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奈良県 奈良県

平成27年  2月 定例会(第318回) 02月27日−02号




平成27年  2月 定例会(第318回) − 02月27日−02号







平成27年  2月 定例会(第318回)



 平成二十七年

        第三百十八回定例奈良県議会会議録 第二号

 二月

    平成二十七年二月二十七日(金曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十四番米田忠則議員に発言を許します。−−三十四番米田忠則議員。(拍手)



◆三十四番(米田忠則) (登壇) 議長のお許しをいただきましたので、自由民主党を代表し、質問をいたします。

 私ども県議会議員の今期四年間の任期は四月二十九日に、また、知事の任期は五月二日にそれぞれ満了し、ともに残すところ二カ月余りとなりました。そして、この四月には統一地方選挙がとり行われます。この四年間を振り返りますと、国においては、民主党の政権を経て、我が自由民主党が公明党とともに政権与党に返り咲き、第二次安倍内閣が発足いたしました。安倍内閣では、これまで大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢からなる経済政策、いわゆるアベノミクスを一体的に推進し、その結果、我が国の経済には好循環が生まれ始め、景気は緩やかな回復基調が続いております。とは言うものの、個人消費等にはまだ弱さが見られ、特に、人口減少・高齢化やグローバル化への対応など、中長期的な課題を抱える地方においては、アベノミクスの効果がなかなか行き渡らず、経済の好循環が十分には浸透していない状況にあります。

 本県に目を転じますと、平成二十三年九月に紀伊半島大水害が発生いたしました。今年度末までを集中復旧・復興期間と位置づけ、県の総力を挙げて取り組んでこられた結果、道路・河川等の復旧事業はおおむね完了し、また、全ての避難が解消されるまでになりました。一方、本県経済の構造改革や、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを契機としたさまざまな取り組み、健康寿命日本一を目指す健康づくりなど、その成果を得るためにはもう少し時間がかかり、引き続き、力を注いでいかなければならない分野もあります。

 荒井知事は、就任以来、地域の自立を図り、暮らしやすい奈良をつくりたいとの強い思いのもと、本県が直面する数多くの諸課題に対して、真正面から取り組まれるとともに、私ども県議会議員へは、明瞭な統計・分析資料を提供され、議論をとことん交わされるなど、その真摯な政治姿勢について、私は高く評価をしているところであります。また、この二期八年間の荒井知事の県政運営について、多くの県民の皆さんもこれを評価されているところであり、我が自由民主党といたしましても、引き続き、荒井知事に県政を担っていただきたいと考え、十二月県議会において三選出馬を要請したところ、知事におかれましては力強く出馬を表明していただきました。知事は、今議会の冒頭で、平成二十七年度に県として重点的に取り組む施策について所信を述べられましたが、本日の私の代表質問では、そのうち重要な数項目を取り上げ、知事のお考えを、また、先般着任された羽室県警察本部長の所信を、それぞれ、お聞かせいただきたいと思います。

 まず初めに、平成二十七年度の新年度予算についてお伺いします。

 今述べましたとおり、本県には、経済の構造改革など、直面する数多くの県政諸課題があります。また、国においては、去る十二月に地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策が決定され、国の平成二十六年度補正予算において、地域住民生活等緊急支援のための交付金が創設されるなど、いわゆる地方創生に向けた政策が徐々に推進されようとしています。そこで、改めて、知事がこれまで取り組んでこられた本県が抱える各分野の政策課題の進展に向け、本県平成二十七年度当初予算及び平成二十六年度二月補正予算は、どのようなことに重点を置いて編成されたのか、その要諦をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、本県の経済を好循環させるための取り組みについて、二点お伺いします。

 一点目は、産業おこしについてであります。

 知事は、元来、極めて脆弱な本県の経済を、少しでも向上させようという強い信念を持って、産業構造の実態把握と分析を手始めに、経済構造の改革への取り組みを進められておられます。例えば、平成二十五年に立ち上げた奈良県経済産業雇用振興会議において議論を重ねるとともに、昨年二月、奈良県の産業・雇用に大きな効果をもたらすと考えられる生活関連製造業など三つの産業分野をリーディング分野に、また宿泊産業など六つの分野をチャレンジ分野として、産業振興に強力に取り組む方針を打ち出されたことは、皆様ご承知のとおりです。

 以来、県の経済構造を改革するための取り組みが部局横断的に進められていると聞き及んでおりますが、私は、九つの分野の中でも、売上高や従業員数において、本県経済の中で大きなシェアを占めている生活関連製造業と小売業の分野をより強くすることが、特に、重要であろうと考えております。

 私の地元、大和高田市は、かつては商業のまち、商都高田とも言われ、商店街には人があふれていましたが、現在は沈滞しております。また、繊維やプラスチックを中心に栄えた製造業も、ここ二、三十年にわたる経済のグローバル化、円高基調による海外シフト等により、元気がなくなっています。往時のような地域の活力を少しでも取り戻すために、知事が進めておられる産業おこしに大いに期待するところです。

 そこで知事にお伺いいたします。

 県の経済構造を改革し、県内で経済を好循環させるべく、九つの産業分野に焦点を当てた産業おこしに取り組んでおられますが、とりわけ生活関連製造業及び小売業の産業おこしが必要と考えますが、新年度の具体的な取り組みについて、お聞かせください。

 次に、本県経済の好循環に係る二点目の質問として、県内消費の喚起に向けた取り組みについてお伺いします。

 本県の個人消費は、一月に発表された奈良財務事務所の県内経済情勢報告によりますと、乗用車新車登録届出台数や、衣料品・家具・家電・家庭用品などの大型小売店販売額が、昨年四月の消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動などから、前年を下回っている一方、販売額の大きい飲食料品は堅調に推移するなど、一部で緩やかに持ち直しつつあります。そもそも、本県の一世帯当たりの消費支出は全国三位と高いレベルにありますが、逆に県内の年間商品販売額は全国四十六位と低く、県外への消費流出額は年間四千億円と試算されています。また、人口千人当たりの県内小売業事業者数は全国四十三位となっており、県内消費の拡大が喫緊の課題となっています。

 県では、県内消費の拡大に向けて、これまでプレミアムつき商品券を三回にわたり発行され、いずれも完売するなど、県民からも支持されております。特に、平成二十六年度は、消費税率の引き上げによる消費の冷え込みを和らげるもので、生活者の生活支援にかなり寄与したものと思いますが、今後、もう一押しの消費喚起がぜひ必要です。新年度には、国の地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用し、県として引き続きプレミアム商品券を発行されるとのことですが、知事は、昨年十二月議会の一般質問に対し、これまでの発行とは一味違う工夫を凝らして実施したいと答弁されておられます。

 そこで知事にお伺いいたします。

 昨年四月の消費税率引き上げによる駆け込み需要反動から、個人消費の回復におくれが見られ、そのてこ入れを図るため、工夫を凝らしたプレミアム商品券の発行など、県内消費を一層喚起させるような取り組みが、今こそ必要だと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、市町村への支援についてお伺いします。

 全国的に人口減少が大きな問題となっています。社会保障・人口問題研究所によりますと、二〇四〇年の全国の人口は一億七百二十七万六千人で、二〇一〇年より一六・二%の減になり、奈良県の人口は百九万六千人で、二〇一〇年より二一・七%の減と推計されています。また、昨年五月に、元総務大臣の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、出産年齢の九割を占める二十歳から三十九歳の女性の人口の減少スピードに着目し、二〇一〇年から二〇四〇年までの間に二十歳から三十九歳の女性の人口が五〇%以上減少すると、市町村を消滅可能性都市として公表しました。この数は、全国で八百九十六市町村、全体の四九・八%であり、県内では二十六の市町村、県内市町村の六六・七%が消滅可能性都市とされております。消滅可能性都市という命名には異論もあるようですが、国にとっても地方自治体にとっても、人口減少は非常に深刻な課題となっていることは明らかです。

 このような中、市町村が、県民の暮らしを支える行政サービスを持続可能な形で提供していくためには、それぞれの市町村が単独で全てのサービスを提供するのでなく、市町村同士、あるいは県と連携し、より効率的に基礎自治体として役割を果たしていくことが重要だと思います。国においても、昨年、地方自治法が改正され、連携協約など新たな広域連携制度が創設されるなど、連携を一層促す方向になってきたものと承知しております。

 奈良県では、知事の発案のもと、このような国の動きに先駆けて、奈良モデルとして市町村同士あるいは県と市町村の連携を積極的に進め、地域の実情に合わせ、行財政の効率化を図ってこられました。そして、例えば、全国でも例を見ない規模の消防の広域化、南和地域における医療サービス提供体制の再構築、県営水道と市町村水道が連携した県域水道一体での水道資産の最適化などに取り組み、さまざまな成果があらわれてきています。

 そこで知事にお伺いいたします。

 これから、本格的な人口減少社会が到来する中、市町村が持続的に質のよい行政サービスを提供し続けるためには、県と市町村が連携・協働する奈良モデルの取り組みは一層重要性が増してくるものと考えますが、今後、奈良モデルをさらに推進するに当たってのご所見をお聞かせください。

 次に、外国人観光客の誘致についてお伺いします。

 二〇一四年に日本を訪れた外国人観光客は千三百四十一万人となり、過去最高を記録しました。地域別に見ますと、台湾が約三〇%増の二百八十三万人、中国は八〇%増の二百四十一万人となっております。アジアから大変多くの方々が来日されております。これは、円安の定着により、訪日観光の割安感が強まっていること、航空便の就航や増便、クルーズ船の寄港がふえたことなどが大きな要因と考えられています。また、昨年十月に実施されました消費税免税対象商品の拡大の影響も、日本が旅行先に選ばれる大きな要因となっているようです。

 一方、昨年一年間に、訪日された外国人観光客が国内において消費された総額は、前年度比四三・三%増の二兆三百五億円となり、外国人観光客一人当たりの消費額も、前年と比べ、一〇・七%増の約十五万一千円と推計され、いずれも過去最高額となっています。政府は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を追い風として、訪日客二千万人というさらなる高みを目指し、さまざまな取り組みを展開しようとしています。

 我が国が少子高齢化時代を迎えている中、インバウンドの振興は、宿泊・交通などの観光関連産業のみならず、外国人観光客の消費活動を通じて、幅広い産業に、好循環と雇用の機会を生み出す効果があり、地域経済の発展、地域のにぎわいの創出にとって、大変重要なことと私は考えています。このような状況の中、荒井知事は、これまで数多くの経験からあふれ出るアイデアと豊富な人脈を生かした観光振興に取り組まれ、海外に広く目を向けられ、東アジア、東南アジアをはじめ、ヨーロッパをも対象に、外国人観光客の誘致に取り組んでおられます。

 例えば、昨年十二月には、今後さらに大きな誘客が見込まれる中国、台湾、東南アジア、フランスに県の代理機関を設置し、現地旅行会社等に対し、観光情報の提供や旅行商品のセールスを開始されました。また、旧猿沢荘を改装し、(仮称)奈良県外国人観光客交流館の整備を進めておられます。この施設は、外国人の観光客を対象とした、宿泊機能を含めたものであり、このような施設を、県みずからが運営することは、全国的にも例のないものです。そして、ことしの夏以降には、一部先行してオープンすると伺っております。さらに、外国人観光客の誘致だけではなく、ヨーロッパ以外で初めて開催された奈良観光統計ウィークや、国際防災学会インタープリベント二〇一四など、国際会議を数多く誘致され、各国の要人やVIPの方々に対する奈良の魅力発信や、開催地としてのさまざまなおもてなしなどを展開されているところです。新聞やテレビなどは、全国各地の外国人観光客の誘致や受け入れ環境整備などの取り組みの様子が、連日のように報道され、我が国では、今後、ますます各地域間の外国人観光客の誘致合戦が激化していくものと考えます。

 そこで知事にお伺いします。

 今後、他の地域との誘致合戦に本県が一歩も二歩もリードし、より多くの外国人観光客に訪れていただくため、どのような取り組みを考えておられるのかをお聞かせください。

 次に、本県における今後の道路整備についてお伺いします。

 道路は、県民の日常生活を支えていく上で、最も必要とされる基盤であり、交通機能に加え、いろいろな機能をあわせ持っております。つまり、上下水道や電気等のライフラインの収容、市街地の形成、災害時の延焼防止など、現代の生活になくてはならないものが道路には集結しています。しかるに、本県は三大都市圏にありながら、他府県と比べて、以前から道路整備がおくれております。

 また、平成二十三年度の紀伊半島大水害では、とうとい命が失われたばかりでなく、多くの箇所で道路が寸断され、集落が孤立しました。県・被災市町村では、その後、三年半にわたり、復旧工事に全力で取り組まれ、ようやく、一定の成果が見えてきたところですが、そもそも日本は地震国であり、さらに近年、集中豪雨等が頻発しています。人命・生命を守るため、国土・県土の強靱化は、非常に重要なテーマであると考えています。

 一方、我が国の公共投資は、依然、厳しい状況にあり、この一月に国土交通省が公表した平成二十七年度道路関係予算概要を見ますと、前年度に比べ、ほぼ横ばいといった状況です。また、道路予算の全てが、道路の新設に充てられているわけではありません。今まで整備してきた道路は、全国的に老朽化が進んでおり、本県も決して例外ではありません。道路のメンテナンスは極めて重要であり、それに係る経費も年々増加しております。このような中、本県の道路整備が低いとは言うものの、今後、しっかりとした戦略を持って道路整備を進めていくことが、必ず本県の発展につながるものと考えています。期せずして、県では、昨年七月に奈良県道路整備基本計画を策定されたところです。

 そこで、知事にお伺いします。

 奈良県道路整備基本計画に基づき、本県の道路整備を進められていますが、特に、県土の強靱化、産業・経済の活性化につながる道路網の整備について、今後どのように取り組んでいかれるのか、所見をお聞かせください。

 最後に、警察本部長にお尋ねします。

 県警察では、平成二十五年から、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現という運営指針を掲げ、県民が犯罪や事故の被害に遭わないまちづくりを推進するための各種対策を推進してこられました。こうした対策により、本県の治安情勢は、平成に入って最も厳しかった十数年前の犯罪や交通事故の情勢に比べ、大幅な改善が見られます。しかしながら、最近のマスコミ報道や県警察が公表している治安の概況等を見ますと、児童虐待、ストーカー・DV等、子どもや女性が被害者となる事案が増加し、また、特殊詐欺事件の被害者や交通事故による死者の多くが高齢の方であることなどからも、子ども・女性・高齢者を対象とした事件等が世間を不安に陥れていると言っても過言ではない状況にあります。

 安全で安心して暮らせる社会の実現は、県民全ての願いでありますが、このような社会に対していくためには、県民、事業者、行政が連携して取り組みを進めていくことが、今後ますます重要視されるものと考えております。このたび着任されました羽室警察本部長には、県民の誰もが大きな期待を寄せているところであります。

 そこで、県の治安を担う最高責任者として、今後、どのような県警察を運営されようとしているのか、着任に当たっての抱負と所信を、お聞かせください。

 以上で、壇上からの質問を終わります。知事及び警察本部長には、簡潔明瞭にお答えをいただきますようお願い申し上げます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十四番米田議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 第一問目は、平成二十七年度当初予算、また平成二十六年度二月補正予算の重点事項ということでございます。

 新年度の予算案につきましては、四月に実施されます統一地方選挙を念頭に骨格的な予算と位置づける一方、人口減少克服・地方創生の実現に向けた国の施策推進の動きともうまくマッチングさせながら、次の四点に重点を置き、平成二十七年度当初予算と平成二十六年度二月補正予算を一体で編成することといたしました。

 まず一点目でございますが、産業おこしをテーマといたしまして本県産業の発展や仕事・働く場を創出する取り組みを強力に推進したいと思います。

 本県経済を好循環させるためには、リーディング分野やチャレンジ分野の産業育成や企業誘致の推進に取り組む必要がございます。また、求人・求職のマッチングや若者・女性への就労支援の充実を図りたいと思っております。農業でございますが、奈良のおいしい食の創造や発信を図り、また林業の分野では、根元の太いところから細い幹や枝までを全て搬出して、多用途に供給する林業への転換に取り組みたいと思います。

 二点目の重点事項でございますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機とした取り組みでございます。

 外国人観光客の誘致のため、ターゲットを明確にした奈良の魅力の効果的な発信や、おもてなし環境の整備などに取り組みたいと思います。また、奈良の文化を発信するため、奈良の持つ深い歴史の発信力を高めるほか、多彩な文化芸術イベントを展開したいと思います。さらに、東アジアをはじめとする諸外国と歴史的なつながりの深い奈良の強みを生かしまして、国際交流を促進したいと考えます。スポーツ振興の分野におきましては、トップアスリートやスポーツ指導者の育成のほか、誰もがいつでもスポーツを楽しめる環境整備を図りたいと思います。また、奈良観光を世界有数の国際級のものとするため、地域資源を活用したにぎわいの拠点整備を推進したいと思います。

 三点目の重点事項でございますが、暮らしやすい奈良をつくる取り組みでございます。

 健康寿命日本一を達成するため、健康づくりに取り組む人をふやすほか、地域包括ケアシステムの構築を推進いたします。また、奈良県総合医療センターの移転整備など、高度医療を担う医療施設の整備や、医師・看護師の確保、質の高い総合的ながん対策を進め、医療提供体制の充実を図りたいと存じます。さらに、障害者支援や高齢者支援にも取り組むこととしております。このほか、結婚・子育て支援や、女性の活躍と社会参画の推進、地域の教育力の向上を図りたいと思います。また、奈良県を一つの庭と見立てた、なら四季彩の庭づくりなど、美しく風格のある奈良の町並みの保全と創造や、にぎわいのある住みよいまちづくりを推進いたします。さらに、防災力の向上にも、引き続き、取り組んでまいります。

 四点目の重点項目でございますが、南部地域・東部地域のさらなる振興に向けた取り組みでございます。

 紀伊半島大水害からの復旧・復興から地域振興へとステージが移ってまいっております。頻繁に訪れてもらえ、住み続けられる地域づくりを推進したいと存じます。県では、これまで、統計やアンケート調査などによる現状分析を踏まえ、知恵と工夫を凝らした取り組みを進めてまいりました。このことにより、奈良は着実によくなってきていると思います。引き続き、新年度の予算案に計上した数々の取り組みを着実に推進することによって、地域の自立を図り、暮らしやすい奈良県の実現に向け、さらに前進してまいりたいと考えるところでございます。

 第二問目は、本県の経済の好循環のための取り組みについてのご質問でございます。その中で、産業おこしの取り組みの具体的な内容についてのご質問がございました。

 議員は、本県の生活関連製造業と小売業は、本県の重要な産業分野であるとおっしゃいましたが、そのとおりであると認識をしております。これまで現状を分析するとともに、産業おこしに向けた有効な取り組みについて検討を行ってまいりました。

 まず、本県には、食料品、繊維、プラスチックなどの生活に関連したいわゆる生活関連製造業が集積して有力な産業となっております。事業所数、従業員数、出荷額、いずれにおいても大きなシェアを占めているところでございます。しかしながら、いずれも県域外との取引収支、つまり都道府県間の貿易収支は赤字の産業でございます。域外交易力を強化し、輸出産業に変換する必要があることが明らかになってまいりました。域外交易力を強くするためには、県内企業が取り組む国内外、特に海外への販路拡大や付加価値の高い製品づくりのための研究開発のご支援を積極的に進めていくことが重要であると思います。

 そこで、来年度は、海外で開かれる国際見本市に単独で出展する企業や、海外進出に向けたマーケット調査を行う企業を支援する制度を創設するなど、販路を拡大する県内企業を積極的にご支援することといたしております。

 また、食料品の分野におきましては、県産原材料を活用した奈良の新たなご当地食品などの研究開発をご支援したいと思っております。繊維やプラスチックの分野におきましては、異業種との交流を促進し、革新的イノベーションの創出を目指す研究開発組合の設立につなげていきたいと考えております。また、企業の新たな取り組みを資金調達面から支援するため、今後、インターネットを活用して小口の投資を募るクラウドファンディングと呼ばれる資金調達手法の導入を支援し、全国から新たな顧客を確保する仕組みを構築することといたしております。

 次に、小売業でございますが、本県は、県民一人当たり年間商品販売額は全国四十六位でございます。また、大阪府への通勤・通学者が多いというベッドタウンとしての特性もあり、県外への消費流出額は年間約四千億円にも上っております。しかし、年間商品販売額は約一兆円ございます。従業員数が約五万八千人と、本県にとっては大きな産業分野であることは間違いございません。小売業の産業おこしによって、県域での消費をふやし、県内でお金が循環する流れをつくることが大切だと思っております。

 県内での消費をふやすための施策でございますが、プレミアム商品券の発行による消費喚起も非常に有効だと考えますが、消費環境の向上も大事な点だと思います。よい店をふやしたり、買い物しやすいまちづくりを進めるなど、消費者目線で消費の場をふやすための取り組みが欠かせないと考えております。

 そこで、来年度は、県と市町村が協議会を設置し、消費地としての奈良の魅力を向上させるような取り組み、集客施設の誘致、設置、運営のための調査を行っていきたいと思います。また、ICTを活用して、購買データに基づいた顧客動態を分析し、商店街の活性化につなげるための実証実験も実施したいと思います。

 今後、これら施策の効果も検証し、市町村とも情報を共有しながら、生活関連製造業や小売業はもとより、他の産業分野についても産業おこしを推進していきたいと思っております。

 また、県内消費を一層喚起する取り組み、プレミアム商品券の発行についてのご質問がございました。

 本県では、これまで三回にわたりプレミアム商品券を発行してまいり、県内消費の喚起に努めてまいりました。この本県独自の地域消費喚起の取り組みが国においても注目され、このたび緊急経済対策として全国の地方自治体が実施するプレミアム商品券発行事業へ、国が支援することにつながってきたものと思います。こうした奈良の取り組みは、消費税増税直前の、再増税直前の国の施策に刺激を与えたことになる先行的取り組みの意味があったことだと感じております。

 平成二十七年十月に予定されていた消費税、税率一〇%への引き上げは、平成二十九年四月に延期されることになりましたが、全国と同様に回復がおくれがちでございます県内消費の底上げを図るため、今年度に引き続き、来年度も県が直接プレミアム商品券を発行し、市町村発行のプレミアム商品とあわせて、県内で百億円を超える規模での消費を喚起したいと考えております。その内容でございますが、まず県といたしまして、県内全域で利用できる二〇%のプレミアムつき商品券を約四十三億円発行いたします。また、より一層の消費喚起が必要だと思われます南部・東部地域では地域限定で利用できる二五%のプレミアム商品券を約五億円、合計約五十億円を発行いたします。また、今年度は、プレミアム分一五%のうち五%を店舗負担としておりましたが、店舗負担を軽減したいと考えております。来年度は、県内全域の商品券については五%あった店舗負担分を二%、南部・東部地域限定の商品券については、一%と低く設定したいと思っております。商店街や大規模店舗の区別なく、取り扱い店舗になっていただきやすくすることで、より一層の参加を促し、県内各地に消費喚起の波を広げていきたいと考えているところでございます。

 奈良県への宿泊観光客の増加対策でございますが、一〇〇%のプレミアムつき宿泊券を発行したいと思います。一万円の宿泊券で二万円の宿泊の価値があるプレミアム宿泊券ということになります。このプレミアム宿泊券を利用して、県内にお泊まりになる観光客などに対して、宿泊施設の近隣や県内訪問先での飲食や土産物の購入などに使用してもらうために商品券を販売するとともに、これを機に売上アップを目指す宿泊施設と小売店などとの連携による顧客取り込みのための工夫を促したいと思っており、域外からの消費を積極的に取り組んでいきたいと考えております。また、県内の市町村においても、合計いたしますと発行総額が五十億円を超える規模のプレミアム商品券の発行が予定されていることから、県全体での消費を効果的に喚起するため、県と市町村で協議会を設置し、役割分担をしながら進めていきたいと考えております。

 去る二月四日に、最初の会議を開催いたしたところでございます。市町村には、地元商工会議所や商工会とも連携し、できる限り地域の商店街など、小規模な店舗での消費が拡大するような趣旨での発行をお願いしているところでございます。また、市町村などが、プレミアム商品券の発行と連動して、地域の小規模な店舗などでの消費拡大を狙いとした集客イベント等を実施される場合には、県として別途しっかり支援していきたいと考えております。

 これから全国において議員が申されましたように、さまざまな手法でプレミアム商品券が発行され、競争になろうかと思います。本県においては、他府県に負けないよう、県、市町村、店舗等が一丸となって県内での消費を喚起し、個人消費を押し上げることで、景気の好循環につなげていくことができたらと思っております。

 その次のご質問でございますが、奈良モデルをさらに推進するための所見というご質問でございます。

 私は、市町村が地方自治体として機能強化を図っていくためには、市町村同士あるいは県と市町村が連携・協働することが必要だと考え、平成十九年の知事就任当初から、積極的に県と市町村の連携・協働を進めてまいりました。この取り組みにつきましては、関西学院大学の小西砂千夫先生がユニークな取り組みなので奈良モデルと呼んでいいよとおっしゃっていただき、むしろご自身で宣伝をしていただいてまいりました。奈良モデルは本県が独自で売り込んだのではなく、外から注目されてきた奈良県独自の施策でございます。

 奈良モデルでは、県と市町村は対等なパートナーであると位置づけております。それぞれ平等な立場で連携・協働を進めることができる仕組みと考えております。そして、住民に最も身近で、行政サービスの提供を担っている市町村をできるだけ支援することが県の役割だと自認をしておるところでございます。

 そこで、知事就任の一期目から県・市町村長サミットを開催してまいりました。加えて、平成二十四年度からは地域振興懇話会を開催するなど、市町村長の皆様と直接議論を重ね、共有認識を持ち、合意を得ながら連携・協働に取り組むという姿勢でやってまいりました。成果も随分と上がってまいりました。全国的にも注目される実績になってまいりました。

 例えば、消防広域化でございますとか、南和地域における医療提供体制の再構築でございますとか、県と市町村の水道運営の連携、県域水道、水循環の取り組みなどでございます。さまざまな奈良モデルの取り組みが実を結んでいることは、奈良県市町村長サミットや地域振興懇話会など協議を重ねるごとに、仕組みがうまく回っているように思われて、ありがたいと思っております。

 昨年五月の地方自治体間の連携を促進するために、地方自治法の改正が行われましたが、参議院総務委員会に参考人として出席を求められ、奈良モデルの説明をしてまいりました。また、本年一月には、国のトップクラスの地方制度調査会専門小委員会において、本県の奈良モデルの取り組みについて説明しなさいというご要請がございました。市町村合併や広域連合に変わる公共団体間の連携モデルということで、奈良モデルの取り組みが広く認知され、これからの新しい市町村の能力向上に向かう一つの仕組みだという考え方で、国からも高い評価をいただいているものと、うれしく思っております。

 今後も、県・市町村長サミットの場などにおいて、市町村長の皆様と直接に議論を重ねて、市町村の課題の掘り起こし、データによる現状分析、具体的解決案の提示などを行い、県勢発展のリーダーシップを発揮しながら、奈良モデルの成果を上げていきたいと考えております。

 次のご質問は、外国人観光客の誘致のご質問でございます。

 昨年、奈良を訪れた外国人観光客は、前年と比べ五割増しの六十七万人でございました。三割増しでございます全国の伸びをかなり上回って、大きな勢いで伸びているものでございます。県では、この伸びを好機と捉え、これを機会に外国人観光客誘致に大きな施策を続けることが必要と考えております。

 例えば、外国人観光客の誘致のための仕組みでございますが、大きな誘客が見込めます県、国や地域に代理機関を設置し、切れ目なく現地旅行会社などに奈良への旅行商品造成のセールスを行いたいと思います。また、長期滞在が期待される富裕層を対象とした海外プロモーション活動なども積極的に展開したいと思います。ただ、本県を訪れる外国人観光客につきましては、宿泊を伴わない通過型観光客が主流でございます。残念なことでございますが、県内を周遊し、滞在していただく観光客になるような取り組みが必要かと思います。このため、現在整備を進めておりますが、(仮称)奈良県外国人観光客交流館におきましては、気軽に利用できますドミトリーと呼ばれます他の旅行者とも交流できる相部屋形式の居室を整備したり、日本文化体験スペースなどの機能も整備したいと思います。この交流館では、近隣の宿泊施設への案内機能も充実させたいと思っております。

 また、この交流館を発着点といたしまして、中南和方面への周遊や夜の観光、買い物が楽しめるおもてなしバスを運行したいと思っております。交流館を中心に、猿沢池周辺が外国人観光客にとって、ゆっくり滞在して楽しめるにぎわいあるエリアに整備したいと思います。猿沢池周辺といえば、外国人観光客で有名だぞと言われるような地域にしていきたいと思っております。さらに、リピーター客をふやすために、買い物や食事、体験、イベント情報などを盛り込んだガイドブックを多言語で作成するほか、新たに外国人スタッフによるSNSを活用した効果的な情報発信や、奈良の奥深い魅力を丁寧に説明できる観光ガイドの育成にも取り組みたいと思っております。

 このほか、議員もお述べになりましたが、国際会議の誘致は開催地のイメージアップ効果があり、また、奈良は大変人気のある国際会議の開催地でございます。国連世界観光機関アジア太平洋センターが奈良にございますので、それを生かして、本年十二月にはシルクロードに関する国際会議の開催も予定しているところでございます。

 議員ご指摘のように、全国各地で外国人観光客の争奪戦が始まっております。本県も他に先んじて、おもてなし体制の強化、受け入れ環境の整備など、徹底した取り組みを強力に進めたいと思います。外国人観光客の方々に、奈良にはまた行きたい、ほかの地域にはいいけれども、奈良にはまた行きたいと思ってもらえるように取り組みたいと思っております。

 道路整備についてのご質問でございます。

 昨年七月にご承認いただいた奈良県道路整備基本計画は、本県にふさわしい道路の総合的かつ計画的な整備を図るための基本となる計画でございます。これまで取り組んでまいりました選択と集中を、さらに前に進めてるとともに、道路整備の目的志向を明確化しようとしております。どのような道路を何のために整備するのかを、体系的にわかりやすく示して、目的志向のきめ細やかな道路整備ができる、生きた計画とすることを狙いとして策定いたしました。

 県土の強靱化につきましては、紀伊半島アンカールートを構成する五條新宮道路をはじめとする骨格幹線道路ネットワークの整備が重要だと考えております。これらの道路は、南部地域の振興を支える基盤としても大きな期待をいただいております。平成二十七年度の川津道路の完成、辻堂バイパスの一部完成、平成二十九年度の辻堂バイパスの完成に向けて、着実に事業を進めてまいりたいと思います。

 また、産業・経済の活性化につきましては、しごと・働く場の創出に取り組むことが重要でございますが、京奈和自動車道の整備促進により、企業立地に向けた地域のポテンシャルを高めつつ、県におきましては、産業集積地などの拠点整備を進めるとともに、京奈和自動車道と産業拠点を連絡する道路の環境整備に取り組んでまいりたいと思います。県道結崎田原本線や天理王寺線などの整備の推進を行っていきたいと思います。

 また、奈良モデルの新しいスキームとして進めております市町村と県のまちづくり連携協定においても道路整備が必要でございます。地域づくりの基盤となる道路整備や、観光客の誘致や交流の促進による観光振興を支える道路整備も重要になってまいります。これらの道路につきましても、目的志向を明確にして、着実に整備を進めてまいりたいと思います。一月十四日には、道路整備基本計画に示されました説明責任の取り組みの一環として、供用時期の見通しが得られた道路・街路事業の二十八カ所について、供用予定を発表させていただきました。

 今後は、毎年、事業実施計画が確定する六月ごろをめどに供用予定を公表していきたいと考えます。国土の強靱化、産業経済の活性化を支える道路整備について、選択と集中を図りながら、その進捗についてもしっかりマネジメントをして、県土マネジメントの名に恥じないように、引き続き、手を緩めることなく取り組んでまいりたいと思っております。

 私に対するご質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 羽室警察本部長。



◎警察本部長(羽室英太郎) (登壇) 米田議員のご質問に対してお答えさせていただきます。

 着任に際する抱負と所信でありますが、悠久の歴史の中で受け継がれてきた歴史的文化遺産や豊かな自然に恵まれた奈良県の警察本部長を拝命し、大きな喜びを感じるとともに、責任の重さを痛感しているところであります。

 私は、着任に当たり、職員に対しまして、現場を重視し、事件・事故や災害発生時の迅速・的確な対処を行うことはもとより、発生した個々の事件・事故等の分析を十分に行い、地域の実情に応じた措置を講ずることにより、被害の拡大防止を図り、以降の発生を未然に防止しなければならないと訓示いたしました。当県における治安情勢は、議員ご指摘のとおり、刑法犯認知件数は減少傾向にありますが、一方で、児童虐待による児童相談所への通告件数が急増し、ストーカー・DVの認知件数も増加傾向にあります。また、振り込め詐欺等の特殊詐欺では、被害者の約八割を高齢者の方が占め、昨年の被害総額は過去最悪となっております。さらに、交通事故による死者数のうち、およそ半数を高齢者の方が占められておられるなど、依然として厳しい状況にあります。

 このような情勢のもと、県警察では、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現を本年の運営指針に掲げ、より強く優しく頼もしい警察を旨として、犯罪の徹底検挙、メロディーパトロールをはじめとする街頭警察活動の強化、飲酒運転等の悪質・危険な交通違反の取り締まり等を強化するとともに、自治体や地域社会との連携による防犯及び交通安全対策をより一層推進するなど、検挙と予防の両面から対策を講じてまいる所存であります。

 今後とも、県民の皆様や奈良を訪れる方々の安全を確保するという警察の責務を果たすため、全力で取り組んでまいる所存でありますので、警察活動へのなお一層のご理解と、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 私への質問、ありがとうございました。



○議長(山下力) 三十四番米田忠則議員。



◆三十四番(米田忠則) 知事及び警察本部長から、それぞれ強い意欲が感じられる、誠意ある答弁をいただきました。

 荒井知事は、これまで奈良県をもっとよくしたいとの思いのもと、二期八年にわたり県政を運営されてきました。知事が常々お述べのとおり、奈良をよくするためには、知恵と工夫を凝らし、これからも、県みずから取り組んでいく姿勢が必要であります。

 四月には知事選挙及び県議会議員選挙がとり行われます。新年度も、荒井知事とこの議場において、奈良をよくするための議論ができることを確信し、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時休憩

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△午後二時十三分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十五番荻田義雄議員に発言を許します。−−二十五番荻田義雄議員。(拍手)



◆二十五番(荻田義雄) (登壇) 議長のお許しをいただきまして、自由民主党改革を代表いたしまして、今定例会に付議されております議案等について代表質問をさせていただきたいと存じます。

 政権交代から二年二カ月、安倍内閣は、経済再生と景気回復軌道に転じるという国民の期待に十分に応えてまいりました。三本の矢の経済政策は確実に、そして緩やかな成長に今、立ち入っています。中でも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックという一大事業とともに東京一極集中はますます常態化をし、名古屋市はリニア中央新幹線新駅設置に向け、飛躍発展をしています。しかしながら、全国津々浦々まで経済波及効果は見られず、経済再生はまだまだ道半ばであります。また、大企業を中心に好景気の状況であるものの、中小零細企業は極めて厳しい状況下にあります。こうした動向を見据え、政府として、地方創生を進めるため、地域の活性化、人口減少化に歯どめをかける、「まち・ひと・しごと」を重要な戦略キーワードとして、平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度予算に反映されているところでございます。

 本県の新年度予算においても、独自の地方創生を目指し、国の緊急経済対策に呼応しつつ、医療の充実、観光振興、企業立地・誘致などさまざまな施策に取り組まれているところであります。これらの取り組みを進めるに当たっては、国の交付金などを最大限に活用していくことは、当然重要でもありますし、一方、自主財源である県税収入を確保していく取り組みには一層の創意工夫が必要であると存じます。

 そこで、まず初めに、これまでの県税収入確保に向けた具体的な取り組みと、今後、地方創生事業なども含めて、新たな取り組みについて知事のご所見をお聞かせください。

 また、私は、本県独自の地方創生の柱として、本県の実情に見合った経済活性化の施策と人口減少に歯どめをかける施策を効率的にリンクをさせて推進していく必要があると考えます。そして、具体的には、将来ある若者が県内で安定した職につき、希望をかなえる生活を構築していくことが、すなわち安心できる結婚・出産環境をつくり出し、切れ目のない経済活性化につながっていくことと存じます。本県の雇用情勢を見るとき、全国と同様に改善傾向にあるものの、十二月の有効求人倍率は〇・八六倍、全国では一・一五倍、近畿では一・〇六倍に比べ低く、また、十五歳から三十四歳までの若者、非正規雇用率は全国五番目に高い状況であるのも事実でございます。本県の雇用環境改善に向け、さらに積極的な施策を展開することがより一層必要であると存じます。

 そこで、本県独自の地方創生を実現していくために不可欠である若者の雇用環境の改善について、どのように取り組んでいこうと考えておられるのでしょうか。知事のご所見をお聞かせください。

 次に、観光振興について二点お伺いをいたします。

 まず、県営プール跡地活用プロジェクトについてであります。

 本県は、国内最多の三つの世界遺産を有し、年間三千五百万人もの人々が訪れる観光地であるにもかかわらず、宿泊施設客室数は全国最下位であります。奈良の観光は、日帰りの訪問者が多くを占め、宿泊滞在型の観光客が少なく、地域における雇用や消費を十分に生み出せていないとかねてより指摘されています。

 そこで、知事は、二期八年の課題を克服され、奈良での滞在型観光を促進するための起爆剤となる拠点づくりを精力的に進めてこられました。そして、昨年末、ホテル事業者としてすぐれた実績をお持ちの森トラスト株式会社を国際級ホテル事業に携わっていただく優先交渉権者として選定され、プロジェクトの実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。まさに、県営プール跡地活用プロジェクトは、この国際級のホテルを核として、コンベンションホール、バスターミナル、駐車場、物販や料飲といった商業系施設などの整備に加え、情報発信の一翼を担うNHK奈良放送局にもご参画をいただき、より地域の活性化を図る、奈良の将来を見据えた新たなまちづくりとなる取り組みであります。

 また、奈良県における初の国際級ホテル進出により、海外から国賓級の方々が奈良で宿泊される環境を整えることで、観光地としての奈良のグレードを一層向上させるという知事のお考えに私も同感であります。そして、何よりも、古都・奈良に宿泊して、歴史と文化にあふれるたたずまいを体感していただき、再び奈良に訪れたいと思っていただけるような施設として整備されることに、大いに期待をしております。

 そこで知事にお伺いをいたします。

 本県における一層の観光振興、とりわけ、滞在型観光を飛躍的発展させるためには、ホテルとその周辺施設が連携するように整備されることが最重要であります。さらに、滞在型観光拠点として、できるだけ早期のまちびらきが必要であると考えます。今後、このホテル、そしてコンベンションホールなどの、それぞれの拠点整備をどのように進めていかれるのか、ご所見をお伺いしたいと存じます。

 二点目は、奈良公園周辺における外国からの観光客に対するおもてなしの環境の充実についてであります。

 本県では、ことしから行われる春日大社第六十次式年造替を核とした奈良県観光キャンペーンを実施されており、JR奈良駅から近鉄奈良駅、中心市街地の商店街、奈良公園へと歩きますと、観光に来ていただいている外国の方の多さに驚かされている昨今であります。これだけ多くの外国人観光客に来ていただいているということは、外国人の方に向けたおもてなしの充実が喫緊の課題であると考えるものでございます。特に、外国人の方にとって、一番の課題、問題は言葉などのコミュニケーションであります。最近では、スマートフォンやタブレット型のインターネット端末を片手に観光される方々がふえ、奈良公園のような広い空間であっても、情報を得るためのWi−Fi環境は不可欠なものであり、観光地に求められるものも変化してきていると感じています。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 奈良公園周辺において、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、今後もふえ続ける外国からの観光客に対し、おもてなし環境を充実させるために、どのように取り組んでいこうとお考えでありましょうか、お聞かせをいただきたいと存じます。

 次に、(仮称)奈良インターチェンジ周辺の幹線道路整備とまちづくりについて、お伺いをいたします。

 奈良市の大安寺地区の周辺では、京奈和自動車道大和北道路の(仮称)奈良インターチェンジの整備や、奈良中心市街地への交通アクセスとなる都市計画道路西九条佐保線の整備、JR関西線の鉄道高架化及び新駅設置の計画が進められており、これらの今後の整備により、周辺地域の活性化などが大いに期待されるところであります。京奈和自動車道の郡山下ツ道ジャンクション以南については、三月下旬に開通をする同ジャンクションから郡山南インターチェンジ間、そして御所インターチェンジから御所南インターチェンジ間など、その整備にほぼめどが立ってきております。今後は、郡山下ツ道ジャンクション以北の京奈和自動車道の大和北道路の着実な進捗やアクセス道路となる西九条佐保線の整備を図っていく必要があると存じます。

 そこでお伺いをいたします。

 大和北道路の(仮称)奈良インターチェンジ周辺の進捗状況及び完成目標についてどうでしょうか。また、大和北道路の整備とあわせて整備を促進する必要がある西九条佐保線の進捗状況及び完成目標についてもあわせてお伺いをしたいと存じます。

 さらに、(仮称)奈良インターチェンジ周辺のまちづくりについてであります。

 先ごろ、一月二十三日に県と奈良市は、まちづくりに関する包括協定を締結されました。今後、県と市が協働でまちづくりを考えていく地区に、(仮称)奈良インターチェンジ周辺も八条・大安寺地区として協定に盛り込まれ、さらに、JR関西本線に新駅を設置する計画があります。

 そこでお伺いをいたします。

 連携協定締結を機に、この地区のまちづくりが進むものと大いに期待をしておりますが、県はこの周辺のまちづくりについてどのような展開で進めていこうとされているのか、お伺いをいたしたいと存じます。

 次に、奈良県総合医療センター跡地のまちづくりについて、お伺いをいたします。

 奈良市とのまちづくりに関する包括協定には、先ほどの八条・大安寺周辺地区のほかに現総合医療センター、いわゆる平松地区のまちづくりも入っています。この平松地区でのまちづくりについて、県では地域の方々のご意見やご要望を聞く場として平松まちづくり協議会を立ち上げられ、これまで数回にわたって協議を重ねています。そして、事業を推進していく上では、住民の方々の生の声をよく聞き、地域の実態に合った取り組みをしていただくことが最重要かと存じます。

 私もこの地区については、病院の移転が発表されて以来、新病院の移転先である六条山地区での交通アクセス問題もあわせ、地域住民の方々のご意見をお伺いし、住民の思いをこれまで議会で取り上げてきたところであります。

 荒井知事は、平松地区でのまちづくりを地域包括ケアシステムが実現できる全国に先駆けて、先進的なまちづくりをしていきたいと抱負を述べられ、今回のアイデアコンペの作品を基本に、さらに、安心・安全・快適なまちづくりに向け、地域協議会などとより充実した協議を積み重ねていただきたいと存じます。

 私もこれからの高齢化社会に向けて、地域包括ケアシステムに取り組むことの重要性は強く感じており、県政の大きな課題でもあると認識しています。しかしながら、このまちづくりに対して地元市であります奈良市と県との協議が希薄ではないかと感じています。地域の住民の方々からも同様のご意見をいただいております。そして、このことから、市当局、特に保健所との連携が不可欠であります。

 そこで、今回のまちづくりに関する包括協定を受け、県は奈良市とどのように連携をして、このまちづくりを進めていこうとされているのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、リニア中央新幹線の整備促進についてお伺いをいたします。

 リニア中央新幹線の整備について、建設主体であるJR東海は、昨年十二月に品川・名古屋間の建設に着手をいたしました。現在、品川・名古屋間の沿線都県では地元説明会が開催をされるなど、名古屋までの開業に向けた準備は着々と進んでいますが、名古屋以西については、環境影響評価の手続すら着手されていません。しかし、本県にとってリニア中央新幹線は、県経済の活性化に大きく寄与する一大プロジェクトでございますし、奈良市附近駅の早期確定と三重・奈良ルートによる全線同時開業はぜひとも必要であります。

 昨年十二月に開催されました本県と三重県、両県の経済団体で構成する三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議において、関西広域連合長やリニア中央新幹線全線同時開業推進協議会の共同代表でもある大阪府、関西経済連合会なども出席をしていただき、これを契機に関西において三重・奈良ルートによる全線同時開業の方向に一本化しつつあります。これもひとえに知事の強いリーダーシップのたまものであると確信をしています。

 今回議会に提出された来年度予算案には、リニア中央新幹線の想定ルート区域内における土地利用状況等の詳細把握などの調査検討を行う事業が計上をされています。この来年度の調査検討事業を活用し、奈良市附近駅の早期確定と三重・奈良ルートによる全線同時開業に向け、本県としてどのように取り組んでいくのか、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、救急医療体制の充実について、お伺いをいたします。

 本県では、知事が就任される前後において、周産期の救急搬送で残念至極、あってはならない事案が発生をいたしました。知事は就任以降、熱心に周産期救急医療体制の構築に取り組んでこられたところであります。その結果、県外の医療機関へ搬送されるハイリスク妊婦さんは大幅に減少したと聞いており、喜ばしく思うとともに、県内の関係医療機関が連携されての成果だと考えます。しかし、一一九番通報に基づく救急隊が患者を医療機関へ運ぶ救急搬送には、まだ大きな課題がございます。知事は、救急搬送を改善するために、e−MATCHシステムを消防機関と医療機関に導入をされましたが、システム導入後の平成二十四年、平成二十五年についても、搬送時間は短縮されていません。

 全国的に、救急搬送される患者さんは増加傾向にありますし、医療機関への搬送時間も伸びる傾向にありますが、その中でも奈良県の搬送時間は、三年連続ワースト四位となっており、e−MATCHシステムの十分な成果が出ているとは言えない状況でございます。現在、県立医科大学附属病院と、平成二十九年十二月に完成予定の新奈良県総合医療センターにおいて、ER型救急の受け入れ体制を整えるべく、検討されていると伺っております。救急医療の改善につながるものと大いに期待をしているところであります。

 しかしながら、年間五万件を超える救急患者を、この二病院だけで受け入れることは到底困難な上に、新総合医療センターの完成は三年後であり、ER型救急の実現に当たっては、指導医の確保など、さまざまな課題があり、体制整備には一定の時間が必要でありますが、この際、知事の強いリーダーシップを発揮され、県内の医療機関が、積極的に救急患者を受け入れる協力や連携の体制を構築する必要があると存じます。

 そこで、これまで県が救急医療の改善に向けて取り組んできていただいた成果や課題を受けて、今後どのように救急医療体制の充実に取り組まれるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、陸上自衛隊駐屯地の誘致及び広域防災拠点整備の現状について、お伺いをいたします。

 南海トラフ巨大地震が発生した場合、県内でも死者が最大千七百人に上るという大きな被害が想定をされています。このような状況を鑑みますと、駐屯地に先行して配置を要望されている陸上自衛隊のヘリポートと、これに併設して整備を検討されている県の広域防災拠点があれば、県内への迅速な応急対策が効果的に行えると確信をいたしています。さらに、津波による大きな被害が想定される紀伊半島海岸地域への救援も可能となり、自衛隊のヘリポートと県の広域防災拠点の早期実現を願うものであります。

 本県は、全国で唯一、陸上自衛隊駐屯地がない県でございます。自衛隊の駐屯地誘致に対しては、非常に長い期間と費用、また、知事をはじめ、関係者の熱意と努力を要する大きなプロジェクトだと言えるのではないでしょうか。

 荒井知事が、就任以来、陸上自衛隊駐屯地の県内配置について、毎年要望を重ねていただいた結果、国予算案に、自衛隊の展開拠点確保に係る基本構想業務として四百万円が計上されるなど、駐屯地誘致が現実のものとして動き出していると認識をしています。

 一方、広域防災拠点の整備については、救助要員の集結、救援物資の集積・配送などの機能が必要となりますが、その管理・運営体制が課題として上げられています。このため、築後四十年以上も経過し、敷地も狭く、移転が望まれる奈良県消防学校を併設し、日ごろから施設を活用することによって、災害発生時の初動対応も円滑に進むのではないでしょうか。

 例えば、兵庫県の三木市や、富山県の富山市には、平常時は消防学校として訓練を行い、災害時には広域防災拠点として機能をする防災センターが整備をされています。

 平成二十七年度の県予算案では、駐屯地誘致推進として一千万、広域防災拠点整備として二千三十万円を計上されています。そこで、陸上自衛隊駐屯地の誘致については、来年度は具体的にどのような取り組みを県として展開していかれるのか、広域防災拠点の整備と消防学校の移転についてのご所見を、知事にお伺いをいたします。

 最後の質問であります。農業の振興についてお伺いをいたします。

 TPPの影響等により、国内の農業を取り巻く状況は、農産物価格の低迷や担い手の高齢化など、非常に厳しい状況にあります。

 本県農業の実態を顧みますと、経営コストの高どまりと農作物価格の低迷により農業経営がさらに厳しくなり、農家の経営意欲の低下と後継者不足が危惧されています。さらに、本県の農地の一九%に当たる三千五百九十五ヘクタールが耕作放棄地となっております。今後も担い手の減少による耕作放棄地の増加が懸念をされているところであります。これまで知事が前向きに農業振興策に傾注をされているにもかかわらず、その効果がなかなか農業現場、そして農家まで浸透をしていない状況下ではないでしょうか。

 例えば、全国に目を向けますと、私は昨年の十二月定例会でも申し上げましたように、長野県の川上村、標高高一千三百メートルの高原であります。交通が不便な土地でありながら、その気象条件に適した高原レタスを栽培し、現在は昨年統計では農家五百二十三戸で、販売額は二〇一四年、昨年約百八十六億円も売り上げをしておいでになります。そして、平均収入は三千五百万円を超えています。その結果、農業後継者が育ち、家族もふえ、出生率も全国トップクラスになった成功例がございます。これはまさに、その地域の気象条件や土壌条件に適した農作物を導入した成果だと分析しています。

 本県においても、地域の気象条件や土壌条件に適した、もうかる農作物を地域ごとに選定し、産地の特産品づくりに取り組むべきと考えているところでございます。

 そこでお尋ねをいたします。

 もうかる農業を推進し、農業所得の向上に向けた県のこれまでの取り組みと今後の方針について、知事にお答えをいただきたいと思います。

 以上、質問をいたしました数点について、知事に適切なるご答弁をお願いし、私の壇上からの質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十五番、荻田議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問でございますが、県税収入の確保に向けた具体的な取り組みのご質問でございます。

 本県では、人口減少や高齢化が全国にも増して急速に進むと予想されております。個人県民税を中心とした本県の税収構造に鑑みますと、今後の税収については、決して予断を許さない厳しい状況にあると認識をしております。地方創生に向け、税収の確保は極めて重要な課題でございます。税源の涵養に向けた産業振興、県内消費拡大、課税徴収の強化、偏在性のない税制度の構築の四つの視点から、その取り組みを強化しているところでございます。

 まず、一番目の税源の涵養でございますが、意欲のある企業・起業家への支援や消費地としての魅力向上を図り、域内経済を好循環させるための産業政策を一層推進したいと考えています。これまでの企業や宿泊施設等の誘致はもとより、企業の技術開発、販路開拓への支援など、リーディング分野、チャレンジ分野における産業おこしに向けた取り組みを引き続き行っていくとともに、特色ある地場産品や技術力にすぐれた商品を創出する中小企業への支援など、県内企業などの税収を増加させるための支援施策を積極的に展開していきたいと考えております。

 二番目の、県内消費拡大についてでございます。

 これまでも発行してきましたプレミアム商品券について、プレミアムの充実を図るとともに、発行にあわせた商店街のイベント等への支援なども行い、県と市町村を合わせ、合計百億円規模の発行により、年間を通して県内消費を喚起してまいりたいと思います。

 三つ目の、課税、徴収の強化の面でございますが、適正課税に向けた取り組みの強化とあわせて、本県税収の四割を占めます個人県民税の徴収対策といたしまして、複数の市町村と県が独自の協働徴収体制を構築する奈良モデルのさらなる普及など、引き続き、個別の滞納状況に応じて、積極的で、厳正な滞納処分を実施し、徴収率向上に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。

 さらに、四番目の偏在性のない税制度の構築でございますが、本県の家計消費支出が全国三位にもかかわらず、県民一人当たりの地方消費税収入は、全国最下位レベルとなっており、税収に地域間格差があると感じております。そのため、県独自の税制調査会を設置し、調査会からいただいた提言をもとに国への要望を行ってまいりました。その結果、今般の税制改正では、消費税の清算基準の見直しが実現されました。地方消費税収が本県では約十四億円、制度改正により増収する見込みになっております。

 今後も偏在性のない税制度の構築に向けて、さらなる議論を深め、さまざまな場において時機を失することのないよう本県の主張を行ってまいりたいと考えております。

 本県独自の地方創生の実現のためには、財政基盤となる自主財源が重要でございます。自主財源である税収を確保する近道はないと思いますが、常に、知恵を出し、創意工夫を重ねながら、税収確保の取り組みをさらに強力に推進していきたいと考えております。

 議員の二つ目のご質問は、若者の雇用環境の改善についてでございます。

 若者の雇用環境を改善し、職場定着を図るためには、県内での正規雇用を促進し、生活が維持できる所得が得られようにすることが大事でございますが、それとともに、企業においては働きやすい環境づくりを推進していただくことが不可欠だと思います。平成二十四年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ても、正規社員と非正規社員では賃金差がございます。例えば三十歳から三十四歳においては、全国の月平均で約七万円もの差があることが明らかになっております。また、若年者雇用実態調査におきましても、若年非正規社員の四七・三%の方が、正規社員として働きたいと希望されております。

 さらに、就業構造基本調査によれば、平成二十四年の本県の十五歳から三十四歳の若者の非正規雇用率は三九・二%、また、年間所得二百万円未満の若年労働者の割合は四一・六%と全国平均より高くなっております。本県は、働く若者にとって生活をするには厳しい状況になっているものと考えられます。若者が県内で安定して働き続ける状況を確実なものにするためには、若者向けの仕事の場をつくること、非正規雇用率を低下させること、若者の就業意識の向上を図ることが肝要であると考えております。

 そのためには、企業誘致をさらに進めるとともに、若者の企業を支援するなど、身近な場所で働く場を創出してまいりたいと思います。また、企業に対しましても、非正規社員の正規化、休暇制度の充実など、処遇改善に向けた取り組みをしていただくよう働きかけてまいりたいと思います。さらに、若者には、働く意味を悟り、働く喜びを感じられるよう、キャリア教育や実学教育の充実を図っていきたいと思います。

 来年度は、企業に対して、社会保険労務士等の専門家を派遣し、個別コンサルティングを実施することにより非正規社員の正規化や職場定着の向上を図ります。また、働きやすい職場環境づくりを一層推進するため、長時間労働の抑制に向けて、県内企業における実態把握や原因の究明・分析にも取り組むこととしております。

 若者が正規社員として働きたいという希望を実現し、県内で働き続け、経済的安定を図ることは、結婚・出産しやすい環境をつくることにもつながると考えております。今後も、本県の将来を支える若者の就労を積極的に支援してまいりたいと思います。

 三つ目の質問は、観光振興でございます。県営プール跡地の開発についてのご質問がございました。

 県営プール跡地活用プロジェクトにおいて、その核となるホテル事業の建設・運営に関する優先交渉権者として、森トラスト株式会社様を代表とする企業グループを昨年末に選定いたしました。県営プール跡地には、国際級ホテルを核として、二千人規模の会議を開催できるコンベンション施設をはじめ、屋外多目的広場、空港リムジンや都市間長距離バスの発着とあわせてパーク・アンド・バスライドの結節点となるバスターミナル、大規模駐車場、奈良らしさを感じていただく物販・料飲施設などを整備する計画としております。

 さらに、この地に移転を計画されているNHK奈良放送局にも協力いただき、この地を訪れる観光客や地域の方々が集まることができるような、にぎわいと交流の拠点を整備してまいりたいと考えております。この新たな拠点の創出により、奈良の観光地としてのグレードが飛躍的に向上すると思います。具体的には、本県のフラグシップとなる国級ホテルに国賓級の来訪者も訪れることができます。多くの国内外からのVIP宿泊者も訪れることは可能でございます。また、今までに本県でなかった規模の、また高いレベルのコンベンションが開催できることになります。また、この地で新たなにぎわいが生み出され、県下全域に観光客があふれ出す、水が湧くような拠点、湧水型観光交流拠点が創出されることになります。さらに、このプロジェクトに誘発されて、新たな宿泊施設などが、奈良市の近隣に進むことが考えられます。

 現在までのプロジェクトの進捗状況でございますが、森トラスト株式会社、NHK奈良放送局、奈良市、県の四者により、本拠点の具体的な計画策定に向け、各施設の整備・運営について、ホテルとの有機的な連携を念頭に置き、協議を行い始めております。

 この結果に基づきまして、来年度に入りましてからは、ホテル並びに本拠点の中核となるコンベンション施設をはじめ、広場、バスターミナル、物販・料飲施設の滞在型観光交流拠点の整備・運営を行う事業者の公募に係る手続に移行したいと思います。事業者を選定することになります。その上で、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、まちびらきができるようプロジェクトの進捗を図っていきたいと考えております。

 このプロジェクトを契機に、国内外の方々が、奈良県で宿泊し、奈良県を十分堪能し、ついでに大阪府や京都府を訪れるという従来と逆の流れをつくり出したいと考えております。奈良県を滞在型観光地へと、抜本的に変革し、奈良県を宿泊地にし、京都府・大阪府を訪問先にする関西の観光構造に変えたいというふうに思っております。

 奈良公園周辺の外国観光客のおもてなし機能の充実についてのご質問がございました。

 近年、奈良公園を訪れる外国人観光客は大幅に増加しております。おもてなしの充実は今後のリピーター確保のための重要課題であると認識しております。そこで、本県では、(仮称)奈良県外国人観光客交流館の整備やWi−Fi環境の整備、多言語の案内看板設置、通訳案内士の育成など、外国人観光客を受け入れるさまざまな取り組みを行ってきているところでございます。

 まず、ハード対策になりますが、(仮称)奈良県外国人観光客交流館は、県内を快適に周遊する拠点となるもので、猿沢池周辺の植栽や園地整備とあわせてにぎわいのあるエリアに整備したいと思っております。また、Wi−Fi環境の整備は、JR奈良駅や近鉄奈良駅から奈良公園内の主要な動線上において、手軽にインターネットを利用していただける環境を整えるものでございまして、屋外におきまして、これだけ広域で連続的利用が可能なWi−Fi整備は、全国初の取り組みだと聞いております。また、外国人観光客の最近の傾向といたしまして、一般的な観光情報だけでなく、現地でしか知り得ない日本の歴史や文化の情報を望む傾向に変わりつつございます。

 そこで、ソフト対策になりますが、案内看板だけでなく、奈良公園の本物のよさを説明できる通訳案内士やWi−Fi環境を生かしたアプリによる情報提供など、さまざまな手段を活用することにより、現地でしか知り得ないトピックスなどを交えながら、興味深く、わかりやすい情報を提供したいと考えております。

 次のご質問は、(仮称)奈良インターチェンジ周辺のまちづくりについてでございます。

 京奈和自動車道の大和北道路は、(仮称)奈良インターチェンジから郡山下ツ道ジャンクションまでの六・三キロメートルが平成二十一年三月に事業化され、国の直轄事業として用地買収が進められております。奈良市域につきましては、地元説明が既に行われており、了解の得られたところから幅杭設置を行っております。具体的には、(仮称)奈良インターチェンジ付近の大部分を占めます八条第一自治会において、延長約五百二十メートルのうち約四百七十メートルの区間、約九割の幅杭設置が完了したところでございます。今後、用地測量や物件調査を進め、その後に用地交渉を行っていくことと聞いております。また、大和郡山市内に入りますと、県の土地開発公社による先行買収を進めており、これまでに三十件の契約をいただきました。

 県としては、事業中の大和北道路の平成三十年代半ばの供用を国に要望しておりまして、引き続き用地買収の促進に向け、積極的に取り組んでまいる所存でございます。

 一方、(仮称)奈良インターチェンジから奈良市中心市街地へのアクセス道路となります都市計画道路西九条佐保線でございますが、平成二十五年度に大宮通りから大森高畑線までの約五百メートル区間を県で事業化いたしました。現在、用地測量、家屋調査を進めているところでございます。それより南の、大森高畑線以南でございますが、西九条佐保線の平面道路化とJR関西本線の鉄道高架化、新駅の設置も組まれております。現在、都市計画変更の原案を作成しているところでございます。四月下旬ごろから原案の閲覧を開始し、五月下旬ごろに地元説明会が開催できるよう、対象地区の自治連合会及び奈良市等と調整も行っております。平成二十七年中に事業認可を取得した上で、事業に着手できるよう、所定の手続を進めてまいる所存でございます。

 事業着手後は、事業執行体制の強化を図るなど、平成三十年代半ばの(仮称)奈良インターチェンジの供用に間に合うよう、事業の推進を図ってまいります。

 八条・大安寺周辺地区のまちづくりの取り組みについての質問が引き続きございます。

 (仮称)奈良インターチェンジ周辺地域は、県内で唯一高速道路と鉄道が結びつく交通結節点になります。計画的なまちづくりの必要性と整備効果について、これまで奈良市やJR西日本などの関係機関と検討を重ねてまいりました。また、去る一月二十三日に締結いたしました、県と奈良市とのまちづくりに関する包括協定におきましても、八条・大安寺周辺地区として、(仮称)奈良インターチェンジ及びJR関西本線新駅を核とした、地域資源を活用した魅力あるまちづくりをコンセプトにまちづくりを進める予定としております。

 具体的には、新たな地域拠点の形成として、新駅周辺地域の土地利用計画の策定や駅前広場を含む基盤整備、また、国際文化観光都市としての魅力あるまちづくりとして、ならまちから西ノ京を結ぶ東西軸の新たな観光ルートの創出を目標に、県と市が連携・協働して、まちづくりを進めてまいりたいと思います。

 まちづくりにつきましては、奈良市が基本的な役割を担っておりますが、今後は、県としても連携協定に基づき、この地区のまちづくりが進むよう、基本構想策定に当たっての技術的支援や具体の事業への財政的支援等についても検討してまいりたいと思っております。

 次のご質問は、奈良県総合医療センター跡地のまちづくりについてでございます。

 奈良県総合医療センター移転後の跡地では、広い県有地を活用して地域包括ケアシステムの拠点となるまちづくりを進めております。このたび、奈良市とのまちづくり包括協定におきましても、対象地区として平松周辺地区を位置づけたところでございます。

 平松周辺地区は県有地ということもあり、これまで奈良市のまちづくりに対する姿勢も、少し遠慮をされていたところもあったかもしれませんが、奈良市は今回、このプロジェクトを担当する部署を決められ、市役所内での体制をつくっていただいていると聞いております。県と市が協定に基づいて、連携して取り組んでいく環境が整ったのではないかと思います。また、それだけの値打ちのあるプロジェクトだというふうに思います。

 また、広く民間の方々からアイデアを公募するために、平松周辺地区のまちづくりに関してアイデアコンペを実施いたしました。十六件の作品の応募がございまして、東京大学の辻先生などの専門家や奈良市医師会の会長などに審査をしていただきましたが、最優秀賞一点、優秀賞五点が選出されました。これらの作品は、さまざまな興味深いアイデアにあふれており、惜しくも入賞を逃した作品でもおもしろいアイデアがあったりと、コンペを実施した意義が十分にあったと感じておるところでございます。今後、コンペでいただいたアイデアをまちづくり構想の参考にしていきたいと考えております。

 地元の方々との協議の場でございますまちづくり協議会におきましても、今年度は既に三回実施しております。県職員がファシリテーターとなって、医療と介護の連携、健康づくり、子育て分野等に分かれて議論するワークショップの形をとって進めており、回を重ねるごとに建設的な意見が出てきていると聞いておるところでございます。

 今後も、奈良市や、医師会等の医療関係者、地元住民の方々とも連携して、先進的で全国のモデルとなる地域包括ケアのまちづくりを目指していきたいと考えております。

 次のご質問は、リニア中央新幹線の整備促進の取り組みについてでございます。

 議員ご指摘のとおり、リニア中央新幹線は、本県にとって極めて重要なプロジェクトでございます。東京−名古屋間につきましては、昨年十月に国土交通大臣の工事実施計画の認可がおり、十二月十七日には工事が着手されました。名古屋以西につきましては、三重・奈良ルートによる全線同時開業に向け、これまで以上に取り組んでいく必要があると考えております。

 このため、昨年の十一月には、膠着状況を打破しようと、国土交通大臣をはじめ、関係の方々に、三重・奈良ルートによる全線同時開業を促進するための新たな税制措置について提案を行いました。また、十二月には、東京において三重県や両県経済界とともに建設促進に向けた会議を開催し、井戸関西広域連合長や大阪府、関西経済連合会の代表の方にもご出席をいただきました。関西が三重・奈良ルートによる全線同時開業の方向に一本化するような動きになるなど、今年度は、従来にも増して、積極的な成果が見られたところでございます。

 来年度につきましては、二つの調査・検討を実施したいと考えております。

 一つ目は、将来、実際にJR東海が具体的なルートを検討する際に、参考資料として使用できるよう、文化財や公的施設などの土地利用状況のデータをあらかじめ奈良県で作成しておこうという調査でございます。

 二つ目は、今後、リニア中央新幹線を軸としたまちづくりを県と市町村が一体となって推進していくため、三重・奈良ルート、奈良市附近駅による経済波及効果や地域の発展可能性について検討を行うものでございます。

 今後も、奈良市附近駅の早期確定と三重・奈良ルートによる全線同時開業に向け、引き続き国やJR東海などに強く訴えるとともに、本県としての具体的な協力体制や受け入れ体制の構築に向け、しっかりと準備を進めてまいりたいと思っております。

 救急医療体制の充実についてのご質問がございました。

 昼夜の別なく発生し、症状もさまざまな患者を安心して受け入れる救急医療体制の整備は、県民の皆様が安心して暮らしていかれる上で、大変重要な県の役割の一つでございます。

 周産期の救急医療につきましては、平成十八年、平成十九年に発生した妊婦搬送事案を受けまして、周産期母子医療センターの整備や、産婦人科一次救急体制の構築など、体制整備を行ってまいりました。その結果、平成十九年には七七・三%しかございませんでした県内医療機関でのハイリスク妊婦の受け入れが、平成二十五年には九二・六%まで上昇いたしました。四人に一人が県外搬送されていた実態が、現在ではほとんど県内で受け入れ可能な状況になったわけでございます。また救急搬送につきましては、ICTを活用して、患者の緊急度や重症度に応じて医療機関を選定し、受け入れを要請するe−MATCHシステムを稼働させましたが、十分に成果が出ない状況が続いております。

 原因の一つに、消防と医療機関関係の信頼と理解がまだ十分でないことが上げられております。顔の見える関係を築いていく基本的なことも必要かと感じるところでございまして、直接の意見交換会の開催も始めております。また、e−MATCHシステムのさらなる活用を考える必要がございます。さらに、救急医療の改善には、軽傷から重傷まで初期診断が難しい患者にも広く対応可能なER型救急医療体制の整備が有用と考えております。そのための人材養成など、一定の時間はかかりますが、現在、県立医科大学と県総合医療センターで検討を進めていただいております。ER型救急が継続的に機能するためには、消防や休日夜間応急診療所、二次輪番病院など、救急医療にかかわる関係者相互の協力と連携が不可欠でございます。救急医療の充実を図るため、引き続き医療機関や消防の救急現場におられる方々の意見を聞き、協力と連携のネットワークを県が介入しながら築き、救急医療体制の構築に取り組んでまいりたいと思います。

 陸上自衛隊駐屯地の誘致についてのご質問がございました。

 県では、近い将来発生が懸念され、県内でも大きな被害が想定される南海トラフ巨大地震の際、県内被災地はもとより、甚大な津波被害が想定される紀伊半島海岸地区への支援拠点として、紀伊半島中心部に位置する五條市に陸上自衛隊のヘリポートを含む駐屯地の配置がぜひとも必要と考え、まずは、救援活動の拠点となるヘリポートの先行的整備を働きかけてきたところでございます。この本県の動きを受けまして、今年度に引き続き、平成二十七年度の国の予算案におきましても将来的な展開基盤の設置に係る基本構想業務として約四百万円の調査費が計上されているところでございます。

 一方、県におきましては大規模災害時に、県内外の被災地へ迅速・的確に応援を実施するために、自衛隊、警察、消防という災害救助要員のベースキャンプ機能、救援物資の備蓄やヘリコプターを活用した救援物資の集配機能などを有する県広域防災拠点を設置することが必要だと考えてきておりますが、平時の施設の管理に課題があると認識しているところでございます。また、宇陀市にある消防学校は、老朽化が進むとともに、周辺の宅地化や敷地面積の不足等により、最近の複雑多様化する災害に対応する訓練の実施が困難となっているところでございます。

 南海トラフ巨大地震などの大災害時に、災害救助の中心となる自衛隊、警察、消防の三つの組織が連携すれば、紀伊半島の災害対応において大きな力を発揮することができると考えることから、自衛隊の部隊展開の拠点となるヘリポートと、警察・消防等の救援要員の活動拠点となる県広域防災拠点及び消防学校の三つの施設が、隣接することが大切であり、有効であると考えております。このような認識の上で、来年度は、自衛隊ヘリポートの平成二十八年度以降の事業化に向けた防衛省の調査に協力するとともに、県広域防災拠点と消防学校の機能、施設の規模、管理運営方法のほか、自衛隊ヘリポートとの連携のあり方など、県広域防災拠点整備基本構想の策定作業の中で、具体的に検討したいと考えているところでございます。

 さらに、県といたしましては五條市とともに、陸上自衛隊駐屯地の配置を国に対して強く働きかけるとともに、引き続き講演会等のイベントを開催するなど、県民の自衛隊への理解促進と誘致機運の醸成に努めてまいりたいと思います。

 最後のご質問が、農業の振興についてでございます。

 本県では、従来から農地面積と経営体数が本県と同程度の神奈川県をベンチマーク県と位置づけており、平成二十五年の農業産出額を比較いたしますと、本県が四百三十二億円でございますのに対して、神奈川県は八百四億円と本県の約二倍程度となっております。これは、本県と比べて、野菜や畜産の割合が高いことによるものと分析をしております。奈良県の農業はやり方を工夫すれば、もっと販売額が伸びるものと考えております。

 県ではこれまで、生産段階では、柿、イチゴなどリーディング品目の産地競争力の強化や、大和野菜、イチジクなどチャレンジ品目の生産拡大に関する取り組みのほか、農業研究開発センターにおける品種育成や食品加工などの研究を行ってまいりました。また、流通・販売段階では、首都圏のトップセールス、県内では、フードフェスティバルや農業の六次産業化への支援などに取り組んでまいりました。

 平成二十七年度は従来の取り組みに加えまして、新たな取り組みを行っていきたいと考えております。

 一つには、価格が下落傾向の米にかわりまして、地域の気象や土壌条件に適した、生産性の高い園芸作物などへの転換でございます。

 二つ目には、分子栄養学を活用した品質を保証する農畜水産物のブランド認証制度の創設でございます。

 三つ目には、地域の農産物を活用し、物語性や素材の特徴を生かした魅力ある商品開発への支援でございます。

 四つ目には、県産農産物の販路拡大のため、学校給食での県産農産物利用への支援や、県内ホテル等への売り込み、東京でのレストランの開設、海外への販路開拓の検討などでございます。生産から流通において各種取り組みを推進し、県産農産物のブランド化を進めてまいりたいと思います。また、こうした取り組みを試験研究の高度化と連携して着実に推進するため、現場により近い農林振興事務所に作物ごとにきめ細かく対応できる職員を配置し、生産から販売まで一気通貫した指導を行うこととしております。

 今後とも、農業所得の向上に向け、奈良県の農産物のブランド化に邁進してまいりたいと思っております。

 ご質問に対する答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 二十五番荻田義雄議員。



◆二十五番(荻田義雄) 知事、多岐にわたって質問いたしましたが、丁寧にご答弁をいただきましてありがとうございます。

 知事は、二期八年、特に自主財源の確保、そして自主財源の確保を行うために、企業誘致、企業立地、さらには観光振興にしっかり特化して頑張ってきていただいたと思います。高く評価をするものでございますし、加えて、今この国を挙げて地方創生、何としても力強い日本を構築しようと、そして大変な状況で地方のより一層の活性化を図る、人口減少に歯どめをかける政策を、皆さんそれぞれの都道府県でこういった思いを共有しているところでございます。本県においては知事の強いリーダーシップのもとに、奈良モデル、さらには市町村支援等をいろんな形で三十九市町村かかわりをいただいて頑張っていただいていること、十分承知をしているわけでございます。私は一番思い入れの強いもの、医療の充実、特に妊産婦さんの搬送事案に、ちょうど平成十九年に知事就任していただいたと思いますが、そのときの思いを考えたときに、今ようやく、奈良県、北、中、南それぞれに大きな高度医療拠点整備として、私たちの奈良県の県民の命を守っていただける最大拠点をそれぞれ核として整備しつつあります。これは、本当にこういったことを着実に頑張ってこられた成果ではないかなと、このように思うところでございます。今、奈良県の中にあって、人口減少で申し上げていきますと、二〇四五年、このぐらいになりますと奈良県の三十九市町村の中で、十九市町村ぐらいは今の現在の人口から恐らく四割近く落ち込んでいくのではないかと言われています。だからこそ、知事の強いリーダーシップで、そしてこの二期八年において、それぞれにセクション別に頑張っていただいた、種をまいていただいた時期、そして今、成木になりつつあるもの、そして必ずや、三期目にチャレンジをされている知事の思い、そして私どもの思いもご一緒でございます。どうぞ、こういった思いをしっかりとお持ちをいただいて、この我々の四月十二日の投票日を目指して、いま一心努力を傾注していただきたいと思います。私は、あえてもう質問はいたしませんけれども、この二期八年の知事のやってこられた成果について、最大限の評価をさせていただいて、私の質問を終わります。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時十六分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時三十三分再開



○議長(山下力) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十八番高柳忠夫議員に発言を許します。−−二十八番高柳忠夫議員。(拍手)



◆二十八番(高柳忠夫) (登壇) それでは、民主党会派の代表質問に入っていきます。

 先般来日しましたフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の「二十一世紀の資本」は記録的な売れ行きを見せているそうですが、日本語版は約七百ページ、価格が五千五百円と半端でなく、それなりの店に平積みされているのを手にとって眺めてみるものの、こたつに入って読める代物でもなく、まだ買ってません。さながら現代版ミニ「資本論」ではと感慨にふけっています。

 さて、トマ・ピケティ氏の著書にもあるとおり格差が確実に拡大しています。昨年暮れに元内閣府参与の湯浅誠さんに生駒市に来ていただいて講演会を開催いたしました。そこでも、子どもの貧困率が増加し、一六・六%、六人に一人が日本の平均的な世帯の年収分、その半分以下の収入で暮らしているとの報告がなされていました。また、最近こんな話を耳にしました。一千万円や二千万円の車と軽四の車両が売れていて、中間の車が売れないと。国民の所得が確実に二極化し、中間層が細ってきています。

 社会保障ないし社会福祉の役割は、所得の再分配と国家統合の機能と言われることがあります。社会の安心・安全のためには中間層を厚くすることが不可欠で、政治の役割にも、富に応じた税を徴収し、安心した生活を送ることができるよう配分する、福祉の充実は重要な政治課題です。ところが、地方政府・県には残念ながら課税権はほとんどなく、また、厳しい財政事情から、所得の平準化機能を果たすことは非常に困難な中、荒井知事の二期八年の施策、福祉の充実や中山間地域の振興、また若者の雇用の安定など、格差解消に向けた取り組みを是とし、次期の知事選に民主党として推薦を決定させていただきました。しかし、推薦は県政運営の白紙委任ではなく、民主党として、これからも是は是、否は否として県議会議員の役割を果たしてまいります。

 それでは質問に入っていきます。

 最初に、文化振興対策について質問を行います。

 去る一月二十八日、文化庁は、二〇一七年度、第三十二回国民文化祭の開催地を奈良県に内定したと発表いたしました。この行事は、一九八六年に東京都で開催されて以降、毎年各県持ち回りで開催してきたものですが、開催経費がおおむね十億円を要したこと等で希望する地域が少なかったことなどから、国民文化祭のあり方について種々検討され、開催方法の見直しがされたようでもあります。私たちは、この時期に奈良県が国民文化祭の開催に手を挙げられたことをグッドタイミングと評価したいと思います。

 二〇一一年の社会生活基本調査によれば、奈良県民の学習・研究の種類別行動者率を見ると、芸術・文化を行う県民の割合が一三%であり、全国二位の高さにあるというのです。美術鑑賞は全国五位、演芸・演劇・舞踏鑑賞は全国四位、ポピュラー音楽等の鑑賞は全国三位、華道・茶道は全国一位、絵画・彫刻制作は全国二位などなど、全国の順位の高い分野が多くあります。また、文化芸術に係る支出額も全国に比較して高い水準にあるようです。率直に言って、県も議会もここに注目する議論を欠いてきたのではないでしょうか。

 二〇一一年に、県は文化活動チャレンジ補助金を新たに創設しました。また、文化芸術の参加と鑑賞の機会を拡大し、県民誰もが、文化芸術に接する機会をつくると県が仕掛けてきたイベントがあります。ムジークフェストなら、奈良県大芸術祭、にぎわいフェスタ万葉、HANARARTなどの来場者が激増し、花咲いた感があるのではないでしょうか。県立美術館開館四十周年記念事業も多くの人々を集めました。この際、あえて名称を変えた奈良県大芸術祭を基軸として、第三十二回国民文化祭を開催してはどうでしょうか。

 しかし、問題がないわけではありません。多くの観客を収容できる施設が少なく、全国からの出演、観覧者が奈良県に集う国民文化祭に当たっては、会場の受け入れや実行体制を心配しているところです。

 そこで知事に、国民文化祭開催に向けて、今後どのように進めていこうと考えられているのか、お伺いいたします。

 二番目は、障害者対策等福祉にかかわる問題です。

 荒井県政は、この間、障害者問題で画期的な施策を実行してまいりました。二〇一四年二月に「障害者はたらく応援団なら」を設立し、障害者雇用で全国三位の好成績を上げています。二〇一四年十月には、精神障害者の一級・二級者を福祉医療制度の対象とする制度設計を出発させました。また、今議会に奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例案を提出しています。いずれもが全国都道府県の最先端の位置を占めるものとして高く評価しているところであります。

 しかし、荒井知事、私たちは今般の政府の予算措置が理解できません。消費税を三%増税したのは、福祉対策のためではなかったのでしょうか。福祉施設の運営経費を一律に削減しています。高齢者や障害者の施設でグループホーム・ケアホームへの参入が不十分で、入所の待機者がふえています。サービスにかかわる報酬が減っているからであります。

 また、政府は、介護の課題でありました要支援を地方に丸投げをいたしました。地域包括ケアシステムでよろしくというものです。経費も全て地方任せというではありませんか。認知症問題も含め、対策で行き詰まったら国の責務を放棄し、地域包括ケアシステムでとなっています。

 そこで、まず地域包括ケアシステムの構築に向けた県の取り組みについて質問を行います。

 確か、県は、地域包括ケアシステムの構築の推進について検討するため、二〇一三年八月、知事をトップに健康長寿、包括ケア、まちづくりの関連課からなる健康長寿まちづくり検討会議を立ち上げられました。さらに県内において、より一層、地域包括ケアシステム構築の推進を図るため、二〇一四年四月より健康福祉部に地域包括ケア推進室を設置されています。モデル事業を実施し、その成果を県内市町村へ波及させるとされていました。

 モデル事業の進捗状況や今後の取り組みについてどのように進めていくつもりなのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例についてであります。

 まず、条例制定の背景として、前文では次の三つの観点が示されています。

 一つ目は、基本的人権が尊重される差別のない自由で平等な社会の実現は、人類全ての悲願であり、障害の有無にかかわらず、全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である。また、障害のある人もない人も、ひとしく基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んじられる社会の実現は、全ての人間の共通の願いである。

 二つ目は、しかしながら、今なお、障害のある人への障害を理由とする不利益な取り扱いや物理的な障壁、誤解や偏見といった意識上の障壁などさまざまな社会的な障壁が存在している。

 三つ目は、このような状況を踏まえ、障害及び障害のある人に関することを身近な課題と捉え、障害を理由とする差別的言動その他の権利利益を侵害する行為をなくすとともに、全ての県民の障害への理解を深めるための取り組みが必要であると規定されています。

 そして、この条例は、?障害のある人の尊厳の重視、?障害のある人の社会参加の促進、?ともに生きる社会の実現、?意思疎通、情報取得等の選択機会の確保・拡大、?相互交流の促進及び県民の理解、以上、五つの基本理念に基づき、障害を理由とする差別の解消、障害のある人の権利擁護、県民理解の三つの柱を促進するための施策を推進することにより、障害のある人もない人も、ともに安心して幸せに暮らすことのできる社会をつくることを目指すものであるとされています。

 この条例制定に向けて、障害当事者や障害者団体及び支援者らは、二〇〇九年に奈良県に障害者差別禁止条例の制定を目指す会を設立し、県内各地で学習会などの取り組みを続けてこられました。そして一昨年八月、県議会に障害者差別をなくすための奈良県条例を制定してください、どんな条例をつくるのかを検討するために、障害当事者が参加する委員会を設置してくださいという趣旨の請願書が県議会に提出されまして、十月、県議会本会議で全会一致で採択されたのはご案内のとおりであります。また、その後も署名活動が全県下で展開され、二万三千六百二十六筆の署名が県及び県議会に届けられています。

 昨年六月に障害当事者代表二名、精神障害者家族会代表一名、その他障害者団体六名が参加する、障害者に関する条例制定にかかわる検討委員会が立ち上げられ、計六回に及ぶ論議が重ねられたと聞いています。この条例では、障害を理由とする差別の禁止として、不利益な取り扱いと合理的な配慮の不提供を規定するとともに、障害を理由とした差別を解消するための解決の仕組み、県民理解の促進などが規定されています。特に不利益な扱いの禁止においては、福祉サービスの提供や教育、雇用、医療などさまざまな分野における障害を理由とする不利益な取り扱いの禁止について規定されており、内容についてはおおむね評価するものでありますが、今回は条例の実効性を大きく左右する以下の二点について知事の見解を伺いたいと思います。

 その一つ目は、差別の定義についてであります。

 障害を理由とする不利益な取り扱い及び合理的配慮の不提供に関しての基準を示し、差別とは何かを明確にすべきではないでしょうか。差別の物差しが必要だと思うのですが、特に医療分野では、合理的な理由についての判断が難しくなるのではと心配しています。

 その二つ目、相談から勧告・公表までの解決の仕組みについてであります。

 障害福祉課に相談員を配置し、相談・支援を行い、解決のできない場合は、奈良県障害者相談等調整委員会に助言・あっせんを行わせるとなっています。相談員と調整委員会の位置づけと、調整委員会の構成メンバーに当事者が含まれるのかどうなのか、解決の仕組みについても、どのように考えておられるのでしょうか。また、条例施行後の見直し規定については、設けられていませんが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

 三番目は、医療の問題です。

 いまだ、県民に安心してもらえていない救急医療の課題があります。県立医科大学及び二〇一七年末に竣工予定の奈良県総合医療センターにおいて、断らない救急の実現に向けてER型救急導入のための体制整備が具体化されつつあることと、南和地域で公立病院再編事業として、二〇一六年オープンを目指している南奈良総合医療センターの建設に期待するしかないと思っています。確かに器づくりでは見通しが立っています。仏ができた。これに魂を入れなければなりません。医師・看護師等、医療人材の確保という難しいハードルが待ち受けています。

 県はこの間、県内九カ所の臨床研修病院とともども奈良臨床研修協議会を設立し、県立医科大学をはじめ、医学部の卒業生を県内勤務に導くべく回路をつくってこられました。実際のところ、二〇一三年度の新臨床研修制度における県内マッチングで定員百四人に対し九十四人を確保し、約九割の補充率という、全国第三位の実績を残されました。また、看護職員の離職防止と定着促進のため、看護職員に対する階層別研修やキャリアアップ支援、メンタル相談事業等を実施され、二〇一二年度の県内病院における新人看護職員離職率で、これもまた全国三位の成果を生み出してこられました。医師及び看護師等の医療人材の確保に向けた県の努力に敬意を評価するにやぶさかではありません。しかし、県立医科大学、奈良県総合医療センター、南奈良総合医療センターなどの整備を進め、断らない救急と高度医療体制を整えていくためには、すこぶる大量の人材補強が必要ではないでしょうか。

 荒井知事の医療構想と県立病院体制のかぎを握ることになると思います。その核心となる奈良県の医療を支える医師、看護師の確保について、今後どのように進めていくのかについて述べていただきたいと思います。

 四番目、東京一極集中を是正する観点から、企業誘致について質問いたします。

 二〇一四年五月、民間有識者で構成される日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、二十五年後の二〇四〇年に消滅可能性都市八百九十六に達すると、誠にショッキングな推計を発表いたしました。人口の再生産を中心的に担う二十歳から三十九歳の女性の人口が、二〇一〇年から二〇四〇年にかけて、五割以下に減少する自治体が八百九十六カ所ということと同じ意味であり、奈良県内の三十九市町村のうち三分の二の二十六の市町村が含まれます。

 また、去る二月五日、総務省は二〇一四年の人口移動報告を発表しています。

 三大都市圏のうち東京圏、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県で、転入者が転出者を上回る転入超過が十万九千四百八人に達し、昨年と比べても一万二千八百八十四人ふえたというのです。名古屋圏も、大阪圏も、転出超過になりました。奈良県は、昨年と比べて二百八十四人の転出者増であります。東京圏への人口集中がこれからも加速するのでしょうか。その大半が若者であることも問題を深刻にしています。さすがに政府も危機感を深めたのか、昨年九月、閣議決定により内閣府に、まち・ひと・しごと創生本部を創設し、内閣総理大臣を本部長に、副本部長に地方創生担当大臣及び内閣官房長官を充てました。人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して、政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生することを目指すとされています。

 これまでも政府による地方振興政策はいろいろありました。ふるさと創生一億円事業、地域振興券などがあり、今も取り組まれている地域おこし協力隊、定住自立圏構想、コンパクトシティ形成支援事業、地域再生制度、特定地域再生制度などという事業があります。しかしながら、どれもこれも、東京一極集中の流れに有効的な政策とはなっていません。

 今回のまち・ひと・しごと創生総合戦略では、国は県と市町村に、客観的データに基づく実情分析や将来予測を行い、地方版総合戦略を二〇一五年度中に策定することを求めています。県や各市町村が今後、どのような観点で取りまとめていかれるのか注目しているところですが、私たちは、東京一極集中を阻止できる唯一の手だては、地方に若者らの働く場所をつくることしかないと思っています。東京圏から地方に工場や研究所・本社機能を移すことを企業に政府が呼びかけ、実行した企業に対して法人税等で優遇することが有効だと思っています。幸いにも政府は、今般、地方における企業の拠点強化を促進する特例措置というスキームを創設しました。荒井知事が就任されて以降、県では、企業立地促進補助金などの企業立地支援制度を充実させてきたほか、東京都や大阪府で企業立地セミナーを開催し、知事みずからがトップセールスを行うなど、奈良県の魅力を企業にPRし、企業誘致活動を実施した結果、二〇〇七年から二〇一三年の間に百七十件の企業立地を実現し、約二千人の雇用を確保してきました。

 そこで知事にお伺いいたします。

 県が実施した今までの企業活動から得た企業ニーズや経験を踏まえ、政府が示しているスキームは、企業ニーズを満たしていると思いますか。また、特例措置に積極的に対応して、今後の誘致活動をさらに充実すべきと考えますが、この間行ってきました企業立地支援政策の課題にも触れながら、知事の所見をお聞かせください。

 五番目に、地域公共交通網形成計画について質問をいたします。

 昨年九月に私はこの場で、都道府県では全国初となる奈良県公共交通条例に基づく公共交通基本計画の策定状況についてお尋ねいたしました。また、二〇一四年五月二十一日改正の地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく奈良県の地域公共交通網形成計画の策定の意向についてもお尋ねいたしました。

 国土交通省は、交通政策基本法に基づき、今後の国土のグランドデザインをなすべき交通政策基本計画をこの二月十三日に閣議決定されました。地方公共団体が策定する地域公共交通網形成計画は、交通政策基本法を地域の実情に合った形で総合的な公共交通ネットワークの具現化を図る重要な計画であります。一方、県内に目を移しますと、三月には京奈和自動車道の郡山下ツ道ジャンクションの完成に伴い、郡山南インターチェンジまでの供用を始めるなど幹線道路網の整備、来年には県南部では南奈良総合医療センターの開設、その後は、県北部では奈良県総合医療センターの移転、さらには近年、訪日外国人観光客の増加を受けたインバウンド対策と、ハード・ソフト両面で県内の交通体系の再整備が求められる状況が既に顕在化しております。

 少子高齢化が進む中で、まちづくりと連動して交通拠点を整備し、拠点間を結び、利便性の高い広域な公共交通体系を整備することは、県民にとって暮らしやすい低炭素なまちづくりになるだけでなく、来訪者にとって移動しやすい奈良県になることにもつながる重要な施策であります。病院などの公共施設が整備され、それに伴い公共交通を整備することによって、それに派生して路線近隣住民の移動が確保できると考えます。加えて、現在企業、病院、ホテルなど、個々に保有している送迎バスを路線バスにまとめることによって、近隣の住民の移動が確保できるのではないかと考えます。要するに、まちづくりと連携して、路線沿線の地域住民、企業、公共施設などが、互いに協力することによって、公共交通の維持活性化をしていく環境をつくる。そのための、インセンティブを促進する施策が必要であり、それが交通政策基本法にうたわれる関係間の連携、協働であると考えます。

 また、郡山下ツ道ジャンクションの供用が開始され、西名阪自動車道と京奈和自動車道がつながります。このように、県内の自動車専用道路ネットワークの整備が順次行われているところですが、これらの道路整備にあわせた広域公共交通体系の整備が必要であると考えます。そのために、第二阪奈有料道路、西名阪自動車道、名阪国道、南阪奈道路、京奈和自動車道の交通結節点となり得るポイントにバスの停留所あるいはバスターミナルを整備し、これらの道路を現在運行しているリムジンバスをはじめとした既存の路線バスを利用した県内バスネットワークを構築してはどうかと思います。

 例えば、京奈和自動車道の橿原北インターチェンジ、橿原高田インターチェンジ間が整備される際には、あわせてイオンアルル付近にバス停留所を設置し、奈良・関西国際空港線を運行ルートを変更して乗り入れることによって、その地域住民の関西国際空港と奈良までの公共交通を最少の運行コストで確保することができると考えます。加えて、奈良県中南和観光の玄関としての機能、土産物などの県内消費の促進にもつながり、奈良県全体の振興につながると考えます。この実現についても、バスの事業者、企業、近隣住民の協力が必要であり、同様に環境の整備を図るのは行政の役割であると考えます。

 そこで知事にお尋ねいたします。

 現時点での奈良県としての地域公共交通網形成計画の策定に向けた進捗状況はいかがでしょうか。公共交通基本計画との関連性はどのように位置づけておられるのでしょうか。また、地域公共交通網形成計画は都道府県ではなく、市町村でも策定可能でありますが、地域公共交通網形成計画を策定しようとする市町村との調整あるいは、市町村に対する策定の支援についてはどのようにお考えでしょうか。

 これまで荒井知事は、公共交通に対する熱意と見識を持って、奈良県地域交通改善協議会を知事みずからが会長となり、中南部地域の広域路線二十五路線四十五系統の確保という全国的にも解決策の難しい課題に対処してこられました。今回の計画策定も知事が先導し、奈良県が全国のモデルとなるような公共交通ネットワークができることを心から願っております。現時点での知事のお考えをお聞かせください。

 最後に、教育問題です。

 私はこの間ずっと格差問題と教育との関係について、この場で質問をしてまいりました。再びトマ・ピケティですが、トマ・ピケティの「二十一世紀の資本」がヒットしていることにより、世間では格差論争が再び起きています。全世界的規模で格差が広がっており、その格差を縮めるには教育が大切であると改めて確信しています。

 さて、二〇一四年十二月、文部科学省から発表されました二〇一三年度地方教育費調査を見ますと、奈良県の高等学校全日制課程生徒一人当たりの経費は九十二万八千三百九十二円と全国で四番目に低い状況です。一位の島根県、百五十六万六千五百五十四円に対して五九%と約六割しか県は教育にお金をかけていません。最下位であった二〇〇八年度の百万三千十円より約七・五%も低くなっています。私は、代表質問に立つたびに毎回、このことを指摘してまいりました。幸いにも来年度の予算案では、款・教育費が前年に比べて、ほんの少しだけアップしています。今後、ぜひとも教育予算の増額をお願いしたいというふうに改めて思います。今回はそれには触れません。

 次に、文部科学省委託研究で、国立大学法人お茶の水女子大学が報告書を出しています。二〇一三年度全国学力・学習状況調査の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究という報告書によりますと、従来から言われていますように、家庭の所得、父親の学歴、母親の学歴の三つの変数を合成した指標である、家庭の社会経済的背景が高い児童生徒の方が、各教科の平均正答率が高い傾向が見られているとされています。また、学習時間が長い児童生徒の方が正答率が上がるという傾向にあるというふうにも報告されています。しかしながら、学習時間の効果も不利な環境を克服するには限界があります。社会経済的背景が最も低い層で一日三時間以上の学習をした児童生徒よりも、最も高い層の児童生徒で全く学習をしない児童生徒の方が正答率が高いという結果も明らかにされています。このどんなに努力しても追いつけない差、この存在こそが格差なのではないでしょうか。

 さらに、保護者の児童生徒への教育投資額が多いほど、児童生徒の学力が高い傾向が見られるとされています。まさに家庭の経済格差が、教育格差を生み出していることが明らかにされています。また、きめ細かな指導が行われた学校ほど不利な環境においても成果が上がっているとの分析結果も出ています。行政の教育に対する積極的な投資が格差の是正には必要であるという、そういう結果が出ています。

 日本政府が教育費にかける支出は、OECD三十四カ国の中で二番目に低い状況です。教育は未来への先行投資と言われます。若者の貧困問題解決のためにも、県当局の教育への積極的な先行投資、再度お願いをいたします。

 ところで、以前私はスクールソーシャルワーカーの必要性をこの場所で訴えました。その後、さらなる調査をしてみたところ、奈良県では、スクールソーシャルワーカーはもとより、スクールカウンセラーの配置が全国的に見ても、相当おくれているのではないでしょうか。

 不登校やいじめなど、多様化・深刻化する児童生徒の問題に対して、学級担任・生徒指導担当・養護教諭等、複数の教職員で連携を図りながら対応する指導体制や教育相談体制を充実させていく必要があると思います。その際、臨床心理に関する高度な専門性を持ち合わせ、第三者的立場から学校の相談体制などを見たりすることのできる外部性を有するカウンセラーを学校に配置し、児童生徒や保護者へのカウンセリング、教職員への指導・助言を行うことが、問題行動の未然防止や解決に有効であり、児童生徒、保護者はもちろん、学校からもその必要性が強く求められています。

 文部科学省も積極的に予算配当をしています。にもかかわらず、奈良県では、特に高等学校において、一向に配置数がふえそうにありません。今回の予算を拝見しても高等学校では四校のみの配置です。現在配置されている学校では、スクールカウンセラーは引っ張りだこの状況だそうです。とても、予定されている時間内でおさまり切れず、ボランティアで予定時間外にも働いていただいているとお聞きしており、私は、最低限、一校一名体制を敷くべきであると考えます。

 また、さきの九月県議会で、子どもの貧困対策計画の策定について質問し、庁内ワーキングチームを中心とした幅広い体制を構築し、できるだけ具体的で総合的な支援方策を検討するとの答弁をいただいています。二〇一五年度の予算案には、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、(仮称)子どもの貧困対策計画を策定する予算が計上されていますが、教育、福祉、医療、住宅など、子どもの育ちに大きく関係する分野の中で教育は非常に重要です。スクールカウンセラーの例を見てもわかるように、教育分野での子どもの貧困対策にさまざまなものがあると考えられます。

 現在本県で検討されている(仮称)子どもの貧困対策計画の策定にかかわって、県教育委員会としてどのように取り組もうとしているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。

 壇上での質問を終えます。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十八番高柳議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、文化振興対策の分野でございますが、平成二十九年度国民文化祭開催に向けて、今後どのように進めていこうとしているのかというご質問でございます。

 本県では、ムジークフェストならや奈良県大芸術祭など文化イベントを通じて、地域のにぎわい創出や交流人口の増による地方創生の取り組みを進めてまいりました。このような本県の取り組みを文化庁が注目され、文化庁長官よりお誘いをいただきました。先般、平成二十九年度に第三十二回国民文化祭を奈良県で開催することが内定したところでございます。

 国民文化祭は、議員お述べのように昭和六十一年に東京都で開催されて以降、国内最大の文化の祭典として継続されてきました。本県での国民文化祭の開催は、議員お述べの本県の高い文化ニーズにお応えできるばかりでなく、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国家形成の地である奈良県オリジナルの文化芸術の真髄を全国に発信していく上でも絶好のチャンスだと考えています。

 今後の取り組みでございますが、来年度早々に、連携する団体や市町村などをメンバーとする国民文化祭の実行委員会を設立し、開催の準備を着実に進めていきたいと考えております。また、本県での文化振興の意味をよく考えて国民文化祭の基本方針を練り上げた上で、来年度中には、名称、テーマ、事業構想、広報計画、運営計画などを盛り込んだ基本計画を策定したいと考えております。これまで本県が培ってきました文化イベントの実施能力を総動員し、市町村や文化芸術団体等と十分に連携を図りながら、奈良県らしい国民文化祭として県内全域で盛り上げ、県外にも、あるいは可能であろうかと思いますが、国外にも発信できるような文化祭にしていきたいと考えております。

 障害者対策福祉についてのご質問が数点ございました。まず、地域包括ケアシステムの構築についての取り組みのご質問でございます。

 地域包括ケアシステムは、市町村が主体となり、地域の実情に応じて構築しようとしていくものでございますが、現在までのところ概念が先行して、具体的にどのように構築していけばよいのかわかりづらいという課題があると思います。このため、県では、奈良県総合医療センター周辺地域におけるまちづくりなど、県みずからがプレーヤーとなって、地域包括ケアシステムのまちづくりを実践することでモデルを示せるのではないかという考えのもとの取り組みを進めているところでございます。

 奈良県総合医療センター周辺地域のまちづくりにつきましては、昨年、まちづくりのアイデアを広く募集するコンペを実施し、最優秀作品などを選定いたしました。これらの作品をもとに、本年二月には地域住民の方々と今後のまちづくりに関する意見交換を実施したところでございます。今後も住民の皆様のご意見を伺いながらまちづくりを進めてまいりたいと思います。

 また、広域的な視点から地域包括ケアシステムを進める必要のある地域もございます。西和地域や東和地域、南和地域におきましては、県保健所が中心になりまして、医療・介護・看護などの関係者からなる多職種連携を進めるための協議会の立ち上げや合同研修会の開催など、医療・介護連携に向けた取り組みを進めているところでございます。来年度は、これらの取り組みを一層進めるとともに、県内市町村のモデルとなるような取り組みを行う市町村に対して、県が設置した地域包括ケア推進基金を活用し、地域包括ケアシステムのグランドデザインの策定や地域包括ケアシステムの実現に向けた在宅医療の推進などの取り組みを支援していきたいと考えております。

 地域包括ケアの対象には、介護を要する高齢者や病後の人たちだけでなく、障害者や認知症の方々、さまざまな理由で若くして心を傷つけられた人々なども含まれるべきと考えております。地域包括ケアの行き届いたまちはインクルーシブな考え方のあふれたものになればよいと願っておりますが、今後とも、県モデルと市町村モデルの取り組みを進め、県が率先して地域包括ケアの具体例を示すことで、県内全ての市町村における地域包括ケアシステムの構築を目指してまいりたいと考えております。

 障害者対策福祉について、条例の考え方など、数件のご質問がございました。

 議員お述べのとおり、今議会に提出しております条例案につきましては、請願に基づき新たに設置いたしました条例制定検討委員会のほか、障害者施策推進協議会や個別の障害者団体との意見交換会などを通じて、幅広くさまざまな意見を聞きながら検討し、取りまとめてきたものでございます。その内容でございますが、まず、禁止される差別につきましては障害を理由とする不利益な取り扱いと合理的配慮の不提供の二類型とし、医療をはじめ、福祉サービス、教育、雇用など九つの分野における不利益な取り扱いを規定するなど、障害者差別解消法や他府県の先行条例等を参考としながら、作為、不作為の両面から所要の規定整備を行っているものでございます。

 しかしながら、差別に当たり得る事例や求められる合理的配慮は多種多様でございます。条例の周知・運用に当たりましては、障害者差別解消法の施行に伴い、今後国において示される事業者の対応指針等を参考に、不利益な取り扱いや合理的配慮の具体的な事例・内容について、わかりやすく整理したガイドラインを作成してまいりたいと考えております。

 次に、障害を理由とする差別を解消するための解決の仕組みについてでございますが、条例の実効性を確保する上で、大変重要なスキームでございますので、県が責任を持って運用する必要があると考えております。したがって、この解決の仕組みを担う相談員につきましては、県職員として採用するとともに、障害福祉課に相談窓口を開設し、不利益な取り扱い等に関する相談に応じ、それぞれの相談者に必要な助言、関係者間の調整などを行うこととしております。

 また、調整委員会につきましても、中立・公平な観点から、相談者や関係者に対して、助言・あっせんを行うという、紛争解決を図るための重要な役割を担っています。したがって、これを県の附属機関として設置し、障害のある人をはじめ、学識経験者、事業者の代表などによる十五人以内の委員で構成することとしております。

 なお、条例施行後の見直しでございますが、障害者差別解消法の改正などがあった場合など、必要に応じて、条例についても随時所要の見直しを行う所存でございます。この条例の施行を一つの契機として、障害や障害のある人に対する関心と理解が一層深まることを期待するとともに、県の責務として、引き続き障害を理由とする差別の解消等に関する施策を積極的に推進し、その結果をまた制度に反映させる段階的前進のやり方で、条例の趣旨が遂行できるようにしてまいりたいと考えております。

 医師、看護師の確保についてのご質問がございました。

 県民が安心できる医療体制を構築するためには、施設を整備し、医療機能の充実を図るのも大事でございますが、議員お述べのように、医師、看護師をはじめとした人材確保が基本的に極めて重要なものでございます。

 まず、医師確保についてでございますが、各医療機関における円滑な人材確保を支援するため、診療科や地域における偏在を解消するとともに、医師の派遣・配置機能を強化することが必要かと考えております。県では、平成二十年度から二つの奨学金制度を設けまして、全国でも最も多くの数の奨学生を給付対象としてまいりました。産科や小児科など特に医師が不足する診療科やへき地に勤務する医師確保に努めてまいったところでございます。今から約十年後の平成三十七年におきましては、このような奨学生が最大で百四十名になります。最大で百四十名の奨学金を受けた医師が、知事の任命対象になり、県内で勤務することが見込まれます。県では、県立医科大学と共同で設置した県費奨学生配置センターを中心に、地域の実情に応じて適切な配置を進めていきたいと考えております。

 また、今年度より、県立医科大学では、地域貢献の一環として県立医科大学医師派遣センターが設置されております。県立医科大学のハローワークと称しております。県内の公立・公的病院からの要請に応じて、医師の派遣に着手していただいたところでございます。今後、南奈良総合医療センターをはじめ、地域に必要な医師が積極的に配置されるよう、県としても、県立医科大学の医師供給機能の強化を図っていきたいと考えております。

 次、看護師確保でございますが、新人看護師の養成に向けて、新たな看護専門学校の開校が予定されております。県としては、今後も施設整備やその運営に対する支援を行っていきたいと考えております。

 また、看護職員が意欲を持って働き続けられる環境整備を促進することも大変大事でございます。県内医療機関におきましては、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みが進められておりますが、それを支援するための拠点として、昨年十月に医療勤務環境改善支援センターを設置いたしました。

 今後、このセンターを中心に、医療従事者の勤務環境改善に向けた医療機関の自主的な取り組みが一層促進されるよう、必要な助言、支援を行いたいと思っております。施策の推進の結果、議員お述べのように一定の成果が見られますが、今後も引き続き、医師、看護師の確保に向けて総合的な取り組みを進めてまいりたいと思います。総合的と申しますと、医師や看護師の配置、派遣、育成、環境改善などが総合的に施行される環境というふうに考えております。

 次は、企業誘致についてのご質問がございました。国の企業の拠点強化を促進する特例措置の所見もご質問に含まれております。

 私は、知事就任以来、奈良で暮らし、奈良で働くことができる地域経済の構築を目指すことが大事だと考え、県内外からの新規の企業立地と県内の既存企業の振興を車の両輪と捉え、本県経済の活性化に向けた施策を実施してまいりました。企業誘致におきましては、これまでの間に約二千七百社の企業に対して県職員が訪問してくれてまいりました。また、東京都や大阪府で、私みずからが直接企業の方々に奈良県の魅力をPRするなど、積極的な誘致活動を職員とともに取り組んでまいりました。このような活動を通じて、具体的に立地を検討する企業からは、産業用地情報の提供、交通の利便性の向上などの立地環境の整備、補助金や税制などの各種優遇制度の充実、人材の確保に係る支援などのさまざまなニーズを伺ってきているところでございます。

 議員お述べの、今般の地方拠点強化税制でございますが、地方拠点となる建物などを取得した場合の投資減税の創設や雇用促進税制の拡充を行おうとするものでございます。これまで、企業からお聞きしたニーズとも合致するものであろうと考えられます。本県においても国の動きを注視しながら、本制度を本県の企業振興に速やかに活用していきたいと考えております。

 一方では、本県では企業ニーズにお応えできる産業用地が総じて不足しております。市町村や関係機関とも連携しながら、空き用地情報の把握に努め、立地が実現するよう、企業とのマッチングを行っているところでございます。また、産業用地の確保に向けましては、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺において産業集積地形成事業を本格的に開始いたしました。また、京奈和自動車道及び西名阪自動車道の周辺におきまして、新たな工業ゾーンを創出するため、関係市町とも連携しながら候補地の選定などの検討作業に着手したところでございます。

 今般の国の特例措置が十分かどうかは、今は十分わからないものでございますが、このような制度が設けられることを絶好の機会と捉え、企業の投資計画の早期把握に努めるとともに、用地情報の提供や人材確保に係る支援など、立地を検討している企業からのニーズに速やかに本県が対応できるよう、より一層の支援体制の充実を図ってまいりたいと思っております。

 最後に、地域公共交通網形成計画についてのご質問がございました。

 議員お尋ねの点は、国の法律に基づく地域公共交通網形成計画と奈良県公共交通条例に基づく公共交通基本計画の関係でございます。いずれも、まちづくりなどの地域におけるさまざまな取り組みと一体となった、望ましい公共交通の実現に向けて作成する計画でございます。公共交通基本計画は奈良県全域の施策のあり方を示したものでございます。一方、地域公共交通網形成計画は計画期間と具体的なエリアを設定した上で、具体的な取り組みを定めるものと考えておりますが、扱う対象は公共交通という同一のものでございますので、一体的に策定する必要があろうかと思います。国の計画と県の計画を一体的に作成したいと思っております。

 地域公共交通網形成計画の策定に向けましては、昨年十一月から、市町村、交通事業者、県などの関係者が集まり、個々のバス路線ごとに、まちづくりと連携した公共交通のあり方などについてアイデアを出し合っているところでございます。三月九日には、副市町村長、交通事業者の担当役員などで構成する奈良県地域交通改善協議会幹事会を開催いたしまして、これまでの各地域での議論を共有するとともに、さらに検討を深めていく予定でございます。

 また、地域公共交通網形成計画は、これまで、路線バスの見直しを議論してまいりました、私が会長となっております奈良県地域交通改善協議会を基本的な受け皿として策定してまいりたいと考えております。現行の協議会メンバーであります市町村、交通事業者、国、県に加えまして、新たに道路管理者、住民代表などにも参加していただき、お互いに知恵を出し合い、課題についての共通認識を持って一体となって策定してまいる所存でございます。

 なお、こうした協議会に参加する市町村から、みずからも地域公共交通網形成計画を策定したいというニーズが出てまいりますれば、来年度予算案で計上させていただいております安心して暮らせる地域公共交通確保事業によりまして、ご支援を申し上げたいと思っているところでございます。

 本県としては、これからもまちづくりと一体となった、地域全体を見渡した総合的な公共交通ネットワークを構築するため、市町村などと力を合わせて取り組んでまいる所存でございます。

 私の対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇) 二十八番高柳議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、子どもの貧困対策にかかわって、県教育委員会としてどのように取り組もうとしているのかとのお尋ねでございます。

 子どもの将来が、その生まれ育った家庭の事情などに左右されることなく、学ぶ意欲と能力のある全ての子どもが質の高い教育を受け、みずからの可能性を最大限に伸ばして、それぞれの夢に挑戦できるようにすることが、県教育委員会の重要な責務であると考えております。国が策定をいたしました子どもの貧困対策に関する大綱では、学校を子どもの貧困対策のプラットフォームと位置づけており、学校教育における学力保障、学校を窓口とした福祉関連機関との連携などが学校に求められております。

 県教育委員会では、学校教育において学力の保障を図るためには、何よりも教員がよくわかる授業、質の高い授業を行い、子どもの学習意欲を高めることが大切であると考えております。そのための取り組みとして、特に子どもがつまずきやすい分野を取り上げ、わかりやすく質の高い授業のモデル動画を本年四月から各小学校に配信をいたします。また、県内全ての小学校四年生を対象に県独自の学力・学習状況調査を実施し、その分析結果を学校の教育力向上に生かすとともに、全ての四年生に配布をいたします。家庭学習の手引きにも反映をさせ、家庭における学習習慣の形成を目指してまいります。

 次に、福祉関連機関との連携を支援するために、県教育委員会に設置をしている学校支援アドバイザーに、来年度から三人の福祉に精通した人材の配置を検討いたしております。従来からの校長OB三人とともに、県内北部・中部・南部の各ブロックを分担し、毎月開催される郡市の校長会等に出向いて、福祉と教育の両面から学校や児童生徒を総合的に支援する体制を整備してまいります。その際、常に学校からの相談を受け付けることができるように、学校支援アドバイザー専用のメール窓口も開設をいたします。また、特に個別の対応が必要な学校には、早期の段階で生活支援や福祉制度につなげることができるよう、スクールソーシャルワーカーを派遣いたします。

 今後も、県教育委員会では、本県の子どもたちが夢と希望を持って自立した社会人として成長していけるよう、学校教育の充実に全力で取り組んでまいる所存でございます。

 どうもありがとうございました。



○議長(山下力) 二十八番高柳忠夫議員。



◆二十八番(高柳忠夫) いろんなことを聞きたいんですけども、時間ということで、教育委員会にだけ、具体的な、いろんな取り組みがあると思うんです。今は、子どもの貧困対策計画に組織的にいろんな部署から、どうかかわるんだというふうに、あまりにも大ざっぱな形での返答なのです。もう計画をつくるんだと言って予算措置をしているにもかかわらず、今の答弁だけであったら、今回担当の人との打ち合わせの時間が本当に少なかったので申しわけないのですけども、そういう認識であるならばということで、この問題、改めて予算審査特別委員会で、もうちょっと詰めてやっていきたいと思います。それでは、こんな計画を立てるのに、今の準備段階では非常にもったいないという感じがしていますので、この問題を詰めていきたいというふうに思っています。総合的にも、全体的にも、また予算審査特別委員会の方で発言の機会がありますので、対応させていただきたいと思います。

 これで終わりです。以上です。

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○議長(山下力) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(山下力) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、三月二日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれもって散会します。



△午後四時三十五分散会