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奈良県 奈良県

平成27年  6月 定例会(第320回) 06月29日−04号




平成27年  6月 定例会(第320回) − 06月29日−04号







平成27年  6月 定例会(第320回)



 平成二十七年

        第三百二十回定例奈良県議会会議録 第四号

 六月

   平成二十七年六月二十九日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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          議事日程

一、当局に対する一般質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、二番池田慎久議員に発言を許します。−−二番池田慎久議員。(拍手)



◆二番(池田慎久) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。自由民主党の池田慎久でございます。

 私はこれまで、奈良市議会議員を五期務めてまいりました。その経験を踏まえ、これからは県議会議員として、しっかりと住民に寄り添いながら、現場の声、地域の願いを県政に伝え、よりよい奈良をつくるため、誠心誠意努力してまいる所存でございます。議員各位並びに知事をはじめとする理事者の皆様、そして県民の皆様のご指導を賜りますようよろしくお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、救急医療体制の充実について荒井知事に質問させていただきます。

 去る五月九日、奈良市六条山地区において新奈良県総合医療センターの起工式が行われ、平成二十九年末の建築工事の完成を目指し、いよいよ本格的な工事が始まりました。式典で知事は、この病院は県の医療提供体制を飛躍的に向上させようという強い意気込みでつくろうとしていると、力強く決意をお述べになられました。

 新病院の果たすべき機能として、知事は救急医療体制の充実、高度ながん治療の提供、周産期の医療提供体制の推進を挙げておられます。この新病院が完成しますと、奈良県の医療水準が一層向上すると、県民の期待が大きいところでありますが、とりわけ平成十八年、平成十九年に発生した妊婦搬送事案に端を発した救急医療体制の充実は大変重要で、新病院の完成を待たずとも、喫緊の課題であると考えております。

 県ではこれまで、救急医療体制の充実に向けて、奈良県総合医療センターに新生児搬送ドクターカーを配置するなど周産期医療体制の整備や、救急医療では携帯端末iPadを利用して搬送先の医療機関を選定するe-MATCHシステムを導入するなど、さまざまな取り組みを行ってこられました。

 しかし、残念なことに奈良県の救急搬送時間は、平成二十五年度では平均四十三・八分となっており、これは全国で下から数えて四番目に長い状況となっております。つまり、救急搬送時間という物差しで見ますと、この間、よくなるどころか、逆に悪くなっていると言えます。また、救急搬送の現場では、e-MATCHシステムを活用しても、すぐに受け入れ病院が決まらず、搬送先がなかなか決まらないこともある、そのように聞いており、奈良県の救急医療にはまだまだ課題が残されていると考えております。

 そこで、知事にお尋ねします。

 県民が安心して暮らしていく上で、救急医療体制の充実は県の重要な役割であると考えますが、今後、救急医療体制の充実に向け、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

 次に、奈良市平松町にある奈良県総合医療センターの跡地活用について知事にお尋ねします。

 奈良県と奈良市、地域住民から成る奈良県総合医療センター周辺地域まちづくり協議会が平成二十四年に設立され、私は地域代表の委員として、これまで地域住民の皆さんとともに地域の課題を調査・検証した上で、新しいまちづくりとはどうあるべきか、地域の中で議論し、研究してまいりました。また、昨年度においては、県においてアイデアコンペを実施され、私も最優秀作品や優秀作品を見せていただきましたが、興味深いアイデアや提案が多くあり、今後のまちづくりの議論にも大いに参考になるのではないかと感じております。

 そのような中、この跡地活用については、現在、まちづくり協議会において、地域包括ケアシステムの拠点と地域医療の二つを核として、地域の活性化と発展につながる新しいまちづくりを進めるため、来年春を目途として、まちづくり構想の策定に取りかかっているところであります。

 これまでのまちづくり協議会では、ワークショップにおいて、この地に必要と思われる具体的な機能や施設について、地域代表の委員の皆さんから積極的な意見や要望が出され、県に対し、地元の意見や要望を最大限取り入れていただけるようお願いしてまいりました。

 そこで、改めて荒井知事にお尋ねします。

 奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトを進めるに当たっては、地域住民の意見や要望を最大限取り入れていただきたいと考えますが、知事のご所見をお聞かせください。

 また、奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトにおいては、先ほど申しましたように、地域包括ケアシステムの拠点と地域医療を核としたまちづくりとなりますので、新奈良県総合医療センターが果たす役割も、当然のことながら大きくなるのではないかと考えております。そこで、あわせてお尋ねします。新奈良県総合医療センターと奈良県総合医療センター跡地活用プロジェクトとの連携について、どのように考えておられるのでしょうか。知事のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、奈良市八条・大安寺周辺地区のまちづくりについて知事にお尋ねします。

 本年一月二十三日に、奈良県と奈良市はまちづくりに関する包括協定を締結されました。この協定は、奈良県と奈良市が相互に情報や意見の交換に努め、緊密に連携し、協力することで、持続的に発展できるまちづくりを行っていくことを目的として締結されたもので、取り組む地区の一つとして、八条・大安寺周辺地区が対象となっております。

 この八条・大安寺周辺地区では、まちづくりのコンセプトとして、(仮称)奈良インターチェンジやJR関西本線新駅を核とした、地域資源を生かした魅力あるまちづくりを進めるとされていますが、この地区におけるまちの将来像がどうなるのか、大いに期待をいたしているところでございます。

 この八条・大安寺周辺地区には、市街地に隣接して農地が多く存在するなど、まちづくりの自由度が高い地区である、大きな可能性がある、私はそのように考えております。そういった地区であるからこそ、地域の住民の皆さんが夢と希望を抱けるよう、そしてこの地区が発展し、活性化していけるよう、都市計画の線引きの見直しを含めて、計画的かつ効果的にまちづくりを進めていく必要があると考えております。

 あわせて、この地区は、ならまちや奈良公園をはじめとするエリアや西の京エリアなど観光スポットから近いこと、さらには、新駅が設置されることで法隆寺駅とJR線一本で結ばれることなど、観光周遊の拠点にもなり得ると考えます。

 そこで、知事にお尋ねします。

 奈良県と奈良市は、八条・大安寺周辺地区のまちづくりをどう考え、どのような将来像を描こうとしているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、近鉄大和西大寺駅周辺整備についてまちづくり推進局長に質問させていただきます。

 こちらも、先ほどの八条・大安寺地区と同様に、奈良県と奈良市とのまちづくりに関する包括協定の対象地区になっております。この地区のコンセプトは、奈良市西部の中心地にふさわしいにぎわいと魅力あるまちづくりとされており、この地域で生まれ育った私としては、その早期実現を期待するとともに、今後の奈良県と奈良市の取り組みをしっかり注目していきたいと考えております。

 現在の大和西大寺駅周辺は、近鉄線によって地域が南北に分断されており、駅利用者を含め周辺住民の利便性を低下させているとともに、地域活性化の妨げとなっております。とりわけ、大和西大寺駅西側のいわゆるあかずの踏切の存在は、住民や来訪者のスムーズな移動を困難にするだけでなく、駅周辺の慢性的な交通渋滞を引き起こし、緊急車両の通行にも支障を来すなど、地域住民の安心・安全、快適な生活をも妨げる大きな問題となっております。このため、地域を分断する、その解消に向けて、大和西大寺駅の北側と南側の一体利用とあかずの踏切の解消は、地域の長年の懸案事項であるとともに、住民の切実な願いであります。

 奈良県では、これまでの取り組みとして、駅の高架化や地下化など立体化の構想も含め、さまざまな検討がなされてきたと伺っております。大和西大寺駅北側と南側の一体利用やあかずの踏切の解消に向けては、駅をどうするのか、隣接する車両基地をどうするのか、さらには平城宮跡を横断する近鉄線をどうするのかなど、単に駅の改良だけでは解決しない非常に難しい課題が多数あり、解決策を見出すのにご苦労されていることは十分理解しておりますが、大和西大寺駅周辺を奈良市西部の中心地として今後さらに発展させていくためには、これらの課題を乗り越えなければならないことも事実であります。

 そこで、まちづくり推進局長にお尋ねします。

 大和西大寺駅北側と南側の一体利用やあかずの踏切の解消に向けた大和西大寺駅周辺の整備については、県としてこれまでどのような取り組みを行ってこられたのか、また、今後どのように進めていかれるのか、お答えいただきたいと思います。

 次に、移住促進について南部東部振興監にお尋ねいたします。

 奈良県では、特に過疎化、高齢化が進む、南部・東部地域における地域振興を県政の大きな課題の一つと位置づけ、交流の促進と定住の促進を軸に、南部地域・東部地域それぞれの振興計画が策定されています。

 奈良県南部振興基本計画及び奈良県東部振興基本計画では、交流から移住、定住へとつなげていくために、まず認知、知ってもらい、次に交流、興味を持ってもらい来てもらう、そして二地域居住、時々住んでもらい、さらに移住、移り住んでもらう、そして最終目標である定住、住み続けてもらうというステップを踏んだ具体的な取り組みは、大いに評価できるものであります。

 南部及び東部振興基本計画においては、年間約千六百人程度の社会減をプラスにするという目標を立てておられ、その精力的な取り組みを、私の選挙区である奈良市東部地域においても参考にすべく、そのプロセスを今、勉強させていただいているところでございます。

 そこで、南部東部振興監にお尋ねします。

 奈良県南部・東部地域への移住について基本的な考え方と、移住者を受け入れるための拠点整備など具体的な取り組みはどのようなものか、ご説明いただきたいと思います。

 最後に、若者の政治参加について教育長にお尋ねします。

 六月十七日に成立した公職選挙法の改正によって、選挙権年齢が十八歳に引き下げられ、来年の参議院議員選挙においては十代の有権者が誕生します。

 現状に目を向けますと、若者の政治に対する関心の低さにより、若い世代の投票率は他の世代に比べて大変低い状況にあります。未来を担う若者に対して主権者教育をどのように行っていくのか、また、若者に政治や社会の中でどのような役割を持ってもらうのか、私は極めて重要な課題であると考えております。

 先日、県立橿原高等学校において、実際の選挙で使用する投票箱などの器具を使い、生徒たち自身が選挙管理委員や立会人などの役割を決め、開票作業も公開で行う、いわゆる模擬投票を行ったという新聞記事を目にいたしました。生徒たちみずからのコミュニティーのリーダーを決める生徒会長の選挙を実際に体験することや、学習の中で興味・関心のある身近なテーマについて、生徒同士が意見をぶつけ合う経験をすることは、若者の政治への関心を高めるために大変有効であり、このような取り組みを通して選挙や政治を身近なものとして捉え、自分たち自身が主役となって社会を形成していこうという意識の醸成につながると考えます。

 そこで、教育長にお尋ねします。

 若者の政治参加の意識を醸成するためには、教育現場での取り組み、特に高校生を対象とした取り組みが重要だと考えますが、県では高校生を対象にどのような取り組みを行っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二番池田議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、救急医療体制の充実に向けた取り組みというご質問でございます。

 医療体制の整備は、県民の命と生活を守る大変重要な課題でございます。とりわけ、昼夜の区別なく発生し、症状もさまざまでおられる患者を受け入れる救急医療体制の充実は、県民が強く望んでおられますし、県が積極的にかかわるべき最重要政策の一つであると考えております。

 本県では、妊婦搬送事案を受けまして、周産期医療体制の整備を積極的に行ってまいりました。その結果、ハイリスク妊婦と呼ばれる方々の受け入れは、ほとんど県内でできるようになりました。

 一方、救急搬送につきましては、議員お述べのように、搬送時間がなかなか短縮できない事情が続いております。医師の専門領域が細分化し、複数領域にまたがる患者の受け入れが困難な状況が見受けられるのも一つの原因でございます。このような状況を改善するためには、軽症から重症まで初期診断が難しい患者にも広く対応可能な、ER型救急医療体制と呼ばれるものの整備が有用であろうと考えてきております。本県では、県立医科大学附属病院と奈良県総合医療センターの二カ所で整備を進めていただいております。

 ことしの九月からは、県立医科大学附属病院で、土曜日、日曜日に二十四時間救急患者を受け入れていただけるER体制を整えていただくことになりました。また、奈良県総合医療センターにおいても救急専門医を確保し続けていただいております。救命救急センターで全ての救急患者を二十四時間受け入れる体制構築に、精力的に取り組んでいただいている実情でございます。

 本県の救急搬送は、年間五万件以上もございます。ER型救急医療体制が二カ所だけでは、五万件全てを受け入れることは不可能でございます。そのため、消防機関や休日夜間応急診療所また二次輪番病院など、関係者相互の協力と連携が必要であろうかと思います。地域別に見ますと、このような関係者の協力と連携があるところは搬送時間が短いという傾向が出ておりますので、ネットワークによる救急搬送体制の整備というものも大事かと思っております。

 ことし四月から、中南和地域において、県立医科大学附属病院を中心に、協力病院との連携による重症腹症のネットワークを構築し始めました。重症腹症はおなかの中のことでございますので、お医者さんがすぐに受け入れることをちゅうちょされる病態でございます。緊急内視鏡などの受け入れ体制を充実して、受け入れを円滑に進むようにしております。

 今後も、消防機関や病院などの現場の方々の意見を聞きながら、県民の皆様誰もが安心できる救急医療体制の構築に向けて、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。

 奈良県総合医療センターが移転した跡地の活用についてのご質問がございました。奈良市平松町と呼ばれる地域でございます。

 県では、急激な高齢社会が進展する中で、奈良県総合医療センター跡地において、地域包括ケアシステムの先進的なモデルとなる健康長寿のまちづくりを目指した取り組みを進めております。気概だけは全国の最先端の気概と言っていただいてもいいと思いますが、このプロジェクトには行政や医療・介護の専門職の方だけでなく、住民の方々とのかかわりが重要でございますし、議員お述べのように、そのような進捗の内容になってきており、喜んでおります。

 地元の方々とのまちづくり協議会をつくっていただいております。在宅での医療や介護、また子育ての面で、どのような住民の方のニーズがあるのかを、住民の皆様と定期的にご相談しながらまちづくり構想を練ってきていただいております。回を重ねるごとに建設的な意見が出てきていると聞いております。

 さらに、ことし二月には、地元住民の方々とのコミュニケーションを深めるためのジャーナルを発行いたしました。まちづくり通信というジャーナルを発行して、第二号になっております。より多くの住民の方々に議論の進みぐあいを知っていただき、関心を深めてもらう試みで、ユニークな試みでございます。

 また、今年度から、月に一回のペースで、住民の皆様が気軽に健康、医療、介護、子育て等の相談の支援を受けられることができるような、暮らしの保健室がスタートいたしました。ボランティアの方々で運営されている点がユニークな点でございます。これは、これまでのまちづくり協議会での議論から自発的に生まれたものと聞いております。地元住民の方々の参画を得て、健康長寿のまちづくりの機運とアイデアが、徐々に醸成されつつある結果であるように思いまして、このような動きにつきましては大変喜んでいるところでございます。

 議員お述べの、近くに建設中の新奈良県総合医療センターとの連携ということでございますが、重要な視点と考えております。例えば、平松周辺地区で医療・介護を担う人材の研修を総合医療センターで実施するなど、ネットワークを図ることが必要かと思います。

 今後、さらに多くの関係者のご意見を、さらに深まったご意見を賜りながら、健康長寿のまちづくりを考え、進むように研究を進めていきたいと思っている地域でございます。

 次のご質問は、奈良市の南東にございます八条・大安寺周辺地区のまちづくりについてのご質問でございます。

 奈良市の八条・大安寺周辺地区は、本年一月二十三日に締結いたしました奈良県と奈良市とのまちづくりに関する包括協定において、県と奈良市が緊密に連携・協力してまちづくりに取り組む対象地区の一つとなっております。今後、県と奈良市が協働してこの地区のまちづくり基本構想を策定し、役割を分担して、奈良市の新しい南の玄関口を建設していきたいと考えている地区でございます。

 この地区の将来像についてのご質問でございます。将来像の内容の一つは、鉄道と高速道路の交通結節点となる奈良県で初めての地区でございます。高速道路と鉄道が結節するのは初めてでございます。また、奈良市の副都心ともなり得る可能性がございますので、新たな奈良市の地域拠点の形成を図るという観点が必要と考えております。拠点機能をどのように形成するかということでございますが、奈良市南部の活性化でございますが、県と奈良市と協働で、JR新駅周辺の土地利用計画の策定や、駅前広場を含む周辺整備の検討を進めたいと考えております。

 二つ目の視点でございますが、国際文化観光都市でございます奈良市の魅力を飛躍的に高める可能性がございます。ならまちなど奈良公園の拠点から、奈良市の西南にあります西の京を結ぶ新たな観光ルートの形成の視点でございます。奈良市の南部の東西軸を、新たな観光ルートとして創出を図るという視点でございます。交通結節点の利点を生かしまして、JR新駅を核とした、交通・観光対策の観点からのパーク・アンド・バスライド駐車場や、観光バス用駐車場の整備などの検討を進めたいと考えております。さらに、新駅が設置されますと、JR関西本線の新駅でございますので、法隆寺駅と鉄道で直結されることになります。世界遺産を有する斑鳩と世界遺産の西の京の両地域が結びつく観光ネットワークが形成され、魅力ある周遊観光が創出できる可能性があると考えております。

 二つの視点を申し上げましたが、この地区のまちの将来像は大変有望でございますので、県としても、地域の住民の皆様にとっての夢と希望が実現できるような計画となるよう、奈良市と協働でまちづくりの検討を精力的に進めてまいりたいと思います。

 今後の手順でございますが、目指すまちづくりのまちの姿が具体化してきた段階で、住民の方々のご意見をさらに聞かせていただく機会や、都市計画の区域区分の変更などが必要な手続でございます。まちづくりが着実に力強く進捗するよう、最善を尽くしていきたいと考えております。

 残余の質問は、私が答えてもいいのですが、関係局長へのご質問でございますので譲らせていただきます。



○議長(中村昭) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私へは、近鉄大和西大寺駅北側と南側の一体利用や、あかずの踏切の解消に向けた大和西大寺駅周辺整備につきまして、県はこれまでどのように取り組んできたのか、また今後どのように進めていくのかというお尋ねでございます。お答えさせていただきます。

 県では、大和西大寺駅周辺整備につきまして、付近の渋滞問題を抜本的に解消するということを目的に、大和西大寺駅の立体化と、近接します平城宮跡内の近鉄線の移設、これを一体的に検討しているところでございますが、ともに大変難しい問題でございます。日本の駅問題の中で最難関と言われるような難しい駅となっております。

 これまで、近畿日本鉄道株式会社から鉄道技術に関する専門的な助言もいただきながら、駅を高架化または地下化した場合の鉄道の線形ですとか駅の構造、軌道を高架化した場合の景観や騒音、地下化した場合の地下水の変動、そういったものについて検討してまいりました。

 平成二十三年度には、有識者の検討会も開催いたしました。鉄道本線同士の横断を解消するためのホームの二層化の検討や、駅の高架化に伴い、車両基地のかさ上げを行う際には、周辺地域への影響と対策の分析がさらに必要であるなどのご助言をいただいております。

 また、駅の立体化には、車両基地の存在が鉄道の交差の線形ですとか駅の構造を大変複雑にしているなど、技術的に大きな課題がございます。今の車両基地の機能を、新たな場所ですとかほかの車両基地へ全部もしくは一部を移した場合の、鉄道の線形や駅の構造がどのようになるのかというところを検討しているところでございます。

 さらに、近鉄線が平城宮跡の中を横断している事情を、どのように解決するのかということにつきましても、極めて難しい問題でございます。世界遺産の平城宮跡の真ん中を鉄道が走っている姿は見苦しいというご意見がある一方、地下化は埋没されている木簡を傷めるとのご意見もございます。線路を平城宮跡の南側に回すという案も検討いたしましたが、現実にはなかなか難しい課題がございます。大和西大寺駅周辺整備問題は、近鉄線の平城宮跡内通過の解消の仕方と大きくかかわっているのが実情でございます。

 このように、現段階では解決案がなかなか見出せていない状況でございます。県としましては、今後とも早期に成案が得られるよう、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えておりますが、鉄道事業者であります近畿日本鉄道株式会社も、奈良県内に長い線路を有している鉄道事業者として、真摯にかつ積極的に課題の解決に取り組んでいただくよう、強く希望しているところでございます。

 私からのお答えは以上でございます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 辻本南部東部振興監。



◎南部東部振興監(辻本浩司) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、移住の促進についてということで、県南部・東部地域への移住についての基本的な考え方と、具体的な取り組みはどのようなものかというご質問でございます。お答えいたします。

 人口減少が著しい県南部・東部地域の活力を維持していくためには、地域外の方々の力をおかりすることが不可欠と考えております。そのため、新たな奈良県南部振興基本計画及び奈良県東部振興基本計画におきましては、移住を大きな柱としたところでございます。

 移住施策の基本的な考え方の一つ目は、地域の認知度の向上でございます。近年、価値観やライフスタイルが多様化し、地方を目指す方々がふえておりますけれども、その方たちに県南部・東部地域を移住先に選んでもらうためには、一足飛びではなく、まず、この地域を知っていただくことから始める必要がございます。そのため、大手旅行雑誌、大手旅行予約サイトでの情報発信のほか、実際に訪れていただく機会づくりとして、地域の特色を生かしたイベントを開催しております。

 一方で、移住希望者からの相談あるいは移住をした方々を支援するためのワンストップ窓口を、県と南部・東部の全十九市町村に設置しているところでございます。そこで情報の交換、共有などを行っておりますけれども、今後、南部・東部地域のエリアとしての認知度をさらに高めるということで、このつながりを発展させた(仮称)奥大和移住定住連携協議会の立ち上げを準備しておりまして、今後、エリアとしてまとまった情報発信あるいは移住フェア、モニターツアーなどを実施する予定でございます。

 二つ目は、ターゲットの明確化です。

 主なターゲットは地域の担い手としても期待できる現役世代ということでございますけれども、昨今のインターネット環境の充実あるいは流通システムの発達などから、特にICTを活用し、働く場所を選ばない方、手に職のある方に絞った誘致活動や拠点施設の整備を行ってまいりました。

 具体例を紹介いたしますと、東吉野村では、空き家を改修して、ICTを活用した仕事ができるシェアオフィスを整備しました。フェイスブックなどで知った若いクリエイターやデザイナーたちが訪れ、仕事をする傍ら、既に移住している方々との交流、あるいは村の自然環境に触れることで、移住を希望する方が出てきております。

 また、下市町では、使われなくなった公共施設を工房として改修し、吉野杉を使用した家具づくりが始まっております。移住してきた家具職人の指導のもとで、職人の養成プロジェクトに参加するお弟子さんを募集したところ、無給、給料が出ないという条件にもかかわらず、全国から五十人以上の応募がありました。こういった取り組みへの関心の高さと可能性を感じているところでございます。

 引き続き、奈良県南部振興基本計画及び奈良県東部振興基本計画に示しました、認知から交流そして移住へというステップを踏んだ取り組みを、南部・東部地域の十九市町村とともに進めることで、目標である社会増減のプラスにつなげてまいりたいというふうに考えております。

 答弁は以上でございます。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二番池田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、若者の政治参加の意識を醸成するため、高校生にどのような取り組みを行っているのかとのご質問でございます。

 本県では、高校生に県政や県議会への理解と関心を高めることを目的に、平成二十四年度から奈良県高校生議会を開催しておりまして、生徒みずからが魅力ある奈良県づくりに向けた質問、提言を行い、主体的に政治に参加しようとする意欲だけではなく、地域に貢献する態度も養われております。

 また、議員お述べの県立橿原高等学校では、生徒の選挙への関心を高めるために、平成二十五年度に、県及び地元選挙管理委員会による出前講座からスタートいたしまして、現在は実際の選挙器具を使用した生徒会役員選挙を実施いたしております。これらの連続した取り組みは、本年度、県選挙管理委員会による出前講座や模擬投票のマニュアル化に生かされ、また、国の方でも選挙に関する解説や模擬選挙などについてまとめた副教材を現在作成中であり、今後、全ての高校生に配布される予定でございます。

 今後のことでございますけれども、県教育委員会といたしましては、高等学校においてこれらの教材等を有効に活用しながら、主権者としての教育を教育課程の中にどのように位置づけるかについて十分検討を行い、社会参加の意識を高く持ち、主権者として主体的に行動できる生徒を育てる参加体験型の教育を推進していく必要があると、このように考えております。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 二番池田慎久議員。



◆二番(池田慎久) まず、救急医療体制の充実強化についてでありますが、県では絶対に断わらない救急医療を掲げ、県立医科大学附属病院における土曜日、日曜日の二十四時間ER型救急体制の整備を今議会でお示しいただいておりますし、救急そして病院の現場は懸命に努力をしておられる、そのことは十分理解いたしております。県民の大切な命を守るためには、一分一秒でも早く、最適な病院へ最速で搬送できる体制をつくらなければならないというふうに思いますので、関係機関の連携・協力のもと、あらゆる方策を取り入れていただきまして、まず十分の時間短縮を目指して救急医療体制の充実強化を図っていただきますよう、強く要望しておきたいと思います。

 次に、奈良県総合医療センターの跡地活用についてでありますが、知事から、跡地活用プロジェクトを進めるに当たっては、地域住民の意見や要望を最大限取り入れていきたいというお約束をいただきました。この跡地活用について、今、私は日本版のCCRCのような形も参考になるのではないかというふうに考えております。ただし、高齢者だけを呼び込むのではなくて、この地域においては若者にもぜひ多く住んでいただき、世代を超えた新しいコミュニティーを形成していくことを提案していきたいというふうに考えております。この跡地活用プロジェクトの新しいまちづくりに、引き続き、知事はじめ関係部局のお知恵とお力添えをいただきますようお願いしておきたいと思います。

 また、あわせて、この奈良市平松地区から新奈良県総合医療センターへのアクセス道路の整備やバスルートの確保、これは地元地域から要望が上がってございます。ぜひ奈良市並びに関係機関とも連携、協力、協議をしていただきながら、ぜひ実現していただくよう、こちらもお願いしておきたいと思います。

 次に、奈良市八条・大安寺周辺地区のまちづくりの件については、先日の代表質問でも出ておりました。県も積極的に関与していただき、知事お述べのように、奈良市の南の玄関口にふさわしいまちづくりが進められますよう、まさに奈良県と奈良市が一体となって取り組んでいただきますよう、私からもお願いをしておきたいと思います。

 次に、近鉄大和西大寺駅周辺整備についてでありますが、こちらに平成十九年の資料がございます。この資料には、荒井知事が参議院議員時代に試案として、この大和西大寺駅の真上にターミナル広場をつくり、駅南北を走る西大寺阪奈線それから西大寺一条線の両道路を連絡高架橋で直結して、利便性のアップを重視して改善を図るという構想が描かれております。知事は以前より、この大和西大寺駅及び周辺の整備について大変強い思い入れがあると伺っております。ぜひ近畿日本鉄道株式会社、奈良市、近隣住民とも引き続きご協議いただきまして、長年の懸案事項であります南北の一体化やあかずの踏切の解消をはじめ、大和西大寺駅周辺整備に向けて大きな一歩を踏み出していただけますよう、荒井知事のリーダーシップに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、南部・東部地域における移住促進についてであります。

 少子高齢化と過疎化の解消には、やはり若い世代を呼び込むことが大切であり、そのためには地域資源を生かし、地域の魅力アップを図り、働く場所をつくり、子育て環境や教育環境を整えることが大変重要と私も考えております。奈良県南部振興基本計画及び奈良県東部振興基本計画に基づき、今の取り組みをさらに実効あるものにしていただくことはもちろんですが、あわせて奈良市の東部地域など、南部・東部の地域と同様に人口が減少し、少子高齢化が急速に進むなど地域の活力の低下が深刻な地域にも、ぜひ目を向けていただきたいというふうに思っておりますので、南部地域並びに東部地域以外の自治体への指導・助言をはじめとする支援体制の構築をお願いしておきたいと思います。

 最後に、若者の政治参加についてであります。

 今回の公職選挙法改正では、全国で約二百四十万人、奈良県でも約二万八千人の十代の若者が初めて選挙権を持つことになります。私は選挙だけにとらわれるのではなく、その前段階での対応が必要だと感じています。

 では、私たちはどのような対応が必要なのでしょうか。私は先ほど申しましたように、主権者教育とともに、若者に政治や社会の中でどのような役割を持ってもらうのかということが、極めて重要であると考えています。政治の中に、社会の中に若者の力を生かしていく、若者の声を取り入れていく、若者の未来をしっかりと考えて政治を行うという対応が、まず求められているのではないかと思うのです。つまり、政治やまちのことを考えるとき、若者もしっかりと巻き込んでいくという視点が私たちには必要だと感じております。

 例えば、若い世代にかかわる政策づくりの過程で、もっと若者を参画させることが大切でしょうし、学校や地域、家庭において、身近なテーマをきっかけに政治やまちのことを話す機会を持つことで、政治やまちづくりは決して遠いものではなく、自分たちのもの、身近なものだと実感してくれると思います。

 八月二十日には奈良県高校生議会が開催されます。私たちも、若者をいかに巻き込んで政治やまちづくりを進めていくのか、若者の発想や力を引き出す仕組みを、しっかりとこの機会に考えたいものであります。ぜひ県政を進めるにおいても、若者が政治やまちづくりに参画できる仕組みをつくっていただきますようお願いしておきます。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 次に、十番井岡正徳議員に発言を許します。−−十番井岡正徳議員。(拍手)



◆十番(井岡正徳) (登壇)議長のお許しを得て、通告に従い一般質問を行います。二年ぶりの質問でありますので、大変緊張しておりますが、ご清聴いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 今回は、知事の八年間の行財政運営に係る、引き続き今後の主要なプロジェクトについて財源をどのように捻出されるのかについてと、地元の道路二カ所の進捗状況、そして新教育委員会制度について質問をさせていただきます。

 さて、知事というのは、選挙を行う前や任期中に重点的に取り組むべき政策を示し、選挙において住民から信任を受けているという点で、一定の民主主義根拠を有すると認識しています。

 国政においては、選挙公約や政権公約またはマニフェスト、最近では重点政策と呼ばれているものを示し、当選後に政権を担当することになる政党と住民とが、具体的な政策の契約を結ぶことにより、政策の意思決定における住民の参加意思を高めることに意味があります。それにより、政治に緊張と責任をもたらし、政治の質を高め、レベルの高い政治主導の政策運営を実現することこそが、国政の議院内閣制における政策の契約としての本来の意義及び効果と言えます。

 また、国においての政策の契約の意味するところは、政権担当政党と住民とが、契約という強い関係で結ばれることにより、政権担当政党は住民から負託を受けたことを根拠として、契約した政策を強力に推進する。それらにより契約の内容が確実に履行され、住民の選択した政策が実施されるという意味で、政策の意思決定に住民が直接関与しているとも言えます。

 しかし、逆に言えば、住民は選挙で政権担当政党を選んだからには、政権担当中はその契約による結果を受け入れなければならないのです。したがって、実効性と拘束性は裏腹の関係であり、社会状況の大変革がない限り、気に入らなかったといって途中でかえることはできないと思われます。議員内閣制を採用している我が国では、選挙で選択された政権担当政党の選挙公約などは、国民に対して政策を履行する責任がある契約と、その拘束性が強調されているのです。

 一方、日本では国政の政党版と区別する意味において、英国の地方選挙マニフェストとは異なり、日本のローカルマニフェストは政策の公約集なのであります。さらに、知事の選挙中の政策の公約集では、数値目標、期限、財源、工程などを明示することにより、政策についての具体的なイメージを明らかにすることを目的としています。それにより、政策に関する情報の共有化と意識のすり合わせが促進されるとともに、選挙後の政策への取り組み状況や成果について客観的にチェックすることが可能になるのです。

 したがって、政策の情報公開や政策責任の明確化が担保されることにより、選挙時だけではなく選挙後においても、公約を行政の計画、事業として政策化し、さらにその実施、実施後の成果の評価、改善に至る一連の政策サイクルを著しく高度化することができるのであります。

 このように、ローカルマニフェストや選挙公約などと呼ばれる政策の公約集の定義として、明確な要件があるわけではないのですが、これらの意義を踏まえれば、住民と政策責任を共有する上での最低限の説明責任として、政策目標を具体的にイメージでき、そして実現可能であり、達成状況をチェックできる機能を満たしていることが重要であると思われます。

 しかし、地方政治は二元代表制であり、選挙で選ばれた首長の選挙公約は必ずしも実行できるとは限りません。選挙で示した政策を進めていく上で、予算や議案等に対して地方議会の承認が必要となるためで、選挙で示した政策の内容を必ず履行できるとは限らないのであります。これが、国と地方の制度上において大きな違いであると思われます。

 次に、首長の選挙公約と地方議会の関係として、二元代表制である地方政治では、地方議会と首長の間に新たなあつれきを生むことがあります。有権者との政策契約とされる選挙公約は、地方議会での議論や承認手続を経ることなく、事実上政策を決定する側面を持つからであります。

 日本の地方自治は、首長も議員も直接選挙で選ぶ二元代表制を採用していますが、この制度の趣旨の一つは、これによって権力の乱用を防ぐことにあり、相互牽制的な仕組みが採用されています。したがって、首長と地方議会は車の両輪であり、互いに緊張感を持ってそれぞれの役割を果たすことが理想とされるのも、このような制度構造に由来するものであります。

 しかし、首長は自治体を統括し、これを代表するという言葉に象徴されるように、現実には首長が優位にあります。議会も議決権を首長と連帯して責任を負うという意味ではなく、首長の責任で行うことを認める権利として理解しており、結果として地方行政に関する実質的な責任は首長が担っていると言えます。

 また、首長は選挙公約を実現するための諸議案を地方議会に上程することになりますが、日本の選挙公約は首長自身の言動を強く拘束することから、仮に地方議会の多数派の意向と異なる政策であっても、その変更は容易にはできないのです。そのため、議会は首長に対して是々非々で臨むという大義のもと、政策というより、勝つか負けるかという対立関係の深刻化を助長しやすくなるのであります。

 そのため、国政では首相の意思決定は与党の支持により実現しますが、地方では首長が意思決定しても地方議会が認めないときには、選挙公約の項目を実行できないという大きな制約があると言えます。

 さらに、国と地方の関係において、地方の自主財源が限られていたり、国からの補助金に細かな条件がつけられていたり、また、国の個別法に基づく行政計画の策定義務や、全国一律で専門職等の配置が義務づけられる必置規制などが存在したりするなど、地方が独自で行える権限が限られているという問題があり、それが選挙公約の本来の意義を妨げる制約ともなっています。

 結局、国においての選挙公約と違い、首長による選挙公約の実践は、首長自身が選挙時において推薦された政党と地方議会に所属する政党会派の構成との関係で、大きく左右されるのであります。また、先ほど申し上げた、地方が独自で行える権限が限られていることも、もう一つ大きな制約であると言えます。

 さて、我が奈良県に話を移します。

 さきの統一地方選挙で、荒井知事が三期目の当選をされました。誠におめでとうございます。

 今回の選挙で荒井知事は、あらい正吾政策集として、産業構造の改革をはじめとして二十の項目を示されました。また、その項目に対して戦略を立て、具体的な取り組みも示されています。私は大変わかりやすく、実際に行おうとする意欲のたまものであると評価しています。

 通常、首長の選挙公約はおよそ総花的で、具体的な施策を示すことを避ける傾向があると思われます。それは前段にも述べたように、議会との関係や県の自主財源の問題、国からの補助金や個別法の制約など大きな制約があるからだと思われます。

 知事は今までの八年の間で、矢継ぎ早に多くの課題に即応して、積極的に事業を行ってこられました。実際、これらの事業の財源はどうされるのかと心配でありましたけれども、国から多くの財源を獲得されてこられました。そのためには、私どもも二年間ご一緒させていただいた、国会議員や市町村長を伴っての政府要望や説明会など、今までの奈良県政ではなかったような行動もされました。さすが事業系の省庁である国土交通省におられた経験からだと思います。

 全国の多くの知事は総務省出身の方が多いのですが、これらの方々に共通して言えるのは、選挙公約を総合計画に登載し、職員に行程を示し、実施計画を立て、財源を確保してから事業を行う手法が多く見られます。このやり方だと、実際に行おうとする事業の予算等を議案として提出するまで、早くても三年から四年はかかると思われます。その点、荒井知事は、強力なリーダーシップで八年間走ってこられました。これからの四年間も、思い切って走っていただくことを期待しております。

 さて、質問に入ります。このたびの荒井知事が示された、あらい正吾政策集の中にも書かれていますが、以前から引き続き行われる今後の主要なプロジェクトの中で、財政上規模の大きいと思われる事業の財源確保について二点お尋ねします。

 一つは、県営プール跡地におけるホテルを核とするにぎわいと交流の拠点整備について、事業費の見込みとその財源の確保はどうされるのかお尋ねします。

 もう一つは、新奈良県総合医療センターや県立医科大学の整備について、事業費やその財源はどうなっているのかお尋ねします。

 次に、中和地域の道路整備について県土マネジメント部長にお伺いします。

 本年三月に、県内の京奈和自動車道で、郡山下ツ道ジャンクションなど三区間が開通いたしました。中和地域では、三宅インターチェンジと一般部の県道桜井田原本王寺線から県道天理王寺線までの三・五キロメートルが開通し、開通後には地域の生活道路を走行していた通過交通が減少するなど、地域の安全性も向上し、住民の喜ぶ声も聞いております。また、周辺地域では大型店舗の出店などもあり、一般部を含めた京奈和自動車道の整備促進は、渋滞の解消や事故の減少だけでなく、地域の活性化や発展に大きく寄与するものだと思います。

 今回開通した一般部の北側、県道天理王寺線と交差する川西町の結崎出屋敷交差点から大和川を渡って、県道天理斑鳩線と交差する天理市の二階堂南菅田交差点に至る未整備区間の一般部が開通すれば、橿原地域から郡山地域までの一般部がつながり、地域住民の利便性が一層高まるとともに、県が進めている新たな工業ゾーンの創出の魅力もさらにアップすると考えられます。

 地元としては、県道天理王寺線と交差する川西町の結崎出屋敷交差点から大和川を渡って、県道天理斑鳩線と交差する天理市の二階堂南菅田交差点に至る区間の整備を早くしてほしいと考えています。また、京奈和自動車道にアクセスする周辺の幹線道路の整備も進むことにより、周辺地域での企業立地や工場の新設などの創出につながると思います。

 もう一つ、私どもの地元では、大和中央道と県道天理王寺線が交差する川西町結崎工業団地南詰交差点から、京奈和自動車道の三宅インターチェンジがある三宅町の三河交差点に至る区間、大和中央道の延伸でございますけれども、いわゆる県道結崎田原本線結崎・三河工区の事業が進められています。

 この道路は、結崎・唐院工業団地や大和まほろばスマートインターチェンジの出入り口を経て、県下最大の工業ゾーンである昭和工業団地につながる重要な道路だと思います。また今後、川西町が計画されている唐院工業団地の拡充や市街化区域編入により、企業を誘致し、産業振興の強化を図れる重要な地域でもあります。

 そこで、二点お伺いいたします。

 京奈和自動車道一般部の結崎出屋敷交差点から大和川を渡って、二階堂南菅田交差点に至る未整備区間の今後の見通しをお伺いいたします。

 また、現在事業中の大和中央道と県道天理王寺線が交差する川西町結崎工業団地南詰交差点から、京奈和自動車道三宅インターチェンジがある三宅町の三河交差点に至る区間、いわゆる県道結崎田原本線結崎・三河工区の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

 最後に、新教育委員会制度について質問します。

 私は平成二十二年五月定例会で、教育委員会制度の活用について、本県教育の基本方針の方向性をどのように考えているのか、また、教育委員会の情報の公開を進める必要があると考えるがどうかとの質問をいたしました。

 この質問は、教育委員会が合議制の執行機関として本来の機能を発揮し、適切な意思決定を迅速に行っていくためには、教育委員会が教育委員会会議において常に活発に議論し、適切な意思決定を行う必要があるとするところからであります。

 また、平成二十四年二月定例会では、教育委員会が合議制の執行機関として本来の機能を発揮するためには、教育委員が教育委員会会議において常に活発に議論するなどの委員会の活性化が必要であると考えるが、教育委員長として、教育委員会の活性化についてどのように取り組んでいこうとされているのか、考えを示していただきたいとお尋ねしました。

 私はかねてより、教育委員会の責任は合議制である教育委員会と考えていたので、教育委員会を代表する教育委員長に二回質問させていただいておりました。しかし、今回の制度改革で、教育委員長と教育長を一本化して責任の明確化を図ることとなったので、今回は新制度での教育長に質問をさせていただきます。

 教育委員会は、戦前の中央集権的、官僚主義的な教育行政への反省から、教育の地方分権と民主化を目的に、昭和二十三年に創設された仕組みであります。当時においては、いろいろな教育行政制度の構想があったのですが、アメリカの制度を参考に、一般の政治、行政から独立した行政委員会としての教育委員会制度が設けられました。

 当初は、住民による直接選挙で教育委員が選ばれるという公選制教育委員会であったのですが、教育委員選挙の低投票率、首長のライバルの教育委員への立候補また当選などの、教育委員会に政治的対立が持ち込まれる弊害を解消するために、昭和三十一年に公選制の廃止と任命制の導入が行われ、教育長の任命承認制度の導入や、一般行政との調和を図るための、教育委員会による予算案、条例案の送付権の廃止を盛り込んだ地方教育行政の組織及び運営に関する法律が成立となりました。その後は、首長から一定程度独立した合議制執行機関という教育委員会の基本的な性格は変わっていません。そして導入後も数次にわたり改正が行われ、現行制度に至っています。

 さて、今回の改革では、平成二十三年に大津市で起こったいじめ自殺事件を直接のきっかけとして、教育委員会の責任体制の不明確さが強く批判されるとともに、地方教育行政のガバナンスのあり方が強く問われることとなりました。また、これまでの教育委員会は、教育委員長と教育長のどちらが責任者かわかりにくい、教育委員会の審議が形骸化している、いじめ等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない、地域住民の民意が十分に反映していない、地方教育行政に問題がある場合に、国が最終的に責任を果たせるようにする必要があるなど多くの課題があったのです。

 そして、平成二十三年に四月に、首相直属の教育再生実行会議は教育長を責任者とする方向性を打ち出し、これを受けて翌五月からは、中央教育審議会の教育制度分科会で具体的な制度設計が議論されたのであります。しかし、教育再生実行会議では、教育委員会を執行機関として存続させるかは明確にしておらず、詳細な制度設計は中央教育審議会での審議に委ねることとしたのです。

 この制度改革のあり方を議論した中央教育審議会において、教育行政の責任の明確化と政治的中立性、安定性、継続性がともに必要であるとの認識のもとで、首長を教育行政の責任者にする案と、従来どおり教育委員会を執行機関とする案のどちらを選択するかが大きな争点となりました。その後の与党協議の結果、教育委員会は執行機関として維持しつつ、教育長と教育委員長を一本化して責任の明確化を図ることとなり、他方で首長の権限強化を主張する意見にも配慮して、首長が教育行政の大綱を定めるとともに、首長と教育委員会が協議、調整を行う総合教育会議を新設することとなりました。

 そして、平成二十六年六月十三日、第百八十六回国会において、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が成立し、同月二十日には公布されたのであります。改正法は、首長による大綱の策定、そして総合教育会議の設置、そして教育長と教育委員長を一本化した新たな責任者の設置、そして教育委員会のチェック機能の強化、そして国の関与の見直しなどを盛り込んだものとなっています。

 ことしからの新しい教育委員会制度のもと、教育長としてどのような考えを持って本県の教育を進めていこうとしているのか、お尋ねいたします。

 また、今回の改正において、教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップは高まりますが、教育長以外は非常勤の委員で構成することとなっており、教育委員会の多数決で意思決定を行う仕組みは従来どおりだと聞いております。また、教育委員の職業等に偏りが生じないように配慮するとの規定を改正後も維持しており、教育の専門家でない一般の住民の意向を教育行政に反映していく、いわゆるレイマンコントロールの考え方は変わっておりません。

 そこでお尋ねします。このレイマンコントロールは、教育行政において非常に重要な考え方であると考えますが、教育長の所見をお願いいたします。

 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十番井岡議員のご質問がございました。

 私に対しましては、県の主要なプロジェクトの財源確保についてのご質問でございます。

 ご質問の前に、議員の選挙の結果と政治の実行のあり方についてのご所論を述べられました。我々選挙で選ばれた者の代表のあり方についてのご所論かとも思いますが、昨日読んでおりました本の中で、代表のあり方に二種類あるというくだりがございました。委任というのと信託という二つだそうでございますが、委任は、我々がデリゲートと言われることでございます。信託の場合はトラスティーと言われる代表の仕方だそうでございますが、委任の方は、より具体的な委任を有権者から受けているという意識だそうでございます。信託の方は、一般的に委任をして、奈良県をよくしろ、国をよくしろといったような信託があるということでございます。

 いずれにしても大事なのは、投票者の、主権者との継続的な会話が必要だ、政治の代表には必要だというふうに書いてございました。その前提となりますのは、我々が行っております政治を投票者であります県民の皆様によく知っていただいて、ご理解していただいていることが前提になるわけでございますが、選挙のときに感じましたが、なかなか我々の政治の実態を知っていただくのは難しいことであるなというふうに感じました。地方自治の原点、地方政治の原点は、住民の方との継続的な対話、よく知っていただくことが出発点になるというのは、我々選挙で選ばれた者の共通の課題であるように感じました。

 質問ではございませんでしたが、所論のお返しということで、大変申しわけない、時間をとってしまいましたが、ご質問へのお答えでございますが、県の主要なプロジェクトの財源確保は大事な課題でございます。執行部と言われます理事者側の仕事は、財源があって、その財源を議会に予算の提案をしてご議決いただいて、初めて実行できるものでございます。政治の根幹であろうかと思います。

 二つのプロジェクトについての財源のお問い合わせがございました。県の重要施策で大規模プロジェクトでございます、県営プール跡地のホテルを核とするにぎわいの拠点の整備でございます。

 県営プール跡地には、国際級ホテルとあわせてどのような設備を整備するかという点でございますが、一つ目は、二千人規模の会議を開催できるコンベンション施設でございます。そのほか、屋外の多目的広場、さらには空港リムジンや都市間長距離バスの発着とあわせて、パーク・アンド・バスライドの結節点となるバスターミナルと大規模駐車場、それと奈良らしさを感じていただき、夜間もにぎわう物販・飲食施設などの整備でございます。

 これらの施設は、有力な観光地には必ず必要となり、存在している施設ばかりでございますが、これまで残念ながら、奈良県で目にすることがなかった施設ばかりでございます。よい観光地、よい施設をつくっていくには、未来への投資が必ず必要となります。大都市では民間資本が行っておりますが、地方でありますと、どれだけいい観光資源があっても、なかなか訪れる、あるいは宿泊されるお客が少ないというのが実情でございます。奈良県はその一つの典型でございます。財源と相談しながら、このような施設整備を公的な投資という形で行っていくべき分野だと考えております。

 今の段取りでございますが、今年度はホテルを除くコンベンション施設、広場等の滞在型観光交流拠点の整備・運営を行う事業者の公募を行っていきたいと思っております。整備と運営をあわせて行うための、民間事業者の資金、技術力、経営能力を活用できる方策をとりたいと思っております。PFI方式と呼ばれておりますが、これまで奈良県は、東京の学生寮や新県営プールの建設、運営について採用したものでございます。プライベート・ファイナンス・イニシアチブと言われる事業でございます。その中で、国庫補助も活用できるBTO方式を採用したいと思っております。これはビルド・トランスファー・オペレート方式と呼ばれておりますが、建設は民間で行っていただく、その所有権を事業投資主体である県へ移設していただく、それを改めて委託する、オペレーションをしていただくという往復があるわけでございますが、BTOを一緒に公募するという方式でございます。そのような方式を想定しております。

 どのくらいの事業費がかかるのかということでございますが、今のような方式でございますと、公募によって施設の規模や設備内容について提案いただくということでございますので、応募していただく事業者の意見等が基本になるものでございます。基本的な必須として、コンベンション施設や広場、駐車場をお願いすることになります。

 また、この本プロジェクトの実行に当たりましての財源は、公費だけでなくて民間資金の活用や、その整備・運営のやり方によって随分値段が違うわけでございます。また、国庫補助金の活用もぜひ考えていきたいと思います。最も有利な財源構成を考えていきたいと思っております。県費の負担は必ずございますが、それを最小にし、最大効率的に使えるような方式を模索して、実行に移す直前になっております。どのような数字になるのかということは、今のような方式で事業内容が具体的に整理され始めますれば、公表させていただきたいと思います。

 もう一つの重要なプロジェクト分野でございますが、医療施設の整備でございます。その財源ということでございます。少し長くなりますが、これまでの経緯等も含めてご説明をさせていただきたいと思います。

 県立病院、県立医科大学附属病院の整備が県の大きなプロジェクトでございます。これまでの考え方といたしまして、国からの補助金、交付金を極力確保するというのがまず第一でございますが、その残りは地元負担となりますので、まず、病院事業債が発行できますので、その借り入れにより対応してまいります。

 双方とも今、独立行政法人になっておりますので、病院の診療報酬により、病院が施設の整備、施設や設備の整備・運営の赤字に係る借入金を返済することが本来の形でございます。そのうち救急医療や高度医療などにつきましては、政策医療と言われる分野でございます。不採算と言われる分野でもございます。しかし、公的な病院としてはしていただきたい分野でございますので、それらは診療報酬だけで消化してくれというのは無理なことが多くございますので、県もあわせて負担するという考え方でございます。

 これまでの、私が来る前でございましたが、県立病院、県立医科大学附属病院の整備については、本県の支援ルールは決められておりませんでした。病院事業債を発行できましたので、その償還については、償還と赤字も含めた病院運営全体の赤字補填に対する支援という形で行われてきたわけでございます。赤字が出たら補填するというやり方は、病院側にとりましては、あまり元気の出ないやり方だというクレームがあったのが歴史でございます。

 私が知事に就任してから、病院に関する事故も起こりまして、目覚めたというふうに思いますが、県立医科大学が平成十九年に地方独立行政法人になりました。独立した経営主体になるようにということになりました。県立医科大学附属病院への経営の独立性を明確にする必要があると。赤字だったら負担するよというのは、独立性が確保できないということでございます。その際、県立医科大学附属病院の施設整備に対しまして、おおむね償還に対する地方交付税措置率が二二・五%ございましたが、それよりわずか上回る二五%を県が支援するということになりました。その場合でも、実質的な県負担額は二・五%にすぎない額でございました。

 その後、県立医科大学が第二期中期目標、中期計画を策定するのに、県は大きく関与することになりました。地域貢献とまちづくりの二つを新たな項目として加えまして、県立医科大学で医師派遣をするような、ハローワークをしてくれといったような大変大きな要求をし始めました。またあわせまして、県立奈良病院、県立三室病院が平成二十六年に地方独立行政法人になりました。それをきっかけに、県からの支援を拡充するという方向にかじをとりました。新しい支援体制ができ上がってきたわけでございます。

 改めて申しますと、国からの補助金、交付金を確保した後、病院事業債を活用することが基本でございますが、その償還に対しまして国が地方交付税措置を出されます。国が支払う分がございます。最近では二五%まで病院事業債に交付税措置がついております。その残額を、県と病院側が折半しようというところまで参りました。そういたしますと、総額につきまして、県と県立医科大学、病院機構がそれぞれ三七・五%負担するということでございます。病院側は診療報酬で建設費を償っていくようにということになっております。これは病院経営についての意気込みをかき立てる一つの借金と思っております。

 このように、県の病院施設の整備に対する支援は、飛躍的に充実したのが最近でございます。病院事業債の償還に対する実質負担額という面で見ますと、かつては二・五%にすぎませんでしたが、今は三七・五%まで拡充されておりますし、病院に対する設備投資も、ご案内のように大きな設備投資となっております。

 奈良市六条山地区に建設中の新奈良県総合医療センターは、五月九日に起工式を行ったところでございますが、新奈良県総合医療センターの現時点での建設工事費は約二百九十七億円でございます。その財源手当てについて申し上げます。

 約十二億円が国からの交付金でございます。残りの約二百八十五億円が病院事業債による借入金となります。この病院事業債につきましては、返済は今申し上げましたように、二五%が地方交付税の措置がございます。国が支払ってくれます。それを除いた残額については、県と病院機構が折半することとしております。よって、地方交付税措置額は約七十一億円ということになりますが、これは国の負担ということでございます。県と病院はそれぞれ約百七億円ずつを負担することになっております。

 県立医科大学の財源構成についてでございますが、現在、県立医科大学附属病院E病棟を、平成二十八年の全面供用開始に向け準備中でございます。県立医科大学附属病院E病棟は周産期医療などを行いますが、このような政策医療は病院事業債の償還を全額県が負担することにしております。実質的な償還に対する県の負担率は一八%になります。このE病棟の整備費は現時点で約百四十三億円でございます。そのうち約三十一億円が国からの交付金でございます。残り約百十二億円が病院事業債の発行対象でございます。病院事業債の返済でございますが、その返済についての地方交付税措置額は約二十五億円ございます。県は一方、約十五億円負担し、県立医科大学は約七十二億円の負担を行うスキームになっております。

 今後、県立医科大学におきまして、教育研究部門を移転いたしまして、その跡地に病院施設の再整備を行うということを計画しておりますが、その場合は新奈良県総合医療センターと同様にいたしたいと思っております。すなわち、地方交付税措置額を除いた残額につきまして、県と県立医科大学で折半することになります。

 また、新キャンパスの整備につきましては、教育と研究の拠点ということになりますが、国の地方交付税措置がございますが、それを除いた残額は全額県が負担することとしております。なお、県立医科大学の整備の財源といたしまして、病院事業債のほか、財政手当てが手厚い起債を活用できるよう、今後、国に対して積極的に要望する必要がございます。

 県立病院、県立医科大学の施設整備につきましては、このように多くの県負担が必要になりますが、その財源について申し上げます。基金を準備をしてきております。基金の名前は奈良県立医科大学、医療センター及び県立病院並びに南和地域公立病院等整備基金と呼んでおります。南和地域公立病院についてもこの基金を適用することにしております。この基金の財源の残高でございますが、現在、三百五億円を積み上げてきております。

 その財源構成の内訳でございますが、一つは、平城遷都一三〇〇年祭で取り崩しませんでした文化施設等整備基金というのがございます。パビリオンの整備をするということで積み上げられてきたものでございますが、パビリオンをつくりませんでしたので、約百六十五億円があります。その百六十五億円をすっかりこの病院の基金に回します。また、東京都代官山の県有施設を未利用資産、低利用資産として売却いたしましたら、約三十五億円収入がございましたので、それをこの病院基金に入れております。また、年々、県の決算が黒字のときに積み上げ続けたのが残余のものでございます。三百五億円になりましたが、今後、必要に応じてまた積み上げを図っていく必要もあろうかと思っておりますが、現在の整備については、約二十年間かけて病院事業債を返済いたしますので、この三百五億円を取り崩しながら病院事業債の返済に充てていくという構成にしております。このように、財源の手当てに配慮しながら医療改革を進めるというふうになっているところをご報告させていただきました。

 ご質問ありがとうございました。残余は担当部長からご説明させていただきます。



○議長(中村昭) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十番井岡議員のご質問にお答えいたします。

 私には、中和地域の道路整備につきまして、二点お尋ねがございました。

 まず、京奈和自動車道一般部の未整備区間の今後の見通しについてお答え申し上げます。

 京奈和自動車道大和御所道路の一般部につきましては、本年三月二十八日に三宅インターチェンジの前後区間三・五キロメートルが供用されました。

 この区間の現在の一日当たりの交通量は、約一万台ということでございますけれども、朝の通勤時間帯に発生しておりました田原本町の保津西交差点の渋滞が解消したり、田原本町の十六面に大型小売店舗が出店するなど、既に整備効果があらわれてきているところでございます。

 このように、京奈和自動車道は、本線のみならず一般部におきましても、地域の交通環境の改善、沿道の土地利用、産業誘致の促進など、その整備効果が期待をされるところであり、議員ご指摘の大和川の前後区間の一般部の未供用区間約一キロメートルにつきましても、早期の供用が望まれているところでございます。

 事業主体である国土交通省には、大和御所道路の御所南インターチェンジから五條北インターチェンジの間、この間の平成二十八年度供用を最優先に進めていただいているところでございますけれども、大和川前後の区間、この一般部につきましては、既に用地の取得も完了しており、大和川を渡る橋りょうの下部につきましても、一部は施工済みというふうになってございますので、地域の交通環境の改善など効果の早期発現に向けまして、できるだけ整備が早く進むよう、機会を捉えて国土交通省の方に働きかけをしてまいりたいというふうに考えてございます。

 二つ目のお尋ねは、県道結崎田原本線結崎・三河工区の進捗状況と今後の見通しでございました。お答え申し上げます。

 県道結崎田原本線の結崎・三河工区でございますが、大和中央道と京奈和自動車道を四車線のバイパスで結ぶ、延長二・一キロメートルの道路事業でございます。

 当該工区が完成することによりまして、京奈和自動車道から結崎工業団地あるいは昭和工業団地を経て、生駒市へとつながる四車線の幹線道路ネットワークが形成され、周辺地域において企業立地や働く場所の確保が進むなど、本県の地方創生にとって欠くことのできない重要な事業でございます。昨年七月に議決をいただきました奈良県道路整備基本計画におきましても、骨格幹線道路ネットワークとして位置づけられているところでございます。

 本事業につきましては、平成二十二年度に事業化いたしました。昨年度からは、関係する川西町、三宅町の五地区のうち四地区におきまして用地買収に着手いたしまして、移転補償に時間のかかる大型の補償物件から、今、優先的に交渉を進めているところでございます。

 今年度は、この四地区におきまして、引き続き全力で用地の取得を進めることとしておりまして、六月の補正予算案におきましても、用地取得の推進等に必要な予算の追加をお願いしているところでございます。

 また、地元調整に時間を要しております一地区におきましても、地元川西町と連携して精力的に地元との設計協議を進めまして、地元のご協力がいただければ、今年度にも用地測量に着手して、早期に用地買収ができるよう頑張っていきたいというふうに考えてございます。

 一日も早い供用に向けまして、今後とも全力で事業促進に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。



○議長(中村昭) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十番井岡議員のご質問にお答えいたします。

 私には二つの質問をいただき、一つ目は、教育委員会制度のもと、教育長としてどのような考えを持って本県の教育を進めていこうとしているのかとのお尋ねでございます。

 本年度からは、議会の承認をいただき、知事から新教育長として任命され、県教育委員会の代表者として、教育行政の第一義的な責任者として、ただいま、議員の教育委員会制度の変遷をお聞きいたしておりますと、改めてその職責の重さに身が引き締まる思いでございます。将来本県を担う子どもたちのために、本県教育のさらなる質の向上を目指し、一つ目には教員の指導力の向上、二つ目には教育課題の解決に重点的に取り組む決意を新たにしているところでございます。

 教育は人なりと言われるように、学校教育の成否は教員の資質・能力に負うところが極めて大きく、教員は絶えず理想の教育を追求し、みずからが学び続けることが大切であると考えております。そのため、本年度から、現在採用がふえております若手教員の研修体制を抜本的に見直し、採用後十年間を三つのステージに分けて、体系的に学び続ける研修システムの構築を図っております。また、中学校区内の小学校と中学校が合同で行う授業研究を、県教育委員会の指導主事とともに実施することにより、九年間を通した連続性のある学びを追い求めてまいります。

 本県の教育課題には、へき地教育のように市町村特有の課題や、学習意欲のように児童全体に見られる課題がございます。へき地教育の課題につきましては、市町村や児童生徒の実態、本質を正しく把握し、その課題解決に必要な支援をしてまいります。児童生徒全体の課題につきましては、国などが実施する学力や体力などに関する調査結果を、単なるデータとして捉えるのではなく、統計的な手法を用いて分析し、その情報を市町村と共有しながら課題解決に努力をしてまいります。昨年は、体力面で全国レベルまで向上の兆しが見られました。体力はあらゆる活動の源となるため、さらなる向上に努めてまいります。

 今後も、総合教育会議で示される知見、そして奈良県教育サミットでの議論等も踏まえながら、児童生徒が自立した社会人へと成長できるよう、本県教育の質の向上に責任を持って取り組んでまいる所存でございます。

 次に、レイマンコントロールに対する私の所見についてのお尋ねでございます。

 教育は、地域住民にとって身近で関心の高い分野でございます。教育の専門家でない一般の住民の意向を教育行政に反映していくことは、非常に重要であり、本県の教育委員会制度も、レイマンコントロールの仕組みにより教育行政を実現しているものと認識いたしております。

 現在の県の教育委員は、教育関係者に加えて、企業経営者、医療関係者、宗教関係者等職業に偏りがなく、大所高所から広い視野を持って教育内容について議論を深め、施策等について決定いただいております。また、学校の状況を常に把握するため、県内外の教育施設への視察等も行っております。

 さらに、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき毎年行っております、教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行状況の点検及び評価では、保護者の代表者、大学教授、弁護士などで構成される教育評価支援委員会からさまざまなご意見をいただき、より効果的な教育行政の推進につなげております。

 レイマンコントロールは、専門家だけの判断に偏ることなく、民意を施策に反映させることを目的といたしております。私はみずから、小・中・高等学校等のPTAあるいは社会教育関係者などさまざまな団体との意見交換の場にも進んで参加し、教育に対する声を、意見を真摯に受けとめ、本県教育の充実、発展に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。どうもありがとうございました。



○議長(中村昭) 十番井岡正徳議員。



◆十番(井岡正徳) あえて、あらい正吾政策集の内容の中で二つを抜粋して、財源確保についてどうされるのか、一問目は聞かせていただきました。

 確かに県営プール跡地については、BTO方式など、財源を明らかにすることはなかなか難しいんでございますけれども、こういう政策を応援するために、ちょっと質問をさせていただきました。荒井知事なら、財源確保についても努力されまして、あらゆる国からの補助金の使い方、そしてそういう方面での財源確保について頑張っていただけると思っております。

 それから、県立医科大学でございますけれども、これは当時、独立行政法人にされたときに、土地を無償貸与されて建物を出資されたと。その出資の償却分を毎年減らして、県の出資を償却分で減らしていくという、そして不足前といいますか、運営交付金で賄われているという方式をとられて、大変他府県に比べても厳しい財政状態ではありましたけれども、ここ数年の間、赤字だった運営をだんだん解消されました。大変病院では頑張っておられると思いますし、今後のまた新奈良県総合医療センターについても、あらゆるそういう方法でされると確信しております。当初、文化施設等整備基金を取り崩されたときにはびっくりしたのでございますけれども、それをすぐに医療に使われたということで、びっくりしたのでございますけれども結果を見ると、やっぱりさすが知事だなと思って評価をしている次第でございます。

 次に、道路の問題でございますけれども、地元では一般部の開通によりまして、そしてまた田原本町の市街化区域編入によりまして、大変活気づいておりまして、工場進出もふえてきている次第でございます。この京奈和自動車道の一般部、橋の部分だけ残っておりますけれども、大変金額が大きいということでございますが、あらゆる手段を駆使されて国土交通省に働きかけていただいて、できるだけ早く供用開始していただきたいと思っている次第でございます。

 それから、大和中央道の延伸部分、いわゆる今、大和中央道は途中でとまっておりますけれども、南を向いてとまっておりますけれども、そこから三宅インターチェンジまでの四車線の部分でございます。当初は平成二十九年ぐらいだったらできるだろうという話を聞きましたけれども、そこから用地買収に入られて、順序よく来ているとは思いますけれども、できるだけ早くしていただきたい。特に磯城郡の雇用とか、そして人口をふやすことなどに重要な道路でございますので、できるだけ早くお願い申し上げたいと思います。

 そして、教育委員会制度についてでございますけれども、あえて私、教育委員長に二回質問させていただきました。今回は、やっと教育長が権限を持たれたということでございますけれども、ただ、折衷案として総合教育会議というのを設置されました。これで首長と一緒に関与ができるということでございますが、私はあまり政治的関与はするべきではないと思いますけれども、リベラルな荒井知事でございますので大丈夫かなと思っております。これからは総合教育会議で十分議論して、そしてまた教育委員会の会議でも、合議制の利点を生かしまして、奈良県の教育に頑張っていただきたいと思っております。

 以上、終わります。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時四十二分休憩

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△午後二時五十八分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三番猪奥美里議員に発言を許します。−−三番猪奥美里議員。(拍手)



◆三番(猪奥美里) (登壇)皆さん、こんにちは。民主党の猪奥美里です。四月の統一地方選挙は、私にとって初めての再選の選挙でした。五番から三番へと変わることができました。なぜ議員になろうと思ったのか、奈良県をどうしたいと思ったのか、自問を繰り返した機会でもありました。

 私の家族は、昭和三十八年に奈良県に引っ越してきました。大阪府で仕事をする父は、家には寝に帰ってくるだけ。私も大学進学で奈良県を離れ、選挙に立候補するまで十年間、ずっと奈良県を離れていました。職場が遠く、若者が町を出ていく、私はこれを普通だと思って生活をしてきました。けれども、これこそが奈良県の構造上の問題であり、この地で生まれ、暮らすことができる町にしたい、そのためには、産業構造と都市機能のあり方そのものを変革していかないといけません。大変な仕事です。まずは奈良県から流出していくものをとめ、そして奈良県にあるものを生かす、その積み重ねを繰り返すことが基本であると思います。そんな視点を持って質問に移ります。

 福島県の原子力発電所事故を経て、平成二十五年度から平成二十七年度を計画年度とする奈良県エネルギービジョンが、奈良県で初めてのエネルギー計画として誕生いたしました。現在の奈良県エネルギービジョンは、エネルギーの自給力の向上を目的とされ、基本方針とし、多様な再生可能エネルギー等の普及拡大、奈良の省エネ・節電スタイルの推進、緊急時のエネルギー対策の推進、エネルギーで地域振興の四つの柱が立てられています。

 自給力の向上については、供給面で、平成二十七年度の再生可能エネルギーの設備容量が平成二十二年度比の二・七倍、需要面では、同じく平成二十二年度の電力使用量から五%削減した状態を平成二十七年度まで維持することが目標とされました。

 県が地域振興部にエネルギー政策課を新設し、奈良県エネルギービジョンを進めていくに際し、議会でも特別委員会を設置し、私もこれまでずっと議論をしてまいりました。初めてだらけのことで、例えば小水力発電なら河川課と連携をとりながら、つまずきながらも少しずつ進んでいき、小水力発電やバイオマス発電等の再生可能エネルギーの推進や省エネの取り組み等が進められてきました。昨年の十月には、再生可能エネルギーの設備容量の当初目標は達成され、目標値が三・八%へと引き上げられました。すばらしいことです。

 けれども、この二年間、ずっと根本的に何かが違うと気になってきました。それは地球温暖化対策との関連です。気候変動に対する政府間パネルにおいて、気候の温暖化については疑う余地はもはやなく、世界の平均気温は〇・八五度上昇し、人間の活動が温暖化の主要な原因であった可能性が極めて高い、さらには、二酸化炭素の累積排出量と世界平均地上気温の上昇率がほぼ比例関係にあるなどの見解が示されました。地球温暖化は、干ばつ、森林火災を生み、人を含めた動植物の生存そのものも脅かしています。

 奈良県では、新奈良県環境総合計画により温室効果ガス排出削減の目標値が定められ、二〇二〇年までに二〇〇五年度比一二・三%の削減が目標とされています。

 さて、どのように削減を行うのかということですが、産業、家庭、運輸部門で部門別削減目標値を設定することが必要ですし、県においては、温室効果ガスの約九五%がエネルギー消費に伴い発生する二酸化炭素ということですので、二酸化炭素が排出しないようにエネルギー源を変えていく、つまり、化石燃料由来から温室効果ガス排出が少ないエネルギー源への転換を図る。そういった文脈の中でこそ、再生可能エネルギーの設備容量目標や取り組みが本来出てくるべきです。

 そもそも、温室効果ガス削減目標も、手法ごとに目標を設定し、節電で何%減らして、全エネルギー消費に対して再生可能エネルギーをふやすことで幾ら減らす、さらにエネルギー効率化でこれだけ減らすという目標を立てるべきだと考えます。再生可能エネルギー導入についても、それを踏まえた目標設定をすべきではないでしょうか。

 そこで、知事に伺います。

 次期エネルギービジョンの策定に当たっては、地球温暖化対策の視点をしっかりと織り込んでいくべきと考えるが、いかがでしょうか。

 次に、エネルギー政策においては省エネを一番の柱にせねばならないということで、二問目をお伺いいたします。

 原子力発電所が順次運転を停止し、火力発電にシフトする中で、国際的な原油価格の高騰も相まって、電気代の高騰が続いています。例えば、奈良市では、世帯平均一カ月の電気代は二〇〇五年で八千六百二十五円でしたが、二〇一四年には一万三百八十三円と値上がりが見られます。

 石油の埋蔵総量に関しては諸説ありますが、今後想定される資源の減少や採掘コストの上昇等が、原油価格のさらなる高騰を招くことは容易に想像できます。現状、再生可能エネルギーの設備容量を少しずつふやしているにせよ、本県において、電気、ガス、ほとんどを関西電力と大阪ガスからの購入で賄っています。つまり、奈良県民の財産が、光熱費という形で県外へ、国外へと流出していることにほかなりません。節電をすることができれば、温室効果ガスの削減につながるとともに、その分の県民の財産の流出を防ぐことに直結するのです。

 さて、奈良県ではエネルギーは、運輸、産業、家庭、大体それぞれの分野で三割ずつぐらい使用されています。運輸部門では、オイルショック以降、メーカーが燃費改善に大きく取り組んできたということもあり、削減が進んでいますが、産業部門では増加しています。省エネは、運用と設備更新いずれにおいても光熱費の減少により投資回収ができ、事業者のコスト削減にもつながりますので、例えば、初期投資に対するインセンティブなどが有効だと考えます。

 家庭においては、大きく二つのアプローチがあると考えます。一つは、省エネ設備の設置や、エネルギー消費が高く、かつ近年のメーカー努力でエネルギー性が飛躍的に向上しているエアコン、洗濯機、冷蔵庫等の家電への入れかえに対する施策です。例えば、五百リットルの冷蔵庫では、十年前のものなら年間四百から五百キロワットアワー、一方、最新式の冷蔵庫は、エネルギー効率のよいものだと年間二百キロワットアワーと、古いものの半分以下となっています。購入に対する補助も有効ですが、同時に例えば、省エネラベルの表示を義務づけるなど、ラベル自体が啓発にもつながりますし、効果も高い取り組みであると考えます。

 もう一つは、既存の住宅に対する省エネ化リフォームです。室内の温熱環境をできるだけ保持することが重要ですので、特に窓ガラスへの熱損失を少なくするためのトリプルガラスサッシ等への改修や、外壁面等に十分な断熱材を入れる改修などのリフォームが考えられます。例えば、ドイツでは、断熱を中心とする省エネリフォームが、エネルギー政策の一番の柱となっています。もともと住宅ストックを大事にするという前提があってのことなのは理解していますが、ドイツでは省エネリフォームが活発になった二〇〇〇年ごろから、暖房用のエネルギー消費は低下を続けています。この十五年間の省リフォームの成果は、ドイツの試算では八百ペタジュールの削減、金銭換算で約二兆円の光熱費の削減につながったとされています。

 そこで、知事に伺います。

 次期エネルギービジョンの中で、省エネ・節電を最重要と位置づけ、取り組みを充実させていくべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、女性が働きやすい奈良県づくりについてお伺いしたいと思います。

 日本創成会議は、全国八百九十六の自治体が消滅する可能性があると発表し、全国の行政関係者に大いなるショックをもって受けとめられたことは、まだまだ記憶に新しいところです。これから三十年間で、二十歳から三十九歳の女性が半減するところが消滅する可能性があるとされ、奈良県でも県内三十九市町村のうち、三分の二の二十六市町村がリストに挙がりました。

 そして、自治体が消滅しないためには二つのことが必要であるとされました。一つ目は、国民の希望出生率を実現すること。そのために、あらゆる阻害要因をなくしていく。二つ目は、地方から若者が流出していく人口の流れを変えるということです。

 将来の人口は、女性の数と、それぞれの女性が子どもを何人産むかに左右されます。単に出生率だけを見るのではなく、出産できる女性の数が大切です。今のままの低い出生率と若い人の都心への流出が続けば、自治体の維持すらできなくなると指摘をされたのです。

 ところで、出生率と女性の就業率はお互いに影響をし合う関係にあります。世界的に見ると、一九八〇年代までは女性の就業率が高い国では出生率が低い傾向にありました。仕事をとるか子どもをとるか、この二者択一だったと言えます。しかし、それ以降は、女性の就業率が高い国ほど出生率が高くなってきています。一方、男が外で働いて女は家庭を守る、こういった性的役割分担の強い国では出生率が低い傾向があります。男女がともに働いて、ともに家庭責任を負っていけるように、働き方や暮らし方の改革を進めている国や地域で出生率が上がってきています。

 さて、奈良県の出生率はというと、平成二十六年合計特殊出生率が一・二七と、全国でも下から三番目。また、女性の有業率は、平成二十四年の就業構造基本調査によると五六・八%で、また全国最下位となっています。

 女性の就労率が高いエリアが出生率が高い、これにはさまざまな要因が考えられます。まず、育児期の女性が働くことを可能にするためには保育環境の充実が必要ですが、これは言いかえると、保育環境が充実したエリアでは、女性が安心して就労しながら出産、子育てができるということです。また、女性が働くことで世帯収入が増加し、複数の子どもを持つことを経済的に可能としているという点もあります。

 全国的な傾向として、女性の就労率は、出産、育児をきっかけに一度離職するため下降し、そして育児が落ちついた時期に再就労により再び上昇するという、いわゆるM字カーブが描かれます。正規雇用として働き始めた女性も、結婚、出産、育児とライフイベントを重ねるにつれ、徐々に一時的な離職や非正規雇用への転換を選択していると考えられます。

 女性の就労維持のためには、まず、第一子出産時にそれまで就労していた職場で育児休業が取得できるか、これがまず、大きな分岐点となっています。

 また、働きながら子育てするには、保育環境の充実はもとより、時短労働やフレックスタイムの導入等、雇用主側の合理的な配慮も求められていますし、家事や子育てを女性一人が行うのではなく、そこにパートナーの協力があることも重要です。

 また、出産、子育てのために一度離職された方が、再度働きたいと希望した場合のサポート。現代社会の中で、たとえ三年間の離職であっても、当人に大きな不安感を与えています。職業訓練等も含め、十分なサポート体制が必要です。

 また、女性の高学歴化も進んできています。大学進学率の男女差は、最も多かった一九九七年の三分の一にまで減少しています。やりがいを持って働く場がないと、将来を含めた若年女性の流出につながります。

 県内の待機児童の割合、〇歳から五歳の人口十万人当たりの保育所数で、奈良県はワースト十位となっており、まだまだ保育環境が充実しているとは言えません。子育て支援等、女性が子育てしながら仕事を続けることができるようにする、定着の支援が必要であるとともに、女性の活躍の場を拡張していく両輪の取り組みが必要であると考えます。

 若い人がみずからの希望に基づき結婚し、子どもを産み、育てることができるような社会をつくること。そして、人口を再生産する源である若者を地方につなぎとめるために、やりがいを持って取り組める仕事が地方にあること。つまりは、それができていないから若年女性の流出が起こり、人口の減少の要因になっているのではないでしょうか。

 そこで知事に、女性が結婚、子育てなど各ライフステージを通じ、希望に応じた働き方が実現できる奈良県づくりに向けた取り組みについてお聞かせください。

 さて、結婚と言えば、私はきのう、結婚式に参列させていただきました。私にとって、実は初めての奈良県内での結婚式でありました。

 昨年、奈良県では、千六百六十五組のカップルがウエディングを挙げられました。一方、お隣の京都では一万十八件、大阪では二万八千三百六十一件。新しい門出に当たり、奈良県を選択される方がこんなにも少ないというのは残念な気持ちになります。

 確かに奈良県は、結婚式場や大きなホテル等ウエディングの会場が少ないという実態はあります。しかし、今、ウエディング業界には大きな変化が生まれています。大きな格式あるホテルで挙式、披露宴というこれまでの流れから、カップルがそれぞれの個性を生かし、小さいながらも本物やこだわりを生かしたウエディングがふえてきました。例えば、電車好きのカップルが電車の中でや、ゴルフが趣味の方がゴルフ場で開催したりといった、好みを生かしたウエディングなのです。

 もう一つは地域性です。全国同じしつらえではなく、その土地を生かしたウエディングが開催されるようになってきました。例えば、小京都と呼ばれる金沢では、お茶文化を生かし、茶婚式と呼ばれる濃茶を用いて婚姻の式を行うといった取り組みです。スタイルだけでなく、規模も大小さまざまになり、ウエディングスタイルの多様化が大きく進んできました。

 奈良県には、社寺、仏閣、文化遺産、そしてほかにはない自然環境があります。ウエディングの多様化が進んでいる今、挙式にロケーション撮影、会食、宿泊、そして奈良ならではの観光要素をパッケージで提案、PRすることができれば、大きな訴求力があると考えます。今、県を挙げて取り組んでいる着地型観光の一つの形とも言えます。

 観光とブライダルの連携を行い、ブライダルを増加させていくことは、大きなメリットがあると考えます。一つは経済効果です。奈良県の挙式、披露宴の出費額は平均で三百三万円ということです。ここに列席者の宿泊や引き出物等がプラスされます。奈良という場所にこだわり、挙式を挙げてくださった方は、引き出物の一部でも奈良のこだわりのあるものを選んでもらえるよう商品開発にも力を入れれば、さらに経済効果が高まるのではないでしょうか。

 次に、観光地としてのブランド力がウエディングに生かされることで、相乗効果があると考えます。古い教会や神社仏閣、また、お天気のよい時期を選べば結婚式を実施できる可能性がある施設は、奈良にはたくさんあります。例えば、奈良ではお式だけでなく、ロケーションフォトに対応することができます。依水園や吉城園は、撮影スポットとしては非常に魅力的ですし、ならまち等の町並みも和装によく似合います。うれしいお祝い事ですし、参列者が写真や映像でSNS等のインターネットを使い、めいめい発信してくれることも考えられます。

 昨年の県内の挙式件数千六百六十五件ですが、婚姻の件数は六千二百件ほどありました。奈良県民のうち、三分の一が奈良県で挙式を挙げる一方、大阪で四七%が挙式を挙げられている。県外の方の奈良県で行うウエディングが増加すれば、奈良県民の誇りにつながることができるのではないかと考えます。

 そこで、観光局長に伺います。

 県内で開催されるウエディングが増加することは、観光振興にも大いに寄与することになると考えますが、県外から積極的に誘致するなど、ウエディングの増加に向けた取り組みについてお聞かせください。

 さて、最後になります。酒米の生産振興についてお伺いをしたいと思います。

 どぶろくのようなお酒から、すみざけと言われる現在のような清酒が誕生するのは室町時代と言われています。日本酒発祥の地とされる本県の正暦寺では、十五世紀半ばに菩提もとが販売されていた記録があり、現代の清酒づくりのもととなっているとされます。また、造り酒屋の玄関に、その年の新米でつくられた新酒ができたという印の杉玉、酒林がありますが、これも本県の大神神社から全国の造り酒屋へと広まったものだと言われています。

 このように、奈良県と日本酒との関係は非常に深いにもかかわらず、まだまだアピールが少ないように感じます。ちなみに、一昨年、奈良市でも、日本酒で乾杯することを促す、奈良市清酒の普及の促進に関する条例ができました。

 先日、山形県の造り酒屋さんからお話を伺いました。山形県では、県内の蔵元から山形県を押せるものという要望に応えて、県の農業試験場が十一年の歳月をかけ、出羽燦々という酒米をつくられました。その酒米を蔵元が使い酒をつくる、酒造組合挙げて売り出していく、さらに当時の知事の発案で、県内産酒米だけでなく、酵母やこうじ菌も完全山形産にこだわった統一ブランド、山形讃香をつくり、審査委員会に通ったものだけがそのブランドをつけ、売ることができる。そんな取り組みを進めておられます。

 さて、奈良県の蔵元ですが、ほとんどが県外から酒米を購入されています。ナンバーワン酒米と言われている山田錦は、近年、全国的に不足しがちで、そのため日本酒の生産を調整している、そんな現状もある中で、その一方、県内では次々と耕作放棄地が生まれています。

 奈良県には露葉風という、現在は奈良県でしか生産されていない酒米があります。確かに酒米は背丈が高く、倒れやすい等の欠点があり、容易に生産できるものではありません。けれども、県内の米生産の現状や農業出荷額の低さを考えると、高付加価値農産物である酒米の開発や生産振興を行うことは、奈良県としては非常に重要ではないかと考えています。

 そこで、農林部長に伺います。

 奈良県だけで生産されている露葉風を含めた酒米の生産振興を、今後どのように行われていこうとされているのでしょうか。

 以上で壇上での質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三番猪奥議員のご質問がございました。

 まず、質問の冒頭に、県政の二大重要課題でございます、産業経済構造改革とまちづくりについてお触れいただきました。ご認識いただき、ご理解いただき、大変ありがたく思っております。産業経済構造改革は、議員お述べのように、若い人が定住、い続けていただくためにやはり必要かと改めて思いますし、まちづくりはとりわけ、高齢者の方が元気で住み続けていただくためにも必要かというふうに改めて思いました。

 そのような課題の捉え方の中でのエネルギービジョンの問題でございます。

 奈良県はこれまで、エネルギー政策がございませんでした。担当課もございませんでした。関西電力の供給のシェアが管内の五%にすぎないというような、量的に大変小さなエネルギー消費だったことも影響していたわけでございますが、東日本大震災による電力逼迫を契機に、関西電力管内の電力不足や大規模停電などのおそれがありましたので、喫緊の課題であったことから、エネルギー政策をつくり、エネルギー政策課をつくったのが最近の出来事でございます。平成二十五年度からの三カ年の計画期間として、奈良県エネルギービジョンをまずつくりました。再生可能エネルギーの普及拡大、省エネ・節電の推進など四つの柱に基づいて、具体的なプロジェクトを進めている現状でございます。

 奈良県のエネルギービジョンは、このほか緊急エネルギーの供給など身近なことが中心でございましたが、エネルギー政策と地球温暖化などの大きなコンテクストの中での対応を考えるべきではないかというご指摘でございます。地球温暖化のような文脈の中で、奈良県のエネルギー政策も捉えることはどうかというご提言でございます。

 大変小さな県でございますのと、火力発電も原子力発電もございませんので、そういう面の意識が薄いことは確かでございますが、このエネルギー政策は、国民、県民にとって、とても大事なことでございますので、奈良県エネルギービジョンをつくる際に大きな視点であろうかと、改めて思わせていただきます。

 平成二十八年度を起点とする次期エネルギービジョンを策定しておりますので、策定する過程にございますので、その策定に当たりましては、これまで中心課題となっておりました緊急時のエネルギー確保や地域振興、あるいは再生可能エネルギーの具体的な振興とあわせて、地球温暖化対策上の観点というのを次期エネルギービジョンの中に加えていくことができたらというふうに思います。

 地球温暖化は大変大きな課題でございますが、地球温暖化に対応するために、奈良県でありましたら、森林機能をどのように地球温暖化対策に役立てるのかという課題はあまり検討しておりませんでした。CO2の排出を抑制するという観点からの森林行政というのがあるのかなということを思います。針葉樹から広葉樹にかえていく方がいいのかどうかちょっとわかりませんが、そのようなことも検討課題にできたらと思います。

 また、地球温暖化とエネルギーとの関係では、原子力発電との関連がどうしても出てまいりますが、奈良県が原子力発電行政について直接発言することは、なかなか難しいことでございます。それは引き続きそのような状況であろうかと思いますが、一方、京都大学の松本先生が宇宙太陽光発電をずっと研究されております。プラズマ研究で、宇宙で太陽光発電パネルをつくって、地球に、地上に伝送するという壮大なプロジェクトでございますけれども、だんだんその技術の開発が進み、実用化がだんだん近づいてきているということでございます。地球の温暖化を救う究極の手法ということにもなろうかと思いますが、そのような思いを次期エネルギービジョンの中で位置づけ、位置づけるというか、文脈の中で検討するということも心がけていきたいと思います。

 その中で、省エネ・節電は、奈良県にとって重要な事項ではないかというご指摘でございます。

 供給面では、量的にはあまり大きなものはございませんが、再生可能エネルギーのようなCO2を排出しないような供給の努力。それから需要面は、小さくても生活の工夫という面で貢献できる奈良県の課題があろうかと思います。奈良の省エネ・節電スタイルの推進を従来からしております。目標値を決めて需要面の取り組みをしている。電力消費量を、平成二十二年度比で五%減の状態を維持するということでございます。

 取り組みの推進母体といたしましては、関西電力をはじめ県内の関係団体等で構成する奈良県節電協議会を設置いたしまして、私が議長を務めさせていただいております。夏と冬に節電目標をそれぞれ設定する。ピークが来ます両時期に節電目標を設定する。お願いしておりますのは、快適性を維持しながら無理をしないように、生活スタイルを見直すことによって、より電力を使わない生活へ変換する努力で、無理をしないで快適性を維持できる奈良の省エネ・節電スタイルをつくり上げていく努力でございます。

 そのほかの節電努力といたしまして、すぐれた成果を上げられた県民や事業所を表彰いたします奈良県省エネECOチャレンジや、中小企業向けに補助金を導入して、また家庭向けにはスマートハウス普及促進の補助など、個別事業のメニューも充実してまいったのが実情でございます。

 エネルギー供給の約八割が県外から参っておりますので、需要面で調整することが、とりあえずできる大きな柱でございます。そのようなことから、省エネ・節電は大事な目標かと思っております。

 また、省エネ・節電の関連では、きれいに暮らす奈良県づくりを進めてきておりますが、ごみを出さないようにする、自然をきれいにする、また景観に配慮したきれいなまちをつくるなどでございますが、省エネは目に見えない努力でございますが、暮らし方という意味で、きれいに暮らす奈良スタイルと軌を一にする面もあろうかと思いますので、そのような観点からの研究も進めたいと思います。

 次のご質問は、女性が働きやすい奈良県づくりをどのように取り組もうとしているのかというご質問でございます。

 議員がお述べになりましたことでもございますが、女性がライフステージに応じて希望する働き方ができるという地域を目指しております。また、そのような女性が働かれることで、地域の経済の活性化に大いに役立つことがわかっております。具体的には、女性が就労を継続していただける環境整備と、一方ではやりがいを持って就労される、また社会で活躍される環境づくりということになります。

 女性の就労継続のためには、女性のワーク・ライフ・バランスに配慮される企業がふえることが必要でございます。奈良県では、奈良県社員・シャイン職場づくり推進企業と名づけました登録、表彰の制度、また、この四月に施行いたしました奈良県公契約条例におきましては、女性をたくさん使われる企業に対して加点評価をするといったユニークな試みも入れております。また、育児休業を利用しやすくするために、雇用保険の育児休業給付金に上乗せして、賃金を支給する県独自の助成を行い始めました。

 就労継続のためには、議員お述べのように、保育の量的な拡充と質の向上が必要でございます。平成二十九年度までには、市町村と連携して待機児童を解消するようにしていきたいと思います。小規模な保育所、保育園が多いわけでございますので、事業の支援や、最近話題になっております病児保育の広域実施などの支援もしていきたいと思います。

 就労の支援につきましては、奈良労働局と協力いたしまして、女性向けのハローワーク職業相談窓口をつくっております。平成二十六年度の相談件数は約千二百件になっております。前年と比較しますと、約一・七倍になっております。就職決定件数も前年の一・九倍、約二倍までになっております。徐々にではございますが、このような仕組みが機能し始めている面もございます。

 また、意識の面でございますが、女性のキャリアアップセミナーを実施いたしまして、やはりモデルになるような女性が県内のそこかしこにおられることが重要でございますが、キャリアを形成していただくためのセミナーあるいはモデルづくりにも力を入れております。

 また、女性がみずから起業されて社長になられるというのも大事なことでございますので、女性の起業を支援していきたいと考えております。具体的な面も幾つかありますが、一つは、県が独自でやっておりますのは女性の翻訳士の育成でございますが、十二名ほどこの塾に通ってきていただきました。大変英語のできる優秀な方でございますが、塾を卒業されました方に具体的な仕事ができるように図っていきたいと思います。

 最後に、今年度、女性の活躍促進会議を設けました。私が議長になって会議を主催させていただいております。女性が活躍される家庭の場と、会社や地域の場とはやはりフィールドが違いますので、それぞれにおける女性の働きやすい、活躍しやすい環境整備ということになりますが、女性が輝く奈良県づくりということに心を尽くして、ここでいろいろな意見が、女性の活躍促進会議でいろんな意見が出されましたら、それを踏まえまして、女性が輝く奈良県づくりの大綱のようなものを策定したいと考えているところでございます。

 ウエディングと酒米につきましては関係の部局長からご答弁させていただきたく存じます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福井観光局長。



◎観光局長(福井義尚) (登壇)三番猪奥議員のご質問にお答えいたします。

 私には、ウエディングを活用した観光振興につきまして、県外から積極的に誘致するなど、ウエディングの増加に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、国内外から奈良に来られて結婚式または披露宴を挙行されるカップルがふえますことは、よい意味で奈良が注目され、奈良のブランド力の向上にも寄与するものと考えているところでございます。また、県内での観光消費の増加という面からも、大変有意義なことだと言えます。

 県では、鹿と五重塔をモチーフにした奈良県オリジナルご当地婚姻届を、インターネット上で配布いたしますとともに、県内五市町村におきまして、この婚姻届を提出されるカップルに特別なお祝いの品を提供いただくことによりまして、若年層を中心に旅行需要を喚起する取り組みを行っているところでございます。

 県内には、ホテル日航奈良をはじめとするウエディング会場を運営する事業者が協力し合いまして、魅力的なプランを提供し、結婚式の誘致活動を行う奈良ウエディングの会がございます。県では平成二十五年度以降、この奈良ウエディングの会と連携いたしまして、例えば、香港の記者を奈良に招聘いたしまして、世界遺産の社寺や若草山山麓でのカップルのロケを実施いたしまして、海外情報誌に特集記事を掲載してPRしているところでございます。

 また、奈良県ビジターズビューローでは、特別感のある奈良の社寺での挙式に関する情報も提供しているところでございます。奈良で結ばれましたカップルやその親族、ご友人の方々にとっては、奈良は人生の思い出の地となります。これらの人たちが周囲に奈良のよさを語っていただくこと、また奈良へのリピーターとなっていただくことで、奈良への誘客促進につながることが期待できます。

 県といたしましては、引き続き奈良ウエディングの会やビジターズビューローなどとも連携・協力しながら、奈良での結婚式、披露宴の増加に努め、観光振興に努めてまいります。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)三番猪奥議員の質問にお答えいたします。

 私には、酒米生産の振興について、奈良県だけで生産されている露葉風を含めた酒米の生産振興をどのように行っていくのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 現在、県内で栽培されている酒米は、露葉風と山田錦の二品種で、約四十ヘクタール、約百六十トン生産されております。

 特に露葉風は、本県でのみ栽培されている酒米品種です。一時期栽培が途絶えていましたが、本県オリジナルの日本酒原料として、県内酒造メーカーの強い要望を受け、県、JAならけん、酒米生産者が協議し、平成十三年に復活させた品種でございます。

 その後、奈良県酒造組合と露葉風生産者、JAならけん、県で構成する四者会議を開催し、需要に応じた生産拡大に努力した結果、平成二十年に三十トンの生産であったものが、平成二十六年には約七十トンの生産を実現いたしました。県内酒造メーカーからは、さらなる増産と品質向上の要望が出ているところでございます。

 県では、これらの要望に応えるため、草丈が高くて穂が重くなる酒米の特徴を踏まえて、栽培に必要な施肥や水管理などの注意点をまとめた酒造好適米栽培指針を策定するとともに、農林振興事務所の普及指導員が栽培農家に出向き、直接指導を行っております。

 また、農業研究開発センターでは、露葉風に続く新たな酒米の品種改良を鋭意進めております。露葉風に比べて大粒で収量が多く、中山間から平たん地域まで広域で栽培できる酒米を開発目標としております。具体には、露葉風と山田錦などの組み合わせで交配し、ガラス温室などで年二回栽培する世代促進栽培を行い、新品種の早期の開発を目指しているところでございます。

 現在、栽培農家とJA、酒造メーカー、県が一体となった研究会の立ち上げを検討しているところで、今後とも県産酒米の生産拡大と品質向上をより一層図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 三番猪奥美里議員。



◆三番(猪奥美里) それぞれありがとうございました。

 まず、女性のことなんですけれども、私は初当選以来、これまで何度かこの女性の就労について質問させていただきました。いつのころだったか思い出せないんですけれども、生産労働人口が、働く人の数が足りなくなっていくから、社会参画とかという視点ももちろんあるんだけれども、女の人に働いてもらえるような環境づくりが必要だといったような質問をした際に、女性は介護や子育てに忙しいので、働いてもらうことが難しいんですというような知事のご答弁が、その際ありました。私、こういうふうにご答弁されるということが非常に残念だなと、そのときに思ったことを覚えています。女性を子育てや介護から、どういうふうに働いてもらえるようにしやすくしていくのかというのが大事だなというふうに思っておりましたので、それには意識の問題もそうですし、会社で経営しておられる方が、例えば、先ほどご答弁の中でありましたように、育児休暇をとりやすくするために県がお手伝いをしていくですとか、そういった取り組みが非常に効果があると思っております。

 これからも、女の人が働きやすい社会をつくっていく、子育てしやすいまちをつくっていくことに取り組んでいただきたいというふうに思います。

 もう一つ、エネルギーなんですけれども、確かに関西電力の管内で五%というのは、非常に少ない数字だろうと思います。けれども、奈良市、市の数字しか見当たらなかったので奈良市の方が払っておられる光熱費を、これを、この世帯を例えば奈良県の世帯に掛けていくと、全県で年間で一千百六十六億二千八百四十万円、奈良県民は光熱費を払っているんだそうです。こういう大きなエネルギーが、奈良県の資産が県外へ出ていっているということは非常に残念という観点もありますし、奈良県の中で少しでも取り組みを進めていく、再生可能エネルギーの積み上げの取り組みももちろん必要ですけれども、省エネの施策に関しては、特に地球温暖化の観点から目標設定をしていくべきではないかなというふうに思います。

 今、つくっていただいております次期エネルギービジョンですけれども、特に省エネの目標値はすぐに達成して、達成がずっと続いている、さらに大きな成果を出しているという成果が続いておりますので、今の省エネスタイルの定着というところからプラスアルファして、積極的に省エネを進めていっていただくことは、奈良県からの光熱費で出ていくお金を原資にしても、大きな成果があるというふうに考えています。

 もう一度お尋ねしたいんですけれども、特に省エネという観点においては、地球温暖化の観点から目標設定を、何で何%、何で何%、何で何%というふうに設けて設置すべきだと考えておりますが、これをエネルギービジョンの中にも、そういった目標設定を持って数値設定していただけるかどうかというのを質問したいと思います。

 次に、ウエディングなんですが、私もこうやって数字を見て調べていくまで、これほどまでにたくさんの方が県外で挙げているのかというのは、ちょっと正直びっくりしたところでもありました。

 けれども、この数字が実はあまり正しいのかわからなくて、というのは、ゼクシィでしか調べることができなかったんです。一件当たり今、三百三万円。例えば、百件挙げていただいたら三億円ですので、これはかなり大きな観光産業にもなり得ると思うのです。県として、数字をしっかりと把握しながらお取り組みを進めていっていただけるように、これ、再度お問い合わせをしたいというふうに思います。

 酒米についてですが、本当にこの何年間で大きく生産はふえていってはいるんですけれども、まだまだ全体の使用量からすると少ししかない。

 私、これ、ご答弁をいただいて再質問で、協議会をつくって生産者と、それと酒屋さんと生産者の間を行き来できるような協議会があれば、生産者の思いとお酒屋さんの……。



○副議長(山本進章) 猪奥議員、時間超過です。簡潔に終わってください。



◆三番(猪奥美里) ありがとうございます。必要だと思いますので、今後ともお取り組みよろしくお願いします。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 地球温暖化の目標をエネルギービジョンの中に入れられないかということですが、その前に議員がおっしゃった、奈良県のエネルギー支出が大分多いんじゃないかというのは、エネルギー自給率の話だと思います。それが地球温暖化にはすぐに関係しない論点だと思います。地球温暖化はとても大きな課題でございますので、奈良県エネルギービジョンの中で具体的に入る余地はあまりないように感じております。

 以上です。



○副議長(山本進章) 福井観光局長。



◎観光局長(福井義尚) 議員お述べの、県内での結婚式の件数、組数をしっかり把握して進めていくというお話でございます。

 先ほど、ゼクシィというふうに議員お述べでございますけれども、実は先ほどのご当地婚姻届につきましても、ゼクシィを発行しておりますリクルートとも連携して進めております。今後、的確な数字も押さえながら、また、ウエディングの会等も数字を把握している部分も参考にしながら、今後進めていきたいと思っております。



○副議長(山本進章) 次に、七番中川崇議員に発言を許します。−−七番中川崇議員。(拍手)



◆七番(中川崇) (登壇)議長のご指名をいただきましたので、一般質問をさせていただきます。

 ことし四月の奈良県議会議員選挙において、奈良市・山辺郡選挙区から初当選させていただきました、維新の党の中川崇でございます。本日は、当選から二カ月しかたっていないにもかかわらず、一般質問の機会を与えていただき、心より感謝申し上げます。県政や行政については、まだまだ勉強が必要な若輩者でございます。ご指導を今後とも賜りますようよろしくお願い申し上げます。それでは、質問に移らせていただきます。

 まず初めに、行財政改革についてお伺いします。

 今回、県議会議員選挙に出馬をさせていただき、有権者の方々からさまざまな形でお声を聞くことができましたが、その内容は、地域経済の活性化や医療サービスの充実、教育問題、それから道路などに代表されるインフラ整備など、広範囲にわたるご意見やご要望でした。これらのご意見を生かして、よりよい奈良県づくりの一助を果たせればと、この一カ月間は県の事業内容について、理事者の皆様のご協力も得ながら、さまざまな形で勉強させていただいております。

 有権者からの意見の中でよく耳にしたのが、税金の無駄遣いを懸念される声でした。自分たちが汗水流して働いて納めた税金が、本当に適切に使われているのか、心配されるのは当然のことだと思います。

 奈良県では、従来から行財政改革の必要性を意識し、平成二十三年度から平成二十五年度までの三年間は、奈良県新行政経営プログラムのもと、まほろば健康パーク・スイムピア奈良のPFI手法による整備や、県立奈良病院や県立三室病院などの独立行政法人化など、取り組まれていることも承知しております。また、平成二十六年度からは、新たに策定された奈良県行政経営マネジメントプログラムのもと、行財政改革に取り組まれていると聞いております。

 ただ、先日ございました新人議員を対象とした平成二十七年度予算の概要等の説明会に出席させていただきましたが、県事業の数の多さと幅広さを改めて認識するとともに、少しでも無駄があれば、ちりも積もれば山となる的に、総体として大きな無駄が出ているのではないかと心配しました。改めて継続的な行財政改革の必要性を痛感したところです。

 そこで、知事にお伺いします。

 行財政改革は、県政運営上も非常に重要だと考えますが、改めて行財政改革に対する知事の全般的な所見をお聞かせください。

 次に、南和地域における医療提供体制の再構築についてお伺いします。

 知事は平成十九年の就任以来、不幸な事故の発生を契機として、周産期医療の充実や医療提供体制の構築など、県民の生命の問題に直接かかわる医療分野に特に力を入れて取り組んでこられました。このことについては評価させていただいております。

 この取り組みの一つとして、人口減少により患者数そのものが減り、それを受け、医師、看護師も減少、さらに患者も地域の外へ流出するという悪循環に陥っていた南和地域の医療提供体制を、再構築することに取り組んでこられました。

 平成二十二年七月に、地域医療の提供体制の再生を議論する場として、県と地域の十二市町村で構成する南和の医療等に関する協議会を設置後、再構築策を取りまとめられ、平成二十四年一月には南和広域医療組合を設立し、具体的な事業に取り組まれてきました。その結果、当初のスケジュールからは多少おくれたものの、来年七月には、現在大淀町福神に建設中の急性期病院、南奈良総合医療センターが開院するところまで来たことは、誠に喜ばしいことです。

 しかし、その間、事業費は当初の百五十八億円から、建設コストの増などに伴い、約百九十六億円まで増加をしており、県の負担はもちろんのこと、構成市町村の負担もふえてきております。

 また、開院が近づくにつれ、経営面での不安も一部から指摘されております。病院事業ですので、本来であれば、本業である医療収益で事業費全体をカバーできるのが理想です。しかしながら、五條病院が改修に伴い休院することから、その間、五條病院に勤務される看護師さんが過剰となり、一時的にせよ赤字経営になるのではとの懸念もあります。さらに、病院経営で再編前の患者の域外への流出の再現への不安からか、慢性的な赤字経営になるのではないかという懸念の声もあります。そうなった場合、市町村負担がこれ以上ふえるのは困るという意見もあると聞いております。

 そこで、知事にお伺いします。

 南和広域医療組合の病院事業がスタートした後、赤字経営になった場合も含め、経営面についてどのような財政的支援を県として考えておられるのでしょうか。

 次に、奈良市にも深く関係のある、観光振興に係る三つの質問をさせていただきます。

 私は、これまで大阪圏のベッドタウンとして成熟してきた奈良という地域を、人口減少社会を見据え、自立できる地域にしていくためには、地域経済の活性化が何よりも大切であると考えています。その中でも観光分野は、国内の他地域と比べて高いポテンシャルを持っており、また、国内・国外を問わず、県外からのお金の流入が期待できる分野であることから、観光分野には力を入れて伸ばしていくことが必要不可欠だと考えています。

 そこで、最初に宿泊施設の誘致についてお伺いします。

 日帰り型と言われる奈良の観光を、滞在型へと抜本的に変えていくという県の政策は、県内の人口減少が進むことが予想される中、県内で回るお金をふやし、地域経済の活性化に資するという観点からも、合理的なものと思います。県では、この政策を着実に進めていくため、平成二十五年度で全国四十六位、二百六十五万人という県内延べ宿泊者数を、平成二十九年度までに延べ宿泊者数を三百万人にするという具体的な目標を示し、施策を実行しておられます。

 しかしながら、宿泊施設の客室数は、厚生労働省の衛生行政報告例によると、平成二十五年度は九千五十五室で全国最下位、宿泊施設の客室稼働率、これは従業員数が百名以上に限りますが、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、平成二十五年は七〇・五%で全国十二位という指標を見ますと、一定の客室稼働数があるにもかかわらず、客室数があまりにも少な過ぎるのではないか、まずもって客室数をふやす、宿泊施設をふやすことが第一ではないかと考えます。

 県では、知事を先頭に、こうした現状を打破するため、県営プール跡地でのホテル誘致に以前から取り組んでこられ、昨年十二月には、森トラスト株式会社を代表構成員とする事業者を優先交渉権者に決定されました。その後も、ホテルを核としたにぎわいと交流の拠点整備も含め、事業者との調整が着々と進んでいると聞いております。東京オリンピック・パラリンピックの開催までの開業に向け、頑張っていただきたいと考えています。

 しかしながら、県営プール跡地で提案されたホテルの客室数は百五十一室にすぎず、これだけでは県内の客室数増加には十分と言えません。県営プール跡地での取り組みが示すように、客室数をふやすことは、構想から実現まで時間がかかるものです。地道な取り組みかもしれませんが、歩みをとめず、継続的に取り組んでいくことが非常に重要だと思います。

 そこで、産業・雇用振興部長にお伺いします。

 県営プール跡地へのホテル誘致以外でも、宿泊施設の誘致や既存宿泊施設の客室数増加のための支援を積極的に進めていくべきだと考えますが、県としてどのように取り組んでいるのでしょうか。

 次に、観光振興に係る県と奈良市との連携についてお伺いします。

 もちろん宿泊者数をふやすためには、宿泊施設をふやすだけでは不十分であり、奈良へのリピーターをふやすことや、奈良での滞在時間を少しでもふやしていただくことも必要です。そのためには、観光客をもてなす力をより洗練させることと、県内のさまざまな地域資源を活用した魅力づくりの二つが重要になってくるかと思います。

 まず、もてなし力についてですが、もてなし力が試される場の一つが、観光客が気軽に寄ることができ、わからないことに対応してくれる観光案内所だと思います。

 旅行に行った際、何か聞きたいと思っても、便利な場所に観光案内所がない、観光案内所を見つけて入っても要領を得ない応答となると、せっかく大事な休日を魅力ある地で過ごそうと思って来たのに、悪い思い出としか残らないことになります。こういった悪い思い出は、リピーターとなっていただく機会を逃していると同時に、SNSを含めた口コミで、新規の観光客をも逃すことにもつながるのではないとか思います。

 せっかくお越しいただいた方に、気持ちよく過ごしてもらうことが重要です。それはリピーターになっていただいたり、お帰りの後も口コミで奈良のよさを拡散していただくための必要条件です。そのために、観光案内所の整備は大切だと考えており、この夏に先行オープンする予定の奈良県外国人観光客交流館は、観光案内以外の機能も備えているなど、一つの試みとしてオープン後の様子に注目しています。

 しかしながら、一方で思うのですが、JR奈良駅から奈良公園一帯を見ると、県のもの、奈良市のもの、民間のものも含めると、十カ所以上の観光案内所があります。場所が離れているため、必要性が理解できるものも多いのですが、どうしてここにもあるのかと理解しにくいものもあります。これは観光案内所に限られることではありません。奈良県のもてなし力を観光地として洗練させていくためには、奈良県への観光のゲートウエーである奈良市域のもてなし力を洗練させていくことが第一歩です。しかし、残念ながら、県と奈良市が有する人的・物的資源は限られています。民間が有する資源にも限界があります。ばらばらで取り組むのではなく、資源を効果的、効率的に使うことが不可欠と考えます。

 そこで、観光局長にお伺いします。

 観光案内所の運営を含め、奈良市域における観光客をもてなす力を向上させていくために、県と奈良市でどのように連携して取り組まれているのでしょうか。

 最後に、吉城園周辺地区の整備についてお伺いします。

 先ほども申し上げましたが、宿泊者数をふやすためには、リピーターをふやし、少しでも奈良県での滞在時間をふやしていただくことが重要で、そのためには、さまざまな県内の地域資源を活用した魅力づくりを続けていくことも重要です。

 県内には魅力ある地域資源が数多くありますが、やはり奈良県を初めて訪れる人は必ず訪れると言っても過言ではない、奈良の顔とも言うべき奈良公園という地域資源を、来訪者の満足度がより高いものにしていくことが大切だと考えます。

 県でも、奈良公園を名実ともに世界に誇れる公園にしていくことを目指した、奈良公園基本戦略を平成二十四年二月に策定されました。その内容を見ますと、県がトータルマネジメントを行い、奈良公園の価値を積極的に維持し、さらなる魅力の向上や魅力の創出に努めることを基本方針とされ、春日山原始林の再生から奈良公園の行催事への支援、周遊バスの導入までさまざまなメニューが書かれています。

 その中でも、私が最も関心を持っているのは、歴史ある文化資源を保存しつつ、にぎわいづくりを目指している吉城園周辺地区の整備です。

 吉城園周辺地区は、近鉄奈良駅から東大寺や国立博物館などへの動線上にあり、まさに奈良公園の玄関口ともなり得る立地環境にあります。さらに、現在計画中の(仮称)登大路ターミナルが完成すれば、隣接する吉城園周辺地区が有する可能性はさらに高まります。こういった立地環境にある吉城園周辺地区を、奈良の文化に触れる品格の高いもてなし空間とすることができれば、奈良公園の来訪者の満足度も高くなるでしょうし、また滞在時間も長くなり、宿泊者数の増加にも結びつくと考えるからです。

 もちろん吉城園周辺地区は、整備をするにも国をはじめさまざまな規制があり、一足飛びに進まないことは理解しているのですが、早期に実現されることを期待しております。

 そこで、まちづくり推進局長にお伺いします。

 (仮称)登大路ターミナル完成後、奈良公園への玄関口ともなり得る立地環境にあり、来訪者に対するもてなし空間として大きな可能性を有している吉城園周辺地区の整備について、現在の状況をお答えください。

 これで壇上からの質問は終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)七番中川議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、行財政改革についてのご質問でございます。

 冒頭、行財政改革は継続的な努力が必要とお述べになりましたが、まさしくそのとおりのことだと思います。さらに、行政を運営する際の視点でございますが、経営の観点を取り入れることが大変重要だと認識しております。経費節減や人員削減など量の改革だけでなく、質をよくすることによって組織力を高め、県の活動が原動力となって、地域で活動されている各主体と連携・協働して、触発し合いながら県の活性化を図ることが大切だと考えております。県はそういう意味で、大事な触媒機能を果たす面もあろうかと思っております。

 このような考え方を踏まえまして、平成二十六年四月から平成二十九年三月までの三年間の取り組みとして、奈良県行政経営マネジメントプログラムを実施しております。この基本方針は、地域の自立を図り、くらしやすい奈良をつくる政策目標を実現するために、あらゆる行政の経営資源を活用するとともに、マネジメントの考え方を全面的に展開することがユニークな点でございます。

 マネジメントの考え方の分野を多少ご紹介させていただきたいと思いますが、第一に、エリアマネジメントと言っている分野がございます。県と市町村が持っている経営資源を県全体として捉え、有効かつ効率的にフル活用しようというものでございます。水道は、県営水道と呼んでおりましたが、県域水道というような発想、水循環という発想を持つようにということで始めたプロジェクトの分野でございます。

 具体的には、県と市町村が連携・協働して効率的な行政運営を行う奈良モデルの中心の取り組み方になってきております。具体的には消防の広域化の実現の分野でございます。全国にも例のない規模での広域化組織ができ上がりつつございます。二つ目は南和地域の広域医療体制の構築でございます。三つの病院を一つの病院にすることは、各地域では知事さんも至難のわざだとおっしゃっておられる分野でございましたが、統合が実現して、いよいよ踏み出そうという時期になってきております。最近の例では、県と市町村とのまちづくりに関する連携協定、協働でまちをつくっていこうという協定に基づく連携・協働の仕組みでございます。現在、六市との提携が進みまして、いよいよ具体化に進めて動き出したところでございます。

 二つ目のマネジメントの分野は、ファシリティマネジメントと呼んでいる分野でございます。県が保有する庁舎、学校等の建物や土地を総合的に管理、活用することでございます。長期的、全庁的な視点に立って、県有資産の質と量の見直しを推進しております。高等学校の再編がありましたときに、高等学校跡地は教育施設に利用したいという教育委員会の申し出がございましたが、もう少し広く教育以外にも活用できたらどうか、これは県の議会で承認していただいた財産の中身になるからということでございましたが、例えばの例で、旧耳成高等学校校舎を橿原総合庁舎として活用し、また、耳成高等学校のグラウンドをまほろばキッチンとして直売所の貸し付けをしているなどでございます。

 そのほかの分野でございますが、アセットマネジメントと言われる分野、財政マネジメント、あるいは人材・組織に関するパーソナルマネジメントの分野がございます。

 アセットマネジメントでは、道路、橋りょう等の適正な維持管理や長寿命化を図る分野でございます。財政マネジメントは、財政の規律を達成するマネジメントでございますが、一つの目標といたしまして、交付税措置がなく、自前の県税収入等で返済が可能な県債残高を、できるだけ縮減するといったような取り組みでございます。県民の方一人ひとりが払われる県税で返さなければいけない対象の県債をできるだけ縮減する、国が払ってくれる交付税措置のある財源は別途のこととして考えるといったような財政マネジメントでございます。

 このようなマネジメントの考え方を取り入れまして県政運営を展開しており、行財政改革の成果を上げていきたいと考えております。

 二つ目のご質問は、南和広域医療組合の今後の経営面に関する財政的支援の考え方というご質問でございます。

 南和広域医療組合におきましては、平成二十八年七月、来年七月の南奈良総合医療センターの開院に向けまして、建設事業や医療機器の調達等の開院準備を進めているところでございます。と同時に、新体制における医療機能、医師、看護師の配置や経営収支の精査で、今後の病院運営が着実にいくような詳細な計画を検討していただいてる最中でございます。

 この南和広域医療組合は、県と十二市町村によって構成されております。出資者でございますし、株主でもございます。これら構成団体が、当事者として新病院の経営を厳しくチェックするという仕組みになっておりますし、南和広域医療組合の議会もございますので、チェックしていただく。そのことによって、南和の医療は南和で守るという気概で取り組んでいただいております。

 先ほどのご質問にもお答えいたしましたが、病院の経営には診療報酬がございますので、公営事業でありましても、医業収入をもとに独立採算を心がけていただくというのが原則になりますが、とりわけ南部の方は診療の状況が厳しい状況でございます。公立病院として担うべき政策医療の分野もございます。これまで、必要な経費は分担割合を決めまして、地方交付税などを財源に十二市町村で負担いただくことになっております。

 建設費は、議員お述べのように百九十六億円になりましたが、国の交付金をまず充てるほか、債券を発行いたします。病院事業債を発行いたしますが、病院事業債の前に過疎債を発行いたしますが、過疎債の償還財源のうち、交付税の分を除きまして、残余の真水の市町村の負担の六割以上を県が負担するというお約束をしております。それぞれの市町村の負担は非常に少なくなる仕組みを発明できまして、その建設費につきましてはそのようなことでございます。

 その他個別の財源措置といたしまして、看護専門学校の運営費がございます。これは政策経費の最たるものでございますので、県は開設されます平成二十八年度から、定額で八千万円の補助をすることとしております。

 また、臨時の支出になりますが、五條病院は改修が必要でございますので一時休院いたします。休院になりますとお客さんが来れませんので、仮設の病院を設けるなどする計画になっております。一時的な人件費負担がふえますので、平成二十八年度、平成二十九年度の限りでございますが、県による財政支援が必要と考えている分野でございます。

 開院いたしますと、平成三十年度以降の経営の赤字が課題になります。南奈良総合医療センター、五條病院及び吉野病院の三病院が新体制のもとで経営に努力していただくのが基本でございますが、赤字が発生した場合の対応でございます。まだ発生するとも限っていないわけでございますが、構成団体が責任を持って組合の経営を支えるのが原則でございます。県と構成市町村が二分の一ずつ赤字を補填する制度を検討しているところでございます。赤字を埋めるのに、過疎債の適用などの検討も引き続きしていきたいと思います。今後、関係市町村と議論を重ね、また国への要望をしながら、赤字が生じた場合の制度の設計にかかっていきたいと思います。

 その他のご質問は関係部長がお答えすることになります。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 森田産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(森田康文) (登壇)七番中川議員の質問にお答えいたします。

 私への質問は、宿泊施設の誘致につきまして、県営プール跡地へのホテル誘致以外でも、宿泊施設の誘致や既存宿泊施設の客室数増加のための支援を積極的に進めていくべきと考えるが、県としてどのように取り組んでいるのかという問いかけでございます。お答えいたします。

 奈良県の宿泊施設客室数は、ご指摘のとおり全国最下位でございますが、ホテル客室数に関しましては、平成十五年から平成二十五年の十年間で千四百四十八室増加しております。こうした流れを背景に、奈良県観光の滞在型への転換を加速し、消費や雇用の拡大につなげることが極めて重要と考えております。

 現在、県営プール跡地活用プロジェクトの進捗とともに、外国人観光客の増加傾向を受けまして、宿泊地としての奈良に関する関心が高まってきております。年度初め以降、複数の宿泊事業者からの問い合わせもいただいているところでございます。

 そこで、これまでホテル誘致活動で構築しましたネットワークを生かしまして、県内進出を検討する宿泊施設事業者の新規開拓を図るとともに、県内市町村とも連携しながら、宿泊施設の候補となる用地の情報交換を行うなど、さらなる立地促進に努めているところでございます。

 あわせて、従前より県内各地で、個々の地域の歴史文化、自然環境を生かしたゲストハウスなどの多様な宿泊施設を整備していくことも重要な課題と捉えております。そういった宿泊施設の創業や増改築等に対する資金面、経営面での支援にも取り組んでおります。

 現在までの実績といたしまして、制度融資、利子補給補助によりまして、宿泊施設五件の創業、三十四件の増改築を支援いたしたところでございます。特徴的な例といたしましては、ならまちや桜井市三輪における町家を活用したゲストハウスの新規開業などがございます。また、県税の優遇制度を活用いただき、駅前などのビジネスホテル四件の立地が進みました。

 今後、引き続き、多様な宿泊施設の整備に対する支援とともに、奈良県に関心を持つホテル事業者などに、積極的かつ継続的に働きかけ活動を行いまして、ホテルをはじめ客室数の増加につながる宿泊施設の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 福井観光局長。



◎観光局長(福井義尚) (登壇)七番中川議員のご質問にお答えいたします。

 私には、観光振興に係る県と奈良市との連携につきまして、観光案内所の運営も含め、どのように連携して取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、奈良県観光のゲートウエーであります奈良市内でのおもてなし力を向上させるためには、県と奈良市が連携を密にしまして、各般の取り組みを進めることが肝要であると認識しております。

 例えば、近鉄奈良駅構内の総合観光案内所は、従来から、県、奈良市、近畿日本鉄道株式会社などで構成いたします運営協議会がその運営を行っているところでございます。また、今年度からは、急増しております外国人観光客に対応するため、県と奈良市が連携いたしまして、両者の負担によります、通訳案内士クラスのレベルの高い外国語対応スタッフ一名をこの案内所に配置したところでございます。

 来月にプレオープンいたします外国人観光客交流館奈良県猿沢インを拠点といたしまして、隣接する元林院町やならまちとあわせまして、猿沢池一帯が外国人観光客でにぎわうエリアとなるよう、奈良市とともに、食や土産物などのおもてなしサービスの充実に取り組んでまいります。

 さらに今年度は、観光にかかわります人材の養成を目的といたしまして、奈良市をはじめ県内市町村の職員と県職員とを対象といたしました、語学・おもてなし向上研修を新たに実施いたします。

 議員ご指摘のとおり、観光案内所は、奈良観光で訪れた観光客の方々が最も頼りにするおもてなしの場所でございます。奈良のおもてなしのよさを感じていただき、リピーターになっていただけますよう、今後とも奈良市との連携を密にし、観光案内所の機能の向上に努力してまいる所存でございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 金剛まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(金剛一智) (登壇)七番中川議員のご質問にお答えいたします。

 私へは、吉城園周辺地区の整備について、奈良公園の玄関口ともなり得る立地環境にあり、来訪者に対するおもてなしの空間として、高い潜在価値を有している吉城園周辺地区の整備の現在の状況はどうかとのお尋ねでございます。お答えさせていただきます。

 吉城園周辺地区は、奈良公園の玄関口に位置しまして、その中心に位置します吉城園の主棟は、細部に大変凝ったしつらえを現在に残す、非常に見どころの多い県指定文化財でございます。また、隣接する依水園でございますが、平成二十五年度の入場者数が平成二十三年度に比べまして四倍に増加しております。また、そのうち外国人観光客が約半分を占めるといった、大変人気が高まっている庭園でございます。このように吉城園周辺一帯は、奈良公園の中でもにぎわいづくりの可能性が非常に高い地域と認識しております。

 そういうことから、県では、議員お述べのとおり、奈良公園の魅力をさらに高めてリピーターをふやし、滞在時間をふやし、そして宿泊していただける観光客をふやすために、この地区の本質的な価値を高める整備を進めていきたいというふうに考えております。

 その整備の方向性でございます。吉城園周辺地区が屋敷町の雰囲気を醸し出すことで、奈良の文化に触れる品格の高い空間づくりを実現したいと、こういうふうに考えてございます。具体的には、当地区の良好な風致や、吉城園あるいは知事公舎などの歴史的な建造物、その保存を前提としつつ、来訪者のおもてなしやにぎわいを創出するため、上質な宿泊施設そして飲食施設等の整備が必要ではないかというふうに考えております。この方向性につきましては、奈良公園地区整備検討委員会や文化庁にも説明させていただき、了承をいただいているところでございます。

 なお、整備手法につきましては、民間のほうが集客サービスのさまざまなノウハウをお持ちですので、できるだけ民間活力をうまく活用する形で進めたいと考えてございまして、現在、事業スキームなどの検討を進めているところでございます。

 吉城園周辺地区は、これまで手つかずの地域でございましたけれども、これらの整備を行うことで、観光客の皆様に奥深い奈良の魅力をしっかりと感じていただきまして、ゆっくりと滞在していただく、そしてさらには県内各地へも足を伸ばしていただくなど、何度も何度も奈良に来ていただけるように、引き続き努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 七番中川崇議員。



◆七番(中川崇) 知事をはじめ理事者の皆さん、丁寧なご答弁ありがとうございました。

 まず、三つ目から五つ目までの質問については、産業・雇用振興部長、観光局長、まちづくり推進局長、ご丁寧な答弁ありがとうございました。積極的に取り組まれていることは承知しました。ご答弁いただいた内容も含めて、私なりにさらに勉強を進めさせていただきます。

 二つ目の質問、南和地域の病院経営への財政的支援については、一義的には南和広域医療組合の中で議論されることですけれども、一方で、実際にお金を出す側の奈良県、奈良県議会においては、これまで議論の俎上にのせる機会があまりありませんでしたので、改めて知事へ質問させていただいた次第であります。知事のお考えはよくわかりました。ありがとうございました。

 最後になりましたが、冒頭の質問、行財政改革についても、知事のお考えはよくわかりました。ありがとうございました。

 現在、これは必ずしも県民が返さなければならない借金だけではありませんが、一兆円を超える借金を抱えている奈良県においては、今後もたゆみない改革が必要であると感じています。既についた予算について、よく言われるような予算は使い切れといった使われ方ではなく、無駄のないように執行される仕組みづくりをする、それだけでなく、予算そのものを抜本的に見直していく必要もあるのかなと考え、勉強をしているところです。

 ただ、何でもかんでも削ればいいわけではなく、一時的に借金をふやしても、将来のことを考えると、今、整備しておかなければならないこともあるということは承知しており、そのバランスを見きわめる大変な問題でもあるなと、責任の重さに改めて思いをいたしております。

 今後、よりよい奈良県にしていくという同じ目的のために、単に批判するだけではなく、建設的な提案をできる議員でありたいと思います。大学の一節にもありますけれども、誠に日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり、そういった気持ちで日々成長させていただいて、これは最年少の議員として甚だ僣越ではありますが、いい意味で競争をしていけるところまで達していきたいと決意を述べさせていただきます。

 以上で私からの一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月三十日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時二十七分散会