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奈良県 奈良県

平成 5年  3月 定例会(第222回) 03月10日−04号




平成 5年  3月 定例会(第222回) − 03月10日−04号







平成 5年  3月 定例会(第222回)



     平成5年奈良県議会第222回定例会(第四号)



平成五年三月十日(水曜日)午後一時三分開議

                           由本知己・北中路子速記

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出席議員(四十七名)

       一番 欠員            二番 上田順一君

       三番 上田嘉昌君         四番 高野善雄君

       五番 辻本黎士君         六番 秋本登志嗣君

       七番 飯田 正君         八番 米澤 節君

       九番 田尻 匠君        一〇番 国中憲治君

      一一番 北野重一君        一二番 今中せつ子君

      一三番 植村家忠君        一四番 高間賢一君

      一五番 元田三男君        一六番 中村 昭君

      一七番 中本幸一君        一八番 米田忠則君

      一九番 吉川隆志君        二〇番 松井正剛君

      二一番 小泉米造君        二二番 奥本一男君

      二三番 山本保幸君        二四番 梶川虔二君

      二五番 森田好信君        二六番 寺澤正男君

      二七番 出口武男君        ニ八番 吉川新太朗君

      二九番 藤本 巖君        三〇番 新谷紘一君

      三一番 福田守男君        三二番 新谷春見君

      三三番 松原一夫君        三四番 福西秦夫君

      三五番 山下 力君        三六番 田辺和夫君

      三七番 小林 喬君    ‘   三八番 植原一光君

      三九番 杉村寿夫君        四〇番 浅川 清君

      四一番 村野喜英君        四二番 森下豊城君

      四三番 服部恵竜君        四四番 仲川宗太郎君

      四五番 和田 修君        四六番 福本虎之祐君

      四七番 川口正志君        四八番 大東正明君

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議事日程

一、当局に対する一般質問

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○副議長(新谷紘一君) これより本日の会議を開きます。

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○副議長(新谷紘一君) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、四十五番和田修君に発言を許します。−−四十五番和田修君。(拍手)



◆四十五番(和田修君) (登壇) 議長のお許しを得ましたので、知事並びに教育長に五点にわたり質問をしてまいりたいと思います。

 三月一日に知事から来年度の予算案が提出されましたが、その編成に際しては、極めて厳しい財政状況の中にあっても、県民福祉の増進を図り、木県の二十一世紀のあるべき姿、すなわち「遊」のある地域づくりを目指して長期的な観点に立ち、積極的に県政を推進されようとしている知事の姿勢については高く評価をするものであります。

 それでは最初に、過疎対策等につきまして質問いたします。

 過日私は、過疎地対策特別委員会で福岡県八女郡矢部村へ行く機会を得、今まで過疎の解消について試行錯誤してきたことへの結論を私なりに見出すことができ、この視察が私にとりまして誠に時宜を得たものであったと、高野委員長をはじめ事務局のご配慮に対し深く感謝申し上げる次第であります。その結論とは、過疎問題は過疎地内だけで議論し合っていただけではますます孤立化を深め、解決することはできない。都市部の方々との意見交換により、都市部の方々に過疎地の実情をもっと深く理解していただき、ご協力をいただくまでに至らなければ解決策は見出せないというものであります。県では、柿本知事誕生以来、我々県議会議員も参加し、市町村長とのブロック別談話会や過疎問題談話会を開催されるなど、市町村との連携の緊密化に精力的に取り組まれておりますことを評価するものであります。しかし、談話会の運営については、ある程度の時間的制約があるのも理解できるのですが、参加者と知事がもっと時間をかけて意見交換を行い、セレモニー的な会合に終わらないよう、有意義な場となるよう要望しておきたいと思います。

 また、来年度予算では新規に、県下市町村を対象に、企画力の向上を目指すとともに、自主的、主体的な地域づくりを支援するために地域政策研修会開催経費が計上されており、誠に時宜を得た施策として賛意を送るものであります。一方、地元吉野郡では、平成五年四月から、各町村から成る企画課長会議が新たに設置され、効果的に運営されることとされており、過疎対策に取り組む機運の高まりを見せております。県においては、従前から企画課や地方課を中心に過疎対策や地域づくりに積極的に取り組んでおられるところでありますが、このような状況を踏まえ、市町村との連携の強化、地域づくりの支援、交流事業への支援等、今後さらに施策を強力に推進するためには、本県の企画部門の実効ある組織体制づくりが必要ではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 さらに、来年度予算の中で、今年度に引き続き南和地域文化施設等調査検討事業が計上されておりますが、地域内の人々が、我がふるさとの伝統文化芸能を、喜々として集まり、発表し合い、また都市部から、あるいは他府県からも発表され、交流を深める文化施設は郡民の待望するところであります。本調査も二年目を迎えておりますので、今後の進め方について知事にお伺いいたします。

 また、「国際文化観光・平和県」への着実な進展を目指し、国際交流の拠点として、県文化会館の大ホール等の大規模な改造をされるところであり、大いに期待を寄せるところであります。さらに、新年度から、市町村の文化ホールの運営の企画力の向上を図ることなどを目的に、文化芸術企画運営職員養成事業を始められるなど、文化芸術活動の振興についての県の取り組みについては高く評価するところであります。ついては、これを機に、私は市町村文化施設連絡会の創設を考えているところであります。これは、これまでの市町村における芸術公演に関してはほとんどが単独公演で、採算性の点から芸術公演にはほど遠い内容のものもあり、町や村でも本格的な芸術を鑑賞できる機会をふやしていくために、県立の奈良橿原文化会館を拠点として、県下市町村の市民会館、公民館の各文化施設間の情報交換や公演の共同実施などを推進していけるようなシステムであります。既に県には協議会なるものがあるわけでありますが、それも含めまして将来ぜひ実現されんことを望むものでありますが、知事のご所見をお伺いいたします。今後県として市町村の文化活動を支援する施策をさらに積極的に展開していく必要があると考えますが、あわせてご所見をお伺いいたします。

 最後に、文化財の保存と活用を図る形での地域活性化についてであります。黒滝村中戸の旧役場庁舎は、明治四十三年に建設された洋風建築物であり、この時代に吉野の奥地に建設されたことは大いに意義があり、貴重な文化遺産であると考えます。しかも、この建物は現在も建設当初のまま保存され、昭和五十三年九月まで村役場として利用され、県指定の文化財にもなっているのであります。現在は資料館として利用されてはいるものの、文化財としての活用はほとんどされておらず、その上破損も進んでおります。県にとりましても、村にとりましても、後世に伝えるべき貴重な文化遺産であり、今のうちに根本的な保存措置を講じ、文化財として積極的な活用が図られないものかと常々考えているところであります。黒滝村の豊かな自然環境とともに歴史文化資源として活用し、観光客等に多様な楽しみを演出できるような観点に立った整備を見出せないものかと考える次第であります。県においては、この保存についてどのような指導計画を黒滝村に対してお持ちであるのか、教育長にお伺いいたします。

 第二点目は、林業の担い手対策についてであります。

 林業の担い手対策は、本県において、退職金制度の見直し等、特に若年層の確保に向け諸施策を講じられてきておりますが、日雇いで定着率が悪く、高齢化が進む現象は依然として続いているのが現況であります。その原因は、三Kを避ける傾向とともに、生活の安定度及び将来性、老後等々の不安が挙げられるところであります。

したがって、これらの不安を解消し、将来に魅力を感じながら仕事ができる抜本的な施策を講じなければならない時期を迎えていると考えるところであります。現在、林業従事者の平均年齢は五十七歳と聞いておりますが、このままでいけば二十一世紀にはどうなるか、心配でなりません。また、森林・林業と言えば山間部だけの問題としてとらえられがちですが、森林は県内の酸素の供給や水源涵養などの機能を持つものであり、県全体への貢献度は大なるものがあり、その森林を保全することは環境や景観の面で都市住民にも利益を与えているのであります。その森林・林業の公益性を重視した観点から、間伐や下草刈りをし、森林保全のために働く担い手の確保は重要な問題ではないかと考えているところであります。このようなことから、森林の担い手の確保については、例えば月給制の導入などにより安定した生活が保障され、将来性のある職場にするとともに、重労働からの解放など厳しい労働条件を改善して、安全で快適な職場にすることにより初めて確保できるのではないかと考えており、このためには新しい林業へ向けての展開がぜひとも必要であると考えるところでありますが、本県の森林・林業の担い手対策とあわせて知事のご所見をお伺いいたします。

 第三点目は、障害者福祉について二点お伺いいたします。

 その一つは、福祉タクシー制度についてであります。この制度の目的は、市町村または社会福祉法人等の行う福祉タクシー基本科助成事業に対し県が助成することにより、在宅心身障害者(児)の生活圏の拡大を図るとともに、社会参加の促進に資することにあります。県下市町村では、来年度実施検討中を入れれば、十カ村を除く大半の市町村で実施されるところであります。ところが、タクシーを利用するに当たり、障害者が住む地元タクシー会社に限られており、自宅からは容易に利用できるのですが、行き先により帰りが地元タクシーを利用することが難しいという難点があります。そこで、障害並びに療育手帳を所持されている方ならば県下のどの業者のタクシーでも利用できるように改善策を講じるわけにはいかないのか、知事にお考えをお尋ねする次第であります。

 その二つは、重度身体障害者療養施設に関する問題についてお尋ねいたします。全国の重度身体障害者療養施設の整備状況を見てみますと、最低ニカ所、百五十名以上が収容できる施設があり、本県だけが長い間、菅原園のみで八十名収容という状況で今日まで来ております。そうして、来年度やっと吉野郡大淀町にーカ所予算化されたのであります。重度障害者を持たれるご家庭では、一般的に言ってご両親が可能な限り在宅介護を続けたいと頑張っておられる方々ばかりでございます。したがって、現在のところ、菅原園に入所を希望されている方々には、手放したくないという肉親の情愛を超える何らかの介護不能の理由により、やむにやまれず入所を希望されていると判断するところであります。現在までに四十名、高等養護学校卒業者十二名の計五十二名が入所待機を余儀なくされております。菅原園で入所されている方は、お一人につき約三十二万円の経費が措置されているわけですが、このたび予算化された療養施設に入所できるためには、少なくともあと三年は待たなければなりません。見逃すには余りにも不公平過ぎると感ずる次第であります。そこで、入所を希望されながら入所できない方々に対し手当を支給されてはいかがかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 第四点目は、環境保全の立場から三つの問題についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 その一つは、松くい虫防除事業についてであります。相当以前の話になりますが、昭和五十六年の定例会で社会党の堀田前議員の薬剤散布の質問に対し、上田前知事は、極めて重要な松林については予防措置としての薬剤散布はどうしても必要である、比較的被害の少ないところについては被倒駆除を重点的にやっており、薬剤散布については自然環境及び生活環境保全に十分配慮しなければならないと答弁されております。薬剤散布でよく使われているスミチオンの残効期間−−約二年でございますが−−の問題もあり、また、土壌汚染や酸性雨の要因となることや、自然ダム破壊など、心配されるところであります。一方、恐らく松くい虫も薬剤に対する抵抗力が強くなり、年々より強力な薬剤を散布しなければ死なないのではないかと考える次第であります。薬剤散布ではどのような安全対策が図られた上で実施されているのか、今後環境保全に十分配慮した上で、どのような松くい虫被害対策を講じていくのか、知事のご所見をお伺いいたします。

 その二つは、環境に優しい農業の推進についてであります。昨年春のブラジルのリオデジャネイロにおいて地球環境サミットが開かれ、国際的に環境保護の関心が高まっている中で、国や県では最近、環境保全型農業の推進を図られているように聞いております。農業は従来最も環境に優しい産業の一つとして考えられておりましたが、近年、農業近代化政策のもと、その生産性の向上のため、農薬や化学肥料の過剰投入による環境への負荷が論議されるようになり、これらを使わない有機農業がクローズアップされてきました。有機農業は生産性の点から農業としての経営が成り立たず、また産業としての社会的役割も果たせないのではないかと危惧されます。このような難しい状況のもとで、人命を守り、環境に優しい農業の展開を図るといわれる環境保全型農業の推進についての本県の基本的な考え方及び取り組みについてお尋ねする次第であります。

 第三は、水質保全という立場から数点お伺いいたします。

 そもそも水質を云々する場合、特に有害化学物質や農薬が水質と密接な関係にあることは言うまでもありません。そこで、農薬が環境に反ぼす影響を水の場合を例にして研究されているある大学の先生の研究を調べたのでありますが、それによりますと、琵琶湖、淀川水系を見ますと、大阪湾にまでダイアジノンなど有機リン系農薬が達しており、海の汚れ、磯焼けと農薬は決して無関係ではないということであります。これを厳密に調べることができないのは、散布した農薬は自然界に人ると他の物質に変わっていく、すなわち分解物、代謝物として言われ、安全なものだと思われがちではありますが、必ずしもそうではなく、例えば川の水を塩素泊毒すると、有機リン系のある農薬は、原体の千倍から一万倍もの毒性の強い物質、すなわちオキゾ体に変化することが研究成果として示されております。農薬は国が厳格な毒性検査をし、合格したものだから安全である、だから幾ら使っても大丈夫だという危険きわまりない単純な論理が、担当行政側にも、農薬を使用する側にもあるのではないかと考えます。国に農薬の毒性情報を求めましても、企業の財産だとして公開しないばかりか、農薬の一日摂取許容量さえも公開しないという密室性が極めて強く、その上、その農薬の製造販売は商業ベースで行われているのが実態であります。県はこの農薬についていがなる認識のもとで行政を遂行されているのか、お尋ねいたします。

 また、厚生省は、水道水の水源となる河川や湖などの汚染を食いとめるための水道水源の水質保全に関する法律(仮称)案が今国会に提出することを決められたと新聞で知るに至り、過去の経緯から見て、よくぞ提出に踏み切られたと心から賛意を送るものであります。私は、この背景には国民の環境に対する世論の高まりがあるものととらえている次第であります。この法案の内容を見ますと、簡易水道事業が水質汚染の被害を受けているなどの現状を重く見て、水道水の取水口地点に近い上流地域を規制区域とし、特に農薬や化学肥料を多量に使う場合の届出、並びに簡易浄化施設しか持たない土流域でのゴルフ場や宅地開発、リゾート開発はできないなどを盛り込む予定とされております。この法律では、実施主体を都道府県にゆだねる形をとるようであり、いずれその法案の示す基本的方向に沿って条例や要綱を作成することとなろうかと存じますが、県はより安全な水源水質の確保のためにこれまでどのように取り組んでこられたのか、また今後どのように取り組まれていくおつもりなのか、お伺いしておきたいと思います。

 次に、この法案の内容に触れ、極めて近い立地条件にあるのが、昨年十二月に許可が出ました四カ所のゴルフ場のうち吉野のゴルフ場が考えられるところであります。農薬の使用量を減少させる方向で世界が動いている時代に、しかも取水口の上流の既存のゴルワ場での農薬使用について論議しなければならないときに、また一つふやすとはいささか理解に苦しむところであります。この許可は、地理的条件を無視した事務的卓上の許可であると言っても過言ではないと思う次第であります。その下流に取水口があるという状況において、より安全な飲み水確保という点から見れば深刻な問題と言えます。昨年許可された吉野のゴルフ場についての知事の見解をお伺いしたいと思います。

 次に、県下のゴルフ場におきまして、厚生省が今までに四種類の毒性の強い、分解しがたい農薬を特定みものとして使用を禁止されているものを、いまだに使用しているところがあるやに聞いておりますが、ゴルフ場における農薬使用に対するチェック体制はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

 最後に、環境施策の総合的推進についてお伺いいたします。環境問題につきましては、ただいま述べました水質の問題から、自然環境の保全、地球環境の保護の問題など複雑多様化しており、その取り組みについては世界的にも大きな関心事となっております。特に恵まれた歴史的風土や豊かな自然環境をあわせ持つ奈良県にとって、環境の保全は県民の大きな願いでもあります。国では、多様化している環境問題に対して総合的に取り組むため、環境基本法の制定を考えているようですが、県としてもいち早く環境管理課の新設や環境管理計画検討調査事業費の計上等、平成五年度より環境施策の総合的推進に向かわれていることは評価したいと思います。つきましては、環境管理計画の基本的考え方について知事のご所見をお伺いしたいと思います。

 第五点目は、総合学科を高等学校に導入する点について教育長にお伺いいたします。

 現在の高等学校に対する国民の意識は、普通科は進学、職業科は就職との考え方が余りにも固定化しております。そのため、普通科からの就職や職業科からの進学がしにくい状況であり、生徒は高校に入学する以前に将来の進路を選択する必要に迫られることになります。また、各高等学校においても、教育課程を工夫したりしながら生徒一人ひとりの進路保障に努力していると伺っております。ところで、今回高等学校教育の改革推進会議から提言された総合学科は、高等学校に入学してから学習を進めつつ、自己の適性や興味などに基づいて進路を決定していくことができるという学科のようであります。初めは就職希望であっても、途中から進学に変更することが可能であります。その逆についても同じことが言えるという、生徒の心身の成長に沿ったすばらしい学科であるという印象を持っております。そこで、私は大いに設置すべしという立場から伺いたいのでありますが、県教委ではこの総合学科について現在どのように考えられ、検討されているのか、また、今後の見通しを含めて教育長のご所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

 なお、答弁いかんによりましては、時間が余りないわけでございますが、少しでも再質問をさせていただくことをお許しいただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(新谷紘一君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 四十五番和田議員のご質問にお答えいたします。

 個々のご質問にお答えする前に、冒頭に予算編成の姿勢を高く評価していただき、御礼を申しLげます。

 まず第一点は、過疎対策についてでございます。

 その中でも、過疎対策や地域づくりの推進について組織体制づくりが必要ではないかと、こういうご質問でございます。ご指摘のように、過疎対策あるいは地域づくりの推進につきましては、どうしても施策が広域多岐にわたりますので、企画課等の課を中心といたしまして関係部課の連携が必要でございます。過疎対策を例にとりますと、過疎地域対策連絡協議会というものがございますが、こういうものを活用しながら全庁的な取り組みをしておるわけでございます。そういう協議会と同時に、やはりその調整をする窓口課というものも大切でございまして、これも過疎対策を例にとりますと、企画課がその中心になるわけでございますが、今後、その調整機能を強化するように企画課の組織の充実を図ってまいりたいと考えております。そういうことによりまして、同時に、市町村との情報交流の活性化など実効のある体制づくりに努めてまいりたいと思います。また、これは過疎対策だけではございませんが、ご指摘にありました地域研修会の開催とか、あるいは大学等の研究者との共同研究等にも取り組むことといたしておりまして、過疎対策や地域づくりの推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 その二つ目は、南和地域の文化施設等の検討調査についてのお尋ねでございます。南和地域は、雄大な自然の中ではぐくまれた長年にわたる文化や歴史があるわけでございます。同時に、高齢化や過疎化が進行しているという課題も抱えているわけでございます。施設の要望につきましては、いろいろ地域におきまして各般のご意見があるようでございまして、この地域において広く文化、福祉、健康など、いろいろの面から今本当に一番必要なのはどういう施設なり機能であるか、こういうことをよく分析することが、詰めていくことがまず大切だと考えております。平成四年度から、そういう観点から、地域のニーズを把握するためのアンケート調査とか、既存施設の活用状況の基礎調査を行ってまいりました。平成五年度におきましても、これらの調査を継続実施しながら、地域内外の関係者や有識者の意見聴取を行うことを考えております。そのような調査結果を踏まえましてさらに検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

 次に、いろんな町村でも芸術鑑賞ができるような市町村の文化施設連絡会といったものを設置してはどうか等の点でございます。これはご質問にもございましたが、ご提唱のような組織については、既に県、市町村、いわゆる公立の文化施設の相互交流のための奈良県公立文化施設協議会というものが県立文化会館を拠点として設立されております。したがいまして、ここにおきまして、市町村の文化施設間の情報交換とか、文化活動の支援のため、この活動を活用したり活発化したりすることがご質問の趣旨に合うことかと考えます。そういう線で今後とも努力をいたしたいと考えております。

 また、市町村の文化活動の支援でございますが、町村においても本格的な芸術観賞等ができる機会をふやすために、平成四年度から、例えば音楽の風コンサートというようなものを共同で開催するとか、あるいは平成五年度から新たに、市町村立の文化ホール等の自よ運営能力を高めるために、人材養成事業というようなものに取り組むことを考えております。そういうものを積み重ねながら、ご指摘のような点について充実強化を図っていきたいと考えております。

 大きな二点目の、林業担い手対策でございます。

 ご指摘のように、林業の担い手対策は大変広範多岐にわたっております。特に、大まかに申し上げますと、林業の振興、あるいは山村の活性化、さらに、具体にご指摘ございましたような森林の公益的機能の維持増進というような観点から、その中心的な存在になります担い手対策というのは重要な課題であると考えております。そのためには、就労の安定と重労働の軽減とか、山村の定住環境の改善など、総合的な多方面の取り組みが必要でございます。これらのうち、総合的なことについて国にも求めてまいりますが、県段階として当面取り組み得るものについて逐次対策をとるという考え方で臨んでおるわけでございまして、新年度におきましては、ご指摘の従来の施策に加えまして、林業の機械化による生産システムを展開するため、林業機械化推進拠点施設の整備について取り組むとか、あるいは、林業労働者の徒歩通勤の軽減のための乗用モノレールの設置について助成を確立するとか、こういうこともやっております。さらに、森林整備基金を創設したり、ふるさと林道緊急整備事業を実施したり、そういう形で林業の振興、あるいは環境整備の面から幅広い担い手対策を推進することとしている次第でございます。また同時に、大変構造的な問題でございますので、昨年本県が提唱して、関係県均横断的な森林林業担い手対策協議会を設置いたしました。これを引き続き開催いたしまして、担い手の育成確保に係る現実的な対策を検討し、また、国にもいろいろ提案し、働きかけていきたいと考えております。

 大きな三点目は、障害者福祉の問題でございます。

 その中で福祉タクシーについてのご質問でございます。福祉タクシー制度は平成三年度から、在宅心身障害者(児)福祉サービス事業補助、県単のメニュー事業ですが、この中に組み込んで実施しておるものでございます。

実施方法としては、ほとんどの市町村が当該市町村内のタクシー会社やタクシー協会の支部に契約しておられるということで、ご指摘にございましたように、その市町村内から出かけるとき、あるいは市町村内での利用には支障はないんですが、市町村外に出かけたとき、戻ってくるときにどうも利用しにくいと、こういうことはご指摘のとおりでございます。いろんな方法が考えられるわけですが、立てかえ払いをするとか、いろんな方法が机上としては考えられますが、現実にどう動くかということも検討いたさなければなりませんので、障害者の利便に配慮しながら、今後市町村あるいはタクシー協会とも協議しながら、その改善について検討してまいりたいと考えております。

 次に、重度身体障害者の療養施設についてのご質問でございます。ご指摘のように、今までは県立の菅原園一施設でございましたが、今般、待機者も多いことを考慮して、新たな施設の整備に着手することといたしました。

ご指摘のような情勢でございますので、できるだけ早く計画どおりオープンできるように努力いたしたいと考えております。

 なお、在宅の重度障害者への補助につきましては、現在、特別障害者手当、あるいは日常生活用具等の支給を行っております。これらの改善については、国に要望してまいりたいと考えております。また、県単独事業として、重度重複障害者の介助手当や紙おむつ等の支給を行っているところでございます。ご指摘のように、障害者の方と家族の関係を考えて在宅の療護をしておられるわけでございますが、待機者に特別の手当とおっしゃいましたが、お気持ちはわかりますが、いろいろなかなか難しい問題があります。基本的には、今後とも障害者福祉の向上のためにいろいろ研究しながら努力してまいりたいと考えております。

 それから大きな四点目は、環境保全問題でございます。

 松くい虫防除事業における薬剤散布についてのお考えでございます。薬剤散布は、保安林等の重要な役割を担う松林で、関係市町村あるいは地元住民のご理解とご協力を得られた地域について実施しておるわけでございます。その安全対策といたしましては、農薬取締法によって安全使用基準が決められております。その薬剤の安全使用とか、あるいは水質検査とか、そういうものによりまして適正使用を確保する、あるいは地域住民に、当然のことながら、その際は注意喚起をするとか、保安員を配置するとか、あるいはハチの巣箱が置いてあるような場合は、これを移動してもらうとか、そういう等の措置を講じながら薬剤散布をしておるわけでございます。現状は、ご承知のように、平成二年度の夏季の異常気象に起因いたしまして再び被害が増大化しつつあります。したがいまして、やはりそういう安全対策も十分考慮しながら、同時にきめの細かい予防対策も必要であると考えている次第でございます。薬剤散布のほか、被害地域の状況に合わせまして、抜倒駆除、あるいは物によりましては樹幹の注入でありますとか、あるいは天敵を利用するとか、なかなか物によって効果もいろいろさまざまでございますが、そういうものをいろいろ活用した防除を取り入れて県民のご理解をいただきたい。そして、そういうご協力いただく一助として、市町村に松くい虫相談コーナーを設置いたすことも考えております。

 次に、環境に優しい農業の展開についてのご質問でございます。本県で推進しております環境に優しい環境保全型農業とは、趣旨といたしましては、環境への負荷をできるだけ抑え、かつ農産物の安全性と品質及び生産性を現状以上に維持した農業形態を考えておるわけでございます。その環境保全型農業の一形態として有機農業もあるわけでございます。なかなか有機農業につきましては、生産性あるいは農業経営の安定を確保するということでいろいろ難しい問題があるわけでございますが、いずれにいたしましても、生態系との調和を目指した農業形態として今後とも推進を図ってまいりたいと考えております。また、そういうものを推進いたすために、例えば環境保全型農業推進協議会というようなものを設置いたしまして、いろいろ意見交換をしたり、ご提案をいただいたりしながら、そこで出された意見を参考にして、またその対策を推進しておるわけでございます。同時にまた、いろんな栽培展示とか、指導者の研修、そういうことにも取り組んでおります。また、農林省におきまして、有機農産物に関連いたしまして青果物等の特別表示ガイドラインが制定されて、この四月から施行されることになっております。こういうものの適正指導につきましても、そうした適正表示検討委員会におきましてその運用について検討して、適切な運用を図ってまいりたいと考えております。

 次は、水質保全、特に農薬についてのお尋ねでございます。農薬について、国の試験に合格したから、だから安心という単純な論理であっては困ると。お気持ちはわかるわけですが、国にかわってその安全性を確認するということはなかなか難しい問題であろうかと思います。私の聞いておりますところでは、やはり農林省等の公的機関において厳正な検査もされているということでございまして、一応はその基準を守るように、その適正使用を推進することが我々の役目ではないかと思っております。そのため、農作物病虫害及び雑草防除指導指針の策定とか、配布とか、あるいは農薬の安全使用の手引の作成、配布とか、あるいは、ゴルワ場に関連いたしましては農薬使用の指導要綱を策定しておりますが、それに基づきます芝生等の保護管理マニュアルの作成、配布とか、こういうことを今までやってきておるわけでございます。同時に、農薬管理指導士の養成研修、認定等も行っておるわけでございまして、あるいは農薬の販売業者、あるいはゴルフ場のコース管理者、防除業者につきましては、講習会、必要に応じて立入検査等も実施しておるわけでございます。そういうことを今後とも関係機関の協力を得ながら、ご指摘のような、農薬安全使用の徹底が図られるよう努力してまいりたいと考えております。

 その次は、水道水源の水質保全に関する法律案についてのお話でございます。この法律案は現在準備中であるというふうに聞いておりますが、具体的な内容については承知しておりませんが、今後の動向は十分見守ってまいりたいと考えております。

 それから、県としての水質保全対策でございますが、当然環境基準の設定とか、あるいは水質汚濁防画法による基準のほか、上乗せの基準を設定したり、あるいは計画的な水質監視などを実施しているわけでございまして、それぞれの利水状況に応じた厳しい基準値の設定も行っております。また、水道そのものの事業体におきましては、これとは別に厳しい水質検査のチェックも行うよう指導しているわけでございまして、ご指摘のように安全でおいしい水が供給できるように努めているわけでございます。今後とも環境基準が維持達成されますように水質保全対策を総合的に推進し、あるいは環境基準項目の追加とか監視体制の強化に努めてまいりたいと考えております。

 それから、この問題に関連して吉野ゴルフ場の許可についての水質の問題でございます。ゴルフ場の許可そのものは、従来からの方針に基づきまして、いろんな影響を考慮しながら、土地利用調整会議において十分な事前協議を行い、調整を行ったわけでございます。水質保全につきましては当然、環境庁の示しましたいろんな指針とか、奈良県ゴルフ場農薬指導要綱等に基づきまして指導するとともに、その立入検査等、先ほど申し上げましたが、そういうことにより遵守の徹底を図っているわけでございます。お尋ねの吉野のゴルフ場につきましては、その下流に取水口がございます。ご指摘のとおりでございますが、そのため、より一段厳しい基準の設定、あるいは監視、指導を徹底して、水質保全に十分配慮してまいりたいと考えている次第でございます。

 それから、ゴルフ場での農薬のチェックの問題でございますが、これは、平成四年に定めました農薬指導要綱を基本としながら管理マニュアルを設定しておりますので、これにのって指導の徹底を図っているところでございます。また、現在県内に開業しているゴルフ場は二十九ございますが、この全ゴルフ場について立入検査を定期的に行っております。そして、農薬の安全な保管、管理等を指導すると同時に、農薬の安全使用の研修会、あるいは農薬安全指導講習会、あるいは農薬管理指導士の養成の研修会、あるいはそういう指導士の各ゴルフコースの管理部会、こういうものを設けたりして、その技術的な向上、あるいは指導者の育成を図っているところでございます。

 また、ゴルフ場における農薬の使用実態でございますが、毎年四月に農薬の使用計画書の提出を求め、毎月その実績報告書の提出を求めておりまして、実態を把握しております。この結果によりますと、平成三年度の農薬使用量は、二年前の平成元年度に比べまして約三割減少しております。そういう結果が出ております。いずれにいたしましても、今後とも安全使用の徹底と使用量の減少について十分努力すると同時に、周辺環境にも配慮するよう指導してまいりたいと考えております。

 最後に、環境管理計画についてのお尋ねでございます。環境問題は大変社会的な大きな関心事になっております。ご指摘ございましたように、このたびは四月から環境管理課を新たに設置いたしまして、環境部門の組織を強化することを予定しております。また、お尋ねの環境管理計画につきましては、従来の公害防庄施策から視野を広げまして、長期的展望に立った自然環境の保全、あるいは快適な環境の創造や地球環境問題への取り組みなど総合的な施策を計画的に推進するための計画として策定を取り組むこととして、平成五年度にはその基本的なあり方を検討したいと、こういうふうに考えている次第でございます。当然のことでございますが、計画の策定には、環境基本法や、あるいは環境殖本計画等、国の動向を踏まえて、学識経験者の参画もいただきながら、あるいは県民の広いご意見をいただきながら計画をしていきたいと考えている次第でございます。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 中本教育長。



◎教育長(中本克美君) (登壇) 四十五番和田議員の質問にお答えいたしたいと思います。

 私に対しましては二つのお尋ねでございましたが、まず黒滝村の旧役場庁舎についてでございますが、黒滝村の大字中戸にあります旧役場庁舎は、もとは明治四十三年に吉野材木黒滝郷組合事務所として新築されたものでございます。その後大正二年に村に移管されまして、昭和五十三年九月に現在の役場庁舎ができるまでの六十五年間、村役場として利用されておったわけであります。この間事務室として利用されていたために、内部は若干の改造がなされておりますが、外観は改修の形跡もなく、当初の姿をそのまま残しておるわけであります。昭和五十四年三月には、本県における貴重な明治時代の洋風建築であることから、県指定文化財として指定し、その保存を図ってきたところでございます。お話のように、現在この建物は地元の公民館あるいは資料館として一時的に利用されているのでありますが、残念ながら文化財としての本来の活用はほとんどなされていないというのが状況でございます。また、近年損傷も目立ってまいりました。平成四年度より具体的な修復について、地元黒滝村と計画策定に取り組んでいるというところでございます。しかし、ご承知いただいていることだろうと思いますが、建物は狭溢な土地にありまして、解体修理をするための必要な空き地を確保することがまず難しゅうごごさいます。また、山と川に挟まれていることから、木造の建物を傷める湿気も多く、文化財の保存、修復あるいは活用を行う土で非常に難しい状況にあるわけであります。したがいまして、今後は文化財の保存を図りつつ、また地域の活性化等をも考慮に入れながら、より多面的に活用するために、適切な地に移築することを含めまして、事業主体である黒滝村とも十分に協議を行いまして、積極的に取り組みを進めてまいりたいと、かように考えているところであります。

 次に、高等学校の総合学科導入についてでございます。

 お話がございましたとおり、私どもも、大変もう魅力のある学科だと、かように思っているわけであります。

この学科は、従来の学科に比べまして選択科目を多数設けることによりまして多様な進路選択を可能とするものでありまして、普通科、職業学科に並ぶ新たな第三の学科として位置づけられているのであります。また、高等学校教育を改革していくパイオニア的な役割を果たすことが期待されております。ところで、すべての中学生が卒業時に将来の進路を明確に見通すことはなかなか難しいことでございまして、高等学校での学習や活動を通して自己の能力や適性を見出す場合が少なくありません。このような将来の進路への自覚を深めさせる学習がこの総合学科の大きな特色である、かように考えているわけであります。また、この学科では、生徒がその興味、関心、適性、能力等に応じまして多数の科目の中から自由に選択して学習することができますので、いわゆる主体的に学習する力を身につけることや、学ぶことの楽しさを体得することがより可能になる学科であろうと、かように思っているわけであります。また、総合学科では、一年生、二年生、三年生の区分を外しまして、必要な単位を修得すれば卒業を認めるという思い切った教育課程の弾力化を図ることもできようかと思います。また、生徒が他の学校の特色ある教育を受けることができる学校間連携の制度を取り入れることも可能となってまいります。そこで、本県におきましては、このたびの国の最終報告の内容を十分に検討いたしますとともに、県立高等学校教育懇談会の提言や、本県の実情を総合的に勘案しながら、平成五年、六年度の二年間にわたりまして、梶川議員の質問にもお答えいたしましたが、平成五年からの高等学校教育多様化推進事業の一つとして、県立高等学校にこの総合学科に関する実践的な調査研究を委託いたしまして、また国の制度改正の動きも注目しながら積極的に検討してまいりたい学科であると、かように思っているところであります。

 以上であります。



○副議長(新谷紘一君) 和田修君。



◆四十五番(和田修君) いろいろお答えいただきまして、ありがとうございました。

 二、三点ございますけれども、ほかは予算委員会でやりたいと思いますが、いわゆる企画課の組織強化ということでありますけれども、やはり視察してまいりまして、今日まで大体十七回ほど他府県へ行かせていただきました。いろいろ見てまいりますと、やはり奈良県は人口的に非常に小規模でありましても、例えば福岡県等、私の方から見ていましたら三分のーぐらいの人口の割ではありますけれども、やることは小さい県でも大きい県でも同じだと思いますので、どうぞひとつ活発に支援体制ができるような、知事もおっしゃっているような強力な体制をひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

 それから、文化施設の件ですが、私の思っておりました案が、既に県はあるということでございますけれども、その協議会なるものがあるのはあるんだけれども、まだ一向に足跡がというか、実績が耳に入っておりません。

 私がちょっとぽんやりしているのかも知りませんけれども、やはりそれを本当は聞きたいんですけれども、きょうは遠慮しておきたいと思います。大いにやっぱり活発に、私らの耳に届くような活動を展開していただくことを要望いたしておきたいと思います。

 それから、ゴルフ場を特に申し上げておきますけれども、許可の面でいろいろ聞かせていただきました。しかし、ゴルフ場の許可というものについては、やはりゴルフ場そのものは、いわゆる社会的ベネフィットというの は確かにございます。しかしながら、やはり農薬による毒物のリスクということも含めて考えていかなきゃならない時代ではなかろうかと。許可に際してはそういう段階であるんじゃなかろうかなと、かように思う次第でございますので、ひとつ考慮をお願いいたしたいと思います。

 あとまだまだございますけれども、時間もありません。予算委員会で詳しくは質問することといたしまして、私の質問を終わります。以上。



○副議長(新谷紘一君) 次に、三番上田嘉昌君に発言を許します。−−上田嘉昌君。(拍手)



◆三番(上田嘉昌君) (登壇) 議長より発言のお許しをいただきましたので、知事、民生部長、農林部長に順次質問をさせていただきます。

 まず初めに、関西文化学術研究都市について知事にお伺いいたします。

 私は、関西文化学術研究都市推進対策特別委員会の委員長として、学研都市の建設推進に携わってまいりました。この機会に私の考えを申し述べるとともに、ご質問をさせていただきたいと思います。関西文化学術研究都市は、京都、大阪、奈良の三府県にまたがる丘陵地域において開発が進められておりますが、本県においても学研都市にふさわしい特色あるまちづくりの観点に視点を置いた整備を進めていく必要があると考えているところであります。その意味において高山地区の整備は、「科学者と出会えるまち」、「科学技術とふれあうまち」をテーマにサイエンスタウンの形成を目指すものであり、本県の将来を担うプロジェクトとして大いに期待しているところであります。高山地区第一工区では造成も完了し、本年四月から国立奈良先端科学技術大学院大学の学生受入れが始まり、秋には大学院大学の支援並びに産学交流の拠点となる(仮称)先端科学技術交流センターやモールなどの交流広場も完成し、学研都市全体の中核施設である大学院大学が奈良県域にオープンすることは誠に喜ばしいことであります。知事は新年度予算編成の基本方針の「関西文化学術研究都市建設の推進」の中で、高山地区第一工区の整備に引き続き、第二工区についての実施計画の策定を行うことを明らかにされておられますが、第二工区は「けいはんなプラザ」や国際高等研究所などの中核施設が立地する精華・西木津地区に連櫛する地区であり、この地区の開発は極めて意義のあるものであり、早期実現を大いに期待しているところであります。そこで、高山地区第二工区に係る都市開発の整備手法やまちづくりについてどのように進めようとされているのか、知事のお考えをお聞かせ願いたい。

 次に、障害者、高齢者等に優しいまちづくりについて民生部長にお伺いいたします。

 ご承知のように、「国連障害者の十年」は昨年で終了しましたが、これまで各種の施策の実施により、啓発、就労、教育等各分野において一定の成果を上げてきており、障害者の自立と社会参加の促進に向けて大きな流れがつくられつつあります。まちづくりについても、障害者の利用を配慮した福祉環境整備指針に基づき、歩道の段差切下げ、スロープ式横断歩道橋、点字誘導プロックの整備を行い、道路交通の安全確保に努めるとともに、県の庁舎においても、自動ドアや障害者用トイレの設置など障害者の利用しやすい施設の整備に取り組みをいただいているところであります。真に豊かな福祉社会の実現のため、すべての人がみずからの意思で自由に移動し、社会参加できる福祉のまちづくりを進めることこそ大切であると私は考えるものであります。近畿各府県においても、福祉のまちづくりに向けてそれぞれ積極的な取り組みが行われ、もしくは予定されていると聞き及んでおります。こうした近畿の状況から見ても、知事が新年度において優しいまちづくりに取り組むこととされたことは、誠に時宜を得たものであり、心から賛同するものであります。

 さきに述べたように、県では、障害者の利用を配慮した福祉環境整備指針により、これまでまちづくりに取り組んでこられましたが、本格的なまちづくりには広い範囲からいろいろの人の考えを参考にする必要があると考えるものであります。人や生活を大切にする視点から、障害者だけでなく、高齢者や子どもなど、県民だれもが住みよい快適なまちづくりを推進しようとすることこそ、まさに大切であります。福祉行政は、近府県が足並みをそろえてこそ意味があるものであります。例えば大阪から奈良へ来られる身体障害者にとって、大阪の駅ではエレベーターもあり、一人で電車に乗れたが、さて、奈良県の駅では人の手を借りないと外へ出られないというようなことでは何もなりません。ノーマライゼーションの実現という大きな目標は、二十一世紀を見通す言葉と言えます。そこで新年度予算案によりますと、障害者の社会参加と自立を進めるために「住みよいまちづくり推進検討委員会」を設置され、いろいろな立場の人々の意見を聞き、検討しようとされているが、どのような考え方で進めようと考えておられるのか、お伺いをいたします。

 次に、農業政策について二点にわたり農林部長にお伺いをいたします。

 まずその一は、奈良県の農業、農村の健全な発展を図るためには、次代を担うべきすぐれた技術、経営能力を有する農業後継者を一人でも多く育成し確保することが重要であると思いますが、三十歳未満の農業後継者は近年著しく減少し、農業大学校の卒業生も就農する数は五割に満たない等、新規就農者数も極めて厳しい状況にあると聞いております。県でもこれまで、奈良県農業振興計画−−NAP21の具現化の重要な柱として、担い手対策については重要視され、農業大学校の整備、農業改良普及所を拠点とした指導農業士活動や四Hクラブ活動への支援、さらに「二十一世紀やまとむらづくり農業青年塾」の実施等、各般にわたる事業が展開されていることを承知していますが、新年度に打ち出されたニューワァーマー育成対策事業とは具体的にどういう内容か、お伺いいたします。

 その二は、野菜の養液栽培についてお伺いいたします。本県の野菜栽培は大和平野地域を中心に行われ、収益性の高いイチゴやトマト、軟弱野菜等が施設により盛んに栽培されています。このような中で女性の労働力は大きな役割を果たしており、今や農業就業人口の六割は女性であるなど、本県農業の大きな担い手となっています。

このため農林水産省においては、平成四年六月に「新しい農山漁村の女性 二〇〇一年に向けて」と題した報告書がまとめられ、女性が男性とともに協力して自己能力を発揮し、恵まれた自然を生かし、ゆとりと温かみのある農業、農村を築くことが提言されています。しかし、産地では、都市化の進展や労働力不足、生産者の高齢化など、諸問題が発生しています。この中で、近年農業技術の発達に伴い、軽作業で省力的に周年栽培ができ、また働きやすい環境を与えてくれる養液栽培が注目を浴びています。本県でも、近年若い農業後継者等を中心に導入され、農村女性や地域の女性パート者を活用した取り組みが増大し、また、県においてもNAP21に位置づけ、その推進を図っておられることを承知いたしております。しかし、この養液栽培に取り組むには設備投資として多額の資金が必要であります。これから新しい農業を始めようとする場合、大きな障害となるところであり、農業者としても支援を強く要望しているところであります。また、養液栽培は新しい技術であり、生産現場ではまだまだ技術的に改善しなければならない諸問題が残っており、これらに対する技術指導や、農家が自主的に取り組む技術開発についても支援すべきと考えます。そこで、今後県としては養液栽培についてどのように振興しようと考えておられるのか、お伺いをいたします。

 以上をもちまして一応質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(新谷紘一君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 三番上田議員のご質問にお答えいたします。

 私に対する質問は、関西文化学術研究都市の高山地区の件でございます。

 高山地区の推進につきましては、ご質問でもお述べになりましたように、高山地区第一工区の造成が完成を見まして、また、この四月から国立奈良先端科学技術大学院大学の情報科学研究科の学生受入れに向けて、ただいま最後の整備が整ったところでございます。まず順調にこのように整備が、あるいはいろんな事態が進展してきたことにつきまして、関係者のご協力に対し御礼を申し上げたい心境でございます。

 次に、お尋ねの高山第二工区についてでございますが、これは第一工区と隣接した北部地域を想定して調査計画を実施しているところでございます。新年度におきましては、実施計画を策定することに向けて具体的な作業を進めてまいりたいと考えております。いろいろな課題はございますが、整備手法についてはいろいろ検討しているところでございますが、対象地域の区域も広く、権利者数も多いところから、現在のところ、地元の権利者の方々とご協力いただきながら土地区画整理事業として開発することが望ましいのではないかと考えているところでございます。また、事業主体等につきましては、今後関係機関と協議し、検討を進めていきたいと考えております。その際のまちづくりについてのご質問でございますが、詳細はこれから具体的に検討を進める必要がございますが、学研都市にふさわしい中心的な施設の検討を進めておるわけでございまして、文化学術研究施設の立地のみならず、総合公園の配置とか、あるいはゆとりのある良好な居住空間を確保することによりまして、第一工区と一体となった高山サイエンスタウンの一層の充実を図りたい、そういう形で具体的な計画を詰めてまいりたいと思います。今後とも引き続き関係者のご協力をお願いして推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 安曽田民生部長。



◎民生部長(安曽田豊君) (登壇) 三番上田議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、障害者、高齢者等の住みよいまちづくりの推進についてのお尋ねでございます。

 ただいま上田議員もお述べになりましたように、障害者、高齢者等に配慮したまちづくりは、障害者や高齢者だけではなく、子どもたちや妊産婦の方などを含めた多くの県民が、安全かつ快適な生活ができる環境づくりであると考えております。県といたしましても、障害者、高齢者等に優しい、また住みよいまちづくりを心身障害者福祉に関する長斯計画において重要な課題として位置づけられまして、公共施設の逐次改善等整備に努める一方、関係機関、団体等の理解と協力を得ながら、その整備促進に努めてきたところでございます。しかしながら社会経済情勢の変化や、障害者のニーズの多様化などから、障害者や高齢者が安全かつ快適に生活するにはまだまだ不十分な面もございます。このため、新年度から「住みよい町づくり推進検討委員会」を設置いたしまして、障害者や高齢者等の利用に配慮した建物や道路等の整備を積極的、効果的に推進していくための方策について、市町村、学識経験者、関係団体等の代表の方々にご協議、ご検討いただき、あわせまして、県と市町村、関係団体、県民それぞれの責務と役割をも含めご意見をまとめ上げていただきたいと考えているところでございます。

 また、まちづくりを推進していくには、市町村はもとより県民全体がその必要性に対する理解を深めていただき、ご協力をいただくことも重要であります。このため、県といたしましても、啓発活動に積極的に取り組み、県民意識の高揚を図るとともに、障害者、高齢者等に優しい社会の実現に向けて努力していかなければならないと考えているところでございます。

 以上をもちましてお答えといたします。



○副議長(新谷紘一君) 松山農林部長。



◎農林部長(松山賢治君) (登壇) 三番上田議員のご質問にお答えいたします。

 農業問題は二点ございまして、一点目はニューファーマーの育成対策についてでございます。この事業を起こしました背景を少し申し上げておきたいと思いますが、本県の農業の後継者は、新規就農者はいわゆる漸減傾向 にございます。その人数は年間二十名程度が新規就農ということでございます。本県の農業振興を図っていくためには、幅広く農業後継者を確保、育成することが必須でございまして、県といたしましても平成四年度に、本県農業を担う中核農家、あるいは農業後継者の育成対策につきまして、関係機関等によりまして検討会を持ちまして、その方策を検討していただいたところでございます。その検討の結果を踏まえまして、農業後継者の確保・育成対策を推進することはもちろんでございますが、農業が職業として広く理解されるように就農環境も推進していく必要があろうかということで、平成五年度から、お述べいただきました、新規就農者のいわゆる確保から育成までを総合的に取り組むニューファーマー育成対策事業を行うことといたしました。その内容といたしましては、一つは、新規就農者に対する研修や先進農家留学研修などの対策、二つ目は、農業後継者間の交流や先進農業地域の視察とか、そういうものを行います。三つ目は、社会科の訓読本の作成や農業の体験バスツアーなどを実施いたす啓発事業でございます。中でも社会科の副読本は、農業の正しい認識と理解のために小学校の三、四年生用として作成いたし、配布し、農業の大切さを広く紹介することにいたしました。また、農業に関心を持ってもらえるようにいたしたいと、こういうことで努めてまいりたいと思うところでございます。

 次の二点目は、野菜の養液栽培についてのお尋ねでございます。ご案内のとおり、本県の養液栽培につきましては若い農業後継者を中心に取り組んでおりまして、現在、天理市、また五條市、新庄町など十二町村にわたりまして約四十戸の農家が、トマトやミツバ、ホウレンソウ等を栽培いたしておるところでございます。養液栽培の振興につきましては、ご意見のように、都市化、混住化の進む本県におきましては、女性の労働力の活用、あるいは生産の省力化や栽培の周年化が図れるなど、本県都市近郊の立地条件を生かしました農業の一形態として、NAP21にも位置づけて推進をいたしておるところでございます。また、このため、新しく施設を導入する場合の資金面についてでございますが、共同で栽培する場合は、国庫補助を導入いたしまして、団地化してその生産の振興を図りたい。また、農業の制度融資につきましては、農業改良資金なり、農業近代化資金、また農林漁業金融公庫等の資金を積極的に活用されるように指導してまいりたいと思っておるところでございまして、また技術面の指導につきましては、農業試験場では基礎的研究にあわせまして、営農実証研究を実施すること、また生産現場での問題点解決に当たりましては、農業者がみずから開発した技術につきまして、平成五年度から助成をすることといたしたところでございます。さらに普及機関による現場指導の一層の推進を図り、高度な技術の支援を行い、生産の安定化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 以上、答弁といたします。



○副議長(新谷紘一君) 上田嘉昌君。



◆三番(上田嘉昌君) 皆いろいろとご丁寧にご回答をちょうだいいたしまして、ありがとうございました。

 学研都市の問題につきまして、知事にひとつご要望申し上げておきたいと思います。学研都市開発並びに都市建設の推進は、県の経済界に対しても大変好影響を及ぼし、活性化にもつながっていくのではないかと思いますので、早期実現に、いろんなご苦労はあると思いますが、格段のご努力をお願いいたしたい、かように思います。

 また、大学院大学の研究等につきましては、県の指導的立場の中で地元の環境保全対策審査会等の意見も十分尊重され、その科学実験等の対応を、地元の要望を取り入れられて対応されるようにお願いを申し上げておきます。

 それと、民生部長には、ノーマライゼーションの実現という大きな目標でございますが、このことは当然、福祉行政というのは近府県全体が連携をとりながらやっていくことこそ大いなる効果があることでございますので、近府県と十分な連携をとりながら行政挙げて努力をしていただきたい。特に今度は推進検討委員会を設置されていろんな立場の方のご意見も聞かれるということでございます。当然、障害者の皆さんにもお会いになろうと思いますが、その辺の立場からも十分なご意見を拝聴していただきたい、かように要望いたしておきます。

 あと、農林部長に一つ質問でございますが、農業政策について、農業の担い手として大きな役割を果たしている女性が就農しやすいような就業条件の整備等、労働過重の解消のための社会的基盤整備がやはり必要ではなかろうか。そういうことを行うためには、まず、例えば育児や高齢者介護等に関する設備のサービス、これなどは農林部だけではまいらないことでございますので、ひとつ知事も含めまして行政が挙げてバックアップする必要があると思いますが、いかがお考えでございますか、お伺いをいたします。



○副議長(新谷紘一君) 松山農林部長。



◎農林部長(松山賢治君) 農村の女性の問題でございます。確かに農村の労働力の大半を占めておる女性でございまして、それが自由に就農できます施設ということでご提言ございました。関係機関とも一応協議をいたしまして、できるだけのことをいたしたいと、こういうふうに思っております。



◆三番(上田嘉昌君) ありがとうございました。以上で終わります。



○副議長(新谷紘一君) しばらく休憩いたします。



△午後二時二十六分休憩

     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時五十三分再開



○議長(浅川清君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十番国中憲治君に発言を許します。−−十番国中憲治君。(拍手)



◆十番(国中憲治君) (登壇) ただいま議長に発言のお許しをいただきましたので、知事並びに企画部理事、そしてまた教育長に一般質問をさせていただきます。

 知事は、新年度予算の提案理由説明においても、産業の特色ある振興と特性を生かした地域振興、あるいは均衡ある県勢の発展と市町村との協調による総合行政の展開を重点施策の一つに取り上げられております。私にとりましても心強い限りでありますが、今回は吉野地域の振興という視点を中心に三点にわたりお尋ねをしていきたいと思います。

 一つ目は、吉野山の桜の再生について知事にお尋ねをいたします。

 吉野山の桜は約五十ヘクタールに約三万本が生育していると言われております。その九割までが山桜でありますが、下の千木、中の千本、上の千本、奥の千木などとして親しまれ、開花シーズンには約三十万人の観光客が訪れる我が国一番の桜の名所であります。しかし、近年その桜に異変が生じております。コケが張りついたり、ヤドリギが寄生したり、幹が裂けたり、腐りが人ったりするなどして桜の木の衰弱が著しく、このままではあと十数年で急激に衰えてくるのではないかという報告もあるなど、一千年の歴史を誇る吉野山の桜の名所としての存続が危ぶまれております。その原因としては、さまざまなことが言われております。最近の新聞報道では、樹木の養分を取り根を枯らすナラタケ菌が広範囲に蔓延しているということが話題となっておりましたが、こうしたナラタケ菌を中心とした病害虫に加えて、木の寿命、あるいは大気汚染や観光客などによる林内の踏み固め、密植などの環境問題、そしてまた、管理不足などが指摘されております。いずれにせよ、こうしたさまざまな要因が複合的に作用しているものと思われますが、早急に抜本的な対策を打たないと、回復不能になるおそれが生じております。既に地元、吉野山保勝会では、これまでの植えかえだけでなく、桜の木の嫌地現象をも考慮しながら、新しい植栽地を設けて苗木を植えつけるなどの新しい試みもスタートさせたばかりであります。また、民間金融機関では、それらをバックアップするための活動、桜トラスト運動を活発に展開しております。県においても長期的視野に立った具体的な取り組みを開始していただくとともに、特に次の二点についてお願いしたいと思います。

 その一つは、県が主体となって、地元占野町や財団法人吉野山保勝会、それに学識経験者などによる対策委員会、あるいは対策プロジェクトを発足していただき、再生計画の検討に人っていただくようお願いするものであります。

 もう一つは、こうしたプロジェクトの設置と並行して、吉野山の県有地を利用し−−何も県有地に限ったことではないと思いますけれども、例えば品種改良モデル地区、土壌改良モデル地区、薬剤等の樹幹注入モデル地区などを設置し、処方せんを書くための研究に取りかかっていただきたいわけであります。吉野あるいは奈良県というだけでなく、日本の貴重な財産を守るため格別のご配慮を賜りたく、知事のご所見をお伺いするものであります。

 二点目は、オートキャンプ場の整備についてお尋ねをいたします。

 余暇時間の増大や、アウトドアライフ志向及びモータースポーツ熱の高まりの中で、五條・吉野地域は豊かな自然環境に恵まれております。近年は、オートキャンプの好適地として訪れる人々も増加傾向にあります。しかし、吉野川周辺ではそうした受入れを行うための施設が不十分なため、一部の地域では四輪駆動車等による無秩序な乗り入れが行われ、ごみの投げ捨てや山林等の環境破壊が目立つなどの問題が生じつつあります。既にこうしたオートキャンプ場の設置は全国でも二百カ所を超えるなど、そのニーズは高まっていると思われますが、吉野地域においても、給水施設やトイレ、ごみ収集施設などを備えたオートキャンプ場を整備すべき時期に来ているのではないかと考えております。もちろん、そうした施設の整備は環境破壊とも表裏一体にあることは十分承知しておりますが、バブルがはじけ、大規模なリゾート開発も全国的に行き詰まりを見せ、過疎地域活性化の新たな方向が模索されている中で、自然環境に十分配慮しながら地域資源の有効活用を図り、水質や環境保全に努めていくことはむしろ重要と考えております。ついては、県でもそのための基盤整備を行うとともに、そうした事業に対する積極的な取り組み、あるいは助成をお願いしたいのでありますが、企画部理事のご所見をお伺いいたします。

 三点目は、職業高校、職業教育のあり方についてであります。本県の高等学校教育、とりわけ高等学校産業教育の将来について質問をしたいと思います。

 本年も高校入試の出願状況が先日新聞紙上で発表され、間もなく入学者学力検査が実施されます。その出願状況を見て感じたことでありますが、その一つに、産業教育1職業教育というのも当てはまるかと思います−−

の中でも、例えば工業科の志順者数が定員に満たない状況であります。これは数だけの問題ではなく、応募している生徒の実態にも一抹の不安を抱かざるを得ない者の一人であります。大学進学志向の強い現在、どうしても普通科志望の生徒が多くなる傾向にあります。そのような状況の中で今後の本県の職業教育を考えますと、不安と寂しさを感じるものであります。かねてから本県教育委員会では、職業高校の充実と活性化のために、また魅力と特色ある学校づくりのために、いろいろな施策を講じられていることは理解をしております。例えば職業高校の近代化のための施設整備の充実として、パソコン、ワープロ等の情報処理教育に、バイオテクノロジー関連の実習整備の充実に、あるいはコンピューター制御による工作機械や自動設計製図装置の整備等々、年々新しい時代の要請に対応する実験実習教育のための施設設備が整備充実されておりますし、教育現場においては、昨年十一月には本県で初めての第一回奈良県産業教育フェアを開催して、職業高校に学ぶ生徒の作品や実習を広く一般の入たちや中学生に紹介して職業高校のよさをPRしているなど、その努力と意欲に敬意を表するものであります。しかし、それらの取り組みの成果が、ことしの高校入学者の志願状況を見る限りでは、誠に残念ながら十分発揮されているとは思えないのは、私一人ではないと思います。もちろん、今後一層こうした取り組みが重ねられて、その成果に期待したいと思うのでありますが、どうもこういったこれまでの努力や施策だけではこの職業教育の地盤沈下が解決しないような気がいたします。

 一方で、ご存じのように本県の産業界は、農業、工業、商業等各分野で有為な若手技術者、産業人の育成を強く望んでおります。例えば建設業界においても、しっかりした知識、技術を身につけた技術者の育成を待ち望んでおりますが、残念ながら、量においても、質においても、その期待にこたえられていないのが現状であるかと思います。今後ますます高校生の数が減少していく中にあって、職業高校の今後について、また本県における産業人の育成について、もっと抜本的な、発想を転換したような施策を講じることが今こそ必要なときではなかろうかと思うものであります。そのために、本県にも長い歴史を持つ奈良県産業教育審議会がありますが、その中でも、今まで以上に本県産業教育のあり方や、職業高校の現状での問題点などを明確にして、その積極的な解決策や有効、適切な手だて等を大いに審議していただくとか、また、二十一世紀に向けての本県教育の全般にかかわる将来展望というか、構想について審議、検討する委員会を設けて、本県教育についての今後の方向を示していただくようなことはいかがなものでありましょうか。また、文部省が計画している総合学科制度についても当然検討されていると存じていますが、以上のことから、本県の産業教育の将来に不安を抱く者の一人として、教育長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

 以上、私の一般質問は終わります。知事、また企画部理事、教育長におかれましては、ひとつ明確なお答えをお願いしておきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(浅川清君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 十番国中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対する質問は、吉野山の桜の件でございます。

 古野熊野国立公園内の吉野山の桜は、地元の方々の長年のご努力によりまして、ご質問でご指摘ありましたような、日本一の桜の名所として多くの観光客に親しまれてきているところでございます。しかし最近、ナラタケ菌の繁殖、あるいは樹齢五、六十年といった桜が大半であること、あるいは密植などのいろいろな要因が複合的に作用いたしまして、その樹勢は決してよい状況でないというふうに聞いております。吉野の桜を考える者にとっては大変ゆゆしい問題であると思います。このため平成五年度におきましては、古野山における桜の樹勢回復を図るために、病虫害や環境条件、管理方法等につきまして現地調査と聞き取り調査を行うことを予定しております。先日もそれのため関係者が集まり協議したところでございます。また、当然のことですが、今後とも占野山の桜を守っていかなければならないことは当然でございまして、吉野町、あるいは吉野山保勝会とともに学識経験者をまじえ、その再生対策を検討していかなければならないと考えているところでございます。ご質問の対策委員会、プロジェクトチーム等でございますが、状況に応じまして臨機に支援できるよう、林務長を長とする対策委員会なりその種のものの設置を検討いたしたいと考えております。

 また、ご指摘の県有地等を利用したモデル地区の設置によるいろいろな調査等でございますが、これにつきましても、先ほど申し土げました現地調査等の結果を踏まえまして検討いたしたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 東森企画部理事。



◎企画部理事(東森正文君) (登壇) 十番国中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、オートキャンプ場の整備についてのご質問でございます。

 ご案内のとおり、余暇活動が活発化してまいりまして、車を使い、家族連れで気軽にアウトドアライフを楽しむオートキャンプの人気が高まってきております。我が国ではオートキャンプの歴史は浅く、まだ欧米のように日常のライフスタイルとして定着するまでには至っておりませんが、オートキャンプ人口は確実に増加していると思われます。県内には、テントサイドまで車を乗り入れることができ、また管理棟や水洗トイレ、シャワーなどを備えたオートキャンプ場は、今のところないというのが現状でございます。豊かな自然に触れ合い、またその自然の大切さを知っていただくためにも、環境に十分配慮したオートキャンプ場の設置は、現代のニーズに対応したものであり、地域の活性化にも有効であると思いますが、施設整備に当たりましては、環境や地形、立地、交通、通信、各種規制、需要予測や事業主体など各種の問題もございますので、希望の町村がありましたならば、私どもも共同して研究をしてまいりたいと思います。

 以上で答弁とさぜていただきます。



○議長(浅川清君) 中本教育長。



◎教育長(中本克美君) (登壇) 十番国中議員の質問にお答えいたしたいと思います。

 職業教育のあり方についてでございますが、ご案内のように現在県立高等学校には、農業、工業、商業、家庭、看護の五つの職業教育に関する大学科と、この四月から新設いたします福祉科を含めますところの二十一の小学科を設けておりまして、それぞれ専門教育の展開を図っているところでございます。また、本県では、技術革新の進展や情報化等に対応するために、昭和六十年度から職業学科を設置する高等学校の施設設備の近代化を図り、魅力のある職業高校づくりを目指して、教育内容につきましてもその充実に努めてきているところでございます。

 しかし、お話がございましたように、平成五年度高等学校入学者一般選抜の出願状況では、工業科と家庭科において、一次選抜では募集人員に満たない結果に相なっております。中学生の高等学校への進学につきましては、本人の適性等に基づく進路選択が行われるよう指導に努めてきているわけでございますが、何よりも、生徒や保護者に職業教育について正しく理解をしていただくということが大切なことであると考えておりまして、そこで県教育委員会では、中学校進路指導資料といたしまして、未来を開く職業教育、中学生の職業科一日体験入学などを、職業教育についてご理解をいただくとともに、あわせて職業教育の活性化を図ることをねらいとして実施いたしているところであります。さらに本年度から、橿原文化会館を主会場といたしまして、お話がございましたように、職業科に学ぶ生徒の研究、それから体験発表、あるいは作品展示や学校紹介、また、中学校の生徒、保護者を対象といたしました進路相談を主な内容とした奈良県産業教育フェアを実施いたしまして、本県職業教育のより一層の充実とその振興を図るように努めてまいったところであります。そしてまた、二十一世紀に向けて教育のあるべき姿を展望いたしまして、先端技術化や高齢化社会に対応するために、既に工業科に電子機械科あるいは科学技術科を、また家庭科に福祉科を設置するなど、職業教育に向けて努力いたしているところであります。さらに、時代の変化と社会のニーズにこたえるために、中長期的展望に立って職業教育のあり方を検討し、必要な施設設備の充実と学科改編等に取り組みますとともに、従来の普通科、職業科の枠にとらわれない、新しい発想に立った第三の学科である総合学科の設置に向けた研究をも進めようといたしておるところであります。

 お述べの将来展望につきましては、私どもも同様の認識に立っておりまして、奈良県教育の将来的展望に立った取り組むべき課題とその方策を明確にし、今後の教育行政の基本としたいと考えまして、来年度から奈良県教育総合計画の策定に着手する予定をいたしておりますが、この計画策定段階におきましても、産業教育の充実、振興について十分に配意してまいりたい、かように考えております。また、現在四校、四学科で実施しておりますが、分割選抜を職業科にも導入してはどうかとのご意見もありました。これも職業教育活性化への一つの方法としてとらえまして、よく研究したいと、かようにも思っております。今後とも、職業科で学ぶ生徒が、夢と充実感を持ちまして、本県の産業教育の振興、発展に貢献できる有為な人材となるよう、奈良県産業教育審議会や県立高等学校教育懇談会の意見をも十分にお聞きしながら、生徒にとってより大きな魅力と特色のある職業高校づくりに向けて研究を積極的に進めてまいりたい、かように考えております。ひとつそのようにご理解を賜りたいと思います。

 以上であります。



○議長(浅川清君) 国中議員。



◆十番(国中憲治君) ただいま知事からも前向きな姿勢のお答えをいただき、感謝申し上げます。何も私自身がここで、知事のお言葉をいただいて、本当にありがたいことですけれども、当然、地元の吉野町にしても、また吉野山の観光保勝会にしても、恐らく努力は怠らないと思います。ぜひともひとつ県が主体となって、それこそ技術的な援助、そしてまた、願わくば予算的な配慮を今後一層、樹木のことですので、短期的な取り組みというんですか、すぐには答えは出ないだろうと思いますけれども、ひとつ長期的な展望に立ってこれからのご配慮をよろしくお願いをしておきたいと、かように思いますので、ひとつよろしくお願いします。

 それと、教育長に一つ要望だけしておきたいと思います。答えは答えとしてありますけれども、私の発言内容と、恐らく教育長としての、個人的なことになるかもわがらんけれども、同じ思いではないだろうかなと思うわけです。私自身が今ここで職業高校ということの発言、頭には、ある二、三の学校を描きながら実は質問をさせていただいているわけです。残念なことに子どもたちが、こんな言葉を使うたらいかんかもわかりませんけれども、中学校のときに恐らく輪切りをされて、何の展望も持たなく工業高校へ入学していく、そういった教育現場というものを想像したときに、本当に寂しいものじゃないかなと思うわけです。もちろん、学校の教育現場では先生方はほんまに頑張っております。私も目の当たりに何遍も見ております。頑張っております。しかし、やっぱりそれにこたえる教育行政であってほしいというのが私の願いであるわけです。産業教育審議会ですか、そういう審議会もあるわけですけれども、要望として、これはなるかならんかわがらんけれども、そういう委員会の内容ですね、ぜひやっぱり公に発表できましたら、していただいたら、もっとすばらしい教育というんですか、要するに、中学校の先生方も、もちろん親御さんも、大いに工業高校に向けての理解を持ってもらえるんではないだろうかなというふうな気もするわけです。そういったことですので、今後審議会等々、また総合学科ということも、新しく学科が設けられるということで、ひとつ今の答えとして、工業科の方も選抜方式にしようやないかというような前向きなお答えもいただきましたけれども、大いに私自身もこれから関心を持っていきたいと思いますので、ひとつ今後とも職業教育に向けて前向きな姿勢で検討していただきたいなと、かように思います。要望だけしておきます。

 以上、終わります。



○議長(浅川清君) 次に、十六番中村昭君に発言を許します。−−−十六番中村昭君。(拍手)



◆十六番(中村昭君) (登壇) まず最初に、財政問題についてお伺いをいたします。

 その一つは、新年度予算についてであります。全般につきましてはさきに我が党から代表質問で質問をいたしておりますので、私の方からは少し踏み込んで、財源のうち県税収入、とりわけ景気動向に敏感な法人税と、景気対策に絡む預貯金金利低下との関連から利子割県民税について、今年度の状況を踏まえまして今後の見通しをお伺いいたしますとともに、平成五年度の税収確保に向けての対策をどのようにしていかれるのかをあわせてお聞き申し上げます。

 さて、現状の景気の低迷は、通産省が先月二十六日に発表いたしました一月の鉱工業生産動向でも明らかなように、景気回復のきっかけとなる在庫調整に大きな好転が見られないままに推移しておりますし、統計にあらわれない流通段階での在庫をも考え合わせますと、実体経済は相当深刻な局面ではないかと思います。また、このような景気を背景に企業収益は、日本経済新聞社が全国上場企業千数盲社の三月本決算調べを行い、その結果は、業績を示す経常利益が前年比で二七・九%もの減益となる見通しを示しております。これは相当大幅な業績悪化が予想され、新年度法人事業税の税収に大きな影響を及ぼす三月決算法人の調査結果でありますことから、平成五年度予算案の法人事業税額が前年当初予算比二三・五%減とされており、地方財政計画の前年比九・二%減と比較をいたしまして厳しく見込まれたものと考えてはおりますが、一方では、前年補正後予算比では一〇・六%減となり、減少幅が縮小されますことから、本当に厳しい見通しなのかとの疑問も生じてくるところでございます。また、低迷する経済への刺激策として公定歩合が近年の最低水準まで引き下げられている上に、先月二十六日に日銀が発表いたしました全国銀行預貸金調査結果では、十二月末の個人預金残高は前年同期比一・三%増と過去最低の伸びを示し、法人預金は同じく八・二%減となっており、利子割県民税のべースとなる利率、残高規模とも縮小していることから、平成五年度予算案の利子割県民税額が、前年当初予算比三七・八%減、前年補正後予算比八・九%減の見通しとなってはいるものの、先行きかなり厳しくなるのではないかと考えます。また、これら二税は、さきの議会で大幅な減額補正をした経緯から大変気にかかりますので、あえてここで今年度の決算見通しを踏まえた新年度税収につきまして、また、税収確保に向けての対策をどのようにしていかれるのかについてお伺いをいたすところであります。

 次に、財政調整基金の積立てについてお伺いをいたします。平成四年度の十二月補正及び平成五年度当初予算においての県税収入の大幅な落ち込みを見るまでもなく、一般に歳入は、経済の好不況によって年度ごとに変動を免れないものでございます。反面、歳出は、人件費など義務的なものや継続的に実施している事業、あるいは一定の行政水準を確保するために必要な経費など、縮減できる余地は少ないものでございます。したがいまして、剰余金の生じた場合にその一部を積み立てて、このような不測の事態に備えることこそが健全な財政運営を行う上で非常に大事なことでございます。本県におきましても、この趣旨に沿ってこれまで財政調整基金等の積立てをやられておりましたが、新年度の予算では一般財源が本年度を下回る極めて厳しい財政環境の中で、県債を増発するとともに、この財政調整基金をほぼ全額取り崩し、収支の均衡を図りながら必要な諸施策の遂行に精いっぱい取り組まれたものと思います。ところで、財政調整基金は今回三十八億円の取り崩しによりほぼ全額がなくなることになりますが、今後もこのような事態が繰り返されないとはだれも断言することはできません。これまでの積立て額も、今回の事態から見るとまだまだ足りなかったのではなかったかという感を深くするわけでございます。本県のような財政規模が大きくない団体では、将来のこのような事態に備え、財政調整基金をこれまで以上に積み立て、将来の財政負担に対応できるようにその財政基盤を強化する必要があるのではないかと考えるものであります。所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、遊休県有地の利用と、旧桜井警察署跡地の利用についてお伺いをいたします。

 日本経済は、バブルの崩壊により金融市場や不動産関係業界に多大の影響をもたらしたことは記憶に新しいところでございます。最近の地価が下落しているといった小康状態にあっても、国民共有の財産である土地に対する政策は今後とも大きな国民的課題であります。今日までの土地政策としては、地価の高騰に対して、平成元年に土地基本法が成立し、その後平成三年には総合土地政策推進要綱が閣議決定され、国の方針としては、国有地の確保と利用、活用の促進とともに、公有地につきましても有効利用が促進されるよう指導されておるところであります。奈良県内でも、県や市町村、民間におきましても、いまだ活用されていない遊休地が見受けられる状況であります。県有地でも、私の知る限りでは、平成二年に移転新築した桜井警察署の跡地、平成四年に移転新築された県立五條高校の跡地などの広い面積のものや、その他比較的小さい面積のものも利用されずに残っておるものと思われます。これらの土地を有効に利用することこそが、今日的課題の一つを解決するものではないかと思うものであります。

 そこで質問の第一点は、まだ利用されないままの、いわゆる遊休の県有地の扱いについてであります。県として利活用の検討をなされているものと思いますが、当面県独自の利用がないのであれば、市町村等の公共団体へ譲渡するなり貸付けをするなど、さらにそれでも利用策がないのであれば、民間への売却をも検討することも必要ではないのか。いずれにいたしましても、県民の貴重な財産をいつまでも遊休地として置いておくよりも、何らかの積極的な利用策を講ずべきであります。遊休地の有効利用に関する県の基本的な考え方を、天理土地問題等の議員の意見をも参考にされまして、お答えを願いたいのであります。

 第二点目は、私の地元の旧桜井警察署跡地の利用についてであります。この跡地は約二千平米あり、平成二年以降現在まで空き地であります。今まで県としては具体的な利用計画がないようでございますが、桜井市の方では平成二年に中南和広域情報センターとしてその設置を県に陳情されましたが、進展をせず、私もまた県民交流館の建設を提言いたしましたが、これも具体化に至っておりません。桜井市の中心部の一等地にあるこの県有地をいつまでも空き地のままで放置しておくことは、都市の景観上からも、土地利用の土からも誠に不自然であり、市民からの批判の声が日増しに強くなっておるのであります。県当局の早急に何らかの具体的な対応が必要ではないでしょうか。県の独自施設の建設を今後の視野の中で考えられますよう強く要望するものであります。さらに、今までと同様にもし当面利用する考えがないのであれば、地元桜井市へ譲渡あるいは貸付けをする考えがないのかどうかをお尋ねするものであります。

 産業廃棄物対策についてお伺いをいたします。

 廃棄物は、人間の生活や社会活動に伴う避けがたい所産でございます。生活や社会活動の向上や多様化に伴いまして廃棄物も増大していくものであります。そして、そこにはさまざまな問題が発生してきており、その対応は今や国を挙げての重要課題となってまいっております。その中でも産業廃棄物の処理をめぐりましては、排出量の増大、質の多様化による適正処理困難物の増加や、減量、資源化、再生利用や処理、処分などの体制の不備や、不法投棄や不適正処理等、多くの問題を抱えております。とりわけ排出量に関しましては、全国的には昭和六十年度に既に三修一千万トンを超えている状況になっております。また、本県におきます排出量も約百四十万トンと言われておりますように、年々増加をしているのであります。廃棄物は最終的には埋立て処分をしなければならず、排出量が増大すれば最終処分場の十分な確保が重要な課題となってくるものと考えられますが、この確保は、地価の高騰や住民感情等から年々非常に難しくなってきていますし、また、公共事業による建設廃材等の受入れを拒む処理場もあると聞いております。このような状況を考えるとき、民間処理体制の補てんや、モデル的立場に立った公共による最終処分場の確保を早急に図る必要があると考えますが、県の方針をお尋ねいたすものであります。

 また、最近特に産業廃棄物の不法投棄や不適正処理の事例がマスコミ等で大きく報じられておりますが、これらに対し県ではどのような監視体制を図られているのかをお聞かせを願いたいと思います。

 次に、桜井市の高田地内の産業廃棄物の最終処分場についてお尋ねをいたします。現在、県内には七カ所、すなわち吉野町、桜井市、平群町、奈良市、御所市三カ所、計七カ所の最終処分場があり、桜井市内の処分場は一万四千二百五十二平米の埋立て面積で平成二年八月に許可をされ、つい先月、二月にも倍以上の広さの三万二千三百二平米に拡張され、県下で二番目に大きい処分場となっておるのでありますが、桜井市の山々の美しい景観を少なからずつぶしていることは、市民の一人として甚だ遺憾であるわけであります。かねてから地元住民の間ではこの処分場に対しまして、許可された品目以外のものが処分されていないのかどうか、また、最終処分場でのにおいや排水の変色等に対する不安の声が多々聞かれるわけでありますが、県としてどのような方策をとられておるのかをお聞きするわけであります。また、許可した施設に対する抜き打ち検査等、監視体制はどのようになっているのかもあわせてお聞きをいたします。

 いずれにいたしましても、さきに述べましたとおり、産業廃棄物の処理におきましては最終処分場の確保が一番重要な課題と考えておりますが、奈良県におきましても最終処分場の許可取得は非常に難しいと聞いております。したがいまして、私といたしましては、第一義的にはやはり公共による処分場の確保、次にはやはり許可申請の際の許可要件を緩和することによって民間処分場を確保し、県の監視体制を強化することによって適正処理の推進を図るべきであると考えていることを当本会議場において申し添えておくわけでございます。

 次に、保健婦の確保対策についてお伺いをいたします。

 諸外国にも例を見ない速さで進行しております我が国の高齢化社会に対応いたしますためにも、国においては高齢者保健福祉推進十カ年戦略が策定され、本県におきましても奈良県高齢化社会総合対策指針に基づきまして老人保健福祉計画が作成されつつあり、各種の施策が推進されておるわけであります。一方では、母子保健、難病、精神障害者対策、また緊急課題でありますエイズ対策などの保健対策が複雑化することに伴って、今後より一層のきめ細かな保健サービスが求められておるのが今日ただいまの状況ではないですか。こうした中で、県の保健婦学院に対するご努力に対しまして敬意を表するものであります。そこで、奈良県における保健婦設置数を見ますと、平成四年七月現在に二百三十一名、すなわち保健所で八十五名、市町村で百四十六名の保健婦がおられますが、保健婦一人当たりの人口割合では約六千人となり、ほぼ全国平均とはなっておりますが、公衆衛生学関係者によりますと、三千人に一人の保健婦の設置が好ましいと言われております。また、高齢化社会への対応、過疎地域における保健婦未設置村の存在など、今後の保健サービスを考えたときに、地域住民サービスを担う保健婦の増員対策と、その財政的支援の裏づけがとりわけ必要であると思うものであります。これらのことをも踏まえて、次の諸点についてお伺いをするものであります。

 まず、地域社会における公衆衛生活動の中核となる保健婦を養成している、先ほど述べました保健婦学院の卒業者に対する県内定着に向けての指導方法及び就職状況はどのようになっておるのか。

 次に、市町村保健婦の設置について、現在、国、県とも保健婦設置基準たるものがありません。今後、市町村の保健事業を一定水準に引き上げるための同基準の設定をはじめ、未設置村に対する県の積極的な支援を講ずる必要があるのではないかと考えます。部長のお答えをお願いするものでございます。

 次に、文化振興についてお尋ねをいたします。

 関西国際新空港、関西文化学術研究都市の建設など、奈良県を取り巻く環境が大きく変わりつつある中で、心のふるさと、文化のふるさとと言われ、先祖の歴史的遺産が多数あり、文化の宝庫でございます我が奈良県において積極的に文化振興を図ることは、「国際文化観光・平和県」を標榜する奈良県といたしましては極めて意義のあることであると思います。時代も、人もまた、物の豊かさよりも心の潤い、触れ合い、文化、芸術との出会いを求めているのではないでしょうか。そこで数点お伺いをいたします。

 一つは、人材養成についてであります。画家や、工芸家や、写真家や、音楽家といったさまざまな分野で活動する芸術家が活動しやすく励みになるような施策が今日最も必要ではないかと思うものであります。例えば発表の場の提供、会場借り上げ代の補てん、芸術系生徒、学生への奨学資金の助成などとともに、県独自の奨励金や奨励制度をつくり、県内外の芸術家の目を奈良に向かせ、奈良で芸術創作活動に励んでもらうような、奈良を芸術文化の拠点とするための条件整備を今こそすべきではないかと思うものでございます。また、このことにも関連するわけでございますが、県立美術館で県出身者やゆかりの人たちの作品を優先的に買い上げをしたり、また、県立美術館を新進画家などの発表の場として活用してみてはどうか。奈良らしさと特色ある県立美術館に衣がえを期待するものであります。県立美術館の運営のあり方についてお聞きをいたすものであります。

 次は、鑑賞機会の拡大についてであります。私は常々、美意識ほど人間の情操を高める上に役立つものはないと思っております。芸術は美そのものであります。芸術に接することは大いに奨励されるべきであります。知事がいつもおっしゃっておられる、奈良に住んで本当によかったと県民に思ってもらえるようにするためにも、文化面で県民の見る機会、触れる機会をさらに拡大することが大事であります。そのためには、県の自主事業の拡大を図るとともに、民間の文化団体にも助成をし、すばらしい文化事業企画を実施してもらってはどうかと考えるものでありますが、所見をお伺いするものであります。

 次に、環境教育の推進についてお伺いをいたします。

 私は、環境教育について、過去二回当本会議場で質問をいたしまして、一定の回答をいただいております。先日、県教育委員会が制作されました「きこえますか 森のこえ」と題した県域のテレビ放送を見まして、自然のすばらしさと環境保全の大切さを感じ、教育委員会の環境教育に関する取り組みを大きく評価するわけであります。また、樹木の大気浄化能力の測定実験を試みるなどして環境教育を推進している小中学校があると間いております。そこで、今回は環境教育についてさらに突っ込んでお伺いをいたしたいと思います。

 近年、このかけがえのない地球環境を守ることの重要性が、国内はもとより世界各国で叫ばれております。私は県民の一人として環境問題に対する強い関心を持ち、責任のある行動力を身につけることこそが最も大切であると考えております。そのためには、今日の学校教育における環境教育の重要性を痛感するとともに、大いに期待をする一人であります。私は、環境教育を推進するのに本県におきましては、総面積の七八%を占めているこの豊かな森林において、例えば林間学習や野外学習、また環境破壊の現状を見るなど、体験的な活動を通して環境を守ることの重要性を認識していくことが大変重要であると考えております。さらに、この体験によって学んだことを学級活動や教科の学習においてより豊かなものにしていくことによって、この教育の効果が一層高まりますし、学校教育全体の活性化にもつながると考えております。そこで、小中学校の環境教育の推進について県教育委員会はどのように推進をしようとしているのか、現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

 最後に、奈良県暴力団追放県民センターの活動についてお尋ねいたします。

 暴力団対策法が昨年三月に施行され、一年が経過いたしましたが、この法律は行政措置を武器に資金源の面から暴力団を封じ込めることを目指したものとして関係者から胡待され、またこの法律の施行を契機として、県民の間に暴力団の壊滅に対する関心が非常に高まってきたことも事実であります。このことに関し、警察当局に対しまして敬意を表するものでございます。新聞等で報道されておりますように、暴力団と一部企業との癒着、また、わずかな金で済むことなら安易に暴力団の要求に応じるといった姿勢がまだ残っておるように見受けられますので、暴力団を壊滅させるために一層のご努力を願うものであります。ところで、この暴力団新法に基づきまして暴力団を排除するための各種活動を推進する奈良県暴力団追放県民センターが昨年二月に財団法人として設立され、私もこのセンターの理事長をしているわけでありますが、警察活動とあわせまして、このセンターが県民の暴力団に対するとりでとして積極的な活動を続けていただきたいと念願しております。そこで、このセンターの現在の活動と、どのような相談が寄せられているかにつきまして答弁をお願いするものであります。

 これをもって質問を終わります。(拍手)



○議長(浅川清君) 木村総務部長。



◎総務部長(木村功君) (登壇) 十六番中村議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、財政問題、そして県有地の利活用についてのお尋ねでございます。

 まず、財政問題で、景気動向に左右されやすい税目の見込みはどうか、あるいは、税収確保の対策はどうかというご質問でございます。今年度の税収につきましては、十二月の補正後の県税収入予算額が千百七十四億円となっているところでございます。一月末の調定額の累計は、補正後の予算額に対しまして九九・四%、また収入額につきましては八五・五%という状況になっておりまして、なお予断を許さない面はございますけれども、先日の代表質問で知事もお答えいたしておりますように、過去の実績等から見て現計予算額はほぼ確保できる見通しと考えております。新年度の県税収入につきましては、平成四年度の税収見込みのほか、政府の経済見通し、あるいは地方財政計画の見通しなどを基礎といたしまして、本県におきます過去の税収動向、あるいは税収基盤の事情等を勘案いたしまして的確な見積りに努め、前年度の当初予算に比較しまして、これは総額でございますけれども、八・七%の減、額にして百十億円の減の千百六十億円と見込んでいるところでございます。ご指摘の法人関係税、利子割県民税など景気動向の影響を受けやすい税目につきましては、ご質問でもるるお述べいただいたように、景気の低迷によります企業の収益の悪化、あるいは預貯金金利の大幅な低下、こういったものによりまして、法人関係税につきましては二二%の減、利子割県民税につきましては三七%の減と、本年度の当初予算を大幅に下回るものと、こういうふうに見込んでいるわけでございます。税収の確保に向けましては、本年度におきましても特別の徴収強化対策を講じるなど、これまで以上の徴収努力というものを重ねているところでございますけれども、特にこれらの税目につきましては、ご指摘のとおり、今後の経済とか、あるいは景気の動向によって大きな影響を受けるものでございます。予断を許さない面がございますけれども、平成五年度において見込んでおります県税収入の確保に引き続き全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。

 続きまして、財政問題の第二点目といたしまして、財政調整基金の積立てについてのご質問でございます。

 県財政の運営に当たりましては、単年度の収支のみではなく中長期的な財政の健全性の維持というものに七分配慮する必要があるということは、これはご指摘のとおりだと思います。ご承知のように本県は自主財源が大変乏しいわけでございまして、また財政規模も大変小さいと、こういう中にありまして、かねてより当面します行政需要というものに精いっぱい対処するということで努力をしてまいりましたけれども、こうしたこともございまして、財政調整基金につきましては全国でほとんど最後、都道府県で四六番目でございます。昭和六十二年にようやくその設置が可能になった、そして所要の積立てを開始することができるようになった、こういう事情にございます。県債管理基金とか財政調整基金を含めた本県の基金の残高というものは、全国的に見ましても極めて低い水準にございます。こういうことはございますけれども、県の財政を担当する立場から申しますと、将来にわたりまして円滑、機動的な財政運営を確保するということで、こういう基金をできるだけ充実していきたいという強い気持ちを持っております。しかしながら、厳しい財政環境の中にございまして、本年度の予算編成におきましても多額の基金を取り崩さざるを得ないという、そして収支の均衡を図るという状況にございまして、現実にはそうした基金の増額といった措置を講ずることは大変難しい面がございます。しかしながら、長期的観点に立ちまして財政基盤を強化していくということにつきましては私も全く同感でございまして、今後ともそういう考え方に立ちまして健全財政の維持というものにできる限りの努力をしてまいりたいと、このように考えております。

 三点目といたしまして、遊休県有地の問題についてのご質問でございます。

 ご指摘のとおり、県民の貴重な財産でございます県有地につきましては、その有効利用を促進していくということは極めて大切であると考えておりまして、このことは、ご指摘のとおり最近の土地政策の流れというものにも沿ったものだと、こういうふうに考えております。県といたしましてもそういう考え方に立ちまして、行政財産の用途廃止等によりまして生じた県有地、こういうものにつきましては、県としての利活用の可能性、あるいは地元の市町村などによります公共的な目的のための利用方策等についていろいろ検討を加えまして、それぞれの事情を総合的に勘案いたしまして、最も適切と考えられる用途に惧するように努力をしてきたところでございまして、今後ともこういう考え方に立って対応してまいりたいと考えているところでございます。

 ご質問の旧桜井警察署跡地の利用についてでございますけれども、当面県としての具体的な計画を持っているわけではございませんけれども、今申し上げましたような考え方に立ちまして、引き続き県としての利用の可能性というものを多面的に検討していきますとともに、地元桜井市において有効かつ具体的な利用構想があれば、その意向も十分お聞きして参考にしていく必要があるものと考えております。ご質問にございました、地元市町村に対しまして長期にわたる貸付けをするといった点については、実は念頭にはございませんけれども、地元の桜井市等から譲渡してほしいと、こういった旨のご要望があれば、これに対しまして前向きに検討していくということについては決してやふさがではございません。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 岩本保健環境部長。



◎保健環境部長(岩本正雄君) (登壇) 十六番中村議員のご質問にお答えいたします。

 まず、産業廃棄物対策の問題でございます。

 その一つは、最終処分場の確保を図るべきであるというご質問でございます。まさに私どもの方もその観点に立って、問題の把握につきまして認識をしております。最終処分場の確保というのは社会的活動の中では絶対必要なものである、ただし、近年その確保が大変困難になっているということもご指摘のとおりであります。したがいまして、現在県におきまして産業廃棄物対策検討委員会を設置いたしまして、その中で公共関与も含めた適正な処分場の設置というものについて、いろいろと検討、研究をいただいております。できましたら、平成五年度中には具体的なご提言をいただいて対処していきたいと考えておるところであります。

 二つ目の問題といたしまして、不法投棄、不適正処理等に対してどうするかということでございます。これにつきましては、まず処分場等におきます不適正処理につきましては、昭和五十二年度からパトロール班を設置いたしまして、適時、現地の監視あるいは指導等を行ってきたところであります。さらに、不法投棄に対しましては、一昨年の六月から総合環境パトロール、さらに一般的なパトロール等を実施いたしまして、不法投棄の早期発見と早期対応をしてきたわけでありますけれども、必ずしも十分に不法投棄を防いでいると言えない現況であります。したがいまして、平成五年度、新規に県内の四保健所におきまして新たに環境対策係を新設いたします。

 同時に、県の方でも組織がえ等を行いまして新たな対応に取り組むとともに、民間人の協力によりまして地域環境保全推進員制度を新たに発足させたいということで、それぞれ不法投棄の行われるおそれのある地域において、できるだけ重点的に監視活動を高めてまいりたいと考えております。

 もう一つは、桜井市の高田地内の最終処分場の問題でございます。これにつきましては基本的には、県が許可いたしました最終処分場に対しましては、許可品目の厳守、覆土の励行等につきまして現地監視あるいは現地指導を行っております。この中で、許可いたしました品目以外の品目等の搬入がないかどうかチェックをいたしまして、違反行為がある、あるいは不適正処理が行われている場合には、その時点で即厳しく指導をしているわけであります。ちなみに申し上げますと、最後のご質問にありましたが、検査と監視体制はどうかということでありますけれども、中村議員のご指摘もありまして、例えば高田地内の最終処分場に対しましては今年度、夜間も含めまして計三十三回の監視パトロールを実施してきたところであります。この監視結果では、水質につきましては自主検査等も三月に一回させておりますけれども、それらを含めて許可基準をクリアしているという現状認識をしております。ただ、地元住民からの不安等につきましては適宜対応をしてまいりたいというふうに考えております。

 次に、保健婦の確保対策でございます。

 まず、保健婦につきまして、県立の保健婦学院、県内就業あるいは県内定着への指導をどのように行っているかということでございます。保健婦学院につきましては、まず定期的に、個別あるいは集団の進路指導の中で、県内へ就職することを勧奨あるいは指導いたしております。同時に、市町村の関係者にも来ていただきまして、説明の場を提供する等の進路指導を行っております。また、市町村への就業を促進するため、修学資金につきましても、その貸与額の引上げ等の改善を行いまして、県内、特に市町村への就業の促進を図っているところであります。また、過疎山間べき地につきましては特に保健婦の確保が困難な地域であります。そういった意味で、臨地の実習等を山間へき地等で行いまして、進路指導の一助にしているところであります。総枠としての保健婦の確保につきましては、やはり潜在保健婦の活用を図るためにナースセンターヘ登録を勧奨し、例えば平成三年度では百二名がナースセンターへ保健婦の登録をしていただいていますが、そのうち三十一名に再就職をしていただいたといった実態があります。また、他府県の保健婦学院に就学をしている県内出身者につきましても、個別に県内就職をするように勧奨等をいたしております。こういった状況で、平成四年度卒業予定者の就職内定者は現在、県内の市町村へ十六名、県の機関へ二名、病院等五名、合計二十三名ということで、総卒業生に対して七七%の県内就職を図っておりまして、年々増加の傾向を見ているところでございます。

 最後に、市町村保健事業の充実のための設置基準等であります。これにつきましては、市町村の保健婦等の適正設置基準につきまして、現在国、県ともにございません。それに関しまして厚生省においては従来から議論されておるところでありますけれども、今後の人口の高齢化に伴う地域保健活動の充実を図るために、平成五年度から平成十一年度までの胡間に、計画的に全国で九千人以上の保健婦の増員を図る計画をお立てになっております。その一環として、近く標準的な団体における保健婦の設置基準が定められることとなっておりまして、こうした国の動向を見ながら、県としても積極的に市町村への保健婦配置を考えてまいりたい、取り組んでまいりたいと思っております。

 なお、保健婦の未設置の村への支援でありますが、現在奈良県では吉野郡を中心に七村で未設置となっております。なかなか希望者を得るということは難しいという実態がございますが、これらの村につきましては、管轄の保健所におきまして、過疎地域等の保健指導事業、あるいはへき地保健婦の巡回指導事業等によりまして支援を行っているところであります。今後ともこういった内容に・つきまして一層充実を図りながら、未設置村の地域保健サービスがより充実するように努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 東森企画部理事。



◎企画部理事(東森正文君) (登壇) 十六番中村議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては文化振興についてでございますが、先生もお述べのとおり、文化の振興を図っていくためには人材養成や条件整備が必要であると考えておりまして、いろいろな文化活動への支援として、従来から県展や文化活動交歓展などを開催しまして、文化活動の発表の場を提供してきたところでございますが、今後新しい文化を創造していくために、現在策定中の奈良県文化振興ビジョンを踏まえまして、さらに支援策を検討してまいりたいと考えます。

 また、県立美術館の購入美術品につきましては、今まで購入いたしました作品の八五%が、奈良県出身もしくは奈良県とかかわりのあった作家の作品、及び奈良県の風土等にかかわる作品でございまして、県立美術館にふさわしい芸術的価値のある作品を購入しております。今後とも原則としてこの方針で進めてまいりたいと考えております。

 また、新進作家の発表の場として県立美術館を活用してはとのお話でございますが、多少問題点もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

 次に、鑑賞機会の拡大につきましては、市町村におかれましてもそれぞれ地域の個性ある自主事業を展開されているところでございますが、本県といたしましても、従来から芸術祭をはじめといたしまして自主事業を展開しております。来年度は三十の自主事業を行う予定をいたしておりまして、今後さらに積極的にご趣旨に沿うような自主事業の拡大を図ってまいりたいと考えます。

 なお、民間の文化団体への助成につきましては、県民一人ひとりが文化の担い手であるという立場から、自主的な文化活動を期待するとともに、どのような支援をするのが適切であるのかを今後検討してまいりたいと思います。

 以上で答弁とさせていただきます。



○議長(浅川清君) 中本教育長。



◎教育長(中本克美君) (登壇) 七六番中村議員の質問にお答えいたしたいと思います。

 環境教育の推進についてでございますが、環境教育のねらいは、子どもたちが環境の問題に関心を持ちまして、みずからとのかかわりを理解して、自然に対する豊かな感受性と、自然を大切にしようとする心や態度を培うとともに、問題を解決しようとする意欲や能力を育てることにあると思っております。そのために、環境教育については体験的な活動を通じて学習することが大切であり、森林資源等自然の豊かな本県において大いにその活用が望まれるというご指摘はそのとおりでありまして、その指導には、当然のこととして、地域の自然などの特性を生かし、子どもたちの活動や体験を重視することが何よりも大切なことであります。

 そこで、本県におきましては、まず指導者の資質の向上を図るために、初任者研修などの教員の研修におきまして、県の浄化センターを訪問したり、環境を守るための工夫や努力を学びます。また、県立青少年野外活動センターなどの施設を利用して、豊かな自然の営みやそのよさを知る体験学習をしたりして、環境についての認識をまず指導者に深めてもらうように努めているところであります。また、これらの施設は県内の小中学校でも大いに利用されておりまして、このことの重要性から独自にこれら施設を設けておられる市町村もたくさんございます。県教育委員会では、平成三年度から「ふるさとの自然を訪ねて」というテレビ番組シリーズを制作いたし、放映いたしたりしております。また本年度は、お話をいただきましたように、「きこえますか 森のこえ」という特別番組も制作いたしました。森の声が聞こえるような感性を持つこと、環境と生活のかかわりについて、保護者や子どもたちに少しでも訴えたいというねらいと願いを込めて制作し、放映したものでございます。また、昨年度からは、県内の小学校五年生全員を対象にいたしまして「宇宙船エコ号とライフ号の探検」を配布いたしまして環境学習に役立てますとともに、全国規模で開催されておりますところの環境教育シンポや研究協議会に教員を派遣いたしまして、この教育の推進に努めているところでございます。さらに、本年度からは地域環境教育推進事業も実施いたしまして、小学校、中学校、高等学校で各一校ずつ研究推進校を指定いたしまして、地域における環境教育のあり方について研究をしていただこうと、かように思っております。また来年度は、これにあわせまして、主として小中学生が参加して行う河川の水質調査、すなわち水質環境モニタリング事業を実施したいと考えております。また、本年四月にオープンいたします県立教育研究所におきまして、さらに教職員の資質向上を図るために、環境教育講座を新たに設けて実施したい、このようなことも予定いたしております。今後とも市町村教育委員会や諸機関と連携いたしまして、環境教育の充実のために一層の努力をいたしてまいりたい、かように考えているところであります。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 人見警察本部長。



◎警察本部長(人見信男君) (登壇) 十六番中村議員のご質問にお答えいたします。

 昨年二月一日に、県、県議会はもちろん、市町村、そして県民の皆さんの多大なご協力により奈良県暴力団追放県民センターが設立されたわけでありますが、昨年五月二十八日には奈良県公安委員会から暴力団対策法に基づく指定を受け、また昨年の十二月二十八日には特定公益増進法人として奈良県知事から証明を受けるなど、その基盤を確立しまして、現在積極的な活動を推進しているところであります。財団法人の暴力団追放県民センターの事業内容は、大きく分けまして六つありまして、一つは広報啓発活動、二つ目は暴力相談活動、三つ目が少年の保護・援助活動、四つ目が地域社会の暴排活動の支援、五つ目が被害関係者の保護救済、六つ目が社会復帰の支援、この六つであります。

 まず、広報啓発活動でありますが、昨年十月十二日に奈良市内におきまして約一千人を集めました暴力団追放県民集会の開催や、各地においても同様の大会等を開催したのをはじめ、パンフレットや報道機関等のご協力も得まして、暴力団排除意識の高揚に努めたところであります。また、相談活動につきましては、センターにおける常設の相談委員による活動のほか、この一年間に県下十ヵ所で出張相談所を開催しまして、積極的な相談活動に努めました。その結果、常設、出張、合わせまして百七十八件の相談を受理いたしております。内容的には、暴力団被害に係るものが九十一件、少年に関するものが四件、離脱相談に係るものが十二件、その他、民事関係や家庭内問題等が七十一件となっております。具体的事例を若干申し上げますと、例えば、山口組系列の少年組員三名から暴力相談を受けまして、警察との連携で暴力団組織から離脱させた。あるいは、暴力団員の経営している運送会社を退職した元従業員から、退職したことで社長から因縁をつけられ、困っているという相談を受けたことを端緒にいたしまして、その社長を脅迫罪で逮捕するなどであります。また、救済更生活動といたしましては、昨年十一月にセンター内に、関係官公庁、団体、支援企業等から成ります暴力団社会復帰対策連絡会を結成いたしまして、組織を離脱し、更生しようとする者に対する就職支援活動を行っているところであります。この具体的事例といたしましては、京都府下の会津小鉄系の組員から離脱と就職相談を受理し、現在、暴力団組織からの離脱作業と、暴力団社会復帰対策連絡会による就職をあっせん中であります。

 以上のとおり相談内容も多岐にわたっておりまして、今後とも活発な相談活動に努め、暴追センターと県警とが密接な連携のもとに適切な処理を図ってまいりたいと考えております。

 以上で答弁を終わります。

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○議長(浅川清君) 二十八番吉川新太朗君。



◆二十八番(吉川新太朗君) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○議長(浅川清君) お諮りいたします。

 二十八番吉川新太胡君のただいまの動議のとおり決しましてご異議ありませんか。

        (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明三月十一日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時十二分散会