強靱化を推進する上で最重要課題でございます。また、本県の重要施策でございます奈良県地方創生総合戦略や間もなく策定予定の奈良県国土強靱化地域計画にもしっかりと位置づける必要があると考えております。

 京奈和自動車道につきましては、現在大和御所道路と大和北道路で工事や用地取得が進められており、平成二十八年度は御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの間の供用が予定されています。このため、国に対しては、この区間の確実な供用と橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の工事着手を要望してきております。

 国道一六八号五條新宮道路につきましては、県で三カ所、国で三カ所の整備を進めております。県で整備を進めてまいりました川津道路と辻堂バイパスの一部区間が、この三月十二日と二十六日に開通いたします。多方面の方にお世話になりました。工事区間が残る辻堂バイパスも平成二十九年度に全線が開通するよう、引き続き工事を進めてまいります。

 国道一六九号でございますが、新伯母峯トンネルの区間が、大型車の離合が困難な最大のネックとなっております。新たなトンネルの施工には高度な技術力が必要でございますので、ぜひ来年度から国で事業に着手していただきたいと、重ねて要望をしてまいりましたところでございます。

 国への要望につきましては、関係の国会議員、県議会議員のお力添えのもと、関係市町村長とも連携・協力して取り組んでおります。二月十八日には石井国土交通大臣にお会いし、改めて新伯母峯トンネルの新規事業化、京奈和自動車道の事業促進を要望させていただきました。国には、地元の強い期待や願いも踏まえて、来年度の予算や事業についてご検討いただければと思っております。

 宝来ランプについてのご質問がございました。

 現在、大宮道路高架部から直接乗り入れができず、ご利用されている皆様方には不便をおかけしております。直接乗り入れられるように検討しております。道路構造や施工方法、民間施工業者の先端的で高度な技術力を活用できる工事の発注方法、工事期間中の交通規制方法、渋滞対策など、多岐にわたる点がございますのでその検討を進めております。道路構造、施工方法につきましては、橋りょう上部工の軽量化や橋脚との一体化による構造物のコンパクト化を図ることで、工期短縮や施工ヤードを最小限に抑える方向性が見えてまいりました。また工事の発注方法につきましては、国などの事例を収集し、県としての適用に向け、その内容について分析を進めているところでございます。

 具体的な計画案をお示しするにはもうしばらく時間を要しますが、工事期間中の交通規制方法や渋滞対策などを含めた検討を引き続き進めまして、案ができましたならば、地元地域の皆様方をはじめ関係の皆様方にご説明をさせていただきたいと考えております。

 次のご質問は、リニア中央新幹線の整備促進についてでございます。

 本県では、これまでも三重・奈良ルートによるリニア中央新幹線の早期開業に向けまして、三重県、奈良県両県経済界とも連携して、国などへの要望活動を行ってまいりました。本年一月には、東京におきまして建設促進に向けた会議を開催し共同アピールを採択いたしましたが、今回は初めて大阪府副知事にもご参加いただくなど、三重・奈良ルート沿線自治体の連携について手応えが出てまいりました。また、参加いただいた一部の国会議員からも、三重・奈良会議に対する大阪府の参加について積極的なご発言をいただきました。来年度は、大阪府との連携強化も視野に、引き続き取り組んでいきたいと思います。

 また、このような陳情の取り組みに加えまして、必要となる用地取得やトンネル工事に伴う発生土砂処理など、将来想定されるJR東海への支援に向けまして、来年度も引き続き想定ルート区域での各種調査を行うとともに、駅や車両基地などの附帯施設につきましても、あわせて検討を進めてさせていただきたいと思っております。

 医療体制の整備について幾つかご質問がございました。

 まず、南和地域の医療体制でございますが、南和地域の中核的病院となる南奈良総合医療センターは、南和の医療は南和で守るの基本理念のもと、約六年の準備期間を経ていよいよ四月から開院予定でございます。奈良市六条山地区で整備を進めている新奈良県総合医療センターにつきましては、北和地域の高度医療拠点病院として、平成三十年春オープンに向けて工事が着実に進捗をしております。人材確保の面でございますが、南奈良総合医療センターは、奈良県立医科大学の協力もいただき、計画どおり五十名以上の医師を確保できる見込みでございます。また、奈良県総合医療センターは四月から心臓血管外科の医師二名、外科の医師一名を増員される予定でございます。看護師も、四月に向けて三十名程度増員予定と聞いております。移転オープンに向けて、着実に進めていただいているようにうかがいます。

 また、奈良県総合医療センターの移転オープンに伴いまして、医療従事者の集中や偏在の問題が起こらないよう、県立医科大学とも十分協議する一方、地域医療構想の実現に向け、医療機能の分化・連携を推進し、効率的、質の高い医療提供体制を地域として構築していきたいと思っております。

 最後に名称でございますが、南奈良総合医療センター、奈良県総合医療センター、最近は大変スムーズに発言できるようになってまいりました。両病院とともに、地域の基幹的な医療機関として住民の方々が求める幅広い医療需要に応えられるよう名づけたものでございますが、この名称をさらに県民の方々に知っていただくためには、ジャーナルの発行や市民講座の開催などの取り組みを実施し、まず名称を繰り返し発言していただき、愛着を持っていただくことも重要かと考えております。言いなれると大変言いやすくございます。愛称につきましても、また考えて検討させていただきたいと思います。

 医療体制の整備につきまして、橿原市の医大・周辺まちづくりプロジェクト、新駅の誘致についてでございます。

 新駅につきましては、医大及び周辺のまちの発展に大きく寄与するものと考えられます。九月議会でも答弁させていただきましたように、近畿日本鉄道株式会社からは新駅の整備費について応分の負担をするとの合意をいただき、前向きな協議を開始しているところでございます。昨年十二月には、近畿日本鉄道株式会社と橿原市と県と三者による担当者会議を設置し、継続的に協議していくことで合意をいたしました。今後は、定期的に三者協議を行い、新駅の検討を進めてまいりたいと考えております。来年度は、新駅設置に当たっての具体的検討を図ってまいりたいと思います。また周辺まちづくり整備手法として、民間活力の導入などについても検討してまいりたいと思っております。

 一方、近畿日本鉄道株式会社からは新駅は近鉄八木西口駅の移転という形にしてもらいたいと言われております。二駅併設はないということでございます。大変重要な問題であると認識をしております。近鉄八木西口駅の取り扱いにつきましては、地元橿原市が主体となって取り組まれることになると思いますが、引き続き三者で協議を行い、新駅やまちづくりの進捗を図ってまいりたいと思っております。

 医療体制の整備の中で、救急搬送時間、ドクターヘリについてのご質問がございました。

 議員お述べのとおり、本県の救急搬送時間は改善があまり進んでいない状況にございます。そうした中で、平成二十八年四月から奈良県広域消防組合の通信指令が一元化されます。これまでの管轄ごとの対応に変わり、現場直近の消防署から出動が可能となり、現場到着までの時間短縮が見込めます。またe‐MATCHの入力方法の効率化を図り、少ない操作でより早く医療機関を選定できるよう改修予算を新年度に計上させていただいております。

 病院の受け入れ体制でございますが、今年度からER型救急医療体制をスタートさせるとともに、中南和地域において重症腹症ネットワークを構築するなど、断らない救急の拠点をつくり始めております。また、山間地域での救急車による搬送は時間を要するものでございます。南和地域における救急搬送時間は、他の地域が平均四十二分に対しまして六十三分となっておりますが、ドクターヘリであれば二十分程度まで短縮できる見込みでございます。このため、県独自のドクターヘリの運航においては重篤な三次救急患者だけでなく、広く重症患者も搬送を行い、山間地域での搬送時間の短縮に取り組む方針でございます。

 さらにドクターヘリの運航体制でございますが、南部・東部の山間地域に近い場所への配備が望ましいことから、南奈良総合医療センターに常駐させることとし、重篤な三次救急患者の搬送にも対応するため、高度救命救急センターである県立医科大学附属病院にヘリポートの整備を進めております。

 こうした取り組みにより、救急搬送や救急医療の体制を充実させて、搬送時間の短縮に努めてまいりたいと思います。

 市町村への支援についてのご質問が幾つかございました。

 まず最初のご質問に対してでございますが、国の平成二十六年度補正予算に計上されました地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金でございますが、地方創生先行型の基礎交付金と言われております。県内全市町村に総額十六億三千九百万円、上乗せ交付分として十八市町村に二億八千八百万円余、合わせて十九億二千七百万円余が交付されました。移住・交流促進、子育て支援、農林業振興などの事業に活用されることになっております。また、平成二十七年度補正予算におきまして計上された地方創生加速化交付金は、三十七市町村で六十三事業、二十億円余を現在国に申請中でございます。

 これらの交付金事業による波及効果は、各市町村が地方版総合戦略の策定時に設定いたしましたKPIと言われます重要業績評価指標により今後評価されることになります。例えば、人口の社会増減の均衡、観光入り込み客数や宿泊者数の増加、企業誘致件数や起業者数の増加、新規就農者数の増加などが目標として設定されているところでございます。市町村におきましては、交付金の活用に当たりまして、政策効果が最大限発揮されるよう、政策間連携、地域間連携を図ろうとされております。

 人口減少問題の克服に向けまして、県と市町村、または市町村同士が連携・協働して地域課題の解決に取り組む奈良モデルの役割は、このような地方創生の現場においてますます高まるものと考えております。人口減少社会の中にありましても、市町村が持続可能で効率的な行政を推進し、地域の活力を維持・向上していくため、今後も奈良モデルを地方自治の新しい形としてさらに発展して、県は市町村を強力に支援申し上げたいと思います。

 市町村支援の一つのプロジェクトで八条・大安寺周辺地区、奈良市との関係についてのご質問がございました。

 奈良市八条・大安寺周辺地区は、鉄道と高速道路の交通結節点となる奈良県で初めての地区でございます。まちづくりのポテンシャルが非常に高い地区であると考えております。これまでも、西九条佐保線の平面での整備やJR関西本線の高架化、新駅の設置といった、この地区の新しいまちづくりの発想を県が主体となって提案申し上げてまいりました。昨年一月二十三日のまちづくりに関する包括協定締結後は、県と奈良市が緊密に連携・協働して、新駅周辺の土地利用計画のあり方や周辺整備など、まちづくりの検討を進めてまいりました。現在、奈良市において、地区の中心でございます(仮称)奈良インターチェンジ周辺のまちづくりの方向性に関するパブリックコメントを実施されております。今後、パブリックコメントの意見を踏まえながら、県と市が協働で内容を具体化し、来年度にはまちづくり基本構想を策定することができるよう、またまちづくりが着実に力強く進捗するよう、最善を尽くしていきたいと思っております。

 市町村への支援につきまして、粒谷議員にかわっての学研高山地区第二工区のご質問でございました。

 生駒市の学研高山地区第二工区につきましては、議員お述べのとおり、先月生駒市長が平成十八年に表明されました白紙撤回は市の発展に実効がなかったということで、従来の市の方針を撤回されまして、URの土地を取得した上で、市が地域の主体として当地域のまちづくりに取り組む方針を固めたと表明されたところでございます。さらに、市長から文書で県と市がまちづくり連携協定を締結する形での取り組みの推進のお願いが私宛てにございました。それを受けて私のほうからは、県はまちづくり連携協定の締結に係る協議を開始することを了承すると市長宛てに文書で回答させていただいたところでございます。

 今後、県といたしましては、事業検討を中止した平成二十二年当時に議論していたような県施行による土地区画整理事業を中心とした県主体の事業展開とすることは考えておらず、市のまちづくりに対する考えをよくお伺いし、その上で県としてどのような協力が可能であるか、よく考えていきたいと思っているところでございます。

 最後に、農業の振興についてのご質問がございました。

 本県の農業はあまり振るっていない、産出額のベースでは振るっていないというご指摘も踏まえてのことでございます。

 本県では、これまでマーケティング・コスト戦略に基づきまして、奈良の美味しい食の創造と発信という面と、県産農産物の高品質化、高付加価値化によるブランド化・生産拡大を柱に、食と農の連接を図りながら農業を振興していくという作戦をとってまいりました。具体的には、首都圏でのトップセールスや観光物産展、フードフェスティバルの開催など、県産農作物の認知度向上と販路拡大に取り組むとともに、柿、茶、イチゴなどのリーディング品目、大和野菜などをチャレンジ品目として絞り込み、おのおのの生産拡大に取り組んでまいりました。

 しかしながら、農業産出額は漸減傾向にございます。同じ農地面積、経営体数の神奈川県の農業産出額は、先ほど議員がおっしゃられましたが、奈良県の四百二億円に比べて七百八十一億円と報道されております。奈良県は約半分でございます。こうしたことから、県では神奈川県をベンチマーク県として捉え、野菜や畜産など収益性の高い品目の振興に取り組みを始めたところでございます。本県農業は、やり方を工夫しブランド力を向上させることができれば、もっと販売額が伸びるものと考えております。

 新年度は、TPPの大筋合意を好機として、チャンスとして捉え、従来の取り組みに加えまして、柿、イチゴ、大和牛で非破壊検査装置を活用して品質を保証する農畜水産物ブランド認証制度の取り組みを進める予定でございます。また県が主体となりまして、大和野菜の生産拡大や首都圏への配送をコーディネートし、生産、流通、加工、販売を一気通貫で連結する、いわゆる縦型事業協同組合のモデル実証実験や、海外での販路拡大に取り組みたいと考えております。

 こうした事業展開とあわせまして、普及指導は県内四つの農林振興事務所を核として、より現場に密着した活動を展開しているところでございます。今年度から農業研究開発センターに配置していた普及指導員をより現場に近い農林振興事務所に配置するとともに、本庁に普及指導を総括する係を配置いたしました。現場で農業者に寄り添って、ともに汗をかき、生産から販売まで一気通貫した支援に取り組み始めたところでございます。

 農業の分野の研究でございますが、奈良県農業研究開発中期運営方針をつくっております。それに基づきまして、育種、栽培、加工、漢方の四つの課題を重要課題として捉えております。私をトップといたします研究企画委員会、外部の有識者からなる研究評価委員会を設け、PDCAサイクルで運営して、研究の管理を行っていきたいと思っております。あわせて、農業研究開発センターの職員を国内外の研究機関や学会へ派遣するなどして、高度な専門知識と技術力、課題解決能力を備えた人材を計画的に育成していきたいと考えております。

 もうかる農業の実現に向けまして、意欲ある農業者の思いをしっかり受けとめ、行政、研究、普及の関係部門が一丸となって、県産農産物のブランド化と販路拡大に取り組んでまいりたいと思っております。

 ご質問に対する答えは以上でございます。ご質問、誠にありがとうございました。



○議長(中村昭) 二十六番荻田義雄議員。



◆二十六番(荻田義雄) 知事から、詳細にわたってご答弁をいただきました。いろいろと、時間がないものですから、予算審査特別委員会でまた質問をさせていただく機会があると思います。

 ただ一点、学研高山地区第二工区に関してわかる限り、できたら感想をいただきたい、このように思うところでございます。

 二百八十八ヘクタールの学研高山地区第二工区の面積であります。URが所有しております百六十ヘクタール、これを生駒市に譲渡をする。しかしながら、あとの百二十八ヘクタールというのは、工区というのはこういうふうになっているようです。黒がURのお持ちの土地でございます。そういうものですから、虫食い状態の中でこれをどのように市は開発をやっていかれるのか、私は疑問でなりません。要は、生駒市が単独で推進できる規模のプロジェクトであるのかどうか、そしてこの地権者からの早期に協力を得ることができるのだろうかと。

 生駒市は開発までの期間、要はURから用地取得をした土地を、開発をやっていく中まで、どのようにして管理をしていかれるのかいろいろと思う点がたくさんございますが、ともあれこういった点について、前市長の後継指名を受けて、政策やそういったものを継承した今の市長であります。こういった市長になって間もなく、こういったことに至ったところは、生駒市民が望んだからこそ、こういったことになっているんだろうとは思いますけれども、ともあれ生駒市長と奈良県知事の間で信頼に値するのか、あるいはこれからどのような方向を模索されるのか、こういった点にひとつお答えをいただきたいと思います。

 以上です。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 学研高山地区第二工区は、生駒市が百六十ヘクタール、URの土地を買われまして、今後の発展の方向を二年間かけて考えるというふうに言われました。方向について、まだ具体的な姿は伺ったことはございません。何よりも、一つは市民の皆様がどのように考えておられるのか、これまでの経緯を見ますと、やはり開発反対という方も生駒市民で多くおられたわけでございますが、開発の方向について市長がどのようにまとめられるのかが、まず第一義じゃないかと思っております。

 もう一つは、URが土地を売られますけれども、URはやはり取得された土地が多少虫食いではありますけれどもいろんな管理はされておりますので、協力をすると言っておられるように聞いておられますので、URが生駒市に協力されてその管理をし、その将来の構想につきましても協力をされていくんじゃないかというふうに期待といいますか、感想を持っております。

 県の協力は、まちづくり協定をどのように結ぶことができるのかということになってくると思います。まちづくり協定はほかにもございますが、県と市のまちづくりについての意向が合致すれば、県も協力できる分野がありますよというのがまちづくり協定の基本でございますので、まちづくり協定も視野に入れて県へのお願いを市は出されたところでございますが、市のまちづくりに対する学研高山地区第二工区の開発に対する考えは、これからまとめるとおっしゃっていますので、市民のご判断が第一義になろうかというふうに考えておるところでございます。

 今のところの感想、所感としては以上のようなことになろうかと思っております。進捗を見守りたいと思います。



○議長(中村昭) 二十六番荻田義雄議員。



◆二十六番(荻田義雄) 終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時四十分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時五十四分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十一番和田恵治議員に発言を許します。−−三十一番和田恵治議員。(拍手)



◆三十一番(和田恵治) (登壇)それでは、ただいまより創生奈良を代表して代表質問を行います。少々、我々全体、一生懸命勉強しているようで疲れるような姿が見えますが、どうぞ最後までご清聴お願いをいたします。

 去る二月十一日、荒井知事も参加されて東京の品川で、ふるさと・いいとこ・フェアが開催されたとの新聞記事を拝見しました。この催しは、奈良県など十三県が参加する自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークが主催し、就職を控えた学生やU・Iターン希望者に、特色ある地方の中小企業やふるさと納税の紹介など、さまざまな地方のいいところのPRを行い、大変盛況であったとうかがいました。少子高齢化が進み、若者や企業の大都市への流出、過疎化の進行、地域産業の衰退など多くの共通した地方の課題に直面しているふるさと知事ネットワークが課題克服に向けて取り組むことは大変意義深く、引き続き取り組んでいただきたいことを願うところでございます。

 それでは、質問に入ります。

 まず、小規模企業振興策についてお尋ねします。

 国においては、中小企業の振興のために中小企業基本法をよりどころに施策を実施しておりますが、地方経済の構築にとってその施策だけでは不十分であるとの経済的な認識から、奈良県商工会連合会や奈良県中小企業連合会、奈良県部落解放企業連合会などが一丸となって短期間のうちに二万名以上の署名を集め、全国の小規模事業者の署名と合わせて百万人以上の署名簿を国に提出した結果、昨年六月、小規模企業振興基本法が成立をいたしました。私は法の理念に照らして、そして本県の産業構造に鑑み、ぜひとも小規模企業振興条例を制定しなければならないと考えております。この点について知事の所見をお伺いしますが、その前にこの条例の必要性について私の考えを述べてみたいと思います。

 現在、人口減少と少子高齢化が進む一方、経済のグローバル化も進み、この状況に対応するために我が国経済はアベノミクスによる経済政策を実施していますが、今のところ経済の好循環は達成されていないようであります。一昨年四月の消費税の引き上げによって、国内総生産、いわゆるGDPが落ち込んでマイナス成長となり、経済は大きな打撃をこうむりました。昨年十二月の実質消費支出は、一昨年の同時期の消費支出と比較すると、四・四%も低下したことが明らかになり、また、ことし一月二十九日の日本経済新聞は、景気足踏み長期化と報じました。

 このようにマイナス成長であるのにもかかわらず、財務省の法人企業統計によると、平成二十五年度の大企業実績は、経常利益も当期純利益も過去最高を更新したということ、そしてまた内部留保が三百兆円を突破したとあります。平成二十七年度には、内部留保は三百五十四兆円に達しており、二年間で五十兆円を超えるペースで増加し、驚くべき額に達しております。他方、厚生労働省の毎月勤労統計によると、二〇一二年十月における労働者一人当たりの現金給与総額二十六万七千円ですが、二〇一五年十月には二十六万六千五百円と減少しており、この間の物価上昇も加味すれば五%近い実質減少となり、実質賃金の低下が見られております。

 雇用の環境も悪化しております。総務省の労働力調査詳細集計によると、二〇一二年九月期と二〇一五年九月期の正規雇用者数を比較すると、この三年間に二万人しかふえておらず、逆に非正規雇用者が何と百四十二万人もふえ、その結果、労働者の四割が非正規労働者に達しました。すなわち政府統計が示したのは、大企業は好循環、中小企業や小規模事業者は経営悪化、そして国民の生活は悪循環でありました。

 さて本県経済に目を転じると、県内就業者比率が約七〇%で全国最低、一人当たりの県民所得は近畿で最下位、全国で四十一位と低迷しております。背景として、本県の企業規模が小規模零細企業で八七・二%を占め、事業所数も全国に占める割合は〇・八七%と少なく、しかも県内産業構造を見れば、知事も指摘されているとおり、さまざまな課題を抱えています。だとすれば、本県で取り組む経済の構造改革を加速し、小規模事業者の支援にしっかり取り組むことが目下の急務であると言えます。

 私が小規模企業振興条例の制定が必要だと訴えるのは、以上のような恩恵が受けられていない中小零細企業だけではなくて、これから見る小規模企業振興基本法の趣旨を県内小規模事業者に波及させたいからであります。この基本法制定の背景として二つの要因が見られます。一つは日本全国に景気の好循環を浸透させ、地方に強靱で自立的な経済を構築するために必要な雇用を支え、新たに需要にきめ細かく対応できる小規模事業者が活躍してもらうこと、二つ目には平成二十五年に改正した中小企業基本法だけでは対応し切れず、小規模企業を中心に据えた施策の体系を構築しなければならなくなったということです。

 おおむね従業員が五人以下とされる小規模企業の最も切実な課題は、企業の成長発展という課題もさることながら、何より事業の継続的発展を目指すことが最重要課題であり、まず廃業や倒産をしないことなのです。そして、小規模事業者に期待される役割では、一つは顧客のニーズに応じた財・サービスの提供、二つには雇用の維持創出、三つには地域経済社会の担い手になること、この三点を挙げて、地域密着型の事業展開が期待されております。

 以上のように、小規模企業振興基本法の趣旨は、資本金三億円、従業者三百人までの規模を想定する中小企業基本法とは違った視点による施策体系を持った法律であります。加えて、平成二十六年十月には小規模企業振興基本計画が閣議決定され、小規模事業者の施策が本格化しようとしております。今こそ小規模企業を中心に据え、地方の特性や地域資源を活用して思い切った新たな施策体系を策定し実施することが、本県の経済改革に求められているのではないでしょうか。

 そこで、知事にお尋ねします。

 小規模企業振興基本法の趣旨を踏まえ、資金や人材といった経営資源に乏しく、価格競争力や円安などリスク対応力が弱いことにも加え、経営者の高齢化といった大きな課題を抱えながらも、歯を食いしばって頑張っている小規模事業者に事業継続の希望が持てるような、本当の意味で光が当たる奈良県小規模企業振興条例の制定に取り組む必要があると思うのですが、いかがお考えでしょうか。

 二番目の質問です。

 いよいよ待望されていた奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例が、本年四月一日から全面施行されます。この条例が、真に障害者差別をなくすための礎となることを願って、本条例の内容を顧みながら、幾つかの点で質問をしたいと思います。

 まず、これまで曖昧であった障害者に対する差別の規定が本条例で大枠において整理され、基本的な対策が示されたと思います。その差別の規定においては、障害を理由とする差別として、大きく分けて二点が指摘されています。

 その第一点目は不利益な取り扱いであり、障害のある人の生活にかかわる八つの分野、例えば福祉サービスの提供や労働・雇用、医療の提供、教育など、ここでは全ての分野を羅列しませんが、そのような分野における不利益な取り扱いを行われること、第二点目は合理的な配慮の不提供ということで、障害のある人にとって障壁となっているものの除去を必要としている意思の表明があった場合、その実施に伴う負担が過重でないのに、障壁を取り除くことについて必要かつ合理的な配慮をしない行為などです。

 そして本条例のすぐれた点として忘れてならないのは、他府県に見られない文言、すなわち前文の中に差別禁止行為として差別的言動も明記されたことです。条例の前文で、障害のある人もない人も、等しく基本的人権を享有する個人として尊厳が重んぜられるとうたわれ、障害を理由とする差別的言動その他の権利利益を侵害する行為をなくすとともに、全ての県民の障害への理解を深めるための取組が必要であると書かれています。

 差別的言動は人の尊厳を傷つけ、侮辱・冒涜するものであり、その結果、障害者の自尊感情を傷つけ、人としての尊厳を軽んじる差別行為であると明確にしました。今後は、お互いの人間性を認め合い、高い人権感覚を育成していくための教育、啓発の必要があると思いますし、また、人権擁護委員会を抱える地方法務局のかかわりをも求めていくことが重要かとも思います。

 さて、この条例に実効性を持たせるために、県においては条件整備に取り組まれているところでありますが、以下の点についてどのような取り組みを進められているのか、大変心配しているところであります。一つ目は、条例が定めた第四条の県の責務で、障害を理由とする差別の解消等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するという条項は、どのような行程で果たされるのか。二つ目は、これまでは障害のある人の悩みや要望はまず地域の身近な市町村自治体に持ち込み相談されてきたわけですが、この条例を十分に理解して対処していくことが求められていると思います。その意味で、市町村行政の所轄担当者には、この条例がどのように受けとめられ、認識されているのか。あるいは三つ目には、県の障害福祉課にことし四月から相談窓口を開設しますが、障害のある人はもとより、県民や事業者、福祉関係者の相談に対処できるようなガイドラインといったものが策定されているのでしょうか。四つ目は、奈良県障害者相談等調整委員会にまで上がってくる事案について、解決できない場合、訴訟事件にまで発展する可能性も出てきます。そこまで想定して対応することは考えられているのでしょうか。

 そこで、知事にお尋ねします。

 障害者への差別的言動への対処は、人間性を取り戻すという意味でとても大事だと思いますが、この条例をぜひとも実効性あるものとするために、以上の四点にわたる懸念事項について知事のお考えをお尋ねします。

 次に、三番目の質問です。

 人口減少と高齢社会の進展を背景に、県内の活性化を目指して、奈良モデルの一環として平成二十六年から取り組まれている県と市町村の協働によるまちづくりに関する包括協定は、市町村から大きな期待をかけられて歓迎されており、まちづくりに関する包括協定を県と締結した市町村の数は既に十三に上っております。この包括協定は、地域性を生かしたにぎわいのある住みよいまちづくりを進めることで生じる市町村負担に対して、県が財政支援をするものでありますから、市町村にとっては誠に心強い応援施策であります。

 県と市町村とのまちづくりに関する包括協定を結ぶ際には、まちづくりの方針について双方が一致し、設定したまちづくり地区を対象に、県または市町村が所有している土地や施設を有効に整備活用したり、県の持つノウハウ等の提供により市町村事業を加速化することで、地域のまちづくりを県と市町村で一緒に進めていこうということだと思います。

 そのまちづくり対象地区の一つとして、私の地元、桜井市においても近鉄大福駅周辺地区が設定され、桜井県営住宅を核としたまちづくりが取り組まれております。私は、県営住宅の果たしてきた役割を高く評価いたしますが、県営住宅の現状は老朽化が激しく、耐用年数を超えているかまたは超えようとしている県営住宅が少なからずあります。さらに、県営住宅入居者の年齢構成を見ると高齢化が進んでいるにもかかわらず、バリアフリー対応がなされていないなど、県営住宅にかかわる数々の課題や問題点が見受けられます。今日では、公営住宅は一昔前の居住環境の整備による公営住宅の提供という観点から、人口減少と高齢社会への対応、防災対策、住みよい環境の整備、そして地域まちづくりとしての公営住宅の整備などの諸課題に取り組まねばなりません。

 桜井県営住宅はそうした諸課題を抱えている住宅団地の一つであり、一日も早く、県営住宅の建てかえ事業が行われ、地域のまちづくりに寄与するとともに、県内の多くの老朽化した県営住宅の建てかえ事業のモデルとなることを期待するものであります。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 県が策定した奈良県住生活ビジョン(平成二十四年)の中の、時代のニーズにあった公営住宅の活用を図る施策に関する取り組み状況を明らかにしていただくとともに、県営住宅建てかえ事業のモデルとなると考えられる近鉄大福駅周辺地区のまちづくりに今後どのような考え方、スケジュールで取り組まれようとしているのか、明らかにされたい。

 次に、四番目の質問に入ります。

 奈良県の観光資源は豊富にありますが、これらを生かし切れていないという問題を解決し、観光立県を目指して荒井知事は努力されてまいりました。そのかいあって観光客数は着実にふえ、奈良県への外国人観光客も飛躍的に増加しました。奈良の魅力を発信し続けた結果だろうと思います。

 しかし、私は奈良の観光振興はこれからだと思っています。奈良に訪れる観光客数は、京都や他府県と比較すると、また観光客が奈良で消費するお金も考えれば、ホテル・旅館の客室数が全国でも最低、滞在する宿泊客数も少なく、奈良の観光資源の量・質から見れば物足りない状態です。問題は、奈良の魅力アップとその情報発信を行うことや、ホテル誘致に取り組むだけでなく、滞在型観光を目指すために奈良市を中心とする北部地域とともに中南部地域の観光資源も活用して、奈良県全域に観光客が訪れる仕掛けが必要だと思うのです。一日目は奈良公園を中心とする北部観光、二日目は国の始まり、中南部地域観光というような滞在型観光ルート構想です。

 奈良には、古代から現代まで発信したい埋蔵文化財や歴史的遺産としての神社や寺院などの名所旧跡、そして祭り、文化など、豊かな観光資源があります。一例を挙げると、国宝を所有している都道府県を順位別に一位から六位まで見ますと、一位が東京都二百七十六件、二位には京都府二百三十二件、三位が奈良県で百九十九件、四位が大阪府で六十件、五位が滋賀県五十五件、六位が和歌山県の三十六件であり、このように奈良県は有数の国宝所有県です。

 しかし国宝や名所旧跡と言われる観光資源は県内に広く散在し、京都市のように地域的にまとまっているわけではありません。そのような地理的状況のもとで、奈良県に豊かにある観光資源をそれぞれ個別的かつ単発的にさまざまに発信するならば、受け取るほうでは混乱を生じ、結局のところ観光客には奈良といえば個々の観光地や史跡が思い浮かぶだけで、奈良の奥深い魅力を捉えにくくさせ、奈良観光の魅力をイメージしていただくことが容易ではないと思います。

 奈良は古事記で「大和は国のまほろば たたなづく青垣 山こもれる 大和しうるわし」とヤマトタケルが詠んだように、美しい大和の国であります。しかも強大な王権が誕生した国の始まり、そして古事記、日本書紀、万葉集の主要な歴史舞台となった地域であるとともに、大和青垣に接して北部地域では平城宮跡や東大寺大仏殿、鹿の戯れる奈良公園などがあり、中南部地域では山の辺の道や世界から注目される箸墓古墳をはじめとした王族の古墳群が桜井市、天理市にあり、そして古代の貴重な遺跡、旧跡が飛鳥にもあります。このように奈良は歴史の古さにおいて、京都をはるかにしのいでおります。奈良の多くの有名な古刹や観光資源は、若草山、春日山、三輪山、香久山、金剛葛城山、信貴生駒山など、大和青垣に連なる代表的な山々に囲まれて存立しているわけであります。

 このように地理的状況も踏まえて私は提案するわけですが、奈良を捉えやすくするために、シンプルにして有機的なつながりを持った情報発信の仕方として、奈良の各地の観光資源や文化財を包み込んだ、大和青垣に囲まれた奈良をコンセプトに奈良をブランド化し、奈良の奥深い魅力を感じてもらってはどうかと思います。

 そこで、知事にお尋ねします。

 観光客を誘致する奈良の魅力づくりの一環として、現在取り組みを進めて一定の成果を上げつつある食や物産の提供にとどまることなく、ホテル誘致もとても重要であると思いますし、そしてイメージのブランドも欠かせないと思います。奈良のブランド化による観光振興にあり方について、どのようにお考えなのでしょうか。

 それから、中南和地域の観光インフラをもっと強化してはどうかと思います。具体的には、中南部地域の観光振興のために、奈良県と関係広域市町村及び交通業者などが協力して、中南部地域の名所旧跡を訪れることのできる記紀・万葉観光ルートの設定と、その観光ルートを訪ねやすくするための交通手段や案内板、道標、道しるべ、ガイドブックなど観光インフラ整備を行うことは必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 また、インバウンド効果が近年出てきていることは喜ばしいことです。また、この傾向をさらに定着させたいものであります。特に奈良は東アジアにおけるシルクロードの終着点であり、東アジアの文物受容による豊かな文化を築いた歴史があることを広く海外に紹介し宣伝することを通して海外からの誘客を図る一方、外国人観光客の受け入れ体制を整備するというインバウンド戦略も大切ではないかと思います。国際観光に取り組むことは、日本と他国の国際的な総合交流を通じて、相互理解を深め、国と国とのあつれきの解消にもつながるものだと信じています。奈良らしさを生かしたインバウンド戦略は重要だと考えますが、どうでしょうか。

 次に、五番目の質問です。

 昭和六十一年度から毎年開催されている国民文化祭の平成二十九年度、第三十二回の開催地に奈良県が内定し、文化庁からその内定書が正式に交付されたとの報告がありました。

 折しも、奈良県においては文化の力で奈良を元気にとの思いで、平成二十六年度から奈良県大芸術祭を毎年秋に開催し、奈良県の歴史と文化を全国に発信してきました。その成果は、大芸術祭の名にふさわしく、既に報告されているようにイベント数は六百以上と三倍増となり、参加人数も期間中の三カ月間で百二十万人を超えるほどの大イベントとなっております。盛大に開催されていることは、実に喜ばしいことであります。このような取り組みにあわせて国民文化祭を開催しますので、県外から奈良に来ていただく来訪客が満足していただけるようにリピーターをふやすということを願うものであります。

 そのためには、参加規模をどのように見込むのか、この機会に宿泊対応を充実させて今後の宿泊型の観光の拡充につなげるにはどうするのか、奈良の歴史と文化、奈良の魅力を全国に発信し、奈良県に来訪する観光客をふやすことを通じて、地域経済を活性化するための仕掛けを行うことなどで、工夫することは大事だと思います。そして祭りでにぎわいをつくり出すだけでなく、可能な限り手づくりによる県民参加型の国民文化祭となるようにしていく必要があるのではないかと。それと同時に、何を奈良県から文化発信するかということも重要であります。文化とは、人間が生産し、社会生活をし、あるいは精神生活をする、その中でつくり出されるものを全てを総称する言葉で広い意味を持っておると認識しております。そのような広い文化の発信の中で、私はぜひとも奈良県が全国に誇れる人権活動を土台にした、人間を大切にするという根源的な人権文化を盛り込んでいかなければならないと思うのです。

 例えば、部落解放運動史の学びの拠点である水平社博物館の貴重な文書・記録類の紹介、障害者の文化芸術活動、夜間中学の取り組み、ハンセン病回復者の偏見を払拭する啓発活動の架け橋美術展活動などなど、こうした人権文化の確立に取り組んできた県民活動の成果を、国民文化祭の中に盛り込んでいくことも重要だと思います。さらにこのような視点から人権観光、そして地域創生への寄与も考えることが必要だと思います。

 特に障害者の文化芸術活動に関しては、国民文化祭と同様に奈良県での開催が内定している第十七回全国障害者芸術・文化祭を国民文化祭と同期間で一体開催するとの知事の思いも聞いており、これは画期的な取り組みになるものと期待をしております。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 幅広い文化の発信の祭典としての国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭をどのような観点で展開しようと考えられておるのか、その取り組みの中に人権文化の視点をどのように反映させていこうとされているのか、所見をお聞かせいただきたいと思います。

 最後の、六番目の質問でございます。

 さきの十二月定例県議会において、知事は「耐震化工事がなされていない奈良県文化会館及び県立美術館は、今後改修する必要がありますが、改修とともに、その周辺地域一体で魅力ある文化空間を創出するための整備を行うことが望ましいと考えられます。その方向性を幅広く検討し、その結果を速やかに実施していく」と表明されました。私は、奈良県の観光振興を推進し観光立県とするためには、歴史と文化の保存と活用がとても大事だとは思っております。そのような意味で、知事が施設の改修の必要性を痛感されていることには共鳴をいたします。

 確かに、県立美術館については施設面において多くの課題があります。一つには、昭和四十八年三月開館して以来四十二年が経過し、施設全体が老朽化して、観覧者のニーズに合わなくなっている点が多く、また修繕を頻繁に行っております。二つには、耐震基準が満たされておらず、耐震化が実施されていないという大きな問題を持っております。しかし、そのような本県の美術館であっても、頑張っている姿を見ることができます。ちなみに、来館者数の実績において直近の状況を見ますと、例えば平成二十四年四月から六月の特別展が二カ月間で何と九万七千人、一日平均千五百人です。平成二十六年十月から十二月の特別展も、十万人の来館者を記録するという実績を上げました。

 この成果をさらに伸ばすためには、以下のような県立美術館の課題の解消が必要だと思うわけであります。

 第一に、美術館は建物を後から増築したため、構造上観覧ルートがわかりづらい状況です。第二に、一台しかない観覧者用エレベーターが観覧ルート上でない奥まった位置にあり、利用しづらい。第三に、このため観覧ルートに沿って鑑賞するには階段の上り下りが必要で、観覧者の七割を占める高齢者には大変負担となっております。第四に、これまでの展示内容がよいにもかかわらず、老朽化による展示壁の汚れや可動式の展示壁がないため変化に富んだ展示ができないなど、施設面でのマイナス要素が散見されます。また、県民アーティストがイベントを開催できるパブリックスペースがあれば、県民交流ができ、大変有意義な施設になると思います。どうぞ注意深く県立美術館を歩いてください。

 また、このほかに館所蔵の美術品を四千件以上保有していますが、奈良らしい貴重な美術作品の寄贈の申し込みに対して、美術品収蔵庫が狭いため断らざるを得ない、そのような状況になっていると聞き及んでいます。来館者が望まれているくつろぎのスペースや喫茶、飲食施設、おもてなしの施設がないなど、多くの課題を抱えております。

 国民文化祭が本県で来年開催することが内定しておりますので、奈良県の文化芸術振興の意気込みを、この際県立美術館の建てかえ、再整備ということで全国にアピールするいい機会になるのではないか、そのように思います。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 観覧者目線に立った施設の充実や奈良らしい展示ができる美術館は、その国や地域の文化水準をあらわすだけではなく、観光振興にも大いに貢献いたします。本県の県立美術館の現状についてどうお考えなのか、伺いたい。

 そして、本県で開催される国民文化祭に向けて、県立美術館の再整備による新生美術館をアピールし、施設建設後には本県の文化芸術活動の水準をさらに引き上げる拠点となるようにしてはどうかと考えますが、知事の所見をお聞かせいただきたいと思います。

 以上、壇上からの質問を終えます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十一番、和田議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 一番目は、小規模企業振興条例の制定に取り組んではどうかというご質問でございます。議員の小規模事業振興の考え方はよくわかりました。条例は、法の精神の地域への展開をしようというお考えだということもわかりました。

 まず小規模企業振興基本法についてでございますが、我が国では人口減少をはじめとする経済の構造改革などにより、小規模企業を取り巻く状況が厳しくなっていると思いますが、小規模企業に光を当てた小規模企業振興基本法が中小企業基本法に加えて制定されたことは、我が国の中小企業振興政策の転換点の一つのようにも思われるところでございます。

 本県の経済、小規模企業の実情でございますが、県内企業のうちの企業数で約九割、従業員数で約四割を占めているのが小規模企業でございます。県内各地において地域の特色を生かした地域密着型の事業活動を通じて就業の機会を提供され、地域経済の安定と地域住民の生活の向上に寄与されておられる極めて重要な存在であると認識をしております。現在、県では、中小企業基本法の基本理念でございます成長発展だけでなく、事業の持続的発展、継続を基本原則といたしました小規模企業振興基本法の趣旨を踏まえまして、小規模企業の振興を図るための条例の制定作業に取りかかっているところでございます。具体的に本県における小規模企業の課題を抽出し、課題に対する解決案を検討して、そこから必要な取り組みを導き出し、条文に盛り込むという手順になろうかと思います。

 小規模企業の課題はさまざまございますが、キーワードとなるのはやはり販路開拓、ブランド化、後継者育成、起業・創業促進といったことではないかと思います。現在、これらも含めた小規模企業の課題を洗い出すとともに、意識を変える、活躍の場を広げる、能力や技術を向上する、環境を整備するといった四つの側面から、課題解決に向けた取り組みをこの条例に基づき一層強化できるかどうか検討しているところでございます。

 小規模企業振興の条例をつくるという観点からは、ポイントもあろうかと思います。一つは法と異なる、またはプラスする発展的要素が条例で発生するかという点ではないかと思います。法があればその施行ですむのに、条例を加える必要があるかどうかという視点が必要かと思います。

 もう一つは、中小企業基本法あるいは振興の体制、体系がある中で中小企業振興と異なる小規模事業固有の企業振興を盛り込む余地があるか、あるいは盛り込む意味があるかということでございます。小規模事業、小規模企業の振興の必要性、重要性は総論としてはわかっておりますが、法体制としてどのような体系ができるかどうかという検討の余地はあろうかと思います。今後さらに検討を深めまして、小規模企業の持続的発展を実現するための効果的な施策についても熟考した上で、本県の実情に合った小規模企業の振興につながる、意義のある条例を検討してまいる所存でございます。

 次は、奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例がこの四月に全面施行されますが、その実効性についての観点から幾つかのご質問がございました。

 この条例につきましては、本年四月の全面施行に向けいろいろな準備をしております。体制整備の面では、助言・あっせん等を行う障害者相談等調整委員会を設置し、条例の運用に関する議論を始めております。または、県民などからの相談を受ける窓口の開設準備を進めております。また普及啓発の面でございますが、県民や事業者向けのアンケート調査等を通じて周知を図るとともに、県職員を対象とした研修会を集中して実施するなど、条例の実効性が確保できるような準備を進めているところでございます。条例施行後におきましても、個々の相談事案の解決に向けて、適切に対応することが必要かと思います。また、さらなる広報啓発ツールの開発等も必要かと思っております。また、いろんな事案が発生する中でのその解決に向けた取り組みには、市町村との連携が不可欠であるように思います。機会があるごとに、条例の趣旨、内容等の説明を行い、情報の共有化を市町村との共有化を図っております。

 今後、さらに全市町村が参加しておられますまほろば「あいサポート運動」推進協議会を核といたしまして、相互に連携を図りながら、条例の実効ある運用に努める必要があると思っております。また、具体的な障害の特性や配慮の事例等を整理したガイドラインをつくっていく必要があると思いますが、障害者団体との個別ヒアリングや調整委員会での議論を経て、ことし一月に策定し公表したところでございますが、今後これを活用して実効あるようにする必要があろうかと思います。県民、事業者の皆様に、障害や障害のある人に対する理解を深め、自己啓発につながるように取り組んでまいる必要があろうかと思います。

 議員お述べの差別的言動や障害を理由とする差別の解消をどう扱っていくかということにつきましては、まずは県民一人ひとりの自主的・主体的な啓発や、当事者間同士の建設的な対話によって解決を図ることが大事だと思います。私的自治、民的自治の場面がまず出てくると思います。

 次は、調整委員会による助言またはあっせんによる解決を必要とするケースもあろうかと思います。

 また、それによっても解決できない事案につきましては、県の役割も発生すると思います。それぞれの事案が、条例施行後も出てくるものだと思います。この条例の実効ある取り組みをするのが重要だと思いますが、条例を施行していく上で、さらなる工夫を要する事例も出てくると思います。県職員、市町村職員また関係団体等が研修を積みながら、この条例を実効的にする努力は継続的に必要かと思っております。

 今後とも、全ての県民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、差別的言動や障害を理由とする差別等のない、安心して幸せに暮らすことができる地域社会の実現が目標でございますので、その目標を目指して障害者施策を総合的かつ着実に推進する役割と見守る役割が県にあるように思っております。

 次のご質問は、県営住宅の建てかえ事業を契機とした地域まちづくりの取り組みについてでございます。

 県では、平成二十四年に策定いたしました奈良県住生活ビジョンにおきまして時代のニーズに合った公営住宅の活用を位置づけました。県営住宅の老朽ストックの更新や高齢者、障害者、子育て世帯が安心して暮らせる環境整備などに取り組んできているところでございます。例えば、昨年度に建てかえ工事を完了いたしました県営住宅小泉団地、二百四十戸ございましたが、小泉団地におきましては近隣の老朽化した三つの団地の集約化を進めるとともに、高齢者や障害者の方も暮らしやすいようなバリアフリー化を図りました。また、建てかえや集約化により生じた敷地につきましては、市町村と連携し、高齢者生活支援施設や子育て支援施設など、地域の暮らしに必要なサービスや施設をまちなかに確保するまちのリニューアルへの活用を進めていくこととしております。県営住宅のまちのリニューアルへの活用という視点でございます。

 ご指摘になりました近鉄大福駅周辺地区のまちづくりにつきましては、こうした諸課題を踏まえまして、県営住宅の建てかえを核としたまちのリニューアルのモデルとして、桜井市と連携して取り組んでいるものでございます。昨年七月には、桜井市と本地区のまちづくりに関する基本協定を締結いたしまして、県営住宅桜井団地における建てかえと地域に必要な拠点整備に関する基本計画の検討を進めているところでございます。

 その中で、高齢者や子育て世帯が地域に生き生きと住み続けられる多世代居住のまちづくりに向けて、一つには余剰地を活用した高齢者や子育て支援施設の誘致、また地域に開かれた町並み空間の形成、さらに将来の社会変化に応じて柔軟に変更可能な計画などを念頭に置いて、新たな県営住宅建てかえのモデルになるよう検討を進めているところでございます。

 また今後のスケジュールといたしましては、平成二十八年度に基本計画を踏まえて県営住宅建てかえの基本設計を行いまして、平成二十九年度以降に現地で具体的な事業に着手したいと考えております。

 引き続き、桜井市としっかり連携し、県有地を活用したまちのリニューアルの先進的なモデルとなるような取り組みを進めてまいりたいと思います。

 観光施策についてのご質問が幾つかございました。

 最初のご質問でございます。奈良のブランド化による観光振興のあり方についてでございます。

 古事記や日本書紀が編さんされたころは、古代日本で最も国際性が豊かな時代でございます。我が国には、当時の大陸文化や遣隋使や遣唐使を派遣して積極的に取り入れ、飛鳥文化を花咲かせ、さらには律令国家体制を整えていったという誇らしい歴史がございますが、奈良は日本の輝かしい時代の中心地でございました。国家成立の舞台となった奈良の地には、当時に思いをはせ、国家の成り立ちをたどっていくための手がかりとなる遺跡や文献、文化財が今もなお豊富に残っております。奈良の持つ価値は、はかり知れないところでございます。東アジアとの交流を基層として国家形成をしてきた日本の歴史、日本の始まりそのものが奈良の歴史文化でございます。

 このように連綿と続く比類のない日本の、また奈良の歴史的価値を観光資源としてブランド化して、国内外に発信するのはどのようにすればいいかということになります。一つは一三〇〇年、一四〇〇年を迎えます記紀・万葉プロジェクトというテーマで観光振興をしてきております。

 また観光インフラという面からは、情報のインフラという点になりますが、なら記紀・万葉名所図会の発行を毎年しておりますし、また最近はPR映像、奈良まほろまんを制作したところでございます。また県内周遊観光、幾つも昔の遺跡が散らばっておりますのが奈良の特徴でございますので、周遊観光をブランドとして創出していく必要があろうかと思います。沿道の町並みや山々の景観を味わい、古代から現代までの歴史の魅力をゆっくり歩いて楽しんでもらえます、奈良盆地周遊型ウォークルートの設定に今努めております。あわせて案内サインも整備すべく、現在関係市町村と役割分担についての連携協定の締結を進めております。

 このように観光素材は豊かでございますので、それを生かすということは大変大事でございますが、すぐれた観光地は観光サービスのあらゆる要素がそろっている必要がございます。奈良に欠けておりましたのは、十分なバラエティーのある宿泊施設、または人それぞれによって求められるレベルの高い飲食、またサービス精神などでございます。このような要素が全てそろって、観光地のブランド化が図れるものと思っております。そのような観光地のブランド化の要素にも努力を続けるとともに、現在奈良が持っております、よいブランドの要素を生かす形で観光地ブランド化を進めていく必要があろうかと思っております。

 また、外国人観光客に対するおもてなしの観点のご質問がございました。

 奈良の歴史にゆかりの深い国際交流でございますが、そのような観光要素を嗅ぎ取られて奈良を訪れられる外国人観光客が多いことも、最近よくわかってまいりました。統計的な面でございますが、奈良を訪れられる外国人観光客数は大幅に増加しております。平成二十七年は速報値でございますが、昨年比の約一・六倍に当たる過去最高の百三万三千人となりました。また、宿泊された外国人観光客数は昨年比の約一・九倍に当たる二十七万八千人となりまして、いずれも全国平均がそれぞれ一・五倍程度でございますので、それよりも高い伸びを示しているものでございます。

 県としても、さらなる外国人観光客の誘客に向けまして、またサービスの向上に向けまして、奈良の歴史的価値を観光資源としてさらに活用するとともに、観光プロモーションの積極的な展開や情報発信、また奈良の観光地としての欠けている魅力向上に取り組んでいく必要があろうかと思います。

 現地での外国人観光客のおもてなし拠点として、昨年七月にプレオープンしました奈良県猿沢インの観光案内所は、日本政府観光局から全国最高水準に当たるカテゴリー三の認定を受けました。カテゴリー三の認定は、全国三十六カ所のみと聞いております。二月末現在で約三万八千人のお客様にご利用いただいておりますが、この十一月には宿泊機能や奈良らしいおもてなし提供機能を備えた施設としてグランドオープンする予定でございます。さらに、海外への奈良の存在感を高める取り組みでございますが、本県にアジア太平洋センターを設置していただいております国連世界観光機関(UNWTO)と観光庁との共催で、さきの二月二十五日に遺産観光に関する国際会議を東大寺総合文化センターで開催いたしまして、三十四カ国、約百八十名の参加者をお迎えいたしました。

 また平成二十八年度は、(仮称)UNWTO東アジア太平洋・南アジア合同地域委員会の奈良県開催が予定されており、二十九カ国の政府代表を含め、約六百名の方々にお越しいただく予定でございます。国際会議にも、奈良県は大変評判の高い地域になってきております。

 県といたしましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを契機として、より多くの外国人観光客にお越しいただき、奥深い魅力やおもてなしを堪能してもらいたいと考えております。これにより議員お述べの相互交流が深まり、お互いを尊重し認め合える機運の醸成に対して、奈良県が少しでも貢献できるように取り組んでまいりたいと思っております。

 奈良県における文化芸術活動の振興について、国民文化祭などの展開の仕方も含めましてご質問がございました。

 本県では、これまでも文化イベントを通じた地域のにぎわいの創出や交流人口の増加による地方創生の取り組みを進めてまいりました。文化イベントが、地方創生につながるという観点の取り組みでございました。議員お述べのとおり、平成二十六年度より拡充いたしました奈良県大芸術祭におきましては、一昨年の奈良県芸術祭の開催時の三倍以上の催事数になりまして、来場者は三カ月間で百二十二万人にも上り、盛況のうちに終了いたしました。そのような中で、平成二十九年に本県で初めて国民文化祭を開催することになりました。各市町村や各文化芸術団体等と協力・連携いたしまして、奈良が誇る能やお茶など、日本文化の源流を探る、奈良が発祥の地でございますいろんな文化イベントを奈良らしく開催展開することにし、奈良の歴史や伝統の価値を県内外に発信することをまず考えております。

 本大会では、議員お述べのとおり、同じ期間で全国初の取り組みといたしまして、全国障害者芸術・文化祭と一体開催することも決定いたしました。その趣旨は、人それぞれが違いを認め、全ての人が人間らしく生きることのできる豊かな社会の実現を目指し、障害のある人とない人双方の芸術・文化活動を通じた交流が広がることにより、県民が障害及び障害のある人への理解と認識を深めることを期待しているものでございます。文化芸術のパワーに期待しているところでございます。このような取り組みを通じまして、障害のある人が自立して社会参加を実感できる機会を創出できると思っております。

 また議員お述べの人権文化の視点も十分に考慮し、さらに幅広い観点から全ての人の存在が尊重され、個性や能力を発揮できることの大切さを広く発信できる機会になればというふうに思っております。

 各市町村等におかれまして、こうした趣旨を踏まえて、今後の活力になるようなイベントの展開を行っていただき、奈良県の特色あるイベントとなるように全域で盛り上げていきたいと考えております。

 県立美術館の整備について温かいお言葉がございました。

 公立美術館には、地域文化の振興だけではなく、地域の活性化や観光客誘致の核となり、まちのにぎわいを創出できる機能が求められてきているものと考えております。しかしながら本県の県立美術館は、議員お述べのとおり、建物、設備の老朽化が進んでおり、耐震補強もなされていない状況でございます。耐震を含めた改修や機能の充実が、喫緊の課題になってきております。平成二十八年度は、県立美術館の北側にある北分庁舎、消費生活センター、婦人会館の三つの施設の移転に伴いまして、これらの建物の撤去を予定しております。今後、跡地も活用いたしまして、県立美術館と文化会館及びその周辺を文化ゾーンとして一体的に整備することが望ましいと考えております。

 こうした考えのもと、整備基本計画の策定を進めておりますが、議員お尋ねの美術館の整備につきましては、主な内容といたしまして、多様な質の高い展覧会を開催するための展示設備の充実、また文化会館の展示機能を移転いたしまして県民の文化活動の発表の場を設けること、また館内の移動手段について、これまでの階段中心からエレベーター、エスカレーターなど高齢者に優しい設備を設置する、また観覧者へのおもてなしの設備、アメニティー設備の充実を図ることなどが必要だと考えております。耐震補強に加えまして、そのような点を計画に盛り込むよう検討をしているところでございます。

 具体的な整備の実施につきましては、平成二十八年度実施予定の県立美術館北側の県有三施設跡地の文化財発掘調査等の状況や財源の見通し等も勘案しながら、また議会にお諮りをしていきたいと思います。また文化会館、美術館一体的整備の暁には、本県の文化芸術の拠点にもなるよう期待をしているところでございます。

 ご質問に対するお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 今、知事から答弁をいただきました。どれも積極的に、真摯に答えていただいたということで非常にありがたく思っております。

 さて、私は六点の質問をいたしましたが、それぞれ時間の許す限りで申し上げていきたい、要望していきたい、このように思います。

 まず第一点目の小規模企業振興条例の件については、本当に条例制定の作業に取りかかっていると、こういうことをお聞きし、本当に安心をしております。これがぜひとも条例制定を見るまで、ひとつ見守りたいし、頑張っていただきたいと思います。

 ただ申し上げておきたいのですが、県内の企業数は三万六千社のうち、小規模企業は八八・一%で約三万二千社弱を占めております。大変地域経済や雇用を支える重要な存在でありますし、そしてこの小規模事業に対する支援をするとなると、それこそ条例の中で恐らく書かれるものが、どれが我々の小規模事業者にとっては使えるものなのかと、制度、施策を使えるものなのかどうかと、有効的なものかということで、よくよくこの企業者は検討、深く考え、事業継続をこれからも考えていく意欲が湧いてくると、このように思います。そういう意味で、大変期待を持たせていただくわけですが、一日も早く議会に提案されることをお願いするということで要望とさせていただきます。

 次に二点目の質問でございますが、この障害者差別の禁止に関する条例については、障害者手帳をお持ちの方が、私の認識間違いなら訂正していただきたいのですが、恐らく八万七千人ぐらいが県内でいらっしゃるのではないかと、このように思います。それだけにとどまらず、精神障害を患っている人などを中心に、何らかの理由で障害を表に出せない潜在的な人たちも多くいると思います。したがって、この条例の対象となる当事者の方々は非常に多いです。したがって、相談窓口をつくるということは大変重要なことではございますが、障害福祉課にその相談窓口をつくり、相談員を配置する、こういうことになってきますと障害福祉課の業務の混乱、あるいはまた相談員の相談をこなすことで問題は起きはしないかということで相談員の配置計画、もしおわかりならばお示しをいただきたいと思います。

 それから、地域のまちづくりのかかわりの県営住宅のあり方でございます。県営住宅の入居者には高齢者が多くいることや、それからまた県営住宅を生かして新しいまちづくりをするということでございますから、防災拠点をつくり、防災体制を充実するということも大変重要なことになるのではないかと。したがって、例えば近鉄大福駅周辺まちづくりの基本構想を策定するに当たっては、桜井市と連携した防災体制づくりを検討していただくことを、これも要望としておきます。

 それから、奈良を観光立県として強化する点についてでございますが、確かに知事がおっしゃったような各観光名所、そういったところをちゃんと周遊型観光でやっていく、このようなことは大変重要なことであります。だけれども、地域で頑張ってつくられている観光資源のブランド化、これが多ければ多いほど、なるほど活気は観光振興で出てきますけれども、地域ブランドを寄せ集めたからといって、奈良ブランドができるわけではありません。例えば、日本の京都といえば日本の古都、ロマンを感じさせます。

 しかし、奈良といえば一体どんなイメージを我々は湧くのかということで、やはりブランドのイメージというものがなければなりません。そういうことで、ぜひともこの奈良のブランド化について改めて奈良のブランド化、奈良のイメージ、これをつくることについて方法論があれば一番よいのですが、いずれにいたしましてもこの奈良ブランド化の検討をお願いしておきたい。

 それから、あと最後になりますが、インバウンドでたくさんの方が来られておりますけれども、一日八千人ぐらいの人が宿泊しているような勘定になります。これは、人口減少対策にも役立つ話、補うことにもなります。観光振興は、そういう意味で人口減少対策の観点からも、ぜひとも重要な役割を果たす対策だということを理解して……。



○副議長(山本進章) 終わってください。



◆三十一番(和田恵治) これから頑張っていただきたい、こういうことをお願いします。

 それでは、一つだけ質問を出しましたので、よろしく。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 再質問にお答え申し上げます。

 障害者の対策で相談というのは大事な機能だと、相談窓口、相談員、どのようにうまく相談できるのか、来られる障害者の方は大変センシティブでおられるのでという趣旨のご質問だったと思います。

 今、専門の相談員を四月から二人配置いたしますが、障害福祉課内に配置する計画と今報告を受けました。それでお困りになるのか、あるいは来にくいのかどうかというご心配がおありになるという趣旨だと思います。私の経験では、子ども児童相談所というのが奈良市内に離れてしております。施設を改修いたしまして、来られやすいように、また子どもさんが来られてそこでお預かりすることもありますので、預かりやすいようにといったような雰囲気の造成に努めてまいりました。多少よくなったと思います。

 障害者の方の受け付ける窓口の雰囲気というのはどのようなものか、例えば看板をかけて障害者の相談所ですよというふうにするのがいいのか、あるいは裏口になって、多少はばかるからというのがいいのか、そういう大変センシティブな課題が入っていると思います。

 翻ってみれば、そのようなところにも堂々と行って障害者であることを誇らしげに言えるような社会が、先ほどから議員もお述べの差別のないインクルーシブな社会じゃないかというふうに思いますので、理想としてはそのような、健常者と同じように来られる社会の構築というふうに私は思います。県庁内でも、車椅子の人が大変エレベーターにも乗られますし、もうごく普通の景色になってきております。今度は心身、精神がそのように扱われるようになる気持ちの問題かというふうに思います。

 県営住宅の面でも、障害者の居住、一緒に暮らすことを大変県民の方が嫌われますが、県営住宅の課題は一緒に暮らしてもらえるような県営住宅をつくることでございます。親御さんが亡くなられても、障害者は住まいは県営住宅にあるよといったような県にしたいというふうに思っております。障害は県民の皆様が来ると嫌だと思われる気持ちが障害になっているわけでございます。

 今はご相談についての話でございますが、今申し上げましたように、二人専門員を課内に配置いたしますが、障害者権利擁護センターと連携するといったことは、これはこちらの話でございますが、来られる方が来にくい雰囲気なのかどうか、ちょっと私も注目して見ていきたいと思います。

 また議員とも相談いたしまして、窓口の場所をどこにするかといったようなことも、また話題にさせていただきたいというふうに思っております。

 まずは、今はこの場で、いや、心配だから変えるというわけにもいきませんので、とりあえずそれで四月でございますのでスタートさせていただきまして、様子を見ながら障害者の方が来にくいんだろうか、来やすいんだろうかを気にしながら運営をするということにさせていただきたいなというふうに、今お答えをさせていただきたいと思います。

 そのほかのことは、ご質問ではございませんでしたら、お答えしては悪いと……。



○副議長(山本進章) 結構です。



◎知事(荒井正吾) 答えてはいけない。



◆三十一番(和田恵治) ありがたいです。



○副議長(山本進章) もう質問はないからいいです。



◎知事(荒井正吾) 質問かと思いましたのは、観光のブランドイメージということでございます。所論を述べられましたことでブランドイメージの内容でございますが、どのようなパターンでイメージを、私は有名だというのはあまりブランドイメージではないように思っております。アマンという世界トップクラスのリゾートの創業者、ゼッカーという人が来ましたけれども、二回会いました。

 彼の自慢の一つは、世界トップクラスのアマンリゾートの創業者でありますが、自分は広告のために一銭も使ったことはないですよと、二回言いましたですね。それはなぜアマンリゾートが世界のトップクラスと思われて、今、引きも切らないように人が来るかというと、全て口コミなのだそうです。口コミで、いいサービスをすると必ずそれがブランドになって、イメージづくりではなしに実質をつくってそれがイメージになるということを誇らしげに言っておりました。



○副議長(山本進章) 知事、簡潔にしてください。



◎知事(荒井正吾) わかりました。

 奈良のブランドイメージは実質をつくるというのが一番大事かというふうに思っております。ブランドイメージのテーマはPRとまた違う、実質がいいというブランドイメージが大事じゃないかというふうに思っておるということを、ちょっと反応させていただきたいと思っております。

 以上でございます。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、三月七日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時五分散会