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奈良県 奈良県

平成27年  9月 定例会(第321回) 09月28日−03号




平成27年  9月 定例会(第321回) − 09月28日−03号







平成27年  9月 定例会(第321回)



 平成二十七年

        第三百二十一回定例奈良県議会会議録 第三号

 九月

   平成二十七年九月二十八日(月曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、九番川田裕議員に発言を許します。−−九番川田裕議員。(拍手)



◆九番(川田裕) (登壇) 維新の党の川田でございます。初めての代表質問ではございますが、県民に軸足を置いた質問になればと思っております。

 まず最初に、東日本を襲った豪雨により、多大な災害をこうむられた方に対し、心からお見舞いとご冥福を申し上げます。また、香芝市で発生した女子誘拐事件に関し、警察本部長及び県警察の皆さんの迅速な対応により、無事保護いただきましたこと、香芝市民を代表して心から御礼を申し上げます。

 では、議長のお許しをいただきましたので、維新の党代表質問を行います。

 第一番は、奈良県のマクロ経済的に考えた経済成長に向けた取り組みについての質問をいたします。

 厚生労働省発表の勤労統計調査の現金給与総額の増減率は、平成十七年を基準年とした十年統計の場合、全国平均で約五・五%の下洛に対し、奈良県は約一四%も暴落しており、全国四十七都道府県の中で最低水準でありました。全国の増減率の偏差値換算をいたしますと、奈良県の偏差値は、何と三十一と驚くべき位置でありました。また、各地方公共団体における現金給与総額の増減率を統計で分析いたしますと、統計手法の多重比較分析検定では、上昇率一位の宮城県と奈良県を比較してみれば、何と三億三千万年に一度しか起こらないほどの給料の増減率が離れている確率が抽出されました。

 ただ、この経済の世界では、合成の誤謬という言葉どおり、多くの因子により動いており、この統計分析だけで大騒ぎすることはできませんが、奈良県の現金給与総額の下落がいかに悪い水準であるかは証明できることが示唆できると思います。

 この十年を振り返ると、平成二十年にリーマンショックが起こり、全世界中が金融パニックに陥り、経済に対し、深刻な打撃を与えたことは記憶に新しいところであります。欧米では、速やかなマクロ経済の観点からの対策を行い、日本において、財政政策及び金融政策等による対策がとられ、危機的状況を回避されたことは記憶に新しいところであります。

 また、各都道府県においても、金融パニックにより打撃を受けた産業への対策、雇用対策、消費喚起対策、その他、ありとあらゆる経済を回帰させることに集中した対策がとられ、リーマンショック以前の水準近くに回復した地方公共団体は多く、奈良県のように、現金給与総額が下落し続けている都道府県は少数であります。

 さらに、奈良県では国で言うGDPの県内総生産の実質についても、平成十七年を基準年とし、公表されている平成二十四年までの推移を見た場合、奈良県は約二・五%のマイナス成長であり、全国順位でも四十七都道府県中四十三位に位置しております。

 また、同経済圏の近畿ブロックの順位に目を向ければ、滋賀県は約七・一%、京都府は約四・四%、和歌山県は二・二%、兵庫県が二・一%のプラス成長であるのに対し、大阪府が約〇・五%、奈良県が約二・五%のマイナス成長であり、特に奈良県の成長率が悪いことが見て取れます。

 ちなみに、全国平均では約二%のプラス成長であり、全国平均と比較しても、約四・五%の乖離であり、非常に深刻な問題であることが示唆できます。

 さらに、奈良県での貯蓄率は上位に位置しており、マイナス成長を体感し、将来に危機感を持ち、消費を控え、貯蓄に走り、県民所得に大きな影響を持つCPI、すなわち消費者物価指数を抑制する形となり、マクロ経済で考えれば、成長率を鈍化させ、所得を引き下げる要因となり、負の連鎖につながることが強く懸念される状態だと言えます。つまり、全国都道府県の経済状況の格差はあっても、政府が行う財政政策や、日本銀行が行う金融政策は全国統一であり、円という通貨圏で行われており、その政策範囲を考えると、奈良県では競争力を高める、消費をふやす、投資をふやす、可処分所得をふやす、その他、マクロ経済的にプラス成長になることに集中しなければなりません。

 そこで、内需と外需という二面で考えた場合、どちらにおいても県内総生産を引き上げるためには、産業政策の基本となる地域に存在する資源に対し、いかに付加価値をつけることに集中できるかが重要だと考えます。

 内需面では、観光業や県内消費に刺激と安心を与える政策、その他政策も多く考えられます。例えば、観光面では知事が進める文化研究では、多くの文化資産を有するこの奈良県において、埋もれている文化の背景を研究により掘り起こし、奈良県の文化により多い付加価値をつける、すなわち付加価値がつくことにより、奈良県ブランドとなり、観光資源に値打ちがつくことにより、県内総生産を引き上げる経済対策とも言えます。

 輸出面でも同様のことが言え、奈良県に存在する資源に対し付加価値をつけ、海外に輸出する。グローバル社会において、消費者は県内だけにとどまらず、大きなマーケットを視野に取り組んでいく構造変化も求められます。そして、得た外貨により購入材の増加につながり、また、それに付加価値をつける。これが産業政策の回転であり、付加価値をつける機会がふえることにより、県内総生産はプラス側に移動するのが基本的構造であります。

 そこで、知事に三点お聞きいたします。

 一点目ですが、奈良県のGDP、すなわち県内総生産(実質)は、十年前の平成十七年度から公表済みの平成二十四年度までの推移を見た場合、約二・五%のマイナス成長であり、全国でも成長率が低位に位置しています。また、厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額は、平成十七年から増減率がマイナス約一四%と、全国最低の下落率となっています。これらの原因と行政施策の反省点は何か、知事のご所見をお聞かせください。

 二点目に、奈良県民の所得及び県内総生産をふやすために、今後マクロ経済的な観点からどのような考え方を持ち、政策に取り組もうとなされているのか、知事のご所見をお聞かせください。

 三点目に、県内総生産を引き上げるためには、地域に存在する資源に対し付加価値をつけることが重要であり、そのためには多くの仕掛けが必要であると考えます。基本的な調査においては、徹底したビッグデータによる統計分析や、付加価値の付与が可能な地域資源の調査、輸出に関しては、ジェトロのような援助機関の創設など、その他多くのものがあると考えます。

 そこで、今後早急にこれらについての研究が必要だと思われますが、知事のご所見をお聞かせください。

 二番目の質問といたしまして、農地集約化の加速、海外輸出の振興等、奈良県農業の将来の発展についてをお聞きいたします。

 日本の農業を考えるにおいて記憶に残るのは、一九九五年に日本中の話題の中心となった関税及び貿易に関する一般協定、ガットの多角的貿易交渉のウルグアイ・ラウンドが決着したことでありました。

 ウルグアイ・ラウンドの特徴は、例外措置としてきた農産物の輸入数量制限など、非関税障壁を全て関税に置きかえるなどの措置に合意したことでありました。

 また、最近ではTPPによる関税撤廃が話題の中心となり、日本の農産市場の開放を求める声は続いております。

 それと、日本では農家の人口減少が深刻な問題として話題になっております。農林水産省から統計として五年に一度公表される農林業センサスの二〇一〇年の統計では、総農家数は全国で二百五十二万七千九百四十八戸であり、日本の人口増と経済産業発展に反比例する形で減少しております。

 また、第二次世界大戦後の人口急増の中、総農家の人口比率は一段と低下している状況であり、これらの原因は、産業構造の変化や販売農家としての経営の収益率、小規模農家が多いこと、その他多くの要因も指摘されております。

 特に気になることが、農家を営む方たちの高齢化や担い手不足の問題が顕著であり、耕作放棄地の急増も危惧する状況であります。

 そこで、少し過去に振り返り、日本の農家の状況を観察してみますと、概略をしますれば、昭和三十年半ばから大幅に農家戸数の減少が始まっています。具体的には、農家一戸当たりの総人口比は、明治四十年では九・〇三人、昭和三十五年当時でも九・〇三人と同比率で維持しています。しかし、平成二十二年時には、一戸当たり五十・六人と、約六倍も増加している現状です。これらは、日本の産業構造の変化による人口移動等はもちろん、労働形態の変化と核家族化が考えられます。その後、一九七三年の第一次オイルショック、一九七九年の第二次オイルショックがあり、日本の高度経済成長は一気に抑制される形となり、一気に労働力過剰の状態に陥ることになりました。

 厚生労働省の昭和四十七年から平成二十五年までの有効求人倍率から見ると、兼業農家等の労働状況では、季節的な日雇い等の労働力としての、高度経済成長時には労働不足を調整する役割を示していました。しかし、オイルショック以降は兼業農家の労働需要は安定的ではなく、農家の低所得や不安定な就業問題などが高まり、農家数の減少に影響を与えたことも指摘されています。

 また、深刻なのは、総農家数の減少に加え、販売農家率の数値下洛も深刻であり、自給的農家、すなわち小規模農家の割合が大幅にふえてきております。それに伴い、農家の高齢化や担い手不足、その他事由による耕作放棄地も大幅に増加しており、負の連鎖とも考えられます。

 さらに、人口減少問題から農家戸数の将来推計を算出してみました。算出方法は、国立社会保障・人口問題研究所の数値に補正を加え、農林業センサス総農家減少率に対し、人口推測値を乗した数値から統計分析による多重比較検定にて算出いたしました。

 その結果、全国の規模で、平成二十二年の農林業センサスの報告値である人口五十人に一戸から、二〇四〇年では人口百人に一戸になり、人口の農家比率が半分になる数値が示されました。また、奈良県でも三割から四割強の減少が示されております。

 これらの数値を参酌すれば、現在同水準の耕作地面積を維持し、将来予測の総農家数が担当するとしたならば、耕作地のさらなる集約化を促進し、効率的な農業が求められ、農林水産省が行う耕作放棄地対策の農地集約化の徹底した促進が必要だと言えます。

 なお、現在、日本の食料自給率が四〇%とすると、耕作地の面積を維持できれば、人口減少により食料自給率は四八%に上昇することになりますが、耕作地の集約化が進捗しない場合は、深刻な食料事情が予想され、人口減少という現実を決して侮ってはならない問題だとさらなる警告が必要だと考えます。

 そこで、知事に三点お聞きいたします。

 一点目が、人口減少に伴い、農家の減少の推測も顕著なことから、農地の集約化は時間的にも急ぐ必要があると考えます。その場合、中間管理機構による農地買い取りも強化する必要が考えられます。集約化が進捗することで、生産の効率化及び収益率も上がり、中間管理機構の集約化の選択肢をふやす観点から、知事のご所見をお聞かせください。

 二点目に、農業が最大の付加価値をつける奈良県の地域資源になると考えます。高い品質で、安全、安心な農産物を供給することはもちろん、海外に打って出る奈良県の農業を育成、輸出を援助する仕組みを強化する必要が考えられます。奈良県の県民総生産を上げる観点から、知事のご所見をお聞かせください。

 三点目には、農業の担い手の課題です。付加価値のある農産物を生産するには、農地集約化とともに、人材の育成を並行する必要があると考えます。農業新規参入者の育成の観点から、知事のご所見をお聞かせください。

 三番目の質問では、奈良県の人口減少による行政規模適正化と奈良モデルについてをお聞きいたします。

 平成二十五年六月二十五日に第三十次地方制度調査会大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申が提出されました。内容は、今後の日本社会における人口減少等により、大都市及び基礎自治体の果たすべき適切な役割及び今後の方向性について言及がなされました。

 日本では、明治の町村合併から平成の市町村合併に至るまで、平成二十年四月一日現在、総務省の報告では七万千三百十四団体から千七百十八団体へと行政区画の変更が行われ、基本的に基礎自治体が中心となり地域を統治するという考え方に基づいております。

 では、今後の日本における行政の適正規模とはどのようなものなのか、人口減少時代に対応できる形態を考える必要があります。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、奈良県においても二〇四〇年の人口推計では、六割以下に人口が減る公共団体が十七団体、七割以下になる団体では二十六団体にも至るという推測がなされておりまます。この人口減少による今後の行政区画のあり方を考える上において、市町村合併の変遷を簡単に振り返ります。

 さかのぼれば、慶応三年十月十四日に大政奉還が上奏され、慶応三年十二月九日に新政府樹立が宣言されました。慶応四年の政体書制定から現在に至るまで、地方自治制度の改正を経て、明治十一年の三新法制定による明治の大合併、昭和二十八年から昭和三十六年にかけて行われた昭和の大合併、平成十一年から平成二十二年に集中した平成の大合併、ともにその時代における社会情勢等の変化に対応が行われてきました。

 第一に、近代的地方制度の形成による明治の大合併について振り返ると、明治新政府樹立後、統治に関し、大きな問題とされたのは各地域における領主の問題であります。当時の領主は、大きく分けて大名の支配を受ける藩領、旗本の支配を受ける旗本領、幕府の直轄地である幕領の三種類であり、個々の支配の集合体である旧制度を改正し、持続可能な統一国家として運営できる画一的な地方制度を創造する必要がありました。

 慶応四年には、政体書が制定され、旧幕領は府県とし、明治四年に廃藩置県が行われ、ともに中央政府の組織整備も同時に行われました。この時期、府県以下の行政区画は、大区小区制であり、各地方官の裁量で行われた不統一の制度でもあり、明治十一年に政府は新三法として郡区町村編成法、府県会議規則、地方税規則が公布され、全国において府県以下を法令で統一規定した地方制度が設けられました。

 その後、約十年の歳月を経て、明治二十一年四月二十五日に市制町村制が公布され、新三法の制定以降、不安定な地方制度も終えんを迎えました。

 全国では、北海道、沖縄、島嶼を除く府県において、大規模な町村合併が進み、これが明治の大合併と言われております。町村の合併では、町村数も七万千三百十四団体から一万五千八百五十九団体と、合併が強力に推進されました。

 第二点は昭和に移り、昭和二十二年五月三日に、憲法改正と同時に地方自治法が施行され、地方公共団体の組織運営に関する立法化が行われました。新たに地方制度が始まった時期であり、特に、憲法改正により強力な民主主義、すなわち住民自治が保障され、自治体の独立した自治能力の発揮として団体自治が期待されました。

 この地方自治の本旨のもと、憲法改正以降は教育、地方自治、警察、公職選挙法、その他多くの関連法等の制定が行われ、地方に義務と責務を果たすための責任拡大による地方行政組織の強化が必要だったからであります。

 昭和二十四年にはシャウプ勧告がなされ、国と地方の事務の再配分、財政負担等の問題も含み、町村合併の促進が要請されました。

 町村合併については、中小規模の町村では、多大に増加した行政事務には対応できないことから、昭和二十八年には町村合併促進法が施行され、また行政事務を行う適正規模として、八千人以上が町村の標準とされ、全国の市町村数は約半数の四千六百六十八団体になりました。しかし、合併が進まない市町村も依然多いことから、同年の新市町村建設促進法により、町村合併促進基本計画が策定され、目標数値を三分の一と閣議決定を行い、その結果、昭和三十六年には三千四百七十二団体となり、目標が達成されました。これが昭和の大合併であります。

 第三点は、平成の大合併であります。平成五年六月に国会衆議院・参議院本会議において、地方分権の推進に関する決議が行われました。翌年、第二十四次地方制度調査会による地方分権の推進に関する答申を受け、地方分権の推進に関する大綱方針の閣議決定を行い、平成七年の地方分権推進法が成立いたします。

 平成八年には、地方分権推進委員会第一次勧告が提出され、勧告の注目点は機関委任事務の廃止でありました。同時に、地方への権限移譲や、官から民への議論も活発であり、これらの流れのもと、地方分権推進委員会では市町村、都道府県合併や、道州制を含む幅広い議論が行われました。

 しかし、合併に関しては当時、地方六団体、町村議長会や町村会の反対も予想されたことから、勧告は棚上げする方針に至り、与党の自由民主党行政改革推進本部からも異議が提出されました。異議の内容は、第一に機関委任事務の移譲により、都道府県の知事の権能が強化される。よって、都道府県から基礎自治体への移管事務の強化をしろ。第二に、権限移譲による基礎自治体の強化策として、市町村合併を勧告すべし。道州制は棚上げすべし。第三に、機関委任事務の廃止により、首長の権能強化の防止として、多選制の禁止を勧告すべしと意見がなされ、よって地方分権推進委員会は第二次勧告に向け、市町村合併を含めた検討に入ることになりました。

 その後、第二十五次地方制度調査会による答申が出され、権限移譲等に関する関係法の整備から、平成十一年七月に地方分権一括法が成立し、平成の市町村大合併が始まりました。

 以後、平成十一年から平成二十二年にかけて市町村の団体数は三千二百二十九団体から千七百三十団体へと大合併が進み、これが市町村合併による一連の流れの概要であります。

 市町村合併の趣旨を簡単に整理すると、地方自治の本旨により、みずからの判断と責任において事務を執行する義務。住民自治、団体自治により統治を行う地方分権の考え方。事務の拡大による対応から適正な行政規模への見直しが主な要件と考えます。そして、知事の前議会における答弁を参酌すれば、奈良県では市町村合併が進まず、事務の共同処理を進める趣旨において奈良モデルを推進すると解釈しております。また、奈良県では日本において行政規模適正化が最も進んでいない県でもあります。今後、急激な人口減少が考えられる中、奈良モデルの最終形態、または完成形態を創造する上において、三点について知事のご所見をお伺いいたします。

 第一点目は、地方自治法第八条各項に規定される市及び町の要件、市町村相互間の変更の条項では、要件は都道府県の条例で定める規定になっております。しかし、人口減少により、要件から著しく下回った場合を想定する規定はなく、憲法第九十二条の地方自治の本旨に基づいた地方公共団体のみずからの責任において、義務履行に支障が生じる場合の対応として、本条例の整備が必要であると考えます。今後の地方自治法制の研究も含め、知事のご所見をお聞かせください。

 第二点目は、地方自治法第八条の二第一項では、都道府県知事は市町村が第二条第十五項の規定により、その規模の適正化を図るのを援助するため、市町村の廃置分合又は市町村の境界変更の計画を定め、これを関係市町村に勧告することができると規定されております。奈良モデルの完成形態を考えた場合、規模の適正化の計画を策定する必要があると考えます。知事のご所見をお聞かせください。

 第三点目は、奈良モデルでは、市町村の共同事務処理を県が支援していますが、憲法または地方自治の趣旨からすれば、他の地方公共団体の支援を受けなければ支障が出る自治事務であれば、みずからの責任においての事務処理ではありません。地方公共団体のガバナンスの問題として一定の基準が必要だと考えます。知事のご所見をお聞かせください。

 第四に、人事行政についてお聞きしたいと思います。

 行政の人事に関する予算を考えた場合、奈良県においても予算の約三割以上の人件費は最大の支出であり、県民の県民による県民のための最大の民主的統制が必要とされる項目であります。また、地方自治法第二百三条第五項、第二百四条第三項には、職員の給料の額及び支給方法を議会が制定する条例によって定めることにより、地方公務員の給料に対する民主的統制を図ると平成二十二年に最高裁判所は解釈を示しております。

 しかし、去る九月十日、総務警察委員会にて臨時職員の給与等の審議において、奈良県の一般職の職員の給与に関する条例では、給与の額及び支給方法についての条例に記されていないことから指摘したところ、総務部長から次のような答弁がありました。

 国と同じような職にある方々の給与については、一般職の職員の給与に関する法律の第二十二条、そこにですね、常勤の職員の給与と権衡を考慮して、予算の範囲内で給与を支給すると書いていますと答弁し、また、具体的には金額が書いてあったりとか、上限額が書いてあったりというのが法律にはございませんと答弁をし、さらに、県の条例に対し、国の規定に全く倣っているということでございますと言い切りました。解釈不能な答弁ですが、なぜ地方自治法等により給与の額と支払い方法を条例に定めるとなされ、最高裁判所の審査も地方自治法に規定する違反する条例であるかどうかの審査であり、それは給与の額または基本的な事項が記されていないことから違法と判示した事案に対し、なぜ国家公務員の給与に関する法律が関係するのか、判例以降では答弁の意味がわかりません。さらに、総務部長は、最高裁判所の判例について、条例には基本的な一般的な基準を書いておけばよいんだと答弁し、何と驚くことに、国のほうも最高裁判所の判例を受けて法改正をしているはずでございますので、そういうふうに至っていないと答弁をしました。またこれも解釈不能な答弁であり、なぜ国が地方自治法の規定に従わない条例の違法の判決が、国家公務員の給与に関する法律の改正が必要なのか、ただ単に、地方自治法の規定を無視していることがわかりました。まして、総務部長が引用した最高裁判所の判例では、委員会後に納得がいかずに調査したところ、確かに一般基準等の基本的事項は、可能な限り条例において定めるべきと書かれておりますが、その前後を確認すると、驚くべき事実が発覚しました。それは、基本的事項とは、給与の額等または上限等の基本的事項が条例において定めるべきであると記されており、基本的事項の定義が示されております。さらに、引用部分の後段には、手当の額及び支給方法またはそれらに係る基本的事項について、条例の定めのないままに行われた本件一時金の支給は、職員の給与の額及び支給方法を条例で定めなければならないとした地方自治法の上記の規定に反するものであり、違法というべきであると断じており、奈良県の臨時職員も条例に給与額等、または上限等の基本的事項がないにもかかわらず、期末手当が支給されており、全く同じケースの事例であります。

 これらの答弁は、みずからに都合のよい部分だけを抜粋し、最高裁判所の判示の趣旨を説明せず、議会制民主主義による民主的統制を軽視する行動のほか何物でもないと言わざるを得ません。

 さらに、総務部長の答弁には看過できないこともありました。当方は、具体的に問題があると思われる条例の条項まで指定しているにもかかわらず、総務部長は、ちょっと全般的に言われても私どもは理解できないと答弁し、さらに給与額を全部、法律や条例に書かなきゃならないんじゃないかということについては国も書いていないと、一度も給与額全部を書けとは言っていないにもかかわらず、人の質疑を歪曲し、最後には条例、規則、要綱のコピーしか示していないにもかかわらず、まして委員会で配付した全国都道府県の任用形態の比較資料では、当方から提供した資料をみずから作成したように配付しているにもかかわらず、私どもも出すべき資料は出した上でお答えしているとの答弁の行為は、民主的統制の審議妨害とも受け取れる行為と我が党は判断いたしました。

 公務員とは、憲法第十四条に規定される全体の奉仕者であり、憲法第六十四条から要請される内閣の説明責任にも、地方公共団体の行政は準じており、県民に対する説明責任を軽視または妨害される行為は国会でも見たことがございません。

 そこで、知事に二点お伺いいたします。

 第一点目は、平成二十七年九月十日の総務警察委員会の総務部長の答弁において、平成二十二年九月十日に最高裁判所から判示された臨時職員の給与条例主義に関する審査の結果に対し、国家公務員の給与を規定する一般職の職員の給与に関する法律が、本来最高裁判所の判例を受けて間違っていれば改正されるはずであるが、改正されていないということは、正しいことであるというような旨の答弁をされました。しかし、当該審査は地方自治法の規定に従う条例についての審査であり、その判例を持って国家公務員の給与を規定する一般職の職員の給与に関する改正の是非を議論されるはずがなく、一般職の職員の給与に関する法律が改正されないから、奈良県の一般職の職員の給与に関する条例が正しいという答弁は理解ができません。このことについて、知事のご所見をお伺いします。

 第二点目は、今回の審議に用いられた最高裁判所の判例の趣旨は、地方自治法等の規定により、給与の額と支払い方法について上限等の基本的事項を可能な限り条例自体に定めるべきと判示されています。

 人事に関する事項は、予算上でも最大の予算額を占める項目であり、奈良県においても条例等の整備のほか、現状調査及び研究の上、変更すべきは変更すべしと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 壇上からの質問を終わります。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 九番川田議員のご質問がございました。

 最初のご質問は経済政策についてでございます。本県の現金給与総額、またGDPのトレンドについての言及があり、その原因と政策の反省点は何かというご質問がまず第一問目でございます。

 本県の直近の経済成長率につきましては、平成二十四年度県民経済計算によりますと、実質で〇・一%、二年ぶりのプラス成長となっております。全国では二十一位のランクでございます。他府県と比較しても、特段悪い数値ではないようにも思っております。

 しかしながら、これまでの本県の実質経済成長率を見ますと、近年の景気回復局面におきまして、おおむね国の数値を下回ってきております。県内総生産における、GDPにおける平成十七年度との比較におきましては、全国的に低位にある状況でございます。これは、本県の経済構造が、議員もお述べになりましたように、内需型で、特に域外移輸出力のある製造業が少ないことが要因であると思います。また、本県移輸出産業のエンジンとなってきた主力製造業の調子が最近悪いことも影響しているように思います。

 次に、従業員一人当たりの現金給与総額も下落しておりますが、これも製造業での落ち込みが大きな要因と考えられます。

 もともと、本県の製造業は食料品、繊維、プラスチックなど全国的に見ましても比較的給与の低い産業分野の集積割合が高いものでございます。全国平均よりも低い給与水準に甘んじる結果になっておりました。平成十七年当時は、給与水準の高い大規模事業所、大手の家電メーカーなどでございますが、本県の平均給与を引き上げておられました。この十年間での経済環境の変化によるこのような大規模事業所の従業員の減少や、非正規雇用者割合の増加が、全国と比較して現金給与総額が下落した大きな要因であると考えております。

 現在は、そのような大手の大規模事業所の退職者の世話まで県がするような経済状況になっておりますことは、隔世の感と言わざるを得ないと思います。

 以上のように、県の経済成長に大きく影響する製造業に力強さが欠けている原因といたしましては、まだ日本の経済に勢いがあった時期にやっておくべきだった投資、例えば道路や工業団地の整備など、インフラ整備をやってこなかったことへのツケが回ってきたものと考えております。反省点の一つと思います。

 経済成長には、国の経済政策でも地域の経済政策でも、トレンド政策、つまり景気対策と構造対策、つまり産業基盤対策がございますが、本県は経済構造対策にあまり意を用いてこなかったことが最大の反省点だと言えるのではないかと思います。本県は、ベッドタウンに甘んじ、経済発展への意欲は薄かったのではないかという言い方もできると思います。二度と他県に比べて経済劣後県にならないように、危機感を持って経済対策のためのインフラ整備や企業誘致、また県内企業の活性化に取り組んでいきたいと考えております。

 経済政策の二点目でございますが、県民の所得や県内総生産をふやすためにどのように取り組んでいこうとしているのかというご質問でございます。

 今申し上げましたように、本県の経済について、エビデンスが大事、分析が大事ということで研究をしてまいりましたが、改めて本県の経済構造を簡単に申し上げますと、所得の源泉を他県に依存しております言い方は悪いかもしれませんが、出稼ぎ県でございます。また、県内でお金が回らない、域内経済循環力と域外移輸出力が弱い県だと思います。県民所得がこれまで高いのは、大阪などでの給与所得の水準が高かったという面があろうかと思います。

 こうした現状を踏まえますと、県民の所得や県内総生産をふやすためには、本県経済の構造そのものを改善することが必要であろうかと思います。そのことを目標に、具体的なインパクトを与えることが必要と考えておりますが、このため、本県経済の活性化に大きな効果をもたらすと考えられます九つの産業分野にターゲットを絞り、いわゆる産業興しプロジェクトに取り組んでいるところでございます。

 産業興しプロジェクトでは、これまでにそれぞれの産業分野ごとの構造や特殊性を洗い出し、その結果を踏まえて一つには域外交易力やブランド力を強化し、さらには生産、加工、流通、販売の一貫した効率的な産業組織を県が主体的に構築していく必要があると考えております。縦型の産業組織、一貫した産業組織を県内でできるだけ構築したいという戦略でございます。分野ごとに目標を定めた上で、必要な施策を予算化し、実行に移しています。今後とも、本県経済構造の改革に向け、強力な産業興しの取り組みが必要かと思います。この取り組みの進展が、県民の所得、県内総生産の向上や県内雇用の拡大に直接につながる結果になると考えております大事な政策であると感じております。

 経済政策の三つ目のご質問でございます。産業興しでは、今申し上げましたように、域外交易力の強化やブランド力の強化、生産、加工、流通、販売の一貫した効率的な産業組織の構築という観点から、九つの分野ごとにそれぞれの付加価値が高まるような取り組みを進めていこうとしているところでございます。

 その内容、戦略ということでございますが、まず、議員もお述べになられましたことでございますが、海外展開支援でございます。本県では、これまで米国での国際見本市への出展を支援してまいりましたが、域外交易力の強化のためには、海外市場の開拓が最も重要だと、世界のマーケットのもとでの他流試合をするということが大事な考えだということから、本年度からは海外見本市への単独出展や現地でのマーケティング調査に対するご支援を始めたところでございます。また、ことし初め、ジェトロとの連携による海外進出セミナーを開催いたしましたが、県内企業が海外進出について身近で気軽に相談できるよう、ジェトロの相談窓口などの誘致を進めているところでございます。

 次に、ブランド力の強化という分野でございますが、例えば製造業におきまして、ニッチでも高い技術力を持ち、付加価値の高い製品で、グローバルに事業展開ができる企業が大事かと思います。そのような企業を育成していきたいと思います。この先、五年間の県の重点研究項目に明示いたしました中期研究開発方針を今年度中に策定させていただきたいと思いますが、その中で、グローバルニッチトップを目指す経済戦略を明記していきたいと思っております。

 高付加価値の獲得は、企業の粗利益の増加に直結し、従業者の平均給与アップの源泉ともなりますので、極めて大事なポーションでございます。

 次に、一貫した効率的な産業組織の構築についてでございますが、産業組織の構築について、一つ、二つ例を挙げさせていただきます。

 例えば、本県の林業でございます。これまで、高級建材だけを選んで出荷しておりましたが、今後すべての用材を出荷して、多用途に供給する林業に転換するため、素材生産から素材加工、製造、流通、販売まで、一貫した体制を県内で確立するための取り組みを進めようとしております。

 また、本県の重要な地域資源でございます漢方でございますが、原料となる薬用作物の生産拡大から、関連する商品サービスの創出まで、一貫した体制を構築するため、これを漢方のメッカ推進プロジェクトと呼んで、取り組んでいるところでございます。

 他の産業分野におきましても、一貫した県内での産業組織の確立、また縦型事業協同組合と呼んでおりますような組合組織の確立は今後必要だと思っている分野でございます。このような産業興しの取り組みを進めているところでございますが、各産業分野ごとの関連指標の現状やトレンドに関するデータ分析は、政策立案のためには不可欠でございます。また、トレンドの中にはマーケットの情報がもっと入ってくるべきではないかというふうに思っております。産業興しでは目標数値の達成のために、分析、戦略策定、実行というサイクルで事業効果の検証や戦略の見直しを図り、より効果的な施策を実行していきたいと考えます。

 経済構造の変革は、一朝一夕にできるものではありませんが、奈良県の経済を発展させる、今からおくれをとることはあってはならないという強い意欲を持って、働いて良しの奈良県の実現を目指していきたいと考えております。

 農業政策についてのご質問がございました。その中での第一問は、農地の集約化の加速などのご質問でございます。

 本県の販売農家数は、平成二十六年に一万三千八百戸でございましたが、ここ十年間で二〇%以上減少しております。農業振興を図るためには、担い手の確保とあわせて、担い手への農地集積による農地の効率的な活用を進めることが重要でございます。一戸当たりの農地面積は、奈良県は全国平均に比べても低いほうでございます。小規模農家が多いということでございます。

 このため、県では奈良らしい農業の振興と工業団地造成など地域の活性化に資する土地利用の両面を達成するために、農地マネジメントというプロジェクトを県農政の最重要課題として推進しているところでございます。

 その中での農業の振興のパートでございますが、耕作放棄地の活用と水田の畑地化の方向の推進により、農業産出額の向上に取り組もうとしております。具体的には、農地中間管理事業といたしまして、意欲ある担い手の農地拡大意向の把握と耕作放棄地など活用可能農地の確保がポイントでございます。それを丁寧に実施し、主に賃貸借により担い手への農地のマッチングを、農地と農民のマッチングを県が図っていきたいと考えております。そのような観点から、耕作放棄地の公有化と耕作意欲者への譲渡を促進するため、耕作放棄地の保有、譲渡に対する課税の強化、軽減などをことし七月、国に提案したところでございますが、奈良県の提案を受けまして、農林水産省では、同内容を踏まえて平成二十八年度税制改正要望を行われているところでございます。

 特に、議員お述べの農地の買い取りにつきましては、真に農業を振興するエリアを策定した上で、農業振興地域を策定した上で耕作放棄地を県が買い取り、耕作意欲者に譲渡や貸し出すなど、農地の有効活用策について具体的な方策の検討に入っていきたいと考えております。

 次のご質問は、輸出の仕組みを強化したらどうかというご質問でございます。農業政策の分野でございます。

 本県の農業産出額は、平成二十五年で四百三十二億円と小さな農業県でございます。全国でも最下位に近い産出額でございます。下の方から三位か四位というレベルでございます。しかし、農業は地域資源として非常に重要でございますし、可能性の高い分野でございます。やり方を工夫すれば、もっと産出額が伸び、輸出産業としても有望であり、農家も所得がふえる産業であると期待をしております。

 本県では、その観点から、産業興しの九つの分野の一つであるチャレンジ産業として位置づけ、輸出もできる本県の農業を目指して取り組みを始めたところでございます。具体的には、価格が下落しつつある米から野菜や畜産など、収益性の高い品目への転換、また分子栄養学に基づいた品質による農産物のブランド認証制度の創設、また、生産だけでなく、生産、流通、加工、販売まで一気通貫した県の支援などを充実してまいりたいと考えております。

 輸出に対する取り組みでございますが、まず一つには、県内農業者に対するアンケート調査を行いまして、輸出取り組み状況と意欲、ニーズの把握を行いました。また、八月に香港で開催されましたアジア最大級の食品展示会、フードエキスポでの実態調査を行いました。また、具体的には大和茶の輸出に向けまして、ヨーロッパ諸国向けの厳しい基準に対応できる生産方法について検討を始めたなどの取り組みを始めております。平成二十八年度には、輸出に意欲のある県内農業者に海外見本市への出展を呼びかけ、商談機会を提供したいと考えております。

 また、さきにも述べましたが、現地のマーケットに精通したジェトロとも密に連携を図り、海外への販路開拓を目指す農業者の窓口的な役割を担えるよう、ターゲットとする輸出先の情報収集に努めてまいりたいと思っております。

 今後とも、輸出も念頭に置きつつ、国際的にも通用する県産農産物のブランド化を強力に推進したいと思いますし、また食品加工や農を食につなげることによりまして、六次産業化と呼ばれる分野ですが、全体として県民総生産の増加に農業分野の活躍も期待していきたいと思っております。

 農業政策の三つ目のご質問でございますが、農業新規参入者の育成についてのご質問でございます。本県農業の担い手は、平均年齢が約六十九歳と高齢化しております。また、人口自身の減少しております。議員お述べのように、将来の本県農業を担う新規参入者の育成が、とりわけ若手の新規参入者の育成が本県の重要な課題でございます。

 本県では、県庁と四つの農林振興事務所に担い手ワンストップ相談窓口を設置し、リクルートを始めました。農業参入の希望者の要望に丁寧に相談に応じ、さまざまな支援をしていきたいと考えております。

 支援の具体的な内容でございますが、農業参入意欲者に対して、農地の確保、農業技術習得、資金の調達についてのメニューが今のところ用意されております。農地の確保につきましては、居住地や栽培品目などを考慮した上で、市町村や周辺農家と連携し、マッチングをサポートしたいと思っております。

 農業技術の習得につきましては、農業大学校での専門的な研修や、指導農業士など先進的農家での長期の実践的な研修を行うとともに、就農後の安定的な所得の確保に向けた普及指導員によるフォローアップなどを実施しております。

 さらに、農業施設や機械の導入に向けた資金調達につきましては、低利または無利子の融資制度や、国の補助制度などをご紹介しております。また、今年度から女性の農業士を重点的に政策を展開したいと思います。女性ならではの感性と、たくましさで、六次産業化などを目指す農業女子を募りまして、新たな農業ビジネスにチャレンジする人材を育成していこうかと思っております。

 さらに、平成二十八年四月、来年四月より、農業大学校をなら食と農の魅力創造国際大学校に改編いたしますが、食と農の連結した次世代を担う食に詳しい農の担い手を育成していきたいと思います。

 本県では、意欲ある担い手が将来展望を持って農業経営を展開できるよう、今後ともさまざまな施策を講じてまいりたいと思います。

 行政組織についてのご質問がございました。最初のご質問は、市町村の要件、とりわけ人口減少により、要件が著しく下回った場合の規定がないではないか、規定すべきじゃないかというご質問でございます。具体的には、人口が減少して市が町になる、町が村になるということの手続がないではないかということのご質問だと理解をいたします。

 地方自治法及び県条例で規定されている市及び町の要件については、人口五万人、あるいは八千人などと規定されておりますが、それは、その市とか町の成立に当たっての要件でございます。人口がその規定された人口を切っても、直ちに市とか町の資格がなくなるわけではございません。存続の要件とはされてないものでございます。したがって、設置後に要件を欠くに至っても、市や町の資格がなくなるというわけでもありません。全国探してみますと、市でも町より人口が少ない場合も起こり得る法制上の仕組みにはなっております。

 人口減少などで、著しく成立時の要件を下回る場合が生じた場合のことのご懸念もされているかもしれませんが、市町村の行政区画のあり方、他の近くの町とか市と合併するという方向があろうかと思いますが、これはそれぞれの住民のそれぞれ地域の方々の思惑、意思がおありになると思いますので、市町村自身が民主的な基盤での判断が最も尊重されるべきことではないかと思います。合併の際にも、そのようなプロセスがございました。したがいまして、県が強制的、あるいは積極的に市や町の資格を失わせるといった観点から、既存の条例を改正したり、新たに条例を制定したりするという考えは持っておりません。

 その次に、人口減少の場合に、行政規模の適正化がやはり必要じゃないかという趣旨のご質問であろうかと思います。市町村の廃置分合、また市町村の境界変更の計画を定め、これを市町村に勧告することができると地方自治法に書いてございますので、その計画を策定する必要があるではないかというご質問だと理解をいたします。

 現在の県内市町村の枠組みは、平成の大合併を経て、その地域の住民の意思によって形成、維持されてきたものと認識をしております。客観的に見て、合併すればいいのにと思っても合併されなかったりするケースもあるわけでございます。奈良モデルは、このように自主的な市町村合併がこれからはあまり進まないという一方、県内の多くの市町村で人口減少が見込まれて、効率的な行政運営が達成できないというような観点のもとに、苦肉の策で展開しているものでございます。住民に最も身近な基礎自治体でございます市町村が、その自立的な判断を基本として、現行の枠組みの中であっても、市町村の境界とか分合を考えなくても、連携、協働により将来も質の高い行政サービスを提供し続ける、また地域の活力維持、向上していくことが可能な地方自治のあり方を目指すものでございます。地方自治法も、そのような連携、協働の関係の規定が最近整備されまして、奈良モデルのフレームを地方自治法の中で入れていただいております。

 したがいまして、廃置分合や境界変更については、関係市町村間で問題が惹起されたり紛争が起こっている場合に、要請に応じて県が調整に入ることは考えられますが、そうでない場合に、積極的に県内市町村の廃置分合や境界変更に係る計画を県が積極的に作成することは、奈良モデルの考え方になじまないものと考えております。

 その次の行政の質問でございますが、人口減少が進むことについての基本的な危機感をもとに、行政規模適正化と地方公共団体のガバナンスの問題として、適正化をどのように考えるのかというご質問だと理解をいたします。

 昨年、地方自治法が改正されました。今申し上げましたが、地方自治体間の柔軟な広域連携をより促進する方向性が示されました。これまでは、団体自治、市町村の統合、あるいは集約化一辺倒の方向でございましたが、広域連携の方向が地方自治法で示されたものでございます。

 市町村間の連携、協働は、市町村が地域の特性に応じ、多様な分野、多様な形態で柔軟に見直しを行いながら、主体的に実施することが望ましいというのが地方自治法の考え方になっております。地方自治法では、紛争が起こった場合の取り決めをされた法改正でございます。

 また、連携、協働して取り組んだ事業であっても、当然その団体は存在しておりますから、そのガバナンスが発揮される手法であろうかと思いますが、住民民主制のもと、住民自治の確立、進展により、ガバナンスの程度は決まってくるものと考えております。

 奈良モデルにつきましては、知事と全市町村長が参加する奈良県・市町村長サミットの場で統計資料を提供しながら、重点的に推進する業務を毎年度明確化し、意識の共有化を図るとともに、その効果の検証を行いながら進めているところでございますが、各自治体のガバナンスの差があらわれる統計資料も提供させていただいており、各自治体の努力を促しているように感じているところでございます。

 今後もこのような奈良モデルの基本的考え方に基づいた県、市町村行政事務の効率化に推進をしていき、奈良県独自の地方創生を目指していきたいと考えております。

 人事行政についてのご質問がございました。総務部長のご答弁についてのご質問がございました。ちょっとややこしい内容でございますが、県の条例を改正する必要があるのではないかというご所論のご質問でございます。内容は、国の給与関係の法律と地方の給与関係の法律、すなわち条例でございますが、その内容の程度、内容の詳細さというようなことにも関係すると思います。

 基本的なところを申し上げたいと思いますが、国家公務員法第六十三条と地方公務員法第二十五条において、給与の考え方が規定されております。すなわち、職員の給与は法律または条例に基づいて支給されなければならず、これに基づかずにはいかなる金銭も職員に支給してはならない旨を規定しております。それぞれ給与法定主義、給与条例主義と言われているところでございます。これは、正規職員、常勤にまず適用されておりますが、議員のご質問は、非常勤の職員についてはこれで十分かどうかというような、今の条例の体制で十分かどうかというご質問が論点として入っているように思います。

 これらの法律の趣旨は、議会による民主的統制、職員に対する給与の保障という点で、その趣旨は同じだと解釈されております。このため、給与法定主義と給与条例主義の観点から、正規職員以外の職員の給与に関して、法律や条例においてどこまで具体的に規定する必要があるのかどうかということでございますが、国家公務員も地方公務員もその規定の必要性については同様でございます。考え方は同じだと思います。つまり同じ考え方に基づいて、国家公務員法も地方公務員法も規定されていることから、総務部長は法律も条例も今申し上げた同じ趣旨であることから、国が法律で常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で給与を支給する、これは非常勤に対する規定でございますが、同様の文言で本県条例におきましては、臨時または非常勤以外の職員との給与の権衡を考慮して、予算の範囲内と規定している本県の条例が給与条例主義に反しているとは考えていないという意味で答弁したとの報告を受けております。総務部長の答弁は、議員が理解されるまで十分なうまい説明をしたかどうかは別にいたしまして、正しいことを述べたものと考えております。

 そのような観点から、最高裁判所の判例が出ました。最高裁判所の平成二十二年九月十日の判決でございますが、これは、大阪府茨木市において臨時的任用職員に対する一時金の支給でございますが、条例に何の根拠のないまま支給したのは違法としたものでございますが、その理由を述べた部分において、常設的な事務に係る職の場合は、その職に応じた給与の額など、またはその上限等の基本的事項が条例で定められるべきであり、逆に、臨時に生じた事務に係る職の場合は、少なくとも一般的基準などの基本的事項は、可能な限り条例において定められるべき旨の判示をしているところでございます。

 臨時的任用職員は、正規職員と異なりまして、その時々の行政需要に柔軟に対応するため、職務内容が多様で、あらかじめ給与の具体策を定めがたい面がございます。正規職員は具体的な給与の額は条例で明記されるのに対しまして、具体的に条例上定めにくいことが基本にございます。したがいまして、本県の条例では、臨時または非常勤の職員に対しては、それ以外の職員との給与の権衡を考慮して予算の範囲内で人事委員会規則で定める基準に従い、給与を支給すると規定しているところでございます。

 これに基づきまして、人事委員会規則では、給与は職務に有用な学歴、免許、経験などに基づき、職務とその複雑、困難及び責任の程度が同程度のそれ以外の給料表の適用を受ける職員の給与との権衡を考慮して、それ以外というのは正規職員などの給料表との権衡を考慮して、上限などでございますが、権衡を考慮して、任命権者が人事委員会の承認を得て定める基準により支給すると、さらに具体的に定めているものでございます。その上で、知事部局では、人事委員会の承認を得て、より詳細な定数外職員取り扱い要綱を定めて給与を支給しておるところでございます。

 最高裁判所で争われました茨木市の条例は、規則で定める者に規則で定める期末手当等を支給すると、規則に白紙委任していることから、違法になったものと理解をしております。

 一方、本県の条例は、それ以外の職員との権衡を考慮すると明確に規定しており、また、人事委員会の承認を得た規則で支給を具体的に行っております。条例で額等が定められている正規職員の給与が上限となると考えております。最高裁判決で述べられた基本的事項のうち、重要な給与の上限が条例で規定され、議会の統制を受けるものと考えております。条例で基本的事項をそのように定めた上で、規則等において条例で委任された具体的事項を定めていることから、茨木市の条例とは異なり、違法性はないと認識をしております。

 また、最高裁判例から五年が経過しておりますが、臨時的任用職員の給与について、正規職員とは別の規定を設けている全ての都道府県におきまして、条例に直接具体的な金額を規定している都道府県はないことなども考慮いたしますと、そのように条例を改正する必要はないものと考えております。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 九番川田裕議員。



◆九番(川田裕) ご答弁ありがとうございました。

 まず、輸出云々といいましても、一言であしたからやるということで活況になるわけでもございませんので、こつこつとこれやっていくしかないと思うのですけれども、やはり、私も今回データ分析等々いろいろやっていまして、データ分析が進むにつれて、非常に悔しい気持ちがいろいろ思いの中に芽生えてきて、なぜ奈良県がこうなんだと、今まではじゃあ何をやっていたんだとか、人のせいにして、これ解決するものではございませんので、今後、やっぱりこういった特化したマクロ経済的な考え方を持って進んでいかないと、今までのように裕福な財政状況では各公共団体はございません。やはり、どうにか知恵を絞って、税収を上げるなり、何らかの仕掛けを考えていく必要があると思います。その点はまた知事、我々も考えつけばどんどんご提案をさせていただきたいと思いますので、今後も奈良県を、せめて上位に持っていくようにご指導いただきますよう、お願いいたしておきたいと思います。

 そして二番目の農地マネジメントなのですけれども、これも先日担当の方からお話をいろいろお聞かせいただいておりまして、非常にすばらしいおもしろい内容もたくさんあるにもかかわらず、私も奈良県民なのですけれども、そういった情報をほとんど知らないというのが現実だと思うのです。だから、何が足らないのかなと思うと、やっぱりコミットメントする情報力といいますか、こういったものがまだまだ不足しているんじゃないかなと。せっかく担当の方が頑張っていいものをたくさんつくっても、それが広がらなければ、ああそういうのがあったのかという形で終わってしまいますと、せっかくいいものを考えたのが水の泡になるということもございますので、もうちょっとそのコミットメントということに意識を置いていただいて、やはり奈良県がこういう方向に進むんだということをご明示いただければなと思います。

 そして三番目ですが、これはあくまでも知事がおっしゃるとおり憲法第九十二条、地方自治の本旨がございますので、強制する項目ではございません。ただ、今後人口が減少してくる。いわゆる人口が減少するということは、当然各公共団体の交付税も減額されていくわけですね。当然、もちろんそうなっていきますね。留保財源という部分も、これは実質は別だと言われていますけど、実際はやっぱり標準財政規模の中にこれ入ってきているというのが現実でありまして、やはり今の現状を維持していくことすらできなくなっていく状況になるのではないかと。じゃあどうすればいいんだということで、地方自治の本旨を生かすためには、やはりそういった市町村の合併は当然その当地の団体の方がお決めになる問題でありますけれども、そういったいろんな案を提案していくというのも一つの手じゃないかと思います。動かなくなったから、じゃあまた援助でどうにかしていくんだというと、これはもう憲法の趣旨とちょっと変わってくると思いますので、やはりみずからの判断とみずからの責任において地方公共団体は成り立っていくというのが地方自治の考え方でもあると思いますので、その点もまた知事、別の方法でもまたいろいろ考えていただきまして、奈良モデル、せっかくいろんな事務の連携がつながり始めたところでありますので、この流れをとめないように、知事、ちょっと頑張っていただければなと思っております。

 そして、四番目は、今お聞きしていましたら、かなり大きな解釈の違いがやっぱり存在しておりまして、それは何かというと、これは今ある全国の四十七都道府県の県の条例も私も全部調べました。何が違ったかというと、また奈良県と同じような書きぶりをしているところももちろんあります。また違うところもありますし、そういったものに対して、一切の手当を支給してはならないと、第一項じゃなくて第二項まで設けているところもございました。

 それから考えますと、あくまでも非常勤に対しての適用であれば、前回総務部長がおっしゃったような形の内容でいいと思うのですけれども、今回、この茨木市の裁判の結果というのは、あくまでも手当を支払っていると。条例に書いてないのに手当を支払っているというところが問題になっておりまして、知事、これをお読みになったかどうかわかりませんが、この判例の中にも、権衡を考慮して予算内で支給することができるというその文言も出てきております。これ、昭和三十六年に通知された文言でありまして、その課題の検討をされた上、条例では、やはり手当を支給するにおいては、そういった条例内において、金額等を書いていかなければならない。せめて上限とか、そういったものの基本的事項という定義も示されております。

 だから、ぱっと見たらそういうふうに思うと思うのですけれども、この判例をよく読んでいただきましたら、そういうふうな書きぶりになっておりますし、そして、どういいますかね、奈良県の場合は、他の都道府県の場合は、多分臨時職に対して期末手当出していないと思うのですよ。だって、一年間の単年度期間しか任用できないわけでしょう。半年間の任用期間であって、一回だけ更新が認められている。すなわち、合計して一年間が臨時職の任期期間ですよね。この任期期間、たった一年しかないのに、生活給のかわりとなり得る期末手当を支給するという団体は、ほとんど僕は記憶にないです。今まで、過去を見ている中では、ないと思います。

 だから、そういったことから考えると、やはりこの奈良県は、ただ調べましたところ、期末手当支給されております。だから、そこが茨木市の形と全く同じケースになってしまうということで先日から申し上げていた次第でございまして、これについては、もう時間もございませんので、今後こういう人事行政というのはやらなければそれでいいし、やったらやったでまた先進的な条例に変わっていくわけですし、やはりやらなければならないという趣旨の判断、これにはもう意地とかプライドとかそういった関係ないと思いますので、やはりそこはまたご研究をいただいて、変えるべきところがございましたら変えていただくということでお願いを申し上げまして、代表質問を終わります。

 以上です。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時十五分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時三十三分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十番阪口保議員に発言を許します。−−二十番阪口保議員。(拍手)



◆二十番(阪口保) (登壇) 創生奈良、生駒市選出の阪口保が代表質問をさせていただきます。

 質問に入る前に、国会で強行採決がなされた安保関連法について、創生奈良の所見を述べておきます。

 この安保関連法は、武力攻撃事態法など十件の法律の改正案を一括した平和安全法整備法案と、新規立法の国際平和支援法案の二本から成ったものです。この法案には、多くの憲法学者が憲法違反と指摘し、過半数の国民も法律の制定に反対しているのにもかかわらず、政府が法案を強行採決したことは許せません。私たちが今後危惧していることは、安倍首相と政府与党の暴走が続き、立憲主義の否定や国民の意見を無視し、そのことで地方自治の破壊や住民の命と暮らし、人権などが損なわれないかということです。法案は成立してしまいましたが、安保関連法の廃止と国民の切実な願いに応えるよう求めてまいります。

 まず最初は、県と県立大学が実施する奈良とユーラシアのつながりに関する取り組みについての質問でございます。

 本県は、今までに東アジアとの連携推進を行ってまいりました。その事業の遂行に当たり、平成二十二年から平成二十四年までの三年間で十億円以上、平成二十五年度には約二億八千万円、平成二十六年度には約一億千四百万円で、合計約十四億円以上を費やしています。主な事業として、東アジア地方政府会合は、平成二十二年に始まり、平成二十六年までに五回、東アジア地方政府会合を開催いたしております。平成二十六年の第五回東アジア地方政府会合は、七か国、六十四地方政府の参加でした。参加国の内訳は、日本、中華人民共和国、インドネシア共和国、マレーシア、フィリピン共和国、大韓民国、ベトナム社会主義共和国でございます。また、外国の地方政府の参加数は、中華人民共和国、十四、インドネシア共和国、一、マレーシア、一、フィリピン共和国、二、大韓民国、八、ベトナム社会主義共和国、六となっています。インドネシア共和国、マレーシア、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国は、地理的に東南アジア諸国ですので、東アジア地方政府会合の趣旨を拡大し、実態は東アジア・東南アジア地方政府会合です。

 ここで、東アジア地方政府会合の問題点を二つ申し上げます。

 この会議は、一部の分科会を除いて過去五回の全体会合が奈良県主催で行われています。このことにより、本県のこの事業に係る財政、運営負担が非常に大きいものとなっています。例えば、主要国首脳会議、サミットは、主催が輪番制であり、サミットのように主催を輪番制にし、財政、運営負担を軽減すべきと考えます。

 次に、第四回東アジア地方政府会合の開催の趣旨は、国家間の外交を補完し、平和で安定した東アジア地域の発展を目指すことであり、具体的な討議議題は、少子高齢化時代の社会保障と地域経済の振興と雇用等でした。

 問題点の二つ目は、このような東アジア地方政府会合の成果は、具体的に何なのか、それが県の行政にどう生かされているのか、甚だ疑問であることです。そもそも、開催の趣旨にある国家間の外交補完は、県の事業でなく、主に国の事業ではないかと考えます。

 二つ目の大きな事業として、平成二十一年に平城遷都一三〇〇年を記念し、日本と東アジアの未来を考える委員会なども設置されました。この日本と東アジアの未来を考える委員会は、平成二十一年に東京都のグランドプリンスホテル赤坂で設立総会を行い、平成二十六年にも総会を東京都内において開催されています。

 また、本県は平城遷都一三〇〇年の記念書籍として、NARASIA、平城京レポートを出版されました。この平城京レポートは、誤記や再確認が必要な記述が計百七十カ所あり、ずさんなものでした。このレポートは、平城遷都一三〇〇年記念グランドフォーラムで発表されております。しかし、平城京レポートの編集、平城遷都一三〇〇年記念グランドフォーラムは、日本総合研究所、松岡正剛事務所、編集工学研究所の共同体との随意契約でした。一般的に、随意契約は最も競争原理に基づかない契約と言われています。そして、本年五月に日本と東アジアの未来を考える委員会の活動の成果として、報告書本編五冊、概要版一冊が公立大学法人奈良県立大学ユーラシア研究センター設立準備室から、県議会議員をはじめ、県下の国会議員や企業などに送付されました。

 日本と東アジアの未来を考える委員会総会を東京都内で開催した経緯からもわかるように、日本と東アジアの未来を考える委員会平成二十六年度末現在の役員は、名誉顧問中曽根康弘氏、委員長佐々木毅氏、企画委員長松岡正剛氏など、奈良にお住まいの方が少ないのが特徴でございます。

 そこで、本年六月の本会議では、創生奈良の梶川県議会議員がこのような県政と直接かかわりの低い東アジアとの連携推進の事業に対し疑義を呈し、日本と東アジアの未来を考える委員会報告書本編五冊、概要版一冊に約六千万円をかけたことを批判をいたしました。また、奈良とユーラシアのつながりに関する研究活動及び研究成果の情報発信等の公立大学法人奈良県立大学中期目標関連費補助金、三千六百万円の支出に反対をいたしました。反対の理由は、奈良県立大学にユーラシア研究センター設立準備室を置き、奈良県立大学が論文の募集、情報誌の発行、フォーラムの開催をし、日本と東アジアの未来を考える委員会が取り組む事業が、さらにユーラシアの研究にまで拡大をしていくことが明らかになったからでございます。

 現在、この補助金をもとに公立大学法人奈良県立大学が本年七月十四日、(仮称)奈良県ユーラシア研究センター設立記念フォーラム運営管理業務委託業者の募集を行っております。その募集要項の業務仕様書を見ると、十月十七日に県立大学においてフォーラムを開催し、外国人出演者としてドイツベルリン考古学研究所、ドイツボーフム大学宗教研究所、タジキスタンタジク考古学研究所、インドゾロアスター教神官学校、中国上海社会科学院宗教研究所が予定されており、ここでも補助金が使われます。また、本県からはユーラシア研究センター設立記念フォーラム開催等に当たり、公立大学法人奈良県立大学でユーラシア研究センター設立準備の室長、設立準備係長、主事として三人の職員が従事しています。本来、県政とかかわりの薄いこの奈良県ユーラシア研究センター設立記念フォーラムに補助金を支出することや、三人もの職員が従事し、ユーラシアのつながりに関する事業にまで取り組みを広げられることは、ますます納得がいかないものでございます。

 本年六月、本会議の補正予算の修正案の趣旨説明で述べたように、本県が余裕の財源もなく、子どもたちの命を守る重要な施策、すなわち学校の耐震対策事業ですら約七五%までしか進捗していないことなど、真っ先に子どもたち、県民の命を守る事業を優先させるのが地方公共団体の使命だと考えています。この事業に県民の税を支出することは適切でないと言えます。

 そこで、知事に二点についてお伺いします。

 一つ目は、東アジア地方政府会合やユーラシア研究センター設立記念フォーラム等は県が取り組むべき県政課題ではないと考えますが、どのように考えておられるのでしょうか。

 二つ目は、今後ユーラシア関連の事業をどのような構想で進めていかれるのか、加えて、どのような体制でどれだけの費用を見積もっておられるのかお聞かせください。

 二点目は、電力小売が完全に自由化されるに当たっての県の取り組みについての質問でございます。

 電気事業法の改正により、平成二十八年四月から電力小売が完全に自由化されます。今まで国が定める一般電気事業者が独占的に供給していましたが、一般家庭でも電力会社を自由に選べることから、ことしの秋ごろから各社がサービス内容を工夫し、多様な料金メニューやサービスの提供が期待できます。

 また、電力の自由化は、多様な新規の電力会社の参入が予想され、各地に地域エネルギー会社が設立される可能性も大いにございます。このことは、エネルギーの地産地消が進むだけでなく、地域エネルギー会社の設立により、地域経済の活性化も期待できます。例えば、群馬県中之条町は、自治体がまちの電力会社を設立し、中之条電力が小中高から野球場まで電力を供給して、電気の地産地消を目指しています。

 本県においては、電力自給力の向上を図るためにも、県内の市町村とも連携し、電力自由化の流れに対応すべきだと考えております。既に、本県は平成二十七年度奈良県電力の調達に係る環境配慮方針を掲げ、電力の調達契約の競争入札を行い、環境に配慮した電力調達が行われております。

 東京の世田谷区では、既に入札で電力を購入し、大規模施設百七十七施設の電力を新電力会社から購入し、平成二十六年度だけで一億円の経費削減の見込みのようでございます。

 そこで、知事にお伺いします。一つ目は、本県の電力の調達契約の競争入札を行った施設の数と、電力の調達契約の競争入札を実施した結果や、今後の取り組みについてお聞かせください。二つ目は、平成二十八年四月から電力小売が完全に自由化されることについて、県としての取り組みが必要と考えますが、どのようにお考えかお聞かせください。

 三点目は、県職員の勤務環境の整備についての質問でございます。

 平成二十六年十月の県人事委員会の報告によれば、本県の職員総数は一万五千三百二十一人、従事する職務の種類に応じて行政職、公安職、教育職、研究職、医療職及び福祉職並びに任期付研究員として従事されています。また、職員には七種十二の給料表を適用しています。さらに、本県では事務補助を主たる職務とする非常勤職員としての日々雇用職員制度を設けています。

 近年、公務員の仕事は行政課題が多様で複雑化してきており、また、県民からの要求にも的確に対応し、質の高いサービスが求められてきております。そのためには、理事者は職員のやりがいや労働意欲を高め、職員一人ひとりの資質、能力を最大限に発揮していただくように努める責務があります。

 また、県人事委員会も、平成二十六年十月に職員の給与等に関する報告及び勧告を行っています。人事委員会の給与勧告制度は、公務員の労働基本権制約の代償措置ですので、私たちはその勧告を尊重する必要があります。その勧告の概要の柱は、公民の給与較差に基づく給与の改定等、給与制度の総合的見直し及び人事管理等です。

 柱の一つの人事管理の詳細は、ワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和の推進に向けた勤務環境の整備、その実行のためには、職場の意識改革や総実勤務時間の短縮、超過勤務の縮減、年次有給休暇の取得促進でございます。

 しかし、今までワーク・ライフ・バランスの推進に向けた勤務環境の整備を掲げながらも、病気での特別休暇が非常に多いことと、本庁の多くの所属での超過勤務時間の多さの実態には驚いています。平成二十五年度は知事部局における心身の故障による数字が、三十日以上の特別休暇取得者の九十九人の中で、精神及び行動の障害を理由としたものは六十人であり、全体の六割を占めており、そのうち、職場の中核を担う四十歳代及び五十歳代の職員が五十人となっています。

 私が県職員からの聞き取り調査をしたところでは、定年退職前に退職する職員がふえた、残業時間が多過ぎて健康に自信が持てないとの声が出ました。また、超過勤務については、月に実質八十時間や百時間を超える残業は当たり前になっている。集中討議と称する知事との討議のための資料作成に忙殺され、時間がない、知事が突然に指示したことを施策として実施できるようにするために、勤務時間の大半が費やされて、夜とか休日に出勤してこなしているとの声が聞かれているところです。

 このような県職員の疲弊の大きな要因は、職員定数の削減による業務の過重負担、業務に見合った適正な人員配置がなされていないといったことが考えられますが、職員の声からすると、過重労働の実態がかいま見られる中で心身の疲労も要因にあるのではないかと考えられます。職員の超過勤務の実態を明らかにし、過労死や自殺、家庭崩壊などの悲劇が生じることのないよう、ワーク・ライフ・バランスが本当にとられているのか検証する必要があると考えるところです。

 次に、本県の非常勤職員の日々雇用職員の勤務条件についてお聞きします。

 本県は、事務補助を主たる職務とする非常勤職員として、日々雇用職員制度を設けており、その給与、休暇等の勤務条件については、地方自治法、労働基準法、一般職の職員の給与に関する条例及び臨時又は非常勤の職員の給与、勤務時間、休日及び休暇の基準に関する規則などに定められています。給与については、臨時または非常勤職員以外との職員との給与の均衡を考慮するとありますが、日々雇用職員の給与は決して高給とは言えず、また、職員には年次有給休暇を未消化の場合に年次の繰り越しが認められていても、日々雇用職員には認められていません。

 労働基準法第三十九条は、労働者に年休を与えることを使用者の義務として、年次有給休暇の付与等を定めており、また、県人事委員会の勧告の中でも、勤務条件の検討が指摘されています。

 本県は、任命権者が運用の適正化を図るのであれば、日々雇用職員にも年次有給休暇の繰り越しを認める措置を講じるべきものと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 一つ目は、平成二十六年度における知事部局の職員の定年前の早期退職者数と、心身の故障による病気休暇取得者数について、その人数を示していただき、また、県はその原因をどう考え、どのように対処されているのかお聞かせください。

 二つ目は、本年四月以降の本庁の超過勤務時間について、実退庁時間の遅いワーストテンの所属名と、実退庁時間及び超過勤務手当支給時間を明らかにしてください。その上で、過重労働の解消とワーク・ライフ・バランスの確立に向け、県はどう取り組むのかお伺いします。

 三つ目は、日々雇用職員の勤務条件、とりわけ年次有給休暇を職員と同様に繰り越しを認めるべきだと考えますが、県の考えをお答えください。

 四点目は、教職員の勤務環境の整備についての質問でございます。

 平成二十六年度の本県人事委員会の勧告の中で、経済協力開発機構が加盟国三十四カ国で中学校の教員を対象に実施した国際教員指導環境調査の調査結果を紹介しており、その調査結果では、教員の勤務時間いついて、日本が調査国中最長の週五十四時間という数字が出ております。その原因としては、部活、事務処理、授業の準備などが上げられ、私の経験では、採点や生徒の成績にかかわる業務や生活指導も上げられると考えます。また、教職員を取り巻く厳しい状況は、中学校の教員に限ったことではなく、小学校、高等学校においてもよく似た状況ではないでしょか。中学校、高等学校では部活の日曜日の対外試合で顧問が引率、審判などを行いますが、その際の代休も十分にとれない状況にあると聞きます。

 次世代の人材の教育を担う教員には、深い専門的な知識や的確な教授法が求められています。現職教員の資質、能力の向上を目指すには、教員の日々の自己啓発的な姿勢や研さんが必要でございますが、日々の日常業務に追われていくと、教員の資質向上に努める時間もなく、心身の疲弊を来す原因ともなります。公立高等学校の教職員の任命権者は本県であり、また、公立小・中学校の設置者は市町村ですが、そこに勤務する教職員は地方公務員で、服務監督権者は市町村、任命権者が本県でございます。

 そこで、教育長にお伺いします。

 一つ目は、本県の特別休暇者の中で、精神及び行動の障害を理由とした者の人数をお聞かせください。

 二つ目は、教職員の勤務時間の短縮や健康の保持増進に向けて、どのように取り組まれ、また市町村教育委員会とどのような連携を行っているのかお聞かせください。

 五点目は、殺処分ゼロに向けた取り組みについての質問でございます。

 平成二十六年十二月の一般質問で、動物の殺処分と譲渡についての質問をいたしました。特に、一般質問で、本県の低い譲渡率を改善するために、動物愛護団体に譲渡をし、つまり民間のネットワークを活用し、新たな飼い主を探すという方策を提案いたしました。この提案を受けていただき、現在、動物愛護団体を介した譲渡も行われていると伺っています。

 そこで、現在の全国の状況でございますが、平成二十五年度、全国の犬・猫の引き取り状況は、環境省調査によると、犬の引き取り数、六万八百十一頭、返還・譲渡数、三万二千九十二頭、殺処分数、二万八千五百七十頭、次に、猫は引き取り数、十一万五千四百八十四頭、返還・譲渡数、一万六千三百二十頭、殺処分数、九万九千六百七十一頭でございます。平成十六年と比較しますと、引き取り数と殺処分数が減少。引き取り数が減少している中で、返還・譲渡数がふえています。また、先進的な取り組みをしています川崎市では、平成二十六年度に市動物愛護センターで犬の殺処分はなく、二年連続で殺処分ゼロを達成したと発表しており、動物愛護ボランティアらが橋渡し役となり、迷い犬や飼えなくなったペットを新しい飼い主に譲り渡す官民協働の取り組みが奏功いたしております。殺処分ゼロを目指す啓発活動、自治体の取り組み、また動物愛護団体との協働の取り組みなどを通して、殺処分が減少してきているのではないでしょうか。

 そこで、くらし創造部長にお伺いします。

 本県でも、殺処分ゼロに向け取り組んでいただいていますが、どのように進んできているのでしょうか。また、動物愛護団体への譲渡に係る協働の取り組みの状況についてお聞かせください。

 六点目は、介護人材養成課程の設置についての質問でございます。

 平成二十七年六月二十四日、厚生労働省は二〇二五年の介護人材の需給推計を都道府県の協力を得て集計し、発表しました。全国的に見れば、おおむね三十七万人が不足し、そのうち奈良県も四千四百九十八人が不足するという結果でした。

 先般の六月議会においては、福祉の充実ということで、健康福祉部を担当所管に新たに三つの事業について補正予算を組まれました。一つ目は、介護人材確保対策推進補助事業として、介護人材確保に向けた取り組みに対する補助、二つ目は、福祉・介護人材確保協議会運営事業として、介護等従事者の確保、定着に向けた協議会を設置する事業、三つ目は、福祉・介護人材定着支援事業として、介護等従事者の定着促進に向けて、就職から半年以内に離職した者を対象に離職理由等を調査し、課題把握とともに専門家を事業所に派遣し、就労環境の改善等を支援する事業。この三つの事業は、中・長期的な対策として効果を発揮するかもしれませんが、しかし、今まさに介護人材が不足している状況を踏まえ、若者世代を対象に、介護人材を養成する即効性のある対策が必要と考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 抜本的に介護人材をふやすために、今県立榛生昇陽高等学校にある福祉科のようなコースをさらにふやしていく必要があると考えます。また、福祉科の生徒には奨学金を貸与し、一定期間を奈良県内の福祉施設で働いた場合は、返還免除をするなどの工夫も必要と考えます。このことにより、県内の卒業生が県内の福祉施設で働ける仕組みができ、奈良県の若者が県内のお年寄りを介護でき、さらには高校生の雇用の創出にもつながると考えますが、所見をお伺いします。

 七点目は、辻町インターチェンジの整備についての質問でございます。

 平成二十六年二月本会議の一般質問でも取り上げています。そのときの県土マネジメント部長の答弁は、具体的な検討に着手している、また、生駒市と連携し事業化していくという答弁でございました。生駒市の交通渋滞の緩和という点からは、早急に整備を図っていく必要がございます。そこで、整備について県土マネジメント部長に進捗状況をお伺いします。

 以上で、壇上からの質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十番阪口議員のご質問がございました。

 第一問は、県と県立大学が実施いたします奈良とユーラシアのつながりに関する取り組み、とりわけ東アジア地方政府会合やユーラシア研究センターについてのご質問でございます。県が取り組むべき県政課題ではないと考えるが、というご所見でございます。また、ユーラシア関連の事業はどのような構想でどのような費用で行うかというご質問でございます。

 まず、東アジア地方政府会合の意味でございますが、奈良が持つ歴史、文化など地域の個性を生かしつつ、会合開催にイニシアチブを発揮し、国際性が豊かであった奈良のアイデンティティーを県内外に認識してもらうことが大きな目的でございますが、そうすることによりまして、本県の地位向上やグローバリゼーション化が進行する今日、地方政府である奈良県がその存在意義を示す、他県にできない存在意義を示す絶好の機会であると捉えております。

 県が取り組むべき課題かどうかについて、どうかというご質問でございますが、この会合での議論をきっかけに、県で新たに取り組むこととなった事業をご紹介申し上げたいと思います。東アジア地方政府会合では、東アジアの地方政府が直面しております社会保障、観光、農業、地方の地域振興などの課題を学び合う場所としての地方政府会合の意義を改めてご理解いただきたいと思う次第でございます。

 一つ目は、第一回会合での次世代を担う人材育成の必要性の提唱を受けまして、平成二十三年度に東アジアサマースクールを開設いたしまして、今年度で五回目の開催となりました。これまでに六カ国、百九十六人の方が参加されており、東アジアの未来を担う世代がともに学び、対話や交流を図ることが参加国間の友好関係の礎となっており、国境を越えた人の輪が確実に広がりつつあると実感をしております。奈良で学び合った東アジアの人々が、その後のおつき合いを続けておられ、奈良への理解と親近感を持って帰られた方々がそれぞれの国での次世代のリーダーにも輩出されることがあればと期待しているところでございます。

 もう一つの例を挙げますと、奈良県育児休業取得促進事業補助金でございます。これは、他県に先駆けて実行した補助金でございますが、これは平成二十五年度の会合の際、働く女性が安心して妊娠、出産ができるような取り組みを具体的に議論したことをきっかけに、本県でも育児休業給付金に上乗せして賃金を支給する県内事業者に補助できないかと考え、平成二十六年度予算に計上し、議会でご承認をいただいたものでございます。

 二つだけ例を挙げましたが、このように、東アジア政府会合での議論は、いわゆる国際交流の範疇を超えた具体的な議論に基づいて、それぞれが具体的な成果を上げる努力をしようといった取り組みでございまして、こういったところに国際交流が豊かでありました本県が取り組む意味があろうかと考えております。

 また、奈良県以外での本会合は行わないのかというご質問でございます。奈良県以外での本会合の開催は、まだ実現しておりませんが、他の地方政府で分科会などを開催し始めております。例えば、ことしの八月には三重県におきまして、インバウンドの促進をテーマに十地方政府の実務者による地域別分科会が開催され、本年十月末の奈良での本会合における議論につながることになると思います。

 また、本年九月十四日から、韓国忠清南道で開催された東アジア地方政府三農フォーラム、農業、農民、農村の三農フォーラムに私と県議会議長が出席をいたしました。本県以外の会員地方政府や、県議会議員などの地方議員も多く参加され、農業、農村、農民のための各地域の課題について、国際会議ならではのそれぞれの事情の違う農業政策について意見交換を行いました。この成果を、本会合の議論に反映し、TPPなど目前に迫った各国農業、各地域の農業対策に役立てることになろうかと思っております。

 こうした分科会等開催の動きに加えまして、現在、中国陝西省などが本会合の開催に意欲を示しておられますので、折衝を進めているところでございます。

 次に、ユーラシア研究センター設立記念フォーラムなど、県立大学でのユーラシア研究に関するご質問がございました。今後どのように取り組むのかというご質問でございますが、奈良に原形のまま保存されております大仏や四天王、十二神将、玄奘三蔵が持ち帰った仏典などでもわかりますように、奈良時代は当時のユーラシアとの交流が日本の歴史で最も盛んで、他に類を見ないことでございます。そのようなことに鑑みまして、奈良とユーラシアの交流とユーラシア地域の歴史的背景を生かした研究が、奈良らしい特色ある大学づくりに資するものと考えております。

 本年四月の県立大学の法人化に当たりまして、法人の中期目標にも項目の一つと定められたところでございます。奈良は、ユーラシア文明の東の果て、シルクロードの終着点と言われる誇るべき特色を持っております。さらに東の横浜市は、ユーラシア博物館というものを持っておりますが、奈良ユーラシア文明の東の端は奈良だと自認をしております。奈良が何も発信することをしないと、東の果ては横浜だと思われかねないほど、横浜市のユーラシア博物館は活動が盛んでございます。

 本県県立大学におけるユーラシア研究の内容でございますが、国際性豊かな奈良の歴史、文化資源に対する県内外の本質的理解の促進。また県内各地に存在し、十分認知、認識がされず、その活用が図られていない未活用文化資源の発掘と活用。また奈良の文化財は日本の文化財の中で最も国際性が強いため、国際的な学術研究、人的交流の拡大を図り、奈良の文化財の源流を探ることなどを研究の目的にしております。

 研究の効果といたしましては、まずは県立大学が国際的な研究拠点になることにより、県立大学のステータス向上が見込まれますが、県、ひいては県民にとっても次のような二つの地域振興効果があると考えております。

 一つ目でございますが、研究成果の活用により、国内外から奈良にさまざまな分野の研究者が来訪されることになります。学術研究、人的交流の拡大につながります。文化、学術研究をできる奈良というイメージのアップにつながります。このような会議やフォーラム、シンポジウムなどが奈良で定期的に開催されることによりまして、会場運営や多言語翻訳サービスを含め、コンベンションに関連する企業活動の活性化が期待されます。マイスと言われる産業分野で、新しく発生している産業分野でございます。

 二点目でございますが、このような奈良の今まであるにもかかわらず、発掘され、発信されていない新しい魅力が発信されることで、奈良に多くの観光客が来訪され、奈良県の観光交流の拡大につながり、宿泊、飲食、交通などの観光産業の拡大が期待されております。このような奈良の観光素材の資質は、ただ単に訪れて通り過ぎるだけでは感じられないわけでございます。滞在をして、奥深く感じてもらう奈良の文化、観光という方向が大事かと思います。とりわけ、ヨーロッパから来られる観光客は、ヘレニズムの影響が濃い奈良の仏像に深く感動される傾向がございます。我々よりも感受性が強いヨーロッパの人たちを今お迎えし始めているわけでございます。

 今後のユーラシア研究の取り組みでございますが、研究体制として、奈良県立大学に既に設置されておりますユーラシア研究センター設立準備室が十月一日付で奈良県立大学ユーラシア研究センターとして発足されます。これは、独立したものではなく、大学に附属する研究機関でございます。人員配置といたしましては、今までどおり三名の大学職員が事務局員として配置されますが、専門研究員を置かず、外部の研究者に委嘱して研究を進める予定で、最小限のコストで大きな研究成果を出していきたいと考えています。事業といたしましては、センターの設立記念フォーラムなどが実施されますが、県民にもわかりやすく、研究の取り組み内容をご紹介する同様の会合を、今年度はさらに一、二回程度開催する予定でございます。県立大学におきましては、今後ともこうしたシンポジウムやセミナーの開催、わかりやすい情報誌の発行などにより、県民の研究活動への理解を深めていただくように努めていきたいと思います。加えて、県といたしましても、この研究成果が先ほど申し上げましたような国際性豊かな奈良の文化の本質について研究を深め、県内外に発信することで地域振興に着実につながるよう、文化・学術施策や観光施策に反映させていきたいと思います。次年度以降の必要な予算については、議会にお諮りさせていただきたいと思います。

 また、来年には奈良市が東アジア文化都市を開催されることも承知しております。東アジアを含むユーラシアとのつながりと、その研究を深めていくことは、奈良にとって欠かせない取り組みであろうかと思います。必ず奈良の特色を生かした県政発展に貢献するものと確信をしております。

 横浜市のユーラシア博物館の事業は、壮大なものでございますが、このように非常に小さな取り組みでございますが、奈良県がユーラシア研究の旗を上げることによって、ユーラシアの交流の東の果ては奈良であったということを強烈に主張できるものと考えております。

 次のご質問は、電力小売が完全に自由化されるに当たっての県の入札などの取り組みについてのご質問でございます。

 県の施設の電力調達に関して、入札を実施しておりますが、昨年度は大規模施設を中心に十八施設で実施いたしました。全庁的に調達方法の見直しを進めましたところ、ことし八月末までに七十九施設で入札が行われ、さらに今年度末までには八十七施設、年間合計でこれまでの累計で百六十六施設で入札が行われる見込みでございます。八月末までの入札におきまして、七十九施設の入札がありましたわけですが、その大半の七十六施設が新電力会社との契約となっております。従来の価格などから算定された予定価格と実際の落札価格を集計いたしましたところ、予定価格が約二十四億九千万円に対しまして、落札価格は二十三億千万円となっておりますことから、約一億八千万円の経費節減効果がこの入札により見込まれたところでございます。今後とも、競争入札の実施を推進していくとともに、入札結果の検証を行い、入札対象施設のグルーピングなどの検討により、調達方法を適宜見直し、効率的な入札と一層の競争性、透明性、経済性の確保に努めてまいりたいと考えております。

 電力小売の取り組みのご質問として、来年四月から電力小売が完全に自由化されるに当たっての県の取り組みというご質問でございます。

 電力システム改革の一環として、契約電力五十キロワット以上の高圧電力の小売につきましては、平成十七年から既に自由化をされておりますが、来年四月、平成二十八年四月からは一般家庭などを含む低圧分野も含めまして、完全自由化されることになります。これによりまして、電気の利用者は誰でも電力会社、料金メニューを自由に選択できるようになりますとともに、さまざまな事業者が電力小売市場に参入できるようになり、新たなビジネスや雇用の創出につながると考えられております。県におきましては、現在第二次エネルギービジョンを策定しておりますが、その中で、地方創生の実現に向け、地域資源の最大限の活用による地域内の資金循環などを政策課題として上げております。

 このような観点から、電力自由化に対して供給サイドの取り組みということでございますが、地域でつくったエネルギーを地域で使い、資金を地域内で循環させるエネルギーの地産地消の仕組みなど、電力自由化を契機に何ができるかについて、ビジョン策定の中で検討を深めてまいりたいと思います。

 議員ご承知のように、本県は大変供給力の弱い県でございます。関西電力の中で、五%のシェアを占めるだけの県でございますが、地産地消の考えで少しはエネルギー自由化の波を越えていきたいと思います。

 他方、自由化サイドの取り組みでございますが、県民の皆様が不要な混乱を招かれないよう、正確な情報を周知させていただくことが重要だと思います。また、人口の少ない地域に不利益となることのないよう、国の動向を注視し、必要な場合には国に要望してまいりたいと思います。

 次のご質問は、県職員の勤務環境についてのご質問が三点ございました。

 第一点目は、病気休暇取得などの実態の把握とその原因の把握、対処のやり方についてのご質問でございます。

 平成二十六年度における知事部局の定年前の早期退職者数は四十七名でございまして、その半数が五十歳代となっております。退職理由は、本人を含めた家庭のご事情によるものでございます。また、平成二十六年度における心身の故障による長期病休者は九十一名でございまして、その内訳は、精神及び行動の障害によるものが五十三名、五八・二%で、議員がお述べになった割合でございます。それ以外の疾病等によるものが三十八名、約四割おられます。長期病気休暇の原因といたしましては、身体の疾病やけがに起因するもののほか、職場の人間関係や業務の複雑化、多様化などに伴うストレスの増加によるメンタル面での不調などによるものが考えられます。

 職員の健康保持、増進対策として、まず身体の健康につきましては、疾病の早期発見が重要でございます。定期健康診断の実施や人間ドックの受診に加えまして、がんなどの各種検診を実施し、異常が認められれば精密検査等の受診を職員に勧奨し、早期治療を促すなどの健康管理を進めているところでございます。

 次に、心の健康に関しましては、職員みずからがストレスの予防軽減を図るため、ストレス対処法講座などの実施により、ストレスに関する知識や理解を深めるとともに、管理職におかれましては、職員とのコミュニケーションを通じ、職員の心の健康状態やストレス要因を把握し、職場環境を整えるなどの管理者研修を実施しております。

 また、メンタル面で悩みを持つ職員に対しましては、精神科医によるカウンセリングや産業カウンセラー、保健師による相談体制を整備し、きめ細かなケアを行うことにより、メンタル不調による休暇者の減少を目指しているものでございます。

 その次のご質問は、職員の実退庁時間の状況、また超過勤務手当支給時間の状況についてです。過重労働の解消に向けた取り組みのご質問でございます。

 職員の超過勤務につきましては、これまでからワーク・ライフ・バランスの実現、健康管理、効率的な事務執行の観点から、その縮減に向けたさまざまな取り組みを行ってきております。例えば、平成二十四年六月に、私と職員労働組合委員長で奈良県ワーク・ライフ・バランス推進労使宣言を締結いたしまして、労使が力を合わせて明るく元気な職場の実現を目指そうという宣言でございます。また、ワーク・ライフ・バランスの実現は、社会全体の問題として認識されてきていることから、新たなパーソナルマネジメントの構築というテーマで人を育てる、働きやすくする、職場のワーク・ライフ・バランスという視点を加えまして、労働に関する専門家の考えを伺うなど、県の職場がこれからの働き方の新しいモデルになるよう研究を始めたところでございます。働き方改革を奈良県庁で実践しようという志で小さいわけでございますが、高い志を持った取り組みでございます。

 ご質問の職員の実退庁時間でございますが、出退勤システムを導入しておりますが、そのデータ量は膨大なものでございまして、実退庁時間のデータを抜き出して解析することは作業量から膨大な作業になることから、統計的なデータはとっておりません。

 一方、実退庁時間を類推できるデータといたしまして、本庁職員の超過勤務手当支給時間があるわけでございますが、これは統計がございます。その内容でございますが、本年四月から七月までの総時間数、超過勤務手当支給時間数ということでございますが、八万八千百七十時間でございますが、職員一人当たりに直しますと、一月当たり十八・六時間となっております。これは、一週に直しますと、約四・五時間、一人当たり四・五時間程度、また一日にならしますと、一日約一時間弱ということになります。ならしますと大変平凡な数字になりますが、部局や季節によって業務の波が大分違うわけでございますので、その様子を分析する必要があると思います。最近では、残業の多い部局、このような支給が多い部局ということからいたしますと、こども・女性局、健康福祉部、県土マネジメント部の順となっている次第でございます。

 超過勤務は、職員みずからの判断によるものでなく、所属長をはじめとする管理監督者が超過勤務により対応しなければならない業務かどうかをしっかりマネジメントし、真に必要な職員に対し、適切な超過勤務を命ずることが基本でございますし、これが重要でございます。

 このような残業管理を徹底することで、超過勤務の縮減につなげる必要があろうかと思います。つき合い残業と言われる悪例があれば、それをなくす方向で職場の管理ができたらということでございます。

 このようなことから、働き方にめり張りをつけ、ご自身の健康管理と公私ともに充実した日々が過ごせるよう、今夏のサマータイム期間中は、毎週水曜日と金曜日を定時退庁日とし、初日の定時退庁日には職員労働組合のご要請に応じまして、私自身が定時退庁を呼びかける庁内放送を実施いたしました。私自身は常時残業勤務者でございますので、ちょっと不思議でございますが、職員には早く帰っていただきたいと思っております。

 また、人事課と職員労働組合が連携して、各所属を巡回し、超過勤務命令のない職員があった所属長に注意文書を発行するなど、管理監督者及び職員に注意喚起を促す取り組みも行い始めました。今後もこのような取り組みが効果があれば続けさせていただきたいと思います。

 勤務環境整備の第三のご質問は、日々雇用職員の年次有給休暇を職員と同様に繰り越しを認めるべきではないかというご質問でございます。

 日々雇用職員は、正規職員の事務補助としてデータ入力などの業務を行っていただいております。常時雇用することを予定していない一般職の非常勤職員という扱いでございます。

 日々雇用職員の休暇制度につきましては、労働基準法で認められている年次有給休暇、産前産後休暇、育児時間休暇などが認められていますし、本県独自の休暇として年次有給休暇を採用から三カ月の間に一日、採用後三カ月から六カ月の間に二日付与いたします。夏季休暇を一日付与するなど、働きやすい環境づくりに向け、その充実が図られております。

 本県における日々雇用職員は、臨時的な雇用であり、雇用の更新を前提としていないことから、これまで年次有給休暇の繰り越しを認めてこなかったところでございますが、当該職員の雇用実態や職員組合からの要望を踏まえまして、さらなる勤務環境の改善を図るため、導入に向けて検討を行っていきたいと思います。

 次の質問は教育長でございますが、私に対しましては、介護人材養成課程を高等学校に設置したらどうかというご質問でございます。

 介護人材の養成は大事な課題でございます。全国的にも不足が見込まれている中、高齢化率は全国平均を上回るペースで進行している本県におきましては、今後ますます多くの介護人材の確保が必要と考えております。また、その人材確保に当たりましては、量的な充足と同時により質の高いサービスの提供といった観点から、介護福祉士などの専門性を身につけ、介護職に対する意欲にあふれた人材の確保が大変重要であると認識をしております。

 まず、県立高校における介護人材の養成でございますが、議員お述べの榛生昇陽高校の福祉科のほかにも、磯城野高校のヒューマンライフ科では、生徒全員が奈良県介護員養成研修の修了を目指して福祉分野の学習を実施しております。また、二階堂高校のキャリアデザイン科におきましても、一年生全員が県内の福祉施設へのインターンシップに参加するなど、介護の仕事への関心を高める取り組みを学校で進めていただいております。

 今後、このような取り組みを他校にも広げるなど、具体的な取り組みを進めていただきたいと思います。本年度設置いたしました奈良県総合教育会議の場におきましても、実学教育、就労教育についても教育課題として検討を行っていきたい思うテーマでございます。

 次に、奨学金の返還免除など、県内福祉施設への就労を促す方策についてご提案をいただきました。

 榛生昇陽高校福祉科では、毎年約半数の二十人が就職し、そのほぼ全員が県内の福祉施設等で介護の仕事についている状況でございます。実態的には、インターンシップでお世話になった施設への就労が多いことなどから、若い世代が介護の仕事を安心して選択できるよう、若い世代向けの情報提供に加えまして、体験や実習への対応を充実させるなど、きめ細かな取り組みが必要と考えております。

 このため、新たに設置いたしました奈良県福祉・介護人材確保協議会におきまして、県と有識者や県内の関係機関、団体が連携・協働して、就労環境の整った福祉施設等を県が認証、公表する制度の創設や、就職を控えた若い世代に福祉・介護の仕事を正しく知ってもらうための動画の作成など、具体的な取り組みに着手したところでございますが、今後ともさらに教育機関とも連携を強化しながら、介護人材の養成、定着に向け、より効果的な取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。

 残余のご質問がございましたが、関係の部長に答弁をさせていただきます。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 中くらし創造部長。



◎くらし創造部長(中幸司) (登壇) 二十番阪口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、動物の殺処分ゼロに向けた取り組みについて、本県でも殺処分ゼロに向け取り組んでいるが、どのように進んできているのか、また動物愛護団体への譲渡に係る協働の取り組み状況についても伺いたいとのご質問の内容でございます。お答えをいたします。

 犬、猫の殺処分を減らすことは望ましいことと考えておりまして、どのように減らすかにつきましては、終生飼育の啓発と譲渡事業の推進が重要であるとこれまでも申し上げてきたところでございます。

 終生飼育の啓発におきましては、正しい飼い方、しつけ方や命のとうとさを学ぶ機会を提供するとともに、不必要な繁殖を防ぐ手段として、不妊、去勢措置の指導、助言を行うなど、飼い主への支援や、適正飼育の普及に努めているところでございます。

 また、昨年度から迷い犬、猫を速やかに飼い主のもとへ戻す試みといたしまして、名札の装着や、いなくなった際の保健所、警察への早期通報を呼びかけるため、県独自で作成いたしました啓発カードの配布を行ったところでございます。このカードによりまして、初期通報の必要性に気づいたとの声もいただいております。

 さらに、飼い主から保健所へ犬、猫の引き取りについての相談があった場合には、飼い方、しつけ方のアドバイスを行い、飼育を継続するよう、また、みずから新しい飼い主を探すよう指導しているところでございます。

 一方、譲渡事業を推進するため、昨年五月から県下の動物愛護団体と具体的な協働の内容について話し合いを持ち、その成果といたしまして、昨年十二月から団体を介した譲渡に取り組み、本年八月末までに二団体を介しまして犬六頭、猫十七頭の引き渡しが実現しております。

 これらの取り組みを一層推進するために、本年六月に獣医師会、動物愛護団体、市町村、県などによります第一回動物愛護管理推進協議会を開催し、民間の方々などにも参画いただく動物愛護推進員制度の導入に向けて協議を行ったところでございまして、今後も地域に密着した啓発活動を充実させながら、殺処分の減少につなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 加藤県土マネジメント部長



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇) 二十番阪口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、辻町インターチェンジの整備につきまして、進捗状況のお尋ねがございました。

 阪奈道路の辻町インターチェンジに奈良市方向への出入り口を設け、フルランプ化を図ることは、生駒市域の方々の利便性を向上させるとともに、生駒市内の渋滞緩和の解消を図る観点から大変重要な事業と考えております。

 昨年から、阪奈道路に新たに交差点を設けることによって、奈良市方向への出入り口を確保する方式につきまして、生駒市、地元地域とご相談をさせていただいております。本年一月には、地元自治会の役員の皆様方からおおむね賛成とのご意見をいただくことができましたので、事業着手に向けた環境が整ったと判断いたしまして、さきの六月県議会におきまして、新規事業として補正予算を要求させていただき、お認めをいただいたところでございます。

 現在、地元地域にお住いの皆様方の日常生活における利便性の確保、また環境対策、安全対策といったような要素を踏まえながら、生駒市とも協力いたしまして、設計作業を進めているところでございます。年内のできるだけ早い時期に、地元地域の皆様方にでき上がった図面をごらんいただきたいというふうに考えてございます。引き続き、地元地域の皆様方とよくご相談をさせていただきまして、ご理解、ご協力を得て、できるだけ早期に必要となる用地の取得に向けた測量、調査にも着手をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 二十番阪口議員のご質問にお答えいたします。

 私には教職員の勤務環境の整備につきまして二点、一点目は本県の教職員の特別休暇者の中で、精神及び行動の障害を理由とした者の人数、それから教職員の勤務時間短縮や健康の保持増進に向けた県教育委員会の取り組み、また市町村教育委員会との連携についてのご質問でございます。あわせてお答えをいたします。

 学校教育は、教職員と児童生徒との人格的なふれあいを通じて行われるため、教職員が心身ともに健康な状態で教育に携わることは、大変重要なことでございます。

 ご質問の精神及び行動の障害を理由に一カ月以上特別休暇を取得した者や休職した者は、平成二十六年度で小学校三十八名、中学校二十五名、高等学校十三名、特別支援学校九名の合計八十五名となっております。

 教職員がメンタルヘルス不調を来す背景には、業務における量の増加や質の困難化に加えまして、組織的な対応が十分できてない、そのような状況が考えられています。

 県教育委員会では、業務における量の増加や質の困難化などに対処し、勤務時間の短縮にもつながるよう、学校の業務改善の優良事例をまとめた実践事例集を策定いたしまして、県立学校及び市町村教育委員会等に活用を働きかけてきたところでございます。

 また、本年四月に文部科学省が公表いたしました学校現場の業務改善を支援する、これは教育委員会向けのガイドラインでございますけれども、これを県立学校や市町村教育委員会に周知をしたところであり、今後機会を捉えて具体的な内容も説明することといたしております。

 さらに、県内学校の校長等の管理監督者に対しましては、メンタルヘルス不調の予防や早期発見、対応方法などの研修を毎年行っておりまして、組織的な対応力の向上を図っております。

 なお、学校におきましても、労働安全衛生法に基づき、労働安全衛生管理体制の整備が求められており、その一環として、全ての県立学校において、平成二十年四月から長時間労働で疲労の蓄積が認められる教職員に対する医師の面接指導体制を整えております。

 また、本年十二月以降、従業員五十人以上の事業所に義務づけられますストレスチェック制度、これを県立学校にも導入し、メンタルヘルス不調の未然防止に努めるとともに、県内小・中学校にも導入を促進し、小・中学校における労働安全衛生管理体制の整備を働きかけてまいります。

 今後とも、教職員の健康の保持増進が児童生徒への教育の質に直接影響が及ぶとの認識を持って、市町村教育委員会とも十分連携を図りながら、良好な職場環境の整備に取り組んでまいります。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) まず、一点目の質問についてでございますけども、知事に対して反論をしておきたいと思います。

 東アジア地方政府会合を開催することで、県の施策として二つ反映されるということでご紹介されました。私が再三述べていますのは、東アジア関連の事業が今までに東アジア地方政府会合を含めて十四億円以上費やされていると。私は、県が耐震対策の事業よりもこれを優先するに当たっては、その費用対効果という点で十四億円以上費やす効果があるのかというそういう視点についても考察が必要なのではないかと思います。

 それから、奈良県は積極的でございますけども、この主催は一回から五回までで、本県のみが前のめりで、参加国の地方政府はあまり切迫した必要性を感じていないのではないかと。感じていれば、第六回、第七回は他の国でこういう東アジア地方政府会合が開催されるのではないかというふうに思います。これは反論でございます。

 それから、県立大学にユーラシア研究センターを設置することで、その目的、研究対象などの説明がございました。設置することで奈良県の文化財の源流を探ると、観光産業の拡大を図るというご説明でございましたけれども、観光産業の拡大を図るのであれば、本県の部局に地域振興部観光局という組織がございますし、それから、奈良県の考古学専門の奈良県立橿原考古学研究所のような調査研究機関もございます。そういう関連性との観点からいったら、知事が言われたことは何か取ってつけたような説明ではないかと思っております。

 次に、ユーラシア研究センターを奈良県立大学に設置することで、非常勤職員を、研究員ですか、雇用して、コストの削減を図るというふうなご説明もございましたけれども、非常勤研究員の人数やその研究員に労働の対価としてどれぐらい払うのかと、それによってはコスト削減にはつながらないと。

 私、魅力プロジェクトの委託契約書というのを調べてみましたけども、このときは、主任研究員に月額百二十万円、それから研究員には月額八十万円というのを払っております。そうしますと、この労働の対価をどれぐらいという見積もり方によっては、コスト削減にはつながらないと。ここについては、知事から答弁をいただきたいと思います。

 フォーラムも、これは毎年毎年県立大学で開催をしていくということでしょうか。私が心配するのは、確かに、奈良県立大学は中期目標を作成しておりますが、県立大学の学科は地域創造学科、地域総合学科、観光学科などでございます。この学科とユーラシアの調査研究事業とは、関連性が薄いのではないかと。学生にどのように還元されるのか。見方によれば、学生から見れば、県の押しつけの研究に映るんではないかと危惧しております。この点についてもお答えをください。

 次に、二点目の電力小売の自由化についての質問でございますけれども、経費削減に努めていただき、ありがとうございます。

 この件については、県とやっぱり私たちも一緒にやっていかなければならないだろうと。県民の中では、電力自由化、小売化されることで、どこと電力の契約をしたらいいのかという不安を持っておられる方もおられます。そこで、県民の相談窓口みたいなものがどこかにあればありがたいなというふうに思っている次第でございます。

 次に、三点目の職員の勤務環境の整備についての質問でございます。私が調べたところでは、県職員の採用、一種試験の競争率は約五・四倍です。平成二十六年度でございますけれども、そうしますと、かなり難関の中で、優秀な人材が職員として採用されているのではないかと。そういう中で、これだけの病気休暇の人を出していくのは、やはり県として各所属で取り組むだけではなくて、県全体として全庁的に取り組む必要があるというふうに考えます。平成二十六年度にしろ、ここ数年比べても、ワーク・ライフ・バランスを掲げながらも、実際には数字は改善されていないというふうに考えます。

 次に、私が実退庁時間ワーストテンや実退庁時間の説明を求めましたのは、私の知るところと知事の答弁では、かなり異なります。確かに、知事が言われるように、出退勤時間に職員が、個々の職員カードを機械に通してコンピューターで記録し、そのデータとして残していくと。ここは違いがございません。しかし、私の知るところでは、カードを通してから、そしてまたそれ以後、許可された以降、サービス残業で働いていくと。土日も出勤してサービス残業で働く職員もいると。コンピューターでデータとして出てきている数字と、勤務時間の実態は乖離をしているというふうに把握をいたしております。

 そういう意味で、膨大な統計を出さなければいけないかわかりませんけれども、県としてワーストテンなり、実退庁時間の把握をしていただきたいと。例えば、ある自治体では、公正職務審査委員会というのを設置して、超過勤務命令の適正化についてということで、その委員会で調査をしているケースもございます。ぜひこの食い違いにつきまして、実態把握をしていただきたいということでございます。データを出していただきたいと、早急に。

 時間の関係でちょっと急ぎます。教職員の勤務環境の整備につきましては、現場の声を聞いていただいて、ゆとりを持てるようにやっていただきたいということです。

 殺処分のことにつきましては、本年度も愛護団体との話し合いを持っていただきたいということが愛護団体の希望でございます。ご答弁をお願いします。

 六点目の介護人材の養成課程の設置につきましては、教育委員会とも協議していただき、前向きにご検討いただきたい。

 七点目の辻町インターチェンジの整備につきましては、ぜひとも早急な整備の進捗をお願いしたいということでございます。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 最初は東アジア地方政府会合とユーラシア研究センター、取ってつけたような答弁だというご批判でございますが、私からすれば、取ってつけたようなご質問じゃないかというふうに思いますので、これは言い合いになりますので、感想を言い合ってもしようがない。本会議でどういうことをしているのかということを議論、開示するのが重要だと思いますので、質問は歓迎いたしますが、その中で幾つか気づいたことをお答え申し上げます。

 予算が合計十四億円以上使っているということでございました。これは、実は予算額ではちょっと事務方が十分説明しなかったかもしれませんが、決算額は三割以上の節減でございますので、決算ベースではちょっと資料が出てこなかったとおっしゃるかもしれませんが、これは取ってつけたような答弁ではございませんので、ちょっと修正を、議員の述べられた内容を、多少そのように、真実に修正をさせていただきたいと思います。

 それと、最初の、順不同かもしれませんが、これから使う予算は、最初の魅力委託で随分払ったじゃないかということを引用されましたが、最初はこの事業をやりますときに、県が職員はじめ我々なれておりませんでしたので、随意契約になった経緯もございますが、その後、県職員が自分で事業をやるようになりまして、経費は格段に節減をされてきたものでございます。この奈良県立大学の事業におきましても、労働者コストは随分当初とは比べ物にならないぐらい縮減されると思います。これは取ってつけたような答弁ではございません。

 それから、その委員の方、中曽根康弘様、東京大学学長だった佐々木さんをはじめ、県外の人が多いじゃないかと、本の作成について。県外の人が多いわけでございますが、これは、日本の知的なレベルで最高レベルの人を集めたと他のいろんな方から言われております。最高レベルの方を大変安い費用で集めて本をつくったと言われております。日本の知恵の結晶というような労作でございますので、県内の人ももちろん入っておりますけれども、県内だけではできなかった作業でございます。

 県立大学の今後の活動につきましても、もちろん県内の知的資源は活用したいと思いますが、県内の知的資源が全て世界、あるいは日本の最高水準とは限りませんので、最高水準のユーラシア研究を進めるには、国内外の最高級の知的水準の人を集め、そのような方を集めることによって、奈良は研究レベルが高いというのが奈良の発信でございます。文化観光振興、地域振興に文化の味つけをして、文化の味つけによってしか奈良は魅力が増嵩しないというふうに思っておりますが、このほど奈良の文化素材がたくさんあって埋もれてきて、それに目をつけないでどうしてかと外国の研究者に言われるわけでございます。外から来られる観光客の方も、奈良の文化財、文化素材のことについて、随分詳しく知っておられますので、それを我々よく認識して、負けず劣らず研究をしたいと思っております。

 電力自由化の消費者対応については、県庁での対応も考えていきたいと思います。

 それと勤務環境でございますが、実退庁時間と残業の支払いの時間との差は、自己申告になっておりますが、食事や自己の用事で残っているんだということがその差になっております。これは、管理者が超過勤務を命じて、その分だけ残っていただいていればそういう差が出ないわけでございますが、これが自己申告によっておりますので、言ってみれば管理者の残業勤務命令がしっかり輪郭がはっきりしていればこういう差も出ないということでございますので、議員お述べのように、超過勤務命令の体系、あるいはその仕組みをよくつくるようにと言われるのは、そのとおりだと思います。サービス残業をなくすのは大事かと思っております。

 ちょっと答弁が不十分だったかもしれませんが、気づいたところを答弁申し上げました。



○議長(中村昭) 中くらし創造部長



◎くらし創造部長(中幸司) 阪口議員のほうから、愛護団体との意見交換を継続的に行うべきと考えるがどうかというふうな再度のご質問でございます。

 動物愛護団体との意見交換は私どもとしても大変重要なことと認識をいたしております。今後継続的な意見交換をするということについては全くもってやぶさかではございません。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 二十番阪口保議員。



◆二十番(阪口保) 一点目の質問と職員の勤務環境の整備については、知事とはかなりかけ離れておりますので、また予算審査特別委員会等でも発言をしていきたいと。

 最後に、一点申し上げておきますけれども、一点目の質問のことなのですけれども、先般の県議会では補助金三千六百万円の支出に対しまして反対の修正案を出しました。その採決では、創生奈良、維新の党、日本共産党の三会派、合計十五名の議員が反対をしております。約三分の一の反対があるということですね。そういう中で、今後ユーラシア研究事業を推進されるに当たっては、やはり引き続き丁重な説明を求めておきたいということを要望して終わらせていただきます。

 以上でございます。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時五十八分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後四時十四分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十三番森山賀文議員に発言を許します。−−十三番森山賀文議員。(拍手)



◆十三番(森山賀文) (登壇) 議長のお許しをいただき、ただいまから代表質問をさせていただきます。

 その前に、このたびの台風十八号等に伴う大雨により、関東・東北地方などの広い範囲で甚大な人的、物的被害が発生いたしました。とうとい命を絶たれたご遺族に、衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災をされました方々に、心よりお見舞いを申し上げます。被害に遭われた地域の一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げ、質問に移らせていただきます。

 最初に、マイナンバー制度について知事に質問します。

 間もなく、この十月からマイナンバーが通知されます。マイナンバーは、個人向けには住民票を持つ全ての方に一つずつ配布される十二桁の番号で、社会保障や税などの分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一の情報であることを確認しやすくするために導入されるものとされています。また、法人に対しては、十三桁の法人番号が配布されます。従業員の健康保険や厚生年金の加入手続を行ったり、従業員の給料から源泉徴収して税金を納めたりしますが、来年一月以降はこれらの手続を行うために、従業員の個人番号に加え、法人番号が必要となってきます。

 このマイナンバー制度の導入により期待される効果は、大きく分けて次の三つが挙げられます。

 一つ目は、行政機関や地方公共団体などでさまざまな情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減され、複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減される効果。いわゆる行政の効率化です。

 二つ目は、所得や他の行政サービスの需給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に逃れることや、給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細やかな支援を行えるようになる効果。いわゆる公平、公正な社会の実現です。

 そして三つ目は、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関からさまざまなサービスのお知らせを受け取ったりできるようになる効果。国民の利便性の向上の三点です。

 そのようにメリットが期待される一方、デメリットも危惧されています。国や自治体が特定の人物の情報を簡単に確認できるようになってしまうおそれから、プライバシー侵害の懸念があります。仮に、管理担当者が悪質な人物だった場合には、本来の業務では必要ないはずの情報にまでアクセスされてしまうかもしれないという心配です。住民基本台帳ネットワークシステム導入時のときと同じ懸念です。加えて、個人情報を一括で管理できるということは、逆にいえば、情報をまとめて手に入れられるということでもあり、サイバー攻撃に対するセキュリティー対策についての心配も上げられています。ウイルス対策も万全にしておく必要があると思います。

 来月から住民票の住所にマイナンバーと基本四情報、住所、氏名、生年月日、性別が記載された通知カードが住民票の世帯宛てに届くそうです。そして、翌年一月より順次法律や条例で定められた行政手続においてマイナンバーを利用することになります。

 そこでお伺いします。

 マイナンバー制度は、申し上げたとおりメリットも多いように聞き及んでいますが、県ではマイナンバー制度の導入に際してどれぐらいの費用がかかっているのでしょうか。また、マイナンバー制度は県内の事業者にも大きく関係してまいりますが、事業者のマイナンバー制度に対する認識を高めるために、県ではどのような取り組みをされているのでしょうか。加えて、今後、本県として取り組むべき課題についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いします。

 次に、今後の県有資産のあり方についてお伺いします。

 県の所有する公共施設は、庁舎をはじめ高等学校や警察署など、約八百施設、約四千五百棟と非常に多く存在をしています。このうち、ほぼ七割は建築から三十年以上が経過しており、かなり老朽化が進んでいます。これらの施設を計画的に修繕し、長寿命化を図っていくことは、県民の方々の将来への負担を減らし、また安全を確保する上からも、大変重要なことであります。

 そこで、本県ではファシリティマネジメント推進本部を立ち上げ、平成二十五年一月に推進基本方針を策定し、現在、県有施設の保有総量の適正化、県有資産の有効活用、長寿命化の推進の三つの柱を念頭に、質と量の見直しの推進を図っているところであります。利用者満足度の向上、財政健全化への寄与、まちづくり、環境への寄与と三つの効果があらわれるようにつなげていくというものであります。

 この中に、公共施設における奈良モデルの推進との項目がございます。奈良モデルとは、一歩先をいく県と市町村との連携や役割分担というイメージがありますが、今後施設の共同利用などは財政面から見ましても積極的に進めていくべきだと思います。

 一つの参考として、県外の先進事例を取り上げてみたいと思います。例えば、千葉県の浦安市だったと記憶していますが、学校の建てかえにおいて将来の人口動向を踏まえて、学校として建設はするが、やがて時が来れば老人施設に転用する。その設計を最初に行っていくことで、用途の変更を行うときの改修がスムーズに進む。結果、予算が抑えられるという公共施設の建設手法を取り入れています。

 また、財政支出を最小限に抑える庁舎の建てかえ方法として、人口が多い都市部での手法ですが、首都圏の自治体では分譲マンションと庁舎を複合ビルとして建設を進めているという自治体もあります。

 そこで知事に質問します。

 現県有資産のファシリティマネジメントの現在の取り組み状況はいかがでしょうか。また、今後新規または建てかえで建設を行う県有施設は、先ほど例に挙げましたように、将来の活用を見据えた設計による建設や、民間との複合ビルとして建設する手法なども選択肢の一つとして検討していくべきと考えておりますが、いかがでしょうか。

 次に、ER型救急について質問します。

 荒井知事が就任される一年前、平成十八年の痛ましい妊婦さんの死亡事故発生を受け、県は医師確保をはじめ、設備の充実やタブレット端末を利用したe−MATCHシステムの導入などを進めてこられました。また、全国的にスタンダードな取り組みとしての一次、二次、三次救急の受け入れ病院の仕分けを行う等の努力を重ねてこられました。そして、昨年の六月議会における民主党会派の一般質問を受けて、知事が英断を下され、現在建設中の奈良県総合医療センターにER型診療施設を設けると答弁されました。

 ER型救急とは、沖縄県や福井県等が進める成功例でありながら、全国でもまだ事例の少ない二次、三次救急、いわゆる中症、重症患者の全てを二十四時間、三百六十五日受け入れる救急医療体制であります。

 橿原市内にある県立医科大学附属病院では、既に専門領域にとらわれない救急受け入れが実施されているところですが、昨年の十二月議会では県立医科大学附属病院のER救急体制の拡充も示唆されました。

 そして、その大きな前進となる絶対に断らない救急医療体制として期待されているこのER型救急が、この夏七月二十九日に奈良市の県総合医療センター、九月五日から橿原市の県立医科大学附属病院において第一歩をスタートいたしました。ドクターの育成や、医療の体制整備、また他の医療機関や消防機関との連携など、さまざまな課題を乗り越え、ER型救急としてスタートを切れたことは、本県の長年の課題であった救急医療の大きな前進であります。関係者のご尽力に深く敬意を表します。

 私が県議会議員につかせていただいてから受けた相談の中で、多い相談の一つは、この救急医療に関するものです。会合中に倒れて意識がない、事故を起こして複雑骨折をした、体に力が入らなくなり、ろれつが回らないなど症状はさまざまです。その次が共通するのですが、救急車には乗せてもらえたけれど、受け入れ先の救急病院が決まらない。まさに一刻を争う治療を求める内容でした。

 橿原市にある県立医科大学附属病院で今回新たにスタートした土日ERは、今までは先ほど例に取り上げたような患者が救急車を呼んだ場合、搬送先を救急隊員が確認してから救急病院へ搬送をしていました。そのため、受け入れ先の病院が見つかるまで搬送に時間がかかっていました。しかし、これからは、ER型救急体制ですと、救急車を呼ぶと休日夜間診療所や最寄りの二次救急医療機関で対応できない場合には、県立医科大学付属病院で受け入れ、初期診療を行った後に、病院内の各専門診療科や後方支援病院に搬送されるようになりました。これまで難儀して受け入れ先の確認作業を行っていた救急隊は、迷わず搬送することが可能になりました。それによって搬送時間が短縮され、治療の開始が早まったと聞き及んでいます。実に、本県救急医療体制の大幅な前進だと思います。

 今回の県立医科大学附属病院でのER型救急体制のスタートは、まず週末からであり、安心するには平日夜間を含め、引き続き進展し、継続的に運営していかなければなりません。

 また、奈良市にある奈良県総合医療センターでは、三百六十五日の体制でER型救急に取り組まれています。先日、現地を視察させていただき、担当の方から現状をお伺いしてきました。今まで以上に救急車による搬送件数がふえていることや、同時にウオークインによる軽症の患者さんの利用も相変わらず多いこと、また新病院移転までの間は既存の古い施設で対応するため、処置室や家族の方の待合場所、消防隊の待機場所等が手狭なことなどをお聞きしました。

 そこで質問します。

 本県がER型救急医療体制をスタートさせてからの成果や課題はどのようなものでしょうか。さらに、今後北和地域の奈良県総合医療センターと中南和地域の県立医科大学附属病院における二カ所のER型救急医療体制がうまく機能していくために、県としてどのように取り組まれるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、工業ゾーン創出プロジェクトについて質問します。

 少子高齢化、人口減少など、地方自治体の再生発展に大きくかかわる課題が全国的に蔓延する中、本県では地域の自立を図り、暮らしやすい奈良をつくるをキーワードに、日々直面する諸課題に取り組んでいます。その中の大きなテーマの一つに、本県経済の活性化が挙げられます。

 知事は、就任されて以来、本県経済の活性化を目指し企業誘致を積極的に進め、これまでの八年間で二百五件の工業立地を進めてこられました。

 私は、地方自治体の発展は、内からは定住化の促進、外からは観光客誘致など、人によるものが大きいと考えています。しかし、定住化を図るには、生活圏内にインフラが整備されていることはもちろんですが、そこに働く場所がないと図れません。経済が県内でしっかりと好循環する姿を目指し、引き続き力強く取り組んでいただくことを期待しています。

 さて、その中でも平成二十七年度当初予算で新たに計上された工業ゾーン創出プロジェクト事業については、今後の本県の発展に大きくつながる可能性がある事業になるのではと期待を寄せています。事業内容は、京奈和自動車道及び西名阪自動車道の周辺における工業ゾーン予定地の調査であります。

 企業誘致施策全般について言えることですが、目的は県内での雇用の増加や税収の増加につなげていくことが第一であります。投資に見合う成果を得るため、企業立地を進めるために選定された区域が手つかずになるようなことは決して許されません。

 このプロジェクトを本県の発展、活性化に確実につなげるため、企業が奈良県内への立地を決める大きな誘い水となるべく、このプロジェクトの推進に当たっては、できるだけ安価に土地を提供する工夫を行うことはもちろん、今後対象となる区域の選定や広さの決定などにおいて、企業の立地ニーズの把握、すなわち目ききがとても大切になってくると考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 まず、この工業ゾーン創出プロジェクトの内容や狙いをお聞かせください。また、企業立地を確実に推進するための地域の選定など、工業ゾーンの創出に向けてどのように進めていこうとしているのか、お伺いします。

 次に、公共交通について質問します。

 公共交通については、本県では国における交通政策基本法が制定される前に、県民の移動環境を確保するため、議員提案による奈良県公共交通条例が平成二十五年七月に制定されています。

 また、荒井知事は、これまで奈良県地域交通改善協議会において、知事みずからが会長につかれ、奈良県中南和地域の広域幹線路線のあり方について、関係者間で議論し、合意のもと、取りまとめていただいたほか、観光シーズンの奈良市内の渋滞対策や、ぐるっとバスの運行、宿泊者に限定した奈良県南部・東部地域路線バス運賃キャッシュバックキャンペーンなど、先進的で具体的な施策を積極的に実施してこられています。

 さらには、本年二月、国における今後の国土のグランドデザインをなすべき交通政策基本計画の閣議決定にも呼応する形で、本年の六月九日に開催された第七回奈良県地域交通改善協議会において、住んで良し、働いて良し、訪れて良しを実現するため、公共交通を暮らしと成長、繁栄の基盤とすることを基本方針とした公共交通基本計画及び地域公共交通網形成計画の策定方針を決定されました。県全体を見据えたこれらの計画が策定されれば、恐らく四十七都道府県で最初のものになるだろうと思います。持続可能なまちづくりと連携した公共交通網の構築を目指し、本策定方針に基づく全国に発信できる先進的な公共交通基本計画が策定されることを期待しています。

 本県では、これまで移動ニーズに応じた交通サービスの実現を目指してこられています。京奈和自動車道の郡山下ツ道ジャンクションが完成するなど、基幹道路網の整備、南奈良総合医療センターの開設、奈良県総合医療センターの移転、JR関西本線奈良市八条町付近への新駅の設置などのハード面の整備、さらには近年の訪日外国人観光客の増加、少子高齢化、人口減少などの社会的な変化に対応し、新しいニーズに応じた交通網の整備は、重要な課題の一つです。ぜひ知事のリーダーシップのもと、移動ニーズに応じた交通サービスの実現を推し進めていただきたいと思います。

 しかし、これと同等に重要な課題は公共交通の利用促進策であると考えます。いわゆるモビリティ・マネジメントの促進です。

 公共交通の利用者をふやすには、増便、低運賃、ニーズに応じた運行系統など、利便性の向上が必要だと言われていますが、人口減少によってマーケットが縮小する中で、運行のコストの増加に見合った運賃収入を得ることは簡単ではありません。また、赤字路線において補助に頼ることについても、行政、企業の財政面から持続可能とは言えません。ニーズを束ねて適正な系統、便数、運賃、またはさまざまな交通モードとのシームレス化など、できる限りの工夫を凝らした上で、公共交通網の構築について地域住民の参加を促進していかなければならないと考えます。

 一つの例として、私が暮らしている橿原市耳成地区では、橿原市地域公共交通会議や地元の自治会、交通事業者、バス協会などの協力を得て、八木耳成循環線の路線の維持運動を実施するなどの動きも出てきています。

 そのように、利用者の方々に高齢化社会の中で公共交通の必要性について理解を深めていただいた上で、近鉄学園前駅周辺のように、利便性の高い自家用車や原動機付自転車を渋滞対策や安全面、環境面の観点から一定時間の進入を制限することや、企業の社会的責任として、地元の公共交通を維持するといった新しい価値観を生み出していくことが重要ではないでしょか。

 現在実施しています奈良県南部・東部地域路線バス運賃キャッシュバックキャンペーンは、四月から七月で四

 千五百人の利用者がありました。これに伴い、地域全体での宿泊観光客が、対前年比で一〇%増加し、特に十津川村においては三五%も増加をしており、滞在時間が延びることによる地域での経済効果を考えれば、県南部、東部地域の振興に大きな効果のある施策であると思います。

 一方、先ほど述べましたように、病院や庁舎などの整備に伴い、県の各施設への公共交通網を整備し、維持していくためにも、利用促進は重要な課題であると思います。各施設で勤務されている県職員の方々にも、マイカーよりも公共交通での通勤を促進していくべきだと考えます。例えば、旧耳成高校跡に橿原総合庁舎が設置されました。こちらの庁舎には、新たに約三百名の職員の方々が勤めるようになりました。真横には、存続が危ぶまれている先ほど例に取り上げました八木耳成循環バスが走っていますが、今のところ積極的な利用促進はありません。

 そこで知事にお伺いします。

 これらを踏まえて、県では地域の公共交通網を持続可能なものとするために、公共交通の利用促進策についてどのように考えているのか、知事の所見をお伺いします。

 最後に、警察本部長に対して二点質問します。

 まず、高齢者に対する特殊詐欺被害防止について質問します。

 これまでにも、代表質問におきまして高齢者の防犯対策について取り上げさせていただきました。その際、奈良テレビの中継をごらんいただいた方から、被害に遭わないよう意識をするきっかけになったとのお言葉をいただきました。

 しかし、残念ながらそれ以降も新聞記事に目を通す際、高齢者が巻き込まれる詐欺被害は減少していないように感じます。

 奈良県警察本部が発行されている、やまとの安全、八月十一日発行分によりますと、七月には特殊詐欺被害の届け出が県下で七件あったと報告されています。また、ことしに入り、八月三十一日時点で本県における特殊詐欺の認知状況は五十三件と、いまだ多くの方が被害を受けています。また、先日、橿原警察署管内における特殊詐欺の最近の被害発生状況を確認しましたところ、残念ながら高額な被害を受けた高齢者がおられました。これだけ啓発を行っていても、被害はより身近なところで起きている、そういう印象が拭えません。何とかならないものでしょうか。

 特殊詐欺には、従来からあるおれおれ詐欺のほかに、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、金融商品等取引名目の詐欺、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺など、手口は実に多岐にわたります。最近では、劇場型といって、警察官役、弁護士役等、複数の者が交代で電話口に出るなど、役割分担をするパターンがふえていると言われています。

 一方、誰にも言わないで、不倫相手を妊娠させた、示談金を何とかして、また会社の金で株に手を出して失敗した、横領で訴えられる、助けてというように、息子を装いだますパターンもいまだに多いとのことであります。また、詐欺グループが被害者からお金をだまし取る手口についても、高額な振り込みが難しくなっていることから、だまされている高齢者が受け子にそのまま現金を渡してしまうなど、どんどん手口が変わっていると聞いています。特殊詐欺は、高齢者だけがターゲットではありませんが、比率でいうと圧倒的に六十五歳以上の高齢者の被害が多いのが現状です。平穏無事な日々を過ごしたいと願う高齢者を対象としたこれらの犯罪は、人を疑わない、人を信じるという良心を逆手にとった手口であり、断じて許せません。たった一度でも被害に遭うと、被害者の余生は実につらいものとなってしまいます。

 先日、老人会長さんとこの件について話をしていますと、詐欺の電話がかかってきたら気がついて途中で相手にしない人も多いが、幾ら啓発してもだまされやすい人は自分だけは大丈夫と思っているからひっかかってしまうと。詐欺に気づく方と、いつまでも気づかない方と二極化が広がっているように感じるという話を聞かせていただきました。

 特殊詐欺などの電話がかかってきたとしても、見破ることができ、被害に遭わないよう、啓発をはじめさまざまな対策がとられていますが、もっと高齢者の意識に残る方法はないでしょうか。

 そこで、警察本部長に質問をいたします。

 ことし、県下で発生している特殊詐欺被害の状況と、その特徴はどのようなものでしょうか。また、高齢者に対する特殊詐欺被害をなくすためのこれまでの対策と今後の取り組みについてお伺いします。

 最後に、秋の交通安全県民運動の真っ最中という時期に当たり、自転車の安全運転について考えてみたいと思います。

 道路交通法の改正により、ことしの六月一日から、危険なルール違反を繰り返すと、自転車運転者講習を受ける制度が始まりました。三時間の講習を五千七百円で受けると記されています。講習の対象となる危険行為とは、信号無視や一時不停止や酒酔い運転など、十四類型が挙げられています。

 健康意識の高まりや、高齢化が加速する中、運転免許証を返納される方もふえ、自転車を利用する方は今後も増加するものと思われます。それを見越し、本県においても自転車道を整備するなど、安全に自転車が運転できるように進めているところであります。

 さて、今回の道路交通法の改正は、自転車事故の大半は自転車側に違反ありという現状を把握した上で、自転車事故を未然に防ぐ目的で改正されています。公益財団法人交通事故総合分析センターの統計によりますと、自転車利用者の死亡事故においては、七二%が自転車側に違反があったと記されています。

 そのような、事故を未然に防ぐ目的にもかかわらず、自転車を利用している方からは、今までと同じ運転なら違反になるのかなと心配の声が伝わってきます。例を申しますと、ことしの夏は、九月に入り急に涼しくなりましたが、前半は厳しい暑い日が何日もありました。夜のニュースでは、熱中症で搬送されたことを取り上げる内容も複数ありました。そのような、日中に外出をしなければならない女性は、日焼け対策だけではなく、熱中症対策も考えなければなりません。自転車を運転する女性は、片手に日傘を握りながらの運転は危険なので、自転車のハンドルに日傘を固定して運転をする方がいます。また逆に、小雨がそぼ降る中、自転車を運転する方もいます。やはり片手運転は危険なので、傘をハンドルに固定しての運転です。このような運転で他人に危害を及ぼした場合、安全運転義務違反という危険行為の対象になる可能性があると聞きました。

 要は、自転車を運転するときに、傘を開く行為そのものが認められない行為になるのですが、このあたりが今までの認識と変わってくるため、違反になるのではとの心配を持つ方がおられるのです。

 冒頭に上げさせていただきましたが、自転車を運転している方が死亡事故を起こす、その七割以上が自転車の利用者に違反があるという現状を考えたときに、事故を未然に防ぐための対策は必要なことだと思います。

 しかし、信号無視や酒酔い運転などは周りに危険を及ぼしますが、自転車の傘の固定は台風などで強風が吹いていないと、同じように危険度があると受けとめられていないのが現状です。むしろ、熱中症から身を守ったり、雨で体がぬれ、風邪をひかないよう身を守ったり、自分自身の健康を自分で守る行為として認識されているのが現状です。

 そこで質問します。

 六月の改正道路交通法施行後から現在までに、県下で自転車を危険運転していた方への指導状況はどのようなものでしょうか。また、今後自転車運転をする方はふえていくと思いますが、その危険行為を知ってもらうための啓発は現在どれぐらい進んでいますでしょうか。最後に、傘をハンドルに固定して自転車を運転することに対する見解はいかがでしょうか。

 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。

 ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十三番森山議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、マイナンバー制度の導入に際しまして、どのくらい費用がかかるのかということと、認識を高めるための取り組みなど、取り組むべき課題についてのご質問でございます。

 マイナンバー制度は、先日今井議員のご質問でも答弁申し上げましたが、社会保障、税、災害対策の分野において、来年の一月から順次利用が始まるものでございます。

 この制度の導入に際しましては、県で保有しております税、社会保障関連のシステムの改修や、国が整備する情報提供ネットワークシステムに接続するための新たなシステム構築などが必要でございます。このシステムの改修等に係る本県の経費でございますが、昨年度と今年度合わせまして、四億二千万円余りを見込んでおります。この経費につきましては、約半分が国からの補助金や交付金で賄われることになっております。

 議員お述べのとおり、来月からマイナンバーの通知が始まりますが、来年一月以降、各事業者におかれましては健康保険や雇用保険、源泉徴収の手続を行う際に、マイナンバーの記入が必要となります。このため、事業者の方々は、従業員やその家族のマイナンバーを収集し、保管することが求められております。

 マイナンバーの適正な取り扱いを確保するため、国ではガイドラインを定めておりますが、県においても、事業者の方々を対象にマイナンバー制度の概要や具体的な源泉徴収票の作成などの注意点など、必要な事項に関する説明会をことし六月に開催いたしました。さらに、事業者団体や県民の方々からの要請に応じまして、随時訪問説明や電話相談なども行っております。このほか、県民の皆様にマイナンバー制度を知っていただくため、県民だよりやデジタルサイネージ、県庁ホームページなどによる広報にも努めているところでございます。

 マイナンバー制度に対する課題といたしましては、個人情報がネットワークを介して連携されることから、やはり安全性の確保が必要であると認識しております。

 このため、システムと運用の両面で、これまで以上に安全性を確保していくための所要の対策を講じているところでございます。そして、今後運用が安定した段階で県民のサービス向上につながる新しい分野での個人番号カードの利用が課題になるものと考えております。

 次のご質問は、今後の県有資産のあり方についてでございます。現在の県有資産のファシリティマネジメントの取り組み状況と今後の将来の活用を見据えた選択肢のご質問でございます。

 本県では、施設の老朽化や県民ニーズの多様化、高度化、安全性の確保に対応するため、県有資産を総合的に企画、管理、活用するファシリティマネジメントの取り組みを進めているところでございます。

 これまでの主な取り組みについて申し上げますと、一つ目には、低未利用資産の活用といたしましては、代官山iスタジオなどの売却や橿原総合庁舎のような耳成高校跡地を活用した出先機関の集約などがございます。

 次に、民間活用の例でございますが、定期借地権の制度を利用いたしまして、東京の本県学生寮であります養徳学舎を県の負担がなしに整備を、リニューアルをすることができました。

 また、スイムピア奈良の整備は、PFIの手法で行いまして、県の負担が非常に少なく済みました。また、県営プール跡地におけるホテルを核とした賑わいと交流の拠点整備もPFIの手法で行おうとしております。これらの具体的な取り組みを整理する形で、公共施設等総合管理計画の策定に取り組んでおりますが、今年度中をめどに策定の予定でございます。

 この計画の内容にも含まれておりますが、現在県とまちづくりに関する連携協定を締結した市町村に対しましては、協定のエリア内に県有資産がある場合、地域の活性化に貢献できるよう、積極的にまちづくりに活用していただくことを提案しております。

 今後、県域全体でのファシリティマネジメントの展開を図るため、国、県、市町村の資産情報を共有化し、連携して施設の最適配置と最適利用を進めていきたいと思います。

 そのため、市町村の字単位で、小さなまち、字単位で将来人口推計を行い、地域に必要な機能と施設配置のバランスの検討を進めたいと考えております。

 なぜ、字単位のような小さな地域の将来人口推計をするかということでございますが、まちづくり協定に基づく検討を始めた地区におきましては、高齢者の多い地区に幼稚園、保育園が余っていることが例えば例でわかりました。将来の幼児人口の推計をもとに、保育園の再設置を検討していく必要がこのような場合あると感じたのがその一つの理由でございます。

 また、施設を建設する場合には、イニシャルコストだけでなく、維持管理や大規模改修まで含めたライフサイクルコストの軽減が重要と考えます。

 議員は浦安市の例をお述べになりましたが、将来、別の用途への転用を念頭に置いた施設建設は、ライフサイクルコストの軽減の観点からは有用な考えで、選択肢の一つと考えられます。ただ、当初の設置目的にかなった機能との関連があろうかと思います。十分に当初の目的が発揮でき、また将来の転用にも弾力的に対応するような設計はなかなか高度でございますが、うまくいけば大変効果があるものと考えます。

 民間活用につきましては、先ほど申し上げましたとおり、積極的に取り組んできております。議員お述べのようなマンションなどの民間施設との公的施設の複合化の手法につきましても、採算性や民間の投資意欲、事業の継続性などを見きわめた上で検討していくべき課題だと思っております。

 ER型救急についてのご質問がございました。その成果や課題についてのご質問、また現在二カ所でスタートいたしました体制がうまく機能していくために、今後の取り組みの方針というご質問でございます。

 ER型がスタートいたしましたその一つでございます奈良県総合医療センターでございますが、七月二十九日から救急受け入れ窓口を一元化して、ER型救急医療体制での受け入れを実施されました。

 救急車受け入れ件数につきましては、平成二十六年度の月平均件数二百三十一件に対しまして、この平成二十七年八月の一カ月では三百五件と増加しており、順調な滑り出しであると考えております。

 また、県立医科大学附属病院では、高度救命救急センターや各専門診療科による二十四時間診療体制が実施されておりますが、そのほか、総合診療科では、平日午後八時までのER型救急による患者の受け入れに積極的に取り組んできていただいたところでございます。

 そのような現行の体制に加えまして、本年九月からは土・日曜日二十四時間のER型救急を新たに開始されました。救急車受け入れ件数は、平成二十六年度の月平均二百六十八件に対しまして、この九月は十五日までの半月の時点で二百十一件と倍増に近い件数となっており、奈良県総合医療センター同様、滑り出しは大きな増加傾向にございます。

 奈良県総合医療センターと県立医科大学附属病院で取り組みますER型救急医療体制は、地域の救急病院で受け入れできなかった救急患者を症状にかかわらず受け入れ、初期診療を行う、すなわち断らない医療の実践の場所でございます。思いもよらぬ病気やけがの際、いち早く診療につなげることができるので、全ての県民にとって命を守るための安心のよりどころになるものと考えております。

 また、この二病院でのER体制が定着し、最後のとりでとして機能することで、県内にある全ての救急病院においても積極的に救急患者を受け入れていただけるものと波及効果も期待しているところでございます。

 一方、ER体制を維持、発展させていくためには、人材の確保、育成や勤務環境の整備が不可欠でございます。このため、まず患者を診るという信念を持った若手医師養成を目的に、優秀な救急指導医のもとで必要な指導を受けられる教育環境の整備や、一人ひとりの医師に過重な負担がかからない勤務体制の整備等も今後も進めていく必要があると思います。

 また、救急搬送は県内で年間五万件にも上りますが、そのうち、五割が軽症、四割が中等、一割が重症の患者となっております。救急体制の充実には、二病院のER体制だけでは十分でなく、県内救急医療機関との役割分担が必要でございます。急病時に救急車を呼ぶべきか迷われたときには、二十四時間電話で医療相談が受けられる体制になっております。♯七一一九を積極的に活用していただきたいと思います。

 さらに、救急搬送体制に入ったときには、県内の救急搬送を担う消防機関と救急医療機関との救急医療のチームプレーが大事でございます。救急医療官制システムでありますe−MATCHを用いた迅速な救急搬送を担う消防機関、一次救急の休日夜間応急診療所、また二次救急の輪番病院など、県内の救急医療関係者相互の協力、連携体制も、今後より一層緊密にしていければと思っております。

 工業ゾーン創出のプロジェクトについて、その内容や狙いについてのご質問、また地域選定の進め方についてのご質問がございました。

 企業立地を促進するために、平成十九年度から平成二十六年度の八年間で、延べ四千回の立地相談を受け付けております。これまで二百件を超える立地に、企業誘致につながっております。

 私みずから企業の方々に奈良の魅力を発信するなど、積極的かつ粘り強く誘致活動を進めてまいりましたが、このような職員の立地相談の努力は大変感謝に値するものと考えております。このような積極的な誘致活動と、継続した情報発信の取り組みにより、企業の方々もやっと奈良県への立地に目を向けていただいてきたと実感をしております。

 また、本県への企業立地をさらに進めていただく上では、便利で安い事業用地の確保や、道路等の社会インフラのほか、上質な通勤、教育、住宅環境など、企業立地環境の整備が一層重要であると考えております。

 奈良県は、これまで大阪のベッドタウンとして発展してまいりましたことから、市街化区域における工業系用途地域の割合が一一・八%にとどまっており、全国で一番低い工業系用途地域の割合でございます。まず、その点で工業用地の提供の面で企業ニーズに十分応えられていないと言われております。

 このような中、県内におきましては、西名阪自動車道や京奈和自動車道の整備が進んでおり、周辺地域につきましては、大規模な新規立地を検討されている意欲的な企業から、用地についての問い合わせが近年ますます多くなってきております。このようなニーズにお応えできれば、将来にわたっての県全体の経済成長にとって大きな効果が期待できると考えております。

 こうした本県への企業の投資意欲が高まっている現在の状況を好機と捉え、企業の期待にできるだけ効果的に迅速に対応するため、県と市、町が協働して工業ゾーンを創出するプロジェクトを昨年八月に立ち上げました。適地となり得るエリアの状況や将来の企業立地環境整備も含めたまちづくりにおける立地、土地利用の方針などについて、意見交換を重ねてきたところでございます。今後、速やかに県と関係市、町で公式の協議会を設置するとともに、企業が重視されます立地条件を分析、整理するとともに、土地利用規制など、課題の抽出を行い、必要となる社会インフラの整備を検討した上で、ニーズを踏まえた候補地を抽出するなどの取り組みを着実に進めていく必要があると考えております。

 県といたしましては、地域のまちづくりへの熱意を受けとめ、市、町の積極的な取り組みと一体となって、身近で働く場所をふやしたいという思いを強く持って、地域経済を発展させるため、魅力のある工業ゾーンの創出を早期に実現してまいりたいと考えております。

 公共交通についてのご質問がございました。

 公共交通、とりわけ路線バスの利用促進につきましては、各市町村が主催いたします地域公共交通会議や、私が会長を務めさせていただいております奈良県地域交通改善協議会において、市町村、交通事業者、県が連携、協働して、移動ニーズなどのデータを用いて分析いたしましたバスカルテと呼んでいる資料に基づき検討を行い、それぞれの地域の実情に応じた取り組みを進めてきたところでございます。

 また、議員ご指摘の持続可能な公共交通の実現に向けましては、潜在的なニーズを含めまして、県民の皆様や来訪者の方々のさまざまな移動ニーズにきめ細やかに対応し、それぞれのニーズにふさわしい移動手段を提供していくことは、何よりも本質的な課題であると考えております。

 先日の安井議員のご質問でも答弁させていただきましたが、公共交通基本計画におきましては、基本的な方針が幾つかございます。

 まず、現時点で潜在的に存在しているにもかかわらず、実現されていない移動ニーズを漏れなく掘り起こすことが大事かと思います。その次には、公共交通を観光産業、福祉、医療、教育など地域の課題を踏まえたニーズに対応したまちづくりと一体的に捉える必要があろうかと思います。その次には、公共交通を路線バスやコミュニティーバスに限らないで、病院などの施設バスやタクシー、さらには自転車や徒歩まで幅広くオールモードで捉えることも必要かと思います。そのような観点を基本方針として位置づけ、この方針に基づいて取り組みを実施することが利用促進の要諦であると感じておるところでございます。

 公共交通基本計画に位置づけられた諸施策の実施に当たりましては、多様な関係者が一丸となり、相互に連携、協力して取り組むことが必要でございます。これまでさまざまな分野で取り組んでまいりました奈良モデルのアプローチにより、運営主体と運行主体の分離も実現できたらと思います。

 この運営主体と運行主体の分離と申しますと、例えば運営主体は市町村などの公共団体や施設が共同で運営主体になるが、運行は既存の交通事業者に委託するなどの形態でございます。公設民営、公営民託、民営民託と言われるような運営方針でございます。このような新しい発想も視野に入れながら、公共交通の確保に取り組んでまいりたいと思います。

 なお、議員お述べの八木耳成循環線につきましても、橿原市の地域公共交通会議において、県から先ほど述べた考え方を伝えた上で、バス路線の利用実態や移動ニーズの根源となる橿原総合庁舎の勤務や来訪を含めた地域における諸活動の実態などの情報を関係者が持ち寄って、どういったルートやダイヤが地域の移動ニーズを満たすのか、検討を行っていただいていると聞いております。

 残余の質問は警察本部長がお答えさせていただきます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇) 十三番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には、二点お尋ねがございました。一点目は、特殊詐欺被害に関するもので、その被害状況と特徴、それからこれまでの対策と今後の取り組みに関するものであります。

 先ほど議員から八月末現在の認知件数が五十三件であるとご説明いただきましたけれども、先週、九月二十三日現在の特殊詐欺の認知件数は六十件でございまして、被害額は約二億八千九百万円と、昨年同日と比較いたしまして、十五件増加をしており、被害額も約一億千二百万円の増加となっております。

 その特徴といたしましては、議員ご指摘のとおり、被害者の約七割が六十五歳以上の高齢者で、昨年発生のなかった還付金詐欺や減少しておりましたおれおれ詐欺等、犯人はさまざまな手口を使い、しかも複数人が電話口に出てだますいわゆる劇場型で高齢者を心理的に追い込む犯行が大半を占めております。

 この種の被害を防止するためには、犯人を検挙することはもとより、県民の方々がだまされないための取り組み、さらにだまされたとしても被害金をとられないための取り組みを強化することが重要であります。

 このため、県警察といたしましては、その手口等をより多くの県民の皆さんに知っていただくため、マスコミへの積極的な広報を行うとともに、各種広報媒体を利用して、被害に遭わないための具体的な注意点のほか、不審な電話番号からの着信をブロックする上で効果が認められる迷惑電話防止機能がついた機器、あるいはサービスの紹介等につきまして、情報発信を行っているところであります。

 また、金融機関や宅配事業者に対しましては、水際での被害防止を目的として、窓口担当者に対する講習等を通じて利用客への声かけの徹底を要請しており、九月二十三日までに金融機関等で四十件の被害を食いとめていただいているところであります。

 特に、高齢者の方に対しましては、老人会等での寸劇等による実践的な出前教室、それから受け持ちの警察官及び民生児童委員の方々と連携した訪問活動により、直接面接して注意喚起を図り、これらの方々の意識に残る高齢者対策を推進しているところでありますが、今後も引き続き各種機会を捉えた広報啓発活動を強化するとともに、高齢者の身近な方々や金融機関、宅配事業者等と連携し、社会全体で行う被害防止活動に取り組んでまいります。

 二点目のご質問は、自転車の安全運転に関するもので、危険運転を行っていた人に対する指導状況及び啓発への取り組み、さらに傘をハンドルに固定して運転することに対する見解についてであります。

 県警察では、自転車による交通違反を現認した場合、交通事故に直結する遮断踏切立ち入り、制動装置不良車運転、それから酒酔い運転等の場合を除き、原則、自転車指導警告票による指導警告を行っているところでございます。本年六月から八月末までの三カ月間で、自転車の運転に関する危険行為につきましては、遮断踏切立ち入りと安全運転義務違反の二件を検挙し、危険行為以外では二人乗り等も含めて、四百二十五件の指導警告を行っているところであります。

 次に、自転車の危険行為に関する広報啓発活動につきましては、春の交通安全県民運動、それから五月の自転車マナーアップ強化月間におきまして周知を図るとともに、本年一月から八月末までに自転車運転者講習制度を盛り込んだ交通安全教室を三百六十五回実施したほか、自転車利用者を中心に十四類型の危険行為を記載いたしました啓発チラシを配布しているところでございます。

 今後も、現在行われております秋の交通安全県民運動での指導や、毎月二十二日の自転車街頭指導啓発デーにおきまして啓発を進めることとしております。

 最後に、傘をハンドル等に固定して自転車を運転する行為につきましては、これは傘を手で持った場合と同様、風でバランスを崩したり、風が吹いていなくても、自動車が側方を通過する際の風圧による転倒、それから傘により視界が妨げられることによる衝突など、交通事故につながるおそれがあることから、奈良県道路交通法施行細則におきまして禁止されておりますので、指導警告に努めているところでございます。

 県警察といたしましては、自転車が関係する交通事故を防止するため、今後もさまざまな対策を推進してまいりたいと考えております。

 以上であります。

 ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 十三番森山賀文議員。



◆十三番(森山賀文) ご答弁ありがとうございました。時間があまりありませんが、少し意見と質問を上げさせていただきたいと思います。

 ER型救急についてですけれども、これは本当にこの一年間で大きく前進したと思います。しかし、これはまだ発展途上ですので、先ほどおっしゃったように、人材の育成やいろんな救急医療体制が前進する、ER型救急医療体制が前進するように、引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 そして、それと同時に、先ほど知事からもお話がありましたけれども、この質問する前に奈良県総合医療センターに視察に上がらせていただきまして、そのERを取り入れる前と取り入れた後と、どれぐらい変わったのかということを具体的に現場の声を聞かせていただきましたけれども、先ほどご答弁にもありましたように、件数は非常に伸びているので、非常にERが生きているということにもつながっているということはわかったのですけれども、スタートしてから一カ月ぐらいの統計を見せていただいたのですけれども、奈良県総合医療センターの場合は三百六十五日ER型を取り入れていますけれども、週末の土曜日、日曜日に町医者さんといいますか、開業医さんが休んでいるとき、週末に対する急患、ウオークインで来られるという方が非常に件数として多いということを聞かせていただきました。絶対に断らない救急医療体制ですから、患者さん側からすると、急患の方からすると、絶対に断られないという思いでウオークインで行かれるんだと思いますけれども、これから病院が新しいところに移転するようになりますけれども、それまでの間に救急体制を整えることと同時に、先ほど答弁にもありましたように、♯七一一九などで先にER型に行く前に、こういう手順を踏むとER型救急に行く必要があるのか、それまでに済むのかということがわかると、年間に約五万件あるというその救急件数の約半分が軽症だということでした。そういう方々が急患で入ることによって、本当に命を守らなければならない人たちの治療がおくれてしまうということにもつながると思いますので、医療体制をこれから進めていくということと同時に、その啓発を♯七一一九も含めた啓発というのを強く進めていくことが、ER型救急の成功により近づくというように感じておりました。そのあたりの今後の取り組みについて、どのようにお考えになられているのか、ご所見がありましたらお伺いしたいと思います。

 それともう一点は、工業ゾーン創出プロジェクトについてでありますけれども、県外から県内にたくさん企業が立地していただくということは非常にありがたいことですし、引き続き力強く進めていただきたいと思います。

 一方、そのお膝元の県内に既にある企業が、手狭になった土地から大きな土地に移転したいというように思っているところもあるそうですが、たまたま私が話を聞かせていただいたその会社は、新しく求めている土地が数千坪に及ぶということで、なかなかまとまった土地を得られにくい中で、まとまった土地なので、その平米単価がやはり上がると、なかなか今の資本力ではそういうところには移りにくいという現状があるので、市街化調整区域を中心に場所選定を当たっているということでありましたけれども、複数おられる地権者の方々から同意をいただくということもなかなか難しいそうで、何年たっても答えが出にくいというような状態があるそうです。

 今回、工業ゾーンで市街化区域の工業用地に変えた場合に、そういう土地を確保しようと思うと、市街化調整区域と工業区域のその地価の差というのが大きく出てくると、なかなか土地が広いだけに県内で探すというのは難しくなってくるというような話をしていましたけれども、県外から県内に企業立地される方の大きな選択肢の一つというのは、奈良県は災害が少ないというようなことも大きな選択肢の一つに上がるということでしたけれども、奈良県は周りの大都市圏に比べて地価が安いということ、土地が安いということも大きなメリットになるように思いますので、そういう求めやすい企業のニーズをしっかりと把握していただいて、それにかなうような県内企業の声も聞きながら、これからのこの工業ゾーンというのを進めていただきたいと思っておりますが、その県内企業に対してのそういう声があるということで、何かご所見がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

 それと、最後に質問させていただきました自転車の安全運転のことですけれども、これ、あまり注目されない、あまり話題に上がることも少ないですけれども、六月に道路交通法改正されたことでそのような傘を固定するということがいけないのじゃないのかという心配される方の声を聞くようになってきたのですけれども、考えてみたら、このような道路交通法の改正がなかったら、そういう傘をどういうようにすべきかということや、それとか日ごろ生活で走っている二桁国道や三桁国道などで自転車を利用するときに、歩車が、歩道と車道が分離していると自転車はどちらを走るのが正確なのかということもなかなかわかりにくいところがありますけれども、基本的には、自転車は原動機がついてないだけなので、スクーターと同じような扱いになるということなので、普通には車道を走るということになるというようなことがあるらしいですけれども、そういうことも今回の改正があったということで、深く突き詰めて考えることによって、自転車の安全というのはどういうふうなところにあるのかということを考えるきっかけになったと思います。

 それは、まだまだ知っている方が少ないと思います。引き続いてこの特殊詐欺の撲滅の話もそうですけれども、この自転車の安全運転についても引き続いての啓発を重ねてお願いしたいと思います。これは要望です。

 以上、二点お願いいたします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) まず、ER型の病院と地元の開業医、あるいは他の病院との連携、割り振りということでございますが、土・日曜日などは今の議員のお話だったら、ER型病院はよく働いて、町の開業医は何かほかのことをされているといったような実態が予測されるわけですが、開業医の方がいつ開業してもらうか、これは患者様が発症したり通院されるときの、救急で運び込まれるときの曜日のタイミングということをもう少し分析して、合理的な診療所の開院体制、休日夜間診療所というのを市町村で持っていただいておりますが、休日夜間診療所は開業医の方が一つの場所に輪番制で来られる、土・日曜日全部開業しなくても、必ず休日夜間診療所は市で開いているよということが奈良ではまだ達成されておりません。これは市町村が休日夜間診療所を地区の医師会と相談して持つという体制になっているわけですが、全部の地区でそのように達成されているわけではございません。開業医の皆様との協議ということになるわけでございますが、そのようなこの地域医療構想の中で休日夜間診療所のあり方、あるいは開業小児科でございましたら、そういうところに出向して開院してもらう、臨時開院してもらうほかに、輪番制できょうはどこの医院が開いてますよということを輪番制でやっておられる地区と、あまり進んでいない地区とございますので、課題かというふうに思います。それとうまくER型がマッチをすればというふうに思います。土・日曜日に発症が頻繁なのかどうかわかりませんが、調べたいと思いますが、お子様が土・日曜日に帰ってこられると、気が緩んで発症する、サラリーマンも大体週末に風邪をひいてしまうことが多いわけでございますけれども、そのような週末発症急患患者を受け入れるというのも一つ地区の課題でございますので、発症、あるいは急患の発生の分析とともに、受け入れ体制、とりわけER型では間に合わないということは今議員お述べになったとおりでございますので、とりわけ中病院よりも休日夜間診療所地区医師会の開院、あるいは開業体制との調整ということに意を用いてちょっと検討を進めたいと思います。

 工業ゾーンの奈良県の課題を的確におっしゃいました。とりわけ、市街化調整区域にあります地権者、特に農地でございますが、農地は安いけど、売らないよ。じゃあ市街化区域に入れましょうかと言うと、税金が高くなるから嫌だと、こういうようなのがジレンマとして奈良県の土地利用政策で発生をしております。どのようにすればいいのか悩ましいところでございます。ずっと長年長年そのようなことの繰り返しでございます。一番期待されるのは公共事業で、一番高く買うのが公共事業だと言われておりますので、公共事業が来ないかと言って待っておられるような状況でございます。

 このようなことをどのように解決すればいいのかというようなことを悩んでおりますが、さて、議員おっしゃいましたような地価が安く提供できるというのはまだ奈良の特徴になっております。それと、残念なことですが、労働賃金がまだ安いと言って来られる方もまだ多いことでございます。これは残念なことでございますが、地価が安いのは工夫によって出せるわけでございますので、農地と工業ゾーンの調和ということ、また、とりわけ農地所有者の方の土地の所有の今後のあり方ということは大きな課題でございますので、いい知恵が出れば奈良の土地問題は大きく進展するのではないかと思います。奈良の土地がうまく利用できる。耕作放棄地は近畿で一番多い、二〇%も、二割も耕作放棄地になっているわけでございますので、それが単に散らばっているわけでございます。工業用地に要るところは形だけ農業をされる方も多いと聞きますので、なかなか難しい、ちょっと愚痴みたいな悩みだけを繰り返し言っているにすぎませんが、大事なポイントをご指摘になりましたということを申し述べますとともに、また知恵を絞る努力を重ねたいと思います。答弁にはなりませんでしたが、大事な課題だと認識をしております。



○副議長(山本進章) 十三番森山賀文議員。



◆十三番(森山賀文) 終わります。



○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月二十九日の日程は当局に対する代表質問及び一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時二十五分散会