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奈良県 奈良県

平成27年  2月 定例会(第318回) 03月02日−03号




平成27年  2月 定例会(第318回) − 03月02日−03号







平成27年  2月 定例会(第318回)



 平成二十七年

        第三百十八回定例奈良県議会会議録 第三号

 二月

    平成二十七年三月二日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十七番山村幸穂議員に発言を許します。−−十七番山村幸穂議員。(拍手)



◆十七番(山村幸穂) (登壇) こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。日本共産党を代表して質問いたします。

 さて、四月十二日、投票で行われる知事選挙には、日本共産党から谷川和広さんが立候補を表明しました。安倍政権の憲法を変えて戦争する国づくり、原発再稼働、福祉・暮らしを破壊する政治の押しつけにきっぱりと対決をして、暮らし・福祉最優先に誰もが人間らしく生きられる命輝く奈良県政目指して、私たちもともに戦う決意です。どうぞよろしくお願いいたします。

 ことしは、第二次世界大戦が終結して七十年の節目の年です。私は直接戦争を知らない世代ですが、両親から戦争中の苦労を聞かされて育ちました。今、地域を訪問しますと、戦争体験のお話を必ず伺います。安倍政権の改憲策動に強い不安が寄せられます。私は、この節目の年に平和について、日本の戦争と過去の歴史についてきちんと向き合い、考えなければと思います。

 安倍首相は、憲法改正への執念をあらわにして、みずからが発表しようとしている戦後七十年談話について、村山談話の核心的内容である植民地支配と侵略への痛切な反省と心からのおわびというキーワードを事実上否定する姿勢をあからさまにしています。国の内外から厳しい批判が寄せられています。自由民主党内からも、河野洋平元総裁は、歴代の自由民主党のリーダーが抑制的にやってきたいろいろな問題について、これで一斉に抑制を解き放って走り出すように見えると批判。同様に、二階俊博総務会長、野中広務、古賀誠元幹事長ら、自由民主党中枢にいた方々も安倍政権に批判の声を上げておられます。

 日本共産党は、この節目の年が日本とアジアの国々との平和と友好に向かう年となるように、日本の政治がとるべき五つの基本姿勢を提唱しています。第一は、村山談話・河野談話の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動をとり、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論すること、第二は、日本軍慰安婦問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すこと、第三は、国政の場にある政治家が靖国神社を参拝することは侵略戦争肯定の意思表示をするものであり、少なくとも首相や閣僚による靖国参拝は行わないことを日本の政治のルールとして確立をすること、第四は、民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために立法措置を含めて政治が断固たる立場に立つこと、第五は、村山談話・河野談話で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場を学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力を尽くすことです。

 私自身、中国を訪れ、南京虐殺記念館を訪問して館長さんらと交流をしたり、韓国では日本の植民地支配下で独立運動をした人々が投獄されていた西大門刑務所や、元日本軍慰安婦の方々を支援するナヌムの家でお話を伺いました。韓国では高校生や大学生の若い人たちが歴史の勉強に熱心で、日本との友好交流に取り組んでおられました。しっかりと過去の歴史に向き合って真実を知ることは、互いの理解を深め、友好の第一歩だと実感いたしました。

 奈良は古代から東アジアはもとより、世界の国々との交流によって文化を始め、さまざまな影響を受け発展してきました。平和と友好のさらなる発展のためにも、過去の歴史に対する認識と平和につながる取り組みは重要です。知事は東アジアの諸地域との交流に取り組まれていますが、どのように考えておられますか。

 次に、暮らし・福祉を応援する県政への転換について伺います。

 安倍政権の進めてきたアベノミクスによって、円安・株高で大企業は空前の利益を上げ、内部留保は二百八十五兆円に膨らみ、所得が十億円を超える富裕層は一年間で二・二倍に急増しています。一方で、働く人の実質賃金は十八カ月連続で減り続け、年収二百万円以下の働く貧困層と言われる人々は史上最多一千百二十万人に上ります。結局、深刻な格差を広げてきたのです。

 そして、消費税増税と円安誘導による物価高が暮らしと営業を直撃しています。昨年一年間の家計消費はマイナス一・三%、この二十年で最大の落ち込みです。消費税増税は社会保障のためといいながら、反対に社会保障費の自然増削減、制度改悪路線で医療・年金・介護・生活保護など、あらゆる分野で社会保障の切り捨てを進めています。

 年金は減るばかり、医療の負担はふえて、これでは生きていけない。この先、商売が続けられるのか。不安と怒りの声が渦巻いております。知事も効果がないと述べておられましたが、安倍政権の進めるトリクルダウン、大企業を応援すればやがてその恩恵が国民に回ってくることは誤った考えであると、OECDも格差拡大の政策では成長できないと分析を発表しています。

 ところが、政府は、これらに反省もなく、地方創生、アベノミクスをこの道しかないと地方に波及させようとしています。消費税を一〇%に増税、一層の社会保障切り捨て、労働法制の改悪で雇用破壊を進め、さらに農協潰し、TPP推進では地方の衰退が加速されます。こんなときだからこそ、県はまず何よりも国の社会保障制度切り捨てや雇用破壊につながる労働法制の改悪にきっぱり反対して、住民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすことが求められています。

 そこで、幾つかの問題について知事に伺います。

 まず、少子化対策についてです。総人口に占める十五歳未満の子どもの数は年々減少して、総務省の発表では一二・八%で、人口四千万人以上の国の中では世界最低水準です。日本の出生率が低い原因には、晩婚化と未婚率の高さが挙げられますが、内閣府の調査では、若い世代で未婚・晩婚がふえている理由について、複数回答で四七・四%が「経済的に余裕がないから」でした。また、今後、子どもを持つ場合の条件として、五六・四%が「働きながら子育てできる職場環境」を挙げています。

 県では、少子化の主な原因として、子育てにお金がかかり過ぎること、若者の安定した雇用が少なく、賃金が少ないことを挙げています。子育てが安心してできる奈良県へ一層の対策が求められます。

 そこで伺います。先日も子どもを連れたお母さん方が県庁に来られ、医療機関での窓口負担をなくしてほしいとの切実な要望をされました。当日は七千七十九筆、この間トータルで窓口無料を求める署名は二万七千筆を超えて知事宛てに提出されました。

 後で返ってくるとはいえ、急に体調が悪くなる子どもの病気には、手元にお金がないとかかりにくく、受診抑制につながります。県は貸付制度があると言いますが、緊急時には間に合わないのが実態です。ややこしい手続なしに窓口で無料にする方が市町村にとっても合理的です。県は、「窓口無料にすれば国民健康保険へ国庫支出金の減額措置という国のペナルティがあるためできない」と述べています。県も国にこのようなペナルティは撤回するように求めているとのことですが、既に近畿の各県をはじめ、多くの都道府県で窓口無料が何らかの形で実施されています。他府県とも連帯して撤回を求めるとともに、県が市町村を応援して実施に踏み切っていただきたいと思います。

 県に対して、子どもの医療費助成制度を通院も中学校卒業までに拡充し、窓口無料とすることを求める意見書が既に十六の市町村で採択されています。大和郡山市の意見書では、「経済的に苦しい患者やその家族にとって窓口での一旦支払いは、後日に返還されるとしても大きな負担で、せっかくの福祉医療制度の使い勝手を悪くし、受診をためらうことにもなります。早期発見・早期治療が重症化を防ぎ、県民の活力を高め、総じて医療費の抑制にもつながります」と指摘をしています。この願いにどう応えるのでしょうか。知事に伺います。子育て支援のために子どもの医療費助成制度を通院も中学校卒業までに拡充するとともに、医療機関での窓口負担の無料化を実施していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 若い世代が子育てしながら働ける職場環境をつくり、経済的な心配なしに子育てできるためには、若者の安定雇用と人間らしく働ける雇用のルールをつくることが重要です。若い世代の二人に一人がパート派遣など非正規雇用という異常な事態です。長時間労働、サービス残業、ブラック企業が横行し、最低賃金があまりにも低く、懸命に働いても年収二百万円以下のため、貧困を抜け出せない。このような状態にある若者や女性が子どもを産み育てられるでしょうか。

 政府は、少子化対策、人口減対策を掲げながら、若者にさらに犠牲を強いる雇用破壊を加速させようとしております。国会に提案されようとしている労働者派遣法改正法案は、同じ仕事での派遣の受け入れは原則一年、最大三年という期間制限を撤廃して、三年ごとに派遣労働者を入れかえさえすれば無期限に派遣労働を使い続けることができるようにするもので、何の歯どめもありません。また、一定の年収を超え、かつ特定の職業能力を有する労働者は、残業の上限を定める協定を結ばなくてもよい、残業代を払わなくてもよいとする労働基準法改正法案、いわゆる残業代ゼロ法案を提出しようとしています。

 これでは安定した雇用どころか、正規雇用が派遣労働に大量に置きかえられることとなり、長時間労働で子育てどころではありません。過労死が蔓延してしまいます。私たちは、派遣労働を臨時的・一時的業務に限定する派遣法の抜本的改正をして、働くなら正社員が当たり前とすること、サービス残業、ブラック企業をなくして、残業は月四十五時間までと定めた大臣告示を法律にすること、中小企業への支援と一体に最低賃金を千円以上に引き上げることを提案しています。こんな労働法制の大改悪には県としても反対の声を上げていただきたいと思います。知事はどのようにお考えでしょうか。

 また、県は若者の非正規雇用から正社員への転換を支援する対策を始めていますが、例えば東京都では非正規労働者の正規雇用化を支援するための助成事業を新設し、一人当たり最大五十万円、一千五百人分を計上、また、若者応援企業宣言をした中小企業が正規雇用採用した場合、一人当たり十五万円を支援する事業を新設します。国の制度でも正規雇用をふやした事業者への助成制度があります。もちろん、経済や財政状況など、地域により取り巻く環境が違いますが、県としても若者の正規雇用をふやしていくために新たな対策を実施してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、地域で安心して介護が受けられるための対策について知事に伺います。

 政府は、地域包括ケアを推進するとして、病院や施設から在宅へと誘導を進めています。確かに多くの方が、老後は住みなれた地域で我が家で安心して暮らしたいと願っています。しかし、地域の現状はどうでしょうか。「介護のために仕事をやめざるを得なくなったが、収入が激減してどうしたらいいのか」、「もっと介護サービスが受けられるといいけれど、負担が大変」、「老老介護でもう限界」など、切実な声をお聞きします。

 全国では、この五年間に介護を苦にした痛ましい殺人・自殺が一千七百四十一人とのこと。毎日どこかで起こっているのです。奈良県でも、県警の調べでは、この五年間で犠牲者は十人に上ります。報道によれば、妻の介護を一人で懸命にされていた高齢の夫が過労で心神喪失状態となり、事件となったという事例がありますが、本当に追い詰められています。何とか手を差し伸べられなかったのかと悔やまれます。

 認知症による行方不明は、県内で昨年百八十五人もおられます。家族の不安はいかばかりでしょうか。六十五歳以上の高齢者の孤独死は、県警の調べによると、この間増加し続け、昨年は四百六十四人と衝撃です。五年間で二千人に上ります。誰にもみとられず、孤独のうちに亡くなる悲しい現実。多くの方がこんなことにならないように何かできないかと、自治会をはじめ地域で見守り活動が行われています。

 このような危機的な状況が起こっているもとで県としての役割が問われていると思います。安心できる地域の介護・医療・福祉のネットワークをつくることが急がれます。ところが、今、政府がやっていることは、住民の切実な願いとは逆さまではないでしょうか。

 今年度、介護保険制度は大きく改悪をされました。要支援一・二の介護は、介護保険の適用を外して市町村の行うサービスに移行、特別養護老人ホームへの入所は要介護三以上に制限などのほか、介護報酬の大規模削減が進められようとしています。この改定は二・二七%削減といいますが、処遇改善などの上乗せを差し引いても引き下げですから、介護現場の低賃金と慢性的な人手不足は深刻ですが、これがさらに加速をされます。

 日本医療労働組合連合会の実態調査でも、介護施設で働く職員の深夜長時間労働が深刻です。改善のためにも低賃金・人手不足を解消しなくてはなりません。報酬削減ではさらに悪化することになります。私も介護の事業所・施設でお話を伺いましたが、人件費を下げないようにして事業を続けるには専門職員を減らすしかないが、これでは十分なサービスができないと苦慮しておられます。ある施設では正規職員の募集をしても応募が全くないとのことです。介護・在宅介護の事業所では大きな減収となり、どうやってサービスを維持したらいいのか、人をふやしたくてもヘルパーのなり手がない。特別養護老人ホームでは今でも三割が赤字経営なのに、施設の存続も脅かされます。ますます行き場のない介護難民をふやすことになります。

 この報酬引き下げによってどのような影響が懸念されるのか、状況を調査して実態をつかむとともに、政府に報酬引き下げを取りやめるよう求めていただきたいと考えます。知事はいかがお考えでしょうか。

 また、このような中で、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるように、身近なところでサービスを受けられる基盤の整備はますます重要です。県ではサービス基盤の整備をどのように進めるのでしょうか。

 今や認知症の高齢者は厚生労働省の推定で四百六十二万人とされ、軽度認知障害のある人は四百万人いると言われています。高齢者の四人に一人が認知症か軽度認知障害ということになります。決して人ごとではなく、身近な国民的課題です。早期発見・早期診断で初期の治療や支援がとても重要だということです。

 初期の相談や家族への支援から終末期へのケア・みとりまで、医療・保健・福祉が緊密に連携して切れ目のない支援が行われる体制をつくることが急務です。そして、地域で暮らしていくためには、認知症があっても働く場や社会とのかかわりを持てる場をつくる、社会の中でどう支援していくのか、見守り体制をつくることも課題です。

 福岡県大牟田市では、市が認知症コーディネーターを養成して、地域での取り組みを推進しています。認知症高齢者の行方不明を防止する対策として、安心して徘徊できるまちづくりを進めておられます。小中学生も認知症の支援について学校で学び、バス・電車・タクシーなど交通機関やJA、郵便局、商店街、住民らが連携して、市を挙げて、認知症があっても温かく見守り支援する取り組みをされています。

 奈良県でも、認知症の家族の会の皆さんをはじめ関係者の方々が適切なケアで在宅で家族とともに安心して暮らせるようにと頑張っておられます。認知症になっても人として尊厳が守られ、在宅で安心して暮らし続けられるよう、県では認知症対策をどのように進められるのでしょうか。

 次に、国民健康保険について健康福祉部長に伺います。

 今、住民の負担能力をはるかに超える国民健康保険料が大問題となっています。全国の市町村国民健康保険加入世帯の平均所得は、国が国庫負担金削減を決めた一九八四年から五十六万円も減少して百四十一万円と大きく落ち込んでいるのに、一人当たりの保険料の方は、この間に二・三倍、五万二千円も上がって九万一千円の負担です。奈良市でも四十歳四人家族で所得が二百五十万円の世帯でも四十六万二千百円の保険料ですから、あまりにも苛酷な負担です。

 国民健康保険は、不況の深刻化、年金生活者・非正規雇用労働者がふえ、加入者の貧困化が進んでいます。ところが、保険料は上昇しているのですから、払いたくても払えない滞納が激増することになります。私たちへの要望の中でも高い国民健康保険料を何とかしてとの声が多く寄せられております。

 これに対して政府は、これまで滞納者への制裁として保険証の取り上げを進めてきました。これでは医者にかかれず、命を脅かすことになります。また、大幅な収納率アップを目指し、滞納者への差し押さえなど、取り立てを強化する対策を進めてきました。それでも収納率は改善していません。負担が重過ぎて払えないという根本原因を打開しない限り、生活困窮や健康破壊に追い打ちをかけるだけです。

 そもそも年金生活者や失業者など低所得者が多く加入し、保険料に事業主負担もない国民健康保険は、相当額の国庫負担金なしに維持できないことは、かつては政府も認めていた国民健康保険財政の原則です。ところが、国が国庫負担金を削減し続け、今日の危機になったのです。

 今の困難を抜け出し、誰もが保険証一枚で命と健康が守られる、いつでもどこでも安心して医療が受けられる、すぐれた国民健康保険制度を維持し使いやすくしていくには、払える国民健康保険料にして払える人をふやすことです。保険料を引き下げることで収納率が上がります。そのためには、本来の国の責任を果たし、国庫負担金をもとの水準に戻さなくてはなりません。

 私たちも皆さんと力を合わせて政府への運動をさらに強めます。そして、このような窮状にある中、国民健康保険の保険料を引き下げるために、県としても市町村への支援をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、地域の力を生かす産業振興について知事に伺います。

 リニア中央新幹線誘致、一社当たり三十億円を限度とした補助金をつけた企業誘致、産業用地造成や京奈和自動車道大和北道路建設推進、大型高級ホテルの誘致とあわせた大がかりな開発計画などへ巨額の税金を投入する、大企業呼び込み、大型開発依存から地域の力を生かす産業振興への転換が必要です。

 県では、奈良県の産業雇用に大きな効果のある九つの分野、リーディング産業三分野、チャレンジ産業六分野において産業創出に向けた取り組みを進めるということです。これに加えて小規模零細地場産業十一業種を含め、地域に根を張って頑張っている全ての中小企業・地場産業・商店街を元気にする支援策を進めることができれば、若者をはじめとした定住の拡大、人口回復にもつながります。

 零細企業は、県の支援によりオリジナル・提案型商品を生産できる商品企画力と営業力に着実な成果を上げることができれば、その存在は地方経済と地域社会の持続可能な成長に道を開くことができるのではないでしょうか。

 奈良県らしい地域経済の発展のために、全国に先駆けて制定された中小企業振興基本条例を生かして、中小零細企業を含め、頑張っている全ての企業・地場産業・商店の支援、地元の資源を生かした魅力ある事業展開への支援をどのように進められますか。知事に伺います。

 最後に、地方創生について伺います。

 日本創成会議がまとめた報告書では、二〇四〇年までに二十歳から三十九歳の若い女性が半減する市町村が八百九十六あるとして、全国の半分の市町村が消滅する可能性があるといいます。大変センセーショナルで、危機感をあおり、マスコミでも取り上げられましたから、名前の挙がった市町村では困惑しています。

 これを受けて安倍政権は、地方創生を掲げ、人口減少対策や地方活性化を看板に、まち・ひと・しごと創生本部を発足させました。確かに、人口減少による地域衰退や東京一極集中のゆがみを正すことは多くの方が切実に求めていることです。が、しかし、これまでの自由民主党政治は、輸入自由化を進め、地方の主要産業である農林水産業や地場産業に打撃を与えてきました。大型店の出店規制を外したことにより、進出がどんどん進み、身近な商店街が衰退しました。構造改革といって三位一体改革で地方交付税が大幅に減らされ、平成の大合併が推進されて、地域の産業も衰退してきました。長年の自由民主党政治のもとで疲弊してきた地方の再生を本当に実現することができるのでしょうか。

 政府が掲げる地方創生方針の結論は選択と集中で、地方都市では中核拠点都市を、中山間地域では基幹となる集落を小さな拠点とする集約化を目指そうというものです。大都市はスーパー・メガリージョンとして東京・名古屋・大阪を一体の巨大都市圏にする考えです。結局、公共施設や行政サービスを拠点都市に集中、統廃合して身近な住民サービスの低下、周辺部の衰退が一層進むことになるものです。この先には新たな自治体再編や道州制が持ち込まれます。

 地方を再生するというなら、山間へき地であっても、どんな小さな村であっても、教育や医療をはじめ必要な行政サービスが受けられるよう、地方自治の機能を再生することではないでしょうか。実際に合併せずに小さくても輝く自治体を目指す全国の小さい自治体の多くでは、地域の資源を生かしたすぐれた実践で人口をふやし維持しています。こうしたことにこそ学ぶべきではないでしょうか。

 そこで知事に伺います。政府の進める住民サービスの集約化の押しつけには反対して、地方創生を進めるに当たっては、合併等の市町村集約化によらず、現在ある市町村が住民の身近なサービスを充実させ、地域の再生を図れるように取り組むことが重要と思いますが、いかがでしょうか。

 以上で壇上からの第一問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十七番山村議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、戦後七十年を迎えるに当たって、奈良県の東アジア地域交流などの取り組みに際する考え方というご質問でございます。

 議員お述べのとおり、過去の歴史を踏まえた平和と友好の取り組みは大変重要なことだと認識をしております。そのためには国家間の取り組みだけでなく、地方政府同士の交流、議員同士の交流、民間同士の交流など、さまざまなレベルにおける取り組みも大変有意義であると考えてまいりました。

 我が国のそう遠くない歴史をひもとけば、議員お述べの戦後五十周年の終戦記念日に発表されました村山談話やその前の河野談話に示されたように、日中・日韓の間に不幸な歴史があったことも事実でございます。他方、遠く飛鳥時代までさかのぼれば、インド・中国を経て百済からこの奈良に仏教が伝わるなど、渡来人を通じて大陸からのさまざまな文化や技術が広まり、その後の国家の確立や我が国の文化の発展に大きく寄与したことなど、日中・日韓の間には友好的な交流の歴史があったこともまた事実でございます。日中・日韓の友好に大きく貢献できる歴史を有していることは、奈良の最大の売り物であると考えます。

 このように、奈良の地はいにしえより我が国の国際交流の舞台でございました。この地からの交流の活動は必ず近隣の国際平和に貢献できるとの強い思いを持ってきております。就任以来、東アジア地方政府会合の開催や中国陝西省、韓国忠清南道との友好提携や、これに基づく国際交流の取り組みを積極的に進めてまいりました。この取り組みには国の中枢の方々から強い賛同を得ているところでございます。

 本県には、幸い、東アジア諸地域との友好交流の歴史を伝える文化遺産やゆかりもまだ数多く存在しています。これらの文化遺産が奈良にあることは、奈良県民にとって大いに誇りとすべきでございますし、これからの平和に貢献できる大きな素材であると思います。奈良だからこそできる東アジアとの交流、国際平和への取り組みを引き続き進めることができたらと願っております。

 少子化対策についての制度面でのご質問がございました。

 まず、子ども医療費助成制度の拡充でございます。

 県の助成対象の拡大につきましては、今年度から従来の就学前教育に加えまして小中学生の入院も対象とさせていただきました。この拡大の検討に当たりましては、県の助成対象の拡大に呼応して全ての市町村が新たな県の助成対象以上となることが大切であると考えまして、事業実施主体でございます市町村と勉強会を重ね、その意向も踏まえて決定したものでございます。

 今後も、対象の拡大については、市町村の意向を踏まえることが大事かと思います。市町村の意向を踏まえながら慎重に対応すべき課題と考えております。

 次に、医療期間での窓口負担の無料化についてのご質問がございました。

 受診者が窓口で支払う一部負担金を市町村が受診者にかわって医療機関に支払った場合、国民健康保険において国庫負担金の減額措置が課せられております。本県では福祉医療制度全体で約三億円の国庫負担金の減額が見込まれております。

 そこで、本県では、減額措置を回避しつつ、実質的な負担感がなくなるよう、受給者の利便性を確保する方法といたしまして、自動償還払い方式を採用してきているところでございます。この方式では、一旦窓口で負担金を支払っていただくわけでございますが、後日改めて申請を要することなく、自動的に助成金が受給者の口座に振り込まれるものでございます。実質的に窓口負担感が発生しないような仕組みを今のところ工夫しているものでございます。

 財政状況が厳しい国民健康保険の運営を安定的なものとするためには、国庫負担金の確保は非常に大切でございます。また、市町村議会から意見書の提出があった市町村の理事者側、執行部に改めて県から考え方を確認いたしましたが、その大半から減額措置等を理由に現行制度を維持すべきとの回答を得ております。こうした事情でございますので、現時点では引き続き自動償還払い方式を維持すべきと考えているところでございます。

 なお、一時的に窓口の負担が困難な方が受診を抑制されないよう、市町村で貸付制度が設けられております。従来からのご指摘も踏まえ、手続上の負担を幾らかでも軽減できるよう運用の改善を検討しているところでございます。

 国庫負担金の減額措置につきましては、これまでから全国知事会議でも廃止の要望を行っているところでございます。本県も、今後、さまざまな機会を捉えて国へ廃止を求めていきたいと考えております。

 次のご質問は、労働者派遣法や労働基準法の改正についての考え方、正規雇用の増加についての考え方のご質問でございます。

 平成二十六年九月の臨時国会に提出されましたが廃案となりました労働者派遣法改正案でございますが、その内容は、全ての業務に共通する派遣期間の上限設定をするとともに、派遣期間の上限に達する派遣労働者に対しては新たな就業機会の提供を義務化し、雇用の安定を図ることを主な内容とするものであると認識をしております。

 また、国で検討されております労働基準法の改正につきましては、労働政策審議会からの建議によりますと、長時間労働を抑制するための法制度の整備、フレックスタイム制の見直しと活用促進に加え、時間ではなく成果で評価される働き方により能力発揮を促す制度の創設が主な内容となっているようでございます。仕事と生活の調和のとれた働き方を広げていくことを趣旨とされていることは認識をしております。

 このような制度改正が雇用の安定や働きやすい環境づくりに生かされていくかどうかが大切でございます。国会において今後、議論がさらに深まることを期待しております。

 本県の事情でございますが、平成二十四年の就業構造基本調査によりますれば、本県の週間就業時間六十時間以上の雇用者の割合は一〇・二%にもなっております。全国七位の高い水準でございます。本県においても長時間労働が喫緊の課題となっておると認識をしております。

 労働基準法改正の有無にかかわらず、長時間労働を改善することは本県にとって重要でございます。来年度は労働者側・企業側から勤務時間等の労働環境を調査いたしまして、長時間労働の原因の究明や分析に取り組んでまいりたいと思います。本県の独特の事情がどこにあるかということを探っていきたいと思います。

 また、若者の雇用環境を改善し職場定着を図るためには、県内において正規雇用を促進していくことが重要であると考えております。本県の非正規雇用は高いレベルにあると認識をしております。来年度は企業へ社会保険労務士などの専門家を派遣し、個別コンサルティングを実施することにより、非正規雇用から正規雇用への転換を目指した取り組みや職場定着の向上を図ることとしております。

 介護サービスの実現についてのご質問がございました。

 平成二十七年四月からの介護報酬の改定では、全体で二・二七%のマイナス改定となっております。議員がご指摘になりました。県と同様に国全体の介護給付費が毎年五%程度ふえている状況でございますので、介護保険制度の持続可能性を確保するためにも制度の重点化や効率化は必要であると考えます。

 介護報酬は法律上、厚生労働大臣が決定されます。その際、社会保障審議会の意見を聞くことになっております。この会議は今年度だけで延べ二十回開催され、事業者の経営実態調査など統計のほか、事業者からのヒアリングも行われ、それらを根拠に見直しが行われたものと理解しております。

 全体といたしましては、介護職員の処遇改善や地域包括ケアシステムを支えるサービスの増額にも配慮されており、全体としてはめり張りのついた改定ではないかと考えているところでございます。基本報酬の引き下げが直ちに事業の撤退や縮小を招くものではないと考えておりますが、廃止や休止の届出の状況などに十分目配りをして、制度の円滑な運用に努めてまいりたいと思います。

 次に、在宅支援を充実していくための取り組みのご質問でございますが、二十四時間三百六十五日対応いたします定期巡回・随時対応型サービスというのがございますが、そのほか顔なじみのヘルパーなどにより住みなれた自宅で施設並みのサービスを提供される小規模多機能型サービスの整備が重要であると考えております。特に本県では、定期巡回・随時対応型サービスの需要が平成二十七年度からの三年間で約四・一倍になると見込まれておるものでございます。このため県では、これらサービスの普及拡大に向けて、事業者に対しては参入を図るためのセミナー開設や、市町村に対しましては事業者誘致に向けた取り組みについての情報提供を行ってまいります。

 また、平成二十七年度から事務所の整備費用に地域医療介護総合確保基金の充当が可能となりますので、市町村と連携して本基金を利用して積極的な整備を進めてまいりたいと思います。

 次のご質問は認知症対策でございます。

 高齢化の進展とともに認知症高齢者は増加しておりますが、議員お述べのとおりでございます。最近の統計では、団塊の世代が七十五歳以上となられます二〇二五年には全国で七百万人、本県でも七万人を超える認知症高齢者が発生すると見込んでおります。

 このような状況を受けて、国では、認知症の方の生活全体を支えるという観点から、政府一丸となって省庁横断的に取り組む新たな認知症国家戦略を本年一月二十七日に取りまとめ公表されました。私はかねてより、認知症は家族問題から社会問題になってきているというふうに認識をしております。今後、本県では社会問題としてどのように捉え対応するのか、実証的な追求が必要であると考えてきましたので、国の方向性も同じ方向に向いてきておられるように思います。

 現在、本県の認知症対策は三つのことを重要な柱として考えております。一つ目は、早期診断・早期治療につなげる医療体制の整備でございます。二つ目は介護従事者のスキルの向上など、介護サービスの充実でございます。三つ目は、認知症高齢者とその家族へのご支援やサポーターの養成などの地域づくりでございます。三つの柱を重要な課題としております。このような取り組みは引き続き進めていきたいと考えております。

 しかしながら、認知症の方への対応についての理論や実例が十分確立しているとは言えない状況にあると考えております。本県だけでなく全国的にも同じ状況だと思います。それは一つには、認知症の方の生活実態が十分に把握されていないということがありますので、県では認知症の方のきめ細かな生活面からの実態調査から始め、これをもとにどのような施策を展開すべきかを来年度検討してまいりたいと思います。

 また、認知症になられても住みなれた地域で安心して暮らし続けていただけますよう、地域での実践も大事でございます。今後は、奈良県総合医療センター周辺地域などにおきまして、認知症の方への見守り体制も含めた新しい包括ケアのまちづくりのモデル事業に県が率先して取り組み、その効果を検証しつつ、認知症になっても安心して暮らし続けられる奈良県づくりを目指してまいりたいと思います。地域包括ケアシステムの対象には障害者も認知症の方も含まれる、インクルーシブなケアシステムであるということを基本的な認識にしておるものでございます。

 国民健康保険についてのご質問は、担当部長にお答えをしていただきます。

 次は、地域の力を生かした産業振興についてのご質問が私にございました。

 どのように進めるのかという点でございますが、本県経済の構造改革を推進するに当たりまして、現状を分析してまいりました。本県の経済は所得の源泉を他県に依存している、言ってみれば出稼ぎを中心とした県でございました。県内でお金が回ることが少なく、域内経済循環力と域外交易力が弱いということがわかってまいりました。そこで、九つの産業分野にターゲットを絞り、今ある産業を力強くするための産業おこしというテーマに取り組んでいるところでございます。

 九つの分野でそれぞれ事情は異なりますが、県が主体となって民間を引っ張るため、県は三つの役割を果たしていきたいと考えております。まず、一つ目は、奈良県に不足しております生産から販売までの一貫した産業構造の構築でございます。産業構造全体としてはどこか欠けてへこんでいるところがあるように見えます。二つ目でございますが、域外交易力強化のためには県外への販路拡大でございます。奈良県の産業人は引っ込み思案であるというふうに指摘される面がございます。そして、三つ目は、競争力と付加価値を高めるよいものの選定によるブランド力の向上のための取り組みでございます。OEMのように下請志向が強い県であるとの指摘もございます。

 いずれも、地域が持つ力、地域にある資源を最大限活用することが大切でございます。その観点を踏まえ、例えば県産原材料を活用したご当地食品の開発やクラウドファンディングと呼ばれる新しい資金調達手法の活用による新事業展開への支援など、具体の施策を本県独自の地方創生として計上させていただいております。今後、効果を検証しながら着実に推進してまいりたいと思います。

 また、私が知事就任後の平成二十年三月に制定していただきました奈良県中小企業振興基本条例におきましては、中小企業者の自主的な努力の助長と特色ある地域資源の活用をその基本理念としていただいております。その理念を具体化するため、国内外への販路開拓、高付加価値化、起業・創業、後継者育成、商店街活性化などの施策で小規模事業者を含めた頑張る中小企業の皆様を引き続きしっかり応援してまいりたいと思います。

 県の産業おこしの取り組みと、従来から地域の産業を支えていただいております中小企業の取り組みが相まって、奈良県の経済力が力強くなるものと考えます。どちらか一方だけでは、奈良県の経済力を大幅に向上させ、若者・女性の雇用、仕事を県内で確保することには不十分だと思います。県内企業の皆様が元気になっていただけるよう、引き続き努力をしてまいる所存でございます。

 地方創生に向けた市町村のあり方についてのご質問がございました。

 昨年来、人口減少問題が大きく取り上げられ、政府挙げての地方創生の取り組みが始まりました。言うまでもなく、地方創生の主役は我々地方でございます。本県では各分野の政策課題についてみずから考え、県全体としての施策の効果が最大限発揮されるよう、各市町村と緊密な連携を図り、また、国が提示されている政策メニューを活用しながら、本県独自の地方創生を目指したいと考えております。

 市町村の地方創生の取り組みを進めるためには、小規模であってもそれぞれが自立し、住民に行政サービスを提供していくことが必要でございます。本県では平成の市町村合併があまり進みませんでした。今後は、合併ではなく、市町村の連携・協働により機能強化を図っていくことが必要だと考え、平成二十二年から奈良モデルの実行に取り組んでいるところでございます。

 この奈良モデルの取り組みの結果、国が認められるように大きな成果が上がってきているものと思います。その実績の一部を例として申し上げますと、消防広域化による消防非常備地域の解消や救急搬送の増加に対応する仕組みでございます。二つ目は、南和地域における公立三病院の再編整備でございます。三つ目は、市町村の道路・橋りょうの維持補修の県による受託の実施などでございます。そのほかにも数多くの事例が進んでおりますが、それぞれ、住民サービスの維持向上に直結する具体的な成果と思っております。

 昨年の地方自治法の改正などを見ますと、国の考え方も合併の推進から連携の促進へとシフトしているように思います。まさに奈良モデルの考え方に通じるもので、国の方も奈良モデルの紹介を要請される機会がふえてきております。

 今後もこの奈良モデルの取り組みにより、住民に最も身近で頑張っている市町村が自立して質のよい行政サービスを提供し続けていただけるように、県といたしましては最大限支援をしていきたいと思います。地方自治の原点に立ち戻った奈良県行政を推進できたらと思うところでございます。

 ご質問に対する私の答えは以上でございます。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇) 十七番山村議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、国民健康保険の保険料を引き下げるため、県として市町村への支援をすべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。お答えをいたします。

 所得の低い被保険者が多い市町村国民健康保険におきましては、低所得者の保険料について一定の軽減措置がございます。今年度から軽減対象者を拡大する制度改正が行われておりまして、県内市町村国民健康保険世帯の約五四%がその対象となっているところでございます。県では、こうした保険料軽減措置に伴う保険料の減収分の補填等の低所得者対策といたしまして、今年度も約四十三億円を予算措置しております。

 今後も高齢化の進展等によりまして医療費の増加が見込まれますが、医療費を負担する財源は、保険料、受診者の窓口負担、そして公費の三つしかない中で、保険料や受診者の窓口負担をふやしていくことには一定の限界があると考えております。そのため、従来から、制度設計に責任を持ちます国に対しまして、将来にわたって安定的な運営が確保されますように国費の拡充について要望を行ってきたところでございます。

 現在、国では、低所得者対策の充実といたしまして、来年度から全国で一千七百億円の公費を投入する方向で検討が進んでおりますが、このうちの四分の一は都道府県が負担することとなります。また、平成二十九年度以降は、さらに毎年一千七百億円の国費を投入して国民健康保険の財政基盤の強化を図る方向が打ち出されております。

 県といたしましては、保険料を補填するために独自の財政支援を行うつもりはございませんが、将来にわたって国民健康保険の安定的な運営が確保されますように、医療費の適正化を図るため、健康づくりの取り組みについて市町村と十分に連携することを通じまして、結果として保険料の上昇抑制に貢献したいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) ご答弁をいただきました。知事のお答えの中で、地方創生のところで、地方自治の原点に戻るということで、市町村のそれぞれの自立した住民サービスの発展を応援していきたいということを述べられましたが、その点については全く私もそのように思っておりますので、そのように頑張っていただきたいなということで思います。

 再質問をしたいと思うんですけれども、子どもの医療費の助成の問題で窓口無料についてです。

 これはもう何度も要望もさせていただきまして、この場でも何度も取り上げてまいりました。既に県民の皆さんからは二万七千筆を超えるという大きな声が届いているというものであります。一時は実質負担感がないようにということで自動償還という制度にされたということで、この自動償還という制度が非常にいい制度であるということでお答えになりましたが、実際に利用しておられる低所得の子育て世帯では、一旦支払うというのが本当に大きな負担になっているという声を聞いております。

 子どもの貧困というのは本当に深刻で、今、六人に一人というふうに言われておりますけれども、ぜんそくで兄弟が治療を受ける母子家庭では、急な発作で病院に駆け込む。本当に医療費の支払いにびくびくしていると。こういうときに貸付制度は間に合わないということでありますから、立てかえ払いをなくしてほしいという声が切実だと思うんですね。同じ子育てをしているのに、奈良県では窓口でお金が要って、他府県なら要らないと。大阪府や京都府から来られた方々が京都府へ戻りたいというふうなこともおっしゃられるということでありますので、私は、やはりこの点をぜひとも改善していただくことが必要だというふうに思っているんですが、この点、どうなのかということについてお聞きしたいと思います。

 それと、もう一点は、労働法制の改悪といいますか、政府が今進めております派遣労働をふやしていくやり方ですね、こういうことに対する認識なんですけれども、県で一生懸命、派遣労働を正規に変えたいということで、少しでも青年のためにということで努力をしたとしても、国の方の法律で派遣労働が幾らでもふやせるというふうな、こういうことをやられたのでは本当に追いつかないと思うんですね。もともと日本は人貸し業というのが厳しく禁じられてきました。一部の大企業が国際競争に打ち勝つということで、もうけのために規制緩和がされて、それが蔓延してきたということです。そこで大もうけを上げているところはいいですけれども、青年は犠牲になっています。低賃金で将来に希望が持てない。人口が減少するというふうな異常な事態までこの日本で起こっているということで、今のこのようなあり方というのは間違っているというふうに思うんですが、そのことについて知事はどう思っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 奈良県の地方自治の原点を大事にする、市町村レベルの自治を大事にするということについてはご賛同いただきまして、感謝を申し上げます。

 再質問でございますが、子ども医療費の窓口負担でございます。自動償還ということですぐお返しするという手続をとっておるわけでございますが、それが今の山村議員のご質問では、緊急時は困るよと、自動償還は平時だと支払うけども、いっときの利用者の立てかえでまた戻ってくるよということで、実質的な負担はもちろんないわけでございますけれども、負担感が一度支払うということで発生するのが課題だという面はあろうか、残っている課題はあろうかと思います。緊急時は間に合わないよということのご指摘も今あったように思います。

 緊急時の支払いは、緊急時の支払い措置としてまた考えることができるんじゃないかというふうに、ご質問を受けて思いました。本当に急に駆け込んだときは、多分、通常のときには払わなくても、もちろん受診をしていただくことになっているように思いますが、その点は確認をしていきたいと思います。平時の措置と緊急時の措置と、平時のときは窓口負担なしというのと、窓口負担しても自動償還ですぐ戻ってくるよというものの差が平時の場合はどんなものかというのも一つの論点でございます。これは負担感が大きいよというご意見でございますので、その点ももう少し追求し、確認したいと思いますが、今新たにといいますか、ご質問されたのは、緊急時は困るんじゃないかということもご質問の中にあったと思いますので、繰り返しをしておりますが、その点については、もう少し事情を調査・確認していきたいと思います。

 労働法制についての国の考え方でございますが、労働法制は労働基準法などは強行法規でございます。このような働き方をさせてはいかんという強い強行性のある法規でございます。しかし、その強行法規は最低の基準でございます。これ以上のことをしてはいけないという基準でございます。そのように認識をしております。その労働基準法自身は緩和されておりませんが、日本の法制と現場の労務慣行が乖離しているということは随分言われてきたことでございます。三六協定から就業規則を現場に委ねてきたのが日本の職場の環境でございます。その間を埋めてきたのが判例でございまして、このような事情はいいの悪いの、裁判所が四苦八苦して判例を積み重ねてきたわけでございます。強行法規の労働基準法の顔が形なしになってきたように私自身は思っております。強行法規らしいびしっとした法規にすべきというふうに個人的には思ってまいりましたが、具体的にはなかなか職場の事情がそれぞれ違うので、難しい事情が日本ではあったのかと思います。

 それに加えまして、奈良県では、先ほど長時間労働の慣行がほかよりも進んでいるということを申し上げました。さらに最低賃金のレベルもほかより低いと、これは経済の実勢が職場の環境、労使関係に反映されているという面がありますので、産業を強くしないとやはり職場の環境もよくならないというのがあらゆる分野での基本であろうかと思って、雇用を手がたく確実にするために奈良県の経済力強化、産業おこしに本当に力を入れたいと思っておる点はご理解を願いたいと思います。

 その従属変数と言われる職場の雇用の関係でございますけれども、雇用はこれ以上働かせてはだめだという強行的な法規をどこまで達成するのか、これはすごく深い議論でございますので、奈良県の特例というわけにもいかない面が多々あるというふうに思っております。

 国の方がいい方に向かっているのか、悪い方に向かっているのかという議論でございますが、総じてでございますので、各論を議論すると大変深くなるわけでございますが、総じていい方に向かっている面とちょっと心配になる面があるように私は思います。国の方の学者さんの議論が、シカゴ学派の言うように、みんな自由にすればいいんだという学者さんも一方おられます。それは制度にはもちろん反映されてないように思いますけれども、そのような議論があることは承知しております。その議論には私は賛同しておりませんが、どのようにいい職場慣行を強行法規の裏打ちでつくるかというのは、私がここで言うほどの知見はございませんが、国の方のいろいろな議論の深まりを注目していく必要があるのかというふうに思っております。

 山村議員の党ではそのことについては重大な関心を寄せていただいておるのは十分理解をしております。県の行政の立場から、最も国が確保すべき労働の職場の条件を強行法規的にするということについて、事例は提供できますが、こうかくあるべしというほどの知見あるいは考え方を、山村議員の党と違って我々県庁は十分勉強しておらないということを白状しなきゃいけない面もあろうかと思いますけれど、今のところ、そのようなことで勘弁願いたいと思う次第でございます。



○議長(山下力) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) いろいろとご答弁いただきましたが、いま一つわからないところもありました。

 少子化のことにつきましては、緊急時に困るというのを言いましたのは、貸付制度があるから大丈夫じゃないかというふうに知事がおっしゃったのでね。その貸付制度に関して言いましたら、緊急時は使えないですよということを言ったんですが、本来的に平時であろうとどんなときであろうと、病気を持つお子さんを抱えているお母さんにとったら窓口で一旦立てかえて払わないといけない。後から返ってくるとは言っても、その場でお金があるかないかというのは本当に重大なことになっているというのが、今多く寄せられている声だというふうに思います。

 その中で、県では、国民健康保険の減額措置が三億円もあるということで、これは確かに重大だと思うんですけれども、そういう制度そのものが間違っていると私も思いますし、絶対に許せないと。その点では、先日、厚生労働省にも参りまして、このような制裁をやめるべきだと私も声を大にして申してまいりましたけれども、そういう減額があっても、県が決断をして子育て支援ということでやっているところはたくさんあります。少子化対策が進んでいる県では、窓口無料化ということを実現されております。どこにその違いがあるのかなというふうに思うんですけれども、やっぱり子育て支援を本気でやる、そういう気持ちになっていただいているかどうかというところではないかなと私は思うんです。この際、思い切ってやるということが必要ではないかと思います。三億円という金額が県の財政で負担できないようなものなのかということは、お金の使い方ということで考えれば解決できるのではないかというふうに思いますので、その辺、お伺いしたいと思います。

 労働法制のことでちょっとわからない点もあったんですけれども、知事は、労働者の権利を守るためのそういう強行的な法律だというふうにおっしゃいましたが、今の日本で労働者の働く権利が守られているのかというところがそもそも問題だというふうに私たちは思っております。この日本で過労死が後を絶たない、そういう状況がある中で残業時間の規制というものは法律で決まっておりません。そういう実態にあります。

 さらに、今度、国会で議論をしております労働法制の改悪の中身でいいますと、非正規労働、この非正規の雇用について原則一年、最長三年というこの原則をなくして、労働者さえ入れかえたらいつまででも使えるということにすると。それに対しては何ら歯どめがないということが国会の答弁でも明らかになってきたということですから、この派遣労働というのはふえていく一方になってしまうと。そういう危険があるという問題ですので、そこをきちんと正していかなければ、いくら一生懸命頑張って派遣を正規にということで県で取り組んでも大変なことになるよということを私は申し上げたいと思っております。

 それで、派遣労働者の方々の実態、非正規雇用の皆さんが置かれた状態というものをやはり県が十分に把握をしていただきたいというふうに思います。私のところにもたくさん相談がありますけれども、何年も派遣で働いている方が、何とかこの派遣から抜け出したいということで、就職活動を繰り返して続けてやっております。何回ハローワークに通ってどんなに頑張っても、全く仕事が見つからないと。本人は落ち込んで、本当に追い詰められて、自殺してしまうんじゃないかと私が心配してしまうほど大変な状況に置かれているという、そういう実態がたくさんあると思うんですね。そういう非正規雇用の置かれた実態・背景を十分に把握をしていただく、親身な支援というのが必要ではないかというふうに思います。その点はどうなのかということです。

 とにかく、一点目の子どもの医療費の問題では、やる気があるどうかということで決断を迫りたいということと、もう一点は、青年の非正規雇用の、派遣労働の実態をしっかりと把握していただきたいということなんですが、その点についてお伺いしたいと思います。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 貴重なご意見だと承りまして、勉強させていただきたいと思います。



○議長(山下力) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) 決断されるかどうかというお答えはありませんでしたけれども、私は本当に少子化を心配して、安心して子育てができる奈良県をつくっていくためには、不要不急の無駄を削っていただいたら予算は絶対に確保できるというふうに思います。切実に願っておられる県民の声をしっかりと受けとめていく、そういう県政にしていきたいというふうに思いますので、その点も大いに選挙で訴えて、県民の声に願いに暮らしの願いに応える、そういう県政をつくっていくためにさらに頑張っていきたいということを表明いたしまして、質問を終わります。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時十二分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時二十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十三番梶川虔二議員に発言を許します。−−四十三番梶川虔二議員。(拍手)



◆四十三番(梶川虔二) (登壇) なら元気クラブを代表して質問をいたします。

 県議会議員二十八年、斑鳩町議会議員を合わせると三十年の長きにわたり、励まし、支援、提言やご指導をくださった全ての方々に心から御礼を申し上げます。決意を新たに、引き続き頑張りたいと思っております。

 「子ども泣かすな、来た道じゃ。年寄り泣かすな、行く道じゃ」、この言葉は昨年亡くなられた土井たか子社会民主党党首がよく使っておられました。安倍政権になってから、子どもの嘆きが、子どもを育てる親の嘆きがふえることがあっても減ることはない現状は何とかしなければなりません。国会の安倍首相のやりとり、あるいは籾井NHK会長のやりとりを見ていても、この国を任せて大丈夫なのかなという思いすらいたします。

 安倍内閣総理大臣の改憲発言以降、今、私は大江健三郎先生の呼びかけの戦争をさせない全国署名をしております。不特定のお家に署名用紙をポスティングしているのですが、郵送したり、わざわざ持ってきたりして、毎日、郵便受けの中には四、五枚の署名済み用紙が戻ってきております。かなり関心が高いと思います。

 質問に入ります。

 奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例、いわゆる障害者差別をなくす条例が制定される運びになりました。

 質問の第一点目、その条例の普及啓発についてお尋ねをいたします。

 平成十八年十二月に国際連合総会で障害者の権利に関する条約が採択され、我が日本は翌年の平成十九年九月に同条約に署名しました。その後、条約を批准するために必要な国内法の整備が進められ、平成二十五年六月に障害者差別解消法を成立させ、一連の法整備が終わり、ようやく我が国も平成二十六年二月十九日、障害者の権利に関する条約が発効いたしました。

 一方、奈良県においては、平成二十五年九月定例県議会において、障害当事者などにより結成された奈良県障害者差別をなくす条例を作る実行委員会から奈良県障害者差別をなくす条例の制定を求める請願が提出され、全会一致で採択されました。その際、実行委員会は、条例制定を求める署名活動を行い、約二万四千人の署名を集め、県と県議会に提出されました。

 この請願にも記載されておりますが、これまでの障害者の社会参加や自立の実現のため、福祉制度の充実、福祉のまちづくりなど、さまざまな施策が行われていましたが、障害のある人の生活や権利がいまだ十分には保障されておらず、障害を理由とする差別が存在するのが現実だと、私もさまざまな相談や活動を通して実感をしております。

 そこで、県においては請願や障害のある方々の声を真摯に受けとめ、障害者団体や障害当事者などから成る検討委員会がつくられました。そこで一つ一つの条文が熱心に討議され、検討され、今議会に条例案を上程いただくことになりました。条例が施行されれば、例えば医療機関においても、障害を理由として診療拒否はもちろんのこと、受診から治療において障害者に対する合理的配慮が求められます。障害のある人にとって最も関心の高いことであり、他府県では既にマニュアルがつくられているようです。私は手元に群馬県医師会やあるいは三重県歯科医師会の「障害のある人を診る」というマニュアルを持っております。

 そこで知事にお伺いいたします。

 この条例の施行に当たり、その趣旨や内容について、県民、市町村、事業所、医療機関などに対してどのように周知、普及啓発に取り組んでいこうとされているのか、お伺いをいたします。

 質問の二点目は、重症心身障害のある人に対する在宅支援の充実についてお尋ねをいたします。

 障害のある人が地域や家族とともに安心して暮らすためには、在宅生活において個々に必要とする支援が受けられることが重要となってきます。現在、障害のある人が必要とする福祉サービスについては、障害者総合支援法に基づきサービス支給決定を受け、利用できる仕組みになっています。

 安心して暮らすためには、福祉サービスだけでなく、日常生活全般にわたるさまざまな分野での支援が必要です。とりわけ、医療的ケアが必要な重症心身障害のある人が在宅生活を送るためには、医療・介護・福祉の関係機関の連携による支援が強く求められており、重症心身障害のある人やその家族にとっては切実な願いとなっています。

 在宅支援の取り組みの一つとして、障害のある人に対する喀たん吸引などについては、必要な講習を受講して認定証の交付を受けた障害福祉サービス事業所の職員が、医師の指示のもと看護師などと連携して、たんの吸引や胃ろうなどの医療的ケアを提供できるようになったと聞いております。しかしながら、在宅の重症心身障害のある人に対する支援については、まだまだ取り組まなければならない課題がたくさんございます。例えば、就学前の重症心身障害児本人に対する療育や身体機能の維持のほか、在宅でケアする家族に対する介護負担の軽減が挙げられます。このような支援を一体的に受けられるような体制にすることが望まれています。

 そこで健康福祉部長にお伺いいたします。

 県として重症心身障害のある人に対する在宅支援の充実を図るべきと思いますが、どのように取り組もうとしておられるのか、お考えをお聞かせください。

 質問の第三点目は、西和医療センターが独立行政法人になったことにかかわって、同センターの医療体制の充実についてお尋ねをいたします。

 まずは、独立行政法人になって職員の患者に対する対応も以前と全く変わってまいりました。四月からは待望の産科が復活することになりました。私も機会あるごとに復活を求めてきました。産科の復活は赤ん坊の出生率向上につながるのではないかと期待をしております。また、素人考えでここに病児保育はできないものかと考えたりしましたが、保育は市町村事業ということもあり、重病患者を受け入れる西和医療センターではすぐには無理のようです。

 その西和医療センターですが、適当な用地があれば、そう遠くない将来、建てかえを考えることが知事のお考えと聞いております。私は、それには土地があるとお答えをしておきたいと思います。しかし、もうしばらくこの場で頑張るとすれば、この病院を建設した当時の原点に返ってみる必要があると考えます。

 この病院をつくる折に敷地を周辺七カ町が県に寄付をしたときに、救急患者対応のベッド五床を確保する約束があったり、警察からは国道二五号に右折レーンを設置するようにという話もありましたが、このたび改めて救急用ベッド四床を確保し、救急部門を強化されました。西和医療センターは、西和地区にはなくてはならない病院であり、いつまでも地域住民からの信頼に応えていただける病院づくりを目指してほしいと思います。そのためには循環器の医療など、今の病院の強みをさらに生かして充実すべきと思いますが、どのように考えているのか、医療政策部長にお尋ねをいたします。

 質問の第四点目に、病児保育の推進についてお尋ねをいたします。

 県では、少子化を改善するために、子どもを産み育てる奈良県づくりを推進するための(仮称)奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランを今年度末に策定される予定と聞いております。少子化対策、特に子育て世代への支援について、県が本腰を入れて取り組むことになってきたなと思います。

 子育て環境の充実を考えた場合、病児保育の必要性は痛感しているところであります。病児保育というのは、病気になった子どもを預かり、看護師や保育士が世話をしてくれるもので、働きながら子育てをする親にとっては非常に力強い事業であります。例えばインフルエンザで熱が出ると、保育所に迎えに行ったり、どこかに預けて出勤しなければなりません。最近では職場の方でも理解が進み、早退・遅刻など許されるようになりましたが、連続して休むとなると困難な場合もあります。

 県下には病児保育が五カ所あります。場所は、奈良市二カ所、橿原市、桜井市、生駒市、各一カ所であります。このような状況ではまだまだ県内では病児保育が整備されていない地域が多いと感じます。県内全ての市町村において病児保育が実施されることが望ましいと考えます。病児保育の実施主体は市町村ですが、西和地域をはじめ県内で病児保育が整備されていない地域において、県はどのように病児保育を推進していかれるのでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。

 次に、子どもの虐待の緊急時の対策についてお尋ねをいたします。

 奈良県での児童虐待対応件数は、平成二十五年度には一千三百九十二件で、年々増加しており、深刻な事態であると思います。二月四日、加古川市で生じた子ども虐待の報道がありました。深夜、薄着で震えながらコンビニエンスストアにジュースをもらいに来た三歳の幼児の顔のあざを見て、店長は虐待と感じ、一一〇番しました。店長は、親が来るまでに警察が先に来るように祈ったと言います。幸い、警察が先に来て子どもを保護し、親たちは逮捕されたようです。二月十二日には、彦根市の市役所の福祉課に入った情報を福祉課が警察に情報を回し、急行した警察は親を逮捕しました。

 こども家庭相談センターは、市民から情報を得た場合、四十八時間以内に現場に行かなければならないことになっており、直ちにとなっていないようであります。こども家庭相談センターや役所に情報が入った場合、現場に立ち入る手続に時間を要し、今回の加古川市や彦根市のような機動性に富んだ対応はできないのではないでしょうか。せっかくの市民の情報をだめにしてはならないと思います。こども家庭相談センターは、県民から子どもの虐待に関する情報を得た場合、直ちに急行すべきと考えますが、現状の対応はどうなっているのでしょうか。

 また、国はこの七月に、児童相談所全国共通ダイヤル〇五七〇‐〇六四‐〇〇〇という十桁の番号があるようですが、それから一八九番、イチハヤクをもじって一八九番という三桁の番号にするとも聞いております。この一八九の通報は全てこども家庭相談センターに入ります。さきの二つのケースの場合は、こども家庭相談センターに入るより一一〇番で警察に入る方がよいのではないかと私は思います。

 今後、通報の増加が予想され、こども家庭相談センターの役割はますます重要になりますが、こども家庭相談センターと警察が十分協議して緊急に対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 質問の六番目に有害鳥獣の捕獲の効率化についてお伺いをいたします。

 野生鳥獣による農作物の被害は、農林水産省の調査では、平成十一年から毎年二百億円前後で推移しており、平成二十四年度は二百三十億円にもなっております。そのうち平成に入ってから目立つようになったニホンジカの被害額が約八十億円も占めております。

 一方、奈良県における被害状況を見ますと、昨年は全体で約二億二千万円です。イノシシによる被害額は約一億円、ニホンジカは六千万円、ニホンザルは二千万円と、ここ三年間は若干減少はしているものの、高どまりをしております。二月十一日でしたが、地域の人たちと平群町を通って矢田山山系の松尾山にお参りをしました。道々に電圧を加えた線が張りめぐらせてあり、農家のご苦労を話しながら歩いたところであります。

 このような状況に対し、県では、新しく狩猟者の確保や狩猟会の市町村の垣根を外し、鳥獣の集中捕獲を実施したり、地域の指導者の育成に取り組んでいるところであります。また、鳥獣被害対策の一環として、県内のある地域では、捕獲した鳥獣の処理施設に県が支援をしていると聞きましたが、獣肉の鮮度が落ちないうちに加工処理が行えるような施設が県内各地に整備されれば、捕獲が促進されるのではないかと考えます。

 ところで、有害鳥獣を捕獲するには、猟銃による捕獲とわなやおりによる捕獲の二通りがありますが、今問題になっている農業被害は、里山周辺の居住地に近い農地であることから、もっぱらわなやおりによる捕獲が中心になります。狩猟している人の話では、くくりわなの方が効果的で、おりは費用がかかる割に捕獲ができない、警戒することを知らないイノシシの子の一年もののウリ坊や二年もののフルコがわずかにかかる程度と聞いております。

 この有害鳥獣捕獲の私の昨年二月の質問を県議会だよりで見た県民技術者が大きな関心を持ってくれました。その方の話によると、有害鳥獣をわなやおりで捕獲するには、わなの見回りなど狩猟者の労力が非常に大きいということです。狩猟者の高齢化が進み、狩猟者が減少していく中で、捕獲の効率化を図ることが重要です。ICT(情報通信技術)を導入できないかということであります。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 折しも情報通信技術、いわゆるICTを活用した効率的な捕獲システムが開発されていると聞いておりますし、既に活用しているところもあるようです。奈良県では有害鳥獣捕獲の効率化のために今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

 質問の七点目は、大和川流域の治水対策についてお尋ねをいたします。

 大和川流域においては、従来から川幅や河床を広げ、川の水を安全に下流に流す河川の改修に加え、雨水をグラウンドやため池などに一時的にためたり、家庭のタンクにためるなどして、川への流出を少しでも抑える方法をとってきました。この雨水をためる方法は、最近の局地的な雨が川に一時的に、また集中的に流れ出すことを防ぐ効果があることから、浸水被害を少しでも抑えることに役立っているものと考えます。これからも流域みんなで雨をためる、この総合的な治水対策について、流域に位置する県・市町村をはじめ市民が一緒になって取り組むことが重要であり、例えば水がめを各戸に安くあっせんするのも一つの方法と考えます。

 さて、私の地元の斑鳩町には、国土交通省が管理する大和川があります。この大和川には、下流の大阪府との県境に地すべりする亀の瀬があり、川幅を広げることが困難なことから、上流の奈良県域において河川改修の一環として国の直轄事業として大規模な遊水地、おおむね百万トン、百万立方メートル、百メートル・百メートル・百メートルという量になりますが、を設置することが大和川水系河川整備計画に盛り込まれました。この遊水地について、最近、国と県の関係者が地元に入り、事業実施に向けて具体的な協議が開始されたように聞いております。私は、この遊水地計画が実現すれば、洪水のとき大和川の水位が少しでも低下し、同時に周辺地域の浸水の軽減につながることから、早期の実現を望むものであります。もちろん、地元の条件や要望を聞いていただいた上でのことでございます。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 この遊水地につきまして、現在の進捗についてお聞かせください。

 また、私はかねがね言っております、本来、河川改修は下流からすべきところを大都市大阪のことを考え、上流で遊水地をつくるのです。大阪府は、将来にわたって河川改修はできなく、直轄負担はないかもしれません。この遊水地が実現すれば大阪府も受益するのですから、奈良県の直轄負担の半分は大阪府も負担するように求めてください。要望しておきます。

 次に、県管理の一級河川富雄川についてお尋ねをいたします。

 この富雄川は、生駒市から奈良市、大和郡山市、斑鳩町、安堵町を流れ、大和川に合流する河川であります。しかし、この河川は、斑鳩町高安地区周辺においてたびたび浸水被害が発生し、住民から早期の河川改修が求められております。その富雄川の改修は、斑鳩町の東洋シール株式会社のところにある井堰の改修について、安堵町水利組合との協議に時間がかかり、工事が何年もとまっておりました。このたび、ようやく合意に至ったと聞きました。

 そこで、この富雄川改修につきまして、現在の進捗状況と今後の予定をお聞かせください。

 さらに、同じく県管理の三代川についてお尋ねをいたします。

 この三代川の改修は、JR法隆寺駅のところで進んでおりません。たくさんの補償物件があり、地元協議に多くの時間がかかることは理解しておりますが、現時点での三代川の河川改修のめどについてお聞かせください。

 以上二点は県土マネジメント部長にお尋ねをいたします。

 質問の第八点目は、公立小中学校の統廃合の問題についてお尋ねをいたします。

 県北西部の比較的人口のある平群町でも人口減少が始まり、四校ある小学校の統廃合が進められております。先日の町長選挙の大きな争点になっておりました。四年前の町長選挙では、統廃合派の現職町長がわずか二十八票差で、また、先日の一月の選挙でも前回と同じ候補者で選挙がなされ、投票がなされ、二百九十一票差で現職の統合派が当選をしました。学校というのは、そのまちを存続させるかどうかを分けるような施設です。組合立にすると学校のない方の村はなくなるという危惧が働き、そう簡単に統廃合に応じるわけにはいかない。何とか学校を残してくれというのが住民やそこの行政者、教師の思いだろうと思います。

 これは山梨県市川三郷町の話ですが、児童は十人、教師は校長を含めて七人、その中の三人は町採用です。この町は、複式学級を設けないで、一学年一人でも一学級として授業をするため、あえて町独自予算で三人の教師を雇用しているのです。一昨年でしたが、野迫川村長が、学校がなくなれば村がなくなると強調されたのを今も忘れることができません。

 文部科学省の平成二十六年五月の調査では、全国市区町村の約八割が自分の地域の小中学校に関して何らかの課題があると認識はしているものの、そのうち半数以上が具体的な検討に至っていないという結果になっています。この調査の結果も踏まえ、文部科学省は、平成二十七年一月に公立小中学校の適正規模・適正配置に関する手引をつくりました。それによると、小学校で六クラス以下、中学校で三クラス以下の学校が統合の対象として検討すべきであると示されております。

 そこで、教育長に伺います。

 本県にはそのような小中学校は何校ありますか。そうした学校に対してどのような支援をしているのでしょうか。また、文部科学省の手引も踏まえながら、学校を統合せず存続させようとする市町村に対し支援をしてほしいと思いますが、県教育委員会は今後どのように対応されようと考えておられるのでしょうか。お尋ねをいたします。

 九点目に提起をしておきます。皆さんの資料には載っておりませんが、お許しください。

 私は、地域で十数人の高齢者で梶川の議会質問を考える会というのをつくってもらっております。そこで出された声は議会質問に難しい行政用語を使うなということを指摘する人もありました。「これから高齢社会だ。二人暮らしで夫が亡くなり、妻が年金などの手続をするのに、奈良市の社会保険事務所まで行かなければならない。居住の市役所や役場で申請ができるようにしてほしい。おまえの最後の仕事にせよ」と難題をいただいております。

 最後に、もう一つ指摘しておきます。市町村民税・県民税の申告受付書についてであります。

 ことしも税金の申告時期になりました。確定申告とは別に市町村民税・県民税の申告受付書という書類が関係世帯に送られてきます。県は、税金の収納は市町村任せですが、その申告受付書の書式などについて協議したことがあるのでしょうか。実物を見たことがあるのでしょうか。ことし届いた受付書は、これは奈良市のケースですが、文字が小さく、その上読みづらくなるような網かけがしてあり、大変不親切を通り越して怒りすら覚えるとの苦情が奈良市民から届きました。

 市町村によって体裁は違うのでしょうが、事務処理の機械化がさせるのか、申告書と格闘している高齢者の姿が想像できないのか、年に一度の大行事、納税者の姿に思いをはせています。様式は法律で決まっており、工夫できるのは印刷インクの色、文字の大きさぐらいで、県は何もできないのかもしれません。国において法律の法改正が必要なのかもしれません。税の申告様式は非常に重要なものです。一応提起をしておきます。

 壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 四十三番梶川議員のご質問がございました。

 最初のご質問は、いわゆる障害者差別禁止条例の周知、普及啓発の取り組みについてでございます。

 この条例は、障害を理由とする差別の解消などに関する施策を推進することにより、全ての県民が障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、安心して幸せに暮らすことができる奈良県の社会の実現を目指すことを目的としております。そして、条例の実効性を確保するためには、議員お述べのように、条例の趣旨や内容などについて関係者や県民へ広く周知、普及啓発を推し進め、条例の認知度や障害への理解度を高めることが重要でございます。

 このように思っておりますが、まずは条例制定についてより多くの方々に知っていただくよう取り組むつもりでございます。例えば県民の皆様に対しましては県民だよりなどの広報媒体を活用し、市町村には部課長会議などのさまざまな交流の機会に、また、医療機関などはもとより事業所向けには業界団体等を通じて、条例の趣旨や内容について周知を図ってまいりたいと存じます。

 また、このような取り組みと並行して、障害のある人にとってどのようなことが不利益な取り扱いと考えられるのか、また、合理的配慮としてどのようなことが望ましいのかということの周知も必要でございます。そのための調査を行うこととしております。この調査結果や障害者差別解消法、国の法の施行に伴い、今後国において示される事業者の対応指針などを参考に、不利益な取り扱いや合理的配慮の具体的な事例・内容についてわかりやすく整理したガイドラインを作成するつもりでございます。啓発のためのツールとして活用するなど、条例の普及啓発に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 病児保育の推進についてのご質問がございました。病児保育の整備されていない地域において、どのように病児保育を推進していくのかという質問が私に対してございました。

 病児保育は、保護者にかわって看護師や保育士が病気中の乳幼児または小学生を病院などにおける専用スペースにおいて一時的に保育する事業でございます。保護者がどうしても仕事を休めないときに病児保育を利用できるようにすることは、仕事と子育ての両立を支援する上で大変重要であると考えております。このため、全ての市町村において病児保育に取り組んでいただきたいと考えておりますが、県内での実施箇所数は、議員お述べのように五カ所にとどまっている実情でございます。

 病児保育の実施箇所数がなかなかふえない要因といたしましては、子どもが病気になったときだけ預かるという病児保育の特性がございます。その結果、利用者数が一定ではないため、単独の市町村では実施しにくいためではないかと認識をしております。このため、奈良モデルの水平補完の考え方に基づき、複数の市町村が病児保育を広域で実施できるよう、県が積極的に調整役を果たしていくことも必要であると考えています。

 広域実施の事例といたしましては、現在、病気の回復期に子どもを預かる病後児保育というものがございまして、田原本町と大淀町がそれぞれ周辺の市町村と協定を締結して実施されていますが、病児保育につきましては、広域実施の例はございません。平成二十七年度から新たに大和高田市が市内の病院において病児保育を実施する予定であると聞いております。現在、県が大和高田市と周辺七市町との間の調整を行い、協定締結による広域実施に向けた準備を進めている例がございます。

 県といたしましては、身近な場所で病児保育が実施されることが基本であると考えておりますが、広域での実施も視野に、西和地域をはじめより多くの地域において病児保育の利用が可能となるよう、引き続き市町村の意向も十分確認しながら病児保育を推進してまいりたいと思います。

 子どもの虐待に対するご質問がございました。

 まず、虐待に対する情報を得た場合の対応でございます。児童虐待通告があった場合の県の対応につきましては、現在、中央こども家庭相談センターにおきまして、夜間・休日にも職員を配置し、二十四時間三百六十五日いつでも対応できる体制をとっております。

 子どもの安全確認は、厚生労働省の児童相談所運営指針におきまして、直接目視することを基本に四十八時間以内に行われることが望ましいとされております。本県におきましては、平成二十五年度の通告件数の九五・八%をこの時間内に実施しておりますが、確認できなかったものについては、通告内容だけでは子どもの特定ができなかったことが主な理由となっております。さまざまな通告がある中で、できるだけ児童個人が特定できるように、内容の確認を行い、緊急を要する場合は市町村と連携して速やかに一時保護を行うなど、児童の安全確保に努めているところでございます。

 また、児童相談所全国共通ダイヤルによる通告につきましては、本県では年間約七十件ございます。そのほとんどが夜間・休日でございますので、今後、三桁化により、こうした時間帯での通告件数の増加が予想されるところでございます。したがいまして、特に夜間等の緊急対応につきましては、これまで以上に警察との協力関係の強化が必要と考えております。

 現在、警察には、一時保護の際に保護者の同意が困難なケースでの援助要請や重篤な事案における情報提供等を行うなどの連携を図っております。本年四月には中央こども家庭相談センターに警部補一名を配置するとともに、県こども家庭課とこども家庭相談センター、県警少年課が定期連絡会を開催し、緊急対応についてのマニュアルを作成するなど、さらに緊密な連携を図っていきたいと考えております。

 今後とも県民から虐待通告を受けた際には、市町村、警察など関係機関と連携し、児童の安全確認・安全確保を最優先とした迅速な対応に努めてまいりたいと思います。

 次のご質問はICT(情報通信技術)を活用して有害鳥獣捕獲の効率化を図ってはどうかというご質問でございます。

 県では野生鳥獣による農林業被害を減少させるために幾つかの取り組みを進めておりますが、主に四つの柱で進めております。一つ目は地域指導者の育成や狩猟者の確保・育成でございます。二つ目は、有害鳥獣の隠れ場所となる里地里山等の整備でございます。三つ目は、被害防止柵等の設置への支援でございます。四つ目は、有害鳥獣の捕獲・駆除などの個体数調整でございます。特にわなやおりによる狩猟者の確保・育成対策につきましては、狩猟免許取得促進講習会やわな猟安全技術向上講習会を開催し、最近の五カ年で延べ一千三百人の方に受講していただきまして、一定の成果が上がっているものと考えております。

 しかし、議員お述べのように、狩猟者の高齢化が進んでおります。わなやおりの捕獲装置の見回りや監視が狩猟者にとって大きな負担となっていることも承知をしております。そのご負担を軽減するためにも、捕獲の効率化や省力化を図る必要があろうかと思います。

 近年、おりを定期的に見回ったり、おりの近くで待機して捕獲操作を行ったりする必要がなく、自動でのおりの監視や捕獲を行えるICTを活用した捕獲装置が開発され、運用が開始されました。県では、平成二十七年度予算で捕獲装置を購入するための予算案を計上しております。県が購入した捕獲装置を希望する市町村に貸し出し活用していただくことで、現場の利用を通じてノウハウを蓄積しながら市町村と連携して捕獲の効率化に取り組んでいく所存でございます。

 大和川流域の治水対策について、私に対して一問ご質問がございました。現在の大規模遊水地についての進捗状況のお伺いでございます。

 議員お述べのとおり、大和川につきましては、大阪府との境に位置する亀の瀬の狭窄部で河川改修を行うことは困難でございます。平成二十五年十一月に策定されました大和川水系河川整備計画におきまして、奈良県内に約百万立方メートルの遊水地を整備することが位置づけられております。この遊水地は、大和川の中流部、斑鳩町から川西町にかけての大和川本川沿いに設けられる予定でございます。現在、整備主体であります国が斑鳩町と川西町において関係機関との協力のもと、地元地域への説明を進めているところでございます。

 具体的な進捗でございますが、平成二十六年十一月には川西町保田地区、平成二十七年一月には斑鳩町目安地区と三代川地区において説明会を開催できました。保田地区では約三十名、目安地区と三代川地区では約八十名の地元地域の方々に遊水地の必要性や位置、構造などについて説明を行いました。

 国においては、今後、引き続き地元地域との調整を進め、事業に合意を得られた地区から遊水地の具体的な設計に着手していただけると聞いております。一日も早く用地買収に着手していただき、事業が目に見える形で進展することを強く期待しております。

 県といたしましては、関係機関と協力し、地元地域や関係者との協議や調整において積極的な役割を果たしたいと思います。国の遊水地事業と連携して内水対策を一体的に進めたいと思います。国の遊水地事業の円滑な推進に向けて最大限の努力をしてまいります。

 また、大和川流域におきましては、ため池の減少や防災調整池設置の対象にならない小規模な開発の増加など、当初想定していなかった新たな課題も生じております。直轄遊水地が具体的に動き出したこのタイミングをいいチャンスとして捉えまして、流域対策を効果的に進める新たな仕組みや治水上危ないところに家を建てないようにするなど、土地の使い方、住まい方などにつきましても条例化することも選択肢に入れながら、幅広い検討を進めさせていただき、大和川における総合治水対策のなお一層の推進を図り、完璧な治水対策を目指して全力で取り組んでまいりたいと思います。

 残余の質問は、部長の答弁でございますので、部長に答弁をさせていただきたいと思います。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇) 四十三番梶川議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、重症心身障害のある人に対する在宅支援の充実を図るべきと考えるが、どのように取り組むのかというお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、重症の心身障害のある人が地域で安心して暮らすためには、医療・介護・福祉などさまざまな分野での支援が必要と認識をしております。このため、県におきましては、当事者団体にもご参加をいただきまして、医療関係者や病院、施設、特別支援学校等で構成する重症心身障害児(者)支援ネットワーク会議を開催しまして、一人ひとりのニーズに対応した支援のあり方や方法等について意見交換や課題検討を行っております。

 ここでの議論等を踏まえまして、平成二十四年度から障害福祉サービスの事業所等の職員を対象として、たん吸引などの医療的ケアを提供するための研修、あるいは身体介助の実習研修を行うなど、在宅支援サービスを提供できる人材の育成や事業所の拡大に取り組んでおります。

 また、奈良県障害者総合支援センターにおきまして、常時介護や医療ケアが必要な就学前の児童に対しまして、保育士、医師、看護師等の連携により医療的ケアや訓練等の個々の状況に応じた支援を行いますとともに、ご家族の介護負担を軽減するために、病院での短期受け入れを行いますレスパイトサービスの協力医療機関の確保にも取り組んでいるところでございます。

 さらに、来年度新たに地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、重症心身障害のある人に対し多職種連携によります在宅での療養支援が可能な体制構築に取り組むこととしております。具体的には、医療機関を中心にいたしまして、医師、看護師、理学療法士等の連携により、それぞれの職種に求められる支援内容や技術を明確にするとともに、職種間の連携・情報共有ができる支援体制の構築を目指しまして、包括的な在宅支援をモデル的に実施することとしております。

 今後も重症心身障害のある方が地域で安心して暮らすことができるように、当事者や関係者の方々の意見等を聞きながら、在宅支援の充実に向けた取り組みを進めてまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇) 四十三番梶川議員のご質問にお答えいたします。私には西和医療センターにおける医療体制の充実についてご質問がございました。

 まず、西和医療センターにつきましては、平成二十六年四月に旧三室病院を地方独立行政法人化し、奈良県立病院機構の一員となったところでございます。西和医療センターでは、西和地域の拠点病院となるよう、平成三十年までを対象期間とする中期目標・中期計画に基づき、強化充実させる分野と新たに取り組む分野につきまして、今年度着任されました川口病院長を中心に職員一丸となってセンターの機能充実に努めているところでございます。

 強化充実させる分野の一つといたしましては、循環器疾患に対する高度医療が挙げられており、昨年夏には循環器病研究センターを開設し、これまでの実績を踏まえ、今後はさらに質の高い治療を地域の皆様方に提供できるものと期待しているところです。

 次に、新たに取り組む分野といたしましては、本年四月から六年ぶりに産科が再開されることとなり、分娩できる体制が整うことは大きな成果と考えております。同時に産婦人科の体制も充実しますので、婦人科系のがん治療にも取り組んでいただけると聞いております。

 また、昨年秋からは県と協力して、地域包括ケアシステムの構築に向けて医療者の顔の見える関係づくりを進める西和メディケア・フォーラムを立ち上げました。各町で開催する地域検討会にも積極的に参加いただいております。次年度からは住民向け健康サポーターの養成にも取り組んでいただくこととなっております。

 県といたしましても、西和医療センターのさらなる充実に向けて、地方独立行政法人奈良県立病院機構と議論を重ねてまいる所存です。

 以上です。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇) 四十三番梶川議員の質問にお答えをいたします。私には大和川流域の治水対策につきまして二点、富雄川の河川改修の現在の進捗状況と今後の予定、そして三代川の河川改修の今後のめどについてお尋ねをいただきました。

 まず、富雄川についてお答えをいたします。

 大和川の支川であります富雄川は、斑鳩町と安堵町の境で大和川に合流をいたします延長約二十一・六キロメートルの河川でございますけれども、斑鳩町高安西付近におきましては、河川の断面が不足しておりまして、流下能力が不足し、河川改修が求められている、そういうところでございます。

 このため、平成十二年度に安堵町の笠目地内の高瀬井堰から上流に向けまして河道の拡幅ですとか河床の切り下げを主体といたします河川改修工事に着手し、事業を進めてまいりました。しかしながら、県道の天理斑鳩線、ちょうど安富橋のすぐ上流でございますけれども、ここに位置します西安堵井堰の改修に当たりまして、新しい堰の構造については了解が得られたのですけれども、固定堰から転倒堰になるということに伴って新たに生じます電気代の取り扱いなどにつきまして調整が整わず、平成二十三年以降、工事ができずにおりました。

 しかしながら、井堰の管理者である水利組合と鋭意交渉を重ねてまいりました結果、昨年十一月になりまして最終的な合意を得ることができましたので、来年度からこの西安堵井堰改修の工事に着手できるよう、平成二十七年度の当初予算案に必要な工事費を計上させていただきました。

 西安堵井堰の改修工事は、河川の中での工事となりますことから、非出水期のみの工事となり、時間を要することになりますけれども、一日も早くこの井堰の改修工事を完成させ、さらに上流に向けて河川改修工事を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、三代川について、お答えをいたします。

 大和川の支川でございます三代川は、斑鳩町神南で大和川に合流する延長約三・八キロメートルの河川でございますけれども、大和川との合流点からJR関西本線の南側約二百メートルの地点までの約二・二キロメートル、この区間につきましては平成六年度までに河川改修が完了してございます。さらに、この地点から上流側の約一・一キロメートルの区間につきましては、未改修のままとなっており、流下能力が不足した状況が続いているということでございます。

 現在、飲食店等の商業施設ですとか駐輪場など補償物件が多くありますJR関西本線から南側の二百メートルの区間におきまして、河川改修を進めるべく重点的に取り組んでおります。平成十二年度から用地交渉に着手いたしまして、これまでに地権者十一名のうち五名の方々について用地買収を終えておりますが、残る地権者六名につきましては、地図混乱ですとか代替地等の課題がございまして、用地交渉を思うように進めることができないといったような状況にございます。

 現在、こうした状況の打開に向けまして、地図訂正を早期に完了できるよう、JR西日本本社、関係権利者等と精力的に協議を行っているところでございます。今後とも地元斑鳩町やJR西日本の協力もいただきながら、一日も早い用地解決に向けて全力で取り組んでまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 四十三番梶川議員のご質問にお答えいたします。私には、文部科学省が手引で示す統合を検討すべき本県の学校の学校数とそれらの学校に対する支援、また、今後の対応についてのお尋ねでございます。

 文部科学省が少子化に対応した活力ある学校づくりに向けて策定した手引では、学校規模の標準の学級数を定めておりまして、その半分以下であります、小学校で申し上げますと六学級以下、中学校で申し上げますと三学級以下では、複式学級が存在したり、クラスがえができないため、学校統合等により適正規模に近づけることの適否を速やかに検討する必要があると、このように示されております。

 平成二十六年度の本県の学校基本調査によりますと、六学級以下の公立小学校は四十九校、率で申し上げますと二四・一%でございます。三学級以下の公立中学校は十九校、率で申し上げますと一八・三%となっております。

 これらのうち既に統合を予定している学校もございまして、その学校には統合後も適切な教育環境を維持し、より魅力ある学校づくりを行えるよう、一年間の教員加配や通学対策事業への補助なども引き続き行ってまいります。特に小中一体型で一貫教育を推進する場合には、設置に係る協議会に積極的に参加をいたしまして、そのメリットを生かした教育課程のあり方などについて助言もしてまいります。

 また、過疎地域など地理的に統合困難な学校もございまして、現在、合同学習やICT教育の導入など、少人数を生かした指導の充実に向けた教員用の手引を示しております。来年度からは教育研究所に設ける学校アドバイザリー係が巡回指導する新システムを導入いたしまして、さらなる教育の充実を図ってまいります。

 学校統合は、設置者である市町村が地域の実情に応じて教育的な視点から継続的に検討していくことが求められております。県教育委員会といたしましては、今後も国や県が実施する学力・学習状況調査や体力の調査結果をさまざまな角度から科学的に分析をしながら、各市町村長・教育長が参加する県教育サミット等で議論を積み重ね、活力ある学校づくりに向けて必要な支援をしてまいる所存でございます。

 どうもありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) それぞれご答弁をいただきました。

 順序は逆になるかわかりませんが、とりあえず回答に対する評価をしてみたいと思うんですが、まず、子どもの虐待の件、答弁でかなり緻密にされているとは思いながら、今後は全て児童相談所、こども家庭相談センターですか、に入るということで、そんなに年間通じて件数はないと思うんですが、あれでも緊急を要するような出動のときにやっぱり警察の力をかりるべきだと思うようなのが、遠慮して機を逸したということのないように。特に警察本部長自身には質問しておりませんけども、知事部局と連絡をしっかりとりながら、命がけで虐待を受けておるわけですから、やっぱり対応する行政も命がけでというか、即座に対応してもらいますように。四十八時間というのは、最低でも四十八時間以内には行かないかんということであるんだと思いますけども、実際はやっぱり即刻行くということで、ぜひお願いしておきます。これはそのように思います。

 それから、病児保育の件で答弁がありましたが、この病児保育も、確かに人数が少なかったり、収支でいえば赤字になる事業には違いない。しかし、子育てを支援していくということでは非常に重要な仕事ですから、今、知事が答弁された内容で、例えば平成二十七年度、平成二十八年度ぐらいまでに、今、大和高田市は一つできるようですが、何とかふやす自信がありそうですか。その辺、ひとつ再質問で聞きたいと思います。

 それから、大和川の遊水地の件、これもいろいろ地元の人にちょっと聞いたら、斑鳩町の場合、墓地があるところで、墓地の移設も、あまり遠くへ墓地を移設されたらお参りがしにくくなるから、あまり遠くへ持っていかないでほしいというような、さまざまな要望もあるようですから、そこらは緻密に聞いていただいて、協力が得られるようにしていただきたいと思います。

 これはここで聞くのもあれですけども、水が大洪水で入った場合にスムーズに槽に入るのか、これはもうどこかで実験済みの遊水地事業なのか、奈良県が初めてこういう大規模な遊水地をするのか、その辺、聞かせてもらえたらありがたいと思います。

 それから、学校の件につきましては、統廃合については、やっぱり奈良県も過疎地の学校がありますから、先ほど山梨県ですか、どこかの例を引き合いに出したように、村が何としても学校を残していくんだという形でされた場合には、ここは三人の先生を採用したという話がありますけども、県も奈良モデル的に支援をしていくということを考えていただきますように要望しておきます。

 以上です。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 病児保育の今、五カ所しかございませんが、それが今後数がふえるかどうかの予想ということでございます。今、市町村で熱心になっていただいておりますのは市立病院あるいは国民健康保険病院などがある町村のように見受けられます。公立・公的病院のあるところのように思いますが、これは病児保育がクリニックなどでは多少難しいのかなという予想をしておりますけれども、やはり公立・公的病院を軸として、その当該市町村でなくても、そこを軸として関係町村が集まって病児保育を広域的あるいは集中的にできればという動きは歓迎すべきかと思います。

 県としてはそういう動きをご支援したいと思いますし、とりわけ小規模の町村が固まっているところは距離的にも遠くないので、そんなに効率が悪くならないと思います。例えば奈良市に一つあっても、奈良市は広いわけでございますので、北葛で一つあっても地理的にはそんなに遠く離れたところへ行かなくてもいいといったような概念があります。

 課題は南和地域の場合などだと思います。もとから遠いところばかりでございますし、病院が大変少ない。この南和地域の病院でそのような施設が併設できるのか、また、そこに病児をお連れするのに便利がうまくいけるのかどうかといったような課題は並行して検討すべきであろうと思いますが、このようなご質問があると、病児保育所は確実にふえるものと期待しておりますし、県はその方向で力を注ぎたいと思います。

 二つ目に、今の百万立方メートルという遊水地のような規模は過去にあったのかというご質問であろうかと思います。ちょっと正確なことはわかりませんが、今の状況を見ますと、亀の瀬上流の百万立方メートルのような大きな規模の遊水地が現在ございません。王寺駅の周辺が水没したときに、その周りを囲って堤防を強化したということはございますが、遊水地で上流にダムのようなものをつくるという試みは、もし後で調べて間違っておればお伝え申し上げますが、議論しています過程では初めてのことではないかというふうに思います。

 百万立方メートルの遊水機能がありますと、相当の水害でも水があふれることはないものと思います。その際、内水害の内水被害をどのようにその遊水地ででも阻止できるかということが大きな課題だと思っておりますので、これは県の最大関心事項でございますので、国の直轄事業とあわせて検討しておる事項でございます。

 以上のお答えでございます。



○副議長(井岡正徳) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) 最後、子どもの病児保育、これは既にされていることかもわかりませんが、小学生低学年ぐらいまでは受け入れたり、いろんな工夫もして、ぜひ病児保育所をつくっていただきますよう要望して終わります。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時四十三分休憩

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△午後三時五十八分再開



○議長(山下力) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十三番畭真夕美議員に発言を許します。−−十三番畭真夕美議員。(拍手)



◆十三番(畭真夕美) (登壇) 公明党を代表し、質問をいたします。

 荒井知事は、この四月の知事選に向け、既に三期目の立候補を表明されました。知事は一期目、就任直後に起きた妊婦事故に対しすぐさま手を打たれ、周産期の整備拡充を図られたのをスタートに、この八年間、医療提供体制の整備、文化芸術の振興、さらには県内雇用を確保するため、企業誘致や県と市町村とのまちづくり協定など、奈良県をもっとよくしたいとの思いで今日まで頑張ってこられました。

 命を守る取り組みを最優先に県内経済の活性化、また、住みよい奈良をつくるため全力で取り組んでこられた知事の熱意と行動力に敬意を表したいと思います。今ようやく実を結ぼうとしており、今後に期待するところです。引き続き、初志を貫徹されるまで全力で頑張っていただきたいと心から強く願っております。

 さて、今年度、公明党の推進により、国の二〇一四年度補正予算に地域消費喚起・生活支援型の交付金二千五百億円が創設されました。この交付金を活用したプレミアム商品券の発行については、本県においては住民のニーズをしっかりつかみ、最大効果を狙い、地域経済の活性化に、さらに経済の好循環につながるよう取り組んでいただきたいことを期待し、質問に入らせていただきます。

 初めに、若者の就労対策について伺います。

 安倍内閣が最重要課題の一つに掲げる地方創生。政府は、人口減少対策や地域再生の司令塔となるまち・ひと・しごと創生本部を設け、昨年の臨時国会では基本理念を定めた法律も制定されました。議論の火付け役となったのは、日本創成会議の座長で岩手県知事や総務大臣を務めた増田寛也氏です。増田氏は、「日本のように首都への人口一極集中の流れが続いているのは世界でも特異な現象。今後、東京の医療介護問題は深刻化するだろう。人口の対流を起こす必要がある」と述べています。

 昨年十二月、政府はまち・ひと・しごと創生に係る長期ビジョンと総合戦略を策定し、地方創生に向けた本格的な取り組みがスタートしました。今後、各自治体が地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定し地方創生に取り組むことになりますが、大事なことは、担い手である「ひと」がかなめであり中心でなければならないということです。どこまでも「ひと」に視点を置いて、ことしは地方への新しい人の流れをつくる地方創生元年として、いよいよ政策を具体化する段階に入ります。

 公明党は地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用して、地域の中堅・小規模企業が大都市の経験豊かな人材を半年程度お試しで受け入れる際の費用の半額を助成して、U・I・Jターンを促したり、地域への若者の定着を支援するため、仕事や生活の情報を一元的に収集・提供する地域しごと支援センターの整備を推進しています。

 言うまでもなく、地方創生の一番の柱は若者と女性の就労です。若者・女性が奈良県で働き、奈良県に住み続けていただくためにも奈良県で活躍できる環境づくりが欠かせません。県内の雇用環境が改善されれば、県外からの若者を呼び寄せることができます。奈良県の誇る林業や食を彩る農業、さらには歴史・文化・自然環境を生かした観光など、地域活性化につながります。

 さて、アベノミクスによる景気回復に伴い、大卒・高卒の就職内定率は前年度に比べ上昇しており、若者の就職状況がよくなったことがうかがえます。しかしながら、本県の若者の県内就業率を見ますと、全国に比べ低い状況にあります。また、学校卒業後就職し三年以内に離職する率も前年度に比べ増加しています。特に本県は全国の率より高いと聞いています。

 ある就職情報会社の調査によると、大学生が就職先の企業を選ぶ際に給与のよさや待遇、将来性などを重視する傾向があることがわかりました。県内企業は都市部と比べて給与や待遇面で若干劣っている状況もありますが、将来性など遜色ない企業も数多くあります。それらのことが学生に十分周知されていないのではないでしょうか。企業の魅力を知ることが県内就職の促進や定着につながるものであり、もっとPRが必要ではないかと思います。地方に人を環流させる国の動きがある今こそ、奈良県で働く若者の確保・定着を促進するタイミングと考えます。

 そこで知事に伺います。若者が奈良県で就労し働き続けることができるよう、県内への就労促進、定着支援に今後どのように取り組んでいこうと考えておられるのでしょうか。

 続いて、地方創生のもう一つの柱である女性の就労対策について伺います。

 私は、昨年、女性の就業について調査をするために埼玉県を訪問しました。奈良県と埼玉県は、人口の規模は違いますが、ベッドタウンであり、県外就業が多く、県内消費が低いなど、よく似た状況にあります。埼玉版ウーマノミクスプロジェクトでは、働きやすい環境の整備、女性の就業・起業支援、消費拡大及び情報発信の三つの柱で推進を図られています。本日は、本県における取り組みについてお伺いしたいと思います。

 一九八五年に男女雇用機会均等法が制定されてから、ことしで三十年を迎えます。この間、育児・介護休業法、男女共同参画社会基本法、次世代育成支援対策推進法、子ども・子育て支援法など、男女の雇用均等を側面から支援する法制の整備が図られ、働く女性は確実に増加してきています。しかしながら、平成二十二年度の国勢調査の結果を見ると、第一子出産後に無職になっている女性が多く、女性の労働力率曲線は、子育て期間を谷とするいわゆるM字型カーブを描いています。奈良県の場合はさらに離職率が高く、M字の谷が深い状況です。

 このように、仕事と家庭の両立を支援する制度的枠組みは整備されてきましたが、これらの制度が十分活用されておらず、働く女性をめぐる環境は依然厳しい状況にあります。その背景には、男性は仕事、女性は家事・育児といった固定的な性別役割分担意識や長時間労働を強いる労働慣行があり、それが男女の仕事と家庭生活の両立を困難にし、女性が仕事から離れざるを得ない状況をつくり出しているものと考えます。

 今年度に奈良県で実施した女性の社会参加に関する意識調査においても、男性は仕事、女性は家庭という考え方について、男女とも反対・賛成がほぼ同数となっており、性別による固定的役割分担意識がいまだに根強いことがわかりました。また、男女がともに仕事と家庭の両立を実現するためには、気兼ねなく制度を利用できる職場環境や女性の就労への家族等の理解と協力が必要という回答が多く、仕事と家庭の両立には職場環境の整備や家庭における意識の醸成が必要であることが明らかとなっています。

 今後の女性の社会での活躍推進に向けた重要な視点は、男女の働き方の見直しを通じて、男女ともの家庭生活と仕事等の両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進や男性の家事・子育て・介護等への参加を促進することが何よりも重要課題ではないでしょうか。

 そこで知事に伺います。結婚・出産を契機に退職する女性が多いことから、就業継続や再就職しやすい環境づくりのため、ワーク・ライフ・バランスの推進が重要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのですか。

 次に、女性みずからの起業の支援について伺います。

 奈良県の自営・会社経営者である女性起業家は、平成二十四年就業構造基本調査では八千二百人で、最近五年間で見ると、毎年百五十名から二百名の女性が新たに起業しています。県では、奈良県地方創生本部の中に少子化・女性部会を立ち上げられていますが、女性の起業支援は、女性が身近な場所で知識や経験、技能を発揮して活躍できるとともに、新たな発想による商品開発などを通じてイノベーションを促し、地域経済の活性化や新たな雇用の創出にもつながることが期待できます。

 そこで知事に伺います。奈良県の女性の活躍のために、女性の起業に対する支援についてどのように取り組んでいかれるのですか。お聞かせください。

 次に、待機児童の解消について伺います。

 雇用の確保とともに若者が地域に定着するためには、子育て環境が整備されなければなりません。ことし二月に奈良県がまとめた女性の社会参加に関する意識調査によれば、男女共同参画社会を実現するためには、今後、行政が力を入れるべきことは何かという質問に対し、回答は、男女とも一位は保育サービス・介護サービスの充実となっています。

 女性が出産後も働き続けるためには、保育所を利用できることが必要なのです。県内の待機児童の現状は平成二十六年十月現在三百四十三人、奈良市と生駒市を合わせて二百六十六人で、県全体の約八割を占めています。

 待機児童あるいは待機児という言葉が一般的になったのは、小泉内閣当時の平成十三年のことでした。平成十三年に国が待機児童ゼロ作戦を決定し、それ以来ずっと待機児童の解消は政府の大きな目標とされてきました。

 保育所の定員拡大を支援し始めてから十三年を経過。県ではこれまで保育所の新設や増改築による定員拡大を推進してきましたが、依然として待機児童数は減少していません。これでは働きたい人が安心して働くことができません。私も随分多くの人から相談を受けました。また、身近で苦労している様子を見てきました。家族の支援が欠かせないと実感しているところです。

 四月から始まる子ども・子育て支援新制度では、従来の保育所や幼稚園に加え、幼児教育と保育を一体的に提供する認定こども園を拡充するとともに、待機児童の多い〇歳児から二歳児を預かる小規模保育や家庭的保育(保育ママ)などの地域型保育も推進し、多様な保育の場の整備を支援するものです。これによって、二〇一七年度までに新たに約四十万人分の保育の受け皿を確保する待機児童解消加速化プランの達成を目指しています。

 私は、先日、橿原市を訪れ、市立幼稚園と市立保育所が連携した独自のこども園の取り組みを勉強してまいりました。平成二十七年度からの新制度を待たず、いち早く取り組みを進めてこられた担当者の熱意に敬意を表したいと思います。

 橿原市の取り組みは、幼稚園に通う子どもは少なく、一方で保育所は満杯という状況の中で、検討委員会を立ち上げ、同じ校区の幼稚園と保育所が連携し、保育所の四・五歳児は幼稚園の建物で一日を過ごすこととし、保育所では四・五歳児がもといたスペースで〇歳児から三歳児を受け入れるというものです。その中で、橿原市十五の市立幼稚園のうち五園が保育所の機能を持つこども園になりました。この過程では、従来の教育委員会と福祉の縦割りがあり、さまざまな困難があったようですが、担当者が粘り強く進めてこられた結果、五年目に五園全てでこども園化が完了しました。

 現在、県内には待機児童が今なお発生しています。保育所に入れなかった人たちのことを考え、行政は一日も早く待機児童を解消すべきであると考えています。奈良県が待機児童ゼロを宣言することで、どんなに関係者が安心するか、安心の奈良県をつくっていただきたいと強く思うところです。

 平成二十七年度から始まる子ども・子育て支援新制度では、保育の量的拡充が大きな柱となっており、市町村及び県において保育の需要量を見込み、どのように供給量を確保していくのかの方策を計画として定めることとなっています。

 そこで知事に伺います。今年度中に策定することになっている県の少子化対策及び子育て支援に関する計画、奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランにおいて、待機児童の解消のための具体的な施策をどのように進めていくのですか。また、県はどのような役割を果たしていくのですか。

 さらに、待機児童の解消のためには保育士の確保が重要です。このことについてお伺いします。

 保育の受け入れ枠を拡大するためには保育士を新たに雇用することが必要です。平成二十九年度には国全体で保育士は四十六万三千人が必要となると言われています。平成二十五年度の時点で保育所で働く保育士は三十七万八千人であり、平成二十九年度末までに自然増が見込まれる保育士の数二万人を差し引くと、今後、保育士を六万五千人ふやす必要があるという計算になります。

 国の保育士確保プランでは、保育施設の定員が拡大傾向にあることも踏まえた補充分も加え、平成二十九年度末までに六万九千人の保育士を新たに確保することとしています。具体的には、資格を取得しても保育士にならない、もしくは保育士を離職後復職しない潜在保育士の就職支援などを行う保育士・保育所支援センターの機能を強化し、特に離職した保育士の復帰支援に力を入れることとしています。

 県では昨年七月に奈良県保育士人材バンクを設置し、潜在保育士の仕事のマッチングを進めています。しかし、求人と求職の条件はさまざまであるため、マッチングには困難も生じていると思います。今後、スムーズにマッチングを進めていくためには一歩進んだ努力が必要です。保育士確保のためには、潜在保育士の就職を支援するだけではなく、保育士の資格を取得する人をふやすことも必要です。

 そこで知事に伺います。待機児童の解消のためには保育士確保が重要であり、また、保育士の確保は、待機児童解消方策の中でも県が率先して力を発揮する分野であると考えますが、今後、県はどのように取り組んでいくのでしょうか。

 次に、農業・農村で活躍する女性の育成について伺います。

 国では昨年十一月にまち・ひと・しごと創生法が制定され、これに基づき取りまとめられたまち・ひと・しごと創生長期ビジョンでは、地方創生がもたらす日本社会の姿として地域資源を活用した多様な地域社会を目指すとされています。全国で人口減少が進み、本県でも農村の過疎化が進む中、どのように地域を活性化していくかが課題となっています。

 人口減少下で地方創生をどう進めていくか、一つの鍵が女性の力をいかに引き出すかです。昨年五月に公明党女性委員会九百名を超す女性議員が現場の声を集大成させた政策提言、女性の元気応援プランを安倍内閣総理大臣に申し入れました。内容は、あらゆる分野における女性の参画を加速化し、女性が生き生きと活躍する社会の構築をリードするものです。

 私たち公明党奈良県本部女性局も女性の元気応援プラン策定のため、農業分野を含めあらゆる分野で活躍する女性を訪ね、現場の声を伺ってまいりました。農村地域には地域特産物、多様な生態系、美しい農村風景といったさまざまな地域資源が存在しています。これらの資源を十二分に活用した農業の展開には女性の活躍が欠かせないと考えています。

 全国における農業・農村で活躍する女性の活動実態を見ますと、地域特産物を活用した加工品づくりなどの取り組みに係る女性の起業数は、平成二十四年で九千七百十九件と、十年前に比べると二〇%ほど増加しています。具体的な活動内容としては、農産物直売所やインターネットを活用した顔の見える販売や、都市住民との交流活動として、農家民宿、農家レストラン、農産加工体験など、多様な取り組みにチャレンジされています。

 本県においても女性の起業数は平成二十四年で六十七件と、十年前に比べて一〇%ほど増加しています。具体的には、金剛山の麓で安全でおいしい自家産豚肉を生かした無添加商品の販売と農家レストランの経営、田原の里で無農薬有機栽培の大和茶の販売と自家野菜を使ったカフェの展開、明日香村で育った旬の野菜や山菜が主役のヘルシー料理の提供、子どもたちの農作業体験のほか、自慢のお茶の販売や茶摘み体験を通じた食育活動の実践など、さまざまな女性の起業家が六次産業化に取り組んでおられます。

 また、これらの取り組みを行っている皆さんがネットワークを構築し、農村風景を眺めながら、古都奈良の時間を過ごしたり、多くの体験メニューで旅の思い出をつくったりする、観て触れて食べて癒やされる奈良の薫りをめぐる小さな旅を企画し、参加者から好評を得ています。

 このようなグリーンツーリズムにより新たなサービスを提供する女性たちの活動は、地域資源を生かした新たな農業ビジネスとしての可能性をうかがわせます。さらに、農村に暮らす別の女性グループでは、地域食材を活用した加工品の研究開発や地域の伝統料理を振る舞うイベントなどを開催し、農山漁村の活性化のための情報発信や地産地消活動の推進を図っています。

 こうした女性が中心となった、地元の宝である自然を活用した商品開発や六次産業化などの動きは、農山漁村の持つ歴史や文化を背景として、観光産業にもつながる貴重な取り組みであると考えます。ただ物をつくるだけではなく、もてなしの心で振る舞うことにより、魅力ある農業や地域づくりを推進することが重要であり、そのためには地域で生き生きと活躍している女性たちの斬新なアイデアや自由な発想が不可欠です。

 そこで知事に伺います。県として、農業の振興、六次産業化の推進に向け農業・農村で活躍する女性の育成をどのように図っていくのか所見を伺います。

 続いて、県女性職員が働きやすい環境づくりについて伺います。

 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案については、昨年十月に国会に提出され、衆議院の解散により廃案となりましたが、本年二月二十日に再度国会に提出されました。女性が生き生きと活躍できる社会構築のためには、仕事と家庭の両立支援とともに、あらゆる分野における意思決定の過程に女性が参画することなどを通じて、女性が持てる力を最大限発揮できるようにすることが重要です。しかし、妊娠・出産や子育て、介護などにより、離職を余儀なくされる女性がいます。妊娠・出産を理由とする不利益な取り扱い、いわゆるマタニティハラスメントは違法であり、決して許されません。

 こうした不当な行為を是正し、働きたい女性が安心して仕事と育児・介護を両立できるよう、長時間労働を抑制するとともに、育児・介護休業制度や短時間勤務制度、テレワークなど両立支援策の拡充・促進、男女の賃金格差是正などにより、女性がやりがいを持って働き続けられる環境を整備する必要があります。また、男性の家事・子育てにおける役割も重要です。男性の家事や子育てへの参画を積極的に後押しする企業への支援や職場の意識改革を促すべきです。

 女性には出産・子育て期を経なければなりません。働き続けることはできないのか、このことに悩み続け、働き方の改革を行った佐賀県を訪ねました。インターネットなどICT(情報通信技術)を活用し、自宅でサテライトオフィス(本拠から離れた場所にあるオフィス)などで仕事をするテレワーク。佐賀県は全庁を挙げ、この取り組みを進めてこられました。

 佐賀県では、子育てや親の介護をしながら仕事ができる職場環境づくりを県庁が率先して実施しようと、六年間を超える試行期間を経た後、昨年十月から全職員を対象にテレワークを実施しています。同県庁のテレワークは、(一)自宅で仕事をする在宅勤務、(二)県内外十三カ所のサテライトオフィスでの勤務、(三)タブレット端末などを利用したモバイルワークの三つが柱です。全職員を対象とした直後の平成二十六年十一月の職員のテレワーク実施回数は合計二千七百十六回に上っており、制度の浸透がうかがえます。

 本県と佐賀県では職員の女性比率や通勤事情等にも相違があり、一概に他県に同様な取り組みができるとは限らないとも認識していますが、女性が働きやすい環境づくりを県庁が率先して行っている点について、非常に期待を抱くところであります。

 そこで、総務部長に伺います。女性が働きやすい職場環境づくりを進めるためには、本県においても県が率先して取り組む必要があると考えていますが、女性の県職員が働きやすい環境づくりに向けて、県ではどのように取り組んでいるのでしょうか。

 次に、女性専用外来について伺います。

 女性の活躍の基盤は何といっても健康です。公明党はこれまで、女性特有のがん対策や女性専用外来など女性の健康支援に取り組んできました。がん検診無料クーポン配布事業の継続やコール・リコール(個別受診勧奨)事業の拡充に取り組んでいますが、これらの取り組みなどにより早期に検診受診率五〇%を達成する必要があります。

 また、生涯にわたって女性の健康を包括的に支援する法律を制定し、性差医療の研究拠点創設や女性の健康に関する相談体制の強化などを推進すべきだと考えています。女性の体や健康に対する悩みが複雑化する中で、男性医師には相談できず、症状を悪化させる例も少なくありません。

 県立医科大学附属病院では、女性特有の症状や心身のことでお悩みの方に女性医師が診察を行い、気軽に安心して受診できる女性専用外来を開設されています。何だか体調がよくないけれど、どこが悪いのかわからない。婦人科の悩みを信頼できる女医さんに相談したい。お一人お一人の診療に時間をかけ、専任女性医師がじっくりとご相談にお答えするのが女性専用外来の特徴です。公明党の強い要望により、県立医科大学附属病院に女性専用外来が開設されて、この四月で十年を迎えます。

 そこで、医療政策部長に県立医科大学附属病院における女性専用外来の取り組み状況について伺います。また、北和地域の高度医療拠点病院である奈良県総合医療センターにおいても設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて伺います。

 最後に、産前産後のサポートについて伺います。

 我が国の平成二十六年の出生数は過去最少の百万千人でした。死亡数から出生数を引いた人口の自然減は二十六万八千人となり、減少幅は過去最大を記録しました。少子化に歯どめがかからならければ人口減少が加速し、地域の活力は損なわれ、社会保障制度の土台が揺らぎかねません。少子化の原因には若者の雇用の不安定化や晩婚化などの問題が複雑に絡み合っています。子どもを産むかどうかは個人の判断を尊重すべきですが、産み育てやすい環境づくりは社会全体で進めなければなりません。

 今、妊産婦を取り巻く環境は日々変化しています。晩婚・晩産により女性の出産年齢が年々高くなるにつれ、出産する女性の親の年齢も高齢化し、十分な手助けを受けられない状況があります。また、核家族化が進み、地域との交流も希薄化している中で、不安を抱えたまま母親としての育児がスタートするケースが多くなっています。

 良好な母子の愛着形成を促進する上で、出産直後の一カ月間が最も大事な時期であり、さらには産後早期の親子関係が虐待や育児放棄の予防・早期発見などの役割も果たすと言われています。したがって、出産前後の母親への精神的・身体的サポートは欠かせないものとなってきています。

 妊娠、出産、育児に至るまでのきめ細かな支援体制の構築が大事ではないかと思います。国においても昨年八月の社会保障制度改革国民会議の報告書にも、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援が必要だと明記されており、十分な対応が求められています。

 現在は医療機関や市町村の保健センター、保育所といった各機関が縦割りで親子に対して支援を行っていますが、それぞれの連携は必ずしも十分ではありません。妊産婦等の支援は市町村が実施主体として取り組む事業ではありますが、切れ目のない支援体制づくりのために保健師等による相談支援や子育て経験者が話し相手になるなど、妊産婦の孤立感の解消を図る産前産後サポート事業などを行う市町村を支援する県としての取り組みが待たれます。

 特に、私は産後のサポートが重要と考えます。産後、家庭を離れて他の場所で宿泊し、助産師などが付き添って授乳指導や育児相談を行っている市町村を支援する県もあると聞いています。核家族化が進行し、地域のコミュニティも希薄化する中、一人で悩み孤立する母親にとってとても心強い存在ではないかと考えます。

 そこで、医療政策部長に伺います。女性が子どもを県内で安心して産み育てるため、産前産後における切れ目ないサポートが重要と考えますが、県としてどのように進めていくのでしょうか。

 以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十三番畭議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 第一問目の問いは若者の就労対策でございます。

 地方創生を実現するためには、それぞれの地域が特性を生かしながら魅力を高めるとともに、地域で働く人をふやすことが大切でございます。特に将来を支える人材である若者を地域に定着させることが肝要であると考えます。

 本県の十五歳から三十四歳の若者の県外就業率は、平成二十二年国勢調査によりますと三一%と、全国の中で三番目に高いレベルでございます。また、労働局の調査によりますと、県内企業で働く若者の学校卒業後三年間の離職率は、平成二十三年三月卒業の大学生が約四割、高校生が約五割と、全国平均に比べて高い状況になっております。厳しい状況と認識をしております。

 こういった現状を改善するためには、まず若者の県内就労を促進することが大切であると考えます。若者に県内企業への関心を高めてもらうため、企業が求める人材や育成方針・経営ビジョンなど、県内企業の魅力ある情報を収集し、県内外の大学へ発信しているところでございます。来年度は首都圏の大学に対してもこうした情報を発信するほか、奈良県で働く上での仕事と暮らしの相談を行い、首都圏からの人材を環流させ、U・I・Jターンの取り組みを推進する拠点を新たに東京に設置することといたしました。

 また、若者の職場定着を図ることも大切でございます。働く若者に対しましては、キャリアデザインを構築し、それを実践するように促すとともに、離職した場合にあっては、セミナーや職業訓練などを通して職業観の確立や仕事に必要な技能の習得につなげるなど、速やかに再就労できるように支援申し上げたいと思います。

 企業に対しましては、若者が働きやすい職場環境を整えていただくことが重要でございますので、給与の改善や休暇制度の充実など処遇改善に向けたコンサルティングを実施するほか、県独自の育児休業給付金上乗せ制度の活用により育児休業制度の拡充などを図っていただけるよう働きかけてまいりたいと思います。

 多くの若者が県内で就労し、安心して働き続けることが将来の奈良県の活力を維持させ、人口減少に歯どめをかけることにもつながると考えており、引き続き、若者の県内就労支援を力強く推進していきたいと思います。

 もう一つ大事な点でございますが、女性の就労対策についてのご質問がございました。

 第一問目は、ワーク・ライフ・バランスの推進の取り組みというご質問でございます。

 女性の活躍は、奈良県の地方創生にとりまして必要不可欠であると考えております。就労を希望する全ての女性が意欲と能力を発揮して活躍できるよう、県として最大限支援していきたいと考えております。

 今年度、県が実施いたしました女性の社会参加に関する意識調査によりますと、結婚・出産・介護のため仕事をやめられた理由の第一位は、仕事と家庭を両立できる制度や雰囲気がなかったということだそうでございます。第二位では同じ状況で仕事を続ける女性がいなかったこと、仲間がいなかったことが挙げられております。

 このようなことから、女性が就労を続けていただくためには仕事と家庭の両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進が必要でございます。女性の就労意欲を高め、キャリアを積み重ねていただくことができる環境整備も重要だと考えております。

 ワーク・ライフ・バランスの推進には、経営者、管理職の理解が必要でございます。県では、奈良県社員・シャイン職場づくり推進企業制度により、取り組み内容がすぐれている企業を表彰してございますが、平成二十七年度には新たに経済団体や企業が主催する研修会などにワーク・ライフ・バランス推進の専門家を派遣いたしまして、企業の主体的な取り組みを個別具体的に支援することを考えております。

 キャリアを積み重ねていただくという点につきましては、ロールモデルとしての女性管理職を育てるため、官民合同でキャリアアップセミナーを実施するとともに、新たに若手職員が自身のキャリアプランを考えるキャリア形成講座を実施したいと思います。また、再就職を希望される女性に対しまして、県の子育て女性就職相談窓口のキャリアカウンセラーによる再就職のための実践講座の開催などにより、女性の就労を促進してまいりたいと思います。

 女性の就労についての次のご質問は、女性の起業のご質問でございます。事業を起こされる女性に対する取り組みという点でございます。

 女性の起業は、知識や技能を発揮して活躍できる就労の形態でございます。地域経済の活性化にも寄与するものと期待しており、県としても促進していきたい分野でございます。

 県内の女性起業家四十二名に直接聞き取り調査を実施いたしました。起業時の課題は、知識・情報の収集や資金調達などでございますが、その後、事業が進むにつれまして、事業戦略や販売先の確保など、課題の内容が変化してございます。また、他社の経営者に相談することで具体的な知識を得られたことが役に立っているとの回答が多く寄せられています。

 こうした事情でございますので、これから起業しようとする女性に対しましては、今年度から基本的なノウハウを学ぶための連続講座を開催しております。また、Leap(飛翔)ならという題名のホームページを新たに開設いたしておりますが、起業の実例や補助金の支援などについての情報発信や起業家の相互交流など、ネットワークづくりを促進しようとしております。

 一方、事業拡大を目指す起業家に対しましては、平成二十七年度に事業戦略の立て方や販路開拓を支援するためのワークセッション型商談会を実施したいと思います。さらに、活躍する女性のロールモデルの育成として、経営者や管理的な立場の女性を対象に、新たな事業展開を促進する専門的なセミナーを実施したいと考えております。

 また、女性が能力を生かして活躍していただくとともに、県内の文化情報を広く情報発信することを念頭に翻訳家の育成に取り組んでおります。平成二十六年度には十二名の方が受講されましたが、平成二十七年度も新規メンバーの養成を図るとともに、卒塾者に対して就労に向けたフォローアップ研修を行っていきたいと思います。

 女性の活躍促進のために今後も状況に即したより効果的な、また実践的な施策を検討し実行してまいりたいと思います。女性の活動が奈良県の経済・文化を引っ張っていかれることを信じて、疑っておりません。奈良県の女性の活躍を心から期待したいと願っております。

 待機児童の解消についてのご質問がございました。

 女性が働きやすくするための施策の一環ということでもあろうかと思います。女性の就業率が全国最下位の本県にとりまして、安心して仕事と子育てを両立していただけるよう保育環境を整えることは、県政の重要施策の一つでございます。本県では、平成二十一年度から今年度までの六年間で、保育所の定員はおおむね一割増に当たる約二千五百人増加いたしました。しかし、保育所利用希望者数がふえておるため、一部の市町で待機児童が解消されていない実情にございます。

 現在策定中の奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランにおきましては、保育の量的拡充と質の向上を推進していきたいと思っております。国の待機児童解消加速化プランの取り組み加速期間が終了いたしますのが平成二十九年度末でございますが、この平成二十九年度末までに奈良県の待機児童の解消をぜひとも実現したいと考えております。

 具体的な解消方法といたしまして、平成二十七年度は、奈良県安心こども基金と国の交付金を活用して保育所整備を推進するとともに、平成二十七年度からの子ども・子育て支援新制度の実施に伴いまして、新たに創設される小規模保育や家庭的保育などに対しても財政支援を行っていきたいと思います。さらに、幼稚園など既存の施設を活用した認定こども園を推進することは、保育の定員を拡充する方策の一つでございますので、地域の意向を尊重しながら、認定こども園の設置を推進していきたいと考えております。

 こうした取り組みに加え、待機児童が発生している市町と県による待機児童解消のための検討会議を設置し、幼稚園の預かり保育の活用や認可外保育施設の認可保育所への移行など、あらゆる方策を検討するとともに、先進事例や工夫した取り組みの情報共有も行いまして、県と市町村が一体となって待機児童ゼロの奈良県の実現を目指した取り組みを進めてまいりたいと思います。

 保育士確保についてのご質問がございました。

 保育所において新たに多くの子どもを受け入れるとともに、保育の質を向上させるためには、十分な保育士数を確保することが重要な課題であると認識しております。県では保育士の確保を円滑に進めるため、昨年七月に奈良県保育士人材バンクの運営を開始いたしました。就職支援コーディネーターが求人と求職のマッチングを行っております。現時点では二百八十七人の求人と百九十人の求職の登録がございまして、五十七名の方の就職が決定しております。

 しかし、求人数に対しましてまだまだ求職の登録件数が少ないことから、平成二十七年度は保育関係団体や保育士養成施設などとの連携のもと、奈良県保育士人材バンクの広報を強化するとともに、資格を持っておられます保育士、しかし働いておられない潜在保育士への求職登録の働きかけなどを積極的に行っていきたいと考えております。また、保育士として新たな就労者をふやすため、平成二十六年度にモデル的に実施いたしました、子育て経験のある女性が保育士資格を取得することを支援する研修を平成二十七年度に拡充していきたいと思います。家庭的保育など少人数の保育の場に従事する人材の養成にも取り組みたいと考えております。

 次は、農業・農村で活躍する女性の育成をどのように図っていくのかというご質問でございます。

 農業における女性の役割は、本県においてもっと高く評価されるべきだと考えております。本県農林部では女性幹部の活躍が見受けられるところでございます。

 本県における平成二十五年の農業産出額は四百三十二億円で、全国四十四位と低迷している事情でございます。本年度から産業おこしのチャレンジ分野として農業を位置づけました県産農産物のブランド化、付加価値化、高価格化に邁進していきたいと思っております。議員お述べのように、地域の資源を活用した六次産業化、地域特産品を活用した加工品の開発などは、女性の得意とする分野であると認識をしております。

 県では、農業・農村で活躍する女性と意見交換会を開催し、丁寧に耳を傾けるとともに、加工技術の向上や販路開拓、商品開発のノウハウなど、女性の起業に必要なスキルを習得する研修会などを開催してまいりました。さらに、議員が訪れていただいた女性起業家に対して、ビジネス発展を目指しネットワークの設立やシェフとコラボレーションした新たなメニューづくり、農村の魅力を体験するモニターツアーなどの企画運営を支援してまいりました。

 平成二十七年度からは、地方創生に向けて意欲のある女性を公募し、新たな農業ビジネスで起業を目指す人材育成を専門家を交えて実施したいと思います。また、次世代の主力となる女性農業者を対象として、意見交換会や経営力向上ゼミの開催などを通じた連携強化を図るとともに、新たにチャレンジする商品開発などのご支援もさせていただきたいと思っております。

 本県では、女性ならではの感性とたくましさで六次産業化や加工品などの商品開発に取り組むことにより、地域が元気になり、もって本県農業の振興に結びつくよう、今後とも農業で活躍する女性の育成を実施してまいりたいと思います。本県の農業は女性がリードする時代に入ってきているものと信じております。

 畭議員への私の答弁は以上でございますが、最後に一言申し上げさせていただきます。畭議員は今議会でご勇退されると聞いております。議員在職中に賜りました温かいご指導とご厚情に改めて感謝を申し上げます。今後ともご健勝でお過ごしになられますとともに、県政の発展についてもお見守りいただき続けますよう、ご期待申し上げる次第でございます。

 以上をもちまして私の答弁を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) 浪越総務部長。



◎総務部長(浪越照雄) (登壇) 十三番畭議員のご質問にお答え申し上げます。

 私に対しましては、女性が働きやすい職場環境づくりを進めるためには県が率先して取り組む必要があるが、女性の県職員が働きやすい環境づくりに向けてどのような取り組みをしているのかという問いでございます。

 行政サービスの質の向上を図るためには、男女の別なく職業生活と家庭生活を両立できる環境を整えることが必要であると認識をしております。このため、県ではこれまでから仕事と出産・子育て・介護等の両立を図るための環境づくりに取り組んでまいりました。

 具体的に申し上げますと、本県独自に実施している制度といたしましては、子どもが小学校三年生まで一週間当たり十八時間四十五分を上限に対象年齢と取得時間を拡大いたしました子育てのための部分休業を男女とも取得可能にしております。そのほか、保育園等への送り届けのために朝の始業時間をおくらせる遅出勤務制度、家族の介護が必要な場合に使用できる介護休暇、子どもの看護休暇など、出産や子育て・介護等により離職することなく働き続けるための制度を充実させてまいりました。

 さらに、平成二十四年六月には職員労働組合と共同で奈良県ワーク・ライフ・バランス推進労使宣言を行うなど、子育て・介護を行う職員にとって、働きやすく、その能力を十分に発揮してもらえるような職場環境づくりに労使で取り組んでいるところでございます。

 議員ご指摘の県業務へのテレワーク導入の可能性についてということでございますが、子育て・介護を抱える職員の負担を軽減し、より働きやすい勤務環境づくりのためには有益なツールの一つになり得ると考えております。しかしながら、佐賀県の事例を研究する中で、勤務管理や勤務実績の評価、個人情報等のセキュリティーなど、制度的にまだ整理すべき課題があるというふうに考えております。また、今後のマイナンバー制度の導入に合わせてシステム面からのさらなる検討も必要と考えております。

 今後、女性職員の働きやすい職場環境づくりに向けては、産休・育休の取得促進策とともに、職場復帰に向けた支援やテレワークを含む多様な働き方の研究などを積極的に進めていく必要があると考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇) 十三番畭議員からのご質問にお答えいたします。

 私には二つのご質問がございました。まず、女性専用外来からでございます。

 県立医科大学附属病院の女性専用外来は、平成十七年四月に開設いたしましてことしで十年の節目を迎えます。現在、毎週水曜日午後に専門の女性医師が予約制により診察を行っております。開設以来受診される方は増加傾向にございまして、平成二十五年度は延べ五百七十八名、一回の診察日当たり約十名の方が受診されている状況でございます。開設当初は五十歳代の方がほとんどでしたが、現在は二十歳代から五十歳代を中心に幅広い年齢層の方が来られていると聞いております。

 女性専用外来では、身体的症状を抱えながら治療に至っていない患者さんを専門の診療科につなげる役割を果たしたり、いらいらや疲労感などの不定愁訴に悩む多くの方々に適切な診療を行っていただいており、担当されております島本郁子先生、そして太香子先生の献身的なご努力には心より感謝申し上げたいと考えております。

 また、女性専用外来の特徴といたしまして、一人の診察にかかる時間が長いこともございまして、医師の負担が大きいとも言われております。さらに、患者さんにきめ細かい診療を行っていくためには、臨床心理士や看護師、薬剤師などと連携してチーム医療を進めていくことも大切だと伺っております。

 奈良県総合医療センターでの女性専用外来につきましては、県立医科大学附属病院の取り組み状況や今後の患者ニーズの動向を踏まえまして、女性特有の症状や心身のお悩みにいかに対応していくべきか、県立医科大学や奈良県総合医療センターともご相談しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、産前産後における切れ目のないサポート体制をどのように進めていくかというご質問に対して回答させていただきます。

 子どもの健やかな成長は万人の願いですが、母親を取り巻く環境が大きく変化する中で、妊娠・出産時に子育てに不安や孤独を感じる方々が多くいらっしゃいます。これまで妊娠から出産、育児に関する支援につきましては、市町村が実施主体となり、妊婦健診、妊婦教室、乳児家庭全戸訪問、乳幼児健康診査などを通じまして保健師等による相談支援等が行われ、産前産後の母親を支えてまいりました。

 国においては、地域における切れ目のない妊娠・出産支援の強化が喫緊の課題であることから、妊娠期から子育て期にわたるさまざまなニーズに対しまして、総合的相談支援を提供するワンストップ拠点であります子育て世代包括支援センターの整備や母子保健コーディネーターによる全ての妊産婦支援につきまして、このたび補正予算において実施されることとなりました。

 これを受け、県としましても、県内市町村に対しまして国の動きや先進事例の情報提供を行うとともに、事業への参加を働きかけ、実施を希望する市町村に対しましては、モデル市町村として円滑に事業が実施できるよう全面的にバックアップをしてまいります。

 県はこれまでも市町村や地域の産科・小児科等の医療機関、助産師会等をつなぎ、顔の見える関係づくりに努め、妊娠・出産期からの連携体制を構築してまいりました。また、保健師等の人材育成や支援技術の向上等に取り組んでいるところです。

 今後さらに妊婦や母子が地域で孤立することなく、妊娠・出産、そして子育て期までの切れ目のない支援が効果的に行われますように、市町村支援の充実に努めてまいる所存です。

 以上です。どうもありがとうございました。



○議長(山下力) 十三番畭真夕美議員。



◆十三番(畭真夕美) 今、それぞれにお答えをいただきました。

 若者の就労対策についてでございますが、さまざま県として全力を挙げて取り組みをしていただいているということで、今お答えがございました。その上で、大学生の定着促進ということで、少し香川県の取り組みを紹介させていただきます。

 二〇一二年度から大学生・専門学校生などに向けて、奨学金の一部を免除する香川県大学生等奨学金制度を始めています。県内企業で三年間働くことなどが減免の条件で、最大七十二万円の返還を免除します。始まったばかりなんですが、今、返還免除を申請する人が出始めており、学生が地元回帰する機運を感じていると県の担当者はおっしゃっております。二〇一四年度までに累計三百八十二人がこの奨学金を利用しているとのことでございます。

 奈良県においても、大学生の定着促進という観点から、香川県を参考に今後検討されてはどうかと提案をさせていただきます。

 女性の就労につきましては、埼玉県がウーマノミクスプロジェクトということで、仕事と子育てが両立できる社会を埼玉からつくるをテーマに、ウーマノミクスとはウーマンとエコノミクスの造語で、女性の活躍によって経済を活性化するというプロジェクトでございます。アベノミクスの一年前からスタートしているとのことでございますが、特に女性と経済という視点に焦点を当て施策を推進しているという点に共感をいたしました。

 奈良県は女性の就業率全国最下位ということは、逆に言えば、可能性を秘めているということでございます。奈良県版ウーマノミクスというか、幅広く、そして女性の就業対策、特に今質問させていただきましたワーク・ライフ・バランスというのが重要でございますので、奈良県としてもこういった施策を体系的に今後取り組んでいただきたいということ、これも要望しておきます。

 女性の起業ということでございますが、奈良市内に女性創業・起業支援を行うという株式会社ウィメンズフューチャーセンターが開設されまして、この六月で一年を迎えようとしております。こういうセンターは全国でも三つしかない。そのうちの一つだということでございます。

 先日、センターを訪れまして、代表の栗本さんにお話を伺いました。十年以上、子育てのボランティアの経験、またウエブデザインの経験を持った彼女ですが、多くの女性の能力が発揮されていないことにもったいない思いを抱いていたそうです。そんなときに奈良県商工会連合会主催の女性創業塾の講座を経て、その思いが募り、女性起業支援をしたいと会社を立ち上げたとのことです。現在、センターに登録をされているのは二百二十三人です。うまく起業に結びつけるお手伝いを今後しっかりとしていきたいと、このように意気込みを語っておられました。

 こういったセンターもあるということを県は承知していただいて、今後、連携も図っていただければというふうに要望しておきます。

 待機児童の解消につきましては、年々減少しているということも事実ですが、一方で、子どもを保育所に入れるためにどれだけ保護者が苦労しているか、そういったことを行政は現場の声に寄り添い、あらゆる知恵を出してスピーディーに取り組むことが求められるのではないかと思っておりますので、県もしっかりと支援をしていただきたいとお願いをしておきます。

 農村で活躍する女性の育成でございますが、先ほど私も質問で紹介させていただきました女性のネットワーク、和母(わはは)というネーミングをつけていらっしゃいます。平和の和と母と書いて和母というんですが、和母というネーミングはとってもいい響きで、女性の感性、力を感じます。こういった県内に大きな輪が広がることを期待しております。

 女性の県職員が働きやすい環境づくりについてでございますが、総務部長からもテレワークも今後視野に入れてというご答弁をいただきました。奈良県出身の田澤由利さんも、夫の転勤で仕事をやめざるを得なくなった、その後、どこでもできるテレワークという働き方を推進されて、会社も立ち上げておられますが、また先進例を勉強されて、検討からぜひ始めていただきたいとお願いをするところです。

 浪越総務部長におかれましては、今議会で退職されるというふうにお伺いしております。長年にわたり奈良県のためにご尽力いただきましたことを心から御礼を申し上げたいと思います。

 女性専用外来については、一人の女性医師が十年間続けてくださったということに、本当に私自身からも感謝を申し上げたいというふうに思います。今後、県が女性専用外来に寄り添い、また、今現在、県立医科大学附属病院の女性専用外来のお部屋のあまり環境がよくないそうでございますので、その改善も含めて、女性が安心して行ける、そういった外来にしていただくことを要望しておきます。

 最後に、産前産後のサポートにつきましては、質問でも申し上げましたが、晩婚化、核家族化が進み、夫は仕事で忙しく、高齢化した親の支援も得にくくなったりで母子が孤立しがちな現状にある中で、身近に頼れる人がいなければ、妊娠をためらったり出産や子育てに不安を抱いたりするのは当然です。

 そこで、妊娠から子育てまでを切れ目なく一貫して支える子育て世代包括支援センターが十分に機能すれば有効な少子化対策になるのではと思っております。モデルはフィンランドの子育て支援施設ネウボラで、日本版ネウボラを目指していくことになります。

 このたび、奈良こどもすくすく・子育ていきいきプランも策定されました。こども・女性局と連携しながら、県と市町村を引っ張るぐらいの熱い気持ちで専門的な力を発揮していただき、県内にセンターが設置されるよう進めていただきたいというふうに思っております。地域の実情に合った工夫を凝らしたワンストップ拠点ができますよう要望しておきます。

 以上、再質問で思いを述べさせていただきました。細かくは予算審査特別委員会で議論をさせていただきます。

 最後に、私事ですが、今期をもちまして県議会議員を引退させていただくことになります。先ほど知事からもご丁寧に激励のお言葉をいただき、ありがとうございました。四期十六年間、多くの方々にご支援をいただきましたこと、また、お世話になりましたことに心より御礼を申し上げまして、公明党を代表しての最後の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

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○議長(山下力) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(山下力) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、三月三日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時三分散会