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平成27年  6月 定例会(第320回) 06月25日−02号




平成27年  6月 定例会(第320回) − 06月25日−02号







平成27年  6月 定例会(第320回)



 平成二十七年

        第三百二十回定例奈良県議会会議録 第二号

 六月

   平成二十七年六月二十五日(木曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十四名)

        一番 亀田忠彦          二番 池田慎久

        三番 猪奥美里          四番 山中益敏

        五番 川口延良          六番 松本宗弘

        七番 中川 崇          八番 佐藤光紀

        九番 川田 裕         一〇番 井岡正徳

       一一番 田中惟允         一二番 藤野良次

       一三番 森山賀文         一四番 大国正博

       一五番 岡 史朗         一六番 西川 均

       一七番 小林照代         一八番 清水 勉

       一九番 松尾勇臣         二〇番 阪口 保

       二一番 上田 悟         二二番 中野雅史

       二三番 安井宏一         二四番 田尻 匠

       二五番 奥山博康         二六番 荻田義雄

       二七番 岩田国夫         二八番 乾 浩之

       二九番 太田 敦         三〇番 宮本次郎

       三一番 和田恵治         三二番 山本進章

       三三番 国中憲治         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 山村幸穂         四二番 今井光子

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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          議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(中村昭) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(中村昭) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十五番出口武男議員に発言を許します。−−三十五番出口武男議員。(拍手)



◆三十五番(出口武男) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、ただいまから、自由民主党を代表して質問をさせていただきます。

 今回は、この四月の奈良県知事選挙及び奈良県議会議員選挙を経て、奈良県議会の新しい体制のもとに、最初の質問者でありますことに、まず、この機会を与えていただきました同僚議員各位に対しまして、心からお礼を申し上げたいと思います。

 また、新たな任期に入られました荒井知事に対し、初めての代表質問でございますので、まず、三期目の県政運営に対する考えと、今回提案されている平成二十七年度六月補正予算案について伺っていきたいと思います。

 荒井知事におかれましては、さきの知事選挙において多くの県民の支援を得て、見事三選を果たされました。改めてお祝いとお喜びを申し上げたいと思います。

 これまでの知事は、経済の活性化と暮らしの向上を二本の柱にして、もっとよくなる奈良県を目指して、県政の諸課題に常に真正面から立ち向かってこられました。その実績や成果はたくさんございますけれども、一期目の平城遷都一三〇〇年祭の成功、医療提供体制の整備、また、二期目の紀伊半島大水害からの復旧・復興、また、八年間で二百件を超える企業誘致、市町村との連携・協働による奈良モデルの取り組みやまちづくりなど、枚挙にいとまがございません。

 さらに、奈良マラソン、ムジークフェストなら、奈良県大芸術祭、平城京天平祭、馬見丘陵公園のイベントや奈良フードフェスティバルなど、ユニークな発想で奈良県の活性化のために次々と新しい手を打ってこられました。

 このほか、全国でも先駆的な奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例の制定、奈良県道路整備基本計画、奈良県植栽計画の策定と実行など、数多くの取り組みを進めてこられましたが、これらは、奈良のよりよき未来をつくるための地方創生そのものの実践であったと、私は高く評価をするものでございます。

 今回の選挙期間中に知事は、奈良のよりよき未来を築くための政策を引き続き実行し、奈良県独自の地方創生を実現するとの公約を掲げ、県内をくまなく回られました。その際、特に目を引いたことは、多くの市町村長さんが自主的に知事の応援演説に駆けつけられたということであります。この光景は、市町村長の皆さんの、引き続き荒井知事ととともに、地域の課題と真剣に向かい合いながら、住みよい、暮らしやすいまちをつくっていこうという姿勢へのあらわれではなかったかと感じているところであります。

 このように、知事は、二期八年の間に、さまざまな分野で県勢発展に欠くことのできない数多くの種をまかれ、既に芽が出てつぼみをつけ始めておりますが、これからたくさんすばらしい花を咲かせるためには、どのようなお考えでこの三期目の県政を運営されるのか、注目をしているところでございます。

 先ほど知事の実績をるる並べましたが、例えば、知事が最重要課題の一つとして位置づけておられる経済構造改革も、成果を上げるにはまだ少し時間がかかるのではないかと思います。

 また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、外国人観光客の受け入れ体制の整備、文化発信、スポーツ振興など、奈良ブランドを売り込むための取り組みを鋭意進めていくべきではないかと思います。

 このような状況のもと、知事にはこれまでの経験を糧にしながら、リーダーシップをいかんなく発揮し、県民の信頼と負託に応えていく責任もございます。

 まさに、三期目は成果が問われる四年間となるように思いますが、今後、どのように県政運営を進めていかれるのか、まず、知事の所見を伺っておきたいと思います。

 次に、今回提案されている平成二十七年度六月補正予算案について伺っておきたいと思います。

 今回の補正予算案は、一般会計と特別会計を合わせて百二十二億三千六百万円に上っております。さまざまな分野において新たな取り組みや重要な取り組みが並んでございます。これらは、まさに、これまでの施策推進や現状分析を踏まえ、先ほど申し上げました、知事の奈良県をよくしたいという思いがこもった、知恵と工夫を凝らした具体的かつ有効な取り組みであると期待をしてございます。

 安倍政権は、地方こそ国の成長の原動力として、熱意ある地方の創意工夫を全力で応援するとのことでございます。地方の努力が報われる今こそ、奈良県は他をリードする存在になりたいと、私も心から願ってございます。

 我が自由民主党も、荒井知事とともに努力を重ねているところでございます。荒井県政三期目のスタートに当たっての大事な一歩である、平成二十七年度六月補正予算案の編成の考え方をお聞きいたしたいと思います。

 次に、県内の就労、起業への支援についてであります。

 資源の乏しい我が国にとって、ものづくり分野の基礎となる技能は、これまでの生産の拡大、新産業の創出、雇用の増大等、国民経済の発展に貢献してまいりました。

 しかし、昨今、国際競争の激化や若者の技能離れといった変化に直面しており、今後とも、我が国が持続的な発展を遂げていくためには、ものづくりを担う人材の育成を支援し、熟練技能者が有する技能が円滑に承継、発展する必要があると思います。

 本県においても、多くの中小企業を支える技能の振興は極めて重要であると考えますので、より一層、理事者のご理解をお願いしておきたいと思います。

 加えて、重要であるのが、県内企業の人材確保や県内就業の促進など、奈良で働く人づくりであると考えます。本県は、県外就業率が全国のナンバーワンで最も高いことから、県では独自の無料職業紹介による求人・求職のマッチングをはじめ、県内企業の魅力発信による大学生の県内就職促進、あるいは、起業による仕事の創出など、県内就業促進のためのさまざまな施策を展開してこられたことは、大変意義深いことと評価をしているところであります。

 また、最近、景気の緩やかな回復基調が続く中、奈良県における就業地別有効求人倍率は、今年四月には四カ月連続で一倍を超えるなど、求職に対し求人が上回る人手不足の状況が見受けられるようになりました。

 このような中、県内には、海外の販路拡大や新製品開発など、新しい事業を展開しようとする優秀な意欲的な中小企業が数多くございます。こうした事業拡大に欠かせない高度な人材を確保ができないことが、課題になっているところであります。

 一方、先日、シャープが希望退職者を全国で三千五百人募集すると発表されました。県内でシャープに勤務されている方々は、奈良県も大変多くおられます。現在のところ、離職者数は発表されておりませんが、相当数に上ると思われます。その方々の再就労支援が急務であることはもちろんでありますが、これまでの豊富な経験や、長年養われたスキルは、今まさに県内の中小企業が求めているところであります。その能力を県内で発揮していただくことが企業の着実な成長を促し、ひいては、奈良県産業の発展につながるものと、私は確信をしております。

 先日、知事は、大手企業を退職される県内在住の方々を、県内で活躍していただく仕組みをつくると発表されました。六月補正予算案においても、必要な経費が計上されているところであります。

 そこで、知事、庁内に新しい組織を設置し、大企業の退職者等に対し、県内中小企業への再就労や起業の支援をすることとしておられますが、どのような効果を期待しておられるのか、具体的な取り組みとあわせてお伺いをしておきたいと思います。

 次に、奈良モデルの推進についてお伺いいたします。

 知事は、これまで、県は市町村を助けるのが大きな使命であるとの認識のもと、市町村同士で、あるいは、県と市町村の連携・協働を積極的に進め、行政の効率化を図る、いわゆる奈良モデルの取り組みを強く進めてこられました。その際には、県と市町村が共通の認識を持つことが必要と考え、知事と市町村長がテーブルを同じくして議論をする、全国的にも大変ユニークな奈良県市町村長サミットを平成二十一年度から四十回以上開催されるなど、対話を重ねてこられたところであります。

 国においても、地方自治法の改正等により市町村連携を推進している中、昨年度、奈良モデルについて、知事は、参議院総務委員会や国の地方制度調査会で説明される機会を持たれたと聞いております。これからの地方自治の新しい形として、国からも高い評価を受けておられるものと理解しております。

 また、全国的に人口減少が大きい課題となる中、各市町村において地方創生に向けた施策推進が求められております。財政基盤の弱い小規模な市町村が多い本県において、奈良モデルは地方創生のためにもなくてはならない取り組みと考えております。これまでの奈良モデルの取り組みにより、例えば、三十七市町村という全国でも例を見ない規模の消防広域化の実現や、南和地域における広域的な医療サービスの提供体制の再構築など、大きな成果を上げてこられました。

 また、平成二十六年度からは、奈良市をはじめ六つの市とまちづくり連携協定を順次締結され、市町村との連携・協働して、まちづくりのプロジェクトを進めようとされております。加えて、ごみ処理の広域化について、現在、五條市、御所市、田原本町で設置の統合整備が進められております。また、県南部地域七町村や県東部地域三市村でも検討が始まるなど、奈良モデルによる連携・協働の動きが加速化しているように見受けられます。今後、市町村への財政的な支援の充実も必要ではなかろうかなと、このようにも思うところであります。

 そこで、知事、奈良モデルのこれまでの成果をどう捉えておられるのでしょうか。また、今後、どう進めていかれるのか、伺っておきたいと思います。

 最後でございますが、関西広域連合への部分参加についてお伺いをいたします。

 知事は、本年三月初旬に関西広域連合への部分参加を表明され、二月定例県議会の予算審査特別委員会でも、その意向を明確にされました。さらに、本定例県議会の開会日の知事の県政に関する所信と提出議案説明要旨において、改めて関西広域連合への部分参加を表明されたところであります。

 関西広域連合は、広域行政事務を行うとともに、国の出先機関の受け皿となることなどを目的に、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、徳島県を構成団体として、平成二十二年十二月に設立されました。その後、京都市、大阪市、堺市、神戸市の政令指定都市も参加され、現在は七府県、四政令指定都市により運営をされてございます。この関西広域連合が設置されるに当たり、知事は、関西広域連合が国出先機関の受け皿になると、国の予算配分が関西広域連合で行われ、本県にとって不利な配分となるのではないかとの懸念により、当初から参加を見送られてきたのであります。

 一方、奈良県議会では、平成二十三年五月から平成二十五年七月まで、広域行政調査特別委員会を設置し、関西広域連合への対応など広域行政のあり方について議論を重ねてまいりました。この委員会の調査報告書では、関西広域連合のさまざまな問題点を指摘するとともに、将来にわたり関西広域連合への加入を否定することなく、改めて判断すべきと結論づけたところであります。関西広域連合設立から四年半が経過し、その間、平成二十四年十二月の政権交代により、関西広域連合が目指してきた国出先機関の丸ごと移管は事実上困難となるなど、関西広域連合を取り巻く環境も大きく変わってまいりました。関西広域連合が国出先機関の受け皿になるという懸念がほぼ払拭された今、奈良県にとってメリットがある広域防災、広域観光、文化振興の分野において、関西広域連合に部分参加をするという知事のご判断に私も異存はないわけであります。広域行政調査特別委員会の結論を踏まえた適切な判断であったと思われます。

 一方、このような関西広域連合の状況や、知事が部分参加を決断された経緯など、十分県民の皆さんに伝わっていない面も多々あるかと思います。私は、県民の皆さん方に、より丁寧にわかりやすく説明し、十分なご理解をいただくことが肝要であろうと思います。

 そこで、知事、関西広域連合へ部分参加に至った経緯、全部ではなく部分参加とされた理由、必要とされる経費、関西広域連合への部分参加の内容について、改めて説明を願うとともに、参加時期など今後の見通しにつきましても、お伺いをしておきたいと思います。

 壇上での質問は以上でございます。

 最後に、一言だけ申しておきたいと思いますが、このたび、前田副知事におかれましては、副知事を退任され財務省に戻られると聞いてございます。平成二十三年七月より、健康福祉部長、総務部長、副知事として県政の推進にご尽力をいただきました。多大の功績に心から敬意を表し感謝するとともに、今後とも、健康に十分ご留意をいただき大きくご活躍いただきますよう、ご祈念を申し上げる次第であります。引き続き、奈良県政に格別のお力添えも賜りますようお願いを申し上げ、壇上からの発言を終わらせていただきます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十五番出口議員のご質問にお答え申し上げます。

 五問の質問がございました。最初のご質問は、先ほどの統一地方選挙後の初めての見解でございますが、今後どのように県政運営を進めていくのかというご質問でございます。述べさせていただきます。

 私は、知事就任以来、地域の自立を図り、暮らしやすい奈良をつくることを県政の目標として、さまざまな取り組みを進めてまいりました。各政策分野において先進県をベンチマークいたしまして、これに追いつく努力を重ねるという手法をとってまいりました。

 このような姿勢が、県議会議員をはじめ、県民の皆様、多くの関係者の方々に認めていただいてきているところとなり、三たび、奈良県知事の大任を担わせていただくことになりました。誠に光栄であり、その重責に身の引き締まる思いでございます。

 さて、さきの知事選挙におきましては、多数の県議会議員の皆様や市町村長からの応援をいただきまして、県民の皆様とともにオール奈良のチームで戦ったという印象を強く持っております。三期目の四年間は、この奈良チームスピリットを常に大事にしながら、これまで同様、統計やアンケート調査などによる現状分析で課題を浮き彫りにすることをはじめ、これを踏まえて戦略を練り、繰り返し粘り強く施策を実行していくというスタイルで県政運営に当たり、また、本県独自の地方創生を進めることで働いてよし、住んでよし、訪れてよしの奈良県を実現していきたいと考えております。

 もう少し具体的に申し上げさせていただきたいと思いますが、まず一つ目の働いてよしの奈良県づくりでございますが、奈良県の地方創生の大きな目標は、脱ベッドタウンでございます。脱ベッドタウンを図り、仕事の場を奈良でつくることだと思っております。そのためには、企業誘致と産業おこしの取り組みが最も重要だと考えております。企業誘致はこれまで大変好調でございますが、さらに積極的に進めるために、京奈和自動車道などの周辺地域において産業用地の造成、工業ゾーン予定地の調査等を行わせていただきたいと思います。

 同時に、生活関連製造業、宿泊産業、農業、林業・木材産業など、引き続き九つの産業分野において産業おこしを推進させていただきたいと思います。

 このうち農業の分野では、この夏、なら食と農の魅力創造国際大学校にオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井という名前の施設が先行オープンいたします。奈良の地で世界に通用する次世代の食と農のトップランナーを育成したいと考えているところでございます。柿やイチゴなどの農産物の品質によるブランド認証制度の構築とあわせて、奈良らしい農業を確立していきたいと思います。

 また、本県の経済活性化を一層促進するためには、女性の活躍が極めて重要であると考えます。女性の持つ意欲や能力、視点、感性、価値観などが様々な場面で生かされるよう、女性の活躍促進会議を設置いたしました。今月、第一回目の会議を開催したところでございます。ここでの議論を踏まえ、女性が輝く奈良県づくりの大綱を策定したいと考えております。

 二つ目の住んでよしの奈良県づくりでございますが、引き続き、健やかで安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。そのため、県民の健康寿命日本一を目指しまして、なら健康長寿基本計画に基づく取り組みを市町村とともに進めさせていただきたいと思います。

 南和地域の中心病院となります南奈良総合医療センターや県立医科大学附属病院E病棟、また、奈良県総合医療センターの整備、完成が来年度から順次目につく運びとなっております。あわせて医師、看護師の適切な配置を進めることとしております。さらに、土・日曜日、二十四時間ER型救急がこの九月から県立医科大学附属病院で開始されます。大変喜ばしく思っております。奈良県総合医療センターでも早急な開始をされることを期待しているところでございます。こうした取り組みを進め、奈良の医療提供体制を先進県の医療提供体制にしていきたいと考えております。

 また、障害者や高齢者をはじめ、誰もが住みなれた地域で、健やかに安心して、生きがいを持って暮らすことができる地域包括ケアシステムを、全国に先駆けて構築していきたいと思っております。

 また、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえることも重要な取り組みと考えております。そのため奈良県こども・子育て支援推進会議での議論を踏まえまして、奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランをこの三月に策定いたしました。今後は、このプランに基づき、子どもを生み育てやすく、子どもが健やかに育つ奈良県づくりを推進していきたいと思います。

 教育についてでございますが、新たに設置いたしました総合教育会議を先月初めて開催いたしました。今後、本県が独自に開催する県と市町村の首長と教育長の合同会議でございます奈良県教育サミットとあわせまして、就学前教育や就労教育、実学教育などについて議論を進めさせていただき、本県の実情に応じた教育振興に係る大綱を取りまとめていきたいと考えております。

 このほか、リニア中央新幹線の奈良市附近での駅設置を確実なものとすることや、県内の交通体系、防災基盤の充実やなら四季彩の庭づくりによる美しいまちづくりなども、住んでよしの奈良県づくりのための重要な政策でございます。

 三つ目は、訪れてよしの奈良県づくりでございます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、観光、文化、スポーツの振興に取り組み、誇り高い奈良を売り出したいと考えております。

 奈良公園、県庁周辺から、県営プール跡地、平城宮跡周辺までを世界の名物になる通りにする大宮通りプロジェクトを起爆剤といたしまして、観光地奈良の魅力を飛躍的に向上させ、県内での宿泊客の増加を図り、これからは、これまでの、京都、大阪に宿泊し奈良を訪れる観光パターンから、奈良に宿泊し京都、大阪を訪れる観光パターンに変えていきたいと思います。

 また、ムジークフェストならのイベントが現在開催中でございますが、ますますにぎわってきている状況でございます。このような注目度の高い文化イベントの創出、開催に努めるとともに、二年後に奈良で初めて開催されます国民文化祭を成功させ、奈良県の文化力の向上を図ってまいりたいと思います。

 さらに、歴史・文化、そして匠の伝承と保存・修復を行い、交流と教育のできる施設として、(仮称)奈良県国際芸術家村構想を進めさせていただきたいと思います。

 スポーツの振興の面でございますが、トップアスリートの育成の拠点となる奈良県トレーニングセンターの整備や、県民の誰もがいつでも、どこでも、運動・スポーツに親しむことのできる環境づくりを進めたいと思います。

 南部地域・東部地域でございますが、紀伊半島大水害からの復旧・復興のステージから地域振興へステージが移ってきております。頻繁に訪れてもらえる地域、住み続けられる地域を目指しまして、積極的な取り組みを進めます。

 また、陸上自衛隊のヘリポートを併設した駐屯地の誘致や、県の広域防災拠点整備、さらに、国道一六八号や国道一六九号などの整備を進め、災害に強い紀伊半島を目指してまいりたいと思っております。

 また、本県独自の地方創生を進めていくに当たりまして、最も大切なパートナーは市町村だと考えております。県と市町村とが連携・協働する奈良モデルにつきましては、国からも先進的な取り組みと高く評価をしていただいておりますが、この奈良モデルが地方自治の新しい形になるとの気概を持ちまして、今後、取り組みの分野や内容をますます充実させていくことができたらと考えております。

 以上のことを県政運営の基本的な方向とさせていただき、今後も、議員各位をはじめ、県民の皆様のご理解・ご協力をいただきながら、住んでよし、働いてよし、訪れてよしの奈良県を実現させていきたいと思います。

 二つ目のご質問でございますが、今議会に上程しております補正予算案の考え方というご質問でございます。

 今年度の当初予算は、四月に予定されておりました知事選挙及び県議会議員選挙を踏まえまして、継続事業や、既に方向性が定まっていたもの、また、年度当初からの取り組みが必要なものを中心に、骨格的な予算と呼ばれるものを編成いたしました。

 このため、今回の六月補正予算案におきましては、新たな取り組みや公共事業の新規箇所を中心に編成したところでございます。

 とりわけ、先に今申し上げました、本県独自の地方創生を進め、住んでよし、働いてよし、訪れてよしの奈良県を実現するための新たな取り組みを、県庁職員とともに検討を重ね、計上させていただいたところでございます。

 特に力を入れた分野を申し上げさせていただきます。まず、地域で働く人づくりをさらに進めることでございます。

 新たな取り組みといたしまして、県内在住の大手企業退職者等を対象とした奈良県県内就労あっせん・起業支援センターを県庁内に新たに設置することといたしました。

 また、若年無業者の職業的自立を支援する体制を強化するとともに、障害者雇用のビジネスモデル構築に向けまして、社会福祉法人や県内企業等が設立いたします、生産から販売までの事業協同組合へ支援を行っていきたいと思います。

 知事就任直後から進めてまいりました医療改革についてでございますが、奈良県総合医療センターなどハード面の整備が整ってまいりました。新たなソフト面として、県立医科大学附属病院において、土曜日、日曜日の二十四時間、ER型救急体制を実現し、大きく奈良県の救急医療を前進させることとしたいと思います。

 さらに、県と市町村が連携・協働して行政サービスの向上に取り組む奈良モデルにつきましては、その取り組みをさらに拡大するために、市町村への財政支援の全体スキームを整理させていただきました。新たに複数の市町村が共同で実施する大規模な施設整備に対しても、新たに無利子貸し付けをすることといたしております。

 このほか、(仮称)京奈和自転車道の整備やJR奈良駅から奈良公園、ならまちを周遊するぐるっとバスのルート増設などによる、観光の振興も進めてまいりたいと思います。

 また、スマートフォンを活用した生活支援サービスの提供や、介護サービス提供体制の整備、スポーツの振興に向けた橿原公苑将来構想の策定や、幹線道路ネットワークの形成などに必要な予算を計上させていただいております。

 補正予算の財源でございますが、従来どおり、国の補助金などを積極的に活用するとともに、県債につきましては、返済時に交付税措置のある有利なものを活用する方針で臨んでおります。

 その結果、財政状況でございますが、主な財政状況の判断指標としております、県税など自前の財源で償還する県債残高という指標でございますが、過去十年間で最低の水準である三千九百六十億円ということになっております。また、県債残高と年間県税収入との比率も判断指標の重要な指標でございますが、今年度末で三・六倍でございまして過去でも最低の水準となってきております。当面の目標としております四倍という水準をクリアしておるものでございます。以上、報告をさせていただきます。

 三つ目のご質問でございますが、県内就労・起業への支援の取り組みについてのご質問でございます。どのような効果の期待と具体的な取り組みというご質問でございます。

 総務省の就業構造基本調査というのがございますが、それによりますと、平成二十四年に本県にお住まいの退職者で、就業を希望されておられる五十五歳から六十四歳の方は、一万八千三百人ということがわかっております。県外就業率が約三〇%と全国で最も高い状況が長く続いておりますが、退職をされますと奈良県での再就職ということも希望されるものでございます。退職者、現役ともに県外で豊富な実務経験を積み重ねられた方々が県内に多く居住されているものと推察されます。

 そういった人材を県内中小企業の発展に生かすことは、まさに地方創生の大きな推進力になると考えております。

 また、中小企業景況調査という調査がございますが、それによりますと、県内の従業員の過不足の状況がわかります。平成二十七年一月から三月期は不足感が過剰感を一〇・二ポイントも上回っております。前年同期に比べ二・五ポイントさらに拡大しております。こういった状況の中で、県内中小企業の事業拡大等に必要となる人材を確保することが喫緊の課題であると認識したところでございます。

 その解決のための一方策といたしまして、先ほどご説明させていただきましたように、新たに県庁内に奈良県県内就労あっせん・起業支援センターを設置いたしまして、県内在住の大手企業退職者等を県内中小企業へ個別あっせんする県庁独自の取り組みでございます。

 当センターでは、まず、高度な知識や経験、人脈を持ち、県内での就業意欲のあります企業退職者等の人材情報を、大手企業をはじめ労働関係団体などと連携して収集するという作業がございます。その次の作業では、生産、技術、販路拡大など経営課題があるものの、ノウハウが不足している県内中小企業の人材ニーズを、地域の金融機関などの協力を得ながら把握するという作業が二つ目にございます。

 その上で県内在住の退職者などと中小企業との定期的な面談の場を設定するなど、県みずからが個別に丁寧なマッチングを行っていきたいと思っております。

 また、再離職をされました方にも再就職のあっせんも続けさせていただきたいと思っております。

 この七月にはシャープ株式会社が希望退職者を募集されると伺っております。早速この仕組みを使って支援を進めたいと考えております。既に県内中小企業からは、退職される人材を技術者や管理者として採用したいとの問い合わせを多くいただいている状況でございます。

 また、大手企業退職者などの中には、みずからの経験を生かして新たに県内で仕事を興したい、会社を興したいと希望される方も想定されるところでございます。

 その方々には、起業に向けた勉強、交流の場として、創業サロンの開催や創業支援資金の活用に向けた情報提供を行ってまいります。また、県が中心となって金融機関などと構成する奈良県創業支援ネットワークがございますが、それとの協働により個別にきめ細かく企業の支援を行ってまいりたいと思っております。

 このような取り組みにより、県内中小企業の発展を担う人材確保をこれまで以上に積極的に進めたいと思っております。

 四つ目の質問でございますが、奈良モデルの今後の進め方についてのご質問でございます。

 私は、市町村が自立して質の高い行政サービスを提供し続けていくためには、市町村間あるいは市町村と県が連携・協働することで機能を強化することができると考えてまいりました。このため、就任以来、積極的に市町村長と情報共有や意見交換を重ね、連携・協働の取り組みであります奈良モデルを推し進めてまいりました。

 その結果でございますが、議員お述べのとおり、全国にも珍しい消防の広域化や南和地域の医療サービス再構築などの成果を上げるに至りました。また、最近では、県と市町村とのまちづくりに関する連携協定や県域水道のファシリティマネジメントをはじめ、医療、福祉、環境等さまざまな分野で奈良モデルの取り組みが広がってきております。このように、県と市町村が連携して人的資源や財政資源を有効活用する、奈良の持っている行政の総資源をフル活用し行政課題に取り組むといった意識が高まっていることを実感しているところでございます。

 先日、天川村で開催いたしました奈良県・市町村長サミット、泊まりがけでございましたが、奈良モデルの名づけ親でもあります関西学院大学の小西教授から、奈良モデルは着実に成果を上げており、これからもますます発展するとの評価をいただいたところでございます。

 今般、奈良モデルのさらなる推進を図るため、奈良モデルに取り組む市町村への財政支援につきまして、そのスキームを整理させていただき、また、充実を図ろうとしているところでございます。県の支援に当たりましては、市町村が国の補助金や地方交付税制度を最大限活用した上で生じる市町村の真の財政負担に対し、県が支援するということを基本的な考えとしております。

 その内容でございますが、一点目は、複数市町村が連携して取り組む奈良モデルの検討、計画の実施に対する支援、また、小規模なハード整備を支援する奈良モデル推進補助金がございます。今年度当初予算一億円に加えまして、この六月補正予算案でも五千万円を計上させていただいているものでございます。

 二点目のスキームでございますが、複数市町村が実施する大規模なハード整備を支援するため、六月補正予算案におきまして、無利子の奈良モデル推進貸付事業を創設し、十五億円の無利子貸付資金を計上させていただいているところでございます。

 三点目の項目でございますが、今年度当初予算で計上いたしました、市町村とのまちづくり連携推進事業でございます。当事業は、県と市町村とのまちづくりに関する連携協定を締結した市町村に対しまして、ハード整備については市町村の公債費のうち、地方交付税算入額を差し引いた額の四分の一、また、ソフト事業につきましては事業費の二分の一の補助等の財政支援を行うとしている内容でございます。

 四点目でございますが、複数市町村などが現状の処理範囲を拡大して実施されます広域のごみ処理施設の整備に対しましても、まちづくり連携推進事業と同様の支援制度、ハードについては四分の一、ソフトについては二分の一の補助制度でございますが、創設いたしまして市町村を応援していきたいと考えているところでございます。今後も奈良モデルがさらに推進するよう頑張っていきたいと思います。

 最後のご質問でございますが、関西広域連合の部分参加についての所見のお尋ねがございました。

 部分参加に至った経緯、理由、経費、また、参加の内容、参加の時期などについてのご質問であろうかと思います。少々長い答弁になって失礼かもしれませんが、ご説明させていただきたいと思います。

 関西広域連合にこれまで参加いたしませんでしたのは、議員もお述べになられましたように、関西広域連合が近畿地方整備局など、国の出先機関の受け皿になるということに対する懸念が最大の理由でございました。明治十八年の大和川の大水害の際、大阪府の一部でありました奈良県の復旧事業に、復旧予算がほとんど配分されなかったという苦い経緯がございますが、予算の配分を国にではなく地方公共団体でございます関西広域連合が行うことになれば、明治の大水害と同じようなことになるのではないかという懸念がございました。国の方が公正に予算配分をされるという見方でございます。

 その後、全国市長会や全国町村会も奈良県と同じ懸念で、広域連合の法制化に猛反対をされたことでございます。その結果、広域連合に国出先機関を移管する法律案は、閣議決定はされたものの、国会に上程されず、事実上、国出先機関の移管は困難となって現在に至っております。

 現状では、本県が関西広域連合へ参加を見合わせた最大の懸念がほぼなくなったと思っております。関西広域連合の現在の活動は、結果的に連携・協働が中心になっている状況でございます。

 このように、関西広域連合の活動の中心が変質したことから、今回、関西広域連合への部分参加を判断したところでございます。

 一方、本県は、従来からさまざまな分野で種々の機関と連携・協働を進めてきたところでございます。ふるさと知事ネットワークによる他県との連携や、奈良モデルによる県と市町村の連携などを進めており、連携・協働は重要と考えてきております。関西広域連合との連携・協働もこのような本県の連携・協働による行政効率化の取り組みの一つと考えております。

 また、連携・協働は、本県にとって効果がある場合に行うものでありまして、本県にとって効果がない分野につきましては、連携・協働する必要がないということが基本になります。

 関西広域連合とは、これまでから、広域防災と広域観光・文化振興の分野についてその効果が高いと判断し、連携・協働を既に進めてきております。関西広域連合に対する懸念がほぼなくなった今、この二分野について正式に関西広域連合へ部分参加し、災害時の広域応援体制の強化や本県への誘客促進などの効果をさらに高めていくことができるものと判断いたしました。

 なお、広域観光・文化振興の分野では、関西ワールドマスターズゲーム二〇二一の開催支援などを行うスポーツ振興という項目が追加される予定でございますが、本県も既に同大会の組織委員会に参加しているところでございまして、この項目が加えられることに異論はないところでございます。

 一方、その他の分野でございますが、本県にとって具体的な効果が現状ではあまり大きくないものと考えております。

 例えば、広域医療の分野でございますが、ドクターヘリの連携を行っているものの、本県では南和地域の需要が高く、専ら関西広域連合に移管されていない和歌山県ドクターヘリを利用している実情にございます。さらに、今後、三重県ドクターヘリとの連携を進め、また、県独自のドクターヘリ導入も検討しているところでございますので、紀伊半島三県の連携体制を構築することは、この分野でより有効と考えております。

 広域産業振興の分野でございますが、本県最大の課題でございます、働く場の創出でございますが、関西広域連合の中では、この奈良県の課題が埋没してしまうおそれがございます。本県独自の取り組みの方が効果が大きいと考えております。

 広域環境保全の分野でございますが、例えば、節電の取り組みでは、奈良の節電スタイルとして独自の取り組みを進めているところでございます。また、再生可能エネルギーなどの導入におきましても、他府県と情報交換しながら、本県の地域の実情に応じた取り組みを行っているところでございます。

 資格試験・免許等という分野がございますが、主な事務として准看護師などの資格試験事務と免許交付事務がございまして、関西広域連合が行っておりますが、准看護師試験を看護師国家試験と同一日に実施されています。看護職員が不足している現状況下において、少しでも多くの看護職員の確保を図るため、奈良県におきましては、関西広域連合と違って、准看護師試験を看護師国家試験と別の日に実施し、受験の機会をふやすことが望ましいと考え、東海・北陸ブロックと連携し共同実施を行っているところでございます。

 広域職員研修という分野がございますが、関西広域連合で行われているような研修メニューは、本県独自の研修などで十分対応できる内容となっております。

 また、経費の面でございますが、この二分野に参加する本県の負担額は、年間約二千五百万円程度と予想しております。関西広域連合で行われている実際の事務内容について、その費用対効果も含めて個別の参加の判断をする必要がございます。

 関西広域連合の現在の予算総額はおよそ十九億円だけでございます。だけという言葉をつけ加えて大変失礼でございますが、大きな存在感と小さな予算というようなイメージになりますが、そのうち十二億円がドクターヘリの経費でございます。また、残りの予算額のうち、約四億円は事務局本部の人件費や企画調整などの総務的な経費でございます。これらを除く各分野別の事業費は、広域防災では約二千万円、広域観光・文化振興では約三千万円、広域産業振興では約四千万円など限られた事業費での広域連合の取り組みとなっている実情でございます。

 広域防災や広域観光・文化振興などは、事業費が少なくても連携・協働して取り組むことで、災害時の体制強化や本県への誘客に一定の効果はあると考えますが、その他の分野では、さきに述べましたように、本県にとって負担に見合う十分な効果がないと現在では判断をしているところでございます。

 もう一つ申し上げますが、関西広域連合へ部分参加いたしますと、構成団体の首長による合議機関である広域連合委員会へも参画することになります。

 この委員会は、関西広域連合の施策に係る重要事項に関する協議が行われる場でございます。全委員の合意により、また、全議員の合意があった場合に関西広域連合としての意思決定が行われることになっております。これまでは、リニア中央新幹線の新しい設置、国の方針と違う駅の設置、また、国の出先機関の移管の協議などがこの委員会で行われてきた経緯がありますが、本県が参加することにより、本県の考え方と異なる意思決定がこの広域連合委員会の場で行われることはなくなるものと考えております。

 なお、今後の予定につきましてでございますが、まず、今定例県議会後に、関西広域連合へ広域防災、広域観光・文化振興の二分野に奈良県が部分参加する旨の関西広域連合規約の改正依頼を行うことが最初の行動でございます。次は、広域連合委員会においてその規約改正案を確認されることになります。その後、奈良県議会及び関西広域連合構成府県・政令指定都市の各議会におきまして、この改正案を議決していただくことになります。その次には、広域連合長から総務大臣に規約改正の許可申請が行われ、その許可後、奈良県が部分参加するという流れになるものでございます。

 このような手続は年内いっぱいかかるものと思われますので、順調にいけば年内に関西広域連合へ部分参加することになると思います。

 以上が答弁の内容でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 三十五番出口武男議員。



◆三十五番(出口武男) ご丁重なご答弁ありがとうございました。

 三期目の知事の決意のほどもよくわかりました。これからは、県民の皆さん方とオール奈良チームスピリットで頑張っていきたい、このように思うわけでございます。

 以上で質問を終わります。



○議長(中村昭) 次に、二十五番奥山博康議員に発言を許します。−−二十五番奥山博康議員。(拍手)



◆二十五番(奥山博康) (登壇)皆さん、こんにちは。議長のお許しを得て質問に入るところですけれども、質問に先立ちまして、荒井知事に一言お祝い申し上げたいとかように思います。

 さきの統一地方選挙で、荒井知事は見事三選を果たされました。二期八年の実績、そして、三期目にかける県民の期待、これで見事に当選されました。私たち自由民主党の推薦はもとより、たくさんの団体の方々からご推薦もいただき、見事に当選されました。これからも元気ある奈良県づくりにしっかりと頑張っていただきたい、かように思うわけでございます。改めまして、おめでとうございます。

 また、今回の県議会議員の選挙におきましては、我が自由民主党籍の議員が多数当選することができました。テレビを見ている県民の皆さんはじめ、たくさんの皆様、本当にありがとうございます。改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。

 荒井知事は、今回の知事選挙で、荒井正吾政策集というものを出されて、奈良県の隅々まで訴えてこられました。出口武男議員と質問が一部重複することになるかもしれませんけれども、数点、政策集の中から私なりに代表質問として知事にお伺いしたいとかように思います。

 政策集の中で一番のトップに掲げられているのは、奈良県の経済です。奈良県の一番不得意分野といいますか、なかなか進まないことでございました。しかしながら、荒井知事は、二期八年で約二百社強の企業の誘致、その中では、二千人以上の雇用、いろんな経済対策をされてきたことについては評価をいたしますけれども、今なお、大阪への隣接地ということ、県外の就業率が全国で一番、そして、ちょうど内閣府の男女共同参画局ですか、アンケートをとっておりましたけれども、奈良県の女性が、性別役割意識調査というものでしたけれども、その中では、男性は外で働く、女性は家を守るという欄が五〇%にも上っておりました。

 こういう構造の中で、荒井知事は、産業構造改革を打ち出されているということに、非常に私は興味を持ちながら、そして、しっかりとバックアップして、そして、意見を言わなければいけないとかように思っております。県民の働く場所がふえる、女性も六〇%以上の方が働きたいという数字も、あるアンケートでは出ておりました。

 しかしながら、働くところがないというのが奈良県の弱点ではございます。これこそ、まさに産業構造改革をしっかりしなければいけないということにはなると思いますけれども、しっかりと、この経済が好循環するためには、まず、働くところをどのようにして確保するかということだろうと思いますけれども、荒井知事は、三つのリーディング分野、そして、六つのチャレンジ分野を焦点に当てて産業おこしという名前でしっかりと政策集に上げられておりますけれども、この産業おこしの進捗状況及び今後の取り組みについてお尋ねしたいとかように思うわけでございます。

 続きまして、このごろ、朝八時、九時に、私の地元は香芝市ですけれども、奈良県庁へ来るところで東大寺のあたりにたくさんの観光客が来られています。大半が外国のお客さんだと認識をしております。

 二番目には、外国人の観光客の誘客についてお尋ねしたいと思いますけれども、我が国を訪れる外国人の観光客が平成二十五年で千万人、昨年、平成二十六年は千三百四十一万人という数字が出ておりました。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、この外国人の観光客を二千万人にしようという目標を国は掲げました。そして、つい最近ですけれども、ちょっと私がまだ理解に苦しんでいるんですけれども、ゴールデンルート、周遊観光できるような日本をということで、政府が七つのゴールデンルートというものを認定いたしました。

 私は、きょうここで質問させていただくのは、これからますます奈良県においても外国人の観光客がふえると思いますけれども、この誘客をするために知事はどのような取り組みをなされるおつもりなのかをお尋ねしたいなと思います。

 続きまして、飛鳥・藤原の宮都の件でございますけれども、これは、何回も代表質問、一般質問では出ております。ワールドヘリテージにいつ登録できるんだろうというようなことをよく言われております。私は、奈良県の南北の線をいつもここで確認しておりますけれども、南では、吉野熊野の参詣道、世界遺産になっております。そして、奈良市まできますと、東大寺、そして、斑鳩の建造物等で三箇所の世界遺産が認定されておりますけれども、この飛鳥・藤原の宮都の世界遺産の登録を待ち望んでいる一人でございます。

 関西国際空港からあっと言う間に橿原市へ来られます。ここへ来た外国のお客さんがすぐに南から北、北から南、そして、中和地域のこの橿原・飛鳥をしっかりとした拠点にすれば、もっと今以上に観光客がふえることは間違いがないと私は確信しております。

 今年度は、明治の産業革命の遺産が多分登録されるだろうというふうには、ニュースでは聞いておりますけれども、この飛鳥・藤原の宮都の世界遺産への登録について、積極的に県としても推進をしてはいかがかなと思いますけれども、知事の取り組み、お考えをお尋ねしたいと思います。

 続きまして、市町村支援のあり方について質問させていただきたいと思います。

 奈良県は、県独自でもそんなに裕福な県でもございません。まして、市町村も、脆弱な市町村もたくさんあることは間違いがないとは思いますけれども、今、県と市町村が連携・協働しながら、しっかりとしてタッグを組んで奈良モデルということは、先ほど来も質問がございましたけれども、私は、財政が脆弱な市町村に支援をするということが、果たしていかがなものかという考えを持っている一人でございます。

 今般の補正予算案におきましては、広域的な、そして、効率のいい、将来にわたってもこれならいいということについては補正予算を組んでいただいているので、これについては評価をいたします。これから広域的なごみ施設の整備や、そして、広域的な学校給食の整備等について、しっかりと、奈良県全体で市町村とタイアップしながら、効率のいい行財政運営をしていただくことが大事であろうと思いますけれども、効果的な市町村への支援のあり方について、知事はどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。

 続きまして、これは、我が会派の粒谷議員なり安井議員が質問をまたされると思いますけれども、この市町村の連携、これについて、私は、いつも広域消防をタッチ、そして、勉強したところ、いつもこの生駒市が私の中ではなかなかうまくいかないなという思いが、思い出として残っております。

 しかし、今般、四月に市長も変わられました。生駒市は学研高山地区第二工区の大きな問題も抱えている。そして、北西部の奈良県の玄関口である。しっかりとした奈良県全体の発展を考えるには、しっかりとした奈良県と生駒市との連携も必要だろうというのは、私だけでしょうか。荒井知事の所見をお尋ねしたいとかように思うわけでございます。

 続きまして、奈良県の教育について、荒井知事にお尋ねしたいと思います。

 昨年度、教育委員会制度の法改正がございました。今までの教育委員会の独立性は保ちながら、行政のトップである奈良県であれば、荒井知事がしっかりと、この奈良県の教育について指導していく、リーダーとしてやっていくという法律に変わりましたことは、私がここで言うまでもございません。荒井知事は、私の知る限り、平成二十三年から、地域教育力サミットを地域の教育力を高めようということでやっておられる。奈良県の教育の状況を見ますと、学力は平均か平均より上というのはよく数字で出ております。しかし、規範意識と、そして、学習意欲、体力の低下というのはよく言われているので、これは、学校教育だけではなく、家庭教育、社会教育についても言えることだろうという認識を私はしております。

 知事が総合教育会議で、今度、大綱を策定されるとは思いますけれども、本県の教育の現状を荒井知事はどのように考え、そして、今後、どのように取り組もうとなされているのか、所見をお尋ね申し上げたいと思います。

 最後の質問に入ります。

 阪神・淡路大震災、そして、東日本大震災、津波、それから以降、南海トラフでいつどのような大きなものが来るかもわからないということで、各市町村、都道府県は、耐震はもちろんですけれども、災害についてしっかりと対応されていたというのは、皆さんもご存じだろうと思います。

 しかし、昨今、火山爆発という、火山活動が非常に活発になってきたと。ああ、心配の種がまた一つ、二つふえてきたなというのは私だけじゃないと思いますけれども、このときに、二十年ほど前から首都圏移転という言葉がよく聞かれました。私も県議会議員の一人として、国会機能の首都圏移転ということについて、あっちこっちのところへも視察にも行きました。法律はできましたけれども、十年ほど前に、栃木・福島地域、岐阜・愛知地域、三重・畿央地域の三つの地域に首都圏移転というところまでは決まりましたけれども、そこからとまったままでございます。

 ところが、過日、新聞記事を見ておりましたら、その首都圏移転とは趣旨は違うんですけれども、地方創生の一環として政府機関の一部を地方に移すことが、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五に盛り込まれることになりました。早速、その記事では、京都の市長が石破地方創生担当大臣に会いに行って、文化庁、観光庁をぜひとも京都市へということを陳情されているという記事を見ました。世界に歴史文化遺産を自信を持ってお送りできるこの奈良県が黙っているわけにいきません。奈良県は、すばらしい歴史文化遺産を持ち、そして、荒井知事がいろんな文化活動をしながら、今、すばらしい文化の奈良県になってきているのは間違いございません。そして、将来、リニア中央新幹線の駅も奈良県へ来ます。そういう利便性も考えれば、この話、乗るべきと違うのか、申し込むべきと違うのかと思いながらも、ただ、場所的な問題、人的な問題、いろんなことがあると私は想像いたします。

 しかし、このすばらしい歴史文化遺産をしっかり活用して後世のものとしてやるためには、国の機関、出先機関でもいいでしょう、しっかりとした奈良県らしい文化のまちづくりのためにもやらなければいけないと私は思っております。そのためにも、この件につきまして、文化のオーソリティーである荒井知事のご答弁をよろしくお願いいたしまして、壇上での質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(中村昭) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十五番奥山議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 最初のご質問は、奈良県の経済活性化の取り組みについてのご質問でございます。とりわけ産業おこしの取り組みについてのご質問がまずございました。

 国におきましては、昨年、人口減少克服、地方創生の実現に向けまして、まち・ひと・しごと創生本部が設置されたところでございます。本県では、地方創生という言葉が出る前から、独自のおくれを発見して、ベッドタウンからの転換のための産業おこしの取り組みについて検討、実行してまいりました。この、国のまち・ひと・しごと創生本部と軌を一にする流れになってきたものと、今、思っております。

 奈良県の産業おこしでは、議員お述べいただきましたように、九つの分野に焦点を当てて、これまで分野ごとの構造や特殊性を洗い出し、その結果を踏まえて、産業分野ごとの目標を定め、その達成のために努力をするという手法でございました。それぞれの産業分野の構造が違う、産業組織が違う、その対策も違うということが実情であるという判断でございます。それぞれの産業分野別の振興策を練って実行しております。これを着実に実行することが、まず、重要だと考えております。このような戦略は、ラグビーで言えばフォワード戦略、サッカーで言えば縦パス戦略と思っております。一方、産業分野の共通の、また、横断的な戦略も重要かと思います。ラグビーで言えばフォワードのパス戦略、サッカーで言えば小さなワンタッチ、ツータッチのパスをつなぎゴールに迫る戦略のパターンでございます。

 九つもあります産業別の戦略の説明は、時間の関係もございますので、別の機会にまたさせていただきたいと思いますが、本日のご質問の趣旨を踏まえまして、横断的なパス戦略を最近心がけているところでございますので、その点について強調してご説明をさせていただきたいと思います。

 共通の戦略というのは、違う言葉で言えば、域外交易力の強化とブランド力の強化ということでございます。そのための必要な施策を予算化してお願いしているところでございますし、また、随時、実行し始めているところでございます。縦の深いパスと横パスを併用するという産業おこしを実行したいと思っております。

 この横断的な連携戦略でございますが、具体的には、海外戦略でございます。例えば、海外見本市に単独で出店される企業や海外進出に向けたマーケット調査を行われる企業を支援する制度でございます。これまであまり奈良県が取り組んでまいりませんでしたが、本年度、新たに創設をさせていただくことになりました。また、県内中小企業の研究開発やブランド化などにより、全国に新たな顧客を確保しようとする取り組みに対しましては、クラウドファンディングと呼ばれる、インターネットを活用した資金調達手法の導入を支援することといたしました。これは、産業共通の取り組みでございます。

 こうして申し述べました中で、海外への販路拡大は、今まで奈良が戦略的、主体的には進めてこなかった分野と言わざるを得ませんが、域外交易力強化のためには重要なことだと思います。海外で勝負をすると国内でも強い販売力になるという考え方でございます。各産業分野ごとに海外販路拡大についての戦略とともに、共通した戦略も進めさせていただきたいと思います。

 また、各産業分野において、どのようにICTを活用するかという観点や、まちづくりとの連携で県内消費の拡大につながる方策についても重要な課題であると思いますので、研究を進め戦略として確立していきたいというふうに思います。

 いろんなまちづくりなり、奈良の元気づくりに発展するというふうに思っております。商売は、まちづくりと、あるいは文化振興などと、にぎわいづくりと一緒にやるというのがより有効であろうかと思います。奈良県の経済構造については、やはりちょっと独特なところがあるようにも思うものでございます。長い間に複雑に絡み合った糸を根気よく解きほぐす作業も必要かというふうに最近感じているところでございます。これまでのありきたりの戦略だけでなく、生産、加工、流通、販売の一貫した効率的な産業組織をこの奈良県でつくると、その工程を再構築していくと、その再構築を阻むものがあれば粉砕するといった覚悟で、産業政策を進めることができたらというふうに思っているところでございます。ぜひご支援を賜りたい分野でございます。

 観光振興についてでございます。観光振興は、奈良県にとりましても大事な分野でございますとともに、課題が多く残っている分野でもございます。

 外国人観光客に対するご質問でございますが、奈良県を訪れる外国人観光客数は、おかげさまで大幅に増加をしております。昨年は過去最高の六十六万三千人となりました。また、速報値でございますが、本年一月から三月の第一四半期で、昨年同期比の約一・二倍に当たる十四万七千人の外国人観光客が訪れたと報告を受けております。また、前年同期の二・六倍に当たる五万人が、奈良県でこの第一四半期に宿泊されたという速報が届いております。

 しかし、さらなる外国人観光客の誘客が必要でございます。海外プロモーションや情報発信の強化は引き続き重要だと思っております。特に、海外の旅行会社、メディア等への直接訪問をはじめ、各種商談会や海外旅行博への出店などを積極的に行うように本県はやっとなってまいりました。

 また、大きな誘客が見込める国や地域に奈良県の代理機関を設置いたしまして、現地旅行業者への切れ目のないセールスを行っております。現地の代理店と連携するということも構築しております。

 また、着地型の商品をつくる、奈良で商品をつくる、また、地元から奈良に来られる外国人を想定した発信をするということもしようと思っております。その中で、来月にプレオープンを予定しております、猿沢池にあります外国人観光客交流館、奈良県猿沢インというものにおきましての活動について少々述べさせていただきます。

 その活動の中では、一つは、英語、中国語、韓国語による多言語の観光案内をいたします。また、バッグをごろごろと持っておられる方の手荷物の預かりだけもいたします。また、外国人観光客同士が交流できるサロンをつくります。また、飲食などの軽い物販をその場でいたします。また、海外クレジットカードなどで対応が可能なATM、ご自身のクレジットカードがあれば円のお札が出るといったようなATMを整備したいと思います。また、フリーWi‐Fiなど、ただでWi‐Fiが使えるなどの諸機能の整備を図ろうとしているところでございます。

 また、この七月からは、外国人ライターの採用をすることにしております。奈良県の観光情報等を積極的に外国人目線でSNSを通じて海外メディア、外国人観光客に向けて発信をしてもらうという戦略を、猿沢イン戦略として実現していきたいと思っているところでございます。

 また、議員お述べになったことでございますが、我が国におきましては、メインルートとその他のルートの格差が大きい実情がございます。外国人観光客の七割以上が東京、名古屋、京都、大阪をつなぐ、いわゆるメインルート、ゴールデンルートに偏っているのが現状でございます。

 また、奈良県は、訪れられる外国人は多いけれども、少し長い時間滞在される外国人は極端に少ないといった観光地でもございます。このような状況でございますので、先般、国から地方に埋もれたさまざまな観光資源を活用し、周遊できる新たなルートについての募集がありました。メインルートから少し離れたルートを志向されている国の意向もございます。

 本県におきましては、関西広域連合や福井県などと連携して、本県三つの世界遺産を織り込んだ、外国人観光客に周遊してもらえるルート提案を行い、六月十二日付けで国土交通大臣に認定していただいたところでございます。

 しかし、このルートをうまく利用して、外国人客が少しでも長い時間滞在していただくようなルートにしていく必要があろうかと思っております。

 もう一つの点でございますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、各地域の競争が激化しているのが実情でございます。外国人観光客争奪戦でございます。本県といたしましては、多くの外国人客に奈良でしか味わえないおもてなしを堪能していただく、競争に負けたくはないわけでございます。奈良をよく知っていただくと大変評価が高いわけでございますが、総合的に、食でございますとか泊でございますとか案内でございますとか導線でございますとか、他のメインルート観光地に劣っているところはございますので、そのような整備を、環境整備はぜひとも必要だというふうに考えております。他たちとの競争に負けない値打ちを奈良は持っておりますので、その誇りを胸に観光地奈良の向上を図っていきたいと思っております。

 また、観光振興の一つでございますが、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産登録についてのご質問がございました。

 この飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群は、日本国誕生の記憶が刻まれた地でございますし、律令制が始まり天皇中心に国家が形成された地域でございます。当時、形成された国家の骨格がいまだに残っている、世界唯一とも言っていい歴史を持っているのが奈良県でございます。

 そのような国の始まりをつくった歴史の源は、東アジアとの交流ということだと思います。東アジアとの交流の舞台になった地が飛鳥・藤原ということで、他の地域にない国際性を有しているという自覚をしております。国の始まりを感じ、この国の成り立ちをたどることができる歴史資産としての値打ちだと思いますが、橿原市、明日香村、桜井市に点在する二十の関連資産群が世界遺産の候補となっているのはご存じのことでございます。

 この構成資産が日本国の誕生というコンセプトに合うような、国際的な評価と構成遺産の保護措置の充実と、二つの観点が世界遺産登録には必要でございます。

 まず、国際的な評価ということでございますが、顕著で普遍的な価値、アウトスタンディング・ユニバーサル・バリュー、OUVと言われる証明が絶対条件でございます。これは、我々の見る価値は、大変普遍的な価値があると思っておりますが、世界から見た国際的なユニバーサルな評価が必要だということが第一のハードルでございます。

 今までにも、世界遺産登録のキーパーソンの海外専門家を招聘しておりますが、唯一といいますか、弱点の一つは、破壊されたり地下に埋もれているものが多くて地上に見えないと、実感できないというのが多くの識者がおっしゃることでございますので、書物として古事記、日本書紀があるというだけで、なかなか、その迫力を証明できないという残念なところがございます。この価値をどう認識してもらえるかという戦略が、まず第一の大事な点だというふうに認識しております。

 そのうえで、構成遺産の保護措置の充実も大事なことでございます。史跡指定を拡大して保護すると、その形状を守るということがやはり重要だと思います。この分野については、国も県も役割が大きいと思います。史跡地を拡大するということと、その公有化を進めるということが作業になろうかと思います。今後も続く作業だと思っております。

 今後も、世界遺産登録に向けまして、県と関係市村であります橿原市、桜井市、明日香村でずっと構成しております世界遺産登録推進協議会を中心に、さらに積極的な取り組みを進めてまいりたいと思っております。

 その次のご質問でございますが、市町村支援の今後のあり方についてのご質問でございまして、県内には規模が小さく財政基盤の脆弱な市町村が多く存在しております。議員ご指摘になった点でございます。

 経常収支比率というもので見ておりますと、平成二十五年度の経常収支比率は、県内市町村平均は九三・三%でございます。一〇〇%になると、とんとんの収支比率ということでございますが、この数字は大変悪い数字でございまして、全国ワースト四位でございます。数年前はワースト一位でございましたが、そこからはわずかによくなったというばかりの実情でございます。

 県では、それらの財政が脆弱な市町村を支援することも使命であると考えてまいりました。県と市町村の連携・協働であります奈良モデルの推進をすることに加えまして、あるいは、その前に市町村財政の健全化支援にも積極的に取り組んできたところでございます。

 奈良モデルにつきましては、この財政支援のほかに、議員お述べになりましたように、消防の広域化や市町村の橋梁長寿命化修繕計画の策定に係る県の技術的支援、市町村税の徴税強化のための共同徴収や戸籍システムの共同化など、既に効率化に向けた成果が上がっている取り組みもございます。

 このほか、水道事業における施設投資の最適化や業務の共同化にも取り組んでまいりますが、この水道事業のファシリティマネジメントと言われるものは、見違えるように進展があった分野でございます。大変楽しみな行政効率化の分野でございます。

 また、最近では、市町村財政の健全化に資する支援も議会でご承認いただきました。平成二十六年度に市町村財政健全化支援事業を実施させていただきましたが、利率三%以上の高金利の市町村債の繰り上げ償還を促すために、県が無利子の資金を市町村に提供し、繰り上げ償還に係る補償額を補助するということで、公債費の将来負担額の軽減を図ったところでございます。これは、絶大な効果がありまして、大変悪かった市町村の財政が飛躍的に改善することができた面があります。その効果を目の当たりにいたしまして、今年度は、さらに市町村の公営企業を対象に同様の事業を行わせていただいているところでございます。

 今後とも、行政運営の効率化や住民サービスの向上に向けた創意工夫や、市町村同士の積極的な連携・協働に取り組んで、県も参画して頑張っている市町村を応援し続けていきたいと考えているところでございます。

 その次の市町村支援のご質問の延長で、生駒市の学研高山地区第二工区の今後の取り扱い、考え方についてのご質問がございました。

 県と市町村の連携については、今、申し上げたところでございますが、県と市町村は対等なパートナーシップのもとに、相互に連携・協働して取り組むのが奈良モデルの根幹でございます。生駒市との関係においても同じ態度で挑んできているところでございます。今後とも、変わりはございません。

 生駒市との連携について、これまでの経緯をちょっと申し上げさせていただきますが、平成二十四年度、平成二十五年度の二年間にわたり、税務職員の相互派遣により税収確保にともに取り組むなど他の市町村と同様に進めてまいりました。

 また、平成二十六年度におきましては、生駒市と平群町が共同で行う電子収納サービスシステム共同導入事業やし尿共同処理事業に対しまして、奈良モデル推進補助金による県の補助を行ったところでございます。そのように他の市町村と同様の協働・連携は進んでいる面がございます。

 一方、学研高山地区第二工区でございますが、これは、全く進まなかった例でございます。奈良県と生駒市とURとの開発に関する基本協定を、平成十八年に生駒市が白紙撤回されました。その後、平成二十年に県が提案いたしました大学を中心としたまちづくりで見直さないかという提案にいたしましたところ、その後の経緯はいろいろありますが、結果的に生駒市に積極的な姿勢が見られなかったと思っております。平成二十二年十月に検討を中止した経緯がございます。

 これらの経緯を踏まえますと、まず、生駒市がこの学研高山地区第二工区を開発するという姿勢を明確に示されるとともに、URの所有地を購入し市民の意向を踏まえた開発の内容を明らかにするなど、開発に向けた具体的な熱意を示される必要があるものと考えるところでございます。

 奈良モデルは、アイデアや熱意がある市町村について、その方針が県の方針と合致するプロジェクトを応援していくという思想は、生駒市も含む全ての市町村に対して同様でございます。

 今後も、奈良県の地方創生のために、生駒市を含む市町村との連携・協働を積極的に進めてまいりたいと考えております。

 その次には、教育のあり方についてのご質問がございました。総合教育会議を開催し始めましたので、それを踏まえまして、今後の教育行政をどのように進めていこうと考えているのかというご質問でございます。

 議員お述べのとおりの部分でございますが、本県の子どもは、国の調査によりますと、小・中学校では学力はおおむね全国平均より上でございますが、体力は全国平均レベルでございます。規範意識、学習意欲は全国平均よりかなり低位にあるというのが実情で、奈良県の教育の中心課題だと認識しております。

 これらの教育課題の解決のために、県は、これまでも地域教育力サミットというものを開催いたしまして、地域の教育力向上に取り組んでまいりました。あわせて、奈良県・市町村長サミットで市町村長及び市町村教育長と現状や課題に対して情報共有を図ってまいりました。

 そのうえで、今般、地方教育行政法の改正により、首長と教育委員会が協議、調整する場として、総合教育会議が設置されることとなったものでございます。奈良県にとりましては、これまで進めてきたことをさらに後押しをしていただく国の法律改正のように、今、感じたところでございます。

 これを受けまして、本県におきましても、五月二十五日に、早速、第一回総合教育会議を開催いたしました。そこでの、まず最初の議題でございますが、次のようなことを議論させていただきました。

 まず、奈良県教育の理念と目的として、どのような人を育てるという理念を持てばいいのかというようなことでございます。二つ目は、就学前教育や私学教育、実学教育など、これまでの公教育でない部分の教育方針の検討を進めるということでございます。三つ目は、従来からも課題になっておりましたが、教員育成や学校施設の整備にどのように取り組むかということを、体系的に考える必要があるのではないかという点でございます。四つ目は、就職支援や障害者教育、生涯学習を誰がどのように進めるのかという体系をつくることでございます。五つ目は、スポーツの振興に向けまして、地域スポーツをどのように発展させるのかということでございます。学校の保健体育と地域のスポーツ振興はまた違う分野がございますので、そのようなことを、まず、課題の認識の例として私の考えを述べ、各委員から意見を賜り始めたのが第一回会議でございます。

 さらに、会議で洗い出された課題につきましては、今後、本県の実情把握を行うとともに、松本紘京都大学前総長など、積極的に参加していただきます外部有識者のご助言、また、教育に熱心な方を広く、知恵の托鉢と言っておりますが、知恵を集めて回る県庁職員の努力を期待しておりまして、課題を整理し、今後の総合教育会議で議論を深めていきたいと思います。

 この総合教育会議の議論とあわせまして、県と市町村長、市町村教育長による本県独自の奈良県教育サミットがございましたが、そこも、この総合教育会議と並行した議論の場として続けさせていただきたいと思います。これからの県の教育行政の方向性について、その場も借りて議論を進め、奈良県教育振興大綱として取りまとめていくことができればと思っております。

 最後のご質問でございますが、国と連携した文化振興についてというテーマでございますが、国の機関の移転を踏まえて、奈良県は文化の分野で多くのやることがあるのではないかとのご趣旨の質問かというふうにご理解いたします。

 議員お述べのとおり、奈良県における文化振興の推進に当たりましては、世界に誇れる数多くの文化財がございます。それを文化資源として認識して、場合によっては、国との連携を図りながらいかに活用していくかが重要だと認識し始めております。文化資源の活用が大きな柱というふうに認識しております。

 しかしながら、文化資源につきましては、木簡一つにつきましても、国と県の研究機関が縦割りで、必ずしも仲のよい研究をしたり、公開方針があるわけでもございません。この分野では相当有名な、県と国の仲たがいというのが奈良県では存在しております。

 また、文化資源そのものが国の所有であったり、県のイベントに十分活用されないという問題が、意識の問題だと思いますが、依然として存在しております。機関の移転の前に意識の連携も必要かということでございます。今後、国とのさらなる連携が大きな課題であると認識し始めている分野でございます。

 そうした中で、平成二十九年度に本県での開催が内定いたしました国民文化祭におきましては、文化庁やその他の関係機関との連携を、この際、図りたいと思っております。県内の豊かな文化資源を最大限活用し、展示して、奈良県の歴史文化の魅力、その底力を全国にアピールしていきたいと考えております。

 また、現在、基本構想を検討中でございますが、奈良県国際芸術家村を、いわばナショナルセンターとして利用していただけないかという希望も持っております。その際、国の機能の一部を移転することや、奈良国立博物館、奈良文化財研究所と連携協定を結び、奈良公園の一体的な整備や文化資源の共同研究と、幅広い共同公開展示を進めることについて、国に対してこの夏の新たな要望とすることも、今、検討しているところでございます。

 政府関係機関の建物、あるいは人員の物理的な移転というのは、私も経験いたしましたが、なかなか進まないものでございますし、あまり効果があるかどうか不明なものでございます。国と地方が個別の協定を結ぶことにより、国の機能の一部を移転して、そのことによって地方と国が活動について連携するという新たな形を探求して、国と県が対等の立場で協定を結び、連携・協働するという形を模索して、奈良県の文化資源の活用や文化振興を一層進めるという考え方を、もう少し検討して陳情に結びつくことができるか、残された時間はわずかでございますが、検討を進めたいと、今、思っているところでございます。

 答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(中村昭) 二十五番奥山博康議員。



◆二十五番(奥山博康) 知事が三期目に就任されて初めての質問でございましたけれども、大まかに答弁いただきました。細かくもいただきました。これから一年間、しっかりきょうの答弁をもとに議会で質疑等をしていきたいと思いますので、一点だけ。

 これは、時間的な問題がございますので、再度、一番最後の件なんですけれども、国と連携した文化振興について、ナショナルセンターとか、意見も出て、あ、それも一つあるな、奈良県には国立博物館も持っている、国と県のちょっと難しい、考古学の関係もあるというのも私は認識しておりますけれども、歴史文化財の宝庫であると。まして、京都市がそういうような手を挙げているのだったら、これは、将来に向けていろいろあるのかなと、うがった見方もしながら、私は、ぜひとも、この奈良県の文化をしっかりと守って日本の発祥地にしたいという思いでございます。八月と言ったら残り時間が少ないというのもわかりながら、この六月に質問しているのは、私もいかがなものかなと思いながら、しっかりときょうの知事の答弁を聞いて、歴史文化の奈良県をすばらしいものにしていただけることをぜひともお願いいたしまして、これは、要望ということで終わっておきます。ありがとうございました。



○議長(中村昭) しばらく休憩します。



△午後二時四十七分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時三分再開



○副議長(山本進章) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十三番梶川虔二議員に発言を許します。−−四十三番梶川虔二議員。(拍手)



◆四十三番(梶川虔二) (登壇)創生奈良の社民党梶川が代表質問をさせていただきます。

 知事をはじめ、議員の皆様、ご当選、おめでとうございます。私も、八回目の当選を果たし、斑鳩町議会議員を合わせると三十年を超える長きにわたり、励まし、提言、ご指導などくださった全ての皆様に心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。

 決意も新たに引き続き頑張りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 質問いたします。

 今年は、敗戦から七十年の年に当たります。これにかかわって知事にお尋ねいたします。私たちは、七十年前の暗黒の時代を忘れず、みんなが力を合わせて頑張ってきたから、今日があることに誇りを持って次の時代に引き継ぎたいと思っております。その努力をあざ笑うかのような平和安全法整備法案、国際平和支援法案などと、ことさら平和を冠した憲法違反と言われる、安全保障関連法案が国会で審議されております。しかし、その法案説明の不透明さゆえか、戦争に巻き込まれないかとの不安が広がっています。

 戦時中を生きた私たち国民は、あの戦争をなぜとめる抵抗ができなかったのかという悔しさのようなものが今にしてあります。そういう意味から、解釈改憲でここまで許されてきたが、集団的自衛権行使はもう許せないという思いが私たち国民や有識者にございます。

 憲法違反と言われる安全保障関連法案が国会で審議されておりますが、知事は、平和憲法を守ってきた戦後七十年の意義をどのように考えられますか。また、今後も憲法九条を守るべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 質問の第二点目に、マイナンバー制度についてお尋ねいたします。

 日本年金機構の年金加入者情報百二十五万件が流出するという、あり得ないとされていたことが発生しました。発覚後、直ちに公表し、流出による被害の防止は図られませんでした。国会での重要法案の審議に差しさわりがあってはとの配慮から公表が延ばされたと言われております。

 ところで、県内の市町村では、五月の広報誌で社会保障や税番号制度のマイナンバー制度が始まるとして、平成二十七年、今年の十月から住民票の住所に十二桁のマイナンバーを記載した通知カードを送付します。そして、平成二十八年一月からは、希望者には通知カードとは別にマイナンバーカードを交付します。マイナンバーカードは身分証明書、e−Taxの電子申請などに利用できます、などとする広報を掲載されていました。

 確かに、十月から法律の施行が始まりますが、このような薄っぺらな広報で住民の理解と協力が得られるのでしょうか。

 原則、生涯普遍のマイナンバーには、大変な危険と心配が山ほどあります。個人情報の保護に関する法律において、行政機関の保有する個人情報ファイルの目的外利用を規制しております。さらに、住民基本台帳ネットワークシステムの住民票コードも、民間利用や目的外利用を禁止しております。しかしながら、住民票コードを変換して生成するこのたびのマイナンバーは、民間における利活用を想定しております。

 このシステムの構築に初期投資が三千億円、ランニング費用が年三百億円とも言われ、費用対効果も示されず、マイナンバー制度ありきが進んでおります。

 国の住民基本台帳法を改定したことで、県は新たに十一桁の住民票コードをつけた市町村からの情報を、県サーバー経由で全国センターに送る役割を担っております。

 今回の法施行では、県はどのような位置にありますか。プライバシーの権利は公権力といえども犯してはなりません。自治体や企業の対応のおくれ、負担増、費用対効果は不透明であります。既に類似の制度があるアメリカや韓国でとんでもない事件が発生していると言われております。プライバシーの侵害、なりすまし問題への対応、利用には歯止めなしという指摘もされており、問題も解決されておらず危惧しているところです。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 マイナンバー制度においても、個人情報の漏えいやマイナンバーカードの盗難、なりすましによる財産や権利の侵害のおそれがあるのではないでしょうか。そうした危険性を踏まえた対策はとられているのでしょうか。これらの諸問題に対して県の見解と対応をお示しください。

 また、今般、日本年金機構から流出した問題を徹底究明し、セキュリティーが確立するまでマイナンバー制度導入を延期するよう政府に申し入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 第三点目に、知事に、日本と東アジアの未来を考える委員会にかかわってお尋ねいたします。

 奈良県知事選挙も奈良県議会議員選挙も終わった今年の五月の中旬、日本と東アジアの未来を考える委員会の研究成果報告書なる大きな本が送られてきました。こういう本でございます。B五版、六冊組み、積み上げれば三十三センチメートルぐらいになるそうですが、製作発行者は奈良県で、問い合わせ先は知事公室となっておりました。六千五百万円ぐらいの費用をかけ、各所に配る送料として二百万円弱、百八十万円ぐらいですか、と聞きました。

 これって県費で、税金で作成されたものなのですね。また、完成した本を県議会議員に送る前に、知事として、県政と研究成果の関連性を説明する場所ぐらいは持たれるべきであったのではないかと私は思いました。

 そこで、お尋ねいたします。

 この報告書は、どんな県政の課題に対処するために、どんな研究をして作成されたものなのでしょうか。

 第四点目に、国民健康保険についてお尋ねいたします。

 平成二十七年五月二十七日、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案が可決されました。国民健康保険の財政運営主体を都道府県に移行することが、被保険者にとってよい改革になると思っていいのでしょうか。保険料の引き上げにつながるのではないかと心配しております。

 市町村は、保険料の収納状況に関係なく県に納付金を一〇〇%納めなければなりません。このため、市町村の保険料の徴収が強化される、あるいは、保険料が引き上げられることで保険料滞納所帯が増加し、必要な医療が受けられず重病化する人がふえることも心配されます。

 いずれにしても、今までになかった制度に移行するのですから、知事の見識、手腕が問われると思います。新しい国民健康保険制度のもと、財政運営の責任主体となる県として、持続可能な制度とするためどのように対応していくのか、知事の意気込みをお聞かせください。

 第五点目に、介護保険事業支援計画についてお尋ねいたします。

 本年三月に第六期奈良県介護保険事業支援計画がつくられました。市町村が保険者というのは無理があったと思うのですが、三年ごとの見直しで、当初の目的とだんだん離れていっているように思います。介護サービス利用者である被保険者は介護認定に不信を抱いています。必要な介護といえども、自己負担が伴いますので、その限りでは、介護度は低く、受けるサービスは手厚くしてほしいという、二律背反の思いでおられる方が多いと聞きます。

 また、施設や事業所で働く人の待遇が三年ごとの大きな課題と言われ、その都度、改善されているのですが、慢性的に人手不足です。施設や事業所で人手不足の人員が未配置になれば、稼働していても基準報酬の減額があり、大きな負担になります。さらに、求人募集をしていても、応募者が来ず、また、採用してもすぐにやめてしまうという状況にあると聞いています。

 このような状況を踏まえますと、早急に介護の仕事に携わる人材を確保・育成していくことが求められております。県が誰かに、どこかに頼るのではなく、介護福祉や老人福祉にかかわる人材の確保・育成に立ち上がるのは、今を除いてはないと思います。県は、かつて教師不足で多くの反対を押し切って、奈良県教員養成所を設置して対応したことがあります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 介護人材が不足している状況において、奈良県においても、施設や事業所の閉鎖が懸念されます。少子・高齢化が進み、介護者を必要とする高齢者の増加が見込まれ、ますます介護人材の必要が増大する中、人材の確保・育成に立ち上がるのは今を除いてはないと思います。県は、介護人材の確保・育成についてどのように取り組もうとされているのでしょうか。きょうの新聞を見ても、十年先には四千五百人の、そういう従事する人の人手不足が発生すると書いてありました。

 次に、介護療養型医療施設についてお尋ねいたします。

 介護療養型医療施設は、長期にわたって療養が必要な方の入所を受け入れ、入所者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、機能訓練や必要な医療・介護を提供する施設です。国では、医療適正化の取り組みの一つとして療養病床を再編することにし、介護療養型医療施設は、順次、介護老人保健施設に転換の上、平成二十三年度末廃止しようとされましたが、転換があまり進んでいないことを踏まえ、廃止期限が平成二十九年度まで延期されています。

 このたび、県においてつくられた第六期奈良県介護保険事業支援計画によれば、介護療養型医療施設については、現在の医療機関の意向調査に基づく数値としており、今後、医療機関の意向を再度確認しながら必要数の確保を図ります。また、平成二十九年度末の転換期限に向けては、医療費適正化計画との整合性を図りつつ、各医療機関の意向も踏まえながら計画的に転換を推進していくとあります。

 この第六期奈良県介護保険事業支援計画の記述からは、医療機関への特段の配慮のほどはわかりましたが、利用者には何を言っているのかよくわかりません。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 介護療養型医療施設が廃止された場合、一番困るのは利用者であると考えます。県では、介護での受け皿づくりについてどのように取り組もうとしているのか、利用者にわかるようにお聞かせください。

 第六点目に、子どもの虐待についてお尋ねいたします。

 四月二十八日でしたが、東京都足立区の二年ほど前の虐待事件で、このほど親が逮捕されたと報道しておりました。三歳の男児に食事も与えず、寒い中、下半身に衣類もつけさせず、ウサギ小屋に軟禁して殺害したということです。鳥取県では、五月六日に、生後四カ月の女児が父親に腹を殴られて死亡しております。全国でこのような死亡に至る子ども虐待事例が発生していることに胸が痛みます。

 子どもの虐待は根が深く、社会のあり方、今日の格差社会、不安定雇用などに起因するものもあり、簡単になくなるものとは思いませんが、私は、子どもの虐待の発生予防には、支援機関が早い段階から児童家庭にかかわりをもって見守っていくことが重要であると思います。

 県が策定した奈良県児童虐待防止アクションプランによれば、取り組みとして乳幼児検診が未受診の児童の安全確認があります。平成二十二年度には安全確認実施率が三六%であったものが、平成二十五年度には八二%に向上しております。

 こんにちは赤ちゃん事業などの乳幼児のいる全家庭を訪問する事業も、平成二十二年度は二十八市町村だったものが、平成二十五年度にはほとんどの市町村がやっております。親と子どもの顔を見て心身の状況や家庭環境を把握し、必要があれば適切な支援につなげるもので、市町村が実施しているこれらの事業は、有効な取り組みとして期待しておりましたが、県や市町村の窓口への虐待の相談件数は増加しており、残念です。

 妊娠期、出産期からの切れ目のない子育て支援ができるよう、家庭訪問員の育成や、例えば、紙おむつなどを持参して訪問するなど、奈良県に住む喜びや誇りを持ち、来訪を待ってくれるような家庭訪問事業の充実を図ってほしいと思います。

 県は、市町村が行う家庭訪問事業の充実をどのように支援し、子どもの虐待の発生予防につなげようとしているのでしょうか。

 第七点目に、自転車道整備についてお尋ねいたします。

 奈良県は、世界文化遺産をはじめとする豊かな観光資源に恵まれており、また、近年、国民・県民の間では健康志向、環境志向が高まっており、こうした奈良県の持つポテンシャルと国民・県民のニーズをつなぐ手段としては、自転車という交通用具、並びに、自転車道の整備が極めて有効であると考えます。県においても、平成二十二年十二月、奈良県自転車利用促進計画を策定するなど、さまざまな事業を実施された結果、現在までに一定程度の成果があったように思います。なお一層の今後の施策展開を求めるところであります。

 そこで、自転車の利用並びに自転車道の整備の促進について、県の基本的な考えやこれまでの具体的な事業内容、さらには、これからの施策展開の方向性について、知事のご所見をお伺いいたします。

 最後に、高等学校卒業者の就職の際の統一応募様式についてお尋ねいたします。

 憲法第二十七条は、勤労の権利、勤労条件基準などを定めております。

 しかし、今や、雇用特区や労働者派遣法など、憲法番外地がまかり通ろうとしております。また、求職者の個人情報の取り扱いについて、一九九九年の職業安定法改正により、業務の目的達成に必要な範囲内で、個人情報を収集するよう明確に定められました。就職差別をなくすために、奈良県から近畿へ、そして、全国へと広がった就職の際の、高校統一応募用紙がありますが、この応募用紙の趣旨違反は職業安定法違反と言えます。公正な採用選考を行うために、この高校統一応募用紙の趣旨を徹底する必要がありますが、高等学校や関係機関では、採用を行う事業主に対してどのような働きかけをしているのでしょうか。

 また、実際に採用試験を受け、面接を望む生徒こそ、この趣旨を理解しておくことが求められますが、各学校では採用試験を受ける生徒に対し、どのような取り組みをしているのでしょうか。

 加えて、高等学校の中途退学者が社会で頑張るためには、就労に関する支援が必要であると思います。就活ガイドブックの配布を行っているとお聞きしていますが、中途退学者に対する就労支援の取り組み状況はいかがでしょうか。

 以上、教育長にお尋ねいたします。

 以上で、壇上からの質問を終えます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答え申し上げます。

 一番目の質問でございますが、憲法問題でございます。

 議員お述べのとおり、今年は戦後七十年目の節目の年に当たります。終戦後に制定され、これまで改正がされていない現行の日本国憲法の大きな柱の一つでございます平和主義は、国民の間に広く定着し、今日までの我が国と国際社会の平和に大きく寄与してきたことは、間違いのないところだと思います。

 また、この平和は、さきの戦争という不幸な歴史の上に成り立っていることを、よく認識しておく必要があると思っております。

 県政をお預かりする知事として、憲法九条に限らず、現行の憲法を尊重し擁護することを前提に県政を推進することが一番の基本であるとの考えを持っております。そして、私自身は、憲法の規定の有無にかかわらず、平和を守ることは職務として当然のことだと考えております。

 平和を守るという観点からは、私は、これまで各国との連携や国際交流の取り組みを積極的に進めてまいりました。これは、国家レベルの取り組みだけではなく、地方政府同士や民間同士の交流などの取り組みも、平和につながる大変有意義なものだと考えてきたからでございます。

 とりわけ、奈良の地は、いにしえより国際交流の歴史・文化を持った、日本でもまれな国際性豊かな場所でございます。本県には、各国との友好交流の歴史を伝える文化遺産やゆかりも数多く存在いたします。これらの文化遺産は、奈良県民にとって誇りとすべきものでございます。平和に貢献できる素材でもございます。

 また、地方自治の実践が平和を志向する国家を支えることになることもつけ加えていいと考えております。今、開催中のムジークフェストならに毎年ドイツの総領事に、また、大使に来ていただいておりますが、ドイツの総領事は、ドイツにおける連邦制の堅持こそが、平和国家ドイツの維持に結びついていることを強調されますし、最近友好提携を結びましたスイスのベルン州は、世界で最も強固な地方自治の見本でございますが、スイスは、一方、永世中立平和主義の国でもございます。憲法を守るというのはもちろんのこととして、奈良だからこそできる国際平和につながる取り組みを今後も続けさせていただきたいと思っております。

 二つ目の質問は、マイナンバー制度についてでございます。

 マイナンバー制度導入に際して、個人情報漏えいなどの危険性を踏まえた対策はとられているのかというご質問でございます。

 マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野において、行政機関が個別に管理してきた個人情報を相互に連携することで、国民の利便性を高めるとともに、行政事務の効率化を図るための社会基盤となるシステムであると認識しております。

 一方、個人情報がネットワークを介して連携されることから、システムと運用の両面において、これまで以上に個人情報の保護対策が必要であろうと認識しております。

 まず、システム面の保護対策でございますが、一つには、個人情報は一元管理しないで、今までどおり各機関で分散管理することが必要かと思います。二つ目は、個人を特定できる住所、氏名、マイナンバーなどは一切ネットワークに流さず、別の符号で情報連携を行うことも必要だと思います。

 また、巧妙なサイバー攻撃を未然に検知するなど、最新のセキュリティー技術を組み込んだシステムを構築し、個人情報が漏えいしないよう、二重三重のセキュリティー対策が講じられようとしております。

 制度面の保護策でございますが、法律や条例で規定された以外の業務で、マイナンバーの収集・保管を禁止されようとしております。二つ目は、情報漏えい等のリスクを事前に分析して安全対策を講じる、特定個人情報保護評価の実施が義務づけられております。本県では、既にパブリックコメントや個人情報保護審議会による第三者点検を経て、公表を行っているところでございます。

 また、三つ目の対策でございますが、なりすまし防止対策として、必ず個人番号カードや運転免許証など顔写真のある身分証明書で、本人を確認する窓口対応が義務づけられております。

 その他、マイナンバーを取り扱う職員に個人情報保護の研修を義務づけるほか、担当者や責任者を明確にし取り扱い規定を見直すなど、安全管理体制を強化しているところでございます。

 議員お述べの、日本年金機構による個人情報の漏えい事故に際しましては、本県としても、マイナンバー制度に対する信頼を揺るがしかねない問題と捉えております。このため、全国知事会におきましても、セキュリティー対策について、再度総点検を行い、安全対策を講じるよう、国に要請を行ったところでございます。

 なお、マイナンバー制度の実施時期につきましては、甘利社会保障・税一体改革担当大臣が予定どおり実施する旨、国会答弁をされているところでございます。そのことに異論はございません。

 日本と東アジアの未来を考える委員会の研究報告についてのご質問がございました。

 日本と東アジアの未来を考える委員会の活動を始めましたのは、二〇一〇年の平城遷都一三〇〇年を契機にしてでございます。日本の国の成り立ちやこれからのあり方を、日本発祥の地である奈良から考えようということでございまして、お祝いをする、感謝をする、それと、考えるという三つのフレーズを平城遷都一三〇〇年の基本コンセプトとして盛り込まれたことから発生したものでございます。

 奈良時代は、高度な文明を受容し国際化を進展させたという意味で、現在のグローバル世界とよく似ていると言われております。奈良の歴史を研究することは、グローバル世界の中の現代日本、現在の奈良県の持つ課題と意味を考える際に大変役立つものであると考えております。

 発行しました本は先生も読んでいただいたんでしょうか。内容が大変深いものでございますので、ぜひご一読願ってご評価を賜りたいと思います。

 この委員会におきましては、平成二十四年度からは、三年間にわたり多くの専門家の参加を得て、日本のトップクラスの専門家の参加を経て、県政の課題にも関連する経済、国土、くらし健康、教育など、多岐の行政分野でのトップクラスの議論を行って研究を進めて、成果として発表されたものでございます。

 例えば、経済分野では、伝統産業を含む地域資源の積極的活用などについて研究をされました。国土分野では、人口減少下の国土政策、農業や観光、災害対策、物流等について議論、研究をされました。今の地方創生につながる研究成果が盛り込まれております。

 くらし健康分野では、地域包括ケアシステム、あるいは平穏死など、先端的な議論がされて研究成果に盛り込まれております。

 教育分野では、地域の教育のあり方について議論を重ね、大変先端的な議論が盛り込まれております。その成果は、私どもの県政の今後の方向性に大いに生きる内容となっております。いろんな分野でこれからの奈良県政の方向性に大きな示唆を与えているものでございます。今後とも、各分野での行政運営に反映させていきたいと考えております。

 加えて、これらの委員会での研究を通して、奈良の歴史の深みと他府県にない特徴、とりわけ、国際性の豊かさを改めて実感したところでございます。このような奈良の歴史は、県民の誇りとすべきところであると考えております。このことは、県民はもとより、内外の人々に、あるいは、県外の人々が多く認識をしていただいているようにも思えるところでございます。このような研究活動を広く知られることが望ましいと考えております。

 このような高度な知的な活動成果は、国際的に奈良県の知名度やステータス、ブランド力の向上につながるものと考えております。直接的にも、観光、視察等で奈良県を訪れる人々が拡大し、また、奈良を訪れる人はこのような立派な研究をされている奈良県民かというふうに認識をしていただける内容になっております。

 次のご質問は、国民健康保険についてのご質問でございます。

 高齢化の一層の進展に伴い医療費が増加する一方で、保険財政を支える若年者層が減少していっておりますので、医療保険の安定的な運営が危惧される状況にございます。議員ご指摘の件でもございます。

 今回の制度改正では、公費による支援を拡充して国民健康保険の財政基盤を強化するとともに、平成三十年度以降、都道府県を国民健康保険の財政運営の責任主体として、制度の安定化を目指すこととされたものでございます。

 本県の市町村国民健康保険におきましては、小規模な保険者が多く、将来にわたって市町村単位で国民健康保険を運営することは困難な状況になると見込まれております。本県といたしましては、国民健康保険の広域化が必要と考え、市町村と課題を共有し、奈良モデルとしてこれまで議論を重ね、取り組もうとしていたものでございます。

 具体的には、平成三十年度以降、県が保険財政の運営単位となりますので、本県独自の取り組みとして、県民にとって保険料負担の公平化を図る観点から、県内どこに住んでおられても、同一の所得、同一の家族構成であれば、同一の保険料となるよう、県全体で統一の標準保険料率の導入を目指しているところでございます。その際、保険料が急増する世帯が生じないように、激変緩和措置を実施することも含め、保険料率の決定を行う市町村と検討を行っているところでございます。

 また、住民に身近な市町村は、引き続き、被保険者資格の管理、保険給付、保険料の賦課・徴収、健康づくりなどきめ細かい業務、保険者義務と言われている業務を担われますが、業務の効率化を図る観点から、その一部を共同化することについても、市町村と今後、検討を進めていこうと考えております。

 さらに、国民健康保険が将来にわたって安定的に運営されるためには、地域の医療費の分析に基づき、予防重視の観点から、県が市町村の健康づくりの取り組みに積極的に関与することが重要だと考えております。

 そのため、県では、市町村に対しまして、重症化予防などに向けた専門的な助言や財政的な支援を行ってまいります。あわせて、市町村が医療費適正化に努力し成果を上げられた場合、県が国民健康保険の運営のために市町村に請求することになっております納付金を軽減、努力された市町村の納付金を軽減するなど、市町村が決定する保険料の軽減につながる仕組みの構築を目指していきたいと思っております。

 このような取り組みを進めるとともに、市町村とこれまで以上に十分に連携をとることによって、本県として最適な国民健康保険制度の構築に努めてまいる所存でございます。

 介護保険事業支援計画について、とりわけ、介護人材の確保・育成についてのご質問がございました。

 本県では、全国平均を上回るペースで高齢化が進展しております。これに伴い、介護が必要となる高齢者も増加し、今後、多くの介護職員が必要となると見込まれています。また、県内事業所の半数以上が人材不足を感じていることからも、介護人材の確保・育成は本県の喫緊の課題と認識をしております。このため、このたび、地域医療介護総合確保基金を活用し、介護人材の確保に関する取り組みの強化を図ることとし、所要の経費を補正予算案に計上させていただいているところでございます。

 まず、県域における人材の確保・定着に取り組む体制といたしまして、行政や職能団体、事業者団体、人材あっせん機関などからなる、奈良県福祉・介護人材確保協議会を新たに立ち上げたいと思います。県と関係機関が共通の課題認識のもと、連携・協働の取り組みを進めたいと考えております。具体的には、この協議会を活用して、就職者が安心できる人材育成制度や就業規則の整った、福祉・介護事業所の認証制度を導入いたしまして、事業所の就労環境や処遇改善を図ることを考えております。また、求職者に事業所の情報を見える化することで、安心して入職されるようにしていきたいと考えております。

 さらに、参入促進と言われる分野でございますが、新たに中高年の方の就職先を開拓するなど、人材のマッチング機能の強化を図っていきたいと思います。また、定着支援と呼ばれる分野では、これまでの新規就労者向けの相談支援に加えまして、離職者の離職理由を調査し、事業所側に課題がある場合には専門家を派遣して、労働環境や処遇の改善に向けた支援を行ってまいりたいと思っております。

 今後とも、介護人材の確保・育成に向けて、協議会を核とした連携・協働により、一層効果的な施策展開を図る所存でございます。

 その次の介護保険事業支援計画についてのご質問は、健康福祉部長に答えさせていただきたいと思います。

 次のご質問は、子どもの虐待の発生、予防対策でございます。家庭訪問事業の充実が大事というご所見でございます。

 議員お述べのこんにちは赤ちゃん事業など、乳幼児を対象とした家庭訪問事業は、子育ての孤立化を防ぐことを目的として、親のさまざまな不安や悩みを聞き、子育てに関する必要な情報提供を行うとともに、適切なサービスの提供に結びつけるため、市町村が実施している事業でございます。

 国による児童虐待の事例検証によれば、平成二十四年度に虐待が原因で死亡したお子様五十一人のうち、〇歳児が二十二人おられます。全体の四三%が〇歳児でございます。このことから、早期に家庭と直接かかわる訪問事業は、児童虐待の予防の観点からも重要な取り組みだと思っております。

 これらの取り組みを充実させるため、昨年度、県は、家庭訪問員が訪問先の家庭の課題や長所を引き出すための、専門的なスキルを習得するための研修会を開催したところでございます。

 今年度は、訪問を拒否されます家庭への対応など、訪問を受け入れてもらいやすくする方法や、支援が必要となる家庭を選ぶ基準などについて、市町村とともに検討を行って、これらを家庭支援プログラムとして作成し、実践していただくことを検討、計画しております。家庭訪問の標準化を図る必要があるという観点でございます。

 今後も、引き続き、家庭訪問事業を充実させたいと思います。妊娠の際、出産の際、また、育児期の際、乳幼児を抱えておられるご家庭に対して、切れ目のない寄り添い型の子育て支援を行い、結果的に児童虐待の発生防止に努めていく強い気持ちを持っているところでございます。

 その次のご質問は、自転車の利用並びに自転車道の整備の促進についての所見というご質問でございます。

 自転車の利用促進に向けた取り組みは、健康志向、環境志向といった県民の皆様の意識の変化に応えるとともに、国内外から来訪される方々に、奈良県の隅々までゆっくりと楽しんでいただける移動手段を提供するという意味で、健康志向、環境志向、また、観光振興の観点から大変重要な施策であると考えております。

 本県では、平成二十二年に奈良県自転車利用促進計画を策定いたしました。三年前でございますが、ハード施策とソフト施策を車の両輪として取り組んでまいりました。

 ハード施策では、県内に三十一ルート、延長約六百キロメートルの広域的な自転車利用ネットワークを設定いたしました。また、案内誘導や注意喚起のためのサインを設置するほか、サイクリングステーションや休憩所の設置を進めてまいりました。

 また、ソフト施策では、屋内での自転車保管や自転車配送サービスの取り次ぎが可能な宿泊施設五十八件を、サイクリストにやさしい宿として認定してまいりました。各種のサイクリングマップを製作し、情報発信の充実を図ることもしてまいりました。民間事業者との協働による取り組みも進んでおります。

 秋の観光シーズンに、奈良公園や法隆寺など主要な観光地の周辺など十地点で自転車の利用状況調査を行いました。平成二十三年度から平成二十六年度にかけて、自転車利用者は一・一三倍にふえております。うち、本格的なサイクリストについては二・二六倍に増加しております。

 今後は、これまでの成果を踏まえ、PDCAサイクルを回していくことになりますが、(仮称)京奈和自転車道の整備や、歴史文化資源や農村景観を活用した農村周遊ルートの整備計画に新たに着手したいと考えております。自転車ネットワークのさらなる充実に取り組んでまいります。六月補正予算案におきまして必要な予算を計上、予算要求をさせていただいているところでございます。

 このうち、(仮称)京奈和自転車道は、京都府が整備されました木津川の自転車道と、和歌山県が整備を進められている紀の川の自転車道を結ぶ、県内延長約七十五キロメートルの自転車ネットワーク構想でございます。完成いたしますと、京都嵐山から和歌山港までの総延長は、約百八十キロメートルになる自転車道でございます。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、関係府県とも連携しながら利用者が安心して走行できるルートの環境整備を進めてまいりたいと考えております。

 高校統一応募用紙の適用については、教育長がお答え申し上げたいと思います。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答え申し上げます。

 私には、介護療養型医療施設の廃止に伴い利用者の受け皿が必要と考えるが、県はどのように取り組んでいるのかといったお尋ねでございます。

 議員お述べのように、介護療養型医療施設は介護保険が適用される施設でございまして、主として長期にわたり療養を必要とする方のための入所施設でございます。

 県内には、現在、八つの病院と一つの診療所で計七百二十三床ございますが、必ずしも医療の必要性が高くない方も利用されていることから、平成二十九年度末までに、老人保健施設などに施設の種別を転換することとされているところでございます。

 この施設の転換に当たりましては、利用者が入所したまま老人保健施設などに転換できることから、利用者の方が直ちに退所を強いられるものではないと考えております。

 県におきましては、転換に際して必要となる施設の整備に対し、地域医療介護総合確保基金による財政支援策を講じるとともに、国の動向を注視しながら、施設が利用者の方々の状態やニーズ等を踏まえて適切に転換するよう、情報提供や助言等に努めてまいりたいと考えております。

 さらに、在宅で療養を希望する利用者の方に対応できるよう、ヘルパーや訪問介護士などが在宅療養を二十四時間支える地域密着型のサービスの整備を進めまして、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる体制である、地域包括ケアシステムの基盤づくりにも取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えいたします。

 私には、高校統一応募用紙の趣旨を徹底するために事業主や生徒にどのように取り組んでいるのかと、高等学校中退者に対する就労支援についてのお尋ねでございます。

 新規高等学校卒業者の就職のための応募書類については、不合理な差別を排除し、応募者の適性と能力に基づく公正な採用選考を確保するため、本籍地や家族構成など、本人の適性や能力と関係のない事項の欄は設けない統一様式、いわゆる高校統一応募用紙がさまざまな経緯を経て制定されてまいりました。

 各事業主に対しましては、毎年、県、県教育委員会及び奈良労働局が連携し、人権問題に対する正しい理解と、それに基づく公正な選考を行うよう強く要望をいたしておりまして、現在、県内全ての高校生が高校統一応募用紙を利用しております。

 一方、おのおのの高等学校では、高校統一応募用紙の制定の歴史や意義を学ぶ学習、また、過去に使用された事業所独自の応募用紙の問題点について話し合う学習などに取り組み、生徒の理解を深めております。特に、就職試験を受ける生徒には、事前に面接指導を個別に丁寧に行い、事後には、違反事象がないかどうかの実態把握に努めるなど、高校統一応募用紙の趣旨の徹底を図っております。今後も、これらの取り組みを一層充実させ、生徒の進路保障のために学校とともに努力をしてまいります。

 次に、中途退学者についても、次の進路保障に向けた支援が必要と考えており、各学校では退学時に県教育委員会が作成いたしました就活ガイドブックを用いて就労等に関する支援を行っております。

 また、毎年、前年度の中途退学者の追跡調査を実施しており、平成二十五年度に県立の全日制高等学校を退学した三百三十人につきましては、多くの者が再就学や就労をしているものの、二十二名が無業者となっております。これらの就労支援が必要な者に対しましては、本年度、教育研究所に設置したキャリアサポートセンターにおいて相談を受け付け、また、新たにホームページを開設し、就職活動に関する情報を提供するなど、相談支援体制の確立に努めてまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) ただいま、それぞれご回答いただきました。一定の評価のできるものもありますし、これからさらに実績を上げるように頑張ってほしいと思います。

 そこで、知事の東アジアの件で少し意見を申し上げたいと思います。

 知事の方から、梶川さん、読んでくれたかという問いかけがありましたので、お目通しをくださいって書いてあったので、目はさっと通したつもりですけど、あそこに忠実に、目を通した程度でしっかり読んでおりませんが、逆に、僕の方から、そしたら、これを県政を推進していくためには、県の幹部の職員の皆さん、きっちりそれなりに読んだんですか。読んだ人、ちょっと手を挙げてくださいと言いたいところですけれど、そこまで言いませんけれども。その程度の見方で。

 しかし、感心したことは、それは、知事って、えらい人脈、いろんな人をご存じなんだなと、それは、確かに感心しましたけれども、それは、そのぐらいでとめてもらったらいいと思うんですが。

 逆に、こんな私たち、知事にずっと予算に賛成をして、大体来ました。そんな中で、こんなことが計画されているのを全然知らずに手を挙げたり起立したりしていたのかなと思って、自分でそう思ったのですけれども。それら、もうちょっとわかるような予算組みにしてもらわないといけないなというようなことを思いました。

 そんなことで、知事のこのやり方、仕事を真正面から私は批判するほど博識ではございませんので言いませんが、ただ、ちょっとここで、六月二日の毎日新聞にこれが載った中に、斎藤文男九州大学名誉教授で行政法の先生が話をされているのを引用しておきたいと思うのですが、この日本とアジアの未来を考えるという研究内容自体が、県が取り組むべき行政課題ではないし、大多数の県民が必要としているとは思えない。こうした研究は、本来、研究機関や民間団体がすべきであって、都道府県が大金を投じてするものではないというようなコメントをなさっているのですが、私も、そのように感じますので、これを引用して、まだこれから、この後も議論のある議員もおられるようですし、あるいは、これからもしばらく続くかもわかりませんが、私がここでふたをしてしまうわけにいきませんので、ぜひ、この辺で、この事業は一服していただいたらどうかなということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。



○副議長(山本進章) 次に、二十九番太田敦議員に発言を許します。−−二十九番太田敦議員。(拍手)



◆二十九番(太田敦) (登壇)日本共産党の太田敦です。

 代表質問を行わせていただきます前に、通常国会の会期が戦後最長の九十五日間延長となりました。戦争法案の成立のために自由民主党・公明党の与党による会期延長が強行された中、大きな世論で安倍政権を包囲し、憲法違反の戦争法案を廃案に追い込んでいこうと各地で集会が開かれております。

 この法案の危険性をさらに明らかにして、国民世論を広げ、廃案に追い込んでいくために奮闘する決意を表明いたしまして、代表質問に入ります。

 まず、この戦争法案についてですが、安倍政権は憲法九条を踏みにじり、日本を海外で戦争する国につくり変える、戦後最悪の安全保障関連法案、いわゆる戦争法案を国会に提出し、会期を延長してでも成立させることを狙っております。

 しかし、この間の国会論戦を通じて、戦争法案とこの推進勢力の持つ深刻な問題点と危険性が浮き彫りになっております。

 第一は、憲法を踏みにじる違憲立法ということです。昨年七月、安倍内閣は、日本に対する武力攻撃がなくても他国のために武力行使ができると、集団的自衛権の行使容認を閣議決定いたしました。一内閣の判断で従来の憲法解釈を百八十度転換することが立憲主義を破壊するものです。それを具体化した戦争法案は、集団的自衛権行使とともに、これまで政府が戦闘地域としてきた場所に自衛隊を派兵し、武力行使をしている米軍等への補給、輸送など、後方支援を行うことや、また、形式上、停戦合意がつくられているものの、戦乱が続いている地域に自衛隊を派兵し、治安維持活動に取り組むことなど、海外での武力行使に道を開く仕掛けが盛り込まれております。

 第二は、異常なアメリカ従属を特徴としているということです。アメリカは、戦後、国連憲章と国際法を踏みにじり、ベトナム戦争やイラク戦争など、先制攻撃の戦争を行ってきました。ところが、安倍首相は国会で、日本はアメリカの武力行使に国際法上違法な行為として反対したことは一度もないと認めました。アメリカが無法な戦争に乗り出した場合、言われるままに集団的自衛権を発動することになることは明らかではないでしょうか。

 第三は、過去の日本の戦争を、間違った戦争と言えない安倍政権が戦争法案を推進する危険です。日本共産党は、安倍首相にポツダム宣言を引用して、過去の日本の戦争は間違った戦争という認識はあるのか、このようにただしたところ、首相は、間違った戦争と認めることを拒み続け、ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないので論評は差し控えたい、このように答弁し、国内外に大きな衝撃を与えております。過去の戦争への反省のない勢力が憲法九条を破壊し、海外で戦争する国への道を暴走する。これほど、アジアと世界にとって危険なことはありません。

 戦後日本のあり方を根本から転換する戦争法案は、平和安全の名とは全く逆に、その正体が日本を海外で戦争する国につくりかえる戦争法案にほかならないことを鮮明にしております。六月四日に開催された衆議院憲法審査会では、与党推薦の参考人も含め、憲法学者三人全員が安全保障関連法案を違憲と指摘いたしました。知事は、昨年六月の議会において、集団的自衛権にかかわって、日本共産党の宮本次郎議員が、憲法と平和に対する知事の所見を尋ねたところ、現行の憲法を尊重し擁護することを前提として県政を推進していくことが基本、また、憲法の規定のあるなしにかかわらず、平和を守るということは当然と答弁されております。

 そこで、知事に伺います。

 安倍内閣は、日本を海外で戦争する国につくり変えようとしていますが、戦争という過去に犯した過ちを二度と繰り返してはならないと考えます。過去の日本の戦争と平和について、知事の所見を伺います。そして、現在、国会において審議されている安全保障関連法案、いわゆる戦争法案は憲法違反と考えますが、いかがでしょうか。

 そして、陸上自衛隊駐屯地の誘致問題について知事に伺います。

 知事は、五條市長とともに、国に対し、陸上自衛隊の駐屯地を誘致するよう国に要望を続けております。紀伊半島大水害を受け、今後予測される大規模災害に備えて、自衛隊があれば速やかな救援活動が実施されること、また、全国で陸上自衛隊駐屯地がないのは奈良県だけだということを理由にしております。自衛隊は国防が最大の任務であります。安倍首相が進めております集団的自衛権の行使容認は、さきにも述べたように、海外で自衛隊が米軍とともに戦争する国づくりを進めるものです。

 二〇一四年度、国は奈良県に自衛隊のヘリポートを設置する費用を百万円、県は自衛隊誘致のために二千万円をそれぞれ計上いたしました。また、今年度は、防衛省の予算では、基本構想のための費用四百万円を計上されております。政府は、今後五年間の防衛力整備の方針を決めた、中期防衛力整備計画で陸上自衛隊の装備品として、二〇一八年度までにオスプレイ十七基を導入する方針を明記しております。自衛隊のヘリポートができれば奈良県にもオスプレイが飛んで来る可能性が生じます。五條市に陸上自衛隊の駐屯地を誘致することは、日本の防衛とは関係のない海外で戦争の新たな出撃基地となる可能性があり、攻撃対象にされる危険があります。世界中で戦争をしない、この憲法九条がある日本の中で、唯一、自衛隊の駐屯地がない奈良県、これこそ世界に誇るべき価値ではないでしょうか。

 そこで、知事に質問をいたします。

 自衛隊は国の防衛が本来任務であり、災害派遣は主たる任務ではありません。国において戦争法案が議論されており戦争に巻き込まれる危険性が現実のものとなるおそれが高まる中、五條市への陸上自衛隊駐屯地の誘致は行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、関西広域連合について質問をいたします。

 これまで、知事は、議会でも関西広域連合には入らないということを強く主張していました。しかし、先般、防災、観光分野で部分参加するということを表明されました。関西広域連合に入ることを固辞されていたのに、なぜかという疑問が広がっております。

 関西広域連合は、広域で処理することが適当と認められる政策、事務の一体化を図るということを目的に、二〇一〇年十二月に設立されました。しかし、関西広域連合は、関西経済連合会などが主張している道州制を見据えて設立されたことは否定できません。関西経済連合会は、関西広域連合は道州制への最も有効なステップ、道州制への一里塚として財界の経済戦略に位置づけているとしております。また、関西広域連合のホームページには、成長する広域連合として、将来的には港湾の一体的な管理や国道・河川の一体的な計画・整備・管理等を目指します。とりわけ、国の出先機関の受け皿として、国からの事務、権限の移譲を早急に実現したいと考えていますと述べられております。このような財界主導の関西広域連合は、住民の意向が反映されない行政の形態である道州制へのリスクを常に抱えていると言わざるを得ません。

 知事は、観光と防災の分野で部分参加をすると言われておりますが、平成二十四年六月議会では、観光の分野では、近隣府県連携に効果があった事例はほとんどない。近隣府県は、観光地としてはお互いライバル。切磋琢磨して、結果的に地域の観光が盛り上がるのがよい形と発言されております。また、防災についても、さきの二月議会で、防災は助け合いが基本。連合の中でもいざというときの協力協定はもう既にあると述べられております。

 私たちは、関西広域連合に参加する必要はなく、地方の行政課題には、原則、県と市町村が協力して対応し、必要があれば別途協力関係を築けばよいと考えています。住民に身近な行政こそ、住民の意見を反映でき、住民生活に密着して暮らしや福祉の問題に取り組むことができます。今進められている関西広域連合は、住民から離れたところで行政が行われることになるのではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 関西広域連合の防災、観光分野の参加表明をされましたが、参加すれば、それぞれの分野について住民から離れたところで行政が行われることになるため、参加する必要はないと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、県内企業の販路拡大についてお伺いいたします。

 少子・高齢化の進行による人口減少、また、従来からの経済のグローバル化の流れ及び円安の進行に伴い、海外からは安価な製品が大量に流入しております。一つの具体的な例を挙げますと、県の主要な産業の一つであります繊維産業の製品の輸入量は、業界組合の調査によると、二〇一〇年から二〇一四年の五年間で約四割も増加しております。

 このような環境の中、繊維産業の一つであり奈良県の地域産業である靴下産業の現状を例にとりますと、先日も、大手の編み機業者が撤退するなど、依然厳しい状況が続いております。

 従来より、奈良県の靴下産業は国内でも最大の生産規模を誇り、多数のメーカーが集まっておりますが、一方で、奈良県で生産された靴下そのものの知名度はまだまだ高いとは言えず、産地としての優位性を十分発揮することができていない状況でございます。このような優位性を生かす取り組みとしては、県内業者の持つ高度な技術を生かした自社ブランド商品の確立があると考えます。

 奈良県靴下工業協同組合でお話を伺ったところ、現在、まさに、県内で生産され、品質基準をクリアした靴下には、奈良靴下として認証マークをつけるといった、消費者にわかるような取り組みを進めているところであり、今後、奈良靴下のブランドの知名度向上が課題であるとのことでございました。このような業界の自主的な取り組みについては、県としてもしっかりフォローをしていただきたいと思います。

 しかし、県内の産業が生き残るためには、このようなブランド力向上の取り組みだけでなく、販路開拓を行うことも、また、必要不可欠であると考えます。

 例えば、その有力な選択肢の一つとして、海外での販路開拓が挙げられます。海外では、高品質の日本製品の評価は高く、県でブースを確保しているアメリカ、ニューヨークの見本市に出展した業者で継続的な販路の確保に成功した例もあるとお聞きしております。しかし、まだまだ県内企業が海外販路開拓を行うには、経験やノウハウなどが不足しているのではないでしょうか。

 ここで知事にお伺いいたします。県内産業の振興のため、県は、県内企業の販路拡大に対して支援を行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、障害者の学びの場について質問いたします。

 二〇〇六年十二月の国連総会で採択された障害者権利条約は、障害のある人に障害のない人と同等の権利を保障することなどを掲げた、二十一世紀に入って最初の人権にかかわる条約です。締約国政府に、福祉、教育、雇用、地域生活、政治参加などさまざまな分野で障害に基づく差別を禁止し、平等を促進する立法措置などを求めております。

 この障害者権利条約を批准することが、二〇一三年の臨時国会で全会一致で承認されました。障害のあるなしにかかわらず、誰もが平等に暮らせる社会を実現するため、日本政府は、国際的にも大きな責務を負うことになります。批准を契機に、障害者の人権と尊厳が保障される国内法のさらなる整備に向けた、新たな出発点にすることが重要であります。

 この流れを受け、奈良県では、今年二月定例県議会において、奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例というのが実現いたしました。この条例は、障害を理由とする差別の解消や、障害のある人の権利擁護などを目的としたものであり、今後、奈良県においても、この理念にのっとった施策を実施することが求められるところでございます。

 さて、先日私は、高等養護学校まではきちんと面倒を見てくれるけれども、卒業したら行くところがなくなってしまった。こんなお話を聞きました。また、高等養護学校まで学んだ後、就職する生徒が多いけれども、実際には、五年間で約二五%が転職しているという事例もお聞きしております。このことは、知的障害者が教育機関を出た後、社会に安定した居場所が不足していることを示しております。

 高等学校の生徒は、卒業後、大学や専門学校に進学し、社会に出るまで十分な学びの期間を得ることが可能なことに対し、特別支援学校の高等部に学ぶ知的障害などのある青年にとっては、十九歳以降の高等教育の場は、事実上、閉ざされております。他の者との平等を求める障害者権利条約のもとで、特定の障害のある人にだけ十九歳以降の学校教育が事実上閉ざされている現実は、重大な問題と言わざるを得ません。本来は、高等教育の場が整備されるべきでありますけれども、その展望が容易に開かれないことから、同じ特別支援学校でも、盲学校やろう学校には数多く設置されている専攻科、これを知的障害などの青年にもということが言われ始めました。

 しかし、公立の特別支援学校への専攻科設置もなかなか政策課題にならない中で、自立訓練事業という障害福祉の制度を活用して十九歳以降の学びの場をつくろうという、こんな取り組みが広がっております。隣の和歌山県で始まったこの運動は、近畿各府県に広がり、奈良県においても既に、ジョイアススクールつなぎという施設が二〇一三年より運営を開始しております。いろいろ体験し、青春を謳歌してから社会に出してやりたい、どうして障害のある子は十八歳で社会に出ないといけないのか。こんな家族の声や、ゆっくりじっくり時間をかけるともっと伸びるのに、働くための土台になる力をつけさせたいといった学校の先生方の声によって、これらの施設は全国に広がりつつあります。私も実際に見学させていただきましたが、学生たちは生き生きとした学びの場を提供されたことで、学ぶ意欲に支えられ、自己肯定感、いろいろな体験の中で感じる達成感、友達や大人との信頼関係を育て、地域や社会とのつながりや支援の中で人間として成長していることがよくわかりました。施設の先生方は、障害があるからこそ、発達がゆっくりだからこそ、学校から社会への、子どもから大人への移行期にゆっくりじっくり時間をかけて学び、体験を積み、社会に出て行けることの大切さを実感しております。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 障害者総合支援法の枠組みを活用した、いわゆる障害者の学びの場といった観点を含め、特別支援学校の卒業者に対する就労等の支援について、どのように取り組んでおられるのでしょうか。

 最後に、国民健康保険の広域化について質問いたします。

 五月二十七日の参議院本会議で採決された医療保険制度は、約三千五百万人が加入する国民健康保険制度の大改変などを柱に、国民の健康と暮らしに大きな影響を与えるものでございます。国会審議を通じて新たな負担増の深刻さ、安全性が不確かな医療の拡大の危険などが浮き彫りになっております。いつでも、どこでも、誰もが安心して医療にかかれる国民皆保険を揺るがしかねない事態だと考えます。入院給食費の患者負担、一食二百円増や、紹介状がなく大病院を受診した際に、五千円から一万円を上乗せして患者に定額負担を強いる改悪も、受診抑制を広げる危険があります。

 そして、制度発足以来の大改革などとして国民健康保険の財政運営を市町村から都道府県に移すことを目玉にしていますが、とても改革とは言えない中身です。それどころか、都道府県化は、市町村が独自に決めていた保険料を平準化させることなどを通じ、住民に保険料の負担増や保険料徴収の強化をもたらす仕組みになるのではないでしょうか。浮き彫りになっているのは国民健康保険の機能不全であります。市町村が運営する国民健康保険は、自営業者や失業者など被用者でない人たちの命と健康を守るための公的医療保険として一九六一年に始まり、それによって国民皆保険が出現いたしました。ところが、今、保険料が高過ぎるため、全国で三百六十万を超す世帯が保険料を滞納し、多くの人が正規の保険証を交付されず、必要な医療から排除されるという皆保険の空洞化とも言うべき事態を引き起こしております。

 全国知事会は、保険料の引き下げのため一兆円の国費投入も要望していました。これを実現すれば、国民健康保険加入者一人当たり三万円の保険料軽減が実現できます。大改革と言うなら、そういう決断こそ行って、住民の切実な願いに応えるべきではないでしょうか。お金がないとまともな治療が受けられない、健康と命の格差をますます広げる医療保険制度改革は、国民に不利益しかもたらしません。体調が悪いのにお金がなく、医療機関にかかるのを我慢し続け、ようやく受診したときには手おくれで命を失う、こんな痛ましい事態が後を絶ちません。全日本民主医療機関連合会の調査では、受診おくれで死亡したケースは、昨年だけで全国で五十六人にも上ります。高過ぎる国民健康保険料が払えず無保険になったケースなどでございます。医療費の負担軽減こそ急務でございます。

 健康福祉部長にお伺いいたします。

 国民健康保険の広域化は、市町村が独自に決めていた保険料を平準化させることなどを通じて、住民に保険料の負担増や徴収強化をもたらす仕組みとなるのではないでしょうか。また、国民健康保険の保険料の引き下げが必要ではないでしょうか。

 以上で、壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、現在、国会で審議されております安全保障関連法案についての所見でございます。

 県政を預かる知事といたしましては、平和を守ることは当然のことと考えております。従前から申し上げたとおりでございます。そして、過去の戦争は不幸な歴史でありましたが、その歴史認識を踏まえ、平和への取り組みを進めていくことが知事としても大事かと思っております。歴史ということで申し上げれば、従来から言っておりますが、本県は古来より国際交流、文化交流の歴史を持った、日本の歴史上、極めて国際性豊かで日本を誕生させた地でございます。このため、この奈良での国際交流や文化交流の活動は必ず国際平和につながる取り組みの一つになると思っております。

 現在、国会で審議されております安全保障関連法案についてでございますが、これは、外交とともに国の専権事項である国防に関する事項でございますし、今審議されている事項は、極めて重要な事柄であると思っております。憲法に違反しているかどうかも含めまして、まさに国政の場で議論に委ねられるべきものと考えております。私は憲法学者でもございません。参議院憲法調査会に、一時、幹事として参加したことがございますが、知事といたしましては、私の意見を申し上げることは、立場上、適切でないというふうに思っております。

 二つ目のご質問でございますが、五條市への陸上自衛隊駐屯地の誘致は行うべきではないというご所見に至ってのご質問でございます。

 自衛隊は国の防衛が本来の任務であることは言うまでもございませんが、一方で、地震や土砂災害など大規模な災害時に、さまざまな救援活動を迅速、的確に自己完結で遂行されます我が国唯一の組織でございます。紀伊半島大水害の際にも、自衛隊は、救命救助、行方不明者の捜索、道路啓開、緊急物資の輸送等に目覚ましい活動をしていただきまして、南和地域の人々が感謝の垂れ幕でご送迎申し上げたことがございます。

 議員お述べの安全保障関連法案により、戦争に巻き込まれる危険性が現実のものになるおそれが高まっているかどうかにつきましては、これから、国会を延長してまでさらなる議論を深められるということでございますので、その議論の中身を待つことになろうかと思います。

 一方、この紀伊半島中央部に位置する五條市に、自衛隊へリポートを併設した駐屯地が配置されることになれば、県内の防災への初動対応が格段に向上することはもとより、南海トラフ巨大地震による津波被害が想定される紀伊半島海岸地域に対しても、迅速な救援が可能でございます。災害に対する具体的な備えとして大きなメリットがあると思います。紀伊半島の海岸沿いは大変脆弱な地域で、防備が十分でないというふうに思っております。そのために、国道一六八号、国道一六九号の整備とともに、このような救援ができる組織が紀伊半島の中央部に設置されることは、紀伊半島全体にとって災害対応の観点からは、極めて重要だというふうに認識しております。

 奈良県では、五條市とともに、国に対し、陸上自衛隊のヘリポートを併設した駐屯地の配置を要望しておりますが、平成二十五年三月には、県議会におかれましても、誘致推進に関する意見書を国に提出されたところでございます。県全体の取り組みとして要望活動を行っていただいているものと認識しております。

 本県の要望を受けまして、防衛省では、昨年度の調査費計上に引き続き、今年度予算に自衛隊の展開基盤の設置に係る基本構想業務として、本県と共同で調査を実施するための経費約四百万円が計上されました。国費調査費が計上されました。

 一方、県といたしましても、自衛隊の施設と併設する県の広域防災拠点を整備するため、昨年度の基本調査に引き続き、本年度は、防衛省の調査と連携しながら、基本構想の検討を進めていきたいと考えております。

 自衛隊の施設と県の防災拠点が一体的に整備されれば、県のみならず、紀伊半島全体に及ぶ防災力は飛躍的に高まるものと考えております。

 さらに、自衛隊の誘致を進めるためには、五條市だけではなく、広く県内の市町村や県民の方々に、自衛隊及びその誘致の必要性について理解を得ることが必要でございます。このため、県民の皆様などを対象といたしました自衛隊の災害対応をテーマとした講演会、駐屯地見学行事のほか、各市町村への情報提供、自衛隊が参加しての市町村防災訓練などをこれまでも実施しているところでございます。

 県が目指します、災害に日本一強い奈良県づくりのため、自衛隊のヘリポートを併設した駐屯地がぜひとも必要だと考えております。今後とも、五條市などとともに、県民や周辺市町村のご理解と合意形成を得るための取り組みを進めるとともに、引き続き、国に対して粘り強く県内への配置を働きかけてまいりたいと考えております。

 関西広域連合について、参加する必要はないとのお立場からのご質問でございます。先ほどの出口議員の代表質問にも、経緯、理由、その他についてお答え申し上げましたが、関西広域連合へ国出先機関が移管され、奈良県に不利な予算配分等が行われている懸念があったことが、関西広域連合への設立当初からの参加を見合わせてきた最大の理由でございます。今は、この懸念がほぼなくなり、関西広域連合の活動は連携・協働の業務が中心となっていることから、部分参加の判断をしたところでございます。これまでも連携・協働して取り組むことで本県に効果がある分野については、近隣府県やふるさと知事ネットワークの参加県などと、共通する政策課題に取り組んできております。連携・協働は大変有効な手段の一つでございますが、今回の関西広域連合への部分参加も、この連携・協働の一つと考えているところでございます。

 参加を考えております広域防災と広域観光・文化振興の二分野につきましては、災害時の広域応援体制の強化や関西へのインバウンドなどで、本県にとって連携・協働する効果があると考え、関西広域連合に部分参加することといたしました。

 議員からは、今回、部分参加する二分野について、住民から離れたところで行政が行われるため、関西広域連合に参加すべきでないとのご意見であろうかと思いますが、防災分野では、市町村の防災計画の見直し支援や広域防災拠点の整備など、これまでどおり、本県が積極的に取り組んだ取り組みをさらに充実させていく所存でございますし、また、観光分野におきましても、本県独自の観光プロモーションやイベント開催などは、当然、必要でございます。引き続き、本県への誘客に本県として精いっぱい取り組んでまいりますので、このような分野の行政が住民から、県民の皆様から離れたところで行われるということのご懸念には及ばないものと考えております。

 その次のご質問でございますが、県内企業の販路拡大についての支援をすべきとのお立場からのご質問でございます。

 繊維やプラスチック製品など、本県の地場産業の多くが、経済のグローバル化に伴う海外からの安価な製品の流入や、国内市場の縮小により苦戦を強いられ、厳しい状況に置かれております。

 例えば、平成二十五年の国内靴下業界概要によりますと、ショートソックスと言われる分野でございますが、奈良県は国内生産量の約五九%、約六割のシェアを持つ日本一の生産県となっております。しかし、一方で、国内におけるショートソックスの総供給量のその約八七%、約九割は中国やタイからの輸入品が占めております。国内生産ではトップでございますが、国内の供給量では海外製品が多くを占める、ほかの製品と同じような傾向であるわけでございます。

 こうした状況を打開し、売り上げの向上を図るためには、議員お述べのとおり、海外への販路拡大の取り組みを推進することも大きな手段でございます。靴下産業のみならず、本県産業にとって非常に重要な課題だというふうに認識しております。

 本県では、これまで企業単独ではノウハウがなく、海外への販路開拓に踏み切れない県内中小企業を対象に、平成二十四年度から、二年前から、アメリカで開かれる国際見本市へ共同で出展し、商談機会を提供する取り組みを進めてまいりました。この取り組みをきっかけに、現地で店舗展開にステップアップした企業もありますし、海外販路拡大に取り組む県内企業を、今後とも積極的にご支援申し上げたいと考えております。

 今年度の事業でございますが、本格的な海外展開を目指す企業に対する支援制度を、新たに二つ創設することとさせていただきました。

 一つ目でございますが、海外の販路開拓に一定のノウハウや実績を有している企業が、単独で国際見本市へ出展しようとする場合、その経費の一部をご支援申し上げるものでございます。

 二つ目は、県内に事業所を残しつつ、海外で新たな販売拠点を立ち上げ、販路拡大を目指す企業が行う市場調査等の取り組みをご支援申し上げるものでございます。

 また、一方で、海外販路開拓に興味はあるものの、その知識が全くないといった県内企業がおられます。そのような企業を対象に、海外展開へのきっかけづくりとなるセミナーを、本年九月にジェトロの協力を得て実施することとしております。

 海外への販路開拓をはじめ、新たな取り組みには、絶えずリスクがつきものでございますが、そのリスクに果敢に挑戦しようとする企業を積極的にご支援、応援申し上げたいと思います。世界を相手に活躍する県内企業が次々とあらわれるよう、有効な海外販路開拓支援策について実行していきたいと思っております。

 残余の質問は、健康福祉部長がお答え申し上げます。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 土井健康福祉部長。



◎健康福祉部長(土井敏多) (登壇)二十九番太田議員のご質問にお答え申し上げます。

 私には二つのご質問がございました。

 まず、一つ目は、障害者総合支援法の枠組みを活用した、いわゆる障害者の学びの場といったことを含め、特別支援学校の卒業者に対する就労等の支援について、どのように取り組んでいるのかといったお尋ねでございます。

 まず、障害のある人が誇りと生きがいを感じながら、住みなれた地域で生活を送るためには、就労の場や学びの場といった、その人に応じた、日中の居場所の確保が重要な課題と認識しております。また、障害の種類は多種多様で、同じ障害でも、その程度は人によりさまざまでございます。特別支援学校の卒業者についても同様でございます。

 その中でも、就職を目指す人には、自分に合った仕事を見つけるため、さまざまな職場実習を体験するなど、できるだけ早い時期から取り組みを進めることが重要と考えております。このため、県におきましては、平成二十三年度より、障害福祉課に就労連携コーディネーターを配置し、また、平成二十五年度からは、奈良労働局と共同運営する障害者はたらく応援団ならを通じまして、特別支援学校生を対象とした職場実習機会の拡大に取り組んでいるところでございます。

 さらに、就職後も、県内に五カ所ございます障害者就業・生活支援センターなどの支援機関を通じまして、職場定着や離職後の再就職の支援を行っているところでございます。

 また、企業等への就職のほかにも、議員お述べのように、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを利用し、ものづくりや役務等を行う事業所に通うといった、福祉的な就労の場に進むケースがございます。

 また、就労以外にも、自立した日常生活を営むために、必要な訓練等を行う事業所に通うといった、いわゆる学びの場に進むケースもございます。

 このような状況のもと、今後とも、障害のある人が希望する生活を実現するため、障害者雇用の推進や、福祉的就労支援の充実を図るとともに、その人に応じた障害福祉サービスが利用できるように努めてまいりたいと考えております。

 次に、二つ目の質問でございます。

 国民健康保険の広域化は、住民に保険料の負担増や徴収強化をもたらす仕組みとなると考えるがどうか。また、保険料の引き下げが必要と考えるがどうかといったお尋ねでございます。

 本年五月、国民健康保険法が改正され、平成三十年度から、都道府県が財政運営を担うことなどにより、国民健康保険の安定的な運営を目指すこととされました。新たな制度では、県は、市町村に請求する納付金の額を定め、標準保険料率などを示し、市町村は、その標準保険料率などを参考に保険料を決定することになります。国民健康保険財政が県単位化するため、県におきましては、独自に保険料負担の公平性を図る観点から、県全体で統一の標準保険料率の導入を目指して、市町村と検討を進めているところでございます。その際、保険料が増加する世帯と減少する世帯が出てくると見込まれますが、保険料が急増する世帯が生じないように、激変緩和措置の実施も検討しているところでございます。

 また、財政基盤の強化を図るため、今年度からの低所得者の人数に応じて、保険料の一定割合を公費で支援する制度の拡充一千七百億円を含め、平成三十年度以降、毎年、全国で三千四百億円の公費が追加投入されることから、保険料の上昇を抑制する効果が見込まれているところでございます。

 なお、保険料を決定する市町村では、保有する国民健康保険財政調整基金の活用などによりまして、独自の判断で保険料を引き下げることも可能となっております。このような措置を活用することにより、広域化そのものが保険料に大きな影響を及ぼすことはないのではないかと考えております。

 なお、徴収強化につながるのではないかという懸念につきましては、収納対策が被保険者の状況に応じたきめ細やかな対応となるよう、引き続き、市町村の指導に努めてまいりたいと考えております。また、県といたしましては、保険料を引き下げるための独自の財政支援は考えておりませんが、今後も国に対して国費の拡充を要望するとともに、市町村と連携して健康づくりに取り組むことを通して、結果として保険料の上昇抑制に貢献したいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(山本進章) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) それぞれ答弁をいただきました。二点、質問をさせていただきます。

 まず、自衛隊の誘致の問題でございますけれども、知事は、救援活動ということを目的に自衛隊が必要だと、こういうお話でございました。私は、前段で集団的自衛権の行使容認、今、国会の中で議論されている、こういうこともお話をさせていただきましたけれども、やはりこの問題とこの自衛隊の問題、活動というのは切っても切り離すことができないというふうに私は思うわけでございます。自衛隊の任務が今後拡大され、名実ともに軍隊になる、こんな危惧は、これは、県民の多くの皆さんから寄せられている声でございます。私は、こういう側面からも、議論をしていく、検討していく必要があるというふうに思うわけでございます。

 知事は、国会での論戦といいますか、推移を見守っていきたいというふうなお話でございましたが、もしこれが通ることになってしまったら、この自衛隊の誘致は見直すというお考えがあるのかどうか、この点について、まず、お伺いしたいと思います。

 二点目、この関西広域連合のお話でございますけれども、今回の部分参加というのは連携の延長というふうなお話でございました。

 しかし、かねてからこの問題については、新たな組織をつくらなくても現在の自治体同士の広域連携で十分に対処でき、既に実施もしている、こんなお話でございました。防災は連携で十分できると。また、観光は、奈良の観光、関西の観光に利用していただくということも十分しているというお話が、二月の予算審査特別委員会の中でもご答弁があったかと思います。なぜあえてこの二つの分野で連携から参加ということになったのか。これまで入らないということでおっしゃっていたのに、この点で参加になった、その経緯をお伺いしたいと思います。



○副議長(山本進章) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 自衛隊のヘリポートを伴う駐屯地の誘致につきまして、先ほどお答え申し上げましたが、救助活動をご期待して自衛隊の誘致をする。今、太田議員は、集団的自衛権の議論と切っても切れないのではないか、切っても切れないかどうかについてはちょっとどうかなと、本県としては思うところでございます。切っても切れないならば、集団的自衛権の議論の帰趨と自衛隊誘致は結びつくのではないかとこういうご所論でございますが、私どもは、集団的自衛権の議論は国会で、国全体にかかわる議論でございますので、ぜひ、太田議員の党も中心に、どうぞ存分にご議論を展開していただいて結構だと思いますが、私どもは、救援活動がないと南海トラフ巨大地震が来たときにどうするのですかということが、眼前に迫った県政の課題でございますし、やはり和歌山県や三重県を助けたいと、助けることが我々の県を助けることだということで、この立地が大変、紀伊半島に重要だという思いで自衛隊の誘致をするものでございます。本質的にどうも違うことがある。我々の願いと国の議論はちょっと違うように思いますので、国の議論の帰趨によってどうこうということではございません。本県は救援活動のための自衛隊誘致を要望し続ける必要があろうかと。これは、紀伊半島全体のために、南海トラフ巨大地震が来て、襲われて、自衛隊があったらよかったのにと決しておっしゃらないでしょうというふうに思うところでございます。やはりあった方がよかったかなと、そのとき言っても遅いわけでございますので、やはり救援活動には万全を期すというのが、国の、国土を守る、県民の命を守るためにぜひとも必要だと思うところでございます。

 関西広域連合の連携・協働するために参加をするということに、参加するまでもないのではないか。しかし、参加しないと連携・協働できない組織でございますので、連携・協働のために参加するということにしたわけでございます。井戸広域連合長が来られて、これから連携・協働を中心にやるのだから参加しろよとおっしゃったのが強力な後押しでございまして、それと、井戸広域連合長の考えは、道州制でなくなる、これも、誤解されているところはあるかもしれません。道州制に進まないために関西広域連合をするんだというのが彼の持論でございます。道州制をしないで県を残すために関西広域連合をつくったんだと。これは、ご承知のことだと思いますが、一歩進むというのは関西財界が言っておられるかもしれませんが、井戸広域連合長は、道州制は自分は反対だということを公言されているのはご承知のことだと思いますけれども、その井戸広域連合長が連携・協働をしようと、そのために、そのような関西広域連合に参加をしたらどうかと。それでいいよということでございましたので、参加することにしたわけでございます。

 連携・協働は、いろんな団体と連携・協働するのにはばかってはいけないと思う。逆に、本県にとって役立つ連携・協働はする。費用ができるだけ効率的に、費用も多少持ち込みはありますが、有効な連携・協働はぜひ進めなさいよと皆様にも言っていただきたいと。それが有効かどうかの判断は、今、問うているところでございます。私は、費用対効果でも、この分野においては多少とも有効な連携・協働であろうかというふうに判断したところでございます。



○副議長(山本進章) 二十九番太田敦議員。



◆二十九番(太田敦) 自衛隊の駐屯地の問題、また、関西広域連合の問題でそれぞれご答弁がございました。

 私は、この自衛隊の誘致の問題、今、国会で議論になっております、この集団的自衛権の問題、これは、やはりこういう側面での心配の声が県民から出されているということは、この点についても、やはりしっかり検討していかなければならないというふうに思っております。この戦争法案というのは、自衛隊は戦闘地域に踏み込んで、現に戦闘が行われる現場での米軍への輸送や補給などの支援を行うということで、戦闘による死傷者に加え、任務拡大に伴う隊員の肉体的、精神的負担の増大、こういったものも懸念されております。

 また、全国の自衛隊の近くでは、自衛官の募集、そして、職場体験の積極的な取り組みが行われ、こういったところに中学生や高校生も巻き込まれている、こういうこともお示しをしておきたいというふうに思っております。

 また、関西広域連合のお話でございますけれども、これは、かつて奈良県がこの関西広域連合になぜ入らないか、こういった中で、これまでどおり府県同士の連携を積極的に続けることで、十分に対応できると考えていますし、実際に、関西広域連合が行う業務というのは、府県間で連携を積み上げてきたものがほとんどです。そのために、関西広域連合の組織に入らなくても県民の皆様の生活に支障はない、このように考えていると、こんなお話があったことを紹介し、やはりこの関西広域連合ではなく、それぞれの県内の取り組みの中で、また、連携の中でできるんだということをかつておっしゃられていた。また、私たちも、そのことには大いに賛同していたということを言っておきたいと思います。

 そして、県内の企業の販路拡大についてでございます。今、高度に成熟した社会において消費者の欲求というのは、例えば、靴下を例に例えますと、履き心地がよいとか長持ちするとか、品質や機能のレベルを超えてライフスタイルや感性を満足させてくれる、高品質で付加価値の高い、こういう靴下を望むようになっているということで、まさに、靴下産業ではこんな取り組みが進められております。

 そして、販路拡大については、まさに、このようなブランドを本当に定着させるような取り組みを要望しておきたいというふうに思っております。

 障害者の学びの場についてでございますが、障害のない人の場合、高等学校卒業後に就職する人というのは一七%で、大学や短期大学、専門学校に進学する人というのは八〇%、ほとんどの方が思春期に学びの場を持ちます。ところが、障害者の場合、高等部卒業後は就職か福祉サービスの場で過ごすということになり、思春期に豊かな人間関係を経験したり社会経験をするという場が保障されておりません。

 今、本当にこの社会は複雑多様化しておりまして、障害のある人にこそ思春期の時期に豊かな学びが必要だというふうに思います。県内に五カ所あります知的障害の養護学校区ごとに、先ほど紹介いたしました、福祉型専攻科、こういったものが開校されることを望んでおきます。

 また、最後に、国民健康保険制度でございますけれども、現在、国民健康保険に加入している方々の所得階層というものを見ますと、約七割の方が年間所得二百万円未満の方々で、保険料が払えず保険証が交付されない、短期保険証、資格証、こういった方々は二〇一五年六月現在で一万二千百九十世帯に上ります。また、保険証が本人に渡らない、とめ置きというのも四千三百八十二件、そして、差し押さえも、保険料が払えないという理由で差し押さえられたという件数、これも、昨年で一千九百件を超えております。

 本当に、今、低所得者が数多く加入するこの国民健康保険というのは、手厚い国庫負担なしには成立しない状況になっております。にもかかわらず、国は、国民健康保険財政への国庫支出金の割合を、一九八〇年代の五〇%から二五%を半減をさせてきました。これを是正して、そして、国庫負担を計画的に復元していくということと同時に、高過ぎる保険料を誰もが払える水準に引き下げていくということが求められております。少なくとも、今進める広域化というのは、これに私たちは反する、このように思っております。

 以上で、私の質問を終わります。

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○副議長(山本進章) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出いたします。



○副議長(山本進章) お諮りします。

 十九番松尾勇臣議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月二十六日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時五十六分散会