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平成27年 12月 定例会(第322回) 12月04日−02号




平成27年 12月 定例会(第322回) − 12月04日−02号







平成27年 12月 定例会(第322回)



 平成二十七年

        第三百二十二回定例奈良県議会会議録 第二号

 十二月

   平成二十七年十二月四日(金曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

 一、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式

 一、当局に対する代表質問

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△全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式



○議長(中村昭) 初めに、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式を行います。



◎事務局次長(小西彰) このたび、十年以上在職議員として、全国都道府県議会議長会から表彰を受けられました森山賀文議員、どうぞ前へお進みください。

     (議長中村昭、被表彰者森山賀文議員に表彰状朗読)

     表彰状

                              森山賀文殿

 あなたは奈良県議会議員として在職十年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります

 よってここにその功労をたたえ表彰します

     平成二十七年十月二十七日

                        全国都道府県議会議長会

     (表彰状及び記念品伝達、拍手起こる)



◎事務局次長(小西彰) 次に、知事の祝辞があります。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 一言ご祝辞を申し上げさせていただきます。

 このたび、森山賀文議員が自治功労者として、全国都道府県議会議長会から表彰をお受けになりました。誠におめでとうございます。

 森山議員におかれましては、地域住民からの絶大なる信任のもと、十年にわたり奈良県議会議員として県政発展のためにご精進いただいてまいりました。この間、厚生委員長や幹線・交通対策特別委員長、また監査委員などとして、県政のため、今日まで大変なご努力とご活躍をいただいてまいりました。誠に感謝にたえません。

 どうか今後とも健康にもご留意いただきまして、引き続き奈良県政発展のためご活躍いただきますよう、心からご期待申し上げるところでございます。

 簡単ではございますが、私の祝辞とさせていただきます。このたびは誠におめでとうございました。



◎事務局次長(小西彰) 次に、森山賀文議員より謝辞があります。



◆十三番(森山賀文) (登壇) このたび、全国都道府県議会議長会より自治功労者として表彰の栄に浴し、ただいま、議長より表彰の伝達を受け、誠に身に余る光栄でございます。

 さらに、知事からもご丁重な祝辞を賜り、あわせて厚く御礼を申し上げます。

 今回の受賞は、ひとえに、県民の皆様方からいただきました長年にわたるご支援は申すまでもなく、議長をはじめ先輩・同僚議員並びに関係各位のご協力のたまものと深く感謝申し上げます。

 私たち議員は、県民の皆様のさまざまな願いや思いを県政に反映させるため、今日の時代に、また奈良県の実情に応じた、予算の審議や国の施策に対する意見書の提出など、議員活動を通じて、奈良県の発展に積極的に取り組むことが求められているところでございます。

 私は、この受賞を契機に、県政のさらなる発展のために、微力ながら一層の努力をいたし、県民の皆様の負託に応えていく覚悟でございます。

 思い起こせば、私が奈良県議会へと送り出されましたのは、十年前、橿原市選挙区において、上田順一先生、続いて大保親治先生が病によりご逝去され、急遽行われることになりました補欠選挙でありました。

 議員活動は不規則で多忙であります。どうか先輩・同僚議員の皆様におかれましては、今後も健康には特にご留意をいただき、引き続きましてご指導を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単、粗辞ではございますが、御礼の言葉にかえさせていただきます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) これをもちまして、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰を終わります。

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十六番新谷紘一議員に発言を許します。−−三十六番新谷紘一議員。(拍手)



◆三十六番(新谷紘一) (登壇) 議長並びに同僚議員のご配慮をいただき、自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。

 ことし四月に実施されました統一地方選挙後の初めての質問でございますが、荒井知事におかれましては、見事三選を果たされ、応援をした一人として大変喜ばしく存じます。おめでとうございました。

 また、川口議員、出口議員とともに、私も十回目という節目になる議席を与えていただき、多くの県民の皆さん方に大変心より感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。引き続き、ふるさとを、奈良をもっと元気にするために頑張ってまいりますので、変わりませずご指導を賜りますようよろしくお願いをいたします。

 先月の二十八日に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、機運を全国で高めようと、東京都と東京都議会が開催したシンポジウムに参加をしてまいりました。さらに、自由民主党立党六十周年記念式典にも出席をし、私たちの会派から偶然、田中議員も参加されておられました。

 シンポジウムでは、平城遷都一三〇〇年記念事業推進議員連盟の会長を務めていただくなど、本県とつながりも深く、私にとりましても長くお世話になっております、またおつき合いをいただいている森喜朗大会組織委員会会長が基調講演をされ、東京オリンピック・パラリンピックは世界に日本の存在価値をアピールするチャンス、今から五十数年前の一九六四年と同様、オールジャパンで取り組み、特に四十七都道府県のそれぞれの特色を売り出そうとの講演内容でありました。これは、オリンピックを活用して、東京とともに奈良県もアピールし、発展させていくという考えであり、私も大いに賛同したところであります。

 荒井知事は、二〇二〇年のオリンピックに向け、ホテル誘致など県営プール跡地におけるプロジェクトに取り組むなど、さまざまな施策を展開されておられます。また、政策が原点である政界にあって、ホテルが入る新庁舎建設が争点となった先般の第二県都、橿原市長選挙でも、現職の森下市長の三選となりましたが、これは四月の知事選挙同様、政策をもって将来への期待であったと思います。

 東京オリンピック・パラリンピックに向けての森会長の講演内容からして、まず最初に、県政運営の重要事項であります新年度予算編成について、知事の考えをお伺いいたします。

 自公連立政権の安倍総理は、一億総活躍社会を目指し、希望を生み出す強い経済、夢ふくらむ子育て支援、安心につながる社会保障という、希望と夢と安心の新たな三本の矢を力強く実行すると表明されました。そして、先月の二十六日には、この一億総活躍社会の実現に向けた緊急対策をまとめ、補正予算の編成を含めて、安倍内閣の総力を挙げて直ちに実行していくこととされました。

 本県においては、荒井知事は平成十九年の知事就任以来、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るため、経済の活性化や県民福祉の増進、また東部・南部地域の振興など、県政発展に誠心誠意取り組んでおられる、その姿勢に対し、大いに敬意を表するものであります。

 その成果として、例えば医療の分野では周産期医療などの改革が進み、また観光の分野では外国人観光客が大幅に増加しております。しかし、一方で、依然として経済が脆弱であるなどの課題も残っております。

 そこでお伺いいたしますが、県政推進に大きな意味を持っている、間近に迫った平成二十八年度予算の編成に向けて、知事はどのような方針で臨むのか、お伺いをいたします。

 次に、名阪国道についてお伺いをいたします。

 名阪国道をはじめとする直轄国道の維持管理負担金が廃止されましたが、これは県当局のご努力もさることながら、関係市町村並びに私ども地元関係者が、名阪国道の重要性を踏まえ、その要望活動が実ったものであります。

 先般、山添村議会で、名阪国道の有料化に反対する意見書が決議され、知事に提出されましたが、鉄道網がない地元にとって、地域の経済活動や生活に欠かせない重要な社会基盤となっている名阪国道が、もし有料にでもなったら、特に大和高原地域におきましては、教育、福祉、経済、日常生活などにおいては死活問題であります。

 そこで、知事が交通需要マネジメントの例として言われている、通過交通だけを対象に有料とする方法はどのようなものなのか、お伺いをしておきます。

 続きまして、カジノの誘致についてお伺いいたします。

 奈良県は、国際観光立県でありながら、宿泊施設の客室は全国ワーストワンであり、県営プールの跡地への国際ブランドホテルの誘致は大賛成であります。しかし、三条通りや新大宮周辺の夜は寂しく、がらがらで多くの店が閉まっています。

 国際ブランドホテルの誘致とともに、さらに奈良県に海外の富裕層を呼び込み、県内宿泊者の増加につなげて、奈良県が名実ともに国際文化観光立県となるためには、カジノの誘致が効果的であると考えますが、自由民主党の石破衆議院議員が幹事長として直接奈良に来られたとき、カジノを中心とした統合型のリゾートをアベノミクスの目玉にしたいと考えているが、どう思うかと相談がありました。その後、ことしの四月二十八日には、自由民主党、維新の党、次世代の党の三党は、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)整備推進法案を衆議院に再提出されました。

 やはり私は、カジノには世界各国の富裕層が多く訪れ、長時間滞在することから、宿泊観光にもつながり、地域の経済の発展にも大きく寄与すると考えています。立地場所にはこだわるものではありませんが、例えば先日の橿原市長選挙の争点となった、近鉄大和八木駅前の橿原市の新庁舎と一緒に入るホテルにカジノを誘致することも可能であると考えます。

 現時点では法案は未成立でありますが、例えば韓国のカジノのように、外国人観光客専用として、パスポートを提示して入場する方式も考えられます。また、カジノと言えば大人の男性のイメージがありますが、奥さんや子どもさんも一緒に楽しめる方式なり、海外の富裕層の方が奈良に来られることで、奈良のにぎわい、活性化に、あるいは繁栄につながる対策も考えられます。

 これを踏まえ、法案が成立し、国で認められたら、奈良県の観光振興と奈良県経済の発展のために、カジノの誘致について検討されてはどうか、お伺いをいたします。

 次に、ことしも間もなく開催されます奈良マラソン大会についてお伺いいたします。

 ことしで六回目を迎える奈良マラソンですが、インターネットの申し込みの受け付け時間は年々短くなり、ボランティアへの申し込みもリピーターが多く、奈良マラソンに参加する人だけでなく、支える人からの人気も高いとのことであり、大変うれしく思っているところであります。

 昨年六月の代表質問でも申し上げましたが、奈良マラソンは、当時奈良県体育協会会長であった荒井知事に開催提案を申し上げたところ、取り上げていただき、平成二十二年十二月、第一回大会が開催されました。開催に当たっては、奈良陸上競技会の森岡会長や北谷理事をはじめ、以前に奈良市内で開催されていた大仏マラソンにかかわっておられた方々には大変ご苦労をおかけしたと聞いており、大会関係者のご努力に感謝申し上げたいと存じます。

 さて、昨年の五回大会では、衆議院議員総選挙の投票日と重なるという予想外の事態が発生したにもかかわらず、大会スタッフ、警察の協力、そして何よりも地元の方々のご理解とご協力のもと、想定し得る最大の対策をとられた結果、大きな混乱もなく、無事終了いたしました。

 今や奈良の冬の風物詩として定着している奈良マラソン大会は、ふだんはがらがらでありますが、奈良市内の宿泊施設は全て満室となり、十二月の中旬に開催されることで観光オフシーズン対策となり、経済的な効果も大きく、提案した私といたしましても大変喜んでいるところであります。

 インターネットのマラソン情報サイト、ランネットによると、奈良マラソンの参加ランナーからはとても高い評価をいただいております。全国の数ある大会の中でも常に上位を占めているようであります。二〇一三年の奈良マラソンに参加された女性ランナーの評価では、市民参加型フルマラソンの全国ナンバーワンでありました。

 この高評価の要因としては、奈良ならではのおもてなしにあるようです。コース沿道の切れ目のない応援や、ぜんざいや三輪そうめんの振る舞いなどが一体となって、奈良マラソンを盛り上げていただいております。このことがランナーにとっても、他の大会にはない感動と感謝の気持ちとして、特に印象深く残っているものと伺っております。

 このように、奈良マラソン大会は、全国のランナーにも支持され、地元からも支援されてる大会であり、なくてはならないスポーツイベントに成長しました。ことしも間もなく開催されますが、これからも末永くこの人気が続くように、今後さらに奈良マラソンをどのように発展させ、そして地域経済への貢献についてもどのように取り組んでいこうとしておられるのか、知事のお考えをお伺いいたします。

 五点目に、大和茶の振興についてお伺いをいたします。

 近年、農業は、販売価格の低迷や生産コストの高どまりなどによる農業所得の低迷、生産者の減少、高齢化などで厳しい状況が続いております。

 去る十月十五日、政府は環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPについて、日本やアメリカを含む参加十二カ国で大筋合意に達したと発表しました。この大筋合意を受けて、政府においては十一月二十五日、総合的なTPP関連政策大綱を決定し、農政新時代を掲げ、攻めの農林水産業への転換と重要五品目の経営安定・安定供給のための備えという国内対策をまとめられたところであります。

 なお昨年、当時TPP交渉の妥結に向けて協議に臨んでおられた甘利経済財政政策担当大臣と旧交を温め、意見交換をしましたが、アメリカとの交渉について毅然とした態度で臨まれたことに敬意を表したところであります。

 環太平洋経済連携協定の発効まで少なくとも二年程度かかるとはいえ、奈良県農業にとっても少なからず影響を与えると心配しており、今からその対策に積極的に取り組む必要があります。

 さて、私の住んでいる大和高原では、豊かな自然の中で育まれた特産品として大和茶が生産されています。しかし、生活様式の多様化による茶の消費の減少などにより、荒茶の販売価格が低迷し、茶業関係者にとって厳しい状況が続いています。

 こうした中、茶業関係者が半世紀にわたって運動を展開してきたお茶の振興に関する法律が、折しも私が三期六年にわたって務めた全国茶生産団体連合会の会長のとき、当時の鹿野道彦農林水産大臣と再三にわたり折衝し、国会に提出されました。そのかいがあって、茶業関係者をはじめとする関係者のご協力のおかげで、平成二十三年四月に法律が公布され、これに基づき、平成二十四年三月の民主党政権のときに、茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針が策定され、茶業の振興のみならず、お茶の文化に関する理解の増進に関する方針が示されました。

 私は、茶文化は日本人の心であり、その歴史を誇る茶文化の振興にあわせて、学校給食にお米の重要なパートナーであるお茶の提供を進めることが重要であり、またユネスコ世界無形文化遺産の登録を受けた和食の海外でのブームに乗って、お茶の輸出を振興するなど、販路拡大を図っていただかなければならないと考えております。

 そこで、若い生産者が将来にわたって夢を持って茶業に取り組むことができるよう、良質で安全・安心な大和茶の生産振興や海外での販路拡大に向けての取り組みについて、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、今年度が課税の最終年度である森林環境税についてお伺いをいたします。

 安価な輸入材の増加による国産材価格の低迷や、林業就業者の減少及び高齢化など、林業経営が厳しい状況にあります。そのため、間伐など管理が放棄された森林が増加し、洪水や渇水を緩和する機能、土砂の流出や崩壊を防ぐ機能が低下しております。また、森林が持つ地球温暖化防止に資する二酸化炭素の吸収機能や、多種多様な動植物の生息の場を提供する生物多様性の保全機能など、公益的な機能に対してのニーズも高まっています。

 このような状況に鑑み、県におかれては、平成十八年度より森林環境税を導入されました。また、平成二十三年度からの第二期では、放置されていた人工林の間伐を中心に取り組む一方で、都市近郊の荒廃している里山林や竹林の整備、加えて学校や社会活動における森林環境教育など、森林に関して多岐にわたる取り組みを展開してこられました。

 さらに、天皇・皇后両陛下をお迎えし、昨年、海なし県である奈良県で開催されました第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜の理念であります、山は川を育み、川は海を育む〜山・川・海の自然の恵みを未来に〜の趣旨を継承するため、森林環境の保全について一層の取り組みが必要であると考えます。

 これらの取り組みについては、山のことをよく知っている森林組合がこれまでに果たしてきた役割は誠に大なるものがあります。そして、その森林組合の育成なくして森林のあすはないと考えます。

 現行の第二期目の森林環境税は今年度が最終年度となり、私は、木は木としての値打ちが評価され、森林は森林としての役割を果たし、さまざまな社会的背景を考慮すれば、この制度を継続し、森林整備事業を重点的に実施していくべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 またこのような取り組みにあわせて、県内の森林整備を推進していくためには、地域で森林を維持管理する森林組合の育成と林業事業体の強化を図ることが必要不可欠であると考えますが、これについてもあわせて知事のご所見をお伺いいたします。

 最後に、県民の安全・安心を守る活動について二点、警察本部長にお伺いをいたします。

 まずテロ対策についてでありますが、既にマスコミ報道のとおり、去る十一月十三日の夜遅く、フランスのパリ市内において連続テロ事件が発生し、海外からの観光客を含め、百三十名以上の方がお亡くなりになられました。残念なことであります。

 この事件については、過激派イスラム国がインターネットを通じて犯行を表明しており、フランス大統領も同組織の犯行であると発表しています。さらに、テロリストの中にはシリアからの難民に紛れて入国していた者もあるとの報道もなされました。

 また、本年一月下旬から二月にかけて、シリアにおいて邦人二名が殺害されるテロ事件が発生し、同組織が犯行声明とともに日本政府や国民をテロの標的とする旨の表明をしていることから、我が国に対するテロの脅威は一段と高まっているものと考えられます。

 このような情勢の中、来年五月には、お隣の三重県で伊勢志摩サミットが開催され、加えて全国十カ所において関連の閣僚会議が開催されるわけですが、こうした世界の首脳が一堂に会する会合がテロの標的になるということは、二〇〇五年の英国でのサミット期間中のテロ事件からも明らかであります。

 サミット等の開催に伴いまして、今後、外国人を含め多くの観光客の方々が、伊勢志摩や隣接する本県を訪れることが予想されるところであります。現在、本県では、知事が観光の振興に力を入れておられ、外国人の観光客数が平成二十三年以降、右肩上がりに増加するなど、着実にその成果を上げておられます。実際、奈良公園をはじめとする県内の観光地において外国人観光客の方々を見る機会は、以前と比べて格段にふえていると実感しております。

 そこで、県民はもとより、県外から観光に訪れる方の安全・安心を確保するため、テロの未然防止対策に万全を期すことが重要であると考えますが、県警察としてどのように対策を講じておられるのか。また、フランスの連続テロ事件では、ソフトターゲットと言われている比較的警備が手薄な多くの人が集まる場所が狙われていることから、こうした場所に対する対策についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。

 続いて、県民の安全・安心を守る活動について、二点目の質問ですが、桜井市内における釈放中の容疑者逃走事件の対応についてでございますけれども、去る十一月二十一日、桜井市内において、勾留の執行が停止された容疑者が逃走し、地域住民の方々の不安が高まる中、三日後の二十四日に、県内において容疑者の身柄が確保されたという事案がありました。

 この事案については、当時、テレビや新聞などでも大きく報道され、これによりますと、容疑者は覚せい剤取締法違反容疑など桜井警察に逮捕、勾留されている状況で、親族の葬儀への参列を理由に、一時釈放されたというものでありました。奈良県警察においては、弁護人から容疑者が逃走したという連絡を受け、桜井警察署をはじめ県警察を挙げて、容疑者の捜査やパトロールの強化のほか、地域住民の方々に情報提供を呼びかけるなどが行われたと認識をしております。私自身も当時、付近を車で走っておりますと、幹線道路で警察官が検問してる様子を目の当たりにしておりますので、かなりの人員を動員して捜索活動などが行われていたのだと実感している次第であります。

 このように、逃走した容疑者による次なる犯罪の発生のおそれがあり、地域住民の不安が瞬時に高まる事案の発生に際して、次なる犯罪の未然防止や、地域住民の安全・安心をキープするための対策をとられているものと考えます。

 そこで、本事案の発生を受けて、県民の安全・安心をキープするためにどのような活動をされておられるのか、お伺いをいたします。

 以上、七項目、知事はじめ警察本部長に質問をさせていただきましたが、選挙管理委員会の選挙公報に載せた私の選挙公約は十一項目であります。これを実現できるように全力で取り組んでまいりますが、知事並びに警察本部長には趣旨をご理解いただき、簡潔でわかりやすい答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十六番新谷議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、新年度、来年度の予算編成に向けての方針についてでございます。

 本県の県政運営におきましては、県の実情に即して、エビデンスに基づき、県政発展の方向を考えることを基本としてまいりました。統計データや県民アンケート調査などによる現状の把握、分析を小まめに行うことにより、課題を洗い出し、その解決に向けて知恵を出し、全庁的な連携体制を築き、各般の取り組みを進めるやり方でございます。

 今年度も、政策課題ごとに、目標や取り組むべき事項を部局横断で検討する庁内の会議の場において、精力的な議論を数度続けております。

 現在、新年度の施策の検討を本格化させております。現時点において、新年度に重点的に取り組むべきと考えている政策課題を申し上げさせていただきます。

 一つ目は、脱ベッドタウンを図り、投資、消費、雇用が県内で好循環するため、本県経済の活性化と、奈良で働く場の創出をすることでございます。二つ目は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機といたします国際観光、文化発信、スポーツ振興などの取り組みでございます。三つ目は、県民ニーズの高い健康づくり、医療、福祉など暮らしやすい奈良をつくる取り組みでございます。四つ目は、過疎化が進んでいる南部地域、東部地域の振興に積極的に取り組むことでございます。このほか、県政全般にわたり、緊急の課題にきめ細かく目配せをしていく必要もあろうかと考えております。このような考え方のもと、積極的に考えを予算へ反映させていただきたいと思います。

 また、これまで検討段階にありまして議会でも時々ご質問をいただいております大規模プロジェクトでございますが、その調整が整ってきております。今後、優先順位を見きわめ、順次本格化させ、新年度予算に盛り込んでいけるものは盛り込んでいきたいと思っております。

 一方、必要な施策を継続的に将来的にも実施を図るには、持続可能な財政運営が極めて重要でございます。

 そのため、まず自主財源が乏しい本県の実情がございますので、新年度予算編成におきましても、国の予算の積極的な活用を基本にしたいと思います。特に、現在国において補正予算が検討されておりますが、国の補正予算は通常、地方にとって財源措置が手厚いものでございます。これを機動的かつ柔軟、積極的に活用していく方針でございます。

 また、単に歳出を絞って財政運営するだけでなく、本県の将来に資する必要な投資や、民間の経済活動を誘発、喚起するための投資は重要でございます。税源涵養、財政の持続性確保にもつながる課題でございますので、それらにつきましては積極果敢に行うようにさせていただきたいと思います。

 また、将来の県民に過剰な負担をかけない、バランスのとれた財政運営にも目配せが必要だと考えております。本県では、県税など自前の財源で償還する県債残高と年間の県税収入額との比較を注視しております。県債残高の大部分は国が交付税措置で返還していく約束になっておりますので、それはそれとして、県税本体で返還する県債、真水の県債の残高を注目してメルクマールにしておりますが、平成二十六年度末におきましては、その比率は三・八倍でございます。県政の目標として、四倍であれば健全な状況かなということを従来から判断をしてきておりますので、今後とも当面の目標でございました四倍を上回らないように、一つの重要なメルクマールとして維持をしていきたいと思っております。

 以上のような考えに基づき、今、来年度予算の編成作業、議論をしておるところでございますが、本県独自の地方創生を進め、住んで良し、働いて良し、訪れて良しの奈良県を実現したいと思いますので、予算編成のご議論、またよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次のご質問は、名阪国道についてでございます。

 名阪国道は今、無料になっておりますが、それを通過交通を有料化するというアイデアを奈良県が出しております。そのやり方、考え方についてのご質問かと存じます。

 この名阪国道は、昭和四十年十二月に暫定二車線で供用開始されまして、ちょうど五十年を迎えるものでございます。

 現在の奈良県と三重県の県境の交通量は、一日当たり約四万五千台もございます。大変な量でございますが、その約六割が奈良県を素通りする通過交通でございます。残念なことでございますが。この中には、有料である西名阪自動車道を避け、天理インターチェンジで名阪国道に乗りおりして奈良市内を経由するものがございます。特に、本県における観光の最重要拠点である奈良公園のエリアを大型貨物車が通り抜けていきます。岡山とか埼玉とか、奈良県に縁のない大型トラックがこの県庁の前を通り抜けていくのを調査をしております。

 こうした課題が生じますのは理由がございます。名古屋と大阪を結ぶ高速有料道路は三つございますが、名神、新名神、名阪の三ルートでございます。この大型車の料金を比較いたしますと、新名神ルートでは七千八百六十円でございます。名神ルートでは六千八百三十円でございますが、名阪ルートは三千四百七十円という料金格差がございます。名阪ルートは他のルートの半額ということでございます。このような名阪ルートに大型貨物車を中心とした交通が集中して、通過交通になっているものでございます。

 国におきましては、関東圏の有料高速道路におきまして、発地と着地が同じなら、ルートが違っても、圏央道を通っても同じような料金にしようという目標で、今、制度を検討中でございます。交通需要マネジメントという考え方でございます。国におきましては、この関西におけます名神、新名神、名阪での最適交通分担を実現するための交通需要マネジメント、TDMに取り組んでいただきたいと考えておりまして、政府に対する要望にも入れております。

 交通需要マネジメント、TDMを実現するための具体的な手法でございますが、解決したい課題の対象は、奈良県を素通りする大型貨物車でございます。名阪国道を利用する、安いがためにわざわざ迂回して回られる、こうした交通に限って課金するという課題が現実にあるわけでございます。

 地元地域の交通を除く、奈良県を素通りする大型貨物車だけに課金する方法ができるのかというご質問でもございますが、技術的にはドイツで採用されております、GPS機能つきの車載器を大型貨物車に装着させ、ドイツではドイツ領内を通過する東ヨーロッパあるいは北ヨーロッパの大型トラックが自動的に課金されるシステムをとっておられます。そのような方法ももちろん技術的にはあるわけでございますが、日本ではETCが大変普及しております。ETCは車種区分もわかりますので、経由地点の把握等に多少工夫を入れれば、ETCを活用することも技術的には可能ではないかと言われております。

 しかしながら、技術的には可能でございましても、関係する地域や業界も広範に及びますし、課金するためには課金する主体や目的など法制度的な課題もございますので、こうした課題も含め、国には知恵を出していただきたいと考えているところでございます。

 その次は、カジノの誘致についてどう考えるのかというご質問でございます。

 議員お述べの統合型リゾートと言われます、いわゆるIRでございますが、カジノを中心にホテルやコンベンション施設のほか、ショッピングモールや映画館などのレクリエーション施設などが一体となった複合的な集客施設と言われております。

 また議員お述べのように、このIR法案は、自由民主党、維新の党、次世代の党の三党により四月に国会に再提出され、九月二十五日の衆議院内閣委員会において継続審議とされたものでございます。

 ご質問にお答えいたしますが、奈良にふさわしいかどうかという点でございます。奈良は我が国の始まりの地として、また東アジアやシルクロード諸国など海外との交流による国際性豊かな文化が開花した地として、県内各地に歴史文化資産を数多く有し、世界的にも比類ない文化、歴史的価値が存在して、それぞれが現在に至るまで見事に継承されているのが最大の特徴でございます。観光地奈良の最大の特徴、ユニークさでございます。

 この奈良が有するユニークな特徴を積極的に活用し、国内外からの観光客誘致に効果的に取り組むことが重要でございますが、それとともに、奈良に不足している観光魅力アップも不可欠でございます。バラエティーのある宿泊施設、魅力のあるレストランなどでございますが、そのために、県営プール跡地への国際ブランドホテルの誘致やコンベンション施設などの整備を進めているところでございます。それとともに、健全な昼夜を問わないにぎわいの空間が必要でございます。そのような取り組みにより、長年の課題であります日帰り観光中心の奈良の観光構造を滞在型観光へ転換する必要性があるわけでございます。

 議員お述べのカジノを中心とした統合型リゾートについてでございますが、奈良の持っております特徴、ユニークさとのマッチングでございますが、千三百年を超える歴史の中で培われた、文化と歴史を中心とする観光要素が中心の奈良のイメージにそぐわないものであると私は認識をしておりまして、本県に誘致しようという考えはございません。

 奈良マラソンについてのご質問がございました。ご評価いただきますとともに、今後の取り組みについてのご質問でございます。

 奈良マラソンは、昨年同様二千人の県民枠をことしも継続いたしましたが、約一万九千三百人の方がエントリーをされております。外国人ランナーも年々ふえまして、ことしは十七カ国でございます。昨年の二倍の四百十三人がエントリーをされております。そこで、今年度から新たに、大会前日の三キロメートルジョギングに外国人ランナーの方を無料招待し、国旗をデザインとしたゼッケンを配布するなど、国際交流イベントとして、ランナー同士が交流を深め、楽しく走っていただくことも考えております。外国人ランナーの方は、二度おいしいではございませんが、二度走っていただくという試みでございます。

 国内外から多くのランナーが県内に宿泊したり飲食や土産物を購入されまして、地域経済に貢献しているものでございます。昨年の奈良マラソン開催による経済波及効果を試算いたしました。県内では約十億円、県外も含めると約二十五億円の経済効果があったと試算されております。

 レース当日はもとより、その前後も奈良で観光や食事を楽しんでいただくため、大会の楽しみ方や観光案内などを紹介するガイドブックを作成しております。ことしは、割り引きなどのサービスを提供するおもてなしSHOPを新大宮駅周辺にも拡大したところでございます。

 奈良マラソンは、ボランティアの方々によるサポートが特徴でございます。今大会は高校生千百四十人を含む総勢四千五百五十人のボランティアが、国内外からのランナーの皆様をお迎えする準備を進めていただいております。また、ランナーへの寒さ対策として、全員への防寒用ウエアの配布や大型ストーブの設置など、ランナーにやさしい大会を目指して新たな取り組みも始めております。

 このように、奈良マラソンが高評価を得て、ランナーからも高い評価を受けているのは、支えてくださるボランティアや声援を送ってくださる地元の方々のおかげと思います。感謝を申し上げるところでございます。今後とも地元の方々にも愛され続け、地域の活性化にも貢献する、よりよい大会になるよう努めてまいりたいと思っております。

 次のご質問は、大和茶の振興について、とりわけ海外での販路拡大に向けた取り組みについてでございます。

 議員お尋ねの大和高原地域の重要な産業である茶業の振興でございます。本県では、茶の振興を農業のリーディング品目として位置づけ、重点的に振興を図っているところでございます。

 具体的には、高品質かぶせ茶や、需要が伸びている抹茶の原料となるてん茶の振興を図るため、渋みを抑え、うまみを増すために、茶の木の上を覆って適度に日光を遮る資材の導入支援を行っております。また、オリジナル茶をはじめ、つゆひかりなど特徴のある品種を利用したティーバッグ茶など新商品開発の取り組みに対しても支援を申し上げているところでございます。さらに学校給食において、大和茶を使用したカップケーキやふりかけなど加工品を提供してきております。

 販路拡大についてでございますが、輸出に対応できる大和茶を生産するため、EU、アメリカ、台湾向けの残留農薬基準に対応した生産マニュアルの作成を進めております。また、茶生産者や大和茶取り扱い茶商業者への輸出意向を調査するとともに、ジェトロなどから茶の輸出情報を収集しているところでございます。大和茶の輸出にも力を入れたいと思っております。

 特にこのことについて、去る十一月十九日、TPP大筋合意を受けた奈良県農業振興のための新たな展開について、森山農林水産大臣に陳情申し上げましたが、大臣が早速この週末の六、七日に本県を訪問され、茶、薬草などの生産現場や林業現場などのご視察と、担い手農家との意見交換をされると聞き及んでおります。

 県といたしましては、TPP大筋合意を追い風に、攻めの農業に向けて、意欲ある茶生産者に対し、生産から流通、加工、販売を一気通貫して支援することにご支援申し上げることにより、大和茶ブランド化と販路拡大を積極的に進めていきたいと思っております。

 森林環境税についてのご質問が二つございました。

 この制度の継続についてのご質問が、まずございました。

 森林環境税は、県土の保全、自然環境の保全、水源の涵養など森林の公益的機能の重要性に鑑み、平成十八年度から導入されたものでございますが、平成二十三年度に五年延長され、今年度は最終年度となります。議員お述べのように、施業放置林の間伐の充実を中心に取り組む一方で、里山づくりの推進や森林環境教育などの取り組みを実施してまいりました。

 今後の森林環境税のあり方について、奈良県税制調査会に諮問をさせていただき、使途事業の効果検証や県が実施した意識調査の結果などに基づき、同税を利用した今後の取り組みの方向性や税制度について、先月、答申をいただいたところでございます。

 答申におきましては、施業放置林の整備に係る間伐等により、表面の土の流出抑制、樹木の成長による二酸化炭素の吸収能力などの向上が見られ、徐々にその成果があらわれているということや、森林環境税を活用した取り組みについて、個人、企業とも九割弱の県民から賛同を得ているなどの意識調査の結果を踏まえ、森林環境税は引き続き継続することが適当であるとされました。また税率につきましては、他県との比較もされまして現行のまま据え置き、使途事業については施業放置林対策に重点化するのが適当であるとされたところでございます。

 加えまして、税制調査会の審議の中で、山間部と都市部の受益と負担の観点から、都市部の方のより一層の理解を得る必要があるとの意見もいただいたことから、使途事業につきましては、税収の一部を都市部における植栽事業などに充てるような工夫ができないか、今後検討を重ねていきたいと思っております。

 これらのことから、税制調査会の答申内容を尊重し、使途の重点化を図るとともに、森林環境税を継続させていただきたいと存じます。必要な条例改正案を二月議会に上程させていただきたいと存じます。

 森林環境税についての次のご質問は、林業事業体の強化を図る必要性についてでございます。

 本県では、平成二十二年に奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例を制定いたしました。さらにこの取り組みを強化、加速するため、本年六月議会でご承認いただきました奈良県林業・木材産業振興プランに基づきまして、高級材だけを選んで出す従来の林業から、建設用材である根っこのA材、集成材などに使う真ん中のB材、パルプ・チップ用材である先っぽのC材の全てを森林から搬出して多用途に供給する林業への転換を進めているところでございます。

 議員お述べのとおり、森林整備を推進していくためには、地域でこれを担う森林組合など林業事業体の育成、強化が重要でございます。安定した事業量の確保と雇用労働者の確保、育成が課題になっております。

 具体的には、小規模な森林所有者を取りまとめて施業する集約化施業の推進や、作業道整備と高性能林業機械の導入等による労働環境の整備がぜひとも必要でございます。

 そのため今年度、県職員による儲かる林業施業提案チームを設置し、意欲のある森林組合等林業事業体と連携しながら、県みずからが集約化施業を森林所有者に働きかける取り組みを進めております。これにより、奈良市ほか三市村の森林において、新たに施業に着手することができました。引き続きこのような取り組みを推進することにより、安定した事業量の確保に努めてまいりたいと思います。

 一方で、従来より、奈良県の地形に合った奈良型作業道の整備や、高性能林業機械の導入への支援を行う必要がございます。施業集約化や木材生産に資する技術研修なども実施したいと考えております。これらにより、雇用労働者の確保、育成に取り組みます。

 今後も、奈良県林業・木材産業振興プランの実現に向けた、総合的、計画的な取り組みを進めていきたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございます。残余は警察本部長がお答えさせていただきます。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇) 三十六番新谷議員のご質問にお答えいたします。

 私へは、県民の安全・安心を守る活動につきまして、二点ご質問がございました。

 一点目は、テロ対策、その未然防止対策とソフトターゲットテロへの対策についてであります。お答えいたします。

 我が国に対する国際テロの脅威につきましては、議員ご指摘のとおり、いわゆるイスラム国等からテロの標的として指摘されていることから、一段と高まっているものと認識をしており、このような中で、来年には伊勢志摩サミット等が開催されることから、テロの脅威に対し、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。

 現在、県警察といたしましては、関係機関と緊密な連携を図るとともに、テロの標的となり得る重要施設や公共交通機関等に対するパトロールを強化し、その過程で積極的に職務質問を行い、不審者や不審物件の発見に努めているところであります。

 また、公共交通機関の管理者の方々に対しましては、テロ等対策会議を開催し、テロに対する危機意識の高揚を図っているほか、薬局等爆発物の原材料となり得る化学物質を販売する事業者の方や宿泊施設、レンタカー等の事業者の方に対しましては、警察官が個別に訪問し、利用者等の本人確認の徹底と不審情報の通報を要請しているところであります。

 議員お尋ねのソフトターゲットに対しましては、施設管理者に自主警戒の強化を、また大規模なイベント等が開催される場合には、主催者に警備員の増強や手荷物検査の強化を要請するとともに、制服警察官の配置や立ち寄り警戒を行うなどしてテロの未然防止に当たっているところであります。なお、十三日に開催されます奈良マラソンにおきましても、昨年よりも警察官を二割増強し、警戒警備に従事することとしております。

 県警察といたしましては、今後とも、関係機関や団体をはじめ広く県民の皆様のご理解とご協力を得て、各種テロ対策に万全を期してまいる所存であります。

 二点目のご質問は、桜井市内におきまして発生いたしました、釈放中の容疑者が逃走した事案の概要と警察が実施いたしました活動についてであります。

 本事案にありましては、桜井警察署において覚せい剤取締法違反で逮捕、勾留中であった被疑者の親族の死去に伴い、弁護人から裁判所に対して勾留の執行停止の申し出がなされ、裁判所は弁護人の付き添いや葬儀会場以外の場所への立ち寄りの禁止などの条件を付した上、勾留の執行停止を決定いたしました。そして、十一月二十一日午前七時五十分に被疑者は釈放され、葬儀終了後に桜井警察署へと車で向かっていた午前十一時ごろ、桜井市内において車から降車し、逃走したものであります。

 警察は、同行していた弁護人から被疑者が逃走した旨の通報を受け、直ちに多数の警察官を逃走現場周辺に投入して検問、検索を実施するとともに、警察犬の出動や全国警察への手配のほか、付近の防犯カメラ画像を収集、分析するなど、被疑者の早期確保に向けた捜査活動を展開いたしました。さらに、県民の方から広く情報提供をいただくべく、被疑者の人定事項や特徴、顔写真を報道機関へ提供し、公開捜査を実施いたしました。

 また、議員がお述べになりましたように、被疑者による次なる犯罪が発生するおそれがありましたので、その犯罪の未然防止や地域住民の方々の安全・安心を確保するため、県警察ではパトカーによるパトロールを強化するとともに、フェイスブックや情報発信システムでありますナポ君メール、それから広報チラシ、やまとの安全の配布などにより、広く情報発信を行いました。加えて、教育委員会や学校、さらには警察のOB団体の警友会をはじめとする地域の自主防犯団体等と連携して、小・中学校の学童警戒活動を強化いたしましたところであります。

 県警察では、本事案発生三日後の十一月二十四日、県民の方の情報提供により、大和高田市内で被疑者を発見、確保したものであり、この間、延べ約三百人の警察官を動員して捜索、警戒活動に当たったところであります。

 県警察といたしましては、引き続き、犯罪の未然防止を念頭に置き、県民の方々に効果的な情報提供を行うとともに、被疑者の検挙に向けた迅速な捜査活動を推進してまいりたいと考えております。

 以上です。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十六番新谷紘一議員。



◆三十六番(新谷紘一) 答弁、おおむねいい答弁が返りましたので満足をしているんですが、あと、いろんな課題もあろうかと思いますけれども、折に触れてただしていきたいと、こう思いますので、よろしくこれで終わります。質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、三十七番粒谷友示議員に発言を許します。−−三十七番粒谷友示議員。(拍手)



◆三十七番(粒谷友示) (登壇) 自民党奈良を代表いたしまして、代表質問をさせていただきます。

 安倍内閣総理大臣は、地方創生はこれからが本番で、目に見える地方創生を進める必要がある、こう言われて、これは増田レポートから始まった地方創生への議論が次のステージに向かいつつあるということであります。

 国においては、昨年、内閣総理大臣を本部長としてまち・ひと・しごと創生本部が設置され、東京一極集中の是正等を目的に、地方で人口ビジョンと地方版総合戦略を策定することとされました。

 一方、県の反応は、昨年八月には奈良県地方創生本部体制を確立し、五つの部会で議論を開始され、この九月議会では総合戦略の骨子をお示しになりました。また国に対しては、真に必要な提案、要望を知事みずから先頭に立って実施されるなど、知事の地方創生への取り組み姿勢は高く評価されます。そして先日、十二月一日、本県の総合戦略と人口ビジョンを取りまとめられました。

 さて、この総合戦略と人口ビジョンでは、人口減少の問題が、自然減と社会減の両面から発生していることがかなり深刻な問題であると考えられております。自然減の主たる原因は本県の出生率の低さにあり、社会減については毎年二千人以上の転出超過となっております。本県のこのような人口動態や人口構成の現状を踏まえると、人口ビジョンで示された百五万人以上を目指すことは決して容易ではないと思いますが、将来にわたって本県が活力を失わず、持続的に発展していくために、真に必要なる施策を積極的に講じていくことが最も大切ではないかと考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 この総合戦略の目指す基本目標を、住んで良し、働いて良し、訪れて良しの大きく三点にわたって設定されました。これらの基本目標のもと、今後奈良のよりよき未来をつくっていくため、どのような思いを込めて総合戦略を取りまとめられたのか、お答えをいただきたいと思います。

 続いて、本県独自の地方創生を進めていくための施策について何点か質問をいたします。

 まず、外国人観光客の誘客についてお伺いいたします。

 今年の一月から十月までの訪日外国人旅行者は、昨年の一千三百四十一万人から一千六百三十一万人と大幅な伸びが続いております。

 政府においては、第十七回経済財政諮問会議で、GDP六百兆円の実現に向け、観光面への対応を強化していくことが確認され、第一回明日の日本を支える観光ビジョン構想会議では、安倍内閣総理大臣から、訪日外国人旅行者の目標値である二千万人を通過点とし、さらなる高みを目指す旨の力強い発言がありました。

 観光は成長のエンジンです。ローカルアベノミクスの推進においては、国内の観光資産に注目し、観光産業を地域経済の基盤産業と考えられています。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、観光による地域振興は地方創生の柱の一つであります。

 奈良県でもこの機を逃さないように、荒井知事のリーダーシップのもと、外国人観光客誘客のため、海外プロモーションの積極的展開、情報発信の強化、受け入れ環境の整備、おもてなしの充実などに積極的に取り組まれてるところでございます。

 そこで、お伺いいたします。

 訪日外国人旅行者が大幅に伸びる中で、奈良県への外国人旅行者の入込数や宿泊者数、そしてそのことを踏まえ、県として観光振興のため、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、平成二十九年度に開催が内定している国民文化祭についてお伺いいたします。

 荒井知事は、奈良県の発展のために、特に文化行政に力を入れてこられました。ここ数年、ムジークフェストならや奈良県大芸術祭の取り組みは、文化のみならず、観光振興、地域振興、健康長寿にも影響や効果があったと認識しております。

 そして、東京オリンピック・パラリンピックを控え、奈良の文化のすばらしさを発信できる絶好の時期に国民文化祭を開催することになりました。これまでに二回開催された実行委員会では、名称や開催期間、マスコットキャラクター、基本理念などが決定されました。今後は、基本理念を念頭に置いたテーマやロゴマーク、公式ポスターやイメージソングの制作、また一番大事な事業展開を考え、まとめていかなければならない重要な時期に来ていると思います。

 そこで、お伺いいたします。

 平成二十九年開催予定の国民文化祭において、奈良県大芸術祭などの現在行われている文化施策とどのように連携を進めていこうと考えておられるのでしょうか。また、奈良県全域への展開を、市町村とどうして連携されていくのかをお考えされているのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、仏像などの文化財を活用した奈良の魅力発信についてお伺いいたします。

 奈良の仏像といえば、東大寺の盧遮那仏、今、非常に話題がございまして、髪の毛が少なかったと言われておりますこの大仏さん、そして日本最古の仏像と言われております飛鳥寺の飛鳥大仏、法隆寺の百済観音や釈迦三尊像、薬師寺の薬師三尊像などが国宝や重要文化財に指定されております。

 これらの仏像のすばらしさ、魅力については、二〇〇八年、東京国立博物館で開催された国宝薬師寺展では、国宝の日光・月光菩薩像がそろって公開され、会期中に七十九万人の方がお越しになりました。また翌年、同じく興福寺の国宝阿修羅展では、九十四万人の方がご来場され、待ち時間が二時間という大変な盛況でありました。

 このような奈良県が誇るべき貴重な文化財について、その価値を再認識し、その魅力を全国、さらには世界に向けて発信していくことは、本県だからこそ取り組むことができる施策でございます。

 そこで知事に、日本の宝と言うべき仏像の文化財を活用した奈良の魅力発信について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

 次に、首都圏での県産農産物の販売促進の取り組みについてお伺いいたします。

 県では、大和野菜、柿などの県産農作物の首都圏での販売促進のため、東京大田市場でのトップセールスや、昨年九月には新宿高島屋、先月には玉川高島屋で観光物産展を開催されるなど、積極的に県産農産物をPRされております。

 高島屋でのトップセールスには、私も二年続けて参加をさせていただき、首都圏の消費者、百貨店のバイヤーの声を直接伺うことができましたが、ある意味では、知名度アップには食べ方もあわせて提案することが重要であると感じました。その意味では、県産食材を使ったレストラン街でのメニューフェアや食料品フロアでの総菜類の販売は、有効なPRの手法であるとの認識を持ちましたが、京野菜や加賀野菜などのブランド野菜とは、大和野菜の知名度はまだまだこれからであります。

 そんな中で、県では、オリンピック開催で今後ますます注目度が高まるであろう東京に、新たに県産食材を活用したメニューを提供するレストランを開設されます。来年一月にはグランドオープンされると聞いております。

 そこで、お伺いいたします。

 東京での県産食材レストランときのもりの概要及びオープン後の運営と活用について、どのようにお考えされておりますか。そのほか、首都圏での県産農産物の販売促進をどのように進めていかれるのかをお聞かせ願いたいと思います。

 最後に、人口減少時代における今後の住宅地のあり方についてお伺いをいたします。

 人口減少問題に取り組むには、住宅地についても、子育てしやすい住環境の確保や過疎化への対応など、それぞれの地域が抱える課題に対応するための対策が必要であると考えます。

 県の北部地域や南部・東部地域でそれぞれの実情がありますが、例えば私の地元生駒市で見られる郊外住宅では、多くは第一種低層住居専用地域であり、建蔽率が四〇%、容積率は六〇%にしているなど厳しい規制が行われております。またそれに加え、地区計画制度の導入もされ、地域独自のルールをつけ加えております。

 これらの住宅地は、道路や公園などの基盤が高いレベルで整備・維持されてる上に、厳しい規制と独自ルールなどにより、非常に良好な住環境がつくられてこられました。しかし一方では、北部地域を中心に、昭和四十年以降に県内多くの地域で開発された郊外住宅地においては、成人した子どもが大都市などに別世帯を設け、県外に転出するなど、高齢の夫婦のみの世帯がふえて、地域活動の停滞や空き家の増加などの課題が出てきているところがあります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県内各地にある良好な環境を整えた郊外住宅について、今後住み続けられる住宅地として維持していくためには、どのような施策が必要であるとお考えでしょうか。ご所見をお伺いしたいと思います。

 以上が壇上での質問でございました。ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十七番粒谷議員のご質問がございました。

 最初は、地方創生総合戦略について、どのような思いを込めてまとめてきたのかというご質問と理解をしております。

 地方版総合戦略を策定することは国のご要請でございますが、地方にとって、奈良県にとっての受け取り方でございますが、私はこれを、地方が置かれている位置をよく自覚して、その上で地域をよくするためのさまざまなアイデアを出し、地域のことを考えて一番の知恵を絞れというメッセージというふうに受けとめてまいりました。地方のイニシアチブを国が支援するから知恵を絞りなさいという意味のメッセージとして受けとめてきております。

 そのように認識をした上で、地方版総合戦略の策定に当たりましては、県内の地域差にも目を配り、地域の現場をよく見て、自主的な判断、自立的な思考により施策を考えるようにしてまいりました。エビデンスに基づく分析を大事にして、奈良県庁が県内のシンクタンク機能を発揮するようにも心がけてまいりました。

 住んで良し、働いて良し、訪れて良しの奈良をつくるために一番大事なことは、奈良のよき未来を築くために、現在の投資をどのように計らうかということだと思っております。そのための地域の実情に合った投資ということになれば、複合的な目的を持った投資、事業展開が必要になると考えてきています。例えば、桜井のなら食と農の魅力創造国際大学校の場合におきましては、オーベルジュの併設や周辺などの整備におきまして、食と農と観光、産業興し、雇用の創出といったような目的が全て視野に入ってまいります。

 また、県営プール跡地のホテルを核とした賑わいの拠点ということになりますと、滞在型観光への変革が主たる目的でございますが、関連するならまち、あるいは奈良市、奈良県の観光に関連する産業の創出、誘発効果、また雇用の創出にも期待をするところでございます。奈良観光のブランド化、シンボル化も目的でございます。また地域にとりましても、大宮通りの中心でございますので、観光地奈良の玄関口と言える地でございますので、ターミナル効果も期待すべきところでございます。同様に国際芸術家村やトレーニングセンターの整備につきましても、文化、芸術、スポーツの振興だけでなく、観光、農業、農村の振興、雇用の創出なども目的に入れたプロジェクトと考えております。

 このような大型プロジェクトばかりでなく、細かいプロジェクトにも複合的な要素が入ってきております。例えば、医療と介護が連携した地域包括ケアシステムの構築などは、医療だけでなく、介護、またまちづくりなども視野に入ってきているプロジェクトでございます。また、少子化対策という点につきましても、結婚して子どもを産んでもらうというだけでなくて、若者向けの仕事の場をつくる、また非正規雇用率を低下させるといったことが主たる目的になってまいっております。そのために共通の重要なことといいますと、骨格幹線道路の整備や企業誘致、ホテルの誘致などが視野に入るわけでございます。横串となるような、軸になるような産業、中心産業あるいは中心インフラが必要な奈良県であると自覚をしております。

 このような考えではございますが、より一層の知恵をいただく必要もございます。奈良県地方創生本部体制におきましては、各分野の審議会等のご意見を総合戦略に反映するように知恵をいただく、知恵の托鉢をしようという合い言葉で作業をいたしました。去る九月には、それらのご意見を集約する形で、粒谷議員にもご参加いただきました有識者会議を開催して、有力な意見をいただいたところでございます。また金融機関との意見交換などにおきまして、未来への投資のための誘引をどのようにすればいいかなどの意見交換もしております。

 基本に戻りますが、エビデンスに基づく分析をもとに、将来をしっかり見据えた目標づくりが大事かと思っております。これは国のほうの言葉でもございますが、KPI、キー・パフォーマンス・インディケーターと言われる成果目標を、やはり奈良県でも設定することが必要だと思います。百を超えるKPIを設定した地方版総合戦略になっております。

 現在の要望に対してばらまき的に対応するのではなく、奈良県の将来のために一番大事な投資は何かという知恵を絞ろうとしてきたのが、奈良県版地方創生総合戦略の心構えという点でございます。今後、県議会のご審議、ご協力もいただきながら、着実、有効な実行を図ることができたらと思っているところでございます。

 二つ目のご質問は、外国人観光客の誘客について、その状況と今後の取り組みについてでございます。

 現在までの状況でございますが、奈良県を訪れていただきます外国人観光客数は、観光庁の速報値によりますと、本年一月から九月までで約七十二万人という統計でございます。過去最高でございましたのが、その前年の平成二十六年、一年間で六十六万三千人でございましたので、九月までで既にそれを上回っております。宿泊者数も約二十一万八千人となっております。その前年が十四万五千人でございましたので、これも大幅に上回る状況でございます。

 本県では、かねてからの課題と考えております宿泊滞在型の観光地への転換を目指しまして、海外プロモーションや受け入れ環境の整備に積極的に取り組んできておりました。なかなか効果が出ないなというふうに嘆いていた昨今でございますが、これは本県の結果ではなくて時流の流れによるところが大きいと思いますが、しかし、地元でも努力をしていないと、このような効果に寄与することはなかったのではないかというふうにも考えております。

 今後も外国人観光客のさらなる誘客拡大を図っていく必要があろうかと思いますが、二つの点で戦略的な努力をしていきたいと思っております。一つは観光サービスの改善の取り組みでございます。地元の観光サービスの改善を、さらに不断なく進めるということでございます。もう一つは、マーケティング手法を確立してターゲットを絞った誘客戦略でございます。

 観光サービスの改善につきましては、今年度、外国人観光客に直接かかわる通訳案内士や観光事業者を対象としたおもてなしスキルアップ研修などを実施しております。細かいことでございますが、一つ一つの積み重ねにより、地元の観光事業者の意識の向上を図る考えでございます。それとともに観光客の、いろんな国から来られますが、観光客の行動あるいは要求が微妙に違うわけでございます。それを繊細に受け取って、押しつけ型にならないで受け入れ型になる観光ホスピタリティーが必要だと思います。そのためには、それぞれの要求を持ってこられる観光客のご意見や苦情などを詳細に感じて、分析をして、おもてなしの実践につなげていく必要があろうかと思います。これが先ほど申し上げました観光サービス改善の戦略委員会の取り組みでございます。

 そのような戦略の延長といたしまして、この十月下旬には、中国旅游研究院の戴斌(ダイビン)院長に来ていただきました。また、スイス在住の日本政府観光カリスマの山田桂一郎さんにも来ていただきまして、研修会を開催いたしました。両氏によりますと、ターゲットを絞ってマーケティングをする必要があるぞというお話を伺いました。観光統計の分析をして、そのために地元の統計の報告を出していただき、それを分析をして、ターゲットを絞ってプロモーションをしていこう、また受け入れ体制を整備していこうといった試みでございます。それぞれのニーズが違いますので、十把一からげでお相手してはだめだというご指南でございます。それぞれのマーケットにマッチする形での受け入れ体制を考えるべきということでございます。

 このように、地元観光サービスの改善と観光マーケティング戦略を、これから観光戦略の二輪、両輪と考えて取り組んでいきたいと思っております。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今後一層の訪日外国人の増加が予想されますが、他の地域もやはり努力をされております。他の地域の努力に負けないような努力を重ねて、奈良がより人気が出るように努めてまいりたいと思っております。

 国民文化祭をどのように進めようとしているのかというご質問がございました。

 平成二十九年に、本県で初めての開催となります国民文化祭を開催させていただきます。そこにおきましては、日本文化の始まりの地、奈良の価値を全国にアピールする絶好の機会として捉えたいと思います。奈良らしい大会をつくり上げ、全国に発信していくこととしたいと思います。

 平成二十九年度におきましては、国民文化祭を九月から十一月に奈良県大芸術祭と同時開催をしたいと思います。それを踏まえて、多種多様な文化活動を一斉に広報展開する形にしたいと思います。また、その前の六月に、これも通年開催しておりますムジークフェストならは、国民文化祭のプレイベントとして展開をしたいと思っております。加えまして、全国障害者芸術・文化祭を国民文化祭と同時開催することにしておりますが、これは全国初めての取り組みでございます。この時期、まち全体に文化の雰囲気があふれるようにしていきたいと思います。

 また各市町村には、国民文化祭を観光振興や地域振興の絶好の機会として捉え、また地元文化資源の再確認の機会と捉えていただきたいと思っております。この国民文化祭終了後も各市町村の活力になるような持続性のある取り組みとして仕上げていくことを目標にして、奈良県全域を盛り上げて、持続的に盛り上げられないかというふうに考えております。

 また、この奈良県国民文化祭の基本理念のキーワードの一つでございますが、日本文化の源流を探るということでございます。それに関連させて、奈良が発祥とされる能やお茶などの文化を市町村で掘り返していただき、発祥ものづくしのような、国民文化祭をユニークになるようなふうにも考えていきたいと思います。今後、伝統的な文化の持つすばらしさや文化の持つ楽しさを広く紹介できるイベントを展開して、市町村とも連携、協力して進めてまいる所存でございます。

 仏像などの文化財を活用した奈良の魅力発信というテーマでのご質問がございました。大変すばらしい点に着眼されたように感服をしております。

 奈良の歴史、国家の歴史が形成される中で、仏教の伝来と興隆は、我が国の歴史上、大変重要な出来事でございます。仏教が日本に根づいていく過程で寺院の建設が進み、祈りの対象として仏像がつくられたわけでございますが、これら仏像の多くは、中央アジアの諸宗教の影響を受けたものや、当時の国際的な交流によってもたらされたものでございます。大変ユニークなものでございまして、ほかの地域の歴史とは全く異なる国際性を有するのが奈良の誇る歴史的文化資源であろうかと思います。

 本県では、こうした奈良の仏像の魅力を多くの方々に知っていただき、実際に訪れていただく取り組みの一つとして、祈りの回廊事業を推進してまいりました。六十を超える県内社寺の協力を得まして、春と秋の秘宝秘仏特別開帳を中心に、パンフレット、ホームページでの情報発信、ボランティアガイドの派遣や案内看板の設置などにより、奈良の社寺の奥深い魅力を紹介してきております。

 また本年四月に、地域振興部に文化資源活用課を創設させていただきました。今後につきましては、施策のウエートを保存から活用にシフトさせることを念頭に、仏像などの文化財を含めた文化資源の活用を文化振興の柱の一つとして位置づけ、奈良の魅力発信につながる施策を展開していけたらと考えております。

 そのような考え方にも沿う、奈良の仏像を含めた奈良の文化資源の活用でございますが、データベースを構築して、しっかりと施策の対象は仏像あるいは奈良の文化資源と位置づけ、県ホームページでの情報発信はもとより、県内のみならず、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年に向けて、世界にも力強くその魅力を発信する取り組みを具体的に前進させていきたいと思っております。

 次のご質問は、首都圏での県産農産物の販売促進の取り組み、また県産食材レストランときのもりの取り組みについてでございます。

 粒谷議員とは、この二年ご一緒させていただきまして、東京の百貨店で一緒にはっぴを着て、奈良の柿、大和野菜を声を張り上げて無料提供させていただきました。首都圏におきましては、そのような県産農産物の販売促進に加えまして、一層のイメージアップとブランド力の向上を図るため、食のアンテナショップとして、県産食材レストランときのもりをこのたびオープンすることになっております。

 ときのもりは、県産食材を生かした料理の提供や県産品などの物販、県産材を活用したインテリアなど奈良らしさ、奈良づくしを打ち出した店舗づくりにより、来店者に奈良を体感していただく場にしたいと考え、しつらえを行ってきております。ここを拠点として、奈良にうまいものがあるよということを首都圏で発信しようという試みでございます。

 このときのもりは、地下鉄南北線白金台駅というところから徒歩五分でございます。通称プラチナ通りと言われる通りから少し中に入った閑静な場所にございます、地下一階、地上二階の建物の地上一階、二階部分を占めておりますが、店舗面積は約五十六坪でございます。運営につきましては、公募型プロポーザルによりまして決定いたしましたオトワ・くるみの木共同企業体が行うこととなっております。一階は、ショップ兼カフェ部門をくるみの木が席数十七席で営業されます。二階のレストラン部門は、フレンチのオトワレストランが席数三十二席で受け持つこととなっております。来る十二月二十一日、二十二日に内覧会を予定しております。

 県が首都圏での販売促進に力を入れます経緯、動機ということでございますが、国内最大の消費地であり、かつトレンドの発信拠点でリーディングマーケットでございます。そのような首都圏のマーケットで認めてもらうことで、世間の値打ちのランクが決まります。全国に波及するものというアドバイスもいただいております。

 そのようなアドバイスを受けまして、県では首都圏への物流を確保するため、大田市場と築地市場へのトラック配送を行っておりますが、今年度も大田市場でのセールスや玉川高島屋での観光物産展、また築地市場や奈良まほろば館での旬の野菜などの試食会を開催してきております。議員お述べのとおり、高島屋で開催いたしました観光物産展では、県産農産物を食材として使用したメニューフェアや惣菜、スイーツなどが大変好評でございました。やはり食にして売るという威力が有効だというふうに実感したものでございます。

 お問い合わせになりましたときのもりの県営レストランでございますが、来年一月上旬のグランドオープンを予定しております。ぜひご利用願いたいと思いますが、通常営業のほか、首都圏のシェフと県内生産者等が交流するマッチングイベントや、県内シェフを招いてのジョイントイベントを開催するなどに取り組みたいと思います。県内の野菜を首都圏のシェフに販売する場としても活用したいと思っております。県産農産物の魅力を、食を通して発信する場として活用する試みでございます。

 次は、人口減少時代における今後の住宅地、とりわけ郊外住宅地のあり方についてのご所見とご質問がございました。

 奈良県の郊外住宅地は、昭和四十年代以降にその多くが開発されてまいりました。開発当時に入居された世帯の高齢化が急速に進んでおります。高齢化率も、奈良県平均の二七%より高い地域が多くなって、地域の活力の低下が懸念されております。ニュータウンがオールドパーソンタウンになってきているわけでございます。

 一方でこうした郊外住宅地は、議員もお述べのとおり、良好な住環境が保たれており、大阪など大都市部への交通利便性も高いわけでございます。こうした長所を生かしつつ、若者から高齢者まで各世代のバランスがとれた、住みやすいまちへの地域リニューアルを進めるという課題があるように思います。

 まず高齢者の住みやすさの観点でございますが、郊外住宅地の多くが鉄道駅から一定の距離があり、戸建て住宅のみが建ち並ぶ、徒歩では買い物などが難しい地域が多いわけでございます。このため、車を使わない高齢者でも、買い物や通院など一定の利便性を享受できるようなリニューアルが必要かと思います。そのためには、生活利便施設や福祉施設などが近隣に新たに立地していただくことや、生活利便施設、スーパーなどへの交通の確保なども必要だと思います。また住宅あるいは地域のバリアフリー化なども図る必要があろうかと思っております。

 次に若者の住みやすさにリニューアルする観点でございますが、郊外住宅地の多くで、就職などを転機として若者の、その住宅地から出られるのみならず、県外へも出てしまわれる転出が続々続いているのが奈良県の現状でございます。このため、県内における雇用の確保を進めることがぜひ必要でございますし、子育て世代にとって魅力的な住環境となるよう、子育て支援サービスの充実や、地域の施設が提供するサービスに関する情報提供、空き家を活用した住みかえの促進なども若者向けに進めることが重要だと考えております。

 県内には多くの郊外住宅地がございますが、それぞれの地域の地勢が違います。利便性や世帯構成なども異なっております。このため、今年度はこうした大規模な郊外住宅地の調査を行いまして、各住宅地の人口構成や空き家の発生状況などの実態把握を進めていきたいと思います。

 この調査の結果、郊外住宅地にも、特定の年齢層のみが多く高齢化率が四〇%を超える住宅地がある一方で、年齢層が比較的多様で新しい世帯が流入している住宅地もあることがわかっております。この違いはどういうことに起因するんだろうかという要因分析が必要でございます。来年度予定しております奈良県住生活基本計画の改定におきましても、この奈良県の実情を調査し、その実情を踏まえた施策に向けて取り組みを行っていきたいと思っております。

 ご質問はとりあえず以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十七番粒谷友示議員。



◆三十七番(粒谷友示) それぞれご答弁をいただきました。

 地方創生のいわゆる総合戦略についてでございますけれども、奈良県の場合は北部そして南部、東部と、それぞれがいろいろと事情が違います。課題をやはりいろいろとお持ちだろうと思います。その中で、今知事がおっしゃったように、地域の現場をよく知り得ること、そしてその実情を把握することとおっしゃいました。まさしくそうだろうと思います。そうすれば、今後それを踏まえて、どのように総合戦略を実行されていくのかなということをお聞きしたいと思います。

 次に、いわゆる外国人の訪日を含めて観光についてお聞きしたいと思うんです。

 先週、私、京都の高台寺のほうに、ライトアップをしているということで友達と行ったのですけれども、とにかく三年坂を上るところから行けなくて、高台寺に行きますと、夜の五時過ぎですけども、二時間待ちというような大変な盛況であります。仕方ないからそこから、祇園から河原町のほうに歩いていったのですけれども、とにかくすごい人です。食事をする場所がなかなかありませんでした。

 次の日に難波に行きまして、八時ごろでしたか、難波へ行きました。そこで、いわゆるドン・キホーテのほうに入りますと、とにかくすごい、中国人なんかの爆買いがすごかったです。とにかくバックヤードから商品を運んでこられたら、その商品をもう我先にと皆さんが奪い合うような、そんな状況ですね。あれを見ておりますと、私ら、若い方はご存じないのですけれども、オイルショックのときに、ティッシュペーパーやトイレットペーパーを主婦の皆さん方が必死に奪い合ったような時代がございましたけれども、何かあんな雰囲気の状況でございまして、さすがにすごいなというのを実感しました。

 そして、次の日に私、県庁へ来まして、夜五時半ごろ東大寺の周りを回ったら、この東大寺の横に夢風ひろばというのがあるのですけれども、全く閑散としております。そして、中へ入りましてお聞きしましたら、もう店、六時になったら閉めますねんと。もう全然ここら辺、人来ませんねんという話なんですね。ということは、これ、大阪と京都と奈良の違いって一体何なのかなと。これほど違うものかなというのを私、痛切に感じたんです。

 そこで、いわゆるアメリカの大手雑誌のトラベル+レジャーなんかが発表しております、いわゆる観光都市のランキングでは、二年続けて京都が一位、第二位がアメリカのチャールストン。このチャールストンというのは、南北戦争の発祥の地ということで、一番アメリカ人にとっては古きよきまちという位置づけなんですね。この雑誌のベストテンに奈良県は入っていません。奈良県はありません。すなわち、奈良県は、いわゆるこのチャールストンのような、あるいはまた京都のような歴史文化があるまちなのですけれども、認知度がないんですね。非常に残念やなというような思いがいたします。

 そこで、いわゆる最近では、京都なんかではインターネットの口コミということで、ピンポイントで、いわゆるトリップアドバイザーで紹介をしているところがたくさんございます。案外、京都でメジャーじゃないマイナーのお寺も、この口コミサイトで結構人が行かれるそうでございます。これも一つの私はPRの方法かなと思うんです。

 それと、ご承知のようにあの高野山、この高野山では、フランスのルモンド紙がここへ高野山を紹介したと。そこから、とにかく高野山にフランス人がたくさん行かれます。宿坊にもたくさんお泊まりになります。約八割ぐらいが外国人ですね。当然、高野山はもう人で人で、外国人であふれています。そして、南海電車は車内放送がフランス語で案内なさいます。それぐらい、やり方によったらこうなるのかなというのが印象的ですね、私自身が思うのは。そんな中で、いわゆる何をどうPRするんかな、そんな思いがいたします。

 先ほど私質問しましたように、奈良のいろんな大仏さん、あるいは薬師寺でありますとか、このような貴重な文化財、例えば奈良県にある仏像というのは、国宝に指定されてるのが七十一体です。京都はといいますと、わずか三十八体しかないんですね。ということは、我々も認識がなかったのですけれども、奈良県にはこんな宝物があるんだということであります。ということは、この貴重な国宝である仏像を国内外にもっともっと知らしめるべきではないのかなと。

 私も、この薬師寺さんのこの東京都でのときに、薬師寺の執事長であります加藤朝胤というのが私の友達なのですけれども、とにかくすごかったというふうに言ってます。まさかこんなに、薬師寺のこの日光・月光菩薩を展示したときに、二時間待ち、三時間待ちでも待ってくれるんやと。こんな盛況で、予想外の盛況だということを聞いてました。

 そういう意味では、こんなすばらしい仏像が、そしてまたすばらしい奈良県の財産をもっと利活用しなきゃならないな、そんなことを思ってるところでございますし、また先般、今知事もご答弁がありましたように、外国人の方で奈良にお越しになった方で、先般お聞きしますと、奈良でいわゆる歴史的な実体験、すなわち奈良の習字、炭を使った習字とか茶道、お茶ですね、茶道とか、このような日本の歴史的なことに触れたときに非常に感動を覚えたと。国に帰ったら必ず皆さん方にお伝えして、奈良のよさを、もちろん奈良の寺社仏閣や公園もよかったのですけれども、奈良の歴史に触れたということが非常に感動だったということをおっしゃってました。

 そういう意味では、奈良の歴史体験あるいはまた文化体験の場所づくりも必要ではないのかなと思いますが、今後知事にとっては、この観光、特に訪日外国人のPRをどのようにお考えになっておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

 次に、国民文化祭についてお伺いいたします。

 知事は文化に非常に力を入れておられます。しかしながら、まだこのムジークフェストならや奈良県大芸術祭は、県下一円においてはかなり温度差がございます。今回のこの国民文化祭というのは、全員、県下一円にわたってのこれはイベントになろうかと思います。そういう意味では、温度差があってはならないのではないのかな、そんな思いがいたします。いわゆるそれぞれの市町村からのボトムアップすることと県からのトップダウン、これが相まって、この国民文化祭を大きくしていただきたいなと思っております。

 これは今後も意見を申し述べるところでございますので、要望にしておきたいと思います。

 次に、知事からこの住宅地の政策についての、調査をするということをおっしゃいました。

 ちょうど今から三十年、四十年ぐらい前に、奈良県ではいろんなところが大型開発をされました。特に私の生駒市を例にとりますと、六十坪を一つの単位として大型開発されました。当時問題が起こったのが、六十坪の土地を三つ、四つを一つの区域にしてマンションを建てるということで、このロケーションが変わるということで、地域の住民と行政とが非常にトラブったことがございます。そのうえに、生駒市では当時、私は当時市議会議員でしたけれども、地区計画制度を導入して、法の網をかぶせようということで条例を制定しました。これによって、六十坪の住宅地は閑静な住宅地として、将来まで、今日まであまり大きな変化なく、良好な住宅地としてなっております。

 しかしながら、ある一方ではこのような住宅地は、若い世帯がお父さんと一緒に二世帯にしようと思ったら、容積率が足りません。この容積率が足りないということで、いわゆる市外、県外に流出されるんです。大体この辺の家はやっぱり築三十年、四十年ですから、当時お住まいになった方は大体六十代、七十代ということですから、もう建てかえをするか、あるいはまた、もう完全にこの家を空き家にするかということになっております。

 そういう意味で私は、これはもちろん生駒市なりあるいはまた市町村の判断ですけれども、県としてやはり一つの方向づけを示すには、この容積率の緩和、いわゆるあめとむちというんでしょうか、いわゆる容積を緩和して二世帯が可能なような容積をやるということは、一つの私は考え方だと思ってるんです。それによって息子さん夫婦が地元へ帰ってきていただいて、親子三世帯が住んでいただける。そうなれば、まちはもっと若い方がふえ、元気が出てくるん違うかな、そんな思いをいたしますが、何かご所見があればお伺いしたいと思います。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 幾つかご質問がございました。

 最初は、地方創生、ご意見でもあったかもしれませんが、ご質問でもあったかもしれません。地域差をよく考えるということをおっしゃいましたし、どのように地域差を捉えていくのかというご質問でもあったかと思います。

 ご質問をお聞きいたしまして、地方版総合戦略の奈良県の一つの取り組みは、県、市町村の連携による奈良モデルでございますが、全体として奈良県・市町村長サミットをしておりますが、その派生として地域懇話会というのをやり始めております。テーマを決める場合もあるし、その地域の話を何でもしようといったような懇話会もしております。その地域のそれぞれの願いが違っておりますので、それぞれを踏まえた、県とその地域の懇話会というやり方も出ているのを報告をさせていただきたいと思います。

 そこから地域の実情を反映させるという観点でございますと、それぞれの地域とまちづくりをそれぞれの協定でやろうと。あるいはごみの処理なども、有志連合というような言い方をしてもいいかもしれませんが、有志連合と協働化をしようといった取り組みが進んでおりますので、全体としての県、市町村、連携・協働という大きなフレームの中で、個別の連携・協働が進んでおるというご報告とともに、そのようなやり方、実行の仕方が奈良県版地方総合戦略の特徴になっているのではないかというふうに思っております。

 二つ目の外国人観光客についてのご所見でございますが、京都、大阪との比較をされました。夜のにぎわいが特に違うということでございます。

 奈良は、夜はむしろ寂しいなという人と静かでいいなという人が、最近二つのパターンがおられますので、静かであるのはいいのですけれども、静かなとこにとまらないというのが、博物館だけで、博物館を朝から見る宿泊所がないというのが致命的な欠陥であろうかと思います。京都におきましては、あるときからどんどんホテルいらっしゃいと。あるときはそんなに差がなかった。あるときからどんどんふえていく。奈良は抑えに抑えて一向にふえなかった。この歴史が一番、統計を見て残念でございます。奈良は排除をした、排斥をした。新しい投資を排斥した歴史のトラウマが私にはあるわけでございます。そのようなことがあっちゃいけないと。奈良らしいホテルの整備もできる。京都らしいホテルの整備を続けてこられました。

 京都には、静ひつさを売り物にするアマンというようなホテルがございますが、先日、その創業者でございますゼッカーというインドネシアの人が来られまして、お昼一時間半ほどご一緒いたしました。いろんなお話をしましたが、彼の自慢の一つは、荒井さん、私はこれまでアマンのために一セントも広告費使ったことありませんよとおっしゃいました。全国の富裕者層を中心に四十万人の、アマンジャンキーズと彼は呼んでおりますが、フォロワーがいると。そのフォロワーズの、富裕層でございますが、資産が六千兆円だという話も聞きました。どこにつくっても、そのアマンのコンセプトを揺るがさない限りは、そのような方がフォロワーで来られるという超ブランドでございますが、そのような方が奈良に来られて、奈良につくってもいいよという感触まで出された。それほど奈良の地はすぐれている面がある。それは静ひつさを維持しながら宿泊施設をつくるという、そのような投資家が世の中にいるわけでございますが、そのような方も含めて排除してきたのではないかというトラウマがあるわけでございます。奈良の静ひつさを守りつつ宿泊の便を図る。しかもバラエティーのある、高級なホテルから、非常にぶらっと来られる外国人の方も含めて、バラエティーのある宿泊施設をつくるのが最大絶対の課題だというふうに改めて思っております。

 また大阪のような、あるいは夜のようなにぎわいを、盛り場のにぎわいは多少ふさわしくないように思いますが、静かなにぎわい、夜もほのぼのとしたにぎわいはヨーロッパの地方都市にもございますので、そのような奈良らしいにぎわいを目標にしていきたいと思っております。桜井の阿部という田舎の田舎の山の上にある、夜中にぽっと電気がともって温かい雰囲気で食事をされ、宿泊されるというのが、奈良らしい、奈良にふさわしいにぎわいであろうかというふうにも思っております。

 もう一つは、その受け入れのサービスの改善で、奈良のにぎわいをつくるのに阻害してきましたのは、さぼってもうけるというメンタリティーから脱却しないといけない。努力して汗をかいてお客様と末永くつき合うといったようなメンタリティーに変えないと、観光地は絶対に発展しないというふうに私は思っております。そのような事業者の方も出てきておられますので、そのような事業者を阻害されないようなマーケット、デスティネーションにしていく必要があろうかと思っております。

 次に、国民文化祭につきまして、県内に温度差がありますよという、県が主催するイベントを、市町村も巻き込み、民間の人も巻き込んでだんだん浸透しようという流儀でございますが、ムジークフェストならも奈良県大芸術祭もはならぁとも、あるいはいろんな文化活動がだんだん浸透してきております。市町村もだんだん協力してきておりますし、民間のはならぁとなどの障害者の芸術祭は、奈良県は割と実力が出てきているように感じております。そのような、だんだん展開してゆっくりやるんやというのが奈良の特徴のようにも思えるわけでございますが、ゆっくりでも足がとまることなく進めばいいなというふうに思っております。

 文化の力というのは侮りがたいものでございます。また、奈良らしい力になるものだと確信をしておりますので、いろんなイベントの振興を、浮ついたものにならないように、着実に奈良らしさとマッチした文化の振興が図れたらと念ずる次第でございます。

 住宅地のことについて、地域のその住宅敷地内のリニューアル、一戸建て四〇%の容積率から多少容積率をふやして、低層、中層のマンションあるいは二世帯住宅にして一方を貸し出すといったことは、東京都内の住宅地でもよく見かける風景でございます。

 奈良県のどのような地でそのようなことができるのかということでございますが、駅前の商業地区と言われるところでは、そのようなことがもちろん都市計画上可能でございますし、そのような転換が行われてきている面もあろうかと思います。郊外住宅地をそのような地区にできるか、都市計画の話でございますが、虫食いでぽこっと四、五階ができ、平屋ができというのは、でこぼこして多少見苦しい面があろうかと思いますが、どういう地域が都市計画上、中高層の住宅地に転用するのが適当かといったような課題とも捉えることができますので、都市計画の新しい線引きの課題ということだと思いますので、議員のご意見、所感も踏まえて、都市計画の見直し、現在の高齢化社会に向けましての新しい都市計画の考え方というのも必要ではないかという感覚も持っておりますので、もう少し勉強する必要があろうかな、実態も調査する必要があるのかなというふうに承ったところでございます。



○議長(中村昭) 三十七番粒谷友示議員。



◆三十七番(粒谷友示) 残すところあまり時間もございませんので、本当を言えば今の知事の答弁で、私はもう少しディベートをしたいなと思うのですけれども、最後に私、一つお願いをしておきたいと思うんです。

 というのは、知事が今ご答弁ございましたように、奈良県版の地方創生ということで、昨年私も二回、ことしも二回、知事と上京して、県下の市町村長さんと一緒に石破さんのほうに地方創生でお伺いいたしました。知事が本当に熱心に奈良モデルということでプレゼンテーションをやっておられまして、石破地方創生担当大臣も本当に感心されておりました。その雰囲気が、県下の市町村長さんと知事との関係というのが非常にいいんですよね。一生懸命やってんな、まちづくりやってんなという感じがいたしました。そして、まちづくり協定でそれぞれの市町村とタイアップして、まちにいろんな事業を県とやっておられます。

 先ほど知事がおっしゃったように、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井ですね。私、十日ほど前に行きました。ほんまにええもんできました。生駒の方と一緒に行ったんです。芸術家の方なのですけれどね。こんなん生駒にあったらええなとおっしゃった。そして、次に奈良県国際芸術家村はどこにできるのと、生駒にできないだろうかという話もありました。奈良県トレーニングセンターもできるそうです。ところが残念ながら、今おっしゃるように、生駒の状況からは、こんな県の施設誘致してくれとは言いづらいんです、私。

 私、あの先般のあるパーティーの席上で、ある首長さんの挨拶で、三十八の市町村が一体となってと、こうおっしゃった。どっか抜けてるんちゃうかと言ったら、私のまちやった。これ、本当に残念なんです。

 ただ、私から言えば、施設が欲しいというよりも、私が以前から申し上げてる、政治課題としております学研高山地区第二工区、この事業がもうタイムリミットが来てます。これは生駒市の判断一つです。どうなさるかは知りません。しかしながら、知事に、これはもう答弁は要りませんけれども、生駒市がどういう対応をとるか知りませんけれども、多分もう来年の早々には結論を出すでしょう。そのときには知事、大きい気持ちで、温かい気持ちで、我がまちも見捨てることなく、三十九の市町村が一つとなって、奈良県の発展のためにお力をいただきますようにお願い申し上げまして、終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時三分休憩

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△午後三時十八分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十九番松尾勇臣議員に発言を許します。−−十九番松尾勇臣議員。(拍手)



◆十九番(松尾勇臣) (登壇) 皆さん、こんにちは。また、奈良テレビをごらんの皆様もこんにちは。なら維新の会、吉野郡選挙区より選出をさせていただきました松尾勇臣でございます。今定例会より、会派の名称を維新の党からなら維新の会に変更させていただきました。引き続き五人で活動してまいりますので、今後もご指導、ご鞭撻をお願いをいたします。

 それでは、なら維新の会を代表いたしまして、質問をいたします。

 我が国は、二〇一一年に東日本大震災という大きな災害を経験しましたが、地震や火山噴火による被害、雨や台風による土砂災害や浸水被害は毎年のように発生をしております。

 奈良県におきましても、二〇一一年、紀伊半島大水害により吉野郡一帯が大きな被害を受けました。まず冒頭、改めまして犠牲になられた方に思いをはせ、ご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災地域である吉野郡選出議員として、さらに地域の発展に力を尽くしますことをお誓い申し上げます。

 さて、紀伊半島大水害に対しましては、県内十市町村に災害救助法が適用され、被災者生活再建支援法についても、五條市、天川村、野迫川村、十津川村の四市村に適用されました。国や県による支援、また各地からいただきました義援金に助けていただきながら、被災地域では被災者の生活再建、復興作業が進められてきました。

 災害救助法は、国が地方自治体と協力をし、応急的に必要な救助を行うものであります。一方、被災者生活再建支援法は、生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県と国の負担により支援金を支給し、その生活の再建を支援するものであります。しかし、これらの法律の適用にはさまざまな制限があります。

 例えば、災害救助法に基づく応急修理制度では、家屋の全壊、大規模半壊と半壊で異なり、半壊の場合は所得制限があります。また、被災者生活再建支援法については、全壊と大規模半壊が対象になっていますが、半壊は対象となっておりません。さらに両者とも、市町村の人口に応じて一定規模の住宅被害の発生を要件としており、例えば被災者生活再建支援法の適用がない自治体においては、適用された地域と同等の被害を受けている家屋があったとしても、支援を受けることができません。

 紀伊半島大水害の際にも、黒滝村は被災者生活再建支援法の適用から外れたため、ほかの適用地域と同等の被害があったにもかかわらず、法に基づく支援を受けることができませんでした。

 この件について奈良県は、臨時的に独自の制度を設けて支援を行うとともに、内閣府に被災者生活再建支援法の適用対象の拡大という要望を平成二十三年十一月に提出されておられます。私自身も、この部分には矛盾と憤りを感じており、同じ被害を受けた人は等しく救済されるべきであると考えます。

 特に近年は、国内各地で震災や台風、噴火などの大規模な自然災害が続いている上に、長引く不況や少子高齢化で我が国の財政は逼迫しており、国の財源にも限りがあることも確かであります。

 そこで、これら国による被災者支援のすき間を埋めるべく、大規模災害に見舞われた自治体の中には、災害救助法や被災者生活再建支援法による支援をベースに、独自の支援策を設けているところがあります。

 栃木県では、二〇一二年に起きた竜巻被害で、被災者生活再建支援法の適用を受けられなかった市町村があったことから、二〇一三年、栃木県と市町で栃木県被災者生活再建支援制度を創設いたしました。県と市町がそれぞれ一億円ずつ拠出して基金を造成し、国の法律適用外の地域で、住宅全壊、大規模半壊一世帯以上の被災があった自然災害を対象にしております。

 また、ことしの九月に起きた東北豪雨で甚大な被害を受けた茨城県でも、半壊家屋の支援に対する所得制限を撤廃したとのことであります。

 国による支援に加え、さらに自治体独自の取り組みを行うことに、私は真の地方自治の姿を感じ、非常に感銘を受けましたが、私はさらにそこから一歩踏み込んで、国の法律と並行する形で自治体独自の取り決め、つまり災害救助、被災者支援に関する法の横出し条例を制定できないかと考えております。

 予測できない事態が発生するのが自然災害ですし、同じ規模の地震や降水量であっても、各地域の特性によって被害状況もそれぞれ異なってきます。よって、そのときそのときの被害状況に応じて臨時的に制度を設けて支援することも、私は非常に重要なことだと思いますが、何かが起きてから対応するのではなく、自治体としての被災者支援に係る基本的指針を設けておくこと、速やかに支援体制を整えるためにも、国の災害救助法では補えない県自身の災害救助、被災者支援の基本条例が必要ではないでしょうか。

 私自身は県議会議員ですので、国の法律のあり方については国会議員の先生方に知恵を絞っていただくとして、県議会議員として、県の立場として公正な災害支援という観点で何ができるかを考えたとき、やはりこの奈良県の地政学的な特性を考慮した、法律では補えない自然災害に対する取り決めが必要ではないかと考えております。

 いろいろと調べていましたところ、新潟県が新潟県災害救助条例を制定されておりました。これは昭和三十九年に公布、施行されており、災害救助法が適用されない災害に際し、市町村が応急的に必要な救助を行う場合に、県がその費用の一部を負担するとして、救助の実施要件で国の法基準を緩和することも可能にしております。救助の種類は災害救助法に比べて制限されているとのことですが、しかし、国の法律の谷間に陥る被災者が出ないように、県民の暮らしを守ろうという新潟県の姿勢がこの条例にあらわれているとして、私は高く評価をしたいと思います。

 この条例については、新潟県は豪雪地帯ですので、豪雪時の適用が多く、救助の種類としては屋根の雪おろしの経費が多いとのことでありました。これぞまさに雪国新潟という地域の特性、ニーズに沿った条例であり、地域で求められる内容ではないかと考えております。

 さきにも述べましたが、災害が発生した際、状況に合わせて制度をつくることも大事だと思います。しかし、その都度その都度の対応をしていたのでは、財源の面でも、また実務の面でも、どうしてもおくれが出てしまいがちであります。災害救助法のもと、都道府県では、災害救助基金の積み立てなど災害時への備えが定められていますが、国の法律だけでなく、県として災害に対する基本条例を定め、地域の状況に応じて柔軟な対応が行えるスキームを用意しておくことこそが、県民の命と生活を守ることにつながると考えます。

 奈良県は、南部に山間地、北中部に盆地を有し、これまでから台風の季節には南部で土砂災害、北中部は大雨による河川氾濫などの被害が多発してきました。さらに、南部地域では過疎化が進んでおり、マンパワーも不足しておりますので、救助や避難についても、人口が多い地域と同じ方針では対応できないことも考えられます。

 私は、自分のふるさとでもある吉野郡で起きた紀伊半島大水害の教訓を何らかの形で今後の県民の命を守るための施策につなげていくことが、犠牲になられた方の思いに報いることでもあると思っております。

 本県の地域特性を考慮した独自の災害救助、被災者生活再建支援に関する条例があれば、私は救助や支援にかかわる全ての組織の対応がよりスムーズになると考えますが、県のお考えをお聞かせください。

 次に、本県経済の活性化について質問をいたします。

 緊急経済対策として、国の二〇一四年度補正予算に盛り込まれた四千二百億円の地域住民生活等緊急支援のための交付金のうち、二千五百億円が消費喚起・生活支援型としてプレミアム商品券の発行などの財源となり、千七百を超える自治体がプレミアムつき商品券をことし五月以降に発行いたしました。

 額面よりもお得に買い物ができるということで、この商品券は非常に話題になりましたが、プレミアム商品券という施策は何もこの緊急経済対策に始まったものではなく、これまでからも各地でさまざまな形で発行されてきており、奈良県も規模は異なりますが以前から取り組んできています。

 今年度、せんとくんプレミアム商品券、奈良県南部・東部地域プレミアム商品券の二種類が発行されました。プレミアム商品券によって、県内での買い物がふえるだけでなく、お商売をされている方にとっては新たな顧客を呼び込むチャンスにもなりますので、私はこの制度そのものは意義があるものだと思っております。奈良県は、せんとくんというキャラクターを生かした独自色もありますし、ことしは奈良県南部・東部地域に特化したものも発売をいたしました。さらに、政府の緊急経済対策によって、県内の各自治体でもさまざまな形でプレミアム商品券が発行され、県民の側から見ると、お得にお買い物ができるこれらの施策は非常に歓迎されていると思っております。

 しかしこの取り組みは、どの程度県の経済活動に効果があるのでしょうか。この事業を行うために、毎回運営業務の委託業者の選定が行われ、その後もさまざまな事務経費が発生することを考えると、費用対効果はどうなのかと考えずにはおられません。

 平成二十六年の奈良県プレミアム商品券発行運営業務委託仕様書の事業概要を見ますと、消費税率の引き上げによる消費の冷え込みを緩和するため、県内消費に一定の経済効果があるプレミアム商品券と記載があります。ここに書かれている一定の経済効果とはどれだけのもので、どれだけ県の経済に寄与するものなのでしょうか。

 経済効果をうたうのであれば、やはりそれをしっかりと実感できる制度設計と効果の計算が重要であります。業者の選定から発行業務、購入された方にしっかり使っていただくための宣伝、その後の処理に至るまで、必要な経費についても考慮が必要であると考えます。税金を原資とした制度ですから、経費をかけて販売をし、プレミアムをつけて利用していただいた結果、やはり一定の効果があらわれなければ納税者に説明がつきません。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 これまでに本県が発行したプレミアム商品券の利用実績や本県経済に対する効果についてご説明いただきたいと思います。

 私がプレミアム商品券は地域の商店活性化のためにも大切な施策であると考えていることはさきにも述べましたが、これは消費の活性化を促すためのものであり、その消費を行うためには、まず消費する県民の懐が豊かでなければなりません。お金がないのにお金を使えという状況では、消費マインドの拡大は起こりません。経済対策というのであれば、その部分に対する視点を持って、プレミアム商品券の制度を運営していかなければならないと考えます。

 ご承知のとおり、県民所得の増減率は減少を続けております。県の統計課が平成二十七年一月二十二日に公表いたしました平成二十四年度県民経済計算の資料を見ますと、平成二十四年度における人口一人当たり国民所得を一〇〇とした人口一人当たり県民所得の水準は、八六・九%と全国を一〇ポイント以上下回っております。平成十四年度では、一〇〇・二%とむしろ全国より少し高い水準にあったわけですから、この十年間で県民所得の水準は大きく後退したことになります。また人口一人当たりの県民雇用者報酬という数字を見ましても、対平成十四年度比でマイナス一七%、人口一人当たりの企業所得もマイナス一八・五%と大きく減少しております。私はこれらの数字を見て、県の経済が冷え切っているとは、まさにこのことであると思いました。

 これは平成二十四年度の実績ですので、アベノミクス効果が言われたこの二年間の数字ではありませんが、平成十四年はリーマンショック以前とはいえ、まだまだバブル崩壊の影響が残り、日本経済全体が浮上できない時期で、それほど好景気だったわけではありません。その時点からこれだけの減少というのは、この十年間で県内経済がいかに大きく沈んでしまったかという証拠であると思いますし、特に企業所得の大きな減少を私たちは真剣に捉えなければならないと思います。

 企業の活性化という点では、特に中小企業対策は国も力を入れており、経済産業省、中小企業庁から補助金も豊富に用意されておりますし、自治体単位でもさまざまな支援が行われております。

 私はこれらも非常に有効な手段かとは思いますが、奈良県全体の企業活動が低迷している中では、企業それぞれの経営状況の改善だけでなく、全体の底上げが必要ではないかと考えます。

 かつて地域経済の活性化という点では、企業誘致、工場誘致がよく言われましたが、リーマンショック以降は企業倒産がふえ、展開していた工場を閉鎖、撤退する企業も多くなりました。そうなりますと、その地域で働いていた人たちがいなくなり、空き住宅がふえ、工場跡地についても次の利用が決まらず、誘致以前よりも地域が疲弊するケースもあります。

 現在は少子高齢化が進み、労働者数も減少しております。高度成長期からバブル経済のころまでの日本のように、人の数による力、マンパワーは期待できない時代になりました。今後は、新たな企業を呼び込んだり企業誘致に伴う労働力の流入を期待するよりも、今、奈良県に軸足を置いている企業がこれからも奈良県で活動を続けてくれること、今、奈良で働いている人がこれからも奈良で働いていこうと考えてくれること、奈良に根を張って頑張って活動しようとする企業や人をしっかりと支える施策が必要だと考えます。

 私の地元吉野郡は、昔から林業や製材業、割り箸の製造が行われてきましたが、木材に関する作業は、森林資源が豊かな吉野郡だからこそ行えるものであります。地場産業はどこでもそうですが、地域の特性と深く結びついております。

 県内には地場産業以外にも、日本を代表する企業の工場や事業所があります。これらの会社の本社が奈良県以外の地域にある場合、先ほども申し上げましたが、経営状態が悪化すれば、工場の閉鎖や事業所の撤退という事態に陥る可能性があります。そうなると、地域経済に及ぶ影響は甚大なものになってしまいます。

 縁あって奈良に来ていただいた工場や事業所であります。もちろんその会社の経営状態が悪くならないことが一番ですが、今、奈良で活動している企業が、奈良だからこそできること、奈良に事業所を設けてよかったと感じてもらえるようにすることも重要ではないでしょうか。

 新たに企業に来ていただくことも非常にありがたいことだと思います。しかし、もう時代は変わっております。平成二十三年度の奈良県の実質経済成長率は全国第四十三位とのことですが、ここまで低下してしまった奈良県の経済力を私は何とかして底上げしたいと思っております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 奈良で頑張っている企業が奈良に根を張り、奈良から利益を生み出し、日本全体の経済活性化に寄与していけるようになれば、こんなにすばらしいことはありません。県内企業の育成、支援をどのように展開し、今後の本県経済を活性化していこうと考えているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、攻めの農林業について知事にお伺いをいたします。

 この十月十五日に、政府が環太平洋経済連携協定、いわゆるTPP交渉において、日本、アメリカを含む参加十二カ国で大筋合意したことを発表し、このことが新聞やテレビ等で大きく報じられました。

 その後、この大筋合意を受けて、農林水産省において、米や野菜、牛肉などの各品目ごとの影響分析について順次発表されておりますが、その影響については限定的であるとの見通しを示しております。

 また林業分野では、既に昭和三十九年に木材輸入について全面自由化されている状況にあり、今回、合板などの加工品の関税率に関する合意が決定をされております。農林水産省の情報によると、合意された輸入品目の中で特に影響の出そうな品目、例えば合板や集成材にはセーフガードの発動が適用され、輸入量が発動水準に達した場合に自動的に発効前の関税率に引き上げられるなど、国内の林業、木材産業の事業者に与える影響を極力少なくする措置が講じられるとのことであります。

 このような状況の中、共同通信社がまとめた全国自治体アンケートによりますと、北海道や東北、九州といった農林業が盛んな地域ではかなり反発が目立ち、第一次産業からの離職や後継者不足に拍車をかけ、自治体崩壊や地域経済の衰退につながりかねないとの懸念のほか、ひいては政府が掲げる地方創生に逆行するといった意見も出ております。

 確かに、いまだ関税の引き下げや輸入枠の拡大による影響は未知数な部分が多いようですが、県内の農林業家への影響も避けられないと思われます。また畜産業についても、家畜の購入価格や飼料価格の高騰などで、今後の経営に不安の声を口にする農家があると聞いておりますし、現在でもTPPそのものに反対の声明を出している農業者団体もあります。林業のセーフガードにしても、この措置が発動される事態になったときの林業はどのような状況になっているのか、また、この措置自体が一体どれぐらいの効果を発揮するのか、私自身も想像がつきませんし、そのような分析効果も見当たりません。私自身も不安がないと言えばうそになります。

 しかし私は、貿易の自由化は世界の潮流であると考え、むしろTPP合意を好機として捉え、農林業においても積極的に打って出る施策を展開すべきであると考えております。もう一度自分たちの戦略を見直し、今後どのようにマーケティングを広げていくかを考える大きなチャンスでもあり、新たな競争の中で商品力を向上させることで、世界に日本の農林産物の優秀さをアピールすることにもつながります。世界をターゲットにした市場拡大へのステップとして、前向きに考えたいと思っております。

 国でも、十一月二十五日に安倍首相を本部長とするTPP総合対策本部の会合を開き、農林水産物と食品の輸出額を一兆円にする目標を前倒しして達成することや農家の保護策などを盛り込んだ、総合的なTPP関連政策大綱が決定されました。現在、この内容が平成二十七年度補正予算にも反映するように調整されているところであり、この国の補正予算についても積極的に活用していただきたいと考えます。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 農林産物等のブランド化による高付加価値化を進め、輸出拡大に積極的に取り組むことで、攻めの農林業を展開すべきと考えますが、知事のお考えはいかがでしょうか。

 また先ほども申し上げましたとおり、まだまだ合意内容には曖昧な部分も多く、農林業者の不安の声が非常に強いことも事実であります。国の施策とはいえ、県の産業政策にも大きくかかわってくる以上、県としてもこれらの声にしっかりと応える姿勢が必要であると考えます。

 調べてみましたところ、都道府県としてTPPの農林水産分野の影響分析を行っているところがありました。北海道、秋田県、福井県、鳥取県、宮崎県、和歌山県がそれぞれ実施して、報告も出しております。お隣の和歌山県では、特にかんきつ農業への影響が多いとして、TPPを乗り切るかんきつ農業の競争力強化として必要な対策を国に要望しております。

 奈良県では、このような影響調査は行っているのでしょうか。行っていないのであれば、私はぜひとも行うべきであると考えますが、県の取り組みについてお聞かせください。

 最後に、災害復旧事業についてお聞きをしたいと思います。

 平成二十三年に発生した紀伊半島大水害における奈良県南部地域の三日間の総降雨量は、最大で千六百ミリメートルを超え、明治二十二年の十津川大水害以来の大災害となりました。県内では、行方不明者も含め、二十四名もの方々が犠牲となられました。また百八十戸を超える家屋で一部損壊などの家屋被害が、公共土木施設においても、県、市町村合わせて道路災害が約三百カ所、また河川・砂防災害が約百三十カ所で発生するなど、大きな被害を受けました。

 県はこの南部地域の少しでも早い復旧・復興を目指し、国や市町村と連携を図りつつ、全力でこの災害復旧に取り組んできました。現在では、幾つかの大規模な工事を除き、ほとんどの箇所で工事は完了しております。この間の関係者の皆様のご尽力に、心から感謝と敬意を表します。

 しかしながら、現在も継続中の大規模な河川災害復旧工事箇所において、本年七月の台風十一号による出水時に、幾つかの河川護岸で再び大きな損傷を受けてしまいました。工事の途中であった護岸の一部が河川の増水によって崩壊してしまい、再び災害復旧事業が必要となったものであります。

 自然災害は予測がつきませんので、思ってもみなかった事態が発生するのはやむを得ないと思います。また、今の我が国の気象状況は、突発的なゲリラ豪雨など、数十年前とは明らかに異なってきております。しかし、それでも、六月に入れば梅雨、その後は台風シーズンということは今も同じですし、梅雨から秋口までは前線の停滞や台風で大雨が降ること、特に七月、八月に台風が来るということは想定の範囲内ではないかと思っております。

 護岸工事は大規模な工事で、皆様のご苦労は十分理解できますが、少なくとも予想できる気候条件に対する何らかの対策はとれなかったのでしょうか。過去の事例や災害査定設計の原則である原状回復にこだわり過ぎたことで、無駄が生じてしまったのではないかと考えております。この前壊れたところがまた壊れてしまったということでは、周辺住民の方も安心して生活ができませんし、また納税者である県民、復興を願って義援金を下さった皆様に対しても、私は説明ができないと思っております。

 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 本年七月の出水により一部崩壊した護岸工事の被災の原因は何であったかと考え、どのように分析をされているのでしょうか。また今後、出水に対する対応をどのように考えていかれるのでしょうか、お伺いをいたします。

 これで壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十九番松尾議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一のご質問は、災害救助、被災者生活再建支援に関する条例の制定について、県の考え方ということでございます。

 本県は比較的災害が少ない県であると言われますが、大和川大水害や紀伊半島大水害など大災害が発生した経緯がございます。また南海トラフ巨大地震の発生も懸念されており、災害への備えが必要なことは言うまでもありませんが、災害時には人命救助を最優先すべきですが、それとともに多くの被災者への支援も重要であると認識をしております。議員のご質問はその点に係っております。

 災害による被災者への主な支援制度としては、議員もお述べになりましたように、災害救助法と被災者生活再建支援法の二つの法律がございます。

 まず被災者生活再建支援法に基づく支援制度でございますが、議員お述べのとおり、市町村ごとに住宅全壊世帯数により適用の判断がなされます。例えば府県をまたいでも、被災者生活再建支援法が適用される規模の災害であっても、二世帯以上の全壊被害が発生した市町村でなければ対象となりません。このため、被災者生活再建支援法が適用される災害であっても、住宅全壊世帯が一世帯の市町村は対象とならず、被災者の居住地域による不均衡が生じる可能性がございます。

 紀伊半島大水害の際には、住宅全壊が一世帯で被災者生活再建支援法の対象とならなかった黒滝村の被災者に対し、不均衡是正の観点から、県独自の臨時的な支援措置を講じました。また支援対象外の半壊世帯が南部地域で多く発生しましたが、過疎化の一層の進展を抑制する目的で、県独自に半壊世帯への支援も行ったところでございます。

 このように、単数全壊世帯または半壊世帯への支援が行われない不均衡なことが起こるのはどういうことかということになりますが、これは自然災害の被害に対し、特に私的財産の損害に対し、どこまで公的支援を行うべきかについての基本的な考えについて議論が残っているからだというふうに感じております。

 次に、災害救助法を補完する独自制度のご提言がございました。新潟県の例を挙げられましたが、新潟県のほかには全国的にもあまり例を見ない制度でございます。これは災害救助法の適用基準が、人口五千人未満の市町村については住宅の全壊三十世帯以上といった住宅被害件数による基準だけではなく、多数の者が生命または身体に危害を受け、または受けるおそれが生じた場合であってとか、災害が発生し、または発生するおそれのある地域に所在する多数の者が避難して継続的に救助を必要とすることなどという、住宅被害によらない基準が規定されているため、比較的柔軟な対応が可能となっていることが理由ではないかと思われます。

 議員もご指摘のように、速やかに支援体制を整えるため、あらかじめ県の条例による被災者支援に係る指針を設けていくことも一つの考え方であるとは思いますが、災害救助法と被災者生活再建支援法の違いを認識した上で、このあらかじめ指針で基準を設けるという方式の懸念は、一度救助対象の線を引いてしまうと、客観的な線になって、それを超える災害が起こった場合に、なかなか救助の対象を越えるのが難しいといったようなことが懸念されるわけでございます。多種多様な被災形態に応じて最適な支援を行うためには、状況に応じた臨時的措置のほうが柔軟な対応が可能な場合もございます。

 また、被災者生活再建支援法を適用する際の不均衡是正だけではなく、そもそも被災者生活再建支援法が適用されない小規模災害の被災者や、半壊世帯、床上浸水世帯への支援のあり方はどうなのか、財源は誰がどのように負担すべきなのか、自然災害に対する公的な補償責任はどのような場合発生するのか、ある部分は保険の対象にすべきではないのかなどの議論、また市町村の意向はどうなのかなどの議論が残っているからではないかと思います。

 本県では、紀伊半島大水害の際に、被災者生活再建支援法適用における具体的な、目の前にありました不均衡是正を国に要望いたしましたが、全国知事会からも同様の要望が行われております。このような指摘も踏まえて、国では被災者に対する国の支援の在り方に関する検討会を設置し、被災者支援のあり方全般についての議論が進められております。

 県といたしましては、市町村の意向はもとより、国の議論、このような議論の行方を確認しながら、議員お述べの趣旨も踏まえ、本県に最適な災害救助及び被災者支援のあり方について検討を行いたいと考えております。

 本県経済の活性化の分野におきまして、まず、プレミアム商品券の利用実績や効果についてのご質問がございました。

 県外消費率の高い本県にとりまして、県内での消費を一層拡大することは大変重要な課題だと考えています。

 県内での消費を喚起するためには、県内の小売・サービス業の魅力を高めることが前提となる不可欠な要素でございますが、一方で県内の広範囲での消費を盛り上げる一つの手法として、プレミアム商品券の発行も有効であると考え、今年度も発行したところでございます。平成二十二年度からの過去三回のプレミアム商品券の発行総額に対する利用実績は、九九・四%となっております。

 今回、本県では、県内全域で使える二〇%のプレミアムつき商品券四十三億二千万円と、南部・東部地域限定で利用できる二五%のプレミアムつき商品券を五億円、合計二種類で四十八億二千万円分を発行いたしました。南部・東部地域プレミアム商品券は完売をしております。せんとくんプレミアム商品券も大変好評で、間もなく完売の見込みとなっております。

 経済効果の測定でございますが、二種類の効果を測定すべきであると考えます。一つは消費喚起額でございます。これは商品券で多目、高目に消費したという金額の測定でございます。商品券がなければ買わなかったのに、余計に買ったというのが消費喚起額の測定でございます。もう一つは消費流出抑制額の効果でございます。商品券がなければ県外で消費したが、プレミアム商品券があるので県内に戻って消費された額でございます。

 このような消費喚起額と消費流出抑制額の効果の測定でございますが、平成二十二年度、平成二十三年度、平成二十六年度の三回の計算の合計は、約四十四億九千万円となっております。四十五億円の効果があったということでございます。それに対する税金などの経費は約十二億三千万円でございます。相応の県内での消費拡大効果が発揮されたとも思えますし、いや、少ないよとおっしゃる方もおられるかもしれませんが、確実な計算の効果がありました。また今年度の発行で同じような計算をいたしますと、平成二十六年度の実績から推計いたしますと、約十七億円の県内消費拡大効果を見込んでいるところでございます。

 現在、プレミアム商品券発行とあわせて、利用促進のために、店舗や商店街の広報活動などの販売努力や店舗などのサービス改善の努力もしていただいております。それらを通じて県内消費の持続的拡大につなげていくことが必要だと思います。いっときの消費拡大効果だけでなく、県内消費に戻ってくる風習をつけていただくということが、この商品券発行のもう一つの大きな狙いでもございます。

 そのためには、にぎわいづくりのイベント実施、奈良で買うと楽しいな、おもしろいなということが一つのやり方としてありますが、本質的には魅力ある店づくり、いいものを売る店、また経営感覚にすぐれた商店主の育成が重要だと考えております。

 そのような効果を、持続的、将来的な効果を期待してのプレミアム商品券発行でございますが、差し当たりの経済効果の分析も進めながら、県内での中小店舗の消費拡大、また県内の中小店舗のサービス改善、販売物の向上を期待するところでございます。

 経済活性化の二つ目の点でございますが、まず県民所得の低下のことをご指摘になりました。

 奈良県の県民所得の要素でございますが、これはどの県でも同じでございますが、県民の給与所得、二つ目には県内の企業の所得、三つ目は県民の財産所得の三つから構成されております。

 奈良県では県民の給与所得の比重が大きいのが特徴でございますが、それに全体として大変低迷の傾向が出ております。これには、大阪通勤者で大阪の給与所得が多い奈良県に対しまして、大阪の経済力が低下した場合に奈良県民の給与所得に直接的な打撃があるという点、また奈良県の法人企業所得におきましては、奈良県の企業の大層大きな位置を占めておりました関西の大手家電メーカーの低迷が大きく影響してる、とりわけ製造業の分野で大きく影響してるようにも感じます。三つ目の財産所得でございますが、これは本県はお金持ちの方が多いわけでございますが、株などが高騰しておりますと、これについては量は少ないけれども好調であるのではなかろうかと推察をしているところでございます。

 本県経済を構造的に活性化させるためには、県外通勤による県外県民所得に頼るのを主としないで、県内企業の企業所得の活性化が必要かと思います。企業誘致とともに、県内企業の九九%を占め、地域に地盤を持ちながら事業活動を進める中小企業を強くすることが大きな課題であると考えております。大企業に依存しますと、大企業は大変所得、景気がふれるのが今申し上げた点でございます。県内中小企業の振興を図り、出稼ぎ県とも言える本県の体質から、内発的経済力が発生する県に変えるため、経済構造そのものを力強いものに改変、改革していく必要があると感じております。

 そのやり方でございますが、本県では九つの産業分野にターゲットを絞った産業興しのプロジェクトに取り組んでおります。この九つの産業分野の奈良県産業全体におけるシェアでございますが、従業員数で約六割、売り上げで約四割に上っております。これらの産業分野をさらに元気にしようという取り組みでございます。

 産業興しの方法でございますが、中小企業でございましても、グローバルニッチトップと言えるような企業もありますし、地域密着型で地元顧客を中心に商売をされている企業もあり、極端に分かれるものでございます。それぞれに対応した経営体質の強化の手法をとることが必要だと考えております。

 まずグローバルニッチトップを目指されるような、より高いところを目指して飛躍しようとする意欲の旺盛な中小企業には、三つの切り口でご支援申し上げたいと思っております。一つは海外への進出支援、二つには新事業展開の支援、三つには高付加価値の獲得支援ということでございます。

 第一の海外への進出支援では、ジェトロの相談窓口を県内に誘致するなど、県内企業の海外志向が高まるような取り組みを進めております。第二の新事業展開では、クラウドファンディングを活用した資金調達を通じた顧客獲得の取り組み支援などを進めております。第三に高付加価値の獲得では、ニッチでも高い技術力を持つ企業の研究開発を、今年度中に定める奈良県産業振興総合センター中期研究開発方針に基づきまして、県が先頭に立って引っ張ることでご支援を申し上げたいと思います。

 次に、二つ目のタイプの地域密着型の県内中小企業に対してでございますが、従来のOEMだとか下請に甘んじようという下請文化中心から、自社ブランドで勝負しようという企業文化に転換していただきたいと考えております。自社ブランドの製造、販売でブランド力を強化し、高い付加価値を獲得していただくことを基本にご支援をしていきたいと考えております。

 既にこうした県の施策を積極的に活用して、例えば海外への進出では、イタリアのミラノに奈良の食の販売拠点を立ち上げようとする取り組みや、ブランド力の強化では、奈良の代表的な地場産業である靴下やそうめんのブランド力の向上を業界一丸となって取り組もうとする試みも始まっております。少しずつではありますが、県のイニシアチブに対しましての手応えを感じつつあるところでございます。

 また、議員ご関心が高い林業分野の産業興しにも力を入れております。これまで高級材だけを出荷しておりましたが、これからは全ての用材を多用途に供給する林業、山に木の端くれを残さないということでございます。素材生産から流通、販売まで一貫した縦型の体制を県内で確立する取り組みも進めております。

 引き続き、こうした産業興しの取り組みを強力に進めるために、たとえ規模が小さくても、奈良に根を張って奈良で利益を生み出すぞという気迫のある力強い魅力のある企業を増加させ、奈良県の力強い経済の実現を目指していきたいと思っております。

 次のご質問は、攻めの農林業についてでございます。

 私は、TPPの大筋合意については従来から賛成の立場をとってきております。議員お述べのとおり、これを好機として捉え、内向き志向であった日本の農林業を転換し、輸出拡大など積極的に攻めの農業、林業を展開していくべきと確信をしております。そのための好機というふうに捉えております。ピンチでありますが、チャンスでもあるというふうに思っております。

 そのためには、本県のような小さな農業県も海外で勝負できるような農産物づくりに力を入れ、よい品質のものを安全に提供することを考えております。安さの追求ではなく、マーケットの中での存在が輝けば海外でも展開が可能で、高付加価値、高い値段で売れるものをつくろうということでございます。

 これまで、農業の生産段階の取り組みとしては、品目を絞り込んで、柿、茶、イチゴなどリーディング品目の産地競争力の強化や、大和野菜、イチジクなどチャレンジ品目の生産拡大に取り組んでまいりましたが、今後は新たなブランド認証制度を確立し、商品力をより一層高めてまいりたいと考えております。

 また海外への販路開拓でございますが、一つには、県内農業者に対するアンケート調査によるニーズの把握を行いました。また、八月に香港で開催されたアジア最大級の食品展示会、フードエキスポでの実態調査を行いました。また、EUなどの厳しい農薬残留基準に適応できる大和茶の生産方法についての検討などを進めております。

 今後は、意欲のある県内農業者に海外見本市の出展を呼びかけ、商談機会を提供したいと考えております。あわせて、海外のマーケットに精通したジェトロとも密に連携を図り、農業者からの相談にも対応するとともに、ターゲットを特定するための情報収集に努めてまいりたいと思います。

 一方、林業・木材産業でございますが、これまでも外国産材との競争にさらされるなど厳しい状況が続いています。このため、本県では、本年七月に奈良県林業・木材産業振興プランを策定して、川上、川中、川下での取り組みを進めており、この中に海外の販路開拓についても盛り込んでいるところでございます。

 具体的には、今年度、中国、韓国、台湾でのマーケットリサーチに取り組むとともに、欧州での大規模見本市への出展を支援したいと思っております。今後、海外販路拡大に向けた情報収集や意欲のある事業者の掘り起こしなどの取り組みを積極的に行い、販路開拓につなげていきたいと思っております。

 その次は、TPPの影響分析を行うべきではないかというご指摘がございました。

 本県農業は、都市近郊の野菜、果樹、花き、茶などが中心で、畜産などの一部品目を除いて、TPPの影響は、林業も含め、他府県に比べ比較的少ないものと考えております。

 議員お尋ねの影響額につきましてでございますが、国では平成二十二年十一月には約四兆円、平成二十五年三月には約三兆円と公表されました。このときの国の考え方を参考に、県内生産量と価格に基づき算定されている道県があることは承知をしております。

 議員が参考に挙げられた和歌山県では、去る十一月十七日に影響額を公表していますが、その値はウルグアイ・ラウンド合意の前後十年間に減少した生産量と今回も同じ減少率になるという仮定のもとに試算された額でございます。国や幾つかの道県が算定している影響額は、ある仮定のもとに出された試算でございまして、条件次第では大きく変動する結果となり、不安をあおるような試算の出し方との批判もあるところでございます。

 本県としては、影響を調べるに当たりましては、しっかりとした前提条件や試算方法の設定が必要と考えております。このため、国に対しまして、都道府県の影響額や試算に必要な資料の提供を求めてまいりました。結論といたしましては、各都道府県のデータをきちんと算定するのは不可能であるとの回答を国から受けている現状でございます。

 こうしたことから、県では影響調査を行うよりも、TPP大筋合意を前向きに捉え、対応したいと思っております。農業では、高品質で安全・安心な農産物を安定供給するとともに、輸出や川下産業との食と農の連接を進め、本県農産物のブランド化に邁進したいと考えています。また林業では、奈良県林業・木材産業振興プランに基づき、高級材を選んで出す林業から、材の全てを搬出して多用途に供給する林業に転換を図っていきたいと思っております。農林業の産業構造の改革を積極的に志向していきたいと考えているところでございます。

 残余の質問は関係部長からご答弁をさせていただきます。



○副議長(山本進章) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇) 十九番松尾議員の質問にお答えをいたします。

 私には、紀伊半島大水害に係る災害復旧事業につきまして、本年七月の出水により、工事途中の河川護岸が被災しました原因と今後の対応についてお尋ねがございました。

 本年七月の台風十一号では、七月十五日から十八日にかけて、熊野川流域におきましては五百ミリメートルを超えるような降雨がございました。紀伊半島大水害の際に被災いたしまして災害復旧工事を進めておりました河川施設四カ所で工事中の護岸が流されるなどの被害を受けました。

 熊野川流域におきましては、六月中旬から十月下旬にかけてのいわゆる出水期には、通常河川内において工事を行いませんけれども、やむを得ずこの期間に工事を行う場合には、過去十年間のうち二番目となる出水でも治水の安全が確保できるよう措置してございます。すなわち護岸工事であれば、過去十年間のうち二番目となる出水の高さ以上にこの護岸を施工しておくということでございます。

 今回災害を受けました四つの箇所につきましても、このような考えのもと、工事を進め、出水期を迎えたわけでございますが、台風十一号による出水の水位が、このでき上がっていた護岸の高さを超えたことによる護岸裏側への河川の水の進入、また台風十一号による出水の水位ができ上がっていた護岸の高さを超えなかったわけですけれども、そういった箇所においても、すぐ上流部での既存護岸の被災、あるいはすぐ上流で合流する支川の影響、こういったことによります河床の洗掘、また工事に必要な進入路の借地に協力が得られず、上流側の一部を大型土のうによる応急措置とせざるを得なかったこと、こういったような理由により、でき上がっていた護岸が被災をいたしました。

 今後の工事につきましては、これらを教訓として十分に生かし、こうしたことが繰り返されないよう取り組んでまいりたいと考えております。

 具体的には、追加が必要な工事につきましては早期に発注し、来年の出水期までに十分な工期を確保すること、事務所と県庁が連携いたしまして、日々工事の進捗管理を行うこと、一部ではございますが、護岸の大型ブロック化、あるいは根固めブロックの大型化や設置範囲の拡大により、耐力の向上を図ることなどでございます。

 これらの取り組みによりまして、来年の出水期までに必要な安全性を確保するとともに、一日も早く河川災害復旧事業が完了するように努めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。



○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) それぞれご答弁ありがとうございました。

 本当に前向きなところと納得のいかないところの答弁をいただいたんですが、全く時間がなくなってしまいましたので、各常任委員会に五人、個々それぞればらけて入らせていただいてますので、もっとそこで議論を深めたいと思います。これで終わります。



○副議長(山本進章) 次に、四十四番川口正志議員に発言を許します。−−四十四番川口正志議員。(拍手)



◆四十四番(川口正志) (登壇) 創生奈良を代表して質問をいたします。

 私の質問の内容、基地沖縄のことを知った方からメッセージが届きました。紹介をしておきたいと思います。

 ウチナーの怒り嘆きが吹き上がる。共に起たねばヤマトの自治は消ゆ。皆さんのご理解とご協力をお願いしながら発言をさせていただきます。

 ことしは戦後七十年。私にはとりわけ毎年十二月が参りますと、太平洋戦争勃発、日本軍のハワイ島真珠湾奇襲攻撃を思い起こします。私は小学二年生でございました。

 それから四年に及ぶ戦禍。鬼畜米英、撃ちてしやまん、欲しがりません勝つまではの攻撃精神と忍耐の教育が続きましたが、サイパン島、グアム島の玉砕。大都市は爆弾、焼夷弾の焼け野原、地方都市にも空爆。日本全土は連日の空襲警報。命からがらの恐怖。沖縄地上戦米軍上陸。八月に入り、広島、長崎へ原子爆弾が投下あり。ついに八月十五日、天皇陛下の玉音放送によりて、日本の無条件降伏を知ることになりました。私は小学六年生でした。

 この戦争の恐怖と悲惨を体験した者は、今や高齢化、少数であり、私たち戦争体験高齢者たちは、この恐ろしさを後生に語り継ぐ使命があると存じております。

 世界中を震撼させた大東亜戦争、第二次世界大戦の戒めとして、国際平和と人類愛をたっとぶ国連憲章が生まれ、日本国憲法も生まれました。主権在民、不戦日本、軍事大国からの決別を誓う、人間の尊厳、平和と民主主義の日本国への生まれ変わりとなったと私は覚えています。

 しかるに、憲法の解釈がなし崩しにどんどん変化させられている今日に、私は恐怖を覚えざるを得ません。耳にすることに、この憲法はアメリカの押しつけだという反発と思いきや、アメリカが攻撃を受ければ日本が助っ人支援に自衛隊を動員派遣させるという集団的自衛権の発動の憲法解釈の法律を国民世論の大反対を無視して強行採決という暴挙。非武装中立、戦争放棄を規定した憲法九条の意義をじゅうりんした。隠された戦略、日米安全保障法制の恐怖の国民世論は日増しに増大しております。

 私は、この県議会議場から訴えます。さきの国会で強行採決された一連の集団的自衛権行使の関連法を、全て次なる国会にて廃案させるために、皆さん立ち上がりましょう。

 この戦後七十年間の政治のボタンのかけ損ない。それは、沖縄県に全て覆いかぶせた日本の安全保障という名の犠牲であります。私は、かねがね願い続けてきた考えは、日本の近隣国であるアジア諸国との友誼和栄であります。

 沖縄県のアメリカ基地は何を意味しますか。端的に思うに、これはアメリカの中国、朝鮮、ロシアの国々を敵国視した戦略政策のための前線基地としての沖縄基地だということであります。私は、アメリカの沖縄県からの撤退こそ、唯一平和への道だということ。さすれば、中国、朝鮮などの反日感情や近隣海域のトラブルもおのずとなくなると思っています。あえて願うことは、日本、中国、アメリカ、ロシアの世界平和中核同盟の実現です。

 沖縄県ではアメリカ軍の野蛮な犯罪が繰り返されています。美しい自然破壊が行われています。

 この十月、翁長沖縄県知事は、普天間飛行場代替飛行場建設事業に係る公有水面、すなわち周辺を埋める承認を取り消したと発表しました。埋め立ての法的瑕疵がある代替飛行場を辺野古に建設する根拠が乏しい、埋め立て必要はない等、知事公約実現のために全力で取り組む、日本全体で安全保障を考えるという気概がなければ、他の国々からも日本は尊敬されないとも訴えられました。

 従来は、公有水面の埋め立て許可は国からの機関委任事務としての取り扱いにより、国の言うとおりの仕組みになっていたが、平成十二年の地方分権一括法の改正により、国は法定受託事務に変えました。すなわち、国と県は別々の主体であり、県は国の下請機関ではなく、対等の立場になりました。地方自治を守るために、国の横暴な埋め立て代執行という強権司法手続は許されません。分権改革で確認された国の関与の基本原則である、地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならないの本旨を踏みにじる国の強権発動は、本末転倒であります。

 そこで、荒井知事にお願いを申し上げます。奈良県知事として、地方分権を守る立場からも、国の本末転倒の横暴なやり方に立ち向かう翁長沖縄県知事に連帯し、全国知事会として抗議する方向にご協力はできないでしょうか。知事さん、お願いいたします。

 次に、漢方と薬業振興についてお尋ねします。

 超高齢社会を迎え、健康長寿とともに医療費削減の観点からも、予防医学が次第に重要な意味合いを持つようになってきています。その一つとして漢方が今、注目を集めています。

 漢方というと、中国の医学だと思われがちですが、実は日本の伝統医学であります。漢方が日本独自の医学であるということを知っていただくために、私は機会を捉えては、漢方、漢方薬とは呼ばずに、あえて大和漢方、大・和漢薬と呼んでいます。

 荒井知事の漢方のメッカ推進プロジェクトの積極的な立ち上げに、私は強い期待を持っております。

 この十月に奈良県文化会館で行われた漢方薬シンポジウムを聴講しました。痛みと漢方というテーマで痛みの病態を科学的に分析し、治療上、漢方の考え方をどのように生かすのかというものでありました。当日は、NaRaくすりと健康二〇一五も同時に開催され、国際ホールのロビーでは薬に関するパネルや県内製薬会社の製品などの展示があり、多くの来場者でにぎわっていました。

 しかし、現在の奈良県の薬業の現状を見ますと、県内の医薬品の生産額全体としては伸びていますが、漢方製剤は近年横ばいの状態が続いています。また配置薬に関しては、配置販売者の減少により、生産額も比例して減少の傾向にあり、生産額を伸ばす方策が必要と考えます。

 例えば、現在、多くの外国人観光客が奈良の地を訪れています。観光庁の統計によりますと、訪日中国人の日本での買い物ランキングは、化粧品・香水、医薬品等について購入者、購入率がともに高くなっており、奈良のくすりをPRし、さらなる販路拡大につなぎたいものでございます。

 また昔から奈良県には、大和ものと呼ばれる品質のよい大和トウキなどがあります。トウキは根が生薬として使われ、冷え性、血行障害、鎮痛などに効果があると言われ、婦人薬などに多く使われておりますが、大和トウキを活用した新たな薬を開発し、薬業の振興とともに、安価な中国産の流入などにより激減している生産量の拡大にもつなげるべきです。

 そこで、漢方のメッカ推進プロジェクトにおいて、特に薬業の振興という面からのなお一層の具体策を要望しますが、いかがでしょうか。

 また奈良のくすり伝統産業の再燃活性化は、奈良の即活性化です。前向きな製薬企業をさらに伸ばし、新たな雇用につなげるためには、新しい商品開発への環境づくり、条件づくりへの支援が重要となります。そのためには、市街化調整区域において製薬工場の新築・増築する際における隣接用地の規制緩和や、薬事研究センターの施設整備や機能強化も必要と考えますが、いかがでしょうか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、介護職員の確保についてお尋ねいたします。

 政府が掲げる、親や被扶養者の介護のため離職せざるを得ない、いわゆる介護離職ゼロの実現に向け、特別養護老人ホームの大幅な整備と介護職員の増員配置は緊急の大きな課題です。

 しかし東京では、介護職員の配置ができないため、空床にしたままの施設があると聞いています。県内の施設や介護事業所でも、人手不足の声しきりです。本県も同様の状況と危惧しております。

 ボランティア精神といえども重労働という声が聞かれ、介護現場での人材確保が難しく、新規就業する人が少なくなっています。介護職への就業意欲や関心を高めないと、介護職員の確保はますます困難になると感じております。

 そこで、介護ボランティアの活用と養成を提案します。例えば、高校生に対して週二時間から三時間、カリキュラムに施設等での実習、奉仕をすすめてはどうでしょうか。施設等の現場で高齢者の状況を見て、また介護の手伝いをする経験は、その後の人生において必ず大きな影響を与えるものだと思います。

 若者叱るないつか来た道、年寄り笑うないつか行く道という言葉もあります。介護の実体験をしながら献身を積み重ね、経験を培い、人格を養ってもらう。そして、自分が高齢者になった際には、そのときの高校生や若い人たちから介護を受ける。そういうサイクルができればと考えています。

 同時に、この経験が介護への興味や就職へつながれば、介護人材確保の一助になるのではないかとも思います。いわゆる全ての国民が全員介護資格の有資格者となる制度への道です。

 そこで、介護職員の不足が深刻化する中、介護人材の確保のため、高校生など若い世代を対象とした取り組みや、処遇改善につながる介護報酬の改定等に向けた国への働きかけについて、知事の所見をお尋ねいたします。

 また、高校生を対象とした介護施設等での実習や介護人材の育成に関する教育課題について、教育長の所見をお尋ねいたします。

 次に、二〇一九年に日本で開催されるラグビーワールドカップのキャンプ地誘致についてお尋ねいたします。

 スポーツは、実戦するアスリート、観戦するファン、それぞれ躍動感の中で元気を養い、和やかな輪につながって楽しんでいます。

 さて我が国では、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックと世界的なスポーツの祭典が連続して開催されます。

 さきのラグビーワールドカップ・イングランド大会では、日本代表チームが過去二度の優勝を誇る南アフリカ共和国から勝利をおさめるなど、一大会で三勝を上げ、日本中に大きな興奮と感動を与えてくれました。

 また御所市には、ラグビーで全国にその名をとどろかせている御所実業高校があり、この御所実業高校を中心に、毎年夏休みには、全国の三十もの強豪校が交流試合を行う御所ラグビーフェスティバルが開催されています。御所市としても、六月に主会場の御所市民運動公園に人工芝を整備し、また、選手たちの宿泊施設として公民館を開放し、地元の皆さんもスイカやトマトなどの農産物を振る舞うなどおもてなしを行い、チーム受け入れのための環境づくりに取り組んでいます。

 このたび、御所市は葛城市、五條市とタッグを組み、ラグビーワールドカップ日本大会のキャンプ地招致を目指すことを表明されました。また、県とともに、Go−−Say(ごせ)ラグビーマルシェと名づけた地元農産物などのPRイベントを定期的に開催して、キャンプ地招致に向けた機運醸成を活発に取り組んでいます。

 ラグビーとゆかりの深い御所市と五條市、葛城市の三市を中心にキャンプ地の招致を行うことは、本県のスポーツ振興、地域振興にとって大変意義深いものです。この三市のラグビーワールドカップのキャンプ地招致について、県としても積極的な推進をお願いしたいと存じますが、知事の所見をお尋ねいたします。

 次に、県と御所市のまちづくりに関する包括協定と御所市内の県営住宅についてお尋ねをいたします。

 県と御所市は、ことし八月四日にまちづくりに関する包括協定を締結されました。その対象地域であります近鉄御所駅周辺やJR御所駅周辺は、利便性の高い地区であるにもかかわらず、スプロール化が進み、地区の居住者が減少、商店街を含む地域活力の低下が大きな課題となっています。この包括協定により、今後まちづくりが進むことに大いに期待しています。

 また、私は県営住宅についてもかねてから注視しており、昨年末には大和郡山市の小泉団地が完成したものの、県内にはまだ老朽化した県営住宅が多くあるにもかかわらず、その後の建てかえ事業が進んでいないように思います。

 私の地元御所市にも、秋津、御所三室、茅原の県営住宅がありますが、いずれも老朽化が進んでおり、空き家もふえてきております。また市営住宅も約一千四百七十戸あり、県営住宅と合わせると、公的賃貸住宅の全世帯に対する割合が約一七%と大変高いものとなっております。財政状況の脆弱な御所市にとって、市営住宅の管理が重い負担です。

 そこで、御所市内の県営住宅団地の現状をも踏まえ、知事が奈良モデルとして進められておられるこのまちづくり包括協定に、御所市内の老朽化した市営住宅と県営住宅の改善を内容に位置づけ、県の御所市への一層のご支援を要望する次第です。所見をお尋ねいたします。

 次に、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺における産業集積地形成事業の知事の熱い思いに感謝し、お尋ねをいたします。

 県南部地域は過疎化、高齢化が進み、地域経済の活性化など多くの問題の解決策として、中南和地域での働く場所を生み出す事業の推進が必要です。

 御所インターチェンジ周辺は、中南和地域の通勤圏内であり、この場所で就業の場が確保されることは若年層の流出を防止し、Uターン、Iターンを促進させ、南部地域の活性化にも寄与します。現在、京奈和自動車道などの社会インフラが進んできており、産業団地の造成は大変有効な対策です。中南和地域の活性化を一層進めるため、本事業については御所市をはじめ周辺の市町村も大いに期待しており、早期の完成を心から願っている次第です。

 この事業は知事の積極的な取り組みにより、平成二十六年度から本格的な事業化に着手されましたが、現状の進捗状況をお尋ねいたします。

 次に中南和地域の振興の拠点、京奈和自動車道の御所南インターチェンジに整備予定のパーキングエリアですが、ことし三月の御所南インターチェンジの開通に、地域住民や沿線企業は便利になったと喜んでいます。

 また現在、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ間のトンネル工事等を鋭意進めていただいておりますが、御所南のパーキングエリアの役割から考えますと、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの開通にあわせて整備することが必要と考えます。国、県、御所市の間の連携、調整の状況を含め、現在整備はどのように進められているのか、お尋ねをいたします。

 最後に、祭りやスポーツ大会などイベント開催時における道路の使用についてお尋ねいたします。

 ことしの秋にも、県内の地場産品やすぐれたわざが一堂に集まった奈良まほろば市が橿原公苑で開催されました。また今月の十二日、十三日には奈良マラソンが実施されるなど、各地域でさまざまなイベントが開催されています。イベントの開催は多くの観光客などを呼び、県内の地場産品などの出品、販売で活気がわき、それが奈良県経済の活性化につながります。

 しかし以前に比べ、イベントでの活気が減っているように思います。例えば各地域で開催されておりますイベント、お祭りでは、道路上での催事や露店が近年減っています。主催者の話にも、歩道など道路使用許可の規制が厳しいから、露店も減ってきているという話題です。道路交通の安全や円滑などを考えれば、規制も必要だと思いますが、警察の規制がイベントの活気に水を差しているという懸念です。こうした規制の問題は、イベント、お祭りだけではなく、道路で開催されるマラソンや駅伝大会等についても同じであります。

 そこで、イベント開催時の道路使用についてどのように考えておられるのか、警察本部長にお尋ねいたします。

 以上、演壇からの質問を終わります。適切なご答弁を期待いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 四十四番川口正志議員のご質問がございました。

 第一のご質問は、地方自治の原則と国の国防、外交の権限との調和という重要な課題が含まれているように思います。沖縄県におけます知事の公有水面埋立法に基づく許可をめぐって、法廷で現在争われている中でのメーンテーマでもあるように考えております。

 まず地方自治の流れにつきましてでございますが、議員お述べのとおり、平成十二年の第一次地方分権一括法により、地方自治体の自主性及び自立性が確保され、十分に発揮されることを基本理念として、機関委任事務が廃止されるなど、地方自治法が抜本的に改正されました。私も一地方公共団体の長として、この理念に基づき、県政を運営していくことが大切だと思っております。

 次にそのような場合でありましても、国と地方公共団体との紛争などの場合の関係でございますが、地方自治法の改正により紛争処理の手続が定められました。それの手続が時々行われますが、沖縄県のケースでございますと、これは紛争処理の手続がうまく機能しなくて、司法の立場で今争われている状況であると認識をしております。

 さらに、沖縄県の普天間飛行場の代替飛行場建設に係る当該問題につきましては、繰り返しになりますが、公有水面埋立法に基づく沖縄県知事の承認取り消し処分をめぐって国と沖縄県の主張が対立し、司法の場にその判断が委ねられているわけでございます。最初に申し上げましたように、この問題は、国の専権事項でございます国防、外交という日本の安全保障の問題と、長年にわたる沖縄県の基地負担の歴史や辺野古の自然環境といった地域の問題が複雑に絡み合い、また原則の問題にも触れ、解決が非常に難しい問題だと認識をしております。

 地方分権を守る立場から、沖縄県知事への協力ができないかというご質問でございますが、本県きっての実力派長老議員がご丁寧に頭をお下げになり、大変恐縮をしておりますが、この問題は国で考えなければならない防衛、外交の問題であり、現在、翁長知事が沖縄県民の代表というお立場を踏まえて厳格に対処されているように認識をしております。一般地方自治の立場だけで、なかなか論を立てられない分野だと感じております。

 したがって、奈良県知事の立場で恐縮でございますが、この件に関して意見を申し上げることはすべきでないと思っている次第でございます。

 二番目の質問でございますが、観光と薬業振興についてのご質問がございました。

 漢方の推進につきましては、三年前の平成二十四年十二月に漢方のメッカ推進プロジェクトを立ち上げ、栽培から関連商品の創出までを視野に、部局横断的に薬草の栽培研究、商品開発の支援、販売促進など、川上から川下までのさまざまな取り組みを推進しているところでございます。

 プロジェクトの取り組みの中でも、販路の拡大や新商品の開発など出口戦略は重要な課題と認識をしており、薬業の振興の観点からも取り組みを進めております。

 まず奈良のくすりの販路拡大でございますが、現在、訪日外国人向けの対応を進めております。六月に実施した台湾の現地調査によりますと、来日時の購入商品は事前にガイドブックを見て決めておられることがわかりました。そこで、台湾で来春に発行されるガイドブックに奈良のくすりを掲載したいと思っております。訪日外国人の来客が多い奈良市内の薬局・薬店五店舗に奈良のくすりコーナーを設置し、訪日外国人が購入しやすい環境を整え、消費拡大につなげていきたいと思っております。

 次に奈良のくすりの新商品開発についてでございますが、現在、栽培に力を入れている大和トウキの出口戦略として、奈良県産の大和トウキのみを使用した医薬品の開発を県内製薬企業四社と薬事研究センターとで共同で実施しているところです。今後、平成二十八年に医薬品製造販売承認申請を行い、平成二十九年の商品化を目指しているところでございます。新たな奈良のブランド医薬品として、大いに売り出していきたいと考えております。

 さらに、末梢の血流をよくする働きがある大和トウキは、新たな効能効果を狙える可能性があることから、引き続き薬効研究に注力し、新たな商品開発につなげていきたいと思います。

 今後も漢方のプロジェクトを推進することで、薬業振興はもとより、広く本県産業の振興に、大変ニッチであっても突き出た振興方策につながるよう、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 奈良のくすりの活性化についてのご質問、薬事研究センターの施設整備についてのご質問がございました。

 本県の医薬品産業につきましては、伝統ある重要な産業と認識をしております。これまで製造、販売の両面にわたってご支援を申し上げてまいりました。

 お述べのように、前向きな製薬企業をさらに伸ばすことで雇用を創出し、地域の活性化につなげることは重要なことと考えます。

 まず、市街化調整区域において製薬工場を新築・増設する際の規制緩和についてのご質問でございます。

 県ではこれまで、市街化調整区域における開発許可の立地基準に関し、県産業の新たな活力と雇用を生み出す企業立地を促進するため、見直しを行ってきたところでございます。例えば、地場産業の工場やインターチェンジ周辺に立地する工場などを新設することを認めているほか、既存工場が事業活動の質的改善を図る場合の敷地拡張を認める許可基準も設けているところでございます。

 製薬工場につきましても、今後とも周辺の土地利用にも配慮しながら、許可基準に照らし、適切に認めていきたいと考えております。

 次に薬事研究センターの強化についてでございますが、企業が新たな商品開発を行う場合、他者との優位性を発揮することが重要でございます。そのため薬事研究センターでは、製薬企業と受託・共同研究を進める上で、従前より、分析機器の拡充など研究施設としての強化を図りたいと思っております。製薬企業の商品開発支援を続けていきます。その結果、これまでに三十五品目の医薬品製造販売承認を取得し、商品化につなげることができました。

 また漢方のプロジェクトを進める中で、平成二十六年度には、薬草に関し高度な成分分析を可能とする機器室の整備を行い、大和トウキの含有成分の分析を行っているところでございます。これまでに大和トウキに特徴的な有用成分を特定してきており、引き続き大和トウキなど県産生薬のブランド化のため、研究の高度化に取り組んでいきたいと思います。

 前向きな製薬企業が事業拡大や商品開発を行う際に、製薬企業のニーズに応えられるよう、規制緩和や研究施設のレベルアップなどの環境づくり、企業支援について、今後も検討、推進していきたいと考えております。

 介護職員の確保についてのご質問がございました。

 若者を介護の現場に向けるべきというご意見は、ご見識のあるものと理解をいたします。

 議員お述べのように、今後ますます高齢化の進展が見込まれる中、奈良県における最近の介護職の有効求人倍率は二・八倍前後で推移しております。この状況から、介護職員の不足があり、確保は喫緊の課題と認識をしております。

 このため、現在、福祉人材センターが中心となりまして、介護事業所等の職員が中学校や高校に出向き、福祉・介護の仕事内容、魅力等を伝えるセミナーや、高校生以上を対象にインターンシップとして福祉の職場体験を実施しているところでございます。昨年度は百四十三人が体験されまして、そのうち四割の六十六人が福祉関係に就職していただきました。さらに、その約半数の三十人が体験した施設に就職されている現実がございます。効果があったということが数字でもわかってまいっております。

 また、ことし九月に設置いたしました福祉・介護人材確保協議会におきましては、就職を控えた高校生や大学生をターゲットに、介護の仕事内容を正しく知ってもらうための動画の作成などにも取り組んでおります。

 今後とも県がイニシアチブを発揮して、関係機関や団体と連携をし、若い世代を対象とした介護に関する体験や関心を高める取り組みを拡大、充実させるなど、介護職員の確保に向けた取り組みを推進してまいりたいと思います。

 また介護ボランティアの活用と養成につきましては、市町村や社会福祉協議会と連携し、県がコーディネーター役となって、相互に支え合う地域の仕組みづくりをつくるべく取り組んでまいりたいと考えます。

 さらに、介護職員の平均賃金のこともおっしゃいました。大変重要なことだと認識をしております。他産業に比べ低いことでございます。

 介護職員の確保には、給与水準の向上が大変重要でございます。このため、介護サービス事業者が介護報酬を通じて賃金改善を確実に行えるよう、国に対し、さまざまな機会を捉え、介護報酬の改定についても引き続き要望を行ってまいりたいと思います。

 教育長にもご質問がございましたが、私に対しましては、ラグビーワールドカップのキャンプ地招致についてのご質問がございました。

 御所、五條、葛城三市連携によるラグビーワールドカップのキャンプ地招致は、議員お述べのとおり、大変意義のある取り組みだと認識をしております。

 キャンプ地招致は、多くの県民が世界のトップアスリートと身近に接する機会をつくり、本県のスポーツ振興に大いに寄与するとともに、メディアやファンなど国内外から多くの方が訪れ、国際交流の推進や地域経済の活性化などにもつながるものと期待される分野で、取り組みでございます。

 御所、五條、葛城の三市が合同でキャンプ地招致の意向を持たれ、県でもラグビーと関係の深い御所市を中心とする地域がキャンプ地となることは、その後の南部地域振興の起爆剤となると考えます。スポーツ合宿を通じた地域振興というコンセプトにぴったりだと思っております。三市と連携して、招致に必要な情報の収集と共有化を図りながら共同作業を進めたいと思っております。

 日本大会は全国十二カ所で行われることになっておりますが、近畿では東大阪市と神戸市が含まれております。奈良県はその会場に近く、都会の喧騒から離れ、練習に打ち込める環境を提供できる、有力なキャンプ地となり得ると考えております。

 日本大会には、参加二十国のうち既に十二カ国が決定しており、このうち南アフリカ共和国のチーム関係者が来年二月に来日される予定でございますが、昨秋、御所実業高校を南アフリカ共和国チームが訪問されたご縁から、県といたしましては、県内の関係施設を視察していただけるように働きかけているところでございます。

 これまで取り組んでまいりました、日本大会組織委員会との意見交換やイングランド大会のキャンプ地視察などを踏まえると、キャンプ地に選ばれるには、良質な天然芝グラウンド、クラブハウス、十分な客室数を備えた宿泊施設の確保など、さまざまな課題が明らかになってきております。

 ちなみに、このキャンプ地誘致とともに、ワールドカップに来られる観客の方は大変富裕層が多いそうでございます。ワールドカップに来られる方は、三週間も四週間もその関係の地域を周遊されるお金持ちだそうでございますので、そのような富裕層を対象にした観光宿泊施設の整備も求められるとこだと思っております。

 誘致の三つの大きな条件は、キャンプ地としての条件整備に関する検討、二つ目は組織委員会への働きかけ、三つ目は各国へのプロモーション活動を積極的に進めることにあると思いますが、本県では今後、三市と連携して招致に向けた機運を高め、実現すべく図っていきたいと思っております。

 県と御所市のまちづくりに関する包括協定と、御所市内の県営住宅についての連携・協働の方向でのご質問がございました。御所市内の県営・市営住宅とまちづくりに関係するご質問でございます。

 御所市内には県営住宅が、秋津団地、御所団地、茅原団地の計三団地、約五百五十戸がございます。昭和三十年代、昭和四十年代に建設された簡易平屋建て、簡易二階建てのものが多く、耐用年数が超過するなど老朽化が進んでいるのが現状でございます。

 また、耐用年数が超過した団地については新たな入居者の募集を停止していること、中層耐火づくりであってもエレベーターや浴槽が設置されていないことなどから、約四割が空き住宅となっております。早急にこうした団地の改善を図っていく必要があると認識をしております。

 一方で、議員にご指摘いただいたとおり、市営住宅も戸数が約千四百七十戸と大変多く、小規模な団地が多数あることに加えまして、老朽化が進んでいることから、その管理が御所市の大きな負担になっているものと認識をしております。

 御所市のこうした管理負担を軽減する意味でも、例えば御所市内の老朽化が進む市営住宅と県営住宅を同じ団地内に集約して建てかえ、民間事業者に一括的に管理を行わせるなど、県としての協力が考えられます。これにより、管理の効率化も図られることが期待されます。

 また県営住宅や市営住宅の更新に際しましては、集約化を図ることにより生じた余剰地などを活用して、子育て支援施設や高齢者生活支援サービス施設など、その地域での暮らしに必要な機能を確保していく観点も重要でございます。このようなまちづくりの観点からも、御所市との連携・協働が必要となるものと思います。

 こうした状況を踏まえますと、御所市にあります県営住宅や市営住宅の更新や管理負担の軽減について、まちづくりの観点から御所市と連携することは不可欠であり、御所市ともその課題認識を共有しているところでございます。議員から具体的な提案をいただきましたので、今後、まちづくり包括協定への位置づけを視野に入れ、具体的な住宅団地を念頭に、どのような具体的取り組みが可能かどうか、御所市と協議を進めてまいりたいと考えます。

 次に、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺の産業集積地形成と御所南インターチェンジのパーキングエリアの整備についてのご質問がございました。

 まず、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺における産業集積地を造成する事業でございますが、昨年度に地元のご賛同をいただいた上で、本格的に事業を開始したところでございます。

 またこの事業を進めるに当たりましては、地元の皆様に対して、御所市長や市職員の方々が本県職員と一緒に事業の説明や用地買収に係る条件を提示するなど、県と市が現実にご当地で協働して説得に当たってきた事例でございます。

 本県では、地域内で投資、雇用、消費が好循環する自立的な経済構造を構築することを目指しておる上に、この御所インターチェンジの前の産業団地は、京奈和自動車道の威力、意味を目の前で展示するショーウインドーの意味があるように思っております。その意味で県が事業化に乗り出したものでございます。本事業の取り組みによって、広く中南和地域の経済振興に寄与する効果を期待しているものでございます。

 事業の進捗状況でございますが、まず昨年度の事業着手以来、用地測量や補償調査業務に取りかかっております。産業用地造成に向けた設計業務を進めている段階でございます。

 しかし一方で、ちょっと雲が出てまいったように聞いております。この用地測量業務を進める中で、幾つかの課題を解決することに少し時間を要していると聞いております。今後、速やかに事業が進められるよう、関係者と鋭意調整をしているところですが、このような産業集積地を創出する事業に関しては、計画する事業用地全体について、一括して用地買収と造成を進めることが不可欠と考えているところでございます。一部でもなかなか行き詰まると、全体の意味がなくなるような種類の用地造成であろうかと思っております。

 本事業のような地域の発展につながる取り組みは、御所市をはじめ地元のご理解とご協力のもとに成り立っていく事業でございます。インターチェンジに直結する優位性の高いこの地域において、企業にとって魅力的な事業用地を生み出すために、引き続き地元の皆様方のご協力をいただいた上で、県としても御所市とともに、中南和地域での新たな産業拠点の創出に向けて努力を続けさせていただきたいと思います。

 次に御所南インターチェンジ周辺のパーキングエリアでございますが、平成二十八年度末に予定されております御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ間の開通にあわせて、その西側部分をオープンさせる計画で、国、県、御所市が連携して取り組んでいる状況にございます。

 平成二十九年春のオープンを目指している施設は、国が整備する約一・二ヘクタールのパーキングエリア内に、御所市が地方創生、地域振興に向け、道の駅に設置されるような特産品販売所や観光案内施設などを整備するものでございます。より多くの方々に利用していただけるよう、国道三〇九号からもアクセスできるように計画をされております。

 現在、国から委託を受けた奈良県立橿原考古学研究所が、パーキングエリア敷地内の埋蔵文化財発掘調査を進めております。また、国及び御所市におきましては、並行してランプ、駐車場部分の設計業務や地域振興施設の設計業務を進められているところでございます。今年度内にこれらの設計業務を終え、平成二十八年度にそれぞれ工事を実施される予定と聞いております。

 県といたしましても、御所南パーキングエリアは、中南和地域の地方創生、地域振興に大きく寄与するものと期待をしております。平成二十九年の春に、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの間の開通にあわせてオープンできるよう、国、御所市とともに、より一層連携を密にしてまいりたいと考えております。

 私に対する質問は以上でございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 四十四番川口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、高校生を対象とした介護施設等での実習や介護人材の育成についてお尋ねでございます。

 高校生が、福祉施設はもちろんのこと、医療施設などにおいて介護や看護に関する実習を行うことは、他人を思いやる心や地域社会に貢献しようとする態度を育むとともに、世代を越えた交流の場を広げ、人や郷土とのつながりを深めていく上でも有用であると考えております。

 また、福祉や医療への興味、関心が高まり、地域を支える人材の育成にもつながりますので、本年度、教育研究所にキャリアサポートセンターを設置し、これまでの福祉科などでの取り組みにとどまらず、学校全体での取り組みとなるよう、施設等における実習を積極的に推進いたしております。

 具体的に申し上げますと、今年度からキャリアデザイン科を設置した二階堂高等学校では、一年生全員が社会福祉法人の施設において実習を行っており、生徒が高齢者との交流を通して、ともに支え合って生きることの大切さを学んでおります。また、医療看護コースを設置する大淀高等学校におきましても、来年度に南和広域医療組合の施設での実習を計画いたしておりまして、学校全体で医療や看護に対する理解と関心を深めようといたしております。

 今後、これらの取り組みを拡大するためには、実習の受け入れ施設を確保する必要がございますので、県教育委員会といたしましても、新たな実習先の開拓に努め、本県高校生の福祉・医療インターンシップとして充実をさせてまいりたいと考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇) 四十四番川口議員のご質問にお答えいたします。

 私には、イベント開催時の道路使用についてどのように考えているのかというご質問であります。

 道路使用許可につきましては、道路交通法や奈良県道路交通法施行細則により規定されているところであり、道路における工事や作業のほか、露店を出店したり祭礼やマラソン等のイベント等を開催するに当たっては、当該行為に係る場所を管轄する警察署長の許可を受けなければならないとされております。

 そこで、地域活性化等を目的とするイベント等に伴う道路使用許可の取り扱いについてでありますが、道路使用許可は交通の妨害による支障の程度と公益性または社会慣習上の必要性とを比較衡量して、その可否を判断することとなります。一方で地域経済の活性化のため、道路の利活用促進に向けた取り組みへの協力が警察に求められているところでございます。

 このようなことから、警察といたしましては、地域住民や道路利用者等の合意に基づいて行われるイベント等につきましては、地域の活性化に資するという社会的な意義を有することを踏まえ、許可につきまして適切に判断してきたところであります。加えて、申請手続につきましても、例えば地域の祭礼において、祭礼と露店の道路使用許可が必要な場合には、一体として管理している運営団体等からの一括申請を受け付けるなど、申請手続の簡素化等をこれまでも図ってきているところでございます。

 なお、このようなイベント等の開催に当たりましては、警察といたしまして、主催者からの事前相談に積極的に対応しているところであり、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上であります。



○副議長(山本進章) 四十四番川口正志議員。



◆四十四番(川口正志) 知事から私の質問に対してお答えをいただきました。大変私の心を酌み取って、いろいろ苦渋な内容ではありましょうけれど、本当に心を込めて答弁いただいたことに、まずは感謝を申し上げときたいと、かように思います。

 ただ、沖縄県の問題にかかわっては、やっぱり地方自治のいわば主体性、そういう基本というもの、スタンスというものを強力に押し出す展開というのが大事だろうと。今は基地沖縄にかかわっての問題ということで私は提起をいたしておりますが、やはり知事の答弁の中には苦渋がにじみ出ているような、私は受けとめ方をしたわけです。つまりは、上位機関である国には、やっぱり露骨な形で逆らえないというような、そういう内容を私は感じ取ったわけですが、それはあなたの捉え方がおかしいということであればどうぞ反論いただきたいと思いますが、いずれにしても、まだやっぱり長いものには巻かれろということで、国の抑え、あるいは市町村にかかわっては県の抑えということがまだまだ残っているんではないかと、今までのシステムがまだまだ残ってると、このように思うわけです。そういう意味で、それぞれの自治体の主体性をやっぱり堅持する、確立させると。こういうことで、そういう意味での方向性を強く打ち出されることのできるような環境づくり、条件づくりのために、ひとつ沖縄県の問題を見詰めていただきたいと、このように思うわけです。

 私は、何といってもやっぱり県民のいわば民意というものを常に大事にしとると。しかし、県民の民意といってもいろいろな考え方があると。こういうことで、賛成もありゃ反対もあると、あるいはためらいもあると。こういうことであろうと思いますが、沖縄県の場合は、ずっと一貫して同じスタンスで、歴代の知事が民意を反映した形で国への働きかけをなさってきたという、この歴史をやっぱり大事にしなきゃならん、このように思うわけです。とりわけ、この基地沖縄とあえて私は申し上げておりますが、沖縄県に基地があるんじゃなしに、基地の中に沖縄県が置かれているんだと、こういうことであります。しかも、日本は戦争に負けました。負けてよかった、いやいや、負けて悔しかったと両面あろうと思いますが、民主主義の世の中が培われてきたということでは、いい方向に向かったんではないかと、このように思うわけです。ただ、負けたがゆえに、日本全土が駐留軍によって支配されとった。これが一九六〇年代、あの時代の前後に駐留軍が全部沖縄県に移動したということから、日本全土の全ての犠牲を沖縄県にかぶせているんだというこの現実だけは、事実だけは、きちっとお互いに押さえとかなきゃならんのではないかと、このように思うわけです。そういう心が、日本国民全てにやっぱり大事ではないか、こういうことを私はあえて訴えておきたいと、このように思うわけです。今は普天間基地の公有水面をめぐる裁判、司法の場に移ってはおりますが、やっぱり国民世論というのが大事だろうと、このように思うわけです。

 そういう意味で、思いをあえて私は申し上げたわけでありますが、今後ともひとつ皆さんのご協力を、ご理解をお願い申し上げときたい、このように思うわけであります。

 それから、いろいろたくさんありますが、特に介護職員の問題でございますが、やっぱり若いころから、今日、少子化、高齢化時代に備えた双方の関係、関連というものを十分に押さえた形で、教育の場でいろんな意味での実践が必要だろうと、このように思うわけです。

 そういう意味で、特に福祉、医療、教育長もおっしゃいましたが、そういう展開ももちろんでありますが、近ごろは地域の産業も忘れられる、特に農業が忘れられてると。こういうことでありますので、ふるさとを忘れるような教育にならんように心得てもらいたい、心がけてもらいたい、力を注いでいただきたいということを申し上げときたいと思うわけです。

 私の提起をした内容は、奈良県一県で物事の解決にはならんと。だから、国の制度として、国の体制としてやっぱり取り組まれるべき必要があろうと、このように思いますので、国への働きかけも積極的にお願いを申し上げときたいと思います。

 もう一点は、御所市にいろいろいわばご支援いただいておりますことを改めて感謝申し上げておきたいわけでありますが、その工場団地の問題ですが、私はスムーズに物事が皆さんのご苦労、尽力によって進んでいると思っておったのが、いささか問題がまた再燃してきていると、こういうことを耳にしているわけでありますが、農業を守っていきたいという人と、やはり今日の時代、農業から離れたいという人もいらっしゃるわけであります。私は将来展望から見て、農業から離れたいという人たちの気持ちの側に同調する気持ちのほうが私は強いわけでありますが、それがいささか農業を守ろうとする人たちの気分を損ねたということにもつながっているんではないかと、このように思うわけであります。

 いずれにしても、いろいろご苦労いただいてるわけでありますが、ひとつこの工場団地をはじめ御所市の今後の対応のために、根気よくひとつご尽力をお願い申し上げたいと、このように思う次第でございます。

 時間がなくなりましたので、要望を申し上げて私の質問を終わりたいと思いますが、特に知事、私の今申し上げたことについて一言お答えいただければと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 大変気持ちの面で共有しているところはあると思いますが、とりわけ東アジアの平和を、繁栄を目指す、戦争を二度とこの地域で起こさないという気持ちは、奈良県では東アジアの地方政府会合に結実しております。また、日本と東アジアの未来を考える委員会の報告書にも結実しております。よくご理解を賜ることができる分野じゃないかと、今のご質問を受けて思ったわけでございますが、議案で何かご意見があったかのように思いますが、精神的には大変共通してる分野だと思いますので、今後、深いご理解を賜りますようにご要望申し上げておきたいと思います。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、十二月七日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時十八分散会