議事ロックス -地方議会議事録検索-


奈良県 奈良県

平成27年  6月 定例会(第320回) 06月30日−05号




平成27年  6月 定例会(第320回) − 06月30日−05号







平成27年  6月 定例会(第320回)



 平成二十七年

        第三百二十回定例奈良県議会会議録 第五号

 六月

   平成二十七年六月三十日(火曜日)午後一時開議

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          出席議員(四十三名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三六番 新谷紘一         三七番 粒谷友示

       三八番 秋本登志嗣        三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 山村幸穂

       四二番 今井光子         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

          欠席議員(一名)

       三五番 出口武男

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          議事日程

一、当局に対する一般質問

二、追加議案の上程

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(山本進章) これより本日の会議を開きます。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(山本進章) この際、お諮りします。

 追加議案の上程を、本日の日程に追加することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(山本進章) 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、二十八番乾浩之議員に発言を許します。−−二十八番乾浩之議員。(拍手)



◆二十八番(乾浩之) (登壇)議場の皆さん、こんにちは。そして、傍聴の皆さん、そして、奈良テレビをごらんの皆さん、こんにちは。自民党奈良の乾浩之でございます。議長のお許しをいただき、一般質問させていただきます。

 きょうもたくさんの応援団の皆さんが傍聴に来ていただき、心強い限りです。おかげさまで二期目の当選をさせていただきました。これから四年間頑張って、奈良県そして北葛城郡のために仕事をさせていただきます。

 本日は、奈良県をもっと元気にするという観点から、地域のいろいろな課題への対応について、荒井知事はじめ理事者の皆さんに質問させていただきます。

 最初に、奈良モデルの推進について、知事に伺います。

 昨年十二月に、人口減少社会における市町村の体制づくりについて知事にお尋ねいたしましたところ、これからも県と市町村の連携・協働を進め、積極的に市町村を支援していくというご答弁をいただきました。この奈良モデルの推進により、県内自治体がもっと元気になっていくことを願うものであります。

 少子高齢化の進展に伴い、行政の効率化の必要性が高まる中、私の地元、北葛城郡では、この奈良モデルに率先して取り組み、北葛城郡の四町が磯城郡の三町とともに、税金の徴収率向上に取り組む七町協働徴収会議、広陵町がいち早く取り組む県営水道に転換した水道事業の共同運営、さらに、河合町、上牧町、広陵町の三町が香芝市などと行っている情報システムの共同利用、北葛城郡共同実施のプレミアム商品券の発行などが進められています。

 このような流れの中、広陵町と香芝市が共同の給食センターを整備する計画を進めています。これは、近年、要望が多い中学校の完全給食に対応するためのもので、共同化することにより、運営費の削減が図られる上、地産地消の促進、食育の充実など、大きなメリットがあるプロジェクトですが、初期投資に多額の費用が必要となっています。

 ところが、これに対する国の補助金が難しくなり、広陵町の山村町長はじめ香芝市の吉田市長、そして、私も地元一丸となって、荒井知事にお願いいたしましたところ、今回の六月補正予算案で奈良モデル推進貸付事業を用意していただき、大変感謝しているところでございます。

 私は、市町村が広域連携して行う施設整備が、今後もいろいろ出てくるのだろうと見ています。例えば、歴史資料館を共同して設置するような場合に対しても、県からの財政支援があれば、市町村の間に連携・協働の機運がさらに高まると考えます。

 そこで知事にお伺いします。奈良モデルを積極的に今後も推進されていくものと思いますが、広域連携による施設整備に対する支援について、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、奈良県西和医療センターの産科再開について伺います。

 昨年四月から、旧県立三室病院は、地方独立行政法人が運営する奈良県西和医療センターとして運営されています。名称が病院の設置場所を示す三室から、対象地域を示す西和に変更されたことから、西和地域、さらには、交通至便なこともあり、隣接地域の住民にとってもより身近な医療機関になったと感じています。

 既に平成二十四年八月には、県内初の地域医療支援病院に認定されており、外来、入院、診療におきまして、地域で活躍されているかかりつけの先生方と西和医療センター医師が連携した診療体制により、地域医療を面で守っていただいておりますこと、この場をおかりして関係者の方々に深く敬意を表します。

 そして、ことし四月からは、長らく休止していた産婦人科が、新しく分娩室を整備して再開されました。西和地域は、県内では出生数の多い地域であり、産科の再開は、西和地域の首長の方々とともに、私もかねてから要望していました。全国的に産科医不足の中で、医師の確保に大変ご苦労があったことと思います。これからは、地域の妊婦さんが設備の整った分娩室で出産できるようになり、大変ありがたいことです。

 そこで、知事にお伺いいたします。ことし四月の産科再開後の分娩の取り扱い状況は、予定も含め、いかがでしょうか。

 また、西和医療センターにはNICUが未整備であります。そのため、異常分娩の際には、県立医科大学附属病院や県総合医療センターと連携して対応するとされていますが、リスクが高い出産もふえている今日、不安に感じる妊婦さんもあるように思います。

 周産期の救急搬送につきましては、荒井知事が就任以来、先頭に立ちご尽力いただいたおかげで、今やほとんど県内で対応していただいている喜ばしい状況です。さらに、今後、全面オープンする県立医科大学附属病院E病棟や、新奈良県総合医療センターの周産期医療センターの整備、充実は、心強い限りですが、西和医療センターでは、リスクの高い出産に関して、県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センターと具体的にどのような連携体制をとっておられるのでしょうか。お伺いいたします。

 次は、馬見丘陵公園の魅力アップと活用についてであります。

 馬見丘陵公園は、平成二十四年に完成した、県内では奈良公園に継ぐ面積の大規模公園であります。私は、この馬見丘陵公園の魅力アップが中和地域の活性化の鍵となると考え、これまで機会をいただくたびに質問し、いろんな提案もしてまいりました。

 荒井知事にご理解いただいたおかげで、平成二十二年の全国都市緑化フェア以降も、県産食材を使った料理を楽しめるカフェのオープンに加え、春のチューリップフェア、初夏の花菖蒲まつり、秋のフラワーフェスタなど、季節ごとのイベントを年々充実していただいた結果、今では関西の花の名所としてこの公園が広く知られるようになりました。

 また、地域との連携の面でも、花の植えかえや、花がら摘みといった作業を担う花サポーターなどの拠点として、立派なボランティアハウスを用意していただいた上に、チューリップフェアでは、地元の物産販売所も設けていただき、大変心を配っていただいております。

 さらに、昨年十二月の議会では、荒井知事から、春のチューリップフェアでは、百万本を目標にチューリップの数を今後ふやしていくとともに、花が少なくなる冬季の利用促進策も検討するとのご答弁をいただいたところでございます。

 このたび、めでたく三期目に入られた荒井知事には、じっくり腰を据えて馬見丘陵公園の魅力アップに取り組んでいただきたいと願っているところであります。

 私は、馬見丘陵公園のさらなる魅力アップが、中和地域の活性化、さらには奈良県をもっと元気にすることに大いに役立つと考えますが、馬見丘陵公園における取り組みについて、中長期的な観点からどのように考えておられるのか、知事にお伺いいたします。

 次に、建設業とその関連産業の振興策についてお伺いいたします。

 奈良県は、大阪に近いという立地から、県外就業率と県外消費率が全国一高いという特徴があります。人口減少社会において、これからも地域の活力を維持していくために、県内の産業を育成し、雇用を生み出すことは重要な課題となっており、知事も企業誘致に大変力を入れておられます。

 しかし、県内の建設業を見ると、平成二十一年の経済センサスで四千三百九十四あった事業所数が、平成二十四年には三千八百七十四と大幅に減っており、労働者の高年齢化も進んでいると聞きます。

 また、平成二十三年の紀伊半島大水害で県内の建設業者が道路の応急復旧などに活躍したことは、皆さんの記憶にも新しいことだと思います。近い将来起きる可能性が高いと言われている南海トラフ巨大地震に備えるためにも、県内建設業の育成を図っておく必要があるのではないでしょうか。

 さらに、建設業を支える資材納入業者についても、県外から資材がどんどん入ってくるようになり、県内の建設業及び関連企業にとっては厳しい環境となっています。

 本県では、これまでも入札制度の改革などに鋭意取り組んでこられましたが、私は、より一層の取り組みが必要と考えます。

 そこで、私は、県土マネジメント部長に提案いたします。

 県では、平成十八年度から大規模建設工事について、一般競争入札に価格以外の要素も加味した総合評価落札方式を取り入れられております。私は、この評価項目に地域の担い手の育成、確保などの観点を加えることが必要と考えます。

 さらに、県内産建設資材の活用を図る企業に対して、何らかのポイントを与えてはいかがでしょうか。加えて、県内で行われる国のゼネコン発注工事に関しても、下請企業に県内本店企業を活用するよう国に働きかけることも重要と考えます。

 これらの取り組みにより、毎年数百億円にも上る建設予算がより多く県内に還流し、産業界がもっと元気になると考えます。県内の建設業とその関連産業の振興を図る上で、これらの提案について、県土マネジメント部長のお考えをお聞かせください。

 次に、地域がもっと元気になるための基盤整備について伺います。

 河合町の長楽地区では、現在事業が進められています県道天理王寺線と不毛田川が近接していることから、道路事業と河川の浸水対策を一体的に行っていくことが必要と考えます。

 まず、県道天理王寺線のバイパス整備について伺います。

 県道天理王寺線は、川西町保田から河合町池部に至る区間について、平成二十二年に都市計画決定され、バイパス整備が進められたところです。道路建設による地域分断、環境悪化、内水被害増大等の懸念により、事業に反対されている住民がおられるなど、事業があまり進んでいないようでしたが、ここ最近は進みつつあると聞いております。

 この県道天理王寺線は、地域の振興を図る上でも重要な路線であり、地元からも早期の完成が望まれています。事業効果の早期発現を図るためにも、川西町保田から曽我川を渡り、河合町市場で現県道天理王寺線に合接するまでの区間から先行して事業を進めるべきだと思っているところでございます。

 そこで、県道天理王寺線バイパス整備の現在の進捗状況と今後の見通しはいかがでしょうか。

 次に、不毛田川の浸水対策について伺います。

 不毛田川において治水対策として、流域調節池を整備されておりますが、いまだ下流域において浸水被害が発生しています。そこで、不毛田川の浸水対策について、県はこれからどのように取り組んでいこうとされているのでしょうか。

 三点目は、広瀬川の改修についてであります。

 大和高田市から広陵町を南北に流れる広瀬川は、川幅が狭い上に、洪水時に排水先の葛城川の水位の方が高くなるため、周辺での浸水被害がこれまでに何度も起きています。

 県では、この広瀬川について、河道拡幅などにより周辺地域の浸水被害を軽減する計画を立てていますが、これまで必要な用地買収が進まず、工事着手ができない状態が続いていました。そのような中で、ことしになって、私も地元に入り話をしたところ、地権者から、地区のために協力しようという返事をいただくことができました。

 昨年八月に、広島市で起きた大規模土砂災害の事例に見られるように、最近は、局地的な短時間豪雨が、いつどこで発生するかわからない時代であります。ここは、速やかに用地買収を済ませ、河川改修工事を一日も早く進めていただきたいと願うところであります。広瀬川改修工事の実施スケジュールについて、どのようにお考えでしょうか。

 以上、三点について、県土マネジメント部長にご答弁をお願いいたします。

 次に、幼稚園児の保護者に対する支援についてお伺いいたします。

 先日、平成二十六年の合計特殊出生率が公表され、奈良県は前年より〇・〇四ポイント低下し、全国ワースト三位となりました。本県における少子化対策の重要性がますます高まっているところでございます。

 このような中、県では、奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランを本年三月に策定され、若者の雇用の安定や男女とものワーク・ライフ・バランスの実現により、子どもを産み育てやすく、子どもが健やかに育つ奈良県を目指すこととされました。奈良県を元気にする重要な計画として、私もこの計画の推進に大いに期待しているところであります。

 この計画では、子育て支援に関する施策として、就学前教育の充実が位置づけられています。県内には四十三の私立幼稚園が設置されています。幼稚園における教育も子どもの健やかな成長を支える就学前教育の重要な一翼を担うものですが、いかんせん幼稚園に子どもを通園させている保護者の年齢が相対的に若いことから、その経済的負担が過重なものになっています。

 そこで、教育長にお尋ねします。各市町村は、国庫補助金を活用して、保護者が支払うべき入園料、保育料に対する補助を幼稚園就園奨励事業として実施していますが、国が示す補助基準での運用がなされていない市町村もあるようです。このため、国が子育て支援の目玉として進めている多子世帯に対する経済的支援が十分に受けられない家庭も出てきていると聞いています。このことについて、県教育委員会としてどのように対応されているのかお聞かせください。

 次に、運転免許センターの業務に関連して質問と要望をいたします。

 一つは、運転免許センターの拡充についてであります。

 高度情報化社会の進展に伴い、我が国の製造業が物流ネットワークを活用した補充生産を主流とするようになり、産業活動の基盤として、トラック運送事業の重要性がますます高まってきています。

 しかし、その一方、トラック運送業界は、近年深刻な人材不足に見舞われています。特に平成十九年から、二十歳以上でないと受験できない中型自動車免許が設定され、十八歳で普通自動車免許を取っても、中型トラックを運転できなくなったことが若者の採用を一層困難にしています。

 さすがに、警察庁もこの問題の改善に乗り出し、新たに十八歳から受験できる準中型自動車免許を新設する法案が今国会で可決成立いたしましたが、免許システムの改修が必要で、制度が改善されるのは二年後になる見通しです。

 また、奈良県は、県内に自動車教習所が少なく、運転免許センターでの技能試験も中型で週三回、大型で週二回と少ないことから、トラックを運転できる免許の取得に大変苦労すると聞いています。このため、大型自動車第一種免許の保有者数が近畿で一番少ない状況にあります。

 奈良県では、企業誘致に大変力を入れていますが、私は、この取り組みを大きな成果につなげるためには、物流業界の活性化が重要な鍵となると考えます。

 今回の免許制度改正で、新たな区分が設けられることを契機に、運転免許センターの試験官を増員し、試験コースを増設するなどして、中型や大型自動車免許の試験日をふやすとともに、技能試験不合格者に丁寧な助言ができるような体制を整えることで、中型や大型の自動車免許を持つ若者をふやすようにすれば、若者の就業がふえ、企業誘致もしやすくなり、奈良県がもっと元気になるのではないでしょうか。

 運転免許センターにおける中型、大型の自動車免許技能試験の体制充実について、警察本部長のご所見をお伺いいたします。

 二点目は、うっかり失効対策について要望いたします。

 県内の運転免許保有者は、九十万人を超えているそうですが、運転免許の更新通知はがきが届いていても、仕事や子育てで忙しく、更新手続を忘れてしまい、免許が失効してしまう人もかなりおられると聞きます。

 免許が失効して六カ月を過ぎてしまうと、実技試験を受けることとなり、ドライバーにとっては大きな負担となります。また、失効後も気づかず運転していると、無免許運転になることもあり、交通安全のためにも速やかに更新を徹底すべきと考えます。

 例えば、免許の有効期間間際になっても免許更新をされていない方に、再度はがき等で注意喚起するようにすれば、うっかり失効対策に役立つのではないでしょうか。県民サービスの向上と交通安全の徹底の観点から要望しておきます。

 以上で、壇上からの質問を終わります。皆様、ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十八番乾議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 第一問目は、奈良モデルの推進について、広域連携による施設整備について、今後どうするのかというご質問でございます。

 本県におきましては、これまで奈良モデルと呼ばれる仕組みを積極的に推進してまいりました。県と市町村の連携のモデルでございます。この奈良モデルで市町村同士の連携・協働の機運も高まってまいりました。生駒市と平群町のし尿処理施設の共同化のための処理能力の拡充などにつきましては、奈良モデル推進補助金を活用していただき、施設の共同整備が進んだ実例がございます。

 今、議員は、地元の共同給食の例をご紹介されましたが、今般、さらなる連携・協働を支援するため、国庫補助金と地方交付税措置のいずれも対象とならない複数市町村による大規模な施設の整備に対応する、無利子の奈良モデル推進貸付事業を六月補正予算案に計上させていただき、市町村に対する財政支援のスキームの充実を図っているところでございます。

 また、ほかの分野でございますが、市町村の本来の業務でございますごみ処理につきましては、複数の市町村などが現状の処理範囲を拡大して実施する、広域のごみ処理施設の整備に対しても、今後支援を申し上げたいと思っております。市町村のごみ処理施設は、大変老朽化している一方、小規模でそれぞれがつくられると非効率になるという実態を踏まえた支援措置でございます。

 さらに、県と個別の市町村との連携の取り組みにも力を入れたいと思っております。まちづくりのアイデアや熱意があり、県の方針と合致するプロジェクトを県と協働で進めていただく場合は、まちづくり連携協定を県と市町村で締結いたしまして、県が市町村を支援する事業でございますが、市町村とのまちづくり連携推進事業を今年度の当初予算に計上させていただいたところでございます。

 県では、国の補助金や地方交付税制度を最大限活用された上で生じる市町村の負担に対して、その事情を考慮して支援することを基本にしたいと思っております。今後も市町村同士、または、県と市町村が協働で実施することによりまして、資源の有効活用など、行政運営の効率化が図られる施設整備については、積極的にご支援申し上げていきたいと思っております。

 奈良県西和医療センターの産科再開についてのことのお尋ねがございました。リスクの高い出産についての連携体制のご質問も含まれております。

 旧三室病院と呼んでおりましたが、今は西和医療センターと呼んでおります。その病院では、産科医が不足しているために、長い間産科が閉じられている状況にございました。このたび、県立医科大学のご支援を受けるとともに、県立病院機構の尽力もあり、本年四月に産科が再開される運びとなりました。常勤医師が三名と助産師八名の体制で再開いたしましたものでございますが、この七月からは、当直可能な非常勤医師一名、助産師一名を増員することができます。さらなる体制強化が図られる予定でございます。

 お問い合わせの分娩の状況でございますが、六月一日に、一人目の女の子でございますが、ご出産がございました。現在のところ、年末までにさらに三十人の出産を予定されていると聞いております。量的にはおおむね順調な受け入れ状況ではないかというふうに感じております。

 本県では、リスクの高い妊婦や新生児に高度な医療が適切に提供することのできる、周産期母子医療センターを県立医科大学附属病院と奈良県総合医療センターに整備いたしました。周産期の事故を踏まえての緊急の整備でございました。これらのセンターを中心に、一定のリスクのある妊婦を受け入れられることが可能な周産期医療実施機関でございます近畿大学医学部奈良病院、天理よろづ相談所病院、市立奈良病院と連携を図ろうと考えております。連携の周産期医療体制を本県で整備してまいりたいと思っております。

 西和医療センターにおけるリスクの高い分娩が発生した場合には、担当医のご判断により、周産期母子医療センターまたは周産期医療実施機関に受け入れ要請をすることになっております。

 さらに、母体の搬送数が増加傾向にございますので、医師が専任で搬送調整を行う母体搬送コーディネーターというものを県立医科大学附属病院に設置しております。県内受け入れ率の向上にも役に立っているところでございます。

 また、早産児や低体重児につきましては、医師の管理のもと、産科医院や助産所から周産期母子医療センターに安全に搬送することが必要でございますが、その際には、新生児ドクターカーというものがございますので、奈良県総合医療センターで運用しているところでございます。西和医療センターで出産された早産児なども安全に奈良県総合医療センターに搬送できるドクターカーでございます。

 今後も西和医療センターで安心してご出産していただきますように、関係機関と連携しながら、分娩体制の充実を議員お述べのような方向で図っていきたいと思っております。

 馬見丘陵公園の魅力アップと活用についてのご質問がございました。

 馬見丘陵公園では、美しい草花をテーマとするイベントを実施し続けております。来園者がふえてきております。平成二十五年度は六十七万人来られましたが、一年後の平成二十六年度には九十三万人にも大幅に増加いたしました。年間百万人にも間もなく達すると思います。県外からの来園者の割合も増加しております。この四月に開催いたしました馬見チューリップフェアでは、昨年度の県外の来園者は一〇%だけでございましたが、ことしは二七%にもふえました。約三割が県外からの来園者という関西での人気が出てまいりました。県外向けの広報活動にも力を入れてまいりましたので、その成果の一つかとも思っております。

 この馬見丘陵公園は、我が国有数の古墳群と自然に囲まれております。このように、四季を通じて花の彩りを演出してまいります関西トップクラスの公園として、また、関西屈指の花の名所となるよう、ブランド化を図っていきたいと考えております。

 今後の具体的な方向でございますが、ヨーロッパのオランダに膨大なチューリップが咲き誇っております、キューケンホフ公園というものがございます。規模は随分違いますが、それをお手本にして、花の景観、花の公園にしていきたいと考えております。

 今年度の馬見チューリップフェアでは、チューリップなどを昨年の五割増しの三十万本にふやしており、お楽しみいただきました。今後とも拡大、拡充をしてまいりたいと思います。

 また、イベントの数でございますが、昨年度は、チューリップフェアも含めまして、春、初夏、秋の花のイベントを開催いたしました。四週間の期間中に年間来園者の四分の一に当たります、二十四万人の方にフェアに来園いただきました。

 また、これまで取り組んでまいりませんでした、冬の花のイベント開催も検討を進めているところでございます。来園者の方へのアンケート調査を行っております。四季を通じて楽しめる公園を目指していきたいと思います。

 また、このような公園でございますが、協働して、より美しく維持管理を住民の方も含めてしていただくことも重要でございますし、現実にボランティアの方に大変多く活躍していただいております。そのようなボランティアの方の拠点となる、公園管理の拠点となるボランティアハウスをこの三月に開設いたしました。約五十名の花サポーターの皆様がこの馬見丘陵公園で働いて参画していただいておりますが、このボランティアハウスは、大変好評でございます。これを拠点に活躍の場をつくっていきたいと思います。

 また、周辺の方とコミュニケーションを図る観点から、ジャーナル誌を発行しております。やまと花ごよみ通信という題名のジャーナル誌でございますが、来園者や公園周辺の住民の方々に配布しております。地域の中で協働してこの馬見丘陵公園を盛り上げよう、そのためのジャーナル誌でございます。

 このように工夫を凝らした取り組みを続けておりますが、馬見丘陵公園が地域の観光の拠点として、また、住民の方の憩いの場として魅力を増す、また、多くの方々が遠くからも訪れていただけるように、この調子で拡充を図っていきたいと考えている公園でございます。

 その他のご質問は、関係の部長、また教育長に答えさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)二十八番乾議員のご質問にお答えいたします。

 私には、県内の建設業、関連産業の振興と地域の基盤整備につきまして、大きく二つのお尋ねがございました。

 まず、県内の建設業、関連産業の振興につきまして、お答え申し上げます。

 議員ご指摘のとおり、地震あるいは豪雨による自然災害への対応、また、社会資本の維持修繕、老朽化対策など、地元建設産業の役割は従来にも増して重要になってきております。

 しかしながら、その一方で、奈良県内の地元建設産業は大変厳しい状況にあり、地域の安全・安心の確保、公共工事、建設工事の品質の確保に向けまして、その担い手をしっかりと育成、確保していくことが喫緊の大変重要な課題であると認識してございます。

 また、こうした建設産業の厳しい状況は全国的な課題となっておりますことから、国におきましても、昨年六月に、公共工事の品質確保の促進に関する法律をはじめといたします、いわゆる担い手三法を改正いたしまして、地域の建設産業の経営が健全に成り立ち、若い方々がこの仕事に従事していけるような環境づくりに取り組んでいるところでございます。

 本県といたしましても、平成二十六年度から、若手技術者の育成を目的に、施工実績のある現場代理人のもとで若手技術者に経験を積んでいただく、専任補助制度を導入しましたほか、地元企業の受注機会の拡大に向けまして、地元に本店がある企業を評価するなど、総合評価方式に新たな工夫を図ったところでございます。

 さらに、今年度は、これらの取り組みに加えまして、四十歳以下の若手技術者を配置した場合に評価する、若手チャレンジ評価型の総合評価方式ですとか、元請実績のない地元企業にも受注機会の拡大を図ることを目的に、元請実績を求めない企業チャレンジ型の総合評価方式、こういったものを一部の工事で試行してまいります。

 今後は、こうした取り組みの成果につきまして、よく分析、検証するとともに、関係業界団体等とも率直な意見交換をさせていただき、よりよい入札、契約制度となるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、県内産建設資材の活用についてでございますが、本県におきましても、県内地場産業の振興を図る観点から、県が発注する公共工事における優先使用について、これまで鋭意取り組んできたところでございます。

 具体的には、平成二十二年度でございますけれども、県内産建設資材をより積極的に使っていただけるよう、生コンクリート、それからコンクリート二次製品、道路舗装材の三品目につきまして、三品目全てについて、その全量を県産材により施工した場合に、工事の成績評定において加点するというような取り組みを始めております。

 さらに、今年度からは、この取り組みを少し改めまして、これら三品目につきまして、一品目だけでもその全量を県産材で施工した場合には、工事成績評定において加点するということといたしまして、六月以降、入札手続を開始する工事から適用することといたしました。従来は、三品目全て使用しないと加点しなかったわけですけれども、今年度からは三品目それぞれについて加点するというように取り組みを改めたわけでございます。

 今後は、県が発注いたします工事における県内産の建設資材の使用状況につきまして、実態調査を行うなど、取り組みの成果ですとか、さらなる課題の把握に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、国が発注いたします工事における県内本店企業の活用についてでございます。

 国土交通省近畿地方整備局では、地元建設業者の健全な育成や地域の景気対策を図ることを目的に、平成二十年度から、地元企業を下請として活用する場合に、優位に評価する総合評価方式を試行的に導入してございます。

 本県におきましても、紀伊半島大水害を契機に、こうした発注方式を積極的に用いるなど、県内企業の国土交通省発注工事での積極的な取り組みについて、機会を捉えて近畿地方整備局に働きかけてまいりました。

 近畿地方整備局からは、紀伊半島大水害に関連した工事ですとか、あるいは、国道一六九号奥瀞道路の改良工事などにおきまして、平成二十四年度から平成二十六年度の三カ年度で九件の試行を行ったと聞いてございますけれども、今後とも引き続き、県内企業の積極的な活用につきまして、要望してまいりたいというふうに考えてございます。

 大きな二つ目として、地域の基盤整備についてのお尋ねがございました。具体的には三点ございましたので、順次お答え申し上げます。

 まず、県道天理王寺線のバイパス整備の進捗状況と今後の見通しでございますが、県道天理王寺線は、天理市の国道一六九号を起点とし、大和平野中央部を東西に横断して、王寺町の国道一六八号へ至る延長約十五キロメートルの幹線道路でございます。昨年七月にご議決いただきました、奈良県道路整備基本計画におきましても、骨格幹線道路ネットワークに位置づけられているところでございます。

 ご指摘の事業は、県道天理王寺線の唯一の未改良区間である、川西町保田から河合町池部の間の、この未改良区間の解消に向けました延長一・七キロメートルのバイパス道路の整備事業でございますが、平成二十二年度に事業化をしたところでございます。

 平成二十六年度からは、関係いたします河合町、川西町の五地区のうち、京奈和自動車道に近いほう、東側でございます。東側の三地区において用地買収に着手したところでございます。今年度は、この三地区におきまして、引き続き全力で用地の取得を進めることとしておりまして、六月補正予算案におきましても用地取得の推進に必要な予算の追加をお願いしているところでございます。

 用地がまとまって確保できてまいりましたなら、埋蔵文化財の調査を行い、そして、工事に着手していくということになるわけですが、部分供用による整備効果の早期発現といったものも考慮して、その実施区間を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 なお、地元調整に時間を要しております二地区につきましても、地元河合町と連携して、精力的に地元設計協議を進めまして、地元地域のご理解がいただければ、早期に用地測量に着手してまいりたいというふうに考えてございます。

 一日も早く整備効果が発現できるよう、今後とも全力で取り組んでまいりたいと思います。

 二点目のお尋ねでございます。不毛田川の浸水対策の今後の取り組みでございますが、不毛田川は、河合町市場と泉台三丁目の二カ所で大和川に合流する延長約三キロメートルの県管理の一級河川でございます。

 この不毛田川につきましては、平成十二年度に広陵町沢地内におきまして、約五万立方メートルの調節池を整備いたしましたが、この調節池の下流部約四百メートルの区間が未改修となって残っておりますことから、この調節池の十分な治水効果、こういったものが発揮できずに、大和川との合流部において内水氾濫が発生しやすいといった状況になってございます。

 このため、県といたしましては、この未改修区間四百メートルにつきまして、一日も早く改修工事が完了できるよう全力で取り組んでいるところでございます。本年の一月には、事業に反対されている一部の方を除いて、用地測量に着手させていただきました。現在、ことしの秋を目途に作業を進めているところでございます。

 用地測量が完了いたしました箇所から用地交渉に着手させていただき、早期に用地をご提供いただけるよう進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、事業に反対されている方に対しましても、地元河合町と連携して粘り強く事業の必要性をご説明し、早期にご協力いただけるよう取り組んでまいりたいというふうに思います。

 先ほどご説明させていただきました県道天理王寺線のバイパス事業と不毛田川の改修事業は、関係する地元地域も重なってまいりますので、よく連携し、一体的に事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。今後とも引き続きご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 三点目のお尋ねの広瀬川の改修工事のスケジュールでございます。

 広瀬川は、広陵町百済を上流端といたしまして、広陵町大場で葛城川に合流する延長約四キロメートルの県管理の一級河川でございます。この広瀬川につきましては、合流先の葛城川の水位が比較的高いことから、近年も平成二十一年、あるいは平成二十五年に内水氾濫による浸水被害が発生してございます。

 このため、県といたしましては、平成二十三年度に策定いたしました、大和川水系曽我葛城圏域の河川整備計画にこの広瀬川の改修を位置づけまして、現在、改修事業を進めているところでございます。

 具体的には、まず、広瀬川の合流先を現在の葛城川から水位の低い曽我川につけかえるということを計画してございまして、新たに設ける樋門の整備に向け、必要となる用地の取得を進めてまいりました。

 用地の取得につきましては、地籍の混乱等により若干時間を要しましたが、おかげさまでこの五月に難航していた二件につきましても解決することができました。

 新たに設ける樋門の詳細設計は、この三月に完了してございますので、非出水期となりますことしの十一月ごろを目途に、工事に着手してまいりたいというふうに考えておりまして、この六月補正予算案におきましても、必要な予算の追加をお願いしているところでございます。

 この樋門の設置工事には、おおむね二カ年程度を要する見込みでございますけれども、できるだけ早期に完成できるよう努力してまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十八番乾議員のご質問にお答えをいたします。

 私には幼稚園就園奨励事業の取り組みが不十分な市町村、特に多子世帯への支援が不十分な市町村があるが、県教育委員会としてどのような対応をしているのかとのお尋ねでございます。

 幼稚園就園奨励費は、子どもを私立幼稚園に就園させている保護者に対しまして、市町村が入園料、保育料の全部または一部について補助を行うものでございます。

 国は、保護者の所得状況に応じた補助基準を設け、市町村の所要経費の一部について補助金を交付するとともに、本事業の実施に必要となる経費については、地方交付税措置を行っております。特に補助制度においては、第二子の保護者負担の軽減、第三子以降の無償化に向けた補助基準の拡充が進められております。

 しかし、議員お述べのとおり、本県におきまして、これら多子世帯に対する補助制度を持たないなど、国が示す補助基準以下で事業を実施している市町村も認められます。

 県教育委員会といたしましては、市町村がより積極的に就園奨励事業に取り組んでいただけるよう、国に対しまして、全国都道府県教育長協議会等を通じまして、一つ目には必要な予算額を確保すること、二つ目には国庫補助率の改善を図ること等を要望してまいりました。

 これによりまして、昨年度までは国の補助割合が要綱に定める上限の三分の一に達していない実態が見られましたが、今年度から上限まで補助金予算が拡充され、市町村支援の充実が図られたところでございます。

 県教育委員会といたしましては、事業実施主体である市町村に対しまして、事業の趣旨やこのような状況について十分に説明し、理解を求めながら、今後も保護者の経済的負担軽減のため、就園奨励事業の充実を図ってまいる所存でございます。

 どうもありがとうございました。



○副議長(山本進章) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)二十八番乾議員のご質問にお答えいたします。

 私には運転免許センターにおける中型や大型の自動車免許技能試験の体制充実に関する私の考えについてのお尋ねでありますけれども、運転免許試験における技能試験は、受験者が受けようとする免許に係る自動車の運転に必要な技能を有するかどうかにつきまして試験を実施しているもので、奈良県では、現在、大型仮免許試験を月曜・水曜・金曜、同路上試験を火曜・木曜に、中型免許につきましては、仮免許試験及び路上試験を月曜・水曜・金曜に、事前の予約を受けた上で実施しているところであります。

 平成二十六年中の運転免許センターにおける大型自動車免許等の受験者数は、延べ人数で申しますと、大型自動車免許が仮免許試験七百四十一人、路上試験五百八人、中型自動車免許につきましては、仮免許試験三百四十八人、路上試験百三十三人、八トン解除審査三百十六人の合計二千四十六人となっており、人数的には、大阪府、京都府、滋賀県及び和歌山県を上回り、兵庫県に次ぐ、管区内では受験者数を受け入れているところであります。

 一方、試験の予約待ちにつきましては、時期的に若干の変動はございますが、平均的にはおおむね大型で約一週間、中型で約三日間から五日間と、近隣府県と比較して短くなっているところでございます。

 しかしながら、議員お述べのとおり、準中型自動車免許の新設が予定されておりますので、今後、中型自動車免許及び大型自動車免許を含む各技能試験の受験希望者の状況を踏まえ、県民の皆様が適切な受験機会を得られるよう各種検討を行うなど、所要の準備を進めてまいります。

 なお、技能試験が終了した受験者に対しましては、試験官から当日の試験結果から見て運転上の重要なポイントまたは今後の運転練習の努力目標について、指導・助言を行わせているところでありますが、今後、これにつきましては、より丁寧に行うようにしてまいりたいと考えております。

 以上です。



○副議長(山本進章) 二十八番乾浩之議員。



◆二十八番(乾浩之) 今回も知事はじめ理事者の方々が大変積極的にご答弁いただき、ありがとうございました。特に、奈良モデル推進貸付事業については、地元県議会議員として大変感謝しているところでございます。今後も効率的な行政を目指して、北葛城郡の四町が協働して行う取り組みが進むよう、私も尽力していきますので、その際は手厚いご支援をお願いいたします。

 周産期医療体制整備は、我が県の大きな課題でありましたが、西和医療センターで安心して出産できる体制を整えていただいたということは、大きな進展だと思います。この体制をしっかりと継続してくださるようお願いいたします。

 また、馬見丘陵公園の魅力アップについても、冬場の話題づくりについて、いろいろ考えていただいていると伺っていますが、馬見丘陵公園が中和地域の観光の拠点となるよう、地元とともに構想の実現に協力していきたいと思います。

 そして、幼稚園就園奨励費について、国の基準では年額最大三十万八千円と聞いています。市町村の財政事情もあると思いますが、若い世帯への支援でありますので、県としても少子化対策の面から総合的な措置をお願いいたします。

 そのほか、県内産業の活性化の観点から、公共工事の入札、運転免許センターの業務などについて質問しましたが、産業活性化、雇用の創出、産業・雇用振興部だけが頑張れば成果が上がる課題ではなく、さまざまな制度の改善や基盤整備など、ほかの部局も一丸となって取り組むべき問題だと私は感じています。この点に関して、知事のコメントをいただけるとありがたいですが、荒井知事、いかがでしょうか。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 議員ご指摘のとおりだと思います。一つの分野だけやっても、なかなか奈良県の経済あるいは暮らしの活性化というのはできないと思います。県と市町村、やり始めました県庁の中の部局の体制を統括してプロジェクトを進めるのが極めて大事だというふうに私も思います。



○副議長(山本進章) 乾浩之議員、よろしいですか。



◆二十八番(乾浩之) ありがとうございました。また、これからもよろしくお願いしておきます。これで終わります。



○副議長(山本進章) 次に、三十一番和田恵治議員に発言を許します。−−三十一番和田恵治議員。(拍手)



◆三十一番(和田恵治) (登壇)ご指名にあずかりましたので、ただいまより創生奈良、和田恵治、一般質問を行いたいと思います。

 国では、日本の平和と民主主義の進路をめぐって激しく議論が展開されております。我が奈良県でも多くの抱える課題が山積しております。真摯にしっかりと議論ができることを願って、まず最初に、奈良県の構造改革の推進について質問いたします。

 荒井知事は、二年前の平成二十六年二月議会において、平成二十六年度予算編成にかかわって所信表明をされた中で、本県の経済の特徴を一言で申しますと、家計の消費が旺盛な反面、県内の経済の活動が低いということです。そして、消費と産業・雇用のバランスが悪い状況が続いており、これは本県経済の構造上の問題となっており、平成二十六年度は、経済の構造改革に向けた取り組みを県政の主軸に据え、奈良県の発展を強力に進めてまいりますとの決意を示されました。私は、この着眼点に賛成してまいりました。

 一方、国の経済動向を見ると、昨年四月、消費税が五%から八%に増税されたことで、日本経済はしぼんでしまい、結局、昨年度の実質成長率は、前年比でマイナス〇・九%となりました。なるほど消費税の増税分は、国家収入をふやし、その一部が地方消費税清算金として都道府県に配分されて地方財源を潤しましたが、一番大事な自主財源となる県税収入の基礎である奈良県経済の景気がよくなったとはとても思えません。

 アベノミクスによる円安と株高は、大企業と有価証券を保有する所得層、富裕層を潤わせましたが、相次ぐ増税と物価高で、中小企業や小規模事業者、国民の生活は一向によくならず、また、ことしに入っても、個人消費の回復がほとんど見られず、ますます経済格差が広がっております。

 こうした厳しい経済環境の中で、本県の今後の経済的課題を把握するために、現在取り組んでいる経済政策を地域産業の支援・創出、観光振興、県内消費の拡大、雇用対策の推進、農林業の振興の五分野に分けて現状分析され、よくなっている指標、それと、変化が見られない指標、低下している指標に分け、こうした指標から経済の課題や対策を見つけ出そうと努力されていることが感じ取れます。

 さて、示されたよくない指標の項目では、全国との比較順位でワーストワン、あるいは、最低位近辺にあるものも少なくはなく、さらに重要であるのは、経済のファンダメンタルを示す重要な指標において、改善された項目よりも悪い項目が目立つように思われます。これらの悪い指標の改善こそが、奈良県の経済改革を進める上で重要な課題であることは言うまでもありません。

 そこで知事にお尋ねいたします。

 本格的に着手された経済の構造改革については、今後、どのような経済指標に着目して取り組もうとされているのか、そして、具体的な取り組みを進めるに当たっては、本県の経済構造を踏まえた奈良らしい取り組みが必要であると考えますが、どのように取り組まれているのでしょうか。あわせてお伺いいたします。

 また、起業支援、小規模企業支援についてですが、新規の有望な事業者や優良な小規模事業者の方々がさらに事業拡大を目指して資金を調達しようとする際に、事前の金融機関の審査等において、制度融資を受けることが難しい場合がありますが、このような状況を改善する方法をどのように考えているかお伺いいたします。

 さらに、消費税増税のため、いまだに回復していない個人消費を喚起するために、プレミアム商品券の発行による効果が期待されるところですが、そのことを踏まえた上で、効果がその後も持続するための対策がさらに必要と思いますが、いかがでしょうか。

 次に、経済格差で生活困窮者がふえ続けている現状の対策について、知事にお尋ねします。

 生活手段がなく、健康で文化的な最低限度の生活を営めない人たちを対象にした、生活保護制度の適用による生活保護受給者は、平成二十五年時点で、統計をとり始めた昭和二十六年の時点をしのぎ、ついに二百万人を超えて、二百十六万千六百十二人に達し、保護率では一・七%となりました。

 奈良県の場合を見ますと、一九九六年に底を打ち、全国的な傾向と同じく上昇の一途をたどり、平成二十五年の保護人員は二万六百九人、保護率は一・四九%で、全国平均の保護率一・七%を下回るものの、上昇を続けております。

 このように生活保護者が増加の一途をたどることと並行して、生活保護に頼らざるを得ない生活困窮者が相当数に上っていることも指摘されております。しかも、最近の特徴的な傾向は、若年層もふえているということです。特に、非正規労働者は、平成十二年に二六%だったものが、平成二十五年には三六・七%にまで増加しており、三十歳以下の若年層の四〇%が非正規労働者だと言われております。

 足元の県行政事務、業務を担う職員を見渡しても、正規職員以外に非正規職員も少なからずおります。まず、県行政や市町村行政、教職員など、地方公共団体から非正規職員を少なくする、なくすという方向で範を示す必要があるのではないかと思います。

 そして、年収二百万円以下の給与所得者は、平成十二年で一八・四%であったのが、これもまた平成二十五年には二四・一%にまで膨れ上がっているのです。ニートと言われる人が平成二十五年度で約六十万人、引きこもりが約二十六万世帯、ブラックバイトも社会問題化しています。日本では、格差社会を解消するどころか、さらに強まっております。

 以上のように生活困窮者がふえる中で、平成二十五年十二月、生活困窮者自立支援法が制定され、ことし四月から自立相談支援事業等の生活困窮者対策事業が実施されることとなりました。

 生活困窮者自立支援法の趣旨は、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、あるいは、住居確保給付金の支給その他の支援を行うための所要の措置を講ずるというもので、実施主体は、福祉事務所設置自治体となっております。

 具体的に支援対策事業を見ますと、自立相談支援事業と住居確保給付金の二項目の必須事業、そして、就労準備支援事業、一時生活支援事業及び家計相談支援事業、生活困窮家庭の子どもへの学習支援事業の四項目の任意事業があります。これらの支援事業で成果を上げるには、生活困窮者一人ひとりが抱えているさまざまな問題を解決していかなければならず、生活困窮者自立相談支援センターを中心に、支援にかかわる者がチームを組んで、総合的かつきめ細やかに相談に対応する体制が求められます。

 例えば、仕事につけていないことが生活困窮に起因している場合であれば、ハローワーク等と連携して、本人の希望や適性に合った企業を探し出してマッチングを行う就労支援が必要となりますし、浪費が生活困窮に起因している場合であれば、金銭管理についてアドバイスする家計相談支援にとどまらず、浪費の原因は何かを突きとめて、根本から自立に導く支援が必要であります。また、生活困窮には周囲からの孤立、認知症、障害、アルコール依存、介護疲れ、家庭内暴力、多重債務などの要因が絡み合っているケースも少なくなく、単に福祉サービスにつなぐだけでは解決せず、場合によっては医療機関、警察、法テラスなどとの連携が求められるケースもあります。これらに柔軟に対応できる人材の確保が必要であります。

 そこで、知事にお伺いします。

 私は、本年四月からスタートした生活困窮者自立支援制度は、これ以上生活困窮者をふやさないため、非常に重要な制度であると考えております。生活困窮者自立支援制度がスタートして二カ月余りが経過しました。この制度を実効あるものとするため、必要な人材の確保・育成を含め、どのように取り組もうとされているのか、お聞かせください。

 第三点目に、奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例について、質問いたします。

 さきの定例県議会で制定されましたこの条例は、奈良県における障害を理由とする差別の解消に向けた具体的な取り組みの根拠となる条例であります。

 本条例をよく見ますと、随所にわたって評価のできる内容があると理解しており、障害者差別を解決するためにはぜひとも役立てていかなければならないと考えております。しかし、あわせてこの条例の実効性を高めるために、幾つかの点で整理しなければならない課題があると思っており、私は、本条例の意義を確認する意味で、所見をまず述べた上で、それらの課題について何点か質問いたします。

 まず、この条例の意義を四点確認しておきます。

 第一は、この条例の制定に向けた意見交換を行う検討委員会が設置され、委員十八名中、半数の九名が障害のある当事者、関係者で構成され、当事者の声を条例に反映しました。このことは大変重要なことであり、この条例が障害者差別をなくす大きな礎になるものと思っております。

 第二は、この条例制定の趣旨は、前文に書かれているように、日本社会において障害者差別が現実にあるという状況を踏まえ、障害を理由とする差別的言動その他の権利利益を侵害する行為をなくすとともに、全ての県民の障害への理解を深めるための取り組みが必要であると確認しました。この規定によって、障害者の人格を傷つける差別的言動に込められた心理的差別も解決の対象となり、その結果、これまで差別的言動による痛みに耐えながら泣き寝入りをしてきた障害者の人権救済、名誉回復を図ることが明確にされました。

 第三は、第二章、障害を理由とする差別の禁止において、その第八条で、障害者に対する不利益な取り扱いの禁止が定められ、第九条において、障害のある人の社会参加を阻む社会的障壁の除去のための合理的な配慮が規定されております。

 この第九条を具体的に見ますと、何人も、障害のある人から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害のある人の権利利益を侵害することとならないよう、本人の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと規定されております。この規定により、障害のある当事者による社会に対する異議申し立てが可能となりました。言いかえれば、障害のある当事者の訴えを、私たちは無視することが許されなくなったのです。このことは、二重の意味で重要であります。一つは、障害者差別を生み出す原因究明に大きく道を開いたこと、他の一つは、実際において解決のための措置、対策を講じることが求められているということです。

 第四は、第三章、障害を理由とする差別を解消するための施策において、障害者は、不利益な取り扱いをされたり、社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮が行われない場合は、奈良県に相談することができ、相談により事案が解決しないときは、知事に解決のための必要な措置を講ずるよう求めることができ、その場合、知事は、奈良県障害者相談等調整委員会に、関係当事者に助言またはあっせんを行わせたり、勧告や公表をすることができるとしております。すなわち、障害者の人権救済措置を行うという意思を明確にしたことであります。以上のような意義について、ぜひ市町村自治体や県民に周知徹底されるべきだろうと思います。

 しかし、このような意義を持つ条例を実効性のあるものにするために、明確にしていただきたい点について質問いたします。

 まず、県としてこの条例で強調したい点は何であるのか、そして、条例に定める基本理念にのっとり、第四条の障害を理由とする差別の解消等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するという県の責務を今後どのような形で果たしていこうとされているのか、また、社会的障壁の除去の実施に当たっての負担が過重であるのかないのかの判断や、相談体制の構築などが重要な課題と思われますが、この条例の効果的な運用についてどのように取り組もうとされているのか、以上について、知事の答弁をお願いいたします。

 第四点目は、私の地元、桜井市安倍地区において、現在建設中のなら食と農の魅力創造国際大学校、いわゆるNAFICのフードクリエィティブ学科について質問いたします。

 この安倍校舎の建築工事につきましては、現在、県道桜井明日香吉野線を通っている真新しい建物の姿を見ることができ、順調に工事が進んでいるようです。手前に、北端に見えているのは実践オーベルジュ棟だと思いますが、その外観には奈良の木を使っておられるようで、景観にマッチしたすばらしい施設ができ上がりつつあると喜んでおります。

 去る六月十日には、知事とこの実践オーベルジュ棟の指定管理者である株式会社ひらまつの平松社長との共同記者会見で、施設の名称をオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井とすること、また、オープンは九月五日になることなどを発表され、新聞各紙で報道されていました。私は、この記事を読んで、この場所を拠点として桜井市のまちづくりが進展することに大きな期待を寄せているところであります。

 オーベルジュとは、おいしい料理をゆっくりと楽しむ施設のことであり、指定管理者の株式会社ひらまつのネームバリューから考えますと、首都圏や海外からの誘客も想定した、県産食材を使ったおいしい料理が提供されることと想像しております。地元でもNAFICに対する関心が高く、各種団体も一度は利用してみたいと言っており、そのにぎわいが目に浮かびます。

 このNAFICには、農に強い食の担い手を育成するフードクリエィティブ学科のほか、農業の担い手を育成するアグリマネジメント学科が置かれますが、アグリマネジメント学科については、現在の農業大学校を再編して充実されるとのことですので、特に心配はしておりません。しかし、フードクリエィティブ学科は、新設でもありますので、最先端の調理技術やマネジメントなどを教える教員の確保が重要であり、大きな課題であると考えています。

 また、学生募集は、高校生を主たる対象とされるのでしょうか。高度な調理技術ともてなしの心を育成する実践的な教育を行い、オーナーシェフを目指すような人を育てるとお聞きしておりますので、レストランなどで働いている経験者の入学希望も多くなると思います。

 そこで、農林部長にお尋ねしたい。新たに開設するNAFIC、フードクリエィティブ学科の学生募集や教員の確保など、開設の準備は現在どのようになっているのでしょうか。また、実践オーベルジュ棟の運営コンセプトや料金設定などは、どのようになっているのでしょうか。

 最後に、菜の花プロジェクトに関して、知事に要望いたします。

 菜の花プロジェクトは、休耕田や地域の畑で育てられた菜の花を切り口に、持続可能な資源循環型社会を目指す取り組みであり、平成十年ごろに滋賀県から始まって、瞬く間に全国に広がり、県内でも循環型社会の実現を目指して活動する団体のネットワーク、奈良県環境県民フォーラムのメンバーでつくるやまと菜の花ねっとで十年前から取り組まれました。

 その活動の思いの中には、江戸期に、菜の花の中に城あり郡山と呼ばれた光景を再生したいとの思いも込めて、昨年から、天理市渋谷町の景行天皇陵裏手の山の辺の道沿いの県有地に、菜の花を咲かせる活動に取り組んでいます。本年は、さらにこの傾斜一面に菜の花を咲かせ、菜の花畑から大和三山、葛城山までの大和盆地を一望できる山の辺の道の最高の観光スポットになることを目指して活動しております。

 ところで、菜の花プロジェクトは、菜の花畑の景観を楽しんだ後、菜種油を搾り、食用油として消費する活動や商品化に取り組み、また、調理に使われた後は、その廃油で石けんをつくったり、軽油代替燃料バイオディーゼルに再生して、ディーゼル車を走らせたりもいたしております。

 現在、菜の花プロジェクトは、県内各地の学校教育における環境教育にも取り入れられ、保育所、幼稚園、小学校などでは地域住民やNPOの協力を得て、菜の花を育て、菜種油をつくるなど、自然や人とのつながりの貴重な体験をしています。しかも、その菜種油の一部は、平成二十二年から薬師寺をはじめ東大寺、春日大社、唐招提寺、興福寺、大神神社、高野山の金剛峯寺などに奉納されたりもしています。

 このように、自然と人間の生活の循環と共生を目指して活動する、奈良県の菜の花プロジェクトが評価され、二〇一六年四月、第十六回全国菜の花サミットが奈良県で開催されることとなりました。サミットの成功に向けて、奈良県の惜しまぬご支援、ご協力を要望する次第であります。

 以上をもちまして、壇上からの質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十一番和田議員のご質問にお答え申し上げます。

 奈良県の経済構造改革の推進について、三問、まずご質問がございました。

 第一問は、奈良らしさに着目した取り組み、どのように進めるのかということでございます。取り組みの仕方ということでございましょうか。

 私は、これまで本県の現状について、まず分析をして、仕事を始めました。特に、他府県に比べおくれている分野につきましては、先進県をベンチマークいたしまして、絶えず追いつく努力を重ねてまいりました。経済構造改革についても、おくれている分野と認識してまいりました。

 その結果、企業立地の分野では大きな成果を見られることになりました。経済の他の分野においても成果を上げるためには、県内での投資・消費・雇用の経済循環を活発にするように、経済構造を改革するというところまで踏み込む必要があろうかと思いました。議員ご指摘の点でもございます。

 このため、そのやり方として、九つの産業分野に焦点を当てた産業おこしに取り組んでいるところでございます。産業セクターに分けて、そのセクターの産業組織を改革していくという手法でございます。

 この産業おこしの手法では、各分野ごとに十年後に達成すべき成果目標を定めております。例えば、生活関連製造業では製造品出荷額が目標になっております。小売業では県民一人当たり年間商品販売額を目標にしております。宿泊産業では宿泊客数が重要な指標であると考えております。それぞれに十年後の目標数値を設定したところでございます。かなり高い目標を設定している分野もありますが、目標達成に向け、これまでのありきたりの施策だけではなく、生産、加工、流通、販売の一貫した効率的な産業組織を構築するための産業政策が必要だと思っております。

 また、本県独自の資源や特有の歴史的、文化的な深みが本県の強みと思われますので、それを生かしたさまざまな奈良らしい取り組みが重要だと思います。地域産業には、地域の独自の資源と独自の強み、弱みがあるということは自明のことでございます。奈良県におきまして、本県の強みを生かした産業分野の一例が漢方でございます。漢方の分野におきましても、生産、加工、流通、販売の一貫した体制を整備し、漢方関連産業の活性化を図ろうとする取り組みを始めております。

 この七月には、薬草栽培者から製薬・食品メーカー、外食産業までの事業者や研究者などで構成いたします奈良県漢方のメッカ推進協議会を設置いたします。生産者だけでなく、流通あるいは製造の方も一緒に協議しましょうという取り組みでございます。漢方関連の新たな商品やビジネスモデルの創出を目指して、官民、他分野の方々が連携して、積極的な産業組織をつくるよう推進してまいりたいと思っております。

 二つ目のご質問は、金融機関の審査と制度融資の関係についてのご質問かと存じます。制度融資を受けるには、金融機関の審査が邪魔をするというわけではございませんが、審査が厳しいこともあるのではないかといった趣旨のご質問だと思います。

 本県の経済構造を改革し、経済を発展させていくためには、意欲ある創業者や発展途上の中小・小規模事業者の成長に向けまして、事業資金が潤沢に供給されることが重要であろうかと思います。

 議員ご指摘の懸念の場合とは、事業者の事業計画の熟度が足りなかったり、あるいは、事業計画の実施に見合う資金繰りの見通しが十分でないなどの理由により、金融機関が融資に慎重になっている場合があるのではないかと想定するものでございます。このような場合については、計画の熟度と資金繰りの見通しというのは、事業遂行の中でも最も基本的で大事なものでございますので、金融機関の対応がその点に着目して審査されるのは、ある面では当然なことだと思います。

 金融機関や奈良県信用保証協会には、そのような事業者に対しても寄り添って、資金供給に関する相談のみならず、事業遂行上のご相談も親身に応じて、しっかりと事業活動を支え、育てていくことが求められていると思っております。そういった役割を果たしていただくよう、県としても継続的に両機関に働きかけを行っております。

 あわせて、県みずからも創業者や開業間もない中小・小規模事業者からの相談に、丁寧に対応していきたいと思っております。その結果、円滑な資金調達ができ、事業を円滑に遂行されることが可能になるようサポートしていきたいと考えております。

 また、県の制度融資におきましても、昨年度から、優れた事業計画を有する創業者や事業拡大を目指す事業者につきましては、利子及び保証料を県が全額負担するというメニューを新設いたしました。さらに、今年度は、女性創業者や県の南部・東部地域における創業者にも対象を広げ、より利用しやすくなるよう、制度としての充実を図ってきております。

 議員お述べの件は、審査の過程のやり方ということでございますが、今後とも金融機関とともに、県内の中小・小規模事業者が円滑に事業資金を調達でき、事業発展を進めることができるように、県の体制の充実に努めてまいりたいと思います。

 経済構造改革三つ目のご質問は、プレミアム商品券の発行など、個人消費の喚起についての効果の持続力のご質問であろうかと思います。

 今年度、プレミアム商品券を全県分と南部・東部地域分の二種類を合わせて四十八億二千万円発行することにしております。平成二十二年度の発行時には、所要経費約四億六千万円で消費拡大効果は約二十億円の試算となっております。今回も、このプレミアム商品券の効果をできるだけ持続させることが必要だと思います。

 商品券の発行により喚起されました、身近な地域での消費を持続させるためには、まちづくりの推進が必要だというふうに思います。県と市町村の連携協定によるまちづくり事業でこのようなことを進めようとしております。また、にぎわいづくりも常に維持して、保って、喚起していくことが必要だと思います。にぎわいづくりには、イベントの継続的開催も有効であることが最近わかってまいりました。

 連携によるまちづくりを進めるためには、活気のあるまちづくりを進めるためには、本年新たに制度をつくっております店舗創業に意欲を持つ方々を公募いたしまして、セミナーで学んでいただいた後に、地域の空き店舗を活用して出店する実証実験のような事業を行いたいと思っております。加えまして、その成果を生かした新しい経営者の誘致を行うほか、引き続き県内各地での個性的な店舗の創出への支援も行っていきたいと思います。

 また、地域を選び、商工会と連携して、ICTを活用した消費データの収集による顧客の消費行動の分析を行うことで、店舗の広告方法や品ぞろえなど、個々の店舗運営の戦略的な取り組みにつなげていきたいと思います。よい店をたくさん地域でつくるという方向での努力でございます。

 さらに、地域でのにぎわいづくりを図るためには、プレミアム商品券の発行とあわせまして、イベントの開催などが必要かと思います。幅広い層が楽しめる地域のイベントで、にぎわいづくりに弾みをつけていきたいと思います。

 このような努力を重ねて、身近な地域で、まちや店舗に来られる方々が固定客となり、毎月、毎週、毎日来られる方がおられ、県内各地で持続的に消費が盛り上がるように着実な取り組みが必要と思っております。

 その次のご質問は、生活困窮者自立支援の具体化、活用についてでございます。

 議員お述べになりましたが、生活困窮者自立支援制度は、生活困窮者が生活保護に陥る前に手を差し伸べ、自立の促進を図るという観点から、重要かつ不可欠な制度であろうと思っております。その事業を実効的に遂行するためには、必要な人材の確保・育成、連携・協働を進めるということは、最も必要なことだというふうに思います。議員がお述べになったとおりだと思います。

 この制度開始から、これまでの運用状況でございますが、本年四月一日より、実施主体でございます県内十二市と十津川村、県におきまして、生活困窮に関する相談窓口を設置いたしまして、県全域で順調に運用が始まっております。

 このうち、県におきましては、相談窓口として、奈良県社会福祉総合センター内に奈良県中和・吉野生活自立サポートセンターを開設いたしました。サポートセンター開設の四月から五月末までの二カ月間で延べ二百四十五件の相談や支援を行い、十四名の就職につながっていると聞いております。

 生活困窮者が有する課題は、多様で複合的でございます。議員もお述べになりました。個々のニーズに合ったきめ細やかな対応が必要であろうかと思います。そのためには、高い専門性とスキルを備えた人材の確保と育成、また、幅広い関係機関等が連携した支援の実施が重要な課題であろうかと思います。また、貧困の連鎖を防止する観点から、生活困窮世帯の子どもへの学習支援の実施も重要であろうかというふうに思います。

 そのため、県におきましては、福祉と就労のトータル的な支援が必要だと考えております。そのため、サポートセンターにおきましては、社会福祉士、精神保健福祉士、就労支援員、ファイナンシャルアドバイザーなどの分野の違う専門スタッフを配置しているところでございます。また、県をはじめ支援を行う人材のスキルアップを図るため、相談窓口を設置していない町村も含め、県内全市町村を対象とした研修を実施して、制度の理解促進と相談支援員等の実践力の向上に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、実効ある支援を実施するためには、関係する機関とのネットワークの拡大が必要だと思います。ハローワーク、弁護士会、民生委員など、個々の課題に対応したチームを編成して、支援する必要があろうかと思います。

 また、本県では、県福祉事務所管内の生活困窮世帯の子どもを対象に、学力向上と子どもの社会性を育む学習支援を実施しておりますが、市町村での実施状況が低調な状況にございます。市町村に対してまして、子どもの学習支援などの取り組みを促していきたいと思っております。

 その次のご質問は、奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例についてのご質問でございます。

 条例の意義を四点にわたって詳しくお述べになりました。そのとおりであると思いますが、ご質問は、この条例で強調したい点は何だと考えているのかという点が第一点、また、県の責務をどのように考えているのかという点、また、効果的な相談などの運営についてどのように考えているのか、その三点でございます。

 この条例は、障害のある人を包摂するインクルーシブな社会づくりを目指した条例という意義も大きなことだと思います。

 この条例の特徴といたしましては、議員もお述べになりましたが、三点あるように感じております。一つは前文で、条例の目的の実現に向けた県の決意を表明したということでございます。二つ目は、障害者差別解消法の対象は、国の法律は行政と事業者に限定しておりますが、本県条例では何人もとした点で、非常に広い対象にした点が特徴だと思います。三つ目は、差別の解消などについて、県が責任を持って対応すると踏み込んだ対応を求めている点が特徴だと思います。

 次の県の責務を果たしていく観点のご質問でございますが、まずは、条例に規定されます差別の解消と、県民理解の促進に関する施策の推進が県の大きな役割であろうかと思います。着実に取り組んでいきたいと思います。

 具体的な取り組みといたしまして、最前線で相談支援に当たられる適切な相談員の確保と、その資質向上に取り組んで、しっかりとした相談体制を整備することが大事だと思います。県民理解という点では、障害者団体と協働して取り組んでおります、まほろばあいサポート運動を核として、運動を広げていきたいと思います。

 次のご質問で、不利益な取り扱いの禁止、社会的障壁の除去のための合理的な配慮についてのご質問がございました。この二つの概念は、とても重要な概念だと思います。その具体的な運用についてのご質問でもございます。

 議員お述べの過重な負担のほか、合理的な理由に該当するかどうかのテスト、尺度が必要でないかというのは、かねてから課題になっている点でございます。公平、公正な判断が求められる定規が要るというふうに思います。

 具体的な当てはめでございますが、障害の種別、程度、置かれた状況、あるいは、個人か事業者かなどによって、事情が異なっているのが実情でございます。個別の事情を前提として判断する必要がある、割と難しい概念であろうかと思います。

 そのように認識しておりますので、条例の施行までに、障害者差別解消法や同種の条例を有する他府県における対応方針に加えまして、新たに設置する予定でございます障害者相談等調整委員会のほか、改めて障害当事者や関係団体、一般県民や事業者などのご意見を聞きながら、条例の具体的な解釈や運用等について、まとめましたガイドラインを整備し、公表したいと思っております。

 また、この当初のガイドラインがずっと有効であり続けるかどうかは、まだわかりませんので、条例の施行後におきましても、個々の相談事案等に当たっていく中で、このガイドラインの改定についても適宜見直しを行って、一層の充実を図りたいと思っております。そのようなことで、この条例が実効ある運用ができるように考えたいと思っております。

 来年度からの条例施行でございますが、しっかりと準備を行って、引き続き障害のある人もない人もともに安心して幸せに暮らすことができる奈良県づくりを目指していきたいと思っております。

 次のご質問は、農林部長がお答えすることにさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)三十一番和田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、新たに開設するNAFICフードクリエィティブ学科の学生募集や教員の確保など、開設の準備は現在どのようになっているのか、また、実践オーベルジュ棟の運営コンセプトや料金設定などは、どのようになっているのかとの問い合わせでございます。お答えいたします。

 NAFICにつきましては、平成二十八年四月開校を目指して準備を進めているところでございます。

 学生募集につきましては、本年四月からホームページやフェイスブックページを開設し、告知を開始いたしました。また、五月には学校案内パンフレットを作成し、高校生を対象とした東京都、大阪府での進学説明会や、県内高等学校に出向いての説明会を積極的に行っているところでございます。

 また、レストランのオーナーシェフなどを目指す社会人に対するPRにつきましては、ホテルやレストランの専門雑誌、新聞での記事掲載も予定しており、幅広く受験生の確保に努めていきたいと考えております。

 一方、教職員につきましては、各カリキュラムに対応して人選を進めているところでございます。特に、核となる調理を担当する教職員の確保につきましては、辻調理師専門学校を有する学校法人辻料理学館と協働連携に関する基本協定を締結した上で、調理を担当する教職員の派遣などの業務提携を進めていきたいと考えております。なお、基本協定は、七月二日に、知事と辻理事長により協定締結の調印式を行う予定でございます。

 次に、実践オーベルジュ棟、オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井についてですが、指定管理者の株式会社ひらまつと協議を行い、施設コンセプトは、地元の食材を生かしたこだわりの料理でのおもてなしとしております。

 日本国内、世界各地からの来訪者はもとより、地元地域の皆様にもご利用していただきやすい施設とするため、平日限定ではありますが、ランチ二千円、ディナー六千円という価格帯のメニューも用意していただくことになりました。

 また、レストランは四十席、実践バンケットの会議利用は四十二席とし、各種会合でのご利用を想定しており、地域に根差し、地域のにぎわいの核となる施設にしていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 答弁をいただきました。あと残すところ三分でございます。その範囲内で質問、要望いたします。

 経済の構造改革の推進については、知事の姿勢、よくわかりました。事業者に寄り添って、これからも金融支援を中心として、いろいろな対策を練っていきたい、このような姿勢でございます。どうかしっかりとそのことは取り組んでいただきたい、このように思います。

 なお、一点、気がかりな問題が私の方に届いております。それは、農林業関係の小規模な家族経営的な事業者や零細経営の事業者についてどうなのかという点でございます。

 既に知事は、奈良県の経済力を高めるために、奈良県の商品のブランド力をつけていく必要がある、このようなことを示されました。しかし、この中でも、特に、例えば畜産品で言えば、大和牛やヤマトポーク、大和肉鶏などがブランドとして育ってきておりますが、特に大和牛の場合は、需要に対して供給が追いついていないという状況がございます。したがって、子牛をどんどん購入、仕入れ、育てていく、そして、消費者に届けることができるならば、ますます大きく育つのではないか、こう思うわけでございますが、しかし、子牛を仕入れるためには、融資とか金融支援が大変受けにくいということが関係者の間で指摘されております。せっかくここまで築き上げた大和牛、ブランド力を生かすためには、この対策、この仕入れる手元資金とかいったものが潤沢でないと前を向いて進みません。そういう意味で、この融資を受けやすい支援の仕組みについて考える必要があると思うんですが、今、仕組みのことでございますから、この場で答えをいただくつもりはございませんが、いずれにしても、提案ということでひとつご検討いただきたいなと、このように思います。

 それから、二点目のことで、私はこの質問の中で、生活困窮者の大きな原因として、非正規労働者の問題を指摘し、県の、もう十五秒しかございませんので終わりますが、知事、何か一言ございましたら、どうぞ答弁ください。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 最初の大和牛の育成振興ということで、畜産振興ということ。奈良県は農業算出額が四百三十七億円で、全国で四番目に、三番目、四番目の低ランクでございます。その原因の一つは、稲が多くて畜産、野菜の生産が少ないと、そのシェアのことでございます。畜産は重要でかつ有望でございますが、各県とも同じでございますけれども、畜産が伸びないのは、金融というよりも人が足りない。畜産はなかなか人手の要る大変な作業でございます。奈良県の農産物も人がないために耕作放棄地が非常に多いわけでございますけど、畜産はより過重な労働の人が要るというのが現状でございます。ほかの県をベンチマークして調べましたら、他県の人が来て、畜産をしてもらうというところまで踏み込んでされているところがございますので、そのような産業構造については、十分勉強して、産業、畜産振興を図っていきたいというふうに思います。



○副議長(山本進章) 三十一番和田恵治議員。



◆三十一番(和田恵治) 質問なり要望、いろいろありましたが、これは、また別の機会に改めてさせていただきます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) しばらく休憩します。



△午後二時四十四分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時三分再開



○議長(中村昭) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十番宮本次郎議員に発言を許します。−−三十番宮本次郎議員。(拍手)



◆三十番(宮本次郎) (登壇)生駒郡選出、日本共産党の宮本次郎です。テレビ中継をごらんの皆様にもご挨拶を申し上げます。今議会、私が最後の質問者となりました。お疲れのこととは存じますが、最後までのご清聴をお願いいたします。

 四月の統一地方選挙では、党派を超えた大きなご支援をいただき、三期目の議席をお預かりすることとなりました。生駒郡地域の願いをしっかり県政に届けるとともに、奈良の魅力を生かした観光振興策やまちづくりについても、引き続き知事と意見を交わしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、高級ホテルを核としたまちづくり事業についてです。

 県営プールを取り壊し、その跡地へ高級ホテルを誘致しようと、七年前から取り組まれてきたこの事業がようやく動き始めました。事業の概要は、県営プールの跡地と、その隣にあった奈良警察署を移転させた跡地に、ホテルを核としたまちづくりを行おうとするもので、二年前にそのイメージ図が示されました。

 森トラストグループがホテルを建設することが内定し、ホテルを運営するブランドが間もなく公表されます。あわせて行われるまちづくり開発については、民間事業者が建設したものを県が買い取り、所有者となり、その民間事業者に運営を委託するというPFI方式で進められることとなりました。事業内容が固まり次第、県の負担額が明らかになる見通しです。

 知事はサミット開催を熱望し、東京オリンピック・パラリンピックまでにまち開きを行うなど、意欲を示しています。高級ブランドの外資系ホテルが起爆剤となり、地域経済が活性化することを期待する声がある一方で、呼び込み型の事業が果たして成功するだろうか、百億円とも二百億円とも言われるまちづくりに一体どれだけの税金がつぎ込まれるのか、心配する声が私のところにも寄せられています。

 日本共産党は、これまで税金をつぎ込んでの高級ホテル誘致に反対してきました。奈良を訪れる観光客がまた来たい、もっと宿泊したいと思える内発的な動機が高まってこそ、グレードの高いホテル立地が見込めます。まずホテルを呼び込むという手法は、各地のリゾート開発などで破綻済みの手法でもあり、まちづくりに巨額の税金を投じることは、大企業に対する土盛りとの批判を免れません。

 二年前につくられた構想案をもとに、県当局が試算した経済波及効果は、十年間で一千百億円とのことですが、その積算根拠となった建設投資額は、ホテルとまちづくり合わせて三百億円規模になるものと思われます。このまちづくりに巨額の税金が支出されるということに、県民的な合意は到底得られないと考えますが、いかがでしょうか。また、これまでの七年間に年間八万人近い利用者があった県営プールを一方的に取り壊し、数度にわたって計画を塗りかえるなど、既に八億円以上も費やしてきたことへの総括も必要ではないでしょうか。この点で、知事の所見をお伺いします。

 一方で、まちづくりが進められる地域に商業施設などが集積されることに伴い、このエリアに観光客が集中することになり、周辺の商店街や地元企業の営業を圧迫しないか懸念する声をお聞きします。また、この地域で今春行われた木下大サーカスのイベントは、大変多くの来客でにぎわいましたが、県内団体や県民が自由に企画できるイベント広場のような、自由度の高い施設利用方法を求める声もお聞きいたします。

 まちづくりの推進に当たっては、地元業者や商店街との連携、あるいは、県民の意見を取り入れた計画策定が必要と考えますが、いかがでしょうか。知事の所見をお伺いいたします。

 私は、国の内外からの宿泊観光客をふやすためには、奈良らしさを輝かせる取り組みが大切だと考えます。例えば、国際連合教育科学文化機関ユネスコは、地域固有の文化が付加価値の高い産業を促して、市民生活に定着している魅力的なまちを創造都市と認定しています。観光客を堅実に伸ばしている石川県金沢市は、二〇〇九年に、手仕事のまちとしてユネスコが認定する創造都市に登録され、地域固有の文化を発信しています。同じく横浜市は、港を囲む独自の歴史や文化を活用して、観光分野で成長、発展を見せています。

 本県でも、県内三カ所の世界遺産や茶せん、奈良うちわ、赤膚焼など、伝統的工芸品産業を生かして、奈良の魅力を輝かせ発信することで、宿泊観光客をふやすことができると思いますが、いかがでしょうか。この点でも知事の所見をお伺いいたします。

 次に、東アジア研究レポートとユーラシア研究についてです。

 一見耳なれないこの言葉ですが、先日、自宅に大きな箱が届きました。あけてみると、中には日本と東アジアの未来を考える委員会報告書という全六巻からなる書物が入っていました。概要版だけお持ちしまして、残りは自席に置いておりますが、これは、平城遷都一三〇〇年事業の継続事業として、平成二十四年度から三年間開催された同委員会の報告書としてまとめられたものですが、総額約六千万円の予算で、概要版が五千冊、レポートは一千冊作成されまして、国会議員、県議会議員、関係省庁や各都道府県知事、県内市町村長や図書館などに配付されました。

 過去にも同様の冊子が作成されてきました。これは、平成二十一年度に出版されました、これナラ本というものですが、平城遷都一三〇〇年事業の関連書籍としておよそ三千万円が投じられました。同様に、平成二十二年に作成されましたいまナラ本、これも三千万円。そして、平成二十三年度から三年間で、全八巻八万冊が作成されましたNARASIAQ。これも八千万円が投じられております。

 しめて関連書籍で一億四千万円、そして、今回の報告書はこれに続くもので、六千万円となるわけですが、この報告書は概要版だけでも六百ページございます。そして、自席に置いております五巻からなる本編、あれは四千七百七十ページ、広辞苑三冊分に匹敵するものであります。その研究内容は、私も頑張って読ませていただいているところですが、非常に県民になじみにくいと感じました。キーワードとなっておりますユーラシアスコープ、ナラジア、こういう言葉についても、私はいまだに意味がよくわかりません。

 そして、記述内容ですが、荒井知事が各分野の第一人者と行った対談に相当なページが割かれており、これは一言一句掲載されています。一方で、古代史、近現代史、外交、政治、経済など、十一分野に及ぶ研究レポートでは、観念的、抽象的な言葉が続出する箇条書きが延々と続くなど、およそ研究報告やレポートと呼べるようなものではないと私は感じました。私は、このような冊子が税金を使って作成されるということに大きな疑問と違和感を抱きました。

 そこで、知事にお伺いします。

 関連冊子で一億四千万円、委員会報告書で六千万円など、巨費を投じて冊子を作成したことが県民にとってどのような意味があるのでしょうか。また、県は今年度から、この研究を継続する機関として県立大学内にユーラシア研究センターを設立しようと準備室を立ち上げました。今春から三人の職員がその準備に当たっていますが、巨額の税金をつぎ込んでまで研究センターを立ち上げる狙いは何なのか、お聞かせください。

 次に、平城宮跡の保存と管理についてです。

 平城宮跡は、広大な敷地の中に建つことで、往時、栄えた当時の様子を体感できるということが何よりの魅力であり、そのことを大切に発掘調査、史跡保全活動が展開されてきました。一九七八年に策定されました特別史跡平城宮跡保存整備基本構想は、平城宮跡を遺跡博物館と位置づけて、第一に国民が古代都城文化を体験的に理解できる場、第二に調査・研究向上の拠点、第三に遺跡の保存・修復・整備に関する技術開発・蓄積の場と、こういう三つの観点で、段階的、計画的に整備を進めることを基本方針としてきました。

 ところが、国営公園として事業化されてから五年、実態はどうでしょうか。

 まず、第一次朝堂院広場。ここですが、国の計画では、遺構表示エリアとされておりまして、調査研究の成果によりますと、奈良時代は、れき敷きがされており、南北に通路があったことがわかっています。しかし、現状は、土をセメントで固めた土系舗装がなされて、遺構が表示されていません。

 次に、第一次大極殿院。奈良時代は同じくれき敷きで、大極殿の周りは築地回廊と呼ばれる屋根つきの大きな廊下で囲まれていました。しかし現状は、アスファルト舗装の上に砂利が敷かれていると。回廊ではなく、平城遷都一三〇〇年祭のときの仮設の塀がそのまま置かれているという状況で、そのほかにあずまやが設置されるなど、調査の知見とは異なる整備によって、平城宮跡の中核的な部分が往時の姿を感じられないものになっているのではないでしょうか。

 今後、国によりまして平城宮跡展示館、そして、県によって歴史体験学習館が整備されますが、既に敷地内には文化庁によります平城宮跡資料館、そして、同じく文化庁による遺構展示館、そして、さらに県が設置しました平城京歴史館など、複数の建物が並んでおります。

 私は、平城宮跡内の建造物については、重複を避けて、テーマを明白にすることが必要と考えますが、いかがでしょうか。まちづくり推進局長の所見をお伺いします。

 平城宮跡の保存と整備に当たりましては、学術的な根拠を持って整備することが不可欠です。そのために、県当局がイニシアチブを発揮することが必要です。

 文化庁が平成二十年に定めた特別史跡平城宮跡保存整備基本構想推進計画では、平城宮跡の今後の保存管理を行う上で、保存管理計画の策定が急務であると指摘して、管理団体である奈良県が文化庁、国土交通省、奈良市、奈良文化財研究所との連携のもとで策定すべきとしています。しかし、現在、県も含めたこの五団体による協議が重ねられているものの、いまだに保存管理計画の策定には至っていない、そのために、このような建物の乱立が続くのではないかと思うわけです。

 私は、早急に保存管理計画を作成することが、平城宮跡の魅力を輝かせる上でも大切だと思います。そのためにも、現在の五団体による協議に加えまして、住民の代表や外部有識者を交えた策定委員会を立ち上げることが必要と考えますが、いかがでしょうか。教育長の所見をお伺いいたします。

 次に、中世の城郭跡などの史跡の保存と整備について、お聞きいたします。

 今、中世、近世の城郭跡を保存する活動が注目を集めています。お城ガールなどと呼ばれていますが、日本三大山城の一つで、標高は日本一、天空の城と呼ばれています高取城、同じ天空の城と呼ばれて人気の竹田城とは一味違った風情ある観光地を目指そうと、現在、地元の観光協会を中心に整備活動が進められています。また、南北朝時代に構えられて、加藤家や福島家などが大和支配の足場とした宇陀松山城、ここも高取城と同じ国指定の文化財でありますが、現在、国庫補助事業として整備がなされています。

 私が住んでおります平群町にも、信貴山城、椿井城と、二つの大きな城跡がございます。

 信貴山城は、名器平蜘蛛ととともに爆死したという逸話が残ります戦国武将、松永久秀の居城として知られ、織田軍が侵攻した後、焼失したままという幻の城とされています。現在、NPO法人信貴山観光協会が中心となって信貴山城址保全研究会が結成され、信貴山をめぐる講演会や、ボランティアによる倒木、伐採、整地などの保全活動が始まっており、私も先日、これに参加いたしました。ちょうど本日の朝日新聞に、その活動の様子が紹介され、ちょうど本日、県森林技術センターの協力のもとで、切り出した丸太を搬出する作業が行われているところです。

 一方、椿井城というお城は、いつ築城されたのか、誰によって発展させられたのか、確実な史料が残っていないものの、戦国末期の武将、島左近が活動の拠点にしたとされています。古くから地元住民が共同で土地を守ってきたことから、土塁、堀切などの当時の遺構が非常によく残る貴重な埋蔵文化財であります。二〇一〇年に地元住民の整備活動が本格化したことを受けまして、私も二年前、この本会議場で質問し、取り上げたことがございます。

 奈良県の文化財保存行政は、どうしても古代が中心になりがちですが、貴重な史跡が残る中世から近世に光を当てた地元住民の保存運動が今広がっています。このような中世の城郭跡など、文化財の保存や活用に対する市町村の取り組みを、また、地域住民の取り組みをどのように支援されるのか、教育長のお考えをお聞きしておきます。

 次に、コンビニエンスストアをめぐる問題についてです。

 今、コンビニエンスストアは、店舗数を増加させており、売り上げも伸ばしており、奈良県内に約四百三十店舗が出店しています。最近では近鉄奈良駅前、階段を上がりますとローソンがオープンし、その向かいにはセブンイレブン、今や奈良の玄関口はコンビニだらけという状況です。

 コンビニエンスストアの業務は、現金の振り込みや徴税の代行、住民票の発行やチケット販売、店内調理など多岐にわたります。近くて便利のコマーシャルフレーズのとおり、住民にとっては便利な側面もあります。しかし、出店ラッシュが続きますと、周辺の商店街が閉店に追い込まれるなどの問題が起こります。最近では、市街化調整区域におけるコンビニエンスストアの出店が一定の条件のもとで認められたことから、出店が加速している状況であり、このことを放置すれば、奈良らしい町並みが損なわれることはもちろん、地域経済にも大きな影響を与えかねません。

 大規模小売店舗立地法など大型店の出店には、現在一定のルールがありますが、同様にコンビニエンスストアの出店に対しても適切なルールが必要と考えますが、いかがでしょうか。産業・雇用振興部長の所見をお伺いします。

 コンビニエンスストアの経営は、フランチャイズ制度と呼ばれまして、オーナーはフランチャイズ本部との契約により店舗を経営する権利を買い取って、フランチャイズ本部のマニュアルに基づいて従業員を雇い入れ、仕入れや廃棄などの商品管理を行います。

 ところが、本部から実態とかけ離れた売り上げ予測や目標が示されたり、従業員の給与などの経費を低く見積もるなど、オーナー側が不利になる契約が今問題になっています。また、売り上げ利益に定められた率を乗じて計算し、本部に納めるチャージ料、いわゆるロイヤルティーは、廃棄商品や棚卸しロスによる損失も含めて計算されるために、消費期限切れによる廃棄や万引きによる損失が幾らふえても、本部は打撃を受けずにオーナーの負担がふえるという仕組みになっています。

 大きな問題は、フランチャイズオーナーを保護するための基本法が制定されていないことです。フランチャイズ契約にかかわる法律としては、中小小売商業振興法や独占禁止法などがありますが、本部の優越的地位の乱用を規制する機能が十分に働いていません。

 アメリカやEU諸国では、フランチャイズに対する規制法が存在し、適正に運用されています。韓国でも店舗と店舗の距離を厳格に定める法律があって、過度な競争を規制しています。日本においても、フランチャイズにおける弱者の保護を目的としたフランチャイズ法の制定が必要であり、そのことを政府に求めるべきではないでしょうか。同じく産業・雇用振興部長の所見をお伺いします。

 今、コンビニエンスストアは、公共施設にもどんどん出店しております。本県でも大宮通りに面した県庁舎内にセブンイレブンが出店しています。ところが、この店舗は市街化調整区域での出店であるにもかかわらず、駐車場や休憩場所の設置、それがわかる看板の設置など、定められた条件を満たしておらず、奈良市議会で都市計画法違反が指摘されています。

 県当局は、このセブンイレブンは職員の福利厚生施設なので、市街化調整区域における出店のルールは当てはまらないと主張していますが、それでは、なぜ閉庁日に営業しているのか、お酒の販売やお土産の販売をしているのか、これをどう説明するのか疑問が生じます。このことについて、まちづくり推進局長のお考えをお聞かせください。

 最後に、警察官の不祥事とその対応についてお聞きいたします。

 先日、交通違反をもみ消した見返りに現金を受け取った疑いで、奈良警察署の巡査部長が逮捕されました。この巡査部長は、無免許運転で事故を起こした風俗店経営者に対し、身がわりを立てれば、無免許運転の交通違反はなかったことにしてやると持ちかけて、これをもみ消した見返りとして現金三万円を受け取り、さらに、事故を起こした人物が経営する風俗店を四回、九万三千八百円相当だそうですが、無料で利用しました。その後、さらに驚くことに、同巡査部長は過去に高速道路交通警察隊に勤務していたときに、自動速度違反取締装置、いわゆるオービスを不正に操作し、違反をもみ消して現金を受け取っていたことがわかり、再逮捕され、現在、余罪があると見て取り調べが進められています。

 これまで県警察は、警察官の不祥事が起こるたびに個人の資質を問題にして、研修、教育の強化、あるいは監視体制の強化を進めてきました。しかし、同様の事案を繰り返す構造上の問題があるのではないでしょうか。

 日本共産党は、かつて奈良県警察が組織ぐるみで犯罪を犯していた佐川急便事件などを追及するたびに、警察組織の民主的な改革を求めてまいりました。その柱は、第一に公安委員会、警察の情報公開を進めて秘密主義をなくすこと、第二に警察から独立した第三者機関を設置して警察行政を県民的に監視すること、第三に警察官自身の権利を守る労働基本権を認めて、警察官同士の間に自由な意見が言える民主的な気風をつくることなどです。

 今回の事件を受けて、改めて警察組織の民主的な構造改革が必要と考えますが、いかがでしょうか。県警察本部長の所見をお伺いいたします。

 以上で、壇上からの質問を終わります。答弁によりましては、自席から再質問いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十番宮本議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初の質問は、県営プール跡地のホテルを核としたまちづくりについてのご質問でございます。ご質問にお答えする前に、誤解があるといけませんので、明確にしておきたい事実がございます。前提となる事実といたしまして、ホテルの建設、運営自体は民設民営で行いますので、税金を投入する余地はございません。また、民間資本が奈良に来てもらえるということで、雇用の発生に重大な影響があるということを申し添えさせていただきたいと思います。

 二つ目は、県営プールの取り壊しということだけを言われましたが、とても古くなった県営プールの新設ということでございますが、現地で取り壊してつくるのは大変膨大な税金がかかります。それを別地で違う場所でつくりまして、国の補助金もいただきましたので、七十億円にも及ぶ建設運営費のうち、県の負担は十数億円で済みました。これは、PFIの手法を活用した行政効率化に資するプロジェクトでございましたので、多少ちょっと、聞こえが悪く聞こえましたので、大変恐縮でございますが、その点を明快にしておきたいと思います。

 その上で、まちづくり事業についてお答え申し上げます。

 奈良県は、三つの世界遺産を有しておりますが、我が国が世界に誇る観光地でございます。しかしながら、宿泊施設の客室数は全国最下位でございます。長年最下位でございまして、これには歴史的な意味がございます。その結果、日帰り型の観光スタイルが定着している状況でございます。

 また、国際級ホテルは一つもございません。大きなコンベンション施設もございません。したがいまして、さまざまなVIPや関係者等の賓客の宿泊もできずに奈良を通り過ぎられて、かわりに京都や大阪に泊まられる状況が続いております。外国人観光客が大阪のホテルに泊まられて、バスで奈良を訪れられ、四十分で大仏殿を見てそれだけで奈良観光をされたとするツアーの紹介が、最近テレビでございました。観光地奈良の実情をあらわす象徴的なパターンの放映でございました。

 今回、伊勢志摩でのサミット開催が決定いたしましたが、このような閣僚級の国際会議等の誘致機会も、大規模な国際級ホテルとコンベンション施設がないため、日本最古の都での開催をみすみす逃してきたことは、大変残念なことと考えております。

 本県の強みでございます世界屈指の観光資源を、県内での消費や雇用の創出に生かすということが本県の課題でございます。生かし切れていない、もったいない状況が続いております。

 こうした長年の課題を解決して、奈良を滞在型観光地へと抜本的に変革する起爆剤にしたいとの強い思いで、この県営プール跡地のプロジェクトを推進してまいりました。

 特に二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けましては、各観光地の競争が一層激化することは目に見えております。こうした中で、奈良が観光地競争に負けてしまえば、観光施設最下位のランクが定位置となってしまいます。他の地域と競争して、バラエティーのあるホテル施設をそろえ、奈良らしい競争力のある上質の雰囲気を維持しつつ、よい観光地を形成していく必要があると考えております。

 本プロジェクトは、県営プール跡地において、国際級ホテルの誘致とあわせまして、二千人規模の会議を開催できるコンベンション施設を中心に、屋外多目的広場、バスターミナルや大規模駐車場、奈良らしさを感じていただける飲食・物販施設などを整備し、新たな滞在型観光交流拠点を創出しようとするものでございます。

 これまで、奈良に欠けていた諸施設を奈良市中心部に整備する最後のプロジェクトでございます。奈良市はもとより、奈良県全体の観光の魅力が大いに変わるものと思っております。

 まず、これまで奈良になかった国際級ホテルの整備によりまして、国賓級の来訪者はじめ多くの国内外からの宿泊客が訪れられ、奈良の世界的な認知度が高まります。その結果、奈良に決定的に不足しておりました宿泊施設のバリエーションが発生し、観光地としてのブランド力の向上が定着いたします。

 次に、本県にはなかった規模の、また、高いレベルのコンベンション開催が可能な観光地に変革できることが期待できます。奈良でのコンベンションの開催は大変人気がございますが、コンベンション施設が不十分で、取り逃がしていたマーケットでございます。また、コンベンションは、オフシーズンにもお客を呼ぶことができる有効な観光対策でございます。オフ、オンの差が激しい奈良の観光地にはぜひとも必要な観光分野でございます。

 さらに、奈良に不足しているイベントの開催や健全な夜のにぎわいなどにより、集客力の向上が図られ、また、ターミナル機能を持つことにより、空港など遠距離からの交通アクセスの向上や、県内、市内をめぐるバス交通の利便性の改善、市内の観光渋滞の緩和が図られると考えております。加えまして、このプロジェクトに誘発され、新たな宿泊施設などの立地が進むことを期待できます。

 これらの複合的な効能を実現することで、県営プール跡地が奈良への観光客の湧出口となることを期待しております。この湧出口と申しますのは、県営プール跡地の拠点に国内外から人が集結され、県内にあふれ出すといった意味の湧出口でございます。奈良県の地域全体が滞在型の観光地へと大きく変わっていく起爆剤という意味でございます。

 本プロジェクトは、これまでの奈良の観光のあり方を抜本的に変え、滞在型観光地として発展していくためにぜひとも不可欠であると考えております。今後ともプロジェクトの実現に向けて、最大限の力を注いでまいりたいと思っております。

 このまちづくりの推進に当たって、地元業者などとの計画策定の努力をしたらどうかというご質問でございます。

 県営プール跡地には、ただいま申し上げましたように、ホテルを核としたにぎわいと交流の拠点のまちづくりを進めていくこととしたいと思いますが、その際、奈良らしさにこだわることは極めて重要な視点だと考えております。

 整備を予定しております物販・飲食施設は、奈良らしさを感じていただけるよう、奈良の県産品や県産材を題材とした観光振興に資する施設として、地元業者などの連携により事業を進めていくことを検討しているところでございます。

 また、屋外多目的広場におきましては、地元の人々が参加する特色あるイベントや、民間の人たちが独自に開催するイベントも開催可能となるよう検討してまいりたいと思います。

 年間を通じてイベントを開催することにより、当該地での持続的なにぎわいづくりを実現し、イベントの魅力に引かれて奈良を訪れ、宿泊する人がふえ、奈良市内、周辺にも訪問客、宿泊客があふれるような仕組みをつくっていきたいと思っております。イベントは、地域観光の振興に威力があることでございます。これまでのオフシーズンのイベントによる誘客の実績の成果がございました。冬場の奈良マラソンやなら燈花会、しあわせ回廊なら瑠璃絵、梅雨期のムジークフェストなら、夏の平城京天平祭などが定着し始め、オフシーズンを埋める大きな風物詩になってきていることは、ご承知のとおりでございます。このような県営プール跡地の多目的広場ができますと、このようなイベントが定期的に、通年的に行うことができ、奈良の観光の魅力を大幅に増進することができると考えております。

 今後、計画の具体化、仕組みづくりを進めるに当たりましては、段階を踏みながら、地元関係者との協議、調整についても精力的に取り組み、当該地におけるにぎわいのあるまちづくりの実現につなげていきたいと思います。

 発信についてのご質問、ご意見がございました。観光地としての発信の必要性についてのご意見がございました。

 奈良は、我が国の始まりの地として、また、東アジアやシルクロード諸国など海外との交流による国際性豊かな文化が開花した地として、千三百年を超える悠久の歴史の中で培われてきた歴史文化遺産を数多く有しております。比類のない歴史文化的価値が現在に継承されております。

 京都と全く違う文化の質があるということを、我々は自覚しなければいけないと思います。京都にない、京都の国風文化に対しまして、国際性豊かな文化財をこれほど数多く有しているのは、世界にも例がないということは自覚しておかなければいけない、我々奈良県民であろうかと思います。

 議員お述べの県内三カ所の世界遺産は、その代表的なものでございますが、また、長い歴史とともに育まれてきた各地の伝統工芸品も奈良の魅力の一つでございます。

 世界に誇る観光地として、奈良が国内外から認知されるためには、テーマ性を持って奈良の奥深い魅力を発信することが必要でございます。それとともに、ストーリー化した奈良オリジナルの着地型旅行商品等を造成して、首都圏や海外で積極的にセールス活動を行うことが必要であろうかと思います。大阪に泊まり、バスで来て、四十分大仏を見て、奈良がわかったと言える人は誰もおられないわけでございます。やはり滞在して、奥深い奈良の魅力を感じていただける観光地に進化しなければいけないというふうに思います。

 本県では、昨年から春、秋の二回、首都圏において大規模な誘客キャンペーンを展開しております。県、市町村、社寺、観光事業者等が現地に赴きまして、パッケージ化した魅力あるコンテンツや特別体験メニューなどのセールス活動を実施しております。今年度は、九月に東京で開催されます世界最大級の旅の祭典でございます、ツーリズムEXPOジャパンに奈良県としては初めて出展したいと思っております。国内外の旅行エージェントやメディア等に向けた観光プロモーションにより、奈良への注目度を一気に高めたいと思います。

 奈良に来られた方は、奈良はすごい、すばらしいとおっしゃいますが、これまで議員おっしゃられるように、発信の努力は、そのボリュームは大分低かったのではないかというふうに思って、このような事業にも税金をつぎ込まさせていただいているものでございます。

 今後、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、さらなる奈良のブランド力の向上と観光プロモーションを強化して、国内外からの観光客の誘客につなげていきたいと思っております。

 東アジア研究レポートとユーラシア研究についてのご質問がございました。何か読んでいただけているようで、感謝を申し上げます。

 現在の日本や奈良の抱えている課題は、グローバルな視点抜きには解決できない課題ばかりであると言っても言い過ぎでないと思います。奈良県の課題につきましても、人口減少、少子高齢化のほか、医療、介護、地域産業の振興、仕事の創出など、内向きに見ていても解決策を見出せない課題が数多くあるのが実情でございます。

 日本と東アジアの未来を考える委員会の活動は、このような奈良県の今日的、将来的な行政課題に対応するために、日本や東アジアの動向を知る必要があると考えて行ってきたものでございます。

 議員がご紹介いただきました数種類の冊子は、この活動の成果でありますが、特に今回作成された報告書は、日本のトップクラスの多くの専門家の参加を得て取りまとめた、経済、国土、くらし・健康、教育など、県民生活にかかわる多様な行政分野のテーマにもかかわっているものでございます。

 例えば、先日の答弁の繰り返しになりますが、経済分野では、伝統産業を含む地域資源の積極的活用などについて、また国土分野では、人口減少下の国土政策、農業や観光、災害対策、物流などについて議論、研究して、その成果がわかりやすく取りまとめられております。くらし・健康分野では地域包括ケアシステムなどの先進的な議論が、また、教育分野では地域の教育のあり方などについての議論が盛り込まれております。

 いずれの議論、研究も、奈良県政の今後の方向性に大いに生きるものでございます。今後とも各分野での行政運営に役立てていきたいと考えております。

 宮本議員にも読んでいただいたようでございますが、内容は決して難しいものではなく、また、日本の研究の第一人者が多くそろっており、真剣に議論していただいた結果でございますので、程度が高い、教養の高い奈良県民の多くは興味を持たれて、ご理解されることは間違いないと確信しております。議論に参加された有識者は、奈良県の文化フォーラムにお招きし、講演をしていただいたこともございますが、知識レベルの高い奈良県民の皆様には、大変な人気でございました。

 一方、このような成果を奈良県が行うことを高く評価していただく方もおられます。宮本議員と同じように、この研究書を送りました元内閣総理大臣の中曽根康弘様からは、感謝と激励の自筆のはがきをいただきました。謹啓、日本と東アジアの未来を考える委員会の報告をありがたく拝領いたしました。ご努力に感謝いたします。頑張ってください、敬白と書いてございます。直接中曽根康弘さんにお会いした際には、このような研究は奈良県がしていただくことに意味が大変ありますねとおっしゃっていただきました。宮本議員に研究書が評価されないのは悲しいことでございますが、元内閣総理大臣に褒めていただくことは、一方でありがたいことだと考えているものでございます。

 次に、奈良県立大学のユーラシア研究について、お答え申し上げます。

 奈良に都があった千三百年前には、正倉院宝物によっても明らかなように、シルクロードを通じた東アジアを含むユーラシア地域との数々の交流により、国際性豊かな文化が花開いていました。正倉院御物を見ても、ユーラシアの花が奈良にあるということがわかります。奈良の都は、ユーラシアとの交流で花が開いたと言われております。その意味で、ユーラシア学は奈良学に通じるところがあると思っております。

 本年四月の奈良県立大学の法人化に当たりましては、これら奈良とユーラシアの交流とユーラシア地域の歴史的背景を生かした研究が、奈良らしい特色ある大学づくりに資するものと考え、法人の中期目標に定められたところでございます。このような素材を、奈良にある素材をもとに、ユーラシアの研究に思いをはせ、グローバル化の世界の行く末を見るというのは、奈良でしかできない研究のフィールドでございます。

 そこで、こういった国際性豊かな歴史を有する奈良県ならではの研究を進め、講演会、セミナーやシンポジウムなどにより県民に知識を還元していくため、法人においてユーラシア研究センター準備室を立ち上げられたものでございます。

 これらの研究、活動により、奈良県立大学はもとより奈良県全体の魅力の向上に大いに寄与するところがあると考えております。直接的には、奈良県立大学のステータスの向上や、奈良県の奈良の本質を理解される人々が増して、奈良への来訪者の増加につながり、さらに本県の国際的貢献を理解される人々がふえていくものと考えております。

 質問は以上でございました。ご清聴ありがとうございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)三十番宮本議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私へは、二点質問をいただきました。まず最初に、平城宮跡の保存と整備に当たり、建造物については重複を避け、テーマを明白にすることが必要と考えるがどうかというご質問でございます。お答え申し上げます。

 まず、申し上げたいことは、平城宮跡歴史公園の整備は、議員がお述べになった、文化庁が策定した特別史跡平城宮跡保存整備基本構想を踏まえているということでございます。この保存整備基本構想を踏まえて、文化庁、国土交通省、奈良文化財研究所、奈良県、奈良市が協議、調整を行った上で、国土交通省が取りまとめた公園基本計画をもとに、公園の整備を行っているということでございます。

 この公園基本計画の基本理念は、古都奈良の歴史的、文化的景観の中で、平城宮跡の保存と活用を通じて、奈良時代を今に感じる空間を創出するということとしております。

 この計画では、公園に導入すべき機能を整理いたしまして、事業主体がそれぞれ役割分担をして、建物を整備するということにしております。これらを踏まえて、まず、特別史跡外であります平城宮跡国営公園の玄関に当たります朱雀門南側の公園拠点ゾーンには、宮跡の案内や出土品の展示などを行う平城宮跡展示館、奈良の歴史文化に関する情報発信などを行う歴史体験学習館、また、観光、飲食、物販施設、交通ターミナル等を設けることになっています。また、平城京歴史館は改修いたしまして、休憩また展望スペース、公園を訪れ、ジョギング、サイクリングの拠点として整備することにしております。

 一方、特別史跡内には、発掘調査で見つかった遺構をそのまま見ることができる遺構展示館、出土品などを展示する平城宮跡資料館がございます。この基本計画では、遺構展示館は存置し、また、近鉄大和西大寺駅に近い公園北西部の西エントランスには、出土品の展示などを行う平城宮跡展示館の副館的機能を持つ、展示施設の設置を検討することになっております。

 今後とも、この公園基本計画に基づきまして、関係機関が連携しながら、来訪者に往時の平城宮あるいは平城京の姿をわかりやすく情報発信し、奈良時代を感じていただき、楽しみながら快適に過ごしていただけるよう、県としてもしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 二点目は、県庁に開設されておりますコンビニエンスストアについてでございます。

 県庁舎内のコンビニエンスストアは、もともとありました福利厚生施設であります売店をリニューアルして整備したものでございます。

 このコンビニエンスストアを整備するに当たりましては、平成二十四年度から奈良市と協議を重ねてまいりました。その協議の中で、まず福利厚生施設であること、次に平日の時間外や休日に出勤する職員がいることから、閉庁時間や休日に営業すること、三つ目には県庁来庁者などの利用を拒むことができないということ、四番目には運営は民間が行うが、建物管理は奈良県が行うということなど、運営方法につきまして、平成二十五年三月に奈良市の了解をいただいたものでございます。

 県としましては、奈良市と協議した内容どおり運営させていただいているというふうに認識しているところでございます。

 平日の早朝ですとか夜間の利用者は、ほとんどが職員でございます。祝日、休日におきましても、出勤する職員が利用している状況でございまして、福利厚生を充実させる、そういう観点からは、以前のように就業時間中のみの営業ではなく、閉庁時の営業が大変必要であるというふうに考えています。また、職員にも好評でございます。

 それから、品目についてでございます。以前は、品数、量とも、こう言ってはなんですけれども、貧弱で不便でしたので、福利厚生として職員のニーズに応えるべく、品数が豊富になるように取りそろえていただいております。その品目の一つとして、土産物も含めました奈良の県産品を置いているものでございます。県庁の売店に県の県産品を置いているということでございます。特に問題はないというふうに考えてございます。

 また、アルコール類についてでございますが、県庁内での飲酒を禁止しておりますし、持ち帰ることについては差し支えないというふうに考えております。

 しかしながら、昨年十二月の奈良市議会におきまして、奈良市長が県庁内のコンビニエンスストアの運営方法について問題視しているとの発言がございました。

 このことから、福利厚生施設の認識について、また、福利厚生施設としてのコンビニエンスストアの運営方法につきまして、現在、県と奈良市で協議を行っているところでございます。協議の結果、奈良市から指導がございましたら、その内容をよく吟味させていただきまして、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十番宮本議員のご質問にお答えいたします。

 私には二つの質問をいただいており、一つ目は、平城宮跡の保存管理計画を策定するために、策定委員会を立ち上げることが必要と考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 平城宮跡では、文化庁が大極殿の復原整備や土地所有者としての管理を、国土交通省は国営公園事業として大極殿院回廊基壇等の整備を、奈良文化財研究所は学術的な発掘調査や研究を行うなど、各機関が分担して取り組みを進めております。

 平城宮跡全体の保存管理についても、国土交通省、文化庁、奈良文化財研究所、奈良県、奈良市の五つの関係機関で構成する平城宮跡保存・活用連絡協議会、いわゆる五者会議の場を通じて、毎年の保存管理の具体的な内容について、調整協議をしているところでございます。

 昨年七月に開催された五者会議においては、平城宮跡保存管理計画の策定に当たり、各事業主体が整備している施設の管理のあり方や、関係機関の役割分担などについての協議を踏まえながら、検討していくことを確認いたしました。

 本年度も、既に六月に五者会議ワーキンググループが開催され、引き続き年内には五者会議が予定されており、平城宮跡保存管理計画策定についても検討が進められると考えております。

 なお、議員お述べの同計画に係る策定委員会の設置については、これらの進捗状況を踏まえながら、五者会議で検討されるものと考えております。

 続きまして、二問目は、中世の城郭など、文化財の保存や活用に対する市町村や地域住民の取り組みをどのように支援するのかとのお尋ねでございます。

 県内には、議員お述べの信貴山城や椿井城のほか、中世の城跡や環濠集落が約五百件程度存在しており、これらは、奈良の中世の歴史を伝える重要なものであると考えております。

 信貴山城や椿井城においては、平群町と地元の方々が協力して、城跡の保全や中世の奈良の歴史を活用した地域振興に積極的に取り組まれており、また、椿井城では、国と県の補助を受けて発掘調査を実施されております。

 城跡などの文化財の保存・活用に対しましては、市町村や地域住民の方々の主体的、計画的な取り組みが重要であると、このように認識いたしております。県教育委員会といたしましては、従来から城跡の保全活用計画の策定や史跡指定については、市町村が設置いたします検討委員会に参画し、学術的、技術的な助言を行い、発掘調査費の補助を行ってまいりました。

 市町村が主体となり、史跡整備を行うに当たりましては、指定文化財への補助金に加えまして、住民との協働など地域活性化の視点で評価し、上乗せして補助する、地域振興部所管ではございますけれども、史跡等整備活用補助金も広く利用いただいているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 森田産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(森田康文) (登壇)三十番宮本議員の質問にお答えいたします。

 私に対しては、コンビニエンスストア出店に対して、適切なルールが必要と考えるがどうか、また、フランチャイズにおける弱者保護を目的とした法制定が必要であり、政府に求めるべきではないかという質問でございます。お答えいたします。

 コンビニエンスストアは、県内でも、ここ数年ご指摘のとおり増加傾向にありまして、業界紙の調査によりますと、平成二十七年三月末時点で、前年比五十五店舗増の四百三十一店舗となっております。

 かつての大規模小売店舗法では、大型店の立地に際しまして、その店舗面積あるいは年間休業日数等のいわゆる事業活動の調整に重点が置かれておりました。

 しかし、その後の状況変化を受けまして、平成十二年六月に施行されました大規模小売店舗立地法では、周辺生活環境の保護が主眼とされておりまして、現在では、店舗の出店そのものは規模にかかわりませず、基本的には経済原則に基づいて行われることとなっております。

 一方、利用者の側から見ましたら、最近のコンビニエンスストアは、これも議員ご指摘ありましたが、公共的な機能も含めまして、身近な地域社会の生活サービスの向上に一定の役割を果たしていると考えられます。個々の地域社会あるいは消費者の実情に応じた出店が望ましく、一律的な出店規制はなじまないと考えております。

 そして、二点目でございますが、いわゆるフランチャイズによる事業展開は、現在、確かに多様な分野で広がりを見せているところでございます。

 公正取引委員会では、このシステムが適正に運用されるよう、フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方についてという運用基準を公表されておりまして、このシステムの市場における比重の高まり等を踏まえ、平成二十三年六月にも改正がなされたところでございます。

 その中では、フランチャイズ契約に際しましては、加盟希望者が適切な判断を行えるように、必要な情報が開示されることが望ましいということや、加盟後、本部側による優越的地位の乱用に該当する場合は、独占禁止法違反のおそれがあるということが明確に示されているところでございます。

 県におきましても、独占禁止法に抵触するような事態が確認された場合には、所管であります公正取引委員会の報告、相談等の対応をしてまいりたいと考えております。

 加えまして、県内事業者が経営課題を抱えた場合の相談窓口として、奈良県よろず支援拠点を開設しておりまして、県内事業者が抱える経営課題にワンストップサービスで対応できる体制を整えているところでございます。

 この一年間の相談実績は、約千八百件でございますが、商業・サービス業からの相談も四割を占めております。コンビニエンスストア事業主の方が抱える経営課題の相談にも対応できる体制となっておりまして、必要に応じてご活用いただければと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇)三十番宮本議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、今回の警察官による不祥事を受けた改革、すなわち情報公開、第三者機関の設置、労働基本権の付与等に関する私の所見についてのお尋ねでありますが、初めに、本県警察官が今回のような事案を引き起し、県民の皆様の信頼を損なったことは誠に遺憾であり、この場をおかりして議員各位をはじめ県民の皆様に深くおわびを申し上げます。

 今回の事案につきましては、本人の資質そのものに大きな問題があったことが主な原因であると思われますが、業務管理上の問題点も認められるところでありまして、引き続き捜査を尽くし、明らかになった事実に基づきまして厳正な対処を行うとともに、的確な再発防止策を講じ、県民の皆様の信頼を回復するよう努める所存であります。

 さて、改革のポイントとしてご指摘されました三点につきましては、次のとおりであります。

 まず、情報公開についてでありますが、公安委員会及び警察本部長は、奈良県情報公開条例の実施機関となっておりまして、定められた手続に基づいて適正に処理しているところであります。また、ホームページや情報公開窓口におきまして、県民の方々に各種情報を積極的に発信しており、訓令等内部規程につきましても、公表しているところであります。

 次に、第三者機関による警察行政の管理についてでありますが、警察法におきましては、知事の所轄のもとに都道府県公安委員会を置き、公安委員会は都道府県警察を管理するものと定められております。公安委員会は、住民の皆様の代表としての公安委員によって構成され、都道府県警察を民主的に運営すると同時に、政治的中立を守るものとして設けられているものであり、警察法の規定に従い、公安委員会によって警察行政が適切に管理されているところであります。

 最後に、労働基本権についてでありますが、警察官は、地方公務員法により、労働三権の全てが認められておりません。なお、自由に意見が言える気風については、県警察にも法令違反や服務規程違反を認めた場合に通報し、通報することによって不利益な取り扱いを受けることがないことを規定いたしました内部通報制度があり、また、広く職員の意見を吸い上げるため、本部長私書箱や専用電話を設置し、さらには、職員の意見を組織運営に反映させる提案制度を設けているなど、真摯に対応しているところであります。

 以上です。



○議長(中村昭) 三十番宮本次郎議員。



◆三十番(宮本次郎) 荒井知事におかれましては、いつもどおり愛情たっぷりのご答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 幾つか意見を申し上げたいと思うのですが、コンビニエンスストアの出店については、これは年間で五十五店舗の出店ラッシュということでびっくりしましたが、これ、全く規制がないために、出店ラッシュが後押しされていると思いました。近鉄奈良駅を降りて観光客がコンビニエンスストアをまず目にすると。これは本当に奈良らしい景観という点でいったら、非常にがっかりするなというふうに思いましたので、その点指摘しておきます。

 また、信貴山城、椿井城などの保全ですが、信貴山城は、織田家、豊臣家の築城技術の基礎をなしたと言われるところですので、大いに支援をしてほしいなというふうに思いました。

 また、県警察の民主的改革の点について言いますと、今回の事件がありましたが、相勤者であった若い警察官というのは、結局言えなかったことから、共犯を犯してしまうということになりまして、せっかく警察官の正義感とかそういうものが生かされていないという典型例だと思いましたので、今後の改革を望んでおきたいと思います。

 その点で、知事と教育長に一点ずつお聞きしたいのですが、まず、ホテルを核としたまちづくりですが、私は、ホテルは当然民間がやるというのは承知をした上なのですが、私は、それでも、結局まちづくりに幾らかの公費が投じられると。結局、観光地競争に負けたくないというのはよくわかるのですけれども、私、京都や大阪と同じ土俵に立って、高級ホテルで競うということになっては、せっかくの奈良のよさや値打ちを生かせないというふうに思いましたので、その点は意見を述べておきたいと思います。

 それから、このユーラシア研究ですが、私の理解力不足なのか、学が浅いのか、なかなか理解にまだ及んでこない状況であります。知事がおっしゃるように、また、中曽根さんも絶賛されたということですが、そういうものだったら、民間の研究でどんどん進むわけですので、その辺は公費を出してやるということはいかがなものかと思いました。当然、学問とは本来、政治から独立したもので、学問の自由、大学の自治ということが定められるものですので、その点、公費を使って、今回のように奈良県立大学の中期目標に位置づけるというやり方が果たしてどうなのかと思いましたので、その点所見を聞いておきたいと思います。

 教育長に聞こうと思ったのですが、時間がなくなってしまいました。私は、平城宮跡保存管理計画を教育長が策定する必要性をどのくらい感じておられるのか、この点だけお聞きしておきます。

 以上です。



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 研究者は、ほかの学校におられる方とか県庁職員でない方ばかりでございます。県庁職員で研究をしろというような公費の使い方ではなくて、いろんなところにおられる方の研究を知の結集と呼んでおりますが、知を結集して奈良のために役立ててほしいというのがこの公費投入の一番の理由だと。そのような公費投入の理由は、研究のクラスターとか、研究をどのように進めるかと、今どんどんされているところでございます。アメリカなど外国でどんどんされている。日本は、研究者が閉じこもっているので、なかなか出てこられないというのが実情でございます。奈良県が一石を投じたと言われる研究手法でございます。そういう意味の公費の投じ方もあるということをまずご紹介申し上げたい。

 その研究が今のグローバル化に役立つ、奈良のためにも役立つというふうに、絶賛というわけにはいきませんが、いろんな方面でよくやっていると言われているので、県議会に帰ってくると、何やっているのかと言われて、多少残念なこともあるのですけれども、しかし、大事な政治の場でございますので、このように一生懸命事情を申し上げている次第でございます。

 公費投入の理由は、いろんな研究の分野におられる方を引き寄せて、マグネットにして、いい研究をしてもらうという公費投入、これは国がやっておりますし、地域もやっていけないというわけではないということを申し述べさせていただきたいというふうに思います。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) 新教育長としての責任、大変重くなっておりますけれども、この五者会議におきましては、奈良県という構成機関の中の構成員の一名となっております。したがいまして、私の意見の方は、この五者会議の場でしっかり述べさせていただきたいと思っております。



○議長(中村昭) 三十番宮本次郎議員。



◆三十番(宮本次郎) 公費を使ってつくったということですが、これは資本論よりも厚いもので、これを読もうという気になかなかなれないという問題があるかと思うのです。ですから、私は、こういうものを公費でつくるということについては、どうしても承服できないということを申し上げておきたいと思います。

 以上です。



○議長(中村昭) これをもって当局に対する一般質問を終わります。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(中村昭) 次に、本日、知事から議案一件が提出されました。

 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配布しておりますので、ご了承願います。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△財第六十五号

平成二十七年六月三十日

 奈良県議会議長 中村 昭様

                         奈良県知事 荒井正吾

     議案の提出について

 議第七一号 人事委員会の委員の選任について

 以上のとおり提出します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△議第七十一号

     人事委員会の委員の選任について

 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第九条の二第二項の規定により、下記の者を委員に選任したいので、その同意を求める。

     平成二十七年六月三十日提出

                         奈良県知事 荒井正吾

               記

 松村二郎

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(中村昭) 次に、議第七十一号を議題とします。

 お諮りします。

 議案については、知事の提案理由説明を省略したいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さようにいたします。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(中村昭) 次に、議第五十五号から議第七十号及び報第一号から報第十九号を一括議題とします。

 以上の議案三十五件については、調査並びに審査の必要がありますので、お手元に配布しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(中村昭) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 常任委員会開催のため、明、七月一日から七月二日まで本会議を開かず、七月三日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(中村昭) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、七月三日の日程は、各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十分散会