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平成27年  9月 定例会(第321回) 09月25日−02号




平成27年  9月 定例会(第321回) − 09月25日−02号







平成27年  9月 定例会(第321回)



 平成二十七年

        第三百二十一回定例奈良県議会会議録 第二号

 九月

   平成二十七年九月二十五日(金曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、二十三番安井宏一議員に発言を許します。−−二十三番安井宏一議員。(拍手)



◆二十三番(安井宏一) (登壇) 議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表して質問を行います。

 まず初めに、このたびの関東・東北での記録的な豪雨による河川の氾濫などでお亡くなりになられました方々のご冥福とご遺族にお悔やみの言葉を申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を心より願うものであります。安倍政権においては、地方創生や地域経済の好循環実現に取り組むとともに、少子高齢化が進展するなど、地方が果たすべき役割がますます増大しています。

 このような状況のもと、本県においては、知事を先頭に、脱ベッドタウンを図り、仕事の場を奈良でつくるための企業誘致や産業興し、また、健康づくりの推進、観光・文化・スポーツの振興など、各分野での県政諸課題に積極的に取り組んでいただいており、大いに期待するところであります。私自身も、県議会議員として、県政発展に向けた役割を、今後とも果たしていくことをお約束いたしまして、質問に入ります。

 まず初めに、本県の地方創生について、知事にお考えをお尋ねします。

 昨年五月、元総務大臣の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会が人口推計を公表し、二〇四〇年には、全国約千八百の市区町村のうち約半数が消滅の危機に直面するとされました。本県でも、県内市町村の三分の二の二十六市町村が、いわゆる消滅可能性都市に該当するというものでありました。人口減少の危機的な状況に警鐘を鳴らしたこのレポートが、全国に与えた衝撃はとても大きかったように思います。

 そのような人口減少の厳しい現実を踏まえ、政府は、昨年、まち・ひと・しごと創生法を制定いたしました。この法律は、少子化、高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保した上で、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施しようとするものであります。

 戦後、我が国は東京に人を集めることで経済をうまく循環させ、東京の経済成長が日本の全体の経済成長を先導してきました。

 しかし近年、東京への人口集中が過度に進む一方、地方では、少子高齢化が進み、活力と持続性が低下するという問題を生むようになりました。特に若者の地方からの流出は深刻で、これに歯どめをかけることが喫緊の課題であります。このように、東京中心の経済成長モデルは既に限界に来ており、今後は、地域経済を自立させること、地方が活力を取り戻すことが重要になると考えます。

 昨年九月、安倍首相を本部長として設置された、まち・ひと・しごと創生本部は、東京一極集中の是正、若年層の就労、結婚、子育て支援、地域課題の解決といった基本方針のもと、民間有識者を交えて方策を議論し、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンと総合戦略を策定されました。この長期ビジョンでは、二〇六〇年に一億人程度の人口を確保する中長期展望を掲げ、二〇一五年度から二〇一九年度の五カ年の政策目標を総合戦略として取りまとめられたものであります。そして、地方でも、地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定する必要があるとされました。

 本県の人口は、一九九九年にピークの百四十四万人に達して以降、減少に転じております。社会保障・人口問題研究所の推計では、二〇四〇年には百十万人程度にまで落ち込み、その先百万人の大台割れも現実味を帯びる中、この人口減少を決して先送りできない問題と受けとめ、地方創生に覚悟を持って取り組まなければなりません。

 県ではこれまでも、経済活性化と暮らしの向上を県政運営の重要な柱として、直面する県政諸課題に積極果敢に取り組んでこられました。加えて、このような状況の中、荒井知事は、昨年八月に、いち早く、奈良県地方創生本部を設置され、少子化・女性部会など五つの部会で方針・施策の検討を開始されました。この体制のもと、昨年秋、そしてことしの夏に、本県独自の地方創生を実現すべく、国に対して、真に必要な提案・要望を知事みずから先頭に立って実施されました。県では、これから地方版の総合戦略を取りまとめようとされており、先日は、いわゆる産官学金労言の各分野の有識者からなる会議も開催されました。これらの地方創生への知事の取り組みを、私は非常に心強く感じているところであります。

 石破地方創生担当大臣は、地方創生は日本の創生だと言っておられます。そうだとすれば、奈良で取り組む地方創生が、日本を変える取り組みのモデルになればよいと期待いたしております。

 奈良県版の総合戦略の策定を通して、本県の地方創生の取り組みを今後、いかに進めようとされているのか、知事にお伺いします。

 次に、今回提案いただいております、九月補正予算案に関連して、三点お伺いします。

 今回の補正予算では、観光地奈良としての一層の魅力向上や、医療・福祉の充実、安全・安心の確保など、県民の皆様の暮らしの向上に資する取り組みなどに必要な経費を計上されており、その内容を拝見させていただきますと、時宜を得た、また、県政発展に資する予算であると考えております。

 この補正予算案に関連し、まず、冬期の観光オフシーズン対策についてお伺いいたします。

 奈良は千三百年を超える悠久の歴史の中で培われた社寺をはじめ、歴史文化遺産を数多く有し、比類ない歴史文化的価値が現在に継承されている世界に誇るべき地域であります。国内はもとより、海外からも多くの観光客がこの奈良の地を訪れ、古代から綿々と続く悠久の文化や歴史に触れていかれます。

 この世界的に知られた観光地であり、豊富な観光資源を有する奈良を訪れる国内外からの観光客をもてなし、楽しんでいただける環境をつくりあげることが、観光地奈良の新たな輝ける未来をつくりあげることにほかならないと考えます。

 ところで、奈良県内の宿泊者数は八月が最も多く、六月及び七月と十二月から二月までが宿泊者の少ない観光オフシーズンだと言われておりました。このため、県では、夏期と冬期のオフシーズン対策として、観光キャンペーン等の取り組みを行い、六月、七月の宿泊者数は、全国からも高い注目を集める音楽祭であるムジークフェストなら等のイベントの効果と相まって、大きく伸びてまいりました。

 県内主要十一ホテルの宿泊者数の推移を例にとりますと、六月につきましては、平成二十三年の五万人から平成二十六年には五万四千人に、また、七月につきましては、平成二十三年の四万一千人から平成二十六年には五万五千人と増加しており、同年八月の七万三千人に相当近づいてまいりました。これは県をはじめ、県内市町村、社寺、観光関連産業など関係各位のご努力の成果であると評価しています。

 一方、冬期の宿泊者数を見ますと、一月につきましては、平成二十三年の三万五千人から平成二十六年には四万四千人、また、二月につきましては、平成二十三年の三万九千人から平成二十六年には四万五千人となっております。この時期の宿泊者数も着実に増加はしてきておりますが、それでもなお、八月の宿泊者数の約七万三千人と比較すると、まだまだ伸びしろは大いにあると考えられます。

 県として、さらなる宿泊者の増加につなげるために、奈良の魅力を今後も広くアピールする必要があると考えますが、冬期のオフシーズンの観光振興について、県ではこれまでどのような取り組みを行い、また、今後はどのような取り組みを展開されるのか、知事にお伺いします。

 次に、県営プール跡地活用プロジェクトについてお伺いします。

 奈良県は、国内最多の三つの世界遺産を有し、年間三千五百万人もの多くの人々が訪れる観光地であるにもかかわらず、宿泊施設客室数は全国最下位の状況が続いております。

 また、奈良への観光は、日帰りや通過される訪問客がその多くを占め、宿泊滞在型の観光客が少なく、地域における雇用や消費を十分に生み出せていないと、かねてから指摘されているところであります。

 このような状況から、知事は、就任後間もない平成二十年に、観光振興の一環として、現在の県営プール跡地にホテルを誘致する取り組みを始められました。その際は、いわゆるリーマンショックのあおりを受け、残念ながらホテルの誘致に至ることはありませんでした。

 しかしながら、知事はその後もたゆまず、このプロジェクトを推し進めてこられた結果、昨年末には、ホテル事業者として高い評価を得られ、すぐれた実績をお持ちの森トラスト株式会社を国際級ホテルの事業に携わっていただく優先交渉権者に選定され、プロジェクトの実現に向け、大きな一歩を踏み出されました。

 まさに、県営プール跡地活用プロジェクトは、この国際級ホテルを核として、コンベンション施設、広場、バスターミナル、駐車場、物販や料飲といった観光振興施設等の整備に加え、情報発信の一翼を担うNHK奈良放送局にも参画いただき、一層の地域の活性化を図り、まちの新たなにぎわいを創出するという奈良の五十年、百年の将来を見据えたまちづくりなどとなる取り組みであると思います。

 また、奈良県における唯一で初めてとなる国際級ホテルの進出により、海外から国賓級の方々が奈良で宿泊される環境を整えることに加え、その周辺においては、これまでに奈良にはなかった規模のコンベンション施設や広場などを整備することにより、観光地としての奈良のグレードを一層向上させ、奈良の観光魅力を大いに変えていきたいという知事のお考えに私も同感であります。

 奈良の観光のあり方を、従来の日帰り・通過型の観光から滞在型観光にシフトさせ、抜本的な変革を促す、県営プール跡地におけるホテルを核としたまちづくりの取り組みは、奈良の観光振興の起爆剤として奈良の観光資源を生かした地元の消費・雇用の創出と自立的経済圏の確立をなし得るものであることから、ぜひとも成功に導いていただきたいと強く希望するところであります。

 本県における一層の観光振興、とりわけ、奈良を滞在型観光地へと抜本的に変革させるためには、ホテルとコンベンション施設などの周辺施設が連携するように整備されることが重要であり、さらに、滞在型観光の拠点として、できるだけ早期のまちびらきが必要であると考えます。

 県営プール跡地におけるホテルを核とするにぎわいと交流の拠点整備に向けた現在の状況とコンベンション施設などの周辺施設整備を今後どのように取り組まれようとしているのか、知事のご所見をお伺いします。

 次に、本県の森林整備についてお伺いします。

 県土面積の約八割を占める森林は、木材を生産するだけではなく、渇水や洪水を緩和し、良質な水を育む水源の涵養や、山地災害の防止、温室効果のある二酸化炭素の吸収・貯蔵、また、レクリエーションや教育の場の提供などさまざまな機能を有しており、私たち県民の生活に欠かせない重要な役割を果たしています。その森林面積のうち約六割が、建設用材などに利用するため、人が植えた杉やヒノキの人工林となっています。

 この人工林においては、植栽された苗木の生育に必要な下刈りや、成長途上で混み合ってきた立ち木を間引く間伐、節のない木材を生産するための枝打ちなどの作業を行いながら、長期間、木を大切に育て、時期が来れば伐採収穫し、木材として利用してきたわけであります。そして、再び伐採跡地に植林し、次の世代を育てていくといった植林から伐採までの林業による生産活動が繰り返されることにより健全な森林が造成され、森林の持つ機能が持続的に発揮されるものであります。

 また、昨年十一月には、「ゆたかなる 森がはぐくむ 川と海」をテーマに第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜が天皇・皇后両陛下を本県にお迎えして開催されました。

 海のない本県での開催は、県の豊かな森林に蓄えられた清らかな水が、川の流れとなって県下全域を潤し、水産資源だけでなく、県民の飲料水や農業用水として豊かな恵みを与え、さらには、これらの清流は県境を越えて海に注ぎ、多様な命を育んでいることから、豊かな森林を育てること、つまり森林整備の大切さを我々県民に再認識させてくれた意義ある大会であったと考えております。

 しかし、近年では、外材の輸入並びに木材に変わる代替品の台頭や木造住宅の着工数の減少などが原因で木材価格が低迷したため、林業の採算性は悪化し、そのことが森林所有者の林業に対する経営意欲も低下させました。また、山村地域では過疎化・高齢化が進み、手入れの行き届かない人工林が増加するといった悪循環につながっています。

 こうした林業の不況の中、昭和五十八年に設立されて以来、分収造林契約により約一千三百ヘクタールの森林造成などを行ってきた林業基金が、平成二十八年度末をもって解散することとなり、債務整理に伴う必要な予算等を今議会に提案されています。

 私としては、これまで林業基金の経営改善に向け、さまざまな努力をされてきたことは理解しておりますし、多額の累積債務を抱える中で、今後も木材価格の上昇が見込めないことや全国の林業公社の運営状況を踏まえますと、林業基金の解散を決定されたことは、問題を先送りしない大きな決断であったと高く評価しています。と同時に、林業を取り巻く環境は、私たちが考えている以上に厳しくなっていることも思い知らされました。

 このような状況ではありますが、木材の需要拡大にも明るい兆しが見えてきております。平成三十二年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックの競技会場においての木材利用に期待が高まっているとともに、国におきましては、直交集成板、いわゆるCLTという新たな木材製品を中高層建築物に活用する取り組みが本格化するなど、都市の木質化に向けた動きが大きな広がりを見せております。

 また、本県でも戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎え、豊富な森林資源を循環利用するとともに、森林の有する県土の保全等の公益的機能を持続的に発揮していくことが求められております。林業不況の中、森林の持つ多面的な機能を将来にわたって持続的に発揮させていくために、今後、本県の森林整備をどのように進めていこうとされているのか、お聞かせください。

 次に、スポーツを通じたにぎわい拠点として、橿原公苑の活用についてお伺いします。

 本県の柔道界、さらにはスポーツ界を代表する野村忠宏選手が、先月末に開催された全日本実業柔道個人選手権大会をもって現役を引退されました。野村選手は、オリンピック三連覇という柔道史上初の偉業を達成され、本県最初の県民栄誉賞を受賞されるなど、県民の誇りであり、日本中に勇気と感動を与えていただきました。これからも変わらぬ活躍を期待いたしております。

 一方で、先月、北京で開催された世界陸上の女子マラソンにおいて、奈良県出身の伊藤舞選手が七位に入賞され、来年のリオデジャネイロオリンピックのマラソン日本代表に内定されました。奈良県出身の選手が陸上競技でオリンピックに出場されるのは、史上初の快挙であると聞いており、本当に喜ばしい限りであります。今後も野村選手や伊藤選手に続く選手が本県からあらわれ、さらには、世界トップレベルの選手になっていただきたいと願っております。

 さて、本県のスポーツ拠点である橿原公苑には、野球場をはじめ、陸上競技場や第一・第二体育館、また、弓道場や柔剣道場、相撲場、テニスコート、多目的広場、そして宿泊機能を備えたジョギング&サイクリングステーションがあります。

 しかし、近年改修を行った一部の施設を除いて、大半の施設が老朽化し、また、大規模なプロスポーツの試合が誘致できないなど施設上の課題があるようであります。

 当施設は、中和地域の便利な場所にあることから、スポーツ観戦はもちろん、各種スポーツ競技大会をはじめ、イベントなど一年中さまざまな取り組みが実施されています。県内でスポーツをする選手にとっては、最もよく知られ、利用されている施設であります。私が会長を務める奈良県レクリエーション協会でも、子どもから高齢者の方々まで軽スポーツを楽しんでいただけるレクリエーション大会を開催するなど利用させていただいております。

 佐藤薬品スタジアムでは、プロ野球ウエスタンリーグの試合が行われ、多くの家族連れでにぎわっています。一昨日開催されたオリックスバッファローズ対阪神タイガース戦には、プロ野球の試合としては過去最高の五千百十六人の方が観戦され、大変な盛り上がりであったと聞いております。

 陸上競技場では、サッカーJFL・奈良クラブのホームゲームが開催され、ことしの六月に行われた奈良クラブとソニー仙台FCのナイター公式戦では、仙台からも多数のサポーターが来場されるなどスタンドは約二千人の観客で埋め尽くされていました。試合が終わってからは、そのサポーターが、国道一六九号沿いの飲食店に繰り出し、非常ににぎわったと聞いております。

 このほか第一体育館では、プロバスケットボールbjリーグ・バンビシャス奈良のホームゲームが開催されるなど、橿原公苑でのプロスポーツの試合開催の機会がふえてきているようであります。それに伴い、スポーツ観戦に来られる方もふえ、スポーツによる地域のにぎわいづくりや活性化につながっております。

 スポーツを通したにぎわい拠点として、橿原公苑の役割がとても重要になってきており、橿原公苑の施設や周辺一帯のさらなる環境整備が必要であると考えます。野球場は、人工芝敷設やベンチ改修などのほか、ネーミングライツを活用した整備とあわせ、施設環境が整いつつあります。さらに多くの方の観戦ができるように、観客スタンドを増設、改良することが必要であると思います。

 また、陸上競技場や多目的広場など、施設が充実すれば、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプにも利用してもらえるのではないでしょうか。この施設で海外のトップアスリートがトレーニングをしている姿を見るだけでも、子どもたちに夢や憧れを与え、スポーツを始めるきっかけにもつながるものと考えております。

 さらに、橿原公苑の南駐車場と、その隣接する県有施設である中部農林振興事務所跡地を活用して、宿泊施設を整備してはいかがでしょうか。橿原神宮に隣接し、明日香地域にも近いことを勘案すると、スポーツ合宿での利用はもちろん、観光客の方にも利用していただけるものと考えます。

 スポーツを通じたにぎわい拠点を目指し、橿原公苑をどのように活用しようとされているのか、お答えいただきたいと思います。

 次に、女性の活躍促進についてお伺いします。

 日本では、職を持っている女性の約六割が、第一子出産を機に離職されています。また、週四十九時間以上働く男性が約三割であり、欧米に比較して多くなっています。一方、六歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、一時間程度と低水準となっていますが、この時間が長いほど、妻の就業継続割合が高く、また、第二子以降の出生割合も高くなる傾向にあります。

 国では、先月の二十八日に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法が成立しました。この女性活躍推進法は、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図ることを目的としています。

 具体的には、女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供や、職業生活と家庭生活について、必要な環境を整備することにより、円滑かつ継続的に両立を可能にすることなどを基本原則としております。また、地方公共団体には、女性の職業生活における活躍についての推進計画を策定することが求められています。

 私は、働きたいという希望を持っているものの、働いていない女性や職場でステップアップしたいと希望する女性の思いをかなえることが重要だと考えています。

 奈良県の女性の就業率は、平成十七年の五八・〇%から、平成二十二年には六〇・九%と上昇しているものの、依然として全国最下位の状況です。しかし、平成二十四年の就業構造基本調査では、いわゆるM字カーブの底の年代である三十五歳から三十九歳の就職希望率が他の世代に比べて高くなっています。

 県では、女性の就労希望に応えるため、子育て女性就職相談窓口の開設や起業の支援などを推進するとともに、就業継続や管理職育成を目的として、官民合同のキャリアアップセミナー等を実施し、一定の成果を得られていると聞いておりますが、女性の活躍は、まだまだ道半ばであります。

 また、ことし六月に公表された内閣府の地域における女性の活躍に関する意識調査では、夫が外で働き、妻が家を守ることを家庭の理想と思う人の割合が、全国平均の四四・二%に対し、奈良県は五〇・四%と全国一高くなっており、固定的な性別役割分担の意識がまだまだ根強く、こうした意識が女性の活躍を阻害する一つの原因になっているとも考えられます。私は、少子高齢化が進む中で、女性の力を発揮できる環境を整えることにより、社会のあらゆる面での多様な価値観、新しい視点がもたらされ、創意工夫が生まれ、これにより男女とも暮らしやすい社会になると考えます。

 県では、地方創生総合戦略の基本案として、「住んで良し」、「働いて良し」、「訪れて良し」の県づくりを掲げられておられますが、この中においても、女性の活躍促進、ワーク・ライフ・バランスの推進を基本的方向の一つとされています。

 また、今後の取り組みとして、女性の持つ意欲や能力、視点、価値観などが生かされることで、男女がともに暮らしやすい奈良県、また、多様性と活力に富んだ持続可能な奈良県をつくるために、(仮称)女性の輝き・活躍促進計画を策定すると伺っています。

 私たちの奈良県の将来を考えたときに、女性のさらなる活躍は、県政の重要事項の一つであり、そのためには、特に男女ともの意識の改革と、職場などの環境の整備、女性のスキル・能力の向上が必要と考えています。女性の活躍促進に向け、県でも女性の活躍促進会議を開催し、課題や方策を検討されていますが、奈良県の女性が輝くために、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、公共交通基本計画の策定についてお伺いします。

 公共交通は、通勤・通学をはじめ、買い物、通院などの日常生活や社会生活を営む上で、大変重要な役割を果たしてきました。

 しかし、本県においては、急速に進展する少子高齢化や過疎化、自家用自動車への依存の高まりなどによる利用者の減少により、公共交通を維持することが困難な状況になってきており、今後も継続すると見込まれております。

 また、日常生活、社会生活を営む上で、路線バスや鉄道、市町村が運営するコミュニティーバスなどを必要とする高齢者や、観光客など他府県や海外からの来訪者がさらに増加することも見込まれることから、公共交通を利用した移動環境を確保することが本県の喫緊の課題となっております。

 こうしたことを背景に、公共交通による県民等の移動環境を確保する取り組みを推進するため、県議会において平成二十三年五月に地域交通対策等特別委員会が設置されました。私も委員長として携わりましたが、有識者を交えた勉強会の開催や交通の先進地を視察するなど、二年間にわたり将来の目指すべき公共交通のあり方について議論を重ねました。そして、その集大成として、都道府県では全国初となる奈良県公共交通条例が議員提案として県議会に上程し、皆様のご承認を得て、平成二十五年七月に成立、制定されました。

 この条例では、基本理念の中で、公共交通による生活交通を享受できる移動環境の確保は、県民が健康的で文化的な日常生活や社会生活を営むために必要不可欠なものであり、必要な施策を総合的かつ計画的に推進することが県の責務であると定めています。

 また、県は、県内における公共交通の広域的ネットワークを確保するとともに、市町村が実施する施策や交通事業者などが実施する業務について、必要な助言、その他の支援を行うよう努めなければならないとされております。

 そして、公共交通に関する施策を推進する際には、県、市町村、交通事業者、県民など、公共交通の関係者が、連携・協働しながら取り組むこととしております。

 県においては、平成二十四年十月に中南和地域のバスネットワークの確保について、県内の交通事業者からの協議の申し入れをきっかけに、移動ニーズに応じた交通サービスのあり方を検討するため、知事みずからが会長となった県地域交通改善協議会を立ち上げられました。そしてこの協議会において、協議の対象となったバス路線について、地域交通にかかわる関係者が運行の効率化などについて精力的に検討を行い、昨年の九月には関係者間での合意の上、今後のあり方を取りまとめられたことや、その後も引き続き、まちづくりと一体となった公共交通の確保に向けた取り組みを幅広く実施されていることに、私も高く評価しております。

 奈良県公共交通条例では、知事は、まちづくり、保健、医療、福祉、教育その他の施策と連携、関連する施策との連携を図りながら、公共交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、公共交通に関する基本的な計画、すなわち公共交通基本計画を定めることとしています。将来の奈良県の公共交通のあり方検討に携わった者として、基本計画の策定に当たっては、これまでの県の取り組みを生かしながら、条例の理念を反映したものにしていただきたいと願っております。

 先月には、有識者で構成される公共交通基本計画策定委員会の第一回目の会議が開催されたと聞いておりますが、今年度中に策定予定の公共交通基本計画をどのような内容のものとするのか。また、計画の策定によって、今後公共交通確保にどのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いします。

 最後に、奈良県教育を取り巻く課題についてお伺いします。

 昨年、史上最年少の十七歳でノーベル平和賞を受賞されたマララ・ユスフザイさんは、「一人の子ども、一人の先生、一冊の本、一本のペン、それで世界は変えられる」と述べられ、私は、とても感銘を受けました。そのマララさんが、難民の子どもたちのために設立された学校で学ぶ少女は、「私は、学校が好き」と書き記したそうであります。

 学校が楽しい、そう思える子どもたちが、豊かに学び、豊かに人とつながり、やがて社会を、世界を変えていく力を育んでいくことになるのでしょう。まさにマララさんの思いが、遠いレバノンの地で少しずつ実を結びつつあると感じております。

 私自身も振り返りますと、先生に叱られたり友達とけんかしたりしながらも、でもとても学校生活が楽しかったことを思い出しております。そんな学校で、学習だけでなく、将来、社会で自立する上で基礎となるさまざまな力を身につけました。学校というところは、本来、子どもにとって楽しいところであり、友達や先生と日々話し合い、笑い合い、ぶつかり合い、励まし合いながらそれぞれに成長していく、そんな大切な場所であると私は考えています。

 ところが、そんな学校へ通うことができない、いわゆる不登校の子どもたちが、小・中学校を合わせて全国で十二万人を超えており、大きな社会問題となっております。本県の児童生徒を見ても、昨年の調査では、全国と比較しても高い割合で不登校の児童生徒がいると聞いております。昨今言われている学力や体力、規範意識などの課題に取り組む上でも、まずその中心的な役割を果たすべき学校に行けない子どもたちがいるということは、とても憂うべきことであると思います。何より、学校で本来味わえるはずの楽しさや、さまざまな学び合いの経験ができないままでいる子どもたちのことが、私は残念でなりません。

 最近は、学校に行かないという生き方も選択肢の一つだという考え方も広がっているようであります。私は、その考え自体は何ら否定しませんが、まずは、全ての子どもが、学校に通えるようにすることこそが、何より重要なことだと思っております。

 本県における不登校児童生徒の現状はどのようになっているのか。また、県教育委員会としてどのような取り組みを行おうとされているのか。教育長の答弁をお願いします。

 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十三番安井議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、本県の地方創生の取り組みについてのご質問でございます。

 私は、地方創生の大きな目標であります地方の経済的自立と人口減少への対応に取り組むには、県がイニシアチブを発揮しながら着実に、真面目に努力をし続けることがますます大事になってくると考えております。

 また、そのような努力をする地域とそうでない地域とでは、今後大きな差が出てくるように思っております。

 このように考え、例えば、政府予算編成に係る国への提案・要望活動におきましては、常に県が先頭に立ってそのような地方の創生への意思を表明してまいったところでございます。奈良をよくするためにどのような努力をしようとしているのか、その実現のために国から必要とする支援は何かを、明確な形で国にお示しするということを意識してやってまいってきたところでございます。

 そして、そういった努力や願いを三つの基本目標、すなわち「住んで良し」、「働いて良し」、「訪れて良し」という言葉で改めて体系的に整理し、奈良県版の地方創生総合戦略として取りまとめることといたしまして、今般、その骨子を作成したところでございます。その骨子におきましては、基本目標ごとに取り組むべき施策の方向を明らかにしております。

 一つ目の「住んで良し」におきましては、県民全てが健やかで安心して暮らせるまちづくりを目指すことにしております。奈良を医療提供体制の先進県とすること、地域包括ケアシステムの構築を進め、終末期を健やかに過ごせる奈良県にすること、女性が働きやすく、出産や子育てがしやすい地域づくりを目指すことなどがその内容になっております。

 二つ目の「働いて良し」におきましては、脱ベッドタウンを図り、仕事の場を奈良でつくるため、産業興し、企業誘致などに取り組もうとしております。地方創生の中でも、仕事の場づくりは特に重要な課題でございます。例えば、奈良は災害が少なく、企業の本店移転先としては全国六位のレベルになっております。このような特性を生かし、仕事の場をつくる努力をすれば、若者がふえ、出生率が上がるという好循環が生まれると考えているところでございます。

 三つ目の「訪れて良し」につきましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、観光・文化・スポーツの振興などに取り組み、誇り高い奈良県を売り出すということでございます。県営プール跡地に奈良を代表するフラッグシップホテルを誘致し、にぎわいと交流の拠点づくりを進めたいと思っております。また、恒例となりましたムジークフェストなら、奈良県大芸術祭、奈良マラソンや、二年後に実施いたします奈良県初めての国民文化祭において、奈良の魅力を全国に発信できればと考えております。

 これらの基本的目標につきましては、将来をしっかり見据えた目標づくりが必要でございます。また、その目標に従って、着実な実行の努力は大切だと思っております。奈良県の地方版総合戦略では、この目標を、KPIと言われるキー・パフォーマンス・インディケーターと呼ばれている数字であらわそうとしております。本県ではこれまでも、データや統計指標による現状分析やアンケート調査などの実施により主な政策集などにおいて、政策や施策の明確な目標を数値で設定してまいりました。これを土台に、現在、総合戦略におけるKPIを検討しようとしております。ばたばたと行動ばかりしているが、成果は上がっていないということにならないよう、行動目標だけではなく、奈良の未来の創生につながる成果目標をKPIとして設定したいと考えております。

 また、総合戦略の骨子などについて、いわゆる産官学金労言と呼ばれます産業、市町村、大学、金融機関、労働団体、マスコミの有識者からご意見をいただくことを目的に、去る九月八日、有識者会議を開催いたしました。この場におきましては、有力な意見をいただいたところでございました。

 例えば、アジアからの観光客のために、ならまちの高齢化で生じた空き家を宿泊施設としてネットワーク化できないか、また、医療職、介護職を目指す中高生のためのキャリア教育を考えるべきではないかなどでございます。今後、こういった意見も参考にしながら、総合戦略の内容を固めていきたいと思っております。

 奈良県は、自然・歴史文化に恵まれておりますが、投資が進まず、経済的には立ちおくれてきた地域だと思われます。しかしこれを取り戻すためには、例えば道路整備とまちづくりを一緒にする、また、その中で核となる駅前整備や病院も一体的に整備するなど、おくれてきたことをこれから努力をすれば飛躍的によくなるはずと前向きに捉えまして、先駆的で複合的なプロジェクトを行うことが可能になると考えております。努力をすれば追いつけると信じ、本県独自の地方創生の取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。

 観光の分野のご質問で、冬期の観光オフシーズン対策をどのように展開するのかというご質問がございました。

 観光客数の年間の動きには、必ずトップ、ボトム、ショルダーと呼ばれる波がございます。オフとピークと呼ばれる波でもございます。そのような波は全ての観光地を襲う波でございますが、奈良では宿泊面においてトップとボトムの差、ピークとオフの差が激しい観光地で、極めて激しい観光地だと言われております。

 本県の月別の観光宿泊者数を見ますと、一月・二月が一年のうちで最も少なくなる観光オフシーズンとなっております。例えば、ことしの平成二十七年一月から三月までの本県の宿泊者数は四十二万九千人でございますが、この期間の宿泊者数は全国最下位の宿泊者数でございます。

 オフシーズンの観光客増は、観光地全ての悲願でございます。奈良県では、冬の宿泊観光客の増加策として、奈良うまし冬めぐりキャンペーン事業をこれまで実施してきております。有名社寺と連携して、ふだん見ることができない秘宝秘仏の特別公開など特別感のある旅行商品を造成して、旅行会社へのセールスやPR活動を展開することで、首都圏を中心に全国からの誘客を図ってきたものでございます。

 今年度は首都圏情報発信プロジェクトとして、東京駅八重洲口のデジタルサイネージや、東京駅に隣接した情報発信拠点東京シティアイを活用し、奈良県内の魅力的なイベントや奥深い奈良の文化・観光資源などの情報を継続的に発信していきたいと思っております。

 また、九月二十四日から四日間、東京ビッグサイトで開催されております世界最大級の旅の祭典ツーリズムEXPOジャパンに奈良県は出展をしております。国内外の旅行業者などとの商談会やメディアミーティングにも参加して、首都圏の奈良ファンや外国人観光客の増加につなげる努力をしておるところでございます。

 加えて、さらに外国人観光客の誘客に向けまして、海外プロモーションや情報発信の強化に取り組む一方、外国人観光客のおもてなし拠点といたしまして、ことし七月にプレオープンした奈良県猿沢インにおいて、各種日本文化体験イベントを連日開催するとともに、SNS等により、外国人目線で県内各地の多様な観光情報を発信しているところです。今後、奈良県猿沢インに効果があらわれることを願っているところでございます。

 さらに、観光地奈良として一層魅力を向上させ、宿泊客数の増加のみならず、リピーター獲得につなげるため、今議会に補正予算として、宿泊観光客の増加に向けた冬期イベント展開事業を提案させていただいております。この事業は、国内外から奈良に訪れた観光客の皆様が、社寺の多い奈良県で、奈良で一年の無病息災を願い、ご利益を体感していただけるイベント、大立山まつりをメインのイベントとし、県内の伝統行催事が集結する大規模でインパクトのある取り組みを、お正月直後から平城宮跡などにおいて開催しようとするものでございます。

 この取り組みとあわせて、国の交付金を活用して、来年一月から二月の奈良県における宿泊料金を最大五〇%割引するネットクーポンキャンペーンを実施しようと思っております。この二つのイベントの相乗効果により宿泊客の飛躍的な増加、リピーターの定着につなげていきたいと考えています。

 県では今後も、社寺を中心とした歴史文化的観光資源に加えまして、にぎわい、イベントや行催事が年中どこかで開催されているといった魅力的な観光地づくりを進めたいと思っております。

 次のご質問は、県営プール跡地活用プロジェクト、ホテル、コンベンション施設の整備についてのご質問がございました。

 奈良市内にあります県営プール跡地への国際級ホテルの誘致及びコンベンション施設などの整備につきましては、日帰り観光中心の奈良の観光構造を滞在型観光へと転換する奈良県の最重要プロジェクトであると考えております。

 県営プール跡地活用プロジェクトの核になります国際級ホテルにつきましては、現在、優先交渉権者である森トラスト株式会社において、ホテルブランドとの交渉を進めていただいております。先日、森トラスト株式会社からは、ホテルブランドとの間で基本合意書を締結したとの報告をいただきました。当地における国際ブランドホテルの進出が、確かなものになったと考えており、大変喜んでおります。

 県営プール跡地には、国際級ホテルとあわせまして、二千人規模の会議を開催できるコンベンション施設を中心に、屋根を備え、多様なイベントが開催できる屋外多目的広場や、空港リムジンや都市間長距離バスの発着とあわせてパーク・アンド・バスライドの結節点となるバスターミナルや大規模駐車場、奈良らしさを感じていただける飲食・物販施設などを整備することとしたいと思っております。これらの施設は、有力な観光地には必要な施設であるにもかかわらず、これまで奈良に一切なかった施設群でございます。

 本年十月には、ホテルを除くプロジェクトの整備・運営を行う事業者の公募を行っていきたいと考えております。事業手法につきましては、民間事業者の経営能力、技術力を活用できるPFI事業により進めてまいりたいと考えております。

 また、その事業費は、設計・建設及び十五年間にわたる維持管理・運営に要する費用の合計で二百二十億八千万円と見込んでおりまして、今議会に債務負担行為をお願いしているところでございます。

 本プロジェクトの実現による経済波及効果を試算いたしました。十年間で約千十億円、二十年間で千八百二十億円の県内の経済効果が創出される試算が出ております。雇用面でございますが、一時的な建設投資がございます初期におきましては約千五百七十人の雇用、また、宿泊者、観光客の増加により継続的に約八百六十人の県内の雇用誘発効果が創出されると試算されております。

 本プロジェクトに係る税収効果は、十分な計算をこれからしなければいけませんが、国税、県税及び市町村税にかかわるものではございますが、そのうち、県税につきましては、本プロジェクトの経済波及効果による個人や法人の直接税、間接税を簡易に試算をいたしましたら、十年間で約二十億円、二十年間で約三十六億円の県税増収効果が見込まれると計算上出ております。これらのことから、本プロジェクトは、県内経済の活性化、雇用創出、増収に大いに寄与するものと考えているところでございます。

 観光地奈良の特性についても言及がありましたが、残念ながら外国人観光客が、大阪や京都に泊まり、バスで奈良を訪れ、大仏殿と鹿だけを見て、奈良観光をしたとするツアーが今、大きな部分を占めております。奈良は、日帰り型観光が定着するような勢いでございます。

 また、来年三重県で開催されるサミットのような閣僚級の国際会議などの誘致機会も、奈良には国際級ホテルや大きなコンベンション施設がないため、そのような施設の基準でチャンスを逃してきた経験がございます。県営プール跡地のプロジェクトの実現を契機に、こうした長年の課題を解決する一方、国内外の方々が、奈良を宿泊地とし、奈良を十分堪能し、ついでに大阪や京都を訪問先にするという関西観光の構造を変えていくことになればありがたいなと考えているところでございます。

 東京オリンピックが開催される二〇二〇年には、各国の元首やVIPを含め、多くの方々が我が国を訪問されると予想されますが、奈良へより多くの国内外のお客様をお迎えできるよう、オリンピック開催までのまちびらきに向けまして、本プロジェクトの推進に全力を注いでいきたいと考えております。

 本県の森林整備についてのご質問がございました。

 議員お述べのとおり、本県林業を取り巻く環境は非常に厳しい状況にございますが、森林は、県土の保全や水源の涵養、地球温暖化の防止など、県民生活に欠かすことのできないさまざまな恩恵をもたらす財産だと認識をしております。そして、本県森林の約六割を占める人工林の大半は、現在、伐採時期を迎えております。利用期を迎えております。この豊富な森林資源を利用及び保全をするためには、適正な森林整備と管理を行うことが重要でございます。

 こうした中、本県の森林整備につきましては、平成二十二年に議会で制定していただきました奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例及び同指針に基づきまして、木材生産林と環境保全林にまず区分をする、その上で総合的かつ計画的な施策を進めるという指示をいただきまして、そのように進めているところでございます。

 この中で、木材生産林につきましては、六月議会でご承認いただきました奈良県林業・木材産業振興プランに基づきまして、森林施業の拡大と素材生産力の拡大に取り組むことが必要だと考えております。その内容でございますが、高級材だけを選んで出す林業ではなく、建築用材である根っこのA材、集成材などに使う真ん中のB材、パルプ・チップ用材である先っぽのC材の全てを搬出して多目的に供給する林業の転換を着実に進めたいと思っております。山に不要な木を残さない、根っこから先っぽまでを全て取り出しておくといった産業構造にしていきたいと考えております。

 奈良の森林は、搬出量に比べて大幅な成長が森林で行われております。森林の木は太りつつあるわけでございます。森林の搬出と成長のバランスをとることが森林の生育環境の維持に大変必要だと思っております。そのような目的のために、毎年の木材生産量を段階的に拡大する必要があるわけでございます。

 一方、環境保全林につきましては、施業放置林の解消や災害に強い森林づくり、獣害に強い里山づくりなどの課題がございます。森林管理をめぐる課題でございますが、このような問題の解決のため、森林の公益的機能や生物多様性などに主眼を置いた新しい管理手法を導入する必要があると感じておりますが、その先進国でありますスイスをお手本にしたいと思っております。今後も引き続き、県が県産材の安定供給と利用拡大に主導的な役割を果たすことで、豊富な森林資源の利用の好循環を生み出すとともに、森林の多面的機能を持続的に発揮・向上させるような森林整備、管理を進めてまいりたいと思っております。

 なお、林業基金でございますが、将来の県民負担の拡大を食いとめるため、昨年、解散を決断し、今議会におきまして、債務整理に伴う関連議案を提出させていただいているところでございますので、よろしくご審議、ご承認をお願い申し上げたいと思います。

 橿原公苑の活用について、スポーツの視点、環境維持の視点からのご質問がございました。

 スポーツの政策でございますが、県では、誰もが、いつでも、どこでも運動・スポーツに親しめる環境づくりを基本目標としてスポーツの振興に取り組んできております。橿原公苑は、スポーツのメッカでございますが、さまざまな取り組みを県としても進めております。これまで、距離表示のあるジョギング・ウオーキングコースの設定をしたり、簡単なストレッチができる健康遊具をその道の中に設置をしたりしております。また、ジョギング&サイクリングステーションなどの整備も行いました。

 また、陸上競技場を夜間無料開放いたしましたところ、仕事を終えた社会人の方々だけでなく、女性や子ども、高齢者の方まで安心して夜間のジョギングを楽しんでいただいております。今では一日当たり約二百人の方が夜間利用をされておりまして、開放を始めました五年前と比較いたしますと三倍以上にふえております。

 このほか、家族や職場の仲間などと一緒に参加できるリレーマラソンにおきましても、大変多くの方に参加していただいております。奈良市で行われます奈良マラソン参加に向けた練習にもつながっておるようでございます。

 また、プロ野球やプロバスケットボール、サッカーJFLなど、トップレベルの試合も数多く橿原公苑で開催されるようになりました。こうした試合は、有料にもかかわらず、多くの方の観戦によりスタンドがにぎわってきております。

 しかし一方で、このような橿原公苑の施設は、これまで国の交付金やネーミングライツなどを活用し、改修や機能向上に努めてまいりましたが、一つには施設の規模的な制約がございまして、全国的な、または大規模な大会が開催できない公園になっておりました。

 また、もう一つには老朽化が進み、施設の機能上の課題も抱えておるものでございます。

 このような二つの大課題を認識した上で、関係者の方々の意見を伺いながら、橿原公苑を今後どのように整備していくかについて検討を進めているところでございます。本年度末までに方向性についてまとめていきたいと思っております。議員のご提案もいただきましたが、検討に当たりましては、あわせて今後の高齢化の進展も見据えた県民の健康づくりや、近隣の橿原神宮周辺との調和のとれた景観、また、静ひつな環境に配慮した憩いの空間づくりの視点も必要だと考えております。

 橿原公苑がスポーツのメッカという拠点だけではなく、都市公園として市民の方にやすらぎと魅力を感じていただく、にぎわいと集いの拠点になるようになればと願っておるところでございます。

 女性の活躍促進についてのご質問でございます。

 少子高齢化社会を迎え、奈良県の将来を考えますときに、女性が持っておられる能力を、それぞれの方が望む場所で発揮していただけるようになることが、県政の最重要課題の一つと考えております。光り輝く女性の活躍、支援というテーマで捉えております。

 しかし、女性はライフステージの各段階で、さまざまな課題に直面されております。女性が光り輝いていただくためには、これらの課題の一々についての解決策の用意が必要でございます。今回、主宰させていただきました女性の活躍促進会議で、施策の方向性についての検討を始めました。

 まず、奈良県の女性の課題認識でございますが、一つには、合計特殊出生率が低い状況にあることを課題として捉えております。全国でも相当低位の出生率でございます。

 二つには、就業におきまして、奈良では女性が望まれる近くでの働く場所が少ないわけでございます。女性の働き場所の確保の課題がございます。県外就業率が全国二位と高くなっている事情もございます。

 また、三つ目には、第一子出産前後の離職が多い状況、いわゆるM字カーブの右の方の肩が回復しないという状況が奈良県の特徴でございます。

 このような奈良県の女性を取り巻く課題を率直に捉え、さまざまなエビデンスに基づいて原因を分析し始めております。その課題の性格を今四つに分類をいたしまして、それぞれの性格に対応した、適切な解決策を検討していきたいと思っております。

 四つの分類といいますのは、一つ目はマインドの課題という捉え方をしております。これは、意識を変えることで解決する課題という捉え方をしております。例えば、夫は働き、妻は家庭を守るべきという固定的性別役割分担意識が奈良県では非常に高いという結果が出ております。これは意識の問題でございます。また、このような意識の払拭や企業のトップの意識改革が進めば、女性の仕事と生活の両立がしやすくなるよという提言もございます。

 二つ目の捉え方でございますが、フィールドの課題という捉え方をしております。これは、活躍の場を拡大することで解決する課題と捉えております。例えば、県内の働く場所の、働く機会の拡大、または女性の能力を生かせる再就職の支援などでございます。

 三つ目の課題の捉え方は、スキルの課題として捉えております。これは、スキル、能力を高めることで解決が容易なる課題と捉えております。例えば、女性の結婚、出産、子育てなどのライフイベントに応じたキャリア教育、そのときの必要な教育をその都度提供して差し上げるといった考え方、または起業、みずから事業を起こされる女性や再就職をされたいという女性に向けたスキルアップの支援、適時適切なご支援を考えるキャパシティ・ビルディングをご支援するという考え方の分野でございます。

 四つ目は、ライフの課題として捉えております。これは、女性の健康、生活環境などにかかわる課題として捉えております。例えば、DVなどの暴力を容認しない社会づくり、社会構造づくりや、母性保護と母子保健対策の充実、女性の健康寿命を延ばすための女性のための取り組みの推進などが考えられているところでございます。

 本県では、先行して女性が能力を発揮して活躍できる具体的なフィールドを広げていくために、また、スキルアップをするために、起業の支援や翻訳者養成塾の開催、農業分野などでの女性の活躍推進など、奈良県でできる取り組みを進めてまいりましたが、これからは女性の活躍促進会議で議論いただき、より多くのアイデアをいただき、光り輝く女性、奈良県女性を実現するために、今後、県の基本方針をつくりたいと思います。仮称でございますが、女性の活躍促進大綱というような形で取りまとめができればと思っております。

 次のご質問は、公共交通基本計画の策定、今後どのような内容のものにするのかというご質問でございました。

 公共交通基本計画は、議員がお述べのように、平成二十五年七月に制定いただきました奈良県公共交通条例に基づきまして定めるものでございます。当然のことながら、本条例に示されました公共交通の基本理念を十分に踏まえて策定する必要があると考えております。したがいまして、公共交通基本計画では、施策についての基本的な方針と総合的かつ計画的に講ずべき施策について定めることとされておりますが、基本方針の内容として公共交通条例の理念を踏まえた四点を今検討しているところでございます。

 一点目の基本方針でございますが、公共交通は、まちづくりと同様、観光、産業、福祉、医療、教育など、県内におけるさまざまな行政サービスの目的を達成するために必要不可欠なものであるという認識でございます。

 二点目は、あらゆる人が生活の目的のために移動する際には、起点から終点である目的地までのトリップの全体を通した移動環境の向上が重要であること。トリップの一部だけの公共交通問題ではなしに、トリップ全体の交通問題として捉えるべきだという視点でございます。

 三点目でございますが、必要な交通と言われるものの範囲を、これまでのように路線バスやコミュニティーバス、既存のバス提供体制に限らないで、例えば病院、ホテル、介護老人保健施設などの私設バスやタクシー、さらには、脱マイカーの観点から自転車や徒歩まで、移動手段と言われるものを広く捉えようとするものでございます。

 四点目は、現時点で需要が潜在的に存在しているにもかかわらず、その内容が実現されていない移動ニーズは何かを漏れなく掘り起こすことでございます。例えば、腎透析で病院に行きたいんだけれども、誰も運んでくれないと、送ってくれないといったようなものは、これから顕在化すべきサービスのように思われます。

 このような計画の具体的な内容につきましては、奈良県公共交通基本計画策定委員会においてご議論いただくことにしております。先月には、第一回の委員会を開催して、各委員からご自由にご発言をいただきました。現在、いただいた幅広いご意見を踏まえ、計画素案の検討作業を進めております。今後、委員会を重ねるとともに、県議会の関係者の皆様にも逐次ご報告をさせていただきたいと存じます。また、県民の皆様からもパブリックコメントによりご意見を頂戴しながら検討を進め、今年度内に計画を策定していきたいと思っております。

 この基本計画に定める諸施策の実施に当たりましては、条例にも定めていただいたとおり、県、市町村、交通事業者、県民の皆様が相互に連携し、協力しながら取り組んでいくことが必要であろうかと思います。

 このような取り組みは、奈良モデルのアプローチと似たものでございますが、さらなる発展型も模索しながら、交通はずっと続く、持続可能な仕組みを構築する必要があろうと考えております。

 また、県では、現在まちづくり連携協定の締結を進めておりますが、これまで十の市町村と締結いたしましたが、こうしたまちづくりにおきましても、公共交通の確保は大事でございますので、まちづくりと一体とした交通政策として捉えまして、総合的な取り組みをするべきだと考えております。

 最後のご質問は、教育長からお答えをさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 二十三番安井議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、本県における不登校児童生徒の現状と県教育委員会としてどのような取り組みを行おうとしているのかについてのお尋ねでございます。

 文部科学省が実施をいたしました平成二十六年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査におきまして、奈良県の国公私立小・中学校の児童生徒で、年間三十日以上欠席した不登校児童生徒は、小学生で三百五十三人、中学生で千二百七人であり、これを児童生徒千人当たりに直しますと、小学生で全国平均が三・九人に対しまして本県は四・八人、中学生で全国平均二十七・六人に対しまして本県は二十九・五人となっており、ともに全国平均を上回っております。

 さらに、独自に不登校の状況を調査をいたしましたところ、公立小・中学校において、ほとんど毎日登校することができず、年間百五十日以上欠席した児童生徒が小学生で五十九人、先ほどの三百五十三人の一五%程度、中学生で三百十五人、先ほどの千二百七人の二五%程度となっており、不登校が長期化する児童生徒への必要な支援のあり方が喫緊の課題であると認識をいたしております。

 県教育委員会では、不登校児童生徒やその保護者の悩みを早期に受けとめ、学校におけるカウンセリング機能の充実を図るため、本年度から公立中学校全校にスクールカウンセラーを配置し、さらに各中学校区内の小学校からの相談にも応じる体制を整えています。また、深刻なケースでは、精神科医や心理臨床を専門とする大学教授などを学校へ派遣したり、これも今年度からではございますけれども、保護者の理解が得られた場合には、個々の家庭を訪問する訪問教育相談を開始し、不登校の児童生徒やその保護者が、相談機関とのつながりが持てるよう支援を行っております。

 今後は、不登校が長期化する中学生に対しまして、市や町が設置する適応指導教室への出席状況、また、中学校卒業後の進路状況を把握しながら、十分な教育を受けることができなかった生徒に対しましては、学び直しの場として、県内中学校三校に設置をされております夜間学級を活用していくことも、関係機関と連携を図りながら検討をしてまいりたいと考えております。

 ありがとうございました。



○議長(中村昭) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) ただいま知事の答弁の中にもありましたように、地方創生について産業興しでありますとか企業誘致、あるいは仕事の場の拡大といったような地方創生に基づいた施策を実施するという力強い発言でもありましたけれど、昨日の記者会見等を聞いていますと、さらに経済回復を最優先的に取り組むという、アベノミクスの経済を優先するという第二弾が発表されました。これから、やはり経済が奈良県でも重要な課題になってくると思うのですが、県経済の成長によって、いわゆる雇用でありますとか、ただいま申し上げましたような女性の就業率の向上でありますとか、それにつながってくるものと思いますが、特にそういう意味では奈良県の経済も知事の思いというのを、今後の奈良県の経済についてあると思いますけれども、国の経済優先の取り組みについて、県の経済について知事の今の思いをもう一度お尋ねしたいと思います。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 先ほども申し上げましたように、奈良県は自然環境、歴史文化に恵まれておりますが、経済が弱い、この原因は何かと考えておりましたが、一つは道路が十分でなかった、インフラがなかったということでございますが、もう一つは奈良県の人のメンタリティーで、商売にあまり熱心でなかった。これは、他県が言うので余計悔しいんでございますけれども、そういうことを言われて、経済が低迷しているというのは大変悔しい限りでございます。今、各県、地方創生の大きな目標は、仕事づくり、若者の定着ということが大きな目標。少子化にもつながっておりますが、若者の定着というふうに目標を定めて、各県ダッシュを始めております。勢いをつけて走っております。奈良県は、ダッシュ、競争に負けないようにしたいと、今までおくれてきたことは確かでございますけども、気合いとダッシュでやれば威力を発揮できるんじゃないかと、総力を挙げて、県だけではなくて、民間の方のご努力も待ちしながら、総力を挙げることができたら、奈良の底力はあるぞということを示すことができたらというふうに心から願っているところでございます。



○議長(中村昭) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) 奈良の底力ということでございます。奈良県の経済は、そういう意味ではまだまだ脆弱の所もたくさん目立ちますけれども、底力ということに期待を申し上げ、またさらなる知事のご努力によって奈良県の経済が一層回復し、そしてまた県民生活が向上されることを願って、私の質問を終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時二十一分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時三十九分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十九番小泉米造議員に発言を許します。−−三十九番小泉米造議員。(拍手)



◆三十九番(小泉米造) (登壇) 議長のお許しを得ましたので、自民党奈良を代表いたしまして、私、小泉米造が県政の諸課題について質問を行います。

 質問に入ります前に、先日の関東・東北豪雨による大雨では茨城県常総市において鬼怒川の堤防が決壊し、大規模な浸水被害が発生するなど、東北地方や関東地方の各地で大規模な災害が発生いたしました。亡くなられた方々のご冥福を慎んでお祈りをし、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧、生活再建をお祈り申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 初めに、災害に強い奈良県を実現するための取り組みについてお伺いをいたします。

 奈良県においても、昭和五十七年に大きな水害が発生した大和川流域を抱えることから、鬼怒川の堤防決壊はまさに対岸の火事ではありません。大和川流域では、流域に占める山地面積の割合が少ない上に、昭和四十年以降の急激な都市化の進展に伴い、保水力が低下したことや、流域内の河川が全て大和川一本に合流し、亀の瀬狭窄部に集中することから、昭和五十七年八月の豪雨により、王寺町をはじめ、一万戸以上が浸水する洪水被害が発生し、また、それ以降も浸水被害がたびたび発生をいたしております。

 このような状況を踏まえ、県は、国、流域市町村とともに、河川改修等を行う治水対策と、流域の保水機能を積極的に確保する流域対策とをあわせた大和川流域総合治水対策に取り組んでおられるところですが、いまだに対策は道半ばと聞いております。昭和五十七年のような降雨やこのたびの関東・東北豪雨のような大雨であっても、県民の安全・安心が確保できるよう、着実な事業の進捗を望むものであります。そこで、大和川流域総合治水対策の取り組みについて、これまでの状況と今後の方針を改めて知事にお伺いをいたします。

 一方で、このたびの豪雨による水害では、行政の住民に対する避難指示が一部で発令されないなど、避難システムが十分機能しなかったのではないかとの報道もありました。今後に向けての課題ではないかと考えております。豪雨災害の発生を完全に防止することは困難ではありますが、日ごろの備えや避難の徹底を図ることにより、被害を最小限にとどめることは可能であります。そのための対策として、市町村によって的確な避難勧告等の情報が地域住民に伝えられることはもちろんですが、これを受けた住民が適切に避難行動をとることが大切であります。このためには、県民の皆様がみずからの命はみずからで守る自助の意識を高めていただくことが重要と考えております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 豪雨災害から県民の命を守り、被害を最小限に抑えるために、県は市町村や県民に対してどのような取り組みを行っていこうとされているのか、お尋ねをしておきます。

 次に、奈良公園の魅力向上に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

 平成二十六年十一月、国においては、人口減少克服、地方創生の実現に向け、まち・ひと・しごと創生法が制定され、同年十二月には、今後、取り組むべき将来の方向性を提示する長期ビジョンと、二〇一五年度を初年度とする今後五カ年の政策目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた総合戦略が策定されました。

 本県においても、県政の重要施策への取り組みと国の施策推進の動きをうまくマッチングさせるため、奈良県地方創生本部を昨年八月に設置し、少子化・女性、産業・しごと・観光・農林、国土強靱化・まちづくり・景観彩り、健康長寿・地域医療ビジョン・障害者、文化・スポーツ・教育の五つの部会・分野で取り組みを進めてこられました。

 そして、現在、県では、「住んで良し」、「働いて良し」、「訪れて良し」の三点を基本目標として、魅力あふれる奈良県を築くため、奈良県地方創生総合戦略の策定に取り組んでおられるところであります。

 その基本目標の一つである「訪れて良し」を実現していくためには、やはり観光振興が不可欠であります。そのために、知事は、奈良観光の起点であり、奈良のゲートウエーに位置する大宮通りを、観光客をお迎えした奈良県の姿勢を表現する大変重要なメインストリートとして捉えられ、その通りをよくする取り組みである大宮通りプロジェクトを推進されておられます。そのプロジェクトの主要施策の一つであるプール跡地へのホテル誘致につきましては、昨年十二月にホテル事業の建設・運営に関する優先交渉権者が決まり、一定のめどが立ってきたと感じております。

 そこで、次は奈良公園であります。

 奈良公園は、大宮通りの終着点に位置し、古都奈良の文化財として世界遺産に登録された春日大社や興福寺、東大寺などの貴重な歴史文化資源と、春日山原始林をはじめとする自然資源とが見事に調和した、他に類のない特別な公園でございます。また、最近は、外国人観光客が大幅に増加するなど、以前にも増してますます国際色が豊かになり、世界から注目される国際観光拠点になってきています。このような奈良公園を積極的に維持し、利活用していくために、県は平成二十四年二月に奈良公園基本戦略を策定し、現在、その戦略に基づき整備を進められています。

 そして、先日、八月七日に奈良公園地区整備検討委員会が開催されました。その内容を拝見しますと、先ほどの大宮通りプロジェクトに位置づけされている(仮称)登大路ターミナルの内容がございました。このターミナルにつきましては、奈良公園周辺の渋滞緩和に寄与するとともに、先ほど申し上げましたように、奈良公園に来ていただいた観光客をお迎えするという、しっかりとしたおもてなしが大変重要でございます。そのことがリピーターを育むことにつながり、ひいては奈良県の観光振興につながり、さらには地方創生につながっていくことになると思います。

 そこで、(仮称)登大路ターミナルについて、どのように整備を進めていこうとされているのか、知事のお考えをお伺いをいたしたいと思います。

 次に、若草山の移動支援についての内容がございました。

 若草山の移動支援については、今までいろいろ議論が交わされてまいりました。知事がおっしゃるツーリズム・フォー・オール、つまり、障害者や高齢者などの交通弱者を含む全ての人の旅の実現という考え方は私も全く同感であります。ぜひ、実現すべきことであると考えます。しかしながら、若草山は三笠の山の雪として南都八景の一つに数えられるなど、奈良公園の著名な眺望景観を構成する重要な要素であり、この普遍的価値との両立がこの問題を難しくしていると思われます。先日の奈良公園地区整備検討委員会では、構造物の整備を要しないソフト整備による移動支援として、今ある奈良奥山ドライブウエーにぐるっとバスを走らせることを検討していくことを県が提案されたと聞いております。このことについては、今後、しっかり検討いただきたいと思いますが、その前提として若草山のにぎわいづくりについての県の考え方を明らかにする必要があると思います。

 そこで、この若草山のにぎわいづくりについて、どのように考えているのか、知事にお尋ねをしておきます。

 次に、高畑町裁判所跡地の整備についての内容がございました。

 高畑町というところは閑静な住宅地であり、周りには新薬師寺や国指定重要文化財の頭塔石仏、国登録有形文化財である志賀直哉旧居などがあります。また、隣接して飛火野園地や浮見堂が浮かぶ鷺池があり、観光地として非常にポテンシャルの高い地域であります。

 その一方で、この裁判所跡地は、裁判所としての土地利用がなされなくなって以来、未利用地となっており、平成十七年に県が古都買い入れ地として買収してからも未利用地のまま管理も不十分な状況であり、あのまま放っておくことは大変もったいないことであると思っておりました。今回の議会において、この裁判所跡地における整備を進めるための計画策定などに要する補正予算案が提案されていますが、今後、この土地をどのように活用しようと考えているのか、知事にお尋ねをしておきます。

 次に、リニア中央新幹線についてお伺いします。

 リニア中央新幹線の最近の動きとして、JR東海は、東京・名古屋間において、環境影響評価の手続を経て、昨年十月に国土交通大臣から工事実施計画の認可を受けて、十二月から工事に着工しております。また、これを受けて沿線自治体では、ルートの中心線の測量や用地取得に向けた地元説明会が行われていると聞いております。

 このように東京・名古屋間では二〇二七年の開業に向け、リニア中央新幹線の建設が着々と進んでおりますが、その一方で、名古屋・大阪間については、環境影響評価、その手続すらなされていません。国の基本計画や整備計画では、主要な経過地として奈良市附近と決定されていますが、名古屋以西のルートについては、国の審議会では二十キロ幅の範囲が示されているのみで、より詳細な駅の場所やルートは明らかにされていないのが現状であります。

 この憂慮すべき現状を打ち破るために、ことし七月に、県内の三十三の市町村と奈良県議会の議員十五人で構成する「奈良県にリニアを!」の会が開催されました。この会議には、私を含め、市町村長や市町村議会の議長など約七十人の関係者が出席し、リニア中央新幹線の効果を地域の発展に最大限生かすため、次の三つの提言を行いました。

 一つ目は、リニア中央新幹線がもたらす効果が最大限に発揮され、広く全国に行き渡るよう、ルートを早期に確定し、東京・大阪間を全線同時開業すべきこと。また、そのための具体策を早急に検討し、方策を示すこと。

 二つ目は、リニア中央新幹線のルートは災害に強い国土づくりといった観点から、現在の東海道新幹線とできる限り離して、国の整備計画どおり、奈良市附近を経過地とする三重・奈良ルートとして、日本の大動脈を二重化すべきこと。

 三つ目は、中間駅の位置が早期に決定されるよう県内の候補地を一本化すべきこと。中間駅は、リニア中央新幹線がもたらす効果が県南部を含む奈良県全体に、さらには紀伊半島全体に及ぶよう、鉄道網、道路網で各地との高い交通結節性を有し、県の人口重心にも近接した大和郡山市に設置すべきことの三点を提言書として取りまとめられました。この提言書については、「奈良県にリニアを!」の会の世話人をされておられます市長、町長が先月、知事のところにお伺いをしてお渡しされたと聞いているところでございます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 これらの提言のうち、リニア中央新幹線の駅やルートの早期確定のためには、やはり私は、まず、その前提となる名古屋・大阪間の環境影響評価を一刻も早く行っていただきたいと考えております。名古屋・大阪間の環境影響評価の実施について、JR東海はどのような考えを持っておられるのでしょうか。また、名古屋・大阪間の環境影響評価の早期実現に向け、今後、県としてはどのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたしたいと思います。

 さらに、仮に名古屋以西において、JR東海が環境影響評価に着手しなくとも、駅位置の早期確定のためには、県内の駅の候補地を一つに絞って、県全体で一丸となって要望活動を行っていくことが必要であると考えますが、あわせて、知事のご所見をお伺いをいたします。

 「奈良県にリニアを!」の会では、三重・奈良ルートの早期実現に一緒に取り組んでいる三重県亀山市の担当部長から、官民一体となったリニア中央新幹線誘致の取り組みについて説明をいただきましたが、その説明の中で、リニア中央新幹線によって地域にもたらされる効果を最大限に高めるには、車両基地を誘致することも重要であるとのアドバイスをいただきました。

 私も、車両基地の誘致については、県内雇用の増加や従業員の定住化、関連企業の立地など、経済波及効果が期待できることに加え、三重・奈良ルートを確定する際の重要な要素にもなると考えています。

 そこで、今後、本県がリニア中央新幹線の建設促進の取り組みを行っていく際には、新たに車両基地の誘致を要望項目として掲げ、積極的に要望活動を行ってはどうかと考えますが、知事のお考えをお伺いしたいと思います。

 最後に、大阪までの全線同時開業を実現するための取り組みについてですが、一部の民間団体からのアイデアとして、リニア中央新幹線の建設主体として国から指名されたJR東海とは別に、リニア中央新幹線を建設するための特定目的会社を立ち上げ、建設資金を集めて、その特定目的会社を主体としてリニア中央新幹線の建設を進めてはどうかという声もありますが、そのような動きに対しての知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりについてお伺いをいたします。

 昨年の六月議会の代表質問において、大和郡山市中心市街地のまちづくりに必要な道路整備について質問をいたした際に、私の方から、JR郡山駅から近鉄郡山駅までの区間、通称矢田町通りについては、自動車交通を遮断して、歩行者専用道路とし、町なかを自由に回遊できる快適な歩行者空間の整備を行うことにより、まちに活気があふれ、にぎわいを呼び込むことができるのではないかという、大胆な提言をさせていただきました。この質問に対して知事からも、さまざまな機能が集積する大和郡山市の中心市街地では、高齢者、来訪者など誰もが、徒歩やバスで移動しやすく回遊性の高い環境と、人々が集い、にぎわう環境を整えることが重要である。また、自動車を極力排除し、歩行者や小型バスが回遊できる計画、いわゆる中心市街地区域の歩車分離の考えをお示ししていただきました。さらに、近鉄郡山駅周辺では、駅の移設も前提に、新たな駅前づくりを検討してもよいのではないかと考えているという答弁をいただき、夢を膨らませてきたところでございます。

 このような状況の中、人々が集いにぎわう環境整備、公共・公益施設の再配置、安心・安全で快適に移動できる環境整備をまちづくりの検討の方向として、県と大和郡山市は、平成二十六年十一月十九日にまちづくりに関する包括協定を締結され、その検討対象地区として近鉄郡山駅周辺地区について、協働・連携して、まちづくり基本構想づくりを進められておられます。

 大和郡山市では、本年六月に市庁舎建設推進特別委員会を市議会に設置されて、老朽化した市庁舎の整備を検討されることを表明されました。この市庁舎についても、まちづくりを検討する範囲に含まれていることから、公有地の有効的な活用という観点から、一体的に検討すべきと私は考えております。また、バスターミナルの改修工事に着手されるなど、駅周辺ではまちづくりの兆しが見えてきました。

 庁舎の建てかえといえば、以前知事がよくお話しされていた東京の豊島区の事例がございます。この豊島区では、旧庁舎用地を貸し出すことで得た資金を利用し、民間が建設した複合ビルの一部に移転するなど、民間支援をうまく活用され、区財政の負担を抑えて整備されたと聞いています。東京という土地柄でこそなせる資金計画かもしれませんけれども、このような例を参考にできるのではないかと考えています。

 また先日、知事のお話を聞く機会があり、その場で知事は、近鉄郡山駅を北側に移設した上で、線路を越える高架道路、現駅舎跡地の利活用、踏切の廃止など、近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりにかけるご自身の思いをお述べになるとともに、駅整備に対する費用負担についてもご自身のお考えを示されました。このような魅力あるまちづくりには、さきの知事のお考えのように近鉄郡山駅をどのようにしていくのかが、一番の鍵を握ることになると思います。

 新奈良県総合医療センターの玄関口にもなる現在の近鉄郡山駅は、バリアフリー化が十分ではなく、また、構内踏切が残るなど、安全性にも課題があると思います。先日、知事が話されたとおり、私もこの機会に、安全でにぎわいのある拠点となるような駅を整備するとともに、新しい駅施設だけでなく、既存の商店街も快適に利用できるような駅前づくりが必要だと考えております。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりについて、具体的にどのような将来像を描こうとしているのか、この将来像の実現に向け、どのように進めていこうと考えているのか、お聞かせください。

 次に、地域医療構想の策定についてお伺いをいたします。

 現在、日本は世界に類を見ない少子高齢化が進んでいます。既に、六十五歳以上の高齢者人口は総人口の四分の一となり、今後も、いわゆる団塊の世代が全て七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年に向けて高齢化は進んでいくと予想されています。奈良県においても、人口が減少に転じている中で、高齢化率は平成二十一年度以降、全国平均を上回っており、今後も全国より速いスピードで高齢化が進んでいく見込みとなっています。

 国民にとって長寿は長年の願いであり、戦後の日本の生活水準の目覚ましい向上によりこれを実現しました。これに大きく寄与したのが社会保障制度の充実でございます。国民に広く医療保険や介護保険が行き渡り、適切な医療や介護が受けられることで、我が国は世界一の長寿の国となりました。

 しかし、社会保障制度の充実による成功は、必然的に高齢化を招き、年金、医療、介護などの社会保障給付は既に年間百兆円を超える水準となっています。また、少子高齢化は、医療従事者などの確保にも影響を及ぼしています。今後、働く世代の人口が減少していく社会において、人的資源の供給にも限界があると考えられます。これらのことから、社会保障制度自体の持続可能性が問われることとなり、社会保障制度の根幹を維持していくためには、社会保障制度の改革が喫緊の課題となっております。

 こうしたことから、国においては、地域における医療、介護の総合的な確保を図る改革を推進しておられますが、医療や介護をできる限り住みなれた地域で継続して受けることができるよう、地域における適正な医療や介護サービスを提供する体制を実現し、患者が早期に社会復帰することを目指しています。

 そのような中で、政府は二〇二五年の必要病床数、いわゆる入院ベッド数についての推計を発表しました。これによると、東京都、大阪府といった大都市部などの六つの都府県では、今後、高齢者人口の増加により病床は不足する一方で、それ以外の四十一道府県では最大で三五%も過剰になるという厳しい内容となっています。全国の合計数では、最大二十万床削減されるといった内容になっております。奈良県においても、全国と比較すれば、過剰となる規模が比較的少ないとはいえ、入院ベッド数が千二百床程度の削減との報道もあり、県内の医療関係者の方が将来の展望を心配する内容になっています。

 また、将来、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療などで追加的に対応する患者についても全国で三十万人程度と推計されており、地域で支える医療提供体制の整備が急務であることを示しています。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 二〇二五年の必要病床数が全国で最大二十万床削減されるという国の推計結果もありますが、県では、今年度策定に取り組んでおられる地域医療構想において、高齢化の実情に応じた適正な医療提供体制の構築をどのように進めようとされているのでしょうか。

 次に、スイス・ベルン州との友好提携における林業分野の取り組みについてお伺いをいたします。

 近年、木材価格の低迷や、世代交代による森林所有者の山に対する関心の薄れなどにより、森林の手入れや管理が行われなくなり、その結果、森林が本来有する、土砂災害防止や水源涵養などの公益的機能が十分発揮できていない森林が増加している傾向にあります。その対策として、本県では平成十八年度より、森林環境税を導入し、同税を活用した放置森林の整備に取り組んでいます。

 さらに、平成二十二年度からは、奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例に基づき、森林のゾーニングを行い、木材生産を目的とした森林施業が持続的に行われる森林を木材生産林、それ以外の管理放棄、放置された人工林や里山林、及び生物多様性に重視した森林を環境保全林と位置づけ、その環境保全林を対象に整備に取り組んでいることは承知しております。

 しかしながら、放置森林は、依然多く存在し、将来的にも何か別の手だても検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。

 そんな折、ことしの四月十七日に本県とスイス・ベルン州との間で友好提携が締結されました。その中で、ベルン州の首相から、特に林業の分野における交流に早速取りかかりたいとのコメントをいただいたと聞いております。

 これを受け、直後の六月には、スイスからフォレスターと呼ばれる森林管理者をお招きし、県職員や林業関係者を対象に、現地での実地研修や講演が行われたことが新聞の記事として取り上げられていました。その記事の中で特に興味深かった内容といたしましては、お招きしたフォレスターの方が、日本の山はスイスとよく似ているとお話しをされた上で、多様な樹種と樹齢がまじる森にすることで災害にも強くなり、経営と環境保全が両立できることを強調されたことであります。

 また、最近の話題といたしまして、石破地方創生担当大臣が、林業の盛んなオーストリアを訪問し、木材の伐採現場などを視察の上、日本の林業を再生し、山村を活性化し、活力を取り戻したいとコメントをされていました。

 本県におきましても、南部・東部地域の振興は重要な課題であり、そのためには林業の振興や適切な森林管理は、避けて通ることのできない課題であると考えています。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 スイス・ベルン州との友好提携における林業分野の取り組みを通して、本県の林業や森林管理をどのように進めていこうとお考えでしょうか、お尋ねをしておきます。

 最後に、子どもの安全・安心の確保について警察本部長と教育長にお伺いをいたします。

 皆様も既にご承知のとおり、本年七月四日、香芝市内の商業施設のトイレで小学生女児が連れ去られ、監禁される事件が発生しました。本県警察の素早い捜査により、翌七月五日には幸い女児を無事保護するとともに、犯人の逮捕に至っており、胸をなでおろしたところでございます。

 ただ、この事件は休日の白昼、多数の人が集まる商業施設での犯行ということで、町なかの死角を改めて認識させられました。

 また、隣接する大阪府の寝屋川市では、八月十二日の深夜から外出したまま行方不明となっていた中学生の男女二名が殺害され、ご遺体が発見されるという最悪の結果となった事件が発生しました。この事件は国民を震撼させ、テレビや新聞で毎日のように報道され、犯人に対する憤りと不安が一層高まっています。

 現在、この事件は捜査中でありますが、被害者の無念とご家族の方々の胸中ははかり知れないものがあり、被害者のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、ご家族の皆様が一日も早く平穏な生活を取り戻されますことを切に願うところであります。そして、改めてこのような事件を未然に防止するために官民一体となった取り組みの必要性を感じているところであります。

 本県では、平成十六年に奈良市富雄において、学校から帰宅途中の小学生女児が連れ去られ、殺害される事件が発生し、これを契機として地域住民が推進する防犯ボランティアによる見守り活動が活発になっています。

 しかしながら、こうした子どもが被害者となる凶悪事件は、依然として、全国各地で散見されています。

 先ほど申し上げましたように、香芝市内の事件や寝屋川市での事件では、街頭に設置された防犯カメラが事件解決に大きな役割を果たしたと報道されており、自治体や自治会等で防犯カメラの設置に向けた取り組みが一層加速しています。

 香芝市の事件や寝屋川市の事件、さらには各地で発生している子どもの安全を脅かす事案を防ぐためには、警察による警戒活動の強化や地域住民、自治体による子どもの見守り活動のさらなる強化が求められているところであり、加えて、こうした犯罪を起こさせない環境づくりと、万が一、事件が発生した際の被害者の早期保護などのためにも、防犯カメラの設置などの対策が必要であると考えます。

 そこで、警察本部長にお伺いをいたします。

 子どもの安全・安心の確保に向け、警察として、どのように考え、どのように取り組んでおられるのでしょうか。また、地域住民や自治体が行う防犯活動に対して、どのような支援をされているのでしょうか、お伺いをいたします。

 また、寝屋川市の事件で私が特に懸念することがあります。それは防犯カメラに、深夜、まちを徘回する子どもたちの姿が写っていたことです。日本は世界で最も安全な国の一つといった話をよく耳にいたしますが、深夜に未成年者が外出すれば、事故や事件に巻き込まれる可能性が高まるといったことは、誰もが理解していることであると思います。なぜ、子どもだけで深夜にまちを徘回していたのか、恐らく世間の多くの方が、私と同じような思いを持っておられるのではないでしょうか。

 今後、再びこのような痛ましい事件が起こることのないよう、事件をしっかり検証し、何が原因であったのか、未然に防止するためには、どのような取り組みが必要なのかを社会全体で考えることが大切であると思っています。

 そこで、教育長にお尋ねをいたします。

 子どもたちが、このような事件や事故に巻き込まれないために、安全に関する子どもへの指導、保護者への啓発や家庭でのしつけ等について、学校でどのような取り組みをされているのかをお伺いをいたします。

 以上で、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十九番小泉議員のご質問がございました。

 まず、第一問は、大和川の昭和五十七年の大水害を念頭の置き、関東・東北豪雨のことも念頭に置き、水害対策の取り組みについてのご質問でございます。

 関東・東北豪雨のような規模の豪雨が大和川を直撃いたしますと、大和川は必ず決壊するように思います。鬼怒川の決壊を眼前にして、大和川に対する危機感を募らせているところでございます。

 大和川流域では、昭和五十七年の大水害を契機に、水害対策を実行してまいりました。国、県、流域市町村が連携して、流域全体で水害に強いまちづくりを進めようというために、大和川流域総合治水対策協議会を組織して、河川改修などによる流す対策を中心に、また、ため池の治水利用等によるためる対策をあわせて実施する総合治水対策に取り組んできたわけでございます。

 このうち、ためる対策につきましては、大和川にはダムの建設はできませんので、ため池ということでございますが、県、市町村ごとに目標量を設定して取り組んできておりますが、このようなため池の治水利用につきましては、目標を達成した市町村がある一方、ほとんど実施されていない市町村もあるなど、支川の上流の市町村が多いわけでございますが、その取り組みにばらつきがある状況でございます。進捗率も、全体として平成二十六年度末で目標量の三八%とおくれた状態にございます。

 また、大和川流域におきましては、大水害から三十年以上経過して、当初想定していなかった新たな課題も顕著になってきております。

 例を挙げますと、一つには防災調整池を必要としない小規模開発が増加してきたことでございます。二つ目は、ため池の減少による保水力の低下が大和平野、大和川流域に見られることでございます。三つ目は、浸水区域における住宅等の建設が多くなってきていることでございます。このようなことから、直轄遊水地の事業が具体的に動き出したここ数年の時期を契機として、県におきましても、内水対策を完璧なものにすることに積極的に取り組むとともに、新たな課題の解決に向けて、総合治水対策を推進するための条例を定めさせていただきたいと考えております。

 治水、森林、農業、土地利用、まちづくりなどの幅広い分野の学識者や流域市町村の代表者からなる奈良県総合治水対策推進委員会を設置して、条例に盛り込むべき内容についてご議論をいただくこととさせていただきたいと思っております。これまでの課題の発見に際しまして、委員会の検討項目といたしましては、防災調整池の設置対象となる開発範囲を拡大する、規制を拡大するということ、あるいは水田貯留の促進をする、あるいはため池を保全する仕組みを構築する、浸水区域における土地利用規制をする、県及び上下流の市町村が連携して、まちづくりと一体となって総合治水対策に取り組む仕組みを構築するなどが考えられます。それらについて、委員会でより深く議論をいただきたいと考えております。

 また、あわせまして、大和川流域総合治水対策協議会におきましても、流域市町村と調整を図っていく予定でございますが、これらの進捗状況につきましても、逐次、県議会へも報告をさせていただきたいと存じます。

 同じく、災害の取り組みについて、県民の命をどう守るのか、被害を最小化するのにどうするのかというソフトに関する質問がございました。

 このたびの関東・東北豪雨では、市町村が迅速な避難勧告などの発令や避難所の開設など、的確な防災対策を実施する重要性を再確認、再認識させていただいたところでございますが、避難につきましては市町村の役目が大変大きい分野でございます。

 本県では、昨年度から、より充実した防災対策を進めるため、防災計画の見直しを進める市町村を支援しています。特に、人命に直結する避難勧告などの発令基準などにつきましては、専門的知識を持った気象台や河川事務所など、国の機関の協力を得て、具体的な基準の策定や運用マニュアルづくりを進めているところでございます。

 大和川流域におきましては、現在、水害時の避難勧告などの発令基準が必要な規模の大きな河川を流れる二十九市町村の全てが発令基準を有しており、そのうち二十四市町村は河川水位など具体的な数値に基づく基準を策定済みでございますが、本年度中には残る市町村でも客観的な基準を策定できるように取り組んでまいりたいと思います。

 また、大規模な浸水被害が発生する場合を想定し、流域市町村間で避難勧告等の判断に不整合が生じないように、上流と下流で避難勧告をした市町村と、しない市町村などが生じないように、大和川流域総合治水対策協議会や防災計画見直しブロック会議の場を通じて、避難勧告などの整合性について調整を図っていきたいと思います。

 さらに、県内市町村長の災害対応能力の向上を図るため、災害発生時の市町村長の記者会見を模擬的に行うことなどを内容とする専門研修、トップフォーラムin奈良を十一月下旬に開催する予定としております。

 一方、議員お述べのとおり、私も、住民が自分の命は自分で守る自助は非常に重要であると考えておりますが、このため、県では、広く県民の方々に自助の意識を持っていただくため、過去に起こった災害の状況や災害に対する備えの必要性を、講演会や県民だよりなど、さまざまな手段を活用して情報発信し、啓発を図っております。また、昨年度には、大和川の水害を想定した県民参加型の防災総合訓練を斑鳩町で実施をいたしました。

 加えまして、地域での取り組み、共助を促進するために、自主防災組織の研修へのアドバイザー派遣、防災リーダーの養成、避難所開設運営訓練への支援などを行っているところでございます。

 このように、自助、共助の取り組みに対する支援などを強化するとともに、国、県、市町村が実施する公助の主体間での連携を進めることも必要でございます。地域防災力の向上を図り、災害に日本一強い奈良県づくりを目指してまいりたいと思っております。

 次は、奈良公園の魅力向上に向けた取り組みについて三問のご質問がございました。

 第一のご質問は、県庁の横にあります(仮称)登大路ターミナルの整備についてのご質問でございます。

 (仮称)登大路ターミナルは、観光客をお迎えするという強い姿勢を奈良県が表現する場としております大宮通りプロジェクトの中で重要な拠点として位置づけられているところでございます。登大路周辺の交通渋滞の緩和と、そこを拠点に周りを周遊していただく環境の向上を図る機能を有する施設として、整備計画を進めているところでございます。

 さらに、このターミナルは奈良公園の玄関口に位置しております。多くの来訪者をお迎えする施設となることから、来訪者の方々に満足いただける奈良公園とするため、十分な利便性と快適性を提供する機能が必要であると考えております。そのため、修学旅行生や外国人観光客をはじめとする来訪者に、より興味深く、奥深い奈良の魅力を学び、感じていただけるような展示室や三百人規模のレクチャーホールを整備し、奈良の歴史や文化をわかりやすく学んでいただけるようにしようとしているところでございます。

 また、展望のよい休息スペースやカフェなどの飲食物販スペースを整備することによりまして、歩いて奈良公園を周遊される来訪者の方々にも疲れを癒やしていただけるサービスを提供できる施設にする計画でございます。

 このような世界に誇れる奈良公園の玄関口の施設として、利便性のあるおもてなしをしっかり感じていただける(仮称)登大路ターミナルの整備は、平成三十年の供用を目途に進めているところでございます。

 奈良公園に関する二つ目のご質問でございますが、若草山のにぎわいづくりについてのご質問でございます。

 若草山は、奈良公園のランドマークとして観光客に親しまれているとともに、手軽な登山コースとして、また、奈良公園や東大寺の鴟尾をはじめとする、奈良盆地全体の風景を一望できる絶好の眺望スポットとして人気のあるところでございます。その眺望を高齢者や障害者を含む全ての人々に楽しんでいただきたいという思いから、若草山への移動支援について検討を進めてきたところでございます。

 また一方、若草山の麓までのアクセスをよくするための施策でございますが、ぐるっとバスを若草山の山麓まで運行しておりますが、それとともに若草山山麓の環境整備としいたしましてトイレの建てかえ、道路の改修、歩道の整備もこれまで順調に進めているところでございます。

 さらに、若草山の広々とした雄大な空間は、さまざまなイベント開催の場としても適地でございます。伝統行事であります山焼きに加えまして、最近ではコンサートやトレイルラン、奈良ウエディングなどの新しいイベントも開催される場になってきております。

 また、若草山は世界遺産である春日山原始林の入り口に当たりますので、遊歩道や案内板を整備するとともに、案内ガイドも配置して、原始林の魅力を体感していただくツアーを企画するなど、新しいソフト系の取り組みも始めました。このような取り組みを通じまして、若草山周辺地域が魅力あふれる歴史・自然ゾーンとして、一層にぎわう地域となるよう努めていきたいと思います。

 三点目の奈良公園関連のご質問でございますが、高畑町裁判所跡地の今後の展望についてのご質問でございます。

 高畑町裁判所跡地は県有地でございますが、議員お述べのように、未利用地であるものの観光地として非常にポテンシャルが高い場所にございます。奈良公園基本戦略の中に位置づけ、整備方針について検討してきたものでございます。

 この場所は、室町時代には興福寺の子院であります松林院がございました。また、大正時代には大阪の財閥でありました山口家の南都別荘があったところであるようでございます。現在も大正時代の作庭と見られる庭園が存在をしております。

 平成二十六年度に文化財発掘調査と庭園遺構調査を実施いたしました。中世の遺構が残っていたことや近代の庭園遺構が良好な形で残っていることが確認されました。このようなことから県では、この場所の整備に際しましては、現存する遺構を生かした庭園整備を行うことで、これらの価値を継承し、世界に誇れる庭園文化を感じることができる整備を基本的な考え方にしたいと思っております。また、跡地利用の方向性について、そのような方向での検討を進めております。

 具体的には、貴重な歴史文化遺産であります中世の遺構や庭園遺構の積極的な保存整備を県みずからが行うとともに、歴史文化と自然が融合する静ひつな環境を維持しつつ、歴史文化や文化を感じる都市公園として必要な上質なサービスを提供する宿泊・交流・料理飲食施設の整備も図りたいと考えております。

 なお、宿泊・交流・料理飲食施設は、都市公園の便益施設として民間による整備を想定しておりまして、計画策定費とあわせて、事業者の公募選定に向けた費用を、今回、今議会の補正予算案に計上しているところでございます。

 次に、リニア中央新幹線についてのご質問が二つございました。

 まず、リニア中央新幹線の位置、ルートや駅位置の確定の進め方についてでございます。

 リニア中央新幹線のルートや駅位置につきましては、建設主体であるJR東海が行う環境影響評価の手続の中で明らかにされるものと理解されております。東京・名古屋間につきましても、平成二十三年に計画段階環境配慮書で概略のルートと駅位置が示されましたが、その後、平成二十五年の環境影響評価準備書で詳細なルートと駅位置が示されたものでございます。このようなことから、名古屋・大阪間の名古屋以西のルートにつきましては、奈良市附近駅の早期確定に向けまして、一日も早い環境影響評価手続の着手が必要と考えているところでございます。平成二十三年以来、繰り返し機会を捉え、国やJR東海に対し、強くこのことを働きかけてまいりました。

 本年六月に東京で開催されました沿線都府県で構成するリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会におきましても、決議・要望事項に取り上げていただきましたが、出席されていたJR東海の柘植社長からは、挨拶の中で民間企業としては健全経営と安定配当が第一で、環境影響評価の先行は難しいとの発言がございました。このように、環境影響評価の早期着手につきましては前途多難と言わざるを得ないわけでございますが、本県といたしましては、想定されるルートの土地利用状況や将来の整備効果につきまして独自の調査を進めるなど、協力体制や受け入れ体制の準備を進めてきております。それとともに、三重県や両県の経済団体とも連携しながら、引き続き、国やJR東海に対して、一日も早く環境影響評価の手続に着手するよう、力強く働きかけてまいりたいと考えております。

 また、リニア中央新幹線の奈良市附近駅の位置につきましては、JR東海が実施する環境影響評価の手続の過程で、超電導リニアの技術的な制約、地形、地質あるいは土地利用や文化財といった立地環境の制約によって、ルートとともにおのずと絞り込まれてくるものであるように思います。

 また逆に、環境影響評価が進まないと、駅の位置の確定は難しいものとされております。したがいまして、駅位置の早期確定に向けましては、こちらから候補地を一カ所に絞り込んでお願いするのではなく、環境影響評価手続に一日も早く着手することによって確定していただけるよう、県全体で一丸となって、粘り強く継続的に要望活動を行っていくことが何よりも重要であると考えているところでございます。

 リニア中央新幹線につきまして、車両基地についての積極的な要望活動を行ってはどうかというご質問がございました。

 リニア中央新幹線の車両基地は、東京・名古屋間におきましては、ターミナルとなる品川駅、名古屋駅の近傍である神奈川県相模原市と岐阜県中津川市に計画されています。東京・名古屋間では二カ所に車両基地がつくられる計画でございます。したがいまして、大阪のターミナル駅の近傍であります奈良県内に車両基地ができてもおかしくはないと考えております。相模原市、中津川市で計画されている車両基地の規模でございますが、延長二千メートル、面積としては五十ヘクタールを超えております。このように車両基地は広大で、直線的な敷地を必要といたしますので、配置場所の選択に当たりましては、制約もございます。

 しかしながら、議員お述べのとおり、車両基地は車両の検査や整備などを行う場所でございますので、関連企業の立地や就業機会の拡大など、地域経済や地域の皆様の暮らしに大きな経済波及効果が期待できますし、さまざまな発展可能性も有しているものと考えております。このため、今後の奈良県の要望活動に当たりましては、議員からご提案いただいた車両基地の誘致につきまして、新たな要望項目として加えることを検討してまいりたいと思います。

 リニア中央新幹線の早期前倒し整備につきまして、特定目的会社というものを立ち上げてはどうかというご意見についての所感、ご質問でございます。

 リニア中央新幹線の営業主体及び建設主体は、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、国土交通大臣が指名することとされております。東京・大阪間につきましては、平成二十三年五月にJR東海が国土交通大臣から指名されております。

 また、全国新幹線鉄道整備法においては、営業主体または建設主体として指名しようとする法人は、その営業または建設をみずから的確に遂行するに足る能力を有すると認められるものではならないと定められており、JR東海の指名に当たっては、東海道新幹線の営業や建設といったこれまでの経験や実績が評価、考慮されたものと考えられます。このため、新しく特定目的会社を設立してリニア中央新幹線の名古屋以西の建設に当たらせるアイデアにつきましては、一部の団体からそのような提案があることは承知しておりますが、仮に必要な資金を集められたとしても、建設をみずから的確に遂行するに足る能力を有すると認めていただけるかどうかにつきまして、そのような判断をされるのは国土交通大臣でございますし、そのような判断がされるかどうか確信が得られないという課題が残るのではないかと思われます。

 JR東海に刺激を感じていただくという意味では大変に魅力のあるアイデアではございますが、実現可能性の観点からは、慎重に考える必要があるのではないかと思っております。

 次のご質問は、お地元の近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりについてのご質問でございます。

 近鉄大和郡山駅周辺地区のまちづくりにつきましては、県と市の包括協定締結後、基本構想策定に向けまして大和郡山市と協議、連携し、検討を重ねてきております。現在は、地区の課題の整理、まちづくりの方向性などの議論をしております。また、この十月からは地元の意見もお聞きする予定でございます。

 議員ご指摘のとおり、近鉄郡山駅周辺におきましては課題が多いわけでございます。狭隘な道路や踏切、未整備の駅前広場、町なかのにぎわいの低下など課題が山積している地区でございます。これらの打開策としては、相当大胆な発想が必要ではないかと考えております。昨年六月の県議会で、駅のホームを北側へ移設することを前提に、市街地の再整備を検討してもいいのではないかという私見を含めた答弁をさせていただきましたが、近鉄郡山駅はまちづくりの核になる施設という認識からでございます。

 駅の移設につきましては、私みずから近畿日本鉄道株式会社に対しまして強く協力を求めました。近畿日本鉄道株式会社からは、県、市と協働して検討を進めるということにつきまして、また、整備費用につきましては国費を除く費用を三者、県、市、近畿日本鉄道株式会社と三者等分で負担することにつきまして、前向きなご回答をいただくなど、駅周辺まちづくりにつきまして非常に協力的な姿勢をお示しになったと認識をしております。

 この移設した駅を中心としたまちの将来像につきましてでございますが、例えば駅を橋上駅とした上での駅の改札口から駅東のバスターミナルや市役所、駅西の病院、駅南の既存商店が連なる矢田町通り、駅北の郡山城跡など、東西南北へ容易に直接行き来できる自由通路を設置することがまず第一点でございます。また、駅へのアクセスにつきましては、自家用車やタクシーのための駅前広場と、そこへつながり、鉄道線路をまたぐ高架道路を整備し、現在のホームの北に設置されている踏切を歩行者と自転車専用通路とすることなど、また、矢田町通りは都市計画で想定されている計画幅員二十メートルの拡幅とはせずに、道幅は現在のままにして、無電柱化をして歩きやすく、城下町にふさわしい歩行中心の町並みを形成し、価値を高めることなどのアイデアが考えられるところでございます。

 また、議員お述べの市庁舎の整備につきましては、県として強く言える立場ではございませんが、移転新設も視野に、豊島区のように民間資金を活用した整備手法は検討に値するものと思われます。

 このように、近鉄郡山駅周辺地区のまちづくりにつきましては、県としてのアイデアを積極的に市に提案しつつ、市と協働、連携し、魅力あるまちづくりの実現に向け、取り組んでいきたいと考えております。

 次のご質問は、地域医療構想の策定をどのように進めていくかというご質問でございます。

 人口が減少に転じる一方で、高齢者は増加すると見込まれておりますが、高齢者は慢性的な疾患や複数の疾病を抱える方が多く、従来の疾病構造が変化する中、これに対応できる医療提供体制の構築が必要でございます。

 このような状況の中、政府の医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会というものがございまして、その中で病院完結型の医療から地域全体で治し、支える地域完結型の医療と介護への転換を推進することにより、二〇二五年の必要病床数を現在より全国で十六万床から二十万床、また奈良県におきましては千二百床程度の削減ができるとの推計が公表されました。

 本県では、病床数だけにとらわれることなく、患者の状態に即した適切な医療を適切な場所で受けられるように、限られた医療資源を効率的に活用することが必要だと思います。切れ目のない医療・介護を提供するシステムづくりが重要だと思います。

 そのため、質と量の両面におきまして、需要と供給をマッチングする仕組みを検討することにして、がん、脳卒中、心筋梗塞や救急、周産期、小児科など、これまで問題となっております医療連携体制の活用を含めまして、医療機関の機能分化と連携をより一層推進することにより、地域にふさわしい地域医療構想となるよう取り組んでいきたいと考えております。

 また、地域医療構想における医療提供体制の構築は、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の一環でございます。医療費適正化計画の見直しや国民健康保険の県営化と一体的に取り組む必要がある課題であると思います。

 さらに、高齢者の医療需要に応じまして、できる限り住みなれた地域で安心して生活を継続していただくために、在宅医療などの整備が必要でございますが、それに加えまして、介護と連携した地域包括ケアシステムの構築を進める必要がございます。このため、介護保険制度を運営する市町村と十分に連携を図ってまいりたいと考えております。

 次のご質問は、林業や森林管理をどのように進めていくのかという質問でございます。

 議員お述べになりましたように、本県はことし四月十七日にスイス・ベルン州と友好提携協定を締結いたしました。環境とエネルギー、林業、研究と教育、観光と文化などの分野で交流をしようとする協定でございます。

 スイスにおける林業は、災害を契機に、モミやトウヒの単一樹種の林業から、自然の力を最大限に利用し、多様な樹種で構成される災害に強く、経済的にも成立する森づくりに転換をされました。合理的な森林管理を行っておられると聞いております。

 社会条件におきましては、スイスは人件費が高く、所有者も細分化されており、また、山も森林も急峻であるようでございます。また、林業の経営方針も吉野林業と同じく、高付加価値の木材生産を進めているなど、環境は本県とよく似ておるように思います。そのようなことからも、本県とスイス・ベルン州との交流におきましては、技術、人材育成、組織などについて、本県と何がどう違うのか深く研究し、ベルン州のすぐれたところは全面的に受け入れる方向で検討を進めております。

 今年度は、議員お述べのとおり、六月にはスイスからフォレスターと呼ばれる森林管理の専門家の方をお招きいたしまして、県職員及び林業関係者を対象に森林管理の考え方について学ぶ機会を持ちました。また、ベルン州の森林管理者養成校の校長をお招きして、県内の林業家と意見交換を行うことも予定をしております。

 取り組み始めて間もないところではございますが、先ほど安井議員のご質問にもお答えいたしましたように、引き続きベルン州との交流の中から得られたものを、本県に合うような形で具体化もしくは制度化し、実践してまいりたいと考えております。

 残余の質問は、警察本部長、教育長にご答弁をさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇) 三十九番小泉議員のご質問にお答えいたします。

 私には、子どもの安全・安心の確保に関する警察の考えや取り組み、また、地域や自治体が行う防犯活動に対する支援についてのお尋ねでありますが、香芝市において小学生女児が連れ去られ監禁された事件や大阪府寝屋川市の中学生が殺害された事件のような子どもが被害者となる犯罪の発生を未然に防止するためには、議員ご指摘のとおり、地域社会が一丸となった各種対策を推進することが重要であると考えます。

 また、防犯カメラにつきましても、犯罪の予防、事件の速やかな解決など、安全・安心なまちづくりを推進する上で有効な手段であることから、今回の九月補正予算案におきまして費用を計上しているところであります。今後も、市町村や関係機関等を含め、設置を働きかけてまいりたいと考えております。

 取り組み状況につきましては、県警察では、メロディーパトロールや夜間の少年補導をはじめとする街頭活動を強化するとともに、犯罪の発生状況や不審者情報等を県警察ホームページやフェイスブックに掲載するとともに、約一万人の方が登録されているナポくんメール等を活用して配信し、被害防止対策に役立つ情報をタイムリーに提供するように努めております。

 また、子どもに対しましては、学校等と連携し、連れ去り防止の合い言葉であります「いかのおすし一人前」を浸透させて危険を回避させる能力を身につけさせるための被害防止教室を継続的に実施しているところであります。

 一方、県内における地域自主防犯ボランティア団体は現在七百四十四団体、参加者約三万人に上り、また、市町村や関係機関等のご協力を得つつ結成されました青色防犯パトロール団体も二百二十二団体を数え、子どもの見守りや声かけ運動に取り組んでいただいておるところであります。

 県警察では、こうした団体の方々に対し、安全を確保した効果的な防犯活動等に関する講習を行うなどの支援と連携に努めているところであります。

 今後とも地域住民、防犯ボランティア、学校、自治体等など関係機関・団体との連携を強化し、子どもの安全対策を推進してまいります。

 以上です。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 三十九番小泉議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、子どもが事件や事故に巻き込まれないための指導や保護者への啓発などについて、学校でどのような取り組みをしているのかとのお尋ねでございます。

 子どもを事故や犯罪等の被害から守り、子どもの健やかな成長を支えるため、学校は家庭、地域との連携によって、安全体制を整備することが大切であると考えています。県教育委員会では毎年五月に、学校、幼稚園、市町村教育委員会や警察の児童生徒の安全担当者による連絡会議を開催し、学校の安全計画を点検するなど、より一層強固な安全管理体制の構築を図っております。

 各学校の具体的な取り組みといたしましては、登下校時の安全確保のため、地域ボランティア等の連携による見守り活動のほか、多くの学校では、警察や地区防犯協議会などの協力を得て、防犯教室を開催いたしております。今年度は特に、通学路や地域の危険な場所を、子ども自身も調査し、地図に書き込むことで、犯罪被害や交通事故等を回避する能力を養う安全マップの作成に力を注いでいただいております。

 また、夏休みなど長期休業期間に入る前には、保護者との懇談会等を通して、学校通信や児童生徒心得などを配布し、長期休業中の生活全般にわたり、子どもへの指導や保護者への啓発を図っております。特に、思春期に入る子どもの子育てに不安を感じる保護者のために、県教育委員会が作成をいたしました親学サポートブック(思春期編)でございますけれども、これをウエブページに公開しており、今年度中には電子書籍のように見やすく保護者へ配信できるよう計画をしております。

 今後も、学校、家庭、地域が連携を深め、子どもを見守る体制づくり、学校での安全教育の徹底や家庭教育の支援のさらなる充実に取り組み、本県の子どもの健やかな成長を支えてまいります。

 どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十九番小泉米造議員。



◆三十九番(小泉米造) それぞれ知事はじめ、警察本部長、さらにまた教育長、ご答弁ありがとうございました。

 非常に、いろいろとご答弁の中で積極的にいい答弁をしていただいたと私は思っております。

 しかし、若干さらにお尋ねしたいこともあるわけでございますけれども、一つだけ知事に聞いておきたいことがございます。

 郡山のまちづくりの話でございますけれども、包括協定が結ばれております。それに基づいてやっていただいているのですけれども、今積極的に近畿日本鉄道株式会社との話もうまくいっているような話がございましたし、このようにしたらどうかという知事の思いがございました。非常に、私自身はうれしく思っているわけでございますけれども、包括協定の次は基本協定を結ぶのですね。基本協定は、大体いつごろぐらいをめどに結んでいかれようとしているのかというあたりについて、スケジュール的な内容がわかれば、お教え願いたいと思っている次第でございます。

 それから、これは私の要望ですけれども、リニア中央新幹線の基地の問題が、車両基地の話がございましたけれども、この話の中で、積極的にその要望に取り組んでいこうというふうになりましたけれども、例えば郡山にリニア中央新幹線の駅が、JR東海が決めた場合、私は車両基地は郡山の東側か天理か奈良の東部の南側かというとこら辺に設置ができるんではないかなと思っておりますので、そういうことをあわせて、少し私の私見を述べておきたいと思います。それだけ、一つだけお尋ねしておきますのでよろしくお願いします。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 近鉄郡山駅について、包括協定で検討を始めたわけでございます。

 今、申し上げましたように意見交換は具体的な内容について、ああかこうかということに話が進んでおります。ホームを北に移すということについては、基本的にその方向でご異議はないように感じております。その上で、橋上駅をどのようにするか、駅周辺の整備をどのようにするかというのは、これからの課題でございます。駅の整備をすることについて、先ほど申し上げましたように近畿日本鉄道株式会社自身も前向きな、協力的な姿勢でございます。

 郡山の包括協定の中の要素は、近鉄駅前周辺の地区の整備と矢田町通り、これは県道でございますが整備をする。これは県がみずから行うことになる。それと、JR郡山駅との間を結ぶバスをどのように、移動手段をどのようにするかといったことなど、大きく分けて三つの要素がございます。それぞれ個別協定的になるわけでございますが、基本協定になりますと三つをあわせて基本協定にしようかというようなタイプもあるわけでございますが、駅周辺だけを基本協定にするということで、かつ個別協定、駅の広場をどうするか、橋上駅をどうするか、市役所の整備をどうするかといったような、その中でも個別協定が発生する可能性があるわけでございます。そのようなことからいたしますと、最も大事な駅周辺の内容につきまして、基本的な骨格が出た場合、駅の出口はどうするのか、どのようなところに橋上駅のラッチというか改札口を置くのかなどの具体的な中身が確認できたら、このようなことでいいというふうに確認ができたら、それは駅周辺の包括協定ということが実現可能になろうかと思いますが、その際は近畿日本鉄道株式会社も入った三者の包括協定ということになるんじゃないかと想定をしております。

 そういたしますと、段取りというのはまだいつどうかというふうには頭にないわけでございますが、具体的な絵ができてくると、包括協定も間近に迫ってくると思いますが、今平面図をもとに検討をしておりますが、もう少し立体的な図などが出てまいりますと、一挙に市民の方にも提示ができて、イメージが湧き上がってくると思います。そのようなことから、具体的な絵と平面図とパースを出すのが、その次のステップでございますが、今年度中、ことし中というのはちょっと難しいかなと思いますが、次の来年の早期には、そのような絵ができますと、そのような絵が眼前にありますと、じゃ、どのようにしようかということに、合意は成立する可能性があると、そのような段取りで考えております。いつまでという時間的なことはなかなかはかり知れないものでございますが、一つ一つ次のステップが目に見えてきているといったような感じをしております。そのようなことをご報告申し上げたいと思います。

 以上でございます。



○議長(中村昭) 三十九番小泉米造議員。



◆三十九番(小泉米造) わかりました。できるだけ市民の理解も得ながら、いい駅前を含めて、郡山のまちづくりができるように、ひとつよろしくお願いしておきます。

 ありがとうございました。終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後三時五十七分休憩

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△午後四時十四分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十二番今井光子議員に発言を許します。−−四十二番今井光子議員。(拍手)



◆四十二番(今井光子) (登壇) 日本共産党の今井光子です。日本共産党を代表して質問いたします。

 質問に先立ちまして、台風十八号で大きな被害に見舞われました茨城や宮城など、被災地の皆様に心からお見舞いと、お悔やみを申し上げます。

 十二日、安倍自公政権は空前の規模で広がった国民の運動と六割を超える反対の世論に背き、平和安全法制関連法案を強行採決いたしました。参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の速記録には議場騒然聴取不能と書かれており、こんないいかげんなやり方で若い自衛隊員を戦場に送ってはなりません。災害救援で若い自衛隊員が懸命に頑張っていました。あの人たちを一人も戦場で死なせるわけにはいきません、人殺しをさせるわけにもいきません。

 日本共産党は、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す、この一点で一致する政党個人団体が共同して国民連合政府をつくることを呼びかけました。日本国憲法の精神に沿った政治の一歩が踏み出されば、主権者である国民が国民自身の力で政治を動かす新たな希望ある未来を切り開くことにもなります。

 憲法前文には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」と書かれています。議場にいらっしゃる皆さん、テレビをごらんの皆さん、もう一度原点に戻ろうではありませんか。

 私は、四月の県議会議員選挙で六期目当選をさせていただきました。初めて立候補したのが三十二年前です。子育てをしながら、医療ソーシャルワーカーとして働く中で、当時無料だった老人医療費が有料になり、国民健康保険料が毎年上がり、保育料も上がる一方、軍事費がふえ出して、当時自由民主党が国是としていた軍事費はGNPの一%以内の原則が外され、中曽根康弘総理大臣が日本列島不沈空母と言い出しました。黙って見ていたら、また、戦争の道に進んでいく、それだけはやめさせたいというのが政治を志したきっかけでした。

 平和安全法制について知事に伺います。

 ことし四月の終わりに、NPT再検討会議要請行動に参加するためニューヨークに行ってきました。核兵器廃絶の流れは世界の趨勢になっており、この流れをとめることはできません。核兵器にしがみつくアメリカと、アメリカ言いなりでみずから判断できない被爆国日本の姿は、世界の流れと逆行していました。

 アメリカは、連邦予算の六割が軍事費です。これは世界の軍事費の三分の一を占める膨大なものになっていました。そのため、国内の反対運動で、これ以上軍事費にお金を回せないアメリカの事情があります。反戦団体退役軍人平和会イラク帰還兵の方と交流をしました。イラク戦争で多数のアメリカ兵が犠牲になり、反戦運動が大きく広がりました。

 その数は、イラク・アフガン戦争で死者は六千八百四十七人、負傷者は三万六千四百八十人にも上っています。三度目の兵役を拒否した青年は、「友人の多くがドラッグに溺れ、家族といても突然戦場の様子がフラッシュバックして家族とも暮らせない、仕事にもつけない悲惨な状態になっている。現地では誰が敵か味方もわからず、動くものは全て撃つようにと言われ、撃たなければ自分が殺される極限状況に置かれた。」と言っていました。帰還兵は一日平均二十二人が自殺しています。貧困層の若者が経済的徴兵制で軍隊を志願しますが、それでも最近は人が不足しているため、警察官に軍隊の教育を行っています。「日本は集団的自衛権ではなく、憲法九条を世界に広げてほしい。」と言われました。

 このような中、アメリカの起こす戦争に人もお金も出すように求められているのが、日米ガイドラインに示された平和安全法制の本質です。

 さきの衆議院議員総選挙では、憲法九条の問題や、集団的自衛権の問題は主要な争点にはならず、アベノミクスだけが強調され、小選挙区制度で全有権者の一七%の支持を得たに過ぎない自由民主党が六割の議席を獲得しました。誕生した第三次安倍内閣は戦後七十年、我が国が歩んできた戦争はしないという憲法九条の解釈を変えて、平和安全法制を提案してきました。戦乱が続く地域での兵たん、戦乱が続く地域での治安活動、米軍防御の武器使用、そして集団的自衛権行使、そのいずれも憲法九条を踏みにじり、自衛隊の海外での武力行使に道を開くものです。

 圧倒的多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、元最高裁判所長官までもが憲法違反だと批判しました。立憲主義、民主主義、法の支配という国の存立の土台が根底から覆されることになります。

 この間、全国でも、奈良県でも法案反対の声が大きく広がり、ことしになって九月十六日までに届け出があったデモは百三回にもなっています。平和安全法制の撤回を求めるアピールでは県下の女性の地方議員六十人中三十四人から賛同をいただきました。地元広陵町でも、法案に反対する五百十名のアピールが発表され、その取り組みの中で、多くの賛同者の方に戦争体験を語っていただきました。これまで知られていなかった広陵町に空爆があったこと、遺骨もないまま、どこでどのように亡くなったかもわからず、いまだに戦争が終わっていない人。父親の顔を知らないと言った人。たくさんの県民がこの悲惨な体験を子や孫たちに、次の世代に二度と経験させたくないと思っています。

 かつての安保闘争は、労働組合など組織された人々が中心になった運動でした。しかし今回はネットなどで集まった若者や若いママたちも加わり、その勇気とパワーに高齢者が励まされ、また、ベテランの知恵に若者が学ぶ、かつてない運動が猛暑の中、全国津々浦々で広がりました。「民主主義って何だ」「これだ」コールがこだましました。

 六月県議会で太田敦議員が、この法案は憲法違反であると考えるがどうかとの質問に、知事は「外交とともに国の専権事項である国防に関する事項であり、国政の場での議論に委ねられるべきもの。知事として、私の意見を申し上げることは立場上も適切ではない。」という趣旨の答弁をされました。

 大日本帝国憲法のもとでは、府県の知事は、国、内務大臣によって任命されていました。しかし日本国憲法第九十二条に地方自治が定められ、第九十三条により知事は選挙によって選ばれるようになりました。この大事な問題にご自身の意見を述べないことは、戦後民主主義のもとで、知事の態度ではないと思います。改めて、平和安全法制に対する知事のお考えを伺います。

 陸上自衛隊の駐屯地誘致について知事に伺います。

 奈良県には、全国唯一陸上自衛隊の駐屯地がないとして自衛隊の誘致を進め、地方創生の政府への平成二十八年度予算要望の中で、今回五條市の二カ所、阿田峯公園南西台地区並びにプレイディアゴルフ地区を候補地として特定し、引き続き、陸上自衛隊の駐屯地誘致を要望しています。県は、誘致理由として、災害のため、自衛隊が近くにあると初動対応が迅速にできるとしています。しかし、この間、基地があるがゆえに起きた事故が全国で相次ぎました。これらの特徴は、国会で法案審議中にもかかわらず、平和安全法案を具体化した訓練が既に行われていたことです。

 饗庭野では七月十六日午後一時、八百メートル先を狙った実弾が、三キロメートル離れた保坂という演習場の北西にある集落の民家の屋根を突き破り、天井板を貫通して床に落下する事故が起こりました。夕方帰ってきた父親が、息子の部屋の布団の横で鉄砲の砲弾を発見。天井には穴。台風の中、屋根に上ると割れた瓦、十二・七ミリの重機関銃二千四百八十八発撃った弾丸の一部が被弾しました。ふだんはトラック、ユンボ専門で護身用のピストルしか持たない宇治大久保の施設部隊が、今回一分間に四百発連射、百人近い人間の命を一瞬にして奪い、一キロ先の車を破壊できる重機関銃をなぜ使ったのか。

 中部方面隊の幹部は、事件後、住民説明会で土のうの上に三十五キロの機関銃、二十五キロの三脚を据え、射撃手の両手をテープで巻きつけ発射させたと説明しています。なぜテープなのか。説明を聞いた住民は、ふだんはピストルしか撃たない隊員に初めて機関銃の引き金を引かせたものだと直感したと語っています。

 平和安全法制が、駆けつけ警護という新たな任務を与えたことで、南スーダンに十二月から派遣するには機関銃の使用を任務としなくてはなりません。四十年前も同地域では砲弾落下があり、予定されている日米合同演習に怒りの声が上がっています。

 八月十二日には、沖縄県うるま市沖で米軍の特殊作戦ヘリが墜落、このヘリに陸上自衛隊特殊部隊の隊員が同乗していました。

 八月二十二日には、静岡県東富士演習場で陸上自衛隊の富士総合火力演習の予行演習中に、戦車が発車した演習弾の破片が見学者二人に当たりました。

 八月二十四日には、神奈川県相模原市にあるアメリカ陸軍基地相模総合補給廠で爆発火災が発生しています。

 災害対策では、南海トラフ地震が想定されていますが、内閣府中央防災会議が作成した南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画では、三重県と和歌山県は津波被害で全国の応援部隊を迅速に投入する必要がある重点受援県としていますが、奈良県は入っていません。自衛隊の出動は知事が要請して、防衛大臣が出動を命令して初めて動くことになります。もし奈良県に自衛隊基地があったとしても、初期対応は紀伊半島沿岸部に向かうことになり、県の期待外れになってしまいます。また、奈良県にあれば紀伊半島に災害が起きたときにすぐに応援に行けると言っています。しかし、奈良県周辺には中部方面隊の第三師団、第十師団に七カ所の駐屯地があり、五千七百名の隊員が近隣に配置されています。平和な奈良県に陸上自衛隊の駐屯地は要らないと、陸上自衛隊の駐屯地誘致に反対する署名千四百二十八筆が九月二日五條市に、千五百五十六筆が九月十六日奈良県に提出されました。

 全国の基地周辺地域は、基地があるがゆえに戦争に巻き込まれるおそれや、事故発生の危険性が高くなっています。県では、陸上自衛隊駐屯地誘致に当たり、このようなリスクをどのように検討されたのでしょうか。奈良県に陸上自衛隊の駐屯地は必要ないと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、消防学校を中核とした広域防災拠点の整備について知事に伺います。

 県では、陸上自衛隊を誘致し、それに隣接して消防学校を中核とする県の防災拠点施設をつくることを検討されています。これを受け、九月八日、日本共産党県議団は富山県広域防災拠点施設を視察してきました。その中心は消防学校で、敷地四万平方メートルと広大な敷地の中で最新の訓練施設が整備され、屋外は水はけのよい舗装、雨のときは屋内練習場を兼ねた防災倉庫などがありました。火災訓練時に利用する住宅に見立てた建物、水深十メートルの潜水プール、瓦れきの撤去や切断訓練の場所、山岳訓練ができるところがあり、また、宿舎は四人一部屋ですが、それぞれベッドと机が一体になってプライバシーが守られていました。

 また、自衛隊との隣接の必要性について意見を伺いました。自衛隊の装備品などを把握しておいた方がいざというときは対応できるが、災害時必要ならば近隣地域にある基地からすぐに応援に来てくれるので、必ずしも隣接している必要はないという趣旨の話をされました。

 九月十一日には、宇陀市にあります奈良県消防学校を視察しました。敷地は一万平方メートルと富山県の四分の一、昭和四十八年に建てられ、本館と屋内訓練場は耐震基準を満たしていません。消防組織法において整備が望ましいとされております一部の訓練施設がなく、実際の火事を再現する消火訓練は三重県や大阪府まで行って実施しています。プールはありますが、ろ過装置が故障していて泳ぐことはできません。そのため、プールは現在、放水訓練の水をためる雨水の貯水池になっていますが、雨が少ない時期には放水訓練の水にも困る状況です。グラウンドは土なので、水はけに時間がかかります。宿舎は一部屋八人で、二段ベッド、プライバシーはありません。老朽化も著しく、視察してきた富山県の施設に比べ、機能的にもかなり劣っており、消防学校の早急な建てかえが必要だと感じました。

 また、先日の台風十八号によります茨城県や宮城県などの被災状況を見ていますと、同じような災害がいつ奈良県で発生するかわかりません。そのような事態が奈良県で発生した際に、他府県からも含め、さまざまな支援部隊や支援物資など、円滑に活動・集積する拠点として広域防災拠点を早急に整備する必要があります。

 そこで、知事に伺います。

 自衛隊の駐屯地にかかわりなく、消防学校を中核とした広域防災拠点を早急に整備すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 奈良モデルについて知事に伺います。

 奈良県は、市町村合併が少なかったこともあり、小さな自治体がそれぞれに多くの課題を抱えながらも頑張っている県です。そうした自治体の困難を応援する県の役割は重要です。奈良モデルということが、しばしば登場するようになりました。かつての奈良県は、よく市町村職員から県に問い合わせると、それは国のことです、それは市町村のことですと言われる、これでは奈良県はなくてもいいのではないかと言われたことがありました。

 その当時と比べれば、奈良モデルにより県が市町村を応援したり、また、市町村と連携したりするなど、県の役割として本来あるべき広域行政機能、市町村補完、連絡調整機能が発揮されつつあると思います。しかし、広域連携を強力に誘導するあまり、地方自治体の本旨である、住民こそ主人公が忘れられているのではないかと危惧しています。

 市町村税の徴収強化事業では、各市町村に徴収率を公表、羞恥心に訴えかけると県の報告に書かれています。消防広域化では、生駒市、奈良市以外の三十七市町村が広域化を行い、一消防組合になりましたが、財政力がない自治体では県の言いなりにならないといけない例ではないでしょうか。まちづくり協定においては、県の財政支援案として補助対象の要件が示されていますが、国の財政支援がある事業を対象、個別具体取り扱いは協議により知事が決定とされており、結局国の言いなりで知事がいいと思われることにお金を出すという手法を続けていけばどうなるでしょうか。

 さらに、国を先取りした国民健康保険の一元化は、これまで市町村が頑張ってきた予防検診活動による保険料の軽減努力を無意味なものにする可能性もあります。このほか、ごみ処理広域化などは、住民が努力して頑張ってきたごみの分別や減量化などお構いなしで、大型施設を建設するものであり、住民に知らせないまま計画が進んでいます。

 奈良モデルのあり方として、県は各市町村に対して地方自治の精神にのっとり、住民が主人公を原則にして、どの市町村にも公平公正に支援するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 災害に強い奈良県づくりについて知事に伺います。

 台風十八号は、全国に大きな被害をもたらしました。異常気象の中では、いつ奈良県が同じような災害に見舞われてもおかしくありません。奈良県は、県土の七七%が森林です。早くから山に木を植え、木が育つまでの間は間伐をし、それをエネルギーとして利用したり、山間の小さな田畑を耕し、農業しながら生きてきました。

 先日、天川村で大雨が降り、山が動き、住民が避難する事態が起こりました。このとき、早くそれがわかったのは、そこに人が住んでいて、自宅に亀裂が入ったことでした。山で生きる人がいることは、山を守る絶対条件です。

 山が水を蓄えることにより、大雨でも川がゆっくり下流に流れることで洪水を防いでくれました。木が切られ、山が削られ、コンクリートが保水力を弱め、水が地表を流れ出して、一気に水が出て水害になります。そこで、県と流域市町村は、大和川流域総合治水対策として、水害を防ぐため大和川流域内では、三千平方メートル以上の開発は防災調整池の設置を義務づけるなど行ってきましたが、私の地元でも三千平方メートルぎりぎりの開発がふえ、雨が降ればすぐ河川が増水することがふえてきました。昨年末には、上牧町で住宅地に隣接した二千二百平方メートルの宅地開発で、これまで雨がたまっていた低い土地を埋め立て、住宅開発を進めたところ、開発業者が造成工事中のことですが、大雨に逃げ場がなくなり、細い水路からあふれた水が近隣の既存住宅の擁壁に影響して地盤が下がるという問題が発生しました。その後、問題は改善しましたが、防災調整池を設置しなくてもよい小規模な開発が多いこともあり、防災対策として、県下では大和高田市、葛城市、天理市、橿原市、桜井市、田原本町などで独自の基準を設け、地域を限定して三千平方メートル以下の開発にも流出抑制対策がとられています。

 そこで、伺います。

 災害に強い奈良県づくりを進めるためにも、県として流域市町村と連携して防災調整池の設置基準を見直すことが必要だと思いますが、知事の所見を伺います。

 子どもの医療費の窓口負担の無料化について伺います。

 あるお宅を訪問したときです。居間に、額に入った子どもさんの写真がありました。四歳で、突然死だったそうです。熱があったのですが、様子を見ていたら翌日急変して亡くなられたそうです。お金のあるなしで助かる命も助からないということは決してあってはなりません。お母さんは、大阪に住んでいる妹のところでは、お金がなくても医療が受けられるのにと言われていました。遺伝性のある病気で、他の兄弟も医療が必要ですが、医療費の負担が家計に重くのしかかります。

 奈良県の子どもの医療費助成制度は、平成二十六年度からは就学前までの外来通院に加えて、中学までの入院医療費まで拡大されましたが、窓口負担が受診をする際の大きな壁になっています。

 二〇一四年四月時点で、厚生労働省と民間団体の調査によれば、全国で子どもの医療費窓口負担無料や、一部負担金を払うだけで窓口での負担の少ない現物給付を何らかの形で実施している都府県は三十七、償還払い実施道県は十。市町村段階では、全国八割の市町村で現物給付を実施しています。現物給付の市町村がゼロである県は今年度七県で岩手県、福井県、長野県、三重県、奈良県、鹿児島県、沖縄県です。県段階では、償還払いとしている北海道、埼玉県におきましても、両県とも九割前後の市町村が現物給付を実施しています。かつて奈良県の自治体でも現物給付をしていたところもありましたが、県が自動償還払いに統一したことによって、現物給付を実施している市町村はゼロになってしまいました。県下の市町村議会では、十七の議会から窓口無料化実施を求める意見書が上がっています。

 七月に、岡山県で開かれた全国知事会では、国への緊急要望を採択しましたが、少子化対策の抜本強化を上げて全ての子どもを対象にした医療費助成制度の創設を要望しました。全国知事会の山田会長は、石破地方創生大臣に、我々は今地方創生に必死に取り組んでいる。取り組めば取り組むほど国の制度とは矛盾が出てくると指摘して、少子化対策を一生懸命やって子どもの医療を充実させていくと、厚生労働省から国民健康保険のペナルティーとして国庫負担金の減額措置が適用される、こういうばかげたことはすぐやめてもらいたいと要請しました。

 こうした動きの中で厚生労働省は、子どもの医療費を現物給付により助成している地方自治体に対し、国民健康保険の補助金を減額する現行の仕組みを見直す検討を始めたことが新聞報道されております。

 そこで、知事に伺います。

 国では、国民健康保険の国庫負担金の減額措置の見直しについてどのような検討がされているのでしょうか。また、国の検討状況にかかわらず、県として医療機関での子どもの医療費の窓口負担の無料化を実施するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 奈良県の主要地場産業であります靴下産業の振興について伺います。

 広陵町は靴下の町で、毎年春と秋には竹取公園で靴下祭りが開かれ、大勢の方でにぎわっています。地域の活性化のために、靴下のさらなる販路拡大に向け、夢とロマンを兼ね備えて何かできないかと考えてみました。

 クリスマスには靴下をかけておくとプレゼントをもらえるという話は有名ですが、実際には靴下はあまり使われていません。実際、クリスマスでの子どもたちの楽しみは、紙のブーツに入ったお菓子です。

 クリスマスと靴下の話の由来は、サンタクロースのモデルになった聖人ニコラウスが貧しい三人の娘を助けたお話です。三人の娘がいるある一家の長女が結婚を予定していましたが、あまりの生活の苦しさに、苛酷な仕事に出ざるを得ないという話を聞きつけた聖ニコラウスは大層同情して、夜中に煙突から贈り物として金貨を投げ込んでやりました。すると金貨は、たまたま暖炉に干してあった靴下の中に入ってしまいました。そして続いて次女に、そして三女にと同様のことを繰り返し、そのおかげで三人の娘は幸せな結婚ができたというサンタクロースと靴下の関係は、こんなお話がもととなって生まれました。そして世界中、大小さまざま、色とりどりの靴下がクリスマスの願い事の受け皿となってきました。このように、靴下をクリスマスのときのお菓子の入れ物やプレゼントの入れ物にするなど、クリスマスアイテムとして靴下のイメージアップを図ることで、靴下の販路拡大につながるのではないかと考えます。

 そこで、産業・雇用振興部長にお尋ねします。

 本県の主要地場産業でございます靴下の販路拡大に向けて、県ではどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

 次に、マイナンバー制度について知事に伺います。

 十月から、マイナンバーとして十二桁の個人番号の通知が始まります。そして、来年一月から具体的に運用が開始される予定です。マイナンバー制度は住民基本台帳と連携して、社会保障や税、災害対策の分野の手続のために、地方自治体が多数保有しております個人情報とマイナンバーとをひもづけて効果的に管理しようというものです。しかし、マイナンバーを使ってどのようなことが行われるのか、よくわからないとの声が聞こえてくるなど、多くの国民はほとんど理解できていないと思います。ことし五月に発生した日本年金機構の個人情報が流出した問題などにより、国や自治体の情報管理システムの安全性に疑問を抱いています。

 また、麻生財務大臣は消費税が再来年四月に一〇%になったとき、その税の還付にマイナンバーを使うとの唐突な発言を行い、それに対して日々の買い物まで国に管理されるのか、使いたくないという声も聞いています。

 個人情報の安全性の確保のために、マイナンバー制度では、特定個人情報保護評価制度が事前に設けられることになっており、個人情報保護の対応は事後的対応ではなく事前対応が必要です。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二十七条では、地方自治体の長を含む行政機関の長に特定個人情報ファイルを保有する前に、特定個人情報保護評価を実施しなければならないとされています。

 全国の一部の自治体職員からは、本来プロジェクトチームのようなもので業務の洗い出しやセキュリティーチェックを行うべきだが、定数削減で余裕がなく、たらい回しの末に総務部門が対応している、結局業者任せになってしまい本当にこれでいいのか、これで十月から動き出すのは自信がないといった声が寄せられています。

 行政側からすれば個人の所得、社会保障給付の状況を効率よく把握できる反面、国民からは分散している個人情報の収集を容易にするマイナンバーが一たび外部に漏れれば悪用され、個人のプライバシーを侵害する危険性が飛躍的に増大することが懸念されます。国民の支持や理解が広がらない制度を急ぐ必要はありません。

 県は、マイナンバー制度の安全な運用についてどのように考えておられるのか、また、現在どのような取り組みをされているのか、伺います。

 檀上からの一問目の質問をこれで終わらせていただきます。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 四十二番今井議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 第一問目は、平和安全法制についてでございます。平和安全法制について、これは大事な問題であるが、自身の意見を述べないことは、戦後、民主主義のもとでの知事の態度ではないというご質問でございます。

 議員お尋ねの平和安全法制については、六月県議会の繰り返しになりますが、外交とともに国防に関する極めて重要な国の専権事項でございます。知事の立場で意見を申し上げることは適当ではないと考えております。国防が国の専権事項であることは、戦後、日本国憲法のもとで知事が公選制になった現在でも、全く変わっておりません。仕事の対象でないものに意見を述べない態度を、戦後、民主主義のもとではおかしいとおっしゃる意味は正直わからないところがあると申し上げざるを得ません。もう少し勉強して、理解ができるように努力をさせていただきたいと思います。県政をお預かりする知事の立場で平和安全について申し上げるとすれば、地方自治の実践が平和を指向する国家を支えることになると思っております。

 本年、奈良県と友好連携協定を結びましたスイスのベルン州は、世界で最も強固な地方自治を実践されている国でございますが、その一方、スイスは永世中立平和主義の国でございます。

 また、ドイツの総領事は、ムジークフェストで親しくなっておりますが、いつも強く主張されておりますのは、ドイツは連邦制の国だと、連邦制の堅持こそが平和国家ドイツの維持に結びついているということを言っておられます。両国のこのような方々は、国政の動向にかかわらず強固な地方自治の実践こそが、結果として平和国家の支えになるということを教えていただいております。

 私は、国家レベルの取り組みだけでなく、地方政府同士や民間同士の交流などの取り組みも、今平和につながる大変重要な、有意義なものと考えております。草の根民主主義の交流というように思っております。東アジアとの交流は、必ず将来相互理解の進展と友好な国民感情の醸成と平和的な関係の構築につながるものと思っております。

 そのような観点から、これまでも各国との連携や国際交流の取り組みを、東アジア諸国との関係を中心として進めてまいりました。本県は、日本歴史の中でも誇るべき数多くの東アジア地域との友好交流の歴史を伝える文化遺産やゆかりがございます。奈良だけのゆかりでございます。日本歴史の唯一の東アジアとフルオープンの交流をしていた地域でございます。このゆかりを活用し、国際平和につながる取り組みを今後も続けていけたらと思っております。

 陸上自衛隊駐屯地の誘致につきまして、かねてからのご反対のご意見がございました。

 それに対する答弁でございますが、自衛隊は国の防衛が本来の任務でございますが、一方で、地震や土砂災害などの大規模な災害時にさまざまな救援活動を迅速・的確に自己解決で遂行できる我が国唯一の国家組織でございます。

 紀伊半島大水害の際にも、自衛隊は救命救助、行方不明者の捜索、道路啓開など目覚ましい活躍をしていただき、南和地域の人々も大変感謝をされて、ありがとう自衛隊という横断幕をかけて送られたところは記憶に新しいところでございます。

 最近の事例でございますが、関東・東北豪雨による大規模な洪水被害が発生いたしましたが、テレビでも紹介されておりましたが、九月十日から十九日までの間に自衛隊ヘリコプターにより救助がございました。七百二十三名のピックアップがヘリコプターでされたそうでございます。自衛隊のボートによりましては千二百九十二名が救助されました。このように多くの被災者が自衛隊により救助されました。このような自衛隊の活躍がないと、より多くの被害が出たように思われます。改めて防災のための自衛隊誘致の必要性を認識したところでございます。

 自衛隊駐屯地があるがゆえに戦争に巻き込まれるおそれがあるのかについては、さまざまな議論があるところだと思います。

 また、事故によりリスクとして、演習場における事故と米軍による事故をお示しいただきましたが、県が整備を要請しております施設は、陸上自衛隊ヘリポートを併設した駐屯地でありまして演習場ではございません。また、米軍の事故は運用主体が異なるものと思っております。

 いずれも、県が誘致しようとしております自衛隊の施設での危険とは直接言えないように思います。

 しかし、県民の安全確保は重要な視点であると認識しております。施設運用の際には、事故により県民に危険が及ぶことがないよう、防衛省に十分申し入れて監視をさせていただきたいと思います。

 一方で、南海トラフ巨大地震につきましては、今後三十年以内に六〇%から七〇%と非常に高い確率で発生が懸念されている具体的な危険でございます。また、最近全国各地で毎年のように台風や集中豪雨による災害が発生しております。紀伊半島大水害を経験した本県としても、十分な備えが必要な状況にあると思います。関東・東北豪雨のような水害が、大和平野または大和川周辺を襲えば、鬼怒川洪水以上の被害になるものと思われます。救難のためのヘリポート基地があれば、自衛隊ヘリポートによる避難が迅速に行われる可能性がございます。紀伊半島にはこのような数多くのヘリポート救難ができる基地がないのが実態でございます。

 このため、紀伊半島中央に位置する五條市に、自衛隊ヘリポートを併設した駐屯地が配置されれば、県内の災害の初動体制はもとより、これは大和川大水害の場合のピックアップ救助ということが考えられるわけでございますが、それとともに南海トラフ巨大地震による津波被害が想定される紀伊半島海岸地域に対しても、迅速な救援が可能になるなど、紀伊半島の災害に対する備えとして非常に大きなメリットがあると考えております。大和川大水害のための救難ピックアップの基地、また、津波大災害のときの海岸の救難補給基地というような機能でございます。

 南海トラフ巨大地震の際には、本県には救援が来ないとのご意見でございますが、そのような場合でも県内に駐屯地があれば、自衛隊のヘリポートは救難物資の集結基地になるなど、県内への十分な救援が期待できると考えております。大規模なヘリポートで大規模な物資が運び込まれる、道路が全てとまっていてもヘリコプターで運び込まれるのが現在の救難の方式でございます。

 このように、本県が目指す災害に日本一強い奈良県づくりのため、自衛隊のヘリポートを併設した駐屯地がぜひとも必要だと考えております。今後とも、五條市などとともに、五條市民をはじめ、県民の皆様や周辺市町村のご理解を得るための取り組みを進めるとともに、引き続き、国に対して粘り強く県内への駐屯地の配置を働きかけてまいりたいと思っております。

 消防学校を中核とした広域防災拠点の整備を自衛隊の駐屯地にかかわりなくつくったらどうかというご意見、ご質問でございます。

 宇陀市に所在いたします、県が持っております現消防学校は、議員お述べのとおり、老朽化が進んでおります。また、周辺の宅地化や消防学校の敷地面積が狭隘であることなどのために、最近の複雑多様化する災害に対応する訓練の実施が困難になっていることは事実であると認識をしております。

 一方、県では、現在四つの広域防災拠点を定めております。しかしながら、特に、大規模災害時に、県内外の被災地へ迅速・的確に応援を実施するためには、自衛隊、警察、消防という災害救助要員のベースキャンプ機能のある基地が必要でございますし、また、救援物資の備蓄やヘリコプターを活用した救援物資の集結集配機能などを有する新たな広域防災拠点を整備することが必要でございます。この施設は平時の管理が課題でございますが、消防学校とあわせて整備するのが適当と考えております。これを受けまして県では、昨年度より、新しい消防学校に必要な教育訓練内容や施設整備の構成並びに、あわせて整備する広域防災拠点の機能について予算措置し、検討を進めさせていただいているところでございます。

 一方、南海トラフ巨大地震などの大災害時には、救出・救助活動の中心となる自衛隊、警察、消防の三つの組織が連携すれば、災害対応において大きな力を発揮することになると考えております。このために、自衛隊の部隊展開の拠点となるヘリポートと警察、消防などの救援要員の活動拠点となる広域防災拠点及び消防学校の三つの施設は隣接することが大切であり、かつ有効であると思っております。具体的には、五條市に誘致を予定しております自衛隊施設と隣接する形で、消防学校を併設した広域防災拠点を整備する方向で検討を進めているところでございます。現時点では、奈良県にとって最良の姿であると考えられます、自衛隊ヘリポートと隣接し、消防学校を併設した広域防災拠点の実現を目指して、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 なお、新しい施設が完成するまでの間は、現行の広域防災拠点であります県営競輪場をはじめとするその他の広域防災拠点や消防学校の機能を十分に活用しながら、災害対応や教育に遺漏のないよう、取り組んでまいりたいと思っております。

 奈良モデルの取り組みについて、市町村にも公平な支援をすべきという観点のご意見、ご質問がございました。

 これからの地方自治は、市町村が住民と協働しながら、地域の実情に応じて創意工夫し、その地域を発展させていく住民自治の考え方に基づいた運営が極めて重要と考えております。

 また、県と市町村は対等なパートナーで、県は市町村を助けるのが最も重要な役割と考えております。

 奈良モデルは、このような二つの大事な考え方、住民自治が基本、県と市町村は対等なパートナーであるという基本的な考え方に沿って、県と市町村または市町村同士の連携・協働により、行政サービス向上と地域の活力の維持向上を図ろうとするものでございます。

 奈良モデルの推進に当たりましては、全ての市町村長と積極的な議論の場を持ち、話題の共有を進めてまいりました。県・市町村長サミットと言われる会議をずっと続けてきておりました。その結果、各市町村が主体的に考え、連携・協働に取り組み、さまざまな成果が上がってきております。県におねだりするだけの市町村ではなく、みずから考え、県と協調する市町村に成長されてきたものと実感をしております。

 例えば、消防の広域化につきましては、複雑多様化、大規模化する災害に対応する消防力の強化や、初動・増援体制の整備、現場到着時間の短縮など住民サービスの向上を図るため、全市町村が参加する協議会において検討を重ねられ、実現をしたところでございます。

 また、まちづくりにつきましては、アイデアや熱意がある市町村について、その方針が県と合致するプロジェクトを協働で実施しようとするものでございます。これまで八市二町と包括協定を締結し、市町村や地域住民とともに基本構想などの検討を進めているところでございます。

 財政支援に当たりましては、市町村が国の補助金や地方交付税制度を最大限活用した上で生じる負担に対して、県が支援することを基本的な考えとしております。さらに、国民健康保険の一元化の分野でございますが、県全体での保険料率の標準化とあわせまして、同じ所得なら同じ保険料を払うという考え方でございますが、市町村が健康づくりの取り組みなどに努力し、医療費適正化に成果を上げた場合、国民健康保険の保険料が健康である市町村は、国民健康保険の保険料が安いわけでございます。そのような場合、県が国民健康保険の運営のために市町村に請求をする納付金を軽減する、逆に補助金を出すというふうな形でございますが、市町村が決定する保険料の軽減につながる仕組みの構築を目指していきたいと考えております。頑張られる市町村は利得がある、受益があるという考え方でございます。

 最後に、ごみ処理の広域化の奈良モデルでございますが、ごみ処理は市町村の基本的な義務でございますが、県内のごみ焼却施設の大半が小規模でかつ老朽化している中で、行財政運営の効率化及び将来にわたるごみ処理の安定・継続化を図るため、市町村が連携・協働して施設を整備、運営されようとしているものでございます。県は、こうした市町村の主体的な取り組みを高く評価をし、積極的に支援をしていきたいと考えているところでございます。奈良モデルの基本は、市町村の自主性でございます。市町村が連携に参加されるかどうかは、いわゆる手挙げ方式でございまして、手を挙げた方だけがされるわけでございます。このように手を挙げて頑張る市町村を県が支援する仕組みは、かつて上から押しつけた行政と全く考えが違う取り組みと申し上げたく存じます。

 災害に強い奈良県づくりに対しまして、防災調整池の設置基準を見直す必要があるのではないかというご意見でございます。

 大和川流域では、昭和五十七年の大水害を契機に、国、県、流域市町村が連携して、流す対策とためる対策をあわせて実施する総合治水対策に取り組んでまいりました。その一環として、一定規模以上の開発行為につきましては、保水力の低下を防止する防災調整池の設置を義務づけてまいったところでございます。

 昭和六十一年のスタート当初は、一ヘクタール以上の開発行為が設置を求める対象でございましたが、小規模な開発に対応するため、平成元年には〇・五ヘクタール以上にしまして、平成二十年には〇・三ヘクタール以上と段階的に引き下げ、規制を強化してまいったところでございます。

 しかしながら、当初、一割程度と想定しておりました防災調整池の対象にならない〇・三ヘクタール未満の割合は、近年、開発行為全体が小規模化している関係で、約四割を占めるまでになってきております。小規模な住宅地開発が増加してきたわけでございます。このように防災調整池を有しない住宅地がふえたため、流出する雨水の増加が懸念され、洪水のリスクが高まることが懸念される状況でございます。このようなことから、議員ご指摘の防災調整池の設置を求める開発行為の範囲につきましても、今まさに進めようとしております総合治水推進に向けた条例の検討の中で、大和高田市などにおける取り組みは先進的な取り組みと評価をさせていただきますが、そのような取り組みも踏まえながら、しっかりと議論してまいりたいと考えております。

 条例に盛り込むべき内容の検討を進めるに当たりましては、幅広い分野の学識者や流域市町村の代表者からなる、奈良県総合治水対策推進委員会において議論いただくほか、国、県、流域市町村で構成する大和川流域総合治水対策協議会においても問題意識、目的意識の共有化を図るなど、流域の市町村と十分な連携を図るとともに、県議会におきましても逐次ご報告を申し上げていきたいと思います。

 次のご質問は、子どもの医療の窓口負担の無料化という題の質問でございます。国民健康保険の国庫負担金の減額措置がございますが、それにつきましての国の検討はどのようなものかというご質問がまずございました。

 国におきまして、今月二日でございますが、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会が設置され、その中で議論が行われ始めました。第一回の検討会を注視しておりましたが、自治体側の委員を中心に、減額措置の廃止や国による医療費助成制度の創設を求める意見が出された一方、過度な助成は、医療サービスの過剰使用を招きかねないといった意見も出されておるところでございます。来年夏ごろを目途に、報告内容の取りまとめが行われようとされているわけでございます。ちなみに、窓口負担の利用者のための無料化措置は、今でも行われております。無料にするやり方が二種類あるということでございます。

 一つ目のやり方は、減額措置が講じられておりますが、受診者が医療機関の窓口で支払う一部負担金を市町村が受診者にかわって医療機関に支払う、いわゆる現物給付方式でございます。これをとった場合、国民健康保険において国庫負担金が減額され、市町村が損をするという制度になっております。本県では、現在、この減額措置を回避しつつ、受給者の利便性を確保する方法として自動償還払い方式を採用しております。無料化の考えは基本として共通しております。この方式は、一旦、窓口で負担金を支払っていただくものの、後日、自動的に助成金が受給者の口座に振り込まれ、受給者の負担を最小限にするというものでございます。

 仮に、本県が現物給付方式に変更し、窓口負担をなくした場合、福祉医療制度全体で約三億円の国庫負担金の減額措置が本県に対して見込まれます。財政状況が厳しい国民健康保険の運営を安定的なものとするためには、国庫負担金の確保は極めて重要な課題でございます。

 また、市町村議会から意見書の提出があった市町村に対して意向を確認したところ、その大半から減額措置などを理由に現行制度を維持すべきとの回答がある状況でございます。

 こうしたことから、減額措置が科せられている現時点では、引き続き自動償還払い方式を維持すべきと考えておりますが、今後も国の検討会の動向を注視していくとともに、引き続きさまざまな機会を捉えて国に対して減額措置の廃止を求めていきたいと考えております。

 靴下産業の課題、振興については担当部長から答弁をさせていただきます。

 最後に、マイナンバー制度についてのご質問でございます。安全な運用について、どのように取り組もうとしているのかというご質問でございます。

 マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野において来年の一月から順次利用が始まります。雇用保険の資格取得や福祉分野の申請、確定申告や源泉徴収事務、また、被災された方々への生活再建支援金の給付などにおいて利用されることになっております。これまで行政機関が個別に管理してきた個人情報を相互に連携することで、国民の利便性を高めるとともに、行政事務の効率化を図ることができる社会基盤であると認識をしております。

 一方で、個人情報がネットワークを介して連携されることから、システムと運用の両面で、これまで以上に安全性の確保、個人情報の保護のシステムが必要であると認識をしております。

 システム面では、今までどおり個人情報は各機関で分散管理し、情報連携する際も、住所、氏名、マイナンバーなど個人を特定できる情報を一切ネットワークに流さず、別の符号を用いることで安全を確保されようとしております。さらに、日本年金機構の情報漏えい事件を受けて、国から住民基本台帳システムをインターネットと遮断することが要請され、サイバー攻撃などによる情報漏えいが起こらないよう、全市町村で必要な対策を講じたところでございます。

 運用面では、議員お述べのように、事前の準備として、マイナンバーを扱う事務について情報漏えいや不正に複製されるリスクなどを分析して、安全対策を講じる特定個人情報保護評価を実施しております。本県では、既にマイナンバーを取り扱う事務において、パブリックコメントや個人情報保護審議会による第三者点検を経て、県の安全対策の取り組み状況を公表しているところでございます。

 このほか、マイナンバーを取り扱う職員には、個人情報保護に関する意識を高めるため、研修を義務づけているところでございます。国のガイドラインに沿って責任者や担当者を明確にするなど、取扱規定の整備も行っております。今後も安全な運用に向け、着実に取り組みを進めていきたいと考えております。

 残余の質問は、担当部長がお答え申し上げます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 森田産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(森田康文) (登壇) 四十二番今井議員のご質問にお答えいたします。

 私には、奈良県の主要地場産業であります靴下産業につきましてイメージアップを図り、販路を拡大することに対して、奈良県としてどのように取り組んでいるのかというご質問でございます。

 広陵町をはじめ、大和高田市、香芝市を中心に集積しています靴下産業は、平成二十五年度経済産業省の工業統計によりますと、出荷額における全国シェアが、ソックス類で約五五%、タイツ類で約四一%、パンスト類で約一五%を占め、本県の代表的かつ重要な産業であると認識しております。

 しかし、国内に供給された靴下製品に占める輸入品の割合が、ここ数年八割以上で推移しておりまして、他の繊維製品同様、靴下業界は厳しい経営環境に置かれています。安価な海外製品に対抗し、差別化を図っていくためには、耐久性などの消費者の品質レベルの要求に加え、健康やファッション性など、消費者のライフスタイルを満足させるような高品質・高付加価値商品化を図り、奈良県産靴下のブランド力を高めることが重要と考えております。

 県内の靴下業界では、奈良県靴下商品認証制度を昨年九月にスタートさせ、一定の品質を確保し、奈良県産靴下が安心できる靴下であることを消費者にアピールすることにより、認知度向上に取り組んでおられます。さらに、健康や美容などを重視する消費者のライフスタイルに着眼した特に付加価値の高い商品を、さらに奈良ブランドとして企画、開発する取り組みにも着手されていらっしゃいます。

 県では、新素材の開発などの技術的支援や、業界が取り組む首都圏や海外での商談会出展などの活動の支援を行っておりますが、それに加えまして奈良県産靴下のブランド力を高める活動を通しまして、そのさらなる販路拡大を目指し、積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 また、消費者の消費を喚起するためには、あらゆる工夫が必要と考えておりまして、議員のイメージアップについてのご提案につきましても、新たな振興策として業界団体とともに研究、検討してまいりたいと思います。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) ご答弁ありがとうございました。

 自衛隊の駐屯地の問題で、お尋ねをしたいと思います。

 知事は、国の方に何度も足を運んで要望に行かれておられるわけですけれども、国の方は奈良県の駐屯地の問題にはどんな回答をされているのか、そのことを教えていただきたいというふうに思っております。

 それから、奈良モデルの問題ですけれども、二十二日に地域フォーラムがございまして、私、二会場とも傍聴させてもらいに行ってまいりました。その中で、どなたが言われたか、ちょっとわからないのですが、私のメモに、まとめるのではなくて、まとまるというようなメモがありまして、それは結局自治体の主体的なものという意味なのかなと思うのですが、そのあたりが非常に今問われているのではないかなというふうに思っております。

 また、ある市長さんは、住民の皆さんの合意を得てから県にもいろいろ支援をお願いしたいんだというような言われ方をされておられた方もおりましたけれども、市長さんだけの思いがイコール住民との合意というわけでもありませんので、そのあたりのことを丁寧に進めていくというのが、今後奈良モデルで必要ではないかというふうに思っております。

 それから、子どもの医療費の問題ですけれども、今国の方では検討会をつくりまして、ペナルティーの問題についても検討がされているということですが、今はまだペナルティーが科せられている段階なので、今の制度をそのまま県は継続したいんだというお答えをしていただきました。国がペナルティーを、そしたらもう取り外すという結論が出たときには、県は窓口の無料化という形を実施されるのかどうか、その辺の意向をお尋ねをしたいというふうに思っております。

 それから、靴下の問題につきましては、いろいろご答弁ありがとうございました。例えば、節分のときの恵方巻きだとか、それからバレンタインデーのチョコレートだとか、誰がどう始めたか、わからないのですけれども、そういう時期になったら皆さんが、ああ、チョコレートを買おうとかというような機運が何となく高まってくるというようなふうに、私はクリスマスと靴下をドッキングさせて、クリスマスのときには靴下をちょっと添えることによって、何か幸せな気分になるとか、そういうような取り組みができないかなというふうに今思っております。

 馬見丘陵公園に、とてもクリスマスツリーにすてきな木がありますので、そんなものも活用していただけたらいいんじゃないかなというような思いもしております。

 それから、マイナンバーのことですけれども、実はきのうまでに住民の方がしておかなくてはいけないことがあるということで、きのうのニュースを見ておりまして初めて私も知ったのですけれども、住民票と違う住所に住んでおられる方、またDVなどで住所を明らかにしないまま住んでいらっしゃるような方は、実際居住地の自治体に届けておかないと、世帯ごとにマイナンバーが届くことになりますので、言ってみたら知られたくない人に自分のこれから生涯使うナンバーを知られてしまうというような、こういうようなことにもなってしまうということで、大変な問題だなというふうに今思ったのですが、また雇用主の方も従業員の社会保険料や税金を納めるときにマイナンバーが必要だということなんですが、ほとんどこうした対応ができていないというようなこともあります。こうした奈良県で、どれぐらい住所変更の手続ができているのかとか、また実際の小さい企業がどれぐらい準備できているのか、そのあたりをよく調査していただきたいというふうに思いますが、この点、お尋ねをしたいというふうに思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 再質問ありがとうございました。

 自衛隊誘致につきましての国の態度ということでございますが、ご案内のように二年間続けまして、国の調査費がつきました。四百万円でございますけれども、二年間続けて、昨年度と今年度とついております。これは、防衛省が奈良県五條市が手を挙げておりますヘリポート誘致について拒否的じゃないと、一緒に進めようという態度が公式にあらわれておるものでございます。ことしの防衛大綱にも、その面が出ておりました。最初の事態の変化に対応する自衛隊の整備、自衛隊能力の向上という項目で、一番大事な項目ですけれども、戦闘機とか護衛艦の整備の同じ項目の後ろの方で、小さな予算でございますが掲げられておりました。

 いつも当たっております中で、自衛隊の展開、役目については、だんだん意見が明確になってまいりました。まだ、それと駐屯地、駐屯地ということで言っておりましたが、ヘリポートがあって、要は救難をしてもらえば、駐屯地は後でもいいですよということを言い出しましたわけでございます。そういたしますと、ヘリポートがあれば、救難活動はできますので、駐屯地があるよりもヘリポートが先ですよということを言い出して、それで調査費がついたというふうに経緯として感じております。やはり、日本の中での存在は、救難活動ということになりますので、そのことについては意を払っていただいているのかなという感じでございます。

 まだ、これから来年度の前半にはヘリポートの位置を決めていただければと、ヘリポートの位置を決めていただくと、位置が決まって、必ず時間がおくれてもヘリポートをつくるよということが固まれば、県は防災基地、消防学校を先行して整備することができるわけでございます。ヘリポートが別のところに来るよといったら、ちょっとてれんこになりますので、道路の整備もあわせてヘリポートがあって、防災基地、消防学校を一緒につくるということから、ヘリポートの位置を決めていただければ、設計図に基づきまして県の防災基地、消防学校、それとアクセス道路の整備は可能でございますので、そのように考えております。国も、そのようなことは理解をしていただいておるところでございます。国の対応として知っておりますのは、このようなことでございます。

 奈良モデルについて、県と市長との連携ということで、それぞれ地域を代表する政治責任主体でございます。奈良モデルのサミットなどには議員の方にたくさん来ていただいて、傍聴に来ていただいております。今井議員は、随分来ていただいている出席がいい議員さんでございますが、ほかの方も時々お見えになる状況でございます。ご来訪は、いつも歓迎しておるところでございます。

 奈良モデルの議論を聞いていただきますと、アイランドで、フラットで平等な立場で議論しましょうと、意見を県は県で酌み取りますよと、市は市で酌み取ってくださいと、住民との対応は県が自治会など住民に直接対峙はしませんが、市長は対峙されて意見を言ってくださいよと、こういう仕組みでございますので、一番住民に近い市町村長がそれを酌み取るという仕組みになっております。その中で、市長とだけ、市長の対応にもよりますが、今の市長さんたちはほとんどといいますか、住民の方の意向を尊重しながら対峙されていると思います。

 今井議員がおっしゃった徴税率を公表するとプレッシャーがかかっているんじゃないかというご意見の中でありましたが、例えば犯罪率、認知件数が一番多かったのは、ちょっと名前を言うと失礼でございますので言いませんが、ある市でありましたが、自転車窃盗が多い市でございます。統計を見てえいやーと、認知件数のワーストワンから脱却するぞと、三年で脱却されました。

 この前の地域フォーラムで、これはいいほうでございますので御所市でございますが、特定健診の率が相当低かった。保健師さんにそのような数字を見せますと、保健師さんが腕まくりをして、市長、やったるわと言って、こうされて、二年でぐんぐんと特定健診の率が上がってきたと、統計の公表は恐るべきことでございます。市町村の徴税率とか、納税しないのを勧められておられるわけじゃないと思いますが、徴税率が全国でも相当低かった。市町村の経営状態はワーストワンでございました。ワーストワンということは、県民の方、市民の方、誰もというか、大分知らなかった情報でございますが、それを公表することによって、ぐんぐん経営状況、財政規律は上がってきているということでございます。

 成績の公表、お嫌いかもしれませんが、そのような効果があるということもご紹介したいと思っております。住民との対話はそのような、こちらからは情報の公表ということで意識を共有化すると。

 子どもの医療費の窓口負担でございますが、ペナルティーがなくなれば、じゃ、やめるのかというご質問でございます。

 これは、今井議員がご持論を展開されましたように、市町村はやはり大事に扱う、市町村の意思を尊重するという分野にも入ると思います。なくなれば、みんなでやめようという態度よりも、市町村の意向が一致して、そのようになるということがやはり大事かと思います。県は、それをよく見ていきますが、決定のプロセスにおいて市町村と勉強会をして全市町村が意識を共有して合意形成を図れることができりゃ、それにこしたことはないというふうに思っております。医療費の助成におきましても、市町村に格差がございます。導入の時期とか、レベルに格差がございます。

 しかし、県としては全部一致すれば県の助成は一致したところで行いますよと言っておる。時々、一致しない、おくれているところは県が助成をつぎ込めという穴埋め方式を提供されることはありますが、これはあまりよくないと私は思っております。一致されたところに、平等に助成を行うというのが県の態度として望ましいと思っております。

 また、国の中でも議論が分かれておりますので、医療費の増嵩に対して悪影響があるんじゃないかという意見もありますので、国の議論の進展と内容を注視しながら考えていきたいと思っております。

 最後に、マイナンバーでございますが、住居不明の方にマイナンバーが届かないんじゃないかという事例についての懸念を表明されました。

 これは、マイナンバー、今までの日本の個人のアイデンティティーというのは住居で示されることがずっと、これは定住というのは農民、我々庶民は住居を離れられないと、農地を離れちゃいかんと、旅行もしちゃいかんと言われる時代が江戸時代まで続いていた名残で、IDは檀家に、檀那寺に行くとわかる、お宅の家はこれこれの家だから、先祖の戒名があるぞというのが檀家制度の、戸籍をする檀家制度、現住所の檀家制度、それがなくなって、国の住所登録を住民登録ということで、これは住居登録ということになりました。今度はナンバーで登録をしようと、住所がなくてホテルばっかり動いててもマイナンバーがあればソーシャルセキュリティー、年金ももらえるし、国のいろんな社会保障の給付を受けられるといった時代に変わりつつあるように思うわけでございます。

 そのような効果はあるように思いますが、マイナンバーをどのような形で取得するのかというのは、住居に届くのは基本にしているように思いますけれども、住居が見つからないときは違う手段で個人情報を保護しつつ届けるというのが筋でございますので、今どのようにすればいいかというアイデアは、すぐさま持ち合わせてはおりませんが、直ちに個人情報が漏れるという仕組みにはならないというふうに思っております。個人がおられなければ、開封して、これは親書の秘密の違反ということにもなろうかと思いますが、家族であっても誰々に届く親書はあけちゃいかんとか、あけられないのか、本人でしかあけられないような仕組みにするのか、ちょっとわからないところはありますけれど、これはテクニカルな問題だというふうに思っております。

 ご質問に十分答えられたかどうかはわかりませんが、一生懸命答えたつもりでざいますので、お許しください。以上でございます。



○副議長(山本進章) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) ありがとうございます。

 自衛隊の駐屯地の問題ですけれど、知事は国が予算をつけたので、自衛隊としても奈良県の駐屯地を認めているんじゃないかというご意見だったと思うんですが、実は日本共産党の参議院議員の方から防衛省のほうに奈良県の陸上自衛隊の駐屯地の誘致の問題をどんなふうに考えているのかという、そういうような問い合わせをさせていただきましたところ、このようなメモが届いております。

 「奈良県から、災害発生時の自衛隊の派遣で大変印象がよい。奈良県に陸上自衛隊の駐屯地を誘致したい旨の要望をいただいているが、防衛省として困難であると回答している。一般論として、駐屯地の誘致は国防上及び安全保障上の観点から、防衛省として必要と認められた場合に設置することになる。奈良県からは、五條市に広域防災拠点を整備したい。その中には、自衛隊のヘリコプターが着陸できるヘリポートを設置したい旨の要望があり、防衛省としては駐屯地の設置は無理だが、ヘリポートのプランニングについてはできる限り協力し、助言をしている。そして、平成二十七年度予算は七月にヘリポート整備の場所が決まり、そのヘリポートの設置のための調査費四百万円であり、本年十一月に調査会社と契約して、本年度中に実施をした。」というふうに言われております。

 そして、このヘリポートの問題については、「一般のヘリより大型のため、さまざまな条件が必要である。例えば、近くの高いビルがあれば風の影響を受けるので、その向きをどうするのか、山や谷があればどのような風が吹くのかなど、自然環境さまざまな独自の知見を奈良県に助言している。今後の見通しとして、駐屯地の設置は難しいので、ヘリポートの設置に向けて費用負担は県費で行うのが基本であるが、防衛省として何かできることがあれば協力したいと考えている。」という、こういうようなことをいただいているわけですけれども、そうなりましたら、いつまでも自衛隊のヘリポートとか駐屯地ということにこだわっているのではなくて、やはり今奈良県が広域防災拠点としてきちっと、本当に老朽化している、あそこで先生も生徒さんも頑張って消防の訓練をされておりましたけれども、やっぱり消防学校を一日も早く新しくして、そして広域災害の拠点として整備するということの方が、私は現実的であるし、今緊急に求められているのではないかというふうに思っておりますけれども、その点で知事のお考えがあればお尋ねしたいと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今、今井議員の調査をありがとうございました。奈良県選出の自由民主党の先生にも、ちょっとまた調査をしていただきたいと思いますが。

 その中で今井議員が言われました、ヘリポートの設置は県費で負担すべきであると、これは県費で自衛隊のヘリポート、自衛隊のヘリポートは行かないよと言っておられるわけじゃなし、負担の割合であります。県費のヘリポートというのは、県のヘリポートの設置で、自衛隊は行かないよと、困難であるけど行かないよということでないという貴重な情報をいただいて、ありがとうございます。これは、負担は自衛隊は予算が大変、西方に、尖閣防衛などに西方転換しておりますので、予算がなかなかないということは困難な理由だと聞いております。これは、国の守りは西の方に行くのは当然でしょうから、それでどの程度の予算なのかわかりませんが、陸上自衛隊は与那国だか、向こうの方の島に陸上自衛隊の基地をつくらなきゃいけないから、予算がなかなかとれないんだというふうには聞いております。それを困難というふうに言っておられると思いますが、今のお言葉では県の負担をと、財政的な負担をと言われるのは、もし財政的な負担を県議会でされたら、自衛隊のヘリポートが来るのかなといったようなお言葉にも感じましたが、それは解釈違いかもしれませんが、困難の意味が財政的な困難と設置困難と、またちょっと意味が違うと思います。まだこれから折衝中でございますので、十分予算の負担については、予算はお金が、予算がつける時期になれば、そのようなことが可能であろうかというふうに思っております。

 併設すると、県のヘリポート、防災基地ということはヘリポートにもなりますが、それと自衛隊のヘリポート、どこで県の負担がある、自衛隊のヘリポートの負担があると。負担問題がありますよと言っておられるようなことでもあるかなと思いますが、これは感想を求められましたので、そのような貴重な情報だというふうに感謝をしたいというふうに思うものでございます。



○副議長(山本進章) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) 奈良県に駐屯地の設置が困難であるという理由を、どんなふうに説明しているのかということで、陸上自衛隊駐屯地を奈良県を配置するニーズがないと、四、五年前から知事から要請があったときに、防衛省の事務次官に説明した。二〇一二年に徳島に新設したときは、南西地方重視の防衛省方針のもとで部隊の再編の必要から、これを駐屯地をしたということで言われておりまして、こうした自衛隊のヘリポートということではなく、広域防災拠点のヘリポートということで、私は整備をするべきではないのかなというふうに思うわけですけれども、その点はどんなふうにお考えなのか、もう一度お尋ねしたいというふうに思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 自衛隊のヘリポートを誘致しておりますので、今は自衛隊の意向ということの見立てが多少違うかもしれません。自衛隊のヘリポートを誘致しておりますので、県のヘリポートだけの整備は行いません。



○副議長(山本進章) 四十二番今井光子議員。



◆四十二番(今井光子) 五條では、終戦一週間前のときに国民学校が米軍機に襲撃されて、三人の方が亡くなったということがありました。このときに足を負傷した辻本さんという八十九歳の女性の方ですが、駐屯地がなくて困ったことはない。誘致の話は新聞記事でも知ったが、市の説明会もない、安保関連法案もそうだが、よくわからないままに決められていくのが一番怖いと、こういうふうに訴えておられます。

 紹介をして、私の質問を終わらせていただきます。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、九月二十八日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時三十六分散会