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奈良県 奈良県

平成27年  9月 定例会(第321回) 09月29日−04号




平成27年  9月 定例会(第321回) − 09月29日−04号







平成27年  9月 定例会(第321回)



 平成二十七年

        第三百二十一回定例奈良県議会会議録 第四号

 九月

   平成二十七年九月二十九日(火曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

一、当局に対する一般質問

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○副議長(山本進章) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○副議長(山本進章) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十五番岡史朗議員に発言を許します。−−十五番岡史朗議員。(拍手)



◆十五番(岡史朗) (登壇) それでは、議長のお許しをいただきましたので、公明党を代表して質問をさせていただきます。知事及び関係理事者の皆様方の積極的な答弁をご期待申し上げます。

 初めに、このたびの関東・東北における豪雨災害でお亡くなりになられた方々に対し、お悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い復興をお祈りいたしております。

 それでは、最初に、県立医科大学及び周辺のまちづくりについて、知事にお伺いをいたします。

 奈良県は、このたび、橿原市とまちづくり協定を締結され、いよいよ本格的に医科大学周辺のまちづくりについて、議論が始まることとなりました。この件について、私は十数年前の市議会議員当時から、強い関心を持ち、機会あるごとに取り上げてまいりました。特に、医科大学附属病院へのバリアフリー化が不十分で、車椅子利用者の方から強い要望があり、また、車で来られた方の駐車設備が不十分で、家族を病院に連れて行くにも、大変骨が折れるとの声が、私どものところにたくさん寄せられておりました。

 医科大学及び附属病院に来られる県民は、入院患者も含めて一日数千人に及ぶと聞いております。そこで、当時、私は橿原市に対して、医科大学附属病院の直近に、新しい駅を設置してはどうかと提案させていただきました。残念ながら、橿原市単独では課題が大き過ぎるとのことで、私の提案は日の目を見ることができませんでした。

 今から約八年前、私が県議会議員に初当選させていただいたその年の県議会本会議で、同じような質問をさせていただいたところ、荒井知事はなかなかユニークなご提案ですねとお答えになられました。知事、覚えていらっしゃるでしょうか。そこで、私は、何としても、新駅設置という課題を実現したいと、再び強く思うようになりました。その後、医科大学の教育部門が旧農業総合センター跡地に移転することが決まり、さらには、周辺のまちづくりにも目が向けられ、奈良県と橿原市においてまちづくり協定が結ばれることとなったわけであります。

 さて、今回のまちづくり協定の眼目は、何と言っても新駅設置であると思います。医大周辺のまちづくりは、新駅設置ができるかできないかによって大きく変わってまいります。

 荒井知事は、かねてよりこの件に関し、請願駅、すなわち百%税金でつくることはいかがなものかと、答弁されておられました。私も同じ思いはあります。しかしながら、このまま平行線で議論が進まなければ、県民の利益が大きく損なわれるものと心配をいたしております。

 そこで、まず知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学付近における近鉄橿原線の新駅設置に向けた取り組み状況と、今後の検討方針についてお伺いをいたします。

 さて、医大周辺のまちづくりというからには、当然、エリアをどのように設定するかが大きな課題であると考えます。計画地域の周辺には、橿原市営住宅や四条池があります。また、すぐ東側には渋滞が激しくなってきた小房の交差点があります。これらの現状を踏まえた上で、安全で住みやすいまちづくりを考えなくてはなりません。さらには、病院機能を補強し、入院患者や地域住民が安心して療養できる環境を整えなければなりません。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 橿原市営住宅、四条池などがある現県立医科大学の南側のエリアにおける小房交差点の渋滞対策を含めたまちづくりの方向性についてどのように考えておられるのかをお伺いいたします。

 このたび、医科大学教育部門の移転先となった、農業研究開発センターを中心とする付近は、土地の境界確定の作業に入ってると伺っております。将来の奈良県の医療を背負って立つ人材を育成する場所にふさわしい環境を整えることが重要であると考えます。また、聞くところによりますと、周辺の民有地の買収も予定されているとのことであります。

 私のもとには、地元自治会役員の方をはじめ、当該住民の皆様方から、いつまでにどのように進めていかれるのか等々、多岐にわたる要望が届いております。また、私も地元に住む住民の一人として、将来に禍根を残さないためにも、予想される課題については全力で取り組む決意であります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学の新キャンパスについては、現農業研究開発センター敷地に加え、周辺の民有地を買収する予定であるとお聞きしますが、民有地の取得について、県は今後どのように進めていかれるのでしょうか。

 次に、本県の経済活性化に大きくかかわる賃金状況に関するテーマ、地方版政労使会議について、知事にお伺いをいたします。

 厚生労働省のホームページで、全国比較が可能な数値では、平成二十六年十一月分の毎月勤労統計調査地方調査結果によりますと、本県における事業所規模五人以上の常用労働者一人当たりの現金給与総額は、二十三万七百四十八円で全国第四十二位、全国平均よりも四万六千四百四円も低い状況となっております。また、労働の対価をして受け取る賃金の最低額である地域別最低賃金は、平成二十六年では七百二十四円と全国加重平均に比べ、五十六円も低い状況であります。このように、県内労働者の賃金等は、他府県に比べ、決してよい状況とは言えず、県内就業率を向上させるためにも、何らかの手立てを講じる必要があると思います。

 賃金の問題は、働く全ての者にとって重要なことであり、国においては副総理をはじめとした関係大臣と、日本経済団体連合会などの経済界、日本労働組合総連合会などの労働界の代表が、定期的に意見を述べ合い、それぞれが取り組む課題等について共通認識を得ることを目的とした、経済の好循環実現に向けた政労使会議を開催し、賃金上昇に関する取り組み等について議論がされております。

 議論をもとにした認識の広がりと、収益を拡大した企業等の積極的な取り組みによって、平成二十六年度の賃上げ率は過去十五年間で最高となり、本年においても、昨年を上回る賃上げ率となりました。この国レベルの取り組みを地方においても実施し、景気回復を地方へと波及させ、地方経済の活性化を図る必要があると思います。地方における政労使会議については、参議院予算委員会において、安倍内閣総理大臣から設置の検討を進めたいと積極的な答弁を得ております。

 また、神奈川県ではリーマンショックに対応するため、独自で政労使会議を設け、雇用の維持、創出やミスマッチの解消について合意を取り交わし、四千人以上の雇用を生み出し、離職・転職者を対象にした、職業訓練などについても、大幅な拡充につながったと聞いております。

 地域での課題は地域で解決する必要があり、課題解決のためにも、さまざまな立場から意見を聞き、県の政策に反映させていく必要があると考えます。特に賃金上昇や所得の安定により、県内消費の拡大につなげるという好循環を実現していくためには、行政、経済団体、労働団体が同じ認識のもとに取り組む必要があると思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本県の経済の活性化にかかわる賃金状況等の県政の諸課題について、行政と労働者の代表、そして、使用者の代表により意見交換を行う機会が必要だと思いますが、知事はどのようにお考えしょうか。

 次に、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて、知事にお伺いをいたします。

 まず、地域包括ケアシステムの構築に向けた市町村の取り組み状況と県の支援についてお聞きいたします。

 急速な高齢化が進行する我が国においては、全国に約八百四十万人と言われる団塊の世代の方々が、七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年を見据えて地域包括ケアシステムを構築することが喫緊の課題であります。

 地域包括ケアシステムは、たとえ介護が必要な状態になっても、住みなれた地域や自宅で最後までその人らしく尊厳を持って生活し続けることができるよう医療、介護、介護予防、住まい、生活支援のサービスが一体的に提供される仕組みであり、この地域包括ケアシステムの構築には、市町村が地域の実情に応じて主体的に取り組むことが必要であります。

 既に、国では地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる医療介護総合確保法により、介護保険制度の改正を行う等、地域包括ケアシステムの構築は、国を挙げて取り組むべき大きな潮流であり、二〇二五年までには、あと十年しかしかありません。しかも、県が本年、平成二十七年三月に策定した奈良県高齢者福祉計画及び第六期奈良県介護保険事業支援計画によると、本県の高齢化率は、昨年、平成二十六年十月の時点で、二七・二%であり、同じ時期の全国の高齢化率二六%を上回っており、十年後の平成三十七年の時点では、全国の高齢化率が三〇・三%と推計されているのに対し、本県では六十五歳以上の高齢者が約四十一万三千人になると見込まれ、高齢化率は三一・九%と推計される等、本県における高齢化の進展は全国を上回るペースで進行しております。

 このように、全国のペースを上回る本県の高齢化の実情を考えると、県内の全ての市町村が、早急に地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを開始しなければなりません。しかしながら、各市町村においては優先課題の違いや地域包括ケアシステム構築に向けた組織体制の違い等、その取り組み状況にはかなりの差があると思われます。各市町村がこの地域包括ケアシステムをしっかりと構築するためには、県の支援が必要と考えるわけであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 各市町村では、地域包括ケアシステムの構築に向けて、どのように取り組んでおられるのでしょうか。また、県はどのように市町村支援を行っているのでしょうか。

 次に、地域包括ケアシステムにかかわる訪問看護師・保健師についてお尋ねをいたします。

 医療提供体制は、病院から地域、在宅へと大きくシフトしつつあり、住みなれた自宅や地域での暮らしを支えるためには、在宅での医療ニーズに対応する訪問看護師・保健師等の役割が大変重要と考えます。県内の看護職員の総数は、平成二十六年十二月末現在で一万四千七百十三人と、平成二十年と比べて約十四%の増加とはなっているものの、人口十万人当たりの都道府県別看護職員数は、依然、全国四十位という総じて不足した状況下にあります。

 疾病や障害を抱える方々の在宅での療養生活を支える重要な役割を担う訪問看護師は、全国では約三万人であり、二〇一二年の訪問看護サービス三十一万人分に対し、二〇二五年には約五十一万人分が必要という政府推計に基づけば、単純計算でもあと二万人のマンパワー不足が推計されます。これらの推計を本県に当てはめて考えれば、二〇二五年までには、少なくとも二百人以上の訪問看護師を確保しなければならないのではないかと推計をいたします。看護職員の多くは、病院や診療所を就業先として選択する傾向にあり、看護師全体のうち訪問看護担っている方は約三%となっており、訪問看護に携わる人材の確保は、大変困難な状況であると伺っております。

 今後、ますます訪問看護に対する需要が増加し、利用者のニーズも多様化する中、二十四時間三百六十五日、いつでも必要な質の高い訪問看護サービスを届けるためには、訪問看護に携わる人材の確保、育成が重要かと考えます。一方、奈良県の地域包括ケアシステム構築においては、保健、医療、福祉、介護等が連携して、顔の見える関係づくりが最優先の課題であり、これらの機関をコーディネートするキーマンとして保健師の役割は大変重要であります。

 前回の代表質問でも申し上げましたが、地域包括ケアシステムに携わる多職種の方々をつなぎ、関係づくりを進め、地域の子どもからお年寄りまでのライフスタイルに応じた健康なまちづくりには、保健師間が連携、協働して、お互いのネットワークの強化が重要であると考えます。

 保健師がかかわる地域の健康課題は、生活習慣病やメンタルヘルス対策、虐待防止等へ拡大し、専門的な対応への期待が大きく、複雑化また困難化した課題に対応できる保健師が求められていると思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本県では地域包括ケアシステムに携わる訪問看護師・保健師の人材確保、育成について、どのように取り組もうとされているのでしょうか。

 次に、奈良県独自のドクターヘリの導入について、医療政策部長にお伺いをいたします。

 これまで、私ども公明党では、平成十九年六月議会より、奈良県にも県独自のドクターヘリ導入が必要であることを機会あるごとに訴えてまいりました。ことしの六月議会では、私ども同僚議員の質問に対し、知事は来年度の導入に向け取り組むと前向きな答弁をいただき、このたびの九月補正予算にも関係予算を上げられておられます。県独自のドクターヘリが導入されれば、これまで救急車では搬送に時間を要した南部・東部山間地域でも、救急搬送時間の短縮はもちろん、医師が現場で救命処置を行うことから、救命率の向上や後遺症の軽減が図られ、奈良県の救急医療体制がさらに充実すると考えます。また、紀伊半島大水害のような道路網が寸断され、陸路での移動が困難な災害が起こったときにも、奈良県だけでなく紀伊半島全域の災害医療活動に大いに貢献できるものと考えます。

 先日、私ども公明党県議団は、神奈川県にある東海大学医学部附属病院を訪問し、ドクターヘリの運用について伺ってまいりました。この病院は、全国でも早い段階にドクターヘリを導入されており、毎日に二件から三件、多い日には五件から六件、出動するとのことでありました。到着するやいなや、救急隊からドクターヘリの出動要請が入り、すぐさまドクターヘリが出動するところから、再び患者を乗せて帰還するまで緊張感漂う中での視察となりました。当日は、東海大学医学部准教授で高度救命救急センター次長の中川先生が丁寧に対応してくださいました。

 東海大学では、ドクターヘリにBK117C−2という機種を使用しており、全国で導入されている一般的なものより少し大きな機体で運航しているそうであります。この機種は、室内が広いことから、機内での処置などスムーズに行えることや搭乗できる人数が多いというメリットがあるそうであります。また、ドクターヘリがうまく運用されるためには、救急隊が傷病者を観察し、要請するかどうかを適切に判断することや、救急隊からドクターヘリに傷病者を引き継ぐための、ドクターヘリが着陸できるランデブーポイントどこに設定するかなど、消防機関との連携は重要であると伺いました。東海大学医学部附属病院では、毎年、病院と消防が症例検討会などを実施し、連携強化に努められているそうであります。

 このように、ドクターヘリの運航にはヘリポートなどハード整備だけでなく、どのような機種を使うか、どのような場合、要請するか、どのように要請するかなど、消防との緊密な連携や、救急車からドクターヘリに引き継ぐランデブーポイントをどこに、どのように設定するかなど、さまざまな課題があります。これらの課題を一つずつ解決することで、奈良県独自のドクターヘリが効率的かつ有効に運用できると考えております。

 今後、奈良県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターの連携による共同運航の具体的な体制について検討を進めていくと伺っており、県独自のドクターヘリの導入に向け順調に進んでいると感じ、心強く思う次第であります。

 そこで、医療政策部長にお伺いをいたします。

 ドクターヘリの運航に向けては、傷病者をドクターヘリに引き継ぐためのランデブーポイントの設定や、消防が要請する基準づくりなど、消防との連携を進めることが重要と考えますが、運航体制の整備について、どのように取り組んでいかれるのかをお聞きいたします。

 次に、県立高等学校における職業教育の充実について、教育長にお伺いをいたします。

 一昨年、アメリカの学者が発表したこれからの二十年で現在のアメリカの雇用の半分は、コンピュータにとってかわられる可能性が高いという予測が私たちに、これから進んでいくであろう社会の変化の激しさを印象づけたことは記憶に新しいところであります。今、我が国においてもグローバル化、IT化の波と同時に産業構造の変化という大きな波が押し寄せてきております。このような中、学校におけるキャリア教育、職業教育が果たす役割は大きいものと考えます。一人ひとりの子どもたちが、みずからの夢や将来像を描き、他者や社会とのかかわりの中で、自分の役割を果たそうとする意欲や資質を身につけることができるよう、これからの教育を着実に進めていただきたいと思います。

 さてここで、雇用や労働の現状に目を向けますと、企業にはワーク・ライフ・バランスなどの働き方の改善が求められる一方、若者の側では県内への就労から遠ざかる、あるいは引きこもりやニートの問題など、さまざまな課題が見受けられます。特に、今後大幅な需要拡大が見込まれる看護、介護、保育分野といった社会保障関係分野における人手不足の問題や、構造的に入職者が減少傾向にある建設分野などにおける後継者、人材不足の問題は、今後の本県の発展に直結する大きな課題であります。これは、単に業種が人材確保に苦しんでいるという問題では決してなく、人材が不足することにより、これらの業種がこれまで社会に提供してきたサービスが低下してしまうという意味で、社会全体の問題でもあります。

 このような観点から、県として総合的な対策が望まれることはもちろんですが、人材育成という観点において、学校教育における取り組みも重要であると考えます。職業教育の充実のためには、魅力ある職場づくりやマッチング支援、能力開発支援など雇用の問題としての取り組みももちろん大切ではありますが、あわせて人材育成という観点での取り組みが、今求められているのではないかと考えます。このことについて、印象に残ったことがありますので、少しお話をさせていただきます。

 私は先日、横浜市立横浜商業高等学校の別科を見学してまいりました。そこでは、主に高等学校を一旦卒業した人が入学し、美容師の国家試験合格を目指して学習しておりました。一般的には、高等学校卒業後、二年間、民間の専門学校に通い、美容師の国家試験を受験をするのが普通でありますが、公立の学校でこのような取り組みをしていることに私は驚きました。

 この学校の歴史は、昭和十六年までさかのぼります。創立当初から横浜市の理容師・美容師養成校として、横浜の業界をリードしてきたとこのことであります。現在、全校百六十名の生徒に対して、経験豊富な専任教職員十八名と、実践的な非常勤講師十四名が生徒の指導に当たっております。また、この学校は公立ですので、経済的負担も比較的軽く、授業料、教材費、道具代、研修旅行費等を含めても、学校生活にかかる二年間の総費用は、理容科、美容科とも約八十万円であります。一般の専門学校であれば、二年間で約三百万円かかるそうであります。

 このたびの視察を通して思ったことは、奈良県の学校でもこのような取り組みができないだろうか。そして、このことによって若者の県内就職を活性化させる一つのお手本をつくることができないだろうかと考えました。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 まず、県立高等学校における職業教育の現状と、今後、人材育成という観点から、生徒により一層専門的な知識、技術を身につけさせるため、職業教育の充実にどのように取り組もうと考えておられるのかについてお聞かせをください。

 次に、県立高等学校に美容などの職業に直結する専門的な内容を学ぶコース等を設けることができないのか、教育長の所見をお伺いいたします。

 最後に、障害のある生徒の職業教育の充実について、教育長にお伺いをいたします。

 障害者が積極的に社会参加・貢献していくことができる共生社会は、だれもが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の対応のあり方を相互に認め合える全員参加型の社会です。このような社会を目指すことは、積極的に取り組んでいくべき重要な課題でもあります。また、障害者の権利に関する条約を我が国も、平成二十六年一月に批准いたしました。条約においても障害者の完全かつ効果的な社会参加を目指すことが求められております。共生社会の実現のためには、学校教育の間に障害のある生徒の職業教育を充実させることが大変重要であると考えております。

 過日、軽度の知的障害者を対象とした高等部と肢体不自由の児童生徒を対象とする特別支援学校である東京都立青峰学園を視察してまいりました。知的障害者を対象とする高等部では、企業就職率百%を目指して、自立に向けたさまざまな取り組みを進めておられました。学校概要の説明を受ける中で、就職をするためには、集中力や社会人として必要な態度を養い、会社を休まないこと、報告や連絡をしっかりできることが大切であるとお聞きしました。学校見学の折には、出会う生徒全員が自分から大きな声で気持ちよく挨拶をしてくれました。また、授業においては、パンの製造や印刷製本等の作業学習の場面を見学いたしました。パン製造では、製造機械を取りそろえ、つくったパンを実際に販売したり、印刷製本では、営業活動を学習内容として取り入れ、電話で注文を受け取ったりするなど、卒業後の勤務先で対応できるよう、コミュニケーション力の育成にも力を入れておられました。一人ひとりの生徒の授業に臨む態度はすがすがしく、意欲的で就労に向けた力強い心を育てる教育環境が整っていることに感銘を受けた次第であります。

 このような自立と社会参加に向けた取り組みを特別支援学校において充実させることが、共生社会の実現に向け着実に進んでいくことができる大きな礎になると考えます。折しも、平成二十八年四月から県立高等学校に、県立高等養護学校の分教室が設置されることが、県教育委員会から発表されました。共生社会の実現と、職業教育の充実という目標を掲げ、社会に巣立つ準備段階ともいうべき高校生の時代に、ともに学び合う機会をつくることになる大変重要な取り組みであると考えます。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。県立高等養護学校の分教室設置の進捗状況と、県教育委員会として、今後、障害のある生徒の職業教育の充実のため、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。

 以上で、壇上からの質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十五番岡議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初の数問は、県立医科大学及び周辺のまちづくりについてのご質問でございます。

 まず、近鉄橿原線の新駅設置に向けた取り組み状況についてのご質問がございました。奈良県では、この三月二十日に橿原市とのまちづくりに関する包括協定を結びましたが、その締結以来、医大周辺地区の検討に最重点で取り組んでおります。その中で、新駅設置に向けた取り組みといたしましては、先般、私みずからが近畿日本鉄道株式会社に対して、近鉄郡山駅とともに医大新駅について強く協力を求めましたが、近畿日本鉄道株式会社からは整備費を地元が全額負担する、いわゆる請願駅ではなく、近畿日本鉄道株式会社も応分の負担をする方向で前向きな協議をしていくことについて、合意を得たところでございます。

 病院のそばに新駅ができることにより、さまざまな効果が期待できます。例えば、病院へのアクセス向上による来院者の利便性向上、また、新駅の設置に伴い、マイカーから鉄道へ交通転換、アクセスの足の移動手段の転換をされることによる交通渋滞の緩和、また、新駅と病院を中心とした地域の活性化などでございます。これまで、新駅を設置した場合、病院へのアクセス上の役割、それとまちづくりの拠点としての役割を両立させられるような駅の位置の検討をスタートさせたところでございます。今後は、駅舎の形などの検討や駅前広場周辺まちづくりなどについても検討してまいりたいと考えております。近畿日本鉄道株式会社に対しましては、県立医科大学と一体となったまちづくりによる鉄道利用者の増加などの効果を示しながら、駅の設置に関して、整理すべき条件や構造規格などの細部について、今後、協議進めてまいりたいと思っております。

 医大周辺のまちづくりの中で、近所にございます小房交差点の渋滞対策についてのご質問がございました。

 医大周辺のまちづくりと新駅と病院施設の整備の三つは、この地域においては、密接に関係しております。それぞれが相互に相補う計画となればいいと考えております。

 課題となっております小房交差点の交通渋滞につきましては、この病院に来られる車両の量にも影響しておりますので、病院施設の配置を工夫することにより、渋滞を緩和できないかと考えております。例えば、病院往来の車両が小房交差点を、できるだけ通過しないようにするようなレイアウトができないかということでございます。具体的には、病院への進入路や駐車場などの施設配置を置きかえながら、そのパターンごとに小房交差点の混雑状況を、シミュレーションをしております。当病院に来られる車は、東西南北から来られるわけでございますので、入口と駐車場の位置、レイアウトは重要でございます。そのための、基礎調査といたしまして、今年度は来院車両がどの方向から流入されているのか、ナンバープレート調査などの交通量と流入、方向の調査を行っております。

 また、特に南側エリアにおきましては、鉄道や大和高田バイパスなどの大規模な既存構築物がございます。それに十分に考慮して、進入路などの施設配置計画を検討する必要がございます。そのため、こうした大規模構造物の現況調査にも着手をしております。調査結果をもとに施設整備の難易度や費用対効果なども考慮した計画を策定したいと思っております。新駅の設置を前提とした、いろんな調査を進め始めているという状況でございます。

 県立医科大学の敷地に隣接する橿原市営住宅や四条池などがあるこのエリアのまちづくりにつきましては、橿原市と協議しながら検討を進めたいと考えております。具体的には、通院者や入院されている患者のご家族向けの短期滞在施設や、医療と介護を一体的に行う高齢者用の施設など、病院がそばにあるという立地を生かした施設なども考えられますし、また、新駅ができることによる利便性を生かした商業施設の立地などのまちづくりが考えられると思っております。

 医大周辺のまちづくりの中での、新キャンパスの予定というご質問でございます。

 整備の方向についてのご質問でございます。県立医科大学の新キャンパス整備につきましては、平成三十三年度中のオープンを目指しております。地域に貢献できる医師や看護師を志す学生さんたちが、最高の環境で学べるよう、また学生や研究者、医療関係者や地域住民などが、交流できる環境となるような方向で検討を行っているところでございます。

 新キャンパスの予定地であります現在の農業研究開発センターは、敷地面積が約十ヘクタールでございまして、ほぼ現在の県立医科大学の敷地面積と同じ広さでございますが、不正形でございますので、真四角ではございませんので、施設の配置計画において大きな制約が生じております。また同センターの南側に橿原市道の拡幅整備計画がございますので、センターの敷地の一部が市道敷地となることにもなります。県立医科大学キャンパス周辺の土地を買収することにより、新キャンパスを正形にし、配置計画上の制約を極力減らしたうえで、将来の需要にも対応できる長期的視点に立ったキャンパス整備を行いたいと考えております。

 買収地といたしましては、橿原市四条町地内の宅地や水田などでございますが、約三・三ヘクタールを予定しております。現在は、センターの境界画定や用地測量を進めておりますが、今後、買収予定地の用地測量及び土地の鑑定や家屋などの補償調査を行いまして、買収に要する土地等の評価額を算定したうえで、年度内に用地取得について、地権者の意向確認をさせていただく予定でございます。しかしながら、拡張地に未買収の土地が残る、いわゆる虫食い状態になりますと、施設の配置計画上、支障になりますので、ある程度一団の用地として買収をさせていただきたいと考えております。したがいまして、次年度には、地権者にご承諾をいただいた部分の用地買収を行う予定にしております。

 次のご質問は地方版政労使会議を、奈良でもできないかというご質問でございます。とりわけ賃金の上昇に向けての政労使会議のご所見でございます。

 議員お述べのように、本県の労働者の賃金状況でございますが、毎月勤労統計調査によりますと、ことしに入ってから、現金給与総額の全国平均との差が縮小傾向にあります。差が縮まりつつございます。ただ、依然として、全国平均より低く、県外就業率が高い本県にとって、他府県との賃金の差は構造的な、また歴史的な課題であると認識をしております。県内の賃金上昇のためには、本県の経済構造を改革し、産業の収益力を高めていくことが不可欠であると認識をして、産業興し、企業誘致を進めているところでございます。

 また、雇用対策といたしましては、非正規雇用から正規雇用への転換が、賃金上昇につながることでございますので、労働者、特に若年者の待遇改善を促す取り組みや、若年者の正規職員としての就労を支援するマッチングに努めているところでございます。このような経済活性化や、賃金上昇に向けた取り組みに当たりましては、行政、労働団体、経済団体のそれぞれが課題認識を共有することが非常に重要であると考えております。

 これまでの取り組みでございますが、今月初め、労働団体、経済団体の代表者、有識者で構成いたします奈良県地方創生有識者会議を立ち上げました。経済が県内で好循環する社会の構築や、奈良でのしごとの場の創生などの経済政策についての意見交換を行い、また有益な意見を賜ったところでございます。

 少しさかのぼりますが、平成二十五年二月からは、同じく政労使の代表者が参加していただいております奈良県経済産業雇用振興会議をしておりますが、そこにおきまして、本県経済の現状分析を行っております。その中で、産業興しや雇用対策などの賃金上昇につながる課題も含めて、専門的な立場からの議論をいただき有益な意見もいただいております。こういった議論を域外交易力と域内経済循環力を強化するための政策に反映させたいと思います。

 また、その他の分野ごとの県政の重要課題につきましては、平成二十三年八月から障害者政策推進会議、本年六月からは、女性の活躍促進会議を始めております。行政と労働団体や経済団体の代表が一堂に会して、テーマに沿った意見交換を行い、今後の各施策の方向性について検討を開始しております。今後も引き続き、このような多方面の方々から、専門的な意見をいただく機会を積極的に設けまして、県内経済の活性化を進め、働いて良しの奈良県に向けて努力をしていきたいと考えております。

 議員は、国と同じようなことを奈良県でも行って、賃金の上昇につなぐことができないかというのが、質問のご本旨であろうかと思います。奈良県は、エンジンとなるべき大企業の業績があまりよくございません。県内企業は従来から賃金が低い小規模事業者が多い面もございます。国のように、力強い賃金アップ作戦は、奈良県ではすぐには無理かとも思っておりますが、粘り強く奈良県の経済産業体質を強くする、強靱化するということの努力を続けることにより、本県企業の賃金アップにつなげることができたらと思っております。粘り強い努力をするしかないなというふうに思っているところでございます。

 次のご質問は、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みが二点ございました。

 第一点目は、市町村支援をどのように行うかということでございます。地域包括ケアシステムは、議員お述べのように、たとえ介護が必要になっても、住みなれた自宅で暮らし続けられるよう、医療、介護、生活支援などのサービスが受け続けられる仕組みでございます。

 市町村の主体的な取り組みと、県の支援が不可欠である分野であると認識をしております。また、市町村ごとに地理的な条件や医療、介護のサービス提供基盤、提供体制などについて、それぞれ実態が異なりますので、その実態を把握した上で対処をする必要がございます。北和地域、西和地域と南和地域は全く違う状況でございます。したがいまして、地域包括ケアシステムの形も画一的にはいかないと思います。地域住民や民間事業者などのご参加を得ながら、その構築に取り組む必要が、また、地域の実情に合わせて構築に取り組む必要があろうかと思います。

 このような認識のもと、本県では奈良県総合医療センターの跡地活用や保健所を核にした広域的な医療介護連携の推進や、パターンの異なる五つのプロジェクト、また県と市町村が連携して行うまちづくりを通じて、地域包括ケアシステムの形成プロセスを実際に行いながら、またともに学びながら連携を続けていきたいと思います。あわせて地域包括ケアシステムの中心的プレーヤーでございます看護師や保健師などのネットワーク構築に向けたソフトウエアの取り組みも重要でございますので、連携会議の開催支援などに取り組んでいるところでございます。

 また、従来から行っております地域包括ケア推進室と保健所の連携による技術的な支援に加えまして、地域包括ケアシステムの構築に向けてモデル事業を実施される市町村に対して、財政的な支援も行っております。

 このようなことから、まだまだ少数でございますが、市町村によりまして地域包括ケアシステムの構築を専門に所管する部署を設置されたり、包括ケアの構想策定に取り組むなど、具体的な取り組みが最近見られるようになっててまいりました。今後とも県と市町村が連携、協働する奈良モデルの一つとして地域包括ケアシステムの構築を位置づけ、市町村の状況などに応じたきめ細かな支援に取り組んでまいりたいと思います。

 また、協働作戦といたしまして、奈良県・市町村長サミットはもとより、県内各地で開催しております地域フォーラムやまほろば地域振興懇話会など、さまざまな機会を捉えまして、市町村長をはじめ関係者に対して地域包括ケアシステムの重要性や早期取り組みなどを訴えて、県内全ての地域で包括ケアの構築が進むよう県としての支援を続けさしていただきたいと思っております。

 地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みの第二問目は、訪問看護師・保健師の人材確保、育成について、どのように取り組もうとしているのかというご質問でございます。

 議員お述べのように、地域包括ケアシステムの構築のためには、在宅医療や地域での支援を支える訪問看護師・保健師の役割は極めて重要でございます。議員がお述べになったとおりだと思いますが、またその確保や育成は喫緊の課題であると認識をしております。

 訪問看護師は、療養生活を送っておられる方の自宅などを訪問され、必要に応じて看護や医療処置を行うことで、在宅医療を支援する役割を担っておられます。県では訪問看護を担う人材を育成するため、今年度より訪問看護人材育成研修を実施しております。また病院に勤務されている看護師、潜在看護師、新卒看護師など、多様な人材の訪問看護分野への参入を促進するため、訪問看護未経験の看護職員を新たに雇用し、教育プログラムを作成して人材育成を行われる訪問看護ステーションに対しまして、人件費の一部を補助する制度の創設を今議会に提案をしているところでございます。

 一方、保健師は地域包括ケアシステムのかなめでございます。ライフサイクルを通じまして、予防から医療介護まで切れ目のないケアマネジメントを行う中心的役割が期待されているところでございます。保健、医療、福祉の多職種をつなぐキーマンである保健師がご活躍されるには、市町村と県の保健師の連携強化が不可欠であると思います。保健師の活動報告を通して、ノウハウや経験を共有することが重要でございますので、本県では平成二十五年度に保健師ネットワーク会議を立ち上げたところでございます。また、新任期、中堅期、リーダー期、それぞれのステージ、各段階別に応じた保健師の専門性を身につけるためのキャリアパスを作成していきたいと考えております。

 本県では、病気や障害があってもできる限り住みなれた地域で安心して生活を継続をしていただきますよう、今後も訪問看護師・保健師をはじめ地域包括ケアシステムに必要な人材の確保と育成に努めてまいりたいと思いますが、繰り返しますが、訪問看護師と保健師は、地域包括ケアシステムのキーパーソンでございます。

 ご質問は以上でございました。残余の質問は、関係部長にお答えさせていただきます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇) 十五番岡議員のご質問にお答えいたします。

 私には、奈良県独自のドクターヘリの導入に関しまして、運航体制の整備等につきまして、どのように取り組んでいくのかというご質問でございました。

 来年度、ヘリポートを有します南奈良総合医療センターが開院しますことから、県立医科大学附属病院との共同運航による県独自のドクターヘリの導入に向け、準備を進めているところです。ドクターヘリの円滑な運航に当たりましては、運航する病院と消防機関の連携や、傷病者を救急車から安全かつ迅速に引き継ぐためのランデブーポイントの事前設定が重要となってまいります。本県では平成十五年以降、和歌山県や大阪府のドクターヘリを利用させていただいておりまして、既に県内で九十三カ所のランデブーポイントを設定しているところです。今後、県独自のドクターヘリを導入した場合、これらを利用することができるとともに、より迅速な搬送が可能となるよう市町村の協力を得まして、ランデブーポイントのさらなる確保に努めてまいりたいと考えております。

 また、県内消防機関は、これまでからドクターヘリの要請やランデブーポイントでの傷病者の引き継ぎを行っておりまして、県立医科大学附属病院におきましても、これまでに約四十回のドクターヘリを受け入れてまいりました。そのため、県独自のドクターヘリ導入におきまして、これらの経験を生かすとともに、県立医科大学附属病院、そして南奈良総合医療センター、さらには県内消防機関がより円滑な連携を行えるよう定期的な訓練などを行っていく予定としております。

 さらに、救急車での搬送に時間を要します山間地域におきまして、ドクターヘリは特に有効であると考えられますので、南部・東部の山間地域では、生命にかかわる重篤な三次救急患者だけでなく、より広く重症の救急患者にもドクターヘリを要請できる基準を検討していきたいと考えております。

 今後、県や関係機関が定期的に協議する場を設けまして、このような取り組みをはじめとして県独自のドクターヘリの効果的な運航体制づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 十五番岡議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二問の質問をいただいており、一問目は県立高等学校の職業教育の現状とその充実に向けての取り組み、あわせて美容などのコース等を設けることができないかとのお尋ねでございます。

 県立高等学校における職業教育は農業、工業、商業、家庭、福祉に関する学科をおいて行っております。平成十六年度から平成二十年度にかけて、これらの高校を時代を担うスペシャリストを目指す学校として再編をいたしました。

 王寺工業高等学校では、平成二十年に国際学生科学フェアの共同研究部門、これは風力発電でございますけれども、世界第二位に入賞、磯城野高等学校では、技能五輪全国大会の造園部門で毎年上位入賞、榛生昇陽高等学校では介護福祉士の国家試験で毎年全国平均を大きく上回る合格率を上げるなど、成果も出ております。

 また、これら専門高校の生徒は産業界の最新の知識、技能を実践的に学ぶことができるよう民間の人材を社会人非常勤講師として登用をいたしております。加えて、造園技能検定や機械加工技能検定等の資格取得を目指す生徒のために、昨年度は造園、旋盤加工などさまざまな分野の熟練技術者延べ十八名を学校に招き、延べ九十八名の生徒が直接の指導を受けております。

 これからの職業教育の充実に向けては、地域の人材は地域で養成するという観点が重要であると、このように考えております。このため平成二十五年には奈良朱雀高等学校に観光に関する知識、マナー等を学ぶ観光ビジネス科を、山辺高等学校に大和高原のお茶の栽培等の実習を行う生物科学科を、大淀高等学校には南部地域での看護師等を目指す看護・医療コースをそれぞれ設置し、地域に貢献できる人材を育成いたしております。さらに、本年度設置した二階堂高等学校のキャリアデザイン科では、総合学科として進学にも就職にも対応できるカリキュラムを設けるほか、福祉マインドを育てるために、社会福祉法人で一年生全員がインターンシップに取り組んでおり、今後は関係機関と連携し、医療・福祉インターンシップとして県内高校に拡大をしてまいります。

 次に、議員お述べの美容などの職業に直結するコースにつきましては、設置を検討する学校として二階堂高等学校キャリアデザイン科がふさわしいと、このように考えております。地域を支える人材育成の視点から、本県の美容業の現状や将来像について関係団体と協議し、その後、実習等の教育内容や県内専門学校とダブルスクールによる資格を取得など、さまざまな観点から検討をしてまいります。

 次に、障害のある生徒の職業教育の充実について、高等養護学校の分教室設置の進捗状況と職業教育の充実のための取り組みについてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、高等養護学校の生徒の積極的な社会参加への意欲と、専門的な知識・技能の向上を目的とした職業教育の充実を図り、高等養護学校の就職率百%を目標に掲げております。

 特に、専門的な知識・技能の向上を図るためには、専門学科等のある県立高等学校に高等養護学校の分教室を設置し、高等学校の専門性を活用することと、高等学校段階におけるインクルーシブ教育を推進することが効果的であると考え、来年度より農業科のある山辺高等学校、芸術科のある高円高等学校、総合学科である二階堂高等学校に高等養護学校の分教室を設置いたします。

 現在、県教育委員会、分教室を設置する高等学校及び高等養護学校とで構成する推進協議会を開催しておりまして、学校行事等での交流及び共同学習を行うための協議を重ねるとともに、学校の施設改修等の整備を進めているところでございます。本年六月には、高等養護学校の生徒と保護者を対象とした高等学校見学会を実施いたしまして、生徒同士が交流を深めました。

 また、就労に向けて必要となるコミュニケーション能力、自己決定力及び判断力の育成には、職場実習が大変重要だと考えております。本年度より、高等養護学校にキャリア教育コーディネーター二名を配置いたしまして、軽度の知的障害のある生徒の実習先や、その後の就職先の開拓を積極的に行うとともに、職場実習に向けた校内での事前指導等にも取り組んでいただいております。

 今後も、障害のある生徒の就労や職場実習等の機会を拡大するために、県と奈良労働局が運営する障害者はたらく応援団ならに参加している企業やハローワーク等の就労支援機関及びNPO法人等とも連携を図り、社会参加と自立に向けた職業教育の充実に取り組む所存でございます。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十五番岡史朗議員。



◆十五番(岡史朗) どうも、ご答弁ありがとうございました。

 まず、最初の質問でございました県立医科大学の新駅設置の件、きょうは大変、知事の方から具体的な踏み込んだご答弁をいただいて、本当に心強く思いました。

 振り返ってみれば、先ほども言いましたように、もう数十年前から、私もですね、これをずっと思い続けてきた課題でございまして、たまたまいろんな流れの中で、今日こうやって実を結ぶ状況が見えてきたといことは、大変うれしく思います。私も地元に住む議員の一人として、本当に感謝したいと思います。後はいろんな課題を一日も早く乗り越えていただいて、県民の皆さんが本当に県立医科大学を中心としたあの周辺への交通アクセスが本当によくなったと言っていただける日を早くつくっていただきたいと思います。

 それで、ちょっと一つだけ気になることがありますので、お尋ねしたいことがあるのですけれども、実は新駅をつくる場所は、大体あの辺かなということは想像しておるわけでございまして、先般、医療政策部長のセミナーに行ったときにもですね。いただいた資料の中に、ちらっとそういう予想図的なものもございましたので、大体この辺かなと思っているのですけれども、実は、その手前にあります近鉄八木西口駅の件でございます。これについては、いろんなご意見があることも、私、聞いております。近畿日本鉄道株式会社さんが、このことについて、どのように考えておるのかということを、もしわかれば教えていただきたいと思います。

 ただ、私、個人の意見としては、近鉄八木西口駅を残しても、大きな問題はないのではないかと。というのは、今現在もう既に、近畿日本鉄道株式会社さん、ほとんど無人化しているわけですね。ですから、そんなに駅を維持、管理するのにもコストがかかっているとは見受けられません。そういうこともありまして、また、市役所の職員の通勤の問題とか、何をさておいても、実は、私も、私ごとでございますが、最寄り駅は、この近鉄八木西口駅でございまして、いつも、ここから乗っているわけでございまして、これがなくなれば、近鉄大和八木駅まで歩くか、新駅まで歩くか、今よりも通勤が遠くなるわけでございまして、大変恐縮な話ではございますけれども、私は、個人的には近鉄八木西口駅はある意味において、今井町という文化財がございます、近くにね。ということで、私は、その今井町に通ずる最寄りの駅として残された方がいいのではないかと。同時に提案いたしたいのは、そのときに、もし残すのであればね、この際、駅の名前を変えていただきたいなと思っているのです。八木西口なんて、もうそんな表現でなくて、今井町駅とかですね。やはり観光を意識した駅の名前にするとか、そういう発想で、もしできたら近畿日本鉄道株式会社さんと、そういう交渉ができる余地があれば、ぜひ、これはお願いをしたいと思いますので、この近鉄八木西口駅の今度の方向性、扱い等について、知事のお考えがございましたら、ご答弁していただきたいというふうに思います。

 それから、あとのまちづくりに関しましては、今、説明いただきましたとおり、私も大変いい感触を得ておりまして、本当に、職員の皆さん方、また、橿原市との交渉が本当に着々と今やっていただいていることが、よく理解できました。一日も早い完成を目指して頑張ってもらいたいと思います。

 それから、周辺の土地の取得の件でございますけれども、これは必要でない土地を買う必要もないわけでございます。逆に、今現在、これから交渉に入るわけでございますので、交渉ごとですので相手があることでございますから、いろんな場面もあろうかと思います。ただ、私は地元の住民の皆さん方から聞いている話の一つとして、できたら学校のキャンパスの敷地を一つの一体的に見たときに、今回の県の案では一部その、一軒か、二軒、敷地内にあるような形で、この宅地が残るというふうな、何か、これ、真っ直ぐするために削ったところの川との間におうちがあるわけでございますけれども、私も現場を見て思いますことは、大和高田バイパスとそれから、横に、こう、南北に流れている川がありますね。この辺を境界までもっていって、若干、膨れますけれども、将来の学校の運営とか、また近隣との兼ね合いとか苦情とかが、もしあるとすれば、その辺から出てくる可能性がありますので、この際、思い切ってそこまで、もう広げられておいた方がいいのではないかなと思いますので、これは要望にしておきますけれど、また、ご検討いただけたら、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、政労使会議につきましては、今まで、先ほども知事がおっしゃいましたように、実際、もう知事はこれを実質的にはかなり意識されて、国の方針を先取りする形で、実は、取り組んでこられたというふうに、私も見ている面がございます。私もかつて、県が主催されました政労使会議ではございませんけれども、それに似た奈良県経済産業雇用振興会議というタイトルの会合に経済労働委員長をさせていただいているときに、何回か参加させてもらいました。

 ここでは、主に賃金というよりも、奈良県の雇用と産業をどうするかということがメインで、いろいろと検討されておったように思いますけれども、今回、私が一番言いたかったことは、知事が最後にまとめていただきましたように、やっぱり賃金をどう上げていくかということについて、ご苦労はもう重々わかった上で、実はお願いするわけでございますけれども、的を絞った形で、奈良県の賃金体系が、いろんな諸般の事情はあるにせよ、全国平均から、まだまだ少ないということの現状を踏まえて、これは労働者、経営者、そして、行政が一緒になって、腹蔵のない意見を交換しながら、企業には企業に、やはりできる範囲の努力をしてもらうということも含めて、行政が中に入ってしっかりと汗をかいていただけたらなと思いますので、知事もこの話は大変だと思いますけれども、ぜひ今後とも、そういう観点でお取り組みをいただければありがたいと思います。

 これについて、賃金に絞ったお取り組みについて、さっきは難しいという答弁だったと思いますけれども、私の今の話を聞いてさらに何か感ずるところがありましたら、知事、お答えいただきたいなというふうに思います。

 それから、地域包括ケアシステム、特に訪問看護師・保健師の確保については、これはもう再三、私も、ここで何回か質問させてもらいました。なぜ、これを毎回取り上げるかと言いますと、やはり、心配なのです。奈良県の現状が大変まだまだ予定どおりいってないのではないかと。特に、これ、市町村によってかなり温度差がありますけどね。大変心配いたしておりますので、引き続き、ご努力をしていただきたいと思います。

 ただ一つ、ここで皆さん方にエピソードをご紹介したいと思います。

 実はこの間、私の住んでる橿原市のある住民の方、自治会長から、近所に大変近隣に迷惑をかけるひとり暮らしの老人が住んでいると。だれが行っても会ってくれないと、凶器を持って振りかざして、だれも対応してくれないと。警察が行っても、なかなか言っても対応してくれないということで、私のほうに相談がありました。

 そこで、地域包括ケアセンターのほうへ連絡をさせてもらいましたら、何と、そこの所長さんだと思いますけれどみずから現場に行って、そして、問題解決の糸口を切り開いて帰ってこられました。そして、私のほうにその報告をいただきました。そして、その地域包括ケアセンターの方は、保健所、警察、行政の中に入って調整をされて、こないだ聞きましたら、どうやらうまく、今そのことに対する対応はいってるようでございます。

 このように、地域包括ケアシステムというのは、いろんな案が起こったときに、多様に対応しなきゃならない。しかも、今言ったような警察も対応しないといかん。お願いせないかん。保健所にも頼まないかん。行政にも入ってもらわないかんという、そういういろんな複雑な事案が、これからもあると思います。

 したがって、この地域包括ケアセンターは、ただ単に介護という視点だけじゃなくて、地域の、まあ言えば、そういう老人の方の諸問題ですね。こういうものにも、やはり、解決する窓口として、私は重要な責任があるし、使命があるなと思いました。そういう意味で、今のお話を紹介させてもらったわけでございますけれども、こうやって、既に、一生懸命取り組んでいただいている方もいらっしゃることも、大変心強く思ったところでございますので、県としても、ぜひ、この地域包括ケアシステムの充実に、さらなるお力添えをお願いしたいというふうに思います。

 それから、奈良県独自のドクターヘリの導入については、先ほどるる説明ございました。ランデブーポイントの話、九十三カ所、特に山間地域での、今後、基準を考えていくという話がございました。そこで、もう一つ、このドクターヘリを導入する判断の基準として、もう一度お伺いしたいのですけれども、これは時間で考えるのか、それから、患者さんの状況によって考えるのか、いろんな要素があると思いますけれども、これらはきちっと整理して、救急隊員の方に、今後知らしめていく必要があると思うのです。迅速な対応をしようと思えばね。そういう意味において、特にこの山間地域のドクターヘリの出動要請についての考えられる課題について、何かお考え、また検討されていることがありましたら、教えていただきたい。これは、医療政策部長にお願いしたいというふうに思います。

 それから、あともう時間もなくなりましたので、簡単に示したいと思いますけれども、県立高等学校における職業教育の充実、本当に頑張っていただきまして、ありがとうございます。また、私がたまたまお願いしました、この美容に関するコースについても、かなり前向きに、これから検討いただくということで、なるかならないかは別にしても、やっぱり行政がこうやって前向きに取り組んでいただけるということは、本当に大事なことだし、これからの、やはり若者を育てるためにも、また県内の若者就労支援に対しても大きな効果があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 また、障害者の職業教育につきましても、先般、東京に行ってまいりました青峰学園の状況、本当に先ほども言いましたように、すばらしい印象を持って、私は帰らせてもらいました。これぞ、本当に障害者を社会人に送り出す大事な教育をされているなということを、つくづく感じました。ぜひ、これから奈良県が取り組まれるこのキャリア教育の中で、三校で始まりますが、よろしく取り組んでもらいたいと、要望にしまして、答弁をあとお願いします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 再質問が幾つかございましたが、まず、近鉄八木西口駅の存廃についての近畿日本鉄道株式会社の考え方ということでございます。

 ご紹介いたしたいと思いますが、近畿日本鉄道株式会社は、存続について強い抵抗感がございます。できれば廃止したいということでございます。交渉いたしましたが、廃止しないと新駅はできないのかと、絶対条件かどうかという点が、一番心配でございました。先ほど、申し上げましたように、新駅をつくるときの負担割合については、近鉄郡山駅と同じように合意をいたしました。近鉄郡山駅の場合は、旧駅の廃止、撤去につきましては、県と市が負担して近畿日本鉄道株式会社の負担はないと、これは、負担の割合でございます。旧ホームの廃止については、近鉄郡山駅の場合は、それ自身移すことについてはオーケーということでございますし、医大新駅の場合は、新駅の負担についてはオーケー。旧駅とは言いませんが、近鉄八木西口駅の廃止が決まれば、その存廃の撤去費用については、県と市が負担すると。これは、近鉄郡山駅と同じケースになるわけでございますが、廃止をできるかどうか、また廃止しないと新駅をつくらないかどうかというのは大きな課題でございまして、廃止しないと新駅をつくらないか、繰り返しになりますが、そこまでの抵抗かどうかというのは、ちょっとまだ不明なところはございます。負担については大いに進展が見られましたということ、先ほど答弁でご報告をしたところでございますが、この近鉄八木西口駅の廃止問題について、これから、まだどのようになるかは、多少予断を許さない状況であるということを、ご報告をせざるを得ません。ただ新駅設置の条件かどうかという点については、まだちょっと不明が、そこまではっきりとの返事ではないわけでございますが、まだちょっと予断を許さない、廃止について、強い意向があるということは確認いたしました。

 今の状況は、そういうことでございますので、この本会議場で報告するまでの情報は、それ以上のことは、現在の時点ではまだございませんが、それで、これは地元の市民の方々の意向、また、理由は議員おっしゃいました経費が要るということだけじゃなしに、近鉄大和八木駅に極めて近いというのと新駅にも近いということで、鉄道事業者から見た駅のこの存在というのが、あまり近すぎるというようなことが鉄道事業者としての追加される事情にあるようにも思われます。

 そのようなことでございますので、今後、折衝をしなきゃいけない事項でございます。まだ、ちょっと不明でございましたので、最初の答弁に入れなくて申しわけございませんでしたが、再質問がございましたので、私の今までのこの交渉の過程としてご報告を申し上げたいと思います。

 そのほかのご質問でございますが、県立医科大学の移転先の購入の地面でございますが、どれだけの広さをどの目的のために購入するのかということでございますが、県立医科大学の教育研究部門に伴いまして、親和性のある施設、あるいはそこに持ってきてもいい施設というのは多少考えられますので、そのようなことも念頭において、周辺土地の購入ができたというふうに思っております。また、進捗がありましたら、このような方向での県立医科大学の教育研究部門のほかの施設が親和性のある施設として可能性が、このようにありますよということがご報告できるかもしれません。

 その次は、政労使会議で、賃金、雇用、平均賃金も最低賃金も、やはり強い経済がないと上がっていかない。経済の従属変数といわれておりますが、雇用も経済の従属変数といわれております。その観点で、賃金の動向とともに、奈良県の有効求人倍率の動向を注意して見ております。

 今まで、本当に底をはうような、近畿の中で一番下をはうような有効求人倍率のレベルでございましたが、雇用については、ちょっと上に、真ん中までにちょっと来ているように思いますので、いつも景気回復局面では、奈良県は回復しないでおくれていたのが、いつもの図で、線でございますが、この最近の景気回復局面においては、割とついていっているなといって、見るのが嫌でございました有効求人倍率が、最近はちょっと頑張ってくれているなというふうな気持ちで見ている面が、それと、賃金の動向というのは、労働市場の需給でございますので、相伴う面があろうかと思っております。

 本道は強い経済、その中で消費がございますので、賃金が回れば消費に回る。ところが奈良の人は、貯蓄あるけど消費になかなか回らない、地元消費に回らないという体質もございますので、地元でよく買ってもらえるような産業体質、これは消費の産業体質ということでございますが、それにも強い努力をしなきゃいけない面があるというふうに思います。

 政労使会議で、規制的な手段のなかなか及ばない分野であろうかと思いますが、やはり経済をよく、経済をよくする努力は、ちょっとずつ反応があるように思っております。観光でも、いろいろなバスの補助とか、イベントをすることで宿泊客も、底堅くなってきていると思いますので、また、民間の方の努力も欠かせない、楽をして儲けようと思わないようにしていただきたいなというふうに思っております。

 ご質問は、以上だったと思います。



○副議長(山本進章) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) 私には、ドクターヘリの運航に際しまして、時間なのか、もしくは病状なのか、どちらが優先されるのだろうかという運航のルールについての再質問がございました。

 答弁の中でも申し上げましたけれども、命にかかわるような重篤な三次救急患者さんだけじゃなくて、すぐに命にかかわるかどうかは別としましても、いち早く医療につなげなければ、その病状がさらに悪化したりとか、もしくは予後に影響するような方々というのも、ドクターヘリの適用になろうかというふうには考えてございます。

 ただ、私たちも、これ、いよいよ導入させていただくということで、いろいろ勉強を始めたところでございまして、議員方が東海大学に行かれたということですけれども、私たちも十月の上旬には、この近辺では実績が多うございます兵庫県の公立豊岡病院のほうに、ドクターヘリの運航状況とか、考え方についても、意見交換に行ってまいりたいというふうに考えております。

 それで、県の関係者、そして、関係機関の方々と協議を行いまして、せっかく導入させていただくこのドクターヘリを効果的に運行できるようなルールづくりに努めてまいりたいと、そのように考えてございます。

 以上です。



○副議長(山本進章) これをもって当局に対する代表質問を終わります。

 しばらく休憩します。



△午後二時二十分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時三十四分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、一番亀田忠彦議員に発言を許します。−−一番亀田忠彦議員。(拍手)



◆一番(亀田忠彦) (登壇) それでは、議長のお許しをいただきましたので、ただいまより、一般質問をさせていただきます。橿原市・高市郡選出、自由民主党の亀田忠彦でございます。

 質問に入る前に、まず、関東・東北を襲った台風十八号により亡くなられた方々へ、心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を心からお祈りいたします。

 また、本日は、多くの方々に傍聴にお越しいただき、心から御礼を申し上げます。県議会議員として、また、人生において初めての一般質問に立たせていただく、この感激と感謝の気持ちをかみしめながら質問に入らせていただきます。

 初めに、スポーツを通じた南部・東部地域の振興について、知事にお伺いいたします。

 私は、スポーツの振興を活動の一つの柱としております。奈良県を代表するアスリートは数多く、現役引退はいたしましたが、柔道の野村選手、ボクシングの村田選手、スノーボードの平岡選手、プロ野球では三浦選手や亀井選手、関本選手、サッカーで楢崎選手、また、私の地元橿原市出身の平岡翼選手、最近では女子マラソンの伊藤選手など、日本国内または世界の舞台での活躍はご承知のとおりです。

 また、先日のラグビーワールドカップの日本選手の活躍などに見られる国民の一体感や感動は、まさにスポーツの醍醐味であり、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、奈良県出身のトップアスリートを育成する取り組みをさらに進めることは重要であります。

 さらには、健康長寿日本一を目指す奈良県として、子どもから高齢者までがスポーツに親しめる環境づくりも同時に必要であると考えています。スポーツイベントを活用し、奈良県に訪れる方をふやし、宿泊も含めた滞在型の誘客を図ることで、地域振興につなげることができると考えております。

 さて、奈良県においても県民が誇りと愛着を持つことのできる奈良の美しい山と川を育み次世代に引き継ぐことを目的に、平成二十年に奈良県山の日・川の日条例を制定し、七月の第三月曜日を奈良県山の日・川の日とされました。また、七月・八月を山と川の月間と定め、毎年、自然体験イベントを開催されるなど、山や川の恵み、大切さを感じることができるさまざまな取り組みが行われ、県民に定着してきているところです。

 そして、本県の動きに合わせたように、国民の祝日に関する法律が改正され、来年から八月十一日は、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを趣旨とする国民の祝日、山の日となることで、今後、山や自然への関心がより一層高まることが期待されています。

 皆さんご承知のとおり、奈良県は周囲を山々に囲まれ、特に南部地域は日本百名山である大台ヶ原山や大峰山をはじめとする日本屈指の雄大な山岳地帯で、恵まれた自然環境と豊かな森林資源、水資源を有しています。東部地域も緩やかな起伏を持つ高原上の地形が続く豊かな自然環境に恵まれ、屏風岩など、室生火山帯の特徴的な景観を有する地域です。

 私はこのような自然環境に恵まれた南部・東部地域の特色を生かして、他には例を見ない地域振興の取り組みを推進することが重要であり、そのためには県による積極的な働きかけが必要であると考えております。そして、その一つの方策として、スポーツを通じた取り組みを推進することが、南部・東部地域の振興にとって大変効果的であると考えているところです。

 例えば、先日九月十三日に上北山で開催された第十四回ヒルクライム大台ヶ原、標高差一千二百四十メートル、距離二十八キロメートルの自転車レースには、全国から八百名ほどの選手が参加し、雲の上を駆け抜けろを合い言葉に盛大に開催され無事終了したところです。また、平成二十六年一月に完成した人工芝グラウンドを有する下北山スポーツ公園はサッカーやラグビー、野球等の合宿などに、年間一万人の方々が利用されているようです。

 このように、地域の魅力を掘り起こし、南部・東部地域の自然環境を満喫できるようなスポーツイベントを実施することで、来訪者をさらに呼び込み、地域の活性化が図られると考えます。

 そこで知事にお伺いいたします。

 新たに、山の日が国民の祝日になることを契機として、自然豊かな南部・東部地域のより一層の振興を図ることが必要と考えます。そのためには、スポーツを通じた地域振興の取り組みが効果的であると考えますが、知事のご所見をお聞かせください。

 次に、橿原、高取、明日香地域の観光振興について知事にお伺いいたします。

 奈良は古代において日本の首都的な役割を果たし、政治、経済、文化の中心として栄えました。中でも、私の地元である橿原市、高取町、明日香村は、日本人の心のふるさととされる飛鳥京跡、藤原宮跡をはじめとした、遺跡や寺院跡、古墳などが多く残り、古事記や日本書紀に登場する歴史の舞台や、万葉集に詠まれた風景を目の当たりにできる歴史文化遺産の宝庫です。とりわけ、現在を生きる世界中の人々が過去から引き継ぎ未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産である世界遺産は、県内に斑鳩町の法隆寺地域の仏教建造物、奈良市には春日大社や東大寺、興福寺など古都奈良の文化財、また吉野地域には紀伊山地の霊場と参詣道があります。これに、現在、登録に向けて取り組んでおられる飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群が世界遺産登録されると、日本全国でも例のない四つの世界遺産が県内に存在することになります。

 この七月には、明治日本の産業革命遺産が我が国十九番目の世界遺産に登録されましたが、その構成資産がある地域では、貴重な世界遺産を一目見ようと大勢の観光客が押し寄せたとの新聞報道がありました。

 県内で登録された三カ所の世界遺産に加え、四つ目として、飛鳥・藤原宮都とその関連資産群の世界遺産登録が実現すれば、地域の魅力を高めることとなり、県内外のみならず、世界各国からの誘客アイテムとなることで、ひいては観光の振興や地域の活性化につながるものと考えております。

 そこで、知事にお伺いします。

 橿原、高取、明日香地域の魅力を高め、観光振興につなげるためには、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産登録が重要と考えますが、その登録に向けて県ではどのような取り組みを行っておられるのかお聞かせください。

 また、近年、体験交流型の観光ニーズが高まっており、全国各地でさまざまな取り組みが進められています。本県でも明日香村をはじめ、橿原市、桜井市、高取町が連携し、修学旅行やインバウンドなどの教育旅行誘致に取り組まれています。飛鳥の民家ステイ、いわゆる民泊で受け入れている教育旅行は、一般のご家庭に宿泊し、農林業体験や竹細工体験など地域ならではの体験をしていただき、地元の人たちとも交流を深めることができる内容となっております。

 私も実際に、明日香村で行われた民泊離村式に参加させていただきましたが、宿泊された学生たちの笑顔や、宿泊したご家庭の方との別れに涙する学生もおられ、感受性の高い若い年代の方々の記憶に深く残ることで、将来再び明日香村を訪れてみようという意識を持ってもらえることを実感いたしました。この民家ステイの受け入れ実績は年々伸びており、またリピーターとなるような学校もあるなど、この取り組みは高く評価されているところです。

 私は、本県への宿泊客をふやすための一つの方策として、旅行者に北和地域だけでなく中南和地域にも訪れていただき、そこでできるだけ長時間滞在していただくことが必要ではないかと考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 現在、橿原市、明日香村等で実施されている民泊は、橿原、高取、明日香地域の観光振興に有効な取り組みの一つと考えます。今後、県では、橿原、高取、明日香地域の観光振興にどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。

 次に、農村の活性化について知事にお伺いいたします。

 本県の農村は、美しい景観や豊かな自然、歴史、文化など農業、農村の営みによって培われてきた魅力ある空間が形づくられております。特に、私の地元、香具山の山麓に広がる地域は、現在でも水田農業による四季折々の変化など美しい景観が維持されており、日本の原風景とも言えるすばらしいところです。また、橿原市の十市町では、最近、農業用水路で準絶滅危惧種の魚類、アブラボテが発見されましたが、農業が継続されることにより、多様な生き物が住める豊かな農村環境が保全されることを再認識したところです。

 このような美しい農村景観や豊かな農村環境は、農地の開拓や農業を支える水の確保など、先人たちの苦労により築き上げられ、代々、日常の農業や生活の中で受け継がれてきたものであり、大切な財産として次の世代に継承していくことが大切なことだと考えております。

 しかしながら、近年、農家の高齢化が進み、また、担い手の不足などによる農業の継続が難しくなってきたことから、耕作放棄地が増大するなど農村景観の荒廃が進みつつあり、将来さらなる農村景観の荒廃が危惧されるところです。農業、農村は食料を生産するだけでなく、継続的な生産活動を通じて、美しい景観を守り、多様な生き物を育み、地下水の涵養や、水田で雨水を一時的に貯留し洪水を防ぐなど、私たちの生活に多くの恵みをもたらす大切な役割を担っております。

 近年は農村部のみならず都市部においても、農業、農村が有する豊かな自然、美しい景観、ゆとり、やすらぎの空間などに魅力を感じる住民が増加し、農業、農村への関心が高まっております。

 私は澄んだ水が流れ、ホタルが飛び交う、まさに童謡にあるふるさとの歌にあらわされるようなすばらしい奈良の農村景観や、農業、農村の持つ魅力、文化を、県民共有の財産として保全するとともに、資源として活用することで農村地域が活性化し、若者が農村に定着するだけでなく、さらには都市部の若い人たちが農村地域に移り住むことが可能になるのではないかと考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 日本の原風景とも言える美しい農村景観を守るためには、農村の活性化が必要と考えますが、県ではどのような取り組みを進めておられるのかお聞かせください。

 次に、なら食と農の魅力創造国際大学校の組織体制について、知事にお伺いいたします。

 なら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFICは、今までの農業大学校を再編し、農業の担い手を育成する学科に加えて、新たに食の担い手を育成するフードクリエイティブ学科を設け、食と農のトップランナーを育成するという取り組みで、これは奈良にうまいものなしの払拭に向けた荒井知事の取り組みの集大成だと思います。私もNAFICの取り組みが成功するよう応援していきたいと考えておりますので、さらなるご尽力をお願いしたいと思います。

 さて、そのNAFICの安倍校舎建設工事も順調に進み、今月末にはすべての工事が完了すると聞いております。それに先立ち、去る九月五日にはフードクリエイティブ学科が設置される安倍校舎内に、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井がオープンされました。テレビのニュースでは、初日から満席になっていると報道されていましたし、予約についても十月末までは、土日の宿泊を中心にほぼ満室になっているとお聞きしており、この奈良の地に新しい食の拠点ができたと喜んでおるところです。

 私も内覧会に参加させていただきましたが、施設の外壁や天井には、奈良の木を使用し、随所に天平模様をあしらうなど奈良らしい質の高いデザインが施されており、ダイニングや客室からは奈良盆地を見渡すすばらしい眺望が楽しめます。料理は、指定管理者である株式会社ひらまつの方針として、奈良県産の農産物をふんだんに使って、新しく奈良らしいフランス料理が提供されていると聞いており、大和野菜や大和畜産ブランドなど、奈良県食材の魅力発信につながるものと思います。

 ちなみに、このオーベルジュ棟はNAFICのフードクリエイティブ学科の学生たちが実践研修の場として、プロのわざを目の当たりに研修できることが大きな特徴であると聞いております。そういった点からもお客様にご利用いただかないと、学生たちの研修の場にはなりませんので、来年四月の開校に向け、順調な滑り出しだとひと安心しております。それに加えて、これから一番肝心なことは、学生の確保と、学生を迎える組織体制の確立だと思います。

 知事は、つい先日、九月二十四日の定例記者会見において、株式会社ひらまつの平松社長を校長に内定したと発表されました。私も内覧会において、平松社長のご挨拶をお聞きする機会もあり、また知事との対談内容や共同記者会見の内容を拝見しておりますと、平松社長に校長に就任してもらうのがいいのかなと思う一方で、果たして、民間登用で学校運営が大丈夫なのかと不安を感じなくもありません。また、調理実習を担う教員の確保についても、本年七月に辻調理師専門学校を運営されている学校法人辻料理学館と協働連携に関する基本協定を締結され、このたびNAFICの調理指導に関する業務を委託されたとお聞きしましたが、辻料理学館には、具体的にどのような内容をご担当いただくことになったのでしょうか。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 校長の選定理由はどういったものかお聞かせください。また、教職員の確保の見通しなど、来年四月の開校に向けた組織面での準備の状況についてあわせてお聞かせください。

 次に、全国学力・学習状況調査について教育長にお伺いいたします。

 この八月末に、本年四月に実施された全国学力・学習状況調査の結果が発表されました。新聞報道によりますと、小学校六年生、中学校三年生ともに、自治体間の成績差が一層縮まり、全国的な学力の底上げが進展したとありました。また、理科では、前回調査に引き続き、実験・観察の結果を踏まえた考察や正答率が低く、中学生の理科離れが進む現状が浮かび上がったとのことでした。そのほか、みずから課題を見つけ、討論をしながら解決策を探る課題解決型学習、いわゆるアクティブ・ラーニングに積極的に取り組む学校の平均正答率が高い傾向にあるなど、文部科学省では、授業改善や教員研修の充実を進めていきたいとしているとの報道もありました。

 本県の子どもたちの結果は、小学生では昨年度より向上し、中学生ではやや下がっているようです。また応用力や活用力に課題が見られることや、理科については全国平均を下回り、前回よりも成績が振るわなかったということも聞いております。

 私自身、以前に学校現場で、生徒たちと向き合った経験がありますが、熱心な先生方も多くおられ、その指導のもと精いっぱいに学んでいる生徒たちの姿を見てきております。私は、決して本県の子どもたちのポテンシャルが低下してきているとは思いません。また、先生方の熱意が低下しているとも思ってはおりません。全国学力・学習状況調査は子どもたちに対してどのような授業や指導を行っていく必要があるのかを明らかにし、先生方や子どもたちにしっかりと伝えることが本来の目的だと思います。そうすることで、子どもたちのやる気を高め、本当の意味での確かな学力を育成することや、学校教育の充実に生かすことが何より大切なことだと考えております。

 そこで教育長にお伺いいたします。

 本年四月に実施された全国学力・学習状況調査の本県の調査結果をどのように捉えておられるのかお聞かせください。また、県として、今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお聞かせください。

 最後に、教員の大量退職への対応について、教育長にお伺いいたします。

 教員については、大量退職、大量採用の時代が続いています。ここ数年の退職者数は団塊の世代が定年退職されることを背景に、平成二十四年度が六百六人、平成二十五年度が四百七十五人、平成二十六年度が五百十九人と推移しています。団塊の世代の退職は一段落したものの、現在の教員の年齢構成を見ますと、五十歳以上が四二%となっており、当分の間は大量退職の時代が続くものと予想されます。

 一方、採用数は、大量退職を背景に、平成二十五年度が五百十三人、平成二十六年度が四百四十五人、平成二十七年度が四百三十三人と、こちらの大量採用の時代が続いております。その結果、三十歳以下の教員の割合も二三%を占め、若手とベテランが多いといういびつな年齢構成になっております。

 現在、学校では社会の変化や教育に対するニーズの変化などから、さまざまな問題や課題が山積しております。教員は、授業に関することだけでなく、部活動、生徒指導、進路指導、子どもの安全確保、保護者対応、地域とのかかわり、学校経営への参画、各種事務処理など多様な業務に奔走されており、経験の浅い教職員の育成が課題と言いながら、多くの教員は日々の業務に追われ、個々の能力、技量の向上に取り組みにくい環境にあります。

 このような中、教員の育成については、研修体制の整備や自己啓発の支援などに取り組まれていますが、中堅教員の数が少ないために、若手教員の指導にも苦慮いただかねばならない状況にあります。若手教員がふえることで学校が活性化することは歓迎されることですが、一方で複雑で困難な課題や問題の解決にあたっては、まだまだベテラン教員の方が必要です。今後の教育現場のことを考えると長年の経験や知識の積み重ねに裏打ちされたベテラン教員の能力や技量を継承するため、退職後も含めた活用を考えるべきではないでしょうか。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 今後の退職予定者も含めて、ベテラン教員がこれまで培ってきた知識や能力、技量を若い世代に継承するため、県ではどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。

 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 一番亀田議員の初めてのご質問がございました。

 私に対する第一問目は、スポーツを通じた南部・東部地域の振興でございます。

 スポーツは議員お述べのとおり、地域振興の重要な要素であると考えてきております。来訪者の増加や関連する観光など産業の振興にも寄与いたします。地域の一体感や活力を醸成し、地域社会の活性化に大きく寄与するものであると考えております。そのような観点から、本県におきましても、スポーツ全般の振興に取り組んでいるところでございます。特に、南部・東部地域におきましては、議員お述べのように、豊かな自然環境を生かしたスポーツイベントの開催とスポーツ合宿の誘致を二本柱に据えて、さまざまな事業を展開しようとしております。

 まず、スポーツイベントの分野でございますが、例えば、起伏に富んだ南部地域の地形を生かしたヒルクライム大台ヶ原や山岳グランフォンド・イン・吉野などのサイクルイベントがございます。また、吉野山から高野山までの山々の雄大さと歴史を満喫できるKoboTrail(コーボートレイル)などのトレイルランニングレースもございます。五月から九月にかけて実施されております。

 また、なだらかな高原が広がる東部地域におきましては、初心者から上級者まで幅広く楽しめますサイクルツアーイベント、ツアー・オブ・奈良・まほろばを、毎年、秋に実施をしています。

 これらのイベントは、大変有名になってきておりますわけですが、南部・東部地域の持つ豊かな自然環境でしか味わえないスポーツの醍醐味のほか、美しい風景や地域住民とのふれあいなど、さまざまな魅力にひかれ、最近では海外も含め全国から多くの方々にご来訪いただいているイベントでございます。また、水辺のイベントでございますが、おおたき龍神湖で競うカヌーと大台ヶ原を目指して駆け上がるマラソンなど、競技を組み合わせたアウトドアスポーツイベントを、来年五月の開催に向け、川上村、上北山村と連携して準備を進めています。

 このような二日間にわたる異なる競技に連続して参加していただく全国でも珍しい大会になると期待をしております。

 次の要素でございますスポーツ合宿でございますが、議員お述べになりました下北山村をはじめ、卓球、バトミントンなどの室内競技も含めて延べ十五競技、十市町村で学生の合宿を中心に誘致に取り組んでいるところでございます。また、五條市上野公園に新体育館が、来年完成いたします。これは、南部地域の新たなスポーツ合宿の拠点になることを県としても期待しているところでございます。

 今後、スポーツを通じた南部・東部地域の振興に向け、地元市町村や関係団体とも一層連携を広げるとともに、県内外や海外にも情報発信することなどにより交流人口の増加につなげていきたいと考えております。スポーツを核にして、観光などに発展する地域振興を図っていきたいと考えているところでございます。

 次は、橿原、高取、明日香地域の観光振興についてのご質問がございました。

 世界遺産登録への取り組み、また、民泊に対する取り組みの二点のご質問でございます。

 まず、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群でございますが、これは日本国の誕生の記憶が刻まれた地でございます。律令制により、天皇を中心に国家を形成した地域でございます。六世紀末から八世紀初めにかけて、東アジアとの交流の舞台となった地でもございます。世界に比類のない国際性を有している地であると言われております。日本の始まりを感じ、この国の成り立ちをたどることができる歴史遺産として、橿原市、明日香村、桜井市に点在する二十の関連遺産群が世界遺産の候補となっております。

 現在この構成資産が、国際的交流下での日本国の誕生というコンセプトに合うように、国際的な評価、構成遺産の保護措置の充実に加えて、地元機運の醸成の三つの観点から、世界遺産登録に向けた取り組みを行っているところでございます。

 まず、国際的な評価でございますが、世界遺産登録の重要な条件でございます顕著で普遍的な価値、アウトスタンディング・ユニバーサル・バリューと言われることについての証明は、日本から見た価値ではなく、世界から見た国際的な理解と評価が求められる要素でございます。このため、今年度は、飛鳥・藤原の資産が持つ価値や地下遺構にある資産をどう見せるか、どう伝えていくかなど、登録に向けた戦略を練るための学術的検証を深化させているところでございます。形として、なかなかあらわれていない歴史が、地下に埋もっている飛鳥でございます。

 また、二点目の構成遺産の保護措置の充実についてでございますが、構成遺産の適切な保存、管理が求められておるわけでございます。文化財保護法に基づく史跡指定の拡大を着実に実施することが必要でございまして、地元住民の方々の協力を得られたところにつきましては、順次、史跡地の公有化も進めているところでございます。

 三つ目、最後の地元機運の醸成でございますが、世界遺産登録の意義を発信するためのシンポジウムの開催や、デジタルサイネージなどの媒体による啓発プロモーションの推進など、世界遺産登録の機運を高めるための情報発信にも努めております。飛鳥の価値は、その比類のない東アジアとの交流による国際性にあると言われています。その点についての地元理解の浸透も大事な課題だと考えております。

 今後も、世界遺産登録に向けまして、県と関係市村であります橿原市、桜井市、明日香村で構成されております世界遺産登録推進協議会を中心に積極的な取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。

 民泊についてのご質問でございます。

 今、申し上げましたように、橿原、高取、明日香は、国の始まりの地として、数々の文化遺産に代表される歴史的風土が残されています魅力ある観光地でございます。しかし、なかなか滞在をして、ゆっくり見ていただける施設の整備がございません。ゆっくり周遊していただくには、宿泊につなげる宿泊施設を準備することが重要な課題でございます。この地域の観光振興上の課題は、このように十分な質と量のホテルがないことでございます。それをカバーする意味でも量は大きくはございませんが、議員お述べの民泊は重要でございます。

 民泊は、地域住民と交流し、さまざまな体験ができる点で教育効果が高いとされ、近年、全国的にも民泊を組み入れた修学旅行やインバウンド、海外からの教育旅行が増加しているものでございます。

 本県におきましては、平成二十三年度から明日香村で受け入れが始まり、平成二十六年度からは、橿原市、桜井市、高取町と連携した広域的な取り組みになりました。その結果、延べ宿泊者数は年々増加し、平成二十六年度には三千七百二十五人にまでなっております。もちろん量は多くはございませんが、評判は高く、定着が期待される宿泊でございます。

 県では、修学旅行誘致の取り組みといたしまして、夏休み期間に首都圏や福岡県の先生方を奈良にお招きして、モニターツアーと呼ばれるものを実施しております。この一環で、橿原市、桜井市、高取町、明日香村での民泊をセールスしていただく機会を設けましたところ、首都圏の学校の誘致に成功した事例も出てきております。また、海外からのインバウンドにおきましては、台湾からの教育旅行が急増しておりますことを受けまして、今年度の台湾教育旅行商談会には、同地域における民泊実施主体でございます飛鳥ニューツーリズム協議会にも参加いただいております。セールスに力を入れてきているということでございます。

 一方、このような地域は、日本書紀で繰り広げられる歴史の中心舞台でございます。日本の古代史を彩る大きな出来事がこの地域で起こりました。県が進める記紀・万葉プロジェクトにおきまして、これらの歴史ドラマを多くの方に楽しんでいただけるよう、現在、日本書紀ゆかりの地のPR映像の制作に着手をしております。また、日本書紀をテーマにした連続講演会を開催し、この地域の歴史に親しむ機会を多くの方々に提供したいと考えております。日本書紀完成の年は、オリンピックイヤーから千三百年前の七百二十年でございますことも、オリンピックに向けた取り組みとして、県が実行してきております。

 今後、橿原市、高取町、明日香村と連携をしながら、観光客の周遊、滞在につながる取り組みを積極的に進めますとともに、近年増加しておりますゲストハウスや古民家一棟貸し宿泊施設の情報発信なども充実、強化していきたいと考えております。

 その次のご質問は、農村の活性化の取り組みについてのご質問でございます。

 議員お述べのように、本県の農村は都市近郊でありながらも、農業や農村の営みを通じて継承されてきた、美しい田園景観や豊かな自然、歴史文化、新鮮でおいしい農作物など、都市にはない魅力がまだ豊富に存在しておるものでございます。これら農村の魅力を将来に継承し、有効活用していくためには、継続的に農業生産活動が行われることはもちろんでございますが、農村が持つ価値や魅力を、我々、県民、住民が再認識し、農村地域の活性化を重要な事項として図っていくことが、地方創生の観点からも重要と考えております。農村の活性化がないと、やはり地域の潤いがないというふうにも考えております。

 そのため、県では集落や市町村、農業団体の皆様とともに、農村地域づくり協議会を設置しております。都市と農村交流の促進や農村の魅力の発信など、農村地域のにぎわいづくり、その発信を推進しております。

 具体的には、山の辺の道周辺地域や橿原市十市地区などにおきまして、体験農園、オーナー園の開設をはじめ、収穫体験と組み合わせたウオークイベントや耕作放棄地を再生した花の植栽による農村景観づくり、子どもも楽しめる生き物観察会や泥んこ祭りなどユニークなイベントの開催などのほか、インターネットを活用した情報の発信などに取り組んでまいりました。

 今年度は、これらの取り組みに加えまして、新たにイオンモールと連携しまして、タガメやゲンゴロウなど、田んぼの生き物講座やジャムやハーブ茶などの手作り加工品の紹介など、農村の新たな魅力を広く一般に発信するイベントを八月に開催いたしました。好評でございました。また、十一月には、農業や農村にまつわる歴史文化を再発見し、その魅力を伝える語り部交流会の開催を予定しております。さらには、田園空間や歴史文化、眺望スポットを自転車で快適に回れる農村周遊自転車ルート整備計画の策定をしたいと考えております。また、農村の魅力情報を発信する奈良県農林ジャーナルを発行するなどの取り組みも進めてまいりたいと思っております。

 次のご質問は、なら食と農の魅力創造大学校の組織面での準備の体制についてです。

 このNAFICといわれる学校につきましては、今までの農業大学校を再編して、アグリマネジメント学科とするとともに、新たにフードクリエイティブ学科を設置し、経営感覚に優れた食と農のトップランナーを育成することを目的にしております。そのためには、県職員だけでなく、専門的知識、経験を持ち、高い志を有する民間人の登用が必要であると判断してきたところでございます。

 議員お述べのとおり、平成二十八年四月から開校いたします本校の校長につきましては、平松博利氏にお願いすることに内定をさせていただきました。この平松氏は、東京を中心に国内主要都市やパリで計三十店舗の飲食店、レストランを経営されており、オーナーシェフとして、フランス料理の技術のみならず、レストラン経営にも精通され、経営感覚に優れた方でございます。

 日本で唯一の上場されているレストランのオーナーでございます。また、何よりも平松氏は、日本でのシェフの養成に新境地を開きたいとの強い意欲と、これまでにない育成方針を明確に持っておられることがわかっております。このNAFICでは、オーナーシェフなどを目指す方々に調理技術だけでなく、レストランの経営能力、高度な接客を行えるホスピタリティ提供能力など、実践力の高い食の担い手の育成を目指しておりますので、平松さんの経験とノウハウに大きな期待をしているところでございます。

 また、農業経営の指導についても、平松さんに期待の大きいものがございます。平松さんが経営されるレストランでは、これまでも平松氏自身、みずから農家に赴きまして、理想とする料理にあった農産物の品質を追求されてきております。食材の生産に対しても、強い思いを持っておられます。

 先日、オープンいたしましたオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井におきましても、大和野菜をはじめとする県産農産物を積極的に活用され、また高いレベルの品質を求めておられ、意欲のある県内生産者に大きな刺激を既に与えておられます。こうしたことから、アグリマネジメント学科の指導においても、熱意を持って取り組んでいただけるものと確信しており、校長職として適任であると考えております。

 また、調理指導の担当教員についてのご質問もございました。調理技術の指導はもちろんのこと、指導経験の豊かな人材が不可欠な分野でございます。このため、ご指摘のありましたように、学校法人辻料理学館とは、本年七月二日に、協働連携に関する基本協定を締結いたしまして、食と農の分野における協働事業の一つして、NAFICでの調理に関する教授業務の委託契約を結んだところでございます。教員につきましては、調理担当教授二名、製菓・製パン担当教授一名に専任いただくことになりました。また、食品衛生学など調理関係のカリキュラムにつきましては、既に、県内外のその道の第一人者である大学教授等に依頼を済ませたところでございます。

 今後は、校長内定者である平松氏のもと、経営感覚にすぐれた食と農のトップランナーを育成するため、学生募集に全力を注ぐとともに、開校に向けた諸準備を円滑に進めてまいりたいと考えております。

 残余の質問は、教育長がお答え申し上げます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 一番亀田議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、二問の質問をいただいておりまして、一問目は、全国学力・学習状況調査について、本県の調査結果をどのように捉え、今後、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 私は、全国学力・学習状況調査の結果を、子どもは、教師が学校を映し出す鏡として受けとめて、一人ひとりの教師が学校における教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることは、最も大切であると考えております。そのため、県教育委員会では、学力や学習状況の調査結果を学習意欲、家庭での生活や学習習慣などの観点から分析をし、本年度から開催をしている県教育サミットで報告、協議しながら、本県の教育力の向上に努めております。

 議員もお述べのように、真の学力の育成には、子どもの意欲を高めることが大切でございます。学習意欲にかかわる本年度の調査結果におきましても、学力調査の平均正答率に勉強が好きな児童生徒とそうでない児童生徒の間に、小学校算数では一七・六ポイント、中学校数学では一二・五ポイントの差が見られ、勉強がよくわかる児童生徒とそうでない児童生徒では、小学校算数で二四・六ポイント、中学校数学で一九・四ポイントと、さらに大きな差が見られました。

 このことからも、各学校において教員が児童生徒によくわかる授業を行うことは重要でございまして、今後、子どもが引きつけられるような授業モデルの動画配信や正答率の低い問題を克服する授業アイデアの説明会などを実施し、教員の授業力の向上を図ってまいります。また、中学校区単位での小・中合同の研修会や、初任者研修では小グループごとに指導主事が直接わかりやすい授業づくりへの指導を行うなど、研修体制の整備にも努めていきます。

 さらに今回、小・中学校ともに全国平均を下回りました理科の調査結果からは、正答率の高い学校ほど観察、実験を行う頻度が高い傾向が見られました。そのことから、やはり、今後は教員を対象とした実技研修などを実施いたしまして、観察、実験を多く取り入れ、結果を整理、考察させる、そんな授業改善につなげてまいりたいと考えております。

 次に、教員の大量退職への対応について、ベテラン教員の知識や技能を若い世代に継承するための取り組みについてのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、教員の大量退職、大量採用が続き、五十歳代と二十歳代を合わせると教員の全体の三分の二を占めている状況の中、複雑多岐にわたる教育課題に対応するためには、経験豊かな教員の知識や技能を中堅や若手教員に継承する、そんな体制づくりが重要と考えております。

 そのため、県教育委員会では、十年経験者研修を終了した四十際代半ばまでの教員を対象として、平成二十四年度からミドルリーダー養成研修講座を実施し、学校経営の課題や教育課題等に関する研修を通して、必要な資質能力を培っております。また、早い時期から学校運営に参画しようとする意識を高めるために、教頭候補者選考試験の受験資格年齢を満四十歳以上から満三十五歳以上に引き下げも行いました。それぞれの学校でも、校長の指導のもと、現在主任等務めている経験豊かな教員が若手教員とペアを組むなど、日頃から授業、生徒指導、学級運営等の業務を通じ、長年にわたる教育活動で得た経験や知識、技能等の継承に取り組んでおります。

 また、豊かな経験を次世代に継承する観点から、指導力のある退職教員を再任用教員として積極的に活用することとし、初任者研修の指導教員としても任用をいたしております。県教育委員会事務局内においては、経験豊かな退職校長を任用し、生徒指導上の危機管理への対応や、今年度を昇任した校長への支援のために、定期的に学校を訪問いたしております。

 今後も大量退職が続き、当分の間は年齢層に偏りのある教員構成が続くことから、ベテラン教員の指導力を最大限に生かし、次世代を担う教員の養成に努めてまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 一番亀田忠彦議員。



◆一番(亀田忠彦) 知事また教育長におかれましては、丁寧なご答弁をどうもありがとうございました。

 時間も少ないので、一つずつの項目については申し上げることはいたしませんけれども、ちょっと気づいたところだけ、私の思いだけちょっと述べさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、知事が述べられたように、スポーツを通じたこの地域振興の中で、来年の五月にカヌーとマラソンを合わせたイベントを企画されておられるということが非常に効果的なことだと思います。要は滞在時間をいかに長くするかというところが、私も重要なポイントだと思っておりますので、二日間にわたってイベントをするという取り組みこそ、そういったところにつながっていくのではないかと、来年の五月のこのイベントを、まず楽しみにしたいと思いますし、私の地元橿原市においても、鉄道や道路のアクセスが非常にいいという評判のところから、スポーツ大会やスポーツイベントの提案がかなり多くあるということを聞いております。ただ、グラウンド等のその施設の問題があります。一面だけではなかなかできないけれども、複数面あればいろいろな大会が催しできるという、そんな声も聞いておりますし、複数あれば宿泊を伴うスポーツイベント、スポーツ合宿、そういったものも取り入れることができるんじゃないかなと思っております。

 そしてもう一つ、ちょっと視点は変わりますけれども、ご紹介させていただきたいのは、地域のスポーツクラブと学校との連携も重要なポイントであると思っております。文部科学省がやっております地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクトという、こういった事業の委託を受けて、橿原市で実施されているスポーツクラブもあるというふうに聞いております。

 こういった事業も積極的に研究をしていただいて、さらに取り組まれていただきますことをお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、四十一番山村幸穂議員に発言を許します。−−四十一番山村幸穂議員。(拍手)



◆四十一番(山村幸穂) (登壇) 皆様、こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。

 十九日の未明に、六割にのぼる国民の反対を押し切り、憲法違反の戦争法が強行採決されました。断じて、許すことはできません。日本共産党は、安保法制を廃止して、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すために、安倍政権打倒の闘いを発展させること、戦争法を廃止で一致する政党、個人、団体が共同して、国民連合政府をつくること、一致する野党が国政選挙で選挙協力を行うことを心から呼びかけています。思想、信条の違い、政治的立場の違いを乗り越えて、力を合わせ、立憲主義、平和主義、民主主義を貫く新しい政治をつくるために、全力で闘う決意を申し述べまして質問に入りたいと思います。

 まず初めに、ごみの減量化に向けた取り組みについて、景観・環境局長に伺います。

 先日、関東・東北地方を襲い、大変な被害をもたらしました集中豪雨災害をはじめ、猛暑、豪雪など、地球温暖化による異常気象は深刻です。後先を考えない大量生産、大量消費、大量廃棄の社会が限りある資源の浪費、温室効果ガスの排出をはじめとする、環境汚染を生み出しています。

 この大量生産、大量消費、大量廃棄の生活がごみ問題の根本原因でもあります。住民一人ひとりが、どうしたら限られた資源や環境を守っていけるのか、真剣に考え、身近な暮らしの問題としてごみの減量に取り組んでまいりました。だからこそ、この間に、ごみの減量が大きく進んできました。

 ところが、二〇一二年までの十年間、減少を続けていたごみは、ここ数年、減少傾向に歯止めがかかっています。リサイクル率が低下し、集団回収による資源化量も減少に転じています。その原因は、政府がごみ発電等を備えたエネルギー回収推進施設、これを推進することを条件に各自治体に対して、焼却炉建設の交付金の額を、通常三分の一から、二分の一へかさ上げして、ごみの焼却を最優先にして、燃やせるものはできるだけ燃やすことを誘導してきたことにあるのではないでしょうか。

 この方針は、廃棄物処理施設メーカー、大企業のごみ収集の広域化推進による高効率発電施設への転換などを求める要望による、まさにメーカーの思惑に沿ったものと言えます。

 また、政府はごみ焼却施設への交付金の交付要件を人口五万人以上、または面積四百平方キロメートル以上の地域として、小さい自治体は広域化せざるを得ない大型化を進める広域化誘導を行っています。

 この方針によって、各地で従来分別、資源化してきたプラスチックごみ等の資源化をやめて、燃やせるものは全て燃やしてしまおうという流れが強まって、ごみ減量に逆行する事態となっています。

 こういう中でも、徳島県上勝町は、日本で初めて、ごみゼロ宣言を採択して、生ごみの全量堆肥化をはじめ、ごみの三十五品目の分別を実行し、七七・二%のリサイクル率となりました。市部門で、リサイクル率日本一となった鹿児島県志布志市は、一九九八年ダイオキシン対策が問題になったとき、焼却炉を建設しない選択をして、同時に埋立地にも限界があることから、市職員と住民の協力、粘り強い取り組みで二十四品目の分別でごみの徹底した資源化を進め、埋め立て量は約八割減らし、年間一人当たりごみ処理費用は全国平均の約半分となりました。市の財政健全化にもつながり、まちづくり、福祉、教育など予算確保に貢献しているといいます。ほかにも、埋立地の確保ができなくなり、思い切って市民に徹底したごみ分別を呼びかけて、大幅な減量を進めた名古屋市など、焼却炉や最終処分場の立地、財政問題の解決に、大幅なごみ減量が避けられない課題です。

 奈良県でも、焼却炉の数が多い、老朽化して焼却炉建てかえ、改修しなくてはならないなどの問題に直面しておりますが、今こそ、大胆にごみ減量を進める絶好の機会ではないでしょうか。

 県下の市町村では、住民の協力のもと、できるだけ細かく分別を行って、再利用、リサイクルでごみの減量に取り組み、ごみ焼却炉の規模を縮小して、建設経費や維持管理費の削減を図る努力をしています。県はこの取り組みを応援して、徹底したごみ減量を進め、焼却炉を少なくことしていくことが望ましいと思います。

 しかし、県は県下に焼却量の少ない小さいごみ焼却炉が数多くあるとして、奈良モデルとして効率的な観点から、県と市町村が連携して、ごみ処理の広域化を目指しています。政府の広域化誘導策に呼応して、広域化をするための県独自の補助金制度もつくられています。効率をよくすることも大事ですが、広域化では過大な焼却施設をつくることにならないか懸念されます。ごみをたくさん集めて燃やすことが前提とされ、ごみ減量とは逆行します。広域化されると、住民の目からごみが遠ざけられて、ごみ問題を直接の課題と意識しづらくなり、減量への取り組みを弱めることになるのではないでしょうか。

 実際、田原本町でも、二市一町の広域事務組合をつくって広域処理を行うこととなっておりますが、住民の中からは、新たに整備されるのはごみ発電施設となることから、たくさんのごみを燃やすことになる、遠くまでごみを運ぶ危険性や目の前にごみがなくなり、自分たちから遠い問題になってしまうと、反対意見が出ております。

 天理市がこれまでの四市町村の枠組みから西名阪自動車道沿線地域の市町村などに呼びかけて、天理・西部地域の新たな広域化の枠組みを目指している計画では、この焼却量は現状の四市町村の枠組みで新設すれば、百二十トンとなるものを、広域化で三倍、三百七十トンの規模になると想定しています。

 広域化の計画の進め方にも問題があります。新たな広域化を目指している天理市の例でも、施設関係者や焼却炉メーカー、自治体のトップなどによって計画が進められ、住民には情報は公開されていません。広域化を呼びかけられている関係市町村では、詳しい情報が知らされない中で判断できないと、議会でも意見が出されています。住民には、計画がほぼ決まってから知らされることになるのではないでしょうか。これでは住民主体とは言えません。

 奈良県のリサイクル率は一三・一%、平成二十五年度全国最下位です。自治体では、細かく分別しても引き取ってもらえるところがなく苦労している実態があります。特に、廃プラスチック容器は種類が多く大量に出回っており、再利用のための改修や分別、洗浄、保管など費用的にも自治体の大きな負担となっています。もともと製品をつくった製造元がリサイクルの責任を持つ仕組み、法的整備がおくれております。また、一般廃棄物の中に含まれる事業系ごみの分別や減量が進んでいない課題もあります。このような市町村に共通する問題の解決に県の積極的な支援を行うことも必要ではないでしょうか。

 そこで伺います。

 奈良県は、新奈良県廃棄物処理計画において、未来に生きるごみゼロ奈良県の実現を基本目標に掲げています。ごみ処理の広域化を進めることは、ごみの減量化に逆行することにならないのでしょうか。また、どのようにごみの減量を進めていくのか伺います。

 次に、おくれている県管理道路の歩道の整備について、県土マネジメント部長に伺います。

 住民の皆さんから数多く寄せられているのは、生活道路の改善の要望です。私たち県議団が、昨年夏に行った暮らしのアンケートでも、約三千通の回答がありました。その中で、地図や写真をつけて、ここが危ないと危険箇所を示し、何とかしてほしいという切実な要望がたくさん寄せられました。

 早速、この要望をまとめて、県土木事務所に改善を求め、対応していただいておりますが、県土木事務所では予算や職員が減っている中、全て対応するには限界があります。県全体の道路関係予算は、平成九年から比べると約半分となっています。大型道路の新設だけに偏らず、改良や維持管理を適切に進めるべきと考えます。

 とりわけ要望が多いは歩道の整備です。児童が通行する通学路では、歩道のないところも多く、危険な状況にあります。また、高齢化が進む中、駅や病院等の周辺では歩行空間のバリアフリー化を早期に進めなくてはなりません。県が管理している道路の歩道整備率は、約二六%で全国四十五位と大きくおくれています。

 限られた予算の中、効果的かつ効率的な歩道整備による早急な改善が必要と考えますが、歩道整備について、どのように進めていかれるのか伺います。

 次に、土木技術職員の確保について総務部長に伺います。

 土木の仕事を担っている現場の状況も大変です。土木事務所の職員を見ましても、奈良土木事務所でも、工務課は二つあり、地域を分けて対応しておりましたのに、現在は一つの課に統合され、職員は大きく減らされております。この十二年間で、約二割の土木技術職員数が減少しています。職員が減っているのに、仕事は減りません。最近は異常気象による災害がふえ、緊急の対応に追われております。市町村では土木の技術職員がいないということで、県職員が応援する役割も担っております。

 ある土木事務所の職員のお母さんから手紙をいただきました。息子は毎日のように十二時を過ぎて帰ってくる。体を壊さないか、とても心配です。痛切な訴えです。職員の皆さんからも、厳しい労働の実情をお聞きしております。現場の職員の皆さんは、大変苦労して頑張っておられますが、過重労働をなくして健康を維持することが第一です。

 県民の安全を守り、県土を守るためにも、土木技術職員の確保を図ることは重要であると思います。今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。

 次に、県営ブール跡地活用プロジェクトについて知事に伺います。

 県は県営プールの跡地に、ホテルを核としたまちづくりで、にぎわいと交流をつくり出すとしています。まちづくりは住民主体で進めるものであると思いますが、ここでは県が主体となってホテル誘致にあわせて二千人のコンベンション施設、イベント広場、飲食物販施設、地下駐車場、バスターミナルなどの施設を建設する計画です。事業費は、施設の設計、建設にあわせて維持管理、運営を含め、約二百二十億円を県が投じると発表されました。あまりにも巨額の投資で驚いております。多くの県民からも、暮らしの実態からはとても理解できないとの意見が寄せられています。庶民の暮らしは、非正規雇用で収入が安定しない、年金が目減りする、医療も介護も負担がふえた。消費税増税に食料品など物価がどんどん上がる中で、厳しくなる一方です。もっと暮らしを応援してほしいとの願いは切実です。今回の大型ホテル誘致、拠点整備は、大資本に利益を吸い上げさせる古い開発計画ではないでしょうか。県民の暮らしに役立つとは思えません。

 今回の事業手法は、民間の資本や技術を生かして効率的な整備、運営ができるというふれ込みのPFI事業として行うとのことです。しかし、PFI事業は内閣府の報告でも事業数、事業費は減少傾向にあると指摘しています。その理由は、全国の事例で税金の節約にならず、効果を過大に見積もり破綻するなど、事業効果が見込めないためです。県は事業効果として、十年間で一千十億円の経済波及効果や雇用拡大などを挙げています。これらは、事業が成功したらということです。果たして、思いどおりの結果となるのか、その保証はあるのでしょうか。疑問です。二百二十億円もの事業費投入のリスクを語らず、バラ色に描くだけでは県民の納得は得られないと思います。

 そこで伺います。

 民間活力を生かしたPFI事業を実施するとして、民間事業者の意見は聞いておられますが、事業化にあたり、事業の実現可能性、起こり得るリスクとその対処法などについて、県民にしっかりと説明しなくてはならないと思います。どのような調査や検討が行われたのでしょうか。知事は、この開発で、観光客があふれるように訪れ、県内に流れ出すと言われておりますが、本当にそうでしょうか。地域の活性化に結びつく観光のためには、地元の住民参加が不可欠です。持続可能な観光、観光のまちづくりのためには、地元の皆さんの参加と英知を集めることこそ大切だと思います。

 大型ホテルの呼び込み、大資本による開発は、大資本の利益にはなるでしょうが、地域の利益に結びつかず、地域の活性化になる保証はないと思います。地元が潤うバランスのとれた開発とするためにも、この際、地元の観光業、商店街など関係者の皆さんや県民参加で、まちづくりについて考え直すべきではないかと思います。

 そこで伺います。

 今後、コンベンション施設や広場等の活用などまちづくりについて、地域の住民が参加して考えるべきと思いますが、どのように進めるのでしょうか。

 次に、奈良公園の(仮称)登大路ターミナルの整備について、知事に伺います。

 奈良公園基本戦略では、登大路駐車場のバスターミナル化で、公共交通機関の利用環境を向上させることや、公園内へのマイカーの流入を抑えて、慢性的な渋滞の解消などを目指すとしています。

 奈良公園の自動車やバスの乗り入れを減らして、環境に配慮して、文化財や自然を守ることも重要です。そのためには、いかに公共交通を利用するのか、ぐるっとバスの運行など、既に進めているものもありますが、パークアンドライドをもっと使いやすくするなど、市内全域を通して交通のあり方を考えなくてはならないと思います。しかし、今回の提案では、観光トップシーズンに来県するバスの駐機場が十四台分不足するとして、(仮称)登大路バスターミナルにそのスペースを確保するというものです。

 そこで伺います。

 (仮称)登大路ターミナルの整備目標の一つとして、奈良市の中心市街地交通システムの結節拠点となることを挙げております。県が目指しておりますこの交通システムの結節拠点とはどのようなものでしょうか。また、提案されているバスターミナルは、交通環境の向上にどのような効果があるのでしょうか。また、この場所が奈良公園の玄関口だということで、バスターミナルにあわせた大型の施設整備をする計画となっています。観光案内や休憩所、トイレなどは必要ですが、あまりにも過大だと思います。

 情報発信とにぎわいづくりによる振興のためにと、レクチャーホール、飲食物販施設六店舗などが整備される計画です。公園利用者へのニーズ調査を行ったということですが、あったらいいなということと、利用することとは違うのではないでしょうか。利用の予測はどのように見込んでいるのでしょうか。

 そもそも、この駐車場の敷地は、名勝奈良公園の中です。大型施設の建設は無謀です。奈良公園の本質的価値は風致景観を充実させ、継承したことによってつくり出されてきた完全至美の公園であることから、名勝奈良公園として指定される際、風致の破壊を厳しく制禁するとされています。公園の玄関口だからこそ、景観を最も大切にしなくてはならないと思います。

 奈良公園の保存管理・活用の基本指針では、県庁周辺区域について、この地区は眺望景観の視点場及び隣接する市街地との緩衝地帯的役割を持つとして、著しい景観の変化を避けるとされています。だから、これまで駐車場として高い建物がない平面の利用でした。今も、ここを通るたびに、北から来れば興福寺の五重塔が見え、西からは、県庁の高い建物が途切れてようやく視界が広がる奈良公園らしい雰囲気を感じられます。ここに三階建ての巨大な建物の壁ができると、風景が一変してしまいます。

 これまでにも、長い歴史の中で公園の改革、改良が加えられてきました。奈良公園開設百年を迎えた当時の奥田知事は就任以来、公園の一木一草を大切にし、現状の破壊、変更は認めないできた。変更を加えることは簡単だが、それを復旧し、現状より守り、より立派な公園にすることは非常に困難である、と公園を管理する県の責任と、保存、管理への態度を示しています。奈良公園の今日の姿は、先人たちの風致景観を守り継承してきた結果であり、かけがえのないものです。長く後世に伝えていくことが、私たちの責務ではないでしょうか。

 そこで伺います。

 名勝奈良公園のエリア内において、景観を壊すおそれのある大型の建物の建設は見直し、施設規模を縮小すべきと考えますが、いかがでしょうか。この計画は、奈良公園地区整備検討委員会で、どのように検討されてきたのでしょうか。計画の図面は、先日の検討委員会で初めて示されました。まだ、議論は始まったばかりです。委員から大規模な建造物による景観への影響を危惧する意見も出ていると聞いています。既に、設計委託もされていると聞きますが、現状変更の文化庁との協議も必要です。拙速ではないかと思います。私たち県民には詳細は知らされていません。

 そこで伺います。

 (仮称)登大路ターミナルの整備は多額の予算を必要とする事業です。整備に向け、県民的議論が必要であると考えますがいかがでしょうか。

 以上、壇上からの質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) まず、私からお答えさせていただきますが、県営プール跡地活用プロジェクトと(仮称)登大路ターミナルの整備についてのご質問がございました。

 県営プール跡地活用プロジェクトのこれまでの調査、検討の経緯についてのご質問でございます。奈良は、日帰り型観光が定着し、そのため観光関連の消費や雇用の機会をみすみす逃がしている状況でございます。こうした長年の課題を解決し、奈良の強みを十分に生かし、地元で観光産業を生み出し、雇用の場の創出につなげていけるよう、従前より県営プール跡地でのホテルを核とするまちづくりに取り組んでまいりました。

 これまでさまざまな民間利用者などのヒアリングを通じて検討を重ね、プロジェクトがより効果的で実現性のある内容となるよう構想の具体化を図ってまいりました。昨年五月には、パブリックコメントにおいて、県構想案についての内容や考え方を詳細にお示しした上で、広く県民の方々のご意見を伺ったところでございます。

 その後も、ホテル事業者の選定と並行して、本プロジェクトの具体化に向けて、コンベンション施設などのホテル以外の施設の整備内容、スキームについて、旅行会社やPFIの実績がある企業等の民間事業者へヒアリングを継続して行い、検討を進めるとともに、本年一月からは、各施設の相乗効果や相互連携の向上に向け、森トラスト株式会社、NHK奈良放送局、奈良市、県の四者による計画策定に向けた協議を行ってまいりました。

 こうした検討を踏まえ、本プロジェクトにおきましては奈良を滞在型観光地へ変革するために、二千人規模の会議を開催できるコンベンション施設を中心に、屋根を備え、さまざまなイベントが開催できる屋外多目的広場、バスターミナルや大規模駐車場、奈良らしさを感じていただける飲食物販施設などをPFI事業により整備、運営していただくことといたしました。これらは、観光地に不可欠とされる施設でございますが、これまでの奈良に欠けていた諸施設ございます。これらを奈良市中心部に整備することにより、奈良市はもとより奈良県全体の観光魅力が多いに変わるものと思っております。

 先日には、ホテル事業者である森トラスト株式会社が、ホテルブランドとの基本合意に至り、ますます本事業の実現可能性が高まってきたと考えておりますが、今後も引き続きプロジェクトの実現に向けて、着実な進捗に最善の尽くしてまいりたいと思っております。

 その次のご質問でございますが、県営プール跡地では、ただいま申し上げましたように、ホテルを核とした賑わいと交流の拠点のまちづくりを進めていくこととしておりますが、その際、奈良らしさにこだわり、地域の方々とにぎわいをつくり上げていくことは、極めて重要な視点であると考えております。

 整備を予定しておりますコンベンション施設は、二千人規模の大会議室にあわせて、中小会議室を備え、グレードの高い国際会議など、これまで奈良では開催が難しいとされていたコンベンションの開催が可能となります。加えて、これらの会議室は多様な利用が行えるよう、部屋の分割を可能とし、床をフラットな形式とすることにより、地域の皆様にもさまざまな用途に、大いにご利用、ご活用いただくことができ、これまで奈良にはなかった施設になるものと考えております。

 また、屋外多目的広場は、地域の人々が参加する特色のあるイベントや民間の人たちが独自に開催されるイベントも開催可能となるよう検討してまいりたいと思っております。年間を通じてイベントを開催することにより、当該地での持続的なにぎわいづくりを実現し、イベントの魅力に引かれて奈良を訪れ、宿泊する人がふえ、奈良市内、周辺にも訪問客、宿泊客があふれるような仕組みをつくっていきたいと考えております。

 今後、運営、活用の具体化を進めるにあたりましては、段階を踏みながら地元関係者との協議、調整に取り組み、各当該地におけるにぎわいのあるまちづくりの実現につなげていく所存でございます。

 (仮称)登大路ターミナルの整備について、ご質問がございました。まず、第一問は、交通環境の向上にどのような効果があるのかというご質問でございます。

 奈良市中心市街地の交通システムは、国土交通省、県、県警察、奈良市、奈良市観光協会、学識者、経験者等で構成いたします奈良中心市街地交通処理対策検討委員会において、取り組んでいるものでございます。このシステムは、公共交通への転換を促進する中心市街地における渋滞対策と中心市街地や奈良公園内における回遊性の向上を図る観光地としての魅力向上に資する交通対策を基本方針としております。

 その中で、(仮称)登大路ターミナルは、奈良公園までの広域交通と公園周辺の周遊間交通をつなぎ、この交通システムの根幹を担う結節拠点として整備を行うものでございます。結節拠点の機能といたしましては、観光バスを対象として、奈良公園の玄関口にあるターミナルまで乗り入れていただき、観光客をおろした後、バスを周辺の駐機場所で適宜誘導して、バスの分散化を図り奈良公園内へのバスの集中的な流入を抑制することで、奈良公園近辺の渋滞緩和の効果が期待できるとするものでございます。また、観光バスからぐるっとバスへの乗り継ぎ拠点とすることで、公園内のスムーズな移動が可能となり、回遊性がより向上いたします。

 さらに、(仮称)登大路ターミナルには、観光バスの分散化を図るための団体バス駐車場予約システムと一般ドライバーへ、奈良公園周辺の交通渋滞情報や駐車場の満空情報、空いているか、いっぱいかという情報を提供する駐車場案内システムを備えたセンターを設置し、渋滞時における交通をコントロールすることで、奈良公園周辺の渋滞緩和を図ってまいる所存でございます。

 次のご質問は、建物の規模についてのご質問でございます。奈良公園の玄関口に位置する当該施設は、奈良公園に来ていただいた方々をお迎えする施設となりますので、名勝奈良公園にふさわしいたたずまいと、来訪者に十分なおもてなしを提供できる施設であることが必要と考えております。

 このことから、交通ターミナル機能とあわせて、奈良の歴史、文化を学べる展示室やデッキなどの休憩スペース、カフェなどの飲食物販施設というおもてなしを提供する施設の整備を考えております。規模につきましては、奈良公園を訪れていただいている観光客数は、大変多いものですが、その実績に基づき快適に利用いただける適正な規模、内容を検討してるところでございます。

 また、建物の形状や意匠につきましては、文化庁の文化審議会に報告するとともに、有識者や地元の民間団体などで構成されております奈良公園地区整備検討委員会で意見をいただき、それらの意見を反映して、建物の圧迫感を軽減するデザインとしております。県庁舎から奈良公園への景観の連続性に配慮した建物配置計画としております。植栽につきましても、大宮通りなど、通りの景観に配慮して、建物の周囲に積極的な緑化を行うこととしており、奈良公園の風致景観と調和のとれた施設になるものと考えております。

 さらに、(仮称)登大路ターミナルの予算についてのご意見、ご質問がございました。

 (仮称)登大路バスターミナルにつきましては、平成二十二年二月議会において、構想を発表させていただきました。そして、平成二十四年二月に策定いたしました奈良公園基本戦略に位置づけ、有識者や地元の民間団体などで構成されております奈良公園地区整備検討委員会において、幾度となく、また平成二十五年度から公開の場で議論をいただき、その結果についても、全て公表してまいりました。また、当該地は名勝指定地でございますので、文化庁とも構想段階から事前協議を続けてきております。名勝指定地の重要事項の調査審議を行う文化審議会第三専門調査会にも報告をしてきているところでございます。

 平成二十六年十二月にイメージパースを公表し、県民だよりや大宮通りジャーナル、県庁ホームページなどでも、そのパースを掲載するなど、県民の皆様に計画概要を知っていただくため、情報発信に努めてきたところでございます。このように、(仮称)登大路ターミナルの議論は始まったばかりではなく、四年前から継続して実施してきており、その過程を経て、現在の計画はでき上がってきたものでございます。

 今般、検討してきた基本設計案が整ったことから、八月七日に開催されました第十回奈良公園地区整備検討委員会にお諮りし、その内容について、おおむね了解をいただいたところでございます。このことを受けまして、現在、実施設計を進めております。設計が整い次第、文化庁に名勝指定地における現状変更申請を行いたいと思っております。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 中景観・環境局長。



◎景観・環境局長(中幸司) (登壇)四十一番山村議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、ごみ処理について、ごみ処理の広域化を進めることは、ごみの減量化に逆行することになるのではないか。また、どのようにごみの減量化を進めていくかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、県内のごみ焼却施設の大半が小規模であり、かつ老朽化していることから、こうした問題を抱えます市町村におきましては、将来を見据え、計画的に対応していくことが重要な課題となっております。このため、平成二十二年度から奈良県・市町村長サミットにおきまして、ごみ処理の広域化が検討されてきたところでございます。現在、御所市、田原本町、五條市が広域処理を行うための施設建設に着手しているほか、県内の三つの地域で事業の具体化に向けました検討が進められております。県では、こうした市町村の主体的な取り組みに対しまして、奈良モデルとして積極的に支援をしているところであります。

 広域化を進める市町村では、ごみ焼却処理の共同事業化に取り組まれることはもとより、ごみ資源の循環利用を促進するとともに、最終的に埋め立て処理する焼却灰になどの減量化を図るため、引き続き、ごみの排出抑制、いわゆるリデュースや、再利用、リユース、再生利用、リサイクルの三Rの取り組みを推進するものと考えており、県といたしましても、奈良モデルとして支援したいと考えております。

 市町村の三Rの取り組みにつきましては、今年度から全市町村に参加を呼びかけ、研修会を開催し、全国の先進事例などの情報を共有しながら、個別事業化のための検討を行っております。また、人口規模などから、市町村単独での実施が困難な食用油や小型家電などの再資源化を連携して実施するためのワーキングも開催をしております。さらに、事業系ごみの一層の減量化を図るため、多量排出事業所に対しまして、昨年度から県と市町村が合同で立入調査を行い、普及啓発にも努めているところでございます。

 今後も引き続きごみ処理の広域化を支援するとともに、市町村との連携、協働のもと三Rの取り組みを一層推し進め、循環型社会の構築を目指してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇) 四十一番山村議員のご質問にお答えいたします。

 私には、歩道整備につきまして、どのように進めていくのかというお尋ねがございました。

 本県が管理いたします国道、県道における歩道の整備状況は、歩道が整備された道路の延長割合である歩道整備率で申し上げますと、平成二十五年四月時点のデータでございますけれども、議員お述べのとおり二六%でございます。全国の平均値が四二%でございますので、大変厳しい状況でございます。

 このように、本県におきましては、歩道の整備が急がれているわけでございますけれども、予算の制約もございますので、選択と集中により、重点的、効果的、効率的に進める必要がございます。このため、歩行空間が確保されていない通学路、バリアフリー基本構想における生活経路、世界遺産地域等における周遊観光経路などにおきまして、重点的に取り組んでいるところでございます。平成二十二年度から平成二十六年度の五年間では、延べ延長で約二十一キロメートルの歩道を整備いたしました。今年度は四十九路線、七十二カ所において、事業に取り組んでいるところでございます。

 今年度の主な事業箇所を申し上げますと、歩行空間が確保されていない通学路につきましては、天理市海知町の県道天理環状線や奈良市二条町の県道奈良精華線におきまして、児童の安全確保のための歩道の拡幅などを進めてございます。バリアフリー基本構想における生活経路につきましては、近鉄尺土駅、磐城駅周辺の国道一六六号におきまして、高齢者や障害者にとって安全で安心な歩行空間を確保するための歩道の新設や展示ブロックの設置などを進めております。世界遺産地域等の周遊観光経路につきましては、ならまちから奈良公園への周遊観光経路である奈良市高畑町の県道奈良名張線におきまして、歩きやすい歩行空間を確保するための歩道の段差や凹凸の改善などを進めております。

 今後とも引き続き、選択と集中の考えに基づきまして、歩行空間の効果的、効率的な整備に着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 野村総務部長。



◎総務部長(野村政樹) (登壇) 四十一番山村議員のご質問にお答えします。

 私には、土木技術職員の確保について、今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねです。

 平成二十三年九月におきました紀伊半島大水害以降、災害復旧事業などが増加していることから、土木技術職員の確保は重要な課題となっています。また、大学における土木系の学生数が年々減少していることや、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催などに向けた民間工事の増加により、全国的にも土木技術職員の不足が懸念されているところです。

 このため、採用に関しては、募集枠を拡大するとともに、受験者の増加に向け、大学や予備校などへの積極的な求人活動を行っております。具体的には、学生向けの土木業務セミナーや採用説明会を開催するほか、本年二月、大学三年生等を対象に、県施工の工事現場を視察するツアーを実施するなど、土木技術職員としてのやりがいを感じてもらうことにより、受験意欲を高めるための取り組みを行っているところです。

 これらの取り組みにより、今年度の職員採用?種試験の総合職の土木区分においては、採用予定人数を確保することができました。また、新たに、今年度から民間企業などを経験した優秀な人材を確保するため、社会人経験者採用試験に総合職の土木枠を追加し、即戦力となる人材の確保を行っていくこととしております。

 今後もさまざまな工夫を重ねて、土木技術職員を確保するとともに、測量、設計等のアウトソーシングや県を退職した土木技術職員の活用についても検討し、県として必要な業務に必要な人員が配置できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) 答弁、ありがとうございます。

 再質問したいと思います。

 最初に、ごみの広域化の問題なのですけれども、ごみ減量を市町村が一生懸命やっていくということをご答弁いただきましたが、天理市で新しい施設の計画なのですけれども、この施設ができ上がるまでには、約十年はかかるということですよね。十年間ありましたら、やはり相当の減量が可能になるということで、本気になって、その減量化計画をまずつくって進めていくということで、広域化をしてもごみが減らされるというふうな、過大な施設にならないというふうな取り組みということが大事だと思うのですけれども、その点について、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

 それから、次に、登大路のバスターミナルのことなのですけれども、バスがとめる部分というのは十四台ということで、それ以外に交通管制システムみたいなものが入るということを、今、知事が答弁なさいましたが、奈良市全体の交通渋滞をよくしていくシステムというのが必要であるということは、知事もお述べになりました。ただ、この奈良公園のこの登大路のターミナルをつくったことによって、例えば、先日もシルバーウイークのときには、私もびっくりしましたけれども、ものすごい自家用車の渋滞状態が生まれておりました。本当に身動きできない状態で、駐車場を探す車で本当にあふれ返るというふうな状況になって、目的地に時間どおりに行けずに、その集会の参加はあきらめたという方もたくさんおられる状態でしたが、そういう混乱というものが、このバスターミナルによって解決できるということなのでしょうか。ちょっと、そこをお聞きしたいと思います。

 それから、次に、奈良公園の保存管理計画では、県庁周辺ゾーンにおいて、許可申請しなければならないような建物を建てるという場合においては、事前の影響調査をしなくてはならないと、管理保存計画の方針の中に述べられております。今回のこの問題について、長いこと検討してきたというふうに、知事はおっしゃってますけれども、あのような三階建てになるということを見て、委員の中からも、これでは景観に影響が出るのではないかというふうな意見も出されたということですから、あの大きさのああいうものが建ったら、景観にどんな影響があるのかという影響調査、あるいは評価などをされているのかどうか、そのことについて伺いたいと思います。

 それから三つ目は、ホテルの問題ですけれども、ホテルとその周辺の施設整備の問題ですが、私がお聞きしたかったのは、そのホテルは自力で来られそうですが、それにあわせて周辺の整備に二百二十億円かかると。この金額が妥当なのかどうか。なんで、こんなにたくさんのお金がかかるのか。その費用がどうやって算出されてきたのかということについて、透明性や公開性という点で言って、客観的なものとして評価できるような、そういうものが公表されているのかということです。そこのところが、ちょっと理解できないというところがありますので、お聞きしているのですけれどもいかがでしょうか。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ごみ処理は最後に答えていただきますが、登大路のバスターミナルの交通渋滞に対する効果ということですが、奈良公園がなぜ渋滞するかということでございますけれども、行かれる方は、奥へ奥へ行かれるわけですね。奥が詰まっている、この地域で車が奥へ奥へ行けば、わずかな車でも必ず渋滞します。必ず渋滞します。そのためには、奥へ行かないようにする。できるだけ離れたとこへ、目的地から離れたとこへ駐車していただく。中町とかあまり離れすぎると駐車してもらえないというジレンマがあるわけでございますけれども、バスが今、県営のバスターミナルが大仏殿の奥にあります。ご存じのように、大型バスがこの登大路からさらに入っていくわけでございます。駐車して、そこでとまって、停車をして、さらに駐車をしてしまう。大仏殿へ行って帰ってくるお客さんを待って、夕方連れ出されるということだから、二重に渋滞するわけでございます。ご存じのことだと思いますが、そのような、奥が行き詰まった観光地奈良をどのように渋滞緩和するかというのは、わりと難しい課題でございますが、基本の一つは、できるだけ駐車を離れたところでしてもらう。そのかわりに、バスなどで周遊をする環境をつくるというのが、このバスターミナルの考え方の基本でございます。十四台とおっしゃいますのは、むしろ駐車というよりも停車をして、そのバスを、見学していただいている間、ほかのところへ駐車してもらう、高畑駐車場とか、そのほかの駐車場を、また南の方でちょっと検討中でございますが、その見学中は、ほかへ駐車してもらうということでございますので、このバスターミナルでは、バスがどんどん回転する、おろして、またピックアップに来ると、また、バス停車場、乗降場というイメージでございます。そのような機能でございますので、なくなるかどうかはわかりませんが、相当緩和されることを期待しております。

 それと、県営プール跡地の駐車場でございますけれども、そこで、四百台ばかしのマイカーの駐車があります。それと、市営の駐車場がJR奈良駅の地下にございます。これは、相当大きな容量でございますので、できれば、この周辺の民間駐車場も含めて、奥へ奥へ、マイカーも駐車されないように、できるだけ県営プール跡地へ駐車して、ぐるっとバスで回ってもらうといったことが基本になる、この交通環境でございますので、そのようなことを志しているわけでございます。ぜひ、ご理解を賜りたいと思います。

 建物の影響調査、景観も当然入っております。この県庁の横に建つ建物でございますが、県庁の建物よりは、もちろんはるかに小さいわけでございますけれども、この県庁は六階、七階ありますが、三階ということでございます。さらに、県庁の第二庁舎よりも大変小さい建物でございます。景観の影響も人によっては、近鉄奈良駅の屋根も見苦しいぞとおっしゃった方もおられるわけですが、今、だれも文句を言う人はおられません。この建物もそのようにいい建物だなと言っていただくことに自信はございます。人にもよると思いますが。ホテルの金額が二百二十億円ということでございますが、いろんな機能を一緒に積み上げてつくった、試算した額で、病院の場合でもいろんな設備、施設を積み上げてつくった額でございます。そうでないと、入札がしてもらえませんので、積み上げてつくった額でございます。

 その機能が、今まで奈良にあるべきなのになかった機能がたくさん入っております。そのような施設、駐車場は大きな大規模駐車場はそのようなことでございますし、にぎわいの拠点、夜にぎわう場所がほとんど奈良にないわけで、奈良公園は夕方まで混みますけれど、夜は全然混みませんですよね。夜、来る人はいないですから、みんな帰っていかれる。近畿日本鉄道株式会社からも夕方どんどん帰って行かれますので、そのような観光地は寂しくございませんでしょうか。やはり寂しいですよ。観光地の主として、宿泊客全国最下位であります。最下位ということは、宿泊者の観光消費は、単に来て、入館料を払って帰られる方、あるいは食事をして帰られる方の八倍から十倍もあるわけでございますので、雇用を確保するためにも、宿泊客はぜひとも必要。奈良では、この国際級グランドホテルは一軒も、長年ございませんでした。今、オリンピックに向けて京都、大阪など他の競争相手というには、随分、背の高い競争相手ではございますが、まだ、どんどんつくっておられるわけですが、ご当地では反対している人もおられるというようなことでございますので、大変寂しい限りでございます。

 このあたりで、再答弁を控えさせていただきます。



○議長(中村昭) 中景観・環境局長。



◎景観・環境局長(中幸司) 山村議員のほうから、天理市等において、広域化が完成するまで十年近くかかると。この間にごみの減量化がもう少し進むのではないかというような再度の質問でございます。

 現在、いわゆる各市町村におきまして、自治会、市民活動を通じまして、それぞれの独自な取り組みとしてリサイクル、リユースなどによりましてごみの減量化というのは、今、積極的に取り組んでいるところでございます。広域がなった場合におきましても、この考え方は変わりません。地域にふさわしい効率、効果的な方法を用いて、ごみの減量化について進められるものと考えておりまして、県も市町村と連携しながらごみの減量化のリサイクルの啓発等にも、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 四十一番山村幸穂議員。



◆四十一番(山村幸穂) ごみの問題につきましては、リサイクルが進めば、広域化しても大きなものをつくらなくても済むわけですから、そのほうがうんと安くつくし、住民にとっての負担は軽くなると、そういう立場で進めていくというのが本来あるべき姿だと思います。その点、申し上げておきます。

 それから次に、知事は答弁、ここで控えておくとおっしゃったのですが、私、もうちょっと聞きたかったのですけれど、二百二十億円がなぜ必要なのかということについて、客観的な資料とか、こういうことでそうなんだという納得できるものは全然ないと思います。公表されておりません。ですので、それでもって、私たちがそれに賛成をして、必ず成功する見込みという点でも、見込みであってわからないということもあるので、ちょっとどうかなというふうに思っております。それは、ちょっと問題ではないかなというふうに思っています。

 そもそも、大型のホテルに来てもらうということは、その大型のホテルの儲けにはなるけれども、地域にどういうふうに、それが還元していくのかというところでの、その点についてもきちんとした説明がないように思います。

 知事がおっしゃっているように、宿泊観光が少ない、夜の本当に寂しい奈良県、全国で一番宿泊施設が少ないとか、そういう問題は、私も共有しております。それは本当に変えていかないといけないと思うし、もっとこの観光を発展させていきたいなというふうに思っているのですけれども、その大型の高級なホテルが来て、その周辺の整備を二百二十億円かけてやれば、その問題が一挙に解決をして、奈良に人があふれて、夜も泊まり客もどんどんふえるっていうふうに、なぜつながるのか、そこが全然理解できないのですね。それは、私は頭が悪いのかしれませんけれども、しかし、そういうふうに短絡的にはいかないというのが現実ではないかと思います。

 もうちょっとそういう意味では、県民の知恵や力も借りると。先ほども亀田議員の質問の中で大変いい提言があったと思うのですけれども、ああいう農家民宿、あるいはそのリピーターをふやして頑張っているというのが、実際にあるわけですから、そういうものを本当に生かしてこそ、地域の利益につながるお金の投資になるというふうに思います。本当に無駄な税金を使わないようにしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、奈良公園の施設ですけれども、渋滞対策は知事がおっしゃったように、車の流入を少なくするということは大事ですが、今回のこの施設がそのために役立つのかという点では疑問を持っています。このターミナルという機能よりも、それ以外の施設に相当のお金をかけて、相当のものをつくられようとしている。しかも景観上、本当に大事にしなくてはいけない場所において、そういうことをされると。この景観の、今、私が聞きました、環境アセスメント、影響評価をちゃんとやったのかということについて、確たるお答えはありませんでしたが、それをもう一回尋ねておきたいと思います。きちんとやって県民に公表すべきだと思います。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 控えます。



○議長(中村昭) それでは、しばらく休憩します。



△午後四時十九分休憩

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△午後四時三十三分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十一番田中惟允議員に発言を許します。−−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇) 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。

 質問する前に、県議会議員として、四期を務めさせていただきました。今春、再び議員として、努力するようにとのご支持をいただきました。精いっぱい務めますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 まずは、子どもの貧困対策についてお伺いいたします。

 社会が発展し、豊かになった日本。しかしながら、昨年、国は平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす十八歳未満の子どもの割合を、子どもの貧困率として公表しました。それによると、二〇一二年の日本の子どもの貧困率は、一六・三%であり、一九九〇年代半ばころからおおむね上昇傾向にあります。OECDは、加盟国三十四カ国中、十番目に高く、OECD平均を上回っていると述べています。中でも、大人が一人の家庭において、大人が二人以上いる世帯に比べて、非常に高い水準となって、五四・六%と深刻な状況であることが明らかになっています。

 経済的な困難を抱える子どもは、十分な教育が受けられないことで貧困の世代間連鎖につながる問題が指摘されています。厳しい環境が、子どもの生活や成長にさまざまな影響を及ぼします。その子の将来が、生まれ育った家庭の状況に左右されてしまうことは、決してあってはならないことであり、解決の急がれる課題です。

 このような状況を受けて、国においては、平成二十六年一月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、八月には施策の基本的な方針を示した大綱が策定されました。法では、都道府県に子どもの貧困対策に関し、地域の実情に応じた施策を実施する責務があり、都道府県子どもの貧困対策計画を定めるよう努めることとされています。県においても、本計画の策定に向けて検討を進めていると聞いています。県の実情に応じた効果的な対策を進めていくためには、子どもが置かれている貧困の状況を十分調査し、課題を明らかにして、施策につなげていく必要があると思います。

 そこで、こども・女性局長にお伺いします。

 県として、経済的に困難な状況にある子どもの実態をどのように捉えておられるのでしょうか。また、実態を踏まえ、今後どのような施策を必要だと考えておられるのかお尋ねいたします。

 次に、「松風騒ぐ丘の上 古城よ独り何偲ぶ」、ご存じ三橋美智也の有名な古城の一節です。その二番は、「崩れしままの石垣に 哀れを誘う病葉や 矢弾のあとのここかしこ あぁ往古を語る大手門」、となっています。一世を風靡したこの歌詞は、矢弾の跡こそありませんが、宇陀松山城を歌っているのではないかと思われるほどで、心にしみてまいります。

 さて、先日、奈良新聞を見ていますと、高取城のレーザー測量による立体地図が載っていました。最新の技術は、高取城の基礎部分がどこにあるのか明確にしています。県立橿原考古学研究所が歴史研究の一環として作成されたもので、新聞だけではわかりにくいので現物をお借りしてきました。

 これが、そのパネルです。ヘリコプターからの調査で、このような明確な姿を示しています。まさに、一目瞭然です。この一番上の四角いところが天守閣のところです。この辺まで建物があったであろうと思われるような部分がきちんと見えます。そして、この周囲には、木々が植わっていますので、実際の目で見ると、これは、全然見えていないというふうなことでございまして、レーザーの測量というのは、非常に効果のある写真をつくり出すことができると思っています。

 再び、話題を地元に戻しますけれども、秋山城として築かれたお城は松山城となり、元和元年、一六一五年、大坂夏の陣において、豊臣方に内通したとして、徳川から城主の福島高晴は改易され、城も小堀遠州らによって破城となってしまいました。それが、宇陀松山城の歴史なのでございますけれども、今、現実、見られるのは、こういう状態です。

 全国的に珍しい破城という運命をたどった宇陀松山城が、どのような基礎部分を築いていたのか。そして、どこまで、どのように打ち壊されたのか。一般の人たちがこんなにわかりやすい写真が見られるのであれば、レーザー測量による立体地図は歴史をたどる観光客にとって、よりわかりやすく、興味や関心を引き起こす有意義なものになると考えます。

 宇陀市は、文化庁による指定史跡である宇陀松山城の歴史価値についての研究をしていますが、このようなレーザー測量による立体地図は、その研究を推進する力としても大きな役割を果たすことでしょう。

 そして、もう一カ所、宇陀市榛原澤には、歴史に名をとどめている沢城があります。宇陀松山城と同じく織田と徳川につながる時代に、激しく厳しい時代の変動の波をかぶりました。沢氏であった城主のあとを受けた城主高山飛騨守の息子、高山右近は、今の時代にも語り継がれています。沢城主として、キリスト教の洗礼を受けた高山飛騨守、その息子として、同じく洗礼を受けた高山右近。城を追われ、宗教を改めるようにと、伴天連追放令を受ける中で、高山右近はキリシタンとしての生涯を貫いたとして、カトリック教会の聖人として列福する動きがあります。既に、国内では聖人として認めようとの合意を得られ、現在、ローマ法王庁に申請されていると聞き及びます。

 高山右近の足取りはあちらこちらにありますが、将来、宇陀市沢城は、幼少期を過ごし洗礼を受けた土地として、キリスト教徒の巡礼地になっていくことでしょう。沢城は現在土の中、山の上の木々の下に眠っています。山頂に登り詰めても、残念ながら目視では、部分的にも確認できません。巡礼者や観光客が来ても、物語を聞くだけのことになりかねません。レーザー測量による立体地図を用い、視覚に訴えることが可能なら、巡礼者や観光客が立っている場所、ここが城跡なのだとの理解ができることでしょう。まさに、地域の観光資源の開発につながり、大きな効果をもたらすことになると信じます。

 先日、奈良県大芸術祭の第一回文化セミナーが開催されました。そのとき、フォーラムで講師を務め、知事とトークセッションをされたデービッド・アトキンソン氏は、観光資源を訪れたとき、そこにあるものが何なのか、どのようなことがあったのかをわかりやすくすることが大切だと語っておられました。なるほどと、観光客にわかってもらえるような観光地をつくることが大切であります。このような考え方を推し進めるためにも、埋もれた観光資源を顕在化させることが大切です。

 今、地元宇陀の歴史を例としてご紹介申し上げました。しかし、県内には土に埋もれたたくさんの史跡があることと思います。例えば、パネルでご紹介したような史跡の航空レーザー測量による画像を用いて、理解を促進することは大変有効だと考えます。そこで、宇陀市をはじめとして、県内の歴史的文化資源をどのように活用しようとしているのか、地域振興部長にお伺いします。

 次に、鳥獣害対策についてお伺いします。

 「農業も 猪 鹿 鳥に負け 卒業す」、室生の方が市内で発表されたものです。猪鹿鳥といったら花札賭博のように思いますが、花札賭博のことでは決してございません。鳥獣害によって、農業をやめることになってしまった、悔しい心境を歌ったものであります。山間部の方々は、野生の動物たちによって、従来からさまざまな被害を受けてきました。奈良県は、私が議員として活動するようになってからも、幾つもの鳥獣害対策を講じてこられました。そして、その対策が一定の実績を生み、効果を上げてきたことも確かであり、それを承知しているところであります。

 しかしながら、議会で質問をするので農家の方々に、あなたにとって、一番切実な課題は何かと調査したところ、一番多かったのは鳥獣害対策でした。これから、お見せする写真は、私が写したものですが、我がもの顔で国道を横切る猿。実はこれは、御杖村の国道の右から左、猿が群れをつくって三十頭以上の猿が渡っている姿です。車がここにありますので、子連れの猿、向こうにも背中に猿を乗せて、子猿を乗せて群れをつくって渡っているのです。団地の方は、一匹、猿、出てきたからといって、テレビのニュースで盛んに問題にしますけれども、私たちの、この宇陀のところでは、群れをつくった猿がこうやって実は、いろいろな被害を与えているのです。これ、切実な課題なのです。それをぜひわかっていただきたいと思って、あえて、こういう写真をつくって、ごらんいただこうと思いました。ぜひ、ご理解を賜りたいと思います。

 そしてこれは、道路端にあるイノシシが掘った穴であります。そして、道路を隔てた向こうには、イノシシが田んぼの中を走り回って運動場にした田んぼがありました。稲の半分ぐらいが被害を受けて、現実のものとして、その稲が倒されて収穫できないというふうな状況になっていました。そしてもう一枚、これで終わりですけれども、野菜をかじり取られた畑です。この辺は大根、この辺は白菜、そして、私の写した写真はここに家が写っているのですけれど、ちょっとトリミングの関係でわからなくなってしまいました。鹿です。実は、大根の葉っぱの部分だけ食べてしまいました。白菜は芯の柔らかいところを食べてしまって、残っているのは外側だけです。

 農家の方々によると、これらの動物による被害の大小というよりは、これだけ丹精を込めてつくったのに、収穫前に被害を受けたことへの激しい怒りであり、対策を求める厳しい言葉でありました。野生獣が来なくなった、被害が少なくなったとの言葉が少ないのはなぜでしょうか。宇陀地域内で鹿に出会っても、奈良公園の鹿と同じように人間を怖がりません。襲っていくと逃げますけれども、もはや住民は、恐れに足りずという構図になってしまっているのではないでしょうか。猿の被害も深刻です。群れをなして国道を横切り、子猿を背負って道の渡り方を教えているような姿に出くわすと、個人の力ではどうしようもない無念さを感じざるを得ません。猿の撃退対策は十分なのでしょうか。いまや、地域集落と野生の動物たちの戦闘で、人間のほうが疲れを感じているといった状況ではないでしょうか。

 そこで、野生動物たちに人間社会は恐ろしいから近づかないと思わしめる対策が新たに必要なのではないでしょうか。今までの対策を継続しつつ、新たな手法を築くことを求めたいと思いますが、農林部長のお考えをお聞かせください。

 次に、道路ののり面の草刈りについて県土マネジメント部長にお尋ねします。

 時代は、高齢社会であることは万人の認めるところです。そして、その影響は、さまざまなところにあらわれています。今までであれば、通常のこととしてできていた作業が困難になった時代でもあります。例えば、手作業の農作業は機械化され、若者のいなくなった農業は、機械を頼りにしつつも、斜面の草刈りに手を焼いている状態です。戦後の時期には肥料に使うべく草が重要視され、刈り上げと称して草を刈る権利を主張することもあったところですけれども、今、ご高齢の農家の方にとっては、草刈りが重荷となってしまいました。草刈りをしないままで放置することは、そこが害虫発生の場所となり、害虫が作付けされた農作物を食べにいくものですから、せっかくつくった農産物の品質の等級を下げることにつながります。民有地間での話は別ですけれども、道路、中でも県道や国道ののり面を管理するのは、奈良県で行うのが道理だと思います。

 宇陀地域は山間部が多く、平坦な場所ではありませんから、道路の横にはのり面を持っているところが多くあります。そして、そののり面の中には、斜面が急で高い箇所があり、そこに生える雑草対策が悩ましい課題となっています。県土マネジメント部によって、道路面管理のために、草刈りが行われてきたことは評価しているのですけれども、高齢化社会であることを踏まえ、国道や県道において、特に、今、申し上げたのり面の高い場所についての草刈りの管理のあり方をどのようにお考えかお伺いいたします。

 さて、宇陀地域のインフラ整備についてですが、各所、改良を続けていただいています。しかし、山間部の広い面積を受け持つ宇陀土木事務所はまだまだ県土発展に寄与してもらわなければなりません。県道吉野室生寺針線の室生地区、県道榛原菟田野御杖線の御杖村桃俣、国道一六五号の萩原交差点の改良など、継続中の箇所は引き続きよろしくお願い申し上げます。

 また、隣接県である三重県と関係する県道名張曽爾線、国道三六八号の改良箇所は、名張市や松阪市、そして三重県の努力を切望しているところです。三重県では、交通難所として、高須の峰の近く、松阪市飯南町上仁柿あたりで上仁柿バイパス工事がなされていると聞き及びます。現道の狭隘部分がなくなれば、伊勢市から御杖村への交通は見違えるようになることは明らかです。奈良県と三重県の新しい交通、輸送ルートができあがることでしょう。国道三六八号の改良の早期完成を目指し、また関西屈指の渓谷である香落渓谷のスムーズな通行を目指し、地元両村役場も努力しており、奈良県の協力をいただいて、それと相まって、三重県の推進を願っています。

 新しい道路の整備については、今日までの姿を見ますと、要望や陳情を始めてから建設までに多くの期間を必要としました。国道一六五号の桜井市立朝倉小学校前からその先である東方への道路を拡幅し、片側二車線道路として三重県へつないでいくことは、これからの中南和地域活性化の基礎部分にかかわるテーマであると思っています。香芝市から桜井市に至る都市計画道路中和幹線は地域の生活や観光客への利用できる道路として、大きな役割を果たしていることは間違いありません。そして、この新しい提案は、南阪奈道路から奈良県内への流入のみならず、東方、名古屋、三重県方面から奈良県への観光客誘致をする上でも大きな役割を果たし、中南和地域の物流を促し、経済活動を活発化させることになるでしょう。

 この提案について、ご検討をしていただくよう要望いたします。

 教育について、お尋ねいたします。

 宇陀市報八月号とあわせてうだ市議会だよりを読みました。その記事によると、学校の職員会議についての質問が行われていました。職員会議をテーマとして取り上げられる機会はあまりないように思いますので、市議会での議論とは内容は異なりますけれども、私の私見を申し上げ、教育長にお尋ねいたします。

 職員会議は、校長をはじめとする学校運営者、教員、職員によって行われているものだと思っています。しかしながら、地域の人、保護者、関係者の中においても、職員会議の行われている実態やあるべき姿について、理解が十分でないのではないかとの思いを抱いています。生徒の指導、教職員の人事管理、建物、設備、備品等における管理をはじめとする学校の運営、教科の運営などが、教育委員会への報告としてなされているとは思いますが、保護者や地域の中へ語られたり、学校の運営が地域の中で十分に理解されているとは思えません。

 子どもたちに事件や事故があるたびに、報道されている学校の姿を見るにつけ感じることは、映し出されている姿の学校運営は、いかにも閉鎖された存在であるというふうな印象を受けます。一体、職員会議では何をテーマに、どのような会議をなされているのか、生徒たちと直接向き合っている先生の教育課題は学校内で共有され、課題解決に向けて協調がなされているのかどうか不明です。現状の学校と保護者の関係はモンスターペアレントと呼ばれている一部の方を除き、ほとんどが先生の指導を素直に受け入れているという形ではないでしょうか。

 私は、学校の実情や先生の努力する姿を、校外にも客観的な目を通して理解してもらうために、また職員会議がマンネリにならないように、今少し、職員会議のあり方を検討するのがいいのではないかと思っています。すなわち、学校評議員等、今日既に学校運営に協力をしていただいている関係者がおられるのですから、その方々に、職員会議の傍聴を認めることをされるのがよいと思っています。保護者が直接、職員会議の傍聴をすることを認めるところまで踏み込む必要性はないとは思いますが、少なくとも日常、学校に関心を持つ人は、教育の振興に寄与される気持ちを持っていると思います。具体的な形で、教育に関心があり、社会貢献をしたいと思っておられる方々もいると思います。また、学校の姿を理解してもらうことによって、学校で行うべき教育、家庭や地域社会で行うべき教育、その役割や方法、協働などについての具体的なものが生み出されてくるようにも思えます。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 職員会議の中に、日頃より学校運営に協力している関係者の傍聴を認めていくべきだと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。

 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 上山こども・女性局長。



◎こども・女性局長(上山幸寛) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、子どもの貧困対策について、県として経済的に困難な状況にある子どもの実態をどのように捉えているのか。またその実態踏まえ、今後どのような施策が必要だと考えてるのかとのお尋ねでございます。

 子どもが経済的に困難な状況にあることは、将来の社会を担う人材育成の観点から解決しなければならない喫緊の課題であると認識しております。そこで、県では実態を把握するため、昨年度、奈良県ひとり親家庭等実態調査を行ったことに加え、本年、経済的困難を抱える具体的な事例の調査を実施いたしました。

 これらの調査から、ひとり親家庭にあっては、親の約九割が就労してるものの、年収が二百万円以下の世帯が約半数を占めていること、子どもとかかわる時間が十分とれていないこと、子どもの学習や進学に不安があること、また、経済的困難な状況にある子どもを抱える問題といたしましては、大学等への進学率において、その他の世帯と大きな格差が生じていること、自己肯定感の不足等心理面への影響があることなどが明らかになりました。

 こうした実態であることを踏まえ、今年度に立ち上げました学識者等による奈良県子どもの貧困対策会議において、子どもの学力の向上や生きる力の育成等を目的とした子どもへの支援、また、親の就労や生活支援等を目的とした家庭への支援及び福祉、教育行政と地域の連携の推進等の観点から、幅広く施策の方向性について検討を行っております。

 今後、子どもの貧困対策会議の意見を踏まえ、庁内の福祉、教育等の関係課からなる連絡会議で部局横断的に議論を行い、経済的に困難な状況にある子どもへの具体的な支援策を取りまとめた県計画の策定を図ってまいります。

 答弁は、以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 一松地域振興部長。



◎地域振興部長(一松旬) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には宇陀市をはじめとして、県内の歴史的文化資源をどのように活用しようと考えているかとのお尋ねがありました。お答え申し上げます。

 議員からは、高取城やそれと対比した形での宇陀松山城、さらには、沢城の例に基づいて、具体的な指摘をいただいたと認識しております。本県には、古代の貴重な歴史素材が多数存在することは周知のところでございますが、古代に限らず、中近世の城跡をはじめ、さまざまな幅広い時代の歴史的文化資源が存在します。これらを総合的に活用することは、奈良県の魅力を創造し、発信していく上で、極めて重要なことと認識しております。

 議員お述べの宇陀松山城は国、県の補助のもとに、宇陀市、地域団体において、城跡の保全や活用に取り組まれてるところでございます。こうした市町村や地域の皆様の主体的、計画的な取り組みは、地域振興やまちづくりを推進する上で大変重要であると考えており、今後とも、文化財を核とした地域振興に資する市町村の取り組みに対しましては、県といたしましても、史跡等整備活用補助金の活用などにより支援してまいります。

 次に言及いただきました沢城については、キリシタン大名として有名な高山右近が少年時代を過ごし、洗礼を受けたところと承知しております。この沢城を一例といたしまして、県内の歴史的文化資源の中には、まだまだ広く知られていませんが、それぞれの地域で大切に受け継がれてきた地域の宝と言える多くの歴史的文化資源がございます。

 県といたしましては、そうした歴史的文化資源も含めまして、すなわち宇陀松山城のようなケースや沢城のケースも含めまして、わかりやすい画像や地図を使った手法を用いたり、また複数の素材を有機的に結びつけ、魅力的なストーリーを付加したりすることなどによりまして、より多くの皆様に関心を持っていただく機会を創出していきたいと考えております。

 具体的には、県では、来年度に向けまして文化資源データベースホームページを作成し、歴史的文化資源について情報発信をしていくことを検討しております。その際には、議員のご指摘がありましたように、土に埋もれた歴史的文化資源、その結果広く知られていない歴史的文化資源にも光を当てながらわかりやすい紹介に努めるなど、県内にある文化資源の最大限の活用に向けまして、さまざまな取り組みを進めていきたいと考えております。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、鳥獣害対策について、鳥獣被害を減らすためには、野生動物に人間社会は恐ろしいと思わせる対策が必要と考える。これまでの対策を継続しつつ、新たな手法による対策を求めるがどのように考えているのかというお尋ねでございます。お答えをいたします。

 県では、従来から総合的な鳥獣害対策として、被害の防除、人材の育成、生息環境管理、個体数調整を四本柱として、地域での取り組みを支援してきたところでございます。

 そのうち、被害の防除につきましては、被害防止柵を設置し、野生鳥獣を農地に侵入させない取り組みに加え、かかしの設置、爆音器やセンサー付ライトで驚かすなど、野生鳥獣を威嚇して近寄らせない取り組みを行ってまいりました。しかし、これらの威嚇方法も、新しい環境に対する野生鳥獣の警戒心から、当初は効果を発揮をいたしますが、次第に鳥獣がなれることにより、その効果は減少していきます。そのため、威嚇効果を持続させるためには、収穫前の鳥獣害に遭いやすい時期に限定しての使用、複数の方法の組み合わせなど、使用者側も工夫が必要となっております。

 こうした中、県では今年度から新たに情報通信機器を使って、野生鳥獣の行動を夜間でも自動的に把握して捕獲する装置など、ICTを活用した効率的な捕獲の普及や、ニホンジカの捕獲が進まない地域での、県みずからによる捕獲の実施、網猟・わな猟免許の取得年齢の引き下げによる捕獲の担い手確保に取り組んでいるところでございます。

 また、県内大学生からの政策提案を公開コンペで審査をする県内大学生が創る奈良の未来事業で、今年度、奈良女子大学が提案をいたしました女子大生ハンティングサークル、狩りガールが、最優秀賞を受賞いたしました。この政策提案は、狩猟産業の振興を目的としたもので、女子大生及び県職員でプロジェクトチームを立ち上げ、来年度の事業化に向け、検討を始めたところでございます。

 鳥獣害対策は、集落ぐるみで地域の実態に即した総合的な取り組みが基本であります。これまでの四本柱の取り組みを粘り強く継続しつつ、実態に応じて、先に述べましたような新たな取り組みを実施することにより、鳥獣害対策のなお一層の推進に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答えいたします。

 私には、道路のり面の草刈りについて、どのように考えているかというお尋ねがございました。

 本県が管理しております道路は、国道が六百八十六キロメートル、県道が一千三百一キロメートルで、合計では一千九百八十七キロメートルにもなります。県では、これらの道路が本来の機能を発揮し、利用者の皆様方に、安全に安心してご利用いただけるよう道路管理者の責務といたしまして、巡回、清掃、除草、剪定、除雪、補修など道路の維持管理に日々取り組んでいるところでございます。

 議員ご指摘の草刈りは、主として路側の雑草が繁茂することにより、通行車両からの視認性が妨げられ、交通が危険な状態に陥らないよう行うものでございます。このため、年間、おおむね一千二百キロメートル程度の除草を行っておりますけれども、路側の幅、おおむね一メートル程度の範囲で行うこととしてございまして、道路ののり面全体には行き届いていないのが実態でございます。

 県といたしましては、厳しい財政状況も踏まえますと、地域のご要望に基づく道路ののり面の除草につきましては、地域にお住まいの皆様方のご協力もいただかなければならないと考えておりまして、平成十八年度から地元自治会等の団体が主体的に行う道路の除草などの活動を支援するため、県が活動経費を助成したり、参加者の保険加入を肩がわりするなどの取り組みを行います、みんなで・守ロード事業を推進しております。

 ご協力いただける団体も、平成十八年度のスタート時点では三十団体でございましたけれども、今年度は九十七団体にふえております。特に、宇陀土木事務所管内におきましては、二十四の団体にご参加をいただいており、地域の皆様方に深く感謝をしております。道路管理者としての責務を果たしていくことは、当然のことでございますけれども、近年、公共サービスの提供のあり方につきましては、地方の厳しい財政状況を背景に、NPOなどの各種団体や地域住民の皆様方との協働や役割分担につきまして、新しい模索なども進められております。道路の分野におきましても、地域、地域の実情につきまして、これはよく把握をさせていただき、必要な予算の確保に努めてまいりますが、そういったこととともに地域住民の皆様方との協働による維持管理につきましても、ご理解、ご協力をいただきながらさまざまに工夫を凝らしまして、あわせてその推進を図ってまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私には職員会議において、日頃より学校運営に協力していただいている関係者の傍聴を認めていくべきだと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 議員お述べの職員会議は、学校教育法施行規則において、校長が主宰し、校長の職務の円滑な執行に資するためのものであると定められており、学年や教科等を超えて、教職員間の意思の疎通、共通理解を促進する場として重要な役割を担っております。また、職員会議は校長の補助機関として教職員の合意を形成する場であり、密室での協議との批判を受けることのないよう運営されるべきものでございます。より開かれた学校づくりを推進する上でも、学校評議員など日頃より学校運営に協力をいただいている関係者に、職員会議の内容を知っていただくことが必要であり、今後、校長会と協議をしてまいります。ただ、職員会議におきましては、特定の児童生徒の情報が識別をされるなど、プライバシーにかかわる内容が少なからず取り扱われるため、学校が傍聴を認める場合にも、個人情報保護の観点から限定的なものになると考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) 今朝のNHKの七時のニュースで、鳥獣害のことが環境省の施策として報じられていました。千葉ですとか、宮城ですとか、東の方で実際行われているようですが、関西のことは言っていませんでした。農林水産省の問題では決してないと、日本中全体の問題だと、環境省がもっと積極的なことやろうとしてるという、そういう事例だと思います。

 ぜひとも、農林部だけで考えるのではなくて、県庁の知恵を集めていただいて、それで環境省のこともあわせて取り組んでいただきたいと、このように思いますので、お願いして質問を終わります。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月三十日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時十五分散会