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平成26年  9月 定例会(第316回) 09月25日−05号




平成26年  9月 定例会(第316回) − 09月25日−05号







平成26年  9月 定例会(第316回)



 平成二十六年

        第三百十六回定例奈良県議会会議録 第五号

 9月

    平成二十六年九月二十五日(木曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

一、追加議案の上程

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○副議長(井岡正徳) これより本日の会議を開きます。

 この際、お諮りします。追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ございませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、十七番山村幸穂議員に発言を許します。−十七番山村幸穂議員。(拍手)



◆十七番(山村幸穂) (登壇)皆さん、こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。私たち日本共産党県議団は、暮らしのアンケートを配布して、ご協力をお願いしてまいりました。七月末から始めて、現在三千百通を超える回答をお寄せいただいています。ありがとうございます。回答にはびっしりと暮らしの実情や、安倍政権の暴走への不安、要望など、詳しく書き込んでくださっております。私たちは、この皆さんの思いをしっかり受け止め、暮らしと福祉、平和を守るために全力を尽くす決意でございます。

 まず初めに、消費税増税について、知事に伺います。

 消費税増税が四月から強行され、暮らしと営業を直撃しています。暮らしのアンケートでは、暮らし向きについて、よくなったという方は、少しよくなったを合わせて三%、悪くなった、少し悪くなったを合わせて六五%に上っています。悪くなった理由は、年金や給料が減った、税金の負担が増えた、医療、介護、国民健康保険の負担がふえたと回答されています。消費税八%への増税の影響について、影響がないという方は八%、負担がふえた、八四%でした。物価が上がって、その上増税でものすごい負担、低所得者のことを考えてほしい、景気がよくなったとはとても思えない、貧富の差をなくしてほしい、給料が上がらないのに増税では生活できない、などなど、悲鳴と怒りの声です。一〇%への増税について、必要という方は一一%、見直すべき、二四%、時期が悪い、九%、反対、四五%でした。一〇%になれば、貧困生活、恐怖ですなど、たくさんのご意見が書き込まれていました。増税必要という方も、贅沢品だけにしてほしい、食料、日用品に増税はしないでとのご意見です。

 知事は、以前から一〇%に増税すべきと述べておられます。しかし、消費税は最悪の不公平な税金、所得の少ない人ほど負担が重くなります。格差を広げる税金です。それだけではありません。消費が冷え込み、経済が停滞、国民の所得はますます減少、税収が減少するという悪循環になり、国民はますます苦しい生活を強いられることになります。このことが、日本の経済にもはっきりとあらわれています。四月から六月期のGDP国内総生産の数値は大きく減少しています。その要因となった大きな原因は家計消費の冷え込みです。勤労者の実質賃金は四、五、六月と減少しています。

 一方で、巨額の内部留保を増やし続ける大企業の減税を進めようとしています。これで景気がよくなるはずがありません。県内の中小企業、小規模事業者にお聞きいたしますと、円安、原材料高騰の上に、四月からの増税がのしかかっている。消費税を納付する来年三月以降、営業を続けられるかと、苦境を訴えておられます。日本商工会議所調査でも、売り上げ一千万円から一千五百万円の小規模事業者は七一%、一億円から二億円の事業者でも五〇%が価格に転嫁できないと言います。県経済にも大きな打撃となるのではないでしょうか。南都経済センターの調査でも、奈良県経済の概況では、個人消費減少、住宅着工減少などから、引き続き弱含みとしています。

 知事は、消費税は社会保障のためと言われますが、社会保障と税金は本来貧富のその格差を小さくしていく役割を果たすものであり、その財源は能力に応じて負担を求めることが原則です。ため込み金を増やす大企業や、大もうけしている富裕層へ、応分の負担を求めることこそ、まず進めるべきではないでしょうか。今のような状況で十%への増税はとんでもないと考えます。知事は、県民の暮らしの実情をどのように見ておられますか。また、今、増税はすべきでないと、政府に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、地域包括ケアシステムの推進について、健康福祉部長に伺います。

 消費税増税とあわせて、政府は与党だけで医療介護総合法を強行しました。医療費を抑えるために、病院のベッド数を減らして、できるだけ早く退院させ、在宅で療養させる方針です。その受け皿として、地域包括ケアシステムを推進すると言います。ところが、在宅介護のためのサービスである介護保険も改悪をされまして、要支援一、二と判定された方のホームヘルプサービス、デイサービスは介護保険から外されることとなります。現在、要支援一、二と認定された方のうち、六割がホームヘルプサービスとデイサービスを利用されています。もし現在のようなサービスが利用できなくなったら、どんな影響を受けるのか、奈良民主医療機関連合が実態調査を行っています。日常生活ができなくなり、介護度が悪くなる、このような方が八割に上ると報告されています。私もヘルパーさんに伺いました。

 七十二歳の女性は一人暮らしで要支援二、現在はホームヘルパーさんに週二、三回、一時間の訪問で買い物、掃除、食事づくりの援助を受けて暮らしておられます。うつ傾向で落ち込みがちですが、ヘルパーさんと話しながら、一緒に家事をすることで意欲が出て、精神的に安定しています。もし、介護保険から外されたら、引きこもりがちで、症状悪化、一人で暮らせなくなると心配されていました。介護保険は、在宅で安心して暮らせると始まったのに、ボランティアや家族が支えていた昔に戻っていこうとしている。高い保険料を払っているのに、おかしいと訴えておられます。

 今後、市町村が地域の実情に応じてサービスを行う地域支援事業にかわり、より多様に、効果的なサービスとなると言いますが、中央社会保障推進協議会でも実施をした全国調査で、七割以上の市町村で現行サービスを地域支援事業に移行するのは、不可能・判断不可と答えています。介護事業者の調査でも、受け皿となるようなボランティアサービスは確保できないという結果です。現行より事業費が引き下げられ、専門性のないボランティアを活用するということでは、サービスの後退は免れません。市町村の財政力や地域の実情で格差や困難が予想されます。

 多くの高齢者が少ない年金で苦しみ、一人暮らしや老老介護で介護力が低く、程度の差はあっても、認知症を抱えております。本来はヘルパーや介護福祉士など、専門的な支援が必要であるのに、施設に入れず、介護保険サービスも受けられない、まさに介護難民となってしまうおそれがあります。胃ろうを設置したりして、介護ケアの必要な方が在宅に帰されるケースもふえています。今後、ますます往診や訪問看護などの医療ケアが必要です。しかし、訪問看護に携わる看護師は全体のわずか二%という状況です。訪問看護事業所は人手不足や零細経営が問題となっています。

 私の地元、奈良市済美地域でも、長年熱心に高齢者の見守りチームをつくって、地域の社会福祉協議会、包括支援センター、自治会や婦人会の皆さんが協力して支え合いの活動を行っています。その活動を担っておられる方々も、年々高齢化が進んでいます。ふれあい広場など取り組んでおられますが、引きこもりがちな方、認知症のある方にはやはり地域に密着した専門家の支援が重要です。

 地域のネットワークの要である、地域包括支援センターの皆さんも懸命に頑張っていますが、介護や日常生活に深刻な問題がある困難な相談事例を数多く抱え、体制の強化は切実な要望です。人員、財政、ノウハウなど、支援を求めておられます。

 住み慣れた地域、自宅で老後は安心して暮らしたい。誰もが願うことですが、医療と介護にかかる費用を減らす方向は逆行です。政府の言うような自助、努力と住民による助け合いだけではなく、国、県、市町村が福祉の責任を果たさなくてはなりません。県として、市町村とともに安心できる介護サービス、地域包括ケア体制を推進するためにどのように取り組まれるのでしょうか。医療的ケアの必要な方への訪問看護の充実や、包括支援センターの機能強化について伺います。

 次に、伝統ある銭湯を生かした福祉のまちづくりについて要望します。

 地域福祉は地域の資源を生かして、地元住民の創意ある取り組みも重要です。今、奈良市では古くからある銭湯が存亡の危機にあります。奈良市がこれまで行っていた高齢者福祉の入浴補助制度が廃止されるということで、高齢者に不安が広がっています。銭湯がなくなれば、内風呂のない高齢者もおられ、健康で文化的な生活ができないと訴えておられます。これまで、地域の銭湯は高齢者と住民のコミュニティーの場として、またリハビリの役割も果たしてきました。奈良のまちに溶け込んだ文化として、最近では外国人観光客も利用されているそうです。全国の例では、銭湯を利用して、福祉に活用して、ミニデイサービスやふれあい事業なども行っているようです。市町村の補助制度があるところ、県の補助があるところもあります。本来、奈良市が実施することではありますが、全県での銭湯活用の取り組みを紹介するなど、県としてもでき得る支援を要望いたします。

 次に、子ども・子育て新支援制度について、こども・女性局長に伺います。

 来年四月から保育、幼稚園、学童保育など、子育て支援に関わる制度を根本から転換する子ども・子育て支援新制度が始まります。そもそも新制度は、子育て支援をどう充実させるのかという視点から始まったのではなく、経済成長戦略の一環として、保育の民間サービス業化を目指したものです。複雑で大変わかりにくくなっており、住民や利用者への周知もおくれています。幼保連携型認定子ども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育など、さまざまの種類の保育事業が行われます。小規模保育などの地域型保育の基準は市町村で決められますが、小規模保育の三つの類型のうち一つでは、保育士資格も保育経験もなくてもよいという、国の認可基準は問題です。また、給食についても、国基準は外部搬入を認めていますが、アレルギーの対応など、問題があります。どこに預けても、大丈夫かと不安がいっぱいです。保育の質が維持されるのか、県としてどのようにお考えでしょうか。

 また、現場の保育士さんは低賃金で苦しんでいます。保育士の平均給与は二十万八千円、全職種平均が二十九万七千七百円ですから、給料が低すぎて結婚できないと、男性職員がやめていく、保育士確保ができない、保育士が定着しないと、よい保育を維持できない深刻な現状です。奈良県でも、公立保育園であっても、劣悪な労働条件の非正規雇用が半数という実態もあります。政府は新制度で処遇改善をうたっていますが、極めて低い予算しか確保されていません。県として、何らかの方法で処遇改善策を実施すべきではないでしょうか。

 保育料がどうなるのか、住民の一番の心配です。保育料は市町村が決めるとされています。これまでは国の基準額が高額のため、市町村独自で軽減措置をとってきましたが、少なくとも現状より上がることのないように、さらに保育料外の負担の徴収については、事業者任せではなく、市町村が責任を持たなくてはならないと思います。県が行った子育て実態調査でも、子どもを理想の数だけ産めないのは、子育てにお金がかかり過ぎるという理由が五六%と最も多くなっています。県としても、子育て支援として、保育料の減免はできないのでしょうか。

 次に、若草山モノレール設置計画について知事に伺います。

 モノレール設置反対の世論は急速に広がり、若草山モノレール建設に反対する会の署名は、二万六千筆を超えて寄せられています。知事は、奈良公園地区整備検討委員会の議論を踏まえて、モノレールからバス案に方向転換すると表明されました。若草山は古都保存法により、歴史的風土特別保存地域とされ、その保存計画では保存の主体は奈良公園の自然的環境の保存にあり、春日山、三笠山、若草山等、丘陵と稜線における建造物、その他の工作物の新築と土地の形質の変更、木の伐採等の規制に重点を置くとされています。

 奈良県が策定した、名勝奈良公園保存管理・活用計画による保存管理の基本方針は、若草山ゾーンは公園を代表する眺望景観の重要な構成要素となる、若草山の地形の保存を基本とするとしています。また、都市計画法五十八条による奈良県風致地区条例により、若草山風致地区として指定され、その保全方針は原則的に現状を凍結的に保存するとされています。このように、建造物は法的にも許されない、国内法で厳しく守られている地域です。この際、若草山への移動支援施設の導入は断念するべきと思います。

 奈良公園は寺院、神社と自然が一体となり、神道や仏教と関わった儀式、行事が連綿として受け継がれ、暮らしの中で心のふるさととして生き続ける、歴史的、文化的にも奈良らしさを代表する奈良観光の核心地域です。観光客が奈良に求めるものは静かなたたずまいの中で、本物に触れることができる空間ではないでしょうか。奈良公園の魅力を生かし、持続可能な観光地として発展するためには、第一に歴史的自然、景観、文化遺産の科学的な調査、研究を進め、その価値の保全と継承を進めること。第二に、子どもも障害のある人、高齢者も含めて、観光客や市民も楽しめる公園となるよう、景観、自然に配慮した公園へのアクセス、バリアフリー、安全対策を進める。第三に観光客のニーズに合った観光対策、歴史に裏打ちされた伝統行事や暮らしに息づく奈良の伝統的工芸品などを生かして、地元住民と商工業、観光業の関係者などの協働で議論を尽くし、地域の暮らし向上に役立つ地域益となる滞在型観光対策を進めることではないでしょうか。

 移動支援施設の建設が活性化につながるのかという点では、若草山登山口の商店街では期待するという意見もありますが、若草山の値打ちを壊しては元も子もない、自然を生かして活性化をしたいと述べておられました。県が実施した調査でも、一重目まで容易に利用できる施設があれば利用しますかという問いに対して、五四%が利用しないと答えて、若草山の魅力は芝生空間、広大な景観と答えています。よさを生かすことこそ大事だと思います。新たに浮上したバス案は、そもそもモノレール計画を提案するときに、コンサルタントの検討段階で景観への影響を理由に否定されていたものです。なぜ一重目にこだわるのか。三重目にはドライブウエーで上ることができる。駐車場からは道路が整備され、車椅子でも眺望が楽しめます。東大寺の屋根が美しく見える景観、これは登山道を少し上れば楽しめます。そこまでなら、人の手助けで登ることは可能です。

 また、私も現地で確認をいたしましたが、ドライブウエーから作業道に入ると、すぐその場からの眺望は大変よく、東大寺が本当にきれいに見えております。その場で楽しんでいただくなら、構造物をつくったり、大がかりな現状変更をしなくてもいいのではと思います。

 県が提案する二重目の稜線を通って、一重目頂上までバスなどを走らせるとしましたら、大変勾配のきついところであります。安全対策など、大がかりに現状変更しなくてはならず、山の稜線に当たるところですから、景観が問題になります。今でも芝が歩く人や作業用のトラックの走行などによって浸食されて土が流れたり、堀れ込んだりしております。表土が崩れた大きな傷は一条通りからも見えています。舗装道路にすれば、雨水の対策も必要となり、さらに崩れる危険が増すこととなります。

 このような環境、景観を損ねることには反対です。住民の理解も得られないと思います。バス案の検討は中止すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)気を落ち着かせて、十七番でおられる山村議員という方のご質問にお答えを申し上げます。

 社会保障に必要な経費、一問目の質問で、消費税の増税に反対すべきじゃないかという多少押しつけがましいご質問でございましたが、今まで申し上げてきたことでございますが、社会保障に必要な経費は今、生きている我々が健やかに生活するためのものでございますので、世代間の公平を重視すると、後世にツケの残すことのない同時代に生きている我々が助け合う制度というのが基本になっております。同時代、多世代相互の扶助の考え方が我が国の社会保障の基本になっているわけでございます。そのことは、山村議員もご存じの上で言っておられるんじゃないかというふうに思うわけでございます。制度の根幹ということでございます。このような制度を維持するためには、借金で社会保障を行って後世に借金だけを払わせることがないように、現世代が安定的な財源を確保することが根本的に必要であるというふうに考えます。消費税率の引き上げはそのような観点からは避けて通るこのできないものと認識をしております。借金で生活のツケを後に先食いしない。借金で生活の先食いをしないということは、我々少なくとも生きている間、考えなきゃいけない基本的なことじゃないでしょうか。

 したがいまして、消費税率の引き上げにつきましては、既に関係法律も成立しており、一〇%への税率引き上げを含めた県税条例の改正も県議会のご議決もいただき、終了しているところでございます。

 八%への消費税率の引き上げ後の県民の暮らしについて、どう見ているかということでございますが、まず最近の国における経済状況の調査では、確かに駆け込み需要の反動もありまして、四月から六月期の実質国内総生産成長率はマイナスとなりました。しかし、九月の国の月例経済報告では景気の先行きにつきまして、当面一部に弱さが残るものの、雇用所得環境の改善が続く中で、穏やかに回復していくことが期待されるとされています。

 また、県民の暮らし向きの実感でございますが、山村議員のご調査と別に、県では長年の調査をしております。県では平成二十年度より、毎年五月下旬に県民の意識、行動についての県民アンケート調査を二十歳以上の県民五千人を対象に実施をしております。今年度のアンケート調査結果については、既に八月に公表をしております。このアンケートにおきましては、現在の暮らし向きの実感について聞いておりますが、これによりますと、満足している、または一応満足していると回答された方の割合は六三・七%と、ほぼ昨年と同様の結果となっております。

 また、一年前と比較した暮らし向きの実感については、とても苦しくなった、または少し苦しくなったという方の割合が、昨年の三七・二%から、今年は四〇・四%と、わずかですが増加をしております。さらに、消費税率引き上げに伴う買い物行動については、四三・一%の方が増税前に前倒し購入をされており。消費税アップ後の買い物行動については、三三・五%の方が、増税後の購入に特に変化はなかったと回答されております。消費税増税前後での購入行動に変化がない方の割合でございます。一方、五九・七%、約六割の方ですが、購入を控えたり、安いものを買うなどの回答をされておるところでございます。

 このように、公正に継続的に行ってまいりました県民アンケート調査でございますが、それから見る限り、奈良県民の皆様には、消費税増税を意識して、買い物の仕方に工夫をされているように思われます。昨年に比べると、暮らし向きが苦しくなったと感じておられる方が少し増加しておるのは、今、申し上げたとおりでございますが、暮らし向きの実感としては消費税率引き上げに伴う大きな変化はなかったものと判断できるものと思います。

 しかしながら、県といたしまして、今後、県内消費の落ち込みの懸念に対応するため、本年十月に総額三十四億五千万円となるプレミアム商品券、一五%のプレミアム付きの商品券の発行を県議会で認めていただいております。県内消費の拡大と県内経済のさらなる景気回復につながることを期待しております。事前予約制度でございますが、現在売り切れになったと聞いておりますので、抽選になる予定でございます。消費税率十%への引き上げについて、政府は七月から九月期のGDPなどを見て、十二月に内閣総理大臣が最終判断をするとされております。内閣総理大臣の判断にかかっているものと思います。

 また、消費税率引き上げに際しましては、景気の腰折れを防ぐための新たな経済対策を今後検討されるとの報道もございますので、今後、そういった動きについても、注視をさせていただきまして、そのような動きが奈良県経済の向上、暮らし向きの向上に少しでも役に立つような導入を図る努力をしていきたいと思っております。

 地域包括ケアなどの質問は、関係部長が答弁いたしますが、私に対しましては若草山モノレール設置計画についてのご質問がございました。また、ご意見が、いつもながらのご意見がございました。

 若草山に移動支援施設の導入を考えたきっかけは何度も申し上げておりますが、障害者にも、高齢者にも、優しい奈良県観光地づくりをしようということが発想の発端であります。ツーリズム・フォー・オールという障害者に優しい旅行という概念がずっと昔からございまして、昔から私はその考えを信奉してまいりました。全ての方に対して優しい観光地に成長することは、奈良の観光行政の大きな目標とすべきだと思います。また、奈良のおもてなしの原点であると思っております。お金をもうけるよりも、優しく扱うという観光地に成長していただきたいと思っております。

 移動支援施設の検討につきましては、奈良公園地区整備検討委員会、公開されております検討委員会の意見を尊重いたしまして、固定施設は慎重に考えるべきというふうにおっしゃいましたので、バス案に方向転換して検討を進めてまいりたいと思いますのは、先日、申し上げました。

 ただいま、議員は新たに浮上したバス案は、以前に検討段階で景観への影響を理由に否定されたものという誤解に基づく意見がありました。以前の検討段階の案は、山麓から直接若草山一重目に行くルートでございまして、移動支援施設の検討の中でカート案として検討したものでございます。今回、検討の対象になっているルートはこれと全く違う新しいものでございます。よろしくご理解をお願いしたいと思います。

 今回のバス案は、奈良奥山ドライブウエーと若草山管理用通路、既存の道路、通路を活用したルートでございますが、県が案を提示いたしまして、整備検討委員会でご推奨いただいたものでございます。よりまして、以前の検討段階の案とはルートも内容も全く違うものでありまして、議員の見解は誤解であるということを本会議でちゃんと申し上げておきたいと思うところでございます。よろしくお願いいたします。

 また、議員はこれから検討を進めていくバス案に対して、安全対策など、大がかりに現状変更しなければならないとか、舗装による雨水対策により、表土がさらに崩れる危険が増すなど、検討を開始する前から、決まったように述べられることは大変心外でございます。これからバス案を検証していただく整備検討委員会、これは公開でございます。先入観を与えるのではないかというふうに思います。以前、宮本議員が見えない看板を見えるように、大望遠レンズで撮られて、この議会で発表されたこともありますが、信憑性というのは大変大事な我々の共通の課題であろうかと思います。

 いずれにいたしましても、若草山への移動支援を望む声は多いと思います。県はバス案の可能性について検討してまいりますが、検討に当たりましては、安全性や快適性、さらには環境面や景観面についても、十分踏まえた検討をしてまいりたいと思います。その結果につきましては、公開の場である整備検討委員会に諮りつつ、さまざまな方々からの意見を聞きながら、十分な検証を経て、検討を進めていきたいというふうに思う次第でございます。ぜひ、誤解を解いていただきますように、よろしく重ねてお願いを申し上げます。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)十七番、山村議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、地域包括ケアの推進には医療的ケアの必要な方への訪問看護の充実や、地域包括支援センターの機能強化が必要と考えるかどうかとのお尋ねでございます。

 まず、訪問看護につきましては、看護師が要介護者の居宅を訪問して、医師の指示に基づく療養上の世話や、必要な診療の補助を行うサービスであります。在宅での医療的なケアを支える重要な役割を担うものというふうに認識をしております。

 一方、県内の訪問看護ステーションには小規模な事業所が多く、単独で業務の効率化等に取り組むことが困難な状況であることから、県ではこれまでから、モバイル端末を活用した看護記録の入力及び閲覧支援システムの開発、また、医師やケアマネージャーなど、他職種との連携を図るための会議の開催などに取り組んできたところでございます。また、病院からの在宅復帰が円滑に行われますように、今年度から、県下四つのブロックで訪問看護師と病院において、退院調整を行う看護師との連携会議も開催しているところでございます。

 訪問看護は、医療と介護を連携させる上で重要な役割を担うサービスでありますので、今後ともその充実を図ってまいります。

 次に、地域包括支援センターにつきましては、地域包括ケアシステム構築の中核的な役割を担っておりますが、介護予防給付に係るケアプランの作成件数等の増加によりまして、困難事例に係る地域ケア会議の開催など、多職種連携に向けた取り組みが不十分といった課題を抱えております。このため、県ではこれまでもセンターの職員に対する研修などを実施するとともに、今年度からは新たに地域包括ケア推進室と保健所の連携によりまして、包括ケア推進支援チームを編成し、地域ケア会議の開催、充実に向けた助言等の個別支援を行っているところでございます。

 地域包括支援センターにつきましては、今般の介護保険制度の改正によりまして、来年度以降も認知症初期集中支援チームの設置など、その機能と業務の拡大が見込まれております。したがいまして、県といたしましては、引き続きこれらの支援とあわせまして、市町村に対し、人員体制の充実を働きかけるとともに、人員確保に必要な財政支援の充実につきまして、国に対して要望してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 上山こども・女性局長。



◎こども・女性局長(上山幸寛) (登壇)十七番、山村議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、子ども・子育て支援新制度について、二点のご質問がございました。

 一点目は、小規模保育など、新たな種類の保育の一部の事業について、国の基準では職員の保育士資格要件が緩和され、給食の外部搬入も認められているが、県は保育の質の維持について、どのように考えているのかとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 平成二十七年度からの子ども・子育て支援新制度において、新たに創設される小規模保育事業は三つの類型があり、保育所の分園に近い類型、定員五人以下の家庭的保育に近い類型と、その二つの類型の中間型に分かれております。

 議員、お述べのとおり、国の基準では定員五人以下の家庭的保育に近い類型の職員は、必ずしも保育士を配置する必要はなく、一定の要件を満たした家庭的保育者が保育を行うことができます。ただし、小規模保育事業の全ての類型において、認定子ども園、幼稚園、または保育所の中から連携施設を設定することが必要となっております。

 連携施設では、合同保育の実施や保育の適切な提供のために必要な相談や助言など、保育の質を高めるための支援を行うことになっております。また、給食に関しては、連携施設のほか、同一法人が運営する社会福祉施設等から搬入することが可能でございます。が、この場合であっても、献立について、栄養士による指導を受けることや、アレルギー、アトピーへの配慮などが要件とされております。このような連携施設等によるバックアップにより、小規模保育の質は維持されるものと考えております。

 県では、いかなる規模の保育においても、子どもの最善の利益の考慮が不可欠であると考えてございます。また、保育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う乳幼児期に心身の発達を図ることを目的としていることから、保育の質の向上は極めて重要であると考えております。

 このため、小規模保育事業の連携施設による保育内容の支援がスムーズに行われるよう、市町村と連携し、情報提供に努めるとともに、保育従事者を対象とした研修の拡充により、資質の向上に努めてまいります。

 次に、県において、保育士の確保、定着のための処遇改善や子育てに関する経済的支援の充実のための保育料軽減に取り組むべきであると考えるが、どうかとのお尋ねでございます。

 お答えいたします。

 県では、保育士の処遇改善として、平成二十五年度は、安心子ども基金を財源とする補助を行い、約九割の民間保育所が賃金改善を実施いたしました。これによる平均的な賃金改善額は月額約一万円となってございます。今年度は安心子ども基金事業から国の補助事業に移行したため、中核市である奈良市を除く地域が、県の補助対象となっておりますが、昨年度よりも多くの施設が賃金改善を実施する見込みとなっております。

 子ども・子育て支援新制度においては、社会保障と税の一体改革の中で必要な財源が確保された場合、民間保育所の職員給与の改善として、五%増が目指されております。新制度における保育料については、市町村が国の基準を限度として定めることになっておりますが、新制度移行時に保護者の負担増とならないようにする観点から、おおむね現行の水準で設定されると見込んでおります。

 県では、保育士の処遇改善及び保育料の軽減のいずれも、全国的な課題であるため、国の責任において財源を確保し、実施するべきであると考えており、従来から保育士の処遇改善及び保育料軽減について要望してまいりました。引き続き、新制度の運用の動向も踏まえ、国への要望を行っていきたいと考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) 大変、知事からは挑発的な答弁をいただきました。なぜ、私にだけこのようにおっしゃるのか、他の皆さん、どのように思われるでしょうか。

 それで、まず消費税のことについてですけれども、知事の言うように、国の借金を増やしてばかりではだめだと私も思っております。だからこそ、景気を悪くして税収を減らす消費税が逆行するということです。消費税は、低所得者の人ほど負担が重くなる最悪の税金、社会保障には一番ふさわしくない税金だと思います。別の道があります。ほかからとるところがあるのに、消費税を押しつけるということは許しがたい。プレミアム商品券は商品に使うので、消費を増やす効果はあると思いますけれども、これを買えるのはお金のある方だけでございます。実際に低所得で苦しんでいる方は、それを買うこともできないと訴えておられます。私の近くには、月十万円の年金で公営住宅の家賃を払い、水道光熱費の負担、毎日の暮らしは十円単位でやりくりをしている、こういう方がいらっしゃいます。本当に県民の暮らしに思いをはせていただきたいと思います。

 次に、若草山についてでありますが、私もバリアフリーは大切なことだと思っています。奈良県の観光地は全体としてバリアフリーということを真剣に考えていかないといけないというふうに思っています。ですが、この若草山のモノレールや移動支援施設、それだけのことではないというふうに思っております。先ほど、私は写真もお示しいたしました。現場を見た上で、事実に基づいてこのような懸念があるということを申し上げました。新たな検討をするということになれば、当然県税もかかる話であります。議員として、しっかりその懸念を申し上げて、考えを改めるように求めるというのは当然のことだというふうに思います。ねじ曲げて捉えていらっしゃるのは、知事ではないかというふうに思います。

 それで、お伺いしますけれども、最初にモノレール、そして次にバスというふうに案が出てきました。モノレールがだめならバスにということで、結局、議論は振り出しに戻っていくということで、何もつくらないという結論というのはないのかどうか、その点、伺いたいと思います。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 移動支援手段が必要だという点について提案しているわけですから、何もないという選択肢は、要らないという考えはないかというのと同じことだと思いますけど。何か要るのじゃないかというのが、高齢者、障害者に対する支援施設は要らないとは思いません。山村議員も、若草山かどうかは別にして、まちの中で要るんだということはおっしゃっているので、いや、山の上には要らないんですかというのが我々の議論でありますので、それは要らないと思いますというのが、先生のお考えのようですので、それはそれでわかりましたが、私はそういう考えではありませんということでございます。

 先ほど、ご紹介申し上げましたが、洞川には大変外のよく見えるモノレール鉄道が山の上まで走っているわけですね。ああいう霊山でも走っているし、岩清水も出ているし、和気清麻呂の宇佐神宮もそういう移動支援施設がありますので、これから高齢者や障害者にもどんどん旅行してもらおうという時代でございますので、それに反対されるということは、記憶にとどまるようなご意見ではないかというふうに思うわけでございますが、ならば、障害者に親切じゃないと思うんですけども、そのような親切にしたいというやり方についておっしゃっているので、そもそもつくらないという考えは、私はないように思うんですが、皆さん、いかがでしょうかね。

 以上です。



○副議長(井岡正徳) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) バリアフリーは大切だということを申し上げました。しかし、今、知事がつくられようとしております若草山に必要かどうかという問題だと思うんです。必要かどうかというよりも、若草山という山がどういう場所であるのかということをこの間ずっと議論してきたというふうに思います。

 今、例に出されました洞川、私もそのモノレールには乗せていただきました。実際に乗ってまいりました。それから、他の神社にもあるではないかとおっしゃっていますけれども、名勝というものに指定をされてから、新たにそのような移動支援施設をつくられたというところはないというふうに文化庁もおっしゃっております。ですから、今、この若草山がどういう山で、なぜこのような法的な規制を二重にも三重にもつくって、保存をしていこうということなのかということが、やはり大事なことだというふうに思っています。

 私たちは、奈良時代から奈良に受け継がれてきたこの美しい景観を今の時代に傷つけるということは許せないということで、何が何でも移動支援施設がこの若草山にないといけないという考え方ではなく、別のことを考えるべきではないかということを申し上げているのであります。

 既に、頂上まではバスが走っております。先ほども申しましたが、ドライブウエーから作業道に入る入口というのは平坦になっております。そこを利用すれば、高齢の方でも、足の悪い方でも、眺望を楽しめる、そういうこともできるではないかと、そういうふうに考えているわけです。

 ですから、知事が言うように、バリアフリーはだめだというふうに私が言っているというのは全くの誤解であります。ですので、あの若草山の価値というものを本当に将来にわたって残していくためには、そういうものはつくってはいけないということが今日までの県の姿勢でもありましたし、国もそうやって守ってきた多くの市民や県民も守ってきたというものであります。それを知事は壊そうというのか、そういうことだと思うんですけれども、その点についてお聞かせいただきます。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 何が何でもやめろとおっしゃっているような気がするんですよ。何が何でもつくるとは言ってないですよ。検討しようと、検討してもらおうということに、やめなさいと、こういうふうに言っておられるように聞こえるんですが、そうじゃないですか。断念しなさいと、こうおっしゃる。いやいや、検討の断念はしませんよと、結論はこうやって公の場で皆さんに考えていただきますよと。奈良の人たちは優しくないわけじゃないでしょということを訴えているわけなんですよ。それを断念しなさいというのは、党の方針かどうかわかりませんが、民主的でないような気がいたしますね。民主的に決めるということは、違う意見も出しながら、そのいいところ、悪いところ、問題となるところを検討してもらうということを、しかも公の場で検討してもらうということでございますので、断念しなさいよというのは、受け入れられないというのが私の答弁でございますが、何が何でもするとは、言ったことはないんですよね。検討してくださいよと、移動手段があったほうがいいでしょうと、バリアフリーの観点から、移動手段があったほうがいいでしょうと、こう言っていますので、やはり公明正大な検討がふさわしいんじゃないかというふうに思います。



○副議長(井岡正徳) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) 知事は今、何が何でもつくるというわけではないというふうにおっしゃったんですけれども、最初、モノレールがだめ、次、バスも検討して、奈良公園地区整備検討委員会の結果、だめということになった場合には、断念になるのか、そのことを確認したいと思います。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今の言い方は民主的じゃないということを、今、申し上げたばかりじゃないですか。そのような詰問されるご方針かもしれませんが、そのようなことに私は、この民主的な議会であまり答える気にならないですね。検討しようという矢先に、何が何でもつくるということじゃないんだろうな、だめだったらやめるんだろうな、こういう言い方は、私はこの奈良県議会にふさわしくないこのやり取り、山村議員と議論するのはとても楽しくてありがたいことだと思っているんですけれども、この点については、私はちょっとおかしな問答だなというふうに、県民の皆さん、幸いにテレビが入っておりますので、よく見ていただいていると思いますが、そういう問題じゃなしに、もう少し広く客観的に議論しようじゃないですかと、こう言っているわけですから、しかも目標は高齢者、障害者を助けるようにしようじゃないですかと言っているだけの話ですので、それを断念しなさい、やめるんですかというような言い方はないんじゃないかなというふうに申し上げたいと思います。

 ただ、山村議員とこういうテレビの入っている議会で議論させていただくのは、大変うれしく感謝を申し上げている次第でございます。



○副議長(井岡正徳) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) 私の言っていることが民主的でないとおっしゃるんでしたら、それは承服できないというふうに思います。公で、こういう開かれた場で私たちの意見を述べているということに対して、その意見が受け入れられないからといって、それは民主主義じゃないとかいうふうに言われる筋合いの問題ではないと私は思います。

 私たちは、バリアフリーは大事だ、確かに景観も楽しんでもらいたい、しかし若草山のその美しい景観を壊すことだけはやってほしくない、絶対にしてほしくないということを言っております。それは本当につくってほしくないから、そういうふうに述べているんです。これは私の意見の表明です。このことを述べておきたいというふうに思います。

 それから、知事は議論することはやぶさかではないということでおっしゃいました。私もそのような思いで、知事が私に何と言われようと、ちゃんと議論をしたいというふうに思っております。

 先ほど少し、宮本議員の件で言われたことで、誤解があるように思いますので、訂正しておきたいと思うんですが、モノレールの案について、眺望の調査を行いました。これは望遠鏡で見て見えたという話ではないんです。肉眼で確認をいたしました。ここでお写真として見ていただいたのは、皆さん、見えないから、ちょっと大きく拡大をさせていただいたということで、見えたか見えないかというのは、ちゃんと肉眼で確かめた上でどうだったのかということをお示ししたということですので、誤解のないようにしていただきたいというふうに思います。

 これから先も、私は知事とは冷静にお話し合いをしたいというふうに思っております。やはり、知事ですからね、本当に大きな心で、冷静な議論を皆さんの前でできるようにしていただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。



○副議長(井岡正徳) 次に、十一番田中惟允議員に発言を許します。−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇)議長のお許しがようやく出ましたので、一般質問をさせていただきます。

 今期の四年間を振り返ってみますと、宇陀地域の方々から見て、特に厳しい期間でございました。当時の政権が公共投資に消極的であっただけに、あっという間に宇陀地域の建設業界はがたがたになってしまいました。宇陀地域においては数少ない雇用の場であるだけに残念でした。また、過疎化をより具体的に人口減少という文字で表現されたことで、地域の寂しさがあらわになってきました。その上、災害が発生し、田舎へ行くほど、都会との格差が開いているように思えてなりません。そのような地域だからこそ、将来の生活がどのようになっていくのか、真剣に考えてみたいと思い、数点の質問と要望をさせていただきます。

 まず、今年が基礎の基礎をつくることになるであろう、マイナンバー制度の現状と奈良県としての取り組みについてです。政府は長年の課題であった、マイナンバー制度を法制度化しました。制度が必要であると叫ばれた最初は、昭和五十五年の税制改正に関する答申によるグリーンカードの導入を提案したときにさかのぼりますが、理解を得るに至りませんでした。しかしながら、その後、住民記録システムのネットワーク構築目的として、改正住民基本台帳法が成立し、住民基本台帳ネットワークが全国一斉に稼働するようになりました。しかし、住民票コードは何度でも変更可能でありましたし、行政運用上でも必ずしも大成功したとは言えない現実だと思われます。

 しかしながら、今や情報化時代となり、その積極的な運用の潮流は大きなうねりです。今日、国はもちろん、人口の少ない小さな村においても、コンピューターを使っての情報処理が当然のこととして行われています。時代は変化し、国民一人ひとりに番号を付与し、行政事務処理の正確さ、迅速性を高める制度として、マイナンバー制度を導入するに至りました。

 さて、今回定められたマイナンバーについてでありますが、自治体からの広報紙で説明されたりしていますけれども、具体的なイメージが十分伝わってきていません。マイナンバー制度は、具体的にはどのようなことが行われるのでしょうか。マイナンバー制度の必要性を決定的にした住民基本台帳は、全ての国民が意識しなくともよい制度でありましたが、マイナンバーは全ての人が番号を意識せざるを得ないものだと思います。一人の人間のゆりかごから墓場まで、マイナンバーがついて回ることになる制度であるだけに、この制度について十分な理解を深めなければならないと考えています。

 まず、マイナンバーは全国民を対象にするため、国自身が築く部分があると思いますし、国と奈良県と市町村がそれぞれ築く部分があると思います。そして、全ての人に番号をつけた後、行政はどの分野で、どのような利用をすることになるのでしょうか。既に、情報処理に詳しい関係者によると、このマイナンバー制度をうまく利用する自治体と、そうでない自治体には格差が生じる。各自治体で積極的な導入についての取り組みが必要であると述べられています。また、市民生活の中で、生活のそれぞれの場面で今、利用している国民健康保険や年金の番号はどのようになるのでしょうか。

 そこで、総務部長にお伺いします。

 制度の導入に向けて、国や地方はどのように準備し、本県はどのように利用しようとしているのか、お答えください。

 次に、行政がマイナンバーを利用することで、導入効果があるのは当然として、県民一人ひとりにとってどのような利便性があるのでしょうか。また、マイナンバー制度を導入するからには、県民にとって有用なものでなければならないのは言うまでもありません。マイナンバー導入は県民の立場から、県民の目線から、どのような利便性があるのか、お答えください。

 マイナンバー制度のようなコンピューターシステムは、一度システムを構築すると、違うシステムへの乗りかえが困難であったり、ふぐあいが生じたときの対応に苦労する場合があるので、導入時の十分な事前調査が必要です。このシステムを導入し、運営を進めるのは、平成二十八年度と聞き及びますが、それまでの期間、導入の工程はいつごろ、どのようにされようとしているのか、お示しください。

 以上、三点についてお答えください。

 次に、人口減少とまちづくりに関連しまして、増田寛也元総務大臣は人口減少の時代を取り上げ、奈良県においても、講演をされていますので、関係者の認識は深まったと思います。特に、過疎地域を抱える奈良県は、私たち人口減に対応しながら、どのような施策を講じるべきなのでしょうか。安倍内閣総理大臣は、地方から活力を引っ張り出そうと、ハッパをかけています。国も奈良県も、やる気のない地域には助力をしない、ばらまきのような交付金は出さない、みずから計画を打ち立てよ、特命大臣まで任命され、地方の活気を促そうとの努力をされている、その気持ちはよくわかります。

 そして、今がまさに地域が今後発展していけるのかどうかの大きな分岐点であると思われます。私たちの奈良県の視野はどこまで広げることが必要なのでしょうか。観光に関して、奈良を訪れた外国人の人たちの目には、私たちの姿はどのように映っているのでしょうか。また、国内の観光客に私たちは何を提供すべきなのでしょうか。奈良市やその周辺には材料がごろごろと転がっているように思いますが、奈良県の東部は素材があっても、産業につなげるに至っていないように思います。

 室生寺と室生のアートアルカディア、そして曽爾村の屏風岩や県境に至る渓谷の春秋の景色は見事なものがありますが、道路インフラ整備は十分ではありません。それは陳情し続けている道路です。今まで大勢の方々がお越しになっておられました観光地が、観光バス会社によって見放されないようにしなければなりません。県内観光地間を周遊できるよう、観光バスの運用ができる道路整備について格段の努力をもっと進めていただきますよう、お願いいたします。

 次に、そして私たちの東部は農林業の地帯です。第一次安倍内閣のとき、宇陀市森林組合に導入された木材加工の先進技術と言われるうだウッドは、三連式熱圧ロールを用いた熱圧加工、技術により、表面だけ固く丈夫にして、杉、檜の柔らかさ、温かさを残しながら、なめらかで光沢のある丈夫な製品を生み出しました。しかし、需要は十分ではありません。政府は、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を制定し、木材の利用促進に努めています。

 そこでお尋ねします。

 奈良県では、これを受けて、公共建築物における奈良の木利用推進方針を策定されましたが、これまでどのような取り組みをされてきたのでしょうか。北海道林産試験場は、「北米、北欧に見る木造建築物の高層化技術」と題して、カナダ、スウェーデンの技術を紹介し、今後の木材の利用促進を図っています。今年、六月に改正された建築基準法では木造建築関連基準が見直され、建築物における木材利用の促進を図るため、耐火建築物としなければならないこととされている三階建ての学校等について、一定の防火措置を講じた場合には主要構造部を準耐火構造等とすることができるとすることとしています。

 株式会社農林中金総合研究所代表取締役専務、岡山信夫氏は、農林中金総合研究所の機関誌の中で次の括弧内のように述べておられます。

 「高層ビルの木造化についても、展望が開けてきた。CLT技術の開発・実用化により、木造で中高層のビル建設が可能になってきたのである。CLTとは、ひき板の繊維方向が層ごとに直行するように重ねて接着したパネルで、一九九〇年代からヨーロッパで実用化が図られてきた、新しい木質構造用材料である。ヨーロッパでは、既に中高層建築物や大規模建築物などに採用され、急速にCLTの生産量が増加している。CLT工法の特徴は、施工がシンプルで工期が短い。断熱性に優れ、高い省エネルギー効果がある。大量に木材を使用するなどが挙げられている。国内においては、国産杉CLTパネル構造の実験で十分な耐震安全性を有していることが確認されたという。林野庁はロンドンやバンクーバーで開かれた五輪の関連施設に木材が利用された事例を挙げ、二〇二〇年東京五輪でも、競技場などの関連施設に国産木材を積極的に利用することを提案している。CLT関係法令を整備し、建築例を蓄積することにより、選手村をはじめ、多くの関連施設の木造建設がCLT工法によって実現することを期待したい。「職場は木造の高層ビル」は夢ではなくなった。今、勤務しているコープビル十一階建てが建てかわるときには、CLTによる木造ビルに建てかえてほしいと思うのだが、どうだろう」。

 このように、株式会社農林中金総合研究所も今後の木材利用に期待しています。また、奈良県と並び、森林産業の名高い岐阜市では、岐阜大学医学部跡地に、岐阜メディアコスモスという図書館を中心とする複合施設で、木質の材料の大屋根がつくられつつあります。注目されているこの建物も、今度、高い評価を得られることでしょう。そして、先ほどから議場に配付させていただきました、地元奈良新聞の切り抜きは、この数日間の中で二つの事例をその紙面の中で紹介しておられます。

 これらの事例をご提示しましたのは、奈良県の中でも積極的な具体策を示されるよう、お願いしたいからです。最近の奈良県の施設としてでき上がったのは、スイムピア奈良です。すばらしい施設でした。行って、本当にいい建物だなというふうに思って、大変喜ばしいことだとは思っていますが、木質利用推進の立場から見ると、もう少しご努力をされたいとの感を抱いております。そして、近いうちに新しい取り組みをされる事業予定が幾つかありますが、もっと大胆に木材の利用を進めていただきたいと願っています。

 そこで、農林部長にお尋ねします。

 今後の取り組み方について、強い決意で臨んでいただきたい。今後、奈良県が取り組まれる大規模プロジェクトなどへの木材利用について、どのようにお考えなのでしょうか。また、奈良県は奈良県産材を使用した住宅助成制度をつくっており、県産材の利用を促すことを勧めています。この制度の諸条件の中で、部材使用量については、構造材五立方メートル以上になっていますが、昨今の住宅建設は新築よりも増築、もしくは改築の割合が多く、もう少し規定を緩めていただきたいとの希望する声が届いています。奈良県産木材の使用率を高めていただけるよう、ご検討をお願いします。

 次に、森林環境税の継続と森林環境税を使った森林整備についてお尋ねします。

 本県の森林環境税と同じような税制は既に多くの地方自治体で取り入れられています。奈良県では、県民一人当たり五百円をご負担していただいておりますが、ほかでは七百円であったり、千円のところもあります。また、この税制は五カ年に限られた制度で、来年度末までとして運用を進めています。この制度の財源によって、林内整備をはじめ、荒廃する林地の整備をすることで、自然界の水循環環境の整備や、山の斜面崩壊につながる土砂流出を少なくするため、有効な手立てを講じることができました。また、森林の持つ機能を理解していただくための林業について、市民への啓発活動など、有効な役割を果たしていると理解しています。私は、この森林環境税は今後もその制度を継続すべきだと思っていますし、現在、県民のご理解を得られているというふうに思っています。また、五カ年という限定もなくしてよいと思っています。

 そこで農林部長にお伺いします。

 県内にはまだまだ荒廃した森林があると思われますが、森林環境税を活用した施業放置林の整備は現在どの程度進捗しているのか、また、税の継続も含め、今後どのように取り組んでいこうとお考えなのでしょうか、あわせてお伺いいたします。

 さて、古くて新しい地域の悩みをお聞きください。それは田畑の獣害です。鹿は季節を問わず道路に出没し、人を恐れないようになりつつあります。家の軒下の菜園の作物を根元近くまで食べてしまわれ、悔しがる声を幾たびも聞きました。そして先般、御杖村に出かけた際、猿の群れに遭遇しました。その群れは二十頭を超える集団でした。国道を横切り、通過する車を避けながら、安全に注意しながら、猿が移動していく姿を見るとき、この野獣との対決は容易でないことがよくわかりました。

 奈良県は、獣害を少なくするための方策を幾つもとっていますし、その成果は議会にも報告され、理解しているつもりではあるのですけれども、被害の悩みは絶えず、ますます増加しているように思います。イノシシ、猿、鹿、アライグマ等の有害獣の頭数削減にもっと有効な手立てを講じていただきたい。そして、猿の頭数削減は難しいと言われますが、追っ払いだけでは被害を減少させることはできないと思いますが、いかがでしょうか。猿を東から西へ追っ払い、また西から東へ追っ払う。これでは猿の集団に振り回されているに過ぎません。たとえ猿の集団を三重県に追い出したとしても、近いうちに再び奈良県の方に戻ってくることでしょう。強い決意で対処策を講じることを望みます。有害獣の頭数削減にどのように取り組まれるのか、農林部長の答弁を求めます。

 次に、猟銃保有者が銃刀法における銃の所持許可を更新するためには特例措置もありますが、射撃の技能講習を受けなければなりません。国内のほとんどの道府県には、公設または民設の射撃場がありますが、奈良県にはどちらもありません。有害獣の頭数削減を図るためには、県内に射撃場をつくるべきであると思いますが、どのようにお考えなのか、農林部長にお伺いいたします。

 さて、県営水道の宇陀市室生地区への水道管布設、いわゆる室生ブランチが完成したとのお知らせがありました。かねてより関心を持ってその進捗状況を見守ってきましたが、完成できたことを喜んでいます。県営水道の施設整備の中で、宇陀市室生地区への水道管布設、いわゆる室生ブランチはどのような働きをするのか、お尋ねします。

 宇陀市が合併して九年になりますが、市民が口にする水道水は合併前と同様、多くは地域ごとの簡易水道に依存してきました。したがって、規模も小さく、また水源も降雨の状況に左右され、不安との隣り合わせでした。今回の室生ブランチの整備で、地域内のこのような不安は解消すると聞いており、宇陀市における県営水道の整備はおおむね整ったと思えます。なお、室生ブランチについては、先日竣工しましたが、宇陀市はもちろんのこと、県営水道、区域全体としても、最後の県営水道の区域拡張であったかと思われます。そこで、新たに整備された県営水道の室生ブランチの概要とあわせて、室生地区に県営水道を導入することによって宇陀市にどのような効果、メリットがあるのか、水道局長にお伺いします。

 次に、宇陀市室生多田地区にある産業廃棄物最終処分場についてお尋ねします。

 この処分場は平成十四年に埋め立てが終了しておりますが、その後、これに関係していた二社の業者のうち、一社が破産し、もう一つの業者が民事再生になったことから、県は平成二十一年十二月に最終処分場緊急特別対策検討委員会を設置し、その検討結果をもとに事業を継続している民事再生業者に是正指導を行ってきたと聞いています。この是正指導により、処分場から出る放流水の水質改善やのり面の安全対策が一定図られたと聞いておりますが、地域で生活している住民にとっては、まだまだ納得のできる状況ではなく、この処分場を管理している業者が対応できる能力を持っているのかどうか、大きな疑念を抱いています。処分場さえなければ、清流であったはずの小川に、処分場内で汚れた水が流れ込んでいるのは事実であります。法定基準を何とかクリアしているから、それでよいというのではなく、やはり地元としては処分場ができる前の清流や緑の山林を復活させてもらいたい、昔のようなきれいな水で農作物を栽培したいというのが切なる願いであり、そこに暮らす人々の当然の権利であると考えています。

 これまで私は地元の代表の方々と一緒に県の担当者との議論を重ねてきましたが、県は地元の現状をしっかり受けとめ、この対策に取り組むべきと考えます。

 そこで、景観・環境局長にお尋ねします。

 今後、この処分場の対応をどのようにとられるのか、お答えください。

 最後に、宇陀川流域下水道事業と宇陀土木事務所についての感謝の気持ちを申し上げます。

 宇陀川流域下水道につきましては、今般、県が引き続き効率的、効果的な流域下水道の運用と県営水道の重要な水源である室生ダムの水質保全のため、大和川上流流域下水道と宇陀川流域下水道の統合手続を進めるとの報告をいただきました。関係市町村のご理解とこれまでの関係者の皆様のご尽力に対しまして、感謝の念が耐えません。引き続き、統合に向けて諸作業を進めていただきたいと存じます。また、宇陀土木事務所につきましては、引き続き維持管理や災害対応、改良工事に関する事務は菟田野地域事務所に移転する宇陀土木事務所に残されると報告をいただきました。これまでと同様、地域の安全・安心な暮らしが維持できるものと期待しておりますので、再配置に向け、円滑な移転作業を進めていただきますよう、お願い申し上げます。

 以上、課題を申し述べさせていただきました。課題解決へ道筋をお示しいただきますよう期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 浪越総務部長。



◎総務部長(浪越照雄) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私へのご質問は、マイナンバー制度について国や地方はどのように準備をし、県はどのように利用しようとしているのか、また、県民にとって、どのような利便性があるのか、システム導入に向けて、導入の工程はどうなっているのかというご質問でございます。制度の概括的なことも含めまして、交えながら、お答えをしたいというふうに思っております。

 社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度は、社会経済情勢が大きく変化する中で、社会保障と税を一体として捉え、より正確な所得等の情報に基づいて、住民が社会保障給付等を適切に受けるための基盤として導入が図られるものでございます。行政側では、住民サービスを提供するための前提といたしまして、本人特定や各種手続における書類審査に多大な時間と労力が必要となっております。また、住民側からも、自分の納めた税金や保険料にふさわしい社会保障給付が的確に行われていないのではないかという課題や不満がございました。これを解決するための基盤が求められているところでございます。

 マイナンバーは、住民票を有する全ての人に対して住所地の市町村から個人番号が通知されるものでございまして、議員もお述べになりましたとおり、原則として、一人の番号は生涯にわたって使われることになっております。行政機関は社会保障、税等に関して、保有する個人情報とこのマイナンバーとを結びつけて、同一人の個人情報を他の機関と迅速、確実に情報連携できることとなります。これによりまして、事務の効率性、透明性が高められます。

 例えば、国民健康保険や国民年金の番号についても、現在使われている番号は各制度の業務番号として継続して使用されますが、各個人にマイナンバーが付番されることで、他の保険や年金での重複支給の有無等について情報連携ができることになります。

 また、県民の皆様の利便性については、番号法に定められた事務におきましては、県や市町村の窓口で、例えば福祉の申請や税の申告の際に、住民票や所得証明などの添付書類が不要になるなど、簡素化が図られます。負担の軽減につながるというふうに伺います。また、構築されるシステムによりまして、正確な所得が把握されることから、税負担や社会保障の公平性ということが図られ、きめの細かい福祉サービスの支援が受けられるようになることが見込まれております。

 マイナンバー制度の全体の構成でございますが、住民の個人情報を一元管理するのではなく、県や市町村が今までどおり分散管理し、安全に情報連携するため、三つの階層のシステムということになっております。

 一番上の層のシステムでございますが、これは国が構築をし、運用をいたします。行政機関等が情報連携するためのネットワークのシステムとなっております。

 二番目の層のシステムは、暗号化した情報連携用の個人情報をサーバーに格納するためのシステムでございまして、国が構築し、行政機関等が利用をいたします。

 三つ目の層ですけれども、このシステムは、各地方行政機関等がマイナンバーと個人情報を安全・適切に管理するために新規構築や改修を施した業務システムのことでございます。この構成によりまして、万が一、第三者にナンバーが知られても、芋づる式に個人情報が漏洩することのない仕組みを実現していくというものでございます。また、個人情報がネットワークを介して、情報連携されますことから、各地方行政機関等におけるしっかりとした個人情報保護の対応が求められてまいります。

 県では、今議会におきまして、税務総合システムの改修や二番目の層のシステムでございます国のネットワークと接続するための費用をはじめまして、個人情報保護条例の改正をお願いしております。制度導入に向けて必要な準備を着実に進めてまいりたいと考えております。導入までの工程でございますが、まずは平成二十七年十月に全住民に個人番号が通知をされます。平成二十八年一月から番号カードの交付が始まります。平成二十九年七月から、社会保障、税、災害対策の分野の中で法律で定められている行政手続につきまして、他の機関との情報のやり取り、連携が始まることとなっております。

 このマイナンバーを利用いたしまして、住民サービスの向上につながるさらなる事業展開、このことも考えられます。一方で、個人情報の保護対策を十分にとることが必要でもあります。制度の全容を明確に把握し、基幹のシステムを構築した上で、マイナンバーを活用する事務の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 私には三点の質問がございました。

 まず、一点目でございますが、木材利用の促進について、県では公共建築物における奈良の木の利用推進方針の策定後、木材利用促進に向け、どのような取り組みを行っているのか、また今後、県が取り組む大規模建築物等への木材利用について、どのように考えているのかというご質問でございました。ご答弁をさせていただきます。

 公共建築物における県産材利用の推進につきましては、直接的な需要拡大と民間建築物での利用促進効果が期待できるため、本県の林業や木材産業の振興において重要な取り組みであると認識をしております。このため、県では公共建築物における奈良の木利用推進方針を策定し、建築基準法において耐火建築物が求められない低層建築物における木造化の推進、多くの県民の皆様が利用するスペースなどについての内装の木質化や景観上の観点を踏まえた外装の木質化の推進などの方針のもと、公共建築物への県産材の積極的利用を推進しているところでございます。

 これまでに県庁玄関ホール、中央こども家庭相談センター、奈良公園事務所、五条土木事務所十津川復旧復興課庁舎などの県有施設におきまして取り組みを進めてきたところであり、木の持つ暖かみや感触の柔らかさ、落ち着いた雰囲気などの面で、多くの県民の皆様から好評を得ているところでございます。県下の全ての市町村におきましても、独自の木造・木質化方針を策定の上、同様の取り組みが進められているところでございます。

 また、スイムピア奈良につきましては、水利用施設という木材の使用が限られる中で、維持管理面等を考慮し、エントランスの天井や壁において、県産材を使用した内装の木質化を行い、スポーツの後の疲れを癒やす、落ち着きのある空間を創造しております。

 今後におきましても、県立大学(仮称)地域交流棟、農業大学校六次産業化研修施設、農業研究開発センターをはじめとして、多くの建築物におきまして県産材利用を進める方針でございます。その際には、ご質問で触れられた新しい技術や工法の導入につきましても、積極的に検討を行うとともに、利用者の利便性や耐震性、耐火性といった安全性の確保、メンテナンス面などを考慮しながら、質の高い木質空間となるよう、取り組んでまいる所存でございます。

 続きまして、二点目の質問でございます。

 森林環境税につきまして、森林環境税を活用した施業放置林の整備の進捗状況と森林環境税の継続を含めた今後の取り組みに関する考え方についてのご質問でございます。答弁をさせていただきます。

 森林環境税は、議員お述べのとおり、森林環境の保全や森林を全ての県民で守り、育てる意識の醸成のために、年間で個人は均等割額五百円、法人は均等割額の五%に相当する額を徴収することとして、平成十八年度に導入をされ、現在は平成二十三年度から五年間の第二期目に入っておるところでございます。第二期目を迎えるに当たりまして、施業放置林の整備、里山づくりの推進、森林環境教育の推進に加え、新しい活用事業の導入など、幅広い展開が必要ではないかという県民の皆様及び県議会の皆様のご意見がありました。それを踏まえまして、新たに森林の生物多様性を維持するための森林生態系の保全を、また、多くの県民の皆様が森林に親しむとともに、観光資源として地域活性化効果を期待する森林とのふれあい推進の事業を実施しているところでございます。

 お尋ねの施業放置林の整備の実績は、平成十八年度からの五年間で約四千ヘクタール、平成二十三年度から平成二十六年度末までの四年間で約三千五百ヘクタールとなり、計七千五百ヘクタールは整備すべき施業放置林、一万七千ヘクタールの四四%に当たるところでございます。森林の管理は、本来、森林所有者の責務でありますが、材価の低迷による林業不振と、それに伴う山への関心の低下などにより、森林が放置されていることも事実であると思います。そこで、県といたしましても、県民が享受している森林の公益的機能の重要性に鑑み、引き続き施業放置林の整備は必要であるというふうに考えております。

 今後の取り組みにつきましては、年明け一月に開催を予定しております森林環境税に関するシンポジウムやアンケート調査などを通して、森林環境税をご負担いただいておる県民の皆様や、県議会のご意見を賜りながら、同税の継続や税額、取り組み内容について検討してまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、三点目でございます。

 獣害対策につきまして、田畑を荒らす有害獣の頭数削減に向け、どのように取り組むのか、有害獣の頭数削減を図るためには、射撃場の設置が必要と考えるが、どうかという質問でございます。

 ご答弁をさせていただきます。

 有害獣の頭数削減に関しましては、ニホンジカ、イノシシに限った狩猟期間の延長、ニホンジカの有害捕獲のための大型ネットを使った新型捕獲装置の導入、有害捕獲に対する捕獲報奨金制度などに取り組んでいるところでございます。捕獲実績でございますが、アライグマは平成二十四年度で八百三十三頭、また、ニホンジカ、イノシシは平成二十五年度でそれぞれ、六千六百八十九頭、三千六百四十六頭となり、特にニホンジカの捕獲数は過去最高となっております。

 さらに今年度から、地域の狩猟者のみでは捕獲が困難な市町村に対し、捕獲チームを派遣し、ニホンジカの捕獲を行うモデル事業を黒滝村と野迫川村の二村で実施を予定しております。なお、ニホンザルの捕獲につきましては、平成二十五年度実績で二百五十二頭となっていますが、これは主に山間地域での実績であり、人の出入りが多い里山地域での銃による捕獲は人身事故等の危険が伴うというふうなことから、捕獲ではなくて、追い払いを中心とした対策に取り組んでいる状況でございます。

 具体には、議員お述べのように、宇陀市では追い払いのためのモンキードッグの育成認定を行っています。犬は、人が追い払うよりも速いスピードで山中まで追い払うことができるので、猿の群れが集落に滞在する時間が短くなり、被害の減少につながっているとの報告を受けております。しかし、頭数削減という課題は残っているというふうに認識もしております。引き続き、その削減に向けた有効な手立てについて検討を行っていく所存でございます。

 次に、射撃場の建設についてでございますが、本県にはお述べのように、公設、民設ともに、狩猟に必要な散弾銃の訓練ができるクレー射撃場がないことは事実でございます。関係者の方々がご不便な思いをされているのも承知をしているところでございます。しかし、建設に当たりましては、散弾銃の弾による鉛汚染や、騒音など、環境への影響が大きいことや、それを踏まえた地元住民のご理解が得られるかなど、課題もあることから、他府県の実態等を調査し、検討をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 久保田水道局長。



◎水道局長(久保田幸治) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えします。

 私には、新たに整備しました、県営水道の室生ブランチの概要と、室生ブランチが整備され、室生地区に県営水道を導入することにより、宇陀市にとってどのような効果、メリットがあるのかということについてのご質問でございます。

 県営水道室生ブランチは、県営水道を宇陀市室生地区へ給水するものですが、これは奈良県水道用水供給事業のうち、第三次拡張事業として、平成十三年三月に厚生労働大臣から認可されたものでございます。その後、地区内で宇陀市が所有されております内山浄水場の老朽化がいよいよ進んできたことから、平成二十年十月に宇陀市より、内山浄水場を廃止して、県営水道を導入したいとの要望がございました。翌平成二十一年度から整備に着手したところでございます。

 室生ブランチは宇陀市榛原萩原にあります県営水道の榛原調整池を起点としまして、室生三本松に宇陀市が新たに整備されます配水池までの約十・五キロメートルに耐震型の水道管を布設する事業でございます。事業費総額十一億六千万円、本年八月末に完成しまして、来年一月からの給水の開始を予定しております。現在、管内面の洗浄等の作業を進めておるところでございます。

 室生ブランチの完成によりまして、室生大野、三本松地区の約三千人に対しまして、地震や渇水の自然災害にも強い、安全で安定した水道水を提供できることになります。また、地元宇陀市としましては、老朽化しました内山浄水場が廃止できますので、約十六億円の更新費用が不要となります。さらに、浄水場を維持管理するための人権費や電力費等の削減も実現することになります。

 さらに、宇陀市以外の市町村におきましても、このように浄水場などの施設の老朽化が一段と進み、更新時期を迎えるところがございます。その際、市町村の浄水場を更新するのがよいか、あるいは県営水道に転換するのがよいかにつきまして、県域全体の投資の最適化という観点からも、市町村と協議を進めております。

 今後とも、県域水道全体で水道資産を効率的に活用する、県域水道ファシリティマネジメントを市町村とともに推進してまいります。

 答弁は以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 影山景観・環境局長。



◎景観・環境局長(影山清) (登壇)十一番田中議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、宇陀市室生多田地区の産業廃棄物最終処分場について、地元の現状を受けとめ、今後、この処分場の対策にどのように取り組むのかという質問でございます。

 宇陀市室生多田地区の産業廃棄物最終処分場につきましては、議員お述べのように、業者が破産及び民事再生となったため、県におきましては処分場周辺の生活環境の保全を図るため、平成二十一年十二月に最終処分場緊急特別対策検討委員会を設置いたしまして、平成二十三年度までの約二カ年をかけて、その対策を検討いたしました。この委員会におきまして、最終処分場から出る水のBOD、有機物による水の汚れを示す値でございますが、この数値が基準を超えていたため、その水質を改善することと、一部のり面の安全対策が必要であることが確認され、その対策案が取りまとめられました。県は委員会の対策案をもとに、業者に対し、是正指導を行った結果、平成二十四年一月に民事再生の業者から、県に改善計画書が提出され、委員会でこの計画が了承されました。その後、業者は水処理施設の改修やのり面の対策工事を行い、同年十二月に竣工をしております。

 県はこの工事進捗や、その後の状況を確認してきておりますが、特に注視している水質については、改善前にBODの値が四十ミリグラム・パー・リットル前後であったものが、現状は基準値の二十ミリグラム・パー・リットル以下で、おおむね安定をしております。このような経過につきましては、これまで地元自治会の役員説明会を二度開催したほか、地元関係者と年数回の面談を行うことにより、情報提供に努めてきたところでございます。

 県といたしましては、引き続き、監視パトロールや定期的な水質検査の実施等により、業者による維持管理状況を注視し、必要な指導を行ってまいります。また、今後とも地元の皆様に説明の機会を設け、情報の提供に努めながら、地元宇陀市との連携を密にし、地域の不安の減少、解消にできる限りの努力を続けていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございます。



○副議長(井岡正徳) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) もう時間もありませんので、一番最初のマイナンバー制度ですけれども、いろいろとご説明をいただいたんですが、一般の人にもわかるように、いわゆる小学生でもわかるようなぐらいの優しさで、言葉遣いで広報していただきますように、お願いしたいと思います。これはもうお願いでございます。あまり上層部とか、中層部とか、下層部、そういうふうな分け方をしても、それはなかなかちょっと理解は、私でも理解しにくいと思います。すいません、お願いしておきます。

 それから、獣害の方は被害の額がどうなのかと言われたら、いや、そうでもないよということになるのかもわかりませんが、だけど感覚的にもう脅かされているという、そういう身近に被害のことが伝わってきますので、やはりもっと積極的にやるべきだというふうに思います。

 それから、あとはまた予算審査特別委員会の方でいろいろと話をしてみたいと思います。

 以上で終わります。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後二時三十八分休憩

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△午後二時五十八分再開



○議長(山下力) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十五番森山賀文議員に発言を許します。−十五番森山賀文議員。(拍手)



◆十五番(森山賀文) (登壇)議長の許可を得まして、ただいまから通告しておりました七点にわたり、質問をさせていただきます。

 まず初めに、荒井知事に奈良県立医科大学について質問します。

 県立医科大学の施設整備ハード面におきましては、先日の岡議員の質問にも上がりましたが、新キャンパスの移転先である農業研究開発センターの二年後の桜井市への移転完了に向け、本年度はセンター敷地内で埋蔵文化財の発掘調査を行うことや、アクセス道路についても、現在の県立医科大学と新キャンパスとを結ぶ東西の市道の拡幅整備について検討されており、確かな前進を感じているところです。

 また、県内の同じ県立の大学として運営を行っている奈良県立大学におきましても、昨日の宮木議員の質問にも上がりましたが、今後の大学のあるべき姿を再検討し、この数年でキャンパス、学者などのハード面の整備、またコモンズ制の導入や学外実践活動を充実させていくことなど、ソフト面の充実においても、着実に進められています。

 ここ数年、国公立大学はさまざまな面からの効果、効率性が考慮され、再編、統合が進んでいます。県立医科大学においても例外ではありません。本県におきましては、知事は大学間の再編よりも連携に重きを置いた考えをお示しされてきました。以前、生駒市の学研高山第二工区へ大学を移転する構想が示されたときに、県立医科大学と奈良県立大学の共同キャンパスの可能性が示されたことがその証ではないかと考えています。

 県立医科大学に関しては、現在知事と県立医科大学の学長が入った、県立医科大学の将来像を策定するための会議を開き、議論を重ねていると聞きました。三十年、四十年先を見据えた、将来にわたって伸びていく大学として歩んでいくために、しっかりと構想づくりを進めていただくことを期待しています。その中で、患者や住民の方々に、より必要とされる人材を育成するため、地域医療に貢献できる総合的な視野を持った医師や看護師を養成することが最も大切なことだと思います。

 中南和地域の医療の中核としての役割を担う、県立医科大学附属病院の診療面における今後のあり方は、橿原市のみならず、県民の多くが関心を寄せています。

 そこで、荒井知事に質問します。

 奈良県立医科大学の移転整備による新たな出発に向け、地域医療に貢献する医師や看護師の人材育成を担う教育機関として、また中南和地域をはじめとする、県内医療の中核的な病院として、県立医科大学が果たすべき役割やあるべき姿について知事の思いをお聞かせください。

 次に、県域水道について質問します。

 主に人口の減少や節水意識の高まりにより、水道水使用量の減少が続く中、県民の方々に安全で安心して飲んでいただける水道水を供給し続けるために、本県は平成二十三年十二月に県域水道ビジョンを策定しました。また、県水道局の前向きな取り組みの結果、初めて長期的な県営水道の料金値下げを行い、県営水道は値下げ前当初の一立方メートル当たり百四十円から十円安い百三十円に改定されました。さらに、市町村が県水転換を図りやすいよう、一定の水量を超えると、一立方メートル当たり九十円とする需要促進型の料金制度に改めたところです。

 水需要が減少する状況の中で、料金改定から一年が経過し、今回の県議会に提出された平成二十五年度の県営水道事業決算を見ますと、値下げにより大幅な減収となったわけですが、引き続き黒字を維持しています。一方、市町村に目を向けますと、この料金改定を契機として、一昨年十月より、まず一つの自治体が浄水場を廃止し、県営水道一〇〇%へと転換が行われ、また市町村水道の料金についても、九つの市と町で値下げが行われました。そして、今後も水需要が減少していくと見込まれる中、市町村水道と県営水道が有する施設、人材、ノウハウなどの水道資産を県域全体で最適化していこうという考えのもと、県域水道ファシリティマネジメントを県のイニシアチブのもと、奈良モデルの一つとして、市町村と連携しながら進めているところです。

 具体的には、先ほど田中議員の質問にもありましたように、昨年五月に県と中和地域十市町村による懇話会を立ち上げ、市町村の浄水場を廃止して、県営水道に転換するか、自己水を維持するかの水源選択を踏まえた施設投資最適化の検討、また将来的な経営の統合を目指した第一歩として、コスト削減や業務の効率化などを目的とした、施設維持管理業務や営業業務の共同アウトソーシング実施に向けた協議を進めていくとのことであります。

 そこで知事に質問いたします。

 奈良モデルの一つとして取り組みを進めている、広域化実現に向けた県と市町村との水道事業運営の連携は現在、どのように進んでいるのでしょうか。

 次に、アルコール健康障害対策について、医療政策部長にお伺いします。

 昨年、奈良県断酒連合会の方々が、知事をはじめ、市町村長など、各方面へ働きかける等のご尽力により、県議会九月定例会でも、アルコール健康障害対策基本法(仮称)の制定を求める意見書が全会一致で採択されました。その後、十二月の臨時国会でアルコール健康障害対策基本法が成立しました。アルコール健康障害対策の基本となる事項を定めることにより、総合的かつ計画的に推進していくことを目的としています。

 同法は本年六月に施行されました。内閣府においては、専門家、当事者、家族等によるアルコール健康障害対策関係者会議が開催される予定で、この法律の施行後二年以内に策定することになっているアルコール健康障害対策基本計画に関する議論が始まります。この基本計画を踏まえ、都道府県ではそれぞれの実情に即したアルコール健康障害対策推進計画の策定に努めることとなっています。

 さて、先月公表された厚生労働省研究班の報告によりますと、アルコール依存症の患者数は全国で約百九万人と推計され、前回二〇〇三年の八十三万人よりも大幅に増加しています。この数値をもとに推定しますと、本県でも一万人以上のアルコール依存症の方がいると考えられます。多量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないと辛抱できなくなる状態となるのがアルコール依存症です。

 アルコール依存症は否認の病と言われているように、本人は病気を認めたがらない傾向にあります。そのため、患者個人の力だけでは立ち直りにくく、また本人や周囲が正しい知識を有していないため、アルコール依存症とは知らずに、体の治療のため、内科等へ受診している例も多く見受けられます。また、アルコール依存症が進むと、心身に悪いばかりでなく、飲酒運転で摘発されたり、職場でのトラブルが重なって失業というように、社会、経済的な影響が大きく、ご家族にも深刻な問題となっております。

 一方、アルコール依存症は早期に治療を始めれば、それだけ治療効果が得やすい病気とも言われています。こうしたことから、アルコール依存症からの回復には専門医療機関での治療のほか、本人やその家族が同じ立場の人たちと交流し、断酒継続を支援する断酒会等の自助グループの助けが必要です。今月十四日には奈良県断酒連合会が中心となって、全日本断酒連盟第四十一回近畿ブロック奈良大会が大和郡山市において開催をされました。近畿各地から約千人の断酒会員が参加され、断酒の決意を新たにされたところであります。

 そこで、医療政策部長に伺います。

 アルコール依存症に関する正しい知識を普及させ、依存症への偏見をなくすために、県ではどのような取り組みをしているのでしょうか。また、かかりつけ医から専門医療機関や断酒会等の自助グループにつなげるため、どのような取り組みをされているのでしょうか。

 次に、NPO等の支援策について、くらし創造部長にお伺いします。

 昨年、南都経済センターにおいて、NPO法人への調査が実施されました。多くのNPO法人は人材面、財政面で課題を抱えているなど、体力的にも脆弱であると出ておりました。NPO法が施行されてから十六年がたち、認証を受けたNPO法人は増加を続け、本年七月末時点で全国的には四万九千法人を超えており、奈良県では五百十一法人となっております。

 本県におきましては、NPO等が実施する事業に対し、これまでその一部を助成するなどの支援を実施してきました。今後、NPO法人がより市民の社会貢献活動に果たす役割が大きくなることが予想される中、どのような支援が求められているのでしょうか。

 例えば、木にたとえるとわかりやすいと思いますが、今、芽を出したところのNPOに対しては、マネジメントについて学習する機会を提供することが必要です。幹が出てきて、水をやれば、どんどん成長するNPOは会計業務のサポートや事業に対する助成等の支援が必要といったように、県内全てのNPOに対し、一律の支援を行うのではなく、NPO法人の活動実績や活動期間などの実態に応じた支援が必要であると考えます。そういったことから、県がNPO法人の実態をよく知ることが大事ではないでしょうか。

 もちろん、NPO法人側においても、継続的に自身の活動を評価し、何が足りないか、どういった改善が必要かを認識しながら、努力をしていくことも必要です。県では平成二十三年にNPO法人が自己評価を行う際の参考資料として、基本指標、チャレンジ指標の作成をされましたが、まだ十分な活用がされていないと聞いております。NPOの活動は、年数や分野が多種多様であり、統一した基準は難しいと思いますが、うまく生かしていただきたいと思います。NPOの活動については、県などの支援があってこそ、そうした努力が今後の成長の糧となり、活性化につながるのではないでしょうか。国が地方創生に本腰を入れようとする今、本県も地域づくりの一翼を担っていくNPO法人等との協働を一層進めていくことが大事であると考えます。

 そこで、くらし創造部長にお伺いします。

 今後、協働を一層進めていくため、NPO法人等への支援にどう取り組んでいこうとされているのでしょうか。

 次に、人口が約百四十五万人をピークに。百三十七万人台まで減少を続けている奈良県の定住化促進策について、まちづくり推進局長に質問します。

 日本創成会議が本年五月に公表した、いわゆる消滅自治体リストの公表は非常にショッキングな中身でありました。国においても、地方の人口減少問題が内政の主要課題として認識をしており、今回の内閣改造で今までとは違う切り口で地方の活性化を実現していこうと、新たに地方創生担当大臣を設けました。人口減少や地方都市の衰退などの克服に向けた取り組みを本格化させる方針とのことです。本県にも、非常に大きく関わるこの取り組みの行方を今後しっかり注目していきたいと思います。

 一方、本県においても人口減少を県政の課題と認識し、これまでから抑止策を打ち出し、現在もさまざまな施策を進めているところでありますが、なかなか特効薬と言えるものはありません。一時期は百四十五万人に迫る勢いで人口増加していた本県も、日本の人口全体が減少するよりも早く、平成十二年から人口減少が始まり、平成二十三年には百四十万人を割り、そして昨年の調査では百三十八万人台となりました。さらに、今年の四月の推計では、既に百三十七万人台にまで減少をしています。産業と人口の都市への集中による東京や大阪などへの大都市圏への人口流出、いわゆる社会減や我が国全般で大きな課題となっている少子高齢化などが主な理由です。

 しかし、この主な理由以外にも、本県で暮らしたいと思いつつ、離れていく方がおられます。その理由の一つが市街化調整区域の基準の壁であります。県の人口が集中している大和平野には、何代も前からその地域に根を下ろし、暮らしておられる方がたくさんお住まいです。市街化区域の住宅街で暮らす方は、ここ四、五十年の間に増加しましたが、市街化調整区域ではそれよりはるか以前からお住まいの方がほとんどであります。市街化調整区域で住宅を建てるには、住宅を建てようとする方の家が、農家であるかないかという条件が必要です。本県では、ここ数十年で専業農家はぐっと減り、兼業農家が増えました。最近では、農業を兼業せず、サラリーマン専業世帯が増えているというのが現状です。そのような世帯で、例えば次男が自分の家の土地に新たに分家を建てようとしたときに、規制が壁になり、生まれ育ったまちで暮らしたいけれど、暮らすには工夫をしないとという状況に陥っておられます。

 本県の現状はどのようになっているのかと申しますと、市街化を抑制する市街化調整区域の立地基準として、奈良県の開発許可制度に関する審査基準の中に、開発審査会提案基準二十二、県南部地域における分家住宅として、いわゆる農家や、農家分家の属性を問わない直系卑属の分家住宅の許可基準があります。この基準によって、これまで過疎高齢化が著しい地域に限り、振興策の一環として、非農家の分家住宅の立地を認める開発基準を設け、定住化を促進してきました。その適用を受け、人口が比較的少ない本県南部地域におきましても、調整区域であっても、一定基準内で住宅を建て、そこに暮らすことができます。この基準は南部地域の過疎化、高齢化を抑える意味のあるものだったと思いますが、現在は県下を見ましても、ほとんどの自治体で人口が減少しています。

 先ほども申しましたが、ピーク時は約百四十五万人に迫るほど人口増加していた本県の人口は、今や百三十七万人台にまで減少しているのです。南部地域の過疎化高齢化の波は、本県全体に広がっているのです。

 四年前に同様の質問をした際のまちづくり推進局長の答弁は、県南部以外の既存集落の定住人口の確保については、平成十七年一月より施行している開発許可基準に関する条例に基づき、一定の既存集落において、新たな住宅の立地を認め、対応しているとの答弁でありました。この開発許可基準は効果があったと思いますが、この四年の間にも、本県の人口は約二万人減少しています。私は、これからは奈良県全体くらいをこの基準の対象と進めていくほうが、余計な人口流出を防ぐことにもつながる、本県にとってもベターではないかと考えています。

 そこで、まちづくり推進局長に質問いたします。

 この開発審査会提案基準二十二、県南部地域における分家住宅の許可基準ができてから、現在までの許可件数の実績はどのようになっているのでしょうか。また、地方創生の観点からも、定住化促進策の一つとして、この基準を県下全域に適応するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、キャリア教育について、教育長にお伺いします。

 平成二十五年度の学校基本調査によると、本県は高等学校卒業後に大学などに進学する生徒が七一・八%と、全国平均の七〇・二%と比べ、高い数値となっています。また、高等学校卒業後に就職する本県の生徒は一〇・九%であり、全国平均の一七%よりは低く、約十人に一人が就職を選択しているということになります。今月十二日に発表された厚生労働省の平成二十六年度高校・中学新卒者の求人、求職状況取りまとめによりますと、景気は回復基調にあり、企業としても採用意欲に持ち直しの動きが見られることから、本年七月末の高校新卒者に対する求人倍率は全国平均で前年度同期に比べ、〇・三五ポイント増の一・二八倍となっております。本県においても、全国平均は下回るものの、〇・二四ポイント増加の〇・九九倍となっております。

 厳しい経済状況の中にあって、本県公立高等学校の就職内定率は平成二十四年度が九四・二%、平成二十五年度が九五・四%と、ここ数年一定の水準を保ってきておりますが、今年度も求人数の増加が来年春の高等学校卒業生の就職内定率の上昇につながることが期待をされます。

 しかし、一方で、若者が就職した企業をすぐに辞めてしまう傾向が強い、いわゆる七五三退社の問題があります。一般的に中卒で七割、高卒で五割、大卒で三割が三年以内に勤めた企業を退社してしまうので、このように呼ばれています。実際、最近、私が聞いたところでも、卒業した生徒の就職後の定着率があまりよくないということを卒業生を受け入れた側の会社が感じていました。

 こうしたことを踏まえますと、高等学校教育の中で働くことについてのイメージを持ったり、勤労に対する意欲を形成するためのキャリア教育に何らかの課題があるのではないでしょうか。もちろん、県教育委員会では、これまでも平成十六年度に奈良県キャリア教育プランを策定され、さまざまな取り組みをされております。今年度はキャリア教育をより充実させるため、就職した生徒の状況や課題などを把握する目的で、企業アンケートなどについても実施されたと聞いています。

 そこで教育長にお伺いします。

 県教育委員会では、就職した生徒の状況や企業のニーズを踏まえ、どのような人材を養成していこうと考えているのでしょうか。また、そのためにキャリア教育を今後、どのように進めていこうとしておられるのか、お伺いします。

 最後に、高齢者に対する特殊詐欺について、警察本部長に質問します。

 前回二月議会にも、代表質問におきまして、高齢者の防犯対策について取り上げさせていただきました。しかし、残念ながら、それ以降も新聞記事に目を通す際、高齢者が巻き込まれている詐欺被害は減少していないように感じます。今月十二日の朝刊には、警官名乗り五百七十万搾取との見出しも掲載をされていました。最近では、名義貸してよ詐欺という被害が増えていると聞いています。劇場型といって、複数の人物が登場したり、あなたには絶対に迷惑をかけないから大丈夫、お金は我が社が負担するから、心配は全く要らないなどと言葉巧みに電話で誘ったりする手口が増えているそうです。

 特殊詐欺は、高齢者だけがターゲットではありませんが、比率でいうと、圧倒的に六十五歳以上の高齢者の被害者が多いというのが実情です。平穏無事な日々を過ごしたいと願う高齢者を対象とした、これらの犯罪は人を疑わない、人を信じるという良心を逆手に取り、騙していく手口であり、許せるものではありません。その手口にはまり、一度でも被害に遭うと、被害者の余生は実につらいものとなってしまいます。高齢者が特殊詐欺などの被害に遭わないよう、啓発をはじめ、さまざまな対策がとられていますが、もっと高齢者の意識に残る方法はないものでしょうか。

 そこで警察本部長に質問いたします。

 今年、県下で発生している、高齢者に対する特殊詐欺被害の状況と、その特徴はどのようなものでしょうか。また、高齢者に対する特殊詐欺被害をなくすためのこれまでの活動の効果及びさらなる対策の取り組み状況についてお伺いします。

 これで、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答え申し上げます。

 私に対しましては、まず第一問目、奈良県立医科大学の今後についての考え方のご質問でございます。ご指摘のように、狭隘で老朽化した県立医科大学の再整備をしようとしておりますが、それも大事でございますが、私は魂を入れることはより大事ではないかと思っております。建学の言葉がまだないのが県立医科大学でございます。これから三十年、四十年先を見据えた県立医科大学の建学の精神をつくり、それとともにしっかりと将来像をつくることが重要であろうかと思います。県立医科大学の学長さんたちと、毎月一回、将来像検討を行ってきております。将来像が定まって初めて、理念が具体的になって初めて具体的な施設の整備の内容が決まってくるという考え方で、今、検討しております。

 将来像の策定に当たりましての考え方ですが、私はまず県立医科大学に対しまして、県内唯一の医療関係者の教育機関でございますので、よき医療人を育成していただくことを強く期待しております。また、高度先進的な医療を提供する医療機関でございますので、地域の期待に応え得る医療の実践をしてくださいということも言っております。また、中心となる医療機関でございますので、地域の他の医療機関等へ貢献する、コネクションのいい医療機関になってくださいということを言っております。さらに、研究は大変進んでおりますが、地域のニーズに応えるような研究を進めてくださいと言っております。それと、県立医科大学はいろんな先生、おられまして、ガバナンスがともすれば大学が弱くなるものでございますので、独立行政法人としてある程度運営をお任せしておりますので、ガバナンスの確立というのも県立医科大学の役割ですよということを言っております。このような五つの柱をお願いしております。これらの期待は県民の期待ともいうふうに思っておりますが、医科大学の建立の原点と言うべき基本命題でございます。

 これから、県立医科大学が県民の期待に十分応えられるように、この際、改めて思いをいたし、その実現に向けて具体的検討を行う時期が来ているように思っておる次第でございます。具体的には、平成二十五年度から第二期の中期目標を開始いたしましたが、その中で県立医科大学にそうした期待を新たな項目として、既に盛り込んで思います。

 特徴的なことの第一は、教育、研究、診療はどの医科大学でもありますが、それぞれの分野で地域貢献というのを新たに項目として盛り込みました。

 その意味を多少具体的に申し上げたいと思いますが、第一の地域貢献の意味は、地域に貢献する、奈良県で働いていただく医師を養成してくださいと。また、その医師を医師派遣システムを構築して、奈良県で配置をしてくださいということを、第一の県立医科大学の役割として言っております。県立医科大学は大体五〇%しか、奈良県に卒業生が残られません。これを中期目標では六割残るようにしてください、また、できるだけいい医師を残してくださいと。多少悪い医師はよそへ行ってもらってもしようがないと思っておりますが、そのような冗談も入れながらお願いをしております。

 二つ目のお願いは、断らない救急医療体制の整備でございます。県立医科大学は、大変高度の医療、救急医療も含めて提供されておりますが、全ての分野で受け入れ可能になっているわけではございません。そのために、たくさんの救急患者を受け入れておられますが、照会回数が多いと、断っておられるということでございます。限られた分野で受け入れられているということでございますので、これを全ての分野で受け入れてくれませんかと、ER型救急医療体制を新しく整備してくれませんかということをお願いしております。そのためには、そのような仕組みが要りますし、ER型のお医者さんの養成も前提になり、新奈良県総合医療センターではそのようなER型の医療を提供するということを目標にしておりますので、北和と中南和で断らないER型医療が実現いたしますと、奈良の救急医療体制が抜本的に変わってくるというふうに期待をして、県立医科大学にもそのようにお願いをしております。

 三つ目のお願いでございますが、大変立派な研究のある県立医科大学でございますが、その立派な研究が地域に還元されていないという思いがございます。地域のニーズに合ったような研究とその展開をしていただきたい、地域の医療機関にその研究の成果が還元されるようなことを心がけてくださいというようなことを言っております。

 地域貢献という項目でお願いしている主なものは、以上のようなものでございます。

 それとともに、新しく追加しました、中期目標の項目でございますが、県立医科大学周辺のまちづくりということを入れました。県立医科大学の教育研究部門がもとより狭隘、老朽化しておりましたので、近くの農業研究開発センターへ移転いたしますと、そのあとに跡地、空地ができますので、それを利用した県立医科大学の施設の充実、アメニティの充実をこの際、抜本的に図っていきたい。また、あのあたりは交通が渋滞するところでございますので、交通の渋滞にも寄与するような仕組みを考えております。バスが交差点を通って、南の方に行きますが、県立医科大学のキャンパスの中をバスが通って、南の方へ抜けていくようなバスルートも可能ではないかといったような検討もしております。まだ、詳細はこれからでございますが、そのような具体的なルートを、こういうふうに走ったら、行けるんじゃないかとかいうようなことを検討しておるわけでございます。

 そのような検討について、県立医科大学の先生方と医大の将来像の検討策定会議ということで、毎月一回集まって、熱心な議論をしております。私からも、積極的にこうしてほしい、ああしてほしいという発言をしております。この時期に総合的に県立医科大学の将来像をつくるべき時期じゃないかということでしておりまして、県立医科大学の学長さんはじめ、教育の担当、研究の担当、診療の担当、また、まちづくり、ガバナンスの担当というふうに、担当の主治医を、県立医科大学の主治医を決めていただきまして、その方と一緒に喧々がくがくの議論をしておる最中でございます。大変県立医科大学の将来にとって楽しみな、実りのある議論になりそうでございますので、それを期待しているところでございます。

 次に、県域水道についてのご質問がございました。奈良県では、県域水道と県営水道というのは随分違うものだということを五年ほど前から言っております。県では、立派な県営水道を持っておりますが、県営水道の運営と市町村水道の運営の連携、施設整備の連携を図ることによって、県域水道という分野の仕事をつくっていこうということを考えてまいりました。背景には、将来の水需要の減少がございます。水需要が高齢化、あるいは人口減少で減少するのを見越して、これから水道の設備投資、業務運営、どうなるのかということでございます。市町村が直接市民に水道供給されておりますので、県は二十年先の市町村ごとのその水道経営の財政シミュレーションを行いました。そういたしますと、老朽化している施設をお持ちの町村も結構ございますので、古い施設は県水に転換してもらう選択肢が発生するチャンスじゃないかということで、そのような市町村に対しまして、県水への水源転換について、それがその市町村の財政に、また市民の方に有利なものかどうかの検討をする材料を提供してまいります。

 一方、県水の値段は百四十円から百三十円に下げて、将来は九十円までも下げてもいいよといったような案を提示してまいりました。その検討が多少進みまして、これまでに広陵町、御所市、平群町、川西町が一〇〇%の県水への転換を表明されております。また、桜井市が一部の県水転換をするというふうに言っておられます。また、先般、王寺町でも一〇〇%の転換が表明されました。

 県は、そのために新しい投資をたくさんするわけじゃなしに、県有水道施設を市町村に広く利用してもらおうという考え方でございますので、今後の施設投資の最適化を県域全体の需給を見て、ファシリティマネジメントの考え方で検討を進めたものでございます。大変成果が出てきている部分だと思います。

 地域別の検討状況を多少ご報告を申し上げたいと思いますが、中和エリアの懇話会を設置しておりますが、橿原市、高取町、明日香村の三市町村が水道事業連絡協議会を自主的に立ち上げられました。これは県は直接入っておりませんが、触発されて立ち上げられまして、業務の共同化を検討されております。来年度は災害時に供えた緊急連絡管を布設することが決まっております。また、水道メーターの共同購入や修繕工事の共同化など、実現可能な業務から共同化を進めることとされております。

 また、磯城郡三町の検討状況でございますが、施設共同化の検討を進めていただいておりますが、とりわけ川西町では、今後の施設投資費を抑制するという観点から、県水からの直結配水による配水池やポンプ施設を廃止、縮小にしたいということで、検討、協議を重ねていただいており、この取り組みを三宅町、田原本町にも拡大するように、三町長とも連携してこの検討を進めているところでございます。

 また、五条、吉野エリアでございますが、一市三町による浄水場共同化による施設投資の最適化について財政シミュレーションを行うこととしております。これを検討材料にして、今年度中に首長レベルの懇話会を立ち上げたいと、県の貢献も多少していきたいというふうに思っております。簡易水道エリアでも、共同化の動きがございます。簡易水道のみを運営している十一村に県が出向きまして、それぞれの施設や維持管理の状況を把握してまいりました。今後は維持管理体制を含めて、運営基盤を強化する具体的な対策を検討して提言をしていきたいと考えております。今後とも、県営水道の資源を活用していただき、需要が減少する県域水道の中で、県民の皆様で、安価で安全な水道水を安定して供給していけるように、県が市町村を支えるという姿勢で、県域における水道運営の連携というテーマで取り組んでまいりたいと思っております。

 残余のご質問は、関係の部長、教育長がお答え申し上げたいと思います。ご質問、ありがとうございました。



○議長(山下力) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えいたします。

 私には、アルコール健康障害対策についてということで、アルコール依存症に関する正しい知識を普及させ、依存症への偏見をなくすための県の取り組み、またかかりつけ医から専門医療機関や断酒会等の自助グループにつなげるための取り組みについてのご質問でございました。

 アルコール依存症は、本人の意思の力や道徳心で何とかなるというものではなく、飲みたいという強い欲求が生じ、飲酒する時間や場所、飲酒量をコントロールすることができなくなる病気で、長年にわたる多量飲酒の結果として生じますが、回復と社会復帰が可能な病気でございます。

 県では、県民だより七月号で、不適切な飲酒やアルコール依存症について掲載いたしました。また、平成二十一年度から、奈良県断酒連合会との共催で、アルコール関連問題県民セミナーを開催し、県民へアルコール依存症に対する正しい知識の普及、断酒会等の自助グループに関する情報提供に努めており、今年度は十二月四日の天理市での開催を皮切りに、県内六カ所での開催を予定しております。

 また、かかりつけ医と依存症専門医療機関等との連携につきましては、現在、精神保健福祉センターが中心となりまして、アルコール依存症の早期支援体制づくり検討会を立ち上げたところでございます。これは、天理市をモデル地域といたしまして、同市地区医師会や専門医療機関、断酒会、天理市保健センター等に協力をいただきながら、アルコール依存症のスクリーニングや一般医療機関から専門医療機関、断酒会等の自助グループへつなぐための支援のあり方について検討しているところでございます。

 加えて、うつ病等の他の精神疾患との合併症の方がいらっしゃったり、自殺との関連といった問題もございますので、医療、保健、福祉含めまして、関係者皆さんに対する研修を実施することによりまして、アルコール健康障害に対する早期支援体制をさらに充実してまいりたいと考えております。

 以上です。



○議長(山下力) 影山くらし創造部長。



◎くらし創造部長(影山清) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 私に対しましては、NPO法人等に対する支援策について、今後、どのように取り組んでいくのかというご質問でございます。

 奈良県のNPO法人の状況は、議員、お述べのとおり、法人数は七月末現在で五百十一法人でございます。毎年度約三十ずつ増加している状況でございます。これらNPO法人の活動分野は多岐にわたり、法人の活動年数もそれぞれ長短がございます。このことから、それぞれの法人の活動実態に即した支援が必要と認識しております。県では、これまでNPO法人等に対しまして、活動面では活動費の助成や場所の提供、運営面では会計事務等の研修の実施、広報面では奈良ボランティアネットによる情報提供などの支援を行っております。特に今年度は全法人の実態調査を進めており、調査の結果、活動面で課題を抱える法人につきましては、個別の相談に応じるほか、運営に関するアドバイザーを派遣するなどの支援を行ってまいります。一方、活動実態のない休眠法人等につきましては、NPO法に基づく厳格な措置も含め、適切な指導を行ってまいりたいと考えております。

 議員、お述べの指標についてでございますが、NPO法人の活動について自己点検をするための参考指標として、利用していただいているところでございますが、さらに県では、これをベースに認定NPO法人や条例指定のNPO法人を目指す法人が活用できる自己評価指標の作成を進めているところでございます。県といたしましては、今後も市町村やNPO法人との連携、協働を進めていくことは重要と考えており、今年度の調査結果を踏まえ、引き続きそれぞれの活動実態に即した支援や助言を行ってまいります。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございます。



○議長(山下力) 林まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(林功) (登壇)十五番森山議員のご質問に答えさせていただきます。

 私に対しましては、県南部地域における分家住宅の許可基準による許可件数の実績はどのような状況か、また地方創生の観点からも、定住化促進策の一つとして、この基準を県下全域に適用してはどうかというご質問でございます。

 お答えさせていただきます。

 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とされており、原則として、開発・建築行為は認められないことになっております。しかしながら、市街化調整区域では農家の分家住宅や農家の住宅そのものなどの一定の基準を満たすものにつきましては、その立地が認められているところでございます。ご質問にございました、県の開発許可基準でございます。県南部地域における分家住宅は平成十四年七月に策定されたものであり、過疎化、高齢化が著しく進行している五條市、御所市、宇陀市、高取町、明日香村、吉野町、大淀町及び下市町の八市町村に限り、地域振興策の一環として、非農家の分家住宅の立地を認めております。

 その許可の実績でございますが、本年八月末現在で四十九件となっております。この許可基準を県下全域に適用してはどうかというご質問でございますが、県南部地域以外の地域は人口減少化にある地域は見られますものの、依然として市街化の圧力のが強く、県下全域に適用いたしますと、本来なら市街化を抑制すべき市街化調整区域であるにもかかわらず、好ましくないところで住宅建設につながるおそれなどが懸念されているところでございます。

 県南部地域以外の定住化促進策の一つとしては、ご質問の方でも触れていただきました、市街化調整区域の既存集落を対象に、五十以上の建築物が連たんしていることなど、一定の要件を満たす集落におきまして、集落内及びその周辺で非農家の分家住宅も含めまして、新たな住宅の立地を認める開発許可基準に関する条例を平成十七年一月より施行しております。この条例の適用に当たりましては、市街化調整区域の集落周辺の土地活用につきまして、市町村、地域住民の意向を反映させる仕組みとなっておりまして、非農家の分家住宅など、立地も可能となるところでございます。

 県といたしましては、この条例を活用していただくことによりまして、さまざまな住宅の建築が可能になると考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、就職した生徒の状況や企業ニーズを踏まえ、どのような人材を養成し、今後、キャリア教育をどのように進めていくのかとのお尋ねでございます。

 今年度、県教育委員会では求められる人材像や離職の現況を把握するため、県内高校生の就職先である県内事業所に対しまして、高校生採用に関する企業アンケートを実施いたしまして、百四社から回答をいただきました。そのアンケート結果から、高校新卒者については、挨拶等を含めたコミュニケーション力が乏しい、状況に応じて物事に対応できないなどの課題が挙げられ、また離職の主な原因といたしましては、職業適性がない、勤労意欲の欠如などが指摘をされております。

 県教育委員会といたしましては、みずから考え、判断し、さまざまな問題に柔軟に対応し、解決する力やみずからを律しつつ、他人と協調できる力、いわゆる生きる力を持った人材の養成に努めておりますが、アンケートの結果を踏まえますと、これまで以上にコミュニケーション能力、勤労観、職業観の育成を重視すべきであると考えております。

 コミュニケーション能力を育成するに当たりましては、その入口となる挨拶につきまして、既にそれぞれの高等学校で取り組んでいただいており、生駒高等学校などでは、高等学校を中心とし、地域で小・中学校と連携した挨拶運動を展開しています。また、王寺工業高校では挨拶やマナーのよさが評価され、十四年連続就職内定率一〇〇%を達成いたしました。

 さらに、勤労観、職業観の育成や離職者を支援するため、今年度から新たに高校生キャリア教育総合支援事業を展開し、企業関係者による出前講演会の開催、インターンシップコーディネーターを配置し、インターンシップの推進等を行っております。近年雇用形態の多様化等を背景に、非正規雇用の増大など、若者の進学、就職をめぐる環境が大きく変化をしてまいりました。これに対応するため、キャリア教育プランについても、必要な見直しを行い、キャリア教育の改善と充実を図ってまいる所存でございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(山下力) 橋本警察本部長。



◎警察本部長(橋本晃) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しましては、高齢者に対する特殊詐欺につきまして、今年、県下で発生している高齢者に対する特殊詐欺被害の状況と、その特徴はどのようなものか。また、高齢者に対する特殊詐欺被害をなくすためのこれまでの活動の効果及びさらなる対策の取り組み状況はどうかというご質問をいただいたところでございます。

 まず、本年の特殊詐欺の被害でございますが、全国では過去最高でありました昨年を上回る勢いで推移しておりますが、県内における八月末現在の認知件数は四十三件、被害総額は一億七千万円余と、依然高水準ではありますものの、前年同期比で十二件のマイナス、金額では九千百万円余減少しております。一方、検挙状況でございますが、昨年と同数の五十三件、人員は二名増の二十七名の検挙となっております。

 次に、特徴でございますが、被害者の八割が六十五歳以上の高齢者であり、議員、ご指摘のように、詐欺の手口も巧妙化しておりまして、現金の受け渡し方法も振り込み送金型や現金手交型から、ゆうパックなどを利用した、現金送付型に変化しつつあります。

 こうしたことを踏まえまして、県警察では高齢者対象の被害防止教室の開催や戸別に訪問しての防犯指導を行っておりまして、その際、県独自の標語として、「電話口 お金の話 それは詐欺」などの標語を用いて、わかりやすい形で注意喚起を図っているところでございます。これによりまして、詐欺と思われる電話があった旨の通報を警察に寄せていただいておりますが、これらの方のご協力が得られた場合、いわゆる騙されたふり作戦によりまして、通報者の自宅に現金を受け取りに来た被疑者をその場で検挙した事件が、昨年から今年にかけて七件ございます。

 また、騙された方が現金を送付する前に被害を食いとめるため、高齢者の方が預貯金を引き出す際に、その目的を確認したり、ゆうパックの中身が現金ではないかと尋ねるなど、水際で食いとめるための対策が重要となっております。そこで、金融機関や宅配事業者に対し、高齢者への声かけを行っていただくなどの被害の未然防止を働きかけているところでありますが、こうした取り組みにより、本年八月末現在、水際で防止できた件数は二十二件となっております。今後とも、警察といたしましては、高齢者の方を狙ったこの種犯罪の撲滅のために、組織を挙げて取り組むとともに、防犯協議会等の関係団体と連携し、高齢者やその家族に対し、被害の発生傾向を踏まえ、広報啓発活動に努めますとともに、金融機関等と連携した水際対策など、官民連携した抑止対策をなお一層強化してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 知事をはじめ、理事者の皆様、ご答弁ありがとうございました。時間があまりありませんので、私の思いを時間の限り、お伝えさせていただきたいと思いますが、一番最後にご答弁いただきました、高齢者に対する特殊詐欺の件ですけれど、つい最近もテレビ番組でその被害に遭う特集があったり、コマーシャルでも、気をつけろというのを取り上げてもらったりして、啓発は増えていっているようには感じておりますけれども、被害は減っていないと思います。

 先ほど、警察本部長さん、おっしゃっていただいた、ゆうパックなどで送るときの水際の確認が大事だという話などがありましたけど、つい最近、載っていた記事でも、京都府の方が新幹線の車内放送でぎりぎりセーフだったというか、被害に遭わなかったという話もありました。先ほどの話で、県内の話でも、宅配で送ろうかなと思ったけども、窓口で、それが気になった方が一旦とめると、次の場所へ行って、また送ろうとして、そこの場所で確認ができて、何とか水際で防いだというのがありましたけど。いずれにしても、騙されている本人が気がついていないんですよね。啓発がこれだけあっても、周りの人たちがこれは危ないと気がついて、収まっているという件があります。それはそれで大切なことですけど、騙されている本人が気がついていないという意識が、騙されているかもという意識に移るような啓発を引き続いて取り組んでいただく必要が強いんじゃないかなということを結構身近に聞きまして、感じておりますので、引き続き、この件に対する啓発をお願いしたいと思います。

 ほかには、県域水道についての取り組みのお話を聞かせていただきました。県外からも、この市町村連携の件というのは非常に注目されていますけれども、この奈良県内で今後進めていく取り組みにおいても、この水道の県域水道の取り組みというのは先進的な取り組みになるのじゃないかなというように期待をして、これからも見ていきたいと思います。

 最後に、定住化促進策については、また予算審査特別委員会もありますので、そちらの方で議論を深めていきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。



○議長(山下力) 次に、四十三番梶川虔二議員に発言を許します。−四十三番梶川虔二議員。(拍手)



◆四十三番(梶川虔二) (登壇)なら元気クラブの社民党、梶川が一般質問させていただきます。

 最後でございます。少しダブるのもあって、削ったのですが、あまり削ると質問がなくなるんで、それらしいものを残したり、私らしいものを挙げて質問をさせていただきます。

 朝日新聞の川柳の欄に、広島市の水害をうたったもので、「ふるさとの訛り、ニュースで聞くつらさ」とありました。広島県出身の私としては、同じような思いでJR法隆寺駅で救援募金をさせていただきました。奈良県議会としても、見舞金を送り、つらさを分かち合っていただき、ありがとうございました。お亡くなりになったお方のご冥福をお祈り申し上げます。

 質問に入ります。

 まず、奈良県の教育行政について、お尋ねをいたします。

 八月末、文部科学省は四月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を発表しました。新聞の論評によると、小学校六年生、中学校三年生ともに成績が幾分か上がっているということです。例えば、小学校国語Aの平均正答率は七三・一%で、前回より一〇・二%上がり、中学国語Aも七九・八%で三%上がっております。小学算数A、中学数学Aも平均正答率はそれぞれ上がっております。奈良県も都道府県別に見た場合、他府県同様、正答率は上がっております。

 少し気になるのは、学習環境との関係であります。携帯電話、スマートフォン、インターネット、ゲームなどをする時間の短い児童生徒の方が正答率が高いようです。新聞との関係では、小学校、中学校の全教科で、よく新聞を読む生徒の方が正答率が高い傾向にあります。日常生活習慣に気をつける必要があると思います。

 新聞報道によると、順位の低い学校が順位を上げるための特別対策をしたり、文部科学省の示す公表の基準外で、首長単独で頑張った校長を発表したところもあります。学校に序列をつけることになるとして、学校ごとの平均正答率を発表していない自治体がほとんどのようですが、一方、説明責任を果たそうと、首長は揺れているとも言われております。

 学力とは、結局は子どもの素質、家庭の経済、文化、価値観の差などにも左右される根の深い問題で、教育行政の目先、あるいは小手先で変わるものではないと思います。そのためには、やはり奈良県教育の基本方針をしっかり定めて、大阪府のようにならぬよう、その上で奈良県の教育行政を進めていただきたいと思います。

 荒井知事にお伺いいたします。

 教育委員会制度を見直す、改正地方教育行政法が来年四月に施行されます。皆さんの手元に置いておる資料がそれでございます。それに伴って、知事は教育行政の大綱を策定し、あわせて総合教育会議を主宰し、大綱や教育条件などについて協議、調整を行い、教育においてもリーダーシップを発揮する制度となりますが、大阪府のような混乱するようなことのないようにお願いをいたします。今後、奈良県の教育行政をどのように進めようとしているのでしょうか。知事にお伺いいたします。

 続いて、教育長に伺います。

 今回の全国学力・学習状況調査の本県の調査結果をどのように捉えておられるのでしょうか。また、県教育委員会として、今後、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 質問の二点目に、ヘイトスピーチについてお尋ねをします。

 今、我が国では在日韓国、朝鮮人に向かって、聞くに堪えない憎悪表現、ヘイトスピーチが奈良県、大阪府、京都府、東京都など、各地に広まっています。この動きに対し、ヘイトスピーチに表現の自由はあるのかと、この現象を憂う声もあります。在日韓国、朝鮮人の居住区域で、朝鮮人は保健所で処分しろ、日本からたたき出せ、殺せと叫ぶ人たちがあり、大きな社会問題になっております。これに対し、国連人種差別撤退委員会は、八月二十九日、日本政府にヘイトスピーチを行った個人や団体に、法律で規制するよう勧告しました。この勧告に先立って、大阪高等裁判所は在日コリアンの子どもらが通学する京都朝鮮初級学校の付近において、差別、排他的表現で大音量のスピーカーで連呼するヘイトスピーチをした団体の人たちに、約一千二百万円の損害賠償金と、同校付近での街宣行動の差しどめを命じました。奈良県でも、御所市の水平社博物館で被差別部落に対するヘイトスピーチに百五十万円の損害賠償金の判決を出しております。

 欧米では、歴史的事実の否定や差別的表現は処罰の対象となっており、今回の国連人種差別撤廃委員会勧告はその対処を日本政府に求めたものです。他者を傷つけ、差別、抑圧をする発言は言論の自由とは言えません。政府内でも、法規制を求める声が上がっており、自由民主党ではヘイトスピーチ対策等に関する検討プロジェクトチームを立ち上げたほか、超党派による人種差別撤廃基本法を求める議員連盟が四月に発足、おくればせながら対応が始まっております。奈良県議会でも、意見書を上げることにしていただいております。

 そこで、荒井知事に伺いますが、このヘイトスピーチについて、どのように思い、今後、どう対処すればよいと考えますか。また、あらゆる場において、こうしたヘイトスピーチを許さない教育や啓発活動がとても重要と考えますが、ご所見をお聞かせください。

 次に、奈良県が都道府県レベルで全国初の制定となった公契約条例についてお尋ねをします。

 公契約条例とは、お役所が公共事業を発注して契約する場合、それらの業務で働く者の権利を守るため、賃金などの労働条件を確保するよう、受注会社や下請け業者に義務づける条例のことです。この条例制定要求については、八年前の平成十八年に私が代表質問で制定を求めたのが最初であったように思います。以後、連合や各政党の要望もあり、ここに実現をしました。

 奈良県の公契約条例は全都道府県に先駆けて制定されましたが、その先駆性のみならず、条例の内容が労働者に支払う賃金に加え、社会保険の加入を受注者に義務づけた点で、独自のものとなっており、その遵守状況についても報告してもらい、もし、これに違反するようであれば、行政罰としての科料を科すことにするなど、条例を確実に守らねばならない仕組みを備えた点で全国的にも注目をされております。

 こうした中、尼崎市において、公契約条例セミナーinあまがさきが十月上旬に開催され、公契約条例に関する自治体間のネットワークづくりが進められようとしております。同じ日、奈良県においても、連合奈良主催で、奈良県公契約条例制定記念フォーラムが開催されます。

 奈良県としても、この二つのセミナー、フォーラムの主催者から参加要請を受け、公契約条例制定の経緯や考え方を述べる予定と聞いておりますが、私としては奈良県の先駆的な取り組みを県内外に向かって情報発信する絶好の機会になると考えます。公契約条例制定に当たっては、さまざまな経緯や苦労があったと思います。こうした催しの機会に条例の制定を検討している他の自治体に対し、本県の公契約条例制定の意義をどのように考え、情報発信していくのか、会計局長にお尋ねをいたします。

 また、県内の市町村にも、県の公契約条例の趣旨、目的を周知し、こうした取り組みを広げていくべきと考えますが、あわせてご所見をお聞かせください。

 続いて、奈良県立病院機構における患者の視点に立った医療の提供を求める立場から質問をいたします。

 今年四月から県立の三つの病院は法人化されました。その中で、西和医療センターの産科が来年四月から再開されることになり、住民の大きな喜びであります。法人化されて、各病院とも病院のあり方の見直しや、日常業務においても、早朝出勤をして受付をしたり、サービスに努めておられます。このようなよい話がある一方で、法人化後に患者さんからさまざまな声を聞いております。医療センターが患者目線に立って、立派なセンターに成長していただくために、あえてご紹介をしたいと思います。

 まず、入院された患者さんの訴えですが、入院から三カ月を超えたから、退院をしてほしいと言われたとのことですが、この患者さんは一人暮らしの患者で、障害者であったため、自宅で介護体制が整っていない中、関係者がかなり苦労されたと聞いております。さらに、別のケースでは、介護を必要とする一人暮らしの人にもかかわらず、退院を求めるケースがあったと聞いております。障害者は介護ヘルパーの手続だけでも、二週間ぐらい要するようです。これらの苦情は、いずれも障害者で生活保護を受けておられる人もありました。

 また、西和医療センターは救急患者しか受け入れなくなるのですか、日常の診療は受け入れはしなくなるのですか。町医者に行くように勧められましたというような声も複数の患者から聞きました。医療センターには患者支援センターや地域医療連携室があります。患者目線に立って、医療の提供を行っていく上で、また特に単身の障害者、生活保護受給者など、退院時に問題が予想される患者さんにとって大切な部署であると思います。

 そこで質問いたします。県立病院機構の各センターにおいて、退院後の患者さんの状況なども踏まえた患者本位のもっときめ細かい対応が必要でないかと思いますが、いかがでしょうか。診療報酬制度の問題もあろうと思いますが、法人化により、ますますそのようなきめ細かい患者対応が求められていくと思いますが、患者支援センターなどにおいて、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

 また、西和医療センターは西和地域の中核になり、非常に重要な役割を果たしてきました。地域に診療科がないケースもあるようですが、今後、西和医療センターは地域の医療機関との連携、役割分担はどのように取り組んでいくのでしょうか。医療政策部長にお尋ねをいたします。

 最後に、農地の耕作放棄地対策についてお尋ねをいたします。

 本県の農地の現状を見ると、基幹的農業従事者の六九%は、六十五歳以上の高齢者となっており、農家の後継者不足は深刻な状況にあります。また、後継者がいない農地は放置され、荒れた田畑が各地に見受けられます。大阪府では耕作放棄地を解消する対策の一つとして、十アール程度の小規模な農地で農産物の販売意欲や、一定の農業技術があり、新たに農業経営を目指す人に農地を貸し付ける準農家制度を実施しています。応募者の全てに希望どおりの農地を紹介できない課題もあるようですが、この準農家制度により、耕作放棄地の解消や発生の未然防止につながっているようです。

 また、こういった制度のほか、農地の上部空間に太陽光パネルを設置し、農作物を栽培しながら発電を行う営農型太陽光発電がありますが、売電により、副収入があり、農家の安定経営につながり、耕作放棄地の発生防止になると思います。

 今、県内の耕作放棄地はどの程度あり、解消の対策としてどのような施策を講じているのでしょうか。農林部長にお伺いいたします。

 ご清聴ありがとうございました。以上で壇上からの質問をひとまず終えたいと思います。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十三番梶川議員のご質問がございます。

 私に対しましては二問ございました。一問目は、県の教育行政の進め方というご質問でございます。

 議員、ご指摘になりましたように、地方教育行政法が改正になりまして、大きく首長の責任と教育長との関係が変わってまいりました。来年四月からの施行でございますが、首長のリーダーシップが強化され、首長は総合教育会議を設置し、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定め、大綱に基づく教育行政を行うこととされたわけでございます。

 奈良県の教育の現状でございますが、このような総合教育会議が設置される前に、問題意識を多少先がけて持っておりました。本県では、子どもの規範意識、体力、学習意欲が全国の平均より相当低いという国の調査が出ております。学力よりも規範意識、体力、学習意欲は長く大事にすべきものだという観点から、問題意識を持っておりました。

 そのような問題意識の中で、平成二十三年十一月から、そのような課題を解決するのは学校だけでなく、家庭と地域と協働、連携してすべきだという観点から、地域教育力サミットというものを開催してきたわけでございます。このサミットは、私が議長にならせていただき、市町村長や県内教育関係者、学識経験者、財界関係者などの代表で構成されております。総合教育会議の先駆けとなるような形ではあったわけでございます。

 この奈良県サミットにおきましては、学校教育だけではなく、生涯にわたる学びの視点で学校、家庭、地域の協働や奈良県教育の目指す方向性、理念について議論を重ねてきているところでございます。また、そのような動きを受けまして、今年四月には、県と京都大学との間で教育に関する連携協定を締結いたしました。奈良県の教育課題の解決に京都大学の知見を活用させていただけるようになりました。奈良県の方から提起した課題といたしましては、就学前教育の大事さを申し上げましたところ、京都大学のそのような先生がおられまして、最初の取り組みをすることになりました。五歳以下の教育が生涯にわたって大きな影響を与えるとのアメリカの研究結果を受けて、就学前教育について、共同研究を京都大学と行いたいと考えております。

 去る六月の県・市町村サミットにおきましては、初めて教育問題をテーマに取り上げました。また、県と県の教育委員会、市町村長に加えまして、市町村教育長にも参加していただきました。初めてのことでございましたが、教育委員会制度の改正や全国学力・学習状況調査の結果などについて、市町村別の資料を出しました。匿名でございましたが、市町村別の再分析の資料を出しまして、情報共有と意見交換を行いました。

 この十月におきましては、県・市町村サミットで教育問題を再度取り上げたいと思っております。統計による教育改革を目指しておるものでございますので、実証的な資料に基づき、市町村の教育の状況を提示していきたいと思います。これらの取り組みで問題意識、課題を共有しながら、来年度からの総合教育会議につなげたいと考えているところでございます。

 今後、総合教育会議で課題とされたテーマにつきましては、統計データが随分整備されてきておりますので、それを活用して、県内市町村教育関係者とも共有し、連携しながら、具体策について議論を進めていきたいと思います。客観指標、エビデンスによる教育改革という趣向でございます。その上で奈良県の実情に応じた大綱を策定して、今後の奈良県教育行政を進めていきたいと思っているところでございます。

 次は、ヘイトスピーチについての所見のご質問がございました。

 ヘイトスピーチは特定の集団の方を悪意を持って誹謗中傷する許しがたい人権侵害行為であると思っております。こうした事件が多発していることは憂慮すべき事態であると考えます。最近、二つの影響のある判決が出ました。

 一つは、奈良県のケースでございますが、水平社博物館前のヘイトスピーチに対しては、発言内容が差別であることは公知の事実であるとして、慰謝料を認める判決が出されました。

 また、二つ目は京都朝鮮第一初級学校周辺のヘイトスピーチに対しましては、賠償命令とともに、街宣行動の差しとめ、侮辱罪等による刑事罰を認める判決が出されました。意義の大きい判決だと感じております。しかし、法の整備は十分ではないというふうに思います。

 ヘイトスピーチの特徴でございますが、不特定多数を侮辱、差別する行為でございますので、具体的な被害者及び損害を立証することが困難である場合が多いわけでございます。現行法による救済が難しく、何らかの新たな法規制が必要ではないかという認識を持っております。

 法規制を考える場合に、人権侵害と表現の自由との関係を整理する必要があります。憲法で保障された表現の自由がございますので、その関係を整理することで法規制が可能になるというふうに思います。国において、そのような憲法問題も踏まえ、法規制のあり方について検討が進められることを期待するところでございます。

 また、人権侵害を拡大させないためには、個人及び地域の強い意識も必要だと思っております。差別を見抜き、人権を否定するような誹謗中傷を許さない意識をはぐくむための人権教育啓発は重要であると思います。奈良県は古くから国際交流が盛んで、文化理解や多文化共生の重要性を認めた歴史のあった時代でございます。今、進んでおりますグローバル化の中で、奈良県が貢献できる余地もある分野だと思っております。あらゆる人々の人権が尊重される社会の実現に向けて、奈良県としての取り組みが進められたらと思うところでございます。

 残余の説明は関係部局長からご答弁をさせていただきます。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、全国学力・学習状況調査の本県の結果をどのように捉え、今後、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。

 本年度の全国学力・学習状況調査の結果から、学習意欲に関わりましては、勉強が好きと回答している子どもは、小学校で、順位に直しますと、全国三十八位、中学校で四十三位。勉強が大切と回答しているのは、それぞれ二十九位、四十三位と、依然として低位であることがわかりました。

 学習意欲の向上は、本県の大きな課題でございまして、子どもが学ぶ意欲を持ち続けることで、真の学力の向上につながるものと考えております。同調査の結果を分析いたしますと、勉強が好きと回答した子どもと、勉強がわかると回答した子どもに、強い相関が見られます。やはり学習意欲の向上には、教員がわかる授業を行うことが重要であると考えております。

 そこで、この十月より、新たな試みとして、従来は小学校単位で行っておりましたけれども、中学校区の小学校がまとまって研修することを推進をし、そこに指導主事が出向きまして、わかりやすい授業づくりの助言を行って、中学校区全体の授業力の向上を図ってまいります。

 さらに、わかりやすい授業づくりに向けまして、子どもがつまずきやすい分野について、子どもの興味、関心がわき、楽しく学習できる授業のモデルを動画で配信するとともに、授業で使えるワークシート等を年内に作成し、全教員が利用できるようにする予定でございます。

 なお、現在、本年度の全国学力・学習状況調査全般につきまして、学習意欲や規範意識、体力との相関等も含めて、さらに詳細に分析を進めており、知事からもございましたように、その結果を十月二十日に予定している奈良県・市町村サミットで報告することといたしております。各首長と教育長が課題認識を共有し、解決に向けて広く協議をいただくことで、今後の取り組みに生かしてまいります。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(山下力) 江畑会計局長。



◎会計局長(江畑幸男) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、公契約条例の意義について、どのように考え、条例制定促進フォーラムやセミナーなどにおいて、どのように情報発信をしていくつもりなのか。そして、県内市町村に対する条例の周知や、こうした取り組みの働きかけをどのように行っていくつもりなのかとのご質問でございました。

 本県の公契約条例は、議員、お述べのとおり、都道府県レベルでは初めての制定で、その仕組みや具体的手続などにおいて、先駆的かつ実効性のある条例になったと考えているところでございます。

 条例の基本的な考え方につきましては、知事が六月議会の山本進章議員の代表質問でもご答弁をいたしておりますが、公契約の当事者は地域社会の主要な担い手として、社会的な価値を実現、向上させる経済主体にふさわしい行動や役割が期待されております。すなわち、発注者である県には、公的機関の責務として、従事する方々の労働条件確保への配慮など、公正な内容が求められておりますし、一方の県の事業に携わる受注者等は法令を遵守し、適正に履行する義務を負うものと考えております。

 こうした認識を基本として、県では公契約の相手方の適切な選定と、適正な履行が確保されるよう、二つの基本方針を定めたところでございます。一つは、公契約の相手方の選定に当たって、障害者の雇用や働きやすい職場環境づくり、保護観察対象者等の雇用など、社会的価値の実現、向上への寄与度をどう評価するということ。もう一つは、公契約の履行に当たりまして、受注者や下請負者等に対し、従事する労働者の最低賃金や社会保険の加入など、関係法令の遵守を求めることであります。

 県におきましては、本条例の施行を通じ、働きやすく住みよい、人にやさしい奈良県づくりを目指してまいりたいと考えています。

 以上が本県の公契約条例の意義及び基本的な考え方でございますが、先ほど、議員、お述べのセミナー、フォーラムなど、さまざまな機会を捉えまして、先進のモデルとして積極的に情報発信してまいりたいと思います。

 次に、県内の市町村に対する働きかけでございます。

 これまでに十四の町村を訪問いたしまして、首長等に対し、本条例のご理解と同様の取り組みをお願いしているところでございます。引き続き、残りの首長様に対しましても、ご説明を行うとともに、市町村の担当者説明会を開催し、助言その他の支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。ご質問、ありがとうございました。



○議長(山下力) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えいたします。

 奈良県立病院機構における患者の視点に立った医療の提供についてということで、二点ご質問いただきました。

 まず最初に、患者本位のきめ細かい対応が求められる中での患者支援センターにおいて、具体的にどのような取り組みがなされているのかという点でございます。奈良県立病院機構法人設立に当たりまして、県としては法人に対し、中期目標を提示し、その中で患者、県民に親切な医療を提供できるよう、職員を育て、地域の医療機関と連携し、本県の医療レベルの向上に貢献するよう求めています。この中期目標を受けて、法人が中期計画を策定し、その中で全ての職員が患者の視点に立った医療を提供できる組織文化をつくり、同時に患者の視点に立った最適な医療を提供すると決意されているところでございます。

 患者の視点に立った医療の提供につきましては、今年度具体的な取り組みといたしまして、三つの機構の病院に患者支援センターを新設するとともに、十月からコンシェルジュを配置し、診療案内をより親切、丁寧に行い、患者の利便性の向上への取り組みを進めていただいております。

 また、法人の二つの医療センターに代表される、急性期病院におきましては、急性期を脱した患者さんの退院、転院は限られた医療資源を効率的に活用するためにも必要なことだと考えており、そのため、地域医療連携パスの普及支援、それから在宅医療の推進、そういった連携体制の構築に取り組んでいるところでございます。

 法人におきましても、患者支援センター内に地域医療連携室を置き、地域連携機能の充実を図られています。具体的には、医療ソーシャルワーカーの育成、確保などにより、地域の医療機関や市町村介護施設との連携を強化し、患者さんが安心して地域での療養、生活ができる体制整備を進めているところでございます。

 こうした取り組みによりまして、患者支援センターが患者の診療案内、相談、入退院調整、地域連携の一元的な窓口になることができ、患者の視点に立った最適な医療の提供につながるものと考えております。

 続きまして、西和医療センターに関してでございます。

 西和地域の中核病院として、地域の医療機関との連携、役割分担についてのご質問でございました。西和医療センターでは、地域の基幹病院として、地域の医療医ニーズに応えられるよう、高度な医療、検査の実施、救急医療、小児医療の充実に取り組んでいただいております。特に、地元七町から要望が強かったお産の取り扱いにつきましては、平成二十七年四月の再開に向けまして、診療体制の確保にめどがつきましたので、施設整備のための補正予算をご提案させていただいているところでございます。また、西和医療センターは地域医療支援病院としまして、地域の医療機関からの紹介患者の受け入れや、病状安定後の逆紹介等に積極的に取り組むことで地域連携に努めていただいております。

 今後、西和地域は急速に高齢化が進む地域であると言われておりますので、地域包括ケアシステムの構築に向けた医療と介護の連携強化も重要な課題であると考えております。

 こうした課題に対応するため、今年度地域包括ケアシステム構築におけるマネジメント機能を発揮するために、西和メディケア・フォーラムを設立することとしております。このフォーラムは、西和地域の地域包括ケアに関わる医療、介護、福祉、行政の関係者が構成メンバーとなりまして、情報共有や知識向上を目指す活動を行う予定としております。西和医療センターが核となる、メディケア・フォーラムの活動により、地域包括ケアシステムの構築が進むことを期待しております。今後も西和医療センターが地域の医療ニーズに対応できる体制を整備し、西和地域の中核病院としまして、十分役割を果たしていけるように、県としても支援してまいりたいと考えております。

 以上です。ご質問、ありがとうございました。



○議長(山下力) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 私には、県内の耕作放棄地はどの程度あり、解消の対策として、どのような施策を講じているのかという質問でございます。答弁をさせていただきます。

 本県の耕作放棄地は、二〇一〇年の農林業センサスによれば、三千五百九十五ヘクタールで、経営耕地面積の一九%を占めており、全国平均である一一%と比べると、高い水準となっております。この解消、活用は奈良らしい農業振興と地域振興を図る上で喫緊の課題であり、限られた県土を有効利用する観点から、県域全体の農地のマネジメントが重要であるというふうに認識をしております。

 具体的には、耕作放棄地を含む農地について、その現状を把握し、担い手や農地の状況などに応じて仕分けをした上で、その農地活用の展開に向けたモデル的な取り組みを実施していかなければならないと考えております。

 このような中で、耕作放棄地を含む農地の有効活用を図るため、県みずから規模拡大等を目指す担い手や、農地の出し手の意向把握に努め、農地のマッチングを積極的に進めているところでございます。また、地域の特性を生かした耕作放棄地を解消する対策といたしましては、意欲ある担い手の規模拡大のため、シルバー世代のやる気と経験を生かす、奈良県高齢者人材バンクを活用した、草刈や耕耘による耕作放棄地の解消支援、地場産業と連携をし、商品開発に向けたコットン栽培の導入など、新たなアイデアへの支援、景観への配慮が必要な地域において、コスモスやひまわりなど、景観形成作物の植栽支援、耕作放棄地を研修農園に整備をして、新たな担い手に貸し出す農地活用支援などに取り組んでいるところでございます。

 今後とも、議員、お述べのような他府県の優良事例等を参考にしながら、県みずから意欲ある担い手と連携をして、耕作放棄地の解消に努め、奈良らしい農業振興と地域振興を積極的に図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 ありがとうございました。



○議長(山下力) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) ご答弁、ありがとうございました。

 知事のこれからの方針も大体聞かせてもらいまして、よく教育委員会の中にあっても、相談はして、よりよい教育行政をしていただくように。特に、考えてみますと、教育委員会制度というのは、いわゆる戦前の制度の反省の上に立って、一時教育委員を公職選挙で選んだりしたこともあったんですが、幾つかの変遷を経て今日に至っておるわけですが、今日のこの状況が確かに今までの制度でわかりにくかった面、いろんなことがあったと思う。ただ、今、非常に個人的な感じやけど、新聞を見ていたら、先ほどから大阪府のことばかり言うていかんのですが、教育委員を任命しようとして、できなくなって、十月二日の任期までしばらく空白で置いておかないといかんような事態になったり、あるいは市の校長先生の民間人校長も、これもあまりうまくいってない。今度の制度で非常に首長はある意味で教育行政の中へ強大な力をお持ちになるように思いますので、その点をいいように作用していただくように、特に要望しておきます。

 それから、教育長の方から、報告がありました。これについても、奈良県が勉強が好きとか、あるいは子どもの回答が低いように言われましたが、やっぱり学校やから、勉学がしっかりしてなきゃいかんけれども、同時に最近では、結構中学生、高校生が国際的な場でスポーツの得意な子が活躍したり、あるいはこの前、第五十九回全国高等学校軟式野球選手権大会の準決勝で、延長五十回、中京高等学校と戦った広島県の崇徳高等学校の生徒たちが広島市のボランティアに行くとか、そういうようなやっぱり心も育てることを、必要やと思いますね。その点もさよう、くみ上げていただきたいと思います。

 そのほか、公契約条例も非常に意欲的にご回答いただきましたので、いい条例ができたなというようになるように、頑張ってほしいと思います。

 そのほか、講評したいんですけれども、時間がございませんので、いずれにしても、頑張って、いい行政を進めていただきますようにお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) これをもって当局に対する一般質問を終わります。

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○議長(山下力) 次に、本日知事から、議案三件が提出されました。議案送付文の写し、並びに議案をお手元に配布しておりますので、ご了承願います。

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△財第九十五号

 平成二十六年九月二十五日

  奈良県議会議長 山下 力様

                             奈良県知事 荒井正吾

      議案の提出について

 議第八四号 平成二十五年度奈良県歳入歳出決算の認定について

 議第八五号 人事委員会の委員の選任について

 報第二九号 健全化判断比率及び資金不足比率の報告について

 以上のとおり提出します。

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△議第八十五号

      人事委員会の委員の選任について

 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第九条の二第二項の規定により、下記の者を委員に選任したいので、その同意を求める。

      平成二十六年九月二十五日提出

                             奈良県知事 荒井正吾

                   記

 音田昌子                          

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○議長(山下力) 次に、議第八十四号、議第八十五号及び報第二十九号を一括議題とします。

 知事に、追加提出議案の提案理由の説明を求めます。



◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま、提出いたしました議第八十四号は、平成二十五年度一般会計及び特別会計決算の認定についての議案であります。

 議第八十五号は、人事委員会の委員の選任に関する議案です。

 また、報第二十九号は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定により、平成二十五年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率について報告するものです。

 どうぞ慎重にご審議のうえ、よろしくご認定またはご議決いただきますよう、お願いいたします。



○議長(山下力) 次に、議第六十号から議第八十四号、諮第一号、及び報第二十六号から報第二十九号を一括議第とします。

 お諮りします。

 ただいま上程中の議第六十号から議第七十五号、議第七十八号から議第八十三号、諮第一号及び報第二十六号から報第二十八号については、九人の委員をもって構成する予算審査特別委員会を、議第七十六号、議第七十七号、議第八十四号及び報第二十九号については、十一人の委員をもって構成する決算審査特別委員会を、それぞれ設置し、これに付託の上、調査並びに審査することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 お諮りします。

 ただいま設置されました予算及び決算審査特別委員会の委員長、副委員長及び委員の選任については、議長から指名推選の方法により指名することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 よって、お手元に配布の予算及び決算審査特別委員会委員名簿のとおり指名します。

 被指名人にご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認めます。

 よって、それぞれ指名のとおり選任されました。

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 平成二十六年九月 予算審査特別委員会委員名簿(定数九名)

           委員長    二十三番  安井宏一議員

           副委員長    四十番  中村 昭議員

           委員      十一番  田中惟允議員

           委員      十五番  森山賀文議員

           委員      十六番  宮本次郎議員

           委員      二十番  上田 悟議員

           委員     二十五番  萩田義雄議員

           委員     二十八番  高柳忠夫議員

           委員     三十一番  山本進章議員

 平成二十六年九月 決算審査特別委員会委員名簿(定数十一名)

           委員長    三十二番  国中憲治議員

           副委員長   三十九番  小泉米造議員

           委員       一番  宮木健一議員

           委員       五番  猪奥美里議員

           委員       九番  小林照代議員

           委員       十番  大坪宏通議員

           委員      十二番  岡 史朗議員

           委員     二十一番  中野雅史議員

           委員     二十六番  岩田国夫議員

           委員     二十七番  森川喜之議員

           委員      三十番  和田恵治議員

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○議長(山下力) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 予算及び決算審査特別委員会開催のため、明、九月二十六日から十月五日まで本会議を開かず、十月六日、会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(山下力) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、十月六日の日程は、予算及び決算審査特別委員長報告、並びに各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時四十七分散会