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奈良県 奈良県

平成 5年  3月 定例会(第222回) 03月09日−03号




平成 5年  3月 定例会(第222回) − 03月09日−03号







平成 5年  3月 定例会(第222回)



     平成5年奈良県議会第222回定例会(第三号)



平成五年三月九日(火曜日)午後一時五分開議

                         由本知己・北中路子速記

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出席議員(四十七名)

       一番 欠員            二番 上田順一君

       三番 上田嘉昌君         四番 高野善雄君

       五番 辻本黎士君         六番 秋本登志嗣君

       七番 飯田 正君         八番 米澤 節君

       九番 田尻 匠君        一〇番 国中憲治君

      一一番 北野重一君        一二番 今中せつ子君

      一三番 植村家忠君        一四番 高間賢一君

      一五番 元田三男君        一六番 中村 昭君

      一七番 中本幸一君        一八番 米田忠則君

      一九番 吉川隆志君        二〇番 松井正剛君

      二ー番 小泉米造君        二二番 奥本一男君

      二三番 山本保幸君        二四番 梶川虔二君

      二五番 森田好信君        二六番 寺澤正男君

      二七番 出口武男君        二八番 吉川新太朗君

      二九番 藤本 巖君        三〇番 新谷紘一君

      三一番 福田守男君        三二番 新谷春見君

      三三番 松原一夫君        三四番 福西幸夫君

      三五番 山下 力君        三六番 田辺和夫君

      三七番 小林 喬君        三八番 植原一光君

      三九番 杉村寿夫君        四〇番 浅川 清君

      四一番 村野喜英君        四二番 森下豊城君

      四三番 服部恵竜君        四四番 仲川宗太郎君

      四五番 和田 修君        四六番 福本虎之祐君

      四七番 川口正志君        四八番 大東正明君

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議事日程

一、当局に対する一般質問

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○副議長(新谷紘一君) これより本日の会議を開きます。

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○副議長(新谷紘一君) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、四番高野善雄君に発言を許します。−−高野善雄君。(拍手)



◆四番(高野善雄君) (登壇) 議長より一般質問の機会を賜り、まさに身に余る光栄です。例によって自作のつたない表現のため、お聞き苦しいことも多々あろうかと存じますが、どうぞご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。それでは、通告いたしております四項目について質問してまいります。

 まず初めに、宇陀郡御杖村における畜産生産基地設置事業について、その基本となる事業内容につき、知事にお尋ねいたします。

 さて、二十一世紀型の高度な畜産拠点の創設を目指して目下推進中の畜産生産基地は、生産から流通までの合理化を進め、付加価値の高い競争力のある生産体制の確立を図るもので、本県における畜産の振興はもとより、奥宇陀地区の活性化のためにも実に画期的なブロジェクトと認識し、私はこの事業の推進に深く共鳴してきた一人であります。単なる共鳴者にとどまらず、私は多数の地元地権者の相談を受け、その都度県への全面協力を相談者に強く進言してきた者でもあり、一端の責任をも感じながら、強い関心を持ってその推移を見守っているものであります。今までの経緯についても、一部始終地元民からその都度説明を受けておりましたので、ここ一両年の経緯はつぶさに承知いたしております。 当初からの県の説明では、この事業の内容とその規模は、まず育成牧場として八十ヘクタール、次にバイオ技術センター十五ヘクタール、三番目に観光レクリエーション基地「ふれあい牧場」二十五ヘクタールの三本柱から成り、それに環境保全林として二十ヘクタール程度を加えて、総面積は百四十ヘクタール内外と説明されておりました。地元では、畜産基地は未来永劫に及ぶ悪臭その他の公害発生の懸念、特に最も責重な飲料水の水質汚濁のおそれなど幾多の不安材料があること、それに、山村特有の先祖伝来の遺産に対する徹底した執着心なども手伝い、この事業に強い反対論が支配的な一時期もありました。しかし、基地の事業内容の三本柱のうち「ふれあい牧場」は、畜産基地が地域に溶け込み、地域と融和した牧場となるよう、また地元奥宇陀の過疎地域を訪れる観光客により地元が活性化できるように、県がみずから詳細な基礎調査に基づいて計画されたものであります。県の当初からの説明による「ふれあい牧場」の予定の施設としては、観光レクリエーションの拠点として、展望台、畜産展示館、レストハウス、バーベキュー広場、地元物産品の売店、宿泊施設、ペンション、キャンプ場等のうち効果的な施設から、地元と協議して、県が中心になって設置するとのことでございました。年間三十万から五十万の観光客を見込めるとの説明どおり、大量の観先客を誘致し得るすばらしい施設であることから、地元住民はこの「ふれあい牧場」に強い関心を持つに至り、一時大勢を占めていた畜産生産基地反対論は影を潜め、逆に賛成論が台頭し、曽爾、御杖、両村にまたがる当初計画を、御杖一村だけで事業推進が可能なまでに地元民の受入れ体制は整うことになりました。村民はこぞってこの地域活性につながる「ふれあい牧場」こそが、柿本県政が提唱する「遊のある奈良県づくり」の一環として、県当局が奥宇陀地域のために展開される至情−−真心、至情あふるる活性化策と受けとめ、今後は、公害発生等のデメリットばかりを論ずるにあらず、果たすべき村民の使命は、県の恩情にこたえて、当基地の建設にひたすら協力あるのみと意見が一致し、地元民は地権譲渡を含む全面協力の決意をされつつありました。しかし、最近になって、地元の地権者などから伝え聞くところによりますと、既に地元では基地予定地百四十ヘクタールの対象となる地権者百三十名全員に接触済みであるにもかかわらず、この畜産基地計画は県が今ごろになって急速予定を変更し、当初計画の総面積百四十ヘクタールから百ヘクタール内外へと縮小されるとのこと。しかも、規模縮小の部分は、地元民がこの畜産某地建設に協力するきっかけとなり、地元民が待望する「ふれあい牧場」を全面カットに等しい大幅カットして行い、たとえ一部事業化するにしても後回しにされるとのこと。 さて、ここで柿本知事にお尋ねいたします。地元では既に上田前知事時代から既定の事実となっている三本柱の事業内容、特に全村民が完成を待望している「ふれあい牧場」について知事は今どのようにお考えか、お尋ねするものであります。この畜産基地が成功するか否かは、何はさておき、地元と県とが連帯感よろしく厚い信頼関係が培われるかどうかにかかっています。最近地元では、待望する「ふれあい牧場」について、県は約束をたがえ、方針変更するのではないかと強い不安が一部にはありますが、大方の純真無垢な地元住民は県に対する満幅の信頼の心で「ふれあい牧場」の実現をひたすら信じ、また、県への報謝−−恩に報いる、報謝の思いを込めてふるさとづくりに邁進しようとしています。本日はその住民代表の方々が大勢傍聴にお越しになり、祈る思いで知事の前向きなご答弁を一言も聞き漏らすまいと、今かたずをのんでおられますことをよくご承知あそばされ、お答えいただきますよう謹んでお願い申し上げます。

 次に、均衡ある県土の発展を期するため、県政の重要課題であるべき県東部の開発のあり方について、企画部長にお尋ねいたします。

 我が奈良県において、現在の発展状況から見て、均衡ある県土の発展を図るためには、県当局は東部地域を強く意識され、基幹的な公共投資など基盤整備を積極的に推進すべきであります。県北西部は大阪経済圏の生活圏としての歩みを精力的に進めたのに対し、県東部は、地域発展のために不可欠の水源の確保が困難であること、加えて人的、物的移動をもたらす道路等の基盤整備の遅滞が原因で、西高東低現象が如実にあらわれています。近年の県下の開発状況を見ますと、平成六年開港予定の関西新空港へのアクセスとして建設中の第二阪奈道路、南阪奈道路、加えて高規格の京奈和自動車道などを見ても、将来に向けての県の発展の勢いは西高東低現象が今以上にくっきりとしてくるのは必至です。均衡ある県上の発展を期して県東部の開発を図るためには、県当局は卓越した行政手腕をもって、県東部にその大動脈となる新しい南北縦軸の幹線道路の建設構想をここで打ち立てるべきであります。

 ここに提言する県東部の幹線建設構想とは、その北部の起点は、名神高速道路と計画段階の第二名神の接合予定地である滋賀県瀬田付近とし、それより南下して奈良市東部の柳生周辺に入り、針インターより榛原町、また大宇陀町を経て吉野町に通ずる国道三七〇号線沿いに建設し、これを将来実現するであろう第二国土軸へとつなぐことにより、県東部の総合開発への土台づくりといたすべきであります。既に三重県が打ち立てている高規格の幹線建設構想は、起点は同じ滋賀県瀬田付近とし、それより東部に走り、大山田村、阿山町付近から方向を転じ、近鉄西青山駅より青山高原を南下する三重南北縦貫道がありますが、これは近畿圏にはほとんど無縁で、当方の提唱する構想とは全く異質の構想であります。それに比べ当方の構想は、近畿圏の交通網の整備という観点からはもちろん、近畿圏と中部圏を有機的に結びつける、新しい時代にふさわしい交通体系を確立するもので、極めて画期的な構想であることは、地図を見ればだれの目にも一目瞭然です。

 さて、企画部長にお尋ねいたしますが、県東部の本格的な公共事業として、縦軸の幹線の建設構想をここで打ち立てるべきと考えますが、いかがでございましょうか、ご所見を賜ります。私のような者がこんな大それたことを申し上げ、企画部長におかれてはお立場上いよいよ困ったことだとお思いかもしれませんが、どうぞ明快にご回答を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、地方拠点法制定に基づく地方拠点都市地域の指定について、再び知事にお尋ねいたします。

 今や我が国では、人口、都市の諸機能が東京圏へ一極集中し、過密による都市問題がますます深刻化しております。その反面、地方では過疎化がさらに進展し、地方全体の活力が低下しつつあります。また、一地方単位で見ても、都市機能を備え持ったその都市の中枢都市と周辺地域においては、人口増加など集中化現象が見られます。このような状況に対処して、国は国土の均衡ある発展を図るため、地方の創意工夫を生かして自立的な成長を促し、地方発展の拠点となる地域を設定し、都市機能を増進し、居住環境の向上を図るための整備を促進する目的で、昨年八月、いわゆる地方拠点法が制定されました。この法の第一の特徴は、今さら言うまでもなく、知事が地方発展の拠点となるべき地域を地方拠点都市地域として指定し、基本計画の作成は関係市町村が行い、知事がそれを承認すみこととするなど、地方の自主性を最大限に尊重し、国の関与を最小限にとどめていることであります。既に昨年、全国で十四地域について、先般、地域指定のための国との協議を済ませたとのことですが、本県において均衡ある県土の発展を図るために、積極的にこの法律を活用し、都市基盤の整備を進めるべきと考えますが、柿本知事は地域指定の基本的な考え方についていかにお考えか、お尋ねするものであります。

 私は、この地方拠点法が制定された当初から、この法律の経緯、目的、仕組みなどに強い関心を抱き、相当以前から次なる一般質問の主要項目と考え、地域指定など私の見解なりをまとめ、質問の準備を進めておりました。

しかし、本県における現在のこの法の取り組みの状況から見て、まず知事が大所高所から地方拠点法の地域指定を完了されるまでは、私の雑念的な発言は厳に慎むべしと考え、本日は急濾、ごく基本的な考え方をお尋ねするにとどめた次第でございます。私が今心で何を考えているかなど、聡明な知事のこと、語らずとも十分ご推察いただいておりましょう。

 次に、水辺創生事業など、良好な河川の環境美化の必要性がうたわれているこのとき、大宇陀町その他宇陀郡の各町村から一様に要望されております河川の整備、美化について、上木部長にお尋ねいたします。

 清い水がよどみなく流れる川は、私たちの心に潤いと安らぎの気分を与えてくれます。思えば、河川は私たちの先人を育み、歴史をつくり、また、貴重な文化を私たちにもたらしてくれました。中国の詩人杜甫の「江碧にして鳥いよいよ白く」の絶句にもうたわれているとおり、私たちに望郷の念を抱かせ、思い出をつくり、郷愁を誘うのもふるさとの川であり、川こそが私たちの心のふるさとであります。しかし近年は、川の流れは昔のような流れのリズムをなくし、すがすがしさを失っています。昔の川は流れにおおらかさがありましたが、大雨が降っても時間をかけて増水し、雨はやんでも数日間は増水したままでした。それに比べて近ごろの川の流れは、雨降れば急に増水し、時には鉄砲水ともなり、雨がやめば水ふさはさっと減り、味気ない流れでしがありません。

こんな川の流れはどうして起こったか。それは山の変化によって起こりました。昔の山は、落葉樹が秋ともなれば落ち葉して、保水力豊かな腐葉土となり、山全体が自然のダムの役割を果たしていましたが、現在の山は、林業奨励政策によって人工的に整然と植林された杉などの針葉樹は落ち葉せず、保水力のない山肌となり、水流調整が弱くなり、大量の土砂が河川に流れ出し、川床は土砂を堆積することになります。上流から流れてきた土砂が川床にたまり、川の至るところによどみを形成し、草むら同然になります。川床は堆積土砂の置場となり、今日の川ではとても郷愁を呼び起こせる情緒などはありません。以上のような川の情景は、昨年の夏、郡内各町村からの要望を受けて、宇陀郡内の河川の状況をつぶさに視察に回ったときの私の感想であります。

 清い水がよどみなく流れる川は、地域の人たちに親水の心を育て、川を愛し、川を清潔にする思いを起こさせますが、土砂がたまり、よどんだ川には、人はだれも気にとめず、雑排水、塵芥などによって完全に汚濁し、河川敷はごみ捨て場となります。水の一滴はまさに血の一滴とは私の信条でありますが、河川はまさに、私たちに恵みを与えてくれる大自然の血管に当たります。その大自然の血管は今や動脈硬化を起こし、破裂寸前であります。私はここで申し上げたいのは、川に対して基本的に認識を改め、今後次元を高めて川を見直し、いたわる心が大切で、行政は河川の美化整備に最大限の配慮を行うべきであります。「遊のある奈良県づくり」の第一歩、それは大自然の血管である河川の美化整備にあると私は信じて疑いません。堆積土砂の除去を含む河川の整備、美化については、県もご配慮はいただいておりますが、今後河川に対する認識を新たにしていただき、予算の倍増を含む一層の積極的な取り組みを切望いたしますが、土木部長はいかがお考えでございましょうか、お尋ねいたします。土木部長におかれてはお里はいずこか知りませんが、昔の川を思い出して前向きなご発言をお願い申し上げます。

 これで私のひとまずの一般質問を終わります。長時間ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(新谷紘一君) 柿木知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 四番高野議員のご質問にお答えいたします。

 まず第一点は、畜産生産基地についてのお尋ねでございます。

 この畜産生産基地の整備につきまして、高野議員、かねてから非常な熱意を持って取り組んでおられ、また、ただいまも大変真剣な熱意のこもったご質問をいただきました。その関心をお寄せいただくことに対して、大変感謝する次第でございます。そういうお気持ちにおこたえして、私も執行について責任を持っている立場でございますから、そういう趣旨から真剣にお答えいたしたいと思います。

 ご質問にもございましたように、この畜産生産基地、競争力のある生産体制をつくって、畜産業の振興を主軸にした地域の活性化を図る一つの試みとして整備しようということは、ご指摘のとおりでございます。その建設につきましては、御杖村に建設したいということで現在進んでおるわけでございます。設置施設でございますが、お尋ねのように、今後の肉用牛、あるいは酪農生産の重要な支援機能を担うものとしての育成牧場、それから、核移植とかによる双子生産とか、効率的な優良子牛生産とか、草地活用による低コスト生産による育成牧場の支援施設としてのバイオ技術センター、それにお尋ねの「ふれあい牧場」、これが三つの機能として予定していることはご指摘のとおりでございます。これはやはり、この施設、先ほど申し上げましたように、そういう畜産業の振興を主軸にした地域の活性化を図りたいということでございますので、周辺地区の畜産業が振興いたしますような中核となる必要がございますし、お尋ねの「ふれあい牧場」につきましても、地域住民だけでなく、そこに来られる来道者が本当に喜んでたくさん集ってきていただけるような、そういう条件整備ということが基本であろうかと思います。したがいまして、やはりお尋ねの「ふれあい牧場」について申し上げますと、そこにできた育成牧場なり、あるいはそういう技術センターなり、そういうものが十分立派に施設ができまして活用されている、そういう背景なりそういう基盤をバックといたしまして「ふれあい牧場」ができ上がってこそ意味があると、こういうことではなかろうかと私は考えている次第でございます。したがいまして、「ふれあい牧場」については三つの機能の一つであることはご指摘のとおりでございますが、そういういろんな機能の熱度を見ながらその整備を図っていきたい、かように考えている次第でございます。本年度は、そのため用地買収、測量調査、実施設計等に必要な予算化をお願いしていることはご承知のとおりでございます。この畜産生産基地の整備につきましては、長期の期間の施設整備を進めていく必要があるわけでございまして、そういう観点から、いろんな点を考慮しながら今後も煮詰めていく点が多かろうと思います。今後とも地元関係の方々の意向を踏まえながら、そのご理解とご協力を得ながら円滑に事業を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。

 第二点は、地方拠点都市の指定についてでございます。

 これも大変強い関心を持っていただきまして、特に、あえて一般論としてご質問いただいたことに対して敬意を表するものでございます。ご承知のように、地方拠点法は、国土の均衡ある発展を図るため、地方の発展の拠点となる地域を地方拠点都市地域といたしまして、都市機能の増進、あるいは居住環境の向上その他一体的な整備を図りまして、地方の自立的成長を促進することを目的とするものでございます。その地域は、地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の市町村から成る区域を、国あるいは関係市町村と協議しながら指定するものでございます。最終的には私、県知事が指定することとされております。本県におきましての取り組みを申し上げますと、既に関係部局長から成る連絡調整会議を設置いたしまして、この地域指定のあり方について検討を進めている次第でございます。県といたしましては、この地方拠点都市の趣旨に即しまして、やはり国全体としても一極集中ということが議論されていますが、県内における一極集中の拡大を避けるという観点、あるいは、広域市町村という今までの活動をできるだけ阻害しない、分断しないように努める、あるいは都市計画区域を複数にまたがらない、こういうようないろんな観点を基本として県上の均衡ある発展を図りたいと考えておりまして、現在、中和地域において地方拠点を形成すべく具体的な検討をしているところでございます。どういう広がりでとるかということについては今後よく検討してまいりたいと考えております。当然、県議会、関係市町村、関係行政機関とも十分協議しながら、早期に地方拠点としての地域指定ができますよう努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 南浦企画部長。



◎企画部長(南浦純一郎君) (登壇) 四番高野議員のご質問にお答えをいたします。

 まず、ご質問の後段でご理解ある発一所をいただき、誠にありがとう存じます。

 さて、ご質問の概要は、県勢の均衡ある発展を図るためには、例えば西の京奈和自動車道に匹敵するような、東部を南北に縦貫する幹線道路建設の構想を持つべきではないかということだろうと存じます。交通体系の整備は、県道及び生活空間の一体化、地域間格差の解消のための重要な手段であると考えております。県では現在、幹線道路といたしまして、南北軸の骨格を形成する京奈和自動車道、大阪湾ベイエリア地域とのアクセスの強化を図ります第二阪奈有料道路や南阪奈道路などの建設を促進いたしますとともに、紀伊半島を東西に横断し、将来の国土軸を形成する東海南海連絡道構想の具体化を推進しているところでございます。当面、これら基幹道路の早期完成実現に向け全力を傾注することとしております。一方、お述べの東部を南北に縦貫しますルートづくりにつきましても、県上全体を循環する交通網のあり方といたしまして関心を深めていく事柄であると考えております。したがって、今後、既存計画の推進に重点を置きつつ、将来構想として検討を進めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 中村土木部長。



◎土木部長(中村晃君) (登壇) 四番高野議員のご質問にお答えいたします。

 私には、河川美化対策についてのお尋ねでございます。

 ご指摘のとおり、近年、県民の意識は、単なる経済的な豊かさより精神的な豊かさを求める方向に変化しており、河川に対しても、洪水時の治水安全度の向上とともに水辺空間の環境に対する要望も多様化している状況にあります。川は地域社会に潤いや安らぎを与える貴重な空間でもあります。水と緑のオープンスペースとして、堆積土砂除去、草刈り等河川美化対策の一層の充実が各方面から求められているところであります。以前から、特に草刈り清掃等につきましては河川愛護団体によるボランティア活動の協力もいただいているところでありまして、今後とも協力をお願いするとともに、このような有意義な活動がさらに各地で活発に行われるよう、県といたしましても啓発してまいりたいと考えております。

 一方、県で行います堆積土砂の除去、草刈り等の河川美化対策につきましては、その効果が発揮できるよう、管理上支障の大きい箇所、人家密集連檜地区等を考慮いたしまして計画的に実施してきているところであります。

 さらに、平成五年度よりクリーン・グリーン事業として、道路との並走区間やヘドロの堆積箇所など、地域に密着した快適な生活空間として特に活用する必要のある箇所について重点的に維持管理を行うことといたしております。今後ともご指摘の趣旨を踏まえ、河川を愛する心を高めるとともに、堆積土砂の除去、草刈り等河川美化対策の充実に向け、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上で答弁とさせていただきます。



○副議長(新谷紘一君) 高野善雄君。



◆四番(高野善雄君) まず知事でございますが、このたびのご答弁いただきました、これではこの話はもう打切りになるんじゃないかなと、私はそのように思います。私は非常に穏便に申し上げておりますが、地元は、相当厳しい状態にあります。というのは、これは前の上田知事時代に計画された、出した話でございます。そのときにある程度の経緯がありました。その前の知事が平成三年十月十四日、御杖村を訪れておられます。退任のあいさつでございます。このときこの状況はどうであったかをご存じいただきますと、これは、その八月に県の畜産課長あるいは主管の方々が訪問されて、百人からの人の前で説明をされました。そのときに三本柱、「ふれあい牧場」、これはこういうようなものをつくり上げますと、こういうことで、先ほど私が勝手気ままにつくった施設ではありません、そのとおりのことを説明されたのでございます。だから、非常に地元というのは、もうあの「ふれあい牧場」しかないんです。また、これは全国的にそうでございますが、今畜産基地をつくろうとしたら、いわゆる育成牧場、バイオだけでは地元が全く納得しない。だから、「ふれあい牧場」をつけて地域の活性化をもたらして初めて、地域との連携をもってやろうということが全国的に行われていることなんです。だから、そういうことを考えていただきますと、こっちの状況を見てからやるのであれば、あしたからの交渉は一切できないと思います。

 私は、この十月十四日の前知事は、地元と協調してやりましょう、そのために畜産基地、それからバイオ、これは県がやっていきますが、地元の活性化のために「ふれあい牧場」というものを提供して、そして一体となってやっていきましょうと、こういうことでございます。その説明では、全部県がつくって、村または第三セクターが運営していくと、このようにいいことずくめでございまして、いいことずくめであるから、純真な村民は当然乗ってまいります。だから、ここでやはり知事、「道のある奈良県づくり」、この「遊」、ひとつすばらしいものに仕上げていただきたい。きょうは時間がございませんが、この問題は大きなテーマとして私、これからいろんな場面で掲げていきたいと、このように思っています。当然答弁はいただきますが、要するに私は、前の知事の連携をやはり持っていただかなければならないと思いますご督われたことをそのままやはり継続してもらう、このようにお願いしたい。

 以上です。答弁お願いします。



○副議長(新谷紘一君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) 大変熱心に事態に踏み込んでかかわっていただいていることに、県の執行部としても大変感謝している次第でございます。また、おっしゃいましたように、育成牧場と技術センターと「ふれあい牧場」と三つの機能を兼ね備えたものをつくるということは、先はどのご質問でも私はお答えしているわけでございます。その場合に、やはり私もいろんなほかの地域でも、そういう観光牧場的な、あるいはここで言う「ふれあい牧場」的なものをおつくりになったのを見せていただいたこともございます。そういうものがどういう点で成功し、どういう点で苦労されているかということもやはり十分研究する必要がある。決して「ふれあい牧場」を置き去りにするという意味ではなくて、やはり先ほど申し上げましたように畜産業のこの地域での振興を中軸として、しかも、そういう潤いの、おっしゃるような施設も整備した形で将来構想を提示したわけでございますので、その考え方について、その整備の仕方についてどう持っていこうかということを申し土げておるわけでございます。私がここで、本会議で答弁しているわけでございますので、三つの機能をあわせ持ったものをつくりたいということについては、ご質問の趣旨と別段違ったことを申し上げているつもりはございませんので、先ほど申し上げたような趣旨で今後ともご協力を賜りたいと、こういうふうに思う次第でございます。今後とも、ご質問で真剣にいろいろ討議していくということでございますので、県当局も真剣にご質問と対応していきたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。



○副議長(新谷紘一君) 次に、二十三番山本保幸君に発言を許します。−−山本保幸君。(拍手)



◆二十三番(山本保幸君) (登壇) 議長のご指名をいただきましたので、早速一般質問に人ってまいりたいと思います。

 私は、事前に通告しておりますように、県内景気対策と雇用対策について、二点目に民活と第三セクター方式について、三点目に渋滞対策について質問を、知事並びに商工労働部長、総務部長、土木部長にお尋ねをしてまいりたいと思います。

 最初に、県内景気対策と雇用対策について伺います。

 政府は昨年、当面の不況対策として、いささか遅過ぎた感のある緊急総合経済対策を打ち出しました。しかし、産業界の期待に対して、現在においても回復の兆しは見えず、むしろ不良債権の増大による一部銀行の経営不安や貸し渋り、企業の雇用調整、そして個人消費の萎縮といった状況を呈しており、さらに景気の停滞は深刻度を増してきていると言えます。このような経済情勢のもと、知事は県内地域経済対策として本年度予算案において、県単独事業を大幅に増加するとともに、県内の中小企業助成策として六十億円の貸付けの新設など、積極的な不況対策を打ち出されました。全力を投入して景気浮揚を図るその姿勢に対して敬意を表し、県内景気対策について知事に二点、ご所見を伺いたいと存じます。

 質問の第一点は、中小企業対策についてであります。中小企業対策として、奈良県では昭和四十九年度から経営安定資金を加えて制度融資を行ってきました。最近の制度融資資金の利用状況は、設備資金に比べて運転資金の需要が多くなるなど、平成四年度の全体的な利用は前年度を上回るようでありますが、ただ、有利な貸付け条件になっていても、資格要件などから利用率の低いものもあると言われております。そこで、中小企業景気対策特別融資は、貸付け一件当たり限度額が一千万円、返済期間は三年となっていますが、申込み者の必要な融資枠をできるだけ確保していくということを前提として、限度額の拡大と、さらに期限についてももう少し幅があってもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、担保・保証関係についても無担保に、信用保証協会の保証についても利率を下げるなど利用されやすい制度にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 質問の第二点は、今回の不況は、従来の石油危機や円高不況とは異なる複合不況と呼ばれ、金融、証券、企業等内的要因、その他複合的な要因によるものと言われております。知事は、奈良県内の地域経済についてその特徴をどのように受けとめられているか、お尋ねいたします。

 また、今後、商工会議所、企業法人、産業関係、進出企業等産業界との景気対策懇談会なるものを設置し、官民双方の頑張りによって景気浮揚を図ってはと考えるところでございますが、所見をお伺いいたします。

 次に、県内雇用と生活者安定対策について商工労働部長にお伺いをいたします。

 企業は不況になると、まず残業をなくし、次に事務費、交際費の削減、そして雇用調整と進めていきます。二月に人って急激な円高が不況に追い打ちをかけ、雇用問題が労働者の深刻な問題となってきております。そこで、最近の雇用、失業情勢、あるいは労働者移動はどのようになっているのか、また、今後の雇用情勢の見通しと、県としての雇用対策を今後どのように推進されていくか、お尋ねをいたします。

 二つ目に、ことしの就職の内定取消しが全国的に相次いでなされ、国としても、各都道府県にその実態を調査するよう指導を出されているところでございます。奈良県においても調査を進められていると考えますが、奈良県の新卒者の就職の内定取消し問題はどのようになっているのか、またその対策はどのようになされるのか、お尋ねをいたします。

 三点目に、パート労働者の有効求人倍率は当県ではどの程度か。景気の雇用調整弁とも言われ、不景気の際、真っ先に首を切られるパート労働者対策を今後どのような形で進めていかれるのか、お尋ねをいたします。

 大きな質問項目の二番目に、民活・第三セクター方式について、知事並びに総務部長にお伺いをいたします。

 今日、一九八八年ごろから急速に盛り上がった民活ブームにひび割れが生じてきていると言われております。

日本経済は、一九七三年のオイルショックを契機に、それまでの重化学工業路線から我が国の産業構造は、ハード中心からソフト化、サービス産業化が進み、技術依存型の知識集約型へと大きく変化を見せてきました。戦略産業においても、鉄鋼、造船等の重厚長大型産業から、いわゆる先端産業と言われるIC、LSIに代表される半導体産業と、それを応用するコンピューターや電気機械等に交代していきました。マクロ的には、この産業構造の転換は、我が国を先進国に押し上げるなど順調に進められたかに見えますが、国内的には地域に大きな影響を投げかけるようになりました。つまり、従来型の企業誘致による地域振興策は非常に困難な局面を迎えることになったわけでございます。高度成長期には、公共投資による社会資本の整備や産業基盤整備のもとに企業誘致を進めることが最も有効な地域振興の手段でありましたが、国の財政的逼迫により基盤整備は困難となり、地域はみずからの手で地域経済の構築、活性化を図っていかなければならなくなってきたと言えます。さらに、国の財政を当てにできなくなった地方は、その財源を民間に求める一方、経営においても民間資金や企業の経営手法を導入することが必要となってきました。その結果、県内においても地域開発事業を進めるに当たりまして、国や地方自治体の行う基盤整備事業等の公益公共事業と民間企業が行う産業活動によって、地域の活性化、雇用、税収面で地域の開発に寄吟するという大きな効果をねらった民間活力利用の地域開発が盛んになってまいりました。しかし今日、バブル経済の崩壊によって、民間企業の経営の破綻、官民の思惑の違いによって、さまざまな地域振興策、駅前整備等がストップあるいは遅延しつつあります。奈良県内においても、天理市の民活をめぐってさまざまな疑惑と問題を投げかけ、民活方式に対する不満は高まってきています。また、JR奈良、JR郡山駅前開発においても整備等がおくれ、地域振興策や都市基盤整備等について、県民あるいは行政に大きな影響を及ぼしてきています。私は民活の導入に決して反対の立場ではございません。知事は、このような状況に対してどう受けとめられ、今後どのように対応されていこうとされているか、お尋ねをいたします。

 次に、第三セクター方式について、総務部長にお伺いをいたします。ビルや地下街の建設、賃貸などの都市開発、情報化施設の建設、運営、見本市会場の整備など、地方自治体が苦手とする行政ニーズが高まったことから、官の公益性と民の効率性、経済性を備えた事業形態として空前のブームを迎えた第三セクターが、反省期に立たされております。先日の自治省の調査によれば、各地の地方自治体や産業界から、第三セクター方式には問題が多いという批判がふえてきていると言っております。また、通産省も第三セクター方式について見直し作業に着手したとも言われております。そこで、次の四点の項目について質問をいたします。

 一点目は、第三セクター方式については、単なる財政的視点からの参画ならば、安易に関与してはならないと考えます。関与に当たっては、厳正、厳格な対応が求められ、県議会としても当然大きな責任を負うわけでございますが、まず第三セクターに対する基本的な見解をお伺いいたします。

 二点目に、第三セクターヘの貸付金が年々増加してきている。その運営体制は他力本願でしがなく、独立した組織としての主体性はどこにあるか、疑念を抱かざるを得ません。第三セクターヘの貸付金に対する所見をお伺いいたします。

 三点目に、第三セクターに対する財政援助についての基本的な考え方はどのように考えられているのか、お伺いをいたします。

 最後に、第三セクターの雇用形態はどのようになっているのか、また、その給与負担はどのようになっているのか、その実態と、また考え方についてお伺いをいたします。

 最後に、土木部長にお尋ねをいたします。私の地元、郡山市内の渋滞対策についてであります。

 国道二五号線と大和郡山市の大和郡山広陵線−筒井二階堂線が交差するいわゆる中央卸売市場周辺は、渋滞が激しく、早急に対策を必要とする大和郡山市の主要渋滞ポイントの一つであると考えております。先般、中央卸売市場協議会の中においても、市場関係者の皆さんから、交通渋滞が中央卸売市場の経済活動に大きな影響を及ぼしておる、また、地元の周辺地域通勤者の皆さん方、地元の皆さん方からも、道路交通の渋滞が市民の生活

や産業活動に深刻な影響を与えているとの声が強く上がっております。県としても解消に向けての努力がなされていると考えますが、将来の交通容量の増大を考えるとき、この二五号線と大和郡山広陵線の交わる筒井町交差点に抜本的な道路整備を図る必要があると考えますが、全体の周辺整備も含めて、その考え方をお伺いいたします。

 以上で私の一般質問を終わりたいと存じます。回答、答弁いかんによりましては自席からの再質問をお許し願いまして、私の一般質問を終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(新谷紘一君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 二十三番山本議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず、景気対策、特に中小企業景気対策特別融資制度についてのお尋ねでございます。景気の低迷が大変長引いておりまして、売上げの落ち込みなど、そういう点で経営悪化している中小企業対策のたぬに、新たに制度融資を提案させていただいておるわけでございます。まず、この特別融資以外、中小企業の制度融資全般につきましては、ご指摘のような貸付け限度の引上げ等も制度によっては検討してやっております。その点をまず申し上げておきたいと思いますが、今般新設いたしますこの特別融資制度は、その趣旨からい

 たしまして、経営が悪化して赤字になりそうな中小企業、しかし今後、事業の継続等経営の立て直しに意欲を持っている、そういう方の運転資金の一部を支援しようと、こういうものでございます。そういう趣旨から、既にご説明いたしておりますように、限度額一千万円、償還期限三カ年というような制度にさせていただいたわけでございますが、これは実は、例年やっております年末の融資、九月の補正にお願いしているときの融資と同じでございまして、この制度につきましてはご承知のとおり好評でございまして、大変活用が活発でございます。そういう点からいたしまして、それになぞらえて、それから類推いたしまして十分ご利用いただけるという考え方で制度をつくらせていただいたわけでございますので、ご理解を願いたいと思います。そのほかの制度融資の枠もございますので、その制度もあわせ活用願いまして、中小企業の立て直しにご活用いただければ大変ありかたいと思う次第でございます。

 それから、無担保貸付けあるいは保証料のご質問でございます。無担保保証の限度額を千五百万円から二千万円に、あるいは、担保を前提とする普通保証の限度額一億二千万円を二億円に引き上げる中小企業信用保険法の改正が今国会で審議中でございます。我々としてはこれの早期の成立を期待しているものでございます。また、信用保証料につきましては、基本料率は一%とされておるわけでございますが、制度融資等につきましては、県の助成等によりまして、原則〇・七%に引き下げて実施しているところでございます。そういうことで中小企業者の負担の軽減も図っているところでございます。そういうことでご理解を賜りたいと思います。

 その次に、今回の不況についての奈良県の地域経済面から見た特徴をどうとらえているか。なかなか難しいご質問でございますが、今回の不況は、一昨年来のバブル経済の崩壊と国内の全般的な生産・消費活動の停滞によりまして、従来にない不況の状況にあるというふうに認識しておる次第でございます。また、国際的な影響も大きく、輸出の抑制と内需拡大が各国から求められているような状況にございます。円高による輸入品の増大など、新たな課題が生じているところもございます。これらの本県の製造業等に対する中小企業への影響でございます

が、基本的にはやはり中小企業で系列による受注生産という形態が多いため、不況による影響を強く受けていると考えております。もちろん、業種によってそういう国外的な要素の影響度が異なりますので、ばらつきがございますが、全般としては生産量が減少し、経営の悪化をもたらしている。したがって、これを中小企業者の自助努力と同時に、いろんな支援策によりまして切り抜けていただかなければならない状況にあると考えております。

県におきましては、県としてとり得る策についてはできるだけ積極的に取り組むと、こういうことで、ご質問にもございましたが、公共事業の拡大とか融資制度の改善により、それらの支援に努めているところでございます。

 それから、そういう事態に対応して、産業界との経営対策懇談会というようなものを設置して、大いに議論を深めてはどうかということでございますが、本県では従来から、商工業の振興の基本方向について、そうした各界の代表者により構成しております県の附属機関でございますが、中小企業振興対策審議会というものがございます。私も副知事時代にこれにタッチしたことがございますが、大変いろんな業界の方々の積極的なご意見で、毎年ご審議の上、建議等をいただいている、こういう活動ぶりでございまして、それを拝聴しながら各種の中小企業対策をとっておるわけでございますが、こういう方々のご意見、あるいはこのご活躍に今後とも期待したいと考えております。また、これは直接ではございませんが、景気対策懇談会のたぐいとしては、昨年五月に、経済企画庁の幹部をまじえて本県の商工会議所、工業界、産業界の代表による地域景気懇談会というものを形成されまして、国に要望をしたり、意見交換をしております。大変有意義であったと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、県下の現在の経済情勢からいたしまして、これらの機会をできるだけ、より活発に活用いたしまして、意見交換をするなり、あるいは国への要望を固めるなり、そういう形で景気浮揚にお役に立つように進めてまいりたいと考えております。

 次は、民活についてのご質問でございます。

 いろいろご指摘がございましたが、本来民活というものは、改めて申し上げると恐縮でございますが、地域の活性化を図るために、民間のノウハウとか資金力など、民間のお持ちであるよいところを生かして公共的な色彩のあるプロジェクトを進めることであると私は理解しております。これは、公益性と収益性をバランスよく機能させていくということに期待しているものでございます。とりわけ社会資本整備が強調されている今日、しかも、ご質問にもございました厳しい経済情勢の中においては、そういう協調した官民の役割分担ということは大変大切であり、その役割分担の趣旨を明確にしつつ推進していくことは必要であると考えております。やはり民活ということは、よさの面がうまく出ますと大変いいのですが、そうでない場合にはかえっていろいろ問題を醸すという点がございます。したがいまして、民活導入のいい面をできるだけ発揮するように、あるいは慎重に対処すべきところはできるだけ十分留意する、こういうような基本的な考え方が必要でございます。個々におきましては、お述べのようないろんな影響も出ている面がございますが、今後ともこの民活の本来の趣旨に照らしまして、さらに民間の理解、協力を求めつつ、当初の目的がそれぞれ達成されるよう的確な事業推進を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 浅田商工労働部長。



◎商工労働部長(浅田一男君) (登壇) 二十三番山本議員の質問にお答えいたします。

 一点目の、最近の雇用、失業情勢、労働者の移動状況、また、今後の雇用情勢の見通しと県の対応についてのお尋ねでございますが、最近の景気の低迷によりまして、雇用、失業情勢は、求人の手控えの一方で求職者が増加する傾向が見られております。平成五年一月末現在の有効求人倍率で見てみますと、〇・七一倍となっている状況でございます。こういうことから、企業におきます労働力不足感は緩和傾向にありますが、一方業績が悪化しています一部企業では、労働者の休業を実施するなどの雇用調整の動きが見られるところでございます。今後の景気動向によっては予断を許さないような状況にあるかと認識しておるところでございます。このため、失業の予防を目標といたしまして、各企業の雇用調整の動向を的確に把握しつつ、雇用調整助成金制度の積極的な活用などによりまして、解雇など行われないよう機会あるごとに指導しているところでございますが、また、職業紹介の一層の推進を図るため、求人の開拓ときめ細かな職業相談により、求職者の早期円滑な就職の促進に努めることといたしております。

 二点目の、採用内定取消しが相次いでいるが、本県の状況と対策についてのお尋ねでございますが、本県に所在します事業所反び学校に三月二日現在で調査いたしましたところ、新規学卒者の採用内定取消し及び大戦時期の繰下げというんですか、後に回すような事象はございません。今後このようなことが本県で生じないように、平成五年三月二日付−−同日でございますが−−の文書によりまして、経営者協会など経営四団体に要請したところでございますが、これが守られるよう、労働関係機関相互の協力をいただきながら留意して取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。

 三点目の、本県のパート労働者の有効求人倍率はどの程度か、そしてまた、不景気の中でパート労働者の対策を今後どのように進めていくのかというお尋ねでございますが、パート労働者の有効求人倍率は、平成四年十月から十二月までの平均で二・八四倍でございます。それで、平成五年一月現在でも二・七一倍ということで、約三倍近く上回っている状況であります。ですが、現在の労働環境では、弱い立場にありますパート労働者は雇用調整の影響を受けやすいことから、雇用調整の動向に留意しながら、安定的な雇用等が行われるよう、また、パートタイム労働者の処遇、労働条件の改善を求めた、労働省が告示されておりますパートタイム労働指針の遵守を図られるよう助言、指導をしていきたいと考えておる次第でございます。

 以上、答弁といたします。



○副議長(新谷紘一君) 木村総務部長。



◎総務部長(木村功君) (登壇) 二七三番山本議員のご質問にお答え申し上げます。

 私に対しましては、第三セクター方式に関連いたしまして四点にわたってご質問をいただいております。

 第一点でございますけれども、第三セクター方式について財政的な視点からの参画だけではいかがなものかと、こういうご質問でございます。第三セクター方式につきましては、議員ご承知のとおりだと思いますけれども、法令等で確立された定義等はあるわけではございません。けれども、地方公共団体がかかわる第三セクターにつきましては、地域の振興等をより積極的に、あるいは効果的に進める観点から、公的部門と民間部門が相協力して、公益性を確保しながら民間のノウハウ等を活用して事業推進を図る趣旨で設立されると、こういうことが一般的に第三セクターと称されていると理解しております。私ども、地方公共団体の立場、公的部門という立場からは、通常、民間の事業実施のノウハウの利用といった点が一点、それから、民間資金の導入といった点もございましょう。それから、民間の人材の確保と、こういった、いわゆる民間活力の導入ということを第三セクターに期待していると、こういうふうに言われていると思います。第三セクターにつきましては、ご指摘のように民間資金の導入を図るという、いわば財政的な側面に着目して設立される場合というものがございますけれども、多くの場合にはそれだけではございませんで、今中し土げた民間のノウハウの活用、民間的な発想を有する人材の確保を図る、こういう点も大きいんじゃないかと考えております。いずれにいたしましても、第三セクターに参画するという場合に当たりましては、財政的な側面だけではございませんで、公共部門、それから民間部門がそれぞれの役割分担に応じ、その長所あるいは特性というものを最大限生かして、機動的な、あるいは効率的な運営を図ることによりまして、第三セクターが設立された本来の趣旨、目的といったものが本当に実現するのかという点を十分見きわめまして、また検討する、そういう必要があると考えております。

 第二点、三点についてのお尋ねでございます。第三セクターに対する貸付金に対する考え方、あるいは第三セクターに対して財政援助といったものに対する基本的な考え方ということでございます。ご指摘のとおり、最近の厳しい経済情勢の中にありまして、第三セクターに対します民間企業からの協力、特に資金面での協力というものにつきましては非常に難しくなっているのではないかと考えております。全国的に、地域の振興を図るためにいろんなプロジェクトがございますけれども、その事業環境が悪化いたしまして、関係の地方公共団体が、貸付金でございますとか、あるいは補助金といった形で財政的な支援を検討せざるを得ないと、こういう例が生じているという報道等があることは、私ども承知しております。県内におきましても、そうした民間の資金力に期待するということについては厳しさが増してきているだろうと、こういうふうに考えております。今後は、これまで以上に将来を見通して、より的確に、事業の採算性とか、あるいは官民の役割分担、あるいは運営のあり方、こういうものにつきまして幅広く検討を加えていきまして、その存在意義等を点検いたしまして、事業自体について、ご指摘の支援方式も含めて抜本的に見直していく必要があると一般的に言われているというふうに承知をしております。

 ただ、県の場合におきましては、そういう意味におきまして、問題のあると考えられる第三セクターに対する貸付金とか、あるいは補助金というものは、議員ご承知のとおり、ほとんどございません。例えば県の道路公社等の三公社でございますね、こういうもの、あるいは文化事業団、シルク財団、いわゆる県の外郭団体と言われるものがございますけれども、ご指摘の意味における第三セクターという概念に当てはまるかどうかはちょっと疑問でございます。けれども、こういうものに対しましては、いわば県の事業を代行しているという性格を有しておりまして、三公社に関しましては、例えばそれぞれの法律にその設立根拠を有しているということがございまして、極めて公共性が高いということから、必要に応じまして補助金とか貸付金を支出しておりますけれども、これらにつきましては、委員ご指摘の、第三セクターをめぐるいろんな問題というものとは直接はかかわりは余りないのかなと、こんなふうに理解をしております。

 最後の第四点目の問題といたしまして、第三セクターの雇用形態、あるいは給与の負担についてどうかという、

 その実態ということでございますけれども、一般的に第三セクターにおきます雇用形態とか、あるいは企業のあり方、こういうものにつきましては、それぞれの第三セクターの事業内容とか設立の経過によって異なるんだろうと思います。通常は同種の第三セクター、あるいは関係する地方公共団体、あるいは民間企業における雇用の形態とか給与の実態に応じたものになっているのではないかと、こういうふうに推測をしております。県の場合におきましては、ただいま申し土げましたように、ご指摘の意味での第三セクターというものの範疇に入るかどうかは疑問がございますけれども、三公社とか事業団等の例で申し土げますと、これらの団体におきましては、県の職員、あるいはプロパー職員がその事業に従事しているわけでございますけれども、県の職員については県職員としての身分を保有したまま休職して出向するという形で、給与等の条件につきましては県職員とほぼ同様とされております。また、プロパー職員につきましては、県職員に準ずる形での処遇をしていると、これが実態ということでございます。また、これらの団体の業務につきましては、県の業務を受託するといった面があるなど、今も申し上げましたけれども、県の仕事をいわば代行しているという性格を持っておりますので、県職員につきましてはその全額を、プロパー職員につきましては必要に応じて相当額を県が負担するというふうな措置を講じているところでございますけれども、これらにつきましては他団体の例から見ても通常行われる措置でございまして、これにつきましても特段問題はないというふうに考えております。

 以上でございます。



○副議長(新谷紘一君) 中村土木部長。



◎土木部長(中村晃君) (登壇) 二十三番山本議員のご質問にお答えいたします。

 私には、国道二五号線と大和郡山広陵線との交差点における渋滞対策についてのお尋ねでございます。

 ご質問の大和郡山市筒井町の国道二五号、県道大和郡山広陵線の交差箇所につきましては、朝タのピーク時におきましては、通常の通勤、通学等の車両に加えまして、中央卸売市場からの出入り車両等により非常に混雑している状態にあります。全県下の主要交差点部におきます抜本的な渋滞対策につきましては、半日交通圏道路網構想の中で長期的課題として検討しているところでありますが、当面、この交差点部におきまして、正規の右折レーンの設置等による交差点改良が考えられるわけでございます。沿道土地利用状況から見ますと、用地確保等難しい面も非常にあると思いますが、今後、国道二五号の管理者であります建設省等関係者との協議を進めて検討してまいりたいと考えております。

 以上で答弁とさせていただきます。



○副議長(新谷紘一君) 山本保幸君。



◆二十三番(山本保幸君) 答弁いただいたんですが、まず不景気の問題、知事の方から、中小企業の審議会については了解するんですが、昨年の五月に実施されたという報告でございますけれども、さらに積極的に、やはり不況対策ではなくて、奈良県の二十一世紀を展望する場合においても、大阪関係では近畿の大阪湾ベイエリア構想なり、あるいは奈良においても学研都市、さまざまなビッグプロジェクトがあるわけであります。そういった中で奈良県が、やはり近畿の中で経済的に産業的におくれをとってはならないというふうに思うわけですね。そういう意味では、いろんな質問の中でも言いましたように、産業界、あるいは進出企業、地元、いろんな各方面から、商工会議所も含めて、さらに積極的に、私は、審議会的な内容のものを今後もやっていっていただきたいということをまず要望しておきたいというふうに思います。

 それから、第三セクターの問題についてお伺いしたいと思いますが、実は埼玉の上尾市で、第三セクターに市の職員を派遣いたしまして、その給料の支払いをめぐって裁判所の判例が出ているんですね。これはご存じだと思うんですけれども、これは市では、必要な条例なり、あるいは規則に基づいた市長の職務命令によって市の職員の派遣がなされておるわけでありますけれども、いわゆる職務専念義務違反という問題が生じておりまして、この辺について、この関係において奈良県の場合は、第三セクター以外にも外郭団体や、今触れられました公社の件は別に聞いてなかったんですが、公社に対する派遣、あるいは財団法人に対する派遣についても問題があるんではないかというふうに指摘をされておると思うんですけれども、その辺の関係において給与負担についてどのような認識をしたらいいのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。

 それから、官と民のいわゆるそれぞれの特徴をお互いに持ち合わせて、第三セクター方式あるいは民活についても進めていくという考え方については理解できるんですけれども、問題はどこに主体性があるのかというところが、この第三セクターの一つの問題点として挙がっているわけですね。官は民に頼り、民は官に頼って、結局主体性のないままで運営がなされておるというような観点においても問題があるんではないかと。極端に言えば、第三セクターが一部の民間のための第三セクターになっておるというようなケースもあるというふうにも言われておるわけでありますけれども、その辺の基本的な考え方ということで質問に立ったわけでありますが、その辺も含めてどのように、第三セクターの長所はお述べになったんですが、問題点もあるわけなんですね。その問題点を抱えつつ、どう第三セクターを今後県としては行っていくかということを再度お尋ねしたいというふうに思っております。とりわけ第三セクターは、議会や、あるいは県民のチェックも及ばないという点についても、極めて公的責任があいまいであるということも言えるんではないかと思いますが、その辺についてもお尋ねをしておきたいというふうに思います。

 以上です。



○副議長(新谷紘一君) 木村総務部長。



◎総務部長(木村功君) お答え申し上げます。

 まず第一点目は、埼玉県下における例を取り上げて職員の問題ということで、率直に申しまして私、詳細については存じておりませんけれども、特に民間とのかかわりにおいて種々論議があったというふうに仄聞をいたしております。本県における取扱いということについてのお尋ねでございましたけれども、これにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、公社等につきましては、県職員は休職出向という形で法令等に基づきまして従事をしているということでございまして、現行の県の取扱い自体に大きな問題があるとは私どもは考えておりません。ただ、おっしゃるように第三セクター一般につきましては、その派遣される職員の身分取扱いというものについてどうするか、全国的な統一的な基準がないわけでございます。こういう点につきましては、今国の段階でどこまで検討が進んでおりますか、正確には承知しておりませんけれども、種々論議をされて、この身分取扱いの統一的な基準といったものを法律的な整理をしようという動きがあると、こんなふうに承知しておりますので、そういうものを見きわめながら、より適切に対処する必要があるのではないかと、こんなふうに考えております。

 それから後段につきまして、第二点目でございますけれども、第三セクター一般についての活用方策、一般についての大変広い観点からのご質問であろうと思います。そういうことでございますけれども、先ほども長所の面を私、申し上げましたけれども、もちろんご指摘のように、民間、それから公共部門がそれぞれ相協力するということにつきましては、いろんな問題点が出てまいります。その責任の所在というものについても、ご指摘のようないろんな問題があろうと思います。やはり、第三セクターを活用する場合、第三セクターを設立したらそれでよいということではなくて、地方公共団体も非常に指導性を持ちながらチェック、点検をしていく、そして、やはり厳しい経営姿勢といいましょうか、そういうものを不断に持ち続けるということが大変大事なんではないかと思います。大変幅広いご質問でございますので、すべてお答えしたかどうかは自信はございませんけれども、以上で答弁とさせていただきます。

 以上であります。



○副議長(新谷紘一君) 山本保幸君。



◆二十三番(山本保幸君) 再質問を終わりたいと思います。また、予算委員会に出席予定になっておりますので、その場で論議を進めていきたいと思います。私の質問を終わります。どうもありがとうございました。



○副議長(新谷紘一君) しばらく休憩いたします。



△午後二時二十九分休憩

     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時五十六分再開



○議長(浅川清君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十一番北野重一君に発言を許します。−−十一番北野重一君。(拍手)



◆十一番(北野重一君) (登壇) 議長のご指名によりまして一般質問を行います。

 金丸前自民党副総裁が逮捕をされ、中央政界に今激震が走っています。佐川急便事件をはじめ、政治家と金の構造的な問題に今こそ徹底してメスを入れる、すなわち企業献金、団体献金を禁止することが緊急に求められている政治改革の中心課題であります。決して小選挙区制の導入などではない、このことを申し上げて、本題の質問に入ります。

 第一は、財政問題についてであります。

 九三年度奈良県予算の編成に当たって、日本共産党は今年一月に知事に申入れを行いました。その中で、構造的な不況の長期化、加えて地方と住民への負担強化、軍拡と大企業奉仕の政府予算のもとで、奈良県が県民の切実な要求にこたえて地方自治体としての責任を果たしていくために、中央直結、大型プロジェクト推進を軸とする開発優先、特定勢力奉仕の従来聖の発想を根本的に転換し、県民本位の予算編成に踏み切るよう要求いたしました。しかし、新年度予算は政府の地方財政対策に順応して、借金と住民の負担で地方公共事業を大幅にふやし、政府の対米公約、大企業優先の景気対策の補完を行い、あわせて大聖プロジェクト推進の予算となっております。

さて、新年度予算についての重要問題の一つは、政府が地方財政対策において地方単独事業を大幅に伸ばす一方、自治体の財源である地方交付税を特例減額四千億、各種加算額の後年度払いなど、実質一兆一千二百四十一億円も削減し、地方分権の名で国庫負担金、補助金の一般財源化、公共事業についての国庫負担率、補助率の見直しの実施と恒久化を図り、地方への借金財政の押しつけと負担の転嫁を強めてきたことであります。そこで三点について知事にお尋ねいたします。

 一つは、基準財政需要額は、自治省財政課長内簡では、例えば経常経費は都道府県で差は当然あり、あくまで平均でありますが、四・〇%の伸びになっていますが、奈良県はなぜ前年度より減っているのか。普通に考えれば需要額は伸びて当然なのに、マイナスというのは全然実態に合わない算定ではありませんか。

 二つ、国庫負担率、補助率の恒久化、一般財源化の影響額はどれほどになるのか。

 三つ目、こうした国の地方財政政策に強く抗議し、少なくとも基準財政需要額の算定の基礎になっている単位費用を実態に即して改善させることや、地方交付税の増額など要求していくべきではありませんか。新年度予算について私の意見も述べましたので、反論があれば、あわせて述べてください。

 第二は、県分庁舎問題についてであります。

 県の分庁舎について、これまでもこの議場において議論をしてきましたが、知事は、現庁舎が手狭になり、早急に解泊せねばならないこと、費用の点も多額な費用をかけられないこと、現庁舎が周辺景観になじんでおり、分庁舎の高さの問題だけで景観破壊とは言えない、建物のデザインや植栽等を施したオープンスペースの確保など周辺一帯が良好な環境・景観になるようにするとの答弁をしてこられました。これら一つ一つ反論しておれば時間がなくなりますので、私はこの問題について、基本的な点に絞って再度知事の所見をお伺いいたします。

 そもそも、奈良の歴史的、自然的景観の保全という問題は、ときどきの県政運営上の都合で左右されてよいのかという点であります。そして、奈良の歴史的、自然的景観保全の上で、現県庁所在地及び分庁舎建設予定地がどういう意義を有しているのかという点であります。知事もご承知のとおり、奈良市は、京都や鎌倉と並んで先人が築き、受け継いできた歴史的都市であり、東大寺や興福寺、唐招提寺など、我が国の代表的な木造建築物や歴史的建造物、平城宮跡、中世のまち並みなど、古代から中世に至る歴史と文化が幾層にも重なり合い、それが青垣山に代表される周辺の自然的景観と一体を成している地であります。しかも、県庁周辺は、若草山、春日出連山を背後に、奈良公園、東大寺、興福寺、春日大社があり、まさに古都奈良を代表する歴史的、自然的景観をつくり、醸し出しているのであります。この歴史的、自然的景観を子々孫々まで守り、受け継いでいくことは、県政に携わる者として、県民と我が国民族の将来に対する責務であり、人類の共通の文化に対する責任であります。古都保存法は、第一条で古都における歴史的風土保存の意義を明確にし、第三条で国反び地方公共団体による法の適正な執行を任務づけていることは知事もご承知のとおりであります。また、ユネスコが、日本ユネスコ国内委員会と文化庁に提出した「京都・奈良の都市計画における歴史的地域の保存と開発についての勧告」は、奈良の遺跡と記念物は、日本人及び世界にとって極めて価値の高い、日本の芸術的、歴史的反び文化的遺産の重要な要素を構成していること、これらは現存する歴史的建造物並びに周辺景観の美と調和によって補完されていると述べ、都市計画での保存と開発の調和についてきめ細かく勧告しています。

 知事さん、近鉄奈良駅前に立って東を見たときに、美しい若草山や春日山に重なって、左に角のような灰色のコンクリートの建物が目に飛び込んでくる。これをなじんでいるなどと言うのは、一体どんな目をなさっているのかと言いたいのであります。知事は、風致条例の例外規定を適用して、この現庁舎と同様の高さで分庁舎を計画どおり建設する予算を計上されていますが、上田前知事からの継続事業とは言え、奈良の歴史に大きな汚点を残すものとなると言わなければなりません。知事は、「遊のある奈良県づくり」を提唱しています。その基本理念の大きな柱は、知事も述べているように、奈良県のすぐれた歴史的風土や自然環境を生かした環境づくりということになっています。県の分庁舎を現計画どおり進めることは、・「遊のある奈良県づくり」の基本理念にも反するではありませんか。知事のご見解をお尋ねいたします。

 また、知事は、県民本位の県政の推進を基本姿勢の第一に挙げておられます。それならば、凍結を要求する県民や専門家の声を直接聞き、公開討論会を行う考えはないのでしょうか。分庁舎建設計画の凍結を求める県民会議は、知事及び県会各党・会派に要望書を提出しておりますが、この中にあるように、ごく短期に県内外から一万八千人が、凍結と県民合意での県庁舎のあり方を検討するよう要望する著名を寄せており、犬養孝、奈良木辰也、直木孝次郎、田畑忍、坪井清足といった日本の文化、学術を代表する人々が多く賛同しておられます。この重みを考えて答弁をしていただきたいと思います。

 第三は、高齢化対策についてであります。三点お尋ねいたします。

 一つは、全市町村の老人保健福祉計画の素案が提出されたようでありますが、これを実効あるものにするかどうかは、マンパワーと財源の保障であります。東京・目黒区の高齢者生活課のある職員が、全国百八十八市町村と東京の全区市町村を対象に昨年九月に実施した調査によれば、全国では三割の市町村が国の指針による計画の達成は実施困難とし、八割の市町村が国や県の財政的援助を強く求めています。奈良県の場合はこの点はどうなっておるのか。県は実施困難な市町村にどのような支援をしていくのか、お聞かせください。

 二つは、特別養護老人ホームの建設についてであります。新年度予算では従来より前進してきております。しかし、今多くの待機者がおられるし、入所希望者は増加の傾向にあります。とりわけ痴呆性の方々が入れる施設が大変不足しているのであります。今どの程度の人所希望者がおられるのか、それに対応して毎年何カ所増設していくのか、お尋ねをいたします。

 三つ目は、地域での医療と福祉、住宅の総合センターの整備についてであります。高齢化対策で一番大切なことは、今住んでいる地域で健康で安心して老後を送れ、天寿を全うすることであります。そのためには、中学校区単位で在宅福祉サービスや施設福祉、医療のネットワークを築くことであります。そこで、中学校区単位で急性病棟やリハビリ病棟を持った小規模の病院、ケアハウス、老人保健施設、特別養護老人ホームなどを同一敷地内に設置する高齢者総合医療・福祉センターが必要と考えるわけでありますが、民生部長のご所見をお聞かせください。

 第四は、母子・小児保健センターについて保健環境部長に質問いたします。

 最近、子どもの難病や成人病と言われる疾病がふえております。また、一千グラム未満の新生児は、奈良医大の新生児病室などが満床で、なおかつ大阪府などでの受入れが困難になっており、ベッド数が半数は不足しております。そのため、入院できなかった新生児は死産にならざるを得ないのであります。数年前から奈良県においても、産婦人科、小児科の医師ら関係者と県1局が検討会を持ち、人口増の見込める奈良県北部に、産科、小児科、新生児科を総合した母子医療施設の必要性が結論づけられ、県への要望と国立奈良病院のNICU体制強化についての要望が提出されています。厚生省の私的諮問機関も、昨年五月にまとめた最終報告において、各都道府県に少なくとも一カ所程度は総合母子医療センターを整備していくことが必要だとしています。また、滋賀県立小児保健医療センターでは、不登校などに見られる子どもの心の病についても対応をしていこうとしています。

以上のように、母子・小児保健総合医療センターを北和地域に建設する必要があると考えますが、県の考えはどうでありましょうか。

 第五に、公共事業用地の未登記問題について土木部長にお尋ねします。

 県の財産管理のあり方が、天理の七地譲渡問題などで浮き彫りになりました。県の公共事業に伴う用地買収について、未登記件数が増加していると聞いておりますが、最新の累積件数はどれほどになっているのでありますか。この問題は、県のみならず、法務局の備えつけの地図が現地と合わないところから来る事情もあるし、公共事業が対米公約と景気対策ということで増大し、一方、土木事務所の職員、中でも専門の職員の人員がふやされないため、残業に残業を重ねても追いつかないという状態になっております。未登記件数がふえることを放置すれば、二度買いなどが起こるおそれもあると思いますけれども、未登記の増加の原因とその対策をどのように考えておられるのでしょうか、県の対応をお聞かせください。

 第六は、高等学校入学選抜の改革についてであります。

 文部省は、九四年度の高校入学選抜から業者テストによる偏差値を使わないよう通知を出し、これを機会に高校入学選抜の多様化を求めています。現場は困惑をしており、父母は不安を持っております。もともと奈良県では高等学校の志望校を選ぶ目安の資料として業者テストの偏差値が使われていますが、これは奈良県の公立高校の場合、その数ほど格差があるため、中学校浪人を出さないよう、一人でも多く確実な高校へ合格させてやりたいということから使われています。文部省は、教育のゆがみの大きな原因の一つとなっている大学間及び高校間の序列化と受験競争の激化を解決するのでなく、新学習指導要領に基づいて中学校に選択制を導入し、さらには高等学校教育の複線化を強め、少数のエリートの子どもはそのコースを、不得意がある子はそれなりの得意なコースを選択できるよう、多様なコースをつくろうとしています。そもそも、準義務教育化している高等学校教育は、すべての生徒に国民として基礎的に要求される知識と技術、情操と体力を身につけさせることがその役割であり、このような多様化は、個性や創造性の名前で、少数のエリートを除いて多くの生徒には、自分の関心や興昧に応じて科目を選択させることによって一層差別と選別を広げるものであります。奈良県で本当に業者テストの偏差値をもとにした進学志望校の選定を廃止し、偏差値体制をなくするということであれば、高校への進学希望者の全員入学と小学区性を断行するべきでありますし、これに向けて学区の縮小、総合選抜がどうしても必要であります。そのことによって高校間の序列化を解消に向かわせ、受験競争を緩和する、そういう方向の改革こそ今求められていると考えますが、教育長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 以上で私の第一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。



○議長(浅川清君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 十一番北野議員のご質問にお答えいたします。

 まず第一点の財政問題でございますが、その第一点、地方交付税の算定が実態に合っていないのではないかと、こういうご質問でございますが、当然のことでございますが、職員は交付税の計算に当たりましては真剣に額の算定を行うわけでございまして、ご承知のように、現在国会で審議中の地方交付税法の改正に基づく算定方法を踏まえまして、本県の需要、収入、両面にわたる基礎数値を的確に把握しながら適切な見積りに努めておるわけでございます。数字を示しておかしいのではないかとのご指摘でございますが、平成五年度の普通交付税の算定における基準財政需要額は、将来の公債費負担に備えて前もって積み立てることになっておりました臨時的な基金費がなくなっております。これは府県によって差がございます。そういうことで外見上減少することになりますが、こういうのを除けば、本県の場合でも当初予算ベースで三・二%の伸びになっております。また、新年度は県税収入の減少に伴い基準財政収入額も縮減されるため、県に現実に交付されることとなる地方交付税の配分額は、やはり同じように基金費関係を除きますと、四年度の算定額に比べまして五%程度増加するという率に実質はなっております。そういうことでございます。しかし、いずれにいたしましても、地方交付税の算定に当たりましては、本県の実態に即したより的確な措置が講じられるということは、当然我々も望むところでございまして、今後ともあらゆる機会を通じて国に要望してまいりたいと考えております。

 第二点目は、国庫補助負担率の恒久化、一般財源化の影響額はどの程度かと、こういうことでございます。公共事業に係る国庫負担率の恒久化につきましては、昨日もご質問ございましたので、その趣旨はご説明いたしましたので、繰り返しませんが、補助負担率の体系化、簡素化の観点から行われたものでございまして、そういう意味におきましては一つの選択が行われたものであると考え、また、昨日お答えしたとおりでございます。恒久化された後の国庫補助負担率と、さかのぼりまして昭和五十九年度の同様の水準、これと比較した場合には、確かに地方負担額は増加している額がございます。この額は本県の当初予算全体で約五ず七億円と試算しております。また、一般財源化につきましては、同じく予算ベースで全体で約十七億円と試算している次第でございます。

これは、これらの恒久化、一般財源化された地方負担の増加額につきましては、それぞれ地方債及び地方交付税により所要の財諒措置が講じられているところはご承知のとおりでございます。

 それから、財政問題の三点目でございますが、基準財政需要額の実態に即した改善、あるいは交付税の増額等を要求していくべきではないかということでございます。本年度の地方財政対策につきましては、昨日梶川議員のご質問にお答えしたとおり、現下の社会経済情勢を踏まえて、目下の重点課題でございます景気対策に十分配慮しながら、一方、地方団体の抱える多様な財政需要に着目して所要の一般地方財源を確保するというような工夫も凝らされているわけでございまして、それなりの財源措置が講じられたということでございます。ただ、その際に申し上げましたように、奈良県という立場からは、交付税の四千億の特例減額という結果に至ったことは大変残念なことだと私も考えております。いずれにいたしましても、地方の自主財源の一層充実強化、それと同時に、地域の実態に応じたより的確な財源措置を講じていただきたいというのが従来からの念願でございます。

国に対して引き続き働きかけてまいる所存でございます。

 二点目は、県分庁舎の建設計画についてのお尋ねでございます。

 まず、奈良県の置かれた歴史的風土、自然環境、あるいはそれらを含めた景観の保全について、必要性について、るるお述べいただきました。私も、その歴史的風土や自然環境を保存し、それを生かしていくということについては全く同感でございます。ただ、昨日、元田議員の質問にもお答えしておりますように、現庁舎が非常に手狭になっております。同時に、プレハブの仮庁舎が点在、分散しているという状況は、県民の皆様にも大変ご不便をおかけしておりますし、また老朽化して、景観上も決して好ましい状況ではないと考えている次第でございます。こうした状況を解消して、行政サービスの維持、向上を図るために、かねてから進めてまいりました分庁舎の建設計画を予定どおり推進してまいりたいと、かように考えている次第でございます。

 当然、その分庁舎の建設に当たりましては、そういうご指摘のような景観等についても十分配慮いたさなければなりませんので、県の古都風致審議会等の専門機関や、あるいは県議会のご指導、ご意見を最大限に尊重して進めてきたところでございまして、建物の高さはもとより、デザイン等につきましても周辺建物との調和を図り、あるいは、もうご質問で従来の私の発言を引用してご指摘いただいたとおりでございまして、植栽を施したオープンスペースを確保する等、周辺一帯が緑豊かな良好な景観になるよう十分配慮しておる次第でございます。また、建設にあわせまして、文化会館の前庭から美術館、分庁舎、あるいは国道三六九号線に至る通りにつきましても、歩道幅を拡張して県民の憩いの場となるような歩道にいたしたいと、こういう整備も進めてまいりたいと考えている次第でございます。繰り返しになりますが、ご指摘の歴史的風土や自然環境を生かすということは十分大切なことでございまして、これを生かした環境整備を進めてまいりたいと思いますが、今後ともそういう点で県議会はじめいろんな方のご意見をいただきながら建設計画を進めてまいりたいと考えております。

 それから、県分庁舎についての二点目でございますが、凍結を要求するいろんな方々の意見を聞いたり、公開討論会を行う考えはないかと、こういうご質問でございますが、分庁舎の建設に当たりましては、先ほども申し上げましたように、県の古都風致審議会において、建築、都市計画、文化、造園等幅広い専門家の方々により慎重な審議とご指導を得ながら基本計画の策定を進めてきたところでございます。また、奈良市の都市景観審議会におきまして十分これも審議をいただき、ご了承を得ているところでございます。また、本県議会におきましても、平成三年度は基本設計費、平成四年度は実施設計費について、さまざまなご議論を経ながら、その予算の計上をご承認いただいているところでございます。このように、建設計画につきましては、県といたしましては一歩一歩手順を踏みながら進めてきたものと考えている次第でございます。

 もちろん、分庁舎建設計画につきましては景観の問題が絡んでいますので、いろいろ昨日、元田議員のご指摘の中にございましたように、周辺整備を図りながら積極的に建設計画を推進すべきであるというご意見もございますし、また、今ご指摘のような違ったご意見もあることは承知しておるわけでございますが、そういうさまざまな意見を参考にしながら建設計画を進めていきたい。特にその中でも、県民の代表であります県議会のご承認をいただくということが最も基本的な前提と考えておるわけでございまして、県議会のご論議、あるいはご理解をいただきながら着実に進めていきたいと考えております。同時に、これも昨日お答えいたしましたが、建設の必要性等につきましては、より広く県民の方にご理解が得られるよう、さらに広報等について工夫を凝らすなど努力を続けたいと、かように考えております。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 安曽田民生部長。



◎民生部長(安曽田豊君) (登壇) 十一番北野議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、高齢化対策につきまして三点についてのお尋ねでございます。

 一点目は、老人保健福祉計画を実効あるものにするかどうかはマンパワーと財源の保障である、県は実施困難な市町村にどのような支援をしていくのかというお尋ねでございます。老人保健福祉計画の推進に当たりましては、いずれの市町村も一定のサービスを提供できる体制を整備する必要がありまして、このための財源として、例えて申しますと、ホームヘルプサービスなり、またデイサービスやショートステイなどの高率補助金、及び昨年度から実施されております地域福祉基金等を有効に活用するよう、市町村に対しまして情報提供なり、また指導、調整を図ってまいる考えでございます。また、小規模町村などで単独でサービスを提供することが困難な場合には、県が広域的な見地から、地域の特性なり、また、実情等を勘案しながら、広域市町村での共同設置や利用についての助言、、または指導、調整をするなどの技術的な支援によりまして財政負担の軽減に努めてまいる考えでございます。

 なお、福祉計画の着実な実現を図るためには、何と申しましても、先ほど申されましたように、マンパワーの確保なり、また養成が不可欠でございます。そういうことから、県なり、また関係機関等によります研修体制の充実に努めるとともに、福祉人材情報センターなり、またナースセンター等の積極的な活用に努めてまいる所存でございます。

 二点目のお尋ねは、特別養護老人ホームでどの程度の入所希望者がいるのか、また、それに対応して毎年何カ所程度増設していくのかのお尋ねでございます。特別養護老人ホームにつきましては、広域市町村圏での整備を基本に、毎年百十床から大体百三十床程度の施設整備を図っているところでございます。平成五年三月現在の入所定員は、現在延べ二千百七十床でございます。介護を要します七十五歳以上の後期高齢者の増加や家庭での介護力の低下に伴いまして、年々人所待機者がふえております。約四百名の方が現在待機されている現状でございます。したがいまして本県では、県の老人保健福祉計画の策定に当たりまして、市町村の保健福祉計画や、また養護介護老人等のニーズ並びに国のガイドライン等を基本にいたしまして、待機者数等も勘案しながら平成十一年末までの整備目標数をただいま検討いたしております。そういうことでございますので、今後とも広域圏域でのバランスなり、また、地域のニーズ等を十分に勘案しながら施設整備を進めてまいる考えでございます。なお、本年度は私の方、ただいまのところは新設四カ所、継続ニカ所、増床一カ所、小規模特養一カ所の増設を考えております。

 三点目につきましては、中学校区単位で高齢者のための総合医療なり、また福祉センターが必要であると考えるが、どうかのお尋ねでございます。増大かつ多様化いたします高齢者のニーズに適切に対応するために、地域における総合的なケアシステムの確立を目指しまして、都道府県及び各市町村で老人保健福祉計画の策定が義務づけられたことは、もう既にご承知のとおりでございます。このように住民に身近な地域で保健、医療、福祉の各サービスを総合的に、また一体的に提供するシステムを構築することが高齢者対策の極めて大きな課題であることから、本県ではかかる体制整備を少しでも早期に進めるために、他府県に先駆けまして当該計画の策定を目指したところでございます。またそのほかにも、本年度から保健医療福祉ネットワークづくりの推進に取り組んでいくこととしたところでございます。ご質問にありましたように、中学校区単位で医療と福祉の総合施設を同一敷地内に建設しハ診察から治療、福祉、ケアまで一環したケアゾーンを整備することは誠に理想的でありますが、やはり実施主体や建設費用、または中学校区単位で必要かどうか等々、種々の検討すべき問題もあることから、当面県といたしましては、当該計画の整備目標であります中学校区にデイサービスセンターや在宅介護支援センターの設置に万全を期するとともに、その地域の中で医療との連携が図れる体制の整備に努めてまいる所存でございます。よろしくご理解を賜りたいと思います。

 以上をもちましてお答えといたします。



○議長(浅川清君) 岩本保健環境部長。



◎保健環境部長(岩本正雄君) (登壇) 十一番北野議員のご質問にお答えいたします。

 母子・小児保健総合医療センター構想についてお尋ねでございます。

 県といたしましては、ご質問でもお述べのように、新生児の医療に対する対応として、県の中核病院であります医科大学附属病院におきまして、新生児の集中治療室、NICUと申しますが、これを設置して医療に当たってきたところでございます。さらに、新年度新たに着工いたします第二本館の整備の中でも、母子医療の一層の強化、充実を図るために、この新生児集中治療室の施設の拡充、あるいは特定診療科外来施設の設置等につきまして、その整備を計画として盛り込んでいるところであります。また、母子保健に関しましては、これは従来からでありますけれども、助産婦あるいは保健所の保健婦等が訪問指導を行いまして、日常的な保健指導を実施しているところでございます。お述べのような趣旨につきましては、現行保健医療のより一層の連携の強化によりまして対応してまいりたいというふうに考えております。なお、北和地域では、お述べのように、国立奈良病院におきましては既に新生児集中治療室の設備が整えられております。ただ、残念ながら十分活用されていない状況でありますので、県といたしましては、既に当該施設の積極活用につきまして要望をしておるところでございます。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 中村土木部長。



◎土木部長(中村晃君) (登壇) 十一番北野議員のご質問にお答えいたします。

 公共事業用地の未登記問題についてのお尋ねでございます。

 公共事業用地として買収した土地のうち、今まで未登記となっているものの主たる原因は、お話のように、本県では特に公図と現地が合わない地図混乱の地域が多いことであります。非常に登記処理が難しく、また日時を要するなど苦慮しているところでありまして、未登記の累計といたしまして約一万五千筆ございます。地図混乱の解消につきましては、各市町村が積極的に国上地籍調査を推進されることを期待しているところでありますが、県といたしましても、法務局−−いわゆる登記所でございますが−−のご指導を得ながら、引き続き速やかな登記処理に努めるとともに、最近の状況を踏まえまして、適正な財産管理につきましても他府県等の状況を調査研究してまいりたいと考えております。

 以上で答弁とさせていただきます。



○議長(浅川清君) 中本教育長。



◎教育長(中本克美君) (登壇) 十一番北野議員の質問にお答えいたしたいと思います。

 高等学校の入学者選抜の改革についてでございますが、昨日、元田議員、また梶川議員のご質問にお答えいたしましたとおり、本県ではこれまでからも、生徒の個性や多様化にこたえまして、生徒にとって魅力的な学校をつくることを目指し、学科の新設、改編など、特色ある高等学校づくりを推進してまいりました。また早くから入学者選抜方法につきましても、その改善、工夫を重ねてまいったところでございます。さらに平成三年度からは、入学者選抜に新たに分割選抜制度を導入して受験機会の複数化を一層図りますとともに、高等学校の個性

化、特色化を推進して県立高等学校教育の活性化に努めてまいったところであります。また、中学校における進路指導につきましては、一年生から三年生までの学校の全教育活動を通じて的確に把握した生徒の能力、適性、興味、関心等に基づいて総合的に行われるべきものであるとの考え方を持っております。今後、県教育委員会といたしましては、今回の業者テストの問題も含めまして適切な進路指導のあり方について、関係課、市町村教育委員会、公私立高等学校反び中学校関係者と検討、協議を重ねながら、平成六年度入試に向けて改善に努めてまいりたい、かように考えておるわけであります。

 そこで、抜本的な改革が必要であるというお話についてでございますが、そのようなご意見があることもかねてより承知いたしておりますが、本県の通学区域制度につきましては、昭和六十二年九月に奈良県立高等学校通学区域制度検討委員会が設置されまして、公聴会を開くなど慎重な検討を重ねていただきまして、平成三年三月に現行制度を継続するとの最終報告をいただいたところであります。また、その際に、通学区域制度の問題は、単にそれのみの問題ではなく、高等学校教育のあり方について総合的な検討が改めて要請されるとの提言もあわせてちょうだいいたしました。そこで、それに基づきまして県立高等学校教育懇談会を設置いたしまして、現行の通学区域制度の上に立った入学者選抜のあり方も含めて木県の高等学校教育の諸問題について検討をいただいているところであります。今後は、国の第い四期中央教育審議会答申、また高等学校教育の改革の推進に関する会議の諸報告の内容なども十分に考慮しながら、入学者選抜の改善も含めて高等学校教育の進展を目指して、多面的に検討を進めてまいりたい、かように考えているところであります。そのようにご理解を賜りたいと思います。

 以上であります。



○議長(浅川清君) 北野議員。



◆十一番(北野重一君) それぞれ答弁をいただきました。最初に知事に再質問を若干したいんですが、財政問題で、確かに、臨時的な基金の問題の扱いということで、表にあらわれる数字と実質という差は理解ができるわけでありますが、もともとこういう殖準財政需要額の、知事もご承知のように、この算定の基礎になっておる単位費用というのは地域の実態に合わないことが多いわけでありますが、知事は、国の今回の財政措置というものについて、私はこれだけの地方公共事業をふやすということは、国の一つの施策としてもやられるということでありますから、当然地方は需要が伸びていく。そういう需要に対して、地方交付税は削減するわ、もちろん地方債というのは一つの財源ではありますけれども、やっぱりその地方債の比重がどんどんふえていく。梶川議員もおっしゃったわけでありますけれども、そして、それは確かに地方交付税で将来措置をすると言うけれども、その将来措置をする地方交付税がどんどんどんどん後年度払いに先送りをされていくということが私はあると思うんですね。そういう点で、残念だとか、いろいろおっしゃっているけれども、今の、まあ当然知事の立場から言えば国の財政措置に従わなくてはならんという側面は私も理解しないわけではありませんが、同時に、地方をいわば代表する知事としてもう少し政府に対して、もちろん地方六団体等の中でということはありますが、さらにこういう地方の要望なりを強く示していくという点では、何かやっぱり中央の敷いた筋道は是認をされておると。その点、率直に言って国の今回の財政措置というものについて、知事としてはこういうのはけしがらんというふうに思っておるのか、まあしかたないけれども、知事としては地方を代表して言うのは言っていくという程度のものか、その点ちょっと確かめておきたいと思うんです。

 それから、県分庁舎建設計画について、知事は一般論としては、歴史的風土や、そういう自然環境というものは、これは大いに守っていかなくてはならないし、生かしていくんだということをおっしゃって、実際にこの県庁舎が建っている地域、あるいはこれから分庁舎の建つ地域、こういう地域を一体どのように、古都奈良、あるいは中世も幾層にも重なり合ったこの奈良の中で、登大路のこの地域というのが一番奈良を代表する地域だと私は思うのであります。そうしますと、公共事業、確かに手狭とか、いろんな問題がある。けれども、今のこの分庁舎がまたすぐ手狭になっていくということもあるわけです。だからこの際、やっぱりこういう凍結を求める声もあるわけですから、そういう声も聞いて公開討論会などもやるし、やっぱりこの地域にふさわしい県庁舎のあり方というのはどういうものか、筋としては、県議会や風致審議会、その他古都審議会等々、それは経てこられたと言うけれども、やはりそういう少数意見だというふうに知事はお思いかもわかりませんが、少数意見を大事にするところに、知事がおっしゃっている県民本位ということも本当に生かされていくと思うんです。その点重ねて、一つは、この登大路という県庁所在地のここで公共事業を優先するのではなくて、この歴史的な風土の保全というものと調和をさせるという点では、やはりもう一度再検討を要すべきではないかということと、県民本位というのを本当に貫くという点で、こういう凍結を言っている意見の持ち主とも直接対話をなさるということをやっぱりやるべきでないかと思うんですが、再度この点をお伺いしておきたいというふうに思うわけであります。

 それから、保健環境部長さん、奈良県の産科とか小児科の先生方から出されている要望書について、確かに国立病院その他に要望しているということ、あるいは、今度整備をされる奈良医大附属病院の中での体制充実ということがありますが、さらに、この北和地域をどうするかということの検討はなさっているのか、あるいはなさっていないのかという点だけちょっと、これからもなさらないのかという点をお聞きしておきたいというふうに思うわけであります。

 最後に、土木部長、やっぱり土木職員、専門職員が足らないという、この点もやっぱり県としては、確かに人件費問題はありますが、その点はどうでしょうか。

三点であります。



○議長(浅川清君) 柿木知事。



◎知事(柿本善也君) 再質問にお答えいたします。

 まず、財政問題でございますが、基準財政需要額の計算があらゆる意味で実態に合わないとまでは考えておりませんが、やはり時代に即応して、奈良県の実態にも合った配分方法を今後とも求めていきたいということは、私は従来から申し上げておるとおりでございます。

 それから、交付税の措置につきまして確かに、昨日お答えしたとおり、当該年度のいろんな財政需要に対してその年度に入ります財源で対応できる場合は、これは大変理想的ではあると思います。しかし、それがかなわないときにはいろんな方法で後年度に、いわば財政的な健全性を失わない限度で地方債等の活用を図る、あるいは国の場合であれば国債の活用を図る、こういうことで進むのはやはりやむを得ないと思っておる次第でございます。それから、そういう事情はわかっているけれども奈良県として、というお話でございますが、この財政対策が定まりますまでには、地方団体はそれぞれの立場、あるいは地方六団体そろっていろんな地方としての要望を国に申し上げておるわけでございます。昨年末もこの県議会から総務委員長が県議会を代表してご出席いただきまして、そういう決起大会もやられておるわけでございます。そういう意思を十分伝えた上で、そういう経過を経て定まっていると、こういうことを私はやはり申し上げたいと思う次第でございます。

 それから、県分庁舎の件でございますが、公共的なものであるからということでそれを優先するという観点だけではなくて、やはりこの現状に置かれた県庁の景観をよりよくしようという観点、先ほど申し上げておりますので繰り返しませんが、そういう観点を含めながら、現状よりもより整った景観をこの場所につくりたいと、こういうこともあわせ申し上げながら、この建設計画をご説明申し上げておるわけでございます。この計画の内容につきましては、なお一層県民の皆様に理解が深まるように、いろいろ今後も努力いたしたいと考えております。

 県民本位のためにいろんな方の少数意見も聞きなさいと、こういうご指摘でございます。私は、いろんなご意見、すべて担当部局、私に参りましたものは目を通して、聞かせていただいております。したがいまして、そういういろんなご意見についても、今後お寄せいただければ、十分それに目を通させていただいて、参考にさせていただきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。



○議長(浅川清君) 岩本部長。



◎保健環境部長(岩本正雄君) 長期的にどういうふうに変わっていくかということにつきましては、現段階で申し上げるわけにいきませんが、現状では北和地域では、国立奈良病院のNICUの有効活用、その他現体制の連携の強化等で対応できるというふうに考えておりまして、具体的な検討は行っておりません。



○議長(浅川清君) 中村部長。



◎土木部長(中村晃君) 用地職員の増員につきましては、今までも努力してまいりましたし、今後とも努力してまいりたいと考えております。



○議長(浅川清君) 次に、七番飯田正君に発言を許します。−−七番飯田正君。(拍手)



◆七番(飯田正君) (登壇) 議長のお許しをいただきましたので、通告どおり、三点にわたり質問させていただきます。

 一点は知事、そして、二点につきましては土木部長並びに農林部長にお願いいたします。まず知事には、吉野川の水質のチェック体制、これを質問したいと思います。また土木部長には、京奈和自動車道の促進、そして、御所香芝線の狭陰な部分、極楽寺あたりの未買収地について、もう一点は五條の西佐昧中之線、これの既に用地を取得したところの工事に対する意気込み、そして最終は、先般我々の同僚であります元田先輩が申されました高田バイパスの当麻、香芝のジョイント部分の問題点、これをお願いしたいと思います。また農林部長には、我

がまちにも畜産団地が欲しいなというところ、夢のあるところ、そして、一番切実な問題で五條市が抱えております畜産のふん尿処理、これに対する県の助成などをお願いいたしたいと思います。

 まず、吉野川から始まるわけですが、議員として送り出していただいたときから、僕のライフワークと言っても過言でないというほどの執着を持っております。ましてや、答えていただきますのは現知事でありますので、十分な答えをいただけるのではないかと期待しているところであります。

 この吉野川といいますと、なぜか吉野・五條の流域だけの問題ととられがちなんですが、古くは大和平野を潤すかんがい用水、そして現在は百数十万の奈良県民ののどを潤す大事な水諒であるというところからいたしますと、決して南和の一地域の小さな問題でないというところは、それぞれの議員各位も承知していただくところではないかなと、こう思えるわけです。奈良県には二つの河川、大きなのがございます。大和川と吉野川。大和川は今、アユの住める川にしようではないかとキャンペーン並びに努力をされておるわけですが、川の自浄作用というところを超えて汚してしまいますと、もとの川の流れといいますか、もとの清流を取り戻すには多大な努力と莫大な経費がかかるわけです。そういったところから、今なら間に合う吉野川、これを何とかしていただきたいなと。特に今現在県によって進めていただいております流域下水道の整備、これについては我々も当然感謝しております。雑排、汚水を川に直接流さず処理していこうと。大変すばらしいものだなと喜んで受けておる次第でございます。

 ただ、残念なことに、我々の住みます吉野川沿いの市町村、特に町村にとりましては、過疎という避けられない問題もあるわけです。ですから、適当な開発、またマッチした開発というのも、これは進めていかなくてはならない。そういった観点から、吉野川本流だけではなしに支流につきましても再度チェックをお願いしたい。現在の水質はどうか、そして何か事業が始まるときにこの支流が変化しないかどうか、そういうチェック体制を整えていただきますと、大変、汚れの現況を把握しやすい。こういったところから、ぜひとも新しいシステムのチェック体制を構築していただきたい。また、思い切った予算をつけていただきたいと思います。それぞれの地域に民間のそれぞれの、川を愛して一生懸命取り組んでくれておるグループがいます。僕の知り得る範囲でしたら、全体では吉野川を守る会というのがあるわけですが、{番小さな会でしたら「ねっころまい」という小さなグループもいてます。この「ねっころまい」というのは、清流のバロメーター、ご存じの方もご存じでない方もおられると思うんですが、ネコギギと言われて、ナマズの小さい小さいもので、清流が汚れてきますとすまなくなる。ですから、できますればこういう民間の小さなグループの意見も取り上げられるような場所があってくれればもっと進むのではないかなと、こう感じるわけです。どうぞその点おくみいただいて、知事にすばらしい答弁を期待いたします。

 次に、道路問題に入るわけですが、南和定住圏構想というところから、我々のまちに「テクノパーク・なら」というすばらしい経済基盤の底辺を支える施設をつくっていただきました。しかし、ここでつくったものをどこへ運ぶんやと、こうなりますと、おのずから二四号線一本に頼る五條市は大変脆弱になるわけです。そして、これも吉野川沿いの過疎というところにも大きく響くわけです。例えば、テクノパークから下市、大淀、吉野への道、これは十二メーターの道路を現在計画してくれております。しかし、点と点と結ぶだけでは、これは空港の滑走路に等しい。どこかへつながることによって初めて道となり得るわけで、ぜひとも、極を語る五條市でありますが、奈良県全体を変えていくという意味でも、まず我々の地域を救っていただきたい。そういう意味から、京奈和自動車道の促進を大いに図っていただきたいと思うところであります。

 次に、我々は通称山ろく線と、こう申し土げてきたんですが、この山ろく線がなかなかうまくいかない。特に、先般元田先輩が質問してくださいました高田バイパスについては、もうそこに道が見えておるのに行けない。特に当麻のところ、真っすぐ下ってまいりますと、ああ、あそこにいい道あるな、あれに乗れたらなと思うところでとまってしまう。そして香芝に向かって行きますと、細い細い裏道をぐるぐるぐるぐる抜けていきまして、やっと穴虫峠の手前へ着きますと、もう立派に近鉄の上は高架がかかっておると。しかし、おり口でまたもたもたする。この辺について、知事の見解ではなしに、よりつぶさに知っておられます土木部長のご返答、見解をいただきたいなと。

 そして続きまして、この入り口が完成しますと、今度、香芝御所線というところをずっと五條へ向いて来ていただくわけですが、過日テープカットに訪れてくれました知事さんも恐らく気がついたことだろうと思われますきれいな道になっておるのに、一カ所だけ狭隘な部分がございます。恐らく、知事のことですので、おい、中村土木部長よ、あそこは狭うて危ないで、広うなったとこにこんなとこあったらあかんので、早う直せよという指示はもうしてくれてると思うわけでございますが、今現在まだそこが狭い。上下から車が来ますと、ぶつかる以外にはない。それとも大きい事故が起きてからでないと動けんのやと言われるのかどうか、その辺も聞きたいなと。

 さらには、この道をずっとたどってまいりますと、今度はいよいよ我々の西佐昧中之線というところに入るわけです。これは同僚の秋本県議、また五條市長の今田氏、そして我々三人が土木と協力して用地買収に入り、一括で一・二キロというところを協力を得たわけです。僕も建設委員会に属する関係上、よく予算がついておるのに執行できない。これは用地が取得できないからだと、こう言われるわけです。できれば、用地の取得ができなくて執行できなかった金は全部うちへくれと、これが気持ちよく用地買収に応じてくれた皆さん方へのせめてものお返しでないかと。もちろん地元としましては、やっぱり早期に着工していただけるという熱い思いを込めての協力であったと思います。ぜひともその辺の心情をくんでいただいて、早期の着工、そして完成というところをお願いしたいところでございます。

 最後に、農林部長にお願いと、そしてお尋ねという形になります。奈良県の農業の粗生産の約二割を占めるのがこの畜産でございます。そして、その二割を占める中の三〇%、逆に言いますと畜産の三割は小さな五條市に固まっております。そして奈良県の中でも、生乳製品につきましては約一〇〇%、鶏卵につきましては八〇%需給を満たせるという、ある意味では畜産県であるかもしれません。若干、高野先輩の意見と重なるところはあるんですが、五條地域におきましては若い後継者も徐々に育ってきております。そういった若い後継者の夢を壊さないためにも、また彼らの夢をくんでいただく上においても、ぜひとも畜産団地の形成をしていただきたいなと。五條の山々を見ますと、約手数百ヘクタールというパイロット事業が行われております。そして、鶏ふん、ふん尿はここの重要な肥料として運ばれておるわけですが、決して批判めいて言うのではないわけですが、もう少し先輩たちの中で、この広いパイロットの中に畜産団地をつくれば、ふん尿の処理も簡単であるし、肥料の運び込みも簡単であったなと。これは今の知恵のない我々ではなく、すばらしい先輩方がたくさんおられて、されなかったのには理由があるかと思われますが、今考えますと、周囲の環境、人家のないところがパイロット事業として開発されております。そこに畜産団地があれば何の公害もなかったのではないかなと。そういった意味からでも、今からでも遅くはない。すばらしい畜産団地を形成して、そして後継者たちにすばらしい夢を与えてやってもらいたいと思います。

 もう一点は、もう既に起こっております五條市内におきますふん尿処理による公害でございます。これに対しましては、もう、待て、しばしがないわけです。そして、五條の畜産農家の方々も結束して改善しようと立ち上がってくれました。この機会を逃しますと大変複雑な問題を惹起してくる。ですから、今畜産農家の方が立ち上がったのを機会に、県といたしましても最大のバックアップをしていただいて解決し、そして、畜産農家と我々一般市民とがお互いに穏やかに住め、そして、職業を継いでいただけるすばらしいまちになっていただきたいと思います。

 以上三点で私の質問を終わらせていただくわけですが、議員各位におかれましてはよくぞお帰りくださいました。特にふだんから空席のこの前が埋まっておるということは大変すばらしいことでございます。(笑声)自席からの再質問というところは、ありがとうございましたの一言で終わりたいと思います。どうも長時間のご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○議長(浅川清君) 柿本知事。



◎知事(柿本善也君) (登壇) 七番飯田議員のご質問にお答えいたします。

 私に対する質問は、吉野川の水質管理体制についてでございます。

 水質の問題についてライフワークとしてお取り組みいただいて、県民にかわりまして厚く御礼申し上げます。

 おっしゃるように、吉野川は本県の発展にとって重要な役割を担ってきており、今後もさらに、むしろその重要性は増加していくものと考えている次第でございます。一方、吉野川流域は、これはあわせてご指摘ございましたように、過疎対策の対象地域でございます。過疎地域でございます。やはりそういう観点からは種々の地域開発も試みていかなければならない、そういう必要性のある地域でございます。そういう意味で、これからのそういう開発と水質保全との調和ということは、吉野川にとりまして重要な課題であるということは私は全く同感でございます。

 そのため吉野川の水質保全につきましては、従来から県といたしまして、下水道事業等を逐次実施してきております。同時に、質問の中でお触れになりましたように、市町村におきましても、吉野川を守る会等の流域が一体となったお取り組みもいただいているわけでございます。昨年の十二月には、水質汚濁防虫連絡会議の中に吉野川水質保全分科会を設置して組織の強化を図ったところでございます。特にご指摘の、支流にも水質チェック体制をつくることが必要ではないかと、こういうことでございまして、これにつきましては、従来は国及び県が吉野川本線の四地点において測定を実施してきたところでございますが、去る三月三日に県の公害対策審議会におきまして、吉野川の支川であります秋野川、丹生川に対する環境基準の類型当てはめや、あるいは、主要な支川での水質測定の実施について答申をいただきました。これらを踏まえまして、明平成五年度から新たに五つの支川について水質測定を実施いたしたいと考えております。さらに、中小支川の水質測定につきまして、吉野川を守る会のみならず小さな団体のご努力もいただいているということでございます。そういう機関と連携をとりながら、その献身的、建設的なご意見については十分拝聴しながら、きめ細かい水質の把握に今後とも努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(浅川清君) 中村土木部長。



◎土木部長(中村晃君) (登壇) 七番飯田議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、県道御所香芝線から西佐味中之線にかけての県西部の南北の幹線道路についてのお尋ねでございます。

 この道路の重要性につきましては、皆様ご承知のとおりでございます。私も、特にこの区間につきましては事業促進が必要であるというふうに考えているところでございます。昨日の元田議員のご質問にもございましたが、一番北側のところで、ちょうど大和高田バイパスにかかるわけでございます。そこは直轄になっているわけでございますが、御所香芝線、ずっと北の方へ行きますと、そこで突き当たって通れないという状況になっているわけでございます。その点につきましては国にも強く要請いたしまして、昨日知事からお答えいたしましたように、既に事業認定の告示も終えまして、これから収用法の手続をとっていくということでございます。一日も早く解決することを私どもとしても努力してまいっているところでございます。

 それで、きょう特にまた、今ご質問のございました次の課題であるところでございますが、御所市の極楽寺地内のところの一部未買収地が御所香芝線で残っているということでございます。暫定的な断面でございますので、一日も早く解決したいと思っているところでございます。未買収地は一筆でございまして、鋭意交渉してきたところでございますが、地権者と耕作者との間で問題がありまして、平成三年十月より交渉が中断しておりました。

しかし、ことし二月に再交渉ができるようになりまして、解決の兆しも見えてまいりましたので、引き続き任意で交渉を進めるとともに、交渉が長引く場合に備えまして土地収用法の手続の準備も検討してまいりたいと考えております。

 それから次に、一般県道西佐昧中之線でございますが、特に五條市の小和地区におきまして昨年、地元住民の方々と地元の飯田議員、秋本議員、県会議員の皆様方のご尽力のおかげで、まとまって用地を買収することができたわけでございます。県といたしましては、重要路線で投資効果の上がる箇所について、用地が一定区間でまとまって確保できれば工事にも着手していくように努力したいというふうに考えているわけでございます。この路線につきまして、この地区につきましても平成四年度におきまして、工事用進大路も含め工事に着手いたしまして、平成五年度においても本線部の工事を引き続き進めていく予定にいたしております。同時に、残る未買収地につきましても引き続き用地の確保を行っていくとともに、五條市北山地内及び御所市西佐味地内について継続して工事を行っていき、国に向けましてもより以上の予算確保ができるよう働きかけ、早期に全線の供用が図れるように努めてまいりたいと考えております。

 以上で答弁とさせていただきます。



○議長(浅川清君) 松山農林部長。



◎農林部長(松山賢治君) (登壇) 七番飯田議員の五條市の畜産環境整備につきまして、ご質問にお答えいたします。

 ご案内のとおり、五條市の畜産業は県下の畜産粗生産額の約三割を占めておりまして、県下屈指の畜産地域としてご努力願っているところでございまして、今後も積極的な生産拡大を期待しているところでございます。ご提言ございました一つ目の、国営総合農地開発内へ畜産団地を設置できないかというご提言でございますが、この設置につきましてはいろいろ難しい問題もございます。また多種多様な関係もございますので、現段階では一つのご提言と承っておきたいと思いますので、ご了承賜りたいと思います。

 次に、既設の畜産経営の中から排出されますふん尿につきましては、平成三年度から市を中心に、畜産農家あるいは関係団体等によりまして畜産環境整備推進協議会が設置されまして、種々ご検討願った結果、家畜ふん尿の適切な処理によりまして良質堆肥を生産できるとともに、国営農地開発等で積極的に利用される体制ができたということでございまして、先般県へ支援要請があったところでございます。それで、県といたしましても、平成五年、六年度のニカ年間で、県下の、先ほど申し上げました事業が先駆的事業でございますので、五條市で計画されておりますふん尿の処理施設、また堆肥の流通センター、また堆肥の保管利用施設等、一連の施設整備により生産された良質の堆肥が、耕種農家、いわゆる耕す農家でございますが、この農家が後、広域的に五條市とか吉野町を含めた地域で利用されることに対しまして、今般補助することといたしたところでございます。これが県下のモデル施設として立派に推進できますように今後も支援をいたしたいと思っておるところでございます。

 以上、答弁といたします。



○議長(浅川清君) 飯田議員。



◆七番(飯田正君) もう答弁は結構でございますので、感じたところだけ申し上げさせていただきます。

 まず土木部長には、残りの未買収地につきましては、また我々も頑張って、極力早く収用できるように頑張っていきたいな、お手伝いしたいなと。その結果、いっときでも早く自分たちもその道を通ってみたいものだなと、こう考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 農林部長におかれましては、数字では答えていただけなかったもので、問かない方がいいのかなと思いますが、より多くの補助があれば、より助かるなという希望だけを申し伝えたいと思います。

 最後に、知事の答弁の中に、小さなグループも熱心に川を監視しておるのであれば意見を聞いてやろうと、大変進んだ答えをいただいたなと。ある面では、北野議員がおっしゃられた、奈良の環境はどうなっとるんだというときは、ちょっとつれないかなと思いましたので、大変安心いたしました。

 おおむねというより、満足いたしまして質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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○議長(浅川清君) 二十八番吉川新太朗君。



◆二十八番(吉川新太朗君) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○議長(浅川清君) お諮りいたします。

 二十八番吉川新太朗君のただいまの動議のとおり決しましてご異議ありませんか。

        (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明三月十日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時十五分散会